大六壬の用語
大六壬の課伝に現れる神殺と天将。『大六壬指南・神殺』および『六壬神殺賦』の編次に拠る。
神殺
- 喪門
- 喪吊煞は横関煞ともいい、命の前二辰を喪門とする。喪服・哀泣、死喪・哭泣を主り、弔客と相並べば凶禍がさらに甚だしい。太歳の凶煞が大運・流年に並び臨めば必ず禍となる。
- 劫煞
- 劫殺は五行の絶処に居り、外から奪われるもので、劫奪・破耗を主る。古歌はその災いが当たり難いといい、祖業の消亡や妻子が久しからざるを防ぐべきとする。しかし生旺や官貴に遇えば兵権を執り刑法を掌る将帥の材ともなり得る。全局と合わせて論ずべきである。
- 華蓋
- 華蓋は三合局の墓地の一位を取る。申子辰は辰を華蓋とする類。気質は孤高で多く孤寡を主り、僧道・芸術として論じられる。貴格に入っても孤独を免れず、正印・駅馬を帯びれば節印となり旌節の貴を主る。生時や胎元に見れば多く養子や庶出を表す。吉凶両面で、局と合わせ見る必要がある。
- 弔客
- 喪吊煞は命の後二辰を弔客とし、喪門と相対する。弔喪・問疾、虚驚・不寧を主り、流年に並び臨めば内外の孝服、破財・哀泣の厄。太歳の凶煞と並び臨めば特に験がある。
- 咸池
- 咸池は五行の沐浴の位で、日が暗昧に入る時の義を取り、淫邪・暗昧を主る。生旺すれば酒色に耽り家業を破り、死絶すれば狡詐で遊蕩し恩を忘れ信を失う。水命の日時と相逢えば特に凶で、婦人が最も忌み、破あって成る無しを主る。
- 天醫
- 天医は月建から地を取る。正卯、二亥、三丑、四寅、五卯、六辰、七巳、八午、九未、十申、十一酉、十二戌。病人がこれに値すれば名医が効く。命に疾厄があっても良医の治療を得て、中性ながら吉に偏り、病が少なく危険からも救われることを主る。
- 孤辰
- 孤辰は陰陽惆悵の神で、母の絶の義を取る。亥子丑の人は寅を孤辰とする類。これを犯す者は孤独で寄る辺なく、寡宿と並び臨めば孤寡がさらに甚だしく、富貴であっても孤独を免れない。六親が冷淡で婚姻が遅滞する兆である。
- 官符
- 官符は訟獄・是非の神殺で、官非・口舌、訴訟の牽連を主る。命にこれに逢えば刑獄や暗昧な是非の事を招きやすく、咸池と並べば奸悪・私通、劫殺・亡神と並べば狡勇で災いが多い。貴人の救解があって初めて禍を減じ得る。
- 寡宿
- 寡宿は妻墓・夫墓の義を取る。亥子丑の人は戌を寡宿とする類。女命がこれを犯せば寡居して独り守り、男命が逢っても婚縁が薄い。孤辰と並び見れば男女を問わず孤眠独宿、骨肉が疏遠となる、婚姻が順調でなく子息が艱難な殺である。
- 桃花
- 桃花は五行の沐浴の位。『三命通会』では敗神、一名を桃花煞という。亥卯未は子、巳酉丑は午、寅午戌は卯、申子辰は酉。淫邪・酒色・破散を主り、水命の日時と相逢えば特に凶。後世は子午卯酉も桃花と広く論じる。
- 災煞
- 災殺は性が最も勇猛で、劫殺の前に居り、もっぱら将星を冲し、突発の血光・横死の災いを主る。五行それぞれに応ずるところがあり、水火は焚溺を防ぎ、金木は杖刃を防ぎ、土は墜落を防ぐ。大凶の殺ではあるが、福神の助けや官星・印綬の生旺を得れば、かえって武職の権柄を主り、凶を権に化す。
- 病符
- 病符煞は太歳の後一辰を取る。犯す者は多病、行年に遇えても同じ。疾病・災厄を主り、太歳と相並べば特に忌み、多くその一年は身体が優れず病災が長引く。
- 空亡
- 空亡は十干が窮尽する処で、支あって干無く、禄あって位無し。生旺すればかえって気度が寛大で無心の福を主り、死絶すれば成敗・漂泊する。官符と並べば佞媚、劫殺と並べば狡勇、貴・華蓋・三奇と並べば大いに聡明。一概に凶と論じてはならない。
- 羊刃
- 羊刃は禄の前一位の神で、禄が過ぎれば刃が生じるため、剛強過盛・鋒芒畢露を象徴する。性格は剛烈で胆気が壮盛、刑傷・破敗の災いがあり易い。生旺すれば神剛く貌は厳しく豪放敢為、死絶すれば寒酸鄙薄で多く凶辱を招く。命にこれを帯びれば制伏あって初めて権となり、無ければ傷残・刑獄を主る。
- 驛馬
- 駅馬は三合局が冲する辰で、移動や昇進・蓄財の喜びを主る、三命中で発用する喜慶の神。君子がこれに遇えば栄位に居り、小人は豊かになる。最も専旺を喜び空亡・破敗を忌む。馬には十二の名があり、款段・乗軒・駄屍など吉凶が大いに異なるので、旺・庫・生死を詳しく弁ずる必要がある。
- 亡神
- 亡神は五行の臨官の地に居り、内から失われるもので、失魂落魄・内耗暗損を主る。劫殺と相対し、一は外、一は内。凶殺と並べば漂蓬・遊蕩し、吉神と並べば禍を転じ得る。本文では亡神を劫殺と合わせて論じており、その凶性は劫殺よりさらに隠れて潜む。
