穷通宝鉴
作盤ガイド: 八字作盤
いわゆる「五行」とは、天地の間に本(もとづ)き、運行して止まず永く窮尽なき五種の気で、まさにそれらが終始として「行」するがゆえに、この「行」…
八字命理典籍
初学はまず体例の整った通論の書で枠組みを立て、次に歌賦類、最後に評注と進むのがよい。断語集から入ると、結論は覚えても導出の過程を組み立てられないことが多い。
五行総論
五行者,本乎天地之間而不窮者也,故謂之行。北方陰極而生寒,寒生水;南方陽極而生熱,熱生火;東方陽散以洩而生風,風生木;西方陰止以收而生燥,燥生金;中央陰陽交而生溫,溫生土。其相生也所以相維,其相剋也所以相制,此之謂有倫。
いわゆる「五行」とは、天地の間に本(もとづ)き、運行して止まず永く窮尽なき五種の気で、まさにそれらが終始として「行」するがゆえに、この「行」の字をもって命名したものである。北方の陰気が極に至れば則ち寒を生じ、寒は凝りて水と成る。南方の陽気が極に至れば則ち熱を生じ、熱は盛んにして火と成る。東方の陽気は発散して外に泄れれば則ち風を生じ、風は動いて木と成る。西方の陰気は収斂して止まり聚まれば則ち燥を生じ、燥は斂(おさ)めて金と成る。中央は陰陽二気が交わり会して則ち温を生じ、温は和して土と成る。五行の彼此相生するは、互いに維系して接続せんがため。彼此相克するは、互いに裁制して約束せんがため。生有り克有り、生克が序を成す。これを「有倫」と呼び、すなわち条理あり倫次ありということである。
火為太陽,性炎上;水為太陰,性潤下;木為少陽,性騰上而無所止;金為少陰,性沉下而有所止;土無常性,視四時所乘,欲使相濟得所,勿令太過弗及。夫五行之性,各致其用。水者其性智,火者其性禮,木其性仁,金其性義,惟土主信,重寬厚博,無所不容。以之水,即水附之而行;以之木,則木托之而生;金不得土,則無自出;火不得土,則無自歸。必損實以為通,致虛以為明,故五行皆賴土也。
火は太陽の気に属し、その性は上に炎焼す。水は太陰の気に属し、その性は下に潤沢(じゅんたく)す。木は少陽に属し、その性は上に騰(のぼ)りて止境なし。金は少陰に属し、その性は下に沈みて収束する所有り。土は固定不変の偏性なく、それの処する時令に随って変ず。要するに五者をして彼此相済(さい)わせ、各々その宜しきを得せしめ、どれかをして太過または不及ならしめてはならない。五行の性はまた各々その功用あり。水は「智」を主り、火は「礼」を主り、木は「仁」を主り、金は「義」を主り、独り土は「信」を主る。厚重にして寛博、包容せざる能くするものなし。水は土あって堤岸河床を為し、乃(すなわ)ち附着して流行すること能くし、木は土あって托すべく、乃ち扎根して生長すること能くし、金は土を得ざれば、則ち生ずる処なく、火は土を得ざれば、則ち帰蔵する処なし。土はまた必ずその板実(ばんじつ)を減じて気を通じ、虚松を保って明徹なるを要す。だから五行はどれ一つとして土に倚頼(いらい)せざるなし。
推其形色,則水黑、火赤、木青、土黃,此正色也。及其變易,則不然。常以生旺從正色,死絕從母色,成形冠帶從妻色,病敗從鬼色,旺墓從子色。其數則水一、火二、木三、金四、土五,生旺加倍,死絕減半。
形色に就いていえば、水の色は黒、火の色は赤、木の色は青、土の色は黄(金の色は白)、これは五行の本色である。それが処する境に随って変ずるを待つに至れば、本色に照らして論ぜない。通常「生」「旺」の地に処ればなお本色に従い、「死」「絶」の地に処れば改めて我を生ずる者の母色に従い、「成形」「冠帯」の地に処れば我が克する者の妻色に従い、「病」「敗」の地に処れば我を克する者の鬼色に従い、「旺墓」の地に処れば我が生ずる者の子色に従う。五行の数に至っては、水は一と為し、火は二と為し、木は三と為し、金は四と為し、土は五と為す。生旺の地に居ればその数は倍に加わり、死絶の地に居ればその数は半に減ず。
以義推之,夫萬物負陰而抱陽,沖氣以和。過與不及,皆為乖道。故高者抑之使平,下者舉之使崇,或益其不及,或損其太過。所以貴在折衷,歸於中道,使無有餘不足之累,即才官印食貴人驛馬之微意也。行運亦如之,識其微意,則於命理之說,思過半矣。
さらに義理の上から推究するに、万物はみな陰気を背負い、陽気を懐抱(かいほう)し、二気の激蕩交冲に頼ってやっと中和に帰す。およそ太過あるいは不及は、いずれも正道に背離するに属す。だから高く出たるは抑えて平らかにし、低く下がったるは挙げて崇くし、足らざるは加えて補益し、太過なるは加えて裁損する。貴ぶべき処はまさに折中に在り、不偏不倚の中道に帰り来たりて、命局をして有余・不足の拖累(だれい)なからしむ——「財」(原文は「才」と作す)・「官」・「印」・「食神」および貴人・駅馬これらの名目の背後の深意は、説き尽くせばこの一層である。大運流年を看るもまた同一の道理。この深意を懂(わ)きれば、命理の学に対しても、また大半を領会したも同然である。
木を論ず・木性と四時の宜忌
木性騰上而無所止,氣重則欲金任使,有金則有惟高惟斂之德。仍愛土重,則根蟠深固;土少則有枝茂根危之患。木賴水生,少則滋潤,多則漂流。甲戌、乙亥,木之源;甲寅、乙卯,木之鄉;甲辰、乙巳,木之生,皆活木也。甲申、乙酉,木受克;甲午、乙未,木自死;甲子、乙丑,金克木,皆死木也。
木の本性は上に生発して止境なし。木気が過重なるときは金を要して裁制し駆使す。金の収斂あれば、木はこそ「能く高長し能く内斂する」の品格有り。木はまた土の厚きを喜び、土厚ければ則ち根は槃(めぐ)りて深く扎(とど)まりて牢固(ろうこ)し、土太(あま)り少なければ、ただ枝叶の繁茂して根基の虚浅なる隐患(いんかん)あるのみ。木は水に靠(よ)りて滋生す。水少なければ恰好(かっこう)に滋潤し、水多ければかえって木を冲して漂流失根せしむ。干支の配合に就いて論ずれば、甲戌・乙亥は木の源頭の地、甲寅・乙卯は木の本郷(臨官・帝旺の位)、甲辰・乙巳は木の生長を得る地で、この三類はみな「活木」と算え、甲申・乙酉の木は申酉の金に克され、甲午・乙未の木は自ら死墓の郷に入り、甲子・乙丑は則ち金気の木を克しに来たる——この三類はみな「死木」と算える。
生木得火而秀,丙丁相同;死木得金而造,庚辛必利。生木見金自傷,死木得火自焚。無風自止,其勢亂也;遇水返化其源,其勢盡也。金木相等,格謂斲輪;若向秋生,反為傷斧,是秋生忌金重也。
活木は火を得れば便ち秀発して通明す。丙火・丁火は同じくこの功あり。死木は金を得てこそ斫削(しゃくさく)して器物を造成し得る。庚金・辛金は必然として利あり。反対にいえば、活木は金を見ればすなわち自ら生機を傷つけ、死木は火に遇えばすなわち自ら焚かれて灰と成る。風の吹きてそれを動かすなくしても自ら停まり長ぜざるは、それは気勢すでに乱る。水に遇いてかえって回頭してその源頭を消耗するは、それは気勢すでに尽くる。金と木とが勢均力敵するは、この格局を「斲輪(たくりん)」と呼び、車輪を成し得る良材である。しかしもし秋に生まれれば、金正(まさ)しく当令し、あの斧頭(ふとう)はすなわち木を傷つくる器と成る——だから秋生の木は最も金重きを忌む。
木生於春,餘寒猶存。喜火溫暖,則無盤屈之患;藉水資扶,而有舒暢之美。春初不宜水盛,陰濃則根損枝枯;春木陽氣煩燥,無水則葉槁根枯。是以水火二物,既濟方佳。土多而損力,土薄則財豐。忌逢金重傷殘克伐,一生不閒。設使木旺,得金則良,終生獲福。
木は春に生まれて、冬の余寒はまだ散じ尽くさず。だから火の来て温暖するを喜び、火を得れば便ち蜷曲(けんきょく)して伸びざるに至らず。また水を借りて資助扶持し、水を得てこそ舒展暢達(しょてんちょうたつ)の美あり。ただし初春は水をして太盛ならしめてはならず、水盛なれば則ち陰気は濃重し、かえって木根を凍損し枝条を枯萎せしむ。春木の陽気が転じて旺え、燥意漸く生ずるときに到っては、もし水なければ、また葉枯れ根乾す。だから水と火の両様は必ず配合して「既済」の勢いを成さねばならず、命局はこそ上佳と算える。土多ければ則ち木の力量を耗散し、土薄ければかえって財気は豊厚なり。最も忌むは金の重きて傷残克伐することで、然(しか)れば一生は労碌(ろうろく)して安閑(あんかん)を得ず。ただしもし木みずからが旺に足れば、金の裁削を得てかえって好事となり、終身福を享くる。
夏月之木,根乾葉燥,盤而且直,屈而能伸。欲得水盛而成滋潤之力,誠不可少;切忌火旺而招焚化之憂,故以為凶。土宜在薄,不可厚重,厚則反為災咎;惡金在多,不可欠缺,缺則不能琢削。重重見木,徒以成林;疊疊逢華,終無結果。
夏の木は、根幹葉は燥き、見るには槃曲(ばんきょく)のようだが、実は挺直し、能く屈し能く伸ぶ。それが最も要するは水の盛なるの滋潤の功を成就することで、一点も少なからず。最も忌むは火の旺で、火旺なれば則ち焚化の憂を招来す。だから火旺をもって凶と為す。土は宜しく薄くして厚くすべからず、土厚重なればかえって災咎と成る。金は則ちその太多きを嫌うも、却って全く缺くべからず。缺けば則ち琢削(たくさく)して材を成すに従由(ゆえ)なし。もし満局に重々として皆木ならば、徒らに一片の林子(りんし)を長成するに過ぎず。花は開きて再(ふたた)び層層畳畳(そうそうじょうじょう)たるも、終わりに果実を結び出さざるなり。
秋月之木,氣漸淒涼,形漸凋敗。初秋之時,火氣未除,尤喜水土以相滋;中秋之令,果以成實,欲得剛金而修削。霜降後不宜水盛,水盛則木漂;寒露節又喜火炎,火炎則木實。木多有多材之美,土厚無自任之能。
秋の木は、気象は日々に凄凉(せいりょう)し、形体は日々に凋敝(ちょうへい)す。初秋には火気がまだ退き尽くさざるがゆえに、殊に水と土の来て相滋养することを喜ぶ。仲秋に到っては、果実すでに結成せり、剛硬の金を要して修剪削斫(しゅうせんしゃくさく)す。霜降以後は水盛を宜しくとせず、水一盛なれば木は則ち漂蕩(ひょうとう)して依る所なし。寒露の節の後はまた火の来て炎暖するを喜び、火暖なれば則ち木は能く結実す。木多ければ、成材众多の美あり。土厚ければ、かえって木の自立担当の能を失わしむ。
冬月之木,盤屈在地,欲土多而培養,惡水盛而忘形。金總多不能克伐,火重見溫暖有功。歸根復命之時,木病安能輔助,須忌死絕之地,只宜生旺之方。
冬の木は、槃屈して地下に潜蔵し、土の多く培護根基することを喜び、水の盛にしてその形体を淹没(えんぼつ)するを悪(にく)む。このとき金はたとい再び多くともこれを克伐する能くさず、火はもし重々として出現すれば温暖を帯びて、甚だ功用あり。これまさに万物が根に帰り命に復(かえ)る時節で、木みずからはすでに病地に処り、又何処か談(はな)して他物を辅助するを得上えんや。だから死絶の地に走るを忌み、ただ生旺の方に走るを宜しくとす。
三春甲木総論
春月之木,漸有生長之象。初春猶有餘寒,當以火溫暖,則有舒暢之美;水多變克,有損精神。重見生旺,必用庚金斲鑿,可成楝梁。春末陽壯水渴,藉水資扶,則花繁葉茂。初春無火,增之以水,則陰濃氣弱,根損枝枯,不能華秀;春末失水,增之以火,則陽氣太盛,燥渴相加,枝枯葉乾,亦不華秀。是以水火二物,要得時相濟為美。
春の木は、漸く生長の気象を顕す。初春(寅月)は寒気まだ退かず、応に火を用いて温暖すべく、木は暖気を得てこそ舒展暢達の美あり。このとき水がもし太多ければ、滋生はかえって変じて克害と為り、木の精神は則ち損傷せられん。もし木が一再して生扶に遇いて過(あま)りに旺盛なれば、必ず庚金を用いて斫削整治し、乃ち棟梁の材を成すべし。春末(辰月)に到っては、陽気壮盛にして水気は乾渇し、また水に靠りて資助扶持せねばならず、木はこそ花繁く葉茂る。反対にいえば、初春に火なくして水を添えば、則ち陰気濃く陽気弱く、根は凍損を被り枝条は枯萎し、好花を開き出さず。春末に水缺けて火を添えば、則ち陽気太盛にして燥と渇と相加わり、枝干(した)葉枯れ、同じく好花を開き出さず。だから水と火のこの両様は、時令の早晚に按(あ)って配合を当に得、彼此調剤してこそ、美備と算える。
三春甲木
正月甲木・寅月に生ず
正月甲木,初春尚有餘寒,得丙癸逢,富貴雙全。癸藏丙透,名寒木向陽,主大富貴。倘風水不及,亦不失儒林俊秀。如無丙癸,平常人也。
正月は寅を建(た)つ。甲木は初生、初春はまだ未退の余寒を帯ぶがゆえに、この月の甲木は丙火の寒を解き、癸水の根を滋(うるお)すをもって調候の要と為す。命中に丙火と癸水の両様ともに遇うことを得れば、便ち富貴双全の造(み)である。もし癸水が地支に蔵し、丙火が天干に透すれば、「寒木向阳(かんぼくこうよう)」と呼ぶ——根の下に水あって養い、頭上に太陽あって照る。大富大貴を主どる。たとい祖徳・風水の類の外縁足らざれば、少なくとも儒林の中の俊秀の士たるを失わず。丙・癸ともに無ければ、寒木は暖気を得ること能くさず、また滋潤を得ること能くさず、それはただ平常の人である。
正二月甲木,素無取從才從殺從化之理。或一派庚辛,主一生勞苦,克子刑妻,再支會金局,非貧即夭。如無丙丁,一派壬癸,又無戊己制之,名水泛木浮,死無棺槨。如一派戊己,支會金局,為財多身弱,富屋貧人,終生勞苦,妻晚子遲。
正月・二月の甲木はみずから当令して気を得、従来「従財」「従殺」「従化」の類の外格を取る道理なし——身強なれば便ち命を棄てて人に従う能くさず。仮に満盤皆庚金・辛金ならば、官殺は群を成して身を克し、一生労苦し、子を克し妻を刑するを主どる。地支がさらに金局を会成せば、それは貧寒ならざれば短寿なり。仮に丙丁火の局を暖め秀を泄(も)らすなく、而(しか)も一片の壬水・癸水ありて、また戊己土の水を制するなくば、これを「水泛木浮(すいはんぼくふ)」と呼ぶ——木根は水に泡立てられ、漂浮して依る所なし。凶は死後棺槨(かんかく)をも弁(わきま)うるに及ばず。仮に満盤に戊己土をもって財と為し、地支がまた金局を会成して財を生ぜば、便ち「財多身弱(ざいたしんじゃく)」——好き房子(ぼうし)に住む窮人、終身労碌し、妻を娶ること晩く、子を得ること遅し。
或無庚金,有丁透,亦屬文星,為木火通明之象,又名傷官生財格,主聰明雅秀。一見癸水傷丁,但作厚道迂儒。或柱中多癸,滋助木神,傷滅丁火,其人奸雄梟險,曹操之徒,言清行濁,笑裡藏刀。
もし庚金なく、而(しか)も丁火の干に透るあり。丁は甲木の生ずる傷官にして、また文星と算え、「木火通明」の象を構成し、また「傷官生財格」と呼ぶ。人は聡明清雅秀気なり。ただし一たび癸水の出て丁火を傷克すれば、この光焔を潔(あら)い滅ぼし、ただ忠厚にして迂濶(うかつ)の読書人を為す。もし柱中に癸水太多ければ、一面木神を滋养して木をいよいよ旺ならしめ、一面また丁火を傷滅す。木は盛んにして宣泄(せんしゃ)する処なく、寒湿は化せず——この種の人は便ち奸雄・梟険(きょうけん)の徒と成り、曹操の一路に属し、説く所の言は清白にして、行う所の事は污濁(おだく)し、笑裏に刀を蔵す。
若庚申、戊寅、甲寅、丙寅,一行金水運,發進士。或甲午日庚午時,此人必貴,但要好運相催,不宜制了庚丁。
たとえば庚申年・戊寅月・甲寅日・丙寅時のこの一造。甲木は寅月に生まれて禄を得、寅中の丙火は透して秀を泄し、年柱の庚申は七殺にして禄に坐り根あり。一たび金水の運に行り到れば、殺は力ありて印は身を生じ、便ち進士を考中し得る。またたとえば甲午日に庚午時を配するに、午中の丁火は傷官と為し、天干の庚金は七殺と為し、傷官駕殺(しょうかんがさつ)の勢いを成す。この人は必ず貴顕を主どる。ただし好運の来て催発するを要し、しかも別の干支をして庚金と丁火のこの両件の用神を克制せしめてはならない。
或支成金局,多透庚辛,此又不吉,號曰木被金傷,若無丙丁破金,必主殘疾。或支成火局,洩露太過,定主愚懦,常有啾唧災病纏身,終有暗疾。支成木局,得庚為貴,無庚必凶,若非僧道,男主鰥孤,女主寡獨。支成水局,戊透為貴,如無戊制,不但貧賤,且死無棺木。故書曰:甲木若無根,全賴申子辰,干得才殺透,平步上青雲。
もし地支が金局を会成し、天干にまた庚辛を多く透せば、則ち吉ならず。「木被金傷(ぼくきんにしょうせらる)」と呼ぶ。このときもし丙丁火の出て金気を克破するなくば、必ず残疾を主どる。もし地支が火局を会成すれば、木気は火に泄漏して太過し、元神は耗竭(もうけつ)し、必ず愚鈍・懦弱を主どる。つねに小病・小災が身に纏い、終身暗疾を帯ぶ。地支が木局を会成すれば、比劫は群を成し、必ず庚金の裁制を得てこそ貴と為す。庚金なくば必ず凶。僧道を為さずんば、男もまた鳏居孤独(かんきょこどく)を主どり、女は寡を守り偶なきを主どる。地支が水局を会成すれば、水多く木浮き、戊土の透して堤を築くを要してこそ貴と為す。戊土なくば水を制せず、貧賤なりのみならず、死後棺木をも置弁(ちべん)するに及ばず。だから命書にいう。甲木はもし根なければ、全く申子辰の水局に靠(よ)りて生扶せられ、天干にさらに財星・殺星を得て透して用と為せば、すなわち平歩青雲し得ると。
凡三春甲木,用庚者,土為妻,金為子;用丁者,木為妻,火為子。總之正二月甲木,有庚戊者上命;如有丁透,大富大貴之命也。
およそ春三月の甲木は、庚金を取って用神と為す者は、すなわち庚金を生じ得る土をもって妻星と為し、金をもって子星と為す。丁火を取って用神と為す者は、すなわち丁火を生じ得る木をもって妻星と為し、火をもって子星と為す——旧法は用神を生ずる者をもって妻と為し、用神の所属する者をもって子と為す。用神は力を得れば則ち妻は賢く子は肖(に)る。総じていえば、正月二月の甲木は、命中に庚金ありて裁すべく、戊土ありて根を培すべきは、上等の命に属す。もしさらに丁火の透して庚金に配合し、傷官制殺の勢いを成せば、便ち大富大貴の命である。
二月甲木・卯月に生ず
二月甲木,庚金得所,名陽刃駕殺,可云小貴,異途顯達,或主武職,但要財資之。柱中逢才,英雄獨壓萬人。若見癸水,困了才殺,主為光棍,重刃必定遭凶,性情兇暴。書曰:木旺宜火之光輝,秋闈可試;木向春生,處世安然有壽;日主無依,卻喜運行才地。
二月は卯を建つ。卯は甲木の陽刃で、木気は最も旺す。このとき庚金の七殺がもし地を得て力あれば、便ち「陽刃駕殺(ようじんがさつ)」の格を成し、小貴と称すべく、多くは異途より出身して顕達し、あるいは武職を為す。ただし必ず財星の来て資生七殺するを要し、殺はこそ提げ起こされ得る。柱中に財星に遇えば、すなわち英雄が万人を圧倒する局面なり。もし癸水の干に出づるを見れば、一面庚金を泄らし、一面甲木を湿らし、財と殺とを一斉に困住(こんじゅう)す。この人は便ち游手好閑(ゆうしゅこうかん)の光棍(こうこん)と成る。陽刃がさらに重畳(ちょうじょう)して出現すれば、必ず凶に遭い、性情もまた凶暴なり。命書にいう。木旺なれば応に火あってその光輝を発すべく、如此(しか)なれば秋試(しゅうし)は一搏(いちはく)すべし。木は春に生まれて、人と為り世に処るは安穏(あんのん)にして寿あり。日主が孤立して依る所なきときは、かえって行運が財地に走り到るを喜ぶと。
三月甲木・辰月に生ず
三月甲木,木氣相竭。先取庚金,次用壬水。庚壬兩透,一榜堪圖,但要運用相生,風水陰德,方許富貴。或見一二庚金,獨取壬水。壬透清秀之人,才學必富。
三月は辰を建つ。戊土が司令して、木気はここに到りてすでに相当に衰竭する。調候は先ず庚金を取りて厚土を疏劈(そへき)し、木身を修削し、其次に壬水を用いて木根を滋潤す。庚・壬の両様がともに天干に透せば、功名は中式一榜を朢(のぞ)むべし。ただしなお行運をして庚金が壬水を生じ、壬水が甲木を養い、環環(かんかん)相生せしめ、さらに祖徳陰功を加えてこそ、彼の真の富貴を許す。もし柱中にすでに一両点の庚金ありて、金はすでに用に足れば、則ち単に壬水を取って用神と為す。壬水の透する人は清秀にして、才学は必然として豊厚なり。
或天干透出二丙,庚藏支下,此鈍斧無鋼,富貴難求。若有壬癸破火,堪作秀才。或柱中全無一水,戊己透干,支成土局,又作棄命從才,因人而致富貴,妻子有能。
もし天干に両箇の丙火を透し、庚金は却って地支の下に埋もれれば、火多く金を熔(と)かし、この庚金の斧頭はすなわち巻刃にして鋼なき鈍斧と成り、木を砍(き)り動かさず、富貴は便ち求め難し。このときもし壬水あるいは癸水の出て火勢を克破し、庚金を護住すれば、なお一箇の秀才を掙(あが)き得る。もし柱中に一点の水もなく、戊己土がまた天干に透し、地支がさらに土局を会成せば、財は旺極にして日主は根なし。それは応に「棄命従財(きめいじゅうざい)」に按(あん)じて看るべく、一生は他人の力(妻家あるいは外援)を借りて富貴を致し、妻子もまた頗(すこぶ)る才干あり。
或見戊己,及比劫多者,名為雜氣奪才,此人勞碌到老,無馭內之權。女命合此,女掌男權,賢能內助;若比劫重見,淫惡不堪。或支成金局,方可用丁,不然,三月無用丁之法,惟有先庚後壬取用。書曰:甲乙生寅卯,庚辛干上逢,離南推富貴,坎地卻為凶。
もし既に戊己の財星を見、比肩・劫財もまた多ければ、辰はもともと雑気の財庫なれど、群劫の来て分奪(ぶんだつ)すると為る。これを「雑気奪財(ざっきだつざい)」と呼ぶ。この人は労碌して老に至り、家中に内室を駕馭(がぎょ)する権柄すらなし。女命がもしこの格局に合せば、かえって女子が男人の権を執掌(しっしょう)するを主どり、賢能の内助なり。ただし比劫がもし重重畳畳(ちょうちょうじょうじょう)として出現すれば、則ち淫邪(いんじゃ)にして堪(た)えざるなり。ただ地支が金局を会成し、金気が太盛なるときのみ、丁火を用いて金を制すべし。これ以外、三月の甲木には丁を用る法なし。ただ先ず庚金を取り、後に壬水を取りて用と為すのみ。命書にいう。甲乙木は寅月卯月に生まれ、天干にまた庚辛金に遇うとき、行運が南方離位に走り到れば、火は能く金を制し、木は舒暢(しょちょう)を得、富貴を推すべし。北方坎位に走り到れば、水は金を泄して木を助け、金は益々木に敵せず、かえって凶と為ると。
三夏甲木
四月甲木・巳月に生ず
四月甲木退氣,丙火司權,先癸後丁。庚金太多,甲反受病。若得壬水,方配得中和,此人性好清高,假裝富貴。即廕襲顯達,終日好作禍亂,善辨巧談,喜作詩文,此理最驗。
四月は巳を建つ。甲木はすでに旺極を過ぎて気を退(しりぞ)く。巳中の丙火は権を当たり、火は炎(ほの)お木は焦(こ)ぐがゆえに、調候は先ず癸水を取りて木を潤し火を降し、其次にやっと丁火を用いて秀を泄す。このとき庚金がもし太多ければ、金は来て身を克し、甲木はかえって病を受く。必ず壬水の干に出ずるを得て、一面は庚金の勢いを泄らし、一面は木身を滋潤し、配合してこそ中和と算える。このような人は性情は清高を好むが、つねに富貴の架子(かし)を擺(かざ)る。たとい祖蔭(そいん)の承襲に憑って顕達するも、終日事を生じ乱るを愛し、能言善辯にして談説に巧(たく)み、詩を作り文章を著すを好む。この条の断語は験(ため)すに最も準(あた)る。
如一庚二丙,稍有富貴;金多火多,又為下格。或癸丁與庚齊透天干,此命可言科甲,即風水淺薄,亦有選拔之才。癸水不出,雖有庚金丁火,不過富中取貴異途官職而已。壬透可云一富。若全無點水,又無庚金丁火,一派丙戊,此無用之人也。
たとえば一箇の庚金に二箇の丙火を配すれば、火は金を制するに足りて金は身を傷るに至らず、やや富貴を言うべし。もし金も多く火も多ければ、両下争戦して、則ち下格に落つ。もし癸水・丁火と庚金とが一斉に天干に透せば——癸水は身を潤し、丁火は金を制し、庚金は殺と為す——このような命は科甲を談ずべく、たとい祖墳の風水浅薄なりとも、また選拔せられ得べきの才なり。癸水の透出せざるは、たとい庚金・丁火あれども、富有の裏に一点の貴気を求むるに過ぎず、異途によりて官職を弄(もてあそ)ぶのみ。壬水透出するは、一箇の富命と算え得べし。もし一点の水もなく、また庚金・丁火もなく、満盤ただ丙火と戊土とあれば、火は焚き土は燥き、木はすでに滋养する所なくまた裁削する人なし。これはすなわち無用の人である。
五六月甲木・午未月に生ず
五六月甲木,木性虛焦,一理共推。五月先癸後丁,庚金次之。六月三伏生寒,丁火退氣,先丁後庚,無癸亦可。或五月乏癸,用丁亦可,要運行北地為隹。
五月・六月の甲木は、木性は虚浮にして焦枯す。同一の道理に按じて併せて推求すべし。五月は午を建つ。火勢は最も烈しく、調候は先ず癸水を取りてその焦渇を解き、其次に丁火を用いて秀を泄し、庚金は再次とす。六月は未を建つ。すでに三伏に入り、暑極まりて寒を生じ、丁火は転じて退気と為れば、則ち改めて先ず丁火を取り、後に庚金を取ると作(な)す。たとい癸水なくとも行き得べし。もし五月に癸水を缺けば、退きて丁火を用るもまた可なり。ただし必ず行運が北方水地に走るを要してこそ好し。(原文の「隹」は「佳」の字の訛なり。)
總之五六月用丁火,雖運行北地,不致於死,卻不利運行火地,號曰木化成灰必死。行西程又不吉,號曰傷官遇殺,不測災來。惟東方則吉,北方次之。此五六月用丁之說也。凡用神太多,不宜剋制,須洩之為妙。
総じていえば、五六月に丁火を取りて用と為す命は、行運が北方水地に走るは丁を傷るといえども、まだ命を送るに至らず。却って最も怕るるは行運がさらに南方火地に走ることで、あれを「木化成灰(ぼっかじょうかい)」と呼び、必ず死亡を主どる。行運が西方金地に走るもまた吉ならず。「傷官遇殺(しょうかんさつにぐう)」と呼ばれ、意想の外の災禍を招来す。ただ東方木地に走るを吉と為し、北方水地はこれに次ぐ。これがすなわち五六月に丁火を用るの説である。およそ用神みずからすでに太多なる者は、宜しく再び克の办法を用いてそれを圧制すべからず。必ず泄の办法を用いてこそ妙なり——泄れば則ち気機は流通し、克れば則ち両下は交戦す。
五六月甲木,木盛先庚,庚盛先丁。五月癸庚兩透,為上上之格;六月庚丁兩透,亦為上上之格。用神既透,木火通明,自然大富大貴。或丁火太多,癸水亦多,反作平人。
五六月の甲木は、木がもし旺盛なれば先ず庚金を取りて裁削しに往かしめ、庚金がもし旺盛なれば先ず丁火を取りて熔制しに往かしむ。五月に癸水と庚金とが両透するは、上上の格。六月に庚金と丁火とが両透するも、また上上の格なり。用神すでに天干に透出せば、木火通明して、自然大富大貴なり。もし丁火太多く、癸水もまた太多ければ、水火は互相に冲激し、かえってただ平常の人なり。
若柱中多金,名曰殺重身輕,先富後貧,運不相扶,非貧即夭。或庚多,有一二丙丁制伏,又有壬癸透干,洩金之氣,此又為先貧後富。
もし柱中に金多く、七殺重くして日主軽ければ、「殺重身軽(さつじゅうしんけい)」と呼び、先富後貧を主どる。行運がさらに来て日主を扶助せざれば、それは貧寒ならざれば短命なり。もし庚金は多いといえど、而(しか)も一両点の丙火・丁火の出てそれを制伏するあり、また壬水・癸水の干に透して金気を泄らすありて、金勢はすでに制せられまた分けらる。この類はかえって先貧後富なり。
或滿柱丙火,又加丁火,不見官殺,謂之傷官傷盡最為奇,反成清貴,定主才學過人,科甲有望,但歲運不宜見水。若柱中有壬水,運又逢水,必貧夭死。但凡木火傷官者,聰明智巧,卻是人同心異,多見多疑,雖不生事害人,每抱忌妒之想,女命一理同推。
もし満柱皆丙火にして、また丁火を添え、而(しか)も庚辛の官殺を見ざれば、これを「傷官傷尽(しょうかんしょうじん)」と呼び、最も奇特にして、かえって清貴の格と成る。必ず才学は人に過ぎ、科甲は朢むべし。ただし流年大運は宜しく水を見て火を潔(あら)い滅ぼすべからず。もし柱中に原本より壬水あれば、行運がさらに水に遇えば、必ず貧困夭亡に致る。大凡(おおよそ)木火傷官の人は、皆聡明機巧にして、ただ外貌は人と合するも内心は自ら異なり、見ること多く疑ることもまた多し。事を生じ人を害するに至らずといえど、つねに嫉妬の念を懐く。女命もまた同一の道理に按じて推す。
或四柱多土,干上有乙木,切勿作棄命從才。時月兩透己土,名二土爭合,男主奔流,女主淫賤;見二甲則不爭矣,亦屬平庸之輩。或四柱有辰,干見二己二甲,此人名利雙全,大富大貴。
もし四柱土多く、天干上に却って乙木あって身を幇(たす)けば、則ち切に「棄命従財」と作して看るべからず——比劫あれば、日主は便ち人に従うを肯(がえ)んぜず。時干と月干の両処ともに己土を透せば、甲己は相合して両土は来て一甲を争う。これを「二土争合(につそうごう)」と呼び、男命は奔波流蕩(ほんばりゅうとう)を主どり、女命は淫賤を主どる。もし天干に別に両箇の甲木あれば、一対一として各々合を成して、則ち争わず。ただこれも平庸の輩に属す。もし四柱のうちに辰土あり、天干に両箇の己土・両箇の甲木を見れば、甲己は土に化して辰土の地を得。この人は名利双全、大富大貴なり。
若在六月,見辰支,名為逢時化合格。以癸水為妻,丁火為子。若二己一甲爭合,取支中比劫為用。以甲為用者,壬癸為妻,甲乙為子。其餘用庚者,土妻金子;用丁者,木妻火子。女命以妻作夫,用作子,十干皆同。
もし六月未土の月に生まれ、地支にさらに辰を見れば、土気は時に逢いまた地を得。「逢時化合格(ほうじげかく)」と呼び、この格は癸水をもって妻星と為し、丁火をもって子星と為す。もし両箇の己土が一箇の甲木を争合すれば、則ち改めて地支中の蔵する比肩・劫財を取りて用神と為す。およそ甲木をもって用神と為す者は、壬水・癸水をもって妻星と為し、甲木・乙木をもって子星と為す。その余の庚金を取りて用と為す者は、土をもって妻と為し金をもって子と為し、丁火を取りて用と為す者は、木をもって妻と為し火をもって子と為す。女命は則ち上に説く所の「妻」を換え看(み)て夫星と作し、用神を看て子息と作す——十天干はみなこの通例に照らす。
或是己土,不見戊土,乃為假從,其人一生縮首,反畏妻子。若無印綬,一生貧苦。六月尤可,五月決不可。
もし柱中の財星がただ己土にして、戊土を見ざれば、土気は純厚に足らず、あれはただ「假従(かじゅう)」と算える。この人は一生縮頭縮脳(しゅくとうしゅくのう)して、かえって妻子を懼(おそ)る。もし命裏にまた印綬の身を生ずるなければ、一生貧苦なり。この種の假従の格局は、六月未土の当旺の時に生まればなお勉めて説き過ごすべし。五月火旺にして土虚の時に生まれれば、則ち断然として従格と作して看るべからず。
三秋甲木総論
三秋甲木,木性枯槁,金土乘旺,先丁後庚。丁庚兩全,將甲造為畫戟。七月甲堪為戟,非丁火不能造庚,非庚不能造甲,丁庚兩透,科甲定然。庚祿居申,殺印相生,運行金水,身伴明君。
秋三月の甲木は、木性すでに枯槁(ここう)し、而(しか)も金と土とはまさに時に乗じて旺を得る。調候は先ず丁火を取り、後に庚金を取る。庚金は斧斤(ふきん)、丁火は炉火、両者斉(ととの)い備われば、すなわちこの一段の甲木を打造(だぞう)して一柄の画戟(がげき)と成し得べし——七月の甲木は質地がまさに戟と為るに堪(こた)う。道理は、丁火なければ則ち庚金のこの利器を煉(ね)り出さず、庚金なければ則ち甲木のこの材器を削り成さず。丁・庚の両様がともに天干に透せば、科甲功名は必然として期すべし。庚金の禄位はまさに申に在り、七月に生まるる人は殺星が旺を当たり、申中にまた壬水を蔵して印と為す。七殺は印を生じ、印はさらに身を生じて、「殺印相生」を成す。行運がさらに金水の地に走れば、便ち身を朝堂に居し、明君に侍奉すべし。
或庚透無丁,一富而已,主為人操心太重,不能坐享。或丁透庚藏,亦主青衿小富。或庚多無丁,殘疾之人,若為僧道,災厄可免。或四柱庚旺,支內水多,不作棄命從殺;見土多可作從才而看。
もし庚金透出して、丁火の来てそれを煉るなくば、過(あやま)らず一箇の富命のみ。人と為りて操心は太重く、現成の福を享くる能くさず。もし丁火透出して、庚金は地支に蔵すれば、また一領の秀才青衫(せいさん)、小小の家資を主どる。もし庚金多くして丁火のそれを制するなくば、殺重身軽にして、多くは残疾の人なり。たとい出家して僧道を為さば、この一層の災厄はかえって避くべし。もし四柱の庚金は旺といえど、地支の中に水また多ければ、殺は印ありて化解す。則ち「棄命従殺」と作して看るべからず。もし土多くして金旺なれば、則ち「従財」に按じて推すべし。
庚多無癸,而壬水多,戊己亦多,此則專用一點丁火,方可制金以養群土,此命大富。丁藏富小,不顯;丁露定作富豪。得二丁,不坐死絕,必然富貴雙全,即風水不及,亦可富中取貴,納粟奏名。
庚金多くして癸水なく、而(しか)も壬水も多く戊己土も多ければ、このときは則ち専ら一点の丁火を取りて用と為す。丁火は能く庚金を制し、また能く満局の土を生養す。この命は大富を主どる。丁火は地支に蔵するは、富気は小にして顕れず。丁火は天干に露(あら)わるるは、必ず富豪を為し成さん。もし両箇の丁火を得、しかも死地・絶地に坐せざれば、必然として富貴双全なり。たとい祖墳の風水済(な)らずとも、能く富の中に貴を取り、捐納米粟(えんのうまいぞく)によりて官銜を換えて名を揚げん。
或癸疊疊制伏丁火,雖滿腹文章,終難顯達。得運行火土,破癸,略可假就功名;歲運皆背,刀筆之徒。支成水局,戊己透干,制去癸水,存其丁火,又可云科甲。但此等命,主為人心奸巧詐,好訟爭非,因貪致禍,奸險之徒,決非安份之人也。
もし癸水が重重畳畳として丁火を制伏すれば、この人はたとい満腹の文章あれど、終わりに顕達し難し。もし行運が火土の地に走り到れば、土は癸水を克し、火は丁火を助け、なお勉めて一点の功名を湊成(そうせい)し得べし。たとい流年大運が皆用神と相背せば、則ちただ刀筆を操(あやつ)りて生と為す小吏なり。地支が水局を会成し、天干に戊己土を透し、癸水を制し去りて丁火を保住せば、これもまた科甲を談ずべし。ただしこの類の命は、人と為りて心思は奸巧詭詐(かんこうきさ)にして、官司を好み是非を争うを愛し、つねに貪得に因りて禍を招く。奸険の徒にして、決して安分守己の人にあらず。
三秋甲木
七月甲木・申月に生ず
七月甲木,丁火為尊,庚金次之,庚金不可少。火隔水不能熔金,故丁火熔金,必賴甲木引助,方成洪爐。若有癸水阻隔,便滅丁火;壬水無礙,且能合丁,但須見戊土,方可制水存火。
七月は申を建つ。庚金は権を当たる。甲木は丁火をもって最尊と為し、庚金はこれに次ぐ。然るに庚金もまた缺くべからず——庚金なければ便ち煉るべき器なし。火はもし水に隔断せられば、則ち金を熔かし動かさず。だから丁火の金を熔かさんには、必ず甲木に靠(よ)りて引燃し勢いを助けてこそ、一座の洪炉を成し得べし。もし癸水あって中間に横たわり阻隔すれば、陰柔の水はまさに丁火を克し、一潔(いっそう)にして便ち滅す。壬水は大水といえど、却って妨げなし。丁壬は相合して相戦わざればなり。ただしなお戊土の出て壬水を制するを見るを要してこそ、この一点の火を保住し得べし。
八月甲木・酉月に生ず
八月甲木,木囚金旺,丁火為先,次用丙火,庚金再次。一丁一庚,科甲定顯;癸水一透,科甲不全。丙庚兩透,富大貴小;丙丁全無,僧道之命。丙透無癸,富貴雙全;有癸制丙,尋常之人。
八月は酉を建つ。木は囚困を受けて金はまさに旺を当たる。調候は丁火をもって先と為し、其次に丙火を用い、庚金は再次とす——丁火は金を煉りて器を成し、丙火は木を暖めて春に回(かえ)らしめ、庚金は則ちあの煉らるべき物なり。一箇の丁火に一箇の庚金を配すれば、科甲功名は必ず顕達なり。一たび癸水が透出して丁火を傷れば、科甲は便ち周全(しゅうぜん)ならず。丙火と庚金との両透するは、富気は大にして貴気は小なり。丙火はただ局を暖むる能くするのみで、庚金を煉り動かさざればなり。丙丁の二火が全くともになきは、寒木に陽なし。僧道の命なり。丙火透出して癸水の来てそれを克するなきは、富貴双全なり。癸水あって丙火を制するは、ただ尋常の人なり。
支成火局,可許假貴,戊己一透,可作富翁。或支成金局,干露庚金,為木被金傷,必主殘疾,得丙丁破金,亦主老來暗疾。或支成木局,干透比劫,反取庚金為先,次用丁火。
地支が火局を会成し、火多くして木を泄すこと太過なれば、ただ一箇の虚名・假貴を許すべきのみ。もし天干にさらに一箇の戊己土を透せば、火は土を生じて土は財と為り、却って富翁を為し得べし。もし地支が金局を会成し、天干にまた庚金を露出せば、金気は太重(たいじゅう)く、便ち「木被金傷」なり。必ず残疾を主どる。たとい丙丁火を得て金を破るも、また老いて暗疾を帯ぶを主どる。もし地支が木局を会成し、天干にまた比肩・劫財を透せば、木はかえって転じて旺す。それは応にかえって先ず庚金を取りて裁削し、其次にやっと丁火を用いべし。
九月甲木・戌月に生ず
九月甲木,木星凋零,獨愛丁火,壬癸滋扶。丁壬癸透,戊己亦透,此命配得中和,可許一榜。庚金得所,科甲定然。
九月は戌を建つ。戊土は権を当たり、木星は凋零(ちょうれい)す。このとき独り丁火の来て局を暖め秀を泄するを愛し、また壬水・癸水の来て滋潤扶持この一段の枯木するを要す。もし丁火と壬癸水とがともに透し、戊己土もまた透せば——火は能く暖め、水は能く潤し、土は木の制あって木を埋むるに至らず——配合して中和を得、中式一榜を許すべし。もし庚金がさらに地を得て力あれば、能く戌中の厚土を疏(とお)し、また能く木を削りて器を成す。科甲は便ち一定のものなり。
或見一二比肩,無庚金制之,平常人也。倘運不得用,貧無立錐。一命,甲辰、甲戌、甲辰、甲戌,身伴明君,富貴壽考,此為天元一氣,又名一才一用。遇比用才,專取季土。或見庚丙,可許入泮,白手成家。用火者,木妻火子,子肖妻賢。
もし一両箇の比肩の身を幇けるを見、而(しか)も庚金の往きてそれらを制するなくば、あれはただ平常の人なり。行運がさらに用神を得ざれば、則ち窮して立錐の地なし。一造あり。甲辰年・甲戌月・甲辰日・甲戌時。この人は明君に侍奉することを得、富貴にしてまた長寿なり。これを「天元一気(てんげんいっき)」と呼ぶ——四箇の天干は同じく甲木なり。また「一才一用(いっさいいちよう)」と呼ぶ——地支は辰戌が両両として相対し、満局は皆財土にして、財はすなわち用なり。およそ比肩の来て財を争うに遇えば、則ち専ら辰戌丑未のこの四季の土を取りて用神と為す。もし柱中に別に庚金・丙火を見れば、また進学を朢み、白手して家を成すべし。火をもって用神と為す者は、木をもって妻星と為し、火をもって子星と為し、子は肖(に)り妻は賢なりを主どる。
或四柱木多,用丙用丁,皆不足異,端用庚金為妙。凡四季甲木,總不外乎庚金。譬如木為犁,能疏季土,非庚金為犁嘴,安能疏土。雖用丙丁,癸庚決不可少也。九月卻不取土妻庚子,當取水妻木子。
もし四柱木多ければ、丙火を用るも可なり、丁火を用るも可なり、みな出奇(しゅっき)と算え得べからず。端的(たんてき)にはなお庚金を用るを最妙とす。およそ辰戌丑未の四季月に生まれたる甲木は、総(ふさ)がりて庚金を離るる能くさず。譬えていう。木は一張の犁(すき)に譬え、能く季月の厚土を疏松す。しかし庚金あって犁頭の鉄嘴(てっし)を為さずんば、又何ぞ土を翻し動かすを得ん。だからたとい丙丁を取りて用と為すとも、癸水と庚金とまた決して少かるべからず。ただし九月のこの一格は別に変通あり。「庚を用れば則ち土をもって妻と為し金をもって子と為す」の常例に照らさず、応に水を取りて妻星と為し、木を取りて子星と為すべし。
凡甲木,多見戊己,定作棄命從才而看。從才格,取火妻土子。或見一派丙丁傷金,不過假道斯文;有壬癸破了丙丁,技藝之流。無壬癸破火,支又成火局,乃為枯朽之木,有庚亦何能為力,定作孤貧下賤之輩,男女一理。
およそ甲木の命は、もし戊己土を多く見て日主根なければ、必ず「棄命従財」に按じて看るを要す。すでに従財格に入れば、則ち火を取りて妻星と為し、土を取りて子星と為す。火は能く財土を生ずればなり。もし一片の丙丁火の来て庚金を傷克するを見れば、用神は傷を被(こうむ)り、この人は過(あやま)らず斯文を假冒(かぼう)するに過ぎず。もしまた壬水・癸水の出て丙丁を克破するあれば、水火は交戦して、則ち手芸人の一流に落つ。もしすでに壬癸の火を破るなく、地支がまた火局を会成せば、木は焼かれて枯朽の材と為り、たとい庚金あれども力を施す処なし。必ず孤苦貧賤の輩なり。男命・女命は同一の道理なり。
或有假傷官,得地逢生,此正合甲乙秋生貴元武之說。用水制傷官者,以金為妻,水為子。或丁戊俱多,總不見水,又為傷官生財格,亦可云富貴,此格取火為妻,土為子。
もし命中に「假傷官(かしょうかん)」を成せば——秋月に木すでに衰えて火をもって傷官と為すは、当令の真傷官にあらず——而(しか)もこの傷官がまた地を得生に逢えば、これまさに「甲乙木は秋に生まれて、元武をもって貴と為す」の説に合す。元武はすなわち北方の水。秋金は太旺にして、水を得て通関(つうかん)し、一面は金を泄らし、一面は木を滋し、一面は傷官を制し住(とど)む。だから貴と為す。およそ水を取りて傷官を制伏する者は、水を生じ得る金をもって妻星と為し、水をもって子星と為す。もし丁火と戊土とがともに多く、而(しか)も終始水を見ざれば、それは便ち「傷官生財格」にして、また富貴と称すべし。この格は火を取りて妻星と為し、土を取りて子星と為す。
凡甲多庚透,大貴;庚藏,小貴。若柱中多庚,則又以丁為奇,富貴人也。如庚申年、丙戌月、甲申日、壬申時,此主功名顯達,有文學。若無庚丙年月,又無火星出干,雖曰好學,終困名場。
およそ甲木多くして庚金の天干に透出するは、大貴を主どる。庚金ただ地支に蔵するは、小貴なり。もし柱中に庚金太多く、殺重身軽なれば、それはかえって丁火をもって奇物と為す——丁火あって殺を制すれば、便ち富貴の人なり。たとえば庚申年・丙戌月・甲申日・壬申時のこの一造。三申の金は殺と為し、丙火は干に出てこれを制し、壬水はまた能くこれを化す。功名顕達を主どり、兼ねて文才・学問あり。もし年月に庚金・丙火のこのような配合なく、天干にまた火星の透出を見ざれば、この人は好学と説(い)うも、終わりに科場に困頓(こんとん)せん。
九月甲木,端用丁癸,見戊透必貴。如戊戌、壬戌、甲子、甲申,支成水局,干有壬水,正合貴元武之說,配得中和,一榜之命,家計豐足,但庚丁未透出干,不能館選。甲乙比肩,又逢比劫運,主兄弟劫財爭訟,刑妻損子。甲乙生正二月,無制無洩,主長髮師姑。
九月の甲木は、端的に丁火と癸水とを用るを要す。もしさらに戊土の透出して水を制し火を存するを見れば、必ず貴顕を主どる。たとえば戊戌年・壬戌月・甲子日・甲申時のこの一造。申子は相会して水局を成し、天干にまた壬水あり。まさに前の「秋生甲乙は元武をもって貴と為す」の説に合し、配合して中和を得。中式一榜の命にして、家計もまた豊足なり。ただし庚金と丁火とがともに天干に透出せざれば、だから翰林館選に進む能くさず。もし甲乙日主の天干上に尽く比肩なれば、行運がまた比肩・劫財の地に走るを主どる。兄弟の間、財銭を劫奪し、争訟休まず、しかも妻を刑し子を損す。甲乙木は正月二月に生まれて、木気は孤旺(こおう)にして、金の来て裁制するもなく、また火の宣泄するもなければ、女命は多く長年髪を帯びて修行し、師姑(しこ)を為るを主どる。
三冬甲木
十月甲木・亥月に生ず
十月甲木,庚丁為要,丙火次之。忌壬水泛身,須戊土制之。若庚丁兩透,又加戊出干,名曰去濁留清,富貴之極;即乏丁火,亦稍有富貴。或甲多制戊,庚金無根,平常人也。庚戊若透,雖出比劫,必定富而壽。
十月は亥を建つ。壬水は権を当たり、甲木は亥の上に長生を得るといえど、却って水寒く木冷たきを嫌う。この月は庚金と丁火とをもって要と為し、丙火はこれに次ぐ——庚金は木を劈(さ)きて薪と成し、丁火は引燃して暖を取り、丙火はさらにその外を暖む。最も忌むは壬水の泛濫(はんらん)して身を浸すことで、必ず戊土を用いて堤を築きてこれを制すべし。もし庚金・丁火が両透し、さらに戊土を加えて干に出せば、濁水を去りて清火を留むるを「去濁留清(きょだくりゅうせい)」と呼び、富貴は極点に至る。たとい丁火を缺くとも、またやや富貴あり。もし甲木太多く、群木が一斉に往きて戊土を克し、庚金がまた根なくして木を裁し動かさざれば、それは平常の人なり。庚金と戊土とがもしともに透せば、たとい柱中に別に比肩・劫財の来て分奪するあれども、必ず富にしてまた寿なり。
或多比劫,只一庚出干,坐祿逢生,乃為舍丁從庚,略富貴。或支見申亥,戊己得所,以救庚丁,可許科甲。若單己透,其力弱小,不過貢監而已。用庚,土妻金子;用丁,木妻火子。
もし比肩・劫財が甚だ多く、天干にただ一箇の庚金ありて、しかもこの庚金が申禄の上に坐し、また土に逢いて相生せば、力量は木を裁するに足る。それは則ち丁火を舍(す)て、専ら庚金に従りて用と為す。やや富貴あり。もし地支に申と亥とを見、戊己土がまた各々その位を得れば——金を生じてまた水を制し、水去れば則ち火は傷を受けず——能く庚金・丁火の両箇の用神を救護す。科甲を許すべし。もし単単(たんたん)一箇の己土が透するのみなれば、力量は太(あま)りに弱小にして、過(あやま)らず一箇の貢生・監生を掙(あが)くのみ。庚金を取りて用と為す者は、土をもって妻星と為し金をもって子星と為し、丁火を取りて用と為す者は、木をもって妻星と為し火をもって子星と為す。
十一月甲木・子月に生ず
十一月甲木,木性生寒,丁先庚後,丙火佐之。癸水司權,為火金之病。庚丁兩透,支見巳寅,科甲有準;風水不及,選拔有之。若癸透傷丁,無戊己輔救,殘疾之人。或壬水重出,丁火全無者,庸人也,得丙方妙。
十一月は子を建つ。一陽は生ずといえど寒気は最も盛んにして、木性はこれによりて寒を生ず。だから丁火は先に在り、庚金は後に在り、さらに丙火を用いて輔佐す——丁火はその内を暖め、丙火はその外を暖む。この月は癸水が司令して、一面は金を凍え、一面は火を潔(あら)う。まさに火と金とのこの両件の用神の病根なり。庚金・丁火が両透し、地支にまた巳・寅のこれらの火の禄地と長生の位を見れば、科甲は準あり。たとい祖徳・風水及ばずとも、また一箇の選拔出の身を得べし。もし癸水が透出して丁火を傷り、而(しか)も戊己土の来て救護するなくば、便ち残疾の人なり。もし壬水が重々として干に出、丁火は一点もなければ、それは庸碌(ようろく)の輩なり。このとき丙火を得て出でて凍を解けば、方(まさ)に妙と為す。
或支成水局,加以壬透,名為水泛木浮,死無棺木。總之十一月甲木,為寒枝,不比春木清茂,端取庚丁。透壬無丙,不過刀筆異途,武職有驗。用庚,土妻金子;用火,木妻火子。
もし地支が水局を会成し、さらに壬水を加えて干に透せば、水勢は滔天(とうてん)し、すなわち「水泛木浮(すいはんぼくふ)」なり。凶は死後棺木をも置弁するに及ばず。要するに十一月の甲木はただ一根(いっこん)の寒枝にして、春の清秀繁茂の木と比ぶべからず。端的に庚金と丁火とを取るを要す。もしただ壬水を透して丙火の凍を解くなくば、過(あやま)らず刀筆に靠(よ)りて異途より出身し、武職を為すは却って応験すべし。庚金を取りて用と為す者は、土をもって妻星と為し金をもって子星と為し、火を取りて用と為す者は、木をもって妻星と為し火をもって子星と為す。
十二月甲木・丑月に生ず
十二月甲木,天寒氣凍,木性極寒,無生發之象。先用庚劈甲,方引丁火,始得木火有通明之象,故丁次之。庚丁兩透,科甲恩封;庚透丁藏,小貴;丁透庚藏,小富貴;無庚者,貧賤;無丁者,寒儒。
十二月は丑を建つ。天は寒く地は凍り、木性は寒さ極点に至り、一点の生発の象もなし。先ず庚金を用いて甲木を劈き開き、こそ好んで丁火を引燃せしむ。如此(しか)にしてこそ「木火通明」の気象あれば、だから丁火は庚金の後に排(はい)す。庚金・丁火が両透するは、科甲功名を主どり併せて朝廷の恩封を得。庚金は透して丁火は蔵するは、小貴。丁火は透して庚金は蔵するは、小富小貴。一箇の庚金もなきは、貧賤。一箇の丁火もなきは、ただ一箇の凍え捱(もが)く窮書生なり。
或有丁透重重,亦是富貴中人,但須比肩,能發丁之焰,自有德業才能。如無比肩,尋常之士,稍有衣食而已。或支多見水,即有比肩,亦屬平常。
もし丁火が重々として透せば、また富貴中の人なり。ただし必ず比肩の相助くるを要す——甲木はまさに丁火の柴薪にして、比肩多ければ則ち薪足り、こそ火焰を発し起こし得。このような人は自ら徳業と才干とあり。もし比肩なく、柴薪は継がざれば、則ちただ一箇の尋常の士にして、勉めて衣食の口あり。もし地支に水を多く見れば、寒湿は太重く、たとい比肩の身を幇けるあれども、なおなお平常に属す。
總之臘月甲木,雖有庚金,丁不可少。乏庚略可,乏丁無用。經云:甲木無根,男女夭壽。
要するに臘月(ろうげつ)の甲木は、たとい庚金あれども、丁火もまた缺くべからず。庚金を缺くはなお勉めて過ごし得べし。丁火を缺けば便ち全く用処なし——厳寒の際は、局を暖むるは裁削よりもさらに緊要なり。経書にいう。甲木はもし根なければ、男命女命を論ぜず、みな短寿を主どると。
三春乙木総論
三春乙木,為芝蘭蒿草之物,丙癸不可離也。春乙見丙,卉木向陽,萬象回春,須癸滋養根基。丙癸齊透天干,無化合制克,自然登科及第。故書云:乙木根荄種得深,只須陽地不宜陰,漂浮只怕多逢水,剋制何須苦用金。
春三月の乙木は、芝蘭・蒿草(しらんこうそう)の類の柔弱の花木にして、丙火と癸水とのこの両様は一刻も離るるを得ず。春の乙木は丙火を見れば、草木の太陽に向かうに譬え、満眼は皆回春の気象なり。同時にまた必ず癸水の来てその根基を滋养するを要す。丙・癸は一斉に天干に透し、また合せ去られず、克制に遭わざれば、自然として登科及第すべし。だから命書にいう。乙木の根鬚(こんしゅ)は種(う)えて深くすることを要し、ただ向阳の地を宜しくとして陰湿の郷を宜しくとせず。それが最も怕るるは水太多に逢いて漂い根なきことで、克制に至っては、又何ぞ必ずしも苦々(くる)しく金を用いんとせん。
三春乙木
正月乙木・寅月に生ず
正月乙木,必須用丙,因天氣尤有餘寒,非丙不暖。雖有癸水,恐凝寒氣,故以丙火為先,癸水次之。丙癸兩透,科甲定然;或有丙無癸,門戶闡揚;或丙多乏癸,名曰春旱,獨陽不長,濁富之人;或丙少癸多,又為困丙,終為寒士;或癸己多見,為溼土之木,皆下格。用丙者,木妻火子;用癸水見火多者,金妻水子。
正月は寅を建つ。乙木は必ず丙火を用るを要す。こ(こ)の時は天気がなお不少(すくなくならざる)の余寒を帯び、丙火なくば便ち暖め来る能くさず。たとい癸水あれども、またそれが寒気を凝らし住(とど)むるを怕る。だから丙火をもって先と為し、癸水をもって次と為す。丙・癸の両透は、科甲は一定のものなり。丙火ありて癸水なきも、また門戸を光大すべし。丙火多くして癸水を缺くは、「春旱(しゅんかん)」と呼ばれ、孤陽は生長すること能くさず、ただ一箇の富にして清ならざる人なり。丙火少なくして癸水多きは、火は水に困られ、終わりに一箇の寒士なり。癸水と己土とがともに多く見ゆるは、木を湿泥(しつでい)の裏に栽(う)うるに等しく、皆下格に属す。丙火を取りて用と為す者は、木をもって妻星と為し火をもって子星と為し、癸水を取りて用と為して柱中に火また多きは、金をもって妻星と為し水をもって子星と為す。
二月乙木・卯月に生ず
二月乙木,陽氣漸升,木不寒矣,以丙為君,癸為臣。丙癸兩透,不透庚金,大富大貴。或天干透庚,支下無辰,不能化金,得癸透養木亦為貴;若見水庫,則為假化,平常人也。
二月は卯を建つ。陽気は漸く上昇し、乙木はすでに寒ならず。この月は丙火をもって君と為し、癸水をもって臣と為す。丙火は発栄を主り、癸水は滋养を主り、君臣相配してこそ気候を成す。丙・癸の両透にして庚金の来て身を合身を克するを透せざれば、大富大貴を主どる。もし天干に庚金を透して乙木と相合し、而(しか)も地支に辰土なくして引化せば、化して金を成さずとも、ただ癸水の透し出でて木身を滋养するあれば、また貴格と算える。もし地支に辰のこの水庫を見れば、化気を引動し得るといえど、ただ「假化(かげ)」のみ、過(あやま)らず平常の人なり。
二月乙木,端用丙癸。或支成木局,有癸透乃作貴命,更得丙洩木氣,上上之命,但須透癸。或水多困丙,多戊化癸,皆下格。用丙者,木妻、火子;用癸者,金妻、水子。亥卯未逢於甲乙,富貴無疑;木全寅卯辰方,功名有準。活木忌埋根之鐵,支下有庚辛,戕賊其根,木則朽矣。
二月の乙木は、端的にやはり丙火と癸水とを用る。もし地支が木局を会成し、比劫が群を成し、癸水の透出して滋养するあれば、なお貴命と作す。さらに丙火を得てこの一片の木気を宣泄せしめば、便ち上上の命なり。ただし癸水は必ず透出せねばならず。もし水太多くして丙火を困住し、あるいは戊土太多くして癸水を合化し去れば、皆下格に落つ。丙火を取りて用と為す者は、木をもって妻星と為し火をもって子星と為し、癸水を取りて用と為す者は、金をもって妻星と為し水をもって子星と為す。地支の亥卯未は三合して木局と為りて日主が甲乙なれば、富貴は疑いなし。地支の寅卯辰は三会して東方木方と成れば、功名もまた準あり。ただし活木は最も根の下に埋まれるあの鉄を忌む。地支にもし庚金・辛金を蔵せば、暗にその根を戕害(しょうがい)し、木は則ち朽壊(きゅうかい)す。
三月乙木・辰月に生ず
三月乙木,陽氣愈熾,先癸後丙。癸丙兩透,不見己庚,玉堂之客;見己庚者,平常之人。或一乙逢庚,不見己者,亦主小富貴,但不顯達。或多水見己,只恐高才不第;見戊堪發異途。或庚己混雜,丙癸全,則為下格。
三月は辰を建つ。陽気は愈々(いよいよ)熾盛し、土もまた権を当たる。だから調候は改めて先ず癸水を取りて滋潤し、後に丙火を取りて発栄す。癸・丙の両透にして己土の来て水を濁すを見ず、庚金の来て木を克するを見ざれば、便ち身を玉堂(ぎょくどう)に列する貴客なり。一たび己土・庚金の攙雑(さんざ)あれば、則ち平常の人と成る。もしただ一箇の乙木が一箇の庚金に遇いて相合し、而(しか)も己土の混雑なくば、また小富小貴を主どる。ただし顕達する能くさず。もし水多くしてまた己土の往きてそれを混濁するを見れば、たとい高才あれども考中せざるを怕る。このとき戊土を見て出でて水を制せば、却ってなお異途より発跡(はっせき)し得べし。もし庚金・己土が一処に混雑すれば、たとい丙癸斉全(せいぜん)なりとも、ただ下格のみ。
或見水局,丙戊高透,亦主科甲。或柱中全無丙戊,支合水局,此離鄉之命。或見一派癸水,又有辛金,則作旺看。得一戊己制癸,亦可云小富貴。若一派壬水,不特貧賤,而且夭折;有一戊己,方雲有壽,但終為技術之人。
またもし地支が水局を会成し、而(しか)も丙火と戊土とが高く天干に透せば——丙火は身を暖め、戊土は水を制す——また科甲を主どる。もし柱中に一箇の丙火・戊土もなく、地支は偏(ひとえ)にまた水局を合成せば、水は泛き木は漂う。これは郷を離れ井を背(そむ)くの命なり。もし一片の癸水を見、柱中にまた辛金ありて断えず水を生ずれば、水源は絶えず、則ち水旺と作して論ずべし。このとき一箇の戊己土を得て癸水を制し住(とど)むれば、また小富小貴と説くべし。もし一片の壬水ならば、大水は根を冲し、貧賤のみならず、しかも夭折(ようせつ)す。一箇の戊己土あって堤防を為さば、こそ寿あるを談じ得べし。ただし終わりにただ一箇の手芸に凭(よ)りて飯を食む人なり。
又或庚辰時月,名二庚爭合,乃貧賤之輩。如年干見丁破庚,可雲從化,亦不失武職之權。用癸者,金妻水子;癸多用丙者,木妻火子。
またもし月柱・時柱がともに庚辰なれば、両箇の庚金が争い来たって一箇の乙木を合す。「二庚争合(にこうそうごう)」と呼び、貧賤の輩なり。仮に年干に丁火を見てその中の一箇の庚金を克破せば、ただ一庚を剩(あま)して来て合すれば、便ち「従化」を論ずべく、また武職の一份の権を執るを失わざるなり。癸水を取りて用と為す者は、金をもって妻星と為し水をもって子星と為し、癸水太多くして改めて丙火を用るは、木をもって妻星と為し火をもって子星と為す。
三夏乙木総論
三夏乙木,木性枯焦。四月專尚癸水,五六月先丙後癸,夏至前仍用癸水。先得丙透,支下又有丙火,名曰木秀火明。得一癸透,科甲中人。或透二丙一癸,可許采芹。
夏三月の乙木は、木性は焦枯す。四月は専ら癸水をもって尚(とうと)ぶと為す。五六月は先ず丙火を取り、後に癸水を取る。ただし夏至以前は陽気なお盛んにして、やはり先ず癸水を用る。もし先に丙火の干に透するを得、地支の中にまた丙火を蔵すれば、「木秀火明(ぼくしゅうかめい)」と呼ぶ。このときさらに一箇の癸水を得て透出し身を潤せば、便ち科甲中の人なり。もし両箇の丙火を透してただ一箇の癸水を配するのみなれば、火重くして水軽し。なおまた進学を朢むべし。
或一派癸水,有丁無丙,平常之人。或一癸透干,異途顯宦,難由科甲。癸居子辰,異路小職。或丙藏支下,癸透年干,己出月上,雖非科甲,異路功名。又或重重癸水,或支藏癸水,由行伍出身得功名。
もし満盤に癸水ありて、ただ丁火ありて丙火なければ、寒暖は配を失し、平常の人なり。もし単単一箇の癸水が干に透せば、多くは異途より顕宦(けんかん)を為し至る。科甲の正途を走るは甚だ難し。癸水はただ子の上あるいは辰の上に坐して干に透せざれば、僅(わず)かに異路の小職を得るのみ。もし丙火は地支に蔵し、癸水は年干に透し、己土はまた月干に出ずれば、科甲にあらざるといえども、また異路の功名あり。またもし癸水が重重畳畳し、あるいはただ地支の中に蔵せば、則ち多くは行伍・軍旅より出身して功名を得る。
三夏乙木
四月乙木・巳月に生ず
四月乙木,自有丙火,端取癸水為尊。四月乙木專用癸水,丙火酌用,雖以庚辛佐癸,須辛透為清。
四月は巳を建つ。巳中は本より丙火を蔵し、火気は自ら足るがゆえに、この月の乙木は端的に癸水をもって最尊と為す。四月の乙木は専ら癸水を用いて焦を解き、丙火はただ斟酌の用と作す。庚金・辛金を用いて癸水を生助せんと説(い)うも、必ず辛金の透出してこそ清純と算える——辛は陰金にして、乙木・癸水と同気相協す。庚金は過剛にして、かえって木を傷つけやすし。
癸透、庚辛又透,科甲定然。獨一點癸水、無金,是水無根,雖出天干,不過秀才小富,須要大運相扶。或土多困癸,貧賤之人。丙戊太多,支成火局,瞽目之流。用癸者,金妻水子。乙逢雙女木傷殘,若見辛金壽必難,不得丙丁來制伏,豈知安樂不久長。
癸水透出し、庚金・辛金また透して水源と為せば、科甲は必然なり。もし孤孤零零としてただ一点の癸水を得て、全く金の来てそれを生ずるなくば、便ち水は根源なし。たとい天干に出ずるも、過(あやま)らず一箇の秀才、些微の家資にして、なお大運の扶助を要してこそ行き得べし。もし土多くして癸水を困住せば、貧賤の人なり。丙火・戊土太多く、地支にまた火局を会成せば、火は炎(ほの)お土は燥きて木は烤乾(こうかん)せらる。多くは眼目失明の流なり。癸水を取りて用と為す者は、金をもって妻星と為し水をもって子星と為す。古歌にいう。乙木は「双女(そうじょ)」の宮に逢い、すなわち巳月に生まれれば、木性は便ちすでに傷残せらる。もしさらに辛金の来て克するを見れば、寿元は必ず久しからんこと難し。もし丙火・丁火の出て辛金を制伏するを得ざれば、たとい安楽あれどもまた長遠ならじ。
五月乙木・午月に生ず
五月乙木,丁火司權,禾稼俱旱。上半月屬陽,仍用癸水;下半月屬陰,三伏生寒,丙癸齊用。柱多金水,丙火為先,餘皆用癸水為先。
五月は午を建つ。丁火は権を司(つかさど)り、まさに禾苗(かびょう)の普遍(ふへん)に焦旱(しょうかん)の時なり。夏至以前の上半月は陽に属し、火勢は方(まさ)に張(は)る。なお旧のまま専ら癸水を用いて旱を解す。夏至以後の下半月は陰に属し、三伏の中に暗(ひそか)に寒を生ず。則ち丙火と癸水とを一斉に取りて用いるを要す。もし柱中に金水偏(かた)り多く、寒湿余りあれば、便ち丙火をもって先と為す。この外は一概になお癸水をもって先と為す。
乙木重逢火位,名為氣散之文,支成火局,洩乙精神,須用癸滋。癸透有根,富貴雙全。或庚辛年上,癸透時干,定許科甲,無癸者常人。
乙木は再々火位に遇うを「気散之文(きさんのぶん)」と呼ぶ——秀気は尽く外に泄れて元神は耗散す。地支にもし火局を会成せば、乙木の精神を泄らし尽すがゆえに、必ず癸水を用いて滋养せねばならず。癸水透出して地支に根あれば、富貴双全なり。もし庚金・辛金が年干に坐して水源と為し、癸水がまた時干に透せば、水は源あり根あり。必ず科甲を許すべし。一点の癸水もなきは、ただ常人なり。
若見丙透,支成火局,陽焦木性,此人殘疾,無癸必夭,見壬可解。或火土太多,其人愚賤,或為僧道門下閒人。
もし丙火がまた天干に透出し、地支にまた火局を会成せば、烈陽は木性を烤焦(こうしょう)し、この人は残疾を主どる。もし一点の癸水にも至らなければ、必ず夭亡に致る。能く壬水を見れば、なお一二を解救し得べし。もし火と土とがともに太多ければ、一辺は身を泄らし、一辺は身を耗して毫(ごう)も滋潤なし。この人は愚昧下賤(ぐまいげせん)なり。あるいは一箇の僧道の門下に食を寄する閑人と為る。
六月乙木・未月に生ず
六月乙木,木性且寒,柱多金水,丙火為尊。支成水局,乙得無傷。癸水透干,大富大貴。無癸定作常人,運不行北,困苦一生。
六月は未を建つ。三伏の中に暑極まりて寒を生じ、木性もまた転じて寒す。もし柱中に金水また多ければ、便ち丙火をもって最尊と為し、その寒を解し暖に回るを取る。地支が水局を会成するは、乙木は水の滋养を得て傷を受けず。癸水が天干に透するは、大富大貴を主どる。癸水なきは、一定(いってい)としてただ常人なり。行運がもしさらに北方水地に走らざれば、便ち困苦の一生なり。
凡五六月乙木,氣退枯焦,用癸水切忌戊己雜亂,則為下格。或甲木高透,制伏土神,名為去濁留清,可許俊秀。土多乏甲,秀氣脫空,庸人而已。或丙癸兩透,加以甲透制戊,選拔定然。若不見丙癸,只有丁火,亦屬常人,有壬可充衣食。
およそ五月・六月の乙木は、木気すでに退いて枯焦す。癸水を取りて用と為す時は最も戊己土のその間に混雑するを忌む——土は一たび水を濁せば、則ち下格に落つ。もし甲木の高透あれば、乙木の為(た)めに土神を制伏す。「去濁留清(きょだくりゅうせい)」と呼び、この人は俊秀を許すべし。土多くして甲木の来て疏松するを缺けば、秀気は便ち空に落つ。過(あやま)らず一箇の庸人なり。もし丙火・癸水が両透し、さらに甲木の透出して戊を制するを加えれば、選拔せらるるは一定のものなり。もし丙癸を見ずして、ただ一箇の丁火のみなれば、またただ常人なり。もし壬水の身を滋すあれば、なお勉めて衣食に足り得べし。
或柱中無水,又無比劫出干,乃為棄命從才,富大貴小,能招賢德之妻。從才格以火為妻,土為子。或一派戊土出干,不見比肩,名為才多身弱,終為富屋貧人。或丙辛化水,嫖賭破家,終非承受之兒。
もし柱中に水なく、また比肩・劫財の干に出て身を幇けるなく、日主は恃(たの)むべき根なければ、それはすなわち「棄命従財」にして、富気は大にして貴気は小なり。能く賢徳の妻を娶(めと)り得。従財格は火をもって妻星と為し、土をもって子星と為す。もし一片の戊土が干に出でて、比肩の来て幇くを見ざれば、「財多身弱(さいたしんじゃく)」と呼ぶ。終わりに好き房子に住める窮人なり。もし丙火と辛金とが相合して水に化せば、用神は質を変ず。多くは嫖賭(ひょうと)して家を敗くを主どる。終わりに家业を守り得べき子弟にあらず。
或一派乙木,不見丙癸,名為亂臣無主,勞碌奔波,又加支多辛金,僧道之輩。或一派甲木,無癸無丙,又無庚金,此人一生虛浮,總不誠實。有庚制甲,乃有謀之人,但嗜酒貪花,多欲敗德,不修品行,男女一理。總之夏月之乙木,端用癸水,丙火酌用,庚辛次之。
もし満盤皆乙木にして、丙火・癸水を見ざれば、「乱臣无主(らんしんむしゅ)」と呼ぶ——群陰並立して統摂(とうせつ)の主なし——一生労碌奔波(ろうろくほんば)を主どる。さらに地支に辛金多くして来て身を克せば、便ち僧道の輩なり。もし満盤皆甲木にして、すでに癸水なくまた丙火なく、また庚金の裁制なくば、乙木はただ甲木に攀附(はんぷ)して上るを知る。この人は一生虚浮にして、総(ふさ)がりて誠実ならず。もし庚金あって甲木を制し住(とど)むれば、却って一箇の心計・謀略ある人なり。ただし酒を嗜(たしな)み色を貪り、欲望太多くして徳行を敗壊し、品行を修めず。男命・女命は同一の道理なり。要するに夏月の乙木は、端的に癸水を用るを要し、丙火は斟酌して取り用い、庚金・辛金は再次とす。
三秋乙木
三秋乙木,金神司令,先丙後癸,惟九月端用癸水,恐丙暖戊土為病也。
秋三月の乙木は、金神当令して木は克制を受く。調候は先ず丙火を取りて身を暖め金に抗し、後に癸水を取りて根を滋す。ただ独り九月は戌土の権を当たる時、端的に癸水を用るを要す。この時もしさらに丙火を用いて局を暖めんか、ただ戊土を助け起すのみ。土は一たび旺なればかえって病害と成ればなり。
七月乙木・申月に生ず
七月乙木,庚金乘令,庚雖輸情於乙妹,怎奈干乙難合支金。柱見庚多,乙難受載。或丙透干,又加巳出埋金,此格可云科甲。有己透、加丙,亦是上命。
七月は申を建つ。庚金は令に乗じて権を当たる。乙と庚とは本より相合の情あれど、庚金は情意を乙のこの「妹子(まいし)」に輸(おく)るを肯(がえ)んずといえど、争(いか)んせん天干上の乙木と地支裏の申金とは位を隔て、真(まこと)に合すること難く、終わりに頼るべからず。柱中に庚金が一たび多ければ、乙木のこの一株(いっしゅ)の柔草は便ち承載し起こすに堪えず。もし丙火が干に透して金気を制し住(とど)む、さらに巳の干に出て金を埋(うず)むるを加えれば(一説にこの「巳」は「己」と作すべし、すなわち土をもって金を掩(おお)う)、この一格は科甲を談ずべし。もし己土の透出あれば、さらに丙火を加えて、また上等の命なり——土は能く火を泄らし金を生じて金を燥ならしめず、また能く乙木の根を培(つちか)う。
七月喜己土為用,或不見丙癸,己土必不可少,此則以火為妻,土為子。
七月の乙木は己土を取りて用神と為すを喜ぶ。土は能く金を生じて金を枯燥ならしめず、また能く木根を培植す。たとい丙火・癸水を見得ずとも、この己土はまた必ず少かるべからず。己土を取りて用と為す者は、則ち土を生じ得る火をもって妻星と為し、土をもって子星と為す。
或癸透、丙藏、庚少,此不用己,可許貢拔。無丙、有癸透者,不失刀筆門戶。有支下庚多,癸又藏者,無丙己二神,平常人物。
もし癸水が干に透し、丙火は支に蔵し、庚金もまた多からず、金は身を逼(せま)らざれば、則ち必ずしもさらに己土を用いず。貢生・抜貢(こうせいばっこう)の類の出身を許すべし。丙火なくしてただ癸水の透出あるのみなれば、また刀筆に凭(よ)りて生を謀る門戸を失わざるなり。もし地支裏に庚金甚だ多く、癸水またただ暗藏し、而(しか)も丙火・己土の両様ともになければ、それはすなわち平常の人物なり。
或生辰時,此為從化,反主富貴。凡化合格皆以所生之神為用。化金者,戊為用神,特忌丙丁煆煉破格。從化者以火為妻,土為子,其餘以金為妻,妻必賢美;以水為子,子必克肖,但忌刑沖。凡命皆然,不特此也。
もし乙木が辰時に生まれれば、乙庚は相合して辰は化気の根と為す。これは便ち「従化」を成して、かえって富貴を主どる。およそ化合格は、皆この化神を生ずる五行をもって用神と為す。金に化するは則ち戊土をもって用神と為し、最も丙火・丁火の来て煆錬(かれん)し金を熔かして格を破るを忌む。従化格は火をもって妻星と為し、土をもって子星と為す。その余の情形は則ち金をもって妻星と為し、妻子は必ず賢慧美好(けんえいびこう)にして、水をもって子星と為し、子女は必ずその親に肖(あ)ゆ。ただ刑冲を忌む。およそ命は皆この通例にして、単にこの一格のみ然(しか)るにあらず。
秋乙逢金,非貧即夭。秋生乙木忌根枯,根既枯槁,貧苦到老。
秋の乙木は金に遇えば、貧寒ならざれば夭折(ようせつ)なり。秋生の乙木は最も根鬚の枯干(こかん)するを忌む。根は一たび枯槁せば、則ち貧苦して老(お)いるを要す。
八月乙木・酉月に生ず
八月乙木,芝蘭禾稼均退,以丹桂為乙木。在白露之後,桂蕊未開,端用癸水以滋桂萼;若秋分後,桂花已開,卻喜向陽,又宜用丙,癸水次之。丙癸兩透,科甲名臣。
八月は酉を建つ。芝蘭と禾稼(かか)の類の草木は皆すでに衰退す。この時は則ち乙木を看(み)て丹桂(たんけい)と作(な)す。白露の後・秋分の前は、桂蕊(けいずい)はなだ綻(ほころ)び開かず、端的に癸水を用いてその花萼(かがく)を滋潤するを要す。秋分以後に到れば、桂花はすでに開き、かえって向阳を喜ぶ。則ち改めて丙火を用い、癸水は退いて次に居るべし。丙・癸の両透するは、科甲出身の名臣を主どる。
或支成金局,宜暗藏丁,無丁制金,恐木被金傷。若無水火,此人勞碌。或得癸水,為子得母,其人一生豐盈。或丙癸兩透,戊土雜出,亦主異路功名。
もし地支が金局を会成せば、最も好ましきは地支裏に丁火を暗藏して金を制することなり。丁火なくんば、ただ木の金に傷られんことを怕るのみ。もし水火の両様ともになければ、この人は一生労碌(ろうろく)なり。もし能く癸水を得れば、金局は水を生じ、水はまた木を生じ、殺気は一転して印気と為る。まさに子を為る乙木が母親を得着(とくちゃく)せるが如し。いわゆる「為子得母(いしとくぼ)」なり。この人は一生豊足なり。もし丙癸が両透し、而(しか)もまた戊土を雑出して癸水を克せば、またただ異路の功名を主どるのみ。
生秋分後,有丙無癸,亦略富貴;若有癸無丙,名利虛花;若四柱不見丙癸,下格。或癸在年(月)干,丙透時干,名為木火文星,定主上達,生於秋分後方佳。或生上半月無癸,姑用壬水,不然,枯木無用,必作貧人。又四柱多見戊己,下格。
秋分以後に生まれたるは、丙火ありて癸水なきも、またやや富貴あり。癸水ありて丙火なきは、名と利と皆虚花(きょか)と成る。四柱の中に丙癸ともに見ざれば、便ち下格なり。もし癸水が年干あるいは月干に在り、丙火が時干に透すれば、先潤して後明(せんじゅんこうめい)にして、「木火文星(ぼくかぶんせい)」と呼ぶ。必ず顕達上進を主どる。ただし秋分の後に生まれてこそ好しと算える。もし白露より秋分のこの上半月に生まれて癸水なくば、姑(しばら)く壬水を拿(と)りて代(か)え用うべし。然らざんか枯木は滋养する所なく、一も用る所なくして、必ず一箇の窮人を為る。四柱にもしまた戊己土を多く見て水を濁るに往けば、同じく下格なり。
用癸者,金妻、水子;用丙者,木妻、火子;用壬者,金妻水子。甲乙遇強金,魂歸西土;青龍逢兌旺,且貧且賤。乙木生居酉,莫逢巳酉丑,富貴坎離宮,貧窮申酉守。木逢金旺巳傷,再遇金鄉,豈不損壽。
癸水を取りて用と為す者は、金をもって妻星と為し水をもって子星と為し、丙火を取りて用と為す者は、木をもって妻星と為し火をもって子星と為し、壬水を取りて用と為す者もまた金をもって妻星と為し水をもって子星と為す。古歌にいう。甲乙木は強旺の金に遇えば、魂魄は便ち西方に帰す。青龍(せいりゅう)は東方の木に属し、兌金(だきん)の正旺に碰上(ほうしょう)すれば、貧にしてまた賤し。またいう。乙木は酉月に生まれ、切(せつ)にさらに巳酉丑の三合金局に逢うこと莫(なか)れ。行運が坎宮北方の水地・離宮南方の火地に走り到れば則ち富貴、申酉の金地に守られば便ち貧窮。木は金旺に遇いてすでに傷を受け、もしさらに金郷に行き到らば、何ぞ寿元を損折せざらんや。
九月乙木・戌月に生ず
九月乙木,根枯葉落,必賴癸水滋養。如見甲申時,名為藤蘿繫甲,可秋可冬。若見癸水,又遇辛金發水之源,定主科甲。或有癸無辛,常人;有辛無癸,貧賤。或四柱壬多,水難生乙,亦是尋常之輩。
九月は戌を建つ。乙木は根枯れ葉落ち、必ず癸水の滋养に倚頼(いらい)せねばならず。もし甲申時を見れば、乙木は甲木に攀附して立ち、申中にまた壬水を蔵して来(きた)りて生ず。「藤蘿繋甲(とうらけいこう)」と呼ぶ。このような命は秋天に生むるを得、冬天にもまた生むるを得。もし柱中に癸水を見、また辛金に遇いて水を発する源と為せば、源流は断えず、必ず科甲を主どる。癸水ありて辛金なきは、ただ常人なり。辛金ありて癸水なきは、則ち貧賤なり。もし四柱に壬水太多ければ、大水は根を漂い、かえって乙を生じ難し。また尋常の輩なり。
或支多戊土,又逢天干,作從才看,無比劫方妙,一逢比劫,富屋貧人。用癸者,金妻、水子。但子女艱難,季土剋制故也。
もし地支に戊土多く、天干にまた戊土の出るを見れば、財旺にして身衰(しんすい)す。則ち「従財」に按じて看(み)る。必ず比肩・劫財なきを得てこそ妙なり。一たび比劫の来て分奪するに遇えば、則ち好き房子に住める窮人と成る。癸水を取りて用と為す者は、金をもって妻星と為し、水をもって子星と為す。ただし子女は艱難(かんなん)を免れず。戌は季月の土にして、まさに癸水のこの子星を克制するの故なり。
三冬乙木
十月乙木・亥月に生ず
十月乙木,木不受氣,而壬水司令,取丙為用,戊土次之。丙戊兩透,科甲定然。有丙無戊,雖不科甲,亦入儒林。支多丙火,運入火鄉,亦主顯達。
十月は亥を建つ。乙木は此(ここ)に生気を得着(とくちゃく)せず。而(しか)も壬水司令にして、水旺なれば則ち木は漂う。調候は丙火を取りて用と為し、戊土はこれに次ぐ——丙火は寒を解し暖に回らしめ、戊土は堤を築きて水を止む。丙・戊の両透は、科甲は必定なり。丙火ありて戊土なきは、科甲する能くさずといえど、また儒林(じゅりん)に入るべし。地支に丙火を多く蔵するは、行運が火郷に走り進めば、同じく顕達を主どる。
或水多無戊,乙性漂浮,流蕩之徒。若不見丙巳,妻子難全。或一點壬水,即多見戊土,亦為不妙,得甲制戊,可許能幹,但為人好生禍亂,構訟生非,男女一理。
もし水多くして戊土の来て制するなくば、乙木の柔性は水に随い漂い、一箇の流蕩不定の徒なり。もしまた丙火と巳中のこの一点の陽気とを見ざれば、妻子児女は皆保全し難し。もしただ一点の壬水ありて、却って戊土の往きてそれを制するを多く見れば、水少なく土重くして、かえって木を埋(うず)む。これもまた妙を為さず。このとき甲木を得て出でて戊土を疏制せば、かれは精明能幹(せいめいのうかん)を許すべし。ただし人と為りて禍乱を惹(ひ)くを好み、訟を興し非を生ずるを愛す。男命・女命は同一の道理なり。
支成木局,時值小陽,此又如春木同旺,若有癸出,須取戊為尊,加以丙透,科甲之人。若無丙戊二字,自成自敗,終非承受之輩。
もし地支が木局を会成し、而(しか)も十月はまた「小陽春(しょうようしゅん)」と称して、陽気は回り昇(のぼ)る。この時の乙木は竟(つい)に春木と同じく旺す。もしさらに癸水あって干に出て水を助けば、則ち必ず戊土を取りて最尊と為して水を止むべし。さらに丙火の透出して局を暖むるを加えば、便ち科甲の人なり。もし丙・戊のこの両字が一箇もなければ、木は自ら旺にして制なく泄なく、成るもまたそれ自身により、敗るもまたそれ自身により、終わりに家业を承受するに堪え得る人にあらず。
十一月乙木・子月に生ず
十一月乙木,花木寒凍,一陽來復,喜用丙火解凍,則花木有向陽之意,不宜用癸以凍花木,故端用丙火。有一二點丙火出干,無癸制者,可許科甲。即丙藏支內,亦有選拔恩封,得此不貴,必因風水薄。或壬癸出干,有戊制,可作能人,即丙在支內,亦是俊秀。若壬透無戊,貧賤之人。
十一月は子を建つ。花木は寒凍を受け、而(しか)も冬至に一陽は来(きた)りて復(かえ)る。まさに丙火を用いて凍を解するを喜ぶ。花木はこそ向阳し舒展するの意あれ。この時は宜しくさらに癸水を用いるべからず。癸水はただ花木を凍らし住(とど)むるのみ。だから端的に丙火を用るを要す。もし一両点の丙火あって干に出、而(しか)も癸水の来て克制するなくば、科甲を許すべし。たとい丙火はただ地支に蔵するのみなりとも、また選拔せられ恩封を受くるの分(ぶん)あり。このような配合を得てなお貴顕ならざれば、必ず祖墳の風水は太薄(たいはく)なり。もし壬水・癸水が干に出でて、戊土あってそれらを制し住(とど)むれば、また一箇の能幹の人と為し得べし。たとい丙火はただ地支の内に在るのみなりとも、また俊秀と算える。もし壬水透出して戊土の制なくば、寒水は木を浸し、便ち貧賤の人なり。
支成水局,干透壬癸,丙丁全無,雖有戊制,貧乏到老,運至南方,稍有衣食。丁火有亦如無,丁乃燈燭之火,豈能解嚴寒之凍。
もし地支が水局を会成し、天干にまた壬癸を透し、而(しか)も丙丁の二火が全くなければ、たとい戊土の水を制するあれども、ただ貧乏して老(お)いるのみ。行運が南方火地に到るを待ちて、こそやや衣食あり。丁火に至っては、それあるもなくに同じ——丁は過(あやま)らず灯燭(とうしょく)の火にして、いずくんぞ厳冬の冰凍を解き得んや。
設無丙丁,戊土多見,金水奔流,下賤。或有戊己無火,亦屬常人,但不至下賤。或一派丁火,大奸大詐之徒。如無甲引丁,孤鰥到老。丁火見甲,必主麟趾振振,芝蘭繞膝。
仮に丙丁ともになく、戊土は却って多く見ゆれば、一味の金水は奔流して陽気の回り昇るなく、下賤を主どる。もし戊己土ありて火なきは、また常人に属す。ただし下賤に至らず。もし満盤皆丁火なれば、虚火は根なく明滅定ならず。多くは大奸大詐(だいかんだいさ)の徒なり。もし甲木の来て丁火を引燃するなくば、便ち孤身鰥居(こしんかんきょ)して老いる。丁火にもし甲木の相引するを見れば、薪火は絶えず。必ず子孫众多を主どり、芝蘭の膝を繞(めぐ)るが如し。
或成水局,壬癸兩透,則木浮矣,不特貧賤,而且夭折,得一戊救方可。冬月之木,雖取戊制水,不可作用,端取丙火則可。用火者,木妻、火子;用土者,火妻、土子。
もし地支が水局を合成し、壬癸がまた天干に両透せば、乙木は便ち漂い起こる。貧賤のみならず、しかも夭折(ようせつ)す。必ず一箇の戊土を得て来て救い、こそ無事たるべし。冬月の木は、戊土を取りて水を制するを要するといえど、戊土は却ってただ急を救うの物にして、真の用神と算え得べからず。端的に丙火を取りて、こそ用を得ると算う。火を取りて用と為す者は、木をもって妻星と為し火をもって子星と為し、土を取りて用と為す者は、火をもって妻星と為し土をもって子星と為す。
乙木生於冬至之後,坐下木局,得丙透干者,富貴之造。即丁出干,亦有衣祿,須忌癸制丁。乙木生於冬月,己土透干,又有丙透,大富貴之造。十一月乙木,木寒宜丙,有寒谷回春之象,得一丙透,無癸出破格,不特科甲,定主名臣顯宦。丙火藏支,食餼而已;干支無丙,一介寒儒。
乙木が冬至以後に生まれ、坐下にまた木局ありて根を為し、さらに丙火を得て干に透して局を暖めば、富貴の造(ぞう)なり。たといただ丁火の干に出あるのみなりとも、また一份の衣禄(いろく)あり。ただし癸水の来て丁を克するを忌むを要す。乙木が冬月に生まれ、己土が干に透して根を培い、また丙火の透出して凍を解するあれば、さらに大富大貴の造なり。十一月の乙木は木性は寒冷にして、最も丙火を宜しくす。一たび丙火を得れば便ち「寒谷回春(かんこくかいしゅん)」の気象あり。一箇の丙火を得て干に透し、また癸水の出て格を破るなくば、科甲するのみならず、一定してなお名臣・顕宦を為し成り得べし。丙火はただ地支に蔵するは、過(あやま)らず廩生(りんせい)の一份の口糧を掙(あが)く。天干地支ともに丙火を見ざれば、ただ一介の凍え受くる寒儒(かんじゅ)なり。
或四柱多己,不逢比劫,乃為從才,富比王侯;若見比劫,貧無立錐。雖或一派戊己,見甲頗有衣祿。端以丙火為用,方妙。
もし四柱に己土甚だ多く、而(しか)も比肩・劫財の来て争うに逢わざれば、日主はただ命を棄てて財に従るを得るのみ。富は王侯に比(くら)ぶべし。もし比劫を見れば、かえって窮して立錐の地なし。たとい満盤戊己土なりとも、ただ甲木の出て土を疏するを見れば、また頗(すこぶ)る一份の衣禄あり。根を帰し底を究(きわ)むれば、やはり端的に丙火をもって用神と為してこそ、妙と算え得べし。
丙火を論ず
三春丙火
三春丙火,秉象至威,陽回大地,侮雪欺霜,端用壬水為扶陽,名曰天和地潤,既濟功成。正月用壬,庚辛為佐;二月端用壬水;三月土重晦光,取甲佐之為妙。
春三月の丙火は、象を太陽に取り、威威勢は極めて大にして、陽気は大地に回り照らし、能く霜雪を欺凌(ぎりょう)す。この時は端的に壬水を用るを要す——水を用るは要(や)してそれを克せんがためにあらず、江湖の水をもって太陽を承映し、それが為(た)めに陽徳を扶け起すなり。「天和地潤(てんわちじゅん)」と呼び、水火は既済(きせい)して功を成す。正月は壬水を用い、庚金・辛金をもって輔佐と作して水源を発す。二月は端的になお壬水を用る。三月は土重くして丙火の光輝を掩(おお)えば、則ち甲木を取りて土を疏すを輔と為す。最も法を得たり。
癸丙春生,不晴不雨之天。丙日春生,時月出癸,雲霧迷濛,不顯不達,非若水輔丙也。
癸水と丙火とが春に同生(どうせい)するは、一箇の晴れず雨ならざる天気に譬えたり。丙火日主が春月に生まれて、もし時干・月干にまた癸水を出(いだ)せば、陰雲薄霧は太陽を遮(さえぎ)りて、迷迷濛濛として散らし開かず。この人は顕れず達せず——これは壬水の丙火を輔佐し、大水が日輪の光輝を映し出すの情形と、全く両回事なり。
正月丙火・寅月に生ず
正月丙火,三陽開泰,火氣漸炎,取壬為尊,庚金佐之。壬庚兩透,科甲定然;即壬透庚藏,亦有異途顯達。若一庚高透,支藏一二丙火,納粟奏名,主為人慷慨英雄,有才邁眾。
正月は寅を建つ。三陽開泰(さんようかいたい)し、丙火の火気は漸く炎に転ず。壬水を取りて最尊と為し、庚金を作して輔佐と為して水を生ず。壬・庚の両透は、科甲は必定なり。たとい壬水は干に透して庚金はただ地支に蔵するのみなりとも、また異途によりて顕達し得べし。もし単単一箇の庚金が高透し、地支裏に一両点の丙火を蔵せば、捐納米粟(えんのうまいぞく)して一箇の官銜を得て名を揚ぐるを主どる。人と為りて慷慨にして英雄の気あり、才干は衆人に超過す。
或一派庚辛混雜,常人;得時月兩透庚金、無辛者,定主清貴。或辛年辛時,名為貪合,酒也之徒,女命一理。或丙少壬多,而無戊制,名殺重身輕,斯人篌裡藏刀,尋非痞棍;或見一戊制壬,反成富貴,宜見一二比肩方妙。
もし庚金・辛金が一片に混雑し、財星は清ならず。ただ常人なり。もし時干・月干の両処ともに庚金を透して辛金を見見ざれば、財気は純正にして、必ず清貴を主どる。もし年干・時干がともに辛金なれば、丙辛は相合す。「貪合(たんごう)」と呼ぶ——日主は財に合するを貪りて正用を忘れ、貪杯好色(たんぱいこうしょく)の徒と成る(原文の「酒也」は当に「酒色」と為すべし)。女命は同一の道理なり。もし丙火少なくして壬水多く、また戊土の水を制するなくば、「殺重身軽(さつじゅうしんけい)」と呼ぶ。この種の人は笑裏に刀を蔵し(原文の「篌」は「笑」の訛なり)、専一に釁(きずな)を尋ね非を生ず。一箇の潑皮無頼(はっぴぶらい)なり。もし一箇の戊土を見て壬水を制し住(とど)むれば、かえって富貴と成る。この時は最もさらに一両箇の比肩の身を幇けるを見てこそ妙なり。
或一片戊土,甲不出干,終非大器,且恐孤貧。正月之丙,忌戊晦光。或支成火局,端取壬水為貴,無壬,癸亦姑用;若壬癸俱無,取戊以洩火氣,但屬平人。
もし満盤に一片の戊土ありて、甲木は天干に透出してそれを疏することなくば、食神は太重くして日主の光を遮り、終わりに大器を成し得べからず。なお孤苦貧寒を怕る。正月の丙火は、最も戊土の来てその光輝を晦暗(かいあん)するを忌む。もし地支が火局を会成し、火勢は過炎せば、端的に壬水を取りて貴と為す。壬水なくんば、癸水もまた姑(しばら)く一用すべし。もし壬癸ともになければ、ただ好んで戊土を取りて火気を泄らす。ただしこのようもまたただ一箇の平常人なり。
或支成火局,吊作炎上而推,但不逢時耳,若不見東南歲運,反致孤貧。或四柱有甲木,得康金暗制,可作秀才。
もし地支が火局を会成せば、また姑(しばら)く「炎上格(えんじょうかく)」に按じて推すべし(原文の「吊作」はすなわち「且作」)。ただし正月に生まるるは火の当令の時にあらざれば、格は真と算えざるのみ。この種の命はもし流年大運が東南木火の郷に走らざれば、かえって孤貧に致る。もし四柱の中に甲木あって火を生ずること太過にして、而(しか)も庚金を得て暗処に在りて甲木を制し住(とど)むれば、一箇の秀才を為し得べし(原文の「康金」はすなわち庚金)。
無壬用癸者,略富貴,且官殺亦要旺有限。丙火無壬,多主貧賊,屢徵屢驗。或火多無水,一至水必死,不然,定有災咎。惟五月丙火,合炎上格,則不喜水破格;用癸無根,定主日疾。用壬者,金妻水子;用庚者,土妻金子。
壬水なくして改めて癸水を用るは、ただやや富貴あるのみにして、しかも官殺の旺もまた限度あるを要す。丙火命中に壬水なきは、多くは貧賤を主どる(原文の「貧賊」は当に「貧賤」と為すべし)。この一条は屢(しばし)験(ため)して爽(たが)わず。もし火多くして全く水なく、一たび水運に行き到れば、水火は激戦して、必ず死亡に致る。死なざるもまた必ず災咎(さいきゅう)あり。ただ独り五月の丙火は「炎上格」に合し、それは則ち水を見て格を破るを喜ばず。もし癸水を用いて癸水根なければ、かえって眼目の疾を主どる(原文の「日疾」は当に「目疾」と為すべし)。壬水を取りて用と為す者は、金をもって妻星と為し水をもって子星と為し、庚金を取りて用と為す者は、土をもって妻星と為し金をもって子星と為す。
時日月年:庚丙庚丙,寅午寅午。兩間不雜,按察。時日月年:壬丙戊庚,辰寅寅寅。庚壬兩透,詞林。時日月年:丁丙庚辛,酉子寅亥。狀元。時日月年:戊丙壬丁,戌子寅酉。
下の四造は皆「時・日・月・年」の順に自(おのずか)ら左より右に横列す。通例の年月日時の次序に還元すれば次の如し。第一造。丙午年・庚寅月・丙午日・庚寅時——天干はただ丙庚の両字あり、地支はただ寅午の両字あり、両両として対を成して他の干支を夾雑(きょうざ)せず。いわゆる「両間不雑(りょうかんふざつ)」なり。この人は官は按察使に至る。第二造。庚寅年・戊寅月・丙寅日・壬辰時——庚金は水源を発し、壬水は日輪を映す。庚壬の両透にして、詞林(じりん)に入りて翰苑(かんえん)の官と為るを得。第三造。辛亥年・庚寅月・丙子日・丁酉時——亥中の壬水は殺と為し、庚辛の金はこれを生ず。日主はまた子水に坐し、寒暖は調停して宜(よろし)きを得。状元(じょうげん)に中(あた)りたり。第四造。丁酉年・壬寅月・丙子日・戊戌時——壬水は天干に透出して戊土は時上に在りてこれを制す。濁を去りて清を留む。まさに正月丙火が壬を用い、戊をもって佐と為すの様子なり。
二月丙火・卯月に生ず
二月丙火,陽氣舒升,端用壬水。壬透天干,不見丁化,加以庚辛已亦透,壬水有根,定主科甲。或無壬水,己土姑用,主有才學,雖不能成名,必衣食充足。
二月は卯を建つ。陽気は舒展して上昇し、端的に壬水を用るを要す。壬水は天干に透し、また丁火に合化せられず、さらに庚金・辛金および己土(原文は「已」と作す)もまた透し出でて水を生じ火を泄らせば、壬水は根あり源ありを得。必ず科甲を主どる。もし壬水なくんば、則ち姑(しばら)く己土を用いて火を泄らし光を晦(くら)まさむ。このような人は才あり学あり。名を成し得べからずといえど、衣食は一定して充足す。
或一派壬水,見一戊制,雖不科甲,亦有恩庇。或無戊透,則有辰戌丑未之戊,但辰宮癸水,貪合成火,不能制壬,此平常衣祿。若支下全無一戊,此係奔流之人,加以金多生水,下賤之命。
もし満盤に壬水あり、一箇の戊土を得て出でて制し住(とど)むれば、科甲する能くさずといえど、また祖上の恩蔭の庇護あり。もし天干に戊土の透出なく、ただ辰戌丑未のこれらの土支中の蔵する戊に靠(よ)れば、その中辰宮は別に癸水を蔵し、戊癸は貪合して火に化す。この戊は便ち壬水を制し得べからず。ただ平常の衣禄を落(お)とすのみ。もし地支の下に一点の戊土にも至らなければ、それはすなわち四処に奔流する人なり。さらに金多くして水を生じ、水勢は愈々(いよいよ)盛んなれば、便ち下賤の命なり。
或一派戊土,亦用壬水,運喜行木,見土不祥,行火亦不利。或丙子日辛卯時,乃從化格,但不逢時貪才壞印,難招祖業。若得一二重丁火破辛,壬水得位,亦主富貴,雖不科甲,亦有異途,名傳郡邑,合此格,主妻妾多子。
もし満盤に一片の戊土あって光を晦ませば、またなお旧のまま壬水を用いて用と為す。行運は木地に走るを喜ぶ。木は能く土を疏して水を衛(まも)り、土を見れば便ち吉ならず、火地に走るもまた利あらず。火はまた往きて土を生ずればなり。もし丙子日に辛卯時を配すれば、丙辛は相合し、本より従化の格を論ずべし。ただし二月に生まるるは化神の当令の時にあらず。格は時に逢わず。卯木は印にして辛金は財なり。財に貪合すれば便ち印を壊す。だから祖上の産業を承受するに堪えず。もし能く一両重の丁火を得て辛金を克破し、この一層の貪合を解き開けば、壬水はまた地を得位あり。また富貴を主どる。科甲の出身によりずといえど、また異途を走り、名声は一郡一邑(いっぐんいちゆう)に伝遍(でんぺん)す。この格局に合するは、妻妾多くして子息もまた多きを主どる。
或月時見二辛卯,日乃丙子,名為爭合,年不透丁制辛,此人昏酒色,年透丁火,反吉。或支成木局,反因奸得才,因酒得名。凡用壬者,金妻水子。
もし月柱と時柱とがともに辛卯にして、日柱が丙子なれば、両箇の辛金が争い来たって一箇の丙火を合す。「争合(そうごう)」と呼ぶ。年干にもし丁火の出て辛を克し合を解するなくば、この人は便ち酒色に沉溺(ちんでき)し、昏昏(こんこん)として日を度(わた)る。年干にもし丁火を透せば、かえって吉と為る。もし地支が木局を会成し、印重くしてまた財に合せば、かえって男女の私情に因りて財を得、酒宴・応酬(おうしゅう)に因りて名を得るを主どる。およそ壬水を取りて用と為す者は、金をもって妻星と為し、水をもって子星と為す。
時日月年:己丙己乙,亥申卯亥。時日月年:己丙丁己,亥申卯亥。
この両造は同じく「時・日・月・年」の順に横列す。第一造は還元して乙亥年・己卯月・丙申日・己亥時と為す。二月の丙火は本当に壬を用るべきに、此の造は壬水は両箇の亥中に蔵して透出せず。天干の両箇の己土はかえって来て火を晦まし水を濁す。まさに前文の「壬水なくば、己土を姑く拿(と)りて用る」の一類に合す。第二造は還元して己亥年・丁卯月・丙申日・己亥時と為す。月干の丁火は身を幇(たす)け、亥中の壬水は殺と為し、己土は一面は火を泄らし、一面は水を制す。配置は上の一造と相仿(あいに)す。用神はなお亥中のあの一点の壬水に在り。
三月丙火・辰月に生ず
三月丙火,氣漸炎升,用壬水。或成土局,取甲木為輔,壬不可離。壬申兩透,科甲定宜,惟忌庚出制甲,則秀才而已。無甲用庚,助壬水洩土氣。
三月は辰を建つ。丙火の気は漸く炎升し、なお壬水を用いて用と為す。もし地支が土局を会成し、土重くして光を晦ませば、則ち甲木を取りて土を疏すを輔と為す。ただし壬水は一刻も離るるを得ず。壬水と甲木との両様ともに透すれば(原文の「壬申」は当に「壬甲」と為すべし)、科甲は自ら一定なり。ただ庚金の干に出て甲木を克制するを忌む。それは則ちただ一箇の秀才を為すのみ。もし甲木なくんば、便ち改めて庚金を用る。庚金は一面は壬水の源を助け、一面は厚土の気を泄らし去る。
壬透甲藏,富大貴小;有甲無壬,勞碌濁富;壬藏無甲,一介寒儒;壬甲兩無,愚賤之輩。乙丁雜亂,定必屬凡夫。用壬者,金妻水子;用甲者,水妻木子。
壬水は干に透して甲木は支に蔵するは、富気は大にして貴気は小なり。甲木ありて壬水なきは、労碌して一生し、富むもまた清ならず。壬水は支に蔵して甲木なきは、ただ一介の寒儒なり。壬水・甲木の両様ともになきは、愚昧下賤の輩なり。もし乙木・丁火がその間に雑乱せば——乙木は厚土を疏し動かさず、丁火はまた壬水に敵し住(とど)まず——一定してただ一箇の平庸人なり。壬水を取りて用と為す者は、金をもって妻星と為し水をもって子星と為し、甲木を取りて用と為す者は、水をもって妻星と為し木をもって子星と為す。
三夏丙火
三夏丙火,陽威性烈,專用壬水。若亥宮壬水無力,回克洩氣故也,仍用申宮長生之水,方雲富貴。四月端用壬水,金為佐;五月亦端用壬,四五月壬透者富貴,丁多兼看癸水;六月用壬,但借庚金為佐。
夏三月の丙火は、陽威は熾烈にして、専ら壬水を用いて調剤(ちょうざい)す。ただし亥宮の蔵する壬水はこの時力量不足なり——夏火は太旺にして、水はかえって火に回り克せられ、また気を分けて亥中の甲木を生ずるに往き、自身は泄耗す——だからなお申宮長生の壬を取りて、こそ富貴を談じ得べし。四月は端的に壬水を用い、金を作して輔佐と為す。五月もまた端的に壬を用る。四月・五月はおよそ壬水の干に透する皆富貴を主どる。もし丁火多くして来て壬に合せば、便ち兼ねて癸水を看(み)る。六月は壬を用いて、ただ庚金を借りて輔佐と作して水源を発するを要す。
陽刃合殺,威權萬里。丁火羊刃太旺,正謂羊刃倒戈,無頭之鬼。丙火用壬,生旺坐實方好,忌壬水太多,名殺重身輕。
丙火は午をもって陽刃(ようじん)と為し、壬水をもって七殺と為す。刃と殺とは両相牽制して各々その平を得。威権万里(いけんばんり)を主どる。しかしもし丁火・羊刃が太旺にして制する所なければ、則ち「羊刃倒戈(ようじんとうか)」と成りて、刀口はかえって自身を砍(き)る。命書はこれを称して「無頭之鬼(むとうのき)」と為す。丙火が壬水を取りて用と為すには、必ずこの壬水が自身生旺にして、坐下に実地あってこそ好し。同時にまた壬水太多きを忌む。太多ければまた「殺重身軽」と成る。
四月丙火・巳月に生ず
四月丙火,建祿於巳,火勢炎炎,宜專用壬水,解炎威之力,成既濟之功。如無壬水,孤陽失輔,難透清光,得庚發水源,方為有根之水。壬庚兩透,不見戊土,號曰湖水汪洋,廣映太陽,光輝顯著,文明之象。人合此格,不但科甲崢嶸,必有恩諡封榮。若不驗,必暗損陰德。
四月は巳を建つ。丙火は巳の上に禄を建て、火勢は炎炎(えんえん)たり。応に専ら壬水を用いてその炎威を解き、水火既済の功を成就すべし。もし壬水なくんば、便ち孤孤陽は輔を失し、清明の光輝を透出す能くさず。必ず庚金の来て水の源を発するを得て、この壬水はこそ根ありと算え得べし。壬・庚の両透にして戊土の出て水を克するを見ざれば、「湖水汪洋(こすいおうよう)・広く太陽を映す」と呼ぶ——一片の大水は日輪を承(う)け、光輝は顕著(けんちょ)にして、文明の気象なり。人がこの格局に合せば、科甲崢嶸(こうかせいえい)するのみならず、また必ず朝廷の恩封・謚栄(しえい)あらん。たとわ験(ため)さざらば、それは必ず暗に陰徳を損ねり。
或無壬水,癸亦姑用,見庚透癸,不富必貴,但心性乖僻,巧謀善辯。或壬癸俱無,愚頑之輩,火炎無制,僧道之流。或一派庚金,不見比劫,有富無貴。
もし壬水なくんば、癸水もまた姑(しばら)く拿(と)りて用うべし。庚金の水を生ずるを見て癸水また干に透せば、富まずとも必ず貴し。ただし心性は乖僻(かいへき)にして、機巧・謀算と言辞・辯説とに長(た)けたり。もし壬癸ともになければ、火は炎(ほの)おて制なく、愚頑(ぐがん)の輩なり。多くは僧道の流に入る。もし満盤に一片の庚金ありて財と為すも、却って比肩・劫財の来て身を幇け財を任(にん)ずるを見ざれば、身弱にして財旺なり。ただ富ありて貴なし。
或丙什日干,四柱多壬,不見戊制,名曰陰刑殺重,光棍之流。或支成水局,加之重重壬透,一無制伏,盜賊之命,如見己土,下賤鄙夫。用壬者金妻水子。
もし丙火を日干と為して(原文の「什」字は衍誤なり)、四柱に壬水甚だ多くして戊土の来て制するを見ざれば、「陰刑殺重(いんけいさつじゅう)」と呼ぶ。殺重身軽にしてまた救応なく、無頼光棍(ぶらいこうこん)の一流なり。もし地支が水局を会成し、さらに重重の壬水を加えて干に透し、一点の制伏もなければ、便ち盗賊の命なり。もしただ己土の来て擋(ふさ)ぐを見るのみなれば——己土は濁軟(だくなん)にして、汪洋の水を止むる能くさず——それはすなわち下賤鄙俗(げせんひぞく)の夫なり。壬水を取りて用と為す者は、金をもって妻星と為し、水をもって子星と為す。
時日月年:戊丙乙丁,子子巳巳。庚運奪魁。時日月年:甲丙辛乙,午午巳未。時日月年:丙丙辛庚,申寅巳子。
以下の三造はなお「時・日・月・年」の順に横列す。第一造。丁巳年・乙巳月・丙子日・戊子時——両巳は火を助けて炎威は甚だ盛んなり。幸いに日支・時支の両箇の子水は炎を制し、行運が庚運に到りて水源を発し起こし、遂に頭名を奪い取りたり。第二造。乙未年・辛巳月・丙午日・甲午時——満局は火土にして、辛金は発するべき水なく、甲木はまた来て火を生ず。まさに四月丙火の壬を缺くの一類なり。第三造。庚子年・辛巳月・丙寅日・丙申時——年支の子水・時支の申金、申子は相生して庚辛は源を発す。水はすでに根ありまた源あり。ちょうど「庚を得て水源を発せば、方(まさ)に根ある水と為る」の説に合す。
五月丙火・午月に生ず
五月丙火愈炎,得壬庚高透,方為上命。或一壬無庚,亦主頁監,猶防戊己出干,丁壬化合,則為平人。即不透庚壬,或有申宮長生之水,濟之坐祿之金,至妙,必入詞林,又怕戊己雜亂,則為異路。
五月は午を建つ。丙火は愈々(いよいよ)炎烈す。必ず壬水と庚金とを得て高く天干に透してこそ、上等の命と算え得べし。もしただ一箇の壬水ありて庚金の源を為すなくば、また一箇の貢生・監生の功名を主どる(原文の「頁監」は当に「貢監」と為すべし)。ただしなお戊己土の干に出て水を克し、丁火の出て壬と相合して木に化するを防ぐを要す——一たび克せられ合せられれば、則ち平常人と成る。たとい庚壬ともに干に透せずとも、ただ地支に申宮のこの一点の長生の水あれば、さらに禄を坐する金あって来てそれを接済(せっさい)す。これもまた極めて妙なり。必ず詞林に入る能くさん。ただ戊己土のその間に雑乱するを怕る。それは便ちただ異路を走るのみ。
或成火局,不見滴水者,乃僧道鰥獨之命。即有一二癸水,多遇火土,用之無力,瞽目之人。得戊己透火氣,亦主刑剋孤寡,行北運多凶,何也,所謂燥烈水激反凶。
もし地支が火局を会成し、一滴の水も見ざれば、これは僧道・鳏寡孤独(かんかこどく)の命なり。たとい一両点の癸水あれども、火土太多なるに奈(いか)んともし難く、用うるもなおなお力なし。眼目失明を主どる。もし戊己土の透し出て火の気を泄らすを得れば、また刑克・孤寡を主どる。この種の命は北方水運に行くこと多くは凶なり。何を以(もっ)てか。局面すでに燥烈して極処に至り、さらに水を拿(と)りてそれを激すれば、かえって禍を招けばなり。
或成炎上格,柱運不見庚辛,多見甲乙者,反主大富貴,然亦不可見水運。或有庚癸透者,衣祿充足,支火輕,無目疾,支見水者,異途。或成土局,又為洩太過,得壬滋甲出干,土被制而火得生扶,此必富貴壽考之格也。
もし「炎上格(えんじょうかく)」を成せば、命局と行運とともに庚辛の金の来てそれに逆らうを見ず、かえって甲乙木の来てその気勢に順うを多く見る。かえって大富大貴を主どる。ただし同じく水運に走りて格を破るべからず。もし庚金・癸水の透出あれば、衣禄は充足す。地支の火気は太重からざれば、便ち眼目の疾なし。地支に水を見るは、多くは異途より出身す。もし地支が土局を会成し、火気は泄されて太過なれば、この時壬水を得て甲木を滋养し、甲木はまた天干に透出せば、土は木に制せられて火は木に生ぜられ、これは必ず富貴にしてまた長寿の格局なり。
時日月年:己丙壬庚,亥戌午寅。時日月年:己丙戊戊,丑午午戌。時日月年:甲丙戊戊,午辰午申。
以下の三造はなお「時・日・月・年」の順に横列す。第一造。庚寅年・壬午月・丙戌日・己亥時——月干の壬水は年干の庚金に相生を得、時支の亥水はその根と為る。まさに「壬庚高透」の上命の様子なり。第二造。戊戌年・戊午月・丙午日・己丑時——満局は火土にして、一滴の水も見えず。両戊一己はただ火を泄らす能くするのみで、炎威を済(たす)くる能くさず。すなわち前文の火局に水なきの一類なり。第三造。戊申年・戊午月・丙辰日・甲午時——申中の壬水は長生にして、辰はまた水庫なり。時干の甲木は土を疏して水を護るをもってす。土は制せられて火は生扶を得。「壬を得て甲を滋し干に出す」の説とまさに合す。
六月丙火・未月に生ず
六月丙火退氣,三代生寒,壬水為用,取庚輔佐。庚壬兩透,貼身相生,可云科甲名宦。若無庚有壬,不見戊出,小富小貴;見戊制壬,則為賢而已。或己土出干混雜,此必庸夫俗子。或壬水淺,己土出干,其人貧困;無壬下格,賤而且頑,男女一理。
六月は未を建つ。丙火は転じて退気に入り、三伏の中に暗(ひそか)に寒を生ず(原文の「三代」は当に「三伏」と為すべし)。なお壬水をもって用と為し、庚金を取りて輔佐と作す。庚・壬の両透にしてまた身に貼(へ)りて相生せば、科甲出身の名宦(めいかん)と称すべし。もし庚金なくして壬水あり、しかも戊土の干に出て克するを見ざれば、また小富小貴と算える。もし戊土を見て壬水を制し住(とど)むれば、則ちただ一箇の賢良の名を落(お)とすのみ。もし己土が干に出て壬水を混濁せば、この人は必ず庸夫俗子(ようふぞくし)なり。もし壬水は本より浅薄にして、己土はまた干に出てそれを濁せば、この人は貧困なり。一点の壬水にも至らなきは、下格にして、賤にしてしかも頑(がん)なり。男命・女命は同一の道理なり。
或天干一派丙火,陽極生陰,干支兩見庚壬。總之六月丙火用壬,不同餘月用壬、喜運行西北;六月用壬,喜運行西南。
もし天干に一片の丙火あれば、陽は極処に到りて便ち陰気を回生す。この時は最も天干地支の両処ともに庚金と壬水とを見得るを要す。局面はこそ転機あれ。総じていえば、六月丙火が壬を用るは、別の月份(げつふん)の壬を用ると同じからず。別の月份が壬を用るは、行運が西北の金水の地に走るを喜ぶ。六月が壬を用るは、却って行運が西南に走るを喜ぶ——未月は土旺にして水弱し。先ず金気の来て土を泄らすを要して、水はこそ生じ起こり得べし。
時日月年:壬丙丁壬,辰申未寅。時日月年:己丙己戊,亥戌未午。時日月年:戊丙丁壬,戌申未寅。
以下の三造はなお「時・日・月・年」の順に横列す。第一造。壬寅年・丁未月・丙申日・壬辰時——両箇の壬水は一箇の丁火を夾(はさ)み、日主は申中長生の水に坐し、辰はまた水庫なり。壬を用いて水は根あり。まさに六月に壬を取るの法に合す。第二造。戊午年・己未月・丙戌日・己亥時——満盤は土重くして光を晦(くら)まし、ただ亥中の一点の壬水あるのみ。己土はまた干に出て混濁す。すなわち前文の「己土は干に出て混雑せば、必ず庸夫俗子」の一類なり。第三造。壬寅年・丁未月・丙申日・戊戌時——壬水は透するといえど、戊土は却って時上に在りてそれを制し住(とど)む。「戊を見て壬を制すれば、則ち賢と為るのみ」の様子に属す。
七月丙火・申月に生ず
七月丙火,太陽轉西,陽氣衰矣,日近西山,見土皆晦,惟日照湖海,暮夜光天,故仍用壬水輔映光輝。
七月は申を建つ。太陽はすでに西方に転じ向き、陽気は衰う。日頭(じっとう)の西山に近づかんとするに譬(たと)うべし。この時土を見れば皆来たってその光を掩(おお)う。ただあの一輪の落日が湖海の上に映じて、こそ暮色(ぼしょく)の裏に天光を返照し出さしめ得べし。だからなお旧のまま壬水を用いて丙火の光輝を輔映(ほえい)するを要す。
如壬多,取戊制方妙。有壬透干,又見戊土出干,可云科甲;如戊藏支內,不過生員;多壬無戊,平常人也。或戊多壬少,亦屬常人。或多壬,一戊出制,所謂眾殺猖狂,一仁可化,必主顥達,有權職。
もし壬水太多ければ、則ち戊土を取りてこれを制してこそ妙と為す。壬水は干に透し、また戊土の干に出て制するを見れば、科甲を談ずべし。もし戊土はただ地支の内に蔵するのみなれば、過(あやま)らず一箇の生員(せいいん)なり。壬水多くして全く戊土なきは、ただ平常人なり。反って見れば、戊土多くして壬水少なければ、食神は太重くして光を掩う。これもなおなお常人なり。もし壬水は多いといえど、一箇の戊土を得て出でて管し住(とど)むれば、まさにいわゆる「衆殺猖狂(しゅうさつしょうきょう)、一仁あって化すべし」——群凶は一位の君子に遇えば便ち服帖(ふくふく)す——必ず顕達を主どる(原文の「顥達」は当に「顕達」と為すべし)。しかも権職を掌(つかさど)る。
一派辛金,又為棄命從才,奇特之造,亦得恩榮,但多依親戚而為進身之階。從才者以水妻木子。
もし満盤に一片の辛金ありて財と為し、日主は恃(たの)むべき根なければ、それはまた「棄命従財」と成る。奇特の造(ぞう)にして、また恩栄を得着(とくちゃく)し得べし。ただし多くは半ば親戚の提携に依りて進身の階梯(かいてい)と作すを要す。従財格に入る者は、水をもって妻星と為し、木をもって子星と為す。
時日月年:壬丙戊壬,辰申申戌。時日月年:庚丙甲乙,寅申申未。
以下の二造はなお「時・日・月・年」の順に横列す。第一造。壬戌年・戊申月・丙申日・壬辰時——両壬は干に透し、申辰はまた暗に水局を会す。殺勢は甚だ旺なり。幸いに月干の戊土あって出でて水を制す。まさに「壬多ければ戊を取りて制するこそ妙」の様子なり。第二造。乙未年・甲申月・丙申日・庚寅時——甲乙木は干に在りて身を生じ、庚金は寅に坐して財と為し、申中の壬水は暗に用神と為る。七月丙火の身弱にして印を借りて壬を用るの一類に属す。
八月丙火・酉月に生ず
八月丙火,日近黃昏,丙之餘光,存於湖海,仍用壬水輔映。四柱多丙,一壬高透為奇,定主登科及第,富貴雙全;一壬藏支,亦主秀才。或戊多困水,則假作斯文;若無壬水,癸亦可用,但功名不久。
八月は酉を建つ。日頭はすでに黄昏(こうこん)に近づき、丙火はただ一点の余光を剩(あま)して、皆湖海の中に存す。だからなお壬水を用いて輔映す。四柱に丙火多きは、ただ一箇の壬水の高透あれば、便ち奇特と算え、必ず登科及第・富貴双全を主どる。壬水ただ地支に蔵するは、また一箇の秀才を主どる。もし戊土多くして水を困住せば、この人は便ち斯文を假装(かそう)するに過ぎず。もし壬水なくんば、癸水もまた拿(と)りて用い得べし。ただし功名は長久すること能くさず。
或見辛透,不能從化,貧苦到老。或見一丁制辛,為人奸詐,不識高低;女命合此,長舌淫賤。
もし辛金の干に透して来て丙と相合するを見、而(しか)も八月は金正旺にして水地は足らず、合したれども化して水を成さざれば、日主は合を貪りて正用を失し、便ち貧苦して老(お)いる。もし別に一箇の丁火を見て出でて辛金を克制せば、合は解き開かるといえど、火金は却って相争う。人と為りて奸詐にして高低を知らず。女命がこれに合するは、則ち口舌を搬弄(はんろう)する淫賤の流なり。
或成金局,無辛出干,此非從才,乃朱門餓莩;如辛出干,不見比劫,此從才格,反主富貴,親戚提拔,妻賢內助。用水者,金妻水子;從才者,水妻木子。
もし地支が金局を会成し、而(しか)も天干に辛金の出て統領するなくば、財は多いといえど依附する所なし。これは則ち従財と算えず、ただ朱門(しゅもん)の内に餓死する人なり。もし辛金が干に出で、また比肩・劫財の来て争奪するを見ざれば、これはこそ真の従財格なり。かえって富貴を主どり、親戚の提拔を得、妻子は賢慧にして能く内助を為す。水を取りて用と為す者は、金をもって妻星と為し水をもって子星と為し、従財格に入る者は、水をもって妻星と為し木をもって子星と為す。
時日月年:丁丙丁丙,酉午酉子。時日月年:丁丙丁丙,酉辰酉寅。時日月年:戊丙癸己,子子酉卯。
以下の三造はなお「時・日・月・年」の順に横列す。第一造。丙子年・丁酉月・丙午日・丁酉時——天干は両丙両丁にして、火は弱と為らず。全く年支の子中の壬水一点に靠(よ)りて用と為す。まさに「四柱丙多し、一壬をもって奇と為す」の意に合す。第二造。丙寅年・丁酉月・丙辰日・丁酉時——火は多くしてただ辰中の癸水を潤と為すのみ。上の一造に比べて清を欠(か)く。第三造。己卯年・癸酉月・丙子日・戊子時——癸水は干に透し、両子は根と為す。惜しむらくは時干の戊土の出て癸を合し水を濁す。まさに壬水なくして癸を借り、功名は久しからざるの一類なり。
九月丙火・戌月に生ず
九月丙火,火氣愈退,所忌土晦光,必須先用甲木,次取壬水。甲壬兩透,富貴非凡;苦無壬水,得癸透干,亦可,雖不科甲,異路功名;壬癸藏支,頁監而已;甲藏壬透,無庚破甲,可許秀才。或庚戊困了水木,定是庸才;無甲壬癸者,下格。
九月は戌を建つ。丙火の気は愈々(いよいよ)退く。忌む所は戌土のその光を掩晦(えんかい)するなり。だから必ず先ず甲木を用いて土を疏し、其次に壬水を取りて光を映ず。甲・壬の両透するは、富貴は非凡なり。もし壬水なきに苦しめば、癸水を得て干に透するもまた行き得べし。科甲する能くさずといえど、また異路の功名あり。壬癸はただ地支に蔵するは、過(あやま)らず一箇の貢生・監生なり(原文の「頁監」は当に「貢監」と為すべし)。甲木は支に蔵して壬水は干に透し、また庚金の来て甲木を克破するなきは、一箇の秀才を許すべし。もし庚金は木を克し、戊土は水を克して、水木の両箇の用神を一斉に困住せば、一定して一箇の庸才(ようさい)なり。甲・壬・癸の三様が全くなければ、下格に落つ。
或一派火土,雖不太旺,亦自燥矣,如不離過繼,亦主奔流;加以無庚辛壬癸出干,必為夭命。或支成火局,炎上失時,若運入南方,一貧徹骨。用甲者,水妻木子;用壬者,金妻水子。
もし満盤に火土あれば、たとい火は太旺と算えずとも、局面はすでに燥(かわ)けり。このような人は家を離れて別房に過継(かけい)するにあらざれば、また一生奔走流蕩を主どる。さらに庚辛壬癸が一箇も干に出ずるを加えば、すでに潤すべき水なく、また生ずべき金なし。必ず短命なり。もし地支が火局を会成せば、九月は火はすでに時を失し、「炎上」はその名あれどもその時なし。行運がさらに南方火地に入れば、則ち窮して徹骨(てっこつ)す。甲木を取りて用と為す者は、水をもって妻星と為し木をもって子星と為し、壬水を取りて用と為す者は、金をもって妻星と為し水をもって子星と為す。
時日月年:戊丙甲己,子子戌亥。時日月年:戊丙戊丙,戌午戌申。時日月年:壬丙壬戊,辰寅戌戌。
以下の三造はなお「時・日・月・年」の順に横列す。第一造。己亥年・甲戌月・丙子日・戊子時——月干の甲木は戌土を疏き開き、亥子の水は壬癸の根と為る。まさに「先ず甲木を用い、次に壬水を取る」に合す。第二造。丙申年・戊戌月・丙午日・戊戌時——両箇の戊土は光を晦まし、すでに疏すべき甲木なく、また潤すべき壬水なし。すなわち前文の火土の燥局の一類なり。第三造。戊戌年・壬戌月・丙寅日・壬辰時——両壬は干に透し、寅中の甲木は暗に戌土を疏し、辰はまた水を蓄う。水木は倶(とも)に備わる。九月丙火の裏にて配置の清きを較(くら)ぶる一造なり。
十月丙火・亥月に生ず
十月丙火,太陽失令,得見甲戊庚出干,可云科甲,主為人性好清高,斯文領袖。如辛透見辰,名化合逢時,主大貴。或壬多無甲,乃作棄命從殺,即不科甲,亦是宦僚。或壬多有甲無戊,郤非從殺,宜用己土混壬。
十月は亥を建つ。壬水は権を当たり、太陽は時令を失(うしな)う。この時もし甲木・戊土・庚金を得て一斉に干に出せば——甲木は殺を化して身を生じ、戊土は水を制し、庚金は水を生じて通関す——科甲を談ずべし。人と為りて性情は清高にして、斯文一路の領袖(りょうしゅう)なり。もし辛金が干に透してまた辰土を見れば、丙辛は水に化して辰は水庫と為る。「化合逢時(かごうほうじ)」と呼び、大貴を主どる。もし壬水太多くして甲木の通関なくば、日主は依托する所なし。それは則ち「棄命従殺」と作して看(み)る。科甲によりずとも、また一箇の官場中の人なり。もし壬水は多いといえど甲木ありて、而(しか)も戊土なくば、甲木は引化して日主は便ち殺に従るを肯(がえ)んぜず。この時は宜しく己土を用いて壬水を混濁し、その勢いを減ずべし。
總之十月丙火,木旺宜庚,水旺宜戊,火旺用壬,隨宜酌用可也。
総じていえば、十月の丙火は何(なに)が偏(かたよ)れるかを看て、偏れるを治するなり。木旺なるは宜しく庚金を用いて木を裁し、水旺なるは宜しく戊土を用いて水を制し、火旺なるは壬水を用いて炎を解すべし——各(おの)人の局面の偏枯(へんこ)に按じ、宜(よろし)きに随いて斟酌して取り用うれば則ち是なり。
時日月年:庚丙乙甲,寅戌亥申。時日月年:戊丙辛壬,子戌亥辰。時日月年:壬丙己辛,辰子亥巳。
以下の三造はなお「時・日・月・年」の順に横列す。第一造。甲申年・乙亥月・丙戌日・庚寅時——甲乙木は亥水を化して丙を生じ、時干の庚金はまた能く木を裁す。木火水金は各々その位を得。「甲戊庚は干に出る」の意に合す。第二造。壬辰年・辛亥月・丙戌日・戊子時——辛金は干に透し、辰は水庫と為る。まさに「辛透して辰を見れば、化合は時に逢う」の様子なり。戊土は時上に在りてまた水勢を収束し得。第三造。辛巳年・己亥月・丙子日・壬辰時——壬水は干に透して水勢は甚だ旺なり。月干の己土は出て壬水を混濁す。すなわち前文の「宜しく己土を用いて壬を混ずべし」の一類なり。
十一月丙火・子月に生ず
十一月丙火,冬至一陽生,弱中復強,壬水為最,戊土佐之。壬戊兩透,科甲可許,無戊見己,異路功名。或無壬水,有癸出干,得金滋無傷,又有丙透以解凍,可許衣衿。
十一月は子を建つ。冬至に一陽初生して、丙火は最弱の処にまた一線の生機を転出す。いわゆる「弱中復強(じゃくちゅうふっきょう)」なり。用神は壬水をもって最(もっと)と為し、戊土を作して輔佐と為して水を制す。壬・戊の両透は、科甲を許すべし。戊土なくしてただ己土を見るのみなれば、土は濁にして力弱し。ただ異路の功名を得るのみ。もし壬水なく、而(しか)も癸水の干に出、また金の来て滋养し土の傷を受けず、さらに丙火の透出して凍を解するを得れば、また一領の秀才衣衿(いきん)を許すべし。
或一派壬,則端用戊土,此人雖不成名,文章邁眾,但名利虛浮,何也,因戊晦光,又須甲木為藥也。或無壬水,癸亦可用,但不甚顯。或四柱多壬無甲,乃作棄命從殺,亦有云路。或水多、有甲、無戊,郤非從殺,宜用己土濁壬。十一月丙火,與十月頗同。
もし満盤に一片の壬水あれば、則ち端的に戊土を用いてこれを制す。このような人は名を成し得べからずといえど、文章は衆人に超過す。ただし名と利と皆浮きて実ならず。何を以(もっ)てか。戊土は水を制するの同時にまた丙火の光を晦掩(かいえん)すればなり。だからなお甲木を要して薬と作し、一面は土を疏し、一面は水を化して火を生ず。もし壬水なくんば、癸水もまた用い得べし。ただし甚だ顕達せず。もし四柱に壬水多くして甲木の引化なくば、便ち「棄命従殺」と作して看る。また一条の青雲の路あり。もし水多くして甲木あり、而(しか)も戊土なくば、甲木は引化して則ち日主は殺に従うを肯(がえ)んぜず。この時は宜しく己土を用いて壬水を濁すべし。十一月の丙火は、取用は十月と大略同じ。
時日月年:庚丙庚辛,寅寅子亥。時日月年:癸丙庚辛,巳子子丑。時日月年:戊丙庚辛,子戌子酉。
以下の三造はなお「時・日・月・年」の順に横列す。第一造。辛亥年・庚子月・丙寅日・庚寅時——水旺にして両寅中の甲木は水を化して身を生ず。庚金は多いといえど却って寅火の制する所なり。これは水多くして甲あるの一類なり。第二造。辛丑年・庚子月・丙子日・癸巳時——満盤は金水にして、ただ時支の巳中の丙火が自ら禄地に坐して凍を解するに頼(たの)む。すなわち「必ず丙の凍を解くを以て透すを要す」の意なり。第三造。辛酉年・庚子月・丙戌日・戊子時——金水は両旺にして、時干の戊土は出て水を制す。まさに「壬戊両透」の配法に合す。
十二月丙火・丑月に生ず
十二月丙火,氣進二陽,每雪欺霜,喜壬為用,己土司令,土多又不可少甲。壬甲兩透,科甲堪宜,甲藏則秀才而已;或無甲得一壬透,富中取貴。
十二月は丑を建つ。陽気は進みて二陽に至り、丙火はすでに霜雪を欺凌(ぎりょう)する能くす(原文の「每雪」は当に「侮雪」と為すべし)。この月はなお壬水をもって用と為すを喜ぶ。ただし丑月は己土が司令して、土は一たび多ければ則ち甲木の来て疏するを缺くべからず。壬・甲の両透は、科甲に相宜(あいよろ)し。甲木ただ地支に蔵するは、則ちただ一箇の秀才なり。もし甲木なくして一箇の壬水の透出を得れば、また富の中に貴を取る能くさん。
如見一派己土,不見甲乙,名假傷官,聰明性傲,名利虛浮。或一派癸水,得己出干,必主自創基業,若制伏太過,又取辛金作用,得見癸透,此人即不成名,必清雅文墨之士。
もし満盤の己土を見、而(しか)も甲乙木の来てそれを疏するを見ざれば、火気は尽く土に泄らさる。「假傷官(かしょうかん)」と呼ぶ——冬月は土は当令にあらずして丙はまた旺ならざれば、故にこれを假と謂う——この人は聡明にして性情は高傲(こうごう)なれども、名利は皆浮きて実ならず。もし満盤に癸水の寒浸あれば、己土を得て干に出てそれを制し住(とど)む。必ず白手して基業を自創(じそう)するを主どる。もし土は制するに太過にして、水は尽く止められんか、則ち改めて辛金を取りて用と為し、金をして水を生ずるに往かしむ。この時もし能くさらに癸水の透出を見れば、この人はたとい名を成し得べからずとも、必ず一箇の清雅の文墨之士なり。
時日月年:癸丙己乙,巳申丑巳。時日月年:庚丙己乙,寅午丑丑。
以下の二造はなお「時・日・月・年」の順に横列す。第一造。乙巳年・己丑月・丙申日・癸巳時——月干の己土は司令して癸水は時に透す。年時の両巳は丙火の禄と為り、年干の乙木は土を疏す。寒暖は頗(すこぶ)る調停す。第二造。乙丑年・己丑月・丙午日・庚寅時——両丑の土は重く、全く乙木の土を疏し、日の午火に坐して身を幇(たす)け、時支の寅木の生扶に靠(よ)る。まさに「土多ければ甲を少(すく)なかるべからず」の理なり。
時日月年:壬丙乙癸,辰午丑卯。時日月年:庚丙丁己,寅寅丑丑。時日月年:乙丙己乙,丑寅丑酉。
以下の三造はなお「時・日・月・年」の順に横列す。第一造。癸卯年・乙丑月・丙午日・壬辰時——壬癸は並(あわ)せて透して乙木は干に在り。水は木の化あり、土は木の疏あり。日は午火に坐して根と為る。これは十二月丙火の「壬甲両透」の近似の配置なり。第二造。己丑年・丁丑月・丙寅日・庚寅時——両丑の土は重くして光を晦(くら)まし、両寅中の甲木の土を疏し、丁火の身を幇けるに頼る。惜しむらくは壬水の映照なきなり。第三造。乙酉年・己丑月・丙寅日・乙丑時——両乙は土を疏し、寅木は身を生ず。丑中の辛癸は暗に蔵す。壬なくして金水の暗潤を借るの一類に属す。
丁火を論ず
三春丁火
正月丁火・寅月に生ず
正月丁火,甲木當權,乃為母旺,非庚不能劈甲,何以引丁,姑用庚金。
正月は寅を建つ。甲木は権を当たり、丁火に対しては印星の太旺なり。いわゆる「母旺(ぼおう)」にして子はかえってその累(るい)を受く——整段(せいだん)の湿木は火門(かもん)を堵住(とど)さす。庚金なくば則ち甲木を劈(さ)き開く能くさず。甲木を劈き開く能くさずんば、また何を以(もっ)てか丁火を引燃せん。この月は姑(しばら)く庚金を取りて用と為す。
或一派甲木,無庚制之,非貧即夭。或只一甲木、多見乙木者,必離之客,焉問妻兒。或見甲乙,生庚子時,又主妻甲子早,宜可採芹。
もし満盤に甲木ありて、庚金の往きてそれを劈くなくば、木は多く火は塞(ふさ)がる。貧寒ならざれば夭亡なり。もしただ一箇の甲木ありて、却って乙木を多く見れば、乙木は湿柴(しっさい)にして、ただ火を燻(くすぶ)らせ暗くする能くするのみ。この人は必ず郷を離れ漂泊(ひょうはく)の客なり。妻児はさらに談ずるに及ばず。もし甲乙木を見て庚子时に生まれれば、庚金は能く甲を劈き、子水は能く木を潤す。また妻を娶(めと)り子を得る皆早きを主どる(原文の「妻甲子早」は「甲」字は衍なり)。併せて進学を朢むべし。
得壬化木,弱極復生,合此必主大貴,但此化合,反以不見庚破格為妙。
もし壬水を得て丁と相合して木に化せば、丁火は極処に弱まりてかえって木に化するに因りて新生を得。この一格に合するは必ず大貴を主どる。ただしすでに化合の一路を走るは、かえって庚金を見ざるをもって妙と為す——庚金は一たび出ずれば、木を劈きて化神を傷り、格は便ち破らる。
或有庚金壬癸,得己出干制之,此命不由科甲,亦有異途。或一派壬癸,不得寅時,又無庚金,必主窮困。
もし柱中にすでに庚金ありてまた壬癸水あれば、金寒く水冷たくして一斉に来て丁を傷る。己土を得て干に出て水勢を制し住(とど)むれば、このような命はたとい科甲によりずとも、また異途の出身あり。もし満盤に壬癸水ありて、すでに寅時に生まれず(寅中の丙火は丁を助け得べし)、また庚金あって転関と作して水を生じ水を泄らすなくば、水旺にして火は滅す。必ず窮困を主どる。
或丁年、壬月、丁日、壬時,男主大貴,女則不宜。此格以土為妻、金為子,但子女艱難。女命合此,淫賤,刑夫克子。
もし丁年・壬月・丁日・壬時なれば、両丁両壬は各々対を成して相合し、両(りょう)とも争わず。男命は大貴を主どり、女命は却って相宜(あいよろ)しからず。この一格は土をもって妻星と為し、金をもって子星と為す。ただし子女は艱難を免れず。女命がこの格に合するは、淫賤を主どり、しかも丈夫を刑克し、子息を損傷す。
或支火局,無滴水解炎,僧道之命;見甲出略可,總不可無水,水多亦不宜。
もし地支が火局を会成し、而(しか)も一滴の水あってその炎を解くなくば、これは僧道の命なり。甲木を見て干に出て接済すればやや維持すべきのみなれど、究竟(きゅきょう)水なくんばあるべからず——ただし水太多きも同じく宜しくとせず。多ければ則ちこの一盞(いっさん)の灯(ともしび)を潔(あら)い滅ぼす。
時日月年:壬丁戊庚,寅未寅辰。時日月年:癸丁庚辛,卯酉寅卯。
以下の二造はなお「時・日・月・年」の順に横列す。第一造。庚辰年・戊寅月・丁未日・壬寅時——年干の庚金はちょうど両寅中の甲木を劈き開きて丁を引くに好(よ)し。時干の壬水は日主と相合し、月干の戊土はまた出て水を制す。前後は情(じょう)あり。第二造。辛卯年・庚寅月・丁酉日・癸卯時——庚辛の金は木を劈きて丁を引く。ただし癸水は時上に在りて直(ただ)ちに丁火を傷る。まさに前文の「庚金壬癸あり」にして必ず土を以て水を制するの一類なり。
二月丁火・卯月に生ず
二月丁火,溼乙傷丁,先庚後甲,非不能去乙,非甲不能引丁。庚甲兩透,科甲定然;庚透甲藏,亦有生貢;甲透庚藏,異路功名。
二月は卯を建つ。乙木は令を当たり、湿乙は一たび多ければかえって丁火を燻(くすぶ)り傷らす。だから先ず庚金を取り、後に甲木を取る。庚金にあらざれば則ち乙木を除き得べからず(原文の「非不能去乙」は一「庚」字を脱す)、甲木にあらざれば則ち丁火を引燃さしめ得べからず。庚・甲の両透は、科甲は一定なり。庚金は透して甲木は蔵するも、また生員・貢生の分あり。甲木は透して庚金は蔵するは、則ち異路の功名なり。
或庚乙俱透,庚必輸情於乙,未免貪合,運行金水,一貧徹骨。或庚透乙藏,則不能貪合,乙反引丁,即用乙亦無害,運入木火之鄉,自然富貴。用乙者水妻木子。
もし庚金と乙木とがともに天干に透せば、乙庚は相合し、庚金は必然として情意を乙木に輸(おく)る。未(いま)だ免れざるは合を貪りて木を除くの本職を忘るるなり。このような命は行運がさらに金水の地に走れば、則ち窮して徹骨す。もし庚金は透して乙木は支下に蔵すれば、合は成らず、乙木はかえって能く丁火の為(た)めに引を為す。この時はたとい乙を用うるも妨害なし。行運が木火の郷に進み入れば、自然富貴なり。乙木を取りて用と為す者は、水をもって妻星と為し、木をもって子星と為す。
若盡是乙木,不見一甲,此人富貴不久,因貪致禍,弄巧反拙,且不能承先人之業。或支成木局,有庚透主清貴,不見庚者常人。二月乙木司權,必須有庚,有乙無庚,主貧苦無依。用庚者,土妻金子。
もし満局に尽く乙木にして一箇の甲木を見ざれば、尽く湿柴にして干薪(かんしん)なし。この人は富貴もまた長久ならず。往々(おうおう)貪得に因りて禍を招き、巧みを弄(ろう)して拙(せつ)を成し、しかも先人の家业を承(う)くるに堪えず。もし地支が木局を会成し、庚金の透出して裁制するあれば、清貴を主どる。庚金を見ざれば、ただ常人なり。二月は乙木が権を司(つかさど)る。必ず庚金を要す。乙木ありて庚金なきは、貧苦依(よりどころ)なきを主どる。庚金を取りて用と為す者は、土をもって妻星と為し、金をもって子星と為す。
得印旺殺高,大富大貴。或一派水,無一戊制,主貧苦無依。或乙少癸多,有戊去制,反吉。用土者,火妻土子。
もし印星の木はすでに旺にして、七殺の水はまた高ければ、殺は往きて印を生じ、印はさらに身を生ず。両下は配(はい)し合わさりて起(お)こる。便ち大富大貴なり。もし満盤是(これ)水にして、一箇の戊土あって制するなくば、水は多く火を滅ぼす。貧苦依(よりどころ)なきを主どる。もし乙木少なくして癸水多く、戊土を得て往きて癸水を制し住(とど)むれば、かえって吉と為る。土を取りて用と為す者は、火をもって妻星と為し、土をもって子星と為す。
時日月年:丁丁乙戊,未巳卯子。時日月年:庚丁癸丁,子卯卯卯。時日月年:甲丁己庚,辰丑卯辰。
以下の三造はなお「時・日・月・年」の順に横列す。第一造。戊子年・乙卯月・丁巳日・丁未時——乙木は令を当たって火を生じ、日主は巳に坐して禄を得、年干の戊土は能く子水を制す。ただ惜しむらくは庚金の木を劈くなきなり。第二造。丁卯年・癸卯月・丁卯日・庚子時——三卯は印と為り、両丁は身を幇け、時干の庚金は木を劈きて丁を引く。独り嫌(いや)んずるは癸水の干に出て丁を傷るなり。第三造。庚辰年・己卯月・丁丑日・甲辰時——庚金と甲木とは併(あわ)せて天干に出る。まさに「庚甲両透」の義に合す。己土はまた能く火を泄らして水を制す。
三月丁火・辰月に生ず
三月丁火,戊土司令,洩弱丁氣,先用甲木引丁制土,次看庚金。庚甲兩透,定主科甲;或一藏一透,終非白丁。
三月は辰を建つ。戊土は司令して、土は丁火の気を泄らしてそれを弱に転ぜしむ。だから先ず甲木を用る——甲木は一面は丁火を引燃し、一面は厚土を疏制す。一挙両得なり——其次にやっと庚金を看る。庚・甲の両透は、必ず科甲を主どる。一蔵一透するも、また終わりに白丁・百姓にあらず。
或支成木局,取庚為先,得庚透,丁癸不透,亦有異路功名。或支成水局,加以壬透,名殺重身輕,必夭折天年,或遭凶死。或戊己兩透,廊廟之客;若一甲破土,定是常人。用甲者,水妻木子;用金者,土妻金子。
もし地支が木局を会成し、印星は太重ければ、則ち先ず庚金を取りて木を裁す。庚金を得て透出し、而(しか)も丁火・癸水ともに透して来てそれを克傷せざれば、また異路の功名あり。もし地支が水局を会成し、さらに壬水を加えて干に透せば、殺重くして身軽し。必ず夭折・夭年(ようてん)に致るか、あるいは凶死に遭う。もし戊己土の両透あれば、すでに旺水を泄らしまた能く金を生ず。これは廊廟(ろうびょう)に入り得べきの貴客なり。ただしもし一箇の甲木あって出て土を克破せば、則ち一定してただ常人なり。甲木を取りて用と為す者は、水をもって妻星と為し木をもって子星と為し、金を取りて用と為す者は、土をもって妻星と為し金をもって子星と為す。
三夏丁火
四月丁火・巳月に生ず
四月丁火乘旺,雖取甲引丁,必用庚劈甲,伐甲,方雲木火通明,甲多又取庚為先。但四柱忌見癸水,癸水一見,洩庚、溼甲、傷丁,故以癸為病。
四月は巳を建つ。丁火は旺に乗ず。なお甲木を取りて丁を引くと説(い)うも、必ず庚金を用いて甲木を劈き開き、砍伐(かんばつ)して薪と成してこそ、「木火通明」を談じ得べし。甲木多きは、さらに先ず庚金を取るを要す。ただし四柱は最も癸水を見るを忌む。癸水は一たび出ずれば、一面は庚金の気を泄らし、一面は甲木を浸し湿(じめ)し、一面はまた直(ただ)ちに丁火を克傷す。三処に害を受くがゆえに、癸水をもって病神と為す。
或癸水藏支,壬水出干制丙,不奪丁光,自是鴈塔題名,玉堂清貴。
もし癸水はただ地支に蔵して曾(かつ)て頭を出さず、而(しか)も壬水は干に出て丙火を制せば、丙火をして丁火の光を奪い去らしめず。自然として雁塔(がんとう)に名を題し、玉堂の上の清貴の官を為り得べし。
或有庚無甲,戊透天干,此為傷官生才,又取戊為用,必主富貴。戊土出干,不見甲乙,又不見水,是傷官傷盡,八字清高,但不大貴,亦不大富,見水多木多,定是常人。
もし庚金ありて甲木なく、戊土はまた天干に透せば、火は土を生じ、土は金を生ず。これは「傷官生財」にして、則ち改めて戊土を取りて用神と為す。必ず富貴を主どる。戊土が干に出でて、甲乙木の来て土を克するを見ず、また水の来て火を克するを見ざれば、これは「傷官傷尽」なり。八字は清高にして、ただし大貴ならず、また大富ならず。もし水多く木多くを見れば、格局は雑(ざつ)となる。一定してただ常人なり。
或四柱多丙,不見壬癸,奪了丁光,此人貧苦。或丁年、巳月、丁巳日、丙午時,一丙不奪二丁,即不顥達,亦名播四鄰。故書曰:丁火陰柔一燭燈,太陽相見奪光明,柱中若見甲木透,定許身安福自臨。
もし四柱に丙火多くして、壬癸水の往きてそれを制するを見ざれば、丙火は便ち丁火の光を奪い去る。この人は貧苦なり。もし丁年・巳月・丁巳日・丙午時なれば、両箇の丁火が一箇の丙火に対(むか)う。一丙は二丁の光を奪い去る能くさず。たとい顕達せずとも(原文の「顥達」は当に「顕達」と為すべし)、また名声は四隣(しりん)に伝遍す。だから命書にいう。丁火は陰柔にして、過(あやま)らず一盞(いっさん)の燭灯(しょくとう)なり。太陽の如き丙火と相見れば、光明は則ち奪い去らる。柱中にもし甲木の透出して接済するを見れば、一定してかれは身安くして福は自ら門に臨むを許すべし。
時日月年:乙丁己甲,巳丑巳午。時日月年:乙丁癸辛,巳巳巳酉。
以下の二造はなお「時・日・月・年」の順に横列す。第一造。甲午年・己巳月・丁丑日・乙巳時——甲乙木は丁を引き、己土はその秀気を泄らす。日主は丑に坐し、丑中の金水は暗に蔵して潤と為る。これは四月丁火が甲を用い兼ねて土を用るの一類なり。第二造。辛酉年・癸巳月・丁巳日・乙巳時——三巳は火旺にして、年支の酉金は財と為る。ただ嫌(いや)んずるは月干の癸水。あれはまさに本月の病神なり。
五月丁火・午月に生ず
五月丁火,時歸建祿,不宜亂用甲木。遇年透隔位之壬,不貪丁合者,忠而且厚。或支成火局,干見火出,得庚壬兩透者,科甲定然;土透制壬,常人。即壬藏支中,亦非白丁,但要運行西北,方可發達。得一癸透,名獨殺當權,出人頭地。
五月は午を建つ。丁火は午の上に禄を建て、身はすでに自ら旺す。則ち宜しくさらに乱りに甲木を用いてそれを生ずべからず。もし年干に一箇の隔位の壬水を透出せば、隔たること遠きに因りて日主と貪合せず。かえって忠厚・可靠(こうこう)を顕(あら)わす。もし地支が火局を会成し、天干にまた火の出ずるあれば、火勢は太盛なり。この時庚金・壬水を得て両透せば——庚金は水源を発し、壬水は炎威を解す——科甲は一定なり。もし土の透し出でて壬水を制し住(とど)むるあれば、便ちただ常人なり。たとい壬水はただ地支に蔵するも、また白丁と算えず。ただし行運が西北金水の地に走るを要して、こそ発し起こり得べし。もし一箇の癸水を得て透出せば、孤殺は独り用を為す。「独殺当権(どくさつとうけん)」と呼ぶ。人の頭上に出るもまた能くさん。
若見寅辰亥卯字,化木生火,平常人物,豐衣足食,中年富,但刑剋子息,勞而無功。或丙午月、丁未日、辛亥時,亥中有壬制丙,不致貧苦;若丙午時,則滴水難救炎火,必主僧道;若年支見子,雖不科甲,亦有衣衿。
もし地支に寅・辰・亥・卯のこれらの字を見れば、木気は引化してかえって往きて火を助け、火は愈々(いよいよ)旺す。これはただ平常の人物にして、豊衣足食(ほういそくしょく)・中年にやや家财ありといえども、子息を刑克し、労して功なし。もし丙午月・丁未日・辛亥時なれば、亥中に壬水を蔵して能く丙火を制す。貧苦に至らざるなり。ただしもし丙午时に換えれば、満局は炎火にして一滴の水なし。必ず出家して僧道を為るを主どる。もし年支に子水を見て往きて午を冲(あ)てれば、科甲する能くさずといえど、また一領の衣衿を掙(あが)く。
若干支無火局,有水透干,須用甲木,又要庚劈甲方明,木火通明,主大富貴。或木少火多,焚其木性,不能光透九霄,榮華不久。或生月是祿,支皆生旺合局,右以火出,無滴水解炎,乃身旺無依,孤貧之格,女必為尼,即運北地,反主凶危。用壬者,金妻水子;用甲者,水妻木子。
もし干支の間に火局を会成せず、かえって水あって天干に透出して丁を克せば、それは則ち必ず甲木を用いて水を化して火を生じ、また庚金を要して甲木を劈き開きて、火はこそ明るく、「木火通明」の象を成す。大富大貴を主どる。もし木少なくして火多ければ、火はかえって木を焼き尽し、光は則ち九霄(きゅうしょう)に透し上(のぼ)らず。栄華もまた長久ならず。もし月令はまさに丁火の禄地たる午月にして、地支はまた皆生旺・合局の火なり、天干にさらに火の出ずるあれども(原文の「右」は当に「又」と為すべし)、一滴の水あって炎を解するなくば、これは便ち身旺にして依托する所なし。孤貧の格に属し、女命は必ず尼(あま)と為る。この種の命はたとい行運が北方水地に走るも、水火は激戦して、かえって凶危を主どる。壬水を取りて用と為す者は、金をもって妻星と為し水をもって子星と為し、甲木を取りて用と為す者は、水をもって妻星と為し木をもって子星と為す。
時日月年:戊丁壬庚,申亥午午。時日月年:甲丁甲辛,辰未午巳。
以下の二造はなお「時・日・月・年」の順に横列す。第一造。庚午年・壬午月・丁亥日・戊申時——両午は火を助け、而(しか)も月干の壬水は亥に坐して禄を得、年干の庚金は申時に在りてまた長生の地を得。源流は絶えず。まさに「庚壬両透」の説に合す。ただ惜しむらくは時干の戊土の出て水を制するなり。第二造。辛巳年・甲午月・丁未日・甲辰時——両甲は丁を引いて火は本より自ら旺す。全く辰中の一点の癸水を潤と為すに頼(たの)む。配合は偏枯(へんこ)なり。
時日月年:甲丁戊癸,辰丑午卯。時日月年:乙丁甲丙,巳丑午寅。時日月年:癸丁甲丙,卯酉午子。
以下の三造はなお「時・日・月・年」の順に横列す。第一造。癸卯年・戊午月・丁丑日・甲辰時——癸水は年に透して戊土は月上に在りてそれと相合す。時干の甲木は土を疏して水を護る。用神は水木の間に在り。第二造。丙寅年・甲午月・丁丑日・乙巳時——丙火は光を奪い、木はまた来て火を生ず。火勢は太過にして、ただ丑中の癸水・辛金の暗潤に靠(よ)るのみ。第三造。丙子年・甲午月・丁酉日・癸卯時——年支の子水は午を冲し、癸水は時に透して丙を制す。日主はまた酉金に坐して財源と為る。まさに前文の「一癸を得て透すれば、独殺当権」の様子なり。
六月丁火・未月に生ず
六月丁火,陰柔退氣,但值三伏生寒,丁弱極矣,專取甲木,壬水次之。若得甲出天干,支成木局,見亥中之壬,為木神有根,接引丁火,必然科甲;即不見木局,支見壬水,雖不大貴,亦有凌雲之氣,無庚不妙。
六月は未を建つ。丁火は陰柔にして転じて退気に入り、また三伏の中に暗(ひそか)に寒を生ずるに値(あた)る。丁火は極点に弱まるがゆえに、専ら甲木を取りて生扶し、壬水はこれに次ぐ。もし甲木が天干に出て、地支にまた木局を会成し、さらに亥中の壬水を見れば、木神は便ち根を得——水は木を生じ、木は火を引き、一路接济して上(のぼ)る——必然として科甲なり。たとい木局を見ずとも、ただ地支に壬水を見得れば、大貴ならずといえど、また凌雲(りょううん)の気あり。ただし庚金の甲を劈くなくば、終わりに妙ならず。
或支成水局,見水透干,則溼木性,不能引丁,必為平常人。有甲透,有才幹;有庚透,無刑傷;若無甲木,假名假利。或年月日時,皆一派丁未之類,此為純陰,終無大用。用甲者,水妻木子。
もし地支が水局を会成し、天干にまた水の透するを見れば、水は多くして木を浸し湿(じめ)す。湿木は丁火を引燃さしめ得べからず。必ず平常人なり。甲木の透出あるは、なお才干ありと算える。庚金の透出あるは、刑傷(けいしょう)を免るべし。もし甲木にも至らなければ、それは名と利と皆虚假(きょか)なり。もし年月日時が皆丁未の一類なれば、満盤は純陰にして一点の陽剛なし。終わりに大用なし。甲木を取りて用と為す者は、水をもって妻星と為し、木をもって子星と為す。
時日月年:丙丁丁丁,午未未卯。時日月年:丁丁丁壬,未巳未子。
以下の二造はなお「時・日・月・年」の順に横列す。第一造。丁卯年・丁未月・丁未日・丙午時——両箇の丁未は並列し、天干は三丁一丙なり。卯木はまた来て火を生ず。まさに文中の説く所の「一派丁未(いっぱていび)」の純陰の象にして、終わりに大用なし。第二造。壬子年・丁未月・丁巳日・丁未時——年干の壬水は子に坐して月干の丁火と相合す。火は水の済(たすけ)を得。上の一造に比ぶるに佳(よ)しと為す。
三秋丁火
七月丁火・申月に生ず
七月丁火,退氣柔弱,端用甲木。金雖乘旺司權,無傷丁之理,仍取庚劈甲,為引火之物;或借丙暖金曬甲,不慮丙奪丁光。凡兩丙夾丁者,夏月忌之,餘月不忌,但此格少年困苦刑剋,中年富貴,必要地支見水制丙,方妙。
七月は申を建つ。丁火は退気して柔弱なり。端的に甲木を用いて生扶するを要す。この時金は旺に乗じ権を当たるといえども、丁を傷るの道理なし——金は丁火の克する所の財にして、身を克するの物にあらず——なお旧のまま庚金を取りて甲木を劈き開き、火を引くの資と作す。また丙火を借りて金を暖め甲を晒(ほ)すも可なり。必ずしも丙火の丁光を奪い去るを顧慮せず。およそ両箇の丙火が一箇の丁火を夾(はさ)むは、夏月にこそ忌め、その余の月份(げつふん)は忌まず。ただしこの一格は少年に困苦して刑克多く、中年に方(まさ)に富貴を得。なお必ず地支に水を見て丙火を制し住(とど)むを要して、こそ妙と算えん。
三秋甲庚丙並用,仍分優劣,何也?七月甲丙,申中有庚;八月甲丙庚皆用。七八月或無甲木,乙亦可用,為枯草引燈,郤不離丙曬也。九月端用甲庚,大抵甲一庚,乙不離丙,其理極明。或見甲庚丙皆透,必主科甲;無甲用乙者,富貴皆小,且富而不貴者多。
秋三月の丁火は、甲木・庚金・丙火の三様を併用す。その間になお優劣を分かつ。何を以(もっ)てか。七月はただ甲木と丙火とを取る。申中は本より庚金を蔵すれば、別に求むるを要せざればなり。八月は則ち甲・丙・庚の三者皆用るを要す。七八月にもし甲木なくば、乙木もまた用い得べし。それは枯草(こそう)を拿(と)りて灯を引くなり。ただしなお丙火を離るるを得ずしてそれを晒し乾(かわ)かすべし。九月は端的に甲木と庚金とを用る。大抵(たいてい)一箇の甲あれば則ち一箇の庚を配し、乙木を用れば則ち丙火を離るべからず。この道理は極めて明白なり。もし甲・庚・丙が皆天干に透出せば、必ず科甲を主どる。甲なくして乙を用るは、富もまた小、貴もまた小にして、しかも多くは半ば富にして貴ならず。
或一重壬水,又多見癸水,必以戊土為制,自然富貴光輝。或一派庚金,名才多身弱,主富屋貧人,妻多主事。或壬多洩庚,丁壬化殺,反成富貴;若庚多無壬,奔流下賤。
もし一重の壬水ありて、また癸水を多く見れば、水旺にして火を克す。必ず戊土を用いて制してこそ、自然富貴にして光輝あらん。もし満盤に一片の庚金ありて財と為すは、「財多身弱」と呼ぶ。主(おも)なるは好き房子に住める窮人にして、家裏(かり)は多く妻子によりて当家作主(とうかさしゅ)せらる。もし壬水多くして来て庚金の気を泄らし、丁壬はまた相合して七殺を化し去れば、かえって能く富貴を成就す。もし庚金多くして壬水の通関なくば、財旺にして制なく、便ち四処に奔流して下賤なり。
時日月年:戊丁丙辛,申丑申亥。時日月年:戊丁丙辛,申卯申亥。時日月年:丙丁丙辛,午酉申卯。時日月年:丙丁甲庚,午未申辰。
以下の四造はなお「時・日・月・年」の順に横列す。第一造。辛亥年・丙申月・丁丑日・戊申時——月干の丙火は金を暖め甲を晒し、年支の亥水はまた能く丙を制す。まさに「必ず地支に水を見て丙を制するを要してこそ妙」の説に合す。第二造。辛亥年・丙申月・丁卯日・戊申時——上の造とただ一箇の日支を差(さ)すのみ。卯木は丁の印と為り、火を引くにさらに得力なり。第三造。辛卯年・丙申月・丁酉日・丙午時——両丙は丁を夾み、日主は酉に坐して財と為し、時支の午は禄と為る。卯木は身を生ず。両丙夾丁の一類に属す。第四造。庚辰年・甲申月・丁未日・丙午時——甲木は干に透し、庚金は申に坐し、丙火は時に在り。甲庚丙の三者倶(とも)に備わる。これは七月丁火の上等の配置なり。
八九月丁火・酉戌月に生ず
或八月一派辛金,不見庚金,又無比劫,比棄命從才,富而且貴,雖不科甲,亦有異途。從才者水為妻,不克,有正偏;木為子,不刑。
もし八月に生まるる人に満盤の辛金ありて、庚金を見ず、また比肩・劫財の身を幇けるなく、日主は根なければ、これは則ち「棄命従財」と作して看る(原文の「比」は当に「此」と為すべし)。富にしてしかも貴し。科甲によりずとも、また異途の出身あり。従財格に入るは、水をもって妻星と為し、妻は克を受けず、正妻・偏室(へんしつ)ともにあり。木をもって子星と為し、子息もまた刑傷に遭わず。
或九月一派戊土,洩丁火之氣,不見甲木,為傷官傷盡,非尋常可比。或甲木透出,為文書清貴,秋闈可奪。用甲者,庚不可少,水妻木子。
もし九月に生まるる人に満盤の戊土ありて、丁火の気を泄らし尽し、また甲木の来て土を克するを見ざれば、これは「傷官傷尽」にして、その貴は尋常の格局の比すべきにあらず。もし甲木が透出して土を制し身を護れば、則ち文書を執掌(しっしょう)する清貴の官なり。秋試(しゅうし)にもまた魁(かい)を奪い得べし。甲木を取りて用と為す者は、庚金は少かるべからず——庚金なくば、甲木は便ち薪に劈き成さず——この一格は水をもって妻星と為し、木をもって子星と為す。
時日月年:庚丁己壬,戌亥酉午。時日月年:辛丁己丁,亥丑酉未。時日月年:壬丁丙庚,寅未戌午。時日月年:丙丁甲己,午卯戌亥。
以下の四造はなお「時・日・月・年」の順に横列す。第一造。壬午年・己酉月・丁亥日・庚戌時——酉月は辛金当令にして庚金はまた時干に透す。財勢は甚だ旺なり。年干の壬水は官と為り、己土は一面は火を泄らし、一面は水を制す。八月の財旺身弱の一類に属す。第二造。丁未年・己酉月・丁丑日・辛亥時——辛金は時に透して財と為り、己土は秀を泄らす。両丁は未に通根す。まさに従と不従との間に在り。第三造。庚午年・丙戌月・丁未日・壬寅時——九月は戊土当令にして、寅中の甲木は暗に土を疏するの用と為る。丙火は身を暖めて壬水は丙を制す。配合は情(じょう)あり。第四造。己亥年・甲戌月・丁卯日・丙午時——甲木は干に透して戌土を疏き開き、日は卯印に坐し、時は午禄に坐す。まさに「甲木透出せば、文書の清貴と為る」の様子なり。
三冬丁火
十月丁火・亥月に生ず
三冬丁火微寒,端用庚甲。甲乃庚之良友,凡用甲木,庚不可少,無庚無甲,何能引丁,難云木火通明。冬丁有甲,不怕水多金多,可稱上格。甲庚兩透,科甲分明;見己則否,己多合甲,則為常人。
冬三月の丁火は微弱にして寒し。端的に庚金と甲木とを用るを要す。甲木は庚金の良友なり——庚金はまさに拿(と)りて甲を劈くに用い得べし——だからおよそ甲木を取りて用と為すは、庚金は便ち少かるべからず。庚・甲の両様ともになければ、何を以(もっ)てか丁火を引燃せん。則ち「木火通明」を談ずるに及ばず。冬月の丁火はただ甲木あれば、則ち水多く金多きを怕れず。上格と称すべし。甲・庚の両透は、科甲は分明なり。一たび己土を見れば便ち然(しか)らず。己土は多くして来て甲木を合し住(とど)むれば、用神は羈絆(きはん)せられ、則ちただ常人なり。
或一丙奪丁,必賴支內水救。若有支金發水之源,官拜烏臺有準;金無癸水制丙,無用之徒。或有金無水,貧寒之士;有火無金,又主清高。
もし一箇の丙火あって来て丁火の光を奪わば、必ず地支裏の水に靠(よ)りて往きて救うを要す。もし地支に金あって水を発する源と為せば、水は来る処あり。烏台御史(うだいぎょし)の官に拝するは準あるなり。もしただ金ありて癸水の往きて丙を制するなくば、それは便ち無用の徒なり。金ありて水なきは、貧寒の士なり。火ありて金なきは、則ちまた清高を主どる。
或時月二壬爭合,取戊破之,有戊稍有富貴,無戊常人;設戊藏得所,不失衣衿。或二丙奪丁,得年干有癸,支下帶合,金水得所,亦必顯達,納粟奏名,必驗。
もし時干・月干の両箇の壬水が争い来たって丁を合せば、則ち戊土を取りて出でてその一を克破せしむ。戊土あるはやや富貴あり。戊土なきはただ常人なり。仮に戊土は支中に蔵すといえど蔵してその所を得れば、また一領の衣衿を失わざるなり。もし両箇の丙火が来て丁の光を奪い、而(しか)も年干に癸水あって往きて丙を制し、地支の間にまた合を帯び、金と水と各々その位を得れば、また必ず顕達す。捐納米粟に靠りて一箇の官名を得るも、この一条は屢(しばし)験(ため)して爽(たが)わず。
時日月年:辛丁癸癸,亥亥亥亥。時日月年:庚丁丁乙,戌未亥卯。時日月年:丁丁癸癸,未丑亥丑。時日月年:癸丁丁庚,卯卯亥戌。
以下の四造はなお「時・日・月・年」の順に横列す。第一造。癸亥年・癸亥月・丁亥日・辛亥時——四柱は純(まった)く亥水のみにして、両癸は干に透す。殺重身軽は極処に到り、また甲木の引化なし。まさに冬丁の最も忌む局面なり。第二造。乙卯年・丁亥月・丁未日・庚戌時——乙卯の木は身を生じ、庚金は時に在りて木を劈き得べし。庚甲の意は具備す。冬丁の上格一路に属す。第三造。癸丑年・癸亥月・丁丑日・丁未時——両癸は丁を克して甲木なし。全く丑未の土の水を制し、比肩の身を幇けるに頼(たの)む。第四造。庚戌年・丁亥月・丁卯日・癸卯時——両卯は印と為りて丁を引き、庚金は以て木を劈くべし。癸水は丁を傷るといえど、比肩あって相護(あいまも)る。
十一月丁火・子月に生ず
或仲冬水多癸旺,金無比印,此作棄命從殺,亦有異途功名。見丁比出干,難合格局,常人,且主骨肉浮雲,六親流水;戊出破癸,頗有兄弟妻兒。此格用戊,火妻土子;用甲,水妻木子。
もし仲冬(ちゅうとう)に水多くして癸水正旺なれば、柱中に金あれども比肩と印星の身を幇けるなくば、これは則ち「棄命従殺」と作して看る。また異途の功名あり。もし丁火の比肩の干に出るを見れば、日主は幇(たすけ)ありて人に従うを肯(がえ)んぜず。格局は便ち合(あ)い攏(あつ)まらず。ただ常人にして、しかも骨肉の聚散は浮雲の如く、六親の往来は流水に似たり。もし戊土あって出て癸水を克破せば、却って頗(すこぶ)る兄弟・妻児あり。この一格は戊土を取りて用と為す者は、火をもって妻星と為し土をもって子星と為し、甲木を取りて用と為す者は、水をもって妻星と為し木をもって子星と為す。
或四柱多丙丁,又用癸制火。用癸者金妻水子。三冬丁火,甲木為尊,庚金佐之,戊癸權宜酌用可也。
もし四柱に丙丁太多ければ、火はかえって病と成る。則ちまた癸水を用いて火を制するを要す。癸水を取りて用と為す者は、金をもって妻星と為し、水をもって子星と為す。要するに冬三月の丁火は、甲木をもって最尊と為し、庚金を作して輔佐と為す。戊土と癸水とに至っては、則ち局面を看て権宜・斟酌して取り用うれば則ち是なり。
時日月年:甲丁己庚,辰酉丑午。時日月年:甲丁己戊,辰未丑子。時日月年:乙丁癸壬,巳巳丑辰。時日月年:甲丁辛辛,辰卯丑卯。
以下の四造はなお「時・日・月・年」の順に横列す。第一造。庚午年・己丑月・丁酉日・甲辰時——時干の甲木は丁を引き、年干の庚金は甲を劈く。己土は秀を泄らす。まさに「甲庚両透」の意に合す。第二造。戊子年・己丑月・丁未日・甲辰時——両土は火を泄らし、甲木は時上に在りて土を疏し兼ねて身を生ず。子水は殺と為りて土の制あり。第三造。壬辰年・癸丑月・丁巳日・乙巳時——壬癸は両透して丁を克す。全く両巳を禄と為し、乙木の丁を引くに頼む。第四造。辛卯年・辛丑月・丁卯日・甲辰時——両卯一甲は皆印星にして、木は多くて丁を引く。両辛は財と為りて丑中にまた金を蔵す。身と印と互相扶持(そうごふじ)す。按(あん)ずるにこの四造は月支は皆丑なり。実は十二月の例にして、ここに附列す。ちょうど冬月丁火の取用の法を見るに好(よ)し。
土を論ず
五行之土,散在四維,故金木水火依而成象,是四時皆有用有忌者。火死酉也,水旺子也,蓋土賴火運,火死則土囚;土喜水才,水旺則土虛。土得金火,方成大器。土高無貴,空惹灰塵;土聚則滯,土散則輕。
五行の中の土は、辰戌丑未のこの四箇の角落(かくらく)に分散す。だから金木水火は皆それに依托してこそ形象を成し得べし。またまさにこれに因りて、土は四時の中に処々(しょしょ)用あり、また処々忌あり。火は酉に死し、水は子に旺す。土は火に靠りて生養せらるるなり。火は一たび死地に入れば、土もまた囚困す。土はまた水をもって財と為す。しかし水は一たび旺なれば、土はかえって冲涮(ちゅうせん)せられて虚薄(きょはく)す。土は必ず金と火とを兼ね得るを要す——火は来てそれを生じ、金は来てそれを泄らして器を成す——こそ大器を成し得べし。土はただ高く堆(うずたか)くして別に配合なければ、貴と為らず。空しく一身の灰塵を惹(ひ)く。土は一処に聚(あつ)まれば便ち板滞(ばんたい)して通ぜず、土は散開すればまた軽薄にして力なし。
辰戌丑未,土之正也,分陰分陽,主則不同。辰有伏水,未有匿木,滋養萬物,春夏為功;戌有藏火,丑有隱金,秋火冬金,肅殺萬物。土聚辰未為貴,聚丑戌不為貴,是土愛辰未而不愛丑戌也明矣。若更五行有氣,人命逢之,田產無比,晚年富貴悠悠。
辰戌丑未は土の正位にして、その中にまた陰を分ち陽を分つ。各々主どる所は並びて同じからず。辰裏には水を伏せ、未裏には木を蔵す。水木は能く万物を滋养するがゆえに、この両処の土は春夏に功を見る。戌裏には火を蔵し、丑裏には金を隠す。秋火・冬金は皆肅殺(しゅくさつ)を主どるがゆえに、この両処の土は秋冬に万物を肅殺す。土は辰未に聚まるを貴と為し、丑戌に聚まれば便ち貴と為らず——土は辰未を愛して丑戌を愛さざるを見るべし。道理は甚だ明白なり。もしその余の五行もまた皆気あれば、人命がこのような配置に遇えば、田産は多くして比(ひ)なく、晩年は富貴綿長(めんちょう)なり。
若土太實無水,燥則不和;無木則不疏通。土見火則焦,女命多不生長。土旺四季,惟土困弱。戌多為人好鬥,多瞌睡;辰未人好食,丑人清省。丑為艮土,有癸水能潤而膏,人命遇此,主能卓立。
もし土太(あま)りに厚実にして水なくば、一味は乾燥して便ち調和する能くさず。木の来て疏松するなければ、また通気せず。土は火を見れば便ち焦裂(しょうれつ)し、女命は多く生育する能くさずを主どる。土は四季月に皆旺といえど、しかし旺は頭を過ぎれば、かえって自ら困して弱し。地支に戌多き人は斗(たたか)うを好み、また貪睡(たんすい)す。辰未多き人は食(くら)うを好む。丑多き人は清簡省事(せいかんしょうじ)なり。丑は艮方(ごんぼう)の土に属し、その中に癸水を含み、能く土を潤して肥沃(ひよく)ならしむ。人命これに遇えば、能く門戸を自立し、卓然として成あるを主どる。
土を論ず・四時の土
春月之土:生於春月,其勢虛浮,喜火生扶,惡木太過,忌水氾濫,喜土比助,得金而制木為祥,金太多仍盜土氣。夏月之土:夏月之土,其勢燥烈,得盛水滋潤成功,忌旺火煆煉焦坼,木助火炎,水克無礙,金生水泛,妻才有益,見比肩蹇滯不通,如太過又宜木克。
春月の土。春に生まれ、木旺にして土を克し、土勢は虚浮す。だから火の来て生扶するを喜び、木の太過するを悪(にく)み、水の泛濫・冲涮を忌み、同類の土の来て比助するを喜ぶ。金を得て往きて木を制せば便ち吉祥なれども、金太多ければ、またかえって土気を盗泄(とうせつ)す。夏月の土。夏に生まれ、土勢は燥烈す。必ず盛大の水を得て滋潤してこそ成功と算えん。最も旺火の煆錬(かれん)して焦裂・開坼(かいたく)するを忌む。この時木の来るはただ火炎を助長するのみ、水の来て土を克するは却って妨げなし(水はまさに須(もち)うる所の物なり)。金は能く水を生じて水勢を充盈(じゅうえい)せしむ。それは妻財の己に有益なるなり。もし比肩を見れば、同類は壅塞(ようそく)して、かえって蹇滞(けんたい)して通ぜず。ただし土もし確かに太過なれば、なお宜しく木を用いて往きて克すべし。
秋月之土:秋月之土,子旺母衰,金多而耗盜其氣,木盛須制伏純良,火重重而不厭,水泛泛而不祥,得比肩則能助力,至霜降不比無妨。冬月之土:冬月之土,外寒內溫,水旺才豐,金多子秀,火盛有榮,木無咎,再加比肩扶助為佳,更喜身主康強足壽。
秋月の土。秋は金旺にして土衰す。まさに子旺にして母衰の時なり。金は一たび多ければ則ち土気を耗盗(こうとう)す。木もし盛んなれば、必ず制伏を加えてこそ純良に帰せん。火は則ち重重畳畳もまたその多きを嫌わず。水は却って泛濫して吉ならず。比肩を得て来て幇扶せば便ち力を得べし。ただし霜降以後に到れば土は自ら転じて旺す。比肩を用いずともまた妨げなし。冬月の土。冬の土は外は寒くして内裏は温(あたた)かなり。水旺なれば則ち財源は豊厚に、金多ければ則ち子息は秀発(しゅうはつ)し、火盛んなれば則ち一身は栄顕す。木の来てそれを克するもまた咎害(きゅうがい)を成さず。さらに比肩の扶助を加えばさらに佳(よ)し。殊(こと)に日主自身の康強(こうきょう)なるを喜ぶ。長寿を得るを主どる。
辰戌丑未,四土之神,惟未土為極旺,何也?辰土帶木氣克之,戌土之土帶金氣洩之,此三土雖旺而不旺,故土臨此三位,金多作稼穡格,不失中和。若未月土,則帶火氣也,帶火以生之,所以為極旺也。若土臨此旺未月,見四柱土重,多作火炎土燥,不可作稼穡看。但臨此月之土,見金結局者,不貴即富也。書曰:土逢季月見金多,終為貴論,而在未月尤甚。
辰戌丑未のこの四位の土神の中、独り未土は最旺なり。何を以(もっ)てか。辰中は木気を帯びて来て土を克し、戌中の土は金気を帯びて土を泄らす(丑中の蔵金もまた然り)。この三処の土は名は旺といえど、実は旺す起こる能くさず。だから土がこの三位に臨み、もし金多ければ、便ち「稼穡格(かしょくかく)」を作して看るべく、中和を失わず。未月の土に至っては、それが帯ぶる所は火気なり。火は来てそれを生ず。だから旺して極処に至る。もし土がこの最旺の未月に臨み、四柱の土また重ければ、多くは半ば「火炎土燥」と作して論ずべく、再び稼穡格と当(あ)て看るべからず。ただしこの月に生まれし土は、もし金を見て局面を結成せば、金は能くあの一片の旺土の秀を泄らす。貴ならずとも必ず富す。命書にいう。土は辰戌丑未のこの四箇の季月に逢いて金多きを見れば、終わりに貴格に按じて論ずべし。未月に在りては殊に然(しか)り。
戊土を論ず
三春戊土
三春戊土,無丙照暖,戊土不生;無甲疏劈,戊土不靈;無癸滋潤,萬物不長。正二月先丙後,癸又次之;三月先甲後丙,癸又次之,因戊土司權故也。有甲、丙、癸三者齊透,必主一品當朝;或二透一藏,亦登金榜;二藏一透,也可異途。
春三月の戊土。丙火の照暖(しょうだん)なくば、戊土は便ち生発する能くさず。甲木の疏劈(そへき)なくば、戊土は便ち板滞して霊(れい)ならず。癸水の滋潤なくば、万物は則ち長(そだ)ち起こる能くさず。正月二月は先ず丙火を取り、其次は甲木(原文はここに一「甲」字を脱す)、癸水はまたこれに次ぐ。三月は則ち先ず甲木を取り、後に丙火を取り、癸水はまたこれに次ぐ——三月は戊土自身が権を司(つかさど)り、土は太厚ければ、土を疏するは局を暖むるよりもさらに急なればなり。甲・丙・癸の三者が一斉に天干に透出するは、必ず位は一品に列して身は朝堂に在るを主どる。両透一蔵のは、また金榜に登る能くさん。両蔵一透のは、また異途によりて出身すべし。
正二月戊土・寅卯月に生ず
正二月即有甲癸,若無丙除寒,如萬物生而不長,故無丙者,富貴艱辛。或有丙無甲癸者,名日春旱,如萬物生而厄,無甲癸者,一生勤苦,勞而無功。或一丙火,有甲久癸,先泰後否。或支成火局,不見壬癸,僧道孤貧;癸透者貴,壬透者富。
正月二月はたといすでに甲木と癸水とあれども、もし丙火の来て寒を除くなくば、万物は生ずといえど長ち起こる能くさざるに譬(たと)うべし。だから丙火を缺く人は、富貴を得来(とくらい)するもまた十分に艱辛(かんしん)なり。もし丙火ありて甲木・癸水なくば、「春旱」と呼ぶ。万物は一たび生まれ出でて便ち厄困(やくこん)に遭うに譬えたり。この種の甲を缺き癸を缺くの命は、一生勤苦して労して獲る所なし。もしただ一箇の丙火ありて、甲木は有りて癸水は無き(原文の「有甲久癸」は「久」は「無」の訛なり)は、便ち先ず通泰(つうたい)して後に閉塞するを主どる。もし地支が火局を会成し、また壬癸水を見ざれば、火土は燥烈にして、僧道・孤貧の命なり。この時癸水の透出するは貴を主どり、壬水の透出するは富を主どる。
用水者要審水之多少。或一派甲木無丙,常人,得一庚透方妙。或支成水局,甲又出干,又有庚透,富貴雙全。或無庚金,又無比印,難作從殺,定主遭凶,不然,必為盜賊;若日下坐午,不得善終。
およそ水を取りて用と為す者は、先ず水の多少を審察するを要す。多ければ則ち制するを要し、少なければ則ち助くるを要す。もし満盤に甲木ありて丙火なくば、ただ常人なり。この時一箇の庚金を得て透出して木を制してこそ妙と為す。もし地支が水局を会成し、甲木また干に出、さらに庚金の透出あれば——水は木を生じ、金は木を制し、木はまた土を疏す——便ち富貴双全なり。もしすでに庚金なく、また比肩・印星の身を幇けるなく、官殺は重くして日主は孤にして、偏(ひとえ)にまた按じて従殺と論じ難ければ、必ず凶に遭うを主どる。然らざればもし、また必ず盗賊に淪(お)ち入る。もし日支が午の上に坐せば、身は強根ありて人に従うを肯(がえ)んぜず。さらに善終(ぜんしゅう)を得べからず。
或一派乙木,為官殺會黨,即有庚從,郤難制乙。此人內奸外直,口是心非。加一甲在內,無庚,必懶惰自甘,好食無厭。或丙多甲多,宜以癸庚參用。
もし満盤に乙木あり、正官と七殺とが朋党(ほうとう)を結成せば、たとい庚金あって来て相従うとも、庚金もまた乙と相合するを貪りて、かえって乙木を制し得べからず。このような人は外表は正直にして内裏は奸猾(かんかつ)なり。口是にして心非(こうぜしんぴ)なり。もしその中にさらに一箇の甲木を加え、また庚金の裁制なくば、この人は必ず懶惰(らんだ)に甘んじ、食を貪りて厭(あ)くことなし。もし丙火多く、甲木もまた多ければ、火は燥にして木は盛んなり。則ち当に癸水と庚金とを拿(と)りて参合して用いべし——癸水はその燥を潤し、庚金はその木を制す。
三月戊土・辰月に生ず
三月戊土司令,不見丙甲癸者,愚而且賤。毋癸透者科甲,兩癸透者生員,甲癸俱藏者只可云富,有癸異途。
三月の戊土は自身司令して、土は最も厚重なり。もし丙火・甲木・癸水が一箇も見ざれば、この人は愚にしてしかも賤し。ただ一箇の癸水の透出は科甲を朢むべし(原文の「毋」は当に「一」の訛と為すべし)。両箇の癸水のともに透するはかえってただ生員なり。甲木・癸水がともにただ地支に蔵するはただ富と説くべきのみ。僅(わず)かに癸水あるのみのは則ち異途より出身す。
若丙多無癸,旱田無水,不能種苗,舊谷已沒,新穀未登,此先富後貴之造。或火多有壬透者,先貧後富,癸透先賤後榮,壬藏不過食足,癸藏不過名傳,即此亦須運美。或支成火局,得癸透者,富貴天然,壬透富貴辛苦,何也,癸乃天上甘霖,壬乃江河波浪,所以有勞逸之殊。
もし丙火多くして癸水なくば、旱田(かんでん)に水なきが如く、秧苗(おうびょう)を種(う)え下す能くさず。陳谷はすでに食い尽して新穀はいまだ場に登らず。これは「先富後貴」の造なり(文義に按ずるに当に「先富後貧」と作すべし)。もし火多くして壬水の透出あるは、先貧後富なり。癸水の透出するは、先賤後栄なり。壬水ただ支中に蔵するは、過(あやま)らず衣食は用に足るのみ。癸水ただ支中に蔵するは、過(あやま)らずやや名声あるのみ。たとい如此(しか)なるも、またなお行運の美好なるを要してこそ行き得べし。もし地支が火局を会成し、癸水の透出を得れば、富貴は天然にして来る。壬水の透出するは、富貴は却って辛苦して掙(あが)き得べし。何を以(もっ)てか。癸は天上の甘霖(かんりん)にして、時に応じて自ら降る。壬は江河の波浪にして、必ず人の汲引(きゅういん)するを要す——だから安逸と労碌との分別あるなり。
支成木局,又甲乙出干,此名官殺會黨,官殺無去留之義。得一庚透,掃除官殺,亦主富貴;無庚乃淺薄之人,宜用火洩木氣。有一命,丁未、癸卯、戊寅、乙卯,癸丁透干,加以戊癸化火,將甲木暗,反得武科探花。
地支が木局を会成し、天干にまた甲乙木の出るあれば、これを「官殺会党(かんさつかいとう)」と呼ぶ——正官と七殺とが一処に混雑して、誰を去り誰を留むるを談ずるに及ばず。この時一箇の庚金を得て透出し、官殺を一斉に掃除せば、また富貴を主どる。庚金なきは、便ち浅薄の人なり。則ち当に改めて火を用いて木の気を泄らし、転じて日主を生ずべし。一造あり。丁未年・癸卯月・戊寅日・乙卯時。癸水と丁火とが皆天干に透し、さらに戊と癸と相合して火に化し、寅中の甲木の気を暗々裏に転化し去り、かえって武科の探花(ぶかたんか)に中(あた)りたり。
或木多無比印透,作從殺而論,亦富貴。或有比印,端看癸透,取癸而成貴格;無癸、無火、無金,名為土木自戰,主腹主疾病,憂愁艱苦。用甲者,水妻、木子;用丙者,木妻、火子。丙寅,庚寅,戊辰,庚申,丙癸。
もし木多くして比肩・印星の透出して身を幇けるなくば、則ち「従殺」に按じて論ず。また富貴し得べし。もし比肩・印星あれば、日主は人に従うを肯(がえ)んぜず。それは則ち端(はし)なく癸水の有無を看る。癸水を取りて土を潤し木を養い、中に居りて調停せば、便ち貴格を成す。もし癸水・火・金の三様ともになければ、木と土とが両下自ら相争戦す。「土木自戦(どぼくじせん)」と呼び、腹中に病を生じ、一生は憂愁艱苦(ゆうしゅうかんく)を主どる。甲木を取りて用と為す者は、水をもって妻星と為し木をもって子星と為し、丙火を取りて用と為す者は、木をもって妻星と為し火をもって子星と為す。また一造を附す。丙寅年・庚寅月・戊辰日・庚申時。取用は丙火と癸水とに在り。
時日月年:丙戊乙癸,辰寅卯未。時日月年:壬戊乙癸,子寅卯未。時日月年:壬戊癸辛,子寅卯卯。時日月年:甲戊戊己,寅寅辰未。
以下の四造はなお「時・日・月・年」の順に横列す。第一造。癸未年・乙卯月・戊寅日・丙辰時——木旺は土を克し、時干の丙火は照暖し、年干の癸水は滋潤す。丙癸は併(あわ)せ見ゆ。まさに正二月戊土の正法なり。第二造。癸未年・乙卯月・戊寅日・壬子時——壬癸は並透して水旺にして、木はまた令を当たる。土は虚にして丙の暖むべきなし。上の一造に比ぶるに遜(そん)ず。第三造。辛卯年・癸卯月・戊寅日・壬子時——両卯一寅は、官殺は会党す。年干の辛金は以て木を制すべく、壬癸は土を潤す。取用は金水の間に在り。第四造。己未年・戊辰月・戊寅日・甲寅時——三土は並立し、両寅中の甲木はまた時干に透して土を疏す。まさに三月戊土の「先ず甲にして後に丙」の義に合す。
四月戊土・巳月に生ず
四月戊土,陽氣發升,寒氣內藏,外實內虛,不畏火炎。無陽氣相催,萬物不長,故先用甲疏劈,次取丙癸為佐。丙透甲出,廊廟之材;丙癸俱透,科甲之士;即透一位,支藏得所,終非白丁。
四月は巳を建つ。陽気は升発して外に在りて寒気はかえって内に蔵す。戊土は外面は結実して裏頭(りとう)は空虚(くうきょ)なり。だから火炎を怕れず。しかしもし陽気の来て催動するなくば、万物もまた長ち起こる能くさず。だから先ず甲木を用いて厚土を疏劈し、其次に丙火と癸水とを取りて輔佐と作す——丙火はその生発を催し、癸水はその乾燥を潤す。丙火は干に透して甲木もまた出るは、廊廟に入り得べきの棟梁の材なり。丙癸ともに透するは、科甲の士なり。たといただその一位を透するのみにして、その余の几様(いくも)が地支に蔵してその所を得れば、終わりに白丁にあらず。
若一派丙火,為火炎土燥,僧道之流;得一癸透壬藏,功名有準,或支藏癸,衣食充足,但骨肉多刑。化合成局無破,富貴非輕。或支成金局,干出癸水,此為奇格,正是土潤金生,即不為桃浪之客,定有異路恩榮。此用癸水,金妻水子。
もし満盤に一片の丙火あり、火は炎おて土は燥けば、僧道の一流なり。この時一箇の癸水を得て干に透し、壬水は支に蔵せば、功名は便ち準あり。あるいは癸水ただ地支に蔵するも、また衣食は充足す。ただし骨肉の間に多く刑傷あり。もし戊癸は化合して局を成して破損なくば、富貴もまた軽からず。もし地支が金局を会成し、天干にまた癸水を出(いだ)せば、これは奇特の格にして、まさに「土潤えば則ち金生ず」の道理に合す。たとい中式登科する能くさずとも、必ず異路の恩榮あらん。この一格は癸水を取りて用と為し、金をもって妻星と為し、水をもって子星と為す。
時日月年:丙戊癸辛,辰午巳亥。時日月年:丁戊丁癸,巳午巳丑。
以下の二造はなお「時・日・月・年」の順に横列す。第一造。辛亥年・癸巳月・戊午日・丙辰時——月干の癸水は年支の亥水をもって根と為し、時干の丙火は照暖す。丙癸は並透す。まさに四月戊土の正配なり。第二造。癸丑年・丁巳月・戊午日・丁巳時——両丁両巳は、火は炎おて土は燥く。年干の癸水あれども、却って孤弱にして根なし。すなわち前文の「一派丙火」の一類なり。
五月戊土・午月に生ず
五月戊土,仲夏火炎,先看壬水,次取甲木,丙火酌用,用癸力微。壬甲兩透,名君臣慶會,自然桃浪先聲,權高位顯;又得辛透年干,官居一品。一命,辛未、甲午、戊寅、壬子,壬甲兩透,印旺殺高,出將入相,名播四夷。
五月は午を建つ。仲夏(ちゅうか)は火は炎おて土は焦(こ)ぐがゆえに、先ず壬水を看て炎を解し、其次に甲木を取りて土を疏し、丙火はただ斟酌の用と作す。癸水に至っては、力量は太微(たいび)にして、大事を済(たす)くる能くさず。壬水と甲木との両透は、「君臣慶会(くんしんけいかい)」と呼ぶ——甲木は殺と為りて壬水は財と為り、君臣は相得(あいえ)たり——自然として春闈(しゅんい)に声を奪うを先とし、権位はすでに高くしかも顕し。もし年干にさらに辛金を透して往きて水を生ぜしめば、官は一品に居るべし。一造あり。辛未年・甲午月・戊寅日・壬子時。壬水・甲木は両透し、午中の印はすでに旺にして、寅甲の殺はまた高し。出(いで)て将と為り入(い)りて相と為りて、名声は四方に伝遍(でんぺん)せり。
若支成火局,即透癸水,不能大濟,是一杯水濟車薪火也。人命合此,即好學不倦,亦能成名,且主目疾。若得壬水出干,則此非比。又或土木重重,全無滴水,僧道孤貧之輩。用壬者,金妻水子。
もし地支が火局を会成せば、たとい癸水を透出すとも、また大事を済くる能くさず。あれは過(あやま)らず一杯の水を拿(と)りて一車の柴の火を救うに過ぎず。人命がこれに合せば、たとい学を好み倦(う)まず、また名を成し得るも、眼目の疾を主どる。もし能く壬水を得て干に出せば、江河の水は一杯の水の比すべきにあらず。またもし土と木とが重重畳畳して、而(しか)も一滴の水もなければ、それは僧道・孤貧の輩なり。壬水を取りて用と為す者は、金をもって妻星と為し、水をもって子星と為す。
六月戊土・未月に生ず
六月戊土,遇夏乾枯,先看癸水,次用丙火甲木。癸丙兩透,科甲中人;或有癸無丙,見甲可許秀才,無甲略富;或有丙無癸,假道斯文,衣食頗足;或癸透辛出,以刀筆之才,可謀異路;無癸丙者,常人;若又無甲,下賤之輩。
六月は未を建つ。一夏を経過して、土はすでに干枯(かんこ)す。だから先ず癸水を看て滋潤し、其次にやっと丙火と甲木とを用る。癸・丙の両透するは、科甲中の人なり。癸水ありて丙火なきは、さらに甲木の土を疏するを見て一箇の秀才を許すべく、甲木なきもまたやや家資あるのみ。丙火ありて癸水なきは、ただ斯文を假装するに過ぎず、衣食は却って頗(すこぶ)る足る。もし癸水透出して辛金もまた出ずれば、金水は相生して、刀筆の才に凭(よ)りて一箇の異路の出身を謀り得べし。癸・丙ともになきは、常人なり。もし甲木にも至らなければ、便ち下賤の輩なり。
或土多得一甲出,不見庚辛,為人作事軒昂,性情謹慎,即不顯揚,亦文章驚世。用癸者,金妻、水子;用丙者,木妻、火子;用甲者,水妻、木子。
もし土太多くして一箇の甲木を得て干に出てそれを疏せしめ、また庚辛の金の来てこの甲木を克するを見ざれば、この人は事を辦(はん)するに気度は軒昂(けんこう)にして、性情は却って謹慎・周密なり。たとい顕達して名を揚ぐる能くさずとも、また文章は世を驚かす。癸水を取りて用と為す者は、金をもって妻星と為し水をもって子星と為し、丙火を取りて用と為す者は、木をもって妻星と為し火をもって子星と為し、甲木を取りて用と為す者は、水をもって妻星と為し木をもって子星と為す。
時日月年:癸戊己戊,丑辰未戍。時日月年:辛戊己戊,酉午未申。時日月年:丁戊癸庚,巳子未子。
以下の三造はなお「時・日・月・年」の順に横列す。第一造。戊戌年・己未月・戊辰日・癸丑時——四柱はほぼ純(まった)く土のみにして、ただ時干の癸水一点の潤沢(じゅんたく)あるのみ。まさに六月戊土の「先ず癸水を看る」の意に合す。惜しむらくは甲木の土を疏するなきなり。第二造。戊申年・己未月、戊午日・辛酉時——土は重くして申酉の辛金を以てその秀気を泄らす。金はまた能く水を生ず。土潤えば金生ずの一路に属す。第三造。庚子年・癸未月・戊子日・丁巳時——癸水は干に透し、両子は根と為り、庚金は源を発す。水はすでに充足して丁火はまた能く局を暖む。配合は最も停匀(ていいん)なり。
七月戊土・申月に生ず
七月戊土,陽氣漸入,寒氣漸出,先丙後癸,甲木次之。丙癸甲透者,富貴極品;癸藏丙透,不僅秀才;丙申兩透,癸水會局藏辰,亦不失富貴;無丙得癸甲透,此人清雅,家富千金;無癸甲者,常人,有丙火,妻腎子肖;若丙甲癸三者俱無,下流之命。
七月は申を建つ。陽気は漸く収斂(しゅうれん)して内に入り、寒気は漸く透出して外に在り。だから先ず丙火を取り、後に癸水を取り、甲木は再次とす。丙・癸・甲の三者ともに透するは、富貴は極品(きょくひん)なり。癸水は蔵して丙火は透するは、ただ一箇の秀才に止(とど)まらず。丙火と甲木との両透(原文の「丙申」は当に「丙甲」と為すべし)にして、癸水はまた局を会して辰中に蔵するも、また富貴を失わざるなり。丙火なくして癸水・甲木の透出を得れば、この人は清雅にして、家は千金の富あり。癸甲ともになくしてただ丙火あるのみなれば、ただ常人なり。ただし妻は賢にして子は肖(に)たり(原文の「妻腎」は当に「妻賢」と為すべし)。もし丙・甲・癸の三様が全くなければ、便ち下流の命なり。
或支成水局,休作棄命從才,宜取甲洩之,甲透者,稍有富貴。用神妻子同前。
もし地支が水局を会成せば、財勢は盛んといえど、また動(やや)もすれば「棄命従財」に按じて看るべからず——七月の申中は本より戊土の余気あれば、日主は未(いま)だ必ずしも真に弱らず——応に甲木を取りて水の気を泄らし、兼ねて厚土を疏すべし。甲木の透出するは、やや富貴あり。用神と妻星・子星との取法は、前に説く所と同じ。
時日月年:壬戊戊壬,午辰申寅。時日月年:癸戊甲庚,丑寅申寅。時日月年:丙戊丙辛,辰子申酉。
以下の三造はなお「時・日・月・年」の順に横列す。第一造。壬寅年・戊申月・戊辰日・壬午時——両壬は財と為り、寅中の甲木は殺と為る。申辰は暗に水局を会し、時支の午火はまた能く身を暖む。まさに「支は水局を成し、甲を取りてこれを泄らす」の様子なり。第二造。庚寅年・甲申月・戊寅日・癸丑時——甲木は干に透して土を疏し、癸水は時上に在りて滋潤し、庚金は水の源を発す。甲癸は並(あわ)せ見ゆるも丙なし。「丙なくして癸甲の透を得れば、この人は清雅」の一類に属す。第三造。辛酉年・丙申月・戊子日・丙辰時——両丙は照暖し、申子辰は水局を会成す。丙火・癸水の意は倶(とも)に具足す。これは七月戊土の上等の配置なり。
八月戊土・酉月に生ず
八月戊土,金洩身寒,賴丙照暖,喜水滋潤,先丙後癸,不必木疏。丙癸兩透,科甲中人;丙透癸藏,可許入泮;癸透丙藏,納資得官;若丙藏又無癸,即多不透,此皆常人;癸丙全無,奔流之客。
八月は酉を建つ。辛金は令を当たり、金は一味(いちみ)として土の気を泄らし、土身は転じて寒す。だから丙火を要して照暖し、また水の来て滋潤するを喜ぶ。取用は先ず丙にして後に癸なり。この時土は並びて厚からざれば、必ずしもさらに木を用いて往きてそれを疏せず。丙・癸の両透するは、科甲中の人なり。丙火は透して癸水は蔵するは、進学を許すべし。癸水は透して丙火は蔵するは、捐納に靠(よ)りて一箇の官職を得。もし丙火はただ蔵してまた癸水なくば、たとい別の干支は多くとも用神を透さざれば、これは皆ただ常人なり。癸・丙の全くなきは、四処に奔流する客なり。
或四柱皆辛,無丙丁,此名傷官格為人清秀,即不能拾芥,亦可武庠,一見癸水,富而且貴。或支成水局,壬癸出干,此名才多身弱,愚懦無能,若天干有比劫分散才神,頗言衣食。用神妻子同前,秋土生金極弱,須丙火丁火出干方妙。
もし四柱皆辛金にして、丙丁火なくば、これを「傷官格」と呼ぶ。人と為りて清秀(せいしゅう)なり。たとい軽々(かるがる)しく功名を取る能くさずとも、また武学に入るべし。この時一たび癸水を見て来て傷官の気を通ぜば、便ち富にしてしかも貴し。もし地支が水局を会成し、壬癸はまた干に出ずれば、これを「財多身弱」と呼ぶ。人は愚懦(ぐだ)にして無能なり。もし天干に比肩・劫財あって財星を分散し開けば、却ってなお衣食を談じ得べし。用神と妻星・子星との取法は前に同じ。要するに秋の土はただ金を生ずるを顧みて、弱して極点に至る。必ず丙火・丁火あって干に出て生扶してこそ、妙と為す。
九月戊土・戌月に生ず
九月戊土當權,不可專用丙,先看甲木,次取癸水,郤忌化合。見金先用癸水,後取丙火,配合支干,方成有生之土,定發雲程。
九月は戌を建つ。戊土は自身権を当たり、土はすでに厚重なり。則ち再び専ら丙火を用いて往きてそれを生ずべからず。必ず先ず甲木を看て土を疏し、其次に癸水を取りて滋潤するを要す。ただ戊癸の相合して火に化するを忌む。一たび化すれば則ち用神は質を変ず。もし柱中に金を見れば、金は土を泄らしてさらに耗(も)う。則ち先ず癸水を用いて(金水は相生して土を潤す)、後に丙火を取りて身を暖む。干支はこのように配合して起(お)こって、こそ一塊(いっかい)の生機ある活土を成り得。前程は必ず青雲直上(せいうんちょくじょう)なり。
或無丙有癸,不見甲透者,衣衿小富;無癸丙,有甲者,衣食而已;若癸甲全無,雖有丙火,亦屬平常,或為僧道。或支成水局,壬癸透干,用戊止流,有比透反主富。支成火局,名土燥,不發。得金水兩透,此人清高,略可富貴;無水,一生困苦,妻子仝前。
もし丙火なくして癸水あり、また甲木の透出を見ざれば、ただ一領の衣衿・小小の家資なり。癸丙ともになくしてただ甲木あるのみなれば、過(あやま)らず衣食は温飽(おんぽう)す。もし癸水・甲木が全くなければ、たとい丙火あれども、また平常に属し、甚(はなは)だしきはあるいは出家して僧道と為る。もし地支が水局を会成し、壬癸はまた干に透せば、財多身弱にして、則ち戊土を用いて水流を止め住(とど)む。この時比肩の透出して身を幇けるあれば、かえって富を主どる。もし地支が火局を会成せば、「土燥(どそう)」と呼び、一片の焦土にして、発し起こる能くさず。もし金と水との両様ともに透せば、土は潤を得て金は秀を泄らす。この人は清高にして、やや富貴すべし。一点の水もなきは、一生困苦なり。妻星・子星の取法は前に同じ。
時日月年:丙戊甲己,辰辰戌酉。時日月年:癸戊庚丁,亥戌戌亥。
以下の二造はなお「時・日・月・年」の順に横列す。第一造。己酉年・甲戌月・戊辰日・丙辰時——月干の甲木は厚土を疏き開き、時干の丙火は照暖し、酉金は秀を泄らす。まさに九月の「先ず甲木を看る」の義に合す。第二造。丁亥年・庚戌月・戊戌日・癸亥時——両亥の水は財と為り、癸水は時に透して燥土を潤し、庚金は土を泄らして水を生じ、丁火は年上に在りて局を暖む。すなわち「金を見れば先ず癸水を用い、後に丙火を取る」の一類なり。
時日月年:壬戊戊丙,子寅戌戌。時日月年:乙戊庚丁,卯寅戌酉。時日月年:己戊戊丙,未辰戌子。
以下の三造はなお「時・日・月・年」の順に横列す。第一造。丙戌年・戊戌月・戊寅日・壬子時——土は重くして寅中の甲木は暗に疏す。時干の壬水は財と為り、年干の丙火は照暖す。配合はなお停匀と称すべし。第二造。丁酉年・庚戌月・戊寅日・乙卯時——乙木は時に在り、寅卯は方を成す。官殺は土を疏し、庚金は木を制し、丁火は身を生ず。取用は木火の間に在り。第三造。丙子年・戊戌月・戊辰日・己未時——満盤は土重くして甲なし。ただ年支の子水一点を財と為すのみ。まさに前文の「癸甲全くなし、たとい丙火あれども、また平常に属す」の様子なり。
十月戊土・亥月に生ず
十月戊土,時值小陽,陽氣略出,先用甲木,次取丙火。非甲,土不靈;非丙,土不暖,安能發生萬物。甲丙兩出,富貴中人。或甲得長生,遇支藏得地之水,一丙高透,亦主身貴揚名,支見庚金,入泮而已。
十月は亥を建つ。まさに「小陽春」に値(あた)りて、陽気は略(ほんのすこ)し透出す。この月は先ず甲木を用い、其次に丙火を取る。甲木なくば、土は便ち板滞して霊ならず。丙火なくば、土は便ち寒冷にして暖ならず。又何ぞ万物を生発せん。甲・丙の両様ともに干に出るは、富貴中の人なり。もし甲木がちょうど亥の上に長生を得、地支にまた地を得たる水を蔵して来てそれを養い、天干にさらに一箇の丙火の高透あれば、また身は貴位に居り、世に名を揚ぐるを主どる。ただし地支にもし庚金を見て甲木を克傷せば、則ちただ進学に到るに止(とど)まる。
若不見庚金,甲木藏支,丙火高透,科甲有之。若有庚,丁出制,必異路功名,或為典吏。即庚丁不透,甲丙藏支,亦云富貴。壬透得戊救丙,主富中取貴;丙甲俱無,必為僧道。
もし庚金の来て木を傷るを見ざれば、甲木はただ地支に蔵するといえど、而(しか)も丙火は天干に高透せば、科甲もまた朢みあり。もし庚金あれば、則ち丁火を要して出でてそれを制し住(とど)む。如此(しか)は多くは異路の功名にして、あるいは一箇の典吏(てんり)・小官を為る。たとい庚金・丁火ともに透せずとも、ただ甲木・丙火が地支に蔵せば、また富貴と説き得べし。もし壬水の透し出て丙を克すれば、戊土を得て出て丙を救う。富の中に貴を取るを主どる。もし丙火・甲木の両様ともになければ、寒土は生なく疏なし。必ず僧道と為る。
時日月年:戊戊癸癸,午辰亥卯。時日月年:庚戊辛壬,甲寅亥申。時日月年:丙戊丁乙,辰戌亥卯。
以下の三造はなお「時・日・月・年」の順に横列す。第一造。癸卯年・癸亥月・戊辰日・戊午時——両癸は財と為りて水旺なり。卯中の乙木は土を疏し、時支の午火は身を暖め、比肩は幇扶す。十月戊土の身弱にして火土を喜ぶの一類に属す。第二造。壬申年・辛亥月・戊寅日・庚申時(原文は時支に「甲」と作す、当に「申」の訛と為すべし)——金水は太旺にして寅中の甲木・丙火は救と為る。まさに「甲にあらざれば土は霊ならず、丙にあらざれば土は暖ならず」の説に合す。第三造。乙卯年・丁亥月・戊戌日・丙辰時——乙木は年に在り、丙丁は並透す。甲丙の意は具備す。これは十月戊土の中にて配合の好きを較(くら)ぶる一造なり。
十一二月戊土・子丑月に生ず
十一二月嚴寒冰凍,丙火為尊,甲木為佐。丙甲兩透,桃浪之人;丙出甲藏,采芹食□;丙藏甲出,佐雜前程;有丙無甲者,豪富;有甲無丙者,清貧;丙甲全無,下流之造。
十一月・十二月は天気は厳寒氷凍(げんかんひょうとう)して、戊土は凍結(とうけつ)す。だから丙火をもって最尊と為し、甲木を作して輔佐と為す——先ず凍を解き、再び土を疏す。丙・甲の両透するは、春闈に得意の人なり。丙火は干に出て甲木は支に蔵するは、進学して廩(りん)を食(は)むべし(原文はここに一字を缺く、当に「食餼」と作すべし)。丙火は支に蔵して甲木は干に出るは、ただ佐貳(さじ)・雑職の前程を得るのみ。丙火ありて甲木なきは、豪富を主どる。甲木ありて丙火なきは、土は凍て解けず。ただ清貧なり。丙甲全くなきは、下流の造なり。
或一派丙火,加以丙透,運值火土,弱中復強,又一壬透干,主清高榮祿,乏壬,僧道孤寒。或一派水土寒滯,不見一丙,得一癸透月時,亦不失儒雅風流。
もし満盤に一片の丙火あり、天干にまた丙の透するあれば、行運がさらに火土の郷に走れば、日主は便ち弱より転じて強と為る。この時さらに一箇の壬水あって干に透して財と作れば、人と為りて清高にして榮禄を享くるを主どる。もしこの一点の壬水を缺けば、火土は堆(うずたか)く成りて用いる所なし。便ち僧道・孤寒の命なり。もし満盤に水土の寒滞あって、一箇の丙火も見ざれど、而(しか)も月干あるいは時干に一箇の癸水の透出を得れば(水は寒といえど、気機をして全く凝死に至らしめず)、また儒雅風流(じゅがふうりゅう)の士と為るを失わざるなり。
或一派壬水,不見比劫,可作從才而論;即有比劫,得甲出干,又主富貴。若寒土無丙,雖有甲木,亦是內虛外實之人。或二癸透月時,名為爭合,終屬勞碌之人;得一己出干制癸,反為忠義之士,合己從人而論。年月透辛金者,又屬土金傷官,異路功名可許,以金為妻,水為子。
もし満盤に壬水ありて比肩・劫財を見ず、日主は根なければ、「従財」に按じて論ずべし。たとい比劫あれども、ただ甲木を得て干に出て土を疏し比を制せば、また富貴を主どる。もし寒土にして丙火なくば、たとい甲木あってそれを疏すとも、ただ一箇の外表は結実して内裏は空虚の人なり。もし月干・時干ともに癸水を透して日主を合せば、「争合」と呼ぶ。終わりに労碌の人なり。この時一箇の己土を得て干に出て癸を制せば、かえって忠義の士と成る。「合己従人(ごうきじゅうじん)」の道理に照らして推すべし。もし年干・月干に辛金を透出せば、それはまた「土金傷官」の格に属す。異路の功名は許すべく、金をもって妻星と為し、水をもって子星と為す。
時日月年:壬戊壬壬,子子子子。時日月年:癸戊乙癸,丑申丑卯。時日月年:戊戊甲戊,午辰子寅。
以下の三造はなお「時・日・月・年」の順に横列す。第一造。壬子年・壬子月・戊子日・壬子時——四柱は純(まった)く壬子のみにして、満盤は皆財にして日主は全く根気なし。まさに「一派壬水、比劫を見ず、従財と作すべし」の様子なり。第二造。癸卯年・乙丑月・戊申日・癸丑時——両癸は月時に透す。まさに文中の説く所の「争合」なり。卯乙は土を疏して申金は秀を泄らす。寒湿にして丙なし。第三造。戊寅年・甲子月・戊辰日・戊午時——甲木は干に出て土を疏し、寅午は暗に火局を拱(かしづ)きて凍を解し、比肩はまた衆(あまた)なり。これは十一二月戊土の暖を得疏を得たる一造なり。
己土を論ず
正月己土・寅月に生ず
正月己土,田園猶凍,蓋因臘氣未除,餘寒未退,故丙為尊,得丙照暖,萬物自生。忌見壬水,反為己病,何也?壬乃江湖之水,湖水一發,則田園洗盪,變為沙土,而根苗盡沒矣。
正月は寅を建つ。己土は田園の土なり。この時田園はなお凍てり。臘月の寒気はいまだ除かれず、余寒はいまだ退かざるがゆえに、丙火をもって最尊と為す。丙火を得て一照一暖せば、万物は自然として生発す。この月は最も壬水を見るを忌む。壬水はかえって己土の病根と成る。何を以(もっ)てか。壬は江湖の水なり。湖水は一たび泛漲(はんちょう)せば、田園は便ち冲涮・洗蕩(せんとう)せられ、化作して一片の沙土と為りて、禾苗(かびょう)の根鬚は全て淹没せられる。
須戊作堤,以保園圃。壬多要見戊制,有戊出干者,定主玉堂金馬;若乏制戊,必屬平常。
だから必ず戊土あって堤岸を築(きづ)き、この一片の園圃(えんぽ)を護るを要す。壬水多きは、一定(いちじょう)に戊土を見て来て制するを要す。戊土の干に出るあるは、必ず身は玉堂に入り、名は金馬に登るを主どる。詞臣・顕宦(じしんけんかん)の象なり。もしこの水を制するの戊土を缺けば、則ちただ平常の人なり。
或一派甲木,有庚出干,加以癸丙齊透,配得中和,亦名利雙全。即丙生寅月,庚透天干,亦有俊秀。若甲多無庚,殘疾廢人,宜用丁洩。
もし満盤に甲木ありて官殺と為りて来て身を克せば、而(しか)も庚金あって干に出て木を制し、さらに癸水・丙火を加えて一斉に透出すれば——丙火は局を暖め、癸水は滋潤し、庚金は木を裁す——配は中和を得て、また名利双全なり。たといただ丙火の寅月に生じて長生を得、庚金また天干に透するのみなるも、また人は俊秀の才あるを主どる。もし甲木多くして庚金なく、官殺は制なくば、便是ち殘疾・廃人なり。この時宜しく丁火を用いて木の気を泄らし、殺を化して身を生ずべし。
或一派火,即不見水無礙,何也?正月己土溼,必丙燥暖,反主厚祿。加一癸透,科甲自然;戊透,反作常人。或一派戊土,有甲出制,又主榮顯;如見乙出,雖多不能疏土,且乙多者奸詐小人。用丙者,木妻,火子。
もし満盤これ火なれば、たとい水を見ずともまた妨げなし。何を以(もっ)てか。正月の己土は湿冷にして、まさに丙火を須(もち)いてこれを烘燥(こうそう)し暖め開くべし。だから火多きはかえって厚禄を主どる。この時さらに一箇の癸水を加えて透出せば、燥潤は相済(あいたす)けて、科甲は自然として手に到る。もし戊土の透出に換えれば、比劫は財を奪い而(しか)も寒を解し得べからず。かえってただ常人なり。もし満盤に戊土の壅塞(ようそく)あれば、甲木あって出て疏制せば、また榮顯を主どる。もし乙木の干に出るを見れば、乙は柔木にして、たとい多くともまた厚土を疏し動かす能くさず。況(いわ)んや乙木多き人は多くは奸詐の小人なり。丙火を取りて用と為す者は、木をもって妻星と為し、火をもって子星と為す。
二月己土・卯月に生ず
二月己土,陽氣漸升,雖禾稼未成,萬物出土,田園未展,先取甲木疏之,忌合,次取癸水潤之。甲癸出干,定主科甲;加以一丙出透,勢壓百僚;一見壬水,微末官職。
二月は卯を建つ。陽気は漸く升(のぼ)り、禾稼はいまだ長成せざるといえど、万物はすでに土を出(いだ)せり。ただし田園はいまだ開展せず。だから先ず甲木を取りて来てそれを疏松せしむ——ただし甲己の相合を忌む。一たび相合せば、甲木は便ち土を疏するを肯(がえ)んぜずしてかえって土を化しに往く。其次に癸水を取りて滋潤す。甲・癸の干に出るは、必ず科甲を主どる。さらに一箇の丙火を加えて透出せば、暖・疏・潤の三者は倶(とも)に全(まった)くして、声勢は以て満朝の百官を壓倒すべし。しかし一たび壬水を見て泛濫して田を冲せば、則ちただ微末の官職に落つる。
或見庚制甲,壬水出干,比劫重重,此必俗子;丙透猶有小富,丙藏衣祿無虧。或支成木局,庚透富貴;若柱多乙木,乙又屈庚,庚必輸情於乙,不能掃邪於正,此必狡詐之徒,運入東南,恐有不測,當用丁洩之,有丁者,小人而已,不致無良。
もし庚金を見て甲木を克制せしめ、壬水はまた干に出て田を濁(にご)し、比肩・劫財はさらに重重畳畳なれば、この人は必ず俗子(ぞくし)なり。ただし丙火の透出するはなお小富あり。丙火ただ蔵するもまた衣禄は缺(か)けず。もし地支が木局を会成し、官殺は勢を成せば、庚金は透出して木を制して便ち富貴を得。もし柱中に乙木多ければ、乙木はまた庚金を屈し住(とど)む——乙庚は相合して、庚金は必ず情意を乙木に輸(おく)る。則ち日主に為(ため)に邪黨を掃除し正気を扶持するを肯(がえ)んぜず——この種の人は必ず狡詐(こうさ)の徒なり。行運がさらに東南木火の地に進まば、不測(ふそく)あるを恐る。この時当に丁火を用いて木の気を泄らすべし。丁火あるは、また過(あやま)らず一箇の小人なるのみ、なお無良に壞(こわ)るるに至らず。
無比印,從殺者貴。若柱中無甲丙癸者,皆下格,妻子用神仝前。
もし柱中に比肩と印星の身を幇けるなく、日主は孤弱にして依る所なければ、索性(さくせい)命を棄て殺に従う。かえって貴顯を主どる。もし柱中に甲木・丙火・癸水の一樣もなければ——土はすでに疏を得ず、また暖を得ず、さらに潤を得ず——皆是れ下格なり。妻星・子星と用神との取法は前に同じ。
時日月年:庚己乙癸,午巳卯卯。時日月年:乙己乙癸,丑巳卯卯。
以下の二造はなお「時・日・月・年」の順に横列す。第一造。癸卯年・乙卯月・己巳日・庚午時——両卯一乙は、官殺は黨を成して来て土を克す。幸いに時干の庚金あって木を制し、日支の巳・時支の午の火はまた土を暖め身を生ず。まさに「一派甲木、庚の干に出るあり」の意に合す。第二造。癸卯年・乙卯月・己巳日・乙丑時——木は上の造に比べてさらに重くして庚金の裁制なし。ただ巳中の丙火の局を暖むるに頼(たの)む。配合は弱しを較(くら)ぶ。
三月己土・辰月に生ず
三月己土,正栽培禾稼之時,先丙後癸,土暖而潤,隨用甲疏。三者俱透天干,必官居黃閣;或三者透一,科甲定然,但要得地,郤以庚金為病。
三月は辰を建つ。まさに禾稼を栽種(さいしゅ)するの時節なり。だから先ず丙火を取り、後に癸水を取りて、土をしてまた暖にしてまた潤(うるお)わしめ、隨(つい)て後に甲木を再用いて疏松す。丙・癸・甲の三様ともに天干に透するは、必ず官は黃閣(こうかく)に居り位は宰輔(さいほ)に至る。三者の中ただ一樣を透するも、科甲はまた一定なり。ただしこの一樣は必ず地支に地を得根あるを要す。この一格は却って庚金をもって病と為す。庚金は一たび出れば則ち土を疏するの甲木を克傷するがゆえなり。
或有丙甲無癸,亦可致富,但不貴顯;或有癸而無甲丙,亦有衣衿;或有丙癸無甲,亦係才人;丙癸全無,流俗之輩。或一片乙木,無金制伏,貧而且夭也。妻子仝前。
もし丙火・甲木ありて癸水なくば、土は暖く能く疏けれど潤少なし。また以て富を致すべし。ただし貴顯する能くさず。もしただ癸水ありて甲木・丙火なくば、また一領の衣衿を掙(あが)き得べし。もし丙火・癸水ありて甲木なくば、暖潤は余(あま)りありて疏通は足らず。また一箇の才ある人と算(かぞ)うべし。丙癸全くなきは、ただ流俗の輩なり。もし満局に一片の乙木あり、また金の来て制伏するなくば、柔木は盤結(ばんけつ)して土気は通ぜず。この人は貧にしてしかも夭(わかじに)す。妻星・子星の取法は前に同じ。
時日月年:丙己甲壬,寅卯辰子。時日月年:甲己壬辛,子巳辰未。時日月年:壬己甲壬,申卯辰子。
以下の三造はなお「時・日・月・年」の順に横列す。第一造。壬子年・甲辰月・己卯日・丙寅時——甲木は干に透して土を疏し、丙火は時に在りて照暖し、年支の子中の癸水は滋潤す。丙癸甲の三者は倶備(ともにそなわ)りて、まさに三月己土の上格なり。第二造。辛未年・壬辰月・己巳日・甲子時——甲木は土を疏し、子中の癸水は土を潤し、巳中の丙火は土を暖む。ただ嫌(きら)うは壬水の干に出て辛金また往きてそれを生ずる。水は偏(ひとえ)に旺なる些(いささか)あり。第三造。壬子年・甲辰月・己卯日・壬申時——両壬は財と為りて水勢は甚だ旺なり。甲木は土を疏し、申金は土を泄らして水を生ず。憾(うら)む所は一箇の丙火を缺くなり。
三夏己土・巳午未月に生ず
三夏己土,雜氣才官,禾稼在田,最喜甘沛,取癸為要,次用丙火。夏無太陽,禾稼不長,故無癸曰旱田,無丙曰孤陰。
夏三月の己土は、命中に多く雑気の財官を帯び、禾稼のまさに田裏に長ずるに譬(たと)うべし。最も甘霖(かんりん)の沛然(はいぜん)として下(お)るるを喜ぶ。だから癸水を取りて最要と為し、其次にやっと丙火を用る。しかし夏天に太陽なければ、禾稼は照(て)らす様(さま)長ち好(よ)からず。だから癸水なきを「旱田(かんでん)」と呼び、丙火なきを「孤陰(こいん)」と呼ぶ——両樣ともに缺(か)くべからざるなり。
或丙癸兩透,又加辛金生癸,此富貴之格,名水火既濟,鼎甲之人,郤忌戊癸化合。或有丙無癸,有壬亦可,但不大發。
もし丙・癸の両透に、さらに辛金を加えて癸水を生ぜしめば、水源は断絶(だんぜつ)せず。これは富貴の格にして、「水火既濟(すいかきせい)」と呼ぶ。鼎甲(ていこう)の人と作すべし。ただ戊土と癸水との相合して火に化するを忌む。一たび化すれば、あの一点の甘霖は便ち變(か)わって火と為る。格は則ち破れたり。もし丙火ありて癸水なくば、一歩を退きて壬水を用いてもまた可なり。ただし發(は)って大なる能くさず。
或一丙火烈土,加以丁火制辛,癸水無根,如七八月之間旱,則苗槁矣,此命孤苦零丁。或有甲木,又見丙火重重,無濟水解炎,亦孤貧到老。
もし一箇の丙火あって土を烤(あぶ)りて焦烈ならしめ、さらに丁火を加えて出て辛金を克制し、水の源頭を断てば、癸水は便ち無根の水と成る——七八月の間に大旱(たいかん)に遇うに譬え、禾苗は尽(ことごと)く枯槁(ここう)す——この種の命は孤苦零丁(こくれいてい)なり。もし甲木の傍(かたわ)らに在りて火を生じ、また丙火の重重(ちょうちょう)を見て、而(しか)も水の来て炎を解するなくば、同じく孤貧して老に到る。
如有壬水,又見庚辛,此又不作孤看,但恐目疾,心腎肝臟之災。若壬水有根,辛金得地,又非此而論。或壬癸並出,破火潤土,此人聰穎特達,富中取貴,又轉禍為福也。用癸者,金妻,水子;用丙者,木妻,火子。
もし壬水あれば、また庚辛金を見て来てそれを生ぜば、それは則ち孤苦に按じて論ずべからず。ただ恐るはなお眼目の疾あり、および心・腎・肝のこれら几處(いくところ)の臟腑の病痛なり。もし壬水は本(もと)より根あり、辛金はまた地を得ば、水勢は立てて穩(おだ)やかなり。連(か)ねてこの一層もまた必ずしも論ぜず。もし壬水・癸水が一斉に干に出ずれば、すでに火勢を破りてまた焦土を潤す。この人は聰穎(そうえい)にして人に過(す)ぎ、能く富の中に貴を取り、かえって轉(てん)じて禍を福と為す。癸水を取りて用と為す者は、金をもって妻星と為し水をもって子星と為し、丙火を取りて用と為す者は、木をもって妻星と為し火をもって子星と為す。
時日月年:戊己己己,辰巳巳巳。時日月年:辛己辛乙,未巳巳巳。時日月年:庚己辛乙,午巳巳丑。時日月年:乙己癸丙,亥亥巳申。
以下の四造はなお「時・日・月・年」の順に横列す。第一造。己巳年・己巳月・己巳日・戊辰時——三箇の己巳は並列し、火土は燥烈して極処に到り、一滴の水もなし。まさに「癸なきを旱田と曰(い)う」の様子なり。第二造。乙巳年・辛巳月・己巳日・辛未時——両辛は土を泄らして水を生ず。惜しむべし水は干に出ず。なお嫌(きら)く燥(かわ)くなり。第三造。乙丑年・辛巳月・己巳日・庚午時——庚辛は並(あわ)せ出(い)で、丑中にまた暗に癸水・辛金を蔵す。金は能く水を生ず。前の二造に比べて潤沢(じゅんたく)なり。第四造。丙申年・癸巳月・己亥日・乙亥時——癸水は干に透し、申金は源を発し、両亥は根と為り、丙火はまた年上に在りて照暖す。まさに「丙癸両透、また辛金を加えて癸を生ず」の意に合す。これは水火既濟の一路なり。
三秋己土・申酉戌月に生ず
三秋己土,萬物收藏之際,外虛內實,寒氣漸升,須丙火溫之,癸水潤之。不特此也,且癸能洩金,丙能制金,補土精神,則秋生之物咸茂矣,癸先丙後。
秋三月の己土は、まさに万物收藏の際に当たりて、土は外面は空虚にして裏面は結実す。寒気は漸く上昇す。必ず丙火を用いてこれを温め、癸水を用いてこれを潤すを要す。止(とど)まらず如此のみならず。秋は金旺にして、一味(いちみ)として土気を盜泄(とうせつ)す。而(しか)も癸水は能く金気を泄らし走らせ、丙火は能く金気を克し住(とど)む。一泄一制して、土の精神は則ち補い住(とど)まる。秋生の作物はここにおいて皆茂盛(もせい)す。取用の次第は癸水を先にして丙火を後とす。
丙癸兩透,雁塔題名。或無癸,有兩丙透者,異途顯達,或武職權高。或有丙火,不見壬癸,為假道斯文,終無誠實。或有壬癸無丙者,衣食充足,才能而已。
丙・癸の両透するは、以て雁塔(がんとう)に名を題すべし。もし癸水なくして、而(しか)も両箇の丙火の透出あれば、また異途によりて顯達し、あるいは武職を為して權位は甚だ高し。もしただ丙火ありて壬癸水を見ざれば、燥にして潤さず。この人は斯文を假裝(かそう)して、終わりに誠実ならず。もし壬癸水ありて丙火なくば、潤して暖ならず。衣食は却って充足すといえども、過(あやま)らず些(いささ)かの才幹あるのみ。
或支成金局,癸透有根,此人家畜萬緡,富中取貴。或支四庫,甲透者富,乏甲者孤貧。或甲出無癸乏金,積德可全科甲。或會火局,無水救,乃大奸大惡之徒。
もし地支が金局を會成し、而(しか)も癸水は透出してまた根あれば、金は水を生じ水は土を潤す。この人は家に萬貫を蓄(たくわ)え、能く富の中に貴を取る。もし地支に辰戌丑未の四庫が齊(ととの)い全(まった)ければ、土は太厚重なり。甲木の透出して土を疏するは富を主どり、甲木を缺くは便ち孤貧なり。もし甲木の干に出て而(しか)も癸水なく、また金を缺くとも、ただ徳を積まば、科甲はなお保全すべし。もし地支が火局を會成して水の救うなくば、火土は焦燥して、それは便ち大奸大惡の徒なり。
或丙透癸藏,遇金頗有選援,加一壬輔,富貴慷慨,有賢聲;見戊透者,主遭凶厄且貧。八月支成金局,無丙丁出救,此人零丁孤苦;如得丙透丁藏,生己元神,此人名魁天下,五福完人。總之三秋己土,先癸後丙,取辛輔癸;九月土盛,宜甲木疏之,餘皆酌用。
もし丙火は干に透して癸水は支に蔵し、さらに金の來て水を生ずるに遇えば、頗(すこぶ)る選拔(せんばつ)・援引(えんいん)せらるるの機會あり。一箇の壬水を加えて輔助せば、則ち富貴にして人と為りて慷慨(こうがい)なり。賢良の聲名あり。ただしもし戊土の透し出て水を克し財を奪うを見れば、かえって凶厄に遭いてしかも貧窮するを主どる。八月生の人は地支が金局を會成し、泄氣は太重なり。もし丙丁火の出て救護するなくば、この人は零丁孤苦なり。もし能く丙火を得て干に透し、丁火は支に蔵せば、火は來て己土の元神を生ず。この人は以て名は天下に魁(さきが)けん。これは五福俱全の人なり。要するに秋三月の己土は、先ず癸水を取り、後に丙火を取り、再び辛金を取りて癸水を輔助す。九月は土盛んなれば、宜しく甲木を用いてこれを疏すべし。その余の各樣は斟酌して取り用うれば則ち是なり。
時日月年:壬己癸甲,申未酉寅。時日月年:壬己甲己,申丑戌巳。
以下の二造はなお「時・日・月・年」の順に横列す。第一造。甲寅年・癸酉月・己未日・壬申時——癸水は月干に透して申金は源を発し、甲木は年上に在りて土を疏す。まさに「三秋己土、先ず癸にして後に丙、辛を取りて癸を輔す」の取法に合す。惜しむ所は丙火なきなり。第二造。己巳年・甲戌月・己丑日・壬申時——九月は土盛んにして甲木は干に出て往きて疏す。壬水は時に在りて滋潤し、巳中の丙火は身を暖む。配合はまさに九月の法に合す。
勾陳全備潤下,勞碌奔波之客;土凝水竭,離鄉背井之流。勾陳得位會才官,無沖無破必然端,甲子北方寅卯木,管教環拱戴金冠。戊己喜亥卯未為官,申子辰為才,忌刑沖殺害。
「勾陳(こうちん)」は戊己土の別名なり。土もし申子辰のこの一片の潤下の水局を全て占めば、財多くして身弱なれば、便是ち勞碌奔波(ろうろくほんぱ)の客なり。反對(はんたい)にもし土は凝結・板實(ばんじつ)して水源は枯竭(こかつ)すれば、財路は斷絕して、便ち離郷背井(りきょうはいせい)の流れと成る。歌訣(かけつ)に曰く。勾陳の土は位を得て、また財星・官星を會齊(かいせい)し、命中は冲なく破なければ、必定端正にして成あり。譬如(ひにょ)甲子のこれら北方の水は、寅卯の木を配して官と為し、四柱は環拱(かんきょう)して宜しきを得れば、彼を教管(かん)して金冠を頭に戴(いただ)かしむ。これは則ち説く。戊己土は亥卯未の木局を以て官星と為し、申子辰の水局を以て財星と為すを喜ぶ。ただ刑・冲・殺・害の來て破壞するを忌む。
三冬己土・亥子丑月に生ず
三冬己土,溼泥寒凍,非丙暖不生,取丙為尊,甲木參酌,戊土癸水不用。惟初冬壬旺,取戊制之,餘皆用丙丁,但丁不能解凍除寒,不能大濟。
冬三月の己土は一塊(いっかい)の濕泥(しつでい)なり。凍えて結實(けんじつ)して、丙火の來て暖むるなくば便ち生發する能くさず。だから丙火を取りて最尊と為し、甲木は參酌して用い、戊土と癸水とは一概に取らず——戊土はただ寒滯を添(そ)え、癸水はさらに濕凍を助く——ただ初冬十月に壬水正旺の時のみ、やっと戊土を取りて水を制するに來る。その余は皆丙火を用る。丁火はまた火といえども、嚴寒冰凍を解き開く能くさず。大事を濟(たす)くる能くさず。
或干透一丙,支藏一丙,如以甲透,科甲有準;即藏丙無制,亦主衣衿。或多壬水,得戊透制之,此命安然富中取貴;不見戊土,富屋貧人。凡三冬己土,見壬水出干,為水浸湖田,此人孤苦,若見火不孤,見土不貧。
もし天干に一箇の丙火を透し、地支にさらに一箇の丙火を蔵せば、暖氣は用に足る。さらに甲木の透出して土を疏するあれば、科甲は準あり。たとい丙火はただ支中に蔵するのみなるも、ただ克制せられざれば、また一領の衣衿を主どる。もし壬水多くして、戊土を得て透出して制し住(とど)めば、この命は安穩(あんおん)にして、能く富の中に貴を取る。戊土を見ざるは、便是ち好い房子に住まるの窮人なり。およそ冬三月の己土は、一たび壬水の干に出るを見れば、「水浸湖田(すいしんこでん)」と叫ぶ。この人は孤苦なり。ただしもし火の來て暖むるを見れば便ち孤に至らず、土の來て堤防するを見れば便ち貧に至らず。
或一派癸,不見比劫,此為從才,反主富貴,雖不科甲,恩誥有之;若見比爭,平常人物,妻子主事。從才者,木妻,火子。或一派戊己,取甲制之,甲透者富貴。或一片辛庚,須用丙火,還須丁火為助,丙藏,富貴奇特之命。
もし滿盤に癸水ありて比肩・劫財を見ず、日主は根なければ、これは「從財」にして、かえって富貴を主どる。科甲に由(よ)らずとも、また恩封・誥命(おんぽうこうめい)あり。もし比劫の來て財星を爭奪するを見れば、則ちただ平常の人物にして、家裏は妻子に由りて當家す。從財格に入るは、木を以て妻星と為し、火を以て子星と為す。もし滿盤に戊己土の壅塞あれば、則ち甲木を取りて來てこれを制す。甲木の透出するは富貴を主どる。もし滿盤に一片の庚辛金の泄氣あれば、必ず丙火を用いて金を制し土を暖むるを要し、還(ま)た丁火を須(もち)いて傍らより相助くるを要す。たとい丙火はただ地支に蔵するのみなるも、また富貴・奇特の命なり。
時日月年:甲己癸壬,戌丑丑申。時日月年:己己癸壬,巳卯丑子。
以下の二造はなお「時・日・月・年」の順に横列す。第一造。壬申年・癸丑月・己丑日・甲戌時——壬癸は並透して申金はまた来て水を生ず。まさに「水浸湖田」の局面にして、全く時干の甲木の土を疏し、戌中の丁火の身を暖むるに頼(たの)む。第二造。壬子年・癸丑月・己卯日・己巳時——満盤は寒水にして、ただ時支の巳中の丙火に靠(よ)りて凍を解す。比肩は身を幇ける。まさに「三冬己土、丙を取りて尊と為す」の意なり。
金を論ず
金以至陰為體,中含至陽之精,乃能堅剛,獨異眾物。若獨陰而不堅,冰雪是也,遇火則消矣。故金無火鏈,不能成器。金重火輕,執事繁難;金輕火重,煆煉消亡;金極火盛,為格最精。
金は極陰の気を以て體と為す。その中に卻(かえっ)て極陽の精を含む。だから能く堅硬・剛強にして、獨り別の物類と同じからず。もしただ純陰にして陽を含まざれば、便ち堅し起こる能くさず。冰雪は則ちこのよう、一たび火に遇えば化す。だから金は火の來て鍛煉するを經ずれば、器皿を成す能くさず。金重くして火輕きは、事を辦するに繁難にして吃力(きつりょく)す。金輕くして火重きは、煆錬(かれん)せられて銷熔(しょうゆう)し殆(ほとん)ど尽きん。金は極處に到りて火もまた盛んなるは、則ち最も精粹の格局なり。
金火全,名曰鑄印,犯丑字,即為損饃;金火多名為乘軒,遇死衰,反為不利。木火鍊金,成名銳而退速;純金遇水,逢富顯以贏餘。金能生水,火旺則金沉;土能生金,金多則土賤。
金と火との兩樣俱に全きを、「鑄印(ちゅういん)」と呼ぶ。これは印綬の貴あるの象徵(しょうちょう)なり。ただしもし一箇の丑字を犯せば、丑は濕土にして金庫なれば、印模は則ち損壊す(原文の「損饃」は當に「損模」と為すべし)。金火ともに多きを、「乘軒(じょうけん)」と呼ぶ。本(もと)は顯貴の象なれども、一たび死地・衰地に遇えば、かえって不利と為る。木を用いて火を生じて往きて金を煉るは、成名するに快(こころよ)くして退くるもまた快し。純粹の金は水に遇いて秀を泄らせば、則ち往往富顯にして余財多し。金は能く水を生ずといえど、火は一たび旺なれば、金はかえって熔かされて沉沒す。土は能く金を生ずといえど、金は一たび多ければ、土はかえって泄らされて貧瘠(ひんせき)す。
金無水乾枯,水重則沉淪無用;金無土死絕,土重則埋沒不顯。兩金兩火最上,兩金兩木才足;一金生三,氻弱難勝;一金得三木,頑鈍自損。金成則火滅,故金未成器,欲得見火;金已成器,不欲見火。金到申酉巳丑,亦可謂之成也,運喜西北,不利南方。
金は水なくば便ち干枯(かんこ)にして光なし。水は太重ければまた沉淪(ちんりん)して用なし。金は土なくば便ち死絕の地に到り、土は太重ければまた埋没(まいぼつ)せられて顯れず。兩分の金に兩分の火を配するは、最も上等と為す。兩分の金に兩分の木を配するは、財氣は充足す。一分の金を以て三分の水を生ずるは、力量は單薄(たんぱく)にして、擔當し起こる能くさず(原文の「氻」は當に「力」と為すべし)。一分の金は三分の木に遇えば、頑鈍(がんどん)にしてかえって自ら傷る。金は一たび器を成せば、火は則ち當に退くべし。だから金はいまだ器を成さざる時、火を見んことを希望す。金はすでに器を成せば、則ち再び火を見るを願わず。金は申・酉・巳・丑のこれら几箇の位置に到るも、また以て器を成すと算(かぞ)うべし。このようの命は行運は西北を喜び、南方を利せず。
金を論ず・四時の金
春月之金:生於春月,餘寒未盡,貴乎火氣為榮。性柔體弱,欲得厚土輔助;水盛增寒,難施鋒銳之勢;木旺損力,有剉鈍之厄;金來比助,扶持最妙,比而無火,失類非良。夏月之金:夏月之金,尤為柔弱,形質未具,尤嫌死絕。火多而郤為不厭,水盛而滋潤呈祥,見木而助麼傷身,遇金而扶持精壯,土薄而最為有用,土厚而埋沒無光。
春月の金。春に生まれ、餘寒はいまだ散じ盡(つ)きず。最も要(かなめ)なるは火氣を得てこそ榮旺なり。この時金性は柔(やわら)かにして體質は弱し。厚土の來て輔助・生扶するを須(もち)う。水は一たび盛んなればただ寒氣を增添するのみ、鋒銳の勢は便ち施展し開く能くさず。木は一たび旺なれば則ち金力を耗損して、刃を卷きて鈍に變ずるの厄あり。もし同類の金の來て比肩・相助するあれば、扶持し起こるは最も妙なり。ただし同類の相幇(あいたすけ)あるのみにして火の來て鍛煉するなくば、なお好しと算(かぞ)えず。夏月の金。夏の金はさらに柔弱にして、形質はいまだ成就せず。殊(こと)にその死絕の地に落つるを嫌う。この時火は多しといえど、卻(かえっ)て嫌と為さず。金は終に火に靠りて煉るるを要するがゆえなり。水盛んなれば能く滋潤して、かえって祥瑞を呈す。木を見ればただ火を助けて身を傷るのみ。金に遇えば則ち彼此扶持して精壯(せいそう)なり。土薄きは最も用あり。土厚ければ便ち金を埋沒して毫(ごう)も光彩なからしむ。
秋月之金:秋月之金,當權得令,火來煆煉,遂成鐘鼎之材,土多培養,反惹頑濁之氣,見水則精神越秀,逢木則琢削施威,金助愈剛,剛過則決,氣重愈旺,旺極則衰。冬月之金:冬月之金,形寒性冷,木多則難施琢削之功,水盛而未免沉潛之患,土能制水,金體不寒,火來助土,子母成功,喜比肩聚氣相扶,欲官印溫養為利。
秋月の金。秋の金は權を當て令を得て、火の來て煆錬するあれば、便ち鐘鼎(しょうてい)のごときの重器を成す。土もし多く來て培養せば、かえって金氣を惹(ひ)きて頑濁(がんだく)ならしむ。水を見れば則ち精神はさらに秀發(しゅうはつ)し、木に逢えば則ち琢削(たくさく)の威を施展すべし。金あって相助けば便ちさらに剛硬なれども、剛は頭を過ぎれば則ち折れんと要(ほ)す。金氣は重ければ愈々(いよいよ)旺なり。旺は極處に到ればかえって衰に轉ず。冬月の金。冬の金は形體は寒く、性情は冷(ひや)なり。木多ければ則ち琢削の功を施し出す能くさず。水盛んなれば則ち免れず沉潛・埋没の患有り。土は能く寒水を制し住(とど)めば、金體は便ち太寒に至らず。火は來て土を助けば、母子は相成(あいな)りて功は就(な)るべし。この時比肩の氣を聚めて相扶くるを喜び、また官星・印星の來て温養する有るを願う。こそ利有りと算(かぞ)うべし。
正月庚金・寅月に生ず
正月庚金,木旺之際,有土皆死,不能生金,且金之寒氣未除,先用丙暖庚性,又慮土厚埋金,須甲疏洩。丙甲兩透,科甲顯榮;二者透一,亦有生監;丙藏甲透,異路功名。
正月は寅を建つ。木は旺にして令を當たり、この時の土は皆死地に處して、金を生ずる能くさず。況(いわ)んや金の寒氣はいまだ除き盡(つ)きざるをや。だから先ず丙火を用いて庚金の性を暖む。しかしまた土は一たび厚ければ金を埋め住(とど)むるを怕(おそ)る。だから還(ま)た甲木を須(もち)いてこの層の厚土を疏泄するを要す。丙・甲の兩透するは、科甲・顯榮なり。兩者はただその一を透するのみなるも、また生員・監生の功名あり。丙火は蔵して甲木は透するは、則ち異路より功名を取得す。
或柱中土多,甲透者貴,甲藏者富,庚出則否。或丁火出干,加以戊己而無水者,又主富貴,何也?寅中甲木,引丁有根,無水為病,名官星有氣,才旺生扶,故以富貴推之。如火多則用土,用土者火妻土子。
もし柱中に土多くして、甲木の透出して土を疏するは貴を主どり、甲木はただ支中に蔵するは富を主どる。もし別箇の庚金の干に出て來てこの甲木を劈かば、則ち皆成らず。もし丁火の干に出て正官と為り、さらに戊己土を加えて柱中は水なければ、また富貴を主どる。何を以(もっ)てか。寅中の甲木は能く丁火を引燃せしめ、丁火は便ち根あるを得。命中は水なし。則ちまた傷官の官を克するのこの病なし。これを官星は氣ありと叫ぶ。また旺財あり——木はまさに庚金の財なり——來て官星を生扶す。だから富貴に按(あん)じて推す。もし火太多ければ、則ち改めて土を用いて火を泄らし金を生ず。土を取りて用と為す者は、火を以て妻星と為し、土を以て子星と為す。
或支成炎局,壬透有根者,大富貴;無根者,小富貴;乏水者,殘疾之人。或木被金傷,無丙丁出制,支無丁火,此係平人;或丙遭癸困,無戊制者亦然。總之正月庚金,丙甲為上,丁火次之。春金多火,不夭則貧;陽金最喜火煉,煆煉太過,反主奔流。
もし地支が火局を會成し、火勢は炎炎(えんえん)たらば、この時壬水の透出して而(しか)も根あるは、大富大貴なり。壬水は根なきは、小富小貴なり。連(か)ねて一點の水もなきは、殘疾の人なり。もし命中の木(庚金の財星)が別の金に劫傷せられて、而(しか)も丙丁火の出てあの劫財の金を制するなく、地支裏にもまた丁火なければ、これはただ平常の人なり。もし丙火は癸水に困し住(とど)められ、また戊土の往きて癸を制し丙を救うなくば、情形はまた同じ。要するに正月の庚金は、丙火・甲木を以て上と為し、丁火はこれに次ぐ。春の金はもし火太多ければ、夭折(ようせつ)せずともまた貧寒なり。陽剛の庚金は最も火の來て鍛煉するを喜ぶ。ただし煆錬は頭を過ぎれば、かえって一生は奔波・流蕩(るうとう)を主どる。
時日月年:庚庚壬壬,辰申寅子。時日月年:丙庚庚辛,戌戌寅巳。
以下の二造はなお「時・日・月・年」の順に横列す。第一造。壬子年・壬寅月・庚申日・庚辰時——兩壬は金の秀氣を泄らし、寅中の丙火は庚を暖め、甲木は土を疏し、日主は申に坐りて祿を得。まさに正月庚金の「先ず丙を用いて暖め、須(もち)うべし甲の疏泄する」の意に合す。第二造。辛巳年・庚寅月・庚戌日・丙戌時——丙火は時干に透し、巳戌の中は火土は並(あわ)せ蔵す。暖す。暖氣は餘(あま)りありて疏泄は足らず。全く寅中の甲木に頼(たの)みて往きて兩箇の戌土を疏す。
二月庚金・卯月に生ず
二月庚金,柱中自然有乙,當令之乙,見庚必留情於乙,此金有暗強之勢,如秋金一理。故二月庚金,專用丁火,借甲引丁,借庚劈甲。無丁用丙者,富貴多出於勉強。
二月は卯を建つ。柱中は自然として令を當たるの乙木あり。乙木は一たび庚金を見れば、必ずそれと相合して情意を留め住(とど)む。庚金はこれに因りて暗に轉じて強と為る。道理は秋の金と同じ。だから二月の庚金は專ら丁火を用いて煅煉(だんれん)し、甲木を借りて丁火を引燃し、再び別箇の庚金を借りて甲木を劈き開く。もし丁火なくして丙火に改めて用うれば、丙火はただ暖むる能くして煉る能くさず。得來(とくらい)するの富貴は多くは勉强(べんきょう)に出づ。
或丁在干,甲透引丁,支下再見一庚制甲,配得中和,必然大貴;如不見庚合者,雖丁甲兩透,亦屬平人。
もし丁火は天干に在りて、甲木もまた透し出てそれを引燃し、地支の下に再び一箇の庚金を見て往きて甲木を劈き開けば、三者は配して中和を得て、必然として大貴なり。假如(かにょ)庚金の往きて木を劈くを見ざれば(原文は「庚合」と作す)、たとい丁甲の兩透するも、ただ平常の人なり。
春丁不旺不衰,故用甲為佐丁之物,甲若無庚劈,則不能引丁;乙木雖多,又忌溼乙傷丁,難為丁母。故有丁甲無庚者,常人;有丁庚,甲不出干者,常人;或丁透無庚甲者,可許貢監;無丁有丙者,異路功名。
春の丁火は旺ならず衰えず。だから甲木を要して丁火を輔佐するの物と作す。しかし甲木はもし庚金の來て劈くなくば、則ち丁火を引き著(つ)くる能くさず。乙木は多しといえど、卻(かえっ)て濕乙の燻傷(くんしょう)して丁火を傷るを怕(おそ)る。丁火の母を當(あ)てる能くさず。だから丁火・甲木ありて庚金なきは、常人なり。丁火・庚金ありて甲木は干に出ざるは、また常人なり。丁火は透出して庚金・甲木ともになきは、一箇の貢生・監生を許すべし。丁火なくしてただ丙火あるのみなれば、則ち異路の功名なり。
或一片甲乙,忌庚出幫破才,乃從才格,反主富貴;若見一比,又主孤貧。從才者,火妻土子;用丁者,取甲為妻,若有庚制,難許同偕。死金嫌蓋頂之泥,重見戊己,如人壓伏之象,須甲透為妙。
もし滿盤に一片の甲乙木ありて財と為りて日主は根なければ、最も別箇の庚金の出て身を幇け財を破るを忌む。比劫なき時は便ち「從財格」に入りて、かえって富貴を主どる。一たび比肩を見れば、則ちまた孤貧を主どる。從財格に入るは、火を以て妻星と為し、土を以て子星と為す。丁火を取りて用と為す者は、甲木を以て妻星と為す。ただしもし柱中に庚金の來てこの甲木を劈くあれば、夫妻は便ち白頭偕老(はくとうかいろう)を許し難し。衰死の金に至っては、最も頭頂の上に一層の泥を壓(お)さへ付くるを嫌う。戊己土は重重に出現せば、人の壓伏(あっぷく)せらるるが如し。この時須(すべか)らく甲木の透出して土を疏するあらば、こそ妙と為す。
時日月年:丁庚己庚,丑寅卯申。時日月年:甲庚己庚,申子卯午。時日月年:丁庚辛辛,亥寅卯酉。時日月年:丁庚辛丙,亥辰卯申。
以下の四造はなお「時・日・月・年」の順に横列す。第一造。庚申年・己卯月・庚寅日・丁丑時——丁火は時干に透し、寅中の甲木は丁を引き、年干の庚金は正好(まさによ)く甲を劈く。ちょうど二月庚金の「專ら丁火を用い、甲を借りて丁を引き、庚を借りて甲を劈く」の法に合す。第二造。庚午年・己卯月・庚子日・甲申時——甲木は時干に透して丁火は干に出ず。午中の丁火はただ支に蔵す。上の造に比ぶるに遜(そん)ず。第三造。辛酉年・辛卯月・庚寅日・丁亥時——丁火は干に透し、寅中の甲木は引と為る。ただし兩辛は干に透して身を助け、卯木の財は劫せられん。第四造。丙申年・辛卯月・庚辰日・丁亥時——丙丁は並透し、火は足りて金を煉る。卯木は財と為る。配合はまた佳(よ)し。
三月庚金・辰月に生ず
三月庚金,戊土司令,無生金之理,有埋金之憂,故先甲後丁,不用庚劈甲。三月之庚,土旺金頑,頑金宜丁,旺土須甲,乏甲不能立業,乏丁焉能成名,二者少一,富貴不真。庚金無火,非夭則貧;身弱才多,富貴不久。
三月は辰を建つ。戊土は司令して、この時の土は並びて金を生ずるの力なく、かえって金を埋むるの憂あり。だから先ず甲木を取り、後に丁火を取る。また必ずしもさらに庚金を用いて往きて甲を劈かず——辰月は土厚ければ、甲木は留め置いて土を疏するを要す。三月の庚金は、土は旺にして金は頑(がん)なり。頑金は丁火に靠りて來て煉るを要し、旺土は甲木に靠りて來て疏するを要す。甲木を缺けば則ち事業を立て起こす能くさず。丁火を缺けばまた何を憑(よ)りて名を成さん。兩樣は一樣を少(か)けば、富貴は便ち眞ならず。庚金はもし火の來て煉るなくば、夭折せずともまた貧寒なり。日主は弱にして財星は多きは、富貴もまた長久ならず。
得丁甲丙透,不見比肩,科甲之命,但要好運相催。甲透丁藏,采芹拾芥;甲藏丁透,異路功名;丁甲俱藏,不受庚制,富中取富,刀筆起家;有甲無丁,平常之輩;有丁無甲,迂儒腐儒;丁甲兩無,下賤之流。
もし丁火・甲木・丙火が皆透出して、而(しか)も比肩の來て分奪するを見ざれば、これは科甲の命なり。たださらに好運の催發するを要するのみ。甲木は透して丁火は蔵するは、以て進學して青衿(せいきん)を取るべし。甲木は蔵して丁火は透するは、異路の功名なり。丁甲はともに支中に蔵して庚金の克制を受けざれば、能く富の中にさらに富を取りて、刀筆に憑(よ)りて家を起(お)こす。甲木ありて丁火なきは、平常の輩なり。丁火ありて甲木なきは、迂闊(うかつ)の腐儒(ふじゅ)なり。丁甲の兩樣全くなきは、下賤の流れなり。
或一甲,無丁,有丙,由行伍而得官職,須不見壬,癸,為妙。或支成土局,無木,貧賤僧道;見乙,奸詐小人。或支成火局,癸水透,富貴;有丙丁出干,見壬制之,方吉;無制,殘疾之人。用甲者,水妻木子;用丁者,木妻火子。
もしただ一箇の甲木あり、丁火なくして丙火あれば、多くは行伍・從軍に由りて一箇の官職を得。ただ須(すべか)らく壬水・癸水の來て丙を克するを見ざらばこそ妙なれ。もし地支が土局を會成して木の來て疏するなくば、貧賤の僧道なり。もしただ乙木を見れば、柔木は厚土を疏し動かす能くさず。かえって奸詐の小人と成る。もし地支が火局を會成し、煆錬は太過なれば、癸水を得て透出して火を制するは富貴を主どる。もし丙丁火の干に出るあれば、必ず壬水を見て來てそれを制してこそ、こそ吉と算(かぞ)うべし。一點の制伏もなきは、殘疾の人なり。甲木を取りて用と為す者は、水を以て妻星と為し木を以て子星と為し、丁火を取りて用と為す者は、木を以て妻星と為し火を以て子星と為す。
時日月年:壬庚庚庚,午申辰子。
この造はなお「時・日・月・年」の順に横列して、還原して庚子年・庚辰月・庚申日・壬午時と為す——三箇の庚金は並立して丁火は天干に出ず。ただ時支の午中の丁火は以て煆錬の用と為すべし。時干の壬水は金の秀を泄らし、年支の子水はまた申辰と水局を會成す。身旺にして水を以て秀を泄らすの一路に屬す。
四月庚金・巳月に生ず
四月庚金,長生於巳,巳內有戊,丙不熔金,故不畏火炎。丙亦可作用,但先壬水,方得中和,故曰群金生夏,喜用勾陳,次取戊土,丙火佐之。三者皆全,登科及第;即透一二,亦非白丁。
四月は巳を建つ。庚金は巳の上に長生を得、巳中にまた戊土を蔵す。戊土は能く火を晦(くら)まして金を生ず。丙火は便ちそれを熔かし動かす能くさず。だから火炎を怕(おそ)れず。丙火もまた取りて用に作すべし。ただ須(すべか)らく先ず壬水を用いて炎を解してこそ、配合は中和に歸す。だから説く「群金の夏に生ずるは、勾陳を用ゐるを喜ぶ」と——勾陳は即是ち戊土なり。土を以て火を晦まして金を生ず。取用の次第は先ず壬水にして、次に戊土、丙火は輔佐と作す。三樣ともに齊全(せいぜん)するは、科に登り第に及ぶ。ただその中の一兩樣を透するも、また白丁にあらず。
或一派丙火,名曰假殺為權,須不見壬制者,此人假作清,高並無仁義,刑妻克子;有壬制者,又主榮華;壬藏支者,有富貴之名,而無其實。
もし滿盤に一片の丙火あり——丙は庚金の七殺なり——火多くして制なし。「假殺為權(かさついけん)」と呼ぶ。このようの命はもし壬水の火を制するを見ざれば、この人はただ假り作りて清高にして、實は毫(ごう)も仁義なく、還(ま)た妻を刑(ぎゃく)し子を克す。もし壬水あって丙火を制し住(とど)めば、則ちまた榮華を主どる。壬水はただ地支に蔵するは、空しく富貴の名あってその實なし。
或支成金局,變弱為強,用丙無力,用丁方妙,故丁透者吉,無丁,無用之人;或丁出三四,煆制太過,其人奔波。四月庚金,須用壬丙戊,但非拘執先後,宜分病用藥,妻子仝前。
もし地支が金局を會成し、庚金は弱より轉じて強と為れば、この時丙火を用ゐれば則ち嫌(きら)う力弱し——丙火は照るるに暖なれど金を熔かし動かす能くさず——改めて丁火を用いてこそ妙なり。だから丁火の透出するは吉にして、丁火なきは便ち無用の人なり。ただし丁火もし三四箇に出到(いでいた)れば、煆錬は太過にして、この人はかえって奔波・勞碌せんと要(ほ)す。四月の庚金は、總(すべ)て須(すべか)らく壬水・丙火・戊土の三者の中に取用すべく、卻(かえっ)て拘執(くしゅう)して誰を先に誰を後にせず。當に命局の病は何れに在るかを看て、則ち何れの一味の藥を用いるべし。妻星・子星の取法は前に同じ。
偷戟成功,入火鄉而反害;金逢火已損,再見火必傷;庚辛火旺怕南方,逢辰巳之鄉,又為榮斷。
古歌に説く。金はすでに戟(げき)を鑄(い)成して功を告げて成れば(原文の「偷戟」は當に「鑄戟」と為すべし)、再び火鄕に進入すればかえって害を受く。金は一たび火を經れば便ちすでに損を受け、再び火を見れば必然として傷折(しょうせつ)す。庚辛金は火の旺なる時、最も行運の南方に走るを怕(おそ)る。ただしもし辰・巳のこれら水庫と長生の鄕に遇えば、金氣は歸依する所有りて、また以て榮顯と斷(た)つべし。
五月庚金・午月に生ず
五月庚金,丁火旺烈,庚金敗地,專用壬水,癸又次之。壬透癸藏,支見庚辛,必然科甲;切忌戊己透干制水,則否,戊藏支內,不失儒林。或壬在支,有金生助,又得金神出干,明經之貴;或癸出帶辛,異路之榮。
五月は午を建つ。丁火は旺烈(おうれつ)にして、庚金はまさに敗地に落つ。だから專ら壬水を用いて炎を解し金を救い、癸水はこれに次ぐ。壬水は干に透し、癸水は支に蔵し、地支にまた庚辛を見て水の源と為せば、必然として科甲なり。最も戊己土の干に透して來て水を制するを忌む。一たび制すれば便ち成らず。戊土はただ支中に蔵するは、なお儒林に名を列するを失わざるなり。もし壬水はただ地支に在りて、而(しか)も金ありて來て生助し、また庚辛の金神を得て天干に出づれば、また明經(めいきょう)の貴なり。もし癸水の干に出て辛金を帶びて相生せば、則ち異路の榮顯なり。
或支成炎局,乏水者,奔波之客;有壬癸制者,捐納之人;又見戊己透者則否。無壬癸制火者,又宜戊己出干補金洩火,庶不夭折孤貧。總之仲夏無水,非上格。或一派木火,無傷、印、比劫,又作從殺而論。己未,庚午,庚戌。
もし地支が火局を會成し、水を缺くは奔波の客なり。壬癸水あって火を制するは、以て捐納して官を得べし。ただしもしまた戊己土の透出して水を克するを見れば、便ち成らず。もし實に壬癸の火を制するなくば、それは則ち當に戊己土あって干に出て、一面は火を泄らし、一面は金を生じて、庶幾(こいねが)くは夭折・孤貧に至らざらん。要するに仲夏の月にして命裏に水なければ、たとい上格と算(かぞ)うを得ず。もし滿盤に木火ありて、而(しか)も食傷・印綬・比劫の來て日主を救應するなくば、それはまた當に「從殺」に按じて論ずべし。原文は一造を附して、ただ三柱を列す。己未・庚午・庚戌。
六月庚金・未月に生ず
六月庚金,三伏生寒,頑鈍極矣,先用丁火,次取甲木。丁甲兩透名顯身榮,忌癸傷丁;有甲無丁,庸俗;有丁無甲,生員;丁甲全無,下賤之人。木雖有,丁不透,支又見水,執鞭之士;丁火無傷,貿易之流。
六月は未を建つ。三伏の中に暗に寒を生ず。庚金は頑鈍して極處に到る。だから先ず丁火を用いて煅煉し、其次に甲木を取りて火を引く。丁・甲の兩透するは、名は顯れ身は榮ゆ。ただ癸水の出て丁を傷るを忌む。甲木ありて丁火なきは、庸俗なり。丁火ありて甲木なきは、ただ一箇の生員なり。丁甲全くなきは、下賤の人なり。木は有りといえど、而(しか)も丁火は透せず、地支にまた水を見て火を克せば、則ちただ人に替(か)わりて鞭を執り車を驅(か)るの士なり。もし丁火は傷克せられざれば、また能く些(いささ)かの賣買・營生を做(な)す。
支會土局,甲先丁後,甲透者,文章顯達;丁透者,刀筆揚名。或柱多金,有二丁出制,異路功名。
もし地支が土局を會成し、土は厚く金を埋めば、則ち改めて甲木を先にして丁火を後とす——先ず土を疏き開き、再び火を拿(と)りて金を煉る。甲木の透出するは、文章を以て顯達す。丁火の透出するは、刀筆に憑(よ)りて名を揚ぐ。もし柱中に金多く、兩箇の丁火あって出てそれを制すれば、また異路の功名なり。
時日月年:丁庚丁丙,亥申未辰。時日月年:壬庚乙丙,午寅未午。時日月年:甲庚己癸,申子未巳。時日月年:癸庚乙丙,未辰未辰。
以下の四造はなお「時・日・月・年」の順に横列す。第一造。丙辰年・丁未月・庚申日・丁亥時——兩丁一丙は一齊に煆錬し、日主は申に坐りて祿を得、亥中の甲木はまた以て丁を引くべし。まさに六月庚金の「先ず丁にして後に甲」の法に合す。第二造。丙午年・乙未月・庚寅日・壬午時——火土は並旺して乙木は火を生ず。時干の壬水は一面は金を泄らし、一面は火を制す。取用は水火の間に在り。第三造。癸巳年・己未月・庚子日・甲申時——甲木は時干に透して未土を疏す。惜しむべし年干の癸水は巳中の丁を傷る。まさに謂(い)う所の「癸の丁を傷るを忌む」なり。第四造。丙辰年・乙未月、庚辰日・癸未時——丙火は年上に在りて殺と為り、兩未の土は厚し。乙木は來て疏し、癸水は時に在りてまた往きて丙を制す。配合は些(いささ)か駁雜(ばくざつ)を嫌う。
七月庚金・申月に生ず
七月庚金,剛銳極矣,專用丁火煆煉,次取木引丁,故曰:秋金銳銳最為奇,壬癸相逢總不宜,如逢木火來成局,試看福壽與天齊。如得丁甲兩透,定步青雲;若有丁無甲為俊秀,有甲無丁是平人,丁甲兩無無用物,只堪門下作閒人。
七月は申を建つ。庚金は剛銳して極處に到る。專ら丁火を用いて來て煆錬し、其次に木を取りて來て丁火を引燃す。だから古歌に説く。秋金は銳利にして本(もと)は奇物なれども、壬水・癸水の相逢は總(すべ)て宜ならず——水は一たび多ければただその銳を泄らして以て器を成す無し——もし木火の結成したる局面に逢いてそれを煅煉せば、それは則ち福壽は天と同じく齊(ひと)し。もし丁火・甲木の兩透を得れば、必定として平步・靑雲(へいほせいうん)なり。ただ丁火ありて甲木なきは、一箇の俊秀の才と算(かぞ)う。ただ甲木ありて丁火なきは、平常の人なり。丁甲の兩樣全くなきは、便ち用なきの物にして、ただ人の門下に閑人を做(な)るに配(はい)す。
或支成水局,乏丁用丙,柱中即有丙火,不見甲木者,必主愚懦,何也,當時金水兩旺,金生水以制火,何能發達。或見甲出引丁,可云生監,甲弱者,衣食充盈。或支成土局,先甲後丁。支成火局,富貴中人,金剛木明,行商坐賈之人。金備申酉戌之地,富貴疑,金神入火鄉,逢羊刃富貴榮華。
もし地支が水局を會成し、丁火を缺けば則ち退きて丙火を用る。ただし柱中にたとい丙火あれども、而(しか)も甲木の來て引くを見ざれば、この人は必定として愚鈍・懦弱(ぐどくだじゃく)なり。何を以(もっ)てか。申月はまさに金水兩旺に當たり、金は往きて水を生じ、水はまた來て火を制す。火は何れか還(ま)た發達し起こるを得ん。もし甲木の干に出て丁火を引燃するを見れば、一箇の生員・監生と説くべし。甲木は弱些(じゃくさ)なれば、また衣食は充足す。もし地支が土局を會成し、土は厚く金を埋めば、則ち先ず甲木を取りて土を疏し、後に丁火を取りて金を煉る。もし地支が火局を會成せば、富貴中の人なり。金はすでに剛にして木はまた明なれば、則ち行商・坐賈(こうしょうざこ)の生意人なり。地支に申酉戌の西方の地を備齊(びせい)せば、富貴は以て疑(うたが)う可からず(原文は「疑」の上に「無」字を脱すと疑(うたが)う)。金神は火鄕に進入し、再び羊刃に逢いて相配せば、富貴・榮華を主どる。
八月庚金・酉月に生ず
八月庚金,剛銳支退,用丁甲,丙不可少,若丁甲透,又見一丙,功名顯赫,且見羊刃無刑沖,丙殺藏支,名為羊刃架殺,主出將入相,直介忠臣。
八月は酉を建つ。庚金の剛銳の氣は漸く退く。なお丁火と甲木とを用い、丙火もまた少なかるべからず——丁はその質を煉り、甲はその火を引き、丙はその體を暖む。もし丁火・甲木が皆透して、また一箇の丙火を見れば、功名は顯赫(けんかく)なり。さらに地支に酉を見て羊刃と為りて刑冲を受けず、丙火の七殺は支中に蔵するを加うれば、「羊刃駕殺(ようじんがさつ)」と呼ぶ。出でて將と為り入りて相と為るを主どる。これは剛直・耿介(こうちょくこうかい)の忠臣なり。
或丙火重重,一丁高透,亦主科甲,丙出丁藏,異路之仕。或甲藏支,火透而水不透者,亦主清高,衣衿可望。或丁藏支內,重見丙火者,此名假殺重重,雖羊刃帖身,郤難從殺也。即一丙透,秀而不富,或支見重重甲乙,無用人也。總之旺金木衰,非火莫制,不見丙丁,藝術之輩。
もし丙火は重重にして、而(しか)も一箇の丁火の高透あれば、また科甲を主どる。丙火は干に出て丁火はただ蔵するは、異路より出身するの官なり。もし甲木は支中に蔵し、火は透して水は透さず——水なくして火を傷るなし——もまた清高を主どり、衣衿は朢むべし。もし丁火はただ支內に蔵して、而(しか)も丙火は重重に出現せば、「假殺重重(かさつちょうちょう)」と呼ぶ。この時たとい羊刃は身に貼(てん)せども、日主は以て命を棄て殺に從うこと難し。たといただ一箇の丙火を透するのみなるも、過(あやま)らず秀氣にして富ならず。もし地支に重重の甲乙の財を見て而(しか)も身弱は任(た)えざれば、なお無用の人なり。要するに金は旺にして木は衰え、火を除きて便ち別の能くそれを制するなし。もし丙丁火を見ざれば、則ちただ手藝に憑(よ)りて活を過ぐるの輩なり。
時日月年:丙庚丁丙,子子酉子。時日月年:丁庚乙乙,亥午酉巳。時日月年:戊庚癸己,寅申酉亥。
以下の三造はなお「時・日・月・年」の順に横列す。第一造。丙子年・丁酉月・庚子日・丙子時——兩丙一丁は並透して以て煆錬す。ただし三箇の子水は支に在りて金を泄らし火を制す。火は虛にして水は旺なり。第二造。乙巳年・乙酉月・庚午日・丁亥時——丁火は干に透し、兩乙は財と為り、日主は午に坐す。火は根あり。まさに八月庚金の丁を用ゐるの樣子なり。第三造。己亥年・癸酉月・庚申日・戊寅時——滿盤は金水にして火はただ寅中に蔵す。癸水はまた干に出づ。「丙丁を見ず」に屬して藝術を以て自給するの一類なり。
九月庚金・戌月に生ず
九月庚金,戊土司令,最怕土厚埋金,宜先用甲疏,後用壬洗,則金自出矣,忌見己土濁壬。壬甲兩透,科甲相宜;或甲透壬藏,鄉魁可望;甲藏壬透,廩貢堪謀;有甲無壬,猶有學問;有壬無甲,莫問衣衿;壬甲兩無,則為下格。
九月は戌を建つ。戊土は司令して、最も土の厚くして金を埋め住(とど)むるを怕(おそ)る。だから宜しく先ず甲木を用いて厚土を疏き開き、再び壬水を用いて金を淘洗(とうせん)し乾淨(かんじょう)にして、金は自然として顯露し出づ。ただ己土の出て壬水を攪濁(かくだく)するを忌む。壬・甲の兩透するは、科甲に宜し。甲木は透して壬水は蔵するは、鄕試に魁を奪うを朢むべし。甲木は蔵して壬水は透するは、廩生・貢生は還(ま)た謀り到るを得。甲木ありて壬水なきは、なお且(かつ)學問あり。壬水ありて甲木なきは、連(か)ねて一領の衣衲(いのう)もまた必ずしも問わず。壬甲の兩樣全くなきは、便ち下格なり。
或支成水局,丙透救之,此人才高邁眾,名重鄉閭,不見癸水,一榜可許。或四柱戊多金旺,全無甲壬者,即有衣祿,亦不能久,或庚戊多無壬甲者,愚頑之輩。
もし地支が水局を會成し、金は寒く水は冷(ひや)なれば、丙火を得て透し出て救へば、この人は才氣は衆人に高く過ぎ、名は鄕里に重し。ただ癸水の來て丙を克するを見ざれば、中式一榜もまた許すべし。もし四柱に戊土多くして金また旺なり、甲木・壬水は全くなければ、たとい一點の衣祿あれども、また能く長久する能くさず。もし庚金・戊土ともに多くして壬水・甲木なくば、土は壅(ふさ)ぎ金は頑なり。これは愚愚頑の輩なり。
時日月年:甲庚戊辛,申申戌酉。時日月年:辛庚丙庚,巳戌戌寅。時日月年:辛庚戊辛,巳申戌酉。
以下の三造はなお「時・日・月・年」の順に横列す。第一造。辛酉年・戊戌月・庚申日・甲申時——時干の甲木は戌土を疏き開く。惜しむべし壬水は透せず。金は旺にして洗淘(せんとう)は力なし。第二造。庚寅年・丙戌月・庚戌日・辛巳時——丙火は干に透して金を暖め、寅中の甲木は土を疏す。兩戌の土は厚し。なお一點の壬水を欠く。第三造。辛酉年・戊戌月・庚申日・辛巳時——滿盤は金土にして、すでに甲の疏なく、また壬の洗なし。まさに「壬甲兩無なれば、則ち下格と為す」の樣子なり。
十月庚金・亥月に生ず
十月庚金,水冷性寒,非丁莫造,非丙不暖。丁甲兩透,支無水局,一榜有之;支藏丙火,桃浪之仙;支見亥子,得己出制,亦有功名。若見丙透無丁者,無顯達;丁藏甲透,武職之人;以上不合者,庸俗。如金水混雜,全無丙丁者,鄙夫;支成金局,無火者,僧道之命也。書曰:水冷金寒愛丙丁。
十月は亥を建つ。水は冷(ひや)にして金性もまた寒なり。丁火なくば便ち器を造り成す能くさず。丙火なくば便ち暖め過ぐる能くさず。丁火・甲木の兩透にして、地支はまた水局を會成せざれば、中式一榜は是れ有り。地支に丙火を蔵するは、春闈に得意の人なり。地支に亥・子を見て水盛んなれば、己土を得て出て水を制する能くば、また功名あり。もしただ丙火の透出を見て而(しか)も丁火なくば、暖なりとはいえ、終に器を成す能くさず。便ち顯達を得べからず。丁火は支に蔵して甲木は干に透するは、武職を做(な)るの人なり。以上のこれらの配置に合わざるは、皆庸俗に屬す。たとい金水は混雜して丙丁は全くなければ、便ち鄙陋(ひろう)の夫なり。地支が金局を會成してまた火なきは、僧道の命なり。命書に説く。水冷・金寒の命は、最も丙丁の二火を愛す。
時日月年:壬庚辛丁,午子亥亥。時日月年:丙庚辛壬,子辰亥辰。
以下の二造はなお「時・日・月・年」の順に横列す。第一造。丁亥年・辛亥月・庚子日・壬午時——兩亥一子は、水は冷にして金は寒なり。全く年干の丁火と時支の午火とに頼(たの)みて局を暖め金を煉る。まさに「水冷金寒は丙丁を愛す」に合す。第二造。壬辰年・辛亥月・庚辰日・丙子時——金水は群を成して時干の丙火は獨り透して寒を解す。ただし丙ありて丁なし。暖めて而(しか)も未だ器を成さず。
十一月庚金・子月に生ず
十一月庚金,天氣嚴寒,仍取丁甲,次取丙火照暖。或丁甲兩透,丙在支中,必主科甲;即無丙火,亦有衣衿;有丁無甲,亦可富中取貴;有甲無丁,只作常人;或丙透丁藏,異途名望;丁藏有甲,武學可許。
十一月は子を建つ。天氣は嚴寒なり。なお舊(ふる)く丁火と甲木とを取り、其次に丙火を取りて來て照暖す。もし丁火・甲木の兩透にして、丙火はまた地支の中に在れば、必ず科甲を主どる。たとい丙火なくとも、また一領の衣衿あり。丁火ありて甲木なきは、また能く富の中に貴を取る。甲木ありて丁火なきは、ただ常人と作す。丙火は透して丁火は蔵するは、異途に得來(とくらい)の名朢なり。丁火は蔵して柱中に甲木あるは、彼を許して武學に入らしむべし。
或重重丙火,可許一富,但不清高,丙戊生寅,或丙底坐寅,有一二者,富真貴假,若見癸透,一介寒儒。或支成水局,不見丙丁者,此乃傷官格,為人清雅,衣祿常盈,但子息艱難耳。
もし丙火は重重なれば、一箇の富字を許すべし。ただし清高に足らず。丙火と戊土とは皆寅に長生す。だから丙火はもし寅の上に坐して、一兩箇あるは、富は眞にして貴は卻(かえっ)て假(か)なり。もしさらに癸水の透出して丙を克するを見れば、則ちただ一介の寒儒なり。もし地支が水局を會成し、而(しか)も丙丁の二火ともに見ざれば、これは便ち「傷官格」なり。人と為りて清雅にして、衣祿は常に足る。ただし子息は艱難なるのみ。
或丙丁太多,名官煞混雜最無良,又怕身輕有損傷,如遇東南二運地,焉能捱得過時光。過於清冷,似有淒涼,柱中一派金水,不入火土之鄉,主一生孤貧浪蕩,難望有成也。
もし丙丁の二火太多ければ、正官と七殺とが一處に混じて、最も不良なり。又怕(おそ)る日主は身輕にして損傷を受けんことを。歌に曰く。このようの命はもしまた東南木火の兩步の運に遇えば、木は火を生じ、火は身を克す。何れかあの一段の時光を挨(か)ね過ぐるを得ん。反對にもし命局は清冷に過ぎれば、また一片の淒涼(せいりょう)を顯出す。柱中は金水に滿ち、行運はさらに火土の鄕に進まざれば、一生は孤貧・浪蕩(ろうとう)にして、成有るを指朢(しぼう)し難し。
時日月年:庚庚壬壬,辰申子子。時日月年:癸庚庚辛,未辰子亥。時日月年:戊庚戊乙,寅寅子卯。
以下の三造はなお「時・日・月・年」の順に横列す。第一造。壬子年・壬子月・庚申日・庚辰時——滿盤は金水にして一點の火なし。まさに前文の説く所の「一派金水、火土の鄕に入らず」の局面なり。第二造。辛亥年・庚子月・庚辰日・癸未時——金水は群を成して、ただ未中の丁火一點の餘温あるのみ。寒氣はなお重し。第三造。乙卯年・戊子月・庚寅日・戊寅時——兩寅中は丙火と甲木とを蔵し、兩戊は水を制し、木火は地を得。これは十一月庚金の中にて配合の好きを較(くら)ぶる一造なり。
十二月庚金・丑月に生ず
十二月庚金,寒氣太重,且多溼泥,愈寒愈凍,先取丙火解凍,次取丁火鍊金,甲亦不可少。丙丁甲透者,即不科甲,亦有恩榮;有丙無丁甲者,富中取貴;有丁甲無丙者,特達才人;有丙丁無甲者,白手成家,刀筆亨通,乏金更美;或支成金局無水,僧道之流。
十二月は丑を建つ。寒氣は太重にして、丑はまた濕泥の土なり。愈々(いよいよ)寒ければ便ち愈々凍結す。だから先ず丙火を取りて凍を解き、其次に丁火を取りて金を煉る。甲木もまた少なかるべからず——甲なくば則ち丁火は引燃するに由(よ)りて從(したが)う無し。丙・丁・甲ともに透出するは、たとい科甲に中(あた)らずとも、また恩榮あり。丙火ありて丁甲なきは、富の中に貴を取るべし。丁甲ありて丙火なきは、特出・通達の才人なり。丙丁ありて甲木なきは、能く白手にて家を成し、刀筆に憑(よ)りて亨通(こうつう)す。もし柱中に些(いささ)か少(すく)なき金を以て分奪せばさらに美なり。もし地支が金局を會成して水の來て秀を泄らすなくば、便ち僧道の流れなり。
時日月年:癸庚己庚,未戌丑辰。女命:時日月年:甲庚丁己,申子丑巳。
以下の二造はなお「時・日・月・年」の順に横列す。第一造。庚辰年・己丑月・庚戌日・癸未時——滿盤は土金にして、戌未の中は丁火を蔵するといえど、干に透さず。寒土は凍金して丙の凍を解するなし。第二造は女命と為す。己巳年・丁丑月・庚子日・甲申時——丁火は月干に透し、巳中にまた丙火を蔵し、時干の甲木は以て丁を引くべし。丙丁甲の三者の意は具足す。まさに十二月庚金の正配なり。
辛金を論ず
正月辛金・寅月に生ず
正月辛金,陽氣舒而寒未除,不知正月建寅,中有長生之丙,解去寒氣。忌甲木司權,辛金失令,取己土為身之本;欲得辛金發現,全賴壬水之功。己壬兩透,支見庚制甲,科甲定然。
正月は寅を建つ。陽氣はすでに舒展すといえど寒氣はいまだ除かれず。卻(かえっ)て知るべし、寅中は本(もと)より長生の丙を蔵すれば、本よりすでに寒氣を解き去る能くして、別に局を暖むるを求めず。此の月の忌む所は甲木の權を司(つかさど)るなり。木は旺なれば則ち土は克を受け、辛金は生養の令を失う。だから己土を取りて立身の根本と作す。また辛金をして光彩を顯出せしめんには、全く壬水の淘洗の功に靠(よ)る。己土と壬水との兩透に、地支にさらに庚金を見て甲木を制し住(とど)めば、科甲は便ち一定なり。
或己土透干,支中有甲,異路恩榮;或己土不全,號曰君臣失勢,富貴難全;或有丙火出干,亦主武學;或見壬,無己庚者,貧賤之徒。
もし己土は干に透して、而(しか)も地支中に甲木を蔵して暗にそれを克せば、ただ異路の恩榮を得るのみ。もし己土は完備せざれば、「君臣失勢(くんしんしっせい)」と呼ぶ——己土は君と為り、壬水は臣と為る。君は弱ければ則ち臣は輔くる所なし——富貴は便ち兩全し難し。もし丙火の干に出るあれば、また武學に入るを主どる。もしただ壬水を見て而(しか)も己土・庚金なくば、金はすでに生ずる所なく、木はまた制する所なし。便是ち貧賤の徒なり。
或支成火局,即壬水出干,不克己土,亦尋常之人;或庚壬兩透,破局制火,必為顯達之人。或支成水局,不見丙火,名為金弱沉寒,平常之士。書曰:金水性寒寒到底,淒涼難免少年憂。得丙透照暖,反主富貴。
もし地支が火局を會成せば、たとい壬水は干に出るとも、それはただ往きて火を制して而(しか)も己土を克する能くさず。またただ尋常の人なり。もし庚金・壬水の兩透あれば、すでに火局を破りてまた火勢を制し住(とど)む。必ず顯達の人なり。もし地支が水局を會成して丙火を見ざれば、「金弱沉寒(きんじゃくちんかん)」と呼ぶ。これは平常の士なり。命書に説く。金水の性子は一たび寒せばこれ寒さは底に到るなり。少年の時は免れず一段の淒涼・憂苦あり。もし能く丙火を得て透出して照暖せば、かえって富貴を主どる。
故正月辛金,先己後壬,己為君,庚為佐,如用丙火須參看。用己,火妻土子;用壬,金妻水子。辛金珠玉,最怕紅爐。辛逢卯日,子時,名曰朝陽。
だから正月の辛金は、先ず己土を取り、後に壬水を取る。己土は君と為り、庚金は佐と為る(庚金は能く甲木を制して以て己土を護る)。もし丙火を用いんとせば、還(ま)た全局の寒暖を參看して後に定むるを要す。己土を取りて用と為す者は、火を以て妻星と為し土を以て子星と為し、壬水を取りて用と為す者は、金を以て妻星と為し水を以て子星と為す。辛金は珠玉に譬(たと)うべし。最も紅爐・猛火の來て煆(か)するを怕(おそ)る。辛金の日主は卯日・子時に逢うを、「朝陽」の格と呼ぶ。
時日月年:己辛庚丙,丑酉寅辰。
この造はなお「時・日・月・年」の順に横列して、還原して丙辰年・庚寅月・辛酉日・己丑時と為す——己土は時干に透して立身の本と作し、庚金は月干に在りて寅中の甲木を制し住(とど)め、日主は酉に坐りて祿を得、年干の丙火は寒を解す。まさに正月辛金の「先ず己にして後に壬、庚を以て佐と為す」の取法に合す。惜しむ所は壬水の見ざるなり。
二月辛金・卯月に生ず
二月辛金,陽和之際,壬水為尊,見戊己為病,得甲制伏,則辛金不致埋沒,壬水不致混濁,合此者必身入玉堂。
二月は卯を建つ。まさに陽和(ようわ)の際に當たりて、辛金は壬水を以て最尊と為す——それに靠りて金上の塵土を洗い去り、光澤を顯出せしむ。この時一たび戊己土を見れば便ち是れ病なり。土多ければ則ちすでに金を埋め、また水を濁(にご)す。須(すべか)らく甲木を得て出て土を制伏してこそ、辛金は埋没せらるるに至らず、壬水は攪渾(かくこん)せらるるに至らず。この配置に合するは、必然として身は玉堂に入る。
故二月庚金,有壬甲透者貴顯,不則,鄉紳,或壬坐亥支,不見土出,可能入芥,家亦小康,得申中之壬者,異途名望,無壬者常人,其生克之理,與正月辛金皆同。
だから二月の辛金(原文は誤りて「庚金」と作す)は、壬水・甲木の透出あるは貴にして顯達し、然らざればもまた一箇の鄕紳(きょうしん)を做得(なしう)べし。もし壬水は亥支の上に坐して、而(しか)も土の干に出て往きてそれを濁すを見ざれば、また能く進學して青衿を取り、家道はまた小康と稱すべし。ただ申中の蔵するあの一點の壬水を得るのみのは、異途の名朢なり。一點の壬水もなきは、ただ常人なり。その中の生克の道理は、正月の辛金と完全に相同(あいおな)じ。
或壬戊透,甲不出干,此為病不遇藥,平常之人;得乙破戊,頗有衣衿,但假名假利,刻薄乖張。或一派壬水汪洋,名金水淘洗太過,不得中和,略有衣食,全無作為;如壬水重重,得戊反吉。
もし壬水と戊土とが皆透して、而(しか)も甲木は干に出ざれば、これは則ち病ありて卻(かえっ)て藥に遇(あ)わず。ただ平常の人なり。もし乙木を得て出て戊土を克破せば、また頗(すこぶ)る一領の衣衿あり。ただし乙木は柔弱にして、名と利と倶(とも)に眞ならず。この人は還(ま)た刻薄・乖張(かいちょう)なり。もし滿盤に壬水の汪洋(おうよう)あれば、「金水淘洗太過(きんすいとうせんたいか)」と呼ぶ。中和を失いて、略(ほんのすこ)し衣食ありて全く作為(さくい)なし。ただし壬水もし重重畳畳なれば、この時かえって戊土を得て來て水を止めてこそ吉なり。
或支成木局,洩盡壬水,有庚富貴,無庚平人。或支成火局,名官印相爭,金水兩傷,下流之格,得二壬出制,富貴反奇。辛金生於春季,一派壬水,而無丙水,即能顯達,家無宿舂;得壬丙齊透,方許大富大貴。
もし地支が木局を會成し、木は旺にして壬水の氣を泄らし盡(つ)くせば、この時庚金あって來て木を制し、水を生ずるは富貴を主どり、庚金なきはただ平人なり。もし地支が火局を會成し、火は官殺と為りて土は印と為れば、官印は互に爭い、金と水とは兩下(りょうか)傷を受く。これは下流の格なり。もし兩箇の壬水を得て干に出て火を制せば、富貴はかえって奇特なり。辛金は春季に生まれ、もし滿盤に壬水ありて丙火なくば(原文の「丙水」は當に「丙火」と為すべし)、たとい能く顯達するも、家裏は隔宿の糧(かて)なし。必ず壬水・丙火の一齊に透出するを要す——丙火はこれを暖め、壬水はこれを清くす——こそ彼を許して大富大貴ならしむべし。
時日月年:甲辛己乙,午酉卯卯。時日月年:丙辛己乙,申卯卯酉。
以下の二造はなお「時・日・月・年」の順に横列す。第一造。乙卯年・己卯月・辛酉日・甲午時——己土は干に透して立身の本と為り、甲木は干に出て己を制し、日主は酉に坐りて祿を得。惜しむ所は壬水の透せざるなり。第二造。乙酉年・己卯月・辛卯日・丙申時——丙火は時干に透して局を暖め、申中の壬水は淘洗の用と為り、己土はまた能く身を生ず。配合は停匀を較(くら)べたり。
時日月年:己辛丁己,亥巳卯未。時日月年:己辛丁甲,亥未卯午。時日月年:壬辛癸壬,辰卯卯子。
以下の三造はなお「時・日・月・年」の順に横列す。第一造。己未年・丁卯月・辛巳日・己亥時——兩己は身を生じ、亥中の壬水は用と為り、月干の丁火は殺と為る。火土水の三者は互に見ゆ。第二造。甲午年・丁卯月・辛未日・己亥時——甲木は干に出て己を制し、亥中の壬水は金を淘す。ただ丁火の煆錬は稍(やや)烈しきを嫌うのみ。第三造。壬子年・癸卯月・辛卯日・壬辰時——兩壬一癸は、水勢は汪洋たり。まさに「金水淘洗太過」の樣子にして、全く戊土の流を止むるなし。
三月辛金・辰月に生ず
三月辛金,戊土司令,辛承正氣,母旺子相,先壬後甲。壬甲兩透,富貴必然;壬透甲藏,廩貢不失;甲透壬藏,富貴可云;壬甲皆無,平常之格。
三月は辰を建つ。戊土は司令して、辛金は令を當たるの正氣を承受して生ず。母は旺なれば則ち子は相(ほう)す。日主は弱からず。だから先ず壬水を取りて淘洗し、後に甲木を取りて土を疏す。壬・甲の兩透するは、富貴は必然なり。壬水は透して甲木は蔵するは、廩生・貢生は走りて脱(のが)るる能くさず。甲木は透して壬水は蔵するは、また以て富貴と稱すべし。壬甲ともになきは、ただ平常の格なり。
所忌者丙貪合也。如月時皆丙,名為爭合,主慷慨風流,交四海;若癸出干制丙,可許采芹。或支坐亥子之鄉,支又見申,即非玉堂,亦必高增祿位。若戊出干制水,不見甲乙,清閒之人。
この一格の忌む所は丙火の來て合を貪るなり——丙辛は一たび合せば、日主は便ち合を貪りて正用を失う。もし月干・時干ともに丙火なれば、「爭合」と呼ぶ。この人は慷慨・風流にして、交遊は四海に遍及(へんきゅう)すを主どる。もし癸水の干に出て丙火を克制し、この層の合を解き開けば、彼を許して進學せしむべし。もし日主は亥・子のこれら水鄕に坐して、地支にまた申金を見て水の源と作せば、たとい玉堂に入らずとも、必然として祿位は高く升る。もし戊土の干に出て水を制し住(とど)めて、而(しか)も甲乙木の來て土を疏するを見ざれば、それは便ち一箇の清閒・無為の人なり。
又或支見四庫,名土厚埋金,不見甲制,愚頑之輩。或四柱火多,無水制伏,名火土雜亂,主作緇衣,見癸可解。或比劫重重,壬癸淺弱,主夭,有甲出干,則貴,然無庚制方妙。
もし地支に辰戌丑未の四庫の齊備(せいび)を見れば、「土厚埋金(どこうまいきん)」と呼ぶ。甲木の土を制するを見ざるは、愚頑の輩なり。もし四柱に火多くして水の來て制伏するなくば、「火土雜亂(かつどつざつらん)」と呼ぶ。この人は緇(し)を披(ひら)きて僧と為るを主どる。もし癸水を見れば、還(ま)た以て解救すべし。もし比肩・劫財は重重にして、而(しか)も壬水・癸水は淺弱にして、この一片の金を泄らし動かす能くさざれば、夭折を主どる。この時甲木あって干に出て財と為りて來て金を耗(も)うれば、便ち貴を得べし。ただ須(すべか)らく庚金の來てこの甲木を劈くなくば、こそ妙と為す。
四月辛金・巳月に生ず
四月辛金,時道首夏,忌丙火之燥烈,喜壬水之洗淘。支成金局,水透出干,有木制戊,名一清澈底,科甲功名。癸透壬藏,富真貴假;若壬癸皆藏,戊己亦藏,略富;若壬癸俱無,反見火出,必主鰥獨。
四月は巳を建つ。時令はまさに初夏に當たりて、辛金は丙火の燥烈・煆熔(かよう)を忌み、壬水の洗淘を喜ぶ。もし地支が金局を會成し、水はまた天干に透し、さらに木ありて來て戊土を制し住(とど)めて水をして濁らざらしむれば、「一清澈底(いっせいちょうてい)」と呼ぶ。科甲の功名を主どる。癸水は透して壬水は蔵するは、富は眞にして貴は假(か)なり。もし壬癸はただ支中に蔵し、戊己土もまたただ蔵して透さざれば、略(ほんのすこ)し家資あるのみ。もし壬癸は全くなく、かえって火の透し出て金を煆するを見れば、必ず鰥寡孤獨(かんかこどく)を主どる。
或支成火局,有制者吉,無制者凶,凡火旺無水,取土洩之。若壬水藏亥,戊不出干,亦主上達;有戊常人。有一甲透,衣祿可求;若有甲無壬癸者,富貴虛浮,所謂羊質虎皮是也。壬,癸,甲,三者全無,又不合格,斯為下品。
もし地支が火局を會成し、水の制するあるは吉にして、制なきは凶なり。およそ火は旺にして水なきは、則ち土を取りて火の氣を泄らし、轉じて金身を生ず。もし壬水は亥中に蔵して、而(しか)も戊土は干に出て來てそれを克せざれば、また顯達・上進を主どる。戊土の干に出るあるは、則ちただ常人なり。もし一箇の甲木あって透出して財と為れば、衣祿は求め得べし。ただし甲木ありて壬水・癸水なくば、富貴はただ虛架子(きょかし)にして、まさに謂(い)う所の「羊質虎皮(ようしつこひ)」——外面は看るに虎なれど、裏子は卻(かえっ)て一隻の羊なり。壬・癸・甲の三樣全くなく、また別の格局に合い上げざれば、それは便ち下品の命なり。
時日月年:乙辛辛乙,未亥巳未。
この造はなお「時・日・月・年」の順に横列して、還原して乙未年・辛巳月・辛亥日・乙未時と為す——日主は亥に坐し、亥中の壬水はまさに洗淘の用なり。兩乙は財と為り、巳中の丙火は官と為りて制なし。「壬水は亥に蔵し、戊は干に出ず、また上達を主どる」の一類に屬す。
五月辛金・午月に生ず
五月辛金,丁火司權,辛金失令,陰柔之極,不宜煆煉,須己壬兼用。何也?己為泥沙,壬為湖海,己無壬不溼,辛無己不生,故壬己並用。無壬,癸亦可用,但癸力小。
五月は午を建つ。丁火は權を司(つかさど)り、辛金は令を失い、陰柔は極處に到りて、煆錬を經(た)え得べからず。だから須(すべか)らく己土と壬水とを兼用すべし。何を以(もっ)てか。己土は泥沙(でいしゃ)にして、壬水は湖海なり。己土は壬水なくば便ち潤い起こる能くさず、辛金は己土なくば便ち生じ出(い)づる能くさず。だから壬己は並用す——壬水は金を洗い、己土は金を生じ、而(しか)も壬水はまた能く己土を潤す。壬水なき時は、癸水もまた以て用い得べし。ただし癸水は力量は小些(しょうさ)なり。
或支成火局,即重見癸出,亦不濟,得壬透破火方可,必主生員。若無壬,癸見戊,雖有午宮己土,燥泥成灰,金必煆熔,反遭埋沒,必為僧道,有一二重比肩,不致孤獨。
もし地支が火局を會成せば、たとい癸水は重重に干に出るとも、また事を濟(たす)くる能くさず。必ず壬水を得て透出して火勢を破り去らばこそ行き得べし。如此(しか)もまたただ一箇の生員を主どるのみ。もしすでに壬癸なく、また戊土を見れば、たとい午宮の己土あって以て金を生ずるも、燥泥は燒かれて灰と成りて、金は必ず煆熔せられ、かえって埋没に遭う。必ず僧道と為る。もし一兩重の比肩あって身を幇けば、還(ま)た孤獨に至らざるなり。
五月辛金,壬,癸,己,三者皆用。或壬己兩透,支見癸水,不沖,定主顯達;即己藏支,亦有廩貢;或無壬有己,須得異途;或癸出有庚,必主衣錦,叨受恩榮;若水土多者,見甲方妙。庚辛生於夏月,要壬癸得地,若木多火多,不見金水,逢金水運必敗。
五月の辛金は、壬水・癸水・己土の三樣ともに用いるを要す。もし壬水・己土の兩透に、地支にまた癸水を見て冲を受けざれば、必ず顯達を主どる。たとい己土はただ支中に蔵するのみなるも、また廩生・貢生の分あり。もし壬水なくしてただ己土あるのみなれば、則ち須(すべか)らく異途に走りて出身すべし。もし癸水の干に出て庚金あってそれを生ぜば、必ず衣錦(いきん)にして身を榮(は)えしめ、恩榮を叨受(とうじゅ)するを主どる。もし水と土と皆太多ければ、須(すべか)らく甲木を見て土を疏し水を衛(まも)るあらば、こそ妙と為す。庚辛金は夏月に生ずれば、總(すべ)て須(すべか)らく壬癸水の地を得根あらんことを要す。もし木多く火多くして金水を見ざれば、一たび金水の運に行き到れば、水火は相激して、必ず敗落に致さん。
時日月年:壬辛甲丙,辰亥午子。
この造はなお「時・日・月・年」の順に横列して、還原して丙子年・甲午月・辛亥日・壬辰時と為す——時干の壬水は透出して火を破り、日主は亥に坐し、年支は子水、時支は辰庫なり。水はすでに根ありてまた庫あり。まさに「壬の透して火を破るを得ばこそ可なり」の説に合す。甲木は土を疏し火を生じ、年干の丙火は官と為る。寒暖は兩停(りょうてい)す。
六月辛金・未月に生ず
六月辛金,己土當權,輔助太多,恐掩金光,先用壬水,取庚佐之。壬庚兩透,科甲功名;即不出干,藏支得所,亦有榮華。但忌戊出,得甲制之,方吉,甲須隔位,恐貪己合,反掩金光,又寒壬水之流,下賤之格;又忌庚出制甲。
六月は未を建つ。己土は權を當たり、辛金を生扶するの力量は太多く、かえって金の光澤を掩(おお)い住(とど)むるを怕(おそ)る。だから先ず壬水を用いて淘洗し、庚金を取りて輔佐と作して水の源を發す。壬・庚の兩透するは、科甲の功名を主どる。たとい天干に出ざるとも、ただ支中に蔵して其の所に蔵るるを得ば、また榮華あり。ただ戊土の干に出て來て水を克するを忌む。この時須(すべか)らく甲木を得て戊土を制し住(とど)めてこそ吉なれ。ただしこの甲木は己土と位置を隔開(かくかい)するを要す。その己土を貪合するを怕(おそ)るればなり——甲己は一たび合せば、すでに土を疏する能くさず、かえって金光を遮り、また壅塞(ようそく)して壬水の去路を塞ぐ。それは則ち下賤の格と成る。同時にまた庚金の干に出て往きて甲木を克制するを忌む。
或只有未中一己,見子壬水,又為溼泥,不可見甲,甲出,反作平人。總以一壬一己,見庚無甲,方妙,與五月用己壬同。
もし柱中にただ未中の蔵する一箇の己土ありて、また子中の壬水を見れば、土は水を得て濕泥と成り、濕泥は正好(まさによ)く金を生ず。この時かえって甲木を見るべからず——甲木は一たび出れば、この一點の己土を克し去りて、則ちただ平常の人と作して看る。要するに一箇の壬水を以て一箇の己土に配し、庚金ありて甲木なきを以て最妙と為す。取用は五月の己壬を用ゐると同じ。
或丁乙出干,又有庚壬者,顯貴,無壬者,否,或支成木局,得壬透,又有庚金發水之源,可云富貴。
もし丁火・乙木の干に出るあれば——丁火は七殺と為り、乙木は偏財と為る——而(しか)も柱中にまた庚金と壬水とあれば、庚金は乙を制し、壬水は丁を制す。便ち顯貴を主どる。壬水なきは則ち成らず。もし地支が木局を會成し、財は旺にして身は弱なれば、壬水を得て透出して通關(つうかん)し、一面は財を泄らし、一面は身を生じ、また庚金あって水を發するの源と作れば、また以て富貴と説き得べし。
時日月年:甲辛丁壬,午丑未辰。時日月年:丁辛辛甲,酉未未寅。
以下の二造はなお「時・日・月・年」の順に横列す。第一造。壬辰年・丁未月・辛丑日・甲午時——壬水は年干に透して洗淘の用と作し、辰は水庫なり。ただし月干の丁火は壬と相合し、時干の甲木はまた己土に貼(てん)りて合を貪る。配合は略(やや)雑なり。第二造。甲寅年・辛未月・辛未日・丁酉時——兩未は身を生じ、比肩は幇扶す。時干の丁火は殺と為り、甲木は財と為る。獨り壬水の淘洗を缺く。まさに「壬なき者は否(ふた)なり」の一類に屬す。
七月辛金・申月に生ず
七月辛金,值庚司令,不旺自旺,且壬水居申。四柱不見戊土,胎元戊藏申內,為壬岸,人命得此,為官清正,但不富耳。
七月は申を建つ。庚金は司令して、辛金は必ずしも別に生扶を求めず、自然として旺なり。況(いわ)んや壬水は申に長生し、金水は相生して氣清(きせい)なり。もし四柱の中に戊土を見ざれば、而(しか)も胎元裏の戊土はまさに申内に蔵し、暗に壬水に替(か)わりて堤岸を作(な)せり。人命がこのような配置を得れば、官を為して清正・廉明なり。ただし富ならざるのみ。
或有土無甲,為有病無藥,常人;有甲者,衣衿可望。或四柱金多,宜水洩之;若一金水,得一戊土,反為辛用,又宜甲制,自然富貴。或干支水多,重見戊土,逢生得位,福壽之造。
もし柱中に土ありて甲木の來て疏するなくば、則ち病ありて藥なし。ただ常人なり。甲木あるは、一領の衣衿は朢むべし。もし四柱に金多ければ、宜しく水を用いてその銳氣を泄らすべし。ただし金水は各々ただ一位にして水淺ければ、一箇の戊土を得てこの一點の水を收め住(とど)めば、かえって辛金の用と為る。この時さらに甲木あって土を制して、土をして厚きに過過ぎざらしめば、自然として富貴なり。もし干支に水多くして、戊土は重重に出現せば、土は生に逢いまた位を得て、この一片の水を止め住(とど)むるを得。これは福あり壽あるの造なり。
七月辛金,壬不在多,故書曰,水淺金多,號曰體全之象,壬水為尊,甲戊酌用可也,癸水不可為用。
七月の辛金は、壬水は多きに在らず。だから命書に説く。「水淺く金多きは、體全(たいぜん)の象と曰(い)う」——水はただ用に足らば、金體は便ち自ら完全す。要するに壬水を以て最尊と為し、甲木・戊土は斟酌して用いれば可なり。癸水に至っては、力は弱くして陰濁(いんだく)なり。取りて用神と為すべからず。
時日月年:癸辛壬甲,巳卯申午。
この造はなお「時・日・月・年」の順に横列して、還原して甲午年・壬申月・辛卯日・癸巳時と為す——壬水は月干に透して申に坐りて源あり。年干の甲木は土を疏し、卯木は財と為る。まさに七月辛金の「壬水を尊と為し、甲戊は酌用す」の意に合す。ただし時干の癸水は壬水と並び見えて、稍(やや)その雑なるを嫌う。
八月辛金・酉月に生ず
八月辛金,當權得令,旺之極矣,專用壬水淘洗,故云金見水以流通。如見戊己,則生扶太過,故以土為病,見甲制土,方妙;無戊,不宜用甲。
八月は酉を建つ。辛金は權を當て令を得て、旺して極處に到る。だから專ら壬水を用いて淘洗す。命書にこそ説く「金は水を見て、氣機はこそ流通す」と。この時もし戊己土を見れば、生扶は則ち太過なり。だから土を以て病と為す。須(すべか)らく甲木を見て土を制し住(とど)めば、こそ妙と為す。もし本(もと)より戊土なくば、便ち宜しくさらに甲木を用いべからず——疏すべき土なくば、甲木はかえって白(いたず)らに壬水の力を耗(も)う。
或四柱一點壬水,甲多洩水,此為用神無力,奸詐之徒;得庚制者,反主仁義。或三點辛金,一重壬水,多見甲木,有庚透者,主大富貴,不見丁為美;若見一丁,此人風雅清高,衣食饒裕而已。
もし四柱にただ一點の壬水ありて、甲木太多くして水を泄らし盡(つ)くせば、用神は便ち力なし。この人は奸詐の徒なり。もし庚金を得て出て甲木を制し住(とど)めば、かえって仁義を主どる。もし三箇の辛金・一重の壬水ありて、また多く甲木を見て財と為れば、この時庚金あって透出して木を制し身を助くるは、大富大貴を主どる。而(しか)も丁火を見ざるを以て美と為す。もし一箇の丁火を見て來て金を克せば、この人は便ちただ風雅・清高にして衣食は富足するのみ。
或一二比肩,壬甲皆一,無庚出干,亦有恩榮。若二三比肩,一點壬水,戊土多見,此為土厚埋金,此人愚懦;見一甲出,必為創立之人。或一派辛金,一位壬水,無庚雜亂,又主富中取貴。
もしただ一兩箇の比肩あり、壬水と甲木と各々ただ一位にして、また庚金の干に出て來て奪うなければ、また恩榮あり。もし比肩は兩三箇に到りて、壬水はただ一點、戊土はまた多く見ゆれば、これは「土厚埋金」なり。この人は愚鈍・懦弱(ぐどくだじゃく)なり。もし一箇の甲木を見て干に出て土を疏せば、便ち必ず能く自ら事業を創るの人なり。もし滿盤に辛金ありてただ一位の壬水あり、また庚金の來て混雜するなくば、氣象は純一にして、また富の中に貴を取るを主どる。
或一派壬水洩金,無戊出制,為沙水同流,主奔波貧苦;若得支見一戊止流,其人頗有才略,藝術過人。或支成金局,干見比肩,無壬淘洗,此宜用丁;無丁必主兇頑無賴;若得一壬高透,以洩群金,又名一清到底,定有治國之材。
もし滿盤に壬水の金を泄らすありて、また戊土の出て制止するなくば、金は水に隨(したが)い去りて、「沙水同流(さすいどうりゅう)」と呼ぶ。一生は奔波・貧苦を主どる。もし地支に一箇の戊土を見て水流を止め住(とど)めば、この人は便ち頗(すこぶ)る才略有りて、技藝は人に過(す)ぎたり。もし地支が金局を會成し、天干にまた比肩を見て、而(しか)も壬水の淘洗なくば、則ち當に改めて丁火を用いて煆錬すべし。丁火なきは、必ず凶頑・無賴(むらい)を主どる。もし能く一箇の壬水を得て高透し、この一群の金の氣を泄らし將(も)て去らしめば、また「一清到底(いっせいとうてい)」と叫ぶ。必ず治國の材なり。
或支成金局,戊己透干,壬透無火,名白虎格,運行西北,富貴大顯,子息艱難;或透丙火,雖有壬出,亦屬平庸。或一二辛金,一派己土,定為僧道;或干透己土,支見庚甲,一生安閒。或一派乙木,不見庚壬,為才多身弱,一見庚制,富貴可期。
もし地支が金局を會成し、戊己土は干に透し、壬水もまた透して全く火氣なくば、「白虎格(びゃっこかく)」と呼ぶ。行運は西北金水の地に走れば、富貴は大いに顯る。ただし子息は艱難なり。もし別に丙火を透して來て暖めば、たとい壬水もまた干に出るとも、ただ平庸(へいよう)に屬す。もし一兩箇の辛金ありて滿盤は己土なれば、土は多く金を埋む。一定として僧道の命なり。もし天干に己土を透し、地支にまた庚金と甲木とを見れば——庚金は身を助け、甲木は土を疏す——則ち一生は安閒(あんかん)なり。もし滿盤に乙木ありて財と為りて庚金・壬水を見ざれば、便是ち「財多身弱」なり。一たび庚金を見て來て木を制し身を助けば、富貴は期すべし。
金生秋月土重,貧無寸鐵,六辛日透戊子時,運喜西方,陰若朝陽,切忌丙丁離位,庚辛局全巳酉丑,位重權高。
古歌に説く。金は秋月に生じて土は太重ければ、かえって貧しきこと一寸の鐵もなし。六箇の辛日はもし戊子時に逢えば、「六陰朝陽(りくいんちょうよう)」と呼ぶ。行運は西方に走るを喜び、最も丙丁の火と南方・離位(りい)との來て格を破るを忌む。庚辛金もし地支に巳酉丑の三合金局を齊全(せいぜん)せば、則ち位は高くして權は重し。
時日月年:己辛癸己,亥未酉酉。時日月年:丙辛己丁,申酉酉酉。時日月年:壬辛己丁,辰亥酉卯。
以下の三造はなお「時・日・月・年」の順に横列す。第一造。己酉年・癸酉月・辛未日・己亥時——兩己土は身を生じて金はすでに太旺なり。ただ月干の癸水と亥中の壬水とが秀を泄らすのみ。土は多く水は濁(にご)る。まさに「土を以て病と為す」の一類なり。第二造。丁酉年・己酉月・辛酉日・丙申時——三酉一申は、金は旺して極(きわ)めたり。丙丁の二火は煆錬するも壬水の淘洗なし。「壬の淘洗なければ、此れ宜しく丁を用うべし」の樣子に屬す。第三造。丁卯年・己酉月・辛亥日・壬辰時——時干の壬水は高透し、日は亥に坐し、時は辰に坐す。水は根ありて庫あり。この一片の金氣を泄らし盡(つ)くす。まさに「一壬高透、一清到底」の説に合す。
九月辛金・戌月に生ず
九月辛金,成土司令,母旺子相,須甲疏土,壬洩旺金,先壬後甲。壬甲兩透,桃洞之仙;或壬透甲藏,又見者,平人;甲透,壬藏,戊在支內,異途之仕。
九月は戌を建つ。戊土は司令す(原文の「成土」は當に「戊土」と為すべし)。母は旺なれば則ち子は相す。辛金は並びて弱からず。だから須(すべか)らく甲木を用いて厚土を疏き開き、壬水を用いてあの旺金を泄らすべし。取用は先ず壬にして後に甲なり。壬・甲の兩透するは、貴きこと桃源洞裏の神仙の如し。壬水は透して甲木は蔵し、また別に土の來て雜するを見るは、ただ平人なり。甲木は透して壬水は蔵し、戊土はまた支內に在るは、異途より出身するの官なり。
或辛日甲月,壬水在支,有庚自能去濁留清,秋聞一榜,若戊戌月,即有甲在支亦否。總之土太多,甲不出干,莫問功名,一壬出,洗土助甲,雖不發達,富而可求。
もし辛金の日主にして月干は甲木、壬水はまた地支に在り、さらに庚金あれば——庚金は土の頑を制し、また水の清を生ず——自然として能く濁を去り清を留む。秋闈(しゅうい)は一榜に中(あた)るべし(原文の「秋聞」は當に「秋闈」と為すべし)。ただしもし月柱は戊戌なれば、土は太重なり。たとい甲木は地支に蔵するも、またなお舊(ふる)く成らず。要するに土もし太多くして甲木は干に出ざれば、功名は則ち必ずしも問わず。この時ただ一箇の壬水あって干に出で、一面は土濁を洗い去り、一面は甲の力を助けば、發達せずとも、富を求むるは還(ま)た以てすべし。
或土多無壬甲,時月多透丙辛者,略貴,加以辰字在支,則榮顯莫及。或木多土厚,無水者常人;或干上重見癸水,雖無淘洗之功,頗有清金之用,此命主富,辛苦。或己透無壬有癸,亦能滋生金力,衣衿之貴,但恐己多,不免濁富。九月辛金,火土為病,水木為藥。
もし土多くして壬水・甲木なく、ただ時干・月干に多く丙火・辛金を透するは、また略(ほんのすこ)し貴氣あり。さらに地支に一箇の辰字を加うれば——辰は水庫にして、能く土を潤して金を養う——則ち榮顯は以て加うる無きなり。もし木多く土厚くして水なきは、ただ常人なり。もし天干に重重の癸水を見れば、癸は壬水のごときの淘洗の力なきといえど、卻(かえっ)て頗(すこぶ)る能く金氣を一清す。このようの命は富を主どる。ただし辛苦なり。もし己土の透出して壬水なく、ただ癸水あるのみなれば、濕土は同じく能く金力を滋生す。一領の衣衿の貴を得べし。ただ怕(おそ)るは己土太多きは、免れず一箇の富にして清ならざる人なり。要するに九月の辛金は、火土を以て病と為し、水木を以て藥と為す。
時日月年:壬辛戊丙,辰未戌戌。時日月年:戊辛壬戊,子酉戌戌。時日月年:丁辛戊丙,酉未戌戌。
以下の三造はなお「時・日・月・年」の順に横列す。第一造。丙戌年・戊戌月・辛未日・壬辰時——兩戌一未は、土は最も厚重なり。時干の壬水に頼(たの)みて土を洗い、辰庫は水を蓄(たくわ)う。年干の丙火は卻(かえっ)て土を助く。まさに「火土を病と為し、水木を藥と為す」の寫照(しゃしょう)なり。第二造。戊戌年・壬戌月・辛酉日・戊子時——壬水は月干に透し、日は酉祿に坐し、時は子水に坐す。秀を泄らすに力あり。ただ兩箇の戊土の干に出て來て混濁するを嫌う。第三造。丙戌年・戊戌月・辛未日・丁酉時——丙丁は並透して土はまた厚し。すでに壬水の洗うべきなく、また甲木の疏すべきなし。病は重くして藥なし。
十月辛金・亥月に生ず
十月辛金,時值小陽,陽漸升,寒氣將降,先用壬水,次取丙火。壬丙兩透,金榜題名,何也,蓋辛金有壬水丙火,名金白水清,又在亥月故發。丙透壬藏,采芹之造;丙藏壬透,富有千金;壬丙在支,聰明之士。
十月は亥を建つ。時は小陽春に値(あた)り、陽氣は漸く升(のぼ)りて寒氣は將(まさ)に至らんとす。取用は先ず壬水にして後に丙火——壬水は淘洗して以て金の白を顯し、丙火は寒を解して以て金の體を暖む。壬・丙の兩透するは、金榜に名を題す。何を以(もっ)てか。辛金にして壬水・丙火あれば、「金白水清(きんぱくすいせい)」と呼ぶ。また亥月に生ずれば、亥はまさに壬水の祿地なり。だから能く發す。丙火は透して壬水は蔵するは、以て進學すべきの造なり。丙火は蔵して壬水は透するは、富は千金あり。壬丙はただ地支に在るのみなるは、一箇の聰明の士なり。
戊壬存柱,積蓄之人,或壬多無戊,名辛水汪洋,反成貧賤,戊多壬少,又主成名。或甲多戊少,因藝術而蓄金。若己多有戊,壬水被困,金被埋,不過誠實之人,或壬癸多無戊丙者,勞碌辛苦,十月辛金,先壬後丙,餘皆參用。
もし戊土と壬水とが柱中に同存せば、一堤一水にして、是れ能く家財を積蓄する人なり。もし壬水多くして戊土なくば、「辛水汪洋(しんすいおうよう)」と呼ぶ。金は水に隨(したが)い蕩(と)かれ、かえって貧賤と成る。戊土多くして壬水少なきは、また成名を主どる。もし甲木多くして戊土少なければ、土は木に克せられて水は約束を沒(ぼっ)す。則ちただ一門の手藝に靠(よ)りて錢財を積攅(せきさん)するを得るのみ。もし己土多くしてまた戊土あれば、壬水は困せられ住(とど)められ、金は埋没せらる。過(あやま)らず一箇の老實人なるのみ。もし壬癸水多くして戊土・丙火なくば、すでに堤防なくまた暖氣なし。勞碌・辛苦を主どる。十月の辛金は、先ず壬水を取り、後に丙火を取る。その余の各樣は參合して用る。
十一月辛金・子月に生ず
十一月辛金,癸水司令,為寒冬雨露,切忌癸出凍金,而困丙火。壬丙兩透,不見戊癸,衣錦腰金,即壬藏丙透,一榜堪圖。或壬多有戊,丙甲出干者,青雲之客;若壬多無戊丙者,洩金太過,定主寒儒;或壬多,甲乙重重,無丙火者,貧寒。
十一月は子を建つ。癸水は司令して、それは寒冬裏の雨露なり。最も癸水の干に出て金を凍し住(とど)め、また丙火を困し滅するを忌む。壬・丙の兩透にして、而(しか)も戊土の水を克するを見ず、癸水の火を困するを見ざれば、衣錦・腰金(いきんようきん)の顯貴を主どる。たとい壬水は支に蔵して丙火は干に透するも、中式一榜もまた圖(はか)るべし。もし壬水多くして戊土あってそれを制し、丙火・甲木はまた干に出ずれば、青雲の客なり。もし壬水多くして戊土・丙火なくば、金氣は泄らるるに太過して、一定としてただ一箇の寒儒なり。もし壬水多く、甲乙木はまた重重にして、而(しか)も丙火の局を暖むるなくば、貧寒を主どる。
或支成水局,癸水出干,有二戊制者,富貴恩榮,無戊者常人。或支見亥子丑,干出比劫,無丙,名潤下格,富貴雙全,運喜西北;若無庚辛,又出甲乙,無戊丙者,必主僧道。或支成木局,有丁出干,又見戊者,功名特達。冬月辛金,須丙溫暖,方妙。
もし地支が水局を會成し、癸水はまた干に出で、兩箇の戊土を得て來て制するは、富貴にして恩榮を受く。戊土なきはただ常人なり。もし地支に亥子丑の三會北方水を見て、天干にまた比肩・劫財を出(いだ)し、而(しか)も丙火の來てそれを破るなくば、「潤下格(じゅんかかく)」と呼ぶ。富貴雙全にして、行運は西北金水の地に走るを喜ぶ。ただしもし庚辛金なくして源と作さず、かえって甲乙木を出して泄らし、また戊土・丙火なくば、必ず僧道を主どる。もし地支が木局を會成し、丁火あって干に出で、また戊土を見れば、木は火を生じ、火は土を生じ、土はさらに金を生ず。功名は特出・通達なり。要するに冬月の辛金は、須(すべか)らく丙火の温煖(おんだん)あらば、こそ妙と算(かぞ)うべし。
十二月辛金・丑月に生ず
十二月辛金,寒凍之極,先丙後壬,炳不能解凍,無壬不能洗淘。丙壬兩透,金馬玉堂之客;壬丙俱藏,遊庠食□之人;有丙無壬,富真貴假;有壬乏丙,賤而且貧;或丙多,無壬,有癸,市中貿易之流。
十二月は丑を建つ。寒凍は極處に到る。取用は先ず丙にして後に壬——丙火なくば便ちこの層の氷凍を解き開く能くさず(原文の「炳」は「非丙」の訛なり)、壬水なくば便ち金光を淘洗し出す能くさず。丙・壬の兩透するは、金馬門・玉堂署裏の貴客なり。壬丙はただ支中に蔵するは、入學して廩(りん)を食(は)むの人なり。丙火ありて壬水なきは、富は眞にして貴は假(か)なり。壬水ありて丙火を缺くは、また賤にして且(か)つ貧なり。もし丙火多くして壬水なく、ただ癸水あるのみなれば、市井中に買賣を做(な)るの一流なり。
或水多,有戊己出干,又有丙丁,必主衣食充盈,一生安樂,十二月辛金,丙先壬後,戊己次之。
もし水多くして戊己土の干に出て水勢を止め住(とど)め、また丙丁火の來て凍を解するあれば、必ず衣食は充盈し、一生は安樂を主どる。要するに十二月の辛金は、丙火を先にして、壬水を後とし、戊己土は再次とす。
時日月年:戊辛己乙,子丑丑丑。時日月年:戊辛癸丁,子卯丑丑。時日月年:丁辛己乙,酉未丑卯。時日月年:己辛丁甲,亥卯丑申。
以下の四造はなお「時・日・月・年」の順に横列す。第一造。乙丑年・己丑月・辛丑日・戊子時——三丑一子は、寒濕は極處に到り、土は多く金を埋めて丙火は全くなし。まさに「壬ありて丙を乏(とぼ)し、賤にして且(か)つ貧」の局面なり。第二造。丁丑年・癸丑月・辛卯日・戊子時——年干の丁火は本(もと)より以て局を暖むべかれど、卻(かえっ)て月干の癸水に克し住(とど)められん。戊土は時上に在りて水を止むるといえど、寒暖は終に未だ調停せず。第三造。乙卯年・己丑月・辛未日・丁酉時——丁火は時に透して凍を解し、卯未は木を拱して火を生じ、己土は身を生ず。暖氣は餘(あま)りありて水の淘洗を少(か)く。第四造。甲申年・丁丑月・辛卯日・己亥時——丁火は凍を解し、甲木は火を生じ、亥中の壬水は金を淘し、申金はまた水の源なり。丙壬の意は倶(とも)に具備す。これは十二月辛金の裏にて好きを較(くら)ぶる一造なり。
水を論ず
天傾西北,亥為出水之方;地陷東南,辰為納水之府。逆流到申而作聲,故水不西流。水性潤下,順則有容,順行十二神,順也,主有度量,有吉神扶助,乃貴格;逆則有聲,逆行十二神,逆也,入格者,主清貴,有聲譽。忌刑沖,則橫流;愛自死自絕,則吉。
天は西北に傾(かし)ぐがゆえに、亥は水の流出する方位なり。地は東南に塌陷(たんかん)するがゆえに、辰は水の匯納(かいのう)する府庫なり。水は本(もと)當に東流すべし。逆らいて申方に流れば則ち聲を作(な)さんと要(ほ)す。だから水は西流せずと説く。水性は潤下(じゅんか)なり。順なれば則ち能く容(い)る。地支は順行して十二位は則ち「順」なり。人は度量あるを主どり、もしさらに吉神の扶助あれば、便ち貴格なり。逆なれば則ち聲あり。地支は逆行して十二位は則ち「逆」なり。格に合するは清貴にして聲譽あるを主どる。水は最も刑冲を忌む。一たび冲せば便ち横流・泛濫す。卻(かえっ)て自ら死處・絶地に處するを愛す。収斂して肆(ほしいまま)ならず、かえって吉と為る。
水不絕源,仗金生而流遠;水流泛濫,賴土克以堤防。水火均,則合既濟之美;水土混,則有濁源之凶。四時皆忌火多,則水受渴;忌見土重,則水不流;忌見金死,金死則水困;忌見木旺,木旺則水死。沈芝云:水命動搖,多主濁濫,女人尤忌之。口訣云:陽水身弱,窮;陰水身弱,主貴。
水は源頭の断絶せざるを要し、全く金の來てそれを生ずるに仗(よ)って、こそ遠く流るるを得。水は一たび泛濫せば、また土に靠りて來て克制し、堤防を築成するを要す。水と火と均平なれば、便ち「水火既濟」の美に合す。水と土と混雜すれば、則ち源頭の污濁(おだく)の凶あり。水は四時の中に皆火多きを忌む。火多ければ則ち水は烤(あぶ)られて乾渴(かんかつ)す。土重きを見るを忌む。土重ければ則ち水は流れ動かず。金の死處に處するを見るを忌む。金は一たび死すれば、水は便ち困し住(とど)められて源なし。木旺を見るを忌む。木旺なれば則ち水を吸い盡(つ)くして水は死す。沈芝に説く。水命の動搖して定まらざるは、多く混濁・泛濫を主どる。女命は殊(こと)に忌諱(きき)す。口訣に説く。陽水の壬は身弱なれば窮(きゅう)を主どり、陰水の癸は身弱なればかえって貴を主どる。
水を論ず・四時の水
春月之水:生於春月,性濫滔淫,再逢水助,必有崩堤之勢,若加土盛,則無泛漲之憂,喜金生扶,不宜金盛,慾火既濟,不要火多,見木而可施功,無土仍愁散漫。夏月之水:夏月之水,執性歸源,時當涸際,欲得比肩,喜金生而助體,忌火旺而福乾,木盛則盜其氣,土旺則制其流。
春月の水。春に生まれ、水性は泛濫して放縱(ほうしょう)なり。もしさらに水に逢い來て助けば、必ず堤岸を冲垮(ちゅうか)するの勢あり。もし土盛んを加え來て約束せば、便ち泛漲の憂なし。それは金の來て生扶するを喜ぶ。卻(かえっ)て宜しからず金の太盛ならんことを。火を要してそれと配して既濟と成れ。卻(かえっ)て火の太多きを要せず。木を見れば以て功用を施展すべし。水は木を生じて氣は流通を得。土なくば、なお舊(ふる)くそれが散漫にして歸する所なきを愁(うれ)う。夏月の水。夏の水は本性を執守してその源に歸るを思う。まさに乾涸(かんこ)の際に當たりて、最も比肩の相助くるを得んことを想う。金の來て生じその形體を助くるを喜び、火旺のそれを烤(あぶ)り乾(ほ)すを忌む(原文の「福乾」は當に「涸乾」と為すべし)。木盛んなれば則ちその氣を盜泄し、土旺なれば則ちその流を制し住(とど)む。
秋月之水:秋月之水,母旺子相,表裡晶瑩,得金助則清澄,逢土旺而混濁,火多而財盛,木重而子榮,重重見水,增其氾濫之憂,疊疊逢土,始得清平之意。冬月之水:冬月之水,司令當權,遇火,則增暖除寒,見土,則形藏歸化,金多,反曰無義,木盛,是謂有情,土太過,勢成涸轍,水氾濫,喜土堤防。
秋月の水。秋は金旺にして水は相(ほう)す。母は旺にして子もまた相す。裏外ともに晶瑩・澄澈(しょうけいちょうてつ)なり。金を得て相助けば則ちさらに清澄し、土旺に逢えば則ち混濁せらる。火多ければ則ち財盛んなり。木重ければ則ち子息は榮發(えいはつ)す。重重にさらに水を見れば、ただ泛濫の憂を添うるのみ。疊疊(じょうじょう)に土に逢着(ほうちゃく)せば、こそ清平の意を得ん。冬月の水。冬の水は令を司(つかさど)り權を當たる。火に遇えば則ち暖を增して寒を除き、土を見れば則ち形迹は收藏して化育に歸す。金多ければかえってそれを無義と説く——母は多くして子は病む。水はすでに太旺なれば、さらに生ずれば濁(にご)る。木盛んなれば倒(とう)って有情と説くべし——水は木を生じて旺氣は宣泄(せんせつ)を得るがゆえに。土もし太過なれば、水勢は便ち涸轍(こてつ)と成る。水もし泛濫せば、また土の來て堤防を築くを喜ぶ。
壬水を論ず
正月壬水・寅月に生ず
正月壬水,汪洋之象,能並百川之流,然水性柔弱,宜用庚金之源,庶不致汪洋無度。有庚丙戊三者齊透,科甲功名;或庚戊藏支,丙坐寅支者,亦有恩誥;即一庚透,貢監有之。
正月は寅を建つ。壬水は本(もと)は汪洋の象にして、能く百川の流を匯合す。然(しか)るに寅月は木旺にして水を泄らし、水性はかえって柔弱なり。だから宜しく庚金を用いてその源頭と作す。如此(しか)すればすでに源を断たず、また汪洋にして約束する所なきに至らず。庚金・丙火・戊土の三者齊(ととの)く透するは、科甲の功名を主どる。庚金・戊土はただ地支に蔵して、而(しか)も丙火は寅支の上に坐りて長生を得るも、また恩封・誥命あり。たといただ一箇の庚金を透するのみなるも、貢生・監生は是れ有り。
凡壬日無比肩羊刃者,不必用戊,專用庚金,以丙為佐。或見比劫,又有庚辛,此弱極復旺,又宜制伏,成透,可云科甲,戊藏,則是秀才,然必丙透不合,為妙。
およそ壬水の日主にして比肩・羊刃の身を幇けるなきは、身はすでに旺ならざれば、則ち必ずしもさらに戊土を用いて往きてそれを克せず。專ら庚金を用いて身を生じ、丙火を以て輔佐・調候と為す。もし比肩・劫財を見て、また庚金・辛金あって來て生ぜば、日主は極弱より轉じて復(ま)た旺なり。それは則ち當に土を用いて制伏すべし。戊土の透出する(原文の「成透」は當に「戊透」と為すべし)は、以て科甲と稱すべし。戊土はただ支中に蔵するは、則ち一箇の秀才なり。ただし還(ま)た須(すべか)らく丙火の透出して合し去られざらば、こそ妙と為す。
或支見多戊,又有甲出干,名一將當關,群邪自伏,主光明磊落,名重百寮。或支成火局,借不逢時,主名利皆虛,文章駭俗。用庚者,土妻金子,用丙者,木妻火子,用戊者,火妻土子。
もし地支に多く戊土を見て圍困(いこん)せば、而(しか)も甲木あって干に出て往きてそれを疏せば、「一將關に當たりて、群邪自ら伏す」と呼ぶ。この人は光明・磊落(らいらく)にして、名朢は百官に重きを主どる。もし地支が火局を會成し、財は旺にして身は弱なれば、惜しむべし生は時に逢わず——正月は火氣はいまだ令を當たらず——名と利と倶(とも)に虛なるを主どる。ただ一箇の文章驚俗(ぶんしょうきょうぞく)に落つる。庚金を取りて用と為す者は、土を以て妻星と為し金を以て子星と為し、丙火を取りて用と為す者は、木を以て妻星と為し火を以て子星と為し、戊土を取りて用と為す者は、火を以て妻星と為し土を以て子星と為す。
時日月年:庚壬丙己,子辰寅巳。
この造はなお「時・日・月・年」の順に横列して、還原して己巳年・丙寅月・壬辰日・庚子時と為す——庚金は時干に在りて水の源を發し、丙火は月干に透して調候し、年干の己土は官星と為り、日主は辰に坐し、時は子に坐して根を通ず。まさに正月壬水の「庚丙戊の三者」の并用の意に合す。
二月壬水・卯月に生ず
二月壬水,寒氣初除,有並流之象,不用丙暖,專取戊土辛金。二月壬水,先戊後辛,庚金次之。戊辛兩透,雁塔題名;戊透辛藏,亦有恩誥;或戊辛不透,有庚出干者,主富。
二月は卯を建つ。寒氣は剛(かた)く除(の)かれ、衆水は並流す。だから必ずしもさらに丙火を用いて來て暖せず。專ら戊土を取りて水を制し、辛金を取りて水を生ず。二月壬水の次第は、先ず戊土にして、後に辛金、庚金は再次とす。戊・辛の兩透するは、以て雁塔に名を題すべし。戊土は透して辛金は蔵するは、また恩封・誥命あり。戊辛ともに透さずして、而(しか)も庚金の干に出るあるは、富を主どる。
或支成木局,有庚透者,金榜題名,在水,者異途之任。或木出火多,名木盛火炎,須比肩羊刃,尤宜水透,富貴恩榮,乏水者則否。
もし地支が木局を會成し、水を泄らすに太過なれば、庚金あって透出して木を制するは、金榜に名を題す。庚金はただ水中に蔵して干に透さざれば、則ちただ異途の職に任ず。もし木は天干に出て火はまた多ければ、「木盛火炎(ぼくせいかえん)」と呼ぶ。一面は身を泄らし、一面は財を生ず。この時須(すべか)らく比肩・羊刃あって身を幇け、殊(こと)に宜しく水あって天干に透出すれば、それは則ち富貴にして恩榮を受く。水を缺くは便ち成らず。
或比肩重重,又須戊土,書曰,土止流水福壽全,若戊不見,名水泛木浮,一生辛苦,再行水運,落水身亡。或甲乙重重無比肩者,此依人度日,全無作為,若見庚辛,飢寒可免。
もし比肩は重重にして水勢は太盛なれば、また須(すべか)らく戊土の來て制するを要す。命書に説く。「土は能く流水を止め住(とど)むれば、福壽雙全なり。」もし戊土を見ざれば、卯月は木旺にして水はまた多し。便ち「水泛木浮(すいはんぼくふ)」と叫ぶ。一生は辛苦なり。行運はさらに水地に走れば、甚(はなは)だしきは水に落ちて身を喪(うしな)うの禍あり。もし甲乙木は重重にして比肩の身を幇けるなくば、泄氣は太重にして、この人はただ能く他人に依附して日を度(わた)るのみ。全く作為なし。もし庚辛金を見て木を制し身を生ぜば、飢寒の苦は倒(とう)って以て免るべし。
三月壬水・辰月に生ず
三月壬水,戊土司權,死有推山塞海之患,先用甲疏季土,次取庚金。甲庚俱透,科甲定然,甲透庚藏,修齊品格,甲藏有根,可云俊秀,有癸滋甲,必主干城,獨甲藏支,必富,獨庚在柱,常人,無甲,剛暴之徒,乏庚,愚頑之輩。
三月は辰を建つ。戊土は權を司(つかさど)り、土は能く水を塞ぐ。實に山を推(お)し海を塞ぐの患有り。だから先ず甲木を用いてこの季月の厚土を疏き開き、其次に庚金を取りて水の源を發す。甲・庚ともに透するは、科甲は一定なり。甲木は透して庚金は蔵するは、是れ能く身を修め家を齊(ととの)うるの品格なり。甲木は蔵して根あるは、以て俊秀と稱すべし。さらに癸水あって來て甲木を滋养するは、必ず國家の干城(かんじょう)の材なり。ただ甲木の地支に蔵するあるは、必ず富す。ただ庚金の柱に在りて甲なきは、常人なり。一箇の甲木もなきは、性情は剛暴の徒なり。庚金を缺くは、愚頑の輩なり。
或時干透丁者,此為化合,助火而不助水,見丁未一理。或支成四庫,乏甲者,名殺重身輕,終身有損。凡水旺多見庚金者,乃無用之人,須丙制之方妙。
もし時干に丁火を透出せば、丁壬は相合す。これは化合にして、合して日主の本性を去りて、ただ火を助けて水を助けず。もし丁未の一柱を見れば、道理はまた一樣なり。もし地支に辰戌丑未の四庫が皆成れば、土は重く水を壓(お)し、而(しか)も甲木の土を疏するを缺けば、「殺重身輕」と呼ぶ。終身は損あり。およそ水は本よりすでに旺にしてまた多く庚金の來て生ずるを見るは、母は多くして子は病む。これは無用の人にして、須(すべか)らく丙火を用いて庚金を制し住(とど)めば、こそ妙と為す。
時日月年:甲壬甲壬,辰辰辰申。
この造はなお「時・日・月・年」の順に横列して、還原して壬申年・甲辰月・壬辰日・甲辰時と為す——三箇の辰土は水を壓(お)し、兩箇の甲木は干に出て往きて疏し、年支の申金はまた水を發するの源なり。まさに三月壬水の「先ず甲を用いて季土を疏し、次に庚金を取る」の法に合す。
四月壬水・巳月に生ず
四月壬水,丙火司權,水弱極矣,專取壬水比肩為助,次取辛金發源,且暗合丙火,庚金為佐。
四月は巳を建つ。丙火は權を司(つかさど)り、壬水は弱して極點に到る。だから專ら壬水の比肩を取りて來て身を幇け、其次に辛金を取りて水の源と作す——辛金は能く水を生ずるのみならず、また能く丙火と暗に合して、あの權を當たるの火を牽制す——庚金は則ち輔佐と作す。
壬辛兩透,金榜有名,或癸辛兩出,加以甲透,亦主異路之榮,無甲者,富貴門下之客。如無壬,木少火多者,又作棄命從才格,因妻致富,癸透者殘疾。
壬水・辛金の兩透するは、金榜に名あり。もし透出するは癸水と辛金とに、さらに甲木を加えて透出して火を泄らし身を護れば、また異路の榮顯を主どる。甲木なきは、ただ能く富貴の人家の門下の清客を做(な)るのみ。もし柱中に壬水の身を幇けるなく、木はまた少なくして火は多く、日主は全く依托なければ、それは則ち「棄命從財」の格と作して看る。妻室に靠(よ)りて富を致す。この時もし癸水透出せば、一線の弱水を以てあの旺火を逆(むか)うは、かえって殘疾を主どる。
或四柱多金得地,則弱極復強,須用巳中戊土,亦主名利雙全,或異途之貴,若見一甲藏寅,與己相刑,主有暗疾,名利皆虛,不能創立。或多甲乙,有庚出干者,貴,無庚者否。或支成水局,大貴。
もし四柱に金多くしてまた地を得れば、日主は極弱より轉じて強と為る。則ち須(すべか)らく巳中の戊土を用いて水を制すべし。また名利雙全を主どり、あるいは異途の貴を得。もし一箇の甲木の寅中に蔵するを見れば、寅と巳とは相刑す。暗疾あるを主どり、名利は倶(とも)に虛にして、一事も成るなし。もし甲乙木多くして水を泄らせば、庚金あって干に出て木を制するは貴を主どり、庚金なきは便ち成らず。もし地支が水局を會成し、弱は極して復(ま)た強にして旺火と相濟すれば、大貴を主どる。
時日月年:乙壬乙壬,巳午巳寅。時日月年:乙壬乙壬,巳申巳午。時日月年:壬壬癸丙,寅辰巳辰。
以下の三造はなお「時・日・月・年」の順に横列す。第一造。壬寅年・乙巳月・壬午日・乙巳時——兩壬は身を幇けて兩乙は水を泄らして火を生ず。火は旺にして水は弱なり。獨り庚辛を源と為るを缺く。第二造。壬午年・乙巳月・壬申日・乙巳時——日主は申に坐し、申中の庚金は長生にして能く水を生ず。上の一造に比ぶるに根あり。第三造。丙辰年・癸巳月・壬辰日・壬寅時——兩辰は水を蓄(たくわ)え、壬癸は並透し、年干の丙火は財と為る。水火は兩停す。これは四月壬水の中にて佳きを較(くら)ぶる一造なり。
五月壬水・午月に生ず
五月壬水,丁旺壬弱,取癸為用,取庚為佐,無庚不能發水,無癸不能傷丁,五月壬水,辛癸亦可參用,其理與四月皆同。庚癸兩透,科甲必然,庚壬兩透,官居極品,有庚無壬癸者,常人。或支成火局,全無金水,名才多身弱,富屋貧人,若又甲乙多者,僧道之命。
五月は午を建つ。丁火はまさに旺にして壬水は衰弱なり。だから癸水を取りて用と為し、庚金を以て輔と為す。庚金なくば便ち水の源を發し出す能くさず。癸水なくば便ち丁火を傷る能くさず。五月の壬水は、辛金・癸水もまた參合して用い得べし。道理は四月と同じ。庚・癸の兩透するは、科甲は必然なり。庚・壬の兩透するは、官は極品に居るべし。庚金ありて壬癸なきは、ただ常人なり。もし地支が火局を會成して金水は全くなければ、「財多身弱」と呼ぶ。これは好い房子に住まるの窮人なり。もしさらに甲乙木多くを加えて來て火を生じ水を泄らせば、それは便ち僧道の命なり。
時日月年:辛壬壬庚,亥寅午午。時日月年:甲壬丙丁,辰寅午酉。
以下の二造はなお「時・日・月・年」の順に横列す。第一造。庚午年・壬午月・壬寅日・辛亥時——年干の庚金と時干の辛金とが並び出(い)でて源を發し、時支の亥水は壬の祿なり。まさに「庚癸兩透」の一路の取法なり。第二造。丁酉年・丙午月・壬寅日・甲辰時——丙丁は並透して財は旺にして身は弱なり。ただ年支の酉金の水を生じ、時支の辰庫の水を蓄(たくわ)うるに頼(たの)む。甲木はまた水を泄らして火を生ず。まさに財多身弱の樣子なり。
六月壬水・未月に生ず
六月壬水,己土當權,丁火退氣,先用辛金癸水,次用甲木劈土,六月壬水,先辛後甲,次取癸水。辛甲兩透,富貴清高,甲藏辛透,貢監生員,辛藏甲透,異途武職,甲壬兩透,無傷,有治國之貴,即甲藏壬出無破,是拾芥之才,或支多土火,又只清貧。
六月は未を建つ。己土は權を當たり、丁火は轉じて退氣に入る。だから先ず辛金と癸水とを用い、其次に甲木を用いて厚土を劈き開く。六月壬水の次第は、先ず辛金にして、後に甲木、再び癸水を取る。辛・甲の兩透するは、富貴にして清高なり。甲木は蔵し辛金は透するは、貢監・生員なり。辛金は蔵し甲木は透するは、異途に走りて武職を做(な)る。甲木・壬水の兩透にして傷克を受けざれば、治國の貴あり。たとい甲木は蔵して壬水は干に出て、並びて破損なくとも、また名を軽く取る功名の才なり。もし地支に土と火と皆多ければ、克泄は交加して、則ちただ清貧なり。
或一派己土,此假從殺格,為人奸詐,且主孤貧,得甲乙出制可救,凡土居生旺之地,須用木制方妙。或支成木局,洩水太過,當用金水為貴,以金為妻,水為子。
もし滿盤に己土あれば、これは「假從殺格」なり——己土は濁(にご)りて純ならず、從(したが)うこと眞ならず——この人は人と為りて奸詐にして、而(しか)も孤貧なり。もし甲乙木を得て干に出て土を制せば、還(ま)た以て救うべし。およそ土は生地・旺地に處するは、皆須(すべか)らく木を用いて往きてそれを制して、こそ妙と為す。もし地支が木局を會成し、水を泄らすに太過なれば、則ち當に金水を以て貴と為し、金を以て妻星と為し、水を以て子星と為すべし。
七月壬水・申月に生ず
七月壬水,庚金司令,壬得申之長生,源流自遠,轉弱為強,專用戊土,次取丁火佐戊制庚,但用辰戌之戊,不用申中受病之戊。
七月は申を建つ。庚金は司令して、壬水は申上に在りて長生を得。源頭はすでに遠く、流勢は自ら長く、弱より轉じて強と為る。だから專ら戊土を用いて來てそれを約束し、其次に丁火を取る——一面は戊土を輔佐し、一面はあの太旺の庚金を克制して、それをして一味に水を生ぜしめざらしむ。ただし用いる所の戊土は、須(すべか)らく辰・戌の中のあの厚實の戊を取りて、申中のあの病を受くるの戊を取らず。申中の戊土はすでに金に泄らされ、また水に冲せられ、力量は足らず。
戊丁俱透,科甲生員,戊透天干,丁藏午戌,恩封可待,特忌戊癸化合,即支見寅戌,年出丁火,可許衣衿,或丁戊兩藏,富中取貴。
戊土・丁火ともに透するは、以て科甲あるいは生員を朢むべし。戊土は天干に透し、丁火は午・戌の中に蔵するは、恩封は日を指して待つべし。この格は殊(こと)に戊土と癸水との相合して火を化するを忌む。一たび化すれば、堤防は便ちなし。たといただ地支に寅・戌を見て、年干は丁火を出ずとも、また一領の衣衿を許すべし。丁戊はともにただ地支に蔵するは、能く富の中より貴を取る。
或四柱多壬戊又透干,名假殺化權,閬苑之仙,支中見甲,亦不忌也,但太多者,常人,有庚居申,頗有衣祿。或戊多而透,得一甲制,略貴,無甲常人,或一派甲木,又見火多,無庚出者,別祖離鄉,隨緣度日,蓋申中之庚,不能救也。七月壬水,栽用戊土,丁火為佐。
もし四柱に壬水多くして戊土はまた干に透せば、戊を以て水を制す。「假殺化權(かさつかけん)」と呼ぶ。貴きこと閬苑(ろうえん)の中の神仙の如し。この時地支の中に甲木を見るもまた忌諱するに足らず。水多きはまさに木を用いて泄らすに宜しきがゆえに。ただし甲木太多きは、なお舊(ふる)くただ常人なり。もし庚金の申上に坐するあれば、また頗(すこぶ)る一份の衣祿あり。もし戊土多くして干に透せば、土はかえって太重なり。一箇の甲木を得て來て制すれば、略(ほんのすこ)し貴氣あり。甲木なきはただ常人なり。もし滿盤に甲木ありて、また火多きを見て、水を泄らして財を生じて庚金の干に出て救應するなくば、祖を離れ郷を別れて、縁に隨(したが)い日を度(わた)るを主どる——申中のあの點の庚金は蔵して透さず、急を救う能くさず。要するに七月の壬水は、專ら戊土を取りて用と為し(原文の「栽用」は即ち「専用」なり)、丁火を輔佐と作す。
時日月年:壬壬庚戊,寅辰申寅。時日月年:丙壬戊丁,午辰申亥。時日月年:辛壬庚癸,亥辰申酉。
以下の三造はなお「時・日・月・年」の順に横列す。第一造。戊寅年・庚申月・壬辰日・壬寅時——月干の庚金は司令して水を生じ、年干の戊土は堤を築き、兩寅中の丙火は局を暖む。まさに七月壬水の「専用戊土、次取丁火」の意に合す。第二造。丁亥年・戊申月・壬辰日・丙午時——戊土は月干に透して堤と為り、年干の丁火・時干の丙火は水を暖む。丁戊の兩樣は倶(とも)に備わる。第三造。癸酉年・庚申月・壬辰日・辛亥時——滿盤に金水にして戊土を見ず。水は旺にして制なし。まさに本月の忌まる所の一類なり。
八月壬水・酉月に生ず
八月壬水,辛金司權,正金白水清,忌戊土為病,專用甲木,甲木一透制戊,壬水澈底澄清,名高翰苑,若甲出時干,功名顯達,設見庚破,又屬常人,即甲藏支,無庚,秀才可許。
八月は酉を建つ。辛金は權を司(つかさど)り、まさに「金白水清」の時節なり。最も戊土の出て來て病と作るを忌む。この一泓(いっこう)の清水を攪(かき)濁(にご)す。だから專ら甲木を用いる。甲木は一たび透せば、戊土を制し住(とど)めて、壬水は便ち澄清して徹底す。名は翰苑(かんえん)に高し。もし甲木は時干に出ずれば、功名は顯達す。たとし庚金の來て甲木を克破するを見れば、また常人に屬す。たとい甲木はただ地支に蔵するも、ただ庚金のそれを克するなければ、一箇の秀才もまた許すべし。
或天干有壬,支見申亥,此非用甲,戊土作用,亥雖有甲,又有申中之金制甲,秀才一定,且富足多才。或無戊,多金水者,主人清才濁,困苦寒儒。無甲用金,發水之源,名獨水三犯庚辛,號曰體全之象。八月壬水,栽用甲木,庚金次之,用甲者,水妻木子。
もし天干に別に壬水あり、地支にまた申と亥とを見れば、水はすでに太旺なり。これは則ち甲木を用いるの時にあらずして、而(しか)も戊土を用いて來て制するを要す。亥中に甲木を蔵するといえど、申中の金はまさにそれを制す。如此(しか)なれば則ち秀才は一定にして、而(しか)も富足・多才なり。もし戊土なくして金水また多ければ、この人は品格は清といえど才華は駁雜(ばくざつ)なり。ただ一箇の困苦の寒儒なり。もし甲木なければ、則ち金を用いて水を發するの源と作す。「獨水は庚辛を三たび犯す」と呼ぶ。「體全の象」と稱す。八月の壬水は、專ら甲木を取り、庚金は之に次ぐ。甲木を取りて用と為すは、水を以て妻星と為し、木を以て子星と為す。
時日月年:壬壬丁辛,寅辰酉酉。時日月年:庚壬己壬,戌子酉子。時日月年:己壬丁丙,酉子酉子。時日月年:甲壬乙庚,辰子酉午。
以下の四造はなお「時・日・月・年」の順に横列す。第一造。辛酉年・丁酉月・壬辰日・壬寅時——寅中の甲木は暗に用神と為りて以て辰土を制し、月干の丁火は財と為る。金白・水清にして木の疏(す)くあり。第二造。壬子年・己酉月・壬子日・庚戌時——己土は干に出て水を濁(にご)して甲木の往きて制するなし。まさに「戊土を病と為すを忌む」の一類なり。第三造。丙子年・丁酉月・壬子日・己酉時——兩酉は水を生じ、丙丁は財と為る。己土は時上に在りてまた來て病と作る。第四造。庚午年・乙酉月・壬子日・甲辰時——甲木は時干に透して土を制し、乙木・庚金は並び見ゆ。まさに八月壬水の「専用甲木」の樣子なり。
九月壬水・戌月に生ず
九月壬水進氣,其性將厚,若一派壬水,見一甲,制戌中之戊,戊又出干,斯用丙火,此格清貴極矣,正合一將當關,群邪自伏,或不見丙戊,亦不為妙。
九月は戌を建つ。壬水は始めて氣を進め、水性は將(まさ)に轉じて厚からんとす。もし滿盤に壬水ありて、一箇の甲木を得て往きて戌中の戊土を制して、而(しか)も戊土はまた天干に透出して之と相持(そうじ)するは、この時便ち丙火を用いてその間を調和す——火はすでに土を生じて戊を助け、また能く水を暖む——この一格は清貴なること極點に到る。まさに「一將關に當たりて、群邪自ら伏す」の氣象に合す。もし丙火・戊土ともに見ざれば、それは則ち妙と算(かぞ)うべからず。
或一派戊土,無一己庚雜亂,得一甲透時干,玉堂清貴,即甲透月上,亦主科甲,若支藏己土,一榜可圖,或庚乏丁,貧賤之人。或丁透見甲,略貴。或水多乏丙者,又用戊土,常人。九月壬水,栽用甲木,次用丙火,用土者,火妻土子。
もし滿盤に戊土ありて、而(しか)も己土・庚金の來て混雜するなくば、一箇の甲木を得て時干に透して往きてそれを疏するは、これは玉堂・清貴の命なり。たとい甲木は月干に透するも、また科甲を主どる。もし地支に別に己土を蔵してその間に摻雜(さんざつ)すれば、還(ま)た一榜を圖(はか)るべし。もし庚金ありて丁火の來てそれを制するを缺けば、便ち貧賤の人なり。もし丁火透出してまた甲木の相生するを見れば、略(ほんのすこ)し貴氣あり。もし水多くして丙火を缺くは、好(この)むしかず改めて戊土を用いて水を制す。これは則ちただ常人なり。九月の壬水は、專ら甲木を取り、其次に丙火を用いる。土を取りて用と為すは、火を以て妻星と為し、土を以て子星と為す。
時日月年:辛壬戊兩,丑戌戌寅。時日月年:甲壬戊辛,辰戌戌丑。
以下の二造はなお「時・日・月・年」の順に横列す。第一造。丙寅年・戊戌月・壬戌日・辛丑時(原文の年干「兩」は當に「丙」と為すべし)——兩戌一丑は、土は重く水を壓(お)し、寅中の甲木は暗々(くらくら)としてそれを疏し、年干の丙火は中に居りて調和す。まさに「一甲を見て戌中の戊を制し、斯く丙火を用う」の説に合す。第二造。辛丑年・戊戌月・壬戌日・甲辰時——甲木は時干に透して土を疏し、辛金はまた能く水を生ず。これは九月壬水の専ら甲木を用いるの正例なり。
十月壬水・亥月に生ず
十月壬水司權,至旺之極,取戊為用,若生辰日干,又見辰時,必須戊透,又須庚制甲,不傷戊土,戊庚兩全,定主登科及第,位顯權高,或甲出制戊,不見庚救者,斷之困窮,戊藏無制,可許生員,或戊庚兩透無甲者,亦主榮顯。
十月は亥を建つ。壬水は權を司(つかさど)り、旺して極處に到る。戊土を取りて用と為して堤を築く。もし日支は辰にして時支また辰なれば、辰は水庫にして中に乙木を蔵す。則ち必ず須(すべか)らく戊土の透出を要し、還(ま)た須(すべか)らく庚金の往きてあの甲乙の木を制して、木をして戊土を傷らざらしむべし。戊・庚の兩全するは、必ず科に登り第に及して、位は顯く權は高し。もし甲木干に出て戊土を克壞して、而(しか)も庚金の來て救うを見ざれば、その一生の困窮を斷ず。戊土はただ蔵して木の來てそれを克するなきは、一箇の生員を許すべし。もし戊庚兩透して甲木なければ、また榮顯を主どる。
或支木局,有甲乙出干,得庚透者,富貴,無庚者,平常。或支成水局,不見戊己,名潤下格,運行西北,大富貴,行東南者,必危。或丙戊兩透,行火土運,名利雙全,或有丙無戊,可云衣祿,有戊無丙,難許推盈,十月壬水,專用戊丙,次取庚金。
もし地支が木局を會成し、天干にまた甲乙の出て來て水を泄らすあれば、庚金を得て透出して木を制するは富貴を主どり、庚金なきはただ平常なり。もし地支が水局を會成して、而(しか)も戊己土の往きてそれを阻(はば)むを見ざれば、「潤下格(じゅんかかく)」と呼ぶ。行運は西北金水の地に走れば、大富大貴なり。もし東南木火の地に走りて往きてその性に逆えば、必ず危難あり。もし丙火・戊土の兩透にして火土の運に行けば、名利雙全なり。丙火ありて戊土なきは、以て一份の衣祿ありと説くべし。戊土ありて丙火なきは、寒水は堤防ありといえど暖氣なし。また他家業の豐盈なるを許し難し。十月の壬水は、專ら戊土・丙火を用い、其次に庚金を取る。
時日月年:庚壬丁庚,戌戌亥子。時日月年:辛壬辛壬,亥子亥申。
以下の二造はなお「時・日・月・年」の順に横列す。第一造。庚子年・丁亥月・壬戌日・庚戌時——兩戌の中の戊土はまさに堤と作すに好く、年時の兩庚は水の源を發し、月干の丁火は局を暖む。配合は「戊庚兩全」に近し。第二造。壬申年・辛亥月・壬子日・辛亥時——滿盤に金水にして、戊己の來て阻(はば)むを見ず。まさに「潤下格」の樣子なり。行運は須(すべか)らく西北に走らばこそ好し。
十一月壬水・子月に生ず
十一月壬水,陽刃幫身,較前更旺,先取戊土,次用丙火,丙戊兩透,富貴榮華,有戊無丙,略可言富,有丙無戊,好謀無成。或支成水局,丙不出干,即有戊土,亦係庸人,或丙透得所,即戊藏支,亦可顯達,須運得用方妙。
十一月は子を建つ。子は壬水の陽刃にして、身を幇けるの力は十月に比ぶるにさらに強し。だから先ず戊土を取りて水を制し、其次に丙火を用いて凍を解く。丙・戊の兩透するは、富貴・榮華なり。戊土ありて丙火なきは、略(ほんのすこ)し一箇の富の字を説くべし。丙火ありて戊土なきは、能く謀劃するといえど事を成し難し。もし地支が水局を會成して、而(しか)も丙火は干に出ざれば、たとい戊土ありとも、またただ庸人なり。もし丙火は透してその位を得れば、たとい戊土はただ支中に蔵するも、また顯達すべし。ただし總(すべ)て須(すべか)らく行運は用神の地に走り到らばこそ妙なれ。
或支成火局,一富而已。或比見月時,年見丁火,平常之輩,支成四庫,富貴中人,或丁出時干,名為爭合,主名利難成。或壬子日,丁未時,雖不能科甲,亦有恩榮,何也,蓋用子中癸水為宮,號曰用神得地,亦主榮華。十一月壬水,丙戊並用。
もし地支が火局を會成し、財は旺にして身は寒なれば、また過ぎず一箇の富の字を得るのみ。もし月干・時干ともに比肩にして、年干に卻(かえっ)て丁火を見れば、兩壬は一箇の丁を爭う。これは平常の輩なり。地支もし辰戌丑未の四庫と成れば、土は能く水を制す。則ちこれ富貴の中の人なり。もし丁火は時干に出て、日主と相合して月の上にまた比肩ありて來て爭えば、「爭合(そうごう)」と呼ぶ。名利は成り難きを主どる。もし是れ壬子の日に丁未の時を配すれば、能く科甲せざるといえど、また恩榮あり。何を以(もっ)てか。子中の癸水を取りて用神の宮と作して作用すれば、「用神は地を得」と呼ぶ。これはまた榮華を主どる。十一月の壬水は、丙火・戊土を併用す。
時日月年:壬壬壬壬,寅寅子寅。時日月年:甲壬壬壬,辰子子子。
以下の二造はなお「時・日・月・年」の順に横列す。第一造。壬寅年・壬子月・壬寅日・壬寅時——四壬は並透して地支は三寅。水は旺にして木は多し。全く寅中の丙火・戊土の暗に蔵して用と為るに靠(よ)る。第二造。壬子年・壬子月・壬子日・甲辰時——三壬三子は、水は旺して極處に到る。ただ時干の甲木の水を泄らし、辰土の略(ほんのすこ)し蓄(たくわ)うるあるのみ。すでに丙火なくまた戊土なし。まさに水旺にして制なきの一類なり。
十二月壬水・丑月に生ず
十二月壬水,旺極復衰,何也,上半月癸辛主事,故旺,專用丙火,下半月己土主事,故衰,亦用丙火,甲木佐之。有丙解凍,名利雙全,丙透甲出,科甲之貴,然四柱無壬,方妙,無丙,單寒之士。
十二月は丑を建つ。壬水は旺極より轉じて衰と為る。何を以(もっ)てか。丑月の上半月は癸水・辛金の事を當たるがゆえに、なお旺なり。この時專ら丙火を用いて凍を解く。下半月は己土の事を當たるがゆえに、轉じて衰と為る。なお舊(ふる)く丙火を用い、さらに甲木を以て輔佐と作して土を疏す。丙火ありて凍を解くは、名利雙全なり。丙火は透して甲木もまた出(い)づるは、これは科甲の貴なり。ただし還(ま)た須(すべか)らく四柱に別の壬水の來て奪い分けて寒を增するなかれば、こそ妙と算(かぞ)え。一點の丙火もなきは、ただ一箇の孤寒の士なり。
或四柱多壬,戊透制之,衣衿可望。或丁出時干,化合成木,月干又見丁火,無癸破格,亦主富貴。或支成金局,不見丙丁,名金寒水冷,一世孤貧,見火略可,即丙透遇辛,亦不為妙,見丁頗吉。
もし四柱に壬水多くして、戊土あって透出して來てそれを制すれば、一領の衣衿は朢むべし。もし丁火は時干に出て、日主と合して木を化し、月干にまた丁火を見て來て相助け、且(か)つ癸水の出て來てこの化格を破るなくば、また富貴を主どる。もし地支が金局を會成して、而(しか)も丙丁の二火ともに見ざれば、「金寒水冷(きんかんすいれい)」と呼ぶ。一世は孤貧なり。火を見れば便ち略(ほんのすこ)し好しといえど、ただし丙火透出してもし辛金の來て合するに遇えば、また妙と為らず。倒(とう)って丁火を見るは頗(すこぶ)る吉なり。
臘月壬水,先取丙火,丁甲為佐,故水冷金寒愛丙丁,用火者,木妻火子。水旺居垣須有智,水土混雜必愚頑,壬癸路經南域,主健,富貴堪圖,又云,惟有水木傷官格,才官相見始為歡。
臘月の壬水は、先ず丙火を取り、丁火・甲木を輔佐と作す。だから「水冷金寒は、最も丙丁を愛す」と説く。火を取りて用と為すは、木を以て妻星と為し、火を以て子星と為す。古歌にまた説く。水旺にして本垣に居るの人は必ず智慧あり。水と土と混雜するは必ず愚頑なり。壬癸水の命は行運は南方火地を經過せば、かえって身強を主どり、富貴は圖(はか)るべし。また説く。ただ「水木傷官」のこの一格のみ、要して財星・官星ともに見え着(つ)かば、こそ人をして歡喜せしむ。
癸水を論ず
正月癸水・寅月に生ず
正月癸水,值三陽之後,雨露之精,其性至柔,先用辛金,生癸水之源,次用丙火照暖,名陰陽和合,萬物發生,辛丙兩透,金榜有名。
正月は寅を建つ。三陽はすでに生じ、癸水は雨露の精華にして、性質は極めて柔弱なり。だから先ず辛金を用いてその源頭と作して水を生じ、其次に丙火を用いて照らし暖む。「陰陽和合(いんようわごう)」と呼ぶ。如此(しか)してこそ萬物は能く生發す。辛・丙の兩透するは、金榜に名あり。
或支成火局,辛金受傷,有壬出救者,富貴,無壬者,貧窮,或丙出天干,辛在酉丑,亦有衣衿,若辛丙皆無,貧寒下格,或辛透丙藏,恩榮之造,丙辛在柱,以富得官。
もし地支が火局を會成し、辛金は火に傷せられん。この時壬水あって干に出て來て救うは、富貴を主どる。壬水なきは、貧窮なり。もし丙火は天干に出で、而(しか)も辛金は酉あるいは丑に坐りて根あれば、また一領の衣衿あり。もし辛丙ともになければ、これは貧寒の下格なり。もし辛金は透して丙火は蔵するは、恩榮を受くるの造なり。丙・辛は同じく柱中に在りて相合するは、多半は家資に靠(よ)りて捐納して官を得る。
或戊透月上,坐辰時,不見比劫,丙丁出干,此為化合,定主腰金,見刑沖,則否。或支成水局,宜有丙透,無壬者,衣祿不少,若見丙火重重,又作貴推。
もし戊土は月干に透して、日主はまた辰時に坐すれば、戊癸は相合して辰は化氣の根と為る。柱中に比肩・劫財の來て爭うを見ず、丙丁火はまた干に出て化を助くれば、これは便ち「化合」の格なり。必ず金帶を腰に繫ぐるの顯貴を主どる。ただし一たび刑冲の破壞を見れば、便ち成らず。もし地支が水局を會成し、水は寒く身は冷たければ、宜しく丙火の透出して照らし暖むるあらんことを。たとい壬水なくとも、衣祿は少なからず。もし丙火の重重を見れば、さらに貴格を按じて推すべし。
正月癸水,辛金為主,庚金次之,丙亦可少,若無庚辛,雖有丙火,無用之人,或火多土多,殘疾不免。用辛者,土妻金子。
要するに正月の癸水は、辛金を以て主と為し、庚金は之に次ぎ、丙火は倒(とう)って還(ま)た少なかるべし。もし庚辛あって水の源と作さざれば、たとい丙火の照らし暖むるありとも、源頭はすでに断たる。これはまた一箇の無用の人なり。もし火多く土多くして、克泄は交加せば、殘疾は便ち免れず。辛金を取りて用と為すは、土を以て妻星と為し、金を以て子星と為す。
二月癸水・卯月に生ず
二月葵水,不剛不柔,乙木司令,洩弱元神,專用庚金為用,辛金次之,庚辛俱透,無丁出干者,貴由科甲,無庚辛者常人。
二月の癸水は(原文の「葵」は「癸」の訛なり)、剛ならずまた柔ならず。卯月は乙木は司令して、癸水の元神を泄らし弱めん。だから專ら庚金を用いて用と為す——庚金は能く木を制し、また能く水を生ず——辛金は之に次ぐ。庚・辛ともに透して、而(しか)も丁火の干に出て來て金を克するなきは、科甲より貴を取る。庚辛ともになきは、ただ常人なり。
或庚透辛藏,榮封有準,庚藏辛透,亦有衣衿,庚辛兩藏,富中取貴,或刀筆揚名,或庚辛重見,有己丁出干者亦貴。或支成木局,月時又見木者,為洩水太過,定主貧困多災,即運入西方,亦屬無用。
もし庚金は透して辛金は蔵するは、榮封は準あり。庚金は蔵して辛金は透するは、また一領の衣衿あり。庚辛はともにただ支中に蔵するは、能く富の中より貴を取り、あるいは刀筆(とうひつ)に憑りて名を揚ぐ。もし庚辛は重重に出現すれば、金は多く水は濁(にご)る。この時己土・丁火あって干に出ずれば——土は能く水を止め、火は能く金を煉る——また貴を主どる。もし地支が木局を會成し、月干・時干にまた皆木を見て、水を泄らすに太過なれば、必ず貧困・多災を主どる。たとい行運は西方金地に進入するも、また補救するに及ばず。
時日月年:癸癸癸丁,丑亥卯未。時日月年:癸癸癸丁,丑卯卯亥。時日月年:庚癸己庚,申酉卯子。
以下の三造はなお「時・日・月・年」の順に横列す。第一造。丁未年・癸卯月・癸亥日・癸丑時——三癸は並透して卯未は木を拱して水を泄らし、年干の丁火は財と為る。全く庚辛あって源と作すなし。まさに「泄水太過」の一類なり。第二造。丁亥年・癸卯月・癸卯日・癸丑時——兩卯は水を泄らし、比肩は多きといえど金の相生するなし。上の造と同じく病む。第三造。庚子年・己卯月・癸酉日・庚申時——兩庚は干に透し、申酉は根と為す。金水は相生して己土はまた能く水を止む。まさに二月癸水の「専用庚金」の法に合す。
三月癸水・辰月に生ず
三月癸水,要分清明穀雨,清明後,火氣未熾,專用丙火,為陰陽合諧,穀雨後,雖用丙火,尚宜辛甲佐之。
三月は辰を建つ。要して清明と穀雨との兩段を分かちて看る。清明以後は、火氣はなお熾烈(しれつ)ならず。專ら丙火を用い、その陰陽の調諧(ちょうかい)するを取る。穀雨以後は、なお舊(ふる)く丙火を用いるといえど、還(ま)た宜しく辛金と甲木との輔佐あるべし——辛金は水を生じて以て源を補い、甲木は辰を疏して以て水を衛(まも)る。
如辛卯,壬辰,癸未,丙辰,生上半月,用丙火,顯達,生下半月,必無傷辛金癸水,方妙,然丙亦不可少,用丙,木妻水子。
譬(たと)えば辛卯年・壬辰月・癸未日・丙辰時のこの一造のごとし。もし上半月に生まれれば、丙火を用いて便ち顯達すべし。もし下半月に生まれれば、則ち必ず須(すべか)らく辛金と癸水とがともに傷克を受けざらば、こそ妙と為す。ただし丙火は同じくまた缺くべからず。丙火を取りて用と為すは、木を以て妻星と為し、水を以て子星と為す。
三月癸水,從化者多,得化者榮祿,不化者平常。或支成水局,又見己土,無木,乃假殺格,有甲出者,常人。或支坐四庫,又得甲透,可謂顯達名揚,無甲者僧道孤苦。
三月の癸水は、從化(じゅうか)の一路に走るは多し——辰月は戊土は令を當たり、戊癸は最も合化し易し。化して成り得るは榮祿を享け、化して成らざるはただ平常なり。もし地支が水局を會成し、また己土の來て水を制するを見て、而(しか)も木の往きてそれを疏するなきは、これは「假殺格」なり。この時もし甲木あって干に出てこの假殺を破れば、かえってただ常人なり。もし日主は辰戌丑未の四庫の上に坐し、土は重く水を壓(お)し、また甲木を得て透出して土を疏せば、以て顯達・名を揚ぐと説くべし。甲木なきは、便ち僧道・孤苦の命なり。
或支成木局,無金,名傷官生才格,主聰明博學,衣祿充饒。三月癸水,辛甲皆酌用,下半月,土妻金子。
もし地支が木局を會成して、而(しか)も金の來て木を克するなきは、「傷官生財格(しょうかんしょうざいかく)」と呼ぶ。人は聰明・博學にして、衣祿は豐饒なりを主どる。三月の癸水は、辛金と甲木とは倶(とも)に斟酌して取り用い得べし。下半月に生まるるは、土を以て妻星と為し、金を以て子星と為す。
時日月年:辛癸甲丁,酉亥辰酉。時日月年:甲癸壬丙,寅巳辰寅。時日月年:辛癸丙戊,酉丑辰午。時日月年:丙癸壬丙,辰丑辰寅。
以下の四造はなお「時・日・月・年」の順に横列す。第一造。丁酉年・甲辰月・癸亥日・辛酉時——辛金は時干に透して源と作し、甲木は干に出て辰土を疏し、日主は亥に坐して根あり。まさに穀雨後の「辛甲之を佐(たす)く」の説に合す。第二造。丙寅年・壬辰月・癸巳日・甲寅時——丙火は年上に在りて照らし暖め、甲木は土を疏し、壬水は身を幇く。これは上半月に丙を用いるの樣子なり。第三造。戊午年・丙辰月・癸丑日・辛酉時——丙火は月に透し、辛金は時に透し、年干の戊土はまた來て癸を合す。三月癸水の從化の一路に屬す。第四造。丙寅年・壬辰月・癸丑日・丙辰時——兩丙は照らし暖めて壬水は身を幇け、兩辰は水を蓄(たくわ)う。暖と潤と兩得なり。
四月癸水・巳月に生ず
四月癸水,喜辛金為用,無辛用庚,若辛高透,不見丁火,加以壬透,主科名榮貴,聲播四夷,若有丁破格,貧無立錐,有壬可免,辛藏無丁,貢監衣衿。
四月は巳を建つ。火は旺にして水は涸(か)れ、癸水は辛金を喜び用いて源と作す。辛金なくば則ち庚金を用いる。もし辛金は高透して、また丁火の來てそれを克するを見ず、さらに壬水を加えて透出して身を幇けて火に抗せば、科名・榮貴を主どり、聲名は四方に傳わる。もし丁火ありてこの格を破れば、則ち窮して錐を立つるの地なし。ただし壬水あればまた以て免るべし。辛金はただ蔵して丁火の來て克するなきは、また貢監の衣衿あり。
或一派火土乏辛,即有巳庚,亦不能生水,又無比肩羊刃,必至熬乾癸水,損日無疑。
もし滿盤に火土にして辛金を缺けば、たとい巳中に長生の庚金を蔵するも、火は旺にして土は燥(かわ)き、それは水を生じ出す能くさず。また比肩・羊刃の身を幇けるなければ、必ず癸水を熬(あぶ)り乾(ほ)すに至る。日主を損傷するは疑いなきなり。
艾壬兩透,洩制火土,名劫印化晉,極貴之造,有丁見干者,則否,如有庚無壬,亦無丁破金者,堪入儒林,有庚無辛者,異路功名,總之四月癸水,專用辛金方妙。
もし庚金と壬水と兩透せば(原文の「艾」は「庚」の訛なり)、一面は火土の勢を泄らし去り、一面は炎威を制し住(とど)む。「劫印化晋(こういんかしん)」と呼ぶ。これは極貴の造なり。もし丁火ありて天干に見えて來て金を克せば、便ち成らず。たとし庚金ありて壬水なけれども、ただまた丁火の金を破るなければ、還(ま)た以て儒林に入るべし。庚金ありて辛金なきは、則ち異路の功名に屬す。要するに四月の癸水は、專ら辛金を用いてこそ妙なれ。
五月癸水・午月に生ず
五月癸水,至弱無根,必須庚辛為生身之本,但丁火司權,金難敵火,安能滋養癸水,宜見比劫,方得辛金之用,五月癸水,庚辛壬參酌並用可也。
五月は午を建つ。癸水は弱して極處に到りて根なし。必ず須(すべか)らく庚辛金を以て身を生ずるの根本と作す。然(しか)るに丁火は權を司(つかさど)り、金は火に抵(あた)えず。又(ま)た何ぞ能く癸水を滋养せん。だから宜しく比肩・劫財を見て來て身を幇けて火を分かち、辛金はこそ作用を發揮し出すを得。五月の癸水は、庚金・辛金・壬水の三樣を參酌して併用すれば便ちよし。
如庚辛透干,又見壬癸者,定主鍾鼎名家,或有金透,支見申子辰者,亦主金榜掛名,或無水出干,支只一水,雖有庚辛,一富之造,故曰,水源會,富重貴輕,又曰,金水會夏天,富貴永無邊,運行火土地,快樂似神仙。
もし庚辛金は干に透して、また壬水・癸水を見て身を幇けば、必ず鐘鳴鼎食(しょうめいていしょく)の名門を主どる。もし金あって干に透して、地支にまた申子辰を見て水局を會成せば、また金榜に名を掛くを主どる。もし天干に水の出ずるなく、地支にただ一點の水あるのみなれば、たとい庚辛あって源と作すも、またただ一箇の富命なり。だから説く。「水源は會すといえど、富は重くして貴は輕し。」また説く。「金水は夏天に相會すれば、富貴は邊(へり)なし。行運はさらに火土の地に走れば、快樂は神仙に似たり。」
或支成炎局,無壬出干,定主僧道,或二壬一庚同透,衣錦腰金。或一派己土,無甲出制,此作從殺而論,又主大貴,凡從殺者,切不可破格方吉。
もし地支が火局を會成して、而(しか)も壬水の干に出て炎を解するなければ、必ず僧道を主どる。もし兩箇の壬水に一箇の庚金を配して一同に透出せば、則ち衣錦・腰金なり。もし滿盤に己土にして甲木の出て來てそれを制するなければ、日主は恃(たの)むべき根なし。便ち「從殺」を按じて論ず。かえって大貴を主どる。およそ從殺格に入るは、切(せつ)に物の來て格を破るあるべからず。破らざればこそ吉なれ。
六月癸水・未月に生ず
六月癸水,有上下月之分,下半月庚辛有氣,上半月庚辛休囚,凡六癸日,多不驗者,何也,俗士不知此理,因未中有乙巳同宮,破而不破,故癸水不能從殺,所以專用庚辛。
六月の癸水は要して上下半月を分かつ。下半月は庚辛金は漸く氣あり。上半月は庚辛金はなお休囚(きゅうしゅう)に在り。およそ六箇の癸日に生まるるの人は、斷ずるに多く驗(あた)らざるあり。何を以(もっ)てか。俗師はこの道理を明白せず——未中に乙木を蔵して己土と宮を同じくす(原文は「乙巳」と作る)。乙木は能く己土を克す。だから未土のこの七殺は「破りて破らず」なり。癸水は便ち眞に殺に從う能くさず。このゆえになお舊(ふる)く專ら庚辛金を用いて源と作す。
如上半月金神衰弱,火氣炎烈,宜比劫助身,可云富貴,與五月一理,下半月庚辛有氣,即無比劫亦可,又忌丁透,即丁在支亦不吉,其生剋制化,與五月略同。
上半月は金神は衰弱して火氣は炎烈なり。宜しく比肩・劫財あって來て身を幇けて火を分かたば、また以て富貴と稱すべし。道理は五月と一樣なり。下半月は庚辛は氣あり。たとい比劫なきもまた行(ゆ)くべし。この月はまた丁火の透出して金を克するを忌む。たとい丁火はただ地支に在るのみなるも、また吉と為らず。その中の生克制化の道理は、五月と大略同じ。
時日月年:庚癸癸乙,申未未酉。時日月年:丙癸辛己,辰未未未。
以下の二造はなお「時・日・月・年」の順に横列す。第一造。乙酉年・癸未月・癸未日・庚申時——庚金は時干に透してまた申に坐して祿を得、年支の酉金は源と為り、月干の比肩は身を幇く。まさに六月癸水の専ら庚辛を用いるの樣子なり。第二造。己未年・辛未月・癸未日・丙辰時——三未は土重く殺と為り、辛金は干に透して水を生じ、時干の丙火は財と為り、辰庫は水を蓄(たくわ)う。土は重きといえど金水の相生に頼(たの)む。
七月癸水・申月に生ず
七月癸水,正母旺子相之時,癸雖死申,殊不知申中有庚生之,名死處逢生,弱中復強,即運行西北,亦不死也,但庚司令,剛銳極矣,必取丁火為用。
七月は申を建つ。まさに母旺・子相の時候なり。癸水は申位に死すと説くといえど、知らず申中に庚金を蔵して來てそれを生ずるを。これを「死處に生に逢う」と呼ぶ。弱中にまた轉じて強と為る。たとい行運は西北金水の地に走り到るも、また眞に死せず。ただし庚金は司令して、剛銳なること極處に到る。金多ければ則ち水は濁(にご)る。必ず須(すべか)らく丁火を取りて用と為して往きてそれを煆制すべし。
或丁透有甲,名有焰之火,必主科甲,或丁透無甲,又無壬癸,即有一二庚金,亦有生監,有二丁更妙,或金多乏丁制者,貧困之人。
もし丁火透出して柱中に甲木あってそれを引けば、「焰あるの火」と呼ぶ。必ず科甲を主どる。もし丁火は透して甲木なく、また壬癸水の來てそれを奪うなければ、たといただ一兩箇の庚金あるのみなるも、また生員・監生の分(ぶん)あり。能く兩箇の丁火あればさらに妙なり。もし金多くして丁火のそれを制するを缺けば、母は多くして子は病む。便ち貧困の人なり。
或一丁坐午,名獨才格,主金玉滿堂,富中取貴,若在未戌,則是常人,或柱見二戌二未,又得丙丁藏支,干見甲出,無水,亦作富貴而推。
もし一箇の丁火あって午上に坐せば、火は祿根ありて獨用す。「獨財格(どくざいかく)」と呼ぶ。金玉は堂に滿つるを主どり、能く富の中より貴を取る。もしこの丁火はただ未あるいは戌上に坐せば、根氣は單薄(たんぼ)なり。便ちただ常人なり。もし柱中に兩箇の戌・兩箇の未を見て、また丙丁火を得て支中に蔵し、天干にさらに甲木あって出て來て土を疏して、而(しか)も水の來て混雜するなければ、また富貴を按じて推す。
時日月年:甲癸戊丁,寅卯申酉。時日月年:乙癸庚戊,卯未申午。時日月年:辛癸丙辛,酉酉申酉。
以下の三造はなお「時・日・月・年」の順に横列す。第一造。丁酉年・戊申月・癸卯日・甲寅時——年干の丁火は財と為り、時干の甲木は丁を引き、寅卯の木はまさにこの點の火焰の柴薪なり。「丁透して甲あり」の説に合す。第二造。戊午年・庚申月・癸未日・乙卯時——午中の丁火は用と為り、庚金は司令して水を生じ、乙木は火を引き、年干の戊土は殺と為る。第三造。辛酉年・丙申月・癸酉日・辛酉時——三酉一申は、金は多く水は濁(にご)りて獨り丙火の干に透するあり。金は多くして火を以て金を制するの一路に屬す。
八月癸水・酉月に生ず
八月癸水,辛金虛靈,非頑金可比,正金白水清,故取辛金為用,丙火佐之,名水暖金溫,如丙與辛隔位同透,主科甲功名,或丙透辛藏,一榜之士,或土多克水,生意中心,八月癸水,丙辛怕用。
八月は酉を建つ。辛金は虛靈・秀氣にして、頑鈍の金の比すべきにあらず。まさに「金白水清」の時節なり。だから辛金を取りて用と為し、丙火を輔佐と作す。「水暖金温(すいだんきんおん)」と呼ぶ。もし丙火と辛金と位を隔てて同時に透出せば——位を隔たれば則ち相合せず、兩者は各々その用を盡(つ)くす——科甲の功名を主どる。もし丙火は透して辛金は蔵するは、一榜に中(あた)るの士なり。もし土多くして來て水を克せば、この人は便ちただ生意の場中に在りて經營す。要するに八月の癸水は、丙火・辛金を併用す(原文の「怕用」は當に「并用」と為すべし)。
時日月年:丙癸乙庚,辰亥酉寅。時日月年:癸癸丁辛,亥巳酉酉。
以下の二造はなお「時・日・月・年」の順に横列す。第一造。庚寅年・乙酉月・癸亥日・丙辰時——時干の丙火は照らし暖め、年干の庚金は水の源を發し、日主は亥に坐して祿を得。まさに「水暖金温」の配法なり。第二造。辛酉年・丁酉月・癸巳日・癸亥時——兩酉は水を生じて月干の丁火は辛を克す。比肩は身を幇くるも、配合は上の造の清きに及ばず。
九月癸水・戌月に生ず
九月癸水,失令無根,戊土司權,剋制太過,專用辛金發水之源,要比肩滋甲制戊方妙。或辛甲兩透,支見子癸,定主平步青雲,或癸甲兩透,富貴成名,或有甲辛無癸者,亦有恩封,或有甲癸無辛者,富大貴小,有甲無癸辛者,常人,二者俱無,貧賤之格。
九月は戌を建つ。癸水は令を失いて根なし。戊土は權を司(つかさど)り、克制は太過なり。だから專ら辛金を用いて水を發するの源と作す。還(ま)た須(すべか)らく比肩あって來て甲木を滋养して、さらに甲木よりして往きて戊土を制せしめば、こそ妙と算(かぞ)うべし。もし辛金・甲木の兩透にして、地支にまた子水を見、天干にまた癸水を見て身を幇けば、必ず青雲を平步す。もし癸水・甲木の兩透せば、富貴にして名を成す。甲木・辛金ありて癸水なきは、また恩封あり。甲木・癸水ありて辛金なきは、富は大にして貴は小なり。ただ甲木ありて癸辛ともになきは、常人なり。甲・辛の兩樣ともに無きは、貧賤の格なり。
或有甲見壬者,頗許衣衿。九月癸水,辛甲並用。
もし甲木あって土を疏し、また壬水を見て身を幇けば、また頗(すこぶ)る能く一領の衣衿を彼に許すべし。要するに九月の癸水は、辛金と甲木とを併用す。辛金はその源を補い、甲木はその病を去る。
時日月年:甲癸丙癸,寅卯戌亥。時日月年:癸癸庚壬,亥丑戌辰。
以下の二造はなお「時・日・月・年」の順に横列す。第一造。癸亥年・丙戌月・癸卯日・甲寅時——甲木は時干に透して戌土を疏き開き、年干の癸水は比肩にして相助け、月干の丙火は局を暖む。まさに「比肩は甲を滋して戊を制す」の意に合す。第二造。壬辰年・庚戌月・癸丑日・癸亥時——庚金は干に透して水の源を發し、壬癸は比劫にして身を幇く。惜しむ所は甲木の來てあの兩重の厚土を疏するなきなり。
十月癸水・亥月に生ず
十月癸水,旺中有弱,何也,因亥搖木,洩散元神,宜用庚辛為妙,得庚辛兩透,不見丁傷者,功名有準。
十月は亥を建つ。癸水は旺を當たるといえど、卻(かえっ)て旺中に弱を帶(たい)す。何を以(もっ)てか。亥中に甲木を蔵し、木は來て搖動して、癸水の元神を泄らし散(ち)らすがゆえに。だから宜しく庚辛金を以て妙と為す——一面は木を制し、一面は水を生ず。庚辛の兩透を得て丁火の來てそれらを克傷するを見ざれば、功名は準あり。
或支成木局,有丁出干,為木旺火相,制住庚辛不生水,必主清寒,或成木局,干見丙丁,異路之榮。或一派壬水,不見戊制,名冬水汪洋,奔波到老,若得戊透,清貴堪誇。或一派庚辛,得丁出制,主名利雙全,若不見丁,又主貧薄。或四柱火多,名才多身弱,富屋貧人。
もし地支が木局を會成し、また丁火あって干に出ずれば、木は旺にして火は相(ほう)す。火は庚辛を制し住(とど)めて、金は便ち水を生ずる能くさず。必ず清寒を主どる。もし同じく木局を成して、而(しか)も天干に見ゆるは丙丁の財星の地を得たるなれば、則ち異路の榮顯を主どる。もし滿盤に壬水にして戊土のそれを制するを見ざれば、「冬水汪洋(とうすいおうよう)」と呼ぶ。一生は奔波して老に至る。もし戊土を得て透出して堤を築けば、便ち清貴にして誇るべし。もし滿盤に庚辛金あれば、金は多く水は濁(にご)る。丁火を得て干に出て金を制するは、名利雙全を主どる。もし丁火を見ざれば、また貧薄を主どる。もし四柱に火多ければ、「財多身弱」と呼ぶ。これは好い房子に住まるの窮人なり。
時日月年:癸癸癸癸,亥丑亥卯。時日月年:壬癸辛壬,子亥亥申。
以下の二造はなお「時・日・月・年」の順に横列す。第一造。癸卯年・癸亥月・癸丑日・癸亥時——四癸は並透し、兩亥は祿と為る。まさに「冬水汪洋」の樣子なり。ただ丑中の己土の略(ほんのすこ)し堤防と作すに頼(たの)む。第二造。壬申年・辛亥月・癸亥日・壬子時——滿盤に金水にして、辛金は干に透して水を生じて制すべき戊土なし。水勢はさらに旺なり。これもまた冬水汪洋の一類なり。
十一月癸水・子月に生ず
十一月癸水,值冰凍之時,金水無交歡之象,專用丙火解凍,庶不致成冰,又要辛金滋扶,無丙有辛,不妙,凡冬季癸水,有丙透解凍,則金溫水暖,兩兩相生,要不見壬透,自然登科及第,紫誥金章。
十一月は子を建つ。まさに冰凍の時に當たり、金と水とは倶(とも)に凍り住(とど)めらる。さらに相生・交歓の氣象なし。だから專ら丙火を用いて凍を解き、こそ堅冰を結ぶに至らざらん。同時に還(ま)た辛金の滋养・扶助するを要す。もしただ辛金ありて丙火なきは、妙と為らず。およそ冬季の癸水は、ただ丙火の透出して凍を解くあらば、金は便ち温く水は便ち暖く、兩下は相生す。さらに要して壬水の透出して來て光を奪い寒を添うるを見ざらば、自然として科に登り第に及して、紫誥・金章の榮を享く。
或一派壬水,無丙出干,寒困之士,一派癸水,孤賤之流,或支成水局,得丙火重出干者,又主蟒袍玉帶之榮。或支成金局,丙火無蹤者,芒鞋革履之流。如辛年,丙月,癸日,有火者,主恩榮寵錫,繞膝芝蘭,無火者,損資得貴,位重當朝。
もし滿盤に壬水にして丙火の干に出ずるなければ、これは寒苦・困頓の士なり。滿盤に癸水なるは、孤苦・低賤の流なり。もし地支が水局を會成して、而(しか)も丙火の重重に干に出でて凍を解くを得れば、また蟒袍・玉帶(まんぽうぎょくたい)の榮顯を主どる。もし地支が金局を會成し、丙火は全く蹤影なければ、金寒水冷。ただ草鞋・皮履を穿ちて奔走するの人なり。譬(たと)えば辛年・丙月・癸日のごときの配置の、柱中に火あるは、恩榮の賞賜を受くを主どり、兒孫は堂に滿ちて芝蘭の膝を繞(めぐ)らすが如し。火なきは、則ち須(すべか)らく資を捐(す)て粟を納めてこそ貴を得。倒(とう)ってまた能く位は當朝に重きなり。
或一派戊己,名殺重身輕,非貧即夭。用火者,木妻火子,用辛者,土妻金子。
もし滿盤に戊己土あれば、「殺重身輕」と呼ぶ。寒土は水を凍らして生機なし。貧寒ならざれば則ち夭亡なり。火を取りて用と為すは、木を以て妻星と為し、火を以て子星と為す。辛金を取りて用と為すは、土を以て妻星と為し、金を以て子星と為す。
十二月癸水・丑月に生ず
十二月癸水,寒極成冰,萬物不能舒泰,宜丙火解凍,或丙透年時,加以壬透,支中多戊,名水輔陽光,主顯達名臣,無戊者,異途之職,若有丙無壬,黌門之客,有壬無丙,戊又出干者,皂隸之流。
十二月は丑を建つ。寒は極處に到りて水は結びて冰と成る。萬物は皆展開するを得ず。だから宜しく丙火を用いて凍を解くべし。もし丙火は年干あるいは時干に透して、さらに壬水を加えて透出し、地支の中にまた多く戊土あって水勢を約束せば、「水は陽光を輔(たす)く」と呼ぶ——一片の水は日輪を映してまた堤に依るあるなり——顯達の名臣を主どる。戊土なきは、ただ異途の職を得るのみ。もし丙火ありて壬水なきは、學宮の裏の書生なり。壬水ありて丙火なく、戊土はまた干に出づるは、便ち衙門の裏にて差を當たるの皂隸(そうれい)の流なり。
或支見子丑,比肩出干,即有丙透,不能解凍,此屬平常,或無癸水,有辛與合,亦不為美,有丁出,頗吉。或一片癸己會黨,年透丁火,名雪後燈光,夜生者貴,日生者否,若無丁火,又主孤貧。
もし地支に子と丑とを見れば、寒氣は最も重し。天干にまた比肩あって出て來て水を助けば、たとい丙火は透出するも、またこの層の凍を解き開く能くさず。ただ平常に屬す。もし柱中に別に癸水を見ずして、而(しか)も辛金ありて丙と相合して丙火を合し住(とど)めば、また美と為らず。この時丁火あって干に出ずれば、倒(とう)って還(ま)た頗(すこぶ)る吉なり。もし滿盤に癸水と己土と朋黨を結成して、而(しか)も年干は丁火を透出せば、「雪後の燈光」と呼ぶ——雪地裏の一點の燈火なり——夜に生まるるは貴を主どり、白日に生まるるは便ち算(かぞ)うに足らず。もし丁火をも兼ねてなければ、また孤貧を主どる。
或支成水局,無丙者,四海為家,一生勞苦。或支成火局,有庚辛透者,衣食充足,無金出,孤苦零丁。
もし地支が水局を會成して、而(しか)も丙火の凍を解するなければ、四海を家と為して一生勞苦す。もし地支が火局を會成し、財は旺にして身は弱なれば、庚辛金あって透出して關を通じ、財を泄らして身を生ずるは、衣食は充足す。金の干に出ずるなきは、孤苦・零丁(れいてい)なり。
或支成金局,丙透得地,名金溫水暖,彼此相生,定許光大門閭,聲馳翰苑,乏丙者,即文章駭世,總為孫山。或支成木局,洩水太過,主殘病呻吟,得金出干輔救,技藝之流。凡冬月用丙,須丙火得地方妙,不然,即重重丙火出干,安能輕許富貴哉。
もし地支が金局を會成して、而(しか)も丙火は透出してまた地を得て根あれば、「金温水暖(きんおんすいだん)」と呼ぶ。金水は彼此相生して、必ず彼に門庭を光大せしめ、聲名は翰苑に馳(は)すと許すべし。丙火を缺くは、たとい文章は世を驚かすも、また終に名は孫山に落つ。もし地支が木局を會成し、水を泄らすに太過なれば、一身は殘病・呻吟(しんぎん)を主どる。もし金を得て干に出て木を克して以て水を救えば、また過ぎず一門の技藝に靠(よ)りて生を謀るの流なり。要するに冬月は丙火を用いるに、必ず須(すべか)らくこの丙火の地を得て根あらばこそ妙なれ。然(しか)らざれば、たとい重重の丙火は天干に出出づるも、虛浮にして根なし。又(ま)た何ぞ能く軽々に彼に富貴を許さんや。
