黄庭内景经
黄庭内景経
道家典籍
まず老子と荘子内篇を読み、列子・文子・淮南子へ進む。道教が「道」をどう修持として書いたかを見るには、陰符経・黄庭・参同契・悟真篇と抱朴子を読む。
黃庭內景經
黄庭内景経
上清章第一
上清章第一
上清紫霞虛皇前太上大道玉晨君閒居蕊珠作七言
上清・紫霞・虚皇の座の前において、太上大道(老子がこの字を借りて万物の本原と運行のあり方を指し示したもので、それ自体は名づけられません)玉晨君が、閑居して蕊珠宮に七言を作りました。
散化五形變萬神是為黃庭曰內篇琴心三疊舞胎仙
五形を散化し、万神を変化する——これがすなわち黄庭で、内篇と称します。琴心三畳して、胎仙を舞い動かし、
九氣映明出霄間神蓋童子生紫煙是曰玉書可精研
九気(万物を構成し貫通する流動するもの)が映え明るく霄漢のあいだより出て、神蓋の下の童子は紫煙を生じます。これを玉書と呼び、精研することができます。
詠之萬過升三天千災以消百病痊不憚虎狼之兇殘
咏誦一万遍すれば三天に昇り、千の災いは消え、百の病いは癒え、虎狼の凶残を恐れず、
亦以卻老年永延
また衰老を却け退け、年寿は永く延びます。
上有章第二
上有章第二
上有魂靈下關元左為少陽右太陰後有密戶前生門
上の頭に魂霊あり、下は関元です。左は少陽、右は太陰。後ろに密戸あり、前は生門です。
出日入月呼吸存元氣所合列宿分紫煙上下三素雲
日出て月入り、呼吸のうちに存想します。元気の会合する所、列宿の分かれる所。紫煙は上下して、これは三素の雲です。
灌溉五華植靈根七液洞流沖廬間回紫抱黃入丹田
五華を灌漑し、霊根を栽植します。七液は洞然として流注し、廬間に沖して達します。紫を回し黄を抱いて、丹田に入ります——本篇に用いる鉛・汞・龍虎・鼎炉・嬰児・姹女の類の名目、および丹田・泥丸・黄庭は、すべて内丹家が外丹の薬物と器具の名を借りて、身中の精・気・神と錬養の部位を指し示すもので、金石の薬物を実指するのではありません。
幽室內明照陽門
幽室の内はおのずから明るく、陽門を照らし見ます。
口為章第三
口為章第三
口為玉池太和官漱咽靈液災不幹體生光華氣香蘭
口は玉池・太和の官です。霊液を漱ぎ咽すれば、災禍は侵し来ません。身体は光華を生じ、気は香蘭のごとく、
卻滅百邪玉煉顏審能修之登廣寒晝夜不寐乃成真
百邪を却け滅ぼし、玉の色に容顔を錬成します。果たして修持できれば、広寒に登ることができます。昼夜寝ずして、始めて真を成し、
雷鳴電激神泯泯
雷鳴り電激しても、神は泯々として安定です。
黃庭章第四
黄庭章第四
黃庭內人服錦衣紫華飛裙雲氣羅丹青綠條翠靈柯
黄庭の内人は錦衣を着て、紫華の飛裙・雲気の羅裳、丹青の緑条・翠色の霊柯、
七蕤玉龠閉兩扉重扇金闕密樞機玄泉幽闕高崔巍
七蕤・玉籥の関に両の門を閉ざし、重なる金闕は枢機を密閉します。玄泉・幽闕は、高く崔巍として、
三田之中精氣微嬌女窈窕翳霄暉重堂煥煥明八威
三田のうちに精気は微細で、嬌女は窈窕として霄暉を遮蔽します。重堂は煥煥として八威を照らし、
天庭地關列釜斤靈臺盤固永不衰
天庭・地関は釜斤を排列し、霊台は盤固として永く衰敗しません。
中池章第五
中池章第五
中池內神服赤珠丹錦雲袍帶虎符橫津三寸靈所居
中池の内神は赤珠を佩び、丹錦の雲袍を着て虎符を帯びます。横津三寸は、霊の居る所です。
隱芝翳鬱自相扶
隠芝は翳郁として、互いに相扶けます。
天中章第六
天中章第六
天中之嶽精謹修雲宅既清玉帝遊通利道路無終休
天中の岳は精謹に修持すべし。雲宅がすでに清浄なれば、玉帝は来りて游びます。道路は通利して終休なく、
眉號華蓋覆明珠九幽日月洞空無宅中有真常衣丹
眉は華蓋と号し、明珠を覆います。九幽の日月は、洞然として空无。宅の中に真あり、常に丹衣を着て、
審能見之無疾患赤珠靈裙華茜粲舌下膺玄生死岸
果たして彼を見ることができれば、疾患ありません。赤珠・霊裙は、華茜として粲然です。舌下に玄を承け、これは生死の岸です。
出青入玄二氣煥子若遇之昇天漢
青を出でて玄に入り、二気は煥発します。あなたがもし彼に遇えば、天漢に昇ります。
至道章第七
至道章第七
至道不煩訣存真泥丸百節皆有神發神蒼華字太元
至道は煩瑣ならず、訣は本真を存守するに在り。泥丸と百節にはみな神あり。髪の神は蒼華と呼ばれ、字は太元です。
腦神精根字泥丸眼神明上字英玄鼻神玉壟字靈堅
脳の神は精根で字は泥丸、眼の神は明上で字は英玄、鼻の神は玉壟で字は霊堅、
耳神空閒字幽田舌神通命字正倫齒神峨峰字羅千
耳の神は空閑で字は幽田、舌の神は通命で字は正倫、歯の神は峨峰で字は羅千、
一面之神宗泥丸泥丸九真皆有房方圓一寸處此中
一面の神はみな泥丸に宗します。泥丸の九真はそれぞれ房あり、方円一寸、ここに処します。
內服紫衣飛羅裳但思一部壽無窮非各別住俱腦中
内に紫衣を着て飛羅裳。ただこの一部を存思すれば、寿は窮りなく、それぞれ別の所に居るのではなく、みな脳の中に在ります。
列位次坐向外方所存在心自相當
位を列して次に坐し、外方に向かいます。存する所は、心と自然に相当します。
心神章第八
心神章第八
心神丹元字守靈肺神皓華字虛成肝神龍煙字臺明
心の神は丹元で字は守霊、肺の神は皓華で字は虚成、肝の神は龍煙で字は台明、
翳鬱導煙主濁清腎神玄冥字育嬰脾神常在字魂停
翳郁して煙を導き、濁と清を主管します。腎の神は玄冥で字は育嬰、脾の神は常在で字は魂停、
膽神龍曜字威明六腑五臟神體精皆在心內運天經
胆の神は龍曜で字は威明。六腑・五臓の神は体中の精で、みな心の裏に天経を運転し、
晝夜存之自長生
昼夜これらを存想すれば、自然に長生します。
肺部間第九
肺部間第九
肺部之官似華蓋下有童子坐玉闕七元之子主調氣
肺部の官は華蓋のようで、下に童子が玉闕に坐します。七元の子は気を調えるを主管し、
外應中嶽鼻臍位素錦衣裳黃雲帶喘息呼吸體不快
外は中岳に応じ、鼻と臍の位置に在り。素錦の衣裳・黄雲の帯。喘息し呼吸し、身体が快ならぬときは、
急存白元和六氣神仙久視無災害用之不已形不滯
急ぎ白元を存想し、六気を調和すべし。神仙は久しく視れど災害ありません。用いて止まざれば、形体は滞塞しません。
心部章第十
心部章第十
心部之官蓮含華下有童子丹元家主適寒熱榮衛和
心部の官は蓮花の華を含むがごとく、下に童子あり、丹元の家です。寒熱を宜しく得、営衛を調和するを主管し、
丹錦飛裳披玉羅金鈴朱帶坐婆裟調血理命身不枯
丹錦の飛裳を着、玉羅を披きます。金鈴・朱帯して坐し婆裟します。血を調べ命を理して、身体は枯竭せず、
外應口舌吐五華臨絕呼之亦登蘇久久行之飛太霞
外は口舌に応じ、五華を吐出します。気絶に臨みて彼を呼べば、また蘇ることができます。久しく実行すれば、太霞に飛び上がります。
肝部章第十一
肝部章第十一
肝部之中翠重裡下有青童神公子主諸關鏡聰明始
肝部のうち、翠色は重なり重なるうちに、下に青童の神公子あり。諸関の鏡を主管し、聡明の起始です。
青錦披裳佩玉鈴和制魂魄津液平外應眼目日月清
青錦の披裳を着、玉鈴を佩びます。魂魄を和制し、津液は平穏です。外は眼目に応じ、日月は清明にして、
百療所鍾存無英同用七日自充盈垂絕念神死復生
百病の集まる所、無英を存想すべし。同じく七日を用いれば、自然に充盈します。垂死に神を念ずれば、死して復た生き、
攝魂還魄永無傾
魂を攝り回し魄を帰して、永く傾覆しません。
腎部章第十二
腎部章第十二
腎部之宮玄陰圃中有童子冥上玄主諸六府九液源
腎部の宮は玄陰の圃で、中に童子あり、冥上玄と呼ばれます。諸の六腑・九液の源を主管し、
外應兩耳百液津蒼錦雲衣舞龍潘上致的霞日月煙
外は両耳に応じ、百液の津です。蒼錦の雲衣を着、龍幡を舞わせます。上に招致する霞、および日月の煙、
百病千災急當存兩部水王對生門使人長生升九天
百病・千災には急いで存想すべし。両部の水王が生門に対し、人をして長生して九天に昇らしめます。
脾部章第十三
脾部章第十三
脾部之官屬戌已中有明童黃裳裡消谷散氣攝牙齒
脾部の官は戌己に属し(底本の「已」は「己」に作るべし)、中に明童が黄裳の裏に在ります。穀物を消化し気を散通し、歯牙を統攝し、
是為太倉兩明童坐在金合城九重方圓一寸命門中
これがすなわち太倉の両の明童で、金合城の九重に坐します。方円一寸、命門のうちに在り、
主調百穀五朱香闢卻虛贏無病傷外應尺宅氣色芳
百谷を調理し五味の朱香を主管します。虚羸を辟却して病傷なく、外は尺宅に応じ、気色は芬芳として、
光華所生以表明黃錦玉衣帶虎章注念三老子輕翔
光華の生ずる所、以て表明します。黄錦・玉衣を着、虎章を帯びます。専一に三老を存念すれば、人は軽々と飛翔し、
長生高仙遠死殃
長生して高仙となり、死殃を遠く離れます。
膽部章第十四
胆部章第十四
膽部之宮六府精中有童子曜威明雷電八振揚玉旌
胆部の宮は六腑の精で、中に童子・曜威明あり。雷電は八方に振い起こり、玉旌を揚げ、
龍旗橫天擲火鈴主諸氣力攝虎兵外應眼童鼻柱間
龍旗は天空を横ぎり、火鈴を擲ちます。諸の気力を主管し、虎兵を統攝します。外は眼中の瞳子・鼻柱の間に応じ、
腦發相扶亦俱鮮九色錦衣綠華裙佩金帶玉龍虎文
脳と髪は互いに扶持して、みな鮮潤です。九色の錦衣・緑華の裙、金を佩び玉を帯び、龍虎の紋あり、
能存成明乘慶雲役使萬神朝三元
存想して光明を成就できれば、慶雲に乗り、万神を役使して三元に朝見します。
碑長章第十五
脾長章第十五
脾長一尺掩太倉中部老君冶明堂厥字靈元名混康
脾は長さ一尺、太倉を掩います。中部の老君は明堂を治め、その字は霊元、名は混康です。
治人百病消谷糧黃衣紫帶龍虎章長枯益命賴君王
人のために百病を治療し、谷糧を消化します。黄衣・紫帯して、龍虎の章あり。長く枯竭する命が増益を得るのは、この君王によるのです。
三呼我名神自通三老同坐各有朋或精或胎別執方
三度我が名を呼べば、神は自然に相通じます。三老は同座し、それぞれ朋伴あり。あるいは精を主り、あるいは胎を主り、分かれて方法を執掌し、
桃孩合延生華芒男女徊尤有桃康道父道母對相望
桃孩は合延して、華芒を生じます。男女は徊游して、ことに桃康あり。道父・道母は相対して相望み、
師父師母丹玄鄉可用存思登虛空殊途一會歸要終
師父・師母は丹玄の郷に在り、存思を以て虚空に登るべし。殊途は一会して、至要の終わりに帰り、
閉塞三關握固停含漱金醴吞玉英遂至不飢三蟲亡
三関を閉塞し、握固して停まります。金醴を含漱し、玉英を呑下します。ここにおいて饑えることなく、三虫は滅亡し、
心意常和致欣昌五嶽之雲氣彭亨保灌玉廬以自償
心意は常に和して欣昌に致ります。五岳の雲気は彭亨として脹満します。玉廬を保养・灌漑して、以て自己を補償し、
五形完堅無災殃
五形は完固にして堅実、災殃ありません。
上睹章第十六
上睹章第十六
上睹三元如連珠落落明景照九隅五靈夜燭煥八區
上に睹れば三元は連珠のごとく、落落として明景は九隅を照らします。五霊は夜に烛照し、八区を煥発し、
子存內皇與我遊身披風衣銜虎符一至不久升虛無
あなたが内皇を存想すれば我と同じく游び、風衣を披き虎符を銜えます。いったん至れば久しからずして、虚無に昇り、
方寸之中念深藏不方不圓閉牖窗三神還精老方壯
方寸のうちに意念を深く蔵し、方ならず円ならず、窓牖を閉ざします。三神は精を還し、老人は壮年に当たり、
魂魄內守不爭競神生腹中銜玉璫靈注幽闕那得喪
魂魄は内に守り、相争競しません。神は腹中に生じ、玉璫を銜えます。霊は幽闕に灌注して、どうして喪失しましょうか。
琳條萬尋可蔭仗三魂自寧帝書命
琳条は万尋あり、蔭庇して倚仗すべし。三魂は自然に安寧し、帝書は性命を書き下します。
靈臺章第十七
霊台章第十七
靈臺鬱藹望黃野三寸異室有上下間闕營衛高玄受
霊台は郁藹として、黄野を望みます。三寸の間に房室は上下あり、間闕・営衛は高玄より受け、
洞房紫極靈門戶是昔太上告我者左神公子發神語
洞房・紫極は、霊の門戸です。これはかつて太上が私に告げた所です。左に神公子が神語を発し、
右有白元並立外明堂金匱玉房間上清其人當吾前
右に白元が竝び外に立ちます。明堂・金匱・玉房の間に、上清その人が我が面前に当たり、
黃裳子丹氣頻煩借問何在兩眉端內俠日月列宿陳
黄裳・子丹は、気は往来して頻煩です。借りて問う、彼はどこに居るや。両眉の端の処に在り。内に日月を挟み(底本の「侠」は「夾」に通ず)、列宿は陳列し、
七曜九元冠生門
七曜・九元は、生門に冠たり。
三關章第十八
三関章第十八
三關之中精氣深九微之內幽且陰口為天關精神機
三関のうちに精気は深沈、九微の内は幽にして陰なり。口は天関で、精神の枢機です。
足為地關生命靡手為人關把盛衰
足は地関で、生命の繋がる所。手は人関で、盛衰を把る所です。
若得章第十九
若得章第十九
若得三官存玄丹太一流珠安崑崙重重樓閣十二環
もし三官を得ば、玄丹を存守すべし。太一・流珠は崑崙に安んぜられ、重々の楼閣は十二の環、
自高自下皆真人玉堂繹字盡玄官璇璣王衡色蘭殲
高きより下に至るまでみな真人です。玉堂・繹字は、ことごとく玄官です。璇璣・玉衡は、色は蘭のごとく、
瞻望童子坐盤恆問誰家子在我身此人可去入泥龍
童子を瞻望すれば坐して盤桓します。問う、誰が家の子ぞ我が身の中に在るや。この人は去りて、泥丸(底本の「龍」は「丸」に作るべし)に入るべし。
千千百百自相連一一十十似重山雲儀五華俠耳門
千千・百百は自ら相連なり、一一・十十は重畳の山のごとし。雲儀・五華は、耳門を挟み、
赤帝黃老與己魂三真挾胥共房津五斗煥明是七元
赤帝・黄老と自己の魂は、三真が挟持して相胥し、共に房津に在り。五斗は煥明して、これがすなわち七元です。
日月飛行六合間帝鄉天中地戶端面部魂神綿相存
日月は飛行して六合の間に在り。帝郷は天中に在り、地戸は端に在り。面部の魂神は綿綿として相存します。
呼吸章第二十
呼吸章第二十
呼吸元氣以求仙仙公公子已可前朱鳥吐縮白石源
元気を呼吸して以て仙を求めれば、仙公・公子はすでに上るべし。朱鳥は吐縮して、白石の源に在り、
結精育胞化生身留胎止精可長生三氣右徊九道明
精を結聚し胞を養育して、此の身を化生します。胎を留め精を止めれば、長生すべし。三気は右に回旋し、九道は光明にして、
正一含華乃充盈遙望一心如羅星金室之下可不傾
正一は華を含み、ここにおいて充盈します。遥かに一心を望めば星の羅列のごとし。金室の下は、傾覆せざるべく、
延我白首反孩嬰
我が白首を延長し、孩嬰に返らん。
瓊室章第二十一
瓊室章第二十一
瓊室之中太素集泥九夫人當中立長谷玄鄉繞郊邑
瓊室のうちに太素は会集し、泥丸夫人は中に立ちます(底本の「九」は「丸」に作るべし)。長谷・玄郷は郊邑を環繞し、
六龍散飛難分別長生至慎房中急何為死作令神泣
六竜は散飛して、分別しがたし。長生の最も慎むべきは、房中の事の急迫なるがゆえ。なんぞ死を作して、神をして哭泣せしめるや。
忽之禍鄉三靈及但當吸氣錄子精寸田尺宅可治生
これを忽略すれば禍郷に入り、三霊もまた波及します。ただ気を吸い、あなたの精を收攝すべし。寸田・尺宅は、以て生命を治むべし。
若當決海百讀傾葉去樹枯失青青氣亡液漏非已形
もし大海を決開すれば、百瀆はみな傾瀉します(底本の「読」は「瀆」に作るべし)。葉が去れば樹は枯竭して、青青を失います。気が亡び液が漏れれば、もはや自己の形体ではありません。
專閉御景乃長寧保我泥龍三奇靈恬淡閉視內自明
心を専らにして閉守し、景象を駕御してこそ、長く安寧を得ます。我が泥丸の三奇の霊を保全します。恬淡にして視を閉じれば、内は自然に光明し、
物物不幹泰而平愨矣匪事老復丁思詠玉書太上清
物々は侵し来ず、安泰にして平らかです。誠悫なるかな、これは事務ではなく、老いてまた壮丁となります。玉書を思咏すれば、太上は清浄です。
常念章第二十二
常念章第二十二
常念三房相通達洞得視見無內外存漱五牙不飢渴
常に念ずる三房は彼此に通達し、洞然として見ることを得て、内外ありません。五牙を存漱すれば、饑えず渇かず、
神華執巾六丁謁急守精室勿妄洩閉而寶之可長活
神華は巾を執り、六丁は来り謁見します。急いで精室を守住して、妄りに泄らすなかれ。閉じて宝と作せば、長く活くべし。
起自形中初不闊三官近在易隱括虛無寂寂空中素
形の中より生起して、初めより闊遠ならず。三官は身辺に近く、隠括し易し。虚無は寂寂として、空の中は素浄です。
使形如是不當汙九室正虛神明舍存思百念視節度
形体をかくのごとくせしめて、汚穢すべからず。九室は正虚して、神明の宅舎です。百念を存思するには、節度を視るべし。
六府修治勿令故行自翱翔入天路
六腑を修治して、陳旧ならしめるなかれ。行走は自然に翱翔して、天路に入ります。
治生章第二十三
治生章第二十三
治生之道了不煩但修洞玄與玉篇兼行形中八景神
治生の道は全く煩瑣ならず、ただ洞玄と玉篇を修習すべし。あわせて形中の八景神を行い、
二十四真出自然高拱無為魂魄安清靜神見與我言
二十四真は自然より出ず(自らそうあり、本来そうであること。「大自然」ではありません)。高く拱して無為(意図的に為すことなく、何もしないという意味ではありません)なれば、魂魄は安穏です。清浄のうちに神は現れて、我と言語し、
安在紫房幃幔間立坐室外三五玄燒香接手玉華前
安処して紫房の帏幔の間に在り。室外に立坐して、三五の玄。香を焼き手を接して、玉華の前に在り、
共入太室璇璣門高研恬淡道之園內神密盼盡睹真
ともに太室・璇璣の門に入ります。高く研味して恬淡なるは、あれは道の園圃です。内神は密かに盼って、ことごとく真を睹見します。
真人在己莫問鄰何處遠索示因緣
真人は自己の身上に在り、隣人に問うなかれ。なんぞ必ずしも遠く尋索して、始めて因縁を指示せんや。
隱影章第二十四
隠影章第二十四
隱影藏形與世殊含氣養精口如朱帶執性命守虛無
影を隠し形を蔵して、世人と同じからず。気を含み精を養い、口は朱紅のごとし。性命を執守し、虚無を守り、
名大上清死錄除三神之樂由隱居倏欻遊遨無遺憂
名は太上清に列して、死録は削除されます。三神の楽しみは隠居によります。倏欻として游遨して、遺留の憂愁なく、
羽服一整八風驅控駕三素乘晨霞金輦正立從玉輿
羽服を一整すれば、八風は駆使します。三素を控駕し、晨霞に乗ります。金輦は正立して、玉輿に跟従します。
何不登山誦我書鬱郁竊竅真人墟入山何難故躊躇
なんぞ山に登って我が書を誦読せざるや。郁郁として窃窍は、これは真人の墟落です。山に入るに何の難かあらん、なおも踌躇するや。
人間紛紛臭帑如
人間は紛紛・擾擾として、臭穢の囊橐のごとし。
五行章第二十五
五行章第二十五
五行相推反歸一三五合氣九九節可用隱地回八術
五行は相推して、返回して一に帰ります。三五は気を合し、九九を以て節と為します。以て地に隠れ、八術を回転すべし。
伏牛幽闕羅品列三明出華生死際洞房靈象鬥日月
伏牛・幽闕は、品第を羅列します。三明は華を出でて、生死の際に在り。洞房・霊象は、斗と日月、
父曰泥丸母雌一三光煥照入子室能存玄真萬事畢
父は泥丸と呼ばれ、母は雌一です。三光は煥照してあなたの室中に入ります。玄真を存守し得れば、万事はすなわち完畢し、
一身精神不可失
一身の精神は喪失すべからず。
高奔章第二十六
高奔章第二十六
高奔日月吾上道鬱儀結磷善相保乃見玉清虛無老
高く奔りて日月に至るは、我が上道です。郁儀・結璘は善く相保全し(底本の「磷」は「璘」に作るべし)、ここにおいて玉清・虚無の老に見ることを得、
可以回顏填血腦口銜靈芒攜五皇腰帶虎錄佩金當
容顔を挽回し、血と脳を填補すべし。口に霊芒を銜え、五皇を携えます。腰に虎籙を帯び、金璫を佩び、
駕欻接生宴東蒙
欻忽を駕して、生命を迎え、東蒙に宴す。
玄元章第二十七
玄元章第二十七
玄元上一魂魄煉一之為物巨卒見須得至真始顧盼
玄元・上一は、魂魄は錬養を得ます。一の物たるや、一瞥して見ること甚だ難し。至真を得てこそ、始めて顧眄し、
至忌死氣諸穢賤六神合集虛中宴結珠固精養神根
最も忌むは死気と諸の穢賤です。六神は会合して、虚の中に宴処します。珠を結び精を固めて、神根を養護し、
玉匙金鑰常完堅閉口屈舌食胎津使我逮煉獲飛仙
玉匙・金鑰は常に完堅。口を閉じ舌を屈して、胎津を食します。我をして時に及んで錬成せしめ、飛仙を獲さしめん。
仙人章第二十八
仙人章第二十八
仙人道士非有神積精累氣以為真黃童妙音難可聞
仙人・道士は別に神通あるにあらず、精を積み気を累ねて始めて真と為ります。黄童の妙音は聞き難く、
玉書繹簡赤舟文字日真人巾金巾負甲持符開七門
玉書・繹簡は、赤舟の文です。字は真人と称し、頭巾は金巾。神甲を背負い符を持して、七門を開き、
火兵符圖備靈關前昂後卑高下陳執劍百丈舞錦幡
火兵の符図は、霊関を備守します。前は昂く後は卑く、高下を陳列します。百丈の剣を執りて、錦幡を舞わせ、
十絕盤空扇紛紜火鈴冠霄墜落煙安在黃闕兩眉間
十絶は空に盤して、紛紜を扇動します。火鈴は霄漢に冠して、煙を墜落させます。安処して黄闕に在り、両眉の間に在り、
此非枝葉實是根
これは枝葉にあらず、実は根なり。
紫清章第二十九
紫清章第二十九
紫清上皇大道君太玄太和俠侍端化生萬物使我仙
紫清・上皇・大道君は、太玄・太和が端旁に夾侍します。万物を化生して、我をして仙と成らしめ、
飛昇十天駕玉輪晝夜七日思勿眠子能行此可長存
十天に飛升し、玉輪を駕ります。昼夜・七日に思存して、睡眠するなかれ。あなたが能くこれを行えば、長く存すべし。
積功成煉非自然是由精誠亦由專內守堅固真之真
功を積んで錬養を完成するは、功を用いずして自然に成るにあらず。精誠により、また専一によります。内守が堅固なれば、これが真中の真なり。
虛中恬淡自致神
虚中に恬淡なれば、自然に神を招致します。
百穀章第三十
百穀章第三十
百穀之實土地精五味外美邪魔腥臭亂神明胎氣零
百穀の果実は土地の精で、五味は外に口を美しくするも、邪魔の腥臭を帯びて、神明を擾乱し、胎気は凋零します。
那從返老得還嬰三魂忽忽魄糜傾何不食氣太和精
どうしてこれによりて老に返り、嬰に還るを得んや。三魂は忽忽として、魄もまた糜爛・傾頽します。なんぞ気を食し、太和の精を食せざるや、
故能不死大黃寧
こうして能く死せずして、大黄寧に安んず。
心典章第三十一
心典章第三十一
心典一體五藏王動靜念之道德行清潔善氣自明光
心は一身の典範で、五臓の王です。動静にこれを念ずれば、道と徳はすなわち運行します——徳(道が人と物に落ち着くその得であり、道徳説教の「品德」ではありません)。清潔・善気は、自然に光明し、
坐起吾俱共棟梁晝日曜景暮閉藏通利華精調陰陽
坐起に我は皆これと共に棟梁を作します。昼は日曜してその景あり、夕は閉蔵します。華精を通利し、陰陽を調和します。
經歷章第三十二
経歴章第三十二
經歷六合隱卯酉兩腎之神主延壽轉降適鬥藏初九
六合を経歴して、卯酉に隠れます。両腎の神は延壽を主管します。転じて斗に降りて、初九に蔵れ、
知雄守雌可無老知白見黑急坐守
雄を知りて雌を守れば、老いざるべし。白を知りて黒を見れば、急いで坐守すべし。
肝氣章第三十三
肝気章第三十三
肝氣都勃清且長羅列六府生三光心精意專內不傾
肝気は勃郁として、清にして長し。六腑を羅列して、三光を生じます。心精・意専なれば、内は傾かず、
上合三焦下玉漿玄液雲行去奧香治蕩發齒煉正方
上は三焦に合し、下は玉漿を為します。玄液は雲のごとく運行して、穢臭を去り、芳香を来たします。髪歯を洗蕩して、正方を錬成し、
取津玄府大明堂下溉喉嚨神明通坐待華蓋遊貴京
玄府・大明堂より津を取りて、下に喉嚨を灌漑すれば、神明は相通じます。坐して華蓋を待ち、貴京に游び、
飄搖三帝席清涼五色雲氣紛青蔥閉日內眄自相望
三帝の席に飄搖して、清涼・爽快です。五色の雲気は紛然として青葱。眼を閉じて内に看れば、自己と自己が相望み、
使心諸神還相崇七玄英華開命門通利天道存玄根
心裏の諸神をして回りて互いに推崇せしめます。七玄の英華は、命門を開きます。天道を通利し、玄根を存守すれば、
百二十年猶可還過此守道誠獨難唯待九轉入瓊丹
一百二十年もなお返還すべし。これを過ぎれば、道を守るは実に独り難し。ただ九転を待って、瓊丹に入り、
要復精思存七元日月之華救老殘肝氣周流終無端
なお再び精思して、七元を存想すべし。日月の華は老残を挽救します。肝気は周流して、終に尽くることなし。
肺之章第三十四
肺之章第三十四
肺之為氣三焦起視聽幽冥候童子調理五華精發齒
肺の成す気は三焦より起こります。視聴は幽冥して、童子を等候します。五華を調理し、髪歯に精しく、
三十六咽玉池裡開通百脈血液始顏色生光金玉澤
三十六度・玉池に津を咽して、百脈を開通すれば、血液は始めて運行します。顔色は光を生じ、金玉の潤沢あり、
齒堅發黑不知白存此真神勿落落當憶此官有座席
歯は堅く髪は黒く、何が白かを知らず。この真神を存想して、落落として離散するなかれ。まさに記うべし、此の官に座席ありと、
眾神合會轉相索
衆神は会合して、展転して互いに尋索します。
隱我章第三十五
隠我章第三十五
隱藏羽蓋看天舍朝拜太陽樂相呼明神八威正辟邪
羽蓋を隠して、天舎を看ます。太陽を朝拜して、互いに呼び合うを楽しみます。明神・八威は、まさに辟邪して、
脾神還歸是胃家耽養靈根不復枯閉塞命門保玉都
脾神は還帰して、これは胃家です。心を専らにして霊根を養護すれば、再び枯竭せず。命門を閉塞し、玉都を保全し、
萬神方胙壽有餘是謂脾建在中官五臟六腑神明王
万神は正しく胙を受けて、寿は余りあり。これを脾が中官に建つと曰います。五臓・六腑は、神明が王となり、
上合天門大明堂守雌存雄頂三光外方內圓神在中
上は天門・大明堂に合します。雌を守り雄を存して、三光を頂きます。外は方法、内は円で、神はその中に在り、
通利血脈五臟豐骨青筋赤髓如霜脾救七竅去不祥
血脈を通利して、五臓は豊盈します。骨は青く筋は赤く、髓は霜のごとし。脾は七竅を救護して、不祥を去り、
日月列布設陰陰兩神相會化玉漿淡然無味天人糧
日月は列布して、陰陽を施設します。両神は相会して、化して玉漿と為ります。淡然として味なく、天人の食糧です。
子丹進饌餚正黃乃曰琅膏及玉霜太上隱環太素瓊
子丹は進めて饌食を上げ、肴はまさに黄なり。ここにおいて琅膏と玉霜と曰います。太上の隠環、太素の瓊、
溉益八液腎受精伏於太陰見我形揚風三玄出始青
八液を灌漑・補益して、腎は精を受けます。太陰に伏して、我が形を見ます。風を揚げ、三玄は始青を出で、
恍惚之間至清靈坐於飈臺見赤生逸域熙真養華榮
恍惚の間に清霊に至ります。飈台に坐して、赤生を見ます。逸域・熙真は、華栄を養護し、
內盼沉默煉五形三氣徘徊得神明隱龍遁芝雲琅英
内に向かって看て、沈黙して五形を錬養します。三気は徘徊して、神明を得ます。隠竜・遁芝は、雲中の琅英、
可以充飢使萬靈上蓋玄玄下虎章
以て饑えを充たし、万霊を役使すべし。上は玄玄を覆い、下に虎章あり。
沐浴章第三十六
沐浴章第三十六
沐浴盛潔棄肥燻入室東向誦玉篇約得萬遍義自鮮
沐浴して盛潔にして、肥腻・熏腥を丢開します。室に入りて東に向かい、玉篇を誦読します。およそ一万遍を得れば、義理は自然に鮮明なり、
散發無慾以長存五未皆至正氣還夷心寂悶匆煩冤
髪を披散して欲望なく、以て長く存せんとす。五味はみな到来し(底本の「未」は「味」に作るべし)、正気は返還します。心を放ちて平らかにし、寂黙にして、煩冤するなかれ(底本の「匆」は「勿」に作るべし)。
過數已華體神精黃華玉女告子情真人既至使六丁
遍数を過ぎれば、すでに華美にして、体と神はともに精純です。黄華・玉女があなたに実情を告げます。真人すでに至れば、六丁を役使し、
即授隱芝大洞經十讀四拜朝太上先謁太帝后北向
随って隠芝・大洞経を伝授します。十度読み四度拝して、太上に朝見します。先ず太帝に謁見して、然るのち北に向かい、
黃庭內經玉書暢授者曰師受者盟雲錦風羅金鈕纏
黄庭・内経は、玉書は通暢します。授ける者を師と曰い、受ける者は盟誓します。雲錦・風羅は、金鈕が纏繞し、
以代割發肌膚金攜手登山敵液丹金書王景乃可宣
以て髪を割き肌膚を刺して金を納るるに代えます。手を携えて山に登り、液丹を対服します。金書・玉景にして、始めて宣示すべし。
