六壬一字诀玉连环
時は日干の財なりの章第一 財を求むるを主る
大六壬典籍
まず起課と三伝を発する機械的な流れを確実にしてから、課体と神煞に入る。起課を飛ばして断語だけ読んでも、書中の例を自分で再現できない。
一字訣玉連環
一字訣玉連環序
老子云:“禍兮福所倚,福兮禍所伏,孰知其極,是何禍福?”聖人猶難,況兀兀之眾?豈能前期之得失,察品物之情狀者哉?此陰陽者流不闕於世也。
『老子』が言うには、災禍の裏には正に福気が倚り、福気の裏にも災禍が潜伏し、誰がその窮極を推究し、どちらの端が禍でどちらの端が福かを説き尽くせようか。この禍福倚伏の理は、聖人をもってしても予め判定し難く、いわんや衆生のごとき懵々懂々たる人においてをや。彼らはどうして予め一事の得失を測知し、天下万物の真実の情状を看ることができよう。正に常人にこの一層の見透かし得ぬがあるがゆえに、陰陽術数を講じ、人のために吉を推し凶を断ずるこの一派が、始終として世に絶えることなきなり。
黃帝軒轅以中式開天下聾瞽,雖為其書,而得其妙用寡矣。近世徐次賓潛心斯道,為人稽吉征凶,委曲詳悉,遂將所得述成一書,題曰《一字訣》,十五門互相發揮,循環不止。又曰《玉連環》,寶之雲意。九逸仙人見其簡略,慨然詳註,覽之者尋源討流,不待《金匱》、《玉函》,已造會要。
伝えるところによれば、軒轅の黄帝が「中式」この起課の法を創出した——月将を占時に加えて天盤を転出し、更に地盤を配して課を成す——それをもって天下の人の聾のごとく瞽のごとき蒙昧を開いた。この学問は典籍の世に伝わるはあれど、真にその精妙なる用を領会する者は甚だ少ない。近世の廬渓人徐次賓は専心してこの道を研治し、人のために吉慶を考求し凶険を検証し、剖析すること曲折して周備なり。ここにおいて自己の得るところを書きて一部の書と為し、題名を『一字訣』とす。全書に十五門を立て、毎門に一つの字をもって一類の課の断法を提挈し、門と門とのあいだ彼此発明し輾転相生し、循環して断絶せず。更にそれに名づけて『玉連環』と為すは、この書がまさに美玉のごとく珍藏すべく、かつその条理が環々相扣えたるを言うなり。九逸仙人はその文辞の過度に簡略なるを嫌い、慨然としてそれのために逐処に詳細なる注解を作し、読者をして流に順い源を遡り、源により流に及ばしめ、更に『金匱』『玉函』の類の繁難なる術数の旧籍を翻検するを用いずして、すでに堂に登り室に入り、六壬の会通を掌握せしめんとす。
金大定二十一年,歲次辛丑,孟冬朔日,翠微樵隱王順謹序
金の大定二十一年、干支紀年は辛丑(公元一一八一年、南宋孝宗の淳煕八年に当たる)、初冬十月初一日、自ら号して「翠微樵隠」という王順が、恭しくこの序を書した。
六壬一字訣玉連環
課式体要
廬溪徐次賓述
以下の正文は廬渓人徐次賓の撰述なり。「廬渓」は彼の籍貫、徐次賓すなわち本書の作者で、前序の中で称許するあの潜心して六壬の学を治むる人はすなわち彼である。
中式大體有八門,一曰先鋒,二曰直事,三曰外事,四曰內事,五曰發端,六曰移易,七曰歸計,八曰變體,曰時、日、辰、年、命、三傳也。
一課の六壬を起こすに(古人は起課を「中式」と称し、すなわち月将を占時に加えて天盤を転出し、地盤に覆して課式を排する)、大体八つの門類に分かれて看るべし。第一を「先鋒門」といい、第二を「直事門」といい、第三を「外事門」といい、第四を「内事門」といい、第五を「発端門」といい、第六を「移易門」といい、第七を「帰計門」といい、第八を「変体門」という。この八門はそれぞれ占時・日干・日支(六壬の中に「辰」と称す)・太歳流年・生年本命と三伝のこれらの位置に落ち、課を看る時便ちこれらの数処より象を取り、吉凶を定む。
先鋒門者,謂所占之正時也,為財、為合、為刑、為害,不待運式而先有所主,故曰先鋒門。
いわゆる「先鋒門」とは、起課に用いるあの「正時」を指し、すなわち占いを求むる当下の時辰である。この時辰は日干に対して言えば、あるいは恰好「財」であり、あるいは「合」であり、あるいは「刑」であり、あるいは「害」である。式盤を転動して四課三伝を排出するを待たずして、単にそれと日干とのこの一層の関係を看れば、占う所の事の主脳はすでに先ず露い出づ。それは譬えば大軍未だ動かざるに先鋒先ず至るがごとく、ゆえに「先鋒門」と曰く。
直事門者,謂天上正時也。假令甲日未時為日下之財。若小吉上乘天空,是虛妄干財也。謂天上正時將直事,故曰直事門。
いわゆる「直事門」とは、天盤上で正時の那一宮の上に圧する神と将を指す。例を挙げて言えば、甲日に課を占い未時に遇うに、未は土に属し、甲木の克する所と為り、正に甲日の「財」なり。しかるに若し天盤の小吉(未)の上に乗るが虚詐を主る「天空」ならば、すなわちこの筆の財は虚妄にして実あらず、財を求めても白い忙しさに過ぎず。これは天盤正時の上の天将が当値して事を弁ずるがゆえに、「直事門」と曰く。
外事門者,以日干為外也。若時與日合為外合,若時與日害則主外憂。蓋日為陽、為尊、為外事,故曰外事門。
いわゆる「外事門」は、日干を取って門外の事を看る。占時がもし日干と相合すれば、便ち外面の事情は和合して順遂なり。占時がもし日干と相害すれば、便ち外面に憂患有るを主る。日干は陽に属し地位は尊と為るをもって、人の外に向かう那一面を代表し、凡そ門外・遠処・公衆の交渉の事はみなそれに帰して管うがゆえに、「外事門」と曰く。
內事門者,以辰為內也。若時與辰害則內憂,若與辰沖即主內動。蓋辰為陰、為卑、為宅、為內事,故曰內事門。
いわゆる「内事門」は、日支(六壬の中に「辰」と称す)を取って門内の事を看る。占時がもし日支と相害すれば、便ち家内に憂有るを主り、占時がもし日支と相冲すれば、便ち家内に変動有るを主る。日支は陰に属し地位は卑と為るをもって、居処の宅舍と家中の人口を代表し、凡そ門内・近処・骨肉眷属の事はみなそれに帰して管うがゆえに、「内事門」と曰く。
發端門者,初傳是也。假令正月占事,若用起大吉丑,即為過去事;用起功曹寅,即為目今事;用起太沖卯,即為未來事;以其為災福發用之端,故曰發端門。
いわゆる「発端門」は、すなわち三伝の裏の初伝である。例を挙げて言えば、正月に事を占うに、正月の月建は寅なり。若し発用(初伝)が大吉丑より起これば、丑は寅の前に在り、占う所は便ちすでに過去した事なり。若し発用が功曹寅より起これば、寅は正に本月に当たり、占う所は便ち眼下正に発生しつつある事なり。若し発用が太冲卯より起これば、卯は寅の後に在り、占う所は便ち未だ到来せざる事なり。初伝は災禍と福慶の最初に発動する端緒で、事情はここより起頭す、ゆえに「発端門」と曰く。
移易門者,中傳是也。謂如初傳凶,中傳吉,即移易其凶象,變而為吉,故曰移易門。
いわゆる「移易門」は、すなわち三伝の裏の中伝である。たとえば初伝に現るるは凶象なるも、中伝が吉神・吉将を得れば、すなわち初伝の凶は中伝に挪移変換され、転じて吉と成る。反って初伝が吉にして中伝が凶ならば、本来の吉もまた移易されて凶と成る。一件事中途の転折はみなこの一位に係るがゆえに、「移易門」と曰く。
歸計門者,末傳是也。如四月甲日占事,而用傳見申酉,末傳見午,即主五月內無事,故曰歸計門。
いわゆる「帰計門」は、すなわち三伝の裏の末伝で、それは一件事最後の結局と応験する月日を管す。たとえば四月の甲日に事を占い、初伝・中伝に申・酉の金を見れば、申酉金は甲木の官鬼で本り害を為すを主る。しかるに末伝に午火を見れば、午火は能く申酉の金を克伏し、午はまた五月の月建なるがゆえに、断じて五月に入るの内にこの事は自ずから了結し平安無事とす。末伝は整件事の帰結し算帳する処なるがゆえに、「帰計門」と曰く。
變體門者,人命之事也。謂四課雖同時而人命不同,以人命所見神將各異,故變其卦體,所主災福亦不同,故曰變體門。
いわゆる「変体門」は、講ずるは生年本命の帯び来る差別である。同一の時辰・同一副の四課に、占いに来る人の生年本命は各々相同じからず。本命の落つる那一宮の上に乗る天神と天将の両様に、整個の課体の取象はこれに随いて改変し、主る所の災禍・福慶も自ずから同じからず。それ能く課体を変換するをもって、「変体門」と曰く。
凡占一課,八門之內須要消息詳審,擇其精要而斷之。若習之不正,擇之不當,則毫釐之差,千里之失。當首立此章以明課體之要,次標假令以明課式之用,故學者於此當盡心焉。
凡そ一課を占うには、みなこの八門の内において反復して斟酌し仔細に審察し、その中の最も緊要なる一処を挑出して断語を下すべし。倘若平日の所学の根基正しからず、臨事の取捨また当を得ざれば、すなわち手を起こすに毫厘を差えて、断じ出す結果は便ち相去ること千里なり。ここにおいて本書は先ず「課式体要」この一章を立て、課体の綱領を講じ明らかにし、再び一々に「假令」の実例を列挙して、課式の実際の用法を演示し出す。学者ここに読み至りて、まさに格外に用心して体会すべし。
時は日干の財なりの章第一 財を求むるを主る
凡時為日干之財,更乘旺氣,得吉神良將,上下相生,定主干財之事。若式中得斬關、遊子發用,子干白虎,必是出入干財。若式中見兄弟爻,上得吉將,便言同人干財。若日落空亡,或上見天空,便言財為等輩取也。或失財,或被等輩收也。若上得朱雀、勾陳、白虎為鬼,便言爭財之人。若見天空、空亡得,必是空手求財也。
本章の「一字訣」は一つの「財」の字に落ちる。いわゆる「時は日干の財」とは、占いを求むるあの時辰の、その地支が正に日干に克されて、日干の財爻を構成することを謂う。凡そこの種の課に遇えば、あの時辰の神が若しまた当令の旺気に乗り、上に得るは吉神良将にして、天盤・地盤の上下相生すれば、断じて問う所は必ず財を謀り利を求むるの事とす。倘若課の中に「斬関」「遊子」の類の奔走を主る課が起こりて発用し、しかも乗る所の子水の上にまた白虎を見れば、あれは必ず外出して奔走し財を求むるなり。倘若課の中に兄弟爻を見、その上に乗るは吉将なれば、便ち同伴と合伙して財を謀ると言う。倘若日干が旬空に落ち、あるいは日上に虚耗を主る天空に乗れば、便ちこの筆の財はすでに同輩の人に取り去られたりと言う。あるいは財を失いし、あるいは同輩に収去られたり。倘若財爻の上に得るは朱雀・勾陳・白虎にして、しかもそれらが化して日を克する官鬼と為れば、便ち人前に来りてこの財を争奪する有りと言う。倘若天空を見てまた旬空を兼ねれば、あれは必ず空しく両手なり。
若財在日上,乃手內之財,名為出門見財。若太陰乘財與日三合六合,主得陰人財。若見玄武臨財,防盜;更見鬼賊,定是失財。凡財乘旺氣,是目下之財;相氣,是將來之財;休氣,是過去之財,或為舊財,或於有疾病人處求財;囚氣,繫無力之財;死氣,是關死人之財。
財爻が若し正に日干の上に落つれば、すなわちすでに手裏に握りある財で、術家はこれを「出門見財」と叫作し、一たび門を出れば便ち進項有り。若し太陰が財爻に乗り、また日干と三合あるいは六合を成せば、この筆の財は女子あるいは陰柔一路の人より得るを主る。若し玄武が財爻の上に臨むを見れば、まさに盗竊を提防すべく、更に加えて課の中に鬼賊の象を現出すれば、すなわち財必ず失わると断ず。その外また財爻の乗る所の五行気数を看るべし。旺気に乗れば、眼下現成の財。相気に乗れば、将来始めて手に到る財。休気に乗れば、過去の旧財、あるいは病有る人より討来りし財。囚気に乗れば、軟弱無力にして事に済わざる財。死気に乗れば、則ち死人に牽連する、丧葬遺留の類の財なり。
欲知財數,以神將上下相乘,不用他人之干也。亦量旺相休囚、相生相剋加減言之。
財数の多寡を推算するには、弁法は財爻の所在の天盤の神の定数とその上に乗る天将の定数とを取って相乗し、ただこの二つの数を取るのみ、更に別人の干支を牽扯して入るるを要せず。算じ出す数はまた斟酌してその神将の旺か相か休か囚か、および上下の間は相生するか相克するかを見、これに拠りて上に加えあるいは下に減じ、再び最後の数目を定む。
假令乙亥日申將未時。
一つの実例を挙ぐ。乙亥日、申を用いて月将と為し、占時は未時なり。申将をもって未時の上に加えて天盤を転出し、再びそれが地盤各宮に覆う情形を看れば、便ち下面の这副の課式を得る。
空 虎 常 玄 午 未 申 酉 蛇 貴 空 龍 財 丁丑 蛇 龍巳 戌陰 丑 子 午 巳 兄 戊寅 朱 勾辰 亥后 子 亥 巳 乙 兄 己卯 合 卯 寅 丑 子 合 朱 蛇 貴
この副の盤の読み方は以下のごとし。月将の申が占時の未に加わり、天盤は便ち地盤より順に一位進む。地盤の巳上に天盤の午を得、天空に乗る。午上に未を得、白虎に乗る。未上に申を得、太常に乗る。申上に酉を得、玄武に乗る。酉上に戌を得、太陰に乗る。戌上に亥を得、天后に乗る。亥上に子を得、貴人に乗る。子上に丑を得、螣蛇に乗る。丑上に寅を得、朱雀に乗る。寅上に卯を得、六合に乗る。卯上に辰を得、勾陳に乗る。辰上に巳を得、青龍に乗る。四課は右より左に数え、第一課、乙木の寄宮は辰に在り、辰上に巳を得、青龍に乗る。第二課、巳上に午を得、天空に乗る。第三課、日支の亥上に子を得、貴人に乗る。第四課、子上に丑を得、螣蛇に乗る。三伝は初伝丑(遁干丁丑、螣蛇に乗る、丑土は乙木の克する所を受け、是れ日干の財爻)、中伝寅(戊寅、朱雀に乗る、寅木は乙木と同類、是れ兄弟爻)、末伝卯(己卯、六合に乗る、亦た兄弟爻)。乙亥日は甲戌一旬に属し、本旬の申・酉の两位は旬空に落つ。
三傳丑寅卯,將螣蛇、朱雀、六合,來意主出外取索舊財兩重,繫丑年交易,其錢三百二十貫,至六月得錢五十六貫,至十二月再索,乃有口舌相爭,卻得一姓董人和勸,其財盡得。
三伝は丑・寅・卯、依次に螣蛇・朱雀・六合に乗る。これに拠りて来人の用意を断ずるに、彼は門を出で外に在りて一筆の旧欠を討取せんとし、しかも両筆を并作して一処と為す。この筆の売買は丑年に成交し、本金は共に三百二十貫。六月裏に至りて先ず五十六貫を討回し、十二月に到りて再び催討し、中間に口舌の争執を生じ、幸いに一姓董の人有りて中より勧解調停し、最後に本を連れ利を全数討回す。
何以知出外取索舊財?緣時為日干財,直事門見白虎,主道路。又發用大吉,亦為日干之財,大吉土無氣,故言出外取索舊財兩重。繫丑年交易者,發用大吉為丑年也。言三百二十貫者,蓋大吉八數,螣蛇四數,相乘得三百二十貫也。
何を憑りて門を出で旧欠を討ると知るや。占時の未土は乙木に克されて、正に日干の財にして、しかも天盤正時の上の「直事門」は白虎に乗り、白虎は道路の奔波を主るがゆえに、門を出でて討りに行くなり。さらに発用の初伝は大吉丑、丑土は同じく乙木の財にして、しかも丑土はこの時当令せず生気なく、気衰えれば則ち事は陳旧に属す、ゆえに外に出でて「旧財」を討取すと言う。財爻の未と丑と両見す、ゆえに「両重」、すなわち両筆を并せて討ると言う。この筆の売買が丑年に成ったと言うは、発用が大吉丑と為るをもって、丑はすなわち丑年を配す。数目の三百二十貫は、大吉丑の定数は八、螣蛇の定数は四、八と四と相乗じて三十二を得、再び一位進めて便ち三百二十貫と成るをもってす。
六月中得數五十六貫,何也?蓋時為日干財,小吉八數,白虎七數,相乘得五十六也。緣白虎無氣,又未為六月建,故於六月中先得五十六貫也。至十二月再索有口舌相爭,得姓董人和勸,盡得之,何也?蓋發用大吉為財,應十二月;中傳功曹為等輩,上得朱雀,主口舌爭競;末傳卯主千里,六合為草頭,配成董字;六合主和,故得姓董人勸和。
六月裏に先ず五十六貫を得るは、怎様に算じ出したるか。占時の未は正に日干の財にして、小吉未の定数は八、その上に乗る白虎の定数は七、八七相乗じて正に五十六を得るをもってす。白虎はこの時無気にして、力弱くして先ず一小部分を討回するのみ能くす。しかも未はまた六月の月建なるがゆえに、六月に応じて先ずこの五十六貫を得る。十二月に到りて再び催討し、口舌を生じ、また姓董の人を得て勧和して全数收回するは、また怎様に断じたるか。発用の大吉丑は既に財爻にして、丑はまた十二月を配するがゆえに、応期は十二月に在り。中伝の功曹寅は日干の乙木と同類にして、同輩の人を代表し、その上に朱雀に乗り、朱雀は口舌を主るがゆえに、争競有るなり。末伝の太冲卯は千里の遠行を主り、卯上に六合に乗り、六合は字形の取象上に草字头を作し、草頭の下に一「重」を配し(千里合成して「重」と為す)、拼じて一つの「董」の字を成す。六合はまた本り和合を主るがゆえに、姓董の人が出面して勧和し、事情は円満に収場す。
假令壬申日申將午時。
再び一例を挙ぐ。壬申日、申を月将と為し、占時は午時なり。申将を午時の上に加えて天盤を転出すれば、天盤は便ち地盤より順に两位進む。
朱 合 勾 龍 未 申 酉 戌 虎 龍 陰 常 兄 甲子 虎 蛇午 亥空 子 戌 卯 丑 子 丙寅 玄 貴巳 子虎 戌 申 丑 壬 官 戊辰 后 辰 卯 寅 丑 后 陰 玄 常
この副の盤の中、地盤の巳上に天盤の未を得、朱雀に乗る。午上に申を得、六合に乗る。未上に酉を得、勾陳に乗る。申上に戌を得、青龍に乗る。酉上に亥を得、天空に乗る。戌上に子を得、白虎に乗る。亥上に丑を得、太常に乗る。子上に寅を得、玄武に乗る。丑上に卯を得、太陰に乗る。寅上に辰を得、天后に乗る。卯上に巳を得、貴人に乗る。辰上に午を得、螣蛇に乗る。四課は右より左に、第一課、壬水の寄宮は亥に在り、亥上に丑を得、太常に乗る。第二課、丑上に卯を得、太陰に乗る。第三課、日支の申上に戌を得、青龍に乗る。第四課、戌上に子を得、白虎に乗る。三伝は初子(遁干甲子、白虎に乗る、子水は壬水と同類、兄弟爻と為す)、中寅(丙寅、玄武に乗る、壬水は寅木を生ず、子孫爻と為す)、末辰(戊辰、天后に乗る、辰土は壬水を克す、官鬼爻と為す)。壬申日は甲子一旬に属し、戌・亥の两位は旬空に落つ。
三傳子寅辰,將白虎、玄武、天后,來意主人出外,東南上干財。因一姓崔人成合交易,其人內懷欺詐,終不敢發。又有一屬狗人姓王欲相侵害,終而自解。
三伝は子・寅・辰、依次に白虎・玄武・天后に乗る。これに拠りて来人の意を断ずるに、彼は門を出で東南方に到りて一筆の財を謀らんとす。此事は一姓崔の人より中より撮合成交せられ、あの人は心裏に詐欺の念頭を懐き、しかし終に敢えて発作せず。另外また一つの属狗的姓王の人有りて彼に加害せんと欲し、結果この場の加害もまた自ら化解す。
何知出外?蓋發用神后,將得白虎,主道路。又天罡臨斬關,故言出外也。何知東南干財?緣時為日下之財,先乘螣蛇,下臨辰,故言東南干財也。
何を憑りて遠門を出るを知るや。発用の初伝は神后子にして、その上に白虎に乗り、白虎は正に道路の奔走を主る。再加えて天罡の辰は「斬関」の位に落ち、斬関は関隘守らず径りに出行するを主るがゆえに、断じて門を出で外に在りと為す。何を憑りて東南方に往きて財を謀るを知るや。占時の午火は壬水の克する所と為り、正に日干の下の財にして、午上に先ず螣蛇に乗り(螣蛇は火に属し巳に居る)、しかも午はまた下に地盤の辰宮に臨み、辰・巳は同じく東南の一隅に在り、ゆえに東南方に往きて財を求むと言う。
何以知人姓崔?以末傳天罡為山,加寅配艮為壘土,艮數八,合而為人字,以山配重土,又有人傍,是崔字。然天罡為日鬼,何以言姓崔人成合交易?緣天罡臨寅,自受其制,又為中傳功曹制之,故不能為鬼。
何を憑りてあの人の姓崔を知るや。末伝は天罡辰、辰は取象上に山と為す。辰が寅に加臨すれば、寅は八卦の艮に配し、艮は山と為し重畳の土と為し、艮の定数は八、八は人字の形と相合す。ここにおいて「山」をもって重畳の「土」に配し、旁边に更に一つの「人」を帯び、幾つかの部件を拼合すれば正に一つの「崔」の字なり。しかるに天罡辰土は壬水を克し、本り日干の官鬼なれば、何をもって反って姓崔の人が来りて交易を撮合すると言うや。天罡辰は寅木の上に臨み、自身先ず寅木に制され、中伝の功曹寅はまた再びそれを一たび制す。制せられたる鬼は凶性を発し出す能わず、ゆえにそれは人を害するの鬼を為し得ずして、反ってただ一つの居間に説合する人と成るのみ。
遏為我助,懷欺詐而不能害也?緣天罡為虛詐之神,剋日,故主欺詐也。賴中傳寅木制之,不能發用也。申上天魁為屬狗人,日上大吉為姓王人,皆為今日之鬼。而侵害自解者,緣日落空亡,彼不見我,將與誰爭也?
既に制せられて反って我が助力と成るに、あの人は何を為に仍お詐欺の心を懐きて我を害する能わざるか。天罡辰は本り虚偽詐騙の神にして、それまた日干を克するがゆえに、対方の心に詐欺を存するを主る。幸いに中伝の寅木がそれを制し、この份の詐心は発泄し出す能わず、ただ肚裏に存在するのみ能くす。地盤の申上に天盤の戌を得、戌は天魁と為し、戌は狗に配するがゆえに、これは一つの属狗の人なり。日干の壬の寄せる所の亥宮の上に大吉丑を得、丑土は一を配して(水数は一)「王」の字を成すがゆえに、これは姓王の人なり。この两位はみな今日の日を克する官鬼なり。しかるにこの場の侵害は終に能く自ら化解するは、原因は壬申日が甲子旬に属し、戌・亥は正に旬空に落つに在り。日干の寄宮の亥と鬼の所在の戌とはみな空と成り、対方は根本我を照見することあらず、あれはまた誰を取りて争闘に行かんや。
時は日干の馬なりの章第二 出入の事を主る
驛馬者,傳送之神也。主道路出入,若不落空亡、天空,定主出入也。若馬為日干之財,主因財出行也。若馬見白虎發用,休氣所乘,主緊速疾病。若時為日馬帶鬼,或式中更見勾陳、朱雀刑剋於日者,因出入有官事,或往他處衙門動官,不然是急速官事。
本章の「一字訣」は一つの「馬」の字に落ちる。いわゆる「駅馬」は、伝逓递送を掌る神煞にして、専ら道路の往来・門を出で家に帰るを管す。凡そ占時の神が正に日干の駅馬なれば、ただそれが旬空に落ちず、その上にまた虚耗を主る天空に乗らざれば、断じて必ず出入行動の事有るとす。若しこの馬が同時にまた日干の財爻なれば、あれは銭財のために出行するなり。若し馬位に白虎が発用を見、しかも乗る所は衰退の休気なれば、すなわち急驟に来る疾病有るを主る。若し占時が既に日馬にしてまた日を克する官鬼を帯び、あるいは課の中に再び勾陳・朱雀が見えて来りて日干を刑克すれば、すなわちこの趟の出入は官府の事に牽扯せんとす——あるいは別処の衙門に到りて官司を打つ、然らざればもまた一桩の火が眉毛を焼く官非なり。
若驛馬為貴人,式中見朱雀、太常,與日三合六合,官員差除,或驛遞文字,或式中見關,緣有格不出入。伏吟近出,便出而便歸也。反吟則反覆出入,千里之行也。若得進遊子卦,有天涯地角之行。如斬關、三交,更得凶將,主避罪逃亡也。
若し駅馬の上に乗るが貴人なれば、課の中にまた朱雀・太常を見、しかも日干と三合あるいは六合を結成せば、あれは便ち官員の調任除授、あるいは駅站伝逓の公文書札なり。若し課の中に「関」の神を現出せば、あれは路上に関卡の格阻有りて、行程は去り成らず。伏吟課を得れば、ただ近処に一趟走りて、門を出でて便ち回るを主る。反吟課を得れば、来回反復に走動して、しかも千里の遥かなる遠行を主る。若し「進遊子」の類の課を得れば、あれは天涯地角のごとき極遠の地方に到らんとす。若し斬関課・三交課を得、その上にまた凶将に乗れば、すなわち尋常の出行にあらずして、罪責を躲避し逃亡して外に在るなり。
假令壬辰老人占,癸丑日將亥時返吟。
一例を挙ぐ。一位の本命壬辰の老人が占いに来り、日辰は癸丑日、占時は亥時、課は返吟を得る。底本はここにただ「日将亥時」と写し、月将の名は脱落して書さず。下面の課盤を核対するに、天盤の各神はみな地盤と相冲し、正に巳将を亥時に加えるの排法で、脱する所はまさに一つの「巳」の字に当たるべし。今、原樣に依りて存録し、擅りに補入せず。
勾 合 朱 蛇 亥 子 丑 寅 朱 常 朱 常 官 丁未 常 龍戌 卯貴 丑 未 丑 未 官 癸丑 朱 空酉 辰后 未 丑 未 癸 官 丁未 常 申 未 午 巳 虎 常 玄 陰
この副の盤は返吟格局なり。月将の巳が占時の亥の上に加わり、天盤と地盤とは処処相冲し、毎一宮の上神はみな本宮の对冲の支なり。地盤の巳上に天盤の亥を得、勾陳に乗る。午上に子を得、六合に乗る。未上に丑を得、朱雀に乗る。申上に寅を得、螣蛇に乗る。酉上に卯を得、貴人に乗る。戌上に辰を得、天后に乗る。亥上に巳を得、太陰に乗る。子上に午を得、玄武に乗る。丑上に未を得、太常に乗る。寅上に申を得、白虎に乗る。卯上に酉を得、天空に乗る。辰上に戌を得、青龍に乗る。四課は右より左に、第一課、癸水の寄宮は丑に在り、丑上に未を得、太常に乗る。第二課、未上に丑を得、朱雀に乗る。第三課、日支の丑上に未を得、太常に乗る。第四課、未上に丑を得、朱雀に乗る。三伝は未・丑・未(丁未は太常に乗る、癸丑は朱雀に乗る、丁未は太常に乗る)、未土・丑土はみな癸水を克し、三伝満盤みな官鬼なり。癸丑日は甲辰一旬に属し、寅・卯の两位は旬空に落つ。
三傳未丑未,將常、朱、常,此人因酒食過多,傷損肝胃,並下孟血痢;又小腸不通,添心腹脹滿,用藥不效,飲食不進,旦暮而死。
三伝は未・丑・未、依次に太常・朱雀・太常に乗る。これに拠りて断ずるに、この老人は飲酒吃肉の過量なるがため、肝胃を傷り、かつ下痢して血を帯び(底本のこの句は「并下孟血痢」と作し、「孟」の字はまさに形近して訛を致せるに当たり、今原字を存して改めず)、同時に小腸は壅塞して通ぜず、また心腹の脹満を添え、服薬は効なく、飯食は進まず、ただ朝夕の間に死せんとす。
何以知酒食傷於脾胃?蓋日上小吉主羊酒,太常主筵宴,土主脾胃,各乘休氣,故言酒食傷於脾胃也。又何知下痢,小腸不通?緣癸丑水變為痢,故言下痢。三傳皆土,故癸水不能流行,故知小腸不通。
何を憑りて酒食が脾胃を傷るを知るや。日干の癸の寄せる所の丑宮の上に小吉未を得、未は物象上に羊肉と酒を主り、その上にまた太常に乗り、太常は宴飲筵席を主り、未と丑はみな土に属し、土は人身において脾胃に応ず。しかもこれらの几位はみな衰退の休気に乗り、衰えて傷を受く、ゆえに断じて酒食が脾胃を傷ると為す。また何を憑りて下痢・小腸不通を知るや。癸と丑は本り水に属し、水がその常道を失えば変じて瀉痢と成る、ゆえに下痢と言う。三伝の未・丑・未は全く土にして、土多くして癸水を堵死し、水流動せず、ゆえに小腸の壅塞して通ぜざるを知る。
心腹脹滿者,癸亥水不能外行也。何知藥不能效,飲食不進?蓋小吉為藥,太常為飲食,即為日鬼,故藥不效,食不進矣。
心腹の脹満に至っては、癸水とその本位の亥水とが土に壅住せられ、外に向かって排泄する能わず、積みて裏に在れば便ち脹を発すをもってす。また何を憑りて薬を喫して効なく、飯も喫し下せざるを知るや。小吉未は取象上に薬物を主り、太常は飲食を主り、しかるにこの両者は恰恰としてみな癸水を克する官鬼なり。薬と食は本り人を救うべきに、如今反って命を害するの鬼と成る、ゆえに薬石は功なく、粒米は進まず。
言旦暮死者,蓋時日馬卦,返吟遊子,未為旬中六丁,丑時為日馬,老病得之,豈能出入?當是陽魂乘驛馬、六丁,遊於天涯地角之外,其病身一虛殼耳。又命上乘喪魄,與三傳俱是日鬼,以四鬼守虛殼,豈不應旦墓而死者乎?
彼が朝夕の間に便ち死すと言うは、道理はここに在り。この一課は占時が正に日馬にして、課体はまた返吟遊子で、人の往来奔走して停まらざるを主る。三伝の未は本旬の中の丁未、すなわち術家の謂う所の「六丁」遊神にして、しかも丑はまた癸日の駅馬なり。一個の臥病の老人がこの樣な一副の満盤奔走の課を得れば、彼はどうしてまた門を出で戸に入るを得んや。見るべし、陽魂は駅馬と六丁神に乗りて、早已に天涯地角の外に遊蕩し去り、床上に留まる病身は不過一個の空殻なり。再び彼の本命の上に乗るは喪魄の神にして、三伝の三重の土鬼と一樣にみな日を克するの鬼、四個の鬼が一個の空殻を囲守すれば、豈に旦夕の間に死せざるの道理有らんや(底本の「旦墓」は「旦暮」とすべく、すなわち早晚の間、今仍お原字を存す)。
假令壬戌人,辛酉日午將申時,
再び一例を挙ぐ。占いに来る人の本命は壬戌、日辰は辛酉日、午を用いて月将と為し、占時は申時なり。午将を申時の上に加えれば、天盤は便ち地盤より退后して两位なり。
合 朱 蛇 貴 卯 辰 巳 午 蛇 后 貴 陰 官 戊午 貴 勾寅 未后 巳 未 午 申 父 丙辰 朱 龍丑 申陰 未 酉 申 辛 財 甲寅 勾 子 亥 戌 酉 空 虎 常 玄
盤の中、地盤の巳上に天盤の卯を得、六合に乗る。午上に辰を得、朱雀に乗る。未上に巳を得、螣蛇に乗る。申上に午を得、貴人に乗る。酉上に未を得、天后に乗る。戌上に申を得、太陰に乗る。亥上に酉を得、玄武に乗る。子上に戌を得、太常に乗る。丑上に亥を得、白虎に乗る。寅上に子を得、天空に乗る。卯上に丑を得、青龍に乗る。辰上に寅を得、勾陳に乗る。四課は右より左に、第一課、辛金の寄宮は戌に在り、戌上に申を得、太陰に乗る。第二課、申上に午を得、貴人に乗る。第三課、日支の酉上に未を得、天后に乗る。第四課、未上に巳を得、螣蛇に乗る。三伝は初午(戊午は貴人に乗る、午火は辛金を克し、是れ官鬼爻)、中辰(丙辰は朱雀に乗る、辰土は辛金を生ず、是れ父母爻)、末寅(甲寅は勾陳に乗る、寅木は辛金の克する所を受く、是れ財爻)。辛酉日は甲寅一旬に属し、子・丑の两位は旬空に落つ。
三傳午辰寅,將貴朱勾,來意因藏有夫婦人,事敗露到官,旬日案成,累罪斷徒五年,杖一百,丁丑日決之,發鄰州居住。
三伝は午・辰・寅、依次に貴人・朱雀・勾陳に乗る。これに拠りて来人の意を断ずるに、彼は夫有るの婦人を窩蔵し、事情敗露して官府に告げられ。十天の内に案巻は成り、幾項の罪名は累加して徒刑五年・杖責一百を判処され、丁丑日に到りて行刑決断し、しかる後に隣近の州郡に押発して居住服役せしむ。
何以知之?蓋本命日上見太陰,主伏匿陰人不正之事。阮在我本命日上,故知藏匿婦人也。何知事敗?蓋先鋒門勝光為發用,上見天乙為今日之鬼,故言事敗到官。
これは怎様に断じ出したるか。本命の壬戌と日干の辛の寄せる所の戌宮とは同一の位にして、此位の上に太陰に乗り、太陰は隠蔵を主り女子を主り、また人に見る得べからざる不正の事を主る、ゆえに婦人を窩蔵するなり。底本はここに「阮在我本命日上」と作す。「阮」の字はまさに「陰」あるいは「申」の形近の訛に当たるべし——太陰の乗る所は正に天盤の申にして、申は我が本命と日干寄宮の上に落つ、ここにおいて断じて婦人を蔵匿すと為す。今仍お底本に依りて「阮」の字を存し、擅りに改めず。また何を憑りて事情の敗露を知るや。先鋒門の占時の申上に勝光午を得、午はすなわち発用の初伝にして、その上に天乙貴人に乗り、午火は辛金を克し、是れ今日の官鬼、鬼が貴人を帯びれば便ち官家が門に尋ね上るなり、ゆえに事は敗れて官に到ると言う。
何知旬中案成?時日主於緊速,故言旬日也。何知徒罪五年?蓋傳天乙剋日干,中傳天罡,得朱雀火神,又為今日之鬼,末傳勾陳又是凶神。此課傷日,始末俱凶,又辰午為兩重自刑。古經云“三刑棄世,二刑徒遞。”今日徒五年是也。
何を憑りて十天の内に案子便ち弁成するを知るや。占時は日干と相并ばり、事情の緊迫急速を主るがゆえに、断じて一旬の内に在り。何を憑りて徒刑五年を断ずるや。初伝の午上の天乙貴人の乗る所の神は日干を克し、中伝は天罡辰、その上に朱雀を得、朱雀は火に属し、同じく今日の官鬼、末伝はまた勾陳この刑獄牢役を主る凶将に乗る。此課は自ず初めより終りに至るまでみな日干を傷るに在り、一路みな凶なり。さらに辰と辰・午と午は各自相刑し、湊じて両重の自刑を成す。古経に言う、三重の刑は必ず身を棄て命を喪うを致し、両重の刑は則ち徒刑を判じて逓解すと。此課は正に両重刑なれば、ゆえに徒刑五年を断ず。
何知丁丑日斷發鄰州居住?緣丁馬為一今日之鬼,又為日刑故也。帶瘡行路艱難,住鄰州者,蓋為日上鬼見馬也。
何を憑りて丁丑日に判決し、隣州に押発して居住するを知るや。丁は火に属し、火は辛金の官鬼。丑はまた辛酉日の駅馬、鬼と馬とは同一日に同現す、ゆえに丁丑この一天に応ず。彼が杖傷を帯びて路に上り、行走艱難にして、最終に隣近の州郡に安置せらるるは、日干の上に既に官鬼を見また駅馬を見るをもってす。鬼は刑を受けて瘡と成るを主り、馬は駆逐され遷徙するを主り、両象を合わせて看れば、便ち傷を負いて遠行し、就近して安置するなり。
時は日貴・日禄・日徳なりの章第三 官事を動かすを主る
貴德祿三神者,異名而同體,謂顯有德,享有祿,皆為貴官之象也。若三神帶財,多為官場之財,或托有官人干財。若被刑帶害,傳中有凶將,定入官府爭財。若三傳神上帶吉半,傳中見青龍、六合、太常,為日之三合,不見刑鬼,仕人加官;秀士及第;庶人得之,見官得理,或得上人提挈。若式中見晝夜貴人全者,主兩得衙門。若卦中遙克、反吟,中傳見天馬,即知他處衙門官動也。
本章の「一字訣」は一つの「貴」の字に落ち、しかるに貴・徳・禄の三神は名目不同じく実則一体なり。顕達して外に在るを「徳」と曰い、身に享用するを「禄」と曰う。二者はみな貴官の象徴なるがゆえに、合わせて一門と為す。凡そ占時が正に日干の貴人・日徳あるいは日禄に当たれば、すなわち官府方面の動作有るを主る。若しこの三神が同時にまた財爻を帯びれば、多半は官場裏の財、あるいは官職有るの人を托して財を謀らんとす。若しそれらが刑され害され、三伝の中にまた凶将有れば、あれは必定官府の裏に鬧到りてこの筆の財を争わんとす。若し三伝の各神の上に帯ぶるはみな吉神吉将にして、伝の中にまた青龍・六合・太常を見、しかも日干と三合を結成し、かつ刑冲官鬼を見ざれば、すなわち官を做る人は升遷加職を主り、読書人は科挙中式を主り、平民百姓これを得れば則ち官に見えて理有り、官司を打ちて勝ち、あるいは上位者の提携を得るなり。若し課の中に昼貴人・夜貴人の两位が斉しく現れば、両処の衙門みな用いる力を得るを主る。若し課の中に遥克あるいは反吟を現出し、中伝にまた天馬を見れば、あれはすなわち外地の衙門裏に官事が動き有るなり。
假令癸巳人,丙子日申將酉時。
一例を挙ぐ。占いに来る人の本命は癸巳、日辰は丙子日、申を用いて月将と為し、占時は酉時なり。申将を酉時の上に加えれば、天盤は便ち地盤より退后して一位なり。
龍 勾 合 朱 辰 巳 午 未 后 陰 空 龍 子 甲戌 后 空卯 申蛇 戌 亥 卯 辰 財 酉 貴 ◎ 虎寅 酉貴 亥 子 辰 丙 財 申 蛇 ◎ 丑 子 亥 戌 常 玄 陰 後
盤の中、地盤の巳上に天盤の辰を得、青龍に乗る。午上に巳を得、勾陳に乗る。未上に午を得、六合に乗る。申上に未を得、朱雀に乗る。酉上に申を得、螣蛇に乗る。戌上に酉を得、貴人に乗る。亥上に戌を得、天后に乗る。子上に亥を得、太陰に乗る。丑上に子を得、玄武に乗る。寅上に丑を得、太常に乗る。卯上に寅を得、白虎に乗る。辰上に卯を得、天空に乗る。四課は右より左に、第一課、丙火の寄宮は巳に在り、巳上に辰を得、青龍に乗る。第二課、辰上に卯を得、天空に乗る。第三課、日支の子上に亥を得、太陰に乗る。第四課、亥上に戌を得、天后に乗る。三伝は初戌(甲戌は天后に乗る、戌土は丙火の生ずる所を受け、是れ子孫爻)、中酉、末申(酉・申の二金は丙火の克する所を受け、みな財爻、分かちて貴人と螣蛇に乗る)。丙子日は甲戌一旬に属し、申・酉は正に旬空に落つ、ゆえにこの両伝の遁干は空けて填めず、旁边に「◎」を加えて記と為す。この符号は本書の課盤においてすなわち旬空の標志なり。
三傳戌酉申,天魁臨亥為用,卦名知一,來意本人於家西耕開荒地一段,種麥子,上麥熟時,有帶官人刈麥。曰:“是我之地。”相爭到官,勸和,得麥一半,歸其地。
三伝は戌・酉・申、天魁戌をもって亥宮に臨む者を取って発用と為し、課の名は「知一」と曰く。これに拠りて来人の意を断ずるに、彼は自家の西辺に一段の荒地を開墾し、麦子を種え上げ、麦子の熟する時に到りて、官身を帯びたる一個の人来りて手を動かして麦を割り、口に「この地は本来我がものなり」と称す。両下争執して官府に打至り、人を経て勧和され、最後に彼に半分の麦を分得ると判じ、地は仍お彼に帰還せらる。
何知家西開荒地種麥?時緣日下之貴,又為日下之財,又為日下之合,故言外也。酉既為日下之財,不言金玉而言麥者,人事也。若婦人占當有金玉首飾之物,今以老農五月占此,酉主小麥,既為日下之財,故言麥也。
何を憑りて家の西に荒を開き麦を種えるを知るや。占時の酉は丙日に対して既に貴人の臨む位にして、また丙火の克する財にして、また丙日と相合し、三重の関係はみな日干この一辺を指向す。日干は外を主るがゆえに、断じて門外の事と為す。酉は既に日下の財なれば、何を為に金玉を言わずして麦子を言うや。これはまさに占者の身分と時令を看るを要す。同じく一つの酉に、若し婦人が占いに来れば、まさに金玉首飾の類に断ずべし。如今は一位の老農が五月裏に占問すれば、酉は物象上に正に小麦を主り、五月はまた恰も麦熟の時、酉は既に日下の財、ゆえに断じて麦子と為す。
言家西,謂酉,西方也。何以帶官人爭麥?謂直事門為仲,中傳上見天乙,故為帶官人。
地を「家西」と言うは、財爻が酉上に落つるをもって、酉は正西の位に居る。何を憑りて来りて麦を争うは官身を帯びたる人と知るや。天盤正時の上の直事門は酉に落ち、酉は四仲の一にして、仲位は端正にして体統有るの人を主る。中伝の酉上にまた天乙貴人に乗り、貴人はすなわち官長の象、ゆえに断じて官身を帯びたる人と為す。
何知相爭到官?蓋日上見天罡,為自己怒惡。又時為日貴,中傳又得天乙為動官之象。何知勸和分麥?蓋時為合,外卦得比用,故知和合。申酉時為財,乃日空亡,既落空亡,只得一半矣。
何を憑りて官府に争至るを知るや。日干の寄宮の上に天罡辰を得、天罡は暴怒凶悪を主り、是れ占者が自ら火気を動かしたるなり。占時はまた正に日干の貴人に当たり、中伝に再び天乙を得、両重の貴人はみな官府を驚動するの象なり。何を憑りて人を経て勧和され、麦子を分掉するを知るや。占時の酉は丙日と相合し、外面この一頭に得るは「比用」の課、比用は両々相い比附し彼此就和するを主るがゆえに、断じて勧和と為す。しかるに申・酉の这两位の財爻は恰恰として丙子日の旬空の内に落つ。既に空に落てば、財は全く得る能わず、ただ一半を収得するのみ能くす。
假令癸酉人,丙戌日未將亥時,
再び一例を挙ぐ。占いに来る人の本命は癸酉、日辰は丙戌日、未を用いて月将と為し、占時は亥時なり。未将を亥時の上に加えれば、天盤は地盤より退后して四位なり。
勾 龍 空 虎 丑 寅 卯 辰 龍 玄 貴 勾 財 乙酉 貴 合子 巳常 寅 午 酉 丑 兄 癸巳 常 朱亥 午玄 午 戌 丑 丙 子 己丑 勾 戌 酉 申 未 蛇 貴 后 陰
盤の中、地盤の巳上に天盤の丑を得、勾陳に乗る。午上に寅を得、青龍に乗る。未上に卯を得、天空に乗る。申上に辰を得、白虎に乗る。酉上に巳を得、太常に乗る。戌上に午を得、玄武に乗る。亥上に未を得、太陰に乗る。子上に申を得、天后に乗る。丑上に酉を得、貴人に乗る。寅上に戌を得、螣蛇に乗る。卯上に亥を得、朱雀に乗る。辰上に子を得、六合に乗る。四課は右より左に、第一課、丙火の寄宮は巳に在り、巳上に丑を得、勾陳に乗る。第二課、丑上に酉を得、貴人に乗る。第三課、日支の戌上に午を得、玄武に乗る。第四課、午上に寅を得、青龍に乗る。三伝は初酉(乙酉は貴人に乗る、酉金は丙火の克する所を受け、是れ財爻)、中巳(癸巳は太常に乗る、丙火と同類、是れ兄弟爻)、末丑(己丑は勾陳に乗る、丑土は丙火の生ずる所を受け、是れ子孫爻)。丙戌日は甲申一旬に属し、午・未の两位は旬空に落つ。
日遙克從魁,三傳酉巳丑,天將貴、常、勾,來意事主西北上遠行理會,自己差遣文字,並無難阻,得差遣必是近任,八月內丁酉日還家,當月得俸。本州島太守決是一剛毅正直之人,以劉為姓,主太守美愛而有聚財之慶。
此課は日干が遥かに従魁酉を克して酉を取りて発用と為し、三伝は酉・巳・丑、天将は依次に貴人・太常・勾陳。これに拠りて来人の意を断ずるに、彼は西北方に往きて遠行し一樁の差事を弁ぜんとし、弁ずる所は正に自己の委任文書で、一路上に阻碍なく、得る所の差遣は必ず就近の職任なり。八月の内の丁酉日に家中に回帰し、当月に便ち俸禄を領得すべし。本州の太守は断じて一位の剛毅正直の人にして姓劉。この太守は彼を賞識し愛重せんとし、かつ彼はまた銭財を積聚するの喜慶有り。(底本の「本州島太守」の「島」は伝写の衍る所にして、「本州太守」とすべし、今原文を存す。)
何知西北遠行?蓋時為日下之驛馬,與天馬並,登明為西北下為遠行。登明為日貴,上乘朱雀,主文字貴人,乘馬有文字之象,豈不是自己差遣文字也?
何を憑りて西北に往きて遠行するを知るや。占時の亥は正に丙日の駅馬にして、また天馬と并臨し、両馬相并ばれば、行程は必ず遠し。亥はすなわち登明、方位は西北に在り、かつ亥は地盤の末に居り去る処遥遠なり、ゆえに断じて西北の遠行と為す。登明亥はまた丙日の貴人にして、その上に朱雀に乗り、朱雀は文書辞令を主り、貴人は官長を主る。文書の神が駅馬の上に騎るは、正に委任文書を奉じて門を出るの象、ゆえに彼の弁ずる所はすなわち自己の差遣文書と言う。
何知一路並無難阻?式中無關格故也。何知近任?命上見天恩,日上見官爵,又用傳俱是三合,故知近任。
何を憑りて一路上に阻碍なきを知るや。課の中に并りて「関」の神と「格」の象を現出せざるをもって、関は関卡を主り格は阻隔を主り、両者みな無ければ、路上は自ずから暢通す。何を憑りて得る所は就近の職任なるを知るや。本命の癸酉の上に天恩の神を見、日干の寄宮の上に官爵の象を見、しかも発用と三伝の酉・巳・丑はまた恰好として金局の三合を合成す。三合は聚まりて散ぜざるを主り、事情は便ち近処に在りて成就す、ゆえに断じて近任と為す。
何知八月丁酉日還家?從起從魁,末傳大吉為歸計門,下臨酉,上丁字,故知丁酉日也。眾魁為日之財,故主八月得俸。
何を憑りて八月の丁酉日に家に回るを知るや。発用は従魁酉より起こり、末伝の大吉丑は帰計門にして、結局と応期を管す。丑の下に地盤の酉宮に臨み、酉上に丁の字を遁得し、丁と酉と相配すれば便ち丁酉、ゆえに丁酉日に家に帰るを断ず。従魁酉はまた丙日の財爻にして、酉は正に八月に当たり、財と月建と相合す、ゆえに八月に俸禄を領するを断ず。(底本の「衆魁」は「従魁」とすべく、字形相い近くして訛り、今原字を存す。)
何知太守為剛毅正人?緣癸酉太乙乘酉屬金,主義,故知剛正,酉為金刀,故姓劉。何知太守美受?蓋天乙與日三合。何知有聚財之慶?謂卦體屬金,為日之財也。
何を憑りて太守が剛毅正直の人なるを知るや。来人の本命は癸酉、酉上に天乙貴人に乗り、貴人の乗る所の酉は金に属し、金は五常の中に「義」を主り、義は則ち剛正にして阿らず、ゆえにこの長官を断じて剛毅方正とす。酉は字形上にまた金旁に刀を加うるを取象と為し、「金」「刀」の二字を合わせれば正に一つの「劉」の字、ゆえに彼を断じて姓劉とす。何を憑りて太守が彼を賞識し愛重するを知るや。天乙貴人の臨む所の位が日干と三合を結成するをもって、三合は親附して投縁するを主る。何を憑りて彼に聚財の喜有るを知るや。整個の課体の三伝が合成して金局と為るをもって、金は正に丙火日干の克する財、財局既に成れば、自ずから銭財を積聚するの慶事有り。
時は日干の三合六合なりの章第四
六合者,為月宿合神;三合者,為五行本局之神。以日為陽為尊,主外事。若正時與日干六合三合,定主外事和合。若合中帶財,吉神良將主外財和合事;或妻妾和合事,蓋財亦為妻妾也。
本章の「一字訣」は一つの「合」の字に落ちる。いわゆる「六合」は、十二辰が月宿に拠りて相配して成る両々相合の神にして、子丑合・寅亥合の類のごとし。いわゆる「三合」は、同一五行の成局の三支が相聚まる神にして、申子辰の水局に合し、亥卯未の木局に合する類のごとし。日干は陽に属し地位は尊と為り、管するは門外の事。凡そ占時が日干と六合あるいは三合を構成すれば、断じて門外の事情は和順にして合拍す。若し合の中にまた財爻を帯び、かつ吉神良将に乗れば、あれは便ち外面より財を進め和合成事す。また妻妾の間の和合を主ることを得、六壬の取象の中において財爻は同時にまた妻妾を代表するをもってす。
若見天后、太陰為日與日為鬼,日辰傳重見鬼者,必是因外面陰人和合上致生官事。若見空亡,或天空,是雖敗露,無咎也。若命中帶破,日辰傳中復見必凶。
若し課の中に天后・太陰この两位の女子を代表する天将を見、しかもそれらの乗る所の神がまた日干を克して官鬼と為り、并せて日干・日支・三伝の上に重畳してみな鬼を見れば、あれは必定外に在りて女子と牵扯苟合し、これによりて官司を惹起す。若しこれらの位置上に旬空に遇い、あるいは虚耗を主る天空に乗れば、すなわち事情は張揚敗露するも、終に災禍を醸成するに至らず。若し本命の上に破神を帯び、しかも日干・日支と三伝の中にまた再度破を見れば、すなわち必ず凶にして疑いなし。
假令己未辰將午時。
一例を挙ぐ。己未日、辰を用いて月将と為し、占時は午時なり。辰将を午時の上に加えれば、天盤は地盤より退后して两位なり。
合 勾 龍 空 卯 辰 巳 午 合 龍 合 龍 兄 丑 蛇 ◎ 朱寅 未虎 卯 巳 卯 巳 父 丁巳 龍 蛇丑 申常 巳 未 巳 己 父 丁巳 龍 子 亥 戌 酉 貴 后 陰 玄
盤の中、地盤の巳上に天盤の卯を得、六合に乗る。午上に辰を得、勾陳に乗る。未上に巳を得、青龍に乗る。申上に午を得、天空に乗る。酉上に未を得、白虎に乗る。戌上に申を得、太常に乗る。亥上に酉を得、玄武に乗る。子上に戌を得、太陰に乗る。丑上に亥を得、天后に乗る。寅上に子を得、貴人に乗る。卯上に丑を得、螣蛇に乗る。辰上に寅を得、朱雀に乗る。四課は右より左に、第一課、己土の寄宮は未に在り、未上に巳を得、青龍に乗る。第二課、巳上に卯を得、六合に乗る。第三課、日支の未上に巳を得、青龍に乗る。第四課、巳上に卯を得、六合に乗る。日干の寄宮と日支とは同じく未位を占め、四課はただ両課を出ず、正に「八専」の体なり。三伝は初丑(螣蛇に乗る、己土と同類、是れ兄弟爻)、中末ともに巳(丁巳は青龍に乗る、巳火は己土を生ず、是れ父母爻)。己未日は甲寅一旬に属し、子・丑の两位は旬空に落つ、ゆえに初伝の丑の遁干は空缺して「◎」を標す。
卦得八專,三傳丑巳巳,將蛇、青、青,來意主南面上有屬馬婦人來往事敗,忌一姓孫人,主大驚恐,壞錢十一貫,至庚申日即無事也。
此課に得るは八専、三伝は丑・巳・巳、天将は依次に螣蛇・青龍・青龍。これに拠りて来人の意を断ずるに、彼は南辺に在りて一個の属馬の婦人と往来私通し、事情はすでに敗露せり。まさに一個の姓孫の人を提防すべく、此事は極大の驚恐を帯び来り、また破費して銭財十一貫を要す。庚申日に到れば便ち事なし。
何知南面與婦人來往?蓋午時為日干六合,卦名八專,主淫亂。又午時屬馬,為南方也。何知事敗?緣日上見太乙,得青龍木將上日為鬼故也。
何を憑りて南辺の婦人と往来するを知るや。占時の午と己土の寄宮の未とは正に六合を成し、是れ門外の和合なり。課の名は八専、八専の課は干支同宮にして内外分かたず、本り男女混雑淫乱を主る。午は生肖上に馬に配し、方位上に正南に属す、ゆえに断じて南面の属馬の婦人と為す。何を憑りて事情すでに敗露したるを知るや。日干の寄宮の上に太乙巳を得、巳上に青龍に乗り、青龍は木に属し、木は己土を克し、是れ日干の頭上に圧する官鬼。鬼既に身に臨めば、隠私は自ずから張揚し出づ。
何以忌姓孫人首驚恐?用大吉主姓孫,螣蛇主驚恐。何知壞錢十一貫?緣日上青龍主財帛七數,太乙為四數,共十一數也。
何を為に姓孫の人を提防し、また驚恐有ると言うや。発用の初伝は大吉丑、丑は姓氏の取象上に「孫」の姓を主る。丑上に螣蛇に乗り、螣蛇は驚怖恐懼を主り、両者并び見れば、ゆえに一個の姓孫の人を防ぐべしと言い、かつ此事は人をして大いに惊吓せしむ。何を憑りて財を破ること十一貫と算出すや。日干の上の青龍は財帛を主り、その定数は七。太乙巳の定数は四。七に四を加えて共に十一を得、ゆえに銭を破ること十一貫を断ず。
庚申日無事者,蓋青龍為鬼,至庚申日死絕,又為庚申所克,又申上有天空,故知庚申無事也。
何を為に庚申日に到れば便ち事なきや。禍を為すは青龍の乗る所の木鬼にして、木行は申に至れば便ち死絶の地に入り、気数はすでに尽く。庚と申はまたみな金に属し、金は能く木を克し、鬼は制伏せらる。再び盤の中の申位の上に乗るは天空を見、天空は虚耗落空を主り、鬼が空に落てば更に害を為す力なし。三重の理由は湊りて一処に合し、ゆえに庚申この一天に事情は自ずから平息すと断定す。
假令丁丑人,己卯日申將午時。
再び一例を挙ぐ。占いに来る人の本命は丁丑、日辰は己卯日、申を用いて月将と為し、占時は午時なり。申将を午時の上に加えれば、天盤は地盤より順に两位進む。
龍 勾 合 朱 未 申 酉 戌 龍 虎 蛇 合 財 乙亥 蛇 空午 亥蛇 未 巳 亥 酉 兄 丁丑 后 虎巳 子貴 巳 卯 酉 己 官 己卯 玄 辰 卯 寅 丑 常 玄 陰 後
盤の中、地盤の巳上に天盤の未を得、青龍に乗る。午上に申を得、勾陳に乗る。未上に酉を得、六合に乗る。申上に戌を得、朱雀に乗る。酉上に亥を得、螣蛇に乗る。戌上に子を得、貴人に乗る。亥上に丑を得、天后に乗る。子上に寅を得、太陰に乗る。丑上に卯を得、玄武に乗る。寅上に辰を得、太常に乗る。卯上に巳を得、白虎に乗る。辰上に午を得、天空に乗る。四課は右より左に、第一課、己土の寄宮は未に在り、未上に酉を得、六合に乗る。第二課、酉上に亥を得、螣蛇に乗る。第三課、日支の卯上に巳を得、白虎に乗る。第四課、巳上に未を得、青龍に乗る。三伝は初亥(乙亥は螣蛇に乗る、亥水は己土の克する所を受け、是れ財爻)、中丑(丁丑は天后に乗る、己土と同類、是れ兄弟爻)、末卯(己卯は玄武に乗る、卯木は己土を克す、是れ官鬼爻)。己卯日は甲戌一旬に属し、申・酉の两位は旬空に落つ。
三傳亥丑卯,將蛇、後、玄。來意主外和合中虛詐、不實、邪僻之事。又主財上有驚恐之象。其財卻為一姓牛人夜取其財。又有驢一頭,亦被姓牛人所有,意欲遠行,緣心有所畏,緊速而歸也。
三伝は亥・丑・卯、依次に螣蛇・天后・玄武に乗る。これに拠りて来人の意を断ずるに、彼は外頭に一樁の表面は和合、裏面は虚詐にして実あらず、人に見るべからざる勾当を有す。財物の上に另外一場の惊吓有り。この筆の財は一個の姓牛の人に夜裏に取り去られ、また一頭の驢有りて、またこの姓牛の人の手裏に落つ。彼は本り遠門を出でんと欲せしも、心裏に畏惧する所有るがために、匆匆忙忙として便ち折り返し来れり。
何知外和合中虛詐之象?時為日干六合,主外和合。直事門上見天空,主虛詐。又曰從魁主三交隱匿不明,上得六合,主私門,故言邪僻事。何知財上有驚恐之事?蓋發用有登明為目下之財,上見螣蛇,故主驚恐。
何を憑りて外表は和合、内裏は虚詐なるを知るや。占時の午と己土の寄宮の未とは相合し、是れ門外の和合の象なり。しかるに天盤正時の上の直事門は天空に乗り、天空は専ら虚偽詐欺を主るがゆえに、合の中に詐を蔵す。さらに従魁酉は三交隠匿・曖昧不明を主り、酉上にまた六合を得、六合は私門暗戸を取象と為すがゆえに、断じて邪僻不正の事と為す。何を憑りて財の上に惊恐有るを知るや。発用の初伝は登明亥、亥水は己土の克を受け、正に眼下現成の財にして、その上に却って螣蛇に乗り、螣蛇は驚怖を主るがゆえに、財の上に一場の惊吓を帯ぶ。
何知青衣姓牛人取其財?緣中傳大吉為牛,上見乙字,乙為青色。大吉為取登明為財,故財為牛姓所取。何知其驢亦為姓牛人所取?蓋命上見太沖為末傳,太沖主驢,上見玄武為賊人。蓋卯為大吉之陰,下臨場面位故也。
何を憑りて一個の青衣を穿ち姓牛の人が財を取り去ると言うや。中伝は大吉丑、丑は物象上に正に牛にして、姓氏上にもまた牛姓を主る。丑上に乙の字を遁得し、乙は五色の中に青に属す、ゆえに青衣牛姓の人なり。丑土は能く登明亥この財爻を収摂す、ゆえに財は牛姓の者に取り去られしと言う。何を憑りてあの頭の驢もまた姓牛の人に帰すると言うや。来人の本命丁丑の上に太冲卯を得、卯は正に末伝にして、太冲は物象上に驢を主る。卯上に玄武に乗り、玄武は盗賊を主る。しかも卯はまた大吉丑の陰神にして、丑と同気相通じ、下臨の位はまた相連属す、ゆえにこの頭の驢は仍お旧に牛姓の人の手裏に落つと断ず。
何知來意欲遠行,心有所畏,緊速而歸?蓋先鋒門勝光主道路,用神立卯酉,中傳大吉為天馬,與日刑並,故意欲遠行。緣末傳為人足,太沖為日鬼,上見玄武,為賊人,故心有畏,緊速而歸也。
何を憑りて彼が本り遠行せんと欲するも、心に畏惧を懐きて匆匆として折り返すを知るや。先鋒門の占時は勝光午、午は道路の奔馳を主る。発用と用神とは卯・酉この一対の四仲の門戸の位に立ち、起身出入を主る。中伝の大吉丑はまた天馬にして、かつ日干と相刑を構成し、馬動きて刑を帯ぶ、ゆえに彼は確かに遠行の念頭有り。しかるに末伝の太冲卯は人身の取象上に両足を主り、卯木はまた己土を克する官鬼にして、その上に再び玄武この盗賊の神に乗る——脚下に鬼と賊を踏み、走ること多からざるに心裏便ち怵れを発す、ゆえに匆匆忙忙として家に折り返り来れり。
時は日の三合六合なりの章第五 内の和合事を主る
辰為陰,主內動。時為日支三合六合,主內和合事。若式中見子孫爻乘旺相氣而帶吉神者,添進子孫,或子孫上有和合事。若支神合中帶鬼,上見勾陳、朱雀,卦得亂首、絕嗣,定主眷屬仇讎,為內事爭競。
上一章の「合」の字は日干を看、此一章の「合」の字は日支を看る。日支は六壬の中に「辰」と称し、陰に属し、家門以内の動静を管す。凡そ占時が日支と三合あるいは六合を結成すれば、すなわち家内の事情は和順にして合拍するを主る。若し課の中に子孫爻が旺気あるいは相気に乗るを見、また吉神を帯びれば、あれは家中に丁を添え口を進めるか、あるいは子女輩を囲繞るの喜慶和合の事なり。若し日支の合う所の中に官鬼を夾帯し、その上にまた勾陳・朱雀この两位の争闘口舌を主る凶将を見、課体は再び「乱首」「絶嗣」の類の悪格を得れば、すなわち眷属の間に仇怨を結成し、家内の事のために互相に争鬧すると断ず。
若仕人得之,主同僚不睦,公吏等輩相陷。若支合併貴祿德三神,式中見官鬼,必因內事起官府詞訟。若時與日辰俱合者,為兩動,主內外和合事。若式中八門所主來意為外事,以此故只言外事也。
若し官を做る人がこの樣の課を占えば、同僚の間に不和睦を主り、衙門裏の胥吏同輩は互相に構陥す。若し日支の合がまた貴人・日禄・日徳の三神と一処に并び、しかも課の中に同時に官鬼を現出せば、あれは必定家内の事のために官府に鬧到りて官司を打つ。若し占時が既に日干と相合しまた日支と相合せば、あれを「両動」と叫び、門内門外の事は一斉に和合す。課の中の八門の指す来意が若し外事の一辺に帰せば、すなわち仍お旧にただ外事に拠りて断じ、内事を牽扯するを要せず。
假令壬申日申將辰時。
一例を挙ぐ。壬申日、申を用いて月将と為し、占時は辰時なり。申将を辰時の上に加えれば、天盤は地盤より順に四位進む。
勾 龍 空 虎 酉 戌 亥 子 后 虎 朱 陰 官 辛未 朱 合申 丑常 辰 子 未 卯 兄 亥 空 ◎ 朱未 寅玄 子 申 卯 壬 子 丁卯 陰 午 巳 辰 卯 蛇 貴 后 陰
盤の中、地盤の巳上に天盤の酉を得、勾陳に乗る。午上に戌を得、青龍に乗る。未上に亥を得、天空に乗る。申上に子を得、白虎に乗る。酉上に丑を得、太常に乗る。戌上に寅を得、玄武に乗る。亥上に卯を得、太陰に乗る。子上に辰を得、天后に乗る。丑上に巳を得、貴人に乗る。寅上に午を得、螣蛇に乗る。卯上に未を得、朱雀に乗る。辰上に申を得、六合に乗る。四課は右より左に、第一課、壬水の寄宮は亥に在り、亥上に卯を得、太陰に乗る。第二課、卯上に未を得、朱雀に乗る。第三課、日支の申上に子を得、白虎に乗る。第四課、子上に辰を得、天后に乗る。三伝は初未(辛未は朱雀に乗る、未土は壬水を克す、是れ官鬼爻)、中亥(天空に乗る、壬水と同類、是れ兄弟爻)、末卯(丁卯は太陰に乗る、壬水は卯木を生ず、是れ子孫爻)。亥卯未の三支は聚まりて木局を成し、課体は「曲直」と為す。壬申日は甲子一旬に属し、戌・亥は旬空に落つ、ゆえに中伝の亥の遁干は空缺して「◎」を標す。
三傳未亥卯,將朱、空、陰,來意因家內不和,其妻姓王,剛暴、口舌、爭鬥,因此休棄。後因生子而復還合也。
三伝は未・亥・卯、依次に朱雀・天空・太陰に乗る。これに拠りて来人の意を断ずるに、彼の家裏は不和に鬧り、妻子は姓王、性情は剛烈暴躁にして、口角は断えず動輒争吵し、ここにおいて彼女を門より休出せり。後来児子を生下したるをもって、両人はまた重ねて好に帰す。
何知內事不和?緣時與日支三合帶鬼,主內不和,天后為妻,乘天罡下臨子,故知姓王。天罡主欺詐惡人,故主妻性暴。因口舌相爭罷親者,為門戶上發用,朱雀主口舌,占時與初傳同剋日,自落空亡,不能相爭,故知罷親也。
何を憑りて家内不和を知るや。占時の辰と日支の申とは三合を結成すれども、合の中に却って日を克する官鬼を帯ぶ、ゆえに門内は寧からず。天后は人事上に妻子を代表し、此課は天后が天罡辰に乗りて下に子宮に臨み、辰土の数と子水の数と相配し、土に水一を加え、拼合して一つの「王」の字を成す、ゆえに妻子は姓王と断ず。天罡は本り欺詐凶悪を主り、妻既に天罡に乗れば、性情は自ずから剛暴なり。口舌の争吵を因りて離異するに至っては、発用が門戸の位に起こりて、その上に朱雀に乗り、朱雀は専ら口舌を主るをもってす。占時と初伝はまた一同に日干を克伐し、しかも日干の壬の寄せる所の亥宮は恰も旬空に落ち、空に落てば則ち対抗する力なく、争い下る能わず、只好く散伙す、ゆえに妻を休し親を罷むと断ず。
何知生子復還合?卦得曲直,屬木為今日子孫爻,時為日支合用傳為日干合,內外俱合之象。向之所為占時傳,傳上為鬼,今子孫制之,是因生子還合也。
何を憑りて児子を生みてまた和好するを知るや。課体は「曲直」を得、亥卯未は合成して木局を成し、木は壬水の生ずる所にして、正に今日の子孫爻なり。占時は日支と相合し、三伝はまた日干と相合し、門内門外は一斉に合を成し、是れ復合の象なり。当初の鬧翻は、占時と伝中の未土官鬼に壊れり。如今木局の子孫は旺たり起こり、木は能く土を克し、あの重なる官鬼を制住し、鬼一たび伏せば家便ち安んず、ゆえに児子を生じたるを因りて破鏡重ねて円なると言う。
假令丙子日申將丑時。
再び一例を挙ぐ。丙子日、申を用いて月将と為し、占時は丑時なり。申将を丑時の上に加えれば、天盤は地盤より順に七位進む。
合 勾 龍 空 子 丑 寅 卯 龍 陰 陰 合 官 丙子 合 朱亥 辰虎 寅 未 未 子 子 癸未 陰 蛇戌 巳常 未 子 子 丙 父 戊寅 龍 酉 申 未 午 貴 后 陰 玄
盤の中、地盤の巳上に天盤の子を得、六合に乗る。午上に丑を得、勾陳に乗る。未上に寅を得、青龍に乗る。申上に卯を得、天空に乗る。酉上に辰を得、白虎に乗る。戌上に巳を得、太常に乗る。亥上に午を得、玄武に乗る。子上に未を得、太陰に乗る。丑上に申を得、天后に乗る。寅上に酉を得、貴人に乗る。卯上に戌を得、螣蛇に乗る。辰上に亥を得、朱雀に乗る。四課は右より左に、第一課、丙火の寄宮は巳に在り、巳上に子を得、六合に乗る。第二課、子上に未を得、太陰に乗る。第三課、日支の子上に未を得、太陰に乗る。第四課、未上に寅を得、青龍に乗る。三伝は初子(丙子は六合に乗る、子水は丙火を克す、是れ官鬼爻)、中未(癸未は太陰に乗る、未土は丙火の生ずる所を受け、是れ子孫爻)、末寅(戊寅は青龍に乗る、寅木は丙火を生ず、是れ父母爻)。丙子日は甲戌一旬に属し、申・酉の两位は旬空に落つ。
三傳子未寅,將六、陰、龍,來意事主內外和合,主添妻妾之慶。
三伝は子・未・寅、依次に六合・太陰・青龍に乗る。これに拠りて来人の意を断ずるに、門内門外の両頭の事はみな和順にして合拍し、また家中に妻妾を添置するの喜事を主る。
何以知之?緣日干與時三合,與支六合,故言內外和合事也。日上神后水,時上天后水,主言鬼者,緣直事門大吉上得勾陳土,為今日子孫,死絕之水豈能為鬼也?
これは怎様に断じたるか。占時の丑は日干の丙の寄せる所の巳と三合を成し、また日支の子と六合を成し、一課の中に日干・日支の両頭ともに合に逢う、ゆえに門内門外の事はみな和合すと言う。人有りて問わん、日干の上は神后子水にして、占時の上に乗る天后もまた水に属し、水は丙火を克す、豈に官鬼が頭に当たるにあらずや。須らく知るべし、天盤正時の上の直事門は大吉丑にして、丑上に勾陳に乗り、勾陳と丑とはみな土に属し、土は丙火の生ずる所の子孫にして、正に好く回頭して水を克す。況んや子水は丑月の土旺の時にすでに死絶に入り、一個の既に制せられまた気無きの水は、また何の鬼をか作さんや。
何知妾媵?蓋太陰主妾媵,六合主婚姻和合,青龍主喜慶,此課始末俱吉,豈不是喜合添妾媵之象也?
何を憑りて妾室を添置すると断定すや。太陰は人事上に正に側室・婢妾の一流を主り、六合は婚姻の締結・両姓の和合を主り、青龍は喜慶財禄を主る。この三位の吉将は分かちて三伝に踞り、自ず初めより終りに至るまで一路みな吉なり。喜慶の神と婚合の神と并び見え、また太陰有りて身分を点明し、正に歓歓喜喜として妾を納れ人を添うるの象なり。
時は日干の六害なりの章第六 外憂を主る
十二辰橫為六合,縱為六害,若時與日干六害者,為刑害之象,故主外憂也。若壬丙二日時為六害者,主因尊親人挾勢相害而有外憂也。乙辛二日時為六害者,主因兄弟等輩在外相害而有憂也。
本章の「一字訣」は一つの「害」の字に落ちる。十二地支を両行に排して相対せば、横に看れば六合なり、子と丑・寅と亥のごとし。竪に看れば便ち六害なり、子と未・丑と午のごとし。凡そ占時が日干と六害を構成せば、すなわち彼此刑傷妨害するの象にして、門外に憂患有るを主る。この憂患は何人より出づるかは、また日干を看るを要す。壬日・丙日に六害に遇えば、尊長親貴の人に勢いを仗りて相い欺かるるによりて外憂を生ずるを主り、乙日・辛日に六害に遇えば、兄弟同輩の人に外に在りて算計せらるるによりて憂を生ずるを主る。
庚甲二日時為六害,主幼小人相害而有憂也。癸己二日時為六害者,主因外財而有憂也。若丁日得之,主北面有破損之憂。戊日得之,懼攻劫戰傷之禍。臨時更於課式之內以神衰旺通而論之。
庚日・甲日に六害に遇えば、年幼卑小の輩に牽累せらるるによりて憂を生ずるを主り、癸日・己日に六害に遇えば、門外の銭財のために憂を生ずるを主る。丁日に六害に遇えば、北方一路に損壊破敗の憂有るを主り、戊日に六害に遇えば、まさに人の攻劫・刀兵傷損の禍に遭うを提防すべし。以上はただ大綱のみ、臨事にまた課式の中に回り、関係有る神将の旺か衰かを参看し、通盤に権衡したる後に再び断語を下すを要す。
假令癸丑巳將午時。
一例を挙ぐ。癸丑日、巳を用いて月将と為し、占時は午時なり。巳将を午時の上に加えれば、天盤は地盤より退后して一位なり。
蛇 貴 后 陰 辰 巳 午 未 空 龍 空 龍 官 癸丑 勾 朱卯 申玄 亥 子 亥 子 兄 壬子 龍 合寅 酉常 子 丑 子 癸 兄 辛亥 空 丑 子 亥 戌 勾 龍 空 虎
盤の中、地盤の巳上に天盤の辰を得、螣蛇に乗る。午上に巳を得、貴人に乗る。未上に午を得、天后に乗る。申上に未を得、太陰に乗る。酉上に申を得、玄武に乗る。戌上に酉を得、太常に乗る。亥上に戌を得、白虎に乗る。子上に亥を得、天空に乗る。丑上に子を得、青龍に乗る。寅上に丑を得、勾陳に乗る。卯上に寅を得、六合に乗る。辰上に卯を得、朱雀に乗る。四課は右より左に、第一課、癸水の寄宮は丑に在り、丑上に子を得、青龍に乗る。第二課、子上に亥を得、天空に乗る。第三課、日支の丑上に子を得、青龍に乗る。第四課、子上に亥を得、天空に乗る。三伝は初丑(癸丑は勾陳に乗る、丑土は癸水を克す、是れ官鬼爻)、中子(壬子は青龍に乗る)、末亥(辛亥は天空に乗る)、子亥の二水は癸と同類、みな兄弟爻なり。癸丑日は甲辰一旬に属し、寅・卯の两位は旬空に落つ。占時の午は日干の癸の寄せる所の丑と正に六害を成し、本章の義はすなわちここに在り。
三傳丑子亥,將勾、龍、空,來意因當日丑時三人巡更,與地方中姓馬人相爭。來日申官。因一姓孫司吏為鬼,三人並遭杖責。
三伝は丑・子・亥、依次に勾陳・青龍・天空に乗る。これに拠りて来人の意を断ずるに、当天の丑時に三個の人有りて夜を巡り更を打ち、本地の一個の姓馬の人と争執を起こし、第二天に官府に報到し、一個の姓孫の司吏が中より作梗するを因りて、三個人は一同に板子を挨ぎたり。
何知當日丑時?發用大吉,便為今日丑時。何知三人夜巡?今日癸水與式中子亥等輩,便為三人。言丑時相爭,便言夜巡也。
何を憑りて事の発するは当天の丑時を知るや。発用の初伝は大吉丑、丑は既に本日の日支にして、また直に丑この時辰を指すがゆえに、断じて当日の丑時に在り。何を憑りて三個の人の夜を巡るを知るや。今日の日干の癸は水に属し、課の中の子・亥の两位もまたみな水に属し、癸と同類にして、正に同輩の三人なり。争執の発生するは丑時に在るに既り、丑時は正に夜半の後・天光未だ亮かざるに当たり、三個の同伴が此時外に在れば、自ずから更を巡り夜を打つなり。
何知姓馬人相爭?直事門勝光,為姓馬人,勝光為日下之財。何言相爭?與日為六害,又發用勾陳為鬼,豈不相爭也?
何を憑りて姓馬の人と相争うを知るや。天盤正時の上の直事門は勝光午、午は生肖に馬を為し、姓氏の取象上にもまた馬姓を主る。午火はまた癸水の克する財にして、財は対方の手上に在り、正に争奪の由頭なり。何を憑りて「相争」と断ずや。午と癸の寄せる所の丑とは六害を構成し、本り已に彼此妨害なり。発用の丑土の上にまた勾陳に乗り、勾陳は争闘牢獄を主り、しかも丑土は癸水を克して正に官鬼——害と鬼と并び見れば、豈に争わざるの理有らんや。
何知姓孫人吏?緣發用大吉,場面為佃絲,中傳神后與子相配成孫字,大吉與勾陳剋日,故知忘吏孫姓人。
何を憑りて姓孫の胥吏なるを知るや。発用は大吉丑、丑は物象上に田畝糸縷の形を取り、一つの「糸」の旁に当たる可し。中伝は神后子、一つの「子」の字は丑の出す所の「糸」と相配し、正に繁体の「孫」の字を拼成す、ゆえに此人を断じて姓孫とす。丑土はその上に乗る勾陳と一同に日干の癸水を克伐し、勾陳は本り公門衙役を主るがゆえに、彼を断じて衙門裏に作梗するの司吏とす。(底本の「忘吏」は「司吏」とすべく、形近して訛り、今原字を存す。)
何知三人俱受杖責?以今日癸與子亥俱屬水,為大吉所克。又勾陳為杖棒,末傳雖有天空亦克今日,故言俱受杖責也。
何を憑りて三個人が一斉に打たるるを知るや。今日の癸と課の中の子・亥はみな水に属し、この三個の同伴を代表し、しかもそれらは統べて発用の大吉丑土に克せらる。丑上に乗る勾陳は器物の取象上に正に棍棒杖具なり。末伝は天空なるがゆえに、看れば虚耗して実なきがごとけれども、天空は土に属し、同じく今日の癸水を克伐す。三個の水が一斉に克を受け、棍棒の神が頭に当たる、ゆえに断じて三人みな杖責を受くべしとす。
時は日支の六害なりの章第七 内憂を主る
辰為陰,主內事,時既害之,定主內憂也。若見玄武、六合臨門,防盜賊窺財、婢妾蒙蔽而為內憂。若螣蛇臨門,主家室不寧,更變遷徒而主內憂。若式中見白虎乘休囚之氣,必主家內有人患病,若臨子便是屬鼠人病也。
上章の「害」の字は日干を看、此一章の「害」の字は日支を看る。日支は陰に属し、家門以内の事を管す。占時既に来りてそれを害すれば、断じて門内に必ず憂患有るとす。若し玄武・六合が門戸の位に臨むを見れば、まさに盗賊が家財を窺伺し、あるいは婢妾が中より蒙蔽欺瞞し、これによりて内憂を生ずるを提防すべし。若し螣蛇が門に臨むを見れば、家室が安寧を得ざるを主り、また搬遷改易の事有るべく、また内憂なり。若し課の中に白虎が休気・囚気の類の衰敗の気に乗るを見れば、必ず家裏に人の生病有るを主り、白虎が若し子位に臨めば、あれはすなわち属鼠の人が病を得るなり。
若六害上見天空,或落空亡,虛憂不成。若陰人占,式中見子孫爻,或嗣部上帶螣蛇,主因身孕而有驚憂也。若男子占,必因子孫而致憂也。
若し六害の所在の位の上に天空に乗り、あるいは干脆に旬空の内に落つれば、あの場の憂愁はただ虚驚の一場にして、実禍を成さず。若し女子が占いに来りて、課の中に子孫爻を見、あるいは子嗣を主る宮位の上に螣蛇を帯びれば、あれは便ち懐孕生産のために担驚受怕するなり。若し男子が占いに来れば、則ち必定子女の事情のために憂を生ずるなり。
假令庚子日卯將未時。
一例を挙ぐ。庚子日、卯を用いて月将と為し、占時は未時なり。卯将を未時の上に加えれば、天盤は地盤より退后して四位なり。
貴 后 陰 玄 丑 寅 卯 辰 玄 龍 蛇 玄 子 庚子 蛇 蛇子 巳常 辰 申 子 辰 兄 丙申 龍 朱亥 午虎 申 子 辰 庚 父 辰 玄 ◎ 戌 酉 申 未 合 勾 龍 空
盤の中、地盤の巳上に天盤の丑を得、貴人に乗る。午上に寅を得、天后に乗る。未上に卯を得、太陰に乗る。申上に辰を得、玄武に乗る。酉上に巳を得、太常に乗る。戌上に午を得、白虎に乗る。亥上に未を得、天空に乗る。子上に申を得、青龍に乗る。丑上に酉を得、勾陳に乗る。寅上に戌を得、六合に乗る。卯上に亥を得、朱雀に乗る。辰上に子を得、螣蛇に乗る。四課は右より左に、第一課、庚金の寄宮は申に在り、申上に辰を得、玄武に乗る。第二課、辰上に子を得、螣蛇に乗る。第三課、日支の子上に申を得、青龍に乗る。第四課、申上に辰を得、玄武に乗る。三伝は初子(庚子は螣蛇に乗る、庚金は子水を生ず、是れ子孫爻)、中申(丙申は青龍に乗る、庚と同類、是れ兄弟爻)、末辰(玄武に乗る、辰土は庚金を生ず、是れ父母爻)。申子辰は合成して水局を成し、課体は「潤下」と為す。庚子日は甲午一旬に属し、辰・巳は旬空に落つ、ゆえに末伝の辰の遁干は空缺して「◎」を標す。占時の未は日支の子と正に六害を成す。
三傳子申辰,將蛇、青、玄,甲子陰人占。來意因三月胎氣不安,而有驚恐,至十一月喜見生子,子母俱慶。
三伝は子・申・辰、依次に螣蛇・青龍・玄武に乗り、占いに来るは一位の本命甲子の婦人なり。これに拠りて彼女の来意を断ずるに、三月裏に胎気安穏ならず、これがために心裏驚惶せり。十一月に到りて歓歓喜喜として孩子を生下し、母子ともに平安にして慶を得たり。
蓋發用起神后,為今日之子孫,上見螣蛇,為日下之鬼。下臨辰墓而為三月,故胎氣不安而有驚恐之象。至十一月見喜生男者,中傳送為嗣,卻上得青龍吉慶,下臨子,故應在十一月。
道理は此樣なり。発用は神后子より起こり、子水は庚金の生ずる所より出て、正に今日の子孫爻にして、胎孕を占えばすなわちこれをもって胎児と為す。子上に却って螣蛇に乗り、螣蛇は火に属し庚金を克し、是れ日干の頭上に圧する鬼にして、また驚怖を主る。この一位は下に地盤の辰宮に臨み、辰は水の墓庫にして、また三月の建に当たり、胎児が墓の上に落つ、ゆえに三月裏に胎気安からず心に惊恐を生ず。十一月に到りて喜を見て男を生ずるは、中伝の伝送申が子嗣を主り、その上に青龍この喜慶を主る吉将を得、申はまた下に子宮に臨み、子は十一月の建に当たるをもって、ゆえに十一月に分娩するに応ず。
又天罡所繫與日比陽,三傳日辰俱陽,故生男也。子母俱慶者,三傳與日辰為三合,雖有螣蛇剋日,卦得潤下屬水,又日上有玄武水,其四水乘旺相氣而為救神,其蛇不能害也。
再び看るに、天罡辰の係る所の一路の神支はみな日干と同じく陽に属し、三伝の子・申・辰と日干の庚・日支の子もまた全く陽にして、満盤純陽、ゆえに生ずるは男孩と断定す。母子ともに平安喜慶を得ると言うに至っては、三伝と日干・日支とが合成して一個の整局を成し、気脈相通ずるをもってす。螣蛇の火の来りて庚金を克する有りと雖も、課体は「潤下」を得、申子辰は純らに水象にして、日干の上にまた玄武有りて水に属し、この四重の水はみな旺気・相気に乗り、一斉に救神を充当す——水は能く火を制し、螣蛇のあの点の火気は圧されて死ぬほど固く、人を害する能わず。
時は日の空亡なりの章第八 空を望みて事を用うるを主る、あるいは用無きなり
空亡者為虛氣無象也。若用時神、正時得之,主占無用事,或虛詐之事。若式中見三合六合、龍常后合,主虛望喜事不成。惟病訟門以空亡為最吉。凡占失物,其類落空亡者,不能得其物。占失奴僕,天魁落空亡,其奴僕亦不能捕矣。
本章の「一字訣」は一つの「空」の字に落ちる。いわゆる「空亡」は、一旬の中に天干の配すべき無き二個の地支にして、気虚にして実象なし。若し発用の神あるいは占時本身が空亡に落つれば、すなわち占う所の事は根本として着落なく、あるいは純らに一場の騙局に属すを主る。若し課の中に三合六合を見ると雖も、また青龍・太常・天后・六合これらの吉将有るも、空裏に落てば、あれは便ち空しき歓喜の一場にして、喜事は終に成らず。独り疾病を占し詞訟を占するこの両門のみ、反って空亡をもって最吉と為す、病と訟とが空に落るはすなわち消散なるをもってす。凡そ失物を占えば、失物の属する所のあの一類の神が空に落れば、物は尋ね回るべからず。逃亡の奴僕を占えば、天魁戌が空に落れば、奴僕もまた捉え得られざるなり。
如日支干落空帶鬼者,主相爭之人不足畏,蓋空而無力也。訪人不利見,亦不利於託人。如今日落空亡,雖三傳為鬼,上挾凶神而欲相害我,既在空,彼不得見,將與誰爭?空亡中見太陰,多是虛詐設謀,見玄武是盜賊窺財也。
倘若日干あるいは日支が空に落ちてまた官鬼を帯びれば、すなわち来りて我と相争う人は惧るるに足らず、鬼の空に落るは虚にして力無きをもってす。人を訪問するを占えば見えるに利あらず、人を托して事を弁ずるも弁じ成らず。再びごとく本日の日干が空亡に落てば、縦使三伝みな化して官鬼と為り、上頭にまた凶神を挟みて我に加害せんと欲すると雖も、しかるに我この一頭は既に空に落れば、対方は根本我を照見するあらず、彼はまた誰と同じく争闘せんや。空亡の中に若し太陰を見れば、多半は人有りて虚に声勢を張り圈套を設下せるなり。若し玄武を見れば、あれはすなわち盗賊が暗中に家財を窺伺するなり。
假令戊戌人,甲戌日辰將未時。
一例を挙ぐ。占いに来る人の本命は戊戌、日辰は甲戌日、辰を用いて月将と為し、占時は未時なり。辰将を未時の上に加えれば、天盤は地盤より退后して三位なり。
蛇 朱 合 勾 寅 卯 辰 巳 合 空 虎 陰 官 申 虎 ◎ 貴丑 午龍 辰 未 申 亥 子 辛巳 勾 后子 未空 未 戌 亥 甲 兄 戊寅 蛇 亥 戌 酉 申 陰 玄 常 虎
盤の中、地盤の巳上に天盤の寅を得、螣蛇に乗る。午上に卯を得、朱雀に乗る。未上に辰を得、六合に乗る。申上に巳を得、勾陳に乗る。酉上に午を得、青龍に乗る。戌上に未を得、天空に乗る。亥上に申を得、白虎に乗る。子上に酉を得、太常に乗る。丑上に戌を得、玄武に乗る。寅上に亥を得、太陰に乗る。卯上に子を得、天后に乗る。辰上に丑を得、貴人に乗る。四課は右より左に、第一課、甲木の寄宮は寅に在り、寅上に亥を得、太陰に乗る。第二課、亥上に申を得、白虎に乗る。第三課、日支の戌上に未を得、天空に乗る。第四課、未上に辰を得、六合に乗る。三伝は初申(白虎に乗る、申金は甲木を克す、是れ官鬼爻)、中巳(辛巳は勾陳に乗る、甲木は巳火を生ず、是れ子孫爻)、末寅(戊寅は螣蛇に乗る、甲と同類、是れ兄弟爻)。甲戌日は正に甲戌旬の旬首にして、申・酉の两位は旬空に落つ、ゆえに初伝の申の遁干は空缺して「◎」を標し、占時の未上にまた天空に乗る、本章の義はすなわちここに在り。
三傳申巳寅,將白、勾、蛇。來意事緣七月中勸和公事到官,以所得財物檢法,擬定徒罪。上申,至來年正月文字來,只得杖罪,以寄作月日相折無事。
三伝は申・巳・寅、依次に白虎・勾陳・螣蛇に乗る。これに拠りて来人の意を断ずるに、七月裏に彼は人のために一樁の公事を調停して官に牽連せられ、官府は彼が中より得たる財物を按じて法条に比照し、初步に徒刑を判処せんと擬定す。案巻は上報せられたる後、第二年の正月に到りて批文下り来り、改めてただ杖刑を判ずるのみと為し、再びすでに寄居服役せし日月を用いて相抵折し、人は便ち事なし。
何也?蓋時為日干財,並日貴,又發用申為日空,上帶白虎,又為日刑,中傳太乙上得勾陳,與日為刑害,末傳得螣蛇。此課始末俱凶,主重刑。
何を為に此樣に断ずや。占時の未土は甲木の克する所にして、是れ日干の財、また日干の貴人と并臨す、ゆえに起因は人のために説合し財物を経手するに在り。発用の申は正に甲戌旬の空亡の裏に落ち、その上に白虎を帯びて刑傷血光を主り、申と寅とは相刑し、また日干の刑なり。中伝の太乙巳上に勾陳を得、勾陳は牢獄を主り、巳と申とは既に刑しまた害す。末伝に再び螣蛇この驚怖を主る凶将に乗る。整副の課は頭より尾に至るまでみな凶象、ゆえに本りまさに甚だ重き刑を判ずべし。
而只言擬定徒罪者,緣直事門得天空發用,二傳臨空亡而不能解散。而言擬定申上者,蓋時來解也。緣白虎乘秋正旺而又為刑害,故方擬定徒罪也。
しかるに何を為にただ「擬定」の徒刑を言いて、当真に判じ下さざるや。天盤正時の上の直事門は天空に乗り、一たび手を起こせばすなわち虚象なり。発用と次伝はまた空亡の中に落ち、罪名はすでに擬出せられたれども、始終として坐り実らず、また一時に散じ去る能わず。この「擬定」の二字が申位の上に応ずと言うは、占時の未来の救解なり。ただ白虎の乗る所の申金が正に秋令に当たり気勢極めて旺にして、また刑害交加を兼ぬるを因りて、ゆえに官府は乃ち先ず一個の徒刑の罪名を擬したるなり。
何知正月文字來,只得杖罷,以寄居作日月相折無爭事而出者?蓋七月白虎鬼旺,至十二月支干並無制,白虎者至來年正月建丙寅,白虎傳送金至寅死絕,又為旺火所制,又太乙螣蛇火至此俱旺,共為救神,又卦時本是空亡,故知正月無事而出也。
何を憑りて正月裏に批文下り来り、ただ杖刑を判じ、并せて寄居服役せし日月を用いて抵折し、事なく釋放するを知るや。七月裏に白虎の乗る所の申金官鬼は正に旺にして、あの時より直に十二月に至るまで、各月の干支に能くそれを制伏する有らず。第二年の正月に到れば、月建は丙寅、白虎伝送の申金は寅位に行り至れば便ち死絶の地に入り、また寅中の旺火に克せらる。同時に太乙巳と螣蛇もまたみな火に属し、ここに到りて一斉に旺を得、合力して救神を充当す。再加えて此課の占時は本来空亡に落ち、罪名は元来根基無し。幾層の理由湊り斉う、ゆえに正月裏に平安にして獄を出ると断定す。
時は日の墓なりの章第九 田土あるいは他人の塋墳の事を干るを主る
四季者五行所鍾,萬物所歸,故曰墓也。若正月時得之,更在用傳,定主墳墓之事。或式中帶鬼與凶將並,定是墳墓爭訟。若見財神旺方,不落空亡,主得墳墓占窖之財。用傳俱土雖不見墓神亦可言墳墓事。有天馬六丁者則為遊子之卦,若水日占之,人土乘旺,財事與家人相爭。若木日得之則為動眾之財,若墓神臨日占病見之最為凶象也。
本章の「一字訣」は一つの「墓」の字に落ちる。辰・戌・丑・未この四季の支は、五行気数の聚拢する処にして、万物ここに到ればみな帰蔵す、ゆえに「墓」と曰く。若し占時が正に日干の墓に当たり、しかもこの一位がまた発用と三伝の中に出現せば、断じて問う所は墳塋の事とす。若し課の中に墓神が官鬼を帯び、また凶将と并臨せば、あれは必ず墳地のために官司を打つなり。若し財神が旺方に在りて空亡に落ちざるを見れば、墓地窖蔵の類の財を得る能くするを主る。三伝が全く土なれば、便ち正墓の神を見ざると雖も、一樣に墳墓の事と断作すべし。若し課の中に天馬・六丁有れば、あれは「遊子」の課にして、外に在りて奔走するを主る。若し水日が占いに来れば、土神が旺に乗りて水を圧し、財のために家裏人と争鬧するを主る。若し木日がこれを得れば、則ち衆人の力を動用して謀るの財なり。墓神が日干の上に臨むに至っては、病を占してそれに遇えば、あれは最凶の象なり。
假令己丑日巳將辰時。
一例を挙ぐ。己丑日、巳を用いて月将と為し、占時は辰時なり。巳将を辰時の上に加えれば、天盤は地盤より順に一位進む。
空 虎 常 玄 午 未 申 酉 合 朱 玄 常 官 庚寅 朱 龍巳 戌陰 卯 寅 酉 申 官 辛卯 合 勾辰 亥后 寅 丑 申 己 兄 壬辰 勾 卯 寅 丑 子 合 朱 蛇 貴
盤の中、地盤の巳上に天盤の午を得、天空に乗る。午上に未を得、白虎に乗る。未上に申を得、太常に乗る。申上に酉を得、玄武に乗る。酉上に戌を得、太陰に乗る。戌上に亥を得、天后に乗る。亥上に子を得、貴人に乗る。子上に丑を得、螣蛇に乗る。丑上に寅を得、朱雀に乗る。寅上に卯を得、六合に乗る。卯上に辰を得、勾陳に乗る。辰上に巳を得、青龍に乗る。四課は右より左に、第一課、己土の寄宮は未に在り、未上に申を得、太常に乗る。第二課、申上に酉を得、玄武に乗る。第三課、日支の丑上に寅を得、朱雀に乗る。第四課、寅上に卯を得、六合に乗る。三伝は初寅(庚寅は朱雀に乗る)、中卯(辛卯は六合に乗る)、寅卯木はみな己土を克し、みな官鬼爻なり。末辰(壬辰は勾陳に乗る、己土と同類、是れ兄弟爻)。己丑日は甲申一旬に属し、午・未の两位は旬空に落つ。占時の辰は正に己土の墓、本章の義はすなわちここに在り。
三傳寅卯辰,將朱、六、勾,來意主正月間與一姓杜人爭田土事。又有一姓藺人與姓杜人挾勢相助,卻得一姓張貴人力。只於七月間務了畢。
三伝は寅・卯・辰、依次に朱雀・六合・勾陳に乗る。これに拠りて来人の意を断ずるに、正月間に彼は一個の姓杜の人と田地を争奪し、另外に一個の姓藺の人有りて勢いを仗りて姓杜のために幇腔し、後来一位の姓張の貴人を得て力を出して相助け、此場の糾紛は七月間に到りて始めて徹底に了結せり。
緣時為日墓,又直事門見勾陳,故言爭田土事。發用寅木與丑土為杜字,為日干之鬼,上得朱雀,主口舌文字。又寅為正月,故知正月與杜姓人相爭也。
占時の辰は己土の墓庫、墓は田土墳塋を主る。天盤正時の上の直事門はまた勾陳に乗り、勾陳は本り田土の争闘を主るがゆえに、断じて田地を争うの事と為す。発用は寅木、寅は「木」の旁を取り、日支の丑の出す所の「土」を配し、木土相合して正に一つの「杜」の字。寅木はまた己土を克し、是れ日干の官鬼、その上に朱雀に乗り、朱雀は口舌と文書状紙を主る。寅は還た正月の建、ゆえに正月裏に姓杜の人と争執を起こすと断定す。
又言藺姓人相助者,中傳卯為門,六合為草頭,臨寅住為隹字。卯寅為等輩,故相助也。日上得傳送為今日貴人,上得太常吉將,其寅卯二木傳送為弓為道為張字,故方姓張貴人力。傳送為七月建,故七月事務畢也。
一個の姓藺の人有りて幇襯すると言うは、中伝の卯が取象上に門戸の形を作し、その上に六合に乗り、六合は草字头を作すをもってす。卯の臨む所の寅位はまた「隹」の字形を取り、草頭・門・隹の幾部を拼合すれば、正に繁体の「藺」の字なり。卯と寅とは同じく木に属し、同輩の人、ゆえに姓杜の一頭を幇す。日干の寄宮の上に伝送申を得、申は今日の貴人にして、上に太常この吉将に乗る。再び寅・卯の二木を取って弓弦の形と為し、伝送申を長道の象と為せば、弓と長と相配して便ち一個の「張」の字を成す、ゆえに姓張の貴人を得て力を出すと言う。伝送申はまた七月の月建、ゆえにこの樁の事は七月に到りて始めて弁結すと断ず。
時は日干の冲なりの章第十 外動を主る
以日為外,用時與日沖,主外動,此其大略也。若壬日、戊日、庚日,得時為日沖,並驛馬,附財,主外動干求;若甲日得之,即為甲之鬼,主外動破財吉;若丙日得之,則亥為丙之貴馬,仕人主遷官曆任。其餘陰干仿此推之。
本章の「一字訣」は一つの「冲」の字に落ちる。日干は門外の一頭を代表し、占時と日干と相冲せば、すなわち外面に動作有るを主る、これは大略の原則なり。分かちて言えば、壬日・戊日・庚日に占時の日を冲するに遇い、しかもこの一位がまた駅馬を兼ね財爻を附帯すれば、外に出でて奔走し財利を謀求するを主る。甲日に占時の日を冲するに遇えば、甲を冲する申金は正に甲木の官鬼にして、外出して財を破るを主る(底本は「破財吉」と作し、「吉」の字は疑わしく衍かあるいは「凶」の訛、今原文を存す)。丙日に占時の日を冲するに遇えば、丙の寄せる所の巳を冲するは亥にして、しかも亥は恰も丙日の貴人兼駅馬、官を做る人は升遷調任・歴練新職を主る。その余の各個の陰干は、みなこの弁法に照らして類推す。
假令十月戊辰日寅將亥時。
一例を挙ぐ。十月裏、戊辰日、寅を用いて月将と為し、占時は亥時なり。寅将を亥時の上に加えれば、天盤は地盤より順に三位進む。
蛇 朱 合 勾 申 酉 戌 亥 合 貴 勾 蛇 財 亥 勾 ◎ 貴未 子龍 戌 未 亥 申 官 丙寅 虎 后午 丑空 未 辰 申 戊 父 己巳 陰 巳 辰 卯 寅 陰 玄 常 虎
盤の中、地盤の巳上に天盤の申を得、螣蛇に乗る。午上に酉を得、朱雀に乗る。未上に戌を得、六合に乗る。申上に亥を得、勾陳に乗る。酉上に子を得、青龍に乗る。戌上に丑を得、天空に乗る。亥上に寅を得、白虎に乗る。子上に卯を得、太常に乗る。丑上に辰を得、玄武に乗る。寅上に巳を得、太陰に乗る。卯上に午を得、天后に乗る。辰上に未を得、貴人に乗る。四課は右より左に、第一課、戊土の寄宮は巳に在り、巳上に申を得、螣蛇に乗る。第二課、申上に亥を得、勾陳に乗る。第三課、日支の辰上に未を得、貴人に乗る。第四課、未上に戌を得、六合に乗る。三伝は初亥(勾陳に乗る、亥水は戊土の克を受け、是れ財爻)、中寅(丙寅は白虎に乗る、寅木は戊土を克す、是れ官鬼爻)、末巳(己巳は太陰に乗る、巳火は戊土を生ず、是れ父母爻)。戊辰日は甲子一旬に属し、戌・亥は旬空に落つ、ゆえに初伝の亥の遁干は空缺して「◎」を標す。占時の亥は戊の寄せる所の巳と正に相冲し、本章の義はすなわちここに在り。
來意主西北上,出入干財,有李姓人無髮者,暗為鬼賊,其事自解,其財不得,主空回也。
これに拠りて来人の意を断ずるに、彼は西北方向に往きて門を出で財を謀らんとす。一個の姓李・頭上に頭髪無きの人有りて、暗地裏に鬼の如く作梗して悪を使す。不過この樁の妨害は自ら化解せん。求むる所の財に至っては却って手に拿到せず、最終は空手にして回るなり。
何知西北上出去干財,先鋒與發用皆亥,亥主西北,又為日財日馬也。何知李姓無髮者為鬼賊,蓋中傳功曹為木,下臨壬水,配合為李字也,白虎主無髮鬢人。為日下之鬼,故知此人為害也。
何を憑りて西北に往きて財を謀るを知るや。先鋒門の占時は亥にして、発用の初伝もまた亥、両処同現す。亥は方位上に西北に属し、それは既に戊土の克する財にして、また戊辰日の駅馬なり。財と馬と并せて西北に在り、ゆえに断じて西北に往きて門を出で財を求むと為す。何を憑りて一個の姓李の禿頭の人が作祟すると言うや。中伝の功曹寅は木に属し、「木」の旁を取り、それの下に地盤の亥位に臨み、亥中の蔵する所は壬水、取って「子」と為し、木と子と相配して正に一個の「李」の字。寅上に白虎に乗り、白虎は人物の取象上に頭頂鬢辺に髪無きの人を主る。寅木はまた戊土を克し、是れ日干の下の官鬼、ゆえにこの人は来りて我を害する者と断定す。
言自解者,經云:鬼自受制憂將自救。寅為日之鬼,上得白虎金制之,故曰自解也。其財不得而主空回也者,蓋發用登明為空亡,雖為日下之財,而正時自為空亡,豈不是空回也。
この場の妨害は自ら化解すと言うは、古経の上に講ずるに、鬼が若し自身先ず制伏せられれば、憂患は人の救うを必ずせずして自ずから解すと。この課の寅木は日干の鬼なるがゆえに、しかしそれの上頭に乗る白虎は金に属し、金は正に木を克し、鬼は自己の乗る所の天将に圧せられて、凶性を発し出す能わず、ゆえに「自解」と言う。財の手に到らずして、ただ一個の空手の回来に落るに至っては、発用の登明亥が恰好として甲子旬の空亡の裏に落つるをもってす。亥は日干の下の財なるがゆえに、しかし占時本身がすなわちこの空亡の支、財と時と一斉に空に落れば、豈に正に空しく一趟跑るにあらずや。
時は日支の冲なりの章第十一 内動を主る
一氣所沖如物當風,豈有安息。日為占人,辰為所居之宅,又為卑下,時為辰沖,故主內動,若辰上神更值白虎凶神,主宅不可居、卑幼災難。若不內動即主與我相爭、他人疾病,蓋辰亦為他人也。
上章の「冲」の字は日干を看、此一章の「冲」の字は日支を看る。一股の気が对冲せらるれば、器物の大風に当たるがごとく、どうしてまた安穏なるを得んや。日干は占いに来る人を代表し、日支は彼の住する所の宅舍を代表し、また家中の卑幼の一輩を代表す。占時が日支を冲す、ゆえに門内に動盪有るを主る。若し日支の上に再び白虎の類の凶神に遇えば、すなわち房子住むべからざるを主り、家中の小輩に災難有り。若し搬動の上に応ぜざれば、あれはすなわち人有りて来りて我と争鬧し、あるいは別人の生病するなり——日支は宅舎を指すを除くの外に、また兼ねて他人を指すをもってす。
若從革返吟,定主移宅;八專日辰同居一處,若正時沖之,名內外俱亂,主男女俱淫亂、逃難奔竄,其災禍更於課式中互換取要而言之。
若し課体が「従革」あるいは「返吟」を得れば、すなわち遷居搬家すべしと断ず。若し八専の課なれば、日干の寄宮と日支とは同じく一位に在りて、しかも占時がまた来りてそれを冲す、これを「内外俱乱」と叫び、男女淫乱にして撿点ならざるを主り、あるいは難を逃れて奔走し四処に流竄す。災禍が究竟どちらの一頭に落つるかに至っては、また課式の裏に回りて各処の神将を交互に参看し、最も緊要なる一処を抓住して来りて言うを要す。
假令十一月癸卯日丑將酉時。
一例を挙ぐ。十一月裏、癸卯日、丑を用いて月将と為し、占時は酉時なり。丑将を酉時の上に加えれば、天盤は地盤より順に四位進む。
空 虎 常 玄 酉 戌 亥 子 常 勾 空 朱 父 丁酉 空 龍申 丑陰 亥 未 酉 巳 官 辛丑 陰 勾未 寅后 未 卯 巳 癸 財 巳 朱 ◎ 午 巳 辰 卯 合 朱 蛇 貴
盤の中、地盤の巳上に天盤の酉を得、天空に乗る。午上に戌を得、白虎に乗る。未上に亥を得、太常に乗る。申上に子を得、玄武に乗る。酉上に丑を得、太陰に乗る。戌上に寅を得、天后に乗る。亥上に卯を得、貴人に乗る。子上に辰を得、螣蛇に乗る。丑上に巳を得、朱雀に乗る。寅上に午を得、六合に乗る。卯上に未を得、勾陳に乗る。辰上に申を得、青龍に乗る。四課は右より左に、第一課、癸水の寄宮は丑に在り、丑上に巳を得、朱雀に乗る。第二課、巳上に酉を得、天空に乗る。第三課、日支の卯上に未を得、勾陳に乗る。第四課、未上に亥を得、太常に乗る。三伝は初酉(丁酉は天空に乗る、酉金は癸水を生ず、是れ父母爻)、中丑(辛丑は太陰に乗る、丑土は癸水を克す、是れ官鬼爻)、末巳(朱雀に乗る、巳火は癸水の克を受け、是れ財爻)。巳酉丑は合成して金局を成し、課体は「従革」と為す。癸卯日は甲午一旬に属し、辰・巳は旬空に落つ、ゆえに末伝の巳の遁干は空缺して「◎」を標す。占時の酉は日支の卯と正に相冲し、本章の義はすなわちここに在り。
來意主西南近寺,與姓周老陰人爭競,後移東北近廟居住。
これに拠りて来人の意を断ずるに、彼は西南方の寺院に靠近したる地方に住み、一個の姓周の老婦人と争鬧して休まず。後来東北方の廟宇に靠近したる地方に搬りて去りて住めり。
蓋先鋒門與日支沖而又發用,主宅不安,中傳大吉為日下之鬼,下臨酉為寺,合酉為佛為金仙,又酉為西方,大吉得太陰,主老陰人爭競,因此家宅不安,太陰主口舌事,大吉為土,地盤酉為兌,主口舌,以大吉下,見吉配合為周字,故曰西北近寺,與姓周老陰人爭也。
先鋒門の占時の酉は既に日支を冲し、また取って発用と為され、宅位は冲を受く、ゆえに家宅安からず。中伝の大吉丑は癸水を克し、是れ日干の下の官鬼にして、それの下に地盤の酉宮に臨む。酉は取象上に寺院と為し、佛に配して「金仙」の位と為し、酉はまた正西に居る。丑上に太陰に乗り、太陰は年長の女子を主る、ゆえに断じて老婦と争鬧し家宅これによりて寧からずと為す。太陰は同時にまた口舌を主る。丑は本り土に属し、地盤の酉は八卦の兌に配し、兌は口と為り口舌を主る。大吉丑の下と「吉」の字とを取りて相配拼合すれば、正に一個の「周」の字を成す、ゆえに彼女の住処は寺に近く姓周にして年老いたると言う。(底本はここに先ず「西南」を言い後に「西北」を言い、方位前後一せず、今仍お照録して改めず。)
辰為宅,時既沖剋之,不安之象,何以移往東北近廟居住,蓋卦得從革,革故鼎新,從革本主西南,而運東北者何也?
日支は既に宅舍にして、占時はまた来りてそれを冲しそれを克すれば、自ずから住み安穏ならざるの象なり。しかるに何を為に東北に搬りて廟宇に靠近したる地方に往きて住むと断定するや。課体に得るは「従革」にして、従革は「革故鼎新」の義を取り、本り旧を変え新に換え遷移改易するを主る。ただ従革は金に属し金位は西南に在り、理に拠れば西南に往きて搬るべきに、如今却って東北に往くは、これは何の縁故ぞや。
蓋大吉臨酉為日鬼,畏其鬼不敢往,末傳太乙,得朱雀為日下之財,下臨丑,丑主廟,故言往東北近廟居住,丑為天乙本家,故言廟也。
縁故はここに在り。大吉丑は酉宮に臨み、正に日を克する官鬼が西南一路を守り、この鬼を怕るがゆえに、敢えてあの辺に往かず。末伝は太乙巳、その上に朱雀に乗り、巳火は癸水の克する所と為り、是れ日干の下の財。巳はまた下に地盤の丑宮に臨み、丑は方位上に東北に属し、物象上に廟宇を主る、ゆえに彼が東北に往きて廟宇に靠近する処に家を安んずと断ず。丑の廟を主る所以は、丑は天乙貴人の本家の所在にして、貴人の居る所、すなわち神霊の享祀する地なるをもってす。
白日に夜時を得るの章第十二 事明らかならざるを主る、病を占えば重し
日之後陽氣伏匿,陰刑盜賊聚於此時也,此課得夜時,多主闇昧不明之事。若卦得三交,即是交加不明之事,占病重大;更得天后、太陰,主蔽匿奸邪之事;式中見玄武,主盜賊不明之事;若關財爻,即是財不明之事。
本章の「一字訣」は一つの「夜」の字に落ちる。白昼に占いに来りて、起こし出すは却って夜時の課なり。太陽西に沈みし後は陽気潜蔵し、陰私・刑獄・盗賊はみなこの時辰に聚まる、ゆえに白日に夜時を得るの課は、多く曖昧不清にして説き明らかにし得ざるの事を主る。若し課体がまた「三交」を得れば、あれはすなわち糾纏交錯して更に理り清むべからざるの事にして、病を占えば則ち病勢沈重なり。再び天后・太陰を見れば、隠匿包庇の奸邪の勾当有るを主り、課の中に玄武を見れば、盗賊一路の不明の事を主り、若し財爻に牽連すれば、あれはすなわち銭財の上に一筆の糊涂の帳有るなり。
夫病症,易明醫者易治,病症難明醫者難治,凡得夜時而卦值得三交,病症難明故重大也:若式中見青龍、天后,多是因婦女得病;若天空、太陰為鬼剋日,為人算得病;見朱雀、勾陳,因官司文字、口舌爭鬥得病;見亥子或潤下,近水落水得病,不然因傷於飲酒而胃虛下痢,腳膝沉重之病,若是婦人定是經水滯澀、赤白帶下之病;
再び疾病を説く。病症は看清明易ければ、医家は便ち医治し易く、病症は看清楚ならざれば、医家は便ち下手し難し。凡そ夜時の課を起こし出してまた三交に値せば、病症は必定明に難く、ゆえに病情沈重なり。次ぎて分かちて神将を看る。課の中に青龍・天后を見れば、多半は女子に因りて病を得るなり。若し天空・太陰が化して官鬼と為りて来りて日干を克せば、あれは人に暗算せらるるによりて致すの病なり。朱雀・勾陳を見れば、官司文書・口角争闘に因りて病を致すなり。亥・子の二水を見、あるいは課体が「潤下」の水局を成せば、水に近づき水に落ちて得るの病にして、然らざればすなわち飲酒過量にして胃気を傷り、瀉痢止まず両腿膝蓋沈重のなり。若し占いに来るが婦人なれば、あれは必定経水淋漓として暢かならず、赤白帯下の疾なり。
見寅卯木神,多是左股虛風之病,若木旺合曲直,定是脾胃虛弱,蓋木旺則土受制也;見申酉,多是右股傷折或膈中之病,若金旺合從革,多是筋骨折傷、肝膽虛弱、筋脈拳搐,蓋金旺則傷木也;
課の中に寅・卯の木神を見れば、多くは左腿風を受け虚弱不仁の病なり。若し木気正に旺にして三伝また合成して「曲直」の木局を成せば、すなわち脾胃の虚弱と断ず、木旺すれば則ち土は克制せられ、脾胃は土に属するをもって、ゆえに先ず傷る。申・酉の金神を見れば、多くは右腿摔折し、あるいは胸膈の間の病なり。若し金気正に旺にして三伝が合成して「従革」の金局を成せば、多く筋骨の折傷・肝胆の虚弱・筋脈の抽搐を主る、金旺すれば則ち木は傷られ、肝胆と筋脈とみな木に属するをもってす。
四土神,多是臟腑蔽塞不明之病,若水日見旺土合稼穡卦定是小腸不通,心腸虛脹,多傳為蠱種之病,婦人經脈滯澀,男子腎臟虛也;若水上得火神,多是下部虛寒瀉痢,上焦虛、熱躁渴而欲飲水,後傳為血痢也;
課の中に辰・戌・丑・未の四土の神を見れば、多くは臓腑壅塞にして病位を説き清め得ざるの病なり。若し水日にまた旺土を見て三伝が合成して「稼穡」の土局を成せば、すなわち小腸不通・心腹虚脹と断じ、久しくすれば転じて蠱脹腫満の症と成り、婦人は則ち経脈滞澁し、男子は則ち腎臓虚虧す。若し水位の上に火神を得れば、多くは下焦虚寒の泄痢にして、上焦空虚にして燥熱煩渇し一味に水を飲まんと要し、日久すれば便ち転じて便血下痢と成る。
若火上得水神,因停飲而血痢也 或心腹疼痛蓋或為心胞絡也;若金上見火者,定是膈上有熱,咽喉舌頰窄悶喘促而有瘡也;若水上見土,下部有積塊;土上見水,脾胃上有冷痰。
若し火位の上に水神を得れば、あれは水が体内に停積して便血下痢を致し、あるいは心腹疼痛するなり、火は人身において心と心包絡に応じ、水来りてそれを克すれば便ち痛むをもってす。若し金位の上に火を見れば、必定胸膈に熱有り、咽喉・舌根・腮頬は窄悶にして暢からず、气喘急促にして瘡を生ず。若し水位の上に土を見れば、下腹に積塊の結する有るを主り、土位の上に水を見れば、脾胃の裏に冷痰の停まる有るを主る。
白虎乘休氣為子孫者,定是子孫病;為妻爻定是妻妾病;若臨本命上或日上,定是己身病也。臨時更於八門課式中取其與日為鬼,為刑,為害,帶何凶殺,位上所得何神將,參以休囚旺相斷之,方能盡妙矣。
白虎が衰退の休気に乗り、若しそれの臨む所が子孫爻なれば、病は子女の身上に在ると断じ、若し臨む所が妻財爻なれば、病は妻妾の身上に在ると断じ、若し本命の上あるいは日干の上に臨めば、あれはすなわち占者が自己病有るなり。臨事の時は、また八門課式の裏に回りて、どちらの一位が日干と官鬼を構成し・刑を構成し・害を構成し、何の凶煞を帯び、あの一位の上にまた何の神何の将を得たるかを看、再び旺・相・休・囚の気数を参合して通盤に断じ、こうしてこそ始めてその中の精妙を全部説き尽くすを得るなり。
假令七月乙巳日巳將亥時,辛酉人占。
一例を挙ぐ。七月裏、乙巳日、巳を用いて月将と為し、占時は亥時、占いに来る人の本命は辛酉なり。巳将を亥時の上に加えれば、月将と占時とは正に相冲し、起こし出すは返吟の課なり。
合 勾 龍 空 亥 子 丑 寅 玄 合 常 朱 子 乙巳 玄 朱戌 卯虎 巳 亥 辰 戌 父 辛亥 合 蛇酉 辰常 亥 巳 戌 乙 子 乙巳 玄 申 未 午 巳 貴 后 陰 玄
盤の中の各宮の上神はみな本宮と相冲す。地盤の巳上に天盤の亥を得、六合に乗る。午上に子を得、勾陳に乗る。未上に丑を得、青龍に乗る。申上に寅を得、天空に乗る。酉上に卯を得、白虎に乗る。戌上に辰を得、太常に乗る。亥上に巳を得、玄武に乗る。子上に午を得、天后に乗る。丑上に未を得、太陰に乗る。寅上に申を得、貴人に乗る。卯上に酉を得、螣蛇に乗る。辰上に戌を得、朱雀に乗る。四課は右より左に、第一課、乙木の寄宮は辰に在り、辰上に戌を得、朱雀に乗る。第二課、戌上に辰を得、太常に乗る。第三課、日支の巳上に亥を得、六合に乗る。第四課、亥上に巳を得、玄武に乗る。三伝は初巳(乙巳は玄武に乗る、乙木は巳火を生ず、是れ子孫爻)、中亥(辛亥は六合に乗る、亥水は乙木を生ず、是れ父母爻)、末はまた巳なり。乙巳日は甲辰一旬に属し、寅・卯の两位は旬空に落つ。
來意家中內屬雞小兒病,心腹疼痛、血痢頻並,脈氣相反,病症反覆,身體羸弱,只得脾胃氣壯,而善進飲食,至九月節病勢反增,至甲子日,脾胃因不能進食不可救也。
これに拠りて来人の意を断ずるに、家裏に一個の属鸡の小孩有りて生病し、心腹疼痛して、便血下痢は一陣に接して一陣起こり、脈象と病情と相い応ぜず、病勢は反反復復にして、身子は瘦弱にして堪えず。幸いなるに脾胃の気は還た壮んにして、飯は還た喫し下せり。しかるに九月節気に到りて、病勢は反って加重し、甲子のあの一天に到りて、脾胃敗壊し飯をも喫し下せざるに至りて、便ち救う可からず。
何知家內屬雞小兒病?蓋時為日支沖剋,主內動,又用起子孫爻死臨絕,故主小兒病,白虎臨酉,故知家內屬雞小兒病也。
何を憑りて家裏の属鸡の小孩の生病を知るや。占時の亥は日支の巳を冲克し、宅位は冲を受く、門内に事有るを主る。発用は子孫爻の巳より起こり、しかも巳火は亥に行き至れば便ち絶地、子孫は死絶の郷に落つ、ゆえに断じて小児に病有ると為す。再び看るに白虎この病神は酉位に臨み、酉は生肖に雞を配す、ゆえに断じて家中の属鸡の小孩と為す。
何知心腹疼痛、血痢頻並?以巳為心胞絡,上得元武水,克於火,故知心腹疼痛也。巳主血應赤色,水主黑色,水火相雜故曰血痢。末傳又得巳,故知血痢頻並。
何を憑りて心腹疼痛・便血頻作するを知るや。巳火は人身において心と心包絡に応ず、その上に却って玄武に乗り、玄武は水に属し、水来りて火を克す、ゆえに心腹作痛す。巳は血を主りその色は赤、水の色は黒、赤黒の両色は一処に攪わり、便ち下痢して血を帯ぶ。末伝はまた一個の巳にして、同象重ねて現る、ゆえに血痢は一陣に接して一陣、反復して止まずと言う。
脈氣相反者,用起火,故脈氣相反也。病症反覆者,卦得返吟也。身體羸困者,以值事門與中傳是亥,亥為幼子見六合為棺財,又用起死氣,故知羸困也。
脈象と病情と相反すと言うは、発用が巳火より起こるをもって、火性は上炎するも病は下痢に在り、脈と症とは背道して馳するをもってす。病勢の反反復復たると言うは、課体に得るは返吟にして、返吟は往来顛倒・去りて復た来るを主るをもってす。身子の羸弱困頓たると言うは、直事門と中伝とみな亥に落ち、亥は人事上に幼小の子を主り、その上に六合に乗り、六合はここに棺椁の象を取るをもってす。発用はまた死気の郷より起こる、ゆえにこの孩子は形容枯槁・困頓にして堪えずと断ず。
得脾胃氣吐壯而進飲食者,緣日上戌土,上得朱雀火,火生土,土主脾胃,故壯而進飲食也。
脾胃の気は尚お壮んにして還た飯を喫し下せるに至っては、日干の乙の寄せる所の辰宮の上に戌土を得、戌上にまた朱雀に乗り、朱雀は火に属し、火は来りて土を生じ、土は人身において脾胃に応ずるをもってす。脾胃は生を得れば便ち力有り、ゆえに飯食は照りて進む。(底本の「気吐壮」の「吐」は伝写の訛にして、「気壮」とすべし、今原字を存す。)
何知九月病勢反覆增,緣中傳亥八月為解神,九月則非解故也。甲子日胃困不能飲食者,緣日上戌土主脾胃,甲子旬空亡而脾敗而無力也。言不可救者,所賴解神與胃氣,今既無解神,又脾胃氣落空亡,故云不可救也。
何を憑りて九月に病勢反って加重するを知るや。中伝の亥は八月裏に解神を充当し、能く病人のために一分を化解す。一たび九月に入れば、亥は便ち再び解神の職に当たらず、救援は断え、病は自ずから転じて重し。甲子日に胃気困頓し飯をも喫し下せざるに至っては、日干の上の戌土が脾胃を主り、しかも甲子この一旬は正に戌・亥の两位を空にするをもって、脾胃の寄せる所の支は空に落ち、脾気は便ち敗壊して力無し。「無可救薬」を説くに、この人の倚仗する所は不過解神と胃気の両様なり。如今解神は既に失效し、脾胃の気はまた空亡の裏に落進み、両様みな断えたり、ゆえに救いなしと言う。
假令四月戊寅日申將酉時。
再び一例を挙ぐ。四月裏、戊寅日、申を用いて月将と為し、占時は酉時なり。申将を酉時の上に加えれば、天盤は地盤より退后して一位なり。白昼に占いに来りて酉時の課を起こし出すは、正に本章の義に合す。
合 朱 蛇 貴 辰 巳 午 未 虎 空 勾 合 財 丙子 虎 勾卯 申后 子 丑 卯 辰 財 乙亥 常 龍寅 酉陰 丑 寅 辰 戊 兄 甲戌 玄 丑 子 亥 戌 空 虎 常 玄
盤の中、地盤の巳上に天盤の辰を得、六合に乗る。午上に巳を得、朱雀に乗る。未上に午を得、螣蛇に乗る。申上に未を得、貴人に乗る。酉上に申を得、天后に乗る。戌上に酉を得、太陰に乗る。亥上に戌を得、玄武に乗る。子上に亥を得、太常に乗る。丑上に子を得、白虎に乗る。寅上に丑を得、天空に乗る。卯上に寅を得、青龍に乗る。辰上に卯を得、勾陳に乗る。四課は右より左に、第一課、戊土の寄宮は巳に在り、巳上に辰を得、六合に乗る。第二課、辰上に卯を得、勾陳に乗る。第三課、日支の寅上に丑を得、天空に乗る。第四課、丑上に子を得、白虎に乗る。三伝は初子(丙子は白虎に乗る)、中亥(乙亥は太常に乗る)、子亥の二水はみな戊土の克を受け、是れ財爻。末戌(甲戌は玄武に乗る、戊土と同類、是れ兄弟爻)。戊寅日は甲戌一旬に属し、申・酉の两位は旬空に落つ。
來意主外望北面陰暗之財,為一王姓人所把,其人怒惡兩分其財也。
これに拠りて来人の意を断ずるに、彼は外に在りて北方に一筆の光を見る得ざる財を弄せんと指望す。しかるにこの筆の財は却って一個の姓王の人に把持せらる。あの人の性情は暴躁凶悪にして、最後に両人は財を分かちて両份と為す。
蓋時上為日干三合,與空亡並又為夜時發用,亥子北面,值事門上見太陰主蒙蔽,神后登明俱為日下之財,又亥子為陰私,故知望北面陰私之財。
占時の酉と戊土の寄宮の巳とは三合を結成し、酉はまた正に本旬の空亡の裏に落ち、かつ白昼に起こし出す夜時の課にして、ここより発用す。亥・子は方位上に正北に属す。直事門の上に太陰に乗り、太陰は遮掩蒙蔽を主る。神后子と登明亥とはみな戊土に克せられ、みな日干の下の財にして、亥・子本身はまた陰私隠晦を主る。幾層の象は湊りて一処に合し、ゆえに彼の指望する所は北方の一筆の人に見る得べからざる暗財と断ず。
何知姓王人所把?緣末傳見天魁屬土,下臨亥屬水,水數一,一土為王字,天魁為奴,上見玄武,天魁亦取亥子為財,故為王姓所把。及本人怒惡,日上見天罡主怒惡,言兩分其財者,戊與戌俱取,二人為財拘也。
何を憑りて姓王の人に把持せらるるを知るや。末伝は天魁戌、戌は土に属し、それの下に地盤の亥に臨み、亥は水に属し水数は一。一横を土の上に加えれば、正に一個の「王」の字を拼成す。天魁は人事上に奴僕を主り、その上にまた玄武この盗竊の神に乗り、しかも天魁は同じく亥・子を把えて自己の財と看做す、ゆえにこの筆の財は姓王の人の手裏に落つ。あの人の性情暴躁凶悪たると言うは、日干の上に天罡辰を得、天罡は本り怒気悪行を主るをもってす。財を分かちて両份と為すと言うは、日干の戊と末伝の戌と両処ともにこの筆の財を取り、両個人は一斉にそれを扣住して放さざるをもって、只好く半分に分くのみ。
假令四月丙辰日申將丑時,丙寅人占。
再び一例を挙ぐ。四月裏、丙辰日、申を用いて月将と為し、占時は丑時、占いに来る人の本命は丙寅なり。申将を丑時の上に加えれば、天盤は地盤より順に七位進む。
合 勾 龍 空 子 丑 寅 卯 玄 朱 陰 合 兄 戊午 玄 朱亥 辰虎 午 亥 未 子 子 丑 勾 ◎ 蛇戌 巳常 亥 辰 子 丙 財 庚申 后 酉 申 未 午 貴 后 陰 玄
盤の中、地盤の巳上に天盤の子を得、六合に乗る。午上に丑を得、勾陳に乗る。未上に寅を得、青龍に乗る。申上に卯を得、天空に乗る。酉上に辰を得、白虎に乗る。戌上に巳を得、太常に乗る。亥上に午を得、玄武に乗る。子上に未を得、太陰に乗る。丑上に申を得、天后に乗る。寅上に酉を得、貴人に乗る。卯上に戌を得、螣蛇に乗る。辰上に亥を得、朱雀に乗る。四課は右より左に、第一課、丙火の寄宮は巳に在り、巳上に子を得、六合に乗る。第二課、子上に未を得、太陰に乗る。第三課、日支の辰上に亥を得、朱雀に乗る。第四課、亥上に午を得、玄武に乗る。三伝は初午(戊午は玄武に乗る、丙火と同類、是れ兄弟爻)、中丑(勾陳に乗る、丑土は丙火の生ずる所を受け、是れ子孫爻)、末申(庚申は天后に乗る、申金は丙火の克を受け、是れ財爻)。丙辰日は甲寅一旬に属し、子・丑は旬空に落つ、ゆえに中伝の丑の遁干は空缺して「◎」を標す。
來意主與鄰右無子婦女暗合事敗,不到官,至戊午日辰時,無事。
これに拠りて来人の意を断ずるに、彼は隣居の一個の生育無きの婦人と私通し、事情はすでに敗露せり。不過官府に鬧到るに至らず。戊午日の辰時に到れば、この樁の事は便ち完全に平息す。
何知鄰右?卦得比用。何知無子婦人暗合?蓋丑時為日干三合,傳送為日干六合,帶天后主厭翳,六合為私門,又用起元武,名泆女卦,豈不是陰暗私通,申為嗣部,上得天后子水為旬空,故知無嗣婦人也。
何を憑りて隣居なるを知るや。課体は「比用」を得、比用は両々相い比して隣り附着するの義を取るがゆえに、断じて左隣右舎と為す。何を憑りて子無きの婦人と私通するを知るや。占時の丑と丙の寄せる所の巳とは三合を結成し、末伝の伝送申はまた丙と六合を成し、両重の合象。申上に天后に乗り、天后は遮蔽掩蔵を主り、一課の起手の巳上にまた六合に乗り、六合は私門暗戸の象を取り、発用の位に再び玄武を見、課の名は「泆女」、専ら淫奔苟合を主る——これは豈に暗地の私通にあらずや。再び看るに申は子嗣を主る宮位にして、その上に天后の属する所の子水を得、しかも子は恰も旬空に落ち、子嗣の位は空に落つ、ゆえにあの婦人は生育無しと断ず。
何知事敗?緣日上神后水為鬼,初傳玄武、末傳天后水,共來剋日,焉得不敗。何知終不到官,日上鬼空,又時空亡也。
何を憑りて事情の敗露を知るや。日干の上は神后子水、水は丙火を克し、正に官鬼が頭に当たる。初伝の午上に玄武に乗り、末伝の申上に天后に乗り、この两位の天将もまたみな水に属し、一斉に来りて日干を克す。三重の水鬼は夾攻し、事情に豈に張揚し出さざるの道理有らんや。何を憑りて終に官府に鬧到らざるを知るや。日干の頭上のあの鬼は正に旬空の内に落ち、占時の丑は同じく空亡の支、鬼虚にして時も虚なれば、状を告げ成らず。
何知戊午日辰時無事?緣值事門與中傳大吉上得勾陳二土克水為今日救神,戊午日戊和勾陳大吉三土俱旺,至辰時水氣絕墓,觀二字加辰故知辰時無咎也。
何を憑りて戊午日の辰時に了結すると断ずや。直事門と中伝とみな大吉丑に落ち、丑上に勾陳に乗り、丑と勾陳とはみな土に属し、土は能く水を克し、正に今日の救神なり。戊午この一天に到れば、天干の戊・勾陳・大吉丑の三重の土は一斉に旺を得、水鬼は便ち圧制し住む能わず。再び辰時に到れば、水行は辰に至りて墓に入り絶に帰し、気数は已に尽く。土旺水絶の両象は辰この一位の上に加わる、ゆえに辰時の後は再び禍患無しと断ず。
時は日刑なりの章第十三
日刑者,謂寅刑巳,巳刑申,申刑寅名無恩刑,丑戌未名恃勢刑,子刑卯,卯刑子,名無禮刑,辰午酉亥名自刑,若壬日得亥時又以日德論,乙日得辰時又以日干之財論,故亥辰不當自刑,午酉子卯無日干相寄,亦無日刑也,
本章の「一字訣」は一つの「刑」の字に落ちる。いわゆる「日刑」は、占時と日干あるいは日干寄宮とが相刑を構成することを謂う。寅は巳を刑し、巳は申を刑し、申は寅を刑す、この一組を「無恩の刑」と叫び、丑・戌・未は互いに刑し、「恃勢の刑」と叫び、子は卯を刑し卯は子を刑す、「無礼の刑」と叫び、辰・午・酉・亥は各自本支を見、「自刑」と曰く。不過また具体の干支を看るを要す。壬日に亥時に遇えば、亥は壬の日徳、すなわち日徳に拠りて論ずべし。乙日に辰時に遇えば、辰は乙木の克する財、すなわち日干の財に拠りて論ずべし。ゆえに亥・辰のこの両個の自刑は壬日・乙日において并せて自刑と作して看ず。午・酉・子・卯の四位に至っては、どの天干の寄宮もその上に在らず、すなわち日刑を談ずるに及ばず。
若甲日得巳時主速動外憂事,蓋刑害兼全也。若丙日得申時,則主外動緊速和合事,為刑中有合也,若庚日得寅時,寅木乘旺氣,主東北上有緊速干財事,蓋刑中帶馬也負財故主財也。其餘諸刑取類言之。
甲日に巳時に遇えば、急速に身を動かし門外に憂有るを主る、甲は寅に寄せ、寅と巳とは既に相刑しまた相害し、刑害の両様みな斉うをもってす。丙日に申時に遇えば、門外に一樁の火急の和合の事有るを主る、丙は巳に寄せ、巳と申とは既に相刑しまた相合し、刑の中に合を帯ぶをもってす。庚日に寅時に遇えば、寅木はまた旺気に乗り、東北方向に一樁の火急の財を謀るの事有るを主る、庚は申に寄せ、申が寅を刑するの中にまた駅馬を帯び、馬は奔走を主り、寅木はまた庚金の克する財、ゆえに財を求むと断ず。その余の各種の刑は、みなこの路子に照らして比類して推求す。
勾 合 朱 蛇 寅 卯 辰 巳 合 貴 朱 后 官 戊午 貴 龍丑 午貴 卯 午 辰 未 財 乙卯 合 空子 未后 午 酉 未 辛 子 子 空 ◎ 亥 戌 酉 申 虎 常 玄 陰
底本はここにただ課盤有るのみにして「假令某日某将某時」の一行を脱去せり、今原樣に照らして存録し、擅りに補写せず。盤面に就きてこれを推すに、四課の日干は辛、日支は酉、天盤は地盤より退后して三位、占時の未は辛の寄せる所の戌と相刑し、正に本章の義に合し、知るべし是れ辛酉日辰将を未時に加えるの課。盤の中、地盤の巳上に天盤の寅を得、勾陳に乗る。午上に卯を得、六合に乗る。未上に辰を得、朱雀に乗る。申上に巳を得、螣蛇に乗る。酉上に午を得、貴人に乗る。戌上に未を得、天后に乗る。亥上に申を得、太陰に乗る。子上に酉を得、玄武に乗る。丑上に戌を得、太常に乗る。寅上に亥を得、白虎に乗る。卯上に子を得、天空に乗る。辰上に丑を得、青龍に乗る。四課は右より左に、第一課、辛金の寄宮は戌に在り、戌上に未を得、天后に乗る。第二課、未上に辰を得、朱雀に乗る。第三課、日支の酉上に午を得、貴人に乗る。第四課、午上に卯を得、六合に乗る。三伝は初午(戊午は貴人に乗る、午火は辛金を克す、是れ官鬼爻)、中卯(乙卯は六合に乗る、卯木は辛金の克を受け、是れ財爻)、末子(天空に乗る、辛金は子水を生ず、是れ子孫爻)。辛酉日は甲寅一旬に属し、子・丑は旬空に落つ、ゆえに末伝の子の遁干は空缺して「◎」を標す。
來意主本人慾往運司理會舊房錢,其外動必速,其中一姓馬人作鬼賊,卻得姓陳人力,至丁亥日見事務定作歸計。
これに拠りて来人の意を断ずるに、彼は転運司の衙門に到りて一筆の旧欠の房賃銭を交涉せんとす。この趟の出門は必定十分に急促なり。中間に一個の姓馬の人有りて鬼の如く中より作梗す。却って一位の姓陳の人を得て力を出して相幇す。丁亥この一天に到りて事情は始めて分暁を見、算是として了結す。
何知往運司理會舊房錢?蓋勝光發用,上見天乙,為三品衙門,中傳太沖主門戶,下臨午四正,為方象,配為房子,卯上得六合,俱為日下之財,故言房錢,既是三品衙門理會房錢,故言運司。
何を憑りて転運司に往きて旧房銭を交涉するを知るや。発用は勝光午、その上に天乙貴人に乗り、貴人は官品上に三品衙門に応ず。中伝の太冲卯は門戸を主り、卯は下に午に臨み、午は四正の一にして、方正の象を取る。門戸に方正の形体を配すれば、正に房屋なり。卯上にまた六合に乗り、卯木と午火とはみな辛金日干の克する財、ゆえに「房銭」と断ず。既に三品衙門に到りて房銭を交涉すれば、あの衙門は便ち財賦を掌り転運するの転運司なり。
何知動速,時為日刑又發用,午為道路,又天乙在酉在門,為勵德,故知外動必速。
何を憑りて行動の急促を知るや。占時の未は日干の寄宮と相刑し、しかもこの一刑の位はまた取って発用と為される。午は物象上に道路奔馳を主る。天乙貴人は酉位に臨み、酉は四仲の門戸の地にして、貴人は門に当たりて立ち、激励催促す、ゆえにこの趟の出門は必定風風火火にして、一刻も擱擔せらるべからずと断ず。
何知姓馬人作鬼賊,蓋初傳勝光為馬,為日鬼也。卻言得姓陳人力者,末傳神后水為曲阜,下臨卯為東字,相配為陳字,神后反克勝光日鬼,故言得姓陳人力。至丁亥是見歸計者,緣甲申旬午鬼落空,丁合壬與亥水克勝光也,不言戊子日者,緣戊為大殺也。
何を憑りて一個の姓馬の人有りて作祟するを知るや。初伝の勝光午は生肖に馬を為し、姓氏上にもまた馬姓を主り、しかも午火は辛金を克し、正に日干の官鬼、ゆえに彼は鬼賊の一般に作梗すと言う。姓陳の人を得て相助けると言うに至っては、末伝の神后子は水に属し、山阜屈曲の形を取りて左辺の耳旁を作し、それの下に地盤の卯位に臨み、卯は方位に東と為り、一個の「東」の字を取り、両半相配して便ち繁体の「陳」の字を成すをもってす。神后の子水はまた回頭して勝光午この日鬼を克制す、ゆえに姓陳の人を得て力を出すと断ず。丁亥日に到りて始めて結局を見ると言うは、甲申のあの一旬に到れば、午この鬼は恰好空亡の裏に落進み、丁と壬とは相合して水に化し、再加えて亥水、一同に去りて勝光午火を克するをもってす。何を為に戊子日を言わざるや。戊はこの一課の裏に大殺に当たり、凶にして用いる宜しからざるをもって、ゆえに避けて取らず。
時は日干の劫煞なりの章第十四 緊速の事を主る
魏陵叟曰:烏窮則攫,獸窮則搏,五行窮則絕,故立劫殺之號,所以攻劫也小人,行攻劫必緊速而來,若劫煞上,帶元武為鬼剋日,傳中更與刑害並者,常人俱主賊盜攻劫之禍,
本章の「一字訣」は一つの「劫」の字に落ちる。魏陵叟の言うには、鳥は絶路に逼まれば則ち爪を用いて人を抓み、獣は絶路に逼まれば則ち扑咬し、五行は窮尽の処に行き至れば便ち絶地に入る。ゆえに術家は「劫殺」この名目を立下し、取るは正に走投無路にして奮起して攻劫するの義なり。攻劫は小人の行徑にして、来勢は必定また急また猛なり。若し劫煞の所在の位に玄武を帯び、しかもこの一位がまた日干を克して官鬼と為り、三伝の中に再び刑・害と并び見れば、すなわち平常の百姓これに遇えば、みな盗賊の門に上りて劫掠するの禍有るを主る。
若日上救神旺,主賊畏我威而不敢發,若劫煞落空,即主賊盜虛驚之象,若劫煞帶吉將與日為合,而式中不見元武,而見日辰合者,主緊速和合事也。
若し日干の上の救神が正に旺なれば、あれは便ち賊人が我が威勢を畏懼して敢えて手を下さざるなり。若し劫煞が旬空の内に落てば、あれは不過一場の虚驚にして、賊は来り成らず。若し劫煞の上に帯ぶるが吉将にして、また日干と相合し、課の中に并せて玄武を見ず、反って日干日支の彼此成合を見れば、すなわち劫奪を主らずして、一樁の急として星火のごとき和合の喜事を主る。
假令六月辛未日午將亥時。
一例を挙ぐ。六月裏、辛未日、午を用いて月将と為し、占時は亥時なり。午将を亥時の上に加えれば、天盤は地盤より退后して五位なり。
朱 蛇 貴 后 子 丑 寅 卯 龍 貴 朱 玄 兄 癸酉 龍 合亥 辰陰 酉 寅 子 巳 父 戊辰 陰 勾戌 巳玄 寅 未 巳 辛 子 亥 合 ◎ 酉 申 未 午 龍 空 虎 常
盤の中、地盤の巳上に天盤の子を得、朱雀に乗る。午上に丑を得、螣蛇に乗る。未上に寅を得、貴人に乗る。申上に卯を得、天后に乗る。酉上に辰を得、太陰に乗る。戌上に巳を得、玄武に乗る。亥上に午を得、太常に乗る。子上に未を得、白虎に乗る。丑上に申を得、天空に乗る。寅上に酉を得、青龍に乗る。卯上に戌を得、勾陳に乗る。辰上に亥を得、六合に乗る。四課は右より左に、第一課、辛金の寄宮は戌に在り、戌上に巳を得、玄武に乗る。第二課、巳上に子を得、朱雀に乗る。第三課、日支の未上に寅を得、貴人に乗る。第四課、寅上に酉を得、青龍に乗る。三伝は初酉(癸酉は青龍に乗る、辛金と同類、是れ兄弟爻)、中辰(戊辰は太陰に乗る、辰土は辛金を生ず、是れ父母爻)、末亥(六合に乗る、辛金は亥水を生ず、是れ子孫爻)。辛未日は甲子一旬に属し、戌・亥は旬空に落つ、ゆえに末伝の亥の遁干は空缺して「◎」を標す。占時の亥は正に辛未日の劫煞に当たり、本章の義はすなわちここに在り。
來意主酒宴間有姓劉人做媒說親,一席便成其新婦,必是亥生也。
これに拠りて来人の意を断ずるに、一場の酒席の間に、一位の姓劉の人有りて出面して媒を做り親を提す。一頓の飯の工夫にこの門の親事は便ち説成せり。将に門を過ぎんとする新婦は、生年は必定属猪なり。
蓋時上見太常,主宴會,值事門見六合,豈不是酒宴,上與子孫說親也。發用從魁為今日等輩,酉為金刀故言姓劉,上見青龍吉將,主婚姻禮儀之慶,
占時の亥上に太常に乗り、太常は本り筵席宴飲を主る。天盤正時の上の直事門は六合に乗り、六合は婚姻和合を主る——両象并び見れば、正に酒宴の上に在りて子女のために親を議するなり。発用は従魁酉、酉は辛と同じく金に属し、日干と同輩の人を代表す。酉は字形上に「金」の旁に「刀」を配するを取り、合成して一個の「劉」の字、ゆえに媒人は姓劉と断ず。酉上にまた青龍この吉将に乗り、青龍は喜慶礼数を主る、ゆえに是れ一樁の礼儀に合乎する婚姻の喜事なり。
時為劫煞,主緊急,又中傳天罡為天馬,故言一席便成其新婦,亥生者,以末傳登明為子孫爻,故知其亥生也。
占時は正に劫煞に当たり、劫煞は事情の来ることまた急また速なるを主る。中伝の天罡辰はまた天馬にして、馬は動を主りて居らず。急煞と走馬と并び見れば、ゆえに一席の酒は還た散散ぜざるに、この門の親事は便ち定まり下ると言う。新婦の亥年に生まると断ずるに至っては、末伝の登明亥は辛金の生ずる所の子孫爻にして、婚を占えば子孫をもって対方の血脈帰属を論じ、亥はまた直に猪年を指すをもって、ゆえに彼女の亥年の所生を知る。
時は日破なりの章第十五 走失を主る
鼎祚聯珠經所載占課有忌時,甲乙日忌申酉時,丙丁日忌亥子時,戊己日忌寅卯時,庚辛日忌巳午時,壬癸日忌辰戌丑未時,為日下正財鬼合破為我祿而與我戰,故主破財走失之事。
本章の「一字訣」は一つの「破」の字に落ちる。李鼎祚の『聯珠経』の裏に記載する占課にいわゆる「忌時」有り。甲日・乙日は申時酉時を忌み、丙日・丁日は亥時子時を忌み、戊日・己日は寅時卯時を忌み、庚日・辛日は巳時午時を忌み、壬日・癸日は辰・戌・丑・未の四時を忌む。これらの時辰が忌と為る所以は、それらは日干に対して言えば本り正財にして、却って反って化して官鬼と為り、合わせて我が禄気を破り、我と敵と為るをもってす。財禄は冲破せられ、ゆえに財を破ると走失の事を主る。
若用神更為日鬼者,名天罡課,占病刑獄得之最為凶象,若中末傳見者其災稍緩,若時為日破上見凶神,式中見元武,所乘神遙制元與日為財,合者雖失物而復見也。
若し発用の神が同時にまた日干の官鬼なれば、これを「天罡課」と叫び、疾病を占し刑獄を占してそれに遇えば、最凶の象なり。若しこの鬼が発用に在らずして中伝・末伝に出現せば、災禍は便ち来ること緩やかにせん。若し占時が正に日破に当たり、その上にまた凶神を見、課の中に同時に玄武を現出し、しかも玄武の乗る所の神が遠処の神に制せられ、また日干と財あるいは合の関係を構成せば、すなわち東西は丟れたりと雖も、最後に還た尋ね回る能くす。
若時見日破上見凶神,式中見元武,所乘神克財爻者主失物難尋也,若傳中見天魁、從魁及太陰天空者,只主奴婢逃亡,若日上神並勾陳,所乘神遙制元武所乘神,受克多主盜賊自敗也。若元武乘神與日為鬼,並刑害者帶旺相,定主盜賊傷人也,若元武制勾陳,主捕人被傷也。
若し占時が日破に逢いて上に凶神を見、課の中にまた玄武を見、かつ玄武の乗る所の神が反って財爻を克伐せば、すなわち失物は尋ね回り難し。若し三伝の中に天魁戌・従魁酉および太陰・天空を見れば、あれは失物にあらず、ただ奴婢の逃走を主るのみ。若し日干の上の神が勾陳と并臨し、しかもこの一位がまた能く遥かに玄武の乗る所の神を制住せば、玄武は克を受け、多く盗賊が自ら敗露して網に落るを主る。若し玄武の乗る所の神が日干に対して正に官鬼にして、また刑・害を兼ね、かつ旺気相気を帯びれば、すなわち盗賊のまさに人を傷らんとするを断ず。若し反って玄武が勾陳を制住せば、勾陳は捕役を主り、あれはすなわち賊を捉える人が反って賊に傷られしなり。
若土為日破,傳得稼穡卦三傳,上見白虎、元武乘天馬,並六丁,主賊人自遠方來,乘騎會敘而行劫也。若水為日破,傳得潤下卦,帶元武者,即主北方乘舟渡水,遇賊損財。若在家,則主賊自北牆水竇中來也。
再び五行に拠りて分かちて説く。若し日破が土の上に落ち、三伝また合成して「稼穡」の土局を成し、上に白虎を見、玄武は再び天馬に乗り、并せて六丁遊神に就けば、すなわち賊人は遠方より来りて、牲口に騎り伙を結び相い約して来りて劫を行うを主る。若し日破が水の上に落ち、三伝は合成して「潤下」の水局を成し、また玄武を帯びれば、すなわち北方に在りて船に乗り水を渡るの途中に賊に遇い財を失うを主る。若し人が家中に在れば、則ち賊は北面の墻下の水溝洞穴の裏より鑽りて入るを主る。
若火為日破,傳得巳午炎上卦,主賊自南方窯冶中持火炬來,且放火燒人屋宇也。若金為日破,傳得申酉從革與元武並而乘旺者,主賊自西方來,持兵仗傷人,不可當也。若日落空亡則不見是事,若在辰上主傷外人,其賊所藏位方備載前經茲不復錄。
若し日破が火の上に落ち、三伝は巳午の合成する「炎上」の火局なれば、すなわち賊は南方の窯場冶坊の一帯より火把を挙げて過り来り、しかも還た火を放ちて人の房屋を焼くを主る。若し日破が金の上に落ち、三伝は申酉の合成する「従革」の金局にして、また玄武と并臨して旺気に乗れば、すなわち賊は西方より来りて、手に兵器を持ちて人を傷り、その勢い凶猛にして抵当し難し。若し日干が旬空に落てば、これらの事は便ちみな発生せず。若し日破が日支の上に落てば、あれは傷るは外人にして自己の家裏人にあらず。賊人の蔵身する具体の方位に至っては、前代の経書の裏にすでに載すること詳備なり、ここでは再び重録せず。
假令壬申日申將未時,癸酉人占。
一例を挙ぐ。壬申日、申を用いて月将と為し、占時は未時、占いに来る人の本命は癸酉なり。申将を未時の上に加えれば、天盤は地盤より順に一位進む。
蛇 朱 合 勾 午 未 申 酉 龍 勾 常 虎 官 乙丑 常 貴巳 戌龍 戌 酉 丑 子 子 丙寅 玄 后辰 亥空 酉 申 子 壬 子 丁卯 陰 卯 寅 丑 子 陰 玄 常 虎
盤の中、地盤の巳上に天盤の午を得、螣蛇に乗る。午上に未を得、朱雀に乗る。未上に申を得、六合に乗る。申上に酉を得、勾陳に乗る。酉上に戌を得、青龍に乗る。戌上に亥を得、天空に乗る。亥上に子を得、白虎に乗る。子上に丑を得、太常に乗る。丑上に寅を得、玄武に乗る。寅上に卯を得、太陰に乗る。卯上に辰を得、天后に乗る。辰上に巳を得、貴人に乗る。四課は右より左に、第一課、壬水の寄宮は亥に在り、亥上に子を得、白虎に乗る。第二課、子上に丑を得、太常に乗る。第三課、日支の申上に酉を得、勾陳に乗る。第四課、酉上に戌を得、青龍に乗る。三伝は初丑(乙丑は太常に乗る、丑土は壬水を克す、是れ官鬼爻)、中寅(丙寅は玄武に乗る)、末卯(丁卯は太陰に乗る)、寅卯木は壬水の生ずる所より出で、みな子孫爻なり。壬申日は甲子一旬に属し、戌・亥の两位は旬空に落つ。占時の未は正に壬日の日破に当たり、本章の義はすなわちここに在り。
來意主在外,因姓王人失了水牛一隻,為眼疾老男子老陰人相逐,牽牛往東北去,其牛終不可得也。
これに拠りて来人の意を断ずるに、事情は外頭に発生し、彼は一個の姓王の人のところより一頭の水牛を丟れたり。牛は一個の眼病を患る老頭と一個の老婦人とに合伙して赶り去られ、彼らは牛を牽きて東北方向に往きて去れり。この頭の牛は最終に尋ね回るべからず。
何知在外失牛?蓋時日三合故知在外,不言和合,而言失物者,丑為日鬼故言在外失物。
何を憑りて外頭に在りて牛を丟れたるを知るや。占時の未と日干の壬の寄せる所の亥・日支の申とは一路に三合を結成し、合は日干この一辺に在り、日干は外を主る、ゆえに断じて門外の事と為す。既に三合なれば、何を為に和合の喜事と断ぜずして、反って失物と断作するや。発用の丑土は壬水を克し、是れ日干の官鬼をもってす。合の中に鬼を帯びれば、合は便ちその吉と為るを成さず、ゆえに断じて外に在りて物を失うと為す。
何知姓王人失牛?發用大吉為日鬼,下臨子水,水一數配土為王字,大吉為牛,中傳功曹乘元武克大吉為賊,豈不是失牛也,言水牛者,月建得壬字故言水也。
何を憑りて姓王の人の丟牛を知るや。発用は大吉丑、丑土は壬水を克し、是れ日干の官鬼。それの下に地盤の子位に臨み、子は水に属し水数は一、一横を土の上に配せば、正に一個の「王」の字を拼成す。大吉丑は物象上に正に牛なり。中伝の功曹寅上に玄武に乗り、寅木は丑土を克し、玄武はまた盗神、賊は来りて牛を克す、豈に正に牛を丟るの象にあらずや。「水牛」と言うは、日干が壬の字を得、壬は水に属すをもって、牛は便ち水性を帯ぶ。
何知患目老男子並老陰人,蓋寅為老翁,元武為眼疾人,卯上見太陰,主老陰人,寅卯相連故言逐也。言東北者下臨丑也。何知終不可見,以占時發用本命俱為日鬼,又日落空亡,故言終不見也。
何を憑りて眼病を害む老頭と一個の老婦を知るや。中伝の寅は人物の取象上に老翁を主り、寅上に玄武に乗り、玄武は病象上に眼疾を主り、合わせて便ち眼病を患る老男子なり。末伝の卯上に太陰に乗り、太陰は年長の婦人を主る。寅・卯の两位は首尾相接する、ゆえに両人は一同に牛を赶きて走ると言う。東北に往くと言うは、寅が下に地盤の丑位に臨み、丑は東北に在るをもってす。何を憑りて牛が終に尋ね回るべからざると断定すや。占時の未・発用の丑と来人の本命癸酉の臨む所の位は、処処みな日を克する官鬼にして、しかも日干の壬の寄せる所の亥はまた正に旬空の内に落つ。自身は既に虚にして、鬼はまた満盤、ゆえにこの頭の牛は終に見ることなからんと言う。
假令七月壬午日巳將戌時。
再び一例を挙ぐ。七月裏、壬午日、巳を用いて月将と為し、占時は戌時なり。巳将を戌時の上に加えれば、天盤は地盤より退后して五位なり。
合 朱 蛇 貴 子 丑 寅 卯 虎 朱 朱 玄 財 壬午 玄 勾亥 辰后 申 丑 丑 午 官 丁丑 朱 龍戌 巳陰 丑 午 午 壬 父 申 虎 ◎ 酉 申 未 午 空 虎 常 玄
盤の中、地盤の巳上に天盤の子を得、六合に乗る。午上に丑を得、朱雀に乗る。未上に寅を得、螣蛇に乗る。申上に卯を得、貴人に乗る。酉上に辰を得、天后に乗る。戌上に巳を得、太陰に乗る。亥上に午を得、玄武に乗る。子上に未を得、太常に乗る。丑上に申を得、白虎に乗る。寅上に酉を得、天空に乗る。卯上に戌を得、青龍に乗る。辰上に亥を得、勾陳に乗る。四課は右より左に、第一課、壬水の寄宮は亥に在り、亥上に午を得、玄武に乗る。第二課、午上に丑を得、朱雀に乗る。第三課、日支の午上に丑を得、朱雀に乗る。第四課、丑上に申を得、白虎に乗る。三伝は初午(壬午は玄武に乗る、午火は壬水の克を受け、是れ財爻)、中丑(丁丑は朱雀に乗る、丑土は壬水を克す、是れ官鬼爻)、末申(白虎に乗る、申金は壬水を生ず、是れ父母爻)。壬午日は甲戌一旬に属し、申・酉は旬空に落つ、ゆえに末伝の申の遁干は空缺して「◎」を標す。占時の戌は正に壬日の日破に当たる。
來意主解失驢西北去十三里外,有一姓賈人所得其驢,至甲午日往牛市得信,自往姓賈處收得,至甲午日果然。
これに拠りて来人の意を断ずるに、彼は一頭の驢を丟れ、驢は西北方向に往きて十三里の外に跑出せり。一個の姓賈の人に拾得せらる。甲午この一天に到りて、彼は牛馬市の上に到りて消息を打聴して得、親みずから姓賈の人の家裏に到りて驢を領回せり。後来甲午日に到りて果然として応験せり。
蓋時為日破上得青龍,發用勝光為日下之財,元武臨之本合失馬,以勝光無氣故言失驢,不言賊而言失者,以財在日上手上不難取也。勝光數九,玄武數四,相併得十三里也。
占時の戌は壬日の日破にして、その上に青龍に乗る。発用の勝光午は壬水の克する所を受け、是れ日干の下の財にして、玄武はそれの上頭に臨む。常例に拠れば午は馬と為し、玄武が馬に臨めば本り馬を丟ると断作すべきに、ただ勝光は此時無気にして力量足らず、一匹の馬の分量に及ばざるをもって、ゆえに一等を退きて驢を丟ると断作す。玄武有るに既りて何を為に賊に偸まれしと言わず、ただ走失を言うや。此個の財爻は便ち日干の頭上に落ち、等しく自己の手辺に在るがごとく、取り回すは并せて難からず、ゆえにただ走失にして失竊にあらず。十三里の路程に至っては、勝光午の定数は九、玄武の定数は四を加え、九に四を加えて十三を得るをもってす。
何知姓賈人收得,末傳歸計門白虎加申,主西字又主貝字,配成賈字。何知牛市得驢信,蓋甲申旬勝光空亡,至甲午旬填實,又午為日財,故言甲午日復見,而喜壬與申相生,故言自往得驢也。
何を憑りて姓賈の人が拾い去るを知るや。末伝は帰計門、白虎は申位に加臨す。申は方位上に西に属し、一個の「西」の字を取り、白虎は金に属し金と玉と相類す、一個の「貝」の字を取り、西と貝と上下相配して、正に一個の「賈」の字なり。何を憑りて牛馬市の上に在りて消息を得しを知るや。甲申のあの一旬に到れば、勝光午は恰も空亡に落ち、音信は通ぜず。再び甲午旬に転じ至れば、午は干支に填実を得、虚なる者は実に変じ、消息は便ち露い出づ。午はまた壬日の財にして、財は復た現ればすなわち物は復た現る、ゆえに甲午日に重ねて見るを断ず。しかも末伝の申金は能く壬水を生じ、両下相生す、ゆえに彼が親みずから一趟去りて便ち驢を領りて回ると言う。
変体門
前賢諸經所載,假令義旨宏深直開捷徑,至於日時人事之法、貴賤男女之異,多秘而不宣,所謂書不盡言,言不盡意者,蓋欲學者之自得也。蓋能盡術之妙不達人事之變可謂學而不思,若能明人事,而不精於達陰陽又可謂思而不學,罔殆之失安可『』也。
前代の各家の経書に載する所の実例は、義理深宏にして、直ちに後人のために一条の捷徑を指出す。しかるにいかんすれば日辰時辰を具体の人事の上に配するかを講じ、および貴賤不同・男女有別のとき断法はいかんすれば変化すべきかに至っては、大半は蔵して説かず。これ正にいわゆる「文字は説かんと欲する話を写し尽さず、話も心裏の意思を説き尽さず」なり、その本意は学者にして自ら体会して得ることせしめんとするに在ることを要す。須く知るべし、ただ術数の推法を精熟に学び得て、しかも人事の変化に通ぜずんば、あれは便ち「学びて思わざる」なり。反って人情世故はみな明白にして、しかも陰陽推歩の理に精ならずんば、あれは便ち「思いて学ばざる」なり。「学びて思わざれば則ち罔し、思いて学ばざれば則ち殆し」、この両頭の過失はいかんすれば(底本ここに一字を脱す、「』」をもって標出す、今原樣を存して補わず)。
又古人立次客法,所以待同時而占時不知次客法既繁與正法反相混,猶『』者理亂絲紛然而無緒也。今立此門首革次客之弊,次明陰陽人事之變非筆舌所能盡書,特令一二入禪子參學庶可因言而悟矣。
再び言うに、古人は別に一套の「次客法」を立て、専ら幾人が同一の時辰に占いを求むるの情形に応付するに備えたり。しかるに当時の人は并せて真にこの套の弁法を懂えず、次客法は本身は既に繁瑣にして、また正法と混雑糾纏して、譬ゆるば(底本ここに一字を脱す、「』」をもって標出す)人が一団の乱糸を理むるがごとく、理むれば理むるほど紛乱にして頭緒無し。如今「変体門」この一門を立下す、頭の一件事は便ち次客法の流弊を革除し、其次は陰陽の理と人事の変といかんすれば相い応ずるかを闡明するを為す。これらの変化は筆墨口舌の写し尽し能くする所にあらず、能く一両個の例子を挙ぐるのみ、譬ゆるば禅門の参学公案のごとく、学者をしてこの幾句話によりて自ら悟り入らしめんとするなり。
假令丁亥日巳將午時。
一例を挙ぐ。丁亥日、巳を用いて月将と為し、占時は午時なり。巳将を午時の上に加えれば、天盤は地盤より退后して一位なり。以下は同一副の課式を用い、三個の不同なる本命の人に配し、課体のいかんすれば本命に随いて変ずるかを看る。
龍 空 虎 常 辰 巳 午 未 陰 后 空 虎 子 丙戌 后 勾卯 申玄 酉 戌 巳 午 財 乙酉 陰 合寅 酉陰 戌 亥 午 丁 財 甲申 玄 丑 子 亥 戌 朱 蛇 貴 後
盤の中、地盤の巳上に天盤の辰を得、青龍に乗る。午上に巳を得、天空に乗る。未上に午を得、白虎に乗る。申上に未を得、太常に乗る。酉上に申を得、玄武に乗る。戌上に酉を得、太陰に乗る。亥上に戌を得、天后に乗る。子上に亥を得、貴人に乗る。丑上に子を得、螣蛇に乗る。寅上に丑を得、朱雀に乗る。卯上に寅を得、六合に乗る。辰上に卯を得、勾陳に乗る。四課は右より左に、第一課、丁火の寄宮は未に在り、未上に午を得、白虎に乗る。第二課、午上に巳を得、天空に乗る。第三課、日支の亥上に戌を得、天后に乗る。第四課、戌上に酉を得、太陰に乗る。三伝は初戌(丙戌は天后に乗る、戌土は丁火の生ずる所を受け、是れ子孫爻)、中酉(乙酉は太陰に乗る)、末申(甲申は玄武に乗る)、申酉金は丁火の克する所を受け、みな財爻なり。丁亥日は甲申一旬に属し、午・未の两位は旬空に落つ。
一人五十四歲戊申生男子占來意,因其子在外飲酒過多,胃有宿食,冷氣得病。
第一個に占いに来るは五十四歳・戊申年に生まれし男子なり。彼の来意を断ずるに、彼の児子は外に在りて飲酒の量を過し、胃裏に隔宿未だ化せざる食物を積み、また寒気を受け、これをもって生病せり。
蓋時為日干六合,支上發用,本命上俱得子孫爻,乘休氣,故為子孫病,命上小吉太常為飲食,併發用,戌為脾胃,上得天后水為冷飲,又值事門得白虎為道路,故云因子孫在外飲食,傷脾胃得病,來占。
占時の午と丁火の寄宮の未とは正に六合を成し、日支の上に戌を取りて発用とし、しかもこの位の五十四歳者の本命戊申の臨む所の処は、得るもまたみな子孫爻にして、かつ衰退の休気に乗る——子孫は衰位に落つ、ゆえに病は児子の身の上に在りと断ず。本命の上は小吉未、未上に太常に乗り、太常は飲食筵宴を主り、発用の神と并び見えり。発用の戌は人身において脾胃に応じ、戌上に却って天后に乗り、天后は水に属し、生冷の飲を主る。再び看るに直事門の上に白虎を得、白虎は道路を主りて外に在る。幾象を合わせて看れば、正に児子が外に在りて飲食に節無く、脾胃を傷りて病を致し、ゆえに父親が前に来りて占いを求むるなり。
一人三十五歲丁卯生男子占來意,因在外與二卑下婦人來往,得氣痞嗽血之病。
第二個に占いに来るは三十五歳・丁卯年に生まれし男子なり。同一副の課にして、彼の来意を断ずること却って同じからず。彼は外に在りて両個の身分卑下の婦人と来往し、これをもって気機痞塞・咳嗽して血を帯ぶるの病を得たり。
蓋命上見六合為私門,天后主厭翳,中傳見太陰主伏匿,天魁從魁主奴婢,上得天后、太陰,故曰與二卑下婦人往來,天后剋日、末傳玄武又剋日,戌酉申俱是日干死墓之鄉,丁主心血,故得病嗽血也。
この一位の本命は丁卯、卯上に六合に乗り、六合は私門暗戸の象を取る。発用の戌上の天后は遮掩蔽障を主る。中伝の酉上に太陰を見、太陰は隠匿を主る。天魁戌・従魁酉は人事上に正に奴婢一流の卑下の人を代表し、しかもこの两位の上頭に恰恰として得るは天后と太陰の两位の女将、ゆえに断じて両個の身分低下の婦人と来往すと為す。天后は水に属し、水は丁火を克す。末伝の申上の玄武もまた水に属し、同じく日を克す。戌・酉・申の三支はまたみな丁火の死地と墓庫なり。丁は人身において心と血を主り、心血は克を受けて死墓の郷に落つ、ゆえに得るは気痞して血を咳くの病なり。
一人八十一歲來占辛巳生來,占來意,因家中走失奴婢兩口,得一姓馬人往西南追捕捉獲。
第三個に占いに来るは八十一歳・辛巳年に生まれし人なり。彼の来意を断ずるに、家裏に両個の奴婢を逃走せしめたり。後来一位の姓馬の人に頼りて西南の方に往きて追赶し、人を捉えて回せり。
蓋發用天魁主奴,從魁主婢,末得元武臨門,為窺戶,又值事門上見白虎主道路,卦得斬關主逃亡,今年老有官者來占,豈不是奴婢逃亡也。先鋒門勝光為今日等輩,又主姓馬人克玄武,故捉獲,言往西南追捕者,蓋元武陰神所居也。
発用の天魁戌は人事上に男僕を主り、中伝の従魁酉は婢女を主り、末伝の申上に玄武に乗りて門戸の位に臨み、正に窺門伺隙して機を伺いて溜走するの象なり。直事門の上にまた白虎を見、白虎は道路を主る。課体は「斬関」を得、斬関は本り関防の守らざる・逃亡して外に在るを主る。如今占いに来るは一位の年高にして官身有るの人にして、家中に奴婢を蓄う、この樣の一副の課を摆り出さば、豈に正に奴婢の逃亡にあらずや。先鋒門の占時は勝光午、午は丁と同じく火に属し、日干と同輩用いる可きの人を代表し、午は生肖に馬を為し姓氏に馬姓を主り、しかも午火は能く末伝の玄武の金水を克す、ゆえに姓馬の人が人を捉えて回ると断ず。西南に往きて追捕すと言うは、玄武は陰に属し、その陰神の居る所は正に西南一路に在るをもってす。
假令七月甲子日午將申時。
再び一例を挙ぐ。七月裏、甲子日、午を用いて月将と為し、占時は申時なり。午将を申時の上に加えれば、天盤は地盤より退后して両位なり。
朱 合 勾 龍 卯 辰 巳 午 虎 玄 玄 后 財 戌 玄 ◎ 蛇寅 未空 申 戌 戌 子 官 壬申 虎 貴丑 申虎 戌 子 子 甲 子 庚午 龍 子 亥 戌 酉 后 陰 玄 常
盤の中、地盤の巳上に天盤の卯を得、朱雀に乗る。午上に辰を得、六合に乗る。未上に巳を得、勾陳に乗る。申上に午を得、青龍に乗る。酉上に未を得、天空に乗る。戌上に申を得、白虎に乗る。亥上に酉を得、太常に乗る。子上に戌を得、玄武に乗る。丑上に亥を得、太陰に乗る。寅上に子を得、天后に乗る。卯上に丑を得、貴人に乗る。辰上に寅を得、螣蛇に乗る。四課は右より左に、第一課、甲木の寄宮は寅に在り、寅上に子を得、天后に乗る。第二課、子上に戌を得、玄武に乗る。第三課、日支の子上に戌を得、玄武に乗る。第四課、戌上に申を得、白虎に乗る。三伝は初戌(玄武に乗る、戌土は甲木の克を受け、是れ財爻)、中申(壬申は白虎に乗る、申金は甲木を克す、是れ官鬼爻)、末午(庚午は青龍に乗る、甲木は午火を生ず、是れ子孫爻)。甲子日は甲子旬の旬首にして、戌・亥は旬空に落つ、ゆえに初伝の戌の遁干は空缺して「◎」を標す。
來意因西南上緊速追捕一盜賊,墜馬折傷右足,感風七日而隕。
これに拠りて来人の意を断ずるに、彼は西南方向に在りて火急に一名の盗賊を追捕し、途中に馬上より摔り下りて右脚を跌き断り、随いて風邪を受け、第七天にして便ち死せり。
蓋時為日刑、日破,與日馬並,主外動,發用天魁為日下之財,上得元武為盜賊,故知西南追捕盜擊也。先鋒門傳送為中傳,作日馬帶白虎克日,又與日刑殺並,故主墜馬也。馬加辰戌為跌撲,戌為足,在日辰之右,是傷右足也。白虎為風神,七月申為風煞,故感風也。
占時の申は既に甲木の寄宮の寅を刑し、またそれを冲破し、同時に申は還た甲日の駅馬、刑・破・馬の三樣は一処に湊る、ゆえに外に向きて奔動するを主る。発用の天魁戌は甲木の克する所を受け、是れ日干の下の財にして、その上に玄武に乗り、玄武は正に盗神、ゆえに断じて西南に往きて盗賊を追捕すと為す。先鋒門の申はまた転じて中伝を作り、それは既に日馬にして上に白虎を帯び、白虎は金に属し甲木を克し、また日刑の煞と并臨す——馬は虎を帯びて刑を受く、ゆえに馬上より摔り下るを主る。馬は辰・戌の一路に加臨し、正に跌扑翻覆の象なり。戌は人身において足を取り、それの処する位置は日支の右側に在り、ゆえに傷るは右脚と断ず。白虎は自然象上に風を主り、七月の申はまた正に風煞に当たる、ゆえに摔傷した後に還た風邪を受けたり。
甲木秋死而被旺金鬼所克,申為七數,故言第七日庚午,又合起白虎,故知七日隕也,末傳勝光,不論救神者,蓋秋火已死也。
甲木は秋天に到れば已に死地に入り、また当令の旺金官鬼に克せられ、命は本り保ち難し。申の定数は七、ゆえに第七日に応ず。第七天に数え至れば正に庚午にして、庚金はまた白虎と相合して凶威を助け起こす、ゆえに断じて第七天に身亡すと為す。人あるいは問う、末伝は勝光午、午火は能く申金を克す、豈に現成の救神にあらずやと。須く知るべし、これ七月なり、火気は秋に到れば已に死絶し、一個の死火は人を救う能わず、ゆえにこの課はそれを算えて救神と為さず。
假令正月甲子日子將寅時。
再び一例を挙ぐ。正月裏、甲子日、子を用いて月将と為し、占時は寅時なり。子将を寅時の上に加えれば、天盤は同じく地盤より退后して両位、これをもって排出する天盤・四課・三伝は上の一例と分毫も差えず。両課の不同なる所は、ただ月将と月令に在るのみ。これ正に「変体」のまた一種の情形なり。課体は同じと雖も、月将は通ぜず、断法は便ちこれに随いて改変す。
朱 合 勾 龍 卯 辰 巳 午 虎 玄 玄 后 財 戌 玄 ◎ 蛇寅 未空 申 戌 戌 子 官 壬申 虎 貴丑 申虎 戌 子 子 甲 子 庚午 龍 子 亥 戌 酉 后 陰 玄 常
盤面は前の一例と完全相同なり。地盤の巳上に卯を得て朱雀に乗り、午上に辰を得て六合に乗り、未上に巳を得て勾陳に乗り、申上に午を得て青龍に乗り、酉上に未を得て天空に乗り、戌上に申を得て白虎に乗り、亥上に酉を得て太常に乗り、子上に戌を得て玄武に乗り、丑上に亥を得て太陰に乗り、寅上に子を得て天后に乗り、卯上に丑を得て貴人に乗り、辰上に寅を得て螣蛇に乗る。四課、甲は寅に寄せ、寅上に子を得て天后に乗り、子上に戌を得て玄武に乗り、日支の子上に戌を得て玄武に乗り、戌上に申を得て白虎に乗る。三伝は初戌は玄武に乗りて財爻を為しかつ旬空に落ち、中申の壬申は白虎に乗りて官鬼を為し、末午の庚午は青龍に乗りて子孫を為す。不同なる所は、上の一例は七月に在りて金旺火死、救神無力、この一例は正月に在りて木旺金衰、火気は転じて相となる、同一副の課の吉凶はここをもって翻転す、これ便ち変体の妙なり。
來意緣失陷官錢,勾喚入官而得驚恐,以致得脾虛下臟之疾,見祟持刃相驚,可移病人於南方設緋幕,至第九日南方,有屬馬醫巫,艾薩克火為姓名,下赤藥、艾灸、書朱符,其祟自除也。
これに拠りて来人の意を断ずるに、彼は官府の銭款を亏空し、衙門に伝喚せられて驚嚇を受け、これをもって脾虚弱にして下泄するの病を得たり。病の中にまた鬼祟が刀を持ちて相い嚇すを見る。禳治の法、病人を移して住処の南面にし、大紅の帳幔を張設す。第九天に到れば、南方より一位の馬に属するの医巫来たり、姓名は火の意思を帯ぶ(底本ここに「艾薩克火為姓名」と作り、文字顕に訛脱有り、今照録して改めず)、彼によりて赤色の薬を下し、艾灸を施し、朱砂の符箓を写さば、あの鬼祟は自然に除かる。
何以知失陷官錢而得驚恐?蓋發用天魁為財,上得玄武為失財之象,時為日德日祿,主動官,值事門見螣蛇主驚恐。
何を憑りて官銭を亏空して驚を受くるを知るや。発用の天魁戌は甲木の克する所を受け、是れ財爻にして、その上に却って玄武に乗り、玄武は偸失亏折を主り、正に銭財の走失の象なり。占時の寅は既に甲の日徳にして、また甲の日禄、徳禄の位は一たび動けば便ち官府に牽扯す。直事門の上に螣蛇を見、螣蛇は専ら驚怖を主る、ゆえに断じて官に伝えられて驚嚇を受くると為す。
何知脾胃、下臟之病?蓋發用天魁主脾,春土無氣,又為甲木所克,故知脾虛也;上得元武水與天魁土內戰,故知下臟之疾。
何を憑りて病の脾胃と下焦に在るを知るや。発用の天魁戌は土に属し、人身において脾に応ず。正月の春木は当令、土は無気の時に処し、戌土は本り已に衰弱、また甲木に克伐せられ、ゆえに脾虚と断ず。戌上に玄武に乗り、玄武は水に属し、水土は同じ一位の上に在りて互いに攻戦し、土は中焦を主り水は下焦を主り、両者交わりて争う、ゆえにまた下焦の臓腑の病有り。
又言祟者,申金在中傳為鬼,經云傳見魁病必有祟,上得白虎為刀兵,故言見祟持刀相驚,移於南方午上,設緋幕者,南方及緋幕皆火象,能制金祟矣。
鬼祟を説くに至っては、中伝の申金が甲木を克すをもって、正に官鬼なり。古経の上に言う、三伝の中に天魁戌を見れば、病の裏に必定邪祟有りて作怪すと。申上にまた白虎に乗り、白虎は刀兵利刃を主る、ゆえに断じて鬼祟の手に刀刃を持ちて来りて驚嚇するを見ると為す。禳解の弁法は病人を移して南方の午位にし、并せて大紅の帳幔を張設するなり。南方は火に属し、緋色もまた火に属し、火は能く金を克し、金祟は一たび制住せられれば、怪異は自然に消散す。
末傳勝光九數,故云九日。午為馬為火,為赤、為灸、為救神,故云醫巫也。經云:土丸木散水湯火灸金針,今傳送為鬼,若針則加病,灸則病減也,金為日鬼,故宜書朱篆以壓之,交春木旺金無氣矣,救神乘相氣病當瘥也。
末伝の勝光午の定数は九、ゆえに第九天を言う。午は生肖に馬、五行は火に属し、色は赤を為り、医術上に艾灸を主り、この課の中にはまた金を制するの救神、ゆえに来るは一位の馬に属し専ら灸法を事とするの医巫と断ず。古経の上に言う、土は丸薬を主り、木は散剤を主り、水は湯液を主り、火は艾灸を主り、金は針刺を主ると。この課の伝送申金は正に人を害するの官鬼、ゆえに針を用いれば反って病情を加重し、灸を用いて能く軽減す。金は既に日干の鬼なれば、すなわち朱砂の符篆を書写して去りてそれを鎮圧すべし。交わりて春令に入るを待てば、木気は転じて旺となり金気は便ち依恃する所無し。救神の午火は此時相気に乗り、病は自然に好し。
假令六月乙丑日午將未時。
再び一例を挙ぐ。六月裏、乙丑日、午を用いて月将と為し、占時は未時なり。午将を未時の上に加えれば、天盤は地盤より退后して一位なり。
勾 龍 空 虎 辰 巳 午 未 后 貴 朱 合 父 甲子 貴 合卯 申常 亥 子 寅 卯 父 亥 后 ◎ 朱寅 酉玄 子 丑 卯 乙 財 戌 陰 ◎ 丑 子 亥 戌 蛇 貴 后 陰
盤の中、地盤の巳上に天盤の辰を得、勾陳に乗る。午上に巳を得、青龍に乗る。未上に午を得、天空に乗る。申上に未を得、白虎に乗る。酉上に申を得、太常に乗る。戌上に酉を得、玄武に乗る。亥上に戌を得、太陰に乗る。子上に亥を得、天后に乗る。丑上に子を得、貴人に乗る。寅上に丑を得、螣蛇に乗る。卯上に寅を得、朱雀に乗る。辰上に卯を得、六合に乗る。四課は右より左に、第一課、乙木の寄宮は辰に在り、辰上に卯を得、六合に乗る。第二課、卯上に寅を得、朱雀に乗る。第三課、日支の丑上に子を得、貴人に乗る。第四課、子上に亥を得、天后に乗る。三伝は初子(甲子は貴人に乗る)、中亥(天后に乗る)、子亥水は乙木を生じ、みな父母爻なり。末戌(太陰に乗る、戌土は乙木の克を受け、是れ財爻)。乙丑日は甲子一旬に属し、戌・亥は旬空に落つ、ゆえに中末の二伝の遁干は空缺して「◎」を標す。
來意事於西北方,承繼姓王人財產,相托一屬鼠有官人,九月內定成就;又目下西南虛望公財,道路有所畏隔,不敢往也。
これに拠りて来人の意を断ずるに、事情は西北方向に在り、彼は一位の姓王の人の家産を承継せんとす。この樁の事は一個の鼠に属する・官身有るの人に付託して去りて弁理す。九月の内に一定弁成す。另一頭、彼は眼下に還た西南方の一筆の公家の財を指望す、可惜それは虚なり、路上にまた畏懼阻隔する所有り、終に敢えて往かず。
蓋末傳天魁為日干之財,天魁臨亥字主王字,發用神后,為日干三合,上見貴神天乙,故知承繼姓王人財產,而得屬鼠貴人力也。九月成就者,歸計戌為九月建也。
末伝の天魁戌は乙木の克する所を受け、是れ日干の財にして、戌は亥に臨み、亥は水に属し水数は一、一横を土に加えれば便ち「王」の字を成す、ゆえにこの筆の財産は姓王の人より出づ。戌は方位上に西北に属す、ゆえに事は西北に在りと言う。発用は神后子、乙木の寄宮と三合を結成し、子上にまた天乙貴人に乗り、子は生肖に鼠を為す、ゆえに断じて一位の鼠に属する有官の人に付託して去りて経弁すと為す。九月に弁成すと言うは、末伝は帰計門、戌は正に九月の月建に当たるをもってす。
又言西南虛望財者,未為日下之財,上見天空主虛詐,又值事門上見白虎主道路。白虎金也,為日之鬼,故畏而不敢往也。
再び言うに西南のあの筆の落空の財、未土は乙木の克する所を受け、も亦は日干の下の財にして、未は方位に西南に属す。しかるに未上に天空に乗り、天空は専ら虚詐不実を主る、ゆえにこの筆の財はただ空指望なり。直事門の上にまた白虎を見、白虎は道路を主り、しかも白虎は金に属し、金は乙木を克し、正に日干の官鬼——路上に一個の鬼が蹲る、ゆえに彼は心裏に害怕して、敢えてあの辺に往かず。
假令六月丙寅日午將未時。
再び一例を挙ぐ。同じく六月、同じく午将を未時に加えるも、ただ日辰を換えて丙寅日と為す。前の両例は本命不同・月将不同、この一対は則ち月将時辰は全同にして日辰不同なり、課体のいかんすれば日辰に随いて変ずるかを看る。
龍 空 虎 常 辰 巳 午 未 蛇 朱 勾 龍 官 甲子 蛇 勾卯 申玄 子 丑 卯 辰 官 亥 貴 ◎ 合寅 酉陰 丑 寅 辰 丙 子 戌 后 ◎ 丑 子 亥 戌 朱 蛇 貴 後
日辰は一たび換えれば、貴人の起る処はこれに随いて改変し、十二天将は便ち重ねて一遍排す。盤の中、地盤の巳上に天盤の辰を得、青龍に乗る。午上に巳を得、天空に乗る。未上に午を得、白虎に乗る。申上に未を得、太常に乗る。酉上に申を得、玄武に乗る。戌上に酉を得、太陰に乗る。亥上に戌を得、天后に乗る。子上に亥を得、貴人に乗る。丑上に子を得、螣蛇に乗る。寅上に丑を得、朱雀に乗る。卯上に寅を得、六合に乗る。辰上に卯を得、勾陳に乗る。四課は右より左に、第一課、丙火の寄宮は巳に在り、巳上に辰を得、青龍に乗る。第二課、辰上に卯を得、勾陳に乗る。第三課、日支の寅上に丑を得、朱雀に乗る。第四課、丑上に子を得、螣蛇に乗る。三伝は初子(甲子は螣蛇に乗る)、中亥(貴人に乗る)、子亥水は丙火を克し、みな官鬼爻なり。末戌(天后に乗る、戌土は丙火の生ずる所を受け、是れ子孫爻)。丙寅日は甲子一旬に属し、戌・亥は旬空に落つ。
來意主北面,近水酒筵間,與額尖眼小之人相爭,又一貴人與彼相助,而欲見官,卻得一王姓人勸和無事也。
これに拠りて来人の意を断ずるに、北面に水に靠る的地方に一場の酒席を摆り、彼は一個の額頭尖削・眼睛細小の人と争執を起こせり。また一位の貴人有りて対方を幇し、事情は幾ほど官府に鬧到せんとす。後来一位の姓王の人を得て中より勧解し、始めて平安無事なり。
蓋值事門上見太常,主酒飲食,發用亥子為北,又臨亥為近水,神后為為日之官鬼,見蛇為眼小額尖之人,中傳登明亦為日鬼,見貴人知與彼相助。緣日上天罡,主怒惡,能制亥子水,故知息怒惡而欲到官,卦體比用主和合,末傳天魁臨亥主王字,故云姓王人勸合。
直事門の上に太常に乗り、太常は酒食筵席を主る。発用の亥・子は方位に北に属し、また亥に臨み、亥は水と為す、ゆえに北面の水に近きの酒席と言う。神后の子水は丙火を克し、是れ日干の官鬼にして、その上に螣蛇に乗り、螣蛇は形体細長・頭尖にして、人物上に正に額尖眼小の人に応ず。中伝の登明亥は同じく日を克するの鬼にして、その上に天乙貴人に乗る、見る可し有位の貴人は対方の一辺に立ちて幇腔す。日干の上に天罡辰を得、天罡は怒気凶悪を主り、辰土はまた能く亥子の水を克制す。一面は動怒し、一面は能く対方を圧し得住る、ゆえに險く公堂に鬧上せんとす。しかるに課体は「比用」を得、比用は両相就和を主る。末伝の天魁戌は亥に臨み、土は水数一を配して「王」の字を成す、ゆえん断じて位の姓王の人有りて出面して勧和し、事情はここをもって了結すと為す。
右前三課而人命不同,次二課而月將不通,後二課而日辰不同,其災禍所主旺相相生,懸隔學者,悟此可以得之也。
以上の幾例、前面の一副の課は三個の不同なる本命の人に配し、中間の両副の課は日辰相同にして月将不同、後面の両副の課は月将時辰相同にして日辰不同なり。同様の盤面にして、ただこの一処の不同なるを因りて、主る所の災禍福慶は便ち旺相休囚・生克制化によりて相去ること懸殊なり。学者よくこの幾処の地方において悟り透る能くせば、変体門の道理は亦た手の裏に到る。
六庚日の伏吟を弁ず
六庚日伏吟者,古法以申寅巳為三傳,又書以申寅申為三傳,余嘗謂刑始於寅終於申。甲戊丙日當盡三刑,庚日先刑而後沖也。
六個の庚日(庚子・庚寅・庚辰・庚午・庚申・庚戌)は伏吟の課を起こし、三伝はいかんすれば取る、向より両説有り。古法は申・寅・巳の三支を取り、別に書有りて申・寅・申の三支を取る。我曽て推究する所、寅・巳・申のこの一組の三刑は、起点は寅に在り終点は申に在る。甲日・戊日・丙日の伏吟は応に三刑を走り尽して、一路巳に取り至るべし。庚日は却って同じからず、庚は寄宮を申に在りて、申は先に去りて寅を刑し、寅は回頭してまた申と相冲し、刑尽きて後に冲す、ゆえに末伝は仍旧申の上に落ち回る。これ便ち「申寅申」一説の根拠なり。
壬寅秋七月,餘以隴西公事匿村落中,父即求課於元公,得庚午日午將午時,三傳申寅申,將虎蛇虎。
壬寅年の秋天七月、我は陇西公の案子の牵连を因りて、鄕下の村落の裏に躲蔵せり。我が父親は便ち元先生に去りて一課を求め、得るは庚午日・午将を午時に加えるの伏吟課、三伝は申・寅・申、天将は依次に白虎・螣蛇・白虎なり。
勾 龍 空 虎 巳 午 未 申 龍 龍 虎 虎 兄 壬申 虎 申虎 合辰 酉常 午 午 申 申 財 丙寅 蛇 寅蛇 朱卯 戌玄 午 午 申 庚 官 己巳 勾 申虎 寅 丑 子 亥 蛇 貴 后 陰
月将の午を占時の午の上に加えれば、天盤と地盤と完全に重合し、毎一宮の上神は便ち本宮の支、これ便ち伏吟なり。盤の中、地盤の巳上に仍お巳を得、勾陳に乗る。午上に午を得、青龍に乗る。未上に未を得、天空に乗る。申上に申を得、白虎に乗る。酉上に酉を得、太常に乗る。戌上に戌を得、玄武に乗る。亥上に亥を得、太陰に乗る。子上に子を得、天后に乗る。丑上に丑を得、貴人に乗る。寅上に寅を得、螣蛇に乗る。卯上に卯を得、朱雀に乗る。辰上に辰を得、六合に乗る。四課は右より左に、第一課、庚金の寄宮は申に在り、申上に申を得、白虎に乗る。第二課は同じく申上に申を得る。第三課、日支の午上に午を得、青龍に乗る。第四課は同じく午上に午を得る。三伝の一欄は并列して両説を示す。左辺は古法の申(壬申は白虎に乗る、庚と同類にして兄弟爻を為す)、寅(丙寅は螣蛇に乗る、寅木は庚金の克を受けて財爻を為す)、巳(己巳は勾陳に乗る、巳火は庚金を克して官鬼爻を為す)。右辺は小字にて別の一説の申・寅・申を標出す。庚午日は甲子一旬に属し、戌・亥は旬空に落つ。
至壬申日勾喚予妻到官,以中傳寅為妻爻,為用申所克也,予於是日避難赴官出頭,蓋傳送白虎俱為道路,故壬申日動也。背予妻回家予下村去,至戊寅日喚予至州,蓋應中傳寅字,為庚日之驛馬也,至乙卯日間,隴西公承服予復下村去,至壬午日斷訖。
後来壬申のあの一天に到りて、官府は我が妻子を伝喚して案に到らしむ、これは中伝の寅に応ず。寅木は妻財爻にして、発用の申金に克せられしをもってす。我もまたこの一天に躲蔵を結束し、出面して官に到りて投案す、伝送申と白虎とみな道路を主るをもって、ゆえに身を動かすは正に壬申日に在り。此後我は妻子を送りて家に帰り、自ら再び鄕に下る。戊寅日に到りて、官府はまた我を伝えて州に到らしむ、これは中伝の寅の字に応ず、寅は正に庚日の駅馬なり。乙卯日の間に到りて、陇西公は招認して服罪し、我はまた鄕下に回る。直に壬午日に到りて、案子は始めて判決し完毕せり。
蓋庚日課中正是謂螣蛇至壬午日制之,又發用申與白虎俱是七數,二七十四數,彼以己巳日入州,壬午日事畢,蓋是十四日也。戊申日予始歸,蓋末傳申為歸計,申乃庚之本位,故申日至家也。
庚日のこの一課の裏に作祟するは正に中伝の乗る所の螣蛇にして、螣蛇は火に属し、壬午日に到りて壬水に制住せられ、事情は便ち了す。再び日数を算えるに、発用の申の定数は七、白虎の定数もまた七、両個の七は合成して十四を為す。陇西公は己巳日より州に進み、壬午日に到りて事は毕る、前後正に十四天なり。我自己は直に戊申日に到りて始めて家に回るに至っては、末伝の申は帰計門にして、申はまた正に庚金の本位の所在、人は本位に帰るをもって、ゆえに申日に家に到る。
先鋒門為日破主破財,又中傳寅為財爻被初末二申制之。傳送主姓張人,先鋒門午亦主姓張人,案吏姓張,住正南勝光也。占親人請客亦姓張住西南,傳送也。破財二十七數,同前數也。
先鋒門の午は庚日に対して言えば是れ日破にして、日破は財を破るを主る。中伝の寅は本り財爻にして、また初伝・末伝の両個の申に夾住して克制せられ、財は自然に保つ能わず。伝送申は姓氏上に張姓を主り、先鋒門の午は同じく張姓を主る。経弁する此案の書吏は姓張、正南方に住し、応するは勝光午なり。我が家のために出面して請託するあの位の親戚もまた姓張、西南方に住し、応するは伝送申なり。破財の数目の二十七に至っては、算法は前面の日数と相同なり、みな申と白虎の定数より推し出せるなり。
予父經兩丁月對問應予命上大吉為父母爻,見天乙主動官也,所居村去州七里,連高阜蓋中傳寅為東北,為七里建得戊字寅配艮為山得戊寅即阜也,村名黃村,戊土黃也,申數亦七,而只言七里者,伏吟主近故也。
我が父親は前後両個の丁を帯ぶる月分を経過して伝訊対質せらる、これは我が本命の上の大吉丑に応ず。丑は父母爻にして、その上に天乙貴人に乗り、貴人は官府を驚動すを主る。我の住む所の村子は州城を離るること七里、村の旁に一片の高土坡を連ねり。中伝の寅は方位に東北に属し、寅の定数は七を為す、ゆえに是れ七里なり。寅上に戊の字を遁得し、寅はまた八卦の艮に配し、艮は山と為り、戊土の山は便ち土阜なり。村の名は「黄村」と叫び、正に戊は土に属し土色は黄なるを因る。申の定数は同じく七にして、可なれば何を為にただ七里を言うのみにして加倍せざるや。伏吟の課は静を主り近を主るをもって、ゆえに遠数を取らず。
右一字訣,並假令悉是分城元先生所傳,百端如用日擊而神應,僕參以古經而為編次,並非臆說,強為辯論而欲邀譽於人矣。
以上のこの部の『一字訣』并せて各条の実例は、全く分城元先生の伝授し下せる所なり。千百種の用法は照らして推し去れば、譬ゆるば鼓を敲くがごとく手に応じて響き、霊験ならざる無し。我は不過古代の経書を参照してそれらを編排して次第を成すのみ、并せて自己に憑空に杜撰するにあらず、更には強いて弁論を作し、これを借りて人前に名声を博取せんと欲するにあらず。
姓字
子主姓劉,丑主姓孫田牛,丑加辰為兵,寅主趙、高,寅卯外加亥子姓李,卯主絲竹木、千里,未主構、井、田,辰主山,申主張韓袁候,卯申為劉,辰戌丑未加亥子為王,卯加巳為杞,卯加酉為劉,酉主人為金刀口字又姓劉,丑加巳紀,
以下は課の上より姓氏を取るの口訣にして、みな地支・天将の字形と物象を拼合して出せるを拠ると為す。子は劉姓を主る。丑は孫・田・牛の三姓を主る。丑を辰の上に加えれば兵姓を為す。寅は趙姓・高姓を主る。寅・卯の外に再加えて亥・子は、是れ李姓(木旁に子を配す)なり。卯は糸・竹・木の一類の偏旁を主り、また「千里」の二字の合する所の姓を主る。未は構・井・田の三姓を主る。辰は山旁の姓を主る。申は張・韓・袁・候の四姓を主る。卯と申と相配して劉を為す。辰・戌・丑・未はどの一位をも亥・子の上に加えてもみな王姓を成す(土は水数一を配す)。卯を巳に加えて杞を為す。卯を酉に加えて劉を為す。酉は本身に「人」を取り、また「金刀」と「口」の字を取る、ゆえにも亦は劉姓なり。丑を巳に加えて紀姓を為す。
六合加亥為鄧,太陰加酉為呂,天后加子為聶,六合臨巳午郝,卯酉相加六合披辛姓關,貴人加酉鄭,六合太陰邵,未加子姓姜,卯加寅姓柳,六合加酉姓閻,朱雀螣蛇加寅卯姓李,
六合を亥の上に加えれば鄧姓を為す。太陰を酉の上に加えれば呂姓を為す。天后を子の上に加えれば聶姓を為す。六合は巳・午に臨めば郝姓を為す。卯と酉と相加して、六合は再び辛を配し、為す関姓なり。貴人を酉の上に加えれば鄭姓を為す。六合と太陰と同見すれば邵姓を為す。未を子の上に加えれば姜姓を為す。卯を寅の上に加えれば柳姓を為す。六合を酉の上に加えれば閻姓を為す。朱雀・螣蛇を寅・卯の上に加えれば李姓を為す。
子卯相加為柳,太陰加土姓周,天罡加勾陳姓龐,月將加酉姓時,辰加寅姓翟,神后臨卯姓藺,寅卯相加宋林,天罡加酉姓龔,六合加子姓孔加巳為杞,六合臨酉為蘭,青龍加卯姓關,卯加未為開,子加丑為孟。
子と卯と相加して柳姓を為す。太陰を土位の上に加えれば周姓を為す。天罡辰と勾陳と同見すれば龐姓を為す。月将を酉の上に加えれば時姓を為す。辰を寅の上に加えれば翟姓を為す。神后子を卯の上に臨ませれば藺姓を為す。寅と卯と相加して宋姓あるいは林姓を為す。天罡を酉の上に加えれば龔姓を為す。六合を子の上に加えれば孔姓を為し、巳の上に加えれば杞姓を為す。六合を酉の上に臨ませれば蘭姓を為す。青龍を卯の上に加えれば関姓を為す。卯を未の上に加えれば開姓を為す。子を丑の上に加えれば孟姓を為す。巻首の目次に拠れば、本篇の後に還た応に「定十二支相貌法」「十干形貌」「占人形貌」の三篇有るべし、底本は却って接して便ち跋語、この三篇は目有りて文無く、底本の脱佚に属す、今原樣に照らして存録し、補綴を作らず。
右一字訣又名玉連環,盧溪徐次賓述,翠微樵隱王順氏序其端,蓋大金人書也。余昔於苕溪,得羅子曼先生所傳陳狀元玉連環一書,題曰管輅公明撰,與此大略相似,而次序有異,後七言歌章,占風雨等論舊館兵失去久矣。
以上のこの部の『一字訣』はまたの名を『玉連環』と曰い、是れ廬渓人の徐次賓の撰述、自ら翠微樵隠と号する王順よりそれのために巻首のあの篇の序を写したる、原は金朝人の著作なり。我従前苕渓に在りて、得たり羅子曼先生の伝える所・題して「陳状元玉連環」と為すの一部の書、署名は説く三国の管輅(字は公明)の撰すると、内容はこの一部と大致相似するも、ただ篇章の次序不同なり。あの書の後面に還た七言の歌訣および占風雨等の篇有り、可惜旧日館舎に存放のとき兵乱に遭い散失し、已に很久なり。
子曼亦以江西再不復見,今錄是書有動厥中不能無慨嘆耳,次賓雲中間,假令悉是分城元先生所傳,不知次賓於分城為何人耶,知之者必有教諸,然嘉言妙理必有原委,要當參透何必考為何人也。
羅子曼は後来江西に去り、此後再び見面すること有らず。如今この部の書を抄録するに、心裏に触動する所有り、能く感慨する一番せざらざるを得ず。徐次賓は書の裏に説く、その中の各条の実例は全く分城元先生の伝える所と。しかれども徐次賓とこの位の分城先生とは什麼の関係かを知らず、あの位の先生はまた何許人なるか。内情を知る人は、想必教を賜うことを肯んずるならん。不過話を帰して言えば、凡是の好話妙理は必定各々来歴有り、要緊なるは道理を参りて透る、また何ぞ必ずしも彼が誰なるかを考出せんと要せんや。
洪武丁巳五月端陽後一日 松江朱恆 識
明太祖洪武の丁巳年(洪武十年、公元一三七七年)五月の端午節の後の一天、松江人朱恒の題記。
