六壬大全
蒿矢卦 神遥かに日を克するを蒿矢と名づく
大六壬典籍
まず起課と三伝を発する機械的な流れを確実にしてから、課体と神煞に入る。起課を飛ばして断語だけ読んでも、書中の例を自分で再現できない。
《六壬大全》術数類四
提要
臣等謹案:《六壬大全》十二巻,不著撰人名氏。巻首題“懷慶府推官郭載騋校”,蓋明代所刋也。六壬與遁甲、太乙,世謂之“三式”,而六壬其傳尤古,或謂出於黃帝元女,固屬無稽,要其為術,固非後世方技家所能造。
臣ら謹んで考察する:《六壬大全》一書は全部で十二巻、撰者の名氏は記されていない。巻首に「懐慶府推官郭載騋校」の一行があって、これが明代の刊本であることが分かる。六壬は奇門遁甲・太乙神数と並び、世に「三式」と合称される古代三大占算体系である。三者のうちでも六壬の伝承は最も古い。六壬は黄帝の時代の九天玄女から出たともいうが、それはもちろん稽考のしようもない付会である。しかしこの術数そのものの構造から見れば、後世の方術家がでたらめに作り出せるものではない。
大抵數根於五行,而五行始於水,舉陰以起陽,故稱壬焉;舉成以該生,故用六焉。其有天地盤與神將加臨,雖漸近竒遁九宮之式,而由干支而有四課,則亦兩儀、四象也;由發用而有三傳,則亦一生二、二生三、三生萬物也;以至六十四課,莫不原本羲爻,蓋亦《易》象之支流,推而衍之者矣。
おおむね術数の根は五行にあり、五行は水をもって始まりとする。十天干のうち壬は陽水、癸は陰水であり、陰水を挙げて陽水を率いるから、この術を「壬」と呼ぶ。河図の数では天が一をもって水を生じ、地が六をもってこれを成す。「六」という成数を挙げれば生数をも包摂するから、「六」と呼ぶのである。六壬は十二宮を、動かない「地盤」と「月将」に随って回る「天盤」の二層に分け、さらに十二の「天将」を順に加臨させる。この構造は奇門遁甲の九宮飛布の式に近いが、日干・日支から「四課」を排出するのは、まさに《易》の両儀・四象に合致し、「発用」から「三伝」を定めるのも、《老子》のいう一が二を生じ、二が三を生じ、三が万物を生ずる次第に合致する。六十四課の名目に至るまで、伏羲の画卦した爻象を本源としないものはなく、六壬もまた《易》象の支流で、《易》理を外へ推衍したものであることが分かる。
考《國語》伶州鳩對七律,以所稱“夷則”、“上宮”、“大呂”、“上宮”推之,皆有合於六壬之義。然占卜之屬,特以五音、十二律定數,未可即指為六壬之源。《呉越春秋》載伍員及范蠡“雞鳴”、“日出”、“日映”、“禺中”四術,則時將加乘,與龍、蛇、刑、徳之用,一如今世所傳。而《越絶書》載公孫聖亦有“今日壬午時加南方”之語。其事雖不見經、傳,似出依託,然趙煜、袁康皆後漢人,知其法著於漢代也。
《国語》に、楽官の伶州鳩が周景王の七律の問いに答えたくだりを考察すると、彼の挙げた「夷則」「上宮」「大呂」「上宮」で推すと、いずれも六壬の義理に合致する。ただしあの種の占卜は五音・十二律で数を推定するだけで、ただちに六壬の源と断定はできない。《呉越春秋》には伍員(伍子胥)と范蠡が「鶏鳴」「日出」「日映」「禺中」という四つの時刻で課を起こす術を用いたと記されており、これはすでに時刻と天将の加乗を組み合わせ、青龍・螣蛇・刑・徳といった名目を用いる、今日伝わる六壬と寸分違わぬものである。《越絶書》には公孫聖も「今日は壬午、時は南方に加わる」と言ったとある。これらの故事は経書や正史には見えず、後人の仮託らしいが、《呉越春秋》の作者趙煜(趙曄)と《越絶書》の作者袁康はともに後漢の人であるから、六壬の法が漢代にすでに確立し流行していたことが分かる。
其書之見於史者,《隋志》二家,《唐志》六家,《宋志》三十家。而焦竑《經籍志》所列,多至八十三家,然多散佚不傳;其存者,如徐道符《心鏡》,蔣日新《開雲觀月歌》,凌福之《畢法賦》,及《五變中黃經》,術家奉為蓍蔡。而流傳既久,其說多岐,或専論課體而失之拘,或専主類神而失之粗,或雜取神煞而失之支,又皆不可以為法。
六壬類の著作が歴代の史志目録に見えるのは、《隋書·経籍志》に二家、《唐書·経籍志》に六家、《宋史·芸文志》に三十家である。明代の焦竑《国史経籍志》に列挙されるものは八十三家に及ぶが、大半は散佚して伝わらない。現存するものは、徐道符《心鏡》、蔣日新《開雲観月歌》、凌福之《畢法賦》および《五変中黄経》などで、術家はこれらを占断の準縄、蓍草・亀甲のごとき権威と仰いでいる。しかし伝承が久しいだけに諸説は分岐し、ある者は課体格局だけを論じて拘泥に陥り、ある者は類神取象だけを主として粗疏に失し、ある者は神煞を雑多に積み上げて支離に失する。いずれも定法とすることはできない。
是書總集諸書遺文,首載《入手法》、《總鈐》及貴神月將徳煞、加臨喜忌,旁采唐以來諸論,若《括囊》、《雲霄賦》、《課經》之類,而緯以《心鏡》、《觀月》諸篇,採擷頗為詳備。案《明史·藝文志》有袁祥《六壬大全》三十三巻,名目相同而巻帙不符,未必即祥所輯。要其博綜簡括,固六壬家之總彙也。
この書は諸家の著作の遺文を集めたもので、巻首にまず《入手法》《総鈐》を列げ、貴神・「月将」・徳神・煞神と天将加臨の諸般の宜忌を載せ、傍ら唐代以来の諸家の論説、《括嚢賦》《雲霄賦》《課経》の類を採録し、さらに《心鏡》《観月歌》諸篇を交錯して編み、捜采はかなり詳備である。案ずるに《明史·芸文志》には袁祥《六壬大全》三十三巻と著録があるが、書名は同じでも巻数が合わず、必ずしも袁祥の編とは限らない。要するにこの書は衆説を博採しつつ提要鉤玄をなし、まさに六壬一門の総匯というに足る。
惟是六壬所重,莫過於天乙貴神陰陽順逆,為吉凶所自出,如匠者之凖繩矩矱。而先天之徳起於子,後天之德起於未,以五干徳合神取貴。承學之士多未究其源,我聖祖仁皇帝《御定星曆考原》一書,貫串璣衡,權輿圭臬,以訂曹震圭晝丑夜未之訛,實足立千古之標凖。我皇上御纂《協紀辨方書》,復申暢斯旨。
ただ六壬が最も重視するのは、「天乙貴人」に陰貴・陽貴の別と順行・逆行の別があるという一節で、一切の吉凶はここから推し出される。まさに工匠の手にある準縄と規矩のごときものである。天乙貴人の起法は、先天の徳は子の位から起こり、後天の徳は未の位から起こる。十天干の徳神と合神の関係によって貴人の所在を定めるのである。後学の士は多くこの源流を突き止めていない。本朝の聖祖仁皇帝が欽定した《御定星暦考原》は天文儀象の学を貫通し、推歩の術に根本の法度を立て、元代の曹震圭の「昼貴は丑、夜貴は未」という誤りを是正した。まさに千古の標準を樹立するに足る。当今皇上御纂の《協紀辨方書》もまたこの宗旨を重ねて申明発揮している。
謹按《呉越春秋》所載子胥之占,三月甲戌,時加雞鳴,而以為青龍在酉,是甲日丑為陰貴也。范蠡石室之占,十二月戊寅,時加日出,而亦以為青龍臨酉,功曹為螣蛇,是戊日丑為陽貴也。沿溯古義,皆與聖謨垂示先後同符,是書所取天乙尚沿俗例,巻中僅載先天貴人一圖而不用,未免失之舛漏。又所載十二宮分野,亦多拘牽舊說,未能訂正;今以原本所有,姑仍其舊録之,而附訂其失如右。
謹んで案ずるに、《呉越春秋》に記す伍子胥のあの占卜では、三月甲戌日に時辰を鶏鳴すなわち丑時に加えて「青龍」が酉にあると断じており、甲日は丑を陰貴人とすることが分かる。范蠡が石室で行った占卜では、十二月戊寅日に時辰を日出すなわち卯時に加え、やはり青龍が酉位に臨むと断じ、寅位の「功曹」を「螣蛇」としている。戊日は丑を陽貴人とすることが分かる。この線に沿って古義を遡れば、いずれも本朝の聖訓が示すところと前後して符合する。この書が採用する天乙貴人の起法はなお俗本の旧例に沿っており、巻中に先天貴人図を一幅載せながら擱置して用いないのは、錯乱疎漏の失を免れない。書中に載せる十二宮と地上州国の分野も多くは旧説に拘り、是正されていない。ここでは原本がそのままであることを理由に、とりあえず旧来の通りに写し、その失を上のように附記して訂正した。
干隆四十六年九月恭校上。總纂官:臣紀昀、臣陸錫熊、臣孫士毅。總校官:臣陸費墀。
乾隆四十六年(西暦一七八一年)九月、臣らは恭しく校訂を終えて献上した。総纂官は臣・紀昀、臣・陸錫熊、臣・孫士毅であり、総校官は臣・陸費墀である。
六壬大全巻一 起例
入手法
十干寄宮
甲課寅兮乙課辰,丙戊課巳不須論。丁己課未庚申上,辛戌壬亥是其真。癸課原來丑宮坐,分明不用四正神。
十天干は十二宮の地盤に固有位を持たず、課を起こすときはまずある地支の宮を借りて身を置かねばならない。これを「寄宮」という。口訣にいう:甲は寅宮に寄り、乙は辰宮に寄る。丙と戊はともに巳宮に寄り、別を設ける必要はない。丁と己はともに未宮に寄り、庚は申宮に寄る。辛は戌宮、壬は亥宮に寄るのが正法である。癸はもともと丑宮に寄坐する。寄宮はすべて子・午・卯・酉を用いないことが分かる。この四支は四仲の正位で、四正の神のために残してあり、天干は占めない。だから「分明に四正神を用いず」というのである。
一 賊克法
一下克上曰重審,一上克下曰元首取課先從下賊呼,如無下賊上克初。初傳之上名中次,中上加臨是末居。三傳既定天盤將,此是入式法第一。
この法の小注はまず二種の課体を説明する。六壬は本日の日干と日支を合わせて「日辰」と称し、日辰および日干の寄宮から天盤上にそれぞれ一神を取り、上下に重なる四組を配すれば「四課」である。四課のうち下の地盤の神が上の天盤の神を克するのを「重審課」といい、上の天盤の神が下の地盤の神を克するのを「元首課」という。課を取る次序は、まず「下賊上」の一課を探し、なければ「上克下」の一課を取ってその上神を「初伝」に定める。これが「発用」である。初伝が定まれば、初伝の字が天盤上で対応する上神を見て「中伝」とし、中伝の上神が加臨する処が「末伝」である。三伝が定まってから十二天将を天盤に配する。これが六壬入式起課の第一法である。
二 比用法
即知一也下賊或三二四侵,若逢上克亦同雲。常將天日比神用,陽日用陽陰用陰。若或俱比俱不比,立法別有渉害陳。
「比用法」は「知一法」ともいう。下克上の課が一つでなく、二つ三つ乃至四つが一度に来る場合、あるいは上克下の課も複数出る場合は、賊克だけでは用を定められない。このとき天盤上の克神を日干と比べる。日干と同じく陽なら陽日にそれを取り、陰なら陰日にそれを取る。つまり本日干と陰陽が同じ、「比」する一課を発用とするのである。もし幾つかの克神が日干と皆比するか皆比しないかであれば、比用法は失效し、別に下の「渉害法」で決める。
三 渉害法
渉害行來本家止,路逢多克為用取。孟深仲淺季當休,復等柔辰剛日宜。
「渉害法」は比用法でもなお決まらないときに用いる。やり方は、克を受けた各神を、それが臨んでいる地盤の宮位から自分の本家の宮まで数え戻し、途中経過した各宮でそれを克し得るものを皆一处と数え、受害の处数が最も多く渉害の最も深い神を発用に取る。各神の受害の数が等しければ、それらの臨む地盤を見る。四孟の寅申巳亥に臨むものは渉害が最も深く先に取り、四仲の子午卯酉に臨むものは比較的浅く次に取り、四季の辰戌丑未に臨むものは最も軽く止めるしかない。なお等しければ、柔日すなわち陰日は日支上の神を取り、剛日すなわち陽日は日干上の神を取る。
四 遥克法
神遙剋日曰蒿矢,日遙克神曰彈射。四課無克號為遙,日與神兮逓互招。先取神遙克其日,如無方取日來遙。或有日克乎兩神,復有兩神來剋日。擇與日干比者用,陽日用陽陰用陰。
四課の中に上下の克が見えなければ、位を隔てて克する「遥克法」を用いる。天盤の神が位を隔てて日干を克するのを「蒿矢課」といい、箭は射られてきても力が弱いという義を取る。日干が位を隔てて天盤の神を克するのを「弾射課」という。「遥」とは、日干と四課の上神が互いに隔たって招き合って克することをいう。取用の次序は、まず遥に来て日干を克する神を発用とし、日を克する神がなければ日干に克される神を取る。日干が同時に二神を克するか、二神が同時に日干を克すれば、再び比法で選び、日干と陰陽の同じものを取る。陽日は陽神、陰日は陰神を用いる。
五 昴星法
無遙無克昴星窮,陽仰陰俯酉位中論初傳也。剛日先辰而後日,柔日先日而後辰論中末也。
四課に賊克も遥克もなく、取用の法が尽きたら、「昴星法」を用いるしかない。酉宮を準とし、酉は二十八宿の昴宿の位に当たるのでこの名がある。小注に「初伝を論ずる也」というのは、前の二句が初伝の取法を述べることを指す。陽日すなわち剛日は「仰視」を用い、地盤の酉位に臨む天盤の神を見て初伝に取る。陰日すなわち柔日は「俯視」を用い、天盤の酉が地盤のどの宮に落ちるかを見て、その宮の神を初伝に取る。後の二句は小注に「中末を論ずる也」といい、中伝・末伝の取法を指す。剛日はまず日支上の神を中伝とし、後に日干上の神を末伝とする。柔日は逆に、まず日干上の神を中伝とし、後に日支上の神を末伝とする。
六 別責法
戊辰、戊午、丙辰三剛日各一課,辛未二課,辛丑二課,丁酉、辛酉各一課四課不全三課備,無遙無克別責例。剛日干合上頭神,柔日支前三合取。皆以天上作初傳,陰陽中末干中寄。剛三柔六共九課,此課先賢俱隠秘。戊午戊辰與丙辰,干上皆午是為親。辛丑辛未各二日,下上皆是丑未真。丁酉當為己丁是,辛酉原來是酉辛。
小注はまず別責法に適用する日を挙げる。戊辰・戊午・丙辰の三つの剛日が各一課、辛未日が二課、辛丑日が二課、丁酉・辛酉日が各一課である。「四課不全」とは、四課のうち二課が重複して実際には三課しか揃わないことである。このような日で遥克も賊克もなければ「別責法」を用いる。剛日は日干と相合する天干を取り、その寄宮の上頭の神を発用とする。柔日は日支の前第三位で本支と三合を結ぶ一支を発用とする。いずれも天盤上のその字を初伝とし、中伝・末伝はすべて日干寄宮の上神を取る。剛日三課・柔日六課、合わせて九課で、この法は前代の術家も秘して宣べなかった。歌訣の末四句は例を挙げて明らかにしたもので、戊午・戊辰と丙辰の三日は日干上神がいずれも午だから「是れ親為り」といい、辛丑・辛未各二日は上下に見えるのが皆丑未の二字、丁酉日は丁の寄宮未位を己に配して定め、辛酉日はもとより酉が辛と相配するものである。
七 八専法
論克不論遙兩課無克號八專,陽日日陽順行三連本位數。陰日辰陰逆三位,中末總向日上眠。
小注は八専課が上下相克のみを論じ遥克を論じないことを説明する。甲寅・己未のような日干寄宮と日支が同位の日は、四課が二課に併り、これを「八専」という。二課の中に克がなければ、陽日は日干上神から順に第三位まで数えて初伝に取る。小注は特に本位を併せて数えるべきことを指明する。陰日は日支上神から逆に三位を数えて初伝に取る。中伝・末伝は別に取らず、すべて日干上神を用いる。だから「中末総て日上に眠るに向かう」という。
八 伏吟法
伏吟有克還為用,無克剛干柔取辰。迤邐刑之作中末,從茲《玉厯》職其真。若也自刑為發用,次傳顛倒日辰並。次傳更復自刑者,沖取末傳不論刑。
「月将」と占時が同じで、天盤が地盤の同位を正に圧し、十二神が一つも動かない。これを「伏吟課」という。伏吟で四課に克があれば、なお賊克法に照らして取用する。克がなければ、剛日は日干上神を発用とし、柔日は日支上神を発用とする。中伝・末伝は相刑の関係に順って推す。初伝が刑する神を中伝とし、中伝が刑する神を末伝とする。この法は《玉厯》から出て最も的当である。初伝自体が辰午酉亥のような自刑の神なら、中伝は転倒して日支あるいは日干上神を取って配する。中伝がまた自刑の神に当たれば、末伝はその対沖の神を取り、刑は論じない。
九 返吟法
返吟有克亦為用,無克別有井欄名。若知六日該無克,丑未同干丁己辛。丑日登明未太乙,辰中日末識原因陽日用辰,陰日用日,辰上作中,日上作末。
月将と占時がちょうど相沖し、天盤と地盤が至る処対立する。これを「返吟課」という。返吟で克があれば常の通り克する者を発用とし、克がなければ別に「井欄射」という一格がある。知るべきは、克なきは六つの日のみ——丁丑・己丑・辛丑と丁未・己未・辛未で、いずれも丑未の二支に丁己辛の三干を配したものである。丑日は亥位の「登明」を発用とし、未日は巳位の「太乙」を発用とする。中末両伝は小注が示す通り、陽日は日支上神、陰日は日干上神を取り、まず日支上神を中伝とし、次に日干上神を末伝とする。
神煞
歳神煞
歲君:甲見甲之類。年中天子之象,統攝諸位神煞。入占尊長、部官之事。占官有面君之喜,不宜受克。太歲:子年見子之類,利仕人不利常人。受克尊長凶。如六月以前見舊年太歲,舊年事;七月以後見來年太歲,來年事。
「歳君」は本年の年干を指し、甲年に甲を見る類である。一年の中で天子を象徴し、各路の神煞を統摂する。課に入って占うときは長輩・尊親・上司主管の事を主り、官を求める占では君上に面見する喜びがあり、最も克を受けることを忌む。「太歳」は本年の年支を指し、子年に子を見る類である。官にある吏の人には利があり、平民百姓には利がない。太歳が克を受ければ、尊長に凶があることを主る。また年を推す一法がある。六月以前の占課で去年の太歳を見れば、問うのは去年の旧事、七月以後に明年の太歳を見れば、問うのは来年の新事である。
太歲神煞:太歲排輪十二宮,歲破大耗與年沖,前五死符並小耗,病符後一不離宗。後二太陰並弔客,後四白虎是凶神。歲前二辰喪門凶,前四畜官官符神。太歲前維力士位,對沖蠶室有災星。奏書後維沖博士,五鬼逆行子加辰。黃幡只向三合來,對沖豹尾不虛雲。金神之殺隨年干,納音金位同庚辛。三合中沖兩邊去,便是伏兵大禍神。亥子丑年將軍酉,三年一移順仲神。
太歳一系の神煞はすべて太歳の所在の支を準として十二宮を繞って排布する。太歳と相沖する一宮が「歳破」すなわち「大耗」である。太歳の前第五位が「死符」で「小耗」を兼ねる。「病符」は太歳の後第一位でこの例を出ない。太歳後第二位が「太陰」で「吊客」の位でもある。後第四位が「白虎」で凶神に属する。太歳前第二位が「喪門」で凶喪を主る。前第四位が「畜官」すなわち「官符」である。太歳の前の四維の位が「力士」で、力士と相沖する一宮が「蚕室」でこれも災星。「奏書」は太歳の後の四維に居り、奏書と相沖するのが「博士」。「五鬼」は子位から逆行して辰位に加えて推す。「黄幡」は太歳と三合する墓庫の位にのみ落ち、黄幡と対沖するのが「豹尾」でこの話は虚しくない。「金神」の煞は年干に随って定まり、納音が金に属する年は庚辛年と同じく論ずる。三合局の中神から対沖の両辺へ推し出せば「伏兵」と「大禍」の二神である。亥子丑三年の「将軍」はいずれも酉位にあり、三年ごとに移動して子午卯酉の四仲の神に順って輪転する。
子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥 將軍 酉酉子子子卯卯卯午午午酉占行人用 歲刑 卯戌己子辰申午丑寅酉未亥 歲破 午未申酉戌亥子丑寅卯辰巳 歲煞 未辰丑戌未辰丑戌未辰丑戌 大耗 午未申酉戌亥子丑寅卯辰巳即歲沖也,歲建前破也。 小耗 巳午未申酉戌亥子丑寅卯辰歲建前執也
これは年支で神煞を查する対照表である。最上行の子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥は十二の年支で、以下各行は一神ずつ、各年に落ちる地支を順に列挙する。「将軍」の行では亥子丑三年は酉、寅卯辰三年は子、巳午未三年は卯、申酉戌三年は午で、外に出た人を占うときに用いる。「歳刑」は本年年支が刑する支で、子年は卯を刑し、丑年は戌、寅年は巳(表中に「己」と作るは巳字の訛)、辰午酉亥四支は自刑である。「歳破」は年支と相沖する支で、子年は午、丑年は未、順に推す。「歳煞」は三合墓庫に循環し、申子辰年は未、巳酉丑年は辰、寅午戌年は丑、亥卯未年は戌。「大耗」は歳破と同位で、小注に太歳と相沖する神、すなわち歳建の前の破位とある。「小耗」は歳建の前の「執」の位で、歳破より一位退く。
喪門:歲前二辰弔客:歲後二辰歲墓:歲後五位,如子年見未。歲徳:即歲君,陰年從陽,如已年見甲之例。歲合:即甲年見已。
「喪門」は太歳の前第二位、たとえば子年は寅で、孝服哭泣を主る。「吊客」は太歳の後第二位、たとえば子年は戌で、吊喪問疾を主る。「歳墓」は太歳の後第五位、たとえば子年は未で、晦滞埋没を主る。「歳徳」はすなわち歳君そのもので、陰干の年に逢えばそれと相合する陽干の上から取る。たとえば己年は甲を取る、甲己が相合するからである。「歳合」は年干と相合する干を指し、たとえば甲年は己を取る。
年月三煞:未辰丑戌未辰丑戌未辰丑戌金神:酉巳丑酉己丑酉巳丑酉已丑即破碎。歲宅:歲前五位。如子年見巳。病符:歲後一辰。歲虎:歲後四辰。
「年月三煞」は劫煞・災煞・歳煞の合称で、年支または月支に循環する。申子辰は未を見、亥卯未は辰を見、寅午戌は丑を見、巳酉丑は戌を見、四位一組で輪転して已まない。「金神」は子丑寅卯の次第で酉・巳・丑三位に循環する。すなわち子卯午酉年は酉、丑辰未戌年は巳、寅巳申亥年は丑(表中の「己」「已」はいずれも巳字の訛)で、また「破碎煞」とも名づく。「歳宅」は太歳の前第五位、たとえば子年は巳で、家宅居処を主る。「病符」は太歳の後第一位で疾病を主る。「歳虎」は太歳の後第四位で白虎と同位、血光凶喪を主る。
十天干神煞
甲乙丙丁戊巳庚辛壬癸 福星 子丑子子未未丑丑巳巳 日徳 寅申巳亥巳寅申己亥已 日祿 寅卯己午己午申酉亥子 日醫 卯亥丑未己卯亥丑未巳 直符 己辰卯寅丑午未申酉戌 儀神 午巳辰卯寅丑未申酉戌
これは十天干で神煞を查する対照表である。首行の甲乙丙丁戊巳庚辛壬癸はすなわち十天干(そのうち「巳」は己字の訛)で、以下各行は順に每一干に対応する地支を示す。「福星」:甲は子、乙は丑、丙丁はともに子、戊己はともに未、庚辛はともに丑、壬癸はともに巳で、福慶提携を主る。「日徳」:甲寅・乙申・丙巳・丁亥・戊巳・己寅・庚申・辛巳・壬亥・癸巳で、本日の福佑の神であり、最もよく凶を転じて吉とする。「日禄」:甲禄は寅、乙禄は卯、丙禄は巳、丁禄は午、戊禄は巳、己禄は午、庚禄は申、辛禄は酉、壬禄は亥、癸禄は子で、俸給財帛を主る。「日医」:甲卯・乙亥・丙丑・丁未・戊巳・己卯・庚亥・辛丑・壬未・癸巳で、病を占い医を求めるときに取用する。「直符」は甲日から巳位を起こし、その後乙辰・丙卯・丁寅・戊丑・己午・庚未・辛申・壬酉・癸戌。「儀神」は甲日から午を起こし、その後乙巳・丙辰・丁卯・戊寅・己丑、庚以下五干は直符と同じく未申酉戌を作る。
游都 丑子寅巳申丑子寅巳申 天盜 子亥卯申己子亥卯申巳 天賊 辰午申亥寅辰午申亥寅 稼穡 丑丑辰辰未未戌戌戌戌 羊刃 卯辰午未午未酉戌子丑日前一位。 天羅 卯巳午申午申酉亥子寅 天解 亥申未丑酉亥申未丑酉
「遊都」:甲丑・乙子・丙寅・丁巳・戊申、己庚辛壬癸の五干は再び丑子寅巳申を重ねて一輪とし、盗賊を占うときに賊人の踪跡を推すのに用いる。「天盗」:甲子・乙亥・丙卯・丁申・戊巳、後の五干も同じく子亥卯申巳を重出し、偷窃遺失を主る。「天賊」:甲辰・乙午・丙申・丁亥・戊寅、後の五干は辰午申亥寅を重出し、劫奪侵掠を主る。「稼穡」は二二相同じく、甲乙は丑、丙丁は辰、戊己は未、庚辛壬癸はいずれも戌で、田禾農事を主る。「羊刃」は日干禄位の前一位にある。だから小注に「日前一位」という。甲禄は寅で刃は卯、乙刃は辰、丙戊刃は午、丁己刃は未、庚刃は酉、辛刃は戌、壬刃は子、癸刃は丑で、刑傷争闘を主る。「天羅」:甲卯・乙巳・丙午・丁申・戊午・己申・庚酉・辛亥・壬子・癸寅で、羅網牽纏・進退不得を主る。「天解」:甲亥・乙申・丙未・丁丑・戊酉、後の五干は亥申未丑酉を重出し、解散憂疑を主る。
三竒 乙丙丁 三竒 甲戊庚 三竒 辛壬癸
「三奇」は三組の特別に貴重な天干の組合せで、乙丙丁は地下三奇、甲戊庚は天上三奇、辛壬癸は人中三奇である。占課で三干が揃って並び見えれば、非常の機遇と助力があることを主り、凡事は出奇制勝・逢凶化吉を望むべし。三奇が殘缺して全からず、あるいは凶神に沖破されれば、奇にして奇ならず、かえって虚耗を成す。
十二地支神煞
子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥 支徳 巳午未申酉戌亥子丑寅卯辰支前五辰 支馬 寅亥申巳寅亥申巳寅亥申巳 支刑 卯戌巳子辰申午丑寅酉未亥 支破 酉辰亥午丑申卯戌巳子未寅 支沖 即對宮。 支害 未子巳辰卯寅丑子亥戌酉申
これは日支で神煞を查する対照表で、首行はやはり十二地支である。「支徳」は本支の前第五位にあり、だから小注に「支前五辰」という。子は巳、丑は午、順に推し、福徳相助を主る。「支馬」はすなわち「驛馬」で、申子辰は寅を見、巳酉丑は亥を見、寅午戌は申を見、亥卯未は巳を見、動揺遷移・行人音信を主る。「支刑」はすなわち三刑で、子は卯を刑し、丑は戌、寅は巳、卯は子、巳は申、未は丑、申は寅、戌は未を刑し、辰午酉亥四支は自刑で、刑罰争訟を主る。「支破」:子は酉を破り、丑は辰、寅は亥、卯は午、辰は丑、巳は申、午は卯、未は戌、申は巳、酉は子、戌は未、亥は寅を破り、破敗損折を主る。「支沖」はすなわち地盤上で正対する一宮、たとえば子は午に対し、丑は未に対する。「支害」はすなわち六害で、子未相害・丑午相害・寅巳相害・卯辰相害・申亥相害・酉戌相害で、暗中の妨げを主る(表中の丑位は子と作るが、午字の訛とすべき)。
時煞 巳寅亥申巳寅亥申巳寅亥申 支儀 午巳辰卯寅丑未申酉戌亥子 金神 巳丑酉巳丑酉巳丑酉巳丑酉 收魂 凡墓神為元武皆是。 馬倒 驛馬前一位。
「時煞」は四位一組で循環し、子辰申は巳を見、丑巳酉は寅を見、寅午戌は亥を見、卯未亥は申を見、一時の凶を主る。「支儀」は子から午を起こし、その後丑巳・寅辰・卯卯・辰寅・巳丑、午以下は未申酉戌亥子に転じ、十天干の「儀神」と相配して一歳の儀度を成す。「金神」は三位循環し、子卯午酉は巳を見、丑辰未戌は丑を見、寅巳申亥は酉を見、前の十天干下の金神と同じく破碎の煞に属する。「収魂」は別に位次を立てず、墓神の上に「玄武」を乗せるものは皆収魂とし、魂魄収摂・人口危亡を主る。「馬倒」は驛馬の前一位にあり、驛馬がすでに倒れれば行程が阻まれ去って成らずを主る。
劫殺災殺歲殺知,天殺月殺地殺齊。亡神將星扳鞍是,驛馬六厄華蓋馳。
これは三合局十二神煞の総訣で、本命の三合に関わる十二位の神煞を次序に従って繋ぎ記誦しやすくしたもの。まず「劫煞」「災煞」「歳煞」の三位、次に「天煞」「月煞」「地煞」の三位、続いて「亡神」「将星」「攀鞍」の三位、最後に「驛馬」「六厄」「華蓋」の三位、合わせて十二位である。三合局の長生の次第に依って十二宮を繞って排定され、占課ではそれらがどの宮に落ちどの天将を乗せるかを見て、人事の進退得失を推し断する。末句の「華蓋」は星名で孤高芸文を主り、分解して「華麗な傘蓋」と解してはならない。
内天罡行十二経絡
每日寅罡在肺經,卯時流入大腸中。辰胃巳脾午心上,未時卻入小腸行。申在膀胱酉在腎,戌在胞絡亥三焦。子膽丑肝循環轉,晝夜周流十二遭。今年某月初一日趕來年某月初一日,有閏前加二十五,無閏後退六爻神。陽日後三辰,陰日前三辰。
この節は十二時辰と人身の十二経脉を配し、病を占い証を断ずる用に供する。毎日寅時に気血は肺経に注ぎ、卯時に大腸経に流入し、辰時に胃経に至り、巳時に脾経に至り、午時に心経に至り、未時に小腸経に転じ、申時に膀胱経にあり、酉時に腎経にあり、戌時に心包絡にあり、亥時に三焦経にあり、子時に胆経にあり、丑時に肝経にある。このように循環して昼夜の間に十二遍を周流する。後の数句は日辰を推算する補充の口訣で、今年の某月初一から来年の同月初一まで推すに、閏月があれば前へ二十五を加え、なければ後へ六位を退く。また陽日は本位から後へ三辰を数え、陰日は本位から前へ三辰を数える。
天徳丁坤壬辛亥甲癸寅丙乙己庚 月徳巳寅亥申三輪 月合辛巳丁乙三輪 天馬午順六陽 天喜春戌夏丑秋辰冬未 天詔、游魂亥順十二 天赦春戊寅夏甲午秋戊申冬甲子 天醫子卯午酉三輪 天書戌順十二 皇恩戌丑辰未卯酉子午亥寅巳申
以下は月に従って推し排す神煞を逐条に開列する。「順十二」と注するものは正月に標した支から起こり逐月に一位を順行して十二月に周遍する。「逆十二」と注するものは逐月に一位を逆退する。「三輪」と注するものは四位一組で三度循環する。春夏秋冬と明記するものは四季に従って取る。「天徳」は正月から順に丁・坤・壬・辛・亥・甲・癸・寅・丙・乙・己・庚で、最もよく凶に逢えば吉に化する吉神である。「月徳」は正月巳・二月寅・三月亥・四月申で、四位一輪を三度循環する。「月合」は正月辛・二月巳・三月丁・四月乙で、これも三輪。「天馬」は正月に午を起こし、午申戌子寅辰の六つの陽支に順って推し行く。「天喜」は春は戌・夏は丑・秋は辰・冬は未にあり、喜慶を主る。「天詔」は「遊魂」と同位で、正月に亥を起こし順行する。「天赦」は春は戊寅・夏は甲午・秋は戊申・冬は甲子にあり、赦罪解厄を主る。「天医」は子卯午酉の四位三輪で、病を占い医を求めるに用いる。「天書」は正月に戌を起こし順行する。「皇恩」は正月から戌・丑・辰・未・卯・酉・子・午・亥・寅・巳・申で、恩沢赦宥を主る。
聖心亥己子午丑未寅申卯酉辰戌 進爵申亥己申亥巳申亥己申亥巳 鳯輦辰未戊丑三輪 鑾輿戌丑辰未三輪 會神未戌寅亥酉子丑午己卯申辰 天解申戌子寅辰午申戌子寅辰午 皇書春寅夏巳秋申冬亥 解神申申酉酉戌戌亥亥午午未未 風煞申逆十二 逰神春丑夏子秋戌冬亥,主行人至
「聖心」は正月から順に亥・巳・子・午・丑・未・寅・申・卯・酉・辰・戌で、上心の眷頋を主る。「進爵」は正月申・二月亥・三月巳で、三位一組を四度循環し、升遷封賞を主る。「鳳輦」は辰・未・戌・丑の四位三輪、「鑾輿」は戌・丑・辰・未の四位三輪で、二者とも車駕の栄顕を主る。「会神」は正月から未・戌・寅・亥・酉・子・丑・午・巳・卯・申・辰で、会合聚集を主る。「天解」は申・戌・子・寅・辰・午の六位二輪で、解散憂患を主る。「皇書」は春寅・夏巳・秋申・冬亥で、詔命文書を主る。「解神」は二月ごとに移り、正二月は申、三四月は酉、五六月は戌、七八月は亥、九十月は午、十一十二月は未で、消災釈罪を主る。「風煞」は正月に申を起こし逆行する。「遊神」は春丑・夏子・秋戌・冬亥で、小注に遠行の人のまさに至らんとすることを主るという。
戲神春巳夏子秋酉冬辰 信煞酉順十二,主逺信至 信神申戌寅丑亥辰己未己未申戌 成神巳申亥寅三輪。 福星甲丙丁在子乙庚辛在 丑戊巳在未壬癸在巳 天巫主婚姻,辰順十二 生氣子順十二 喝散巳夏申秋亥 雨煞、災煞子酉午卯三輪 雌虎地醫酉逆十二 逰煞卯順十二
「戯神」は春巳・夏子・秋酉・冬辰で、戯楽遊冶を主る。「信煞」は正月に酉を起こし順行し、小注に遠方の書信の至ることを主るという。「信神」は正月から申・戌・寅・丑・亥・辰・巳・未・巳・未・申・戌で、これも音信を主る。「成神」は巳・申・亥・寅の四位三輪で、事情の成就を主る。「福星」のこの条は日干で取り、甲丙丁の三干は子、乙庚辛の三干は丑、戊己の二干は未、壬癸の二干は巳である。「天巫」はもっぱら婚姻の事を主り、正月に辰を起こし順行する。「生気」は正月に子を起こし順行し、生機の発動を主る。「喝散」は春は巳・夏は申・秋は亥(冬位はもと脱漏)で、呵斥駆散を主る。「雨煞」は「災煞」と同位で、子・酉・午・卯の四位三輪。「雌虎」は「地医」と同位で、正月に酉を起こし逆行する。「遊煞」は正月に卯を起こし順行する。
轉煞 天目春辰夏未秋戌冬丑 月符春辰夏未秋戌冬丑 天鬼酉午卯子三輪。 天咒酉午卯子三輪 天轉春乙卯夏丙午秋辛酉冬壬子 地轉春辛卯夏戊午秋癸酉冬丙子 天廁寅巳申亥三輪 天耳春戌夏丑秋辰冬未 天坑丑順十二 天盜春酉夏午秋卯冬子 天煞正月丑逆行四季,見之戌逆十二並朱雀剋日主怪異
「転煞」は下の天転・地転の類の総名である。「天目」は春辰・夏未・秋戌・冬丑。「月符」は天目と同位で、文書印信を主る。「天鬼」は酉・午・卯・子の四位三輪。「天呪」は天鬼と同位で、いずれも鬼祟呪詛を主る。「天転」は春は乙卯・夏は丙午・秋は辛酉・冬は壬子。「地転」は春は辛卯・夏は戊午・秋は癸酉・冬は丙子で、二者とも事情の反復変動を主る。「天厠」は寅・巳・申・亥の四位三輪で、穢汚を主る。「天耳」は春戌・夏丑・秋辰・冬未で、伝聞を主る。「天坑」は正月に丑を起こし順行し、陥落を主る。「天盗」は春酉・夏午・秋卯・冬子で、失窃を主る。「天煞」は正月から丑を起こし、辰戌丑未の四季の位に逆行する。もし戌の上に落ちて十二宮を逆行し、また「朱雀」と同乗して日干を克すれば、怪異の事があることを主る。
天獄春未夏戌秋丑冬辰 月沖申順十二。 月破亥午丑申卯戌巳子未寅酉辰 月刑巳子辰申午丑寅酉未亥卯戌 月害巳逆十二 井煞未順十二 小煞卯巳未酉亥丑卯巳未酉亥丑 煞神春申夏亥秋寅冬巳 大時卯子酉午三輪。 小時即月建 地獄春辰夏午秋戌冬子 受死戌辰亥巳子午丑未寅申卯酉 市曹辰亥子丑申酉戌巳午未寅卯 飛廉巳午未申酉辰亥子丑寅卯天煞卯子酉午
「天獄」は春未・夏戌・秋丑・冬辰で、牢獄を主る。「月沖」は正月に申を起こし順行し、すなわち月建と相沖する位。「月破」は正月から亥・午・丑・申・卯・戌・巳・子・未・寅・酉・辰で、破敗を主る。「月刑」は正月から巳・子・辰・申・午・丑・寅・酉・未・亥・卯・戌で、刑克を主る。「月害」は正月に巳を起こし逆行する。「井煞」は正月に未を起こし順行し、井泉水厄を主る。「小煞」は正月から卯を起こし、一位を隔てて順行し、卯巳未酉亥丑を二輪循環する。「煞神」は春申・夏亥・秋寅・冬巳。「大時」は卯・子・酉・午の四位三輪。「小時」は別に例を起こさず、当月の月建である。「地獄」は春辰・夏午・秋戌・冬子。「受死」は正月から戌・辰・亥・巳・子・午・丑・未・寅・申・卯・酉で、病を占って最もこれを忌む。「市曹」は正月から辰・亥・子・丑・申・酉・戌・巳・午・未・寅・卯で、刑戮の鬧市を主る。「飛廉」は正月から巳・午・未・申・酉・辰・亥・子・丑・寅・卯で、流言口舌を主る。行末に連書する「天煞卯子酉午」は飛廉と並ぶ別の一神煞である。
死氣、謾語午順十二 死神巳順十二 游禍巳逆十二 墓門、女災亥申巳寅三輪 飛禍春申夏寅秋巳冬亥 賊神春卯夏午秋酉冬子 繩索午卯未酉午卯未酉午卯未酉 長繩亥逆十二 絞神酉辰亥午丑申卯戌己子未寅 勾神卯戌己子未寅酉辰亥午辰申 奸門申亥寅巳三輪 奸神春寅夏亥秋申冬巳 白浪寅順十二 覆舟申順十二
「死気」は「謾語」と同位で、正月に午を起こし順行し、死喪と虚誑の言を主る。「死神」は正月に巳を起こし順行する。「遊禍」は正月に巳を起こし逆行する。「墓門」は「女災」と同位で、亥・申・巳・寅の四位三輪。「飛禍」は春申・夏寅・秋巳・冬亥。「賊神」は春卯・夏午・秋酉・冬子で、盗賊を占うに用いる。「繩索」は午・卯・未・酉の四位三輪で、纏縛を主る。「長繩」は正月に亥を起こし逆行する。「絞神」は正月から酉・辰・亥・午・丑・申・卯・戌・巳・子・未・寅で、絞縊の厄を主る。「勾神」は正月から卯・戌・巳・子・未・寅・酉・辰・亥・午・辰・申で、勾連牽扯を主る。「奸門」は申・亥・寅・巳の四位三輪、「奸神」は春寅・夏亥・秋申・冬巳で、いずれも奸私の事を主る。「白浪」は正月に寅を起こし順行、「覆舟」は正月に申を起こし順行で、二者とも舟行水厄を主る。
旬盜旬前一辰是也 日盜甲己子、乙庚亥、丙辛卯、丁壬申、戊癸巳 喪魂未辰丑戌三輪 往亡寅巳申亥卯午酉子辰未戌丑 產煞寅巳申亥三輪 血忌丑未寅申卯酉辰戌己亥 歲虎申順十二 飛橫亥順十二 黃幡戌未辰丑戌未辰丑戌未辰丑 豹尾辰丑戌未辰丑戌未辰丑戌未 血支丑順十二 邪神未逆十二 時盜春巳夏卯秋酉冬子
「旬盗」は本旬の旬首の前一位にある。「日盗」は日干に支を配し、甲己日は子、乙庚日は亥、丙辛日は卯、丁壬日は申、戊癸日は巳である。「喪魂」は未・辰・丑・戌の四位三輪。「往亡」は正月から寅・巳・申・亥・卯・午・酉・子・辰・未・戌・丑で、遠行出挙に最もこれを忌む。「産煞」は寅・巳・申・亥の四位三輪で、胎産を占ってこれを忌む。「血忌」は正月から丑・未・寅・申・卯・酉・辰・戌・巳・亥で、血を見る刀傷を主る。「歳虎」は正月に申を起こし順行、「飛横」は正月に亥を起こし順行で、いずれも横から来る禍を主る。「黄幡」は戌・未・辰・丑の四位三輪、「豹尾」は辰・丑・戌・未の四位三輪で、両者はちょうど相対沖し、旌旗と喪葬の象を合成する。「血支」は正月に丑を起こし順行。「邪神」は正月に未を起こし逆行。「時盗」は春巳・夏卯・秋酉・冬子。
五盜、咸池卯子酉午 火鬼春午夏酉秋子冬卯 火怪戌未辰丑三輪 天車春丑夏辰秋未冬丑 雷煞亥申巳寅三輪 火燭正月起巳順數。 天機正月起丑逆數。 陰煞寅亥申巳三輪 喪魄未辰丑戌周而復始 火神春丑夏子秋戌冬亥 懸索卯子酉午三輪 月鬼正午、二辰、三寅、四酉、五卯、六申、七丑、八巳、九子、十亥、十一未、十二戌 憂神春丑、夏子、秋戌、冬亥。
「五盗」は「咸池」と同位で、すなわち桃花の位、卯・子・酉・午の四位循環で、淫佚失盗を主る。「火鬼」は春午・夏酉・秋子・冬卯。「火怪」は戌・未・辰・丑の四位三輪。「天車」は春丑・夏辰・秋未・冬丑(末位は戌とすべき)。「雷煞」は亥・申・巳・寅の四位三輪で、惊恐霹靂を主る。「火燭」は正月に巳を起こし順に数え、「火神」は春丑・夏子・秋戌・冬亥で、いずれも火災を主る。「天機」は正月に丑を起こし逆に数え、機謀変動を主る。「陰煞」は寅・亥・申・巳の四位三輪で、陰私暗昧の事を主る。「喪魄」は未・辰・丑・戌の四位循環して已まず、喪亡を主る。「懸索」は卯・子・酉・午の四位三輪で、懸縊の厄を主る。「月鬼」は月ごとに異なり、正月午・二月辰・三月寅・四月酉・五月卯・六月申・七月丑・八月巳・九月子・十月亥・十一月未・十二月戌である。「憂神」は春丑・夏子・秋戌・冬亥で、憂疑不決を主る。
逐月神煞
正月
子 生氣 天醫 地醫 外解 雨煞 災煞 弔客 天獄 丑 游神 雨師 天煞 月煞 憂神 三丘 天牢 勾陳 天機 寡宿 天車 血支 血忌 火神 迷惑 關神 寅 皇書 戰雄 天耳 風煞 往亡 天廁 奸神 吏神 卯 游煞 小煞 日煞 盜神 賊神 咸池 懸索 勾陳 天盜 大時 辰 天巫 天醫 時煞 雌虎 浴盆 上喪 市曹 地獄 月符 豹尾 天日 巳 月德 鑰神 成神 戲神 喝散 游禍 死神 朱雀 陰煞 時盜 亡神孤辰 螣蛇 雷煞 天目 大禍 午 天馬 死氣 謾語 繩索 火鬼 未 天德 會神 天赦 歲煞 天空 哭神 月鬼 五墓 喪魄 下喪 枯骨 獄神 邪神 申 驛馬 信神 解神 天解 內解 風伯 月破 伏殃 殺神 白虎 姦淫 天猴 風煞 飛禍 戰雌 天吞 酉 信煞 天雞 破碎 金神 天鬼 四廢 門神 喪車 天刑 絞神 戌 皇恩 天喜 飛廉 大煞 地獄 受死 月厭 神豪 火災 黃幡 昏迷 亥 天詔 聖心 游魂 病煞 墓門 陽煞 玄武 劫煞 女災 長繩 飛橫 血腥 滅門
ここから十二箇月に従って各支の値する神煞を分列する。各格の読み方は、まず地支を出し、続く一行はその支に値する吉神、別に一行を起こして低く書くのは値する凶煞である。占課では四課三伝がどの支に落ちるかを見て、その支の吉凶神煞を取って参断する。正月は寅を建て、寅は月建で、その上に「皇書」「戦雄」「天耳」があり、「往亡」を忌み、出行遠挙に宜しくない。寅と相沖する申は本月の「月破」で、「驛馬」「解神」が同宮にあるものの、また「白虎」「伏殃」に圧され、動して変を生ずることを主る。未の上には「天徳」「会神」「天赦」の三吉が並び臨み、本月最も倚重すべき解厄の位である。巳の上には「月徳」「成神」「喝散」があり、吉地と算するが、「死神」「朱雀」「螣蛇」「亡神」「孤辰」が同処にあり、吉凶交錯する。子の上の「生気」「天医」「地医」は病を問い医を求めるに用いられるが、「災煞」「吊客」「天獄」を帯びる。丑位は凶煞が最も密で、「天煞」「月煞」「三丘」「天牢」「勾陳」「寡宿」「血支」「血忌」が層々に疊り圧し、これに逢えば多く拘係憂疑を主る。卯の上には「盗神」「賊神」「咸池」「懸索」「大時」が並び見え、失盗と淫佚を主る。辰には「天巫」「天医」があり、婚を議し医を問うに宜しい。午は「天馬」の一位のみ。酉は「破碎」「金神」「四廃」「天刑」を帯びる。戌の上は「皇恩」「天喜」と「飛廉」「大煞」「受死」「月厭」が雑処する。亥には「天詔」「聖心」があり、「玄武」「劫煞」「墓門」「滅門」は大凶である。一月の大勢をいえば、寅午戌三合火局はこの月を首とし、火気が初生し、木火の神が最も時を得る。吉神は多く未・戌・亥に聚まり、凶煞は多く丑・卯・申に聚まる。まずこの大勢を記してから支ごとに細かく見れば、茫として頭緒のないことはない。
二月
子 天詔 日煞 游魂 病煞 天機 玄武 咸池 懸索 飛橫 大時 血腥 大禍 丑 皇恩 游神 生氣 地醫 風煞 時煞 憂神 三丘 弔客 天機 寡宿 火神 豹尾 關神 寅 皇書 天師 天耳 戰雄 天牢 勾陳 陽煞 亡神 奸神 血支 吏神 卯 天醫 天獄 賊神 繩索 天盜 辰 游煞 歲煞 游禍 受死 浴盆 喪魄 下喪 地獄 陰煞 月符 絞神 天目 巳 驛馬 聖心 鑰神 戲神 天巫 外解 喝散 往亡 飛廉 破碎 金神 小煞 雌虎 時盜 天廁 天猴 孤辰 午 天鬼 死神 月鬼 朱雀 盜神 邪神 螣蛇 雷煞 火鬼 滅門 未 風伯 死氣 哭神 五墓 上喪 謾語 血忌 火怪 風煞 申 天馬 成神 天雞 解神 內解 煞神 枯骨 墓門 劫煞 女災 飛禍 戰雌 酉 雨煞 月破 大煞 災煞 四廢 伏殃 月厭 白虎 門神 喪車 天刑 天火 昏迷 戌 天喜 信神 會神 信煞 天解 天赦 天煞 天空 天獄 勾神 長繩 黃幡 月煞 迷惑 亥 天書 神豪 市曹 姦淫 刑亡 天吞
二月は卯を建て、卯の上には「天医」の一位吉神のみを列げ、凶の面は「天獄」「賊神」「繩索」「天盗」で、病を占って医を求めることはできるが失窃を防がねばならない。卯と相沖する酉は本月の「月破」で、また「大煞」「災煞」「四廃」「伏殃」「月厭」「白虎」「天刑」「喪車」が聚り、全月最も凶の地で、すべての謀為がこの位を経れば多く破敗を主る。戌位はかえって全月吉神の最も盛んな処で、「天喜」「信神」「会神」「信煞」「天解」「天赦」の六神が斉しく集まり、厄を解き凶を化するのに用いられるが、同宮に仍「天煞」「天空」「黄幡」が牽制する。巳の上には「驛馬」「聖心」「天巫」「戯神」「喝散」が並び臨み、出行・議婚に宜しいが、「往亡」「飛廉」「破碎」「金神」「孤辰」が同処にあり、行なば中途で折り返すことを防がねばならない。丑には「皇恩」「遊神」「生気」「地医」があり、寅には「皇書」「天師」「天耳」があり、いずれも名を求め文を行うに取るべき位。辰の上には「歳煞」「遊禍」「受死」「喪魄」「下喪」「地獄」が並び見え、病を占って大いに忌む。午位は吉神が全く缺け、「天鬼」「死神」「月鬼」「朱雀」「螣蛇」「滅門」が独り盛んである。申には「天馬」「成神」「天鶏」「解神」があり、未には「風伯」がありながら「死気」「五墓」「血忌」を帯び、亥は「天書」の一吉のみで「奸淫」「刑亡」を帯びる。二月は仲春に属し、亥卯未三合木局がまさにその令に当たり、木が旺なれば金は衰え、すべて課中の申酉の神は多く克制を受ける。全月の吉神は戌・巳の两位に偏り聚まり、凶煞は酉・辰・午の三位に偏り聚まる。子の上には「天詔」があるものの「日煞」「遊魂」「病煞」「玄武」「大禍」に圧され、病を占い行を問うともに回避すべし。
三月
子 天書 聖心 天解 風煞 神豪 市曹 刑亡 丑 天詔 管神 游神 天赦 天空 游魂 憂神 病煞 三丘 下喪 破碎 金神 歲煞 喪魄 獄神 玄武 寡宿 天車 火神 飛橫 寅 皇書 驛馬 信神 生氣 地醫 會神 外解 戰雄 天耳 弔客 姦淫 奸神 天猴 血忌 吏神 天吞 卯 天師 天鬼 游禍 天牢 勾陳 陰煞 賊神 血支 天盜 辰 皇恩 浴盆 地獄 月符 火怪 黃幡 天目 巳 鑰神 戲神 游煞 喝散 月鬼 墓門 陽煞 劫煞 時盜 女災 邪神 孤神 勾陳 午 天醫 天巫 風伯 雨煞 飛廉 災煞 雌虎 天獄 風煞 火鬼 未 天雞 天煞 月煞 小煞 死神 哭神 五墓 朱雀 螣蛇 雷煞 繩索 迷惑 申 往亡 大煞 死氣 殺神 月厭 謾語 天廁 天火 昏迷 飛橫 戰難 解神 內解 酉 日煞 四廢 門神 喪車 枯骨 天刑 盜神 咸池 懸索 長繩 大時 天喜 天馬 戌 月破 時煞 伏殃 白虎 上喪 豹尾 信煞 成神 亥 受死 天機 亡神 絞神
三月は辰を建て、辰の上には「皇恩」があり、凶の面は「浴盆」「地獄」「月符」「火怪」「黄幡」「天目」である。辰と相沖する戌は本月の「月破」で、兼ねて「時煞」「伏殃」「白虎」「豹尾」があり、「信煞」「成神」の二吉がわずかに救うのみである。本月の申・酉・戌・亥の四格の排法は前の二月と反対で、まず凶煞を列げて後に吉神を列げることに留意すべきで、読むとき見誤ってはならない。申の上の凶煞は「往亡」「大煞」「死気」「月厭」「天火」「昏迷」で、吉神は「解神」「内解」のみ。酉の上は凶煞が群を成し、「四廃」「門神」「喪車」「天刑」「盗神」「咸池」「懸索」「長繩」「大時」、吉神は「天喜」「天馬」。亥格には「受死」「天機」「亡神」「絞神」のみを列げて吉神なし。寅は本月の「驛馬」の所在で、また「皇書」「信神」「生気」「会神」「戦雄」「天耳」があり、出行・行文・求財にいずれも取用できるが、同宮の「吊客」「奸淫」「血忌」を防ぐべし。丑位は吉に「天詔」「管神」「遊神」「天赦」があり、凶には「天空」「遊魂」「病煞」「三丘」「歳煞」「喪魄」「玄武」「飛横」が圧し、吉凶は極めて錯雑。午には「天医」「天巫」がありながら「飛廉」「災煞」「火鬼」を帯び、未には「天鶏」がありながら群凶が畢集し、病を占い訟を問うにいずれも回避すべし。三月は季春に属し、土旺が事を用い、辰は本月の月建であると同時に水庫でもあるから、辰の上には晦滞湿沈の煞が多い。子の上の「天書」「聖心」「天解」は吉で、凶煞は「神豪」「市曹」「刑亡」の三位のみで、本月の比較的清浄な地である。
四月
子 天馬 游神 戲神 信煞 天鬼 四廢 憂神 門神 喪車 天刑 盜神 火神 勾神 丑 天喜 天書 信神 神豪 市曹 上喪 女災 火怪 黃幡 刑亡 寅 天詔 成神 天解 游魂 游禍 病煞 墓門 陰煞 玄武 劫煞 飛橫 飛禍 血腥 大禍 卯 生氣 地醫 災煞 弔客 時盜 雨煞 辰 天師 管神 天赦 天殺 三丘 月鬼 天空 天牢 獄神 勾陳 邪神 寡宿 天車 血支 月煞 迷惑 巳 皇書 戰雄 天耳 風伯 受死 風煞 姦淫 吏神 天吞 午 聖心 游煞 天雞 日煞 地獄 天盜 賊神 咸池 懸索 絞神 大時 未 皇恩 天巫 飛廉 大煞 時煞 月厭 雌虎 浴盆 月符 天火 豹尾 昏迷 天目 申 鑰神 外解 喝散 死神 朱雀 陽煞 亡神 雷煞 螣蛇 孤辰 血忌 長繩 滅門 酉 天醫 解神 外解 破碎 金神 小煞 死氣 天獄 謾語 繩索 火鬼 戌 歲煞 哭神 五墓 喪魄 下喪 枯骨 天機 亥 驛馬 會神 風煞 往亡 月破 伏殃 天廁 天機 戰雌 奸神
四月は巳を建て、巳の上には「皇書」「戦雄」「天耳」「風伯」があり、「受死」「奸淫」「風煞」を帯び、病を占って最も忌む。巳と相沖する亥は本月の「月破」で、また「驛馬」「会神」の所在であり、馬が破位に臨むのは動して成らずを主り、出行には多く折返がある。辰位の吉神は「天師」「管神」「天赦」があり、凶煞は全月最も密な一格で、「天殺」「三丘」「月鬼」「天空」「天牢」「獄神」「勾陳」「邪神」「寡宿」「天車」「血支」「月煞」「迷惑」の十余位が並び圧し、占でこれに逢えば多く牽連訟係を主る。寅の上は「天詔」「成神」「天解」が吉で、「遊魂」「病煞」「墓門」「玄武」「劫煞」「血腥」「大禍」が凶で、病を問うにこれを忌む。子には「天馬」「遊神」「戯神」「信煞」があり、「四廃」「門神」「喪車」「天刑」が同宮。丑の上は「天喜」「天書」「信神」が並び臨み、本月の喜信の位である。卯には「生気」「地医」があり、医を求めるに宜しい。午には「聖心」「遊煞」「天鶏」があり、「日煞」「地獄」「咸池」「大時」を帯びる。未の上は「皇恩」「天巫」で婚を議すべきであるが、「飛廉」「大煞」「月厭」「豹尾」に圧される。申には「鑰神」「外解」「喝散」がありながら群凶が並び集まり、酉には「天医」「解神」があり、戌位は吉神が全く缺けて「歳煞」「哭神」「五墓」「喪魄」「枯骨」「天機」のみが余る。四月は孟夏に属し、巳酉丑三合金局はこの月を首とし、火気は方に盛んで金気は潜かに生ず。占課は水神をもって解とし、火神をもって忌とする。表の用法は、まず占う事によって用神を定め、それがどの支に落ちるかを見て、次にその支の吉凶神煞と三伝天将を合わせて参ずる。
五月
子 游神 戲神 天醫 外解 月煞 月破 災煞 四廢 伏殃 憂神 受死 白虎 門神 喪車 天獄 天刑 火神 丑 天喜 驛心 信煞 月煞 天煞 游禍 陰煞 絞神 迷惑 寅 天書 天馬 神豪 天廁 飛禍 卯 天詔 皇恩 往亡 日煞 游魂 病煞 月鬼 時盜 盜神 血腥 玄武 咸池 邪神 血忌 懸索 飛橫 大時 滅門 辰 管神 生氣 地醫 天解 風伯 時煞 三丘 弔客 上喪 風煞 天車 寡宿 豹尾 巳 皇書 天恩 天雞 成神 戰雄 天耳 破碎 金神 天牢 亡神 勾陳 血支 吏神 午 天煞 月厭 地獄 天盜 賊神 天火 繩索 昏迷 未 游煞 天赦 歲煞 天空 下喪 喪魄 浴盆 月符 勾神 長繩 天目 獄神 申 鑰神 驛馬 天巫 喝散 天醫 飛廉 雌虎 市曹 姦淫 天猴 孤辰 刑亡 天吞 酉 會[部 死神 天鬼 天機 朱雀 雷煞 螣蛇 火神 大禍 戌 解神 內解 風煞 死氣 哭神 五墓 謾語 火怪 黃幡 亥 信神 小煞 煞神 枯骨 墓門 陽煞 劫煞 女災 奸神 戰雌
五月は午を建て、午位は吉神が全く缺け、「天煞」「月厭」「地獄」「天盗」「賊神」「天火」「繩索」「昏迷」が独り一格に拠り、本月最も犯すべからざる地である。午と相沖する子は本月の「月破」で、また「災煞」「四廃」「伏殃」「受死」「白虎」「門神」「喪車」「天獄」「天刑」が聚り、「遊神」「戯神」「天医」「外解」の四吉があるものの、終に破損して成り難い。申は本月の「驛馬」で、兼ねて「鑰神」「天巫」「喝散」「天医」があり、出行・議婚・求醫にいずれも取るべきであるが、「飛廉」「雌虎」「市曹」「奸淫」「孤辰」「刑亡」が同宮にあり、事を行うには人の耳目を避くべし。未の上は「遊煞」「天赦」が吉で、「歳煞」「天空」「喪魄」「浴盆」「長繩」「獄神」が凶。卯位は凶煞が最も多く、「往亡」「日煞」「遊魂」「病煞」「月鬼」「玄武」「咸池」「邪神」「血忌」「懸索」「飛横」「滅門」が層々に疊り圧し、「天詔」「皇恩」があるものの圧し切れない。丑には「天喜」「信煞」があり、寅には「天書」「天馬」があり、辰には「管神」「生気」「地医」「天解」があり、巳には「皇書」「天恩」「天鶏」「成神」があり、いずれも用いるべき位に属する。酉格の吉神の欄は原刻に「会[部」と作り、字に残訛があり、他月の体例に依れば「会神」の類とすべき。戌には「解神」「内解」があり、亥は「信神」の一吉のみで群凶が囲繞する。五月は仲夏に属し、寅午戌三合火局がまさにその令に当たり、火が旺なれば金は熔け水は涸れ、すべて課中の申酉亥子の神は多くその傷を受ける。午は月建にして一吉も存せず、子は月破にして吉凶が交戦し、一年の中で本月のこの両端が最も懸絶する。
六月
子 會神 游神 戲神 日煞 四廢 游禍 憂神 門神 喪車 枯骨 天廁 陰煞 火神 咸池 繩索 大時 丑 天喜 時煞 金神 破碎 月破 小煞 伏殃 白虎 豹尾 寅 信煞 月鬼 陽煞 亡神 邪神 勾神 飛禍 卯 天書 天醫 風伯 神豪 天獄 時盜 風煞 懸索 辰 天詔 天馬 信神 天雞 歲煞 游魂 病煞 三丘 喪魄 下喪 玄武 寡宿 天車 飛橫 關神 血腥 大禍 巳 皇書 地醫 生氣 驛馬 外解 戰雄 天耳 天煞 月厭 弔客 天廁 天六 天猴 昏迷 吏神 午 天師 天解 往亡 陰死 天鬼 天牢 地獄 賊神 盜神 天盜 勾陳 血支 長繩 未 聖心 浴盆 上喪 火怪 月符 黃幡 天目 申 鑰神 成神 喝散 游煞 墓門 天機 劫煞 女災 孤辰 絞神 酉 皇恩 天巫 風煞 雨煞 地醫 飛廉 災煞 雌虎 市曹 獄神 朱雀 血忌 刑亡 火神 戌 內解 天煞 天空 死神 哭神 五墓 螣蛇 雷煞 月煞 迷惑 滅門 亥 煞神 死氣 姦淫 奸神 戰雄 天吞
六月は未を建て、未の上には「聖心」の一吉のみで、凶は「浴盆」「上喪」「火怪」「月符」「黄幡」「天目」。未と相沖する丑は本月の「月破」で、兼ねて「時煞」「金神」「破碎」「小煞」「伏殃」「白虎」「豹尾」があり、「天喜」があるものの転じて吉とし難い。巳は本月の「驛馬」で、また「皇書」「地医」「生気」「外解」「戦雄」「天耳」があり、出行・上書・求醫に宜しいが、「天煞」「月厭」「吊客」「天厠」「昏迷」が同宮。辰位は吉に「天詔」「天馬」「信神」「天鶏」があり、凶には「歳煞」「遊魂」「病煞」「三丘」「喪魄」「玄武」「寡宿」「飛横」「血腥」「大禍」があり、病を占い訟を問うにいずれも忌む。子の上は「会神」「遊神」「戯神」が吉で、「四廃」「遊禍」「門神」「喪車」「枯骨」「陰煞」「咸池」「繩索」「大時」が凶で、失盗淫佚を主る。午には「天師」「天解」があり、凶は「往亡」「天鬼」「天牢」「地獄」「賊神」「盗神」「勾陳」「血支」「長繩」が並び集まり、行人と詞訟を問うに最も忌む。酉の上は「皇恩」「天巫」「雨煞」「地医」で婚を議し医を求めるべきであるが、「飛廉」「災煞」「市曹」「獄神」「朱雀」「血忌」を帯びる。戌位は「天煞」「天空」「死神」「哭神」「五墓」「螣蛇」「雷煞」「滅門」が並び見え、亥位は吉神が全く缺けて「煞神」「死気」「奸淫」「天呑」が独り存す。六月は季夏に属し、亥卯未三合木局はここに至って告げ終り、土旺が権を当て木気は墓に就く。占課は金水の神をもって解とする。全月の吉神は巳・辰・酉の三位に偏り聚まり、凶煞は子・午・戌の三位に偏り聚まる。吉凶が同宮にあるものは、なおその軽重を権衡すべし。
七月
子 皇恩 死氣 謾語 火鬼 丑 會神 天赦 歲煞 天空 哭神 受死 月鬼 五墓 喪魄 下喪 枯骨 獄神 邪神 寅 驛馬 聖心 外解 風伯 月皮 伏殃 煞神 白虎 姦淫 天獄 風煞 戰雌 天吞 卯 信煞 天雞 天鬼 四廢 門神 喪車 絞神 小煞 辰 天喜 天書 飛廉 大煞 神豪 月厭 血忌 火怪 天火 黃幡 刑亡 昏迷 巳 天詔 信神 游魂 病煞 墓門 陽煞 玄武 劫煞 女災 長繩 飛橫 飛禍 血腥 滅門 午 天馬 生氣 天醫 地醫 雨煞 災煞 弔客 天獄 天刑 未 天師 關神 天煞 月煞 三丘 天牢 勾陳 天機 寡宿 天車 血支 繩索 迷惑 申 皇書 天解 天耳 戰雄 風煞 天廁 奸神 吏神 酉 戲神 往亡 游煞 破碎 金神 日煞 天盜 時盜 盜神 賊神 咸池 懸索 勾神 大時 戌 天巫 天醫 時煞 游禍 雌虎 憂神 浴盆 上喪 市曹 地獄 月符 天神 豹尾 天目 亥 鑰神 成神 游神 解神 內解 喝散 死神 朱雀 陰煞 亡神 孤辰 螣蛇 雷煞 大禍
七月は申を建て、申の上には「皇書」「天解」「天耳」「戦雄」「風煞」があり、凶煞は「天厠」「奸神」「吏神」の三位のみで、本月の比較的清浄な一格である。申と相沖する寅は本月の「月破」(原刻は「月皮」と訛作)で、兼ねて「伏殃」「煞神」「白虎」「奸淫」「天獄」があり、「驛馬」「聖心」「外解」もまさにこの位にあって、馬が破地に坐れば出行は多く中途で阻まれることを主る。丑の上は「会神」「天赦」が吉で、凶には「歳煞」「天空」「哭神」「受死」「月鬼」「五墓」「喪魄」「枯骨」「獄神」「邪神」があり、病を占って大いに忌む。午には「天馬」「生気」「天医」「地医」があり、医を求め薬を問うに宜しいが、「災煞」「吊客」「天獄」「天刑」が同宮。亥位は吉神が最も盛んで、「鑰神」「成神」「遊神」「解神」「内解」「喝散」の六神が並び臨み、藉りて憂疑を解散すべきであるが、「死神」「朱雀」「螣蛇」「亡神」「孤辰」「大禍」は仍り在り。未の上は「天師」が独り吉で、「関神」「天煞」「月煞」「三丘」「天牢」「勾陳」「寡宿」「血支」「繩索」がこれを圧す。酉の上は「往亡」「遊煞」「破碎」「金神」「天盗」「盗神」「賊神」「咸池」「懸索」「大時」が並び集まり、盗失を主る。子は「皇恩」の一吉のみ、卯には「信煞」「天鶏」があり、辰には「天喜」「天書」がありながら「飛廉」「大煞」「月厭」「刑亡」を帯び、戌には「天巫」「天医」がありながら「時煞」「市曹」「地獄」「豹尾」を帯びる。七月は孟秋に属し、申子辰三合水局はこの月を首とし、金気が権を当て水気は潜かに生ず。占課はまさに火神をもって制とすべし。全月の吉神は亥・午の两位に偏り聚まり、凶煞は丑・未・酉の三位に偏り聚まる。
八月
子 風伯 往亡 天鬼 死神 月鬼 朱雀 盜神 邪神 螣蛇 雷煞 火鬼 滅門 丑 成神 天雞 死氣 哭神 五墓 上喪 謾語 火怪 風煞 黃幡 寅 雨煞 煞神 枯骨 墓門 劫煞 女災 戰雄 殺神 枯骨 墓門 劫煞 女災 戰雌 卯 天喜 信煞 天赦 月破 大煞 災煞 四放心 伏殃 月厭 白虎 門神 喪車 天火 昏迷 辰 天書 天煞 天空 獄神 勾神 長繩 迷惑 月煞 巳 皇恩 天詔 會神 破碎 金神 小煞 神豪 市曹 姦淫 刑亡 飛禍 天吞 午 信神 生氣 地醫 風煞 日煞 游魂 病煞 天刑 天機 玄武 咸池 懸索 飛禍 天時 血腥 大禍 未 戲神 天醫 天獄 天盜 時盜 賊神 繩索 申 皇書 天馬 聖心 天師 外解 戰雄 天耳 天牢 勾陳 陽煞 亡神 奸神 血支 吏神 酉 游煞 天解 歲煞 憂神 浴盆 喪魁 下喪 地獄 陰煞 月符 血忌 大神 絞神 天目 戌 驛馬 鑰神 游神 天巫 解神 火神 絞神 天目 亥 內解 喝散 飛廉 游禍 雌虎 天廁 孤辰 天猴
八月は酉を建て、酉の上は「遊煞」「天解」が吉で、凶には「歳煞」「憂神」「浴盆」「下喪」「地獄」「陰煞」「月符」「血忌」「絞神」「天目」があり、そのうち「喪魁」は「喪魄」の訛とすべき。酉と相沖する卯は本月の「月破」で、また「大煞」「災煞」「伏殃」「月厭」「白虎」「門神」「喪車」「天火」「昏迷」が聚まり、「天喜」「信煞」「天赦」があるものの挽回し難い。この格に列げる「四放心」は「四廃」の刻訛である。申位は吉神が最も多く、「皇書」「天馬」「聖心」「天師」「外解」「戦雄」「天耳」の七位が斉しく集まり、上書求名・遠行謀事に宜しいが、「天牢」「勾陳」「陽煞」「亡神」「奸神」「血支」が同宮。巳には「皇恩」「天詔」「会神」があり、「破碎」「金神」「神豪」「市曹」「奸淫」「刑亡」が並び見える。午には「信神」「生気」「地医」がありながら「遊魂」「病煞」「天刑」「玄武」「咸池」「血腥」「大禍」を帯びる。子の上の吉神は「風伯」のみで、凶は「往亡」「天鬼」「死神」「月鬼」「朱雀」「螣蛇」「滅門」が並び集まる。本月の寅格は刻本に重出し、吉神の欄に誤って凶煞を抄した。「枯骨」「墓門」「劫煞」「女災」が上下二カ所に見えるが、読むときは次の一行を準とすべき。戌・亥の二格の所列にも錯行があり、前後各月の体例に合わない処はいずれも他月に参照して訂正すべきである。八月は仲秋に属し、巳酉丑三合金局がまさにその令に当たり、金が旺なれば木は傷を受け、すべて課中の寅卯の神は多く摧折される。全月の吉神は申・巳の两位に偏り聚まり、凶煞は卯・酉・子の三位に偏り聚まる。本月の刻本の訛脱は他月より多く、検読にはとりわけ前後各月と互いに校勘すべきである。
九月
子 天醫 天巫 天解 外解 風伯 雨煞 飛廉 災煞 雌虎 天獄 風煞 火鬼 丑 天解 金神 破碎 大煞 月煞 死神 吏神 五墓 朱雀 螣蛇 雷煞 迷惑 大禍 寅 天煞 死氣 月厭 月鬼 煞神 謾語 天廁 天火 昏迷 戰雌 卯 聖心 日煞 四廢 門神 喪車 枯骨 盜神 咸池 懸索 長繩 天時 辰 天喜 往亡 月破 時煞 伏殃 上喪 豹尾 巳 成神 信神 會神 信煞 天機 亡神 血忌 絞神 飛橫 午 天書 解神 內解 風煞 神豪 市曹 天刑 繩索 刑亡 未 天詔 天煞 管神 小煞 歲煞 天空 三丘 游魂 病煞 血腥 喪魄 下喪 獄神 寡宿 天車 飛橫 滅門 申 皇書 驛馬 生氣 地醫 戰雄 天耳 弔客 姦淫 奸神 天猴 吏神 天吞 酉 戲神 天師 天鬼 游禍 天牢 勾陳 天盜 陰煞 時盜 賊神 血支 戌 天馬 憂神 地獄 浴盆 月符 火怪 火神 黃幡 天目 亥 皇恩 鑰神 游煞 喝散 月鬼 墓門 陽煞 劫煞 女災 邪神 孤辰 勾神
九月は戌を建て、戌の上には「天馬」の一吉のみで、凶には「憂神」「地獄」「浴盆」「月符」「火怪」「火神」「黄幡」「天目」がある。戌と相沖する辰は本月の「月破」で、兼ねて「往亡」「時煞」「伏殃」「上喪」「豹尾」があり、「天喜」がここにあるものの出行遠挙には仍り用いられない。申は本月の「驛馬」で、また「皇書」「生気」「地医」「戦雄」「天耳」があり、遠行・上書・求醫に宜しいが、「吊客」「奸淫」「奸神」「天猴」が同宮。子の上は「天医」「天巫」「天解」「外解」「風伯」「雨煞」の六吉が並び臨み、本月の求醫議婚に最も取るべき位であるが、「飛廉」「災煞」「雌虎」「天獄」「火鬼」が相従う。未位は凶煞が最も重く、「小煞」「歳煞」「天空」「三丘」「遊魂」「病煞」「血腥」「喪魄」「下喪」「獄神」「寡宿」「飛横」「滅門」が層々に疊り圧し、病を占い訟を問うにいずれも大いに忌み、「天詔」があるものの救い難い。巳には「成神」「信神」「会神」「信煞」の四吉があり、音信会合を主るが、「天機」「亡神」「血忌」「絞神」「飛横」が患いをなす。午には「天書」「解神」「内解」があり、卯には「聖心」がありながら「四廃」「門神」「喪車」「咸池」「懸索」を帯び、寅位は吉神が全く缺けて「天煞」「死気」「月厭」「月鬼」「謾語」「天火」が独り盛ん。酉には「戯神」「天師」があり、亥には「皇恩」「鑰神」「遊煞」「喝散」がある。九月は季秋に属し、寅午戌三合火局はここに至って告げ終り、土が旺し金が相にして火気は墓に入る。占課は木神を取って生助とすべし。全月の吉神は子・巳の两位に偏り聚まり、凶煞は未・丑の两位に偏り聚まる。
十月
子 天馬 游煞 天雞 日煞 地獄 天盜 時盜 賊神 咸池 懸索 絞神 大時 丑 天巫 天醫 飛廉 大煞 時煞 月厭 雌虎 浴盆 月符 天火 豹尾 天目 昏迷 寅 皇恩 鑰神 天解 喝散 死神 朱雀 陽煞 亡神 孤辰 螣蛇 雷煞 長繩 滅門 卯 會神 天醫 死氣 天獄 天刑 謾語 繩索 火鬼 辰 戲神 歲煞 哭神 五墓 下喪 枯骨 喪魄 天機 巳 驛馬 外解 風煞 月破 伏殃 煞神 白虎 天廁 奸神 天猴 戰雄 午 信煞 解神 內解 天鬼 四廢 門神 喪車 盜神 勾神 未 天書 天喜 信神 往亡 神豪 上喪 市曹 火怪 黃幡 刑亡 申 天詔 成神 游魂 游禍 病煞 受死 墓門 火災 勾陳 陰煞 玄武 飛橫 血腥 大禍 酉 聖心 生氣 地醫 破碎 金神 小煞 災煞 弔客 雨煞 戌 游神 天師 天赦 管神 天煞 天空 月鬼 天牢 三丘 獄神 勾陳 邪神 寡宿 天車 血支 月煞 迷惑 亥 皇書 戰雄 天耳 風伯 憂神 姦淫 血忌 火神 飛禍 吏神 天吞
十月は亥を建て、亥の上には「皇書」「戦雄」「天耳」「風伯」があり、凶は「憂神」「奸淫」「血忌」「火神」「飛禍」「吏神」「天呑」。亥と相沖する巳は本月の「月破」で、また「驛馬」の所在であり、兼ねて「伏殃」「煞神」「白虎」「天厠」「奸神」がある。馬が破地に落ちれば、行人を問うに多く去って復り返ることを主る。戌位は吉に「遊神」「天師」「天赦」があり、凶煞は最も繁密で、「管神」「天煞」「天空」「月鬼」「天牢」「三丘」「獄神」「勾陳」「邪神」「寡宿」「天車」「血支」「月煞」「迷惑」の十余位が並び圧し、すべての謀為がここを経れば多く糾纏を主る。寅の上は「皇恩」「鑰神」「天解」「喝散」が吉で、「死神」「朱雀」「陽煞」「亡神」「孤辰」「螣蛇」「雷煞」「滅門」が凶。未には「天書」「天喜」「信神」があり、喜信文書を主るが、「往亡」「神豪」「市曹」「火怪」「刑亡」が同宮。丑の上は「天巫」「天医」で婚を議し医を求めるに宜しいが、「飛廉」「大煞」「時煞」「月厭」「浴盆」「天火」「豹尾」を帯びる。子には「天馬」「遊煞」「天鶏」がありながら「地獄」「天盗」「賊神」「咸池」「大時」を帯びる。卯には「会神」「天医」があり、辰には「戯神」がありながら群凶が囲繞する。申の上は「天詔」「成神」と「遊魂」「受死」「墓門」「玄武」「大禍」が並び処す。酉には「聖心」「生気」「地医」がありながら「破碎」「金神」「災煞」「吊客」を帯びる。十月は孟冬に属し、亥卯未三合木局はこの月を首とし、水気が権を当て木気は潜かに生ず。占課は土神を取って堤防とすべし。全月の吉神は寅・未の两位に偏り聚まり、凶煞は戌・巳の两位に偏り聚まる。
十一月
子 大煞 月厭 地獄 天盜 賊神 天神 昏迷 丑 天赦 游煞 歲煞 天空 下喪 浴盆 喪魄 獄神 月符 長繩 天目 寅 天馬 驛馬 鑰神 天巫 外解 飛廉 雌虎 市曹 姦淫 天猴 孤辰 刑亡 天吞 卯 天鬼 死神 受死 天刑 天機 朱雀 雷煞 螣蛇 火鬼 大禍 辰 聖心 歲神 天解 風煞 死氣 哭神 五墓 謾語 火怪 黃幡 巳 皇恩 破碎 金神 煞神枯骨 墓門 陽煞 劫煞 女災 奸神 午 天醫 雨煞 災煞 月破 四廢 伏殃 白虎 門神 喪車 天獄 血忌 未 天喜 信煞 解神 內解 天煞 月煞 游禍 陰災 繩索 絞神 迷惑 申 天書 會神 信神 神豪 天廁 酉 天詔 日煞 月鬼 病煞 游魂 盜神 玄武 咸池 邪神 懸索 飛橫 大時 血腥 滅門 戌 生氣 地醫 游神 風伯 關神 往亡 時煞 三丘 弔客 上喪 風煞 天車 寡宿 亥 皇書 成神 天雞 天師 戰雄 小煞 憂神 天牢 吏神 勾陳 亡神 血支 火神 飛禍
十一月は子を建て、子位は吉神が全く缺け、「大煞」「月厭」「地獄」「天盗」「賊神」「昏迷」のみがこれに拠り、占問には最もここに落ちるを忌む。子と相沖する午は本月の「月破」で、兼ねて「災煞」「四廃」「伏殃」「白虎」「門神」「喪車」「天獄」「血忌」があり、「天医」「雨煞」の二吉のみで、病を問うにとりわけ謹慎すべし。寅は本月の「驛馬」で、また「天馬」「鑰神」「天巫」「外解」が同宮にあり、全月最も身を動かし婚を議するに宜しい位であるが、「飛廉」「雌虎」「市曹」「奸淫」「孤辰」「刑亡」が相従い、事を行うには口舌を防ぐべし。亥の上は「皇書」「成神」「天鶏」「天師」「戦雄」の五吉が並び臨み、上書応挙・謀事求成に宜しいが、「小煞」「憂神」「天牢」「勾陳」「亡神」「血支」が累をなす。未には「天喜」「信煞」「解神」「内解」があり、喜信と解厄を主る。申には「天書」「会神」「信神」があり、凶煞は「神豪」「天厠」の两位のみで、本月最も清浄な一格である。丑の上は「天赦」が前愆を解くべきであるが、「遊煞」「歳煞」「天空」「喪魄」「獄神」「長繩」が並び見える。卯位は吉神が全く缺けて「天鬼」「死神」「受死」「天刑」「螣蛇」「大禍」が独り盛ん。酉の上は「天詔」と「日煞」「月鬼」「遊魂」「玄武」「咸池」「滅門」が相雑る。戌には「生気」「地医」「遊神」「風伯」がありながら「往亡」「三丘」「吊客」「寡宿」を帯びる。辰格に列げる「歳神」は他月の「聖心」一系と位次が相當し、参看して訂正すべし。十一月は仲冬に属し、申子辰三合水局がまさにその令に当たり、水が旺し土が蕩く。占課は戊己土神を取って制とすべし。
十二月
子 天師 月鬼 天牢 地獄 勾陳 天盜 時盜 賊神 血支 血忌 長繩 丑 往亡 破碎 金神 小煞 浴盆 上喪 火怪 月符 日煞 天目 寅 鑰神 成神 游煞 喝散 墓門 天機 女災 劫煞 孤辰 絞神 卯 天巫 風煞 游煞 天醫 飛廉 災煞 雌虎 市曹 天刑 刑亡 火鬼 辰 天馬 會神 戲神 天赦 雷煞 天煞 天空 死神 哭神 五墓 浴神 朱雀 螣蛇 月煞 迷惑 奸門 巳 煞神 死氣 謾語 姦淫 戰雌 天吞 午 天解 日煞 四廢 游禍 門神 喪車 枯骨 咸池 懸索 大時 未 天喜 解神 內解 月破 時煞 伏殃 白虎 豹尾 申 皇恩 信神 內解 月鬼 陽煞 亡神 邪神 勾神 酉 天書 天醫 風伯 神豪 受死 天獄 繩索 戌 天詔 聖心 信神 游神 天機 關神 歲煞 游魂 病煞 寡宿 喪魄 下喪 飛橫 玄武 天車 血腥 大禍 亥 皇書 地醫 生氣 驛馬 戰雄 大煞 憂神 月厭 吏神 弔客 天廁 昏迷 天猴 天火 災神 飛禍
十二月は丑を建て、丑格は吉神が全く缺け、「往亡」「破碎」「金神」「小煞」「浴盆」「上喪」「火怪」「月符」「日煞」「天目」のみを列げ、本月最も触犯すべからざる地である。丑と相沖する未は本月の「月破」で、兼ねて「時煞」「伏殃」「白虎」「豹尾」があり、「天喜」「解神」「内解」があるものの小用すべきのみ。亥は本月の「驛馬」で、また「皇書」「地医」「生気」「戦雄」があり、遠行求財に宜しいが、「大煞」「憂神」「月厭」「吊客」「天厠」「天火」「飛禍」が同宮にあり、動けば多く阻まる。辰の上は吉神が最も盛んで「天馬」「会神」「戯神」「天赦」が並び臨み、「天赦」を藉りて旧愆を解散すべきであるが、「天煞」「天空」「死神」「哭神」「五墓」「朱雀」「螣蛇」「月煞」が同処にあり、吉凶は相半ばする。戌位は「天詔」「聖心」「信神」「遊神」が吉で、「関神」「歳煞」「遊魂」「病煞」「寡宿」「喪魄」「玄武」「飛横」「血腥」「大禍」が凶で、病を占い行を問うにいずれも忌む。子には「天師」がありながら「月鬼」「天牢」「地獄」「勾陳」「天盗」「血支」「血忌」「長繩」を帯びる。寅には「鑰神」「成神」「遊煞」「喝散」があり、卯には「天巫」「風煞」「天医」がありながら「飛廉」「災煞」「市曹」「天刑」「火鬼」を帯びる。巳位は吉神が全く缺ける。午には「天解」があり、申には「皇恩」「信神」があり、酉には「天書」「天医」「風伯」がありながら「受死」「天獄」「繩索」を帯びる。十二月は季冬に属し、巳酉丑三合金局はここに至って告げ終り、土が旺し水が寒く金気は庫に入る。占課は火神を取って暖とすべし。全月の吉神は辰・戌の两位に偏り聚まり、凶煞は丑・未の两位に偏り聚まる。
総鈐
甲 巳 甲 午 甲 未 甲 申 申 亥 寅 午 戌 申 子 寅 辰 午 申 戌 子 寅 辰 申 申 午 子 午 辰 辰 甲五 寅 子 未 巳 子 戌 寅 申 寅 甲 辰 六 甲 日 甲 酉 辰 午 申 申 戌 子 戌 子 寅 巳 未 酉 子 寅 辰 辰 寅 午 午 酉 丑 辰 申 亥
「総鈐」は六壬起課の結果をあらかじめ一枚の検査表にまとめたもの。全表は十天干をもって統率し、各大版は「六甲日」「六乙日」の類と題し、版内はさらに十二格に分かれ、格首には「甲巳」「甲午」「甲未」「甲申」のような組合せを題す。これは日干に十二支を配して、甲日が某支の将・某支の時に遇うことを指す。格内に列げる各行は上から下へ初伝・中伝・末伝である。占課では日干と月将加時によって一格を検し得れば、三伝は当下に知れ、臨時に推演する要がない。だから「鈐」と呼び、鈐鍵・総要の義を取る。この段は六甲日の前の二帯で、上帯は甲巳・甲午・甲未・甲申の四格を列げ、下帯は甲辰・甲酉の二格を列げ、中間に竪書きする「六甲日」の三字がまさにこの一版全体の総題である。六甲日とは甲子・甲寅・甲辰・甲午・甲申・甲戌の六日で、各々六旬の首に居る。甲木の寄宮は寅にあり、禄も寅にあり、長生は亥、墓は未、「天乙貴人」は昼は未、夜は丑である。格中に夹注する「甲五」「甲四」の類は原刻が格位の次第を標明する記号である。
甲 卯 甲 戌 辰 巳 午 申 辰 甲 四 子 戌 申 午 辰 寅 甲 寅 甲 丑 甲 子 甲 亥 寅 巳 申 子 亥 戌 甲四 申戌 戌 午 申 辰 午 寅 甲 三 子 申 午 巳 卯 寅 子 寅 申 丑 巳 亥 寅 亥 亥
これは六甲日の後の二帯で、上帯は甲卯・甲戌の二格を列げ、下帯は甲寅・甲丑・甲子・甲亥の四格を列げ、前の一段と合わせてちょうど十二支に足る。甲の寄宮は寅にあるから、「甲寅」の一格はまさに月将と占時が同位の「伏吟課」で、天盤が地盤の上に圧して一動せず、事情の停滞・旧事の重提を主る。「甲申」の一格は寅申相沖の「返吟課」で、天地二盤が至る処対立し、反復往来・去って復り返ることを主る。また甲寅日は干支が同宮で、四課が二課に併る有名な「八専」の日で、取用に別に専法がある。六甲日は各々一旬の首をなし、旬中の空く位も各々同じからず。甲子日は戌亥を空しくし、甲戌日は申酉、甲申日は午未、甲午日は辰巳、甲辰日は寅卯、甲寅日は子丑を空しくする。この二支を「空亡」といい、また旬空とも称し、本旬の中で天干に配されなかった位である。三伝を検し得てから、まず空亡の内に落ちるか否かを見る。空に落ちればその事は虚にして実ならず。この表を検読するには、まず日干のこの版を認定し、次に得た支によって本格を見出し、格内の三行を順に初・中・末の三伝と読み、それから十二天将を配すれば吉凶は自ずから見える。
乙 巳 乙 午 乙 未 乙 申 酉 亥 丑 亥 丑 寅 子 寅 卯 丑 卯 辰 卯 巳 未 午 未 酉 丑 申 辰 申 酉 亥 申 戌 子 卯 乙 五 寅 子 未 巳 子 戌 酉 巳 丑 申 酉 子 丑 辰 巳 未 卯 亥 丑 巳 亥 寅 亥 亥 乙 辰 六 乙 日 乙 酉 酉 亥 丑 辰 辰 辰 酉 亥 丑 卯 巳 戌 卯 巳 未 辰 辰 辰 卯 巳 未 子 申 丑 卯 酉 乙四 巳 未 寅 戌 子 未 卯 巳 子
これは六乙日の前の二帯である。六乙日は乙丑・乙卯・乙巳・乙未・乙酉・乙亥の六日を指す。乙は陰木で、寄宮は辰、禄は卯、長生は午、墓は戌、天乙貴人は昼は子、夜は申である。表中の横頭に列げる酉・亥・丑・卯・巳・未の六支はいずれも陰支で、陰日は六陰将のみを列げ、甲日の一版に子・寅・辰・午・申・戌の六陽支のみを列げるのとちょうど対照をなす。これが総鈐編排の通例である。各横頭の下の三行は上から下へすなわち初伝・中伝・末伝である。たとえば乙巳日の一格では、酉将の下に亥・子・丑を得、亥将の下に丑・寅・卯を得、丑将の下に寅・卯・辰を得る。いずれも順行連位の「進茹」の象で、事情が節節に前へ進み漸く佳境に入ることを主る。卯・巳・未の三将の下に至れば、伝え得るは午丑申・未申酉・酉辰亥で、出入が参差し、吉凶は別に乗ずる天将を見るべし。下帯の乙辰の一格は、乙が辰宮に寄るため伏吟を成し、全版で最も細審を要する処である。六乙日の旬空は各々別で、乙丑日は戌亥を空しくし、乙亥日は申酉、乙酉日は午未、乙未日は辰巳、乙巳日は寅卯、乙卯日は子丑を空しくする。
乙 卯 乙 戌 亥 酉 丑 戌 申 子 酉 未 亥 申 午 戌 卯 巳 未 丑 卯 戌 子 寅 卯 亥 丑 午 卯酉 巳亥 丑未 卯 巳 戌 酉 亥 辰 卯 巳 辰 乙 寅 乙 丑 乙 子 乙 亥 酉 亥 卯 丑 未 酉 亥 巳 未 酉 卯 巳 未 巳 未 丑 亥 亥 寅 酉 巳 丑 戌 未 卯 亥 酉 丑 未 巳 卯 酉 亥 丑 巳 未 酉 卯 巳 亥 丑 未 乙四 酉 丑 午 亥 卯 丑 午 戌 申 丑 巳
これは六乙日の後の二帯で、上帯は乙卯・乙戌の二格を列げ、下帯は乙寅・乙丑・乙子・乙亥の四格を列げる。乙の寄宮は辰にあるから、「乙辰」は伏吟、「乙戌」は返吟で、辰戌が相沖し天地二盤が全数対調する。乙卯の一格では卯酉・巳亥・丑未の三対の相沖する支が連なり並び、まさに返吟の類の排法で、事情の往いて復り来り議して再び議することを主る。乙は柔日で、すべて四課に克なく別責・昴星の諸法を用いるときは、柔日は一概にまず日干上神を取り後に日支上神を取って中末両伝とし、剛日の次序と反対である。表を検するときこの一層に留意すべし。乙日の貴人は昼は子、夜は申で、子は「神後」、申は「伝送」。すべて三伝にこの二神が貴を乗せるのを見れば、多く人の提挈を得ることを主る。貴人がかえって空亡に落ちあるいは墓神に臨めば、提挈の力は実ならず、許す事は往々にして空に落ちる。乙木は柔にして滋潤を喜ぶ。三伝に亥子の水を見れば生意盎然たり、申酉の金を見れば枝葉が摧を受ける。名を求め事を謀るを占うに、まず金水二気の多寡を見るべし。表中の「乙五」「乙四」は原刻の格位標記で、三伝と相混してはならない。
丙 巳 丙 午 丙 未 丙 申 巳 申 寅 戌 子 寅 亥 寅 辰 子 卯 巳 丑 辰 午 辰 午 申 亥 申 酉 午 酉 戌 午 戌 亥 辰午 申戌 子寅 申 子 辰 戌 寅 午 子 辰 申 申 亥 寅 丙 辰 六 丙 日 丙 酉 丙四 子 寅 卯 戌 子 寅 酉 亥 丑 申 戌 酉 丑 巳
これは六丙日の前の二帯である。六丙日は丙子・丙寅・丙辰・丙午・丙申・丙戌の六日を指す。丙は陽火で、戊と同じく巳宮に寄り、禄も巳、長生は寅、墓は戌、天乙貴人は昼は亥、夜は酉である。丙日の一版の横頭は戌・子・寅と辰・午・申の六つの陽支を列げ、仍お陽日に陽将を用いる通例である。格内の三行は仍り初・中・末の三伝と読む。たとえば丙未の一格では、辰・午・申の三将の下にそれぞれ申戌子・子寅辰・辰午申を伝え得、いずれも位を隔てて順行し漸く三合を成す気象で、事情は緩いものの終に能く合成することを主る。丙火の貴人は亥・酉にあり、亥は「登明」、酉は「従魁」で、火が水位と金位に臨み、貴にして熾ならず。官訟を占うに最もその昼夜順逆を細辨すべし。
丙 卯 丙 戌 丑 亥 酉 戌 子 寅 申 巳 子 丑 戌 巳 午 卯 戌 辰 午 申 寅 辰 卯 未 酉 申 子 寅 丑 丙 寅 丙 丑 丙 子 丙 亥 子 丙 三 午 亥 卯 申 子 巳 午 申 子 巳 酉 寅 午 亥 子 午 寅 申 戌 辰 午 子 寅 辰 申 戌 子 酉 申 巳 辰 丑 申 辰 丙四 戌 午 子 巳 丑 未 子 申 寅 子午 辰戌 申寅 午 巳 寅 子 亥 申 午 巳 寅
これは六丙日の後の二帯で、上帯は丙卯・丙戌の二格を列げ、下帯は丙寅・丙丑・丙子・丙亥の四格を列げる。丙の寄宮は巳にあるから、「丙巳」の一格は伏吟、「丙亥」の一格は返吟で、巳亥が相沖し天地盤が全然倒置する。表末の丙亥の一格に列げる子午・辰戌・申寅の三対と午巳寅・子亥申・午巳寅の二行は、まさに返吟課の往来相沖・去って復り返る格局を顕す。行人を占えばその人がすでに途中にあることを主り、事を謀るを占えば再三反復することを主る。丙日は昼貴が亥、夜貴が酉で、貴人の順逆の分はすなわちここから起こる。貴人が亥子丑寅卯辰の六陽位に臨めば十二天将は順行し、巳午未申酉戌の六陰位に臨めば逆行する。順逆が一たび変われば、同じ支に乗ずる天将は全然異なり、吉凶もこれに随って異なる。これは三伝を検し得て後必ず再び定めなければならない一歩である。六丙日の旬空は、丙寅日は戌亥を空しくし、丙子日は申酉、丙戌日は午未、丙申日は辰巳、丙午日は寅卯、丙辰日は子丑を空しくする。
丁 巳 丁 午 丁 未 丁 申 卯 丑 巳 亥 丑 酉 亥 未 酉 未 酉 亥 丑 酉 巳 未 巳 巳 亥 丑 卯 戌 子 丑 酉 亥 子 申 戌 亥 巳 未 酉 卯 卯 申 寅 午 未 丑 午 午 亥 丑 卯 亥 丑 卯 未 戌 子 丑 未 午 巳 未 酉 己 未 酉 申 丑 未 寅 戌 丑 酉 丁四 卯 亥 申 辰 子 酉 己 丑 戌 午 丁 辰 六 丁 日 丁 酉 亥 丑 卯 巳 子 子 寅 辰 酉 亥 戌 午 巳 未 酉 亥 亥 午 申 辰 卯 巳 辰 子 酉 亥 丑
これは六丁日の前の二帯である。六丁日は丁丑・丁卯・丁巳・丁未・丁酉・丁亥の六日を指す。丁は陰火で、己と同じく未宮に寄り、禄は午、長生は酉、墓は丑、天乙貴人は昼は亥、夜は酉で、丙日と同じ。丁日の一版の横頭は仍り亥・丑・卯と巳・未・酉の六つの陰支を列げる。この版で最も留意すべきは丁丑・丁未の二日である。前文《返吟法》にいった通り、返吟で四課に克なきは丁・己・辛の三干に丑・未の二支を配した六つの日のみで、丁丑・丁未はまさにその中にある。このとき克を取らず「井欄射」を用い、丑日は亥位の「登明」を発用とし、未日は巳位の「太乙」を発用とする。また丁酉の一日は《別責法》に列げる九課の内にあり、四課不全で三課を備えるのみで、日干と相合する神を取って発用とする。表を検するとき格内の三伝が常法と合わないのを見れば、多くはこの幾つかの特例である。六丁日の旬空は各々別で、丁卯日は戌亥を空しくし、丁丑日は申酉、丁亥日は午未、丁酉日は辰巳、丁未日は寅卯、丁巳日は子丑を空しくする。発用の神が旬空に落ちれば、たとえ吉将でも有名無実を主る。
丁 卯 丁 戌 酉 丑 卯 亥 巳 未 丑 卯 酉 亥 巳 未 亥 卯 未 亥 卯 未 亥 丑 卯 午 午 酉 戌 戌 子 寅 辰 卯 巳 未 酉 申 亥 子 亥 戌 卯 寅 戌 午 丁 寅 丁 丑 丁 子 丁 亥 亥 丑 卯 午 卯 戌 丑 戌 巳 申 巳 子 巳 未 酉 酉 亥 辰 午 亥 丑 丑 卯 酉 亥 卯 未 酉 丑 卯 未 巳 亥 巳 巳 丑 亥 丑 巳 酉 丁 五 未 巳 子 戌 巳 卯 酉未 巳丑 亥卯 亥 酉 未 卯 丑 亥 未 巳 卯
これは六丁日の後の二帯で、上帯は丁卯・丁戌の二格を列げ、下帯は丁寅・丁丑・丁子・丁亥の四格を列げる。丁の寄宮は未にあるから、「丁未」の一格は伏吟、「丁丑」の一格は返吟である。伏吟の課は、丁は柔日で、克なければ日支上神を取って発用とし、中末両伝は相刑に順って推す。辰午酉亥の自刑の神に遇えば、中伝は転倒して日干上神を取る。これらの変例はいずれも表中に凝結しており、検し得て即ち用いる。表末の丁亥の一格は酉未・巳丑・亥卯の三対を列げ、下に亥酉未・卯丑亥・未巳卯の三行を接ぐ。全体は位を隔てて逆行する「退茹」の象で、事情の節節に倒退し旧事の重来することを主る。謀望を占えば多く成らず、逃亡走失を占えばその人が頭を回らすことを主る。三伝がすでに定まって後、なお順逆によって十二天将を配する。その名目は順に「貴人」「螣蛇」「朱雀」「六合」「勾陳」「青龍」「天空」「白虎」「太常」「玄武」「太陰」「天后」で、貴人の臨む位が一たび定まれば、残りの十一将はこれに随って排定される。それから三伝と天将を合わせて同断する。格中の「丁五」「丁四」は仍り原刻格位の記号である。
戊 巳 戊 午 戊 未 戊 申 巳 申 寅 子 寅 午 辰 寅 辰 寅 卯 巳 午 辰 午 午 申 戌 戌 亥 酉 子 午 丑 辰午 申戌 子寅 申 子 辰 戌 寅 午 子 辰 申 子 寅 戌 辰 卯 申 亥 午 亥 寅 酉 寅 巳 申 午 寅 酉 巳 子 申 卯 戊 辰 六 戊 日 戊 酉 戊四 子 寅 卯 戌 子 寅 酉 亥 丑 申 戌 寅 子 申 丑 辰 午 申 酉 子 午 戌 辰 寅 子 午 辰 戌 申
これは六戊日の前の二帯である。六戊日は戊子・戊寅・戊辰・戊午・戊申・戊戌の六日を指す。戊は陽土で、丙と同じく巳宮に寄り、禄は巳、長生は寅、墓は戌、天乙貴人は昼は丑、夜は未——《提要》が考えた范蠡の石室の占は、まさに戊日の丑を陽貴とするもので、これと互いに証すべし。戊日の一版の横頭は子・寅・辰・午・申・戌の六陽支を列げる。この版の中で戊辰・戊午の二日は《別責法》の九課の内にあり、四課はその三を備えるのみで、日干と相合する神の上頭の字を取って発用とする。前文の歌訣のいう「戊午戊辰と丙辰、干上皆午是れ親為り」とは、この二日が丙辰日とともに日干上神がいずれも午であることを指す。六戊日の旬空は、戊辰日は戌亥を空しくし、戊寅日は申酉、戊子日は午未、戊戌日は辰巳、戊申日は寅卯、戊午日は子丑を空しくする。表中の「戊四」は原刻の標記で、検読に三伝と相混してはならない。
戊 卯 戊 戌 丑 亥 酉 戌 子 寅 申 巳 子 丑 戌 巳 午 卯 戌 辰 午 申 寅 辰 卯 未 酉 申 子 寅 丑 戊 寅 戊 丑 戊 子 戊 亥 寅 亥 申 子 午 寅 巳 戌 申 午 丑 寅 辰 申 戌 子 寅 申 戌 辰 午 子 未 寅 子午 辰戌 申寅 午 巳 寅 子 亥 申 午 巳 寅
これは六戊日の後の二帯で、上帯は戊卯・戊戌の二格を列げ、下帯は戊寅・戊丑・戊子・戊亥の四格を列げる。戊の寄宮は巳にあるから、「戊巳」は伏吟、「戊亥」は返吟である。土は中央に居りながら巳火の宮に寄り、火土相生するから、戊日の課は多く生扶を主とする。すべて三伝に巳午の神が日干を生ずるを見れば、人の助力を得ることを主る。三伝が申子辰水局を成せば、水は土の財でありながらかえって来り沖激し、財に因って争いを起こすことを主る。表末の戊亥の一格に列げる子午・辰戌・申寅の諸対は、丙亥の一格と同じく返吟の排法で、両処は対看できる。これもまた丙戊が同じく巳宮に寄る故である。戊日は昼貴が丑、夜貴が未で、丑は「大吉」、未は「小吉」、両貴はともに土に属し日干と同気である。官職を占い田宅を占うに最も力を得る。
己 巳 己 午 己 未 己 申 卯 丑 巳 亥 丑 酉 亥 未 酉 未 酉 亥 丑 卯 巳 丑 巳 亥 亥 丑 卯 戌 子 丑 酉 亥 子 申 戌 亥 巳 未 酉 卯 卯 戌 寅 午 午 丑 午 申 亥 丑 卯 亥 丑 卯 未 戌 子 丑 未 午 巳 未 酉 己 未 酉 申 丑 未 寅 戌 丑 亥 丑 卯 丑 寅 辰 寅 卯 巳 卯 辰 午 巳 未 酉 申 未 亥 申 申 子 午 申 丑 己 辰 六 己 日 己 酉 亥 丑 卯 巳 子 子 寅 辰 酉 亥 戌 午 巳 未 酉 寅 亥 午 亥 辰 卯 申 辰 子 丑 卯 巳 卯 亥 巳 丑 未 卯 未 酉 亥 酉 丑 酉 卯 酉 巳
これは六己日の前の二帯で、格数が比較的多く三層を占める。六己日は己丑・己卯・己巳・己未・己酉・己亥の六日を指す。己は陰土で、丁と同じく未宮に寄り、禄は午、長生は酉、墓は丑、天乙貴人は昼は子、夜は申で、乙日と同じ。己日の一版の横頭は亥・丑・卯と巳・未・酉の六陰支を列げる。格内の三行は仍り初・中・末の三伝と読む。たとえば己申の一格では、亥将の下に丑・寅・卯を伝え得、丑将の下に寅・卯・辰を伝え得、卯将の下に辰・巳・午を伝え得、節節に順行してまさに「進茹」の象で、事情が歩歩前へ向かうことを主る。己午の一格が伝える戌酉申・子亥戌の類は、位を逐て倒退する「退茹」で、事情が節節に収縮することを主る。この版の中で己丑・己未の二日は返吟無克の六日の列に属し、「井欄射」で取用する。己酉の一日は前文《交車格》の「三交合」の二課の一で、いわゆる「惟れ己酉日辰加干、丁卯日戌加干の二課」とはそれを指す。己未の一格は表中の二カ所に重出するが、刻版の分欄によるもので、内容に二致はない。六己日の旬空は、己巳日は戌亥を空しくし、己卯日は申酉、己丑日は午未、己亥日は辰巳、己酉日は寅卯、己未日は子丑を空しくする。己土は柔にして能く載す。占課は田禾稼穡・中人媒介の事に最も応験する。三伝が子・申の二貴に日干を夹拱せしめれば、貴人の扶持ありて事は暗中に成ることを主る。
己 卯 己 戌 酉丑 巳未 亥卯 巳 卯 未 酉 亥 卯 丑 未 亥 亥 丑 卯 寅 午 酉 巳 戌 子 申 辰 卯 巳 未 酉 申 亥 卯 亥 戌 午 寅 戌 酉 己 寅 己 丑 己 子 己 亥 亥 丑 卯 午 卯 戌 丑 戌 巳 申 巳 子 巳 未 酉 酉 亥 辰 午 亥 丑 丑 卯 酉 亥 卯 未 酉 丑 卯 未 巳 亥 巳 巳 丑 亥 丑 巳 酉 己 五 未 巳 子 戌 巳 卯 酉未 巳丑 亥卯 亥 酉 未 卯 丑 亥 未 巳 卯
これは六己日の後の二帯で、上帯は己卯・己戌の二格を列げ、下帯は己寅・己丑・己子・己亥の四格を列げる。己の寄宮は未にあるから、「己未」の一格は伏吟、「己丑」の一格は返吟。己卯の一格に列げる酉丑・巳未・亥卯の三対と巳卯未・酉亥卯・丑未亥の諸行は、いずれも三合金局と三合木局が交錯する象で、事を占えば両意の牽合・久しくして後定まることを主る。表末の己亥の一格は酉未・巳丑・亥卯を列げ、下に亥酉未・卯丑亥・未巳卯を接ぎ、前の丁亥の一格と全然相同じい。丁己は同じく未宮に寄り、寄宮が同じであれば得るところの三伝は自然に一致する。これもまた総鈐が丁・己の二版を互いに呼応させて排する所以である。反対にいえば、両干の寄宮が同じもの、たとえば丙戊が同じく巳に寄り、丁己が同じく未に寄る類は、表を検するとき互いに印証でき、両処が合わなければ刻本に訛ありと知る。己戌の一格は、亥将の下に寅・巳・申を伝え得、まさに寅が巳を刑し巳が申を刑する三刑俱全の象で、事情が遞相に刑害し彼此相容れずを主る。卯将の下に酉・子・卯を伝え得、毎伝各々三位を隔てる間伝跳躍の象である。三伝が三刑を成しまた凶将を乗ずれば、訟を占えば必ず両敗に至り、病を占えば必ず反復を致す。格中の「己五」は原刻格位の記号である。
庚 巳 庚 午 庚 未 庚 申 子 庚五 午 巳 卯 寅 子 亥 午 辰 寅 子 寅 辰 戌 子 卯 酉 亥 寅 申 戌 丑 申 戌 午 酉 午 未 巳 未 辰 申 寅 巳 庚 辰 六 庚 日 庚 酉 寅午 庚四 戌 子 午 申 寅 辰 子 寅 辰 寅 辰 午 卯 巳 未 辰 午 申 午 申 戌 戌 亥 亥 未 酉 子 酉 酉 丑
これは六庚日の前の二帯である。六庚日は庚子・庚寅・庚辰・庚午・庚申・庚戌の六日を指す。庚は陽金で、寄宮は申、禄も申、長生は巳、墓は丑、天乙貴人は昼は丑、夜は未で、戊日と同じ。庚日の一版の横頭は子・寅・辰・午・申・戌の六陽支を列げる。庚申の一日は干支が同宮で、四課が二課に併り、甲寅と同じく「八専」に属す。両課に克なきときは陽日は日干上神から順に三位を数えて発用とし、中末両伝はいずれも日干上神を取る。六庚日の旬空は、庚午日は戌亥を空しくし、庚辰日は申酉、庚寅日は午未、庚子日は辰巳、庚戌日は寅卯、庚申日は子丑を空しくする。庚金は刀兵・征戦・道路を主り、占課で三伝に申酉の神が「白虎」を乗ずるを見れば、多く争闘刑傷を主る。丑未の二貴にこれを制せしめれば、凶勢は減ずべし。
庚 卯 庚 戌 辰 庚五 午 戌 丑 巳 申 子 子寅 辰午 申戌 子 辰 申 寅 午 戌 辰 申 子 庚 寅 庚 丑 庚 子 庚 亥 寅 申 寅 子 寅 辰 巳 子 寅 戌 巳 未 卯 戌 子 午 申 戌 辰 卯 申 酉 丑 丑 寅 丑 午 辰 申 子 子 寅 午 午 申 酉 酉 亥 子 子 寅 卯 申 戌 辰 丑 寅 亥 巳 亥 申
これは六庚日の後の二帯で、上帯は庚卯・庚戌の二格を列げ、下帯は庚寅・庚丑・庚子・庚亥の四格を列げる。庚の寄宮は申にあるから、「庚申」の一格は伏吟、「庚寅」の一格は返吟。寅申が相沖するのは、甲日の伏返の位とちょうど互いに換わる——甲は寅に寄りて寅に伏し申に返し、庚は申に寄りて申に伏し寅に返す。二版を対看すれば、寄宮が起課の中で果たす作用を最もよく見出せる。庚戌の一格に列げる子寅・辰午・申戌と子辰申・寅午戌・辰申子の諸行は、全体が位を隔てて順行し三合成局の象で、事を占えば聚合して成ることを主る。庚金は申に禄を得る。三伝に申酉を全く見れば金気太旺で、病を占えば筋骨の疾を主り、訟を占えば刑戮の憂いを主る。年命の上に制神の有無を見るべし。巳午の火に煅錬を得れば、かえって器用を成す象である。
辛 巳 辛 午 辛 未 辛 申 丑 亥 酉 卯 午 亥 戌 丑 午 巳 申 丑 未 巳 卯 酉 未 戌 辰 寅 巳 亥 酉 子 卯 亥 巳 未 午 卯 寅 亥 戌 未 酉 丑 卯 己 亥 丑 未 酉 丑 亥 酉 巳 巳 午 未 寅 卯 未 亥 子 未 巳 卯 亥 寅 子 未 亥 未 未 申 子 卯丑 巳 辛三 亥 丑 午 酉 亥 辰 未 酉 寅 辛 辰 六 辛 日 辛 酉 卯 酉 未 卯 巳 酉 丑 卯 辰 丑 己 亥 亥 巳 未 亥 辰 巳 丑 亥 酉 子 戌 丑 亥 酉 酉 戌 申 酉 未 巳 卯 巳 卯 丑 辰 寅 子 卯 丑 亥
これは六辛日の前の二帯である。六辛日は辛丑・辛卯・辛巳・辛未・辛酉・辛亥の六日を指す。辛は陰金で、寄宮は戌、禄は酉、長生は子、墓は辰、天乙貴人は昼は午、夜は寅。いわゆる「六辛は馬虎に逢う」で、十干の中で独り辛日の貴人は四季の位に落ちず、最も特別である。辛日の一版の横頭は丑・亥・酉と未・巳・卯の六陰支を列げる。排列の次序は他版の子から順に推すのと異なり、逆に来るもので、検読に切に見誤るなかれ。たとえば辛巳の一格では、丑将の下に卯・戌・巳を伝え得、亥将の下に午・丑・申を伝え得、酉将の下に亥・午・丑を伝え得、毎伝いずれも前へ七位を跳ぶ「間伝」跳躍の象で、事情が常軌を循らず迂回して後達することを主る。この版の中で辛丑・辛未は各々二課が《別責法》の九課の内にあり、前文の歌訣の「辛丑辛未各二日、下上皆是丑未真」とはまさにこの四課を指す。辛酉の一日も別責の列にあり、「辛酉は元より酉辛なり」とはそれをいう。辛丑・辛未はまた同じく返吟無克の六日に属し、「井欄射」で発用とする。両法がここに交会し、とりわけ分辨を明らかにすべし。また辛未の一格では、酉将の下に午・卯・子を伝え得、毎伝逆に三位を退く退行の間伝の象で、事情が節節に収縮することを主る。丑将の下に巳・未・未を伝え得、末伝と中伝が重出すれば、一事が再び起こり了して未だ了らざるを主る。辛日は昼貴が午、夜貴が寅で、午は「勝光」、寅は「功曹」、一は火一は木である。火は辛金を克し得、木は辛金の財である。だから辛日の貴は、得れば財禄は期すべく、失えばかえってその煎迫を受ける。占課に最もまず昼夜を辨ずべし。
辛 卯 辛 戌 酉 辛四 未 未 卯 巳 子 申 戌 巳 丑 卯 丑 亥 酉 丑 亥 酉 戌 戌 戌 未 未 未 未 巳 卯 未 巳 卯 丑 申 子 戌 寅 午 辛 寅 辛 丑 辛 子 辛 亥 巳 丑 酉 酉 寅 丑 午 巳 戌 未 卯 亥 亥 未 卯 亥 未 卯 丑 亥 酉 巳 巳 卯 丑 申 午 丑 亥 酉 未 巳 卯 亥 申 酉 丑 亥 子 丑 寅 卯 巳 未 卯 寅 巳 辰 未 午 酉 丑 酉 亥 卯 丑 巳 卯 未 巳 丑 亥 酉 寅 丑 亥 卯 寅 子 辰 卯 丑 未 巳 卯 申 午 辰 亥 未 巳 申 申 午
これは六辛日の後の二帯で、上帯は辛卯・辛戌の二格を列げ、下帯は辛寅・辛丑・辛子・辛亥の四格を列げる。辛の寄宮は戌にあるから、「辛戌」の一格は伏吟、「辛辰」の一格は返吟。辛戌の一格に列げる丑・亥・酉の三将の下、丑戌未・亥戌未・酉戌未の諸行を得、字字は辰戌丑未の四季の土を離れず、伏吟不動・土が重く金を埋むる象で、事を占えば淹滞して通じ難く、病を占えば脾胃の沈困を主り、ただ静守して時を待つべし。辛寅の一格はしかりせず。左辺の一路は酉・丑・巳を伝え得、まさに巳酉丑の三合金局。右辺の一路は寅・午・戌を伝え得、まさに寅午戌の三合火局。下半にまた亥・卯・未の木局を見る。火は来りて金を煅し、木は来りて力を耗し、争奪已まずを主る。辛卯の一格は、酉将の下に未・子・巳を伝え得、卯将の下に卯・申・丑を伝え得、未将の下に巳・戌・卯を伝え得、毎伝いずれも前へ五位を跳び、全体が整斉として、事情が循序に至り骤変を致さずを主る。辛は柔金で、その性は潤を喜び燥を悪む。三伝に亥子の水の洗滌を見れば事情の明快清白を主り、午未の火の煅逼を見れば制を受け損傷あるを主る。午の上に「太陰」「天后」の類の水神の来りて解救する有無を見るべし。六辛日の旬空は、辛未日は戌亥を空しくし、辛巳日は申酉、辛卯日は午未、辛丑日は辰巳、辛亥日は寅卯、辛酉日は子丑を空しくする。格中の「辛四」「辛三」は原刻の格位標記である。
壬 巳 壬 午 壬 未 壬 申 申寅 子午 辰戌 寅 午 巳 申 子 亥 寅 午 巳 午 丑 申 子戌 寅午 申辰 未 戌 子 卯 午 申 亥 寅 辰 子 壬五 午 巳 卯 寅 子 亥 壬 辰 六 壬 日 壬 酉 子 壬 三 巳 辰 戌 酉 卯 寅 寅 辰 子 寅 巳 未 戌 子 子寅 辰午 申戌 戌 寅 午 申 子 辰 午 戌 寅
これは六壬日の前の二帯である。六壬日は壬子・壬寅・壬辰・壬午・壬申・壬戌の六日を指す。壬は陽水で、寄宮は亥、禄も亥、長生は申、墓は辰、天乙貴人は昼は卯、夜は巳。この術数が「壬」と称する所以は、まさに陽水を五行の始と取る意で、六壬一門は壬日においてとりわけ本色を見る。壬日の一版の横頭は子・寅・辰・午・申・戌の六陽支を列げる。壬巳の一格に列げる申寅・子午・辰戌の三対と寅午巳・申子亥・寅午巳の三行は、全体が両両相沖し、まさに巳亥相沖の返吟の排法である。壬水は江河・舟楫・盗賊・隠伏の事を主り、占課で三伝が申子辰水局を成し「玄武」を乗ずれば、多く逃亡失脱を主る。戊己土神にこれを制せしめてこそ、捕獲を望むべし。
壬 卯 壬 戌 未 亥 卯 寅 壬五 子 戌 亥 酉 戌 申 壬 寅 壬 丑 壬 子 壬 亥 子 寅 辰 午 申 戌 酉 亥 丑 子 寅 辰 午 申 戌 酉 巳 辰 子 申 未 卯 亥 戌 子寅 辰午 申戌 辰 申 子 午 戌 寅 申 子 辰 子 壬 三 寅 丑 卯 寅 辰 卯 寅 戌 辰 亥 巳 子 午 丑 子 寅 辰 亥 亥 亥 子 寅 辰 卯 巳 戌 午 申 戌 亥 亥 亥 午 申 戌 子 寅 未
これは六壬日の後の二帯で、上帯は壬卯・壬戌の二格を列げ、下帯は壬寅・壬丑・壬子・壬亥の四格を列げる。壬の寄宮は亥にあるから、「壬亥」の一格は伏吟、「壬巳」の一格は返吟。壬亥の一格に列げる亥亥亥・子寅辰・卯巳戌と亥亥亥・午申戌・子寅未の諸行は、初伝に三亥が連出し、天地同宮・水が本位に帰る象で、事を占えば旧を守り動かず閉塞して通ぜずを主り、ただ潜蔵して時を待つに利あり。壬子の一格は寅丑・卯寅・辰卯と辰亥・巳子・午丑の諸行を見、節節に遞進する「進茹」の象で、事情が順遂にして漸く佳境に入ることを主る。壬日の貴人は昼は卯、夜は巳で、卯は「太沖」、巳は「太乙」、一は木一は火で、いずれも水気を泄し得る。財を求めるを占うに耗散を防ぐべし。六壬日の旬空は、壬申日は戌亥を空しくし、壬午日は申酉、壬辰日は午未、壬寅日は辰巳、壬子日は寅卯、壬戌日は子丑を空しくする。
癸 巳 癸 午 癸 未 癸 申 酉 丑 巳 癸四 未 酉 午 巳 未 亥 戌 子 辰 卯 巳 亥巳 未丑 卯酉 巳 未 卯 亥 丑 酉 巳 未 卯 卯 戌 巳 癸 辰 六 癸 日 癸 酉 癸四 卯 巳 辰 酉 申 未 子 亥 戌 卯 寅 亥 卯 癸 四 未 巳 卯 丑 亥 酉
これは六癸日の前の二帯である。六癸日は癸丑・癸卯・癸巳・癸未・癸酉・癸亥の六日を指す。癸は陰水で、寄宮は丑、禄は子、長生は卯、墓は未、天乙貴人は昼は巳、夜は卯で、壬日の昼卯夜巳とちょうど互いに換わる。癸日の一版の横頭は仍り丑・亥・酉と未・巳・卯の六陰支を列げる。癸未の一格に列げる亥巳・未丑・卯酉の三対と巳未卯・亥丑酉・巳未卯の三行は、両両相沖し、まさに丑未相沖の返吟の排法。癸丑・癸未の二日はまた丁・己の両干の丑未四日と同例で、返吟無克にして「井欄射」を用いる日である。表中の「癸四」は原刻の格位標記である。
癸 卯 癸 戌 酉 亥 未 丑 巳 卯 未 巳 酉 丑 卯 巳 卯 未 巳 酉 未 亥 癸四 亥 酉 戌 己 午 未 寅 卯 辰 亥 子 癸 寅 癸 丑 癸 子 癸 亥 丑 亥 酉 寅 丑 亥 卯 寅 子 辰 卯 丑 未 巳 卯 申 未 辰 寅 申 巳 申 酉 午 丑 戌 未 丑 亥 酉 子 戌 未 亥 酉 午 戌 申 巳 未 巳 卯 巳 卯 丑 辰 寅 子 卯 丑 亥 巳 卯 丑 丑 亥 亥 酉 酉 未 未 亥 酉 巳 未 卯 巳 丑 卯
これは六癸日の後の二帯で、整部総鈐の末尾でもある。上帯は癸卯・癸戌の二格を列げ、下帯は癸寅・癸丑・癸子・癸亥の四格を列げる。癸の寄宮は丑にあるから、「癸丑」の一格は伏吟、「癸未」の一格は返吟。癸丑の一日はまた干支同宮の「八専」の課で、四課が併りて二課を作り、取用に別に専法がある。癸卯の一格に列げる酉亥未・丑卯巳と丑卯巳・卯巳未の諸行は、いずれも順に二位を進む「進茹」の象。癸亥の一格は巳卯丑・丑亥酉・亥酉未・未亥酉の諸行を見、位を逐て倒退する「退茹」の象で、二者は一進一退、ちょうど対看すべし。六癸日の旬空は、癸酉日は戌亥を空しくし、癸未日は申酉、癸巳日は午未、癸卯日は辰巳、癸丑日は寅卯、癸亥日は子丑を空しくする。全表はここに至って十干六十日が倶に備わる。占者はまず日干によって本版を見出し、次に月将加時の支によって本格を見出し、三伝を読み出して十二天将を配すれば、六壬起課の第一歩は畢を告げる。その後徳を論じ合を論じ鬼を論じ墓を論ずる諸法は、いずれもこの三伝天将の上に推し尋ねる。
徳煞
徳
徳者,福佑之神也。凡臨日入傳,能轉凶為吉,其名有四。凡四徳入傳皆吉,日徳尤吉,俱宜生旺,不宜休囚。凡徳入傳,忌逢空、落空及神將外戰。
「徳」は福佑の神である。徳神が日干日支の上に臨み、あるいは三伝に入れば、いずれも凶を転じて吉とし得る。その名目は合わせて四種で、すなわち日徳・月徳・支徳・歳徳。四徳は伝に入ればいずれも吉慶を主り、その中でも「日徳」が最も力を得る。四者はいずれも旺相の地に処るべきで、休囚衰敗の郷に落ちるべきではない。徳神が伝に入るとき、最も空亡に逢い空亡に落ちることを忌み、また乗ずる天将と臨む神が彼此外戦し相攻することを忌む。そうであれば徳神はその福佑の力を施す処がない。
凡徳加干發用為鬼,仍作徳斷,不可作鬼斷。蓋徳神能化鬼為吉也惟寅己、申乙、巳辛、亥丁四課。凡徳下賊發用,得貴神生扶,仍作全吉斷。若無生扶,又見克洩,主喜處生憂如乙未日申加午發用,申為乙徳,受制於午,但陰陽貴神屬土,脫午生申,仍作全吉之例。
徳神が日干に加臨して発用するとき、それが同時にまた日を克する官鬼であるとしても、なお徳に照らして断じ、鬼として断じてはならない。徳神は鬼を化して吉とし得るからである。小注は寅加己・申加乙・巳加辛・亥加丁の四課のみがこの例に属することを指明する。徳神が下に在りて賊を受け発用するに、貴神の生扶を得れば、仍り全吉と論ず。生扶なくまた克泄を見れば、喜びの処に憂いを生ずることを主る。小注は乙未日を例に挙げる。申加午が発用し、申は乙日の徳神で午火に制を受けるが、陰陽の貴神はいずれも土に属し、土は午火の気を泄して転じて申金を生ず。だから仍り全吉の例に照らして断ずる。
凡徳神歸日,又會合帶貴,主有意外之喜,惟不宜占病訟。凡徳臨死絶,又值凶神,減力十之七。凡日徳發用,又同下神剋日,名鬼徳格,主邪正同途如丁酉日陽貴干上亥之例。如乙酉日遙克,申加酉發用,申為酉挾,化徳為鬼之例。凡徳作官星,又臨朱雀,名文徳格。主應舉得官,在官得薦如己巳日寅加己發用作官星,順貴朱臨寅之例。
徳神が本日の日干の位に回帰し、また日干と会合併して貴人を帯びれば、意外の喜びがあることを主る。ただ病を占い訟を占うにはこれを見るべからず。徳神が死絶の地に落ち、また凶神に逢えば、その力は十分の七を減ずべし。日徳が発用し、下神が同時にまた日を克するを「鬼徳格」といい、邪正同途・吉凶並行を主る。小注は丁酉日に陽貴が日干上に亥を得るを例に挙げる。また乙酉日は遥克に属し、申加酉が発用し、申はもと乙徳であるが酉に挟持され、徳を化して鬼となる。徳神が日干の官星を充當し、また「朱雀」を乗ずるを「文徳格」といい、試に応え官を得、職に在りて人の挙薦を得ることを主る。小注は己巳日に寅加己が発用して官星を成し、順行の貴人が朱雀を寅位に臨ませるを例に挙げる。
合
合者,和順之神也。凡臨日入傳,主有和合成就之喜。蓋陰陽配合,竒偶交逑,故凡事皆成也。其名有三:
「合」は和順の神である。合神が日干日支に臨みあるいは三伝に入れば、和合成就の喜慶があることを主る。陰と陽が相配し奇と偶が相求め、両情がすでに通ずるから、百事はいずれも成就し得る。合の名目は合わせて三種で、すなわち下に言う行合・干合・支合である。
行合,即三合也。亥夘未木合,主繁宂駁雜;寅午戌火合,主侶黨不正;巳酉丑金合,主矯革離異;申子辰水合,主流動無滯。凡三合入傳,主事闗牽連,必過月方能了結。又主親識朋儕眾多之應。
第一を「行合」といい、すなわち三合局である。亥卯未は合して木局を成し、事情の繁冗駁雑を主る。寅午戌は合して火局を成し、同伙朋党の正ならざるを主る。巳酉丑は合して金局を成し、矯枉革故・彼此離異を主る。申子辰は合して水局を成し、流動して居らず滞る処なきを主る。三合が伝に入れば、問う事の牽連が甚だ広く、必ずこの月を過ぎてこそ了結し得ることを主る。また親戚熟人・同輩朋儕の衆多なる応験を主る。
凡取成合之期,以三合決之。凡三合入傳缺一神,名折腰格,占事必待缺神值日方能成就,亦名虛一待用格如寅午戌日見天空則發,若不見天空,主戌月戌日成就之例。凡三合入傳缺一神,若日辰偶足之,名湊合格,主有意外和合之事。以所湊乘神決之如湊足者是貴人,即主貴人提攜之例。
和合成就の日期を推算するには、いずれも三合をもって決める。三合が伝に入って一位を缺くを「折腰格」といい、事を占って必ず缺けた那一支が日に値するを待ってこそ成就する。だからまた「虚一待用格」ともいう。小注は寅午戌日を例に挙げ、「天空」を見れば能く発動し、天空を見なければ戌月戌日に方に成ることを主るという。三合が伝に入り一位を缺くに、日干日支がちょうどこれを補足するを「湊合格」といい、意外の和合の事あるを主る。具体的応験は補足した那一位に乗ずる神を見て定める。小注に、湊足したが正に貴人なら、貴人の提挈を主るという。
一干合,即五合也。甲己為中正合,乙庚為仁義合,丙辛為威權合,丁壬為淫泆合,戊癸為無情合。凡中正合,乘貴人,主貴人成就,見貴得喜。與徳神並,能解諸凶;若與陰、後、玄、六相乗於夘酉,主有貴人奸邪不正之事。凡仁義合,乗吉神,主內外和合,作事端肅。若乗陰、六、玄、后臨夘酉,主假仁義,以行奸邪之事。
第二を「干合」といい、すなわち十干五合である。甲と己は合して「中正合」と称し、乙と庚は合して「仁義合」と称し、丙と辛は合して「威権合」と称��、丁と壬は合して「淫泆合」と称し、戊と癸は合して「無情合」と称す。中正合が貴人を乗ずれば、貴人に因ってその事を促成することを主り、貴を見れば喜慶を得る。徳神と並び臨めば、諸種の凶咎を解き得る。ただ「太陰」「天后」「玄武」「六合」の幾天将と卯酉の二位に同乗すれば、貴人が奸邪不正の事をなすを主る。仁義合が吉神を乗ずれば、内外和睦・弁事端厳を主る。太陰・六合・玄武・天后を乗じて卯酉に臨めば、仁義の名を仮借して奸邪の実を行くを主る。
凡威權合,乗吉神,主施威徳,布號令,觀兵耀武。若乗凶神,主挾令凌下,卑幼勉強承順。凡淫泆合,乗吉神,主陰謀成事。若乗陰、後、玄、六臨夘酉,主女子淫奔,家門丑行。凡無情合,乗吉神,占事半實半虛;若乗凶神,主外合中離,百凡承順,皆是假意。
威権合が吉神を乗ずれば、威徳を施行し号令を頒布し兵を閲り武を耀かすを主る。凶神を乗ずれば、権令を挟持して下屬を欺凌し、卑幼の輩をして勉彊順從せしむを主る。淫泆合が吉神を乗ずれば、陰謀暗計を用いて事を成すを主る。太陰・天后・玄武・六合を乗じて卯酉に臨めば、女子が私奔し家門に醜行を出すを主る。無情合が吉神を乗ずれば、事を占って半真半假を主る。凶神を乗ずれば、外は相合し内はすでに離れ、一切の承応順從は皆假意に出づるを主る。
一支合,即六合也。子與丑合,寅與亥合,夘與戌合,辰與酉合,巳與申合,午與未合。凡合與徳同入傳,百事皆吉,即會凶神,亦主凶中和合。凡合入傳,視其進退,傳進利進,傳退利退,百事如意。
第三を「支合」といい、すなわち十二支六合である。子と丑は合し、寅と亥は合し、卯と戌は合し、辰と酉は合し、巳と申は合し、午と未は合す。合神と徳神が一同に伝に入れば、百事皆吉で、凶神に会しても凶中になお和合転じ得べきを主る。合神が伝に入るに、三伝の遞進か遞退かを見るべし。三伝が前進すれば進取に宜しく、後退すれば退守に宜しい。この如くなれば百事心に称う。
凡寅合亥為破合,巳合申為刑合,主謀事合而不合,成而不成;若得貴、青、徳、祿乗之,仍主順利。凡合入傳,謀事皆成,但不能實時了結;不宜占病、占訟。凡暗中三合、六合,主失脫藏匿難獲。凡天后、神后作合,占婚立成;二后與陰合,同。凡刑破二合發用,主內吉外凶,占事須費力,然終有濟。
寅と亥は合すれどもまた相破るを「破合」といい、巳と申は合すれどもまた相刑するを「刑合」という。この両者はいずれも謀事が似て相合い実は合わず、似て成るべく終に成らずを主る。貴人・青龍・徳神・禄神にこれを乗ぜしめれば、仍り順利を望むべし。合が伝に入れば、謀事はいずれも成し得るが、当下に了結し得ず。病を占い訟を占うにはこれを見るべからず。暗中に三合・六合を結成するは、失物が人に藏匿されて尋獲し難きを主る。「天后」と子位の「神後」が合局を結成すれば、婚姻を占って当下に成る。两位の后神と「太陰」が相合すれば、効験は同じ。刑合・破合の二者が発用すれば、内吉外凶を主り、事を占って力を費やす要あるが、然而終に成る。
凡合逢空、落空,又見刑害,主和中藏禍,有徳可觧。凡合帶刑害,雖乗吉神,其力亦減,但可宛轉小用。凡合剋日,或乗蛇、虎、朱雀,主合中有害,不可託人謀干,恐以直信人,反招不足。右三等合神,以干合為主,支合次之,行合又次之。要與徳神、祿、喜臨並,方為全吉。可制諸凶,若乗凶神,全無吉助,則又與凶合,返為凶矣,凡占宜詳之。
合神が空亡に逢い空亡に落ち、また刑害を見れば、和合の中に禍患を蔵することを主る。徳神あれば化解すべし。合神が刑害を帯びれば、たとえ乗ずるが吉神でも力量は折扣を打つべく、ただ宛転して小用すべし。合神が来りて日干を克し、あるいは「螣蛇」「白虎」「朱雀」を乗ずれば、合中に害あるを主り、人に託して代わりに謀干すべからず。ただ直道をもって人を信ずるに因り、かえって虧損を招くを恐れ。以上三等の合神は干合を主とし、支合はこれに次ぎ、行合はまたこれに次ぐ。総じて徳神・禄神・喜神と一同に臨併してこそ全吉と算し、衆凶を制伏し得る。乗ずるが凶神で吉神の助け全くなければ、すなわち凶と相合と変じ、かえって凶を成す。占課に細かく分辨を加えるべし。
凡三合在課中,作干支上神,交克干支者,主外合中離,各懐疑忌;或為人挑激,以致不和。如甲子日干上戌,支上申,干支三合。
三合が四課の中に出現し、日干上神と日支上神を充當し、また交互に日干日支を克しに行くは、外は相合い内はすでに離れ、各々猜疑忌惮を懐くを主る。あるいは人に中から挑撥激怒されて、以て失和に致る。小注は甲子日を例に挙げる。日干上に戌を得、日支上に申を得、申子辰が三合して戌がまたその間に夹む。まさにこの格局である。
凡支干互合,名同心格,主一切謀望皆同契齊心成就;若見刑害,又主同心之中暗生妬忌如乙酉、丙申、戊申、辛卯、壬寅五日返吟,干支相合,上神亦相合,此五日支加干,或干加支,皆干支會合。又如甲申日亥加干,上神與支干合;乙亥日卯加干,上神自相合;壬午日未加干,干上神與支合,支上神與干合之例。
日支と日干が互いに合を為すを「同心格」といい、一切の謀望が同心協力・彼此契合して成就することを主る。また刑害を見れば、同心の中に暗に妬忌を生ずを主る。小注にいう:乙酉・丙申・戊申・辛卯・壬寅の五日は返吟課に逢い、干と支が相合し、上神も相合する。この五日は支が干に加わるも干が支に加わるも、いずれも干支会合を成す。また甲申日に亥が干に加われば、上神と支干が倶に合す。乙亥日に卯が干に加われば、上神が自ら相合す。壬午日に未が干に加われば、干上神と支が合し支上神と干が合する。いずれも同心格の実例である。
凡支加干上神鄰近相合,主彼此變換,共相謀事,皆有成就惟壬子、戊午、丙午三日有之。凡支加干,上神相合;或干加支,上神相合;亦可共謀成事惟丙寅、丙戌、戊戌三日有之。凡支干上神相合又相破,而支干自相害者,主謀事外面假意相成,中心百方暗毒惟壬申、戊寅、丙寅日六課。凡干支相害,上神相合,無刑破者,主外合中離,凡相成皆是假意;若逢空,仍主暗害乙卯、辛酉二日四課。
日支が日干の上に加わり、両者の上神がまた緊隣相合すれば、彼此が位置を変換し共同で事を謀りて皆成就するを主る。小注に壬子・戊午・丙午の三日のみこの格局あるという。日支が干に加わり上神が相合し、あるいは日干が支に加わり上神が相合すれば、また力を合わせてその事を謀成し得る。小注に丙寅・丙戌・戊戌の三日のみこれあるという。干支の上神がすでに相合しまた相破り、干支本身がまた相害するは、謀事が表面では假意相成し、心裏では百般に暗に毒手を下すを主る。小注に壬申・戊寅・丙寅の日の六課がしかりという。干支が相害して上神が相合し刑破なきは、外合内離を主り、一切の成全は皆假意である。また空亡に逢えば、仍り暗中に害を受けるを主る。小注に乙卯・辛酉の両日の四課がこの例に属すという。
凡日干與支上神相合,支辰與干上神相合,名交車格。主交闗、交易、交加、交換、成合之事。凡值此課,惟利合謀,不利解散,此例除甲寅、庚申、丁未、己未、癸丑五日,申剋日,戌克神之例,支干同處,交車不合。餘則一日一課,有十種分別,占用各隨所宜:
日干と日支の上神が相合し、同時に日支がまた日干の上神と相合するを「交車格」といい、交關・交易・交加・交換および成合の事を主る。この種の課に遇えば、ただ合伴して事を謀るに利があり、解散拆離には利がない。この例では甲寅・庚申・丁未・己未・癸丑の五日を除く。この五日は干支が同じ一宮に処り、申が来りて日を克し戌が来りて神を克する類で、両車が同じ轅なれば交車は合せられない。その余は毎日各々一課を得、合わせて十種に分かれ、占用は各々宜しきに随う。以下に分述する。
一、長生合,宜合本營為如甲申日干上巳為支長生與支合,支上亥為干長生與干合之例。二、財合,宜交闗取財,或財相交渉如辛丑日干上子為支財與支合,支上卯為干財與干合之例。三、脫合,不宜交渉,主彼此各懐相脫之意如戊辰日干上酉脫支與支合,支上申脫干與干合之例。四、害合,主彼此合謀,暗中相害如丁丑日干上午害干與支合,支上午害支與干合之例。五、空合,主先好後惡,有初無終如辛亥日干上寅空與支合,支上卯空與干合之例。
第一は「長生合」で、力を合わせて本業を経営するに宜しい。小注は甲申日を例に挙げる。干上に巳を得、巳は日支申の長生でありまた支と相合す。支上に亥を得、亥は日干甲の長生でありまた干と相合す。第二は「財合」で、交關して財を取り、あるいは財物が彼此往来するに宜しい。小注は辛丑日を挙げる。干上に子を得、子は日支の財であり支と合す。支上に卯を得、卯は日干の財であり干と合す。第三は「脱合」で、人と交渉するに宜しからず、彼此各々脱卸の心を存することを主る。小注は戊辰日を挙げる。干上に酉を得、酉は日支を泄脱しまた支と合す。支上に申を得、申は日干を泄脱しまた干と合す。第四は「害合」で、双方が表面は合謀しながら暗中に相害することを主る。小注は丁丑日に干上の午が干を害しまた支と合し、支上の午が支を害しまた干と合すを例とする。第五は「空合」で、先ず好く後に惡く、始めありて終わりなきを主る。小注は辛亥日に干上の寅が空に落ちまた支と合し、支上の卯が空に落ちまた干と合すを例とする。
六、刑合,主和美中生出爭競,及彼此各不徇理如癸卯日干上戌刑干與支合,干上戌刑干支支合,支上子刑支與干合之例。七、沖合,主先合後離,不論親踈,五倫皆然如甲申日干上巳與支合支上亥與干合己亥寅申又相沖之例。八、克合,主交渉中生出爭訟,或匿怨相友,笑裡藏刀如庚子日干上丑克支與支合,支上巳克干與干合之例。九、三交合,凡交闗用事,必有奸私,或相交渉二三事三交者,孟仲季各臨孟仲季也。惟己酉日辰加干,丁卯日戌加干二課。十、交會合,主內外相合,或世代義門,更有外人相助。凡占事事有成,惟忌空亡如乙丑日干上子與支合,支上酉與干合,三傳巳丑酉又三合之例。
第六は「刑合」で、和美の中に争競を生じ、彼此ともに理に依って行おうと肯ぜず。小注は癸卯日を例に挙げる。干上に戌を得、戌は来りて干を刑しまた支と合す。支上に子を得、子は来りて支を刑しまた干と合す。第七は「沖合」で、先ず合し後に離れるを主り、親疎を論わず、君臣父子夫婦兄弟朋友の五倫の間は皆然り。小注は甲申日を挙げる。干上の巳は支と合し、支上の亥は干と合し、しかも巳亥・寅申がまた両両相沖する。第八は「克合」で、交渉の中に争訟を生じ、あるいは暗に怨恨を蔵して外表は相好く、笑裏に刀を蔵すを主る。小注は庚子日を挙げる。干上の丑は支を克しまた支と合し、支上の巳は干を克しまた干と合す。第九は「三交合」で、交關して事を用いれば必ず奸私を夾帯し、あるいは同時に二三の事を交渉する。いわゆる三交とは、孟仲季の三類の神が各々孟仲季の位に臨むことで、己酉日の辰加干と丁卯日の戌加干の二課のみが然り。第十は「交會合」で、内外相合を主り、あるいは累世同居の義門の家で、さらに外人が来りて相助け、占えば事事成すべきを主るが、ただ空亡に落ちるを忌む。小注は乙丑日を挙げる。干上の子は支と合し、支上の酉は干と合し、三伝の巳丑酉はまた三合金局を結成する。
鬼
鬼者,賊害之神也。干支之中,陽克陽為鬼,陰克陰為鬼。《經》曰:“傳中多鬼,事事不美。謀望不成,凶災及已。”凡晝鬼主公訟是非,夜鬼主神袛妖祟。
「鬼」は賊害の神である。干支に就いて論ずれば、陽が陽を克すは鬼と算し、陰が陰を克するも鬼と算す。同性が相克すれば、その克は最も無情である。《經》にいう:三伝の中に鬼多ければ、事事皆美満ならず、謀るところ成らず、凶災禍患は終に自らの身に落ちる。白昼に占って鬼を見れば、官府の詞訟・是非が身に纏うことを主り、夜裏に占って鬼を見れば、神祇の作祟・妖異の患いを主る。
凡鬼入傳,若日干旺相,及傳中命上見子孫,亦不為凶。凡占訟、占病,忌鬼入傳臨日,見子孫為救神,減凶。凡占盜,鬼入傳自相沖,或與盜神相沖,其盜自敗。若落空帶合,返難捕捉。
鬼が三伝に入れば、日干がまさに旺相の時に当たるか、あるいは三伝と本命の上に子孫を見れば、凶とは算せず。子孫は鬼を制し得、日干が旺ならば鬼は傷つけ得ない。詞訟を占い疾病を占うに、最も忌むは鬼が三伝に入りまた日干の上に臨むこと。このとき子孫を見れば、すなわち救神で、凶勢を軽減できる。盗賊を占うに、鬼が伝に入りて自ら相沖するか、あるいは盗神と相沖すれば、その盗賊は自ら敗露する。鬼が空亡に落ちまた合神を帯びれば、かえって捕捉し難い。
凡干上鬼發,事多不美。若用見徳合,猶可望事求官,凡傳鬼帶合,又剋日之上神,主求事返覆,進退而後成。凡鬼宜衰敗,不宜生旺。若鬼當時亦不為凶如甲為戊鬼,若在仲春,木貪生發,返不制圡之例防過時為凶。
日干の上神が鬼を発し出せば、占う事は多く美満ならず。ただ発用の神が同時に徳神と合神を見れば、なお事を謀り官を求めて成るを望むべし。三伝中の鬼が合神を帯びてまた日干の上神を克制するは、求める事が反反覆覆し、一番の進退を経てこそ成し得るを主る。鬼は宜しく衰敗すべきで、旺相は宜しくない。鬼がまさにその時令に当たれば、必ずしも凶とは限らない。小注は甲木が戊土の鬼たるを例に挙げ、仲春木旺の月なら、木は一心に生発を貪りてかえって土を克せず、ただ時令を過ぎて凶に転ずるを防ぐべしとする。
凡鬼發用又臨剋日之鄉,名攅眉格,占事主有兩重不美。即遇救神,惟解其一如庚辰日午加巳發用之例。凡辰上神發用為日鬼,占事主自家人暗害。凡鬼多有制,返不為凶,占事未免先值驚危,終乃無畏。若聞人謀害,但是商量,不能為禍。惟白虎發用,大有畏忌。要年命上有制虎之神如壬辰日遙克,戌加未發用,三傳戌丑辰,上下六鬼,午上寅木制之之例。
鬼が発用してまた日を克する郷に臨むを「攒眉格」といい、事を占えば二重の不美あるを主る。たとえ救神に遇っても、その中の一重を解くのみ。小注は庚辰日に午加巳が発用するを例とする。日支の上神が発用して日干の鬼となるは、自家人が暗中に加害することを主る。鬼は多しといえども制伏あれば、かえって凶ならず。事を占えば免れず先ず一番の惊恐危疑を受けるが、終に畏れるところなし。人の圖謀加害を聞くも、商量するのみで禍患を成さず。ただ「白虎」の発用のみ最も畏忌すべく、必ず年命の上に白虎を制する神あればこそよい。小注は壬辰日の遥克を例に挙げ、戌加未が発用し、三伝は戌丑辰、上下合わせて六重の鬼を成すも、全く午上の寅木がこれを制するに頼るとする。
凡鬼發用是支上神,又引中末入鬼鄉,謂之家鬼弄家神,有救無禍,無救有禍如己丑日支上寅發用作鬼,三傳寅卯辰皆歸木鄉之例。此課干上申制鬼有救。凡鬼臨日干,得支上神救者,主一切事自外來,要家內人解救如癸亥日,辰加干發用為鬼,支上寅制之之例。凡鬼發用,生末傳作干長生,名鬼脫生格,主一切先凶後吉如丙子日,干上子發用為鬼,生末傳寅之例。
鬼が発用するものが正に日支の上神で、また牽引して中伝・末伝も皆鬼郷に落ちるを「家鬼が家神を弄ぶ」といい、救あれば禍なく、救なければ禍あり。小注は己丑日を例に挙げる。支上の寅が発用して鬼を作し、三伝の寅卯辰は皆木郷に帰す。この課は幸いに日干上の申金が鬼を制するを得たゆえ救あり。鬼が日干の上に臨みて日支の上神が来りて救うは、一切の事端が外から来り、家里人に出でて化解を頼るを主る。小注は癸亥日に辰加干が発用して鬼を為し、支上の寅木がこれを制するを例とする。鬼が発用して末伝を生出し、末伝がまた日干の長生を作すを「鬼脱生格」といい、一切が先ず凶にして後に吉を主る。小注は丙子日に干上の子が発用して鬼を為し末伝の寅を生ずを例とする。
凡三傳入局為鬼,返生起干上神生干者,主一切返凶為吉如庚午日,干上辰,三傳戌午寅火局為鬼,生起辰土以生干之例。庚寅午戌、乙巳酉丑、己巳七日同。凡貴徳臨身制鬼者,返吉如乙丑、乙巳二日,酉加巳發用,三傳酉丑巳,金局為鬼,申加干為徳、為貴,初傳螣蛇火制破其局,末傳巳返作救神之例。
三伝が局を結んで鬼を為すが、かえって日干の上神を生起し、再び上神が日干を生ずるは、一切の凶を転じて吉とするを主る。小注は庚午日を例に挙げる。干上に辰を得、三伝の戌午寅は合成して火局を為し本是鬼であるが、火は辰土を生起し、辰土がまた来りて庚金を生ず。小注はまた庚寅・庚午・庚戌と乙巳・乙酉・乙丑および己巳、合わせて七日が同じくこの例とする。貴人と徳神が日干の身に臨みて能く鬼を制するは、かえって吉利を主る。小注は乙丑・乙巳の両日を挙げる。酉加巳が発用し、三伝の酉丑巳は結成して金局を為し鬼を為すが、申が日干に加わるは既に徳でありまた貴でもあり、初伝上の「螣蛇」は火に属してこの金局を制破し得、末伝の巳火はかえって救神を成す。
凡傳鬼為貴人盜氣,亦能免禍如辛巳日,午加辛發用,三傳火局,順逆貴皆貴、勾、常,盜火氣,不能為鬼之例。凡傳雖脫干,能制暗鬼,名借益格。猶有人來賺我,恰值我有禍患,欲借其力,姑遂其意,用之反有益也暗鬼者,貴神克干也其凶甚於眀鬼。如壬子日,未加卯發用,三傳木局脫干,夜貴貴、勾、常為鬼,木反制例之例。
三伝の鬼が貴人にその気を盗泄されるも、また禍を免れ得る。小注は辛巳日を例に挙げる。午加辛が発用し、三伝は合成して火局を為すが、貴人の順行逆行を論わず、乗ずるところは皆貴人・勾陳・太常の三位の土に属する天将で、土が来りて火気を盗泄すれば火は鬼を成し得ない。三伝が日干の気を泄脱するといえども、暗鬼を制住し得るを「借益格」といい、譬えるに人が来りて我の便宜を賺さんとするに、偏巧しく我に禍患があり、彼の力を借らんと欲し、姑らくその意に順って用いればかえって我に益あるがごとし。いわゆる暗鬼とは、貴神が来りて日干を克することを指し、その凶险は明鬼よりも甚だしい。小注は壬子日を例に挙げる。未加卯が発用し、三伝は合成して木局を為し日干を泄脱するが、夜貴が乗ずる貴人・勾陳・太常は土に属して鬼を為し、木局がかえってそれを制住する。
同類受克絶,以神而言:甲乙日寅卯臨申酉,丙丁日以巳午臨亥子,庚辛日申酉臨寅卯,壬癸日亥子臨巳午。同類受克絶,以將而言:甲乙日青龍六合乘申酉,丙丁日朱雀螣蛇乘亥子,戊己日貴人太常勾陳乘寅卯,庚辛日白虎太陰乗巳午,壬癸日玄武天后乗辰戌丑未。
同類が克を受けて絶に至ること、「神」すなわち十二支に就いていえば、甲乙日は寅卯が申酉の上に臨むを見、丙丁日は巳午が亥子の上に臨むを見、庚辛日は申酉が寅卯の上に臨むを見、壬癸日は亥子が巳午の上に臨むを見る。本気の神が絶地に克されるは、自身の根本が断絶するに等しい。「将」すなわち十二天将に就いていえば、甲乙日は「青龍」「六合」が申酉の上に乗ずるを見、丙丁日は「朱雀」「螣蛇」が亥子の上に乗ずるを見、戊己日は「貴人」「太常」「勾陳」が寅卯の上に乗ずるを見、庚辛日は「白虎」「太陰」が巳午の上に乗ずるを見、壬癸日は「玄武」「天后」が辰戌丑未の上に乗ずるを見る。いずれも同類の克を受けて絶に属す。
墓
墓者,伏沒之神也。五行墓於四季,有陰陽生死之分,陽干死地即陰干生地,故未為甲癸之墓,戌為丙戊乙之墓,丑為庚丁己之墓,辰為壬辛之墓。此蓋戊己從丙丁分順逆,以子依母,以生金也。
「墓」は伏蔵埋没の神である。五行は皆辰戌丑未の四季の位に墓し、その中にまた陰陽生死の分別がある。陽干の死地は正に陰干の生地で、ゆえに未は甲と癸の墓、戌は丙・戊と乙の墓、丑は庚・丁と己の墓、辰は壬と辛の墓である。このように按排するのは、戊己の二土が丙丁に随って順行逆行を分かち、子が母に随って行き、土がまた金を生じ得る故である。墓神が日に臨み伝に入れば、事情の晦滞不明・人物の埋没不顕を主る。
未為木墓,戌為火墓,丑為金墓,辰為水土墓,此蓋單論五行。土寄坤,不以干之陰陽分順逆也。壬課重在日,惟従十干墓,不從五行墓。凡墓入傳臨日,主一切閉塞闇昧,壅蔽不通。
単に五行の大類に就いて論ずれば、未は木の「墓庫」、戌は火の墓庫、丑は金の墓庫、辰は兼ねて水と土の墓庫を作す。土の位置は西南の坤宮に寄るから、土墓を論ずるときは天干の陰陽によって順行逆行を分かたない。六壬起課の重心は日干に落ちるから、十天干各々の墓のみを取り、この籠統たる五行墓を用いない。墓神が「三伝」に入りあるいは日干に加臨すれば、占う事は一概に閉塞昏昧し、何かに壅ぎ堵えられたがごとく、消息は通ぜず進展は前へせぬ。
凡辰未為日墓,戌丑為夜墓。日墓剛速,夜墓柔延。凡墓,朦昧昏暗。若夜墓臨日,自暗投眀,諸事尚有觧救。如日墓臨夜,自眀投暗,一切愈見模糊。凡寅加戌,巳加丑,申加辰,亥加未,自生入墓。如人墜井中,呼天不應,占病必死,占賊難獲,占行人不來。
辰と未は白天の墓と算し、戌と丑は夜裏の墓と算す。白天の墓は性が剛で事に応ずるが速く、夜裏の墓は性が柔で事に応ずるが遅緩延引する。墓の本性は朦朧昏暗である。夜墓が白天に占う課に現れれば、暗処から明処に向かうに由り、事情に仍お解救の余地あり。反対に白天の墓が夜裏に占う課に現れれば、明処から暗処に墜入するに由り、一切はただ益々糊涂するのみ。寅加戌・巳加丑・申加辰・亥加未の四種に至っては、いずれも長生の神が自ら墓の中に落ちるもので、譬えるに人が井に墜ちて天に呼んで応ぜざるがごとし。疾病を占えば必ず死し、盗を捕うを占えば獲難く、出行の人を占えば回來せず。
日之長生處乗墓,如甲乙日未臨亥,丙丁日戌臨寅,戊己壬癸日辰臨申,庚辛日丑臨巳是也。主舊事再發。長生處自乗墓,主新事廢。如甲乙日辰加亥,丙丁日未加寅,戊己壬癸日丑加申,庚辛日戌加巳是也。天上長生坐墓,如甲乙日亥臨辰,丙丁日寅臨未,戊己壬癸日申臨丑,庚辛日巳臨戌是也。主不能生。
日干の長生の地の上に日干自身の墓神を乗ずる——甲乙日は亥を長生と為し天盤の未が地盤の亥の上に圧し、丙丁日は戌が寅の上に圧し、戊己壬癸日は辰が申の上に圧し、庚辛日は丑が巳の上に圧するごとき——この格局は旧事の重新に発作することを主る。圧し来るものが長生の神本身の五行の墓ならば——甲乙日の辰加亥、丙丁日の未加寅、戊己壬癸日の丑加申、庚辛日の戌加巳——新たに起こる事が半途に作廃することを主る。反対に天盤の長生神が墓神の上に落つる——甲乙日の亥圧辰、丙丁日の寅圧未、戊己壬癸日の申圧丑、庚辛日の巳圧戌——長生が墓に困まれれば、再び生発し出づることができない。
以身入墓,如甲乙日末傳遇未,丙丁日末傳遇戌之類。以魂入墓,即墓神覆日。如甲乙日未加寅、辰,丙丁日戌加巳、未之類。以日入墓,即坐墓。如甲乙日寅、辰臨未,丙丁日巳、未臨戌,戊己日巳、未臨辰,庚辛日申、戌臨丑,壬癸日亥、丑臨辰。以支戴墓、坐墓:戴墓,如辰加亥子並辰戌丑未,未加寅夘,丑加申酉,戌加巳午。坐墓,如亥子並辰戌丑未臨辰,寅卯臨未,申酉臨丑,巳午臨戌。
いわゆる『身が墓に入る』は、墓神が「三伝」の末伝に落ちることで、甲乙日は末伝に未を見、丙丁日は末伝に戌を見る類。いわゆる『魂が墓に入る』は、墓神が上頭から日干の寄る宮を蓋うことで、甲乙日は未が寅または辰の上に加わり、丙丁日は戌が巳または未の上に加わる(甲は寅に寄り、乙は辰に寄り、丙戊は巳に寄り、丁己は未に寄る。これが十干の「寄宮」)。いわゆる『日が墓に入る』はまた坐墓ともいい、日干の寄宮が反対に墓神の上に圧することで、甲乙日は寅・辰が未の上に圧し、丙丁日は巳・未が戌の上に圧し、戊己日は巳・未が辰の上に圧し、庚辛日は申・戌が丑の上に圧し、壬癸日は亥・丑が辰の上に圧す。日支にも戴墓と坐墓の分がある。戴墓は墓神が本支の上に圧することで、辰は亥子および辰戌丑未の上に加わり、未は寅卯の上に加わり、丑は申酉の上に加わり、戌は巳午の上に加わる。坐墓は本支が反対に墓神の頭上に坐することで、亥子と辰戌丑未が辰の上に圧し、寅卯が未の上に圧し、申酉が丑の上に圧し、巳午が戌の上に圧す。
行年化氣入墓,如行年立寅午戌,化氣屬火,火墓戌,加戌是也。年命乘墓、坐墓,如年命在子,辰加子為乘墓,天上子臨辰為坐墓。以鬼入墓,如甲乙日申酉加丑,丙丁日亥子加辰之類。
『行年化気が墓に入る』とは、行く流年が寅午戌の上に落ち、三支が合化して火を為し、火の墓は戌にあり、このとき天盤の戌がまたその上に加臨することをいう。『年命が墓に乗る』と『坐墓』は本命・行年の所在の宮に就いていう。仮に年命が子にあれば、辰が子の上に圧すれば乗墓であり、天盤の子が反対に地盤の辰に落ちれば坐墓である。『鬼が墓に入る』は我を克する官鬼の神が墓の中に落ちることで、甲乙日は木に属し、申酉金を鬼と為し、申酉が丑の上に加わり、丙丁日は火に属し、亥子水を鬼と為し、亥子が辰の上に加わる。いずれもこの類に属す。
凡生旺入墓,成而後敗;墓入生旺,敗而復成。凡墓,主闇昧憂鬱。若自墓傳生,凶中變吉。凡墓發用,宜日干有氣。若無氣,占病防死,占訟防屈。凡中傳見墓,百事不順,進退有悔。凡末傳見墓,百事終無成就。凡墓逢沖則吉,逢合則凶,若年命上神能剋制之亦可為救。
生気・旺気の神が墓の中に落ちれば、事情は先ず成りて後に敗れ、反対に墓神が生旺の地に落ちれば、先ず敗れて後に重新に成就する。墓の本性は昏暗憂鬱を主るが、墓神から「発用」を起こして後に我を生ずる神を伝出せば、凶の中より吉に転ずることができる。墓神が発用するとき、最も緊要なのは日干に気あること。日干が衰敗して気なければ、病を占って死亡を防ぎ、官司を占って寃屈を受けるを防ぐべし。墓が中伝に落ちれば、諸事順ならず進退ともに懊悔あり。末伝に落ちれば、諸事到頭終に成就なし。墓は最も沖に逢うを喜び、墓門を沖き開けば吉。最も合に逢うを忌み、墓門を合わされれば凶。本命・行年の上の神がこの墓神を克制し得れば、また一重の解救と算す。
破
破者,散也,移也。其法以十二支環列,陽日破後四辰,陰日破前四辰。凡破臨日入傳,惟宜散凶事,不宜成吉事。凡破,占事多中輟,有更改,一切主不完全。
『破』の義は離散・遷移である。取法は十二地支を一圏に排し、陽支は本位から逆に第四位まで数え、陰支は本位から順に第四位まで数え、数え至った那一支がその破である。ゆえに子は酉を破り、午は卯を破り、丑は辰を破り、未は戌を破る。破神が日干日支に加臨しあるいは「三伝」に入れば、ただ凶事を沖散するに用いて宜しく、吉事を成就するに用いて宜しからず。破に遇えば、占う事は多く中途で停頓し屡々更改あり、一切は完満周全を得難い。
凡午破卯,主門戶破敗。辰破丑,主牆墓頹圮。酉破子,主陰小災悔。戌破未,主人物刑傷。亥破寅,申破巳,破中有合,敗而復成。六反皆然。凡四孟見酉,四仲見巳,四季見丑,名破碎煞。主凡物破損不完。
午が卯を破れば、卯は門戸で、門庭の敗落を主る。辰が丑を破れば、丑辰はともに土に属し、牆垣墳墓の塌壞を主る。酉が子を破れば、婦女幼小が災に遭い悔いを生ずるを主る。戌が未を破れば、人口牲畜が刑傷を受くるを主る。亥が寅を破り申が巳を破るこの二組は、破の裏にまた暗に六合を含む(寅は亥と合し、巳は申と合す)。ゆえに先ず敗れて後に能く重新に成就する。以上六組の反対の卯が午を破り、丑が辰を破り、子が酉を破り、未が戌を破り、寅が亥を破り、巳が申を破るも、道理は同じ。別に一格あり。寅申巳亥の四孟の日に酉を見、子午卯酉の四仲の日に巳を見、辰戌丑未の四季の日に丑を見るを『破碎煞』といい、一応の器物の破損殘缺・完整を得ざるを主る。
凡破沖,主人情暗中不順,占婚雖強成,難久;占產,胎動難生。若乘喜神、吉神,凡事艱難後遂。若逢空、落空,有聲無形。凡年命上見破,主有傷損。
破してまた沖を帯びれば、人情が暗中に和順ならざるを主る。婚姻を占えばたとえ勉强して成っても久しき難く、生産を占えば胎気は動するも分娩し難い。この格局が喜神・吉神を乗ずれば、事情は艱難なれど最後に仍お願いの如くなり得る。破神がまた「空亡」に逢いあるいは空亡の地に落ちれば、空響のみ残りて実形なく、聴くに熱鬧なるも其実は何もなし。本命・行年の上に破神が出現すれば、身上に傷損あるを主る。
害
害者,阻也,斗也。其法,以十二從辰戌兩分,自戌至卯橫列於下,自酉至辰橫加其上,上下相交,即為六害。凡害臨日入傳,事多阻隔。
『害』の義は阻隔・争闘である。取法は十二地支を辰・戌の二処から剖き開いて二列に分かつ。下の一列は戌から起こって卯まで排し、上の一列は酉から起こって辰まで排し、上下二列が一一に相対し、相対する二支がすなわち一組の害で、合わせて六組を得る。ゆえに六害と呼び、すなわち子未・丑午・寅巳・卯辰・申亥・酉戌である。害神が日干日支に加臨しあるいは「三伝」に入れば、占う事に多く阻隔あり。
凡子加未,主事無終始,官非口舌;未加子,主營謀阻滯,暗裡生災。丑加午,主公訟不利,夫妻不和;午加丑,主事不分明,終難成就。寅加巳,主出行改動,退利進阻;巳加寅,主謀事阻難,口舌憂疑。
子が未の上に圧すれば、事情に頭ありて尾なく、官司口舌を招惹することを主る。未が子の上に圧すれば、経営謀画が阻まれ、災禍が暗処に滋生することを主る。丑が午の上に圧すれば、官司を打つに利なく、夫妻失和を主る。午が丑の上に圧すれば、事情が含糊不清にして到頭成就し難いを主る。寅が巳の上に圧すれば、門を出て行く行程が更改し、退こうと欲すれば利あり、進もうと欲すれば阻まるるを主る。巳が寅の上に圧すれば、謀る事が艱難にして、口舌是非を除く外にさらに憂疑を添うるを主る。
夘加辰,主事有虛爭,好中生斗;辰加夘,主求謀多阻,幹事無終。酉加戌,主門戶損傷,陰小災疾;戌加酉,主暗中不美,奴婢邪謀。申加亥,主先阻後得,事必有終;亥加申,主圖謀未遂,事必無始。凡害必無和氣,只宜守舊,動即有失。
卯が辰の上に圧すれば、争執は其実虚しく、好端端の裏に争闘を生ずるを主る。辰が卯の上に圧すれば、求むるところ多く阻まれ、事を為すに始めありて終わりなきを主る。酉が戌の上に圧すれば、門戸が損を受け、婦女幼小が病に罹り災に遭うを主る。戌が酉の上に圧すれば、暗地裏に妙ならず、奴僕婢女が邪謀を心に懐くを主る。申が亥の上に圧すれば、先ず阻礙を受けて後に仍お所得あるを主り、事情は終に能く了結する。亥が申の上に圧すれば、圖謀は空に落ち、事情は根本から頭を起こし得ぬを主る。要するに六害に遇えば、彼此の間に和気は絶無し。ただ旧局を守るに宜しく、一たび動けば損を食う。
刑
刑者,傷也,殘也。其法,以十二支環列,以丑寅向下兩分,隔四刑之。始分而刑三,沖中者自刑;終交而刑二,沖首者自刑。故丑刑戌,戌刑未,未刑辰,辰沖戌為自刑。寅刑巳,巳刑申,申刑亥,亥沖巳為自刑。子刑夘,夘刑午,午沖子為自刑。夘刑子,子刑酉,酉沖夘為自刑。是以辰亥午酉為自刑,子夘、夘子為互刑,丑戌未、寅巳申為朋刑,故曰三刑也。
『刑』の義は傷害・残損である。取法は十二地支を一圏に排し、丑・寅の間から下へ剖き開いて両半に分かち、四位ごとに相刑せしめる。起頭に分かれ出た一路は三度刑し、沖された一支がすなわち自刑。末尾に交わり回る一路は二度刑し、頭に沖する一支がすなわち自刑。ゆえに丑は戌を刑し、戌は未を刑し、未は辰を刑すが、辰は戌と相沖するから辰がすなわち自刑。寅は巳を刑し、巳は申を刑し、申は亥を刑すが、亥は巳と相沖するから亥がすなわち自刑。子は卯を刑し、卯は午を刑すが、午は子と相沖するから午がすなわち自刑。卯は子を刑し、子は酉を刑すが、酉は卯と相沖するから酉がすなわち自刑。このように算すれば、辰・亥・午・酉の四支は自刑に属し、子と卯は彼此相刑するを互刑といい、丑戌未・寅巳申は各々一組を成すを朋刑といい、三類合わせてすなわちいわゆる『三刑』である。
凡朋刑,惟丑能刑戌,戌能刑未,未不能刑戌,戌不能刑丑。惟寅能刑巳,巳能刑申,申不能刑巳,巳不能刑寅。而《世本》有以未刑丑,申刑寅者,蓋未考沖首為自刑,而誤以沖為刑也。
朋刑は方向があって、ただ一頭に順って刑し下るのみ。丑は戌を刑し得、戌は未を刑し得るが、反対に未は戌を刑し得ず、戌も丑を刑し得ない。寅は巳を刑し得、巳は申を刑し得るが、反対に申は巳を刑し得ず、巳も寅を刑し得ない。《世本》一書は未が丑を刑し申が寅を刑する説を列げるが、それは『頭に沖する那一支がこそ自刑と算す』という条例を考究せず、相沖を誤って相刑と認めたものである。
凡刑入傳臨日,必主傷殘。自刑,主自逞自作,以致落敗,事非順成,死非正命。凡互刑,主無禮無義,大蕩小淫。子刑夘,死敗相刑,門戶不正,尊卑不睦;夘刑子,明入晦出,子息不律,水陸不通。凡朋刑主無情無恩,威凌勢挾。寅刑巳,刑中有害,舉動艱難,災訟駢至。丑刑戌,刑中有鬼,貴賤相侮,病獄交臻;巳刑申,戌刑未,刑中有破,長幼不和,身家零落。
刑神が「三伝」に入りあるいは日干に加臨すれば、必ず傷残の事を主る。自刑に属するものは、当事者が強を逞しゅうし自ら作して、かえって自らを敗に弄し、事情は順々当々に成らず、人も善終を得難いを主る。互刑に属するものは、無礼無義を主り、大人は放蕩し小輩は淫乱す。子が卯を刑するは、死気と敗気の互刑で、家門正ならず長幼尊卑は和睦せず。卯が子を刑するは、明処から入りて暗処より出づるで、子孫が規矩を守らず、水路陸路ともに通暢せず。朋刑に属するものは、無情無恩を主り、勢に倚って人を凌ぐ。寅が巳を刑するは、刑の裏にまた害を夾む(寅は巳と相害す)で、一挙一動が皆艱難、災殃と官司が連ねて至る。丑が戌を刑するは、刑の裏にまた鬼を蔵す(丑中の辛金と戌中の丁火が互いに官鬼を為す)で、貴賤が彼此欺侮し、疾病と牢獄が一斉に降臨す。巳が申を刑し戌が未を刑するは、刑の裏にまた破を帯び(巳申・戌未はともに相破す)、長輩小輩は和せず、身家は零落す。
凡刑發用,必見刑傷。刑干憂男,刑支憂女,刑時憂事。凡時刑日憂小人,日刑時憂君子。凡旺刑衰則福過,死刑旺則禍起。凡發用刑月建,不可對訟;刑日陰,不可逺行;刑干支,諸事不安。干刑應在外、速,支刑應在內、遅。凡上下相刑發用,又作日鬼,主返復乖戾,公私兩憂。
刑神が一旦「発用」すれば、必ず刑傷を見る。日干に刑到れば憂いは男子にあり、日支に刑到れば憂いは女子にあり、占時に刑到れば憂いは占う事にあり。占時が日干を刑すれば、憂うは小人が難を作す。日干が占時を刑すれば、憂うは君子が累を受く。旺相の神をもって衰弱の神を刑すれば、福分は仍お過ぎるべし。死気の神をもって旺気の神を刑すれば、禍事はまさに発作せんとす。発用の神が月建に刑到れば、人と公堂に對簿すべからず。日陰(日干上神の陰神)に刑到れば、遠行すべからず。日干日支に刑到れば、諸事安寧を得ず。刑が日干の上にあれば、応験は外面にあり来ること速く、刑が日支の上にあれば、応験は家内にあり来ること遅し。発用の神とその下の神が上下相刑し、同時に日干の官鬼を充當すれば、事情が反反覆覆・乖張違逆し、公家私家の両頭にいずれも憂患あるを主る。
沖
沖者,動也,格也。其法,以十二支環列,陰陽各相對為沖,即返吟之例。凡沖日,主身有攸往。沖辰,主宅有動移。
『沖』の義は動蕩・阻格である。取法は十二地支を一圏に排し、陰支と陽支が両両正対し、相対するものがすなわち沖で、「返吟」課が用いる那一套の対法である。子午・丑未・寅申・卯酉・辰戌・巳亥。沖が日干に到れば、本人がまさに出行走動せんとすることを主り、日支に到れば、住宅に搬遷変動あるを主る。
凡沖,主動移,返復不寜。子午相加,道路驅逐,男女爭交,謀為變遷,舉動差失。卯酉相加,分異失脫,更改門戶,乘陰臨合淫泆奸私。寅申相加,邪鬼作祟,夫妻異心。巳亥相加,順去逆來,重求輕得。丑未相加,弟兄兩意,謀望無成。辰戌相加,悲喜不眀,奴僕逃走。
沖に遇えば、走動遷移・反反覆覆して安寧を得ざるを主る。子午が相加われば、奔走道路・人に驅逐され、男女が争相い往来し、謀画は中途に変卦し、挙動は多く差失あるを主る。卯酉が相加われば、分離散失・門庭を更換すを主る。また「太陰」を乗じあるいは「六合」の上に臨めば、淫佚私通の事となる。寅申が相加われば、邪祟が怪を作し、夫妻が各々二心を懐くを主る。巳亥が相加われば、順いて去りて逆いて回るを主り、重價を出して求むるも、輕微の回報を得るのみ。丑未が相加われば、兄弟が各々一心を存し、望む事は成り難いを主る。辰戌が相加われば、悲喜明ならず憂楽分かち難く、奴僕が逃亡出走するを主る。
凡歲月日干支皆不宜沖,沖歲歲中不足,沖月月中不足。凡吉神不宜沖,沖則不吉。凶神宜沖,沖則不凶。
太歳・月建・日干・日支の四処はいずれも沖せられるべからず。太歳を沖すればこの一年に虧欠あり、月建を沖すればこの一月に虧欠あり。吉神は沖を受くべからず。一沖すれば吉気は散じ、好事は空に落つ。凶神は正に沖を受くべし。一沖すれば凶気も散じ、壊事はかえって成さず。
課目
元首一上克其下,天地得位品亨通一干。重審一下賊乎上,以臣諍君詳審行二坤。知一上下有二克,擇比而用先執中三比。涉害俱比俱不比,度難歸家分深淺四坎。
『元首課』は第一に列し、乾卦に配す。「四課」の中にただ一处の上神が下神を克するあれば、それを取って「発用」とする。上克下は天が上にあり地が下にあるがごとく、各々その位を得、ゆえに万品は亨通す。『重審課』は第二、坤卦に配す。四課中にただ一处の下神が上神を克するあれば、これを『賊』といい、臣子が直言して君主を規諫するがごとく、凡事は必ず反復審詳して後に行うべし。『知一課』は第三、比卦に配す。上下の間に两处の克が出るれば、日干と同類相比する那一处に取用する。取舍の際はまず中道を執守すべし。『渉害課』は第四、坎卦に配す。两处の克が若しくは同じく比であり若しくは同じく比でなければ、それらの経歴する地支の受克の深浅を比較し、受害の深きを発用とする。譬えるに水を渉りて家に帰らんに、まず水の深浅を量るがごとし。
遙克神日互相剋,蒿矢彈射勢為輕五睽。昂星四課旡克遙,陰伏掩相陽轉逢六履。別責無克三課備,剛三柔六九為宗七。八專二課俱無克,日陽辰陰順逆從八同人。
『遥克課』は第五、睽卦に配す。四課の上下にいずれも克なくんば、課上の神と日干の隔位相克を見る。神が来りて日を克するを『蒿矢』といい、日が去りて神を克するを『弾射』といい、いずれも遠処から射來る一箭のごとく、力道は軽く、事に応ずるも軽し。『昴星課』は第六、履卦に配す。四課に克もなく遥克もなくんば、酉位を取って発用とす。陰日は地盤の酉上の神を取る。これ伏して目を掩う象で、冬蛇掩目と名づく。陽日は天盤の酉下の神を取る。これ身を轉じて回頋する象で、虎視轉蓬と名づく。『別責課』は第七。四課に克なく、しかも四課がただ三課を成すのみ。陽日は日干の五合の神の寄る宮の上神を取って発用とし、陰日は日支の三合局の前一辰の上神を取って発用とす。剛日柔日は各々その数あり、同じく取用の『九宗門』に帰す。『八専課』は第八、同人卦に配す。四課がただ両課を成し上下ともに克なくんば、陽日は日干上神より順に第三位を数えて取用し、陰日は日支上神より逆に第三位を数えて取用す。
伏吟天地皆不動,乙癸有克法不同九艮。返吟有克往來取,井欄丑未乙巳辛十震。三光用神與日辰,時旺將吉萬事通十一賁。三陽日辰與用旺,日辰貴前貴順登十二晉 四順。
『伏吟課』は第九、艮卦に配す。月将と占時が同じく、天盤は地盤の同一位の上に圧し、天地ともに動かず。克あれば常法に依りて克を取る。克なければ、陽日は日干上神を取って発用とし、陰日は日支上神を取って発用とす。その中乙日と癸日はまた衆と異なり、別に刑法に按じて伝を取るべし。『返吟課』は第十、震卦に配す。天盤地盤の各支は両両相沖し、往来して定まらず。克あれば克神を取って発用とす。克取るべきなくんば、『井欄射』の法に依りて丑・未を取って発用とす。この格は乙日・巳日・辛日の上に最も的当なり。『三光課』は第十一、賁卦に配す。発用の神と日干日支とが両相に力を得、占時は旺相、天将は吉利なれば、万事亨通す。『三陽課』は第十二、晋卦に配し、また『四順』と名づく。日干日支と発用の神が皆旺気に居り、「貴人」が日辰の前にありてまた順行すれば、旭日の東升するがごとく、諸事は上進す。
三奇子戌尋大吉,申午辰寅子亥辰十三豫。六儀六甲勾頭發,日儀午逆未順吉十四兌。時太發用歲日方,龍合財德最為強十五泰 天恩。龍德太歲與月將,天乙發用致福祥十六革。
『三奇課』は第十三、豫卦に配す。甲子・甲戌の両旬は大吉(丑)を以て奇と為し、甲申・甲午の両旬は子を以て奇と為し、甲辰・甲寅の両旬は亥を以て奇と為す。この幾支がいわゆる奇辰で、奇神が発用すれば、凶に逢うも化し得べし。『六儀課』は第十四、兌卦に配す。六甲の各旬に皆儀神あり、すなわち旬首の臨む地なり。「勾陳」が頭に当たりて発動するときこれを見よ。日上に儀を得ば、午に在れば逆に取り、未に在れば順に取る。これを得れば吉なり。『時太課』は第十五、泰卦に配し、また『天恩』と名づく。占時と太歳の神とが発用し、日干と太歳の方位の上に落ち、さらに「青龍」・「六合」を乗じ、兼ねて財爻と日徳を作さば、力量は最も強し。『龍徳課』は第十六、革卦に配す。太歳・「月将」・「貴人」の中の一位が発用すれば、福祥を招致することを主る。
官爵歲月與年命,驛馬魁常發用者十七益。富貴天乙乘旺相,日乘年命相生良十八大有。軒蓋三傳午卯子,正七兩月相當是十九升。鑄印發用戌加巳,戌卯巳爐綬太常二十鼎。
『官爵課』は第十七、益卦に配す。太歳・月建と本命行年の上の神、あるいは「驛馬」・河魁(戌)・「太常」が発用すれば、官を得爵を得るを主る。『富貴課』は第十八、大有卦に配す。「貴人」が旺相の気を乗じ、日干がまた本命行年の神と相生すれば、富貴は期すべし。『軒蓋課』は第十九、升卦に配す。「三伝」が午・卯・子なり。午は車、卯は輪を為し、正月と七月に占い得るが最も相当なり。車駕華蓋の栄あるを主る。『鑄印課』は第二十、鼎卦に配す。戌加巳が発用し、戌は印模、巳は炉火なり。三伝に戌・卯・巳を見てまた「太常」を乗ずれば、太常は本より印绶を主る。正に官印を鑄成し職を授かり任を受くるがごとし。
斲輪太沖申上傳,卯輪庚斧乙庚歡二一頤。引從二傳引干支,又有貴引干年吉二二渙。亨通三傳遞生日,天生地生有兩般二三漸。繁昌夫妻年為用,德合旺相卦應咸二四咸 德孕 旺孕。
『斲輪課』は第二十一、頤卦に配す。「太沖」(卯)が申の上に加わりて伝を発す。卯は車輪の木、申中の庚金は斧斤、乙木と庚金は相合す。斧がその輪を斫るに、两下歡洽して、砍削して器を成す事を主る。『引従課』は第二十二、渙卦に配す。中伝末伝が一前一後にして、日干日支を引きて同行せしむ。また「貴人」が日干を引き本命を引く一種あり。いずれも吉を主る。『亨通課』は第二十三、漸卦に配す。三伝が輾轉相生し、最後に日干に生ずるに至る。天盤より生ずると地盤より生ずると、情形に両様あり。『繁昌課』は第二十四、咸卦に配し、また『徳孕』『旺孕』と名づく。夫妻両造の本命行年が発用し、また日徳と「六合」を得て旺相に居れば、卦象は咸卦に応じ、咸は夫婦の感応を主る。ゆえに子孫の繁昌を主る。
繁華貴旺祿馬發,干支年命吉將傳二五師。德慶天德與月德,干支二德用為先二六需。合歡日上遁干合,吉將三六合用兼二七井。和美專言四課事,各合互合皆為歡二八豐。
『繁華課』は第二十五、師卦に配す。「貴人」が旺を乗じ、禄神と「驛馬」が発用し、日干日支と本命行年の上がまた皆吉将の伝に入るならば、一時の繁華を主る。『徳慶課』は第二十六、需卦に配す。天徳・月徳の二神が加臨し、日干の徳と日支の徳が発用して先に居れば、福慶を主る。『合歡課』は第二十七、井卦に配す。日干上神が旬に遁じ出た天干が恰も日干と相合し、また吉将を乗じ、兼ねて三合・六合が用に入れば、両情歡合を主る。『和美課』は第二十八、豊卦に配す。もっぱら「四課」に就いて論を立つ。各課は自ら相合し、彼此はまた互いに相合して、上下に一処も歡洽せざるなし。
斬關魁罡日辰用,重土塞門斬關行二九遁。閉口旬尾加旬首,又有武陰逆四從三十謙 刑德。遊子季用又乘丁,再遇天馬是西東三一觀。三交四仲來加仲,三傳皆仲陰合逢三二姤。
『斬關課』は第二十九、遁卦に配す。河魁(戌)と「天罡」(辰)が日干日支の上に加わりて発用す。土気が重々して門戸を堵塞し、關を斬り路を奪わざれば通行すること能わず。強行突破を主る。『閉口課』は第三十、謙卦に配し、また『刑徳』と名づく。一旬の末支が旬首の上に加わり、口舌は閉塞す。また「玄武」・「太陰」が逆行して四位に相従う一種あり、これもこの格に属し、事情が隱諱して明言を肯ぜざるを主る。『遊子課』は第三十一、觀卦に配す。辰戌丑未の四季の神が発用し、また旬丁の神を乗じ、さらに天馬に逢えば、人の外に在りて東奔西走するを主る。『三交課』は第三十二、姤卦に配す。子午卯酉の四仲の神が四仲の上に加わり、「三伝」は全て仲支なり。太陰・六合に逢えば、男女が交結し事は暧昧に渉るを主る。
亂首支加干克干,干加支上被克同三三觀。贅胥支臨干被克,干加支上克支通三四旅。沖破日辰沖為用,更兼歲月破神並三五。淫泆后合乘卯酉,狡童泆女此中情三六既濟。
『亂首課』は第三十三、觀卦に配す。日支の神が日干の上に加わりて日干を克するか、あるいは日干が日支の上に加わりて反対に支に克されるれば、尊卑は倒置し、家裏は頭緒を亂す。『贅胥課』は第三十四、旅卦に配す。日支が日干に臨みて日干が克されるか、あるいは日干が日支の上に加わりて却って能く支を克するは、男子が妻家に入贅し、人の籬下に寄するがごとし。『沖破課』は第三十五。日干日支と相沖する神が発用し、再加えて太歳・月建の破神が一斉に並び見れば、事事沖破を主る。『淫泆課』は第三十六、既濟卦に配す。「天后」と「六合」が卯・酉の上に乗ずれば、男は狡童を作し女は泆女を作し、情事は正ならず。
蕪淫三課有克課,交軍克下男女爭三七小畜。解離日辰互克下,年命互克亦同稱三八。孤寡四季之前後,春巳孤丑寡星臨三九。地盤為孤天盤寡,陽孤陰寡三盤呈四十。
『蕪淫課』は第三十七、小畜卦に配す。四課の中に三課が克を帶び、また交互にその下神を克すれば、両軍の相接するがごとく、男女が彼此争執し、情事は蕪雜淫亂す。『解離課』は第三十八。日干と日支が各々その下神を克し、彼此离散す。本命と行年が互克するも、この名目に照らして称呼す。『孤寡課』は第三十九。辰戌丑未の四季の支の前後を以て孤寡を定む。たとえば春は巳を以て孤辰と為し、丑を以て寡宿と為す。孤寡が身に臨めば、孤独無依を主る。第四十課は続いて分辨す。地盤に落つるを孤と算し、天盤に落つるを寡と算し、陽支を孤と為し陰支を寡と為す。天盤・地盤と人元の三盤が一斉に呈現すれば、孤寡の象は益々分明なり。
度厄三課上下克,上下相剋長幼驚四一剝。無祿四下賊乎上,小人無禮肆縱橫四二否。迍福八迍兼五福,吉凶參駁此為名四三屯。侵害日辰六害兼,年命發用最凶殘四四屯。
『度厄課』は第四十一、剝卦に配す。四課中に三課が上下相克し、上克下・下克上が交相に攻伐し、長輩小輩ともに驚擾を受く。これを度過せざればこの一場の厄難を免れず。『無祿課』は第四十二、否卦に配す。四課は全て下神が上神を賊す。小人は礼数を講ぜず横行无忌なり。君子は位を失いて禄なし。『迍福課』は第四十三、屯卦に配す。八様の迍難と五様の福慶が同時に出現し、吉凶は夾雜参差す。ゆえに迍福と呼ぶ。『侵害課』は第四十四、同じく屯卦に配す。日干日支の間にまた六害を帶び、害神がさらに本命行年の上に落ちて発用すれば、最も凶残なり。
刑傷干支三刑用,又兼本命與年命四五損 凌犯。二煩日月加四仲,斗擊丑未此為言四六訟。天禍四立絕神用,昨日之干加今干四七明夷。天獄墓死作囚用,天罡日木之宮纏四八大過。
『刑傷課』は第四十五、損卦に配し、また『凌犯』と名づく。日干日支が三刑を帶びて発用し、さらに本命と行年に牽連すれば、刑傷凌犯の禍を主る。『二煩課』は第四十六、訟卦に配す。日と月が子午卯酉の四仲の上に加わり、また丑未が相鬥撃する一種あり、いずれも煩擾不寧を主る。『天禍課』は第四十七、明夷卦に配す。立春・立夏・立秋・立冬の四立の日に、絶神が発用し、昨日の日干が今日の日干の上に加われば、天の災禍を降すを主る。『天獄課』は第四十八、大過卦に配す。墓神と死気が囚神を充當して発用し、「天罡」(辰)がまた日干所属の五行の宮に纏われば、木日は辰に纏うがごとく、身の牢獄に入るがごとし。
天寇分至前一日,月加離辰發用先四九噬嗑。天網時用俱剋日,物孕有損病纏綿五十蹇。魄化死囚白虎隨,干支年用凶禍連五一蒙 羅網。三陰貴迍日辰後,死囚玄虎時克年五二中孚 四逆。
『天寇課』は第四十九、噬嗑卦に配す。春分秋分・夏至冬至の前一日に占い、月将が離位の辰(午)の上に加わりて首として発用すれば、寇難に遭遇するを主る。『天網課』は第五十、蹇卦に配す。占時と発用の神がともに日干を克すれば、一張の網が罩じ下るがごとく、孕育の物に損あり、疾病は纏綿して愈え難きを主る。『魄化課』は第五十一、蒙卦に配し、また『羅網』と名づく。死気・囚気の上にまた「白虎」が随い、日干日支と本命行年が発用して皆凶なれば、禍事は連ねて来り、魂魄これが為に変化す。『三陰課』は第五十二、中孚卦に配し、また『四逆』と名づく。「貴人」が逆行して日干日支の後に困頓し、死囚の気に「玄武」・白虎を加え、占時がまた本命を克すれば、三重の陰気が籠罩して散ぜず。
龍戰卯酉日兼用,年立卯酉事迍邅五三離 飛魂 喪魄 喪門。死奇月纏天罡用,丘墓歲伏殃災隨五四離。災厄喪吊游魂用,丘墓歲虎伏殃邊五五 死色。殃咎三傳剋日囚,神將克戰乘墓真五六歸妹。
『龍戰課』は第五十三、離卦に配し、また『飛魂』『喪魄』『喪門』と名づく。卯酉の神が既に日上に在りまた発用を充當し、本命行年もまた卯酉に立てば、陰陽が交戰し、諸事は迍邅して行き難し。『死奇課』は第五十四、同じく離卦に配す。月将の纏わる処と「天罡」(辰)が発用し、丘墓・歳煞・伏殃の諸凶はこれに随いて至る。『災厄課』は第五十五、また『死色』と名づく。喪門・吊客の二煞と遊魂が発用し、さらに丘墓・歳煞・「白虎」と伏殃に逢えば、災厄は身に臨む。『殃咎課』は第五十六、歸妹卦に配す。「三伝」が日干を克して囚気に居り、天将の間がまた相克相戰し、しかも墓神を乗ずれば、殃咎は便ち真なり。
九丑子午與卯酉,配合乙戊己辛壬五七解。鬼墓日辰鬼作墓,鬼克墓覆禍宅身五九困 鬼呼 喪門 五墳四煞。勵德日辰看前後,天乙立在二八門六十隨。盤珠歲月與日時,傳課俱全此為雲六一大壯 即天心格、迴環格。
『九醜課』は第五十七、解卦に配す。子・午・卯・酉の四仲の支に乙・戊・己・辛・壬の五個の天干を配し、合わせて九個の醜惡の日を成し、淫亂耻辱を主る。『鬼墓課』は第五十九、困卦に配し、また『鬼呼』『喪門』『五墳四煞』と名づく。日干日支の上の官鬼が同時にまた墓神を充當し、鬼は来りて我を克し墓はまた上より蓋覆し下れば、宅舍と身家に禍が及ぶ。『勵徳課』は第六十、随卦に配す。日干日支の前後の位次を見、「貴人」が二門・八門の位に立てば、勉力して徳を修めて後に福を受くるを主る。『盤珠課』は第六十一、大壮卦に配し、すなわち『天心格』『回環格』なり。太歳・月建と日・時の四者、三伝四課と連なりて一應俱全し、珠が盤中に在りて回環して碍なきがごとし。
全局三合之課是,水火木金土中存六二大畜。玄胎三傳皆四孟,玄中有胎名義深六三家人。聯珠連茹兼進退,間傳順逆此中論六四復 間傳 撞支巽 撞干 。六純十難兼物類,三課之說是紛紜六五革 新故 拘檢 始終。
『全局課』は第六十二、大畜卦に配す。「三伝」が三合局を結成するを是とす。申子辰は水を合し、寅午戌は火を合し、亥卯未は木を合し、巳酉丑は金を合し、土はその中に寄旺す。『玄胎課』は第六十三、家人卦に配す。三伝は全て寅申巳亥の四孟の支なり。玄妙の中に胎孕の意を含み、命名に甚だ深味あり。『聯珠課』は第六十四、復卦に配し、また『間伝』『撞支』『撞干』と呼ぶ。三伝は連茹を拔くがごとく、一支が一支を牽き、進有り退有り。一位を隔てて相传する順逆の別も、この一門の裏に討論す。最後は『六純』『十難』と各様の物類の課を連ね、また『新故』『拘檢』『始終』と名づき、革卦に配し、第六十五に列す。四課三伝の種種の説法は、ここに至りて已に紛紜として一ならず。
補論
凡干支相害,犯外好裡槎枒者,止五日:丙寅、壬申、乙夘、辛酉、戊寅。凡上神作合,支加干鄰近相會,止三日:壬子、丙午、戊午。凡萬事喜忻三六合,止八日九課:壬寅、乙酉、壬午、丙申、丙辰、丙子、戊辰、戊申。
干支が彼此相害し、表面は和睦に見えて内裏は枝枝杈杈として参差する(槎枒とは枝條が縦横に交錯する状)ものは、六十甲子を通検してただ五個の日あるのみ。丙寅・壬申・乙卯・辛酉・戊寅。日干上の天盤の神と日干が合を作し、日支がまた日干の近旁に加わりてこれと会するは、ただ三個の日あるのみ。壬子・丙午・戊午。諸事歓喜順遂し、三合と六合の両様の合局が斉備するは、ただ八個の日にして九種の課式あるのみ。壬寅・乙酉・壬午・丙申・丙辰・丙子・戊辰・戊申。
凡源消根斷課,止四日四課:癸未、癸巳、癸夘、辛夘。凡六庚日,巳加申,皆丁神臨宅,人災宅動,旦將反生。凡六辛日,午加辛,亦丁神臨宅。凡昴星止十六課。
水源が枯竭し根本が断絶する『源消根断課』は、ただ四個の日にして四種の課あるのみ。癸未・癸巳・癸卯・辛卯。凡そ六個の庚日は、巳が申の上に加われば、皆旬丁の神が宅上に臨み、人口に災あり住宅が動揺するを主る。白天に占えば、月将は反対に生扶し得、凶意は稍減ず。凡そ六個の辛日は、午が辛の寄宮の上に加われば、亦た丁神が宅に臨み、断法は同じ。昴星課に至っては、通共ただ十六種の課式あるのみ。
凡喪吊全逢,惟十日:甲午、丁亥、己亥、庚子、癸巳,乃干上乘弔客,支上乘喪門;甲戌、丁卯、己卯、庚辰、癸酉五日,乃干上喪門,支上吊客。
喪門・吊客の両様の凶煞が同時に斉しく現れるは、ただ十個の日あるのみ。甲午・丁亥・己亥・庚子・癸巳の五日は、日干上に吊客を乗じ日支上に喪門を乗ず。甲戌・丁卯・己卯・庚辰・癸酉の五日は、則ち反対に、日干上は喪門・日支上は吊客なり。喪門は家内の喪を主り、吊客は外来の吊問を主る。両煞は干支を中間に夾む。病を占い喪を問うに最も忌諱すべし。これに遇えば本命行年の上に救神あるや否やを見て後に定断すべし。
先天貴神圖
先天陽貴圖
己 戊巳 午 未 申庚 辰 酉辛 丁卯 戌 寅 丑 子 亥 丙 乙癸 甲壬
これは白天に占うとき「貴人」(天乙貴神)の落つる宮位の圖である。十二地支は一圏を繞す。上辺の一行は左より右へ巳・午・未・申、右辺の一列は上より下へ酉・戌、下辺の一行は右より左へ亥・子・丑・寅、左辺の一列は下より上へ卯・辰。各宮の旁に綴る天干は、すなわちその干が昼占するとき貴人の居る処である。甲は子にあり、十干の首を為す。乙と癸は同じく丑にあり。丙は寅、丁は卯。戊・己は巳に並列す。庚は申、辛は酉、壬は亥。辰・戌の両宮は天牢地獄で、貴人は肯んじて坐せず。午は甲の居る子と正に相対沖し、ここも天干を安排せず。ゆえにこの二処は空く。
後天陰貴圖
丙 乙癸 丁巳 午 未 申甲 辰 酉壬 戊卯 戌 寅 丑 子 亥 己 庚 辛
これは夜間に占うとき「貴人」の落つる宮位の圖で、十二宮の排法は上圖と同じ。ただ夜貴は逆行するゆえ、天干の係る宮位もこれに随いて改換す。丙・丁は巳に近く、乙と癸は午・未の上に列なり、甲は申、壬は酉、戊は卯、己は寅、庚は子、辛は亥。癸は夜間は未宮に寄す。辰・戌は牢獄の位で、夜貴も同じく坐せず。両圖を合わせて見れば、一目で十干の昼夜貴人の往く処を分かち得る。
此貴神晝順行,夜逆行。不坐辰戌牢獄之地。各取喜其合處,不喜其刑害之方。如晝貴甲從子起,為諸干之首。且貴人之前不敢有對沖坐者,故午上無寄。干癸無所處,特寄在別宮。故晝寄丑宮,夜寄未宮。今內干係晝,外干係夜,互相取合。今畫其晝貴,夜貴仿此。其說甚有理,而近不用。
この一路の貴神は、白天は十二宮に順って行き、夜裏は逆して行く。辰と戌は天牢地獄の位で、貴人は肯んじて坐せず。各干は皆自己と相合する宮位を以て喜びと為し、自己と相刑相害する方位に落つるを喜ばず。譬えば昼貴は甲より子に起こり、甲は十干の首なるがゆえに、最前に列す。また貴人の対面は相沖の支に同坐せしむるを敢えてせざるがゆえに、午は子と正沖し、午上にはいかなる天干をも寄せず。十干の中、癸は安んずべき本位なく、止むを得ず別に他宮に寄す。白天は丑宮に寄し、夜裏は未宮に寄す。圖上、圈内に書く天干は昼貴に属し、圈外に書くは夜貴に属し、両両互いに合を取る。ここには昼貴の一圖のみを画出し、夜貴はこれに類推す。この一套の説法は道理甚だ足れども、近世は已に用いず。
貴神は臨まざる処なし
子上解息用童僕,丑上升堂名利途。寅上按幾可干謁,卯上登車宜奔囑。辰戌入獄多憂懼,巳午受貢君臣福。未上列席申求干,酉入私室亥操笏。貴人在申願神動,丑巳圡地及皂神。酉上逢之多咒詛,須防午上貴人嗔。
「貴人」(天乙貴神)が十二宮に落つれば、各々取象あり。子に臨むを『解息』といい、童僕を使喚するに宜し。丑に臨むを『升堂』といい、正に名利の路上を走る。寅に臨むを『按几』といい、上官に求見すべし。卯に臨むを『登車』といい、奔走して請託するに宜し。辰・戌に臨むを『入獄』といい、多憂多懼す。巳・午に臨むを『受貢』といい、君臣は両ともにその福を得る。未に臨むを『列席』といい、申に臨むを『求干』といい、いずれも干求あるを主る。酉に臨むを『入私室』といい、亥に臨むを『操笏』といい、一は隠私を主り一は執政を主る。貴人が申に在れば、許す心願に動静あり。丑・巳に在れば、土地神と皂隸の神に牽渉す。酉に遇えば、多く咒罵诅咒を招く。午はさらに貴人の怒るを提防すべし。
貴神當權,神藏煞沒。天乙入獄,諸事不治。貴登天門為當權,到辰戌上為入獄。
貴神が一旦権に当たれば、衆神は潜蔵し凶煞は隱沒し、いかなる邪祟も難を作すを敢えてせず。反対に天乙貴人が牢獄に落ち入れば、百事は皆成し得ず。いわゆる当権とは、貴人が天門に登ること、すなわち亥位に臨むを指す。いわゆる入獄とは、貴人が辰・戌の両宮に落つるを指す。
螣蛇は戌亥に臨まず
子上墜水可消憂,丑上盤龜福善儔。寅上生角宜進用,卯上當門主官愁。辰上化龍利科甲,巳上入穴不出頭。午上飛空才官利又云乘霧,未上入林防暗幽。申上銜刀酉露齒,戌眠亥掩目無咎。螣蛇在酉他多妒,陰人不足怒嗔心。若是男兒傷風病,卯中門戶鬧時臨。
「螣蛇」が十二宮に在る取象。子に臨むを『墜水』といい、憂愁は消解すべし。丑に臨むを『盤龜』といい、善福と伴を為す。寅に臨むを『生角』といい、進身任用するに宜し。卯に臨むを『當門』といい、官事の煩愁を主る。辰に臨むを『化龍』といい、科挙登第に利あり。巳に臨むを『入穴』といい、頭を縮めて出來る能わず。午に臨むを『飛空』(一説に『乘霧』)といい、才名と官運と兩利す。未に臨むを『入林』といい、暗中の隱患を防ぐべし。申に臨むを『衔刀』、酉に臨むを『露齒』といい、いずれも凶器口舌を主る。戌に臨むを『眠』、亥に臨むを『掩目』といい、蛇が既に睡去すれば、反対に過咎なし。螣蛇が酉に在れば、他人の妒忌・婦女の心中不足して嗔怒を生ずるを主る。男子なれば、傷風の病を主る。蛇が卯位に在れば、門戸の間に時々吵鬧あり。
螣蛇交戰,毒氣凌遲。螣蛇當臥,鬼怪傷夷。交戰者,正卯、二酉、三子、四午,周而復始;逢之則凶。當臥者,春亥、夏子、秋巳、冬酉,遇之皆吉。
螣蛇が『交戰』の位に処れば、毒気は便ち層々に侵凌し上る。螣蛇が『當臥』の位に処れば、鬼怪もまた人を傷る。いわゆる交戰とは、正月は卯、二月は酉、三月は子、四月は午に在り、四個が一輪して周して復た始まる。これに遇えば凶。いわゆる當臥とは、春は亥、夏は子、秋は巳、冬は酉に在り、蛇が既に伏臥して動かざれば、これに遇えば反対に皆吉なり。
朱雀は酉戌亥子に臨まず
損羽投江子丑為,寅卯安巢文書遅。辰上投網巳翱翔,午銜符凶未喙食。申上厲嘴主怪異。酉上夜鳴官降職。戌上無毛亥入水,朱雀行宮須細推。朱雀來飛申酉位,傳言妄說酉申看。談天論地戌咒詛,要之酉上是為端。
「朱雀」が十二宮に在る取象。子・丑に臨むを『損羽投江』といい、羽毛は尽く濕す。寅・卯に臨むを『安巢』といい、文書往来は遅緩す。辰に臨むを『投網』、巳に臨むを『翱翔』といい、一困一舒す。午に臨むを『衔符』といい反対に凶を主り、未に臨むを『喙食』という。申に臨むを『厲嘴』といい、怪異の事を主る。酉に臨むを『夜鳴』といい、官員の降職を主る。戌に臨むを『無毛』、亥に臨むを『入水』という。朱雀がどの宮に行くも、皆細かく推詳すべし。朱雀が申・酉の両位に飛べば、伝言妄語を主り、申酉を見れば即ち断ぜり。戌に在れば談天説地・人の咒罵を招くを主る。要するに、酉に在るを以て最も緊要の一処とす。
朱雀銜物,婚姻財物。朱雀開口,爭鬥填塞。銜物者,正酉、二巳、三丑、四子、五申、六辰、七卯、八亥、九未、十午、十一寅、十二戌,宜求財婚事。開口者,正巳、二辰、三午、四未、五卯、六寅、七申、八酉、九丑、十子、十一戌、十二亥。
朱雀が『物を衔む』は、婚姻と財物の成るを主る。朱雀が『口を開く』は、争鬥と堵塞不通を主る。衔物の位は月に按じて推算す。正月は酉、二月は巳、三月は丑、四月は子、五月は申、六月は辰、七月は卯、八月は亥、九月は未、十月は午、十一月は寅、十二月は戌に在り。これに遇えば財を求め婚を議するに宜し。開口の位も月に按じて推算す。正月は巳、二月は辰、三月は午、四月は未、五月は卯、六月は寅、七月は申、八月は酉、九月は丑、十月は子、十一月は戌、十二月は亥に在り。これに遇えば口舌争競を免れず。
六合は申酉戌亥子丑に臨まず
反目嚴妝子丑是,寅上乘軒卯入室。辰上違禮巳賀書又云不諧驚悖,升堂納彩午未居。申上結髮成歡好,酉上私竄走陰私。戌上亡羞加罪過,亥上待命便為吉。六合失利申酉鄉,消災折本業將亡。辰上大小生唇吻,戌上姑姐也難康。
「六合」が各宮に在る取象。子に臨むを『反目』、丑に臨むを『嚴妝』という。寅に臨むを『乘軒』、卯に臨むを『入室』という。辰に臨むを『違禮』、巳に臨むを『賀書』(一説に不和諧・驚悖を主る)という。午に臨むを『升堂』、未に臨むを『納彩』といい、いずれも婚聘の象。申に臨むを『結髮』といい、歡好を成就す。酉に臨むを『私竄』といい、暗地に私奔するを主る。戌に臨むを『亡羞』といい、罪過を添出す。亥に臨むを『待命』といい、便ち吉を為す。六合が申・酉の郷に走れば利を失い、縱え災を消し得るも本を折り、家業は將に敗れんとす。六合が辰に臨めば、大人小孩の間に口角斷えず。戌に臨めば、姑母姊妹の輩は安康を得難し。
六合不合,陰陽相雜。不合者是六合乘子午卯酉又或入四仲之辰,為之相雜,主陰私不明事,凶。
六合は本より和合を主る。若し反対に合せざれば、すなわち陰陽が夾雜して清からず。いわゆる不合とは、六合が子・午・卯・酉の上に乗ずるか、あるいは子午卯酉の四仲の位に落入るを指す。陰陽が交錯混雜し、暗昧私隱の説明け難き事を主り、これを占えば凶なり。
勾陳は酉戌亥子に臨まず
子丑之宮皆被辱,寅卯受制官事起在寅遭囚,宜上書;在夘臨門,家不寜。辰上升堂獄勾連,巳上捧印官職喜。午上反目未入驛,申上佩劍酉病足。戌上入獄亥遺冠,勾陳方鄉無好處。
「勾陳」が子・丑に臨めば、いずれも人の凌辱を受くるを主る。寅・卯に臨めば處處制を受け、官司はここに由りて起こる。寅に在るは囚係を遭う象で、上書して申辯するに宜し。卯に在るは門に臨む象で、家宅は安寧を得ず。辰に臨むを『升堂』といい、獄訟に牽連す。巳に臨むを『捧印』といい、反対に官職の喜あり。午に臨むを『反目』、未に臨むを『入驛』という。申に臨むを『佩劍』、酉に臨むは脚上に病あるを主る。戌に臨むを『入獄』、亥に臨むを『遺冠』という。要するに勾陳の到る方位は、一処として好きものなし。
勾陳剋日禍殃纒,公私牽連不暫閒。日克勾陳宜幹事,寅方公吏有災連。亥上見之多不測,子逢出入更難平。巳午只是遲延勢,辰戌二位更難陳。
勾陳が若し日干を克せば、禍殃は身に纏い、公事私事は牽連して斷えず、一刻も清閑を得ず。反対に日干が能く勾陳を克せば、事を辦し頭を出すに便宜あり。勾陳が寅方に在れば、公門の吏役が連ねて災を招くを主る。亥上にこれを見れば、多く意料不到的の変故あり。子上にこれに遇えば、進出往来はさらに平順を得難し。巳・午は不過拖延の勢。辰・戌の両位に落つれば、事情は最も陳説申辯し難し。
勾陳交會,連綿禍深。勾陳本凶將,又值天罡,是神將俱凶,故主連綿之禍也。勾陳仗劍,疾病傷殘。伏劍者,正月起已逆行十二支是也。
『勾陳交會』のものは、禍事は連綿深重なり。勾陳は本來凶將にして、また「天罡」(辰)の凶神に逢う。神と將と皆凶なれば、災禍は連連として斷えざる所以なり。『勾陳仗劍』のものは、疾病と傷残を主る。いわゆる伏劍とは、正月より巳に起こり、逐月に十二支を逆して推排し、どの支に推し至れば、那一支を是とす。
青龍は戌亥に臨まず
子上入海丑盤泥,寅上乘雲卯戲珠。辰上閉目巳飛空,午上損尾折角未。申上無鱗酉伏路,登途逰江戌亥是。
「青龍」が各宮に在る取象。子に臨むを『入海』、丑に臨むを『盤泥』という。寅に臨むを『乘雲』、卯に臨むを『戲珠』といい、いずれも勢を得る象。辰に臨むを『閉目』、巳に臨むを『飛空』という。午に臨むを『損尾』、未に臨むを『折角』といい、いずれも損傷を見る。申に臨むを『無鱗』、酉に臨むを『伏路』といい、気力は已に弱し。戌・亥に臨むは『登途』と『游江』で、龍はまた行動し得る。
青龍開眼,萬事相宜。開眼者,孟月寅,仲月酉,季月戌,逢之皆吉。青龍若臥,人災禍隨。臥者,春丑,夏寅,秋辰,冬巳是也。
『青龍が眼を開く』は、万事皆合宜なり。いわゆる開眼とは、寅申巳亥の四孟の月は寅に在り、子午卯酉の四仲の月は酉に在り、辰戌丑未の四季の月は戌に在り。これに逢えば皆吉。『青龍が若し臥せば』、人身の災禍は便ちこれに随いて来る。いわゆる臥とは、春は丑、夏は寅、秋は辰、冬は巳に在るをいう。
天空は臨まざる処なし
子上溺水丑虛詐,寅上受制夘被刑。辰上入獄巳被控,午上識字未得食。申上鼓舌酉巧說,居家誣詞戌亥宮。
「天空」が各宮に在る取象。子に臨むを『溺水』、丑に臨むは虚言詐偽を主る。寅は『受制』、卯は『被刑』なり。辰に臨むを『入獄』、巳に臨むを『被控』という。午に臨むは文を識り字を斷ずるを主り、未に臨むは食を得るあるを主る。申に臨むを『鼓舌』、酉に臨むを『巧説』といい、いずれも口舌の能を逞しゅうす。戌・亥の両宮に至れば、家に在りて誣枉不實の詞を編造するを主る。
天空下淚,哀聲聒起。天空凶將而又臨壬癸,故曰下淚,主哭泣之事。凡六甲旬中壬癸日是也。如甲子旬中傳出申酉二字,即是下淚。
『天空が涙を下す』は、哀哭の聲が便ち吵嚷して起こる。天空は本より凶將にして、また壬・癸の上に落つれば、ゆえに涙を下すと呼び、哭泣の事を主る。ここに指すは六甲各旬中の壬日・癸日なり。譬えば甲子の一旬の裏に壬申・癸酉が値に當たるとき、「三伝」の中に申・酉の二字を伝出せば、すなわち涙を下すの象で、病を占い喪を問えば多く悲聲あり。
白虎は辰巳に臨まず
子上渡江丑臨欄,寅上登山夘門前。辰上咥人巳喪身,午上斷尾未逰田。申上銜書酉當戶,戌為落井亥溺泉。
「白虎」が各宮に在る取象。子に臨むを『渡江』、丑に臨むを『臨欄』という。寅に臨むを『登山』、卯は門前に蹲る。辰に臨むを『咥人』といい、噬齧して人を傷るを主り、巳に臨むを『喪身』という。午に臨むを『斷尾』、未に臨むを『游田』という。申に臨むを『衔書』といい、凶信の門に到るを主り、酉に臨むを『當戶』という。戌は井裏に落ち、亥は泉中に溺れて、虎威は便ち減ず。
白虎遭擒,已免凶惡。白虎凶將,若臨巳午為燒身,絕命之災。白虎仰視,凶咎大作。仰視者,正申、二寅、三卯、四亥,周而復始,逢之主咥人之凶。
『白虎が擒を遭う』は、凶惡の気は已に制せられ、禍を免れ得べし。ただ白虎は終に凶將にして、巳・午の火位に落ち入れば『燒身』となり、絶命の災を主る。『白虎が仰視す』は、凶咎は將に大いに発作せんとす。いわゆる仰視とは、正月は申、二月は寅、三月は卯、四月は亥に在り、四個が一輪して周して復た始まる。これに遇えば猛虎が人を噬うの凶险を主る。
太常は卯辰巳午に臨まず
子上遭枷丑受官,寅上側目夘遺冠。辰上捧綬巳作印,午上乗軒未列筵又云升堂。申上捧爵酉作劵,戌上持印又云逆命亥詔宣。
「太常」が各宮に在る取象。子に臨むを『遭枷』、丑に臨むは官を受くるを主る。寅に臨むを『側目』、卯に臨むを『遺冠』という。辰に臨むを『捧綬』、巳に臨むを『作印』といい、いずれも印綬の喜を主る。午に臨むを『乘軒』、未に臨むを『列筵』(一説に『升堂』)といい、宴飲榮顯を主る。申に臨むを『捧爵』、酉に臨むを『作券』といい、爵を受け契を立つるを主る。戌に臨むを『持印』(一説に逆命を主る)、亥に臨むを『詔宣』といい、詔命の下達を主る。
太常被剝,百事銷鑠。銷鑠者,春辰、夏酉、秋夘、冬巳,得之亦凶。
『太常が剝を被る』は、百事皆金屬の火に遇うがごとく消熔して盡きん。いわゆる銷鑠の位とは、春は辰、夏は酉、秋は卯、冬は巳に在り。太常がこの幾處に落ちれば、占い得るもまた凶なり。
玄武は寅卯辰巳午未に臨まず
子上散髮丑虛詐,寅上入林夘窺室。辰上入獄巳反顧,午上截路未不治。申上折足酉拔刀,戌上遭囚又云被察亥藏匿。
「玄武」が各宮に在る取象。子に臨むを『散髮』、丑に臨むは虚詐を主る。寅に臨むを『入林』、卯に臨むを『窺室』といい、いずれも賊人潛伏の象。辰に臨むを『入獄』、巳に臨むを『反顧』という。午に臨むを『截路』、未に臨むは事情収拾すべからず。申に臨むを『折足』、酉に臨むを『拔刀』という。戌に臨むを『遭囚』(一説に『被察』)、亥に臨むを『藏匿』という。
玄武橫絶,盜賊發兵。玄武凶將,若臨辰戌丑上,主盜賊侵凌事。
『玄武が横絶す』は、盗賊が兵を発するがごとく衆を糾して來る。玄武は本より凶將にして、辰・戌・丑の土宮の上に落ち入れば、盗賊の侵擾欺凌の事あるを主る。
太陰は卯辰巳午に臨まず
子上垂簾丑入內,寅上跌足夘征行。辰上理冠巳伏枕,午上披髮未書通。申上執正酉閉戶,戌上刺繡亥裸形。
「太陰」が各宮に在る取象。子に臨むを『垂簾』、丑に臨むを『入内』といい、いずれも深居して出でざるを主る。寅に臨むを『跌足』、卯に臨むを『征行』という。辰に臨むを『理冠』、巳に臨むを『伏枕』という。午に臨むを『披髮』、未に臨むは書信の通達を主る。申に臨むを『執正』、酉に臨むを『閉戶』という。戌に臨むを『刺繡』、亥に臨むを『裸形』という。
太陰拔刀,陰謀害之。太陰乗申上,主小人暗害,吉中有凶。臨申酉亦是。
『太陰が刀を拔く』は、人の暗中に謀を設けて加害するあるなり。太陰が申の上に乗ずれば、小人が背地裏に下手するを主り、看るに吉なるも、裏頭に凶を蔵す。申・酉の両宮に落つれば、情形もまた同じく然り。
天后は辰巳に臨まず
子上守閨丑窺人,寅上修容夘倚門。辰上毀妝巳裸體,伏枕沐浴午未存。申上理妝酉把鏡,居帷治事戌亥真。
「天后」が各宮に在る取象。子に臨むを『守閨』、丑に臨むを『窺人』という。寅に臨むを『修容』、卯に臨むを『倚門』という。辰に臨むを『毀妝』、巳に臨むを『裸体』という。午に臨むを『伏枕』、未に臨むを『沐浴』という。申に臨むを『理妝』、酉に臨むを『把鏡』という。戌・亥に臨むは帷帳の内に坐して家事を料理するを是とし、これこそ天后の本分なり。
天后淫亂,女喜他人。若陰月臨申,陽月臨酉,為犯淫亂浴盆煞也。
『天后が淫亂す』は、女子の心が他人に屬するを主る。若し丑卯巳未酉亥の陰月に申の上に落ち、子寅辰午申戌の陽月に酉の上に落ちれば、すなわち『浴盆煞』を犯し、淫亂の応験は最も分明なり。
十二天將惟貴神、天空不乗辰戌,玄武、六合不乗丑未,其餘無神不乗。六壬大全巻一終
十二天将の中、ただ貴神と「天空」のみ辰・戌の両宮に乗ぜず、「玄武」と「六合」は丑・未の両宮に乗ぜず、その余の各将は乗ずべからざる宮なし。《六壬大全》巻一はここに終わる。
六壬大全巻二 神将釋
大神總論
十二支神有陰陽之分,各司其事。以十二宮論之,凡五行、五方之次序,四時、四季之循環,三垣、二十八宿之次度,七政、四餘之星辰,九州萬國之分野,陰陽生克之體用,莫不包羅於其內,經緯於其間,斯天神之大概也。
十二支神は各々陰陽の分別あり、各々その職事を管す。十二宮に就いていえば、五行の次第・五方の方位、四時の推移・四季の循環、紫微・太微・天市の三垣と二十八宿の度數、日月五星の七政および紫気・月孛・羅睺・計都の四余の諸星、九州萬國の分野、陰陽生克の體と用——一つとしてこの十二宮の内に包羅せざるなく、縦橫にこの十二宮の間に交織す。これが天神の大致の輪廓なり。
故以天上斗罡旋轉而言,則天罡為首順布;以太陽躔度過宮而言,則登眀為首逆布。逆布者謂之月將,其實即十二神也。壬課取用配合,皆曰“神”,不曰“將”。視其加於日辰年命,或生或克,或刑或合,而休咎判矣。凡十二神相加,上克下與上下生比者,俱取天盤言之;下克上者,取地盤言之。
ゆえに天上北斗の斗柄の旋轉に従いていえば、「天罡」(辰)を以て起首と為し順に排布し、太陽の宮を過ぐる躔度に従いていえば、「登明」(亥)を以て起首と為し逆に排布す。逆排のこの一路を「月将」と呼び、其實は十二神と本是一回事なり。六壬の起課取用配合は、一概に『神』と称して『将』と称せず。その日干・日支と本命行年の上に加臨するを見、相生するか相克するか、相刑するか相合するかによって、吉凶禍福は分判し出づ。凡そ十二神が彼此相加するに、上神が下神を克しおよび上下相生・相比するに遇えば、皆「天盤」の上より取りて論を立つ。下神が上神を克するに遇えば、地盤の上より取りて論を立つ。
また總說
子午為陰陽二至,夘酉為日月之門。寅申為道路之神,辰戌為牢獄之地。丑未為天廚之所,巳亥為堂廟之宮。
子は冬至に對し、午は夏至に對し、陰陽二氣の兩個の極点なり。卯は日出の門、酉は月出の戸にして、日月出入の門戸を為す。寅・申の兩支は道路往来を主り、行人の神なり。辰・戌の兩支は天牢地獄にして、囚係の地なり。丑・未の兩支は天厨の所在にして、飲食酒宴を主る。巳・亥の兩支は堂廟の宮にして、祠祀神靈を主る。
十二神釋
登明亥
水神,雨水後日躔娵訾,正月將。登明雲者,正月三陽始兆於地上,見龍在田,天下文明。《易·明夷》有曰:“初登于天,照萬國也。”又亥為天門,故曰登明。
亥は水神に属す。雨水の節以後、太陽は娵訾の次に運行す。ゆえに亥は正月の「月将」なり。これを登明と称するは、正月裏に三陽の氣が始めて地面に顯露し、正に《周易·乾卦》九二爻のいう『見龍在田』に如く、天下はここに由りて文明開朗するが故なり。《周易·明夷卦》上六の爻辭もまた『初登于天、照四国也』(ここには『照万国』と引く)という。これの外、亥位はまた天門の所在なるがゆえに、登明と呼ぶ。
登明神,面長髮黃,手足黒色帶破。為陰水,亦名天怪,古之修宮室匠人也。壬寄其上,木生其下,玄武之象。音角,數四,味咸,星室壁,禽豬貐熊,宮雙魚,分野衛、幷州,屬豬,位天門。
登明のこの神、相貌は脸長く頭髮は黄ばみ、手脚は黑色にして殘破を帯びる。陰水に属し、また『天怪』と名づき、古は宮室を修造する匠人なりき。天干壬の「寄宮」は亥の上にあり、木はまた亥の上に長生す。ゆえに亥は「玄武」の本家なり。配する五音は角、成數は四、味は鹹に属し、室宿・壁宿に對應し、禽獣は猪・貐・熊、十二宮は雙魚宮に属し、分野は衞國・並州の一帯、生肖は猪に属し、方位は西北天門に在り。
所主禎祥、徵召、陰私事,為自刑。為極陰之位。又主爭訟、獄囚、沉溺謂乗凶將,主取索、亡失巳酉丑日、不浄。
亥の主るところは、禎祥の兆・朝廷の征召と陰私の事なり。亥はまた自身と相刑し、自刑の支に属し、極陰の位置に居る。この外なお争訟・牢獄囚係と沉溺水厄を主る——これは亥が凶将を乘ずるときをいう。また索取討債・遺失亡脱(巳・酉・丑の日に尤も応験す)および一切の不潔淨の事を主る。
類為天雨師,又為鬼神,天馬、天耳,為幼子、將軍、夫人、上客、醉人、乞丐,為肝、腎、髮、頭加酉臨日干、足陽日加申,陰日加未,為脾病、哭臨辰、眼斜青丑、壊頭面亥加已已加亥、病瀉加年命上,為盜作元武、殺賊、奸神作後元。
亥の取象の類推。天上に在りては雨師にして、また鬼神を主り、天馬・天耳の神なり。人物の上に在りては、幼小の兒子・將軍・夫人・上等の賓客・醉漢と乞丐なり。人身の上に在りては、肝・腎と頭髮、頭(亥が酉に加わりて日干に臨むときこれに應ず)、脚(陽日は亥が申に加わり、陰日は亥が未に加わるときこれに應ず)なり。また脾胃の病を主り、哭泣を主る(亥が辰に臨むときこれに應ず)、眼睛の斜視發青を主る(亥丑相加のときこれに應ず)、頭面の損壞を主る(亥が巳に加わり巳が亥に加わるときこれに應ず)、瀉痢の病を主る(亥が本命行年の上に加わるときこれに應ず)。事の上に在りては、盗竊(「玄武」を乘ずるときこれに應ず)・殺傷賊害、奸邪の神(「天后」あるいは玄武を乘ずるときこれに應ず)なり。
為寳殿作貴人、樓閣加寅不作貴加寅又龍為樓合為閣、臺加卯又加卯為燈臺、廷院、坑園、牆基、獄犴、廁加戌又甲乙日作天空加已,為圖畫、幞頭、帳幙、筆墨、傘葢、管鑰加已、笠笈、圓環,為梅花、葫蘆,為廩廏、酢醤酉加、稻、麥、鹽朱雀加。
さらに亥の物象をいう。宝殿なり(「貴人」を乘ずるときこれに應ず)、樓閣なり(亥が寅に加わりて貴人を乘ぜざるときこれに應ず。寅に加わりてまた「青龍」を乘ずるは樓、「六合」を乘ずるは閣なり)、臺なり(亥が卯に加わるときこれに應ず。卯に加わればまた燈臺を主る)、庭院・坑園・牆基と牢獄なり。また厠所なり(亥が戌に加わるときこれに應ず。甲乙日に「天空」を乘じて巳に加わるときもこれに應ず)。器物の上に在りては、圖畫・幞頭・帳幕・筆墨・傘蓋・鎖鑰(亥が巳に加わるときこれに應ず)・笠帽書箱と圓環なり。草木の上に在りては、梅花と葫蘆なり。また糧倉馬廐、醋と醬なり(亥が酉に加わるときこれに應ず)、稻・麥と鹽なり(「朱雀」を乘ずるときこれに應ず)。
為姓楊、朱、魯、衛、干、房、季寅卯加、壬丑未加、鄧、範俱六合加、馮蛇乗已午加亥,凡點水字様、直傍之類皆是。
亥の主る姓氏は、楊・朱・魯・衞・干・房あり、また季(亥が寅卯に加わるときこれに應ず)・壬(亥が丑未に加わるときこれに應ず)・鄧と范(いずれも「六合」を乘ずるを要す)・馮(「螣蛇」を乘じて巳午が亥に加わるときこれに應ず)あり。大凡そ三点水の偏旁を帯び・豎直の筆畫の偏旁を帯びる姓は、皆亥の管に歸す。亥は水に属すれば、水旁より象を取る。亥はまた天門なれば、その直立向上の形を取る。
登明天柱亥為天柱。廩乘太常。樓臺乗青龍臨申。賊盜乗元武。傷人乗虎。幼子乘六合。哀乗蛇,丙日占更的。獄乗勾主獄,甲戌庚壬癸的。廁穢乗空主穢廁豬憂。溺死乗后主溺死。陰私乗陰主私。管鑰乗雀。召徵乗馬作貴或貴臨亥的來。
登明の一条の綱目は:亥は本身すなわち天柱なり。「太常」を乘ずれば糧廩を主る。「青龍」を乘じて申に臨めば樓臺を主る。「玄武」を乘ずれば賊盗を主る。「白虎」を乘ずれば人を傷るを主る。「六合」を乘ずれば幼子を主る。「螣蛇」を乘ずれば悲哀を主る。丙日に占うは尤もの当なり。「勾陳」を乘ずれば牢獄を主る。甲・戊・庚・壬・癸の諸日は最もの当なり。「天空」を乘ずれば汚穢の厠所と養猪の憂を主る。「天后」を乘ずれば水に溺れて死するを主る。「太陰」を乘ずれば陰私を主る。「朱雀」を乘ずれば鎖鑰を主る。「驛馬」を乘じて「貴人」を充當するか、あるいは貴人が亥に臨めば、征召の到來あるを主る。
注云:五音山向,以登明為天柱,若乗太常主廩祿,葢太常是穀粟之神,家未與亥三合也。乗青龍主樓臺,然必臨申,加他處則非。乗武主盜賊入室故也,乗虎主傷人,亥是木之父母,虎作木鬼故也。乗六合主小兒,木到亥上方生故也。
原注にいう:五音に按じて山向を擇ぶ法子は、登明(亥)を以て天柱と作す。亥が若し「太常」を乘ずれば、倉廩俸禄を主る。太常は穀粟を掌管する神にして、その本家未は亥と同じく亥卯未三合木局の内に在るが故なり。「青龍」を乘ずれば樓臺を主る。ただし必ず青龍が申の上に臨むをもって算し、他處に加われば是れならず。「玄武」を乘ずれば盗贼を主る。取るところは賊人の室に入るの義なり。「白虎」を乘ずれば人を傷るを主る。亥水は木の父母(水は木を生ず)にして、白虎は金に属し、正に木の官鬼なり。金が来りて木を克すればゆえに傷を主る。「六合」を乘ずれば小兒を主る。木は亥位に到りて始めて長生を起こす、正に初生の象なるが故なり。
乗蛇主哀哭,太乙喪車煞,與蛇同體;若丙日占之,更的。乗勾主獄,若甲壬癸三日有戰,主吏嗔;戊庚二日,與神和,不妨甲壬癸三日,又云丙丁二日。乗天空主豬穢廁,亥為天豬殺也。乗天后主溺死,以水投流,溺之象也。
「螣蛇」を乘ずれば哀哭を主る。太乙喪車煞と螣蛇は同一體性なるが故なり。丙日に占い得れば、尤もの当なり。「勾陳」を乘ずれば牢獄を主る。甲・壬・癸の三日は神将が相戰し、吏役の發怒を主る。戊・庚の両日は神将が相和すれば、妨げず(一説に妨げざるは甲壬癸の三日、又一説に丙丁の両日という)。「天空」を乘ずれば猪圈と汚穢の厠所を主る。亥は本身すなわち天猪の煞なるが故なり。「天后」を乘ずれば水に溺れて死するを主る。水の流に投ずるは、正に沉溺の象なり。
乗太陰主陰私,乗朱雀主管鑰,葢四孟鑰神所居之地;若占訟,得放之象。貴人臨天門主徵召,作驛馬更的。
「太陰」を乘ずれば陰私の事を主る。「朱雀」を乘ずれば鎖鑰を主る。寅申巳亥の四孟の位は正に鑰神の居る地なるが故なり。若し以て官司を占えば、便ち鎖を開き人を放すの象あり。「貴人」が天門(亥)の上に臨めば、朝廷の征召を受くるを主る。この貴人が若しまた「驛馬」を充當せば、更加に的当なり。
河魁戌
土神,春分後日躔降婁,二月將。河魁即天魁,斗魁第一星,抵於戍故名。建卯之月,萬物皆生根本,以類聚合;魁者,聚之義也。
戌は土神に属す。春分以後、太陽は降婁の次に運行す。ゆえに戌は二月の「月将」なり。河魁はすなわち天魁で、北斗魁星の第一の顆を指す。この星の方位は正に戌に抵る。ここに因りて名づく。建卯の二月に、万物は皆根本を生出し、同類は相聚まりて合す。『魁』の字は正に聚合の義なり。
河魁神,古之獄吏也。辛寄其上,火墓其下,天空之象。音商,數五,味甘,星奎婁,禽狼、狗、豺,宮白羊,分野魯,分徐州。屬犬,位西北。
河魁のこの神、古は牢獄の吏卒なりき。天干辛の「寄宮」は戌の上にあり、火の「墓庫」もまた戌の下に在り。ゆえに戌は「天空」の本家なり。配する五音は商、成數は五、味は甘に属し、奎宿・婁宿に對應し、禽獣は狼・狗・豺、十二宮は白羊宮に属し、分野は魯國に在り、分かちて徐州に属し、生肖は犬に属し、方位は西北に在り。
所主詐欺、印綬及奴婢逃亡;若發用,舊事重新之象。又主虛耗、失錢物、帶眾。
戌の主るところは、欺詐の事・印綬官職および奴婢逃亡なり。それが若し「発用」せば、便ち旧事を重ねて提し老話を翻新する象なり。この外なお虚耗損失・銭財物件を丢失し、および衆人を帯領する事を主る。
類為天斗魁,又為天羅、計都、兵神、厭神作元武、地戶,為監司加月建、都轄加太歳、官長作雀加日辰、司直、善人、長者、僧道、獵人、小童、奴僕、屠惡、強盜作虎克辰、兵士戌加申申加戌、舅翁、妹、貧丐作元空。
戌の取象の類推。天上に在りては斗魁の星にして、また天羅・計都・兵神、厭神(「玄武」を乘ずるときこれに應ず)、地戸なり。人物の上に在りては、監司の官(戌が月建に加わるときこれに應ず)、都轄(太歳に加わるときこれに應ず)、官長(「朱雀」を乘じて日干日支に加わるときこれに應ず)、司直の官、善人・長者・僧道・猟人・小童・奴僕、凶惡の屠戸と強盗(「白虎」を乘じて日支を克するときこれに應ず)、兵卒(戌が申に加わりあるいは申が戌に加わるときこれに應ず)、舅父・岳父と妹子、貧窮の乞丐(玄武・「天空」を乘ずるときこれに應ず)なり。
為命門、膀胱、足、腿加年命主足病,為城廓、寺觀、岡嶺、牢獄作勾陳更的、窯冶作蛇加巳午、虛堂、僕室、土物、墳墓作虎發用、牆壎甲日加寅,為朝服作雀、印綬、鞋履、軍器、杻枷作元武臨刑、劔仗、城鍾、鐵鋤、鏟槍、鎖鑰、碓磨、瓦器、石作勾陳加申酉、數珠,為五穀、田絲。
人身の上に在りては、戌は命門・膀胱と脚腿(戌が本命行年に加われば脚病を主る)。地上に在りては、城郭・寺觀・山岡嶺脊、牢獄(「勾陳」を乘ずれば更に的当なり)、窯を燒き鐵を冶する所(「螣蛇」を乘じて巳午に加わるときこれに應ず)、空堂・僕人房・土制の物、墳墓(「白虎」を乘じて発用するときこれに應ず)、牆垣(甲日に戌が寅に加わるときこれに應ず)なり。器物の上に在りては、朝服(「朱雀」を乘ずるときこれに應ず)・印綬・鞋履・兵器、枷鎖刑具(「玄武」を乘じて刑位に臨むときこれに應ず)、劍仗・城頭の鐘・鐵鋤・鏟槍・鎖鑰・碓磨・瓦器・石頭(勾陳を乘じて申酉に加わるときこれに應ず)と念珠なり。物産の上に在りては、五穀と田間の絲麻なり。
為姓魏、王、魯、徐、婁、倪,凡土傍、足偏之類。
戌の主る姓氏に魏・王・魯・徐・婁・倪あり。大凡そ土の字旁を帯び・足の字偏旁を帯びる姓は、皆戌の管に歸す。戌は本より土神にして、人身にまた足腿を主れば、この兩處より象を取る。
天魁印綬乗常吏乗雀主訟都官乗龍為官,壘土髙墳壬癸日乗虎集眾攢魁主眾乗勾陳主集。徳合乗六合奴婢乗武為奴,乗陰為婢兼長者乗後利君子,犬豺狼畜乘蛇厭主狼虎怪悉為歡乘陰婚姻事。
河魁の一条の綱目は:「太常」を乘ずれば印綬を主る。「朱雀」を乘ずれば吏人と官司を主る。「青龍」を乘ずれば都官顯位を主る。壬・癸日に「白虎」を乘ずれば、土を壘ねて高墳を成すを主る。「勾陳」を乘ずれば衆を聚め攅集することを主る。「六合」を乘ずれば徳合と為す。「玄武」を乘ずれば奴と為し、「太陰」を乘ずれば婢と為し、兼ねて長者を主る。「天后」を乘ずれば君子に利あり。「螣蛇」を乘じて月厭に値えば、犬・豺・狼の類の畜類の怪を作すを主る。太陰を乘ずれば一切歓喜し、婚姻の事を主る。
河魁主印,太常主綬,若魁作太常,乃曰印綬。雀為文書,雀入墓戍,凡言訟主其吏也。青龍為都官,天魁為集眾,凡言官位必有部轄之權。魁凶神,虎凶將,若壬癸日占,天乙逆治,魁作虎克日,名曰壘土之煞,病者必死。
河魁は印を主り、「太常」は綬を主る。ゆえに河魁の上に若し太常を乘ぜば、便ち印綬と呼び、官職の手に到るを主る。「朱雀」は文書の神にして、戌はまた火の墓なり。朱雀が戌に墓に入れば、凡そ官司を説くに、主管するは便ちそれらの吏胥なり。「青龍」は都官にして、河魁は衆を聚むるを主る。凡そ官位を講ずれば、必ず部屬を統轄する一份の權柄を連帯す。河魁は本より凶神にして、「白虎」はまた凶將なり。若し壬日・癸日に占えば、「貴人」は逆行して治し、河魁がまた白虎を乘じて來りて日干を克すれば、便ち『土を壘ぐの煞』と呼び、病人これに遇えば必ず死す。
勾陳為土星,天魁為集眾,此二神將並臨,即主攅集會眾之事。六合卯與戍合,又是支前五辰之合,故曰徳合。元武奴,太陰婢,二將若臨戍上,謂之陰空同位,奴婢主不良,非逃即盜。六丙日天后臨戍,乃是官星,利君子,故曰長者,利見大人。
「勾陳」は土星にして、河魁は衆を聚むるを主る。この一神一將が併臨して一處に在れば、便ち攅集して衆を會する事を主る。卯は戌と相合し、戌はまた日支前の第五位の上に合を成す。ゆえに『徳合』と呼ぶ。「玄武」は奴にして「太陰」は婢なり。この兩將が若し戌の上に臨めば、『陰空同位』と呼ばれ、奴婢の心術が良からざるを主り、逃走せざれば偷盗す。六個の丙日に「天后」が戌に臨めば、戌中の辛金は正に丙火の官星にして、君子に利あり。ゆえに長者と説き、大人に晋見するに宜し。
螣蛇臨戍,主犬豺狼怪,春占有三等:辰戍丑未日為天狗煞,戌日為月厭煞,甲乙寅卯日為天喜,三者須各詳之。又戊已辰戌丑未日,戌蛇多主怪事;若甲乙寅卯日,戌乗吉將,主婚姻產喜吉事。
「螣蛇」が戌に臨めば、狗・豺・狼の類の怪を作すを主る。春に占えば三種の分別あり。辰戌丑未日は天狗煞、戌日は月厭煞、甲乙寅卯日は則ち天喜なり。三者は各々分辨し清めるを要す。また戊・己および辰戌丑未の諸日は、戌上に蛇を乘ずれば多く怪異の事を主る。若し甲乙寅卯日に在りて、戌がまた吉將を乘ぜば、反對に婚姻・生産の類の喜慶吉事を主る。
從魁酉
金神,穀雨後日躔大梁,三月將。從魁者,斗魁第二星也,星抵於酉,故名。又三月草木枝葉從根而出之義也。
酉は金神に属す。穀雨以後、太陽は大梁の次に運行す。ゆえに酉は三月の「月将」なり。從魁は北斗魁星の第二の顆を指す。この星の方位は正に酉に抵る。ここに因りて名づく。もう一層の意思は:三月に草木の枝葉は根に順い外に抽發し、『從』はすなわち随従して出づるなり。
從魁神形貌端正,黃白色,古之女巫也。正祿不受所寄,太陰之象,音羽,數六,味辛,星胃昴畢,禽雉雞鳥,宮金牛,分野趙、冀州,屬雞位,正西。
從魁のこの神、形貌は端正にして、膚色は黃白なり。古は女巫なりき。酉は辛金の正祿の位にして、更に別の天干の「寄宮」を受けず、それは「太陰」の本家なり。配する五音は羽、成數は六、味は辛に属し、胃宿・昴宿・畢宿に對應し、禽鳥は野鸡・家鸡の類、十二宮は金牛宮に属し、分野は趙國・冀州に在り、生肖は鶏に属し、方位は正西に在り。
所主陰私、解散、賞賜,又主金刀、奴婢、信息。
酉の主るところは、陰私隱祕・聚して復た散ずと賞賜の事、この外なお金屬刀刃・奴婢僕從と音信消息を主る。酉は本より金に属すれば刀を主り、また太陰の本家なれば陰私と婢妾を主る。
類為天文星,又為霖雨加子、霜加戌、雪丑午加之、海加巳、江加子,為私門,為中丞、太親、陰貴、婦人臨旺少女、姨女天空休衰、外妾、婢妾作六合,作青龍,若作太陰加日辰,主妾為妻、匠婢、酒人、小奴作天空、尼作合加寅申、樂妓加太常、卯、未、老婢加子丑。
酉の取象の類推。天上に在りては文星にして、また連綿の霖雨(酉が子に加わるときこれに應ず)、霜(戌に加わるときこれに應ず)、雪(丑午が酉に加わるときこれに應ず)、海(巳に加わるときこれに應ず)と江(子に加わるときこれに應ず)なり。處所の上に在りては私門なり。人物の上に在りては、御史中丞・至親・陰貴人・婦人(旺氣に臨めば則ち少女)、姨母の輩の女子(「天空」を乘じて氣が休衰のときこれに應ず)、外室と妾婢(「六合」あるいは「青龍」を乘ずるときこれに應ず。若し「太陰」を乘じて日干日支に加われば、妾を以て妻と為すを主る)、女匠・婢女・酒を賣る人と小奴(天空を乘ずるときこれに應ず)、尼姑(六合を乘じて寅申に加わるときこれに應ず)、樂妓(「太常」を乘じて卯・未に加わるときこれに應ず)、老婢(子丑に加わるときこれに應ず)なり。
為官祿、邊兵作虎加孟、孝服作虎,主甲乙日服至、夫婦不和,為皮毛、口竅、耳目、爪骨、精血、小腸、唇舌,為勞瘵、目疾作蛇雀、赤眼丙丁加之,為刀傷加季刑命,為白塔,街巷、小陌、祠廟、倉廩。
酉はまた官祿を主り、邊を戍る兵卒を主る(「白虎」を乘じて寅申巳亥の四孟に加わるときこれに應ず)、孝服を主る(白虎を乘ずるときこれに應ず。甲乙日は尤も孝服の門に臨むを主る)、また夫妻不和を主る。人身の上に在りては、皮毛・口竅・耳目・指甲骨骼・精血・小腸と唇舌なり。疾病の上に在りては、癆瘵、眼病(「螣蛇」「朱雀」を乘ずるときこれに應ず)、紅眼(丙丁が酉に加わるときこれに應ず)、刀傷(辰戌丑未の四季に加わりて刑が本命に到るときこれに應ず)なり。地上に在りては、白塔・街巷小路・祠廟と倉廩なり。
為碑碣、金銀、首飾、珍珠、盤鏡、銅鉛作太常加寅、鐵石、皮革、氈條,為酒漿、菜食、姜蒜。
器物の上に在りては、酉は碑碣・金銀・首飾・珍珠・盤子鏡子、銅と鉛(「太常」を乘じて寅に加わるときこれに應ず)、鐵石・皮革と氈條なり。飲食の上に在りては、酒漿・菜蔬および姜・蒜の類の辛辣の物——酉の味は正に辛に属すればなり。
為姓趙、金、樂、石、劉卯加酉、閔卯酉加六合、鄭貴人加之、程、呂俱大陽加之,凡立人、金傍之類。
酉の主る姓氏に、趙・金・樂・石あり、また劉(卯が酉に加わるときこれに應ず)、閔(卯酉相加して「六合」を乘ずるときこれに應ず)、鄭(「貴人」を乘ずるときこれに應ず)、程と呂(いずれも太陽の加臨を要す)あり。大凡そ單人旁を帯び・金字旁を帯びる姓は、皆酉の管に歸す。酉は本より金に属すれば金旁を取り、その字形はまた人の直立するがごとければ立人旁を取る。
從魁金玉乗龍虎旺相的小刀乗龍虎囚死的錢丙丁日乗陰的,奴婢乗空主奴,乗陰主妾私通乗后合主表裡私通近水邊乗元。小麥乗常九江乗後伏吟幷賞賜乘貴人旺相,雞鳥乗雀主雞,乗蛇怪鳥解散乘勾不為嫌。
從魁の一条の綱目は:「青龍」「白虎」を乘じて氣旺相なれば金玉を主り、青龍・白虎を乘じて氣囚死なれば小刀を主る。丙丁日に「太陰」を乘ずれば錢を主る。「天空」を乘ずれば奴を主り、太陰を乘ずれば妾を主る。「天后」「六合」を乘ずれば内外私通を主る。「玄武」を乘ずれば事は水邊に在るを主る。「太常」を乘ずれば小麦を主る。天后を乘じて伏吟に値えば九江之水を主る。「貴人」を乘じて旺相なれば賞賜を主る。「朱雀」を乘ずれば鶏鳥を主り、「螣蛇」を乘ずれば怪鳥を主る。「勾陳」を乘ずれば解散を主り、嫌忌と算せず。
虎臨從魁,旺相為金玉,囚死為刀。龍臨旺相,亦為金玉;若龍發用,金木相剋,事有終始。六辛日太陰主事,旺相為金玉,死為刀及屠戮事。丙丁日太陰加酉乃錢也,若非火制,酉金不能成錢之形;如甲戊庚三日,魁雖太陰,則不言錢。
「白虎」が從魁(酉)の上に臨めば、氣旺相の時は金玉を主り、氣囚死の時は刀刃を主る。「青龍」が酉に臨みて旺相なれば、また金玉を主る。若し青龍が「発用」せば、金と木と相克して、事情は便ち始めありて終わりあり。六個の辛日は「太陰」が事を主る。旺相は金玉を主り、死氣は則ち刀刃と宰殺屠戮の事を主る。丙・丁日に太陰が酉の上に加われば便ち錢なり。酉金に若し火の煆煉なければ、錢幣の形狀を成す能わざればなり。甲・戊・庚の三日に至っては、酉上に縱え太陰を乘ずとも、錢と論ぜず。
甲日春占,太陰囚,主奴妾奸私事;戊日則太陰相氣,金土相生,兩陰相會,主婚姻事;庚日太陰旺氣,主金帛事。天空為奴,從魁為婢,二者相鄰,故通言奴婢。私通者,合主之,合是私門,卯酉相併,謂之左右表裡陰私也。酉曰九江,玄武水將,金能生水,故曰水邊;若六己日土克玄武水,則濡涸。
甲日に春に占えば、太陰は囚氣に處り、奴僕姬妾の私通の事を主る。戊日は太陰が相氣を得、金土相生し、兩重の陰氣が交會して、婚姻の事を主る。庚日は太陰が旺に當たり、金銀財帛の事を主る。「天空」は奴にして從魁は婢なり。兩者の位次は相隣る。ゆえに合わせて通じて奴婢と稱す。私通を説くは、「六合」の主管するに由る。六合はすなわち私門にして、卯と酉と並列して一處に在り、左右表裏の陰私と呼ばる。酉はまた九江と呼ばる。「玄武」は水將にして、金は能く水を生ず。ゆえに事は水邊に在りと説く。若し六個の己日ならば、土が來りて玄武の水を克し、水は便ち浸乾せらる。
太常主小麥,壬癸日占金水相生,麥苗以秀;若甲戊庚三日占,又不同:甲日太常加酉,則麥已熟而先有損,酉克干故也;戊日則金土相生力壯,麥秀而實;庚日則過扵剛硬,麥堅固而粒小。天后加酉,淵源之水,故曰九江。貴人加酉,旺相賞賜,囚死主貴人嗔責,占訟即憂枷鎖。
「太常」は小麦を主る。壬・癸日に占えば、金水相生し、麦苗は穗を抽き秀を吐く。若し甲・戊・庚の三日に占えば、情形はまた同じからず。甲日は太常が酉に加わり、麦子は虽已に成熟するも先に損傷あり。酉金が甲木を克すればなり。戊日は金土相生し、力量は壮實にして、麦は既に穗を抽きまた實を結ぶ。庚日は則ち金氣が過ぎて剛硬にして、麦粒は虽堅固なるも顆粒は偏小なり。「天后」が酉に加われば、深淵源頭の水にして、ゆえにまた九江と呼ぶ。「貴人」が酉に加われば、旺相は賞賜を受くるを主り、囚死は則ち貴人の發怒責備を主り、官司を占えば便ち枷鎖の身に臨むを憂う。
朱雀加酉,主雞鳥,若剋日又主獄訟、文書。螣蛇加酉,旦主鳥怪,暮主雞怪,若二月六己日占,月厭在酉更的。勾陳加酉,主解散:甲日青龍直事克勾陳,勾陳之子是酉金,又克甲木,互相持勢而戰,戰則散而不為嫌矣;戊庚日合而無戰,亦主散;壬癸日被勾陳克,卻得勾陳子金相生救之,謂之無恩解散。
「朱雀」が酉に加われば、鶏と飛鳥を主る。若しまた日干を克せば、還た牢獄官司と文書を主る。「螣蛇」が酉に加われば、白天の占は怪鳥を主り、夜裏の占は鶏怪を主る。若し是れ二月の六個の己日の占ならば、月厭は正に酉の上に落ちて、就更加に的当なり。「勾陳」が酉に加われば解散を主る。甲日は「青龍」が値に當たりて來りて勾陳を克し、しかも勾陳の生ずる子神は正に酉金にして、酉金がまた反克して甲木を克す。彼此勢を持して相戰し、一戰して便ち散ず。亦た嫌忌を成さず。戊日・庚日は神將が相合して相戰せず、同じく散を主る。壬・癸日は日干が勾陳に克されるも、卻って勾陳の子酉金の轉じて來りて相生解救するを得る。これを『無恩の解散』と呼ぶ。
傳送申
金神,小滿後日躔實沉,四月將。傳送者,四月萬物茂盛,陽極將退,一陰欲生,傳陰而送陽也。
申は金神に属す。小滿以後、太陽は實沉の次に運行す。ゆえに申は四月の「月将」なり。これを傳送と呼ぶは、四月に万物は茂盛して頂点に至り、陽氣は極盛にして將に回落せんとし、一線の陰氣が正に生ぜんと欲し、正に陰氣を傳接して來り陽氣を送將して去るの時なればなり。
傳送神形項短,目圓睜,微有鬚髮,大身,古之行人也。庚寄其上,水生其下,白虎之象。音徵,數七,味辛,星觜參,禽猴猿猱,宮陰陽,分野晉、益州,屬猴,位西南。
傳送のこの神、形貌は脖子短く眼睛圓く睜き、略有りて須髮あり、身材高大なり。古は道路を奔走する使者なりき。天干庚の「寄宮」は申の上にあり、水はまた申の上に長生す。ゆえに申は「白虎」の本家なり。配する五音は徵、成數は七、味は辛に属し、觜宿・參宿に對應し、禽獣は猴・猿・猱、十二宮は陰陽宮に属し、分野は晉國・益州に在り、生肖は猴に属し、方位は西南に在り。
所主道路、疾病、信耗事。類為天錢星,又為天鬼、天醫,為廷尉、元帥加三合之首、行人、公人、民人、孝子、征夫若加子午又主軍逃亡、鋪兵、獵師作虎、銀匠、鐵匠、舅、僧作龍加孟、商賈、巫醫作六合、屠戸,為肺、膽、大腸、骸骨、音聲,為疾病、死尸、喪孝,為產乳、水厄加亥剋日、仇讎、攻刼作勾、饋送、失脫作元武加亥子、淫壬癸日。
申の主るところは、道路往來・疾病と音信消息なり。その取象の類推。天上に在りては錢星にして、また天鬼と天醫なり。人物の上に在りては、廷尉(刑獄を掌る官)、元帥(申が三合局の首に加わるときこれに應ず)、行人・公門中の人・平民・孝子、出征の兵夫(若し子・午に加われば、また軍人の逃亡を主る)、驛鋪の兵、猟人(「白虎」を乘ずるときこれに應ず)、銀匠・鐵匠と舅父、僧人(「青龍」を乘じて四孟に加わるときこれに應ず)、商賈、巫醫(「六合」を乘ずるときこれに應ず)、屠戸なり。人身の上に在りては、肺・膽・大腸・骸骨と聲音なり。事の上に在りては、疾病・死屍・喪事孝服、婦人の生産哺乳、水厄(申が亥に加わりて日干を克するときこれに應ず)、仇敵・攻劫(「勾陳」を乘ずるときこれに應ず)、饋贈送禮・遺失脱漏(「玄武」を乘じて亥子に加わるときこれに應ず)と淫亂(壬癸日にこれに應ず)なり。
為祠廟、庵堂、城宇、道路、池湖、陵寢、靈柩,為絹帛、綿絮、經文、毛羽、藥物、刀兵加刑、礱磨、大麥。
地上に在りては、申は祠廟・庵堂・城郭屋宇・道路・池塘湖泊・陵墓寢園と靈柩なり。器物の上に在りては、絹帛・綿絮・經卷文書・毛羽・藥材、刀兵(申が刑位に加わるときこれに應ず)と穀を礲ぐ磨盤なり。物産の上に在りては、大麦なり。
為姓袁、郭、申、晉、侯、韓、鄧,凡金傍、之遶之類。
申の主る姓氏に袁・郭・申・晉・侯・韓・鄧あり。大凡そ金字旁を帯びる姓、および辶の底の類の偏旁を帯びる姓は、皆申の管に歸す。申は本より金に属すれば金旁を取り、申はまた道路行人の神なれば、行走を表す偏旁を取る。
傳送刀兵乗虎僧及醫乗常主醫或僧,寃仇已日乗勾克徳也道路乗龍稅乗貴主賦湖池乗後。大麥守城乗陰旺相為麥,囚死為守城喪乗蛇碓磨乗空,市賈乗合刼攻乗刼殺元武田獵師乗雀。
傳送の一条の綱目は:「白虎」を乘ずれば刀兵を主る。「太常」を乘ずれば醫生あるいは僧人を主る。己日に「勾陳」を乘じて徳を克せば、冤仇を結ぶを主る。「青龍」を乘ずれば道路を主る。「貴人」を乘ずれば賦税を主る。「天后」を乘ずれば湖池を主る。「太陰」を乘じて旺相なれば大麦を主り、囚死なれば則ち城を守るを主る。「螣蛇」を乘ずれば喪事を主る。「天空」を乘ずれば碓磨を主る。「六合」を乘ずれば市井買賣を主る。劫殺あるいは「玄武」を乘ずれば劫掠攻奪を主る。「朱雀」を乘ずれば田猟の人を主る。
虎加申主刀兵,其義有五:甲日青龍主事,則虎因財而爭傷,並死煞尤甚,謂金木相剋,流血之禍也。戊日勾陳主事,金土相生無戰,雖並惡煞不凶。庚日即虎主事,持徳直日,雖動刀兵不傷,且利見大人,誅討不義也。壬日天后主事,姦淫相傷;癸日玄武主事,盜賊有傷,俱不凶。
白虎が申の上に加われば刀兵を主る。その中の道理に五層あり。甲日は「青龍」が事に當たり、白虎は便ち財を爭うに因りて人を傷る。若し再び死煞を併せれば尤も厉害なり。これは金木相克・血を見るの禍なり。戊日は「勾陳」が事に當たり、金と土と相生して相戰せず。縱え惡煞を併すとも凶と算せず。庚日は便ち白虎が自ら事に當たる。白虎が徳を持して日に値えば、虽刀兵を動すとも人を傷るに至らず、反對に大人に晋見するに利あり。命を奉じて不義を討伐するの擧なり。壬日は「天后」が事に當たり、奸淫に因りて彼此傷害するを主る。癸日は「玄武」が事に當たり、盗賊の凶を行い人を傷るを主る。この兩樣も亦た皆大凶と算せず。
傳送乗太常,主醫及僧。六已日勾陳臨傳送,主寃仇爭鬥,葢巳德在甲,勾乗申遙克傷德故也。
傳送が「太常」を乘ずれば、醫生と僧人を主る。六個の己日に「勾陳」が傳送(申)の上に臨めば、怨を結び爭闘するを主る。巳の徳は甲に在りて、勾陳は申を乘じて遠處より遥に克し去り、この徳を傷つく。ゆえに仇怨を生出すなり。
道路之說有五:甲戊庚日俱申為青龍,但甲日主財帛出其道路,或遠信財物。戊日主奴婢公文出其道路;庚日主疾病喪孝出其道路;壬日卦得申子辰,主婦人淫亂,敗露出其道路;癸日切忌出行,主道路有遺亡。
道路に關する説法に五層あり。甲・戊・庚の三日は、申上は皆「青龍」なれど、主るところは同じからず。甲日は財帛がこの条の道路より來り、あるいは遠方の音信財物あるを主る。戊日は奴婢と公文がこの条の道路より來るを主る。庚日は疾病と喪事孝服がこの条の道路より來るを主る。壬日に若し申子辰の三合水局を排出せば、婦人淫亂を主り、事情は道路上に敗露す。癸日は最も出門を忌み、路上に遺失亡脱の事あるを主る。
天乙加申,主田園賦稅。葢申為水之長生貴人,土遙克之故也。水生申、旺子,天后加之,主湖池。甲日為池,戊日為湖,丙丁日不為湖池,名曰日被雲遮,作事闇昧,妨有謀窺。
「貴人」が申の上に加われば、田園賦税を主る。申は水の長生の地にして、しかも貴人は土に属し、遠處よりこの一点の水を克すれば、ゆえに征賦催科の象あり。水は申の上に長生し子の上に帝旺す。「天后」が申位に加臨すれば、便ち湖池を主る。甲日は池を主り、戊日は湖を主る。丙・丁日は則ち湖池と論ぜず、『日が雲に遮らる』と呼ばれ、事を辦するに昏暗不明にして、還た人の暗中に窺伺圖謀するあるを提防すべし。
六辛日太陰加申,旺相為麥,囚死為守城。螣蛇主喪,甲日官貴財富之喪,戊日奴婢之喪或因官致病死之喪,庚日則不病尫羸之喪,丙日官使之喪或爐冶之家喪碓磨,天空主之。六合主交易市賈:壬癸日女人交易,或是媒禮之事;丙丁日男子交易,牙儈與官置買賣事。朱雀主田獵或刼攻未解,或玄武主之。
六個の辛日に「太陰」が申に加われば、氣旺相は大麦を主り、氣囚死は城を守るの役を主る。「螣蛇」は喪事を主る。甲日は官貴富家の喪、戊日は奴婢の喪あるいは公事に因りて病を得て亡ぶの喪、庚日は併びて生病せずして瘦弱して亡ぶの喪、丙日は官差の喪あるいは爐冶の人家の喪なり。碓磨の一項に至っては、則ち「天空」の主管するに由る。「六合」は交易買賣を主る。壬・癸日は婦人の做す交易あるいは媒聘の禮なり。丙・丁日は男子の做す交易、牙行經紀と官府の置辦する買賣なり。「朱雀」は田猟を主り、あるいは劫奪攻掠の事の尚未だ了結せざるを主る。この一項もまた「玄武」の主管に歸すの説法あり。
小吉未
土神,夏至後日躔鶉首,五月將。小吉者,夏至之氣,大徃小來,小人之道長,小之吉也。又為萬物小成之義。
未は土神に属す。夏至以後、太陽は鶉首の次に運行す。ゆえに未は五月の「月将」なり。これを小吉と呼ぶは、夏至に一陰始めて生じ、正に《周易》否卦の説く『大往小來』に合し、陰柔の一路が漸々生長し、『小』の一方に對しては反對に吉なれば、ゆえに小吉と稱す。もう一層の意思は万物ここに至りて已に略々成就を見る。ゆえに小成の義を取る。
小吉神為風伯,古之藥師也。丁寄其上,木墓其下,太常之象。音徵,數八,味甘,星井鬼,禽犴羊鷹,宮巨蟹,分野秦、雍州。屬羊,位西南方。
小吉のこの神はすなわち風伯にして、古は藥を采り藥を合する藥師なりき。天干丁の「寄宮」は未の上にあり、木の「墓庫」は未の下に在り。ゆえに未は「太常」の本家なり。配する五音は徵、成數は八、味は甘に属し、井宿・鬼宿に對應し、禽獣は犴・羊・鷹、十二宮は巨蟹宮に属し、分野は秦國・雍州に在り、生肖は羊に属し、方位は西南に在り。
所主酒食、婚姻、祠祀事。類為天酒星,又為天耳加巳午、風伯、鬼神一雲家鬼。為太常、主保、父母、老人、繼父加、繼母亥加酉、姑、嫂、姨、妹、媒奶、寡婦、道人、酒匠、帽匠,為請召青龍比日、慶賀、筵會、離別見行年離神,為旱熯、蝗蟲雀加亥子,為肝、脫脊,為廷院、牆垣、園加辰、林加卯、土物、井泉、陶冶、墳地甲乙日角姓、茶房、酒肆、賽場,為海鮮、盤盞、冠裳、印信、笙歌、醫藥、苗簾、桑木、罇、麻龍后加寅卯。
未の主るところは、酒食・婚姻と祠祀の事なり。その取象の類推。天上に在りては酒星にして、また天耳の神(未が巳午に加わるときこれに應ず)・風伯と鬼神(一説に家中の祖先の鬼)なり。人物の上に在りては、「太常」、主保の人・父母・老人、繼父(加臨するときこれに應ず)・繼母(亥が酉に加わるときこれに應ず)、姑母・嫂子・姨母・妹子・媒婆奶妈・寡婦・道人・釀酒匠と製帽匠なり。事の上に在りては、延請征召(「青龍」を乘じて日干と相比するときこれに應ず)・慶賀・宴會、離別(行年上の離神を見るときこれに應ず)、また天旱酷熱と蝗蟲の災を為すを主る(「朱雀」を乘じて亥子に加わるときこれに應ず)。人身の上に在りては、肝と脊背脱骨の疾なり。地上に在りては、庭院・牆垣、園圃(辰に加わるときこれに應ず)、樹林(卯に加わるときこれに應ず)、土制の物・井泉・陶冶の窯作、墳地(甲乙日にして角音の姓に遇うときこれに應ず)、茶房・酒肆と賽神の場所なり。物の上に在りては、海鮮・盤盞・冠冕衣裳・印信・笙歌樂器・醫藥・田間の苗簾・桑木・酒樽、および麻(青龍・「天后」を乘じて寅卯に加わるときこれに應ず)なり。
為姓朱、秦、髙、章、羊、杜、井、魏、楊,凡羊、土傍之類。
未の主る姓氏に、朱・秦・高・章・羊・杜・井・魏・楊あり。大凡そ羊の字を帯び・土の字旁を帯びる姓は、皆未の管に歸す。未は生肖に羊に属し、五行に土に属すれば、この兩處より象を取る。
小吉姨姑乗陰婚禮儀乗龍,羊酒祠禱祭神祗乗常見元武貴人應此。白頭乗蛇見喪車主孝爭訟壬癸日乗朱勾公婆母乗後,井泉乗空天耳乗空,四月宜捉訪墓乙日乗虎風師辛、己日乗虎。
小吉の一条の綱目は:「太陰」を乘ずれば姨母姑母を主る。「青龍」を乘ずれば婚姻禮儀を主る。「太常」を乘ずれば羊酒祠禱・神祇を祭祀することを主る。若し「玄武」と「貴人」を見ればまたこの象に應ず。「螣蛇」を乘じて喪車煞を見れば、白頭孝服を主る。壬・癸日に「朱雀」「勾陳」を乘ずれば爭訟を主る。「天后」を乘ずれば婆婆と母親を主る。「天空」を乘ずれば井泉を主り、また天耳煞を主る。四月裏にこれに遇えば捉拿訪察に宜し。乙日に「白虎」を乘ずれば墳墓を主る。辛日・己日に白虎を乘ずれば則ち風師を作し、大風を起こすを主る。
太陰臨主姑姨妹之事,青龍臨主婚姻禮儀之事。太常穀粟之神,壬癸日並土,以土克水,故酣而為酒。丙丁日,亥作天乙為天豬煞,未為天羊煞,亥與太常三合,主豬羊事;天乙加未,玄武居亥,為三合,主祠禱神祗。
「太陰」が未に臨めば、姑母・姨母・妹子の類の事を主る。「青龍」が未に臨めば、婚姻禮儀の事を主る。「太常」は谷粟を掌る神にして、壬・癸日はまた土氣を併せ、土を以て水を克し、穀は醞釀を經て酒を成す。ゆえに酒を主る。丙・丁日は、亥上に「貴人」を作せば便ち天猪煞、未は便ち天羊煞なり。亥は太常と同じく亥卯未の三合の中に在り。ゆえに猪羊の事を主る。貴人が未に加わりて「玄武」が亥に居れば、また三合を結成し、神祇を祠禱することを主る。
葢玄武是北斗將軍,掌妖訛事,不聽居其於丑未;丑、未,天乙所處,即無將軍之位,如君子不與小人競,故曰祠禱也。白頭者,孝服也;螣蛇為喪車煞、魄煞,三者並臨,主孝服。勾陳主爭,謂上將臨旺鄉,值壬癸日占,必有爭也。
これは玄武が北斗の將軍にして、妖訛の事を掌管するも、それが丑・未の兩宮に居るを許さざるが故なり。丑と未は貴人の處する位置にして、將軍ここに在ればその地位なし。譬えるに君子は小人と相爭わざるがごとし。ゆえにただ祠禱を説きて妖訛を説かず。いわゆる白頭は、すなわち孝服なり。「螣蛇」はまた喪車煞と魄煞なり。三樣併臨して一處に在れば、必ず孝服の身に臨むを主る。「勾陳」は爭闘を主るとは、上乘の將が旺氣の郷に臨むを説く。若し壬・癸日の占に値えば、必定に爭執あり。
朱雀主公訟文書,天后水生木,墓於未鄉,主婆母。天空主井泉。帶凶煞則主井怪、崩壊;四月占天空又為天耳煞,凡捉人遇此必得的信天耳,正月起戍順行四季。木日占病,白虎臨之為墳墓煞;六乙日占虎臨又為風師,主作大風。
「朱雀」は官司と文書を主る。「天后」は水に属し、水は木を生じて木は未に墓す。ゆえに婆婆と母親を主る。「天空」は井泉を主る。若し凶煞を帶びれば、便ち井中に怪を作しあるいは井壁の崩壞を主る。四月の占時に天空がまた天耳煞を充當すれば、凡そ人犯を捉拿するにこれに遇えば、必ず確實の消息を得べし(天耳煞は正月より戌に起こり、辰戌丑未の四季に順いて推行す)。木日に病を占えば、「白虎」が未に臨むは便ち墳墓煞なり。六個の乙日に占えば、白虎が未に臨みてまた風師を作し、大風を刮起することを主る。
勝光午
火神,大暑後日躔鶉火,六月將。勝光者,午為陽火,正當離位,光被四表,所謂“大明當天,爝火不熄”,難乎其為光者也,故曰勝光。
午は火神に属す。大暑以後、太陽は鶉火の次に運行す。ゆえに午は六月の「月将」なり。これを勝光と呼ぶは、午は陽火にして、正に離卦の位に當たり、光芒は普く四方を照らすが故なり。《莊子·逍遥遊》の説く『日月出でたり、しかも爝火息まず』に如く——大明が空に當たるとき、その点の小火把は再び亮るとも光と稱し難し。午の光は一切に勝る。ゆえに勝光と呼ぶ。
勝光神形貌:目圓,面赤,大身,古之御馬人也。正祿無寄,朱雀之象,音宮,數九,味苦,星柳星張,禽獐馬鹿,宮獅子,分野周、兩河,屬馬,位正南。
勝光のこの神の形貌は、眼睛圓く臉色赤紅にして身材高大なり。古は車を駕し馬を養う人なりき。午は丁火の正祿の位にして、別に天干の「寄宮」を受けず、それは「朱雀」の本家なり。配する五音は宮、成數は九、味は苦に属し、柳宿・星宿・張宿に對應し、禽獣は獐・馬・鹿、十二宮は獅子宮に属し、分野は周地と河南河北の一帯に在り、生肖は馬に属し、方位は正南に在り。
所主光怪、絲綿,又主文書、官事。類為天王良星,又為左天目、霞雷,為上小下大,為宮妃、雨林、使君、娼婦、亭長、使者、善人、僧巫、騎者、蠶姑,為驚恐、疑惑見申、誠信、文書雀加寅、口舌、呪咀見申與雀、胎孕加亥受絶,為兵勾陳加申酉、詞訟、信息、光彩,為心若見亥主心疼、目、口,為血光、心虛、小腸患雀加子、吐瀉,為宮室、城門、堂宇、田宅、道路、廚太常加申酉、窯冶。
午の主るところは、光怪の象と絲綿、また文書と官府の事を主る。その取象の類推。天上に在りては王良星にして、また左天目・雲霞と雷なり。形狀の上に在りては上小下大なり。人物の上に在りては、宮中の妃嬪・雨林の官・使君(州郡の長官)・娼婦・亭長・使者・善人・僧人巫者・馬に騎る人と蠶を養う婦人なり。事の上に在りては、驚恐、疑惑(申を見るときこれに應ず)、誠信、文書(「朱雀」を乘じて寅に加わるときこれに應ず)、口舌、咒罵诅咒(申と朱雀を見るときこれに應ず)、胎孕(亥に加わりて絶氣を受くるときこれに應ず)、兵戈(「勾陳」を乘じて申酉に加わるときこれに應ず)、詞訟・信息と光彩なり。人身の上に在りては、心(若し亥を見れば則ち心疼を主る)・眼睛と口、血光の災・心虚の症・小腸の毛病(朱雀を乘じて子に加わるときこれに應ず)および上吐下瀉なり。地上に在りては、宮室・城門・堂宇・田宅・道路、厨房(「太常」を乘じて申酉に加わるときこれに應ず)と窯冶なり。
為火燭、旌旗、絲繡、衣服、書畫、衣架、櫃、蒸籠,為馬、蠶絲、鴉巢、雉、小豆太常加卯。
器物の上に在りては、午は燈火燭炬・旌旗・絲繡・衣服・書畫・衣架・櫃子と蒸籠なり。動物物産の上に在りては、馬・蠶絲・烏鴉の窩・野鸡、および小豆(「太常」を乘じて卯に加わるときこれに應ず)なり。これらは多く午の陽火たるを取り、また車馬を主るの意なり。
為姓蕭、張、李、許、周、馬、朱、柳六合加、狄勾陳加亥、馮蛇乗午加子。
午の主る姓氏に、蕭・張・李・許・周・馬・朱あり、また柳(「六合」を乘ずるときこれに應ず)、狄(「勾陳」を乘じて亥に加わるときこれに應ず)、馮(「螣蛇」を乘じて午が子に加わるときこれに應ず)あり。これらの姓は多く馬と火光の象と相關す。ゆえに午の下に係る。
勝光宮女乗後信誠乗雀妃乗陰,善人乗貴通語乗合驚恐乗蛇遺乗元。土工乗空田宅乗常巫天目乗元見天目,使君乗龍亭長乗勾巷兵持乗虎主道路刀兵。
勝光の一条の綱目は:「天后」を乘ずれば宮女を主る。「朱雀」を乘ずれば信實誠敬を主る。「太陰」を乘ずれば妃嬪を主る。「貴人」を乘ずれば善人を主る。「六合」を乘ずれば言語を通傳することを主る。「螣蛇」を乘ずれば驚恐を主る。「玄武」を乘ずれば遺失を主る。「天空」を乘ずれば土工の匠作を主る。「太常」を乘ずれば田宅を主る。玄武を乘じて天目を見れば、巫者と天目の應を主る。「青龍」を乘ずれば使君を主る。「勾陳」を乘ずれば亭長を主る。「白虎」を乘ずれば街巷に兵を持することを主る。すなわち道路上の刀兵の事なり。
天后主宮女,甲日則婦小而長,仁而有貌;戊日黃而濁肥;庚日痩而有禮,多病;壬癸日淫而有色,壬則淫夫,癸則渝亂。朱雀主信誠,謂火性主禮,雀主書也。太陰婢妾之象,主妃。
「天后」は宮女を主る。各日に現るる形貌は同じからず。甲日は身量小にして面長の婦人、性情は仁厚にして姿容あり。戊日は面色黄を發し體態は濁肥なり。庚日は瘦削にして禮數を懂るも、多病なり。壬・癸日は淫蕩にして姿色あり——壬日は淫蕩の男子を主り、癸日は穢亂を主る。「朱雀」は誠信を主る。火の本性は禮を主り、しかも朱雀はまた文書を主る。禮と文と合わさりて正に信實なり。「太陰」は本より婢妾の象にして、ここに在りては則ち妃嬪を主る。
天乙主善人,六辛日勝光為鬼,若作天乙,變凶為吉。六合主通語,丙丁日為牙儈,壬癸日為婦媒。蛇主驚恐,六庚日最緊,他日緩矣。玄武臨午謂之左目將軍,又曰天眼開,主盜賊敗遺。
「貴人」は善人を主る。六個の辛日に午火は辛金の官鬼にして、若し午上に貴人を乘ぜば、能く凶を化して吉と為す。「六合」は話を傳え語を通ずるを主る。丙・丁日は牙行經紀を主り、壬・癸日は媒を説く婦人を主る。「螣蛇」は驚恐を主る。六個の庚日は最も緊急にして、其他の日子は便ち緩和す。「玄武」が午に臨むは左目將軍と呼ばれ、また天眼開と呼ばれ、盗賊の敗露・贓物の遺落を主る。
天空主土工,太常主田宅。巫天目者,玄武被天目照之之義也,與遺意同。青龍文官之象,故曰使君。勾陳武官之象,又鄉耆土官之稱,故曰亭長。白虎主街巷伯,又為兵刄持用之物故曰巷兵持也。
「天空」は土木の匠作を主り、「太常」は田宅を主る。いわゆる『巫天目』は、「玄武」が天目に照見せられ、前面の『遺失』の意思と相通ずるを説く。賊形は已に顯露せり。「青龍」は文官の象なれば、ゆえに使君と稱す。「勾陳」は武官の象にして、また郷里の耆老・土著の小官の稱呼なれば、ゆえに亭長と呼ぶ。「白虎」は街巷の長を主り、また兵刃の類の身に随えて執持するものを主る。ゆえに『巷兵持』と呼ぶ。
太乙巳
火神,處暑後日躔鶉首,七月將。太乙者,太微垣所在,太乙所居也。又七月百榖成實,自能任持之義。
巳は火神に属す。處暑以後、太陽は鶉首の次に運行す(原文かくのごとし)。ゆえに巳は七月の「月将」なり。これを太乙と呼ぶは、太微垣が正にこの方位に在りて、太乙の神は就きてそこに住すが故なり。もう一層の意思は七月に百穀は實を結び、自己已に能く承担持守す。ゆえに『任持』の義を取る。
太乙神形貌:髙額,赤大口,黃髮,眼目不正,古之鍜人也。丙、戊寄其上,金生其下,螣蛇之象。音角,數四,味苦,星翼軫,禽蛇蚓蟬,宮雙女,分野楚、荊州,屬蛇,位南方。
太乙のこの神の形貌は、額頭高く嘴大にして赤く、頭髮は黄を發し眼睛は正ならず。古は鐵を打つ鍛工なりき。天干丙と戊の「寄宮」は巳の上にあり、金はまた巳の上に長生す。ゆえに巳は「螣蛇」の本家なり。配する五音は角、成數は四、味は苦に属し、翼宿・軫宿に對應し、禽蟲は蛇・蚯蚓・蟬、十二宮は雙女宮に属し、分野は楚國・荆州に在り、生肖は蛇に属し、方位は南方に在り。
所主鬥爭、口舌、憂驚、怪異事。又飛禍、賞賜事總論,巳見辰為進往,吉;辰居巳為退伏,不吉。
巳の主るところは、爭闘・口舌・憂驚と怪異の事、この外なお飛來の橫禍と賞賜を主る。總じて説くに:巳が辰を見れば、向前進取の象にして吉を為す。辰が巳の上に壓すれば、退縮潛伏の象にして不吉なり。
類為天太乙星,又為雪冬至後巳主雪,為車騎、姑女、婦、術人、書工、木匠、廚夫、店人、乞丐、弔客作虎主外服、歌兒太陰主娼妓,為孕若作蛇加辰主雙胎、憂、文學、取索、輕狂、毀罵剋日辰、徒配巳酉相加。
巳の取象の類推。天上に在りては太乙星にして、また雪を主る(冬至以後を要して巳が始めて雪を主る)。人物の上に在りては、車馬騎從・姑娘・婦人・術士・書を抄する人・木匠・厨子・店家・乞丐、吊客(「白虎」を乘ずるとき外來の孝服を主る)、歌童(「太陰」を乘ずれば則ち娼妓を主る)なり。事の上に在りては、懷孕(若し「螣蛇」を乘じて辰に加われば、雙胎を懷くを主る)、憂愁・文章學問・索取討債と輕狂、辱罵(日干日支を克するときこれに應ず)、流放充軍(巳酉相加のときこれに應ず)なり。
為心胞胳、三焦、咽喉、面齒、班點,為車乗、金鐡、珠玉、筐盒、疋帛、樂器、管鑰、磁器、磚瓦、弓弩、花果、釡又主金鳴、爐冶加火、窯灶加土,又巳未相加主井灶相連,巳亥日戌加巳主灶側相連、火光。為飛蟲、飛鳥、蜴、蟮、蛇月厭加主夢蛇。
人身の上に在りては、巳は心包絡・三焦・咽喉・面孔牙齒と斑點なり。器物の上に在りては、車乘・金鐵・珠玉・筐盒・匹帛・樂器・鎖鑰・瓷器・磚瓦・弓弩・花果、鍋釜(また金屬の鳴響を主る)、爐冶(火位に加わるときこれに應ず)、窯竈(土位に加わるときこれに應ず)なり。巳未相加は、井と竈と連なりて一處に在るを主る。巳日・亥日に戌が巳に加われば、竈旁の相連を主り、併びて火光の災を主る。蟲鳥の上に在りては、飛蟲・飛鳥・蜥蜴・鱔魚と蛇(月厭に値えて加臨するとき、蛇を夢見るを主る)なり。巳中に丙火と庚金を蔵す。ゆえに既に爐冶磚瓦を主り、また金鐵弓弩を主る。その形はまた蛇のごとし。ゆえに蛇蟲の属を主る。
為姓陳、石、趙、田、張、荊、餘、朱、郝六合加、楚、杞寅加、耿子加、龔辰加、紀丑加。
巳の主る姓氏に、陳・石・趙・田・張・荆・余・朱あり、また郝(「六合」を乘ずるときこれに應ず)、楚・杞(巳が寅に加わるときこれに應ず)、耿(子に加わるときこれに應ず)、龔(辰に加わるときこれに應ず)、紀(丑に加わるときこれに應ず)あり。巳は五行に火に属し生肖に蛇に属す。これらの姓は多く火旁に従い・蟲形に従いあるいはその字音に就いて象を取りて來る。
太乙蟬鳴乗合蟲乗空臨水散解乗武加水,賓姑乗龍罵詈乗雀弩喪車乗虎。賞賜乗貴灶爐乗陰,常丙丁日的管鑰乗勾,戊日的等。非橫之災辛酉日乗蛇,六月的弔客蛇亦辛日乘蛇占病凶。
太乙の一条の綱目は:「六合」を乘ずれば蟬鳴を主る。「天空」を乘ずれば水蟲を主る。「玄武」を乘じて水位に加臨すれば、解散を主る。「青龍」を乘ずれば賓客姑女を主る。「朱雀」を乘ずれば辱罵を主る。「白虎」を乘ずれば弓弩と喪車を主る。「貴人」を乘ずれば賞賜を主る。「太陰」あるいは「太常」を乘ずれば爐竈を主る。丙・丁日は最も的当なり。「勾陳」を乘ずれば鎖鑰を主る。戊日の類は最も的当なり。辛酉日に「螣蛇」を乘ずれば、意外橫來の災を主る。六月裏は尤もの当なり。蛇を乘じてまた吊客を作すもまた辛日に在り、病を占えば最も凶なり。
六合臨為蟬鳴煞,天空臨為水蟲煞。元武是小人,又加太乙破敗煞,謀用破敗無成,故曰解散。
「六合」が巳に臨めば便ち蟬鳴煞、「天空」が巳に臨めば便ち水蟲煞なり。「玄武」は小人の象にして、若し再加えて太乙の破敗煞を加えば、謀る所用むる所は一概に破敗落空す。ゆえに解散と呼ぶ。
青龍主賓姑,朱雀主罵詈。甲日因財口舌,戊日因官文與爭田地口舌,庚日為憂最深,維無凶。白虎為喪車煞,又主弓弩曲物。貴人臨主賞賜。太常、太陰俱主爐灶,丙丁日太常臨巳,爐灶最的。勾陳臨謂之管鑰神,囚禁可放。
「青龍」は賓客と姑女を主り、「朱雀」は辱罵を主る。甲日は財の為に口舌を起こし、戊日は公文あるいは田地を爭う為に口舌を起こし、庚日は憂慮最も深しと雖も、終に凶に至らず。「白虎」はここに喪車煞を作し、また弓弩の類の彎曲の物を主る。「貴人」が巳に臨めば賞賜を主る。「太常」と「太陰」は皆爐竈を主る。丙・丁日に太常が巳に臨めば、爐竈の應は最も的当なり。「勾陳」が巳に臨むは管鑰の神と呼ばれ、囚禁せられたる人は獲釋を得べし。
辛酉占得螣蛇,有非橫之災,惟六月月厭在巳,定主見怪,災禍連綿;又占病,則為弔客蛇之為患如此。
辛酉日に「螣蛇」が巳に臨むを占い得れば、意外橫來の災禍あらん。尤も六月裏は月厭が正に巳の上に落ちて、必定に怪異を見、災禍は連連として斷えず。若し以て疾病を占えば、この条の蛇は便ち吊客を充當し、患を為すこと竟にこの般の地步に至る。
天罡辰
土神,秋分後日躔壽星,八月將。天罡者,斗杓之所建也。又八枝條堅剛之義。
辰は土神に属す。秋分以後、太陽は壽星の次に運行す。ゆえに辰は八月の「月将」なり。これを天罡と呼ぶは、北斗の斗柄が正にこの方位を指向するが故なり。もう一層の意思は八月に枝條は已に堅硬剛強なり。『罡』の字は剛勁の義を取る。
天罡神黃色,面圓滿,多須,古之獄師也。乙寄其上,水、土墓其下,勾陳之象。音商,數五,味甘,星角亢,禽蛟魚龍,宮天秤,分野鄭、襄州。屬龍,位東南方,近東多。
天罡のこの神、膚色は黄を發し臉盤は圓滿にして、鬍鬚は甚だ多し。古は牢獄の獄官なりき。天干乙の「寄宮」は辰の上にあり、水と土の「墓庫」は皆辰の下に在り。ゆえに辰は「勾陳」の本家なり。配する五音は商、成數は五、味は甘に属し、角宿・亢宿に對應し、禽獣は蛟・魚・龍、十二宮は天秤宮に属し、分野は鄭國・襄州に在り、生肖は龍に属し、方位は東南に在り、偏東の成分は居多し。
所主鬥訟、死喪、田宅舊事。又曰辰天牢,戌地獄,專主獄訟官府。
辰の主るところは、爭闘訴訟・死喪および田宅方面の陳年舊事なり。また一説あり:辰は天牢、戌は地獄にして、この兩位はもっぱら牢獄官司と官府の事を管す。ゆえに凡そ課中に辰を見れば、多半は刑名・墳塋・田土の舊日の糾葛に相干る。
類為天哭星,又為獄神、右天目、天羅。為宰公、監司加月建、大將軍、侄軍、漁敗、屠殺虎加死地又加金,為勑書、官事雀勾剋日,加壬癸日、頑惡、堅硬、凶怪、欺爭、殺斗發用剋日、動搖、悲虎加、驚日辰上、慮作初未傳,又加土、娠天后、邪夢蛇發夢,加行年、自縊蛇虎克日。
辰の取象の類推。天上に在りては哭星にして、また獄神・右天目と天羅なり。人物の上に在りては、宰相公卿、監司の官(辰が月建に加わるときこれに應ず)、大將軍・侄輩の從軍する人・魚を打ちて失利する人、屠宰の人(「白虎」を乘じて死地に加わり、また金位に加わるときこれに應ず)なり。事の上に在りては、敕書詔命、官司(「朱雀」「勾陳」を乘じて日干を克し、あるいは壬癸日に加わるときこれに應ず)、頑劣凶惡・堅硬難化・凶怪と欺凌爭奪、殺伐爭闘(発用して日干を克するときこれに應ず)、動揺不定、悲傷(白虎を乘ずるときこれに應ず)、驚嚇(日干日支の上に在るときこれに應ず)、憂慮(初伝あるいは末伝を作し、また土位に加わるときこれに應ず)、懷孕(「天后」を乘ずるときこれに應ず)、邪夢(「螣蛇」を乘じて夢を發し、行年に加臨するときこれに應ず)、自縊(螣蛇・白虎を乘じて日干を克するときこれに應ず)なり。
為腸、胸,又為死尸,為偏盲能視,為廊廡、寺觀、溝澮、石欄、墳墓、田園、麥地、海水天后加亥、井武加巳、山坡天空。為甲冑、網罟加火、澇漉、杻械、碾、碓、缸甕、錢物、盔盆、皮毛、破衣、膠漆,為五穀、米麥、葷腥、鱗族加水、魚食加亥。
人身の上に在りては、辰は腸と胸、また死屍を主り、一隻眼瞎してもう一隻は尚能く物を視るを主る。地上に在りては、廊廡・寺觀・溝渠・石欄・墳墓・田園・麦地、海水(「天后」を乘じて亥に加わるときこれに應ず)、井(「玄武」を乘じて巳に加わるときこれに應ず)と山坡(「天空」を乘ずるときこれに應ず)なり。器物の上に在りては、甲冑・網罟(火位に加わるときこれに應ず)・撈取之具・刑械・碾・碓・缸瓮・錢財・頭盔と盆・皮毛・破衣と膠漆なり。物産の上に在りては、五穀米麦・荤腥の物・鱗ある水族(水位に加わるときこれに應ず)と魚食(亥に加わるときこれに應ず)なり。
為姓馬、郭、喬、鄭、邱、嶽、龍、陳、田、龎加勾、周加酉。
辰の主る姓氏に、馬・郭・喬・鄭・邱・岳・龍・陳・田あり、また龐(「勾陳」を乘ずるときこれに應ず)、周(酉に加わるときこれに應ず)あり。辰は生肖に龍に属し、また土宮なり。ゆえに龍・岳・田・陳の類の土象・龍象を帯びる姓は、皆それの管に歸す。
天罡本是魚乗龍,秋、冬、暮的龍物乗龍,春、夏、旦的,欺詐乗朱網羅乗蛇為惡人乗虎。戰鬥乗勾陂池乗後二千石乗常,右目乗元主妖邪虞官乗陰宰殺乗合神。
天罡の一条の綱目は:「青龍」を乘じて秋・冬の兩季あるいは傍晚に占えば魚を主る。同じく青龍を乘じて、春・夏の兩季あるいは早晨に占えば、則ち龍を主る。「朱雀」を乘ずれば欺詐を主る。「螣蛇」を乘ずれば網羅纏繞を主る。「白虎」を乘ずれば惡人を主る。「勾陳」を乘ずれば戰闘を主る。「天后」を乘ずれば陂塘池沼を主る。「太常」を乘ずれば二千石の大官を主る。「玄武」を乘ずれば右目將軍と為し、妖邪を主る。「太陰」を乘ずれば虞官を主る。「六合」を乘ずれば牲畜を宰殺する神を主る。
青龍臨辰,春夏主龍,秋冬主魚;又旦為龍,暮為魚。雀臨謂之欺詐;蛇臨謂之網罟、躔繞,壬日婦人躔繞,癸日盜賊相絆。罡凶神,虎惡將,並主惡人。勾陳主戰鬥,天后主陂池,太常主二千石。玄武臨辰,謂之右目將軍,在北斗位下,掌妖邪、盜賊,主賊難捕。太陰主虞官,乃左右侍從之官也。六合主宰殺。
「青龍」が辰に臨めば、春夏は龍を主り秋冬は魚を主る。また白天の占は龍と為し、傍晚の占は魚と為す。「朱雀」が辰に臨むは欺詐と呼ばれ、「螣蛇」が辰に臨むは網罟纏繞と呼ばる——壬日は婦人に纏住せらるるを主り、癸日は盗賊に絆住せらるるを主る。天罡は本より凶神にして、「白虎」はまた惡將なり。兩者併び見れば皆惡人を主る。「勾陳」は戰闘を主り、「天后」は陂塘池沼を主り、「太常」は二千石の大官を主る。「玄武」が辰に臨むは右目將軍と呼ばれ、位は北斗の下に在りて、妖邪と盗賊を掌管し、賊人の緝獲し難きを主る。「太陰」は虞官を主り、すなわち左右侍從の官なり。「六合」は則ち牲口を宰殺することを主る。
太沖卯
木神,霜降後日躔大火,九月將。太沖者,日月五星所出之門戸,天之沖也。又萬物離散剝毀,若沖之義。
卯は木神に属す。霜降以後、太陽は大火の次に運行す。ゆえに卯は九月の「月将」なり。これを太沖と呼ぶは、卯位は正に日月五星の出入する門戸にして、天體運行の要衝なればなり。もう一層の意思は九月に万物は離散剝落し、沖毀せられたるがごときに由る。
太沖神面長,青色,髙額,有須,身材細長,狡獪不正,古之樂師也。正祿無寄,六合之象,音羽,數六,味酸,星氐房心,禽狢兎狐,宮天蠍,分野宋、豫州,屬兎,位正東。
太沖のこの神、臉は長く面色は青を發し額頭は高く須あり、身材は細長にして、性情は狡黠にして正ならず。古は樂師なりき。卯は乙木の正祿の位にして、別に天干の「寄宮」を受けず、それは「六合」の本家なり。配する五音は羽、成數は六、味は酸に属し、氐宿・房宿・心宿に對應し、禽獣は貉・兔・狐、十二宮は天蝎宮に属し、分野は宋國・豫州に在り、生肖は兔に属し、方位は正東に在り。
所主驛馬、船車。類為天雷神,又為天心、地耳、雷電、雨水,為長子、公主、大夫、母姑、兄弟、男女、童穉、沙門、賊人、藝術六合加寅申。為逃元空加酉戌、出入、門戸不寧,為大腸、榮血、聲蛇加空、目疾午卯相加,為橋樑加辰、竹木加同類、池潭、船車龍旺又主邊方。又見水船,見土車。
卯の主るところは、「驛馬」と船車なり。その取象の類推。天上に在りては雷神にして、また天心・地耳・雷電と雨水なり。人物の上に在りては、長子・公主・大夫・母親姑母・兄弟・男女・兒童・沙門僧人と賊人、身に技藝を懷く人(「六合」を乘じて寅申に加わるときこれに應ず)なり。事の上に在りては、逃亡(「玄武」「天空」を乘じて酉戌に加わるときこれに應ず)・出入往來と門戸不寧なり。人身の上に在りては、大腸・營血・聲音(「螣蛇」「天空」を乘ずるときこれに應ず)と眼疾(午卯相加のときこれに應ず)なり。物の上に在りては、橋梁(辰に加わるときこれに應ず)・竹木(同類の木神に加わるときこれに應ず)・池潭、船と車(「青龍」を乘じて旺相のときこれに應ず。また邊地遠方を主る)なり。水を見れば船と論じ、土を見れば車と論ず。
為牕牖、梯椅、衣架、棺槨、杓梳、床、旛竿、香盒、笙簧、鼔笛、刀俎、木器見金、葢、輪、坊牌、箱、棒、竹籬,為羝羊、驢、騾蛇加巳午。
器物の上に在りては、卯は窗牖・梯子椅子・衣架・棺槨・勺子梳子・床・幡竿・香盒・笙簧・鼓笛・刀俎、木器(金を見てこそ器を成し得)、車蓋・車輪・坊牌・箱子・棍棒と竹籬なり。牲畜の上に在りては、公羊・驢と騾(「螣蛇」を乘じて巳午に加わるときこれに應ず)なり。卯は木と為す。ゆえに凡そ竹木の製する、載せ可乘る物は皆それの管に歸す。
為姓朱、房、魯、楊、張、盧、髙、劉、雷、宋、柳加寅、茹六合加、季、李俱加亥子、鍾、藺,凡木傍、絲子、千里之姓、孫董之類。
卯の主る姓氏に、朱・房・魯・楊・張・盧・高・劉・雷・宋あり、また柳(寅に加わるときこれに應ず)、茹(「六合」を乘ずるときこれに應ず)、季と李(いずれも亥子に加わるを要す)、鍾・藺あり。大凡そ木の字旁を帯びる姓、絲を帯び子を帯びる姓、および『千里』の類より合成する姓(董・孫のごとき)、皆卯の管に歸す。卯は木に属し、また草木絲麻と行路奔走を主ればなり。
太沖術士乗貴沙門乗勾空類,行往車舟乗常水乗蛇陸乗虎因。林木乗龍江河乗武雷電乗朱雨乗龍,巳日的,兄弟乗陰,甲日的私門乗後匿婦人三交卦主匿婦或罪人。
太沖の一条の綱目は:「貴人」を乘ずれば術士を主る。「勾陳」「天空」の類を乘ずれば沙門僧人を主る。「太常」を乘ずれば出行と車船を主る——水路は「螣蛇」を乘じ、陸路は「白虎」を乘ず。「青龍」を乘ずれば林木を主る。「玄武」を乘ずれば江河を主る。「朱雀」を乘ずれば雷電を主る。青龍を乘じてまた雨を下すを主る。巳日は最も的当なり。「太陰」を乘ずれば兄弟を主る。甲日は最も的当なり。「天后」を乘ずれば私門を主り、婦人を藏匿す。若し三交課を排成せば、則ち婦人あるいは罪犯を藏匿するを主る。
沖乘天乙主術士;勾陳、天空俱主沙門,甲日僧多不潔少實,丙丁日天空僧善講談。太常與太沖為三合,主舟車。蛇則主水,虎則主陸。青龍主林木,元武主江河,朱雀主雷電,青龍又主雨,太陰主兄弟,天后臨於私門必有淫婦。
太沖が「貴人」を乘ずれば術士を主る。「勾陳」と「天空」を乘ずれば皆沙門僧人を主る——甲日の僧人は多半潔淨ならず実徳を少なうし、丙・丁日に「天空」の主る僧人は則ち經を講じ論を談ずるに善し。「太常」(未)と太沖(卯)は同じく亥卯未の三合の中に在り。ゆえに舟車を主る。「螣蛇」を乘ずれば水路を主り、「白虎」を乘ずれば陸路を主る。「青龍」は林木を主り、「玄武」は江河を主り、「朱雀」は雷電を主る。青龍はまた雨を下すを主り、「太陰」は兄弟を主り、「天后」が私門に臨めば、必定に淫亂の婦人あり。
功曹寅
木神,大雪後日躔析木,十月將。功曹者,十月萬物大聚,歳功成就而會計於曹也。
寅は木神に属す。大雪以後、太陽は析木の次に運行す。ゆえに寅は十月の「月将」なり。これを功曹と呼ぶは、十月に万物は大いに聚まり、一年の功績は已に成就し、官曹に到りて會計核算するを須う、しかして功曹は正にこの一項を掌管する屬官なればなり。
功曹神,面方,青色,有須,勢大身材,古之使命也。甲寄其上,火生其下,青龍之象。音徵,數七,味酸,星尾箕,禽虎豹貓,宮人馬,分野燕、幽州,屬虎,位東北。
功曹のこの神、臉は方にして面色は青を發し須あり、氣勢大にして身材魁梧なり。古は命を奉じて出使する人なりき。天干甲の「寄宮」は寅の上にあり、火はまた寅の上に長生す。ゆえに寅は「青龍」の本家なり。配する五音は徵、成數は七、味は酸に属し、尾宿・箕宿に對應し、禽獣は虎・豹・猫、十二宮は人馬宮に属し、分野は燕國・幽州に在り、生肖は虎に属し、方位は東北に在り。
所主木器、文書、婚姻、才帛、官吏之事。類為天三臺星,又為天,又為風作虎加申,為丞相、賓客、督郵、家長、夫壻、秀才加六合、青龍、吏雀加申戌、醫天后加未、丹客亥加巳、僧后加申,為謁見、徵召、喜慶、文章加卯、信作六合,又為五色蛇加午、四角,為三焦、膽、筋脈、髮、口、眼,為社稷、公衙、庵觀、神祠加土、神樹、山林,為棟柱寅午相加、花木、屏風、寳劍、機杼、棺槨、火盆、香爐、禪椅、橋樑、竹箱、食物。
寅の主るところは、木器・文書・婚姻・財帛と官吏の事なり。その取象の類推。天上に在りては三台星にして、また風を主る(「白虎」を乘じて申に加わるときこれに應ず)。人物の上に在りては、丞相・賓客・督郵・一家の長と女婿、秀才(「六合」「青龍」に加わるときこれに應ず)、吏員(「朱雀」を乘じて申戌に加わるときこれに應ず)、醫生(「天后」を乘じて未に加わるときこれに應ず)、丹を煉る客(亥が巳に加わるときこれに應ず)、僧人(天后を乘じて申に加わるときこれに應ず)なり。事の上に在りては、謁見・征召と喜慶、文章(卯に加わるときこれに應ず)、音信(六合を乘ずるときこれに應ず)、また五色を主る(「螣蛇」を乘じて午に加わるときこれに應ず)と四角の形なり。人身の上に在りては、三焦・膽・筋脈・頭髮・口と眼なり。地上に在りては、社稷壇・公衙・庵觀・神祠(土位に加わるときこれに應ず)・神樹と山林なり。器物の上に在りては、棟梁柱子(寅午相加のときこれに應ず)・花木・屏風・寶劍・織機・棺槨・火盆・香爐・禪椅・橋梁・竹箱と食物なり。
為姓韓、蘓、曾、喬、林寅卯相加、霍子加寅、杜戍加、程、朱太陰加,凡木傍、草頭、走腳、髙趙杜之類。
寅の主る姓氏に、韓・蘇・曾・喬あり、また林(寅卯相加のときこれに應ず)、霍(子が寅に加わるときこれに應ず)、杜(戌が加わるときこれに應ず)、程・朱(「太陰」を乘ずるときこれに應ず)あり。大凡そ木の字旁を帯び・草の字頭を帯び・辶の底を帯びる姓、および高・趙・杜の類は、皆寅の管に歸す。寅は木に属して奔走行使を主れば、木に従い草に従い走に従うこの幾處より象を取る。
功曹道士乘龍兼書籍乗常,雜色班文乗元火炬紅乗雀。從事乗後信誠乗雀徵召乗貴吏乘勾,虎豹乘虎,晝貓狸乘虎、蛇、空夜的居木叢乘合,水日木,火日為柴薪。
功曹の一条の綱目は:「青龍」を乘ずれば道士を主る。「太常」を乘ずれば書籍を主る。「玄武」を乘ずれば雜色斑紋を主る。「朱雀」を乘ずれば火炬と紅色の物を主る。「天后」を乘ずれば從事の官を主る。朱雀を乘じてまた誠信を主る。「貴人」を乘ずれば征召を主る。「勾陳」を乘ずれば吏役を主る。「白虎」は白天の占は虎豹を主り、夜裏の占は則ち白虎・「螣蛇」・「天空」を乘じて猫狸を主る。「六合」を乘ずれば樹叢の中に居るを主る。水日は木と論じ、火日は則ち柴薪と論ず。
青龍主道士,太常主書籍,玄武主雜色班文,朱雀主火炬之物,天后主從事,朱雀又主信誠,天乙主徵召;勾陳主吏,白虎晝主虎豹,夜主貓狸;螣蛇、天空則主貓狸之怪。六合壬癸日主木叢,丙丁則為柴薪,謂火旺木休也。
「青龍」は道士を主り、「太常」は書籍を主り、「玄武」は雜色斑紋を主り、「朱雀」は火炬の類のものを主り、「天后」は從事の官を主る。朱雀はまた誠信を主り、「貴人」は征召を主り、「勾陳」は吏役を主る。「白虎」は白天の占は虎豹を主り、夜裏の占は猫狸を主る。「螣蛇」と「天空」は則ち猫狸の怪を作すを主る。「六合」は壬・癸日に樹叢を主り、丙・丁日に在りては就中柴薪を成す。火が旺なるとき木は已に休囚して、堪えて柴と為して燒くに當たるのみなればなり。
大吉丑
土神,冬至後日躔星紀,十一月將。大吉者,冬至之氣,小往大來,君子道長,大人之吉也。又一陽始生,上帝復位之義。
丑は土神に属す。冬至以後、太陽は星紀の次に運行す。ゆえに丑は十一月の「月将」なり。これを大吉と呼ぶは、冬至に一陽來復し、正に《周易》泰卦の説く『小往大來』に合し、君子の道は漸々生長し、『大』の一方に對しては吉を為すが故なり。もう一層の意思は一陽初生して、上帝は重ねて本位に回來するなり。
大吉將,其色黒,為古之牧牛人也。癸寄其上,金墓其下,貴人之象。音徵,數八,味甘,星斗牛,禽獬牛龜,宮磨蠍,分野吳、楊州,屬牛,位北方。
大吉のこの神、顏色は黑を發す。古は牛を放つ人なりき。天干癸の「寄宮」は丑の上にあり、金の「墓庫」は丑の下に在り。ゆえに丑は「貴人」の本家なり。配する五音は徵、成數は八、味は甘に属し、斗宿・牛宿に對應し、禽獣は獬・牛・龜、十二宮は摩羯宮に属し、分野は吳國・揚州に在り、生肖は牛に属し、方位は北方に在り。
所主田宅、園圃及闘爭事。又總論丑未,專主田宅、才帛、晏喜。
丑の主るところは、田宅・園圃と爭闘の事なり。若し丑・未の兩支を合わせて總論せば、則ちもっぱら田宅・財帛と宴飲歓喜を管す。丑未は同じく土に属し、土は田宅の本なればなり。兩支はまた皆天厨の所在なれば、兼ねて飲食の樂を主る。
類為天牽牛星,又為天耳、風伯、雨師、天衢作常加申酉、雷雨丑加卯雨後雷,卯加丑雷後雨,為人君、土主、宰執加歲、將軍、長者、父母、神佛、尼僧、矮子作空、瘸子加卯酉,為表奏雀加寅、舉薦、福徳、爵、寃仇、呪咀,為脾、肺、小腸,又為禿髮、病目、腹洩丑亥相加,為寳殿貴加寅、室閣、社壇、僧舍加申、桑園、倉庫、田圃、橋龍加亥子、井、牆,為車轎卯日、珍珠貴人加,得旺相、首飾、鞋履、秤、尺、斗斛、飲食、枯物、不完物丑為末,為六畜、龜、鱉加子、蜈蚣。
丑の取象の類推。天上に在りては牽牛星にして、また天耳・風伯と雨師、天衢(「太常」を乘じて申酉に加わるときこれに應ず)、雷雨(丑が卯に加われば先に雨を下し後に雷を打つを主り、卯が丑に加われば先に雷を打ち後に雨を下すを主る)なり。人物の上に在りては、人君・土地の主、宰執大臣(太歳に加わるときこれに應ず)、將軍・長者・父母・神佛と尼僧、矮子(「天空」を乘ずるときこれに應ず)、瘸子(卯酉に加わるときこれに應ず)なり。事の上に在りては、上表奏章(「朱雀」を乘じて寅に加わるときこれに應ず)・擧薦・福德・爵位・冤仇と咒罵なり。人身の上に在りては、脾・肺と小腸、また禿頭・眼病と腹瀉を主る(丑亥相加のときこれに應ず)。地上に在りては、寶殿(「貴人」を乘じて寅に加わるときこれに應ず)・室閣・社壇・僧舍(申に加わるときこれに應ず)・桑園・倉庫・田圃、橋(「青龍」を乘じて亥子に加わるときこれに應ず)・水井と牆垣なり。器物の上に在りては、車轎(卯日にこれに應ず)・珍珠(貴人を乘じて旺相を得るときこれに應ず)・首飾・鞋履・秤・尺・斗斛と飲食、また枯朽殘缺の物を主る(丑は十二支の末なれば、不完全を主る)。動物の上に在りては、六畜・龜・鱉(子に加わるときこれに應ず)と蜈蚣なり。
為姓田、孫、牛、呉、趙、楊、杜、董、嶽、王丑未加亥子、苗、黃俱六合加丑、汪亥加丑,凡土傍之類。
丑の主る姓氏に、田・孫・牛・吳・趙・楊・杜・董・岳あり、また王(丑未が亥子に加わるときこれに應ず)、苗と黄(いずれも「六合」を乘じて丑に加わるを要す)、汪(亥が丑に加わるときこれに應ず)あり。大凡そ土の字旁を帯びる姓は皆丑の管に歸す。丑は本より土神にして、また田園牛畜を主れば、田・牛・苗の類の姓もまたその下に係る。
大吉將軍乗勾主薦賢乗雀,火日的,橋樑乗龍,乙辛日的長者乗貴地祗乗陰寃乗月厭的。風伯乗虎雨師乗後貴人召乗貴,車見卯畜牛鱉乘蛇、空宅與田乘常。
大吉の一条の綱目は:「勾陳」を乘ずれば將軍を主る。「朱雀」を乘ずれば賢才を薦擧することを主る。火日は最も的当なり。「青龍」を乘ずれば橋梁を主る。乙日・辛日は最も的当なり。「貴人」を乘ずれば長者を主る。「太陰」を乘ずれば地祇と冤仇を主る。月厭に値うときは最も的当なり。「白虎」を乘ずれば風伯を主る。「天后」を乘ずれば雨師を主る。貴人を乘ずれば征召を主る。卯を見れば則ち車を主る。「螣蛇」「天空」を乘ずれば牛・鱉の畜を主る。「太常」を乘ずれば宅舍田地を主る。
勾陳乗丑加卯為將軍,六丙日朱雀主薦賢,壬癸日則主官訟口舌,六辛日、六乙日俱丑青龍辛金乙木斵削,且丑癸水,龍木在水上,故屬橋樑。天乙在丑為長者;太陰主地祗寃,帶煞者是也。白虎為風伯,天后為雨師,丑上乘天乙為徵召,六合主車,天空、螣蛇主鱉,且主牛蛇之怪,太常主田宅事。
「勾陳」が丑を乘じて卯に加われば、便ち將軍の象なり。六個の丙日に「朱雀」は賢才を擧薦することを主り、壬・癸日は則ち官司口舌を主る。六個の辛日と六個の乙日は、丑上に皆「青龍」を見る。辛金と乙木は彼此斫削し、しかも丑中に癸水を蔵す。龍木が水上に架かるは、正に橋梁の象なり。「貴人」が丑に在れば長者と為す。「太陰」は地祇と冤仇を主る。指すところは凶煞を帶びるときなり。「白虎」は風伯と為し、「天后」は雨師と為す。丑上に貴人を乘ずれば征召を主る。「六合」は車を主る。「天空」と「螣蛇」は鱉を主り、併びて牛・蛇の怪を作すを主る。「太常」は則ち田宅の事を主る。
神后子
水神,大寒後日躔元枵,十二月將。子者,十二支之首,有君道焉。十二月子位,北方之中,上帝所居。神后者,帝君之稱也,歳畢酒醮蜡祭,以報百神,故名。
子は水神に属す。大寒以後、太陽は玄枵の次に運行す。ゆえに子は十二月の「月将」なり。子は十二支の首にして、君たるの道を含有す。十二月の子位は正に北方の正中に在りて、上帝の居る所なり。これを神后と呼ぶは、帝君の稱呼なり。一年の頭を到りて酒醮を設け蜡祭を行い、以て百神に酬報するを用う。ゆえにこの名字を取る。
神后,面圓,黒色,古之淫婦也。正祿無寄,天后之象。音宮,數九,味咸,星女虛危,禽蝠鼠燕,宮寳瓶,分野齊、青州,屬鼠,位正北。
神后のこの神、臉は圓く顏色は黑を發す。古は淫蕩の婦人なりき。子は癸水の正祿の位にして、別に天干の「寄宮」を受けず、それは「天后」の本家なり。配する五音は宮、成數は九、味は鹹に属し、女宿・虚宿・危宿に對應し、禽獣は蝙蝠・老鼠・燕子、十二宮は寶瓶宮に属し、分野は齊國・青州に在り、生肖は鼠に属し、方位は正北に在り。
所主陰私、闇昧、婦女之事。類為天華葢星,又為河祟丙丁日辰上、陰天加酉、大雨子日元、龍、雪冬至後加巳午,為后妃、淫女、乳媼、媒妁或作六合、幼女作后加午,或作天空。
子の主るところは、陰私・暗昧と婦女の事なり。その取象の類推。天上に在りては華蓋星にして、また河中に作祟することを主る(丙丁日に日支の上に在るときこれに應ず)、陰天(酉に加わるときこれに應ず)、大雨(子日に「玄武」を乘ずるときこれに應ず)、龍、および雪(冬至以後に巳午に加わるときこれに應ず)なり。人物の上に在りては、后妃・淫蕩の女子・乳母と媒人(あるときは「六合」を乘ずるを要す)、幼女(「天后」を乘じて午に加わるか、あるいは「天空」を乘ずるときこれに應ず)なり。
又日子為小口,並虎災;受土剋死亡、孩童亥加、老婦加未加丑、嫁婦巳加、軍婦加辰作虎、孀婦酉加、娼婦太常、婢妾太陰、翁婆加日辰、樂工、染匠、盜賊、駝子勾陳、邪師空加卯木、僧尼貴合加申亥、溺死,為奸邪加卯、陰小、胎產、女經、淫泆、私禱、聰明、悲加巳日,子加已為六陽盡也。
また:日上に子を見れば家中の小口を主り、併びて「白虎」の災を主る。子が若し土に克されれば、則ち死亡を主る。この外なお孩童(亥が加わるときこれに應ず)、老婦(未に加わり丑に加わるときこれに應ず)、出嫁の婦人(巳が加わるときこれに應ず)、軍人の妻子(辰に加わりて白虎を乘ずるときこれに應ず)、寡婦(酉に加わるときこれに應ず)、娼婦(「太常」を乘ずるときこれに應ず)、婢妾(「太陰」を乘ずるときこれに應ず)、公婆(日干日支に加わるときこれに應ず)、樂工・染匠・盗賊・駝背の人(「勾陳」を乘ずるときこれに應ず)、邪師(「天空」を乘じて卯木に加わるときこれに應ず)、僧尼(「貴人」「六合」を乘じて申亥に加わるときこれに應ず)と水に溺れて死する人を主る。事の上に在りては、奸邪(卯に加わるときこれに應ず)・婦女幼小・胎産・月經・淫佚・私下の禱祝と聰明、また悲傷を主る(巳日に加わるときこれに應ず。子が巳に加わるは六陽已に盡くの象なればなり)。
若乘吉將臨德,變凶為吉,為腎、膀胱,又為滴痢、血病作虎克日,為江湖、溝渠、沙石、道路加寅申、蓮塘、花盆,為石灰、木灰、珠玉、圖書、文墨、首飾、籠筐、繩索、木匙、瓶盞日辰上、浴盆、梯、甕加辰戌、小裁刀、水物,為絲、布帛天后加寅卯、大豆、糖武加亥,為燕窩、魚鮓。
ただ子が若し吉將を乘じてまた徳神に臨めば、能く凶を轉じて吉と為す。人身の上に在りては、子は腎と膀胱、また滴瀝瀉痢と血病を主る(「白虎」を乘じて日干を克するときこれに應ず)。地上に在りては、江湖・溝渠・沙石・道路(寅申に加わるときこれに應ず)・蓮塘と花盆なり。器物の上に在りては、石灰・木灰・珠玉・圖書・文墨・首飾・籠筐・繩索・木勺、瓶盞(日干日支の上に在るときこれに應ず)・浴盆・梯子・瓮(辰戌に加わるときこれに應ず)・小裁刀および一切の水中の物なり。物産の上に在りては、絲・布帛(「天后」を乘じて寅卯に加わるときこれに應ず)、大豆・糖(「玄武」を乘じて亥に加わるときこれに應ず)、および燕窩と魚鮓なり。
為姓孫、齊、謝、耿、聶、沐、漆、汪、任丑未加、姜未加、孔六合加、陳加卯、傅申加、馮午加,凡水偏傍、流曲之類。
「神后」(子)の主る姓氏に、孫・齊・謝・耿・聶・沐・漆・汪の幾家あり。別に幾姓は条件を合わせてこそ算す。任と姓するは子が丑に加わるかあるいは未に加わるを須い、姜と姓するは子が未に加わるを須い、孔と姓するは子上に「六合」を乘ずるを須い、陳と姓するは子が卯に加わるを須い、傅と姓するは子が申に加わるを須い、馮と姓するは子が午に加わるを須う。凡そ字形の上に三點水の水旁を帯びるもの、あるいは筆畫が曲折して水流の状に像る姓氏は、皆子の这一支の下に歸すべし。子は五行に水に属すれば、姓を取るに先ず偏旁の水と相通ずるや否やを看、其次に筆勢に曲折流動の意あるや否やを看る。これは六壬の「類神」(人・事・物を十二支に按じて歸類して象を取る法子)の姓氏を取るの通例なり。
神后陰私乗陰綵女乘後奸乘合,亡遺乘龍盜賊乗元鬼神言乘貴常。土公乘勾悲泣乘空浴盆乗蛇,見本季浴盆的事,燕乗雀,旦鼠乘虎,夜行人取類看。
子位に「天將」(天盤十二支の上に加わる十二位の神將)を配するは別に一張の取象簡表あり。原書は事項と所乘の將と兩兩に相連ねて一片に寫し、讀むに須みずから拆くべし。子上に「太陰」を乘ずれば男女私隱を主り、「天后」を乘ずれば宮中彩女を主り、「六合」を乘ずれば奸情を主る。「青龍」を乘ずれば遺失亡佚を主り、「元武」を乘ずれば盗賊を主り、「貴人」あるいは「太常」を乘ずれば鬼神の言を主る。「勾陳」を乘ずれば土公動土の事を主り、「天空」を乘ずれば悲泣哭號を主り、「螣蛇」を乘ずれば則ち浴盆煞と為し、當季の浴盆の應ずる事を看るを須う。「朱雀」を乘ずれば白天は燕子を主り夜裏は老鼠を主る。「白虎」を乘ずれば出行の人を主る。凡そ子位の取象に逢うは、皆この張の表に照らして逐項に對し去るべし。
太陰主陰私,天后主綵女。六合主姦淫,丙丁日男誘女,壬癸日女誘男。青龍主遺亡。元武主盜賊,壬癸日賊由水路,中必勞眾;丙丁日陸路,勢凶。天乙、太常供鬼神。勾陳主土公事。天空主悲泣。蛇臨謂之浴盆煞,課傳中見四時浴盆煞,又是壬癸,虎為浴盆,占小兒其凶甚矣。朱雀旦主燕,暮主鼠。虎主行人。
上表を逐条に展開す。太陰は男女私隱を主る。天后は彩女の一流の女子を主る。六合は奸淫を主る。若し丙丁日に逢えば、男方が女方を引誘するなり。壬癸日に逢えば、女方が男方を引誘するなり。青龍は遺失亡佚を主る。元武は盗賊を主る。壬癸日の賊は水路より來り、途中必定に衆人を驚動す。丙丁日の賊は陸路を走り、來勢は凶悍なり。天乙と太常の兩將は、皆鬼神を祭祀するの事を主る。勾陳は土を動かし土公を沖犯することを主る。天空は悲泣を主る。螣蛇が子に臨むは浴盆煞と呼ばる。倘若四課三伝の裏にまた四時浴盆煞を見、日干は還た壬癸にして、白虎もまた浴盆の位に落ち入らば、那麼小兒の病を占えば凶险に極點に到らん。朱雀は白天は燕子を主り、傍晚に到れば轉じて老鼠を主る。白虎は遠行して外に在る人を主る。
天將總論
十二天將天乙貴人為主居中,前有五位:一蛇、二雀、三合、四勾、五龍,此水、火、土之神在左方者。後有五位:一後、二陰、三元、四常、五虎,此金、水、土之神在右方者。
十二天將は「天乙貴人」を以て主帥と為し、正中に居る。貴人の前に依次に五位を排す。第一「螣蛇」・第二「朱雀」・第三「六合」・第四「勾陳」・第五「青龍」。原書はこの一組を統歸して水・火・土の神と為し、貴人の左手の一邊に列す。貴人の後にも依次に五位を排す。第一「天后」・第二「太陰」・第三「元武」・第四「太常」・第五「白虎」。金・水・土の神に属し、貴人の右手の一邊に列す。前五後五は合わせて十位を成し、再加えて居中の貴人と下文に説くべき「天空」、恰好十二の數を凑足す。
天空雖云後六位,有名而無物,緣貴人相對無物沖之,猶月殺之有月空,以遇之事皆可也。以課之天盤起貴神之例,地盤定順逆之序:順布者,則背天門;逆布者,則向地戶。
天空は虽貴人の後の第六位に排すとも、名目あるのみにして實體なし。それが正に貴人と面對面して、對面は空にして、實物の來りて沖犯するなければなり。これは神煞の裏に「月殺」あれば便ち一個の「月空」を配するがごとし。位を填むるの虚神なり。ゆえにこれに碰上すれば、事情は怎麼樣に講じても説き通ず。十二將の怎麼樣に排するに至っては:起点は「天盤」(轉動すべき上層の十二支盤)の上の貴人の落つる位に由りて決定し、順行するか逆行するかは則ち「地盤」(固定して動かざる下層の十二支盤)に由りて定まる——順排するは、天門亥位を背いて行き、逆排するは、地戸巳位に朝着して去る。
凡壬課吉凶繫於天將,五行雖各有所屬,而用者專取天盤乘神決之。如貴人屬土,若乘亥子則屬水矣,生克皆以水論。生日為吉,雖凶將亦為吉,剋日為凶,雖吉將亦為凶,緊要不離“生”、“克”二字。吉將喜生扶,忌剋制;凶將反此。更察乘神所加盤之神,生克、旺相休囚,喜則宜旺相,忌則宜休囚也。
凡是の六壬課の吉凶は、皆天將の身上に係る。十二將は本身虽各々固定の五行歸属あるも、實際に課を斷ずるはただそれが天盤上に乘ずる那个の地支を取りて判定す。譬如ば天乙貴人は本より土に属すとも、それが一旦亥・子の上に乘ずれば、水を當にして看るを得、日干との生克は一律に水に按じて推す。乘ずる神が日干を生ずれば便ち吉にして、即使凶將も轉成して吉と為す。日干を克すれば便ち凶にして、即使吉將も變成して凶と為す——關鍵は始終生・克の兩個字を離れず。吉將は生扶せらるるを喜び、克制せらるるを怕る。凶將は恰好相反して、愈々克制を受くれば愈々好し。この外なおその乘ずる神の地盤の哪一位上に落つるを看、兩者は生か克か、旺相に處るか休囚に處るか。それに得力せんを盼むは、宜しく旺相にして氣あるべし。それに失力せんを盼むは、宜しく休囚にして氣なきべし。
又《頥旨經》曰:四課三傳雖一定不易,十二神將如四時而運轉無窮。人皆言青龍吉將,白虎凶神,太常多主飲饌,勾陳必至勾留,殊不知龍無鱗未上則傷身之害至,折角申酉上則鬥訟之愆生;虎登山未上則秉權於閫外,銜牒申上則通信於道途;太常荷項子上而枷鎖,勾陳捧印巳上而轉職。似此之類,世所不知。又曰:十二天官在天應十二神,在地表十二分野,在歳為十二月,在人為十二經。
《頥旨經》に別の一説あり。「四課」(日干・日支より各々上神を取りて排成する四組)と「三伝」(初・中・末の三步の推演)は一經に排定せば不再び變動せず、十二天將は卻って四時の流轉するがごとく運行して息まず。世人は皆青龍は吉將・白虎は凶神と説き、太常は多く酒食飲宴を主り勾陳は必ず牽連滞留を致すと説くも、卻って知らず:青龍が未上に落つれば「無鱗」と呼ばれ、反對に身を傷るの禍を招來す。申酉に落つれば「折角」と呼ばれ、反對に鬥毆訟爭を生出す。白虎が未上に落つれば「登山」と呼ばれ、反對に能く外に在りて兵權を掌る。申上に落つれば「衔牒」と呼ばれ、反對に道途上の書信音訊を帶來す。太常が子上に落つれば「荷項」と呼ばれ、枷鎖刑獄を主る。勾陳が巳上に落つれば「捧印」と呼ばれ、官職を升轉することを主る。これらの類の吉凶互換の道理は、世人は多半懂らず。書中にまた説く:この十二位の天官は、天上に在りては十二辰次に對應し、地上に在りては十二分野に對應し、一年の裏に在りては十二個月に對應し、人身の上に在りては則ち十二經脈に對應す。
十二將釋
貴人論
《天官書》曰:“天乙在紫微宮門外右星,天帝之神,主戰鬥。知人吉凶。”《經》曰:“天乙閶闔門外,事天皇大帝,下逰十二辰,家於艮丑斗牛之次,執玉衡校量世間之事,乃壬式中天子也。”
《史記·天官書》に記載す:天乙は紫微垣宮門外の右側の一顆の星にして、天帝に属する神と為し、征戰を主管し、能く人間の吉凶を洞察す。六壬の經書はまた説く:天乙星は天門閶闔の外に在りて、天皇大帝に侍奉し、下りて十二辰を巡行し、本家は東北艮位の丑宮に安んじ、すなわち二十八宿の斗・牛の間の星次なり。それは玉衡を手執して世間の万事を秤量し、六壬式盤の上に在りては天子の地位に相當す。
天乙貴人,己丑土,吉將也。為神將之主,傳順吉,傳逆凶,比和吉,不比和凶。若貴人順治,更與日干相生,雖遇前一蛇、前四勾,不為深害。逆治,雖前三合、前五龍,不為深喜;兼剋日干,定主貴人嗔責。
天乙貴人は己丑に配し、五行は土に属し、十二將中の吉將にして、また衆神將の統帥なり。三伝が順行すれば則ち吉、三伝が逆行すれば則ち凶。日干と氣類相合するは吉と為し、格格不入するは凶と為す。假如貴人が順治の位に處り、また日干と互いに生助せば、那麼即使三伝の裏に貴人の前の第一位に排する螣蛇・前の第四位の勾陳の類の凶將に遇上すとも、亦た大害を釀成するに至らず。反對に、貴人が若し逆治の位に處れば、縱え前の第三位の六合・前の第五位の青龍の類の吉將に遇うとも、亦た多大の喜慶とは談ぜず。若し再び日干を克傷せば、那就ち一定に貴人の發怒責備を主る。
順治謂在天門之前,地戸之後;逆治謂在地戶之前,天門之後。貴人順逆,為吉凶之分。又看侍從之神,在吉則吉,在凶則凶,諸神將仿此。
いわゆる順治とは、貴人が天門亥位の前・地戸巳位の後の那半圏に落つるを指す。いわゆる逆治とは、貴人が地戸巳位の前・天門亥位の後の那半圏に落つるを指す。貴人の順か逆かは、正に全課の吉凶の分水嶺なり。この外なお貴人に跟随する那些の從神を看るべし。從神の處する所が若し吉地ならば、貴人便ち吉。從神の處する所が若し凶地ならば、貴人もまた凶。其の餘の十一位の天將は、皆この個の辦法に照らして推す。
貴神得地則貴,失地則賤,加小人之命則生殃,在君子之身則降福,愛龍常合,不立魁罡。在卯酉為關,子午為格;在日辰前則動,在後則寧。
貴神が自己と相宜なる位置上に落つれば便ち顯貴し、失位の處に落つれば就中賤に轉ず。それが小人の本命の上に加臨すれば、反對に災殃を生出し、君子の身上に落ちて、こそ福澤を降下す。貴人は青龍・太常・六合の這幾位の吉將と同行するを喜び、魁(戌)・罡(辰)の二位に坐するを喜ばず。卯・酉に落つれば「關」と呼ばれ、前路は關に攔まる。子・午に落つれば「格」と呼ばれ、去路は格阻せらる。貴人が若し「日辰」(日干と日支、日干は測を求むる人を代表し、日支は家宅を代表す)の前に排せば、事情就中發動せんとす。日辰の後に排せば、則ち安靜にして事なし。
貴人從十干分書治、暮治,獨不居辰、戌之地。以辰為宰殺,戌為牢獄也;故貴人若臨辰戌上者,則巳上起子,辰上起丑,卯上起寅,寅上起卯,丑上見辰,子上見巳,亥上見午,戍上見未,酉上見申,申上見酉,未上見戌,午上見亥,此謂“太乙起子逆後尋”也。
貴人は十天干に按じて昼・夜の兩套の起法に分かつ——白昼は昼貴を用い、日暮以後は夜貴を用う——獨り肯んじて辰・戌の兩位に安居せず。原因は辰は宰殺の地・戌は牢獄の地にして、皆尊神の該に待つべき地方にあらざればなり。ゆえに貴人が一旦辰あるいは戌に臨めば、就中別の一套の排法に改用すべし。巳位より子を起こし、辰位より丑を起こし、卯位より寅を起こし、寅位より卯を起こし、丑位に辰を見、子位に巳を見、亥位に午を見、戌位に未を見、酉位に申を見、申位に酉を見、未位に戌を見、午位に亥を見る。這套の口訣を「太乙起子逆後尋」と呼ぶ。説白せば即ち巳位より開始して十二支を倒着に排して一圏す。
又云:“貴人臨辰戌者,以沖為神,臨辰沖申,臨戌沖寅,乃天乙所臨之位,諸將並隨天乙順逆、前後取之。”又云:“貴神在丑,其十二神入家,則不治事。四仲則正沖,子午相沖,卯酉相沖;四孟則斜沖,辰申相沖,戌寅相沖,亥未相沖,丑巳相沖,而為井欄沖。”“移神換將”,此之謂也。
別に一説に講す:貴人が辰・戌に臨む時は、相沖の位に改用して神を安ず——辰に臨むは申を取り、戌に臨むは寅を取り、沖得たる那一位を當にして天乙の實際に臨む處と作し、その餘の十一將は再び天乙の順逆の次序に依着して前後に排開す。還た一説に講す:貴神が丑位に落つれば就中本家に回了して、十二將は等しく各自家に歸りて歇息し、不再び事を理す。地支の相沖はまた兩種に分かつ。子と午・卯と酉の這四仲の位は正對面に相沖して、正沖と呼ぶ。辰と申・戌と寅・亥と未・丑と巳の這些の位次は斜着に相沖して、斜沖と呼び、また「井欄沖」と呼ぶ。いわゆる「移神換將」とは、指すところは正に這種の位を改め將を換える做法なり。
貴人空亡,憂喜皆不成。《經》所謂“當憂不憂,當喜不喜。兩火一金,金被銷爍;二水一火,火乃滅光。”如貴人乙丑金下臨乙亥火,火欲克金,有水為救,雖有魁不為憂。若辛未土下臨癸酉金,金土相生,吉兆。壬寅金下臨甲辰火,火乃克金,得丙午水為救神,災殃消散。十二天官以此推論此論納音。
貴人が空亡の上に落ちれば、憂事・喜事を論わず皆成らず。經文の説く「憂うべきに憂えず、喜ぶべきに喜ばず」は正にこの意なり。また説く「兩火一金、金は銷鑠せられ、二水一火、火は乃ち光を滅す」は、五行が多を以て少を欺くの道理を講ず。例を挙げて説けば:貴人の乙丑は納音が金に属し、下に乙亥の納音が火に属するに臨む。火は本より金を克せんと欲するも、亥中に水あって救いを為す。即便ち課上に魁罡を見るとも憂患を構成せず。若し辛未の納音が土に属し、下に癸酉の納音が金に属するに臨めば、土は能く金を生じ、兩下相生して、是れ吉兆なり。また壬寅の納音が金に属し、下に甲辰の納音が火に属するに臨むがごとき、火が來りて金を克するも、ただ別に丙午の納音の水を得て救神と為せば、災殃は就中消散す。十二天官の吉凶は皆この路子に照らして推す——須く留意すべし、この一段が論ずるは納音五行にして、本支の五行にあらず。
貴人出獄之法,天官以此推。一日兩貴,一貴當權,其一為簾羃貴人,科試占得,與日干相生,必得髙第。凡謀事遇兩貴人,宜於囑託。太歲作貴人,不必入傳,皆為救助。凡占得貴人吉,惟不救病一說亦主病輕。
貴人の獄を出づるの推法も、また前面の十二天官の例に照らして類推す。一天之内に昼・夜の兩位の貴人あり。その中ただ一位が權に當たりて事を用い、もう一位は便ち簾幕貴人と呼ばれ、簾幕を隔てたる陪侍のごとし。科擧考試を占うに若し這種の格局に遇えば、ただ貴人と日干と相生せば、必定に高中す。凡そ事情を謀劃するに兩貴の併見に碰上すれば、最も宜しく人に託して説項し・人を請うて關照せしむべし。太歳が化して貴人と成る時、即便ち三伝に入らずとも、一樣に能く救助の力を起こす。總じて説くに、凡そ卦を占うて貴人を見れば皆吉と算すも、獨り病を占うはこの列に在らず、病を救う能わず——不過また一説あり、貴人の場に在るは、病情は終に要して些か輕しと認む。
貴人臨旺相氣發用,及加日辰年命者,曰富貴卦。歳貴更用起月將者,曰龍德卦,皆主升遷,所求遂。貴人臨二八門,曰勵德卦,利君子遷轉與動移事,不利小人,主憂;身宅移動不寧。貴人入獄,主君子煩燥不寧,凡謁貴遇入獄及勵德,必阻滯,即相見亦欠利,或貴人自有憂煩。
貴人が旺相の氣を乘じて初伝発用に充當し、あるいは日・辰および本人の行年・本命の上に加臨すれば、這一課を便ち「富貴卦」と呼ぶ。若し是れ太歳の化成したる貴人にして、又恰好「月将」(太陽が當月に在る星次、起課の時に占時に加う)を以て課を起こせば、便ち「龍徳卦」と呼ぶ。這兩種の課は皆升遷得意・求むる所願の如くなるを主る。貴人が若し二月の卯門・八月の酉門の上に臨めば、「勵徳卦」と呼ばれ、君子の調任遷轉・外出走動に利あり、小人に對しては卻って利なく、憂患を生ずるを主り、還た人口と住宅の動盪不安の情形を現出す。貴人が入獄の地に落つれば、則ち君子の心煩氣躁・坐立不寧を主る。凡そ貴人に拜謁し往きて入獄あるいは勵徳を占い得たるは、事情必定に阻まれ、算えども面を見るとも便宜を討ち得ず、可能なりとして是れ那位の貴人が自ら正に憂煩に纏身せらるるなり。
貴人專主錢財、喜慶、詔命之事,君子拜命遷官,小人田宅財物。貴人在旺上主貴人官爵印信,相主貴人錫賜財物,休主貴人憂病,囚主貴人囚繫,死主貴人死喪。
貴人の這一將は、もっぱら錢財・喜慶と朝廷詔命の類の事を管す:做官の人の身上に應じては、命を受け官を拜し・職位を升遷す。平民の身上に應じては、則ち田産宅舍と錢財貨物なり。再び四時の氣に按じて檔を分けて看れば:貴人が旺氣を乘ずれば、那位の貴人の官爵印信を得るを主る。相氣を乘ずれば、貴人の財物を賞賜するを主る。休氣を乘ずれば、貴人に憂愁疾病あるを主る。囚氣を乘ずれば、貴人の拘係せらるるを主る。死氣を乘ずれば、貴人の家に喪事あるを主る。
貴人·賦
天乙居中,後六前五。在子也解息,必囑事於僕童。在丑也升堂,宜投書於公府。案几在寅,卜庭謁之無虞。登車在卯,知路訴為有補。辰戌懐怒兮,上妬下憂。巳午受生兮,君悅臣喜。移途在申兮,有干求之榮。列席在未兮,有酒食之美。亥還絳宮坦然安居,酉入私室不遑寧處。
天乙は中位に居り、身後に六將・身前に五將あり。子位に落つるを「解息」と呼び、事情は多半僮僕下人に囑託して辦せしむるを要す。丑位に落つるを「升堂」と呼び、官府に書狀を投遞するに宜し。寅位に落つるを「案几」と呼び、官府の庭前に拜謁して妨礙あらざるべし。卯位に落つるを「登車」と呼び、人は正に路上に在り、訴訟陳情に幫助あり。辰・戌の兩位に落つれば、貴人は心に惱怒を懷き、上頭の人は猜忌し下頭の人は擔憂す。巳・午に落つれば、火が來りて土を生じ、貴人は生を得、君臣上下皆歡喜す。申位に落つるを「移途」と呼び、奔走干求して榮顯を得るの象あり。未位に落つるを「列席」と呼び、酒食宴請の美あり。亥位に落つるは絳宮本位に回了して、安然として穩坐す。酉位に落つれば則ち退きて私室に進むが如く、反對に局促して安寧を得ず。
子居北方幽隱地,故為房,貴臨為解息。一雲沐浴,又云主婦人病。房前為堂,丑又為玉堂,投書進策,主貴人接引喜合。又云丑為夲家不治事,惟宜守舊。寅宜謁見於家,卯宜訴訟於路。又云在卯為荷項,不利於進,主官求退。又為追魂使者,病凶。貴在卯酉,家宅遷移不寧。
子は正北に在りて、幽深隱蔽の處にして、象を取りて內室と為す。貴人が子に臨めば便ち退居休息と為る。ゆえに解息と呼ぶ。亦た説く者は子を沐浴の地と為し、還た説く者はそれが婦女の病を主ると為す。內室の前は就中廳堂にして、而も丑はまた玉堂と呼ばる。ゆえに貴人が丑に臨めば書を投じ策を獻ずるに宜しく、貴人の引薦あるを主り事情は心に稱う。另一説は丑を貴人の本家と認め、家に回了せば便ち公事を理せず。此時ただ守成するに宜しく、事を生ずるに宜しからず。貴人が寅に在れば、門を登りて府第に拜見するに宜し。卯に在れば、途中に在りて訴訟を提起するに宜し。又一説に貴人が卯に在るを「荷項」と呼び、頸の上に枷を帶ぶるが如く、進取に利あらず、官を做す者は反對に退を求むるを主る。卯は還た魂を追う使者の位にして、病を占えば大凶なり。總じて貴人が卯・酉に落つれば、皆家宅搬遷・上下不寧を主る。
巳午以火生土,謂之受賞。又在巳謂趨朝,在午謂乘軒,皆主進望、詔命、薦接、遷擢之喜;又云官訟逺行。在辰戌,上欲害下,且怒且懼,主貴人不寧,有決罰之事,又入獄。貴人下臨未,太常主晏樂、小惠。申白虎,主道路干求,一雲有神像事;又主損財。
巳・午は火に属し、火は能く土を生じ、貴人は土に属し、等しく下位の奉養を得たり。ゆえに「受賞」と呼ぶ。分かちて説けば、巳に在りては「趨朝」と呼び、午に在りては「乘軒」と呼び、皆進取に望あり、詔命の下達あり・人の擧薦引接あり・職位升遷の類の喜事を主る。亦た一説にては官司訴訟と遠行を主ると為す。貴人が辰・戌の兩位に落つるは、上位者の將に下位者を加害せんとするにして、既に惱怒しまた畏懼す。ゆえに貴人の心緒不寧を主り、判決處罰の事あらん。這亦た就中前面の説く入獄なり。貴人が未位に下臨すれば、未は太常の本家なり。ゆえに宴飲の樂と小恩小惠を主る。貴人が申に臨めば、申は白虎の本家にして、道路上に奔走干求することを主る。一説に神像と關ある事を主るとし、另外還た破財を主る。
加酉與卯同,酉為日月入明之地,群象私出之門,為陰私不明,關隔不通,或云主口舌疾病。加戌與辰同。加亥曰持笏,又為登天門,貴人順治,諸煞被制,利於進取。
貴人が酉の上に加われば、斷法は卯に加わると同じ。酉は日月の昏暗に落入る處にして、亦た衆象の暗中に出入する私門なり。ゆえに陰私隱晦・關隘阻隔・消息不通を主る。亦た説く者は口舌是非と疾病を主ると為す。貴人が戌の上に加われば、斷法は辰に加わると同じ。貴人が亥の上に加わるを「持笏」と呼び、また「登天門」と呼ぶ。此時貴人は正に順治の位に處り、各路の凶煞は皆壓伏せられ、最も進取謀事に利あり。
貴人·詩
天乙神中是貴人,利為干謁慶財因。君子拜官遷祿秩,小人爭訟入公庭。旺相相生尊者召,死囚刑剋忌官嗔。病名寒熱頭目痛,祟非凡鬼廟宗神。
天乙は衆神將の裏の貴人にして、最も登門干謁・喜慶財利を求取するに利あり。君子これを占い得れば、官を受け職を拜し俸祿を升級することを主る。小人これを占い得れば、多くは爭訟して公堂に傳上せらる。貴人が旺相の氣を乘じてまた日干と相生せば、尊長の召見を受くるを主る。死氣囚氣の上に落ち、あるいは刑を受け克を受くれば、就中上司の發怒責難を怕る。若し疾病を占えば、病狀は忽冷忽熱・頭痛目痛なり。若し作祟の物を問えば、來るは尋常の游魂野鬼にあらずして、廟裏の神明あるいは自家宗祠の祖先なり。
貴人·類神
類為官祿、文章、首飾、珍寳、榖麻、鱉、獬、牛,變異為水木之精,鱗角之物。色黃白,數八。
貴人の類神の取象は如下なり:人事の上に在りては官職俸祿と文書文章を代表す。器物の上に在りては首飾と珍寶を代表す。五穀の上に在りては谷子と麻を代表す。禽獸の上に在りては鱉・獬豸と牛を代表す。若し課中に怪異の兆を現出せば、多くは水精・木精の類、あるいは鱗を帶び角を帶びたるものなり。それが配する顏色は黄中に白を帶び、成數は八なり。
螣蛇論
螣蛇在天事天乙為車騎都尉,雷部鞭馭之神,位居前一家,丁巳火旺六十日,凶將也。螣蛇為太乙,照則福生,過則禍生,凡事造釁發端者,此神也。既過之後,風火刀兵,大刼小盜,流災凶旱,風水蟊賊,蟲毒疾疫,多行暗道,私匿婦人,姙孕不明事。愛陰、虎、龍、玄、後,畏戍。
螣蛇は天上に在りて天乙に侍奉し、車騎都尉に充當し、雷部裏に在りて鞭を執り車を駕する神にして、位次は貴人の前の第一位に排し、本家は丁巳に在り、五行は火に属し、一年之中に當旺六十日、凶將に属す。螣蛇は本より太乙の從属にして、太乙が照臨すれば便ち福を生じ、一旦越過すれば就中禍を生ず。凡そ事情の剛く釁端を起こし・亂子の剛く頭を露すは、多半是れ位の神の動くなり。禍端の過去するを等到すれば、之に随い來るは風災火災・刀兵の禍、大は搶劫・小は偷盗、流行の災疫と旱魃、風水の沖毀と蟊蟲の稼を害し、蟲毒疫病。還た常に暗中に行走する勾当・私に婦人を蔵しおよび懷孕の來歷不明の類の事あり。螣蛇は太陰・白虎・青龍・元武・天后と同行するを喜び、最も戌位に落つるを怕る。
蛇主文字、虛譽、公信、小財、水火之交,其戾主火燭、驚恐、怪夢、火光、釡鳴、官司、口舌、血光事,應在丙、丁、巳、午日。若旺相相生比和,則吉;休囚則轉災;空亡減半;披刑帶殺,災病立至。
螣蛇の主管する正面事項には:文書字據・虚名浮譽・官府の憑信・小筆の錢財、および水火交侵の事あり。それが反常して惡を作す時は、則ち火燭失慎・驚恐不安・噩夢怪夢・無端の火光・鍋釜の自鳴・官司纏身・口舌爭執と見血の災を主り、應驗の日子は多く丙日・丁日・巳日・午日に在り。若し螣蛇が旺相の氣を乘じ、また日干と相生しあるいは氣類相合せば、仍舊是れ吉なり。休囚の氣を乘ずれば就中災禍に轉成す。空亡の上に落つれば、凶意は一半を減ず。若し身上に刑を帶び凶煞を帶びれば、災病は立刻に到る。
蛇附旺相神,更相生者,主胎產與婚姻之喜,以其為陰私、血光之神也。在君子主威權之相,以其將厲車騎威武也。若附血忌,帶刑煞,占胎必墜,當產即生。蛇附旺相神,乃有氣,占怪必生氣之類;附死囚氣,為死物,或有聲無形。
螣蛇が若し旺相の神に附上し、彼此また相生せば、反對に懷胎生産と婚姻の喜事を主る——それが本來陰私と血光を掌る神なれば、血光を産育の上に用いれば便ち喜と成ればなり。做官の人の身上に在りては、それは則ち威權の相を顯出す。それが車騎を統領し、本より威武の氣あればなり。可なりそれが一旦血忌煞に附上し、また刑を帶び殺を帶びれば、胎を占えば必定に小産す。若し正に臨産の期に當たりて占い得れば、則ち馬上に將に生まんとするなり。再び氣の旺衰を看る:螣蛇が旺相の神に附上するは氣有りにして、怪異を占えば必是れ活物の類。死氣囚氣の上に附上すれば就中死物、あるいはただ其の聲を聞きて其の形を見ず。
占夢與見怪,先責螣蛇及陰神,日辰三傳次之。凡蛇附火神居火鄉,及值時下見火,決主火燭驚恐,不然有口舌公事。求財蛇附財星旺相相生,必因賤貨而得財,反此者主驚恐。凡蛇臨日辰,占貨必得下賤之物。蛇旺主縣官鬥訟,相主亡財爭訟,囚主囚繫恐懼,休主疾病怪異,死主死喪驚恐。
夢境を占い怪異を占うに、首先須く螣蛇本身と其の陰神(乘ずる支の上面に再び疊ぐ那一位)を追究し、日・辰と三伝はただ參考を作し、其次に排す。凡そ螣蛇が火神に附上してまた火鄕に落ち、あるいは占時正に火位に逢うは、必定に火燭の驚を主る。即便ち火事を出さずとも、口舌官非あり。財を求むる時に若し螣蛇が財爻に附上し、旺相の氣を乘じてまた日干と相生せば、一定是れ賤價の貨物に靠りて錢を賺得せり。反對に相克して氣無ければ、就中ただ虚驚一場を主る。凡そ螣蛇が日あるいは辰の上に臨めば、買賣貨物を占うて、手に到るは必是れ低檔次の東西なり。再び四時の氣に按じて檔を分く:螣蛇が旺氣を乘ずれば、官府と打鬥爭訟することを主る。相氣を乘ずれば、破財して兼ねて爭訟するを主る。囚氣を乘ずれば、拘禁せられて心に恐懼を懷くを主る。休氣を乘ずれば、疾病と怪異を主る。死氣を乘ずれば、死喪と驚嚇を主る。
螣蛇·賦
螣蛇怪異。掩目在亥,去難以消災;盤龜在丑,禍淫而福善。生角在寅,露牙在酉,進用非訟,禍福兩途。乘霧在午,飛空在巳,休祥不辨,皆主進望。入林兮在未,舉歩可防;墜水兮在子,從心無患。卯當門,申銜劔,總是成災;戌入塜,辰乘龍,並云釋難。
螣蛇の一將は專ら怪異を主る。亥に落つるを「掩目」と呼び、蛇は眼を蒙られて人を傷る能わず、災難は自ら會して退去す。丑に落つるを「盤龜」と呼び、龜の盤曲して自ら守るが如く、惡を作すは禍を招き善を行うは福を得。寅に落つるを「生角」と呼び、酉に落つるを「露牙」と呼び、一邊は提拔任用、一邊は官司口舌、禍福の兩條路は皆走得通す。午に落つるを「乘霧」と呼び、巳に落つるを「飛空」と呼び、吉凶は一時辨ひ難しと雖も、皆進取に望あるを主る。未に落つるを「入林」と呼び、脚を抬げれば便ち提防を得べし。子に落つるを「墜水」と呼び、火は水鄕に入りて自ら滅し、反對に心に随い意に從いて禍患なし。卯に落つるを「當門」と呼び、申に落つるを「衔劍」と呼び、這兩處は總じて災禍を惹出す。戌に落つるを「入塚」と呼び、辰に落つるを「乘龍」と呼び、這兩處は皆能く危難を化解す。
蛇加亥曰掩目,不能傷人。一雲發用主婢走,或失財。丑為寺、龜、蛇、鑑、盤文,故主鑑降禍福。又云乃入穴自蔵之象,憂事自散。寅變火,乃變化之地。旺則生角成龍而得時,利於進用;衰則失時,反為蜴蜥,以大為小。在酉為克傷之地,故露齒,必主陰人災疾,口舌怪異。
螣蛇が亥に加わるを掩目と呼び、眼睛は遮られ、人を傷る能わず。一説にそれが若し初伝発用を作せば、婢女の逃走あるいは錢財を丢失するを主るとす。丑位は寺廟・龜・蛇および鏡鑑・盤上の紋樣に對應す。ゆえに上天の人の善惡を照鑑して禍福を降下するを主る。另一説は丑を蛇の洞に入りて自ら蔵るの象と為し、憂愁の事は自ら消散するを會す。寅は木の能く火を生ずるの地にして、亦た變化の地なり。氣旺の時は螣蛇ここに在りて角を長じて龍を化し、正に其の時に當たり、提拔任用せらるるに利あり。氣衰の時は則ち時運を失去し、反對に退きて蜥蜴と成り、大より小に變ず。酉は金の火を克し・螣蛇を傷るの地にして、ゆえに露齒と呼び、必ず女子に災病あり、および口舌是非と怪異の事を主る。
未木墓之地,為入林,主口舌官訟。子,火絶之鄉,為墜水,主凶災不成。一雲主驚疑、怪夢。加卯曰當門,傷人口,門戸上不和。一雲血光。申金與將刑合內戰,戌乃火庫為睡床,故入塜憂散。辰為龍庭,加辰曰自蟠,只可逺不可近。又蛇處辰宮,名為進化,凶怪皆消。一雲主產婦、公事。
未は木の墓庫の地にして、草木は林を成す。ゆえに入林と呼び、口舌と官司を主る。子是れ火の絶地なり。ゆえに墜水と呼び、凶災は發し起こる能わず。亦た一説あり、驚疑不定と怪夢を主ると認む。卯に加わるを當門と呼び、家中の人口を傷り、門戸の間は和不為す。一説に血を見るの災を主るとす。申は金に属し、螣蛇の所属する火と既に相刑しまた相合す。是れ内部の交戰の象なり。戌は火の庫地にして、睡床の如し。ゆえに入塚と呼び、憂事ここに到れば就中散ず。辰は龍庭にして、螣蛇が辰に加わるを「自蟠」と呼び、自ら盤繞して團を成し、ただ遠觀すべく近前すべからず。又蛇が辰宮に處るを「進化」と呼び、蛇より龍を化して、凶险怪異皆消解す。一説に産婦の事と公門の事を主るとす。
螣蛇·詩
前一螣蛇車騎尉,火神驚恐怪非安。君子居官憂失位,小人爭鬥病災躔。旺相相生災未發,死囚刑剋禍連綿。病者四肢頭目痛,水木神來作祟寃。
貴人の前の第一位に排する螣蛇は、官は車騎都尉、火に属する神にして、驚恐怪異・安寧を得ざるを主る。君子これを占い得れば、憂うるは官を丢し位を失う。小人これを占い得れば、多くは爭闘打架と病災の纏身。螣蛇が旺相の氣を乘じてまた日干と相生せば、災禍は還だ發作せず。死氣囚氣の上に落ちて、また刑を受け克を受くれば、禍事は就中接連不斷。病を占えば、病狀は四肢酸痛・頭痛眼痛。作祟を問えば、是れ水神・木神の類の來りて冤を索む。
螣蛇·類神
類為文華、金火、毎物,變異為金火之精,於人為驚狂、婦人,或作熒惑小人。於祟水木土神,或不葬客鬼。於病為頭目、四肢、癰腫、見血,於五榖為豆黍,於獸為蛇、蛟受,味甘美食物,色紅赤,數四。
螣蛇一將の類神:總じるは文采華美の物、および金・火の兩類の器具。怪異の出現する時は、多くは金精・火精。人物の上に在りては驚を受け狂を發する人・婦女を代表し、あるいは那种の風を煽り火を點くる小人。鬼祟の上に在りては水神・木神・土神を代表し、あるいは死して後未曾に安葬せざる外鄕の孤魂。疾病の上に在りては頭目の疾・四肢の疾・癰疽腫毒と出血を代表す。五穀の上に在りては豆と黍を代表す。禽獸の上に在りては蛇と蛟を代表す。味道は甘美可口の食物に属し、顏色は紅赤、成數は四なり。
朱雀論
朱雀在天事天乙為羽林將軍,在雷部行火,亦名招風神。位居前二家,丙午火,夏旺春相,凶將也。陰火寄於重離,陽極反陰,不足之神;又名飛火流金。愛虎、陰,畏後、空,不立亥、子、戍。
朱雀は天上に在りて天乙に侍奉し、羽林將軍に充當し、雷部裏に在りて行火を司掌し、また招風神と呼ばる。それは貴人の前の第二位に排し、本家は丙午に在り、五行は火に属し、夏季當旺・春季次旺、一位の凶將なり。朱雀は陰火に属し、重疊の離卦の中に寄托し、陽氣は極點に到りて反轉して陰と為る。ゆえに是れ先天に虧ある神にして、また「飛火流金」と呼ばる。それは白虎・太陰と同行するを喜び、天后と天空を畏懼し、亥・子・戌の三位に落つるに宜しからず。
雀吉,得地主文章、印信、勑命、服色、王庭事;失地則凶,主火燭、焚煌、口舌、生病、公訟、文字、財物、損失馬畜、災傷等事。若旺相,披刑帶殺,為害必深,反此則淺。凡占公事,雀逆理;刑賊日干,官必嗔責;反此無害。
朱雀が吉に轉ず、すなわち地を得るの時は、文章著述・官印憑信・朝廷敕命・章服品色および王庭の事を主る。一旦地を失えば便ち凶にして、火燭の災・焚燒の患・口舌爭端・生病・公門訴訟・文書糾紛・財物と馬畜の損失および種種の災傷を主る。朱雀が若し正に旺相に當たるも、卻って刑を帶び殺を帶びれば、害を為すこと必定深重なり。反對に氣衰してまた凶煞を帶びざれば、害を為すこと就中淺し。凡そ公門の事を占うに、ただ朱雀が逆理して行い、また刑傷克賊して日干すれば、上司必定に發怒責備す。若し是れの如からざれば、妨害なし。
占科場與投獻文策,雀不入傳,亦須尋討,最愛為歲、月建與月將並,不然與歲、月、日相合,帶祿、附馬、並德,加臨生旺之地,文策必中;如被刑剋及落空亡,無氣,加臨死絶,其文必不合格。又卦體三傳並吉,亦不必以此斷。
科擧考試を占いあるいは文章策論を呈遞するに、算えども朱雀が三伝に進入せずとも、亦た必定要把它找出來考察す。最好の情形は朱雀が太歳・月建あるいは月將と併居して一處に在る。退一步、歳・月・日と相合し、身上に祿神・驛馬・天徳を帶び、また長生・帝旺の地に加臨すれば、那麼文章策論は必定に中選す。相反すれば、若し朱雀が刑を被り克を被り、あるいは空亡に落入りて全く氣力無く、また死地絶地に加臨すれば、文章は必定に合格せず。不過、如果整個の課體と三伝皆吉ならば、亦た必ずしも單に朱雀一項に憑りて斷語を下すに及ばず。
朱雀羽蟲之長,文書、信息、口舌、刑戮之神。其為印信亦分大小,或天戒,或朝廷公文,或行人私信。嘗夏月見山蛇戲路中,占得丑雀附天喜臨門戸發用,合主朝廷文字,不然則天驚也。當晚驟風雨,幾旬而止。葢丑為太歲,為風伯、雨師,附天喜臨門戸,果應天戒。又旬日中有御牓至。凡將驚動,仿此斷之。
朱雀は羽族の長にして、文書・消息・口舌と刑戮を主管す。それが代表する憑信も亦た大小輕重に分かつ。可能なりては上天の警示、可能なりては朝廷の公文、亦た可能なりては只だ行人の捎來する私信。曾て有一年の夏天、路上に山蛇の嬉游するを見、就此に一課を起こす。朱雀は丑を乘じ、天喜星に附着し、門戸の位に臨みて發用して初伝と為る。按理に則りて朝廷の文字下達を主るべく、否則便ち上天の示警なり。當晚果然に狂風暴雨、接連して好些天下りて停まず。這是れ丑が既に太歳の位にして、又風伯雨師を主り、如今天喜を附して門戸に臨む、正に天戒の象に應ぜるが故なり。而も十天之内、果然にまた皇榜の到來あり。凡そ神將の驚動の象に遇到せば、皆這個例子に照らして推斷す。
雀附火神,臨火鄉,並值火時占,決主火燭。嘗正月己卯日占季卦,雀乘午火居南方,春得相氣逆理,三傳卯子午,四刑衡殺,當主火燭;幸課名伏吟,神殺不動,雀下賊日干,後不為災。
朱雀が火神に附上し、また火鄕に臨み、還た火時に趕きて課を起こせば、必定に火災を主る。曾て正月己卯日に一課を占う。朱雀は午火を乘じて南方に居り、春天相氣を得て逆理を行い、三伝は卯・子・午にして、四課にまた刑沖凶煞を見。照理に應當に火燭の災を主るべし。所幸這一課は「伏吟」と名づき、天盤地盤は重疊して動かず、神煞も亦た發し起こる能わず。加上朱雀が下に在りて反對に日干を克賊し、力氣は別處に用い、後來終に災禍を釀成せざりき。
朱雀開口法,主斗喧。正巳、二辰、三午、四未、五卯、六寅、七申、八酉、九丑、十子、十一戌、十二亥。朱雀旺主縣官口舌,相主錢財婚姻,死主死喪口舌,囚主囚禁,休主疾病,心腹、口竅不利。
「朱雀開口」是一種の月に按じて位を取る神煞にして、遇上すれば就中吵鬧爭闘を主る。その定位は:正月は巳に在り、二月は辰に在り、三月は午に在り、四月は未に在り、五月は卯に在り、六月は寅に在り、七月は申に在り、八月は酉に在り、九月は丑に在り、十月は子に在り、十一月は戌に在り、十二月は亥に在り。再び四時の氣に按じて檔を分く:朱雀が旺氣を乘ずれば、官府と口舌官司を打つことを主る。相氣を乘ずれば、錢財と婚姻の事を主る。死氣を乘ずれば、死喪して兼ねて口舌を主る。囚氣を乘ずれば、囚禁せらるるを主る。休氣を乘ずれば、疾病を主り、尤其是れ心腹の患と口鼻の等の竅道の不利なり。
朱雀·賦
朱雀南方,文書可防。損翼在子,自傷災難;掩目在丑,用靜得昌。寅卯安巢,則遲滯沉溺;辰戌投網,則乖錯遺亡。在申曰厲嘴,在午曰銜符,怪異經官語訟;在未名臨墳,在亥名入水,悲哀且在雞窻。官災起,葢因夜噪在酉;音書至,都縁晝翔在巳。
朱雀は南方の火に属し、凡事は先に文書上に岔子を出すを提防すべし。子に落つるを「損翼」と呼び、翅膀は損傷を受け、自ら災難を取る。丑に落つるを「掩目」と呼び、眼睛は遮られ、安靜守成すれば反對に昌順す。寅・卯に落つるを「安巢」と呼び、鳥窩は虽穩かなるも動彈する能わず、拖延遲滯・陷溺して出でざるを主る。辰・戌に落つるを「投網」と呼び、自ら羅網に投じ、事情錯亂・財物遺失を主る。申に落つるを「厲嘴」と呼び、午に落つるを「衔符」と呼び、皆怪異の事の官を經て府を動かし、口舌訴訟と化するを主る。未に落つるを「臨墳」と呼び、亥に落つるを「入水」と呼び、悲哀の事を主り、只だ書窓を守りて讀書するに宜し。官府の災の興起する所以は、因るに朱雀が夜裏に酉位に在りて聒噪するを以てなり。書信音訊の到來する所以は、因るに它が白天に巳位に在りて高飛するを以てなり。
雀火在子受克,故主自傷。又云有官印信。在癸丑名破頭,只宜安靜。又云田土事起。寅卯文書不動;又云寅安巢,主文字喜,逺信至。卯坐林,怨抑之象。辰戌主文字失遺;又云主有信息、口舌、獄訟。申為克傷,故曰厲嘴,主驚怪。又申主信音在途。
朱雀は火に属し、子上に落ちて水に克せらる。ゆえに自身の受傷を主る。亦た一説あり、官印文憑を得るを主ると認む。癸丑上に落つるを「破頭」と呼び、此時只だ安靜にして動かざるに宜し。另一説に田産土地方面の事情の興起を主るとす。寅・卯に落つれば、文書は擱置して動かず。亦た説くに寅に落つるは「安巢」にして、文書に喜あり・遠方の來信到達するを主るとす。卯に落つるは「坐林」にして、心に怨屈を懷き・抑郁して伸びざるの象なり。辰・戌に落つれば、文書遺失を主る。另一説に消息・口舌と牢獄訴訟あるを主るとす。申は能く朱雀を克傷す。ゆえに「厲嘴」と呼び、驚怪の事を主る。又説くに申は音信の正に路上に在るを主るとす。
午為正司,故曰銜符,主訟獄。一雲主婚姻。木為火父母,在未是父母之墓,故名臨墳,主悲哀之事。又在未為啄食,求財吉。亥是火胞養,故名入水,宜守靜,不宜獻策。又云浴沐,主失財。子云投江,主災退。酉為火克之地,於時在夜,主官非口舌,又主疾病。巳為火進之地,於時在晝,主文字信息。又云在外髙逺。
午は朱雀の本位正司なり。ゆえに「衔符」と呼び、口に符牒を衔み、訴訟牢獄を主る。亦た一説に婚姻を主るとす。木は火の父母にして、未はまた木の墓庫なり。等しく父母の墳地なり。ゆえに未に落つるを「臨墳」と呼び、悲哀の事を主る。另に一説、未に落つるは鳥兒の啄食にして、財を求めれば反對に吉利なり。亥は火の胞胎養育の位なり。ゆえに「入水」と呼び、此時宜しく安靜守成して、上書獻策するに宜しからず。亦た人は它を「沐浴」と管し、破財を主る。子に落つるを「投江」と呼び、災禍の退去を主る。酉は火の克を受くるの地にして、一天裏に夜分に属す。ゆえに官非口舌を主り、また疾病を主る。巳は火の漸進の地にして、一天裏に白昼に属す。ゆえに文書消息を主る。亦た一説に人の外地高遠の處に在るを主るとす。
朱雀·詩
前二朱雀號羽林,災殃霹靂火星辰。大人文卷憂察考,庻士妻財兢苦辛。旺氣扶持情解釋,衰空剋制事逡巡。病傷心腹還發嘔,瘥日宜看子午辰。
貴人の前の第二位に排する朱雀は羽林將軍と號稱し、帶來する災殃は霹靂の如く、本身是れ一顆の火星なり。大官を做る人がこれを占い得れば、憂うるは文卷の上司に稽查考核せらるる。一般の士人がこれを占い得れば、則ち妻室と錢財の為に辛苦勞碌す。朱雀が旺氣の扶持を得れば、事情の糾葛は解く可し。氣衰・落空あるいは克制を受くれば、事情は便ち遲疑して前へせず。病を占えば、是れ心腹の受傷して還た嘔吐を伴う。要して哪一天に痊愈するを問えば、應當に子日・午日と辰日を看るべし。
朱雀·類神
類為羽毛、文章,於人與蛇畧同,於祟呪咀、灶神,於病在心腹、上竅或見血、嘔吐、陰腫,於五榖為果榖,於獸為飛禽、獐、馬之類,變異為火氣燒灼之屬,色赤黒,數九。
朱雀の所属する類神:器物の上に在りては羽毛と文章書卷を代表す。人物の上に在りては、螣蛇の主る所と大致相同なり。鬼祟の上に在りては咒詛の術と竈神を代表す。疾病の上に在りては心腹の疾を主り、および口・鼻・眼・耳の等の上竅の毛病、あるいは血を見・嘔吐・下陰の腫痛す。五穀の上に在りては果實を帶びたる穀物を代表す。禽獸の上に在りては飛鳥・獐子と馬の類を代表す。怪異の出現する時は、火氣の燒灼するの類に属す。顏色は赤中に黑を帶び、成數は九なり。
六合論
六合在天為光祿大夫,雷部中雨師也。家乙卯木位,居前三,旺春三月、六乙日,吉將也。六合乃和合之神,柔順能通,委曲和合人事。位居東方,是青帝五陰之長女,職居輔弼,得地則文儒、九流之官,失地則闇昧、虛詐、僧道尼之類。愛龍、常,畏後、陰、虎、空,不利四仲。
六合は天上に在りての職銜は光祿大夫にして、雷部裏に在りては雨師に充當す。本家は乙卯に在り、五行は木に属し、位次は貴人の前の第三位に排し、春三月と六個の乙日に當旺し、吉將に属す。六合是和合の神にして、性情は柔順・善く疏通し、能く委曲周旋して人事を撮合し起こす。其の方位は東方に在りて、是れ東方青帝の五個の陰數女兒中の長女にして、職務は左右を輔佐す。地を得る時は、文人儒士と九流各色の官員を主る。地を失う時は、則ち昏昧不明・虚偽欺詐、および僧・道・尼の一流人物を主る。它は青龍・太常と同行するを喜び、天后・太陰・白虎・天空を畏懼し、子午卯酉の四仲の位に落つるは不利なり。
六合主婚姻、喜慶、信息、求望、交易、胎產、媒妁、牙保、陰私、財物、交契、木植、舟車之象。其戾主陰刑不明、先喜後憂、小人女子之過傷、失六畜之象。又云:六合主門戸、道路、更改、變遷,凡六合乘旺相氣,相生順理,而入用傳者的,主婚姻或胎產喜,陰私財物。若死囚刑剋,則主財物口舌、陰人煩撓。
六合は婚姻嫁娶・喜慶の事・消息傳遞・祈求ある・買賣交易・懷胎生産・媒を説き伐を作し・居間擔保を主管し、亦た男女私情・財物往來・契約を訂立し、以及樹木種植と舟車行旅を主る。它が反常して惡を作す時は、則ち暗中に刑を受けて是非不明・先喜後憂・小人と女子に拖累せられて傷を受け、および六畜を丢失するを主る。另に一説:六合は門戸・道路以及一切の更變遷改の事を主る。凡そ六合が旺相の氣を乘じ、日干と相生し・行事が理に順い、また初伝あるいは三伝に進入するは、婚姻あるいは胎産の喜を主り、亦た男女私情と財物を主る。若し死氣囚氣の上に落ちてまた刑を受け克を受くれば、就中財物糾紛・口舌是非、および女子に攪擾せられて寧からざるを主る。
六合乘酉戌,多主奴婢走失。嘗見鴉窺天井,占得六合乘戍臨門,旬內果有奴走。以六合為天地之私門也。故占盜切忌六合入卦,以私門逃亡難獲。六合與天后同入傳,謂之狡童佚女卦,占則人多不正,所為奸弊,兼妨有失。
六合が酉・戌の上に乘ずれば、多く奴僕婢女の逃走を主る。曾て烏鴉の頭を探して天井を窺視するを見、就此に課を起こし、六合が戌を乘じて門戸の位に臨むを占い得、果然十天之内に就中奴僕の逃走あり。這是れ六合が天地之間の私門たるが故なり。ゆえに盗賊を占うに最も六合の卦に入るを忌む——賊人は私門より逃走し、很難に捉うべからず。六合が若し天后と一同に三伝に進入すれば、呼ばれて「狡童佚女卦」と為す。人事を占問すれば、多半當事人の品行不端・所作所為に奸弊を暗藏し、還た因此に損失あるを提防すべし。
六合附金,謂之內戰,主陰私婦人、兄弟口舌;附土神謂之外戰,事在外發,謀起議不安,宜暗求私禱。六合不合,陰私相懐,酉卯子午也。六合旺主賞賜遷職,相主嫁娶財禮,死主爭財或死喪事,囚主婚姻囚繫、陰私謀匿事,休主疾病陰私事。
六合は木に属し、若し金神に附上せば、金の木を克するは内より起こり、呼ばれて「內戰」と為し、男女私情・婦人の事と兄弟間の口角を主る。若し土神に附上せば、木の土を克するは内より外に向かい、呼ばれて「外戰」と為し、事情は外面より發作し、謀議の間に人心安ならず、此時宜しく暗中に人を求め・私下に禱告すべし。另に「六合不合」の一格あり、指すは六合が酉・卯・子・午の四位に落ち、表面は和合して各々私心を懷くを謂う。再び四時の氣に按じて檔を分く:六合が旺氣を乘ずれば、賞賜を受け遷職を得るを主る。相氣を乘ずれば、嫁娶と聘禮財物を主る。死氣を乘ずれば、財産を爭奪しあるいは死喪あるを主る。囚氣を乘ずれば、婚姻に因りて拘係せられ、あるいは私情隱匿の事あるを主る。休氣を乘ずれば、疾病と男女私隱の事を主る。
六合·賦
六合之神,婚姻嘉會。在亥為待命平和,在巳則不諧驚悖。在子反目兮,無禮之事;在酉私竄兮,不明之因。乘輅在寅,結髮在申,從媒妁而成歡,皆主婚姻喜美;違禮在辰,亡羞在戌,因妄冒而加罪,皆主婚姻訟事。升堂在午,入室在卯,併為婚姻就已之占;納采在未,麗妝在丑,總是婚姻欲成之例。
六合の這一神は、婚姻と嘉會を主る。亥に落つれば、是れ消息を靜候し平和にして事なし。巳に落つれば、則ち彼此不諧・驚懼悖亂す。子に落つれば、翻臉反目を主り、失禮の事あり。酉に落つれば、暗中逃竄を主り、起因は説清楚すべからず。寅に落つるを「乘輅」と呼び、親を迎える車に坐上す。申に落つるを「結髮」と呼び、夫妻を結成す——這兩處は皆媒人を經て撮合して歡好を成し、婚姻美滿を主る。辰に落つるを「違禮」と呼び、戌に落つるを「亡羞」と呼び、皆冒昧妄為に因りて罪責を招來し、婚姻の為に官司を打つを主る。午に落つるを「升堂」と呼び、卯に落つるを「入室」と呼び、皆婚事の已に自己の這邊に落ちたる占象なり。未に落つるを「納采」と呼び、丑に落つるを「麗妝」と呼び、則ち皆婚事の將に成らんとして未成の例子なり。
夫亥,木生之地,又為三合,故婚姻百事迪吉。巳,金生之地,即為賊鄉,故不吉。一雲巳曰贄書,主信息見貴。子卯相刑,恩中主怨,婚姻不成,夫妻不睦。又云持笏,宜慎災病。酉為私門,臨之主男兒淫奔;又跣足,主不進。在寅萬事皆通,又云寅主出求吉。在申一說為披髮,才離病損。
亥は木の長生の地にして、また卯・未と木局三合を合成す。ゆえに婚姻を以て百事に至るまで皆順遂吉利なり。巳は金の長生の地にして、金は能く木を克し、木に属する六合に對して説けば就中賊鄕なり。ゆえに不吉なり。亦た一説、六合が巳に在るを「贄書」と呼び、消息あり・貴人を見る能きを主るとす。子は卯を刑し、恩情の裏に怨恨を生出す。ゆえに婚事は成らず・夫妻不和なり。另一説に六合が子に在るを「持笏」と呼び、應當に災病を謹慎すべしとす。酉是れ私門にして、六合これに臨めば男子の私奔淫佚を主る。此位はまた「跣足」と呼ばれ、脚を光着して、事情の進展する能わざるを主る。六合が寅に在れば、万事皆通ず。一説に寅に在れば門を出でて謀を求むるに宜しく、吉利なりとす。六合が申に在れば、一説に「披髮」と呼び、剛く病痛損傷を擺脫したるを主るとす。
辰戊為牢獄,又卯戌私合,故主姦淫冒罪。在辰一雲持巾,主婚;戌一雲登途。午為正位,故升堂。一雲主半遂;又云十月占,門戸小口不利。卯為門戸,故入室,吉。又云小口災。未為三合,故納采。丑為臨金,故妝嚴。又云未為素服,丑為臥病。
辰・戌は皆牢獄の地にして、加上卯と戌とは暗中相合す。ゆえに奸淫犯禁・冒昧して罪を獲るを主る。六合が辰に在れば、一説に「持巾」と呼び、婚事を主るとす。戌に在れば、一説に「登途」と呼び、路に上りて遠行するを主るとす。午は六合の正位なり。ゆえに「升堂」と呼ぶ。一説に事情は只だ一半を成すを主るとす。又説くに若し十月に課を起こせば、門戸と家中の小孩は皆利あらずとす。卯是れ門戸の位なり。ゆえに「入室」と呼び、吉利なり。亦た一説に小孩に災あるを主るとす。未は卯・亥と木局三合を合成す。ゆえに「納采」と呼び、聘を下すの禮を行う。丑は金に属し、木が金位に臨めば制を受け、反對に盛裝して自ら飾るを要す。ゆえに「妝嚴」と呼ぶ。另一説に未は素服を穿つを主り、丑は病に卧して牀に在るを主るとす。
六合·詩
前三六合大夫位,和會婚姻吉兆扶。君子升遷増俸祿,小人飲食更歡娛。相生謀產多吉慶,受制奸窬用暗圖。問疾陰陽心腹痛,丈人司命祭當蘓。
貴人の前の第三位に排する六合は、官は光祿大夫に居り、和合會聚を主り、是れ婚姻の吉兆なり。君子これを占い得れば、官を升り俸を加うるを主る。小人これを占い得れば、飲食歓聚・娛樂多きを主る。六合が日干と相生せば、事を謀り産を置くに吉慶多し。若し克制せられれば、則ち事は奸盜に渉り、只だ暗中に圖謀する能きのみ。疾病を占えば、是れ陰陽失調・心腹疼痛なり。作祟するは丈人神と司命神にして、祭祀したる後に病は就中好轉せん。
六合·類神
類為竹木、金石所傷之屬,變異食鹽、羽毛。於人為工巧、兒子,或術士,或仕宦,又為隱逸之士。於祟丈人、身命、丈人,一雲土神。於疾陰陽不調,心腹虛。於五榖鹽粟,於獸兎之類,味可食物,色光彩,數六。
六合の類神:器物の上に在りては竹木、および金石に傷せられたる東西を代表す。怪異の出現する時は、多く食鹽・羽毛と關あり。人物の上に在りては手藝精巧の工匠・兒子を代表し、あるいは術士・官員、亦た隱居して仕えざる人を代表す。鬼祟の上に在りては丈人神と本命神を代表し、一説は土神なり。疾病の上に在りては陰陽不調・心腹空虚を代表す。五穀の上に在りては鹽と粟を代表す。禽獸の上に在りては兔子の類を代表す。味道は可口の食物に属し、顏色は鮮明にして光彩あり、成數は六なり。
勾陳論
勾陳在天為大將軍,雷部中作喚雲神。位居前四,家戊辰,土旺四季,凶將也。勾陳乃宮中殺,職任將軍。得地則上令兵威,失地則兵卒不利;持重威權,又為兵甲、守門之吏,大好爭訟,多蓄二心。若伏喪帶吊,則為不孝之神。一雲左將軍。愛玄、空,畏龍、後,不立四孟。
勾陳は天上に在りては大將軍にして、雷部裏に在りては雲を喚ぶの神に充當す。位次は貴人の前の第四位に排し、本家は戊辰に在り、五行は土に属し、四季の末月は各々十八天旺し、一位の凶將なり。勾陳是れ宮中の殺神にして、職務は將軍なり。地を得る時は、能く上りて軍令を承け・兵威を顯揚す。地を失う時は、則ち士卒利あらず。它は沉重の威權を掌握し、また兵器甲冑と門を守る吏卒を代表し、最も爭訟を愛し、心裏に常に兩個の主意を蔵す。倘若它が喪門に伏し・吊客二煞を帶びれば、就中不孝の神と成る。亦た一説に它を左將軍と稱す。勾陳は元武・天空と同行するを喜び、青龍・天后を畏懼し、寅申巳亥の四孟の位に落つるに宜しからず。
勾陳主兵戈、官訟、公事、印信、虎符、留連、皮革,或爭田宅、土舎、財帛。占望信息,財帛出行,俱主留滯。其戾主病、蹇厄牽罣、財物損失,庶人得之如此,若官員見之乃為印綬,盛則吉,衰則凶也。
勾陳は兵戈戰事・官府訴訟・公門事務・印章憑信・兵を調する虎符を主管し、亦た牽連滞留と皮革の物を主り、あるいは田宅・房舍・錢財を爭奪す。消息を等し・錢財を占い・出行を占うに、勾陳に遇上すれば皆拖延受阻を主る。它が反常して惡を作す時は、疾病・艱難困厄・牽挂拖累と財物損失を主る——這是れ平民に就いて言えばなり。若し是れ官員が勾陳を見れば、它は反對に印綬の象と成り、氣盛なれば就中吉、氣衰すればこそ凶なり。
凡占訟,先以勾陳為主。如勾陳賊日,理難伸雪;日克勾陳,訟得理伸。又忌勾之陰神附蛇、鼠、雀,帶殺剋日者最凶。勾陰若作貴人生日上,得貴助為吉。亦要人行年上神不落空亡。
凡そ訴訟を占うに、首先勾陳を以て主爻と為す。如果勾陳が日干を克賊せば、説明すれば道理は申雪し難し。反對に日干が勾陳を克せば、官司は就中理を占う能し。另外最も勾陳の陰神に螣蛇・鼠(子位)あるいは朱雀が附着し、また凶煞を帶びて來りて日干を克するを忌む。這是れ最凶の組合なり。倘若勾陳の陰神が化して天乙貴人と成りて日干を生ぜば、貴人の相助を得、反對に吉利を主る。同時に還た當事人の行年上の乘ずる神の空亡に落ちざるを看、こそ穩妥と算す。
凡捕天賊,勾陳所乘神制玄武所乘神主獲。勾陳臨日干亦主獲,反此不獲。又勾陳所立之地制玄武所立之地,亦主賊敗,或自首發。如玄武立申酉,而勾陳立巳午是也。占晴雨最宜勾陳入傳臨日辰、制玄武,決主天晴。占戰鬥亦以勾陳制玄武,準上斷之。占宅墓勾陳乘旺氣加墓宅者,主安乆不移;若休囚刑剋,當主公事。
凡そ盗賊を緝捕するに、ただ勾陳の乘ずる神が能く玄武の乘ずる神を制伏すれば、就中捉い得るを主る。勾陳が日干上に臨むも亦た捕獲し得るを主る。反對の格局は就中抓るに到らず。此外、勾陳の立つ地盤の位が若し能く玄武の立つ地盤の位を克制すれば、亦た賊人の敗露を主り、甚至自ら案に投ず。例如玄武が申・酉に立ちて金に属し、勾陳が巳・午に立ちて火に属し、火は能く金を煉る、就中這種の格局なり。天氣晴雨を占うに、最好は勾陳が三伝に入りてまた日辰に臨み、玄武を制住すれば、那就ち一定に晴を放つ。兩軍の交戰を占うに、同樣に勾陳の能く玄武を制住するや否やを以て準と為し、上面の辦法に照らして推斷す。住宅と墳墓を占うに、若し勾陳が旺氣を乘じて墓宅の上に加われば、長久安穩・遷動するに及ばざるを主る。若し它が休囚して氣無くまた刑を受け克を受くれば、就中公門の是非を出さん。
勾陳拔劍,主病患相傷。正月起巳逆行十二位。若與辰戍丑未交會,禍患連深;辰戍大凶,丑未口舌。又勾陳披刑帶殺,災咎即臨。勾陳旺主貴人戰鬥,相貴人爭訟,死爭死人財物,囚爭訟禁錮,休爭病人田宅。
「勾陳拔劍」是れ一個の月に按じて排する凶煞にして、遇上すれば疾病と彼此傷害を主る。起法は正月より巳位に起こり、然る後逐月に十二支を逆して退行す。倘若它がまた辰・戌・丑・未の這四墓の位と交會すれば、禍患は就越發深重なり。碰上すれば辰・戌是れ大凶、碰上すれば丑・未は口舌を主る。另外、勾陳が若し刑を帶び煞を帶びれば、災禍は馬上に就到す。再び四時の氣に按じて檔を分く:勾陳が旺氣を乘ずれば、貴人と爭闘することを主る。相氣を乘ずれば、貴人と官司を打つを主る。死氣を乘ずれば、死者の遺留する財物を爭奪するを主る。囚氣を乘ずれば、爭訟の為に禁錮せらるるを主る。休氣を乘ずれば、病人と田宅を爭うを主る。
勾陳·賦
或逢勾陳發用,鬥訟爭官。吏過受鉞,暗遭辱害。遭囚在寅兮,宜上書;捧印在巳兮,有改拜。臨門在卯,家必不寧;被刄在酉,身遭決責。升堂在辰,有獄吏以牽躔;反目在午,因他人而累帶。在未入驛,在戌下獄,往來語訟稽遲;在申趨戸,在亥褰衣,反覆勾連改革。
凡そ勾陳が初伝発用を作すに遇えば、多く打鬥爭訟・官府と較勁するを主る。吏員は過失に因りて鉞を受け刑を加えらる、暗中に屈辱傷害を遭受す。寅に落つるを「遭囚」と呼び、此時宜しく上書して情を陳すべし。巳に落つるを「捧印」と呼び、改任升遷の事あり。卯に落つる是れ「臨門」、家中必定に安寧あらず。酉に落つる是れ「被刃」、本人は將に處分責罰を挨けんとす。辰に落つるを「升堂」と呼び、會して獄吏の來りて牽扯糾纏するあらん。午に落つるを「反目」と呼び、別人の事に因りて牽累を受く。未に落つるを「入驛」と呼び、戌に落つるを「下獄」と呼び、往來奔走・言語訴訟皆拖延して決せず。申に落つるを「趨戸」と呼び、亥に落つるを「褰衣」と呼び、事情は反復牽連・屢々更改あり。
勾陳主戰鬥,丑為明堂,封功決罪。又丑為斧鉞,勾陳臨之為受鉞,主被凌辱。子為暗室,故曰沉戰,主有陰害。又云:丑曰入化,主口舌。子曰臨官,主訟牽事變。一云,主財帛。又說,丑未皆主酒食、田宅。在寅受克,囚杖危身,宜上書進策。
勾陳は戰闘を主管す。丑是れ明堂の位にして、ここに在りて功を論じ賞を行い・罪責を判定す。丑はまた斧鉞刑具を代表し、勾陳が丑に臨めば就中「受鉞」にして、本人の凌辱せらるるを主る。子是れ暗室なり。ゆえに「沉戰」と呼び、暗中に害を受くるを主る。亦た另一説:勾陳が丑に在るを「入化」と呼び、口舌を主る。子に在るを「臨官」と呼び、訴訟牽連・事情生變を主る。還た人は子に在りて財帛を得るを主ると説く。又説法ありて丑・未の兩位は皆酒食と田宅を主ると認む。勾陳が寅に落つれば、木は土を克して自身は制を受け、牢獄杖責の己身に危及ぶの險あり、此時宜しく上書獻策して自ら救うべし。
巳為金生火盛,金投火為鑄印。勾陳臨之為捧印,以火旺土相也。故主遷升。在卯為鬼克,又云入獄,故凶。主遷居、不利小口。酉金故主刑責,又云病足難進。辰為獄,加之故主獄吏勾連。午為生地,故主惹累。一說,未入驛主吉,在戌又為佩劔凶。一說在申曰利河,吉;加亥宜求財。
巳是れ金の長生の地にして火氣正盛なり。金を把りて火裏に投ずれば正に印を鑄るの象なり。ゆえに勾陳が巳に臨むを「捧印」と呼ぶ。此時火旺して土は相氣を得、勾陳は土に属して因而得力す。ゆえに升遷を主る。勾陳が卯に落つれば、木は土の官鬼と為りて來りて克す。又「入獄」と呼ばる。ゆえに凶にして、遷居搬家を主り、家中の小孩に對して利あらず。酉は金に属し、刑罰責打を主る。亦た一説に脚上に病あり・行走し難きを主るとす。辰は本身就中牢獄の位にして、勾陳が辰に加われば獄吏に牽連せらるるを主る。午は能く土を生じ、是れ勾陳の生地なり。ゆえに牽累を招惹するを主る。另一説に認めて:未に落つるを「入驛」と呼び、吉を主る。戌に落つるを「佩劍」と呼び、則ち凶なり。還た一説:申に落つるを「利河」と呼び、吉利なり。亥上に加われば、財を求むるに宜し。
勾陳·詩
勾陳前四大將軍,兵災刑鬥訟留連。君子掩逃擒盜賊,小人爭婦競田園。旺相相生猶合理,死囚刑剋繫遲延。病者腫癰寒熱苦,祟在邱陵及主垣。
貴人の前の第四位に排する勾陳是れ大將軍にして、兵災・刑罰・爭闘と訟事の牽連を主る。君子これを占い得れば、逃犯を掩捕し・盗賊を擒拿するを主る。小人これを占い得れば、則ち婦女を爭奪し・田園を競占す。勾陳が旺相の氣を乘じてまた日干と相生せば、事情は還算情理に合乎す。死氣囚氣の上に落ちてまた刑を受け克を受くれば、就中拘係拖延せらるるを要す。病を占えば、苦しむは癰疽腫毒・忽冷忽熱。作祟を問えば、來處は丘陵墳地、あるいは宅院の牆垣土神なり。
勾陳·類神
於人為丑婦,或軍卒,或貧薄小人。於祟寃死之鬼,及門戸土垣鬼。於病心腹寒熱,癰腫見血。於五榖為木實。於獸魚、龍、水蟲之屬。變異為瓦石、金鐵,若被損勾連羅網之類。色青黒,數五。
勾陳の類神:人物の上に在りては相貌醜陋の婦人・兵に當たる士卒を代表し、あるいは貧寒卑微の小人物。鬼祟の上に在りては冤を含みて死したる鬼、および門戸の神と土牆の鬼を代表す。疾病の上に在りては心腹寒熱・癰疽腫毒と出血を代表す。五穀の上に在りては樹木の果實を代表す。禽獸の上に在りては魚・龍と水生の蟲豸の類を代表す。怪異の出現する時は、是れ瓦片石塊・金屬鐵器、あるいは破損の物と勾連纏繞の羅網の類。顏色是れ青中に黑を帶び、成數是れ五なり。
青龍論
青龍在天為左丞相,雷部中作甘雨之神。位居前五,家甲寅,木旺春三月,吉將也。青龍水木神也,東方青帝,九陽五所居,祿首甲寅之地,髙貴端雅,方正亷平,執生氣,為輔弼大臣,得地則富貴尊崇,失地則財寳外耗。畏陰、虎,愛、後、合,不立申酉。
青龍は天上に在りては左丞相にして、雷部裏に在りては甘霖を降すの神に充當す。位次は貴人の前の第五位に排し、本家は甲寅に在り、五行は木に属し、春三月當旺し、一位の吉將なり。青龍は水木の神に属し、東方青帝の位を主り、九陽第五の數に居り、甲寅の這塊の祿命の首の地盤を占る。它の性情は高貴端莊・方正廉平にして、萬物の生發の氣を執掌し、是れ君王を輔佐する大臣なり。地を得る時は富貴尊崇を主り、地を失う時は則ち財寶は外に向かい耗散す。青龍は太陰・白虎を畏懼し、天后・六合と同行するを喜び、申・酉の兩位に落つるに宜しからず。
青龍主文字、財帛、舟車、林木、衣服、書契、官府、升遷、僧道、髙人、婚姻、喜慶、媒妁、胎產、宴會、果藥之屬。其戾主哭泣、病疾、公訟、失財、走畜、陷溺舟車。凡占公事,雖以青龍為喜神,若披刑殺入卦,賊日干,卻主凶,以其為殺神也。凡新婦入門時,忌天后乘神克青龍,主損夫。
青龍は文書字據・錢財布帛・舟船車輛・山林樹木・衣裳服飾・契約文書・官府事務・職位升遷を主管し、亦た僧道と道ある人を代表し、以及婚姻・喜慶・説媒・胎産・宴會和果品藥材の類。它が反常して惡を作す時は、則ち哭泣・疾病・公門訴訟・破財・牲畜走失、以及舟車の翻覆沉溺を主る。凡そ公門の事を占うに、青龍是れ虽喜神なるも、可なりそれが若し刑煞を帶びて卦に入り・また日干を克賊せば、反對に凶を主る。因るに此時它は已に殺神に變成せるを以てなり。另外、新娘の門に進むの時辰は、最も天后の乘ずる神の去りて青龍を克するを忌む。那是れ夫を克損するを主る。
求財以青龍為主,要乘旺相氣,臨旺相鄉,與日辰相生,或作三合、六合者吉,亦須入日辰、三傳,不然亦為閒地,求財難矣。占婚姻、胎產同此。又龍生命有財,克命退財。占盜賊忌龍入卦,以龍為萬里之翼也。占行人亦主轉往他方。占病龍入傳,必因酒食;不然因會親、情喜好得病。
財を求むるは青龍を以て主爻と為す。それに旺相の氣を乘じ・旺相の鄕に落ち・日・辰と相生し・あるいは日辰と三合・六合を結成するを要して、こそ吉と算す。而且必ず日・辰あるいは三伝の中に進入せざるべからず。否則它は關なき閑位上に停まり、財も亦た求め到る能わず。婚姻を占い・胎産を占うは、辦法は此と相同なり。此外、青龍が本命を生ずるは財を得るを主り、本命を克するは財を退くるを主る。盗賊を占うに最も青龍の卦に入るを忌む。因るに龍は萬里の翼あり、賊は遠く跑りて追い上げざればなり。行人を占うに、青龍も亦た對方の別處に轉往したるを主る。疾病を占うに、青龍が三伝に入れば、病は必ず酒食に因りて起こる。否則就中親友を聚會し・喜好に縱情して病を致すに因る。
占文官則視青龍,武官則視太常,與日和合者吉,反此者凶。太歲作龍常,必主遷轉。凡龍與煞並加日辰者,主喜慶中有鬥殺。龍開眼,主消災。孟寅、仲酉、季戌是也。龍旺主貴人遷官,相婚姻喜慶,死有死人財物,囚有囚人財物,休有故舊酒食。
文官の前程を占うは青龍を看、武官の前程を占うは太常を看、看る所の將と日干と和合すれば就中吉、相沖相克すれば便ち凶。若し太歳が化して青龍あるいは太常と成れば、一定に職位調動升遷を主る。凡そ青龍と凶煞と一同に日・辰の上に加われば、喜慶の中に鬥毆凶殺を夾むを主る。「龍開眼」是れ災を消すの象にして、その定位は:孟月は寅に在り、仲月は酉に在り、季月は戌に在り。再び四時の氣に按じて檔を分く:青龍が旺氣を乘ずれば、貴人の官を升るを主る。相氣を乘ずれば、婚姻喜慶を主る。死氣を乘ずれば、亡者の遺下する財物を得到するを主る。囚氣を乘ずれば、囚係の人の財物を得到するを主る。休氣を乘ずれば、故交舊友と聚飲するを主る。
青龍·賦
青龍財喜,多主亨通。伏陸在酉,允宜退守;蟠泥在丑,所謀未稱。登魁在戌兮,小人爭財;飛天在巳兮,君子欲動。乘雲在寅,驅雷在卯,宜於營運,利進;摧角在申,無鱗在未,宜乎安靜,動凶。午焚身,辰掩目,縁財有不測之憂;子入海,亥逰江,因動有非常之慶。
青龍は財喜を主り、多半事事亨通す。酉に落つるを「伏陸」と呼び、龍は陸地に擱淺し、只だ退守するに宜し。丑に落つるを「蟠泥」と呼び、泥裏に盤し、謀る所は心に稱う能わず。戌に落つるを「登魁」と呼び、小人は財を爭う為に鬧る。巳に落つるを「飛天」と呼び、君子は將に行動所有せんとす。寅に落つるを「乘雲」と呼び、卯に落つるを「驅雷」と呼び、皆經營運作に宜しく、進取に利あり。申に落つるを「摧角」と呼び、未に落つるを「無鱗」と呼び、皆只だ安靜に宜しく、一動すれば就中凶。午に落つるを「焚身」と呼び、辰に落つるを「掩目」と呼び、會して錢財に因りて意想不到的の憂患を招來す。子に落つるを「入海」と呼び、亥に落つるを「游江」と呼び、一動すれば反對に非常的の喜慶あり。
天魁小人也,故在戌主小人爭財。一名御雨出入,多勞,主凶。在巳主炎盛,雲行雨施,故曰飛龍,利於進謁。寅主徵召,又主子孫歡慶。卯又名戲水,才貨重重。一說龍乘寅卯,多是求親。龍乘寅卯加申酉,折足鬥訟之象。
戌位是れ天魁にして、小人を代表す。ゆえに青龍が戌に在れば小人の財を爭う為に釁を起こすを主る。這一位はまた「御雨」と呼ばれ、出入奔波・勞碌不堪にして、凶を主る。青龍が巳に在れば、火氣正盛にして、雲行き雨施す。ゆえに「飛龍」と呼び、門を登りて謁を進むるに利あり。寅に在れば朝廷の征召を受くるを主り、また子孫に喜慶あるを主る。卯に在ればまた「戲水」と呼ばれ、財貨の層層に進來することを主る。一説に青龍が寅・卯を乘ずれば、多半是れ親を求め婚を問うの事とす。但し青龍が寅・卯を乘じて卻って申・酉の上に加われば、金が來りて木を克し、就中折足鬥訟の象と成る。
未為木墓,辰為水墓,故曰無鱗。掩目在午,一雲無毛,損才、憂官府,若妻有孕動搖即無虞。亥子俱主舟車、財帛之喜,亥又主婚姻;一說子乘龍合,女占必受皇恩。又曰“子午乘龍,妻妾懐孕,不然家蔵孕婦。”
未是れ木の墓庫、辰是れ水の墓庫なり。青龍が墓中に落ち入れば魚龍の鱗甲を失うが如し。ゆえに「無鱗」と呼ぶ。午に落つるを「掩目」と呼び、一説に「無毛」と呼び、破財・官府を憂心することを主る。若し妻子が正に身孕を懷けば、胎氣略か動搖するも亦た擔心するに及ばず。亥・子に落つれば、皆舟車行旅と錢財の喜を主り、亥は還た兼ねて婚姻を主る。一説に子上に青龍を乘じてまた合に逢えば、女子が卦を占うて必定に皇家の恩澤を蒙受すとす。還た一句の斷語ありて説く:子・午の兩位に青龍を乘ずれば、妻妾の懷孕を主り、不然すれば家裏にも孕ある人を蔵す。
青龍·詩
前五青龍丞相位,酒食財錢婚禮儀。君子奏官遷逺職,小人財物送鄉耆。旺相相生媒妁吉,死囚刑剋是私通。病者沉熱心腸疾,祟關司命且堪醫。
貴人の前の第五位に排する青龍は官は丞相に居り、酒食・錢財と婚嫁禮儀を主る。君子これを占い得れば、上奏して官を得・遠處に調往して任に就くを主る。小人これを占い得れば、則ち財物を把りて郷里の長者に送る。青龍が旺相の氣を乘じてまた日干と相生せば、媒を託し親を説くに吉利。死氣囚氣の上に落ちてまた刑を受け克を受くれば、事情は就中私通苟合と成る。病を占えば、是れ身熱退かず・心腸に疾あり。作祟するは司命神と關あり、尚お醫治すべし。
青龍·類神
於人為貴官、族、僧道、髙人;於祟司命;於病頭目、心痛、四肢、寒熱、癰腫;於五榖草木之精,可食之物;於獸龍、虎、豹、狸、貓之屬;變異文章、羽毛、錢物、脯璽之類;又為棺槨、枷棒之類。色黃赤,數七。
青龍の類神:人物の上に在りては顯貴の官員・大族の人・僧道および徳ある高人を代表す。鬼祟の上に在りては司命神を代表す。疾病の上に在りては頭目の疾・心痛・四肢病痛・忽冷忽熱和癰疽腫毒を代表す。五穀の上に在りては草木の精華と可食の物を代表す。禽獸の上に在りては龍・虎・豹・狸・猫の類を代表す。怪異の出現する時は、是れ文章書卷・羽毛・錢財器物以及肉脯・印璽の類。亦た可能なりて是れ棺槨と枷鎖棍棒の類。顏色是れ黄中に赤を帶び、成數是れ七なり。
天空論
天空在天為司直官,雷部中為黃埃塵霧之神。又為渴雨神。位居後六,家戊戌,土旺四季,凶將也。天空乃陽土之神,燥灰之土,為中央最卑之位,列奴婢之行,為天地之雜氣,作人間之詐神。得地則當直之吏,非多是少,妄起事謀;失地則奴辱婢舌,或顯或隠,動無濟物之心,靜有妖氛之氣。愛元、後,畏龍、合、陰、雀,不立四孟。
天空は天上に在りて是れ司直の官にして、雷部裏に在りては黃塵霧靄の神に充當し、また渴雨の神と呼ばる。位次は貴人の後の第六位に排し、本家は戊戌に在り、五行は土に属し、四季の末月は各々十八天旺し、一位の凶將なり。天空は陽土に属し、是れ乾燥して灰の如き土にして、位居中央の最も卑下の一檔、奴婢の流に列進せられ、是れ天地之間の雜駁の氣にして、人間に在りては欺詐の神に充當す。地を得る時は、它は班に當たり日に値うる小吏にして、事を辦すれば多半實ならず可に取る少なく、動もすれば憑空に事端を生出す。地を失う時は、則ち奴僕の辱を受け・婢女の嘴多きを主り、行跡は時に顯れ時に隱れ、動き出せば一點の人を助けるの心なく、靜まれば又た一股の妖氛を帶ぶ。天空は元武・天后と同行するを喜び、青龍・六合・太陰・朱雀を畏懼し、寅申巳亥の四孟の位に落つるに宜しからず。
天空主奴婢、公吏、市井、小人、財帛、言約、私契,其戾主奴婢、口舌、脫空、不實、虛偽、巧詐、是非、毀敗之事,以其為空亡寂滅之神,即空亡之類也。若在辰戌丑未四宮,謂之天空閉,亦可以成小,不可成大事。其或順理,旺氣相生,主財帛喜,奴婢小人同心,更帶財星及天喜者,必因小人獲財也;不然因僧道獲財,或因虛詐有功。
天空は奴婢・公門吏員・市井中人と小人物を主管し、亦た錢財・口頭約定と私下契約を主る。它が反常して惡を作す時は、奴婢の事を生ず・口舌爭端・承諾落空・辦事不實・虚偽巧詐・是非纏身と敗壞毀棄を主る。因るに它本身是れ空亡寂滅の神にして、空亡と是れ一類の東西なればなり。若し天空が辰・戌・丑・未の這四個の墓宮に落ちれば、呼ばれて「天空閉」と為し、小事は還た成る能く、大事是れ就中成る能わず。倘若它が行事理に順い、また旺氣を乘じて日干と相生せば、則ち錢財の喜を主り、奴僕下人も肯んじて同心協力す。若し再び財星と天喜を帶びれば、必定是れ小人物に靠りて錢を賺得せり。不然すれば就中僧道に靠りて財を得、あるいは一點の虚張聲勢に靠りて僥倖して功を立つ。
《花瓶記》曰:“天空安居,有言不虛。”嘗夏占鑄鐘,天空附火發用,旺相相生,鍾遂成,止有小釁。占詞訟,最愛天空發用,及終傳,主訟解,謀不成。若求財物,又深忌之。一說,加臨日干旺相,主作營運行商。占婚,天空發用及臨日辰者,其家必有孤寡之人,不然更徙祖業。
《花瓶記》に説く:天空はただ其の位に安居せば、説出す話は就中落空せず。曾て夏天に鐘を鑄るの一事を占い、天空は火神に附着して發用して初伝と為り、旺相の氣を乘じてまた日干と相生せり。鐘は果然鑄成せり、只だ一點の小瑕疵あり。詞訟を占うに、最も天空の發用あるいは末伝に落つるを喜び、官司化解・圖謀成らざるを主る。但若し是れ財物を求取せば、就中極めて它を見るを忌諱す。另に一説:天空が日干に加臨してまた旺相を乘ずれば、經商行賈の事を主る。婚姻を占うに、天空が發用しあるいは日・辰に臨めば、那家裏は必定に鰥寡孤獨の人あり、不然すれば就中已に祖上の産業を變賣遷離せり。
占奴河魁,婢從魁,皆以天空為主星,要天空乘神與干支生合無克賊,則吉。不然,主逃走,更值魁罡,其僕不良。占行動,主道路卑賤相損。占赴試奏對,亦吉。天空乃奏書之神也。託人謀事最防虛詐。
男奴を占うは「河魁」(戌)を看、婢女を占うは「從魁」(酉)を看。但し兩者は皆天空を以て主星と為す。要して天空の乘ずる神と日干日支と相生相合して、克賊無からんことを、こそ吉と算す。否則就中奴婢の逃走を主る。若し再び魁(戌)罡(辰)の兩位に遇上せば、那僕人の品行は必定不好なり。出行を占うに、天空は路上に在りて下賤の人に損害せらるるを主る。赴考應試・當廷奏對を占うに、它に遇上すれば反對に吉利なり。因るに天空は原本就中奏章文書を掌る神なればなり。不過人に託して事を辦ずる時は、最も對方の虚言欺詐を提防すべし。
占宅墓,若宅墓上見水神,或門戶上見天空並者,必主水道垣牆壅塞,泥淤不便。宅墓者,宮音宅在未,墓在辰;商音宅在酉,墓在丑;角音宅在卯,墓在未;徵音宅在午,墓在戍;羽音宅在子,墓在辰。惟年將其音相連,如天空戊戌土乃徵音及商羽音;太常己未土,貴人己丑土,俱商音及角音。勾陳戊辰土,宮羽徵音。凡占得年將,必主大小墓相連也。
住宅と墳墓を占うに、如果宅位墓位の上に水神出現し、あるいは門戸の位上に天空を併せば、必定に水道と圍牆の淤塞不通・泥濘して行き難きを主る。這裏に説く所の宅位墓位は、五音に按じて配定せられたるなり。宮音の宅は未に在り墓は辰に在り。商音の宅は酉に在り墓は丑に在り。角音の宅は卯に在り墓は未に在り。徵音の宅は午に在り墓は戌に在り。羽音の宅は子に在り墓は辰に在り。只だ當年の月將と這些の音属と相連なる時にのみこそ此論を作す。譬如天空は戊戌土に配し、兼ねて徵音と商音・羽音に属す。太常は己未土に配し・貴人は己丑土に配し、皆兼ねて商音と角音に属す。勾陳は戊辰土に配し、則ち兼ねて宮音・羽音と徵音に属す。凡そ這樣の年將を占い到れば、必定に大墓小墓の彼此相連なるを主る。
天空見淚,哀聲聒耳。六甲旬中居壬癸,地見壬癸也。天空旺主貴人欺詐,相才物欺紿,死欺詐死人事,囚刑獄欺紿,休被人欺詐事。
「天空見淚」是れ説く哀哭の聲の耳に聒噪するなり。取法是在れ六甲各旬之中、天空が壬・癸の値する位上に落ち到る、すなわち地盤に壬癸を見るの時なり。再び四時の氣に按じて檔を分く:天空が旺氣を乘ずれば、貴人に欺騙せらるるを主る。相氣を乘ずれば、錢財貨物の上に在りて受騙するを主る。死氣を乘ずれば、死者の事に因りて人に誆騙せらるるを主る。囚氣を乘ずれば、刑獄の事の上に在りて人に蒙蔽せらるるを主る。休氣を乘ずれば、平白に人に欺瞞せらるるを主る。
天空·賦
天空司直,欺情詐弊。伏室在子,患生於婦女;居家在戌,事因於奴婢。侍側在丑,詐尊長之言;趨進在未,起貨財之利。受辱在巳,被制在寅,然自別其是非;識字在午,鼓舌在申,實難分其真偽。凶惡在辰,乘侮在卯,有暴客以欺侵。巧說在酉,誣詞在亥,值奸人之謀計。
天空の官為る司直は、主る所は盡く欺瞞詐偽なり。子に落つるを「伏室」と呼び、禍患は婦女の身上より生出す。戌に落つる是れ本家に回了して、事情は奴婢に由りて引起さる。丑に落つるを「侍側」と呼び、貴人の身邊に侍立し、假りて尊長の話を托して騙を行う。未に落つるを「趨進」と呼び、能く貨財の利を得。巳に落つる是れ「受辱」、寅に落つる是れ「被制」、是非曲直は終究還た分け得清楚なり。午に落つるを「識字」と呼び、申に落つるを「鼓舌」と呼び、真假是就中實在に辨ひ難し。辰に落つるを「凶惡」と呼び、卯に落つるを「乘侮」と呼び、會して強橫の徒の上門して欺凌侵奪するあらん。酉に落つるを「巧説」と呼び、亥に落つるを「誣詞」と呼び、是れ碰上して奸人の算計せり。
子為房室,故主陰人災。又云溺水,主小人蹇塞。戌為奴婢本家,故主之。在戌辰丑未俱名處機,主小事成合。丑為貴人,故曰侍側。未為酒食,以戌刑未,故主誆賺得財。一云,主宿疾。加寅一名犯牢,主公私口舌。加巳,一雲投絶,若發用主血痢之疾。
子是れ內室房舍なり。ゆえに女子の災に遭うを主る。亦た一説に「溺水」と呼び、小人物の處境困頓閉塞を主るとす。戌是れ天空の本家なり。ゆえに事情は奴婢に由りて起こる。戌・辰・丑・未の這四墓に落つれば、皆「處機」と呼び、小事は能く談成し得べし。丑是れ貴人の位なり。ゆえに「侍側」と呼ぶ。未は酒食を主り、而も戌はまた未を刑す。ゆえに誆騙手段に靠りて錢財を撈到するを主る。另一説に積久して愈えざる老病を主るとす。寅上に加われば、一名「犯牢」、公私兩面に口舌あるを主る。巳上に加われば、一説に「投絶」と呼び、若し又た發用して初伝と為れば、血痢の類の病を患るを主るとす。
午為文明,故識字;申為舌辨,故鼔舌,情偽難測。辰為惡殺,卯為門戶,克傷故主暴客。酉為蔽匿,亥為口舌,二者皆主巧言奸誣。一說天空加酉奴婢走失、姦淫;加亥名濡冠,亦主小利遺失。
午は文明を主る。ゆえに「識字」と呼ぶ。申は口舌辯説を主る。ゆえに「鼓舌」と呼び、此時真情假意は難く揣測すべからず。辰是れ惡煞の位、卯是れ門戸の位にして、皆能く天空を克傷す。ゆえに強橫の客の上門するあるを主る。酉は遮蔽隱匿を主り、亥は口舌を主る。這兩位は皆花言巧語・造謠誣陷を主る。另一説に認めて:天空が酉に加われば、奴婢の逃走あるいは奸淫の事あるを主る。亥に加わるを「濡冠」と呼び、帽子は水に打濕せられ、亦た小利の上に遺失あるを主る。
天空·詩
後六天空司直官,奸謀詭詐事多端。君子遷轉防讒誑,俗輩孤單被欺瞞。比助相扶奴婢喜,刑傷不睦是非攙。疾關氣脹疼胸脅,井灶為殃豈得安。
貴人の後の第六位に排する天空は官為る司直にして、奸邪算計・詭譎欺詐を主り、事端百出す。君子これを占い得れば、調任升遷の際に讒言誑語を提防すべし。平常人これを占い得れば、則ち形單影隻・人に蒙騙せらる。天空が日干と比和相助すれば、奴婢の類の喜事を主る。一旦相刑相傷・彼此不睦なれば、就中許多の是非を摻進す。病を占えば、是れ氣脹・胸脅疼痛なり。作祟する是れ井神與竈神にして、安撫を加えざれば難得安寧なり。
天空·類神
於人丑婦、貧人,祟井灶及絶嗣鬼,於病脅腹中氣並下痢,於五榖,於獸狼狗之屬,又為印綬、金鐡、空虛之物,變異為虛臭惡物,色黃,數五。
天空の類神:人物の上に在りては相貌醜陋の婦人と窮苦の人を代表す。鬼祟の上に在りては井神・竈神および香火を斷たれたる絶嗣の鬼を代表す。疾病の上に在りては脅腹脹氣して兼ねて下痢す。五穀の一項は原書に標目して而も其の物を載せず。禽獸の上に在りては狼・狗の類を代表す。器物の上にまた印綬・金鐵與中空の物を代表す。怪異の出現する時は、是れ虚浮腐臭の穢物。顏色是れ黄、成數是れ五なり。
白虎論
白虎在天為廷尉卿,雷部者霹靂之神。又為風伯,位居後五,家庚申,金旺秋三月,凶將也。虎乃西方白帝金神,四炁陰柔之五女也。剛金専主權煞,九天元女下執法神也。貌若婦人,多與人為凶器、喪服,能損骨肉,亦為胎孕,多行暗道,好作陰私,浸淫濁濫,與後婦同好暗室,操行不良,職居大將。運得地則氣雄威猛,失地則狼狽而凶。冬至雹、凍、大風,夏主暴雷害物。
白虎は天上に在りて是れ廷尉卿にして、雷部裏に在りては霹靂の神に充當し、又た兼ねて風伯を作す。位次は貴人の後の第五位に排し、本家は庚申に在り、五行は金に属し、秋三月當旺し、一位の凶將なり。白虎是れ西方白帝の金神にして、四氣之中の陰柔の第五女に属し、剛硬の金を以て專ら權柄と殺伐を掌り、是れ九天玄女の手下の執法の神なり。它の相貌は婦人の個の如くして、卻って常に人に凶器と喪服を帶來し、能く骨肉至親を損傷す。同時に亦た胎孕の事を主り、多く暗路を走り、私情を弄するを好み、行為は浸染污濁して、天后と一樣に暗室の私を喜び、操守は端正ならず、而も職位は卻って大將なり。行運が地を得る時は、氣勢は雄壯威猛なり。地を失う時は、就中狼狽にして凶险を顯す。它は冬至前後に在りて冰雹・霜凍と大風を主り、夏天に在りては則ち暴雷の物を傷るを主る。
白虎主道路、信息、兵戈、動眾、威權、財帛、犬馬、金銀、寳物,其戾主孝服、哭泣、死喪、疾病、怪異、凶惡、殺伐、災害、口舌、獄禁、斗鬧、闇昧、血光、怨仇、驚恐、刑戮之事。披刑帶殺,災禍立至。虎旺相相生及順理者,亦作財物斷之;不然因鬧處得財。
白虎は道路・消息・兵戈戰事・興師動衆と威權を主管し、亦た錢財・犬馬・金銀與珍寶を主る。它が反常して惡を作す時は、則ち孝服・哭泣・死喪・疾病・怪異・凶惡・殺伐・災害・口舌・牢獄拘禁・鬥毆喧鬧・暗昧不明・血光の災・結仇・驚恐與刑戮の事を主る。它が若し刑を帶び煞を帶びれば、災禍は立刻降臨す。不過白虎が若し旺相の氣を乘じ・日干と相生し、行事また理に順えば、同樣に財物に按じて斷ずべし。即便不然とも、亦た多半是在れ熱鬧嘈雜の地方に錢財を得るなり。
凡占施大功,作大事,最要虎入課發用,其功立成,虎乃威權之將也。占官爵亦闕要白虎,乃為威權,更帶殺尤美,所謂“不刑則不發也”。
凡そ大工程を興辦し・大事業を成就するを占うに、最も白虎の課に入りて發用して初伝と為るを須う。那麼功業は立刻成すべし。因るに白虎は本來威權を掌る大將なればなり。官職爵位を占うにも亦た白虎を少なからず、同樣に它の威權の義を取る。若し再び凶煞を帶びれば、格局反對に更美し。這就中いわゆる「刑傷を受けざれば發し起こる能わず」の道理なり。
占病切忌白虎賊日,兼虎帶殺賊日,斗魁作虎克日、克行年,虎陰剋日辰年命,皆凶。最愛虎空,附徳神者吉。有白虎落空亡,或有徳與日相生,不損人惟,凶煞重亦,不能救;占公事,忌蛇、虎、剋日干,以二將皆血光之神也。
疾病を占うに、最も白虎の日干を克賊するを忌み、亦た白虎の凶煞を帶びて來りて日干を克賊するを忌む。此外、斗魁(戌)が化して白虎と成りて去りて日干を克し・行年を克し、あるいは白虎の陰神が去りて日・辰・行年・本命を克するは、皆凶象なり。最も喜ぶ是れ白虎の空亡に落ち、あるいは徳神に附着すれば、那就中吉に轉ず。白虎が一旦空亡に落入り、あるいは徳神ありて日干と相生せば、便ち人を傷る能わず。只是凶煞が若し堆るに太重き過ぎれば、這點の救助も亦た頂住する能わず。公門の事を占うに、螣蛇と白虎の日干を克するを忌む。因るに這兩位は皆血光を主る神なればなり。
占墓宅,看白虎臨何方,斷其方有岩石、神廟之象。占行人以虎為準,初傳立至,中傳在途,末傳失約未來。虎帶喪吊加支,主家喪服,或外服入宅。傳中見虎,須干有服人。
墳墓住宅を占うに、要して白虎の哪一方に臨むを看れば、就中那個方向に巖石あるいは神廟の類あるを斷定す。行人を等候するを占うにも、亦た白虎を以て準と為す。白虎が初伝に落つれば、人は馬上に就到す。中伝に落つれば、還た途中に在り。末伝に落つれば、就中失約して來らず。白虎が喪門・吊客の二煞を帶びて日支上に加われば、自家の將に孝服を穿かんとするを主り、あるいは外人の喪服を家門に帶進す。三伝之中に白虎を見れば、那麼日干一方は必定に身に孝服を穿つる人あり。
占天時,虎主大風。虎仰視凶惡之甚,治四孟是也。虎遭擒免災,太歳類合治寅午戌是也。虎旺上主哭泣遭官事,相上逺使怨仇相爭事,死病疾死喪事,囚血光沉淪獄訟事,休有疾病。
天氣を占うに、白虎は大風を刮くを主る。「虎仰視」是れ凶惡して極點に到る格局にして、定位は寅・申・巳・亥の四孟の位に在り。「虎遭擒」是則ち災を免るべく、定位は太歳と三合相配して、寅・午・戌の三位に落つ。再び四時の氣に按じて檔を分く:白虎が旺氣を乘ずれば、哭泣して兼ねて官司に遭うを主る。相氣を乘ずれば、遠方の來使と仇家の相爭するを主る。死氣を乘ずれば、疾病と死喪を主る。囚氣を乘ずれば、血光の災と獄訟に沉溺するを主る。休氣を乘ずれば、則ち只是疾病些かあるのみ。
白虎·賦
白虎道路,官災疾病。溺水亥子,望音書不至;焚身巳午,雖災禍反昌。臨門兮卯酉,傷折人口;伏野兮丑未,損失牛羊。登山在寅,掌生殺之柄;落穽在戌,脫桎梏之殃。銜牒在申,立可待其有喜;咥人在辰,終不見其為祥。
白虎は道路を主り、亦た官災與疾病を主る。亥・子に落つるを「溺水」と呼び、盼望の書信音訊は到る能わず。巳・午に落つるを「焚身」と呼び、虽災禍あるも、結果反對に轉旺す。卯・酉に落つるを「臨門」と呼び、家中人口に傷損あるを主る。丑・未に落つるを「伏野」と呼び、牛羊を丢失するを主る。寅に落つるを「登山」と呼び、能く生殺大權を掌握す。戌に落つるを「落阱」と呼び、反對に枷鎖牢獄の殃を脱去す。申に落つるを「衔牒」と呼び、站着して就中能く喜訊を等來す。辰に落つるを「咥人」と呼び、虎に咬着せられ、終究吉祥と言うべきなし。
金到水沉溺,故望信不至。一雲在亥主有孕婦。巳午火克金,主反禍為福。一雲虎乘魁罡加巳午主孝服,或干孝人事。
白虎は金に属し、金が水裏に沉めば就中頂を沒す。ゆえに盼る信は到る能わず。亦た一説、白虎が亥に在れば家に孕婦あるを主るとす。巳・午は火に属し、火は能く金を克し、白虎の凶性を熔化掉す。ゆえに反對に禍を轉じて福と為す。另一説に認めて、白虎が魁(戌)罡(辰)を乘じてまた巳・午の上に加われば、孝服の事あるを主り、あるいは戴孝する人の為に事を辦ず。
未伏穴難動,酉當路俱老幼疾病。丑未為田野,故損牛羊。又云,丑日直視有求望。一雲防害。未亦名登山。主進用有權。滯中得速。虎登山主生財,人口有傷。一云,蛇虎臨寅梁,折屋壊落;穽亦主反禍為福。一雲在戌閉目,戌為白虎兮犬驚,乃正位為銜牒,主道途信通。又云,申酉俱爭訟,辰凶惡,故咥人,主官災刑戮,又名夜行,凶。
白虎が未に落つれば穴裏に伏するが如く、動彈し難し。酉に落つれば正に路口に當たる。這兩處は皆老人小孩の生病を主る。丑與未是れ田野なり。ゆえに牛羊損失を主る。亦た一説、丑日は白虎が直視し、反對に指望有所す。還た一説に害を受くるを提防すべしとす。未はまた「登山」と呼ばれ、提拔任用せられて實權を握有するを主り、原本停滯したる事情は反對に快に變ず。白虎が山に登るは財を生ずるを主るも、家中人口は傷損あるを要す。另一説に講す、螣蛇與白虎が寅位の屋梁上に臨めば、房屋の折損坍塌を主る。而も落阱の一格も亦た禍を轉じて福と為すを主る。又一説、白虎が戌に在るを「閉目」と呼び、戌位は犬に属し、虎を見れば則ち驚く。申是れ白虎の本位にして、這裏に落つるを「衔牒」と呼び、道路信息通暢を主る。還た説法ありて認めて、申・酉は皆爭訟を主る。辰位は凶惡なり。ゆえに「咥人」と呼び、官災刑戮を主り、這一位はまた「夜行」と呼ばれ、凶なり。
白虎·詩
後五白虎廷尉宰,孝服疾病獄囚縈。君子失官流血恐,小人殺傷致身傾。旺相相生惟損失,死囚刑剋慮沉溟。病者目頭癰疽苦,祟犯傷鬼祭乃寧。
貴人の後の第五位に排する白虎は官は廷尉の長に居り、孝服・疾病與牢獄纏身を主る。君子これを占い得れば、怕るる是れ官を丢と流血。小人これを占い得れば、則ち殺傷の禍あり乃至性命傾覆す。白虎が旺相の氣を乘じてまた日干と相生せば、不過是れ些かの損失。死氣囚氣の上に落ちてまた刑を受け克を受くれば、就中沉淪して起たざるを擔心すべし。病を占えば、苦しむ是れ眼病頭痛與癰疽。作祟を問えば、是れ橫死受傷の鬼を沖犯せし、祭祀したる後にこそ安寧を得べし。
白虎·類神
於人為病、人孝子,於祟兵死客鬼,於病癰腫、頭目見血、憂驚,於五榖麥麻,於獸猿猴虎之屬,又為金銅、鐵闕之器,變異為劔傷形,色白,數七。
白虎の類神:人物の上に在りては病人と身に孝服を穿つる孝子を代表す。鬼祟の上に在りては兵刃に死したる異鄕の孤魂を代表す。疾病の上に在りては癰疽腫毒・頭目出血以及憂懼驚悸を代表す。五穀の上に在りては麦與麻を代表す。禽獸の上に在りては猿・猴・虎の類を代表す。器物の上に金・銅・鐵の製する物件を代表す。怪異の出現する時は、多く是れ刀劍の人を傷るの形。顏色是れ白、成數是れ七なり。
太常論
太常在天為太常卿,一雲少府,雷部中養物之雨,淑氣之風。位居後四,家己未,土旺四季各十八日,吉將也。太常己未燥土,為四時之喜神,和八節之嘉會,動遵禮樂為司察之官,職在禮樂榖帛之權。得地則為衣物、財帛、田園、寳貨,失地則退蔵屯剝,牙保、媒人。愛貴、合、後,畏蛇、空。
太常は天上に在りて是れ太常卿にして、亦た人は少府と説き、雷部裏に在りては萬物を養育する雨と和氣を送來する風を主る。位次は貴人の後の第四位に排し、本家は己未に在り、五行は土に属し、四季の末月は各々十八天旺し、一位の吉將なり。太常は己未に配し、乾燥の土に属し、是れ四時之中の喜神にして、能く八節の嘉會良辰を調和し、行動は一に禮樂の制に遵い、監察の官に充當し、禮樂與穀物布帛の權を執掌す。地を得る時は、衣物・錢財・田園與寶貨を主る。地を失う時は、則ち退藏して出でず・屯剝して通ぜず、只落得居間擔保の牙人あるいは媒婆を做す。太常は貴人・六合・天后と同行するを喜び、螣蛇與天空を畏懼す。
太常主文章、印綬、公裳、服飾、信息、交關、酒食、宴樂、絹帛、田地、五榖之屬。其戾主乖違、失公私文字、竊盜、衣裳、哭泣、不美、公私、牢繫。占官最喜此將,終始見太常、天驛二馬、印綬之卦,所求遂意。如傳見河魁、太常,主兩重印綬;葢河魁為印,太常為綬也。
太常は文章・印綬・官服・服飾・消息・往來交涉・酒食宴樂・絹帛・田地與五穀の類を主管す。它が反常して惡を作す時は、則ち事情の乖違不順・公私文書遺失・竊を遭い・衣裳有失・哭泣・不吉不美、以及公私兩面の牢獄拘係を主る。官を求むるを占うに最も這一將を喜ぶ。只だ課の首尾に皆太常を見、又た天馬・驛馬の二馬和印綬の卦に入るあれば、求むる所必定に心に稱う。倘若三伝裏に河魁(戌)と太常の同現を見れば、兩重印綬を主る——因るに河魁は印を代表し、太常は印を繫ぐ綬帶を代表し、兩者相合し、正に印綬齊全の象なればなり。
占得太常發用,更臨日辰門戸者,為印綬星動,君子遇之,決主印綬文字之喜。旺相相生,遷官轉職,即小人亦主媒妁婚姻。休囚刑剋,則財帛不安,貨物不足。太常被剝,百事消爍。春辰、夏酉、秋卯、冬巳是也。太常旺主貴人財物,酒食婚禮喜事;相祠祀、衣裳、婚事;死諡贈、財帛、囚、縣官、召命;休有病人、衣服、錢物,披刑帶殺,其事速成。
若し太常が發用して初伝と為り、又た日・辰あるいは門戸の位に臨むを占い得れば、就中印綬星の發動なり。君子これに遇上せば、一定に印信文書方面の喜事を主る。太常が旺相の氣を乘じてまた日干と相生せば、官を升り職を調ずるを主る。就算是れ平民も、亦た説媒成婚を主る。若し它が休囚して氣無くまた刑を受け克を受くれば、則ち錢財は安穩ならず・貨物は充足せず。「太常被剝」是れ百事消磨の凶格にして、定位是れ:春天は辰に在り、夏天は酉に在り、秋天は卯に在り、冬天は巳に在り。再び四時の氣に按じて檔を分く:太常が旺氣を乘ずれば、貴人の財物以及酒食婚禮の類の喜事を主る。相氣を乘ずれば、祭祀・衣裳與婚事を主る。死氣を乘ずれば、追贈諡號與遺留財帛を主る。囚氣を乘ずれば、官府傳喚與召命を主る。休氣を乘ずれば、則ち病人・衣服與錢物に關涉す。若し它が刑を帶び煞を帶びれば、這些の事情は反對に來ること快し。
太常·賦
太常筵宴,酒食相奉。遭枷在子,必值決罰;側目在寅,須遭佞讒。遺冠在卯也,財物損失。逆命在戍也,尊卑起訟。銜杯在申,受爵在丑,必進職而遷官。鑄印在巳,捧觴在未,或徵召與喜慶。午乗軒,有改拜之恩。辰佩印,有再遷之命。亥為聘詔,上雖善而必慮下憎。酉作券書,始雖順而堤防後競。
太常は筵席宴飲・酒食相待を主る。子に落つるを「遭枷」と呼び、必定に判罰に碰上す。寅に落つるを「側目」と呼び、免れず人に讒毀せられん。卯に落つるを「遺冠」と呼び、財物損失を主る。戌に落つるを「逆命」と呼び、尊卑上下の官司を打起こすを主る。申に落つるを「衔杯」と呼び、丑に落つるを「受爵」と呼び、皆職位進階・官運遷升を主る。巳に落つるを「鑄印」と呼び、未に落つるを「捧觴」と呼び、あるいは征召を受くるを主り、あるいは喜慶あるを主る。午に落つるを「乘軒」と呼び、改任加恩の事あり。辰に落つるを「佩印」と呼び、再度升遷の任命あり。亥に落つる是れ「聘詔」、上頭は虽賞識するも、卻って下面の人の嫉恨するを提防すべし。酉に落つる是れ「券書」、起初は虽順利なるも、卻って日後に爭を起こすを防備すべし。
子水旺,土囚,故名荷項,因酒食與人決罰。寅木克土,故小人側目加讒。太常為衣冠,卯木克之,故遺失。戌一名入獄,故尊卑不和。申為杯,丑為貴人,故銜杯而受爵。巳為印,未為酒食,故鑄印而捧觴。未又名列席,丑亦名列席,俱有資財之喜。午為相地,故乘軒。辰土近巳,故佩印。辰一名枷項。
子是れ水旺の地にして、土は這裏に到れば就中囚す。ゆえに「荷項」と呼び、頸上に枷を帶ぶるが如く、多半是れ酒食に因りて人と怨を結びて罰を受く。寅は木に属して能く土を克す。ゆえに小人は目を側め・讒言を進む。太常は衣冠を代表し、卯は木に属して來りて它を克す。ゆえに衣冠遺失す。戌はまた「入獄」と呼ばる。ゆえに尊卑の間の不和を主る。申の形は酒杯の如く、丑是れ貴人の位にして、合わせ起これば便ち衔杯受爵なり。巳是れ印を鑄るの地、未は酒食を主り、合わせ起これば便ち鑄印捧觴なり。未はまた「列席」と呼ばれ、丑も亦た「列席」と呼ばれ、兩處皆錢財上の喜事あり。午は能く土を生じ、是れ太常の相地なり。ゆえに「乘軒」と呼ぶ。辰は土に属してまた巳の這個印位に緊挨着す。ゆえに「佩印」と呼ぶ。不過辰は還た一個の名目ありて「枷項」と呼ぶ。
亥乃絳宮貴人之闕,上人喜,但未土克亥水,故慮下憎。酉為秋分之故,劵出後必有競也,主陰人喜,且防後爭。
亥是れ絳宮にして、亦た貴人の宮闕の所在なり。ゆえに上位者は歡喜す。只是太常の本家己未は土に属し、土は亥水を克す。ゆえに還た下面の人の心に憎恨を生ずるを顧慮すべし。酉は秋分の節に當たり、一年は此に由りて收斂に轉入す。契券は一旦立出せば、日後必定に爭執を生出す。ゆえに太常が酉に在れば女子那邊に喜あるを主り、同時に事後に糾紛を起こすを防備すべし。
太常·詩
後四官為太常卿,田園財帛彩鮮眀。君子遷官榮爵貴,小人媒嫂酒逢迎。旺相相生婚吉慶,死囚刑剋失財驚。病者四肢頭腹疾,祟縁新鬼可求親。
貴人の後の第四位に排する太常は官は太常卿に居り、田園・錢財と鮮亮なる彩帛を主る。君子これを占い得れば、官を升り爵を加え・榮顯尊貴を主る。小人これを占い得れば、則ち媒婆の撮合・酒食應酬なり。太常が旺相の氣を乘じてまた日干と相生せば、婚姻吉慶を主る。死氣囚氣の上に落ちてまた刑を受け克を受くれば、則ち破財して驚を受く。病を占えば、是れ四肢・頭部と腹部に疾あり。作祟を問えば、起因は新亡の鬼にして、親族に向かい禱告すれば便ち解を求め得べし。
太常·類神
於人為貴人、貧婦;於祟司命,又新化鬼;於病四肢,頭腹不寜;於五榖為麻,於獸為鴈羊之屬,變異為金石、文華、耳目、毛髮之類,味可食,形圓,色黃,數八。
太常の類神:人物の上に在りては貴人と貧寒の婦人を代表す。鬼祟の上に在りては司命神を代表し、亦た新亡して久しからざる鬼を代表す。疾病の上に在りては四肢病痛と頭腹不安を代表す。五穀の上に在りては麻を代表す。禽獸の上に在りては雁と羊の類を代表す。怪異の出現する時は、是れ金石・華美の文飾、あるいは耳目・毛髮と關ある東西なり。味道は可口の物に属し、形狀是れ圓にして、顏色是れ黄、成數是れ八なり。
玄武論
玄武在天為後軍,一雲又將軍,雷部中為苦雨神。位居後三,家癸亥,水旺冬三月,凶將也。玄武純陰之水,倚干輔坎,陰極之位,北方至陰之邪氣也。能終萬物,職將軍。得地則禦侮之官,專耗散之權;失地則奸盜賊害,不祥。抱不正之氣,妖邪六窮之鬼氣,當六甲之窮,位在四時之盡。愛龍、蛇、雀,畏空、勾,惡立魁罡。
玄武(本書はまた元武と寫作す)は天上に在りて後軍を統領し、一説にまた將軍と稱し、雷部裏に在りては苦雨の神に充當す。位次は貴人の後の第三位に排し、本家は癸亥に在り、五行は水に属し、冬三月當旺し、一位の凶將なり。玄武是れ純陰の水にして、乾位に依傍して坎宮を輔佐し、陰氣極盛の位に處り、是れ北方の最も陰なる邪氣なり。它能く萬物を終結し、職務は將軍なり。地を得る時は、是れ外侮を抵禦する武官にして、專ら耗散の權を掌る。地を失う時は、便ち奸盗賊害と成り、全く吉利無し。它の身上は不正の氣を帶び、是れ妖邪六窮の鬼氣にして、六甲の窮盡の處に當たり、位は四時の盡頭に在り。玄武は青龍・螣蛇・朱雀と同行するを喜び、天空・勾陳を畏懼し、最も魁(戌)罡(辰)の兩位に落つるを厭惡す。
玄武主聰明多智、文章巧伎、求望財物、干謁貴人。其戾主失脫、盜賊、奸詐、小人、女子、陰私、不明、走失、疾病、鬼魅、夢想、離別等事。武主鬼扇,其為事多浮泛難成。武在江湖則主風雲,在道路則主雨水。武與財星並,主財聚散,或亡失稽滯,少成多敗。如其旺相相生,則主交易財物,或作牙儈斷之。
玄武の正面の象是れ聰明多智・文章と巧藝に擅長し、亦た財を求むると貴人に干謁するを主る。它が反常して惡を作す時は、則ち失竊走脫・盗賊・奸詐・小人・女子・私隱の事・曖昧不明・人物走失・疾病・鬼魅・夢幻與離別を主る。玄武は鬼の暗中に煽動するを主る。ゆえに它の經辦する事は多半浮泛して實ならず・成就し難し。玄武が江湖の位に落つれば風雲を起こすを主り、道路の位に落つれば雨水を下すを主る。玄武が財爻と併居すれば、財物の聚まりてまた散ずるを主り、あるいは遺失・拖延して、成るは少なく敗るるは多し。倘若它が旺相の氣を乘じてまた日干と相生せば、就中交易財物に按じて斷ずべく、あるいは居間の牙商の類と當てて看るべし。
凡占盜賊,須責元武之三傳。先以元武為本傳,次看元武之陰為苐二傳,謂之盜神;而盜神有所生為蔵物潛居之處也。又須看盜神之陰,為苐三傳。此三處神將相生,上得吉將,其賊難獲;若三傳神將相剋有凶,當主敗露;又看人年上神與日,剋制元武者亦獲。
凡そ盗賊を占うに、必ず玄武自分の一套の三伝を追究せざるべからず。先把ち玄武本身を當てて第一伝と為し。再看る玄武上面の陰神を、當てて第二伝と為す。這一位は「盗神」と呼ばれ、賊人本身を代表す。而も盗神の生ずる那一位は、就中贓物の藏匿・賊人の潜居する處所なり。接着還た盗神の陰神を看るを要し、當てて第三伝と為す。這三處の神將若し彼此相生し、上面また皆吉將ならば、那賊は就中捉え難し。若し三伝の神將が互相克制し・凶象を帶びれば、就中賊人の敗露を主る。此外還た當事人の行年上の乘ずる神與日干を看るを要し、只だ能く玄武を克制せば、亦た一樣に賊を抓る能し。
凡卦忌武臨日辰,或日辰作武,逆理剋日辰者,俱防盜賊失脫,亦不宜與小人交易,恐有脫賺;不然其宅有陰人乘門戸不利也;如順理,旺相相生,不在此限。
凡是の課卦は、皆玄武の日あるいは辰上に臨むを忌み、亦た日辰本身の化して玄武と成るを忌み、更に它が逆理して行い來りて日辰を克するを忌む。碰上して這些の格局せば、皆盗賊與失竊走脫を提防すべく、亦た宜しからず小人と買賣を做すは、人に誆騙せらるるを怕ればなり。再不然すれば、就中那戸人家に女子ありて門戸の位を占りて家宅に對して利あらざるなり。不過若し玄武が行事理に順い、また旺相の氣を乘じて日干と相生せば、就中這些の禁忌の列に在らず。
占走失人物,元武附德,更臨日辰,逃歸獲。元武臨門戶,更直昴星者,必主失脫,官家當主牢獄走失;若直刑害,罪人自犯。元武橫截、盜賊、兵傷,順行亥子是也。《未明》又云:武並風伯雨師二神,必有盜賊。元武旺主貴人遺失財物事,相繫官失財事,死盜賊死亡事,囚盜賊囚繫事,休亡失病人財物事。
人口あるいは物件の走失を占う:玄武若し徳神に附着し、また日・辰の上に臨めば、逃走したるは自ら回來し、失物も亦た找回し得べし。玄武が門戸の位に臨み、又た正に昴星課に値すれば、必定に失竊走脫を主る。若是れ官府の占い得れば、則ち牢獄中に人の逃脫するを主る。若し它が正に刑害の位に當たれば、那就中罪人の自ら事を犯すなり。「元武橫截」は盗賊與兵刃の傷を主り、排法是在れ亥・子より順行して數え去る。《未明》一書は又た説く:玄武が風伯・雨師の兩神と併居すれば、必定に盗賊あり。再び四時の氣に按じて檔を分く:玄武が旺氣を乘ずれば、貴人の財物を丢失するを主る。相氣を乘ずれば、訟に渉り拘せられて又た破財するを主る。死氣を乘ずれば、盗賊の人を死亡に致すを主る。囚氣を乘ずれば、盗賊の拘係せらるるを主る。休氣を乘ずれば、病人の財物遺失を主る。
玄武·賦
元武遺陰賊走失。散髮在子,有捕盜之心。升堂在丑,有干求之意。愛寅兮入林而難尋,惡辰兮失路而自制。窺戶在卯也,家有盜賊;反顧在巳也,虛見怖驚。在亥名伏蔵,則隱於深邃之鄉;在未為不戒,則敗於酒食之地。截路在午,拔劔在酉,懐惡反傷;折足在申,遭囚在戌,失勢可得。
玄武は暗中の偷盗與人物走失を主る。子に落つるを「散髮」と呼び、盗賊を緝捕するの心思あり。丑に落つるを「升堂」と呼び、登門干求の意圖あり。它は寅位を喜び、一入すれば林中に就中尋覓し難し。辰位を厭惡し、一到すれば彼處に便ち迷路して自ら牽制を受く。卯に落つるを「窺戸」と呼び、家裏に賊あり。巳に落つるを「反顧」と呼び、只是虚驚一場なり。亥に落つるを「伏藏」と呼び、幽深の處に藏身す。未に落つるを「不戒」と呼び、酒食の上頭に栽る。午に落つるを「截路」と呼び、酉に落つるを「拔劍」と呼び、惡意を心懷して反對に自己を傷る。申に落つるを「折足」と呼び、戌に落つるを「遭囚」と呼び、賊人は勢を失い、贓物は就中追い回し得べし。
子曰過海,出入進退。丑曰立云,賊、失物、欺詐、干求。在寅,一說和諧之地,不為災。在辰主官事,一雲魁罡乘武奴婢逃亡。在巳,一雲跣足,進身之象,有人舉薦。未曰朝天,宜於貴。亥主損官。在午、酉,賊不宜攻。一雲午為失劔,不為害。又曰:元武午未兮轉職。申主賊現形,又橫劔,主害人。一說武乘玄子申,加卯酉,絶傷。
玄武が子に在るを「過海」と呼び、出入往還・進む可く退く可きを主る。丑に在るを「立雲」と呼び、賊盗・失物・欺詐和干求と關あり。寅に在れば、一説は和諧の地にして、災禍を構成せず。辰に在れば官司の事を主る。亦た一説、魁(戌)罡(辰)が玄武を乘ずれば奴婢逃亡を主る。巳に在れば、一説は「跣足」と呼び、是れ進身の象にして、人の擧薦するあらん。未に在るを「朝天」と呼び、貴人に謁見するに宜し。亥に在れば官職を折損するを主る。午・酉の兩位に落つれば、賊人は進攻するに宜しからず。一説に午は「失劍」にして、危害を構成せず。又た一句の斷語ありて説く、玄武が午・未に落つれば職位調轉を主ると。申に在れば賊人の原形を現出するを主り、此位はまた「橫劍」と呼ばれ、人を傷るを主る。另一説:玄武が子・申を乘じ、再び卯・酉の上に加われば、絶滅傷損を主る。
玄武·詩
後三玄武后將軍,盜賊奸邪獄訟陳。君子奴逃車馬失,常人家破戶門淫。相生健旺傷財畜,互克衰絶喪繫迍。病者患腰兼脹滿,祟殃河伯溺潭神。
貴人の後の第三位に排する玄武是れ後軍を統領する將軍にして、盗賊・奸邪與牢獄訟事の紛起を主る。君子これを占い得れば、是れ奴僕逃亡・車馬丢失。平常人これを占い得れば、則ち家業破敗・門戸之内に淫亂あり。玄武が日干と相生して又た健旺なれば、財物牲畜を損傷するを主る。彼此相克して衰敗絶氣なれば、則ち喪事・拘係與困頓を主る。病を占えば、是れ腰痛して兼ねて腹部脹滿す。作祟する是れ河伯與潭中に溺死したる水神なり。
玄武·類神
於人盜賊,邪視,小人;於祟河伯、水神;一雲廁鬼於病,心腹脹滿;一雲患腰,於五榖為豆,於獸狳豬之屬,又為蟲,於水中連鱗甲文章之物,變異為內虛女子之物,色黒,數四。
玄武の類神:人物の上に在りては盗賊・目光斜視の人與小人を代表す。鬼祟の上に在りては河伯與水神を代表し、一説は廁神の鬼なり。疾病の上に在りては心腹脹滿を代表し、一説は腰痛なり。五穀の上に在りては豆を代表す。禽獸の上に在りては猪の類を代表し、亦た蟲を代表し、以及水中の鱗甲花紋を帶びたる東西。怪異の出現する時は、是れ内裏空虚の物與女子の用具。顏色是れ黑、成數是れ四なり。
太陰論
太陰在天為御史大夫、中丞,又云天乙嬪妃綵女也,雷部中霜雪氷凍之神。位居後二,家辛酉,金旺秋三月,吉將也。太陰乘金,西方白帝之少女,輔後宮,處人臣之位,有肅殺之權,嚴重有威貌。得地則正直無私,主台垣諫府、刑章典憲,操天下是非,故於人為信,氣稟少陰,嬪媵之職;失地則為婢為妾,三十六怪之主。愛龍、常、後,畏雀、蛇、空,不立夘、午、子。
太陰は天上に在りて是れ御史大夫・御史中丞にして、亦た人は説く她は天乙の嬪妃彩女なりと、雷部裏に在りては霜雪冰凍の神に充當す。位次は貴人の後の第二位に排し、本家は辛酉に在り、五行は金に属し、秋三月當旺し、一位の吉將なり。太陰は金を乘じ、是れ西方白帝の小女兒にして、後宮を輔佐し、人臣の位置に處り、肅殺の權を握有し、神情は端嚴にして威儀あり。地を得る時は、她は正直無私にして、臺諫機構與刑律典章を主管し、天下是非の評判を執掌す。ゆえに人事の上に在りては誠信を代表す。她の禀する是れ少陰の氣、擔う是れ嬪妃媵妾の職なり。地を失う時は、就中婢女姬妾に淪為し、三十六種の怪異の主使と成る。太陰は青龍・太常・天后と同行するを喜び、朱雀・螣蛇・天空を畏懼し、卯・午・子の三位に落つるに宜しからず。
太陰主婦女、才帛、金銀、錢物、陰私、喜慶、婚姻。其戾為陰私損失、謀事遲滯未成、逺信未至、病疾未痊。旺相相生,主陰人財喜,或為胎產;死囚刑剋,陰小病患,及陰私舌口,婢弊不正之事。占公訟,太陰入卦,與日相生者,宜首罪。占罪太陰入卦刑剋者,主有神佛願。
太陰は婦女・財帛・金銀錢物を主管し、亦た私隱の事・喜慶與婚姻を主る。她が反常して惡を作す時は、則ち私隱に因りて損を受け・謀事遲滯して成らず・遠方書信未到・疾病久久して愈えざるを主る。太陰が旺相の氣を乘じてまた日干と相生せば、女子方面の財喜を主り、あるいは懷胎生産を主る。死氣囚氣の上に落ちてまた刑を受け克を受くれば、則ち女子小兒の生病、および私情に因りて起こる口舌、還た婢僕の作弊不端の事を主る。公門訴訟を占うに、太陰が卦に入りてまた日干と相生するは、主動して案に投じ首を自らするに宜し。罪責を占うに、太陰が卦に入りて刑を受け克を受くるは、先前神佛の願を許して未だ還さざるを主る。
占盜賊切,忌太陰入卦或臨日辰,主難獲;天地之私門也。徐曰:“太陰六合來加日,冥福佐之登逺程。”占墓宅,太陰入卦,所臨之方斷其有佛寺,及竒美好物名。
盗賊を占う時、最も太陰の卦に入りあるいは日・辰の上に臨むを忌む。那樣は賊就中捉え難し。因るに太陰は六合と一樣に、是れ天地之間の私門なればなり。徐氏に一句の斷語ありて説く:太陰與六合同一同に日干に加臨するは、是れ冥冥之中に福徳の相助あり、遠行の路程に走上る可しと。墳墓住宅を占うに、太陰若し卦に入れば、就中她の臨む那個方位に按じて斷ず。彼處に佛寺あり、あるいは名字奇特美好の東西あり。
占婚,見太陰並酉、亥、未發用,加日辰,其女必不正,或神佛阻,婦人間阻。加日本剋日,曰主淫亂。丙午日見之有財,太陰居申酉為拔劔,主陰。太陰旺主嫁娶陰私事,相財物蔽匿,死陰私死喪,囚陰私囚禁,休巫醫蔽匿事。
婚姻を占うに、若し太陰與酉・亥・未の一同に發用して初伝と為り、又た日・辰上に加わるを見れば、那女子の品行必定に端ならず。否則就中神佛の願の作梗するあり、あるいは婦人の從中阻撓するあり。太陰が日干上に加わりてまた反對に日干を克するは、淫亂を主る。若し丙午日に逢い她を見れば、反對に財あり。太陰が申・酉に落つれば、呼ばれて「拔劍」と為し、女子の事を主る。再び四時の氣に按じて檔を分く:太陰が旺氣を乘ずれば、嫁娶與男女私隱の事を主る。相氣を乘ずれば、財物の隱匿せらるるを主る。死氣を乘ずれば、私情に因りて死喪あるを主る。囚氣を乘ずれば、私情に因りて囚禁せらるるを主る。休氣を乘ずれば、則ち巫醫與隱瞞の事に關涉す。
太陰·賦
太陰所為蔽匿,其來禍福不寜。垂簾在子,則妾婦相侮;守局在丑,則尊卑相蒙。被察在戍兮,憂怪異,小人誣譖;遭淫在辰兮,被乖爭,勾連爭訟。寅跌足,午脫巾,財物文書暗動;亥裸形,巳伏枕,口舌盜賊驚憂。閉戸在酉,看書在未,雅稱士人之正;微行在卯,執正在申,偏宜君子之貞。
太陰の所作所為は總じて遮蔽隱匿の中に在り、帶來する禍福は皆安穩ならず。子に落つるを「垂簾」と呼び、妻妾の間は互相欺侮す。丑に落つるを「守局」と呼び、尊卑上下は彼此蒙蔽す。戌に落つるを「被察」と呼び、憂うる是れ怪異の事與小人誣告。辰に落つるを「遭淫」と呼び、遭遇する是れ乖違爭執與官司牽連。寅に落つるを「跌足」と呼び、午に落つるを「脫巾」と呼び、財物與文書の暗中に變動するを主る。亥に落つるを「裸形」と呼び、巳に落つるを「伏枕」と呼び、口舌・盗賊與驚憂を主る。酉に落つるを「閉戸」と呼び、未に落つるを「看書」と呼び、皆士人の雅正の道に合乎す。卯に落つるを「微行」と呼び、申に落つるを「執正」と呼び、正に君子の守貞持正に宜し。
凡太陰所為,雖福亦是蔽匿之事。子為房,陰為妾,故垂簾相侮。丑尊貴之宅,陰加故尊卑相蒙,占婚當主貴人為事;一雲主僧願。戍天空之宅,小人之象,故防譖。辰主乖爭,又為獄,故有訟;一雲戌曰繡衣,主婚。辰曰理冠,求就;又云墮胎、損婦、跌足、財動。
凡そ太陰の主る所の事は、即便是れ福も、亦た總じて遮遮掩掩の意味を帶ぶ。子是れ內室、太陰是れ妾なり。ゆえに「垂簾」と呼び、妻妾の互相欺侮するを主る。丑是れ尊貴者の居所にして、太陰が其の上に加臨すれば、就中尊卑の間の彼此蒙蔽と成る。婚事を占えば、多く貴人の出面して經辦するに由るを主り、亦た一説に僧道の願を許したるを主るとす。戌是れ天空の本家、是れ小人の象なり。ゆえに讒言を提防すべし。辰は乖違爭執を主り、又是れ牢獄なり。ゆえに官司あり。另一説、戌は「繡衣」と呼ばれ、婚事を主る。辰は「理冠」と呼ばれ、事を求めて能く成るを主り、又説くに墮胎・婦人を傷損し・跌足與財物變動を主るとす。
寅脫巾,文書動,其憂喜決於占時;又云午日披髮懐憂,寅榮遷恩錫。金生水,在亥為裸體,日亥元武,酉金珠,主陰有盜賊;又孕病;又云孕喜。巳火克酉,為伏枕,陰人口舌。
太陰が寅に在るを「脫巾」と呼び、文書發動を主り、究竟是れ憂か是れ喜か、要して起課の時辰を看りて定を來す。另一説に認めて午日は太陰が髮を披き、是れ心に憂愁を懷くの象にして、而も寅に在れば則ち榮升遷轉・恩賞を蒙受するを主る。金は能く水を生じ、太陰は金に属して亥水上に落ち、氣を泄して「裸體」を成す。亥はまた玄武の位にして、酉金は珠玉の如し。ゆえに女子那邊に盗賊の事あるを主り、亦た孕婦に病あるを主り、還た一説に反對に懷孕の喜を主るとす。巳は火に属して能く酉金を克す。ゆえに「伏枕」と呼び、女子口舌を主る。
酉為正位,故閉戸;未為夏未迎秋,金將至,故看書。卯為門,太陰出之,主正直;申為臨官,故為執政,四者皆君子則吉,小人凶也。一雲酉主奴婢、疾病、出入、防憂;未主傳書、欺詐、破失,又婚事。
酉是れ太陰の本位なり。ゆえに「閉戸」と呼ぶ。未は夏末に在り、正要して秋令を迎接し、金氣將に至らんとす。ゆえに「看書」と呼ぶ。卯是れ門戸にして、太陰は這裏より走出す。ゆえに人の正直なるを主る。申是れ金の臨官の地なり。ゆえに「執政」と呼ぶ。這四處は、君子これを占い得れば皆吉、小人これを占い得れば則ち凶。另に一説:太陰が酉に在れば奴婢・疾病・出入往來を主り、須く憂患を防ぐべし。未に在れば書信を傳遞し・欺詐與破損遺失を主り、此外亦た婚事を主る。
太陰·詩
後二太陰內史丞,陰私蔽匿事相仍。君子罪名將出入,小人賘奸致憂驚。乗旺相生婚禮驗,逢衰刑剋祀神徵。病者足疾腰傷損,有祟須祈灶有靈。
貴人の後の第二位に排する太陰は官は內史中丞に居り、男女私隱・遮掩藏匿を主り、此類の事情は接連不斷なり。君子これを占い得れば、罪名はあるいは出るあるいは入る・尚お兩可の間に在り。小人これを占い得れば、則ち貪贓行奸に因りて憂驚を招來す。太陰が旺氣を乘じてまた日干と相生せば、婚禮の類の事情は就中應驗す。碰上して氣衰して又た刑を受け克を受くれば、就中神を祭り祈禱してこそ徵驗あらん。病を占えば、是れ脚上に疾あり・腰部受損す。若し作祟あらば、須く竈神に向かい祈告してこそ靈ならん。
太陰·類神
於人與天后同,或云賤妾;於祟女祥,並灶,及絶嗣鬼;於病心、腹、腰、腳損;於五榖為小麥,於獸雞、雉、飛、鳥之屬。又為金鐵、刀針,變異為野外、水中物,色黃白,數六。
太陰の類神:人物の上に在りては天后の主る所と相同なり、亦た人は説く是れ身分低下の姬妾なりと。鬼祟の上に在りては女性の妖祥・竈神以及香火を斷たれたる絶嗣の鬼を代表す。疾病の上に在りては心・腹・腰與脚の損傷を代表す。五穀の上に在りては小麦を代表す。禽獸の上に在りては雞・雉與各種の飛鳥を代表す。器物の上に金鐵與刀針を代表す。怪異の出現する時は、是れ野外あるいは水中の物。顏色是れ黄中に白を帶び、成數是れ六なり。
天后論
天后在天事天乙為后妃,雷部陰霖霧雨之神。位居前一,家壬子,水旺冬三月,吉將也。天后六陰之極,北方黒帝之五女,處人臣之位,任用財物,為陰戶之事。掌握後宮,配貴人,多柔順,主遲滯,體天地之至位,作群侯之慈母,得地則清真亷潔、髙貴尊崇,失地則淫濫奸邪、雜亂人倫。愛龍、常、貴、合,畏勾、空土神,不立四季。
天后は天上に在りて天乙に侍奉し、后妃に充當し、是れ雷部裏に陰霾霖雨を主る神なり。原書に説く她の位居「前一」は、十二將の排法に按ずれば實は貴人の後の第一位なり。本家は壬子に在り、五行は水に属し、冬三月當旺し、一位の吉將なり。天后是れ六陰の極處に到り、北方黑帝の第五個の女兒と為り、人臣の位に處り、財物の支用を掌管し、內闈の事를主管す。她は後宮を執掌し、貴人と相配し、性情は多く柔順にして、行事は遲緩拖延を主る。她は天地間の最尊の位を體察し、是れ衆諸侯の慈母なり。地を得る時は、淸白廉潔・高貴尊崇。地を失う時は、則ち淫濫奸邪・人倫을攪亂す。天后は青龍・太常・貴人・六合と同行するを喜び、勾陳・天空の這類の土神을畏懼し、辰戌丑未の四季の位에落つるに宜しからず。
天后主宮庭、陰私、喜慶、婦人、財物、婚姻、胎產與賞赦、慶賀、恩澤。其戾主帷簿不修,陰私不明,欺詐不實,口舌走失。凡占后乘太歲加日、臨門戶,主恩赦之兆立至;更值三陽、三光尤準,占公事最宜見之;如不臨門戶,但入課傳者,則主遲慢。
天后は宮廷の事・私隱・喜慶・婦人・財物・婚姻與胎産を主管し、亦た賞賜赦免・慶賀與恩澤를主る。她が反常して惡を作す時는、則ち帷幕之内の檢點を失し・私情曖昧不明・欺詐不實以及口舌是非與人物走失を主る。凡そ卦を占う時天后が太歲を乘じて日干に加臨し、又た門戸の位に落つれば、恩赦の徵兆の馬上に到るを主る。若し再び三陽・三光の這類の吉格に遇上せば就更に準し、公門の事を占うに最も這種の格局を見るに宜し。若し她が門戸に臨まず、只是四課三伝に進んだるは、那就中事情の遲緩拖沓を主る。
天后所乘神切忌下賊上,必有小人凌辱之事;葢后是皇后星,女弱之象,不宜為下所制也。占婚,宜后與日相生,及三六合者成,反此不成。天后剋日干,女貪,男不肯;日干克天后,男貪女,而女不肯。若卦傳大吉,主先阻後成。
天后の乘ずる神は、最も下面の地盤の反對に上面の天盤を克するを忌む。那必定に小人凌辱の事あり。因るに天后是れ皇后星にして、本來女子柔弱の象なり、下位者に制伏せらるべからざればなり。婚姻を占うに、宜しく天后與日干相生し、あるいは三合・六合を結成すれば、這樣婚事は能く成る。反對には就中成らず。天后が日干を克するは、是れ女方の情願して男方の肯んぜざるなり。日干が天后を克するは、是れ男方の情願して女方の肯んぜざるなり。倘若整個の課伝が大吉なれば、則ち起初受阻・後來仍舊成事するを主る。
天后乘神可以定女子性情、容貌。天后乘馬,命見解神,主陰人離別。後陰作玄,闇昧不明;後陰作虎,主妻病凶。罡為后加婦年,主墮胎。天后陰申陽酉,主淫亂未明。一曰:天后多因占女人,忽逢土旺主災損。若臨午未並壬癸,萬事十謀無一真。天后旺主嫁娶酒食,相婦人陰私事,死主死喪財帛事,囚奸邪繫事,休陰私疾病事。
天后の乘ずる神を看れば、就中女子の性情與容貌を推定し得べし。天后が驛馬を乘じ、本命上に又た解神を見れば、女子離別を主る。天后の陰神が化して玄武と成れば、事情暗昧不明なり。陰神が化して白虎と成れば、妻子に病ありて而且凶险を主る。天罡(辰)が化して天后と成りて又た婦人の行年上に加われば、墮胎を主る。天后の陰神が申に落ち・陽神が酉に落つれば、淫亂の事の尚未明朗を主る。有一説に講す:天后を占うは多半是れ女人の事を問わんが為なり。若し忽然碰上して土氣正旺に、土は水を克し、就中災損を主る。若し天后が午・未に臨み、日干また壬・癸なれば、那麼萬事十謀は一件も是れ真ならず。再び四時の氣に按じて檔を分く:天后が旺氣を乘ずれば、嫁娶與酒食を主る。相氣を乘ずれば、婦人の私隱の事を主る。死氣を乘ずれば、死喪與財帛を主る。囚氣を乘ずれば、奸邪に因りて拘係せらるるを主る。休氣を乘ずれば、私情與疾病を主る。
天后·賦
天后婦女,敝匿陰私。守閨在子,治事在亥,動止多宜。臨門在卯,倚戶在酉,姦淫不足。褰帷在戍,伏枕在午,非嘆息則呻吟裸體。在巳毀妝,在辰不悲憂則羞辱。優逰閒暇,皆因理髮在寅,修容在申。悚懼驚慌,縁為偷窺在丑,沭浴在未。
天后は婦女を主り、事情は多く遮掩隱匿の中に在り。子に落つるを「守閨」と呼び、亥に落つるを「治事」と呼び、動靜を論わず皆合宜なり。卯に落つるを「臨門」と呼び、酉に落つるを「倚戸」と呼べば、則ち奸淫の嫌あり・名聲に虧あり。戌に落つるを「褰帷」と呼び、午に落つるを「伏枕」と呼べば、長吁短嘆ならざれば就中病に卧して呻吟す。巳に落つるを「裸體」と呼び、辰に落つるを「毀妝」と呼べば、悲憂ならざれば便ち受辱なり。能く優游閒適する所以は、因るに寅に落つるを「理髮」と呼び・申に落つるを「修容」と呼ぶを以てなり。惶恐驚慌する所以は、因るに丑に落つるを「偷窺」と呼び・未に落つるを「沐浴」と呼ぶを以てなり。
子宜靜,亥宜動,又云子主貴人、婚禮、逺信、盜賊,亥主陰人病,占訟必獄。卯酉為門戶,主姦淫,家事不寜。午為水胎,故伏枕,主孕病。戍為獄,水受克,故褰衣,主失物訟事。水淫於巳,故裸體姦淫之羞。辰為牢獄,故毀妝,主遺失衣物,官訟。又云魁罡作後,家蔵惡疾陰人。一雲在辰,婚產。
天后が子에在れば靜守するに宜しく、亥に在れば行動するに宜し。亦た一説、子に在れば貴人・婚禮・遠方書信與盗賊を主り、亥に在れば女子生病を主り、官司を占えば必定に牢に坐す。卯與酉是れ門戸の位なり。ゆえに奸淫を主り、家中は安寧を得ず。午是れ水の胎位なり。ゆえに「伏枕」と呼び、孕婦生病を主る。戌是れ牢獄にして、水は這裏に在りて土に克を受く。ゆえに「褰衣」と呼び、失物與官司を主る。水が巳位に到れば便ち泛濫して節を失す。ゆえに「裸體」と呼び、奸淫の羞を主る。辰も亦た是れ牢獄なり。ゆえに「毀妝」と呼び、衣物遺失與官府訴訟を主る。另一説、魁(戌)罡(辰)が化して天后と成れば、家裏に惡疾を患うる女子를藏むるを主るとす。還た一説、天后が辰に在れば婚事與生産を主るとす。
寅為毛髮,水生木故理髮。一雲文書不決。申為容水生之地,故修容。一雲奸私,寅亥合而丑近之,故偷窺主陰私。一雲主婚禮。又云后乘丑加支為用,夜夢鬼交,未為衣服,水受克,故沭浴主婦人憂。又云陰后在小吉,主婦人婚。一雲男進田宅。
寅是れ毛髮を代表し、水は能く木を生ず。ゆえに「理髮」と呼ぶ。一説に文書の懸而未決を主るとす。申是れ水の長生の地にして、能く水を容納す。ゆえに「修容」と呼ぶ。一説に奸情私隱を主るとす。寅是れ亥與相合し、而も丑はまた緊挨着す。ゆえに「偷窺」と呼び、私隱の事を主る。亦た一説に婚禮を主るとす。還た説法ありて認めて、天后が丑를乘じて日支上に加わりて發用して初伝と為れば、夜裏鬼與交合するを夢見るを主る。未是れ衣服を代表し、水は未에在りて土에克を受く。ゆえに「沐浴」と呼び、婦人に憂あるを主る。又説くに太陰與天后と同じく小吉(未)位に在れば、婦人成婚を主るとす。另一説に男方の田産宅舍を增置するを主るとす。
天后·詩
後一天后綵女嬪,惟須禁錮莫因循。君子遷官會賓客,小人陳儀議婚姻。旺相維持妻妾產,休囚傷害暗私淫。病成痢疾腰肢患,祟犯河官溺死神。
貴人の後の第一位に排する天后是れ彩女嬪妃の象にして、凡事は只だ約束收斂するに宜しく、放任因循すべからず。君子これを占い得れば、官を升ると宴會賓客を主る。小人これを占い得れば、則ち禮儀를備辦し・婚姻を商議す。天后が旺相の氣를乘ずれば、能く妻妾與産業를保住す。休囚の地に落つれば就中傷害あり、且つ暗中の私情淫亂を主る。病を占えば、是れ痢疾與腰肢の毛病。作祟する是れ河神與溺死の鬼なり。
天后·類神
於人貴流婦人,於祟水神溺鬼,病陰陽不調,大小便不利,臓腑之疾。於五榖稻豆,於獸鼠蝠,又為女人用物,變異為金石草木之屬,色白,數九。
天后の類神:人物の上に在りて는貴族流品の婦人를代表す。鬼祟の上に在りて는水神與溺死の鬼를代表す。疾病の上に在りて는陰陽不調・大小便不暢以及臟腑の疾를代表す。五穀の上に在りて는稻與豆를代表す。禽獸의上에在りて는鼠與蝙蝠를代表す。器物の上に女子の用品を代表す。怪異の出現する時는、是れ金石草木の類。顏色是れ白、成數是れ九なり。
六壬大全卷二終
六壬大全卷三·歌賦
日辰
日上生日百事吉,晝將人助夜神庇;日上剋日百不利,晝將人害夜鬼魅。日生上神百費出,日克上神事抑塞。日上之神去生辰,辰上之神來生日;日辰各受上神生,兩家順利有生意。日上之神去克辰,辰上之神來剋日;日辰各受上神克,兩家俱傷都不利。
這一段の歌訣は日辰上下神의生克를講す。日干上の乘ずる神が日干를生ぜば、百事皆吉、白昼は人の相助あり、夜裏は神の庇祐あり。日干上의神が日干を克すれば、百事不利、白昼は人の加害あり、夜裏는鬼の作祟あり。反對に、日干が去りて上神를生ずれば、錢財は白白に花出去し。日干が去りて上神を克すれば、事情は反對に壓住せられ・施展して開けず。若し日干上의神が去りて日支를生じ、同時에日支上의神が又來りて日干を生じ、日與辰は各自皆上神の生ずる所を受ければ、那麼人與宅의兩方面皆順利にして、處處に生機를透着す。若し日干上의神が去りて日支를克し、日支上의神が又來りて日干을克し、日與辰は各自皆上神に克せられれば、那就中兩邊俱に傷り、樣樣不利なり。
日上脫辰我脫他,辰上脫日他脫我;日辰各受上神脫,彼此防脫俱蹉跎。日上之神見辰旺,辰上之神見日旺;日辰上各見旺神,靜則為祿動遭網。日往臨辰遭下克,自取卑幼凌犯推。辰來臨日又剋日,卑幼上門肆侵欺。二者皆名為亂首。父子兄弟各離析。
日干上의神が日支를脱泄すれば、是れ我가他を泄耗す。日支上의神が日干을脱泄すれば、是れ他가我를泄耗す。日與辰各自皆上神에脱泄せられれば、那就中彼此皆人に掏空せらるるを提防すべく、事事蹉跎して成り難し。日干上의神が日支那邊에在りて正當旺し、日支上의神이日干這邊에在りて正當旺し、日辰之上에各々旺神을見れば、安靜不動すれば便ち祿にして、一動すれば就中羅網に落進さん。日干が移りて日支之上に反遭下の克する所は、這是れ自己が晩輩卑幼の欺凌을招來す。日支が移りて日干之上に又來りて日干을克すれば、則ち晩輩卑幼의登門して肆意に欺侮す。這兩種の格局は皆「亂首」と呼ばれ、父子兄弟各自離散するを主る。
日臨辰上去受生,以尊從卑受包容。辰臨日上來生日,彼自上門來周濟。日臨辰上去生辰,宅旺人衰虛耗頻。辰臨日上來脫日,亦主虛耗錢財是。日臨辰上去克辰,事雖費力得財雲。辰來臨日受日克,尊長得財卑幼悲。二者皆名為贅婿,日辰比和吉將吉。
日干が日支之上に臨みて其の生を受くるは、是れ尊長が卑幼に順從し・反對に對方의包容を受く。日支が日干之上に臨みて來りて日干を生ずるは、是れ對方の主動して登門して接濟に來る。日干が日支之上に臨みて卻って日支を生ずれば、宅は旺して人は衰え、家裏の虛耗頻繁を主る。日支が日干之上に臨みて日干を脱泄すれば、同樣に錢財虛耗を主る。日干が日支之上に臨みて日支を克すれば、事情是れ虽費力なるも、終究に能く財を得。日支が日干之上に臨みて日干に克せられれば、則ち尊長得利・卑幼悲傷す。後面의這兩種の格局는皆「贅婿」と呼ぶ。倘若日與辰と氣類相合し、再び吉將을乘ずれば、那就中吉利なり。
日上祿馬主榮遷,日見辰馬宅動言君子遷官,小人宅動。辰上日祿受屈抑,權攝不正此為占。日辰上各見徳神,再乘吉將進發真。若見六合和合事,不宜解散憂病祲。乘墓坐墓日辰同,俱主昏迷雲霧中已上見鬼墓為暗鬼,尤當防。
日干上에祿神・驛馬를見れば、榮升遷轉을主る。日干が日支上의驛馬를見れば、則ち家宅變動을主る——君子는升官에應じ、小人는搬家에應ず。若し日干の祿神が日支之上に落つれば、人에壓抑せらるるを主り、權柄は人에代りて執掌せられて名分正しからず。此象を占い得れば便ち如此なり。日與辰上에各々徳神을見、再び吉將을乘ずれば、進取發達是れ真なり。若し六合を見れば、那是れ和合の事にして、此時宜しく拆散すべからず。否則憂患疾病を生ぜん。日與辰が同時에墓を乘じ・墓に坐すれば、皆人が雲霧之中에在るが如く昏昧不明을主る。以上の格局若し鬼爻の墓를見れば、那就中暗鬼にして、尤其に提防すべし。
賓主不投懐猜忌,日辰互見害與刑。日辰逢敗人宅頹,絶神結絶舊事宜。死氣死神宜休息,若值空亡虛無實。日課不足心意焦,辰課不足家宅擾。若見卯酉為阻隔,魁罡蛇虎有傷折。
賓主兩方が合不來・互相猜忌するは、因るに日與辰の間の彼此相害相刑するを以てなり。日辰が敗氣に逢到せば、人丁與家宅皆衰頹せん。絶神に遇上せば、舊事は就此に了結し、反對に相宜なり。碰上して死氣・死神せば、只だ休養生息するに宜し。若し正當空亡に値すれば、則ち一切虛にして實ならず。日上の一課が足らざれば、心裏焦躁を主る。辰上の一課が足らざれば、家宅紛擾を主る。若し卯・酉の兩位を見れば、便ち阻隔不通なり。若し魁(戌)罡(辰)與螣蛇・白虎を見れば、就中傷折の患あり。
發用
日主外兮辰主內,四課各就日辰推(日上兩課發用主外事,辰上兩課發用主內事)。一二發用貴順行,用在貴前事速成。三四發用天乙逆,用在貴後吉凶遲。四課發用名驀逢,事主偶然或驀成。
日干は外面の事を主り、日支は家內の事を主る。「四課」(日干・日支に由りて各々兩課を起こし、共に四課、是れ六壬起課の根基)は皆分別して日與辰上に落到せしめて推求すべし:一・二の兩課は日干に属し、此に由りて取出す「發用」(即ち「三伝」の初伝、全課の起點)は外事を主る。三・四의兩課は日支に属し、此に由りて發用すれば則ち內事を主る。一・二課發用する時は天乙貴人順行し、用神は貴人の前に在り、求むる所は速成す。三・四課發用する時는天乙貴人逆行し、用神は貴人の後に在り、吉凶皆來ること遲緩なり。若し常法を循わずして四課之外に於て忽ち其の用を得れば、呼ばれて驀逢と為し、占う所の事は多く偶然に出で、あるいは忽然の間に就中成る。
用上克下事外來,利男利先卑小災。用下克上事起內,利女利后尊長悲。下賊上兮神克官(內戰),事將成合攪擾言。用遭夾克名逼迫,身不自由受驅策。用克上下為隔將,隔斷難合事不昌。
發用の處の上神が下神を克すれば、事情是れ外面より來り、男子に對し・先に手を動かすの一方に對して利あり、災を受くる是れ卑幼小口なり。發用の處の下神が上神を克すれば、事情は家內より起こり、女子に對し・後に手を動かすの一方に對して利あり、憂傷する是れ尊長なり。下の上を克するを「賊」と呼び、上の下を克するを「克」と呼び、六壬の三伝を取るは首として「賊克」の一法를重んじ、先に下賊上ある無しを看、無ければこそ上克下를取る。若し發用の處に天將與乘ずる所の神と互相克戰すれば、呼ばれて內戰と為し、事情本來將に成らんとすとも、亦た橫生攪擾せん。發用が上下兩邊に夾住せられて克制せられれば、呼ばれて逼迫と為し、人は身已に由らず、處處人の驅遣を受く。發用が反對に上下兩神を克制すれば、呼ばれて隔將と為し、中間は隔断せられ、聚合し難く、事情は興旺せざらん。
用起長生凡謀遂,長生臨墓發舊事。用敗與死事壊毀,用絶事了人信至。用墓事緩病者悲,物在人歸凶事舊(凶事不發刑微)。刑沖破害事阻隔,用空憂喜無實遮。
發用が長生の位に坐すれば、凡そ謀劃ある皆遂心し得べし。長生若し又た墓地に臨めば、發動する便ち陳年舊事なり。發用が敗地・死地에落つれば、事情は敗壞毀棄せん。絶地に落つれば、事情는就此に了結し、只だ人의來りて信を傳えるを待つ。發用が墓地에落つれば、事情は遲滯して前へせず、病人は堪え憂えざるべからず。不過物件は還た在り・人も亦た歸る能く、應ずる所の凶事は皆舊事に属し、凶事既に發動せず、刑傷は自然輕微なり。發用若し刑・沖・破・害に逢えば、事情は處處阻隔を受く。若し發用が空亡に落ちれば、憂も好いも喜も好いも皆是れ虛にして、遮掩して底細を住む能わず。
剋日憂身長上訟,克辰家宅不安寜。克時心動驚憂起,克末有始必無終。克命上神主得才,克年上神事必乖。喪吊事干有服人,休主疾病囚主刑。天將入廟喜愈喜,凶將歸家亦不慮(將凶亦不為禍)。用歲中末或月日,移逺就近急速是。
發用が日干を克すれば、憂うる是れ自身、還た尊長與官司を打つを主る。日支を克すれば、家宅は安寧を得ず。占時を克すれば、心神は搖動し、驚憂は頓に起こる。末伝を克すれば、事情は頭有り尾無し。發用が本命上神を克すれば、錢財を得るを主る。行年上神を克すれば、事情必然に乖違す。發用が喪門・吊客を帶びれば、辦ずる所の事は孝を戴く人に牽連す。休氣を帶びれば疾病를主り、囚氣を帶びれば刑罰을主る。天將が自己の本廟の位에進入する는、是れ喜の上に喜を加う。凶將が自家本位に回到するは、亦た必ずしも憂慮せず、因るに凶將家に歸れば便ち再び禍を為さざればなり。發用若し是れ太歲にして、中伝末伝又た月建あるいは日辰なれば、那就中遠より移りて近に就くに由りて、事情の來る急速なり。
真三光
三光者,日月星也。三光入課傳立用,則吉凶咸倍。所以有三光之卦。今壬家以日為天煩,月為地煩,此言太陽太陰矣。若星則何取?大約甲乙日取木星,丙丁日取火星之類。或甲乙日取水星,丙丁日取木星,亦詳六親而言之。如日月星俱見傳課,為真三光。或吉或凶,視課體斷之,較常課更力倍。
いわゆる三光、指す是れ日・月・星なり。三光が四課三伝に進入して並びに取られて用神を作せば、吉凶の力量皆加倍を要す。ゆえに六壬裏에另に「三光」の一類の課格あり。如今壬術を治める人は太陽을稱して天煩と作し・月亮を稱して地煩と作し、説く所は太陽與太陰의兩個月將なり。星に至りては、該く哪一顆を取るべきか。大體上甲乙日は木星を取り・丙丁日は火星を取り、其餘は此類を照らして推す。亦た人는甲乙日は水星を取り・丙丁日は木星を取るを主張し、那是れ兼ねて六親生克を顧りて定むるなり。若し日・月・星の三者皆四課三伝之中に出現せば、便ち真三光なり。吉を斷じ凶を斷ずるに至りては、要して整個の課體を看りて定を來すべく、其の應驗の力は尋常課に比べて一倍強を要上る。
真五星五行
天上五星,亦宜為天地盤視其相加,乃真五行也。如十將凶,亦不為禍。一月丙日寅時二刻之末,為箕六度,占事時太陽在尾三,以尾三加於箕六,如遇天盤流金星加於地盤,或尾火或室火度,是金為火所克。丙日以金為財妻,占財則求之必得,占妻則有病必亡。如天盤金星加於地盤,或氐土或胃土度,為逢生,占財與妻皆宜。
天上の五顆の行星も、亦た應當に天盤・地盤と當てて它らの彼此加臨の關係를看るべし。這才し是れ真正の五行なり。此に照らして推算して若し吉象を得れば、縱令十二天將中に凶將出現すとも、亦た禍を成さざらん。例を挙げて説けば:正月丙日寅時二刻將盡、躔次は箕宿六度에在り、事を占うの時太陽은尾宿三度에在り、就把ち尾三を加えて箕六の上に到る。若し遇す天盤上의運行する金星が加わりて地盤의尾火・室火等의火에属する星度の上に到れば、就中金の火に克せらるるなり。丙日は金を以て妻財と為す。這種の情形에遇えば、財を求むるを占えば必定に手に到り、妻室を占えば則ち妻子に病ありて保ち難し。反對に、若し天盤金星が加わりて地盤의氐土・胃土等의土에属する星度の上に到れば、土は能く金を生じ、是れ為れ逢生にして、財を占い・妻を占う皆相宜なり。
此言天盤流行五星加地盤本宿五行也,至於地盤亦有流星,當兼觀之。但課內有本神五行矣,又有遁干,再論五星,頭緒多耳,姑存之。
上面に講する是れ天盤上의運行する五星が地盤本宿に加臨したる後の生ずる所の五行關係なり。地盤上の同樣に運行する星辰에至りては、亦た應當に一併して參看すべし。只是一課之中に本來各神自身の五行あり、此外又た遁出したる天干あり、如今再び五星の一層를添えれば、頭緖は未免太多なり。ゆえに姑且把ち這一法を記錄して此處に在らしめ、備えて廢せず。
釋十二將
貴神鬥戰莫論官,剋日名為四閉看(剋日主事業失)。若與日辰相生利(若與日辰相生,百事皆利),福祿榮華萬事安。
「貴人」(即ち天乙貴人、十二天將の首、尊長・官爵與厄を解くを主る)若し乘ずる所の神與彼此交戰すれば、官職の事는就中指望するに及ばず。貴人が日干を克すれば、呼ばれて「四閉」と為し、一看すれば便ち知る、凡そ日干を克する皆事業失落を主る。貴人若し日干・日支與相生せば、情形便ち利あり:日辰與相生するは、百事皆吉、福祿榮華、萬事平安なり。
蛇日相生喜氣至(凡十二將固喜生日,亦要與乘神相生,不喜戰克。如蛇乘木神則喜,乘水神則戰,餘仿此),戰克憂驚在小兒。
「螣蛇」(十二天將の一、驚恐・怪夢與火光を主る)與日干相生せば、喜慶の氣便ち到る。十二天將は本來皆日干を生ずるを以て喜と為すも、但し還た乘ずる所の神與相生してこそ好し。最も彼此戰克するを忌む。譬如螣蛇が木神を乘ずれば、木は能く蛇の火を生ず、是れ喜なり。水神を乘ずれば、水が來りて蛇の火를克す、就中戰なり。其餘各將皆這個道理に照らして推す。若し螣蛇與日干戰克せば、憂驚の事は就中小兒の身上に應ず。
初傳怪夢心無定,末傳火燭卦中推(其神上下帶火木,更乘天地火煞,可取火厄。若在日上、宅上無救,主火厄。宅者,命前五辰是也。火光煞,正月在戌,逆行十二支。火燭煞,正月在巳順行十二支,不克日則不用矣;剋日傷人克宅焚宅)。
螣蛇が初伝に落つれば、怪夢頻仍・心神不定を主る。末伝에落つれば、就中課中より火燭の災を推算すべし。若し螣蛇の乘ずる神が上下皆火を帶び・木を帶び、又た天火煞・地火煞を乘ずれば、便ち火厄と斷ずべし。這種の情形若し日上神あるいは宅上神에出現して而又た救無ければ、一定に火災を主る。いわゆる宅는、指す是れ本命の前の第五位の地支なり。火光煞の起法は正月は戌に在り、十二地支に依りて逆行す。火燭煞は正月は巳に在り、十二地支に依りて順行す。這兩煞は日干を克せざれば就中取るに及ばず。一旦日を克すれば、輕ければ人を傷り、重ければ房舍를燒毀す。
朱雀相生印信權(其神乘木火土神,更有太歲貴人相生,有權握文字至。身不克則吉,克則凶),剋日口舌定難安。初傳禍發官事急(注曰:在初傳剋日,急起口舌),末傳身須有逺看(注曰:謂朱雀飛騰逺路,言有逺信。若更乘天驛馬,必有逺信至。又朱雀為交易文字)。
「朱雀」(十二天將の一、文書・口舌與音信을主る)與日干相生せば、印信與權柄을主る。朱雀の乘ずる神若し是れ木・火・土にして、又た太歲・貴人の相生を得れば、便ち權を掌るの象あり、文書は之に随い而至る。朱雀本身は日干を克せざるを吉と為し、日干を克すれば則ち凶なり:日干を克せば必ず口舌を生じ、難得安寧なり。朱雀が初伝に落つれば、禍事は一發して、官司の來る極めて急なり。這是れ因るに初伝に在りて日を克し、口舌は驟に起こるを以てなり。朱雀가末伝に落つれば、就中遠處に向かい眼を着くべし:朱雀は遠路に飛騰し、遠方書信あるを主る。若し再び天驛馬を乘ずれば、遠信必至。此外朱雀는還た交易文書の事を主る。
六合從來福遂佳(六合不克日,所求合和。若剋日,忌合和,事不成,又主中損,更看何事斷之。若見財,主合和中破財;若克祿,主官事),相剋夫婦見乖差(注曰:六合剋日,夫婦口舌。若絶神、離神,主夫婦別離。若六合帶今日干合,交加克戰,必主分離)。
「六合」(十二天將の一、婚姻・交易與和合을主る)は向來是福神にして、求むる所は多く能く順遂す。六合が日干を克せざれば、凡そ和合の事를求むる皆辦成し得べし。一旦日干を克せば、就中和合を談ずるを忌諱し、事情は辦成せず、中途還た折損せん。究竟何處に損するは、要して占う所何事なるを看りて定を來す。若し課中に財を見れば、和合之中에破財するを主る。若し六合が祿神을克せば、則ち官司を惹上するを主る。六合與日干相克すれば、夫婦の間便ち嫌隙を生ず:六合が日を克すれば、夫婦の口角不斷。若し再び絶神・離神に遇えば、夫婦分離を主る。若し六合又た本日天干の合神을帶びて、交互克戰せば、必定に分手せん。
用在門戶奸邪事(注曰:若六合臨卯酉,為門戶,主有奸邪之事),乘於巳亥逺天涯(六合乘巳亥,更加天驛馬,或初傳是道神,主有逺行。道神者,正庚、二辛、三甲、四癸、五壬、六乙、七丙、八丁、九戊、十己、十一庚、十二辛)。
六合發用して門戸の位에落つれば、奸邪の事あるを主る:いわゆる門戸는、指す是れ卯・酉의兩位にして、六合が卯酉に臨めば便ち是れなり。六合가巳・亥之上に乘ずれば、則ち天涯に遠行する를主る:六合が巳を乘じあるいは亥を乘じ、再加上天驛馬、あるいは初伝恰好是れ道神、皆遠行을主る。道神の起例は:正月は庚を為し、二月は辛を為し、三月は甲を為し、四月は癸を為し、五月は壬を為し、六月は乙を為し、七月は丙を為し、八月は丁を為し、九月は戊を為し、十月は己を為し、十一月は庚を為し、十二月は辛を為す。
勾陳戰鬥福皆休,與日相違道路仇(勾陳建干或有剋日,官事並起,更沒吉事,不克無凶。兼乗二馬者,若在家,必有逺人來相害;雖在外,亦主道路不吉)。
「勾陳」(十二天將の一、爭鬥・田土與官訟を主る)一旦戰克に陷入すれば、福氣便ち皆消歇す。它與日干相違背せば、連れて道路之上도亦仇隙を生ず。勾陳が日干の寄宮に臨み、あるいは日干을克せば、官司は接連して起こり、再び吉事言う可きなし。日干を克せざれば便ち凶無し。勾陳若し同時に驛馬・天馬の兩馬を乘ずれば、人は家中에在りて、必定에遠方來人の上門加害せん。即便人는外面에在るとも、道路上도亦吉利ならず。
中末二傳俱吉利(注曰:須別中末都吉,卻來克勾陳,亦平平矣),也須禁繫出身愁(勾陳剋日,如不是日上,作初傳,卻中未傳生日,克勾陳不為凶。如在初傳日辰上為鬼,中末傳雖有吉將,亦凶矣)。
中伝・末伝皆吉利の時도、亦た還た牢獄纏身の憂を防ぐべし。這裏は要分辨清楚すべし:中末兩伝は虽吉なるも、卻って反對に勾陳を克制せば、那도不過平平而已なり。勾陳が日干を克して、若し日上神に落ちず、只是初伝를作して、而も中末兩伝又た日干を生じ・勾陳を克せば、就中凶と算せず。可是勾陳若し初伝에在り、又た日辰之上에於て鬼爻に充當せば、那麼中末兩伝縱令吉將有りとも、終究是れ凶なり。
青龍相生事皆和,更逢旺相福祥多。若與日干交相剋,疾病傷財禍轉惡(注曰:若與日相生,不克戰所求皆吉;更有氣,不落空亡,或居福徳位上,建無內戰,宜求財幹事。若青龍剋日,主破財。若作白虎陰神,兼剋日,必死。若落空亡,則不凶)。
「青龍」(十二天將の一、財祿與喜慶を主る)與日干相生せば、諸事和順なり。再び旺相の氣に逢えば、福祥就中更多し。倘若青龍與日干互相克戰せば、便ち疾病を生じ・錢財를損し、禍事는越轉越壞せん。青龍與日干相生して相克戰せざれば、求むる所皆吉。再加上氣旺・空亡に落ちず、あるいは福徳の位に坐し・本位また內戰無ければ、最も財を求め事を辦ずるに宜し。青龍若し日干を克せば、破財を主る。若し白虎の陰神に充當して而又た日干を克せば、必ず死亡を主る。但若し空亡に落入れば、反對に凶ならず。
天空上下共相訟,得出獄兮病沉重。支神與日相剋戰,死亡奴畜小兒驚(天空解凶,獄訟和。占病主凶,謂入空者,無名也,故滅人口)。
「天空」(十二天將の一、虛詐・不實與空亡を主る)上下彼此爭訟すれば、能く人を使ひて牢獄を脱出せしむるも、卻って病情を使ひて轉重せしむ。若し日支上神與日干相克戰すれば、則ち死亡을主り、奴僕牲畜損を受け、小兒驚を受く。天空本來能く凶を解し、牢獄詞訟は它に因りて平息を得。可是病を占うて它に遇えば卻って凶を主る。因るに空亡に落入れば便ち名有り實無しなれば、ゆえに會して人口を折損す。
白虎皆凶須見詳,男女分占斷死亡。復有其神臨卯酉,免死須歸道路傍(注曰:白虎陽神剋日,主女子得之必死。白虎陰神剋日,主男子得之必死。健者主病,病者主死。如白虎加卯酉臨門,如不見凶,必有出入之理,謂白虎主道路也)。
「白虎」(十二天將の一、疾病・血光與道路を主る)凡そ見れば皆凶、須く詳情を細看し、男占女占は要して分開して死亡を斷ずべし。若し白虎の乘ずる神が卯・酉に臨めば、縱令能く死を免るとも、亦た道路旁邊에應ぜん。白虎の陽神が日干を克すれば、女子これを占い得れば必死。白虎의陰神が日干を克すれば、男子これを占い得れば必死。原本康健の人此を得れば生病を主り、已經生病の人此を得れば死亡を主る。若し白虎が卯酉這兩個の門戸の位に加臨し、課中又た別の凶象を見ざれば、那就中必定是れ出入往來の事。因るに白虎は本來道路를主ればなり。
太常無克歡事寜,小吉同逢賓客迎。勾與日辰同聚會,事因酒食起官刑(太常不克日,主酒食、賓客、歡樂。如剋日,雖聚會,更妨因酒飯筵會起官事、破財。同勾陳剋日,最凶)。
「太常」(十二天將の一、衣食・宴樂與印綬を主る)日干を克せざる時、歡樂の事安穩なり。若し小吉未與同時出現せば、賓客登門あるを主る。倘若勾陳與日辰と一處에聚まれば、事情는就中酒食筵席に因りて官府に鬧到せん。太常が日干を克せざれば、酒食・賓客・歡樂を主る。一旦日干を克せば、虽有聚會、亦た酒飯宴請に因りて官司を惹出し・錢財を破耗するを提防すべし。若し太常與勾陳一同に日干を克せば、那是れ最凶なり。
元武相刑忌賊傷,破財官事主逃亡(注曰:不克日無妨,剋日主逃亡、遺失財,或只目人、或奸盜人相害也)。類與日辰無戰克,凶中就吉卻無妨(注曰:元武乗惡煞與日不克,何畏?生日宜求橫財於陰私中)。
「元武」(即ち玄武、十二天將の一、盗賊・遺失與暗昧を主る)若し日與相刑せば、就中賊人傷害を防ぐべく、破財・官司與人口逃亡を主る。它不日干を克せざれば便ち妨無し。一旦日干を克せば、主人逃走・財物遺失、あるいは獨眼の人・奸盗の徒에害せらる。若し元武與日辰の間並びに戰克無ければ、那便是れ凶中轉吉にして、顧慮するに及ばず。元武縱令惡煞を乘ずるとも、只だ日干を克せざれば、什麼怕る可きあらん。它若し日干を生ぜば、反對に私下暗處에在りて意外の財を求取するに宜し。
太陰剋日起奸私,終有陰人撓訟詞(注曰:太陰剋日主姦淫;若乗寅申,口舌自消。同元武,主闇昧破財,若在末,不克日不用。奸神,春寅、夏亥、秋申、冬巳。邪神,正未逆行十二支。若太陰與二神並,必起奸邪事)。更同卯酉為合類,同凶為惡定不疑。
「太陰」(十二天將の一、陰私・隱蔽與婦女を主る)日干を克せば、便ち奸私の事를生じ、終究會して女子攪擾詞訟あらん。太陰が日干を克すれば奸淫を主る。若し寅・申의兩位を乘ずれば、口舌自然消散す。若し元武與同見せば、暗中破財を主る。若し只だ末伝에在りて而も並びに日干を克せざれば、就中取る에及ばず。奸神의起例は春は寅에在り・夏は亥에在り・秋は申에在り・冬は巳に在り。邪神는則ち正月は未に在り、十二地支에依りて逆行す。太陰若し這兩個の神與並臨せば、必然奸邪の事を生出せん。太陰再び卯・酉與相合して類を成し、あるいは凶神與同處すれば、那惡を為す就中確定無疑なり。
天后相刑闇昧生,不逢戰克必婚成(注曰:天后克今日,主陰人口舌不明事。若臨沭浴之方,或亥子卯酉,亦主淫亂起口舌。無戰克,宜求婚親,又宜求婦人之財也)。子亥卯酉同傳者,必見奸邪在獄庭(注曰:若天后乗亥子卯酉,更初傳乘沭浴,主奸事。更有勾陳剋日,主官事至,牢獄不明也)。
「天后」(十二天將の一、婦人・婚姻與陰私を主る)與日相刑せば、暗昧の事便ち生出さる。若し戰克に遇わざれば、婚事必成。天后が本日日干を克すれば、女子口舌以及説不清の事を主る。若し沐浴の地に臨み、あるいは亥・子・卯・酉에落つれば、亦た淫亂して口舌を起こすを主る。戰克無き時、宜しく婚を議し親を求め、亦た婦人の財物を謀取するに宜し。若し子・亥・卯・酉同じく三伝に入れば、必ず奸邪の事의鬧到公堂を見ん。天后が亥子卯酉를乘じ、初伝又た沐浴を乘ずれば、奸情あるを主る。再加上勾陳が日干を克せば、官司は就中門に上り、牢獄の事糾纏不清なり。
二字訣
卜人十件莫移時,三傳日辰並來期,行年太歲合本命,見其二字決凶疑(注曰:三傳為三件,行年、本命為二件,太歲、來方、日上、辰上、正時,共十件。占課不出十件物事,其吉凶日上、三傳、本命、行年六處最緊,外四事亦可思)。
人に占卜を與うるに、十樣の東西ありて挪動更改すべからず:三伝・日辰連同來人の事を問う時辰、再加行年・太歲、合わせ上本命、只だ這些の位置の上に於て特定の兩個字를見れば、便ち能く凶险與疑難を決斷す。いわゆる十件是れ這樣に算す:三伝は三件と算し、行年・本命は兩件と算し、再加太歲・來人の方位・日上神・辰上神・正時、共計十件。課を占うて這十樣を出でず。其中吉凶を斷ずる最要緊は日上・初中末三伝・本命・行年這六處にして、其餘四樣も亦た須く一併思量すべし。
寅亥遇之身主病(注曰:課內三傳、年命、日上若見寅亥有氣剋日,無救即主病。若更今日乗行之道,或六處有一處見白虎旺相剋日者,即應矣),寅辰逢處獄囚遲(課中、三傳、年命、日上若見寅辰,主官事。再論日行之道及六處,有勾陳或朱雀剋日,宜言官事。若不見勾陳剋日,只初傳與日在囚墓之中,亦主官事)。
六處之中에寅・亥這兩個字에遇上せば、本人は生病を主る:課裏의三伝・行年本命・日上神若し寅亥氣有りて而又た日干을克し、救神無ければ便ち病を主る。若し再び趕上して本日の乘行する路數、あるいは六處之中一處に白虎の旺相にして日干を克するを見れば、那就中一定に應驗す。寅・辰這兩個字に遇上せば、牢獄の事拖延不決を主る:課體・三伝・行年本命・日上神若し寅辰を見れば、官司あるを主る。再び參看して本日行運의路數與那六處、若し勾陳あるいは朱雀の日干を克するあれば、便ち官事と斷ずべし。即便勾陳の日を克するを見ずとも、只だ初伝與日干同じく囚地・墓地之中に陷れば、亦た一樣に官司を主る。
子卯當逢占賊盜(注曰:課有子卯,主賊盜。若更有元武剋日,或元武克財,亦應。又如不見元武剋日克財,只見日財落空及受下克,亦主盜賊失財。又如不見財落空及下克,只見財乗元武,為財去從賊。元武陰神剋日,必見不明損財事,臨時細詳),馬見巳亥在路岐(注曰:巳亥主出入,若六處中有元武乘天驛馬、六丁、逰神,主取財在外方。又天上正時加馬,逺行,亦然)。
子・卯의兩個字에遇上せば、就中賊盗を占うべし:課中에子卯あれば、盗賊あるを主る。若し再び元武の日干を克する有り、あるいは元武が財爻を克せば、同樣に應驗す。即便元武の日を克し財を克するを見ずとも、只だ日干의財爻が空亡に落ちあるいは下神の克する所を受ければ、亦た被盗失財を主る。再び退一步、即便財爻は既に落空せず亦た下克を受けずとも、只だ財爻が元武を乘ずれば、那就是れ錢財の賊に随いて去るなり。元武의陰神が日干を克すれば、必定に來路不明の破財の事出現し、臨占の時還た細細分辨すべし。驛馬를見て又た巳・亥に逢えば、人は就中路途之上に在り:巳亥は本來出入を主り、若し六處之中に元武の天驛馬・六丁神あるいは游神を乘ずる有れば、外地に到りて財を謀るを主る。又若し天盤上의正時가驛馬に加臨すれば、遠行を主る、道理도亦た一樣なり。
丑入午傳多咀呪(注曰:六處有丑午,主呪罵口舌。更六處有朱雀,準驗),酉未加之姑嫂離(注曰:未為離神,酉為孤煞,二煞中建干剋日在六處,必見離別夫婦。又更隔角,準應。隔角煞,乃未立辰未戌丑,酉立午酉子卯,皆名為隔角煞。若行年更立離神,準應)。
丑與午一同に三伝に進入すれば、多く咒罵の事あり:六處之中に丑有り午有れば、人に咒罵せられ・口舌不斷を主る。六處若し再び朱雀を見れば、更是れ屢試屢驗なり。酉與未加わりて一處に在れば、姑嫂の間は將に分離せん:未是れ離神、酉是れ孤煞、這兩煞之中若し遁出したる天干の日干을克して而又た六處에落つる有れば、必ず夫婦離別を見ん。若し再び隔角煞に遇上せば、應驗更に準し。隔角煞の起法は:未に由りて起例するは辰・未・戌・丑を為し、酉에由りて起例するは午・酉・子・卯を為し、皆隔角煞と呼ぶ。倘若行年上に又た離神立てば、那就中格外應驗す。
要知心中多猶豫,勝光傳送事疑惑(注曰:申為肺,乃傳送。午為心,午加申主心有疑惑)。河魁行年臨元武,身主鬚鬍事不疑(注曰:河魁為元武,建干剋日,即有一鬚鬍人相害也)。
當事人の心裏猶豫不定を知らんと欲せば、就看る勝光與傳送這兩位:傳送是れ申にして、人身に於て肺に属す。勝光是れ午にして、人身に於て心に属す。午が申上に加われば、心中疑を生ずるを主る。河魁が行年之上に落ちて而又た元武を乘ずれば、那麼加害者是れ個の鬍鬚ある人にして、這一點は疑うに及ばず:河魁が元武を乘じ、其中遁出したる天干又た日干を克せば、就中一個の長鬚の人の前來相害あるなり。
通神集
凶神復行凶神位(注曰:甲日用申酉,或建干庚辛,為白虎。在三傳年命日上,更在今日三刑、四煞、六沖、六害,轉凶。若白虎在今日三六合,貴神干合,雖凶亦減半矣),帶煞被刑無制度(注曰:論凶神凶將帶煞,更坐三刑、六害、四煞、相沖,地下無制,大凶。若坐下克上,凶神有制,其凶稍減分數。戊日寅為白虎帶煞,更臨亥地,故曰被刑,大凶主死也。若亥中干克寅,其凶減半)。
凶神又た走り到りて凶神の位置上に在り:譬如甲日は申・酉を取りて發用し、あるいは遁出したる天干是れ庚・辛なれば、那就是れ白虎なり。它若し三伝・行年本命あるいは日上神에落ち、又た正逢本日의三刑・四煞・六沖・六害せば、就中凶の上に凶を加う。反對に、白虎若し本日의三合・六合の位에落ち、あるいは貴神天干與相合せば、虽凶とも亦た能く一半を減ず。凶神が惡煞を帶びて而又た刑を被り、底下再び制伏の力無し:凡そ凶神凶將の煞を帶びるを論じ、再び三刑・六害・四煞・相沖の上に坐し、地盤力無く它を制すれば、便ち大凶なり。若し坐する所の處是れ下克上なれば、凶神は制を受け、凶の分數就中稍減す。戊日は寅を以て白虎帶煞と為し、再び亥地に臨めば、這就中被刑と呼ばれ、大凶にして死亡を主る。不過亥中遁出したる天干若し能く寅を克せば、凶も亦た半減す。
救也不救復來傷(注曰:若白虎帶煞被刑,剋日即凶。若三傳年命日上卻克得白虎,為救神。更看誰先到,若救神先到即吉,後到即不用。如戊日寅為白虎加亥,亥中水生木,必先到,主必凶。若庚辛申酉在三傳,被下制,雖在三合有路,卻遇四煞、三刑、相沖、六害,為有制,後到即不救,不用矣),官災流配死入墓(注曰:前後凶煞,皆忌帶煞被刑剋日,若重則主死亡,輕則破財官事矣)。
看似有救有るも、其實救う能わず、反對に又來りて人を傷る:白虎若し煞を帶びて刑を被りて日干を克せば、就中凶なり。倘若三伝・行年本命あるいは日上神能く白虎を克住し得れば、那便是れ救神なり。但し還た誰が先到するかを看るを要す:救神先到してこそ吉、後到すれば就中管用せず。譬如戊日は寅を以て白虎と為して亥上に加われば、亥中の水は寅木を生じ、白虎必先に得力す。ゆえに仍舊凶を主る。又如庚・辛・申・酉が三伝に落ち、虽下神に制住せられ、看似三合有路可通、卻って又た四煞・三刑・相沖・六害に遇上し、反對是れ它自己の受制なり。救神後到すれば便ち救い成さず、亦た取用するに及ばず。這一步に到れば、重ければ官災流放・死後墓に入り、輕くも亦た難免破財して訟を惹す:前後這些の凶煞、皆最も煞を帶びて刑を被りて日干を克するを忌み、重きは死亡を主り、輕きは破財與官司を主る。
吉將行來吉神助,更兼吉煞同支住(注曰:龍合常是吉將,如所乘神兩不戰克,又不克日,更與日相生,即吉。總見白虎、元武,如生日,亦宜求財及逺行,見官則吉。《經》云:“吉神吉將還相生,喜事求財必然成。”又《寳鑑經》云:“吉神助今日,坐處不受制。更卻無他克,百事大吉利。”有制伏則不吉,只言平平矣)。吉神不解吉相生,自是官遷福祿聚(注曰:吉神吉將,且忌解神,吉事必無矣。若凶神入辭,即吉)。
吉將走來して又た吉神相助あり、再加上吉煞與日支と一處に同住す:青龍・六合・太常這幾位本來是れ吉將にして、只だ乘ずる所の神彼此不戰不克し、亦不日干を克せず、反對に日干與相生せば、那就是れ吉なり。即便白虎・元武を見るとも、只だ它らが日干を生ぜば、亦た財を求め・遠行するに宜しく、官を見れば更是れ吉利なり。《經》裏에説く、吉神吉將彼此相生せば、喜慶與求財必定成就すと。《寳鑑經》も亦た説く、吉神が本日日干を扶助し、坐する所の處制伏を受けず、又た別の克害無ければ、百事大吉大利と。反之、一旦制伏せられれば就中吉と算えず、只だ能く平平と言うのみ。吉神既に解神に遇わずして解を得ず・又能く彼此相生せば、自然是れ官職升遷・福祿聚集の象:吉神吉將最も解神を忌み、一見解神すれば、吉事便ち皆沒す。倘若來解する是れ凶神なれば、反對是れ吉なり。
五惡
水惡
落井沉河有死疑,逃亡賊盜去同推。天河地井相加見(注曰:未辰相加為天河,子卯相加為地井是也。又曰辰為天河,未為地井),賊盜須教近水追。
井に落ち河に沉む、性命堪憂なり。人口逃亡與賊盗の事も、亦た這個法子에照らして一同に推斷す。天河與地井相加して課中に現れば、就中留意すべし:未與辰相加するを天河と呼び、子與卯相加するを地井と呼ぶ。另に一説は辰を天河と為し・未を地井と為す。這種の課體に遇上せば、盗賊を追捕するに就中水邊に靠近する地方に往きて找すべし。
河井相加日與辰,日辰又在水中存。二傳俱金無土類,行者須交水溺人(注曰:日干建得水,又三傳或巳酉丑、申子辰,更天河加地井上,定主水溺人也)。
天河與地井相加して、恰好日干與日支之上に落ち、日辰本身又た皆水位之中에處すれば、三伝裏再び皆金にして而も土の隔断する無ければ、出行の人就中溺水を防ぐべし。也就是説:日干の立つ所の處水を得、三伝又た巳酉丑金局あるいは申子辰水局を結成し、加上天河が地井の上에壓すれば、必定に人の水裏に淹死する를主る。
元武要乘卯與子,臨辰加未河井止。若教此煞剋日辰,必主身亡在井死(注曰:未中有井宿,如三傳內更旺水,傳中見元武,定主近水,或水中死也。如乙酉日,辰加未是天河加於地井,而日干若坐落空亡,遇此必有沉溺之患)。
元武若し卯與子を乘じ、又た辰に臨み・未に加われば、天河地井の凶象就中湊齊す。這一組の煞神若し再び日干・日支を克せば、一定に人の井中に死するを主る。未宿之内に井宿を含有す。若し三伝之中水氣又た旺し、傳裏還た元武を見れば、必定に水に靠る處に應じ、あるいは干脆水の中に死せん。譬如乙酉日、辰が未上に加われば、正是れ天河の地井を壓す。日干若し又た空亡に坐せば、這種の課に遇えば必有沉溺の禍あらん。
火惡
火惡從戍逆十二(即月厭),蛇雀來剋日辰上。火燭從已順十二,火厄宅身與誰是(注曰:剋日在身,克辰在宅)。
火惡煞は戌上より起こり、十二地支に依りて逆行す、也就是月厭なり。再有螣蛇・朱雀來りて日上神あるいは辰上神を克せば、火患便ち成形す。火燭煞는則ち巳上より起こり、十二地支に依りて順行す。要問這場火厄究竟人身에落つか是れ房宅에落つか。分辨很簡單なり:日干을克する는人身に應じ、日支을克する는住宅에應ず。
土惡
三傳年命納音土,建者相兼寄空宿(土空則崩)。日干一元是土神,凶災落崖塌牆屋(注曰:三傳年命皆是木,今日日干是土,更立在空亡地上,定主落崖塌房。有蛇虎,言死也)。
三伝與行年本命の納音皆土に属し、立つ所の處又た空亡の宿を兼ねれば、土は一に落空すれば就中崩塌せん。日干本身も亦た是れ土神なれば、凶災便ち墜崖・塌牆・房屋傾覆に應ず。也就是説:三伝與行年本命皆木にして來りて土を克し、本日日干又た是れ土にして、再び空亡の地に立てば、必定に人の崖上より跌落しあるいは房屋倒塌する를主る。課中若し還た螣蛇・白虎有れば、那就是れ死亡の象なり。
金惡
行年夲命共三傳,俱在刼亡喪吊間。日木逢金生惡煞,支忌應須見血殘(注曰:今日木干,有鬼賊剋日,更兼血支、血忌,定主血病,或刃傷惡死。劫煞,正亥逆行四孟。歲前二辰為喪門,歲後二辰為弔客。血支,正月丑順行十二辰。血忌,正丑、二未、三寅、四申、五卯、六酉、七辰、八戌、九巳、十亥、十一午、十二子)。
行年・本命連同三伝、全都劫煞・亡神與喪門・吊客の間に夾まれ、日干は木に属して又た金の來りて惡煞を生出するに逢い、再び血支・血忌를犯せば、就中血光殘傷を見ん。也就是説:本日日干は木に属し、鬼賊の神の日を克する有り、再び血支與血忌를兼ね上れば、必定に血症を主り、あるいは刀刃の下に死せん。這幾個煞の起法は:劫煞は正月は亥に在り、四孟に依りて逆行す。太歲の前の兩位を喪門と為し、太歲の後の兩位를吊客と為す。血支は正月は丑に在り、十二辰に依りて順行す。血忌則ち正月は丑・二月は未・三月は寅・四月は申・五月は卯・六月は酉・七月は辰・八月は戌・九月は巳・十月は亥・十一月は午・十二月は子に在り。
木惡
日辰衰木見真金,三傳無火卻成迍。用起行神居空地(木空則折),倒樹折支壓體凶。
日干日支は木に属して氣已に衰弱し、偏又た真金の來りて克するに遇上し、三伝之中再び火の金を制する無ければ、事情就中困頓して行い難せん。發用の神が空亡の地に落つれば、木は一に落空すれば便ち折斷せん。於是樹倒枝折・身體を壓傷するの凶象あり。
二虎釋
凶神正月起於辰,白虎交加克我身。行年又加雌虎煞,有刄須教虎咥人(注曰:白虎煞,正月辰順行十二。雌虎煞亦然。若與白虎並方應)。
這個凶神は正月辰上より起こり、白虎又た它與交疊して一處に在りて自身を克し。行年上若し再加雌虎煞を着けば、一旦刀刃を見れば、就中真に猛虎の人を噬むが如き血光あらん。白虎煞の起法は正月は辰に在り、十二地支に依りて順行す。雌虎煞の起法も亦た一樣なり。要して白虎與並臨する時にしてこそ應驗す。
自縊
天地勾煞兩相乘,白虎逢麻絲繫身。更與空亡相會合,懸頭白日在梁棚(注曰:天絞煞,正月辰順行十二。白虎見絲麻,主自縊。絲麻煞,正月卯逆行四仲,即與桃花咸池煞同。一本春寅、夏午、秋酉、冬子)。
天絞與地絞の兩煞彼此乘臨し、白虎又た絲麻煞の纏身に遇上し、再び空亡與會合して一處に到れば、就中大白天に頸を梁棚之上に懸くるの凶象あり。天絞煞の起法は正月は辰に在り、十二地支に依りて順行す。白虎が絲麻煞を見れば、自縊を主る。絲麻煞の起法は正月は卯に在り、四仲に依りて逆行す。其實是れ桃花咸池煞と相同なり。另に一種の本子は春は寅・夏は午・秋は酉・冬は子に在ると作す。
釋疾病章
要知存亡看蛇虎(注曰:男病看白虎,女病看天后,小兒看螣蛇。一本,小女子看太陰,俱怕陰神剋日),陰陽二神分賓主(注曰:男命忌白虎陰神剋日,女命忌白虎陽神剋日。陽命陰傷必死亡,陰命陽傷必哀舉)。
病人の是死是活を知らんと要すれば、就看螣蛇與白虎:男子의病는白虎를看、女子의病는天后를看、小兒의病는螣蛇를看。另有一本に説く小女孩는太陰를看と。這幾位皆自己の陰神의去りて日干を克するを怕る。陰神與陽神還た賓主を分出すべし:男命는白虎の陰神の日干を克するを忌み、女命는白虎의陽神の日干を克するを忌む。陽命が陰神에傷せられれば必定死亡し、陰命が陽神에傷せられれば、家裏就中喪事を辦せん。
白虎天后與螣蛇,剋日須當病轉加(注曰:男怕白虎,女怕天后,小兒怕螣蛇,陰陽神各一克日,日或無氣,或日落空亡,必死)。陰與陽神各得地,行年被剋死無差(注曰:各者,各使陰神、陽神得地剋日必死,克行年亦死)。
白虎・天后與螣蛇這三位、只だ日干を克せば、病情必然加重す:男は白虎を怕れ、女は天后を怕れ、小兒は螣蛇を怕る。它らの陰神・陽神各々一個來りて日干を克し、而も日干無氣、あるいは日干が空亡に落つれば、那就中必死なり。陰神與陽神各自皆得力の地を占住し、行年再び它らに克せられれば、死是れ躲不掉なり。いわゆる「各」、就中陰神陽神各自得地なり:得地して日干を克せば必死、行年を克するも亦た一樣に死なり。
五行日時俱入墓,絶死空亡俱要忌。總有救神亦主凶,凶吉應期看日助(注曰:俱忌今日干與正時落墓,或白虎、天后、螣蛇入墓,雖不見剋日,亦死。如不見入墓,卻今日干臨在死絶地,亦凶。雖有救神、解神,亦不可用)。
五行之中日干與占時雙雙墓に入る、絶地・死地・空亡も亦た皆忌諱すべし。這種の情形縱令救神有りとも、依舊凶を主る。吉凶の何時に應ずるに至りては、要して日干の幫扶を得るや不得るやを看。也就是説:最も本日日干與正時一同に墓に落ち、あるいは白虎・天后・螣蛇の墓に入るを忌む。這時即便它らの日干を克するを見ずとも、病人も亦た要死せん。倘若墓に入るを見ずとも、可是本日日干が死地・絶地に臨めば、同樣是れ凶なり。這種の時候縱令救神・解神有りとも、亦た派上用場する能わず。
若一歲至十五歲是小兒,忌螣蛇剋日,必死是。女兒忌螣蛇陰神剋日,必死。又十五歲至五十男子,忌白虎氣弱凶,女人忌白虎陰神,天后炁衰,剋日亦主死。又五十至九十男,忌白虎旺克,女忌天后旺即死;老年婦人不宜見天后旺也。白虎入墓,壯歲畏;老年不畏矣。
一歳到十五歳は小兒と算し、最も螣蛇の日干을克するを忌み、克せば必死。女孩則ち螣蛇の陰神の日干を克するを忌み、同樣に必死。十五歳到五十歳の男子は、白虎の當令して自身氣弱なるを忌み、那便是れ凶なり。這個年紀の女子は白虎の陰神を忌み、亦た天后氣衰を忌み、它らに日干を克せられれば一樣に死を主る。五十歳到九十歳の男子は、白虎旺相の來りて克するを忌む。這個年紀の女子則ち天后旺相を忌み、一旦遇上すれば就中死す。ゆえに老年婦人は最も天后の當旺を見るに宜しからず。白虎入墓に至りては、壯年人は還た怕るる要し、老年人反對に怕れず。
此論白虎陰陽男女與前異,並存之。後課主病又係小兒類。日上神白虎遁庚午剋日。主死;陰神得六合,亦時遁得庚戌,剋日。又行年見螣蛇,皆凶;以螣蛇在行年,故謂小兒矣。
這一段は白虎陰神陽神與男女의對應を講し、前文의説く所と不同なり、姑且兩説並存す。下面這個課例の占うる是れ疾病にして、又た歸入して小兒一類とす:日上神是れ白虎にして、遁出したる干支は庚午を為し、來りて日干を克し、死を主る。它의陰神は六合を得、占時遁出したる干支は庚戌を為し、亦來りて日干을克す。行年上又た螣蛇を見、處處皆凶なり。正因為螣蛇が行年之上に落つれば、ゆえに小兒の病と斷ず。
五月未將甲申日丁卯時,乙巳人占。 辰 申 子 辰 子 戌 午 子 申 午 甲 酉戌亥子 申 丑 未 寅 午巳辰卯
這是れ一則の占例:五月は未を以て月將と為し、甲申日丁卯時に課を起こし、來占的人은本命乙巳なり。下面所列即ち本課の課盤なり。最上三行は上より下へ三伝にして、初伝辰・中伝申・末伝子、恰好申子辰水局を合成す。其下兩行是れ四課:下一行は右より左へ依次日干甲・日支申、以及第三・第四課の下神午與戌。上一行則ち它ら各自の上神、也就是甲上에午를見・午上に戌を見・申上에子を見・子上에辰を見なり。四課之中只だ辰土の子水を克する一處は上克下に属す。ゆえに辰を取りて發用とす。最下面環成方框の十二個字是れ地支方位盤にして、用いて天盤加臨地盤の位置を標明す。
車鍬钁臨門戸(注曰:巳為喪車,申為鍬,酉為钁,占病忌此三神),孝服死神兼旺位(孝服煞,四孟在巳,四仲月在辰,四季月在丑。死神者,正月起巳,順十二支;死神加日,或剋日,必主哭泣。孝服煞常怕子孫爻上見)。縱有解神生復解,也須沉滯災難度(注曰:課中白虎克日,更五行入墓,又有喪車等煞,縱有救神,合輕,亦難度耳)。
喪車・鐵鍬・钁頭の三樣門戸之上に臨到す:巳は喪車を為し、申は鍬を為し、酉は钁を為す。病を占うて最も這三個神を見るを忌む。再加上孝服煞與死神皆旺地를占り。孝服煞の起法は四孟の月は巳に在り、四仲の月は辰に在り、四季の月は丑に在り。死神則ち正月巳より起こり、十二地支に依りて順行す。死神が日干に加臨し、あるいは日干을克せば、必定に人の哭泣するを主る。孝服煞は尤其に子孫爻の上に出現するを怕る。這樣の課は縱令解神有りて生扶し・化解に來るとも、病勢は照樣沉滯して過ごし難し:課中白虎が日干を克し、五行又た墓に入り、還た喪車一類の凶煞有り、即便救神有りて凶险を減輕するとも、終究難以度過せん。
日上救神當正時(注曰:得白虎等凶剋日,占病主死。若日上神卻克白虎為救,便不死。若更日上神當時有氣,所事不畏矣),白虎陰神自戰持(注曰:白虎臨地盤上下相剋,又陰神克虎者,總剋日亦不為凶)。內有凶神並衰敗,天年災患瘥無疑(注曰:虎之陰陽神自相剋賊,又立於衰敗地,總天年久患,亦瘥)。
日上神が救神を作して而又た正當占時に當る:凡そ白虎一類の凶將が日干を克するに遇えば、病を占うて本來死亡を主る。可是日上神反對に能く白虎を克せば、就中救と成り、人便ち死せず。若し日上神が占時에在りて又た旺氣有れば、占う所の事就更に怕るに及ばず。白虎의陰神與它自ら相持戰す:白虎が地盤之上に臨み、上下彼此相克し、陰神又來りて白虎を克すれば、這樣它は縱令日干を克するも亦た凶と算せず。課內虽有凶神、卻って皆併落して衰敗の地に在れば、那麼即便是多年の痼疾、亦た一定能く痊愈せん:白虎의陰神陽神互相克賊し、又た衰敗の鄕に立てば、縱是積年老病、同樣會好なり。
丁酉人,十一月丑將,癸丑日壬子時占,酉命人占。 寅 卯 辰 卯 寅 卯 寅 寅 丑 寅 癸 午未申酉 巳 戌 辰 亥 卯寅丑子
這も亦た一則の占例:來占是れ丁酉の人、十一月は丑を以て月將と為し、癸丑日壬子時に課を起こし、酉命の人を以て發問す。下列即ち本課の課盤なり。最上三行是れ三伝にして、初伝寅・中伝卯・末伝辰、順次相接す。其下兩行是れ四課:下一行は右より左へ日干癸・日支丑、以及第三・第四課の下神寅與寅を為す。上一行是れ它ら各自の上神、也就是癸上に寅を見・丑上に寅を見・寅上に卯を見・寅上に卯を見なり。最下面環成方框の十二個字是れ地支方位盤なり。此課日干癸水して本命は酉に在り、正是れ下文の論斷せんとする所の憑據なり。
夲命上得戍剋日,為白虎,主病凶,有死之厄。卻日上寅為救神,當時能剋制白虎,是以不死。日上有救,諸病不成凶,名曰患門有救耳。
本命酉の上神は戌を得、戌土能く癸水日干を克し、乘ずる所の天將又た是れ白虎、病情凶险・性命の厄あるを主る。所幸日上神是れ寅、寅木能く戌土を克し、正好救神に充當し、其の時に當たりて足以白虎を制住す。ゆえに人は死に至らず。凡そ日上神に救有れば、各種病症皆凶险に轉成せず。這就中呼ばれて「患門有救」と為す。
釋疾病形狀章
初傳重土噎咽喉(注曰:初傳為受病日,或不見重土,只取白虎,亦主咽喉病最緊,畏克氣,亦凶氣,即日干長生上神也),重金腹病淚交流(金重克木,木主肝病)。重水心滯小腹急(重水克火主心病),重木腹脹似鼓牛。
初伝上下皆是れ土、呼ばれて重土と為し、咽喉噎塞を主る:初伝就中受病の日なり。即使重土を見ずとも、只だ白虎を取りて來看すれば、亦た一樣に咽喉の疾を主る。這是れ最要緊なり。怕る所是れ克氣にして、那同樣是れ凶氣、指す正に日干長生の位上の神なり。上下皆是れ金を重金と呼び、腹中生病・涕泪交流を主る。因るに金重ければ則ち木を克し、木は人身に於て肝を主る。ゆえに肝病に應ず。上下皆是れ水を重水と呼び、心氣壅滯・小腹急痛を主る。因るに水は重ねて火を克し、火は心を主る。ゆえに心病に應ず。上下皆是れ木を重木と呼び、腹脹如鼓を主る。
重火必須生喘急,若無重數虎當頭(注曰:占病形狀,若初傳犯重神主病急。先怕克氣,後怕白虎克日,即死。如初傳重神克炁,白虎不克日,雖病重不妨)。五行五臓須同用,仰伏白虎一般求(即重神也,上下或俱土俱金也)。
上下皆是れ火を重火と呼び、必ず氣喘急促を主る。倘若課中重神に數う可き無ければ、就以白虎當頭を以て斷ず:病の形狀を占うに、初伝若し重神を犯せば、病の來る急なるを主る。先に怕る是れ克氣、其次は白虎の日干을克するを怕る。一旦克せば就中死す。倘若初伝の重神能く克氣を克住し、白虎又不日干を克せざれば、那麼病虽沉重なるも亦た妨事ならず。五行與人身五臟は必ず合わせ來て用いべし。仰與伏・白虎與重神、皆同一個路子に照らして求め去れ。いわゆる仰伏、就中重神にして、指す上下同じく土、あるいは上下同じく金の類なり。
注曰:論五行五臓相害,天上地下神俱一類,曰仰伏。如初傳非重神,只取白虎,亦不礙。氣者,日干之長生上神也。如重神不得地,不得令,亦不妨一般求。
這裏再び申説一遍す:五行與五臟彼此相害を論ずるに、凡そ天盤の神與地盤の神同じく一類に属するは、就中呼ばれて仰伏と為す。若し初伝並びに重神ならざれば、那就中只だ白虎を取りて來斷ずるも、亦た妨礙有らず。いわゆる「氣」、指す是れ日干長生の位上の神なり。倘若重神既に地を得ず・又た令に當たらずとも、亦た要緊ならず、仍照同一個法子に依りて求斷す。
用神為太乙,螣蛇病在頭(注曰:巳為螣蛇,俱是火。火炎上,旺主喘緊,敗衰則主目赤、口瘡、頭痛。重旺主咽喉災,此即重神也。乃指將神而言)。元武登明上,眼目淚交流(注曰:俱水潤下,旺主小腹之災,衰則逆上,主頭目、眼病,重旺必心痛)。
用神是れ太乙巳、天將又た是れ螣蛇なれば、病は就中頭部に落つ:巳與螣蛇皆火に属し、火性は炎上し、火旺は氣喘急迫を主り、火氣敗衰すれば則ち眼紅・口瘡・頭痛を主る。上下重疊して氣旺なれば、咽喉の災를主る。這就中いわゆる重神、指す是れ天將與乘ずる所の神同じく一類に属す。元武が登明亥之上に乘ずれば、眼目流泪を主る:二者皆水に属し、水性は潤下し、水旺は小腹の疾を主り、水衰すれば則ち逆行して上に向かい、頭面與眼目の病を主る。重疊して旺なれば必定に心痛す。
天空臨戍上,行歩不能逰(注曰:天空戍土,主克腎。土旺則腰腳之苦,重則骨髓痛矣)。勾陳在天罡,必主病咽喉(注曰:俱土純旺剋日,主隔噎之災)。傳送與白虎,肢體也須憂(注曰:重金旺,主流血災。衰敗主皮膚、痔瘡災。旺則折骨、傷筋)。
天空が戌上に臨めば、人は便ち行走不便なり:天空與戌は皆土に属し、土は能く腎を克し、土旺なれば則ち腰脚に苦しみ、重ければ連なりて骨髓までも痛みを作す。勾陳が天罡辰の上に落つれば、必ず咽喉の病を主る:二者は同じく土に属し、純旺にして日干を克し、膈噎の災を主る。傳送申與白虎と相遇すれば、四肢軀體は就中人を憂えさせる:金氣が重く旺なれば、流血の災を主る;金氣が衰敗すれば、皮膚病與痔瘡を主る;金氣が旺盛なれば、則ち折骨傷筋を主る。
功曹青龍胯,肝膽胃相仇(注曰:功曺青龍俱屬木,主肝膽。旺則多風病,衰則損胃,飲食不節也)。卯合胸脅病,女子損肌柔(注曰:卯主骨肉,卯中謂有心宿,故言脅。旺則男子胸脅病,女則多風)。
功曹寅與青龍と相配すれば、病は胯部に在り、肝・膽與脾胃は彼此仇を為す:功曹與青龍は皆木に属し、人身に於て肝膽を主る。木旺なれば則ち多く風病を生じ、木衰なれば則ち脾胃を損傷し、多半は飮食の節制無きに由りて來る。卯與六合と相配すれば、胸脅に病を作すを主り、女子は則ち肌膚を損傷す:卯は骨肉を主り、卯位之中には説くに心宿を含有すと。ゆえに脅に説到す。木旺なれば則ち男子は胸脅の病を患い、女子は則ち多く風疾を生ず。
太陰從魁上,腸痛肺中愁(注曰衰則腎痛旺則咳)。子用天后位,男子本根由(注曰:言子是萬物之始,十干十二支之先,故言男子。水謂腎也,女子水絕,其病難穩)。
太陰が從魁酉の上に乘ずれば、腸痛與肺疾を主る:金氣衰なれば則ち腎臟に痛を作し、金氣旺なれば則ち咳嗽止まず。子發用して又た天后の位に値すれば、病は男子の根本の處に應ず:子是れ萬物の開端にして、十天干・十二地支の首に居る。ゆえに男子と説く。水は人身に於て腎を指し、女子若水氣斷絶せば、病は就中平穩なり難し。
太常同小吉,吐噎病難收(注曰:太常小吉並主酒食,旺則主吐噎之病,衰則有瘦病)。黃腫,衰則男心苦病痛,女氣短瘡腫。
太常與小吉未と同じく一處に在れば、嘔吐噎塞の病は就中收拾し難し:太常與未は皆酒食を主り、氣旺なれば則ち吐逆噎膈を主り、氣衰なれば則ち消瘦の症を生じ、面色も亦た發黄浮腫せん。氣衰の時、男子は心痛に苦しみ、女子は則ち氣短して瘡腫を生ず。
求醫方向章
男用天罡女用魁,加上行年是天機。功曹之下男取藥,傳送之方女求醫。欲當針灸及丸散,五行五臓待醫知(注曰:男以辰加行年,女以戊加行年。男用天上功曺方求醫,女用傳送下求醫)。
男子は天罡辰を用い、女子は河魁戌を用い、把を行年の上に加えれば、天機就中顯出す。男子は功曹寅の下に到りて藥を取り、女子は傳送申の方位に到りて醫を求む。究竟該く針灸か還た該く丸散を服するかは、要して五行與五臟の對應を憑じて醫者に分辨せしめよ。具體做法は:男子は辰を以て行年に加え、女子は戌を以て行年に加う。男子は天盤功曹の指す方位を取りて醫を求め、女子は傳送の下の方位を取りて醫を求む。
醫神臨亥,宜服湯藥;醫神臨辰戌丑未,宜丸藥;醫神臨木,必主有祟;是火宜灸,是金宜針,餘仿此。天醫剋日,主醫人用藥不當。日克天醫,主醫人學醫未精。月當直醫神,月建前二便是天醫,今日前二辰為當日當直天醫,對沖便是地醫。
醫神が亥上に臨めば、湯藥を服するに宜し;辰・戌・丑・未の四墓の上に臨めば、丸藥を服するに宜し;木に属する位に臨めば、必定に另有鬼祟作怪あり;火に属する位に臨めば艾灸を用いるに宜しく、金に属する位に臨めば針刺を用いるに宜しく、其餘は此類を照らして推す。天醫若し日干を克せば、醫生用藥症に對せざるを主る;日干若し天醫を克せば、醫生醫術未精を主る。當月值班の醫神に至りては、月建の前の第二位就中是天醫なり;本日の前の第二位の地支は、則ち是れ當日值班の天醫なり;它與相沖する那一位は、便ち是れ地醫なり。
照膽秘訣集
太歲
歲月為用天乙將,來占必定於君王(注云:太歲作貴人月建為發用,如乘吉神,定於王敇主成,乘凶將死氣遭刑,必然聞奏朝廷)。歲後臨初年將良,遭囚得此赦者場(注云:太歲乃人君之象,天后乃皇后之象,行年日辰為用,占囚定遇赦恩解厄)。
太歲あるいは月建が取られて用神を作し、又た天乙貴人を乘ずれば、來占問する所の事は必定に君王に牽涉す:太歲が貴人を作し・月建が發用と為る。若し乘ずる所是れ吉神なれば、一定是れ王命を奉じて事成る。若し凶將を乘じ・死氣に値して又た刑を遭えば、那就中必然是れ朝廷に奏報されて罪を論ぜらる。太歲の後の一位が初伝に臨み、行年上の天將又た好ければ、囚係せられたる人此課を得れば、正是れ赦に遇うの場合なり:太歲是れ君主の象、天后是れ皇后の象。若し行年與日辰を以て用と為せば、囚禁の人を占うて必定に赦恩に碰上して厄を解く。
太歲天羅枷械蔵,歲刑白虎見重喪(日前一辰天羅殺,太歲若入天羅,有刑害,主枷械。用神若是歲刑,又為死氣,克於日辰,主死人重見之)。歲刑其日建刑辰,福去災臨有禍殃(假如丑年辛巳日,丑為用,為刑日也。又如巳日正月寅用,是建刑辰)。
太歲が天羅に落進すれば、其中に就中枷鎖刑具を藏む。歲刑を犯して又た白虎を見れば、接連して喪事を辦ずを主る。日干の前の一位是れ天羅煞にして、太歲若し天羅に入りて刑害を帶びれば、枷を戴き鐐を上ぐるを主る。用神若し正是れ歲刑にして、又た死氣に値し、還た日干日支を克せば、家中人の死する事の接二連三を主る。太歲の刑が本日を刑し、あるいは月建が日支を刑すれば、福氣離去し・災禍臨頭し、就中禍殃あり。譬如丑年に辛巳日に遇上して丑を取りて發用とせば、這就中歲刑を以て本日に加うるの例なり。又如巳日が正月に寅を取りて發用とせば、寅は巳を刑し、正是れ月建の辰與日と相刑す。
歲破用神多是失,月刑家口不安康(用神被歲破,更乗天空、元武,主走失。歲為之四破,若用被月破殺,又直虎蛇無氣將,主家長不安。月刑,寅刑巳,巳刑申是也。歲刑亦然)。
用神が歲破を犯せば、多く遺失走脫を主る;月刑を犯せば、家中人口便ち安康を得ず。用神が歲破せられ、又た天空・元武を乘ずれば、人口あるいは財物の走失を主る。太歲の破は共有四種あり。若し用神が月破に傷せられ、又た正に白虎・螣蛇這類の無氣の凶將に値せば、一家の長の不安を主る。月刑の例子就中寅刑巳・巳刑申、歲刑の推法も亦た一樣なり。
日刑
日刑殺到憂妻妾,時刑陰小有災殃(用是日刑,又值虎蛇,主妻妾災。勾陳又主官事,各用時刑,更與鬼剋日,值朱勾,陰小官事。蛇虎主疾病,亦寅巳申刑之例)。占宅忌見辰剋日,鬥戰先看日克辰(日為人,辰為宅,宅克人凶。若鬥爭財物,要日克辰。假如甲日申時,又為用,更囚死凶將,謀望不成)。
日刑煞が一到すれば、就中妻妾の為に擔憂すべし。時刑が一現すれば、婦女與小口便ち災殃あり。用神正是れ日刑にして、又た白虎・螣蛇に遇えば、妻妾の災を遭うを主る。若し勾陳に遇えば、則ち官司を主る。各々占時の刑を以て推し、再加鬼爻が日干を克し、又た朱雀・勾陳に値せば、婦女小口の官司を惹上するを主る。若し螣蛇・白虎に値せば、則ち疾病を主る。這些同樣是れ寅刑巳・巳刑申の一類の例子なり。家宅を占うに最も日支上神の日干を克するを忌む。若し爭鬥を占えば、則ち先に日干の能く日支を克するや否やを看:日干是れ人を代表し、日支是れ宅を代表す。宅が反對に人を克すれば便ち凶なり。若し財物を爭奪せば、就中日干が日支を克してこそ好し。譬如甲日に申時に逢い、申又た發用を作し、再加上囚死の氣與凶將せば、謀望する所皆成る能わず。
用時
用時剋日多暗鈍,欲謀定可為災迍(假如甲日申時,又為用,更囚死、凶將,謀望不成)。發用占時兩生日,百事有求從意覓(假如甲日得亥時,更亥子發,用乘吉將旺相,大佳,主得尊長之恵,有合徳方的)。刑害兩人忌為鬼,謀間行盜人財毀(注云:三刑六害若作日鬼加支局上,主官府損財。如加干局上,主惡人損、退人口、悲泣事)。
占時の神が日干を克せば、事情多半暗昧遲鈍にして、本想有所謀劃すれど、反對に災困を招來す。譬如甲日に申時に逢い、申又た發用を作し、再加囚死の氣與凶將せば、謀望便ち辦成せず。反對に、發用與占時の兩者皆日干を生ずれば、那麼百事求むる有りて、皆能く稱心如意せん。譬如甲日に亥時を得、又た亥・子を以て發用し、用神が吉將を乘じて氣又た旺相なれば、那是れ大好の象にして、尊長の恩惠を得るを主り、還た合徳の方を配上してこそ應準と算す。三刑六害這兩樣最も鬼爻に充當するを忌み、一旦如此なれば、就中人の從中謀算・行竊ありて、錢財毀損せん。若し三刑六害が日鬼を作して日支の一組の課上に加われば、官府に財物を罰沒せらるるを主る。日干の一組の課上に加われば、則ち惡人加害・人口を損折し・悲泣の事を生出するを主る。
支干
支干上下休蔵鬼,定是災凶人財起(注云:蔵鬼者,如午日亥加午作朱雀,謂午日以亥水為鬼,上見朱雀,又被亥水作鬼,故鬼勝也。又如乙日酉加辰作六合,並被酉金作鬼,故逾災也)。
日干與日支の上下神裏、切莫暗に鬼爻を藏むべからず。一旦鬼を藏めば、人口與錢財の災凶皆此に由りて起こる。いわゆる藏鬼、譬如午日に亥が午上に加わりて朱雀を乘ずれば:午日は亥水を以て鬼と為し、上頭虽朱雀の火を見るも、卻って又た亥水に制せられて鬼を成す。ゆえに鬼氣が上風を占す。又如乙日に酉が辰上に加わりて六合を乘ずれば:六合本來是れ吉將なれど、卻って酉金に鬼を作せられ、ゆえに災禍反對に更重なり。
財須分別內兼外,求用無令鬼耗會(注云:日財為外,支財為內。如日財臨辰兩課,名外財入內,圖用遂意;支財入日二課,宜出則吉。若或良將相加,氣不死廢,必進財。如乘太歲二耗乃日鬼,休死,不須用,皆主不吉)。
財を論ずるに必ず内外を分清すべく、取用するに鬼爻與耗神を一處に湊らしむべからず。日干上の財は外財に属し、日支上の財は内財に属す。若し外財が日支の那兩課上に臨到せば、呼ばれて外財入内と為し、謀圖取用すれば便ち遂意し得べし。内財が日干の那兩課上に進到せば、出外して求取するに宜しくしてこそ吉なり。倘若又た良將の加臨有れば、財氣は死絶廢棄に至らず、必定に財を進めん。可是財若し太歲・大耗小耗を乘じて日鬼を成し、又た休死の氣に値せば、那就中取るに及ばず、皆不吉を主る。
將神有類支干與,此中內外要詳慮(注云:前論日為外,辰為內,殊不知類神內外。且如甲子以青龍為外,天后為內,看青龍臨辰二位為進人口,乃外事;以天后臨日二位,主內事,或動。以此前知則不悞)。
天將與乘ずる所の神各々其の類有り、亦た要して日干日支上に配すべし。這中間の内外の分は必ず細想すべし。前面に説く日干を外と為し日支を内と為すは、卻知らず類神本身も亦た内外を分くを。譬如甲子日、青龍を以て外と為し天后を以て内と為す:看るに青龍が日支の那兩課上に臨到すれば、就中人口を進め、外面の事に属す。天后が日干の那兩課上に臨めば、則ち家内の事を主り、あるいは内部に動作ある所あらん。這個道理に照らして預先分辨すれば、事を斷ずるに就中出錯せざらん。
日陰剋日日戴墓,暗鈍抑塞多齟齬(假如戊午日卯加辰,庚寅日午加丑,主暗鈍屈伏,抑塞不足之事也)。辰陰刑辰罡處孟,定招卑幼驚惶橫(假如甲子日,戌加亥是第四課,克支為鬼,乃天罡加孟主殺在卑幼,驚恐不寜)。
日干の陰神が來りて日干を克し、日干頭上に又た墓神を頂けば、事情便ち暗昧遲鈍・閉塞不通にして、處處齟齬す。譬如戊午日に卯が辰上に加わり、庚寅日に午が丑上に加われば、皆昏昧屈從・抑郁して伸展を得ざるを主る。日支の陰神が日支を刑し、天罡又た四孟の位に落つれば、必定に卑幼の驚を受くるの橫禍を招來す。譬如甲子日、戌が亥上に加わる正是れ第四課にして、戌土が日支子水を克して鬼を成す。這就中天罡加孟にして、殺氣は卑幼の身上に應じ、一家驚恐不安なり。
陰陽間克傳蔵課,內外縈心成慮破(注云:間克乃日陽制辰陽,辰陰制日陰,此名雜濫,主內外不足)。
陰神與陽神隔位相克し、鬼爻又た三伝與四課之中に藏まれば、内外の事皆心頭に纏繞し、思慮重重して終歸破敗す。いわゆる間克は、指す是れ日干の陽神が日支の陽神を制し、日支の陰神又た日干の陰神を制す。這を呼んで雜濫と為し、内外兩頭皆圓滿ならざるを主る。
三伝
正課用神傷日辰,家門長幼不安存(假如戊己日得卯木發用曲直。又如甲乙日得酉發用從革,主父母不安。又如申日得午發用炎上,寅日得酉發用從革,主卑幼不安)。傳凶陰吉驚無實,傳吉陰凶吉不真(假如甲申日,初傳白虎,末傳螣蛇為救,主驚不實。又如臨日,初六合,末太陰,為破喜亦空)。
本課の用神反對に日干日支を傷れば、一家老小皆安寧を得ず。譬如戊己日に卯木の發用を得て曲直木局を成し、又如甲乙日に酉の發用を得て從革金局を成せば、皆父母不安を主る。再如申日に午の發用を得て炎上火局を成し、寅日に酉の發用を得て從革金局を成せば、則ち卑幼不安を主る。三伝是れ凶にして陰神是れ吉なれば、虽驚嚇を受くるも並びに落實せず。三伝是れ吉にして陰神是れ凶なれば、那份の吉も亦た是れ真吉ならず。譬如甲申日に初伝は白虎を乘じ、末伝は螣蛇を乘ずるも能く救を作せば、虚驚一場を主る。又如臨日の課、初伝六合・末伝太陰なれば、喜事破せられ、終歸落空す。
順喜當觀母用兒,數憂何棄課扶持(注云:母傳子乃春傳夏也。假如甲乙日用午,是相氣,為子孫之神,在傳能御克木之金為救,取拘絆扶、散憂疑也)。用空傳復支與干,舊乆重新廢欲完(注云:空亡本無氣之兆,作用而中末復歸日辰上者,主重用事,復求意)。
要して順遂喜慶を看れば、就中母生子の關係を觀察す。憂慮再多とも、亦た應に課體本身の扶持の力を丟開すべからず。いわゆる母傳子、就像春天傳到夏天の一樣なり。譬如甲乙日に午を以て發用とせば、午是れ相氣にして、子孫の神に属す。它三伝中に在りて能く木を克する金氣を抵禦して救神と成り、以て凶神を牽制し・憂疑を化散す可し。用神が空亡に落ち、而も三伝又た回頭して日支日干の上に歸れば、那便ち舊事久しく已に廢棄し・如今重新把它辦完せんと想うなり。空亡本來是れ無氣の象なれど、可它發用を作し、中伝末伝又た日辰上に歸れば、舊事重提・再度謀求を主る。
陰陽互克兼不傋,元合天后多私意(假如甲子日戌加寅上,又如辛丑日酉加巳例,此二課主夫婦失義,不和好,此名蕪淫課也)。傳化為陰分事端,兩途切要勿忘看(假如巳日占,見功曹為用,主尊者不和。此乃寅中有生火,凌巳中生金,雖生火,乃刑金之物動也。此例不可不明。又如罡加寅上,亦上下不和,雖木克土為財,殊不知辰中廢水克下生火故也。凡遇生克,當自裁之)。
陰陽彼此相克して而又た齊備せず、元武・六合與天后一同に出現すれば、多く私情の意を含む。譬如甲子日に戌が寅上に加わり、又如辛丑日に酉が巳上に加われば、這兩種課皆夫婦失和・情義斷絶を主り、呼ばれて蕪淫課と為す。三伝轉化して陰神と為れば、事端便ち中より分出し、兩條路子皆要緊にして、切莫只看一邊すべからず。譬如巳日に來占し、功曹寅を見て用神を作せば、尊長の間の不和を主る。這是れ因るに寅中の所含は能く火を生じ、反對に巳中の生ずる金を欺凌するを以てなり。虽説生火なれど、動く卻って是れ刑克金の東西なり。這個例子は明白にせざるべからず。又如天罡辰が寅上に加わるも、亦た是れ上下不和:虽然木克土は以て財を作し得べしとすれど、卻知らず辰中の廢水は又た下面の生ずる所の火を克するを。凡そ生克の事に遇上せば、皆應當に自己斟酌裁斷すべし。
戌卯
戌加卯上是合鄉,傳中支干理偏長。丙辛戊癸正相當,信至人歸見福昌(解曰:卯加戌合也,巳加子亦為合也,為三傳俱合,此象主信至、外歸之象)。
戌が卯上に加われば、正に相合の鄕に落ち、三伝之中日支日干の道理便ち格外見長す。丙與辛相合し・戊與癸相合すれば、恰好此れと相當して、音信到來・行人歸家・福氣昌盛を主る。解釋して説く:卯加戌是れ六合、巳加子も亦た相合と算す。若し三伝全都合を成せば、這個課象就中書信到達・外出の人回來を主る。
辰卯
魁罡化鬼沖臨宅,魑魅蔵家喪服白(注云:天魁為墳,天罡為墓,若化鬼臨支,為蔵伏尸魑魅。沖支亦主宅發怪。若不化鬼,定有持服之色)。魁罡作鬼臨年上,下賊侵凌暗酬黨(注云:魁罡為奴賊、兇惡人,元武為盜賊神,並日鬼加年,主有連累不明事)。
河魁與天罡化して鬼爻を成し、又た沖してあるいは日支の家宅の位に臨めば、就中魑魅の家中に藏むるあり、還た白を穿ち孝を戴く要す。河魁戌は墳を象徵し、天罡辰は墓を象徵す。它ら若し鬼を化して日支に臨めば、便ち家裏に尸骸鬼魅を伏す。日支を沖せば、亦た宅中の怪を鬧ぐを主る。即使鬼を化せずとも、家中も亦た必定に孝を戴く事あり。河魁天罡が鬼爻を作して行年の上に臨めば、就中下人賊徒の欺凌あり、暗中還た人の黨を結び應和する有り。河魁天罡は奴僕・盗賊與凶惡の人を代表し、元武是れ盗賊の神なり。它ら連同日鬼一起に行年上に加われば、牽連不清の事を惹上するを主る。
比合河魁兩同用,心謀不一或干眾(注云:比合同心,魁為眾事。占之此卦,主心意不定,或有干連眾人事)。罡乘天后陰人忌,有孕切慮傷胎氣(注云:天罡為土水天后之墓,兼為東南卑溼之辰。天后為厭醫,如婦人行年有此,孕主足月傷胎,老幼生腹病之疾)。
比和の神與河魁兩者同時に取用せば、心中の謀る所便ち專一ならず、あるいは許多の人に牽連せん。比和相合は本來同心を主り、河魁則ち衆人の事を主る。這個課を占い得れば、心意不定を主り、あるいは衆人に干連する麻煩あらん。天罡が天后を乘ずれば、婦女最も忌むべく、孕を懷いたる更要傷胎を顧慮すべし。天罡辰は既に是れ土、又是れ水庫、正是れ天后の墓地にして、還た是れ東南方低濕の辰なり。天后又た醫藥を厭惡するを主る。婦人の行年上若し這個組合有れば、懷孕するは足月に到りて傷胎し、老人小孩は則ち腹部の疾病を生ぜん。
巳酉
從魁太乙墓同虎,臨支宅有衣麻服(注云:太乙為喪車,從魁為白服。五墓、死氣、白虎、哭神如並加支上,必主有持服人,為用的)。
從魁酉・太乙巳與墓神同じく白虎一道に出現し、日支の上に臨到せば、家宅中に就中人の麻を穿ち孝を戴くあらん。太乙巳は喪車を象徵し、從魁酉は白色孝服を象徵す。五墓・死氣・白虎・哭神這幾樣若し一齊に日支上に加到せば、家里必定に服喪の人あり。這一條斷ずること極めて準し。
巳亥
天傾西北日月隨,地陷東南江海歸。巳亥歉然不用疑,重求輕得告君知(解曰:西北,亥地也,天傾西北。東南,巳地也。地陷東南,天地尚且不足,況於人乎?求三得二也)。
天は西北に傾き、日月は之に随いて運行す。地は東南に陷落し、江海は此に因りて匯歸す。巳與亥這一組は總じて虧欠の意を帶び、疑うに及ばず:求むる所虽重しと雖も、得る所卻って輕し。這一點は明白に求占の人に告げる要し。解釋して説く:西北就中亥の方位なり。ゆえに天傾西北と説く。東南就中巳の方位なり。ゆえに地陷東南と説く。天地尚お猶不足ある所あり、何を況んや是れ人を。ゆえに三樣を求めて只だ兩樣を得る能くのみ。
亥子丑
三傳亥子丑初終,陰小驚惶抑意重(假如乙日寅加酉用,上逢太陰,謂甲乙本以寅卯為日新之氣,丙丁以巳午為之,一同也。今乙日以寅為新氣,加酉自負酉金,以下克上,乘太陰又克寅,上戴邱墓,此等課然必不明,占屈伏,暗鈍之災)。
三伝自初至末排成亥・子・丑と成れば、婦女與小口皆驚を受け、心裏壓抑すること很に重し。譬如乙日に寅を以て酉上に加えて發用とし、上頭又た太陰に逢えば:甲乙日は本來寅卯を以て當日の新生の氣と為し、丙丁日は則ち巳午を以て新氣と為す。道理相同なり。如今乙日に寅を以て新氣と為せど、卻って酉上に加到し、自己は酉金を背負し、下克上を成す。再び太陰を乘じて又來りて寅を克し、頭上還た丘墓を頂く。這一類課必定含混不明にして、占い來る只是屈從伏低・昏昧不通の災なり。
貴人
用同卯貴兩加戸,意欲不足難守故(注云:卯酉為門戶。或天乙在上,為發用,主門戶不意,生不寜之事)。傳包兩貴並天德,見君干貴任南北(注云:兩貴,旦墓天乙也。徳神,如甲寅、乙申之類。傳中有徳神,有貴人相生,宜用干君王,動搖吉利)。
用神與貴人一同に卯酉兩個の門戸の位に加臨せば、心願便ち滿足する能わず、亦た舊業を守住し難し。卯與酉是れ門戸にして、若し天乙貴人其の上に在りて發用を作せば、門戸の間の稱心せず・不安寧の事を生出するを主る。三伝が晝夜兩位の貴人を包住し、又た天德を併せば、那就中君上に面見し・貴人に干求するに宜しく、南北奔走すとも皆妨無し。いわゆる兩貴、就中晝貴與夜貴兩位の天乙なり。德神譬如甲日の寅・乙日の申の類。三伝中既に德神有り、又た貴人相生を得れば、君王に向かい言を進め干求するに宜しく、走動起來皆吉利なり。
貴朱空亡文書失,貴常龍馬望官職。螣蛇入武見怪忙,龍乘金刼陷山罡(玄武殺在支前四位,蛇入武為用,主見怪。青龍若直金刼煞為用,臨刑害,主山罡,便缺陷)。三刑六害同傳日,蛇虎疾病朱官方(朱勾為鬼,主官事。乘死神死氣,凶)。
貴人與朱雀が空亡に落つれば、文書必定遺失す。貴人與太常再び青龍・驛馬を配上すれば、則ち官職を指望し得べし。螣蛇が玄武の位に進入すれば、就中怪異の事を應付するに忙しからん。青龍が金神與劫煞を乘ずれば、便ち山岡險處に陷落せん。玄武煞は日支の前の第四位に在り、螣蛇が玄武に入りて發用を作せば、怪異を見るを主る。青龍若し正當金劫煞にして發用を作し、又た刑害に臨めば、山岡に困し・處處殘缺を主る。三刑六害與三伝・日干一處に湊まれば、螣蛇白虎に遇うて疾病を主り、朱雀に遇えば則ち官府の事を主る:朱雀・勾陳が鬼爻を作せば、官司を打つを主る。再び死神・死氣を乘ずれば、那就中更に凶なり。
朱雀
金雀同刑方失火,建破魁罡主折傷(若傳將是金,朱雀加臨,又刑害,主火燭驚憂。若用是月破上,更凶,必主折傷)。
金神與朱雀同處して而又た相刑して、才ぼ失火せん。月建・月破再び河魁天罡を加上せば、則ち折損傷殘を主る。若し三伝の天將が金に属し、朱雀又た其の上に加臨し、還た刑害を帶びれば、火燭の驚あるを主る。若し用神正に月破の上に落つれば、那就中更に凶にして、必定に折傷を主る。
雀龍
雀臨小吉為飛望,徳同龍合喜婚良(雀臨小吉為用,又生氣旺相,主飛望事。若日徳為用,又值龍合,主婚姻和合)。
朱雀が小吉未上に臨めば、意外の高攀與指望を主る。德神與青龍・六合同見なれば、則ち婚事美滿なり。朱雀が小吉に臨みて發用を作し、又た生氣旺相に値せば、飛來の名望機遇あるを主る。若し日德を以て用神と為し、再び青龍與六合に遇上せば、婚姻和合を主る。
勾陳獄上囚追繫,朱雀臨獄哭泣揚(勾陳若入天地獄,更遭羅網,或投墓中,主囚訟勾留。若雀臨天地獄,主哭泣。更乗日鬼,主凶)。吉神遭制凶神伏,憂喜兩占虛禍福(假如甲日申作青龍,丁日午白虎,憂喜皆無實)。
勾陳が天獄地獄の上に落つれば、人は就中囚係追捕せられん。朱雀が獄位に臨めば、則ち哭聲傳揚す。勾陳若し天獄・地獄に入り、又た羅網煞を遭り、あるいは墓中に投進せば、牢獄詞訟久拖不決を主る。朱雀若し天獄地獄に臨めば、哭泣を主る。再び日鬼を乘ずれば、那就是れ凶なり。吉神制せられ・凶神潜伏の時、占憂を論わず占喜を論わず、禍福皆是れ虛なり。譬如甲日に申を以て青龍を乘じ、丁日に午を以て白虎を乘ずれば、憂も好いも喜も好いも、皆落實せず。
龍虎
血神挾虎同刑害,日本年逢官病會(血忌血支煞與白虎同加行年,或臨日本,主血光、官府、病患之凶)。龍入天羅問父來,虎來地網走官災(日前一位為天羅,支前一位為地網。青龍乗天羅至,比合相生,是主父母之事。白虎乗地網,主有官災。地網煞與天羅煞對沖,又一說也)。盜入青龍防喜賊,日刑時破血災推(若青龍乗盜神剋日,應喜事中有賊盜侵筭、走失、悞事,喜中有不意料事)。
血神が白虎を挾して又た刑害に逢い、日干本位與行年上並びに遇到せば、官司與病患就中一處に湊作せん。血忌・血支兩煞與白虎一同に行年上に加わり、あるいは日干本位に臨めば、血光・官府・疾病三樣の凶事を主る。青龍が天羅に進入するは、是れ父親の事を問わんと要す。白虎が地網に撞上すれば、則ち官災の為に奔走せん。日干の前の一位を天羅と為し、日支の前の一位を地網と為す。青龍が天羅を乘じて至り、若し又た比和相生せば、父母の事を主る。白虎が地網を乘ずれば、官災あるを主る。亦た一説、地網煞與天羅煞是れ彼此對沖なりと。盗神が青龍に混進せば、就中喜事裏に賊を藏むるを防ぐべし。日刑與時破を犯せば、則ち血光の災と推す。若し青龍が盗神を乘じて日干を克せば、喜事之中に賊盗の謀算あり・走失误事あるに應じ、喜慶裏に意料之外の變故を夾む。
白虎
虎同喪吊臨年課,挾墓殃人情思惰(太歲前二辰為喪門,後二辰為弔客,墓臨家長行年、支干課位,必主有悲泣事)。白虎猖狂滿屋傷,青龍折足退財糧(若虎乘木神戰,及剋日,主家長不寜。三傳中見,日辰、行年、本命上逢之,定凶。若龍乘寅卯,吉。臨申酉為用,主退損財物)。
白虎與喪門・吊客一同に行年あるいは課位上に臨到し、又た墓神を夾帶せば、就中人を害し、人の心思を懶散ならしむ。太歲の前の兩位是れ喪門、之の後の兩位是れ吊客。墓神若し家長の行年あるいは日干日支の課位上に臨めば、必定に悲哭の事あり。白虎猖狂の時、滿屋子の人皆傷を受く。青龍が脚を折れば、錢糧就中退散せん。白虎若し木神を乘じて交戰し、又來りて日干を克せば、一家の長の不安を主る。這情形が三伝之中に出現し、あるいは日辰・行年・本命の上にあれば、斷然是れ凶なり。青龍若し寅・卯を乘ずれば、吉と為す。若し申・酉に臨みて發用を作せば、則ち財物を損退するを主る。
辰戌陰空憂脫賺,勾陳斗打在寅鄉(太陰、天空乘魁罡為日鬼,相刑害發用,臨日,主走失奴婢)。鬼逐陰后臨財上,宻意私謀鬼播揚(鬼為陰度氣,更乘陰后將,必陰私財有失。鬼形彰露象,不然妻有懐孕事。天后加卯為日才,主婦人掌門興才)。
辰・戌上に太陰與天空を乘ずれば、騙され脫漏するを憂心すべし。勾陳が寅位に落つれば、則ち鬥毆の事あり。太陰・天空が河魁天罡を乘じて日鬼を成し、又た刑害を帶びて發用を作し・日干に臨めば、奴婢走失を主る。鬼爻が太陰・天后を追逐して財爻の上に臨到せば、暗中の心思與私下の謀劃皆鬼爻に張揚出去せられん。鬼爻は陰氣の度する所に属し、再び太陰・天后二將を乘ずれば、必定に私情の上に於て錢財を折損す。鬼の形跡一旦顯露せば、若非如此なれば、便ち妻子の孕有りなり。天后が卯上に加わりて日干の財を成せば、婦人當家して財源興旺を主る。
合後玄陰與卯酉,加臨課位遭賊強(卯與六合為私門,酉與太陰為蔽匿,玄武賊意,天后好詐,加日辰主賊盜)。除定開危卯共未,龍常陰后可逃蔵(假如正月甲戌日巳時西方,太沖乗太陰合危治位,入兵不傷身)。
六合・天后・玄武・太陰這四將與卯・酉と相配し、課位の上に加臨せば、就中强盜を遭うべし。卯配六合是れ私密の門、酉配太陰是れ遮蔽藏匿、玄武は賊心を存し、天后又た詐を使うを好む。它らが日干日支上に加われば便ち盗賊を主る。除・定・開・危這幾個の建除の日に逢い、又見卯與未を見、再有青龍・太常・太陰・天后あれば、就中逃匿避難し得べし。譬如正月甲戌日巳時に西方へ往き去るに、太沖卯が太陰を乘じて危日の位に合せば、即便兵陣に進入すとも亦た身を傷る能わず。
玄武有權為走失,後三生氣孕妻娘(玄武剋日主走失。若用是日後三辰,上值天后旺相,又主有孕婦,不乆進人口)。玄武盜神賊入居,后合私門淫泆彰(若用元武幷盜神,主失脫。后合乗奸神,入到私門上,主有陰謀)。陰陽不備,方用此說。
玄武が勢を得權を掌れば、人口財物走失を主る。日干の後の第三位又た生氣に逢えば、則ち妻室懷孕を主る。玄武が日干を克すれば走失を主る。若し用神是れ日干の後の第三位の地支にして、其の上又た天后旺相に値せば、還た家中孕婦あるを主り、不久便ち人口を添えん。玄武與盗神同現すれば、是れ賊人の屋に進む。天后・六合が私門の位に落つれば、淫亂の事就中昭然若揭なり。若し用神是れ元武併着盗神なれば、失竊走脫を主る。天后六合が奸神を乘じて私門上に進到せば、暗中の圖謀あるを主る。這些斷法は陰陽不齊備の課裏に在りてこそ用得上す。
玄武持刀憂神刼,螣蛇丑午牛馬傷(玄武值金殺入傳剋日辰,主刼財帛。蛇乗丑,午上,見主牛馬生災)。武入私門人慾走,後常逢空損衣裳。
玄武手裏刀を握着せば、就中劫さるるを擔心すべし。螣蛇が丑・午の上に落つれば、牛馬便ち傷を受けん。玄武が正に金煞に値して三伝に進入し來りて日干日支を克せば、錢財の劫せらるるを主る。螣蛇が丑上あるいは午上に乘ずれば、之を見れば則ち牛馬生災を主る。玄武が私門に進めば、是れ人の逃走せんとするなり。天后・太常若し空亡に落つれば、則ち衣物を損失するを主る。
天羅地網殺
羅網墓中憂獄繫,醫巫生氣得財糧(若入墓,占人行年上更值凶將,主官災得禍。天醫、天巫又值生氣,主財糧)。死神徳上為墳塜,生氣墓方是宅場(若死神臨徳神旺,主修墳塜事。生氣殺若入墓上,主得房宅之事)。
天羅地網又た墓中に落つれば、牢獄纏身を憂心すべし。天醫・天巫再び生氣に逢えば、則ち能く錢糧を得着せん。若し墓に入りて、占者の行年上又た正に凶將に値せば、官災降禍を主る。天醫・天巫若し生氣に碰上せば、財を進め糧を得るを主る。死神が德神の上に落つるは、是れ墳墓の象。生氣が墓地の一方に落つるは、則ち是れ宅舍の象。死神が德神に臨みて氣旺なれば、墳塋を修造するの事を主る。生氣煞若し墓上に入到せば、房産宅院を得るを主る。
天獄煞
天獄凶將主乆病,地獄刑囚憂患瘡(日辰前一位是地獄煞。解曰:若用是天獄煞,值蛇虎主乆病。若用是地獄煞,主刑。克身,生惡瘡)。關鑰持刑鬼用初,囚拘更視虎勾朱(闗季神,鑰孟神。持刑作鬼,乗虎、勾、朱神,主囚禁訟)。
天獄煞が凶將を配上すれば、久病不愈を主る。地獄煞則ち刑罰囚係を主り、還た瘡患を憂心すべし。日干日支の前の一位就中是れ地獄煞なり。解釋して説く:若し用神是れ天獄煞にして、又た螣蛇・白虎に値せば、長期患病を主る。若し用神是れ地獄煞なれば、刑罰を受くるを主り、自身に克到すれば還た惡瘡を生ぜん。關煞與鑰煞が刑を帶びて鬼爻を作し、又た初伝に出現せば、究竟會囚拘せらるるや否や、還た白虎・勾陳・朱雀ある無しを看る要し。關煞は四季の神上に在り、鑰煞は四孟の神上に在り。它らが刑を帶びて鬼を作し、又た白虎・勾陳・朱雀を乘ずれば、囚禁せられ並びに訟に渉るを主る。
軒轅肘後經亦名玉女通神訣
課例區分事若何,先從卦體上包羅。三傳四課明凶吉,將與神兮和不和。上下相生皆喜美,交相剋戰定癭屙。將克神兮憂易解,神克將兮禍必多。如期要視終傳上,好惡從茲更審歌。
課例を分辨し・占う所何事かを斷明せんと要すれば、先得に整個卦體の上より通盤に籠罩すべし。三伝與四課定出吉凶して、還た天將與乘ずる所の神合不合得來を看る要し。上下彼此相生せば、皆是れ喜美の象。上下交互克戰せば、就中疾患を生ぜんと斷定す。天將が乘ずる所の神を克すれば、憂愁容易に化解す。乘ずる所の神反對に天將を克せば、禍事必然衆多なり。應期を問わんと要すれば、就得末伝の上を看。是好是壊は、這裏より再び下面の歌訣に依りて細審す。
初來克末凶還甚,始被終賊禍自磨(初傳克末傳,喜即不成,凶即尤甚。末傳克初傳,則吉;更遇吉神吉將,吉尤甚,雖有凶自消矣)。假使金神臨火上,末傳遇水必無他。縱有災殃自消散,湏知福祿重嵬峩(倘得土神,亦成吉慶,他皆仿此推之)。
初伝去りて末伝を克すれば、凶象格外嚴重なり。反對に初伝が末伝に克せられれば、禍事自ら磨滅せん。初伝が末伝を克すれば、喜事辦成せず、凶事更加厲害なり。末伝が初伝を克すれば則ち吉と為す。若し再び吉神吉將に遇えば、吉の上に吉を加え、縱有凶险とも亦た自行消散す。假如金神が火上に臨み本來已に克を受くとも、只だ末伝に水の來りて救うに遇えば、就一定に別の妨礙無し。這樣縱有災殃とも亦た自行散去せん。還た須知福祿將に重重疊疊・高聳如山ならんとす。倘若末伝の得る是れ土神なれば、同樣能く吉慶を成し、其餘情形皆此類を照らして推す。
已前秘訣雖陳露,猶恐三傳吉凶悞。假使土上用水神,末傳木救無憂懼。忽然無救將復凶,未便極凶仍更慮。如還年上吉神臨,遙克凶神何必怖。
前面這些秘訣虽已一一説破すれど、仍怕人三伝の吉凶の上に於て錯を判ぜんことを。假如土が水神の上に壓して水を取りて發用とせば、只だ末伝に木の來りて救うあれば、便ち憂懼するに及ばず。倘若忽然救無ければ、那凶將再度凶を顯さん。不過亦た未必凶到極處ならず、還た得另作斟酌す。若し行年の上恰好吉神の臨む有りて、能く隔位に凶神を克住せば、那又た什麼怕る可きあらん。「遙克」本來是れ六壬取三伝九法の一にして、指す四課上下皆相克せざる時、隔位遙遙相克の神を取りて發用とす。這裏借來して隔位施救の力を指す。
假令正月癸未日寅時占,以登明加時,河魁臨癸水,上克下為用,將得白虎凶將;中傳小吉,將得太陰;末傳天罡,將得螣蛇;此三傳皆克癸日,又首尾俱凶將,三傳俱不救也。如人行年二十八歲,行年在癸巳,上見功曹為六合,是木乃遙克三傳土神,即為救神,必轉禍為福也。如行年在寅,木亦遙克三傳為救也。如人行年立申,上見天乙為貴神,亦為救也;縁天乙貴人至尊之象也。
例子を挙ぐ:正月癸未日寅時に來占し、登明亥を以て月將と為し占時上に加えて盤を起こせば、河魁戌が癸水の上に臨到し、戌土が癸水を克するは、是れ上克下にして、它を取りて發用とす。乘ずる所の天將是れ白虎にして、凶將に属す。中伝是れ小吉未にして、太陰を乘ず。末伝是れ天罡辰にして、螣蛇を乘ず。這三伝皆來りて癸日を克し、首尾又た皆是れ凶將、三伝之中一個の救神も無し。假如占者行年二十八歳、行年は癸巳に落ち、巳上に功曹寅を見て而も六合を乘ず。寅は木に属し、正好能く遙遙に三伝の土神を克住す。這就中救神を成し、必定に禍を轉じて福と為さん。又如行年が寅上に落つれば、寅木同樣遙克三伝して救を成す。再如行年が申上に立てば、申上に天乙の貴神を作すを見、亦た救と算す。因るに天乙貴人是れ至尊の象なればなり。
用生終死憂最深,用死終生吉相聚(生者是五行之所生之神也,死者是五行所葬之地。假令甲乙日,初傳登明,末傳小吉;丙丁日發用功曺,末傳河魁;是用生終死也。庚辛日初用大吉,末傳太乙;壬癸日初用天罡,末見傳送,是用死終生也)。
發用が長生に坐して末伝が死地に落つれば、憂患最深なり。發用が死地に坐して末伝が長生を得着せば、吉慶便ち聚攏過來す。いわゆる生は、是れ五行長生の神。いわゆる死は、是れ五行埋葬の地。譬如甲乙日初伝登明亥・末伝小吉未、丙丁日發用功曹寅・末伝河魁戌、這都是起於生而終於死なり。反對に、庚辛日初伝大吉丑・末伝太乙巳、壬癸日初伝天罡辰・末伝傳送申、這就中起於死而終於生なり。
順道用傳母見兒,失禮還因子傳母。順則為和失則旋,此是三傳真秘語(初傳母,末傳子,順道也。初傳見子,末傳見母,是失禮也。順道即為喜美,失禮則為悖逆,所作稽留疑惑也。初用功曺木,末見勝光火,為初見母,末見子,謂木生火也。假令初用神后水,末傳傳送金,是初用子而末見母,為水本生於金也)。
順道に合乎するは、是れ三伝の母に由りて子を生ず。禮數を失するは、則ち子に由りて倒過來傳母す。順なれば則ち和諧し、禮を失すれば則ち周折反復す。這是れ三伝眞正の秘訣なり。初伝是れ母・末伝是れ子なれば、就叫順道。初伝に子を見・末伝に母を見れば、就叫失禮。順道便ち是れ喜美の象、失禮便ち是れ悖逆の象にして、辦ずる所の事遲滯難成・疑惑不定なり。譬如初伝に功曹寅木を取り・末伝に勝光午火を見れば、就中先見母後見子なり。因るに木能く火を生ずればなり。又如初伝に神後子水を取り・末伝是れ傳送申金なれば、那就中先見子後見母なり。因るに水本來金の生ずる所に由ればなり。
喜不喜兮親與踈,日辰之下辨相遇。母臨於子為和喜,交克魁罡事必踈(假令甲日神后水臨甲木,是母臨於子,為喜也。若還魁罡土臨甲,是下克為踈,不美矣)。
究竟是れ喜か是れ不喜か、全て彼此親近か還た疎遠かを看、要して日干日支の下に於て它らの相遇の情形を分辨すべし。母が子の頭上に臨むは、是和順可喜。若し交互克戰して河魁天罡に遇上せば、事情必定疎遠なり。譬如甲日に神後子水を以て甲木の上に臨ませば、水は木を生じ、正是れ母臨于子にして、喜と為す。若し換成して河魁天罡の土を甲上に臨ませば、甲木が土を克して下克上を成す。那就是れ疎遠にして、好き事と算えず。
初凶後吉終須吉,初吉後凶漸多凶。若遇徳生名有救,如逢刑殺惡神窮(徳者,得也。若三傳中遇徳神、生神者,卦雖凶而為救神,其凶可解也。若三傳卦凶,更犯三刑、凶將者,其凶尤更深也。假令三月癸巳日午時占,月將從魁加時,傳送金臨巳火,下克上為用,是犯三刑也。謂已刑申,又更下克上為逆用也。假令五月己亥日申時,以小吉加時,河魁臨亥為用,五月死氣在河魁,刼煞在亥,是下克上,俱有凶神)。
起初凶にして後來吉なるは、終究是れ吉なり。起初吉にして後來凶なるは、凶意會越來越重せん。若し德神・生神に遇上せば、就叫有救。若し碰上三刑・凶煞與惡神せば、那就中走投無路なり。いわゆる德、就中有所得なり。三伝之中若し德神・生神に遇えば、卦虽凶なれど、它らも亦た能く救神に充當し、凶险化解し得べし。若し三伝本來已成凶卦、又た三刑を犯し・又た凶將に逢えば、凶险就中格外深重なり。譬如三月癸巳日午時に來占し、從魁酉を以て月將と為し時に加え、傳送申金が巳火の上に臨み、火が金を克して下克上を成し、它を取りて發用とすれば、正是れ三刑を犯す。因るに巳刑申、又是れ下克上の逆用なればなり。再如五月己亥日申時、小吉未を以て時に加え、河魁戌が亥に臨みて發用すれば、五月の死氣正在河魁、劫煞正在亥なり。這も亦た是れ下克上にして、兩頭皆凶神を帶ぶ。
日辰救之其事緩,三傳用救急能和(若三傳俱凶,卻日辰上神救之,其事緩慢。如三傳中有救神者,即變凶為吉也。假令正月丙辰日辰時占,以登明加時,勝光火臨亥水為用,初傳勝光,將得白虎;中傳大吉,將得朱雀;末傳傳送,將得玄武;三傳俱犯日辰,神將俱凶,日辰上神見神后,登明貴神遙克白虎凶神,此名日辰上神救三傳也)。
日辰上神に由りて來救せば、事情の化解慢し。三伝自身より救神を取り來れば、就能很く調和せん。若し三伝全凶なれば、靠日辰上神の來救、事情緩慢難解なり。若し三伝之中本來就中救神有れば、便能立即凶を轉じて吉と為さん。譬如正月丙辰日辰時に來占し、登明亥を以て月將と為し時に加え、勝光午火が亥水の上に臨みて發用とす:初伝勝光は白虎を乘じ、中伝大吉丑は朱雀を乘じ、末伝傳送申は玄武を乘ず。三伝皆日辰を沖犯し、神與將皆是れ凶なり。所幸日辰上神に神後子を見、登明亥上の貴神又能く遙克白虎這個凶將す。這就中呼ばれて日辰上神の來救三伝なり。
假令正月甲子日卯時占,以登明加時,河魁臨寅為初傳,中傳勝光,末傳功曹,河魁臨寅,下克上,雖凶神卻被末傳功曹克之,更功曹為日之徳神,更末傳克初傳,更用死終生,傳母見子,皆是三傳相救者也。
再び一例を挙ぐ:正月甲子日卯時に來占し、登明亥を以て月將と為し時に加え、河魁戌が寅上に臨みて初伝を作し、中伝勝光午、末伝功曹寅。河魁臨寅是れ寅木が戌土を克して、下克上に属す。戌虽是れ凶神、卻って又た末伝の功曹寅に克住せらる。何況功曹正是れ甲日の德神にして、末伝又能く初伝を克し、整個格局還た是れ死地に起こりて生地に終わり・母に由りて子に傳く。這幾層皆三伝自身相救の例子に属す。
日徳支徳並生氣,竒神天德解儀科。此上七神沖作救,日年傳末記伊何。凶卦遇之凶漸止,吉卦遇之吉慶多。日上陰陽非屬己,辰上陰陽匪為他(日上陰陽為用,事非止於自己;辰上陰陽為用,非止他人)。
日德・支德連同生氣、再加奇神・天德・解神・儀神這一類、以上七種の神只だ沖起來すれば就能作救す。日上に落つるを論わず行年・三伝還た末伝に落つるを論わず、皆它らの究竟哪一處に在るかを記清すべし。凶卦が它らに遇上せば、凶险漸漸止息す。吉卦が它らに遇上せば、吉慶就中更多なり。日上の陰神陽神未必只だ自己に關せず、辰上の陰神陽神亦た未必只だ他人に關せず:日上の陰陽神を以て發用とせば、事情は自身に牽涉するのみならず。辰上の陰陽神を以て發用とせば、亦た外人に牽涉するのみならず。
陰內陽外各有理,陰往陽來可知委。陰主伏兮陽主行,陰暗損財陽損明(用日辰之陰神,主內事;用日辰之陽神,主外事。日辰之陰神,主彼事;日辰之陽神,主自已之行事。日辰之陰神,主暗損財物;日辰之陽神,主明損財物)。
陰は内を主り陽は外を主り、各々其の道理有り。陰去陽來の往復の間、事情の原委就中推知し得べし。陰は潜伏を主り、陽は行動を主る。陰は暗中に財を損ずるを主り、陽は明面に財を破るを主る。日辰の陰神を取りて發用とせば、家内の事を主る。日辰の陽神を取りて發用とせば、外面の事を主る。日辰の陰神は對方の事を主り、日辰の陽神は自己の行う所の事を主る。日辰の陰神は暗地裏財物を損失するを主り、日辰の陽神は明面上財物を損失するを主る。
陰陽配在剛柔位,內外男女此中情。剛日下克內憂女,若有上克外男驚。柔日下克還用外,上克下時凶內興。日克神兮神克將,事從於內定吉凶。將克神兮神剋日,吉凶自外決枯榮。
陰與陽剛日柔日の位置上に配して、内外與男女の情狀皆這裏頭に藏まる。剛日也就是甲丙戊庚壬、若し下克上を見れば、憂うる是れ家内の女子。若し上克下を見れば、驚く是れ外面の男子。柔日也就是乙丁己辛癸、若し下克上を見れば、反對に外事に按じて取る要す。上克下を見る時、凶事便ち家内より興起す。日干が乘ずる所の神を克し・乘ずる所の神再び天將を克せば、事情は内部に由りて起こり、吉凶は内より定奪す。天將が乘ずる所の神を克し・乘ずる所の神再び日干を克せば、吉凶就中外面に由りて盛衰を決定す。
魁罡上下並蛇虎,休囚為死旺為生(魁罡凶神,蛇虎凶將,此二神二將相為用者,或在傳中得四時之旺相氣,若病者生,獄可脫也。若為用帶四時休囚死氣者,病者即重,獄未得脫)。
河魁天罡上下相并し、又た螣蛇白虎を配上し、休囚の地に落つれば便ち死、旺相の地に落つれば便ち生なり。河魁天罡是れ凶神、螣蛇白虎是れ凶將。這兩神兩將若し彼此配合して發用を作し、あるいは三伝中に於て四時の旺相の氣を得れば、那麼病人能く活き、坐牢する能く身を脫せん。若し發用を作す時帶ぶる是れ四時の休囚死氣なれば、病人の病就中加重し、牢獄も亦た身を脫する能わず。
旺相為多休廢少,更將物氣證其情。旺則相乘十數之,相氣因而倍更精(凡用神及三傳帶旺相氣者,為多數也。若用神及三傳帶休囚廢氣者,數之少者。更將物氣卦證其由也。若旺相神,則相乘其數而進一位,是十數之也。假令功曹臨辰為用,是旺神者,即功曹數七,辰數五也,五七三十五也,數進一位則是三百五十,或三千五百也。若用相氣神者,以少因多數而更倍之。假令太乙臨申為用,太乙數四,申數七,四七二十八,更倍之,即五十六也)。
旺相の氣は數目多きを主り、休廢の氣は數目少なきを主る。還た占う所の物の氣數を拿りて實情を印證す。旺氣に逢えば就把兩數相乘して再び一位を進む、也就是十を乘ず。相氣に逢えば則ち乘得の數を加倍し、算來更加精準なり。凡そ用神與三伝旺相の氣を帶ぶるは、主る所の數目就多し。休囚廢氣を帶ぶるは、數目就少し。再び物の氣與卦象を拿りて其中の緣由を印證す。若是旺相の神、就把兩數相乘して一位を進む、等于十を乘ず。譬如功曹寅が辰上に臨みて發用を作せば、旺神に属し、功曹の數是れ七、辰の數是れ五、五七三十五、一位を進めば便ち三百五十、あるいは三千五百なり。若し用うる是れ相氣の神、就以小數乘大數して再加倍す。譬如太乙巳が申上に臨みて發用を作せば、太乙の數是れ四、申の數是れ七、四七二十八、加倍すれば便ち五十六なり。
休言本數莫疑惑,死囚折減數皆輕。支干之數翻覆筭,拘檢卦內見其名(若言休氣神者,只言本支干數也。假令神后臨戍為用,神后數九,戌數五,五兼九,是十四也。若用死囚氣神者,即減其數,折半言之也。假令從魁臨丙為用,從魁六數,丙七數,七六十三數,折只得一半,是六數半也。或只用神減半言之,從魁六,只言三數也)。
休氣に遇えば就只だ本數を報じ、疑惑するに及ばず。死氣囚氣に遇えば則ち打折減半して、數目皆輕し。地支天干の數は要反復推算し、卦中に於て一一檢點すれば、就能見出所指の名。若是休氣の神、只だ本身干支の數を取りて相加す。譬如神後子が戌上に臨みて發用を作せば、神後の數是れ九、戌の數是れ五、五加九して十四を得。若し用うる是れ死氣囚氣の神、就把數目減去し、折半して說す。譬如從魁酉が丙上に臨みて發用を作せば、從魁の數是れ六、丙の數是れ七、七加六して共に十三、折半すれば只だ一半を得、就中六數半なり。亦た人只だ用神本身を減半し、從魁本來是れ六、就只だ三數を報ず。
亡盜行人知逺近,但尋此數自消停。其它萬物皆如此,不可一途仍更寧。課逢旺孟有來意,旺仲必當朝夕期。死囚休廢狀如何,四般皆屬過去事(若發用旺孟神,或三傳俱孟,即來占新發意之事。發用囚死休廢者,皆主過去事也)。
逃亡を占い・盗賊を占い・行人の遠近を占うに、只だ上面這套數目に按じて推せば、自然有着落す。其餘萬事萬物亦た皆這個辦法に照らせど、拘泥一條路して萬无一失と以為すべからず。課中旺相の四孟の神に逢着せば、來人是れ新たなる意圖有り。旺相の四仲の神に逢着せば、事情必定朝夕の間に應ず。死・囚・休・廢這四種の氣象該怎麼看に至りては。它ら皆過去の事に属す。若し發用是れ旺相の孟神、あるいは三伝全是れ孟神なれば、來人の占う就中新起念頭の事なり。發用若し囚・死・休・廢の氣を帶びれば、占う所皆是れ已經過去の事なり。
假使季神當相氣,舊事即今將欲至。孟神無氣臨相地,廢仲還同扵此義。忽然相氣臨孟神,新事欲來須防備(假令四季神卜臨相氣為用者,即占舊事再動之兆也。初用孟神無氣,臨相地,亦是占舊事動也。用廢仲神臨相地,亦主舊事動之。用神是孟臨相氣,亦是新事)。
假如四季の神正當相氣なれば、舊事眼下就中重新に門を找うて上來せん。孟神本身無氣にして卻って相地に臨み、廢氣の仲神が相地に臨むは、道理與此相同なり。若し忽然是れ相氣にして孟神の上に落つれば、那便ち是れ新事將至にして、須得預先防備す。例を挙げて説けば:四季の神が相氣に臨みて發用を作せば、就中舊事重新發動の兆なり。初伝が孟神を用いて而も本身無氣・又た相地に臨めば、同樣是れ舊事發動なり。廢氣の仲神を用いて相地に臨めば、亦た舊事發動を主る。唯だ用神是れ孟神にして而又た當着相氣せば、才算新事なり。
若占所事吉與凶,卦中神將言其意。不比逺事反吟同,比合伏吟近之事(不比反吟為用者,主事遲遲也。比用與三六合伏吟,其用主事近鄰)。若占凶事與凶詳,更剋日辰凶可畏。日鬼辰鬼月破神,更兼刑害五般陳(若占人為凶事來,卦得凶卦,更發用凶神惡將,更用神剋日辰,其凶可畏,不能解救也)。
若し要占所問の事是吉是凶か、就看卦中神與將透露の意思。不成比和して「返吟」(天盤與地盤各支相沖の課體、源文は反吟と寫作す)を以て發用とするは、事情遠く遲緩なり。「比用」(四課兩處以上の賊克出現する時、日干與陰陽相同なる一處を取りて發用とす)あるいは三合六合・「伏吟」(天盤與地盤重疊不動の課體)を以て發用とするは、事情就中近處に在り。返吟を以て用と為せば事情拖延を主る。比用及び三合六合・伏吟を以て用と為せば、主る所の事近在比鄰なり。若し來人本來凶事の為に占えば、凶象更要細看す:用神再び去りて日干日支を克せば、凶就中畏る可し。日鬼・辰鬼・月破の神、再び刑與害を兼ね上げれば、這五樣一齊に排開す。若し卦が凶卦を得、發用又た是れ凶神惡將、用神還た日辰を克せば、那份凶险實在可怕にして、解救する無從なり。
日辰年上兼為用,吉卦先歡後卻嗔。復有解神孤寡煞,憂喜無成是的真(為前舉事也。假令七月甲子日已時占,用起傳送為日鬼,天罡為辰鬼;用起登明為日破神,末傳遇之,亦不能成其吉也。如子上見小吉,為六害也。如太沖臨子為用,是三刑也。遇此之殺者,吉事為凶。況若凶神惡將加之並者,尤甚。餘者仿此推之,無不驗也)。
日辰與行年上の神一併に取られて用神を作せば、吉卦も亦た會先歡喜・後惱怒せん。再加上解神與孤辰寡宿せば、憂も罷れ喜も罷れ皆成事せず、這話是れ確切なり。承接前面所舉の例:譬如七月甲子日巳時に來占し、傳送申を取りて發用して日干の鬼を成し、天罡辰又た日支の鬼を成す。あるいは登明亥を取りて發用して日破の神を成し、末伝再び它に遇上せば、那吉も亦た成せず。又如子上に小吉未を見れば、子未相害す。太沖卯が子上に臨みて發用を作せば、子卯相刑す。這幾種煞に遇上せば、吉事皆要變凶。何況再び凶神惡將並臨あらば、那就中更に厲害なり。其餘情形此類を照らして推し、應驗せざる無し。
孤辰寡宿者,春三月太乙為孤,大吉為寡,本法前孤後寡,餘仿此推之。又甲子旬中河魁登明是孤辰寡宿,本法十干後二辰是也,又名空亡神也。若此三煞在日辰上為用者,聞憂不憂,聞喜不喜,獄囚必脫,疾病得痊,占行人虛望,失財難尋也。餘仿此而推之。
再び孤辰寡宿を説く:春三月は太乙巳を以て孤辰と為し、大吉丑を以て寡宿と為す。本法是れ季節の前の一位を取りて孤と為し・後の一位を寡と為す。其餘各季は此に照らして推す。另外、甲子一旬之中、河魁戌與登明亥就中孤辰寡宿なり。本法は十干の後の兩位の地支を取る。這兩位又た呼ばれて空亡神と為す。若し這三種煞が日辰の上に落ちて取られて發用を作せば、那麼憂事を聽くも不必真憂、喜事を聽くも亦た未必真喜なり。坐牢する必ず能く身を脫し、患病する能く痊愈し、行人を占う只是空盼一場、失掉の財物難以尋回なり。其餘情形皆這個辦法に照らして推斷す。
若占吉事旺兼美,徳合重重多喜慶。徳生已說在前篇,三六合神傳用起(凡占,人來若問吉事,三傳見旺相氣及與日辰相生,神將不內戰,又三傳中用神合神見者,吉慶,即多求事諧合)。
若し占う所是れ吉事、氣又た旺相して兼ねて美象有り、德神與合神重重疊疊せば、喜慶自然多し。德神與生神前面已經講過、這裏説く是れ三合・六合の神が三伝中に發用す。凡そ來人の問う所是れ吉事、三伝に旺相の氣を見て而又た日辰與相生し、神與將の間內戰起こらず、三伝中用神與合神皆出現せば、那就中是れ吉慶の象にして、求むる所の事多く能く和諧成就せん。
事神年上兩相生,此主所為皆得成。事神年上兩相剋,此主所為皆不得(事神者,上用主事之神也。若事神與占人行年及年上神相生並加者,所占事亦得比合。縱得凶神惡將,亦不為害)。
主事の神與行年上の神彼此相生せば、做する所の事皆能く辦成せん。兩者彼此相克せば、做する所の事就都辦成せず。いわゆる事神、就中上面所取・主管此事の那個用神なり。若し事神與占者の行年以及行年上神相生して併臨せば、占う所の事も亦た能く比和相合せん。這時縱令凶神惡將に遇上すとも、亦た妨害を構成せず。
何以明其急與遲,但看天乙自然知。日辰在前為事急,支干在後遲無疑(假令四月戊寅日午時,以傳送加時,天罡臨寅為用,大吉為貴神,臨亥順行,是用神日辰俱在貴神前,主事急速也。假令正月壬子日辰時占,以登明加時,勝光臨壬為用,天乙加戌逆行,是用神與日辰俱在貴人後,主事遲慢)。
怎樣才し能知事情來得急か還た慢か。只看天乙貴人すれば就中自然明白す。日辰が貴人の前に排せば、事情就中急なり。日干日支が貴人の後に落つれば、遲緩無疑なり。譬如四月戊寅日午時、傳送申を以て月將と為し時に加え、天罡辰が寅上に臨みて發用を作し、大吉丑是れ貴神の居る所、貴人が亥に臨みて順行すれば、這就中用神與日辰皆貴神の前に在り、事情來る急速を主る。又如正月壬子日辰時に來占し、登明亥を以て時に加え、勝光午が壬上に臨みて發用を作し、天乙が戌上に加わりて逆行すれば、這就中用神與日辰皆貴人の後に在り、事情遲緩を主る。
順行利陽雖急速,常陰不能成福竒。逆行利陰復緩慢,龍合難為降喜儀(天乙順行雖利陽,如遇太常、太陰,不能成福慶。天乙逆行,利陰不利陽,主事遲緩也。雖青龍、六合,亦不能成其福竒)。
貴人順行は陽に利あり、事情虽來る急速なれど、可一旦太常・太陰に遇上せば、亦た福慶奇效を成さず。貴人逆行は陰に利あり、事情又た轉じて遲緩と為り、這時縱有青龍・六合とも、亦た難降喜事なり。天乙順行虽利陽なれど、若し太常・太陰に遇えば、便ち福慶を結成せず。天乙逆行則ち陰を利して陽を利せず、事情遲緩を主り、即便青龍・六合有りとも、亦た那份の奇福を成就する能わず。
忽然貴神臨二八,搖動不安主遷移。被刑帶煞皆凶惡,神在外兮亦如斯(若用神被刑帶煞者,及凶將凶神,更神在外而煞在內,其卦尤凶。刑煞已注在前,加天罡加四季,即神在外,煞在內也。天罡加四孟,即神在內,煞在外也。如天罡加四仲,神在門,煞即入也,餘皆仿此)。
若し貴神忽然二月の卯・八月の酉這兩個門戸の位に臨到せば、人便ち搖動不安にして、搬遷移居を主る。用神が刑を被り又た煞を帶ぶれば、皆凶惡に属す。神は外に在りて煞は内に在れば、情形も亦た一樣なり。用神若し刑を被り煞を帶び、又た凶將凶神に逢い、再加上神は外面に在りて煞は裏面に在れば、這個卦就中格外凶なり。刑與煞前面已經注明す。天罡が四季の位に加われば、就中神は外に在り・煞は内に在り。天罡が四孟の位に加われば、就中神は内に在り・煞は外に在り。天罡が四仲の位に加われば、是れ神は門口に在りて煞已經進來せり。其餘皆此類を照らして推す。
神將所主為月內,已往將來用意推。斗在日前災已過,若居日後事還遲。忽然正當日辰上,凶吉只在朝夕期(假令正月內以功曺為用者,事應月內,正月建寅也,是神將所主之月也。假令正月內用大吉,為已往之事,為十二月建丑。若用太沖,主將來事,二月建卯,為將來也)。
神與將主る所の應在本月之内、究竟是れ過去の事か還た是れ將來の事か、要用心去推す。斗宿が日干の前に在れば、災禍已經過去せり。日干の後に落つれば、事情還た要拖延せん。若し恰好正當日辰の上に在れば、吉凶就中早晚の間に應ず。譬如正月裏に功曹寅を以て發用と作せば、事情應在本月之内。因るに正月建寅、正是れ這個神將の主る所の月なればなり。又如正月裏に大吉丑を用うれば、那是れ已過去の事。因るに丑是れ十二月の建なればなり。若し太沖卯を用うれば、則ち將來の事を主る。因るに卯是れ二月の建、將來に属すればなり。
斗者,天罡也。天罡臨今日前,其災已過;天罡臨今日之後,其災未過;天罡臨今日之上,災發朝夕。假令甲日寄在寅,天罡臨卯,事在今日前,災已過;天罡加丑,事在今日後,為災未過也;天罡正臨甲上,為災只在朝夕發也。
上文の説く所の斗、指す就中天罡辰なり。天罡が本日の前に臨めば、災禍已經過去せり。本日の後に臨めば、災禍尚未過去せず。正に本日の上に臨めば、災禍就中早晚の間に發作せん。譬如甲日寄宮は寅に在り、天罡若し卯上に臨めば、卯は寅の前に在り、事情は今日の前に属し、災已過去せり。天罡若し丑上に加われば、丑は寅の後に在り、事情は今日の後に属し、災還沒有過去せず。天罡若し正に甲の寄宮上に臨めば、災禍就只だ朝夕の間に發動せん。
前言課例都分顯,猶恐應期難盡善。用起太歲一年中,斗建發時當月見(假令今年丁未年,以小吉未為用,事不出今年之中也。斗建,月建也。假令三月建辰,以天罡為用,事應在一月之內也)。傳辰旬內應期詳,用日剋期在朝晚(假令戊子日,用起神后,是今日辰也,吉凶應一旬之內也。假令甲子日以功曺為用,是用日也,為甲寄在寅也)。
前面把課例皆分明説白す、只怕應期還講得不够周全せるを。太歲を以て發用とするは、事情應在一年之中。斗建を以て發用とするは、當月就中分曉を見ん。譬如今年是れ丁未年、小吉未を以て發用を作せば、事情不出今年之内なり。いわゆる斗建、就中月建なり。譬如三月建辰、天罡辰を以て發用を作せば、事情應在一個月之内なり。日支を以て發用とするは、應期詳在一旬之内。日干を以て發用とするは、應期就中早晚の間なり。譬如戊子日に神後子を發用とせば、子正是れ本日の日支、吉凶應在一旬之内。又如甲子日に功曹寅を發用とせば、寅正是れ本日日干の寄宮。ゆえに算作用日なり。
氣首難過半月間,應休言五日逺。得時不出八刻中,仔細記之心莫倦(假令丙寅日立春。太乙為用。吉凶應在一氣之中。主十五日之事也,謂丙寄在巳,故在太乙為氣首之神應侯者。假令庚午日為魚負冰,發用傳送,吉凶應在一候之中,為庚在申傳送,為候首之神,故用在五日之內也)。
節氣の首を以て發用とするは、應期不出半個月。物候相應を以てすれば、不必説得比五天更遠なり。若し正當占時得用せば、應期不出八刻之内なり。這些皆要仔細記牢、懈怠すべからず。譬如丙寅日適逢立春、太乙巳を以て發用とせば、吉凶應在這一節氣之中、十五天以内の事を主る。因るに丙寄宮は巳に在り、ゆえに太乙就中節氣の首の神なり。又如庚午日正當魚負冰這一物候、傳送申を以て發用とせば、吉凶應在這一候之中。因るに庚寄は申に在り、傳送便ち是れ候首の神。ゆえに應期在五天之内なり。
更有應日未宣陳,吉凶之卦各言因。今日生我為吉日,克我干者是凶神(課得吉卦者,以生今日者為用日。假令正月甲子日寅時占,其日是木,水能生之,合應在壬日,故云今日生我為吉日。若課得凶卦,以克今日為應日,假令戊日得凶卦,即應在甲日,甲木克其戊土,克我干者是凶神)。
此外還た應驗の日尚未説明す、吉卦凶卦各々其の緣由有り。生我日干的那一天是れ吉日、克我日干的那一天就中凶神當值なり。課若し吉卦を得れば、就以本日日干を生ずる天干の日を應日と為す。譬如正月甲子日寅時に來占し、本日日干は木に属し、水能く木を生ずれば、那就中該應壬日。ゆえに説く生我是れ吉日と。課若し凶卦を得れば、就以本日日干を克する天干の日を應日と為す。譬如戊日が凶卦を得れば、就中應甲日。因るに甲木は戊土を克し、克我日干の便ち是れ凶神なればなり。
事神與日何親屬,或為父母或妻兒。或作鬼吏或兄弟,不離神將決因疑(事神者,用神也,看今日與何親屬也)。忽然兄弟為鬼吏,那知還被兄弟累。旺為官爵相錢財,死亡囚獄休病忌。忽然兄弟化為財,財物還從兄弟來(忽然用神與今日為兄弟,更見鬼吏者,占人須防兄弟為累。假令今日丙丁日,用太乙勝光,為同類,忽然兄弟得玄武,卻克丙丁,為兄弟化作鬼吏也)。
主事の神與本日日干是れ什麼親屬關係か。或是父母、或是妻財子孫、或是官鬼、或是兄弟。這一層離不開神與將、憑它來決斷疑難す。いわゆる事神、就中是用神、要看它與本日日干構成何種六親。若し忽然兄弟爻變成了官鬼せば、哪里想得到竟會被兄弟連累せんや。用神旺相則主官爵、得相氣則主錢財、逢死氣主死亡、逢囚氣主牢獄、逢休氣則忌疾病す。若し忽然兄弟爻化成了財せば、那財物仍舊是從兄弟身上來る。舉例説:用神與本日日干同類、本是兄弟、卻又見了官鬼せば、占者就得防着被兄弟拖累せん。譬如本日是丙丁日、用神取太乙巳或勝光午、與日干同類為兄弟。忽然這兄弟乘了玄武、反過來克丙丁せば、這就是兄弟化作了官鬼なり。
用旺鬼憂官厄,相鬼憂財物撓,用死鬼憂死喪哭泣,囚鬼憂囚獄,用休鬼憂病人。假令庚辛日以從魁為用神,是同類為兄弟,將得六合、青龍木,是兄弟化為財,即財物因兄弟上得來。或見凶神惡將,卻因兄弟失財。
用神是旺氣的鬼、憂的是官災。是相氣的鬼、憂的是財物受擾。是死氣的鬼、憂的是喪事哭泣。是囚氣的鬼、憂的是牢獄。是休氣的鬼、憂的是病人。譬如庚辛日以從魁酉為用神、與日干同類、本是兄弟、所乘天將得六合或青龍而屬木、木正是庚辛之財、這就是兄弟化成了財、錢財便從兄弟那里得來。反之、若見的是凶神惡將、那就要因兄弟而破財了。
大哉聖法實難測,須憑將神決疑惑。其事有長有不長,此即專尋立用鄉(課事有長有短,但尋立用神所臨之鄉看吉凶之事也)。若臨冠帶長生位,福祿重重更顯揚。或值死囚休病地,官災凶事不能當。
聖人所立之法真是宏大難測、必須憑着天將與所乘之神來決斷疑惑。所占之事有能長久的、也有不能長久的、這一點專看用神所立的方位。課中所占之事有長有短、只要看用神所臨的那一鄉、就能斷出吉凶。用神若臨在冠帶・長生之位、福祿重重疊疊而更加顯揚。若正值死・囚・休・病之地、官災凶事就承受不住了。
但立用神,若臨冠帶、長生、臨官、帝旺有氣之地,即有重重福祿;更得吉將,尤吉也。假令傳送臨未為用,是用神立冠帶之位,餘仿此推之。若用神臨死、囚、休、病地者,官災凶厄。假令神后臨丑,是為用神臨休衰之地,臨寅為病地,臨卯是死地,臨辰為囚墓地也,他皆仿此推之。
凡立用神、只要它臨在冠帶・長生・臨官・帝旺這些有氣之地、就有重重福祿。再得吉將相扶、那就更吉。譬如傳送申臨在未上作發用、申金在未為冠帶、正是用神立于冠帶之位、其餘照此類推。若用神臨在死・囚・休・病之地、就有官災凶厄。譬如神後子臨在丑上、子水在丑為衰、是用神臨于休衰之地。臨在寅上是病地、臨在卯上是死地、臨在辰上則是囚墓之地、其餘都照此推斷。
大要先須看日辰,次辨尊卑長幼分。官人百姓從頭記,賢徳奸邪次第陳(須看日辰之體段,日為尊,辰為卑;日為老,辰為卑幼;日為官人、為賢徳,辰為百姓、為奸邪人)。
大要在於先看日干日支、其次分辨尊卑長幼的名分。官員與百姓要從頭記清、賢德之人與奸邪之徒也依次排開。這是説必須看日辰各自的體格分位:日干為尊、日支為卑。日干為長者、日支為卑幼。日干代表官員與賢德之人、日支代表百姓與奸邪之輩。
舟車水陸夫妻定,病鬼人宅表裡尋。既往即須尋至處,為客方知有主人(日為車,辰為舟;日陸,辰水;日為夫,辰為妻;日為病人,辰為鬼祟;日為人口,辰為家宅;日為表,辰為裡;日為既往,辰為至處)。
舟與車・水與陸・丈夫與妻子都由此而定。病人與鬼祟・人口與家宅・表與裏也都從這裏去找。已經過去的事、要到所至之處去尋。自己既然是客、就該知道另有主人。這是説:日干為車、日支為舟。日干屬陸、日支屬水。日干為夫、日支為妻。日干為病人、日支為作祟之鬼。日干為人口、日支為家宅。日干為表、日支為裏。日干為已往、日支為所至之處。
出入但依南北路,左右須詳男女身。使作往住知的當,有求人物見虛真(日為出,辰為入;日為南,辰為北;日為左,辰為右;日為男,辰為女;日為往,辰為住;日為人,辰為物也)。
出與入只依南北的路數去分、左與右則要落到男女之身上細辨。差遣辦事・去留行止、憑此便知得準確。求人還是求物、也能看出虛實真假。這是説:日干為出、日支為入。日干為南、日支為北。日干為左、日支為右。日干為男、日支為女。日干為往、日支為留。日干為人、日支為物。
弓箭網羅為獵師,鳥獸禽鱗所獲因。干吉支傷順為喜,干傷支吉逆為迍(日為弓箭、網羅、獵師,辰為鳥獸、禽鱗、所獲也。日上神克辰上神,順也;辰上神剋日上神,逆也)。
日干好比弓箭・羅網與獵人、日支好比鳥獸魚蟲這些被獵獲之物。日干得吉而日支受傷、是順、主喜。日干受傷而日支得吉、是逆、主困頓。這是説:日干代表弓箭・網羅與獵師、日支代表鳥獸・禽魚以及所獵獲的東西。日上神克辰上神叫作順、辰上神克日上神叫作逆。
支干相生旺有氣,舉動和合踈者親。支干互傷帶刑煞,休囚無氣禍來臻(支干上神若相生及旺相氣,舉動所求者吉。支干上下神交相剋,更帶休囚氣,及披刑帶煞,又無氣主,所求皆多不遂)。
日干日支彼此相生而氣又旺、一舉一動都和順合宜、本來疏遠的也變得親近。日干日支互相損傷、又帶着刑與煞、加上休囚無氣、禍事就接踵而至。日干日支的上神若相生而帶旺相之氣、凡有舉動所求都吉。若上下神交互相克、又帶休囚之氣、還披刑帶煞、主氣又衰弱、那麼所求之事多半不能如願。
日辰大體已分明,更看行年合事情。行年剋日為不及,日克年神失節名(行年剋日上神者,名曰不及也。日克行年上神者,名曰失節。假令占人三十七歲,行年在寅,今日丙上見大吉土,是行年寅剋日上大吉土,是名不及也。假令寅年寅上見神后,水被日,大吉土克行年上水,名曰失節)。
日干日支的大體已經分明、再看行年是否合于所占之事。行年克日干叫作不及、日干克行年上神則叫作失節。行年克日上神的、名為不及。日干克行年上神的、名為失節。譬如占者三十七歲、行年落在寅、本日丙的上神見大吉丑土、寅木克丑土、這就是行年克日上神、名為不及。又如寅年寅上見神後子水、被日上的大吉丑土所克、土克行年上的水、這就叫失節。
用神若還害天乙,是為四閉凶不輕。應喜反怒解復結,用茲三事要消停(用神遙克天乙貴人者,名曰四閉,喜者復怒,解者復翻。不及、失節、四閉之課,消息天官,斷其吉凶也)。卦體紀綱前已別,復有舉為未盡說。百事三傳見類神,與日相生為果決。
用神若反過來害了天乙貴人、就叫四閉、凶得不輕:本該歡喜的反動怒、本已解開的又重新結上、遇到這三種課、都要斟酌停當再斷。用神遙克天乙貴人的、名為四閉、喜的會轉成怒、解開的會再翻覆。凡不及・失節・四閉這三種課、都要參酌天官之數來斷吉凶。卦體的綱紀前面已經分辨過了、還有一些舉例未及說完。總之百事都要在三傳中尋見與所占之事相應的類神、類神與日干相生、事情就能果決而成。
假令欲去見君王,須尋天乙為何方。酒食有無看小吉,衣物將來視太常。如欲見貴人視天乙,求衣服、印綬視太常,酒食視小吉,財物視青龍,婦女視天后,罪囚視太陰,交易視六合,火光、詞訟視朱雀,鬥訟、淹留視勾陳,病人視白虎,驚恐、怪異視螣蛇,欺誕、詐偽視天空,盜賊、遺亡視元武。凡所求望、動止、百事,於三傳中見其用神,併為今日相生者,所求望事必果決也。明舉三事將為例,欲求他課自消詳,此是神仙肘後訣,能曉乾坤掌內蔵。
要占能不能見到君王一類的大人物、先得看「天乙」(即天乙貴人、十二天將之首)落在天盤的哪一方。要知道有沒有酒食招待、就看「小吉」(十二月將中未的別名)。要知道能不能得到衣物賞賜、就看「太常」(十二天將之一、主衣冠飲食)。由此推廣開去:求見貴人看天乙、求衣服與官印綬帶看太常、求酒食看小吉、求錢財貨物看青龍、問婦女之事看天后、問罪犯囚係看太陰、問買賣交易看六合、問火災與詞訟看朱雀、問爭鬥官司與耽擱滯留看勾陳、問病人看白虎、問驚嚇怪異看螣蛇、問被人欺騙作偽看天空、問盜賊與走失遺落看元武(即玄武)。凡是所求所望・舉動行止等一切事、只要在「三傳」(一課推出的初傳・中傳・末傳三層結論)之中找到與所問之事相應的用神、而它又与占卜當日的日干相生、那麼所求之事必定能夠成就。這裏只舉出三樁事作例子、其餘各課的推法可以照此類推。這是神仙貼身收藏的秘訣、掌握了它、乾坤的消息都在自己掌握之中。
大六壬玉成歌
六壬元妙有靈機,支干神將辨安危。克沖刑破休衰害,七者言凶必定期。日為君,為尊,為官人。支為已,為宅,為卑幼,為物。一克、二刑、三破、四沖、五害、六休、七囚,神將相變,內外相剋,上下相刑,傳中相破,或見上下相害,又是囚死休氣加干支及傳者,凶也。凡占見刑氣克干,無氣作初傳動者,為凶。
六壬之術精深玄妙、自有一套靈活的機樞、全靠日干・日支與十二天將的配合來判斷安危吉凶。凡出現克・冲・刑・破・休・衰・害這七種關係、斷語一律主凶、而且應期可以定得很準。這裏的「日」指日干、代表君上・尊長與官員。「支」指日支、代表自身・住宅・卑幼之人和財物。所謂七凶、一是相克、二是相刑、三是相破、四是相沖、五是相害、六是休氣、七是囚氣:天將與地神彼此變異、外課與內課互相克傷、上神與下神互相刑害、三傳之內互相破損、或者上下相害、又或者囚・死・休這類毫無生氣的五行加臨於日干日支以及三傳之上、都斷為凶。凡起課見到帶刑之氣來克日干、而且是以無氣之神發動作初傳的、也斷為凶。
徳合相生並旺氣,此神相訪福來隨。徳者,如己在甲之類,及支前五辰之徳合、三六合也。相生子母相歸,旺相有氣,大抵無氣神將不能害有氣神將也。旺相、相生、徳合者通。
反過來、若見到德神・合神・相生再配上旺氣、那就是吉神前來拜訪、福氣隨之而至。所謂「德」、例如甲日的日德在己(甲己相合)之類、此外還包括日支往前數第五位所成的德合、以及三合・六合這些和合關係。所謂相生、是子母相依・各有歸宿。所謂旺相、是五行當令而有生氣。總的道理是:沒有生氣的神將傷害不了有生氣的神將。凡屬旺相・相生・德合的格局、事情都能通達順遂。
將是神兮神是將,若得青龍便是寅。天之十二將,便是十二神也。如乙日見虎便是徳矣。又如甲日見青龍入辰兩課,為外人入內也。日主尊外幷人類,辰為卑內宅兼身。日主尊長之類。辰為卑幼,為宅,為已身。占時考校日和辰,是財是鬼是何神。占時將與日辰考校吉凶內外,如甲子日寅時並又得子時,主凶。
天將就是地神、地神也就是天將、二者本來一體:譬如占中得到青龍、青龍的本家就在寅。天盤上的十二天將、對應的正是地盤的十二地神。例如乙日見到白虎、白虎本家在申、而申正是乙日的日德所在、所以見虎就等于見德。又如甲日見青龍落進日支那兩課之內、就是外人進入內宅之象。日干代表尊長・外方以及所占之人、日支代表卑幼・內宅以及本身。日干一邊屬尊長之類、日支一邊則是卑幼・住宅和自己。起課時還要拿占時與日干日支互相考校、看它究竟是財・是鬼、還是別的什麼神。占時所乘的天將必須與日干日支合看、才能定出吉凶內外:例如甲子日在寅時起課而又兼得子時、就主凶。
見機兩用艱難險,疑惑先難後易伸。知一每事須云近,遙克當傳主逺尋。知一卦者,占賊盜皆主近。占事皆近應。遙克主逺應,遙逺也。元胎生下病人占,當用下生定有嬰。元胎卦,四孟上生下者,主人病。三傳四孟加長生處,主事及孕育事,老少乆病俱凶也。
得「見機課」而有兩處可用之神時、事情多半艱難危險。心中疑惑不定、往往先難而後能舒展。得「知一課」(四課取與日干比和的一位發用)時、凡事都應在近處。得「遙克課」(四課上下不相克、取遠處相克之神發用)而它又落入三傳的、事情就要往遠處尋。知一課若占賊盜、賊人都在附近、占別的事也都是近應。遙克課則應在遠方、「遙」就是遠的意思。遇到「元胎課」而上神生下神、若替病人占、就該按這個上生下來定斷、多半主家中將有嬰孩。元胎課是四孟(寅・申・巳・亥)之位上神生下神的格局、主人有病。若三傳都落在四孟而又加臨於長生之處、所占多與生育懷孕有關、老人小孩的久病遇上它則一概凶。
神遙剋日名蒿矢,日遙克神彈射名。主闇昧口舌遙逺事,有客至不可容過夜,必主口舌。反吟占事休言定,往復雙雙兩事因。常占須主身離動,不動人情有怨欺。反吟常占主身動,不動主人情不足之兆。
四課上神從遠處來克日干、這一格叫「蒿矢」。反過來日干從遠處去克上神、叫作「彈射」。兩者都主暗昧不明的口舌以及來自遠方的事。若有客人到訪、不可留他過夜、否則必生口舌。占到「反吟課」(天盤與地盤各位相沖)時、話不要說死、它主來來去去・成雙成對、一樁事裏常牽著兩重緣由。平常占到反吟、多主本人要走動離家。如果人並不走動、那就主人情不足・彼此有怨恨欺瞞。反吟課在尋常占問中主本人身有走動、若不動、便是人情淡薄・彼此不滿的徵兆。
伏吟舉動心無遂,剛主行人到戸庭。三交凶吉皆因內,昴星蛇虎定凶危。三交,凶將主釡鳴,天空主失物,龍常雀主遷官,勾后陰主走失,蛇虎主訟。三交卦皆主內,昴星主外。見蛇虎入傳,病死,訟枷鎖,太陰主闇昧事。
占得「伏吟課」(天盤地盤相同、各安本位)、凡有舉動都不能稱心。若在陽日(剛日)起課、則主外出的人將要回到家門。「三交課」的吉凶都應在內宅、「昴星課」若再見螣蛇・白虎、凶險就可以斷定。三交課乘凶將、主鍋釜無故作響一類怪異。乘天空主丟失東西。乘青龍・太常・朱雀主升官遷職。乘勾陳・天后・太陰主人口走失。乘螣蛇・白虎主官司訴訟。三交課所應都在內、昴星課所應都在外。若見螣蛇・白虎進入三傳、占病主死、占訟主枷鎖加身。乘太陰則主曖昧不明之事。
歲月受傷克為用,虎臨喪吊哭聲歸。太歲月建受克為用,得凶將,主長上災。虎臨年命,喪吊為用,有凶禍之事也。必歲月在傳方是。
太歲與月建受克受傷而又發用作初傳、或者白虎乘喪門・吊客臨身、家中就要傳出哭聲。太歲・月建被克而發用、再乘凶將、主家中長輩有災。白虎壓在行年或本命之上、喪門・吊客又發用為初傳、必有凶禍。不過要留意:必須太歲・月建確實進了三傳、這條斷語才能成立。
三刑為鬼人家破,日鬼用扶官職輝。三刑為傳,蛇虎克戰,帶凶煞傷日辰,主家破人亡也。日鬼為用生行年本命者,主遷官之兆。墓神加日身災滯,支臨干上所為危。日墓加日,主身有災滯。支為卑,干為尊,若卑加尊,所依皆危。
三刑之神化作官鬼來克身、人家就要破敗。但若日干的官鬼發用而反能扶助本命、倒是官職榮顯之象。三刑落入三傳、螣蛇・白虎相克交戰、又帶凶煞來傷日干日支、主家破人亡。若日干的官鬼發用作初傳、並且生扶所占之人的行年與本命、那就是升官的徵兆。墓神加臨日干之上、本人有災病滯留。日支跑到日干頭上、所作所為都危險。日干的墓神加在日干上、主本人有災病困頓。日支代表卑幼、日干代表尊長、卑幼壓在尊長之上、凡所依托之事都要出危險。
歲月死虎加年命,相刑之月氣歸雲。歲乗死神、白虎加年命者死。假令申年戊辰日伏吟占,行年在寅,四月申為死神,同歲虎傷刑行年者,主四月死。申為死神刑行年寅也。此言太歲乗白虎為死神也。
太歲・月建帶着死神與白虎壓在行年・本命之上、到了與之相刑的那個月份、人的氣數便歸于煙雲。太歲乘死神・白虎而加臨行年本命的、主死亡。舉例説:申年戊辰日占得伏吟課、所占之人行年在寅、四月裏申為死神、太歲與白虎一同來刑傷行年、就斷他四月身亡——因為申是死神、申又刑行年所在的寅。這一句講的正是太歲乘白虎充當死神的情形。
日鬼加臨辰兩課,門中官吏乃相縈。日之官鬼來加內兩課,主官吏到門也。《畢法謂》“鬼臨三四訟災隨”也。吉將遭傷求事阻,休囚歸傳也不成。吉將初戰,求吉事不成。休衰之氣為傳,亦主無成。
日干的官鬼加臨在日支那兩課之上、就會有官府吏役上門糾纏。日干的官鬼來到內兩課、主官吏登門。《畢法賦》裏說「鬼臨三四訟災隨」、正是這個意思。吉將若遭克傷、所求之事必受阻礙。休囚無氣之神落入三傳、事情也辦不成。吉將一開頭就與人相克交戰、求吉之事不能成就。拿休・衰之氣充作三傳、同樣一事無成。
時傷年命入傳來,必然卒暴有驚憂。占時克年命,又乃入傳,至卒暴驚恐之事入三陰課也。徳神動處吉相隨,反遭刑制見凶危。日之徳神臨日辰為用,上下相生者,主有大喜慶也。返遭刑制者,如己日見寅加申酉,徳神受克也,及將乗白虎,又或寅上見申酉,名無徳。
占時之神克傷行年本命、而且又落進三傳、必定發生突如其來的驚嚇憂患。占時克年命再入三傳、就會招來倉促暴發的驚恐之事、這屬于三陰課一類。德神發動的地方、吉慶隨之而來。可德神一旦反被刑克壓制、就轉成凶險。日干的德神臨於日干日支而發用、上下又相生、主有大喜慶。所謂反遭刑制、例如己日的德神在寅、卻見寅加在申或酉之上、德神受克、或者德神乘了白虎、又或寅上見申酉、這些都叫作「無德」。
支上有鬼家移動,干若逢之人主憂。日課對隔主人離,內之值時宅破期。日之兩課有對神隔將,主家宅離隔也。假令乙日干上見六合乗酉,內二課有對神隔將,主家離隔。假令丙日朱雀乗亥加干是也。
日支之上出現官鬼、家宅就要搬遷變動。這官鬼若落到日干頭上、則主本人憂愁。日干那兩課之間夾着相對相隔的神將、主人口離散。這種情形出現在內課而又正當占時、便是宅舍敗破的應期。日干兩課中有彼此相對・互相阻隔的神將、主家宅離散隔絕:例如乙日干上見六合乘酉、內兩課就有對神隔將。又如丙日朱雀乘亥加在日干之上、都屬這一類。
陰神卻受陽神克,退除陰小人墮胎。第二課受第一課克者,主退陰人口之象。四課相間干內外,傳用沖支宅不寜。課間四課相間,事須內外也。假令丙辰日亥時丑將,四課相隔闕,以將言之,元武走失,虎勾朱貴主訟,發用或傳神沖支者,主宅不寜。子孫陰刼同加日,逆亂欺凌尊上人。子孫爻乗太陰刼殺加日,主卑小逆亂,欺凌尊上人也。
陰神反被陽神所克、主家中減損女眷幼口、甚至婦人墮胎。第二課被第一課所克、就是折損女性人口之象。四課彼此間隔、事情要分內外來看。發用或三傳去沖日支、宅舍不得安寧。四課互相間隔、說明所占之事牽涉內外兩頭:例如丙辰日亥時・以丑為月將起課、四課殘缺相隔、就天將而論、元武主人物走失、白虎・勾陳・朱雀・貴人主官司。發用之神或三傳中有神來沖日支的、主家宅不安。子孫爻與太陰・劫殺一同加臨日干、主卑幼悖逆作亂・欺凌尊長。子孫爻乘太陰・劫殺加在日干上、就是小輩忤逆・欺壓尊長之象。
用將支類家中事,三合支辰眷屬親。傳用天將與支類者,主內事。如巳午日傳見蛇雀者是也。支辰三傳合,或傳日三合,皆屬眷愛。只如占盜,見支合為玄武,主親人所盜也。天空在未井多怪,兼主人遭疾病縈。天空乗井煞加未入傳,主宅中井損,廁、灶、門皆準闕,主宅中人患宿疾也。
發用所乘的天將若與日支同類、所占的就是家裏的事。日支與三傳結成三合、則主親眷之情。三傳發用的天將與日支屬同一類、主內宅之事、例如巳日・午日而三傳見螣蛇・朱雀(同屬火)就是。日支與三傳相合、或者三傳與日干三合、都屬親眷相愛之象。就拿占盜賊來說、見日支的合神乘玄武、多半是親人所偷。天空落在未上而帶井煞、家中多生怪異、還主人有疾病纏身。天空乘井煞加在未上並進入三傳、主宅中水井損壞。廁所・灶臺・門戶也照此類推、同時主家里人有久治不愈的舊疾。
從魁同虎住干支,宅中須言有孝人。酉主孝服,乗虎加干支,主宅上人孝服也。白虎或乗日辰墓,來臨內外亦?迍。傳帶凶將沖干支,疾病人災官事至。三傳內有一神沖干,主人災沖;支宅災,主人病,或官事,並以內外言之。
「從魁」(十二月將中酉的別名)與白虎一同停在日干日支上、宅中必定有人穿孝。酉主孝服、它乘白虎加臨日干日支、主家里有人要戴孝。白虎若乘着日干或日支的墓神、不論落在內課外課、也都主困頓。三傳帶凶將來沖日干日支、疾病・人災與官司就要到來。三傳之內有一神沖日干、主人身有災。沖日支、則是宅舍有災、主人生病或惹上官司——總之要分內外來斷。
本日墓與蛇虎並,棺槨墳災欲動興。本日墓與蛇虎臨宅神並日辰傳中,主有凶禍之事也。宅神日前五辰,或命前五辰也。占身用與納音詳,相生有喜克時殃。發用剋日之納音者身災,相生則吉也。父母臨干憂子孫,雀傷支日鬧如篁。日上父母帶凶將、惡殺加日,主子孫有疾病也。雀剋日辰,主文字、口舌、鬧吵。
當日日干的墓神與螣蛇・白虎並在一處、棺槨墳墓一類凶事就要發動。日干之墓與螣蛇・白虎臨于宅神、並且出現在日干日支或三傳之中、主有凶禍。所謂宅神、是日干往前數第五位、或本命往前數第五位。占自身安危、要把發用之神與本命納音合看:相生則有喜、相克便有殃。發用之神克日干的納音、主本人有災。相生就吉。父母爻臨於日干、要為子孫擔憂。朱雀傷克日支日干、家中吵鬧得像風吹竹林。日干之上的父母爻帶凶將惡煞加臨日干、主子孫有病。朱雀克日干日支、主文書之事・口舌是非與爭吵喧鬧。
子息見時官事解,妻財尊位豈安康?水乘火將皆驚恐,勾雀同傳多訟傷。蛇雀乗子亥,主驚恐、闇昧、口舌相傷。勾雀同入傳者,主鬥訟之事。卯乘前二招唇吻,罡作朱雀獄訟囚。卯乘朱雀,主口舌之事。罡乘朱雀,主入獄之事。
子孫爻出現在占時之上、官司自然消解。可妻財爻壓到尊長的位子上、家宅哪里還能安康。水神乘屬火的天將、都主驚恐。勾陳與朱雀同入三傳、多有訴訟傷害。螣蛇・朱雀乘子・亥這兩個水位、主驚恐・曖昧不明與口舌相傷。勾陳・朱雀一同進入三傳、主爭鬥訴訟。卯乘前面所說的勾陳・朱雀二將、招惹脣槍舌劍。「天罡」(十二月將中辰的別名)乘朱雀、則主牢獄官司。卯乘朱雀、主口舌之爭。辰乘朱雀、主身陷囹圄。
熒惑加寅音信至,太陰為用主陰謀。朱雀乘寅,逺信至。太陰為用,主機謀不欲人知事。天魁立用須干眾,若加寅卯獄追收。戌主眾,必有干眾之事。戌加寅卯為用,或加行年本命,主訟獄之事。
熒惑就是朱雀所象的火星之神、它加臨寅位、遠方音信將至。太陰發用作初傳、主有不可告人的謀劃。朱雀乘寅、遠處的書信消息就要到來。太陰發用、主心中另有機謀而不願讓人知道。「天魁」(即河魁、十二月將中戌的別名)發用作初傳、必有干求衆人之事。它若加在寅・卯之上、則主牢獄追捕拘收。戌主衆人、所以必有向衆人干求之事。戌加寅・卯而發用、或者加臨行年本命、主訴訟牢獄之災。
晝夜貴人傳共見,或同日徳動髙尊。天空立用事無憑,前四帶合勾引情。天空立用,占求事須三次失信無成。天空不實之神也。支干與勾陳合者,主有勾引之情也。
晝貴人與夜貴人が三伝中に同時に出現し、あるいは日德與一同に發動すれば、皆高位の尊長を驚動するを主る。天空が發用して初伝を作せば、事情は靠不住なり。前面の第四位が合神を帶びれば、則ち牽引拉攏の情あり。天空が發用すれば、事を占い求むるに要して三次の失信を經歴して終歸成らず。因るに天空は本來虚にして實ならざる神なればなり。日支日干與勾陳相合するは、人の從中勾連牽引する有るを主る。
後陰?發暗陰謀,傳出貴前將主明。後陰玄為用,是天乙之私氣,皆主陰暗不明之事。若三傳為用,卻傳出天乙前者,先暗後得明矣。惡將從來只說凶,若逢生合卻歡欣。虎蛇雀勾空皆屬凶將,若不戰卻生日辰,反吉。凶將若戰,或生日辰不戰、比合,為有喜也。
天后・太陰の一類が發動すれば、暗中の陰謀を主る。但し只だ三伝が行きて貴人の前に到れば、事情終究に明朗に轉向せん。天后・太陰・玄武が發用すれば、皆天乙貴人の私隱の氣に属し、一概に陰暗不明の事を主る。如果三伝發用の後轉出して天乙貴人の前に到れば、就中先暗後明なり。凶將は向來只だ凶斷を作せど、可一旦相生相合に遇上せば、反對に人を喜ばしむ。白虎・螣蛇・朱雀・勾陳・天空皆凶將に属す。只だ它らが日與相克交戰せず、反對に來りて日干日支を生ぜば、就中吉に轉ず。凶將若し相克交戰すれば自然不好なれど、但若能く日干日支を生じ・不交戰して比和相合せば、那就中喜事あり。
貴臨巳亥多反覆,罡加癸水主蔵名。貴人臨地盤巳亥上,主事有反覆之意。天罡魚龍之物,下臨癸水,主蔵避逃形,如得水蔵之象也。假令癸酉日寅時巳將,主蔵逃也。為辰加癸為用,餘仿此。
貴人が巳・亥の上に落つれば、事情多く反復す。天罡が癸水に加臨すれば、姓名を隱し名を埋め・身を藏して禍を避くるを主る。貴人が地盤の巳位あるいは亥位に臨めば、占う所の事一定に覆去翻來して定まらず。天罡(辰)本來是れ魚龍の類の水物にして、它下に癸水に臨めば、藏躲逃匿・形跡を隱去するを主り、好比魚の水を得て潛藏するなり。例を挙げて説くに、癸酉日寅時・巳を以て月將と為し課を起こせば、就中藏匿逃亡を主る。這是れ辰が癸に加わりて發用するの緣故なり。其餘は以て此類を照らして推す可し。
支干發用歲神臨,所望逺大及朝廷。必主逺大之望,非細微之事。縁太歲臨干支為用,或歲君發用是也。占時發用當日言,太歲連傳三二年。占時發用,應在當日。太歲相傳,卻三二年事,必遲卻三二年。
日干日支が發用して太歲又た其の上に臨めば、盼望する所必是れ遠大の事にして、甚至朝廷に牽連せん。這一定是れ宏大の期望にして、不會細碎小事なり。因るに太歲が日干日支に臨みて發用し、あるいは太歲本身就中初伝なればなり。若是占時發用なれば、應驗就中當日に在り。若し太歲が連入して三伝に入れば、事情就中兩三年之後に拖到せん。占時發用すれば、當日便ち分曉を見ん。太歲が相續して伝に入れば、占う所就中兩三年間の事にして、必然要遲延兩三年してこそ應ぜん。
支干入傳為事連,歲建幷煞亦如然。干支入傳中者,占事主速。歲月建共入傳,或殺刑重,亦主速也。旺相氣發必欲速,休囚死氣皆遲延。春木旺、火相,四時各以類推。發用或傳陽、傳順,事又速也。休囚死氣為用,三傳逆,又傳入天乙後,主事遲,目下未成也。
日干日支が三伝に進入すれば、事情接連して來る。太歲・月建再び凶煞を加上して伝に入れば、亦た一樣なり。日干日支が三伝之中に落つれば、占う所の事應驗很く快し。太歲與月建一同に伝に入り、あるいは刑煞重疊せば、同樣に快を主る。旺相の氣を以て發動すれば、事情必然迅速なり。休・囚・死の氣を以て發動すれば、就中皆要遲延せん。例を挙げて説くに春天木旺・火相、四季各々五行旺相休囚死に按じて類推す。發用あるいは三伝が陽に属し・三伝順行せば、事情も亦た快し。若し休囚死氣を以て發用し、三伝逆行し、又た行きて天乙貴人の後に到れば、就中事情遲緩を主り、眼下還た成らざらん。
日陰辰陰用為合,更乗吉將待求成。凡干三合在日陰發用,主外親事。在辰陰發用,主內親事。支三合亦然。日辰相?無凶將,亦主他來相合。因日辰相併得吉將,主合事也。
日陰(第二課)與辰陰(第四課)が發用して三合を結成し、再び吉將を乘上せば、求むる所の事就中以て靜候して成就せん。凡そ日干の三合が日陰に出現して發用すれば、外家親戚の事を主る。辰陰に出現して發用すれば、內宅親人の事を主る。日支の三合も亦た這樣に照らして斷ず。日干日支併臨して凶將を帶びざれば、亦た對方の前來して合を求むるを主る。因るに日干日支相併して又た吉將を得れば、正是れ和合成事の象なればなり。
三傳帶合須求事,類就其干眾所占。三六合多,主干求事。假令甲乙日上見寅卯入傳,及丙上見巳午皆眾用之事也。用與時傷干支凶,若生干支福興榮。乃天網卦也。用與時同剋日,則外災;克支,則內災。占時興用生干,主外喜;生支,主內福集門。
三伝が合神を帶ぶれば、就中勢に趁うて事を求め去るべし。同類の神皆日干這一邊に聚到せば、占う所是れ衆人共有の事を説明す。三合・六合の出現する多得れば、人に向かい干求謀事を主る:例如甲日乙日にして日上に寅卯の伝に入るを見、あるいは丙日日上に巳午を見れば、皆衆人共謀の事に属す。發用與占時一同に日干日支を克傷せば、凶を主る。若し它らが日干日支を生ぜば、則ち福氣興旺す。這説く是れ天網卦なり。發用與占時一同に日干を克せば、災在外なり。日支を克せば、災在內なり。占時與發用が日干を生ぜば、喜事は外面より來る。日支を生ぜば、福氣は自家門裏に聚まる。
地足天頭加酉卯,將乗蛇虎逺行為。戌亥為天頭,辰巳為地足。若加卯酉為用,更乗蛇虎為將者,主逺行道路之事。斬關逰子身當動,支來日課亦如然。二卦主身動之象。支來日上之兩課,亦主身動。故日為外,支為內,故主動也。
地足與天頭が卯・酉に加臨し、天將又た是れ螣蛇・白虎なれば、那就中遠門に出でん。戌・亥を天頭と呼び、辰・巳を地足と呼ぶ。它らが卯・酉の上に加わりて發用し、再び螣蛇あるいは白虎を乘じて天將と為れば、遠行走路の事を主る。「斬關課」「游子課」を占い得れば、本人應當に走動あるべし。日支が日干の那兩課の上に跑り到るも、亦た一樣なり。這兩個課皆是れ本人走動の象。日支が來到日干之上の兩課すれば、同樣に本人走動を主る。因るに日干を外と為し日支を内と為し、内外易位すれば、ゆえに動を主る。
天驛二馬為初用,參星白虎動行神。日之驛馬及天馬為用者,亦主身動。參星者,傳送也,虎為路神也,為用必動。?空直財遭賊盜,財傷年命鬥爭因。日之財神乗玄武、天空,或為旬空者,主失財。若財神克年命,主因財而爭或失。
天馬・驛馬の兩馬が初伝に充當し、あるいは參星與白虎が發動すれば、皆是れ行動の神なり。日干の驛馬以及天馬が發用すれば、亦た本人走動を主る。いわゆる參星、就中「傳送」(十二月將中申の別名)にして、白虎是れ道路の神なり。它らが發用すれば必定要動身せん。財神が空亡に落つれば、就中賊の偷盗を遭うべし。財神が行年本命を克傷せば、則ち財に因りて爭を起こす。日干の財神が玄武・天空を乘じ、あるいは恰好旬空の中に落つれば、破財を主る。若し財神反對に行年本命を克せば、錢財に因りて爭執あるいは損失を起こすを主る。
或陷空亡須主失,刼亡下克盜為真。財在空亡,須主失財。刼殺同財,卻又遭刼。殺下克者,多招竊盜也。外財入內多財喜,忽然大旺貨物起。日之財入支二課,是外財入內,多主求財之意也。內見外財者,主貨物起求財,餘依此也。
財神若し空亡に陷入せば、必定破財す。劫煞・亡神が下方より上に向かい來りて克せば、盗まるる就中實情なり。財爻が空亡に落つれば、失財を主る。劫煞與財神同處すれば、錢財又た劫せられん。凶煞が下面に在りて上に向かい相克するは、多く偷窃を招來す。外面の財が內宅に進到すれば、多く財喜有り、貨物忽然大いに興旺せん。日干の財爻が日支の那兩課に進入すれば、就中外財入内にして、多半求財の意有り。內課に外財を見れば、貨物興發・以て財を求め得べしを主る。其餘此類を照らして推す。
傷破須觀天上神,財入傳來天將傷。假令癸日巳午為財,入傳或發用,上見水將克者,財破。如財遭天將破失,是傷也。官鬼下臨財位上,陰私用事畏人彰。假令己酉日申將巳時,卯是日鬼,下臨子水鄉是也。天盤日鬼加地盤日之財位,陰私用事,畏人知也。
要して財の是れ被傷か還た是れ被破かを分清せば、須く天盤の神を看るべし。財爻が三伝に入りて卻って天將に克せられれば、那就中是れ傷なり。例如癸日に巳・午を以て財と為し、財が三伝に入りあるいは發用し、而も上面に水に属する天將の來りて它を克するを見れば、這就中破財なり。財が天將に破損散失せられれば、就叫作傷なり。官鬼が財位の上に落つれば、暗中行事・人に張揚せらるるを怕るを主る。例如己酉日に申を以て月將・巳を以て占時と為し課を起こせば、卯是れ日干の官鬼にして、它下に子這個水位に臨めば便ち是れなり。天盤上日干の官鬼が地盤日干の財位上に加われば、行う所是れ私密の事・唯恐人に知られんことを説明す。
日往支辰親識至,返遭刑剋被凶侵。日來支上兩課者,主外人至,及進人口也。火主其明水主暗,失明只為火難任。發用剋日,蛇雀臨巳午,主明信動。後玄臨亥子,主暗信動。火屬陽,水屬陰,故火明水暗也。火臨亥子,為失明,主虛憂、驚恐事。少多大小詳衰旺,旺多衰少細推尋。占物數多少大小者,皆以繫神將旺相為多,休囚為少。
日干が日支上に移到すれば、會有熟人上門せん。但若反對に刑克せられれば、那就中凶事の來侵なり。日干が來到日支の兩課すれば、外人の到訪を主り、亦た家中人口を添うるを主る。火は明朗を主り、水は暗昧を主る。いわゆる「失明」は、因るに火が它の承受不住する處に落到すればなり。發用が日干を克し、螣蛇・朱雀又た巳・午に臨めば、明面上の消息發動を主る。天后・玄武が亥・子に臨めば、暗中の消息發動を主る。火は陽に属し・水は陰に属す。ゆえに火明して水暗なり。火が亥・子に落到して水に克せられれば、就叫失明にして、虚驚憂慮與驚恐の事を主る。物件の多少大小を占うに、要して衰旺を細辨すべし:旺相なれば則ち多く、休衰なれば則ち少なし。凡そ東西數量多少・體積大小を占うる皆、所繫神將の旺相を以て多と為し・休囚を以て少と為す。
月厭丁符與將空,傷干怪動好沉吟。月厭,正月起戌逆行十二辰。丁者,六甲旬中之丁,及蛇亦是。符,直符也,甲日巳,乙日辰,丙日卯,丁日寅,戊日丑,己日午,庚日未,辛日申,壬日酉,癸日戌是也。將空者,天將不曽逰到之地,卻於天上乗之。假令龍不到戌亥,卻天上亥與戌為龍,乃是將空之地,餘依此。又月厭、丁符、將空傷日辰,必主怪夢之事。取怪之狀,以類神主之。
月厭・丁神・直符再び將空を加上し、若し來りて日干を傷克せば、怪異の事就中發動し、人をして反復思量せしむ。月厭は正月より戌に起こり、十二支を逆行す。いわゆる丁は、是れ六甲旬中の丁神にして、螣蛇も亦た内に算す。いわゆる符、就中直符なり:甲日は巳に在り、乙日は辰に在り、丙日は卯に在り、丁日は寅に在り、戊日は丑に在り、己日は午に在り、庚日は未に在り、辛日は申に在り、壬日は酉に在り、癸日は戌に在り。いわゆる將空は、指す某位天將本來游り到らざる處に、天盤上卻って偏偏它に由りて乘ぜらるるを——例如青龍本來戌・亥に到らざれど、可天盤の亥與戌上卻って是れ青龍なり。這就中將空の地なり。其餘此類を照らして推す。月厭・丁神・直符・將空若し來りて日干日支を傷れば、必ず怪夢を主る。怪異の具體形狀に至りては、就中各神の属する類神に按じて取象す。
生死二氣常順用,飛魂?魄畏來臨。生氣,正月起子順行,對生氣為死氣。飛魂,正月起亥順行十二辰。喪魄,正月起未逆行四季,未辰丑戌。此二煞乗凶將加臨年命日辰、發用,必定有死絶之象也。
生氣與死氣這兩種の氣常に順行して取用す。而も飛魂・喪魄の兩煞則ち最怕它らの身に臨むを。生氣は正月より子に起こり、十二支を順行す。生氣與正相對の位置就中死氣なり。飛魂は正月より亥に起こり、十二支を順行す。喪魄は正月より未に起こり、四季の位上に於て逆行す。依次是れ未・辰・丑・戌なり。飛魂・喪魄這兩個凶煞若し凶將を乘じて行年本命・日干日支に加臨し、あるいは干脆發用して初伝を作せば、必定是れ死亡斷絶の象なり。
天鬼或與蛇雀並,宅舎須憂火燭驚。關神,春丑、夏辰、秋未、冬戌,如入傳加日辰,有勾牽之災。飛禍,春申、夏寅、秋巳、冬亥,不宜動用,進人口、求事皆主災橫。如加日辰年用,不利戰,宜守舊則吉也。關神動處身災滯,飛禍之神忌臨辰。
天鬼若し螣蛇・朱雀與一處に併せば、宅舍就中火燭の驚を擔心すべし。關神の位置是れ春は丑・夏は辰・秋は未・冬は戌に在り。它三伝に進入しあるいは日干日支に加臨すれば、牽連拘絆の災あるを主る。飛禍の位置是れ春は申・夏は寅・秋は巳・冬は亥に在り。它に遇上せば宜しからず有所舉動するは、人口を添え・事を求謀する皆橫禍を主る。它若し日干日支あるいは行年に加臨して發用せば、爭鬥交戰に利あらず、舊業を安守してこそ吉なり。總之關神發動の處、本人に災病滞留あり。飛禍這個凶神は、最も日支の上に落つるを忌む。
逰都天盜幷天賊,六辛便是五亡神。逰都煞,甲已日丑,乙庚日子,丙辛日寅,丁壬日巳,戊癸日申。天盜,春卯、夏午、秋酉、冬子。天賊者,正月起丑逆行四季,與玄武並臨日辰年命者,主盜賊發動必矣。旬中六辛便是五亡煞,刑剋日辰年命,主盜亡也。
游都・天盗與天賊這幾個凶煞、再び旬中の六辛を加上せば、就中いわゆる五亡の神なり。游都煞の位置是れ:甲日己日は丑に在り、乙日庚日は子に在り、丙日辛日は寅に在り、丁日壬日は巳に在り、戊日癸日は申に在り。天盗の位置是れ春は卯・夏は午・秋は酉・冬は子に在り。天賊は正月より丑に起こり、四季の位上に於て逆行す。它與玄武一同に日干日支あるいは行年本命に臨めば、盗賊必定發動す。旬中の六個の辛日就中五亡煞にして、它若し日干日支あるいは行年本命を刑克せば、失竊逃亡を主る。
虜都不可漏商稅,天車出外必遭傷。虜都,甲己未,乙庚午,丙辛申,丁壬亥,戊癸寅,加日辰不可漏稅,作私事。天車,春丑、夏辰、秋未、冬戌,出門忌此煞,必主驚恐。天喜相和喜慶多,解神憂喜見消磨。天喜,春戌、夏丑、秋辰、冬未,與吉將並,日辰人年上見,大吉利也。解神,外有起法,逢此者乃吉神也。
虜都の煞に遇えば、商税を偷漏すべからず。天車の煞に遇えば、門を出でて必定傷を受く。虜都の位置是れ:甲日己日は未に在り、乙日庚日は午に在り、丙日辛日は申に在り、丁日壬日は亥に在り、戊日癸日は寅に在り。它日干日支に加臨する時、切に税を漏らしあるいは私下の勾當を做すべからず。天車の位置是れ春は丑・夏は辰・秋は未・冬は戌に在り。門を出でて最も這個煞を忌み、之に遇えば必有驚恐あらん。天喜與吉神相和せば、喜慶の事就多し。解神が一到せば、憂與喜皆化解消磨せらる。天喜の位置是れ春は戌・夏は丑・秋は辰・冬は未に在り。它與吉將併臨し、日干日支あるいは人の行年の上に出現せば、大いに吉利なり。解神は另に一套の起法有り、它に遇上すれば便ち是れ吉神なり。
成神為用總皆成,天目家中有鬼神。成神,正五九巳,二六十申,三七十一亥,四八十二寅,與吉將並臨,主事成就。天目,春辰、夏未、秋戌、冬丑,占宅有祟。
成神が發用して初伝を作せば、凡事皆能く成就せん。天目が宅に臨めば、家里便ち鬼祟作怪あり。成神の位置是れ:正月・五月・九月は巳に在り、二月・六月・十月は申に在り、三月・七月・十一月は亥に在り、四月・八月・十二月は寅に在り。它與吉將併臨せば、謀る所の事成功を主る。天目の位置是れ春は辰・夏は未・秋は戌・冬は丑に在り。宅を占うて它に遇えば、家中有邪祟を主る。
迷惑始為終不記,刑亡終並事遭凶。迷惑,正月起丑逆行四季,占事遇之迷惑不已。刑亡,正戌、二亥、三子、四丑、五申、六酉、七辰、八巳、九午、十未、十一寅、十二卯,又與勾虎加年命傳中,刑害日辰,主市曹赴法死。
迷惑の神は初伝より一直に末伝まで管し、事情始終糊裏糊塗なり。刑亡の煞が末伝に落ちて並びに凶將與相并せば、占う所の事必ず凶险を遭う。迷惑は正月より丑に起こり、四季の位上に於て逆行す。事を占うて它に遇えば、人就中昏惑不清・主意を拿定めず。刑亡の位置是れ:正月は戌・二月は亥・三月は子・四月は丑・五月は申・六月は酉・七月は辰・八月は巳・九月は午・十月は未・十一月は寅・十二月は卯に在り。它若し再び勾陳・白虎與一同に行年本命に加臨しあるいは三伝之中に落ち、並びに日干日支を刑害せば、刑場に押赴せられて處死せらるるを主る。
金神四煞占來凶,凶將相幷禍重重。金神,即破碎。四煞,即天殺金神,孟月酉,仲月巳,季月丑。四煞,亥卯未在戌,巳酉丑在辰,申子辰在未,寅午戌在丑。此二煞即吉將亦凶,其應速。金煞與四煞與凶將加年命日辰傳用者,禍大重也。
金神與四煞占い來れば凶を主り、再び凶將與相并せば、禍患就中重重疊疊なり。金神就中破碎煞、四煞就中天殺なり。金神の位置是れ:孟月は酉に在り、仲月は巳に在り、季月は丑に在り。四煞の位置是れ:亥卯未月は戌に在り、巳酉丑月は辰に在り、申子辰月は未に在り、寅午戌月は丑に在り。這兩個凶煞即便吉將を乘ずとも亦た照樣凶にして、而且應驗很く快し。金神與四煞若し凶將與同じく一起に行年本命・日干日支に加臨し、あるいは三伝發用に進入せば、禍事就中格外沉重なり。
吉神吉將不相生,喜事論之未必成。凶將凶神無賊害,憂疑卻得見和平。雖是吉將,緣卻克戰日辰,喜而必凶。占喜不成,凶將不克日辰,占憂事必散而和平矣。
吉神吉將若し日與相生せざれば、喜事未必辦成せん。凶神凶將若し來りて賊害せざれば、憂疑反對に能く平和に歸せん。虽然乘ずる是れ吉將、可它偏偏日干日支を克戰せば、看似可喜、結果必凶にして、喜事を占うも亦た成らず。反對に凶將若し日干日支を克せざれば、憂患の事を占うて必然消散して平安に轉ず。
軌深不離衰休克,靈驗應須學玉成。六壬之法,千經萬論,各不出於旺相、相生、德合則吉,比和凶事不成,若休衰刑剋則凶事將成,吉事不就。來經考驗古賢文,翻成新句樂同人。永掛清臺而默秘,玉成歌指細推尋。
六壬深微の法則は衰・休・克這幾個字を離開せず。要占得靈驗せんと思えば、就得研習這篇《玉成歌》すべし。六壬の法、千經萬論、歸結起來不外乎:旺相・相生・德合便ち是れ吉。彼此比和すれば則ち凶事辦成せず。若し休・衰・刑・克に逢えば、凶事反對に要成り、吉事卻って辦成せず。作者自述:我考校驗證古代賢人の文字、把它改寫成新的歌句、與同道共享す。這篇歌訣長懸於淸靜之臺而默默秘藏し、其中旨趣、還望讀者細細推尋せん。
心印賦
月將
月將獨為福德神,能除殃咎禍難侵。喜事難成憂事散,本命逢之見得真。月將前支或後支,三位占來作此時,或進或退事多疑,退保無災進喜期。如子為月將,丑為前支,亥為後支,若逢之吉,逢進為有喜,逢退為無憂。
「月將」(當月太陽の所在の宮、占時に加えて以て天盤を布く)單獨に福德の神と稱せられ、能く殃咎を消除し、禍患をして來りて相侵さざらしむ。它當值の時、喜事往往難以速成なれど、憂愁の事卻って容易に化解す。本命の上に落つれば、這種應驗尤其真切なり。若し月將の前一位あるいは後一位の地支、與月將本身這三位の當中恰に一位が占時を作せば、事情就中多疑慮あり。後一位に退れば可保無災、前一位に進めば則ち喜可期あり。比如子を以て月將と為せば、丑就中前一位、亥就中後一位なり。它らに遇上せば皆吉と算し、進に遇えば喜有るを主り、退に遇えば憂無きを主る。
太歲
歲臨本命事堪詳,支逢家長不安康。常人逢之事乖張,君子遇之有吉祥。太歲臨支為入宅,主家不安,臨身命亦然,常人主官府憂,君子主利見貴。
太歲が本命の上に臨めば、占う所の事細細推詳に値す。太歲が日支上に落つれば、則ち家長身體不安なり。平常百姓それに遇上せば、事情多半彆扭不順なり。官職身分有る人それに遇上せば、反對に吉慶有り。太歲が日支に臨めば就中入宅にして、家中不安を主り、自身本命に臨むも亦た一樣なり:庶民それに遇えば官府方面の憂患有るを主り、君子それに遇えば則ち貴人に晉見するに利あり。
歲沖便為歲破神,天空玄武莫相併。遺亡走失怪事頻,支干逢來尤得真。歲前五位歲宅君,後五須知歲墓神。蛇虎禍來有災迍,門災陰小不安寧。如寅年,未為宅君,酉為歲墓。
太歲與相沖する那一位就中歲破の神にして、最怕再び天空・玄武與一處に併ぶを:那樣便ち遺失走散・怪事頻出せん。它若し日干日支上に落到せば、應驗尤其確實なり。太歲往前順數第五位を歲宅君と呼び、往後逆數第五位則ち歲墓神なり。這兩處若し螣蛇・白虎の禍を帶びて來るを見れば、就中災禍困頓有り、門戸殃を遭り、婦女幼小安寧を得ず。例を挙げて説けば寅年、未就中宅君、酉就中歲墓なり。
歲命相逢歲裡歡,三刑剋害主凶殘。建邊見福月內安,干上逢祥日下端。太歲上神與本命上神相生、德合者,歲中之喜;若相刑剋害者,一歲之災。月建上神同斷。
太歲與本命相遇して彼此和順せば、這一年就中歡喜なり。若し彼此三刑・相克・相害せば、就中凶殘を主る。月建旁邊に福神を見れば、這個月裏平安なり。日干之上に吉祥に遇えば、眼下諸事端正なり。具體的説:太歲上神與本命上神相生しあるいは德合を結成するは、是一年中的喜事なり。若し互相刑克傷害せば、就是一年的災禍なり。月建上神も亦た同樣的方法に照らして判斷す。
歲破加臨月破中,上下相逢財物空。吉將逢來憂可容,若見凶神凶更凶。月破人情有不和,失財疾病擾求多。凡事不成爭奈何,惟解冤仇自消磨。月破即月沖。
歲破又た月破の上に加到し、上下兩破相遇すれば、錢財物件皆落空せん。此時若し吉將を乘ずれば、憂患還た勉强承受し得べし。若し再び凶神を見れば、那就中凶の上に凶を加う。月破當值せば、人情不睦し、破財與疾病接連して來擾し、求謀の事紛紜す。凡事皆辦成せず、無可奈何なれど、唯獨冤仇を化解する這一類の事は、反對に能く自行消磨了結せん。いわゆる月破、就中月建與相沖する那一位なり。
干支
日上神與命上神,相生合喜福來親。六害相逢自成嗔,三刑沖剋亦為迍。日命相合為福祥,日來克命喜相當;命若剋日見災殃,反覆推窮理最長。日上神克命上神,為財喜之兆。如命上神剋日上神,為不利,凡事不順也。
日干上の神與本命上の神、如果相生相合せば、喜慶福氣就中親近して來る。若し兩者六害を結成せば、自然瞋怒爭執を生出せん。若し三刑・相沖・相克を成せば、亦た困頓を主る。日與本命相合する是福祥なり。日來りて本命を克せば、喜事正相當なり。反對に本命去りて日を克せば、就要災殃を見ん——這一層要反復推究し、道理最為深長なり。日干上神が本命上神を克する是、得財得喜の徵兆なり。若し本命上神反克日干上神せば、就不利にして、凡事不順なり。
日辰上見墓神加,病者無痊災可嗟;失人失約路途賒,若當時日來臨家。如正月庚寅日,大吉在寅,行人病死。用起遙克與日干,救神制鬼卻為歡。丁日愁逢傳用子,丁上辰居吉又安。如丁卯日,子加卯為蒿矢,遙克丁,丁上見罡為救,不為憂也。
日干日支之上に墓神の加臨を見れば、病人難以痊愈して、災禍可歎なり。出門の人失約不歸・路途遙遠なり。除非正當占時の日家中に回到せば。例如正月庚寅日に課を起こし、「大吉」(十二月將中丑の別名)正に寅上に加われば、就中出行の人病死と斷ず。若し發用是れ遠處より日干を克する格局なれば、只だ救神の制住官鬼有れば、反對に憂を轉じて喜と為す。丁日最怕子を以て發用とするを。但し只だ丁の上神是れ辰なれば、就中吉に轉じて安穩す:例如丁卯日、子が卯上に加わりて「蒿矢」の格を成し、遠處より丁を克す。這時丁上に天罡(辰)の來救を見れば、就不必憂慮せり。
三合俱在日加臨,支上皆同上下尋。或合喜事或婚姻,最好相宜望信音。巳加申、辰加酉、卯加戌,此三課俱合也。成合婚、望信音,吉慶也。
三合の神皆日干の上に加臨せば、日支那邊も亦た照樣上下對看す。這種格局あるいは和合喜事を主り、あるいは婚姻を主り、最も音信を盼望するに宜し。像巳加申・辰加酉・卯加戌、這三課皆是れ六合の位なり。用いて婚を議し・消息を待つ皆、是れ吉慶の兆なり。
支辰三合為眷親,假如子日見申辰。惟有巳酉丑三辰,歲中必定別陰人。凡支辰三合,皆為親眷,進人口之象,惟巳酉丑主陰人別離之兆。
日支與三合の神相會すれば、親眷の事を主る。比如子日に申與辰を見れば、申子辰水局を成す。唯獨巳酉丑這一組の三合は、一年之内必定に女眷與分別せん。凡そ日支が三合を結成すれば、皆親眷の象に属し、亦た家中人を添え口を進むるを主る。只だ巳酉丑這一局は、女子離別を主る。
支神三合發用來,加刑受克骨肉災。天后陰人事縈懷,定知年內必見乖。支神三合發用為親眷。若刑害交克,骨肉疾病災兆。後、陰主陰人水災,玄武、天空主逃亡之兆。
日支の三合の神發用して初伝を作し、若し再び刑の身に加わる・克制を受くるに遇えば、骨肉至親便ち災有り。天后當值すれば、女眷の事心懷に縈繞し、以て斷定し得べし一年之内必ず乖違を生ぜんと。日支三合發用は本來親眷を主る。若し彼此刑害交克せば、就是骨肉患病遭災の徵兆なり。天后・太陰は女眷與水厄を主り、玄武・天空則ち逃亡走失を主る。
日辰傳逢兩破神,破財失脫事皆空。恩人斷絕親不親,事多乖錯不和情。甲申返吟之類。支破臨支作用初,自因妻妾不安居。玄空見退事不無,螣蛇失脫上同居。支破者,辰沖也。須是支上為用。乘陰、後主陰人、小口災,乘天空、玄武主退損象,螣蛇主災惑不定,怪夢,失脫奴婢財帛之兆。
日干・日支與三伝皆破神に遇上せば、破財失物して、事事落空す。恩人斷了往來し、親人も亦た親ならず、諸事乖錯・人情不和なり。像甲申日の返吟課就中這一類に属す。日支の破が日支上に加わりて初伝を作せば、多半是因妻妾在家不安分なり。天空・玄武出現すれば就中退損の事有り、螣蛇出現すれば則ち失脫の患有り。いわゆる支破、就中日支與相沖する那一位にして、而且必須日支上神發用して才算す。它太陰・天后を乘ずれば、女眷與小孩に災有るを主る。天空・玄武を乘ずれば、退敗損失を主る。螣蛇を乘ずれば、災禍疑惑不定・常做怪夢を主り、還た奴婢逃走・財帛失散の徵兆有り。
占時
貴人用起卜時辰,干貴圖謀百事成。常人官府喜重重,求利求遷可以榮。時逢朱雀象文書,或求信息或同途。丙丁巳午又同居,秘密流傳法不虛。時逢朱雀,又與丙、丁、巳、午同宮,主文書。占時時裡有災祥,諸煞天官務共詳。剋日為惡必凶傷,日財吉將喜能昌。
貴人の臨む所の神を以て發用して占時に起これば、貴人に向かい干求し・百事を圖謀する皆能く成功せん。平常人それに遇上せば、官府方面喜事重重にして、財を求め升遷を求むる皆能く榮顯を得ん。占時に朱雀に逢えば、文書を象徵し、或是求取消息、或是有人同行なり。如果朱雀又た丙・丁・巳・午這些火位與同じく一宮に處すれば、那麼秘密相傳の這套法訣就更に虚ならず。占時に朱雀に遇い、又た丙・丁・巳・午與同宮せば、文書の事を主る。占時之中本來就中災與祥を藏め、各種凶煞與天官貴神必須一併詳審すべし:來りて日干を克する就是惡神にして、必定凶傷す。若是日干の財爻又た吉將を乘ずれば、喜慶就能昌盛せん。
子
子臨四季虎來並,小口頻頻災病重。歲為丑未戌加辰,卑幼年中命見迍。子為小口,制於四季。土克水,又乘白虎,主子孫災。四季為太歲而加子,主年死小口也。
子が辰・戌・丑・未這四季の土位上に落ち、又た白虎併臨有れば、家中小孩就中接連して重病を生ぜん。若し太歲是れ丑・未・戌にして辰に加臨せば、卑幼の人這一年就中困厄有り。子是れ小孩を代表し、四季の土に制を受く。土來りて水を克し、再び白虎を乘ずれば、子孫に災有るを主る。四季の土若し正是れ太歲にして子上に加われば、這一年小孩夭折を主る。
子來加巳為極陽,戊癸為合吉則昌。若逢蛇虎無福祥,合乘不遂事乖張。子為一陽,至巳為六陽,是極陽。子中癸水,巳中戊土,相合,吉將,有氣則昌。凶將則凶也。子丑相加事必成,更逢吉將轉歡欣。旺相加臨神合神,進取婚姻兩事成。子丑相加,合處為用也。
子が巳上に加到する是、陽氣到了極點なり。子中癸水與巳中戊土戊癸相合し、若し吉將を乘ずれば便能昌盛せん。可要是螣蛇・白虎に遇上せば、就没有福祥可言、虽有合して而も遂願する能わず、事情反對に乖張せん。子是れ一陽初生にして、巳に到れば便ち六陽なり。ゆえに極陽と呼ぶ。子中は癸水を藏し、巳中は戊土を藏し、戊癸相合し、再び吉將を乘じ・五行氣有れば就中昌盛す。若し凶將を乘ずれば便ち凶に轉ず。子與丑相加すれば、事情必定成就し、再び吉將に逢えば更に歡喜を添えん。旺相の神加臨して而又た合神與相會せば、進取を謀り・婚姻を議する兩件事皆能く成らん。子丑相加就中六合にして、這個合處を取りて發用とす。
丑
丑加巳上乘合龍,貴來舉薦兩相同。陽道消兮陽漸治,用神此理主父凶。丑為二陽,至巳上為極陽,若極則陰生,為陽道消,則陰治也。更乘龍、合,主暗求私禱事,不然主父凶。
丑が巳上に加わりて六合・青龍を乘ずれば、貴人の前來擧薦有るを主り、兩方面の好處一齊に到來せん。但陽道到了極點すれば就要消退し、陰氣隨之當權し、用神若し這層の道理に合せば、反主父親有凶なり。丑是れ二陽の位にして、巳上に到れば便ち極陽なり。物極すれば則ち陰生ず。ゆえに説く陽道消して陰道治むと。此時若し再び青龍・六合を乘ずれば、暗中求託・私下祈禱の事を主る。不然なれば、就中父親有凶を主る。
寅
寅加酉上為用初,中未末與子上居,行人遠至及文書,傳墓為來有一失。
寅が酉上に加わりて發用して初伝を作し、中伝は未に落ち・末伝は子に落つれば、遠行の人將に到らんとし、あるいは文書消息傳來せんを主る。不過三伝若し墓地に行進せば、人虽然來了とも、其中總要一樣東西を失落せん。
卯辰
乙庚用起見天罡,地上同辰亦此方。象主爭奪須預防,或於失脫見乖張。乙庚遁庚辰,辰在乙,主失脫並爭奪事。卯子作六合為日鬼,內外陰私。
乙日・庚日發用して天罡(辰)を見、地盤上同樣辰這一方に落つれば、卦象は爭奪を主り、須要預先防備し、あるいは失物走脫の上に於て乖張の事出現せん。乙日・庚日遁干は庚辰を得、辰又た乙上に落つれば、失脫與爭奪を主る。卯與子相配して六合を成して而も日干の官鬼に化せば、則ち内外皆有陰私を主る。
庚酉辛寅若加臨,寅若加日病來侵。卯加三位木就金,利遂名成兩稱心。庚、酉、辛,乃申、酉、戌也,寅若加臨三位,更乘惡將,為有病來占。寅卯皆木也,寅臨三位為病,何也?答曰:寅為天之棟樑,臨金為損折之象,故主疾病,為利名為遂也。卯為太沖,臨金,有雕斲成器之象也。
庚・酉・辛這三位若し寅與相加臨し、而も寅又た日干上に加到せば、疾病就要來侵せん。但卯若し這三位上に加われば、是れ木の金に就くにして、反對に名利雙收・兩相稱心せん。這裏説く庚・酉・辛、指的是申・酉・戌三位なり。寅若し這三位に加臨し、再び惡將を乘ずれば、就是帶着病來占卜す。寅和卯同屬木、為什麼寅臨三位主病・卯臨三位卻主利ならん。回答是:寅好比天上の棟梁大木にして、金に臨めば就是砍斷折損の象。ゆえに疾病を主る。而「太沖」(十二月將中卯の別名)是れ柔木にして、金に臨めば反有雕琢成器の象。ゆえに名利可遂なり。
寅卯並辰上見魁,戌加三位酒食推。舊事有財新事悲,虎臨僕逃足病時。寅乃青龍之位,卯乃六合之位,辰中有乙木,戌中有辛金,若戌加寅卯辰,則為酒食也。白虎主病,又為道路。天魁為奴,又為人足。若非僕逃,則主足病也。
寅・卯以及辰之上に河魁(戌)を見る、也就是戌が這三位上に加わるは、以て酒食の象と推作し得べし。此時舊事能く財を得、新事卻って悲有り。若し白虎之に臨めば、不是僕人逃走、就是脚上生病なり。寅是れ青龍の本位、卯是れ六合の本位、辰中は乙木を藏し、戌中は辛金を藏す。戌が寅・卯・辰上に加われば、就中酒食を主る。白虎は疾病を主り、又た道路を主る。天魁(戌)は奴僕を主り、又た人の脚を主る。ゆえに不是僕人逃亡、便是脚有疾病なり。
天罡為用象如何,舊事重新災自磨。酉前帶眾事皆和,干求長者福祿多。天罡為用,利占舊事。天罡,利見大人。官魁須分有奴人,轉官遷職喜氤氳;常人疾病或官刑,莫使常流取次聞。天罡克干為官魁。
天罡(辰)發用是れ什麼象ならん。舊事重提して、災禍自會消磨せん。酉前那一位は衆人の象を帶び、諸事和順し、長者に向かい干求すれば、福祿很多なり。天罡發用は、舊有の事を占うに利あり。天罡當値も、亦た大人物に晉見するに利あり。いわゆる「官魁」、要分清它是否帶着奴僕の象すべし:有官身の人それに遇えば、轉官升遷して、喜氣蒸騰す。尋常百姓それに遇えば、則ち疾病あるいは官府刑責を主る。這話不要隨隨便便讓常人聽去すべし。天罡(辰)が日干を克すれば、就叫官魁なり。
巳
太乙加臨子占初,戌乃為鑄巳為爐。君子遷官或音書,常人官府事憂疑。巳加子為鑄印卦,仕人吉,常人主官憂也。巳為初傳命上金(財也),用財臨命法幽深。干財得遂喜相隨,財物無煩別用心。初傳克命上神,主利求財。
「太乙」(十二月將中巳の別名)が子に加臨して發用して初伝を作せば、戌好比鑄印の模、巳好比熔金の爐なり:有官身の人それに遇えば官を升るあるいは文書を得、平常人それに遇えば則ち官府方面の憂疑有り。巳加子を「鑄印課」と呼び、官を做る人吉利、尋常人は官事憂愁を主る。若し巳が初伝を作して而も本命上神が金に属せば——金正に巳火の克する所の財なり——這種以財臨命の格局法理很深なり:人に向かい財を求めて能く願を遂げ、喜事隨之而來し、財物到手して、不必再費別的心思せん。初伝が本命上神を克せば、就中財を求むるに利を主る。
天乙登明為用初,陰陽不備亦同途。交克用事神不殊,事先不足後有餘。巳為雙女亥雙魚,用起須知兩事俱。或求或動皆音書,他人別處吉收扶。巳亥發用,主兩事動,或望間信,個人別處事皆吉。即返吟課也。
天乙貴人與「登明」(十二月將中亥の別名)が初伝を作せば、即使課體が陰陽不備の一類に属すとも、道理也是一樣なり:上下交克して而も此を以て發用とせば、神意並無不同にして、事情起初不足・後來有餘を主る。巳は星次の上に於て雙女宮に属し、亥は雙魚宮に属す。它らが發用する時要知兩件事同時並起すべし:求謀を論わず走動を論わず、皆書信消息與關有り、別人在異地も亦た能く扶助を給與せん。巳亥發用は、兩樁事一齊發動を主り、或是盼望中間人の音信、各人在別處の事皆吉利——這其實就是返吟課なり。
午
勝光剋日為螣蛇,陰人離散事堪嗟。若不休妻及淫邪,不然孕婦在其家。午為一陰生,主婦人離散。若不休妻,必淫邪,不然孕婦淫泆事。
「勝光」(十二月將中午の別名)が日干を克して而又た螣蛇を乘ずれば、女眷離散して、事情令人歎息す:不是休妻、就是有淫邪の事、再不然就是家里有孕婦なり。午是れ一陰初生の位にして、婦人離散を主る。若し不至于休妻なれば、必有淫邪、再不然就是孕婦有失檢點の事なり。
勝光用貴加支神,宅中發願賽神明。辛日臨亥最為親,聖法流傳事更真。勝光臨亥為德鄉,婚姻有象不相當。立名四絕病人亡,隔絕舊事可參詳。午加亥上,德合也,雖主婚姻事,則主不成,絕鄉故也。若發用在四立上,又剋日者,病人死。利解釋事,絕故也。
勝光(午)發用して而も貴人が日支の上に加われば、家中許願還願・神明を酬謝するを主る。辛日の午臨亥最為親切にして、這套祖師傳下の法門更見真切なり。可勝光臨亥虽是德合の鄕、婚姻を占うて卻って其の象有りて其の實無し、配不成對なり。這一格名叫四絶にして、病人を占うて死亡を主り、了斷隔絶の舊事を占うて卻って可以參詳取用す。午が亥上に加わる是德合にして、虽然婚姻を象徵すとも、卻主不成。因るに亥是れ午の絶地なればなり。若し發用が立春・立夏・立秋・立冬這四立の上に落ち、又來りて日干を克せば、病人就要死せん。這種格局は化解了斷の一類の事を占うに利あり、正因為它是絶地なればなり。
午加亥上見極陰,勝光為火火為心。心神熒惑疑慮真,總疑災害不相親。午為一陰之地,至亥為極陰。隆光屬火,在人為心,臨亥被克,必有疑惑之理。
午が亥上に加われば就到了極陰の處:勝光は火に属し、火は人身上に於て心に應ず。心神が熒惑に擾せられれば、疑慮就中真真切切にして、總疑心災害有りて而も人與不親近せん。午本來是れ一陰初生の地にして、亥に到れば便是極陰なり。勝光は火に属し、人體に於て心に應じ、它亥に臨みて而も水に克せられれば、心里必然疑惑を生出せん。
未
勝光太乙主文書,用或來加命上居,更逢貴雀莫躊躕,若見龍常皆可圖。午加酉上吉相扶,進取求遷疑可圖。逢凶恐怪有憂疑,先是疑難後得蘇。午者,火也,加酉金,死,必是疑怕之事,終則吉也。謂高蓋乘軒卦也,主隔中通也。
勝光(午)與太乙(巳)皆文書を主る:它ら發用し、あるいは本命の上に加到し、再び貴人・朱雀に遇えば就不必猶豫せず、若し青龍・太常を見れば、事情都可圖謀せん。午が酉上に加わり、吉神相扶すれば、進取を謀り・升遷を求むる皆有指望なり。但若凶將に逢えば、恐有怪異憂疑、情形是先難後順なり。午は火に属し、酉金の上に加われば、火は酉に到りて死地を為す。ゆえに必是心存疑懼の事なれど、結果終歸是吉なり。這一格叫作「高蓋乘軒」にして、阻隔之中仍舊通達能すを主る。
申
申加巳上六合神,玄胎生年又為真。六合內戰子災迍,不然謀妁議婚姻。為長生玄胎也,生婚姻有成之象。六合為子息也,乘申、酉為內戰,主子孫災病。年命上逢傳送申,傳送臨時災病侵。更加凶將伏沉昏,庚申白虎位酉金。
申が巳上に加わりて六合を乘ずれば、是れ玄胎又逢長生にして、其の象最も真なり。若し六合が內戰に遭遇せば、子女有災困、不然就是有人來說媒議婚なり。申は巳上に於て長生を得、也就是玄胎にして、婚姻有成の象を主る。六合は子息を主り、它申・酉這些金位を乘ずれば便是內戰にして、子孫有災病を主る。行年本命上に「傳送」(十二月將中申の別名)に遇到し、あるいは傳送が占時上に落つれば、災病就要來侵せん。再加上凶將せば、人便ち昏沉不振せん——庚・申・白虎皆金に属し、本位は酉に在り。
酉
酉加巳上用朱禽,青龍貴位要加臨。干貴求財有信音,三事占來多稱心。酉加巳上,乘朱雀,宜占信音。青龍宜占財帛,貴人宜干貴。
酉が巳上に加わりて而も朱雀を以て發用とし、再有青龍・貴人一同に加臨せば、那麼干求貴人・謀取錢財・等候音信這三件事占い來る皆很稱心なり。酉が巳上に加わり朱雀を乘ずれば、消息を占うに宜し。青龍を乘ずれば、財帛を占うに宜し。貴人を乘ずれば、權貴に干求するに宜し。
初傳年命有從魁,從魁不樂有憂疑。為財為信有凶期,吉將逢來百事宜。酉為八月建,刑位在內,德位在外,主行肅獨立核算氣,萬物雕零啾唧,憂疑不樂。忌乘刑將。若乘吉將,主先憂後喜。天上從魁酉作雞,雞能報信法堪依。上臨本命事相宜,信息須知早晚歸。日辰、年命、三傳、太歲見酉,乘朱雀,主信。
初伝あるいは行年本命上に從魁(酉)出現せば、心里就不痛快、多有憂疑す。占財を論わず占信を論わず、都可能凶险の應期有れど、但只要吉將を乘上せば、百事仍然合宜なり。酉是れ八月の月建にして、刑位在內・德位在外なり。當令の時行う是れ肅殺の氣にして、萬物凋零・蟲鳥悲鳴す。ゆえに憂疑不樂を主り、最も刑を帶びたる將を乘するを忌む。若し吉將を乘ずれば、則ち先憂後喜なり。天盤上の從魁は酉に属し、酉は生肖に於て鷄を為し、鷄能く曉を報じ信を傳う。ゆえに這套斷法可以依憑す。它本命の上に臨めば、諸事相宜にして、消息遲早有回音せん。日干日支・行年本命・三伝以及太歲上に酉を見て朱雀を乘ずれば、皆信の到る有るを主る。
戌
占人命上見魁罡,來情必動往他方。天驛二馬用更當,須知此法歸為良。天馬,正月午,順行六陽辰。魁罡、二馬臨命主動,發用亦然。
占う所の人の本命上に河魁(戌)與天罡(辰)を見れば、來意必定是れ要動身往別處去なり。若し天馬・驛馬兩馬發用せば、那就中更加確鑿にして、這一法門可以奉為良方なり。天馬は正月より午に起こり、六個陽支の上に於て順行す。魁・罡與天馬・驛馬が本命に臨めば走動を主り、發用して初伝を作する時も亦た一樣なり。
亥
登明忽來傳上居,干求貴位必懸魚。卯未同傳事不虛,祈禱求人見福餘。登明刑害虎朱勾,獄訟爭論事不休。凡事如芽殘未謀,欲動求人疑不周。亥為自刑,又為極陰之位,若乘白、朱、勾,必有訟獄之象。亥為十月,萬物收藏之象,惟有求用,隨進退,不自快也。
登明(亥)忽然三伝之中に出現せば、權貴に向かい干求して必ず能く佩魚懸印一類の榮顯を得ん。若し卯・未與它同じく三伝に入りて亥卯未三合を成せば、事情不會落空して、神明を祈禱し・他人に求託する皆能く餘福を得ん。可登明若し刑を被り害を被り、又た白虎・朱雀・勾陳を乘ずれば、就有牢獄訴訟・爭論不休の事せん。這時凡事像剛發の芽被摧殘、謀劃難以周全し、想有所行動・求托他人せば、心里も亦た猶疑不定せん。亥是れ自刑の位にして、又是れ極陰の地なり。若し白虎・朱雀・勾陳を乘ずれば、必有訟獄の象せん。亥は十月に當たり、是れ萬物收藏の象にして、只能形勢に隨いて進退して用を求め、心里總不畅快なり。
貴神
貴人臨命喜非常,有喜無憂百事昌。凶中尚乃免災殃,吉事占來尤福祥。求貴先須看所乘,貴上神詳命上神。三刑剋害事難成,德合相生便可親。天乙所乘神與命上神交互生、合、德、比為吉,刑、沖、破、害、克戰者為凶,不可干求也。
貴人が本命の上に臨めば、喜慶非同尋常にして、有喜無憂・百事昌盛せん。即便身處凶险之中とも亦能免除災殃し、吉事を占うて更是福祥なり。貴人を求見せんに、先要貴人の乘ずる是れ什麼神を看、再把貴人上神與本命上神對看すべし:若し三刑・相克・相害を成せば、事情難成なり。若是德合相生なれば、便可親近せん。天乙貴人の乘ずる神與本命上神互相生・合・德・比和するは吉と為す。互相刑・沖・破・害・克戰するは凶と為し、那就不可去干求せり。
晝夜貴人臨命宮,夜得日貴互相同。壬癸最宜用太沖,大宜干貴百相從。貴人沖處是天空,常人虛詐卻難容,君子文書有始終,利占奏對必遭逢。天空為直符、奏書之神。君子德之為文書,利益。小人得之,不可託人,奸詐之兆。
晝貴人與夜貴人が本命の宮に臨めば、夜間占得晝貴人も也是一樣の效力なり。壬日癸日最宜用太沖(卯)發用して、大いに干求貴人に利あり、百事皆能く順從せん。貴人與相沖の位置就是天空:尋常百姓それに遇えば、虚假欺詐難以容身す。有官身の人それに遇えば、文書の事有始有終して、奏對進言を占うに利あり、必能遇合せん。天空是れ直符・奏書の神:君子それを得れば文書を主り、利益有り。小人それを得れば則ち不可托付他人にして、是れ奸詐の徵兆なり。
五行遙合或德鄉,貴人合處兩相當。癸日彈射太乙方,動望須知有吉祥。貴人用事皆吉。癸日彈射,巳為日德;辛日蒿矢,巳為日合。皆用太乙是也。遠行幹事吉祥。
五行遠處より相合し、あるいは德神の鄕に落つれば、貴人の合する處兩下正相當なり。癸日は彈射の格を以て太乙(巳)這一方を用うれば、凡有舉動・有所盼望せば、都可知道是吉祥なり。貴人が事に當たれば、一概是吉なり。癸日の彈射格、巳正に癸の日德なり。辛日の蒿矢格、巳正に辛の日合なり——兩者都用到太乙(巳)なり。這種格局は遠門を出でて事を辦ずる皆吉祥なり。
螣蛇
螣蛇所主告君知,本命逢來大端疑。十分干事九分時,常懷猶豫意遲遲。螣蛇玄武用初傳,專主朝朝事必然。午加亥上意同緣,五行受氣孕胎言。螣蛇家住丁巳,玄武家住癸亥,巳、亥見胎神,婦人占之,專主身孕。午加亥、酉加寅、子居巳、卯臨申,俱同也。
螣蛇の主る所の事、這裏明白に告訴す:它本命上に落つれば、人就中大いに疑惑す。十分要辦の事只有九分把握にして、心里常懷猶豫・遲遲不決せん。螣蛇あるいは玄武發用して初伝を作せば、天天皆有事情纏身して、必然如此なり。午加在亥上も也是同一層意思にして、皆從五行受氣懷胎上に去りて講す。螣蛇の本家は丁巳に在り、玄武の本家は癸亥に在り。巳・亥が胎神を見れば、婦人來占して、專主懷孕す。午加亥・酉加寅・子居巳・卯臨申這幾種格局、道理都一樣なり。
螣蛇玄武作初中,須知終處見青龍。用臨支上定其宗,失財失物與災凶。螣蛇玄武共青龍,三傳共見不為凶。玄武象龜龍蛇同,龍蛇物類喜重重。三將一體,須是甲戊庚三日得潤下卦,在秋冬時占之為福也。
螣蛇・玄武分別に初伝與中伝を作せば、就要看末伝是不是青龍を。發用若し日支の上に臨めば、事情の歸宿便ち定了、多主失財失物與災禍す。不過螣蛇・玄武若し青龍三將同現於三伝せば、反而不算凶:玄武取象為龜、與龍・蛇同屬鱗介之類、龍蛇聚會、喜慶重重なり。這三將本是一體なれど、但須是甲日・戊日・庚日占得潤下課、又在秋冬時節起課、才算福象なり。
朱雀
朱雀剋日事紛紜,望事求財總不成。婦人為撓不合情,百章訣內見甚真。朱雀乘神克天乙,不可干貴、文書事。朱雀臨神剋日支,定知宅上禍殃隨。不然門戶訟官詞,此法微妙更幽奇。朱雀來乘卯臨申,多因信息在他程。三傳和合期有成,門前問信有來真。朱雀為信,卯亦主信,加申為絕,主信至也。
朱雀が日干を克せば、事情紛紛擾擾にして、盼事・求財都辦不成、還會有婦人從中攪擾・與情理不合せん——這一條在百章訣裏說得最真切なり。朱雀の乘ずる神若し天乙貴人を克せば、就不可去干求權貴し、也不宜辦文書の事せん。朱雀の臨む神が日支を克せば、可以斷定宅上災禍接連し、不然就是門戸之間有官司詞訟、這套法門微妙而幽深なり。朱雀が卯を乘じて申に臨めば、多半因為消息還在路上なり。三伝和合せば、就有成事之期して、門前來人問訊、確有信到せん。朱雀は音信を主り、卯も亦た音信を主る。卯加申是絶地、反主信息到達す。
占人命上見朱禽,象主文書及信音。王相相生作加臨,合處須知事稱心。朱雀臨命,主文書、信音,若與命克、刑、沖、破、害,為凶信,凡事不成;生、合、德、比則吉。
占う所の人の本命上に朱雀を見れば、文書與音信を象徵す。若し它旺相して而又た本命與相生して加臨せば、逢合の處事情必然稱心せん。朱雀が本命に臨めば文書・消息を主る。但它若し本命與相克・相刑・相沖・相破・相害せば、來的便是凶信にして、凡事都成不了せん。若是相生・相合・成德・比和せば、那就吉なり。
勾陳
用起命上見勾陳,百般留滯屈難伸。不然事有兩般心,諸般秘法必然雲。發用、命上見勾陳,占人主留滯、兩頭事,及求謀託人用意也。
發用あるいは本命之上に勾陳を見れば、諸事拖延阻滯して、委屈難以伸張せん。不然就是事情有兩頭心思・拿不定主意——各家秘訣都必定這樣講す。發用與本命上に勾陳を見れば、占う所の人被牽絆滞留を主り、事情兩頭掛心し、也主求謀托人時心里另有打算せん。
青龍
占財緊要視青龍,用起或加在命宮。加臨王相相生處,須知財利喜重重。青龍乃財神,日辰、三傳、年命及時上逢之有財,若王相尤吉。五行生處見青龍,財帛如意事兼容。壬癸日占申上逢,丙丁火日功曹同。龍作鬼與墓,主病纏身。
財を占うて最要緊是れ青龍を看るなり:它發用し、あるいは本命の宮に加われど。若し加臨の處旺相して而又た相生せば、可知財利重重可喜せん。青龍就是財神にして、日干日支・三伝・行年本命以及占時上に它に遇到すれば皆有財、若再旺相就更吉なり。五行長生の處に於て青龍を見れば、財帛如意・諸事兼容す:壬日癸日占し、申這個水の長生に遇えば就是。丙日丁日は火に属し、「功曹」(十二月將中寅の別名、火の長生)に遇うも也一樣なり。但青龍若し官鬼に充當しあるいは墓地に落つれば、反主疾病纏身せん。
天空
酉作天空巳上臨,須知中處是太陰。走婢失財不稱心,陰空一位理還深。酉即太陰,乘天空主失財、走婢,臨巳上為雙女也。
酉上に天空を乘じて而も巳位に臨めば、要知道中間還牽着太陰すべし。這種格局は婢女逃走・錢財丟失を主り、事事不稱心す。太陰與天空同處一位して、其中道理還很深なり。酉本來是れ太陰の本家にして、它天空を乘ずれば就主失財・婢女走失す。巳上に臨むは、因為巳在星次上屬雙女宮なればなり。
白虎
庚辛白虎作初傳,更言占者病連綿。三月辛未申時占,死氣飛禍昴星言。如三月辛未日申時占,陰人久病也。白虎乘神克命宮,假土生人見太沖。兼與惡煞一路同,須知月上病來臨。虎克命宮主災病,命克虎亦然。
庚・辛這類の金神が白虎を乘じて初伝を作せば、更要斷占う所の人病勢連綿せん。像三月辛未日申時に課を起こし、死氣・飛禍與昴星課湊在一處すれば、就是這種情形——三月辛未日申時占すれば、主女眷久病なり。白虎の乘ずる神が本命の宮を克せば、譬如屬土の人が太沖(卯)の來克を見、再加上惡煞一路同行せば、就該知道當月就有病來る。白虎が本命宮を克すれば災病を主り、本命反過來克白虎も也一樣なり。
玄武
玄武傳來暗遺財,盜賊淫乖事須乖。惟見功曹得和諧,寅亥相合身不災。玄武往癸亥,乘寅為合,主進人口。
玄武が三伝に進入すれば、暗中錢財を丟失し、盗賊・淫亂一類の事都會乖違不順せん。唯獨功曹(寅)を見て才得和諧す。因為寅與亥相合して、本身就不成災なり。玄武の本家は癸亥に在り、它寅を乘ずれば便是寅亥六合にして、反主家中添人進口せん。
太陰
用起陰武何所宜,陰私得助暗扶持。常人見處有憂疑,君子託人見貴奇。太陰、玄武發用,主心間謀事不欲人知,或託人有陰私之意、驚災疑惑之事。
太陰・玄武を以て發用すれば、適宜做什麼ならん。適宜暗中得人相助・私下扶持せん。尋常百姓遇到它有憂疑す。有官身的人則托人引薦・得見貴人而有奇遇せん。太陰・玄武發用は、心中所謀不願讓人知道を主り、あるいは托人辦事另存私意し、也主驚災疑惑の事せん。
天后
天后乘剋死絕鄉,母及婦女災病傷。若不離逃病在床,巳加亥位未卯當。天后為陰人,臨死絕鄉,或母、妻女災,以應天后受克。巳乘天后臨亥,絕地受克。未乘天后臨卯,死絕受克,主陰人災。
天后の乘ずる神被克し、又た死絶の鄕に落つれば、母親和家中婦女就要遭災害病せん。不是離家出走、就是卧病在床す。像巳加亥位・未加卯位便是なり。天后代表女眷して、它死絶之地に臨めば、母親或妻女有災を主り、應在天后受克這一點上:巳乘天后而臨亥は、是落在絶地又受克す。未乘天后而臨卯は、是落在死絶之地又受克し、都主女眷有災なり。
三伝
三傳剋日是為侵,卯酉居上變其神。螣蛇朱雀應六丁,戶後門前見怪頻。三傳先看剋日辰,次觀日克察為真。神將克處吉凶門,此法玄妙最分明。三傳中先看剋日者為事神。無剋日,取日克者為事神。克者為災,生者為福,日克者為財。干克初、初克中、中克末,利求財,極準。
三伝來克日干せば、就是外來の侵犯なり。卯・酉居上位せば、乘ずる所の神便要起變化せん。若螣蛇・朱雀應在六丁の神上せば、門前屋後就常見怪異せん。三伝を看るに、先看有沒有克日干日支の、其次再看日干去克誰を、這樣才察得真切す。神將相克的地方、正是吉凶の門戸、這個法門玄妙而最分明なり。三伝之中、先取克日干的那一位作事神とす。如果没有克日干的、就取被日干所克的那一位作事神とす。來克我的主災、來生我的主福、我所克的就是財なり。若日干克初伝・初伝克中伝・中伝克末伝せば、利于求財、極為準驗なり。
行人未至看三傳,三傳順行人未還。剛日伏吟會時間,三傳退逆見團圓。柔日伏吟,三傳順行,未來。剛日伏吟來也。用始為終相見時,更詳諸煞可為之。上頭地下交互克,聖法流傳事不疑。五月占,天馬在寅,加午,為始終相加也。五月厭在午,午加戌,戌加午是也。
出門的人還沒回來、就看三伝:三伝順行的、人還不會回來。陽日占得伏吟課、要會合占時來推算日期す。三伝退行逆轉的、反而能見到團圓す。陰日(柔日)得伏吟而三伝順行、人不會來。陽日(剛日)得伏吟、人就要來了。若初伝之神與末伝之神彼此相接相見、還要詳審各種凶煞才能定斷す。上面天盤與下面地盤交互相克、這是聖人傳下的法門、事情不必懷疑す。舉例說五月占卜、天馬在寅、寅加于午、就是始終相加す。五月的月厭在午、午加戌・戌加午、也是這一類なり。
三位相連作三傳,占者須知進退間。進行千里見回還,退則不久還再遷。如丑加子,退中有進,子加丑,進中有退,而以進退之象。進必回還,退則卻遷也。
三個相連的位置構成三伝して、占卜的人必須分清它是進還是退を。屬進的、縱然遠行千里也終能回還。屬退的、不久之後還要再度遷移す。例如丑加在子上、是退中有進。子加在丑上、是進中有退——就用這種進退之象來判斷す。屬進的必定歸來、屬退的反而要另作遷動す。
曲直
三傳亥卯未相期,曲直為名春旺時。託人干貴見相知,暗求私禱事相宜。亥卯未為天門,主徵詔、貴人事。卯為私門,主陰私、隱匿,宜求禱,干貴人事成也。
三伝湊齊亥・卯・未而成三合木局せば、這一課名叫「曲直」、在春天木旺之時最為得力す:托人干求貴人能遇到知己、暗中求托・私下祈禱也很相宜す。亥卯未稱為天門、主朝廷徵召與貴人之事す。卯又是私門、主隱私・藏匿、所以宜于祈禱、向貴人干求也能成事す。
關隔
酉上功曹共太沖,卯邊四季土皆同。此名關隔俱難通,逢金逢木卻兼容。此二例,若日辰,年命上有救,隔中通也。
酉上出現功曹(寅)與太沖(卯)、或者卯的旁邊配上辰戌丑未四季之土、這兩種情形都叫「關隔」、事情難以通達す。但若逢金・逢木得宜、仍可兼容通過す。這兩種格局、只要日干日支或行年本命上有救神、阻隔之中照樣能通す。
四絶
午加亥上酉加寅,子居巳位卯居申。諸經名此為四絕,結絕舊事最為真。(四絕亦主胎孕)用臨絕地,主結舊事。更乘朱雀,為信息也。
午加在亥上・酉加在寅上・子落在巳位・卯落在申位、各家經書都把這四種叫作「四絶」、用來占了結舊事最為準驗(四絶同時也主懷胎孕育)。發用落在絶地、主把舊事做個了斷す。若再乘朱雀、就主有消息傳來す。
天喜
天喜加臨本命來,憂疑心驚不為災。君子遷官百事諧,常人財利稱心懷。天喜主憂事散也。
天喜加臨于本命之上、虽有憂疑心驚、卻不至于成災す。有官身的人可以升遷、百事諧順、尋常百姓也能財利稱心す。天喜的作用、就是使憂愁之事消散す。
天馬
天馬加臨本命逢,驛馬須知事亦同。遷官承詔喜重重,出行遠動吉祥逢。天馬克日復臨支,得此須知失脫事。後陰玄武又來期,破財人口走東西。天馬為干鬼,臨支發用,如四月丁丑日酉時,必有走失之事。
天馬加臨本命、驛馬的效力也與它相同す:升官受詔、喜事重重、出門遠行都遇吉祥す。但天馬若來克日干而又臨于日支、就要知道會有失脫之事す。再加上天后・太陰・玄武同來、便是應期、主破財・人口東奔西走す。天馬若成了日干的官鬼、臨日支而發用、例如四月丁丑日酉時起課、必定有走失之事す。
占財
占財緊要視三財,日辰命上細推排。三傳生日如王相,定知凡事有和諧。如春占,庚子日返吟課,亥生人是也。何為三財?三傳俱作日之財,得此須知長上災。金日曲直必見乖,木來克土不和諧。日財臨命是來情,必得財帛喜事成。假令巳午克申酉,日上逢金命酉寅。若日上神克命上神,為財喜之兆。
占財最要緊的是看「三財」、在日干日支與本命上仔細推排す:三伝都來生日干、又值旺相、可以斷定凡事和諧す。例如春天占、庚子日得返吟課、所占之人是亥年生的、就屬這種情形す。什麼叫三財。就是三伝全都作了日干的財——不過得到這種格局、還須留意長輩有災す。庚辛金日而三伝結成曲直木局、必然乖違す。木來克土、也不和諧す。日干的財爻臨于本命、正是來意所在、必定能得財帛・喜事成就す。譬如巳・午之火克申・酉之金、而日上遇金・本命在酉在寅、就是這一類す。只要日干上神克本命上神、就是得財得喜的徵兆す。
克應
百事皆詳克應時,五行墓絕俱預知。假令用神見從魁,便於寅丑日為期。用神絕處、見墓,人來,信至也。
凡事都要詳審應驗的時刻、五行的墓地與絶地可以預先算出す。例如用神是從魁(酉)、酉的絶地在寅・墓地在丑、就以寅日・丑日作為應期す。用神走到絶處・進入墓地的那一天、人就到了、信也來了す。
行人
若問來人在與亡,行人年上在何方。不繫三傳日辰藏,魁罡臨處可消詳。年臨年處為所在之方。若不知生死,以行年臨孟為在,仲病,季死。不知行年,以天罡加陽孟不安,加陰孟小病,加陽仲不死,加陰仲死,加陽季不死,加陰季死。
若要問外出的人是生是死、就看他的行年落在哪一方、這與三伝・日干日支所藏的信息無關、只須看河魁(戌)・天罡(辰)臨在何處、便可推詳す。行年所臨的那一位、就是他所在的方位す。如果不知道他的生死、就以行年臨于四孟(寅申巳亥)斷為平安尚在、臨四仲(子午卯酉)斷為有病、臨四季(辰戌丑未)斷為已死す。如果連行年也不知道、就用天罡(辰)來斷:加在陽孟上主不安、加在陰孟上主小病、加在陽仲上不死、加在陰仲上主死、加在陽季上不死、加在陰季上主死す。
病符常來歲後居,支上逢之宅不虞。若臨年上咎難除,蛇虎尤凶法不虛。若剋日辰凶轉乖,吉來舊歲事和諧。若逢喪吊兩凶神,日辰年上用為迍。白虎更兼死氣病,歲內頻頻見哭聲。歲前二神為喪門,歲後二辰為弔客。臨日辰、年上主災,更與死氣、死神、白虎並者,主死亡。
病符總是居于太歲之後一位、它落在日支上、家宅就不得安寧す。若臨在行年之上、災咎難以解除、再加螣蛇・白虎便格外凶、這條斷法不虚す。病符若克日干日支、凶上轉乖す。若有吉神來臨、舊年的事情反能和諧す。至于喪門・吊客這兩個凶神、落在日干日支或行年上而發用、主困頓す。白虎再兼帶死氣、主疾病、一年之內屢屢傳出哭聲す。太歲往前數第二位是喪門、往後數第二位是吊客。它們臨于日干日支或行年上主災、若再與死氣・死神・白虎並在一起、就主死亡す。
弔客初傳白虎鄉,日辰逢之骨肉傷。若在外傳主外喪,復尋年命細推詳。喪、吊乘白虎為用,或在日辰上,主有骨肉死亡兆。若在中末傳見之,主外喪之兆。年命逢之亦然。病符臨命為用初,玄胎並處亦同途。事之未定病未除,重疊阻難後方蘇。病符與玄胎病,主先難後蘇也。巳加申,亥加寅。
吊客作初伝而落在白虎所居之處、日干日支再逢上它、骨肉至親就要受傷す。若它出現在外面的中末伝、主外姓親屬的喪事、還要回頭對着行年本命細細推詳す。喪門・吊客乘白虎發用、或者落在日干日支上、主有骨肉死亡的徵兆す。若在中伝・末伝見到、主外喪之兆、行年本命上遇到也一樣す。病符臨于本命而作初伝、或與玄胎同處、情形也相同す:事情懸而未決、病也不見好、要經歷重重阻難之後才能甦醒復元す。病符與玄胎所主的病、都是先難後愈、像巳加申・亥加寅就是這種格局す。
空亡
空亡用起喜無成,憂災雖有不為迍。託人虛詐不實情,要遂當在別旬中。空亡發用,憂喜俱不成。久病凶,新病安。干求謀事,過旬方成。天地上下作空亡,財物占來最可傷。問事不實憂得散,罪可消除病可康。空亡剋日事百端,走失人物有欺瞞。安閒守分免禍殘,幹事求財難又難。
以空亡發用、喜事辦不成す。憂患災禍雖然存在、卻也不至于造成困厄す。托人辦事多半虚假不實、要想遂願、得等到下一旬す。空亡發用、憂與喜都落空す:久病遇之凶、新病遇之反而平安す。干求謀事、要過了這一旬才能成す。若天盤地盤上下都落空亡、占財物最為可傷す。但問事雖不真實、憂愁卻能消散、罪責可以免除、疾病可以康復す。空亡若來克日干、事情就百端叢生す:人和物走失、其中還夾着欺瞞す。此時安分守己可以免去禍患殘害、若要辦事求財、那就難上加難す。
六壬大全卷三終
六壬大全卷四
括囊賦
一氣初判,二儀肇彰。設四時以成象,布六壬以配方。吉凶本末之端,生於好惡;禍福推移之始,造用柔剛。此明加臨生克之端,相生之道,剛柔之意吉凶。
混沌の一氣が剛がんて剖分し、天地兩儀が始めて顯明せんとす。ここに於て四時を設立して物象を構成し、六壬を布列して方位に配合す。吉凶の來龍去脈は、事物之間の相好與相惡より生じ、禍福の推移變化は、柔與剛の取用より起こる。這幾句は加臨與生克の開端を說明し、相生の道および剛柔取用の決定する吉凶を講ず。
原夫黃帝遭孽於蚩尤,玄女降靈於風后。以月將加於正時,用五行論其克賊。加臨地局內外,別於陰陽。地局法,用起干為陽為內,起支為陰為外也。運轉天盤逆順,分為南北。亥至辰順,巳至戌逆。所用稽疑,來方為準。看來方上神合於日辰也。
本源を追溯す:當年黃帝が蚩尤に害せられ、九天玄女が風后に降靈して、才て這套術數を傳下せり。其の用法は、月將を正時の上に加えて天盤を排出し、再用五行生克を以て誰克誰・誰賊害誰を論ず。加臨の後要して地盤の内外を分かち、以て陰陽を區別す:地盤の起法は、日干より起こるを陽・內と為し、日支より起こるを陰・外と為す。天盤の運轉には逆有り順有り、此に據りて南北を分出す:亥より辰に至るは順行、巳より戌に至るは逆行なり。凡そ之を用いて疑難を稽考するは、皆來人の自ら來る方位を以て準と為し、那個方位の上神與日干日支が相合するか否かを看る。
先立課體得何象,次觀神將之是推。貴人小吉,傳中皆云其吉;太乙螣蛇,始末咸謂乎危。如是則推索幽微之吉,惟詳探深淺之辭。害挾太常,動止則尊親有訝;徳乘朱雀,謀謨而官吏無虧。朱雀乘德神為用,與貴人合,投書必來,聽望信必來至也。
課を起こした後、先要して這一課が哪種課體に属し・什麼象を成すかを斷定し、其次再び十二天將が如何に推斷すべきかを看る。貴人與小吉(未)が三伝裏に出現すれば、皆吉を主る。太乙(巳)與螣蛇が初伝末伝に出現すれば、皆危を主る。這個路子に照らして幽微の吉兆を推尋すれば、只須斷辭の深淺輕重を細辨すべし。若し害神が太常を挾みて、一擧一動皆尊長親人を驚かしめん。若し德神が朱雀を乘じて、謀劃籌措すれば官吏を虧負せざらん。朱雀が德神を乘じて發用し、又た貴人與相合せば、投遞の書信必定送到し、等候の音信も亦た必定傳來せん。
復有勾陳帶劍,白虎持喪。勾陳乘金神剋日干,大凶;白虎乘喪門殺剋日,亦凶。青龍被克兮財寡,六合負喜兮婚良。青龍乘金神內戰,又值空亡,無財;六合乘天喜,與日相生,占婚吉矣。
又た勾陳の刀劍を帶び・白虎の喪事を捧ぐる這兩種凶象有り:勾陳が金神を乘じて日干を克すれば、大凶なり。白虎が喪門煞を乘じて日干を克すれば、亦た凶なり。青龍が克せられれば、錢財就中稀少す。六合が天喜を背負えば、婚事就中美滿す。青龍が金神を乘じて而も日與相克交戰し、又た恰に空亡に逢えば、無財を主る。六合が天喜を乘じて而も日干與相生すれば、婚姻を占うて就中吉利なり。
武作浴盆,抱病魂歸逝水;空持傳送,望信僕造迴廊。太陰巳午兮被辱,天后辰戌兮孕妨。月厭六丁,往往家招怪異;逰神本命,頻頻夢主驚惶。
玄武が沐浴の盆に化作すれば、病人の魂魄就中流水に隨いて去らん。天空が傳送(申)を把持すれば、盼望の書信只だ落得僕人が回廊裏に空しく跑る一回なり。太陰が巳・午の位に落つれば、人に侮辱を受くるを主る。天后が辰・戌の位に落つれば、胎孕の損を受くるを主る。月厭與六丁相會すれば、家中往往怪異を招來す。游神が本命の上に落つれば、人便ち頻頻夢を做り・驚惶不安せん。
首視火鬼,次審金殺;宅中防火,事主破碎。直符、飛廉、天目、火光、天怪、天鬼、逰魂、月宿,號為八妖,宅必見孽。
先看火に属する官鬼、再審金に属する凶煞:前者は宅中に火を防ぐべきを主り、後者は事情破碎不全を主る。直符・飛廉・天目・火光・天怪・天鬼・游魂・月宿這八個凶神は、合稱「八妖」とし、它らが一出現すれば、家宅必定妖孽を生出せん。
貴人刑處,辰加孟而成妖;華蓋到宮,知是歲而起復。月將加時,子落寅申卯酉,是四足為怪。加巳午廚灶為怪,加辰戌是產鬼,加未井怪,加丑主傷牛馬,加子鼠怪,加亥宅神。時有休囚死衰,兄弟妻兒。旺相比則人是,休囚氣則物為。
貴人が刑を受くる處に落ち、辰又た四孟の上に加われば、就中妖異を生出せん。華蓋が宮に到れば、可知是れ這一年舊事重起なり。月將を以て占時に加え天盤を排出した後:子若し寅・申・卯・酉の上に落つれば、作怪する是れ四足の牲畜。巳・午に落つれば、怪は厨房竈臺に在り。辰・戌に落つれば、是れ產亡の鬼。未に落つれば、是れ水井の作怪。丑に落つれば、牛馬を主る。
干稟長上,支雲賤卑。支克干而尊禍,干制支而幼疲。上下相生,居處而內和外睦;將神遇合,訪尋而主喜客怡。莫不課象淵源,在乎天乙傳歸。前理皆眀顯遞,於後情多塞窒。用在天乙後,傳歸天乙前,先昧而後顯;用在天乙前,傳歸天乙後,主先明而後暗。又看逆順也。貴臨魁罡,論公而易換有司;復詣從沖,謁貴而動搖他室。
日干は尊長を代表し、日支は卑賤を代表す。日支が日干を克すれば、尊長に禍有り。日干が日支を制すれば、幼小疲弱す。上下彼此相生すれば、居家便ち內和外睦す。天將與地神相遇して合を成せば、去りて人を訪求すれば則ち主客皆歡喜せん。凡そ此種種の課象の根源は、皆天乙貴人與三伝の歸向に在り:三伝が行きて貴人の前に到るは、道理逐漸明朗す。行きて貴人の後に到れば、情勢就中多く壅塞せん。具體的説:發用が天乙の後に在りて三伝が天乙の前に歸れば、是先暗昧して後顯明なり。發用が天乙の前に在りて三伝が天乙の後に歸せば、則ち先明朗して後暗昧なり。同時に還た三伝是順行還是逆行を看るべし。貴人が河魁(戌)・天罡(辰)に臨めば、公事を議論する時主管衙門容易に人を換えん。貴人又た從魁(酉)・太沖(卯)の位に到れば、去りて貴人を謁見せんとせど、對方卻已別室に遷往せり。
式體既定,來情多猜。任信多知動靜,返吟況是往來。元首尊神,所作仰為領袖;空亡陰鬼,加謀轉託梯媒。龍戰不離於門戶,玄胎欲卜於嬰孩。不備無淫,必有陰私而起譖;拔茅連茹,何妨類聚以求財。
課式一旦排定せば、來人の心意就可以推測す。任信課は多半對方の動靜を知り、返吟課更是れ主人來我往を主る。元首課は尊神の事を主る有りて、辦する所の事は有力の領袖を仰仗す。若し空亡與陰鬼に逢えば、謀劃就得轉而人に托して中介引薦を做らしむべし。龍戰課は門戸の事を離れず、玄胎課が要占するは多是れ嬰孩なり。不備課與無淫課は、必有陰私して讒言を生出せん。拔茅連茹の象は、不妨同類を聚集して財を求め去れ。
天獄囚禁,三交暗災。昴星歸去而防險剛日出災,柔日歸忌,逰子商賈而未回。斬闗逃竄擬速疾,乘軒寵招非徘徊。三奇六儀交重,連綿喜矣;四殺五墓相沖,不久哀哉。
天獄の神は囚禁を主り、三交課は暗中の災禍を主る。昴星課は歸去を主り、須く危險を防ぐべし:陽日占は出行に災あるを主り、陰日占は歸家に忌あるを主る。游子課則ち經商在外の人還沒回來を主る。斬關課は逃亡竄走を主り、行動要快すべし。乘軒課は受寵得薦を主り、不必徘徊觀望せん。三奇與六儀重疊交會せば、喜事連綿不斷す。四殺與五墓彼此相沖すれば、不久就要悲哀せん。
爰及見機、察微、贅婿、亂首,見機取舍宜變通,察微暴進逢殃咎。日臨辰位,招兩姓以同居;支就干宮,寄一身而匹偶。必見災生九丑,禍起二煩。得絶嗣兮妨父母,見無祿兮少子孫。奄奄枕蓆難痊,奈逢魄化;恍惚精神不定,必值飛魂。
再び説到見機・察微・贅婿・亂首這幾種課:見機課の取捨應當靈活變通し、察微課若し冒進すれば就要遭殃せん。日干が日支の位に臨到すれば、會招來兩姓同住一家せん。日支が日干の宮に跑り到れば、則ち是把自身寄托於人而結成配偶なり。此時必然九丑の災を生じ・二煩の禍を起こすを見ん。絶嗣の神を得れば、父母を妨害す。無祿の神を見れば、子孫稀少す。病人奄奄として床席に躺りて難以痊愈する是、那遇上了喪魄なり。精神恍惚不定するは、必定是碰上了飛魂なり。
其有曲直、炎上、潤下、從革,遇吉將而朋從,見凶殺而支折;或主公訟,或遭難厄,內出外而己求,陽入陰而彼索。用神得墓,長生末以無憂;吉將入傳,帝旺終而有獲。
曲直・炎上・潤下・從革這幾種三合課體に至りては:吉將に遇えば則ち同類相從・朋友相助し、凶煞に遇えば則ち枝幹折損す。或者公家訴訟を主り、或者災難困厄に遭遇せん。內課より出でて外課に到るは、是自己去求人なり。陽課より入りて陰課に到るは、是別人來索取なり。用神虽然入墓とも、只だ末伝が長生の地に落つれば、就不必憂慮す。吉將が三伝に進入し、末伝又た帝旺に逢えば、最終必有收穫せん。
及乎彈射日克、蒿矢辰凌,望行人至有矣,想求事成罕曽。望行人至求事不成。貴人順治徳扶,忠臣孝子;天乙逆行殺動,便佞交朋。
彈射課是れ日干が去りて遠處の神を克し、蒿矢課是れ遠處の神が日干日支を欺凌す。這兩種課が人を占い等すれば、人是會來なり。可要説求事能成なれば、那就很少見せり——總之行人の到る能くを盼し、求事卻って辦不成せん。貴人順行して而も德神の扶助有れば、交往する所皆是れ忠臣孝子なり。天乙逆行して凶煞發動せば、結交する便ち盡く是れ巧言諂媚の徒なり。
況夫課例極繁,究推奚盡?茍貴殺而可慿,乃神將之在神。時逢土旺,乘天后而失衣;氣涉水休,帶土神而傷腎。玄武乘午兮職轉,白虎申酉兮訟爭。罡作太陰,奴婢乃非淳樸;申為朱雀,陰書必起途程。
何況課例極其繁多、哪里推究得完ならん。如果説貴神與凶煞可以憑信なれば、那也要看它們各自所乘の神を。占時正當土旺の季而乘天后せば、丟失衣物を主る。氣數已到水休之時而又帶土神せば、傷及腎臟を主る。玄武乘午は、職務調動を主る。白虎落在申・酉は、訴訟爭執を主る。天罡(辰)乘太陰せば、奴婢就不老實す。申上乘朱雀せば、暗中の書信必定已在途中なり。
螣蛇巳午而怪夢,六合寅卯而親情。水遇雀蛇,多橫死於非命;木逢勾虎,必棟折於三刑。陰作大吉兮僧願,戍為白虎兮犬驚。勾陳卯寅兮論訟,寡宿子午兮孤惸。
螣蛇落在巳・午は、怪夢を做るを主る。六合落在寅・卯は、親情和睦を主る。水に属する神が朱雀・螣蛇に遇上せば、多有橫死非命の事せん。木に属する神が勾陳・白虎に遇上せば、必ず三刑に因りて棟梁摧折せん。太陰乘「大吉」(十二月將中丑の別名)は、僧道許願の事を主る。戌上乘白虎は、犬類驚擾を主る。勾陳落在卯・寅は、爭訟を主る。寡宿落在子・午は、孤獨無依を主る。
龍帶勝光,壬癸日妻懷姙孕;常攜小吉,申酉辰首飾簮纓。丑到戌兮足疾,寅加巳兮灶更。土克水兮潺潺,金伐木兮丁丁。
青龍帶着勝光(午)、壬日癸日占は妻子懷孕を主る。太常帶着小吉(未)、申・酉・辰上は首飾簪纓の物を得るを主る。丑加到戌上は、脚上有病を主る。寅加到巳上は、竈臺を改換せんと要すを主る。土來克水せば、水便ち潺潺不暢す。金來伐木せば、斧聲丁丁作響せん。
相生相剋之元,視於衰旺;有吉有凶之本,分爾輕重。善惡有期,進退相慶。占宅兮忌克人,問疾兮怕入墓。論公訟兮惡獄留,遷官爵兮湏印綬。闗遐門遠,占行客而未來;陽少陰多,產男兒應不悞。奪標望薦,卷策須合乎主文;越省登科,傳末須逢於帝坐。
相生相克の根本は、要看五行の衰旺を。有吉有凶の分際は、要分它的輕重を。善惡各有應期、進退都值得慶幸す。宅を占うて最忌上神克人、病を問うて最怕用神入墓す。公家官司を論じて、最惡落入牢獄滞留す。升官爵を求めて、必須見到印綬の神せん。關隘遙遠・門戸阻隔せば、外出の客を占うて主還不會回來す。陽神少而陰神多なれば、斷生男孩不會錯す。想奪魁得人擧薦せば、考卷文章須與主考相合すべし。要越級登科せば、末伝必須落在帝坐之上すべし。
噫!術之至幽也,莫深乎課;道之至遠也,只在乎心。心既逹於玄妙,課亦通乎古今。無常德兮不為卜,有正已者乃可為。占欲求夫感應,志其在乎精嚴。
唉!術數当中最幽深の、沒有比六壬課更深的なり。而道理最深遠の、其實只在人心なり。心一旦通達玄妙せば、課自然貫通古今す。沒有恒常德行的人、不必給他占卜す。只有能端正自己的人、才可以學這門術す。要想占卜有感應せば、關鍵就在於精誠嚴謹す。
雲霄賦
論人生五行之禍福,詳課體克戰之興衰。相生則喜,克戰為危。月將與地分分其高下,人元與貴神定其尊卑。臣犯於君,已欲侵人;君陵臣下,人來害己。人元克六陽之神,陽男有禍;天干戰六陰之將,陰母逢凶。
這篇賦所論の、是れ人一生中五行所主の禍福、所詳辨の、是れ課體相克交戰して顯出の興衰:相生就可喜、克戰就危險なり。月將與地盤之分相配して、定出高下す。人元(地盤遁出の天干)與貴神相配して、定出尊卑す。臣下冒犯君上は、是自己想去侵害別人なり。君上欺凌臣下は、是別人前來害自己なり。人元去克六陽之神せば、家中男子有禍す。天干與六陰之將交戰せば、家中女性長輩遇凶す。
泉沉蛇馬,定生眼目之災。壬癸為龍泉,巳午為蛇馬,亥子加巳午上,故有眼目之災。虎負岡嵎,必主羸瘦之症。甲乙木克辰戌土。紅馬登途,行商外病。丙午火克庚申金。赤蛇入戶,閨婦內災。丁巳火克辛酉金,主闇昧之災。
泉水淹沒了蛇與馬、必定生出眼目の疾——壬癸是龍泉之水、巳午是蛇與馬、亥子加在巳午之上、水撲滅了火、所以有眼病なり。老虎背靠着山岡、必主消瘦之症——這是甲乙之木克辰戌之土なり。紅馬登上路途、行商在外生病——這是丙午之火克庚申之金なり。赤蛇進入門戸、內室婦人有災——這是丁巳之火克辛酉之金、主曖昧不明之災なり。
西女來東戶,狂病傷蠶。辛酉金克乙卯木,蠶不收也,主風癱之狂病。白道映緑林,老翁損賭。庚辛金克寅卯木,寅為山林,申為道路,損害老翁者,神樹寅木也。東方賊子,園中盜粟偷孳。卯加丑,丑乃金庫,又為粟園。未地勤兒,店內搬食弄酒。未地井宿,乃酒食之神,小吉酒店也。
西方の女子來到東邊門戸、主發狂之病並傷及蠶事——這是辛酉之金克乙卯之木、蠶收不成、還主中風癱瘓一類の狂病なり。白色の道路映照着綠色の林木、老翁受損——這是庚辛之金克寅卯之木、寅為山林、申為道路、被損害的老翁、指的就是寅位の神樹之木なり。東方來的盗賊、在園中偷穀偷苗——這是卯加在丑上、丑是金庫、又是粟米之園なり。未地上的勤快小伙、在店裏搬飯弄酒——未地屬井宿、是酒食之神、小吉(未)正是酒店なり。
產癆病患,因井宿入天門;鬼蠱氣殘,為土星填北海。辰戌土克亥子水也。土牛逢江豬,賊人自敗。丑屬牛,亥屬豬,乃丑入亥也。火宿遇波濤,陰婦井溺。丁巳火入亥子水也。
患上產後癆病、是因為井宿(未)進了天門(亥)。被鬼蠱之氣殘害、是因為土星塡塞了北海——這是辰戌之土克亥子之水なり。土牛遇上了江豬、賊人自己敗露——丑屬牛・亥屬豬、就是丑加入亥なり。火宿遇上了波濤、婦人落井溺水——這是丁巳之火落入亥子之水なり。
南方赤烏,丙午火怕逢壬子水也,怕北海之浮波;東地青龍,畏西方之惡吼。青龍畏白虎也,甲寅木見申金也。龍虎交加,老來傷害;邱墳倚疊,衰後獨孤。辰戌重加是也。
南方の赤烏——丙午之火最怕遇上壬子之水——所以怕北海翻湧の波濤。東方之地の青龍、害怕西方猛虎の怒吼、這是青龍畏白虎、也就是甲寅之木遇上申金なり。龍虎交相加臨、年老時要受傷害す。丘墳層層疊壓、衰敗之後孤身一人——這就是辰與戌重重相加の情形なり。
天冢為僧道,犯陰后必主姦淫。辰戌為天冢、寺觀,若六合、天后、太陰臨,或值天空,姦淫之兆。又卯酉為門戶之神也。金井飲牛羊,牧墳岡定然鰥寡。丑未辰戌相加,丑未為牛羊,辰戌為墳岡,金井乃未也。犯之主二姓三名,男鰥女寡。
天塚之位主僧人道士、若沖犯太陰・天后、必主奸淫之事——辰・戌是天塚、也代表寺廟道觀、若六合・天后・太陰臨于其上、或者恰逢天空、就是奸淫の徵兆。此外卯・酉是門戸の神なり。在金井旁飲着牛羊、在墳岡上放牧、必定鰥寡孤獨——這是丑未辰戌互相加臨:丑未是牛羊、辰戌是墳岡、金井就是未なり。犯了這一格、主一家兩姓三名、男的鰥居、女的守寡なり。
青龍入戶,接腳老翁為夫。寅入卯主接腳伕也。神樹臨池,應得陰人財寳。寅入亥,男得陰人財物也。負水澆林木,徒養他人;揚波溢苑中,終傷自己。子水至卯為死,又子卯相刑,水浮泛溢故也。
青龍進了門戸、會有續絃の老漢來當丈夫——寅加入卯、主女子再嫁・招個接脚夫なり。神樹臨于池水之上、應當能得女子の財寶——寅加入亥、主男子得到女人の財物なり。背着水去澆灌林木、白白替別人養家す。波濤湧溢到苑囿之中、最終傷了自己——因為子水到卯是死地、子卯又互相刑克、水氾濫漫溢的缘故なり。
天門木戶,相見兩和。指卯亥也。醴酒玄漿,相調兩便。未為酒,亥為水,未亥和合富貴昌盛。內室專權,有僊女跨雲之象。巳到寅也。行商得利,逢坤門灑酒之徵。未為酒神,加坤方主利祿非常。
天門與木戸相見、兩下和順——指的是卯與亥なり。甜酒與淸水相調、兩邊都便利——未為酒・亥為水、未亥和合、主富貴昌盛なり。內室之人獨攬大權、有仙女跨雲之象——這是巳加到寅上なり。行商能夠獲利、是遇上了坤門灑酒の徵兆——未是酒神、加在坤方(未申之位)、主利祿非常豐厚なり。
木象化天門,經營自變。未土克亥水,亥旺得卯三合成木象,是化於天門也。白虎嫌黒水,禍患相仍。申虎到亥水之鄉,是金體衰,必有禍患。
木象化入天門、經營的行當自然要改變——未土本來克亥水、但亥若當旺又得卯來三合成木局、就是在天門(亥)上化成了木象なり。白虎嫌惡黑水、禍患接連不斷——申所代表的虎跑到亥這個水鄉、金氣泄盡而體衰、必定有禍患なり。
當途決水,享耄頤之遐齡。申為道路,水至申旺,金水相生而有眉壽。生地安墳,樂綿瓞之旺續。辰戌為墳,加申取生意也。陰人疤面,赤蛇走入金門。巳加酉,丁加辛。美女失音,白雉飛來巽戶。酉加巳午克之,主有此兆。
在道路上開渠決水、能享高壽長年——申是道路、水到申而長生得旺、金水相生、所以有眉壽なり。在長生之地安葬墳墓、可喜子孫綿延不絶——辰・戌是墳墓、加在申上、取的正是長生之意なり。女子臉上留下疤痕、是赤蛇走進了金門——就是巳加在酉上・丁加在辛上なり。美貌女子失了嗓音、是白雉飛進了巽戸——酉加在巳・午之上被火所克、就有這種徵兆なり。
玉女游斗宿之宮,陰權大富。酉與丑三合丑為巳午克之,主有此兆。牽牛至金門之路,血畜尫羸。丑至酉而無氣。仙女遊園,樂生產充盈之兆。巳火又女宮,至丑乃囚火生土,而財帛充盈。土牛奔火,恐虧負闇昧無言。丑土入巳,丑為巳火之炔,未為木墓,必傷身也。
玉女游到斗宿之宮、女子掌權而大富——酉與丑三合、主有這種徵兆なり。牽着牛走到金門之路、牲畜帶血而瘦弱——丑到酉便失去生氣なり。仙女游園、可喜生產豐盈——巳屬火又是女宮、到丑便是火囚而生土、因此財帛充盈す。土牛奔向火中、恐怕要吃虧受屈・暗昧難言——丑土加入巳火、丑成了巳火の燃料、未又是木の墓庫、必定傷身なり。
土多乏嗣續,主孤獨也;水盛好荒淫,水氾濫也。木眾枝繁,金多體折。火氣炎炎,火多性躁。水形汩汩,性主必柔。五行大忌結胎逢刑,四位切防無權交戰。
土氣太多、子嗣稀少、主孤獨す。水氣太盛、好行荒淫、是水氾濫之象なり。木多則枝葉繁茂、金多則身體折損す。火氣炎炎、火多的人性情急躁す。水形汩汩、水多的人性情必定柔順す。五行最忌結胎之時逢刑、四位之上尤其要防沒有權勢卻妄自交戰す。
金臨丑地,木人遇肢體不全。水旺若木人遇之,主傷筋損骨,肢體不全。水至申宮,本命值飄泊無定。水旺若木人遇之,男主為盜,女主娼淫。
金臨于丑地、屬木的人遇上便肢體不全——水旺之時屬木的人遇到它、主傷筋損骨・身體殘缺なり。水到了申宮、本命遇上就漂泊無定——同樣是水旺而木命之人遇之、男的容易淪為盗賊、女的容易墮入娼門なり。
火熾傷金,邊塞奔馳之子;卯榮破丑,田園耗散之人。獨木遇三金劍刃,嚴防有鬼禍;一金遇二火鑠銷,切備值天災。
火勢熾烈而傷金、是奔馳在邊塞的人なり。卯木茂盛而破丑土、是田園耗散的人なり。孤單一木遇上三重金の刀劍鋒刃、要嚴防鬼祟之禍す。一點金遇上兩重火の熔煉銷鑠、務必防備天降之災す。
孤土入敗絕之鄉,見木多傳尸久患;弱水臨休囚之地,逢坤常嘔血之憂。五行最要相生,四位偏嫌殺戰。果爾留心留意,自然無惑無差。
孤單的土進入敗絶之鄕、若再見木多、就有傳尸癆這類久治不愈的病す。衰弱的水臨于休囚之地、若再逢坤土來克、常有嘔血之憂す。五行最要緊的是彼此相生、四位之上最討厭凶煞交戰す。果真能這樣留心在意、自然不會迷惑、也不會有差錯す。
三才賦
金口玄妙,入式幽微。能決有疑之事,先知未見之情。指方定位,神將成課體之機;驗煞推元,吉凶妙鬼神之用。干神將位,當立貴賤尊卑;四象三才,須分高低上下。
金口訣玄妙無比、入了式盤更覺幽深精微:它能判決可疑之事、預先知道尚未顯露的情形す。指定方位・確立位次、天將與地神便構成課體の機樞す。驗看凶煞・推求本元、吉凶就妙合鬼神的作用す。日干・地神・天將・地分這幾個位次、要據以分立貴賤尊卑す。四象與三才、也須分出高低上下す。
干克神而剝官,人謀害已;神克干而進職,已欲侵人。將克神不求才當言身病,神克將非捕盜必主妻傷。位克干而神克位,病疾官災;位生神而將生干,求財喜慶。
日干去克地神、主削官剝職、是別人圖謀害我なり。地神來克日干、反主升職、是我想去侵犯別人なり。天將克地神、若不是求財之事、就該斷身上有病す。地神克天將、不是捕捉盗賊、必定主妻子受傷す。地分克日干而地神又克地分、主疾病與官災す。地分生地神而天將又生日干、則主求財與喜慶す。
將克干方,損妻妾而牛失馬倒;干克神位,防盜賊而財散人離。位生干兮,印綬遷而子孫弱;干生位兮,嗣續旺而名位卑。本音全見,妻兒難保長年;妻旺官衰,父母恐防不壽。
天將來克日干所在之方、主損傷妻妾、牛走失・馬倒斃す。日干去克地神之位、要防盗賊、主財散人離す。地分生日干、主得印綬升遷、但子孫衰弱す。日干生地分、主子嗣興旺、而自己的名位卑下す。本命納音之氣全然顯現、妻子兒女難保長命す。妻財旺而官星衰、父母恐怕不能長壽す。
金純而道途分異,木全而官事纒身。水多敗散,主痔病兒童;火盛驚憂,應傷殘婦女。純土乃丑婦當權,孤立則尊人不利。
純是金氣、主道路分歧・彼此離異す。木氣齊全、主官司纏身す。水氣太多主敗散、應在小兒的痔瘡一類病症上す。火氣太盛主驚憂、應在婦女的傷殘上す。純是土氣、則家中相貌醜陋的婦人當權す。土若孤立無援、就對尊長不利す。
土入木鄉,爭訟田宅之兆;火加水上,生育產難之驚。水入土鄉,瘡災牢獄;火臨金地,勞患纒縈。金加火上主銷鎔,木到水中為飄蕩。水臨火地,寒熟往來;木入金宮,口舌爭辨。水加土上,爭競田疇;土入水中,多生腎病。
土進入木的地界、是為田產房宅爭訟的徵兆す。火加在水的上面、主生育時難產受驚す。水進入土的地界、主瘡瘍之災與牢獄之厄す。火臨于金的地界、主勞損病患纏繞不去す。金加在火上、主被熔化銷毀す。木漂到水中、主漂泊無定す。水臨火地、主寒熱往來的病症す。木入金宮、主口舌爭辯す。水加在土上、主爭奪田地す。土陷入水中、多生腎病す。
欲盡吉凶,再推神將。大抵功曹主文書木器,傳送為信息行程。太沖盜賊及車船,從魁金銀與奴婢。辰為鬬訟兼主犯喪,戍乃奸欺或稱印綬。登明徵召,太乙非災。勝光鬼怪連綿,神后姦淫牽惹。未為衣服筵席,丑為田園苑圃。
要把吉凶推究窮盡、還得再看十二神將す。大體上説:功曹(寅)主文書與木製器物、傳送(申)主消息與行程す。太沖(卯)主盗賊以及車船、從魁(酉)主金銀與奴婢す。辰(天罡)主鬥毆訴訟、兼主沖犯喪事す。戌(河魁)主奸詐欺騙、有時也稱作印綬す。登明(亥)主徵召、太乙(巳)主意外之災す。勝光(午)主鬼怪連綿不斷、「神后」(十二月將中子の別名)主奸淫糾纏す。未主衣服與筵席、丑主田園與苑囿す。
大吉小吉為勾陳,爭訟田宅;河魁從魁化六合,逃亡奴婢。寅辰若遇勾陳,官刑禁繫;亥寅如逢白虎,疾病驚憂。子卯與玄武同傳,當逢賊盜;巳亥逢驛馬並駕,在路奔騰。
大吉(丑)・小吉(未)若乘勾陳、主為田地房宅爭訟す。河魁(戌)・從魁(酉)若化為六合、主奴婢逃亡す。寅・辰若遇勾陳、主官府刑罰拘禁す。亥・寅若逢白虎、主疾病驚憂す。子・卯與玄武同在三伝、必定遇上盗賊す。巳・亥再逢驛馬並駕齊驅、主人在路上奔波す。
丑未之臨朱雀,口舌呪咀之非;未酉之加隔角,丑寅、辰巳、戌亥、未申入之者也,夫婦休離之患。魁罡臨處,多生詞訟;申午並交,常有狐疑。
丑・未若臨朱雀、主口舌是非與咒罵す。未・酉若加臨隔角——所謂隔角、就是丑與寅・辰與巳・戌與亥・未與申這幾對相鄰之位——則有夫妻分離的禍患す。河魁・天罡所臨之處、多生詞訟す。申與午交並、人心常懷狐疑す。
原夫天乙所占官宦,遇克必定官嗔;螣蛇為卜驚憂,逢刑決然火怪。朱雀文書口舌,六合喜慶婚姻。勾陳主鬬訟勾連,青龍應婚姻財寳。天后奸心闇昧,太陰隠晦陰私。
再説十二天將:天乙貴人所占的是官宦之事、若遇克必定招來官長的責怒す。螣蛇所占的是驚嚇憂愁、若逢刑必定有火災怪異す。朱雀主文書與口舌、六合主喜慶與婚姻す。勾陳主爭鬥訴訟與牽連、青龍應在婚姻與財寶上す。天后主奸邪之心與曖昧之事、太陰主隱晦不明的陰私す。
玄武防盜賊之侵凌,太常有酒食之筵會。白虎主死喪之道路,天空主欺詐之逃亡。將神更忌刑沖,干位仍防帶煞。將帶神兮神帶將,於中玄妙;干被刑兮位被煞,就裡幽微。天上神將,有加臨幽顯之微;地下支元,有隠伏不明之意。
玄武要防盗賊侵凌、太常主有酒食筵席之會す。白虎主死喪與道路、天空主欺詐與逃亡す。天將與地神最忌相刑相沖、日干所在之位仍要防它帶着凶煞す。天將帶着地神・地神帶着天將、其中自有玄妙す。日干被刑・地分被煞、裏頭自有幽微す。天盤上的神將、加臨之際有或幽或顯的細微差別す。地盤下的地支與遁干、則含着隱伏不明的意思す。
是故太歲受克,尊人有不測之災;月建遭刑,兄長有沈溺之禍。凶神同居白虎,哭泣臨門;喪吊相併鬼鄉,哀慼動地。月建號曰青龍,遇吉將資財進益;月破名為白虎,逢凶神疾病崩催。
所以太歲受克、尊長有意想不到的災禍す。月建遭刑、兄長有沉溺水中一類的禍事す。凶神與白虎同處一位、哭聲就臨到門前す。喪門吊客並臨于官鬼之鄕、哀傷悲戚驚天動地す。月建又稱青龍、遇吉將主資財增益す。月破又稱白虎、逢凶神則疾病摧逼す。
枉橫死於滅禍。陽月前三辰為大禍,後三辰為滅門;陰月前二辰為滅門,後三辰為大禍,即平收也。淫亂發於奸私。破耗失畜亡財。歲前五辰為小耗,六辰為大耗,即執破也。青龍添人進口。
冤枉橫死、起于滅門與大禍這兩個凶神——陽月裏月建往前數第三位是大禍、往後數第三位是滅門。陰月裏往前數第二位是滅門、往後數第三位是大禍、也就是建除十二神中的平與收す。淫亂之事、則發于奸私之神す。破耗之神主牲畜走失・錢財亡去——太歲往前數第五位是小耗、第六位是大耗、也就是建除中的執與破す。青龍則主添人進口す。
邱墓喪車並煞,病者必臨孝幃。邱者,春丑、夏辰、秋未、冬戌。墓者,春未、夏戌、秋丑、冬辰。喪車者,春酉、夏子、秋卯、冬午是也。德合解神詔赦,囚人定主脫災。
丘・墓・喪車這幾個凶煞並臨、病人家里必定要掛起孝幃す。丘的位置是春在丑・夏在辰・秋在未・冬在戌す。墓的位置是春在未・夏在戌・秋在丑・冬在辰す。喪車的位置是春在酉・夏在子・秋在卯・冬在午す。反過來、若逢德合・解神與詔赦之神、被囚的人一定能脫去災厄す。
天醫宜占疾病,喪門不免驚憂。逰魂哭煞,非災有準;亡神月厭,禍患難逃。星月為刑為煞,太歲為禍為奇。天馬驛馬入垣,所占迅速;孤虛死氣同傳,謀舉逗遛。
天醫之神宜于占問疾病、喪門則免不了驚恐憂愁す。游魂與哭煞、主意外之災、應驗很準す。亡神與月厭、主禍患難以逃脫す。星與月既可以作刑・也可以作煞、太歲既可以為禍・也可以為奇す。天馬・驛馬進入本垣、所占之事應驗迅速す。孤虚與死氣同入三伝、所謀所擧就會拖延停滯す。
徳合生神臨用,占事有成;煞並天空四課,有像無依。五行衰敗之鄉加臨,人情斷絶;四位生榮之處相逢,事體光輝。將神沐浴之處,所占事為露機。
德合與生神臨于發用之位、占事必能成功す。凶煞與天空一同落在四課、則空有其象而無所依憑す。五行加臨在衰敗之鄕、人情就要斷絶す。四位相逢于生旺榮盛之處、事情便有光彩す。天將與地神落在沐浴之地、所占之事就要泄露機密す。
功曹加畢昴之位,河魁屬氐房之方,重闗用鎖於西方,見金則斬闗不閉。寅卯加酉為闗,上乘金將為斬。設隔致防於東位,見木則毀隔無防闗。辰戌加卯為隔,上乘木將為毀隔。酉加卯上為鎖稱,上再見火破鎖名。申酉加卯為鎖,上乘火將為破鎖。
功曹(寅)加在畢・昴星宿之位、河魁(戌)屬于氐・房星宿之方す。重重關口用鎖鎖住西方、若見金神、關就被斬開而不再關閉——寅・卯加在酉上叫作關、上面乘金將就是斬關す。設下阻隔以防守東方、若見木神、隔就被毀而防不住——辰・戌加在卯上叫作隔、上面乘木將就是毀隔す。酉加在卯上叫作鎖、上面再見火神就叫破鎖——申・酉加在卯上是鎖、上面乘火將就是破鎖す。
武與壬子窺戶,卯酉上為窺戶,當憂盜賊;白虎同傳送臨門,須防疾病。子午卯酉上見。煞神既定,象類更詳。合局則事從眾起,分局則分劈支持。重迭則事多重迭,二三神將同,上下交克,交互則宛轉無依。
玄武與壬・子一同窺伺門戸——卯・酉之上叫作窺戸——就該憂慮盗賊す。白虎與傳送(申)一同臨門、就要防備疾病、這要在子・午・卯・酉之上見到才算す。凶煞既已定下、還要更細緻地推詳象類:結成合局的、事情由衆人一齊發起す。分局的、事情要分頭去支撐す。重疊的、事情就一重接一重——所謂重疊、是兩三個神將相同、上下交互相克す。一旦交互相克、事情就輾轉反復・無所依憑す。
若占脫走逃亡,別課體興衰可見;如占求財見貨,視將位有氣方知。進表投書,詳君臣察其善惡;戰鬬博戲,認主客定其輸贏。賊盜若值孤虛,追之莫捕;死氣加諸墓絶,病者不愈。詳天禽地獸之形,察人間隠伏之狀。明此禍福之原,細究五行之理。
如果占人脫逃走失、從課體的興衰上就能看出來す。如果占求財看貨、要看天將所在之位有沒有生氣才能明白す。進呈奏表・投遞書信、要詳辨君臣關係、察看其中的善惡す。兩軍交戰・賭博遊戲、要認淸誰主誰客、才能定出輸贏す。盗賊若正值孤虚之位、追也追不到す。死氣再加上墓地絶地、病人就好不了す。詳審天上飛禽・地下走獸的形象、體察人間隱伏不露的情狀、明白了禍福的本源、就能細究五行的道理す。
《兵吉百煉金》目錄
十干寄宮歌 貴人歌 十干寄居圖 卦體 發用吉凶 出軍擇日 出軍忌日 出軍擇時 聞驚應敵 宿野安營 行擇吉道 察賊所在 途中察賊 疑賊前居 抽軍避寇 渡關見賊 占賊來否 占賊去否 突圍出處 占今日占否 占定勝否 敵使虛實 劫糧覓水 奸匿 行險 訪密 渡河 斗柄所指 交月將法 目錄終。
《兵吉百煉金》是《六壬大全》裏專講軍事占的一篇、全篇共二十九目、大致按用兵的先後次序編排す。開頭三目「十干寄宮歌」「貴人歌」「十干寄居圖」講的是起課的基本功:十天干各自寄居在哪一地支宮位、天乙貴人依日干落在哪兩支、這是排「四課」(日干・日支各取上下兩重神所成的四組)與「三伝」(由四課推出的初・中・末三個動態環節)的前提す。往下「卦體」講九種課體各自主什麼軍情、「發用吉凶」講初伝所乘的天將預示勝負す。「出軍擇日」「出軍忌日」「出軍擇時」三目管出兵的時日選擇す。自「聞驚應敵」以下轉入戰場實務:宿野安營・行擇吉道・察賊所在・途中察賊・疑賊前居・抽軍避寇・渡關見賊、都是行軍路上的判斷す。占賊來否・占賊去否・突圍出處・占今日占否・占定勝否、是敵情與勝負的推斷す。敵使虚实辨別來使説的是眞話還是假話す。劫糧覓水・奸匿・行險・訪密屬于後勤與諜報す。渡河講水路す。斗柄所指以天罡(辰)所落之位斷出軍吉凶す。末目「交月將法」交代「月將」隨節氣更替的推算法す。以上便是全篇綱目、到此爲止す。
十干寄宮歌
甲課寅兮乙課辰,丙戊課巳不須論。丁己課未庚申上,辛戌壬亥是其真。癸課原來丑宮坐,分明不用四正神。
十天干各自寄居在哪一地支宮位、這首歌訣說得淸楚:甲寄在寅、乙寄在辰。丙與戊同寄在巳、不必再多作分辨す。丁與己同寄在未、庚寄在申す。辛寄在戌、壬寄在亥、這才是眞訣す。癸原來寄坐在丑宮す。十干所寄、全落在四孟(寅・申・巳・亥)與四季(辰・戌・丑・未)之上、子・午・卯・酉這四個正位一概不用、因為四正是天將行度的正位、不作干宮す。起「四課」時、日干上所加的天盤之神就從這寄宮去取、所以這一訣是入門的第一步、學者必須背熟す。
貴人歌
甲戊庚牛羊丑未,乙己鼠猴鄉子申,丙丁豬雞位亥酉,壬癸蛇兔藏巳卯,六壬逢馬虎午寅,貴人得此方。
「天乙貴人」是十二天將之首、最為尊貴吉利、它落在哪一支、要看當日的日干す。甲・戊・庚三干的貴人在牛與羊、也就是丑與未す。乙・己兩干的貴人在鼠與猴、也就是子與申す。丙・丁兩干的貴人在豬與鷄、也就是亥與酉す。壬・癸兩干的貴人在蛇與兔、也就是巳與卯す。辛干的貴人在馬與虎、也就是午與寅(歌中作「六壬」、通行本作「六辛」、當從「六辛」為是)。貴人的方位就照這個口訣取定す。同一干下的兩支、一為陽貴一為陰貴、白天占用陽貴、夜間占用陰貴す。貴人一經定下、其餘十一位天將便依順行或逆行的次序依次排布開來、全課的吉凶格局也就有了骨架す。
十干寄居圖
丙戊 丁己 巳 午 未 申 庚 乙 辰 酉 卯 戌 辛 寅 丑 子 亥 甲 癸 壬
這是把上面那首「十干寄宮歌」畫成的方位圖、外圈按地支的固定次序擺成一個方框、十天干分別寫在自己所寄的地支旁邊す。看圖的方法是:上邊一排自左至右是巳・午・未・申、巳上標丙・戊、未上標丁・己、申的外側標庚す。右邊一列自上而下是申・酉・戌・亥、酉與戌之間的外側標辛す。下邊一排自右至左是亥・子・丑・寅、亥的外側標壬、丑的外側標癸、寅的外側標甲す。左邊一列是寅・卯・辰・巳、辰的外側標乙す。合起來正是甲寄寅・乙寄辰・丙戊寄巳・丁己寄未・庚寄申・辛寄戌・壬寄亥・癸寄丑す。圖中子・午・卯・酉四正之位空着不配天干、與歌訣所説「不用四正神」相合す。起課時先按此圖把日干落到它的寄宮、再以「月將」加占時轉出天盤、日干上神便由此而得す。
卦體
用兵先卦體,宜知九課情。元首利客事皆實。凡一上克下為用,卦名元首,主臣忠子孝,問事皆實。此時行軍,利客不利主。重審利主後舉亨。凡一下克上為用,卦名重審,下凌於上,事多不順。此時行軍,利主不利客。
用兵之先要看課體、須明白九種課體各主什麼情勢す。「元首課」利于客方、所問都是實情:凡四課之中只有一課是上神克下神而取為發用的、課名叫「元首」、象徵臣忠子孝・上下有序、問事都屬眞實す。此時行軍、利于先起兵的客方、不利于後應的主方す。「重審課」利于主方、後發才能亨通:凡四課之中只有一課是下神克上神而發用的、課名叫「重審」、是在下者凌犯在上者、行事多不順遂す。此時行軍、利于後發的主方、不利于先動的客方す。六壬以先起兵者為客・後應兵者為主、正與日干為客・日支為主相應す。
知一賊近宜和好。凡比用者,卦名知一。比者,近也。占賊、占人皆在近邑。此時出軍,進退狐疑,事當和允。涉害憂疑機要明。凡涉害為用,卦名卦害。謖察其微也,作事稽留,憂患難解。此時出軍,當審而機動。
「知一課」主敵在近處、宜于講和:凡四課中兩課以上同類相克、取與日干比和的那一課發用的、課名叫「知一」す。比就是近的意思、占敵兵・占行人、都應在附近的城邑す。此時出兵、進退狐疑不定、事情應當以和解允諾來了結す。「涉害課」主憂疑、關鍵在于審察分明:凡諸課俱有克・必須比較各神回歸本家途中受害深淺而取用的、課名叫「涉害」(原文寫作「卦害」)す。它要人在細微處仔細審察、辦事拖延滯留、憂患難以解開す。此時出兵、應當審愼觀察而後見機行動す。
蒿矢宜主彈宜客,彼此無功禍亦輕。凡神遙剋日,卦名蒿矢;日遙克神,卦名彈射,比無所中,凡事皆輕。此時出兵,雖凶無畏。我欲攻彼,亦不能中。大抵蒿矢利主,彈射利客。
「蒿矢課」宜于主方、「彈射課」宜于客方、兩邊都難以建功、招來的禍事也輕:凡四課無克、由天盤之神隔位遙克日干而發用的、課名叫「蒿矢」す。反過來由日干遙克天盤之神而發用的、課名叫「彈射」す。這好比隔着老遠放箭、射不中目標、所以凡事都輕す。此時出兵、縱然遇凶也不足畏懼す。但我想去攻打對方、同樣也打不中す。大體説來、蒿矢有利于後發的主方、彈射有利于先動的客方す。
虎視關隔蛇潛伏。凡昴星為用,卦名虎視,剛日主動,柔日主伏。此時出兵,剛日防忌關梁,柔日利於隱伏。若攻討,彼亦潛伏。任行信止各安兵。凡天地伏吟,諸神各歸其位。剛日欲行中止,柔日伏藏不起。此時出兵,關梁阻塞,賊不出境。合者將離,居者將移,各安其境之象。
「虎視課」主關卡阻隔、也主敵方像蛇一樣潛伏不出:凡四課全無克戰、取酉位昴星而發用的、課名叫「虎視」す。陽日(剛日)主動、陰日(柔日)主伏す。此時出兵、陽日要提防關口津梁被阻斷、陰日則利于隱蔽埋伏す。若要進攻討伐、對方也同樣潛伏不露す。「伏吟課」則是任憑你走或停、兩邊各自按兵不動:凡天盤與地盤重合不動・十二神各歸本位的、叫做「伏吟」す。陽日本想出動卻半途中止、陰日索性伏藏不起す。此時出兵、關梁阻塞、敵人也不出境す。原本合聚的將要離散、原本安居的將要遷移、正是各安其境的卦象す。
由來反吟多反覆。凡天地反吟,諸神各易其位,禍福從外來,子逆臣奸之象。此時出兵,事多反覆,尤宜審忌。八專奸邪敵必爭。凡八專為用,陰陽共處,主客不分,此時出兵,遇敵必戰,要持正為吉。別責借途宜外助。凡別責為用,借徑而行,倚伏別物,此時出兵,要有外助方可,否則敗怯。諸般大體最須明。乙合龍常為用吉。天乙、六合、青龍、太常發用為吉。更兼旺相必成功。課體最要旺相。
「反吟課」歷來主事情反復無常:凡天盤與地盤處處六沖・十二神各自換到對沖之位的、叫做「反吟」、禍福都從外部襲來、是兒子忤逆・臣下奸邪的象す。此時出兵、事情多有反復、尤其應當審愼顧忌す。「八專課」主奸邪、遇上敵人必起爭鬥:凡干支同居一位・陰陽混處・主客不分而發用的、課名叫「八專」す。此時出兵、碰上敵人必定交戰、須持守正道才得吉す。「別責課」是借路而行、宜有外援:凡四課不全・借用別的干支而發用的、課名叫「別責」、等于借道通行・依託別的東西、此時出兵一定要有外部援助才行、否則便要敗退怯戰す。以上種種大體、最須弄得明白す。發用之神若乘天乙・六合・青龍・太常這四位吉將、就是吉課す。再加上課體處在旺・相之氣上、必定成功——課體最要緊的、就是得旺相之氣す。
發用吉凶
偶聞驚報,即以月將加時起成四課,看發用吉凶,便知勝負,或戰或守,在為將者秘之而已。
偶然聽到警報傳來、立刻把當月的「月將」(太陽所在的星次之神、隨節氣更換)加在占問的時辰上轉出天盤、排成「四課」、再看「發用」(三伝中的初伝)是吉是凶、勝負便可預知す。至于該出戰還是該堅守、全憑為將者自己拿主意、秘而不宣罷了す。
用起天乙,將軍大捷,開地千里,敵人畏伏。用起螣蛇,兵卒驚駭。上下相剋,士卒死傷。用起朱雀,士卒驚恐,妄作口舌。用起六合,將兵大勝,得子女玉帛。用起勾陳,士卒戰死,車折馬傷。用起青龍,將軍大勝,得敵人邦國府庫。
發用若起于「天乙」貴人、主將軍大獲全勝、開拓疆土千里、敵人畏懼降伏す。發用起于「螣蛇」、兵卒驚慌駭亂す。若發用處上下神將又互相克戰、士卒還要死傷す。發用起于「朱雀」、士卒驚恐不安、妄生口舌爭端す。發用起于「六合」、將士大勝、可得子女人口與玉帛財貨す。
用起天后,將不戰自敗。用起太陰,士卒怯弱。用起玄武,軍兵逃亡,戰鬥不利。用起太常,將軍大勝。用起白虎,士卒死亡。用起天空,為敵欺詐,士卒不利。以上更看所乘之神,若吉將者,但相生為吉,凶將不利。若神將相剋,來禍,是謂內戰,不暇害我也。即前乙合龍常為用吉也。
發用起于「天后」、主將不戰而自行潰敗す。發用起于「太陰」、士卒怯懦軟弱す。發用起于「玄武」、軍兵逃亡、戰鬥不利す。發用起于「太常」、主將大勝す。發用起于「白虎」、士卒死亡す。發用起于「天空」、會被敵人欺詐蒙騙、于士卒不利す。以上各條、還要再看天將底下所乘的那一位地支之神:若是吉將、只要神與將相生便為吉す。若是凶將、終究不利す。倘若神與將彼此相克、禍事就發作在它們自身之間、這叫做「內戰」、凶神自顧不暇、也就沒工夫來害我了す。這正是前面「乙合龍常為用吉」一句所説的天乙・六合・青龍・太常四吉將發用為吉的道理す。
出軍擇日
其法,天罡加月建,亥、子、申、柘、寅五神所臨之日為吉,定執危成閉五日是也。丑戌二神所臨者非也。《經》云:“建破平守俱不用。”今丑戌所臨乃破、收也。
選日的方法是:把「天罡」(辰)加在當月的月建之上轉出天盤、看亥・子・申・柘(當作酉)・寅這五位神所落到的日子、就是吉日、也就是建除十二値中定・執・危・成・閉這五日す。丑・戌兩神所落的日子則不可用す。《經》上説:「建日・破日・平日・守日都不能用。」如今丑・戌兩神所臨的、正是破日與收日、所以不取す。
擇日天罡加月建,看其神覆用其軍視十二神所臨之處斷休咎。歲對登明神后下以亥子下為歲對,歲前頭下酉兼申以申酉下為歲前。河魁臨處為天府,餘神相逢不利人餘神者即卯辰巳午未五神,所臨處俱凶。天倉大吉加堪用大吉下為天倉,日辰在七神所臨之下並宜。
選日時把天罡加在月建之上、再看諸神所覆蓋的位置來決定動兵、也就是看十二位神各自落到哪一支之下、據此判斷吉凶休咎す。「登明」(亥)與「神后」(子)之下叫做「歲對」す。「從魁」(酉)連同「傳送」(申)之下叫做「歲前」す。「河魁」(戌)所臨之處叫做「天府」す。其餘諸神所遇之處則對人不利——所謂餘神、就是卯・辰・巳・午・未這五位、它們所落之處都屬凶す。「大吉」(丑)之下叫做「天倉」、最堪取用す。合計歲對・歲前・天府・天倉這七位吉神、日辰落在它們所臨之下的、都適宜出軍す。
出軍忌日
乙巳丙辰丁巳日,癸亥宜令莫出軍。建寅逢六卯當七,累數加之是惡神。天乙絕氣日,正月初六、二月七、三月八、四月九、數至十二月是十七日,每月內忌之。每月四朝並十九,二十八行皆有逆。更有往亡須若避,不忌前途傷害人。六窮日,每月忌初四、十九、二十八。往亡日,正寅、二巳、三申、四亥、五卯、六午、七酉、八子、九辰、十未、十一戌、十二丑。
乙巳・丙辰・丁巳這三個日子、還有癸亥日、都應當下令不準出軍す。正月建寅、忌初六す。二月建卯、忌初七す。照這樣逐月往上累加一天、所遇到的便是惡神當値之日——這就是「天乙絶氣日」:正月初六・二月初七・三月初八・四月初九、一路數到十二月便是十七日、每月都要在這一天避忌す。此外每月初四・十九・二十八這三天出行、都要遇上逆氣す。還有「往亡日」必須回避、不加避忌就會在半途傷人す。所謂「六窮日」、每月忌初四・十九・二十八す。「往亡日」則是:正月在寅・二月在巳・三月在申・四月在亥・五月在卯・六月在午・七月在酉・八月在子・九月在辰・十月在未・十一月在戌・十二月在丑す。
莫犯章光四絕日。章光日,孟月乙丑,仲月丙寅、季月甲子,即歸忌煞也。四絕日,春庚午、庚申、乙亥,夏壬戌、丙寅、丁亥,秋甲辰、乙丑、辛亥,冬丙午、壬辰、癸亥,亦名四窮,無用空亡五帝辰。空亡者,截路是也。五帝日者,即五帝死葬日,甲戌、壬戌、己卯、乙卯、戊午、壬午、辛酉、丁巳、壬子是也。忌辰者,乙巳、丙辰、丁巳、癸亥日是也。
也不要觸犯「章光日」與「四絶日」す。章光日是:四孟之月(正・四・七・十月)逢乙丑、四仲之月(二・五・八・十一月)逢丙寅、四季之月(三・六・九・十二月)逢甲子、這也就是所謂的歸忌煞す。四絶日是:春季的庚午・庚申・乙亥、夏季的壬戌・丙寅・丁亥、秋季的甲辰・乙丑・辛亥、冬季的丙午・壬辰・癸亥、又叫做「四窮」す。此外空亡日・五帝日・忌辰日也都不可用す。空亡、指的就是截路空亡す。五帝日、就是五帝死葬之日、即甲戌・壬戌・己卯・乙卯・戊午・壬午・辛酉・丁巳・壬子這九日す。忌辰、就是乙巳・丙辰・丁巳・癸亥這四日す。
出軍擇時
興兵須要選時辰,唯有神藏煞沒真。孟月甲丙庚壬取,仲月辰巽及乾坤。季月乙丁與辛癸,即此擇時煞不論。謂四煞沒於四絕也。
起兵必須挑選時辰、其中只有「神藏煞沒」這一格最為眞確可靠す。四孟之月(正・四・七・十月)取甲・丙・庚・壬時す。四仲之月(二・五・八・十一月)取辰・巽・乾・坤這四個方位所配之時す。四季之月(三・六・九・十二月)取乙・丁・辛・癸時す。照這個法子擇時、凶煞便可不去理會、因為四方的凶煞都已隱沒到四絶之位裏去了す。
何謂神藏最為利,貴人須要登天門。貴人臨地盤亥宮,則螣蛇落水,朱雀破頭,勾陳入獄,天空被剝,白虎燒身,玄武折足,是六神藏於六合,最為吉也。
什麼叫做「神藏」最為有利。就是要天乙貴人登上天門す。所謂天門、指地盤的亥宮す。貴人一落到地盤亥位、其餘凶將便統統被制住:螣蛇落水・朱雀破頭・勾陳入獄・天空被剝・白虎燒身・玄武折足す。這六位凶神各被所臨之地制伏、隱藏于六合之中、是最吉利的格局、這就是術家所説的「貴人登天門」す。
螣蛇出穴緣非吉,白虎登山是凶橫。截路拔刀凶可畏,飛揚反戾總難容。暗金伏斷為凶曜,截路空亡也莫逢。都將月將加時看,更得吉神最為功。暗金伏斷煞,在《禽遁書·雷霆書》內。
螣蛇離穴妄動、所以不算吉す。白虎登上高山、氣焰愈盛、是凶暴橫逆之象す。「截路拔刀」這一煞凶险可畏、「飛揚」「反戾」兩煞也終歸難以容留す。「暗金伏斷」是凶星、「截路空亡」同樣不可撞上す。以上種種、都要用月將加臨占時轉出天盤來察看、若能再得吉神臨位、那就最能建功す。至于暗金伏斷這一煞的推法、載在《禽遁書・雷霆書》之內す。
聞驚應敵
聞驚之日切須記,兵朝即在本日存。時日果何擇?即用其子孫。如甲乙日聞驚,宜用丙丁巳午時,出兵大勝。緣甲乙木事,畏金為賊,故用火制之。是用驚日之子孫是也。若用克我者,其軍必主奔。如甲乙日聞驚,用庚申辛酉時出兵,必主敗亡,是用賊我也。
聽到警報的那一天務必牢記、出兵應敵就定在這一天之內す。那麼時辰究竟該怎麼挑。取當日日干所生的「子孫」即可す。譬如甲・乙日聽到警報、應當用丙・丁或巳・午這類屬火的時辰出兵、必獲大勝す。因為甲乙屬木、所怕的是金來克它、金就是害我的賊す。用火時、火能克金、正好把這個賊制住——這便是取報警之日的子孫す。反過來、若用克我之物的時辰、軍隊必定潰散奔逃す。譬如甲・乙日聞警、卻挑庚申・辛酉這類屬金的時辰出兵、一定敗亡、因為這等于自己去用那個害我的賊す。
野宿安營
日晚行疲欲建營,支干逢墓不安寧。注曰:日辰上有辰戌丑未加之,是為逢墓,當夜有賊兵至,宜防之。若當季之墓神,如春未、夏戌、秋丑、冬辰是也,逢此或空營設伏以待之,或別尋吉地以遷之。卯辰巳等宜防賊,兵書說此是三刑。
天色已晚・行軍疲乏、想要扎營立寨時、若日干與日支之上遇到墓神、營中便不得安寧す。原注説:日干・日支上加臨辰・戌・丑・未四墓之一、就叫「逢墓」、當夜會有敵兵來襲、應當預先防備す。若碰上的正是當令季節的墓神——春季木墓在未、夏季火墓在戌、秋季金墓在丑、冬季水墓在辰——遇上這種情形、或者故意空出營寨・埋伏兵馬等它自來、或者另尋吉地把營遷走す。此外卯・辰・巳這幾位臨身也要防賊、兵書上説這幾位相連正是「三刑」之地す。
若見魁罡為恐怖。注曰:辰為天罡,戌為河魁,二神臨日辰,當夜有驚怖。將兼龍虎虛遭驚。注曰:辰為龍,寅為虎,二神加日辰,主夜遭虛驚,螣蛇、白虎亦是龍虎,加日辰亦防賊至。大吉臨干宜急去。注曰:丑為龍虎,若加臨本日干,不宜安營,急宜移之。不逢斯將即堪寧。注曰:不逢三刑、五墓、白虎、魁罡,及丑不臨干,安營大吉,旦暮安寧也。
若見到河魁・天罡二神臨身、夜里便有驚恐之事す。原注説:辰是天罡、戌是河魁、這兩位神加臨日干日支之上、當夜必有驚怖す。若再兼見龍・虎二神、則要遭一場虚驚す。原注説:辰為龍、寅為虎、這兩位加在日干日支上、主夜里遭受虚驚す。十二天將中的螣蛇與白虎也算是龍虎、加臨日干日支同樣要防敵兵到來す。「大吉」(丑)臨于日干之上、應當趕緊轉移す。原注説:丑為龍虎、若加臨當日的日干、就不宜在此安營、須急速遷走す。這些凶將若一個都不遇上、便可以安穩過夜す。原注説:不遇三刑・五墓・白虎・魁罡、丑又不臨日干、安營大吉、從早到晚都平安無事す。
行軍擇道
遇寇途中擇路行,勝光為武休北征。注曰:凡行兵擇路,先看玄武所乘之神。如勝光火玄武乘之,不可向北方水鄉用兵,謂火畏水故也。見木為之忌申酉。玄武乘寅卯不可西征,謂木畏金克也。庚辛南征不宜兵。玄武乘金神不宜南征,金累火克也。水不宜向土,土不宜向木地。玄武畏方為危地。玄武所畏之方為受危之地,不可征進。又《出軍擇道》云:“視日辰行年上神能制玄武,攻賊不敢敵。”軍帥須得會其情。當審五行之情狀。
途中で敵寇に遭い進路を選ぶ時、「勝光」(午)の上に玄武が乗っていれば、北方へ進兵してはならない。原注に曰く:凡そ行軍に路を擇ぶには、まず玄武の乗じる地支の神が何れかを見よ。仮に玄武が勝光・午火の上に乗ずれば、北方・水に属する地境に向かって兵を用いてはならない。火は水を怕れるからである。玄武の乗ずる所が木に属すれば、申・酉の方を忌むべきである。玄武が寅・卯の木に乗ずれば、西へ征討してはならない。木は金に克されることを怕れるからである。玄武が庚・辛の類の金神に乗ずれば、南へ兵を用いるべからず。金は火に克制されるからである。同様に、玄武が水神に乗ずれば土の方へ行くべからず、土神に乗ずれば木地へ行くべからず。要するに玄武の畏れる方位が即ち我軍の危地であり、そこへ向かって進軍してはならない。また《出軍擇道》に曰く:「日干・日支と主将の行年の上の神を看よ。若し玄武を制伏し得れば、敵を攻めるに敵は敢えて抵当せず。」将帥たる者は必ずその理を体し、五行生克の情状を詳しく審察すべきである。
軍行擇路實多途,更以陰陽作歲模。亥卯未、巳酉丑為陰歲,申子辰、寅午戌為陽歲也。陽歲大吉來加上。陽年以丑加陽歲君。陰歲還將小吉鋪。陰歲以未加陰歲君,俱順行。丙壬之下為人道。丙屬巳,壬屬亥,天罡巳亥所臨之下為人道。甲庚之下是天居。即天盤寅申下是天道也,宜往之。
行軍に路を擇ぶには本来門路が多く、また年支の陰陽により別に一つの格局を立てる。亥・卯・未と巳・酉・丑は陰年に属し、申・子・辰と寅・午・戌は陽年に属する。陽年に逢えば「大吉」(丑)を加え、即ち丑を当年の年支の上に加える。陰年に逢えば「小吉」(未)を鋪き、即ち未を当年の年支の上に加える。両者とも順行の方向に十二神を排布する。丙・壬の両干の寄せる下が即ち「人道」である。丙は巳に寄り、壬は亥に寄る。天罡(辰)が巳・亥の下の位置に落ちるのが人道である。甲・庚の両干の寄せる下は則ち「天居」で、即ち天盤の寅・申の下を天道とし、これらの方向へ行軍するに宜しい。
察賊所在
聞賊未知賊所在,加時春乙夏居丁。乙干寄辰官,丁干寄未宮。秋辛冬癸名天目。辛干寄戌宮、癸干寄丑官。賊當在下伏其形。聞賊以月將加時,視天目所加之方,賊在其下。天目者,春辰、夏末、秋戌、冬丑是也。春占占尋辰,餘仿此。
敵有りと聞いても敵の在処を知らぬ時は、月将を占時に加臨して天盤を排出する。春は乙を看、夏は丁を看よ。乙干は辰宮に寄居し、丁干は未宮に寄居する。秋は辛を看、冬は癸を看よ。この几位を合わせて「天目」と称す。辛干は戌宮に寄居し、癸干は丑宮に寄居する。敵は即ち天目の臨む下に潜伏する。敵訊を聞いたら、月将を占時に加えて天盤を転出し、天目が何れの方に落ちるかを看れば、敵はその下に蔵れている。所謂天目とは、春は辰、夏は未(原文は「末」と作る)、秋は戌、冬は丑である。春に占問すれば辰を尋ね、残りの三季もこれに類推する。
途中前後疑逢寇,大吉所臨知賊程。丑為大吉,月將加時,大吉臨處即知賊駐向。臨於子午太沖下。丑臨子午,賊在卯下。若加辰戌伏登明。丑加辰戌,賊在亥下。寅申定是居參宿。參者,申中宿也;丑加寅申,賊在傳送下。丑未必應藏軫星。大吉加丑未,賊在巳下,軫者,巳中宿也。卯酉河魁下潛伏。大吉加卯酉,賊在戍下。巳亥還在大吉停。丑加巳亥,賊在丑下。帶刑旺相難沖擊。在處或刑日辰,或旺相不可攻擊。設法抽軍別路行。既不可擊,當卜吉路而行也。
路上で前後に敵あらんことを疑えば、「大吉」(丑)の臨む処を看て敵の行程を推し断ずる。丑は即ち大吉である。月将を占時に加えて天盤を転出し、大吉が何処に落ちるかを看れば、敵の駐屯する方向を知る。大吉が子或いは午の上に落ちれば、敵は卯位の下に在る。大吉が辰或いは戌の上に加われば、敵は登明(亥)の下に伏す。大吉が寅或いは申の上に加われば、敵は参宿の在る処に——参は申宮の星宿ゆえ、敵は伝送(申)の下に在る。大吉が丑或いは未の上に加われば、敵は軫星の下に蔵る——軫は巳宮の星宿ゆえ、敵は巳の下に在る。大吉が卯或いは酉の上に加われば、敵は河魁(戌)の下に潜伏する。大吉が巳或いは亥の上に加われば、敵は仍お丑位の下に止まる。若し敵の在る処が刑煞を帯び、或いは旺相の気に値えば、正面から衝き難い。或いは我が日干日支を刑克し、或いは気勢が方に盛んで、いずれも強攻すべからず。この時は軍を撤して別に一路を行くべく設える——打つべからざる以上、まず吉道を占い出してから行軍すべし。
賊近我軍推前後。出兵臨敵,不知賊在前後,或陰有諜間,不可不占也。加時占測用防奸。以月將加時,方知敵奸,便於進退也。巳申子卯臨支後。巳申子卯四神,內有一神臨支辰者,賊在我後,當反營以待之。立在干頭已去前。上四神有一神加在干上,賊在前,去當備前;不臨支干,前後無賊。干若居支寇當道。日干加辰上,主賊正當要路也。支若居干隨我軒。辰加日干,主賊隨我後來,急宜回營以待之。
敵が我軍に逼る時、彼が前に在るか後に在るかを推し断ずべし。兵を出して敵に臨み、敵が前に在るか後に在るかを知らず、また暗中に遣わされた間諜の有無を知らざれば、一課を占わざるを得ない。月将を占時に加えて測算するのは、正に姦細を識破せんがためである。巳・申・子・卯の四神が日支の上に臨めば、敵は我軍の後方に在る。この四神の中、一位でも日支に落ちれば、敵は我が背後に在り、営塁を掉転してこれを待つべし。若しこの四神が日干の上に落ちれば、敵は前方に在り、開拔の時は前を防備することに意を加えよ。若し四神が日干にも日支にも臨まざれば、前後ともに敵なしである。日干が日支の上に加われば、敵寇は正に要道に当たって遮る。日支が日干の上に加われば、敵は我が車駕に尾行して来る。急いで営に回ってこれを待つべし。
恐寇埋伏軍要程。若欲行程,恐有伏兵,以月將加時占之。支干上訣最靈通。干支手上一訣鬼神通其靈應。巳申子卯支干伏。四神有一神加臨支干者,是為鬼神通其吉凶。敵寇奸邪布伏兵。即知敵寇有伏兵,宜謹防之。四字不臨,無伏兵。
敵寇が我が行軍の要道に伏を設くるを憂う時も、この法を用いる。若し開拔して路に上らんとし、伏兵あるを怕れば、月将を占時に加えて一課を占え。日干・日支の上のこの口訣は最も霊験あり、掌上に一推すれば鬼神も皆霊応を顕わす。巳・申・子・卯の四神が日干日支の上に伏せば——この四神の中、一位でも干支に加臨すれば、即ち鬼神が汝に吉凶を透かし告ぐるもの——それは敵寇が姦詐にして已に伏兵を布いたりと説明する。謹んで提防すべし。若しこの四字が一つも干支に臨まざれば、伏兵なしである。
旺相帶刑逢必戰。旺者,春占得卯,夏占得巳,秋占得申,冬占得子。相者,春火,夏土,秋水,冬木,季金是也。刑者,子卯刑之類。逢旺帶刑,必戰。休囚空亡不敢徵。休者,春水,夏木,秋土,冬金,四季火。囚者,春金,夏水,秋水,冬土,四季木是也。空亡者,甲子旬戌亥空,餘仿此。若逢此,我不敢戰,宜固守。
占う所の神が旺相の気を得て且つ刑を帯びる時、逢えば必ず開戦す。所謂旺とは、春の占に卯を得、夏の占に巳を得、秋の占に申を得、冬の占に子を得ること。所謂相とは、春は火を相とし、夏は土を相とし、秋は水を相とし、冬は木を相とし、四季の月は金を相とすること。所謂刑とは、子が卯を刑する類の如し。旺相に逢い且つ刑を帯びれば、両つながら相激し、必ず戦事を起こす。反って、休・囚の地に落ち或いは空亡に値えば、敢えて出征せず。所謂休とは、春は水休み、夏は木休み、秋は土休み、冬は金休み、四季の月は火休む。所謂囚とは、春は金囚われ、夏は水囚われ、秋は水囚われ、冬は土囚われ、四季の月は木囚わる。所謂空亡とは、甲子の一旬の中に戌・亥の二支が空となり、残りの各旬はこれに類推す。これらの情形に遇えば、我方は敢えて出戦せず、堅く守るべし。
干傷前伏支傷後。支上神克干並干上神,干受傷,伏兵在我前;干上神克支並支上神,為支傷,賊在我後。支干俱損莫沖驚。若干上神克干,支上神克支,謂支干俱損,前後俱有伏兵,固守吉,戰則凶。
日干が傷を受ければ伏兵は前に在り、日支が傷を受ければ伏兵は後に在る。日支上の神が日干を克し、或いは日干上の神を克するを、日干の傷を受くと謂い、伏兵は我軍の前方に埋められている。日干上の神が日支を克し、或いは日支上の神を克するを、日支の傷を受くと謂い、敵は我軍の後方に埋められている。若し日干日支の両辺とも損を受ければ、軽率に衝撞し驚動してはならない。所謂干支俱に損すとは、日干上の神が日干を克し、日支上の神がまた日支を克し、前後ともに伏兵を布くを謂う。この時は堅守してこそ吉、出戦すれば必ず凶。
抽軍避寇
賊勢憑凌我未強。注曰:若途中逢賊,他強我弱,抽軍迴避。看天罡。以月將加時,看天罡落在何字上,以避其強猛。繫孟直須從右隱。辰為天罡,如加寅申巳亥之孟神,從右道隱而避之,吉。仲季回軍向左藏。子卯午酉為四仲,辰戌丑未為四季,天罡加此八神之一位者,向左藏之無咎。
敵勢が人を陵して我方が未だ強からざる時は、軍を撤して回避すべし。原注に曰く:若し途中で敵に碰え、彼強く我弱ければ、隊伍を撤して避けよ。避くる方向は天罡を看よ。月将を占時に加えて天盤を転出し、天罡(辰)が何れの字に落ちるかを看て、これにより敵の強猛の勢いを躲かる。天罡が四孟の位に落ちれば、右より隠れ去るべし。辰は天罡、若し寅・申・巳・亥のこの四つの孟神に加臨せば、右路より隠蔽躲避すれば吉を得る。天罡が四仲・四季の位に落ちれば、軍を左に向けて蔵すべし。子・卯・午・酉は四仲、辰・戌・丑・未は四季、天罡がこの八位の中の何れか一位に加われば、左に隠蔵するに過ちなし。
從魁小吉太沖地。酉為從魁,未為小吉,卯為太沖。此三神者,為天之三門,再為除定開危,是天門地戶庇護。天上加臨逃難方。以月將加時,看天盤卯酉未三字落在何方,向之可以避難也。如遇旺方,不可駐,春不宜東,餘仿此。
「従魁」「小吉」「太冲」のこの三処は難を避くる好地方である。酉を従魁と叫び、未を小吉と叫び、卯を太冲と叫ぶ。この三位の神を合わせて天上の「三門」と称す。若し更に建除十二値の中の除・定・開・危の四位に逢えば、即ち天門地戸が庇護しているので、最も穏妥である。天盤上にこの三つの字が何れの方に加臨するかを看れば、そこが逃難して往くべき方向である。月将を占時に加えて天盤を転出し、卯・酉・未の三字が何方に落ちるかを看て、そこに向かって走れば難を避くるを得る。但し当令の旺気の方位に碰えば、駐紮すべからず——譬えば春は木旺なれば、東へ走るに宜しからず、残りの各季もこれに類推す。
渡關覘賊
見賊行程渡彼間。兩國相戰,不知彼情虛實,差人越渡,間以覘之。行年歲月日沖難忌。去人行年並太歲、月建、日、時沖破之方,不可去。將軍與去人行年相沖亦同。訣曰:“凶不凶,視破沖”也。
敵の行止路程を探り明かさんとすれば、人を渡越させて相手の境内に入れねばならない。両国交戦し、相手の虚実を摸し清め難ければ、人を差遣して境を越え潜入させ、間諜として窺探せしむ。人を遣わすに最も忌むのは、往く所の方位が行年・太歳・月建・日辰と相冲する時である。凡そ派出する人の行年、および太歳・月建・日・時と相冲破する方位は、皆前往すべからず。主将の行年が派出者の行年と相冲すれば、同じく派遣すべからず。口訣に曰く:「凶か凶ならざるかを断ずるには、破と冲の有無を看よ。」
支干上將休囚惡。如春三月差人,日辰上見水神將,謂之休;見金神,謂之囚,逢此不可往,主凶。旺相相生去即安。若秋三月,辰上見金神將,謂之旺;見水神將,謂之相。逢見旺相,渡關即安矣。
日干・日支の上に乗ずる天将が休・囚の地に落ちれば、即ち悪兆である。譬えば春季の三箇月の間に人を遣わし、日干日支上に水に属する神将を見れば、水は春に休たり。金に属する神将を見れば、金は春に囚われたり。この両種の情形に碰えば皆前往すべからず、凶を主る。反って、旺相の気を得て且つ日辰と相生せば、往けば平安である。譬えば秋季の三箇月、日支上に金に属する神将を見れば、金は秋に当たって旺たり。水に属する神将を見れば、水は秋に相たり。旺相の気に遇えば、關を渡り卡を過ぐるに平安無事である。
占賊来否
賊欲相凌切要知,游都作限用占之。游都甲己當在丑。注曰:甲己二日丑為游都,以月將加時尋丑,餘仿此。乙庚在子丙辛箕。乙庚二日子為游都,丙辛二日寅為游都,箕者是寅中宿也。丁壬居巳言非謬。丁壬二日巳為游都。戊癸向申更莫疑。戊癸二日申為游都。
敵が来て侵犯せんとする時、最も緊要なのは先に知ること、これに就て「游都」という神煞を用いて期限を划定して占算す。游都は甲日・己日に丑の上に落ちる。原注に曰く:甲・己の両日は丑を游都とし、月将を占時に加えて天盤を転出して丑の位置を尋ね、残りの各日もこれに類推す。乙日・庚日の游都は子に在り、丙日・辛日の游都は箕に在る。乙・庚の両日は子を游都とし、丙・辛の両日は寅を游都とす。箕は寅宮の星宿ゆえ、箕を以て寅に代指す。丁日・壬日の游都は巳に居る、この話は虚謬に非ず。戊日・癸日の游都は申に向かう、更に疑うに及ばず。
游都伏日今將到。假如甲午日占,以月將加時,如丑加本日甲,謂游都伏日,主賊今日來。如丑加午支亦然。前支一日在明期。如游都加支前一神,賊明日來也。二三依次須防禦。如游都加支前二神,第二日賊來;加支前三神,第三日來也。若臨前四不侵圍。游都臨前四辰,主賊過去不來也。
游都が本日の干支の上に伏せば、敵は今天到らんとす。譬えば甲午日に占問し、月将を占時に加えて天盤を転出し、若し丑(甲日の游都)が恰好日干甲の寄せる宮位の上に加われば、これを「游都伏日」と謂い、敵が当天来るを主る。丑が日支午の上に加わるも亦た同じ。游都が日支の前一位に落ちれば、敵は明日到る。游都が日支の前面の第一位神に加われば、敵は第二天に到る。前第二位・第三位に落つるは、次を以て備防すべし。游都が日支前の第二位に加われば第二日に敵来、前第三位に加われば第三日に敵来。若し前面の第四位に落ちれば、敵は便ち来て囲攻せず。游都が日支前の第四辰に臨めば、敵が旁より過去し来て相犯らざるを主る。
游都旺相支干畏。假如春三月丙辛日占,寅為游都,是旺;丁壬日占,巳為游都,為相;加本日干支,占賊勢甚強,是為畏也,宜避之則吉。賊勢憑凌難守持。游都旺相主賊必來,勾陳克游都賊亦敗,不然主難守禦,宜急避之方可也。
游都が旺相の気を得て且つ日干日支の上に加われば、それは我方の畏るる所である。譬えば春季の三箇月の間に丙日・辛日に占問すれば、寅は游都、春は木旺なれば游都は便ち旺に当たる。丁日・壬日に占問すれば、巳は游都、春は火を相とすれば游都は便ち相気を得る。かかる游都が更に本日の干支の上に加われば、敵勢極めて強く、正に畏るべきの象を説明し、避くるが吉なり。敵勢は人を陵し、我方は守持し難し。游都旺相なれば敵人の必ず来犯するを主る。この時若し勾陳の来て游都を克制する有れば、敵は仍お敗る。然らざれば守御し難く、急いで回避してこそ行け。
游都和處喜降卒。游都落處上下相生,必有降卒。畏下難侵大戰時。游都臨所畏之方,主彼、父子不相親,中外不相信,賊不敢侵,我應大戰,我勝彼負。若以游都臨受制之方為彼勝,則謬矣。
游都が臨む位と相和する処に落ちれば、喜ぶべきは敵兵の来て投降する有るを。游都の落つる処の上下の神支が相生せば、必ず降卒有り。游都がその畏れ・克制を受くる方位に落ちれば、敵の内部は和せず、大戦の際に在りても敢えて来犯さず。この時敵営の裡に父子相親しまず、中枢と外将が互いに信任せず、故に敵は進犯を敢えてせず。我方は大戦を発動すべく、我勝ち敵敗る。若し人の游都の受制の方に臨むを反って敵勝と解する有らば、大錯特錯なり。
居在東南災稍重。若游都屬木火加東方猛烈兮堅城壘,居西兮速備關津,為得相氣也。臨之西北禍當微。游都臨西北,其賊遲疑未進,可息兵勞士。若臨北方賊歸本家,宜安息。
游都が東方・南方に居れば、災禍は比較的重し。游都が木・火に属して且つ東方に加臨すれば、敵勢格外に猛烈、この時城塁を堅固にすべし。西方に居れば、急いで關口渡口を防備すべし。そこに在って相気を得たればなり。游都が西北に臨めば、禍事は便ち軽微些かなる。游都が西北に落ちれば、敵は遅疑して進むを敢えてせず、我方は兵を休め士卒を犒勞するを得べし。若し游都が北方に落ちれば、敵は已に本国に回り去り、正に安頓休息に宜し。
不見游都視天乙。如游都離日辰遠,謂之不見游都,當視天乙貴人加日辰否。臨日還如都將推。如天乙加日辰,賊亦來;不臨不來也。子辰巳未加今日。子為神后,辰為天罡,巳為太乙,未為小吉,如加今日支干。賊到猖狂疾似飛。主賊來疾而去速也,或半路而回。
若し課の中に游都の消息を看出さざれば、改めて天乙貴人を看よ。游都倘も日干日支を離るること遠ければ、これを「游都を見ず」と謂い、即ち天乙貴人が日干日支に加臨する有無を看るべし。天乙が日に臨めば、仍お游都の弁法に照らして推し断ず。天乙が日干日支の上に加われば、敵は照様来る。加臨せざれば、便ち来ず。子・辰・巳・未のこの四神が当日の干支の上に加われば——子は神後、辰は天罡、巳は太乙、未は小吉——敵人の到来する時は猖狂迅疾にして飛ぶが如し。これは敵の来ること速く去ることも速く、或いは時に半路に走りて便ち折り回りて去るを主る。
占賊去否
傳聞賊去問疑奸。報聞賊去,恐奸媒作誘,不可不占。專尋斗罡繫處占看。注曰:斗者,天罡也。月將加時,天罡落在十二辰何字上。加孟未行加仲發。天罡加孟賊尚在,加仲已發主路行。加季如今向遠山。若天罡加季神,賊己遠去矣。
伝聞に敵人已に撤走せりと聞くに、其の中に詐有らんことを疑い、一課を占うべし。人来りて敵軍退けりと報ずるに、只恐らくは姦細の設けたる誘餌ならん、占わざるを得ず。占法は専ら「斗罡」の落つる何処を看る。原注に曰く:斗は即ち天罡(辰)。月将を占時に加えて天盤を転出し、天罡が十二辰の何れの字に落ちるかを看る。天罡が四孟の位に加われば、敵人は未だ動身せず。四仲の位に加われば、已に出発せり。天罡が孟に加われば敵は尚お原処に在り、仲に加われば已に開拔して路に上りたるを説明す。天罡が四季の位に加われば、敵人は如今遠山に奔向す。天罡が四季の神に加臨すれば、敵人は已に遠く去りたり。
大吉臨干將出界。一法,視大吉臨干,主賊出界,不論天罡。又一法,大吉臨干,賊出界。未到猶自在吾關。如大吉不臨干,不過干,猶在我關住也。
「大吉」(丑)が日干に加臨すれば、敵軍は将に境を出んとす。一法に曰く:只大吉が日干に臨むか否かを看る。臨めば即ち敵の出境を主り、更に天罡を論ずるに及ばず。又一法に曰く:大吉が日干に臨めば、敵人已に界を出たり。若し大吉が未だ日干の上に到らざれば、敵人は就中我が関隘の内に仍お在り。大吉が日干に臨まず、また日干を越過せざれば、敵人が仍お我が関口の裡に拦められて去らざるを説明す。
突圍出處
或被兵圍不須忙。若陡然遇賊圍,不必驚忙,東走西奔,亂撞取害,當凝神以占之。加時出路望天罡。太公曰:“行兵千里,斗到必通。”斗者,天罡也,以月將加時,尋天罡下一宮而可出。若天罡方無路出,可尋三宮時,三宮時者,是亥子丑也。
万一敵兵に囲困せられんも、慌張するに及ばず。若し突然敵の合囲に遭えば、驚惶して乱竄し、東奔西突して胡乱に衝撞するは只自ら其の禍を取るのみ。心神を凝定して一課を占うべし。突圍の出路を尋ねんには、月将を占時に加えて天盤を転出して天罡を望むを用いよ。太公曰く:「兵を行うこと千里、斗柄の至る処に必ず通り得て過ぐ。」斗は即ち天罡。月将を占時に加え、天罡の下に対する其の一宮を尋ね出せば、そこより便ち突出するを得べし。倘若天罡の在る方向に路なく走るべからざれば、別に「三宮時」を尋ねよ。所謂三宮とは、亥・子・丑のこの三位を指す。
若值絳宮申酉地。以月將加時,若亥臨子午卯酉為絳宮,軍宜向天上申酉下出。明堂時往太沖方。子臨子午卯酉,為明堂,宜向天盤卯方出。玉堂宜出天魁下。如遇丑臨子午卯酉,為玉堂,宜向戌字下出,利。若鋒芒人極張。謂軍履險危之地,忽逢豪強之賊,勢雄不可當,向天罡可出,此為人極張也。
若し「絳宮」の格局に碰えば、申・酉の方向より突圍せよ。月将を占時に加えて天盤を転出し、亥が子・午・卯・酉の四正の一に落ちれば、便ち絳宮と叫び、軍隊は天盤の申・酉の対する下の方位に向かって突出すべし。「明堂」に碰えば、太冲(卯)の方に向かって走れ。子が子・午・卯・酉の上に落ちるを明堂と叫び、天盤の卯方より衝き出ずるに宜し。「玉堂」に碰えば、天魁(戌)の下より出ずるに宜し。若し丑が子・午・卯・酉の上に落ちれば、玉堂と叫び、戌字の下に向かって突圍するに利有り。所謂「鋒芒人極張」とは、軍隊が險危の地に身を処し、忽然として豪強の敵に撞上り、声勢雄猛にして抵当すべからざる時、天罡の方向に向かえば便ち衝き出ずるを得るを謂い、この局面を人極張と叫ぶ。
日辰上將相生吉。注曰:傷不傷,視陰陽。若被兵圍,日辰上將神相生者吉。相剋如今有損傷。若日辰上將神戰克,又制日辰,必損傷,用兵者宜審之。
日干日支の上の天将と乗ずる所の神と相生せば、吉を主る。原注に曰く:我方が傷を受けるか否かを断ぜんには、陰陽両課の配合を看るべし。若し敵兵に囲困せられ、日干日支上の天将と神とが彼此相生せば、便ち吉兆なり。若し彼此相克せば、眼下に将に損傷有らんとす。日干日支上の天将と神とが互いに戦克し、而且反ってまた日干日支を克制せば、必ず損傷有る所とす。兵を帯ぶる者は此れに対し仔細審察すべし。
占今日戦否
兩軍相守已經時。謂兩軍相持,安營極久,今朝憂戰。始占之。以月將加時,戰不戰占之,則吉凶可知矣。勾陳剋日刑沖斗。如勾陳乘神剋日辰,又逢刑沖日辰,主戰。刑者,如甲子日勾陳乘卯是也。不克無刑各護持。《經》曰:“斗不斗,勾陳輳;殺不殺,相刑壓。”勾陳有刑則戰,否則不戰。
両軍対峙して已に好些の時を経たり。此れは両軍相持して各々営を安くすること久しく、今天早上に将に開戦せんことを憂うを謂う。于是にしてこそ此の一課を占う。月将を占時に加えて天盤を転出し、今日戦うか戦わざるかを占えば、吉凶便ち知るを得べし。勾陳の乗ずる神が日辰を克し、又刑冲を帯びれば、将に交戦せんとす。若し勾陳の乗ずる神が日干日支を克し、同時にまた日干日支を刑冲すれば、今日必ず戦うを主る。所謂刑とは、譬えば甲子日に勾陳が卯の上に乗ずれば、子卯相刑即ち是れ。若し相克せず且つ刑なければ、両辺は便ち各々営塁を守護し、手を動かさず。《経》の上に曰く:「打つべきか打たざるべきか、勾陳の湊り来るかを看よ。殺すべきか殺さざるべきか、相刑相圧の有無を看よ。」勾陳が刑を帯びれば開戦し、然らざれば便ち戦わず。
大吉小吉支干上。丑為大吉,未為小吉,二神有一神臨支干。兩軍俱解固疆圍。主兩軍俱解不戰也。斗罡加孟須堅守。天罡加孟,宜堅守營壘。加仲相傷彼此疲。天罡加仲不利出軍,急宜謹備。臨季出軍攻擊好。若天罡加季,宜出兵急攻,主大得勝回。得勝名之是順機。是用兵取勝之順機也。
「大吉」(丑)或いは「小吉」(未)が日干日支の上に落つる時——丑を大吉と叫び、未を小吉と叫ぶ。この両位の神、一位でも日干日支に臨めば——両軍は便ち皆囲を解いて兵を罷め、各々疆界を固守す。これは双方とも兵を収めて戦わざるを主る。天罡が四孟の位に加われば、必ず堅守すべし。天罡が孟に加われば、営塁を堅守して出ずるに宜し。天罡が四仲の位に加われば、両辺互いに損傷有り、彼此皆疲憊す。天罡が仲に加われば兵を出すに利せず、急いで謹んで防備すべし。天罡が四季の位に加われば、兵を出して攻撃する最も好し。天罡が若し季に加われば、兵を出して急攻するに宜しく、大勝して回るを主る。此の種の勝を得るを順機と叫び、即ち兵を用いて勝を取る順勢の時機なり。
六害來加年命上。六害者,寅巳、卯辰、丑午、子未、酉戌、申亥是也。若主將行年本命上見六害,再與凶神並者,當日時必敗。此時攻戰自遭刑。遇此刑害,必遭刑傷,為將者不可不審也。白虎若並凶更甚,日辰還忌切須明。日辰上亦不可逢六害白虎也,慎之慎之!《經》曰:“敗不敗,視六害。”
六害が主将の行年・本命の上に加われば、当心すべし。所謂六害とは、寅と巳、卯と辰、丑と午、子と未、酉と戌、申と亥のこの六対の相害なり。若し主将の流年行年と本命の上に六害を見、更に凶神と同じく一位に処れば、当日当時必ず敗北す。此の時出戦せば、自ら反って刑傷に遭わんとす。此の種の刑害に碰えば、必ず傷損を招致す。将たる者は仔細審察せざるべからず。若し更に白虎と同じく臨めば、凶険は就中更に厲し。日干日支の上も亦た同じく忌むべし、此の一点は必ず弄明白にすべし。日干日支の上も亦た六害と白虎に遇うべからず、切々謹慎せよ。《経》の上に曰く:「敗るや敗らざるを断ずるには、六害を看よ。」
戰雄用起春寅勝,夏巳秋申冬亥升。注曰:雄者,乃春寅、夏巳、秋申、冬亥是也。其法專主分主客,雄臨日干客勝,雄臨支辰主勝。對沖為雌值凶惡。注曰:雌者,春申、夏亥,秋寅,冬巳是也。雌臨干客敗,雌臨支主敗。此術標題《龍首》經。昔黃帝得此,乘龍昇天之日,傳於三子,明授龍前,故名曰《龍首經》。
「戦雄」が発用し、春は寅を得れば便ち勝ち、夏は巳を得、秋は申を得、冬は亥を得れば、皆気勢の上昇を主る。原注に曰く:所謂雄とは、春寅・夏巳・秋申・冬亥の此の四位なり。此の法は専ら主客を分弁するに用いる。雄神が日干に臨めば客方勝ち、雄神が日支に臨めば主方勝つ。雄と対冲するを「雌」と叫び、遇えば便ち凶悪なり。原注に曰く:所謂雌とは、春申・夏亥・秋寅・冬巳の此の四位なり。雌神が日干に臨めば客方敗れ、雌神が日支に臨めば主方敗る。此の套の術法は《龍首経》に出ず。昔黄帝之を得て、龍に乗りて天に升るの日に三つの子に伝え、当面して龍の前に授けたり。故に此の書は便ち《龍首経》と叫ぶ。
占定勝否
兩軍交戰誰當勝,主客後先看日辰。先起為客後為主。其法,以日辰分主客,以先起兵為客,後起兵為主。上將明之不陷軍。為將者先明主客,方知勝負。干害支兼上克下。干克支利客,宜先起兵,用得上克下亦然,利客。反宜做主人。干克支上,上克下,利客。支克干,下賊上,是反宜做主人,宜後起兵勝。
両軍交戦して究竟誰が勝を取るを得るかは、主客の先後に按じて日干日支の上より看るべし。先に兵を起すを客と算へ、後に兵を起すを主と算ふ。此の法子は日干日支を以て主客を分つ。先に兵を動かす一方を客と為し、後に兵を動かす一方を主と為す。将たる者此の一層を弄清楚にしてこそ、自らの軍隊を陷没せしめざるに至る。先に誰が主で誰が客かを明白にしてこそ、勝負を判断するを談ずるを得べし。日干が日支を克害し、兼ねて上神の下神を克する有るは、客方に利有り、先んじて兵を起すに宜し。発用に上克下を取るも、同じく客に利す。反っての情形は則ち主人を為すに宜し。日干が日支上の神を克し、上が下を克すは客に利し。若し是れ日支が日干を克し、下が上を克すは、那れ反って主方を為すに宜しく、後に兵を起してこそ勝を取るを得べし。
本將行年宜制虎。主將本命行年克白虎吉,若白虎克主將年命者凶。不然須見克勾陳。如白虎不相剋制,卻宜主將年命克勾陳。如本將年命辰木,勾陳乘土,是克勾陳,餘仿此。
主将の行年は最も白虎を制し住むを得るが好し。主将の本命と行年の神が若し白虎を克し得れば、便ち吉なり。反って白虎が主将の行年本命を克すれば、則ち凶なり。若し白虎と克制の関係を構い成さざれば、就中勾陳を克するを得べきか否かを看るべし。白虎既に相克制せざれば、那れ主将の年命に由りて勾陳を克すべし。譬えば主将の年命が辰に在りて其の気が木に属し、勾陳の乗ずる所は土神、木は能く土を克す、此れを勾陳を克すと叫ぶ。其余は此れに類推す。
勾陳利克賊方神。勾陳克賊方上神,卻能取勝也。賊方之上勾陳立。假若賊在午地而上加勾陳是也。天乙遙能制下神。若天乙貴神屬水,為遙克賊方之午地,而上加勾陳也。遇此名為天滅寇,佑我行師得大名。遇此課是上天欲我威賊,佑助我用兵,發大功,顯著於當時,揚於後世也。
勾陳が能く敵方の在る所の神を克すれば、我に利有り。勾陳が若し敵人の在る方位の上頭の神を克し住めば、我方は便ち勝を取るを得べし。勾陳が正に敵方の上頭に立てば、就更に好し。譬えば敵人が午地に在りて、午の上に恰好勾陳を加えば、即ち此の種の格局なり。天乙貴人は又能く位を隔てて遥かに下の神を制す。假如天乙貴神が水に属し、能く遥かに敵方の在る午火を克し、而して其の午の上に又正に勾陳を加えば、便ち両重の制伏なり。此の如き課に遇えば、「天が寇を滅す」と叫ばれ、上天が我が出師を保佑して我をして名を揚げしむるなり。此の課に碰えば、上天が我が手を借りて敵人に向かって威を示威せんとし、暗中に我を扶助して兵を用い、大功を建立して、当時に顕赫し、後世に芳を流すを説明す。
敵使虚実(伝報通用)
敵有使來看日辰,日上為客辰主人。日干上神克辰土。若日上神克辰上神,其言虛謬不可聞。若是辰上克干上,彼必畏我,言詞真。其言是實可信。朱空太陰日辰上。朱空陰乘日上神,主彼詐,乘辰上神主我詐。彼此欺詐機已深。彼以詐來,我以詐應,其機已深,用兵者宜審也。
敵方が使者を派して来れば、日干と日支を看るべし。日干は客位を代表し、即ち来使の一方なり。日支は主位を代表し、即ち我方なり。若し日干上の神が日支上の土神を克し住めば——即ち日上神が辰上神を克する——那れ使者の説く所の話は虚仮荒謬にして、聴くに値らず。若し反って日支上の神が日干上の神を克するは、敵人必ず我方を畏懼し、講ずる所の話は即ち真実にして、属実にして信ずべし。日干日支の上に若し朱雀・天空・太陰を乗ぜば、此の三将が日干上神に乗ずるは対方の詐を使うを主り、日支上神に乗ずるは我方の詐を使うを主る。両辺彼此欺詐して、機心已に甚だ深し。対方が詐術を以て来れば、我も亦た詐術を以て去りて応付し、用心已に深し。兵を帯ぶる者は仔細に弁察すべし。
敵派使者來我方,或敵有書報送來,取月將加時占之。日干為客為敵,日支為主為我。若日干上神剋日支上神,敵使所言皆虛詐,不可信;若日支上神剋日干上神,為敵畏我,其使所言為實,可信。日辰上乘朱雀、天空、太陰,主敵我雙方皆欺詐。
此の一節は上の口訣を把りて再び申説するなり。凡そ敵人が使者を差遣して我が営中に至らしめ、或いは書信を送りて通報するは、皆当月の月将を取りて占問の時辰に加えて天盤を排出して断ず。其の中に日干は客位に居り、来使の属する敵方を指す。日支は主位に居り、我方を指す。假如日干上に乗ずる神が日支上に乗ずる神を克制せば、来使の講ずるが全て虚仮詐語にして信ずべからずを説明す。假如反って日支上の神に由りて日干上の神を克制せば、那れ便ち敵人が畏懼を心存し、使者の報ずる所は属実にして采信すべきなり。日干日支の上に若し朱雀・天空・太陰の此の三位の口舌虚詐を主る天将を乗ぜば、敵我両辺が共に詐を耍しており、誰の話も全信すべからずを表示す。
劫糧覓水
我軍欲劫糧,大小吉下方尋。大吉小吉下得糧。軍意欲求水,小吉太沖訪。小吉太沖為井泉之神,此二神下覓水則得。
我軍が敵の糧草を劫奪せんと欲すれば、「大吉」(丑)と「小吉」(未)の臨む所の下に就りて尋求せよ。此の両位の神の下には必ず糧食を得べし。軍中に水源を尋ねんと欲すれば、「小吉」(未)と「太冲」(卯)を訪ねに去れ。小吉・太冲は井泉を主管する神なり。此の両位の神の臨む下に於て掘り尋ねれば、便ち水を得べし。
姦匿
月將加時向奸求?神后之下萬人伏。奸者,神后是也。其下可伏萬人。千人須藏河龍下。河龍者,太沖是也。百人陰精是良圖。陰精者,從魁是也,其下可伏百人。
月将を占時に加えて天盤を排出し、何処に去りて蔵匿伏兵の所を求めんか。「神後」の下は一万人を埋伏すべし。所謂「姦」とは、指す所は神後(子)なり。其の下は万人の衆を蔵むべし。一千人を蔵むるには、「河龍」の下に蔵むべし。河龍が指すは太冲(卯)なり。一百人を蔵むるには、「陰精」は好去処なり。陰精が指すは従魁(酉)にして、其の下は百人を埋伏すべし。
行險
三河九江天道通。太沖為三河,從魁為九江,欲行間諜切要明。除定危開二神加。二神有一神加四位者,出入敵營任縱橫。出入其下,無人知者。又曰卯酉為天二門,覆地四戶,除定危開之門,出奇制勝,萬夫難當,神鬼佑護。
「三河」と「九江」の両処は天道の通行の地なり。太冲(卯)を三河と叫び、従魁(酉)を九江と叫ぶ。間諜を派せんと欲する者は切に弄清楚を須い。再び此の両位の神が除・定・危・開の四値の上に加わる有無を看よ。只卯・酉の中に一位でも此の四位の一に加臨せば、間諜の敵営に出入するや縦横自如なり。其の下より進出すれば、察覚し得る人なし。又曰く卯・酉は天上の両扇の門なり。地上の除・定・危・開の此の四道の門戸の上に覆わる。此れに由りて奇を出して勝を制すれば、万夫も亦た抵当し難く、尚お神鬼の暗中に庇佑する有り。
訪密
欲得賊消息,天耳下聽之。天耳者,大小吉是也。要訪機密事,地耳不須疑。地耳者,太沖從魁是也。二神下密聽之即得。
敵の消息を探り得んと欲すれば、「天耳」の下に就りて聴け。天耳が指すは大吉(丑)と小吉(未)なり。機密の事を探訪するには、「地耳」も亦た疑うに及ばず。地耳が指すは太冲(卯)と従魁(酉)なり。人を派して此の両位の神の臨む下に至らしめ、悄悄として探聴せしめれば、消息は便ち手に到るを得べし。
劫掠攻城(通用)
若入他境為客兵,劫掠須詳三傳情。初中旺相我軍勝。初中傳主我軍,末傳有氣彼定贏。如攻城亦看初中為我,末傳為彼,以旺相休囚分之。
如果別国の境内に開進して客軍と為し、劫掠に去らんとすれば、須く「三伝」の情勢を細察すべし。初伝・中伝が旺相の気を得れば、我軍は勝を取る——初伝・中伝は我方を主るが故なり。末伝に若し気有れば、対方は就一定に赢つ。城を攻める時も亦た此の看法に照らす。初伝・中伝は我を代表し、末伝は敵を代表し、旺・相・休・囚の気勢の強弱を以て勝負を分判す。
渡河
天有三河壬子癸,地有三河卯酉辰。月將加時看三河,一河臨井必覆舟。又曰:太沖、天罡加日辰主風雨,神后加太歲主舟沉,神后加季急渡則吉。
天上に三条の河有り、即ち壬・子・癸なり。地上も亦た三処の水口有り、即ち卯・酉・辰なり。月将を占時に加えて天盤を転出して此の三河を看れば、只一河でも井位の上に圧すれば、船を行うに必ず傾覆す。又曰く:太冲(卯)・天罡(辰)が日干日支の上に加われば、途中に風雨有るを主る。神後(子)が太歳の上に加われば、船隻の沈没を主る。神後が若し四季の神の上に加われば、急いで渡を搶うが反って吉を得る。
斗柄所指
天罡指巳天地開。以月將加時尋天罡,指巳為天地初開。出軍行師任徘徊。用兵大勝,開地千里。指午坐帳宜彈琴。天罡指午為天地縱橫,不可出軍,坐帳彈琴則吉。指未小通亦可裁。天罡加未為天地小通,出軍亦吉。加申迫爭君須忌。天罡指申為天地迫爭之時,用兵者須忌之。指酉人馬受驚駭。天罡指酉,天地閉塞,車傷馬死,戰必大凶。
天罡が巳位を指すは、天地初開の時なり。月将を占時に加えて天盤を転出して天罡を尋ね、天罡が巳の上に落ちれば、就中天地初開と叫ぶ。此の時軍を出し師を行えば、従容として進退すべし。兵を用いれば必ず大勝を獲し、疆土千里を開拓す。天罡が午を指すは、只帳中に坐して琴を弾ずるに宜し。天罡が午を指すを「天地縦横」と叫び、軍を出すべからず、帳中に安坐して琴を弾じ楽しむが反って吉を得る。天罡が未を指すは、小通の時にして、亦た尚お裁断する所と為すを得べし。天罡が未に加わるを「天地小通」と為し、軍を出すも亦た吉。天罡が申の上に加われば、迫争の時にして、将たる者は必ず避忌すべし。天罡が申を指すを「天地迫争」と叫び、兵を用いる者は須く忌諱すべし。天罡が酉を指せば、人馬皆驚を受く。天罡が酉を指すは天地閉塞し、車は毀れ馬は死し、出戦すれば必ず大凶なり。
返來戌土主乖隔。天罡指戌,出軍主士卒乖傷也。加亥天阱不稱懷。天罡指亥為天阱,用軍主損傷驚怕。指子半路魂魄散。當此之時,出軍迷惑,行者半路魂魄不安。指丑途宿待明來。天罡指丑為天地小通,出軍三十里可止,待來晨任意而行,必獲大勝。
天罡が戌位に転回するは、乖違阻隔を主る。天罡が戌を指すは、軍を出せば士卒の乖離し傷を受くるを主る。天罡が亥の上に加われば便ち「天阱」にして、人意に称わず。天罡が亥を指すを天阱と叫び、兵を用いれば損傷驚怕有るを主る。天罡が子を指すは、軍を行うに半路上に魂魄消散せんとす。此の時に当たりて軍を出せば、人心迷惑昏乱し、半路に走りて魂魄寧まらず。天罡が丑を指せば、就中途中に一晩宿して、天亮を待ちて再び走れ。天罡が丑を指すも亦た「天地小通」にして、軍を出して三十里を走れば便ち停下すべく、第二天早晨を待ちて再び任意に前行すれば、必ず大勝を獲す。
臨寅有喜戰獲勝。天罡指寅,行者有喜,戰必大捷。到卯閉塞宜藏埋。天罡指卯,天地閉塞,宜藏匿避之,凡事不宜。復臨辰地關梁塞。天罡臨本位為關梁閉塞,只可安營下寨,不可妄動。掌上兵機仔細詳。
天罡が寅位に臨むに喜事有り、出戦すれば能く勝を獲す。天罡が寅を指すは、出行の人に喜有り、交戦すれば必ず大捷す。天罡が卯に到れば、天地閉塞し、蔵匿に宜し。天罡が卯を指すは天地閉塞通ぜず、蔵れ躲れて躲避すべく、何事を辦するも相宜ならず。天罡が又辰と云う本位に回れば、関口津梁は便ち皆閉塞す。天罡が自らの本位辰に臨むを、関梁閉塞と叫び、只営を安んじ寨を下すべく、軽挙妄動すべからず。以上此れら兵家の機宜は、全て掌上の一推の間に在り、仔細に推詳すべし。
六壬軍帳賦
上將臨戎,傳式論攻。測將神之動靜,觀主客之雌雄。上將行年克勾處者勝。干為客,為先動。支為主,為後動。
主将が親しく戦陣に臨むに、須く式盤を転出し、三伝に按じて攻守を推論すべし。天将と地支の神の動静を測度し、主客双方の誰が雄で誰が雌かを観察す。主将の行年の神が若し勾陳の在る処を克し住むを得れば、便ち勝を取るを得べし。日干は客方を代表し、先に手を動かす一辺なり。日支は主方を代表し、後に手を動かす一辺なり。
吳坎臨奇,秦宮加偶。歲剛柔之運轉,月支干以研窮。吳為丑地,秦為未地。《黃帝初占》云:凡陽年以大吉加歲支,陰年以小吉加歲支,看四課三傳。及占卜十二邦國,各得吉凶神將所主之事。
呉地の丑は陽年に加え、秦地の未は陰年に加え、年の剛柔に随って輪転し、更に月と日の干支に就いて深く究める。呉は丑位を指し、秦は未位を指す。《黄帝初占》に曰く:凡そ陽年に逢えば「大吉」(丑)を当年の年支の上に加え、陰年に逢えば「小吉」(未)を年支の上に加え、然る後に排出したる四課三伝を看る。この盤を用いて十二邦国の分野を占えば、各自ともに吉凶神将の主る所の事を得る。
假令己丑歲,是為陰年,以小吉加丑,是反吟四柔,用井欄射法。初傳巳上登明為用,將得六合。中傳丑上見小吉,將得天后。末傳未上見大吉將得青龍。此等卦,繫暮占。卯上見從魁為螣蛇,卯為宋分,主口舌事。酉上見太沖為白虎,酉為趙分,是年二月,趙分有災。餘仿此。
譬えば己丑年は陰年なれば、小吉(未)を丑の上に加え、排出したるは「反吟」課で、四課皆柔なり。須く「井欄射」の取用の法を用いるべし。初伝は巳上の登明(亥)が発用し、乗ずる天将は六合。中伝は丑上に小吉(未)を見、乗ずるは天后。末伝は未上に大吉(丑)を見、乗ずるは青龍。此の類の課は夜間に占う所に属す。卯上に従魁(酉)を見て螣蛇を乗ず。卯は宋国の分野なり。口舌是非有るを主る。酉上に太冲(卯)を見て白虎を乗ず。酉は趙国の分野にして、其の年二月に趙地に災有り。其余の各年は此れに類推す。
又如丁卯年,小吉加卯,大吉臨酉,酉乃趙分,上見墓神臨之,主自作亂。其十二邦國分野,皆以所臨神將定其吉凶。
又た丁卯年の如きは、小吉(未)を卯の上に加え、是に於て大吉(丑)は便ち酉位に臨む。酉は趙国の分野にして、其の上頭に墓神の臨むを見れば、趙地に自ら内乱生ずるを主る。其余の十二邦国の分野は、皆此の弁法に照らし、各自の位の上に臨む神と将を看て吉凶を断ず。
亦舉合神,加月支於南北;合神者,甲與己合、乙與庚合、丙與辛合、丁與壬合、戊與癸合是也。加月支者,以歲合加月支,遁五子元也。假令甲申年,正月丙寅,歲合在己,己遁在巳,以巳加月建。占十二邦國神將吉凶成敗也。復推日宿,立用神之東西。日宿即月將。
別に一法有り、「合神」を挙げて、之を月支の上に加えて南北を分判す。所謂合神とは、甲と己合、乙と庚合、丙と辛合、丁と壬合、戊と癸合の此の五組の天干相合なり。所謂月支に加うとは、当年年干の合神を月支の上に加え、「遁五子元」の口訣に依りて推し出すなり。譬えば甲申年、正月の月建は丙寅、甲の合神は己に在り、己は五子元に按じて巳の上に遁すれば、巳を月建の上に加える。此の如く盤を起し、以て十二邦国神将の吉凶成敗を占う。再び下に「日宿」を推し、据えて用神を立定して東に在るか西に在るかとす。所謂日宿とは、即ち月将なり。
敵有使來,正時占決。支神制干,即為真說。若辰上神制日上神,其言可信,客畏主也。反此有奸心,不可信也,一本云,時上神剋日上神,亦主多詐。
敵方に使者の到来有れば、即ち当下の正時を用いて課を起して決断す。日支上の神が日干上の神を制し住むを得れば、来使の説くは便ち真話なり。若し日支上の神が日干上の神を制し住めば、其の話は信ずべし。此れ客方の主方を畏懼するを表示せばなり。反っては則ち心に姦詐を懐き、聴信すべからず。別に一本に曰く:占時上の神が日干上の神を克するも、亦た来使の詐多きを主る。
將朱空而言有欺詐,用角陰而行推奸譎。日上神見朱雀、天空,來情有變,虛詞欺詐也。角者,天罡也。陰者,太陰也。二神將用起年命者,所言不可信,謂太陰蔽翳,天罡凶神也。
天将若し是れ朱雀・天空なれば、来使の話の裡に欺詐有り。発用若し是れ天罡と太陰なれば、行事の間に其の姦譎を推想すべし。日干上の神に朱雀・天空を見れば、来意に変有りて、講ずる所は虚詞仮話なりと説明す。所謂「角」とは天罡(辰)を指し、所謂「陰」とは太陰を指す。此の両位の神将が若し主将の行年本命の上より発用せば、説く所の話は皆信ずべからず。太陰は遮蔽隠晦を主り、天罡は又た凶神なればなり。
下生上位,知詭詐以休行。干葉於支,謂陰謀之罷結。日上神與辰上神相生,則兩軍無礙,陰謀必止。
下位の神が上位の神を生ずれば、詭詐の謀は施行せざるを知る。日干と日支と相協相合すれば、暗中の陰謀は已に了結せりと説明す。日干上の神と日支上の神と彼此相生せば、両軍の間に便ち妨礙なく、陰謀は必ず停止す。
寅申巳亥,天耳四時。年上見者,來使潛機。春寅,夏巳,秋申,冬亥,乃天耳也。天耳臨日辰、命年者,來使必有奸謀,其言不可信也。
寅・申・巳・亥の此の四位は四季に按じて輪値し、即ち所謂「天耳」なり。若し其れ行年の上に出現せば、来使は便ち機心を暗蔵す。春は寅を用い、夏は巳を用い、秋は申を用い、冬は亥を用う。此れ即ち天耳なり。天耳が日干日支或いは本命行年の上に臨めば、来使は必ず姦謀を懐きて、其の話は相信ずべからず。
後乙曹沖,在日辰而詐約;貪狼奸賊,臨支干以虛欺。後即神后,乙即太乙,曹即功曹,沖即太沖,此四神也。申子為貪狼,辰未為奸邪,亥卯為陰賊,此為六賊,天神也。
神後・太乙・功曹・太冲の四神が日干日支に落ちれば、対方の仮約を以て相誘うを主る。貪狼・姦邪・陰賊の一路の凶神が干支に臨めば、則ち虚言を以て相欺くを主る。「後」は即ち神後(子)、「乙」は即ち太乙(巳)、「曹」は即ち功曹(寅)、「冲」は即ち太冲(卯)、此れ四神なり。申・子を貪狼と叫び、辰・未を姦邪と叫び、亥・卯を陰賊と叫び、合わせて「六賊」と称し、皆天神中の凶なる者なり。
如占敵人相約呼召可往否,若日辰見子、寅、卯、辰、巳、未、申、亥加臨,切不可往,其言虛欺也。若四神不宜往約,六賊不宜聽信賊言。以上四神、六賊,或並見六處,乘惡將,乃主詐耳。不然,十二支已去八字矣,豈止四字為實乎?
譬えば敵人の来て相約し招呼するを占い、赴約すべきか否か、若し日干日支上に子・寅・卯・辰・巳・未・申・亥の此の几位の加臨を見れば、千万に前に往くべからず。彼の説くは皆虚仮にして人を騙す話なり。四神を見れば赴約に宜しからず、六賊を見れば敵の言語を聴信するに宜しからず。但し以上の四神・六賊は、必ず同時に六処に並見し且つ凶悪の天将を乗じてこそ、真に欺詐を主る。然らざれば、十二地支已に八つの字を去り、豈に四字のみ余りて真実を算せしめんや。
外國人來,歲神克乙而禍生,若外國人來投拜者,正時占,太歲上神克天乙者,主人賊不可信。他邦異情,陰神賊日以愁之。日辰之陰神自勝其干支或干支上神者,主不利也。
外邦の人の前来するに、若し太歳上の神が天乙貴人を克すれば、禍事将に発生せんとす。凡そ外国人の来りて投拜帰附する有れば、当下正時を用いて課を起し、太歳上の神が若し天乙を克せば、来人の心に賊意を懐くを説明し、信任すべからず。別国が異心を懐けば、日辰の陰神が日干を克傷すれば、即ち発愁すべし。日干日支の陰神が若し反って其の自らの干支に勝ち、或いは干支上の神に勝てば、事情の不利を主る。
發使諸方,年路支干,切忌魁罡,次憂伏反。發使諸方,正時占,日辰及使人行年、去路方位之上,忌見天魁、天罡,更忌伏吟、反吟,皆不利也。
各方に使者を派遣する時、行年・路途および日干日支の此の几処は、最も河魁と天罡を見るを忌み、其次も亦た伏吟・反吟に撞着するを怕る。使者を派して各方に往かしむるに、正時を用いて課を起し、日干日支・使者の行年・往く所の路途の方位の此の几処の上は、天魁(戌)・天罡(辰)を見るを忌諱し、更に伏吟課或いは反吟課を排出するを忌諱す。此れら皆不利なり。
門傷年處,道行殃而凶將災深;年制門時,滯病歸而吉神禍淺。正時占,若所去國門上神來傷行人年上神,行必有殃,吉將災淺、凶將災深。若行人行年上神傷門上神。主滯病而歸。
往く所の国の城門位上の神が行人の行年を傷克せば、路上に必ず災殃有り。凶将を乗ずれば災は更に重し。反って行年が門位の神を制し住めば、病を拖して帰るを要すれども、吉神を乗ずれば禍患も亦た軽し。正時を用いて課を起す。若し往く所の国の城門上神が来て行人行年上の神を傷めば、此の行に必ず禍殃有り。吉将を乗ずれば災軽く、凶将を乗ずれば災重し。若し行人行年上の神が反って門上の神を傷めば、則ち病に染み滞留して後帰来するを主る。
初宜參觜,三傳終而吉將堪憑;參、觜二宿在申,故以申稱參觜也。發使之時得傳送為初傳,大吉也。如三傳終得見傳送,與吉將並即吉,與凶將並即凶。夫初傳得見傳送,亦須吉將併為吉也。
初伝は最も参・觜の二宿の在る所の申位を取得するが好し。若し三伝が末尾に到って又た吉将に配するを得れば、就更に倚仗すべし。参宿・觜宿は皆申宮に在り。故に「参觜」を以て申を代称す。使者を派遣する時若し「伝送」(申)を得て初伝と為さば、便ち大吉なり。假如三伝の収尾の処に又た伝送を見れば、吉将と同じく并ばば吉、凶将と同じく并ばば凶。当然、初伝に伝送を見るも、亦た吉将と同じく并ばばしてこそ吉と算す。
日忌歲傷,顧干神以到時預選。日發之時,忌干勿為歲所克,以克則凶也。若到彼之日,又不可令克初發之日。假令庚辛日發行,不宜丙、丁日到,為傷元發之日,主凶也;宜壬、庚日到則吉。所以到時預先選擇,取相生為吉。
出発の日は最も太歳に克傷せらるるを忌む。故に日干の神を照頋し、到着の日をも連ねて預め選定す。当日出発する時、日干が太歳に克せらるるを忌諱し、克せられれば即ち凶。至るか其の到着の对方の那一天は、又た之をして出発の那天の日干を克せしむべからず。譬えば庚日・辛日に啓程せば、丙日・丁日に到着するに宜しからず。丙丁火が庚辛金を克して、原先の出発の日を傷め、凶を主ればなり。壬日或いは庚日に到着するに宜しくしてこそ吉。故に抵达の日は預め擇定し、相生を取って吉と為す。
忽聞賊起,天罡之前即知來去。以月將加正時,視天罡所臨之處也。天罡加孟,賊不來,是虛說;加季賊來急;加仲,則未來,或半路遲疑未進。
忽然として敵兵の起動を聞けば、只天罡の臨む所を看れば、彼が来るか去るかを知るを得べし。月将を正時の上に加えて天盤を転出し、天罡の落つる何処を看る。天罡が四孟の位に加われば、敵人は来らず、伝聞は仮話なり。四季の位に加われば、敵人の来ること甚だ急なり。四仲の位に加われば、則ち未だ動身せず、或いは已に半路に在りて遅疑して前せず。
欲知行止,圓精視處必見心田。欲知賊之去處行藏,當視天目之下,有賊在也。春辰、夏未、秋戌、冬丑。以月將加時,便知賊所在處。國精,天目也。
敵人が走るか留まるかを知らんと欲すれば、「円精」の落つる所を看れば、心裡に便ち数有り。敵人の去向行蔵を知らんには、天目の下を看るべし。敵人は便ち彼処に在り。天目は季節に按じて取る。春は辰、夏は未、秋は戌、冬は丑。月将を占時に加えて天盤を転出せば、便ち敵人の在る所の処を知る。文中の「国精」とは、即ち天目なり。
井未角辰貴人覆支干而賊兵益急,井宿在未,角宿在辰。貴人者天乙也。凡辰、未臨日辰,賊必至。若辰、未不臨日辰,賊不來。若辰加季,天乙又臨日辰,賊必至;天乙臨日辰,而辰加孟,賊去虛言來也。
井宿の在る所の未、角宿の在る所の辰、若し天乙貴人と連なりて共に日干日支の上に覆圧せば、敵兵の来ること就更に急なり。井宿は未宮に在り、角宿は辰宮に在り。貴人は天乙を指す。凡そ辰・未が日干日支に臨めば、敵人は必ず到る。辰・未が日干日支に臨まざれば、敵人は来らず。若し辰が四季の位に加わり、而して天乙が又た日干日支に臨めば、敵人は一定に到る。若し天乙は日干日支に臨むと雖も、辰が四孟の位に加われば、那れは敵人已に走りたるにして、来ると説くは仮話なり。
玄白制日入熒惑而城壘宜堅。玄白即玄武、白虎也。聞兵至時,玄武、白虎所乘神剋日,賊強,宜急備之。若我掠他人、襲敵人,必遂所願也。
玄武・白虎が日干を制し住め、又た熒惑の位に落入れば、城塁は即ち加固すべし。玄白とは即ち玄武と白虎なり。敵兵の来到を聞く時、玄武・白虎の乗ずる所の神が若し日干を克せば、敵人の強盛を説明し、急いで防備すべし。反って、若し是れ我方の他人を劫掠し敵軍を襲撃せんと欲するに、此の種の課に遇えば反って心に称い願いに如うを得べし。
太白,謂庚辛也。熒惑,謂丙、丁也。聞賊忽來之時,若天上之庚、辛臨地盤丙、丁之上,賊必來;若天上之丙、丁加地盤庚、辛之上,賊不來也。假令甲子旬中以寅、卯為丙、丁,以午、未為庚、辛。若天盤午、未臨地盤寅卯之上,賊必來,宜堅守城壘。若寅、卯臨午、未之上,是熒惑壓住太白金星,賊不來。金氣遇火不敢動故也。
所謂太白とは、庚・辛を指す。所謂熒惑とは、丙・丁を指す。敵人の忽然として来襲するを聞くの時、若し天盤上の庚・辛が地盤の丙・丁の上に圧せば、敵人は必ず来る。若し天盤上の丙・丁が地盤の庚・辛の上に加われば、敵人は来らず。譬えば甲子の此の一旬の裡に、遁干の法に依れば、寅・卯は丙・丁を配得し、午・未は庚・辛を配得す。那れ天盤の午・未が地盤の寅・卯の上に臨めば、敵人は必ず来る。城塁を堅守すべし。若し是れ寅・卯が午・未の上に臨めば、便ち熒惑火星が太白金星を圧し住めたるにして、敵人は来らず——金気が火に遇えば、便ち妄動を敢えてせざればなり。
復察游都,支干傷急;戴虎並蛇,師徒敗績。此下論游都之吉凶。臨辰覆日,立見賊來與蛇、虎相併,主軍有敗亡之禍。臨辰克辰,尤凶,尤準。
再び游都を察看す。其れ若し日干日支を傷克せば、敵情は就中緊急なり。游都が若し白虎を頂き、又た螣蛇と同じく処せば、軍隊は便ち敗績せんとす。以下の几節は皆游都の吉凶を論ず。游都が日支に臨み日干を覆えば、立刻に敵人の到来有り。若し再び螣蛇・白虎と并びて一処に在れば、軍中に敗亡の禍有るを主る。游都が日支に臨みて而又日支を克すれば、格外に凶険にして、亦た格外に応験す。
都將囚死,日辰不克以無憂;或加干支,上下相制而來疾。游都若到囚死之地,不克日辰,亦無驚也。若臨日辰,上下相剋,賊即來,急疾。凡游都無剋日者,止有克辰耳。
游都が若し囚・死の地に落ち、又た日干日支を克せざれば、憂慮するに及ばず。若し干支に加臨して上下互相克制せば、敵人の来ること就快し。游都倘若囚死無気の位置に走り至り、並びて日干日支を克せざれば、亦た驚慌すべき所なし。若し其れ日干日支の上に臨み、上下又た相克せば、敵人は立刻に到り、而且来ること急速なり。大凡游都に日干を克する有らざる時、至多も日支に克り至るのみなり。
孟仲季神定虛真,總領於天罡;游都加孟賊不來,加季賊必來,加仲遲疑。天罡加孟主憂畏,加仲兩相傷,加季主戰。
伝聞の是れ虚か是れ実かは、全て其れ四孟・四仲・四季の何れに落つるかを看るに在り、而して此の一切は又た皆天罡の総管に由る。游都が四孟に加われば敵人は来らず、四季に加われば敵人は必ず来り、四仲に加われば敵人は還って猶豫す。天罡が四孟に加われば心中の憂懼を主り、四仲に加われば両辺互いに損傷有るを主り、四季に加われば主に開戦せんとす。
耳目神居探消息,皆從於地室。大吉丑、小吉未為天目,太沖卯從魁酉為天耳。天耳即地室也。聞賊不的,即使遊騎向天耳下聽之,必得賊人行止消息。欲聽密事,亦於天耳下察之,必得。
耳目の諸神の居る所の処は以て消息を探聴すべく、而して此れらは皆「地室」より下手すべし。大吉(丑)と小吉(未)を天目と叫び、太冲(卯)と従魁(酉)を天耳と叫ぶ。天耳は即ち地室なり。敵情有りと聞くも確切ならざれば、游動の騎兵を派して天耳の臨む所の下に至らしめて聴けば、一定に敵人の行止の消息を得べし。機密の事を探聴せんと欲するも、同じく天耳の下に於て偵察せば、必ず得る所有り。
不臨支干,憂合貴人;好鄉不戰,畏處交兵。游都不臨支干,而與天乙並者,賊亦來,游都所臨相生,此好鄉不戰。若寅為游都,加申酉之上,是寅木所畏之鄉,當此之時,父子不相親,中外不相念,戰鬥必也。凡游都與天乙,在日辰前一辰,則一日至;二辰,則二日至;隔四辰則不至也。游都所臨下辰剋日亦忌。
游都は日干日支に臨まずと雖も、但天乙貴人と并びて一処に在るに只須、仍お担憂すべし。游都が其れと相和する好地方に落つれば、双方は開戦せず。其の畏るる所に落つれば、反って交兵せんとす。游都が干支に臨まずして天乙と同位するは、敵人は照様に来る。游都の臨む所の位が其れと相生せば、此れ即ち「好郷」にして、開戦に至らず。若し寅が游都にして申・酉の上に加われば、那れは寅木の畏るる所の金郷にして、此の際に当たりて敵営中の父子相親しまず内外相顧みず、交戦は便ち免れ難き有り。大凡游都と天乙とは、日干日支の前一辰に落つれば一天の内に到り、前两辰なれば两天に到り、第四辰に隔たれば便ち来らず。游都の臨む所の下の地支が若し日干を克せば、同じく忌むべし。
若在東方猛烈兮,宜堅城壘;或當南面威強兮,速備關津。聞賊至時,正時占,游都臨東方,其賊勢猛;若臨南方,其勢亦不可當也。經云:“卯辰巳等宜防賊,兵書云此是三刑。”
游都が若し東方に在れば、敵勢猛烈なり。城塁を加固すべし。若し南面に当たれば、敵威強盛にして、急いで関口渡口を防備すべし。敵兵の将に到らんとするを聞く時、正時を用いて課を起す。游都が東方に臨めば敵勢凶猛、若し南方に臨めば其の勢いも亦た鋭くして当たるべからず。経の上に曰く:「卯・辰・巳の此の几位は当心して賊有り。兵書に此の几位の相連なるは正に三刑と講ず。」
在西疑遲,可行恩而犒將;臨北事退,可宴樂而棲遲。游都臨西方,其賊遲疑未進,可行賞犒之事。若在北方,主賊退,可宴樂無虞也。又看旺相死休囚。
游都が西方に在れば、敵人は遅疑して進まず、我方は以て恩を施し将兵を犒賞すべし。游都が北方に臨めば、敵事已に退き、以て宴を設け楽を作して従容休息すべし。游都が西方に落ちれば、敵人は遅疑して進むを敢えてせず、正好賞賜犒勞の事を辦ずべし。若し北方に落ちれば、敵人の退走を主り、以て宴楽を安心して憂いなし。此の外還って游都の処する旺・相・死・休・囚の気を参看すべし。
天罡天陽,月建地陽,動偶天陰天魁,靜陰地陰玄見玄武。《玉帳經》云:“天罡為天陽,月建為地陽,天魁為天陰,玄武為地陰。”常法,他處以太歲為地陰。
天罡(辰)は是れ天陽、月建は是れ地陽。動きて偶を成す天陰は天魁(戌)、静かにして陰に属する地陰は則ち玄武に見る。《玉帳経》に曰く:「天罡を天陽と為し、月建を地陽と為し、天魁を天陰と為し、玄武を地陰と為す。」通行の法子に按ずれば、別の書にも亦た太歳を把りて地陰と當てる有り。此の四者両両相配して、正に下文に君臣・父子・水火の変を推し断ずる根拠なり。
若交相覆,君臣驚悖於奸謀;或曰重臨,水火提防於事變。若天陽天陰互相交復,主君臣不相和協,占國兵察地陰,若陰覆陽者,臣欲害君,子欲害父,婦欲害夫也。若陽覆陰時,君欲害臣,父欲害子,夫欲害妻也。若值重陽重陰,皆凶。重陽時火驚,重陰時水驚,若聞有賊,亦急備之。
若し天陽と天陰と互相覆圧せば、君臣の間に就中姦謀に因りて驚乱せんとす。若し是れ同類の重畳相臨せば、便ち水火の類の変故を提防すべし。天陽天陰が彼此交覆するは、君臣の和穆能わざるを主る。国事兵事を占うに、地陰を察看すべし。若し陰が陽の上に覆えば、是れ臣の君を害し、子の父を害し、妻の夫を害せんとする象なり。若し陽が陰の上に覆えば、則ち君の臣を害し、父の子を害し、夫の妻を害するなり。若し重陽或いは重陰に碰えば、皆凶に属す。重陽の時は火警を防ぐべく、重陰の時は水患を防ぐべし。此の時若し敵の来犯する有りと聞かば、亦た急いで防備すべし。
功曹加甲,陽居日以無憂;旬首承箕,陰在干而逢戰。常以功曹加六甲首,聞賊占,日干上見陽神者賊不來,陰神臨日干者賊必至也。謂寅為箕者,以箕宿在寅也。
功曹(寅)を把りて甲の上に加え、日干の上に陽神を得れば憂患なし。旬首が箕宿を承け、日干の上若し是れ陰神なれば将に交戦せんとす。此の法は通常は功曹を把りて六甲旬首の上に加えて盤を起す。敵訊を聞きて占うに、日干上に陽神を見れば敵人は来らず、陰神の日干に臨むを見れば敵人は必ず到る。文中に寅を把りて「箕」と称するは、箕宿が寅宮に在るの故なり。
大吉反伏,太乙追尋;若臨子午,太沖可任。《玉帳經》云:“大吉為天耳,若反吟、伏吟時占,賊在天盤太乙之下,若臨子午之位,賊在太沖之下。”
反吟・伏吟の課に遇上れば、就中大吉より往きて太乙を追尋せよ。若し大吉が子・午の位に臨めば、便ち太冲に憑りて断ずべし。《玉帳経》に曰く:「大吉(丑)は是れ天耳。若し反吟・伏吟の時に逢りて課を起せば、敵人は就中天盤太乙(巳)の下に在り。若し大吉が子・午の位に臨み到れば、敵人は便ち太冲(卯)の下に在り。」
巳亥見牛,於星紀而排陣;辰戌遇鬥爭,向營室以加心。斗牛二宿在丑,故名丑為斗牛也。星紀亦丑也。若巳亥上見丑,賊在星紀之下。若辰戌上見丑,賊在天盤亥下伏也。
巳・亥の上に牛宿(丑)を見れば、就中星紀の位に於て陣を布くべし。辰・戌の上に斗宿の相争うに遇えば、就中営室(亥)の方向に向かいて心を留めて防備すべし。斗・牛の二宿は皆丑宮に在り。故に丑を把りて斗牛と叫ぶ。星紀も亦た丑の別名なり。若し巳・亥の上に丑を見れば、敵人は就中星紀の下に在り。若し辰・戌の上に丑を見れば、敵人は便ち天盤亥位の下に伏す。
卯酉逢聽,可掩襲於太簇;寅申斗耳,當備戰於實沉。太簇,酉之別名。實沈,申之別名。若大吉加卯、酉之上,賊在天盤酉下伏也。若大吉加寅、申之上,賊在天盤申下伏也。
卯・酉の上に聞く所有れば、就中以て太簇(酉)の方に到りて掩襲すべし。寅・申の上に斗宿と天耳と相値せば、就中実沈(申)の方に於て戦備すべし。太簇は酉の別名にして、実沈は申の別名なり。若し大吉(丑)が卯・酉の上に加われば、敵人は便ち天盤酉位の下に伏す。若し大吉が寅・申の上に加われば、敵人は便ち天盤申位の下に伏す。
神后登明,正時可曉。干見賊多,支逢寇少。聞賊加正時。若亥、子二神臨日,賊多;臨辰,賊少。又游都臨日賊多,臨辰寇少。
神後(子)と登明(亥)の両位は、正時を用いて課を起せば便ち看て明白にすべし。其れら日干上に出現せば敵人衆多、日支上に出現せば敵人稀少なり。敵訊を聞けば就中正時を用いて課を加う。若し亥・子の二神が日干に臨めば敵兵多く、日支に臨めば敵兵少なし。同じく游都が日干に臨めば敵多く、日支に臨めば敵少なし。
辰加剋日,奇兵應防於陣後。支臨日克干,賊在我後。又云:支其克干,賊必襲後,宜速備之。日覆於辰,銳卒急當於前擾。干加支,賊在我前,又云,干克支,賊當道伏截,宜急備之。又云,天罡辰、太乙巳、大沖卯、神后子四神臨日,賊兵在前;臨辰,賊兵在後。
日支が日干に加臨して而又之を克せば、就中奇兵の我が陣後を抄襲するを提防すべし。日支が日干の上に臨みて并びて日干を克すれば、敵人は我が背後に在り。又曰く日支が日干を克すれば、敵人は必ず来て後方を襲撃す。急いで防備すべし。之に反して日干が日支の上に覆圧せば、敵人の精鋭は就中前面に来りて扰かんとす。日干が日支の上に加われば、敵人は我が前方に在り。又曰く日干が日支を克すれば、敵人は会して道に当たりて伏を設けて拦截す。須く急速に防備すべし。還って一説有り:天罡(辰)・太乙(巳)・太冲(卯)・神後(子)の此の四神が日干に臨めば敵兵は前に在り、日支に臨めば敵兵は後に在り。
雀蛇臨日,白勾制而血光;朱雀、螣蛇臨日,必主驚悸也。白虎、勾陳臨日,必傷兵士。虛子軫巳二神,蛇鼠會而賊矯。虛宿在子,軫宿在巳,若二神臨日辰而又剋日辰者,其賊急強,未可攻也。我據險依隘,從太歲備之。
朱雀・螣蛇が日干に臨めば、驚懼を主る。白虎・勾陳が来りて制伏を加えれば、則ち血光を見る。朱雀・螣蛇が日に臨めば、必ず驚悸不安を主る。白虎・勾陳が日に臨めば、必ず兵士に傷及す。虚宿の在る所の子、軫宿の在る所の巳の此の両位の神、蛇(巳)と鼠(子)と相会せば、敵人は就中驕悍にして制し難し。虚宿は子宮に在り、軫宿は巳宮に在り。此の両位が若し日干日支に臨みて而又日干日支を克せば、敵人の急勁強悍を説明し、貿然として進攻すべからず。我方は険要隘口に拠りて守り、太歳の方位に依りて防備すべし。
太乙巳罡辰沖,遇必爭先。夜防賊至,兵備宜專。太沖、天罡、太乙三神齊見,謂之三刑。聞賊來占,值巳、辰、卯臨日辰上者,不問克不克,賊必先至。若臨日,則夜有劫營掩襲之患。
太乙(巳)・天罡(辰)・太冲(卯)の三位相遇せば、敵人は必ず先んじて手を動かす。夜裡は敵兵の到来を防ぎ、戒備は須く専一不懈たるべし。太冲・天罡・太乙の三神斉しく現わるるを、就中「三刑」と叫ぶ。敵訊を聞きて占うに、若し巳・辰・卯が日干日支の上に臨まば、克する不克するを論ぜず、敵人は一定に先に到る。若し其れら日干に臨めば、夜裡に便ち劫営掩襲の患有る。
甲乙聞憂,丙子可除亂寇;庚辛知事,壬癸定破烽煙。假令甲、乙日忽聞賊,或見賊,宜丙、丁、巳、午時,擇吉門而出,必勝;庚、辛日,宜用壬、子、癸、亥時。則吉也。
甲・乙日に憂警を聞けば、丙・子の類の時辰を用いて便ち乱寇を掃除すべし。庚・辛日に戦事を知れば、壬・癸の時を用いて定めて烽煙を打破すべし。譬えば甲・乙日に忽然として敵訊を聞き、或いは敵兵を望見せば、丙・丁・巳・午の此の類の火に属する時辰を取り、一つの吉門を選んで兵を出せば、必ず勝を取る。庚・辛日は則ち壬・子・癸・亥の此の類の水に属する時辰を用いるに宜しく、便ち吉を得る。此れは仍お日干の生ずる所の子孫の気を取りて来犯の敵を制伏するの道理なり。
土木東青,金火南輪兮於夏;甲庚西罹,丙壬北敗兮冬天。此言用兵日與方向。不可太旺與太屈。假如春三月甲乙日,向東方,則太旺,而出兵必課災眚。又如春三月土死,以戊巳日向東行,則受制太過,出兵必遭屈辱。舉此例,五行類推。
土日・木日は東に向かい、金日・火日は夏天に於て南に向かう。甲日・庚日は西に向かえば殃に遭い、丙日・壬日は冬天に於て北に向かえば敗北せんとす。此の几句は兵を用いるの日と向かう所の方位の配合を講ず。既に太旺すべからず、亦た太屈抑を受くべからず。譬えば春季の三箇月の裡の甲・乙日に東方に向かい進兵するに、木は春天に本已に旺に当たり、再び東に往けば旺すること過頭に過ぎ、兵を出せば必ず災禍を招く。又春季に土は死地に処し、戊・己日を用いて東に向かい行えば、土は木克を受くること已に甚しく、再び東に往けば便ち受制の太過なり、兵を出せば必ず屈辱に遭う。此の両例を挙げて則と為し、其余の五行は此れに類推す。
貴人舉兵,開地千里;螣蛇出軍,眾心憂畏。太常粗吉,知軍旅之營安;六合尤宜,獲金實之美麗。青龍大勝,得府庫與圖書;朱雀多詞,慮軍戎之見恥。太陰中怯,玄武失物以憂深;天后無威,白虎自敗而禍死。勾陳則戰士折傷,天空乃君臣被毀。
天乙貴人が発用して兵を起せば、千里の疆土を開拓するを得べし。螣蛇が発用して軍を出せば、人心は憂懼驚惶す。太常が発用すれば略々吉にして、軍営の安穏を知るべし。六合が発用すれば尤其に相宜しく、金帛珍宝の美を獲取するを得べし。青龍が発用すれば大勝して、府庫の財物と図籍とを奪得するを得べし。朱雀が発用すれば口舌多く、須く軍中の恥辱を蒙るを慮るべし。太陰が発用すれば則ち士気は怯懦なり。玄武が発用すれば財物を丟失して憂慮深重を主る。天后が発用すれば則ち軍に威勢なし。白虎が発用すれば自ら敗亡を取りて死傷の禍有るを主る。勾陳が発用すれば、戦士は折損し傷受く。天空が発用すれば、君臣は人の詆毀を受く。
此言發用初傳之將所主之吉凶也。用起天乙,出軍,敵人千里畏服。用起螣蛇,主驚駭潰亡之兆。用起太常,主營固而卒安。用起六合,主獲金帛子女之大利,占邦國亦然。用起青龍,必得邦郡圖書、府庫之物,出軍大利。用起朱雀,被蔑毀辱,立見災殃。起太陰,出軍士卒怯弱。起玄武,主軍馬潰失奔潰之禍。起天后,出軍不戰自敗。發用白虎,出軍疾疫喪亡。起勾陳,主敗亡,軍折馬傷。起天空,主出軍被敵欺誆凌辱之事。
此の一段は逐条に申説して、初伝発用の乗ずる所の天将が各々何の吉凶を主るかを述べる。発用が天乙より起れば、軍を出して千里の外の敵を畏服降従せしむべし。発用が螣蛇より起れば、驚駭潰敗逃亡の兆なり。発用が太常より起れば、営塁の穏固・士卒の安寧を主る。発用が六合より起れば、金帛子女の大利を獲るを主り、邦国の事を占問するも亦た是の如し。発用が青龍より起れば、必ず州郡の図籍と府庫財物を得るを得べく、軍を出すに大いに利有り。発用が朱雀より起れば、人に軽蔑毀謗羞辱せられ、災殃は立見す。太陰より起れば、軍を出せば士卒は怯弱なり。玄武より起れば、軍馬の散失奔潰の禍を主る。天后より起れば、軍を出して戦わずして自ら敗る。発用に白虎を得れば、軍を出すに疫病と死喪有り。勾陳より起れば、敗亡を主り、兵折れ馬傷つく。天空より起れば、軍を出す時敵人に欺騙凌辱せらるるを主る。
空亡失眾,傳逢不利。初傳雖吉,中未見空亡者,出師不利。天罡加巳,行者獲全;縱橫建午,坐帳調琴。此下七節言天罡所指之吉凶也。天罡指巳,為天地所初開時,出軍開地千里,大勝也。加午為縱橫,坐帳不出,宜安樂而備兵也。
三伝若し空亡に逢えば、人衆を折損し、事に於て利ならず。初伝縦れ是れ吉なるも、中伝・末伝に空亡を見る者は、師を出すに仍お利ならず。天罡が巳の上に加われば、出行の人は周全を保つべし。天罡が午位に建つは縦横の時にして、只帳中に坐して琴を弾ずるに宜し。以下の七節は皆天罡の指す処の吉凶を講ず。天罡が巳を指すは、天地初開の時にして、軍を出せば千里の疆土を開拓し、大いに全勝を獲す。天罡が午に加わるを「縦横」と叫び、帳に坐して出でず、安閑自処して暗中に兵馬を整備するに宜し。
指未必通,謂聲名之著顯;向申地迫,言災禍以彌深。加未,天道小吉時,可以出軍也。加申,天地小爭時,又為地迫時,不可出軍,避之則吉。
天罡が未を指せば、路途は必然に通暢し、声名顕揚の象なり。天罡が申に朝向するは、地迫の時にして、災禍の愈々深重を説く。天罡が未に加われば、正に天道小吉の時に当たり、軍を出すべし。天罡が申に加われば、是れ天地小争の時にして、又た地迫の時と叫び、軍を出すべからず、避くるが吉なり。
直酉西方,地閉而車折馬死;返來戌上,人乖而將殞兵沉。加酉為天地關格時,不可出師,必有隔絕、人馬鬥傷之患。加戌為天地反吟時,不可出軍,乃君臣相隔、父子相違、夫婦相別、奴婢背主之時,主士卒凶傷禍敗也。
天罡が正に西方の酉位に当たれば、地気は閉塞し、車は折毀れ馬は倒斃す。天罡が戌の上に回れば、人心は乖離し、将領は殞命し兵卒は沈没す。天罡が酉に加わるは天地関格の時にして、師を出すべからず、必ず阻隔断絶・人馬闘傷の禍患有り。天罡が戌に加わるは天地反吟の時にして、亦た軍を出すべからず。那れは君臣相隔・父子相違・夫妻相別・奴婢背主の時にして、士卒の凶傷・師出の敗績を主る。
亥上見之,天窄而傷人驚怖;子邊見也,地逼而半路難居。加亥為天窄時,加子為地逼時,俱不宜出軍,主半路恍惚不安。
天罡が亥の上に出現するは、天窄の時にして、人を傷めて人をして驚怖せしむ。子辺に出現するは、地逼の時にして、半路に走り至りて便ち安居し難し。天罡が亥に加わるを天窄の時と叫び、子に加わるを地逼の時と叫び、両者とも軍を出すに宜しからず。半路に行き至りて精神恍惚・心中不安を主る。
丑向途通,三十里宿;來晨任意,神功潛助。每臨寅上,龍見天乙以情通;若到卯中,天地塞閉而氣換。加丑為天地小通時,出軍三十里,來晨任意前行。指寅為天地獨通時,遇天乙尤吉。加卯為天地閉塞不通時,宜藏避。
天罡が丑に在れば、路途は通暢し、三十里を走れば便ち宿営す。第二天の早晨は任意に前行して、暗中に自ら神功の相助くる有り。天罡が寅の上に臨むに毎に逢えば、青龍と天乙と相見えて、情勢は就中暢通す。若し卯位の中に到れば、天地は閉塞し、気数は之が一変す。天罡が丑に加わるは天地小通の時にして、軍を出して三十里を行き、次日の清晨は任りに前進す。天罡が寅を指すは天地独通の時にして、若し再び天乙貴人に遇えば尤其に吉利なり。天罡が卯に加わるは天地閉塞通ぜざるの時にして、蔵匿躲避に宜し。
伏吟辰地,關梁閉塞以難通。若守城營,客將憂疑而自縮。指辰為天地伏吟時,亦為天地閉塞,利以守己。若堅城守營,賊將自遁,不可出軍遠行也。
天罡が伏吟して辰と云う本位に回れば、関口津梁は閉塞して通じ難し。若し我方が城池営寨を堅守せば、来犯の客将は便ち憂疑退縮せん。天罡が辰を指すは天地伏吟の時にして、亦た天地閉塞を算へ、自守するに利あり。只須城池を堅固にし営塁を守住せば、敵将は自然に遁走し、切に軍を出して遠行すべからず。
猝逢賊將,方處占求;強兵神后,步卒牽牛。此下四節,以來方而占賊也。見賊加正時,看方上之神。神后,子也。若方上見子,賊從其下來者,賊將先來,必為輕騎。方上見大吉,賊從其下來者,其將堅強也。
倉促の間に敵将に碰上れば、就中彼の来る所の方位に按じて課を起して推求せよ。方位上に神後を見れば、来るは強兵なり。牽牛(丑)を見れば、来るは歩卒なり。以下の四節は、皆敵の来る方向に按じて敵情を占断す。敵を望見すれば便ち正時を用いて課を加え、其の方位の上が何れの神なるかを看る。神後とは就中子なり。若し方位上に子を見れば、敵人は其の下より過ぎ来る。那れ敵将の先に到るは、必ず軽装の騎兵なり。若し方位上に大吉(丑)を見れば、敵人は其の下より過ぎ来る。其の位の将領は必ず堅強なり。
猛見功曹寅,車騎長槍於兔腹卯;急旗角亢辰,衛兵變陣於龍頭巳。賊從功曹下來,其將猛,其士健。兔即卯也,賊從太沖下來,其兵精,器械且利。角亢,辰也,天罡也,賊從其下來,必有伏兵急速也。太乙名龍頭,即巳也,賊從其下來。其兵善能進退,變化陣形,故名衛兵,它謹速之。
方位に功曹(寅)を見れば、来る敵将は勇猛なり。兎腹(卯)を見れば、来るは車騎と長槍なり。角亢(辰)を見れば、旗號は急促なり。龍頭(巳)を見れば、来るは変陣に善き衛兵なり。敵人が功曹の下より過ぎ来れば、主将は勇猛・士卒は強健を主る。兎は就中卯なり。敵人が太冲の下より過ぎ来れば、兵員は精鋭・器械は鋒利なり。角・亢の二宿は辰に在り、辰は就中天罡なり。敵人が其の下より過ぎ来れば、必ず伏兵を帯びて而且行動急速なり。太乙は又名を龍頭と曰い、就中巳なり。敵人が其の下より過ぎ来れば、其の支の軍隊は進退に善く陣形を変化す。故に衛兵と称し、之に対し格外に謹慎迅捷に応対すべし。
馬隊勝光,大將秦宮未而坐用。驍從傳送申,明天趙次酉以箕籌。賊從勝光下來,其將武勇,或軍士眾,當以奇兵以待之。賊小吉下來,其兵勝而強。賊從傳送下來,其賊勇銳。酉為趙分,賊從其下來,其賊能知天道,有謀略。
方位に勝光(午)を見れば、来るは馬隊なり。秦宮の未を見れば、大将の坐鎮調度なり。伝送(申)を見れば、来るは驍勇の卒なり。趙地の酉を見れば、対方は天時に通暁し謀を善くする人なり。敵人が勝光の下より過ぎ来れば、主将は武勇にして或いは軍士衆多なり。奇兵を用いて対付すべし。敵人が小吉(未)の下より過ぎ来れば、兵力は占優にして強盛なり。敵人が伝送(申)の下より過ぎ来れば、其の支の敵軍は勇猛精鋭なり。酉は趙国の分野にして、敵人が其の下より過ぎ来れば、敵方は天道を懂得し謀略に富有す。
天魁戌猛壯而難擊。登明亥突急而莫留。賊從戌下來,其賊將士猛壯精銳,不可輕擊也。賊從亥下來,多有突急銳兵或奇伏之卒也。
方位に天魁(戌)を見れば、敵人は猛壮にして撃破し易からず。登明(亥)を見れば、敵人は突進急驟にして、之と久しく留まり糾纏すべからず。敵人が戌の下より過ぎ来れば、其の将士は猛壮精鋭にして、軽易に出撃すべからず。敵人が亥の下より過ぎ来れば、多半は突襲の鋭兵を帯び、或いは奇兵伏卒を暗蔵す。
象色天機,金來火應。兵戈相入,勾陳是刑。賊從申上來,我以赤旗、銳陣應之。四方皆仿此。勾陳臨日,兩軍合陣以爭雄;井斗來臨,彼此收戈而息怒。假令申酉為勾陳,臨甲日之上,為刑,金克甲,必戰。加仲神在門,兩傷;加季神在外,必有大戰。若大、小吉臨甲日,兵自兩解而不戰。井,小吉;斗,大吉也。
旗幟の形制顔色は暗に天機を含む。敵方が金に属して来犯せば、我は就中火に属する旗陣を用いて応ず。敵人が申位の上より来れば、我方は便ち赤色の旗幟・鋒鋭の陣形を用いて応対し、其余の三方は此れに類推す。兵戈の相接するか否かは、勾陳の刑を帯ぶるや否やを看るべし。勾陳が日干に臨めば、両軍は就中陣を擺して雄を争わんとす。井宿・斗宿の来臨すれば、双方は反って兵を収め怒りを息む。譬えば申・酉が勾陳の乗ずる所と為り、甲日の上に臨み、刑克を構成して金が甲木を克すれば、必ず交戦す。勾陳が四仲の神・正に門戸の位に加われば、両辺倶に傷つく。四季の神・外囲に処りて加われば、必ず一場の大戦有り。若し大吉(丑)・小吉(未)が甲日に臨めば、両辺の兵は自然に各々手を罷めて交戦せず。所謂井とは小吉の未を指し、所謂斗とは大吉の丑を指す。
年逢六害,凶神必並於外傷;若主將本命、行年上見六害、更與凶將並,主凶敗。或剋日,大凶。日值孤雄,吉將堪逢於陣擊。孤者,太歲、月建後二辰是也。虛者,孤之對沖也。如正月子孤、午虛之類。用兵皆當背孤擊虛。雄者,春寅、夏巳、秋申、冬亥,用兵皆當背雄擊雌,雌者,雄之沖也。若孤神與戰雄臨將之行年、本命、辰之上者,必得大勝。
行年の上に六害に碰到し、若し更に凶神の並臨有れば、外来の傷害は免れ難し。主将の本命・行年の上に若し六害を見、又た凶将と同じく一位に処れば、凶険敗北を主る。若し再び日干を克せば、那れは大凶なり。日辰が若し「孤」と「雄」に値い、再び吉将に配上せば、便ち以て陣を列ねて出撃すべし。所謂孤とは、太歳・月建より後に数えて第二辰なり。所謂虚とは、孤の対冲の位にして、譬えば正月は子を以て孤と為し午を以て虚と為すの類。兵を用いるに皆当に孤位を背にして虚位を攻撃すべし。所謂雄とは、春寅・夏巳・秋申・冬亥なり。兵を用いるに亦た皆当に雄位を背にして雌位を攻撃すべし。雌は就中雄の対冲なり。若し孤神と戦雄とが一同に主将の行年・本命或いは日支の上に臨み到れば、必ず大勝を得る。
官軍欲勝,勾制玄都。勾陳若制玄武、游都者,出軍必勝。主將年上神克白虎、玄武所乘神亦勝。若三傳中將得六合、青龍、太陰、太禽,及在將軍年命上更乘旺氣者,必大勝。又玄武陷死囚之地,亦勝。若玄武臨日辰,遙克時上勾陳,必敗。天乙、勾陳所乘神克游都者勝。
官軍が勝を取らんと欲すれば、便ち勾陳をして玄武と游都を制し住めしむべし。勾陳が若し玄武・游都を制服し得れば、軍を出せば必ず勝つ。主将行年上の神が若し白虎・玄武の乗ずる所の神を克し得れば、亦た勝を取るを主る。倘若三伝の中に六合・青龍・太陰・太禽の此の几位の吉将を得、而且将軍の行年本命の上に落ちて又た旺気を乗ずれば、必定に大勝す。玄武が若し死・囚無気の地に陷入せば、同じく我勝ち。反って、若し玄武が日干日支に臨み、位を隔てて遥かに占時上の勾陳を克せば、那れは必定に敗北す。天乙・勾陳の乗ずる所の神が能く游都を克するは、勝を主る。
損支主敗,傷干客輸。正時占,干上神遙克支上神,或干克支。及上克下,皆為主敗。若支上神克干上神,或支克干,或下克上,皆為主勝。
日支が損を受ければ主方敗れ、日干が傷を受ければ客方輸す。正時を用いて課を起す。日干上の神が遥かに日支上の神を克し、或いは日干が日支を克し、以及上神が下神を克すの此の几種の情形は、皆主方の敗北を主る。反って、若し日支上の神が日干上の神を克し、或いは日支が日干を克し、或いは下神が上神を克せば、就中皆主方の勝取るなり。
欲掠他鄉,戊己須逢于吉將;欲潛兵劫掠,視天盤、地盤二處戊、己位,逢吉將,出掠有功。假令甲子旬中以辰、巳為戊、己,上下皆為吉將,必然大獲。
別処に到りて劫掠せんと想えば、戊・己の寄せる所の位は須く吉将に遇上すべし。暗に兵を出して劫掠せんと要すれば、就中天盤・地盤の此の両処の戊・己の在所の位置を看よ。若し吉将の之に臨むに逢えば、出でて抄掠すれば必ず手に得るを得べし。譬えば甲子の此の一旬の裡、遁干の法に依りて辰は戊を配し巳は己を配す。若し此の両位の上下とも吉将を乗ずれば、必定に大いに斬獲有り。
前三後二,私門禁戶以相扶。前三,六合也。後二,太陰也。若卯、酉乘之謂之私門。禁戶有四,除、定、危、開是也,得太常、青龍、太陰、六合乘之,出兵深入,如蹈無入之境。入水不溺,入兵不傷,天佑之福也。
貴人の前面第三位と後面第二位は、私門と禁戸とが互相扶助する所なり。前三位は六合、後二位は太陰なり。若し卯・酉に由りて来りて其れらを乗載せば、就中「私門」と叫ぶ。禁戸は共有四処あり、就中除・定・危・開の此の四値なり。若し再び太常・青龍・太陰・六合の乗臨を其の上に得れば、兵を出して敵境に深入するや、無人の地に走り入るが如し。水に下るも淹溺せず、兵に遇うも傷を受けず。此れ上天の保佑の福分なり。
三路迷心、時下罡隨於孟仲;兩歧惑應,日辰左右以規謀。路逢三叉之道,欲知何道吉,正時占。天罡加孟,左道通;加季,右道通;加仲,中道通。此下出軍大捷,所求必遂。若逢兩歧路,日干吉者,左道通;支吉者,右道通也。
三条の路に岔れて心中迷惑せば、就中占時の下に天罡の落つるが孟位か仲位かを看よ。若し是れ両条の歧路にして決断し難ければ、就中日干日支を用いて左右を分けて籌画せよ。三岔路口に走り到りて、何れの道が吉利なるかを知らんと欲せば、正時を用いて課を起す。天罡が四孟に加われば、左辺の路を走れば通ず。四季に加われば、右辺の路を走れば通ず。四仲に加われば、中間の路を走れば通ず。此の如くに照らして軍を出せば必ず大捷を獲し、求むる所の事は一定に願いの如くならん。若し両条の歧路に碰上れば、日干の吉なるは左路を走り、日支の吉なるは右路を走れ。
欲渡河江,支傷莫人。卯辰及酉,井泉須知。壬亥子兼癸丑,天河覆井以沉波。更忌罡沖,太歲遭虛而禍急。欲渡江河,正時占,支傷則水路不宜行也。卯、辰、酉為地之三井,壬、子、癸為天之三河。正時占,天河加臨地之井者,主有覆溺之危,不可渡也。若見太沖、天罡加支干,必有風濤之惡。神后加太歲之上,主行船有沒溺之災。
江を渡り河を過ぎんと欲すれば、日支が傷を受ければ就中水に下る勿れ。卯・辰と酉の此の几位は地上の井泉なり、須く先に記牢すべし。壬・亥・子は癸・丑と連なりて天上の河に属す。天河一旦地井の上に覆圧せば、船を行えば便ち波中に沈没せんとす。更に太冲・天罡の来りて冲するを忌諱し、太歳が若し虚位に遇上せば、禍事は就中緊急に来る。江河を渡らんと想えば、正時を用いて課を起し、日支が傷を受ければ則ち水路は行走に宜しからず。卯・辰・酉は地上の三井、壬・子・癸は天上の三河なり。正時を用いて課を起し、若し天河が地井の上に加臨せば、傾覆淹溺の危有るを主り、渡るべからず。若し太冲・天罡が日干日支の上に加わるを見れば、途中に必ず悪劣の風濤有り。神後(子)が太歳の上に加われば、船を行くに沈没の災有るを主る。
洿池之地,天罡指處以堪行;支吉干傷,水面通船而立事。日為陸地,干吉利陸進。如有洿下聚水之處,亦取天罡下去通於道也,加孟勿前行,加仲勿中行,加季勿後行。支為水道,支吉利水路。
低窪積水の地方に遇上れば、唯天罡の指す所の方向のみ通行走行すべし。日支が吉にして日干が傷を受ければ、就中水路を走り船隻を用いて事を辦ずべし。日干は陸地を代表し、日干が吉利なれば便ち陸路より推進するに適す。若し前面に低窪積水の処有れば、亦た天罡の下を取りて通行の道路と為す。天罡が四孟に加われば、隊伍の前頭を走る勿れ。四仲に加われば、隊伍の中間を走る勿れ。四季に加われば、隊伍の後尾を走る勿れ。日支は水道を代表し、日支が吉利なれば便ち水路を走るに適す。
凡丙子、丁丑、癸未、癸丑為觸水龍日,不宜涉水,戊寅、己卯日亦凶。凡卯為船車,臨支為船,臨干為車,在旺相之鄉,車船無損,在囚死之鄉,車船破壞。若臨渡船漏,看天罡,加孟前有補處,加仲中間有補處,加季船尾有補處。行車同。
凡そ丙子・丁丑・癸未・癸丑の此の几日を「触水龍日」と叫び、水を渉るに宜しからず。戊寅・己卯の両日も亦た凶なり。卯の此の一位は船と車とを代表す。卯が日支に臨めば就中船と作って看、日干に臨めば就中車と作って看る。卯が旺相の地に落ちれば、車船は完好無損なり。囚死の地に落ちれば、車船は便ち破損有り。假如河を渡る時船隻の漏水あれば、就中天罡を看よ。天罡が四孟に加われば、船頭に補うべき破処有り。四仲に加われば、船身の中間に破処有り。四季に加われば、船尾に破処有り。車を修する道理も此れと同じなり。
昏蒙失路,執式天盤。參申行意曉,天角辰堪緣。道經山林野澤,蒙雨霧暗,迷失道路,執式特盤投於地,取天罡下之五十步當得好道。傳送之下,亦主自然開悟。參宿在申,故曰參行也。天角,天罡也。去必有路。
天色が昏暗して路を迷えば、就中式盤を把りて手裡に天盤を推転せよ。参宿の在る所の申は能く人をして何処に向かい走るべきかを明白ならしめ、天角の在る所の辰も亦た以て依憑すべし。行軍の途中に山林野沢を経過し、雨霧昏暗に遇上りて道路を迷失せば、就中式盤の天盤を把りて地上に投放して定向し、天罡の指す所の下に朝向して五十歩を走れば、必ず好路を覓得すべし。伝送(申)の下に走り到れば、亦た自然に豁然として醒悟す。参宿は申宮に在り。故に「参行」と曰う。所謂天角とは、就中天罡なり。其れに朝向して去れば、必定に路有り。
軍士酣臥,趨井未房卯之清泉。軍士進行歇臥,正時上,求水路,以小吉有井宿,並太沖又有房宿,其下可以求水井或河,不出二百步之外。
軍士が安頓歇息せんと要すれば、就中井宿の在る所の未・房宿の在る所の卯の下に到りて清泉を尋ねよ。軍隊が行進の途中に停下して休息するに、当下の正時を用いて課を起して水源を尋求す。小吉(未)の上に井宿有り、太冲(卯)の上に又た房宿有り。此の両位の臨む所の下に於て便ち水井或いは河流を覓得すべく、距離は二百歩の外を出でず。
欲劫軍糧,向吳秦之大獲。欲劫糧,出吳分大吉、秦分小吉之下,糧必得。大吉紫房,神后華蓋,能藏萬物,即行無害。大吉為紫房,神后為華蓋,凡有急事欲避藏者,往大吉、神后之下,人不能以掩來也。
敵の軍糧を劫奪せんと想えば、呉・秦の両処の分野に朝向して去れば、必ず大収穫有り。糧を劫せんと要すれば、就中呉地分野の大吉(丑)・秦地分野の小吉(未)の下より兵を出せば、糧草は必定に手に到る。大吉は「紫房」、神後は「華蓋」にして、能く万物を蔵匿し、彼処に往けば便ち害を受けず。大吉を紫房と叫び、神後を華蓋と叫ぶ。凡そ緊急の事に遇い躲蔵せんと要すれば、就中大吉・神後の臨む所の下に到れば、敵人は掩襲して来ること能わず。
太沖千騎,從魁可遁於百人;斗鬼參回,天駟潛之而莫內。卯下可藏千騎。酉為後女之神,可藏百人。凡伏兵避惡,乃可從丑上去,向未,回申上立定,正向卯上潛避,則追不得也。丑有斗宿,未有井鬼,申有參,故謂丑未申為斗、鬼、參。一云,賊卒至,宜往房星下避之。房星,太沖也,亦名天駟。假令房星在午,宜出正南造之。
太冲(卯)の下は以て千名の騎兵を蔵すべく、従魁(酉)の下は以て百人を隠匿すべし。斗・鬼・参の三宿の位に由りて繞行回転し、再び天駟の下に潜伏せば、敵人は便ち窺入するに従無し。卯の下は能く千騎を蔵む。酉は後女の神にして、能く百人を蔵む。凡そ兵馬を埋伏し凶険を躲避せんと要するは、丑位より起步し、未位に転向し、申位に繞回りて站定し、再び卯位に正对して潜蔵せば、此の如くすれば敵人は就中追い及ぶ能わず。丑の上に斗宿有り、未の上に井宿・鬼宿有り、申の上に参宿有り。故に丑・未・申を把りて斗・鬼・参と叫ぶ。別に一説有り。敵兵の猝然として殺到すれば、房星の下に往きて躲避するに宜し。房星は就中太冲にして、亦た天駟と叫ぶ。譬えば房星が午の上に落ちれば、就中正南方に朝向して去るべし。
青常陰合,大梁酉大火卯以同居;除定危開,主將其方而喜在。大梁,從魁也。大火,太沖也。此二神為私門。除、定、危、開為地四禁戶。以二私門加禁戶,又與龍、常、合、陰並,宜出其下大吉。
青龍・太常・太陰・六合の四位の吉将が、大梁(酉)・大火(卯)と同じく一位に居り、再び除・定・危・開の四値に逢えば、主将が其の方向に朝向して去れば便ち喜事有り。大梁は就中従魁(酉)、大火は就中太冲(卯)なり。此の両位の神は合わせて「私門」と称す。除・定・危・開は地上の四道の禁戸なり。両処の私門を把りて禁戸の上に加え、又た青龍・太常・六合・太陰と同じく并ばば、其れらの下より兵を出すに大吉なり。
急賊方所,初傳五行。水為北房,火作南兵。忽問賊,正時占,視初傳五行,即可知何賊。亥、子為北虜,巳、午為南蠻。復見土神,有虜急從於四季;初當本位,其謀必見於東渡。初傳辰、戌、丑、未,賊必四季之人。初傳寅、卯,必東方之人。
急ぎて敵の自ら来る何方を弄清楚せんと要すれば、就中初伝の五行属性を看よ。初伝が水に属すれば、是れ北方より来るなり。火に属すれば、是れ南方より来るなり。忽然として敵情を問い起せば、正時を用いて課を起し、初伝の五行を看れば、便ち何れの路の敵人なるかを知るを得べし——亥・子は北方の胡虜を主り、巳・午は南方の蛮夷を主る。若し再び土神を見れば、敵人は急に四季の方より来る。初伝が若し木の本位に落ちれば、那の謀画は必定に東辺より渡り来る人より出づ。初伝が辰・戌・丑・未なれば、敵人は必是れ四季の方の人。初伝が寅・卯なれば、必是れ東方の人。
地恐埋軍,參申軫巳虛子房卯而速備;象宜休車,蛇支獸干以尋驚。軍行次城隘之處,恐有伏兵,正時占,申、巳、子、卯臨日,則夜必有伏兵也。四神又旺相,與殺並者,大凶,無兵亦有猛獸。若不與凶並,日能制之者,兵不敢動。若蛇、虎克日辰者,有卒驚,宜察而備之。
地形の裡に敵軍の埋伏するを怕れば、参宿の申・軫宿の巳・虚宿の子・房宿の卯を見れば、就中急いで防備すべし。此の時は車を停めて观望するに宜しく、若し螣蛇が日支に臨み白虎が日干に臨めば、還って突発の驚扰を留意すべし。軍隊が行進して城池隘口の一帯に到り、伏兵有らんを怕れば、正時を用いて課を起す。申・巳・子・卯が日干に臨めば、夜裡に必ず伏兵有り。此の四位の神が若し又た旺相の気を得、再び凶煞と同じく并ばば、就中大凶にして、即使伏兵なくとも亦た猛獣有らん。若し其れら凶煞と同じく并ばず、而して日干が又能く其れらを制し住めば、敵兵は便ち動くを敢えてせず。若し螣蛇・白虎が日干日支を克せば、会して突然の驚扰有らん。仔細に察看し預め防備すべし。
斗季損支,邀截我後;干傷前伏,陰陽左右。正時占,天罡加季有伏兵。支傷干吉,伏兵在後;干傷支吉,伏兵在前。天罡加陽,伏兵在左,加陰在右。
天罡が四季に加わりて日支が損を受ければ、敵人は要に我が後方に於て拦截せんとす。日干が傷を受ければ則ち伏兵は前に在り。伏兵の在左か右かに至りては、就中天罡の落つるが陽支か陰支かを看よ。正時を用いて課を起す。天罡が四季に加われば、必ず伏兵有り。日支が傷を受けて日干が吉なれば、伏兵は後に在り。日干が傷を受けて日支が吉なれば、伏兵は前に在り。天罡が陽支に加われば伏兵は左に在り、陰支に加われば伏兵は右に在り。
帶刑並傷,旺相而猛將來爭;無殺空刑,將弱而庸夫退驟。正時占伏兵,日辰上子、卯、申、巳並刑殺,兼有旺相氣,必有伏兵欲來掩襲,宜備之。若子、卯、申、巳並刑殺陷落空亡、無氣者,伏兵不敢起,且自潛消矣。
既に刑を帯び又た相傷し、還って旺相の気を得れば、那れは猛将の前来して鋒を争うなり。若し凶煞なく刑が又た落空すれば、来るは不過弱将庸夫にして、转眼に就中退き去る。正時を用いて伏兵を占う。日干日支上に子・卯・申・巳有りて并びて刑煞を帯び、又た旺相の気を兼ぬれば、必定に伏兵の来りて掩襲せんとする有り。防備すべし。若し子・卯・申・巳は刑煞を帯ぶると雖も、空亡に陥落して毫も気勢なければ、伏兵は就中起事を敢えてせず、而且自ら消散せん。
三刑五墓,日辰遇而夜防;蛇虎魁罡,支干遭而宿俟。正時占,日辰上見三刑、五墓,將當移營,不然大凶。若辰、戌與白虎、螣蛇臨支干者,皆有伏兵,夤夜來擾營也。
日干日支上に三刑・五墓に遇到せば、夜裡に就中防を設くるべし。日干日支上に螣蛇・白虎と河魁・天罡に碰到せば、就中整夜守候すべし。正時を用いて課を起す。日干日支上に三刑・五墓を見れば、主将は当に営寨を遷移すべし。然らざれば大凶なり。若し辰・戌の両位が連なりて白虎・螣蛇と共に日干日支に臨めば、皆伏兵有るを表示し、深夜に来りて営地を騒扰せん。
立營心動,青常兮信使將來;下營未定心動者,正時占,日辰上見青龍、太常必有使來。郊野目瞤,雷卯水子兮淫霖欲就。郊野目瞤者,正時占,見卯、子臨日辰者,有暴雨至,宜置高營防之。若魁罡加臨,必有將至。
営を扎るの際に心頭忽ち動き、若し日干日支上に青龍・太常を見れば、是れ信使の将に到らんとする有り。寨を下して未だ安定せざるに心中忽ち動く所有れば、正時を用いて課を起し、日干日支上に青龍・太常を見れば、必定に使者の来る有り。郊野の中に眼皮の跳動する者、若し雷神の卯・水神の子を見れば、是れ連綿の大雨の将に至らんとするなり。郊野の中に眼皮跳動する者は、正時を用いて課を起し、卯・子の日干日支に臨むを見れば、会して暴雨の到来有らん。営寨を高処に扎りて防備すべし。若し更に河魁・天罡の加臨有れば、必定に将領の到来有り。
忽被圍繞,日辰陰陽。經云:“傷不傷,視陰陽。”正時,四課日辰之陰陽不備,則主之。交鋒見損,和好無傷。若支干被傷,有爭角之禍。
忽然として敵人に囲まるれば、就中日干日支の陰陽配合を看よ。経の上に曰く:「傷むや傷まざるを断ずるには、就中陰陽を看よ。」正時を用いて課を起し、四課の中に日干日支の陰陽両神が若し配し斉わざれば、就中此の象を主る。交鋒すれば損傷有らん、講和すれば傷を受けず。若し日干日支が克傷を受ければ、便ち角力争闘の禍事有り。
凡欲突圍,隨斗罡而可擊;後占出路,從勾制而取強。兵圍欲出,視天罡下,出必通。黃帝云:“兵圍千里,斗道必通。”又云:“出路直向勾陳所制之鄉,方可出。”假令寅、卯為勾陳,利出四季方。又云,當從開星下去,吉。春房卯,夏張午,秋婁戌,冬壁亥。
凡そ突囲せんと要するは、斗罡の指す所の方向に跟従すれば便ち衝撃すべし。随後再び出路を占い、勾陳の能く制伏する所の方位に朝向して勝を取れ。兵に囲困せられて突き出でんと想えば、就中天罡の下を看よ。彼処より出ずれば必定に通暢す。黄帝曰く:「兵の囲困せらるること千里、斗柄の道に順えば必定に能く通ず。」又曰く:「出路は要に径に勾陳の克制する所の地界に朝向して走れ。乃ち出で去るを得べし。」譬えば寅・卯が勾陳の乗ずる所と為り、木は能く土を克せば、便ち四季(辰・戌・丑・未)の方より突出するに利あり。還って一説有り。当に「開星」の下より走り出ずべし、吉を得ん。開星は季節に按じて取る。春は房宿の在る所の卯、夏は張宿の在る所の午、秋は婁宿の在る所の戌、冬は壁宿の在る所の亥なり。
審察其情,用神傳出於天乙;欲知其義,吾軍可動於龍驤。正時占,初傳在天乙後,傳出天乙前者,可向天罡,出而必利也。
敵情を審察せんと要すれば、就中用神と三伝とが天乙貴人の彼処より伝出するか否かを看よ。其の中の道理を明白ならんと想えば、我軍は便ち神龍の騰驤するが如く発動すべし。正時を用いて課を起す。初伝が天乙の後に落ち、而して伝出する所が又た天乙の前に在れば、就中以て天罡の方向に朝向して出撃すべく、出で去れば必定に利有り。
潛起掠敵,須壯玄神。若乘四季,忌甲乙以東征;曹沖二神,慮庚辛而西問。玄武旺相,能制支干,賊兵必強;若欲掠他,潛伏正時。視玄武之乘神旺相剋日辰者,必捷。假令玄武乘土神,忌甲、乙日發兵,行東方大凶;乘木神,忌庚、辛日西行,餘仿此。
暗に兵を起して敵を劫掠せんと要すれば、須く玄武の神をして強壮ならしめよ。玄武が若し辰・戌・丑・未の此の四季の土神を乗ずれば、就中甲・乙日に於て東に征伐するを忌む。玄武が若し功曹(寅)・太冲(卯)の二木神を乗ずれば、就中庚・辛日に西へ行動するを顧慮すべし。玄武が旺相の気を得て、能く日干日支を制し住めば、敵兵は必定に強盛なり。若し我方の對方を劫掠せんと欲するは、就中正時に於て潜伏して課を起せ。玄武の乗ずる所の神が若し旺相にして而又能く日干日支を克するを看れば、出撃すれば必然に捷を告ぐ。譬えば玄武が土神を乗ずれば、甲・乙日に兵を発するを忌み、東方に向かい走れば大凶なり。玄武が木神を乗ずれば、庚・辛日に西行するを忌み、其余は此れに類推す。
龍頭莫犯,嫌支干以休囚;背腹宜攻,要日辰之旺相。凡攻城,莫攻城之龍頭,必主損將;宜攻城之背腹,必獲捷矣。若日旺相,外氣強,可以攻城;日囚死,內氣強,不可攻擊。陽城,龍頭在亥,尾在巳,腹在魁,背在艮;陰城,龍頭在巳,足在亥,腹在艮,背在魁。一雲背腹在坤艮也。
城の「龍頭」は硬に碰るべからず。就怕るは日干日支の休囚無気の地に落つるを。当に其の背と腹を攻むべし。此れ就要に日干日支の旺相の気を得るを。凡そ城を攻むるに、城の龍頭を打つに往く勿れ。打てば必定に将領を折損す。当に城の背部と腹部を攻打すべし。必ず勝捷を獲ん。若し日干が旺相を得、外気強盛なれば、以て城を攻むべし。日干が囚死に処れば、内気反って強く、就中攻撃すべからず。陽城の龍頭は亥に在り、尾は巳に在り、腹は魁(戌)に在り、背は艮(東北)に在り。陰城の龍頭は巳に在り、足は亥に在り、腹は艮に在り、背は魁に在り。別に一説有り。背と腹は皆坤・艮の両方に在り。
神法式之昭昭,知軍情之蕩蕩。明視法式,必須清靜心神,研審災祥,惟在精誠感應,苟其禍福之不爽,何憂戰守之無功也耶?
式盤上の種種の征象を把りて分明に看るを得てこそ、乃ち敵我の軍情の虚実動向を洞察すべし。所謂「式」とは、就中占者の据えて推演する所の天地の二盤なり。地盤の十二宮は固定して動かず、天盤は「月将」(当月太陽の在る所の其の一支)に随って占時に加臨して旋転し、両盤の相畳する所の顕示する生克刑冲は、便ち軍情を判断するの依拠なり。此の套の法式を看清さんと要すれば、先ず心神を澄澈安定せしめ、雑念を摒去し、再び細細に其の中の吉凶禍福の苗头を審察せよ。此処に最も緊要なるは技法の巧拙に非ずして、而是れ占者の一片の精誠にして、占う所の事と相感じ相通ずるを得べきなり。倘若推し出す所の禍福征験が従来落空せざれば、又何ぞ城を守り戦を出すに労して功なからんを擔心せんや。
金鳳歌
貴為我將干為卒,將位二神是賊兵。我克地時我必勝,他來克我彼還贏。游都賊將兵居處,沖處魯都遊賊攻。方克貴神防細作,貴刑方處急宜沖。將刑地分賊須動,方克將神虜寨寧。貴若克干多便益,干來克貴叛離興。
此の歌訣は人に教えて游都・魯都の両顆の賊星を用いて敵我を分判せしむ。歌裡の「貴」は「天乙貴人」に非ずして、而是れ游都上に乗ずる所の天将にして、我方の主将を代表す。「干」は游都の落つる所の地盤宮位より遁出する天干にして、我方の士卒を代表す。「将位二神」とは即ち游都・魯都の両星の臨む所の処にして、敵軍を代表す。凡そ我方の一辺が対方の居る所の地盤の神を克し住めば、我軍は必ず勝つ。反って対方に克し住められれば、敵軍は就要に上風を占めん。游都の臨む所の方位は、便ち敵将の兵を屯する所なり。游都と相冲する宮位の上は魯都にして、彼処に敵人の游動部隊の来襲有り。若し游都の落宮の神が反って其の上に乗ずる所の天将を克せば、敵方の細作を派して潜入せしむるを提防すべし。此の時は急に其の冲位を攻むべし。天将が臨む所の地分を刑克すれば、敵営は必ず調動有り。地分が反って天将を克すれば、敵人は只寨を守りて出でず。乗ずる所の天将が若し遁干を克せば、我方は便宜を多得す。遁干が反って天将を克せば、軍中に就要に叛離の事を生ぜん。
此貴神即游動上來天將是也,不是天乙貴人。干者,游都落地盤上之遁干也。如丁酉日酉將午時,丁日游都在巳,酉加午,巳落寅上,巳上乘六合,干寅上見壬。此起貴人法,只用地臨晝貴,故寅是六合,為我之將與游都。巳並地盤寅相生,是我之將不制賊,兩相和解。遁干見壬,本為我之士卒,卻克游都之巳火,定主我之士卒能勝也。方與貴相生,占細作無。將與地分不刑,占賊不動。干生貴,占士卒愛戴其主將。亥為魯都在申上,賊有遊兵在於申地,餘仿此。
歌訣の裡に説く所の「貴」とは、游都星上に乗ずる其の一位の天将を指し、并びに天乙貴人に非ず。説く所の「干」とは、游都の落つる所の地盤宮位の上に遁出する天干を指す。例を挙げて説かば、丁酉日、酉を以て月将と為して午時の上に加えて課を起す。丁日の游都は巳に在り。酉が午に加われば則ち天盤は整体に三位を挪移し、天盤の巳は恰好地盤の寅宮に落ち、巳上に乗ずる天将は「六合」(十二天将の一、和合・交渉・隠匿を主る)、寅宮より遁出する天干は壬なり。此処に貴人を起すは只昼貴に按じ、地盤の臨む所に依りて定む。故に寅上に六合を得、此の一位の六合は便ち我方の主将にして、游都と同じく一宮に処る。天盤の巳と地盤の寅とは木が火を生ず、相生して相克せず。我方の主将が敵人を制し住む能わざるを説明し、双方は只和解相持す。遁干の壬水は本より我方の士卒を代表するも、却能く游都の巳火を克し住む。我方の士卒の勝を得るを断ずべし。地分と天将と相生せば、細作を占うに奸細の慮る可きなし。天将と地分と不相刑なれば、敵情を占うに敵兵は動かず。遁干が天将を生ずれば、士卒が主将を擁戴するを説明す。魯都の亥に至りては、此刻地盤の申宮に落ち、敵人が別に一支の游動の兵を申方に有することを知るべし。其余の各例は皆此の弁法に照らして推す。
金鳳戦干歌
占賊之法妙難窮,起成課法自靈通。要知賊寇藏人馬,游都魯都兩干稱。方為賊居將為寇,貴神為我主人兵。干是我軍為裡數,更知賊數百和零。休又言我財為我利,干若受克利須傾。四課之中將克將,不須勞力用辛勤。若更行兵能用計,寇兵一掃蕩胡塵。
敵情を占測する法門は精微無窮にして、只法に依りて「四課」(日干・日支および其の上神の両両相配して成る四組の干支)と「三伝」(四課の中より取出す初伝・中伝・末伝にして、一件事の起因・経過・結局を代表す)を起し出せば、推し断ずるは自然に霊験す。敵人が人馬を何処に蔵めたるかを知らんと欲すれば、全く游都・魯都の此の両顆の賊星と其れらの落宮の遁干に靠りて称量す。游都の臨む所の地盤方位は敵人の屯駐の地にして、其の上に乗ずる所の天将は来犯の寇を代表す。天将の下の貴神の一方は則ち我に属し、我方の主人の兵なり。遁干は我軍を代表し、既に以て路程里数を推算すべく、亦能く敵兵の成百なるか零散小股なるかを推知す。且つ一味に「財」を把りて我方の利益と當てる勿れ。遁干一旦克を受ければ、此の份の利益は立刻に傾覆す。四課の中に若し天将が天将を克する格局出現せば、那れは敵我彼此牽制にして、我方は力を費やして苦戦するに及ばず。行軍の時に再び能く計謀を善用せば、来犯の敵は一挙に便ち掃蕩して干浄ならしめん。
應課還將若來克貴,我當謹衛莫強徵。方來克貴主細作,必有奸謀誘我軍。貴神下克地方位,將軍攻戰莫消停。將若刑方賊移動,晚間逃走似飛星。方若克將敗守寨,故然不動亦難通。干克將兮興人馬,速速前行賊可平。將若刑干賊必勝,我當防衛不宜興。方來克干賊堅固,干若刑方我得贏。神若克干軍易使,干反克貴下不聽。貴神為我干為使,將位二神為賊兵。我克他時宜戰鬥,他來克我不須行。地方名屬游都將,魯都對位賊遊兵。有人精學游都法,何用六韜三略文?
若し排出したる課中に天将反って来りて貴神を克制せば、敵強く我弱きを説明し、只厳加戒備するに宜しく、勉強に兵を出して征討すべからず。若し游都の落つる所の地盤方位が来りて貴神を克せば、敵人已に細作を派して混入せしめ、必ず姦謀を以て我軍を彀中に引誘せんことを主る。反って、貴神が自ら上より下を克し、臨む所の地盤方位を克し住めば、則ち我方の気勢は敵人に壓過し、主将は儘く手を放して進攻し、停歇するに及ばず。天将が地分を刑克せば、敵営は必ず移動有り、多半は夜色に趁りて流星の如く疾走遁去せん。地分が反って天将を克せば、敵人は退くと雖も亦是れ営寨を守住するのみ、按兵不動の看似るも、我方も亦た攻通し難し。遁干が天将を克するは、是れ我方の士卒の以て敵を制するに足るにして、大いに挙げて人馬を興発し、火速に前進せば、敵は平定すべし。反って天将が遁干を刑克せば、敵人は必ず勝ち、我方は只防守に宜しく妄動に宜しからず。地分が来りて遁干を克せば、敵営の壁塁は堅固なり。遁干が反って地分を刑せば、勝算は便ち我方に在り。天将が若し遁干を克せば、我軍は上下命を聴き指揮如意なり。遁干が若し反って貴神を克せば、則ち部衆は心を離れ號令は行われず。总之貴神は我に属し、遁干は我の差遣する所の士卒にして、游都・魯都の二星の居る所こそ敵兵なり。我が彼を克せば即ち出戦すべく、彼が我を克せば就中軽挙妄動するに及ばず。游都の臨む所の方位を「地方」と叫び、之と对冲する魯都の位は、便ち敵人の游動の師なり。人の若し能く此の套の游都の法を精処に学び得れば、又何ぞ須んや再び《六韜》《三略》の彼れらの兵書を死読せん。
論盗賊方路
甲寅乙卯丙巳宮,丁午戊辰己戌同。庚申辛酉壬亥上,癸子十干定吉凶。天地相合為去路,暗藏人馬捉賊兵。若人會得魯遊法,擒寇如同在掌中。
此れは十天干寄宮の口訣にして、以て盗賊の逃走する方向を占算す。甲は寅宮に寄り、乙は卯宮に寄り、丙は巳宮に寄り、丁は午宮に寄り、戊は辰宮に寄り、己は戌宮に寄り、庚は申宮に寄り、辛は酉宮に寄り、壬は亥宮に寄り、癸は子宮に寄る。十干各々寄せる所の地有りて、吉凶は便ち此処より判じ起る。所謂「天地相合」とは、当日日干の寄せる所の其の一支を把りて天盤上に放ち、其れ地盤の何れの宮に落つるかを看て、天盤の支と地盤の宮と相合する処は、就中賊人の逃去する路径なり。此の方位を知れば、便ち以て預め彼処に人馬を埋伏し、守株待兎の地に盗賊を擒獲すべし。占を学ぶ者若し能く魯都・游都の此の一套の方法を融会貫通せば、寇盗を捉拿するや自らの掌紋を看るが如く容易ならん。
假令十一月丑將戊辰日寅時,占賊人去方。丑加寅順數,至巳上見辰。論此賊人在東南巳地方上去。何以知之?曰:以天地相合,正是賊人所去之方。餘仿此。
例を挙げて曰く:十一月の月将は丑、戊辰日寅時に遇りて来りて盗賊の逃往する何方を占問す。課を起す時は天盤丑を把りて地盤寅の上に加え、其余の各支は順序に排し下げ、地盤巳宮に数え至れば、上面は正好天盤辰なり。戊干の寄せる所の宮位は就中辰なり。如今辰が巳宮に落つれば、賊人の東南方の巳地に朝向して逃げ去るを知るべし。何を以て此の如く断ずるや。天盤上の日干を代表する其の一支と地盤某宮と相合する、其の一宮は便ち賊人の去る所の方位なればなり。其余の各日は皆此の弁法に照らして類推す。
假令八月辰將已亥日巳時,占賊人去方。以月將加辰,數至亥上見戌,占此賊人在西北亥方向去也。何以知之?曰:“戊己原加辰戌間”,故詳論四課之中皆與天地相合。如此占之,萬無一失。餘仿此。
再び一例を挙ぐ:八月の月将は辰、己亥日巳時に来りて賊人の逃向する何方を占う(原刻本の「已亥日」の「已」は當に「己」と作る)。月将辰を把りて占時巳の上に加え、次を依りて天盤を排出し、地盤亥宮に数え至れば、上面に天盤戌を見る。前面の口訣に「戊己原加辰戌間」と曰く、戊は辰に寄り己は戌に寄る。己亥日の日干の寄せる所は正是れ戌なり。如今戌が亥宮に落つれば、故に賊人の西北方の亥地に往きて逃げ去ると断ず。占断する時は四課を逐一対照し、何れの一課の天地二盤が日干寄宮と相合するかを看て、此の弁法を用いて推せば、万に一の失なし。其余の各例は此れに照らして類推す。
行軍占異
凡行軍偶遇變,主將心驚者,必占。不異、不疑則不占。其法:以月將加正時,視天上類神所臨何神,以所臨地分之神與日干較其生克,以定吉凶。更以天將計之,則休咎見之矣。天變共之類神,日卯也,月酉也,風寅也,瘴氣申也,雷電巳也。
凡そ行軍の途中に忽然として反常の事に遇上り、主将の心裡に之が一驚する者は、必ず課を起して占問すべし。若し并びて異象なく心中も亦た疑いを存せざれば、那れは占うに及ばず。占法は、当月月将を把りて実際の占時の上に加えて天盤を転出し、再び占う所の其の件の異象の「類神」(其の事物を代表する地支)の此刻天盤の何れの一位に落つるかを看、然る後に其の臨む所の地盤宮位の神を拿りて日干と生克を比較し、此れに据えて吉凶を判定す。再び此の一位の上に乗ずる天将を参看すれば、休咎は便ち一目了然なり。天象の変異は各々其の類神有り。日食の変は卯に属し、月食の変は酉に属し、大風は寅に属し、瘴癘の気は申に属し、雷電は巳に属す。
六壬大全卷四終
六壬大全卷五 兵占
時事休咎第一
太歲過建已往事,未過月建在歲前。正值建辰事當歲,神吉則吉凶吝言。魁罡若加太歲上,所主反覆心不安。建,月建也。太歲若過月建前,則事當屬已往,如建在寅,太歲移過卯地。若未過月建,則為未來事,如建在子,太歲尚在亥也。正值月建,事在當歲。若所乘之神吉則事吉,凶則事凶。戌為天魁,辰為天罡,若二神加於太歲之上,主心反覆不安。
此の一条は怎様に太歳と月建の相対位置を用いて軍国の事が何時に発生するを判断するかを講ず。「建」とは就中月建なり。課を起したる後に天盤を看る。太歳若し已に月建を越過して前面に走れば、占う所の事は便ち已に過去したる旧事に属す。譬えば月建が寅に在りて、太歳は却て已に卯宮に移ればなり。太歳若し還だ月建に走り至らざれば、那れは尚未だ発生せざる将来の事なり。譬えば月建が子に在りて、太歳は還って亥宮に留まればなり。太歳が正好月建と同じく一宮に処れば、事情は就中当年に応ず。吉凶は則ち太歳上に乗ずる神を看る。乗ずる所が吉神なれば則ち事吉、凶神なれば則ち事凶。此の外、戌は「天魁」、辰は「天罡」にして、皆剛暴反覆の神に属す。此の両位が若し太歳の上に加臨せば、人心の揺動反覆・坐臥不安を主る。
大殺金神災禍深,支干不逢分野尋。德合旺相仍豐稔,若見刑沖慎刀兵。金神,正月在酉,二月在巳,三月在丑,周而復始。金、殺相遇,災必深,若不見支干上,亦當以所落分野定吉凶;不併,遇亦無害。所到之宮逢德合旺相,歲獲豐稔。若見刑沖,即有刀兵動其上。
大殺と金神の両顆の凶星が同じく一処に落ちれば、災禍は必定に深重なり。其れら若し日干日支の上に落ちざれば、就中転じて落つる所の宮位に対応する分野州郡に按じて応験の地を尋ねよ。若し到る所の宮に又た日德・六合に逢い并且に当令旺相せば、其の一年は反って五穀豊登す。若し刑或いは冲に逢上せば、其の一方は就要に刀兵を動かさん。金神の排法は、正月は酉に在り、二月は巳に在り、三月は丑に在り、此の後三月に一輪、周りて而して始めに復す。金神と大殺と相遇すれば、災は必ず深重なり。若し日干日支に見えざれば、就中落つる所の分野に按じて吉凶を断ず。両星が一宮に並臨せざれば、縦れ各自出現するも亦た大礙なし。
分野:子齊分、青州,丑吳分、揚州,巳楚分、荊州,午周分、豳州,未秦分、雍州,申晉分、益州,酉趙分、冀州,戌魯分、徐州,亥衛分、幷州。
此処に地支の対応する所の古国と州郡を列出す。就中所謂分野なり。課を占うに凶神が何れの宮に落つるか、兵災は便ち相応の其の片の土地の上に応ず。子は斉国に属し青州と為し、丑は呉国に属し揚州と為し、巳は楚国に属し荊州と為し、午は周室に属し豳州と為し、未は秦国に属し雍州と為し、申は晋国に属し益州と為し、酉は趙国に属し冀州と為し、戌は魯国に属し徐州と為し、亥は衛国に属し并州と為す。原文は只九支を開列し、寅・卯・辰の三支の分野は未曾だ載入せず。兵を用いる者は此れに据りて便ち課上の凶神の臨む所の宮に由り、戦禍の将に何れの一方の国土に起らんとするかを推知すべし。
築台選将第二
選將征伐驗將星,三合中字是將軍。假如申子辰為將,旺相休囚看否能。貴德乘常生歲月,武穆曹彬再復生。若乘羊白傷干歲,董卓阿瞞的是真。禍患要知何日克,休囚旺相決年分。
出征の将帥を挑選するに、課中の「将星」を験看すべし。将星は日支三合局の中神を取る。譬えば日支が申子辰水局に属せば、中神は子にして、子は便ち此の一課の将軍の位なり。将星を定出し、再び其れ当令旺相か休囚無気かを看て、此れに据えて此の人の能く勝任するか否かを判断す。将星上に若し日貴・日徳を乗じ、或いは「太常」(十二天将の一、衣食禄位を主り、性情は忠厚温和)と同じく并び、又能く太歳と月建を生扶せば、那れは岳武穆・曹彬の一流の忠良の再世なり。将星上に若し羊刃・「白虎」(十二天将の一、兵戈・疾病・道路の凶険を主る)を乗じ、而且日干或いは太歳を傷克せば、那れは真に董卓・曹操の如く主を挟みて自ら重んずる姦雄なり。禍患の何時に応ずるかに至りては、則ち将星と発用の旺相休囚を看て、此れに据えて年分を推定す。
此論將星,專以三合中字。如今日甲申,則子為大將。旺相則為能將,休囚則否。更有日貴日德,乘太歲生歲及日干,是赤心報國,如曹彬岳飛之輩。若乘羊刃白虎傷干及歲,是挾君奸國之臣,如董操之流,不可用也。如此等之人用他,必是有禍患也。以發用之旺相休囚定年月,以“甲己子午九、乙庚丑未八、丙辛寅申七、丁壬卯酉六、戊癸辰戌五、巳亥獨居四”之數加減言之。
此処に説く将星は、専ら三合局の中神を取る。譬えば今日是れ甲申日、申子辰は水に合し、中神は子と為り、子は便ち大将の位なり。将星が当令旺相なれば、此の人は能征慣戦の将を主る。一旦休囚無気なれば、便ち任用に堪えず。此の外還って日貴と日徳を看るべし。将星上に日貴日徳を乗じ、又能く太歳・月建と日干を生扶するは、是れ赤胆忠心・国家に報効する人にして、曹彬・岳飛の其の一類の如し。将星上に若し羊刃・白虎を乗じ、反って日干と太歳を傷克せば、那れは便ち君主を挟制し国家を禍乱する権臣にして、董卓・曹操の流の如し。絶えて任用すべからず。此の種の人を用いれば、日後必ず禍患を生ず。禍患の何れの年何れの月に応ずべきかを推算せんには、就中発用の旺相休囚に按じ、干支定数の加減に配合す。甲己と子午とは九を作り、乙庚と丑未とは八を作り、丙辛と寅申とは七を作り、丁壬と卯酉とは六を作り、戊癸と辰戌とは五を作り、巳亥は単独に四を作る。
右將星之法,成書雖是如此,甚不解其故,則何不以逐月之月將為將星,或用登明為將亦可。不然,太歲為天子,當以歲破為將,取閫外專權、遙對天子之象。又不然,於十二貴神中取勾陳為將,蓋勾陳有擒王捕盜之能,選將者擇之可也。
以上の三合中神を取りて将星と為すの弁法は、旧書雖も此の如く伝え来たれども、我は却て其の中の道理を甚だ明白せず。既然此の如し、何ぞ改用して逐月の月将を以て将星に充当せざる。或いは「登明」(亥、十二月将の一、遠行・隠伏を主る)を取りて将と為すも、亦た嘗て不可ならず。再び不然れば、太歳は天子を象徴すれば、就中当に太歳と相冲する歳破を用いて将と為し、其の朝廷の外に在りて独り一面を當て、遥遥として天子と相対するの意象を取るべし。還って不然れば、就中十二天将の裡に「勾陳」(戦闘・争訟・拘係を主る)を取りて将と為せ。勾陳は本より擒王捕盗の本领有ればなり。此の几種の取法は、将を選ぶ者は妨げず自ら斟酌して採用せよ。
又看將品,當責用神:用金或金局,則知將有權謀,好殺,好更革。用木或木局,則知將仁慈,以恩待下。用水或水局,則知將聰慧,柔中有剛;若將得玄合主將好色。用火或火局,則知將剛烈性多燥。用土或土局,則知將敦厚,不輕舉動。或以將星所乘決之亦可。支干上神相生比和,主將卒一心;相剋刑害,將卒二志。
将帥の品性を看らんと要すれば、当に発用の神の五行を責取すべし。発用が金に属し或いは金局を結成せば、此の将の権謀に富み、而るに殺を嗜み、旧制を変更するを好むを知るべし。発用が木に属し或いは木局を結成せば、此の将の仁厚慈愛にして恩徳を以て下属を待つを知るべし。発用が水に属し或いは水局を結成せば、此の将の聡明機敏にして外柔にして内剛を知るべし。将星が若し又た「玄武」(盗竊暗昧を主る)と六合を乗ずれば、則ち此の人の色を好むを主る。発用が火に属し或いは火局を結成せば、此の将の性情の剛烈にして急躁なるを知るべし。発用が土に属し或いは土局を結成せば、此の将の敦厚穏重にして軽挙妄動を肯んぜざるを知るべし。亦た以て直接に将星上に乗ずる天将を看て判断すべし。此の外、日干上神と日支上神と若し相生し或いは比和せば、将帥と士卒の同心一意を主る。若し相克し或いは相刑相害せば、将帥と士卒とは便ち各々二心を懐く。
練兵防御第三
練兵征討有何名,討叛伐逆及夷人。日為主將支為卒,相生訓練有奇能。練兵之意,無非為討叛、伐逆及御夷虜而已。是以日干為將,日支為士卒。若上下相生比和,主士卒就練,將有奇能。若干上乘白虎、病符,主將多病;支上乘之則士卒多病。餘以例推之。
兵を練り戦に備うるは究竟何の名目の為か。無非是れ叛乱を討伐し、悖逆を征討し、以及外族の入侵を抵御するの此の三桩の事なり。課を占うに日干を以て主将を代表し、日支を以て士卒を代表す。「日辰」(即ち日干と日支の両処の上神にして、六壬の此れに据りて人我内外を分別す)の上下相生し或いは比和せば、就中兵卒の訓練有素・主将の別具奇才を主る。之に反して、日干上に若し白虎或いは病符を乗ずれば、将帥の病多きを主る。日支上に此の両個の凶神を乗ずれば、則ち士卒の病多きなり。其余の情形は皆此の例子に按じて類推す。
裂土相攻分主客,上國征夷察德刑。德勝刑時中華捷,刑反克德邊夷興。日克辰神將制外,辰剋日上外侵城。中國之內自相攻擊,則以先起者為主,後起者為客。若往征夷狄,則分德刑,德為中國,刑為外夷。德勝刑,捷在中國;刑勝德,外夷返強。日上神克辰上神,主將制外;辰上神制日上神,外勝主將。日辰上互相剋賊,勝敗互乘。
中原の境内の諸方の彼此攻伐するは、先に誰が主で誰が客かを分清すべし。若し是れ上国の兵を出して四夷を征討すれば、則ち日徳と三刑の勝負を察看すべし。日徳が三刑に圧過すれば、捷報は中原に帰す。三刑が反って来りて日徳を克し住めば、辺地の夷狄は就要に強盛に起らん。日干上神が日支上神を克すれば、我方の将帥が能く外敵を制服するを主る。日支上神が反って日干上神を克すれば、則ち外敵は以て我方の城池を侵逼するを得ん。具体に説かば、中原の内に自ら相攻撃するは、先に兵を動かす一方を以て主と為し、後に戦に応ずる一方を客と為す。若し是れ夷狄を出征するは、就中徳刑を用いて属を分つ。徳は中国に属し、刑は外夷に属す。日徳が三刑に勝てば、勝は中国に在り。三刑が日徳に勝てば、外夷は反って転じて強し。日干日支の両処若し互相克戦せば、勝負は便ち交替更迭し、各々得失有り。
辰陰制日宜堅守,日陰克辰宜進兵。勾陳助日扶中國,助辰謹守慎揚旌。太歲作勾乘吉馬,御駕親征四海寧。日尊辰卑,今辰陰返制日,是彼勢勝而我勢弱,宜堅壁待之。若日陰克辰,是我勢強而彼勢衰,宜急進兵攻之。勾陳將星也,助日是生日也,主中國勝;助辰生辰也,宜謹守。勿揚旌:旌,軍中旗也。太歲勾陳又乘吉將、驛馬,主御駕親征之兆。
日支の陰神が反って来りて日干を制し住めば、只堅壁固守するに宜し。日干の陰神が日支を克し住めば、就中兵を進めて攻取すべし。勾陳が若し日干を生助せば、那れは中原の一方を扶持するなり。勾陳が若し日支を生助せば、就中謹んで守御して、旗鼓を張揚する勿れ。太歳上に勾陳を乗じ又た吉将・駅馬を帯びれば、則ち天子の御駕親征・四海の安定に帰するの征兆なり。其の中の道理は、日は尊と為り辰は卑と為る。如今辰陰が反って来りて日を制すれば、対方の勢盛にして我方の力弱きを説明し、当に深溝高塁にして時機を等待すべし。若し日陰が能く日支を克せば、我強く彼衰うるを説明し、当に火速に兵を進めて攻撃すべし。勾陳は本より是将星、「助日」とは就中日干を生ずるを謂い、中原の勝取るを主る。「助辰」とは就中日支を生ずるを謂い、此の時は謹んで防守に宜し。所謂「勿揚旌」とは、旌は就中軍中の旗幟にして、旗を張り鼓を鳴らして行蔵を暴露する勿れの意思なり。
敵国動静第四
欲知敵國有動靜,先以年課審玄機。陽年大吉加歲干,陰年小吉加歲支。貴人陰陽分二至,課傳凶吉可預知。十二國中知災異,法貫諸門莫執泥。歲計合神加月建,陰陽課法一同推。凶神凶將所臨地,此國必然兵犯之。
敵国に兵事動静の有無を知らんと欲すれば、先に一課の年課を起して其の中の玄機を審察すべし。陽年に逢えば、「大吉」(丑)を把りて太歳の天干の位に加え、陰年に逢えば、「小吉」(未)を把りて太歳の地支の位に加え、此れに据えて天地の二盤を転出す。貴人の順逆は二至を以て界と為す。冬至後夏至前は陽貴を用い、夏至後冬至前は陰貴を用い、昼夜は各々其の例に依る。此の如く三伝を排出し、再び初・中・末の三伝の彼此の生克承接を看れば、吉凶は便ち以て預め知るべし。十二支は各々一個の古国に配す。凶神凶将が何れの宮に落つるかを看れば、災異の何れの国に応ずるかを知る。此の套の方法は其他各門の占法と相通ず、死執して一端に据うるに及ばず。別に一法有り、是れ太歳の合する所の神を把りて月建の上に加え、陽年陰年同様の弁法に照らして再び一課を推す。凡そ凶神悪将の臨む所の分野の地は、其の国家は必定に兵禍の来犯有り。
十二國中知災異法:上起十二國,即地臨十二宮之分野,看是何星煞落何宮分,以驗災異。又以歲合加月建,立成四課三傳,貴人俱從月起,以觀何月起兵,並敵國何種災異也。火主旱,水主澇,金主兵,木主風主飢,土主病。主事神煞細定之。
十二国に由りて災異を推知するに、具体的做法は此の如し。先に地盤十二宮の上に対応する十二個の古国分野を標出し、再び何れの一顆の星煞が何れの一宮に落つるかを看れば、其の一国は便ち其の一種の災異に応ず。別の一种の做法は、太歳の合する所の神を把りて月建の上に加え、此れに据えて四課三伝を排出し、貴人を起す時は一律に月份より起算す。此の如くすれば便ち敵国の将に何れの月に兵を起さんとし、又た何れの一類の災異を出現せんとするかを看出すを得べし。災異の性質は五行に按じて分つ。火に属すれば亢旱を主り、水に属すれば洪澇を主り、金に属すれば兵戈を主り、木に属すれば大風を主り又た饑荒を主り、土に属すれば疫病を主る。具体に何事に応ずるかに至りては、還って主事の神煞を看て細細に推定すべし。
出師擇吉第五
擇吉天罡加月建,看其神覆用其軍。歲對登明神后下,歲前沖覆酉兼申。河魁臨處為天府,歲後仍須仰見寅。天倉大吉加堪用,餘外相逢不利人。
出師の吉日を挑選するに、弁法は天罡辰を把りて月建の上に加えて天盤を転出し、再び各神の覆圧するが地盤の何れの宮かを看て、此れに据えて兵を用いるか否かを決定す。天盤登明亥と神後子の覆う所の処は、建除十二値の裡の歳対にして、即ち危日・成日なり。天盤申・酉の覆う所の処は歳前にして、即ち定日・執日なり。「河魁」(戌)の臨む所の処を天府と叫び、即ち破日なり。天盤寅の覆う所の処は歳後にして、即ち開日なり。大吉丑の臨む所の処を天倉と叫び、即ち収日なり。其の中に天倉・歳対・歳後の几処は用いるに堪え、其余の各処は遇上すれば皆人に不利なり。
天罡加月建,申酉臨處是歲前,即定、執二日也;戌臨處是天府,即破日;亥子臨處是歲對,即危、成二日也;丑臨處是天倉,即收日也。寅臨處是歲後,即開日也。此雖前人所擬,但建破魁罡,犯之大凶,須參合用之。《集聖曆》云:“天倉者,大吉加歲神后下。建星,正月起寅,順行十二辰。”
天罡辰を把りて月建の上に加えて天盤を排出したる後、天盤申・酉の臨む所の地盤の位を歳前と叫び、建除十二値の裡の定日と執日に相当す。天盤戌の臨む所の処を天府と叫び、破日に相当す。天盤亥・子の臨む所の処を歳対と叫び、危日と成日に相当す。天盤丑の臨む所の処を天倉と叫び、収日に相当す。天盤寅の臨む所の処を歳後と叫び、開日に相当す。此の套の対応は雖も前人の擬定する所なるも、但し建日・破日および河魁・天罡の此の几処は本身之を犯せば大凶なり。用いる時は必ず別の擇日の法と参合して、単に一説に憑るべからず。《集聖暦》に曰く:天倉とは、就中大吉丑の歳神の後の其の一位に加臨するなり。建星に至りては、正月より寅に起こり、十二辰に順い逐月に推行す。
乙戊己辛壬五日,四仲相加九丑神。將軍此日休出馬,只恐難逃血染塵。乙巳丙辰丁巳日,癸亥不祥勿陳兵。建寅逢六卯當七,累數加之絕氣神。更有往亡須避忌,不忌前途傷害人。莫犯章光四絕日,勿用空亡五帝辰。
乙・戊・己・辛・壬の此の五個の天干の日は、日支若し又た子午卯酉の四仲の一なれば、便ち九丑凶日を構成す。将帥が此の種の日子に於て馬を出せば、只怕らくは血に沙場を染めて逃れ難からん。乙巳・丙辰・丁巳の此の几日および癸亥日は、皆不祥に属し、兵を陳べ陣を列ぬべからず。所謂六旬忌日は、正月建寅より算起して初六と為し、二月建卯は初七と為し、此の後逐月に一日を累加す。皆絶気の神の当値する日なり。此の外還って往亡日有りて必ず回避すべし。之を避けざれば、前路上に就中人的傷害に遭わん。亦た切に章光日と四絶日を触犯する勿れ。更に空亡日と五帝日に兵を出す勿れ。
六旬忌日,出《六壬心鏡》,正月六日、二月七日、三月八日、四月九日、五月十日、六月十一、七月十二、八月十三、九月十四、十月十五、十一月十六、十二月十七,俱不宜出軍。
上文に説く所の六旬忌日は、《六壬心鏡》一書に出づ。其れは毎月の日序を以て準と為す。正月は初六を忌み、二月は初七を忌み、三月は初八を忌み、四月は初九を忌み、五月は初十を忌み、六月は十一を忌み、七月は十二を忌み、八月は十三を忌み、九月は十四を忌み、十月は十五を忌み、十一月は十六を忌み、十二月は十七を忌む。看出すべきは、其の法は正月の初六より起算し、此の後毎月順に一日を加うるなり。凡そ此れらの日子に逢えば、皆兵を発して出征するに宜しからず。
往亡,正寅、二巳、三申、四亥、五卯、六午、七酉、八子、九辰、十未、十一戌、十二丑。章光煞,孟月乙丑,仲月丙寅,季月甲子。
往亡日は月に按じて一支を取る。正月は寅に在り、二月は巳に在り、三月は申に在り、四月は亥に在り、五月は卯に在り、六月は午に在り、七月は酉に在り、八月は子に在り、九月は辰に在り、十月は未に在り、十一月は戌に在り、十二月は丑に在り。細看すれば便ち知る、其の法は毎四箇月を以て一輪と為し、輪内に逐月に三位を跳ぶ。凡そ当月の属する此の一支の日に遇りて兵を出せば、去る有りて回る無し。故に往亡と叫ぶ。章光煞は則ち孟仲季の三類の月份に按じて日を取る。孟月は即ち正・四・七・十月にして、乙丑日を忌む。仲月は即ち二・五・八・十一月にして、丙寅日を忌む。季月は即ち三・六・九・十二月にして、甲子日を忌む。
春庚午、庚申、乙亥,夏壬戌、丙寅、丁亥,秋甲辰、乙丑、辛亥,冬丙午、壬辰、癸亥,以上四絕日,亦名四窮日。一說,四絕日,四立前一日是。空者,旬中空亡也。五帝日,正卯、二午、三酉、四子,周而復始。
四絶日は四季に按じて分列す。春季は庚午・庚申・乙亥の三日、夏季は壬戌・丙寅・丁亥の三日、秋季は甲辰・乙丑・辛亥の三日、冬季は丙午・壬辰・癸亥の三日なり。此れらの日子は又た四窮日と叫ぶ。別に一种の説法有り、四絶日は就中立春・立夏・立秋・立冬の各自の前一天と認む。上文の説く所の「空」とは、本旬中の空亡の两支を指す。五帝日は則ち月に按じて輪転す。正月は卯に在り、二月は午に在り、三月は酉に在り、四月は子に在り、四箇月を一輪と為し、此の後周りて而して始めに復す。
《克應經》云:“凡占空亡發用,不宜出軍,主士卒走散,空壁而歸。”擇歲月日時法,忌沖太歲、金神。若為主,侯太白金星,東方見之月;若為客,候太白金星,西方見之月。其月出軍,仍避沖旺方。
《克応経》に曰く:凡そ課を起して空亡の神の発用を得るは、皆兵を出すに宜しからず、士卒の中途に逃散し、末了には只空営に落ちて帰るを主る。年・月・日・時を挑選する通則は、太歳と相冲するを忌み、亦た金神を触犯するを忌む。若し我方は主にして地に拠りて敵を待てば、就中太白金星の東方に現わるる其の几箇月を待て。若し我方は客にして境を出でて遠征せば、就中太白金星の西方に現わるる其の几箇月を待て。月份を選定して兵を出すも、行軍の時は仍お当令旺気と相冲する方位を避くるを要す。
出軍凶日:天火狼藉日,正月在子順行四仲。日月蝕日凶。八龍、七鳥、九虎、十蛇日凶,春甲子乙亥為八龍,夏丙子丁亥為七馬,秋庚子辛亥為九虎,冬壬子癸亥為十蛇。歸忌日凶,正丑、二寅、三子、四丑周而復始。
以下に逐条に兵を出すの凶日を開列す。天火狼藉日は、正月より子に起こり、此の後子午卯酉の四仲に按じて順行す。凡そ日食・月食の日に遇うは、兵を出すを凶と為す。八龍・七鳥・九虎・十蛇の此の四組の日子も亦た凶なり。春季の甲子・乙亥を八龍と叫び、夏季の丙子・丁亥を七鳥と叫ぶ(原刻は「七馬」と作る)、秋季の庚子・辛亥を九虎と叫び、冬季の壬子・癸亥を十蛇と叫ぶ。帰忌日も同様に凶なり。正月は丑に在り、二月は寅に在り、三月は子に在り、四月は又た丑に回る。三箇月を一輪と為し、周りて而して始めに復す。
建日損將。天罡天魁凶。天罡,正月巳、二月午、三月未、四月申、五月酉、六月戌、七月亥、八月子、九月丑、十月寅、十一月卯、十二月辰;對沖為天魁。平、收日凶,天罡即平,天魁即收。
建日に逢りて兵を出せば、将帥を折損するを主る。天罡日・天魁日も亦た皆凶なり。此処の天罡は月に按じて推排す。正月は巳に在り、二月は午に在り、三月は未に在り、四月は申に在り、五月は酉に在り、六月は戌に在り、七月は亥に在り、八月は子に在り、九月は丑に在り、十月は寅に在り、十一月は卯に在り、十二月は辰に在り。即ち正月より巳に起こり、逐月に順行して一支ずつなり。之と相冲する其の一支は便ち天魁なり。此の外建除十二値中の平日・収日も亦た凶なり。其の実平日は就中天罡の値する所の日、収日は就中天魁の値する所の日にして、名目は異なると雖も指す所は相同なり。
兵禁日凶,正月起寅逆行六陽。大敗日,與咸池同,不宜出軍,正月起卯逆行四仲。四離,春分、秋分、夏至、冬至前一日為離日,若占時日躔臨於四離之辰,名曰天寇,大凶。
兵禁日は凶と為す。其の法は正月より寅に起こり、寅・子・戌・申・午・辰の此の六個の陽支の上に於て逆行す。大敗日は咸池と同位にして、亦た兵を出すに宜しからず。正月より卯に起こり、子午卯酉の四仲の上に於て逆行す。四離日とは、春分・秋分・夏至・冬至の此の四個の節気の各自の前一天を指す。若し課を起す時に太陽の躔る所の度次が正に四離の辰の上に落つれば、此の一課を天寇と叫び、大いに凶険と為す。
月厭,正月起戌,逆行十二辰,凶。受死日,正戌,二辰,三亥,四巳,五子,六午,七丑、八未、九寅、十申、十一卯、十二酉。龍虎日凶,正巳、二亥、三午、四子、五未、六丑、七申、八寅、九酉、十卯、十一戌、十二辰。罪至日凶,正午、二子、三未、四丑、五申、六寅、七酉、八卯、九戌、十辰、十一亥、十二巳。
月厭は凶と為す。正月より戌に起こり、此の後逐月に十二辰の上に於て逆行す。受死日は月に按じて支を取る。正月は戌、二月は辰、三月は亥、四月は巳、五月は子、六月は午、七月は丑、八月は未、九月は寅、十月は申、十一月は卯、十二月は酉なり。細看すれば知るべし、単月は一路、双月は一路にして、各自逐月に順行す。龍虎日は凶と為す。正月は巳、二月は亥、三月は午、四月は子、五月は未、六月は丑、七月は申、八月は寅、九月は酉、十月は卯、十一月は戌、十二月は辰なり。罪至日は凶と為す。正月は午、二月は子、三月は未、四月は丑、五月は申、六月は寅、七月は酉、八月は卯、九月は戌、十月は辰、十一月は亥、十二月は巳なり。此の三組の日子の排法は皆奇月一路・偶月一路にして、両路彼此相冲す。用いる時に逐月に対照すれば即ち可なり。
飛廉大煞日凶,正戌、二巳、三午、四未、五申、六酉、七辰、八亥、九子、十丑、十一寅、十二卯。
飛廉大煞日は凶と為す。其れは月に按じて支を配す。正月は戌、二月は巳、三月は午、四月は未、五月は申、六月は酉、七月は辰、八月は亥、九月は子、十月は丑、十一月は寅、十二月は卯なり。飛廉は術家に於て本より風を主り、奔走飄蕩を主るの凶煞なり。兵事の上に用いれば、則ち軍行の不寧・糧草の耗散・人馬の奔逃を主る。凡そ此れらの日子に撞上れば、皆師を出すに宜しからず。
五不歸日,正月己卯、戊辰、己酉,二月辛巳、丙戌、辛亥,三月壬子、己卯、丙申、己酉,四月已卯、丙辰、壬辰、辛酉,五月壬辰、辛巳、丙申、庚申、辛亥,六月已卯、辛巳、丙申、庚申、已酉、辛亥,七月壬子、己卯、壬辰、辛酉、丙戌,八月丙辰、壬辰、辛巳、丙申、庚辰、己酉、辛酉、辛亥,九月丁亥,十月庚戌、丙辰、辛巳、丙戍,十一月壬子、己卯、丙辰、己酉、辛酉、丙戌,十二月丙辰、庚辰、丁巳、辛巳、丙戌、丁亥。
五不帰日は、「出でれば即ち返らず」の義を取り、出師の最も重き禁忌の一なり。全表を通観すれば看出すべし。忌む所の日子は翻覆して去り来りして只十餘組の干支のみ。大抵は丙・庚・辛・壬の四干に辰・巳・申・酉・戌・亥の諸支を配し、別に戊辰・己卯・己酉・丁巳・丁亥の数日を加え、金水の相激・行きて返らざるの意象を取る。各月の忌む所の多寡は懸殊す。正月・二月は各々三日、三月・四月は各々四日、五月は五日、六月は六日、七月は五日、八月は最も多くて一連八日皆忌む、九月は只丁亥の一日を忌み、十月は四日、十一月・十二月は各々六日。原刻本中の「己卯」「己酉」は誤りて「已卯」「已酉」と写作し、十月の「丙戌」は又た誤りて「丙戍」と作す。読む時は正字に依りて理解すれば即ち可なり。凡そ軍行の日が本月の忌む所に撞上せば、務めて別に他日を擇すべし。
六不成日,一雲大敗日,正寅,二午,三戌,四巳,五酉,六丑,七申,八子,九辰,十亥,十一卯,十二未。
六不成日は、別の一种の説法は大敗日と叫ぶ。其の排法は、正月は寅に在り、二月は午に在り、三月は戌に在り、四月は転じて巳、五月は酉、六月は丑、七月は申、八月は子、九月は辰、十月は亥、十一月は卯、十二月は未なり。三箇月を以て一組と為し、毎一組は恰好一個の三合局を凑成し、四組は次を依りて火局・金局・水局・木局なり。凡そ当月の値する所の此の一支の日に遇りて兵を挙げれば、諸事成らず。故に六不成と叫ぶ。
八絕日:正月庚辰,二月丁巳、丙戌、庚戌、辛亥,三月辛巳,四月丙辰、庚辰、庚戌,五月丙辰、庚辰、辛巳、庚戌、丁亥,六月辛巳、丁亥,七月庚辰、庚戌,八月丙辰、庚辰、丁巳、辛巳、丙戌、丁亥,九月丁亥,十月庚戌、丙辰、辛巳、丙戌、庚戌,十一月丙辰、庚辰、辛巳、丙戌、丙戌、庚戌、丁亥,十二月辛巳。
八絶日は「気絶えて続かず」の義を取り、同様に出師の大忌なり。此の份の月表を通看すれば便ち知る。忌む所の日は翻覆して去り来りして只是れ丙辰・庚辰・丁巳・辛巳・丙戌・庚戌・丁亥・辛亥の此の八組の干支。正是れ丙丁庚辛の四干に辰巳戌亥の四支を配し、火金の相戦・四隅の気絶の象にして、「八絶」の名目は大约此れに由りて来る。各月の忌む所は多寡等しからず。正月・三月・十二月は各々只一日を忌み、二月は四日を忌み、四月・七月は各々二三日を忌み、五月は五日を忌み、六月と九月は忌むこと最も少なく、九月は僅か丁亥の一日、八月は最も多くて六日皆忌み、十月は四日を忌み、十一月は七個を開列して其の中一組は重出し、実際は六日なり。凡そ此れらの日子に逢えば、兵を興すべからず。
六窮日,每月初四、十九、二十八日是。行痕,即建日。了戾,即破日。
六窮日は固定して毎月の初四・十九・二十八の此の三天に在り、六甲の気の窮尽するの義を取る。兵を出して遇上すれば、糧尽き力竭し師老れて功無きを主る。別に両個の別名有りて弁清すべし。「行痕」とは指す所は建除十二値の裡の建日、「了戾」とは指す所は破日なり。前人は只名目を換えたるのみ、其の実并びて別物無し。占家は名に因りて疑を生ずるに及ばず。
出兵擇門第六
出陣吉門宜善擇,子孫為我報仇時。更兼命門相生吉,一鼓擒王只在茲。出師以聞驚日為母,宜以子孫時,出子孫門擊之,大勝。假如甲乙聞賊寇境,取火命人舉紅旗,或巳午時,從南門出兵,乃是子孫為報仇,火為木之子也。忌金命人、申酉時、出西門,俱不利。餘仿此。若所出之門上神與大將命上神相生,更吉。
陣を出る時に該に何れの一座の城門を走るべきか、好く挑選すべし。其の要訣は「子孫」の位を取りて我が仇を報ぜしむるに在り。若し出ずる所の門の上神が又た主将本命上神と相生せば、就更に吉なり。一鼓作気に敵酋を擒獲するは便ち此の挙に在り。具体的弁法は、警報を聞いたる其の一天を以て「母」と為し、即ち其の日の五行を以て我方の本気と為し、再び其の生ずる所の其の一行を取りて子孫と作し、子孫の属する所の時辰に於て、子孫の属する方位の城門より兵を出して迎撃せば、必ず大勝を獲ん。譬えば甲日乙日に敵寇の入境を聞説せば、甲乙は木に属し、木は火を生ず。火は便ち木の子なり。于是に一個の火命の人を選んで紅旗を打起せしめ、巳時或いは午時に於て南門より兵を出す。此れを子孫を用いて我が仇を報ずと叫ぶ。反って、金は能く木を克す。故に金命の人を用いるを忌み、申酉時に兵を出すを忌み、西門より出発するを忌む。此の几様は皆不利なり。其余の各日は此れに照らして類推す。
行擇吉道第七
行擇吉道看玄神,玄神受克最堪嗔。月將加時罡指處,前行通利自安平。凡行兵,看玄武受克之方,不可往。假如玄武乘巳午,則亥子方不可往。惟斗罡所指之地大吉。如甲子日巳將午時,罡指東南巳地,宜行。
行軍に路を選ぶには先に玄武の此の位の天将を看るべし。玄武は盗賊・暗昧・埋伏を主る。其の克を受くる其の方位は最も人をして生厭せしめ、断じて走るべからず。譬えば玄武が巳・午の両火の上に乗ずれば、能く火を克するは亥子の水なり。那れ亥・子の二方は便ち玄武の克を受くる処にして、前往すべからず。真正の吉道は、当月月将を把りて占時の上に加えて天盤を転出したる後、斗柄天罡の指す所の其の一片の地面にして、彼処より前行すれば必定に通達平安なり。例を挙げて説かば、甲子日に巳を以て月将と為し午時に課を起せば、天罡は東南の巳地を指す。其の方向に往きて行軍すれば便ち相宜なり。
軍行擇路豈多途?更以陰陽作歲模。陽年大吉加干上,陰歲還將小吉鋪。丙壬之下為人道,甲庚之下是天居。其法又論歲之陰陽擇吉,陽歲以大吉加太歲,陰年以小吉加太歲,尋天上丙壬甲庚之下為行兵之路,吉。假如甲午年以大吉加子,向未戌辰丑方,合甲庚丙壬之方。癸卯年以小吉加卯,向未辰戌丑方,合甲庚丙壬之方。蓋甲課在寅,庚課在申,丙課在巳,壬課在亥,寅申巳亥所臨之方是也。餘俱不利。
行軍の道路は豈に真に許多の条の選ぶ可き有らんや。還って太歳の陰陽属性に按じて別に一個の式盤を立つべし。陽年に逢えば、大吉丑を把りて太歳の上に加え、陰年に逢えば、小吉未を把りて太歳の上に加えよ。天盤を転出したる後、天盤上の丙・壬の寄せる所の位の下は人道にして、甲・庚の寄せる所の位の下は天道なり。此の几条こそ走る可き路なり。推法は、陽年は大吉を以て太歳に加え、陰年は小吉を以て太歳に加え、然る後に天盤上の丙壬甲庚の四干の寄せる所の支が地盤の何れの几宮に落つるかを尋ねれば、其の几宮は就中行兵の吉路なり。譬えば甲午年は、丑を把りて子の上に加え、未・戌・辰・丑の四方の甲庚丙壬に合するを得る。癸卯年は、未を把りて卯の上に加え、未・辰・戌・丑の四方の甲庚丙壬に合するを得る。此の如くなるの所以は、甲は寅に寄り、庚は申に寄り、丙は巳に寄り、壬は亥に寄り、寅申巳亥の四支の臨む所の地盤の宮は、正に尋ねんとする方位なればなり。此を除く以外の路は皆不利なり。
水陸吉凶第八
出行日吉陸宜之,支吉宜舟水路施。干忌卯辰卯忌子,尤防支上克干時。日,日干也。支,支辰也。日吉,日上見吉神吉將也。支吉,是辰上見吉神吉將也。日為陸路,辰為水路。日吉宜陸,辰吉宜水。若支吉干有傷,只宜水,不宜陸。
出行の日に若し日干の一辺が吉なれば、陸路を走るに宜しく、日支の一辺が吉なれば、舟に乘りて水路を走るに宜し。日干上は卯と辰を見るを忌み、地盤卯上は又た子を見るを忌み、尤其に日支上神の反って日干を克するの情形を提防すべし。此処の「日」は日干を指し、「支」は日支の辰を指す。所謂「日吉」とは、日干上神に吉神吉将を見るを謂う。所謂「支吉」とは、日支上神に吉神吉将を見るを謂う。行程を占う時、日干の一辺は陸路を主り、日支の一辺は水路を主る。日干が吉なれば就中陸路を走り、日支が吉なれば就中水路を走れ。若し日支が吉にして日干が反って傷克を受ければ、那れは只水路を走るのみにして、陸を行くべからず。
《兵將賦》云:“支吉干傷,水面通船而地陰是也。”卯太沖,辰天罡,干忌卯辰,謂干上忌見太沖、天罡也。子神后也,卯忌子,謂地盤卯上忌見神后;蓋有舟揖,故忌水神在上覆之。《兵帳賦》云:“日忌罡沖”是也。又云“欲渡江河,支傷莫入。”故支上莫克支。
《兵将賦》に曰く:日支が吉にして日干が傷を受ければ、水面上は船を通じて阻無く、陸地上は却て晦暗にして行き難し。卯は就中「太冲」、辰は就中天罡なり。所謂日干は卯辰を忌むとは、日干上神に太冲と天罡の此の両位の剛動の神を見るを忌むを説くなり。子は就中「神後」なり。所謂卯は子を忌むとは、地盤卯宮上に神後の覆圧するを見るを忌むを説く。卯は又た舟楫を主るが故に、水神の船上に圧するを怕れ、覆溺の虞有るなり。《兵帳賦》の説く所の「日は罡冲を忌む」は、正是れ此の意思なり。其れは又曰く「江河を渡らんと欲すれば、支傷せば入る勿れ」。故に凡そ水を渡らんと要するは、日支上神は切に日支を反克すべからず。
畏河臨井子加歲,亥季宜舟孟神稽。己卯戊寅二日惡,水龍三日避休趨。壬癸子為三河,卯酉辰為三井,三河有一河加井,不可渡。歲,太歲也。神后忌加太歲之上。《兵帳賦》曰:“天河加井以沉波,太歲遭虛而禍起。”假令亥臨酉,為河覆井,防有沉溺之災。亥即壬也,不看課傳。四季,辰戌丑未,亥加四季,被土制之,則水路吉,故宜舟。若途聞有以羊酒犒軍者,若白虎乘魁罡加日,主有強人當路。
最も畏る可きは天河の天井の上に圧する、および神後子の太歳の上に加わるなり。登明亥が若し辰戌丑未の四季の宮に落つれば、船を行くに宜しく、寅申巳亥の四孟の宮に落つれば就中遅疑すべし。己卯・戊寅の此の両日の出行は悪と為し、水龍の値する所の三日は尤も当に回避すべく、前行を貪るべからず。所謂三河とは、壬・癸・子を指す。所謂三井とは、卯・酉・辰を指す。三河の中に只一位でも三井の上に加臨せば、就中水を渡るべからず。「歳」は太歳を指し、神後子は太歳の上に加わるを忌む。《兵帳賦》に曰く:天河が井を圧せば則ち舟を沈め浪を破り、太歳が空亡に遭遇せば則ち禍事は驟に起る。譬えば天盤亥が地盤酉の上に落つれば、就中河の井を覆うにして、溺水の災を防ぐべし。此処の亥は即ち是れ壬なり。只天地の二盤を看て、必ずしも再び三伝を看るに及ばず。亥が若し辰戌丑未の四季土宮に加われば、水は土に制せられ、水路は反って吉利にして、舟に乘るに宜し。行途の中に若し人の羊酒を備えて来りて軍を犒う有りと聞説し、或いは白虎が河魁・天罡を乗じて日干に加臨せば、皆前路に強人の道を拦む有るを主る。
野宿安営第九
野宿行疲欲建營,干支怕墓及三刑,卯辰巳兵家所忌。將逢龍虎多生恐,神遇魁罡定有驚。若還大吉臨干上,急往他圖莫遽停。安營之際,干支乘墓,主士卒不寧。墓神,春未、夏戌、秋丑、冬辰。兵家以卯辰巳為三刑,若臨日辰上,主本夜有賊兵至劫營,宜防之。
野外に宿営し、人馬は行軍疲乏して正に寨を立てんとす。此の時最も怕るは日干日支上に墓神を乗じ或いは三刑に撞上するなり。兵家の説く所の三刑とは就中卯・辰・巳の三支なり。日干日支上の天将が若し「青龍」(喜慶・財帛・生発を主る)と白虎に遇到せば、恐懼を多生す。若し河魁・天罡の二神に遇到せば、夜裡必ず驚扰有り。倘若大吉丑が日干の上に加臨せば、就中急いで別に他処を尋ね、遅疑停留すべからず。其の中の道理は、営を扎る時に日干日支が墓神を乗ずれば、士卒の心神不寧を主る。墓神は四季に按じて取る。春は未と為り、夏は戌と為り、秋は丑と為り、冬は辰と為る。兵家は卯辰巳を把りて三刑と看作す。其れら若し日辰の両処の上に臨めば、当夜に敵兵の来りて営を劫する有るを主り、必ず厳加防備すべし。
外又有五行三刑。如子日忌卯,卯日忌子;丑日戌,戌日未,未日丑;寅日巳,巳日申,申日寅;辰午酉亥自見。此等亦並忌之。兵書云:“五刑五墓,日辰逢而夜防賊至。”戌為魁,辰為罡,二辰名為天羅地網,支干逢主士卒恐怖。更天將得蛇虎,重遽驚惶,本夜必有軍至,逢劫煞其害尤甚。故兵書云:“若但魁罡為恐怖,將兼蛇虎禍尤深。”此之謂也。
兵家の三刑を除く之外、別に五行相刑の一套有り。子日は卯を忌み卯日は子を忌むは、無礼の刑なり。丑日は戌を忌み戌日は未を忌み未日は丑を忌むは、恃勢の刑なり。寅日は巳を忌み巳日は申を忌み申日は寅を忌むは、無恩の刑なり。辰・午・酉・亥の四支は則ち各自本支を見て自刑と為す。此れらも亦た一併に忌むべし。兵書に曰く:五刑五墓は、只要日干日支上に遇到せば、当夜に就中賊の来襲を防ぐを得べし。戌は河魁と為り、辰は天罡と為る。此の両辰は合わせて天羅地網と称し、日干日支上に碰到せば、士卒の驚恐不安を主る。若し上面に乗ずる天将が又た是れ「螣蛇」(驚恐・怪異・虚驚を主る)と白虎なれば、那れは驚惶は加倍し、当夜必ず敵軍の来到有り。再び劫煞に撞上せば、害と為すこと尤其に厳重なり。故に兵書に曰く:単に魁罡の当値するは已に以て人をして恐懼せしむに足り、若し再び螣蛇白虎を兼上せば、禍患は就更に深し。講ずる所正是れ此の道理なり。
大吉丑也。若支干上見丑字加臨,最凶,安營必被賊劫,急往尋善地可也。若非丑字,無妨。故《兵帳鉤玄》云:“不臨斯將盡堪停。”斯,將指大吉也;初傳亦忌之。
上文に説く所の大吉とは就中丑なり。日干日支上に若し丑の加臨を見れば、最も凶険にして、此処に扎れば必ず敵人の営を劫するに遭う。当に急いで別に一塊の好地を找すべし。若し是れ丑字に非ざれば、就中妨礙なし。故に《兵帳鉤玄》に曰く:只要此の一位の天将の頭に臨む無ければ、処処皆駐紮すべし。所謂「斯将」とは、指す所は就中大吉丑なり。不但日干日支上に之を忌み、初伝の裡に之を出現するも亦た同様に忌むべし。
大将居方第十
主帥宜居貴旺臨,亭亭豹尾大將軍。登明卯酉青常後,除定開危與世明。太歲直居並月建,又宜歲後太陰神。玉前絳後明中利,百戰都能奏凱音。
主帥の身を安め営を立つる方位は、貴人の旺地に臨む処を取るに宜しく、亦た亭亭・豹尾・大将軍の此の三神の在所の地を取るに宜し。此の外登明亥・太冲卯・従魁酉の三方、および青龍・太常の両位の吉将の落つる所の宮、還って建除十二値中の除・定・開・危の四日の対応する所の方位は、皆清楚に用いる可し。太歳本位と月建本位は居る可く、歳後一位の「太陰」(陰私・庇護・隠蔽を主る)の位も亦た宜し。再び《運珠経》の説く所の玉堂の前・絳宮の後・明堂の中も、亦た有利の地なり。此れらの方位を占得して営を安んずれば、百戦皆凱を奏して帰るを得べし。
貴,天乙貴人也。旺臨,謂天乙臨地盤旺地。假令六月辛酉日陽貴在午,臨巳是為旺地,主將宜立巳地,向西北安營,中敵大勝。月將加時,神后落處為亭亭。
此処の「貴」とは、天乙貴人を指し、十二天将の首と為り、尊貴扶助を主る。「旺臨」とは説くは天乙が地盤上の当令有気の宮位に落つるを謂う。例を挙げて説かば、六月辛酉日は、陽貴は午に在り、午は巳宮に臨み、巳は正是れ火気の地を得る処にして、此れを旺臨と叫ぶ。主将は便ち当に巳地に於て営を立て、営門は西北に朝向し、出撃して敵軍を撃てば大勝を獲るべし。亭亭に至りては、当月月将を把りて占時の上に加えて天盤を転出したる後、神後子の落つる所の其の一宮なり。
豹尾者,申子辰年在戌,巳酉丑年在未,寅午戌年在辰,亥卯未年在丑。其沖名黃幡。大將軍,三年一移,孟歲以午、仲歲以未、季歲以申加太歲天罡不是也。捷法:寅卯辰年在子,巳午未年在卯,申酉戌年在午,亥子丑年在酉。
豹尾は年支の三合局に按じて位を取る。申子辰年は戌に在り、巳酉丑年は未に在り、寅午戌年は辰に在り、亥卯未年は丑に在り。豹尾と相冲する其の一位を黄幡と叫ぶ。大将軍の位は三年に一換し、推法は孟年は午を用い、仲年は未を用い、季年は申を用い、太歳に加えて求得す。并びて人有りて説く所の天罡に加えるに非ず。別に一個の更に便捷の口訣有り。寅卯辰年は子に在り、巳午未年は卯に在り、申酉戌年は午に在り、亥子丑年は酉に在り。年支の属する所の季節に按じて直接に位を取れば即ち可なり。
以上三神俱宜大將居之,又以天上亥為大將軍,卯為左將軍,酉為右將軍,子為後將軍,五將各因時移居其位。如月將加時,天盤亥子臨酉上,正西安營吉,亥臨卯上,正東安營吉。但以亥所臨之方為主,不拘子午卯酉十二方也。如有事,大將居亥下,前後左右分兵總之,大勝。此法出《兵機總要》。
上面に説く亭亭・豹尾・大将軍の此の三神の在所は、主将は皆居守すべし。別に一法有り、天盤の亥を以て大将軍と為し、卯を左将軍と為し、酉を右将軍と為し、子を後将軍と為す。此の几位の将神は天盤の転動に随いて各自に位置を移換す。譬えば月将を把りて占時の上に加えて天盤を転出せば、天盤の亥・子が地盤酉宮に落つれば、就中正西に於て営を安んずるを吉と為す。亥が地盤卯宮に落つれば、就中正東に於て営を安んずるを吉と為す。总之亥の臨む所の方位を以て主と為し、必ずしも子午卯酉の此れらの固定方向に拘泥するに及ばず。真に戦事有る時、主将は亥の臨む所の下に坐鎮し、前後左右は四将の位に按じて兵を分ち陣を布けば、大勝を獲るべし。此の一法は《兵機総要》に出づ。
太陰,天乙後二位是也。月建前一日為除,四日為定,七日為危,十日為開日,為天上除定開危之方。《兵帳賦》云:“青常六合,大梁大火以同居;除定開危,主將其位而喜在。”大梁,酉也。大火,卯也。太陰在太歲後二位也。
太陰の位は、天乙貴人の後の第二位に在り。月建の後の第一日は除日、第四日は定日、第七日は危日、第十日は開日なり。此の四日の値する所の支を把りて天盤上に放てば、其れらの覆う所の地盤の宮は、便ち天上の除・定・開・危の四方なり。《兵帳賦》に曰く:青龍・太常・六合の此の几位の吉将は、大梁・大火の両宿と同じく一宮に処る。除定開危の四方は、主将が其の位に立てば便ち吉慶を得る。所謂大梁とは、是れ酉。大火とは、是れ卯なり。太陰の位置は則ち太歳の後の第二位に在り。
《玉帳經》云:“入敵境下營,宜擇善地;上將宜太歲、太陰、大將軍、月建、豹尾、九天之上。”九天者,春寅、夏巳、秋申、冬亥,即戰雄是也。如大將在亥,春臨寅,夏臨巳,秋臨申,冬臨亥。在九天之上,臨雄位可以取勝者。
《玉帳経》に曰く:敵境に入りて営を扎るには、形勢の有利なる好地を挑選すべし。主将は則ち太歳・太陰・大将軍・月建・豹尾・九天の此の几位の臨む所の方に立つに宜し。所謂九天とは、四季に按じて位を取る。春は寅に在り、夏は巳に在り、秋は申に在り、冬は亥に在り。即ち兵家の説く所の戦雄なり。譬えば大将軍の位が天盤亥に在れば、春は其れをして地盤寅に臨ましめ、夏は巳に臨ましめ、秋は申に臨ましめ、冬は亥に臨ましむ。此れを九天の上に居ると叫ぶ。主将の九天に立ち雄位に坐すを占得せば、出戦すれば便ち能く勝を取る。
其位分不便,則有背雄向雌之法,安營於戰雄天盤上神也。此為大將而言,若別將,取月支上神方向安營。以上十七神臨處,主將俱宜居之,是在擇者。若《運珠經》之所謂“繹宮利中,明堂利前,玉堂利後。”闕疑以俟高明。
若し地形の限る所有りて雄位は営を扎るに便ならざれば、還って一個の雄を背にし雌に向かう変通の弁法有り。営寨を把りて戦雄の此の一支の対応する所の天盤上神の臨む所の処に安んず。以上に説くは皆是れ主帥に対して言う所なり。偏裨別将に至りては、則ち当月月支上神の指す所の方向を取りて営を安んず。前面に列挙したる十七位の神煞の臨む所の処は、主将は皆居守すべし。具体に何れの一処を挑むかは、就中臨事の者の自ら権衡するを看る。至るか《運珠経》の説く所の「繹宮は中に利あり、明堂は前に利あり、玉堂は後に利あり」は、其の義未だ詳ならず。姑く疑を存し、高明の人の考定を留待す。
貯営糧草第十一
行兵糧草最居先,月將加時方上看。堆積秦吳為美地,天盤丑未細詳端。兵行而糧食隨之,故大將居方既定,即料理糧草之處。法以天盤丑未下為吉,蓋丑為斗,未為井,糧草居此,永無耗渙之患。秦即未,吳即丑。又必玄武賊盜不臨之地為吉。盜神,正月在卯順行四仲。賊神,春卯、夏午、秋酉、冬子。劫殺,正月在亥,逆行四孟。天盜,春巳、夏午、秋酉、冬子。
行軍の事は、糧草を最も当に先に籌画すべし。具体の方位は月将を把りて占時の上に加えて天盤を転出したる後に看るべし。糧を屯するは秦・呉の対応する分野に在るに宜しく、即ち天盤丑・未の両位の覆う所の地にして、須く細細に推詳すべし。軍隊一たび動けば、糧秣は便ち跟上するを得べし。故に主将の駐地一旦選定せば、続いて便ち糧を屯する処を安排すべし。其の法は天盤丑・未の覆う所の地盤の宮を以て吉と為す。丑は南斗に対応し、未は東井に対応せばなり。糧草を此処に囤えば、永に耗散の患無し。分野の上に未は秦に属し丑は呉に属す。歌訣の所謂「秦呉」は即ち此を指す。此の外還って必ず玄武と各路の盗賊の神と皆臨まざる地方を挑んでこそ吉と算す。盗神は正月より卯に起こり、四仲の上に於て順行す。賊神は季に按じて取り、春は卯、夏は午、秋は酉、冬は子なり。劫殺は正月より亥に起こり、四孟の上に於て逆行す。天盗は春は巳に在り、夏は午に在り、秋は酉に在り、冬は子に在り。
潜伏士卒第十二
設伏如逢子丑神,可藏萬卒沒人尋。卯千酉百宜先備,歇息潛形望丙壬。太歲太陰與月建,又宜潛向大將軍。四神之下藏兵吉,主將亭亭候賊音。
伏兵を布設するに、若し天盤神後子・大吉丑の覆う所の地を得れば、以て万名の士卒を蔵めて人に発覚せられず。太冲卯の下は千人を蔵むべく、従魁酉の下は百人を蔵むべし。事先に皆備え置くを要す。士卒をして歇息し形を隠さしめんには、就中天盤丙・壬の寄せる所の位の下に往きて去れ。太歳・太陰・月建の三神の臨む所の処も亦た兵を蔵むに宜しく、還って大将軍の位に蔵るべし。此の四神の下に兵を蔵むるを吉と為す。主将本人は則ち亭亭の位に坐鎮し、静かに敵方の消息を候す。
糧草既定,又當安歇士卒。天上神后、大吉之下,可藏萬人。太沖之下可藏千人。從魁之下可藏百人。又法:凡欲伏兵及避害者,月將加時,可從天上大吉方出,至小吉方而止。轉向傳送上立定,又轉向太沖上處潛伏,敵雖強,莫內我何。此亦踏罡步斗之意。
糧草の位置が定妥したる後、続いて士卒を安頓して歇息せしむべし。天盤神後と大吉の覆う所の地は、以て兵一万を蔵むべし。太冲卯の下は一千を蔵むべし。「従魁」(酉)の下は一百を蔵むべし。別に一法有り。凡そ伏を設け或いは災害を躲避せんと要するは、月将を把りて占時の上に加えて天盤を転出し、隊伍は天盤大吉丑の在所の方位より出発し、小吉未の在所の方位に走り到りて停下し、再び「伝送」(申)の位に転じて站定し、最後に太冲の位に転じて潜伏す。此の如く一路に走り来れば、敵人は再び強しとも我を如何ともするを得ず。此れは其の実道家の罡を踏み斗を歩むの路数にして、星神の位を借りて行蹤を隠蔽するなり。
丙即天盤之巳,壬即天盤之亥,不用遁干。欲安歇潛形,可從天上巳亥下去。《兵帳賦》云:“丙壬憩臥。”是也。又太歲、太陰、月建、大將軍四神臨方藏兵,大吉,主將則宜居亭亭之下者,神后落處是也。
歌訣裡の「丙」は就中天盤の巳、「壬」は就中天盤の亥なり。直接に十干寄宮を取りて看れば、必ずしも再び遁甲を用いて天干を遁出するに及ばず。部隊をして歇息し形を隠さしめんには、就中天盤巳・亥の覆う所の地盤の下より過ぎ去れ。《兵帳賦》の説く所の「丙壬に憩卧す」は、講ずる所正是れ此の事なり。此の外、太歳・太陰・月建・大将軍の此の四神の臨む所の方位は兵を蔵むるに皆大吉なり。主将自己は則ち亭亭の下に坐するに宜しく、亭亭とは就中天盤神後子の落つる所の其の一宮なり。
察賊所在第十三
要知賊藏在何處,天目加臨識地分。伏吟兵近反吟遠,若識來方發用評。凡欲知賊何處,當以天目所臨之方定之。天目,春辰、夏未、秋戌、冬丑。假令二月占,戌將加巳,天目在辰加亥,其賊在西北方也。《玄黃歌》以伏吟課近兵,反吟課兵遠。第觀《兵機總要》云:“天魁加天為陰,反覆反吟也,占賊主立至。”則知反吟兵遠非當云也,“反吟兵近伏吟遠”為是。蓋伏吟者,十二宮各歸本家,兵常未動。反吟則神已離位,互相沖擊,非遠而伏。
敵人が何処に蔵れたるかを知らんと要すれば、就中天目の此の一神の加臨する何処を看て、此れに据りて地分を認定す。歌訣の原説く所は伏吟課は敵兵の在近を主り、反吟課は敵兵の在遠を主る。至るか敵人の何れの一方より来るかは、則ち発用の五行に憑りて評断す。具体に説かば、凡そ賊の何処に在るかを知らんと欲するは、当に天目の臨む所の方を以て準と為すべし。天目は四季に按じて支を取り、春は辰に在り、夏は未に在り、秋は戌に在り、冬は丑に在り。譬えば二月に課を起し、戌を以て月将と為して巳時の上に加えれば、天目辰は便ち地盤亥宮に落ち、敵人の西北方に在るを知るべし。遠近に至りては、《玄黄歌》は伏吟課は兵近く反吟課は兵遠しと認む。但し《兵機総要》に曰く「天魁が天に加わるを陰と為し、反復は反吟なり。賊を占えば主に立至を主る」。見る可く反吟は兵遠しと主るの説は并びて妥当ならず。当に「反吟は兵近く、伏吟は兵遠し」と改作してこそ対なり。伏吟の時は十二宮は各々本位に帰し、敵兵は通常尚未だ発動せず。反吟の時は諸神已に本位を離れ彼此相冲す。正是れ交兵の在即の象にして、并びて遠くして潜伏するに非ざればなり。
賊之來方,則初傳定之,如初傳見火從南來,見金從西來,見水從北來,見木從東來。《兵帳賦》云:“欲知賊方位,當看初傳五行,火作南兵,土神乃從於四季。初傳木位,其謀必於東瞑。”此法雖出古人,尚欠通順,不若以游都等神臨處定之為是。
敵人の何れの一方より来るかは、初伝に由りて判定す。初伝が火に属せば、敵は自ら南より来る。金に属せば、自ら西より来る。水に属せば、自ら北より来る。木に属せば、自ら東より来る。《兵帳賦》に曰く:敵人の方位を知らんと欲すれば、当に初伝の五行を看るべし。火に属するは是れ南方の兵、土に属するは則ち辰戌丑未の四季の位に応ずべし。初伝が若し木位に落ちれば、敵人の謀画は必ず東方の昏暗の処に在り。此の套の弁法は雖も古人より出づるも、道理の上に還って暢順を欠く。不如り直接に游都等の賊星の臨む所の処を用いて判定するが来ること确切的なり。
途中前後疑逢賊,大吉加臨定識真。丑到坎離賊卯下,如臨辰戌伏登明。寅申定是居參宿,丑未應知匿軫星。卯酉從魁須隱伏,若臨巳亥丑中尋。他行旺相來沖擊,設法抽軍別路行。
行軍の途中に前後疑心して敵人に撞上らんとすれば、就中大吉丑の加臨する何処を用いて真偽を確認せよ。丑が子・午の両宮に落ちれば、敵人は卯の下に在り。丑が辰・戌の両宮に落ちれば、敵人は登明亥の下に伏す。丑が寅・申の両宮に落ちれば、敵人は参宿の属する所の申位に在り。丑が丑・未の両宮に落ちれば、敵人は軫宿の属する所の巳位に匿る。丑が卯・酉の両宮に落ちれば、敵人は従魁酉の下に隠伏す。丑が巳・亥の両宮に落ちれば、就中丑位に到りて找え。倘若敵人の居る所の地が正に季節の旺相の気に当たり、又た我方に朝向して衝殺して来れば、鋒芒は當て難く、就中設法して軍を抽いて別路に改めて走るべし。
《神樞經》云:“欲知賊方,以大吉推之。”《兵帳賦》並諸書俱視二吉,似太繁瑣,只看五字為捷:丑加子午賊卯下,子午,坎離之卦也,臨辰戌在或亥下,登明亥也。臨寅申賊在申,參,申中宿也。臨丑未賊在巳下,軫,巳中宿也。臨卯酉賊在酉下,從魁,酉也。臨巳亥賊在丑下。若賊之所在是當季旺相方來沖擊我,其鋒不可擋,最宜避之。假令夏占,丙寅日伏吟,大吉臨丑,賊居旺地,宜擇吉地避之,餘仿此。
《神樞経》に曰く:敵人の在所の方位を知らんと欲すれば、大吉丑を用いて推せ。《兵帳賦》と其他の各家とは皆大吉・小吉の両神を兼看するを要す。未免繁瑣なり。其の実只五個の字を記えば就够快捷なり。丑が子・午に加われば、敵は卯の下に在り。子午は分かれて坎離の二卦に属す。丑が辰・戌に臨めば、敵は登明亥の下に伏す。丑が寅・申に臨めば、敵は申位に在り。申の中に参宿有り。丑が丑・未に臨めば、敵は巳位に在り。巳の中に軫宿有り。丑が卯・酉に臨めば、敵は酉の下に在り。酉は即ち従魁なり。丑が巳・亥に臨めば、敵は丑の下に在り。倘若敵人の居る所の処が正に当季の旺相の気に当たり、又た我に朝向して衝殺して来れば、其の鋒は硬く當つべからず、最も好く避くるなり。譬えば夏天に課を起し、丙寅日に伏吟を得れば、大吉丑は仍お本位に留まり、正に夏火の土を生じ土気の旺を承くるの時に当たり、敵人は旺地を占めたれば、就中応に別に吉地を擇びて回避すべし。其余の情形は此れに照らして類推す。
探賊消息第十四
探賊消息從耳目,丑未之神天耳明,卯酉二神為地目,相探四處最為真。即之賊之所在,欲從旁察其端的,則以丑未所臨方下探之,以丑未為天耳故也;探訪密事,須於卯酉神臨方下探之,以卯酉為地目故也。外太陰下不可探,白虎、閉口下不可探,蓋太陰為陰私蔽匿之神,白虎為傳凶截路之殺,閉口則無有與我言者,旬尾加旬首為閉口。
敵情を打探するには耳目に靠るを要す。丑と未の此の両位は是れ天耳にして、聴を主る。卯と酉の此の両位は是れ地目にして、視を主る。此の四処より探聴查看して来れば、得る所の消息は最も真なり。已に敵人の大致の在所を知り、傍より確切の情形を弄清楚せんと想えば、就中丑・未の臨む所の地盤方位の下に到りて打探せよ。丑未は是れ天耳なればなり。若し機密の事を探訪せんと要すれば、則ち須く卯・酉の臨む所の方位の下に到りて打探すべし。卯酉は是れ地目なればなり。別に三処有りて探るを得ず。太陰の下は探るべからず、白虎の下は探るべからず、閉口の下も亦た探るべからず。太陰は本より是れ陰私蔽匿の神にして、問うも亦た実話を問い出す能わず。白虎は是れ凶信を伝遞し路を拦み道を截るの煞にして、去れば反って禍を招く。閉口は則ち根本に肯んじて口を開きて我に説話する人無し。所謂閉口とは、就中本旬の最末の一支を把りて本旬の頭の一支の上に加えるなり。
游都察賊第十五
欲識賊來切要推,游都作限用占之。游都加日今將到,前之一位在明期,二三依次須防禦,若臨前四不侵圍。既得賊之消息,當決其來與不來、有害無害,以預備之。游都臨孟虛信,臨仲半途,臨季速來。天罡加孟仲季,亦如此類推之。若游都臨本支干上,賊本日到。臨前一辰,賊後一日到。臨前二辰,賊後二日到。臨前三辰,賊後三日到。臨第四辰,賊不來也。
敵人が何時に到來するかを知らんと欲するは、関鍵は須く游都を用いて期限と作して推算すべし。游都が若し日干日支の上に加われば、敵人は今天到る。其の前の一位に落ちれば、明日は期すべし。前二位・前三位に落ちれば、次を依りて順推し、皆厳加防御するを得べし。若し前第四位に落到すれば、敵人は便ち来りて我を圍わず。此の一節の説く所は、既に敵情を探得したる以上、就中当に其の来るか来らざるか・有害か無害かを断定し、以て預め準備を好くすべし。游都が寅申巳亥の四孟の宮に臨めば、来犯の消息は多半は虚なり。子午卯酉の四仲に臨めば、敵人は尚お半途に在り。辰戌丑未の四季に臨めば、敵人は很快就到す。天罡が孟仲季の三類の宮位に加臨するも、亦た此の弁法に照らして類推す。具体の日期は、游都が本日干支の上に臨めば、敵人は当日就到す。前一辰に臨めば、一日を隔てて到る。前二辰に臨めば、二日を隔てて到る。前三辰に臨めば、三日を隔てて到る。第四辰に臨到せば、敵人は就中来らず。
都神旺相支干畏,賊勢憑陵難守禦。游都和處喜降卒,畏下難侵大戰時。居在東南災稍重,臨於西北禍當微。不見游都視天乙,臨處還同都將推。子辰巳未加今日,盜賊猖狂疾走似飛。
游都が当令旺相にして日干日支が反って其の克を受ければ、敵勢は便ち囂張凌厉にして、防守抵御すること難し。游都の落つる所の処が上下相生和順なれば、敵方に士卒の来りて降る有るを主る。游都が反って下面の地盤の神に克住せられれば、就是れ「畏下」にして、敵人は敢えて来り侵さず。此の時正に其れと大戦するに宜し。游都が東南に落つれば、兵災は略々重し。西北に落つれば、禍患は較輕し。若し課中の干支と三伝と皆游都を見ざれば、就中改めて天乙貴人の臨む所の処を看て、游都と一様の弁法を用いて推せ。若し子・辰・巳・未の此の几支の当日の日干日支の上に加臨するを見れば、則ち盗賊の猖狂、来去疾走して飛ぶが如きを主る。
游都加支干旺相而又克干者,主賊勢憑陵,難以克守。若囚死不克,便無凶。《兵帳賦》云:“游都囚死,日辰不克以無凶,以干上下相制而來。”即此意也。
游都が日干日支の上に加臨し、本身が又た当令旺相にして并びて日干を克制せば、敵人の気焰の人を凌ぐを主り、我方は守り住むこと難し。之に反して、游都が若し囚死無気の地に処り、又た日干を克動する能わざれば、就中凶険無し。《兵帳賦》に曰く:游都が囚死に落ち、日干日支が其の克制を受けざれば、便ち凶咎無し。日干上下の二神が彼此相制すれば、凶気は我が処に到らざるが故なり。講ずる所正是れ此の意思なり。
若游都囚死,支干無剋制者,賊或不來,有剋制者亦來。假如春丙辰日亥將丑時,順數至辰,見寅為游都,加臨日辰;寅屬木正旺,又克辰土,正所謂“都神旺相支干畏”也。乙酉日丑將巳時,順數至辰見子為游都,子屬水冬旺,加在辰上被克為休地,主賊不來,安妥無虞。都將囚死又無剋制,主賊至,復自遁。如丁丑日子時辰將,巳為游都,加臨丑上,火土相生,游都既囚死又無剋制,故復自遁也。
游都が若し已に囚死にして、而も日干日支に又た一処も能く其れを克制する無ければ、敵人は或いは来らず。日干日支が若し能く其れを克制せば、敵人は反って将に来らんとす。例を挙げて説かば、春天の丙辰日は、亥を以て月将と為して丑時の上に加え、順に数えて地盤辰宮に次いで、天盤寅の彼処に落つるを見れば、寅は正是れ丙日の游都にして、恰好日支の上に加臨す。春天は寅木は旺に当たり、又た能く辰土を克す。此れ是れ歌訣の所謂「都神旺相、支干の畏るる所」なり。再び乙酉日の如く、丑を以て月将と為して巳時の上に加え、順に数えて辰宮に到りて子を見れば游都と為す。子水は本より冬に旺するも、如今辰土の上に加わりて反って土に克せられ、休地に落つ。敵人の来らざるを主り、安穏無虞を保つべし。至るか游都囚死にして而又た人の克制する無きは、敵人は雖も来るも、随後に自ら遁走するを主る。譬えば丁丑日子時・辰を以て月将と為して課を起せば、巳は游都と為り、丑宮の上に加臨し、火土相生し、游都は既に囚死にして又た克制無し。故に敵人は来りて過ぎたる便ち自ら撤走したるなり。
又游都休囚加旺相地,賊攻城池;若得勾陳剋制游都者,賊兵必敗,不剋制亦不敗。假如二月甲子日子時戌針,以戌加子,順數至卯見丑為游都,土死木旺,是游都以死加旺地,主賊攻城池,幸而太沖乘勾陳克游都之土,賊所以敗。
別に一層有り。游都は本身休囚なるも、却て当令旺相の宮位の上に加臨すれば、敵人の来りて城池を攻打するを主る。此の時若し勾陳有りて能く游都を克制せば、敵兵は必ず敗る。即便克制する能わざるも、亦た我が方の戦敗に至らず。例を挙げて説かば、二月甲子日子時に課を起し、戌を以て月将と為す(原刻の「戌針」は当に「戌将」と作るべし)。戌を把りて子の上に加え、順に数えて地盤卯宮に到り、天盤丑を見れば游都と為す。二月は木旺土死にして、正是れ游都の死気を以て旺地の上に加わるなり。敵人の来りて城池を攻むるを主る。幸いなるかな卯位の太冲の上に勾陳を乗ず。卯木は能く游都の丑土を克す。敵人是れに因りて敗退す。
上下相生為喜,游都加臨上下相生,主有降卒。若游都加支干,為下所克,便是畏下,宜戰鬥。《兵帳賦》云:“好鄉不戰,畏則交鋒。”是也。如丙辛二日以寅為游都,臨亥子地,水木相生喜也,主不戰而降。若游都被下神剋制可戰,戰必賊敗,故曰“難侵”、“畏下”,是賊難來侵我也。
天地二盤が上下相生するを「喜」と叫作す。游都の加臨する処が若し上下相生せば、敵方に士卒の来りて投降する有るを主る。游都が若し日干日支の上に加わりて、反って下面の地盤の神に克せられれば、那れ就是れ「畏下」にして、此の時正に出戦に宜し。《兵帳賦》の説く所の「好郷は戦わず、畏れば則ち交鋒す」は、講ずる所就是れ此の両種の情形なり。譬えば丙日・辛日は皆寅を以て游都と為す。寅が若し亥・子の水宮に落つれば、水は木を生じ、上下相生し、是れ「喜」の格局にして、敵人の戦わずして降るを主る。之に反して、游都が下面の地盤の神に克住せられれば、便ち以て開戦すべし。戦えば則ち敵は必ず敗る。故に歌訣に「難侵」「畏下」と説く。意思是れ敵人は難く以て来りて我を侵犯するなり。
又月將加時,干支上與課傳不見游都,謂離日遠也。則視天乙臨處,一如游都之法,若天乙又離日遠,主賊已往他境不來。又月將加時,干支上見子、辰、巳、未臨日辰,主賊到自回。疾如飛,言疾走如飛也。“居在東南災稍重,臨於西北禍當輕。”此二句不知所謂,蓋出自《兵機總要》,故存之。
又た一种の情形。月将を把りて占時の上に加えて課を起したる後、日干日支の両処と四課三伝の裡と皆游都を見ざれば、此れを游都の日を離るること太だ遠しと叫ぶ。此の時改めて天乙貴人の臨む所の処を看て、推法は游都と完全に一様なり。倘若天乙も亦た日を離るること很た遠ければ、敵人の已に別の境内に転往し、来りて犯さざるを主る。還って有り、課を起したる後に若し日干日支上に子・辰・巳・未の此の几支の日辰に臨むを見れば、敵人は雖も来到すも、随即に自ら退回するを主る。歌訣の末句の「疾走して飛に似たり」は、是れ敵人の来去の迅疾にして飛ぶが如きを形容す。至るか「東南に居れば災稍々重く、西北に臨めば禍当に軽し」の此の両句は、其の中の道理は我実に明白ならず。大约是れ《兵機総要》より抄来したるなり。姑く保留して来たる。
来兵何勢第十六
欲知敵至是何兵,來處乘神作準衡。子乃輕驃丑步隊,寅為猛健卯車營。旌旗掩映推辰是,騎馬飛奔自午鳴。機械巳多蛇作陣,干戈未妙有羊擎。申善鬥爭酉畫計,戌軍武勇亥雄英。
来犯するは何れの一類の部隊なるかを知らんと欲するは、就以て敵人の来処に乗ずる所の地支の神を作して衡量の準縄と為す。子に乗ずるは、是れ軽捷驃悍の騎兵。丑に乗ずるは、是れ歩卒の隊伍。寅に乗ずるは、其の兵勇猛強健。卯に乗ずるは、営中に戦車多し。辰に乗ずれば、則ち旌旗空を蔽い天を遮り日を掩う。午に乗ずれば、則ち鞍馬飛奔して来る。巳に乗ずるは、器械の众多・善く蛇形の陣を布くを主る。未に乗ずるは、兵器の精妙・又た羊車の属の陣を助くる有るを主る。申に乗ずるは、争闘に長ずるを主る。酉に乗ずるは、謀画に善きを主る。戌に乗ずるは、其の軍武勇なり。亥に乗ずるは、其の将英雄不凡なり。
欲知敵勢形狀,則以來處乘神決之,如來處乘子,則為輕驃之兵;乘丑,則為步隊;乘寅猛健;乘卯車營,謂營中多車也,卯又為天駟,若驛馬天馬乘之,則又主馬壯多,則卯又為船;辰龍也,來則旌旗蔽空;午馬也,來則騎馬飛奔;巳主兵多機械,能作蛇陣,以巳蛇也;未主器械精妙,又羊擎,未屬羊也;申善爭鬥,在途間;酉善畫計,在門中;戌為天魁,主武勇;亥為將首,主英雄。
敵軍の形貌気勢を判断せんと要するは、就中其の来路の上に乗ずる神を取りて決断せよ。来処が子に乗ずるは、是れ軽騎驃悍の兵。丑に乗ずるは、是れ歩兵の隊列。寅に乗ずるは、兵士勇猛強健。卯に乗ずるは、営中に車多し。卯は又た天駟と叫ばればなり。若し再び驛馬・天馬の乗臨有れば、就中戦馬の又多く又た壮なるを主る。此の外卯は還って以て船只を代表すべし。辰は龍に属し、敵来れば則ち旌旗天を蔽う。午は馬に属し、敵来れば則ち鉄騎奔馳す。巳は器械の繁多を主り、能く蛇形の陣を摆出す。巳は本より蛇に属すればなり。未は兵器の精良を主り、又た羊車の戦を助くる有り。未は本より羊に属すればなり。申は争闘に善きを主り、其の兵は多く途中に於て往来す。酉は籌画に善きを主り、其の人は多く轅門の内に於て運籌す。戌是れ河魁にして、武勇の人に過ぐるを主る。亥は諸将の首と為り、主帥の英雄を主る。
賊兵多寡第十七
占賊多寡有三般,或視游都或視干,或視地盤正時上,法亂相宗斷課難。都將近日只論都,都將遠日只論干。有時干上乘空者,正時加減不虛傳。
敵兵の多少を推算するに三种の弁法有り。一は游都を看る、二は日干を看る、三は地盤上の占時の其の一宮を看るなり。三法は各々師承有り。若し混えて一にして使用せば、反って課を断ずること准ならず。取舍の原則は、游都が日干を離るること近ければ、就中単に游都を看よ。游都が日干を離るること遠ければ、就中単に日干を看よ。若し日干上に恰逢して空亡に逢えば、那れは就中改めて正時の上下二盤を用いて加減す。此の一層は最も可靠にして虚ならず。
察賊多寡,有視游都者,有視干者,有視地盤正時者。雖以決斷,不如都近日則以都將上下盤定之。都將離日遠,則以日干上下盤定之;至於干上逢空,則以正時上下盤定之。其言加減者,謂看五行旺相休囚加減論也,如旺則進,相則倍,休言本數,死因減半。數甲己子午九,乙庚丑未八,丙辛寅申七,丁壬卯酉六,戊癸辰戌五,巳亥五之數。
敵兵の多寡を察看するに、人有りて游都を看る、人有りて日干を看る、人有りて地盤上の占時の宮を看る。三法は雖も皆能く決断するも、但し最も妥当の次序は、游都が日干を離るること近ければ、就用いること游都の在所の天地二盤の定数。游都が日干を離るること遠ければ、就用いること日干の在所の上下二盤の定数。日干上に若し空亡に逢えば、才に正時の上下二盤の定数を用う。所謂「加減」とは、五行の旺相休囚に按じて増損す。旺気を得れば則ち一等を進め、相気を得れば則ち加倍し、休地に処れば就中本数を用い、死地に落つれば就中折半す。各干支の定数は、甲己と子午とは九を作り、乙庚と丑未とは八を作り、丙辛と寅申とは七を作り、丁壬と卯酉とは六を作り、戊癸と辰戌とは五を作り、巳と亥とは四を作る(原刻は「五」と作る、前文の「巳亥独居四」に据れば当に四と為すべし)。
《玄黃一秤金》專以游都決之,歌云:“戰賊多寡如何定,須看游都一決之。旺相休因分增減,先天上下合乘除。再兼亥子支干位,支上雖微干有餘。”假如春占,游都在寅,丑八數,寅七數,七八五十六,此先天數也。但在上無氣,減半言之,若五十六則作則二十八也。如旺則為五萬六千,相則為五千六百,本數五百六十,或只五十六。又亥子加干上,賊數寡也。後二法的。
《玄黄一秤金》の一書は専ら游都を用いて敵兵の多少を決断す。其の歌訣に曰く:敵兵の多寡を定めんと要するは、須く游都の一星を看るべし。旺相休囚に按じて増減を分出し、先天定数を用いて上下両盤を相乗相除し、再び兼ねて亥・子の二支の日干日支の何れの一処に落つるかを看よ。支の上に落つれば兵数は雖も少なく、干の上に落つれば則ち兵力は有余有り。例を挙げて説かば、春天に課を起し、游都は寅に在り。地盤丑の定数は八、天盤寅の定数は七にして、七八相乗して五十六を得る。此れ就是れ所謂先天数なり。游都が若し上に於て無気なれば、就中折半に計算し、五十六は便ち二十八と作る。再び旺相に按じて加成す。旺なれば則ち五万六千と為し、相なれば則ち五千六百と為し、尋常なれば就是れ五百六十、或いは只有五十六人なり。別に、亥・子が日干の上に加われば、敵兵の人数の稀少を主る。三法の中に、後の両法は最も的当なり。
賊勢強弱第十八
游都旺剋日辰強,無克休囚弱不揚。蛇虎同臨主猛烈,都方互制定柔剛。乘凶更值空亡地,人馬雖多不是強。多寡,賊數也;強弱,賊勢也。不知強弱,何以禦敵?然亦不離游都決之,如都將乘旺剋日辰,主賊勢強大;不克日辰而又休囚,則賊勢弱而氣不揚矣。蛇虎乘都又日辰,將師士卒懼猛。若都方上下刑剋相乘,主賊半柔半剛。若雖乘蛇虎凶將而值空,則人馬雖多,亦終不足為強也。
游都が旺に当たり而も又た日干日支を克制せば、敵勢は強盛なり。游都が日辰を克動する能わず、自身が又た休囚無気なれば、敵勢は就中衰弱不振なり。螣蛇・白虎の両位の凶将が若し游都と同じく一処に臨めば、敵軍の凶猛剽悍を主る。游都と落つる所の方位とが上下互相克制すれば、敵勢は便ち半柔半剛なり。縱え凶将に乗ずるも、一旦空亡の地に落進めば、敵人は再び人馬多き有りとも真強と算上するに足らず。上一節は多寡を講じ、説く所是れ敵兵の数目。此の一節は強弱を講じ、説く所是れ敵兵の気勢。敵人の強弱を知らざれば、何れを憑りてか其れを抵御せん。判断の依拠は同様に游都を離れず。游都が旺気に乗り又た日辰を克せば、敵勢の強大を主る。日辰を克動する能わずして自身休囚なれば、敵勢は就中弱くして振るわず。螣蛇白虎は既に游都に乗り又た日辰に臨めば、敵方の将帥士卒の皆凶悍可畏なるを主る。游都と其の臨む所の方とが上下相刑相克すれば、敵人の剛柔参半を主る。雖も螣蛇白虎の此等の凶将に乗ずるも、却て空亡の上に坐すれば、那れ么人馬再び多しとも、終竟に強敵を成さず。
兵将勇怯第十九
兵將勇怯如何斷,成敗相推論亦同。貴六陰常龍與並,若還旺相定收功。勾雀虎空蛇後,懦將難當彼敵鋒。賊之強弱多寡既較,而我將之勇怯、軍心之順逆獨不可預定乎?於是有兵將勇怯之占。
兵を統ぶる将の勇なるか怯なるかは、怎様に判断せん。其の法は成敗を推算すると是れ同一路数なり。発用が若し天乙貴人・六合・太陰・太常・青龍の此の几位の吉将の并臨を得て、又た当令旺相せば、必定に功を建つ。若し発用が得る所は勾陳・「朱雀」(口舌文書・讒毀是非を主る)・白虎・「天空」(虚詐欺瞞を主る)・螣蛇・「天后」(陰柔内惑を主る)の此の几位なれば、便是れ懦弱の将にして、敵人の鋒芒を抵当すること不住。《敵方の強弱多寡は既に比較清楚なれば、我方将帥の勇怯・軍心の順逆は豈に能く預め判定する能わざらんや。故に別に兵将勇怯の此の一占を立つ。
兵將,統兵之將也,非兵、將並論之語。大都以初傳為主,如初傳是天乙,主開地千里;青龍、太常、六合俱為得勝;惟太陰恐中止而不前,無敗;此五將又乘旺相,定主收功,此強將也。
「兵将」の両字は、説く所是れ兵馬を統率する将帥にして、并びて是れ士兵と将官とを并列して言うに非ず。占法は大抵初伝の乗ずる所の天将を以て主と為す。初伝が天乙貴人を得れば、疆を開き土を拓くこと千里を主る。青龍・太常・六合を得れば、皆勝を得るを主る。只有太陰の一位は、雖も敗に至らずとも、却て中途に停顿して能く前進せざるを怕る。此の五位の天将が若し又た当令旺相せば、必定に功を建て事を成し、乗ずる所の人便是れ強将なり。
若發用是螣蛇多驚怖,玄武多遺失,天后無威且多內惑,勾陳將士折傷,朱雀大將被讒毀,天空被賊誘又失眾,白虎殺傷喪亡。旺相猶可,休囚必敗,此懦將,何以當彼之鋒哉?功之成敗,亦同此論之,故曰“成敗相推論亦同”,此出《軍帳》、《鉤玄》諸書。
反って来れば、発用が若し是れ螣蛇なれば、軍中に驚恐多し。是れ玄武なれば、遺失偷盗多し。是れ天后なれば、主将に威信無く而且内部に迷惑を多生す。是れ勾陳なれば、将士折損受傷す。是れ朱雀なれば、主将は人の讒言詆毀に遭う。是れ天空なれば、敵人に誘騙せられ又た部衆を失う。是れ白虎なれば、則ち殺傷死亡の禍有り。此れらの凶将が若し還って当令旺相せば、尚お支撑すべし。一旦休囚無気なれば、必ず敗れて疑無し。此の様の懦弱の将は、怎様に敵人の鋒鋭を抵当し住むを得んや。至るか兵を用うる功業の成敗は、亦た此の一套に照らして推せ。故に歌訣に「成敗相推し論ずる亦た同じ」と説く。此の一節は《軍帳》《鉤玄》等の書より出づ。
軍心順逆第二十
兩敵相持要出軍,君臣向背也須明。天罡天陽月建地,河魁天陰太歲平。陽覆陰兮下逆上,陰覆陽兮逆子臣。重陽憂火重陰水,旺相休囚要細分。
両軍相持するの際に兵を発して出戦するに、君臣上下の同心なるか離心なるかも、亦た必ず弄明白にせねばならず。天罡辰是れ天陽、月建是れ地陽。河魁戌是れ天陰、太歳是れ地陰。陽神が陰神の上に覆圧するを陽覆陰と叫び、上に在る者の下に在る者を加害せんと欲するを主る。陰神が陽神の上に覆圧するを陰覆陽と叫び、臣子の君父を背叛するを主る(歌訣の此の両句の上下次序は下文の注解と正に相反す。当に注解を以て準と為すべし)。両陽の相畳するを重陽と叫び、火患を憂慮すべし。両陰の相畳するを重陰と叫び、水災を防備すべし。其の中の吉凶軽重は、還って旺相休囚に按じて仔細に分辨するを得べし。
天罡為天陽,月建為地陽;河魁為天陰,太歲為地陰。若天罡月建或一神臨於河魁或太歲之上為陽覆陰,主君欲害臣,父欲害子,夫欲害妻;若河魁太歲或一神臨於天罡或月建之上,為陰覆陽,主臣欲害君,子欲害父,妻欲害夫。若天罡之加月建,或月建加天罡,為陽覆陽,謂之重陽,主有火驚。若河魁臨太歲,或太歲臨河魁,為陰覆陰,謂之重陰,主有水災。更著旺相休囚,旺相者吉,休囚者凶。
具体に説き来れば、天罡辰は天陽に属し、月建は地陽に属す。河魁戌は天陰に属し、太歳は地陰に属す。天罡或いは月建の此の両位の陽神の一が、河魁或いは太歳の上に加臨すれば、就中陽覆陰と叫び、君主の臣下を加害せんと欲し、父親の兒子を加害せんと欲し、丈夫の妻子を加害せんと欲するを主る。反って、河魁或いは太歳の此の両位の陰神の一が、天罡或いは月建の上に加臨すれば、就中陰覆陽と叫び、臣下の君主を圖謀し、兒子の父親を悖逆し、妻子の丈夫を加害するを主る。若し天罡が月建の上に加わり、或いは月建が天罡の上に加われば、両陽相畳して、之を重陽と叫作し、火災驚扰有るを主る。若し河魁が太歳に臨み、或いは太歳が河魁に臨めば、両陰相畳して、之を重陰と叫作し、水患有るを主る。此の外還って此の几位の旺相休囚を看るを要す。旺相の気を得れば則ち吉、休囚の地に落つれば則ち凶なり。
核審刑害第二十一
卜戰將軍年命占,三刑六害戰難堪。更逢白虎尤當忌,若值干支俱精嚴。三刑六害大凶之神,若值將軍年命上,難以出戰,況又白虎加之乎?加年命已不可,況日干與支乎?凡值此者宜戒之慎之!若年命旺相,刑害休囚,支干上有救,尤可出征。
開戦すべきか否かを占問するは、主将の本命と行年とを看るを要す。此の両処が若し三刑・六害に碰上せば、仗は就中打ち難し。再び白虎の同臨に遇上せば、尤其に当に避忌すべし。万一に日干・日支の上にも亦た一併に撞見せば、那れは就更に須く厳加戒備すべし。此れ是れ三刑六害は本より大凶の神にして、主将の本命行年の上に落つれば、已に出戦すること難し。況んや白虎が又た其の上に加臨するをや。年命の上に加わるも尚且不可なれば、況んや日干日支の此の両処の根本の地に加わるをや。凡そ此の種の課に遇上せば、務須戒懼謹慎すべし。不過也た転圜の機有り。若し主将の年命が当令旺相にして、而も刑害の神が正に休囚無気に処り、日干日支上に又た生救の神有れば、那れは還って是れ出征すべし。
今日戦否第二十二
兩軍相守已經時,今辰憂戰始占之。勾陳剋日刑並克,不克無利各護持。大小吉居支干上,兩軍俱解固疆圍。經云:“戰不戰,視勾陳。”勾陳與臨方上下相刑相剋必戰,相生和解,各守疆圍。
両軍の対峙すること已に些かの時日有り、今天は否や戦を開くを憂心して、于是に課を起して占問す。占法は勾陳を看る。勾陳が若し日干を克し、或いは日干と互相刑克せば、今日必ず一戦有り。若し相克せざれば、則ち彼此皆便宜を得る無く、各自に守護するのみ。若し大吉丑・小吉未の両位が日干日支の上に落つれば、両軍皆兵を罷め、各自に疆界を固守す。故に経上に曰く:打つか打たざるかは、勾陳を看よ。勾陳と其の臨む所の地盤の宮とが上下相刑相克せば、必定に開戦す。上下若し相生せば、那れは和解して、各々其の辺界を守る。
若勾陳乘神或地盤刑剋害日辰,更凶。假令戊子返吟,勾陳乘酉臨卯地,卯刑子,是勾陳刑支也;卯又克戊土,是勾之地盤剋日也。丙辰日伏吟,晝將勾陳臨卯,卯克辰,又辰卯相害,是為勾陳刑害也。幾值此等,戰必大凶,不可輕出。《兵機總要》並諸書只言克刑日有,並不及地盤,恐失略,故錄之耳。
勾陳の乗ずる所の神、或いは勾陳の落つる所の地盤の宮が、若し日干日支を刑克し或いは傷害せば、那れは就更に凶なり。例を挙げて説かば、戊子日に返吟課を得て、勾陳は天盤酉に乗りて地盤卯宮に落つ。卯は子を刑す。此れ是れ勾陳の日支を刑したるなり。卯木は又た戊土を克す。此れ是れ勾陳の地盤の宮の日干を克したるなり。再び丙辰日の如く伏吟課を得て、昼将を用いて貴を起し、勾陳は卯宮に落つ。卯は辰土を克し、辰卯は又た互いに六害と為る。此れ就是れ勾陳の既に刑し且つ害するなり。凡そ此の几種の格局に遇上せば、交戦は必定に大凶にして、軽易に兵を出すべからず。《兵機総要》と其他の各家とは只勾陳の乗ずる所の神の日干を刑克するを講じて、其の落つる所の地盤を講ずるに到らず。恐怕は疎略に失せん。故に此処に於て補録して下す。
若大吉、小吉居支干之上,兩家俱不欲戰。《軍帳賦》云:“兩兵相加,勾陳是的。勾陳制日,兩家合戰以爭雄;井斗來臨,彼此收戈而息怒。”也。
若し大吉丑と小吉未とが日干日支の上に落つれば、両辺皆打つを想わず。《軍帳賦》に曰く:両軍の相持は、勾陳を看るが最も准なり。勾陳が日干を制住せば、両家は便ち合戦して雄を争うを要す。南斗・東井の此の両位の吉宿の神の来临あれば、彼此就中干戈を收起し怒気を平息す。丑は南斗に対応し、未は東井に対応す。故に大小の二吉が日辰に臨めば、便ち双方の兵を罷むるを主る。
決定戦守第二十三
承命興師鎮玉關,未知戰守孰為先。斗罡加孟宜堅守,加仲相傷彼此殘。攻他得勝須臨季,識此安邊反掌間。
命を奉じて兵を起して辺関を鎮守するに、該に先に戦うべきか先に守るべきかを知らず。占法は斗柄天罡の何処に加わるかを看る。寅申巳亥の四孟の宮に加われば、堅守して出でざるに宜し。子午卯酉の四仲の宮に加われば、交戦すれば両敗倶傷す。辰戌丑未の四季の宮に加われば、出撃すれば以て勝を獲るべし。此の一条を懂得すれば、辺疆を安定するは翻掌の如く容易なり。
陳兵關塞,未知戰守孰吉,即以天罡所加定之。若加孟宜堅守,如強戰,兩家俱凶。《靈轄經》云“斗加孟神,在內宜守。加仲在門,戰必兩傷。加季在外,出兵大捷。”此利為客者也。假令丁丑日返吟,大吉臨日,小吉臨辰,主兩軍和解,天罡臨戌是季,宜出兵大勝。《金匱》“對敵當視天罡,加孟可休士卒,加仲兩傷,加季大勝也。”
関塞に兵を陳ぶるの際、戦と守と何れの一様が吉利なるかを知らざれば、就以て天罡の加わる所の宮に依りて決定す。天罡が四孟に加われば、堅守に宜し。若し勉強に出戦せば、両家皆凶なり。《霊轄経》に曰く:斗柄が孟神の位に加われば、兵は尚お内に在り、守るに宜し。仲位に加われば、兵は已に門戸に当たり、戦えば必ず両傷す。季位に加われば、兵は已に外に在り、兵を出せば大捷す。此の套の説法は客方・也就是れ主動的に出撃するの一方に対して利有り。例を挙げて説かば、丁丑日に返吟課を得て、大吉丑は日干に臨み小吉未は日支に臨めば、両軍の和解を主る。而して天罡は戌宮に落つ。戌は四季に属し、仍お兵を出すに宜しく、大勝を獲るべし。《金匱》も亦た曰く:敵に対すれば当に天罡を看るべし。孟に加われば士卒を休整せしめ、仲に加われば則ち両敗倶傷し、季に加われば則ち大勝全獲す。
主客勝負第二十四
勝負支干主客分,辰刑日上主贏賓。干克支上利為客,日上乘凶利主人。不戰則已,占則主客勝負未有不先定者。干在上,為外為客;支在下,為內為主。假如利為客,我多張旗幟,鼓角高鳴而先行。如不利為客,則宜掩旗靜鼓以為之,使彼先動,我後應之。此變動之道也,為主亦然。
勝負は日干日支に靠りて主と客とを分出するを要す。日支上神が日干上神を刑克すれば、主方は客方に贏ち過ぐ。日干上神が日支上神を克すれば、則ち客を作して先に動くに利あり。日干上に凶将を乗ずれば、反って主方に対して利有り。打たざれば則ち罷め、一旦課を起して戦を占えば、先ず主客を定めざる無し。日干は上に在り、外に属し、客と為る。日支は下に在り、内に属し、主と為る。假如課象が客を作るに利あれば、我方は多く旗幟を張り鼓角を齊鳴らして、先を搶して出動す。假如客を作るに不利なれば、就中当に旗を偃め鼓を息め兵を按じて動かず、対方を引きて先に動かしめ、我は随後に応戦すべし。此れ是れ課象に随いて変通するの道理にして、主方を作る時も亦た此れに照らして弁理す。
太平之世,出師征討不庭,以先動者為主,所征者為客。若陳兵原野,與敵對壘,以先動者為客,後應者為主,此真秘法也,然卒不能以支干為定。
天下太平の時、朝廷が兵を発して来りて朝覲せざる方国を征討するは、先に兵を動かすの一方を以て主と為し、討伐せらるるの一方を客と為す。若し是れ両軍が原野に兵を陳べ彼此対壘すれば、那れは就中反って、先に手を動かす是れ客、後に応戦する是れ主なり。此れ才に是れ真正の秘訣なり。見る可く主客の分は実際の情勢を看るを要し、終竟に能く死死と日干は客に属し日支は主に属すと按じて定むべからず。
辰上辰剋日上神,或辰剋日亦是;日上神克辰上神,或日克辰上神亦是。如甲午日丑加午,此害氣臨辰,客勝。《兵帳賦》云:“損支主敗,傷干客輸。”又以日陽為客大將,日陰為客參將,辰陽為主大將,辰陰為主參將,觀其生克以定勝負。
判断の準則は、日支上神が日干上神を克するを算して主方の勝と為し、日支本身が日干を克するも亦た算す。日干上神が日支上神を克するを算して客方の勝と為し、日干が日支上神を克するも亦た算す。譬如甲午日に丑を以て午に加えれば、丑午は相害し、此の股の害気は日支の上に臨み、就是れ客方の得勝なり。《兵帳賦》に曰く:日支が損を受ければ、主方敗る。日干が傷を受ければ、客方輸す。此の外還って四位に細分すべし。日の陽神是れ客方の大将、日の陰神是れ客方の参将、辰の陽神是れ主方の大将、辰の陰神是れ主方の参将。其れらの彼此生克を看れば、便能く勝負の帰属を定出す。
范蠡曰:“重審,下賊上,主勝;元首,上克下,客勝。”日上乘凶者,日上見凶將也,日上見凶將則客凶,辰上見凶將主凶。日上凶,辰上吉,主人利;辰上凶,日上吉,客克。日辰俱凶,主客俱凶。日辰俱吉,主客俱吉。
范蠡に曰く:重審課是れ下神の賊が上神を克し、主方勝つ。元首課是れ上神が下神を克し、客方勝つ。歌訣の所謂「日上に凶を乗ず」とは、日干上に凶将を見るを指す。日干上に凶将を見れば、客方は凶を受く。日支上に凶将を見れば、主方は凶を受く。故に日干上凶にして日支上吉なれば、利は主方に在り。日支上凶にして日干上吉なれば、客方は優を占む。日干日支の両処皆凶将を見れば、主客皆不吉なり。両処皆吉将を見れば、主客皆平安なり。
日辰分主客,自是古式,《玄黃一秤金》不以日辰分,專以先起為客,後起為主。假如我先起兵,則干屬我,支屬他,我客他主,傷干我敗,傷支他敗。如他先起兵,則干屬他為客,支屬我為主,傷干他凡,傷支我敗。
日干日支を用いて主客を分つは、本是れ古法なり。《玄黄一秤金》は却て此の様に分たず、専ら先に兵を発するの一方を以て客と為し、後に応戦するの一方を主と為す。譬如我方が先に兵を起せば、那れ么日干は我に帰し日支は他に帰し、我是れ客にして他是れ主なり。日干が傷を受くる是れ我敗れ、日支が傷を受くる是れ他敗る。反って、若し他先に兵を起せば、日干は就中他に帰して客を作し、日支は我に帰して主を作す。日干が傷を受くる是れ他敗れ(原刻の「他凡」は当に「他敗」と作るべし)、日支が傷を受くれば則ち是れ我敗る。
又大將取勝,先要知背孤擊虛之法,萬人以上用年孤虛,千人以上用月孤虛,百人以上用日孤虛,十人以上用時孤虛。年孤者,太歲之後一辰也,對宮為虛,日月時亦如之。太公曰:“行軍知法,能知孤虛,一女能敵十夫。”
此の外、大将が勝を取らんと欲するは、先得て孤を背にし虚を撃つの弁法を懂得せねばならず。兵力は万人以上は、年孤虚を用い、千人以上は、月孤虚を用い、百人以上は、日孤虚を用い、十人以上は、時孤虚を用う。所謂年孤とは、是れ太歳の後の其の一辰にして、其れと相対する宮位就是れ年虚なり。月・日・時の孤虚も亦た此の弁法に照らして推す。兵を用うる時は孤位を背に靠し虚位を攻撃せば、便ち地利を得る。太公に曰く:行軍に若し此の套の法度を懂得し、能く孤虚の在所を辨清せば、一個の女子も亦た十条の壮漢に抵当するを得べし。
勾將克方為主勝,客贏方反克勾陳。用空為客須亡眾,賊勝緣初克未神。《神定經》云:“主客勝負詳勾陳。勾陳克所臨之方則主勝,所臨之方剋制勾陳則客勝。”臨方,謂地盤。如此則又不論日辰矣。
勾陳の乗ずる所の神が其の臨む所の方位を克制すれば、主方勝つ。反って、臨む所の方位が勾陳を克制すれば、客方贏つ。発用が空亡に逢えば、客方は必ず兵を損じ将を折る。敵人の能く勝つ所以は、是れ初伝の末伝を克したるに因る。《神定経》に曰く:主客の勝負は細かに勾陳を看るを要す。勾陳が其の臨む所の方を克すれば、主方勝つ。臨む所の方が勾陳を克制すれば、客方勝つ。此処の「臨方」は地盤の宮を指す。此の説法に照らせば、勝負を判断するは便ち再び日干日支を論ぜず。
古法以用神為客為士卒,空亡則主士卒逃亡失散。初克末賊勝者,初中為外為客,未傳為內為主,克末故賊勝。如我入敵境,則宜初中制末;敵來侵我,則宜未制初、中。
古法は発用の神を把りて客方と看作し、亦た士卒と看作す。発用が一旦空亡に落進めば、就中士卒の逃亡潰散を主る。至るか「初伝が末伝を克すれば則ち敵勝つ」は、是れ初伝・中伝が外に属し、客方を代表し、末伝は内に属し、主方を代表するが故なり。初伝が末伝を克するは、外の内を克するに等し。故に敵人は勝を得る。此れに由りて推開すれば、我方が敵境に深入して作戦する時は、初伝中伝の末伝を制住するを取るに宜しく、敵人が来りて我を侵犯する時は、則ち末伝の初伝と中伝とを制住するを取るに宜し。
華虜詳推刑德準,命年制虎武勾陳。又宜勾將克遊武,賊位神宜勾將侵。勾將若臨賊位上,貴宜遙制下乘神。占初貴六青常吉,八將俱凶各有論。
中原と外族とが交兵するに、勝負は日德と三刑とに按じて仔細に推詳するを要す。主将の本命・行年が若し能く白虎・玄武・勾陳の此の三神を制住せば、便是れ吉兆なり。此の外も亦た勾陳の乗ずる所の神の游都と玄武とを克し去るに宜しく、敵人の居る所の方位上の神も、同様に当に勾陳に由りて侵克すべし。倘若勾陳が反って敵方位上に落つれば、就中天乙貴人に靠りて遠处より勾陳の下の乗ずる所の神を制住するを要す。戦を占うに初伝が貴人・六合・青龍・太常の四将を得るを吉と為し、其余の八将は皆凶神に属し、各々其の応験有り。
若中國與夷虜交兵,又以刑德推勝負。德克刑中國勝,刑剋德夷虜勝。德是日德,刑是三刑,又詳德所臨之地方生克否。
若し中原と外族とが交兵するに、別に一層有りて刑德に按じて勝負を推すを要す。日德が三刑を克すれば、中原の一方勝つ。三刑が日德を克すれば、外族の一方勝つ。此処の「徳」は日德を指し、「刑」は三刑を指す。両者の相克を看るを除く之外、還って日德の臨む所の其の一塊の地盤の宮と其れとが相生するか相克するかを細察するを要す。
命年,主將本命、行年也。若白虎、玄武、勾陳三神乘神被主將命上神或刑之,或害之,或克之,利為客勝。六處但有制遊玄之神,俱我勝。假令主將本命乙丑,壬戌日伏吟課,晝貴巳逆行,白虎臨戌,本命丑刑戌,此是主將本命制白虎,用兵大勝。
所謂「命年」とは、主将の本命と行年とを指す。白虎・玄武・勾陳の此の三位の乗ずる所の神が、若し主将本命上神に或いは刑し或いは害し或いは克せられれば、就中客方を作るに利あり、客方の取勝を主る。凡そ日干・日支・本命・行年・三伝・正時の此の六処は、只要一処でも游都と玄武とを制住する能くする神を出現せば、皆我方の獲勝を主る。例を挙げて説かば、主将の本命是れ乙丑、壬戌日に起して伏吟課を得て、昼貴を用いて巳に起りて逆行して将を布けば、白虎は戌宮に落つ。本命の丑は正好戌を刑す。此れ就是れ主将本命の白虎を制住するにして、兵を出せば大勝を獲るべし。
或主將年命不制虎武勾三神,又要勾陳剋制游都並玄武所臨之地盤。假令癸巳日,晝貴巳臨申逆行,勾陳丑臨辰,游都臨玄武亦臨亥,此勾臨方克游都臨方,出兵大勝。
倘若主将の年命が白虎・玄武・勾陳の此の三神を制住する能わざれば、那れは就中一歩退いて、勾陳の能く游都と玄武の落つる所の地盤の宮とを克制するを要求す。例を挙げて説かば、癸巳日に課を起し、昼貴は巳に起りて申に臨み逆行して将を布けば、勾陳は天盤丑に随いて地盤辰宮に落ち、游都と玄武とは皆亥宮に落つ。辰土は能く亥水を克す。此れ就是れ勾陳の臨む所の方の游都の臨む所の方を克住したるにして、兵を出せば大勝を獲るべし。
范蠡曰:“勾陳為主將,玄武為客將,旺相者勝,囚死者負。勾克武,主勝;武克勾,客勝。”賊位,賊所居之方位也,其位宜勾陳乘神克之。假令甲子日干上午,辰作玄臨子,陰貴乘未臨卯順行,亥作勾陳臨未,克賊方之子水,此勾克賊方神也,出兵大勝,此只論地盤即知之矣。
范蠡に曰く:勾陳は主方の将を代表し、玄武は客方の将を代表す。当令旺相するの一方勝ち、囚死の地に処るの一方負く。勾陳が玄武を克すれば主方勝ち、玄武が勾陳を克すれば客方勝つ。所謂「賊位」とは、就是れ敵人の據る所の方位にして、此の方位は最も好く勾陳の一方に由りて其れを克すべし。例を挙げて説かば、甲子日に課を起し、日干上神是れ午、天盤辰上に玄武を乗じて子宮に落ち、陰貴を用いて未に乗り卯に臨み順行して将を布けば、天盤亥上に勾陳を乗じて地盤未宮に落つ。未土は正に能く敵方の據る所の子水を克住す。此れ就是れ勾陳の賊方の神を克住するにして、兵を出せば大勝す。此の一層は単に地盤の生克を看て便ち判明すべし。
若勾陳臨賊位上,天乙不拘立於何地,但要乘神剋制勾陳之地者,吉。如丙申日干上寅,夜貴酉臨子,賊在卯方;主將行年在巳,日干丙加申,是日刑辰又克辰。行年巳上見寅,白虎乘辰加未,是主將行年上寅克白虎所乘辰土也。勾陳乘大吉,是行年上神克勾陳也;賊方卯上見子,是勾將克賊位神也,利為客先舉者勝。
倘若勾陳が反って敵人の居る所の方位上に落つれば、此の時天乙貴人は何れの一宮に立つとも皆要紧ならず。只要有りて天将の乗ずる所の神の能く勾陳の在所の地を克住せば、便是れ吉課なり。例を挙げて説かば、丙申日に課を起し、日干上神是れ寅、夜貴を用いて酉に起りて子に臨み、敵人は卯方に在り、主将の行年は巳に在り。丙は巳に寄りて日干は申上に加わり、日支に対して既に刑し且つ克す。行年巳宮上に天盤寅を見、白虎は天盤辰に乗りて未宮に落ち、行年上の寅木は正に白虎の乗ずる所の辰土を克す。勾陳は大吉丑に乗り、も亦た行年上神に克せらる。再び敵方の在所の卯宮を看れば、上面に天盤子を見る。此れ便ち是れ勾陳の一方の賊位の神を克住したるなり。此の数条を合すれば、客を作るに利あり、先に兵を挙ぐるの一方は勝を得る。
《靈匣經》云:“主將行年克勾虎大勝,不然勾克玄亦勝。勾陳所居之神能制所攻之神,必勝。所攻之神與勾陳並,賊勝。天乙乘神能制勾陳乘神,是為敵降。”如乙未日反吟,賊居寅地,陽貴子臨午逆行。勾陳乘申臨寅立賊方,天乙在午,能制賊方勾陳之申金,出兵亦勝。
《霊匣経》に曰く:主将の行年が能く勾陳と白虎とを克せば、大勝す。否ならば勾陳の能く玄武を克するも、亦た勝を得ると算す。勾陳の居る所の神が能く我方の攻め打たんと要する其の一位の神を制住せば、必ず勝つ。之に反して、攻め打たんと要する神と勾陳とが同じく一位に処れば、敵人勝つ。天乙貴人の乗ずる所の神が能く勾陳の乗ずる所の神を制住せば、則ち敵人の来りて降るを主る。例を挙げて説かば、乙未日に反吟課を得て、敵人は寅地に據り、陽貴を用いて子に起りて午に臨み逆行して将を布けば、勾陳は天盤申に乗りて地盤寅宮に落ち、正に敵方に立つ。天乙は午に在り、午火は能く敵方の勾陳の乗ずる所の申金を制住す。此の様にして兵を出すも亦た能く勝を取る。
占,占戰也;初,初傳也。凡占戰鬥,初傳得天乙、六合、青龍、太常,大利。《集靈經》云:“用見天乙,出兵大捷,拓地千里。見六合,得賊玉帛子女。見青龍,得賊營寨、府庫、錢財。太常,得賊衣服、緞帛、旗幟,大勝。”《金匱經》云:“天乙臨大將行年,或在有氣之鄉,玄武臨死囚之地,大勝。”
歌訣裡の「占」とは、戦事を占問するを指す。「初」とは、初伝を指す。凡そ戦闘を占うに、初伝が天乙・六合・青龍・太常の此の四位の吉将を得れば、皆大いに有利なり。《集霊経》に曰く:発用に天乙を見れば、兵を出して大捷し、以て千里の疆土を開拓すべし。六合を見れば、敵方の財帛と人口とを獲得すること能わし。青龍を見れば、敵方の営寨・府庫と銭財とを奪取すること能わし。太常を見れば、敵方の衣服・緞帛と旗幟とを繳獲すること能わし、大勝全獲す。《金匱経》に曰く:天乙貴人が主将の行年の上に臨み、或いは当令有気の宮位に落ち、同時に玄武が死囚無気の地に落つれば、出戦大勝す。
八將者,蛇、雀、勾、空、虎、武、陰、後也,此八將俱為凶神,各有論,各有主也。《集靈經》曰:“用見螣蛇,驚恐傷損。見朱雀,士卒作亂,妄作口舌。見勾陳,戰傷被擒。見天空,士卒欺詐。見白虎,士卒死亡疾病。見玄武,戰敗,軍中多遺失偷盜。見太陰,士卒怯弱,私匿隱藏。見天后不戰自敗,將亦無權。”《金匱經》曰:“玄武臨日辰,遙克時上辰者,勿與戰。”
所謂八将とは、是れ螣蛇・朱雀・勾陳・天空・白虎・玄武・太陰・天后の此の八位にして、皆凶神に属し、各々其の説法と主応と有り。《集霊経》に曰く:発用に螣蛇を見れば、軍中に驚恐し人馬傷損す。朱雀を見れば、士卒譁変し平白に口舌是非を生出す。勾陳を見れば、戦陣に負傷して甚至被擒す。天空を見れば、士卒虚詐不実なり。白虎を見れば、士卒死亡疾病す。玄武を見れば、戦事失利し軍中に遺失偷盗多し。太陰を見れば、士卒怯弱にして私自ら藏匿逃避す。天后を見れば、戦わずして自ら敗れ、主将も亦た権柄を失う。《金匱経》に曰く:玄武が日干日支の上に臨み、又た遠处より占時の其の一辰を克制するは、敵と交戦すべからず。
日上孤雄子孫勝,干支切忌父官臨。財神六處相逢惡,尤畏害刑白虎凶。日上,日干上也。子孫,干所生之神。子孫能制鬼,故日上有子孫者勝。如甲辰日,干上午,辰上申,申為甲鬼,被甲上午火克之,賊雖強不能為害。
日干上に孤雄或いは子孫の神を得れば、勝を取るを主る。日干日支上は則ち切に父母爻と官鬼爻との加臨を忌むべし。財爻が若し六処の中に於て相逢すれば、亦た是れ悪兆なり。尤其に六害・三刑と白虎との同来を怕る。那れは就更に凶なり。此処の「日上」は日干の上を指す。「子孫」は日干の生ずる所の其の一神を指す。子孫は能く官鬼を制伏す。故に日干上に子孫有るの一方は勝を取る。譬如甲辰日は、日干上神是れ午、日支上神是れ申。申金是れ甲木の官鬼にして、却て日干上の午火に克住せらる。敵人再び強しとも我を傷害する能わず。
孤雄,亦名戰雄,戰雄臨日客勝,臨辰主勝;對沖為戰雌,臨日客敗,臨辰主敗。大將知此,當得坐雄擊雌之法。生干者父母,剋日者官鬼,課取子孫制鬼,若見父母爻,則克子孫矣,烏能制鬼哉?故與官鬼並忌之。如六處無鬼,支干上見子孫,則為脫神。
孤雄は又た戦雄と叫ぶ。其れ日干に臨めば、客方勝つ。日支に臨めば、主方勝つ。戦雄と相冲する其の一位を戦雌と叫び、日干に臨めば則ち客敗れ、日支に臨めば則ち主敗る。主将が此の一層を明白せば、便ち雄位に坐守し雌位を攻撃するの用兵の法を懂得す。日干を生ずる是れ父母爻、日干を克する是れ官鬼爻。戦を占うに既に子孫を取りて官鬼を制せんと要するに、課中に若し父母爻を出現せば、父母は子孫を克し、子孫は自身難保なり。何処にか還って能く官鬼を制せんや。故に父母と官鬼とは要同に回避すべし。別の一种の情形。六処の中に本来鬼無きに、日干日支上に却て子孫を出現せば、那れ子孫は便ち徒然に気を泄る脱神と成りて、反って無用なり。
財,日之所克神也,能生鬼,故六處亦忌之。六處,謂日、辰、年、命、三傳、正時六處。若此六處無鬼,亦不忌財。課傳全財,賊神又旺相得地,占賊已到邊境。將星乘子孫克遊玄或賊方之神者,吉。將星,驛馬後二位是。
財爻とは、是れ日干の克する所の其の一神なり。財は能く官鬼を生ず。故に六処に其れを見るも亦た忌むを要す。所謂六処とは、日干・日支・本命・行年・三伝・正時の此の六個の位置を指す。此の六処に若し本来官鬼無ければ、那れ財爻も亦た忌むに及ばず。倘若四課三伝全是れ財爻にして、敵人を代表する神が又た当令旺相・各々其の地を得れば、敵軍の已に辺境に開到せりと断ずべし。反って、将星上に若し子孫を乗ずれば、能く游都・玄武或いは敵方の在所の神を克住す。便是れ吉兆なり。此処に説く将星とは、驛馬の後の第二位を指す。
六害、三刑並白虎,更不宜六處見之,日辰年命逢此三神,其凶更甚。如午日丑加午,此害氣臨辰,客勝。假令主將本命甲子,但逢甲、逢子年月日時,俱是伏吟,逢庚午為反吟,逢卯是三刑,未是六害,遇此勿出兵臨敵。又如主將年命在子,六甲日反吟,陽貴丑臨未逆行,白虎臨子,此白虎臨主將之命,又辰臨子,天罡克主將之命,俱不可戰。
六害・三刑は白虎に連ねて、六処の中に更に見るに宜しからず。日干・日支・本命・行年が若し此の三様に碰上せば、凶険は尤其に厳重なり。譬如午日に丑を以て午に加えれば、丑午相害し、此の股の害気は日支の上に臨み、客方は勝を得る。再び例を挙げて説かば、主将の本命是れ甲子、凡そ天干を甲と為し地支を子と為すの年月日時に遇れば、課を起す皆伏吟と成る。庚午に遇れば則ち反吟と成る。卯に遇えば、卯子相刑す。未に遇えば、子未相害す。此れらの日子に撞上せば、兵を出して敵に臨む勿れ。又た主将の年命が子に在るが如く、六甲日の反吟課に逢い、陽貴を用いて丑に起りて未に臨み逆行して将を布けば、白虎は子宮に落つ。此れ就是れ白虎の主将本命の上に圧するなり。同時に天盤辰も亦た子に臨み、天罡は主将本命を克住す。此の両種の情形は皆開戦すべからず。
《心鏡》云:“六害來加年命上,此時攻戰自遭刑。白虎若並凶更甚,日辰遙克切須明。”年命上忌魁、罡、螣蛇。凡言年命,皆指主將而言。害,六害也,子未、丑午之類。
《心鏡》に曰く:六害が本命行年の上に加臨するは、此の時貿然に攻戦せば、自己反って刑傷を受くるを要す。白虎が若し再び其れと同臨せば、凶険更甚なり。日干日支の間に遥克の有無も、亦た務めて分明に看るべし。此の外、本命行年の上は還って河魁・天罡と螣蛇とを忌む。凡そ書中に年命を提到するは、指す所皆是れ主将一人の本命と行年なり。所謂「害」とは、就是れ六害にして、子と未と相害し丑と午と相害するの類の如きなり。
獄寇炎從並九丑,二煩網禍有災臻。生孤建旺罡雄相,主將宜居擊對辰。
天獄・天寇・炎上・従革は九丑に連ね、再び天煩地煩・天網と天禍とを加え、此の九种の課体は只要其の一様を占得すれば、兵を興せば便ち災禍頭に臨む。反って、生気・空亡・月建・四時旺気・天罡・戦雄・四時相気の此の七位は、是れ主将の当に占拠すべき方位にして、其れらを占住して各自の対宮を攻打すれば、便能く勝を取る。
獄,天獄也。初傳囚死,罡加日本,日之長生,墓加同類,仰邱俯仇,邱即墓也,為天獄卦;傳中更值災劫刑害,災,災煞;劫,劫煞;刑,三刑;害,六害,其凶更甚。
「獄」は天獄課を指す。其の構成は、初伝が囚死の地に落ち、天罡辰が日干の長生の位の上に加臨し、墓神が又た日干と同類の支の上に加わりて、上は其の墓を仰ぎ下は其の仇を俯するの格局を形成し、「邱」就是れ墓なり。此の様にして便ち天獄卦と成る。三伝の中に若し再び災煞・劫煞・三刑・六害に遇上せば、凶険は就更に深重なり。
此課惟甲乙日辰加亥,為罡加日本;未加寅,為墓加同類,未為木墓,寅為甲乙之同類;又為仰邱俯仇,寅上見未為仰邱,未為寅克為俯仇,的為天獄卦。庚辛日罡加巳,丑加寅亦是,巳為庚辛之本,丑為金墓,寅上見丑為仰邱,丑被寅克為俯仇,但罡不克日本,墓不加同類,為禍稍輕。六甲、六乙、六辛、六庚,凡二十四日,共有二十四課;餘雖有罡加日本,卻無墓加同類、仰邱俯仇,俱非此例。
此の一課は只有几種の情形こそ算数す。甲日乙日は、天罡辰を亥の上に加えれば、亥是れ甲乙の木の長生にして、此れ便ち是れ「罡は日本に加わる」なり。同時に未を寅の上に加えれば、未是れ木の墓庫にして、寅は又た甲乙と同じく木に属す。此れ便ち是れ「墓は同類に加わる」なり。寅宮上に未を頂くを仰邱と叫び、未は又た寅に克せらるるを俯仇と叫ぶ。此の如くしてこそ的确に是れ天獄卦なり。庚日辛日は、天罡を巳の上に加え丑を寅の上に加えるも、亦た算す。巳是れ庚辛の金の長生、丑是れ金の墓庫にして、寅上に丑を見るを仰邱と為し、丑は寅木に克せらるるを俯仇と為す。不過此の一种は天罡は并びて日干の長生を克せず、墓も亦た同類の上に加わるに非ず。禍と為すこと稍々軽し。六甲・六乙・六庚・六辛は合計二十四日にして、共に二十四課を成す。其余の各日は雖も亦た天罡が長生に加わるの格局を出現する可能あれども、却て墓の同類に加わる・仰邱俯仇の此の几条を湊斉すること能わず。皆天獄の例に属せず。
寇,天寇也。太陰加於分至,春分、秋分、冬至、夏至前一日之支,為天寇卦。炎,炎上課,三傳寅午戌。從,從革課,三傳巳酉丑。《克應經》云:“炎上防火炎,天將或地盤見水為有救。從革防戰鬥,天將或地盤見火為救。金日遇炎上,木日遇從革,尤凶。”
「寇」は天寇課を指す。太陰が二分二至の前一日の属する所の支の上に加臨し、也就是れ春分・秋分・冬至・夏至の此の四個の節気の各自の前一天の日支の上にすれば、便ち天寇卦と成る。「炎」は炎上課を指し、三伝是れ寅午戌の火局。「従」は従革課を指し、三伝是れ巳酉丑の金局。《克応経》に曰く:炎上を占得せば、火災を防ぐを要し、若し天将或いは地盤上に水神を見れば、就中救有り。従革を占得せば、交兵厮杀を防ぐを要し、若し天将或いは地盤上に火神を見れば、就中救有り。金日に炎上を占得し木日に従革を占得すれば、本命の気の克を受くるが因に、尤其に凶険なり。
九丑,亦卦名,謂乙、戊、己、辛、壬五干,臨於子午卯酉四支,此十日為九丑日。此十日內遇大吉加本日干支,又大時、小時二煞加日辰或在傳內,出軍忌之。大時就正月在卯,逆行四仲;小時死囚在月建上是也。
九丑も亦た一個の課名にして、乙・戊・己・辛・壬の此の五個の天干を指し、子・午・卯・酉の此の四個の地支に配し、其の中に合成する十個の日子を九丑日と叫ぶ。此の十日の内に、若し又た大吉丑の本日の日干日支に加臨するに遇い、并びて大時・小時の此の両個の凶煞が日干日支上に加わり或いは三伝の中に落進せば、兵を出せば便ち避忌するを要す。大時の排法は正月は卯に起りて、四仲の位の上に於て逆行す。小時は則ち死囚の気の月建の上に落つる者を取る。
二煩,天煩、地煩也。日宿加四仲,天罡加丑未為天煩卦;月宿加四仲,天罡加丑未,為地煩卦。如日宿月宿加四仲,天罡不臨丑未者,為杜傳。日宿月宿即太陽太陰躔度,俱詳臺曆。網,天網卦,正時並用神俱剋日干,是為天網卦。
「二煩」は天煩と地煩の両課を指す。日宿を子午卯酉の四仲の上に加え、同時に天罡辰を丑或いは未の上に加えれば、天煩卦と成る。月宿を四仲の上に加え、天罡を丑未に加えれば、地煩卦と成る。若し日宿月宿が雖も四仲に加わるも、天罡が却て丑未に臨まざれば、那れは就中煩と叫ばずして杜伝と叫ぶ。所謂日宿月宿とは、就是れ太陽と太陰の躔度の在所にして、具体の度数は皆官頒の暦書の裡に載る。「網」は天網卦を指す。占時の神と発用の神とが皆日干を克すれば、便ち天網と成る。
四立前一日為四絕日,立春、立夏、立秋、立冬前一日,四立之干臨於絕日之干,為天禍。《觀月經》又以絕日之干臨於四立之下為天禍,未知何出。以上九課,舉兵俱凶,故云有災臻,總承上句而言也。
立春・立夏・立秋・立冬の此の四個の節気の各自の前一天を、四絶日と叫ぶ。四立の日の天干寄宮を把りて四絶日の天干寄宮の上に加臨せば、就中天禍卦と成る。《観月経》は却て反って、絶日の天干の四立の天干の下に臨むを以て天禍と為す。此の一説は何れの書に本ずるかを知らず。以上の天獄・天寇・炎上・従革・九丑・天煩・地煩・天網・天禍は共に九种の課にして、兵を起す時に占到すれば皆凶象に属す。故に歌訣に「有灾臻」と説く。此の三個の字は是れ総じて上一句を承けて言うなり。
生,生氣也;孤,空亡也;建,月建也;旺,四時之旺氣也;罡,天罡也;雄,戰雄也;相,四時之相氣也;辰上,七辰所對之宮也。言主將宜居此七神,以擊對宮,大勝。《魯氏占》曰:“背生擊死,背孤擊虛,背建擊破,背旺相擊死囚,背罡擊魁,背雄擊雌,百戰百勝。倘不合此,堅壁待時。”正此之謂。
歌訣の末句裡の字は逐一に解开するを要す。「生」是れ生気、「孤」是れ空亡、「建」是れ月建、「旺」是れ四時の旺気、「罡」是れ天罡、「雄」是れ戦雄、「相」是れ四時の相気。「辰上」は則ち此の七位の各自の対する所の宮位を指す。意思是れ主将は当に此の七神の在所の地を占住し、其れらの対宮に朝向して出撃し、大勝を獲るべし。《魯氏占》に曰く:生気を背に靠して死気を打ち、空亡を背に靠して虚位を打ち、月建を背に靠して月破を打ち、旺相を背に靠して死囚を打ち、天罡を背に靠して河魁を打ち、戦雄を背に靠して戦雌を打つ。此の如くすれば百戦百勝なり。倘若形勢が此の几条に合せざれば、就中堅壁固守して時機を等待せよ。講ずる所正是れ此の道理なり。
課体分主客勝負時
元首忠良先舉宜,逆後重審搴旗知。知一比用須和允,涉害察微要見機。日遙神遙分主客,昂星剛柔各稽遲。伏吟主靜返吟遠,別責八專利出奇。
此れ是れ九宗門課体を用いて主客勝負を分判するの総訣なり。元首課は臣忠子孝を主り、先を搶して兵を挙ぐるに宜し。重審課は下の其の上を凌ぐを主り、後発して人を制し機を待ちて旗を奪うに宜し。知一課は比用の神を取り、敵我の相近きを主り、是れ和解允当の兆なり。渉害課は見機・察微の两种に分かれ、事を弁ずるに遅滞し、須く察明して後に動くべし。遥克課は又た日遥克神と神遥克日とに分かれ、此れに据りて主客を分別す。昴星課は剛日柔日の別有りて、皆稽留遅緩を主る。伏吟課は静守不動を主り、返吟課は事の遠方に在り反復不定を主る。別責課は外援に靠るを要し、八專課は奇を出して勝を制するに宜し。
凡以六壬占兵,先審卦義,詳其吉凶,而定其戰守奇正,然後舉兵。下賊上為用者,卦名元首,主臣忠子孝,聞事皆實;利先舉,未利後動,利為客,不利為主。上克下為用者,卦名重審,主下凌於上,多事不順;此時行兵,利後應,不利先動,利主,不利客。
凡そ六壬を用いて兵事を占問するは、先に課体の義理を審明し、其の中の吉凶を詳辨し、此れに据りて該戦該守・該に正兵を用うべきか還って奇兵かを決定し、然る後に才に兵を発す。下神の賊が上神を克するを以て発用とするは、課名元首にして、臣子の忠孝・聞く所の事皆実情に属するを主る。先を搶して兵を挙ぐるに宜しく、後に動くに宜しからず。客を作るに利あり、主を作るに利なし。上神が下神を克するを以て発用とするは、課名重審にして、下に在る者の上に在る者を凌逼し諸事順わざるを主る。此の時兵を用うるは後発して敵に応ずるに宜しく、先に動くに宜しからず。主を作るに利あり、客を作るに利なし。六壬通例に按ずれば、上の下を克してこそ元首と叫び、下の上を賊してこそ重審と叫ぶ。本書の此処は前面に引く所の范蠡の説と恰好互いに異なる。応に是れ伝写の訛なり。
比用課為用者,卦名知一,比者近也,占人不出邑里,占賊皆在近處;此時行兵,進退孤疑,是和允之兆。涉害課為用者,卦名見機用孟、察徽用仲,主作事稽留,憂患難解;此時行兵,當審其後,察其後而動,否則恐致傷也。
比用の神を取りて発用とするは、課名知一なり。「比」是れ相近の意思にして、人を占えば則ち人は郷里を出でず、賊を占えば則ち賊は皆近処に在り。此の時兵を用うるは、進退容易に遅疑不決し、是れ双方和解允当の徴兆なり。渉害の神を取りて発用とするに、若し四孟の神を取れば見機と叫び、四仲の神を取れば察微と叫ぶ。此の一課は事を弁ずるに拖延し憂患は化解し難きを主る。此の時兵を用うるは、当に後路を審察し、後方の情勢を看清して再び動くべし。否ならば恐怕喫亏受傷せんとす。
遙克為用者,卦名蒿矢,神遙剋日;彈射,日遙克神。射無所中,諸事皆輕;此時行兵,雖凶無畏。蒿矢利主,彈射利客。昴星剛日卦,名虎視,主動,出兵欲動,忌關梁稽滯;柔日卦,名冬蛇掩目,主伏,利於伏藏,若我往攻彼,必潛伏不見。
遥克を取りて発用とするに、若し是れ上神の遠处より日干を克するなれば、課名蒿矢。若し是れ日干の遠处より上神を克するなれば、課名弾射。此の両種は皆箭の目標を射中てざるに似たり、諸事皆軽し。此の時兵を用うるは、縱え凶象有りとも畏るるに足らず。其の中蒿矢は主を作るに利あり、弾射は客を作るに利あり。昴星課は剛日に於ては虎視と叫び、動を主り、兵を出せば躍躍として試せんと欲するの象有り。只関隘橋梁の上に於て阻滯せらるるを忌む。柔日に於ては冬蛇掩目と叫び、伏を主り、潜蔵隠蔽に利あり。若し我方が前往して対方を攻打せば、対方は必定に藏匿して出でず。
伏吟課者,天地相同,諸神各伏其位。剛日伏吟,欲行中止;柔曰伏吟,伏藏不起。此時行兵,關梁杜塞,賊不越境之象。返吟課者,天地相反,諸神各易其所,禍從外來,子逆臣奸之象;此時行兵,事多反覆,尤宜審忌。
伏吟課是れ天盤と地盤とが完全に重合し、諸神は各自本位に伏して動かず。剛日に伏吟を得れば、本想出行せんとするも中途に停下す。柔日に伏吟を得れば、則ち潜伏隠蔵して根本に発動するに起らず。此の時兵を用うるは、是れ関隘橋梁の堵塞せられ、敵人の境を越えて来り犯さざるの象なり。返吟課は則ち天地二盤が完全に相冲し、諸神は各自位置を換え、禍患の外面より来るを主り、兒子悖逆・臣下奸邪の意味有り。此の時兵を用うるは、事情多く反復変卦し、尤其に当に審慎回避すべし。
八專為用者,此課陰陽其處,主客不分,此時行兵,遇敵必戰,要當時旺相為吉,又宜持正。別責為用者,此課借徑而行,倚仗別物;此時行兵,須外助方可,否則怯懦也。
八專を取りて発用とするは、此の一課は陰神陽神が同じく一宮に処り、主客は分け清め難し。此の時兵を用うるは、一旦敵に遇えば必定に交戦し、当令旺相してこそ吉と算し、而且事を行うに務めて正を守り、以て詐を用うべからず。別責を取りて発用とするは、此の一課是れ道を借りて行き他物に依傍してこそ事を成すを得。此の時兵を用うるは、必ず外援の相助有りてこそ手を動かす可し。否ならば就中畏怯軟弱と顕る。
両軍対陣第二十五
兩軍對陣欲交鋒,先看軍容用計攻。陣是圓形宜用火,若教方體木當從。旗幟忽然青作色,也須白旄往前沖。更審八方誰出馬,克刑擇吉誰張弓。
両軍対壘して将に交鋒せんとすれば、先に敵方の軍容を看清し、再び何れの計策を用いて攻むるかを定むるを要す。敵人が若し摆するは円陣なれば、円は金に属し、我は就用いるは火に属するの陣法を以て其れを破る。敵人が若し摆するは方陣なれば、方は土に属し、我は就用いるは木に属するの陣法を以て其れを克す。敵方の旗幟が忽然に一色に純青なれば、那れ是れ木気にして、我便ち白旄白旗を挙げて往前に衝し、金の木を克するの義を取る。還って敵人の八方の何れの一門より馬を出すかを審察し、然る後に五行相克と三刑の理に按じて一個の吉門を挑み、彼処より弓を張りて迎撃す。
主客既定,勝負已明,則於交陣欲戰之時,夫得無作用哉?於是觀其軍容若何,始出奇以應之。軍容者,軍之陣勢與旗幟形色也。如敵陣作圓形,此金陣也,我則排尖陣以破之,尖者火也,取火克金;如敵陣方形,如土陣也,我則排成長陣以破之,長者木也,取木克士;如敵陣所張旗幟衣服,皆純青色,則是木氣,我即用白旗白甲以應之,白,金色,金克木;五方之色,以克彼者為勝。
主客は既に分定し、勝負も亦た已に明白なれば、那れ么陣に臨み交戦するの際、豈に就中再び作為有るに及ばざらんや。于是に敵方の軍容何如を看て、随即に奇を出して勝を制するに応対すべし。所謂軍容とは、就是れ敵軍の陣勢形状と旗幟衣甲の顔色なり。譬如敵人が円陣を摆すれば、円形は金に属し、我便ち尖陣を排出して其れを破る。尖形は火に属し、火の金を克するの義を取る。敵人が方陣を摆すれば、方形は土に属し、我便ち長陣を排出して其れを破る。長形は木に属し、木の土を克するの義を取る(原刻の「克士」の「士」は「土」の訛と為す)。敵人の張る所の旗幟と衣甲とが皆純青色なれば、那れ是れ木気の当令にして、我就中白旗白甲を用いて応対す。白是れ金色にして、金は能く木を克す。总之五方は各々其の色有り。凡そ能く対方を克住するの一方は便ち勝を得る。
四方,八卦之方位也。當用奇門休、生、傷、杜、景、死、驚、開,如八卦位,看敵在何方出馬,我則取克彼刑,彼出吉門以接刃。如彼自死門來,我從生門出應,是擇吉也。如彼自兌位出馬,我從離位張弓,是克他也。刑是十二支之三刑。
歌訣の説く所の「八方」とは、就是れ八卦の主る所の方位なり。陣に臨む時は奇門遁甲の休・生・傷・杜・景・死・驚・開の八門を配上し、八門と八卦方位とは一々相配す。敵人の何れの一方より馬を出すかを看て、我便ち一個の能く其れを克し能く其れを刑するの吉門を選びて交鋒に往く。譬如敵人が死門の方向より来れば、我就中生門より出でて応戦す。此れを擇吉と叫ぶ。敵人が兌位より馬を出せば、兌は金に属し、我就中属火の離位より弓を張りて迎撃す。此れを其れを克すと叫ぶ。至るか文中に説く「刑」とは、指す所是れ十二地支の間の三刑関係なり。
以實擊虛虛擊實,因奇用正正還奇。彼勞我逸攻宜急,我眾他微可用圍。兵法云:“實者虛之,虛者實之。”如敵空虛,我以實擊之,是實擊虛也;如敵實我設虛以擊,是虛擊實也。如玄德因劉璋之弱而得益州,是以實擊虛之事。張飛以二十騎拖柴揚塵退曹兵百萬,是以虛擊實之事。
敵人の防守空虚なれば、就中実兵を用いて直に其の薄弱の処を取る。敵人の営壘堅実なれば、先に虚假の形勢を造出して其れを牽動し、再び隙に乗じて手を下す。敵人が奇兵を出して偸襲すれば、我は正兵を以て穩穩に接住す。敵人が正兵を以て圧し来れば、我は奇兵を出して其の側後を抄す。敵軍は遠来疲憊にして我は逸を以て労を待つ。進攻は速なるに宜しく緩に宜しからず。我衆敵寡にして対方将微兵少なれば、便可ち四面合圍して其れを囲死せしむ。虚実・奇正の此の両組の用兵法則は皆《孫子兵法》より出づ。兵書に講じて曰く:敵人充実なれば就中設法して其れを虚に変ぜしめ、敵人空虚なれば就中偽装して充実の様子と為す。故に対方の防務空虚にして我方は主力を以て圧上するを、「実を以て虚を撃つ」と叫び、対方の防務堅実にして我方は虚張声勢を摆出して其れを撼動するを、「虚を以て実を撃つ」と叫ぶ。三国の時劉備(字は玄徳)が益州牧劉璋の暗弱に趁りて益州を取下せしは、就是れ実を以て虚を撃つの実例。張飛が長坂坡に於て只二十名の騎兵を帯い、馬尾に樹枝を拖えて往来奔馳して塵土を揚げ、林中に伏兵無数の様子を装出し、硬く曹操の大軍を逼退せしめしは、就是れ虚を以て実を撃つの実例なり。
敵設奇,我因其奇而擊之以正。如曹操遣蔡瑁詐降周瑜,而周瑜遂因以奇破曹操。敵用正來,我破其正而擊之以奇。如韓信拔趙之類。彼軍遠來,是勞也,我宜急攻之。彼兵寡將微,是我宜圍之,以俟其自敗。其虛虛實實、奇奇正正,妙用多端,不可一言而盡也。
敵人が奇招を摆出せば、我就中其の此の一招に順い、正兵を用いて穩穩に化解す。赤壁の戦の前に曹操が蔡瑁を派して周瑜に向かいて詐降せしめしが如く、周瑜は識破して後に計に就りて計を將し、反って此の条の詐降の計を借りて奇兵を出して曹軍の戦船を焼きしなり。敵人が正兵を以て正面推進せば、我就中先に其の正面を破掉し、再び奇兵を用いて勝を取る。韓信の趙国を攻取せしが如く、明らかに背水陣を摆して趙軍を引きて傾巢出撃せしめ、暗に軽騎を遣して空営を襲取して旗を換えしは、就是れ此の一路なり。敵軍は遠道より来りて疲師に属す。我方は当に時機を抓緊して猛攻すべし。敵軍は兵少将弱なれば、我方は就中当に其れを囲住し、其の自行潰散を待つべし。虚中に実有り、実中に虚有り、奇は正に変ずべく正は奇に変ずべし。其の中の妙用変化は極多にして、是れ一句の話の説き尽す能くする所に非ず。
銳氣勿攻衰氣勝,亂宜擊整懈精追。洿下正當澭水浸,順風切記逞炎威。兵法曰:“銳氣勿擊。”銳氣,朝氣也,士卒在朝,其氣方銳,至午後則衰矣,擊之則勝。亂,軍之行伍陣法紊,我以整擊之,則勝。懈,彼軍志氣懈怠,我軍精猛,擊之則勝。如彼軍站立洿下,我於上流空水以灌之。如臨陣以順風,宜用火燒,此人事之作用,不筮祝而知者。
敵軍の士気正に盛なる時は硬攻する勿れ。其の気の衰えたるを待ちて打ちてこそ能く勝を取る。敵陣混乱なれば、就中厳整の師を用いて衝く。敵軍鬆懈なれば、就中精鋭の師を用いて追う。敵人が低窪の地に営を扎れば、正好上流より水を決して灌淹す。両軍対陣にして風向我に順えば、切に縦火を記え、火勢をして風を借りて威を逞ばしめよ。《孫子兵法》に講じて曰く「其の鋭気を避け、其の惰帰を撃て」。所謂鋭気就是れ早晨の気にして、士卒は清晨に営を出でて精神最も旺し、午后に到れば便ち疲沓して下来す。此の時其れを打てばこそ能く勝を得る。所謂乱とは、是れ敵軍の行伍散乱し陣法紊乱するにして、我方は隊形厳整の部隊を用いて衝けば、必ず勝つ。所謂懈とは、是れ敵軍の闘志鬆懈し而して我軍精悍勇猛なり。出撃すれば必ず勝つ。如果敵軍が低窪の処に扎れば、我方は就中上流に於て水口を掘開して水を放して其れを灌ぐ。如果陣に臨む時風向我に順えば、就中当に縦火焚焼すべし。此れら皆是れ人力の以て判断経営する可き事にして、必ずしも占卜禱告せずとも能く知る。
若用六壬,依《兵機總要》訣例占之:“發用雌雄定輸贏,勝負初傳天下評。年命支上空虎勝,本行貴旺武衰贏。勾陳玄武攻方利,陳覆攻方責克亨。日辰武傷時克武,季贏孟敗視罡星。”此總要占訣也,注見前《主客勝負》篇內。
如果六壬を用いて課を起して判断せんと要せば、就中《兵機総要》の口訣に照らして推算せよ。口訣に曰く:「発用」の雌に属するか雄に属するかを看れば、便能く輸贏を定出す。発用即ち「三伝」の中の第一伝にして、又た初伝と叫ぶ。是れ一課の頭緒の在所にして、三伝は次を依りて初伝・中伝・末伝と為り、事情の開端・経過と結局とを代表し、勝負の関鍵は全て初伝の上に落つ。主将の「年命」(行年と本命)と日支上とに空亡・白虎に遇うの一方は勝を得る。本方の五行所属の神と「天乙貴人」とが旺相にして、而して対方の「玄武」が衰弱するの一方は獲勝す。勾陳と玄武との在所の方位は進攻に利あり。勾陳が反って対方を覆圧し、進攻するの一方が能く対方を克住すれば就中順遂なり。「日辰」(日干は一方を代表し日支は別の一方を代表す)の上に玄武が傷を受け、占時が又た玄武を克するも、亦た是れ取勝の象なり。最後に再び天罡の四季位に落つれば則ち我勝ち、四孟位に落つれば則ち我敗るを看よ。此れ是れ《兵機総要》の占断口訣にして、詳細の注解は前面の《主客勝負》の一篇を見よ。
急出従神第二十六
急密發兵從急神,私門卯下用機深。旺與克玄方莫去,須向天罡與太陰。占者用兵遣將,約戰,此正體也。設未陣之先,猝有不虞,則速急發兵應之,當統兵向六合與太沖下以備。六合為私門,太沖卯也。至干旺方與克我之方、玄武所立之方,都不可往,宜往天罡、太陰之下。
事が緊急に出でて秘密に兵を発せんと要すれば、就得て「急神」に跟いて走るべし。「私門」と卯位の下とより出動すれば、機謀最も深し。凡そ日干旺気の在所の方・我方を克制するの方、および「玄武」(十二天将の一にして、盗賊と暗昧とを主る)の臨む所の方は、皆去るべからず。当に「天罡」(地支辰の別名)と「太陰」(十二天将の一にして、隠蔽藏匿を主る)の下に朝向して兵を発すべし。課を占いて兵を用い将を派し、期を約して会戦するは、此れ是れ正常の用兵体例なり。假如尚未だ陣を列べざる之前に突然意外の変故を出でば、就中緊急に兵を発して応付するを要し、当に兵を帯いて「六合」(十二天将の一にして、和合を主る)と「太冲」(地支卯の別名)の臨む所の方位に向かいて防備すべし。六合は是れ私下出入の門と看作され、太冲就是れ卯位なり。至るか日干旺気の在所の方・我方を克制するの方および玄武の立つ所の方は、皆前往すべからず。天罡・太陰の下に往きて行動するに宜し。
占賊去留第二十七
賊兵去否斗罡尋,孟未仲季季遠奔。大吉過干賊已出,未過潛住欲來侵。夫既定勝負而後戰,則賊必棄甲曳兵而走矣。然猶疑其未去,則以斗罡定之。斗罡,即天罡也。月將加時,斗罡加孟,賊未去;加仲,將發;加季,已遠奔矣。《兵機總要》云:“加季如今過遠出”是也。
敵軍が已に撤走したか仍お原地に在るかを判断せんと要するは、就中「斗罡」の落処を査す。寅申巳亥の四孟位に加われば、敵人は尚未だ身を動かさず。子午卯酉の四仲位に加われば、敵人は正要開拔す。辰戌丑未の四季位に加われば、敵人は已に遠遁す。再び「大吉」(地支丑の別名)を看よ。其れ日干の前一位を越えれば、敵人は已に境を出づ。越えざれば、敵人は就是れ近処に潜伏し、還って頭を回らして来り犯さんと想う。先に勝負を占定して再び開戦すれば、敵人は必然に盔を丟び甲を棄て兵器を拖着して逃走す。可是仍お其の真に走らざるを疑心せば、就中斗罡を用いて判定す。所謂斗罡とは、就是れ天罡辰なり。課を起す時に「月将」(当月太陽の値する其の位の将神)を把りて占時の上に加えて天盤を排出し、天罡の落処を看よ。四孟に落つれば、敵人は還って走らず。四仲に落つれば、正要開拔す。四季に落つれば、已に遠く逃開せり。《兵機総要》の説く所の「季に加われば如今遠出を過ぐ」とは、講ずる所就是れ此の道理なり。
又《靈匣經》云:“大吉加於干前一神,是謂過干,賊已過關;如未過,則賊潛住,尚欲來侵我。”假令甲子日,大吉加卯,是過干,賊已出界。若臨寅或臨丑,是未過關,賊尚未出。
《霊匣経》は又曰く:大吉丑が日干の前面一位の上に落到すれば、之を「過干」と叫作し、表示す敵人の已に関隘を越えて走りしを。如果還だ越えざれば、敵人は就是れ潜伏不動にして、還って頭を回し我が方を侵犯せんと想う。例を挙げて説かば、甲子日の日干是れ甲、甲の寄宮は寅に在り、前面一位就是れ卯。若し大吉丑が卯の上に加臨すれば、就是れ過干にして、敵人は已に辺界を出づ。若し大吉が寅の上或いは丑の上に落つれば、就是れ関を過ぎること無く、敵人は還だ走出去らず。
分兵追襲第二十八
魯都臨處知賊去,陰空臨之不可圍。魁罡如入遭囚繫,魯勾相生賂釋賊。兵言窮寇勿追,若欲追之,則當以魯都看賊之所息。《經》云:“游都察賊至,魯都察賊歸。”是也。游都沖處即魯都,魯都臨支,賊尚在近處;若臨干去日又遠,賊已遠去,不可追,即因天罡加孟仲季決之亦是。
「魯都」の臨む所の位置より、以て敵人の何の方に逃往するかを看出すべし。若し太陰或いは空亡が其の上に圧すれば、敵蹤は隠没して、就中能く合圍する能わず。魯都が若し河魁戌・天罡辰の下に落進めば、追い去る人は反って囚系羈絆に遭う。魯都が「勾陳」(十二天将の一にして、争闘と拘捕とを主る)と相生すれば、則ち是れ人を捉住して後に賄賂を受け又た賊を放掉するの象なり。兵法に曰く、走投無路の敵人は追う勿れ。如果一定要追わば、就中当に魯都を用いて敵人の歇脚する地方を看るべし。《経》裡に講ずる「游都は用いて敵人の何処より来るかを察看し、魯都是れ用いて敵人の何処に帰往するかを察看す」とは、就是れ此の用法なり。游都の冲する所の其の一位便ち是れ魯都なり。魯都が日支上に臨めば、敵人は還って近処に在り。日干上に臨み而も日を離るること又た遠ければ、敵人は已に跑遠して、可ならず再び追う。此れは前面の天罡を以て四孟・四仲・四季に加えて判断すると、結論も亦た是れ一致す。
若魯都入空地,並太陰之下,不可見;太陰為陰私藏匿;空亡,入空。斗者,天罡也,天罡為牢獄之所;魁,天魁也,天魁為幽禁河之地,賊入其下,必遭囚擊。至於分我軍之法,擇吉神將之方,並刑剋魯都之方便是。又有魯都生勾陳,為捉人受賂而釋賊之說。
如果魯都が空亡の地に落進み、或いは太陰の下に圧せられれば、敵蹤は就中見えず。太陰は陰私藏匿を主り、空亡は則ち落空無着なり。斗は天罡辰を指し、天罡是れ牢獄の所。魁は天魁戌を指し、是れ幽禁囚系の地。敵人が此の両個の方位の下に钻到れば、追い去る人は反って必ず囚系挨打に遭う。至るか兵を分ちて追撃するの弁法は、就中吉神吉将の在所の方位、および能く魯都を刑克する其の方位を挑みて兵を出す。別に還って一种の説法有り。魯都去りて勾陳を生ぜば、人を抓到して後に賄賂を収受し、又た賊を放走するを主る。
伏兵前後第二十九
恐賊埋兵居要程,支干上決最通靈。巳申子卯來覆立,寇敵奸心布伏兵。旺相帶刑逢必戰,空亡體廢不來爭。干傷在前支傷後,支干俱損莫驚沖。日行險隘,恐人謀害,當以日辰時三處決之:日傷勿在前,辰傷勿在後,時傷勿在中。此與前《兵機》、《心鏡》合,但彼不取時耳。又曰,斗罡加孟勿在前,加仲勿在中,加季勿在後。若天罡加日辰,必有惡人躡我蹤跡,宜急去。
敵人が要道上に埋伏するを擔心せば、日干日支上の神を用いて判断するが最も霊験なり。巳・申・子・卯の四神が日干日支の上に覆圧すれば、就是れ敵人の奸心を懐いて伏兵を布下したるなり。此の四神が旺相にして而又た刑を帯びれば、遇上すれば必ず一場の悪戦有り。空亡・休廃の地に落つれば、敵人は来りて争闘せず。日干が傷を受ければ、伏兵は前方に在り。日支が傷を受ければ、伏兵は後方に在り。日干日支が皆損を受ければ、那れは就中前後皆埋伏有り。軽挙妄動して衝撃に往く勿れ。行軍が険要隘口を経過するに、人の圖謀暗害するを怕れば、就中当に日干・日支・占時の此の三処より判断すべし。日干が傷を受ければ、自己は隊伍の前頭を走る勿れ。日支が傷を受ければ、殿後する勿れ。占時が傷を受ければ、中に居る勿れ。此の一断法は前面の《兵機》《心鏡》の両書と相合す。只是れ彼の両家は占時を取らざるのみ。別の一种の説法は、斗罡が四孟に加われば前に在る勿れ、四仲に加われば中に居る勿れ、四季に加われば後に在る勿れ。若し天罡が日干日支上に圧到せば、必定に悪人の尾随盯梢有り。当に急いで撤離すべし。
渡関覘賊第三十
見賊行程渡關方,行年歲月日沖難。支干上將休囚惡,旺相相生去即安。魁罡蛇虎尤當忌,向國方門要細研。渡關,謂我軍欲渡彼境,覘聽賊所虛實,先看大將行年本命,不可與太歲日月沖破相剋,即在太歲日月沖破,亦不可輕去。《經》云:“凶不凶,視破沖。”是也。破神,子破酉、卯破子之類。沖,十二宮對沖。
敵情を察看し関を越えて敵境に入らんと要するは、先に行程と渡関の方位とを算准すべし。主将の「行年」が若し太歳・月建・日辰と相冲すれば、此行は必ず災難有り。日干日支上に乗ずる天将が休囚の地に処れば、是れ悪兆なり。旺相にして而又た日辰と相生せば、去ってこそ平安なり。河魁戌・天罡辰と「螣蛇」「白虎」の両将は尤其に避忌するを要し、向かう所の国境・方位と出発の門戸とは皆仔細に推研するを要す。所謂渡関とは、是れ我軍が境を越えて敵国に入りて虚実を刺探せんと要するなり。身を動かす之前に先に主将の行年と「本命」(本命是れ出生年の地支、行年是れ年歳に按じて推排到する地支)とを看て、太歳・月建・日辰と冲・破或いは相克を形成すべからず。即便只太歳・月建・日辰の冲破の位上に落つるも、亦た輕易に起行すべからず。《経》に曰く「凶なるか凶ならざるかは、就中破と冲との有無を看よ」とは、正に此の意なり。所謂破神とは、子の酉を破り卯の子を破るの類の如し。所謂冲とは、就是れ十二宮の両両相対するなり。
《玉門經》曰:“差人覘賊虛實,日辰上見旺相之神,更與日辰相生者吉;見休囚之神,又與日辰相剋,則不可去。”蛇,螣蛇;虎,白虎;魁罡,辰戍也。若辰戌乘蛇虎二神加支干年命上,或加去方門上尤最忌。方,所至之方也;門,去使所出之門也。
《玉門経》に講ず:人を派して敵人の虚実を刺探せしめんとするに、日干日支上に旺相有気の神を出現し、而且此の神が日干日支と相生するは、是れ吉なり。若し休囚無気の神を出現し、又た日干日支と相克すれば、就中能く人を派して去らしむべからず。歌訣裡の蛇は螣蛇を指し(十二天将の一にして、驚恐怪異を主る)、虎は白虎を指し(十二天将の一にして、凶喪兵刃を主る)、魁罡は辰・戌の両位を指す。如果辰・戌が又た螣蛇・白虎の此の両位の天将に乗じ、日支・日干と行年本命の上に加臨し、或いは所要往く方位と出発の門戸の上に加われば、那れ就是れ最も避忌するを要するなり。所謂方とは、是れ往かんと要する方向。所謂門とは、是れ使者の身を動かし出発する其の一道の門なり。
行年歲月日沖否,若向沖陰有慶還。亥午罡臨人宅吉,出軍玄武畏方難。主將行年若在太歲、月建、日沖下,不可去。一作差人行年。此《玉門經》斷法,《玉曆鈐》作“本命行年,忌見日辰上對沖之神”。沖,太沖也;陰,太陰。歲後二位是太陰,太沖臨處可去,有喜。
先に主将の行年に太歳・月建・日辰に冲せらるる有無を看よ。若し太冲卯と太陰の臨む所の方位に朝向して出発せば、便能く平安に帰り、還って喜慶を帯ぶ。登明亥・勝光午と天罡辰とが日干日支上に臨めば、出行は吉と為す。兵を出して若し玄武の畏懼する所・其れに克せらるる其の方位を走れば、反って難有り。主将の行年が若し太歳・月建・日辰の冲する所の位置上に落つれば、就中能く出行する能わず。亦た版本有りて此処は指すは派出する其の人の行年を謂うと説く。此れ是れ《玉門経》の断法にして、《玉暦鈐》は則ち写作す:本命と行年とは、日干日支上の其れと相冲する神に碰上するを忌諱す。歌訣裡の「冲」は太冲卯を指し、「陰」は太陰を指す。太陰は太歳より後に数えて第二位の上に在り。太冲の臨む所の方位は去るべし。去れば喜有り。
還,回還也。《玉帳經》云:“令人探賊,出天上太沖下,則人鬼不見,又宜太陰之上探之。”正此意也。人宅,即日辰也。《玉門經》云:“日辰上得登明、天罡、勝光,宜急去。”玄武畏方,是克玄武之方也。《靈匣經》曰:“玄武乘神能制所往之方,出兵大勝。乘神畏所往之方,凶。假令武乘勝光,不宜往北方。”
歌訣裡の「還」とは、就是れ平安に帰来するの意思なり。《玉帳経》に曰く:人を派して敵情を偵察せしむるに、天盤太冲の圧する所の其の方位より出発せば、人と鬼と皆其れを見る能わず。亦た太陰の臨む所の処に於て刺探するに宜し。講ずる所正是れ此の層の意思なり。「人宅」とは指す所就是れ日干日支なり。《玉門経》に曰く:日干日支上に登明亥・天罡辰・勝光午の此の三神を得れば、就中当に急いで身を動かすべし。至るか玄武の畏るる所の方とは、就是れ能く玄武を克制する其の方位なり。《霊匣経》に曰く:玄武の乗ずる所の神が若し能く所要往く方位を制伏せば、兵を出せば就中大将に勝たん。反って乗ずる所の神が畏懼し、反って往く所の方位に克制せられれば、就是れ凶なり。例を挙げて説かば、玄武が勝光午に乗り而して午は火に属せば、北方は水に属して能く火を克す。故に北方に往くに宜しからず。
迷路求通第三十一
迷路申辰下可從,三途罡孟左宜沖。仲中季右依之法,陽左宜令陰右通。兩路日良趨左大,辰良右小斷無壅。我軍度關,去國已遠,一時嚮導不及,迷失路途,或二三路相雜,則不可不決也。申傳送也,辰天罡也,二神臨方有路。黃帝云:“軍行迷路,若功曹、傳送臨日辰,前路通;天罡蛇虎臨日辰,前路不通。”《兵帳賦》云:“洿泥之地,天罡指處堪行。”又云:“錯迷失路,參角堪前。”參,申宿;角,辰宿。
路に迷えば、以て「伝送」申と天罡辰の臨む所の方位に順いて走るべし。三条の岔路に碰上せば、天罡が四孟に加われば就中左辺に往きて冲出し、四仲に加われば就中中路を走り、四季に加われば就中右路を走れ。若し陰陽に按じて分かば、天罡が六陽の位に落つれば左に往くに宜しく、六陰の位に落つれば右に往くに宜し。只有两条の路の選ぶ可き時は、日干上吉なれば左辺の其の大路を走り、日支上吉なれば右辺の其の小路を走れ。此の様に断決すれば堵塞受阻せず。我軍が関隘を越過し本国を離るること已に遠く、一時又た向導を找到する能わず、道路を迷失し、或いは面前に两三条の路を岔出して交錯して辨え難ければ、此れ是れ一課を占いて決断せざる能わず。申就是れ伝送、辰就是れ天罡なり。此の両神の臨む所の方位は路有りて通ずべし。黄帝に言有り:行軍に路に迷う時、功曹寅・伝送申が日干日支上に臨めば、前路は暢通す。天罡・螣蛇・白虎が日干日支上に臨めば、前路は通ぜず。《兵帳賦》に曰く:低窪泥濘の地に遇到せば、天罡の指す所の方向に朝向して走れば通ずるを得。又曰く:路を走り錯り方向に迷えば、参宿・角宿の方位は以て前行すべし。参宿は申に属し、角宿は辰に属す。
逢三路,未知從何路,則以天罡加宜孟左去,加仲宜中去,加季右去。《七十二占》同此。陽,六陽之神也,子、寅、辰、午、申、戌,天罡臨此六位,宜往左。陰,六陰之神也,丑、卯、巳、未、酉、亥,天罡臨此六位,宜往右。此又一法。設逢兩路可疑,日上吉可向左道,或大道去,吉。辰上吉,可向右路,或小路去,吉。《兵帳賦》云:“兩歧惑意,日辰左右。”即此之謂也。
面前に三条の路有りて、該に何れの一条を走るべきかを知らざれば、就中天罡の落処を看よ。四孟に加われば左に往きて走るに宜しく、四仲に加われば中路を走るに宜しく、四季に加われば右に往きて走るに宜し。《七十二占》の説法は此れと相同なり。歌訣裡の「陽」は六陽の神を指し、即ち子・寅・辰・午・申・戌。天罡が此の六位上に落つれば、左に往きて行くに宜し。「陰」は六陰の神を指し、即ち丑・卯・巳・未・酉・亥。天罡が此の六位上に落つれば、右に往きて行くに宜し。此れ是れ別の外一种の断法なり。假如只有两条の路にして主意を拿定する能わざれば、就中日干上に吉神を得るを看て、以て左辺の其の一条路を走る可く、或いは大路を走るも、皆吉なり。日支上に吉神を得れば、以て右辺の其の一条路を走る可く、或いは小路を走るも、亦た吉なり。《兵帳賦》に曰く「两条の岔路は人をして猶疑せしめれば、就中日干日支を用いて左右を分つ」とは、講ずる所就是れ此の弁法なり。
昴星俯視關梁杜,猴虎干支有路蹤。若見罡魁蛇虎阻,未虛臨處更休攻。陽日昴星課為仰視,載在起例。凡遇此等課,主關梁杜塞不通。猴,傳送之屬;虎,寅也。二神臨日辰,前去有路。魁、罡、蛇、虎四神加臨日辰上,前路不通。《兵帳賦》云:“神后多池,小吉阻道。”蓋神后子也,臨處必有水池。小吉臨方有井泉。未,小吉。虛,子中宿也。攻,治,謂治裝前行也。
昴星課を起出して俯視の格に属せば、関口橋梁の皆堵死せらるるを主る。伝送申(猴)と功曹寅(虎)とが日干日支上に臨めば、前面に路有りて行く可し。若し天罡・河魁・螣蛇・白虎の四神の拦阻に碰上せば、前路通ぜず。小吉未と虚宿の臨む所の処は更不要整裝前行せよ。陽日に起出する昴星課を仰視と叫作す。此れは課を起すの体例の裡に記載有り。凡そ此の一類の課に遇上せば、皆関口橋梁の堵塞不通を主る。歌訣裡の猴は伝送申を指し、虎は寅を指す。此の両神が日干日支上に臨めば、前去りて路有りて走る可し。河魁・天罡・螣蛇・白虎の四神が日干日支の上に加臨すれば、前路通ぜず。《兵帳賦》に曰く「神後の在所は多く水池、小吉の在所は道路を阻む」。神後是れ子の別名にして、其の臨む地方は一定に水塘有り。小吉の臨む所の方位は井泉有り。未就是れ小吉、虚是れ子宮中の星宿なり。「攻」は此処に於て治办と講じ、整頓行装して繼續前進するを指す。
中途防截第三十二
遠涉途間怕賊邀,加時占測好推敲。巳申子卯臨支後,立於前路欲指挑。不臨支干兵離遠,如到干支近我巢。旺相帶刑逢必戰,空亡休廢且虛跑。干為大路支為小,勝光之下看哮咆。
遠行の途中に最も怕るは敵人の半路に拦截するなり。就中月将を把りて占時の上に加えて課を起し、好く推敲すべし。巳・申・子・卯の四神が日支上に臨めば、敵兵は我が身の後に在り。日干上に立てば、敵兵は前路に挡りて、挑戦せんと想う。此の四神が日干日支に臨まざれば、敵兵は我を離るること還だ遠し。一旦日干日支上に落到せば、就是れ我方の巢穴に逼近せんとするなり。四神が旺相にして又た刑を帯びれば、遇上すれば必ず一戦有り。空亡・休廃の地に落つれば、不過是れ虚張声勢して空しく一趟跑るのみ。日干は大路を代表し、日支は小路を代表す。再び勝光午の何れの一辺に落つるかを看れば、便知る敵人の何れの条の路より咆哮して来るかを。
《玄女經》曰:“間關千里,須防邀截。則以月將加時,看丑申卯子。臨支主有兵在我後,臨干主有兵在我前,相挑欲戰也。若此四神不臨支干,兵離我遠,即無邀截矣。如到支干,是欲近我巢穴,宜備之。且看賊神在何方上,如抵旺相,又帶刑殺,此大戰之兆。如抵空亡休廢,不過虛咆一番耳。”勝光,午也,主道路,加干,賊從大路來邀截;加支,賊從小路來劫。此出《兵機天鏡》。
《玄女経》に講ず:千里を跋涉し道路艱険なれば、必ず半路に人の拦截するを防備せねばならず。弁法是れ月将を把りて占時の上に加えて天盤を排出し、専ら丑・申・卯・子の四神を看よ。其れらが日支上に臨めば、敵兵の我が背後に在るを主る。日干上に臨めば、敵兵の我が前面に挡りて正要挑戦するを主る。此の四神が若し日干日支に臨まざれば、敵兵は我を離るること還だ遠く、就中拦截の虞無し。一旦日干日支上に落到せば、就是れ我方の巢穴に逼近せんと想うにして、当に預め設防すべし。還って敵方の神の何れの個の方位に落つるかを看るを要す。旺相の地に落ち、又た刑と凶殺とを帯びれば、此れ是れ大戦の徵兆なり。空亡・休廃の地に落つれば、不過白白に一場咆哮するのみ。歌訣裡の勝光就是れ午にして、道路を主る。日干上に加われば、敵人は大路より来りて拦截す。日支上に加われば、敵人は小路より来りて劫掠す。此の一条は《兵機天鏡》より出づ。
覓水求糧第三十三
覓水須求未卯方,劫糧戊已吉臨藏。玄神克處克干得,丑未臨方也最良。孫子云:“因糧於敵。”則迢迢關外,非劫何以取足?於是取水則向卯未方大吉。蓋未中有井宿,其下有井泉。其為天漢之源,其下有河,故卯為天河,未為地井。
水源を找るは未・卯の両方に朝向して去るを要す。糧草を劫取するは、則ち本旬天上の戊・己の何処に落つるかを看て、其の上に又た吉将を乗ずれば、糧は就中彼処に蔵れたるなり。玄武の乗ずる所の神が能く克制する方位は以て手を下して劫す可し。玄武の乗神が日干を克するも亦た照様に手を得る能わし。此の外丑・未の両神の臨む所の方位も、亦た是れ水を取り糧を劫するの上選なり。《孫子兵法》に講ず「糧を敵に因る」。就地に於て敵方の糧草を取用す。関外を遠出すること千里、劫掠に靠らざれば又た何れを以て軍需を補足せん。故に水を取れば就中卯・未の両方に朝向して去るが最も吉なり。未宮の裡に井宿有り。井宿の下に井泉有り。卯宮是れ天河銀漢の源頭にして、其の下に河流有り。因此に卯を把りて天河と叫作し、未を把りて地井と叫作す。
《兵帳賦》云:“尋房井之清泉。”又云:“欲掠他鄉,戊己須逢吉將。”戊已,是以月將加時尋本旬天上戊己,上乘吉將,主得糧也。假如甲子旬戊己在辰巳,若天乙青龍等吉將臨於天盤辰巳之上,出掠必得財。
《兵帳賦》に曰く「房宿・井宿の在所の方位に到りて清泉を找れ」。又曰く「他郷に於て糧草を掠取せんと想えば、就得て戊・己の両干をして吉将に碰上せしめよ」。所謂戊己とは、把ること月将を占時の上に加えて天盤を起出し、本旬の遁到する所の天上戊・己の両位を找出し、其れらの上面に若し吉将を乗ずれば、就中糧食を奪到し得るを主る。比如甲子の此の一旬は、戊己は辰・巳の両位上に遁す。若し天乙貴人・「青龍」(十二天将の一にして、財喜を主る)の此類の吉将が天盤の辰・巳の上に臨めば、出でて劫掠すれば必定に得る所有らん。
玄武,賊神也,我要行劫,我即是賊,故要玄武乘神克處劫之;若玄武乘神剋日干,亦可得也。《兵帳賦》云:“潛起掠地,玄武須旺。能制干支,我軍大獲。若居四季,忌甲乙東征;若乘功曹太沖,忌庚辛酉向。”餘同此。
玄武是れ盗賊を主管する天将なり。我方が劫掠せんと要去るは、自己就是れ賊に等し。故に玄武の乗ずる所の神が能く克制する地方に於て手を下すを要す。若し玄武の乗ずる所の神が能く日干を克せば、同様に以て手を得る可し。《兵帳賦》に曰く:暗に兵を出して地を掠するに、玄武は必ず旺気の中に処るを要す。其れ能く日干日支を制住せば、我軍は就中大有りて斬獲せん。玄武が若し辰戌丑未の四季の位に落つれば、甲日乙日は就中東に向かいて出征するを忌諱す。玄武が若し功曹寅・太冲卯に乗ずれば、庚日辛日は就中西辺の酉方に朝向して去るを忌諱す。其余の情形は皆此の道理に照らして類推す。
若丑未臨方,亦可劫掠。《兵帳賦》云:“欲劫軍糧,向秦吳大獲。”秦,未之分野;丑,吳之分野。我有糧有水,兵有所恃,自此而潛伏劫掠,自此而拔邑攻城,自此而遣行間諜,與敵往來,無有不豫矣。
丑・未の両神の臨む所の方位も、亦た以て去りて劫掠すべし。《兵帳賦》に曰く「軍糧を劫せんと想えば、秦地・呉地の方位に朝向して去れば、収穫最も大なり」。未是れ秦の分野、丑是れ呉の分野なり。我軍に糧有り水有れば、士卒は就中依恃する所有り。此れより才に潜伏劫掠を談ずるを得、才に城を攻め邑を拔くを談ずるを得、才に間諜を派出して敵人と往来周旋するを談ずるを得。一件も預め準備停当せざる無きなり。
潜兵劫掠第三十四
潛兵劫掠最為強,先察三傳端的詳。初為本國中為將,未為外虜乃他邦。初中克末無人境,獲功無劫得財糧。初生末處人逃彼,末若生初賊虜降。三傳獲克休囚位,兩家敵戰盡遭傷。初中囚死末旺相,退兵自守莫驚張。初中旺相末傳死,直搗巢邱鎖逆王。
兵を派して潜出劫掠するは最も凌厉の一手にして、手を動かす之前に先に三伝を審察清楚すべし。初伝は本国を代表し、中伝は主将を代表し、末伝は所要攻打の敵邦を代表す。初伝・中伝が末伝を克せば、兵を出すこと無人の境に入るが如く、必ずしも苦戦せずして財糧を得到すべし。初伝が去りて末伝を生ぜば、我方士卒は反って人の敵営に逃往する有らん。末伝が来りて初伝を生ぜば、敵軍は自ら来りて投降せん。三伝が彼此交戦相克し、又た皆休囚の地に落つれば、両辺打ち起して皆喫亏受傷せん。初伝中伝が囚死にして末伝旺相なれば、当に兵を退きて自守し、驚慌張揚する勿れ。初伝中伝が旺相にして末伝死絶なれば、就可以直搗して敵人の巢穴をし、叛逆の賊王を鎖拿すべし。
此以初傳為中國,中傳為主將,末傳為所攻之國。如初克末傳,是我克他,如入無人之境一般,獲財無數。初傳生末,則我之士卒反有逃入彼陣者。末傳生初,主賊虜自來投降,不但得財而已。若三傳戰相剋賊,彼此俱有傷敗。初中囚死,末反旺相,宜按兵不動。末傳囚死,初中旺相,則直搗丘巢,以鎖叛逆之王來。
此処は初伝を以て中原本国を代表し、中伝は主将を代表し、末伝は所要攻打の其の国家を代表す。初伝が末伝を克すれば、就是れ我方の対方を克制するにして、兵を出すこと無人の境に入るが如く、以て無数の財物を獲取すべし。初伝が末伝を生ぜば、我方士卒は反って敵陣に逃往する人有らん。末伝が初伝を生ぜば、敵人の自己前來投降するを主り、得到する所は就不只財物なり。若し三伝の間に彼此交戦相克せば、両家打ち起して皆傷亡挫敗有らん。初伝中伝が囚死の地に落ち、末伝が反って旺相なれば、就中当に兵を按じて動かざるべし。末伝囚死にして初伝中伝旺相なれば、便可ち直搗して敵人の巢穴をし、叛逆の賊王を把りて鎖拿回らん。
此出《兵機天鏡》,只以三傳分主客勝負,全不計較日辰。愚謂日辰乃三傳本也,豈可只用傳而不用日辰哉?宜照《神樞經》,以日為彼,以辰為我,辰剋日上神與辰上神剋日上神者,可肆兵劫掠;若日克辰,與日上神克辰上神者,不可劫掠,且防賊來劫我。月將臨玄武,可擒盜不可劫掠;太陰乘玄武,可劫掠而不可擒賊。
以上の此の一段は《兵機天鏡》より出づ。其れは只三伝を用いて主客勝負を分かち、完全に日干日支を理会せず。我以て日干日支こそ三伝の根本なりと為す。怎様に能く只三伝を用いて日辰を丢開せんや。当に《神樞経》の弁法に依照し、日干を把りて対方と当作し日支を把りて我方と当作すべし。日支が日干上の神を克し、或いは日支上の神が日干上の神を克せば、就可以放手して兵を出して劫掠す。反って日干が日支を克し、或いは日干上の神が日支上の神を克せば、就中劫掠すべからず。還って敵人の来りて我を劫するを提防するを要す。月将が玄武の上に臨めば、能く盗賊を擒獲するも却て劫掠に宜しからず。太陰が玄武に乗ずれば、能く劫掠するも擒するに賊を得ず。
追兵既去,我亦可渡關覘賊矣,但恐賊兵尚有伏吾前後者,未可知也,於是則以巳申子卯覆立支干為有埋伏,不覆則無。若賊神旺相帶刑,逢之必戰;休廢空亡,則不來矣。巳申子卯四神傷干,賊伏在前;四神傷支,賊伏在後;支干俱傷,前後有賊,豈可妄行沖擊哉?
追兵已に撤走し、我方も亦た以て関を越えて敵情を察看する可し。只是れ仍お敵人の我が前後に伏兵を留有るを怕れ、一時に従って知ること無し。于是就中巳・申・子・卯の四神に日干日支上に覆圧する有無を看よ。覆圧すれば就是れ埋伏有り、覆圧せざれば就是れ無し。若し敵方の神が旺相にして又た刑を帯びれば、碰上すれば必然に一仗を打たん。若し休廃・空亡の地に落つれば、敵人は就中来らざらん。此の四神が日干を傷克せば、伏兵は前方に在り。日支を傷克せば、伏兵は後方に在り。日干日支が皆傷克せられれば、前後皆埋伏有り。那れ怎様に還って能く冒冒失失に衝上せんや。
此出《兵機天鏡》,若《玄黃一秤金》說又不同,再詳之:前後巳申子卯看,臨支在後落干前。日臨辰上前防寇,支若臨干後備奸。亥子臨干居大路,如加辰上小衢潛。此以四神臨支,賊伏後;臨干,賊伏前;不臨干支,則無賊矣。《靈匣經》云:“只取子卯巳三神。”《兵機總要》曰:“太沖、勝光、河魁、登明四神加日辰,後有賊。”此與《靈匣經》、《兵機天鏡》俱背謬之至。
上面の此の一段は《兵機天鏡》より出づ。而して《玄黄一秤金》の説法は又た一様ならず。此処に再び詳辨を作す。其の口訣は、前後に伏兵の有無は、巳・申・子・卯の四神を看よ。日支上に臨めば、伏兵は後に在り。日干上に落つれば、伏兵は前に在り。日干上の神が日支上に加われば、前面に寇有るを防ぐを要す。日支上の神が日干上に加われば、後面に奸有るを備うを要す。登明亥・神後子が日干上に臨めば、敵人は大路に守る。日支上に加われば、敵人は小道に潜む。此の一家の算法就是れ、四神が日支に臨めば伏兵は後に在り、日干に臨めば伏兵は前に在り、日干日支に臨まざれば、就中伏兵無し。可なり《霊匣経》は却て説く只子・卯・巳の三神を取ると。《兵機総要》は又た説く太冲卯・勝光午・河魁戌・登明亥の此の四神が日干日支上に加われば、後面に伏兵有りと。此の両種の説法は《霊匣経》《兵機天鏡》と互相抵牾し、実在に荒謬極点に到る。
日往加辰,賊在前;辰往加干,賊在後。《兵仗賦》云:“辰加於日,防賊兵於後驚;日覆於辰,備敵卒於前擾。”是也。若亥子臨干上,賊居大路;臨支辰,賊居小路。黃帝曰:“占盜,課得四上克下,不可劫,以禍從外至內也。四下賊上可劫,以禍從內至外也。課傳得六陽,宜潛匿行劫;得六陽不宜。干支上下,互相剋賊,我劫他,他亦來劫我。”
日干上の神が日支上に加われば、敵人は前に在り。日支上の神が日干上に加われば、敵人は後に在り。《兵仗賦》に曰く「辰が日の上に加われば、背後の敵兵の驚扰を防ぐを要す。日が辰の上に覆えば、前方の敵卒の騒扰を備うを要す」とは、講ずる所就是れ此の個なり。若し登明亥・神後子が日干上に臨めば、敵人は大路に守る。日支上に臨めば、敵人は小路に守る。黄帝に曰く:盗賊を占う時、「四課」(日干・日干寄宮・日支・日支上神を用いて各々天盤に配して成す所の四組の上下神)が若し皆是れ上神の下神を克するなれば、就中去りて劫すべからず。禍是れ外より内に向かいて来ればなり。四課皆下神の上神を克すれば、以て去りて劫すべし。禍是れ内より外に向かいて去ればなり。課と三伝とが全く六陽の神を得れば、隠蔽潜行して劫掠するに宜しく、之に反すれば則ち宜しからず。日干日支が上下互相克伐すれば、我が去りて其れを劫せば、其れも亦た来りて我を劫さん。
攻城拔邑第三十五
陽城龍首亥宮求,巳尾申腹寅背周。陰城首尾背腹反,宜攻背腹莫攻頭。支干旺相賊當敗,初中克末有功收。末絕初中有氣勝,初中無氣主凶憂。城,所攻之城也。陽,陽日也;陰,陰日也。凡攻城者,莫犯龍頭,宜擊背腹。陽日龍頭在亥,尾在巳,腹在坤,背在艮。坤,申中卦;艮,寅中卦。陰日龍頭在巳,尾在亥,腹在艮,背在坤。若支干旺相,更初中克未傳,必獲破賊殺將之勝。
陽城を攻打するは、城を把りて一条の龍と看作すべし。龍頭は亥に在り、龍尾は巳に在り、龍腹は申に在り、龍背は寅に在り。陰城を攻打するは、首尾背腹の位置は正好反対す。論ずるに何れの一种なるも、皆当に其の背腹を攻むべく、硬く龍頭に撞く勿れ。日干日支が旺相なれば、敵人は就中当に敗るべし。初伝中伝が末伝を克せば、此の戦は功有りて収む可し。末伝が死絶にして初伝中伝に気有れば、我方は勝を得る。初伝中伝が無気なれば、主将は就中凶険憂患有り。此処に説く城とは、就是れ所要攻打の其の一座の城。陽は甲丙戊庚壬の此れらの陽日を指し、陰は乙丁己辛癸の此れらの陰日を指す。凡是れ城を攻むるは、龍頭を触犯するを去る要せず、当に其の背と腹とを打つべし。陽日の龍頭は亥に在り、龍尾は巳に在り、龍腹は坤に在り、龍背は艮に在り。坤是れ申の在所の其の一卦、艮是れ寅の在所の其の一卦なり。陰日の龍頭は巳に在り、龍尾は亥に在り、龍腹は艮に在り、龍背は坤に在り。如果日干日支が旺相にして、初伝中伝の末伝を克制するを加えば、必定に能く敵を破り将を斬るの大勝を取得せん。
絕謂囚死也,有氣旺相也,未傳囚死,初中有氣,攻城大勝。初中無氣,末更旺相,主將必有凶優,逢此者宜擇吉,保守營寨為上。《兵仗賦》云:“龍頭莫犯,支干以休囚;背腹宜攻,要日辰之旺相。”莫解。陽城陰城,非陽日明日,如我在南而城在北為之陰城,我在北而城在南為之陽城,我在東而城在西為坎陰,我在西而城在東為坎陽,當以此為正。
歌訣裡の「絶」とは、囚・死の地に落つるを指す。「有気」とは、旺・相の位に処るを指す。末伝囚死にして初伝中伝に気有れば、城を攻めて大勝を獲る可し。反って初伝中伝無気にして末伝却て旺相なれば、主将は必定に凶険憂患有り。此の種の課に碰上せば、最も好く別に吉日を擇び、暫時営寨を固守するを上策と為す。《兵仗賦》に曰く:龍頭は触犯すべからず。其れ日干日支の休囚に対応せばなり。背腹は進攻に宜し。那れは日干日支の旺相に処るを要す。此の両句は我理解する能わず。至るか陽城・陰城とは、并びて是れ陽日・陰日を指すに非ず。我軍が南に在りて城が北に在れば、就中陰城と叫ぶ。我軍が北に在りて城が南に在れば、就中陽城と叫ぶ。我軍が東に在りて城が西に在れば、之を坎陰と叫作す。我軍が西に在りて城が東に在れば、之を坎陽と叫作す。当に此の分法を以て正解と為すべし。
遣使入敵第三十六
或間諜,或講盟好。遣使去人年日辰,切防其上斗魁臨。年門生吉相沖否,申入傳中吉將歆。年日辰防太歲制,行干尤畏到干侵。年,行年也,去使行年、日辰上魁罡加臨凶。《兵仗賦》云:“發使方行,年路支干。切忌魁罡,亦憂返伏。”反吟伏吟卦不宜遣使。
使者を派出するに、或いは去りて間諜と為して刺探し、或いは去りて結盟修好を商談せんとす。使者の行年および日干日支を看るを要し、最も要紧は天罡・河魁の此の三処の上に圧するを防備するなり。使者の行年と往く所の方位の門とが相生すれば便ち吉、還って相冲の有無を看るを要す。伝送申が三伝の中に落進み又た吉将に乗ずれば、是れ可喜の兆なり。行年と日干日支とは皆太歳の来りて克制するを怕る。出発する其の天の日干は尤其に抵達する其の天の日干に侵克せらるるを怕る。歌訣裡の「年」は行年を指す。使者の行年および日干日支上に若し河魁戌・天罡辰の加臨有れば、就是れ凶なり。《兵仗賦》に曰く:使者を派して剛に身を動かさんと要するに、就中行年・路途と日干日支とを看よ。最も忌むは河魁天罡の頭に当たるを。亦た返吟・伏吟に碰上するを擔心するを要す。凡そ「反吟課」(天地盤の両両相冲する)と「伏吟課」(天地盤の完全相同する)を起出するは、皆使者を派遣するに宜しからず。
所往之方為門,若門上神與去人年上神相生則吉,相剋凶。《兵帳賦》云:“門傷年處路遇殃,而凶將災深;年制門時帶病歸,而吉神禍消。”如月將加時,門上神制年上神,途中有疾;年上神克門上神,帶病而歸。二者逢吉將有救,災淺。
使者の所要往く其の方位就中叫作す「門」。門上の神と使者行年上の神とが相生すれば便ち吉、相克すれば便ち凶。《兵帳賦》に曰く:門が行年を克傷せば、路上殃に遭うを要し、若し再び凶将に乗上せば、災禍更深し。行年が反って門を制住せば、人は病を帯びて帰らん。若し乗ずる是れ吉神なれば、禍患は便能く消解せん。具体に説来すれば、月将を把りて占時の上に加えて天盤を排出す。門上の神が行年上の神を制住せば、使者は途中に病を生ぜん。行年上の神が門上の神を克すれば、使者は病を帯着して回来せん。此の両種の情形に若し吉将の来りて救うに碰上せば、災禍は皆軽些ならん。
申,傳送也,三傳行使初發時,傳內有申者吉;申上乘吉將,雖不入傳亦吉;入傳又乘吉將,更吉也。蓋傳送乃道路之神,故不入傳亦宜推之。《兵帳賦》云:“初宜參宿,不然要乘乎吉神。”是也。
申就是れ伝送なり。使者を派して身を動かす時に課を起し、三伝の中に申有るは、是れ吉なり。申上に吉将を乗ずれば、即便三伝に入らざるも亦た吉なり。既に三伝に入り又た吉将に乗ずれば、那れは就更に吉なり。伝送は本来就中道路を主管する神なればなり。故に即便其れ三伝に入らざるも、亦た当に一併に推詳すべし。《兵帳賦》に曰く「初伝は最も好く参宿の属する所の位に落ち、然らざれば亦た其れをして吉神に乗上せしめよ」とは、講ずる所正是れ此の意思なり。
又去使行年日辰俱畏太歲克之。假令四季年丙丁巳午日行大吉,蓋日火生歲土也。庚申辛酉日行亦吉,歲土生日金也。壬癸亥子日行大凶,歲土剋日水也。太歲與行日相生吉,克凶。
別に、使者の行年と日干日支とは、皆太歳の来りて克するを怕る。例を挙げて説かば、辰戌丑未の此の四個の土に属する年份に逢い、丙丁巳午の此れらの火に属する日子に於て出行せば大吉なり。日の火の能く太歳の土を生ずればなり。庚申辛酉の此れらの金に属する日子に於て出行するも亦た吉なり。太歳の土の能く日の金を生ずればなり。壬癸亥子の此れらの水に属する日子に於て出行すれば則ち大凶なり。太歳の土の日の水を克せんと要すればなり。总之太歳と出行の日とが相生すれば便ち吉、相克すれば便ち凶なり。
行干,行者初發之日干也;到干,到彼處之日干也。侵,亦克也。大抵行日與到日相生吉,相剋凶。然行干可定,到干不可定,只以至彼處行事之日為主。如下書到彼處,不論某日下書,擇一日與去日干相生可也。
「行干」は使者の身を動かす其の天の日干を指し、「到干」は其の対方に抵達する天の日干を指し、「侵」も亦た就是れ克の意思なり。大体の上に出発の日と抵達の日とが相生すれば便ち吉、相克すれば便ち凶。不過出発の日子は自ら能く定め、抵達の日子は却て定め准らず。故に只彼処に到りて正式に事を弁ずる其の一天を以て準と為す。譬如去りて国書を投逓するに、何れの天に到達するを管せず、只要別に一個の出発日干と相生する日子を擇びて逓上すれば就中可以なり。
江河除定危開上,行間差人未敢嗔。探賊宜從天上耳,去探密地駐方奔。從魁為九江,太沖為三河,若三河九江臨於除定危間之上,差人行間,甚吉也。假令正月定日在午,午上見卯或酉是也。月建前一日為之除,五日為之定,七日為之危,八日為之開。
「従魁」酉の主る所の九江・太冲卯の主る所の三河が、若し建除十二神の除日・定日・危日・開日の上に落つれば、人を派して反間諜報を做し去らしむるに、何の擔心する可きも無し。敵情を刺探するは、当に天耳の臨む所の方位より入手すべし。機密隠私を探聴せんと要せば、就中地耳の駐する所の方位に朝向して快く去れ。従魁酉を九江と叫作し、太冲卯を三河と叫作す。三河・九江が除日・定日・危日の此の几日の上に落つれば、人を派して反間の計を行い去らしむるに、非常に吉利なり。例を挙げて説かば、正月の定日は午に在り。只要午位上に卯或いは酉を出現せば、就中此の格に合す。至るか日子は怎様に算するか、月建より往前に数えて一日を除と為し、第五日を定と為し、第七日を危と為し、第八日を開と為す。
探賊消息,向天耳臨方吉,乃天上丑未之方也。探人密事向地耳臨方吉,乃天上卯酉之方也。《百煞歌》曰:“天耳天目宜探聽。”春辰、夏未、秋戌冬丑為天目,對沖為天耳。蓋耳目下宜探聽消息也。
敵軍の消息を刺探するは、天耳の臨む所の方位に朝向して去るが最も吉にして、那れ就是れ天盤上の丑・未の両位の圧する所の方向。別人の機密私事を探聴するは、地耳の臨む所の方位に朝向して去るが最も吉にして、那れ就是れ天盤上の卯・酉の両位の圧する所の方向。《百煞歌》に講ず「天耳・天目の此の両処は探聴に宜し」。春天は辰を以て、夏天は未を以て、秋天は戌を以て、冬天は丑を以て天目と為し、天目と相冲する其の一位就是れ天耳なり。耳目の在所の下に因りて、正に消息を打探するに適合す。
《一秤金》云:“凡遣使行間諜,要干支上刑剋不相和,然後可用謀反行間。若上下相生相合,彼之君臣一心,將卒一體,雖欲反間,何隙可乘?”此大有理。又書云:“行間若得傳送發用,又乘朱雀,主讒言易中。”此亦有理,並附之。
《一秤金》に曰く:凡是れ使者を派して間諜の事を行わしむるに、日干日支上の彼此刑克して相和睦せざるを要し、然る後にこそ好く反間の計を用うべし。假如上下相生相合せば、説明す対方の君臣一条心・将士一体なるを。就算反間を施さんと想うとも、又た何処にか縫隙の钻る可き有らん。此の話は很た道理有り。別に書上有りて講ず:反間の計を行う時、若し伝送申が発用して初伝と為り、又た朱雀(十二天将の一にして、口舌文書を主る)に乗ずれば、進める所の讒言は容易に対方に听信せらるるを主る。此の話も亦た道理有り。一併に此処に附す。
差委的否第三十七
差委的否意如何,相生旺合事無他。刑剋囚死妨誤徵,別行更改更蒐羅。可差必定差伊去,天將初傳品揣摩。凡遣使,須看其事之成敗,而其人品要的。如日辰得吉神吉將發用,生合旺相,則斯人可往,而事無他虞矣。若用神囚死刑剋,此人必無力量,必不誠實,而誤我正事也,必須另擇個好人去,即可去得。
派出する人は到底靠るに足るか足らざるか。若し課中の神将が相生・旺相・和合なれば、此の事は就中別の枝節無し。若し刑克・囚死を見れば、此人は征戦の大事を耽誤せん。那れは就得て別に人を換え再び物色に往く。真正に以て差遣する可き人は、就一定に其れを派して去らしむ。至るか人品才具何如は、初伝の乗ずる所の天将上より細細に揣摩すれば便能く看出す。凡是れ使者を派遣するは、既に此の件の事の能く弁成するか否かを看るを要し、亦た此の人の品行の可靠なるか否かを看るを要す。假如日干日支が吉神吉将を得て発用して初伝と為り、彼此又た生じ又た合し、旺相の地に処れば、此の人は就以て派出去る可く、事は別に枝節を生ぜざらん。假如発用の神が囚死の位に落ち、又た刑克せられれば、此の人は必定に能力無く、亦た必定に老実ならず、我方の正事を耽誤せん。那れは就中必ず別に一個の妥当の人を挑んで去らしめ、事こそ弁じ得成らん。
以發用天將決其人之才品能幹:天乙主人厚重有體;太常主美服好飲;青龍主多財有變博;朱雀善言詞,能以詐欺人;太陰恐以私情輸敵;白虎力過人,有威;天空言不與實;螣蛇性暴躁;六合得朋友之助;勾陳思慮雖滯,有擒縱之力;玄武善飫人情實,然多邪淫;而天后美貌,柔而不剛。
発用の乗ずる所の天将より、以て此の人の才具品性を判断すべし。天乙貴人に乗ずれば、此人の厚重端方・体統有るを主る。「太常」に乗ずれば、衣着を講究し飲食を喜好するを主る。青龍に乗ずれば、銭財多くして機変の活するを主る。朱雀に乗ずれば、口才の好きを主るも、却て花言巧語を靠りて人を欺騙する可能あらん。太陰に乗ずれば、其の私情に因りて泄密投敵するを怕る。白虎に乗ずれば、膂力の人に過ぎ威勢有るを主る。「天空」に乗ずれば、説話の実ならざるを主る。螣蛇に乗ずれば、性情暴躁のを主る。六合に乗ずれば、能く朋友の相助を得るを主る。勾陳に乗ずれば、思慮雖も遅鈍なるも、却て擒縦拿捏の本事有るを主る。玄武に乗ずれば、善く人情を揣摩するを主るも、然而邪淫の行多し。「天后」に乗ずれば、容貌の美好を主り、性子は柔順にして剛断を缺少す。
敵使誠偽第三十八
使來辰主日為賓,宜辰制日莫傷辰。日克辰頭言不實,辰傷日上語堪憑。我既遣使入敵,敵亦遣使相答矣,其中或講罷兵,或言投降,未可輕信也。占之則以辰為主,以日為賓,辰上神宜制日上神,日上神不宜制辰上神。日克辰頭,是日上神來克辰上神,我被他制,言必不實;辰傷日上,是辰上神往剋日上神,他被我制,言不敢不實也。《兵帳賦》云:“敵使求和,正時占決,支神制干,即為真說。”《七十二占》曰:“敵有來使,下時剋日上神,其言確切。”
敵方の使者到來するに、課を占む時は日支を以て主人と為し日干を以て賓客と為す。当に日支の一方の日干の一方を制住せしめ、日支の反って傷克せらるるを得しむる勿れ。日干上の神が日支上の神を克せば、使者の話は実ならず。日支上の神が日干上の神を克傷せば、其の話は就以て采信すべし。我方は既然使者を派して敵境に入れば、敵方も亦た使者を派して回訪せん。其の間或いは説く兵を罷め戦を休めんと、或いは説く投降帰順せんと、皆能く軽易に相信すべからず。占断の弁法是れ日支を以て主人と為し日干を以て賓客と為す。当に日支上の神の日干上の神を制住せしめ、該に反って日干上の神に由りて日支上の神を制せしむべからず。所謂「日は辰頭を克す」とは、就是れ日干上の神の去りて日支上の神を克するにして、我方は対方に圧住せらる。使者の話は必定に実ならず。所謂「辰は日上を傷く」とは、就是れ日支上の神の去りて日干上の神を克するにして、対方は我方に圧住せらる。其の話は就中敢えて実ならざらず。《兵帳賦》に曰く:敵方の使者の和を求めて来れば、就中正時を用いて課を起して決断し、日支の神の能く日干を制住せば、那れ便ち是れ真話なり。《七十二占》に曰く:敵人が使者を派して来れば、占時の下の日干上の神を克住するは、其の話は確実に可靠なり。
日辰上將相生吉,人宅六情凶將起。發用日辰空存詭,日辰年忌耳罡隱。來降歲克貴人偽,日受陰傷防患侵。《軍帳賦》云:“下生其上,知詐偽以不行;用生干支,謂陰謀而罷結。”下生上,乃辰上生日上也。蓋我占他,我有恩以及之,彼感恩而實向也。
日干日支上に乗ずる天将が彼此相生するは、是れ吉なり。日干日支上に若し六情の神を見、又た凶将の乗臨有れば、奸謀災異は就中起らんとす。発用と日干日支上に空亡を落てば、対方は詭詐の心を存す。行年と日干日支上は、最も天耳・天罡・太陰の其の間に隠伏するを忌む。敵人の来りて投降する時、太歳上の神が天乙貴人を克せば、那れ降是れ假なり。日干が自己の陰神に克傷せられれば、就中外患の侵擾を防ぐを要す。《軍帳賦》に曰く:下面の神の去りて上面の神を生ずれば、知るべく詐偽の手段の通行せざるを。発用の神の来りて日干日支を生ずれば、説明す陰謀の已に解散作罷せるを。所謂下の上を生ずとは、就是れ日支上の神の去りて日干上の神を生ずるなり。是れ我方が対方を占するが因に、我方に恩の其れに施及する有りて、其れは此の份の恩情を感念し、才に真心に帰向す。
人宅,即干支也,干支上見六情之神,各以其情斷其奸謀災異。《軍帳賦》以申、子、亥、卯、辰、未為六情:申子為貪狼,貪而無義;亥卯為陰賊,潛為寇盜;辰未為奸邪,淫泆而狂忤。凶將乘之,尤可畏。此出《天元曆書》。
「人宅」とは指す所就是れ日干日支なり。日干日支上に六情の神を出現せば、就中各々其の主る所の情性に按じて対方の奸謀と災異とを判断す。《軍帳賦》は申・子・亥・卯・辰・未の六位を把りて六情と称す。申と子とは貪狼と叫び、貪婪にして信義を講ぜず。亥と卯とは陰賊と叫び、暗裡に於て強盗の勾当を做す。辰と未とは奸邪と叫び、淫蕩放縦にして而又た狂悖忤逆す。若し再び凶将有りて此れらの神の上に乗ずれば、那れは就中尤其に可怕なり。此の一説は《天元暦書》より出づ。
若發用並日辰上見天空、朱雀,來人詭詐,蓋空雀皆虛詐之神也。《兵帳賦》云:“將推課休,朱雀用起以奸謀。”《七十二占》曰:“朱雀加日辰,其言奸詐。”耳,天耳也,春寅、夏巳、秋申、冬亥。罡,天罡辰也。陰,太陰,天乙後二位之神。言主將行年與日辰上,切忌天罡、天耳、太陰臨之,天罡凶神,太陰蔽匿。《兵仗賦》云:“天耳臨年日辰,來使潛機。”又云:“角陰日辰年而奸譎。”角,辰宮星也。
如果発用および日干日支上に天空・朱雀を見れば、来る此の人は必定に詭詐なり。天空と朱雀とは皆是れ虚妄欺詐を主る天将なればなり。《兵帳賦》に曰く:天将を推詳して課体衰敗し、朱雀が又た発用して初伝と為れば、那れ就是れ奸謀を懐いて来るなり。《七十二占》に曰く:朱雀が日干日支上に加臨せば、来人の話語は奸詐なり。歌訣裡の「耳」は天耳を指し、春天は寅に在り夏天は巳に在り秋天は申に在り冬天は亥に在り。「罡」は天罡辰を指し、「陰」は太陰を指し、也就是れ天乙貴人より後に数えて第二位の上の神。此の几句は説くは、主将の行年と日干日支上は、最も天罡・天耳・太陰の臨上去るを忌諱す。天罡是れ凶神、太陰は遮蔽藏匿を主ればなり。《兵仗賦》に曰く:天耳が行年と日干日支上に臨めば、来る使者は機心を暗藏す。又曰く:角宿と太陰とが日干日支と行年上に落つれば、対方の奸詐狡譎を主る。角とは、是れ辰宮の属する所の星宿なり。
歲,太歲也,上神克貴人天乙為虛詐也。占來降,不論課傳,只觀歲貴。太歲上神克天乙乘神,其詐無疑。假令太歲在申,六壬日申上見神后,貴人繫巳臨丑,被歲上子水克之,是為降也。
「歳」は太歳を指す。太歳上の神が天乙貴人を克せば、就是れ虚情假意の詐術なり。敵人の来りて投降する此の件事を占うに、必ずしも細かに四課三伝を論ぜず。只看ること太歳と天乙貴人の此の両処。太歳上の神が天乙の乗ずる所の神を克住せば、其の詐降は就中疑問無し。例を挙げて説かば、太歳は申に在り、六壬日に逢いて申上に神後子を見れば、天乙貴人は巳に属して丑位に臨み、太歳上の子水に克せらる。此れ就是れ假投降なり。
末句“日受陰傷”,謂日干被日之陰神克也。假令丙午日干上寅為日之陽神,日陰寅上見亥水剋日干,是謂日受陰傷,利主人也。《兵仗賦》云:“外國人來,歲神克天乙而禍至;他邦情異,陰神賊日辰以愁之。”是也。情異,謂有異心也。一說為日辰而言之,謂日辰受用陰陽克之也。
末の一句の「日は陰の傷を受く」とは、説くは日干の本日の陰神に克せらるるを。例を挙げて説かば、丙午日に日干上に寅を見れば、寅是れ本日の陽神。再び寅上を看て又た亥水を見れば、亥水は頭を回して丙火日干を克す。此れを日は陰の傷を受くと叫び、主方に対して利有り。《兵仗賦》に曰く:外国人の前来するに、太歳の神が天乙貴人を克せば、禍事就中到らんとす。他邦が異心を懐けば、陰神は日干日支を賊害し、人をして憂愁せしむ。所謂「情異」とは、就是れ心に二意を懐くなり。別の一种の解釈は就中日干日支に対して言い、説く日干日支の発用の陰神陽神に克せらるるを。
敵約往否第三十九
敵約曹沖子巳推,日辰上見詐謀來。子申亥卯並辰未,定是虛謀莫亂猜。敵使虛實,以來降來說者說。至於敵人來約我,則誠偽在敵,主其可往與否,亦不可不占也。法以日辰上見功曹、太沖、神后、太乙四神,皆為詐偽,不可往也。《軍帳賦》云:“後乙曹沖,臨日辰而偽詐。”是也。《玉曆》云:“申子為貪狼,亥卯為陰賊,辰未為奸邪,此六辰臨於日辰,皆主虛詐。”《玉曆》,天文書也,六壬取之。
敵人が来りて我方と会盟或いは会戦を約するに、就用いるは功曹寅・太冲卯・神後子・「太乙」巳の此の四神を以て推断す。其れらが日干日支上に出現せば、来るは必ず是れ詐謀なり。若し子と申・亥と卯・辰と未の此の三組の神を見れば、那れ就更に是れ一場の空設の圈套にして、必ずしも胡乱に猜疑するに及ばず。前の一条は敵使の話語の真假を講じ、是れ対方の来りて投降し来りて游説するに就いて言うなり。至るか敵人の来りて我方の相会を約するは、誠意か還って欺詐かは全て対方に在り。我方は該に赴約すべきか否かも、亦た能く一課を占わざる能わず。断法是れ、日干日支上に功曹・太冲・神後・太乙の此の四神を出現せば、皆詐偽に属し、前往すべからず。《軍帳賦》に曰く「神後・太乙・功曹・太冲が日干日支上に臨めば、就是れ偽詐なり」とは、正に此の意なり。《玉暦》に曰く:申と子と為るは貪狼、亥と卯と為るは陰賊、辰と未と為るは奸邪。此の六個の地支が日干日支上に臨到すれば、皆虚情詐偽を主る。《玉暦》是れ一部の天文を講ずる書にして、六壬は其の説法を把りて采りて過来したるなり。
據成書所載,皆以神將吉主可往,以神將不吉不可往,其實有善贊軍務者,約之誠固可往,即約之詐亦當隨其詐而入其虛,預設防備,明踐盟約,如鴻門之宴、河梁之會,雖極凶險,其實甚平穩也。
現成の書上の説法に照らせば、皆是れ神将吉なれば就可以去る可く、神将不吉なれば就中去る能わず。其の実軍中に若し善く軍務を籌画する人有れば、対方が誠心相約するは固然に以て去る可し。即便対方是れ詐約なるも、亦た当に其の詐術に順いて其の空虚の処に切入し、預め布置防備し、堂堂正正に赴約践盟すべし。就くは劉邦の項羽の鴻門の宴に赴き、両方の将領が河梁の上に相会せしが如く、看去は凶険極点に到るも、実際上は却て十分に平穏に走りしなり。
將心不寧第四十
將帥心驚視日辰,魁罡夜襲後沖霖。青常便信虎勾陳,朱雀螣蛇恐有真。興師日久,忽覺將心不寧,何以占之?則視日辰上有魁罡立者,主當夜有兵襲寨。若天后、太沖加之,主有霖雨,蓋天后為雨澤之神,而太沖為天河故也。青龍、太常有使信至,白虎而傷病,勾陳被捉鬥傷,大戰將至,朱雀螣蛇,恐怖驚嚇。
主帥が忽然に心驚不安なるは、就中日干日支上に乗ずる是れ何れの神将を看よ。河魁・天罡が頭に当たれば、当夜に敵の営を襲う有り。天后・太冲が加臨すれば、将に連綿の大雨有らん。青龍・太常は書信消息の到来有るを主る。白虎は傷病を主り、勾陳は擒せられ闘せらるるを主る。朱雀・螣蛇は則ち驚恐駭怕を主り、而且往往真に応験せん。兵を出す日子久しければ、主帥は忽然心神不寧を覚え、怎様に占せん。就中日干日支上に河魁戌・天罡辰の彼処に立つ有無を看よ。有れば、就中当夜に敵兵の来りて営寨を偸襲する有るを主る。若し是れ天后・太冲の加臨なれば、主に連綿の大雨を下さん。天后是れ雨澤を主る天将にして、而して太冲卯は又た天河の在所なればなり。青龍・太常は、使者書信の送到有るを主る。白虎は、受傷生病を主る。勾陳は、人に擒せられ或いは闘毆受傷し、大戦就中来らんとするを主る。朱雀・螣蛇は、則ち驚恐駭怕を主る。
行軍見異第四十一
見兵而主將忽然心動才占,不動則不必占也。行軍見怪忽然間,天象禽星以類占。倘或類神無此物,研諸四課卜三傳。行軍之際,有非所見而見者,即謂之怪,非必山精水魅。看是何物,以天上二十八宿禽星辨其宮分吉凶。倘或類神不載,則以四課三傳吉凶卜之。以月將加時,視天上類神臨何辰,以所臨地分之神與日干較其生克定吉凶,更以天將詳之,休咎見矣。
此の一条は兵を出すの際に主将が忽然心裡一動するを待ちて才に課を起すを要す。心裡に異様無ければ就中占うに及ばず。行軍の途中に猛然と怪異の事に遇上せば、就中天上の二十八宿の禽星に按じ、見る所の物に依りて帰類して占断す。倘若類神の裡に此の様の東西を査到せざれば、就中転じて四課を研究し三伝を推卜す。行軍の時候に、本より看るべからざる而して看たる東西に遇うを、就中怪と叫ぶ。未必真に是れ山精水怪ならず。先に是れ何れの東西なるかを看て、再び天上の二十八宿に配する所の禽星を用い、其れの何れの一宮に落つるかを辨明し、其の吉凶を定む。倘若類神表の裡に此の一物を收録せざれば、就中四課三伝の吉凶を用いて占トす。弁法是れ月将を把りて占時の上に加えて天盤を排出し、此の物の類神の何れの一辰上に落つるかを看て、再び其の臨む所の地盤の神を拿りて日干と生克を比較し、吉凶を判定し、然る後に乗ずる所の天将を参詳すれば、是福是禍就中看出し得るなり。
附行軍見異諸占
物類分宮
子鼠蠍燕丑犀牛,虎豹貓狸寅上求。卯兔驢騾狐共取,魚龍蛟蜃鯗辰求。蛇蜴蟮蚯蚓巳內,天馬獐鹿雀午頭。鳩鷹雁鴿羊鸛未,申鵬鵝猱及猿獼。雞鴨鳥鵲酉見鴉,豺犬狼獒戌土留。豬豚狳熊皆屬亥,十二宮中畜類周。
十二地支は各々一類の禽獣を管す。此の首の口訣は其れらを分派清楚す。子宮は老鼠・蝎子和燕子を管し、丑宮は犀と牛とを管し、虎・豹・猫・狸は寅宮に到りて找るを要し、兔・驢・騾・狐狸は皆卯宮に帰し、魚・龍・蛟・蜃および魚干は辰宮に帰し、蛇・蜥蜴・鱔魚・蚯蚓は巳宮の内に在り、駿馬・獐・鹿・雀鳥は午宮に属し、斑鳩・鷹・雁・鴿・羊・鸛は未宮に属し、申宮は大鵬・鵝・猿猴の一類を管し、鶏・鴨・鳥・喜鵲は烏鴉に連ねて酉宮に見え、豺・犬・狼・獒は土に属する戌宮に留まり、猪・小猪・犰狳と熊とは皆亥宮に属す。十二宮裡の畜類は此処に到れば就中分派斉全す。
軍中見龍
凡軍中無故見龍者,百日血光之災,龍噴火,主混沌大戰;若忽見騎龍上天,詔書立至;龍雲轉磨,大將起兵。又曰:龍墜地者水災,龍鳴有大雨;聞龍說話者,聖人出世,文武爭鋒,大兵作亂之兆;見龍取水者,忌行兵;出水者,行兵大勝。
凡そ軍中に縁故無く龍を出現するは、一百天の内に血光の災有るを主る。龍口が火を噴くは、主に一場の混乱の大仗を打たん。若し忽然に人の龍に騎りて天に上るを見れば、朝廷の詔書は馬上に到らん。龍と雲とが盤旋して磨盤の如く転動すれば、大将の将に兵を起さんとするを主る。還って一説有り。龍が地上に墜落すれば、水災を主る。龍が鳴叫すれば、大雨有るを主る。龍の説話するを聞くは、是れ聖人の世に降り文武争鋒し大軍作乱するの征兆なり。龍の水を取るを見るは、兵を出すを忌諱す。龍の水を出るを見るは、兵を出せば大勝せん。
軍中見蛇
蛇者,大凶之兆,如見寅申,亦有陰謀事,並主敵兵至。如入營傷人者,夜有賊偷營;蛇當道,前防敵兵,不傷人者無害;蛇盤旋金鼓上,大將勞心,不可出戰。蛇截道,若安營帳埋伏固守之則免難;遁入水者有喜,可速進兵;蛇入帳上或床上盤者,勿得殺之,主生喜,若祭禱山川,則敵兵自敗來降;蛇自營內出外,主軍中潰散,宜大將禳之吉。
蛇を見るは、是れ大凶の兆なり。若し寅・申の日子或いは方位上に於て見れば、還って陰謀の事有るを主り、并びて敵兵の将至を主る。蛇が営中に钻入して人を咬傷するは、当夜に賊の来りて営を偸む有り。蛇が路の当中に横たわれば、前方に敵兵有るを防ぐを要し、蛇が人を傷せざれば則ち妨無し。蛇が鉦鼓の一類の軍器の上に盤れば、大将の心を労し神を費すを主り、出戦すべからず。蛇が去路を拦断すれば、只要就地に於て営帳を扎下し伏を設け固守せば、便能く災難を免る。蛇が水裡に钻入するは是れ喜兆にして、以て速々に兵を進むべし。蛇が帳篷上或いは床上に爬到して盤るは、其れを殺す勿れ。喜事有らんを主る。若し再び山川を祭禱せば、敵兵は便ち自ら敗退して来り降さん。蛇が営内より営外に往きて走れば、軍中の将に潰散せんとするを主り、応に大将に由りて設法禳解してこそ吉なり。
軍中見牛
行軍見斗牛沖陣,主兵敗之兆。若二牛相鬥,勝牛來者勝,敗牛來者敗散。
行軍の途中に相闘の牛が我方の陣列を衝撞するを看れば、是れ兵敗の預兆なり。如果是れ両頭の牛の互闘なれば、那れは就中結果を看よ。闘い贏たる其の頭の牛が我方に朝向して走来れば、我軍は勝を得る。闘い輸したる其の頭の牛が我方に朝向して走来れば、我軍は就中敗散せんとす。
軍中見馬
馬,龍駒也,見馬跳舞者喜兆,有休兵息爭之意。馬食砂石者,遇敵兵,大勝;馬忽生角,主陰謀事;馬忽產人形,大兵將起;馬望月而嘶者,有大兵至,宜備之則吉;馬作人言,主將士災傷,言吉宜固守,吉凶宜殺以祭;馬產子自食者,主陰謀傷害士卒,宜殺此畜與眾兵食之,吉,或殺之埋於刑方;馬出戰張尾者,主先勝後傷,宜謹守勿戰,三旬內出陣不利主將;馬回拗膝及咬主衣,有奸細;馬產青駒,將軍戰勝,取封疆之兆。
馬是れ龍種の良駒なり。馬の蹦跳して舞うが如きを看れば、是れ喜兆にして、兵を罷め争を息むの意思有り。馬が砂石を吃すれば、敵兵に遇上して能く大勝するを主る。馬頭上に忽然に角を長ずれば、陰謀の事有るを主る。馬が人形の東西を生下すれば、大軍の将に興起せんとするを主る。馬が月亮に対して嘶鳴すれば、大軍の開到有るを主り、預め防備すれば吉なり。馬が口を開きて人話を説けば、将士に傷亡有らんとするを主る。説く所是れ吉語なれば、当に固守すべし。説く所是れ凶語なれば、就中当に其れを殺して用いて祭祀すべし。母馬が駒子を生下して却て自ら吃掉すれば、陰謀の士卒を傷害せんと要する有るを主り、当に此の匹の馬を殺して衆兵に分ちて吃せしめてこそ吉、或いは殺して刑克の方位上に埋む。馬が陣を出る時に尾巴を張開すれば、先に贏ち後に傷つくを主り、当に謹慎固守して交戦する勿れ。三十天の内に陣を出れば主将に対して不利なり。馬が頭を回して膝盖を別い又た主人の衣服を咬めば、営中に奸細有るを主る。馬が青色の馬駒を生下すれば、将軍の勝を得るを主り、是れ疆を開き土を拓き封を受くるの吉兆なり。
占鳥
軍中有飛鳥宿於鼓金旌旗者,為客兵至;若作巢者,將凶;鳥入水化為蛤、為魚,爭地之兆。群鳥隨我軍出陣,敵兵不戰而走;若成群沖陣者,賊兵勝,鳴者凶極。鷹鷂入營捕鳥,主敵人分散來劫掠之象,捕得鳥去大凶,未捕得去吉。
軍中に飛鳥の戦鼓・鉦鐃と旌旗の上に停歇する有れば、客軍の到来有るを主る。若し此れらの器物上に於て窩を做せば、凶有らんを主る。鳥が水裡に钻入して蛤に化成し魚に化成するは、是れ両軍の地を争うの征兆なり。成群の鳥が我軍に跟いて陣を出れば、敵兵は戦わずして走らん。若し成群の鳥が我方の陣列に朝向して衝来れば、敵兵は勝を得、鳥が再び鳴叫し起れば、那れは就中凶極点に到る。鷹・鷂が営中に飛進して鳥を捕えば、是れ敵人の几路に分かれて来りて劫掠するの象なり。其れが鳥を捕到して才に飛走すれば、大凶。捕えずして就中飛走すれば、則ち吉なり。
飛鳥成群集大旗杆,須防伏兵,軍中宜設備之,出陣不吉。大鳥入營不知名者,敵設奸謀,起兵固守則吉。鴉飛鳴者,防兵潰。鳩鴿於營中作斗及鳴者,七日有暴兵災生,不然或主營寨有虛驚。野雞飛叫入營,主兵難住,有兵患兵災;若後向飛前,應在他營;前飛向後,應在我寨。
飛鳥が成群に大旗杆の上に聚れば、必ず伏兵有るを防備するを要し、軍中は当に預め準備を作すべし。此の時陣を出れば不吉なり。叫び名を出す能わざる大鳥有りて営中に飛進すれば、是れ敵人の奸謀を設下するにして、兵を起して固守すれば則ち吉なり。烏鴉が飛過し并びて鳴叫すれば、軍隊の潰散を防ぐを要す。斑鳩・鴿子が営中に於て打闘鳴叫すれば、七天の内に突発の兵災有らん。然らざるも亦た営寨裡に一場の虚驚有るを主る。野鶏が辺に飛び辺に叫びて営中に進入すれば、軍隊の駐守し難きを主り、兵患兵災有らん。若し其れ後より前に往きて飛べば、別処の営盤に応験す。前より後に往きて飛べば、就中我方の営寨に応ず。
鴟梟飛鳴前後,軍心失機,兵勢不堅,主將宜安撫士卒,申明號令則吉。白鳥入軍主兵災,更看巢於何處,旺方災輕,刑方災重。飛鳥銜花落軍前者,大將得眾心,出戰有功,大喜將至也。彩鳥飛翔,從歲德上來者,主暴病,伏兵沖陣,防兵怪及奸謀。百舌鴉營,敵有奸計,五更有賊劫寨防之。赤鳥入軍,有天神助陣,主喜。
猫頭鷹の一類の鴟梟が営前営後に於て飛鳴すれば、軍心涣散・坐して戦機を失い兵勢不穩を主る。主将は当に士卒を安撫し号令を重申してこそ吉なり。白色の鳥が軍中に飛進すれば、兵災有るを主り、還って其れの何処に於て窩を做するかを看るを要す。旺気の方に做せば、災は軽し。刑克の方に做せば、災は重し。飛鳥が花を啣えて軍前に落つれば、大将の深く衆心を得るを主り、出戦功有り、大喜就中将来せん。彩色の鳥が飛翔して来るに、若し是れ歳徳の在所の方位より飛来すれば、急病有るを主り、又た伏兵の陣を衝くを主り、妖異と奸謀とを防ぐを要す。百舌鳥が営中に喧噪すれば、敵人に奸計有り、五更の時分に賊の来りて寨を劫する有らん。須く厳加防備すべし。赤色の鳥が軍中に飛入すれば、是れ天神の陣を助くるにして、喜を主る。
營中夜間怪鳥鳴,於鳴處立旗、磨兵器、禳之吉,旺方有可,忌方賊至。鶯語營中,主將出陣有聲名,且得君賞賜。鵪鶉成群入軍,主士卒多淫奔,獲鶉出戰勝,不獲反被敵傷。杜宇入營,主賊凶我吉。鸛入營,主天雨。鶴入營,主朝廷有恩詔至。
夜裡営中に怪鳥の啼叫有れば、就中其の啼叫する地方に旗幟を立起し兵器を磨礪し、作法して禳解すれば則ち吉なり。叫声が旺気の方に出ずれば還って算して可なり、忌諱の方に出ずれば、敵兵の到来有るを主る。黄鶯が営中に鳴叫すれば、主将は陣を出でて声名を得る能わし、還って君王の賞賜を受けん。鵪鶉が成群に軍中に飛進すれば、士卒に淫乱私奔の事多きを主る。鵪鶉を捉住し得れば、出戦して勝を得る。捉え住る能わざれば、反って敵人に傷せらるる所とならん。杜鵑が営中に飛入すれば、敵凶我吉を主る。鸛鳥が営に入れば、天の将に雨を下さんとするを主る。鶴が営に入れば、朝廷の恩旨詔書の下来有るを主る。
占虫類
軍營中無故有蟲出沒,是為兵潰人離之兆。鼠咬兵器皮條,主兵潰散,遷營吉,守舊凶;鼠咬弓箭衣服,主敵人以妖術害我,可速移營;白鼠隨軍,獲之主有戰功,須以來方決敵在何處;群鼠出營,主文書、火發、賊來,若移營免災。蠅蟎不時集營,主士卒瘟疫痢疾,遷營祭禱可免。蝴蝶飛集營中,防有奸軍,過三日後無竟,且主士卒迷戀。螻蟈在軍聚鳴前後,防營內有大災,大將當賞犒三軍,免驚。
軍営裡に縁故無く虫子の出没する有るは、是れ兵敗潰散・人心離析の兆頭なり。老鼠が兵器上の皮条を啃咬すれば、部隊の将に潰散せんとするを主り、営を遷せば則ち吉、原地を死守すれば則ち凶。老鼠が弓箭衣服を啃咬すれば、敵人の将に邪術を用いて我を害せんと要するを主り、当に急いで営を移すべし。白鼠が軍隊に跟いて走れば、其れを捉到すれば戦功有るを主り、還って其の来る方向に按じて敵人の何れの一面に在るかを判断すべし。成群の老鼠が営外に往きて跑れば、文書の事・火災或いは敵人の来襲有るを主り、営を移せば以て災を免る可し。蒼蠅・蟎虫が時時営中に聚れば、士卒の瘟疫痢疾を鬧すを主り、営を遷し并びて祭禱すれば以て避免すべし。蝴蝶が営中に飛聚すれば、軍中に奸細有るを防ぐを要し、三日を過ぎて動静無ければ就算了。別に亦た士卒の女色に沉溺するを主る。螻蛄・蛤蟆が軍営の前後に聚まりて鳴叫すれば、営内に大災有るを防ぐを要し、大将は当に三軍を賞賜犒労してこそ能く驚恐を免去す。
占獣類
行軍有野獸沖陣者,不祥之兆,獲得者小吉,不獲者大凶。軍中見異獸不識者,看有爪牙否,有爪牙三七日月有敵兵至傷人,無牙爪不畏。狼虎入軍,三七日防戰,先行兵者凶,後舉兵者勝;獲者吉,不獲者凶。若行軍前後有狼虎鳴者,防暴兵侵斥,在申方有戰爭,三軍宜固守則吉。
行軍の時に野獣の陣列を衝撞する有るは、是れ不祥の兆なり。能く其れを捉住せば、小吉。捉え住る能わざれば、大凶。軍中に名を叫び出す能わざる怪獣を見れば、先に其れに爪牙の有無を看よ。爪牙有るは、二十一天の内に敵兵の来りて人を傷する有らん。爪牙無きは、必ずしも害怕するに及ばず。狼・虎が軍中に闖進すれば、二十一天の内に交戦を防ぐを要し、先に手を動かして兵を出すは凶、後発して人を制するは勝つ。捉住せば則ち吉、捉え住らざれば則ち凶。若し行軍の前後に狼虎の嗥叫を聞く有れば、突然来襲の敵兵を防ぐを要し、申方に戦事有らん。三軍が固守してこそ吉なり。
野狐入營,主軍心不寧,獲之則吉,不獲者凶。熊羆入陣,獲得無損,不獲傷人,從天德天喜方至者,主大將生子。野獸夜間過營鳴者,移營則吉,日間鳴走繞軍者,逃亡之兆,移營賞眾可免。
野狐狸が営裡に跑進すれば、軍心不安を主り、捉住せば則ち吉、捉え住らざれば則ち凶。熊羆が陣中に闖進せば、捉え住れば就中損失無く、捉え住らざれば人を傷せん。若し其れ是れ天徳・天喜の在所の方位より过来すれば、大将の将に丁を添え子を生ぜんとするを主る。野獣が夜裡営外を経過して鳴叫すれば、営を移せば則ち吉。白天に軍営を繞りて辺に跑り辺に叫ぶは、是れ人の逃亡せんと要するの兆頭なり。営を移し并びて衆人を賞賜すれば以て免除すべし。
占軍器
軍中以金鼓旗為三皇,旌角麾鈴鐸為五帝,大將進兵則用鼓,收軍則用金,大師則建旗,招軍則用麾,催軍則用角,建陣象方則用旌,旌小旗也,傳事出入則以鈴鐸,俱軍中之用器。
軍中は鉦・鼓・旗を把りて三皇と看作し、旌・角・麾・鈴・鐸を把りて五帝と看作す。大将は兵を進むる時に鼓を撃ち、兵を収むる時に金を鳴らし、大挙して師を出す時に大旗を竪起し、部衆を招集する時に麾旗を揮動し、行軍を催促する時に角を吹き、陣形を布列し方位を標明する時に旌を用う。旌就是れ小旗にして、軍令を伝逓し進出する時に鈴を搖り鐸を振う。此れら皆是れ軍中の使用する器物なり。
若聲雄者軍勝,聲低者軍敗,無聲者為國勢去;無故自鳴者,主大兵將起;無故自裂者敗凶必速;忽生光華者,客兵至;或如染血,或似塗泥,或分潰,不出三旬大敗。旌旗麾帶無風似有風者指敵,我將勝;背敵,敵兵來;若有風似無風者,將威;上指,將易;若有風下垂者,軍士自服;若火燒者,將婦拜佛;若無故自飛起者,兵潰。
此れらの器物の発出する声音が雄壮なれば、我軍は勝を得る。声音が低唖なれば、我軍は将に敗れん。敲きて声音を出さざれば、国運衰頽を主る。其れらが縁故無く自ら鳴響すれば、大軍の将に起らんとするを主る。縁故無く自ら開裂すれば、敗亡の凶事は很快就到す。忽然に光彩を発出すれば、客軍の来临を主る。若し器物の表面が血を染めたるが如く泥を涂れたるが如く、或いは散架破碎せば、三十天を出でずして必ず大敗有らん。旌旗と麾帯とが風無きの時に却て風有るが如く飄動すれば、敵方に飄向すれば、我軍は将に勝たん。敵方を背着して飄ばば、敵兵は要来らん。風有る時に反って風無きが如く紋丝も動かざれば、主将に威厳有るを主る。旗角が上に向かいて指せば、主将は将に更換せんとす。風有るに却て下に往きて低垂すれば、士卒は自ら馴服せん。旗幟が火に焼着せられれば、主将の妻室は礼仏の裡に在り。旗幟が縁故無く自ら飛起すれば、部隊の潰散を主る。
金、石、絲、竹、匏、土、革、木,樂器也。若聲音和,主世有清平之慶。音聲雜厲,主有亂離之事。若食器中忽變血色者,將軍戰勝有功。盞碟作聲,刺客至。不用自迸碎者,大將更;又囚徒主逃。
金・石・丝・竹・匏・土・革・木の此の八類是れ楽器の材質にして、合わせて八音と称す。奏出する声音が諧和せば、世道の清平にして慶すべきを主る。声音が雑乱凄厲なれば、喪乱離散の事有るを主る。若し飲食器皿の中に忽然に血の一様の顔色に変成すれば、将軍の作戦して勝を得て功有るを主る。杯盞碟子が自ら声響を発出すれば、刺客の要来有り。人も其れを動かす無きに却て自ら迸裂粉碎すれば、大将の将に更換せんとするを主り、又た囚徒の逃走せんを主る。
將軍刀劍生血斑,大戰有功,抽劍不出鞘,有陰謀事。刀劍自折,客吉主凶。刀劍有火光,客至防戰。刀劍自鳴,大戰有功。刀劍火焚,上將罷。刀劍化鳥,將士散亡。刀劍化神鬼,將立功勳。刀劍似大搖棹,速有大戰,又主兵散。刀亂響,恐防混戰。驢馬奔咬,軍旅不利。兵器作人言,吉語則吉,凶語則凶。馬廄火焚,大兵將起。鐵甲噴火,不日交戰。槍頭生火,敵客生侵。木驢自走,千里行征。輕車有滯,君王不詔。刁斗自飛,兵回將易。
将軍の刀剣上に血斑を生ずれば、大戦して功有るを主る。剣が鞘を抽出せざれば、陰謀の事有るを主る。刀剣が自ら折断すれば、客方に対して吉・主方に対して凶なり。刀剣上に火光を閃出すれば、客軍の将至を主り、交戦を防ぐを要す。刀剣が自ら鳴響すれば、大戦して功有るを主る。刀剣が火に焼毀せられれば、上将の罷職を主る。刀剣が鳥に化成すれば、将士の離散逃亡を主る。刀剣が神鬼に化成すれば、将に功勲を建立せんとするを主る。刀剣が大槳の那様に搖晃不定せば、很快に大戦有るを主り、又た兵衆の潰散を主る。刀身が乱響すれば、須く混戦に陷入するを防ぐべし。驢馬が狂奔して人を咬めば、軍旅不利なり。兵器が口を開きて人話を説けば、吉語を説けば則ち吉、凶語を説けば則ち凶。馬廐が火を失せば、大軍の将に起らんとするを主る。鉄甲上に火光を噴出せば、日ならずして就中交戦せん。槍頭上に火を生ずれば、敵方客軍の来犯を主る。城を攻むる木驢が自ら走動すれば、主に千里を遠征せん。軽車が行動滞濇すれば、君王の詔を下さざるを主る。軍中の時を報ずる刁斗が自ら飛起すれば、兵を収め師を回し主将を更換するを主る。
占城営屋宇
凡城營房舍,無故生火照耀,其地荒涼,庶人為官。城營吐火光赤色,兵潰。宮殿臭氣,大凶。宮門自開,臣叛;自關,主兵入境。屋舍自香,生貴人,又曰神仙自會。宮殿聲鳴,主更人離。樑柱自折壞,主凶。帳房自鳴,宜賞軍。屋舍有鬼喚者,宜修福,又曰人亡。關鎖不能開,防奸人。屋舍忽無,此地必戰;屋舍忽添,年內大熟。宮殿內忽有胡人現形,主有焚戮、兵戰、將更、地沒。
凡是れ城池・営壘と房舎とは、縁故無く火を起し光を発すれば、其の一帯の将に荒涼に変ぜんとするを主り、亦た平民百姓の官を做さんを主る。城営中に赤色の火光を吐出せば、部隊の潰散を主る。宮殿裡に臭気を散出せば、大凶。宮門が自ら打開すれば、臣下の叛乱を主る。自ら関閉すれば、敵兵の国境に進入する有るを主る。屋舎が自然に香気を生出せば、主に貴人を生ぜん。亦た説有りて是れ神仙の自来聚会なりと。宮殿が自ら声響を発出せば、人事を更換し人心離散するを主る。梁柱が自ら折断損壊すれば、凶を主る。営帳が自ら响声を発出せば、当に軍士を賞賜すべし。屋裡に鬼の呼喚有れば、当に善を修め福を積むべし。亦た一説有りて家中に人の死亡有るを主ると。門鎖が打開せざれば、奸細を提防するを要す。房屋が忽然に少なくなれば、此の地方は必ず戦事有らん。房屋が忽然に多く起れば、年内に大豊収せん。宮殿の内に忽然に胡人の形影を出現せば、将に焚焼殺戮・刀兵征戦・主将更替および土地淪陥の事有らんを主る。
占北斗
紫微垣乃天皇帝座,北斗為之拱衛。若有赤氣入斗,一年內大旱,又主外兵主境。黃氣入斗,君恩臣義,國正條明。白氣入斗,八月內大兵作戰。青氣入斗,文貴武伏。黑氣入斗,妖兵大作,又主大水。紫氣入斗,君聖臣賢。
紫微垣是れ天帝の座位にして、北斗七星は其の周囲を環衛す。若し赤色の雲気の北斗に侵入する有れば、一年の内に大旱有り、又た外来の敵兵の辺境に進犯するを主る。黄色雲気が斗に入れば、君に恩有り臣に義有り、国政清明・条理分明を主る。白色雲気が斗に入れば、八月の内に大軍の交戦有るを主る。青色雲気が斗に入れば、文臣顕貴・武将俯首を主る。黑色雲気が斗に入れば、妖異の兵の大起を主り、又た大水を主る。紫色雲気が斗に入れば、君主聖明・臣下賢能を主る。
袁子曰:凡占見異,當以月將加時,看日祿泊於何官上,即從日祿上起五符,次天曹、地府、風伯、雷公、雨師、風雲、唐符、國印、天關、地鑰、天賊分佈十二宮分。看所見之物,或異鳥飛來,或風起卷旗,或馬嘶蛇入,或旌旗不動而自動,或金鼓不鳴而自鳴,從何方神上來,從何方神上起,即以其所見之時占之,吉凶自見。
袁子に曰く:凡是れ見る所の怪異を占断するは、皆当に月将を把りて占時の上に加えて天盤を排出し、日干の禄神の何れの一宮に停るかを看て、就中日禄の其の一宮より五符を起し、次を依りて天曹・地府・風伯・雷公・雨師・風雲・唐符・国印・天関・地鑰・天賊を排出し、十二宮を分布満たす。然る後に見る所の其の件事物を看よ。或い是れ怪鳥の飛来、或い是れ風の起りて旗幟を卷動し、或い是れ馬嘶・蛇入、或い是れ旌旗の人も碰かざるに却て自ら動き、或い是れ鉦鼓の人も敲かざるに却て自ら響く。其れ是れ何れの一位の神の在所の方位より来るか、何れの一位の神の在所の方位に於て発生するかを、就中其れを見る其の時辰に按じて課を起して占断せば、吉凶は自然に顕現せん。
如五符方位有鳥來,主有喜信,所謀皆利。天曹亦主有文書喜慶,無災禍也。地府戰則成功,有奇喜。風伯主口舌,宜固守營寨。雷公主大雨滂沱,雖有召喚,亦不可出,安防災禍。雨師出行不宜遠途,大雨淋漓。風雲主憎嫌,且防有賊,不可舉兵。唐符主大潰,和諧宮府,大兵至此,所求遂意。國印主皇恩喜詔,或有賜賞,並文字、求謀稱意。天關宜伏兵守寨,興兵則悲。地鑰當提防失財,招喚莫出,以免災咎。天賊口舌爭嚷有驚,更提防奸詐,謹慎免憂。以上十二條,吉至則順受,凶來則修德以祉之。
例を挙げて説かば、五符の在所の方位に鳥の飛来有れば、喜訊有るを主り、謀画する所の事皆順利なり。天曹方位も亦た文書喜慶有るを主り、災禍無し。地府方位は一戦成功を主り、別に意外の喜有り。風伯方位は口舌是非を主り、営寨を固守するに宜し。雷公方位は大雨滂沱を主り、即便人の召喚有るも亦た出行すべからず、安守して災禍を防備するを要す。雨師方位は出行に於て遠走に宜しからず、路上に大雨淋漓せん。風雲方位は人の憎嫌を招くを主り、還って盗賊有るを防ぐを要し、兵を挙ぐべからず。唐符方位は対方の大潰を主り、官府と相処和穆し、大軍が此処に開到すれば、求む所皆如意を得ん。国印方位は皇恩詔書或いは賞賜有るを主り、文書と謀事とも亦た称心なり。天関方位は伏兵を設け寨を守るに宜しく、主動して兵を興せば則ち悲し。地鑰方位は当に破財を提防し、人の招喚有るも亦た出去る勿れ、以て災を招くを免れんが為。天賊方位は口舌争吵・人の驚嚇を受くるを主り、更要奸詐を提防し、謹慎に事を行えば便能く憂を免れん。以上の十二条は、吉の来れば就中勢に順い承受し、凶の来れば就中徳を修め善を行いて消解す。
途人善悪第四十二
遙望人來子孟良,仲商季惡立天罡。持兇器看支干上,巳賊卯冤亥子強。辰戌功曹傳送更,勝光並酉欲潛藏。途路之間遇見有人來者,未審善惡休咎,看神后子臨四孟。四孟者,寅申巳亥,好人也;神后加仲是商人,加季是惡人。立天罡,我立天方罡以避惡人,則惡人不敢近我。若見舟人來,天罡加孟是吏人,仲季同前。《七十二占》云:“軍歷危險,逢異人宜防備。可向天上天罡下去,此為八極俱張,人不可當。”
遠く人の过来るを望見せば、就中神後子の落処を看よ。四孟に加われば、来人是れ好人。四仲に加われば、是れ商人。四季に加われば、是れ悪人。此の時要して天罡の臨む所の方位上に立ち到りて其れを避けよ。来人が若し凶器を手持せば、就中日干日支上の神を看よ。太乙巳は是れ賊を主り、太冲卯は冤有るを主り、登明亥・神後子は凶強を主る。天罡辰・河魁戌と功曹・伝送とは、是れ差役公人を主る。勝光午と従魁酉とは、此人は正に難を避け身を蔵せんと想うを主る。路上に人の迎面して走来るに遇い、其れ是善是悪・是吉是凶を知らざれば、就中神後子に四孟上に臨む有無を看よ。四孟は寅・申・巳・亥を指す。四孟に臨めば、来る是れ好人。神後が四仲に加われば、是れ商人。四季に加われば、是れ悪人。所謂「天罡に立つ」とは、是れ我が天罡の臨む所の方位上に站りて去りて悪人を躲避するにして、悪人は便ち敢えて我に靠近せず。如果船夫の过来るを看見せば、天罡が四孟に加われば、是れ差役公人。四仲・四季に加わるの判法は前面と相同なり。《七十二占》に曰く:軍隊が危険の地を行経し、形跡可疑の人に遇上すれば当に防備すべし。以て天盤天罡の圧する所の方位に朝向して走る可し。此れを八方俱張と叫作し、人も能く挡る無きなり。
執持兇器,若遇持器之人,日辰上太乙是賊人,太沖是冤人,登明神后兇惡之人,河魁功曹傳送是吏人,勝光從魁其人慾避難。此皆行軍之途間,或當危險之際,有奸細,若見此等怪異之人,不得不占。
再び説く手持凶器の人。路上に若し傢伙を拿る人に碰見せば、就中日干日支上の神を看よ。太乙巳は此人は是れ賊を主り、太冲卯は此人に冤情有るを主り、登明亥・神後子は此人凶悪を主り、河魁戌・功曹寅・伝送申は此人は是れ官府差役を主り、勝光午・従魁酉は則ち此人は自己正に難を避くる中を主る。此れら皆是れ行軍の途中或いは険境に身処する時に碰上する可能の。軍中に奸細有りて、此の類の形跡怪異の人を見到せば、就中能く一課を占わざる能わず。
孤軍被圍第四十三
占圍之能傷否。被圍上剋日辰傷,天將重刑有禍殃。神將比生為優矣,日辰年命克凶亡。萬一孤軍深入,彼眾我寡,前後不及,被圍敵境,則或傷或否,突圍出方,引軍避鋒,尤不可不慮也。《軍帳賦》曰:“傷不傷,視陰陽。”謂日辰陰陽四課互剋日辰,或日上剋日,辰上克辰,必有鬥傷。如日辰上神剋日辰,而所見天將又重克之,禍殃必至。
此の一条が占う所是れ被圍の後に傷を受くるか否か。被圍の時に若し上神が下を克し日干日支を傷けば、就中喫亏せん。乗ずる所の天将が再び一層の刑克を加えれば、必ず禍殃有らん。神と将とが我方と比和相生すれば、情形就中好し。日干日支と行年本命とが克伐に遭えば、則ち凶険死亡を主る。万一孤軍深入して、敵衆我寡にして前後接応せず、敵境の中に圍困せられれば、那れ么傷を受くるか否か・該に何れの個の方位より突圍すべきか・怎様に兵を帯いて敵人の鋒芒を避開するかは、尤其に能く預め謀画せざる能わず。《軍帳賦》に曰く「傷か還だ傷ならざるかは、陰陽四課を看よ」。意思是れ四課の陰神陽神が反って日干日支を克し、或いは日干上の神が日干を克し日支上の神が日支を克すれば、必定に争闘傷亡有るを要す。如果日干日支上の神が日干日支を克し、而して乗ずる所の天将が又た一重の克を加えて圧せば、禍殃は必ず到りて疑無し。
神將謂日辰上神將也,比生謂日上與日相比相生,或與辰相比相生,辰上與辰相比相生,或與日相比相生也。《金匱經》曰:“忽被兵圍,若日辰上神相生不傷,相剋有傷;若天將重剋日辰,其凶更甚。”假令甲子日逆貴,甲上見登明,子上見從魁,二將俱為不傷,甲上登明乘太常,子上從魁乘大陰,二天將雖不傷,而太常乃克支,太陰乃克干,亦有害,稍輕耳。日辰與年命相生則吉,相剋則凶。
所謂神将とは、日干日支上の神と天将とを指す。所謂比生とは、日干上の神と日干との比和相生、或いは日支と比和相生、日支上の神と日支との比和相生、或いは日干と比和相生を指す。《金匱経》に曰く:忽然に敵兵に圍困せられて、日干日支上の神が彼此相生せば、就中傷を受けず。相克せば、就中傷亡有り。若し天将が又た一重の克を加えて日干日支上に圧せば、凶険更甚なり。例を挙げて説かば、甲子日に貴人逆行し、甲の寄宮上に登明亥を見、子上に従魁酉を見れば、此の両位の神は皆傷害を構成せず。再び甲上の登明は太常に乗り、子上の従魁は太陰に乗ずるを看れば、此の両位の天将は雖も直接人を傷せざるも、可なり太常は土に属して日支の水を克し、太陰は金に属して又た日干の木を克す。也た還って害有り、只是れ稍々軽きのみ。日干日支と行年本命とが相生すれば則ち吉、相克すれば則ち凶なり。
突圍出處第四十四
被圍欲出向天罡,罡阻絳明玉上詳。酉申方明智卯去,玉夜大上河魁方。勾陳制處最為勝,三吉臨方雲頗強。日辰上下相生吉,相剋休囚忌損傷。太公曰:“兵圍千重,斗至必通。”斗,天罡也。《靈匣經》:“被圍宜出青龍臨方,利若鋒刃,八極俱張,其誰敢當?”青龍亦天罡也。假令天罡臨午,宜往南方,撞而出之。
被圍にて突出せんと要せば、就中天罡の臨む所の方位に朝向して走れ。天罡の彼辺に若し阻碍有れば、再び絳宮・明堂・玉堂の三宮時より詳推せよ。絳宮時は伝送申・従魁酉の下より出で、明堂時は太冲卯の下より出で、玉堂時は河魁戌の下より出よ。勾陳の能く制住する所の其の方位は最も突圍に利あり。几位の吉神の臨む所の方も、気勢も亦た頗る強旺なり。日干日支が上下相生すれば便ち吉。相克して又た休囚の地に落つれば、就中損傷有るを怕る。姜太公に曰く:兵圍千重、斗星の指す所の処は必定に能く通出去す。此処の斗就是れ天罡なり。《霊匣経》に曰く:被圍の時は当に青龍の臨む所の方位より突出すべし。鋒利は刀刃の如く、八方齊張して、誰か能く抵挡せん。此処の青龍も亦た是れ天罡を指す。例を挙げて説かば、天罡が午位に臨めば、就中当に南方に朝向して冲撞出去すべし。
如罡臨方遇有山水之阻,又考三宮時。三宮時謂絳宮、明堂、玉堂也,亥加四仲為絳宮,子加四仲為明堂,丑加四仲為玉堂。四仲,子午卯酉時也。《靈匣經》:“絳宮時出傳送從魁下,明堂時出太沖下,玉堂時出河魁下。”《曾門經》云:“吉神吉將臨日辰行年,勾陳乘神制所出之神,又發用得陰傳出陽者,必免難。”《軍帳賦》云:“若取出路,從勾制以取強。”一曰:勝光加四季旺神,出勾陳下必克。如春木旺,以午加卯,依本日干尋勾陳臨處是也。二吉,大吉、小吉也,二吉臨方突出亦吉。《軍帳賦》云:“龍頭莫戰,嫌支干以休囚。背腹宜攻,要日辰之旺相。”解見前篇。
如果天罡の臨む所の方位に山有り水有りて阻隔せば、就中再び三宮時を考察す。三宮時は絳宮・明堂・玉堂を指す。亥が四仲上に加わる是れ絳宮、子が四仲上に加わる是れ明堂、丑が四仲上に加わる是れ玉堂。四仲就是れ子・午・卯・酉の此の四個の時辰なり。《霊匣経》に曰く:絳宮時は伝送申・従魁酉の下より突圍し、明堂時は太冲卯の下より突圍し、玉堂時は河魁戌の下より突圍せよ。《曽門経》に曰く:吉神吉将が日干日支と行年上に臨み、勾陳の乗ずる所の神が能く突圍方位上の神を制住し、発用が又た是れ陰神より陽神に伝出するなれば、必定に能く難を脱せん。《軍帳賦》に曰く:突圍の路を選ばんと要せば、就中勾陳の能く制服する所の方位に順いて去れば、才に強きに够す。別に一説有り。勝光午が四季の旺神の上に加われば、勾陳の下より突出せば必ず能く勝を取る。比如春天木旺に、午を把りて卯の上に加え、再び本日日干に依りて勾陳の臨む所の処を找出せば、就是了。至るか両吉とは、就是れ大吉丑と小吉未にして、此の両神の臨む所の方位より突圍出去するも亦た吉なり。《軍帳賦》に曰く:龍頭は硬戦すべからず。嫌う所是れ日干日支の休囚に処る。背腹は進攻に宜し。要する所是れ日干日支の旺相に処る。此の両句の解釈は前面の《攻城拔邑》の一篇を見よ。
抽軍避寇第四十五
賊勢憑陵我未強,抽軍迴避看天罡。值孟切宜從右隱,促季還須向左藏。彼強我弱,不得不引軍迴避,於是以月將加時看,天罡加四孟,宜向右路去;天罡加四仲、四季,宜向左路去。《神樞經》曰:“天罡加四仲四季,俱宜左避,加孟宜右避。”《靈匣經》曰:“聞賊來追,罡加孟神在內,宜右避;罡加仲神在門,宜中避;加季神在外,宜左避。”
敵人の気勢逼人にして我方は還って够強ならざれば、軍を撤して回避する時は就中天罡の落処を看よ。天罡が寅申巳亥の四孟位上に値すれば、務めて右辺より隠去するを要す。辰戌丑未の四季位上に落到せば、就得て左辺に往きて身を蔵す。敵強我弱にして、能く兵を帯いて回避せざるを得ざれば、于是就中月将を把りて占時の上に加えて天盤を排出して看る。天罡が四孟に加われば、右路を走るに宜し。天罡が四仲・四季に加われば、左路を走るに宜し。《神樞経》に曰く:天罡が四仲・四季に加われば、皆当に左に往きて避くべし。四孟に加われば、該に右に往きて避くべし。《霊匣経》に曰く:敵人の追来を聞説せば、天罡が四孟の神に加わり位置は内に在れば、右に往きて避くるに宜し。四仲の神に加わり位置は門に当たれば、中間より避くるに宜し。四季の神に加わり位置は外に在れば、左に往きて避くるに宜し。
卯酉歲寅陰合併,開星戌亥勝光臧。天盤丑未臨方吉,旺相之方切忌防。卯太沖也,酉從魁也,歲太歲也,寅功曹也,陰太陰也,合六合也,六神臨方,都利避難。《龍首經》云:“賊猝然至,宜往卯、酉、功曹、太歲臨方避之。”《兵帳賦》云:“前三後二,私門禁戶以相扶。”前三,六合卯也;後二,太陰酉也。
太冲卯・従魁酉・太歳・功曹寅、再び太陰と六合とを加え、此の六位の神の臨む所の方位は皆避難に利あり。此の外開星および河魁戌・登明亥・勝光午の臨む所の処も、亦た皆是れ好去処なり。天盤上の大吉丑・小吉未の圧する所の方位も同様に吉利なり。只有当令旺相の其の方位は、千万に提防して、其れに朝向して去るべからず。歌訣裡の卯は太冲を指し、酉は従魁を指し、歳は太歳を指し、寅は功曹を指し、陰は太陰を指し、合は六合を指す。此の六位の神の臨む所の方位は皆避難に利あり。《龍首経》に曰く:敵人が突然に殺到せば、当に卯・酉・功曹・太歳の臨む所の方位に往きて躲避すべし。《兵帳賦》に曰く:前三位と後二位とは、是れ私門と禁戸にして、以て互相扶護すべし。所謂前三とは、六合を指し、位は卯に在り。所謂後二とは、太陰を指し、位は酉に在り。
開星者,春卯、夏午、秋戌、冬亥。戌河魁也,亥登明也,勝光者午也,四神臨方,避兵亦吉。臧善也。丑未二神臨方亦吉,一雲有急事不暇候吉,以河魁加時,斗加孟可入,加季可出。旺方,謂春東、夏南、秋西、冬北、四季四維,不可向之;夏季尤忌,及剋日干,更凶。
所謂開星とは、春天は卯に在り夏天は午に在り秋天は戌に在り冬天は亥に在り。戌就是れ河魁、亥就是れ登明、勝光就是れ午なり。此の几神の臨む所の方位は、用いて兵を避くるも亦た吉なり。歌訣の末字「臧」は、就是れ好の意思なり。大吉丑・小吉未の両神の臨む所の方位も同様に吉利なり。別に一説有り。事情緊急にして吉時を等候するに及ばざれば、就中河魁戌を把りて占時の上に加えて盤を起し、天罡が四孟に加われば以て進入る可く、四季に加われば以て出来る可し。所謂旺方とは、是れ春天の東方・夏天の南方・秋天の西方・冬天の北方および四季月の四隅にして、皆其れに朝向して去るべからず。夏季は尤其に忌諱す。若し此の方位が又た日干を克せば、就更に凶なり。
天乙直符方最忌,日干被克去當凶。子無六合午無陰,三日逃凶講吉祥。天乙直符者,與月厭煞同例。日干被克處,如甲乙日不宜向西,丙丁日不宜向北,戊己日不向東,庚辛日不宜向南,壬癸日不宜向四維。又云,不可以死向旺,如秋令甲乙日申酉尤凶,若攻賊亦忌之。子方乃六合不臨之地,午上乃太陰不臨之地,夫陰合二神是天地之私門,利以逃遁,子午之地,既不見此,逃者不利也,慎之,慎之!
天乙直符の在所の方位は最も避忌するを要し、日干の克せらるる其の方位は去れば就中凶なり。子位上に六合無く、午位上に太陰無し。此の両処は逃亡不利なり。三日の内に於て険を脱し凶を避け吉祥を求得せんと想えば、就得て別に方向を擇ぶ。天乙直符の推算は、月厭煞の排法と同一体例なり。所謂日干の克せらるる処とは、甲日乙日は木に属し、西方に朝向して去るに宜しからず。丙日丁日は火に属し、北方に朝向して去るに宜しからず。戊日己日は土に属し、東方に朝向して去るに宜しからず。庚日辛日は金に属し、南方に朝向して去るに宜しからず。壬日癸日は水に属し、四隅の土位に朝向して去るに宜しからず。還って一説有り。不可なり死気に処る一方を拿りて旺気の一方に撞くは。比如秋天金旺に、甲乙木日が再び申・酉を走れば、就中尤其に凶なり。若し是れ敵人を攻打し去らば、同様に此の一点を忌諱す。子の此の方位是れ六合の永遠に臨到せざる地方、午の此の位置是れ太陰の永遠に臨到せざる地方。太陰と六合の此の両神是れ天地の間の私門暗戸にして、最も逃遁に利あり。子・午の両地は既然其れらを見る能わざれば、逃亡の人は此の両処を走れば不利なり。切に謹慎せよ、切に謹慎せよ。
渡江過泥第四十六
渡江最怕支神傷,支水干陸兩評詳。歲乘神后遭沉溺,支干凌沖車櫓傷。日遇罡沖風逆浪,支乘神克惡泥殃。軍行異域,欲無涉水渡泥之患,則以支為水路,干為陸路。若渡江者,最怕支上乘神克支,或支克支上神,主有沉溺之災。神后加太歲,行船沉沒。支為水,干為陸,太沖加干為車,加支為舟櫓,所以行舟之具,若卯加支干,被下神凌之,舟車有損。天罡太沖加日辰,主大風浪覆舟。《兵仗賦》云:“日忌罡沖,太歲遭虛而禍起。”太歲遭虛,謂神后加太歲也。支上乘神傷支及年命,又帶惡將,過水涉泥俱不利。
江を渡るに最も怕るは日支の神に傷せらるるなり。水路は日支を看、陸路は日干を看、両辺は分かれて評断す。太歳上に神後子を乗ずれば、行船沈没を主る。日干日支が上下神に凌圧相冲せられれば、車馬舟櫓は損を受けん。日干が天罡・太冲に碰上せば、逆風大浪を主る。日支上に乗ずる神が反って日支を克すれば、爛泥の裡に陷りて殃に遭うを主る。軍隊が他郷異域を行経し、水を渉り泥に陷るの禍患を免去せんと想えば、就以て日支は水路を代表し日干は陸路を代表す。江を渡らんと要するは、最も怕る日支上に乗ずる神の日支を克する、或いは日支が反って日支上の神を克するを。皆沉溺の災有るを主る。神後子が太歳上に加われば、行船沈没を主る。日支は水と為り日干は陸と為す。太冲卯が日干上に加われば車を代表し、日支上に加われば舟楫槳櫓を代表す。皆是れ路を行き船を行くの器具なり。若し卯が日干日支上に加到し、又た下面の地盤の神に凌圧せられれば、車馬舟船は就中損壊せん。天罡・太冲が日干日支上に加われば、大風大浪の船を打翻すを主る。《兵仗賦》に曰く「日は天罡太冲を忌み、太歳は虚に遭えば則ち禍起る」。所謂太歳の虚に遭うとは、就中神後の太歳に加臨するを指す。日支上の神が日支および行年本命を傷克し、又た凶悪の天将に乗ずれば、那れ么水を過ぎ泥を渉るも皆不利なり。
天河地井行船惡,土煞水龍過渡愁。支吉干傷舟可渡,鵬池罡指不須憂。壬癸子天之三河,卯酉辰地之三井,月將加正時,三河有一臨井者,舟不可渡也。土煞、玉皇煞訣云:“土煞子丑巽宮未,寅卯之年坤上收。辰巳居干午年坎,未雷申酉古離州。戌亥二年居艮位,對宮便是玉皇遊。”又云:“辰戌丑未為土煞。”丙子、癸未、癸丑為觸水龍日。書曰:“土煞不宜過泥,水龍不宜過江。”支為水道,若支上神吉,干雖受傷,渡舟無妨。遇有淤泥之地,只向天罡下去,便得干路。
天河と地井とが相臨すれば、船を行くは是れ悪兆なり。土煞に碰上し水龍に触れれば、過渡すれば就中愁うを要す。日支上に吉神を得れば、即便日干傷を受くるも、船は照様に渡り過ぐるを得。至るか泥濘水窪は、只要天罡の指す所の方向に順いて走れば、就中憂慮するに及ばず。壬・癸・子是れ天上の三河、卯・酉・辰是れ地上の三井なり。月将を把りて正時の上に加えて天盤を排出し、只要三河の中に一位の三井の上に落到する有れば、船は就中渡る可からず。土煞と玉皇煞の口訣に曰く:子年丑年は土煞は巽宮に在り、未年も亦是れ。寅年卯年は坤宮に在り。辰年巳年は乾宮に在り、午年は坎宮に在り。未年は震宮に在り、申年酉年は離宮に在り。戌年亥年は艮位に在り。土煞の対面の其の一宮、就是れ玉皇煞の游する所の処なり。別の一説は則ち、辰・戌・丑・未の四位就是れ土煞なり。丙子・癸未・癸丑の三日を触水龍日と叫作す。書上に曰く:土煞の日は泥地を走るに宜しからず、触水龍の日は江を過ぐるに宜しからず。日支は水道を代表す。若し日支上の神が吉と為れば、那れ么日干雖も傷を受くるも、行船渡水も亦た妨無し。淤泥の行き難き地方に遇上せば、只要天罡の臨む所の方向に朝向して走れば、便能く干爽の路を找到せん。
水戦観風第四十七
水戰全憑風便方,日干未巳正堪詳。白虎風神逢劫殺,飛廉大殺亦風鄉。旺相乘殺風速起,休囚無殺乘風狂。行船雖不宜見風,而戰必借風以助威,巳為風門,未為風伯,日辰上要此二神到方有風。白虎,風神也,逢劫殺、飛廉、大殺,主大風暴起。若日干旺相乘諸風殺,風速起,休囚而又不乘殺,主無風也。飛廉,正戌、二巳、三午、四未、五申、六酉、七辰、八亥、九子、十丑、十一寅、十二卯。
水戦は全靠りて順風順水の方位に在り。故に日干上に於て小吉未と太乙巳の此の両神を細看するを要す。白虎是れ風を主る天将にして、其れ劫殺に碰上し、或いは飛廉・大殺に遇到すれば、皆是れ風の起るの兆頭なり。日干が旺相にして而又た此れらの凶殺に乗ずれば、風は很快就刮起せん。日干が休囚にして又た凶殺に乗ぜざれば、便ち難く風を起すを得、指望して風に乗りて威を逞ばしむるに上らず。船を行くは本来遇風に宜しからざるも、可是水戦は却て必ず風勢を借りて威を助くるを要す。巳是れ風門、未是れ風伯なり。日干日支上は要して此の両神の到位有らばこそ、才に風有らん。白虎是れ風神にして、劫殺・飛廉・大殺に碰上せば、狂風暴起を主る。若し日干旺相にして此れらの風を主る凶殺に乗ずれば、風は很快に刮起す。日干休囚にして又た凶殺に乗ぜざれば、那れ就中風無し。飛廉の排法是れ、正月は戌に在り、二月は巳に在り、三月は午に在り、四月は未に在り、五月は申に在り、六月は酉に在り、七月は辰に在り、八月は亥に在り、九月は子に在り、十月は丑に在り、十一月は寅に在り、十二月は卯に在り。
斑神東轉木推出,小吉相逢風迅速。三神忽爾潛空宿,上克下兮風息言。斑神,虎也,東轉謂虎入寅卯之地。蓋虎嘯風生,未為風伯,乘之必有大風。三神指虎與未巳也。潛空宿,謂二神若乘空亡,又是上克下,所以無風。
斑神は白虎を指す。其れ東方寅卯木位上に転到すれば、風は就中推動され出ず。再び小吉未と相遇すれば、風の起ること又た急にして又た快し。可なり此の几神が若し忽然に空亡の宿に落進み、又是れ上神の下神を克するなれば、那れは就中当に風の将に停まらんと説くべし。所謂斑神就是れ白虎、東転とは説く是れ白虎の寅・卯の地面に進入する。虎一嘯すれば風就中生じ、未是れ又た風伯なり。白虎が未上に乗ずれば、必ず大風有らん。歌訣裡の三神とは、白虎と未・巳の此の両位を指す。所謂空宿に潜るとは、説く是れ此の几神が若し空亡に乗上し、又た上神の下神を克するに逢えば、故に風を刮起す能わざるなり。
巳午雀居曲直課,殺推月日用辰午。更兼寅木相逢遇,颶狂須索煞時間。巳午為火神,朱雀亦火神。然熱極生風,且雀入巳午為入巢。經云“穴居知雨,巢居知風。”是也。逐月風伯,正月起申逆行十二辰;逐月風殺,正月起寅,逆行十二辰。或見發用並日辰之上,與朱雀等會主大風。未為風伯,寅中有箕宿好風,二神會,亦主大風也,惟落空亡風小。
巳・午の両火位上に朱雀有りて、課体が又た曲直木局を結成せば、風は就中根有り。再び月份に按じて風殺を推出し、其れの日干日支と発用の上に落つるを看よ。若し再び寅木の一処に凑到するに碰上せば、那れ就中狂猛の颶風を刮起さんと要す。只在片刻の間なり。巳・午は火神に属し、朱雀も亦是れ火神なり。熱極処に到れば就中風を生じ、而且朱雀が巳・午に落進むは、自己の巢裡に回到するに等し。経上に曰く「穴居の動物は将に雨の下らんを知り、巢居の鳥は将に風の起らんを知る」とは、正是れ此の道理なり。月に按じて推す風伯は、正月より申に起りて、十二辰に逆い排下去す。月に按じて推す風殺は、正月より寅に起りて、同様に十二辰を逆行す。此の両煞が若し発用と日干日支の上に出現し、又た朱雀と相会せば、大風を刮るを主る。未是れ風伯にして、寅中に箕宿有りて箕宿は風を好む。此の両神の相会も亦た大風を主る。只是れ空亡の上に落つれば、風就中小さし。
附風雨雜占
巳為風門,未為風伯,白虎為風神,發用有氣,主風,披刑猛烈迅速。虎在東方為出林,主風,乘小吉愈猛。寅申加日,在天乙前,皆主有風,未下即風起。傳見白虎,乘有氣之神,又加有氣之鄉,下賊上,必主大風。若知風從何方來,看白虎臨何神,如乘亥臨酉上正西風,臨卯正東風,餘仿此。白虎乘小吉受剋落空,上克下,即有亦小。
巳是れ風門、未是れ風伯、白虎是れ風神なり。其れらが発用して而又た気有れば、風を起すを主る。若し再び刑を帯びれば、風就中猛烈迅疾なり。白虎が東方に落つるを出林と叫び、風有るを主り、小吉未に乗ずれば、風更に猛し。寅・申が日干上に加臨し、又た天乙貴人の前に排せば、皆風有るを主り、未位の下就中風を起さんとす。三伝中に白虎を見、気有る神に乗り、又た気有る地面上に加わり、而且下神が上神を克せば、必ず大風を主る。若し風の何れの個の方向より来るかを知らんと要せば、就中白虎の何れの一神の上に臨むかを看よ。譬如白虎が亥に乗りて酉位上に落つれば、就是れ正西風。卯位上に落つれば、就是れ正東風。其余は此れに照らして類推す。白虎は雖も小吉に乗ずるも、却て克を受け又た空亡に落ち、而且上神が下神を克せば、那れ么即使有りて風も亦た很小なり。
坎為雨,壬癸亥子玄后皆坎類也。離為晴雨,丙丁巳午蛇雀皆離類也。坎臨日辰及發用,主雨。離臨日辰,及發用主晴。巽為風,而辰巳勾蛇皆巽類也。震為雷,而甲乙卯合皆震類也,巽臨日辰及發用主風,震臨日辰及發用主雷。
坎卦は雨を主り、壬・癸・亥・子および玄武・天后は皆坎の一類に属す。離卦は晴を主り、丙・丁・巳・午および螣蛇・朱雀は皆離の一類に属す。坎類の神が日干日支と発用上に臨めば、雨を下すを主る。離類の神が日干日支と発用上に臨めば、天晴を主る。巽卦は風を主り、辰・巳および勾陳・螣蛇は皆巽の一類に属す。震卦は雷を主り、甲・乙・卯および六合は皆震の一類に属す。巽類が日干日支と発用に臨めば、風を起すを主る。震類が日干日支と発用に臨めば、雷を打つを主る。
亥子二神及青龍在課傳刑剋日,或日上神者有雨,不入課傳無雨。亥子加臨巳午未申,是水升火降,主累日雨。亥子旺主大雨,加申酉大雨,乘勾陳久雨,冬則主雪深厚,惟落空及臨土受制無雨,北方為退歸江湖無雨。
亥・子の両神および青龍が、若し四課三伝中に於て日干を刑克し、或いは日干上の神を刑克せば、雨有るを主る。四課三伝に進入せざれば、就中雨無し。亥・子が巳・午・未・申の上に加臨すれば、是れ水の升り火の降るの象にして、連日の下雨を主る。亥・子が旺気に処れば、大雨を主る。申・酉上に加わるも亦た是大雨なり。勾陳に乗ずれば、久雨の停まざるを主り、冬天は則ち積雪の深厚を主る。只有空亡に落ち、或いは土位に臨到して土に制せられれば、才に雨無し。北方に退れば算是れ江湖に帰返し、亦た雨無し。
龍乘申酉主雨,不以剋制論。蓋申為水母,酉為兌澤,若旺相雨更大。龍乘旺昇天大雨,昇天臨巳午未申也;乘亥子丑為遊樂,江湖不能變化,主無雨,入墓亦然。螣蛇入亥子丑變化主雨,虎臨亥子亦有大風雨。
青龍が申・酉に乗ずれば、雨有るを主る。此の一条は生克制化に按じて論ぜず。申是れ水の源頭、酉是れ兌卦の沼沢なればなり。若し再び旺相に処れば、雨の下ること更に大なり。青龍が旺に乗りて天に升れば、大雨を主る。所謂升天とは、就是れ其れの巳・午・未・申の上に臨むなり。青龍が亥・子・丑に乗ずれば、算是れ江湖裡に於て游楽し、能く雲を興し変化する能わず。雨無きを主り、墓に入る時も亦た一様なり。螣蛇が亥・子・丑に進入して変化を起せば、下雨を主る。白虎が亥・子上に臨むも、亦た大風雨有るを主る。
大都虎龍須以披神合看,虎披甲乙先風後雨,龍披庚辛戊己先雨後風,皆取剋制之辰為雨日,以五子遁干,干支交戰,即雨日也。初傳為雨來雲起方位,末傳為雨止期。子卯相加有雨;子玄武加亥子為入穴主雨,所謂“穴居知雨”是也;畢宿會雨師大雨,月臨於畢主連雨。
总的に説来、白虎と青龍とは皆乗りて披ぐ所の天干に連ねて一併に看るを要す。白虎が甲・乙を披けば、先に風を起し後に雨を下す。青龍が庚・辛・戊・己を披けば、先に雨を下し後に風を起す。雨日を定むるは皆能く其れを克制する其の地支を取り、五子元遁法を用いて天干を遁出し、干支交戦の其の一天就是れ下雨の日子なり。初伝は雨の何れの個の方位より来るか・雲の何処より起るかを代表し、末伝は雨の停む日期を代表す。子と卯とが相加すれば、雨有り。子上の玄武が再び亥・子上に加到すれば、之を入穴と叫作し、下雨を主る。就是れ所謂「穴居のは下雨を知る」なり。畢宿と雨師とが会合すれば、大雨を主る。月亮が畢宿に行到れば、連綿陰雨を主る。
辺夷犯界第四十八
支干尊卑分內外,日刑辰上我贏夷。支克干頭強虜逆,日生辰死自亡歸。更將刑德推強弱,初外中吾剋制夷。干尊支卑,故以中國為主,外夷為支,此一定不易之理。若日上神刑辰上神,我贏夷之兆;辰上神刑日上神,強虜橫逆不順。即日克辰上,與克辰中國勝;辰剋日上與剋日,外軫猖獗。若上得相生旺相之神,辰上得死囚空亡之神,夷眾逃散,不敵而歸。
日干日支の尊卑を用いて中原と外族とを分つ。日干上の神が日支上の神を刑克すれば、我方は夷狄に贏ち過ぐ。日支上の神が反って日干を克すれば、就是れ強敵の驕横不服なり。日干上に生旺の神を得て日支上に死絶の神を落せば、夷衆は自ら潰散して逃回らん。再び日刑と日徳を拿りて双方の強弱を推し、初伝は外族に属し中伝は我方に属す。我方が能く対方を克制すれば、便能く夷人を圧住せん。日干を尊と為し日支を卑と為す。故に日干を用いて中原を代表し、日支を用いて外族を代表す。此れ是れ固定不変の道理なり。日干上の神が日支上の神を刑するは、是れ我方の夷狄に贏ち過ぐるの兆。日支上の神が日干上の神を刑するは、就是れ強敵の驕横悖逆。日干が日支上の神を克し、或いは直接に日支を克すれば、中原は勝を得る。日支が日干上の神を克し、或いは直接に日干を克すれば、外族は就中猖獗せん。若し日干上に相生旺相の神を得て、而して日支上に死囚空亡の神を得れば、夷衆は就中逃散し、打ち下す能わずして退回せん。
此自日辰尊卑之分論也,惟《靈匣經》及《兵機快捷方式》等又以刑德分中外。刑,日刑也;德,日德也,德克刑中國勝,刑剋德外夷勝。又詳德刑之地盤生克何如,若俱受刑亦不妙。
上面の此の一段は日干日支の尊卑の分より立論したるなり。只有《霊匣経》と《兵機快捷方式》等の書は、別に刑と徳とを用いて中原と外族とを划分す。所謂刑とは、日刑を指す。所謂徳とは、日徳を指す。徳が能く刑を克せば、中原は勝を得る。刑が能く徳を克せば、外族は勝を得る。還って徳と刑との落つる所の地盤の是生是克を細看するを要す。若し両者が皆刑克を受ければ、那れも亦た好事に非ず。
然則三傳可以不用乎?初傳為外末為內,若初中旺相生末,內有奸人與相連。中末旺克初,寇至境邊自回。如無氣末往生之,宜退謹守,怕有穿窬竊財,將神俱以制刑制支為吉。
那れ么三伝は就以て用いずして可なりや。当然不是れ。三伝裡に初伝は外族を代表し、末伝は本国を代表す。初伝中伝が旺相にして去りて末伝を生ぜば、説明す内部に奸人の外族と勾結する有るを。中伝末伝が旺相にして初伝を克せば、敵寇は辺境に到りて自ら将に退回せん。如果末伝が無気にして反って去りて初伝を生ぜば、就中当に兵を退きて謹守し、還って人の墻を挖り洞を掏りて財物を偸窃する有るを提防すべし。总之神と将とは皆以て能く日刑を制し能く日支を制するを吉と為す。
然而夷性不測,方土亦異,則當以發用神將決。如發用亥子,知為北狄;巳午發用,知為南蠻;申酉發用,知為西戎;寅卯發用,知為東虜;四季發用,知為五方雜集之苗。若論其性,見子為貪狼,亥卯為陰賊,寅午為勇猛,丑戌為公正,巳酉為寬大,辰未為奸邪獲擄。螣蛇為凶惡,朱雀天空為欺詐虛滑,勾陳好殺,太陰為後,陰私懦弱,故曰:“方從子午分南北,性看天神一定之。”夫知其性知其方,則預有以備之,蕩平亦何難之有?
然而夷狄の性情は揣摩し難く、各処の方位風土も亦た相同ならず。就中当に発用の乗ずる所の神将を用いて判定すべし。発用是れ亥・子なれば、来る是れ北方の狄を知る。発用是れ巳・午なれば、是れ南方の蛮。発用是れ申・酉なれば、是れ西方の戎。発用是れ寅・卯なれば、是れ東方の虜。発用が辰戌丑未の四季に落つれば、那れ就是れ各方雑処混居の苗人なり。若し其れらの性情を論ぜば、子を見るは貪狼と為り、貪婪を主る。亥と卯とは陰賊と為り、暗中の劫掠を主る。寅と午とは勇猛を主る。丑と戌とは公正を主る。巳と酉とは寛大を主る。辰と未とは奸邪と為り、人口を擄掠するを主る。天将の方面は、螣蛇は凶悪を主り、朱雀と天空とは欺詐油滑を主り、勾陳は殺を好むを主り、太陰と天后とは陰私懦弱を主る。故に曰く、方位は子午の一線より南北を分出し、性情は乗ずる所の天神を看れば就中定定し得る。既に対方の性情を知り、又た其れらの在所の方位を知れば、便能く預め設防し、其れらを掃平するに又た何の難き之有らん。
蕩平群寇第四十九
若逢群寇定輸贏,勝負初傳大將評。德或制刑刑生德,貴乘太歲制玄神。本神行年能制虎,勾陳賊上震下辰。遇此敵降天滅寇,行師傳助建功勳。平寇之課,以發用天將核之,吉將勝,凶將否。若德克刑,刑又來生德,主不戰而服。貴乘太歲立旺方是天子合位,平一海內之象。玄武為賊,太歲又制之,中華勝虜之兆。若本將行年又能制虎,勾陳臨賊方位,又克上神,則寇自降滅,定成大勳也。勾陳立賊方共有三說:一說制勾陳神,一說天乙克勾下神,今又是勾自克下神。凡天乙制勾陳,六辛、壬、癸日有之。
群寇と交戦するの輸贏を判定せんと要するに、勝負は全て初伝の乗ずる所の大将を看よ。日徳が日刑を制住し、或いは刑が反って徳を生ずれば、天乙貴人が太歳に乗りて玄武を制住し、本命行年上の神が又た能く白虎を制住し、勾陳が敵方の在所の方位に臨到し還って下面の地盤の神を震懾克伏せば、此の几種の格局に碰上すれば、敵人は就中来りて降さん。上天は此の伙の寇賊を滅さんと要し、師を出す時に三伝も亦た来りて相助す。必ず能く功勲を建立せん。寇賊を平定するの課は、要して発用の乗ずる所の天将を用いて核定すべし。吉将に乗ずれば則ち勝ち、凶将に乗ずれば則ち勝たず。若し日徳が日刑を克し、日刑が又た反って日徳を生ぜば、対方の戦わずして服するを主る。天乙貴人が太歳に乗りて旺方に立つは、此れ是れ天子の合位に居るの象にして、一挙に海内を蕩平するを主る。玄武は賊寇を代表し、太歳は又た能く其れを制住す。是れ中原の外虜に戦勝するの兆頭なり。若し主将の本命行年が又た能く白虎を制住し、勾陳が敵方の在所の方位に臨到し、并びて上面の神を克住せば、那れ么寇賊は自ら投降覆滅し、必定に大功を成就せん。勾陳の賊方に立つに関しては、共に三种の説法有り。一説は要して神の勾陳を制する有れと、一説は天乙の勾陳下面の神を克すると、如今此処に説くは勾陳の自ら下面の神を克す。凡是れ天乙の能く勾陳を制するは、只有辛・壬・癸の此の几個の日干こそ出現せん。
凱旋聞詔第五十
得勝還朝斷眾心,歲生年命聖歡欣。歲陰旺相生主將,後宮暗助有親臣。歲神年後扶年命,宰輔出力助將軍。月建生日公侯力,日上休囚反禍臨。歲神月建來刑剋,譽贊與誰宜得人?日辰旺相及有氣,三陽三光鑄印逢。月將龍德生年日,鐘鼎銘勳寵渥隆。
勝を得て朝に回るに、朝中の衆人の心服するか否かを判断するを要す。太歳が主将の行年本命を生ぜば、天子は必定に歓喜せん。太歳と太陰とが旺相にして主将の年命を生ずれば、是れ後宮と親近の臣とが暗中に相助するなり。太歳より後に往きて一位の神が年命を扶助するは、是れ宰輔大臣が力を出して将軍を幫襯するなり。月建が日干を生ずれば、是れ公侯が力を出して相賛するなり。日干上が休囚に落つれば、反って禍事の頭に臨む有り。太歳と月建とが又た来りて刑克せば、那れ就是れ公卿大夫の中に在りて作梗するにして、賛誉の詞は人も肯じて説く無し。若し日干日支が旺相有気にして、課中又た三陽・三光・鋳印の此れらの吉課に逢い、月将与龍徳とが来りて年命日干を生ずるを加えば、那れ就中鐘鼎を鋳て功勲を銘し、恩寵優渥ならんと要す。
邊夷既靖,正班師勒鼎之時,然而朝臣未知其心服否,若得太歲生主將年命,聖天子不勝歡欣。太歲與太陰旺相生大將年命,主後官有皇后妃、親臣(上所親信者也)暗助。太歲後之神生扶年命,宰輔亦左右維持。月建生日,公侯亦朝夕贊襄,在朝之眾心可知也。
辺境の夷狄已に平定せり。正是れ班師して朝に回り功を鼎に銘勒するの時候なり。可是朝中の大臣の真心悦服するか否かは還って知らず。若し太歳の主将の行年本命を生ずるを占得せば、聖明の天子は喜ぶこと自ら勝えざらん。太歳と太陰とが旺相にして大将の年命を生ずれば、後宮の皇后・嬪妃と親信の臣との暗中相助するを主る。所謂親臣とは、就是れ皇上の素来親近信任する人。太歳より後に往きて一位の神が年命を生扶すれば、宰輔大臣も亦た旁より維持せん。月建が日干を生ずれば、公侯們は朝夕力を出して賛助せん。朝中の衆人の心向何如は、此れに由りて就中看出し得るなり。
若日上體囚,反有禍至;歲神月建又來刑,公卿大夫相與阻撓,即亦吝爵不賞矣,又敢望封哉?惟是日辰旺相,又臨有氣之神,課得三陽、三光、鑄印、龍德等吉,月將又來生日,則是寵涯之隆矣。
如果日干上の課体が囚地に落つれば、反って禍事の到来有り。太歳の神と月建とが又た来りて刑克せば、那れ就是れ公卿大夫が一斉に中に在りて阻撓するにして、連ねて爵位も亦た賞給するに吝かにして、敢えて封侯を指望せんや。只有日干日支が旺相にして、又た気有る神に臨み、課中に三陽・三光・鋳印・龍徳の此の一類の吉課を得て、月将が再び来りて日干を生ずれば、那れ才に是れ恩寵の深厚極点に到るなり。
大六壬大全巻五終
六壬大全巻六 宿度分野
十二宮分野上
二十八宿度數,自立春日始虛初度。虛八度,危十五度,室十七度,壁九度,奎十七度,婁十一度,胃十五度,昴十度,畢十五度,參九度附觜,井三十度,鬼二度,柳十二度,星五度,張十七度,翼十九度,軫十七度,角十二度,亢八度,氐十五度,房五度,心六度,尾十七度,箕九度,斗二十二度,牛六度,女十度。以上共三百三十八度。毎宿俱有初度一,除觜宿附參,止二十七宿,該二十七個初度,並三百三十八個正度,足周天三百六十五度也。
二十八宿の各自の占する所の度数は、立春の此の一天より開始し、虚宿の初度に起る。虚宿八度、危宿十五度、室宿十七度、壁宿九度、奎宿十七度、婁宿十一度、胃宿十五度、昴宿十度、畢宿十五度、参宿九度にして觜宿は参宿の内に附す、井宿三十度、鬼宿二度、柳宿十二度、星宿五度、張宿十七度、翼宿十九度、軫宿十七度、角宿十二度、亢宿八度、氐宿十五度、房宿五度、心宿六度、尾宿十七度、箕宿九度、斗宿二十二度、牛宿六度、女宿十度。以上合計三百三十八度。毎一宿は還って別に一個の初度有り。觜宿が参宿に附して単独に計算せざるを除去せば、只剩二十七宿にして、就中二十七個の初度有り。此の二十七個の初度を把りて前面の三百三十八個の正度の上に加えれば、正好周天の三百六十五度を凑足す。
初度之說,各歷不同,以大概計之,當作一度。古曆書曰:“每度分作三十二分,初度即三十二分盡,三十三分方起第一度,二度、三度如之。”《曆書》曰:“周天三百六十五度四分度之一。”言每度分作三十二分,再四分之,言每分八。四分度之一,言一度三十三分,度之一者只八分也。言周天三百六十五度餘八分也。日一日行一度有竒,一年行盡三百六十五度,餘八分之數。
「初度」に関する説法は、各家の暦法は一致せず。大略估算すれば、当に其れを一度と当作して看待すべし。古代の暦書に曰く:毎一度は三十二分に分作し、初度就是れ此の三十二分の走完して、第三十三分に到りて才に第一度を起算し、第二度・第三度も亦た此の弁法に照らす。《暦書》に曰く:周天は共に三百六十五度又た四分之一度。此れ是れ毎一度を三十二分に分作し、再び一度を四等分し、毎一等分就是れ八小分を説く。所謂四分度の一とは、説く是れ一度は共に三十三分にして、而して此の四分之一は只有八分。合わせて講ずれば、就是れ周天三百六十五度に再び八分を多し。太陽は一天に一度多一点を行き、一年は正好三百六十五度を走完し、外加そ其の八分の零数を加う。
太陽過宮,立春前九日有竒,日躔子分,女初度始,三十日滿。驚蟄前十日,日躔亥分,在危十二度,三十二日滿。清明前八日,日躔戌分,在奎初度,三十三日滿。立夏前六日,日躔酉分,在胃三度,三十一日滿。芒種前五日,日躔申分,在畢六度,三十日滿。小暑前五日,日躔未分,在井八度,三十日滿。
太陽の宮を過ぐるの日程は如下なり。立春前の九天多一点に、太陽は子宮の分野に行到し、女宿初度より起算し、三十天を走満す。驚蟄前の十天に、太陽は亥宮分野に行到し、位置は危宿十二度に在り、三十二天を走満す。清明前の八天に、太陽は戌宮分野に行到し、位置は奎宿初度に在り、三十三天を走満す。立夏前の六天に、太陽は酉宮分野に行到し、位置は胃宿三度に在り、三十一天を走満す。芒種前の五天に、太陽は申宮分野に行到し、位置は畢宿六度に在り、三十天を走満す。小暑前の五天に、太陽は未宮分野に行到し、位置は井宿八度に在り、三十天を走満す。
立秋前六日,日躔午分,在柳三度,三十二日滿。白露前五日,日躔巳分,在張十四度,三十二日滿。寒露前三日,日躔辰分,在軫九度,三十三日滿。立冬前一日有竒,日躔卯分,在氐一度,二十九日滿。大雪前三日,日躔寅分,在尾二度,二十七日滿。小寒前六日,日躔丑分,在斗三度,二十七日滿。
立秋前の六天に、太陽は午宮分野に行到し、位置は柳宿三度に在り、三十二天を走満す。白露前の五天に、太陽は巳宮分野に行到し、位置は張宿十四度に在り、三十二天を走満す。寒露前の三天に、太陽は辰宮分野に行到し、位置は軫宿九度に在り、三十三天を走満す。立冬前の一天多一点に、太陽は卯宮分野に行到し、位置は氐宿一度に在り、二十九天を走満す。大雪前の三天に、太陽は寅宮分野に行到し、位置は尾宿二度に在り、二十七天を走満す。小寒前の六天に、太陽は丑宮分野に行到し、位置は斗宿三度に在り、二十七天を走満す。
二十八宿分野歌
角亢氐一總在辰,氐二房心尾卯存,尾三箕斗在寅位,斗四牛女丑宮真,女二虗危同在子,危十三度亥宮行,室壁奎初都在亥,奎二婁胃戌宮親,胃四六畢同躔酉,畢七觜參井在申,井九鬼柳俱在未,柳四星張午位迎,張十五兮翌軫巳,軫十還歸在於辰。
此れ是れ一首の「二十八宿」を十二地支に配する口訣なり。「二十八宿」是れ古人が黄道・赤道の一周に沿いて划分し出す二十八个の星区。「分野」は則ち此れらの星区を地上の州郡と、十二地支の代表する所の十二宮と一々に系属するを。占断する時便ち以て星区に由りて地面の方位と州郡とに推及すべし。歌訣の逐句の指す所は如下なり。角宿・亢宿の全部に、氐宿の第一度を加え、辰宮に帰す。氐宿第二度以後は、房宿・心宿・尾宿の開頭に連ねて、卯宮に帰す。尾宿第三度以後は、箕宿・斗宿の開頭に連ねて、寅宮に帰す。斗宿第四度以後は、牛宿と女宿の開頭に連ねて、丑宮に帰す。女宿第二度以後は、虗宿(即ち虚宿)・危宿の開頭に連ねて、子宮に帰す。危宿第十三度以後は、亥宮に進入す。室宿・壁宿および奎宿初度も、亦た皆亥宮に在り。奎宿第二度以後は、婁宿・胃宿の開頭に連ねて、戌宮に帰す。胃宿第四度以後は畢宿第六度に到るまで、同じく酉宮に在り(「躔」是れ日月星辰の運行の経る所の意思)。畢宿第七度以後は、觜宿・参宿と井宿の開頭に連ねて、申宮に帰す。井宿第九度以後は、鬼宿・柳宿の開頭に連ねて、未宮に帰す。柳宿第四度以後は、星宿・張宿の開頭に連ねて、午宮に帰す。張宿第十五度以後は、翼宿(歌中は「翌」と写作す)・軫宿の開頭に連ねて、巳宮に帰す。軫宿第十度以後は、又た辰宮に回到し、十二宮は就此て周而復始す。
両京十三布政司分野統計
南直隸:府一十四,並屬斗牛分。州一十七,一州屬角亢分,三州屬氐房心分,一十州屬斗牛分,三州屬奎婁分。縣九十六,三縣屬角亢分,六縣屬氐房心分,七十八縣屬斗牛分,九縣屬奎婁分。外鎮衛二,並屬斗牛分。外鎮守禦千戶所一,屬斗牛分。
南直隷是れ明代に南京を中心と為し朝廷に直隷するの一片の地区にして、所轄の十四個の府は、全部斗宿・牛宿の分野に劃帰す。所轄の十七個の州の中に、一個の州は角宿・亢宿分野に属し、三個の州は氐宿・房宿・心宿分野に属し、十個の州は斗・牛分野に属し、三個の州は奎宿・婁宿分野に属す。所轄の九十六個の県の中に、三個の県は角・亢分野に属し、六個の県は氐・房・心分野に属し、七十八個の県は斗・牛分野に属し、九個の県は奎・婁分野に属す。辺外の鎮衛両処は、一併に斗・牛分野に帰入す。鎮上の守御千戸所一処も、亦た斗・牛分野に属す。「衛」と「守御千戸所」とは皆是れ明代の軍事屯戍編制にして、一衛は約五千六百人、一千戸所は約一千一百二十人なり。此処は一概に其の駐地に按じて在所の星宿分野に帰入す。
北直隸:府八,四府屬尾箕分,一府屬室壁分,三府屬胃昴畢分。州一十九,一十一州屬尾箕分,一州屬女虛危分,一州屬室壁分,六州屬胃昴畢分。縣一百一十六,五十六縣屬尾箕分,三縣屬女虛危分,一十縣屬室壁分,四十七縣屬胃昴畢分。外鎮都指揮使司二,並屬尾箕分。外鎮衛二十七,二十六衛屬尾箕分,一衛屬胃昴畢分。外鎮守禦千戶所二十,十九守禦千戶所屬尾箕分。一守禦千戶所屬胃昴畢分。外鎮堡六,並屬尾箕分。
北直隷是れ以て北京を中心と為し朝廷に直隷するの一片の地区にして、所轄の八個の府の中に、四個の府は尾宿・箕宿分野に属し、一個の府は室宿・壁宿分野に属し、三個の府は胃宿・昴宿・畢宿分野に属す。所轄の十九個の州の中に、十一個の州は尾・箕分野に属し、一個の州は女宿・虚宿・危宿分野に属し、一個の州は室・壁分野に属し、六個の州は胃・昴・畢分野に属す。所轄の一百一十六個の県の中に、五十六個の県は尾・箕分野に属し、三個の県は女・虚・危分野に属し、十個の県は室・壁分野に属し、四十七個の県は胃・昴・畢分野に属す。辺外の都指揮使司両処は、皆尾・箕分野に帰す。鎮衛二十七処の中に、二十六処は尾・箕分野に属し、一処は胃・昴・畢分野に属す。守御千戸所二十処の中に、十九処は尾・箕分野に属し、一処は胃・昴・畢分野に属す。戍堡六処は、一併に尾・箕分野に属す。
山東佈政:府六,五府屬女虛危分,一府屬奎婁分。州一十五,二州屬氐房心分,八州屬女虛危分,三州屬室壁分,二州屬奎婁分。縣八十九,九縣屬氐房心分,五十八縣屬女虛危分,七縣屬室壁分,一十四縣屬奎婁分,一縣屬胃昴畢分。外鎮衛七,並屬女虛危分。外鎮守禦千戶所四,幷屬女虛危分。遼東都指揮使司:州二,並屬尾箕分;衛二十五,並屬尾箕分;守禦千戶所一十八,並屬尾箕分;外夷千戶所五,並屬尾箕分。
山東布政使司の所轄の六個の府の中に、五個の府は女宿・虚宿・危宿分野に属し、一個の府は奎宿・婁宿分野に属す。所轄の十五個の州の中に、両個の州は氐・房・心分野に属し、八個の州は女・虚・危分野に属し、三個の州は室・壁分野に属し、両個の州は奎・婁分野に属す。所轄の八十九個の県の中に、九個の県は氐・房・心分野に属し、五十八個の県は女・虚・危分野に属し、七個の県は室・壁分野に属し、十四個の県は奎・婁分野に属し、一個の県は胃・昴・畢分野に属す。辺鎮の衛七処は、一併に女・虚・危分野に属す。守御千戸所四処も、亦た一併に女・虚・危分野に属す。至るか当時山東に節制せらるる遼東都指揮使司は、所轄の両個の州・二十五個の衛・十八個の守御千戸所、および帰附部族を安置するの外夷千戸所五処は、則ち全部尾宿・箕宿の分野に劃入す。
山西佈政:府五,一府屬胃昴畢分,四府屬觜參分。州一十九,四州屬胃昴畢分,一十五州屬觜參分。縣七十八,七縣屬胃昴畢分,七十一縣屬觜參分。外鎮衛九,並屬胃昴畢分。外鎮守禦千戶所四,幷屬觜參分。
山西布政使司の所轄の五個の府の中に、一個の府は胃宿・昴宿・畢宿分野に属し、四個の府は觜宿・参宿分野に属す。所轄の十九個の州の中に、四個の州は胃・昴・畢分野に属し、十五個の州は觜・参分野に属す。所轄の七十八個の県の中に、七個の県は胃・昴・畢分野に属し、七十一個の県は觜・参分野に属す。辺鎮の衛九処は、一併に胃・昴・畢分野に属す。守御千戸所四処は、一併に觜・参分野に属す。見る可く山西の一省は觜・参の二宿の分野を以て主と為し、只有北面大同の一帯は別に胃・昴・畢に属す。此れ正に古人の参宿を把りて晋国の星象と看作すの旧説と相合す。
河南佈政:府八,二府屬角亢分,一府屬氐房心分,三府屬室壁分,二府屬柳星張分。州一十二,三州屬角亢分,一州屬氐房心分,一州屬胃昴畢分,七州屬柳星張分。縣九十六,三十四縣屬角亢分,一十二縣屬氐房心分,一十三縣屬室壁分,二縣屬胃昴畢分,三十五縣屬柳星張分。
河南布政使司の所轄の八個の府の中に、両個の府は角宿・亢宿分野に属し、一個の府は氐宿・房宿・心宿分野に属し、三個の府は室宿・壁宿分野に属し、両個の府は柳宿・星宿・張宿分野に属す。所轄の十二個の州の中に、三個の州は角・亢分野に属し、一個の州は氐・房・心分野に属し、一個の州は胃宿・昴宿・畢宿分野に属し、七個の州は柳・星・張分野に属す。所轄の九十六個の県の中に、三十四個の県は角・亢分野に属し、十二個の県は氐・房・心分野に属し、十三個の県は室・壁分野に属し、両個の県は胃・昴・畢分野に属し、三十五個の県は柳・星・張分野に属す。河南は天下の中に居り四方交会す。故に一省の内に竟て五組の星宿の分野を跨ぎ、各省の最と為る。
陜西佈政:府八,並屬井鬼分。州二十一,二十州屬井鬼分,一州屬柳星張分。縣九十六,九十五縣屬井鬼分,一縣屬桞星張分。外鎮行都指揮使司一,屬井鬼分。外鎮衛二十二,並屬井鬼分。外鎮軍民衛三,並屬井鬼分。外鎮守禦千戶所一十,並屬井鬼分。外鎮守禦百戶所二,並屬井鬼分。外鎮堡三十五,並屬井鬼分。
陜西布政使司の所轄の八個の府は、全部井宿・鬼宿分野に属す。所轄の二十一個の州の中に、二十個の州は井・鬼分野に属し、一個の州は柳宿・星宿・張宿分野に属す。所轄の九十六個の県の中に、九十五個の県は井・鬼分野に属し、一個の県は柳・星・張分野に属す。原文の「桞」就是れ「柳」の異体写法なり。辺鎮の行都指揮使司一処は、井・鬼分野に属す。鎮衛二十二処・軍民衛三処・守御千戸所十処・守御百戸所両処・戍堡三十五処も、亦た皆一併に井・鬼分野に属す。井・鬼の二宿は秦地を主り、陜西正是れ古秦国の故壤なり。故に全省は几乎清一色に此の一分野に帰す。
湖廣佈政:府一十五,並屬翼軫分。州一十九,二州屬柳星張分,一十七州屬翼軫分。縣一百零七,二縣屬桞星張分,一百五縣屬翼軫分。留守司一,屬翼軫分。外鎮衛三,並屬翼軫分。軍民衛一,屬翼軫分。外鎮守禦千戶所一十二,並屬翼軫分。軍民宣慰使司二,並屬翼軫分。宣撫司四,並屬翼軫分。安撫司九,並屬翼軫分。長官司二十四,並屬翼軫分。
湖広布政使司の所轄の十五個の府は、全部翼宿・軫宿分野に属す。所轄の十九個の州の中に、両個の州は柳宿・星宿・張宿分野に属し、十七個の州は翼・軫分野に属す。所轄の一百零七個の県の中に、両個の県は柳・星・張分野に属し、一百零五個の県は翼・軫分野に属す。別に留守司一処有りて、翼・軫分野に属す。辺鎮の衛三処・軍民衛一処・守御千戸所十二処も、亦た皆翼・軫分野に属す。此の外、西南土官を管轄するの軍民宣慰使司両処・宣撫司四処・安撫司九処・長官司二十四処は、一律に翼・軫分野に帰入す。翼・軫の二宿は楚地を主り、湖広就是れ古楚国の境なり。故に通省は同じく一個の分野に属す。
四川佈政:府九,並屬井鬼分。軍民府四,並屬井鬼分。州二十一,並屬井鬼分。縣一百一十二,並屬井鬼分。外鎮行都指揮使司一,屬井鬼分。外鎮衛九,並屬井鬼分。軍民衛六,並屬井鬼分。外鎮守禦千戶所一十八,並屬井鬼分。招討司一,屬井鬼分。宣撫司三,並屬井鬼分。安撫司六,並屬井鬼分。長官司四十,並屬井鬼分。
四川布政使司の所轄の九個の府・軍民府四処・州二十一個・県一百一十二個は、全部井宿・鬼宿分野に属す。所謂「軍民府」とは、是れ民政と衛所軍務とを兼理するの建置にして、多く辺地に設く。辺鎮の行都指揮使司一処・衛九処・軍民衛六処・守御千戸所十八処も、亦た皆井・鬼分野に属す。此の外、招討司一処・宣撫司三処・安撫司六処・長官司四十処の此れらの番夷を統轄するの機構も、同様に一併に井・鬼分野に帰入す。四川は陜西と同じく古秦国の旧疆と為す。故に両省の分野は完全一致し、通省に一処の例外無し。
浙江佈政:府一十一,並屬斗牛分。州一,屬斗牛分。縣七十五,並屬斗牛分。外鎮衛六,並屬斗牛分。外鎮守禦千戶所二十三,並屬斗牛分。江西佈政:府一十三,並屬斗牛分。州一,屬斗牛分。縣七十七,並屬斗牛分。福建佈政:府八,並屬斗牛分。州一,屬斗牛分。縣五十八,並屬斗牛分。外鎮衛二,並屬斗牛分。
浙江布政使司の所轄の十一個の府・州一個・県七十五個、および辺鎮の衛六処・守御千戸所二十三処は、全部斗宿・牛宿分野に属す。江西布政使司の所轄の十三個の府・州一個・県七十七個も、亦た全部斗・牛分野に属す。福建布政使司の所轄の八個の府・州一個・県五十八個に、辺鎮の衛両処を加え、同様に全部斗・牛分野に属す。斗・牛の二宿は旧来呉越の地を主り、江浙閩贛は皆其の中に在り。故に此の三省の上下は一処も別の星宿に旁属する無し。又可なり注意すべきは、浙江沿海の倭患は頻仍にして、守御千戸所は多く二十三処に達し、内陸に身処する江西を遠遠に超過す。
廣東佈政:府十,八府屬斗牛分,二府屬翼軫分。州八,六州屬斗牛分,二州屬翼軫分。縣七十五,六十四縣屬斗牛分,十一縣屬翼軫分。外鎮衛四,並屬斗牛分。外鎮守禦千戶所二十一,十九守禦千戶所屬斗牛分,一守禦千戶所屬翼軫分。
広東布政使司の所轄の十個の府の中に、八個の府は斗宿・牛宿分野に属し、両個の府は翼宿・軫宿分野に属す。所轄の八個の州の中に、六個の州は斗・牛分野に属し、両個の州は翼・軫分野に属す。所轄の七十五個の県の中に、六十四個の県は斗・牛分野に属し、十一個の県は翼・軫分野に属す。辺鎮の衛四処は、一併に斗・牛分野に属す。守御千戸所二十一処の中に、十九処は斗・牛分野に属し、一処は翼・軫分野に属す。広東東部は旧く百越に属し、故に呉越の斗・牛に従う。西部は広西と接壤し、地は古楚に近し。故に転じて翼・軫に従う。
廣西佈政:府十,一府屬斗牛分,九府屬翼軫分。軍民府一,屬翼軫分。州五十,並屬翼軫分。縣四十九,五縣屬斗牛分,四十四縣屬翼軫分。外鎮守禦千戶所一,屬翼軫分。長官司四,並屬翼軫分。
広西布政使司の所轄の十個の府の中に、一個の府は斗宿・牛宿分野に属し、九個の府は翼宿・軫宿分野に属す。別に軍民府一処有りて、翼・軫分野に属す。所轄の五十個の州は、全部翼・軫分野に属す。所轄の四十九個の県の中に、五個の県は斗・牛分野に属し、四十四個の県は翼・軫分野に属す。辺鎮の守御千戸所一処・長官司四処も、亦た皆翼・軫分野に属す。広西の全境は几乎尽く楚地の分野に入り、只有東境の広東に緊隣する少数の州县は、仍旧呉越の斗・牛の二宿に系る。
雲南佈政:府一十四,並屬井鬼分。軍民府七,並屬井鬼分。州四十三,並屬井鬼分。縣三十一,並屬井鬼分。外鎮衛三,並屬井鬼分。軍民衛二,並屬井鬼分。外鎮守禦千戶所四,並屬井鬼分。軍民宣慰使司九,並屬井鬼分。宣撫司三,並屬井鬼分。安撫司二,並屬井鬼分。長官司二十四,並屬井鬼分。
雲南布政使司の所轄の十四個の府・軍民府七処・州四十三個・県三十一個は、全部井宿・鬼宿分野に属す。辺鎮の衛三処・軍民衛両処・守御千戸所四処も、同様に井・鬼分野に属す。土官を管轄するの軍民宣慰使司九処・宣撫司三処・安撫司両処・長官司二十四処も、亦た一律に井・鬼分野に帰入す。「宣慰使司」「宣撫司」「安撫司」「長官司」是れ明代羈縻土官の四等の建置にして、高より低に至りて分層統属す。此処は一概に其の駐地に按じて星宿分野に系入す。雲南は明代に雖も遠く西南徼外に在るも、星占家は仍旧其れを四川・陜西に連ねて一併に秦分と算作す。故に通省は別に旁属無し。
貴州佈政:府十,一府屬井鬼分,一府屬柳星張分,八府屬翼軫分。州八,並屬翼軫分。縣一十四,二縣屬井鬼分,一縣屬柳星張分,一十一縣屬翼軫分。外鎮衛一十二,並屬翼軫分。軍民衛三,並屬翼軫分。外鎮守禦千戶所一十二,並屬翼軫分。宣慰使司一,屬井鬼分。安撫司二,一安撫司屬井鬼分,一安撫司屬翼軫分。長官司八十二,二十六長官司屬井鬼分,六長官司屬柳星張分,五十長官司屬翼軫分。
貴州布政使司の所轄の十個の府の中に、一個の府は井宿・鬼宿分野に属し、一個の府は柳宿・星宿・張宿分野に属し、八個の府は翼宿・軫宿分野に属す。所轄の八個の州は、全部翼・軫分野に属す。所轄の十四個の県の中に、両個の県は井・鬼分野に属し、一個の県は柳・星・張分野に属し、十一個の県は翼・軫分野に属す。辺鎮の衛十二処・軍民衛三処・守御千戸所十二処は、皆翼・軫分野に属す。土官の方面は、宣慰使司一処は井・鬼分野に属す。安撫司両処の中に、一処は井・鬼分野に属し、一処は翼・軫分野に属す。長官司八十二処の中に、二十六処は井・鬼分野に属し、六処は柳・星・張分野に属し、五十処は翼・軫分野に属す。貴州は四川・湖広・広西の三面交界に地処す。故に分野も亦た之に随いて三処に分属し、長官司の数目の多きは更に各省の冠に居る。
欽天監と唐晋二志分野異同
今欽天監分配州郡,與唐志大抵相同。祗有鄭分野,本周畿內之地,與周分州縣更互相屬,分界之處理宜同占。今鄭分曰孟、潁、光、黃、州、孟,本周分。昔周以其地予鄭,此亦可據。但黃為古黃國,今屬光州,非黃州地。周鄭之分,南不至江,江乃楚分,今當辨之。
当今欽天監の定むる所の州郡分野は、《唐書・天文志》の載する所と大体一致す。唯獨鄭国の此の一分野は弁明するを要す。鄭地は本来是れ周天子の王畿以内の地方にして、周分の州县と互相交錯す。凡そ両分の交界処に在る州县は、占断する時に理応に周・鄭の両分を兼看すべし。如今孟・潁・光・黄・州・孟等の地を把りて鄭分に列入するは、其の中孟地は原属周分にして、只因当年周王の曽て此の塊の土地を鄭国に賜与せしを以て、此の様に帰属するも亦た算して拠有り。但要に注意すべきは、此処の「黄」は指す所是れ古代の黄国にして、其の地は今光州に属し、并びて是れ湖広の黄州に非ず。両者は相混すべからず。還って一点有り。周分と鄭分の疆界は南に向かいて長江に到らず、長江の一帯は是れ楚国の分野なり。此れ是れ今天必ず辨清楚せねばならぬなり。
又按晉《天文志》以幷州為衛分,益州為晉分,兗州為鄭分,豫州為宋,徐州為魯分。今據唐晉分配為郡,則幷州為晉分,益州乃秦分梁州之城,兗州為魯國之地,鄭與周同豫州之地。今周分三河,則鄭分豫明矣。宋雖徐豫二州之境,得徐州之地為多,宜改徐州。以上五宮,今從唐書,其餘州分並從晉志。
再び《晋書・天文志》の説法を考す。其れは幷州を把りて衛国分野に系し、益州を晋国分野に系し、兗州を鄭国分野に系し、豫州を宋国分野に系し、徐州を魯国分野に系す。若し《唐書》と《晋書》の両家の載る所に依りて各郡の帰属を重新核定せば、那れ么幷州は当に晋国分野に属すべく、益州は本是れ秦分の下の梁州の城邑にして、兗州は当に是れ魯国の故地、鄭国は則ち周と同じく豫州の地を占す。既然今天周分を河内・河東・河南の此の「三河」の一帯に定めれば、鄭分は豫州に帰入するも亦た清楚了なり。宋国は雖も徐・豫の両州の境を跨有するも、但し占する所の徐州の土地は更に多し。因此に宜しく徐州に系るに改むべし。以上の幷・益・兗・豫・徐の五宮の帰属は、今《唐書》に依り、其余の各州の分野は、則ち一概に《晋書・天文志》に依る。
子宮 女虚危 斉分野(青州)
子宮,女虛危,齊分野。女虛危在子,自女二度至危十一度,屬齊分、青州。濟南府,歷城縣,章丘縣,鄒平縣,淄川縣,長山縣,新城縣,齊河縣,齊東縣,濟陽縣,禹城縣,臨邑縣,長清縣,肥城縣,青城縣,陵縣。泰安州,新泰縣,萊蕪縣,德州,德平縣,平原縣,武定州,陽信縣,海豐縣,樂陵縣,商河縣。濵州,利津縣,霑化縣,蒲臺縣,東阿縣,平陰縣,陽穀縣屬東昌府。
子宮の主る所是れ女宿・虚宿・危宿にして、斉国の分野に属す。此の三宿は子位に列し、女宿第二度より起りて、危宿第十一度に止まり、地上の斉地に対応し、也就是れ古九州の中の青州なり。此の一分野の内に落つる州县は、首先是れ山東済南府、および其の属する所の暦城・章丘・鄒平・淄川・長山・新城・斉河・斉東・済陽・禹城・臨邑・長清・肥城・青城・陵県の共に十五個の県。其次是れ泰安州および所属の新泰・莱蕪の二県、徳州および所属の徳平・平原の二県、武定州および所属の陽信・海豊・楽陵・商河の四県。再次是れ濵州および所属の利津・沾化・蒲台の三県。此の外還って東阿・平陰・陽谷の三県有り。其れらは行政上は東昌府に隷属するも、但し分野に按じて划分すれば仍旧子宮に帰入す。
東昌府,聊城縣,堂邑縣,博平縣,茌平縣,清平縣,莘縣,丘縣屬臨清州,髙唐州,夏津縣,武城縣。青州府,益都縣,臨淄縣,博興縣,髙苑縣,樂安縣,壽光縣,臨朐縣,昌樂縣。
続いて是れ東昌府、および其の属する所の聊城・堂邑・博平・茌平・清平・莘県の諸県。丘県は則ち臨清州に隷属す。又た髙唐州および所属の夏津・武城の二県有り。再び東に往きて是れ青州府、および其の属する所の益都・臨淄・博興・髙苑・楽安・寿光・臨朐・昌楽の八個の県。此れらの州县は皆女・虚・危の三宿の主る所の青州分野の内に在り。原文中の「髙」是れ「高」の異体写法にして、下文の同類の字形は一は其の旧に仍り、再び逐一に出注せず。
登州府,蓬萊縣,黃縣,福山縣,棲霞縣,招逺縣,萊陽縣,寧海州,文登縣,大嵩衛在棗陽縣東南一百三十里,竒山守禦千戶所在福山縣東北三十里,靖海衛在文登縣南二百二十里,寧津守禦千戶所在文登縣東南一百二十里,安東衛在文登縣西一百二十里,成山衛在文登縣東一百二十里,威海衛在文登縣北九十里。
再び東北に往きて是れ登州府、および其の属する所の蓬莱・黄県・福山・棲霞・招逺・莱陽の諸県、還って寧海州と文登県と有り。此の一帯は三面海に臨み、衛所は林立す。大嵩衛は棗陽県の東南一百三十里の処に設く。竒山守御千戸所は福山県の東北三十里に設く。靖海衛は文登県より以南二百二十里に設く。寧津守御千戸所は文登県の東南一百二十里に設く。安東衛は文登県より以西一百二十里に設く。成山衛は文登県より以東一百二十里に設く。威海衛は則ち文登県より以北九十里に在り。以上の衛・所は其れらの駐地に連ねて、一併に子宮の女・虚・危の三宿の分野に劃入す。記する所の里数は皆府県の治所より量起するの道里にして、用いて各衛所の方位遠近を標明す。
萊州府,掖縣,平度州,濰縣,昌邑縣,膠州,髙密縣,即墨縣,靈山衛在膠州東南九十里,鰲山衛在即墨縣東四十里,浮山守禦千戶所在即墨縣南九十里,雄崖守禦千戶所在即墨縣東北九十里。北直隸:滄州,南皮縣,鹽山縣,慶雲縣。
再び南に往きて是れ莱州府、および其の属する所の掖県・平度州・濰県・昌邑県・膠州・髙密・即墨等の州县。此の一帯の海防建置是れ、霊山衛は膠州の東南九十里に設く。鰲山衛は即墨県より以東四十里に設く。浮山守御千戸所は即墨県より以南九十里に設く。雄崖守御千戸所は即墨県の東北九十里に設く。山東を除くの外、北直隷も亦た一角の落ちて此の分野の内に在る有りて、就是れ滄州および其の属する所の南皮・塩山・慶雲の三県。其れらは雖も北直隷に属するも、地理上は却て斉地と相接す。故に仍旧女・虚・危の三宿に系る。
丑宮 斗牛 呉越分野(揚州)
丑宮,斗牛,吳越分野,斗牛在丑,自斗三度至女一度,屬吳越分,揚州。南直隸:應天府,上元縣,江寧縣,句容縣,溧陽縣,溧水縣,江浦縣,六合縣,髙淳縣。鳯陽府,鳯陽縣,臨淮縣,定逺縣,壽州,皇陵衛在府西南二十二里。廬州府,合肥縣,廬江縣,舒城縣,無為州,巢縣,六安州,英山縣,霍山縣,淮安府,山陽縣,鹽城縣,安東縣。
丑宮の主る所是れ斗宿・牛宿にして、呉・越の両国の分野に属す。此の両宿は丑位に列し、斗宿第三度より起りて、女宿第一度に止まり、地上の呉越の地に対応し、也就是れ古九州の中の揚州なり。此の分野に属するは、首先是れ南直隷の一帯。応天府(即ち南京)および其の属する所の上元・江寧・句容・溧陽・溧水・江浦・六合・髙淳の八県は皆其の中に在り。其次是れ鳯陽府および其の属する所の鳯陽・臨淮・定逺の三県と寿州。府城の西南二十二里の処に別に皇陵衛を設け、専ら明太祖の父母の陵寢を護衛するを司る。再次是れ廬州府および其の属する所の合肥・廬江・舒城の三県、無為州および所属の巢県、六安州および所属の英山・霍山の二県。還って淮安府および其の属する所の山陽・塩城・安東の三県有り。
揚州府,江都縣,儀真縣,泰興縣,髙郵州,興化縣,寶應縣,泰州,如皋縣,通州,海門縣。蘇州府,吳縣,長洲縣,崑山縣,常熟縣,吳江縣,嘉定縣,太倉州,崇明縣,吳淞江守禦千戶所在嘉定縣東南四十里。松江府,華亭縣,上海縣,青浦縣,金山衛在府東南七十二里。常州府,武進縣,無錫縣,江陰縣,宜興縣,靖江縣。鎮江府,丹徒縣,丹陽縣,金壇縣。
運河に沿い南に下れば是れ揚州府、および其の属する所の江都・儀真・泰興の三県、髙郵州および所属の興化・宝応の二県、泰州および所属の如皋県、通州および所属の海門県。江を渡れば便ち是れ蘇州府、および其の属する所の呉県・長洲・崑山・常熟・呉江・嘉定の諸県、および太倉州と崇明県。呉淞江守御千戸所は嘉定県の東南四十里に設け、長江の海に入るの口を扼守す。再び東南に往きて是れ松江府、および其の属する所の華亭・上海・青浦の三県。府城の東南七十二里の処に金山衛を設く。此の外還って常州府および其の属する所の武進・無錫・江陰・宜興・靖江の五県、鎮江府および其の属する所の丹徒・丹陽・金壇の三県有り。此れらの州县は正是れ古呉国の腹地にして、一概に斗・牛分野に帰す。
徽州府,歙縣,休寧縣,婺源縣,祁門縣,黟縣,績溪縣。寧國府,宣城縣,寧國縣,涇縣,太平縣,旌德縣,南陵縣。池州府,貴池縣,青陽縣,銅陵縣,石埭縣,建德縣,東流縣。太平府,當塗縣,蕪湖縣,繁昌縣。安慶府,懷寧縣,桐城縣,潛山縣,太湖縣,宿松縣,望江縣,廣德州,建平縣,和州,含山縣,滁州,全椒縣,來安縣,盱眙縣,天長縣屬泗州。
皖南の一帯も同様に斗・牛分野に属す。徽州府および其の属する所の歙県・休寧・婺源・祁門・黟県・績溪の六県。寧国府および其の属する所の宣城・寧国・涇県・太平・旌徳・南陵の六県。池州府および其の属する所の貴池・青陽・銅陵・石埭・建徳・東流の六県。太平府および其の属する所の当涂・蕪湖・繁昌の三県。安慶府および其の属する所の懐寧・桐城・潜山・太湖・宿松・望江の六県は、皆其の内に在り。此の外、広徳州および所属の建平県、和州および所属の含山県、滁州および所属の全椒・来安の二県も、亦た一併に此の分野に帰入す。盱眙・天長の両県は則ち泗州に隷属し、同様に斗・牛の二宿に系る。
浙江省:杭州府,錢塘縣,仁和縣,海寜縣,富陽縣,餘杭縣,臨安縣,於潛縣,新城縣,昌化縣。嘉興府,嘉興縣,秀水縣,嘉善縣,海鹽縣,崇德縣,平湖縣,桐鄉縣,澉浦守禦千戶所在海鹽縣南三十六里,乍浦守禦千戶所在海鹽縣東北三十六里。湖州府,烏程縣,歸安縣,長興縣,安吉州,德清縣,孝豐縣,武康縣。
浙江の全省も亦た斗・牛分野の内に在り。杭州府および其の属する所の銭塘・仁和・海寜・富陽・余杭・臨安・于潜・新城・昌化の九県。嘉興府および其の属する所の嘉興・秀水・嘉善・海塩・崇徳・平湖・桐郷の七県。其の中澉浦守御千戸所は海塩県より以南三十六里に設け、乍浦守御千戸所は海塩県の東北三十六里に設く。両処は皆是れ倭寇の杭州湾の北岸より登陸するを防備するの要地なり。湖州府および其の属する所の烏程・帰安・長興の三県、安吉州および所属の徳清・孝豊・武康の三県。杭・嘉・湖の三府は正に太湖より以南に当たり、是れ古越国の北境にして、蘇・松と同じく財賦の淵藪と為る。
寧波府,鄞縣,慈谿縣,奉化縣,定海縣,象山縣,定海衛後千戸所在定海縣東南九十里,中中千戶所在定海縣東北昌國縣舊城,中左千戶所在府南三百七十里,大嵩守禦千戶所在府南二百六十里,霩衢守禦千戶所在定海縣東南一百三十里,昌國衛府南三百五十里,石浦守禦前千戶所在府南三百七十里,錢倉守禦千戶所在府南二百六十里,石浦守禦後千戶所在府南百十里,爵溪守禦千戶所在府南二百七十里,觀海衛在慈谿縣西北六十里,龍山守禦千戶所在府北七十里。
寧波府および其の属する所の鄞県・慈溪・奉化・定海・象山の五県は、是れ浙東海防の重心にして、衛所は格外に密集に排す。定海衛の後千戸所は、定海県の東南九十里に距る。中中千戸所は、就中定海県の東北の昌国県の旧城に設く。中左千戸所は、府城より以南三百七十里に距る。大嵩守御千戸所は、府城より以南二百六十里に距る。霩衢守御千戸所は、定海県の東南一百三十里に距る。昌国衛は、府城より以南三百五十里に距る。石浦守御前千戸所は、府城より以南三百七十里に距る。銭倉守御千戸所は、府城より以南二百六十里に距る。石浦守御後千戸所は、府城より以南一百一十里に距る。爵溪守御千戸所は、府城より以南二百七十里に距る。観海衛は則ち慈谿県の西北六十里に設く。龍山守御千戸所は、府城より以北七十里に距る。此の十余処の衛所は寧波府の属県に連ねて、一併に斗・牛分野に劃帰す。石浦の一地は前後両所を并置す。見る可く明代の象山港の口岸を看重するを。
紹興府,山陰縣,會稽縣,蕭山縣,諸暨縣,餘姚縣,上虞縣,嵊縣,新昌縣。台州府,臨海縣,黃岩縣,天台縣,仙居縣,寧海縣,太平縣,海門衛在府東南一百八十里,前千戶所在衛北十里,新河守禦千戶所在衛南五十里,桃渚守禦千戶所在衛東北五十里,健跳守禦千戶所在衛東北一百一十里,松門衛在府東南一百八十里,隘頑守禦千戶所在衛南六十里,楚門守禦千戶所在衛南一百二十里。
紹興府および其の属する所の山陰・会稽・蕭山・諸曁・余姚・上虞・嵊県・新昌の八県は、是れ古越国の都邑の在所にして、自然に斗・牛分野に帰す。台州府および其の属する所の臨海・黄巌・天台・仙居・寧海・太平の六県も亦た其の中に在り。其の海防の配置是れ、海門衛は府城の東南一百八十里に距り、前千戸所は該衛より以北十里に設け、新河守御千戸所は衛城より以南五十里に設け、桃渚守御千戸所は衛城の東北五十里に設け、健跳守御千戸所は衛城の東北一百一十里に設く。松門衛も亦た府城の東南一百八十里に距り、隘頑守御千戸所は衛城より以南六十里に設け、楚門守御千戸所は衛城より以南一百二十里に設く。
金華府,金華縣,蘭谿縣,東陽縣,義烏縣,永康縣,武義縣,浦江縣,湯溪縣。衢州府,西安縣,龍游縣,常山縣,江山縣,開化縣。嚴州府,建德縣,淳安縣,桐廬縣,遂安縣,壽昌縣,分水縣。
浙西内陸の三府も同様に斗・牛分野に属す。金華府および其の属する所の金華・蘭溪・東陽・義烏・永康・武義・浦江・湯溪の八県。衢州府および其の属する所の西安・龍游・常山・江山・開化の五県。厳州府および其の属する所の建徳・淳安・桐廬・遂安・寿昌・分水の六県。此の三府は皆銭塘江の上游の山間に在り、海防の需無し。故に只州县を列して衛所を設けず、沿海の各府の体例と明らかに同じからず。
溫州府,永嘉縣,樂清縣,平陽縣,裡安縣,泰順縣,金鄉衛在平陽縣西七十里,蒲門守禦千戶所在平陽縣南五十里,壯士守禦千戶所在平陽縣東五十三里,沙園守禦千戶所在裡安縣東南六十里,盤石衛在樂清縣西六十里,蒲岐守禦千戶所在樂清縣南瑞應鄉,寧村守禦千戶所在永嘉縣三都。處州府,麗水縣,青田縣,縉雲縣,松陽縣,遂昌縣,龍泉縣,慶源縣,雲和縣,宣平縣,景寧縣。
浙南の温州府および其の属する所の永嘉・楽清・平陽・里安・泰順の五県は、海岸は曲折にして衛所も亦た多し。金郷衛は平陽県より以西七十里に設け、蒲門守御千戸所は平陽県より以南五十里に設け、壮士守御千戸所は平陽県より以東五十三里に設け、沙園守御千戸所は里安県の東南六十里に設け、盤石衛は楽清県より以西六十里に設け、蒲岐守御千戸所は楽清県より以南の瑞応郷に設け、寧村守御千戸所は永嘉県の第三都に設く。此の外還って処州府、および其の属する所の麗水・青田・縉雲・松陽・遂昌・龍泉・慶源・雲和・宣平・景寧の十県有り。温・処の二府是れ浙江の最も南の両府にして、已に福建と接界するも、但し星占に按じれば仍だ呉越の星区を出でず。一併に斗・牛分野に帰す。
江西省:南昌府,南昌縣,新建縣,豐城縣,進賢縣,靖安縣,奉新縣,武寧縣,寧州。饒州府,鄱陽縣,餘干縣,樂平縣,浮梁縣,德興縣,安仁縣,萬年縣。廣信府,上饒縣,玉山縣,弋陽縣,貴溪縣,永豐縣,鉛山縣,興安縣。南康府,星子縣,都昌縣,建昌縣,安義縣。九江府,德化縣,德安縣,瑞昌縣,湖口縣,彭澤縣。建昌府,南城縣,新城縣,南豐縣,廣昌縣,瀘溪縣。
江西の全省も亦た斗・牛分野に属す。南昌府および其の属する所の南昌・新建・豊城・進賢・靖安・奉新・武寧の七県と寧州。饒州府および其の属する所の鄱陽・余干・楽平・浮梁・徳興・安仁・万年の七県。広信府および其の属する所の上饒・玉山・弋陽・貴溪・永豊・鉛山・興安の七県。南康府および其の属する所の星子・都昌・建昌・安義の四県。九江府および其の属する所の徳化・徳安・瑞昌・湖口・彭沢の五県。建昌府および其の属する所の南城・新城・南豊・広昌・瀘溪の五県。以上の六府は皆鄱陽湖と贛江の下游とを環繞し、是れ全省の人烟最も稠密の一片なり。江西は古は呉・楚の交界の地と為す。此処は一概に呉越の斗・牛の二宿に系る。
撫州府,臨川縣,崇仁縣,金溪縣,宜黃縣,樂安縣,東鄉縣。臨江府,清江縣,新淦縣,峽江縣,新喻縣。吉安府,廬陵縣,泰和縣,吉水縣,永豐縣,安福縣,龍泉縣,萬安縣,永新縣,永寧縣。瑞州府,髙安縣,上髙縣,新昌縣。袁州府,宜春縣,分宜縣,萍鄉縣,萬載縣。贛州府,贛縣,雩都縣,信豐縣,興國縣,會昌縣,安逺縣,長寧縣,寧都縣,瑞金縣,龍南縣,石城縣,定南縣。南安府,大庾縣,南康縣,上猶縣,崇義縣。
贛中・贛南の各府も同様に斗・牛分野に帰す。撫州府および其の属する所の臨川・崇仁・金溪・宜黄・楽安・東郷の六県。臨江府および其の属する所の清江・新淦・峡江・新喻の四県。吉安府および其の属する所の廬陵・泰和・吉水・永豊・安福・龍泉・万安・永新・永寧の九県。瑞州府および其の属する所の髙安・上髙・新昌の三県。袁州府および其の属する所の宜春・分宜・萍郷・万載の四県。贛州府および其の属する所の贛県・雩都・信豊・興国・会昌・安逺・長寧・寧都・瑞金・龍南・石城・定南の十二県。南安府および其の属する所の大庾・南康・上猶・崇義の四県。贛州・南安の両府は已に五嶺に逼近し、是れ江西の広東に通ずるの孔道にして、分野は仍だ呉越を出でず。前の一段の列する所に合せば、江西の一省十三府一州七十七県は、一処も別の星宿に旁属する無く、前面の統計と正に相吻合す。
福建省:福州府,閩縣,侯官縣,古田縣,長樂縣,連江縣,懷安縣,閩清縣,羅源縣,永福縣,福清縣。泉州府,晉江縣,南安縣,恵安縣,德化縣,安溪縣,同安縣,永春縣。建寧府,建安縣,甌寧縣,建陽縣,崇安縣,浦城縣,政和縣,松溪縣,壽寧縣。延平府,南平縣,將樂縣,大田縣,沙縣,尤溪縣,順昌縣,永安縣。汀州府,長汀縣,寧化縣,上杭縣,武平縣,清流縣,連城縣,歸化縣,永定縣。
福建の全省も亦た斗・牛分野に入る。福州府および其の属する所の閩県・侯官・古田・長楽・連江・懐安・閩清・羅源・永福・福清の十県。泉州府および其の属する所の晋江・南安・恵安・徳化・安溪・同安・永春の七県。建寧府および其の属する所の建安・甌寧・建陽・崇安・浦城・政和・松溪・寿寧の八県。延平府および其の属する所の南平・将楽・大田・沙県・尤溪・順昌・永安の七県。汀州府および其の属する所の長汀・寧化・上杭・武平・清流・連城・帰化・永定の八県。以上の五府は閩江の上下游と汀江の流域とに分処す。福・泉の両府は海に瀕し、建・延・汀の三府は深く山の中に在り。福建は古称閩越にして、本是れ越人の南遷の地なり。故に呉越と同じく一個の分野を占す。
興化府,莆田縣,仙逰縣,平海衛在府東九十里。邵武府,邵武縣,光澤縣,泰寧縣,建寧縣。漳州府,龍溪縣,漳浦縣,龍巖縣,南靖縣,長太縣,漳平縣,平和縣,詔安縣,海澄縣,寧洋縣,鎮海衛在漳浦縣東海濵,福寧州,福安縣,寧德縣。
興化府および其の属する所の莆田・仙逰の二県。府城より以東九十里の処に平海衛を設く。邵武府および其の属する所の邵武・光沢・泰寧・建寧の四県。漳州府および其の属する所の龍溪・漳浦・龍巌・南靖・長太・漳平・平和・詔安・海澄・寧洋の十県。鎮海衛は則ち漳浦県の東面の海辺に設く。別有福寧州および其の属する所の福安・寧徳の二県有り。以上の三府一州は、前面の列する所の五府に連ねて、福建の全境を構成し、一併に斗・牛分野に帰す。原文の「濵」即ち今日の「濱」の字にして、海岸を指す。
廣東省:廣州府,南海縣,番禺縣,順德縣,東莞縣,從化縣,龍門縣,新寧縣,増城縣,香山縣,新會縣,三水縣,清逺縣,南海衛在東莞縣治南,東莞守禦千戶所在縣治南,大鵬守禦千戶所在東莞縣東南四百里海濵,廣海衛在新會縣南一百五十里海濵,香山守禦千戶所在縣治東。南雄府,保昌縣,始興縣。
広東の一省の東半部は斗・牛分野に帰す。広州府および其の属する所の南海・番禺・順徳・東莞・従化・龍門・新寧・増城・香山・新会・三水・清逺の十二県は皆其の中に在り。府境の海防の配置是れ、南海衛は東莞県の治より以南に設け、東莞守御千戸所も亦た県治より以南に設け、大鵬守御千戸所は東莞県の東南四百里の海辺に設け、広海衛は新会県より以南一百五十里の海辺に設け、香山守御千戸所は県治より以東に設く。此の外還って南雄府および其の属する所の保昌・始興の二県有りて、地は大庾嶺の南麓に在り、是れ嶺南の北に江西に通ずるの門戸なり。
恵州府,歸善縣,博羅縣,長寧縣,永安縣,海豐縣,河源縣,龍川縣,長樂縣,興寧縣,和平縣,碣石衛在海豐縣東南一百二十里海濵,平海守禦千戶所在府南二百里,捷勝守禦千戶所在海豐縣南八十里海濵,甲子門守禦千戶所在海豐縣東一百一十里海濵。
恵州府および其の属する所の帰善・博羅・長寧・永安・海豊・河源・龍川・長楽・興寧・和平の十県は、同じく斗・牛分野に属す。府境の沿海衛所は四処有り。碣石衛は海豊県の東南一百二十里の海辺に設け、平海守御千戸所は府城より以南二百里に設け、捷勝守御千戸所は海豊県より以南八十里の海辺に設け、甲子門守御千戸所は海豊県より以東一百一十里の海辺に設く。此の一段の海岸は正に珠江口より以東に当たり、是れ明代の倭を防ぎ海寇を緝捕するの要衝なり。故に千戸所は此の如く緊密に排布す。
潮州府,海陽縣,潮陽縣,掲陽縣,程鄉縣,饒平縣,恵來縣,大埔縣,澄海縣,普寧縣,平逺縣,大城守禦千戶所在饒平縣宣化都,海門守禦千戶所在潮陽縣隆井都,靖海守禦千戶所在恵來縣恵來都,蓬州守禦千戶所在掲陽縣鮀江都。
潮州府および其の属する所の海陽・潮陽・掲陽・程郷・饒平・恵来・大埔・澄海・普寧・平逺の十県も、亦た斗・牛分野の内に在り。府内は四処の守御千戸所を設く。大城所は饒平県の宣化都に在り、海門所は潮陽県の隆井都に在り、靖海所は恵来県の恵来都に在り、蓬州所は掲陽県の鮀江都に在り。「都」是れ明代の郷以下の基層区劃にして、此処は用いて各所の確切の駐地を標明す。潮州は已是れ広東の最も東の一府にして、福建の漳州と接壤し、風俗語言は相通ず。故に分野も亦た同じく呉越に属す。
肇慶府,髙要縣,四會縣,新興縣,陽江縣,陽春縣,髙明縣,恩平縣,廣寧縣,德慶州,封川縣,開建縣,海明守禦千戶所在陽江縣東南五十里,雙魚守禦千戶所在陽江縣西一百五十里,羅定州,東安縣,西寧縣,南鄉守禦千戶所在黃姜峒地方。
肇慶府および其の属する所の髙要・四会・新興・陽江・陽春・髙明・恩平・広寧の八県、徳慶州および所属の封川・開建の二県は、皆此の分野に帰す。海防の方面は、海明守御千戸所は陽江県の東南五十里に設け、双魚守御千戸所は陽江県より以西一百五十里に設く。別有羅定州および其の属する所の東安・西寧の二県。州内の南郷守御千戸所は黄姜峒の一帯に設く。「峒」是れ嶺南の山間聚落の称呼にして、彼処に兵を駐するは、是れ為に瑤・僮の各族の反側を弾圧せんが為なり。
髙州府,茂名縣,電白縣,信宜縣,化州,吳川縣,石城縣,神電衛在電白縣東南一百八十里。雷州府,海康縣,遂溪縣,徐聞縣,海康守禦千戶所在海康縣西一百七十里,樂民守禦千戶所在遂溪縣西角一百九十里,海安守禦千戶所在徐聞縣南二十里,錦囊守禦千戶所在徐聞縣東一百里。
髙州府および其の属する所の茂名・電白・信宜の三県、化州および所属の呉川・石城の二県。神電衛は電白県の東南一百八十里に設く。雷州府および其の属する所の海康・遂溪・徐聞の三県。其の衛所は四有り。海康守御千戸所は海康県より以西一百七十里に設け、楽民守御千戸所は遂溪県の西角一百九十里に設け、海安守御千戸所は徐聞県より以南二十里に設け、錦囊守御千戸所は徐聞県より以東一百里に設く。雷州半島は三面海に環り、南面は又た海南島と瓊州海峡を隔てて相望す。故に防守は独り密にして、四所は几乎囲んで一圈と為る。
瓊州府,瓊山縣,澄邁縣,安定縣,文昌縣,會同縣,樂東縣,臨髙縣,儋州,昌化縣,萬州,陵水縣,崖州,感恩縣,清瀾守禦千戶所在文昌縣東南三十里,昌化守禦千戶所在昌化縣北二十里。廣西省:梧州府,蒼梧縣,藤縣,容縣,岑溪縣,懷集縣。
海南島の上の瓊州府、および其の属する所の瓊山・澄邁・安定・文昌・会同・楽東・臨髙の七県、儋州および所属の昌化県、万州および所属の陵水県、崖州および所属の感恩県は、一併に斗・牛分野に帰す。島上に別に両処の守御千戸所を設け、清瀾所は文昌県の東南三十里に在り、昌化所は昌化県より以北二十里に在り。広西の一省の中は、只有梧州府および其の属する所の蒼梧・藤県・容県・岑溪・懐集の五県が此の分野に属し、其余の州县は別に翼・軫の二宿に系る。詳しくは後文の巳宮の一節を見よ。
寅宮 尾箕 燕分野(幽州)
寅宮,尾箕,燕分野,尾箕在寅,自尾三度至斗二度,屬燕,分幽州。北直隸:順天府,大興縣,宛平縣,良鄉縣,固安縣,永清縣,東安縣,香河縣,通州,三河縣,武清縣,寶坻縣,漷縣,昌平州,順義縣,密雲縣,懷柔縣,涿州,房山縣,霸州,文安縣,大城縣,保定縣,薊州,玉田縣,豐潤縣,遵化縣,平谷縣,密雲後衛在縣東北一百二十里古北口,興州左屯衛在玉田縣東南一百四十里,梁城守禦千戶所在寶坻縣東南一百四十里,渤海守禦千戶所在昌平州境黃花鎮,守禦白羊口後千戶所在白羊口。
寅宮の主る所是れ尾宿・箕宿にして、燕国の分野に属す。此の両宿は寅位に列し、尾宿第三度より起りて、斗宿第二度に止まり、地上の燕地に対応し、也就是れ古九州の中の幽州なり。此の分野に属する是れ北直隷の北半部。順天府(即ち北京)および其の属する所の大興・宛平・良郷・固安・永清・東安・香河の諸県、通州および所属の三河・武清・宝坻・漷県、昌平州および所属の順義・密雲・懐柔の三県、涿州および所属の房山県、霸州および所属の文安・大城・保定の三県、薊州および所属の玉田・豊潤・遵化・平谷の四県は、皆其の中に在り。府境の長城の一線に沿うの軍鎮は有り。密雲後衛は密雲県の東北一百二十里の古北口に在り、興州左屯衛は玉田県の東南一百四十里に在り、梁城守御千戸所は宝坻県の東南一百四十里に在り、渤海守御千戸所は昌平州の境内の黄花鎮に在り、守御白羊口後千戸所は則ち白羊口に駐す。
永平府,盧龍縣,遷安縣,撫寧縣,昌黎縣,灤州,樂亭縣,山海衛在撫寧縣山海闗口,東勝左衛在永平府北。保定府,清苑縣,滿城縣,安肅縣,定興縣,新城縣,唐縣,博野縣,慶都縣,完縣,容城縣,蠡縣,雄縣,安州,髙陽縣,新安縣,易州,淶水縣,大寧都指揮使司,保定左衛,保定右衛,保定中衛,保定前衛,保定後衛,茂山衛,保定右衛,守禦紫荊闗中千戶所在紫荊闗。
永平府および其の属する所の盧龍・遷安・撫寧・昌黎の四県、灤州および所属の楽亭県。山海衛は撫寧県の山海關口に設け、東勝左衛は永平府城より以北に設く。保定府および其の属する所の清苑・満城・安粛・定興・新城・唐県・博野・慶都・完県・容城・蠡県・雄県の諸県、安州および所属の髙陽・新安の二県、易州および所属の淶水県も、亦た皆尾・箕分野に属す。保定は又た是れ京畿の軍を駐するの重鎮にして、大寧都指揮使司を設け、下に保定左衛・保定右衛・保定中衛・保定前衛・保定後衛と茂山衛とを轄し、守御紫荆關中千戸所は則ち紫荆關に駐す。原文の「關」就是れ「関」の異体写法なり。
河間府,河間縣,獻縣,阜城縣,交河縣,青縣,靜海縣,肅寧縣,興濟縣,寧津縣,任丘縣,景州,吳橋縣,東光縣,故城縣,天津衛在靜海縣小直沽,天津左衛在小直沽,天津右衛在小直沽,瀋陽中屯衛在河間府東南。
河間府および其の属する所の河間・献県・阜城・交河・青県・静海・粛寧・興済・寧津・任丘の諸県、景州および所属の呉橋・東光・故城の三県は、同じく尾・箕分野に属す。府内の軍衛是れ、天津衛は静海県の小直沽に設け、天津左衛・天津右衛も亦た皆小直沽に設く。三衛は同じく一地に処り、力を合わせて海河の海に入るの口を扼守す。瀋陽中屯衛は則ち河間府の東南に設く。那れ是れ遼東より内遷安置せし衛所なり。
延慶州,永寧縣,延慶衛在州東南五十里居庸闗,保安州,美峪守禦千戶所在宣府西六十里,萬全都指揮使司,宣府左衛,宣府右衛,宣府前衛,萬全左衛,萬全右衛在宣府西八十里德勝口,懷安衛在宣府西一百二十里,保安右衛在懷安右衛城內,懷來衛在宣府東南一百五十里,延慶右衛在懷來衛城內,開平衛在宣府東北三十里,龍門衛在宣府東北二百一十里,興和守禦千戶所在宣府東一百二十里,龍門守禦千戶所在宣府東北二百四十里,長安守禦千戶所在宣府東北一百四十里,雲州守禦千戶所在宣府東北二百一十里,長安嶺堡,雲州堡在,鵰鶚堡宣府東北二百七十里,馬營堡在宣府東北二百六十八里,赤城堡在宣府東北二百里,四海冶堡。
延慶州および其の属する所の永寧県。延慶衛は、州城の東南五十里の居庸關に距る。又た保安州有り。美峪守御千戸所は、宣府より以西六十里に距る。宣府の一帯是れ九辺の重鎮にして、建置最も密なり。万全都指揮使司は宣府左衛・宣府右衛・宣府前衛と万全左衛とを統轄す。万全右衛は、宣府より以西八十里の徳勝口に距る。懐安衛は、宣府より以西一百二十里に距る。保安右衛は、懐安右衛城内に寄治す。懐来衛は、宣府の東南一百五十里に距る。延慶右衛は、懐来衛城内に寄治す。開平衛は、宣府の東北三十里に距る。龍門衛は、宣府の東北二百一十里に距る。守御千戸所は則ち四処有り。興和所は、宣府より以東一百二十里に距る。龍門所は、宣府の東北二百四十里に距る。長安所は、宣府の東北一百四十里に距る。雲州所は、宣府の東北二百一十里に距る。此の外還って長安嶺堡有り。雲州堡と雕鶚堡とは、同じく宣府の東北二百七十里に在り。馬営堡は、宣府の東北二百六十八里に距る。赤城堡は、宣府の東北二百里に距る。および四海冶堡。此の一片の長城の沿線の衛・所・堡寨は、全部尾・箕分野に劃入す。原刻は「雲州堡在」の四字の下に誤りて逗号を加えたり。其の実「在」の字は要して一直に雕鶚堡に到るまで管し、両堡は本是れ同じく一地に処る。
遼東都指揮使司,定遼中衛,定遼左衛,定遼右衛,定遼前衛,定遼後衛,東寧衛在都司城西一百二十里,海州衛在都司城南一百二十里,蓋州衛在都司城南二百四十里,復州衛在都司城南四百二十里,金州衛在都司城南六百里,中左千戶所守備旅順海口,廣寧衛在都司城西四百二十里,廣寧左衛在廣寧城,廣寧右衛在廣寜城,廣寧中衛在廣寧城,義州衛在都司城西北五百四十里,廣寧左屯衛在故錦州城,中左千戶所衛在衛城東四十里大淩河,廣寧右屯衛在都司城西五百四十里,廣寧中屯衛在都司城西北六百里,中左千戶所在衛南松山堡,廣寧前屯衛在都司城西九百六十里,中前千戶所在衛城西五十里急水河,中後千戶所在衛城東五十里杏林,廣寧後屯衛在義州衛城內。
遼東都指揮使司是れ明朝の遼東の全境を管轄するの最高軍政機関にして、其の下の属する所の衛所も亦た全部尾・箕分野に劃入す。都司は直轄して定遼中衛・定遼左衛・定遼右衛・定遼前衛と定遼後衛の五衛。遼南の一線は、東寧衛は、都司治所より以西一百二十里に距る。海州衛は、都司治所より以南一百二十里に距る。蓋州衛は、都司治所より以南二百四十里に距る。復州衛は、都司治所より以南四百二十里に距る。金州衛は、都司治所より以南六百里に距り、其の下の中左千戸所は専ら旅順の海口を守備するを責と為す。遼西の一線は、広寧衛は、都司治所より以西四百二十里に距る。広寧左衛・広寧右衛・広寧中衛は、三衛は同じく広寧城内に設く。義州衛は、都司治所の西北五百四十里に距る。広寧左屯衛は、旧錦州城に設け、其の中の左千戸所は衛城より以東四十里の大凌河に在り。広寧右屯衛は、都司治所より以西五百四十里に距る。広寧中屯衛は、都司治所の西北六百里に距り、其の中の左千戸所は衛城の南面の松山堡に在り。広寧前屯衛は、都司治所より以西九百六十里に距り、其の中の前千戸所は衛城より以西五十里の急水河に在り、中後千戸所は衛城より以東五十里の杏林に在り。広寧後屯衛は、則ち義州衛城内に寄治す。此の一線は山海関の外より自ら遼西走廊に沿いて北上し、正是れ明代の京師の東北方向の門戸なり。
寧逺衛在都司城西七百七十里,中左千戶所在衛城東五十里塔山,中右千戶所在衛城西四十里小沙河,瀋陽中衛在都司城北一百二十里,撫順千戶所在衛城東北八十里,蒲河千戶所在衛城北四十里,鐵嶺衛在都司城北二百四十里,左右千戶所在衛城南六十里懿路城,中左千戶所在衛城南三十里泛河,三萬衛在都司城北三百三十里,中中千戶所,前前千戶所,後後千戶所,遼陽衛在開元城內,右右千戶所,中中千戶所,前前千戶所,後後千戶所,自在州在都司城內,安樂州在開元城內,女直千戶所,草河千戶所,南京千戶所,毛憐千戶所,東寧千戶所。
再び北に往きて是れ寧逺衛、都司城より以西七百七十里に在り。其の中の左千戸所は衛城より以東五十里の塔山に在り、中右千戸所は衛城より以西四十里の小沙河に在り。瀋陽中衛は都司城より以北一百二十里に在り、撫順千戸所は衛城の東北八十里に在り、蒲河千戸所は衛城より以北四十里に在り。鉄嶺衛は都司城より以北二百四十里に在り、其の左右千戸所は衛城より以南六十里の懿路城に在り、中左千戸所は衛城より以南三十里の泛河に在り。三万衛は都司城より以北三百三十里に在り、下に中中・前前・後後の三個の千戸所を轄す。遼陽衛は開元城内に設け、下に右右・中中・前前・後後の四個の千戸所を轄す。此の外、自在州は都司城内に設け、安楽州は開元城内に設く。両処は専ら帰附の部族を安置するに用う。女直千戸所・草河千戸所・南京千戸所・毛怜千戸所・東寧千戸所も、亦た皆是れ羈縻して降人を置くの建置なり。以上の遼東の全境の衛・所・州は、一概に尾宿・箕宿の燕地分野に帰入す。
卯宮 氐房心 宋分野(徐州)
卯宮,氐房心,宋分野,氐房心在卯,自氐一度至尾二度,屬宋,分徐州。河南省:歸德府,商丘縣,寧陵縣,鹿邑縣,夏邑縣,永城縣,虞城縣,睢州,柘城縣,考城縣,杞縣,太康縣,蘭陽縣,儀封縣以上四縣屬開封府。山東省:曹州,曹縣,定陶縣。濟寧州,嘉祥縣,鉅野縣,鄆城縣,金鄉縣,魚臺縣,單縣,城武縣以上四縣屬兗州府。南直隸:徐州,蕭縣,沛縣,碭山縣,豐縣。宿州,靈璧縣,亳州俱屬鳳陽府,蒙城縣屬壽州。
卯宮の主る所是れ氐宿・房宿・心宿にして、宋国の分野に属す。此の三宿は卯位に列し、氐宿第一度より起りて、尾宿第二度に止まり、地上の宋地に対応し、也就是れ古九州の中の徐州なり。河南の一省が此の分野に属するは、帰徳府および其の属する所の商丘・寧陵・鹿邑・夏邑・永城・虞城の六県、睢州および所属の柘城・考城の二県有り。杞県・太康・蘭陽・儀封の此の四個の県は原本開封府に隷属すも、分野に按じて亦た此の宮に帰入す。山東の一省が此の分野に属するは、曹州および其の属する所の曹県・定陶の二県、済寧州および所属の嘉祥・鉅野・鄆城・金郷・魚台・単県の諸県有り。城武等の四県は原本兗州府に隷属すも、同様に此の宮に帰入す。南直隷が此の分野に属するは、徐州および其の属する所の蕭県・沛県・碭山・豊県の四県、宿州および所属の霊璧県有り。亳州は本隷鳯陽府、蒙城県は本隷寿州すも、分野に按じて亦た一併に氐・房・心の三宿に系る。
十二宮分野下
辰宮 角亢 鄭分野(豫州)
辰宮,角亢,鄭分野,角亢在辰,自軫十度至氐初度,屬鄭,分豫州。河南省:開封府,祥符縣,陳留縣,通許縣,尉氏縣,洧川縣,鄢陵縣,扶溝縣,中牟縣,原武縣,陽武縣,延津縣,封丘縣,鄭州,滎陽縣,汜水縣,河陰縣,滎澤縣,陳州,西華縣,商水縣,沉丘縣,項城縣。汝寧府,汝陽縣,上蔡縣,新蔡縣,遂平縣,西平縣,真陽縣,確山縣,光州,光山縣,固始縣,商城縣,息縣,溫縣,濟源縣,孟縣以上三縣屬懷慶府。南直隸:穎州,潁上縣,太和縣繫鳯陽府,霍丘縣屬壽州。
辰宮の主る所是れ角宿・亢宿にして、鄭国の分野に属す。此の両宿は辰位に列し、軫宿第十度より起りて、氐宿初度に止まり、地上の鄭地に対応し、也就是れ古九州の中の豫州なり。河南の一省が此の分野に属するは、開封府および其の属する所の祥符・陳留・通許・尉氏・洧川・鄢陵・扶溝・中牟・原武・陽武・延津・封丘の諸県、鄭州および所属の滎陽・汜水・河陰・滎沢の四県、陳州および所属の西華・商水・沉丘・項城の四県有り。又た汝寧府、および其の属する所の汝陽・上蔡・新蔡・遂平・西平・真陽・確山の七県、光州および所属の光山・固始・商城・息県の四県有り。温県・済源・孟県の此の三個の県は原本懐慶府に隷属すも、分野に按じて亦た此の宮に帰入す。南直隷が此の分野に属するは、穎州および其の属する所の潁上県有り。太和県は本系鳯陽府、霍丘県は本隷寿州すも、亦た一併に角・亢の二宿に系る。
巳宮 翼軫 楚分野(荊州)
巳宮,翼軫,楚分野,翼軫在巳,自張十五度至軫九度,屬楚,分荊州。湖廣省:武昌府,武昌縣,江夏縣,嘉魚縣,咸寧縣,崇陽縣,通城縣,興國州,大冶縣,通山縣。漢陽府,漢陽縣,漢川縣。黃州府,黃岡縣,羅田縣,黃安縣,蘄水縣,麻城縣,黃陂縣,蘄州,廣濟縣,黃梅縣。
巳宮の主る所是れ翼宿・軫宿にして、楚国の分野に属す。此の両宿は巳位に列し、張宿第十五度より起りて、軫宿第九度に止まり、地上の楚地に対応し、也就是れ古九州の中の荊州なり。湖広の一省の絶大部分は皆此の分野の内に在り。武昌府および其の属する所の武昌・江夏・嘉魚・咸寧・崇陽・通城の六県、興国州および所属の大冶・通山の二県。漢陽府および其の属する所の漢陽・漢川の二県。黄州府および其の属する所の黄岡・羅田・黄安・蘄水・麻城・黄陂の六県、蘄州および所属の広済・黄梅の二県は、皆翼・軫分野に属す。此の一帯は正に長江の中游に当たり、是れ楚国の立国するの中心地帯なり。
鄖陽府,鄖縣,房縣,保康縣,上津縣,鄖西縣,竹谿縣。襄陽府,襄陽縣,宜城縣,南漳縣,棗陽縣,榖城縣。承天府,鍾祥縣,京山縣,濳江縣,興都留守司,顯陵衛,沔陽州,景陵縣,荊門州,當陽縣。徳安府,安陸縣,應城縣,雲夢縣,孝感縣。
鄂西北の鄖陽府および其の属する所の鄖県・房県・保康・上津・鄖西・竹溪の六県。襄陽府および其の属する所の襄陽・宜城・南漳・棗陽・榖城の五県。承天府および其の属する所の鐘祥・京山・濳江の三県。府内は興都留守司と顕陵衛とを設け、専ら明世宗の生父の顕陵を護衛するを司り、別に沔陽州および所属の景陵県、荊門州および所属の当陽県有り。徳安府および其の属する所の安陸・応城・雲夢・孝感の四県。以上の各府州县は、一概に翼・軫分野に帰す。承天府は本是れ明世宗の興王の旧邸なり。因此才に尋常の府治の外に於て別に留守司と陵衛とを設く。
荊州府,江陵縣,公安縣,石首縣,監利縣,枝江縣,松滋縣,夷陵州,逺安縣,宜都縣,長陽縣,歸州,巴東縣,興山縣。嶽州府,巴陵縣,臨湘縣,華容縣,平江縣,澧州,石門縣,慈利縣,安鄉縣,永定衛在慈利縣西一百八十里,九溪衛在慈利縣北九十里,大庸守禦千戶所在慈利縣西二百一十五里,添平千戶所在慈利縣北一百五十里,安福千戶所在慈利縣西北二百九十里,麻寮千戶所在慈利縣西北三百里,桑植安撫司在九溪衛西北四百里,領美坪等一十八峒。
荊州府および其の属する所の江陵・公安・石首・監利・枝江・松滋の六県、夷陵州および所属の逺安・宜都・長陽の三県、帰州および所属の巴東・興山の二県。岳州府および其の属する所の巴陵・臨湘・華容・平江の四県、澧州および所属の石門・慈利・安郷の三県。湘西北の山区は多く衛所を設けて以て土司を鎮撫す。永定衛は慈利県より以西一百八十里に在り、九溪衛は慈利県より以北九十里に在り、大庸守御千戸所は慈利県より以西二百一十五里に在り、添平千戸所は慈利県より以北一百五十里に在り、安福千戸所は慈利県の西北二百九十里に在り、麻寮千戸所は慈利県の西北三百里に在り。桑植安撫司は九溪衛の西北四百里に在り、美坪等の十八個の山峒を統領す。「安撫司」是れ明代の土酋に授くるの世襲の官職にして、「峒」は山間の部落聚落を指す。此れらの土職は其の轄地に連ねて、一併に駐地に按じて翼・軫分野に帰入す。
長沙府,長沙縣,善化縣,湘潭縣,湘陰縣,寧鄉縣,瀏陽縣,安化縣,醴陵縣,益陽縣,湘鄉縣,攸縣,茶陵州。寶慶府,邵陽縣,城歩縣,新化縣,武岡州,新寧縣。辰州府,沅陵縣,盧溪縣,漵浦縣,辰谿縣,沅州,黔陽縣,麻陽縣,鎮溪軍民千戶所在盧溪縣西二百三十里。常徳府,武陵縣,桃源縣,沅江縣,龍陽縣。
湖南の各府は同じく翼・軫分野に属す。長沙府および其の属する所の長沙・善化・湘潭・湘陰・寧郷・瀏陽・安化・醴陵・益陽・湘郷・攸県の諸県と茶陵州。宝慶府および其の属する所の邵陽・城歩・新化の三県、武岡州および所属の新寧県。辰州府および其の属する所の沅陵・盧溪・溆浦・辰溪の四県、沅州および所属の黔陽・麻陽の二県。鎮溪軍民千戸所は盧溪県より以西二百三十里に設く。常徳府および其の属する所の武陵・桃源・沅江・龍陽の四県。長沙は自古是れ楚南の重鎮にして、辰州・沅州の一帯は則ち已に苗疆に深入す。故に須く軍民千戸所を以て軍民の両政を兼理すべし。
衡州府,衡陽縣,衡山縣,安仁縣,來陽縣,常寧縣,酃縣,桂陽州,臨武縣,藍山縣。永州府,零陵縣,祁陽縣,東安縣,道州,寧逺縣,江華縣,永明縣,錦田守禦千戶所在江華縣東二百里,枇杷守禦千戶所在永明縣東南三十里,桃川守禦千戶所在永明縣西南四十里。靖州,會同縣,信道縣,綏寧縣,天柱縣,天柱守禦千戶所在州西北二百里,屯鎮文溪後千戶所在州西北二百五十里。
衡州府および其の属する所の衡陽・衡山・安仁・来陽・常寧・酃県の六県、桂陽州および所属の臨武・藍山の二県。永州府および其の属する所の零陵・祁陽・東安の三県、道州および所属の寧逺・江華・永明の三県。錦田守御千戸所は江華県より以東二百里に設け、枇杷守御千戸所は永明県の東南三十里に設け、桃川守御千戸所は永明県の西南四十里に設く。又た靖州および其の属する所の会同・信道・綏寧・天柱の四県有り。天柱守御千戸所は州城の西北二百里に設け、屯鎮文溪後千戸所は州城の西北二百五十里に設く。湘南と湘西南の此の一片の山地は瑤・僮雑居す。故に千戸所は腹地に比べて設置すること稠密なり。原刻は「桃川守御千戸所」の下に誤りて一句を断ち、句号は当に「四十里」の後に移すべし。
郴州,永興縣,宣章縣,桂陽縣,興寧縣,桂東縣,廣安守禦千戶所在桂陽縣東一十里,施州衛,軍民指揮使司,大田軍民守禦千戶所在衛西北三百五十里,鎮南長官司,唐崔長官司,施南宣撫司,東鄉五路安撫司,搖把峒長官司,上愛茶崆長官司,下愛茶洞長官司,鎮逺蠻夷長官司,隆奉蠻夷長官司,忠路安撫司,劍南長官司,金峒安撫司,西坪蠻夷長官司,盤順安撫司,散毛宣撫司,龍潭安撫司,大旺安撫司,東流蠻夷長官司,臘璧峒蠻長官司,忠建宣撫司,忠峒安撫司,髙羅安撫司,木冊長官司,容美宣撫司,椒山馬瑙長官司,五峰石寶長官司,石樑下峒長官司,水盡源通塔平長官司,永順軍民宣慰使司,南渭州,施容州,上溪州,臘惹峒長官司,驢遅峒長官司,麥著黃峒長官司,保靖州軍民宣慰使司,筸子坪長官司,施溶溪長官司,白崖峒長官司,田家峒長官司,五寨長官司。
郴州および其の属する所の永興・宣章・桂陽・興寧・桂東の五県。広安守御千戸所は桂陽県より以東十里に設く。鄂西の施州衛軍民指揮使司も亦た翼・軫分野に属し、其の大田軍民守御千戸所は衛城の西北三百五十里に設く。此の一帯是れ土家・苗・瑤の聚居の区にして、明廷は土司を用いて統摂し、名目極めて繁なり。計るに鎮南長官司・唐崔長官司・施南宣撫司・東郷五路安撫司・搖把峒長官司・上愛茶崆長官司・下愛茶洞長官司・鎮逺蛮夷長官司・隆奉蛮夷長官司・忠路安撫司・剣南長官司・金峒安撫司・西坪蛮夷長官司・盤順安撫司・散毛宣撫司・龍潭安撫司・大旺安撫司・東流蛮夷長官司・腊璧峒蛮長官司・忠建宣撫司・忠峒安撫司・髙羅安撫司・木册長官司・容美宣撫司・椒山馬瑙長官司・五峰石宝長官司・石梁下峒長官司・水尽源通塔平長官司有り。湘西の方面は則ち永順軍民宣慰使司有りて、下に南渭州・施容州・上溪州と腊惹峒・驢遅峒・麦着黄峒等の長官司とを轄す。又た保靖州軍民宣慰使司有りて、下に筸子坪・施溶溪・白崖峒・田家峒・五寨等の長官司を轄す。此れらの土職の等級は、「宣慰使司」は「宣撫司」より高く、「宣撫司」は又た「安撫司」と「長官司」より高し。層層相属し、皆土酋の世襲に由る。其れらは雖も府県を設けざるも、分野を占断する時は仍旧其の駐地に随いて翼・軫の二宿に帰入す。
廣東省:連州,陽山縣,連山縣,新安縣俱屬廣州府。韶州府,曲江縣,樂昌縣,乳源縣,仁化縣,翁源縣,英徳縣。廉州府,合浦縣,欽州,靈山縣,永安守禦千戶所在合浦縣東六十里。
広東の一省の西北と西南の両角も亦た翼・軫分野に属す。連州および其の属する所の陽山・連山の二県、新安県は則ち広州府に隷属し、分野に按じて同じく此の宮に帰す。韶州府および其の属する所の曲江・楽昌・乳源・仁化・翁源・英徳の六県は、地は北江の上游に在り、湖南と接界す。廉州府および其の属する所の合浦県、欽州および所属の霊山県。永安守御千戸所は合浦県より以東六十里に設く。此の一帯は北部湾に瀕臨し、広西と相連なり。故に呉越の斗・牛に従わずして楚地の翼・軫に従う。
廣西省:桂林府,臨桂縣,興安縣,陽朔縣,靈川縣,永寧州,永福縣,義寧縣,全州,灌陽縣。平樂府,平樂縣,恭城縣,富川縣,荔浦縣,昭平縣,賀縣,修仁縣,永安州。欝林州屬梧州府,博白縣,北流縣,陸川縣,興業縣俱屬梧州府。潯州府,桂平縣,武靖州,平南縣,貴縣。
広西の一省は梧州府を除くの外、其余は尽く翼・軫分野に入る。桂林府および其の属する所の臨桂・興安・陽朔・霊川の諸県、永寧州および所属の永福・義寧の二県、全州および所属の灌陽県。平楽府および其の属する所の平楽・恭城・富川・茘浦・昭平・賀県・修仁の諸県と永安州。欝林州は本隷梧州府にして、其の属する所の博白・北流・陸川・興業の四県も亦た皆梧州府に隷属すも、分野に按じて一併に此の宮に帰入す。潯州府および其の属する所の桂平県、武靖州および所属の平南・貴県の二県。
南寧府,宣化縣,新寧州,陸安縣,橫州,永淳縣,上思州。太平府,安平州,鎮逺州,養利州,龍英州,左州,太平州,思同州,萬承州,全茗州,茗盈州,都結州,結安州,結倫州,思城州,崇善縣,羅陽縣,上下凍州,永康州,陀陵縣,思明府,上石西州,忠州,下石西州,憑祥州,下雷州,思眀州。
南寧府および其の属する所の宣化県、新寧州および所属の陸安県、横州および所属の永淳県、還って上思州有り。太平府の一帯は土州林立して、計るに安平州・鎮逺州・養利州・龍英州・左州・太平州・思同州・万承州・全茗州・茗盈州・都結州・結安州・結倫州・思城州、および崇善・羅陽の二県、上下凍州、永康州と陀陵県有り。又た思明府、および其の属する所の上石西州・忠州・下石西州・凭祥州・下雷州・思眀州有り。此の一片は正に今日の広西西南と越南と接壤する地に当たり、明代は多く壮人の土酋を以て世守せしむ。故に州名は繁密にして各自の轄境は甚だ小なり。分野を占断する時は、一概に翼・軫の二宿に系る。
柳州府,馬平縣,羅城縣,洛容縣,懐逺縣,來賓縣,柳城縣,融縣,象州,武宣縣,賓州,遷江縣,上林縣。慶逺府,宜山縣,天河縣,忻城縣,河池州,思恩州,荔波縣,東蘭州,那地州,南丹州,永定長官司,永順長官司,思恩軍民府,武縁縣。鎮安府,田州,歸順州,龍州,都康州,奉議州,利州,向武州,泗城州,江州,上隆州,果化州,恩城州,歸徳州,思陵州,程縣,上林長官司,安隆長官司,五屯守禦千戶所。
柳州府および其の属する所の馬平・羅城・洛容・懐逺・来賓・柳城・融県の諸県、象州および所属の武宣県、賓州および所属の遷江・上林の二県。慶逺府および其の属する所の宜山・天河・忻城の三県、河池州・思恩州および所属の茘波県、東蘭州・那地州・南丹州、および永定長官司と永順長官司。別有思恩軍民府および其の属する所の武縁県。鎮安府および其の属する所の田州・帰順州・龍州・都康州・奉議州・利州・向武州・泗城州・江州・上隆州・果化州・恩城州・帰徳州・思陵州と程県、還って上林長官司・安隆長官司と五屯守御千戸所有り。以上の桂西北と桂西の府州土司は、全部翼・軫分野に劃入す。
貴州省:安順府,寧谷寨長官司,西堡長官司,普定衛軍民指揮使司。都勻府,都勻長官司,平浪長官司,邦水長官司,平州,六洞長官司,麻哈州,樂平長官司,平定長官司,獨山州,豐寧長官司,合江州,陳蒙、爛土長官司,清平縣。鎮逺府,鎮逺縣,施秉縣,卭水一十五洞蠻夷長官司,偏橋長官司,鎮逺衛,臻剖六洞橫坡等處長官司,偏橋衛在府西六十里,清浪衛在府東七十五里。
貴州の一省の東部の諸府も亦た翼・軫分野に属す。安順府および其の属する所の寧谷寨長官司・西堡長官司、別有普定衛軍民指揮使司有り。都勻府および其の属する所の都勻・平浪・邦水の諸長官司、平州および六洞長官司、麻哈州および楽平・平定の二長官司、独山州および豊寧長官司、合江州および陳蒙・爛土長官司、還って清平県有り。鎮逺府および其の属する所の鎮逺県・施秉県、および卭水の一十五洞蛮夷長官司・偏橋長官司・鎮逺衛・臻剖六洞横坡等処長官司。偏橋衛は府城より以西六十里に在り、清浪衛は府城より以東七十五里に在り。此れらの地方は多く是れ苗人の聚居するにして、故に長官司の名は往往「洞」「寨」を冠す。原刻は此処の句読が訛誤す。「爛土長官司清、平県鎮」は当に「爛土長官司、清平県」と読作すべく、末の一「鎮」の字は応に下に属して「逺府」と為り「鎮逺府」と成す。
黎平府,永從縣,潭溪蠻夷長官司,八舟蠻夷長官司,洪州泊裡蠻夷長官司,曹滴洞蠻夷長官司,古州蠻夷長官司,西山陽洞蠻夷長官司,胡耳蠻夷長官司,亮寨蠻夷長官司,歐陽蠻夷長官司,新化蠻夷長官司,中林驗洞蠻夷長官司,赤溪湳洞蠻夷長官司,隆裡蠻夷長官司,五開衛在府東北,黎平守禦千戶所在府西南二十里,中潮守禦千戶所在洪州泊里長官司西南,新化亮寨守禦千戸所在新化長官司東,龍里守禦千戶所在隆里長官司南,新化屯千戸所在新化長官司西南三十里,平茶千戸所,平茶屯千戸所,銅鼓衛在湖耳長官司西。
黎平府および其の属する所の永従県、および潭溪・八舟・洪州泊里・曹滴洞・古州・西山陽洞・胡耳・亮寨・欧陽・新化・中林験洞・赤溪湳洞・隆里等の十三処の蛮夷長官司。「蛮夷長官司」是れ明代の専ら少数族群の為に設くるの世襲土職にして、位は長官司の列に在り。府境の軍衛是れ、五開衛は府城の東北に在り、黎平守御千戸所は府城の西南二十里に在り、中潮守御千戸所は洪州泊里長官司の西南に在り、新化亮寨守御千戸所は新化長官司より以東に在り、龍里守御千戸所は隆里長官司より以南に在り、新化屯千戸所は新化長官司の西南三十里に在り、別有平茶千戸所と平茶屯千戸所有り、銅鼓衛は則ち湖耳長官司より以西に在り。黎平は黔・湘・桂の三省交界に居り、苗侗雑処す。故に衛所と長官司とが交錯設置し、一併に翼・軫分野に帰す。原文の「千戸所」の「戸」即ち「戸(户)」の異体写法なり。
思州府,都坪峨異溪長官司,都素長官司,施溪長官司,黃道溪長官司。思南府,水徳江長官司,蠻夷長官司,朗溪蠻夷長官司,沿河佑溪長官司,婺川縣,安化縣,印江縣。石阡府,龍泉縣,石阡長官司,苗民長官司,龍泉坪長官司,葛彰葛商長官司。平越府,甕安縣,湄潭縣,餘慶縣,黃平州,楊義長官司,廣順州,普安州,普安衛,樂民守禦千戸所在州西九十里,安南守禦千戶所在州東南一百六十里,安龍守禦千戶所在州東南三百一十里,平夷千戶所,永寧州,慕役長官司,頂營長官司,永寧衛,鎮寧州,十二營長官司,康佐長官司,安莊衛,闗索嶺守禦千戶所,定畨州,新添衛軍民指揮使司,新添長官司,小平伐長官司,丹平長官司,丹行長官司,把平寨長官司,龍里衛軍民指揮使司,平伐長官司,太平伐長官司,威清衛,安南衛,畢節衛,平壩衛,凱里安撫司。
思州府および其の属する所の都坪峨異溪・都素・施溪・黄道溪の四処の長官司。思南府および其の属する所の水徳江長官司・蛮夷長官司・朗溪蛮夷長官司・沿河佑溪長官司、還って婺川・安化・印江の三県有り。石阡府および其の属する所の龍泉県、および石阡・苗民・龍泉坪・葛彰葛商の四処の長官司。平越府および其の属する所の瓮安・湄潭・余慶の三県、黄平州および楊義長官司、還って広順州有り。普安州は普安衛を設け、楽民守御千戸所は州城より以西九十里に在り、安南守御千戸所は州城の東南一百六十里に在り、安龍守御千戸所は州城の東南三百一十里に在り、別有平夷千戸所有り。永寧州および其の属する所の慕役長官司・頂営長官司と永寧衛。鎮寧州および其の属する所の十二営長官司・康佐長官司、還って安荘衛と關索嶺守御千戸所有り。定畨州および新添衛軍民指揮使司は、下に新添・小平伐・丹平・丹行・把平寨の諸長官司を轄す。龍里衛軍民指揮使司は下に平伐・太平伐の二長官司を轄す。此の外還って威清衛・安南衛・畢節衛・平垻衛と凱里安撫司有り。貴州は省を建つる最も晩く、衛所と土司とは犬牙相制す。故に一府の内に往往軍・民の両属有り。文中に屡見する「軍民指揮使司」是れ衛の一種にして、既に軍戸を統轄し、又た附近の民戸と土民とを兼管す、内地の専ら軍政を管するの衛と同じからず。「安撫司」の品級は則ち宣撫司より低くして長官司より高し。以上の府州衛所土司は、全部翼・軫分野に帰入す。
午宮 柳星張 周分野(三河)
午宮,柳星張,周分野,柳星張在午,自柳三度至張十四度,屬周,分三河。河南省:禹州,密縣,新鄭縣俱屬開封府,許州,襄城縣,臨穎縣,郾城縣,長葛縣。河南府,雒陽縣,郾師縣,宜陽縣,鞏縣,新安縣,沔池縣,孟津縣,登封縣,永寧縣,盧氏縣,嵩縣,陝州,靈寶縣,閿鄉縣。
午宮の主る所是れ柳宿・星宿・張宿にして、周王室の分野に属す。此の三宿は午位に列し、柳宿第三度より起りて、張宿第十四度に止まり、地上の周地に対応し、也就是れ河内・河東・河南の此の「三河」の一帯なり。河南の一省が此の分野に属するは、禹州および其の属する所の密県・新鄭県有り。此の両個の県は本隷開封府にして、分野に按じて此の宮に帰入す。又た許州および其の属する所の襄城・臨頴・郾城・長葛の四県有り。再就是れ河南府、および其の属する所の雒陽・郾師・宜陽・鞏県・新安・沔池・孟津・登封・永寧・盧氏・嵩県の諸県、陜州および所属の霊宝・閿郷の二県。洛陽は正是れ東周王城の在所なり。故に此の一帯は周分の核心と看作さる。
信陽州,羅山縣。南陽府,南陽縣,唐縣,泌陽縣,桐柏縣,鎮平縣,南召縣,鄧州,內鄉縣,淅川縣,新野縣,裕州,舞陽縣,葉縣,汝州,魯山縣,寶豐縣,郟縣,伊陽縣。湖廣省:均州屬襄陽府,光化縣屬襄陽府,隨州、應山縣屬徳安府。陝西省:商州,洛南縣屬西安府。貴州省:銅仁府,銅仁縣,銅仁長官司,提溪長官司,烏羅長官司,省溪長官司,大萬山長官司,平頭著可長官司。
又た信陽州および其の属する所の羅山県有り。南陽府および其の属する所の南陽・唐県・泌陽・桐柏・鎮平・南召の六県、鄧州および所属の内郷・淅川・新野の三県、裕州および所属の舞陽・葉県の二県、汝州および所属の魯山・宝豊・郟県・伊陽の四県。湖広の一省が此の分野に属するは、均州と光化県有りて、両処は皆襄陽府に隷す。随州と応山県有りて、両処は皆徳安府に隷す。陜西の一省が此の分野に属するは只有商州と洛南県、洛南は西安府に隷属す。貴州の一省が此の分野に属する是れ銅仁府、および其の属する所の銅仁県、還って銅仁・提溪・烏羅・省溪・大万山・平頭着可の六処の長官司。周分は本は中原に在るも、却一直に湖広の北境と黔東の一角に延伸到す。此れ是れ歴代の星占家が旧図に依りて逓相沿襲するの結果なり。
未宮 井鬼 秦分野
未宮,井鬼,秦分野,井鬼在未,自井八度至柳二度,屬秦分野。陝西省:西安府,長安縣,咸寧縣,咸陽縣,興平縣,鄠縣,藍田縣,臨潼縣,髙陵縣,涇陽縣,三原縣,富平縣,盩厔縣,渭南縣,鎮安縣,商南縣,山陽縣屬商州,同州,朝邑縣,韓城縣,合陽縣,澄城縣,白水縣,華州,華陰縣,蒲城縣,耀州,同官縣,干州,醴泉縣,武功縣,永壽縣,邠州,三水縣,淳化縣,長武縣,潼闗衛在華陰縣東四十里潼闗城中。
未宮の主る所是れ井宿・鬼宿にして、秦国の分野に属す。此の両宿は未位に列し、井宿第八度より起りて、柳宿第二度に止まり、地上の秦地に対応す。陜西の一省は几乎全く此の分野の内に在り。西安府および其の属する所の長安・咸寧・咸陽・興平・鄠県・藍田・臨潼・髙陵・涇陽・三原・富平・盩厔・渭南の諸県、鎮安・商南・山陽の三県は則ち商州に隷属す。又た同州および所属の朝邑・韓城・合陽・澄城・白水の五県、華州および所属の華陰・蒲城の二県、耀州および所属の同官県、干州および所属の醴泉・武功・永寿の三県、邠州および所属の三水・淳化・長武の三県。潼關衛は華陰県より以東四十里の潼關城中に設く。那れ是れ関中の東大門なり。文中の「鄠」は音戸、「盩厔」は音周至、皆是れ関中の旧県の名号なり。
鳯翔府,鳯翔縣,岐山縣,寶雞縣,扶風縣,眉縣,麟逰縣,隴州,汧陽縣。漢中府,南鄭縣,褒城縣,城固縣,洋縣,西鄉縣,鳯縣,寧強州,沔縣,略陽縣,興安州,平利縣,石泉縣,漢陰縣,洵陽縣,白河縣,紫陽縣。平涼府,平涼縣,崇信縣,華亭縣,鎮原縣,固原州,涇州,靈武縣,靜寧州,莊浪縣,隆徳縣。鞏昌府,隴西縣,安定縣,會寧縣,通渭縣,漳縣,伏羌縣,寧逺縣,西和縣,成縣,徽州。
鳯翔府および其の属する所の鳯翔・岐山・宝鶏・扶風・眉県・麟逰の六県、隴州および所属の汧陽県。漢中府および其の属する所の南鄭・褒城・城固・洋県・西郷・鳯県の諸県、寧強州および所属の沔県・略陽の二県、興安州および所属の平利・石泉・漢陰・洵陽・白河・紫陽の六県。平凉府および其の属する所の平凉・崇信・華亭・鎮原の四県、固原州・涇州および所属の霊武県、静寧州および所属の荘浪・隆徳の二県。鞏昌府および其の属する所の隴西・安定・会寧・通渭・漳県・伏羗・寧逺・西和・成県の諸県と徽州。此れらの府州は関中より以西の隴山の南北と漢水の上游とに分処し、皆是れ秦国の旧疆なり。故に一併に井・鬼分野に帰す。
階州,文縣,兩當縣。秦州,秦安縣,清水縣,禮縣,禮店守禦千戸所在秦州西南二百五十里。臨洮府,狄道縣,渭源縣,蘭州,金縣,河州。慶陽府,安化縣,合水縣,環縣,寧州,真寧縣。延安府,膚施縣,安塞縣,甘泉縣,保安縣,安定縣,宜川縣,延長縣,清澗縣,延川縣,鄜州,洛川縣,中部縣,宜君縣。
階州および其の属する所の文県・両当の二県。秦州および其の属する所の秦安・清水・礼県の三県。礼店守御千戸所は秦州の西南二百五十里に設く。臨洮府および其の属する所の狄道・渭源の二県、蘭州および所属の金県、還って河州有り。慶陽府および其の属する所の安化・合水・環県の三県、寧州および所属の真寧県。延安府および其の属する所の膚施・安塞・甘泉・保安・安定・宜川・延長・清澗・延川の諸県、鄜州および所属の洛川・中部・宜君の三県。陜北と隴右の此の一帯は雖も戎狄に逼近するも、究竟は仍だ是れ秦地なり。故に井・鬼分野を出でず。
綏徳州,米脂縣,葭州,神木縣,府谷縣,吳堡縣,塞門守禦百戶所在安塞縣北一百五十里,清邉守禦百戶所在大干闗,榆林衛在府東北七百五十里,寧夏衛,潘詠堡,金貴堡,李祥堡,張濟堡,魏敬堡,王信堡,王貴堡,任春堡,葉誠堡,寧夏前衛,外家堡,張亮堡,李信堡,丁義堡,周澄堡,平虜守禦千戶所在衛城北四百一十里,寧夏左屯衛,王景堡,李俊堡,卲綱堡,瞿靖堡,林皋堡,將鼎堡,陳剛堡,王登堡,張政堡,魏政堡,寧夏右屯衛,楊顯堡,陶容堡,雷福堡,桂文堡,常信堡,洪廣堡,髙榮堡,姚福堡。
綏徳州および其の属する所の米脂県、葭州および所属の神木・府谷・呉堡の三県。陜北辺防の小拠点は有り。塞門守御百戸所は安塞県より以北一百五十里に在り、清邉守御百戸所は大干關に在り、楡林衛は府城の東北七百五十里に在り。寧夏の一帯は屯堡最も密なり。寧夏衛は下に潘咏堡・金貴堡・李祥堡・張済堡・魏敬堡・王信堡・王貴堡・任春堡・葉誠堡を轄す。寧夏前衛は下に外家堡・張亮堡・李信堡・丁義堡・周澄堡を轄し、平虜守御千戸所は衛城より以北四百一十里に在り。寧夏左屯衛は下に王景堡・李俊堡・卲綱堡・瞿靖堡・林皋堡・将鼎堡・陳剛堡・王登堡・張政堡・魏政堡を轄す。寧夏右屯衛は下に楊顕堡・陶容堡・雷福堡・桂文堡・常信堡・洪広堡・髙栄堡・姚福堡を轄す。此れらの堡は大多は屯長の姓名を以て命名し、是れ明代の軍屯の就地に寨を築くの留下する痕跡にして、一併に井・鬼分野に帰す。
寧夏後衛在花馬池,寧夏中屯衛在金勝闗,靈州守禦千戶所在衛城南九十里,興武營守禦千戶所在衛城西南二百里,寧夏中衛,五百戶堡,羚羊店堡,回回墓堡,洮州衛軍民指揮使司在衛城西南四百里,鎮戎守禦千戶所,岷州衛軍民指揮使司,西固城軍民千戶所在衛城西七百里,河州衛軍民指揮使司,歸徳守禦千戶所,靖虜衛陝西行都指揮使司,甘州左衛,甘州右衛,甘州中衛,甘州前衛,甘州後衛,肅州衛在都司城西五百一十里,山丹衛在都司城東南三百一十里,永昌衛在都司城東一百二十里,涼州衛在都司城東南五百里,鎮蕃衛在都司城東五百五十里,荘浪衛在都司城南九百四十里,西寧衛在都司城東南一千三百五十五里,鎮夷守禦千戸所在都司城西北三百里,古浪守禦千戶所在都司城東南六百四十里,髙臺守禦千戶所。
寧夏後衛は、花馬池に設く。寧夏中屯衛は、金勝關に設く。霊州守御千戸所は、衛城の南面九十里に距る。興武営守御千戸所は、衛城の西南二百里に距る。寧夏中衛は下に五百戸堡・羚羊店堡と回回墓堡とを轄す。洮州衛軍民指揮使司は、衛城の西南四百里に距り、別有鎮戎守御千戸所有り。岷州衛軍民指揮使司は下に西固城軍民千戸所を轄し、衛城の西面七百里に距る。河州衛軍民指揮使司は下に帰徳守御千戸所を轄す。又た靖虜衛有り。河西走廊の一線は陜西行都指揮使司に帰りて管轄せられ、都司は直轄して甘州左衛・甘州右衛・甘州中衛・甘州前衛と甘州後衛。此の外、粛州衛は都司治所より以西五百一十里に距り、山丹衛は都司治所の東南三百一十里に距り、永昌衛は都司治所より以東一百二十里に距り、涼州衛は都司治所の東南五百里に距り、鎮蕃衛は都司治所より以東五百五十里に距り、荘浪衛は都司治所より以南九百四十里に距り、西寧衛は都司治所の東南一千三百五十五里に距る。鎮夷守御千戸所は都司治所の西北三百里に距り、古浪守御千戸所は都司治所の東南六百四十里に距り、別有髙台守御千戸所有り。河西は本是れ古秦国の疆域の外に在るも、只因明代に陜西に隷属せしを以て、星占も亦た之に随いて同じく井・鬼分野に帰す。
四川省:成都府,成都縣,華陽縣,雙流縣,溫江縣,新繁縣,金堂縣,新都縣,仁壽縣,安縣,內江縣,崇寧縣,井研縣,郫縣,灌縣,彭縣,資縣。簡州,資陽縣。崇慶州,新津縣。漢州,什邡縣,綿竹縣,徳陽縣。綿州,彰明縣,羅江縣。威州,保縣。茂州,汶川縣。成都右衛在府治西三里,成都中衛在府治西七里,成都前衛在府治南六里,成都後衛在府治東五里,寧川衛在府治東四里,成都左護衛在府治南七里,隴木頭長官司,靜州長官司,嶽希蓬長官司。
四川の一省は陜西と同じく井・鬼分野に属す。成都府および其の属する所の成都・華陽・双流・温江・新繁・金堂・新都・仁寿・安県・内江・崇寧・井研・郫県・灌県・彭県・資県の共に十六個の県。簡州および所属の資陽県。崇慶州および所属の新津県。漢州および所属の什邡・綿竹・徳陽の三県。綿州および所属の彰明・羅江の二県。威州および所属の保県。茂州および所属の汶川県。省城の一帯は軍を駐する甚だ多し。成都右衛は府治より以西三里に在り、成都中衛は府治より以西七里に在り、成都前衛は府治より以南六里に在り、成都後衛は府治より以東五里に在り、寧川衛は府治より以東四里に在り、成都左護衛は府治より以南七里に在り。別有隴木頭・静州・岳希蓬の三処の長官司有りて、那れ是れ岷江の上游の羌人を統轄するの土職なり。
龍安府,平武縣,石泉縣,江油縣。順慶府,南充縣,西充縣,蓬州,營山縣,儀隴縣,廣安州,大竹縣,嶽池縣,渠縣,鄰水縣。保寧府,閬中縣,蒼溪縣,南部縣,廣元縣,昭化縣。巴州,通江縣,南江縣。劍州,梓潼縣。重慶府,巴縣,江津縣,長壽縣,大足縣,永川縣,榮昌縣,綦江縣,南川縣,安居縣,壁山縣,黔江縣。合州,銅梁縣,定逺縣,忠州,酆都縣,墊江縣。涪州,武隆縣,彭水縣,石柱宣撫司,酉陽宣撫司,石耶洞長官司,邑梅洞長官司。
龍安府および其の属する所の平武・石泉・江油の三県。順慶府および其の属する所の南充・西充の二県、蓬州および所属の営山・儀隴の二県、広安州および所属の大竹・岳池・渠県・鄰水の四県。保寧府および其の属する所の閬中・蒼溪・南部・広元・昭化の五県。巴州および所属の通江・南江の二県。剣州および所属の梓潼県。重慶府および其の属する所の巴県・江津・長寿・大足・永川・栄昌・綦江・南川・安居・壁山・黔江の十一県。合州および所属の銅梁・定逺の二県、忠州および所属の酆都・墊江の二県。涪州および所属の武隆・彭水の二県、別有石柱宣撫司・酉陽宣撫司と石耶洞・邑梅洞の両処の長官司有りて、皆是れ川東南の土司なり。以上の川北・川東の各府州は、一概に井・鬼分野に帰す。
夔州府,奉節縣,巫山縣,雲陽縣,太寧縣,梁山縣,萬縣,開縣,新寧縣,建始縣,大昌縣。逹州,東鄉縣,太平縣。敘州府,宜賓縣,慶符縣,富順縣,長寧縣,筠連縣,珙縣,髙縣,興文縣,南溪縣,隆昌縣。馬湖府,屏山縣,泥溪長官司,平蠻長官司,蠻夷長官司,沐川長官司。遵義府,遵義縣,桐梓縣,真安州,綏陽縣,仁懐縣,瞿塘守禦千戶所,鎮雄軍民府,歸化長官司,懐徳長官司,威信長官司,安靜長官司,烏撒軍民府,七星闗守禦千戶所,東川軍民府,烏撒軍民府。潼川州,射洪縣,儀亭縣,中江縣,遂寧縣,安岳縣,蓬溪縣,樂至縣。
夔州府および其の属する所の奉節・巫山・雲陽・太寧・梁山・万県・開県・新寧・建始・大昌の十県。逹州および所属の東郷・太平の二県。叙州府および其の属する所の宜賓・慶符・富順・長寧・筠連・珙県・髙県・興文・南溪・隆昌の十県。馬湖府および其の属する所の屏山県、および泥溪・平蛮・蛮夷・沐川の四処の長官司。遵義府および其の属する所の遵義・桐梓の二県、真安州および所属の綏陽・仁懐の二県、別有瞿塘守御千戸所有り。又た鎮雄軍民府有りて、下に帰化・懐徳・威信・安静の四処の長官司を轄す。再有烏撒軍民府と七星關守御千戸所、および東川軍民府。潼川州および其の属する所の射洪・儀亭・中江・遂寧・安岳・蓬溪・楽至の七県。以上の川東と川南の各府州司は、皆井・鬼分野の内に在り。原刻の「安静長官、司烏撒軍民府」の句読は訛有りて、当に「安静長官司、烏撒軍民府」と読作すべし。文末の烏撒軍民府の重出する一次は、当に是れ刻本の衍文なり。
瀘州,江安縣,合江縣,納溪縣。卭州,大邑縣,蒲江縣。嘉定州,峨眉縣,洪雅縣,夾江縣,犍為縣,榮縣,威逺縣。眉州,彭山縣,丹谷縣,青神縣。雅州,名山縣,榮經縣,蘆山縣,永寧宣撫司,九姓長官司,永寧衛阿落宻千戶所在衛南四十里,赤水衛在司東南一百四十里,前千戶所在衛南一百里,摩尼千戶所在衛北四十五里,白撒千戶所在衛東七十里,普巾守禦千戶所在九姓司東一百四十里,思曩日安撫司,青川守禦千戶所在司東一百二十里,天全六畨招討使司,黎州安撫司,大渡河守禦千戶所,平茶洞長官司,太平長官司。
瀘州および其の属する所の江安・合江・納溪の三県。卭州および所属の大邑・蒲江の二県。嘉定州および所属の峨眉・洪雅・夾江・犍為・栄県・威逺の六県。眉州および所属の彭山・丹谷・青神の三県。雅州および所属の名山・栄経・蘆山の三県。川南・川西の土司と衛所とは則ち有り。永寧宣撫司と九姓長官司。永寧衛の阿落宻千戸所は衛城より以南四十里に在り、赤水衛は司城の東南一百四十里に在り、前千戸所は衛城より以南一百里に在り、摩尼千戸所は衛城より以北四十五里に在り、白撒千戸所は衛城より以東七十里に在り、普巾守御千戸所は九姓司より以東一百四十里に在り。思曩日安撫司、青川守御千戸所は司城より以東一百二十里に在り。又た天全六畨招討使司・黎州安撫司・大渡河守御千戸所、および平茶洞長官司と太平長官司有り。文中の「畨」是れ「番」の異体写法にして、天全六畨即ち天全六番、大渡河の一帯の六支の番族を指す。
松潘衛軍民指揮使司,占蔵先結簇長官司,蠟匝簇長官司,白馬路簇長官司,山洞簇長官司,阿昔洞簇長官司,北定簇長官司,麥匝簇長官司,者多簇長官司,牟刀結簇長官司,班班簇長官司,祈命簇長官司,勒都簇長官司,包藏簇長官司,阿昔簇長官司,思曩兒簇長官司,阿用簇長官司,潘干寨長官司,小河守禦千戶所,八郎安撫司,阿角寨安撫司,麻兒匝安撫司,芒兒者安撫司,迭溪守禦千戶所,迭溪長官司,鬱郎長官司。
川西北の松潘衛軍民指揮使司は、一大批の「簇」を名と為すの番族土職を管轄す。占蔵先結簇長官司・蜡匝簇長官司・白馬路簇長官司・山洞簇長官司・阿昔洞簇長官司・北定簇長官司・麦匝簇長官司・者多簇長官司・牟刀結簇長官司・班班簇長官司・祈命簇長官司・勒都簇長官司・包蔵簇長官司・阿昔簇長官司・思曩児簇長官司・阿用簇長官司・潘干寨長官司、別有小河守御千戸所有り。此の外還って八郎安撫司・阿角寨安撫司・麻児匝安撫司・芒児者安撫司、および迭溪守御千戸所・迭溪長官司と郁郎長官司有り。所謂「簇」とは、是れ当地の番人部落の称呼にして、一簇就中是一部なり。此れらの土職は雖も遠く岷江の源頭の高原の上に在るも、分野を占断する時は仍旧四川の一体に随いて井・鬼の二宿に帰入す。
四川行都指揮使司,建昌衛軍民指揮使司,建昌前衛,寧畨衛軍民指揮使司,越嶲衛軍民指揮使司,塩井衛軍民指揮使司,會川衛軍民指揮使司,禮州守禦後千戶所,禮州守禦中中千戶所,打沖河守禦中前千戶所,打沖河守禦中左千戶所,冕山橋守禦千戶所,徳昌守禦千戶所,迷易守禦千戸所,昌州長官司,威龍長官司,普濟長官司,馬刺長官司,卭部長官司。
川西南に別に四川行都指揮使司を設け、専ら建昌の一路を管す。其の下に建昌衛軍民指揮使司と建昌前衛有り、寧畨衛・越嶲衛・塩井衛・会川衛の四処の軍民指揮使司。守御千戸所は則ち礼州守御後千戸所・礼州守御中中千戸所・打冲河守御中前千戸所・打冲河守御中左千戸所・冕山橋守御千戸所・徳昌守御千戸所と迷易守御千戸所有り。土職は昌州・威龍・普済・馬刺・卭部の五処の長官司有り。此の一路就中今日の川西涼山の一帯にして、明代は衛所と土司とを相間に以て控制す、分野上は仍だ井・鬼に帰す。文中の「塩」即ち「塩(盐)」、「畨」即ち「番」、「嶲」は音髓、皆是れ当時の通行の写法なり。
雲南省:雲南府,昆明縣,富民縣,宜良縣,嵩明州,晉寧州,呈貢縣,歸化縣。安寧州,羅次縣,祿豐縣。昆陽州,三泊縣,易門縣,易門守禦千戶所在縣南三十里,楊家堡守禦千戶所在縣東五里。大理府,太和縣,趙州,雲南縣,鄧川州,浪穹縣,賓川州,雲龍州,十二關長官司。臨安府,建水州,石屏州,阿迷州,納樓茶甸長官司,教化三部長官司,溪處甸長官司,左龍寨長官司,王弄山長官司,虧容甸長官司,思陀甸長官司,落恐甸長官司。
雲南の一省も亦た井・鬼分野に帰す。雲南府および其の属する所の昆明・富民・宜良の三県、嵩明州・晋寧州および所属の呈貢・帰化の二県。安寧州および所属の羅次・禄豊の二県。昆陽州および所属の三泊・易門の二県。易門守御千戸所は県城より以南三十里に在り、楊家堡守御千戸所は県城より以東五里に在り。大理府および其の属する所の太和県、趙州および所属の雲南県、鄧川州および所属の浪穹県、還って賓川州・雲龍州と十二関長官司有り。臨安府および其の属する所の建水州・石屏州・阿迷州、および納楼茶甸・教化三部・溪処甸・左龍寨・王弄山・亏容甸・思陀甸・落恐甸の八処の長官司。「甸」は雲南の話裡は垻子・平地の意思にして、故に当地の土司は多く甸を以て名と為す。
寧州,通海縣,河西縣,嶍峨縣,蒙自縣,安南長官司。楚雄府,椘雄縣,定逺縣,定邉縣,廣通縣,匯嘉縣,南安州,鎮南州,定逺守禦千戶所。澂江府,河陽縣,江川縣,陽宗縣,新興州,路南州。景東府。廣南府,富州。廣西府,師宗州,彌勒州,維摩州。鎮沅府,祿谷寨長官司。永寧府,刺次和長官司,瓦魯之長官司,革甸長官司,香羅長官司。
寧州および其の属する所の通海・河西・嶍峨・蒙自の四県と安南長官司。楚雄府および其の属する所の椘雄・定逺・定邉・広通・汇嘉の五県、南安州・鎮南州と定逺守御千戸所。澄江府および其の属する所の河陽・江川・陽宗の三県、還って新興州と路南州有り。此の外還って景東府有り。広南府および其の属する所の富州。広西府および其の属する所の師宗州・弥勒州・維摩州。鎮沅府および其の属する所の禄谷寨長官司。永寧府および其の属する所の刺次和・瓦魯之・革甸・香羅の四処の長官司。以上の滇中・滇南の各府州は、一併に井・鬼分野に帰す。要して留意すべきは、此処の「広西府」は今雲南の師宗・弥勒の一帯に在りて、広西布政使司と毫も干涉無し。読者は切に相混する勿れ。
順寧府,曲靖軍民府,南寧縣,亦佐縣,霑益州,陸涼州,馬龍州,羅平州,平夷衛在霑益州南一百三十里,越州,衛陸衛在霑益州東南一百六十里,姚安軍民府,太姚縣,姚州,迪慶軍民府,劍川州,順州,武定軍民府,和曲州,元謀縣,祿勸州,尋甸軍民府,木宻闗守禦千戶所在東南七十里,元江軍民府,因逺羅必甸長官司,麗江軍民府,通安州,寳山州,蘭州,巨津州,永昌軍民府,保山縣,永平縣,騰越州,騰衝州,潞江安撫司,鳯溪長官司,施甸長官司。
又た順寧府有り。曲靖軍民府および其の属する所の南寧・亦佐の二県、沾益州・陸涼州・馬龍州・羅平州。平夷衛は沾益州より以南一百三十里に在り、越州と衛陸衛とは沾益州の東南一百六十里に在り。姚安軍民府および其の属する所の太姚県と姚州。迪慶軍民府および其の属する所の剣川州・順州。武定軍民府および其の属する所の和曲州・元謀県・禄勧州。尋甸軍民府、木宻關守御千戸所は其の東南七十里に在り。元江軍民府および其の属する所の因逺羅必甸長官司。麗江軍民府および其の属する所の通安州・寳山州・蘭州・巨津州。永昌軍民府および其の属する所の保山・永平の二県、騰越州・騰冲州、および潞江安撫司・鳯溪長官司と施甸長官司。雲南は多く「軍民府」を設く。即ち流官の治下の民戸と土著部落とを兼管するの府なり。故に名目は内地と同じからず。
新化府,騰沖沖軍民指揮使司,新化州,新平縣,北勝州,雲州,車裡軍民宣慰使司,緬甸軍民宣慰使司,孟定府,孟艮府,南甸宣撫司,干崖宣撫司,隴川宣撫司,威逺州,灣甸州,孟密安撫司,鎮康縣,大矦州,鈕元長官司,木邦軍民宣慰使司,孟養軍民宣慰使司,老撾軍民宣慰使司,大古刺軍民宣慰使司,八百大甸軍民宣慰使司,麓川平緬軍民宣慰使司,底馬撒軍民宣慰使司,孟連長官司,茶山長官司,麻里長官司,芒市長官司,者樂甸長官司,瀾滄衛軍民指揮使司,蒗蕖州。
新化府と騰冲軍民指揮使司(原刻は「騰冲冲」と作りて、一個の「冲」の字を衍出す)、還って新化州・新平県・北勝州と雲州有り。滇西南の更に遠き土司は、則ち車里軍民宣慰使司・緬甸軍民宣慰使司有り、孟定府・孟艮府、南甸宣撫司・干崖宣撫司・隴川宣撫司、威逺州・湾甸州・孟密安撫司・鎮康県・大矦州と鈕元長官司。又た木邦・孟養・老撾・大古刺・八百大甸・麓川平緬・底馬撒の七処の軍民宣慰使司、および孟連・茶山・麻里・芒市・者楽甸の五処の長官司有り。別有瀾滄衛軍民指揮使司と蒗蕖州有り。此れらの宣慰使司は大多は今天の緬甸・老撾の境内に在り、是れ明代の西南辺外の羈縻藩属なり。星占家は仍旧其れらを雲南の一体に連ねて井・鬼分野に系す。
貴州省:貴陽府,新貴縣,貴定縣,貴竹長官司,水東長官司,中曹長官司,程番長官司,韋畨長官司,方番長官司,洪畨長官司,臥龍番長官司,金石番長官司,小龍番長官司,羅番長官司,大龍番長官司,小程番長官司,上馬橋長官司,盧番長官司,貴州宣慰使司,青山長官司,札佐長官司,龍里長官司,白納長官司,底寨長官司,乖西長官司,養龍長官司,金築安撫司,木瓜長官司,盧山長官司,麻向長官司,太華長官司。
貴州の一省の省會の一帯も亦た井・鬼分野に属す。貴陽府および其の属する所の新貴・貴定の二県、および貴竹・水東・中曹・程番・韋畨・方番・洪畨・卧龍番・金石番・小龍番・羅番・大龍番・小程番・上馬橋・盧番等の十五処の長官司。又た貴州宣慰使司有りて、下に青山・札佐・龍里・白納・底寨・乖西・養龍の諸長官司、および金筑安撫司と木瓜・盧山・麻向・太華等の長官司を轄す。此の一帯の諸司は多く「番」を以て名と為し、「畨」就中「番」の異体写法にして、世代其の地に居るの僮・苗の各族を指す。原刻の「龍里長官、司白納長官司」の句読は誤有りて、当に「龍里長官司、白納長官司」と読作すべし。
申宮 觜参 晋分野(幷州)
申宮,觜參,晉分野,觜參在申,自畢六度至井七度,屬晉,分幷州。山西省:太原府,陽曲縣,太原縣,榆次縣,大谷縣,清源縣,祁縣,徐溝縣,交城縣,文水縣,壽陽縣,盂縣,靜樂縣,河曲縣。
申宮の主る所是れ觜宿・参宿にして、晋国の分野に属す。此の両宿は申位に列し、畢宿第六度より起りて、井宿第七度に止まり、地上の晋地に対応し、也就是れ古九州の中の幷州なり。山西の一省は大半が此の分野に属す。太原府および其の属する所の陽曲・太原・楡次・大谷・清源・祁県・徐溝・交城・文水・寿陽・盂県・静楽・河曲の十三個の県は、皆其の内に在り。太原是れ春秋の時の晋国の旧都。古人は高辛氏の児子の実沈が大夏に遷居し参星を主祀するを説きて、指す所正是れ此の一片の土地なり。故に晋分は觜・参の二宿に帰す。
平定州,樂平縣。忻州,定襄縣,代州,五臺縣,繁峙縣,崞縣。保徳州。岢嵐州,嵐縣,興縣,寧化守禦千戶所在靜樂縣北一百八十里,寧武守禦千戶所,雁門闗守禦千戶所在代州北三十里,偏頭闗守禦千戶所。
平定州および其の属する所の楽平県。忻州および所属の定襄県。代州および所属の五台・繁峙・崞県の三県。還って保徳州。岢嵐州および其の属する所の嵐県・興県。此の一帯是れ蒙古の南下を防備するの内長城の一線にして、寧化守御千戸所を静楽県より以北一百八十里に設け、寧武守御千戸所、雁門關守御千戸所を代州より以北三十里に設け、および偏頭關守御千戸所有り。雁門・寧武・偏頭の三関は合わせて「外三関」と称し、是れ明代山西鎮の門戸なり。故に千戸所は皆直接に関名を以て命名す。
平陽府,臨汾縣,襄陵縣,洪洞縣,浮山縣,岳陽縣,趙城縣,太平縣,曲沃縣,翼城縣,蒲縣,汾西縣。蒲州,臨晉縣,榮河縣,猗氏縣,萬泉縣,河津縣。解州,安邑縣,夏縣,聞喜縣,平陸縣,芮城縣。綘州,稷山縣,綘縣,垣曲縣。霍州。吉州,鄉寧縣。隰州,太寧縣,永和縣,石樓縣。
平陽府および其の属する所の臨汾・襄陵・洪洞・浮山・岳陽・趙城・太平・曲沃・翼城・蒲県・汾西の十一県。蒲州および所属の臨晋・栄河・猗氏・万泉・河津の五県。解州および所属の安邑・夏県・聞喜・平陸・芮城の五県。綘州および所属の稷山・綘県・垣曲の三県。還って霍州。吉州および所属の郷寧県。隰州および所属の太寧・永和・石楼の三県。晋南の此の一片是れ晋国の最早の封域にして、翼城・曲沃・絳は皆是れ晋国の国君の遷徙して都と為す所の地なり。觜・参分野に帰入する最も切合なり。
潞安府,長治縣,長子縣,襄垣縣,屯留縣,潞城縣,壺闗縣,平順縣,黎城縣。汾州府,汾陽縣,孝義縣,平遙縣,介休縣,靈石縣,臨縣。永寧州,寧鄉縣。沁州,沁源縣,武鄉縣。澤州,髙平縣,陽城縣,沁水縣,陵川縣,遼州,和順縣,榆社縣。
潞安府および其の属する所の長治・長子・襄垣・屯留・潞城・壺關・平順・黎城の八県。汾州府および其の属する所の汾陽・孝義・平遥・介休・霊石・臨県の六県。永寧州および所属の寧郷県。沁州および所属の沁源・武郷の二県。沢州および所属の髙平・陽城・沁水・陵川の四県。遼州および所属の和順・楡社の二県。以上の山西中部と東南の各府州は、一併に觜・参分野に帰す。只有北面の大同の一帯は別に胃・昴・畢の三宿に属す。詳しくは下文の酉宮の一節を見よ。
酉宮 胃昴畢 趙分野(冀州)
酉宮,胃昴畢,趙分野,胃昴畢在酉,自胃三度至畢六度,屬趙,分冀州。北直隸:真定府,真定縣,井陘縣,獲鹿縣,元氏縣,靈壽縣,藳城縣,欒城縣,無極縣,平山縣,阜平縣。定州,新樂縣,曲陽縣,行唐縣屬保定府。冀州,南宮縣,新河縣,棗強縣,武邑縣。
酉宮の主る所是れ胃宿・昴宿・畢宿にして、趙国の分野に属す。此の三宿は酉位に列し、胃宿第三度より起りて、畢宿第六度に止まり、地上の趙地に対応し、也就是れ古九州の中の冀州なり。北直隷の南部は此の分野に属す。真定府および其の属する所の真定・井陘・獲鹿・元氏・霊寿・藳城・欒城・無極・平山・阜平の十県。定州および所属の新楽・曲陽の二県、行唐県は本隷保定府にして、分野に按じて亦た此の宮に帰入す。冀州および所属の南宮・新河・棗強・武邑の四県。真定就中今天の正定にして、戦国の時趙に属す。故に趙分に系る。
晉州,安平縣,饒陽縣,武強縣。趙州,柏鄉縣,隆平縣,髙邑縣,臨城縣,贊皇縣,寧晉縣。深州,衡水縣,守禦倒馬闗中千戶所在定州西倒馬闗,神武右衛在府東北。順徳府,邢臺縣,沙河縣,南和縣,平鄉縣,廣宗縣,鉅鹿縣,唐山縣,內丘縣,任縣。廣平府,永年縣,曲周縣,平鄉縣,雞澤縣,廣平縣,邯鄲縣,成安縣,威縣,清河縣。祁州,深澤縣,束鹿縣。
晋州および其の属する所の安平・饒陽・武強の三県。趙州および所属の柏郷・隆平・髙邑・臨城・賛皇・寧晋の六県。深州および所属の衡水県。守御倒馬關中千戸所は定州より以西の倒馬關に設け、神武右衛は府城の東北に設く。順徳府および其の属する所の邢台・沙河・南和・平郷・広宗・鉅鹿・唐山・内丘・任県の九県。広平府および其の属する所の永年・曲周・平郷・鶏沢・広平・邯郸・成安・威県・清河の九県。祁州および所属の深沢・束鹿の二県。邯郸正是れ趙国の都城にして、倒馬関は則ち太行八陘の一にして、真定の西に山西に入るの通道を扼守す。
山西省:大同府,大同縣,懐仁縣,渾源州。應州,山陰縣。朔州,馬邑縣。蔚州,廣昌縣,靈丘縣,廣靈縣。大同左衛在府西南一百二十里,雲川衛在府西南一百二十里,大同右衛在府西南一百二十里,玉林衛在府西北一百一十里,陽和衛在府東北一百二十里,髙山衛在府東北一百二十里,鎮虜衛在府東北一百八十里,天城衛在府東北一百八十里,威逺衛在府東一百三十里。河南省:磁州,武安縣,渉縣屬彰德府。山東省:恩縣屬髙唐州。
山西の北部も亦た胃・昴・畢分野に属す。大同府および其の属する所の大同・懐仁の二県と渾源州。応州および所属の山陰県。朔州および所属の馬邑県。蔚州および所属の広昌・霊丘・広霊の三県。大同是れ九辺の第一重鎮にして、衛城の排布は如下。大同左衛・雲川衛・大同右衛は皆府城の西南一百二十里に在り、玉林衛は府城の西北一百一十里に在り、陽和衛と髙山衛とは皆府城の東北一百二十里に在り、鎮虜衛と天城衛とは皆府城の東北一百八十里に在り、威逺衛は府城より以東一百三十里に在り。此の外、河南の磁州および其の属する所の武安・渉県の二県は、本来彰徳府に隷属す。山東の恩県は本来髙唐州に隷属すも、分野に按じて亦た一併に酉宮に帰入す。大同は旧是れ趙国の北境にして、明代は又た九辺の首に居る。故に一府の地に就中九座の衛城を集中し、密度は全国に冠たり。兵事を占断する時は最も此の分野に留意するに宜し。
戌宮 奎婁 魯分野(兗州)
戌宮,奎婁,魯分野,奎婁在戍,自奎一度至胃二度,屬魯,分兗州。山東省:兗州府,滋陽縣,曲阜縣,寧陽縣,鄒縣,泗水縣,滕縣,嶧縣。沂州,郯城縣,費縣,安丘縣,諸城縣屬青州府,蒙陰縣。莒州,沂水縣,日照縣。
戌宮の主る所是れ奎宿・婁宿にして、魯国の分野に属す。此の両宿は戌位に列し、奎宿第一度より起りて、胃宿第二度に止まり、地上の魯地に対応し、也就是れ古九州の中の兗州なり(原刻の「在戍」の「戍」の字は、当に「戌」と作るべし)。山東の一省が此の分野に属するは、兗州府および其の属する所の滋陽・曲阜・寧陽・鄒県・泗水・滕県・峄県の七県。沂州および所属の郯城・費県・蒙陰の諸県。其の中安丘・諸城の両県は本来青州府に隷属すも、分野に按じて亦た此の宮に帰入す。又た莒州および所属の沂水・日照の二県有り。曲阜是れ孔子の故里にして、正に魯分の中心に落つ。
南直隸:懐逺縣,五河縣,虹縣,泗州,清河縣,桃源縣,沭陽縣屬鳯陽府。海州,贛榆縣屬淮安府。邳州,宿遷縣,睢寧以上俱屬淮安府縣。
以上是れ南直隷の境内に此の「分野」に帰入するの州县。所謂分野とは、是れ古人の天上の二十八宿と地上の州国郡県とを一々相配し、某宿の照臨する所の地面は即ち某宿の管轄に帰し、用いて一方の吉凶を占断するなり。南直隷是れ明代の南京に直隷するの轄区にして、大致は今天の江蘇・安徽の両省と上海市に相当す。其の中鳯陽府に隷属する有りて懐逺県・五河県・虹県(今安徽泗県)・泗州・清河県(今江蘇淮安清江浦の一帯)・桃源県(今江蘇泗陽)・沭陽県。淮安府に隷属する有りて海州(今江蘇連雲港)と贛楡県。邳州・宿遷県・睢寧の以上の諸処も、亦た皆淮安府の所轄の州县に属す。此の一片の地方は大体は今天安徽の東北部と江蘇の北部の一帯に分布す。
亥宮
室壁,衛分野,室壁在亥,自危十二度至奎初度,屬衛,分河北。河南省:衛輝府,汲縣,胙城縣,新鄉縣,獲嘉縣,淇縣,輝縣。彰徳府,安陽縣,湯陰縣,臨漳縣,林縣。懐慶府,河內縣,修武縣,武陟縣。
亥宮の対応する所の星宿是れ室宿と壁宿にして、古代衛国の分野に配属す。室・壁の二宿は十二宮の中に亥位に居り、其の度数は危宿十二度より起りて、奎宿初度に止まる。此の一段の天区の照臨する所の地面は衛国の故地に属し、黄河より以北に位す。故に「河北を分つ」と曰う。明代の政区に落到すれば、河南省の境内に此の分野に属する有りて、衛輝府および其の轄する所の汲県・胙城県・新郷県・獲嘉県・淇県・輝県、今河南の新郷・鶴壁の一帯に在り。彰徳府および其の轄する所の安陽県・湯陰県・臨漳県・林県、今河南の安陽と河北の臨漳の交界の一帯に在り。懐慶府および其の轄する所の河内県・修武県・武陟県、今河南の焦作・沁陽の一帯に在り。
北直隸:大名府,元城縣,大名縣,魏縣,清豐縣,南樂縣,內黃縣,濬縣,滑縣,東明縣,開州,長垣縣。山東省:東平州,汶上縣,壽張縣,濮州,范縣,觀城縣,朝城縣,臨清州,館陶縣,冠縣屬東昌府。六壬大全卷六終。
北直隷是れ明代の北京に直隷するの轄区にして、約は今天の河北省と北京・天津の両市に相当す。其の境内に亥宮室壁分野に属する是れ、大名府および其の轄する所の元城県・大名県・魏県・清豊県・南楽県・内黄県・浚県・滑県・東明県・開州・長垣県、此の一片は今河北の南端と河南の北部の交界の処に在り。山東省の境内に此の分野に属する是れ、東平州・汶上県・寿張県・濮州・范県・観城県・朝城県・臨清州・館陶県・冠県、以上の諸州县は皆東昌府に隷属し、位置は今山東西部の聊城・泰安の一帯および河南濮陽の附近に在り。《六壬大全》巻六は此処に到りて結了す。
六壬大全巻七 課経集一
元首課
凡一上克下,餘課無克,為元首課,象天。如君克臣,必順其正,無亂動反常之理。為九宗之元,六十四課之首,故名元首。君占則有伊尹之臣,臣占必遇唐虞之君;常人占之,萬事順利。大哉元首,元亨利貞,首出庶物,萬國咸寧,統干之本,乃元吉第一課也。
凡是れ「四課」の中に只有一処の上神の下神を克し、其余の三課は皆相克を出現せざるを、此れを元首課と叫び、象を天に取る。所謂四課とは、是れ六壬の課を起す時に日干・日支の各自に由りて配出する四組の上下両層の神にして、全課の根基なり。上の下を克するは好く君主の臣下を管束するが比にして、臣下は必定に正理に順服し、胡乱妄動・以下犯上の事有る能わず。其れ是れ九宗門の開端・六十四种の課体の第一位なり。故に命名して元首と為す。君主が此の課を占得れば、伊尹の那様の賢臣を得るを得ん。臣子が此の課を占得れば、一定に唐堯虞舜の那様の明君に遇上せん。平常人が占得れば、則ち万事順遂す。所謂「大なるかな乾元」とは、元・亨・利・貞の四徳が斉備し、正に《周易・乾卦》の説く所の「首出庶物、万国咸寧」の如く、其れは天干の陽剛の根本を統領し、是れ最も吉利の第一課なり。
象曰:天地得位,品物咸新。事用君子,憂喜俱真。君臣和合,父子慈親。婚諧鸞鳳,孕育麒麟。用兵客勝,論訟先陳。市賈出色,各利超群。官職首擢,柱石元勳。門庭喜溢,利見大人。
象を断ずるの口訣に曰く:天は上に在り地は下に在りて、各々其の位を得、万物は此れに因りて焕然一新す。弁ずる所の事は君子を任用するを要し、占する所の憂愁と喜慶とは皆実実在在にして落空せざるなり。君臣上下は和睦し、父子の間は慈愛親厚なり。婚姻は鸞鳳の和鳴するが如く、懐孕は麒麟の一様の貴子を生出する能わし。兵を用うるは後発の客方が取勝し、官司を打つは先に口を開きて陳述するの一方が理を占す。売買を做せば貨色は衆に出で、各人の獲利は皆同行を超過す。官を求めれば能く首先に擢升を獲得し、国家の棟梁功臣と成らん。家門には喜気盈溢し、去りて地位尊貴の大人物に進見するに宜し。
如日用神年命值旺相氣,乘吉將,更逢富貴、龍德、時泰、三光、三陽、官爵、高蓋吉課,有一助之,則有干之九五“飛龍在天。”雲龍風虎相從,大人之象也。
如果日干・発用の神および本命・行年の臨む所の神が皆旺気或いは相気の上に処り、又た吉利の天将に乗じて——六壬は貴人・青龍・六合・太常・太陰を以て吉将と為す——再び富貴課・龍徳課・時泰課・三光課・三陽課・官爵課・高蓋課の此の一類の吉課に遇上せば、只要其の中の一种の前に来りて相助する有れば、就中《周易・乾卦》の九五爻の「飛龍在天、利見大人」の爻象に応ず。雲は龍に随いて起り、風は虎に随いて生じ、同類は相従う。此れ正是れ貴人の位を得るの気象なり。
如甲子日卯時子將占,寅命,行年在未,一上克下,午加酉為用,曰元首課。此必正月仍用子將也,不然,發用何言旺相? 午 龍 卯 朱 子 后 龍 常 虎 陰 午 酉 申 亥 酉 子 亥 甲 寅卯辰巳 丑 午 子 未 亥戌酉申
例を挙ぐ。甲子日の卯時に占し、子将を用いて課を起す。占人は虎に属し、也就是れ寅年の所生にして、当年の行年は未上に落つ。四課の中に只有一処の上神の下神を克し、午の酉に加わるを取りて発用と為す。此れ就是れ元首課なり。此れ必定是れ正月裡に仍旧子将を沿用するの縁故なり。不然すれば発用の午火は何に凭りて旺相の気と説かん。此処の「月将」とは、太陽の在所の宮位の神を指し、毎に中気に逢えば一将を更換し、月将を把りて占時の上に加えて天盤を転出するは、六壬の課を起すの第一步なり。下面の課盤は三層に分かれて看る。最上の三行是れ「三伝」にして、即ち四課より選出するの初伝午・中伝卯・末伝子の三步の推演にして、分别に青龍・朱雀・天后に乗ず。中間の両行是れ四課にして、右より左へ自りて依次は日干甲上に亥を見、亥上に申を見、日支子上に酉を見、酉上に午を見。四課の上神の亥・申・酉・午は分别に太陰・白虎・太常・青龍に乗ず。最下の四行是れ地盤十二支の定位にして、寅卯辰巳・午未申酉・戌亥子丑は依序に環列す。第四課の午火が下面の酉金を克するは、正に全課の唯一の一処の上克下なり。
此課子孫乘青龍發用,主文職,占子孫及本身前程、家宅事。他日父子均登高品官爵,兒子於午年發科,未年及第,屢於寅午戌旺年月轉官。本身見任,寅年應詔,官由詞館,屢於己丑年月轉遷。家宅吉利,招女聰俊,配武弁崇勳,多益母家。惟朔望弦晦日忌,此課為天煩課也。
此の一課は子孫爻を以て青龍に乗じて発用と為し、主る所是れ文職の事にして、占する内容は子孫・本人の前程および家宅に涉及す。日后父子の両代は皆能く高位官爵に登上せん。児子は午年に挙人に考中し、未年に進士に考中し、并びて屡屡寅・午・戌の此れらの火旺の年月裡に於て陞遷調任せん。占者本人は現に官任に居り、寅年に詔を奉じて朝に入らん。出身は翰林詞館の一類の文学侍従の職にして、多次己・丑の年月裡に於て遷転升官せん。家宅は吉利にして、聡明俊秀の女児を生養し、将来功勋崇高の武官に嫁し、母家に対して多く幇助有らん。只是れ初一・十五・上下弦と月底の此の几個の日子は避忌するを要す。此の課は同時に又た是れ天煩課なればなり。
解曰:蓋此課午加酉為元首,主首擢,利見大人。三傳午為天馬,卯為天車,子為華蓋,為高蓋乘軒,主公卿之貴。日辰用神旺相,吉將在中,為三光,主加官進爵,慶賀之榮。
解釈して曰く:此の一課は午の酉に加わるを以て元首の象を構成し、主に首先に提拔を獲得し貴人に進見するに宜し。所謂「三伝」とは、是れ四課に由りて選定するの初伝・中伝・末伝の三步にして、事を断じ推演するの主線なり。此課の三伝の中に、午是れ天馬、卯是れ天車、子是れ華蓋なり。華蓋は星名と為り、本は天子の車駕の上の傘蓋を指す。合わせれば就中是高蓋に乗り軒に乗るの象にして、公卿の一級の顕貴を主る。日干・日支と発用の神とが皆旺相の気の上に在り、吉将が又た其の中に居りて、三光課を構成し、官を加え爵を進め家を挙げて慶賀するの栄耀を主る。
又青龍主文書,甲木以火為子,值旺相氣,上乘青龍,午上遁得庚金為官星。行年未上,辰乘六合,亦為兒,主子求官。午歲火旺,上見卯木相生,乘朱雀,主文字發科。未歲上見辰為亞魁,乘吉將,主及第佳兆。火為威儀,主禮部。午數九,龍數七,庚數八,主五十四年。火數二,主極品高官,尚書之位也。
再び下に往きて看よ。青龍は文書を主管す。甲は木に属し、生ずる所の火を以て子孫と為す。此の時火は正に旺相に当たり、上面に又た青龍に乗ず。午位上は六甲旬遁に按じて庚金を推出し、庚金正是れ甲木を克するの官星なり。行年は未上に落ち、未上は辰の六合に乗ずるにして、六合も亦た子息を主る。故に児子に替りて官職を謀求するを断と為す。午年は火気最も旺にして、午上に卯木の前来相生するを見、又た文書を主る朱雀に乗ず。文章に凭りて挙人に考中するを主る。未年は上に辰を見、辰は亜魁と為り、又た吉将に乗ず。是れ進士に考中するの好兆頭なり。火は威儀を主り、朝廷の礼部に対応す。午の成数是れ九、青龍の数是れ七、庚金の数是れ八にして、相合して五十四年の数を推得す。火の生数是れ二にして、位は人臣に極まり、尚書の位に到る可きを主る。
一陰二陽,以卯屬陰為主,乘朱雀為文明,甲日為本身,值此旺相氣,主見任干求官職。甲上亥為長生學堂,為天詔,主應詔,官由詞館。卯數六,午數九,主十五年象首擢,旺氣數倍,主師傅極品之貴。卯為羊刃,屬肝木,主風疾。
三伝の中に一陰二陽あれば、就以て陰に属する卯を以て事を主る神と為す。卯は朱雀に乗ずるは、是れ文采光明の象なり。甲日は占者本身を代表し、正に旺相の気に値し、其れ現任官員の身份を以て新しい職位を謀求し去るを主る。甲の上神是れ亥、亥是れ甲木の長生の地にして、又た学堂・天詔と称し、詔を奉じて朝に入り官職は翰林詞館より出ずるを主る。卯の数是れ六、午の数是れ九にして、相加えて十五を得、十五年之后に首先擢升の象に応験するを主る。若し気数旺盛にして成倍に推算せば、則ち帝王師傅の一級の极品尊貴に到るを主る。別の一面、卯は又た甲木の羊刃にして、人身の上は肝木に属す。故に亦た肝風の一類の疾病を主る。
末傳為歸結,子數一,月將天后為恩澤,主乞求休時有加一品之恩。子與天后九數相乘,主壽得八十一。支為家宅,子上見酉,主招女,乘太常吉將,主聰俊配武弁,相生主益母家也。
末伝是れ全課の帰結の処なり。末伝子の数是れ一にして、子上に乗ずる所の天后は恩沢を主る。故に老を告げ致仕するの時に別に一品を加封するの恩典有るを断と為す。子の数と天后の数九と相乗して、八十一を得、寿命は八十一歳に到る可きを主る。日支は家宅を代表し、日支子上に酉金を見れば、女児を生養するを主る。酉は又た吉将太常に乗ず。故に女児は聡明俊秀にして、日后武官に嫁与すと説く。酉金が子水を生じ上下相生すれば、此の女児の母親の娘家に対して多く裨益有るを主る。
如四月丁丑日子時申將占,巳加酉為用,曰元首課。 巳 常 丑 勾 酉 貴 常 貴 朱 空 巳 酉 亥 卯 酉 丑 卯 丁 丑寅卯辰 子 巳 亥 午 戌酉申未
再び一例を挙ぐ。四月丁丑日の子時に占し、申将を把りて子時の上に加えて天盤を起出し、巳の酉に加わるを取りて発用と為す。も亦た元首課なり。課盤は如下。三伝是れ初伝巳は太常に乗り、中伝丑は勾陳に乗り、末伝酉は貴人に乗ず。四課は右より左へ自りて依次は丁日干上に卯を見、卯上に亥を見、日支丑上に酉を見、酉上に巳を見。四課の上神の卯・亥・酉・巳は分别に天空・朱雀・貴人・太常に乗ず。最下の四行是れ地盤十二支の定位なり。第四課の巳火が下面の酉金を克し、一処上克下にして其余の各課は克無し。故に元首課と定む。
此課昔越王有鄭妃當誕,召范蠡占之,以月將申加子時,得一上克下,巳加酉為用,上是旺火克下死金,上強下弱,礦決主生男。如秋占火囚氣,課皆陰,則未然也。
此の一課に一個の旧例有り。従前越王の鄭妃が産に臨み、范蠡を召して前来して占問せしめ、范蠡は月将申を把りて占時子の上に加えて課を起し、一処の上神の下神を克するを得、巳の酉に加わるを取りて発用と為す。上面是れ当令の旺火、下面是れ失気の死金、上強下弱なり。故に生むる是れ男孩を断定す。假如換えて秋天に来りて占せば、火は囚気に退居し、四課は又た皆陰に属す。那れ就中此の様に断ずる能わず。
如乙酉日,巳加酉為發,一上在鈣為元首課,巳歲占,則吉凶應在一歲之人。若正月建寅,用起功曹,則事應正月之內。丙子日立春,用起太乙神后,則事應半月之內。甲子旬內起神后,則事應十日之內。庚申日寒蟬鳴,用起傳送,則事應五日之內。日應日,時應時。旺氣發用,主干求官職;相氣經營貨財;死言喪教;囚主刑訟;休主疾病;墓主淹延;諸課應驗,同此推斷。
又た乙酉日の如く、巳の酉に加わるを取りて発用と為し、只有一処の上神の下神を克す。も亦た元首課なり。若し巳年に占問せば、吉凶は就中此の一年の内に応ず。若し正月に寅を建て、発用は功曹(寅の神名)に起れば、事情就中正月の内に応ず。丙子日に立春を交え、発用は太乙(巳)或いは神後(子)に起れば、事情就中半個月の内に応ず。甲子の此の一旬裡に於て発用が神後に起れば、事情は十天の内に応ず。庚申日は正に寒蝉鳴くの此の一候に当たり、発用が伝送(申の神名)に起れば、事情は五天の内に応ず。此を以て類推すれば、某日に応ずるは其の当日に効を見、某時に応ずるは其の当時に効を見ん。発用の神が旺気の上に在れば、官職を謀求するを主る。相気の上に在れば、財貨を経営するを主る。死気の上に在れば、喪亡の事を主る。囚気の上に在れば、刑罰訟獄を主る。休気の上に在れば、疾病を主る。墓庫に落入れば、事情の拖延不決を主る。其余の各課の応期は、皆此の弁法に照らして推断す。
又於亥日未加亥,乙未日卯加未,丙申日卯加戌,壬寅日巳加申,辛酉日午加加申發用之類,則為元首。六壬總計七百二十課,內合元首課凡一百一十五,舉此數課為例,則餘課可推矣。
此の外亥日に未の亥に加わる、乙未日に卯の未に加わる、丙申日に卯の戌に加わる、壬寅日に巳の申に加わる、辛酉日に午の申に加わるの此れらの発用の情形の如きは、皆元首課に属す。六壬は一共に七百二十課有りて、其の中元首課に合するは共計一百一十五課。此処は只上面の几課を挙出して示范と為し、其余は此れに照らして類推すれば便可なり。
《訂訛》
元首一上克下,以尊制卑,大順之徵,為諸課首,故名元首。占主天地得位,品物咸亨;事從外來,起男子;憂喜皆實;臣忠子孝,婚諧謀遂;孕生男,兵訟先者勝;賈人獲利,官職首擢,利見大人。如日、辰、年、命、發用、正時六處,值旺相,乘吉將,更逢富貴、官爵、三光、三陽等吉課,士人貴顯不可言。
《訂訛》に曰く:元首課は只有一処の上神の下神を克し、是れ尊者を以て卑者を管束し、大いに順遂の征兆に属し、各課の首に居る。因此に元首と叫ぶ。其れを占得れば、天地の各々其の位を得・万物の亨通を主る。事情は外面より来り、男子に由りて引起さる。憂む所喜ぶ所は皆很た実在なり。臣下は忠を尽くし子女は孝を尽くし、婚事は和諧し謀画は順遂し、懐孕は男を生じ、用兵と打官司とは皆先に手を動かすの一方が獲勝し、商人は利の図る可き有り、官職は首先の提拔を得、貴人に進見するに宜し。如果日干・日支・太歳・本命・発用・占時の此の六処が皆旺相の気に値し、又た吉将に乗じ、再び富貴・官爵・三光・三陽等の吉課に遇上せば、那れ么読書人の顕貴は説き尽くす能わざるなり。
此課大象,順利十分,然或得凶神惡將,三傳不順,反主下順上而上不從。又如一上克下,而上休囚死氣,下卻旺相、德合、歲月建,反主上雖制下,而下不受制,未可執一也。
此の一課の总体の気象は十分に順利なるも、但假如兇神悪将に碰上し、三伝の排列が順ならざれば、反って主に下面は上面に順従するも上面は却て肯じて接纳せざるを主らん。又た比如雖も一処の上克下なるも、可なり上神が休・囚・死の衰気の上に処り、下神は反って旺相にして、或いは徳神・六合を帯び、或いは正是れ当年の太歳・当月の月建なれば、那れ就中反って上面は雖も下面を管束せんと想うも下面は却て肯じて制を受けざるを主る。故に能く一条の断法を死守すべからず。
《観月経》 名月未円
課中一克下,元首卦本宗。元者長也,首者初也,上克下者,諸卦之長也。起歲年華問,本歲發用,其吉凶應歲內也。假令太歲在寅,其將勾陳,主一年內爭訟田宅也。逢蟾月裡尋。蟾者,月之名,十二月斗建是也。假令正月斗指寅,以功曹發用,吉凶在一月內必應也。傳辰旬內應,假令正月甲子日午占,第二課子加未為神后,為辰發用,其吉凶不出十日必應也。值日目前辰。假令今日甲子,以甲為日,課中功曹發用,其吉凶當日應也。
《観月経》の歌訣に曰く「課中一克下、元首卦本宗」。課裡に只有一処の上克下有れば、本就中元首の一類に属す。「元」是れ長の意思、「首」是れ初の意思にして、上神の下神を克するは、是れ各卦の中に長に居るの一种なり。歌訣に曰く「歳年華を問うを起す」。注解して曰く:若し発用の神が正是れ当年の太歳なれば、吉凶は便ち此の一年の内に応ず。比如太歳が寅に在りて寅上に勾陳に乗ずれば、就中一年の内に田宅に因りて官司を打つを主る。歌訣に曰く「蟾に逢えば月裡に尋ねよ」。注解して曰く:蟾是れ月亮の別名にして、指す所是れ十二個月の斗柄の建つる所の支。比如正月に斗柄が寅を指せば、就以て功曹(寅)の発用と為し、吉凶は必定に此の一個月の内に応ず。歌訣に曰く「辰を伝えば旬内に応ず」。注解して曰く:比如正月甲子日の午時に占して、第二課是れ子の未に加わり、子の神名は神后と叫び、此の神を以て発用と為せば、吉凶は必定に十天を出でずして分暁を見ん。歌訣に曰く「日に値れば目前の辰」。注解して曰く:比如今天是れ甲子日にして、甲を以て日干と為し、課中に若し是れ功曹(寅)の発用なれば、吉凶就中当天に応験せん。
氣動蟾分體,蟾者,一月之數也。體者,全之數也。分體,半月之數也。氣動者,二十四氣之首日為發用,每氣十五日,假令丙子日立春之節,四課之中,用起神后,其吉凶慶在半月內也。假令丙子日立春,第五日庚辰子將卯時占,太乙加申上克下為用神,初傳勾陳,主財物、田宅、鬥訟、官災不出一氣之內也。巳火發用,即立春丙子日期也。
歌訣に曰く「気動けば蟾は体を分つ」。注解して曰く:蟾は一個月の日数を指し、体は整月の完数を指し、体を分つ就中半個月なり。所謂気動とは、是れ二十四節気の頭一天が恰好発用と為るを指し、毎一節気は十五天を管す。比如丙子日に立春を交え、四課の中に発用が神後(子)に起れば、吉凶就中半個月の内に分暁を見ん。又た比如丙子日に立春して、第五天庚辰日に到り、子将を用いて卯時に加えて来りて占せば、太乙(巳)の申に加わるを得、上神の下神を克して而も発用と成り、初伝は勾陳に乗ずれば、就中財物・田宅・争闘・官非の事は此の一個の節気を出でずして便ち応験せんを主る。巳火の発用と説くの所以は、正是れ立春丙子の那れ一天より起算するなり。
候來旬折身。候者,七十二候也。旬者,十日也。每一候五日。折身,折披一旬之數也。假令七月初一日寒蟬鳴為候,是甲申,第二日乙酉寅時午將占事,三傳申子辰也,傳送加乙,一上克下,其吉凶應在五日內也;或用起功曹,亦是。諸卦從此起,萬類若通神。凡七百二十卦皆類此卦斷之,取年月日時為應期。明五行之奧義,通萬事之正理,如神明也。
歌訣に曰く「候来れば旬は身を折る」。注解して曰く:候は一年の七十二候を指し、旬は十天を指し、毎一候是れ五天なり。所謂身を折るとは、就中一旬の日数を把りて対折し、五天の数を得出す。比如七月初一日に寒蝉鳴くの此の一候を交え、此の天是れ甲申なり。第二天乙酉に、寅時午将を用いて事を占し、三伝是れ申・子・辰にして、伝送(申)が乙の上に加わり、一処の上神の下神を克せば、吉凶就中五天の内に応ずべし。若し発用が功曹(寅)に起れば、道理も亦た一様なり。歌訣に曰く「諸卦は此れより起り、万類は神に通ずるが若し」。注解して曰く:七百二十課は皆此の一課の路数に照らして去りて断じ、年・月・日・時を取りて以て応験の期限を定む。五行の深意を弄明白にし、万事の正理を貫通せば、推断するに就中神明の相助有るが一般なり。
旺氣言官職,春木旺,夏火旺,秋金旺,冬水旺,四季土旺。如春月戊己日占事見木神發用,克今日干,君子有官職,小人爭財官事。若傳入三光、三陽、三奇、六儀,灑可例斷官事也。妻財相氣論。凡春火相,夏土相,秋水相,冬木相,四季金相。假如春月壬癸日占事,見火神發用,為妻財,主南帛事動。若不是妻財,則不可以財帛一例斷之也。
歌訣に曰く「旺気は官職を言う」。注解して曰く:春天は木旺、夏天は火旺、秋天は金旺、冬天は水旺、四季の各々末の一月は土旺なり。比如春月戊己日に事を占して、木神の発用を見れば、木は戊己土を克し、正是れ日干を克するの官鬼にして、官を做る人は官職を得るを主り、平常人は銭財の為に官司を打つを主る。若し三伝中に三光・三陽・三奇・六儀の此れらの吉格を帯びれば、就中以て此れに照らして官事得意と断ずべし。歌訣に曰く「妻財は相気に論ず」。注解して曰く:春天は火を相と為し、夏天は土を相と為し、秋天は水を相と為し、冬天は木を相と為し、四季末月は金を相と為す。比如春月壬癸日に事を占して、火神の発用を見れば、火は壬癸水の克する所と為り、就是れ妻財にして、銭帛の事の発動するを主る。若し発用の神が并びて是れ日干の克する所の妻財に非ざれば、那れ就中能く一概に財帛に按じて断ずる能わず。
死言喪者起,春土死,夏金死,秋木死,冬火死,四季水死。凡死氣為用,乃喪亡之事。更與自剋日的應。假令春月壬癸日發用土神克今日干也。囚動見官刑。春金囚,夏水囚,秋火囚,冬土囚,四季木囚。凡囚氣動者,更剋日為官鬼也。假令春月甲乙日占,申酉發用,乘凶將,主官詞刑傷也。
歌訣に曰く「死は喪者の起るを言う」。注解して曰く:春天は土を死気と為し、夏天は金を死気と為し、秋天は木を死気と為し、冬天は火を死気と為し、四季末月は水を死気と為す。凡是れ死気の神の発用を做すは、主る所是れ喪亡の事なり。若し此の死気の神が又た正好日干を克住せば、応験就更に准なり。比如春月壬癸日に占し、発用の土神が壬癸水を克住せば、就中此の種の情形なり。歌訣に曰く「囚動すれば官刑を見る」。注解して曰く:春天は金を囚気と為し、夏天は水を囚気と為し、秋天は火を囚気と為し、冬天は土を囚気と為し、四季末月は木を囚気と為す。凡そ囚気の発動して而又た日干を克するは、便ち官鬼と成る。比如春月甲乙日に占し、申酉金が発用し、再び凶将に乗ずれば、就中官司文書と刑罰傷損の事を主る。
休氣憂病患,春水休,夏木休,秋土休,冬金休,四季火休。凡占休氣動,主疾病災患也。諸家卦備陳。得旨從天降,不誤後學人。諸卦用元首五行旺相死休囚斷之,君子得五行之旨趣分明,神報吉凶禍福,人事、物類、數目、遠近、應期皆同天降也。
歌訣に曰く「休気は病患を憂う」。注解して曰く:春天は水を休気と為し、夏天は木を休気と為し、秋天は土を休気と為し、冬天は金を休気と為し、四季末月は火を休気と為す。凡そ休気の発動するを占得れば、疾病災患を主る。歌訣は最後に曰く「諸家の卦は備わりて陳し、旨を得れば天より降り、後学の人を誤らず」。注解して曰く:各家の課体は已に一々に列出せり。只要其の中の要旨を領会すれば、断ずるに就中上天の親授するが一般に准確にして、後来の学習者を誤導せず。各課は皆元首の此の一套の五行の旺・相・死・休・囚の道理を用いて去りて推断す。只要五行の旨趣を辨え分明にせば、神明の示す所の吉凶禍福、および人事・物類・数目・遠近・応期は、全部天就中天上より直接に告知するが一様に清楚なり。
《心鏡》
四課之中一克下,卦名元首是其格。臣忠子孝皆從類,憂喜因男非女人。上克下,事起於男子也。上即為尊下卑小,斯為正理悉皆真。官詞先者皆為勝,後對之人理不伸。上克下利為客,爭訟先起是客,後訴者是主。
《心鏡》の歌訣に曰く:四課の中に只有一処の上神の下神を克せば、此の格局就中元首と叫ぶ。臣忠子孝の一類の事は皆此処に帰すべく、憂む所喜ぶ所は皆男子に由りて引起され、女人とは関無し。上が下を克するが因に、事情は男子より起ればなり。上位者は尊と為り下位者は卑と為る。此れ才に是れ正理なり。故に断出する所の事は応験せざる無し。官司を打つに先に口を開くの一方が取勝し、後来応訴する人は道理の伸張し出す能わず。上が下を克するは客方に利有り。争訟の中に先に事端を挑起するは客と算し、後来応訴するは主と算す。
《袖中金》
元首卦,尊制卑,貴制賤,占事多順,憂喜皆實,皆以神將吉凶。凡事宜先,事起男子。然就以神將支干四時,以休旺年命三傳推測,乃見吉凶。如一上克下為用,而上休囚死氣,下卻旺相、德合、歲月建,乃下返勝上。如正月甲寅日日上酉加之為用,雖是元首,奈酉金囚氣,甲寅乃日建支辰,為日德祿,又旺氣,下既得勢,必不受制,則尊卑不順,反亂之道也。
《袖中金》に曰く:元首卦是れ尊者が卑者を管束し貴者が賤者を管束す。占する所の事は多半順遂にして、憂喜は皆実在に属し、具体の吉凶は還って乗ずる所の天将を看るを要す。凡事は先を搶するに宜しく、事情は男子に由りて引起さる。不過還って須く天将・日干日支・四季の旺衰、および本命・行年と三伝の休旺とを結合して一併に推測し、才に能く吉凶を定出すべし。比如雖も一処の上克下の発用なるも、可なり上神が休・囚・死の衰気に処り、下神は反って旺相にして、或いは徳神・六合を帯び、或いは正是れ太歳・月建なれば、那れ就中成りて下反って上に勝つ。正月甲寅日の如く、日干上に酉の甲に加わる有りて発用すれば、雖も元首に属するも、无奈酉金は正に囚気に当たり、而して甲寅は既に日建の支辰にして、又た是れ日干の徳神と禄神にして、且つ旺気の上に在り。下面は既然勢を得れば、必然に肯じて制を受けず、尊卑は序を失い、反って是れ変乱の道なり。
如《心鏡?占孕歌》曰:“用神克下生男子。”若執此例,不以上下勝負推之,第恐有誤。昔越王有鄭妃當產,於四月辛巳日子時,召范蠡占之,月將占加子時,用得巳加酉上克下,是旺火剋死金,此上強下弱,故生男也。如秋月占得此課,則不然矣。切在參詳,不可執一也。
又た《心鏡・占孕歌》の説く所の如く「発用の神の下を克するは男子を生ず」。若し此の一条を死守して、上下双方の強弱勝負を比較し去らざれば、恐怕就中断錯せんと要す。従前越王の鄭妃が産に臨み、四月辛巳日の子時に於て范蠡を召して占問せしめ、范蠡は月将を把りて子時の上に加えて課を起し、巳の酉に加わり上神の下神を克するを得たり。此れ是れ当令の旺火の去りて失気の死金を克するにして、上強下弱なり。故に男を生ずと断ず。假如秋の月に換えて同様の一課を占得すれば、就中能く此の様に断ずる能わず。務めて仔細に参詳し、能く一端に拘執すべからず。
重審課
凡一下賊上,餘課無克,為重審課。象地,事逆,以下犯上,如臣諍君,不敢擅為,必再三詳審定計而後入,故名重審。積善者慶,積不善者殃。君子占之,利有攸往。至哉重審,含章可貞,或從王事,無成有終,統坤之體也。
凡是れ四課の中に只有一処の下神の上神を克し、其余の各課は皆相克せざるは、就中重審課なり。六壬は下の上を克するを把りて「賊」と称作し、逆象と視做す。其れは象を地に取り、事情は逆行し、以下犯上に属し、好比臣子の直言して君主を勧諫するが如く、敢えて擅自に作主せず、必ず再三詳細に審察し計策を定めて然る後に才に進言す。故に重審と叫ぶ。平日善を積む人は慶福を得、悪を積む人は災殃に遭う。君子が其れを占得れば、往く所之有るに宜し。所謂「至なるかな坤元」とは、正に《周易・坤卦》の六三爻の説く所の「含章可貞、或従王事、无成有終」の如く、其れは坤地の柔順の体性を統領す。
象曰:順天厚載,柔順利貞。一下逆上,豈無憂驚?貴順福至,貴逆亂興。事宜後起,禍從內生。用兵主勝,受孕女形。諸般謀望,先難後成。
象を断ずるの口訣に曰く:大地の天を順承し徳を厚くして物を載するが如く、柔順にして正を守れば才に利有り。可是一処の下神の逆犯上神する有り、怎んぞ憂懼驚擾無からんや。貴人が順行すれば則ち福気到來し、貴人が逆行すれば則ち禍乱興起す。事を做すは後発して人を制するに宜しく、災禍は是れ内部より生出す。兵を用うるは後に応戦する主方が取勝し、懐孕は女娃を生ず。各様の謀画願望は、皆是れ先難後成なり。
如初傳墓絕,末傳生旺,災禍自消。生旺傳墓絕,不吉;墓絕傳生旺,吉。初傳克末凶,末傳克初吉。或逢龍、常、陰、後、六合吉將,生氣、解神、天德、月德、天喜、德神、合神吉神得一在末傳,可化凶為吉。君子厚德,中道而行,則有坤六五“黃裳,元吉。”之象也。
如果初伝が墓庫或いは絶地に落ち、末伝は却て長生・帝旺の処に転到せば、災禍は自然に消解す。反って、生旺より墓絶に伝向すれば、不吉。墓絶より生旺に伝向すれば、則ち吉。初伝が末伝を克するは凶と為り、末伝が初伝を克するは吉と為す。倘若青龍・太常・太陰・天后・六合の此れらの吉将に遇上し、或いは生気・解神・天徳・月徳・天喜・徳神・合神の此れらの吉神に、只要一個の末伝に落つる有れば、便能く凶を転じて吉と為す。君子は徳行深厚にして中道に依りて行えば、便ち《周易・坤卦》の六五爻の「黄裳、元吉」の吉象に応ず。
如四月丙戌日巳時申將,子命行年在酉,申加巳一下賊上發用,為重審課。四月如何申為相?取用長生也。 申 六 亥 貴 寅 玄 辰 丑 亥 申 丑 戌 申 丙 申酉戌亥 未 子 午 丑 巳辰卯寅
例を挙ぐ。四月丙戌日の巳時に占し、申将を用いて課を起し、占人は鼠に属し、也就是れ子年の所生にして、行年は酉上に落つ。申の巳に加わり下神の上神を克して発用するは、是れ重審課なり。人の問う有らん。四月は火気正に旺なり、申金は怎様に相気と算作せん。答案是れ其れ巳上に於て長生を得るを取るを以て、故に気有り。課盤は如下。三伝是れ初伝申は六合に乗り、中伝亥は貴人に乗り、末伝寅は玄武に乗ず。四課は右より左へ自りて丙日干上に申を見、申上に亥を見、日支戌上に丑を見、丑上に辰を見。最下是れ地盤十二支。所謂申の巳に加わるとは、是れ丙日の寄宮が巳に在るが因に、天盤の申は正に巳上に落ち、也就是れ日干丙の上神は申と為り、丙火が反って上面の申金を克す。此れ便ち是れ全課の唯一の一処の下賊上なり。
斷曰:此課申為相氣加巳,妻財乘六合為用,主謀為利祿事。中傳官鬼乘貴入亥,為天門,主以財納官的京職。末傳父母乘玄武,主發財能發身。三傳遞生日干,大吉,決主上人舉薦,終始成就高貴。為子求官,亦不免用財取貴。用起孟神,傳入四孟,為玄胎。戌支為妻,上見丑為丙火之子,申財亦為妻,乘六合,亦為子,為天喜,為妻懷孕,課象弄瓦。中傳屬陰為主,陽包陰生女也。
断語に曰く:此の一課は申金が相気の上に処りて巳位に加臨し、申是れ丙火の克する所の妻財にして、又た六合に乗じて発用す。謀ずる所是れ財利禄位の事を主る。中伝亥水是れ丙火を克するの官鬼にして、貴人に乗りて亥に入る。亥は天門と為る。銭財を用いて捐納して而も京城の官職を得るを主る。末伝寅木は丙火を生ずるは父母爻にして、玄武に乗ず。発財に靠りて而も自身も亦た顕達せしむるを主る。三伝は申が亥を生じ亥が寅を生じ寅が日干丙を生じ、層層逓生して、大吉。上司の挙薦有るを断定し、自始至終に高貴を成就せん。若し是れ児子に替りて官を謀ずれば、亦た免れず銭財を用いて去りて功名を換取するを要せん。発用は四孟の神に起り、三伝は又た皆寅・申・巳・亥の四孟に落ちて、玄胎の象を構成す。日支戌は妻子を代表し、戌上に丑を見れば、丑是れ丙火の生ずる所の子孫なり。申は妻財と為りて亦た妻子を代表し、又た婚喜を主る六合に乗ず。六合は同様に子息を主る。是れ天喜の象なり。故に妻子の懐孕するを断と為し、而且課象は女を生ずるを主る。中伝は陰に属して而も事を主る神と為り、陽は陰を包む。正是れ女を生ずるの征験なり。
乙亥日辰時酉將占,申命,行年在亥,寅加酉一下克上為用,曰重審課也。 寅 陰 未 龍 子 貴 酉 辰 寅 酉 辰 亥 酉 乙 戌亥子丑 酉 寅 申 卯 未午巳辰
又一例。乙亥日の辰時に占し、酉将を用いて課を起し、占人は猴に属し、也就是れ申年の所生にして、行年は亥上に落つ。寅の酉に加わり下神の上神を克して発用するは、も亦た重審課なり。課盤は如下。三伝是れ初伝寅は太陰に乗り、中伝未は青龍に乗り、末伝子は貴人に乗ず。四課は右より左へ自りて乙日干上に酉を見、酉上に寅を見、日支亥上に辰を見、辰上に酉を見。最下是れ地盤十二支。乙木は辰に寄宮し、辰上に酉を得。再び酉を以て位と為し、其の上に寅を得。酉金は下に在りて寅木は上に在り、酉金は反って上面の寅木を克住す。此れ就是れ所謂「寅の酉に加わり、一下上を克す」なり。故に寅を取りて発用と為す。
此課李司馬占,旺氣發用。日辰旺相乘吉將,為三光課。主干求官職,有遷升慶賀之榮。果應驗也。
此の一課是れ李司馬の占する所にして、発用の神は正に旺気に当たる。日干と日支とは皆旺相の地に処り、又た吉将に乗じて、三光課を構成す。官職を謀求し、陞遷して賀を受くるの栄耀有るを主る。後来果然に応験せり。
《訂訛》
重審亦名始入一下賊上,以下犯上,為逆征,事有可虞,須再三詳審,故名重審。然止於一下克上,為發難之端,故名始入。占主不忠不孝,事從內起,由女人;孕生女,兵訟後者勝;謀望先難後勝。大抵貴順吉,貴逆凶;墓絕傳生旺吉,生旺傳墓凶;初克末凶,末克初吉。全要末傳得吉將天月德等,可化凶為吉也。此課利下不利上,然或一下賊上而下休囚上旺相,則下雖乖違,終不能肆害。如生金不畏死火之類。
《訂訛》に曰く:重審課は又た始入と叫ぶ。其れは只有一処の下神の上神を克し、以下上に犯すは、是れ悖逆の征兆にして、事情は憂う可きの処有り、必ず再三詳細に審察するを要す。故に重審と叫ぶ。而して其れは僅かに一処の下克上に止まるは、是れ難を発するの開端なり。故に又た始入と叫ぶ。其れを占得れば、不忠不孝を主り、事情は内部より生起し、女人に由りて引発さる。懐孕は女を生ず。用兵・訴訟は皆後に動くの一方が取勝す。謀画願望は先難後成なり。大体に於て貴人は順行は吉と為り逆行は凶と為す。墓絶より生旺に伝向するは吉と為り、生旺より墓絶に伝向するは凶と為す。初伝が末伝を克するは凶と為り、末伝が初伝を克するは吉と為す。関鍵は末伝に於て要して吉将或いは天徳・月徳の一類の善神を得れば、便能く凶を転じて吉と為す。此の一課は下に居る者に利有りて上に居る者に利有らず。不過若し雖も下賊上なるも、而して下神が正に休囚に処り上神が反って旺相に在れば、那れ么下面は雖も乖戾違抗するも、終究に能く肆意に為害する能わず。好比長生の地に処るの金は、并びて已に死気と成りたるの火の来りて其れを克するを怕れざるが如し。
《観月経》 名鴿鷂同籠
一下賊其上,重審卦本音。四課中有一下賊上,名重審卦,其體凶也。父子相離析,夫妻不敬恭。看發用的卦是今日子孫刑並,乘勾虎蛇,必害父也。若用是今日財,必妻害夫。此卦乃臣弒君,子弒父,妻殺夫,奴殺主也。
《観月経》の歌訣に曰く「一下其の上を賊すれば、重審卦本音」。注解して曰く:四課中に一処の下神の上神を克する有れば、就中重審卦と叫び、其の本体是れ凶なり。歌訣に曰く「父子は相離析し、夫妻は敬恭せず」。注解して曰く:要して発用の神を看よ。若し是れ本日日干の子孫爻にして又た刑を帯び、再び勾陳・白虎・螣蛇の此れらの凶将に乗ずれば、必定に父親を傷害せん。若し発用が本日の妻財爻なれば、必定是れ妻子の丈夫を加害せん。此の一卦の主る所、正是れ臣の君を弑し、子の父を弑し、妻の夫を殺し、奴僕の主人を殺すの此の一類の以下犯上の事なり。
順行猶自可,逆去憂來深。天乙在亥順行猶輕,天乙臨戌逆行憂重。又曰順行則憂淺,逆行則憂深。入墓應雖避,假令初傳木,末傳小吉,為木入墓,主殺害之事難避他,墓例此也。傳生可易容。發用木神,末傳亥為長生,事易避也,他生例此。太常與陰后,合乙及青龍。同並生神處,恩來禍不從。若貴龍合常等同入長生之地,主反禍為福耳。
歌訣に曰く「順行は猶ほ自ずから可なり、逆去れば憂来ること深し」。注解して曰く:天乙貴人が亥に落ちて順行すれば、憂患は還って算して軽し。天乙が戌に落ちて逆行すれば、憂患就中重し。也就是れ順行は憂浅く逆行は憂深しと説く。歌訣に曰く「墓に入れば応は雖も避く」。注解して曰く:比如初伝が木に属し、末伝是れ小吉(未)にして、未は木の墓庫と為り、木は墓中に入る。殺害の事は躲避し難きを主る。其余の墓に入るの情形は此れに照らして類推す。歌訣に曰く「伝生は容を易う可し」。注解して曰く:発用是れ木神にして、末伝亥は木の長生の地と為れば、事情就中容易に躲開す。其余の長生を得るの情形も亦た此れに照らして類推す。歌訣に曰く「太常と陰后、合乙および青龍、同じく并びて神を生ずるの処に、恩来りて禍従わず」。注解して曰く:若し貴人・青龍・六合・太常の此れらの吉将が一同に長生の地に落つれば、就中禍を転じて福と為すを主る。
空玄並蛇虎,勾雀墓末逢。喜事翻成惡,凡玄武、天空、蛇、雀、勾、虎者為凶將,同末傳入墓者,喜事反成惡事也。親者也成凶。從生入墓者吉變為凶,害有刑害者,縱親者亦成仇怨也。諸卦皆如此,學人莫亂攻。下面諸卦皆如此例推之,此是奧理難見也,後人不得亂攻胡亂斷之也。
歌訣に曰く「空玄は并びて蛇虎、勾雀は墓末に逢えば、喜事は翻って悪と成る」。注解して曰く:玄武・天空・螣蛇・朱雀・勾陳・白虎は皆凶将と算し、若し其れらが末伝と一同に墓庫に落入せば、喜事は反って変じて禍事と成らん。歌訣に曰く「親しき者也た凶と成る」。注解して曰く:長生より墓庫に転入するは、吉は変じて凶と為る。若し再び刑と害とを帯びれば、那れ么即使是れ至親の人も、亦た仇怨を結成せん。歌訣に曰く「諸卦は皆此の如く、学人は乱攻する莫れ」。注解して曰く:下面の各課は皆此の例子に照らして推演す。其の中の道理は深奥にして明らかに難し。後人は能く胡乱に穿鑿し随意に判断すべからず。
《心鏡》
從下賊上名重審,子逆臣乖弟不恭。事起女人憂禍重,防奴害主起妻從。萬般為事皆難順,官病相兼恐復重。論訟對之伸理吉,先訟虛張卻主凶。
《心鏡》の歌訣に曰く:下神に由りて上神を克するは重審と叫び、児子の忤逆・臣下の乖違・弟弟の不恭を主る。事情は女人に由りて引起され、憂愁禍患は皆重し。奴僕の主人を加害するを提防するを要し、而して起因は往往妻妾の一辺に在り。各様の事を做す皆順遂し難く、官非と疾病とが交相に来り、恐怕還って反復加重せん。官司を打つは応訴の一方を以て道理を伸張するを吉と為し、先を搶じて起訴し虚に声勢を張るは反って凶を主る。
《袖中金》
一下賊上,卑犯尊,賤犯貴之象,占事多不順,事起女人。如春占,土加寅卯,其土死木旺,是旺鬼賊上,正應此課體。若夏得巳午火加亥子水,下賊上為用,則火旺水囚,不能賊上,有乖違之患。大抵生金不畏死火,生水不畏死土,生旺不畏死囚也,不可執一而論之。
《袖中金》に曰く:一処の下神の上神を克するは、是れ卑者の尊者を冒犯し賤者の貴者を冒犯するの象にして、事を占すは多半順ならず、起因は女人に在り。比如春天に占し、土が寅卯木の上に加われば、此の時土は死気に処りて木は旺に当たる。正是れ旺木の此の官鬼が下面より来りて土を克し、恰好此の課体に合す。若し夏天に於て巳午火の亥子水の上に加わり以下上を賊して発用するを得れば、那の時は火旺にして水囚なり、下面の水は根本に上面の火を克動する能わず、只會些かの乖違不順の小患有るのみ。大体に於て、長生に処るの金は已に死気と成りたるの火を怕れず、長生に処るの水は已に死気と成りたるの土を怕れず、生旺の神は死囚の神を怕れず。能く一条を死守して論断する能わず。
知一課
凡課有二上克下,或二下克上,擇課之陰陽與今日比者而為用神,曰知一課。比者各也,陽日陽比,陰日陰比。二爻皆動,事有兩岐,善惡混處,必知擇其比和一善者而用之,故名知一。事宜惟一,允執厥中。占物占人,皆在近也。統“比”之體,乃去讒任賢之課也。比者,親輔也,有不寧方來意。
凡是れ課中に両処の上神の下神を克し、或いは両処の下神の上神を克するを出現せば、就其の中に挑選して陰陽の属性が本日日干と相同なるの那一処を作りて発用の神と為す。此れを知一課と叫ぶ。所謂「比」とは、就是れ同類なり。陽日は陽支を取りて相比し、陰日は陰支を取りて相比す。両処の爻位が同時に発動すれば、事情は便ち両条の岔路有りて、善悪混雑す。必ず其の中より日干と相比して又た較為良善の一処を選出して用いるを懂得するを要す。故に名づけて知一と為す。事を做すは専一するを要す。正に《尚書・大禹謨》の説く所の「允に厥の中を執る」の如し。物を占し人を占するは、皆近処に在り。其れは《周易・比卦》の体性を統属し、是れ讒佞を斥退し賢良を任用するの一課なり。比就中親近輔助にして、比卦の「寧ならざる方の来たる」の含有する——不安定の一方が前来して帰附するの意思なり。
象曰:“比者為喜,不比為憂。詞宜和允,兵利主謀。禍從外起,事向朋謀。尋人失物,近處堪求”。如課下克上有嫉妒,日辰貴後主遲疑,或至三克度厄,四克無祿,亂動無狐疑,則有上六“比之無首”凶象。或上克下有嫌疑,日辰貴前主事順,及止二克,貞固擇一,則有比六二“自內,貞吉”之象也。
象を断ずるの口訣に曰く:日干と相比するの一処は喜を主り、相比せざるは憂を主る。官司を打つは和解するに宜しく、兵を用うるは主方の謀画に利有り。禍事は外面より来り、事を弁ずるは朋友と商量するを要す。人を尋ね失物を找すは、皆能く近処に於て求到せん。如果課中が是れ下神の上神を克すれば、嫉妬の情有るを主る。日干日支が貴人の後に落つれば、猶豫不決を主る。甚至りて三処の相克を出現するを度厄と叫び、四処の相克を無禄と叫び、乱動して而も遅疑を容れざれば、那れ就中《周易・比卦》の上六の「比するに首無し」の凶象に応ず。如果是れ上神の下神を克すれば、嫌疑の事有るを主る。日干日支が貴人の前に落つれば、事情の順利を主る。相克が又た只有両処にして、能く正道を堅守し其の中より一処を擇定せば、那れ就中比卦の六二の「内より比し、貞に吉」の吉象に応ず。
如八月壬辰日巳時辰將占,得二上克下,壬日屬陽日,取戌加壬與日比發用,曰知一課。 戌白 酉常 申元 六 朱 常 白 寅 卯 酉 戌 卯 辰 戌 壬 辰巳午未 卯 申 寅 酉 丑子亥戌
例を挙ぐ。八月壬辰日の巳時に占し、辰将を用いて課を起し、両処の上神の下神を克するを得たり。壬日は陽日に属す。就中陽支戌の壬の上に加わり日干と同類の那一処を取りて発用と為す。此れ就是れ知一課なり。課盤は如下。三伝是れ初伝戌は白虎に乗り、中伝酉は太常に乗り、末伝申は玄武に乗ず。四課は右より左へ自りて壬日干上に戌を見、戌上に酉を見、日支辰上に卯を見、卯上に寅を見。四課の上神の戌・酉・卯・寅は分别に白虎・太常・朱雀・六合に乗ず。最下是れ地盤十二支。第一課の戌土が壬水を克し、第三課の卯木が辰土を克し、両処皆上克下なり。戌は陽に属し而して卯は陰に属し、壬日は陽と為る。故に卯を舍てて戌を取る。
斷曰:此課天魁官鬼乘白虎發用,主事由家奴起禍,中致婦女衣服食物失盜,終可捕獲,在西鄰也。蓋三傳戌為奴,酉為婦女,太常為衣服食物,元武為失盜,比用為近,秋占旺氣,失物可獲也。
断語に曰く:此の一課は天魁(戌)の此の日を克するの官鬼が白虎に乗じて発用するを以て、事情は家中の奴僕に由りて禍端を惹出し、中間に婦女の衣服食物の被偷するを導致し、最終に能く捕獲し、就中西鄰の一帯に在るを主る。三伝の中に戌は奴僕を代表し、酉は婦女を代表し、太常は衣服飲食を主り、玄武は盗竊を主るが因なり。又た日干と相比するの近処の発用を取り、秋天に占して而も金気正に旺なり。故に丟失したるの東西は找回すべし。
《訂訛》
知一亦名比鄰,擇課之陰陽與日干比者為用神,陽日陽比,陰日陰比,二爻皆動,事有兩岐,必知擇而定於一,故名知一。課中或二上克下或二下克上故亦名比鄰。
《訂訛》に曰く:知一課は又た比鄰と叫ぶ。是れ相克の几処の中に於て挑選して陰陽が日干と同類のを作りて発用の神と為す。陽日は陽を取り、陰日は陰を取る。両爻が同時に発動し、事情に両条の岔路有り。必ず選択して而も一処に帰定するを懂得するを要す。故に知一と叫ぶ。課中は或いは両処の上克下、或いは両処の下克上、皆相比するの近隣を取りて用と為す。故に又た比鄰と叫ぶ。
占主事起同類,禍自外來,失物尋人俱在鄰近,兵訟宜和。凡事狐疑不決,若是吉神比者為近,不比為遠。若是凶神比者為喜,不比為憂。此課大端舍遠就近,舍疏就親,恩中有害之象。
此の一課を占得れば、事情は同輩同類の人に由りて引起され、禍患は外面より来り、丟失したるの東西と要して尋找するの人とは皆附近に在るを主り、用兵と打官司とは皆講和するに宜し。凡事は猶豫して決し難し。若し発用する是れ吉神なれば、日干と相比するは近処に応じ、相比せざるは遠処に応ず。若し発用する是れ凶神なれば、日干と相比するは反って可喜を主り、相比せざるは才に憂患を主る。此の一課の大旨是れ遠を舍てて近に就き疏を舍てて親に就くにして、是れ恩情の中に損害を暗蔵するの象なり。
《観月経》
二下上を賊するは比用と為す
欲知比用卦,四課裡頭生。二體原來別,分身是兩名。甲壬庚戊丙,比陽子戌呈。申午辰寅類,可應五陽精。甲丙戊庚壬是陽日,若天盤內見申子辰寅午戌為陽神,有克者是比,若陰神有克者是不比。乙丁己辛癸,比陰卯酉成。登明丑未巳,可應五陰精。此五陰干若天盤上四課中見亥卯未巳酉丑,有克為比,見陽有克是不比。
《観月経》の歌訣に曰く:要比用卦を認出せんとすれば、就中四課の裡頭より去看せ。両個の課体は本来分開し、分かれて両個の名目と作る。甲・壬・庚・戊・丙の此の五個の陽干は陽支と相比し、子・戌の類は便ち現出す。申・午・辰・寅は同じく一類に属し、正に五陽の精に応ず。注解して曰く:甲丙戊庚壬是れ陽日にして、若し天盤中に申・子・辰・寅・午・戌の此れらの陽神の相克を発生するを見れば、就是れ「比」なり。若し是れ陰神の相克を発生すれば、就是れ「不比」なり。歌訣に又た曰く:乙・丁・己・辛・癸の五個の陰干は陰支と相比し、卯・酉は相配して而も成る。登明(亥)および丑・未・巳は、正に五陰の精に応ず。注解して曰く:此の五個の陰干は、若し天盤四課中に亥・卯・未・巳・酉・丑の相克を発生するを見れば、就是れ比なり。陽支の相克を見れば、就中不比なり。
要用求相剋,不比亦得行。如陽日無克,有陰克,便以陰神相剋者為用。下克先取用,無下上神憑。四課之中下賊上為用,故曰下克先取用。無下賊上取上克下者為用,故曰無下上神憑。二下雙克上,比者是親情。俱比俱不比,涉害卦詳明。或有二下賊上,俱比俱不比,以涉害取用也。雙上來臨下,亦依此路行。四課無下賊上,只有二上克下,與日是比者亦依先克為用,亦仿此而取之。
歌訣に曰く「要用は相克を求め、不比も亦た行くを得」。注解して曰く:陽日に如果陽神の相克無くして、只有陰神の相克あれば、就中仍お其の相克の陰神を取りて発用と為す。歌訣に曰く「下克は先に取りて用い、下無ければ上神に凭る」。注解して曰く:四課の中は下神の上神を克するを取りて発用と為す。故に下克は先に取ると説く。下賊上無きの時は、才に上神の下神を克するの発用を取る。故に下無ければ則ち上神に凭ると説く。歌訣に曰く「二下は双く上を克し、比する者是れ親情。俱に比し俱に比せざれば、渉害卦は詳明なり」。注解して曰く:若し両処の下賊上有りて、而して両処皆日干と相比し或いは皆相比せざれば、就中改めて渉害の法を用いて取用す。歌訣に曰く「双く上は来りて下に臨めば、亦た此の路に依りて行く」。注解して曰く:四課中に下賊上無くして、只有両処の上克下有れば、就中日干と相比するの那一処を取りて発用と為し、弁法は上面と相同なり。
二上下を克するは知一と為す
課中知一卦,體是相比鄰。二上來臨下,賊盜在逡巡。小心須準備,看看惹禍迍。若言失脫事,閉口卦中尋。四課之中二上克下,取比者為用,是知一卦,主賊盜亡失事。若追尋遺失,得不得在閉口課內尋也。
歌訣に曰く:課中の知一卦は、体性就中彼此の相鄰比近なり。両処の上神が臨んで下神を克すれば、賊盗の附近に徘徊窺伺する有るを主り、必ず小心に防備するを要す。眼看就要禍患困厄に惹上せんとす。若し失竊して東西を丟すの事を問わば、要して閉口課の裡に到りて答案を尋ねよ。注解して曰く:四課の中に両処の上克下有れば、日干と相比するの一処を取りて発用と為し、就是れ知一卦にして、盗賊と財物を丟失するの事を主る。若し要して失物を追尋し、能く找回するや否やは、須く閉口課の中に於て推尋すべし。
《心鏡》
知一卦何如,用神今日比。婚姻失諧和,事因同類起。逃亡不遠離,失物鄰人取。論訟和笑好,為事尚狐疑。
《心鏡》の歌訣に曰く:知一卦是れ怎様の呢なるや。発用の神は本日日干と同類相比す。婚姻は和諧を失去し、事情は同輩同類の人に由りて引起さる。逃亡の人は跑ぶこと遠からず、丟したるの東西是れ鄰居の拿走する所なり。官司を打つは和解言笑を以て收場するを好しと為し、事を做すは還って幾分の猶豫を帯ぶ。
《袖中金》
二上克下,二下賊上,以比為用,舍遠就近,舍疏就親,恩中生怨,凡事狐疑。仍看上下克賊,全在變而通之,消而息之。
《袖中金》に曰く:無論是れ両処の上神の下神を克するも、還是れ両処の下神の上神を克するも、皆日干と相比するの一処を取りて発用と為し、意を取るは遠を舍てて近に就き疏を舍てて親に就き、恩情の中に怨恨を生出し、凡事は猶豫不定に在り。仍お要して究竟是れ上克下か還是れ下賊上かを察看し、全靠機に随いて変通し斟酌して消長し、以て吉凶を定む。
《金匱経》
欲知其一,必知其日。二上克下,同類相加。朋友讒佞,禍從外來。利客不利主,二下賊上,妻財爭訟,咒詛不寧。
《金匱経》に曰く:要して両処の中に於て取る所の一処を定出せんには、必先ず本日の日干を看清さん。両処の上神の下神を克するは、是れ同類の相加にして、朋友の間に讒佞の言を進むるを主り、禍は外より来り、客方に利して而も主方に利有らず。両処の下神の上神を克するは、則ち妻室銭財に因りて争訟を起し、甚至りて呪詛を招来し、家宅は安寧を得ざるを主る。
渉害課
尉山人云:“上克下取天盤孟仲為驗。”存之。凡課有二上克下或二下克上,與今日俱比俱不比,則以涉地盤歸本家受克深處為用,為涉害課。涉者,度也;害者,克也。若五行屬土,則以土為深淺。如亥加丑土,前行歷辰、戊、未、己、戌土位五重,歸本家亥位,不論孟仲季比用,止取涉度害克位之最深者,故名涉害。占者凡事艱難,必有稽遲,然歷盡風霜而後得。統坎之體,乃苦盡甘來之象也。
尉山人に曰く「上の下を克するは、天盤の孟神・仲神を取りて験証す」。此の一説は姑く保留して考に待たん。凡是れ課中に両処の上克下或いは両処の下克上有りて、而して其れらが本日日干と或いは皆相比し或いは皆相比せざれば、就中改めて渉害の法を用いん。克を受くるの神を把りて其の臨む所の地盤の位置より起り、一路に自己の本家の位置に数え回り、沿途の経受する所の克の処の多少を看て、克を受くること最深きの一処を取りて発用と為す。此れ就是れ渉害課なり。渉是れ渡歴の意思、害是れ克制の意思なり。假如克を受くるの神の五行が土に属すれば、就以て沿途に歴る所の土位の多少を以て深浅を定む。比如亥が丑土の上に加われば、丑より往きて前行し、要して辰・巳中の戊・未・午中の己・戌の共に五重の土位を経歴し、才に本家の亥位に回到せん。此の時は孟・仲・季を論ぜず、亦た比と不比とを論ぜず、只渡歴する所の克害の最深きの一処を取る。故に渉害と叫ぶ。此の一課を占得れば、凡事は艱難にして、必定に拖延遅滞す。但風霜を歴尽するの後に終に能く成有らん。其れは《周易・坎卦》の体性を統属し、是れ苦尽きて甘来たるの象なり。
象曰:“風波險惡,度涉艱難。謀為利名,多費機關。婚姻有阻,疾病難安。胎孕遲滯,行人未還”。如神將凶,三四克,災深難解,則應坎初六“習坎,入坎”象也。或我克他,日辰旺相,神將吉,受克淺,憂淺易解,事難終成,則應坎卦辭:“有孚心亨”象,以是而行必有功矣。
象を断ずるの口訣に曰く:風波は険悪にして渡渉は艱難なり。名利を謀求せんには、要して多く心機手段を費やさん。婚姻は阻碍有りて疾病は安寧し難し。胎孕は遅滞し、出門の人は還だ回來せず。如果乗ずる所の神将が凶悪にして、又た三処四処の相克有れば、災難深重にして化解し難し。就中《周易・坎卦》の初六の「習坎、坎窞に入る」の凶象に応ず。若し是れ我が往きて他を克し、日干日支が皆旺相の気に在り、乗ずる所の神将は吉利にして、克を受くるも又た浅きは、那れ就中憂患軽くして解開し易し。只是れ事情は最終に弁成し難し。正に坎卦の卦辞の「孚有り、心を維りて亨」の意思に応ず。此の様に照らして行事せば、必定に功效有らん。
如正月丁卯日丑時亥將占,二下賊上,若論仲季,則丑加卯前行,只歷辰中乙木一重歸本家丑位;以亥加丑前行辰、戊、未、己、戌土位五重歸本家亥位,此涉害深者當取亥加丑為用,為涉害課。 亥 朱 酉 貴 未 陰 勾 常 亥 丑 卯 巳 丑 卯 巳 丁 空 卯辰巳午 寅 未 丑 申 子亥戌酉 貴
例を挙ぐ。正月丁卯日の丑時に占し、亥将を用いて課を起し、両処の下神の上神を克するを得たり。若し孟仲季の老弁法に按じて論ぜば、丑は卯の上に加わり、丑土は卯より往きて前行して只辰中の蔵する乙木の一重を経過するのみにして、就中本家の丑位に回到す。而して亥は丑の上に加わり、亥水は丑より往きて前行して辰・巳中の戊・未・午中の己・戌の共に五重の土位を経過し、才に本家の亥位に回到せん。相比するに亥の受くる所の克害は更深し。故に当に亥の丑に加わるを取りて発用と為すべし。此れ就是れ渉害課なり。課盤は如下。三伝是れ初伝亥は朱雀に乗り、中伝酉は貴人に乗り、末伝未は太陰に乗ず。四課は右より左へ自りて丁日干上に巳を見、巳上に卯を見、日支卯上に丑を見、丑上に亥を見。旁辺に散記するの勾陳・太常・天空・貴人是れ各処に乗ずる所の将なり。最下是れ地盤十二支。第三課の卯木が丑土を克し、第四課の丑土が亥水を克し、両処皆下賊上にして、又た皆陰日丁と相比す。故に必ず渉害法を用いて来りて深浅を分かつを要す。
斷曰:此課得涉害,亥歲占,朱雀發用,事干奏章,論訟猶豫,時宜見機而作,可行則行,可止則止,失計妄動,決如重險,始獲寧家。
断語に曰く:此の一課の得る所是れ渉害にして、亥年に於て占問し、朱雀が発用すれば、事情は奏章文書に関わり、打官司すれば則ち猶豫不決なり。此の時は機を見て事を行うに宜しく、行く可ければ就中行い、停むべければ就中停めよ。若し算計に失いて妄動せば、処境就中重重の険阻に陷進するが如く、要して周折を費尽して才に能く家宅の安寧を保得せん。
凡課有二上克下或二下克上,甚至四克賊,俱比俱不比,以寅申巳亥孟神用為見機格。如課中有仲季必必待用孟之機深者,蓋事之初起,禍福隨之,見事必知機而作,故名見機。占事疑急須改變,若守舊則有稽留難解之患也。
凡是れ課中に両処の上克下或いは両処の下克上有り、甚至りて三処四処の相克有りて、而して其れらが日干と或いは皆相比し或いは皆相比せざるの時は、就中寅・申・巳・亥の此の四孟の地盤の上に臨むの那個の神を取りて発用と為し、見機格と叫作す。課中に即使別に仲に臨み季に臨むの有るも、亦た必ず先に孟に臨むの此の害を受くること最深きの一処を取るを要す。事情が剛剛端を発するに因りて、禍福就中之に随いて潜伏す。苗头を見れば必ず機を識りて而も動くを要す。故に名づけて見機と為す。其れを占得れば、事情に疑難有りて而且緊急にして、須く赶紧に做法を変更すべし。若し一味に旧を守れば、就中拖延停滞・化解し難きの憂患有らん。
象曰:“利涉大川,有孚貞吉。動作知機,不俟終日。名利難遂,胎孕未實。疑事急改,猶豫有失”。如神將吉以吉言,凶以凶論,乃多算勝,少算不勝,將涉水不輕進之象也。
象を断ずるの口訣に曰く:大河を渡過するに宜しく、心に誠信を存し正を守れば吉を得ん。行動は要して能く機を識り、必ず一天の過完を待つこと無かれ。名利は達成し難く、胎孕は還だ牢実ならず。疑難の事は要して赶紧に弦を改め更張し、一味に猶豫すれば必ず損失有らん。乗ずる所の神将が吉なれば就中吉に照らして断じ、凶なれば就中凶に照らして断ぜよ。此れ正に《孫子》の説く所の算する多きは取勝し算する少なきは勝たざるに合し、好比將に水を渉らんとして而も肯じて軽率に前進せざるの様子なり。
如四月庚子日戌時申將占,二上克下,以午加庚四孟位者用,為見機格。 午 蛇 辰 六 寅 龍 玄 申 戌 辰 午 戌 子 午 庚 卯辰巳午 寅 未 貴 空丑 申 子亥戌酉
例を挙ぐ。四月庚子日の戌時に占し、申将を用いて課を起し、両処の上神の下神を克するを得、四孟の位に臨むの午の庚に加わるを取りて発用と為す。此れ是れ見機格なり。課盤は如下。三伝是れ初伝午は螣蛇に乗り、中伝辰は六合に乗り、末伝寅は青龍に乗ず。旁に玄武を記す。四課は右より左へ自りて庚日干上に午を見、午上に辰を見、日支子上に戌を見、戌上に申を見。最下の地盤の旁に分かれて貴人・天空を記す。庚金は申に寄宮し、午火は申に臨みて而も庚金を克し、戌土は子に臨みて而も子水を克す。両処皆是れ上克下にして、又た皆陽日庚と相比す。其の中午の臨む所の申は正是れ寅申巳亥の四孟の一にして、害を受くること最深し。故に午を取りて発用と為す。
凡課有克賊俱比俱不比,無孟取仲季用,為察微格。蓋孟深、仲淺、季作微分。課克無孟,必審察仲季之微克者,故名察微。占者恐人不仁,或有小人謀害之意,必思慮提防,無可患也。
凡是れ課中に相克有りて、而して各処が日干と或いは皆相比し或いは皆相比せず、又た一処の四孟の位に臨むの無きは、就中退きて仲に臨み季に臨むの一処を取りて発用と為し、察微格と叫作す。孟に臨むの害を受くること最深きに因りて、仲に臨むは較浅く、季に臨むは更加細微なり。課中の克処は既然孟位に臨まざれば、就中必ず仲・季の間の那の一点の細微の克害を細察するを要す。故に名づけて察微と為す。其れを占得れば、要して别人の心に不仁を存し或いは小人の暗中に加害を図謀する有るを提防し、只要多く思慮防範を加えれば、便ち禍患有る能わず。
象曰:“笑中有刀,蜜中有砒。大人利見,舊德微施。人情淺薄,世事難披。防範機密,物慾必齊”。凡事詳神將吉凶言之,乃少算勝而無算不勝。尚中正,不利涉大川之象也。
象を断ずるの口訣に曰く:笑臉の裡に刀を蔵し、蜜糖の裡に砒霜を摻る。身份あるの大人物に進見するに宜しく、旧日の恩徳は只略か一点を施すのみ。人情は淡薄にして世事は看透し難し。須く機密の外泄を防範して、求むる所の物才に能く斉備せん。凡事は皆乗ずる所の神将の吉凶に参詳して来りて断ずるを要す。此れ正是れ算する少なきも尚ほ能く取勝し全く打算せざれば就中必敗の道理にして、中正を崇尚し持守して而も冒険して大河を渡過するに宜からざるを主る。
如庚戌日辰時申將占,得二上克下,以辰加子四仲位用,曰察微格。 辰 玄 申 玄 子 蛇 后 午 寅 辰 子 寅 戌 子 庚 酉戌亥子 申 丑 貴 未 寅 午巳辰卯
例を挙ぐ。庚戌日の辰時に占し、申将を用いて課を起し、両処の上神の下神を克するを得、四仲の位に臨むの辰の子に加わるを取りて発用と為し、察微格と叫ぶ。課盤は如下。三伝是れ初伝辰・中伝申・末伝子にして、分かれて玄武・玄武・螣蛇に乗ず。旁に天后を記す。四課は右より左へ自りて庚日干上に子を見、子上に辰を見、日支戌上に寅を見、寅上に午を見。最下の地盤の旁に貴人を記す。辰土は子に臨みて而も子水を克し、寅木は戌に臨みて而も戌土を克す。両処皆是れ上克下にして、亦た皆陽日庚と相比す。其の中辰の臨む所の子是れ子午卯酉の四仲の一にして、寅の臨む所の戌は四季に属す。既然孟に臨むの無ければ、就中一歩を退きて仲に臨むの辰を取りて発用と為す。
凡課涉害者復相等,以四課中先見者用,為綴瑕格。蓋涉害數歸本家,又復相似,則日以日上先見神為用,柔日取辰上先見神為用。如二物相併,深中取先,高中取捷,冠上有綴瑕玉飾之,故名綴瑕格。占事艱難,首尾牽連,惟才德服眾者吉也。
凡是れ渉害の推算し下して両処の深浅が又た恰好相等しきは、就中四課中に先に出現するの一処を取りて発用と為し、綴瑕格と叫ぶ。渉害の数が本家に回到したる後に又た彼此相似するに因りて、那れ就中陽剛の日は日干上に先に見ゆるの那個の神を取りて発用と為し、陰柔の日は日支上に先に見ゆるの那個の神を取りて発用と為す。好比両様の東西が并排に擺せられて、同様に深ければ就中先に在るを取り、同様に高ければ就中近便のを取り、又た帽子上に一塊の瑕玉を綴じて装飾と作るが如し。故に綴瑕格と叫ぶ。事を占すは艱難にして、首尾は互相牽連す。只有才徳の衆に服するに足るの人才に吉を得ん。
象曰:“兩雄交爭,經延歲月。人眾牽連,災耗不絕。君子宜親,小人可輟。胎孕逾期,行人失約”。如月建吉神入傳吉,日辰有氣,雖事遲延有成之象也。
象を断ずるの口訣に曰く:両個の強者が互相争闘し、拖延して経年累月なり。牽連するの人は衆多にして、災禍損耗は不断なり。君子に親近するに宜しく、小人を疏遠するを当にすべし。胎を懐くは預産の日期を超過し、出門の人は帰期の約定を失う。如果月建と吉神とが三伝に入り、日干日支が又た皆気有れば、那れ么事情は雖も遅延するも、終究に還って是れ成有るの象なり。
如六月甲午日辰時午將占,課得辰加寅,歷卯木一重歸本家辰位;申加午,歷丁火一重歸本家申位,乃涉害相等,剛日以日上先見神為用,柔日以辰上先見神為用,名曰綴瑕。 辰 合 午 龍 申 虎 元 虎 龍 六 戌 申 午 辰 申 午 辰 甲 未申酉戌 午 亥 巳 子 辰卯寅丑
例を挙ぐ。六月甲午日の辰時に占し、午将を用いて課を起す。課中に辰は寅の上に加わり、辰土は寅より往きて前行して只卯木の一重を経過するのみにして、就中本家の辰位に回到す。申は午の上に加わり、申金は午より往きて前行しても亦た只午中の蔵する丁火の一重を経過するのみにして、就中本家の申位に回到す。両処の渉害の深浅は相等し。于是陽剛の日は日干上に先見の神を取りて発用と為し、陰柔の日は日支上に先見の神を取りて発用と為す。此れ就中綴瑕と叫ぶ。課盤は如下。三伝是れ初伝辰は六合に乗り、中伝午は青龍に乗り、末伝申は白虎に乗ず。四課は右より左へ自りて甲日干上に辰を見、辰上に午を見、日支午上に申を見、申上に戌を見。四課の上神の辰・午・申・戌は分かれて六合・青龍・白虎・玄武に乗ず。甲日は剛に属す。故に日干上に先見の辰を取りて発用と為す。
凡涉害課,用神畏日干所勝,以比和者為用,曰比用格。如甲戌日,論孟用辰加寅,辰土畏甲木克,則取子加戌,子生甲木,比者為用也。戊辰丙子日例同此推。又如甲辰三傳戌午寅為脫氣,凡謀難成,惟憂可解,殊不知戌土畏甲木為不比,不取涉害,當取子水比和者為用,三傳子申辰生日,凡為吉事皆成,惟凶事難散。戊子日午卯子,壬戌日申丑午,庚子日戌申午,乙卯日亥酉未,皆用比,不用涉害,故名比用,若妄用三傳,而災禍異也。
凡是れ渉害課に、若し選出したるの発用の神が正好是れ日干の克制し得る所なれば、就中改めて日干と比和の一処を取りて発用と為し、比用格と叫作す。比如甲戌日は、孟位に按じて本当に辰の寅に加わるを取りて発用と為すべきも、可なり辰土は甲木の克する所を被るを怕れ、于是改めて子の戌に加わるを取る。子水は甲木を生じ、日干と相親しむ。故に其れを取りて発用と為す。戊辰日・丙子日も亦た此の例子に照らして推す。又た甲辰日の如く三伝の戌・午・寅は是れ日干の気を泄するの脱気の象にして、凡そ謀画有れば皆成し難く、只有憂患は解開し易し。而も戌土の甲木の克する所を受くるを知らず、比せずに属し、本就中渉害に按じて其れを取るべからず。応当に子水の此の比和の神を取りて発用と為すべし。三伝は変じて子・申・辰と成りて来りて日干を生ず。凡そ吉事に属すれば皆弁成すべく、只是れ凶事は消散し易からず。此の外戊子日の午卯子・壬戌日の申丑午・庚子日の戌申午・乙卯日の亥酉未は、皆比和の神を取り、渉害の法を用いず。故に比用と叫ぶ。若し胡乱に渉害に照らして三伝を排出せば、断出するの災禍就中完全に両様と成らん。
假如乙卯日寅時子將占,二下賊其上,當取亥加丑為用,乃為比用格。 亥 后 酉 玄 未 虎 亥 丑 子 寅 丑 卯 寅 乙 卯辰巳午 寅 未 丑 申 子亥戌酉
例を挙ぐ。乙卯日の寅時に占し、子将を用いて課を起し、両処の下神の上神を克するを得、当に亥の丑に加わるを取りて発用と為すべし。此れ就是れ比用格なり。課盤は如下。三伝是れ初伝亥は天后に乗り、中伝酉は玄武に乗り、末伝未は白虎に乗ず。四課は右より左へ自りて乙日干上に寅を見、寅上に子を見、日支卯上に丑を見、丑上に亥を見。最下是れ地盤十二支。第三課の卯木が丑土を克し、第四課の丑土が亥水を克し、両処皆是れ下賊上にして、又た皆陰日乙と相比す。其の中丑土は正是れ乙木の克制し得る所にして、取りて来りて発用と為すに宜からず。故に改めて亥水の此の日干を生助するの比和の神を取る。
《訂訛》
涉害二三或四上下相剋,俱比俱不比,以涉害深者為用。涉,渡也;害,克也。從地盤曆數歸本家受克深者。假如庚子日午加庚,戌加子,兩上克下,俱與陽日比。午加庚金,前行歷酉辛金二重歸本家地盤午位。戌加子水,前行歷癸水一重歸本家地盤戌位。二重者較一重為深,取午發用。
《訂訛》に曰く:渉害課是れ両処・三処甚至りて四処の上下相克にして、而して其れらが日干と或いは皆相比し或いは皆相比せざれば、就中克を受くること最深きの一処を取りて発用と為す。渉是れ渡歴、害是れ克制なり。弁法是れ其の臨む所の地盤の位置より一路に本家に数え回り、誰の受くる克の更重きを看るなり。比如庚子日は、午は庚の上に加わり、戌は子の上に加わり、両処皆是れ上克下にして、又た皆陽日庚と相比す。午は庚金の上に加わり、臨む所の申位より往きて前行し、要して酉・酉中の蔵する辛の両重の金を経過し、才に本家の午位に回到せん。戌は子水の上に加わり、子より往きて前行し、只子中の蔵する癸の一重の水を経過するのみにして、就中本家の戌位に回到す。両重は一重より更深し。故に午を取りて発用と為す。
丁卯日丑加卯、亥加丑,兩下克上俱與陰日比。丑加卯木,前行歷辰中乙木一重歸本家地盤丑位;亥加丑土,前行歷辰、戊、未、己、戌土五重歸本家地盤亥位,五重者較一重為深,取亥發用,此皆遍歷艱難險阻,故名涉害。
又た丁卯日の如く、丑は卯の上に加わり、亥は丑の上に加わり、両処皆是れ下克上にして、亦た皆陰日丁と相比す。丑は卯木の上に加わり、卯より往きて前行して只辰中の蔵する乙木の一重を経過するのみにして、就中本家の丑位に回到す。亥は丑土の上に加わり、丑より往きて前行して辰・巳中の戊・未・午中の己・戌の共に五重の土を経過し、才に本家の亥位に回到せん。五重は一重より更深し。故に亥を取りて発用と為す。此れらは皆一路に遍く艱難険阻を歴るの意思にして、故に名づけて渉害と為す。
占主疑難遲滯,欲行不得,行事有兩而取一,歷盡風霜而後已,乃苦盡甜來之兆也。上克下憂輕,下賊上憂重。二克又神將吉憂輕,三四克又神將凶憂重。
渉害課を占得れば、事情の疑難遅滞を主り、走らんと想えども走ること動かず、事を弁ずるの時は両条の路を擺して而も只能く一条を取り、要して風霜を歴尽して才に完結と算す。是れ苦尽きて甘来たるの兆頭なり。上神の下神を克するの憂患は較軽く、下神の上神を克するの憂患は較重し。只有両処の相克にして而も乗ずる所の神将が又た吉なるは、憂患軽し。三処四処の相克有りて而も神将が又た凶なるは、憂患重し。
見機,涉害俱深則四孟上神發用。孟為時令之首,一季之氣候悉已胚胎,如事之初起,禍福藏焉,須見機詳慎可也,故名見機。占主事有疑,急須改變,若守舊則愈稽留難解矣。此多算勝少算,趨安避危,先難後易之兆。若魁罡加日辰,官事欲起。
見機格:渉害の推算し下して両処が一様に深ければ、就中四孟の位に臨むの上神を取りて発用と為す。孟是れ毎一時令の頭一個月にして、一季の気候は此の時に於て已に孕育成形す。好比事情の剛剛端を発すれば、禍福就中裡頭に蔵るが如し。必ず機を見て而も謹慎に行事するを要す。故に見機と叫ぶ。其れを占得れば、事情に疑慮有りて、急いで做法を改変するを須とするを主る。若し一味に旧を守れば、就會越發に拖延し解開し難からん。此れ是れ算する多きが算する少なきに勝過し、安穏に趨向して而も危険を避け、先難後易の兆頭なり。如果河魁(戌)・天罡(辰)が日干或いは日支に加臨せば、那れ就中官司の興起有らんを要す。
察微,涉害俱深,無孟則取仲上神發用。孟為四生地,生處見克,受害獨深,由孟及仲,害漸淺而微矣。無孟必審仲季而察其微,故名察微。占主恐人不仁,或有計算謀害意,必思慮提防可無患也。此少算勝無算,乃思患預防之兆。若魁罡加日辰,婦人產難。
察微格:渉害が一様に深くして而又た孟位に臨むの無ければ、就中仲位に臨むの上神を取りて発用と為す。四孟是れ五行の長生の地にして、長生の処に於て反って克制を被るは、受くるの害は格外に深し。孟より仲に推せば、害就中漸漸に浅く変じて細微と為る。既然孟に臨むの無ければ、就中必ず仲位・季位を細審し、其の中の細微の克害を察出するを要す。故に察微と叫ぶ。其れを占得れば、别人の心地不仁或いは算計加害の意を存するを怕るるを主る。只要多く思慮防備を加えれば、就以て禍患無き可し。此れ是れ算する少なきが全く打算せざるに勝過し、未然に於て患を防ぐの兆頭なり。如果河魁・天罡が日干或いは日支に加臨せば、則ち婦人の難産を主る。
綴瑕,亦名復等。涉害俱深,孟仲季復又相等,則陽日取干上神為用,陰日取支上神為用。干上神乃干兩課之先見者;支上神乃支兩課之先見者,二物相併,深中取先,高中取捷,冠上綴有瑕玉飾之為裹,故名綴瑕。
綴瑕格、又た復等と叫ぶ。渉害が一様に深く、孟・仲・季の位次が又た彼此相同なれば、那れ就中陽日は日干上の神を取りて発用と為し、陰日は日支上の神を取りて発用と為す。所謂干上神とは、是れ日干の那の両課の中に先に出現するの一個。支上神とは、是れ日支の那の両課の中に先に出現するの一個。両様の東西が并列して、同様に深ければ就中先に在るを取り、同様に高ければ就中便捷のを取る。好像帽子上に一塊の瑕玉を綴じて装飾と当作するが如し。故に綴瑕と叫ぶ。
占主兩雄交爭,經延歲月,人眾牽連,惟才德服眾者吉也。切宜親君子而遠小人。無綴瑕取法,姑存之易無思按:戊辰日亥時午將之課即綴瑕格。
綴瑕格を占得れば、両強の相争い・拖延して経年累月し・牽連するの人は很多しを主り、只有才徳の衆に服する能くするの人才に吉を得ん。務めて必ず君子に親近し小人を遠離せよ。至于人の説く有りて綴瑕は并びて一定の取用の法無しと、此の一説は姑く保留す。易無思の按語に指出して曰く:戊辰日の亥時に午将を用いて起つるの那一課は、就中正是れ綴瑕格なり。
《観月経》
涉害卦相爭,還從比用生。前頭看同類,路涉阿誰同。有克旺重數,偏多得用情。假令甲辰日亥將卯時占,河魁加寅下賊上,看地下前去離河魁本宮有八辰,路涉前頭一重卯木、二重乙木,為涉害。其神后加辰下賊上,看前去神后本家亦八辰,巳上戊土、未土、未上己土,前又戌土,共四重,為受克多,故當以神后發用為精也。又神后為仲,河魁為季,孟深仲淺季無取,用戌者非也。
《観月経》の歌訣に曰く:渉害卦は両処相争い、還って要して比用より取舍を生出す。先看て哪の一処が日干と同類なるかを、再看て一路に渡渉し来りて誰の経歴する多きを。克有るの処は歴る所の重数に按じて計算し、克すること偏多きの那一処を才に取用の情に合す。注解して曰く:比如甲辰日に亥将を用いて卯時に加えて占し、河魁(戌)は寅の上に加わるは、是れ下神の上神を克す。地盤上を看て寅より前に戌の本宮に数え到るは共有八辰にして、一路に卯木の一重・辰中乙木の二重を経過す。此れ就是れ渉害なり。神後(子)は辰の上に加わるも、亦た是れ下神の上神を克す。辰より前に子の本家に数え到るも亦た是れ八辰にして、途中に巳中戊土・未土・未中己土有り、前面に又た戌土有りて、共に四重、克を受くること更多し。故に応当に神後を以て発用と為して才に精当と算す。何況んや神後子は仲に属し、河魁戌は季に属し、孟位は最深・仲位は次ぎ・季位は取らず。戌を用うる是れ対せず。
忽然涉害起,先舉莫相爭。俱孟俱仲,受克地盤俱同,為復等卦。如六月甲午日申加午下賊上,路涉丁火一重;辰加寅下賊上,前涉卯木一重,此受下賊俱同丁火,為涉害復等,辰加日為先舉,當以辰為用,三傳辰午申也。卦入誰家體,相隨災福生。看卦入何體,隨卦吉凶斷之也。
歌訣に曰く「忽然に渉害起れば、先の挙は相争う莫れ」。注解して曰く:若し両処が皆孟に臨み或いは皆仲に臨み、克を受くるの地盤の重数が又た完全相同なれば、就中復等卦と叫ぶ。比如六月甲午日は、申が午の上に加わるは下神の上神を克し、一路に只丁火の一重を渉す。辰が寅の上に加わるも亦た下神の上神を克し、往きて只卯木の一重を渉す。両処の受くる所の克は同様に是れ一重にして、渉害復等に属す。辰は日干の上に加わりて出現は先に在り。就中辰を取りて発用と為し、三伝是れ辰・午・申なり。歌訣に曰く「卦は誰が家の体に入る、相随いで災福生ず」。注解して曰く:要して此の一課の落入する所が哪の一种の課体なるかを看て、課体の吉凶に随いて来りて災福を断ぜよ。
見機察微:用孟為見機,仲季為察微。二上雙克下,卦元分兩名。見機起四孟,求事後須成。四課之中有二上克下,分見機察微也。假令正月己丑日卯時占事,繫二上克下,卯臨未、巳臨酉,以巳為初傳,是巳為孟故,以巳為用。求事先難後易也。
見機と察微とに関す。孟に臨むの神を取りて発用と為すを見機と叫び、仲に臨み季に臨むの神を取りて発用と為すを察微と叫ぶ。歌訣に曰く「二上双く下を克すれば、卦元は両名を分かつ。見機は四孟に起り、事を求むれば後に須らく成らん」。注解して曰く:四課の中に両処の上克下有るの時は、就要見機と察微とを分出せん。比如正月己丑日の卯時に事を占し、両処の上克下に属し、卯は未上に臨み、巳は酉上に臨み、巳を取りて初伝と作る。巳是れ四孟の一なるが因に、故に巳を用う。此の様に事を求むる是先難後易なり。
用起季兼仲,察微產婦驚。魁罡臨四孟,必定舉哀聲。涉害用仲季者為察微也,主產婦驚恐。如魁罡臨四孟發用,即主傷產婦也。如正月庚寅日卯時占事,戌加寅為初傳,是河魁臨孟也。又酉時占事,天罡臨寅亦是也。
歌訣に曰く「用は季と兼ね仲に起れば、察微は産婦驚く。魁罡は四孟に臨めば、必定に哀声を挙ぐ」。注解して曰く:渉害に仲に臨み季に臨むの神を取りて発用と為すの就中是れ察微にして、産婦の驚きを受くるを主る。若し河魁(戌)或いは天罡(辰)が四孟に臨みて而も発用せば、就中産婦を傷及するを主る。比如正月庚寅日の卯時に事を占し、戌が寅に加わりて初伝と為るは、正是れ河魁の孟に臨むなり。又た酉時に事を占するの如く、天罡(辰)が寅に臨むも、亦た此の種の情形に属す。
《心鏡》
神有兩比兩不比,上天垂象見人機。涉害發用為初傳,作事稽違多憂疑。患難消散經幾日,占胎傷孕忌當時。失物定知家內竊,逃亡親隱已非遲。
《心鏡》の歌訣に曰く:課中の両処が或いは皆日干と相比し或いは皆相比せざれば、上天の垂示するの卦象の裡に正に人事の機微を見るを得。渉害の法を用いて発用を定出し初伝と作れば、事を弁ずる就中多く遅滞違逆・憂愁疑慮す。患難は要して好些の日子を過ぎて才に能く消散せん。胎孕を占せば則ち当時に忌み、恐るくは傷胎の虞有らん。丟失したるの東西は断定して是れ家裡人の偸する所なり。逃亡の人は親戚に蔵えられ、此の時去りて追う已に及ばざるなり。
《袖中金》
涉害淺深為見機,欲用不用,欲言不言,事有兩件而取一也。事主遲疑艱難,進退不定,難於先而易於後也。其法以受克神往前數至本位止,遇地所克深多者即起用傳。若所克俱多,先取孟神,如無即取仲神為用,如無孟仲方取季神。或俱孟俱仲季,受克又同,此之謂復等,陽日用日上神,柔日用辰上神也,故曰孟深仲淺季無取,復等柔辰剛日擬。
《袖中金》に曰く:渉害の深浅を比較して以て見機を定む。那の情形就中想いて用いんとして而も敢えて用いず、想いて説かんとして而も肯じて説かず、両件の事が擺せられて只能く一件を取るが如し。事を占すは遅疑艱難・進退不定を主り、先頭は難くして而も後頭は易し。方法是れ克を受くるの神を把りて臨む所の処より前に本位に数え到るを止むまでと為し、沿途の地支の加える所の克害の多くして而も深きは、就其れを取りて起りて発用と三伝と為す。若し両処の受くる所の克が一様に多ければ、先に孟に臨むの神を取る。孟に臨むの無ければ就中仲に臨むの神を取る。孟・仲皆無ければ、才に季に臨むの神を取る。假如皆孟に臨み或いは皆仲季に臨み、克を受くるも又た完全相同なれば、此れ就中復等と叫ぶ。陽日は日干上の神を取り、陰日は日支上の神を取る。故に口訣に曰く「孟は深く仲は浅く季は取る無し、復等は柔辰に剛日は擬す」。
《指要》
舍輕就重,趨安避危之象,事宜見機而作。涉在孟,事多反覆。四仲四季,進退無定,《心鏡》云:略舉課體而巳,吉凶便以五行天將定之。一應四課取象克賊為用,惟有元首、重審決事有準,餘者各詳之。經云:“入不入,事最急。”凡課以克賊發用者為入,無克賊發用者為不入。
《指要》に曰く:渉害是れ軽を舍てて重に就き安に趨き危を避くるの象にして、事を弁ずるは機を見て而も行うに宜し。渉害が四孟に落つれば、事情は多く反復す。四仲・四季に落つれば、則ち進退不定なり。《心鏡》に曰く:此処は不過大略に課体を挙出するのみ。具体の吉凶は還って要して五行生克と乗ずる所の天将とに靠りて判定せん。凡そ四課の象を取るは皆相克相賊の一処を以て発用と為す。其の中只有元首課と重審課とは事を断ずる最も准頭有りて、其余の各課は皆要して別行に詳審せん。経文に曰く「入るか入らざるか、事最も急なり」。凡是れ相克相賊を以て発用と為すの課を「入」と叫び、克賊の取る可き無くして而も別に発用を擇するを「不入」と叫ぶ。
遥克課
凡課無克,取日干與四課上神相剋者為用,曰遙克課。遇有兩克,相比為用,遙相剋賊,故名遙克。如蒿矢無鏃,彈射無丸,射物難中,不足為畏。凡事禍福不測,憂在西南而在西北有喜,干陽方也。蓋此課先盡四課上神剋日干為用,曰蒿矢格。如遙神剋日,緩而且輕,折蒿為矢,力弱難傷,故名蒿矢。占事始而雷吼驚恐,終卻無妨。統睽之體,乃狐假虎威之課也。又睽,乖異也,小事吉。
凡是れ四課の上下が皆相克せざれば、就中日干と四課の上神との間の互相克制するの一処を取りて発用と為し、遥克課と叫ぶ。若し両処の遥克に遭遇せば、仍お日干と相比するの一処を取りて発用と為す。相克の双方は并びて上下相接せざるに因りて、是れ距離を隔てて相克す。故に名づけて遥克と為す。此れ就像蒿草を用いて箭と当てて而も箭頭無く、弾弓を用いて発射して而も弾丸無く、射出去も亦た目標に中り難く、害怕するに値せざるが如し。凡事は禍福料れ難く、憂患は西南方に在り、而して西北方は反って喜慶有り。西北是れ乾卦の陽気の方なり。此の一課は先に尽くして四課の上神の日干を克するを取りて発用と為し、蒿矢格と叫ぶ。遥遠の神の来りて日干を克するは、来勢は既に緩にして且つ軽し。好比一根の蒿草を折りて箭と当てるが如く、力量弱小にして人を傷ること難し。故に蒿矢と叫ぶ。事を占すは起初は雷を打つが一様に人を驚かし、最終には却て妨げ無し。其れは《周易・睽卦》の体性を統属し、是れ狐が虎の威を假るの一課なり。睽就中乖違背異にして、小事は吉を得ん。
象曰:“始有凶勢,愈久愈休。憂喜未實,文書虛謀。外禍干己,有客為仇。兵利為主,不利他求”。如神將凶,貴逆,日辰用神無氣,主盜賊陰謀,有“載鬼一車”之凶象。若神將吉,貴順,日辰用神有氣,則干貴有喜,行人來,來訪人見事有成,災禍漸小而安,有婚媾遇雨吉象也。凶吉應在睽上九推之。
象を断ずるの口訣に曰く:起初に凶険の勢頭有り、越えて拖久すれば越えて平息す。憂喜は皆落実せず、文書上の謀画是れ虚なり。外来の禍事は自身を干擾し、客人有りて仇敵と成る。兵を用うるは主方を做るに利し、外に向かいて別に求むる所有るに利せず。如果乗ずる所の神将が凶悪にして・貴人が逆行し・日干日支と発用の神とが皆気無ければ、就中盗賊の暗中に図謀する有るを主り、《周易・睽卦》の上九の「鬼一車を載す」の凶象に応ず。若し神将が吉利にして・貴人が順行し・日干日支と発用の神とに気有れば、那れ就中貴人に求見して喜有り、出門の人は回来し、登門拜訪の人は能く見るを得、事情は弁成し、災禍は漸漸に軽減して而も平安に帰す。正に睽卦の上九の「往きて雨に遇えば則ち吉」の婚媾の喜に応ず。吉凶は皆睽卦の上九爻より去りて推求す。
如壬辰日巳時申將占,課上下俱無克,取遙克,則以辰上陰神戌土剋日干壬水為用,曰蒿矢格。 戌 龍 丑 常 辰 后 龍 朱 貴 元 戌 未 巳 寅 未 辰 寅 壬 申酉戌亥 未 子 午 丑 巳辰卯宙
例を挙ぐ。壬辰日の巳時に占し、申将を用いて課を起し、四課の上下は皆相克せず。于是遥克を取り、日支辰上の陰神戌土を用いて来りて日干壬水を克して発用と為す。此れ就是れ蒿矢格なり。課盤は如下。三伝是れ初伝戌は青龍に乗り、中伝丑は太常に乗り、末伝辰は天后に乗ず。四課は右より左へ自りて壬日干上に寅を見、寅上に巳を見、日支辰上に未を見、未上に戌を見。四課の上神の寅・巳・未・戌は分かれて玄武・貴人・朱雀・青龍に乗ず。最下是れ地盤十二支。四課の内は既に上克下無く亦た下賊上無く、只有第四課の上神戌土が距離を隔てて来りて日干壬水を克す。故に戌を取りて発用と為す。
如課上下無克,又無神剋日,則以日干遙克課上神為用,曰彈射課。蓋我去克他,以致遠如彈丸,當箭遙射,傍物難中,故名彈射。占者事遠難就,縱成虛名虛得,不得實用。或日克兩神,為箭中雙鹿,事尤多心兩意。
如果四課の上下が相克せず、又た哪個の上神の日干を克する能くするも無ければ、那れ就中反って日干を以て去りて或る課上の神を遥克して発用と為し、弾射課と叫ぶ。是れ我が去りて他を克するにして、隔たること很た遠し。好比泥丸を拿りて箭と当てて遠く射出すが如く、旁辺の東西は射中し難し。故に弾射と叫ぶ。其れを占得れば、事情は遥遠にして成就し難く、即使成るも也只虚名虚利にして、実恵を得る能わず。若し日干が同時に両個の上神を克住せば、就中一箭射中双鹿と叫び、事情は尤其に三心二意し易し。
象曰:“己謀他事,禍從內施。兵用客利,事宜後為。訪人不見,行人未歸。空亡發用,動作尤虛”。如神將凶帶刑害,貴逆,主事不睦,多冤仇盜賊凶象。神將遇德合、貴順,則親朋和氣吉象也。
象を断ずるの口訣に曰く:是れ自己が去りて別人の事を図謀し、禍端は内部より生出す。兵を用うるは客方を做るに利有り、事を弁ずるは後発するに宜し。去りて人を拜訪するは見着せず、出門の人は還だ回来せず。若し空亡の神が発用せば、一切の挙動就中更加落空せん。如果乗ずる所の神将が凶悪にして又た刑を帯び害を帯び、貴人が又た逆行せば、人事の不和睦・多く冤仇と盗賊の凶象有るを主る。若し神将が天徳・月徳と六合とに遇上し、貴人が又た順行せば、那れ就是れ親朋和睦の吉象なり。
如壬申日申時亥將占,用日克神、巳加寅為用,曰彈射。 巳 貴 申 合 亥 空 元 空 貴 元 寅 亥 巳 寅 亥 申 寅 壬 申酉戌亥 未 子 午 丑 巳辰卯寅
例を挙ぐ。壬申日の申時に占し、亥将を用いて課を起し、日干を取りて去りて課上の神を克し、巳の寅に加わるを以て発用と為す。此れ就是れ弾射課なり。課盤は如下。三伝是れ初伝巳は貴人に乗り、中伝申は六合に乗り、末伝亥は天空に乗ず。四課は右より左へ自りて壬日干上に寅を見、寅上に巳を見、日支申上に亥を見、亥上に寅を見。四課の上神の寅・巳・亥・寅は分かれて玄武・貴人・天空・玄武に乗ず。最下是れ地盤十二支。四課の中は上下并びて相克せず、亦た上神の日干を克する能くする無し。只有日干壬水が能く距離を隔てて第二課の上神巳火を克住す。故に巳を取りて発用と為す。
《訂訛》
蒿矢,上下俱無克,取神遙剋日為用。神雖遙克,力弱難傷,不能為害,如折蒿為矢,故名蒿矢。占主始如雷吼驚恐,終卻無事,愈遠逾小,漸漸消磨。此時有客不可容納,主小人口舌。凡事憂在西南,喜在西北,干天門也。占事人謀己,利主不利客,利後動,利小不利大。神將凶,日辰無氣,主盜賊陰謀。神將吉,日辰有氣,則干貴有喜,行人來,訪人見。
《訂訛》に曰く:蒿矢格是れ四課の上下が皆相克無く、上神の遥かに日干を克するの一処を取りて発用と為す。上神は雖も能く遥克するも、力量弱小にして人を傷ること難く、禍害と成る能わず。好比蒿草を折りて箭と当てるが如し。故に蒿矢と叫ぶ。其れを占得れば、起初は雷声の轟響するが一般に驚恐し、最終には却て平安無事を主る。隔たること越えて遠ければ、勢頭越えて小さく、漸漸に消磨して干浄なり。此の時若し客人の前来有れば、能く收留すべからず。不然すれば主に小人の口舌を招かん。凡事は憂患は西南方に在り、喜慶は西北方に在り。西北是れ乾位の天門なるが因なり。占する所の事是れ別人の来りて自己を図謀し、主方に利して而も客方に利せず、後発して人を制するに利し、小事に利して而も大事に利せず。乗ずる所の神将が凶にして・日干日支に気無ければ、盗賊の陰謀有るを主る。神将が吉にして・日干日支に気有れば、則ち貴人に求見して喜有り、出門の人は回来し、登門拜訪は能く人に見着せん。
彈射,無神遙剋日,則取日遙克神為用,日雖克神,終不能害神,如彈丸為箭,故名彈射。占主己謀人,利客不利主,利先動,利上不利下。神將吉,遇德合、順貴,主親朋和氣。神將凶,帶刑害、逆貴,主事不睦,及冤仇、盜賊,訪人不見,行人不來。若克兩神,為一箭射雙鹿,事尤多心兩意也。
弾射格:上神の能く遥かに日干を克する無ければ、就中日干を取りて去りて上神を遥克するの一処を発用と為す。日干は雖も能く那個の神を克するも、終究に其れを傷る能わず。好比泥丸を拿りて箭と当てて射出すが如し。故に弾射と叫ぶ。其れを占得れば、自己が去りて別人を図謀し、客方に利して而も主方に利せず、先を搶じて行動するに利し、上位に居るに利して而も下位に居るに利せざるを主る。乗ずる所の神将が吉利にして、又た天徳月徳・六合と順行の貴人とに遇えば、親友の和睦を主る。神将が凶悪にして、刑を帯び害を帯び、貴人が又た逆行せば、人事の不和、および冤仇・盗賊の擾、人を拜訪するは見着せず、出門の人は不回来を主る。若し日干が同時に両個の神を克住せば、就是一箭双鹿を射るにして、事情は尤其に三心二意し易し。
此二課俱主遠事,虛驚不實,縱有成就,亦虛名虛利。帶金土煞則能傷人,蓋蒿矢見金為有鏃,彈射見土為有丸,主驀然有災。若傳空又名遺鏃失矢,不能成事,大端禍福俱輕。若見太陰、元武、天空,當有欺詐之事而禍起。
蒿矢と弾射の此の両課は皆遠処の事を主り、虚驚の一場にして而も落実せず、縦然成就する所有るも、也只是れ虚名虚利なり。若し金・土の煞神を帯びれば便能く人を傷らん。蒿矢が金に遇うは箭上に鏃頭有るに等しく、弾射が土に遇うは弾弓に泥丸有るに等しきが因なり。忽然の間に災に遭うを主る。若し三伝が空亡に落ちれば、又た遺鏃失矢と叫び、箭頭は丟れ箭も亦た没し、事情は弁成せず。总的に説来ば禍と福と皆軽し。若し太陰・玄武・天空の此の几個の神将を見れば、就中応に欺詐の事有りて而も禍端を惹出せん。
二課有近射、有遠射。第二課發用為近射,是日之兩課自戰,多主外事,不干於內,凶勢略大,不可出尖。第三課第四課發用,為遠射,凶勢漸小,蓋第三課乃辰陽,與日干相競,尚覺凶重有力,不可先動。若第四課無力也。遙克中克多論比,涉害論深,以後凡克多者皆如此論。
此の両課は又た近射と遠射とに分かつ。第二課の発用するを近射と叫ぶ。第一・第二の両課が同じく日干の此の一辺に属するに因りて、是れ自家の両課の交戦にして、多く外面の事を主り、内部と関無し。凶勢は稍や大にして、頭を出し尖を露すに宜からず。第三課・第四課の発用するを遠射と叫び、凶勢就中漸漸に小なり。其の中第三課是れ日支の陽神にして、日干と相争い、還って凶重有力と算し、能く先を搶じて動作すべからず。至于第四課の発用に至りては、就中什麼の力量も無し。遥克の中に若し相克の地方多ければ、就中知一課の弁法に照らして日干と相比するの一処を取れ。若し仍お分出し得ざれば、再び渉害課の弁法に照らして深浅を比べよ。此の後凡是れ相克の処多きは、皆此の原則に按じて処理す。
《観月経》
蒿矢卦 神遥かに日を克するを蒿矢と名づく
四課俱無克,須看日本因。四課無克者,以神遙剋日為用。日本者,即十干也。三神何地類,三神者,日之陰神,辰之陽神辰之陰神也。類內阿誰嗔。俱比俱不比,先舉用為真。四課之中兩課剋日干,以今日比者為用也。比者乃舉也。吉將朝天去,初傳及中末俱見吉將,乃出外朝天去也,觸類而言之。凶神禍到身。若三傳凶將動者,陰將主有盜賊陰謀,陽將主有人來害己身。吉凶災禍在重審卦註定矣。
歌訣に曰く「四課俱に克無ければ、須らく日本の因を看よ」。注解して曰く:四課が皆相克せざるの時は、就中上神の遥かに日干を克するを取りて発用と為す。所謂「日本」とは、指す所就中十天干なり。歌訣に曰く「三神は何地の類」。注解して曰く:三神は日干の陰神・日支の陽神と日支の陰神とを指す。歌訣に曰く「類内阿誰嗔む。俱に比し俱に比せざれば、先の挙は用を真と為す」。注解して曰く:四課中に両課が皆日干を克するの時は、本日日干と同類相比するの一処を取りて発用と為す。所謂「比」とは、就中挙出して取用するの意思なり。歌訣に曰く「吉将は天に朝えりて去る」。注解して曰く:初伝および中伝・末伝が皆吉将を見れば、就是れ出外して上天に朝覲するの好象にして、其余は以て類に触れて旁通すべし。歌訣に曰く「凶神は禍身に到る」。注解して曰く:若し三伝中に凶将が発動せば、陰将は盗賊の暗中に図謀する有るを主り、陽将は人の前来して自身を加害する有るを主る。至于吉凶災禍の細目は、已に重審卦の注文の裡に於て説定せり。
弾射卦 日遥かに神を克するを弾射と名づく
欲知彈射卦,日克卦中神。四課無克又無神遙剋日,以日遙克神為用,或有日克兩神,以今日比者為用。求財合吉將,三傳不比,與今日是三合或六合,逢吉將者必為喜慶之事也。凶害遇仇人。若凶將與六害動者,主欲為報仇人也。六害者,合沖助仇也。如甲日沖申,得巳為六害發用是也。丙戊日得寅為發用,亦是害。日上六害乘凶將發用,為外動,仇怨是他人也。辰上六害乘凶將發用,為內動,仇怨是己身也。
歌訣に曰く「弾射卦を知らんと欲せば、日は卦中の神を克す」。注解して曰く:四課は既に相克せず、又た上神の能く遥かに日干を克する無ければ、就以て日干を以て去りて或る神を遥克して発用と為す。若し日干が同時に両個の神を克住せば、就中本日と相比するの一個を取りて発用と為す。歌訣に曰く「財を求めれば吉将に合す」。注解して曰く:三伝は雖も日干と相比せざるも、但本日と三合或いは六合を構成し、又た吉将に逢えば、必定是れ喜慶の事なり。歌訣に曰く「凶害は仇人に遇う」。注解して曰く:若し凶将が六害と一同に発動すれば、人の要来りて仇を報ずる有るを主る。所謂六害とは、是れ合と冲とが相激して而も仇怨を助成す。比如甲日は申と相冲し、巳の発用を得れば便ち是れ六害。丙日・戊日に寅の発用を得るも亦た害に属す。日干上の六害が凶将に乗じて発用すれば、外動に属し、仇怨は他人より来る。日支上の六害が凶将に乗じて発用すれば、内動に属し、仇怨は自己身上に出ず。
刑動陰謀竊,日干克神更與三刑並,又用凶將,主竊盜賊也。相生各自伸。相生或吉將主各自伸舒也。謀刑劫盜賊,若三刑有殺害之意。如子日得卯,為子刑卯也,為內動,己身謀害他人也。合來喜事頻。若三合六合主喜慶之意。如甲子亥發用為六合,或寅午戌為三合,更得吉將,主內動喜事或青龍財帛喜慶婚姻,逐類推之。分明是兩卦,體段一般陳。陳,說也。一名蒿矢,一名彈射。支德亦喜,子日在巳順十二支也。
歌訣に曰く「刑動すれば陰謀竊盗す」。注解して曰く:日干の克する所の神が又た三刑と并びて臨み、再び凶将に乗ずれば、竊盗盗賊の事有るを主る。歌訣に曰く「相生すれば各自伸ぶ」。注解して曰く:彼此相生し、或いは乗ずる所是れ吉将なれば、各方の皆能く舒展如意するを主る。歌訣に曰く「刑を謀れば盗賊を劫す」。注解して曰く:三刑の中には殺害の意を含む。比如子日に卯の発用を得れば、就是れ子の卯を刑するにして、内動に属し、自己が去りて別人を図謀加害するを主る。歌訣に曰く「合来れば喜事頻なり」。注解して曰く:若し三合或いは六合を成せば、喜慶有るを主る。比如甲子日に亥の発用を得る是れ六合にして、或いは寅午戌が三合を成し、再び吉将を得れば、就中内裡の喜事を主り、或いは青龍が財帛・婚姻の喜を帯来し、其余は此れに照らして類推す。歌訣に曰く「分明に是れ両卦、体段は一般に陳す」。注解して曰く:陳就中説明なり。此の両卦は一は蒿矢と名づき一は弾射と名づき、体例是れ一様なり。又た日支の徳神も亦た喜を主ると説く。比如子日の支徳は巳に在るは、是れ十二支に按じて順数して得来するなり。
《心鏡》
神遙剋日名蒿矢,射我雖端不足畏。日克課神名彈射,縱饒得中還無利。貴神逆轉子無良,天乙順行臣不義。家有賓來不可留,每憂口舌西南至。
《心鏡》の歌訣に曰く:上神が遠々に日干を克住するは蒿矢と叫び、雖も箭頭は我に対するも、却て以て害怕するに足らず。日干が去りて課上の神を克するは弾射と叫び、縦然射中すも亦た実利を得る能わず。貴神が逆転すれば、子孫の不肖を主る。天乙が順行して而も反常なるは、臣下の不義を主る。家裡に若し客人の前来有れば、能く其れを留めて住下せしむべからず。往往要して西南方より来るの口舌是非の為に発愁せん。
《袖中金》
神遙剋日名曰蒿矢,日克神名曰彈射。然事多動搖不定,主人情倒置。若帶金土煞,足能傷人。占人禍福俱輕,求事難成。以蒿為矢,以泥為丸,無利勢也。若第二課為用,乃日上兩課自戰,作事無力多虛,不干內事,不可出尖。第三課為用,乃辰之陽神自戰,兩陽相剋,作事凶重有力,不可先動。用第四課又無力。蒿矢利主不利客,利小不利大,利後動。占行人來,訪人見。若朱雀勾陳,當有官事,禍從外來。
《袖中金》に曰く:上神の遥かに日干を克するは蒿矢と叫び、日干の上神を克するは弾射と叫ぶ。此の両課は事情は多く動揺不定にして、人情の顛倒錯位を主る。若し金・土の煞神を帯びれば、亦た以て人を傷るに足る。人を占すは禍と福と皆軽く、求むる所の事は成し難し。蒿草を用いて箭を作り泥団を用いて弾丸を作るは、本就中什麼の威勢無し。若し第二課を取りて発用と為せば、那れ是れ日干の此の辺の両課の自ら相交戦にして、事を弁ずるは力無くして而も多く虚にして、内部の事に涉及せず、頭を出し尖を露すに宜からず。若し第三課を取りて発用と為せば、那れ是れ日支の陽神の交戦するにして、両陽相克し、事を弁ずるは凶重にして而も力有り、能く先を搶じて動作すべからず。第四課を取りて発用と為せば就中更に力量無し。蒿矢は主方に利して而も客方に利せず、小事に利して大事に利せず、後動するに利す。出門の人は回来し、去りて拜訪すれば能く見着するを占す。若し朱雀・勾陳を見れば、当に官司有るべく、禍は外面より来る。
彈射利客不利主,利上不利下,利先動,不利占訟,行人不來,訪人不見,憂事主散。若見太陰、元武、天空,當有欺詐虛誕之事,禍從內起。蒿矢傳金為有鏃,彈射傳土為有丸,事主驀然有災。若傳空亡,又名遺鏃失丸,不成事也。
弾射は則ち客方に利して而も主方に利せず、上に居るに利して而も下に居るに利せず、先を搶じて行動するに利し、打官司するに利せず。出門の人は回来せず、去りて拜訪するは人に見着せず、憂う所の事は倒って自行に消散せん。若し太陰・玄武・天空を見れば、当に欺詐虚妄の事有るべく、禍は内部より生起す。蒿矢の三伝中に金を見れば、箭上に鏃有るに等し。弾射の三伝中に土を見れば、弾弓に丸有るに等し。皆忽然に災に遭うを主る。若し三伝が空亡に落入せば、又た遺鏃失丸と叫び、箭頭と弾丸と皆没し、事情は終究に弁成せず。
昴星課
凡四課上下無相剋,又無遙克,取從魁上下神為用,曰昴星課。夫昴星者,酉中有昴宿也。酉位西方白虎金位,性主刑殺,義司決斷,死生出入之門戶。此從酉立傳,從魁酉之神名,故名昴星。
凡是れ四課の上下が皆相克せず、又た遥克を找到する能わざれば、就中従魁(酉)の上下に臨む所の神を取りて発用と為し、昴星課と叫ぶ。所謂昴星とは、是れ酉宮の中に昴宿有るが因なり。酉位は西方に居り、是れ白虎金神の位にして、性情は刑殺を主り、義理は決断を主る。乃是れ死生出入の門戸なり。此の一課は酉位上より三伝を立て、而して従魁は又た正是れ酉の神名なり。故に昴星と叫ぶ。
剛日仰視地盤酉上神為用,中傳辰上神,末傳日上神,為虎視轉蓬格。一曰春虎視,夏轉蓬,秋昴星,冬蛇掩目。剛者,陽也,夫陽性從天,男子氣浮,仰視之,如虎視之轉蓬而動,故名虎視轉蓬。占事驚恐,守靜則吉。統履之體,乃蛇虎當道之象也。履有所躡而進之意,履虎尾而不見傷之象。
陽剛の日は、頭を抬げて地盤酉位の上面に臨む所の天盤の神を看て取りて発用と為し、中伝は日支上の神を取り、末伝は日干上の神を取る。此れを虎視転蓬格と叫ぶ。亦た一种の説法有りて、春天は虎視と叫び、夏天は転蓬と叫び、秋天は昴星と叫び、冬天は蛇が目を掩うと叫ぶ。剛就中陽にして、陽性は天に親附し、男子の気機は上浮す。故に仰視するを要す。那の情形は老虎の眼を瞪す・蓬草の風に随いて翻転して動くが象なり。因此に虎視転蓬と叫ぶ。事を占すは驚恐を主り、静を守りて動かざれば才に吉なり。其れは《周易・履卦》の体性を統属し、是れ蛇虎が路上に擋るの象なり。履は小心に踩踏して而も後前進するの意思有り、正に老虎の尾巴に踩到して而も咬傷を被らざるの如し。
象曰:“關梁閉塞,越度稽留。行人作禁,孕男無憂。事恐惟外,禍起無由。家居守靜,方免閒憂”。如用囚死,罡乘死氣,蛇虎入傳,大凶,病者死,訟者獄,見龍亦凶,應六三履虎尾咥人凶象。或日用旺相見魁罡龍虎為吉,占科舉主高中,則有上九視履“考祥,元吉”之象。
象を断ずるの口訣に曰く:関卡橋梁は堵塞して通ぜず、越境して関を過ぐるを想うも滞留せらる。出門の人は禁阻を受け、懐く是れ男胎にして憂うるを須いず。怕るる所の事は皆外面より自りて来り、禍端は却て又た由頭を找到する能わず。只要安居して静を守れば、便能く無謂の憂愁を免去せん。如果発用が囚気死気に落ち、天罡(辰)が又た死気に乗じ、螣蛇・白虎が三伝に入れば、就大凶なり。病人は死せん、打官司するは獄に下らん、即便青龍を見るも亦た凶なり。正に《周易・履卦》の六三の「虎尾を履み、人を咥え、凶」の象に応ず。若し日干と発用とが皆旺相に在り、又た河魁・天罡と青龍・白虎とを見れば、反って吉と為り、科挙を占せば高中を主る。那れ就中履卦の上九の「履を視て祥を考え、其の旋は元吉」の吉象に応ず。
假如戊申日卯時辰將占,剛日昴星取酉上戌為用,曰虎視格。 戌 元 酉 常 午 龍 元 常 空 青 戌 酉 未 午 酉 申 午 戊 午未申酉 巳 戌 辰 亥 卯寅丑子
例を挙ぐ。戊申日の卯時に占し、辰将を用いて課を起す。戊是れ剛日にして、昴星の法に按じて地盤酉上の戌を取りて発用と為す。此れを虎視格と叫ぶ。課盤は如下。三伝是れ初伝戌は玄武に乗り、中伝酉は太常に乗り、末伝午は青龍に乗ず。四課は右より左へ自りて戊日干上に午を見、午上に未を見、日支申上に酉を見、酉上に戌を見。四課の上神の午・未・酉・戌は分かれて青龍・天空・太常・玄武に乗ず。最下是れ地盤十二支。四課は既に上下相克無く亦た遥克無し。故に地盤酉上に臨む所の戌を仰看して取りて初伝と為し、再以て日支上の酉を中伝・日干上の午を末伝と為す。
凡昴星課,柔日伏視天盤酉下神為用,曰冬蛇掩目格。中傳日神,末傳辰上神。柔者陰也,陰性從地,女子氣沉,則伏視之,如冬日蛇之掩目,故名冬蛇掩目。剛日本乎天者親上,末傳歸干,從天類也。柔日本乎地者親下,末傳歸辰,從地類也。占者事多闇昧,猶豫難行,惟欲潛藏者吉也。
凡是れ昴星課に、陰柔の日に遇えば就中頭を低して天盤酉の下面に壓する所の那個の地盤の神を看て取りて発用と為し、冬蛇掩目格と叫ぶ。中伝は日干上の神を取り、末伝は日支上の神を取る。柔就中陰にして、陰性は地に親附し、女子の気機は下沉す。故に俯視するを要す。那の情形は冬天の蛇の眼を閉じて蟄伏して動かざるが象なり。因此に冬蛇掩目と叫ぶ。剛日の道理是れ天に本づく者の上位に親近するにして、故に末伝は日干に帰到し、天の一類に属す。柔日の道理是れ地に本づく者の下位に親近するにして、故に末伝は日支に帰到し、地の一類に属す。其れを占得れば、事情は多半暗昧不明にして、猶豫して行い難し。只有潜蔵に甘んずるの人才に吉を得ん。
象曰:“人情失意,進退無憑。女多淫泆,內有憂驚。訪人不見,作事難成。行者淹滯,逃亡隱形”。如螣蛇尤多怪夢憂疑,或申加卯為車輪倒斫,傳見虎武甚凶。惟午加卯為明常,主萬事昌隆,蓋午為離明,卯為天駟,房心明堂之宿,縱遇衰敗凶神亦主吉象也。
象を断ずるの口訣に曰く:人情は失意して、進退は依凭無し。女子は多く淫佚の行有り、家内は憂愁驚擾を蔵す。去りて人を拜訪するは見着せず、事情を弁ずるは做成し難し。出門の人は外に滞留し、逃亡の人は形跡を隠匿す。如果螣蛇を見れば、尤其に多く怪夢と疑慮有り。或いは申が卯の上に加われば、車輪の倒斫と叫び、三伝に再び白虎・玄武を見れば、就非常に凶なり。只有午が卯の上に加わるは明堂と叫び、万事昌隆を主る。午は離卦に属して光明と為り、卯是れ天駟にして、又た是れ房宿・心宿の在所の明堂の宿なるが因なり。即便衰敗凶神に遇上するも、亦た仍だ吉象を主る。
假如丁丑日辰時丑將占,柔日昴宿取酉下神為用子。 子 蛇 辰 龍 戌 后 常 后 朱 龍 未 戌 丑 辰 戌 丑 辰 丁 寅卯辰巳 丑 午 子 未 亥戌酉申
例を挙ぐ。丁丑日の辰時に占し、丑将を用いて課を起す。丁是れ柔日にして、昴星の法に按じて天盤酉の下面に壓する所の地盤の神子を取りて発用と為す。課盤は如下。三伝是れ初伝子は螣蛇に乗り、中伝辰は青龍に乗り、末伝戌は天后に乗ず。四課は右より左へ自りて丁日干上に辰を見、辰上に丑を見、日支丑上に戌を見、戌上に未を見。四課の上神の辰・丑・戌・未は分かれて青龍・朱雀・天后・太常に乗ず。最下是れ地盤十二支。天盤の酉が正に地盤の子の上に壓するに因りて、故に子を俯取して初伝と為し、再以て日干上の辰を中伝・日支上の戌を末伝と為す。
《訂訛》
虎視轉蓬,則日四課無上下克,又無遙克,取酉宮上神為用,中傳支上,末傳干上。酉中有昴宿,屬秋分,為天地關梁,為日月出入門戶,且屬白虎金位,性主肅殺,義司決斷,取以為用。故總以昴星名之。剛者陽也,陽性從天,男子氣浮,則仰視之如虎視轉蓬而動,故名虎視轉蓬。
《訂訛》に曰く:虎視転蓬格は、是れ当日の四課が既に上下相克無く又た遥克無ければ、就中酉宮の上面に臨む所の神を取りて発用と為し、中伝は日支上の神を取り、末伝は日干上の神を取る。酉宮の中に昴宿有り、時令は秋分に属し、是れ天地の間の関卡橋梁にして、是れ日月出入の門戸にして、又た白虎金位に属し、性は粛殺を主り、義は決断を主る。因此に其れを取りて発用と為す。故に此の一類の課は總じて昴星を以て命名す。剛就中陽にして、陽性は天に親附し、男子の気機は上浮す。故に仰視して、老虎の瞪視し蓬草の翻転して動くが象なり。故に名づけて虎視転蓬と為す。
占主驚恐,關梁閉塞,津渡稽留。出行身不得歸,恐死於外。大抵禍從外起,惟家居守靜則吉。此課如日用囚死,罡乘死氣,蛇虎入傳,大凶,病者死,訟者獄。若日用旺相,又不在此論。
此の一課を占得れば、驚恐不安を主り、関卡橋梁は閉塞し、渡口津口は滞留して行い難し。出門在外の人は家に回る能わず、甚至りて恐怕客死他郷せん。大体に禍は外面より来り、只有安居して静を守れば才に吉なり。此の一課は如果日干と発用とが皆囚気死気に落ち、天罡が又た死気に乗じ、螣蛇・白虎が三伝に入れば、就大凶なり。病人は死せん、打官司するは獄に下るを要せん。若し日干と発用とが皆旺相の気に在れば、此の例に在らず。
冬蛇掩目,柔日四課無克,又無遙克,取酉下神為用,中傳干上,末傳支上。柔者陰也,陰性從地,女子氣沉,則俯視之如冬日蛇之掩目,故名冬蛇掩目。占主事闇昧不明,進止兩難,女多淫泆,禍從內起,訪人不見,行者淹滯,逃亡隱形。
冬蛇掩目格:陰柔の日に四課に相克無く、又た遥克無ければ、就中天盤酉の下面の地盤の神を取りて発用と為し、中伝は日干上の神を取り、末伝は日支上の神を取る。柔就中陰にして、陰性は地に親附し、女子の気機は下沉す。故に俯視して、冬天の蛇の目を閉じて蟄伏するが象なり。故に名づけて冬蛇掩目と為す。其れを占得れば、事情の暗昧不明・進退両難・女子は多く淫佚有り・禍は内部より生起するを主る。去りて人を拜訪するは見着せず、出門の人は外に滞留し、逃亡の人は行跡を隠匿す。
此課如螣蛇入傳,尤多怪夢憂疑,或申加卯為車輪倒斫,傳見元武,凶甚。惟午加卯為明堂,主萬事昌隆。蓋午為離明,卯為天駟,房心明堂之宿,遇凶亦吉也。
此の一課は若し螣蛇が三伝に入れば、尤其に多く怪夢と疑慮有り。或いは申が卯の上に加わるは車輪倒斫と叫び、三伝に再び玄武を見れば、凶なること厲害なり。只有午が卯の上に加わるは明堂と叫び、万事昌隆を主る。午は離卦に属して光明と為り、卯是れ天駟にして、又た是れ房宿心宿の在所の明堂の宿なるが因なり。即使凶神に遇到するも亦た仍だ吉に帰す。
上二課剛日本乎天者親上,傳終歸干上,從天類也。柔日本乎地者親下,傳終歸支上,從地類也。以天道言,昴星陰氣用事,微霜始降,枯槁皆死,此決斷萬物、收斂精神之時也。以人事言,昴星於五行為金,五常為義,當其言不必信,行不必果,惟義所在,然後決之,故以昴星作課,然雖斷之以義,亦歸責於己,斯可矣,故終末從其日辰也。酉為天獄,二課最忌,刑獄大端,惟潛藏稍吉耳。
上面の此の両課は、剛日は天に本づきて而も上位に親近し、三伝は最終に日干の上に帰到し、天の一類に属す。柔日は地に本づきて而も下位に親近し、三伝は最終に日支の上に帰到し、地の一類に属す。天道より講すれば、昴星の時は陰気が当令し、微霜が初降し、草木は枯死す。此れ是れ万物を裁断し精神を収斂するの時節なり。人事より講すれば、昴星は五行に於て金に属し、五常に於て義に属す。此の時は説話は必ずしも成信を固守せず事を做すは必ずしも果有るを強求せず、只看て道義の在所に、然る後に決断す。故に昴星を用いて課を立つ。雖も道義に凭りて裁断すると説くも、最終に仍だ要して自身に帰到して責を担い、此の様にして才に周全と算す。故に末伝は總じて日干或いは日支に落回るを要す。酉は又た是れ天獄にして、此の両課は最も其れを忌諱す。刑罰牢獄是れ其の大端にして、只有潜蔵して動かざれば才に略微吉を得ん。
《観月経》
虎視転蓬、陽日の昴星、名を蓬游無止と曰う
四課無遙克,神仙立此門。五陽看酉上,見發卦基根。四課無克賊又無遙克,剛日看酉上所得天盤之神為發用初傳也。辰作中傳用,末傳日上論。看辰上所得之神為中傳,日上所得之神為末傳也。出行遭禁繫,淫亂暗乾坤。昴星主淫亂奸邪之事也。
歌訶に曰く「四課に遥克無ければ、神仙此の門を立つ。五陽は酉上を看、発を見れば卦の基根」。注解して曰く:四課が既に克賊無く又た遥克無ければ、陽剛の日は就中地盤酉上に得る所の天盤の神を看て作りて発用初伝と為す。歌訣に曰く「辰は中伝の用と作り、末伝は日上に論ず」。注解して曰く:日支上に得る所の神を看て中伝と為し、日干上に得る所の神を末伝と為す。歌訣に曰く「出行すれば禁系に遭い、淫乱は乾坤を暗し」。注解して曰く:昴星は淫乱奸邪の一類の事を主る。
冬蛇掩目卦、柔日の昴宿、名を蝙蝠昼に遇うと曰う
冬蛇交掩目,萬事不相從。五日柔為用,從魁初傳臨。中傳在日上,末傳在辰宮。五柔日看天上從魁臨地盤下之神為用也。假如乙未日寅時辰將占,一課寅乙,二課子寅,三課巳未,四課卯巳,上下無克又無遙克,當以昴星觀之,從魁加亥,亥為初傳,寅作初傳,巳作末傳,取上卦為例也。伏罪何須出,無勞西與東。主匿罪不通,不宜出行也。此凶神之卦,再遇凶將,尤凶也。
歌訣に曰く「冬蛇は交りて目を掩い、万事は相従わず。五日の柔は用と為り、従魁は初伝に臨む。中伝は日上に在り、末伝は辰宮に在り」。注解して曰く:五個の陰柔の日は、天盤の従魁(酉)が地盤の哪個の神の上に壓するを看て、就其れを取りて発用と為す。比如乙未日に辰将を用いて課を起せば、第一課是れ寅の乙に加わり、第二課是れ子の寅に加わり、第三課是れ巳の未に加わり、第四課是れ卯の巳に加わり、上下は既に相克せず又た遥克無し。就中応に昴星の法に按じて来りて看るべし。天盤の従魁は正に亥の上に加わる。于是亥は初伝と為り、日干上の寅は中伝と為り、日支上の巳は末伝と為る。此処是れ上面の那一卦を拿りて例子と作る。歌訣に曰く「罪を伏するは何ぞ須らく出ざる、西と東とに労する無かれ」。注解して曰く:罪過を隠匿し消息は通ぜず、出門して遠行するに宜からざるを主る。此れ本是れ凶神の卦にして、若し再び凶将に遇えば、就更に凶なり。
《心鏡》
用起昴宿為虎視,秋分在酉知生死。出入關梁日月門,舉事稽留難進止。剛日出身身不歸,柔日伏匿憂難起。女人淫泆問何因,此地名為難禁止。
《心鏡》の歌訣に曰く:発用が昴宿に起るは就中虎視にして、秋分の節気は酉に在り、此処より以て生死を看出すべし。酉是れ出入の関梁・日月の門戸にして、凡そ挙動有れば皆滞留して行い難く進退するを得ず。剛日は出門在外にして家に回る能わざるを主り、柔日は潜伏隠匿して而も憂患は化解し難きを主る。若し女子の何の為に多く淫佚有るを問わば、正に此処が名づけて禁絶し難きの地と為るが因なり。
《袖中金》
剛日看酉所得之神為用,是虎視轉蓬也;柔日視從魁所臨地盤之神為用,是冬蛇掩目卦,此論昴星也。占主人事稽留伏匿,陽日如虎睛光,轉運不息,主病多驚恐,轉蓬不已;陰日如冬蛇蟄藏,掩目不動,主事多闇昧,進退遲疑驚恐。陽日稽留於外,陰日隱伏於內。酉為天之私門,肅殺之地,故仰俯取之為用。昴日雞酉中之宿,剛日昴星者,取雞鳴必仰之象,西方白虎亦昴宿也。柔日虎視者,是取虎視必伏之義,尤忌子午卯酉日得之,昴星虎視必災危也。
《袖中金》に曰く:剛日は地盤酉上に得る所の神を看て発用と為せば、就是れ虎視転蓬。柔日は天盤の従魁(酉)の壓する所の地盤の神を看て発用と為せば、就是れ冬蛇掩目。此れ就是れ昴星課の取法なり。其れを占得れば、人事の滞留・隠伏して出でざるを主る。陽日は老虎の眼中に光を放ち転動して停まらざるが象にして、疾病は多く驚恐し、蓬草の飄転不定の如きを主る。陰日は冬蛇の蟄伏するが象にして、目を閉じて動かず、事情は多く暗昧にして、進退は遅疑して而も心に驚懼を懐くを主る。陽日は外に滞留し、陰日は内に隠伏す。酉是れ上天の私門・粛殺の地なり。故に或いは仰看し或いは俯看して来りて取用す。昴日鶏是れ酉宮中の星宿にして、剛日は昴星を取るは、是れ公鶏の鳴を打つ必ず頭を仰ぐの象を取るなり。西方白虎も亦た正是れ昴宿なり。柔日に虎視を説くは、是れ老虎の窺視するの時は必先ず身を伏するの意思を取るなり。尤其に子・午・卯・酉の此の四個の日子に此の課を占得するを忌諱し、昴星虎視は一定に災危を帯来せん。
別責課
凡三課無克,別取一神為用,曰別責格。蓋陽干常動而易位,故剛日初傳用干合上神,如戊癸合,癸寄丑,即丑上神為用。陰支常靜而守位,故柔日以支三合前一辰,如未日三合前一辰即亥字為初傳,中末俱並日上。此三課不備,別從其類,責取一合神為用,故名別責,占者凡事不備,主有留連之體。
凡是れ四課が残缺して只三課を成し而も又た相克無きは、就中別外に一個の神を擇取して発用と為し、別責格と叫ぶ。陽干は常動にして而も変位し易きに因りて、故に剛日の初伝は日干と相合するの干の寄する所の宮位の上の神を取る。比如戊は癸と相合し、癸は丑に寄宮す。就中丑上の神を取りて発用と為す。陰支は常静にして而も本位を固守す。故に柔日は日支の三合局中の前の一位の地支を取る。比如未日は、未の三合是れ亥卯未にして、前の一位就中亥なり。亥を取りて初伝と作る。中伝・末伝は皆并びて日干上の神を用う。此の種の情形是れ四課の斉備せざるにして、只得別に同類に按じて去りて一個の相合の神を責求して発用と為す。故に別責と叫ぶ。其れを占得れば、凡事皆不完備にして、留連拖沓の体性を帯ぶ。
象曰:“謀為處正,財物不全。臨兵選將,欲渡尋船。求婚別娶,胎孕多延。損而能益,事遇神仙”。如神將凶,日用休囚,則應凶象。神將吉,日用旺相,則應吉象也。
象を断ずるの口訣に曰く:事を謀るは要して身を正に立て、財物は却て斉全する能わず。兵を帯びて打仗するは須らく別に良将を選び、河を渡らんと想うは須らく別に船隻を尋ねよ。婚を求むるは成らずして而も別に他人を娶り、胎孕は多く拖延す。能く損失の中に於て補益を得、事を弁ずるは神仙の相助に遇到するが一般なり。如果乗ずる所の神将が凶悪にして・日干と発用とが又た休囚に処れば、就中凶象に応ず。神将が吉利にして・日干と発用とが皆旺相に在れば、就中吉象に応ず。
如丙辰日卯時辰將占,昴星四課不備,剛日取丙合辛,辛寄於戌,即戌上亥發用。 亥 貴 午 龍 午 龍 龍 空 勾 龍 午 巳 未 午 巳 辰 午 丙 午未申酉 巳 戌 辰 亥 卯寅丑子
例を挙ぐ。丙辰日の卯時に占し、辰将を用いて課を起す。本想昴星の法に按じて来りて取らんとすれば、却て四課の并びて斉備せざるを発現す。第一課と第四課の上神は同じく午にして、只三課を成す。丙是れ剛日なり。于是丙と相合するの辛を取り、辛は戌に寄宮す。便ち戌上の亥を取りて発用と為す。課盤は如下。三伝是れ初伝亥は貴人に乗り、中伝午は青龍に乗り、末伝午は青龍に乗ず。四課は右より左へ自りて丙日干上に午を見、午上に未を見、日支辰上に巳を見、巳上に午を見。四課の上神の午・未・巳・午は分かれて青龍・勾陳・天空・青龍に乗ず。最下是れ地盤十二支。中伝と末伝とが皆重復して并びて日干上の午を用う。此れ正是れ別責格の取法なり。
《訂訛》
別責,亦名蕪淫。不備課無克又無遙克者,別取一合神為用,中末傳重並干上。陽日取干合上神為用。如戊日合癸,癸課寄丑,取丑上神為用。丙日合辛,辛課寄戌,取戌上神為用是也。陰日取支前三合神為用。如未日取未前三合亥,酉日取酉前三合丑為用是也。
《訂訛》に曰く:別責課は又た蕪淫と叫ぶ。凡そ四課が斉備せず・既に相克無く又た遥克無きは、就中別に一個の相合の神を取りて発用と為し、中伝と末伝とは皆重復して并びて日干上の神を用う。陽日は日干と相合するの干の寄する所の宮上の神を取りて発用と為す。比如戊日は癸と相合し、癸の課は丑宮に寄す。就中丑上の神を取りて発用と為す。丙日は辛と相合し、辛の課は戌宮に寄す。就中戌上の神を取りて発用と為す。陰日は日支の三合局中に於て前に在るの那個の神を取りて発用と為す。比如未日は未の前面の三合の神亥を取り、酉日は酉の前面の三合の神丑を取りて発用と為す。
蓋四課不全,又不克,欲如昴星取酉,而課又不備,只得別從其類,責取一合神為用,故名別責。陰陽全無剋制,二陽一陰如二男爭一女,二陰一陽,如二女爭一男。舍正而別求合,夫婦各得無淫泆之意乎?故亦名蕪淫。
四課は既に斉全せず、又た相克無し。本想昴星の法に照らして酉を取らんとすれば、可なり課は又た残缺不備なり。只得別に同類に按じて去りて一個の相合の神を責求して発用と為す。故に別責と叫ぶ。此の時陰陽の間は全く克制無し。両陽一陰は、好比両個の男子が一個の女子を争うが如し。両陰一陽は、好比両個の女子が一個の男子を争うが如し。正配を舍弃して而も別に相合を求めば、夫妻双方は豈に淫佚の嫌無からんや。故に此の一課は又た蕪淫と叫ぶ。
占主凡事不備,謀為欠正,且合神事主留連,臨兵欲進不進,胎孕多延。凡事倚仗他人,借徑而行,吉凶多繫於人,不干己也。求婚另娶,占家宅夫妻事,當以淫斷。
別責課を占得れば、凡事残缺不全・謀画は端正を失するを主る。又た取りて用いる是れ相合の神なるが因に、事情は多半に拖延留連す。兵を帯ぶるの時は進まんと想えども又た敢えて進まず、胎孕は多く延期有り。凡事皆要して別人に倚仗し道を借りて而も行い、吉凶は多半は他人の身上に係りて、自己と関無し。婚を求むるは往往成らずして而も別に他人を娶る。若し家宅夫妻の事を占せば、就中応に淫佚の一路に按じて来りて断ずべし。
此課外又四課備有日辰互克各生者,亦名蕪淫。如甲子日,戌甲、午戌、申子、辰申,三傳戌午寅。甲干夫也,子支妻也,甲欲從子憂申克,子欲就甲畏戌克,然申子又自相生,乃妻與人有私,夫上戌為用,傳逢三合,內外生奸,各相背也。
此の一課を除くの外、還って一种の四課斉備にして而も日干日支が互相克制し、各自が又た別神と相生する有りて、も亦た蕪淫と叫ぶ。比如甲子日は、四課是れ戌の甲に加わり・午の戌に加わり・申の子に加わり・辰の申に加わり、三伝是れ戌・午・寅なり。甲の此の日干は丈夫を代表し、子の此の日支は妻子を代表す。甲は去りて子に親近せんと想えども、却て申金の来りて克するを憂心し、子は去りて甲に就近せんと想えども、又た戌土の来りて克するを怕れ、而して申金と子水とは偏偏と自ら相生助す。此れ就是れ妻子の外人と私情有るなり。丈夫の一辺の戌は取りて発用と為し、三伝は又た三合に逢う。内外は皆奸情を生出し、夫妻は各自背離す。
戊午、戊辰與丙辰,干上皆午是為親。辛丑、辛未各二日,干上皆是丑未真。丁酉當為巳丁是,辛酉原來是酉辛。
一則の口訣有りて専ら別責課の常見の日辰を記す。戊午・戊辰と丙辰の此の三日は、日干上は皆午にして、同じく一類に属す。辛丑・辛未は各々両日を算し、日干上は皆丑或いは未なり。丁酉日は日干上は当に巳の丁に加わると作り、辛酉日は日干上は原本就中酉の辛に加わるなり。此の几种の干上神の定式を熟記せば、遇う時に便ち一眼に認出する能わし。
法云:皆以天上作初傳,剛日人皆知取天盤矣,柔日人皆取支前三合,獨不用三合上之神,何也?如巳日取酉上神非取酉也,存疑。別責雖亦名蕪淫,其實蕪淫乃另一取三課有克者是也,別責無克。
取法上に説く:皆天盤の神を以て初伝と作る。剛日は人人皆天盤上の神を取るを知り、柔日は人人皆日支の三合局の前に在るの那一支を取るも、唯独其の一支の上面に臨む所の神を用いず。此れ是れ為什麼なるや。比如巳日は応当に酉上の神を取るべく、而も酉本身を取るに非ず。此処は疑を存して考に待たん。別責は雖も亦た蕪淫と叫ぶも、其実真正の蕪淫是れ別の一种の課にして、四課の残缺して三課と成りて而も其の中に相克有るの那一類を指す。別責は則ち全然相克無きなり。
八專課
凡干支同位無克,取陽順陰逆三神為用,曰八專課。蓋八專日有五,除癸丑日俱有克,無克者甲寅、庚申。剛日從陽,主超進順布。己未、丁未柔日主退縮,逆行。中末傳俱並日上神。如甲寅日干上陽神亥,順數至丑,乃丑亥亥也。丁未日辰上陰神卯,逆數三辰至丑,乃丑巳巳也。皆日辰陰陽共處論。伏吟四課,八字干支神同一位,如八家同井事專,故名八專。占理家務,重輕易舉,不利奔波於外。統同人之體,乃諸侯會盟之課也。
凡是れ日干と日支とが同一宮位に寄り、四課又た相克無きは、就中陽日は順数・陰日は逆数の弁法に按じて第三個の神を数出して発用と為し、八專課と叫ぶ。八專の日は共有五個にして、癸丑日が本身に克を帯ぶるを除くの外、克無き是れ甲寅・庚申の両個の剛日なり。剛日は陽より従い、越級進取・勢いに順じて布展するを主る。己未・丁未の両個の柔日は則ち退縮・逆行を主る。中伝と末伝とは皆并びて日干上の神を用う。比如甲寅日は、日干上の陽神是れ亥にして、亥より順数三位して丑に到り、三伝就中丑・亥・亥なり。丁未日は、日支上の陰神是れ卯にして、卯より逆数三位して丑に到り、三伝就中丑・巳・巳なり。此れ皆就中日干日支の陰陽が同じく一宮に処るを以て論ずるなり。其の四課は伏吟の如同にして、八個の字の干支の神は皆同じ位に落つ。好比八家が共用して一口の井、事情は一処に専なるが如し。故に八專と叫ぶ。家務を理することを占せば、事情は軽重を論ぜず皆办成し易し。但外に奔波するに利せず。其れは《周易・同人卦》の体性を統属し、是れ諸侯の會盟の一課なり。
象曰:“二人同心,其利斷金。陽進男喜,陰進女淫。兵資眾捷,物失內尋。成功異路,顯擢士林”。此八專為兩課,陰陽並,雖主事乖疏,凡事以兩課決之。陽日尊長欺卑幼,則主超進,主事欲速出。陰日夫妻懷背及奴婢反主,柔主退縮,主事遲欲歸。占婚姻進人口,主口舌分離,則應九三“三歲不興”之凶象。若龍常天乙吉將及天月二德善神,則應同人九五“大師克相遇”吉象也。
象を断ずるの口訣に曰く:両人の心を同じくすれば、鋒利は以て金属を斬断するに足る。此の両句は《周易・繫辭》より出自す。陽神は前進すれば男子に喜有り、陰神は前進すれば女子に淫有り。兵を用うるは人多きに靠りて而も取勝し、東西は丟せば要して家裡に於て找せん。成功は衆と異なるの路を走り、能く士人の中に於て顕達擢升せん。八專課は実際に只兩課を成し、陰陽は并びて一処に在り、雖も事情の乖違疏漏を主るも、凡事も亦た只能く此の両課に就きて判定せん。陽日は尊長の卑幼を欺凌し・気勢は超前し・事情は急いで要して往外に発するを主る。陰日は夫妻各々異心を懐き・奴婢が反って主人を壓制し・柔弱退縮し・事情は遅緩にして而も回来せんと想うを主る。婚姻或いは人口を添進するを占せば、口舌争執して以致分離するを主り、就中《周易・同人卦》の九三の「三歳興らず」の凶象に応ず。若し青龍・太常・天乙の此れらの吉将および天徳・月徳の二种の善神を見れば、就中同人卦の九五の「大師克えて相遇う」の吉象に応ず。
八專課(續)
如甲寅日辰時丑將占,剛日順數至丑用,曰八專課。 丑 貴 亥 陰 亥 陰 虎 陰 虎 陰 申 亥 申 亥 亥 寅 亥 甲 寅卯辰巳 丑 午 子 未 亥戌酉申
甲寅日に辰時に於て課を起す。用いる所の月将是れ丑なり。甲の寄宮は寅に在り、日支は恰好も亦た是れ寅にして、天干と地支とが同一個の宮位に擠り合う。本当に日干・日支に由りて各々上に向かいて両層を叠出して而も成るの「四課」は、因此に只両課を排し得るのみ。此れ正是れ「八專」の標志なり。丑将を把りて辰時の上に加えれば、整個の天盤就中地盤より三位を退了し、甲の寄する所の寅宮の上面に亥を見る。于是第一課は亥が甲に加わり、第二課は申が亥に加わり、第三課は亥が寅に加わり、第四課は申が亥に加わり、前後の両組は完全に重疊す。四課の上下は皆相克せず。「三伝」(初伝・中伝・末伝の三步は、事を断ずるの主干なり)を取るに只好別に規矩を立つ。陽日(剛日)は干上神亥より算起し、本位を連ねて順数三位して丑に到り、丑を以て初伝と為し、中伝と末伝とは皆干上の亥を重復す。故に三伝是れ丑・亥・亥なり。初伝丑は「貴人」(即ち天乙貴人、十二天将の首にして、尊栄扶助を主る)に乗り、中末両伝の亥は皆「太陰」(陰私隠蔽を主る)に乗じ、四課の上は則ち太陰と「白虎」(道路・疾病・凶喪を主る)とが相間なり。
帷簿不修格
凡八專課遇天后、六合、元武一將入傳,為帷簿不修格。蓋重門樹塞,以限內外。講堂設帳,以別男女。今陰陽共處,男女混雜,又遇后合陰私之神,鄭風尤甚,故名帷薄不修。主私泆不明,內失其禮也。
凡是れ八專課に、只要「天后」「六合」「元武」の此の三位の天将の中に一位の三伝に進入する有れば、就叫作「帷簿不修格」なり。天后は女色を主り、六合は私門を主り、元武は暗昧盗竊を主る。古人は宅を築くに層層に門を設け樹を種えて屏と為し、用いて内外を隔開す。学を講ずるに帷帳を張設し、用いて男女を分別す。八專課は偏偏と是れ干支の同じく一宮に擠り・陰陽の共に一室に処り、男女混雑して而も分別無く、又た天后・六合の此の類の専ら陰私を管するの神将に碰上す。《詩経・鄭風》の写する所の男女の淫奔よりも更要過分なり。故に名を取りて「帷薄不修」と為す。内外を遮蔽するの帘帳すらも整粛せざるに至る。此の課を占得れば、家中に淫泆隠私・曖昧不清の事有るを主り、内室は先に礼法を失う。
如丁未日丑時辰將占,八專課遇天后入傳,名帷薄不修格。 亥陰 戌后 戌后 常 后 常 后 丑 戌 丑 戌 戌 未 戌 丁 申酉戌亥 未 子 午 丑 巳辰卯寅
丁未日に丑時に於て課を起す。所用の月将是れ辰なり。丁の寄宮も亦た未に在りて、日支未と同じく一位に居り、仍旧是れ八專なり。辰将は丑時に加わり、天盤は地盤より三位を進め、未宮の上面に戌を見る。故に第一課は戌が丁に加わり、第二課は丑が戌に加わり、第三課は戌が未に加わり、第四課は丑が戌に加わり、両両重復す。三伝を取るは陰日の逆数法を用いん。先に日支未の陰神を找す。未上是れ戌、戌上是れ丑にして、丑就中支の陰神なり。丑より本位を連ねて逆数三位して亥を得、亥を以て初伝と為し、中末両伝は皆干上の戌を重復す。三伝は亥・戌・戌にして、両個の戌は皆「天后」に乗ず。天后是れ専ら陰私を主るの女将にして、其れは三伝に落進すれば、此の一課便ち「帷薄不修格」と定められ、四課の上は則ち天后と「太常」(衣食・印綬と平和の事を主る)とが相間なり。
独足格
凡八專課逆數到日,中末相併,為獨足格。夫三傳皆歸一神,如路遙驛遞,無人傳送,獨展一足難行,故名獨足格。凡事不能動移,自己尤多費力,或中末傳皆空亦然也,惟利乘舟。
凡是れ八專課に、陰日の規矩に按じて逆数して日干の本位に回到し、中伝末伝が又た初伝と并りて同じ一個の字と成れば、就叫「独足格」なり。三伝の三個の字は全く一神の身上に帰す。好比路途遥遠にして本当に駅より接力伝遞すべきも、偏偏沿途に接手する人無く、只能く自己の単足に支えて往きて前に挪るが如し。故に名を取りて「独足」と為す。此の一課を占得れば、凡事は挪動する能わず、様様皆要して親力親為し格外に吃力せん。八專課の裡に中伝末伝が皆空亡上に落つるも、断法も亦た其れと一様なり。唯独自船に乗りて水路を走る是れ利有り。
如己未日未時酉將占,三傳皆日上神歸,為獨足格。 酉六 酉六 酉六 蛇 六 蛇 六 亥 酉 亥 酉 酉 未 酉 己 未申酉戌 午 亥 巳 子 辰卯寅丑
己未日に未時に於て課を起す。所用の月将は酉なり。己も亦た未に寄宮し、日支未と同位にして、四課は只両課を成すを得。酉将は未時に加わり、天盤は地盤より両位を進め、未宮の上面に酉を見る。于是第一課は酉が己に加わり、第二課は亥が酉に加わり、第三課は酉が未に加わり、第四課は亥が酉に加わる。四課の上下は克無し。陰日の法に依りて逆数す。日支未の陰神是れ亥にして、亥より本位を連ねて逆数三位して酉を得、恰好又た干上神酉に落回り、中末両伝も亦た一并に酉上に帰す。三伝は酉・酉・酉にして、一個の字が独りで三席を占め、全く一処に帰す。此れ就是れ「独足格」なり。三伝は皆「六合」に乗じ、四課の上是れ「螣蛇」(驚恐怪異を主る)と六合とが相間なり。此の課を占得れば、一切は動彈する能わず。
《訂訛》:八專,四課缺二,止有兩課,剋剋照常,以克、賊、比、涉等項論。干支同位,專聚一處,故名八專。占主二人同心,其利斷金,兵資眾捷,物失內尋。陽日尊長欺卑幼,主事超進迅速。陰日妻奴背夫主,主事退縮遲緩。占婚及進人口,主口舌分離。占憂喜事俱重疊。此課若逢龍常天乙吉將,及天月二德,則有同人協力,眾輕易舉之象也。
《訂訛》に曰く:八專課の四課は両課を缺き、実際に只両課を排出す。其の中若し相克有れば、仍お常規に照らして弁理し、「賊克」「比用」「渉害」の此れらの法則に按じて用神を取る。其れの課と成るの所以は、是れ日干の寄宮が日支と同じく一位に在るに因りて、両者は一処に専聚す。故に「八專」と叫ぶ。占断上:両人の同心協力・鋒利は以て金を断つに足るを主る。兵を用うるは能く衆人の勢を借りて取勝せん。東西は丟せば要して自家の内部に於て找せん。陽日に占すれば、是れ尊長の卑幼を欺圧し、事情の推進するは又快く又猛し。陰日に占すれば、是れ妻子僕役の丈夫主人を背棄し、事情は反って退縮遅緩す。婚事を占し或いは人口を招收するを占せば、口舌争執・終に分離に致るを主る。憂事喜事を占せば、皆會一重に接し一重に来らん。此の一課は若し「青龍」(財帛喜慶を主る)・「太常」・「天乙」の此れらの吉将に碰上し、又た天徳・月徳の二神を帯びれば、便ち是れ衆人の同心協力・軽を以て重を挙ぐるの気象なり。
帷簿不修,八專無克又無遙克,剛日從干之陽神連根順數第三位為用,柔日從支之陰神連根逆數第三位為用,中末俱重並干上。如甲寅日干之陽神亥,順數三位至丑,乃丑亥亥也。丁未日支之陰神卯,逆數三位至丑,乃丑巳巳也。八專之課,巳為尊卑共室,人宅不分矣。但有克者尚有制縛,不可以淫泆斷。獨此無克者,任順逆數去伸縮而用之,全無剋制防範,故名帷薄不修。占主外不隔內,不備事多重疊,憂喜再來,干涉婦人,久而反背。若後全元陰入傳,淫必矣。
所謂「帷簿不修」とは、是れ八專課の既に近克無く亦た遥克無きの情形を指す。此の時陽日は日干の陽神より算起し、本位を連ねて順数第三位を取りて初伝と作る。陰日は日支の陰神より算起し、本位を連ねて逆数第三位を取りて初伝と作る。中伝末伝は一律に干上神を重復す。例えば甲寅日は、干上の陽神是れ亥にして、順数三位して丑に到り、三伝就中丑・亥・亥なり。丁未日は、支の陰神是れ卯にして、逆数三位して丑に到り、三伝就中丑・巳・巳なり。八專課は本身は已に是れ尊卑の同居一室・人と宅と分彼此ならず。若し四課中に還って相克有れば、畢竟還って一層の約束制衡有りて、就中応に淫乱と断作すべからず。唯独自此の種の全く相克無きは、任憑順数逆数・伸縮取用、一点の克制防範も無し。所以才に「帷薄不修」と叫ぶ。占断上:外面は裡面を隔住する能わず、事情は既不周備又た層層重疊し、憂事喜事は反復再び来り、多く婦人に牽渉し、日子は一久なれば終帰反目す。若し天后・元武・太陰の几位の陰私の将が斉に三伝に入れば、那れ就中一定に淫乱の事有らん。
獨足,八專課內己未日未時酉將占,三傳皆日上酉酉酉。蓋三傳皆歸一處,如路遙驛遞,無人傳送,獨占一足難行,故名獨足。占主不能動移,極是費力,商賈不可行,占胎不成,遠行宜舟。此課外有八專中末傳皆空者亦如此斷。
所謂「独足」とは、指す所是れ八專課の裡の己未日の未時に酉将を用いるの此の一式の如く、三伝は全是れ干上神酉にして、酉・酉・酉の三個の字が重疊す。三伝は皆同一処に帰す。好比路途遥遠にして却て接力伝遞する人無く、只能く単足に支撐して而も前行し難きが如し。故に「独足」と叫ぶ。占断上:事情は挪動する能わず、什麼を做するも皆極めて費力す。行商買賣は出門するに宜からず。胎孕を占せば成形する能わざるを主る。遠行せんと要すれば只适合水路を走りて船に乗らん。此の外、八專課に中伝末伝が皆空亡に落つるも、亦た独足の此の様に照らして断ず。
《觀月經》:兩課無克名曰八專。日辰同一位,便是八專門。五日陰陽配,五日者,癸丑、甲寅、丁未、己未、庚申是也。三傳逆順存。陽來順數去,陰至逆行奔。凡八專兩課無克者,是剛日從日上之神順數三辰為用傳也。伏觀日辰上,中末此處論。
《観月経》に講ず:只両課を成して而又た克無きは、名は八專と曰う。日干の寄宮が日支と同じく一位に落つれば、就中八專の此の一道の門に進む。八專に够る上るは只有五個の日子にして、陰陽に按じて配対すれば、就中癸丑・甲寅・丁未・己未・庚申の此の五日なり。其の三伝は順数と逆数との両条の路に分かつ。陽日は順に数えて上去し、陰日は逆に数えて回来す。凡そ八專の両課に克無きは、陽日就中干上神より起りて、順数三辰して取りて初伝と作る。中伝末伝は必ずしも別に找すを須せず、仍旧頭を回して日干の上の那個の神を看、就在那裡に定む。
如陽日八專,庚申日亥將申時占,一課亥庚,二課寅亥,下二課俱同,無克,從申上亥順數三辰得丑為初傳,日辰上見亥為中末也。又如己未日亥時酉將占,一課酉己,二課亥酉,辰上二課同無克,從亥逆數三辰至酉,復以本日所得之神見酉為中末傳也,此課三酉,是獨腳課也。
陽日の八專を挙げて例と為す。庚申日に亥将を用いて申時に加えて課を起せば、庚は申に寄宮し、申上に亥を見、第一課是れ亥の庚に加わる。亥上に寅を見、第二課是れ寅の亥に加わる。下面の両課は上面と完全に一様にして、四課は皆相克せず。于是申上の亥より本位を連ねて順数三辰して丑を得、丑を以て初伝と為し、再び頭を回して日干の上の亥を看、就用いて其れを作りて中伝と末伝と為す。再び陰日を挙げて例と為す。己未日に酉将を用いて課を起せば、第一課は酉が己に加わり、第二課は亥が酉に加わり、日支の那辺の両課は之と相同にして、亦た相克せず。亥より逆数三辰して退きて酉に到り、再び本日の干上に得る所の酉を取りて中伝末伝に充当す。此の一課は三個の字は皆酉にして、就是れ所謂「独脚課」にして、也就是れ独足格なり。
奸邪驚怪起,淫慾亂乾坤。主陰罪是也,凶將自不教覺,吉將事不彰露,重審卦注也。逆到日辰上,三傳別起根。神仙隱秘法,此課少人溫。逆行三辰者,神仙隱秘之術,諸人錯用,不得明顯,術人少得溫尋,今已明之盡矣。
歌訣に又た曰く:八專を占得れば、奸邪の事と驚疑怪異とが一斉に冒出す。淫欲の心は天地の綱常を攪乱す。此処の指す所正是れ陰私の罪なり。凶将に乗ずれば、壊事は自然に瞞住する能わずして而も人に察覚せられん。吉将に乗ずれば、事情は還だ張揚敗露に至らず。詳細の推断は「重審課」の注解に参看すべし。至于伝を取るは、是れ逆数して日干の上に回到し、三伝は別に根脚を立つ。此の套の逆数の弁法は本是れ神仙隠秘の法にして、可惜很少に人の肯じて功夫を下し温習する有り。所謂逆行三辰は、正是れ此の種の隠秘の術にして、衆人は多半用錯し、講明白する能わず、術士も亦た人の反復研読する少有り。如今已に其れを説透せり。
《心鏡》:日值八專為兩課,陰陽並雜不分明。不修帷薄何存禮,夫妻占之總不宜。厭翳合門元武襲,天后為厭翳,六合是私門。初傳見此二神,或見元武,主淫亂之兆。嫂通於叔妹淫兄。人間密事難推測,元女留經鑑此情。傳見元武陰后主淫亂也。
《心鏡》に曰く:日干が八專に碰上すれば、四課は只両課を成し、陰陽は混雑して一塊に在りて分清楚する能わず。帷帳は修めず、哪裡に還って礼法を講じ得上に及ばん。夫妻二人が此の一課を占得すれば總帰不吉なり。所謂「厭翳」と「合門」とは、指す所是れ天后と六合なり。天后は厭翳と叫び、六合は私門と叫ぶ。初伝裡に此の両位の神を見、或いは元武を見れば、就是れ淫乱の征兆なり。厳重のは甚至りて嫂子が小叔と私通し妹妹が兄長と淫乱せん。人間の此の類の隠秘の事は本来最も推測し難し。幸いに九天玄女が経訣を留下し、以て此れに据りて実情を照見すべし。总之三伝中に元武・太陰・天后を見れば、皆淫乱を主る。
《袖中金》:帷薄,八專卦。干支共位,陰陽兩課,尊卑同處,人品不分,凡事憂喜再來,事干婦人。帷薄不修,多有不正也。支干共位,陰陽兩課,五日四辰,表裡拱於八極,故曰八專。尊卑共室,人倫不分也,又曰帷薄不修。內不隔而外不遏,事多重疊,憂喜再來,干涉婦人,久而反蔽,后合入傳,則男不知恥,女不知守,門牆生茨之兆也。
《袖中金》に曰く:帷薄は、就是れ八專卦なり。日干と日支とが同じく一位を占し、陰陽は只両課を成し、尊長と卑幼とが同じく一室に処り、人の品級は高下を分出する能わず。凡事は憂喜反復再び来り、多く婦人と関有り。帷帳の整粛せざるは、往往是れ行為不端の表現なり。干支は既然共に一位に居り只陰陽両課を成せば、条件に符合するの五個の日子の四面の辰位は、表裡相拱して而も八方に通ず。故に「八專」と称作す。尊卑は共に一室に処り人倫は分別を失う。因而又た「帷薄不修」と叫ぶ。其の病は内は既不隔し外は又不防に在り、事情は層層重疊し、憂喜は一再に重來し、婦人の身上に牽扯し、時間久しければ反って彼此遮掩せん。若し天后・六合が再び三伝に進入せば、那れ就是れ男的は羞恥を知らず女的は本分を守らず、正に《詩経》の説く所の墻内に蒺藜を長じ家醜は掃除し難きの兆頭に応ず。
《指要》:八專日順逆數為用者,曰帷簿不修,名為蕪淫卦。蓋日辰一位而無別,奸邪之所由生。凡占遇之多主不正,又不能分析,須當以存心正大。若占婚及進人口,當有口舌離別之兆。尤忌太陰六合臨日辰。凡有所占,只於日辰上神將決之無不應也。
《指要》に曰く:八專の日子に順数逆数を用いて以て初伝を取るを、叫作「帷簿不修」、も亦た「蕪淫卦」と称す。日干日支が同じく一位を占して而も毫も分別無きに因りて、奸邪就中此処より生出すなり。凡是れ占問して其れに碰上すれば、多半は事情の不正当・又た難く頭緒を理清するを主り、占者は自己は必ず心を正大に存して才に好し。若し婚姻或いは人口を招收するを占せば、會有口舌争執・終に離散に至るの征兆あらん。尤其に「太陰」「六合」の両将が日干日支の上に臨むを忌諱す。凡そ占問する所有れば、只要就中日干日支の上面の神と将と来りて決断せば、応験せざる無し。
《曾門》:一神二神,陰陽共焉。日辰重之,惟用二神。陰陽不克,逆順數之。數至三辰,上神為用。中末二傳,日上神當。此之時,內亂淫泆,父子同妻,姑嫂共夫。定章曰,此謂日辰合為一神,陰陽不相剋,剛日從陽,順數至三神。柔日從陰,逆數至三神,中末在日上,名曰八專,主父子同妻,姑嫂共夫,尊卑不分也。
《曽門》に曰く:一神也好・二神也好、陰と陽とが皆共に同一宮に処在す。日干日支は既然重疊せば、就中只両課両神を用出すを得。陰陽の間が相克せざるの時は、便ち順数或いは逆数に按じて去りて推せん。第三辰に数え到り、那の一位の上神を取りて初伝と作る。中伝末伝の両位は、皆日干上神に由りて充当す。此の時候に占到れば、家内の混乱淫泆を主り、甚至りて父子が一妻を共にし姑嫂が一夫を共にせん。《定章》の解釈して曰く:此れ是れ日干と日支とが合して一神と為り、陰陽は互いに相克せず、陽日は陽の一辺より順数して第三神に到り、陰日は陰の一辺より逆数して第三神に到り、中末両伝は皆日干上神に落つるを講ずるなり。此れ就中「八專」と叫び、父子の同妻・姑嫂の共夫・尊卑は全く分別無きを主る。
伏吟課
凡課月將加時,十二神各居本宮,取神剋日為用,曰伏吟。如子加子之類,則以神剋日干為初傳,取刑為中末傳。此六癸日初傳丑,中戌,末傳未是也。其天地神自居本家,日辰陰陽伏而不動,自相剋賊,獨隱呻吟,故名伏吟。占事靜中有動,統艮之體,守舊待新之課也。
凡是れ月将が占時の上に加わりて、恰好将と時とが相同なれば、十二天神は便ち各自己が本宮に壓して而も動かず。此の時は日干を克するの那個の神を取りて作りて初伝と為す。就中「伏吟」と叫ぶ。子将の子時に加わるの類の如く皆是れ如此なり。先ず日干を克するの神を以て初伝と為し、再び三刑に按じて中伝と末伝とを取る。六個の癸日就是れ此の様にして、初伝丑・中伝戌・末伝未なり。天盤地盤の神は各々自家門戸に帰り、日干日支の陰陽は皆伏して動かず、只能く自己と自己とが相克相賊し、独りで声を壓して呻吟す。故に名を取りて「伏吟」と為す。事を占す是れ静裡に動を含み、象を《周易》の艮卦に取り、旧局面を守りて新機を待つの一課に属す。
象曰:“科舉高中,求名榮歸。病憂土怪,訟爭田廬。春冬災淺,秋夏勢危。律身謹慎,動作無虞”。如春占木旺能克土鬼,冬令水旺不畏土克,季憂土鬼乘旺氣,至秋鬼為崇,更乘凶將,其勢危也,當應艮九三“危厲,熏心”凶象。或天馬、天喜、恩德吉神入傳,日辰旺相,科舉主中魁,求官職等事,則應上九“敦艮”吉象也。
象辞に曰く:応試は以て高中すべく、功名を求取すれば能く栄耀して而も帰らん。病生ずれば要して土神の作怪するを耽心し、官司を打てば多く田地房舎より為りて起る。春天冬天に占すれば災禍較軽く、秋天夏天に占せば勢頭就中危険なり。只要自身を約束し行事謹慎すれば、一挙一動皆閃失有る能わず。此れ是れ春天に占すれば木気正に旺にして能く土鬼を克制し、冬天は水旺にして亦た土の来りて相克するを怕れず。辰戌丑未の此の四個の季月に到れば、就中応に土鬼の旺気に乗ずるを憂慮すべし。秋に入るを等てば、鬼神就更に作祟し、若し再び凶将に乗上せば、形勢便ち很た凶険にして、正に艮卦の九三の「厲にして心を薰す」の那种の危迫熏心の凶象に応ず。反って、若し「天馬」「天喜」「恩徳」の此れらの吉神が三伝に進入し、日干日支が又た旺相に当たれば、那れ么応試は奪魁を主り、官を求め職を謀るの類も亦た皆順遂にして、正に艮卦の上九の「敦艮」の吉象に応ず。
如癸丑日午時午將占,日上神丑加癸用,為伏吟課。 丑勾 戌白 未陰 勾 勾 勾 勾 丑 丑 丑 丑 丑 丑 丑 癸 巳午未申 辰 酉 卯 戌 寅丑子亥
癸丑日に午時に於て課を起す。月将も亦た是れ午にして、将と時とが相同にして、加え上去したる後に天盤十二神は各自本宮に壓して動かず。此れ就是れ伏吟なり。癸の寄宮は丑に在り、丑上は仍旧是れ丑にして、丑は土に属し、能く癸水を克す。正是れ「神が日干を克す」なり。于是丑を取りて初伝と為す。中末両伝は三刑に按じて推排す。丑は戌を刑し、戌を取りて中伝と為す。戌は未を刑し、未を取りて末伝と為す。三伝は丑・戌・未にして、此れ正是れ六個の癸日の伏吟の固定格局なり。初伝丑は「勾陳」(争闘・田土と遅滞とを主る)に乗り、中伝戌は「白虎」に乗り、末伝未は「太陰」に乗ず。四課の上下は全是れ丑にして、天将も亦た一色に皆是れ勾陳なり。見る可く整個の課体は紋絲も動かず。
自任格
凡伏吟課無克,剛日自以日神為用,曰自任格。剛者陽也,日辰陰陽各居本家,並無相剋。如甲日自用寅,三傳寅巳申;丙戊日自用巳,三傳巳申寅;庚日自用申,三傳申寅巳。然自任未免強暴用刑,故以刑為中末傳。此天地神不動不克,無所取,擇自任己之剛進用於時,故名自任。占者自強出頭,此當閉塞,為柔順吉而事可成。
凡そ伏吟課に四課皆相克せず、陽日に遇上せば、就中径りに日干の寄宮の神を取りて作りて初伝と為す。此れを「自任格」と叫ぶ。所謂剛とは、就是れ陽なり。日干日支の陰陽は各々自家本位に帰り、彼此は毫も克伐無し。譬如甲日は自用に寅を用い、三伝是れ寅・巳・申なり。丙日戊日は自用に巳を用い、三伝是れ巳・申・寅なり。庚日は自用に申を用い、三伝是れ申・寅・巳なり。不過既然凡事は自己に担當せば、難免強を用い刑を用いるを要す。故に中伝末伝は皆三刑に按じて下に往きて推す。此の一課は天地の神は既不動又た不克にして、実在に別の取る可き無し。只好己が剛強の一面を挑み、時勢に乗じて自行担當す。因此に名を取りて「自任」と為す。占者は往往自ら其の強を逞し出頭露面するも、可なり眼下正是れ閉塞収斂すべく、唯有柔順にして静を守れば才に吉利にして、事情才に弁成を得ん。
象曰:“任己剛暴,必成過愆。行人近至,逃亡眼前。胎孕啞聾,禍患留連。干謁不出,株守吉言”。如甲日春占,丙戊日夏占,庚日秋占,三刑全有氣無克,傳逢驛馬劫煞,主守己待時,或不獲已而動,亦動中有成,則應吉象。惟庚寅日三傳申寅巳,末太乙為勾陳刑剋日干,非秋占者多凶象也。餘詳神將吉凶推之。
象辞に曰く:一味に自己の剛強暴烈に任凭すれば、必定に過失を招来せん。出門の人は不久に到り、逃亡の人も亦た眼前に在り。胎孕を占せば喑唖耳聾の児を生下するを怕れ、禍患は纏綿して去らず。去りて権貴に求見せんと想うも門を出る能わず。還是れ本分を守るを吉と為す。甲日に於て春天に占し・丙日戊日に於て夏天に占し・庚日に於て秋天に占するが象は、三刑斉備にして而も各々旺気を得、四課又た克無く、三伝に再び「駅馬」「劫煞」に遇上せば、自己を守住し時機を静候するを主る。即便不得已にして動くを要するも、動中も亦た能く事を成さん。正に上面の吉象に応ず。唯独自庚寅日の三伝申・寅・巳は、末伝巳(即ち「太乙」)は勾陳に乗じ、又た刑し又た日干庚金を克す。若し是れ秋天に占するに非ざれば、多半凶象に応ず。其余の情形は、就中各神各将の吉凶に按じて去りて推断す。
如丙辰日申時申將占,伏吟無克,剛日以巳為用,曰自任格。 巳空 申元 寅六 青 青 空 空 辰 辰 巳 巳 辰 辰 巳 丙 巳午未申 辰 酉 卯 戌 寅丑子亥
丙辰日に申時に於て課を起す。月将も亦た是れ申にして、将時相同にして、天盤は本宮に壓回し、仍だ是れ伏吟なり。丙は巳に寄宮し、巳上は還是れ巳。日支辰上は還是れ辰にして、四課の上下は皆相克せず。丙は陽日に属す。便ち径に干上神巳を取りて初伝と作る。此れ就是れ自任格なり。中末は三刑に按じて推す。巳は申を刑し申を取りて中伝と為し、申は寅を刑し寅を取りて末伝と為す。三伝は巳・申・寅なり。初伝巳は「天空」(虚詐不実を主る)に乗り、中伝申は「元武」に乗り、末伝寅は「六合」に乗ず。第一・二課の巳は皆天空に乗り、第三・四課の辰は皆「青龍」に乗ず。
自信格
凡伏吟無克,柔日以支神為用,曰自信格。柔者陰也,天地神不動不克,如丁巳、辛巳、己巳,自用巳,三傳巳申寅;丁丑、辛丑、己丑用丑,三傳丑戌未;丁未、辛未、己未用未,三傳未丑戌,此自信其己之柔進用於人,故名自信。凡事不能動身,家宅不寧之體也。
凡そ伏吟課に四課に克無く、陰日に遇上せば、就中日支上神を取りて初伝と作る。此れを「自信格」と叫ぶ。所謂柔とは、就是れ陰なり。天盤地盤の神は既に移動せず亦た相克せず。譬如丁巳・辛巳・己巳の三日は自用に巳を用い、三伝是れ巳・申・寅なり。丁丑・辛丑・己丑の三日は丑を用い、三伝是れ丑・戌・未なり。丁未・辛未・己未の三日は未を用い、三伝是れ未・丑・戌なり。此れ是れ自己が自身の柔弱の一面を信頼し、其れを拿りて去りて別人に応付す。故に名を取りて「自信」と為す。此の課を占得れば、凡事皆身を動かす能わず、是れ家宅の安寧を得ざるの格局なり。
象曰:“潛藏伏匿,身不自由。逃亡近覓,盜賊內搜。病人喑啞,行者淹留。檢身謹恪,無不優悠”。如三刑全有氣,主不獲己協動事,四季全爭訟及田土事。日用休囚,神將凶,則主凶象。日用旺相,神將吉,則有吉象也。
象辞に曰く:一切は潜蔵隠匿し、人身は自ら由ず。逃亡の人を找すれば就近処に於て尋ね、盗賊を捉えれば要して自家の裡頭に往きて搜せん。病人は多く喑唖にして言う難く、路を行く人は滞留して帰り難し。只要自身を検点し恭謹にして慎を守れば、従容安泰せざる無し。若し三刑斉全にして而も皆旺気を得れば、人に牽かれ不得已にして人と共同行動するを須とするを主る。若し三伝の辰戌丑未の四個の季神が斉備せば、争訟および田地屋宅の事を主る。日干と初伝とが若し休囚の地に処り、神将又た凶なれば、就中凶象に応ず。日干と初伝とが旺相にして、神将又た吉なれば、便ち是れ吉象なり。
假如丁丑日未時未將占,伏吟無克,柔日用丑,為自信格。 丑朱 戌后 未常 朱 朱 常 常 丑 丑 未 未 巳 午 未 申 丑丑未丁 辰 酉 卯 戌 寅丑子亥
再看て丁丑日に未時に於て課を起せば、月将も亦た是れ未にして、将時相同にして、天盤は動かず、是れ伏吟なり。丁は未に寄宮し、未上は仍だ是れ未。日支丑上は仍だ是れ丑にして、四課は克無し。丁は陰日に属す。便ち日支上神丑を取りて初伝と作る。此れ就是れ自信格なり。中末は三刑に按じて推す。丑は戌を刑して中伝と為し、戌は未を刑して末伝と為す。三伝は丑・戌・未なり。初伝丑は「朱雀」(文書・口舌と火燭とを主る)に乗り、中伝戌は「天后」に乗り、末伝未は「太常」に乗ず。干上両課の未は皆太常に乗り、支上両課の丑は皆朱雀に乗ず。原刻の此の式は地盤上排と第三行四課の下神とを錯列して一処に在り。読む時は課式に依りて還元すれば即可なり。
杜伝格
凡伏吟用起自刑之神,傳行杜塞,為杜傳格。蓋用日則終投於辰,用辰則終投日。次傳復自刑,以沖為末傳。次傳非自刑,以刑為末傳。如壬辰日三傳亥辰戌,壬午日三傳亥午子,乙亥日三傳辰亥巳,乙酉日三傳辰酉卯,皆初傳用日自刑,中傳用辰。次傳支又自刑,取沖為末也。
凡そ伏吟課の初伝が一個の自刑の神に起れば、三伝を推し下去すれば便ち走通せず。此れ就中「杜伝格」と叫ぶ。其の規矩是れ、初伝が日干より取自すれば、末了就中必ず日支に落ち、初伝が日支より取自すれば、末了就中必ず日干に落回る。若し中伝が又た是れ自刑の神なれば、就中改めて其の对冲を取りて末伝と作る。若し中伝が是れ自刑に非ざれば、仍お三刑に按じて末伝を取る。例えば壬辰日の三伝亥・辰・戌、壬午日の三伝亥・午・子、乙亥日の三伝辰・亥・巳、乙酉日の三伝辰・酉・卯、此の几例は皆是れ初伝が日干寄宮を取りて而も恰逢自刑して、中伝便ち転じて日支を取る。其の中日支本身が又た自刑するは、末伝就中其の对冲を取る。
丁卯、己卯、辛卯日卯子午,皆柔日用辰,取卯支刑子為中傳,子卯兩刑,不復再傳,以子沖午為末傳也。壬申日亥申寅、壬戌日亥戌未,壬子日亥子卯,壬寅日亥寅巳,乙丑日辰丑戌,乙未日辰未丑,乙巳日辰巳申,乙卯日辰卯子,皆用日自刑,中傳支辰,以刑為末傳也。丁酉、己酉酉未丑,辛酉酉戌未,丁亥、己亥亥未丑,辛亥亥戌未,皆用支辰自刑,中傳用日,及日刑為末傳也。蓋用起辰午酉亥自刑,傳刑杜塞,故名杜傳。占事中止,改求則可成也。
丁卯・己卯・辛卯の三日の三伝是れ卯・子・午にして、皆陰日に日支を取りて初伝と為し、卯は子を刑し子を取りて中伝と作るが因なり。子と卯とは互いに刑し、刑して此処に到れば就中推し下去る能わず。只好子の对冲午を取りて末伝と作る。壬申日の三伝亥・申・寅、壬戌日の亥・戌・未、壬子日の亥・子・卯、壬寅日の亥・寅・巳、乙丑日の辰・丑・戌、乙未日の辰・未・丑、乙巳日の辰・巳・申、乙卯日の辰・卯・子、此れらは皆是れ初伝が日干寄宮を取りて而も自刑し、中伝は転じて日支を用い、末伝は再び三刑に按じて取る。丁酉・己酉の両日の三伝酉・未・丑、辛酉日の酉・戌・未、丁亥・己亥の両日の亥・未・丑、辛亥日の亥・戌・未、此れら是れ初伝が日支を取りて而も自刑し、中伝は転じて日干を用い、末伝は日干の刑する所の神を取る。总之、凡そ初伝が辰・午・酉・亥の此の四個の自刑の位に起れば、三伝は一路に刑に堵さえられ。故に「杜伝」と叫ぶ。事を占すは中途に頓停し、方向を改換して去りて謀求すれば反って能く成るを主る。
象曰:“居者將移,合者將離。道由中止,事宜改為。傳陽人至,傳陰未歸。占人求物,不出庭除”。如將乘龍常貴人,身吉坐而獲喜。見虎合二馬,靜中有動,人信到門。見勾陳沉屈不伸,動止稽留。見太陰,陰私難明。見天空,主虛詐。見六合孟神,傳陽生男子,或子午全,則主道路及望信事。卯酉全,主門戶事。四季全,主爭訟田產事。四孟全,主不獲已與人協動事。日用旺相有吉象。
象辞に曰く:住む人は將に遷移せんとし、合伙の人は將に分離せんとす。路は半途に走到して便ち中止し、事情は応に弁法を換えて去りて做すべし。三伝が陽に属せば則ち行人已に到り、三伝が陰に属せば則ち行人は還だ回来せず。人を占す也好・物を尋ねる也好、皆自家庭院を出る能わず。天将の方面:「青龍」「太常」「貴人」に乗ずれば、本人は平安にして、坐りて就中喜事の門に上る有り。「白虎」「六合」を見て再び天馬・駅馬の両馬を帯びれば、静中に動を含み、人信は門口に送到せん。「勾陳」を見れば、則ち沈滞屈抑して伸展し開く能わず、動静は皆拖住せらる。「太陰」を見れば、陰私の事は查明し難し。「天空」を見れば、虚言詐偽を主る。若し六合が寅申巳亥の四孟の神の上に乗じ、三伝が又た陽に属せば、男孩を生ずるを主る。三伝の子午が斉全なれば、道路往来と音信を盼望するの事を主る。卯酉斉全なれば、門戸の事を主る。辰戌丑未の四季斉全なれば、争訟と田産の事を主る。寅申巳亥の四孟斉全なれば、不得已にして人に牽かれて一同に行動するを主る。日干と初伝とが若し旺相に当たれば、便ち吉象有らん。
假如壬辰日酉時酉將占,剛日用自刑,中傳支辰,又自刑,取沖戌為末傳,曰杜傳格。 亥空 辰蛇 戌白 蛇 蛇 空 空 辰 辰 亥 亥 辰 辰 亥 壬 巳午未申 辰 酉 卯 戌 寅丑子亥
壬辰日に酉時に於て課を起す。月将も亦た是れ酉にして、将時相同にして、天盤は動かず、是れ伏吟なり。壬は亥に寄宮し、亥上は還是れ亥。日支辰上は還是れ辰にして、四課は克無し。壬は陽日に属す。本当に干上神亥を取りて初伝と為すべきも、偏偏亥是れ自刑の神にして、推し下去る能わず。于是中伝は改めて日支辰を取る。辰は又た是れ自刑にして、末伝は只好辰の对冲戌を取る。三伝は亥・辰・戌にして、正是れ杜伝格なり。初伝亥は「天空」に乗り、中伝辰は「螣蛇」に乗り、末伝戌は「白虎」に乗ず。干上両課の亥は天空に乗り、支上両課の辰は螣蛇に乗ず。
《訂訛》:伏吟,十二神各居本位,如子加子、丑加丑之類。有克以克者為用,中取初傳所刑,末取中傳所刑。蓋俯伏本家不能變動,只有呻吟愁嘆而已,故名伏吟。占主屈不得伸,靜中思動。
《訂訛》に曰く:伏吟は、是れ十二天神が各自自己が本位の上に停るにして、子の子に加わり丑の丑に加わるの此の一類の象なり。四課中に若し相克有れば、就中相克するの那一位を取りて初伝と作る。中伝は初伝の刑する所の神を取り、末伝は中伝の刑する所の神を取る。整個の課体は自家門戸の裡に俯伏して動彈する能わず、只剩下呻吟愁嘆而已。故に「伏吟」と叫ぶ。占断上は屈抑して伸展する能わざるを主り、静守の中に却て又た心思の思動す。
自任者,伏吟課陽日無克,取干上神為用,中末傳取刑。蓋天地鬼神不動不克無所取,擇自任其己之剛進用於時,故名自任。占主自強出頭而當閉塞,惟柔順守靜吉而事成也。若任己過剛,必成愆咎。行人立至,然亦本家暫出之人,原非遠也。失物逃亡,俱不遠。胎孕啞聾,禍患流連。病主不語而呻吟,淹滯歲月,干謁不出。此課如甲日春占,丙日夏占,庚日秋占,壬日冬占,三刑有氣無克,傳逢驛馬,或不得已而動,亦動中有成也。
所謂「自任」とは、是れ伏吟課が陽日に在りて又た相克無く、日干上神を取りて初伝と作り、中末両伝は三刑に按じて推す。天地鬼神は既不動又た不克にして、別に取る可き無し。只好己が剛強の一面を挑み時に乗じて自任す。故に自任と叫ぶ。占断上は強を逞しく頭を出すを主るも、可なり時運は正に閉塞に当たり、唯有柔順にして静を守れば才に吉利にして事情才に弁成を得ん。若し一味に強を恃めば、必定に過失を招来せん。出門の人は立刻就到すも、不過那れ也只是れ暫時家を離るるの自己人にして、本来就中走る遠からず。失物と逃亡の人も、亦た皆遠去せざらん。胎孕を占せば唖児聾児を生ずるを怕れ、禍患は綿延不断なり。病を占せば病人は説話せず只呻吟するを主り、拖延して経年す。去りて権貴に干謁せんと想うも門を出る能わず。此の一課は如果是れ甲日に於て春天に占し・丙日に於て夏天に占し・庚日に於て秋天に占し・壬日に於て冬天に占し、三刑は気を得て而も四課は克無く、三伝は又た駅馬に遇えば、即便不得已にして動くを要するも、動中も亦た能く事を成さん。
自信者,伏吟課陰日無克,取支上神為用,中末傳取刑,自信其在己之柔而自用,故名自信。占主不能動身,乃家宅不寧之兆。此課與自任課占病產盜逃俱同,訟獄俱主土田,關梁俱主杜塞,惟行人則自任立至,自信難期。出行則自任欲行中止,自信潛藏不出。若有丁馬俱可言動。
所謂「自信」とは、是れ伏吟課が陰日に在りて又た相克無く、日支上神を取りて初伝と作り、中末両伝は三刑に按じて推す。此れ是れ自身の柔順の一面を信頼して而も自行取用す。故に自信と叫ぶ。占断上は身を動かす能わざるを主り、是れ家宅不寧の征兆なり。此の一課は疾病・産育・盗賊・逃亡の几項を占する上に於て自任課の判法と相同なり。打官司すれば皆田土の争を主り、関隘橋梁を問えば皆堵塞不通を主る。差別は行人の一項に在り。自任課は人の立刻就到を主り、自信課は則ち帰期定め難し。出行の一項は、自任課是れ想いて走らんとして而も中途に作罢し、自信課是れ索性に潜伏して出でず。若し課中に「丁神」或いは駅馬有れば、両課就中皆能く動くと断ずべし。
杜傳者,伏吟課發用干自刑,則次傳取支;發用支自刑,則次傳取干。次傳非自刑,末傳仍取刑。次傳復自刑,則末傳取沖,蓋傳行杜塞,故名杜傳。占主事中止,改圖則可成。
所謂「杜伝」とは、是れ伏吟課の初伝が日干寄宮を取りて而も恰逢自刑し、中伝便ち改めて日支を取る。或いは初伝が日支を取りて而も自刑し、中伝便ち改めて日干を取る。中伝が若是れ自刑の神に非ざれば、末伝は仍お三刑に按じて取る。中伝が若し又た是れ自刑なれば、末伝就中其の对冲を取る。三伝は一路に刑に堵せられ走通せず。故に「杜伝」と叫ぶ。占断上は事情の半途に中止し・別個に図謀を換えれば反って弁成を得るを主る。
《觀月經》:自任卦,剛日伏吟,名隔山照水。天地伏吟卦,陰陽歸本家。十二神將各歸本家,如子加子、丑加丑是也。剛以日來用,刑處作中涯。剛日取日為用。如甲用寅、丙戊用巳、庚日用申、壬日用亥為初傳,刑處為中傳也。末在刑沖處,三傳立爪牙。中傳刑處為末傳,若遇自刑,更用沖處也。居者將離析,逃亡路不遐。剛日伏吟自任,主家中不寧,的有哭泣,定主分離之事,若占逃亡不遠也。
《観月経》に自任卦を講ず。陽日の伏吟就中其れなり。別名は「隔山照水」と曰う。歌訣に曰く、天地皆伏吟の卦は、陰陽は各々本家に帰す。就中十二天神が各自自己の宮位に回到し、子の子に加わり丑の丑に加わるの那様なり。「剛は日を以て来りて用い、刑処を作りて中涯と為す」とは、是れ陽日に日干寄宮の神を取りて初伝と作るを説き、甲日に寅を用い・丙日戊日に巳を用い・庚日に申を用い・壬日に亥を用いるが如く、再び其の刑する所の処を取りて中伝と作る。「末は刑冲の処に在り、三伝は爪牙を立つ」とは、是れ中伝の刑する所の処就中末伝を説く。若し中伝が自刑に碰上せば、就中改めて其の对冲を用う。「居る者は將に離析せんとし、逃亡は路遐ならず」とは、是れ陽日の伏吟自任が家中の安寧を得ざるを主り、確か會有哭泣し、一定に分離の事有らんを説く。若し逃亡を占せば、人は跑ること并びて遠からず。
自信卦,柔日伏吟。自信伏吟體,同前分兩者。六辰柔日用,柔日用辰為初傳,巳酉丑亥卯未是也。刑處作中程。末在刑沖處,以初傳刑處為中傳,中傳刑處為末傳。中傳自刑以沖處為末傳也。假令丑日丑為初傳,丑刑戌為中傳,戌刑未為末傳。三傳為兄弟。忽然值惡將,破散別離情。值惡將者,主破散、哭泣、逃亡、離別之兆也。剛日刑中正,柔日宅內驚。剛日伏吟卦欲刑中正,柔日伏吟卦主家宅動搖不寧也。
再び自信卦を講ず。就中陰日の伏吟なり。歌訣に曰く、自信と伏吟とは同じく一体に属し、只是れ剛柔に按じて両路に分かつ。「六辰は柔日に用う」とは、是れ陰日に日支上神を取りて初伝と作るを説き、也就是れ巳・酉・丑・亥・卯・未の此の六支なり。「刑処を作りて中程と為し、末は刑冲の処に在り」とは、是れ初伝の刑する所の神を取りて中伝と作り、中伝の刑する所の神を末伝と作るを説く。若し中伝本身が自刑せば、就中改めて其の对冲を取りて末伝と作る。譬如丑日は丑を以て初伝と為し、丑は戌を刑して中伝戌を得、戌は未を刑して末伝未を得ん。三伝は兄弟の相续くが如同なり。一旦悪将に遇上せば、就中破敗離散の情形有らん。凡そ悪将に乗ずるは、破散・哭泣・逃亡・別離の征兆を主る。「剛日は刑中正、柔日は宅内驚」とは、是れ陽日の伏吟卦が刑の端正を得るを講究し、陰日の伏吟卦は則ち家宅の動揺して安寧を得ざるを主るを説く。
《心鏡》:任信伏吟神,行人立到門。失物家內盜,逃者隱鄉鄰。病合難言語,占胎聾啞人。訪人藏不出,行者卻回輪。
《心鏡》に曰く:自任・自信の此の両種の伏吟課は、行人を占せば立刻家門に到るを主る。失物を占せば是れ自家の裡頭に人の偸する有り。逃亡を占せば、人就中郷里鄰舍の間に蔵る。疾病を占せば、病人は多半話を説き出す能わず。胎孕を占せば、耳聾口唖の孩子を生下するを怕れよ。去りて人を拜訪すれば、対方は躲れて肯じて出面せず。已に出門したる人も、亦た會折返回来せん。
《袖中金》:伏吟,支干各居其位,日辰只有兩課,用刑以起傳。剛日自任,柔日自信,占事靜則宜,動則滯,藏匿不動之象。主事屈不得伸,靜中鬼動,且藏伏而呻吟,豈能已哉。考用見日則舍陰,用辰則舍陽,故天地不備,陰陽獨彰,實為不足之體。
《袖中金》に曰く:伏吟課の裡に日支日干は各々本位を守り、日干日支の両辺は只両課を排し得、全靠三刑に以て三伝を起す。陽日は自任に走り、陰日は自信に走る。事を占すは静に宜しく動に宜からず、一動すれば就中滞塞す。是れ藏匿して動かざるの気象なり。事情の屈抑して而も伸展し開く能わざるを主り、安静の中に鬼祟が暗動し、人は只能く蔵伏して呻吟し、哪裡に停得下来せんや。細かに其の取用の法を究むれば、初伝が日干を取れば便ち陰の一辺を舍て、日支を取れば便ち陽の一辺を舍つ。故に天地両盤は能く兼備せず、陰陽は只有一面の独顕なり。実在是れ一個の残缺不足の課体なり。
然有克無克,三刑自刑,至於六乙日財多害己,六癸日否極泰來,六甲丙庚有祿有馬,六戊日有三奇,六壬日自刑,壬辰、壬午重犯,壬申日不為空亡,丁巳、辛日用支無德。陽日先刑後沖以見伏外,陰日刑害破沖以見伏內,皆是刑中有害,破中有合,凶中有吉,禍福倚伏,不可一概而推,更有助刑戕德,歲月、日辰、沖破、空亡,全在五行德、馬、天官、神煞、刑沖破害,詳之可也。
然而同じく伏吟なりとも、克有りと克無きとは不同なり、三刑と自刑とも亦た不同なり。六個の乙日は財多くして反って己を害するを主り、六個の癸日は否極まりて泰来るを主り、六個の甲日・丙日・庚日は各々禄神と駅馬の凭る可き有り、六個の戊日は三奇を帯び、六個の壬日は則ち自刑を犯し、其の中壬辰・壬午の両日は更是れ重犯にして、壬申日は空亡と論作せず、丁巳日と諸辛日は日支を取りて用と為すも却て徳神を得る能わず。陽日是れ先に刑を受けて而も後に冲に逢い、伏して外頭に顕出す。陰日是れ刑・害・破・冲が交錯し、伏して裡頭に顕出す。此れら皆是れ刑裡に害を帯び・破裡に合を含み・凶裡に吉を蔵し、禍福は彼此依倚す。能く一概に論ずる能わず。此の外還って刑を助け徳を傷るの情形、および太歳・月建・日干日支・冲破・空亡等等有り、全都要して五行の徳神・駅馬・天官と各种の神煞とに合着し、および刑冲破害を一并に細看して、才に推得准ならん。
《指要》:自任自信,天地如一,隱伏未發之象。靜則宜,動則滯。一雲主事藏匿不動,靜中求勞,有屈不得伸之象。失物不遠,訪人不出,病主不言語而呻吟。《心鏡》云:行人立至門者,是本家暫出之人,非遠行人至也。陽日尚可言立歸,陰日則難期矣。蓋所主皆遲也。
《指要》に曰く:自任・自信の両格は、天盤地盤は完全に重合し、是れ隠伏して而も未だ発動せざるの気象なり。静に宜しく動に宜からず、一動すれば就中遅滞す。又一種の説法:事情の藏匿して動かず・静守の中に反って心を労するを須とし・屈抑して伸展する能わざるの象有るを主る。失物は近処に落ち、人を訪ねれば対方は肯じて露面せず、病を占せば病人は説話せず只是れ呻吟するを主る。《心鏡》に行人立刻門に到ると説くは、指す所是れ暫時家を離るるの自己人にして、并びて是れ遠行在外の人の回来に非ず。陽日は還って立刻回来と説く可く、陰日就中帰期を定め難し。总之此の一課の主る所の事は、皆遅緩に偏す。
返吟課
凡課十二神各居沖位,取相剋為用,曰返吟課。蓋諸神返其位,坎離交易,震兌互換,日辰陰陽往來克賊,反覆呻吟,故名返吟。凡占來者思去,離者思歸,得失未可一定,惟有利復舊事。統震之體,重重震驚之課也。
凡是れ課を起すの時に十二天神が皆本宮と相冲するの位置に落つれば、就中上下相克の一位を取りて初伝と作る。此れを「返吟課」と叫ぶ。其の成因是れ月将が占時と六位を相冲し、諸神は一斉に対面に翻到す。北方坎位と南方離位とは対調し、東方震位と西方兌位とは互換し、日干日支の陰陽は来回に克伐し、翻来覆去に呻吟す。故に名を取りて「返吟」と為す。凡そ此の課を占得すれば、来る人は走らんと想い、走る人は回らんと想い、得と失とは還だ定め下る能わず。唯独旧に復し旧業を重理する是れ利有り。其れは象を《周易》の震卦に取り、是一重に接し一重に驚を受くるの課体なり。
象曰:“高岸為谷,深谷為陵。得物乃失,敗物反成。安營離散,出陣虛驚。得生於外,害人自承”。如巳亥巳返吟,多主改動取索,財物文章事。卯酉卯,占家宅門戶道路事。寅申寅,占遠行移動爭訟事。遇凶神凶將,主損失,雖動無益,有重重驚惱,則應六五“往來,厲億”凶象。遇吉神將,主赴省求恩,轉官之喜,則應初九“笑言啞啞”吉象也。
象辞は《詩経》の話を借りて曰く:高き堤岸は深谷と変じ、深谷は又た山陵に隆る。到手したるの東西は反って失掉し、眼看て敗せんとするの事は反って成る。寨を安下する會は離散し、陣勢を擺開する會は虚驚す。生機は外面より得来し、禍害は却て要して自己に担當せん。具体に分別す。三伝是れ巳・亥・巳の返吟は、多く変動・催討と財物文書の事を主る。三伝卯・酉・卯は、家宅・門戸・道路の事を占す。三伝寅・申・寅は、遠行・遷動と争訟の事を占す。若し凶神凶将に遇えば、損失有るを主り、雖も動くも亦た益処無く、還會一重に接し一重に驚擾煩悩せん。正に震卦の六五の「震往来厲」の那种の往来危迫の凶象に応ず。若し吉神吉将に遇えば、京師に赴きて恩沢を求め・転遷官職の喜有るを主り、正に震卦の初九の「後に笑言唖唖」の吉象に応ず。
如庚戌日寅時申將占,十二神各居沖位,為返吟格。 寅白 申蛇 寅白 六 元 蛇 白 戌 辰 申 寅 辰 戌 寅 庚 亥子丑寅 戌 卯 酉 辰 申未午巳
庚戌日に寅時に於て課を起す。月将是れ申にして、申と寅とは正に相冲す。加え上去したる後に天盤の每一神は皆本宮と相冲するの位置に壓す。此れ就是れ返吟格なり。庚は申に寄宮し、申上に寅を見、第一課は寅の庚に加わる。寅上に申を見、第二課は申の寅に加わる。日支戌上に辰を見、第三課は辰の戌に加わる。辰上に戌を見、第四課は戌の辰に加わる。四課の中、第一課は寅木は上に在り・庚金は下に在り、下面は反って上面を克し、賊に属す。先に其れを取りて初伝と作る。于是初伝是れ寅。寅上に申を見て中伝と作り、申上に又た寅を見て末伝と作る。三伝は寅・申・寅にして、来りて回りて往复して正に返吟の本色を見る。初伝と末伝の寅は皆「白虎」に乗り、中伝申は「螣蛇」に乗り、四課上は還って「六合」と「元武」とを見る。
井欄射格
凡返吟課無相剋,以支辰傍射敵上神為用,曰井欄格。蓋返吟多相剋,無克惟四日,己丑、丁丑、辛未、辛丑。然丑無克,以丑宮癸水遙射巳宮丙火;未無克,以未宮己土遙射亥宮壬水。故丑日以巳上亥神為用,未日以亥上巳神為用。如傍井倚欄,斜沖射之,不易井外,故名井欄射。井欄無來去,必中投辰上神,而末投日上神為傳,此其法也。占者無事依倚,一身兩用之體也。
凡そ返吟課に四課の上下が皆相克せざれば、就用て日支の旁より斜射して対面の神の上神に作りて初伝と為す。此れを「井欄格」と叫ぶ。返吟は本来多半に克有りて、克無きは只有己丑・丁丑・辛未・辛丑の此の几日なり。丑上に克無ければ、就中丑宮の蔵する所の癸水を借りて去りて巳宮の丙火を遥射す。未上に克無ければ、就中未宮の蔵する所の己土を借りて去りて亥宮の壬水を遥射す。故に丑日は地盤巳位上の亥神を取りて初伝と作り、未日は地盤亥位上の巳神を取りて初伝と作る。此の情形は人の井欄に倚り、旁より斜めに往きて井裡に射るが好像し、箭は井口を出る能わず。因此に「井欄射」と叫ぶ。井欄は既に来去の言う可き無ければ、中伝就中必定に日支上神に落到し、末伝は日干上神に落つ。此れ便ち是れ其の伝を取るの定法なり。此の課を占得すれば、依傍する所無きに等しく、是れ一個の身子を要して両個に当てて用いるの格局なり。
象曰:“行人阻遏,盜賊相攻。內外多怪,上下不恭。傍求事就,直求道窮。三傳救護,喜見青龍”。如神將凶則有凶象,吉則有吉象。
象辞に曰く:出門の人は阻まれて前行するを得ず、盗賊は却て来りて相攻す。家裡家外は怪事频出し、上下の間も亦た恭順ならず。旁辺より婉転して求取すれば還って能く弁成し、一味に直来直去すれば反って走投無路なり。三伝の中に若し救護の神有れば、最も歓喜して「青龍」を見る。总之神将が凶なれば就中凶象を現し、神将が吉なれば就中吉象を現す。
假如正月辛丑日巳時亥將占,反吟無克,以丑支遙射巳上亥為用,曰井欄射格。 亥青 未蛇 辰陰 白 蛇 勾 陰 丑 未 戌 辰 未 丑 辰 辛 亥子丑寅 戌 卯 酉 辰 申未午巳
譬如正月裡に辛丑日に巳時に於て課を起せば、月将是れ亥にして、亥と巳とが相冲し、天盤の各神は皆対宮に翻到し、是れ返吟なり。辛は戌に寄宮し、戌上に辰を見、第一課は辰の辛に加わる。辰上に戌を見、第二課は戌の辰に加わる。日支丑上に未を見、第三課は未の丑に加わる。未上に丑を見、第四課は丑の未に加わる。四課の上下は相生相比して、一処の克も無し。只好井欄射の法を用いん。日支丑を以て遥かに対面の巳宮を射て、地盤巳位上の亥を取りて初伝と作る。中伝は日支上神未に投到し、末伝は日干上神辰に投到す。三伝は亥・未・辰にして、正是れ井欄射格なり。初伝亥は「青龍」に乗り、中伝未は「螣蛇」に乗り、末伝辰は「太陰」に乗ず。
《訂訛》:返吟,亦名無依,十二神互換其位,有克照常克賊比涉等項論。彼此相沖往來,諮嗟不寧,故名返吟。且十二神各易本位,無所憑藉依附,故名無依。
《訂訛》に曰く:返吟は又た「無依」と叫ぶ。其れ是れ十二天神が彼此位置を換えたるにして、若し相克有れば、仍お常規に照らして賊克・比用・渉害の那の几項の法則に按じて初伝を取る。上下は彼此相冲して来来去去し、只能く咨嗟嘆息して安寧を得ず。故に「返吟」と叫ぶ。再者十二神は皆自己の本位を離開し、凭借する所無く依附する処無し。故に又た「無依」と叫ぶ。
占主事帶兩途,遠近繫心,往返無常,欲動不動。禍自外來,事從下起。背逆分離,有疑莫決。安營離散,出陣敗奔。來者思去,去者復來。得失未有一定,巢穴改宮易位,親情無始終,病亦兩症相侵,行多反覆。惟利復舊事。大都凡動無憑,但當久動思靜而已。巳亥巳占改動、取索、財物、文字事,卯酉卯占家宅、門戶、道路事,寅申寅占遠行、移動、爭訟事。神將凶俱主凶動,有重重驚惱。此課多主動,若去來空亡又不以動論。
占断上:一件の事が両条の路を牽いて走り、遠の近のも皆心上に掛り、往来は定無く、動かんと想うも又た動成せず。禍患は外頭より来り、事端は下面より起る。彼此は背離分手し、心裡に疑有るも却て断下る能わず。営を安むる要して離散し、陣を出ずる要して敗逃せん。来る人は走らんと想い、走る人は又た回来す。得と失と皆定下らず、居処は宮を改め位を換えるを要し、親戚情分は有始無終、連ねて生病も亦た是れ両種の病症の交攻にして、出行すれば則ち一再に反復す。唯独旧有の事情を恢復する是れ利有り。大体に説来ば、一切の挙動は皆凭依する所無く、只応に久動の後に念を轉じて静を求むべし。三伝巳・亥・巳のは、変動・催討・財物と文書の事を占す。卯・酉・卯のは、家宅・門戸・道路の事を占す。寅・申・寅のは、遠行・遷動・争訟の事を占す。神将若し凶なれば、一動すれば就中凶にして、還有って一重に接し一重の驚悩あらん。此の一課は多半に動を主る。但若し来去の両頭が皆空亡上に落つれば、就中動く能くに按じて断ずる能わず。
井欄射,亦名無親。返吟課無克,以支辰斜射為用,中傳取支,末傳取干。蓋無克者,惟丁未、己未、辛未、丁丑、己丑、辛丑六日。丑無克,以丑宮癸水遙射巳宮丙火,未無克,以未宮己土遙射亥宮壬水。故丑日以巳上亥神為用,未日以亥上巳神為用。如傍井倚欄,斜沖射之,不出井外,故名井欄射。全是沖開渙散不屬,故又名無親。
井欄射は又た「無親」と叫ぶ。返吟課に四課に克無きの時は、就用て日支に斜射して初伝を取り、中伝は日支上神を取り、末伝は日干上神を取る。克無きに够る上るは只有丁未・己未・辛未・丁丑・己丑・辛丑の此の六日なり。丑上に克無ければ、便ち丑宮の癸水を借りて巳宮の丙火を遥射す。未上に克無ければ、便ち未宮の己土を借りて亥宮の壬水を遥射す。故に丑日は地盤巳位上の亥を取りて初伝と作り、未日は地盤亥位上の巳を取りて初伝と作る。就像井欄に倚りて裡に往きて斜射するが如く、箭は井口を出る能わず。因此に「井欄射」と叫ぶ。整個の課体は全く冲に開けられ、涣散して而も互いに相属せず。故に又た「無親」の此の名字を得たり。
占主內外多怪,上下睽隔,井上架木,易欹易斜,不能長久之象。動則宜,靜則擾。事無憑依,一身兩用,傍求易就,直道難容,凡事速成易破。此課如遇吉神良將,凡事半遂,尤喜見青龍救護也。
占断上:家内家外は怪事頻生し、上下は彼此乖離隔閡す。好比井口上に几根の木頭を架せば、一壓すれば就中歪み一碰すれば就中斜し、是れ長久の相に非ず。此の一課は動に宜しく静に宜からず、静守すれば反って攪擾を被る。事情は凭依する所無く、一個人は要して両個人に当てて使わん。旁辺より彎を轉じて去りて求めば办成し易く、直来直去の路子は却て行不通なり。凡事は成ること快く破るるも亦た快し。若し吉神良将に碰上せば、事情は大約能く一半を成し、尤其に歓喜して青龍の前来救護するを見ん。
《觀月經》:返吟無依卦。己未連丁未,返吟是兩般。此二卦為無依也。假令亥將巳時占,丁未日,一課丑丁,二課未丑,以未直中亥上見太乙為初傳也。此二課猶屬八專,陰日逆退三辰為用,初傳日上丑,辰上亦是丑作中末傳也。己未日同。臣背明君意,子欺怨父心。無端須絕後,有罪自相擒。更若逢凶將,乖狡禍尤深。此返吟二課更逢凶將,故主災禍也。
《観月経》に返吟無依卦を講ず。己未・丁未の両日の返吟は、取法は別の返吟と不同にして、両種の看法有る可し。此の両日の課は皆無依に属す。譬如亥将を用いて巳時に加えて課を起し、丁未日に逢えば、丁は未に寄宮し、未上に丑を見、第一課は丑の丁に加わる。丑上に未を見、第二課は未の丑に加わる。井欄の法に按じれば、就以て未に直射して対面の亥宮を、地盤亥位上の巳(月将の名は「太乙」と曰う)を取りて初伝と作る。可是此の両課は同時に又た八專の条件に合し、陰日に按じて逆退三辰して取用すれば、初伝便ち日干上神丑に落ち、日支上神も亦た是れ丑にして、就用て其れを作りて中伝末伝と為す。己未日の情形は此れと相同なり。歌訣に曰く:臣子は賢明君主の心意を背棄し、兒子は欺瞞して并びて父親を怨恨す。無縁無故に絶嗣の憂有る會あり、本に罪過有る則ち自ら羅網に陷らん。若し再び凶将に碰上すれば、乖戾狡詐にして、禍事は尤其に深重なり。此れ是れ返吟の此の両課が再び凶将に遇うを説き、故に災禍を主る。
返吟:返吟居易位,坎戶入離宮。返吟有不克,柔日以辰沖。無克者,丁丑、辛丑、丁未、己未、辛未、己丑,以辰直沖為用也。沖處初傳發,臨辰卻作中。雖然看日上,所見乃為終。假令正月將辛丑日巳時占,一課辰辛,二課戌辰,三課未丑,四課丑未,俱不相剋,用丑直沖,巳上見登明為初傳也,以辰上見小吉為中傳,日上見天罡為末傳也。此是課家法,學人莫亂攻。看是辰沖何神為用,辰中、日末是課法也。
再び返吟の通例を説く。返吟の一課は、十二神は皆位置を換え、北方坎宮の門戸は南方離宮に搬進す。返吟も亦た相克せざる有りて、此の時陰日就中日支を用いて去りて冲射して取用す。克無きの日子是れ丁丑・辛丑・丁未・己未・辛未・己丑にして、皆日支を以て直ちに対宮を冲して来りて初伝を取る。冲する所の処の上神は発作して初伝と為り、日支上神は中伝と作り、再看て日干上神、見る所の那一位就中末伝なり。譬如正月の亥将に、辛丑日に巳時に於て占し、第一課は辰の辛に加わり、第二課は戌の辰に加わり、第三課は未の丑に加わり、第四課は丑の未に加わり、四課は皆相克せず。就用て丑を以て去りて対面を直冲し、地盤巳位上に亥(月将の名は「登明」)を見て初伝と作り、日支上に未(名は「小吉」)を見て中伝と作り、日干上に辰(名は「天罡」)を見て末伝と作る。此れ是れ壬課家の成法にして、学ぶ人は胡乱に穿鑿する莫れ。要点は只在日支の冲する是れ哪の一神なるかを看て取りて初伝と作るに在り、随後に中伝は日支上神を取り末伝は日干上神を取る。此れ就是れ課法なり。
凶卦盜賊起,凶卦為傷,盜賊以應也。去者路難通。父子不和睦,主父子分離,有路難通不和順也。親情無始終。三傳如有救,翻禍見青龍。青龍是卦中喜神,重審卦注。定主反禍為福者也。
歌訣に曰く「凶卦は盗賊起る」。是れ課体が既に凶なれば便ち損傷と成り、盗賊の事は因而応験せんを講ず。「去る者は路通じ難し」。是れ走了したる人の路上に受阻するなり。「父子は不和睦」。父子の分離・路途行い難く・彼此和順ならずを主る。「親情は始終無し」。是れ親戚情分の善終し難きなり。「三伝如も救有れば、翻りて禍に青龍を見る」。青龍是れ此の一課の裡の喜神にして、詳細は「重審課」の注解に参看すべし。只要其れが出現せば、必定に能く禍事を翻転して福と成さん。
《心鏡》:無依是返吟,逃者遠追尋。合者應分散,安巢別改林。守官須易位,結友也分襟。臣子俱懷怨,夫妻有外心。所為多重複,占病兩般侵。
《心鏡》に曰く:無依就中返吟なり。逃亡を占せば、人は跑ること遠く、要して遠処に往きて追尋せん。本来合伙のは、理応に分散すべし。築好したるの巣も亦た要して別処の樹林に遷せん。官を做るは須らく職位を調換し、結交したるの朋友も亦た分袂せん。臣と子と皆心に怨望を懐き、夫と妻とは各々外心有り。做する所の事は一再に重復し、疾病を占せば則ち両種の病症が交相侵擾す。
《袖中金》:返吟,陰陽各異其位,刑沖破害,事帶兩端。天地乖隔,南北相違。睽而復合,反而復往。欲不動則擾亂。又云,無依是返吟,刑沖破害,事帶兩途,遠近繫心,更相仇怨。且反覆而呻吟,是無預奪而嘆息也。睽而復合,反而更往,欲動不動,疑貳不決,事從外起,臣慢其君,子逆其父,夫妻離背,朋友失義,凡動無得,何以依戀。惟當久動思靜。
《袖中金》に曰く:返吟の一課は、陰と陽とが各自位置を換え、刑・冲・破・害が俱全し、事情は總じて両頭を帯ぶ。天地は乖離隔絶し、南北は彼此相違す。才に乖違して又た復合し、才に折回して又た前往す。動かざらんと想うも、反って攪擾を被る。其れは又た説く:無依就中返吟にして、刑冲破害は斉備し、一事は分かれて両路と作り、遠の近のも皆心上に牽り、彼此怨を結ぶ。翻来覆去に呻吟するは、是れ人の来りて奪去する什麼無きに兀自嘆息す。乖離して而も復合し、折返して而も又た前往し、動かんと想うも却て動成せず、心裡は両可にして決し難し。事端は外頭より生起し、臣子は君主を怠慢し、兒子は父親に忤逆し、夫妻は分離背棄し、朋友は義気を失う。凡そ挙動有れば皆得る所無し。還有って什麼の依恋する可き有らん。唯有久動の後に転じて静を求むる才に是なり。
柔日非一事,須有兩事,事成亦破。子午乘蛇,官病災凶。卯酉乘合,人離財散。寅申乘龍,隔牆有禍。巳亥辛日減德,辰戌多凶,不論空亡。丑未不吉。惟癸日約期不爽。六陰日謂之井欄課,如井上架木,易欹易斜,不能長久之象也。
陰日に返吟を占すれば、往往一件事に止まらず、必定に両件を牽出し、事情は成るも亦た還って要して破せん。若し三伝の子・午が「螣蛇」に乗ずれば、官非・疾病と災禍を主る。卯・酉が「六合」に乗ずれば、人口離散・銭財耗失を主る。寅・申が「青龍」に乗ずれば、一堵の墻を隔てて就中禍事有るを主る。巳・亥の両支は諸辛日に於て徳神の力を減損せん。辰・戌は多く凶にして、連ねて空亡に落つるも免るる能わず。丑・未も同様に不吉なり。只有癸日に占するは、約定の期限は失准せざらん。至于六個の陰日の返吟は、叫作「井欄課」にして、好比井口に木を架せば、一壓すれば就中歪み一碰すれば就中斜し、是れ能く長久の気象に非ず。
《指要》:天地乘隔,南北相違之象。占事動則宜,靜則擾,主兩事。俱陰主滯,用旺相始宜。所主皆速。卯酉上發用,主門戶動搖。若遇井欄射取傳,占事難成易破,雖遇吉神,亦是半遂。一雲反覆不定,病主兩症。
《指要》に曰く:返吟是れ天地隔絶・南北相違の気象なり。事を占すは動に宜しく静に宜からず、一静すれば就中擾を受け、而且一占すれば両件の事を牽出す。若し三伝が全く陰に属せば、遅滞を主る。必ず初伝が旺相なるを得て才に合宜と算す。其の主る所の事情は多半来ること快し。若し卯・酉の上に於て発作して初伝と為れば、門戸の動揺を主る。倘若走る是れ井欄射の伝を取るの法なれば、事を占せば就中成し難くして而も破り易し。縦然吉神に遇上するも、也只能く一半を遂ぐるのみ。另一种の説法:此課は反復不定にして、病を占せば両種の病症の併発を主る。
三光課
凡課用神、日辰旺相,吉神在中,為三光課。蓋日為人,旺相,不但諸鬼不能勝,而人口又能崢嶸,一也;辰為宅,旺相,不但宅居廣寬,而諸邪又不能入,二也;用神為日用動作,旺相,不惟所干無阻,而又事得光耀,三也。此三處神更乘吉將,又光其身,又光其宅,又光其動作,三者皆有光華,故名三光。占者萬事任其所為,皆無費力而成,且有吉利,統賁之體,乃光明通達之課也。
凡そ課を起すの時に初伝と日干・日支とが皆旺相の気を得、中間に又た吉神有れば、就是れ「三光課」なり。日干は人を代表し、人は旺相を得れば、不但各种の鬼煞も其れを壓倒する能わずして、一家人口は還って能く出頭顯耀せん。此れ是れ第一光なり。日支は宅舎を代表し、宅は旺相を得れば、不但住処は寛敞にして、各路の邪祟も亦た進来する能わず。此れ是れ第二光なり。初伝は当下の行事作為を代表し、行事は旺相を得れば、不但求むる所は阻無くして、事情は還って弁えて体面有り光彩有らん。此れ是れ第三光なり。此の三処の神が若し再び吉将に乗上せば、人も亦た光有り宅も亦た光有り行う所の事も亦た光有り、三者は一斉に輝を生ず。故に名を取りて「三光」と為す。此の課を占得すれば、万事は任凭去做して、皆力を費やさずして便ち成り、而且吉利を帯ぶ。其れは象を《周易》の賁卦に取り、是れ光明通達の一課なり。
象曰:課入三光,萬事吉昌。刑囚釋放,疾病安康。市賈得利,謀干俱良。福佑自至,凶禍消亡。如神將俱和合相生,日神用神旺相,主遷官進職之榮,終始獲喜,必有慶賀,萬事吉昌。縱年命凶殺亦不為凶,則應賁六五“束帛戔戔,吝,終吉。”象。若日辰居天乙後,中末囚死,則應三光失明之象,前有功德虛喜,後復抑塞難通,當應賁六四欲與初九婚姤,乃為九三間隔,未獲相賁之象也。
象辞に曰く:課は三光に入り、万事は吉利興旺す。刑を受け獄に係るは釈放を得、病を患うるは安康に転ず。買賣を做せば能く利を得、事を謀り人を求めれば皆順当なり。福佑は自然到來し、凶禍は自然消散す。若し神と将とが上下皆和合相生し、日干と初伝とが又た旺相に当たれば、陞遷官職の栄を主り、自始至終に皆喜事有りて、必定に慶賀す可きの事有り、万事吉昌なり。即便本命・行年上に凶煞を帯ぶも、亦た凶と論作せず。正に賁卦の六五の「束帛戔戔、吝なり、終に吉」の那种の起初は儉吝・終帰吉利の象に応ず。反って、若し日干日支が「天乙」貴人の後に落ち、中伝末伝が又た囚死の地に処れば、那れ就是れ三光の光明を失去するの象なり。前頭は雖も功徳有るも、却て只是一場の虚喜にして、後頭は又た閉塞して通じ難し。正に賁卦の六四の本想初九と婚姻を結成せんとするも、却て九三に中間に隔てられ、終究に未だ相互に增飾する能わざりしの那种の象に応ず。
如甲日未時酉將春占,日辰旺相,用神旺相,上乘吉將,為三光課也。 辰六 午青 申白 青 六 午 辰 辰 甲 未申酉戌 午 亥 巳 子 辰卯寅丑
譬如甲日に未時に於て課を起し、月将是れ酉にして、又た春天に当たる。甲は寅に寄宮し、酉将は未時に加わり、天盤は地盤より両位を進め、寅上に辰を見、第一課は辰の甲に加わる。辰上に午を見、第二課は午の辰に加わる(此の例は只日干の一辺の両の両課を挙ぐ)。甲木は辰土を克し、是れ上神の日干に克せらるるにして、辰を取りて初伝と作る。辰上の午は中伝と作り、午上の申は末伝と作る。三伝は辰・午・申にして、一路に順次に遞進す。春天は木気正に旺にして、日干甲木は時を得、初伝と神将とも亦た皆合宜なり。初伝辰は「六合」に乗り、中伝午は「青龍」に乗り、末伝申は「白虎」に乗ず。人・宅・行事の三処は皆光有り。故に三光課と判ず。
《訂訛》:三光,日辰、發用者旺相,乘吉將。日為人,辰為宅,用神為動作,三處旺相乘吉將,是三處皆有光輝,故名三光。占主光輝通達,百事吉昌,皆無費力而成。官榮病安,囚釋,市賈得利,如神將俱和合相生,初末逢吉將,居官遷職,始終慶吉,縱年命凶煞亦不為凶。此課主吉,然末傳亦最要緊。若日辰居天乙後,並末囚死乘凶將,為三光失明之象,前有功德虛喜,後復抑塞難通。
《訂訛》に曰く:三光は、日干・日支と初伝の三処が皆旺相に当たり、又た皆吉将に乗ずるを指す。日干は人を代表し、日支は宅を代表し、初伝は行事を代表す。三処が旺相にして而も吉将に乗ずれば、就是れ三処皆光輝有るなり。故に三光と叫ぶ。占断上は光明通達・百事吉利興旺を主り、様様力を費やさずして就中成る。官を做るは栄顕を得、病を患うるは平安を得、獄に係るは釈放を得、経商するは利益を得ん。若し神将が上下和合相生し、初伝末伝が又た皆吉将に遇えば、官に在るは職位を陞遷し、自始至終に皆是れ喜慶にして、縦然本命行年に凶煞を帯ぶも亦た凶と論作せず。此の一課は本は吉を以て主と為すも、但末伝は最も緊要に関わる。假如日干日支が天乙貴人の後に落ち、末伝が又た囚死の地に処りて而も凶将に乗ずれば、便ち「三光失明」の象と成り、前頭の功徳は只是れ虚喜の一場にして、後頭は照旧閉塞して通じ難し。
《觀月經》:名開雲觀日。用神如旺相,分配一光時。如春木旺火相之類,用神得旺相者為一光也。吉將臨其上,二光得禮儀。如發用是吉將,即貴青常合等乘時旺相者,二光也。日辰兼有炁,三光不改移。如春甲乙,夏丙丁之類,所值日時當為三光也。
《観月経》は此の一課を把りて「開雲観日」と叫作す。歌訣に曰く「用神如も旺相なれば、一光の時を分配す」。是れ春天に木旺火相の此の様の如く、初伝が旺相の気を得れば、便ち第一光と算すを講ず。「吉将は其の上に臨み、二光は礼儀を得」。是れ初伝の上面に乗ずる是れ吉将——貴人・青龍・太常・六合の類——にして、又た皆旺相の時に当たれば、便ち第二光と算すを講ず。「日辰は兼ねて炁有り、三光は改移せず」。是れ日干日支が自身も亦た気有りて、春天に甲日乙日に逢い・夏天に丙日丁日に逢うの類の象にして、値する所の日と時とが皆格に够れば、三光就中稳稳に立住して再び移易せずを講ず。
求事多來速,當官職不遲。若無三刑六害,主喜事,求官必得。末傳無刑害,車馬鎮相隨。三合與六合,逍遙自在期。末傳三合六合,主有喜事也。忽然刑害破,凶將皆顰眉。如三刑六害,或沖破兼凶將,主先祖有財,後來家道顰眉不足也。
歌訣は接続して曰く「事を求むれば多く来ること速く、官に当たれば職は遅からず」。只要課中に三刑六害無ければ、就中喜事有るを主り、官を求めば必定に到手せん。「末伝に刑害無ければ、車馬は鎮お相随う」。是れ末伝が若し刑害を帯びざれば、車馬儀従は便ち常に左右に随うを説く。「三合と六合とは、逍遙自在の期」。是れ末伝が三合或いは六合に遇上せば、喜事有るを主り、日子は逍遙自在に過ぐるを説く。「忽然に刑害破すれば、凶将は皆眉を顰む」。是れ一旦三刑・六害に碰上し、或いは冲破に再び凶将を加えれば、那れ就中祖上は雖も家財有るも、後代の家道は日漸に愁蹙して不足と成らんを主るを説く。
《心鏡》:用起日辰兼旺相,傳中復有吉神並。三光並立無相剋,作事皆歡病回凶。 縱逢凶將無憂患,囚繫官災事不停。六月戊寅寅時課,三傳俱旺貴人榮。
《心鏡》に曰く:初伝と日干日支とが一并に旺相に当たり、三伝中に又た吉神の相配有り、三光が一斉に并立して而も彼此相克せざれば、那れ么什麼の事を做するも皆歓喜にして、病を患うるも亦た能く凶より安に転ぜん。縦然凶将に碰上するも亦た憂患と成らず、囚係せられ或いは官非有るも、事情は自會了結して再び糾纏せざらん。其れの挙ぐるの例子是れ六月戊寅日に寅時に於て起つるの那一課にして、三伝は皆旺気を得、又た貴人の頭に当たる有り。故に格外に栄顕なり。
《袖中金》:用神旺相,吉神臨支干有氣,末傳又逢吉神吉將或帶合,三光並照,福佑自至,災禍自消,吉無不泰矣。若用神旺相,吉將亦臨支干有氣,末傳卻值凶將刑害交互者,則光而復翳,明而反暗,先祖有財,後來家道蕭索。凡遇此者名三光埋影,不可不審末傳,勿一概言之。
《袖中金》に曰く:初伝が旺相に当たり、吉神が日干日支の上に臨みて而も各自気有り、末伝が又た吉神吉将に遇い或いは合神を帯ぶれば、此れ才に是れ三光の一斉に照耀し、福佑は自然に降臨し、災禍は自然に消解し、通泰せざる無し。倘若初伝が旺相にして・吉将も亦た干支上に臨みて気有るも、偏偏末伝が凶将に碰上し、又た刑し又た害して交錯せば、那れ就是れ光有りて而も復た遮蔽せられ・本明にして而も反転昏暗の:祖上は原有資財有り、後来の家道は却て蕭条冷落せり。凡そ此の種の情形に遇えば、叫作「三光埋影」にして、必ず末伝を細看して、能く一概に吉課と当作して来りて説く可からず。
假令六月戊寅日午時寅將占。 丑貴 午白 酉勾 六 白 貴 勾 戌 午 丑 酉 午 寅 酉 戊 勾六朱蛇 酉戌亥子 青申 丑貴 空未 寅后 午巳辰卯 白常元陰 此課雖是昴星虎視,卻為三光。夏傳得丑,又是貴人臨上。戊課在巳,是日有氣。寅支傳午,又是辰有氣也。
此れ是れ六月戊寅日の占する所の一課なり。六月は午将を用い、占時は寅に在り(原刻の「午時寅将」は当に「寅時午将」の倒文なるべく、課式と《心鏡》の記する所とは皆寅時午将を以て准と為す)。午将は寅時に加わり、天盤は地盤より五位を進む。戊は巳に寄宮し、巳上に酉を見、第一課は酉の戊に加わる。酉上に丑を見、第二課は丑の酉に加わる。日支寅上に午を見、第三課は午の寅に加わる。午上に戌を見、第四課は戌の午に加わる。四課の上下は皆相克せず、亦た遥克無し。只好「昴星」の法に按じて伝を取る。陽日は地盤酉位上より神を取り、丑を得て初伝と為し、再び日支上神午を取りて中伝・日干上神酉を末伝と為す。三伝は丑・午・酉なり。初伝丑は「貴人」に乗り、中伝午は「白虎」に乗り、末伝酉は「勾陳」に乗ず。貴人は此の時丑上に落ちて而も逆行す。故に天盤は自丑より回りて数えて依次は螣蛇・朱雀・六合・勾陳にして、別の一辺は則ち天后・太陰・元武・太常・白虎・天空・青龍なり。原注に説く:此の一課は雖も昴星課の中の「虎視」の一格に属するも、却て仍旧三光と断作す。夏月は三伝に丑を得、又た貴人の其の上に臨む有り。戊の寄宮は巳に在り、正是れ日干に気有り。日支寅は午に伝うも、亦た是れ日支に気有るなり。
三陽課
凡課天乙順行,日辰有氣居前,旺相氣發用,為三陽課。蓋天乙貴人左行正理,陽氣順,一也。日辰前於天乙,陽氣伸,二也。日辰旺相,陽氣進,三也。此三者陽氣開泰,萬物光輝,更兼吉將,故名三陽。占者凡事吉慶,所求皆遂,統晉之體,乃龍劍呈祥之課也。
凡そ課を起すの時に「天乙」貴人が順行し、日干日支に気有りて而も又た位は貴人の前に在り、再び旺相の気に由りて発作して初伝と為れば、就是れ「三陽課」なり。天乙貴人は左に向かいて順行し、事を処するは正理に循い、此れ是れ陽気の順、第一陽なり。日干日支は天乙の前頭に走り、此れ是れ陽気の以て舒展を得、第二陽なり。日干日支は自身又た旺相に当たり、此れ是れ陽気の節節に上進、第三陽なり。此の三様が凑斉すれば、陽気は開通泰達し、万物は皆光輝有り。若し再び吉将を加えれば、就中名を取りて「三陽」と為す。此の課を占得すれば、凡事吉慶にして、求むる所は皆願いの如くを得ん。其れは象を《周易》の晋卦に取り、是れ龍泉宝剣の祥瑞を呈すの一課なり。
象曰:課入三陽,官爵翱翔。訟獄得釋,疾病無妨。財吉遂意,行人還鄉。賊來不戰,孕產賢郎。如神將上下相生,營謀萬事皆利,有官者職位高遷,病者死雖入棺當活,囚者刀雖臨項無虞。縱逢刑害,喜事不遲,則應晉六五往吉無不利之象。若天乙在辰戌為貴人坐獄。獄陰地,用神為鬼賊剋日,中末無救,則應三陽不泰,占事闇昧難就,未免先吉後否,則應晉九四鼫鼠貞歷之象也矣。
象辞に曰く:課は三陽に入り、官爵は飛鳥の如く高翔す。争訟牢獄は開釈を得、疾病も亦た妨碍無し。財を求めば吉利称心、出門の人は故郷に回到す。賊寇は来るも交戦するを須いず、孕妇は賢能の児郎を生下す。若し神将が上下相生せば、一切の営求謀画は皆順利なり。官職有るは高位に陞遷し、病人は縦然已に死に瀕して棺に入るも能く回生し、囚犯は縦然刀が頸脖に架かるも亦た危険無し。即便刑害に碰上するも、喜事は會遅来せざらん。正に晋卦の六五の「往けば吉、利ならざる無し」の象に応ず。反之、若し天乙貴人が辰或いは戌の上に落つれば、叫作「貴人坐獄」なり。牢獄は本は陰地に属し、哪裡に還って陽気の言う可き有らん。再び初伝が鬼煞と成りて来りて日干を克し、中末両伝に又た救神無ければ、那れ就是れ三陽の通泰せざるなり。事を占せば昏昧して成り難く、先吉後否を免れず。正に晋卦の九四の「晋鼫鼠の如く、貞にして厲」の象に応ず。
如乙丑日酉時戌將,天乙子臨亥順行,日辰在天乙前,寅為旺氣加丑發用,為三陽課也。 寅朱 卯六 辰勾 六 朱 空 青 卯 寅 午 巳 寅 丑 巳 乙 午未申酉 巳 戌 辰 亥 卯寅丑子
譬如乙丑日に酉時に於て課を起し、月将是れ戌なり。乙は辰に寄宮し、戌将は酉時に加わり、天盤は地盤より一位を進む。辰上に巳を見、第一課は巳の乙に加わる。巳上に午を見、第二課は午の巳に加わる。日支丑上に寅を見、第三課は寅の丑に加わる。寅上に卯を見、第四課は卯の寅に加わる。四課中は只寅木の丑土を克するの一処の相克有るのみ。就中寅を取りて初伝と作り、寅上の卯は中伝と作り、卯上の辰は末伝と作る。三伝は寅・卯・辰にして、順次相連なる。此の時天乙貴人是れ子にして、地盤亥位上に落ちて順行す。日干日支は皆貴人の前に排せられ、初伝寅は又た是れ春木の旺気の加臨して丑上に発用す。三様の条件は斉備す。故に三陽課と判ず。初伝寅は「朱雀」に乗り、中伝卯は「六合」に乗り、末伝辰は「勾陳」に乗ず。
《訂訛》:三陽,天乙順行,日辰居前,發用旺相。天乙左行,陽氣順,一也;日辰前於天乙,陽氣伸,二也;用神旺相,陽氣進,三也。三者陽氣開泰,故名三陽。占主吉慶,凡求皆遂,官擢訟解,病癒財獲,行人來,賊退,孕產貴子。如神將吉,上下相生,定主官職高遷,縱逢刑害無妨。
《訂訛》に曰く:三陽は、是れ天乙貴人の順行・日干日支の位は貴人の前に居る・初伝の又た旺相に当たるの三件の事を指す。貴人は左に向かいて行き、陽気は順暢し、此れ是れ第一なり。日干日支は貴人の前頭に走り、陽気は伸展し、此れ是れ第二なり。初伝は旺相にして、陽気は上進し、此れ是れ第三なり。三様は凑斉し、陽気は開泰す。故に三陽と叫ぶ。占断上は吉慶を主り、凡そ求むる所有れば皆願いの如くを得ん。官を做るは提拔を得、打官司するは開釈を得、病を患うるは痊愈し、財を求むるは到手し、出門の人は帰来し、賊寇は退去し、孕妇は貴子を生下せん。若し神将が吉利にして上下相生せば、必定に官職の高陞を主り、縦然刑害に遇上するも亦た妨碍無し。
此課主吉,然或天乙在辰戌,為貴人坐獄。獄陰也,豈陽乎。用神為鬼剋日,中末無救神,則三陽不泰。占事闇昧難就,先吉後否。附:課傳中六陽俱備者,名六陽課,利公用不得私謀。
此の一一課は雖も吉を以て主と為すも、可是若し天乙貴人が辰或いは戌の上に落つれば、就叫「貴人坐獄」なり。牢獄は陰に属し、哪裡に還って陽を談ず得上に及ばん。再び初伝が化作して鬼煞と為りて来りて日干を克し、中伝末伝に又た救助の神無ければ、那れ么三陽便ち再び通泰せず、事を占せば昏昧して成り難く、先吉にして而も後に否に転ず。別に一格を附す。課と伝とに子・寅・辰・午・申・戌の六個の陽支が斉備するは、名を「六陽課」と曰い、公事公弁するに宜しく、一己の私を謀るに宜からず。
《觀月經》:一陽天乙順用旺,二陽知好將臨其上。三陽次第推,病者應無死。死者再生之,獄囚脫災厄。臨刑無罪危,舉事皆言吉。求財利必隨,縱逢刑與害,喜事不遲遲。
《観月経》に曰く:第一陽是れ天乙貴人の順行して而も初伝が旺気を得。第二陽是れ好き天将の初伝の上に臨む有るを知る。第三陽は依次に推し去れば便ち得。病を占する人は死に至らず、已に死象と成りたるも亦た能く再生し、牢裡の囚徒は災厄を脱開し、刑に臨む人は無罪にして而も危難を免れ、凡そ挙動有れば皆吉利と説き得上、財を求めば必有利益の跟随有らん。即便刑と害とに碰上するも、喜事は會遅遅として来らざらん。
《心鏡》:天乙順行一陽言,日辰有氣復居前。立用之神並旺相,三陽吉慶保安然。上下相生神將吉,出行有利職高遷。病解訟伸諸事吉,縱逢刑害亦無愆。又云刀雖臨頸卻無愆。
《心鏡》に曰く:天乙貴人の順行は、第一陽と算作す。日干日支に気有りて而も又た貴人の前に居るは、第二陽と算作す。立つる所の初伝が又た旺相に当たれば、三れば、三陽は斉備し、吉慶にして而も平安を保得せん。若し上下相生・神将吉利なれば、出行は利有り、官職は高陞す。病を患うるは痊愈し、訟事は申雪し、様様皆吉にして、縦使刑害に碰上するも亦た過失有る會せざらん。其れは還って一句の説法有り。刀は雖も脖子上に架かるも、亦た終究に咎無し。
《袖中金》:天乙順治,龍合立於干前,末旺生初,正時生年。曰三陽者,天乙順治,一也;用神旺相二也;吉將發用三也。凡占百事大吉,為明為泰,為生為長,舉事亨壯,病人復生,囚者無罪也。
《袖中金》に曰く:天乙貴人は順行して事を治め、青龍・六合は日干の前に立ち、末伝は旺にして而も初伝を生じ、占時は又た本命行年を生ず。所謂三陽は、就中貴人の順行して事を治むる、其の一。初伝の旺相に当たる、其の二。吉将の発作して初伝と為る、其の三。凡そ百事を占せば大吉にして、光明と通泰・生発と長養を象征し、凡そ挙動有れば皆亨通壮盛にして、病人は以て復生すべく、囚犯は以て無罪たる可し。
《訂訛》:四順,初神將凶,末神吉,一也;初死囚,末旺相,二也;天乙順行,三也;傳出天乙前,四也。四者,皆為順利,故名四順。占主如雖阻滯,終獲通泰。
《訂訛》は別に「四順」の一格を立つ。初伝の神将は雖も凶なるも、末伝の神は却て吉なり。此れ是れ第一順なり。初伝は死囚の地に処り、末伝は却て旺相に当たる。此れ是れ第二順なり。天乙貴人は順行す。此れ是れ第三順なり。三伝は皆天乙貴人の前に排せらる。此れ是れ第四順なり。四様は皆順利に属す。故に名を取りて「四順」と為す。占断上は事情の起初は雖も受阻停滯すれども、最終に仍だ能く通達順遂するを主る。
三奇課
凡課得旬日之奇發用或入傳,為三奇課。如甲子、甲戌旬用丑,甲申、甲午旬用子;甲辰、甲寅旬用亥,此為旬三奇。甲日用午、丙奇辰、乙巳、丁卯、戊奇寅、己丑、庚未、辛申位、壬奇取酉、癸戌,雲此為日奇。蓋雞鳴乎丑,日精已備;鶴夜半鳴,月精已備;斗轉干亥,星精已備。又丑為玉堂,子為明堂,亥為絳宮,此三者日月星精為旬用之奇,故曰三奇。占者百禍消散,凡事吉利,統豫之體,乃上下悅懌之課也。
凡そ課を起すの時に旬奇或いは日奇の発作して初伝と為るを得、或いは三伝に落進すれば、就是れ「三奇課」なり。旬奇は六甲旬に按じて分かつ。甲子旬・甲戌旬は丑を取り、甲申旬・甲午旬は子を取り、甲辰旬・甲寅旬は亥を取る。此の三個の字は「旬三奇」と叫ぶ。日奇は日干に按じて分かつ。甲日は午を取り、乙日は巳を取り、丙日は辰を取り、丁日は卯を取り、戊日は寅を取り、己日は丑を取り、庚日は未を取り、辛日は申を取り、壬日は酉を取り、癸日は戌を取る。此れを「日奇」と叫ぶ。為什麼に丑子亥の三支を取るや。鶏は丑時に啼叫し、太陽の精気は此処に到りて已に完備す。鶴は夜半の子時に長鳴し、月亮の精気は此処に到りて已に完備す。北斗の斗柄は亥位に轉向し、星辰の精気は此処に到りて已に完備す。再者丑是れ玉堂・子是れ明堂・亥是れ絳宮にして、此の三処は正是れ日・月・星の三光の精にして、用いて六旬の奇神と作す。故に「三奇」と叫ぶ。此の課を占得すれば、百般の禍患は消散し、凡事吉利なり。其れは象を《周易》の豫卦に取り、是れ上下の和悦歓愉の一課なり。
象曰:萬事和合,千殃解除。婚求淑女,孕育貴兒。士有奇遇,病獲良醫。縱乘惡將,凶去吉隨。如旬、日奇並臨,吉課為上。有旬奇無日奇,亦可用。或逢亥子丑兼全,為三奇聯珠,大吉。更遇天上三奇乙丙丁或地下三奇甲戊庚入傳尤利,居官則因異政超擢,出軍利用奇兵取勝,凡事逢凶化吉,則有豫六二貞吉之象。若有干奇無旬奇,神將凶,則應初六鳴豫凶也。
象辞に曰く:万事は和合し、千般の災殃は解除す。婚を求めば能く賢淑の女子を得、懐孕すれば能く尊貴の孩児を生せん。読書人は奇遇有り、病人は良医に遇う。縦然悪将に乗ずるも、凶事は會退去して而も吉事は随来せん。若し旬奇と日奇とが一斉に課に臨めば、是れ吉課の中の上等なり。只有旬奇にして日奇無きも、亦た仍だ取用す可し。倘若三伝の亥・子・丑が斉全なれば、叫作「三奇聯珠」にして、大吉なり。若し再び天上三奇の乙・丙・丁、或いは地下三奇の甲・戊・庚が遁して三伝に入るに遇上せば、就中格外に利有り。官に為るは政績特出に因りて破格提拔せられ、兵を出ずるは奇兵に靠りて取勝し、凡事皆能く凶に逢いて吉に化せん。正に豫卦の六二の「貞にして吉」の象に応ず。反之、只有日干の奇にして旬奇無く、神将又た凶なれば、那れ就中豫卦の初六の「豫に鳴す、凶」の象に応ずるなり。
如乙酉未時申將,初傳亥加戌,旬奇發用,為三奇課。 亥后 子貴 丑蛇 后 陰 空 青 亥 戌 午 巳 戌 酉 巳 乙 午未申酉 巳 戌 辰 亥 卯寅丑子
譬如乙酉日に未時に於て課を起し、月将是れ申なり。乙は辰に寄宮し、申将は未時に加わり、天盤は地盤より一位を進む。辰上に巳を見、第一課は巳の乙に加わる。巳上に午を見、第二課は午の巳に加わる。日支酉上に戌を見、第三課は戌の酉に加わる。戌上に亥を見、第四課は亥の戌に加わる。四課裡は只第四課の戌土が下に在りて反って亥水を克し、賊に属す。就中亥を取りて初伝と作る。亥上の子を中伝と為し、子上の丑を末伝と為す。三伝は亥・子・丑にして、正好一串に連成る。乙酉日は甲申旬に属し、旬奇は本是れ子にして、如今子は中伝に落ち、加えて亥子丑の三字は俱全す。正是れ「三奇聯珠」なり。初伝亥は「天后」に乗り、中伝子は「貴人」に乗り、末伝丑は「螣蛇」に乗ず。四課の上は別に「太陰」「天空」「青龍」を見る。
《訂訛》:三奇,旬奇發用或入傳是也。外又有聯珠奇、遁奇、干奇。甲子甲戌旬用丑,甲申甲午旬用子,甲辰甲寅旬用亥,此為旬三奇。蓋丑為玉堂,雞鳴於丑而日精備;子為明堂,鶴鳴於子而月精備;亥為絳宮,斗轉於亥而星精備,日月星三者之精為六旬之奇,故名三奇。若三傳亥子丑為聯珠三奇,或天上三奇乙丙丁、地下三奇甲戊庚為遁奇,又甲日午、乙日巳、丙日辰、丁日卯、戊日寅、己日丑、庚日未、辛日申、壬日酉、癸日戊,此干奇也。旬奇、干奇並臨為上有旬奇。無干奇亦可,若止有干奇不名三奇。
《訂訛》に曰く:所謂三奇とは、是れ旬奇の発作して初伝と為る或いは三伝に落入す。此の外還って聯珠奇・遁奇・干奇の三种有り。旬奇の取法是れ、甲子旬・甲戌旬は丑を用い、甲申旬・甲午旬は子を用い、甲辰旬・甲寅旬は亥を用う。此れ就是れ「旬三奇」なり。丑是れ玉堂にして、鶏は丑時に啼きて而も日精は完備す。子是れ明堂にして、鶴は子時に鳴きて而も月精は完備す。亥是れ絳宮にして、斗柄は亥に轉じて而も星精は完備す。日月星の三者の精は作りて六旬の奇神と為る。故に三奇と叫ぶ。若し三伝が恰も是れ亥・子・丑なれば、「聯珠三奇」と叫ぶ。若し天上三奇の乙丙丁・地下三奇の甲戊庚が遁して課伝に入れば、「遁奇」と叫ぶ。至于甲日は午・乙日は巳・丙日は辰・丁日は卯・戊日は寅・己日は丑・庚日は未・辛日は申・壬日は酉・癸日は戌、此の一路は「干奇」と叫ぶ。旬奇と干奇とが一斉に課に臨むは最上にして、只有旬奇にして干奇無きも亦た還だ用い可し。若し只有干奇にして旬奇無ければ、就中三奇と称作する能わず。
占主凡事逢凶化吉,不忌刑殺,士有奇遇,官以異政超擢,出軍奇兵,取勝婚諧,孕生貴子,病訟解。此課如奇作空亡,未免奇精有損,其福減半,先明後暗,吉凶皆無成。
占断上:凡事皆能く凶に逢いて吉に化し、刑煞の冲撞を怕れず。読書人は意外の際遇有る會あり、官を做るは特出の政績に凭りて破格陞遷し、軍を行くは奇兵を用いて取勝せん。婚を求むるは諧和し、懐孕は貴子を生下し、患病と訟事と皆能く化解せん。只是れ此の一課は若し奇神が恰好空亡上に落つれば、奇神の精気は便ち虧損有りて、福分は要して一半を減ぜられ、成りて先明後暗の象と為り、吉なり也罢・凶なり也罢、皆事を成る能わず。
《觀月經》:名枯木重榮。甲子與甲戌,大吉兩旬奇。此二旬之中,大吉為三奇發用,雖凶將,復得大吉,即在三傳中亦吉不凶。甲申與甲午,神后鎮相隨。此二旬之中,見神后發用者,三奇卦也。甲辰與甲寅,登明救療師。此二旬發用見登明為三奇卦,病者速痊,官事即解散也。萬事皆和合,千災速解離。忽得亥子丑,連茹百禍移。上自元道卦,從此立根基。
《観月経》は三奇課を把りて「枯木重栄」と叫作す。歌訣に曰く「甲子と甲戌とは、大吉は両旬の奇」。此の両旬の裡に、丑(月将の名は「大吉」)が発作して初伝と為れば就中三奇にして、縦然凶将に乗ずるも、亦た仍旧に吉を得。即便丑が只三伝の中に落つるも、同様に是れ吉にして而も不凶なり。「甲申と甲午とは、神后は鎮お相随う」。此の両旬の裡に、子(名は「神后」)を見て発作して初伝と為るは、就是れ三奇卦なり。「甲辰と甲寅とは、登明は救療の師」。此の両旬に発用して亥(名は「登明」)を見るも、亦た是れ三奇卦にして、病を占せば能く很快に痊愈し、官司は立刻に消解せん。总之万事は和合し、千般の災禍は迅速に解離す。一旦亥・子・丑の三字の連茹相续くを得れば、百般の禍患は皆搬走せんを要す。此の一格は自「元道卦」以下、皆其れを以て根基と作す。
亥將有九課,癸酉、乙酉、丙戌、丁酉、戊戌、己酉、庚戌、辛酉、壬戌九日,俱亥將戌時占,是亥子丑為三傳也。以上九課連茹三傳,名曰三奇卦,更乘旺相將將神即大吉也。
亥将を用いて課を起すに九式有り。癸酉・乙酉・丙戌・丁酉・戊戌・己酉・庚戌・辛酉・壬戌の此の九日は、皆戌時に於て亥将を以て占し、三伝は恰好亥・子・丑に排成す。此の九課の三伝は一字に連りて一字、好像茅草を拔起して根根が相牽するが如し。故に「三奇卦」と叫ぶ。若し乗ずる所の天将と天神とが再び旺相の時に当たれば、那れ就是れ大吉の課なり。
亥將戌時甲子日占,三傳辰巳午為三奇。乙丑日寅卯辰、丙寅日辰巳午、丁卯日辰巳午,俱比涉害。壬申日丑寅卯、甲戌日辰巳午、丁丑日申酉戌、戊寅日己卯日辰巳午、庚辰日午未申,神遙剋日。辛巳日午未申,神遙剋日。壬午日丑寅卯三位相連,順三傳為順連茹。逆連茹是逆三傳也,不克盡述。已上時前一課名順連茹,後課逆連茹,隨神將旺相時類斷之。前九課多吉,此三奇卦是課中救神,用此立為根基也。
同様に是れ亥将戌時に、甲子日に占すれば三伝は辰・巳・午にして、亦た三奇と算す。乙丑日は三伝寅・卯・辰、丙寅日は辰・巳・午、丁卯日は辰・巳・午、此の几式は皆比用或いは渉害の法に按じて取るの伝なり。壬申日は三伝丑・寅・卯、甲戌日は辰・巳・午、丁丑日は申・酉・戌、戊寅日と己卯日とは皆是れ辰・巳・午、庚辰日は午・未・申にして、是れ天神の遥かに日干を克するなり。辛巳日は午・未・申、も亦た是れ天神の遥かに日干を克するなり。壬午日は丑・寅・卯にして、三個の字の位次は相連なる。凡そ三伝が次序に順いて下に排するを、「順連茹」と叫ぶ。次序に倒いて上に排するを、「逆連茹」と叫ぶ。例子は太多にして能く一一に列挙せず。以上占時の前の一路は順連茹と叫び、占時の後の一路は逆連茹と叫ぶ。皆要して神将の当時の旺相衰敗に按じて分類して去りて断ずべし。前面の那の九課は多半吉利なり。三奇卦は本是れ課中の救助の神にして、正に以て其れを拿りて来りて根基を立定すべし。
《心鏡》:三奇發用逐旬行,兩處區分共一名。卦名兩般奇亦有兩般奇。甲申甲午神后是,寅辰二旬在登明。子戌旬中加大吉,不忌殺之並與刑。又云:甲日勝光乙在巳,甲日午上起甲,午是三奇,乙日在巳,逆行至丑住。支逆干順己丑停。到丑迴向未上起庚為奇。庚卻順流奇在未,庚日在未,順行癸日到戌。癸盡天魁總有靈。占值兩奇皆有慶,傳內天喜更要精。兩奇得一即吉。
《心鏡》に曰く:三奇の発用は要して六旬に随いて去りて推し、両個の来路は分清楚し、却て共用一個の名目を用う。卦名は両般有り、奇神も亦た両般有り。甲申・甲午の両旬は子(名は「神后」)を取り、甲寅・甲辰の両旬は亥(名は「登明」)を取り、甲子・甲戌の両旬は丑(名は「大吉」)を取る。其れら有れば就中凶煞と三刑とを怕れず。其れは又た別に一路の日奇を説く。甲日は午(名は「勝光」)を取り、乙日は巳を取る。甲は午上より起り、午就中其の三奇なり。乙日は退きて巳に到り、一路に逆行して下去り、丑に到るを以て止む。此れを「支は逆し干は順し己丑に停る」と叫ぶ。逆数して己日の丑に到れば就中停住し、再び頭を回して未上より起りて庚を奇と為す。「庚は却て順流して奇は未に在り」。庚日は未に在り、此の後順行して、癸日に到れば恰好戌(名は「天魁」)に落つ。此処に至りて十干の奇神は皆各々帰着有りて、霊験せざる無し。課を占する時に若し両種の奇を皆碰上せば、自然に喜慶有らん。三伝の中に再び「天喜」の相配有れば、就更加精妙なり。其実両種の奇の裡に一種を得着すれば、就中吉と算す。
《袖中金》:三奇亥子丑,分旬發用,課中各正體,不必拘奇也。子戌旬丑、申午旬子、辰寅旬亥,主災散福臨。大抵三辰連茹,事欲行不行,欲止不止,節外生枝。順則先進後退,吉而順。逆則先退後進,凡占必見人情不和,兄弟朋友失和氣之象。死三奇卦,後有死奇卦甚明。
《袖中金》に曰く:三奇は亥・子・丑の三字に外ならず、六旬に按じて分かれて発用す。課体は各々其の正格有り、必ずしも一味に奇神に拘泥するを須せず。甲子・甲戌旬は丑を取り、甲申・甲午旬は子を取り、甲辰・甲寅旬は亥を取り、災殃の消散・福気の降臨を主る。大体に言えば、三個の辰位は一字に連りて一字、事情は往往走らんと想えども走成せず・停まらんと想えども停下せず、節外に枝を生ず。「順連茹」是れ先に進みて而も後に退き、吉にして而も順なり。「逆連茹」是れ先に退きて而も後に進み、凡そ占せば必ず人情不和・兄弟朋友の和気を傷るの迹象有るを見ん。至于「死三奇卦」は、後文は別に「死奇卦」の一節有りて講じて很た明白なり。
順連茹三奇十二課
亥子丑陽光在下,空懷寶以迷邦。子丑寅含春,和氣積中,勿炫玉而求售。丑寅卯將泰,有聲名而未蒙實惠。寅卯辰正和,展經略而果沐恩光。卯辰巳離漸,利用賓于王家。辰巳午升階,親觀光於上國。
順に次序が連なった十二式で、それぞれ取象がある。三伝が亥・子・丑なら、陽気の光がまだ底に抑えられており、美玉を空しく懐に抱きながら邦国を迷わせるようなもので、才具をふるう場がない。子・丑・寅なら、春の気が含まれてまだ吐き出さず、和気が内に蓄えられているので、この時は美玉を誇示して急いで売り込んではならない。丑・寅・卯なら、まもなく通泰しようとしており、声名はすでにあっても実益はまだ得られていない。寅・卯・辰なら、ちょうど和暢の時で、経綸の謀略を施展でき、果たして恩沢と栄光を受ける。卯・辰・巳なら、次第に旧位を離れて上行し、賓客となって王家に進むのに宜しい。辰・巳・午なら、一段一段と階を登り、自ら京師に赴いて上国の風光を観瞻する。
巳午未迎陽,名實相須。午未申麗明,威權獨盛。未申酉回春,若五夜殘燈。申酉戌流金,似霜橋走馬。酉戌亥革故鼎新,小人退而君子進。戌亥子隱明就暗,私事吉而公事凶。
三伝が巳・午・未なら、ちょうど陽気の最も盛んな時に迎え当たり、名と実が互いに成り立つ。午・未・申なら、日が中天にあるがごとく光明に附麗し、威勢と権柄が一時に独り盛んとなる。未・申・酉なら、陽気が引き返し、五更が尽きようとする残灯のようなもので、光景はわずかしかない。申・酉・戌なら、金気が流行し、霜の降りた橋面の上で馬を馳せるようで、見た目は華美だが実は危険である。酉・戌・亥なら、旧を除き新を布き、小人が退き君子が進用される。戌・亥・子なら、光明を収めて幽暗へ向かい、私事は吉だが公事はかえって凶である。
逆連茹三奇十二課
亥戌酉回陰,必懷闇昧之私。戌酉申返駕,主行肅殺之道。酉申未出獄、出丑、離群,疏者親而親者疏。申未午凌陰,主行險僥倖,危者安而安者危。未午巳漸希,脫凡俗而入高明。午巳辰登庸,舍井蛙而旋登月闕。
次序を逆さに連ねた十二式で、取象は前と反対である。三伝が亥・戌・酉なら、陰気が回帰し、心中に必ず暗昧な私念を蔵している。戌・酉・申なら、車駕を転じて引き返し、行くのは粛殺の道である。酉・申・未なら、出獄・脱丑・離群のごとく、疎遠な者がかえって親しくなり、親しい者がかえって疎遠になる。申・未・午なら、陰気の上に凌駕し、危険を冒して僥倖を行うことを主とし、危険なものが安穏に転じ、安穏なものがかえって危険になる。未・午・巳なら、塵俗が次第に稀れ、凡庸を脱して高明の境に入ることができる。午・巳・辰なら、薦挙されて任用を得、井底の蛙の見識を捨てたも同然で、たちまち月中の宮闕に登る。
巳辰卯正己,人物咸亨。辰卯寅返照,行藏攸利。卯寅丑聯芳悔吝,須知否極泰來。寅丑子游魂、乘凶,坐見事成立敗。丑子亥入墓,有收藏之態,仕進無心。子亥戌重陰,安嘉遁之貞,寧甘沒齒。
三伝が巳・辰・卯なら、身を端正にし、人も物も亨通する。辰・卯・寅なら、夕陽の返照のごとく、出仕しても隠退しても利がある。卯・寅・丑なら、見た目は联翩として芳を生ずるようだが、実は悔恨と困吝を挟んでおり、否が極まれば自ずから泰が来ることを知るべきである。寅・丑・子なら、魂魄が游荡して定まらず、しかも凶将に乗っているので、事がようやく成ったかと見ている間に、すぐに敗壊するのを座して見ることになる。丑・子・亥なら、墓庫に入るがごとく、収斂して蔵納する姿勢があり、仕途への進取にはすでに心がない。子・亥・戌なら、重々しく畳み重なるのはすべて陰気で、「嘉遯」の貞正に安んじ、むしろ終身隠居して老いることを願う。
六儀課
凡課的旬首之儀發用或入傳,為六儀課。甲子旬用子,甲戌旬用戌,甲申旬用申,甲午旬用午,甲辰旬用辰,甲寅旬用寅,此為旬六儀。子午、丑巳、寅儀辰,卯卯、巳丑、辰儀寅,午未、未申、申儀酉、酉戌、戌亥、亥子神,此為支儀也。蓋旬首為六陽,支神星宮之長、直符之使,有禮儀之尊也。故名六儀課,占者凡事吉慶,家集千祥。統兌之體,乃喜氣溢眉之課。
およそ課を起こす時、本旬の旬首の神が初伝に発用するか、あるいは三伝に落ちれば、それが「六儀課」である。旬儀は六甲旬に従って取る。甲子旬は子を用い、甲戌旬は戌を用い、甲申旬は申を用い、甲午旬は午を用い、甲辰旬は辰を用い、甲寅旬は寅を用いる。この六つの字を「旬六儀」という。もう一筋に「支儀」があり、日支に従って取る。子日は午を取り、丑日は巳を取り、寅日は辰を取り、卯日は卯を取り、辰日は寅を取り、巳日は丑を取る——これは子から逆行するものである。午日は未を取り、未日は申を取り、申日は酉を取り、酉日は戌を取り、戌日は亥を取り、亥日は子を取る——これは午から順行するものである。六甲旬首はもともと六つの陽位であり、しかも十二支神のうち星宮の首長・直符の使者で、礼儀上の尊貴を帯びているので、「六儀課」と名づけた。この課を占えば、凡事吉慶で、一家に千般の祥瑞が集まる。その取象は『周易』の兌卦で、喜気が満面にあふれる一課である。
象曰:兆多喜慶,求旺相宜。罪逢赦宥,病遇良醫。投書見喜,干貴逢時。殺神迴避,喜轉愁眉。如魁罡加日辰年命,遇六儀為用,變凶為吉。或旬日儀神俱在傳,更乘天乙吉將,為富貴六儀。傳並支干之用,主人宅皆吉。或乙丑、己巳日夜占,乙酉、己丑日晝占,皆旬首作簾幕官,占科舉必獲高第。理得奇儀全會,萬事動用無阻有喜,縱並諸惡,不能為害,初終傳神將吉,乃終始有慶,應兌初九和兌吉之象。如有支儀無旬儀,神將凶,則應兌九五有厲凶象也。儀用克行年者凶。
象辞に曰く、兆しは多く喜慶で、求める事は旺相に当たればすべて宜しい。罪ある者は赦免に遇い、病む者は良医に遇う。書信や文章を投じれば喜びが見え、貴人に謁見するのにちょうどその時である。凶煞は退避して一旁に避け、愁眉も笑顔に転ずる。もし戌(天魁)・辰(天罡)が日干・日支または本命・行年に加臨し、ちょうど六儀が初伝に発用するのに遇えば、凶も吉に変わる。もし旬儀と支儀がともに三伝に落ち、さらに天乙のような吉将に乗っていれば、これを「富貴六儀」という。三伝がさらに日干・日支の用いる神と併せれば、人口も宅舍も吉を主る。また乙丑・己巳の二日を夜に占い、乙酉・己丑の二日を昼に占うと、旬首の神がいずれもちょうど帘幕貴人に充当するので、応試を占えば必ず高い名次を得る。もし奇神と儀神が一斉に会合すれば、万事の挙動に阻害なく喜びがあり、たとえ各種の悪煞が併っても害することはできない。初伝・末伝の神将がともに吉なら、すなわち始めから終わりまで慶があり、まさに兌卦初九の「和兌、吉」の象に応える。反対に、支儀だけあって旬儀がなく、神将もまた凶なら、兌卦九五の「孚于剥、有厉」の凶象に応える。もう一条ある。儀神がかえって本人の行年を克するものは、凶を主る。
如丙辰日寅時未將,寅為旬儀,又為支儀,加酉,一下賊克上為六儀課。 寅青 未陰 子合 青貴空蛇 寅酉卯戌 未辰戌丙 戌亥子丑 酉 寅 申 卯 未午巳辰
たとえば丙辰日に寅時に課を起こすと、月将は未である。丙の寄宮は巳にあり、未将を寅時に加えると、天盤は地盤より五位進む。巳の上に戌を見る——第一課は戌が丙に加わる。戌の上に卯を見る——第二課は卯が戌に加わる。日支の辰の上に酉を見る——第三課は酉が辰に加わる。酉の上に寅を見る——第四課は寅が酉に加わる。第四課では下の酉金がかえって上の寅木を克する。この一箇所だけが下が上を賊するので、寅を取って初伝とする。寅の上の未が中伝、未の上の子が末伝で、三伝は寅・未・子である。丙辰日は甲寅旬に属し、旬儀はまさに寅であり、辰日の支儀もまさに寅である。二儀が一字に合して発用するので、六儀課となる。初伝の寅は「青竜」に乗り、中伝の未は「太陰」に乗り、末伝の子は「六合」に乗る。四課にはほかに「貴人」「天空」「螣蛇」が見える。
《訂訛》:六儀,旬儀、支儀發用或入傳是也。旬儀支儀並臨,為上有旬儀。無支儀亦可,若止有支儀,不名六儀。占主凡事逢凶化吉,不忌刑殺,求望得,投書干貴宜,病遇良醫,罪赦官擢。若旬首為用,更作今日貴人,為富貴六儀。作簾幕官,士人高第。若奇儀全遇,凡百吉不可言。此課吉,惟儀克行年凶。
『訂訛』に曰く、六儀とは、旬儀あるいは支儀が初伝に発用するか三伝に落ちるものである。旬儀と支儀が一斉に課に臨むのが上等、旬儀だけあって支儀がなくてもまだ用いられる。もし支儀だけあって旬儀がなければ、六儀とは数えられない。占断では、凡事は凶に逢っても吉に化し、刑煞を恐れない。求める所望が得られ、書を投じ貴人に干謁するのに相応しく、患えば良医に遇い、罪ある者は赦を得、官にある者は提拔を得る。もし旬首の神が初伝に発用し、しかもちょうど本日の貴人に充当すれば、これを「富貴六儀」という。もしそれが帘幕貴人に充当すれば、読書人は応試して高い名次を得られる。もし奇神と儀神がそろって備われば、その種々の吉利は言い尽くせない。この課はもともと吉と論ずるが、ただ儀神がかえって本人の行年を克する時だけ凶を主る。
《觀月經》:甲子神后是,旬中即用之。神仙致六儀,六甲本根基。甲子旬中神后發用六儀卦。甲戌旬中看,河魁改變時。河魁本是凶神,甲戌旬中遇之發用,是六儀卦,主改禍為福,亦是喜神也。甲申傳送是,甲午勝光期。甲辰天罡怒,愁容作笑眉。天罡本是凶神,主死亡。死奇卦中註定,甲辰旬中,若天罡發用者,不得斷為凶兆。終來歡喜,故曰愁容作笑眉,每遇爭競,亦先凶後吉也。
『観月経』に曰く、甲子旬は子を取る(名を「神后」という)、本旬の中ではこれを用いる。神仙が六儀の法を立て、六甲旬首がまさにその根基である——甲子旬で子が初伝に発用すれば、それが六儀卦である。「甲戌旬中看、河魁改変時」:戌は名を「河魁」といい、もともと凶神だが、甲戌旬ではこれが発用すれば六儀卦となり、禍事を福事に改め、凶神がかえって喜神に変わることを主る。「甲申伝送是、甲午勝光期」:甲申旬は申を取り(名を「伝送」という)、甲午旬は午を取る(名を「勝光」という)。「甲辰天罡怒、愁容作笑眉」:辰は名を「天罡」といい、もともと凶神で死亡を主り、「死奇卦」にすでに注記されている。しかし甲辰旬の中で天罡が発用すれば、凶兆と断じることはできず、終には歓喜が転じ出る。だから愁眉が笑顔になるというのである。争闘・競求の事に逢うたびにも、先に凶あって後に吉となる。
甲寅功曹動,萬類得其儀。甲寅旬中,功曹發用,為六儀卦,其萬類皆動。六甲取首用,有罪計非危。家事皆如此,病者得天醫。六儀救之也。求財倍獲利,投書喜不遲。見貴投書亦喜,諸事皆吉慶之兆。
「甲寅功曹動、万類得其儀」:甲寅旬で寅(名を「功曹」という)が初伝に発用すれば、それが六儀卦であり、万物万類がこれに随って発動し各々その宜しきを得る。「六甲取首用、有罪計非危」:六甲は各々本旬の旬首の神を取って用とする。たとえ罪があっても、謀り事をめぐらせば危険には至らない。家中の事も同じくこのようで、病人は天から賜わった良医に遇える——これはすべて六儀が救護しているのである。「求財倍獲利、投書喜不遅」:財を求めれば倍の利を獲得し、書信・文章を投じれば喜びの便りが遅れず来る。貴人に謁見し文書を差し出すのもみな喜びで、どれもこれも吉慶の兆しである。
《心鏡》:六儀一段居旬首,甲子旬中神后為。更復子當從午配,又一段六儀。子日起午,丑日在巳,逆行至丑上得巳是也。逆行相配逐辰移。驅來巳日終於丑,午還居未順求之。午日未,未日申,順數行之。用得此神名善卦,又須傳末吉將臨。凡用神六儀,中傳又乘吉將,乃始終有慶也。
『心鏡』に曰く、六儀の第一の筋は旬首から取り、甲子旬ではすなわち子を儀とする。「更復子当従午配」は、もう一筋の六儀があり、日支に従って取るということである。子日は午から起こり、丑日は巳を取り、一路逆行して相配し逐支移換し、巳日に推し進めて丑に終わる。「午還居未順求之」とは、午から始めて順行に改めるということである。午日は未を取り、未日は申を取り、順に順数していく。この儀神を取れば善卦と称する。ただしなお末伝の上に吉将が臨照しなければならない——およそ初伝が六儀を得て、中伝がまた吉将に乗ってこそ、始めから終わりまで喜慶があると算えるのである。
《袖中金》:六甲旬首見於初傳用之,又子日在午,丑日在巳逆行,午日在未順行,俱為儀神發用。末傳得吉將終始喜慶,大吉之卦也。
『袖中金』に曰く、六甲の旬首の神が初伝に現れて取用されるのは一つの筋である。ほかに子日は午を取り、丑日は巳を取りと順に逆行し、午日は未を取る以下順に順行するのも、みな儀神の発用と算える。ただ末伝がさらに吉将を得れば、すなわち始めから終わりまで喜慶が絶えず、大吉の卦に属する。
時泰課
凡課用起太歲、月建,乘青龍、六合,又帶財德之神,為時泰課。蓋太歲為天子,月建為諸侯,青龍為官長尊貴、錢財喜慶吉神,六合為謀干利祿、婚姻合和吉利。四者為用併入傳,更為日辰財德吉神,如人時運通泰,故名時泰,占者萬事亨利,統泰之體,乃天地和暢之課也。
およそ課を起こす時、太歳または月建が初伝に発用し、上に「青竜」または「六合」を乗せ、さらに財神・徳神を帯びていれば、それが「時泰課」である。太歳は天子にたとえられ、月建は諸侯にたとえられる。青竜は官長の尊栄・銭財・喜慶を主管する吉神であり、六合は事を謀り禄を求めること・婚姻和合を主管する吉神である。この四者が初伝に発用し一緒に三伝に落ち、同時に日干・日支の財神・徳神であれば、一人の人の時運が通泰するがごときなので、「時泰」と名づける。この課を占えば、万事亨通して利がある。その取象は『周易』の泰卦で、天地の気が和暢に交通する一課である。
象曰:課入時泰,皇恩欲拜。災患潛消,謀為無礙。逃亡必歸,盜賊自敗。孕育貴兒,前程浩大。如初傳青龍末傳六合,或初傳六合末傳青龍,但逢太歲月建月將並財德合吉神,則為福神相助,利見大人,朝天子、謁諸侯大貴人皆吉。仕宦則逢榮寵、詔命、喬遷,常人則獲財吉,大有嘉慶,當應泰六五帝乙歸妹,以祉元吉之象也。
象辞に曰く、課が時泰に入れば、皇上の恩典を拜領することになる。災患は暗に消解し、一切の謀劃に阻害がない。逃亡した人は必ず帰り、盗賊は自ずから敗露する。懐孕すれば貴子を生み、前程は浩大で量りがたい。もし初伝が青竜に乗り末伝が六合に乗るか、あるいは初伝が六合に乗り末伝が青竜に乗り、たださらに太歳・月建・月将と財神・徳神・合神の吉神が併せて臨めば、それは福神が旁らから相助けるもので、大人物に謁見するに宜しい。天子に朝見し、諸侯の大貴人に拜謁するのもみな吉である。官にある者は栄寵・詔命・升遷を得、平常の百姓も財を獲て吉を得、大いに賀すべき事があり、まさに泰卦六五の「帝乙帰妹、以祉元吉」の象に応える。
如子年戌月戊寅日戌時卯將,子為太歲,又為日財德合加未為用,初傳青龍,末傳六合,為時泰課。 子青 巳陰 戌六 青 貴 常 六 子 未 卯 戌 未 寅 戌 戊 戌亥子丑 酉 寅 申 卯 未午巳辰
たとえば子年・戌月に、戊寅日の戌時に課を起こすと、月将は卯である。戊の寄宮は巳にあり、卯将を戌時に加えると、天盤は地盤より五位進む。巳の上に戌を見る——第一課は戌が戊に加わる。戌の上に卯を見る——第二課は卯が戌に加わる。日支の寅の上に未を見る——第三課は未が寅に加わる。未の上に子を見る——第四課は子が未に加わる。第三・第四の二課はともに下の地支がかえって上の天神を克し、二箇所が相賊するので、「比用」の法に従い、日干と陰陽の同じ一位を取る——戊は陽に属し、子もまた陽なので、子を取って初伝とする。子の上の巳が中伝、巳の上の戌が末伝で、三伝は子・巳・戌である。この年はまさに子年で、子は太歳であると同時に日干の財神・徳合の神に充当し、未の上に加臨して発用する。初伝の子は「青竜」に乗り、末伝の戌は「六合」に乗り、中伝の巳は「太陰」に乗るので、時泰課と判ずる。
《訂訛》:值逢太歲月建作日財德,太歲發用更佳,入傳亦可。天恩,干支得用,乘貴人兼青龍、天后入傳,或在年命是也。干支屬本季旺氣,謂之得用。如春占值甲寅乙卯日之類,兼貴龍后湊合,是上天布降恩澤,故名天恩。
『訂訛』に曰く、時泰課は太歳または月建が日干の財神・徳神に充当するのに遇わなければならない。太歳が初伝に発用するのが最もよく、ただ三伝に落ちるだけでもまだ可とする。このほかにもう一格があり、「天恩」という。日干・日支がちょうどその用に当たり、上に貴人を乗せ、さらに青竜・天后がともに三伝に落ちるか、あるいは本命・行年の上に臨めば、それである。いわゆる「得用」とは、日干・日支がその季節の旺気に属することをいい、たとえば春に占って甲寅日・乙卯日の類に遇うようなものである。さらに貴人・青竜・天后がそろって備われば、上天が布施して恩沢を降すがごときなので、「天恩」と名づける。
占主仕者膺朝廷恩典,常人獲貴人恩惠,孕生貴子,病痊囚赦。此課若傳見空亡,又名天恩未定,事多虛喜,上人雖有意施惠,猶豫不決。
占断では、官にある者は朝廷の恩典を領受でき、平常の人は貴人の恩惠を得られ、妊婦は貴子を生み、病人は全快し、囚犯は赦を得る。ただしこの課で三伝の中に空亡を見れば、別に「天恩未定」と呼ぶ。事は多く空しい歓喜に終わるだけで、上の人は恵みを施す心があるものの、遅疑して決定できないのである。
竜徳課
凡太歲月將乘貴人發用,為龍德課。當時太歲,人君也,首出庶物,而德被天下;月將,一月主宰之神,太陽也,懸象在空,而明照四方;天乙貴人,吉將之首也,降福致祥,而消苦超貧。若太歲與月將並者,更乘今日之貴神作用神,如龍行雨澤,德及萬物,故曰龍德課。占者主天子恩澤,福神相助,統萃之體,乃雲龍際會之課也。
およそ太歳または月将が貴人に乗って初伝に発用すれば、それが「竜徳課」である。当値の太歳は人君のごとく、万物の首に居り恩徳を天下に遍く施す。月将は一月の主宰の神で、すなわち太陽であり、天空に高く懸かり光が四方を照らす。「天乙」貴人は衆吉将の首で、福を降し祥を致し、困苦を消解し、貧寒を超拔できる。もし太歳と月将がちょうど同じ一字で、しかも本日の貴人に乗って初伝を作れば、それは竜が天上を行って雨沢を遍く施し、恩徳が万物に及ぶがごときなので、「竜徳課」という。この課を占えば、天子の恩沢を得、福神が旁らから相助けることを主る。その取象は『周易』の萃卦で、雲が竜に従い君臣が際会する一課である。
象曰:君恩及下,萬姓歡忻。罪囚出獄,財喜臨身。利名易萃,爭訟休陳。官爵超擢,利見大人。如太歲乘貴人發用,傳中見月將亦是。主仕宦者加官進爵,君臣際會,及恩詔寵澤之榮。若仕人干求祿位,則有天官賜福,見宰相及君,所謀並吉,當獲重重財喜,則應萃九四大吉無咎之象,縱逢凶將,亦不為害,惟尊貴求卑下不吉,或帶殺為日鬼,占訟則事干朝遷,則應萃初六有孚不終,乃亂象也。
象辞に曰く、君王の恩沢は下りて百姓に及び、万民は歓欣する。牢獄の罪囚は出獄を得て、財喜が身に臨む。利と名は聚まりやすく、争訟はもはや陳告しなくてよい。官爵は格を破って升遷し、大人物に謁見するに宜しい。もし太歳が貴人に乗って初伝に発用するか、あるいは三伝の中に月将を見れば、いずれもこの格と算える。官にある者は加官進爵し、君臣が遇合を得て、恩詔と寵沢の栄耀を享けることを主る。士人が禄位を求めれば、天官が福を賜い、宰相に見え君王に見え、謀る所はみな吉で、一重また一重の財喜を得るのであって、まさに萃卦九四の「大吉、无咎」の象に応える。たとえ凶将に逢っても害することはない。ただ尊貴な人がかえって卑下な人を求めるのは不吉である。あるいは課の中に煞を帯びて日干の鬼に化すれば、訟事を占えば朝廷に牵连することになり、萃卦初六の「有孚不終、乃乱乃萃」の乱象に応えることになる。
如癸巳年七月癸酉日酉時巳將,巳為太歲,又為月將,又為日貴加酉,上克下為用,龍德課也。 巳貴 丑勾 酉常 勾貴貴常 丑巳巳酉 巳酉酉癸 丑寅卯辰 子 巳 亥 午 戌酉申未
たとえば癸巳年七月に、癸酉日の酉時に課を起こすと、月将は巳である。癸の寄宮は丑にあり、巳将を酉時に加えると、天盤は地盤より八位進む。丑の上に酉を見る——第一課は酉が癸に加わる。酉の上に巳を見る——第二課は巳が酉に加わる。日支の酉の上にも巳を見る——第三課は巳が酉に加わる。巳の上に丑を見る——第四課は丑が巳に加わる。第二・第三課はともに上の巳火が下の酉金を克する上克下であり、巳を取って初伝とする。巳の上の丑が中伝、丑の上の酉が末伝で、三伝は巳・丑・酉である。この年は癸巳年で、巳は太歳であり、七月はちょうど巳将を用い、同時にまた癸日の貴人でもある。三重の身分が一字に合して酉の上に加臨し発用するので、竜徳課と定める。初伝の巳は貴人に乗り、中伝の丑は「勾陳」に乗り、末伝の酉は「太常」に乗る。
《訂訛》意同。《心鏡》:太歲今朝作貴人,立用還須月將神。龍德卦宜干祿位,恩賜真官拜聖君。發用神有月將也,太歲乘天乙發用,傳有吉將,官從詔命而出也。
『訂訛』の説は上文と同じである。『心鏡』に曰く、太歳が今日ちょうど貴人に充当し、立てられた初伝はさらに月将の神でなければならない。竜徳の一卦は禄位を求めるに宜しく、恩賜の実職官位があり、聖明の君主に拜見できる。これは初伝に発用するその神が月将であり、太歳がまた天乙貴人に乗ってともに発用し、三伝の中にさらに吉将があれば、官職が詔命とともに下って来るということである。
《袖中金》:龍德,乙乘太歲發用,主朝遷恩命,仕宦升擢,利有攸往。《通神集》:升遷美兆干祿位,指日衣冠拜紫宸。六壬大全卷七終。
『袖中金』に曰く、竜徳の一格は、天乙貴人が太歳に乗って初伝に発用するもので、朝廷に恩命が下達し、官にある者は升遷提拔を得、往く所はすべて利があることを主る。『通神集』に曰く、これは升遷の好い兆しで、禄位を求めるに宜しく、まもなく衣冠を整粛して紫宸殿に天子に朝見できる。『六壬大全』巻七はここで終わる。
六壬大全巻八 課経集二
官爵課
凡課得歲月年命驛馬發用,又天魁太常入傳,為官爵課。驛馬者,三合頭沖是也,為驛遞之神,傳命之使也。人命行年,太歲月建並用之馬,華麗異常。又戌天魁為印綬,榮加官職爵祿,名曰官爵也。占事吉慶,仕宦升擢。統益之體,為鴻鵠沖霄之課也。
およそ課を起こす時、太歳・月建・本命または行年の駅馬が初伝に発用し、さらに戌(天魁)と「太常」が三伝に落ちれば、それが「官爵課」である。いわゆる駅馬とは、三合局の第一の字の対冲する支で、駅伝の伝達の神・命令を遞送する使者である。人の本命・行年・太歳・月建が共用するその馬は、気象が格別に華美である。さらに戌は天魁で、官印の綬帯を象徴し、身に加われば官職爵禄の栄となる。だから「官爵」と名づける。事を占えば吉慶で、官にある者は升遷提拔を得る。その取象は『周易』の益卦で、鴻鵠がまっすぐ雲霄に衝き上がる一課である。
象曰:官爵印綬,得之榮華。財名吉利,病訟堪嗟。訪人不在,行者還家。孕生貴子,仕宦尤佳。如四帶印綬更遇德神、天馬、青龍、日辰二馬,尤吉。日用旺相,主事速成,仕宦有遷官進爵之慶,常人有見貴、財利之喜,士子何憂上選不通,則應益初九利用為大作元吉之象。若驛被破,魁常值空亡,日用囚休,主事遲滯,而返棲惶,則為官爵失印之課,主官遭黜罰,文書沉匿,謀為不成,變喜為憂,當應上九立心勿恆凶之象也。
象辞に曰く、官爵と印綬は、得れば栄華である。財を求め名を求めるのはみな吉利だが、病を占い訟を占うのは歎かわしい。人を訪ねに行けば相手は不在で、出て行った人はすでに家に帰る途上にある。懐孕すれば貴子を生み、官にある者はとりわけ佳い。もし四課の中に印綬を帯び、さらに徳神・天馬・青竜、および日干・日支の両処の駅馬に遇えば、格別に吉利である。日干と初伝が旺相に当たる時は、事がすぐに成り立つことを主る。官にある者は遷官進爵の喜慶があり、平常の人は貴人に見え財利を得る歓喜があり、読書人も選抜されないことを愁える必要はない。まさに益卦初九の「利用為大作、元吉」の象に応える。反対に、もし駅馬が冲破され、天魁と太常がまた空亡に落ち、日干と初伝が囚休の地に処すれば、それは事が遅滞し、かえって惊慌煩悩を来し、「官爵失印」の課となる。官にある者は貶黜の責罰を受け、文書は押し留められて発せられず、謀る事は成らず、喜びの事が憂いの事に変わる。まさに益卦上九の「立心勿恒、凶」の象に応える。
如未年二月丁亥日巳時戌將,癸亥生命,行年在午上見亥,歲月日命俱馬在巳發用,傳見魁常,為官爵課也。 巳空 戌蛇 卯常 朱 白 空 后 酉 辰 巳 子 辰 亥 子 丁 戌亥子丑 酉 寅 申 卯 未午巳辰
たとえば未年二月に、丁亥日の巳時に課を起こすと、月将は戌で、占者は癸亥年生まれ、その年の行年は午に落ち、午の上に亥を見る。丁の寄宮は未にあり、戌将を巳時に加えると、天盤は地盤より五位進む。未の上に子を見る——第一課は子が丁に加わる。子の上に巳を見る——第二課は巳が子に加わる。日支の亥の上に辰を見る——第三課は辰が亥に加わる。辰の上に酉を見る——第四課は酉が辰に加わる。第一課と第二課はともに下の支がかえって上の神を克し、二箇所が相賊する。丁は陰日に属すので、陰に属する巳を取って初伝とする。巳の上の戌が中伝、戌の上の卯が末伝で、三伝は巳・戌・卯である。未年・亥日・亥命は亥卯未に三合し、駅馬はみな巳にあり、二月の月建の馬も巳にある。太歳・月建・日辰・本命の四路の馬が一字に匯りて発用する。中伝の戌は天魁で、末伝の卯は太常に乗り、印も綬も三伝に入ったので、官爵課と定める。初伝の巳は「天空」に乗り、中伝の戌は「螣蛇」に乗る。
《訂訛》:官爵,或驛馬發用,印綬入傳,或印綬發用,驛馬入傳,都要臨日辰年命為的。天魁,印也,太常,綬也,驛馬,使命之神也。此拜除官爵之象,故名官爵。占主無官得官,有官進爵,傳中合神動,更主重遷。如寅為驛馬發用,末傳亥是也。驛馬既動,行人至,賊來,求望遂,病必魂遊千里,訟者遍於諸司,孕生貴子,訪人不在。此課若驛馬逢沖破,官爵淹留,印綬空亡,官爵脫失。
『訂訛』に曰く、官爵の一格は、あるいは駅馬が初伝に発用して印綬が三伝に落ち、あるいは印綬が初伝に発用して駅馬が三伝に落ちるもので、いずれも日干・日支・本命または行年の上に臨んでこそ確実である。戌(天魁)はすなわち官印で、太常はすなわち綬帯であり、駅馬は命を奉じて伝える神である。これは官を授け爵を封ずる気象なので、「官爵」という。占断では、官職がない者は官を得、すでに官職がある者は爵を進める。三伝の中でもし合神が発動すれば、さらに相続いで升遷することを主る——たとえば寅が駅馬として初伝に発用し、末伝に亥が見えてこれと合すればそれである。駅馬がすでに発動すれば、出て行った人は到着し、賊寇は来たり、求め望む所は遂げられる。病を占えば病人の魂は千里に游び、官司を打てば各衙門を輾転することになる。懐孕すれば貴子を生み、人を訪ねに行けば相手は家にいない。この課でもし駅馬が冲破に遭えば、官爵は引き延ばされ、印綬が空亡に落ちれば、官爵は脱失することになる。
《觀月經》:名平地登霄。驛馬當頭發,官爵卦中流。驛馬發動者為官爵卦,若庶人的入官分,準此推之。四路分明取,年月日時周。記年驛馬、月驛馬、日驛馬、時驛馬俱全,為四路分明取之。三合頭沖是,年月一般求。日時同年月,四孟上追遊。申子辰馬居寅,亥卯未馬居巳,巳酉丑馬居亥,寅午戌馬居申,發用準求,年月日時三合也。
『観月経』はこの課を「平地登霄」と呼ぶ。歌訣に「駅馬当頭発、官爵卦中流」:およそ駅馬が初伝に発用すればそれが官爵卦である。たとえ平民・百姓でも、命のうちに官分があるべきなら、この法に照らして推す。「四路分明取、年月日時周」:年駅馬・月駅馬・日駅馬・時駅馬の四路がそろって具わるのを見るのであって、これを四路分明という。「三合頭冲是、年月一般求。日時同年月、四孟上追游」:駅馬は三合局の頭の一字の対冲を取る。年と月は同じ法に照らして求め、日と時も年月と同じで、落ちる所は寅申巳亥の四孟の位を出ない。具体的には、申子辰の馬は寅にあり、亥卯未の馬は巳にあり、巳酉丑の馬は亥にあり、寅午戌の馬は申にある。初伝に発用する時はこの準則に照らして探し、年月日時はみな各々の三合局に従って算える。
發用君王詔,加官移好州。若見驛馬四路俱動者,主大僚得位,別加其官。百姓得此主官中有喜事。忽然驛馬破,官職有淹留。若申子辰日時,功曹發用,是驛馬動也。若課中見傳送是驛馬破也,主帝王降罪之兆也。末傳合神動,重前喜不休。如申子辰年月日時,見功曹為驛馬,不見傳送,末傳見登明,為驛馬合神也。
「発用君王詔、加官移好州」:駅馬が初伝に発用すれば、君王の詔命が下ることを主り、官を加え級を進めて好い州郡に移る。もし四路の駅馬が一斉に発動すれば、大官が位を得てさらに官職を加えることを主る。平常の百姓がこの課を得れば、官府の中で喜びの事があることを主る。「忽然駅馬破、官職有淹留」:たとえば申子辰の日と時に、寅(名を「功曹」という)が初伝に発用するのは、駅馬の発動である。しかし課の中にもしまた申(名を「伝送」という)を見れば、寅申は相冲し、これは駅馬が破されたもので、かえって帝王が罪を降す兆しとなる。「末伝合神動、重前喜不休」:やはり申子辰の年月日時を例にすれば、寅が駅馬で、課の中に申が冲しに来るのを見ず、末伝にはかえって亥(名を「登明」という)を見る——亥は寅と相合する。これはすなわち駅馬の合神で、喜びの事が一重また一重と絶えず来る。
《袖中金》:天魁乘太常入傳,更值歲月日時四路驛馬,主應舉得中,仕宦升官,故曰平地登霄也。
『袖中金』に曰く、戌は天魁で、それが太常に乗って三伝に落ち、さらに太歳・月建・日辰・占時の四路の駅馬がそろって備わるのに逢えば、応試すれば考中でき、官にある者は升遷できることを主る。だからこの課を「平地登霄」という——平地から一歩で雲霄に昇るのである。
《心鏡》:印綬兩般初用現,天魁為印,太常為綬,此兩般初用俱遇,是大吉之卦也。四驛馬以傳內逢。四驛馬者,太歲、月建、日辰、行年。假如二月建卯,太乙是驛馬;行年在申,功曹是驛馬。值此就是名官爵,末吉何憂選不通。更若末傳德合吉神吉將,助馬求官,入選遷改並通。
『心鏡』に曰く、印と綬の二つがともに初伝に現れる——戌が印で、太常が綬であり、この二つが初伝で一斉に遇えば、すなわち大吉の卦である。「四駅馬以伝内逢」:四駅馬とは太歳・月建・日辰・行年の四路の馬を指し、三伝の中で遇ってこそ算える。たとえば二月は月建が卯にあり、卯は亥卯未の一局に属し、馬は巳(名を「太乙」という)にある。これがすなわち月駅馬である。行年が申にあれば、申は申子辰の一局に属し、馬は寅(名を「功曹」という)にある。これがすなわち行年駅馬である。これらに逢えば官爵課と呼び、末伝がさらに吉なら、選抜が通らないことを愁えようか。もし末伝にさらに徳神・合神と吉神・吉将があって相助け、駅馬のために力を添えて官を求めさせれば、応選・升遷・调任はどれもこれも通達する。
富貴課
凡課得天乙乘旺相氣,上下相生,更臨日辰年命發用,為富貴課。蓋天乙在紫微門外近左樞,居太乙右,為十二神元首,主干貴上官田土等事。然貴人理事而且貴,占者家道榮昌,官職顯耀,統大有之體,乃金玉滿堂之課也。
およそ課を起こす時、「天乙」貴人が旺相の気に乗り、上下が互いに相生し、また日干・日支または本命・行年の上に臨んで初伝に発用すれば、それが「富貴課」である。天乙という星は紫微垣の門外の左枢に近い位置にあり、太乙星の右に列なり、十二天将の元首で、もっぱら貴人への謁見・官職の遷升・田産屋宅の類の事を管する。貴人が出面して事を理するので、それ自体が極めて尊貴である。だからこの課を占えば、家道は栄盛に昌隆し、官職は顕赫に耀眼する。その取象は『周易』の大有卦で、金玉が堂に満ちる一課である。
象曰:天降福德,萬事新鮮。財喜雙美,富貴兩全,孕生貴子,婚配嬋娟,獄訟得理,謀望勝前。如戌加巳則富貴權印之象,最吉,更逢太常為綬,逢驛馬乘青龍,則主獲財利珍寶,積代富貴,無官必遇上臺委用,有財喜勝常,有官者決遇明君取擢,享福祿尤濃,則應大有上九,自天佑之吉無不利之象。若貴人臨辰戌為入獄,其勢消減,則不美,當應九三小人弗克為害之象也。
象辞に曰く、上天は福気と徳沢を降し、万事に新たな気象がある。財と喜の二つが双なり全し、富と貴の両頭が兼ね得られる。懐孕すれば貴子を生み、婚配すれば美貌の佳人を得る。牢獄の訟事は申し理められ、謀り望む所は従前に勝る。もし課の中で戌が巳の上に加われば、富貴であって権印を握る気象で、最も吉利である。さらに太常が綬帯に充当し、駅馬がまた青竜に乗るのに遇えば、財利・珍宝を得て数代の富貴を主る。官職がない者は必ず上司の委任重用を蒙り、財喜もまた尋常に勝る。すでに官職がある者は必ず明君の提拔に遇い、享ける福禄は格別に豊厚で、まさに大有卦上九の「自天佑之、吉无不利」の象に応える。もし貴人が辰または戌の上に臨めば、これを「入獄」と呼び、気勢は消減するので、美とは算えない。まさに大有卦九三の「小人弗克」で、かえってその害を受ける象に応える。
如二月辛巳日丑時戌將,寅命行年巳占,寅為天乙旺氣臨行年,日支巳相氣,上下木火相生發用,為富貴課。 寅貴 亥六 申空 六 貴 陰 白 亥 寅 辰 未 寅 巳 未 辛 寅卯辰巳 丑 午 子 未 亥戌酉申
たとえば二月に辛巳日の丑時に課を起こすと、月将は戌で、占者の本命は寅に属し行年は巳にある。辛の寄宮は戌にあり、戌将を丑時に加えると、天盤は地盤より九位進む。戌の上に未を見る——第一課は未が辛に加わる。未の上に辰を見る——第二課は辰が未に加わる。日支の巳の上に寅を見る——第三課は寅が巳に加わる。寅の上に亥を見る——第四課は亥が寅に加わる。四課は上下ともに相生・相比し、近い克は一箇所もなく、ただ日干の辛金が位を隔てて寅木を克しに行く遥克なので、寅を取って初伝とする。寅の上の亥が中伝、亥の上の申が末伝で、三伝は寅・亥・申である。二月は木気が正に旺んであり、寅は旺気を得る。辛日の夜占では、貴人がちょうど寅の上に落ち、しかも本命に臨む。日支の巳火は春に当たって相気を得、寅木と巳火が上下相生して発用するので、富貴課と定める。初伝の寅は貴人に乗り、中伝の亥は「六合」に乗り、末伝の申は「天空」に乗る。
《訂訛》:富貴,天乙發用乘旺相,臨日辰行年,傳終有氣是也。又干支逢祿馬亦是。天乙為十二神元首,專主財喜官爵等事,富而且貴,故名富貴。占主家昌官顯,富貴兩全,孕生貴子,訟理謀遂。如傳遇戌加巳,又富貴權印之象,更吉。若遇常為綬及驛馬乘青龍,尤主積代富貴,無官者有官,有官者高官。
『訂訛』に曰く、いわゆる富貴とは、天乙貴人が初伝に発用して旺相の気に乗り、また日干・日支または行年の上に臨み、末伝に至るまでなお気があるものである。このほか日干・日支が禄神・駅馬に遇うものも、この格と算える。天乙は十二天将の元首で、もっぱら財喜と官爵の類の事を管し、富でもあり貴でもあるので、「富貴」と名づける。占断では家道の昌盛・官職の顕達を主り、富と貴の両頭が兼ね全うされ、懐孕すれば貴子を生み、訟事は直を得て事を謀れば心に称う。もし三伝のうちに戌が巳に加わるのに遇えば、富貴で権印を握る気象を添えて、さらに吉利である。もしさらに太常が綬帯に充当し、駅馬が青竜に乗るのに遇えば、とりわけ数代の富貴を主る。もともと官職がない者は官職を持つようになり、すでに官職がある者は高位に昇る。
勢消課(貴人入獄)
此課如貴人入獄,又名勢消課,告貴不允,所占皆凶。乙辛辰戌日及辰戌年命之人又不以坐獄論。又貴人坐獄為受賄,宜陰祭私禱。凡傳見晝夜兩貴,主告貴求事必干兩處成就,然或四課三傳皆晝夜貴,為遍地貴人,乃貴多不貴,告貴反無依,在任多差使,或權攝不一,占訟主干多官尤凶。
この課は「貴人入獄」に属し、また「勢消課」とも呼ぶ。「貴人」とはすなわち天乙貴人で、六壬十二天将のうち最も尊い神である。辰は天罡・戌は河魁で、天牢の獄地である。貴人が辰戌の二宮に落ちれば「入獄」と称し、尊神が困を受け気勢は消え尽きるので、権貴に上告しても准許を得られず、占う事はすべて凶険である。ただ乙日・辛日と辰日・戌日、および年命が辰戌にある人は、貴人がもともとここに当値するので、坐獄の論には従わない。貴人の坐獄はまた賄賂を受ける一層の意味を含む。この時は暗に祭祷し私に願を許すのが宜しく、公開に情を陳してはならない。およそ「三伝」(初伝・中伝・末伝の三歩の推演)のうちに昼貴・夜貴の二名が同時に現れれば、求める事は二処の貴人の手を経なければ成り立たないことを主る。もし「四課」(日干・日支に各々上神を配して排した四組)と三伝に至る所すべて昼夜の貴人であれば、遍地貴人となり、貴が多すぎてかえって貴とならず、求め告げるのはかえって依托する所がなくなり、職にある人は差使が紛雑し、あるいは権柄が代攝して専らでなくなり、詞訟を占えばさらに多くの衙門に牵连することを主り、とりわけ凶険である。
日貴在夜,夜貴在日,為貴人蹉跌,告貴幹事多不歸一。然日貴在夜,開眼作暗。夜貴在日,自暗而明。日貴臨夜貴,夜貴臨日貴,官訪官得見,下人謁官不見,以貴在往見貴故也。貴在干前事不宜迫,迫反為貴所怒。貴在干後,宜催不催,事慢。兩貴逢空,或事許後無成,或誤報虛喜,換旬可成。兩貴坐受克方,不可告貴用事,占訟貴人怒。朱譽所乘神克貴,求文書貴人忌憚。六丁日貴作日鬼臨日,占官利,占病神祗所害,臨支家神致病,宜修設安慰宅神。墓鬼尤凶,貴作六害,占訟理直而遭曲斷,此皆不論發用與否也。
昼に卦を占うのに夜貴を用い、夜に卦を占うのに昼貴を用いるのを、貴人の蹉跌と呼び、権貴に求めて事を成すのは往々にして頭緒が紛乱し、一処に帰らない。ただし白日に占って夜貴を得るのは、眼を開いたまま暗い所に入るようなもので、夜に占って昼貴を得るのは暗から明に転じ、前景が次第に明るくなる。昼貴の上に夜貴が加臨し、夜貴の上に昼貴が加臨すれば、官員が官員を訪ねて拜見すれば遇えるが、下屬が長官に謁見しても遇えない。貴人がちょうど出て行って貴人に会いに行っているからである。貴人が日干の前に落ちれば、事は催逼してはならず、逼め急げばかえって貴人に怒られる。貴人が日干の後に落ちれば、催すべきを催さず、事は拖沓で遅緩になる。二名の貴人がともに「空亡」(一旬の中で干の配らぬ二つの地支)に落ちれば、あるいは事が先に承諾し後に空しくなるか、あるいは人が虚しい喜びを誤って伝えるかで、旬を換えなければ成り立たない。二貴の坐する地がちょうど他神の克制を受けていれば、権貴に求めて事を成しに行ってはならず、訟を占えば貴人は怒を動かす。「朱雀」(文書・口舌を主る天将で、原文は「朱誉」と作る)の乗ずる神が貴人を克傷すれば、文書を求め取る時に貴人は心に顧忌を存する。六丁日に貴人が日鬼に化して日干に加臨すれば、官運を占うには利があるが、疾病を占えば神祇の祟りである。貴人が日支に臨めば、家宅の神が病を致すもので、祭祀を修設して宅神を安撫するのが宜しい。貴人がもし墓鬼となればさらに凶である。貴人がまた「六害」(地支の両々相害)に逢えば、訟を占えばたとえ理を占めても曲断と判される。以上の各条は、貴人が発用して初伝を作るか否かにかかわらず、すべて同じく適用される。
富貴天乙卦(葵花向日)
《觀月經》:名葵花向日 富貴天乙卦,發用最為良。因此名富貴,家門日日昌。 凡天乙發用,富貴也。 四月申加卯,壬子入本鄉。富貴兼權印,官私兩用張。 假令四月壬子日申將卯時占,一課辰壬,二課酉辰,三課巳子,四課戌巳,三傳巳戌卯,天乙在巳加子為用,此名富貴卦。又巳戌卯為鑄印,公私皆喜,加官進財之象也,又為權印。
『観月経』はこの格を「葵花向日」と呼ぶ。歌訣に曰く、天乙貴人が発用するのは最も好い課体で、まさにこのゆえに富貴と称され、家門は自ずから日に日に興旺する。およそ天乙貴人が初伝を作って発用するものは、みな富貴の課に属する。歌訣にまた曰く、四月に申将が卯時に加わり、壬子日の貴人がちょうど自家の本宮に帰る。富貴を得ると同時に権印を兼ね、公事も私事も両頭ともに施展できる。例を挙げれば、四月は申を月将とし、卯時に課を起こす。占うのは壬子日である。日干の壬は亥に寄宮し、亥の上に辰を得る——これが第一課。辰の上に酉を得る——これが第二課。日支の子の上に巳を得る——これが第三課。巳の上に戌を得る——これが第四課。三伝は巳・戌・卯を取る。壬日の夜貴人はちょうど巳にあり、巳が子の上に加わって発用するので、富貴卦と呼ぶ。そして巳戌卯のこの組の三伝はまた「鋳印」の象を凑える——巳が炉で戌が印であり、公私の両面がともに心に称い、官を加え財を進める徴兆なので、権印とも呼ぶ。
懷孕生貴子,生下置田莊。福祿從天降,萬里有馨香。約信依時到,家業合宮商。 天乙發用順行,主有印綬者,主與貴人有約信也。貴人乘巳發用,傳中見戌加巳為權印,即加官進財,孕生貴子。合宮商之姓者尤驗。若為信,亦主依期而至。
歌訣にまた続けて曰く、この課を占えば、懐孕すれば貴子を生み、子が生まれればすぐ田荘を置くことができる。福気・俸禄は天から降り、声名は万里に遠く播れる。約束した音信は期に即って届き、家業は宮・商の音に合する。これは天乙貴人が発用して三伝が順行し、人の手中に印綬・官憑を握ることを主り、また貴人と早くから約束した信約があることを主るということである。貴人が巳火に乗って発用し、三伝のうちにまた戌が巳の上に加わるのを見れば、すなわち権印の象であり、それゆえ官を加え禄を進め、財源が増え添えられ、妊婦は貴子を生む。もし相手の姓氏が五音のうちの宮音・商音に属すれば、応験はいっそう的確である。もし音信を問えば、また期に即って至ることを主る。
《心鏡》 天乙幸來乘旺相,臨在行年與日辰。發用傳中吉有氣,即是從前富貴人。中遇凶神近業顯,更喜青龍足寶珍。 末傳吉將求官必達之兆也。 《袖中金》 天乙發用乘旺相神或臨行年日辰,三傳有氣,是富貴卦。在朝有恩命,仕宦升擢,利有攸往。
『心鏡』の歌訣に曰く、天乙貴人がちょうど旺相の気に乗って来て、また占人の「行年」(歳の数によって推した流年の宮位)と日辰の上に加臨する。発用と三伝がみな吉利で気があれば、この人はもともと富貴のうちの人である。中伝がたとえ凶神に遇っても、近頃の事業が格別に顕著になるにすぎず、もしさらに「青竜」(財禄・喜慶を主る天将)が同じく来れば、なおさら珠寶が箱に満ちる。末伝が吉将を得るのは、官を求めて必ず成る徴兆である。『袖中金』に曰く、天乙貴人が発用して旺相の神に乗り、あるいは行年・日辰に加臨し、三伝にすべて気があれば、これがすなわち富貴卦である。朝で官をなす者は恩詔の封賞があり、仕途は升遷し、往く所はどこへ行っても順調である。
軒蓋課
凡課值勝光為用,遇太沖、神后,為軒蓋課。神后子也,為紫微華蓋;太沖卯也,為天駟天車;勝光午也,為天馬。此三神並遇,如乘駟馬軒車,高張華蓋,故名華蓋。占者加官榮顯,凡事吉慶,統升之體,乃士子發達之課也。
およそ課の中で「勝光」が発用し、また「太冲」「神后」に遇えば、これを軒蓋課という。この三つはいずれも十二地支の六壬における月将の別名である。神后はすなわち子で、紫微の華蓋である。太冲はすなわち卯で、天駟・天車である。勝光はすなわち午で、天馬である。三神が同時に聚りそろえば、四馬の軒車に乗り華蓋を高く張って出かけるがごときなので、華蓋という。この課を占えば、加官進爵・栄耀顕達し、諸事吉慶である。この課は『易経』の升卦の体に統属し、読書人が騰達する課である。
象曰:課遇高軒,車馬皆全,朱輪穩上,詔用榮宣,求財大獲,疾病難延,干貴歡會,行者必旋。如勝光又作月內天馬,太沖又作月內天車,正七月內是也。然車馬既動,出者必行,聞賊必來,餘月軒蓋又帶三交,出軍沖野,決防戰鬥。論訟換司易衙,病者魂遊千里。
断辞に曰く、課の中で高車に遇えば、車と馬がそろって備わり、朱漆の車輪が平穏に路に上がり、詔命は光栄に宣布される。財を求めれば大いに獲る所があり、疾病は引き延ばさず、貴人に謁見すれば歓然として相会し、外に出ている人は必ず回還する。もし勝光午が同時にまた当月の天馬であり、太冲卯が同時にまた当月の天車であれば、それはまさに正月と七月の二ヶ月の情形である。ただし車馬がすでに発動すれば、出かけようとする人は必ず成行し、盗賊があると聞けば必ず来る。そのほかの月に軒蓋課がまた「三交」(神将が交錯し、動蕩・奔波を主る凶格)を帯びれば、兵を出せば曠野で冲殺に遭遇するので、必ず戦闘に防備しなければならない。官司を打てば衙門を換え主審を改めることを主り、病人は魂魄が千里の外に游荡する。
或年命有龍,出行大雨。車馬作財,財自外來,更日用旺相,又為太歲月將,德神上乘貴人、龍常后合吉將,當主出入見君,拜官驛馬,高車華蓋,執飾喜慶,寵祿十全之榮,官爵當踐公卿之位,則應初六允升大吉之象。若三傳帶殺,乘蛇虎死氣,克年命日辰,或空亡,或卯作喪車,則刑沖從凶而動變為三交,身弱人衰,則為乘軒落馬之象。主傷躬被脫,望事無成,則應上六冥升消不富之象也。
もし占人の年命の上に青竜を帯びれば、出て行って大雨に逢う。車馬が財爻に化すれば、財は外から来るのである。さらに日干と発用が旺相し、またちょうど太歳・月将に当たり、徳神の上に貴人・青竜・太常・天后・六合の吉将を乗せていれば、出入して君王に朝見し、官を受けて駅馬を得て、高車・華蓋・盛装・喜慶で、恩寵と禄位が十全十美し、官爵は公卿の位に登ることができ、『易経』升卦初六の「允升大吉」の卦象に応える。もし三伝が凶殺を帯び、「螣蛇」(惊恐・怪异を主る天将)・「白虎」(凶傷・道路を主る天将)と死気に乗り、また年命・日辰を克傷するか、あるいは空亡に落ちるか、あるいは卯木が喪車に化すれば、刑冲が凶に随って動き、かえって三交に変じ、身体は虚弱・人事は衰敗し、軒に乗って馬から墜ちる姿となり、自身の受傷・財物の奪取を主り、望む事は一成もなく、升卦上六の「冥升、消不富」の凶象に応える。
如甲子日卯時子將,三傳卯午子,為軒蓋課。 午青 卯朱 子后 青 常 白 陰 午 酉 申 亥 酉 子 亥 甲 寅卯辰巳 丑 午 子 未 亥戌酉申
たとえば甲子日の卯時に占い、子を月将とする。天盤の子を地盤の卯に加えると、天盤は全体として地盤より三位退く。甲の寄宮は寅にあり、寅の上に亥を得る——第一課。亥の上に申を得る——第二課。日支の子の上に酉を得る——第三課。酉の上に午を得る——第四課。第四課の午火が下の酉金を克するので、上克下を取って発用し、初伝は午、中伝は午の上の卯、末伝は卯の上の子である。原文は「三伝卯午子」と作るが、課盤に初伝から下へ列ねるのは午・卯・子なので、午卯子をもって準とすべきである。午は勝光の天馬、卯は太冲の天車、子は神后の華蓋で、三神がそろい備わり、まさに軒蓋の名に合する。初伝の午は青竜に乗り、中伝の卯は朱雀に乗り、末伝の子は天后に乗る。四課の上神の午・酉・申・亥は順に青竜・太常・白虎・太陰に乗る。末尾の四行は十二地支の方図で、すなわち課盤の地盤の枠組みである。車馬と華蓋がそろって具わるので、升遷・栄顕を主る。
《訂訛》意同 《觀月經》 名鵬得搖風 勝光本是馬,太沖本是車,神后為華蓋,三傳有不虛。 假令正月己酉日寅時占,發用天馬,是午勝光加酉,上克下,中傳見太沖木,本為車也。 終末傳神后,華蓋下鋪書。
『訂訛』の書の説はこれと同じである。『観月経』はこの格を「鵬得揺風」と呼ぶ。歌訣に曰く、勝光午はもともと天馬で、太冲卯はもともと車で、神后子はすなわち華蓋であり、三伝にそろって具われば決して落空しない。例を挙げれば、正月に己酉日の寅時に占う。正月は亥を月将と用い、天盤は地盤より九位進み、日支の酉の上にすなわち午を得る。午火が酉金を克するので、上克下を取り、午を用いて発用する——まさに天馬の起動である。中伝に太冲卯木を得る——卯はもともと車である。末伝は神后子に落ち——華蓋が張り開いて頭頂に敷かれるのである。
大抵午卯子三傳便是甲子日首課也。癸酉、丙子、戊子、丁酉、庚子、己酉、壬子、辛酉巳上九日首一課。午卯子三傳,反吟者有六日,丙子、壬子等。午卯子三傳是華蓋卦也。
大体に言えば、午卯子のこの一組の三伝は、甲子日の第一の課式である。癸酉・丙子・戊子・丁酉・庚子・己酉・壬子・辛酉、甲子を併せて九つの日が、みなこの第一課を排できる。同じく午卯子の三伝で、「反吟」(天盤と地盤が両々相冲するもの)に属するのは六つの日があり、丙子・壬子などがそれである。およそ三伝が午卯子であるものは、みな華蓋卦と算える。
明君加寵祿,聖主賜天書,官職自特別,皇宮親不疏,從前聖天子,目下自相如。 相如即有氣度之官也。 《袖中金》 卯乘天馬或龍常為華蓋,軒車之象,占宜加官喜慶事論,見三交卦。
歌訣に曰く、賢明の君主は寵禄を加賜し、聖明の天子は詔書を頒ち下す。官職は自ずから衆と同じからず、宮中でも親近して疎遠されない。すでに上に聖天子に逢い、目下は司馬相如のように風光得意のごときである。いわゆる相如とは、気度・風采のある官員を指す。『袖中金』に曰く、卯木が天馬に乗るか、あるいは青竜・太常に乗って華蓋を成すのは、みな軒車の象であり、占問する時は加官進爵・喜慶の事に照らして断ずべきで、別に三交卦の一節を参照できる。
《心鏡》 紫微華蓋居神后,天駟房星是太沖,馬既勝光正月騎,六陽行處順同申,華蓋乘軒又騎馬,更得龍常祿位豐。 太沖卯即天駟房星,又為軒車。天馬,正月午順行六陽。華蓋是紫微宮,在神后上,凡得此入傳,主恩詔加官。
『心鏡』の歌訣に曰く、紫微の華蓋は神后子に安んじ、天駟房星はすなわち太冲卯である。天馬は正月より起こって勝光午から騎行し、六つの陽支に沿って順数して行き、一直に申まで行く。華蓋の下で軒車に乗ると同時に天馬に騎り、さらに青竜・太常が同じく来れば、禄位はいっそう豊厚である。太冲卯はすなわち二十八宿のうちの天駟房星で、またの名を軒車という。天馬は正月の午から起算し、六つの陽支に順って依次に推移する。華蓋は紫微宮に属し、位は神后子にある。およそこの幾位が三伝に入れば、恩詔の加官があることを主る。
鋳印課
凡課得戌加巳中傳,為鑄印課。戌天魁也,為印;巳太乙也,為爐。蓋戌中有辛金,與巳中丙為作合,全憑火煉,鑄成貴器,為符印,故名鑄印。占者符命入手,官增權柄,統鼎之體,乃煉藥成丹之課也。
およそ課の中で戌が巳の上に加わり、併せて中伝に入るものは、これを鋳印課という。戌は天魁で、印を代表する。巳は太乙で、熔炉を代表する。戌の中に辛金を蔵し、巳の中に蔵する丙火と両相作合し、もっぱら炉火の煅錬を頼って、はじめて貴重の器物、すなわち符印を鋳成する。だから鋳印と名づける。この課を占えば、符命・詔書が手に届き、官位に権柄が添え増される。この課は『易経』の鼎卦の体に統属し、薬を錬って丹を成す類の課である。
象曰:頑金鑄篆,藉火功全,官職高擢,詔命重宣,產孕大吉,干謁良緣,庶人不吉,疾病官愆。戊己日又為生日之印,更遇太常為綬,乃印綬雙全。傳見太沖為車輪,則鑄印乘軒之象,占科舉、求官爵、見君王、進策上書,主官爵高遷,所求遂意,當獲印信喜慶恩命之榮,乘貴人龍常陰合吉將,日用旺相大利,則應鼎上九玉鉉大吉之象。
断辞に曰く、頑鈍の金属を篆文の印章に鋳成せんとすれば、もっぱら炉火の功を頼ってこそ成就できる。官職はこれによって高く升り、詔命は反復して宣布される。生産・懐孕は大吉で、貴人に求見すれば好い機縁がある。平民・百姓は吉ならず、また疾病と官府の過失を主る。もし戊日・己日に占えば、戌土はまた正に生日の印であり、さらに「太常」(衣冠・宴楽・印綬・封贈を主る天将)が綬帯を作れば、すなわち印綬双全である。三伝のうちに太冲卯を見て車輪とすれば、鋳印乗軒の象となる。科挙を占い、官爵を求め、君王に朝見し、書を上げ策を献ずるのは、みな官爵が高く升り求める所が心に称い、印信・喜慶・恩詔の栄を得ることを主る。もしさらに貴人・青竜・太常・太陰・六合などの吉将に乗り、日干と発用がまた旺相であれば、それは大いに利があり、『易経』鼎卦上九の「玉鉉大吉」の象に応える。
若春夏巳午日時火旺,戌值空亡,月破,日辰俱無氣,則有破印損模之象。如遇神將凶,主先成後破,徒勞心力,事終不清,乃庶人占之,反主官災刑害之事,則應九四鼎折足,覆公餗其形渥凶之象也。
もし春夏の季で、また巳日・午日あるいは巳時・午時に逢えば、火気があまりに旺んで、戌土が空亡に落ちるか、あるいは月破に値し、日干・日支がともに少しも生気がなければ、印章が鋳破り模子が損壊する象となる。もしさらに天将の凶悪に遇えば、事が先に成り後に敗れ、心力を空しく費やし、終に理り清爽にならないことを主る。この種の課を平民・百姓が占えば、かえって官司の災禍・刑傷の加害を主り、鼎卦九四の「鼎折足、覆公餗、其形渥」の凶象に応える。
如丙子日未時子將,巳加子用,傳遇天魁,末乘太常,為鑄印課。 巳空 戌蛇 卯常 蛇 空 常 蛇 戌 巳 卯 戌 巳 子 戌 丙 戌亥子丑 酉 寅 申 卯 未午巳辰
たとえば丙子日の未時に占い、子を月将と用いる。天盤の子を地盤の未に加えると、天盤は地盤より五位進む。丙の寄宮は巳にあり、巳の上に戌を得る——第一課。戌の上に卯を得る——第二課。日支の子の上に巳を得る——第三課。巳の上に戌を得る——第四課。第三課の巳が子に加わり、下の子水がかえって上の巳火を克する下賊上に属するので、巳を取って初伝とする。中伝は巳の上の戌で、戌はまさに天魁の印である。末伝は戌の上の卯で、卯はまた太常に乗って綬帯を作る。だから鋳印課という。初伝の巳は天空に乗り、中伝の戌は螣蛇に乗り、末伝の卯は太常に乗る。巳は炉、戌は印、卯は軒車で、炉火が印を煅し、印が成って車に乗る——格局はこれによって定まり、符命が手に届き官職が遷升することを主る。
《訂訛》 鑄印,三傳巳戌卯,巳為爐,戌為印,卯為印模。戌中辛金逢巳中丙火作合,煅煉鑄成符印,故名鑄印。卯為車,又名鑄印乘軒。 占主符命入手,科甲官爵俱高,干謁吉。如戊己又為生日之印,更遇太常為綬,乃印綬雙全,定主轉遷超擢。
『訂訛』に曰く、いわゆる鋳印とは、三伝が巳・戌・卯であるもの——巳は熔炉、戌は印、卯は鋳印の模子である。戌の中に蔵する辛金が巳の中に蔵する丙火に遇って合を結び、煅錬を経て符印に鋳成されるので、鋳印という。卯はまた車なので、鋳印乗軒とも呼ぶ。この課を占えば、符命・詔書が手に届き、科挙の功名と官爵がいずれも高く、往って干謁し求見するのに吉利であることを主る。もし戊日・己日なら、戌土はまた正に生日の印であり、さらに太常が綬帯を作れば、すなわち印綬双全で、必ず調遷・超升を主る。
此課多主事成遲晚,然惟利官,庶人不吉,更不利於病、訟、憂、產四事。又夏月巳午日時,或值蛇雀,火太旺,戌卯或值空亡,則為破印損模,官必不遷,兼遇神將凶,主先成後破,徒勞心力。大都鑄印乘軒須得驛馬、太陽、六合,乃為真體。
この課は多くは事の成るのが遅緩であることを主り、しかも官をなす人にのみ利があり、平民・百姓が占えば吉ならず、とりわけ疾病・詞訟・憂患・生産の四つの事に利かない。また夏月に巳午日または巳午時に逢うか、あるいは螣蛇・朱雀に遇えば、火気があまりに旺んで、戌と卯がまた空亡に落ち、印破・模損となり、官職は必ず升ることができない。さらに天将の凶悪に逢えば、先に成り後に敗れ、心機を空しく費やすことを主る。大抵、鋳印乗軒は必ず駅馬・太陽・六合が同じく来るのを得てこそ、真の格局と算える。
又有丙子日戌加干上得吉將,亦名鑄印。春夏丙丁日火太過,不在此論。然須白虎、太陰、蛇、雀金火之將入傳。若金少火多,火少金多,為五行不備,必有所傷。或末傳得天后、元武,更臨水鄉,與日相破,名曰鑄印不成。來意主望官爵吉事,欲成中阻耳。又鑄印課乘日墓,主退失或舊事再新。
また丙子日に戌が日干の上に加わって吉将に乗るものも、鋳印と呼ぶ。ただし春夏の二季の丙日・丁日は、火気があまりに過ぎるので、この例の内に入れない。ただし総じて白虎・太陰・螣蛇・朱雀の類の金に属し火に属する天将が伝に入らなければならない。もし金が少なく火が多いか、あるいは火が少なく金が多ければ、いずれも五行が斉備せず、必ず損傷する所がある。もし末伝が「天后」(陰私・婦人を主る天将)または「元武」(盗賊・暗昧を主る天将)を得て、また亥子の水郷に臨み、日干と相破すれば、鋳印不成と呼ぶ——来た人の本意は官爵の吉事を望むのに、まさに成らんとする際に阻まれることになる。鋳印課がもしまた日墓に乗れば、退職・失位を主るか、あるいは旧事が重ねて翻り起こされる。
《觀月經》 名鵬翼沖天 河魁本是印,火至自然成。 三傳見河魁加巳名鑄印卦。 丙子正月占,午時無改更。傳中逢印綬,此是卦中情。 河魁到巳便是鑄印印綬之卦。丁卯、己卯、己巳、丙子、丁丑、癸未、丁亥、戊子、己丑、己未、乙未、己亥、庚子、丁未、壬子、丁巳,以上繫巳戌卯三傳也。
『観月経』はこれを「鵬翼冲天」と呼ぶ。歌訣に曰く、河魁戌はもともと印であり、火候が一到すれば自ずから鋳成される。三伝の中に河魁戌が巳の上に加わるのを見れば、これを鋳印卦と呼ぶ。歌訣にまた曰く、丙子日に正月に占い、午時に課を起こせば改動する必要はなく、三伝のうちに印綬に遇えば、これが本卦の実情である。河魁戌が巳の上に行き至れば、すなわち鋳印帯印綬の卦である。丁卯・己卯・己巳・丙子・丁丑・癸未・丁亥・戊子・己丑・己未・乙未・己亥・庚子・丁未・壬子・丁巳、以上のこれらの日はみな巳戌卯の三伝を排できる。
在職重逢職,居官更舉榮,宣命看看到,天書驛馬程。 將有使命加官進職而必應者也。 庶人逢此卦,官事自然生。 庶人難消此印綬,故主官事也。
歌訣に曰く、職にある人は重ねて職を得、官にある人はさらに栄耀を添え、宣召の詔命は眼の前に至らんとし、天書は駅馬に随って一路送られて来る。これは使命が伝え下され、官を加え職を進めてしかも必ず応験するということである。歌訣にまた曰く、平民・百姓がこの卦に遇えば、官非が自ずから門に寻い来る。平民がこの印綬を受け承えることができないので、かえって官事に惹き上げられることを主るのである。
《袖中金》 戌加巳,傳中見卯。蓋戌為印,巳為爐,卯為軒車,三者為傳,名鑄印乘軒,得吉將,有職加官遷擢之象,庶人主官訟。 鑄印,戌加巳丙,傳有太沖。戌為印,巳為爐冶,卯為軒車,主官祿遷擢之象。不見太陰、天馬,即非真體。常人反生災,且為事遲鈍,夏三月丙丁日又乘蛇雀,名曰印模損,是火太過反為凶之兆。
『袖中金』に曰く、戌が巳の上に加わり、三伝の中にまた卯を見る。戌は印、巳は炉、卯は軒車で、三者が三伝を凑成すれば、これを鋳印乗軒という。さらに吉将を得れば、すなわち職ある人の加官・升遷の象で、平民・百姓は官司・口舌を主る。また曰く、鋳印とは、戌が巳の上に加わる——すなわち丙の寄宮の上に加わる——もので、三伝のうちに太冲卯がある。戌は印、巳は炉冶、卯は軒車で、官禄・升遷の象を主る。もし太陰・天馬を見なければ、真の格局ではない。常人が占えばかえって災を生じ、しかも事を行うのが遅鈍である。夏季の三ヶ月の丙日・丁日にまた螣蛇・朱雀に乗れば、すなわち印模損壊と呼び、火気があまりに過ぎてかえって凶兆を成すのである。
斫輪課
凡課卯加庚或加辛為用,曰斫輪課。卯為車輪,庚辛為刀斧,木就金斫,故名斫輪。占者官祿位高遷,統頤之體,乃革故鼎新之課也。
およそ課の中で卯が庚の上に加わるか、あるいは辛の上に加わって発用するものを、斫輪課という。卯木は車輪で、庚辛は金に属し、刀斧である。木料が刀斧に就いて砍削されてはじめて器物を成すので、斫輪という。この課を占えば、官職・俸禄が高位に升る。この課は『易経』の頤卦の体に統属し、旧を除き新を布く課である。
象曰:木欲成器,須假金斫,孕病凶險,財喜歡躍,祿位加增,官職超擢,戌印常綬,遇之猶樂。如太沖加庚為上,加辛次之,緣卯中有乙木與申中庚金作合,乃成貴器,更遇天乙、龍、常、陰、合吉將,及驛馬德合吉神入傳,主官爵踐公卿之位,或壬癸日見水神為舟楫,初末有馬引從為軒車,能任重致遠,有除授官職之喜,則應頤上九利涉大川吉象。
断辞に曰く、木料が器物を成さんとすれば、必ず重金に借りて砍削しなければならない。胎孕と疾病を占えば凶険で、財喜を問えば歓欣踊躍し、禄位は加増し、官職は超升する。もしまた戌が印を作り太常が綬を作るのに遇えば、さらに喜ばしく覚える。太冲卯が庚の上に加わるのが最も好く、辛の上に加わるのは次一等である。卯の中に蔵する乙木と申の中に蔵する庚金が相合して、はじめて貴重の器を鋳得るからである。さらに天乙・青竜・太常・太陰・六合などの吉将、および駅馬・徳合などの吉神が伝に入るのに遇えば、官爵は公卿の位に登ることができることを主る。もし壬日・癸日に水神を見れば、それは舟楫である。初伝・末伝に天馬の引従があれば、それは軒車である。いずれも重を載せ遠くに致すことができ、官を授け職に任ずる喜びがあり、『易経』頤卦上九の「利渉大川」の吉象に応える。
或木休囚,乘白虎為棺槨;值空亡為朽木難雕;春季甲乙日寅卯時為傷斧;秋季庚辛日申酉時為傷輪返凶。或辛卯日干上卯為財就人象,宜急取之,緩則被卯木克其戊土,反有害也。 乙未日未加乙同,當頤初九觀我頤之凶象。
もし卯木が休囚の地に処り、また白虎に乗れば、それは棺槨となる。空亡に落ち込めば、朽木で彫琢しがたい。春季の甲日・乙日に寅時・卯時に逢えば、木が重すぎて斧頭を傷つける。秋季の庚日・辛日に申時・酉時に逢えば、金が重すぎて車輪を傷つける。いずれもかえって凶を主る。またたとえば辛卯日に日干の上に卯を見るのは、財物が自ずから門に送られて来る象で、まさに急いで取用すべきで、遅緩すれば卯木にその戊土を克傷され、かえってその害を受ける。乙未日に未が乙の上に加わるのも同じ道理で、頤卦初九の「観我朵頤」の凶象に応える。
如辛丑日辰時亥將,一下克上,卯加申為用,曰斫輪課。 卯元 戌勾 巳后 元 朱 空 后 卯 申 子 巳 申 丑 巳 辛 子丑寅卯 亥 辰 戌 巳 酉申未午
たとえば辛丑日の辰時に占い、亥を月将と用いる。天盤の亥を地盤の辰に加えると、天盤は地盤より七位進む。辛の寄宮は戌にあり、戌の上に巳を得る——第一課。巳の上に子を得る——第二課。日支の丑の上に申を得る——第三課。申の上に卯を得る——第四課。四課の中でただ第四課の卯が申に加わり、下の申金が上の卯木を克する一箇所の下賊上なので、上神の卯を取って初伝とする。中伝は卯の上の戌、末伝は戌の上の巳である。卯木の車輪が申金の上に加わり、まさに木が金に就いて斫られる義に合するので、斫輪課という。初伝の卯は元武に乗り、中伝の戌は勾陳に乗り、末伝の巳は天后に乗る。四課の上神の巳・子・申・卯は順に天后・天空・朱雀・元武に乗る。
《訂訛》 斫輪,卯加庚辛申酉發用。卯為車輪,金為斧斤,木就金斫,故名斫輪。 占主祿位高遷,革故鼎新之象,更喜戌為印,太常為綬入傳。卯加庚與申為上,辛酉次之。緣卯中乙木與申中庚金作合成器。或壬癸日見水神為舟輯,初末有馬引從為軒車,能任重致遠,除官必矣。斫輪來意主謀望官事,先歷艱難,後卻有成。蓋木畏金,故主艱難然後成也。將得龍、常、陰、合方成其體,求財大獲。寅亦是木,如何不作斫輪,蓋寅乃天梁,成器不須斫也。
『訂訛』に曰く、斫輪とは、卯が庚・辛・申・酉の上に加わって発用するものである。卯は車輪で、金は斧斤であり、木が金に就いて砍削されるので、斫輪という。この課を占えば、禄位が高く升り、旧を除き新を布く象であることを主る。三伝の中にさらに戌が印を作り太常が綬を作ればなお好い。卯が庚と申の上に加わるのが上等で、辛・酉の上に加わるのは次一等である。卯中の乙木と申中の庚金が相合してはじめて器を成すからである。もし壬日・癸日に水神を見れば、すなわち舟楫である。初伝・末伝に天馬の引従があれば、すなわち軒車で、いずれも重を載せ遠くに致すことができ、官を授かるのは必然の事である。斫輪を占う者は、来た人の用意は多く官職を謀求する事にあり、先に一番の艱難を経歴して後に成就がある——木は金を怕れるので、先難・後成を主るのである。天将は青竜・太常・太陰・六合を得てこそ、その本体を成就したと算え、財を求めても大いに獲る所がある。或る人が問う——寅もまた木に属すのに、なぜ斫輪と算えないのか。寅は天梁で、自体がすでに材を成しており、さらに砍削する必要がないからである。
此課多主事成遲晚,占孕與病訟忌之。或木休囚,乘白虎為棺槨;值空亡為朽木難雕,須另改業。春季甲乙日寅卯時,木太重,為傷斧;秋季庚辛日申酉時,金太重,為傷輪,反凶。
この課は多くは事の成るのが遅緩であることを主り、胎孕・疾病・詞訟を占うにはみなそれを忌む。もし卯木が休囚して気なく、また白虎に乗れば、棺槨となる。空亡に落ち込めば、朽木で彫りがたく、別に行业を改めなければならない。春季の甲日・乙日に寅時・卯時に逢えば木が重すぎて斧を傷つけ、秋季の庚日・辛日に申時・酉時に逢えば金が重すぎて輪を傷つけ、いずれもかえって凶険を主る。
或辛卯日干上卯為財就人,宜速取之,緩則被木克其戌土,反有害也。與乙未日未加乙同。若傳見本日墓神,名曰舊輪再斫,來意主退官失職,再謀復興之意。大都斫輪課木日艱難;火日災疾;金日獲福;水日心不定,變易艱難中遂意;土日流轉。
またたとえば辛卯日に日干の上に卯を見るのは、財物が自ずから門に送られて来るもので、まさに速やかに取用すべきで、遅れれば卯木にその戌土を克傷され、かえってその害を受ける。乙未日に未が乙の上に加わるのも、道理は同じである。もし三伝の中に本日の墓神を見れば、これを旧輪再斫と呼び、来た人の用意は多く官職を失って再び復起を謀らんとするものである。大体に言えば、斫輪課は木日に遇えば艱難で、火日は災病があり、金日は器を成して福を獲、水日は心思が定まらず変動・艱難の中でやっと心に称い、土日は輾転して流徙する。
《觀月經》 名飛龍入淵 忌占病 斫輪團圓象,本自太沖生,太沖原是木,車輪因甚成。 太沖為舟車之類 成形須仗器,斤斧自然明。 庚申辛酉為斤斧,若申加太沖是斫輪卦也。 申酉庚辛位,太沖上頭行,破傷斤斧得,發用斫輪名。辛丑正月占,辰時無改更,太沖傳送上,發用得其情。
『観月経』はこの格を「飛竜入淵」と呼び、併せて病を占う時にそれを忌むと注明する。歌訣に曰く、斫輪は団円の象を取り、もともと太冲卯から生ずる。太冲はもとより木に属し、車輪はすなわちそれに頼って作られる——太冲は舟車の類に属する。また曰く、形を成すには必ず器具に依仗しなければならず、斧斤が一到すれば自ずから分明である。庚申・辛酉がすなわち斧斤で、もし申が太冲卯の上に加われば、すなわち斫輪卦である。歌訣にさらに曰く、申酉庚辛の位置で、太冲卯がちょうど頭頂に行き至り、斧斤に砍破・砍傷され、発用すればすなわち斫輪の名を得る。辛丑日に正月に占い、辰時は改動する必要がなく、太冲卯が伝送申の上に落ち、発用すればその実情を見出す。
如辛丑日卯申丑,是假令辛丑日亥將辰時占,太沖加申金,斫卯木賊上發用,為斫輪卦,卯戌巳三傳也。辛酉返吟一課,卯酉子是也。尉山人取法,末傳取破。乙丑、癸酉、丁丑、癸未、己丑、癸巳、辛巳、癸丑、癸亥,以上九日,第三課俱卯戌巳三傳。丁卯、己卯、乙酉、辛卯、丁酉、癸卯、乙卯、己酉、辛酉,以上九日,俱返吟卦,俱卯酉子三傳,斫輪卦也。
いわゆる辛丑日の卯・申・丑とは、辛丑日に亥を月将とし、辰時に課を起こすことをいう。太冲卯が申金の上に加わり、申金が卯木を砍削し、下賊上して発用し、斫輪卦を成し、三伝は卯・戌・巳である。辛酉日は反吟の一課に排せられ、三伝は卯・酉・子である——反吟とは天盤と地盤の十二支が両々相冲するものである。尉山人の取法は、末伝に相破の支を取る。乙丑・癸酉・丁丑・癸未・己丑・癸巳・辛巳・癸丑・癸亥、以上の九日は、第三課にみな卯戌巳の三伝を排できる。丁卯・己卯・乙酉・辛卯・丁酉・癸卯・乙卯・己酉・辛酉、以上の九日はみな反吟卦で、三伝はいずれも卯酉子を作り、同じく斫輪卦に属する。
求官必獲祿,逢事得均平,立事先敲磕,後乃立身榮。 敲磕,即先雕琢而後成器也。 莫嫌職位小,官朝好弟兄。 官本朝遷職,亦先費力而後成也,庶人亦得官也,傳得太陰、龍、合尤妙。
歌訣に曰く、官を求めれば必ず俸禄を得、事に遇えばみな平允に処置できる。事を弁ずるには起初に一番の敲打・磨琢を経て、後に身を立て栄顕する。いわゆる敲磕とは、先に彫琢を受けて後に器を成すことである。また曰く、職位が小さいことを嫌うなかれ、朝で官をなせば自ずから好い弟兄の照応がある。これは官職はもともと朝中で一歩一歩遷転するもので、これも先に力を費やして後に事を成すということである。平民・百姓が占えても官を得られ、三伝がもし太陰・青竜・六合を得ればなお妙である。
《袖中金》 卯加申酉為用,名斫輪卦。庚申辛酉金俱為斧斤,若太沖加其上者是。卯為車輪,加申酉上,為斫削之象。若天將龍、常、陰、合,方成其體。占人有除授營運之事。木日艱難,火日災疾,金日成器,水日心不定、變易艱難中遂意,土日流傳。若秋三月庚辛日得之,將乘陰、虎,名曰斫輪傷斧,其金太過也。凡卯木坐空,謂之朽木難雕,宜棄業別作生理營運。
『袖中金』に曰く、卯が申・酉の上に加わって発用するのを、斫輪卦という。庚申・辛酉はみな金に属し、いずれも斧斤と算え、ただ太冲卯がそれらの上に加わればよい。卯は車輪で、申酉の上に加われば、すなわち砍削される象である。天将はもし青竜・太常・太陰・六合を得れば、その本体を成就したと算える。占問する人は多く授官・経営の類の事がある。木日は艱難、火日は災病があり、金日は砍削して器を成し、水日は心思が定まらず変動・艱難の中で如意的で、土日は輾転して流徙する。もし秋季の三ヶ月の庚日・辛日に占い、天将がまた太陰・白虎に乗れば、これを斫輪傷斧と呼び、金気があまりに過ぎたものである。およそ卯木が空亡の上に坐するのを、朽木難彫と呼び、本業を捨てて別の営生を作るに宜しい。
引従課
凡課日辰干支前後上神發用為初末傳,曰引從課。如庚辰日干上丑,晝貴人,初傳寅加酉居日前,末傳子加未居日後,日干得前引後從,為拱天干,又為拱貴。主官職升擢,諸事最吉。壬子日干上辰,初傳巳,末傳卯,為兩貴引從,主上人提攜,或眾貴引薦成合事,大利。甲午日初傳子居支前,末傳戌居支後,前後遇引從,為拱地支。主遷修家宅大利。
およそ課の中で日干・日支の前後の二位の上神が発用し、分かれて初伝と末伝に充当するものを、引従課という。たとえば庚辰日に日干の上に丑を得れば、それは昼貴人である。初伝の寅が酉の上に加わり、位は日干の前に居り、末伝の子が未の上に加わり、位は日干の後に居り、日干はすなわち前に引導・後に随従を得るので、拱天干と呼び、また拱貴とも呼び、官職の升遷を主り、諸事最も吉である。またたとえば壬子日に日干の上に辰を得れば、初伝は巳・末伝は卯で、二位の貴人が一前・一後で、両貴引従と呼び、上司の提携があり、あるいは衆貴人が聯名で挙薦してその事を促成することを主り、極めて有利である。またたとえば甲午日に初伝の子が日支の前にあり、末伝の戌が日支の後にあれば、前後ともに引従があるので、拱地支と呼び、搬遷・家宅の修造に大いに利があることを主る。
丁酉日酉為夜貴加丁干,亥為晝貴加酉支,年命在申,為貴臨支干拱年命,宜告貴用事,必得兩貴成就。丁巳、己巳、癸亥日伏吟,為干支拱日祿,宜占食祿事。庚午、己酉日伏吟,拱夜貴。甲子日伏吟,拱晝貴,為干支拱貴,宜千告貴處事,此貴人出行,前者引,後者從,故名引從,統渙之體,乃車馬蜂擁之課也。
またたとえば丁酉日には、酉は夜貴で丁の寄宮の上に加わり、亥は昼貴で日支の酉の上に加わり、占人の年命がまた申にあれば、これはすなわち貴人が干支に臨んで年命を中間に拱くもので、権貴に求めて事を成すに宜しく、必ず両処の貴人の成全を得られる。丁巳・己巳・癸亥の三日の伏吟課は、干支が本日の禄神を拱くもので、俸禄・飲食の類の事を占うに宜しい。庚午・己酉日の伏吟は夜貴を拱き、甲子日の伏吟は昼貴を拱く——いずれも干支拱貴に属し、貴人に干求し告禀して事を弁ずるに宜しい。これはちょうど貴人の出行に、前に人が路を引き、後に人が随従するがごときなので、引従と呼ぶ。『易経』の涣卦の体に統属し、車馬が前に呼び後に擁する課である。
象曰:拱夾支干,仕人佳兆,官職升遷,名利榮耀,孕生英兒,婚招玉,出行取財,干貴歡笑。如日辰上乘墓鬼遇引從,六處有沖剋,凶散最吉。或干支並初中及中末拱拱地貴,告貴謀事亦吉,則應渙六四元吉之象也。
断辞に曰く、前後が日支・日干を拱くのは、官をなす人の好い兆しで、官職は升遷し、名利は栄耀する。懐孕すれば英俊の子を生み、婚姻は美好の配偶を招く(原文「婚招玉」の下に一字脱落の疑いあり)。出門して財を取ることができ、貴人に干求すれば歓歓喜喜である。もし日干・日支の上に乗るのが墓鬼で、しかも引従に遇い、干・支・三伝などの六処に冲・克があれば、凶気がかえって冲散され、最も吉利である。あるいは干支が初伝・中伝を連れ、中伝・末伝が地貴を拱くのは、貴人に求告し事を謀劃するのもまた吉利で、『易経』涣卦六四の「元吉」の象に応える。
假如壬子日巳時戌將,初傳巳加子,末傳卯加戌,拱定干神為二貴引從天干格課。 巳貴 戌青 卯陰 青 貴 勾 后 戌 巳 酉 辰 巳 子 辰 壬 戌亥子丑 酉 寅 申 卯 未午巳辰
たとえば壬子日の巳時に占い、戌を月将と用いる。天盤の戌を地盤の巳に加えると、天盤は地盤より五位進む。壬の寄宮は亥にあり、亥の上に辰を得る——第一課。辰の上に酉を得る——第二課。日支の子の上に巳を得る——第三課。巳の上に戌を得る——第四課。第三課の巳が子に加わり、下の子水が上の巳火を克する下賊上なので、巳を取って初伝とする。中伝は巳の上の戌、末伝は戌の上の卯である。壬日の夜貴は巳にあり、昼貴は卯にある。初伝の巳は干の上神の辰の前で路を引き、末伝の卯は辰の後で随従し、ちょうど日干の上神を中間に挟むので、両貴引従天干格と呼ぶ。初伝の巳は貴人に乗り、中伝の戌は青竜に乗り、末伝の卯は太陰に乗る。
《訂訛》 引從,前引後從,或初末傳拱干,主得人提攜成合事,大利。或兩貴拱干,主官職升擢。或初末傳拱支,或兩貴拱支,主家宅吉慶。或貴臨干支拱年命,主得兩貴成就。或干支拱日祿,宜占食祿事。或干支拱貴,宜占告貴事。又有干支並初中及中末拱地貴亦是。此前引後從,故名引從。 占主求官、求財、出行、婚孕皆宜。
『訂訛』に曰く、引従とは、前に引あり後に従あることである。あるいは初伝・末伝が日干を中間に挟み、人の提携を得て事を促成することを主り、大いに利がある。あるいは二位の貴人が日干を挟み、官職の升遷を主る。あるいは初伝・末伝が日支を挟み、あるいは両貴が日支を挟み、家宅の吉慶を主る。あるいは貴人が干支の上に臨んで占人の年命を挟み、両処の貴人の成全を得ることを主る。あるいは干支が本日の禄神を挟み、俸禄・飲食の事を占うに宜しい。あるいは干支が貴人を挟み、貴人に求告する事を占うに宜しい。このほか干支が初・中伝、中・末伝を連れて地貴を挟むものも、引従と算える。これらはみな前引・後従なので、引従と名づける。この課を占えば、官を求め、財を求め、出行し、婚姻・胎孕はみな相応しい。
亨通課
凡課用神生日,及三傳遞生日干,或干支俱互生旺,為亨通課。如丙申日三傳申亥寅,初生中、中生末、末生日干也。癸丑日三傳酉丑巳,末生中、中生初、初生日干也,為遞生。主上人推薦,或官員請舉,及文狀事,始終成就。
およそ課の中で発用の神が日干を生ずるか、あるいは三伝が輾転して相生し一直に日干まで生ずるか、あるいは日干・日支が互いに相生・相旺するものを、みな亨通課という。たとえば丙申日に三伝が申・亥・寅であれば、初伝が中伝を生じ、中伝が末伝を生じ、末伝がまた日干の丙火を生ずる。癸丑日に三伝が酉・丑・巳であれば、末伝が中伝を生じ、中伝が初伝を生じ、初伝がまた日干を生ずる。これをみな遞生という。上司の推薦があり、あるいは官員の保挙があり、および文書・状紙の類の事があり、頭から尾までいずれも弁じ成ることを主る。
辛卯日干上亥,支上辰,為互生。丙寅干上寅生丙,支上亥生寅,為俱生,主彼此和順,兩相有益,遇生氣兩家合本求利。甲申日干上酉乃支之旺神,支上卯乃干之旺神,為互旺,主客兩相投奔,互有興旺。壬寅日干上子,支上卯為俱旺,自在坐用,謀為省力,或事己失欲復舊,或本職遷轉極妙,或坐待通太,無心中得人照扶興發。此三傳遞生日辰生旺,主人亨利,時運開通,故名亨通,統漸之體,乃福祿來臨之課也。
辛卯日に日干の上に亥を得て日支の上に辰を得るのは、互生である。丙寅日に日干の上の寅が丙火を生じ、日支の上の亥がまた寅木を生ずるのは、俱生で、互いに和順して両相ともに益することを主り、もし生気に遇えば、両家が本を合わせて経営してもいずれも利を得られる。甲申日に日干の上の酉がまさに日支の旺神であり、日支の上の卯がまたまさに日干の旺神であるのを、互旺と呼び、賓主の両辺が互いに投奔し、彼此ともに興旺することを主る。壬寅日に日干の上に子を得て日支の上に卯を得るのは、俱旺で、安坐してその用を得、事を謀るのに力を省く。あるいは事がすでに失われて旧観を回復しようとするか、あるいは本職の調遷が最も心に称うか、あるいは安坐して亨通を待てば、意図しないうちに人の照応・扶助を得て興発する。この幾種はみな三伝の遞生・日辰の生旺で、人事の亨通・有利、時運の開通を主るので、亨通と呼ぶ。『易経』の漸卦の体に統属し、福禄が降臨する課である。
象曰:三傳相生,干支有情,官逢薦擢,士獲科名,婚姻合和,財利生成,經營諸事,貴人歡迎。如三傳遞生,俱要與日干干有情,此則隔三隔四有人於上位推薦。或末助初傳生日,主傍人暗助吹噓。或末助初傳作日財,主暗地人以財相助。或支加干生日,為自在格,主人來資助於我。或三傳生日,俱為大吉,當應漸六二鴻漸于盤,飲食衎衎吉象。
断辞に曰く、三伝が互いに相生し、干支が互いに情がある。官をなす者は挙薦・提拔に遇い、読書人は科第の功名を取る。婚姻は和合し、財利は生成する。各様の事を経営しても、貴人はみな歓喜して接納する。三伝の遞生は、総じて日干と情意が相通じてこそ、これでこそ三層・四層を隔ててもなお上位の人がいて替わって推薦してくれるのである。あるいは末伝が初伝を助けて日干を生じに行けば、旁人が暗中に相助けて替わりに吹噓することを主る。あるいは末伝が初伝を助けて日干の財爻に化せば、人が暗裏に銭財をもって相助けることを主る。あるいは日支が日干の上に加わって日干を生ずれば、自在格と呼び、别人が自ら進んで来て我に資助することを主る。およそ三伝が日干を生ずるものはみな大吉に属し、『易経』漸卦六二の「鴻漸于磐、飲食衎衎」の吉象に応える。
若遞生值空亡、破、刑、克、害,無甚解救為凶,凡事亦難就。或初生中、中生末、末剋日干,為恩多怨深,作事美中致怨。或干支俱旺及祿臨身,傳財逢空,不可舍此別謀動作,倘有意外之圖遠動謀為,則羊刃變為羅網纏身,反為災禍,六處有沖為破羅破網,無沖剋為凶。當應漸九三利禦寇之凶象也。
もし遞生なのに空亡・月破・刑・克・害に碰上り、また何の救解もなければ、それは凶を成し、諸事も成り就きがたい。あるいは初伝が中伝を生じ、中伝が末伝を生じ、末伝がかえって反対に日干を克するのは、これを恩多怨深と呼び、事を弁ずるに美満のうちに怨恨を招来する。あるいはまた干支がともに旺地に処り禄神がまた身に臨むのに、三伝の中の財爻がかえって空に落ちた時は、眼前を丢り去って別の行動を謀ってはならない。もし心に意外の想いを存して遠く行って謀劃すれば、羊刃が羅網に変じて身に纏わり、かえって災禍となる——干支・三伝の六処に冲があるものは、羅を破り網を破って解き得るのであり、冲克がないものこそ真の凶である。漸卦九三の「利禦寇」の凶象に応える。
如丙戌日申時亥將,申加丙為用,初傳申生中亥,亥生末傳寅,寅生日干丙火,為亨通課。 申合 亥貴 寅元 白 陰 貴 六 辰 丑 亥 申 丑 戌 申 丙 申酉戌亥 未 子 午 丑 巳辰卯寅
たとえば丙戌日の申時に占い、亥を月将と用いる。天盤の亥を地盤の申に加えると、天盤は地盤より三位進む。丙の寄宮は巳にあり、巳の上に申を得る——第一課。申の上に亥を得る——第二課。日支の戌の上に丑を得る——第三課。丑の上に辰を得る——第四課。第一課の申が丙の寄宮の巳の上に加わり、下の巳火が上の申金を克する下賊上なので、申を取って初伝とする。中伝は申の上の亥、末伝は亥の上の寅である。初伝の申金が中伝の亥水を生じ、亥水がまた末伝の寅木を生じ、寅木が回頭して日干の丙火を生じ、一路輾転相生して自身に至るので、亨通課と呼ぶ。初伝の申は六合に乗り、中伝の亥は貴人に乗り、末伝の寅は元武に乗る。
《訂訛》 亨通,干支生旺,或初生中、中生末、末生干,用語末生中、中生初、初生干,為遞生格。或干上生干、支上生支,為俱生格。或干上生支,支上生干,為互生格。或干上乃干旺神,支上乃支旺神,為俱旺格。或干上乃支旺神,支上乃干旺神,為互旺格。此皆亨通泰之象,故名亨通。 占主大吉,遞生得人重重舉薦,始終成就。或末助初傳生日,主傍人暗助吹噓。或末助初傳作日財,主暗地人財相助。俱生,人宅各安。互生,彼此相助和合。俱旺,謀用省力。互旺,彼此兩相投奔,互有興旺。
『訂訛』に曰く、亨通とは、干支の生旺である。あるいは初伝が中伝を生じ、中伝が末伝を生じ、末伝が日干を生ずるか、あるいは末伝が中伝を生じ、中伝が初伝を生じ、初伝が日干を生ずるか——これを遞生格と呼ぶ。あるいは干の上神が日干を生じ、支の上神が日支を生ずる——これを俱生格と呼ぶ。あるいは干の上神が日支を生じ、支の上神が日干を生ずる——これを互生格と呼ぶ。あるいは干の上神がまさに日干の旺神、支の上神がまさに日支の旺神——これを俱旺格と呼ぶ。あるいは干の上神が日支の旺神、支の上神が日干の旺神——これを互旺格と呼ぶ。これらはみな亨通・安泰の象なので、亨通と名づける。この課を占えば大吉を主る。遞生するものは人の層々の挙薦を得られ、事は始めから終わりまで成る。末伝が初伝を助けて日干を生ずるものは、旁人の暗中の相助け・吹噓を主る。末伝が初伝を助けて日財に化するものは、人が暗裏に銭財をもって相助けることを主る。俱生ならば人口と宅舍が各々安寧し、互生ならば互いに相助け和合し、俱旺ならば事を謀るに力を省き、互旺ならば両辺が互いに投奔して彼此興旺する。
繁昌課
凡夫妻年立德方發用,為繁昌課。蓋夫妻行年乘本命旺相氣,又值干支德合,或年立時令旺相之鄉,此陰陽俱勝,運氣交接,夫妻合好,情慾必動,妊娠繁華昌盛,故名繁昌課。占者人丁旺相,胎孕招貴,統咸之體,乃男女交感之課也。
およそ夫妻両人の行年が徳神の方位に立って発用するものを、繁昌課という。これは夫妻の「行年」(各自の歳の数によって推した流年の宮位)が本命の旺相の気に乗り、またちょうど干支の徳合に逢うか、あるいは行年が当令旺相の地支の上に立つもので、このように陰陽の両方が勢いを得、運気が交わり接し、夫妻が和好して情意が必ず萌動し、懐胎・生育がそれによって繁盛・昌隆するので、繁昌課という。この課を占えば人丁が興旺し、胎孕は貴子を招来できる。それは『易経』の咸卦の体に統属し、男女が交感する課である。
象曰:陰陽和合,萬物生成,命招貴孕,娠必男形,謀為大利,家道自興。如逢互克,分散零丁。夫命是水,行年甲寅,上見子水,水木相生。妻命是金,行年己亥,上見酉金,金水相宜。甲與己合,寅與亥合,各乘本命旺氣,為德孕格。
断辞に曰く、陰陽が和合すれば、万物がそれによって生成する。本命が貴子の孕を招来し、懐くのは必ず男胎である。謀る事は大いに利があり、家道は自ずから興旺する。もし彼此の相克に碰上れば、離散・孤零を主る。例を挙げれば、夫の本命が水に属し、行年が甲寅にあって、寅の上に子水を見れば、水木相生する。妻の本命が金に属し、行年が己亥にあって、亥の上に酉金を見れば、金水相い宜しい。甲と己は相合し、寅と亥は相合し、各自がまた本命の旺気に乗る——これが徳孕格である。
或用用此二命,主懷孕,年內必生貴子。或已有孕,妻年上酉,法主十一月乙日行時當產。甲己合主生子,黃色壯大端厚,好讀書得官也,當應咸亨利貞娶女吉象。產期法取妻年位上神前三臨官位為生月,沖位干為生日,乃分十干次第推。辰戌月用戌,丑未月用巳。後三絕位為生時。如妻行年上見申,主十月甲日巳時分產。餘仿此。
もしこの両人の年命をもって推断すれば、必ず懐孕し、一年の内に必ず貴子を生むことを主る。もしすでに懐孕していて、妻の行年の上が酉であれば、法に照らして推せば十一月の乙日の某時に分娩すべきである。甲己の相合に生まれる子は、膚色は黄みがかり、身量は壮大にして端厚で、読書を好みそれによって官を得、『易経』咸卦の「亨利貞、取女吉」の吉象に応える。産期を推す法は、妻の行年の上神から前へ三位数えた臨官の位で生月を定め、それと相冲の位に配された天干で生日を定め、さらに十干の次序に沿って依次に推排する。辰月・戌月は戊を用い、丑月・未月は己を用いる(原文は「戌」「巳」と作るが、下文の旺孕格に照らせば「戊」「己」とすべきである)。後ろへ三位数えた絶の位で生時を定める。たとえば妻の行年の上に申を見れば、十月の甲日巳時に分娩することを主り、その余はこれに照らして類推する。
生子善惡情性,如夫妻行年丙辛作合,主生子黑色,肥滿多力,兇惡為人,好武得官。丁壬主青色,目深秀,多道藝文學得官。乙庚主白色,清俊好音律,善兵法得官。戊癸主赤色,上尖下大,愛畋遊,善伎術得官。行年值敗絕刑害,為德孕不育,當應咸上六咸其輔,頰舌之象。
子供の性情の善悪の判断については、夫妻の行年がもし丙辛の合を成せば、生まれる子は膚色が黒みがかり、体格は肥え壮えて力があり、人となりは凶悍で、武事を好みそれによって官を得ることを主る。丁壬の相合は膚色が青みがかり、目は深くして清秀で、多才・芸能・文学で官を得ることを主る。乙庚の相合は膚色が白みがかり、清秀・俊朗で、音律を愛好し、兵法に精しくて官を得ることを主る。戊癸の相合は膚色が赤みがかり、上が尖り下が大きく、田猟・游楽を好み、技芸・方術に長けて官を得ることを主る。もし行年が敗地・絶地に落ちるか、あるいは刑害に値すれば、徳孕ながら生育できず、咸卦上六の「其の輔・頬・舌を感ず」という空言に実なき卦象に応える。
如壬申日未時巳將,夫行年甲寅,妻行年己亥,上下相生作合,乘本命旺氣,為繁昌課德孕課。 午后 辰蛇 寅六 蛇 后 陰 常 辰 午 未 酉 午 申 酉 壬 卯辰巳午 寅 未 丑 申 子亥戌酉 夫 妻 年 年
たとえば壬申日の未時に占い、巳を月将と用いる。天盤の巳を地盤の未に加えると、天盤は地盤より二位退く。壬の寄宮は亥にあり、亥の上に酉を得る——第一課。酉の上に未を得る——第二課。日支の申の上に午を得る——第三課。午の上に辰を得る——第四課。第三課の午火が下の申金を克するので、上克下を取って午を初伝とする。中伝は午の上の辰、末伝は辰の上の寅である。夫の行年は甲寅にあり、寅の上に子水を得て、水が木を生ずる。妻の行年は己亥にあり、亥の上に酉金を得て、金が水を生ずる。甲と己は合し、寅と亥は合し、両人はまた各々本命の旺気に乗るので、繁昌課、すなわち徳孕課と断ずる。初伝の午は天后に乗り、中伝の辰は螣蛇に乗り、末伝の寅は六合に乗る。地盤図の下に標出した「夫年」「妻年」は、まさに両人の行年の落ちる宮位である。
《觀月經》 夫妻行年上,德孕卦如何。夫年四十九,歲在甲寅落。妻年三十四,己亥五行科。 男行年一歲起丙寅,逆總順零,四十九在甲寅。婦行年一歲起壬申,順總逆零,三十四在己亥也。
『観月経』の歌訣に曰く、夫妻両人の行年の上から見れば、徳孕卦はどう推すべきか。丈夫は四十九歳で、行年は甲寅に落ちる。妻子は三十四歳で、行年は己亥に落ちる——これが五行推排の筋道である。推す法は、男子の行年は一歳から丙寅に起こり、整十の数は逆推し、零頭の数は順推する。四十九歳はちょうど甲寅に落ちる。婦人の行年は一歳から壬申に起こり、整十の数は順推し、零頭の数は逆推する。三十四歳はちょうど己亥に落ちる。
己得亥上甲,產子更無過。 甲己合,寅與亥合。 此年的有子,依理定無差。此為懷孕卦,行年若調和。 男女行年若相調和也。 不論三傳事,學人奈如何。他例還依此,歡唱是高歌。
歌訣に曰く、妻年の己が夫年の亥宮の甲に配されれば、子を生むこの事はもはや差し錯いない——これは甲と己が相合し、寅と亥が相合するからである。また曰く、この年は定めて子がある、道理に依って判断すれば決して錯わない、これが懐孕の卦である。ただ夫妻の行年が調和するか否かを見るのみで、すなわち男女両人の行年が彼此相い協わるかである。歌訣の末に曰く、この格は三伝に渉らないので、学ぶ人は別に心思を費やす必要はない。その余の各例もこれに照らして推して行けば、存分に声を放って歌うべし。
《心鏡》 德孕行年課十干,還如甲己類同攢。夫年立甲妻居己,孕即靈胎貴復安。乙將會庚丙辛合, 干合即甲己之類,如夫年立庚,妻年立乙,皆主福德之孕也。 受氣妻年上是端,午上有神須覓取。日月時皆遞互看。 《曾門》 夫妻之年,甲己相合,更立德鄉,子孫繁昌。
『心鏡』の歌訣に曰く、徳孕のこの課は行年の十天干の上で見るのであり、依然として甲己の類の天干の相合に照らして凑り合わせる。丈夫の行年が甲に立ち、妻子の行年が己に居れば、懐くのはすなわち霊胎で、貴くかつ安らかである。乙と庚が相会い、丙と辛が相合するのも、同一の道理である。いわゆる干合とは甲己のこの類で、たとえば丈夫の行年が庚に立ち、妻子の行年が乙に立つなら、いずれも福徳の孕を主る。受気の月分は妻子の行年の上神から推し起こし、午の上に何の神があるかもまた尋ね取らねばならず、日・月・時の三者はすべて交互に参看する。『曽門』に曰く、夫妻両人の行年がもし甲己の相合を成し、また徳神の郷に立てば、子孫は必ず繁盛・昌隆する。
旺孕格
凡夫妻行年俱隨旺相氣三合位上,為旺孕格。蓋三合異方同類相望,又逢興旺之時,當主胎孕,故名旺孕格。受孕法:如妻行年見己,主正月壬日申時受孕。其法取妻年上神后三位受氣為孕月,沖位干為孕日,亦分十干次第。辰戌月用戊,丑未月用己,前三位臨官為孕時。妻行年上見午,二月癸日酉時當受孕。餘仿此。
およそ夫妻両人の行年がともに旺相の気に随って三合の位置に落ちるものを、旺孕格という。三合とは方位は異なるが同じ一類に属する三支が遥かに相望むもので、また興旺の時節に碰上れば、自ずから胎孕があることを主るべきなので、旺孕格という。受孕を推す法は、たとえば妻の行年の上に巳を見れば(原文は「己」と作るが、「巳」とすべきである)、正月の壬日申時に受孕することを主る。その法は妻の行年の上神から後ろへ三位数えた受気の地で受孕の月を定め、それと相冲の位に配された天干で受孕の日を定め、同じく十干の次序に沿って推排する。辰月・戌月は戊を用い、丑月・未月は己を用いる。前へ三位数えた臨官の地で受孕の時を定める。もし妻の行年の上に午を見れば、二月の癸日酉時に受孕し、その余はこれに照らして類推する。
《觀月經》 夫妻年命上,旺相兩般推。妻金三十四,夫水三十七。女命亥上覓,夫年寅上推。七月未時占,妊孕無改移。從魁臨在該,金旺更無疑。 妻命是金,年上見酉,金旺也。七月金旺占。
『観月経』の歌訣に曰く、夫妻両人の年命の上から、旺・相の二路に照らして推す。妻子の本命は金に属し、三十四歳。丈夫の本命は水に属し、三十七歳。女方の行年は亥の上に求め、男方の行年は寅の上で推す。七月の未時に課を起こせば、懐孕の事は更改しない。従魁酉が正に亥の上に臨めば、金気の旺はもはや疑うべくもない。これは妻命が金に属し、行年の亥の上に酉を見れば、すなわち金旺であるということで、しかもまた七月の金気が当令する時に課を起こしたのである。
神后立於寅,夫運五行知。 夫命是水,行年上見子,是水旺也。 二旺當懷孕,合卦宜所歸。 夫妻行年俱旺,當懷孕生子也。 陰陽生是子,胎命合如斯。他年依此起, 其它夫妻行年亦依此起。 旺孕卦推移。不干三傳事,此課少人知。 不與四課三傳事同。
歌訣にまた曰く、神后子が寅の上に立てば、丈夫の運数は五行に照らせばすなわち知れる——丈夫の本命は水に属し、行年の寅の上に子を見れば、まさに水旺である。両方とも旺なれば懐孕すべきで、卦象が相合すれば自ずから帰着がある——これは夫妻の行年がともに旺であれば、理の当然として懐孕して子を生むということである。陰陽の交感に生まれるのは児子で、胎命の推算はこのようである。別の年歳もこの法に照らして起算し、その余の夫妻の行年も同じくこれに依って推し起こす。旺孕卦はこのように推移して行く。それは三伝の事に渉らないので、この課を知る人は多くない——それは四課三伝のあの套とはもともと同一の事ではないからである。
《心鏡》 夫妻行年旺相神,異方三類合同群。春占有孕在何處,妻午夫年立在寅。 如春占木旺火相,夫年三十七,行年在寅,妻年二十七,行年在午,故云夫妻行年旺相神。寅在東方,午在南方,寅午三合,故曰異方三合也。
『心鏡』の歌訣に曰く、夫妻の行年は旺相の神の上に落ちるべく、方位は異なりながら同一類に属する支が合わさって一群を成す。春に占って、懐孕の応はどこにあるか。すなわち妻子の行年が午に居り、丈夫の行年が寅に立つ時である。これは春に占えば、木は当たって旺・火は相であり、丈夫は三十七歳で行年は寅にあり、妻子は二十七歳で行年は午にあるので、夫妻の行年がともに旺相の神の上にあると言うのである。寅は東方にあり、午は南方にあり、寅午は同じく火局の三合に属するので、これを異方三合という。
受氣於秋何以決,妻在子兮夫立申。 或秋占金旺水相,申子亦是三合也。 此類悉皆為合類,欲求他年在區分。 《曾門》 年立旺相,子孫有象。謂夫婦行年立旺相之鄉,三五相望,同類異位,時立旺相氣,其歲中必有受孕生貴子也。
歌訣に曰く、秋に受気するのはまたどのように断ずべきか。妻子の行年が子に居り、丈夫の行年が申に立つ時である。これは秋に占えば、金は当たって旺・水は相であり、申と子もまた同じく三合に属するということである。この類はみな合類と算え、別の年份を推すには、ただこれに照らして区分すればよい。『曽門』に曰く、行年が旺相の地に立てば、子孫にすでに徴象がある。意味は夫婦の行年が旺相の郷に立ち、彼此三位・五位隔たって遥かに相望み、同一類に属しながら異位に分居し、当時の節令がまた正に旺相の気に当たれば、その一年の中に必ず受孕して貴子を生むということである。
定章曰:夫妻之年同類異位者,寅午戌、亥卯未、巳酉丑、申子辰。如寅午戌俱火相與同類,寅本東方,午本南方,戌本西方,此同類而各一方,為異方同類也。三辰相去五位,謂之三五相望為合也。
『定章』に曰く、いわゆる夫妻の行年が同類異位とは、寅午戌・亥卯未・巳酉丑・申子辰の四組の三合を指す。たとえば寅午戌はいずれも火気と同類だが、寅はもともと東方にあり、午はもともと南方にあり、戌はもともと西方にあり、同じ一類に属しながら各々一方に拠る——これを異方同類という。三つの地支が彼此五位隔たるのを、三五相望といい、すなわち相合である。
如春占,夫年立午,妻年立寅,春木旺火相,是夫妻之年俱立旺相之鄉,受氣歲中,必產貴子。如子臨年,當八月丁丑日卯時受孕大吉。 如寅加年四月庚日亥時產。 法曰:取妻年上神后三位為受孕之月,再後三三為受孕日時也。取妻年上神前三位為生月,再前三三是當產日時也。
たとえば春に占って、丈夫の行年が午に立ち、妻子の行年が寅に立つ。春季は木が旺し火が相で、まさに夫妻の行年がともに旺相の郷に立つので、受気したこの一年の中に必ず貴子を産む。もし妻子の行年の上に臨むのが子ならば、八月の丁丑日卯時に受孕すべきで、大吉である。もし行年の上に加わるのが寅ならば、四月の庚日亥時に分娩する。推算の法に曰く、妻の行年の上神を取って後ろへ三位数えて受孕の月を定め、さらに後ろへ三位ずつ数えて行って受孕の日と時を定める。妻の行年の上神を取って前へ三位数えて生産の月を定め、さらに前へ三位ずつ数えて行けば、それが分娩の日と時である。
栄華課
凡祿馬貴人臨干支年命並旺相氣發用入傳,更乘吉將為榮華課。如丙寅日干上申,支上巳,為干支祿馬,申發用,中傳貴人,主君子加官進祿,常人謀為財利,進身修宅俱吉。壬申日干上寅之類亦然,此祿馬又遇貴人,主人榮達,又遇光華,故名榮華,統師之體,乃士眾擁從之課也。
およそ禄神・駅馬・貴人が干支あるいは占人の年命の上に加臨し、また旺相の気を帯びて発用して伝に入り、しかも吉将に乗るものを、栄華課という。たとえば丙寅日に日干の上に申を得て日支の上に巳を得るのは、干支が各々禄馬を得たもので、申が発用して初伝を作り、中伝がまた貴人であれば、官をなす人は加官進禄し、尋常の人は事を謀って財を得、晋身と宅舍の修造がいずれも吉利であることを主る。壬申日に日干の上に寅を得る類も同じである。これは禄馬がまた貴人に遇い、人が顕栄・通達し、さらに光彩の煥発に逢うので、栄華という。それは『易経』の師卦の体に統属し、士衆が擁随する課である。
象曰:干支吉神,入宅俱利,經營俱亨,動止均美,孕育麟兒,婚成連理,用兵征討,得地千里。如癸丑日巳加癸,日貴為財;丙寅日申加丙,日馬為財之類,大利求財。甲申日干上丑之類,為干支見晝夜貴人,主事得兩貴周全成合。乙酉日子加申之類,為晝貴坐夜貴;丁卯日夜酉加亥之類,為夜貴從晝貴,宜告貴求事,必於兩處貴人成就。
断辞に曰く、干支の上はいずれも吉神で、宅舍に入れば諸事利があり、経営・売買は様々亨通し、一動一静がみな心に称う。孕育は麟児を得、婚姻は連理を結ぶ。兵を用い征討すれば、千里を拓くことができる。たとえば癸丑日に巳が癸の上に加わるのは、日貴が同時にまた財爻である。丙寅日に申が丙の上に加わるのは、日馬が同時にまた財爻である。この類はいずれも大いに財を求めるに利がある。またたとえば甲申日に日干の上に丑を得る類は、干支の上に昼夜の两位の貴人を見るもので、事が両処の貴人の周全・促成を得られることを主る。乙酉日に子が申の上に加わる類は、昼貴が夜貴の上に坐する。丁卯日に夜将の酉が亥の上に加わる類は、夜貴が昼貴に随従する——いずれも貴人に求告して事を弁ずるに宜しく、必ず両処の貴人の手中で弁じ成る。
惟占謁不見,緣貴往見貴,多不在宅,或官長訪官得見。甲戊庚日干上丑例,為貴人臨身,宜干貴成事,乙辛二日干見貴人臨身辰戌上,非坐獄,亦宜干謁。餘日坐獄為受賄,宜陰陽私禱。或一日全無逆貴,凡進取、告貴、催督諸事,皆順無阻,貴為月將尤美,當應師九二承天寵吉象。
ただ占謁見ではかえって見えない——貴人がまさに貴人に会いに行っているので、多くは家に在らないからである。もし官長が官長を拝訪するなら、かえって会える。甲・戊・庚の三日に日干の上に丑を見るこの例は、貴人が身に臨んだもので、貴人に干求して事を成すに宜しい。乙日・辛日に日干の上に貴人が辰戌の上に臨むのを見るのは、坐獄と算えず、往って干謁するに宜しい。その余の日に貴人が辰戌に坐すれば坐獄で、賄賂を含む意があり、暗中に祈祷し私に願いを許すに宜しい。もし課中にまったく逆行の貴人がなければ、進取・求告・催弁の各様の事がすべて順調に阻まれない。貴人がもしまたまさに月将であればなお美しく、『易経』師卦九二の「師の中に在れば吉、天寵を承く」の吉象に応える。
如一日全無順貴及貴人坐獄,告貴不允,宜退不宜進,進則返坐。甲子日晝貴丑坐酉,夜貴未坐卯,為貴人蹉跎,告貴幹事多不歸一。丁酉日干上酉,支上亥,四課皆是晝夜貴人,為遍地貴人,乃貴多不貴,告貴無成,事反無依,在任多差使,或權攝不一,占訟尤凶。日貴在夜,開眼作暗;夜貴在日,自暗而明。
もし課中にまったく順行の貴人がないか、あるいは貴人が坐獄すれば、権貴に求告しても許可を獲られず、退くに宜しく進むに宜しからず、硬く進めばかえって牽累を受ける。甲子日に昼貴の丑が酉の上に坐し、夜貴の未が卯の上に坐するのは、貴人の蹉跌で、求告して事を弁ずれば多くは頭緒が一ならず。丁酉日に日干の上に酉を得て日支の上に亥を得るのは、四課の中がすべて昼夜の貴人で、遍地貴人となり、貴が多すぎてかえって貴ならず、求告は成らず、事はかえって依託がなく、在職の差使は煩雑で、あるいは代管の権柄が専一でなく、詞訟を占えばとりわけ凶険である。白日に占って夜貴を用いるのは、眼を睁いて暗処に走入る。夜に占って昼貴を用いるのは、暗より転じて明となる。
貴在干前,事不宜迫,迫反為貴所怒。貴在日後,宜催不宜慢。丙丁日亥加未,酉加巳之例,兩貴坐受克方,為尖擔兩頭脫,不可告貴用事,或白虎乘丑臨丑,占訟貴人嗔怒。朱雀乘神克貴,求文書貴人忌憚。此例不論在傳與干支見也。
貴人が日干の前に落ちれば、事は催逼すべからず、逼め急げばかえって貴人に怒られる。貴人が日干の後に落ちれば、催促すべきで延引すべからず。丙日・丁日に亥が未の上に加わり、酉が巳の上に加わるこの例は、两位の貴人がともに受克の地に坐し、尖担両頭脱と呼び、権貴に求告して事を弁ずるべからず。
丁丑日酉加未、亥加酉為例,兩貴逢空,凡事許後被人攙越,或有人誤報虛喜,喜反有所費事,換旬可成。六丁日亥加未例,貴作日鬼臨干,占官利,占病神祗為害,臨支家神致病,宜修設安慰宅神則吉,墓鬼尤凶。貴作六害,占訟理直而作曲斷,小就大,巧就拙,惟宜識時屑就不妨也。餘皆不利,當應師六五弟子輿尸貞之凶象也。
丁丑日に酉が未の上に加わり、亥が酉の上に加わるこの例は、两位の貴人がともに空亡に落ち、凡事は先に応諾されたのに他人に先んじて割り込まれるか、あるいは人の誤報する虚喜があり、喜事がかえって徒らに煩いを添えるので、一旬を換えてこそ弁じ成る。六つの丁日に亥が未の上に加わるこの例は、貴人が化して日鬼となって日干に加臨するもので、官運を占えば利があり、疾病を占えば神祇の作祟である。もし日支の上に臨めば、家宅の神が病を致したもので、祭祀を修設して宅神を安撫するに宜しくこそ吉で、もし墓鬼を成せばなお凶である。貴人がまた六害を作れば、訟を占えば縦に理を占めても曲断に判せられ、大事は小さく弁ずるしかなく、巧事は拙く弁ずるほかなく、ただ時勢を認清し、暫く將就すれば妨げない。その余の情形はいずれも不利で、師卦六五の「弟子輿尸、貞凶」の凶象に応える。
如丙申日卯時子將,干上寅為驛馬,支上巳為日祿,初傳巳為相氣,加申為用,末傳亥為貴人,寅命上亥為貴人,行年巳為祿,上見寅馬,俱乘吉將,為榮華課。 巳空 寅六 亥貴 六空貴六 寅巳亥寅 巳申寅丙 年 寅卯辰巳 丑 午 子 未 亥戌酉申 命
たとえば丙申日の卯時に占い、子を月将と用いる。天盤の子を地盤の卯に加えると、天盤は地盤より三位退く。丙の寄宮は巳にあり、巳の上に寅を得る——第一課。寅の上に亥を得る——第二課。日支の申の上に巳を得る——第三課。巳の上に寅を得る——第四課。丙の禄は巳にあり、馬は寅にあるので、日干の上の寅はまさに駅馬、日支の上の巳はまさに日禄である。第三課の巳火が下の申金を克するので、上克下を取って巳を発用とし、巳はまた当令して相気である。中伝は巳の上の寅、末伝は寅の上の亥で、亥はまさに丙日の昼貴人である。占人の本命は寅にあり、寅の上に亥を得るのもまた貴人である。行年は巳で禄であり、巳の上にまた寅馬を見る。禄・馬・貴人が斉しく集い、各々みな吉将に乗るので、栄華課と断ずる。初伝の巳は天空に乗り、中伝の寅は六合に乗り、末伝の亥は貴人に乗る。図中に標出した「年」「命」の二処は、すなわち行年と本命の落ちる宮位である。
此課如庚辰日亥加寅,寅命,占科舉必高中,蓋晝以夜貴、夜以晝貴為簾幕官。寅命上見亥為月將官貴,行年辰上見丑為簾幕官,魁星並照,朱雀翱翔,乘巳臨身故也。 巳朱 寅青 亥常 元 空 青 朱 戌 丑 寅 巳 丑 辰 巳 庚 寅卯辰巳 丑 午 子 未 亥戌酉申
またたとえば庚辰日に亥が寅の上に加わり、占人の本命が寅にあれば、科挙を占って必ず高く中る。白昼に占っては夜貴を、夜に占っては昼貴をもって「簾幕官」、すなわち簾内の考官に充当するからである。本命の寅の上に亥を見れば、亥はまさに月将で、官貴である。行年の辰の上に丑を見れば、丑は庚日の昼貴で、まさに簾幕官である。魁星と貴神が一同に照臨し、朱雀が高く飛び、また巳火に乗って自身に臨むので、必ず中ると断ずる。この課は庚の寄宮が申にあり、亥が寅に加われば天盤は地盤より九位進む。申の上に巳を得る——第一課。巳の上に寅を得る——第二課。日支の辰の上に丑を得る——第三課。丑の上に戌を得る——第四課。巳火が申金を克するので、上克下を取って巳を初伝とし、中伝は寅、末伝は亥である。初伝の巳は朱雀に乗り、中伝の寅は青竜に乗り、末伝の亥は太常に乗る。
徳慶課
凡課日辰干支德神,及天月二德發用,並在年命乘吉將,為德慶課。德者,和氣也,主福家吉神也。干德者,甲己德寅、乙庚申,丙辛、戊癸在巳輪,丁壬亥位取日德。若逢之萬象新。支德者,子日起巳順行十二辰。
およそ課の中で日辰干支の徳神、および天徳・月徳の二徳が発用し、また占人の年命の上に現れて吉将に乗るものを、徳慶課という。いわゆる徳とは和気で、家宅を福佑することを主る吉神である。日干の徳の推法は、甲日・己日の徳は寅にあり、乙日・庚日の徳は申にあり、丙日・辛日と戊日・癸日の徳はいずれも巳に輪り、丁日・壬日の徳は亥の位に取る。およそそれに遇えば、万象がみな一新する。日支の徳の推法は、子日から巳に起こり、十二辰に順って依次に推排する。
天德者,正丁二坤宮,三壬四辛同,五干六甲上,七癸八艮逢,九丙十居乙,子巽丑庚中。月德者,正五九月丙,二六十月甲,三七十一壬,四八十二庚。二德扶持,眾凶皆散。善莫大於德,故德有慶會,蓋德能利物濟人,掩凶作善,轉禍為福,而有喜慶,故名德慶課,統需之體,乃君子歡會之課也。
天徳の推法は、正月は丁にあり、二月は坤宮にあり、三月は壬にあり、四月は辛にあり、五月は乾の位にあり、六月は甲にあり、七月は癸にあり、八月は艮に遇い、九月は丙にあり、十月は乙に居り、十一月の子月は巽にあり、十二月の丑月は庚にある。月徳の推法は、正月・五月・九月は丙にあり、二月・六月・十月は甲にあり、三月・七月・十一月は壬にあり、四月・八月・十二月は庚にある。この二種の徳神の扶持があれば、衆多の凶神はみな消散する。善は徳より大なるものはなく、それゆえ徳あればすなわち慶会がある——徳は物を利し人を済い、凶悪を掩い去って善事を成就し、禍を転じて福となし、それによって喜慶を齎すので、徳慶課と名を取る。それは『易経』の需卦の体に統属し、君子が歓聚する課である。
象曰:德神在位,諸殺潛藏,囚禁的釋,病危無妨,婚成佳配,孕產賢郎。凡占謀望,事事吉昌。如德神為鬼,占功名利,病無妨,乘龍尤吉。或四煞辰戌丑未沒四維乾坤艮巽,大吉,百事無礙,雖凶將無災,當應需九五貞吉之象。若帶殺乘虎,或德空,或神將外戰被刑剋,不吉。或子日巳德歸亥,乘元武夾克,為減德,事參商。或乙日申德加酉為用,酉來克乙,申化鬼,乃君子為小人,四殺不沒,應九三致寇至之凶象也。
断辞に曰く、徳神が位に在れば、各様の凶殺はみな潜み蔵れる。囚禁せられた者は開釈を得、病危の者も妨げない。婚姻は佳配を結び、胎孕は賢良の児郎を生む。およそ謀劃・期望を占えば、事事吉利にして興旺する。もし徳神が化して鬼爻となれば、功名を占うに利があり、病を占っても妨げなく、もしさらに青竜に乗ればとりわけ吉利である。あるいは辰戌丑未の四煞がともに乾・坤・艮・巽の四維の位に陥没すれば、すなわち大吉で、百事礙なく、縦に凶将があっても災を成さず、『易経』需卦九五の「貞吉」の象に応える。もし徳神が凶殺を帯びてまた白虎に乗るか、あるいは徳神が空に落ちるか、あるいは天将が乗る所の神と外戦して刑克を受ければ、いずれも吉ならず。またたとえば子日の巳徳が亥の上に帰り、元武に乗って夹克を受けるのは、減徳と呼び、事は参商の二星のごとく会合しがたい。またたとえば乙日の申徳が酉の上に加わって発用すれば、酉金がかえって来て乙木を克し、申がまた化して鬼となる——これは君子が小人に制せられるもので、四煞がまた陥没せず、需卦九三の「寇至を致す」の凶象に応える。
如戊子日戊時卯將占,巳為德神加子發用,為德慶課。 巳陰 戌合 卯常 六 陰 常 六 戌 巳 卯 戌 巳 子 戌 戊 戌亥子丑 酉 寅 申 卯 未午巳辰 《訂訛》意同
たとえば戊子日の戌時に占う(原文は「戊時」と作るが、十二時辰の中に戊時はなく、戌時の誤りとすべきである)、卯を月将と用いる。天盤の卯を地盤の戌に加えると、天盤は地盤より五位進む。戊の寄宮は巳にあり、巳の上に戌を得る——第一課。戌の上に卯を得る——第二課。日支の子の上に巳を得る——第三課。巳の上に戌を得る——第四課。第三課の巳が子に加わり、下の子水が上の巳火を克する下賊上なので、巳を取って初伝とする。中伝は巳の上の戌、末伝は戌の上の卯である。戊日の徳神はまさに巳にあり、徳神が子に加わって発用するので、徳慶課という。初伝の巳は太陰に乗り、中伝の戌は六合に乗り、末伝の卯は太常に乗る。『訂訛』一書の説はこれと同じである。
合歓課
凡課日辰遇天干作合,及支三合六合發用,並占人年命俱乘吉將,為合歡課。天干合者,甲己為中正合,乙庚為仁義合,丙辛為威權合,丁壬為淫訛合,戊癸為無情合。六合者,子合丑實,丑合子空;亥合寅就,寅合亥破;戌合卯舊,卯合戌新;辰合酉合,酉合辰離;巳合申順,申合巳逆;未合午晦,午合未虛。
およそ課の中で日辰が天干の相合に遇い、および地支の三合・六合が発用し、占人の年命に至るまでもみな吉将に乗るものを、合歓課という。天干の相合は五種ある。甲と己は中正の合、乙と庚は仁義の合、丙と辛は威権の合、丁と壬は淫訛の合、戊と癸は無情の合である。地支の六合は各々意味がある。子が丑に合するは実、丑が子に合するは空。亥が寅に合するは就、寅が亥に合するは破。戌が卯に合するは旧、卯が戌に合するは新。辰が酉に合するは合、酉が辰に合するは離。巳が申に合するは順、申が巳に合するは逆。未が午に合するは晦、午が未に合するは虚である。
三合者,亥卯未繁冗駁雜,巳酉丑矯革離異,寅午戌黨侶未正,申子辰流而不清、滯而不竭、宜動不宜靜。凡日辰年命見合,主和合,合則新,則人歡事成,故名合歡課,統井之體,乃婚姻團圓之課也。
三合もまた各々性情がある。亥卯未の木局は繁冗・駁雑を主り、巳酉丑の金局は矯枉・更革・分離・乖異を主り、寅午戌の火局は党を結び群を成して必ずしも端正ならざるを主り、申子辰の水局は流動して清澈ならず停滞して枯竭せず、走動に宜しく静守に宜しからざるを主る。およそ日辰と年命の上に合を見れば、みな和合を主る。一たび相合すればすなわち新しい気象があり、それによって人情が歓洽し事が弁じ成るので、合歓課という。それは『易経』の井卦の体に統属し、婚姻が団円する課である。
象曰:乾坤匹配,奇偶交併,占孕遲生,行人榮省,名利喬遷,財喜歡稱,婚姻天緣,萬事佳慶。如三合,事關眾,克應過月。六合,陰陽配,夫婦和順。或日辰陰陽年命六處,傳逢吉將,四殺沒,合多吉多,凡事成就順利,行無不吉。從凶殺亦主凶中和合,或合帶刑害,有德在末有氣,乃入凶遇吉,可以小用宛轉。或二陰作合,求婚大吉,當應上六井收勿幕有孚元吉之象。
断辞に曰く、乾坤が相い匹配し、奇偶が交わり相い并合する。胎孕を占えば生まれるのが遅く、出門の人は風光に帰省する。名利の上に喬遷・高就し、財喜は心に称い意に如く、婚姻は天定の良縁で、万事にみな佳慶がある。三合は事が衆人に牽連することを主り、応験の日期は一ヶ月を過ごす。六合は陰陽の相配で、夫婦の和順を主る。もし日干・日支・陰神・陽神と年命のこの六処に、三伝がまた吉将に遇い、辰戌丑未の四殺が陥没すれば、合うほど多くなるほど吉も多く、凡事は成就・順利で、往いて吉ならざるなし。縦に凶殺に随いても、凶の中に和合を帯びることを主る。あるいは合の中に刑害を帯び、徳神が末伝に落ちてまた気があれば、それは凶に入ってかえって吉に遇い、なお少しく委曲・通融できる。もし二つの陰神が相合すれば、婚を求めて大吉で、『易経』井卦上六の「井收すれども幕く勿れ、孚あり元吉」の象に応える。
若占凶事,守舊愈遲疑。求文書幹事,見合無氣,終滯,似不決意,不若不見為妙。占病凶將尤甚,傳進病難退。占失脫,藏匿難獲。或合帶刑沖破害,合而藏禍,內吉外凶。合空事費力難濟,傳退連茹,合帶暗鬼剋日,乘蛇虎雀有害,不可意外狂圖,及託人幹事,當應九二井谷射鮒之凶象也。
もし占う所が凶事ならば、旧局を守ってますます遅疑・難決となる。文書を求め、事を干弁して、合を見るのに気なければ、終に滞塞し、主意を取り定められないがごとくで、かえって合を見ないが妙である。病を占って凶将に遇えばとりわけ重大で、三伝が遞進すれば病勢は退きがたい。丢失・走脱を占えば、人に藏匿せられ尋ね獲がたい。あるいは合の中に刑・冲・破・害を帯びるのは、合の裏に禍を蔵し、外は吉と見えて裏は実に凶である。合して空に落ちれば、事は力を費やして成りがたい。三伝が遞退すれば、茅草の根を連ねて牽拔かれるがごとし。合の中にまた暗鬼を帯びて日干を克傷し、さらに螣蛇・白虎・朱雀に乗れば、すなわち禍害があり、意外の妄想を存すべからず、人に托して己に替わって事を弁ませるべからず。井卦九二の「井谷射鮒」の凶象に応える。
如戊申日子時申將,子與干上丑作六合,加辰發用。戊日天干上丑遁得癸作合,支辰與三傳合作三合,亥命見未為貴人,行年在辰見子為青龍,日辰陰陽上下作三合,四殺沒於四維,又乘吉將,為合歡課。 子青 申蛇 辰元 青 元 朱 空 子 辰 酉 丑 辰 申 丑 戊 丑寅卯辰 子 巳 亥 午 戌酉申未
たとえば戊申日の子時に占い、申を月将と用いる。天盤の申を地盤の子に加えると、天盤は地盤より八位進む。戊の寄宮は巳にあり、巳の上に丑を得る——第一課。丑の上に酉を得る——第二課。日支の申の上に辰を得る——第三課。辰の上に子を得る——第四課。子と日干の上の丑とがちょうど六合を成す。子が辰の上に加わり、辰土が子水を克する下賊上なので、子を取って発用とし、中伝は子の上の申、末伝は申の上の辰で、三伝の申子辰はちょうど水局の三合を成す。戊日は五鼠遁法に照らし、丑時は癸丑を得て、干の上の丑は癸を遁出して戊と相合す。日支の申がまた三伝と相会して局を成す。占人の本命は亥にあり、亥の上に未を得て、まさに戊日の夜貴である。行年は辰にあり、辰の上に子を得て青竜に乗る。日干・日支と陰神陽神を連ねて上下ともに三合を成し、辰戌丑未の四殺がまた四維に陥没し、天将もまたみな吉利なので、合歓課と断ずる。初伝の子は青竜に乗り、中伝の申は螣蛇に乗り、末伝の辰は元武に乗る。
《訂訛》 占主人情歡悅,相助成事,求名干貴皆宜,交易婚姻更吉。惟孕遲生,病遲愈。戰訟俱和為貴。三合事關眾,克應過月。六合夫婦和順,婚姻尤妙。或六處逢吉將,四煞沒,合多吉多,凡事成就,縱遇凶殺,亦主凶中和合。或合帶刑害,有德在末有氣,乃入凶遇吉,可以小用宛轉。或二陰神作合,求婚獨利。
『訂訛』に曰く、この課を占えば、人情歓悦し、彼此相助けて事を弁じ成すことを主り、功名を求め、貴人に干謁するのに相応しく、交易と婚姻はなおよく吉利である。ただ胎孕は生まれるのが遅く、疾病は愈えるのが遅い。争戦と詞訟はいずれも和解をもって上とする。三合は事が衆人に牽連し、応期は一ヶ月を過ごすことを主る。六合は夫婦の和順を主り、婚姻に用いてとりわけ妙である。もし干支・陰陽・年命の六処にみな吉将に遇い、四煞が陥没すれば、合うほど多くなるほど吉も多く、凡事はみな成就できる。縦に凶殺に遇っても、凶の中に和合を帯びることを主る。もし合の中に刑害を帯び、徳神が末伝に落ちてまた気があれば、すなわち凶に入ってかえって吉に遇い、なお少しく委曲・通融できる。もし二つの陰神が相合すれば、ただ婚を求めるにのみ利がある。
丙申日反吟,日辰陰陽上下神作三六合。辛卯日卯加辛、壬寅日亥加寅,干支相會作六合。甲申日干上亥與甲合,支上巳與申合。丁丑、己丑日干上午,干支上下作六合。戊辰日干上丑,支上子。辛酉日干上午,干支上下交互作三六合。
丙申日の反吟課は、日干日支と陰神陽神とが上下相配して、三合と六合を成す。辛卯日に卯が辛の上に加わる、壬寅日に亥が寅の上に加わるは、いずれも干支が相会して六合を成す。甲申日に日干の上の亥が甲と相合し、日支の上の巳が申と相合す。丁丑日・己丑日に日干の上に午を得るは、干支の上下が六合を成す。戊辰日に日干の上に丑を得て日支の上に子を得るも、この類である。辛酉日に日干の上に午を得るは、干支の上下が交錯して三合と六合を成す。
或乙酉日三傳申子辰水局生日,支上丑作六合並三合,為全吉,兼天將皆土為日財,利求財。丙申、丙辰、丙子三日,傳逢水局傷日,而干上丑能敵水,不為凶。或上下交互相合,交關求財大利。或相生宜合本營生。或交合有二三,則應交涉二三事。或傳遇三合全脫,本不利,而生起干上財神,或生支上財,為取還魂債,利取財。
またたとえば乙酉日に三伝の申子辰が水局を成して来て日干を生じ、日支の上の丑が六合を作ると同時に三合に入るのは、十全の吉である。加うるに天将がみな土に属して日干の財爻となるので、とりわけ財を求めるに利がある。丙申・丙辰・丙子のこの三日は、三伝が水局に遇って日干を傷つけるが、日干の上の丑土が水を挡き得るので、凶と算えない。もし上下が交錯して相合すれば、交易・往来して財を求めるに大いに利がある。もし彼此相生すれば、伙を合わせて本業を経営するに宜しい。もし交合の処に二重・三重があれば、交渉する事二三件に応験する。もし三伝が三合に遇ってことごとく脱気すれば、もともと不利だが、それが日干の上の財神を生じ、あるいは日支の上の財神を生ずれば、それは還魂の旧債を討取するもので、かえって財を取るに利がある。
(此課雖吉,若占病訟,憂疑難散;占失脫,藏匿難獲;占文書謀干必成;或合帶刑沖破害,蜜裡藏砒。合空事竟難濟。合帶暗鬼剋日,乘蛇虎雀,有害,不可意外妄圖及託人幹事。)
(この課は吉利だが、もし疾病・詞訟を占えば、憂慮・疑惑が消散しがたい。丢失・走脱を占えば、人に藏匿せられ尋ね獲がたい。文書と謀干の事を占えば必ず弁じ成る。もし合の中に刑・冲・破・害を帯びれば、すなわち蜜の裏に砒霜を蔵す。合して空に落ちれば、事は終に成りがたい。合の中に暗鬼を帯びて日干を克傷し、また螣蛇・白虎・朱雀に乗れば、すなわち禍害があり、意外の妄想を存すべからず、人に托して己に替わって事を弁ませるべからず。)
和美課
凡課干支遇三合六合,上下遞互相合,取為和美課。如三傳三合,干支上見六合或生日作財,三六相呼,凡謀皆遂,全無障礙,中有人相助成合,行人喜忻而來。縱為鬼殺,事亦可成無阻。如乙酉、丙申日伏吟類,日辰上下陰陽神作六合。
およそ課の中で干支が三合・六合に遇い、上下彼此が交互相合するものを、和美課と取る。たとえば三伝が三合を成し、干支の上にまた六合を見るか、あるいは日干を生じて化して財爻となり、三合六合が互いに呼応すれば、およそ謀劃あるものみな心に遂い、少しも阻碍なく、中間にまた人が傍らから相助けて促成し、門外に出ている人も歓歓喜喜として帰って来る。縦に鬼爻・凶殺であっても、事は照様に成って阻まれない。乙酉日・丙申日の伏吟の類のごときは、日干日支の上下の陰神陽神がいずれも六合を成す。
辛卯日卯加辛、壬寅日亥加寅類,干支相會作六合。甲申日干上亥、支上巳,丁丑、己丑日干上午類,俱合。戊辰日干上丑、支上子,辛酉日干上未、支上午類,干支上神作六合。乙丑日干上子、丙寅日干上亥類,干支上下作三六合。此人情合悅真美,故名和美課。占事主客怡順皆成,統豐之體,神合道合之課也。
また辛卯日に卯が辛の上に加わる、壬寅日に亥が寅の上に加わるの類のごときは、干支が相会して六合を成す。甲申日に日干の上に亥を得て日支の上に巳を得る、丁丑日・己丑日に日干の上に午を得るの類も、いずれも合を成す。戊辰日に日干の上に丑を得て日支の上に子を得る、辛酉日に日干の上に未を得て日支の上に午を得るの類は、干支の上神が六合を成す。乙丑日に日干の上に子を得る、丙寅日に日干の上に亥を得るの類は、干支の上下が三合と六合を成す。これらはみな人情が合洽・歓悦し、真に美満なので、和美課という。事を占えば賓主が和順し、样样弁じ成る。それは『易経』の豊卦の体に統属し、神合・道合する課である。
象曰:三合六合,上下歡悅,交易大通,財利不絕,婚吉事成,病危勢拙,干貴相宜,占敵和決。如合多吉多,事急成。合少吉少,事遲成。乙酉日三傳申子辰水局生日支上丑作六合,並三合為全吉,兼天將皆土為日財,利求財而不利尊長及營生計,土將克生氣故也。
断辞に曰く、三合・六合が斉備し、上下一片に歓悦する。交易は大いに通暢し、財利は源々として絶えず、婚姻は吉利で事は弁じ成る——ただ病危の人のみ処境が窘迫する。貴人に干求するに相応しく、敵情を占えば和解をもって了断する。合うほど多ければ吉も多く、事が急に来ても成り、合うほど少なければ吉も少なく、事は些時を延ばしてこそ成る。乙酉日に三伝の申子辰が水局を成して来て日干を生じ、日支の上の丑がまた六合を作り、兼ねて三合あるは、十全の吉である。加うるに天将がみな土に属して日干の財爻となるので、財を求めるに利があり、ただ尊長と生計の経営に利かない——土将が生気を克する故である。
丙申、丙子、丙辰三日,傳逢水局傷日,而干上丑能敵三六合,呼惡不成嗔,近謀有成,久則畏人撥置。或上下交互相合,交關求財大利。或相生宜合本營生。或交合有二三,則應交涉二三事。或傳遇三合全脫,本不利,而生起干上財神,為取還魂債。或生支上財神,為索還魂債,利取財,或家中取財還人尤準。當應豐六五來章有慶,譽吉之象。
丙申・丙子・丙辰のこの三日は、三伝が水局に遇って日干を傷つけるが、日干の上の丑土が三合六合の勢を抵え得るので、喝罵しても火を発せられず、近処の謀劃は成り、日が久しくなれば人に中間から撥弄されるのを恐れる。もし上下が交錯して相合すれば、交易・往来して財を求めるに大いに利がある。もし彼此相生すれば、伙を合わせて本業を経営するに宜しい。もし交合の処に二重・三重があれば、交渉する事二三件に応験する。もし三伝が三合に遇ってことごとく脱気すれば、もともと不利だが、それが日干の上の財神を生ずるのは、還魂の旧債を討取するものであり、日支の上の財神を生ずるのは、魂債を索還するもので、いずれも財を取るに利があり、とりわけ家中で財を取って別人に還すのが最も応験する。これらはみな『易経』豊卦六五の「章を来たし、慶誉あり、吉」の象に応える。
如三六合占解釋憂疑及問病凶事,上乘凶將,為凶難散,逢沖可解。或合作六害及空亡,好裡朦暗,主合謀事有變換。若傳逢寅午戌,干支上見午為自刑,丑為六害,子為正沖,乃三合犯殺,為蜜中砒,主恩中有怨,事成有阻。
もし三合六合をもって憂疑の解释および病を問う類の凶事を占い、上にまた凶将に乗れば、すなわち凶気が消散しがたく、冲に遇ってこそ解き得る。あるいは合がまた六害を作りおよび空亡に落ち入るのは、好の中に昏昧を帯び、合謀の事が中途で変を生ずることを主る。もし三伝が寅午戌の火局に遇い、干支の上に午を見るは自刑、丑を見るは六害、子を見るは正冲であれば、これが三合犯殺で、蜜の裏に砒霜を蔵し、恩情の中に怨恨を含み、事は成るが阻碍があることを主る。
或交合逢空,交時和美,後成畫餅。交合盜氣,彼此懷脫。交害主客各有嫉妒,交刑主合到爭競,交沖主先合後難,交克主合而爭訟,笑裡藏刀。壬申日干上寅,支上亥,干支上神作六合,而地下壬申作害,為外好裡牙槎。主外面合而內有暗讒之意,當應上六豐其屋,三歲不覿凶之象也。
あるいは交合の処が空に逢えば、交接の時は和和美美でも、後には画餅となる。交合して彼此が気機を盗泄すれば、両辺ともに脱身の心思を存する。交害すれば賓主が各々嫉妬を懐き、交刑すれば合して一处に至ってまた争競を起こし、交冲すれば先に合し後に難しく、交克すれば合したのに官司を打ち、笑の裏に刀を蔵す。たとえば壬申日に日干の上に寅を得て日支の上に亥を得れば、干支の上神は六合を成すが、地盤の壬と申はかえって相害する——これを外は好く見えて裏は刺を帯びると呼び、表面は和合して内裏は暗に讒言があることを主り、豊卦上六の「其の屋を豊ならしむ……三歳覿えず」の凶象に応える。
如壬午日巳時丑將占,戌加寅為用,三傳戌午寅,干上未與中傳作六合,傳逢三合,日辰上下作三合,日辰旺氣,傳財得用為合,和美課也。 戌白 午后 寅合 白 合 朱 陰 戌 寅 卯 未 寅 午 未 壬 丑寅卯辰 子 巳 亥 午 戌酉申未
たとえば壬午日の巳時に占い、丑を月将と用いる。天盤の丑を地盤の巳に加えると、天盤は地盤より四位退く。壬の寄宮は亥にあり、亥の上に未を得る——第一課。未の上に卯を得る——第二課。日支の午の上に寅を得る——第三課。寅の上に戌を得る——第四課。第四課の戌が寅に加わり、下の寅木が上の戌土を克する下賊上なので、戌を取って発用とする。中伝は戌の上の午、末伝は午の上の寅で、三伝の寅午戌はまさに火局の三合に合する。日干の上の未がまた中伝の午と結んで六合を成し、日干日支の上下もまた三合を成し、日辰がまた旺気に当たる。火は壬水の日干に対してまさに財爻で、財が発用を得てまた合に逢うので、和美課と断ずる。初伝の戌は白虎に乗り、中伝の午は天后に乗り、末伝の寅は六合に乗る。
斬関課
凡卦魁罡加日辰發用,為斬關課。蓋辰為天罡,戌為天魁,日辰人也,魁罡天關也,魁罡加日辰,猶人遇凶神,重土閉塞,若天關難度,欲信道路,必須斬開關門,故名斬關。寅天梁卯天關以木克土,三天俱動,利於逃亡,可以出行。
およそ課の中で魁・罡が日干日支の上に加わって発用するものを、斬関課という。辰は天罡で、戌は天魁である。日辰は人を代表し、魁罡は天関を代表する。魁罡が日辰に加臨すれば、人が凶神に碰上るがごとく、重重の土気が前路を塞ぎ殺し、天関の越えがたきがごとしであれば、道路を伸展せんとするには、必ず関門を斬り開かねばならないので、斬関と名を取る。寅は天梁、卯は天関で、木をもって土を克し、天に属する三つの神が一斉に発動すれば、逃亡に便利で、出行も可である。
未玉女能護身,子華蓋能掩形,太陰地戶主潛藏,六合私門主陰匿,天乙神光能庇佑,青龍萬里驥可至遠。傳遇此數神,占者利陰私,行藏隱避,永無觸礙,統遯之體,乃豹隱南山課也。
未は玉女で、身を護ることができる。子は華蓋で、形を遮ることができる。「太陰」(暗昧の庇護を主る天将)は地戸で、潜蔵を主る。「六合」(婚姻・私密を主る天将)は私門で、暗地に隠匿することを主る。天乙は神光があり、庇佑できる。青竜は万里の良駒のごとく、遠行できる。三伝の中でこの幾位の神将に遇えば、占者は陰私の事に便利で、行蹤を隠蔽・躲避し、永遠に阻碍に触犯しない。この課は『易経』の遁卦の体に統属し、豹が南山に隠れる課である。
象曰:關梁逾越,最利逃亡,捉賊難獲,出行自強,病訟凶禍,厭禱吉詳,書符合藥,方法最良。如官鬼作直符,罡塞鬼戶寅也,魁度天門亥也,乘凶將,為魁罡作羅網,加四仲為天地關隔,主關梁閉塞,不利隱匿、病訟、出行等事。
断辞に曰く、関卡・橋梁はみな跨越でき、逃亡に最も利がある。賊を捉えても捉えがたく、出行すれば自彊して息まない。病と詞訟を占えば凶禍があるが、作法して禳解・祈祷すれば吉利・周詳である。符を畫し、薬を配するのは、この時の方法が最も霊である。もし官鬼が直符に充当し、天罡辰が鬼戸寅を堵め、天魁戌が天門亥を度过し、また凶将に乗れば、すなわち魁罡が羅網を結成したものである。さらに子午卯酉の四仲に加臨すれば、天地の関隔で、関卡・道路の閉塞を主り、隠匿・疾病・詞訟・出行のこれらの事に利かない。
子天關卯天格事因天時所格;午地關酉地格事因地理所格,更詳五行言之。三傳內戰,內外不相見而格。中沖初末,首尾不相見而格。剛日昴星,道路關梁而格。柔日昴星及伏吟,潛伏不欲見人而格。反吟不相照而格。又三交、羅網、從革,皆主阻格,當應六不利攸行凶象。
子は天関、卯は天格で、事が天時に阻隔される。午は地関、酉は地格で、事が地理に阻隔され、さらに五行を参合して細看しなければならない。三伝が自ら相交戦し、内外彼此が相い見えずして阻隔を成す。中伝が初伝末伝を冲して、首尾が相い顧みずして阻隔を成す。陽日に昴星課を得るのは、道路・関卡の阻隔である。陰日に昴星課および伏吟課を得るのは、潜伏して人に見えたがらない阻隔である。反吟課は、彼此が相い照応しない阻隔である。このほか三交・羅網・従革の幾種の課体も、いずれも阻隔を主り、遁卦の「往くところあるに利あらず」の凶象に応える(原文「六」の下に爻位が脱けた疑いあり)。
若傳遇寅卯未子乘天乙、青龍、陰、合吉將,及甲戊庚日丑貴登天門,辰罡塞鬼戶,六神藏、四殺沒,為四大吉時。六神藏者,螣蛇下臨子名墜水,朱雀下臨癸水名投河,勾陳臨卯名入獄,天空臨巽名初剝,白虎臨午名燒身,元武臨坤名折足。四殺沒者,辰戌丑未墓臨乾坤艮巽,陷於四維,此時利出行逃走,避罪隱形,合藥書符、祈禱等事皆吉,則應遯九五嘉遁貞吉象也。
もし三伝が寅・卯・未・子に遇い、また天乙・青竜・太陰・六合などの吉将に乗り、および甲・戊・庚日に丑貴が天門に登り、辰罡が鬼戸を堵め、六神が潜蔵し四殺が陥没すれば、それは四大吉時である。いわゆる六神蔵とは、螣蛇が下に子に臨むを墜水といい、朱雀が下に癸水に臨むを投河といい、勾陳が卯に臨むを入獄といい、天空が巽に臨むを初剥といい、白虎が午に臨むを焼身といい、元武が坤に臨むを折足という。いわゆる四殺没とは、辰戌丑未の四墓が乾・坤・艮・巽に臨んで、四維の位に陥落することである。この時は出行・逃走し、罪を避け形を隠し、薬を配し符を畫し、祈祷などの事がみな吉利で、遁卦九五の「嘉遁貞吉」の象に応える。
如甲寅日亥時未將占,戌加寅為用,曰斬關課。 戌合 午后 寅白 后 合 后 合 午 戌 午 戌 戌 寅 戌 甲 丑寅卯辰 子 巳 亥 午 戌酉申未 此課戌天魁為天關加寅,寅為天梁,利出行。又夜貴神未登天門,螣朱勾空白元六神俱藏,辰戌丑未四殺沒於四維,為四大吉時,萬事俱順利也。
たとえば甲寅日の亥時に占い、未を月将と用いる。天盤の未を地盤の亥に加えると、天盤は地盤より四位退く。甲の寄宮は寅にあり、寅の上に戌を得る——第一課。戌の上に午を得る——第二課。日支の寅の上にも戌を得る——第三課。戌の上に午を得る——第四課。第三課の戌が寅に加わり、下の寅木が上の戌土を克する下賊上なので、戌を取って発用とする。中伝は戌の上の午、末伝は午の上の寅である。天魁戌はすなわち天関で、寅の上に加わり、寅はまた天梁で、木が来て土を克し、関門が斬り開かれるので、出行に利である。加うるに甲日の夜貴未が正に天門亥に登り、螣蛇・朱雀・勾陳・天空・白虎・元武の六神がみな各々潜蔵し、辰戌丑未の四殺がまた四維に陥没し、まさに四大吉時で、万事みな順利である。初伝の戌は六合に乗り、中伝の午は天后に乗り、末伝の寅は白虎に乗る。
《訂訛》 占主利出行逃遁,賊難獲,病訟凶,書符、合藥、厭禱最宜。傳遇寅卯未子乘天乙、青龍、陰、合,為天地獨通。時又為天藏地蓋時蓋,寅天梁、卯天門並魁罡為天關,以木克土,三天俱動,未玉女六丁又為玉女能護身,子華蓋能掩形,天乙神光能佑庇,青龍萬里驥可致遠,太陰地戶主潛藏,六合私門主隱匿,傳遇數神,逃亡出行如有神助。
『訂訛』に曰く、この課を占えば、出行と逃遁に利があり、盗賊は捉えがたく、疾病と詞訟を占えば凶で、符を畫し、薬を配し、禳解・祈祷するのが最も相応しい。三伝が寅・卯・未・子に遇って天乙・青竜・太陰・六合に乗るのを、天地独通という。時辰の上にまた天蔵地蓋の説がある。寅は天梁、卯は天門で、魁罡と連ねてみな天関と算え、木をもって土を克し、天に属する三つの神が一斉に発動する。未は玉女で、六丁もまた玉女と称し、いずれも身を護ることができる。子は華蓋で、形を遮ることができる。天乙は神光があり、庇佑できる。青竜は万里の良駒のごとく、遠くに致すことができる。太陰は地戸で、潜蔵を主る。六合は私門で、隠匿を主る。三伝がこの幾位の神に遇えば、逃亡・出行は神の助けあるがごとしである。
若甲戊庚日丑貴登天門,辰罡塞鬼戶,六神藏、四煞沒更吉。又傳見申酉虎陰為斬關得斷,逃者永不獲。更帶血支、血忌、羊刃、呻吟大煞,必傷人而走。大都此課最宜更新,外出喜見丁馬。若守舊家居,主阻塞且有闇昧事應也。
もし甲・戊・庚日にあって、丑貴が天門に登り、辰罡が鬼戸を堵め、六神が潜蔵し四煞が陥没すれば、それはなおよく吉利である。またもし三伝の中に申・酉を見て白虎・太陰に乗るのを、斬関得断と呼び、逃走した人は永遠に捉え帰られない。さらに血支・血忌・羊刃・呻吟のこれらの大煞を帯びれば、それは必ず人を傷つけて後に逃走したのである。大体この課は最も故を革め新を更するに宜しく、外出する時は丁神と駅馬に見るのを喜び、もし旧局を守って家中に待てば、かえって阻塞・不通を主り、しかも暗昧不明の事に応験する。
此課雖宜出外,若魁罡作官鬼為直符,或作羅網乘凶將,及罡塞鬼戶、魁度天門,皆謂之斬關逢吏。加四仲為天地關隔。加子(天關)卯(天格),事因天時所格。加午(地關)酉(地格),事因地理所格。神將克戰,內外不相見而格。中沖初末,首尾不相見而格。剛日昴星,道路關梁而格。柔日昴星及伏吟潛伏,不欲見人而格。返吟,人心不相照而格。又三交、羅網、從革及不見申酉虎陰,皆名斬關不斷,阻隔難行,逃者易獲也。
この課は外出に宜しいが、しかしもし魁罡が化して官鬼となって直符に充当するか、あるいは羅網を結成してまた凶将に乗るか、および天罡が鬼戸を堵め、天魁が天門を度过するのは、みな斬関逢吏と呼ぶ。子午卯酉の四仲に加臨するのは、天地の関隔である。子(天関)・卯(天格)の上に加わるのは、事が天時に阻まれる。午(地関)・酉(地格)の上に加わるのは、事が地理に阻まれる。天将が乗る所の神と克戦し、内外彼此が相い見えずして阻を成す。中伝が初伝末伝を冲して、首尾が相い顧みずして阻を成す。陽日に昴星課を得るのは、道路・関卡の阻隔。陰日に昴星課および伏吟の潜伏を得るのは、人に見えたがらない阻隔。反吟課は、人心が彼此相い照応しない阻隔である。このほか三交・羅網・従革の幾種、および三伝の中に申酉と白虎太陰を見ないものは、みな斬関不断と呼び、阻隔して行き難く、逃走した人は捉え帰られやすい。
《觀月經》 名魚失其水 魁罡日辰上,發用斬關風。 凡見辰戌加日辰發用者,為斬關卦,必有逃走之應也。 出行應吉利,居住暗相通。三傳六合卦,太陰地戶中。 傳中六合是天之私門,太陰是地戶。
『観月経』はこの格を「魚失其水」と呼ぶ。歌訣に曰く、魁罡が日辰の上に落ちて、発用すればすなわち斬関の風を刮起す——およそ辰・戌が日干日支の上に加わって発用するのを見れば、すなわち斬関卦で、必ず人の逃走するに応験する。また曰く、出行すれば吉利なるべく、居家すれば暗中に相通ず。三伝がもし六合の卦を成せば、太陰の地戸がすなわちその中に在る。三伝の中の六合は上天の私門で、太陰はすなわち地戸である。
功曹與小吉,天梁玉女同。 傳中有功曹為天梁,小吉名玉女,佑逃走之利。 青龍萬里翼,華蓋紫微宮。避罪宜逃走,出入有始終。戊申正月占,酉時此卦攻。亡人華蓋下,天降此利亨。 此乃天之所降,亨通之途,逃人得遠去,路無阻障也。
歌訣に曰く、功曹と小吉は、すなわち天梁と玉女である——三伝の中に功曹寅があればすなわち天梁で、小吉未があればすなわち玉女と呼び、いずれも逃走の利を護佑する。また曰く、青竜は万里の羽翼で、華蓋は紫微の宮に属す。罪責を躲避するには逃走に宜しく、出入にみな始めあり終わりあり。戊申日に正月に占い、酉時は正にこの卦に合す。逃亡の人は華蓋の下に蔵身し、これは上天の降下した亨通の路——すなわちこれは天意の降す所で、前途が亨通し、逃走した人は遠く去ることができ、路に阻碍がないということである。
終向六合上,雙門萬里同。 終傳天罡乘六合是雙門,出入萬里也。 若言不逃走,濁亂在家中。 若不逃走,主家破敗,盜賊濁亂之事也。
歌訣に曰く、末には六合の上に帰向し、双門が大いに開けて万里通同す——これは末伝の天罡辰が六合に乗るのがすなわち双門で、出入は万里に達し得るということである。また曰く、もし逃げ去らなければ、混濁・紛乱が家の中に応ず——意味はもし逃走しなければ、家道の破敗を主り、また盗賊の作乱する類の事があるということである。
《袖中金》 魁罡臨日辰,傳見虎陰申酉為斬關得斷,逃者永不獲矣。更帶血支、血忌、羊刃吟呻三殺,必傷人而走。 《通神集》 天乙神光引路,六丁玉女來扶,青龍飛騰萬里,天門地戶俱到。占逃亡是亡者之福佑矣。
『袖中金』に曰く、魁罡が日干日支に臨み、三伝の中にまた白虎・太陰と申・酉を見れば、斬関得断と呼び、逃走した人は永遠に捉え帰られない。もしさらに血支・血忌・羊刃・呻吟のこの三様の凶殺を帯びれば、必ず人を傷つけてから逃走したのである。『通神集』に曰く、天乙の神光が前で路を引き、六丁玉女が前に来て扶助し、青竜が万里を飛騰し、天門と地戸がすでに位に到る。逃亡を占ってこれを得れば、まさに逃亡者の福佑である。
《心鏡》 日辰上見魁罡立,此卦名為是斬關。前一神光參玉女,天梁地戶太陰間。更有青龍萬里翼,紫微天人有防閒。逃人難捕隱逸去,長往嘉遁信不還。 《曾門》 日辰逾於魁罡,名曰斬關。或發用傳及功曹為天梁,青龍為萬里翼,小吉為玉女,神后為華蓋,魁罡為天關,太陰為地戶,六合能隱形,遇此數神,利於逃亡。
『心鏡』の歌訣に曰く、日辰の上に魁罡の竪立を見れば、この一卦はすなわち斬関と呼ぶ。前の一位に神光を帯びた天乙が玉女と相い参じ、天梁と地戸太陰がその間に挟まる。さらに青竜が万里の羽翼を作り、紫微の天人がこれを遮攔する。逃走した人は捕捉しがたく、隠遁して去り、一去して返らず、音信まったくなし。『曽門』に曰く、日辰が魁罡を越えれば、すなわち斬関という。あるいは発用と三伝の中に功曹寅を天梁と見、青竜を万里の羽翼と見、小吉未を玉女と見、神后子を華蓋と見、魁罡を天関と見、太陰を地戸と見、六合が形を隠し得る——この幾位の神に遇えば、みな逃亡に利がある。
《定章》曰:若欲伏匿,晝夜必得其道,當趨前三六合,後二太陰為天門地戶。逃亡當令六合臨日,太陰臨辰而出,為天門地戶,不可克逃人年上神。審以四五為太常、青龍、六合、太陰,青龍臨日,太常亦可也。六合、太陰者,天道也。亡人乘之,乃萬全。若有九天九地,必萬里安,各有上下。
『定章』に曰く、もし藏匿せんとするならば、白天・夜裏ともに必ず路数を正しく行かねばならない。前の第三位の六合、後の第二位の太陰に趨向すべく、この両処がすなわち天門と地戸である。逃亡する人は六合を日干に臨ませ、太陰を日支に臨ませる時に動身すべきで、行くのはまさに天門地戸であり、しかも逃亡者の行年の上の神を克傷してはならない。審察する時は第四・第五処の太常・青竜・六合・太陰をもって準とする。青竜が日に臨むはもちろん好く、太常が日に臨んでも可である。六合と太陰は天道に属し、逃亡する人がそれらに乗れば、万に一つの失もない。もしさらに九天・九地を配すれば、必ず万里を遠行して平安で、各々また上下の位に分かれる。
春寅為九天,勝光為九地。夏勝光為九天,子為九地。秋申為九天,勝光為九地。冬神后為九天,午為九地。必欲令六合、太陰治其上下臨地戶。地戶者,除定開危之日也。如二月辰除、未定、戌危、丑開也。
九天九地を推す法は、春は寅を九天とし、勝光午を九地とする。夏は勝光午を九天とし、子を九地とする。秋は申を九天とし、勝光午を九地とする。冬は神后子を九天とし、午を九地とする。総じて六合・太陰に上下を分け管させて地戸に臨ませねばならない。いわゆる地戸とは、建除十二神の中の除日・定日・開日・危日である。たとえば二月は、辰は除、未は定、戌は危、丑は開である。
又云戊己之辰可逃亡,乘四天尤妙。再得天上三奇乙丙丁者,追之不得,視之者蒙。孤虛法如甲子旬孤在戌亥、虛在辰巳。
また曰く、戊日・己日の辰の位は逃亡でき、もし四天に乗ればなお妙である。さらに天上の三奇の乙・丙・丁を得れば、追う人は追い及ばず、看る人も看清くことができない。孤虚の推法は、たとえば甲子のこの一旬は、孤は戌・亥の两位に落ち、虚は辰・巳の两位に落ちる。
又云戊己之辰不可克今日之干。假令戊己之辰是巳午,今日是庚辛,乃為戊己之辰克今日之干也。四天不欲克害今日之辰,強行者,必受其殃。天門不可克逃人年上神。孤虛神不可克始逃之日,出天門者,六合也,必在禹步。禹步者,左足有前也。
また曰く、戊己の値する辰の位は、今日の天干を克傷してはならない。たとえば戊己の辰が巳午に落ち、今日の天干が庚辛ならば、それは戊己の辰が今日の干を克したものである。四天もまた今日の地支を克害すべからず、硬く動身する人は必ず殃に遭う。天門は逃亡者の行年の上の神を克傷すべからず、孤虚の神は逃げ始めたその日を克傷すべからず。いわゆる天門を出ずるとは、六合を指す。動身する時はまた禹歩を踏まねばならない——禹歩の歩法は、先に左脚を出す。
《照膽》 除定開危卯未方,龍常陰合可逃藏。
『照胆』に曰く、除・定・開・危のこの四日に、さらに卯位と未位の方向を配し、もし青竜・太常・太陰・六合の幾位の吉将があれば、逃走して身を蔵めることができる。
閉口課
凡旬尾加旬首,或旬首乘元武,或旬首位上神乘元武發用者,為閉口課。如甲申日巳加申,丙辰日亥加寅之類,皆旬尾加旬首為用也。如丁酉日午加酉夜將之類,皆天盤旬首乘元武為用也。如甲子日辰加子晝夜皆地盤旬首上神乘元武為用也。如六甲占盜賊,責元武旬首為陽神,逆數四神,六癸旬尾為陰神,不論發用,為閉口也。
およそ一旬の末支が一旬の首支の上に加わるか、あるいは旬首が元武に乗るか、あるいは旬首の在る位置の上神が元武に乗って発用するものは、みな閉口課という。甲申日に巳が申の上に加わる、丙辰日に亥が寅の上に加わるの類のごときは、いずれも旬尾が旬首に加わって発用するもの——甲申の一旬は首支が申・末支が巳で、甲寅の一旬は首支が寅・末支が亥である。丁酉日に午が酉の上に加わって夜将を用いる類のごときは、いずれも天盤の旬首が元武に乗って発用するものである。甲子日に辰が子の上に加わるのごときは、昼占・夜占を問わず、いずれも地盤の旬首の上の神が元武に乗って発用するものである。またたとえば六つの甲日に盗賊を占えば、もっぱら元武の在る旬首を取って陽神とし、それから逆に四位を数え、六つの癸日の旬尾を陰神とし、発用するか否かを問わず、みな閉口と算える。
夫首尾相加,似物閉藏,環圓無端,不見其口,故名閉口。其旬首六儀神吉將凶不能與善。旬尾度四,即武之終陰,不論首尾相加發用,自有旬首尾之意。占人求事,不語有無之態,統謙之體,上下朦朧課也。
首尾が相い加わり、器物が封閉・收藏せられたがごとく、円転して一周して端頭なく、その口子が見えないので、閉口と名を取る。旬首の値する六儀の神は、縦に天将が凶悪でも一味に悪をなすことはできない。旬尾から逆に四位を数えれば、すなわち元武の終陰の位——たとえ首尾の相加して発用するものがなくても、自体にもとより旬首旬尾の相い銜える意味がある。占問する人が事を求めるに、いつも肯んじて明らかに有無を言わない様子である。この課は『易経』の謙卦の体に統属し、上下が朦朧として明らかならない課である。
象曰:禁口不語,事蹟難明。尋人沒影,失物潛形。告貴弗允,論訟不平。孕生啞子,占事終成。如旬尾加首傳逢六合,事成而凶難散。朱雀訟屈難伸,白虎不明遭罪。占病痰氣阻塞,喉腫口禁。失物人見不肯明言。凡事多有閉口之意。
断辞に曰く、閉口して語らず、事の原委は査明しがたい。人を尋ねても蹤影を見ず、失物は形を露わすに由なし。貴人に求告しても許可を獲られず、官司を打っても公平を得ない。懐孕すれば唖の子を生むが、事を占えば終に成就できる。もし旬尾が旬首に加わって三伝が六合に遇えば、事は成るが凶気は消散しがたい。朱雀に遇えば官司は屈を含んで伸びがたく、白虎に遇えば不明不白に罪に遭う。病を占えば痰気の阻塞・喉嚨の腫脹・牙関の緊閉である。失物を占えば見た人があっても肯んじて明かさない。凡事みな閉口して言わない意味を帯びる。
辛未日酉加寅,日祿作閉口,又係無祿,病者必絕食而死。甲戌甲辰日旬首作元武,旬尾作為終陰。甲子、甲申、甲甲寅四日,非旬首作元武,俱以元武所居為陽,逆數度四為陰神,不論旬尾,六癸神亦作閉口也。
辛未日に酉が寅の上に加われば、本日の禄神が閉口を成し、また無禄の課に属し、病人は必ず食を絶って死する。甲戌・甲辰のこの二日は旬首が元武に乗り、旬尾はすなわち終陰の位を作る。甲子・甲申・甲午・甲寅のこの四日(原文「甲甲寅」の中間に一「午」字が脱ける)は旬首が元武に乗るのでなく、いずれも元武の在る所を以て陽神とし、それから逆に四位を数えて陰神とし、旬尾をさらに論ずる必要はなく、六つの癸日の神も同じく閉口と算える。
甲辰日辰為旬首,乘元武為陽神加申,女走求男之下,去西南方捕之可獲。逆數四丑為陰神加巳,奴走從女之下向東南捉之可得。非六甲日元武陽神本位上所得為陰神。乙卯日或卯為元武,陽神臨戌,女往西北方自追之。申為元武陰神加卯,捕逃奴並盜賊,正東方獲之。
甲辰日は辰を旬首とし、辰が元武に乗って陽神を作り申の上に加わる——これは女子が男の手下に逃げたもので、西南の申方に往って捉えれば捉えられる。逆に四位を数えて丑を得て陰神とし、丑が巳の上に加わる——これは奴僕が女人に随って逃げたもので、東南方に向って捉えれば捉えられる。六甲日でないものは、元武の陽神の本位の上に得る神を以て陰神とする。乙卯日にもし卯が元武に乗り、陽神が戌の上に臨めば、女子はすなわち西北方に往くので、自ずからこれに循って追尋できる。申は元武の陰神で卯の上に加わるので、逃げた奴と盗賊を捉えるには、正東方において拿獲できる。
三傳相剋帶凶神並勾陳克元武,追逃亡,武受剋日時決可獲也。相生吉將則難獲也。藏物陰神生處搜之,金神求水澤,水神隱林丘,木藏窯冶處,火藏泥窖投,土藏金石之下也。
三伝が彼此相克してまた凶神を帯び、さらに勾陳が元武を克制するを加えれば、逃亡の人を追うに、元武が克を受けるその日辰・時刻に必ず捉えられる。もし三伝が相生して吉将を帯びれば、捉えがたい。蔵れた物を搜寻するには、陰神の生ずる所に至って探すべし。元武が金神に乗れば、金が水を生ずるので、水沢の辺に至って探す。水神に乗れば、水が木を生ずるので、林丘の間に蔵れる。木神に乗れば、木が火を生ずるので、窯灶・冶炉の一帯に蔵れる。火神に乗れば、火が土を生ずるので、泥窖の裏頭に蔵れる。土神に乗れば、土が金を生ずるので、金石の下に蔵れる。
如甲申日卯時子將占,巳為旬尾加申用,為閉口課。 巳勾 寅蛇 亥陰 蛇 勾 白 陰 寅 巳 申 亥 巳 申 亥 甲 寅卯辰巳 丑 午 子 未 亥戌酉申
たとえば甲申日の卯時に占い、子を月将と用いる。天盤の子を地盤の卯に加えると、天盤は地盤より三位退く。甲の寄宮は寅にあり、寅の上に亥を得る——第一課。亥の上に申を得る——第二課。日支の申の上に巳を得る——第三課。巳の上に寅を得る——第四課。第三課の巳火が下の申金を克するので、上克下を取って巳を発用とする。中伝は巳の上の寅、末伝は寅の上の亥である。甲申の一旬は甲申に起こり癸巳に終わり、旬首は申・旬尾は巳である。今まさに旬尾の巳が旬首の申の上に加わり、首尾が相い銜えて口が見えないので、閉口課という。初伝の巳は勾陳に乗り、中伝の寅は螣蛇に乗り、末伝の亥は太陰に乗る。
凡旬尾加干,旬首加支,為一旬周遍格,但日辰相離三位有之,占事不脫,所謀皆就,試宜代筆,訟宜換司,交易去而再來。 惟不宜占解疑事,及疾病難退也。
およそ旬尾が日干の上に加わり、旬首が日支の上に加わるものを、一旬周遍格という。ただ日干と日支が三位隔たる時のみこの格局が現れる。事を占えば脱空せず、謀劃する所はみな弁じ成る。応試は人に請うて代筆させるに宜しく、詞訟は衙門を更換するに宜しく、交易は貨物が去ってまた再び回って来る。ただ解疑の事を占うに宜しからず、疾病もまた退去しがたい。
如乙未日卯時寅將占,首尾加支干,為一旬周遍格。 戌陰 卯六 午空 青 空 朱 六 巳 午 寅 卯 午 未 卯 乙 辰巳午未 卯 申 寅 酉 丑子亥戌
たとえば乙未日の卯時に占い、寅を月将と用いる。天盤の寅を地盤の卯に加えると、天盤は地盤より一位退く。乙の寄宮は辰にあり、辰の上に卯を得る——第一課。卯の上に寅を得る——第二課。日支の未の上に午を得る——第三課。午の上に巳を得る——第四課。四課の上下にいずれも相克なく、すなわち昴星法に照らして取用する。乙未は陰日に属し、天盤の酉の落ちる地盤の戌位を取って初伝とし、中伝は日干の上神卯を取り、末伝は日支の上神午を取る。乙未は甲午の一旬の中にあり、旬首は午・旬尾は卯である。今旬尾の卯が日干の上に加わり、旬首の午が日支の上に加わり、一旬の首尾がみな斉く到ったので、一旬周遍格という。初伝の戌は太陰に乗り、中伝の卯は六合に乗り、末伝の午は天空に乗る。
陽神作元武課 戌 元蛇后六 丑寅卯辰 元 女走處 午 辰申午戌 元陰 賊與男走處 子 巳 寅 申子戌甲 亥 午 戌酉申未
これは「陽神作元武課」の図式で、占う所は甲子日である。日干の甲の上に戌を得、戌の上に午を得、日支の子の上に申を得、申の上に辰を得る。左辺の一列の戌・午・寅がすなわち三伝——甲木が戌土を克するので、下賊上を取って戌を発用とし、中伝は戌の上の午、末伝は午の上の寅である。四課の上神の辰・申・午・戌は依次に元武・螣蛇・天后・六合に乗る。右辺は十二地支の地盤の方図である。図上に「元」と標する所は、すなわち元武が陽神を作って落ちた処で、すなわち女子の逃走して、まさに前に往き搜捕すべき方向である。「元陰」と標する所は、すなわち元武の陰神の落ちる処で、すなわち盗賊と男子の逃走の処である。逃亡を捕拿する時は、すなわちこの一陽一陰の両処に依って方向を定める。陽神の下に臨む位で女を捉え、陰神の下に臨む位で男を捉える。
陰神作元武課 寅 後青陰勾 戌亥子丑 未 丑申寅酉 酉 寅 子 申卯酉乙 元陰 賊與男走處 申 卯 元 女走處 未午巳辰
これは「陰神作元武課」の図式で、占う所は乙卯日である。乙の寄宮は辰にあり、辰の上に酉を得る——第一課。酉の上に寅を得る——第二課。日支の卯の上に申を得る——第三課。申の上に丑を得る——第四課。第二課の寅が酉の上に加わり、下の酉金が上の寅木を克する下賊上なので、寅を取って発用とする。左辺の一列の寅・未・子がすなわち三伝で、中伝は寅の上の未、末伝は未の上の子である。四課の上神の酉・寅・申・丑は依次に勾陳・太陰・青竜・天后に乗る。六甲日でないので、逆に四位を数える必要はなく、ただ元武の地盤の上に乗るを以て陽神とし、天盤の上に乗るを以て陰神とする。図中に「元」と標する処は女子の逃走の処、「元陰」と標する処は盗賊と男子の逃走の処で、人を捕える時は各々その方に按じて搜す。
《訂訛》 閉口,或旬尾加旬首乘元武發用,或旬首在天盤乘元武發用,或旬首在地盤、其地盤上神乘元武發用,皆是也。又法不論發用,但看元武當旬首,逆推度四神,雖無首尾相加,自有首尾之意亦是。首尾相加,似物閉藏,環圓無端,不見其口,故名閉口。
『訂訛』に曰く、閉口課とは、あるいは旬尾が旬首の上に加わって元武に乗り発用するか、あるいは旬首が天盤の上に落ちて元武に乗り発用するか、あるいは旬首が地盤に落ちて、その地盤の位の上の神が元武に乗り発用するか、いずれも算に入る。別に一法あって発用するか否かを論ぜず、ただ元武が正に旬首に当たるか否かを見、さらにそれから逆に四位を推す。こうすれば首尾の相加がなくとも、自体にもとより首尾の相い銜える意味があり、同じく閉口と算える。首尾が相い加わり、器物が封閉・收藏せられたがごとく、円転して一周して端頭なく、その口が見えないので、閉口と名を取る。
占主閉密,機關莫測,事蹟難明,尋人沒影,失物人見不肯言。縱乘貴,告貴不允。孕生啞子,病痰氣格塞喑啞,或禁口痢,或喉塞不食。訟屈不得伸,有冤莫訴。傳逢六合,喜事成凶難散也。日祿作閉口,病更凶。若又值無祿課必死。
この課を占えば、事が封閉・隠秘で、機関は窺測しがたく、来龍去脈は査明しがたいことを主る。人を尋ねても蹤影を見ず、失物は縦に見た人があっても肯んじて明かさない。縦に貴人に乗っても、権貴に求告しても許可を獲られない。懐孕すれば唖の子を生む。病を生じれば痰気が堵塞して唖唖として声を失い、あるいは禁口痢に患い、あるいは喉嚨が閉塞して物を喫し下せない。官司を打てば冤屈を含んで受けて申訴することができない。三伝が六合に遇えば、喜事は成るが凶気は消散しがたい。本日の禄神が閉口を成せば、病情はなお凶で、もしまた無禄課に碰上れば、それは必ず死して疑いない。
逆推四神,專為逃與盜而設。六甲日旬首乘元武,是為元武陽神,其加臨位下,可以捕女。連根逆數四位,即旬尾,是謂元武陰神,其加臨位下,可以捕男。如甲辰日,辰旬首,則丑旬尾,辰乘元武臨申,則尋女於西南申方。逆四度丑臨巳,則尋男於東南方是也。
元武から逆に四位を推すこの一法は、もっぱら逃亡と盗賊を占うために設けられた。六つの甲日は旬首を以て元武に乗せ、これがすなわち元武の陽神で、それが加臨する下位は、もって女子を捉拿するに拠るべきである。それから根を連ねて逆に四位を数えればすなわち旬尾で、これを元武の陰神と呼び、それが加臨する下位は、もって男子を捉拿するに拠るべきである。たとえば甲辰日は、辰は旬首・丑は旬尾で、辰が元武に乗って申の上に臨めば、すなわち西南の申方に至って女子を尋ね、逆に四位を数えて丑を得、丑が巳の上に臨めば、すなわち東南方に至って男子を尋ねる。
非六甲日不必度四,但看元武乘地盤為陽神,可以捕女,天盤為陰神,可以捕男。如乙卯日卯乘元武臨戌,則尋女在西北戌方,尋男在正東卯方是也。
六甲日でないものは、逆に四位を数える必要はなく、ただ元武の地盤の上に乗るを見て陽神とし、もって女子を捉拿するに拠り、天盤の上に乗るを陰神とし、もって男子を捉拿するに拠る。たとえば乙卯日に卯が元武に乗って戌の上に臨めば、すなわち西北の戌方に至って女子を尋ね、正東の卯方に至って男子を尋ねる。
三傳相剋帶凶神,並勾陳克武,追逃亡,武受剋日時,可獲。相生帶吉將難獲也。失物在陰神生處尋,如元武乘金,金生水,藏水中;乘水,水生生,藏林中;乘木,木生火,藏窯冶中;乘火,火生土,藏泥窖中;乘土,土生金,藏金石下也。
三伝が彼此相克してまた凶神を帯び、さらに勾陳が元武を克制するを加えれば、逃亡の人を追うに、元武が克を受けるその日辰・時刻にすなわち捉えられる。もし三伝が相生して吉将を帯びれば、捉えがたい。失物を探すには陰神の生ずる所に至って尋ねるべし。元武が金に乗れば、金が水を生ずるので、水の中に蔵れる。水に乗れば、水が木を生ずるので、林の中に蔵れる(原文「水生生」は「水生木」とすべきである)。木に乗れば、木が火を生ずるので、窯灶・冶炉の中に蔵れる。火に乗れば、火が土を生ずるので、泥窖の中に蔵れる。土に乗れば、土が金を生ずるので、金石の下に蔵れる。
一旬周遍格と察奸課
此課外有旬尾加干,旬首加支,或旬首加干,旬尾加支,名一旬周遍格。占憂喜事各皆不脫,試宜代筆,訟宜換司,交易去而再來。六陰日發用元武,又名察奸課。
上文に講じた閉口課のほかに、また一種の変格がある。本旬の「旬尾」(一旬十日の裏の最も末の一日の地支)が日干の寄宮の上に加わり、「旬首」(一旬の頭の一日の地支)が日支の上に加わるか、あるいは倒して、旬首が日干に加わり旬尾が日支に加わるか。両種の排法はいずれも「一旬周遍格」と呼び、一旬の首尾がみな輪り遍くした義を取る。およそ憂事・喜事を占えば、みな糾纏して身を脱げられないことを主る。応試は人に托して代筆させるに宜しく、詞訟は別に衙門を一つ換えるに宜しく、交易はすなわち去ってまた再び一趟来なければならない。もし日干の陰に属する乙・丁・己・辛・癸の日の上にあって、発用の神がまた「元武」(十二天将の一つ、盗竊・暗昧を主る)に乗れば、この格は別に「察奸課」という一名があり、もっぱら奸私・隠情を査察することを主る。
干徳支刑の尋人法
又有占尋人法,專看干德支刑所臨之處,相剋何如。德如甲己在寅,乙庚在申之類。刑如子卯相刑及辰午酉亥自刑之類。如甲戌日,甲德在寅,戌刑在未,寅臨未,君子隱西南;未臨子,小人逃正北;而寅木克未土,是德克刑也,易獲。如己巳日,己德在寅,巳刑在申,寅臨亥,君子隱西北;申臨巳,小人逃東南;而申金克寅木,是刑剋德也,難獲。
別に一種の人を尋ね占う方法があり、もっぱら日干の「徳神」と日支の「刑神」の落ちる位置を見、さらに両者の生克を見る。徳神の取法は、甲日と己日の徳はいずれも寅にあり、乙日と庚日の徳はいずれも申にあり、その余はこれに倣う。刑神の取法は、子卯は互いに刑を為し、辰・午・酉・亥は各々自刑を為し、三刑の類はみなその内に算えられる。例を挙げれば、甲戌日は、甲の徳神は寅、戌の刑神は未である。天盤の寅が地盤の未位に落ち、未は西南に属するので、身分ある人が西南に躲れていると知れる。天盤の未が地盤の子位に落ち、子は正北に属するので、下人が正北に逃げ向かったと知れる。寅は木に属し、未は土に属し、木が土を克するので徳が刑を克し、人は容易に找回せる。またたとえば己巳日は、己の徳神は依然として寅を取り(己は甲を以て徳とし、甲の寄宮は寅にある)、巳の刑神は申である。天盤の寅が地盤の亥位に落ち、亥は西北に属するので、士人は西北に蔵れる。天盤の申が地盤の巳位に落ち、巳は東南に属するので、下人は東南に逃げ往く。申は金に属し、寅は木に属し、金が木を克するので刑が徳を克し、人は尋ねがたい。
閉口卦
《觀月經》凡言閉口卦,其理兩般陳。六甲當旬上,須推度四辰。六甲即甲子等六日度四辰推之。陽神作元武,陰逆四旬同。子為元武上,從魁作陰神。逆四是終陰。陽神,六甲旬首。陰神,六甲旬終。子為元武,陰神在酉,是甲子旬終也。
『観月経』が閉口卦を講ずるに、この一卦の道理は二層に分かれるという。まず六甲・十旬から入手し、元武の乗るその神から起こって、逆に四位を数える。いわゆる六甲とは、甲子・甲戌・甲申・甲午・甲辰・甲寅のこの六つの旬頭の日で、いずれも逆に四位を数える法に照らして推す。元武の乗る所の神を「陽神」と呼び、逆に四位を数えて得る神を「陰神」と呼び、六旬は同一の算法である。陽神はすなわち本旬の旬首で、陰神はすなわち本旬の旬尾である。例を挙げれば、元武が子に乗れば、子から逆に子・亥・戌・酉を数え、第四位は酉で、酉はまたの名を「従魁」といい、すなわち陰神である。甲子旬は癸酉を以て收尾とし、酉はまさに甲子旬の旬尾である。
假令河魁下,陰居小吉身。戌上為元武,未上有陰神,甲戌旬終也。忽然臨傳送,太乙為使臣。申為元武,則巳上是陰神,甲申旬終也。易位勝光上,太沖隱去人。午為勝光,太沖是陰神,甲午旬終也。天罡若作武,大吉是其賓。功曹居賊下,登明無處伸。
以下、旬ごとに例を挙げる(河魁・小吉・伝送・太乙・勝光・太冲・天罡・大吉・功曹・登明はみな十二月将の別名である)。仮に元武が「河魁」戌に乗れば、逆に四位を数えてすなわち「小吉」未の上に落ちる。戌の上は元武、未の上は陰神で、未はまさに甲戌旬の旬尾である。もし元武が「伝送」申に臨めば、それでは「太乙」巳がすなわちその伴当で、申の上は元武、巳の上は陰神で、巳は甲申旬の旬尾である。「勝光」午の上に換えれば、人を蔵するのはすなわち「太冲」卯で、午は元武の乗る所、卯は陰神で、卯は甲午旬の旬尾である。「天罡」辰がもし元武に乗れば、「大吉」丑がすなわちその賓客で、丑は甲辰旬の旬尾である。「功曹」寅が賊人の居る所の下に居れば、「登明」亥はすなわち伸展する処なく、亥は甲寅旬の旬尾である。
失男陰下去,六甲日失男子,奔走陰神下去也。元武女人奔。如失了女子,元武位尋也。賊在陰神下,搜尋此處陳。假令甲子日亥將卯時占,來問女人事,其陽貴神自巳逆數至申為元武,申為西南,其西南不見,尋陰神落處。申是元武陰神,落於子,子為正北,若捉盜賊,陰神之下正北獲也。此解乃尉山人書。
歌訣に曰く「男を失せば陰の下に去る」——六甲の日に男子が走失すれば、人は陰神の臨む地盤の下に奔ったのである。また曰く「元武は女人が奔る」——走失したのがもし女子ならば、元武の乗る所の神の方位に至って探す。また曰く「賊は陰神の下に在り」——盗賊はすなわち陰神の臨む処において搜寻する。例を挙げれば、甲子日に亥将を卯時に加えて課を起こし、来た人の問うは女子の走失の事である。この課は十二天将が巳の上の陽貴人から起こって逆行する——巳の貴人、辰の螣蛇、卯の朱雀、寅の六合、丑の勾陳、子の青竜、亥の天空、戌の白虎、酉の太常——数えて申に至れば、申の上がすなわち元武である。申の方位は西南にあり、まず西南に往って尋ねる。西南に尋ねて得られなければ、さらに申の落ちる処を見る。天盤の申が地盤の子に圧え、子は正北にあるので、賊を捉えるには正北に至ってこそ拿え得る。この一段の解説は尉山人の書に出づる。
假令正月占,卯時甲子旬。元武天罡上,天罡下臨申。女往西南去,元武所立位下臨申,去西南尋人也。急走在北鄰。西南不得,申臨子位,即於正北上尋之。大吉東南去,陰位伏陽人。甲子日元武在辰,大吉為陰神,丑臨巳,是知東南上伏陽人也。
さらに一例を見る。正月の裏に卯時に課を起こし、日は甲子旬の中にある。正月は亥将を用い、亥を卯に加えれば、天盤の各神はみな地盤より八位進む。この課は元武が「天罡」辰に乗り、天盤の辰は正に地盤の申を圧する。歌訣に曰く「女は西南に往く」——元武の立つ所が下に向かって申に臨み、申は西南にあるので、まず西南に往って人を尋ねるからである。また曰く「急いで走れば北の隣」——西南に尋ねて得られない時は、さらに天盤の申が地盤の子を圧するを見、子は正北にあるので、すなわち正北に至って探すということである。さらに曰く「大吉は東南に去り、陰位に陽人伏す」——甲子日に元武が辰にあり、辰から逆に四位を数えて丑を得、丑はすなわち「大吉」で、陰神である。天盤の丑は地盤の巳を圧し、巳は東南にあるので、東南方に一つの男子が蔵れていると知れる。
賊盜亦同此,兩般一體陳。若失盜亦東南去,兩般一解也。不見六旬日,陰居下法真。若是六旬首日,元武居之,即在本位下。不在六旬日者,用下法推之也。上法推陽首,此法相兼陰。若非六甲日,元武在巳酉丑、亥卯未,是陰神之下。除六甲之外,皆用此法推之,故曰相兼陰也。
「賊盗もまた此に同じ」とは、失窃と走失の両方の事の推法が相同じいということである。もし盗まれたならば、賊人もまた東南に往き、走失と失盗はただ一套の解法を用いる。「六旬日に見えざれば、陰は下に居る法真なり」とは、もし元武の乗る所がまさに子・戌・申・午・辰・寅のこの六つの旬首の神であれば、上法に照らしてその本位の下において取る。もしこの六神の上に落ちなければ、すなわち改めて下面の一法を用いる。「上法は陽首を推し、此法は相い兼ねて陰」——意味は上の一法はもっぱら陽支の旬首を推し、この一法は兼ねて陰支を推す。およそ六甲旬首の神でないもので、元武が巳・酉・丑あるいは亥・卯・未のこれらの陰支の上に落ちれば、人と物はすなわち陰神の臨む下に在る。六甲旬首を除いては一律にこれに照らして推算するので、「相い兼ねて陰」と曰うのである。
元武所乘者,為陽盜賊侵。陽之本位處,所見卻為陰。元武所乘之神為陽神也,便是盜賊之處,其陰神本位上見者,為陰神也。看神陽與此方位相度處詳之。正月乙卯日,午時課六壬。卯為陽在戌,傳送本位金。其卯為元武,是陽神,臨戌。其本位上見申金也,為陰神。言陽金克木,即易見也。比合難見也。
元武の乗るその神はすなわち陽神で、すなわち盗賊の蔵身の処である。さらにこの神の本位(地盤の上の同名の位)の圧える所の神を見れば、それはすなわち陰神である。陽神と陰神の両方位を対照して参詳すれば、すなわち去向を定められる。例を挙げれば、正月の乙卯日の午時に課を起こし、正月は亥将を用いて午に加えれば、天盤は地盤より五位進む。この課は元武が卯に乗り、卯は陽神で、天盤の卯は地盤の戌を圧する。さらに地盤の卯位を見れば、上頭に圧えるのは「伝送」申で、申は金に属し、これがすなわち陰神である。申金が卯木を克するのは陰神が陽神を克するので、人あるいは物は尋ね見易い。もし両者がただ比和・相生するのみならば、かえって尋ねがたい。
女往西北去,西北是元武所臨之下,戌地也。男往正東尋。元武所乘之神臨戌地,亥將加午,其卯加戌,元武臨之,女逃西北,從地盤之戌,陰求陽也。男逃正東,從天盤之卯,陽求陰也。此解乃尉山人書。
歌訣に曰く「女は西北に往く」——元武の臨む地盤は戌で、戌は西北にあるからである。また曰く「男は正東に尋ね往く」——元武の乗る所の神が戌地を圧するのは、正月の亥将が午に加わる時、天盤の卯は正に地盤の戌の上に加わり、元武はすなわちこの卯の上に乗る。女子が西北に逃げ往くのは、地盤の戌を取るので、陰を以て陽を求めるに属す。男子が正東に逃げ往くのは、天盤の卯を取るので、陽を以て陰を求めるに属す。この一段の解説もまた尉山人の書に出づる。
盜賊同陰作,若失物,盜賊則在正東也。失牛問大吉,失馬問勝光何方。雞犬等項,各看所屬而言之,乃陰神所臨之下也。
「盗賊は陰と同じく作る」とは、もし失ったのが財物ならば、賊人はすなわち正東、すなわち天盤の卯の在る方位にあるということである。走失したのがもし牲口ならば、すなわちその類神に照らして問う。牛は丑に属するので、「大吉」丑の落ちる何方を見る。馬は午に属するので、「勝光」午の落ちる何方を見る。鶏犬の類は各々その属する地支に依って類推し、いずれもその神の陰神の臨む下に至って探す。
此是一段陳。其賊擒不擒,三傳不相剋,吉將求難尋,凶將有相剋,亡人賊自擒。但凡元武陰神所臨之下,不見克者,看發用三傳,若中二傳逢吉將,三傳上下相生,即亡不見也,賊盜難獲也。故云三傳不相剋,吉將求難尋。若元武所居之處,三傳相剋,更逢凶將,即亡人易獲也,賊盜自擒,故云凶神有相剋,亡人賊自擒也。今日元武陰神申卯,上克下,將勾陳凶將,合主申時敗賊也。
以上は一段である。賊が拿えられるか否かは、「三伝」、すなわち一課に推し出した初伝・中伝・末伝の三重の占断を見なければならない。三伝が彼此相い克せず、また吉将に乗れば、人は尋ねがたい。三伝に克があってまた凶将に乗れば、走失した人と賊は自ずから網に落ちる。およそ元武の陰神の臨む下に克神を見ないものは、転じて発用の三伝を見る。中・末の二伝がもし乗る所が吉将で、三伝の上下がまた互いに生助すれば、人は蔵れて露われず、賊もまた獲がたいので、「三伝相い克せず、吉将あれば求めて尋ねがたし」と曰うのである。もし元武の居る所で三伝が互いに克戦し、また凶将に遇えば、走失した人は找回し易く、賊もまた自ずから擒に就くので、「凶神に相克あれば、亡人も賊も自ずから擒なり」と曰うのである。この今日の一課に就いて言えば、元武の陰神の申が卯の上に圧えるのは、上神が下神を克するので、乗る所はまた勾陳のこの凶将で、合して申時に賊を破るべきである。
欲知藏物處,陰神生處尋。申為元武之陰神,屬金,金生水,藏物當在水中也。金來在水下,金為武之陰,物在水之中也,謂金能生水也。水生在高林。水為元武陰神,藏在林木之中也。木神窯冶處,木為元武陰神,物在火焚之地。言火隱高岑。謂火生土,物在高崖之處。
贓物がどこに蔵されているかを知るには、陰神の属する五行の相生の去向に沿って探せばよい。前例の陰神は申で、申は金に属し、金は水を生じ得るので、贓物は水の中にあるべきである。歌訣に曰く「金来れば水の下」、まさにこの意で、元武の陰神が金に属し、金が水を生ずれば、物はすなわち水の中に沈む。「水生じて高林に在り」と言うのは、陰神が水に属し、水が木を生ずれば、物は樹林の裏に蔵れる。「木神は窯冶の処」と言うのは、陰神が木に属し、木が火を生ずれば、物は窯を焼き鉄を冶するがごとき火ある所に落ちる。「火は高岑に隠ると言う」は、陰神が火に属し、火が土を生ずれば、物はすなわち高い崖・土岡の上にある。
土言坑壑內,空墓窯藏深。土為陰神,在壑穴之處也。若論尋獲日,元武怕日擒。此法隨身寶,價值百錠金。木為陰神,金日得之,木怕被金克也。
「土は坑壑の内を言い、空墓・窯は蔵深し」——陰神が土に属すれば、物は坑洞・沟壑・空墓・廃窯のこの類の深陷の処に埋められる。その何れの日に尋ね獲られるかは、何れの日の日干が元武を克住できるかを見る——元武は最も日辰に克制せられるを怕れる。たとえば陰神が木に属すれば、庚辛の金に属する日に逢えばすなわち手に得られ、木は金の克を怕れるからである。歌訣はこの一法を誇って、随身の宝貝で百錠の黄金に値するとし、まさにその簡便にして霊験なるを言うのである。
《心鏡》陽神作元武,度四是終陰。陽神,六甲旬首。陰神,六甲旬終。功曹作元武,終陰是登明。故曰四是終陰。此名閉口卦,逃者遠追尋。亡人隨元武,捉盜往終擒。逃人在元武方捉,盜在陰神方捉。順行陽所起,天乙順治,在元武陽神所居為起。婢走求陽處,奴逃責陰神。婢走求陽元武,奴逃求陰元武。婢走就奴,故求陽,陽是婢藏之家也。
『心鏡』もまた曰く、元武の乗る所は陽神で、逆に四位を数えればすなわち旬尾の陰神を得る。陽神はすなわち六甲の各旬の旬首で、陰神はすなわち各旬の旬尾である。たとえば元武が「功曹」寅に乗れば、旬尾はすなわち「登明」亥なので、数えて第四位に至ればすなわち終末の陰神であると曰う。この課の名を閉口卦といい、逃走した人は遠くへ向かって追うべきである。走失した人は元武に随って行き、賊を捉えるにはすなわち末位の陰神の処に至って擒にすべし——逃人は元武の在る方位において拿え、盗賊は陰神の在る方位において拿える。「順行は陽の起こる所」とは、天乙貴人が順行して将を布く時、元武の居る陽神のその位から起算するということである。「婢が走れば陽の処を求め、奴が逃れば陰神を責る」——婢女が走失すれば陽神すなわち元武の処に往って尋ね、奴僕が逃亡すればすなわち陰神の処に向かって追う。婢女は奴僕に投奔して行くのだから、陽を求めるのであり、陽位はまさに婢女を藏匿しているその人家である。
《袖中金》旬尾加旬首,為閉口,逆數四神責元武。凡占多主閉密,不能測其機關。如占病是啞,或中風不語,痰塞咽喉,或禁口痢,或咽喉腫疼,不能飲食言語。占失脫,縱有見賊亦不肯說。凡事閉口無語,又不相允,有無之意。餘占更詳天將言其事類。如其上乘貴人,告貴不允;上乘朱雀,占訟枉者不伸。上乘白虎,使人不明遭罪。
『袖中金』に曰く、旬尾が旬首の上に加われば、すなわち閉口課を成し、さらに元武の乗る所の神から逆に四位を数えて責取する。およそこの課を占えば、事は多く封閉・隠密で、その中の機関を看透しがたい。病を占えば、多くは喑唖して声を発せられず、あるいは中風して語を失い・痰が咽喉を塞ぎ、あるいは禁口痢に患いて飯を喫し下せず、あるいは咽喉が腫痛して飲食・言語ともに阻まれる。失窃を占えば、たとえ賊を見た人があっても肯んじて言い出さない。総じて凡事は閉口して言わず、問うても応承せず、有無の間を含糊して過ごす。その余の各類の占問は、また乗る所の天将に合わせて事類を分かつべし。上に貴人に乗るものは、貴人に求告しても許可を獲られない。上に朱雀に乗るものは、官司を打っても冤を含んで伸ばせない。上に白虎に乗るものは、人が牽累せられて不明不白に罪を受ける。
刑徳卦
《觀月經》刑德卦:日干論德,高人隱之。日支論刑,賤者所隱方。五陽德自處,甲丙庚壬戊自居曰德。陰來合者論。夫唱婦隨之道。乙日庚為德,丁開壬戶門。己土居陽甲,辛金丙處雲。癸德配在戊,以上論德取干合也。刑來支上論。刑論支也。
『観月経』が刑徳卦を講ずる——日干の上に徳神を取り、身分ある人は徳神の指す方位に蔵れる。日支の上に刑神を取り、下賤の人は刑神の指す方位に蔵れる。「五陽は徳を自処に」とは、甲・丙・庚・壬・戊の五つの陽干が各々自身の寄る所の位を以て徳とするということである。「陰は来り合する者を論ず」とは、陰干はそれと相合する陽干を取って徳とし、まさに夫唱婦随の道理に合するということである。乙日は庚を以て徳とし、丁日は壬を以て徳とし、己日は甲を以て徳とし、辛日は丙を以て徳とし、癸日は戊を以て徳とする——以上の徳を取るのに、用いるのはみな十干の相合の法である。刑については、一概に日支の上において取る。
賢士去德下,奴婢走刑村。德若克其刑,逃亡路失魂。刑若克其德,逃亡有遁門。刑德不相剋,閉口卦內尋。如有逃去,先以德刑剋上推之。如不相剋者,閉口卦中尋之。正月甲戌日,辰時發課占。賢士西南去,未地有災煩。甲日德自處,賢士在西南。寅臨未也。奴婢正北走,刑地驀牆垣。戌刑未,未臨子,故奴婢走北去也。
士人は徳神の下に躲れ、奴婢は刑神のその処に逃げ往く。徳神がもし刑神を克住できれば、逃亡した人はすなわち投ずる路がなく、刑神がもし反対に徳神を克すれば、逃亡した人は脱げる門路がある。刑徳が両相い克せなければ、すなわち転じて閉口卦の裏に入って尋ねる。およそ逃亡に遇えば、まず徳神と刑神の孰れが孰れを克するかに按じて推し、克制の関係を推し出せなければ、さらに閉口卦の法子を用いて探す。例を挙げれば、正月の甲戌日の辰時に課を起こす。歌訣に曰く「賢士は西南に去り、未の地に災煩あり」——甲日の徳は自身の寄る所の寅を以て処とし、天盤の寅は正に地盤の未を圧し、未は西南にあるので、士人は西南に蔵れる。また曰く「奴婢は正北に走り、刑の地は驀地に牆垣を越ゆ」——戌は未を刑し、未は刑神で、天盤の未は地盤の子を圧し、子は正北にあるので、奴婢は牆を翻えて北に往ったのである。
此名德克刑,六月己巳日,卯時走失看,賢士西北去,亥地上繞欄。己德在甲,甲在寅,寅臨亥也。奴婢東南竄,巳上亂情歡。巳臨申,申臨巳也。此謂刑剋德,走人若見難。申克寅,是刑剋德也。巳申寅舉二,此卦不一般。
上の一例はすなわち徳が刑を克すと呼ぶ。さらに反例を見る。六月の己巳日の卯時に走失を占う。歌訣に曰く「賢士は西北に去り、亥の地に上り繞欄す」——己日は甲を以て徳とし、甲の寄宮は寅にあり、天盤の寅は地盤の亥を圧し、亥は西北にあるので、士人は西北に繞っている。また曰く「奴婢は東南に竄れ、巳の上に乱情の歓あり」——巳は申を刑し、天盤の巳は地盤の申を圧し、そして天盤の申はまた地盤の巳を圧し、巳は東南にあるので、奴婢はすなわち東南に逃げ往く。この一例は刑が徳を克すと呼び、走失した人は尋ね帰りがたい。申金が寅木を克するは、まさに刑神が徳神を克するものである。巳・申・寅の三支はその中の二重の関係を挙げ出すのみで、この卦の推法は一端に止まらないと見えたり。
《心鏡》刑德追亡好惡分,德在日兮刑論辰。陰德在陽陽自處,乙德在庚訪好人。辛居丙上丁壬位,癸在戊中求見真。寅午戌兮刑在火,申子辰兮在東鄰。金剛刑西木歸根,巳酉丑刑在申酉戌也,亥卯未刑在亥子丑也。賤者逃亡不妄陳。或有德刑同一位,良賤皆於彼隱身。德若克刑尋易見,刑之勝德捉無因。
『心鏡』に曰く、刑徳を用いて逃亡を追捕するに、好人・坏人は両路に分かれる——徳は日干の上において取り、刑は日支の上において取る。陰干の徳はそれと相合する陽干に附し、陽干の徳はすなわち自身の寄る所の位を以て徳とする。乙日の徳は庚にあり、賢良の人を訪求すればすなわち庚位を看る。辛日の徳は丙にあり、丁日の徳は壬にあり、癸日の徳は戊にあり、いずれも相合の法に照らして求める。刑については、寅午戌の三支の刑は南方の火位にあり、申子辰の三支の刑は東方にあり、巳酉丑は金に属し性は剛で、刑は西方の申酉戌にあり、亥卯未は木に属し落葉は根に帰し、刑は北方の亥子丑にある。下賤の人が逃亡すれば、すなわちこれらの方位に照らして指すので、随口に乱説するのではない。もし徳神と刑神がちょうど同じ位に落ちれば、良人・賎人は便ちともにそこに蔵れる。徳が刑を克し得れば、人は尋ね見易く、刑が反って徳に勝てば、すなわち彼を捉えることができない。
《袖中金》德者,干德也。陽德自處,陰德附陽。寅午戌刑在南方,申子辰刑在東方,亥卯未刑在北方,巳酉丑刑在西方。謂金剛火強,各刑其方也。水流趨東,木落歸根,是君子賁德,小人責刑。德勝刑吉,刑勝德凶。
『袖中金』に曰く、ここに講ずる徳とは、日干の徳を指す。陽干は自身の寄る所の位を以て徳とし、陰干はすなわちそれと相合する陽干に依附する。刑の方位は、寅午戌が合して火局を成せば刑は南方にあり、申子辰が合して水局を成せば刑は東方にあり、亥卯未が合して木局を成せば刑は北方にあり、巳酉丑が合して金局を成せば刑は西方にある。金の性は剛、火の性は強で、各々本方において刑を受ける。水は東に流れ、木は落ちて根に帰し、また各々趨く所がある。占断する時は、君子は徳位を取って求め、小人はすなわち刑位を責問する。徳が刑に勝てば吉で、刑が徳に勝てば凶である。
六壬大全卷八終
『六壬大全』巻八はここに終わる。
六壬大全 巻九 課経集三
游子課
凡課三傳皆土,遇旬丁天馬為用,曰遊子課。蓋土者辰戌丑未,季神歸墓,五行之時,主巡遊考績之期。旬丁者,每旬丁干所值之神,主搖動,事最速。天馬者,正月起午,順行六陽位也,又為驛遞之神。身勢搖動,使人好遊,故名遊子。居者占之慾遊,遊者欲還家也。統觀之體,乃云萍聚散課也。
およそ起こし出した一課で、三伝がすべて土神で、また「旬丁」あるいは「天馬」が発用するに遇うものを、游子課と呼ぶ。土は辰・戌・丑・未を指し、それらは四季の末の神で、また五行の墓に帰る地で、巡行・考績して期に按じて出動することを主る。いわゆる旬丁とは、本旬の中の丁干の値するその地支で、揺動して安んぜざるを主り、事に応ずるのが最も速い。いわゆる天馬とは、正月に午から起こり、子・寅・辰・午・申・戌の六つの陽位に順って隔位して行くもので、それはまた伝逓・駅駅の神である。身勢が一たび揺動すれば、人は走動を好むので、游子という。家に在る人がこの課を占えば出門したがり、外に在る人がこの課を占えば家に帰りたがる。卦体を以て統論すれば、それは『観』卦の象に属し、浮萍の聚散の定まらぬ一課である。
象曰:丁馬加季,奔走西東。出行吉利,坐守困窮。疾病難產,官訟多凶。天陰不雨,婚事胡從。如傳出陽神,欲遠行,初未中戌之類;傳入陰神欲私歸,初戌中未之類。或並斬關為絕跡,猶范蠡去越、張良歸山,不欲露跡之態。
断辞に曰く、旬丁と天馬が四季の土神の上に加われば、人は便ち東奔西走する。出門・遠行すれば吉利で、安坐して家を守ればかえって困窘する。疾病・難産を主り、官司・詞訟は多く凶、天は陰るれども雨を下さず、婚事は依り従うに由なし。もし三伝が陰より陽に向かって遞出すれば、遠行せんと欲するのであり、たとえば初伝が未・中伝が戌のごとく一路に前に向かう。もし陽より陰に向かって遞入すれば、悄々と家に帰らんと欲するのであり、たとえば初伝が戌・中伝が未のごとく倒して後ろに退回る。もしさらに「斬関煞」と同じく并せば、すなわち跡を絶って遠遁する象で、范蠡が功を成して後に越国を離れ、張良が漢を辞して山中に帰隠したがごとく、みな行蹤を留めたがらない。
與淫泆並,主私慾事,欲遠行。與天寇並,主盜賊事,欲遠匿;與行年並身,欲逃亡。與五墓四殺並,神將凶,主事迍邅,歲內官災,行藏出入,惡禍相攻,破敗在三年審定內,當應觀初六:觀凶象。若遇三奇、六儀、神將吉,年命、日辰六處有沖剋救神,可解禍為吉,行人來,出者順,事多遂意,當應觀六四:觀國之光吉象也。
もし「淫泆」の神と同じく并せば、私情のために起こり、遠く高く飛び去らんと欲することを主る。「天寇」と同じく并せば、盗賊の事に因り、遠く躲け開かんと欲することを主る。本人の「行年」(歳の数に按じて推した流年の位)と身の上に并せば、すなわち本人が自ら逃亡せんと欲するものである。もし「五墓」「四殺」と同じく并し、乗る所の天将がまた凶なれば、事事艱難・迍邅を主り、一年の内に官非があり、出入・行蔵は処処に悪禍の相い攻めるに遭い、破敗の応はすなわち三年の内に在り、まさに『観』卦初六の童観の凶象に合す。反って、もし「三奇」「六儀」に逢い、天将がまた吉で、年命・日・辰のこの六処にまた凶神を冲克する救神があれば、凶禍は便ち化解して吉と為し得る。出門の人は順利で、外に在る人は帰り来て、諸事は多く心に称い得る——まさに『観』卦六四の「国の光を観る」の吉象に合す。
如三月將,乙巳日午時,三傳土遇丁馬用,為遊子課。 未龍 戌朱 丑后 蛇 勾 朱 龍 亥 申 戌 未 申 巳 未 乙 申酉戌亥 未 子 午 丑 巳辰卯寅
例を挙げれば、三月の酉将を用い、乙巳日の午時に占う。三伝がすべて土でまた旬丁と天馬が発用に遇えば、すなわち游子課である。課を起こす時、酉将を占時の午の上に加えれば、天盤の各神は順次に地盤より三位進む。乙の寄宮は辰にあり、地盤の辰の上に未を得る——第一課の未が乙に加わる。未を以て地盤と為し上神を取って戌を得る——第二課の戌が未に加わる。日支の巳の上に申を得る——第三課の申が巳に加わる。さらに申を以て地盤と為して亥を得る——第四課の亥が申に加わる。第一課の乙木が未土を克し、第三課の巳火が申金を克するは、いずれも下神が上神を賊するもので、日干の乙は陰に属するので、便ち同じく陰に属する未を取って発用とし、中伝は戌、末伝は丑で、三神はみな土に属する。乙巳日は甲辰旬の中にあり、旬内の丁干は丁未なので、未を旬丁と為す。三月の天馬は戌に在るので、戌を天馬と為す。乙日の白天の貴人は子にあり、この課の貴人は地盤の酉位に落ち、十二天将は逆行して布列するので、初伝の未は青竜に乗り、中伝の戌は朱雀に乗り、末伝の丑は天后に乗り、四課の上神は依次に螣蛇・勾陳・朱雀・青竜に乗る。課盤の最も外の一圈は、天盤の十二神が地盤の十二支の上に圧する排列である。
《訂訛》遊子,三傳皆土,又或見旬丁,或見二馬。土為季神,有遍歷巡遊之象。旬丁二馬,俱主搖動,使人好遊,故曰遊子。見天馬又名海角課。
『訂訛』に辨明すれば、游子課の条件は三伝がことごとく土で、さらにあるいは旬丁を見るか、あるいは「二馬」、すなわち天馬と駅馬を見るかである。土は四季の神で、四方を遍歴し巡行して定まらざる象がある。旬丁と二馬はいずれも揺動を主り、人をして走動を好ましむるので、游子という。課の中にもし天馬を見れば、この課はまた「海角課」と呼ばれ、人が天涯海角に走り至る意を取る。
占主利出行,不利守靜,病凶婚阻,逃難獲,天陰不雨。或支二課加干二課為用,或傳送白虎為用,主動更的。未戌丑為陰傳陽,欲在家遠出。丑戌未為陽傳陰,欲在外思歸。丑加辰為破遊,戌加未為衰遊,返吟四季為復遊。
占断の上では、この課は出門に利があり、静守に利かない。疾病は凶険で、婚事は阻まれ、逃亡した人は捉え獲がたく、天は陰って雨が下らない。もし日支の第三・第四課を取って日干の第一・第二課の上に加えて発用するか、あるいは「伝送」申が白虎に乗って発用するのを取れば、動の意味はいっそう確切である。三伝が未・戌・丑を作るのは、陰より陽に転ずるもので、人は家の裏にありて遠出を想う。丑・戌・未を作るのは、陽より陰に転ずるもので、人は外の面にありて家に帰るを想う。丑が辰に加わるを「破游」と呼び、戌が未に加わるを「衰游」と呼び、四季の神の返吟すなわち天地盤の相冲するを「復游」と呼び、各々游んで遂げられざる変格である。
傳值墓神煞害,主冤家逼迫。傳值合龍戲驛,主萬里奮飛。斬關併為絕跡,課如范蠡、張良歸山來跡。淫泆並,因陰私慾逃。天寇並,因為盜欲逃。行年並,主身欲逃故。來問,五墓四煞並,神將凶,主事迍邅破敗。
三伝がもし墓神と煞害に値すれば、冤家・仇人が逼って門に上ることを主る。三伝がもし六合・青竜のこれらの吉将に値してまた駅馬に逢えば、人が鳥のごとく万里に高く飛ぶことを主る。斬関煞と同じく并せば、跡を絶って遠く遁れ、まさに范蠡が越を辞し、張良が山に帰したがごとく、痕跡を留めない。淫泆の神と同じく并せば、男女の私情に因りて逃げ去らんと欲する。天寇と同じく并せば、盗賊の事に因りて逃げることを欲する。本人の行年と同じく并せば、本人が自身逃げるを要する。来た人の問う所の事が、もしまた五墓・四煞の同じく并するに逢い、天将もまた凶なれば、事が迍邅・坎坷して終に破敗に帰することを主る。
此課動搖不定之象,大端凶。若值三奇六儀,神將吉,六處沖剋救神,可化凶為吉,主行人遂意也。
総括して言えば、この課は動揺して定まらざる象で、大体に凶を主る。もし課の中に三奇・六儀のこの類の貴神に値し、乗る所の天将がまた吉で、さらに年・命・日・辰などの六処に凶神を冲克する救神があれば、凶もまた転じて吉と為ることを得、出行して外に在る人が心に称い意に如くなることを主る。
《觀月經》何類名遊子,五墳稼穡同。三傳皆四季,惡事亦相攻。土為三傳,名遊子卦,主惡事起。病者應難愈,逃走與西東。主病疾連綿、人離。破財三年內,官災在歲中。三傳如有救,反禍卻為通。或傳奇儀為救神,遇吉神亦救吉。
『観月経』に問う——何れの類の課を游子と呼ぶか。答えて曰く、それは「五墳」「稼穡」の両課と同一の根柢で、いずれも三伝がすべて辰戌丑未の四季の神であることを以て準とし、悪事の交攻を主る。三伝がみな土なればすなわち游子卦と名づけ、壊事の発動を主る。病人は痊愈しがたく、家の裏に人の東奔西走あり。病痛の纏綿して断えざるを主り、親人は離散する。三年の内に財を破り、一年の内に官非あり。三伝の中にもし救神があれば、禍はかえって転じて通ずることを得——たとえば三伝の裏に三奇・六儀を帯びて救神を作り、あるいは吉神に遇えば、いずれも吉利に救い帰ることを得る。
《心鏡》三傳四季有六丁,不然天馬又相併。占身欲出名遊子,逃者天涯地角停。三傳四季,更有六丁天馬者,天涯地角卦也。中見天魁為天馬,末於大吉利斯成。若值墓神並殺害,恐有冤家來逼刑。用神今日之墓與殺並者,即為五墳四殺卦也。
『心鏡』に曰く、三伝がみな四季の土神で、その中にまた六丁を帯びる。さらに然らざればすなわち天馬もまたその裏に并せる。自身を占えば、出門せんと欲するなので、故に游子と名づく。逃亡の人を占えば、すなわち一直に天涯地角に跑到してからやっと停まる。三伝がすべて土でまた六丁・天馬を兼ねるものを、すなわち天涯地角卦と呼ぶ。中伝に「天魁」戌を見て戌がちょうど天馬であり、末伝が「大吉」丑の上に落ちれば、この一格は便ち成立と算える。もし三伝が墓神に値し、また殺害と同じく并せば、ただ冤家の尋ねて門に上り逼迫するを恐れる。発用の神がまさに今日の日干の墓庫で、また凶殺と同じく并するものは、すなわち五墳四殺卦となったのである。
《袖中金》三傳俱季名曰遊子。若旬中六丁與天馬上卦者,主其人若不遠行必欲逃亡,占捕盜難獲。
『袖中金』に曰く、三伝がすべて辰・戌・丑・未の四季の神であれば、この課はすなわち游子と呼ぶ。もし本旬の値する六丁と天馬もまた課盤に上れば、この人は遠門に出ざるを要するか、便ちは逃走の心を存することを主る。それを以て盗を捕るを占えば、賊人は拿獲しがたい。
《指竅》四季相傳丑辰未戌,春曰稼穡,而生長以時;夏曰遊子,而漂流不定;秋曰地角,據一隅而亡天下;冬曰五墓,舍朝市而守丘虛。逆傳四季丑戌未辰,春占越庫,散財不以其道;夏占傳魁,委用不得其人;秋占殺墓,勢將興而將起;冬占伏陰,機漸收而漸藏。
『指竅』に曰く、三伝が四季の神に順って遞伝し、丑・辰・未・戌の序を作るは、占問の季節に随って不同の名目を立てる——春に占えば「稼穡」と呼び、生長が時に依ることを主る。夏に占えば「游子」と呼び、漂流して定まらざるを主る。秋に占えば「地角」と呼び、一隅に困守して天下を失うを主る。冬に占えば「五墓」と呼び、城市を捨てて荒丘を守るを主る。もし倒して伝えば、丑・戌・未・辰の序を作る。春占は「越庫」と呼び、財を散じて正道に循わざるを主る。夏占は「伝魁」と呼び、人を用いて当を得ざるを主る。秋占は「殺墓」と呼び、気勢が将に起こらんとして未だ起こらざるを主る。冬占は「伏陰」と呼び、生機が漸々収斂・蔵伏するを主る。
四季為稼穡,辰為五陽之促易為夬卦,戌為五陰之促易為剝卦,名為老陽老陰,病者氣短,占物價高。辰戌無貴人見之者凶。辰罡戌魁,經魁經罡,壓宅宅凶,壓人人困。故曰斗柄知時節,人間日履新。辰為更新,戌為故舊,舅伯之親,占病氣滿腸脾,小口災,欲浮腫,以日鬼言之。
四季の神の本名は稼穡である。辰は五陽の極処に到る転折で、『周易』の『夬』卦に配し、戌は五陰の極処に到る転折で、『剥』卦に配し、合わせて老陽老陰と称す。病を占えば気短を主り、物価を占えば騰貴を主る。辰戌の上にもし貴人を見ざれば、見る者は凶を主る。辰は「天罡」・戌は「河魁」で、両者が互いに加臨するを経魁経罡と呼び、宅の上に圧すればすなわち宅は安からず、人の身に圧すればすなわち人は困頓する。それゆえ北斗の斗柄が一転すればすなわち時節を知り、人間はまた新たなる一日と曰う。辰は更新を主り、戌は故旧を主り、いずれも舅父・伯父の一類の親属に属する。病を占えば腸胃の脹満を主り、家の中の小児に災あり、身の上に浮腫を発すべく、これらはみな本日の官鬼から断ずる。
四季為墓,占訟不動。獨辰戌對沖,占事則緊。丑未貴常本家,占之者主兄弟和氣不足,田園改拓亦是,倚勢作威之象。壬癸日皆主不好,癸未日得之有救有財。辰戌白虎凶重,作元武有兇徒之攪,壬癸日用之尤凶。白虎主家有靈柩孝服之事,乙日得之不防。虎蛇主虛耗。
四季の神はまた四墓で、官司を占えば案子が擱いて動かざるを主る。ただ辰戌の二支のみ正相い冲し、事を占えばすなわち転じて緊急と為る。丑と未は貴人・太常の本家で、占えば兄弟の間の和気不足を主り、田園は改換・開拓を要し、また勢力に倚仗して威を逞しうる意味を帯びる。壬日・癸日に占えばいずれも好からず、ただ癸未日に占えば算えて救あり・財ありとす。辰戌の上に白虎に乗れば、凶勢は最も重し。元武に乗ればすなわち凶徒の攪擾に来るあり、壬癸日に之を用いるはとりわけ凶である。白虎は家の中に霊柩・孝服の事あるを主り、ただ乙日に占えば妨げず。白虎と螣蛇が同じく見えれば、虚耗・損失を主る。
三交課
凡四仲日占,四仲加日辰,三傳皆仲將,逢陰合,為三交課。四仲者,子午卯酉四敗神也。四仲日占,遇四仲加支辰陰陽為一交;仲神發用,傳皆四仲,為二交;仲神乘太陰、六合將,為三交。此三者相遇交加,故名三交。占者事體勾連,統姤之體,乃風雲不測之課。
およそ子・午・卯・酉のこの四仲の日に課を起こし、課の上にまた四仲の神が日干日支に加臨し、三伝もまたすべて仲神で、天将がまた太陰・六合に乗るものを、三交課という。いわゆる四仲とは、子午卯酉の四つの敗神、すなわち沐浴の位を指す。細分すれば、四仲日に占い、四仲の神が日支の陽神・陰神の上に加わるに遇うは、頭の一重の交と算える。仲神が発用し、三伝がまたすべて四仲なのは、第二重の交と算える。仲神の上に太陰・六合の二将に乗るは、第三重の交と算える。三重が交畳して一たびに在るので、三交という。この課を占えば、事は牽連・糾纏する。卦体を以て統論すれば『姤』に属し、風雲変幻して測る可からざる一課である。
象曰:家隱奸私,或自逃匿。謀事不明,求財無益。訟犯刑名,兵逢戰敵。更乘凶將,病患尤極。如遇凶神,男犯重法,女犯通私。乘陰合,主門戶不利,陰小隱匿。遇天空主虛詐,元武遺失,螣蛇驚怪,朱雀口舌,勾陳戰鬥,白虎殺傷。
断辞に曰く、家の裏に奸私の事を蔵し、あるいは本人が正に躲け蔵れんと欲す。事を謀れば不清不楚で、財を求めて益なく、官司を打てば刑名に触犯し、兵を用いれば正に敵手に碰上る。もしさらに凶将に乗せば、病患はとりわけ沈重である。凶神に遇う時は、男子の犯すは重罪で、女子の犯すは私通である。太陰・六合に乗れば、門戸の不利を主り、女眷・小口に隠匿の事あり。天空に乗れば虚詐・欺騙を主り、元武に乗れば財物の遺失を主り、螣蛇に乗れば惊恐・怪異を主り、朱雀に乗れば口舌・是非を主り、勾陳に乗れば争闘を主り、白虎に乗れば殺傷を主る。
或在六陽日為交羅,主陰私上門,帶凶將惡殺,有殺傷之禍。在六陰日為交祿,主以祿求私,乘元武為陰私失祿,當應姤九四:包無魚起凶象。若年命有吉神將,日用旺相,傳逢午卯子,正七月為高蓋乘軒,大吉,不論三交,當應姤九五含章有隕自天之吉象也。
もし甲丙戊庚壬のこの類の陽干の日に落ちれば、「交羅」と呼ばれ、陰私の事が門を寻ねて来ることを主り、もし凶将・悪煞を帯びれば、すなわち殺傷の禍がある。もし乙丁己辛癸のこの類の陰干の日に落ちれば、「交禄」と呼ばれ、俸禄の便に借りて私情を謀取することを主り、さらに元武に乗れば、すなわち陰私に因りて禄位を丢うので、正に『姤』卦九四の「包に魚なし」の凶象に合す。反って、もし本命・年命の上に吉神・吉将があって、日干と発用がまた旺相の気に当たり、三伝がちょうど午・卯・子を得、しかも正月あるいは七月に占えば、すなわち「高蓋乗軒」と呼ばれ、大吉で、もはや三交に按じて凶を論ぜず、正に『姤』卦九五の「章を含み、隕ること天よりあり」の吉象に合す。
如戊子日午時酉將,卯加子為用,傳逢卯午酉乘太陰,為三交課。 卯陰 午虎 酉勾 虎 陰 朱 龍 午 卯 亥 申 卯 子 申 戊 申酉戌亥 未 子 午 丑 巳辰卯寅
例を挙げれば、戊子日の午時に占い、酉将を用いて午時に加え、卯が子に加わって発用し、三伝に卯・午・酉を得、初伝の卯の上にまた太陰に乗れば、便ち三交課を成す。課を起こす時、酉将を占時の午の上に加えれば、天盤の各神は地盤より三位進む。戊の寄宮は巳にあり、地盤の巳の上に申を得る——第一課の申が戊に加わる。申の上に亥を得る——第二課。日支の子の上に卯を得る——第三課の卯が子に加わる。卯の上に午を得る——第四課。四課の上下はいずれも相い克せず、ただ第三課の卯木が位を隔てて日干の戊土を克し、遥克の発用に属するので、卯を取って初伝とし、中伝は午、末伝は酉で、まさに子午卯酉の四仲が倶に具わる。戊日の白天の貴人は丑にあり、この課の貴人は地盤の戌位に落ち、十二天将は逆行して布列するので、卯は太陰に乗り、午は白虎に乗り、酉は勾陳に乗り、四課の上神は依次に青竜・朱雀・太陰・白虎に乗る。
《訂訛》三交,四仲日時占為一交,課傳皆仲為二交,將逢後雀陰合為三交。子午陰陽所起,卯酉日月所從,此四敗神,天地門戶。占之日時,及課傳並所乘將三處交加皆仲,故名三交。
『訂訛』に三交の三重を辨明する。占う日と時がともに四仲に在るは、第一重の交である。四課・三伝がすべて仲神なのは、第二重の交である。乗る所の天将が天后・朱雀・太陰・六合に逢うは、第三重の交である。子と午は陰陽二気の発端の処で、卯と酉は日月の出入に経る所の路で、この四つの敗神はまさに天地の門戸である。占問の日時・課伝、および乗る所の天将のこの三処が交畳してことごとく四仲の上に落ちるので、三交という。
占主事體交加,連累闇昧不明,進退兩難,或家隱私,人或己身逃匿,謀事被人阻破,求望難,病訟凶。蓋四仲純全無父子相扶,是謂四正四平,互刑互破,前無孟之可隱,後無季之可奔,如遇兵賊,縱慾逃避而不及矣。
占断の上では、この課は事が盤根錯節して、牽連・暗昧して明白を看ずることができず、進退両難を主る。あるいは家の中に隠私を蔵し、あるいは别人以至って自らが躲け蔵れんと欲す。事を謀れば人に中間から阻断せられ、求める所は成りがたく、病を占い訟を占めばともに凶である。四仲の神は純にして雑なく、彼此の間に父子相生・相扶の情分がないので、術家は「四正四平」と称し、ただ互いに刑し互いに破するのみである。前に往くに寅申巳亥の四孟の位なく蔵るべからず、後に退くに辰戌丑未の四季の位なく奔るべからず。一たび兵禍・盗賊に遇えば、縦に逃げんと欲するも及ばない。
值凶將,男犯重法,女犯奸淫。陰合門戶不利,陰小隱匿;空虛詐、武遺失、蛇火驚、雀口舌、勾戰鬥、虎殺傷喪孝。六陽日為交羅,主陰私上門,帶凶煞有慘禍。六陰日為交祿,主以祿求私,乘元武為陰私失祿。午加酉為死交,酉加午為破交,反吟為反目交,皆不能成合之象。
もし凶将に値せば、男子の犯す所は重罪で、女子の犯す所は奸淫である。太陰・六合に乗れば、門戸の不利を主り、女眷・小口は私情を蔵す。天空に乗れば虚言・欺詐を主り、元武に乗れば失物を主り、螣蛇に乗れば火驚を主り、朱雀に乗れば口舌を主り、勾陳に乗れば争闘を主り、白虎に乗れば殺傷と喪孝を主る。陽干の日は交羅と名づけ、陰私の事が門を寻ねて来ることを主り、凶煞を帯びればすなわち惨禍を醸成する。陰干の日は交禄と名づけ、禄を借りて私を謀るを主り、もし元武に乗ればすなわち陰私に因りて禄を失う。午が酉に加わるを「死交」と呼び、酉が午に加わるを「破交」と呼び、天地盤の相冲する返吟を「反目交」と呼ぶ——この幾種はいずれも和合の象を成就し得ない。
此課無陰合,則名三交不交。或年月日時皆仲,則名三交不解,過與不交,二者禍更甚於交也。若年命日用旺相,乘吉將,傳得午卯子,又名軒蓋,占官大貴。
この課でもし課の中に太陰・六合の二将なくば、すなわち「三交不交」と呼ぶ。もし太歳・月建・日・時がことごとく仲神なれば、また「三交不解」と呼ぶ。一つは不及で、一つは太過で、この二種の禍患は正格の三交よりもなお重い。反って、もし年命と日干・発用がともに旺相の気に当たり、乗る所がまた吉将で、三伝がちょうど午・卯・子を得れば、すなわち別に「軒蓋」という一名あり、官職を占問すれば大いに貴を主る。
三交課。華蓋亦是四仲相加,但有吉神。六月丁卯日午將卯時,天將日時皆仲,午加卯,酉加午,卯加子,子加酉是四仲。 酉朱 子后 卯常 朱 龍 陰 蛇 酉 午 丑 戌 午 卯 戌 丁 申酉戌亥 未 子 午 丑 巳辰卯寅
これもまた三交課の一例である。「華蓋」も同じく四仲の相加に由って成るが、ただ課の上に別に吉神がある。六月の丁卯日に、午将を卯時に加えて占えば、天将・日辰・占時がともに仲神の上に落ちる。午が卯に加わり、酉が午に加わり、卯が子に加わり、子が酉に加わる——四処ともに四仲の相加である。丁の寄宮は未にあり、地盤の未の上に戌を得る——第一課。戌の上に丑を得る——第二課。日支の卯の上に午を得る——第三課。午の上に酉を得る——第四課。第四課の午火が酉金を克する下神が上神を賊するなので、酉を取って発用とし、中伝は子、末伝は卯である。丁日の白天の貴人は亥にあり、この課の貴人は地盤の申位に落ち、天将は逆行して布列するので、酉は朱雀に乗り、子は天后に乗り、卯は太常に乗り、四課の上神は依次に螣蛇・太陰・青竜・朱雀に乗る。
凡四仲相加,又遇雀后合陰四仲相併,亦是三交。若遇螣蛇火災、勾陳鬥訟、元武盜賊、白虎損傷。
およそ四仲の神が彼此相い加わり、また朱雀・天后・六合・太陰のこの四将に遇っても四仲の上に并するものは、同じく三交と算える。このほかまた乗る所の将を看て以て事類を分かつべし。螣蛇に遇えば火災を主り、勾陳に遇えば争闘・詞訟を主り、元武に遇えば盗賊を主り、白虎に遇えば損傷を主る。
《觀月經》四仲來加仲,發用阿誰先,其中若有克,三交得此篇。即子午卯酉逆相加發用有克,名曰三交卦也。子加卯、酉加子發用,元武、六合、天乙入傳,主有姦淫之事;勾陳、白虎主殺傷逃亡之事。子午卯酉逆加,曰破加,凡事阻破。天后六合主奸邪這事而人破也。酉加午發用為媒。
『観月経』に曰く、四仲の神が四仲の上に加われば、まず何れが発用するかを見る。その中にもし克を帯びれば、すなわち三交のこの篇に帰入する。すなわち言うに、子午卯酉が倒して相加して発用する処に克あれば、便ち三交卦と名づく。もし子が卯に加わる、酉が子に加わって発用し、三伝の中にまた元武・六合・天乙貴人が伝に入れば、奸淫の事あることを主る——元武は暗昧・盗竊を主り、六合は私門の神である。もし伝に入るが勾陳・白虎なれば、すなわち殺傷と逃亡を主る。子午卯酉が倒して相加するを「破加」と呼び、凡事みな阻断・破壊せられる。天后・六合は奸邪の事を主りて人を破敗せしむる。酉が午に加わって発用するに至っては、すなわち人の中間から媒を作り撮合するあるを主る。
男子逆其罪,女子外勾連。男子逆罪而女子私通也。占人當六月,丁卯卯時看。仲秋加仲夏,被克是因緣。仲秋加仲夏是酉加午也。有救除華蓋,非此罪迷天。華蓋,午卯子為三傳,傳中見天馬、奇儀入卦更吉。
歌訣に曰く「男子は其の罪を逆らし、女子は外に勾連す」——男子の犯す所は忤逆の罪で、女子はすなわち外に在りて私通するということである。占う人がもし六月に在れば、すなわち丁卯日の卯時のあの一課に照らして看る。「仲秋が仲夏に加わる」とは酉が午に加わるを指す——酉は仲秋に属し、午は仲夏に属し、午火が酉金を克し、克せられる処はまさに事の起因である。「救あれば華蓋を除く」とは、別に救神あるか、あるいはちょうど華蓋の格を成さざれば、否、則ちこの罪過は便ち迷乱・滔天するということである。いわゆる華蓋とは、三伝に午・卯・子を得、伝の中にさらに天馬あるいは三奇・六儀を見て卦に入れば、すなわち更に吉利である。
《心鏡》昴星房宿加日辰,太陰六合又並臻。今日復當逢子午,三傳四仲類相因。三交家隱奸私容,不是自逃將避迍。螣蛇防火勾陳斗,元武白虎因殺人。
『心鏡』に曰く、昴宿の在る所の酉、房宿の在る所の卯が日干日支に加臨し、太陰と六合の二将がまた一斉に湊り到る。本日がまた正に子午の神に逢い、三伝がみな四仲で、同類が互いに牽引する。これがすなわち三交で、家の中に奸私の人を容留することを主る。もし本人の逃げ去らんと欲するにあらざれば、便ちは一場の災難を躲け開かんと欲するものである。乗る所の天将がもし螣蛇なれば火を防ぐべく、勾陳は争闘を主り、元武・白虎はすなわち人を殺すに因りて禍を起こす。
《袖中金》三傳俱仲,名曰三交。凡四仲日四仲相加入傳發用為一交,得四仲正時為二交,上乘雀元陰合為三交。主隱匿不明,失節阻礙,凡事被人阻破。三交,三傳務要照上俱備,或三者不備,則名三交不交。或仲年月日時,則名三交不解,是皆過而不及焉。二者災禍尤甚於交也。
『袖中金』に曰く、三伝がすべて仲神なれば、すなわち三交と呼ぶ。およそ四仲の日に、四仲の神が相加して伝に入り発用するは、第一重の交である。占時がまた正に四仲の時に当たるは、第二重の交である。上に朱雀・元武・太陰・六合の諸将に乗るは、第三重の交である。この課は事が隠匿・不明で、人は節を失い事は阻まるを主り、およそ為す所有ればみな人に中間から破壊せられる。三交を成さんと要すれば、三伝は須く上面に説く所の三様が斉備せねばならない。三様に缺あれば、すなわち三交不交と呼ぶ。もし太歳・月建・日・時がまたいずれも仲神なれば、すなわち三交不解と呼ぶ。一つは不及で、一つは太過で、この両様の災禍は正格の三交よりなお重い。
且四仲純全,外無所寄,故無父子之相扶,是為四平四正,互刑互破,前不能進,後不能退,前無孟之可隱,後無季之可奔,交加其象,是欲逃匿而不及。主失節阻礙,謀事被人阻破。后合入傳,主陰私不明,勾虎入傳,主鬥爭、殺傷、喪孝之患。
さらに四仲の神は純にして雑なく、外に在りて依託する所なく、彼此にまた父子相生の扶持なく、術家は「四平四正」と称し、ただ互いに刑し互いに破するのみである。前進すること得ず、後退すること能わず。前に往くに寅申巳亥の四孟の位なくて身を蔵る可からず、後に退くに辰戌丑未の四季の位なくて奔投す可からず。交加して象を成すは、まさに躲けんと欲するも躲れ及ばざるなり。それゆえ人は節を失い事は阻まるを主り、謀る所の事は人に破壊せられる。天后・六合が伝に入れば、陰私・暧昧不明を主る。勾陳・白虎が伝に入れば、争闘・殺傷および喪孝の患を主る。
午加酉為死交,酉加午為破交,占事大概不能成合之象。返吟四仲為反目交,亦不吉也。凡三交見午卯子乘天馬、龍、常,即華蓋乘軒,宜占官。若空亡則為乘軒落馬,躔日月宿為天地煩,宜詳之。
午が酉に加わるを死交と呼び、酉が午に加わるを破交と呼び、事を占えば大抵成らず、和合し得ない。四仲の神の返吟、すなわち天地盤の相冲するを反目交と呼び、また吉利ならず。およそ三交課の中に午・卯・子の三神を見て、また天馬・青竜・太常に乗れば、すなわち「華蓋乗軒」の格で、官職を占問するに宜しい。もしこの幾処が空亡の上に落ちれば、便ち「乗軒落馬」を成し、もしまた日月の経る所の星宿に躔れば、「天地煩」と呼び、いずれも仔細に分辨すべし。
《指竅》四仲順加子午卯酉,春占關隔,若羝羊之觸藩;夏占關闌,似游魚之舌餌;秋占四平,日逢弦望晦朔,名曰三光不仁;冬占歷陽,時遇日月辰戌,號曰四門皆閉。四仲逆傳子酉午卯,春占陷阱,如鳥投籠;夏占正煩,若牛受刃;秋曰失友,狀若散離而復合;冬月出漸,名曰陰極而陽生。
『指竅』に曰く、四仲が順に伝わり、子・午・卯・酉の序を作る。春に占えば「関隔」と呼び、公羊が籬笆に撞いて進退し得ざるがごとし。夏に占えば「関闌」と呼び、游魚が鉤餌を咬住したがごとし。秋に占えば「四平」と呼び、日がまた上弦・下弦・望日・晦朔に逢い、「三光不仁」と名づく。冬に占えば「暦陽」と呼び、時辰がまた日月と辰戌に遇い、「四門皆閉」と号す。四仲が倒して伝わり、子・酉・午・卯の序を作る。春占は「陷阱」と呼び、鳥が自ら籠中に投ずるがごとし。夏占は「正煩」と呼び、牛が頸を引いて刀を受くるがごとし。秋占は「失友」と呼び、その状は散開して再び聚合するに似たり。冬占は「出漸」と呼び、陰が尽頭に到りて陽気が初生するを名づく。
三交有天馬為華蓋乘軒,又為四正。有正祿則為四正,無正祿則為四散。三交主三四人交往。天馬為出行,四正得青龍朱雀吉神之類,主士人赴試得解沐浴。四散是五行無氣,主婦人敗血小產。酉加午、午加卯之類。或占婦人病,若遇死氣,如午加酉之類。
三交課の中にもし天馬を見れば、便ち華蓋乗軒で、また「四正」と呼ぶ。本命の正禄あるものは四正と算え、正禄なきものはすなわち「四散」と呼ぶ。三交は三四人の往来・交涉あることを主る。天馬は出行を主る。四正の格はもし青竜・朱雀のこの類の吉神を得れば、読書人が考に赴いて中り、身に栄え禄を受くるを主る。四散は五行にいずれも気なき象で、婦人の血敗・小産を主り、酉が午に加わる、午が卯に加わるのこの類のごとし。もし婦人の病を占い、死気の神に遇う、午が酉に加わるのこの類のごときは、またこの患を主る。
大抵午酉為自刑,午為少陰,酉純陰,純陰為老陰也。酉為妻,乘生旺之氣。酉為婢為尼並尼為妻,無生旺之氣。酉加子見元武乘生旺氣,多婢生子。午酉為血疾,又為醜惡膿血,看今日鬼言之,帶鬼多為疲惡醜惡也。見血氣青龍帶祿馬財喜,酉為酒,青龍為酒色故也。
大体に午と酉はいずれも自刑の支に属す。午は少陰で、酉は純陰で、純陰はすなわち老陰である。酉がもし生旺の気に乗れば、正室の妻子を主る。酉がもし生旺の気を得ざれば、便ちただ婢女・尼姑か、あるいは婢・尼を以て妻と為すのみである。酉が子に加わって元武を見、また生旺の気に乗れば、多くは婢女の子を生むを主る。午と酉はいずれも血疾を主り、また汚穢の膿血を主り、本日の官鬼を看て以て断ずべし——鬼を帯びるものは多く半ば纏綿の病と醜悪の事である。もし血気を見て青竜がまた禄・馬を帯びれば、すなわち転じて財喜と為る——酉は酒を主り、青竜は酒色を主るので、斯くのごとくなり。
子午為道路神,子午日得之,定言道路之事。卯酉為分氣則異,異則爭,卯酉日得之,定言分爭之事,卯為外門,春分之氣在卯,得之者是春有發生之氣。酉為內門,秋分之氣在酉,得之者言殺氣,秋有肅殺之氣。生氣吉殺氣凶。
子と午は道路の神で、子日・午日に占えば、断ずる所は必ず道路上の事である。卯と酉は分判の気で、気が一たび分判すればすなわち差異を生じ、差異あればすなわち争執を起こし、卯日・酉日に占えば、断ずる所は必ず争い分かれる事である。卯は外門で、春分の気は卯にあり、占えた人は春の生発の気を有する。酉は内門で、秋分の気は酉にあり、占えた人はすなわち粛殺の気に応じ、秋に万物が凋零するがごとし。生発の気は吉を主り、粛殺の気は凶を主る。
《曾門》三交之因,家匿罪人,謂從魁、太沖、六合、太陰並加日辰為用,曰三交,又四仲復加四仲,三傳俱得四仲亦為三交也。《定章》曰:太沖、從魁、六合、太陰皆為門戶,蔽匿萬物,謂太沖、從魁、太陰、六合並加日辰為用神者,為三交卦,以此占人家匿罪人。
『曽門』に曰く、三交課の成因は、人の家の裏に罪人を窩蔵することを主る。いわゆる三交とは、「従魁」酉・「太冲」卯と六合・太陰とが一斉に日干日支に加臨して発用するものである。このほか四仲の神がさらに四仲に加わり、三伝がすべて四仲を得るのもまた三交と算える。『定章』に曰く、太冲卯・従魁酉と六合・太陰はみな門戸の神で、万物を遮蔽・藏匿し得る——六合は天上の私門で、太陰はもっぱら隠蔽を主る。およそ卯・酉と太陰・六合が一同に日干日支に加臨して用神を成すものは、すなわち三交卦で、それを以て占えば、人の家の中に罪人を蔵すことを主る。
如乙巳日酉加巳將,得六合亦曰三交課。如丁酉,午加酉,上克下發用,傳見太沖,終於神后,為三傳四仲,亦匿罪人,門戶出入,公私所由。太陰為私蔽,六合為私門,蔽匿罪人。
たとえば乙巳日に、酉が巳の上に加わって月将が布定し、課の中にまた六合を得れば、また三交課と呼ぶ。またたとえば丁酉日に、午が酉に加わり、上神が下神を克して発用し、中伝に「太冲」卯を見、末伝が「神后」子の上に落ち、三伝がすべて四仲ならば、同じく罪人を窩蔵することを主る——門戸は人の出入する処で、公事・私事はみなここより経過する。太陰は隠蔽・私情を主り、六合は天上の私門で、両者ともに罪人のために遮掩・蔵身し得る。
卯酉之位,日月所從出入。子午之位,陰陽所起,或明或暗,或公或私,三傳四仲,出入微密,亦匿罪人。欲知何人,以終傳決之。見白虎殺人,見元武盜賊,勾陳鬥傷,朱雀訟事,天后淫泆,太陰奸私準此。
卯位と酉位は、太陽・月亮が出入に経る所であり、子位と午位は、陰陽二気の起始の処である。四者はあるいは明らかあるいは暗く、あるいは公あるいは私で、三伝がすべて四仲の上に落ちれば、出入は隠微・厳密で、同じく罪人を藏匿することを主る。蔵れているのが何人かを知らんと欲すれば、すなわち末伝を取って以て判断する。末伝に白虎を見れば、人を殺した者である。元武を見れば、盗賊である。勾陳を見れば、闘殴して人を傷つけた者である。朱雀を見れば、訟に渉る者である。天后を見れば、淫奔の人である。太陰を見れば、奸私の事を行う者である——みなこの例に照らして推す。
乱首卦(白虹貫日)
《觀月經》亂首卦,名白虹貫日。日為尊者父,辰作少年兒。尊者來加子,少者反克之。因名為亂首,老者必低蕤。家內應無禮,官司忌有儀。先祖是外姓,上宗別人兒。凡亂首課皆主雜亂之姓,上祖必假名異姓。縱必家和順,官司亦被欺。若上祖是如今之姓,老少和睦,亦遭官司。
『観月経』が乱首卦を講ずる——またの名を「白虹貫日」という。日干は尊長・父輩を代表し、日支は小輩・子弟を代表する。尊長がかえって子弟の頭上に加臨し、子弟がまた反対に彼を克するので、それゆえ乱首と呼び、長輩を為す者は必ず圧されて頭を擡げられない。家門の内に在るべき礼数がなく、官司を打っても対方が理あり拠あるを怕れる。この課はまた先祖がもともと外姓で、上代の宗支は実は别人家の児子であったことを主る——およそ乱首課はみな姓氏の雑乱を主り、上代の祖宗は必ず名を冒し姓を改めた者である。たとえ家中が和順して事なくとも、官司の上ではついに損を喫し欺かれ、もし上代の祖宗が確かにすなわち今のこの姓で、一家の老少もまた和睦していても、依然として一場の官司を免れない。
《心鏡》日往加辰辰剋日,發用當為亂首名。日為尊,辰為卑,尊就卑,被卑克之,故曰亂首。臣叛君兮子殺父,妻背夫兮弟克兄。奴婢不從主委任,將軍出塞僨其兵。日為尊長辰卑小,犯上之時忌此刑。正月酉時庚午日,傳送初傳午克庚。略舉一端君須識,他占仿此理分明。主家亂不利,占上祖別人之嗣。
『心鏡』に曰く、日干の寄宮が日支の上に加わって、かえって日支に克せられる——このように発用するをすなわち乱首と呼ぶ。日干は尊と為し、日支は卑と為す。尊長が卑下に迁就して、かえって卑下に克せられるので、乱首という。この課の象は、臣子が君王に背叛し、児子が父を謀害し、妻子が丈夫に背き、弟弟が兄を欺凌する。奴婢が主人の差遣を聴かず、将軍が塞に出でて自らの軍馬を敗壊する。日干は尊長・日支は卑小で、およそ上に犯す事は最もこの種の刑克を忌む。一例を挙げれば、正月の酉時の庚午日に占い、庚の寄宮は申にあり、天盤の申が正に日支の午の上に加われば、初伝は便ちこの「伝送」申を取る——発用する所以は、まさに下の午火が庚金を克したためである。ただこの一端を挙げるのみで、その余の占法はこれに照らして類推し、道理は自ずから明らかである。総じて家門の乱れて不利なるを主り、祖上を占えばすなわち上代が别人家の後嗣であることを主る。
亂首,日往加辰受辰克。贅婿,辰來加日被日克。亂首下欺上,贅婿上凌下。悖逆紊亂,絕上下之義。若更將得卯酉、神得后合,則主男女訛雜。更值魁罡勾陳,以至有不可形容之事。
乱首とは、日干の寄宮が日支の上に加わり、かえって日支の克を受けるものである。贅婿とは、日支が日干の上に加わり、かえって日干に克せられるものである。乱首は下が上を欺き、贅婿は上が下を凌ぐ——いずれも悖逆・紊乱に属し、上下・尊卑の名分を断絶する。もし課の中の天将がまた卯・酉の位を得、乗る所の神がまた天后・六合なれば、すなわち男女の混雑・訛乱を主る。さらに河魁戌・天罡辰と勾陳に遇えば、甚だしくは形容しがたい醜事に至る。
甲申、乙酉寅加申、辰加酉,丙子、丁亥巳加子、未加亥,戊寅、己卯巳加寅、未加卯,庚午、辛巳申加午、戌加巳,不可盡述。上門亂首,辰來加日而剋日,謂之上門亂首,大無禮也,戊寅、己卯寅加戌、卯加未之類。
日子を例に挙げれば、甲申日に寅が申に加わる、乙酉日に辰が酉に加わる、丙子日に巳が子に加わる、丁亥日に未が亥に加わる、戊寅日に巳が寅に加わる、己卯日に未が卯に加わる、庚午日に申が午に加わる、辛巳日に戌が巳に加わる——この類は数え尽くせぬほど多く、いずれも日干の寄宮の神が日支の上に圧する排法である。別に「上門乱首」と呼ばれる一種がある。日支が反対に日干の上に加わってまた日干を克するのは、最も礼なき一格で、たとえば戊寅日に寅が戌に加わる、己卯日に卯が未に加わるの類である。
《訂訛》亂首,干臨支被克,為自取亂首。支臨干克干,為上門亂首,更兼發用尤的。下為尊上如首,支為卑下如足,卑下無禮作亂,故名亂首。上門亂首發用,又名反常課。
『訂訛』に辨明する——日干の寄宮が日支に加臨してかえって支に克せられるを、「自取乱首」と呼ぶ。日支が日干に加臨して日干を克するを、「上門乱首」と呼ぶ。もしこの一処がまたちょうど発用すれば、断法はいっそう確切である。日干は尊と為し、人の頭に譬え、日支は卑と為し、人の脚に譬える。卑下の人が礼数を守らずして乱を作すので、乱首と呼ぶ。上門乱首がもしまた発用すれば、この課は別に「反常課」という一名がある。
占主少害長,下犯上,家門背逆,不可舉事。自取亂首,尊上自失禮,為支所犯,事體稍輕。上門亂首,尊不惹卑,卑下敢來犯上,事體重。
占断の上では、この課は小輩が長輩を害し、下人が上に犯し、家門が背逆することを主り、挙動する所あるに宜しからず。自取乱首は、尊長が自ら先に礼数を失して、始めて卑下に冒犯せられたもので、事はなお些か軽し。上門乱首は、尊長が並びに卑下を招惹したことなく、卑下が竟に敢えて自ら上に犯したもので、事はすなわち重し。
自取亂首,事發於內而起於外,兵不利客,亦不宜攻,惟可固守解圍。上門亂首,事發於外而起於內,兵不利主,賊來格戰,總主來人遲,營寨多有刑傷。若見卯酉后合,主男女訛雜,不分長幼。自取亂首,若四課俱下賊上,不免窩犯丑聲,禍自內出。
自取乱首は、事が内に発して起因は外にあり、兵を用いれば客軍に利あらず、また進攻に宜しからず、ただ堅守して以て囲困を解くべきのみ。上門乱首は、事が外に発して起因は内にあり、兵を用いれば主軍に利あらず、敵人が前に来て接戦し、総じて来た人が遅緩なるを主り、営寨の裏に多く刑傷あり。もし課の上に卯・酉を見てまた天后・六合に乗れば、男女の混雑・長幼の分かたれざるを主る。自取乱首にして四課がすべて下神の上神を賊するものは、家裏に醜事を窩蔵し悪名を閙らすを免れず、禍患はみな内部より生出す。
此課或主祖宗別姓。如將得青龍,來意因幼小不知別籍異居之事,三傳年命剋制亂我之神,名曰患門救。附:干臨支生支曰偃蹇,洩耗甚也。受生曰俯就,先難後樂也。同類曰培本,比和相助也。
この課はまた祖宗がもともと別の姓氏であることを主り得る。もし乗る所の天将が青竜を得れば、来た人の意は多く半ば小輩の事を解さず、家を分かちて別に門戸を立てんとする事のためである。三伝あるいは年命の上にもしその乱を作す神を克住し得る神あれば、すなわち「患門救」と呼び、禍患は化解し得る。別に三種の変例を附する。日干の寄宮が日支に加臨して日支を生ずるは「偃蹇」と呼び、自身の泄気・耗損の甚だしきを主る。反って日支の生を受けるは「俯就」と呼び、先に難しく後に楽しむを主る。干支が同類・比和するは「培本」と呼び、彼此の扶助を主る。
凌犯,干克支,下賊上為用;支克干,上克下為用。日克辰乃上凌下,卻得下賊上為用。辰剋日,乃下犯上,卻得上克下為用。互相凌犯,故名凌犯。占主尊卑不分,君驕臣逆,或主篡弒事。初傳官鬼禍尤速。克下外事起,克上內事起。
また「凌犯」と呼ばれる一格がある。日干が日支を克するのに、発用に取るが偏に下神の上神を賊するあの一課である。あるいは日支が日干を克するのに、発用に取るが偏に上神の下神を克するあの一課である。日干が日支を克するはもともと上の下を凌ぐなのに、却って下の上を賊する者を以て発用とし、日支が日干を克するはもともと下の上に犯すなのに、却って上の下を克する者を以て発用とする。上下が互いに欺凌・冒犯するので、凌犯と呼ぶ。占断は尊卑分かたれず、君主は驕横・臣下は悖逆し、甚だしくは篡位・弑上の事に至るを主る。初伝がもし官鬼なれば、禍の来るはとりわけ速し。克するが下位に在るは、事は外の面より起こり、克するが上位に在るは、事は裏の面より起こる。
贅婿課
凡課日干克辰,又自加臨為用,曰贅婿課。蓋干為夫,支為妻,干克者為妻財。干臨支以動就靜,如男子婿贅妻家。支臨干以靜就動,如婦人隨男就嫁,此舍己從人,以身入贅,為贅婿。占者凡事不快,寓居於人,身不自由。統旅之體,乃為客求財之課。
およそ一課の中で日干が日支を克し、日干の寄宮の神がまた日支の上に加臨して発用するものを、贅婿課という。日干は丈夫に譬え、日支は妻子に譬え、日干に克せられるものはすなわち妻財である。日干が日支に加臨するは、動を以て静に就くで、男子が妻子の家中に入贅するがごとし。日支が日干に加臨するは、静を以て動に就くで、婦人が男子に随いて嫁ぐがごとし。両者はともに自らを捨てて別人に依附し、自身を以て入贅するなので、贅婿と呼ぶ。この課を占えば、凡事みな痛快ならず、別人の屋簷の下に寄居して、身は自ずから由らざる。卦体を以て統論すれば『旅』に属し、他乡に客居して財を求める一課である。
象曰:屈意從人,事多牽制。胎孕遲延,行人淹滯。財名可成,病訟未濟。兵利為客,先動勝計。如日往加辰,干克支,以上取下,男就乎女,利尊長而不利卑幼,宜動而不宜靜,用兵利為客,見陣利先動者勝也。
断辞に曰く、ただ自らを委屈して別人に順従するを得るのみで、事事人に牽制せられる。胎孕は遅遅として産せず、出門の人は滞留して帰らない。財・名を求むるは倒に成就し得るが、疾病と官司は却って了結できない。兵を用いれば客軍を作るに利あり、先に手を動かす一方が便宜を占む。もし日干の寄宮が日支の上に加わり、日干が日支を克すれば、これは上を以て下を取り、男子が女家に迁就するもので、尊長に利ありて卑幼に利なく、動に宜しく静に宜しからず。兵を用いれば客軍を作るに利あり、陣に臨んで先に発動する一方が勝を得る。
若辰來加日,干克支,以小依大,女就於男,卑凌尊而尊長不容,用兵則客反為主,宜他來干我,而我能勝之。更遇天將白虎,主殺傷,勾陳主鬥訟,朱雀口舌,螣蛇驚恐。或日用休囚,病人傳染不離,則應九三喪其童僕,貞歷厲之象。遇天后主恩澤,天乙官長,六合陰私,太常酒食。及日用旺相,凡事謀為可就,則應旅六二,得童僕貞之象也。
もし日支が日干の上に加わり、日干が依然として日支を克すれば、これは小を以て大に依り、女子が男家に帰就するもので、卑下の尊長を凌犯し尊長の容れざるに属す。兵を用いる時は客軍がかえって主軍を成し、対方の来りて我を犯すを待ちて、我はすなわち勝を得ることを可とす。もしさらに白虎に遇えば、殺傷を主る。勾陳に遇えば、争闘・詞訟を主る。朱雀に遇えば、口舌を主る。螣蛇に遇えば、惊恐を主る。もし日干と発用がともに休囚・無気の地に処れば、病人の病は纏いて脱れず、正に『旅』卦九三の「其の童僕を喪い、貞なれども厲し」の凶象に合す。反って、天后に遇えば恩沢を得るを主り、天乙貴人に遇えば官長の提携を得るを主り、六合に遇えば私情有るを主り、太常に遇えば酒食有るを主る。日干と発用がまた旺相の気に当たれば、およそ謀為有ればみな成就できる——正に『旅』卦六二の「童僕の貞を得」の吉象に合す。
如甲戌日卯時亥將,用戌加甲,干克支,為贅婿課。 戌六 午虎 寅后 后 虎 虎 六 寅 午 午 戌 午 戌 戌 甲 丑寅卯辰 子 巳 亥 午 戌酉申未
例を挙げれば、甲戌日の卯時に占い、亥将を用いて卯時に加えれば、天盤の各神は地盤より八位進む。甲の寄宮は寅にあり、地盤の寅の上に戌を得る——すなわち戌が甲に加わる。甲木が戌土を克するは下神が上神を賊するなので、戌を取って発用とする——これはまさに日干が日支を克し、しかも干上の神がまた自ら支に加わるもので、贅婿課を成す。中伝は戌の上の午を取り、末伝は午の上の寅を取る。四課は依次に戌が甲に加わる、午が戌に加わる、午が戌に加わる、寅が午に加わる。この課の貴人は夜貴の丑を取り、地盤の巳位に落ち、十二天将は逆行して布列するので、初伝の戌は六合に乗り、中伝の午は白虎に乗り、末伝の寅は天后に乗り、四課の上神の乗る所もまた依次に六合・白虎・白虎・天后である。
又如丙申日辰時丑將占,巳加申,干克支,亦為贅婿。 巳空 寅六 亥貴 六 空 貴 六 寅 巳 亥 寅 巳 申 寅 丙 寅卯辰巳 丑 午 子 未 亥戌酉申
またたとえば丙申日の辰時に占い、丑将を用いて辰時に加えれば、天盤は地盤より九位進む。丙の寄宮は巳にあり、地盤の巳の上に寅を得る——第一課の寅が丙に加わる。寅の上に亥を得る——第二課。日支の申の上に巳を得る——第三課の巳が申に加わる。巳の上に寅を得る——第四課。第三課の巳火が申金を克する上神の下神を克するなので、巳を取って発用とする。日干が日支を克し、しかも干上の神がまた自ら支に加わるは、同じく贅婿課である。中伝は寅、末伝は亥。この課の貴人は亥にあり、地盤の寅位に落ち、天将は順行して布列するので、巳は天空に乗り、寅は六合に乗り、亥は貴人に乗る。
《訂訛》贅婿,干臨支克支,支臨干被克,更兼發用尤的。干為夫,支為婦,干臨支以動就靜,如男子身贅妻家,俗所謂坐堂婿。支臨干,以靜就動,如婦人攜男就嫁,俗所謂隨孃兒。皆舍己從人,以身入贅,故名贅婿。
『訂訛』に辨明する——贅婿には両種の排法がある。日干の寄宮が日支に加臨して日支を克するか、あるいは日支が日干に加臨して日干に克せられるかである。もしこの一処がまたちょうど発用すれば、断法はいっそう確切である。日干は夫と為し、日支は婦と為す。日干が日支に加臨するは、動を以て静に就くで、男子が妻子の家裏に入贅するがごとく、俗に「坐堂婿」と呼ぶ。日支が日干に加臨するは、静を以て動に就くで、婦人が子を帯びて改嫁するがごとく、俗に「随娘児」と呼ぶ。両者はともに己を捨てて人に従い、自身を以て入贅するなので、贅婿と呼ぶ。
占主凡事不快,寄居身不自由,乃為客求財之課。屈意從人,事多牽制,孕遲病訟延,行人滯。干臨支克支,利尊不利卑,宜動不宜靜,兵利客。支臨干被干克,卑凌尊而尊上不容,兵亦利客。日用休囚乘凶將,病人傳染不脫。日用旺相乘吉將,求望利名可就,將得六合,必主招婿婚姻事也。
占断の上では、この課は凡事痛快ならず、人の籬下に寄して身は己に由らず、客居して財を求める一課を主る。自らを委屈して別人に順従し、事事牽制を受ける。胎孕は遅緩し、病と官司はいずれも拖延し、出門の人は滞留して回らない。日干が日支に加臨して支を克するは、尊長に利ありて卑幼に利なく、動に宜しく静に宜しからず、兵を用いれば客軍を作るに利あり。日支が日干に加臨して日干に克せられるは、卑下が尊長を凌犯して尊長の容れざるもので、兵を用いるもまた客軍を作るに利あり。日干と発用が休囚・無気でまた凶将に乗れば、病人の病は纏いて脱れず、日干と発用が旺相・有気でまた吉将に乗れば、求むる所の名利はみな成就できる。もし天将が六合を得れば、必ず女婿を招贅し婚姻を締結する事を主る。
甲戌日戌臨甲,有女子衣服事;甲辰日辰臨甲,有鬥訟事;乙未日未臨乙,有酒食言語事;癸巳日巳臨癸,有有爭衣服驚恐事;己亥日亥臨己,有女子驚逃事;丁酉日酉臨丁,有分離事;壬午日午臨壬,有田宅相連事;戊子日子臨戊,有女子疾病、就人財物事;丙申日申臨丙,有言他人事;辛卯日卯臨辛,有木器傷財事。
以下の十例はみな日支が日干に加臨する情形で、各々一類の事を主る。甲戌日に戌が甲に加わるは、女子の衣服のために事を起こすを主る。甲辰日に辰が甲に加わるは、争闘・詞訟有るを主る。乙未日に未が乙に加わるは、酒食と口舌・言語有るを主る。癸巳日に巳が癸に加わるは、衣物を争奪し惊恐を受くるを主る。己亥日に亥が己に加わるは、女子が惊を受けて逃走するを主る。丁酉日に酉が丁に加わるは、分離の事有るを主る。壬午日に午が壬に加わるは、田宅の相連なる糾葛を主る。戊子日に子が戊に加わるは、女子が病を生ずるか、あるいは往きて他人に就きて財物を求取するを主る。丙申日に申が丙に加わるは、他人の是非を議論するを主る。辛卯日に卯が辛に加わるは、木器が損壊して財を傷うを主る。
此課干臨支克支,惟乘囚死作合、陰,名贅婿。若乘旺相作勾虎,又名殘下,甚不利卑小也。皆主仗他人勢,事乃可成。
この課はもし日干が日支に加臨して支を克するならば、ただ乗る所の気が囚死に処り、天将がまた六合・太陰の時のみ、贅婿と呼ぶ。もし乗る所の気が正に旺相に当たり、天将がまた勾陳・白虎なれば、すなわち別に「残下」と名づけ、卑幼・小輩に対して極めて不利である。両者ともに別人の勢力に仗て頼ってこそ、事はやっと弁じ成ることを主る。
支臨干,看支神,原受艱難,則為不得已而出,隨他人受磨折。如支上原有存處,豈可輕易舍己從人,君子於此,審其可否,則免失身之咎。若支乘脫氣,必無正屋可居。終非自立之象矣。二項若中在見救神剋日,或年命得神將吉,又名贅婿當權,可任意所為也。
もし日支が日干に加臨すれば、すなわち日支自体の処境を看るべし。日支がもともと困頓・艱難なれば、それは已むを得ずして出で去り、別人に随いて折磨を受けるものである。倘若日支の上にもともと安身の処あれば、また豈に軽々しく自らを捨てて他人に依附せんや。君子はここにおいて可否を審度してこそ、始めて身を失うの咎を免れ得る。もし日支が乗る所が脱気の神なれば、必ず一間の正屋にすら住むを得ず、終に自立の気象ならず。上面の両種の情形において、もし中伝に日干を克制し得る救神を見るか、あるいは本命・年命の上に吉神・吉将を得れば、すなわち別に「贅婿当権」と名づけ、かえって意のままに施為し得る。
附:支臨干生干,曰自在坐享也。受生曰求受,反竭我力也。同類曰壯基,並國相濟也。
別に三種の変例を附する。日支が日干に加臨して日干を生ずるは「自在」と呼び、安坐して福を享くるを主る。日支が反って日干の生ずる所を受くるは「求受」と呼び、対方が来りて求索し、かえって我が気力を耗し尽すを主る。干支が同類・比和するは「壮基」と呼び、両国が力を合わせ互いに接済して、根基がこれによって壮大するがごとし。
《觀月經》欲知贅婿卦,將身就妻家。辰往臨其日,被克妾稱邪。支臨干被克是也。上下相勾引,行年作爪牙。假令正月占,甲戌卯時加。辰來臨日上,被子克更無差。假令甲戌日亥將卯時,一課戌甲,是戌臨甲被克發用,是辰臨日也。乙丑日亥將寅時占,丑加乙,下賊上亦是贅婿卦也。
『観月経』に曰く、贅婿卦を認めんと要すれば、すなわち人が自身を妻家に送り至るを看よ。日支が移して来て日干に加臨し、かえって日干に克せられれば、妾室はすなわち人に邪佞と説かれん——指す所はまさに日支が日干に加臨して克を受けるこの一種である。上下が彼此勾連し、本人の行年がまた爪牙に充当する。例を挙げれば、正月の裏に占い、甲戌日の卯時に課を起こし、日支が日干の上に加わって、日干に克せられ、丝毫も差わない。すなわち甲戌日に、亥将を卯時に加えれば、第一課は戌が甲に加わり、戌が甲に臨んで克を受けるので、便ちそれを取って発用とし、これがすなわち日支が日干に加臨するものである。またたとえば乙丑日に亥将を寅時に加えて占えば、丑が乙に加わるは、下神が上神を賊するもので、同じく贅婿卦である。
此名贅婿卦,仔細自吁嗟。婦人將子嫁,次後沒榮華。此卦將嫁他人為男,或隨母之子。
これをすなわち贅婿卦と呼び、占えた人が仔細に一想すれば、ただ暗自に嘆息するのみである。婦人が子を帯びて改嫁すれば、往後は再び栄華の言う可きなし。この卦の主る所は、あるいは自ら别人家に嫁して男丁を作るか、あるいは母親に随いて改嫁して往った子供である。
《心鏡》贅婿日干加克辰,辰來加日制其身。今日干加克支辰,辰來加日上被日干克。卑被尊制,尊被卑制,故不自由。如男寄於妻家住,若女攜男適就人。意欲所為全不肯,心懷不願抑勒雲。凶災吉慶皆生內,故以天官決事因。正月甲辰日酉時,辰加甲是也。
『心鏡』に曰く、贅婿の一課は、あるいは日干が日支の上に加わって日支を克するか、あるいは日支が移して来て日干の上に加わってかえって制せられるかである。すなわち言うに、本日の干の寄宮が日支に加臨して支を克するか、あるいは日支が日干の上に加わって日干に克せられるかである。卑下が尊長に制せられ、尊長がまた卑下に牽制せられるので、身は自由を得ざる。これは男子が妻子の家裏に寄住するがごとく、また女子が子を帯びて別人に改嫁するがごとし。心の裏に為さんと欲する事はことごとく自ら作主せず、懐に満たざるのに人に圧せられる。吉凶・禍福はみな家門の内に生ずるので、乗る所の天将に憑って事の起因を断ずべきである。例を挙げて曰く、正月の甲辰日の酉時に占えば、辰が甲に加わるはすなわちこの格である。
《袖中金》亂首贅婿,日往加辰受辰克為亂首。辰來加日被日克為贅婿。上凌其下,紊亂。下欺其上悖逆。
『袖中金』は乱首と贅婿の両課を并せ挙げる。日干の寄宮が日支の上に加わって、かえって日支の克を受けるは、乱首である。日支が日干の上に加わって、日干に克せられるは、贅婿である。上がその下を凌ぐは紊乱に属し、下がその上を欺くは悖逆に属し、尊卑の次序がみな乱れたり。
冲破課
凡課日辰之沖神,加破為用,曰沖破課。沖者,動搖也。初雖有德,後必傾覆。如子沖午,主道路馳逐,男女爭謀變動。卯酉相沖,主門戶或改移,或逃亡失脫,外人淫亂奸私。寅申相沖,主人鬼相傷,夫婦異心。巳亥相沖,主事反覆無實,重求輕得。丑未相沖,兄弟興衰相持,謀心不同,幹事不遂。辰戌相沖,主僕離異,貴賤不明,不義之爭。
およそ課の上に日干・日支の冲神を取り、それに破せられる位に加わって発用するものを、冲破課という。冲とは動揺の義で、起初には徳惠あれども、後には必ず傾覆する。対ごとに言えば、子午の相冲は、道路上に奔波し、男女が争い謀り奪うために変動を生ずるを主る。卯酉の相冲は、門戸の改換・遷移し、あるいは人の逃亡あり・物に失落あり、外人が来往して淫乱・奸私するを主る。寅申の相冲は、人と鬼神とが互いに傷害し、夫妻が各々異心を懐くを主る。巳亥の相冲は、事が反復して実ならず、重重に求索するもただ轻微の結果を得るのみを主る。丑未の相冲は、兄弟の間が此れ興り彼れ衰えて互いに僵持し、各々心の思う所が同じからず、事を弁じて弁じ成らざるを主る。辰戌の相冲は、主僕が離散し、貴賤が分かたれず、不义の争を起こすを主る。
破者解散也,主事更改,多有中輟。若午破卯、酉破子,主門戶破敗,陰小有災。辰破丑,主丘墓寺觀破損。戌破未,先破後刑。亥破寅、申破巳,先破後合。蓋沖主反覆,破主傾壞,沖破凶為一類,故名沖破。統“夬”之體,乃雪上加霜之課。
破とは解散の義で、事が中途に更改し、多く半ば途に廃するを主る。午が卯を破し、酉が子を破するは、門戸の破敗・家の中の女眷・小口に災あるを主る。辰が丑を破するは、墳墓・寺観の損壊を主る。戌が未を破するは、先に破して後にまた相刑する。亥が寅を破し、申が巳を破するは、先に破して後にまた相合する。冲は反復・不定を主り、破は傾頹・損壊を主り、冲と破は同一類の凶象に属するので、合わせて冲破と称す。卦体を以て統論すれば『夬』に属し、雪の上に霜を加うる一課である。
象曰:“人情反覆,門戶不寧。婚姻不遂,胎孕難成。疾病凶散,財利事平。凡有謀望,成而復傾。”如用時與歲月日時沖破,亦是。或甲歲忌見申,子歲忌見午沖、酉破之類,日時支干皆同此推。
断辞に曰く、人情は反復・常なく、門戸は安寧を得ず、婚姻は成らず、胎孕は保ちがたい。疾病は勢い凶に来たりて後に散去り、財利の事は平平である。およそ謀望あれば、眼看に成ってまた傾覆する。もし発用の神が太歳・月建・日・時と相冲・相破すれば、また冲破と算える。たとえば甲年は申を見るを忌み、子年は午の来り冲し酉の来り破するを忌み、日・時および干・支の各処はみなこの例に照らして推す。
凡占凶事,遇白虎蛇雀凶將,及死神喪車惡殺宜沖,沖散則不成爭。凶旺不宜沖,沖動則為凶也。類神歲月空亡,沖則暗動,日時次之。吉空宜沖,凶空不宜沖。沖則反實,破與沖同。宜散凶事,不宜吉事。
およそ凶事を占い、白虎・螣蛇・朱雀のこれらの凶将、および死神・喪車・悪煞に遇えば、かえって冲せられるに宜しい——一たび冲すればすなわち散じ、争端は成らず。ただ凶神が正に旺気に当たる時は冲に宜しからず、一たび冲すればかえって凶勢を動かす。類神がもし太歳・月建の空亡の上に落ちれば、一たび冲すればすなわち暗裏に発動し、日・時の上の空亡はその力は次一等である。吉神が空に落ちれば冲に宜しく、凶神が空に落ちれば冲に宜しからず——一たび冲すれば、空亡はかえって転じて実有と為る。破の用法は冲と同じで、凶事を冲散するに宜しく、吉事に用いるに宜しからず。
乘破碎,又凶沖動,主人情不順,暗中出入難久。乘凶將無救解禍甚,當應夬上六,無號終有凶象。若內有德合喜神吉將旺相氣,凡事艱難,當應夬九五中行無咎之象。
もしさらに「破碎煞」に乗せば、凶神がさらに冲動せられ、人情は順わず、暗裏に出で入りして、長久しがたいことを主る。もし凶将に乗って救神の解くなくば、禍患は極めて重く、正に『夬』卦上六の「號せず、終に凶あり」の象に合す。反って、課の中にもし徳神・六合・喜神と吉将あって、また旺相の気に当たれば、縦に事事艱難なれども、終に過ごり能う——正に『夬』卦九五の「中行して咎なし」の象に合す。
如子年庚子日,午加卯占,子日以午為沖,以酉為破,午加卯為用。子歲、子日午為歲沖、日沖;酉為歲破、日破;卯為午破,又加刑發用,故曰為沖破之課。 午虎 酉勾 子蛇 虎 陰 后 朱 午 卯 寅 亥 卯 子 亥 庚 申酉戌亥 未 子 午 丑 巳辰卯寅
例を挙げれば、子年の庚子日に、午が卯に加わって課を起こす。子日は午を以て冲と為し、酉を以て破と為し、この課は正に午が卯に加わるを取って発用とする。子年子日は、午はすなわち歳冲でありまた日冲であり、酉はすなわち歳破でありまた日破であり、卯がまた午に破せられ、午が卯に加わってまた刑を帯び、すなわちここにおいて発用するので、冲破課と呼ぶ。課を起こす時、天盤の各神は地盤より三位進む。庚の寄宮は申にあり、地盤の申の上に亥を得る——第一課。亥の上に寅を得る——第二課。日支の子の上に卯を得る——第三課。卯の上に午を得る——第四課。四課の上下に克なく、ただ午火が位を隔てて日干の庚金を克する遥克の発用に属するので、初伝は午、中伝は酉、末伝は子である。この課の貴人は丑にあり、地盤の戌位に落ち、天将は逆行して布列するので、午は白虎に乗り、酉は勾陳に乗り、子は螣蛇に乗り、四課の上神は依次に朱雀・天后・太陰・白虎に乗る。
《訂訛》沖破,干支沖神加破為用,或用神與歲月日時沖破亦是。沖者,沖動意,亦反覆意。破者,解散意,亦破損意,如子年庚子日未時戌將,三傳午酉子,午為歲沖、日沖,酉為歲破、日破。沖又加卯破為用,又甲年忌見申沖亥破。沖破並而為課,故名沖破。
『訂訛』に辨明する——冲破とは、干支の冲神を取って破神の位に加えて発用するものである。あるいは発用の神が太歳・月建・日・時と相冲・相破するもまた算に入る。冲とは冲動の義で、また反復・不定の意を含む。破とは解散の義で、また破損の意を含む。たとえば子年の庚子日の未時に戌将を用いれば、三伝に午・酉・子を得——午はすなわち歳冲でありまた日冲であり、酉はすなわち歳破でありまた日破であり、この冲神がまたそれに破せられる卯の上に加わって発用する。またたとえば甲年は申の来り冲し亥の来り破するを忌む。冲と破とが一課に合するので、名を冲破と為す。
占主人情反覆,門戶不寧,婚難遂,孕難成,病凶散,財平常,謀望而復傾。子午沖,道路馳逐。男女爭謀變動。卯酉沖,門戶改移或逃亡失脫,淫亂奸私。寅申沖,人鬼相傷,夫婦異心。巳亥沖,事反覆無實。丑未沖,兄弟興衰相持,謀心不同,幹事不遂,辰戌沖,奴僕離異,貴賤不明,不義之爭。
占断の上では、この課は人情の反復・門戸の寧からざるを主る。婚事は成りがたく、胎孕は保ちがたく、病は凶に来たりて後に散去り、銭財は平平で、謀望の事は眼看に成ってまた傾覆する。分かれて言えば、子午の相冲は、道路を奔走し、男女が争い謀るために変動を生ずるを主る。卯酉の相冲は、門戸の改移し、あるいは人の逃亡あり・物に失落あり、兼ねて淫乱・奸私あるを主る。寅申の相冲は、人と鬼とが互いに傷害し、夫妻が異心するを主る。巳亥の相冲は、事の反復・不実を主る。丑未の相冲は、兄弟の興衰の相い持し・心の思う所の各々異なり・事を弁じて成らざるを主る。辰戌の相冲は、奴僕の離散・貴賤の分かたれず・不义の争の起こるを主る。
午卯破、子酉破,門戶破敗,陰小災。辰丑破,墳墓寺觀破損。戌未破,先破後刑。亥寅破、申巳破,先破後合。沖主人情暗中不順,出入難久。乘凶將無救,凶甚。破加破碎煞尤凶。
午が卯を破し、子が酉を破するは、門戸の破敗・家の中の女眷・小児に災あるを主る。辰が丑を破するは、墳墓・寺観の損壊を主る。戌が未を破するは、先に破して後に相刑する。亥が寅を破し、申が巳を破するは、先に破して後に相合する。冲の応験は、人情が暗裏に順わず、出入・来往が長久しがたいことである。もし凶将に乗ってまた救神なければ、凶の甚だしきとなり、破神にさらに「破碎煞」を加えれば、とりわけ凶険である。
此課旺不宜沖,衰墓宜沖;吉不宜沖,凶將宜沖。凶空不宜沖,吉凶宜沖。類神空亡,歲月沖則暗動,日辰次之。破不宜望成事,宜散凶事。
この課の用法は、神が旺気に当たる時は冲に宜しからず、衰敗して墓に入る時にこそ冲に宜しく、吉神は冲に宜しからず、凶将はこそ冲に宜しく、凶神が空亡に落ちれば冲に宜しからず、吉神が空亡に落ちればすなわち冲に宜しい。類神がもし空亡に落ちれば、太歳・月建に冲せられて便ち暗中に発動し、日・辰に冲せられれば力量は次一等である。破神は事の成功を指望するに利あらず、ただ凶事を冲散するに利あり。
淫泆課
凡課初傳卯酉為用,將乘后合,為淫泆課。蓋卯酉為陰私之門,后合乃淫慾之神,主淫奔泆欲,故名淫泆課。如用起六合,終於天后,為狡童格。主男誘乎女,有逃亡之事,如狡頑好色之童,不顧廉恥之風,故名狡童。凡繫淫泆課,利私謀而不利公謀也。統既濟之體,乃陰陽配合之課也。
およそ初伝に卯あるいは酉を取って発用し、乗る所の天将がまた天后・六合であるものを、淫泆課という。卯酉は陰私の出入の門戸で、天后と六合は淫欲を主る神将で、合わさって私奔・縦欲を主るので、淫泆と名づける。もし発用が六合に起こり、末伝が天后に落ちれば、「狡童格」と呼び、男子が女子を誘騙し、隨後に逃亡の事あるを主り、あの狡狯で色を好む少年のごとく、廉耻・風化を顧みないので、それゆえ狡童と呼ぶ。およそ淫泆課に属するものは、私下に謀劃するに利あり、公開して事を行うに利あらず。卦体を以て統論すれば『既済』に属し、陰陽の配合する一課である。
象曰:男子就室,女婦有家。陰私莫禁,淫慾轉加。嫁娶不吉,逃亡可嘉。捕捉難獲,訪人自差。如與三交併,為濁濫淫泆,所私非一人一處而已。加天羅地網甚凶,又主惡聲。如子日丑為天羅,未為地網,並天煩主男遭殺傷;並地煩主女遭殺傷;並二煩九丑,男女皆遭殺傷。當應既濟上六濡其首,厲之凶象。
断辞に曰く、男子に室家あり、女子に帰宿あれども、陰私の事は禁止し能わず、淫欲はかえって愈演愈劇する。嫁娶にこの課を占えば不吉で、逃亡した人はかえって順遂する。捕捉は拿獲しがたく、人を訪ねても訪ね着かない。もし三交課と同じく并せば、すなわち汚濁・泛濫の淫泆で、私通する所は一人・一処に止まらない。もしさらに「天羅」「地網」を加えれば、凶の上に凶を加え、また悪名の伝揚し出去るを主る。たとえば子日は丑を以て天羅と為し、未を以て地網と為す。「天煩」に并せば、男子の殺傷に遭うを主り、「地煩」に并せば、女子の殺傷に遭うを主り、もし天煩・地煩の二煞と「九丑」とがともに一処に并せば、男女ともに殺傷に遭う。これは正に『既済』卦上六の「其の首を濡らす、厲し」の凶象に合す。
若后合臨日辰、男女行年並者,占婚不用媒,先奸後娶。值空亡為虛意也。神將吉,日用旺相,則應初九濡尾無咎之象。
もし天后・六合が正に日干日支の上に臨み、また男女双方の行年と一処に并せば、婚姻を占うに媒人を請うに及ばず、多くは先に私情ありて後に親を成す。この幾処がもし空亡の上に落ちれば、すなわちただ虚情・假意のみである。倘若神将がともに吉で、日干と発用がまた旺相の気に当たれば、便ち『既済』卦初九の「其の尾を濡らす、咎なし」の吉象に合す。
如辛未日申時辰將,乘后合,卯加未用,為淫泆課。 卯六 亥虎 未后 虎 六 勾 貴 亥 卯 寅 午 卯 未 午 辛 丑寅卯辰 子 巳 亥 午 戌酉申未
例を挙げれば、辛未日の申時に占い、辰将を用いて申時に加えれば、天盤は地盤より八位進む。辛の寄宮は戌にあり、地盤の戌の上に午を得る——第一課の午が辛に加わる。午の上に寅を得る——第二課。日支の未の上に卯を得る——第三課の卯が未に加わる。卯の上に亥を得る——第四課。第一課の午火が辛金を克し、第三課の卯木が未土を克するは、いずれも上神の下神を克するもので、日干の辛は陰に属するので、便ち同じく陰に属する卯を取って発用とし、中伝は亥、末伝は未で、ちょうど亥卯未の三合木局を成す。辛日の白天の貴人は午にあり、この課の貴人は地盤の戌位に落ち、天将は逆行して布列するので、初伝の卯は六合に乗り、中伝の亥は白虎に乗り、末伝の未は天后に乗る——初伝が卯でまた六合に乗るは、まさに淫泆の格に合す。
凡淫泆課為用起天后,終傳六合神,為泆女洛。如淫奔泆欲,自嫁之女,故名泆女。主女隨於男,有通私奔走之事也。
およそ淫泆課でもし発用が天后に起こり、末伝が六合に落ちれば、すなわち「泆女」の一格と呼ぶ(原文は「泆女洛」と作る)。それはあの欲を縱い私奔して、自ら主張して人に嫁する女子に似るので、泆女と名づける。この格は女子が男子に随いて行き、私通・奔逃の事あるを主る——前の男が女を誘う狡童格と、ちょうど一往一来である。
如戊戌日辰時午將,子加戌為用,初傳天后,末傳六合,為泆女格。 子后 寅蛇 辰六 蛇 后 常 空 寅 子 酉 未 子 戌 未 戊 未申酉戌 午 亥 巳 子 辰卯寅丑
例を挙げれば、戊戌日の辰時に占い、午将を用いて辰時に加えれば、天盤は地盤より二位進む。戊の寄宮は巳にあり、地盤の巳の上に未を得る——第一課。未の上に酉を得る——第二課。日支の戌の上に子を得る——第三課の子が戌に加わる。子の上に寅を得る——第四課。第三課の戌土が子水を克するは下神が上神を賊するなので、子を取って発用とし、中伝は寅、末伝は辰である。戊日の白天の貴人は丑にあり、この課の貴人は地盤の亥位に落ち、天将は順行して布列するので、初伝の子は天后に乗り、中伝の寅は螣蛇に乗り、末伝の辰は六合に乗る——発用が天后に起こって六合に終わるは、まさに泆女の格である。
《訂訛》意同。《觀月經》名龍虎交戰:初傳是卯酉,六合天后來。末傳兩相應,泆女閨門開。天后入六合,初傳天后,末傳六合。
『訂訛』の説は上面と同じである。『観月経』はこの課を「龍虎交戦」と呼び、曰く——初伝が卯あるいは酉であれば、六合・天后の二将が随いて来る。末伝と初伝とが両相い呼応し、泆女は便ち閨門を推し開けて行く。いわゆる「天后、六合に入る」とは、指す所はまさに初伝が天后に乗り、末伝が六合に乗るこの一種の排法である。
婦人暗使媒。背夫欲逃走,從此降成災。六合入天后,此是狡童排。男誘他人婦,商量走去來。二神同二將,反覆兩徘徊。二神卯酉也,二將后合也。見斯決然如此。其它卦雖有后合不是。盡意思量者,不覺笑顏開。仔細思量自然見也。
歌訣に続けて曰く、婦人が暗中に人に托して媒を作らせ、丈夫を背いて逃げ去らんと欲すれば、災禍はすなわち此より落ち来る。反って「六合、天后に入る」——すなわち初伝が六合に乗り、末伝が天后に乗るは、あれは狡童の一格で、男子が別人の妻子を勾引し、两下に商量して一走りして了う。いわゆる「二神に二将同じ」とは、二神は卯と酉を指し、二将は天后と六合を指す。四者が湊り斉えば、事は必ず斯くのごとし。別の課はたとい天后・六合を見るも、算に入れない。この道理を想い透れば、覚えず顔を展べて笑わんとす——仔細に思量すれば、自ずから看るに明白なり。
《心鏡》天后常為厭醫神,須知六合是私門。二將取名稱泆女,夫婦俱懷淫奔心。欲知男女為淫蕩,更向傳中把將論。六合即知男誘婦,天后女攜男子奔。
『心鏡』に曰く、天后は従来「厭医」の神と看なされ、六合はすなわち天上の私門である。両将が一処に湊れば便ち泆女の名を得、夫婦双方ともに私奔の心を存することを主る。淫蕩なるが男か女かを分辨するには、また三伝の中の乗る所の天将を看なければならない。六合を見れば、すなわち男子が婦人を勾引したと知り、天后を見れば、便ち女子が男子を帯びて私奔したと知る。
《袖中金》天后厭醫,六合私門。用起天后,終於六合,必有逃亡婦女,曰泆女。用起六合終於天后,曰狡童。
『袖中金』に曰く、天后は厭医の神で、六合は私門の神である。発用が天后に起こって末伝が六合に落ちれば、家の中に必ず婦女の逃亡あり、これを泆女と呼ぶ。反って発用が六合に起こって末伝が天后に落ちれば、すなわち狡童と呼び、男子が人の妻女を誘うを主る。
《曾門》天合為厭醫,六合是私門。謂用起天后,終於六合,名為泆女,家必有走婦。天后者,後宮婦女之位。六合者,為天地之私門,蔽翳萬物,出入莫有禁止。女子游於私門,奔亡之象。
『曽門』に曰く、天后は厭医の神で、六合は私門の神である。発用が天后に起こり、末伝が六合に終わるは、名を泆女といい、この家に必ず出走去る婦人あり。天后の主る所は、後宮の婦女の位次であり、六合の主る所は、天地の間の私門で、それは万物を遮蔽し得、出入して禁止する人なし。女子が私門の裏に游走するは、まさに奔逃・出亡の象である。
《定章》曰:天后,貴人後宮妻位。六合者,天之私門,蔽翳奸邪,出入無有制約。謂用起天后,終見六合,上下生合,乃為蔽翳;上下相剋,乃為強逼。上克下曰強,下賊上曰逼。且人倫之禮,男子有室,女子有家,無相黷(音獨,垢也、數也)也。今女子游於私門,是不能禁制矣。以此占人,必主家中不正,及有逃亡也。上克下,過在男子;下賊上,過在女人。
『定章』に曰く、天后は貴人の後宮・妻室の位次である。六合は天上の私門で、奸邪を遮掩し得、出入に約束を受けない。およそ発用が天后に起こり、末伝に六合を見るものは、もし上下が相生・相合すれば、便ち遮掩・包庇であり、もし上下が互いに克戦すれば、便ち強行・逼迫である——上神が下神を克するを「強」と呼び、下神が上神を賊するを「逼」と呼ぶ。人倫の礼に按ずれば、男子は妻室あるべく、女子は夫家あるべく、彼此は相い瀆せない(「黷」は独と読み、汚垢・屢次の義である)。今や女子が私門の裏に游荡するは、もはや管束し能わざると見えたり。それを以て人を占えば、必ず家の中の門風の正しからざるを主り、しかも人の逃亡あるを主る。上神が下神を克するは、過は男子に在り、下神が上神を賊するは、過は女人に在る。
又云,用起天后,傳見元武,主婦女逃亡;傳見六合,為他人有逃婦也。何以知之,以主事將決之。白虎殺人,勾陳鬥傷,元武逃亡,太陰陰謀、罪人,太常衣服,天空欺詐他人,朱雀文書口舌,螣蛇驚恐、憂疑,天乙天后貴人,以將決之無有不驗者也。
また曰く、発用が天后に起こり、三伝の中に元武を見るは、自家の婦女の逃亡を主る。三伝の中に六合を見るは、すなわち别人家に婦人の出逃あるを主る。何を以てかれがどちらかを知るか。主事の天将に憑って以て判定する——白虎を見れば人を殺すを主り、勾陳を見れば闘殴して人を傷つけるを主り、元武を見れば逃亡を主り、太陰を見れば陰謀あるいは罪人を藏匿するを主り、太常を見れば衣服の事を主り、天空を見れば他人を欺詐するを主り、朱雀を見れば文書・口舌を主り、螣蛇を見れば惊恐・憂疑を主り、天乙・天后を見ればすなわち貴人の事を主る。天将に憑って断ずれば、応験せざるはなし。
蕪淫課
凡四課有克,缺一為不備。及日辰交互相剋,為蕪淫課。邵先生曰:課得不備,剛日從日上起第一課,柔日從辰上起第一課。凡見二陽一陰為陰不備,如二男爭一女。二陰一陽為陽不備,若二女爭一男。及日辰交互相剋,各自相生是也。此夫妻皆有私通,兩情相背,荒淫無度,故名蕪淫。占者家門不正,事多淫亂,統小畜之體,乃琴瑟不調之課。
およそ四課の中に克があって、しかも四課が一課を缺き、三課のみ残るものを、「不備」と呼ぶ。さらに日干と日支とが交互相い克するを加えれば、すなわち蕪淫課である。邵先生に曰く、課が完備せざる時は、甲丙戊庚壬のこの類の剛日は日干の上より第一課を起こし、乙丁己辛癸のこの類の柔日は日支の上より第一課を起こす。およそ二陽一陰を見るものを「陰不備」と呼び、両個の男子が一個の女子を争うがごとし。二陰一陽を見るものを「陽不備」と呼び、両個の女子が一個の男子を争うがごとし。このほか日干日支が交互相い克し、各々また別に生ずる所有るものも、この類に属す。これは夫妻の双方ともに各々私通あり、两下に心を離れ、荒淫して節制なきなので、蕪淫と呼ぶ。この課を占えば、家門の正しからざる・事の多く淫乱なるを主る。卦体を以て統論すれば『小畜』に属し、琴瑟の調いを失う一課である。
象曰:陰陽不備,交克最嫌。利名碌碌,獄病淹淹。陰微晴久,陽少雨添。行人未至,征戰愁眉。占如陽不備,用兵利為主,賊不來。陰不備,利為客,賊來不戰,射物必缺,凡得三課為不備,又逢日辰交互相剋,占事最凶,更乘凶將尤甚,則應小畜九三夫妻反目凶象。或四課備、神將吉兼有救神,及課不備、無克不凶,事有遲延,夫妻拆散終復團圓,則應小畜牽復吉之象。
断辞に曰く、陰陽が完備せず、さらに交互相い克するを加うるは、最も嫌う可きである。名・利を求むるは庸庸碌碌で、牢獄と疾病は纏綿して去らない。陰気が微弱なればすなわち久しく晴れ、陽気が不足なればすなわち雨を添える。出門の人は未だ帰らず、出征して戦うは人の愁眉を展べさせず。占断の上では、陽不備なるは、兵を用いて主軍を作るに利あり、敵人は来らない。陰不備なるは、客軍を作るに利あり、敵人は来りても交戦せず、射覆して物を猜すれば必ず残缺・不全である。およそただ三課を得るのみで不備と為り、また日干日支の交互相い克するに逢うは、事を占うに最も凶で、さらに凶将に乗ればすなわちさらに甚だしく、正に『小畜』卦九三の「夫妻反目す」の凶象に合す。もし四課が斉備して神将がまた吉で并せて救神あれば、あるいは課は完備せざるも克戦なければ、すなわち凶と算えず、ただ事の遅延するのみで、夫妻は縦に拆散するも終に団円し得る——正に『小畜』卦の「牽復」の吉象に合す。
如乙卯日午時未將,柔日從辰上起第一課,蓋巳辰之陰神不復作日之陽神,此二陰一陽不備,曰蕪淫課。 辰勾 巳龍 午空 龍 勾 空 龍 巳 辰 午 巳 辰 卯 巳 乙 午未申酉 巳 戌 辰 亥 卯寅丑子
例を挙げれば、乙卯日の午時に占い、未将を用いて午時に加えれば、天盤は地盤より一位進む。乙は柔日で、四課は日支の上より第一課を起こす。日支の卯の上に辰を得る——第一課の辰が卯に加わる。辰の上に巳を得る——第二課の巳が辰に加わる。乙の寄宮もまた辰に在るので、干上の神も同じく巳である——巳は既に日支の陰神を充当したれば、さらに日干の陽神を充当すること能わず、四課はこれによって三課のみを成し、二陰一陽の「不備」で、すなわち蕪淫課である。第一課の卯木が辰土を克するは下神が上神を賊するなので、辰を取って発用とし、中伝は巳、末伝は午である。乙日の白天の貴人は子にあり、この課の貴人は地盤の亥位に落ち、天将は順行して布列するので、辰は勾陳に乗り、巳は青竜に乗り、午は天空に乗る。
又如乙亥日巳時子將,為陰不備課也,此二陽一陰。 午勾 丑后 申空 后 勾 勾 蛇 丑 午 午 亥 午 亥 亥 乙 子丑寅卯 亥 辰 戌 巳 酉申未午
またたとえば乙亥日の巳時に占い、子将を用いて巳時に加えれば、天盤は地盤より七位進み、この課は「陰不備」で、二陽一陰に属す。乙の寄宮は辰にあり、地盤の辰の上に亥を得れば、すなわち日干の上神である。日支の亥の上に午を得る。柔日は日支より課を起こす。第一課は午が亥に加わり、第二課は丑が午に加わり、第三課は亥が乙に加わり、第四課はまた午が亥に加わって、第一課と重復するので、四課はただ三課を成す。第一課の亥水が午火を克するは下神が上神を賊するなので、午を取って発用とし、中伝は丑、末伝は申である。課盤の上の初伝の午は勾陳に乗り、中伝の丑は天后に乗り、末伝の申は天空に乗り、四課の上神は依次に螣蛇・勾陳・勾陳・天后に乗る。
如甲子日卯時亥將占,四課備,日辰交克,蕪淫課。 戌六 午虎 寅后 元 龍 虎 六 辰 申 午 戌 申 子 戌 甲 丑寅卯辰 子 巳 亥 午 戌酉申未
またたとえば甲子日の卯時に占い、亥将を用いて卯時に加えれば、天盤は地盤より八位進む。この課は四課が斉備すれども、日干と日支とが交互相い克し、同じく蕪淫に帰入する。甲の寄宮は寅にあり、地盤の寅の上に戌を得る——第一課の戌が甲に加わる。戌の上に午を得る——第二課。日支の子の上に申を得る——第三課。申の上に辰を得る——第四課。甲木が戌土を克するは下神が上神を賊するなので、戌を取って発用とし、中伝は午、末伝は寅で、ちょうど寅午戌の三合火局を成す。この課の貴人は丑にあり、天将は逆行して布列するので、戌は六合に乗り、午は白虎に乗り、寅は天后に乗り、第三課の申は青竜に乗り、第四課の辰は元武に乗る。
蓋甲日夫也,子支妻也。甲欲從子憂申克,子就甲時畏戌侵。然申子又自相生,乃妻與人有私;夫上神為用,課傳逢三合,主有他意或私異姓,內外相好,各相背也。
何を以て見るか。甲の日干は丈夫で、子の日支は妻子である。甲は子に就かんと欲するも、支上の申金の来りて自らを克するを怕る。子は甲に就き来らんと欲するも、また干上の戌土の来りて自らを侵すを怕る。これがすなわち日辰の交互相い克するである。けれども申金と子水は偏に彼此相生して、正に妻子が外人と別に私情あるを表示す。さらに発用に取るが夫位の上の神を見れば、課と伝とがまた三合局を湊り成し、丈夫もまた別に心思あり、あるいは異姓と私通するを主る——内外ともに各々相好あり、两下の裏に各々背き離れる。
《訂訛》不備,四課缺一,止有三課,有克照常以克、賊、比涉等項論,但四課必須那動。剛日從日上起一課,柔日從辰上起第一課。蓋第一課為干陽,第二課為干陰,第三課為支陽,第四課為支陰。陰課缺一為陰不周全,陽課缺一為陽不周全。以四課之陰陽論,非以干支之陰陽論也。
『訂訛』に「不備」を辨明する——四課が一課を缺き、三課のみ残る。もし課の中に克あれば、依然として常のごとく賊克・比用・渉害のこれらの常法を以て用を取り、ただ四課の次序は必ず挪動せねばならない。剛日は日干の上より第一課を起こし、柔日は日支の上より第一課を起こす。四課の名分は、第一課は干の陽神と為り、第二課は干の陰神と為り、第三課は支の陽神と為り、第四課は支の陰神と為る。陰のその両課が一課を缺けば、陰不周全と呼び、陽のその両課が一課を缺けば、陽不周全と呼ぶ。ここに説く陰陽とは、四課の位次に就いて言うので、干支自体の陰陽に就いて言うのではない。
假如乙卯日午時未將,柔日從支上起第一課,辰卯、巳辰、巳乙、午巳。蓋四課先盡,先數兩課,巳辰既作支之陰神,為第二課矣,豈可復作干之陽神為第三課乎。此二陰一陽為陽不備。又如乙亥日巳時子將,亦柔日,從支上起第一課,午亥、丑午、亥乙、午亥。午亥既作支之陽神,為第一課矣,豈可復作干之陰神為第四課乎。此二陽一陰為陰不備。故名不備。
例を挙げれば、乙卯日の午時に未将を用い、乙は柔日で、日支より第一課を起こし、依次に辰が卯に加わり、巳が辰に加わり、巳が乙に加わり、午が巳に加わる。四課はまず支の上より数え尽して両課となり、巳が辰に加わるは既に日支の陰神を充当して第二課を作したれば、豈にさらに日干の陽神を充当して第三課を作らんや。ここにおいて三課のみ残り、二陰一陽の陽不備を成す。またたとえば乙亥日の巳時に子将を用いるもまた柔日で、日支より第一課を起こし、依次に午が亥に加わり、丑が午に加わり、亥が乙に加わり、午が亥に加わる。午が亥に加わるは既に日支の陽神を充当して第一課を作したれば、豈にさらに日干の陰神を充当して第四課を作らんや。ここにおいて二陽一陰の陰不備を成す。それゆえ統ねて「不備」と称す。
占主不周全,物偏缺,病難愈,求望難成,行人未至。陽不備,兵訟利為主,賊不來。陰不備,兵訟利為客,賊必來,皆戰不成。三傳陽多,事起男;三傳陰多,事因女。陽多晴久,陰多雨添。凡占多以不周全意斷。
占断の上では、この課は事事周全ならず、物が一角を缺き、病は痊愈しがたく、求むる所は成りがたく、出門の人は未だ帰らざるを主る。陽不備なるは、兵を用い官司を打つともに主家を作るに利あり、敵人は来らない。陰不備なるは、客方を作るに利あり、敵人は必ず来る——ただ両種の情形ともに一仗を打ち成さない。三伝の中に陽支の多きは、事は男子に由りて引起され、陰支の多きは、事は女子に因りて起こる。陽が多ければすなわち久しく晴れ、陰が多ければすなわち雨を添える。およそこの課を占えば、大抵みな「不周全」のこの意の上に従って断ずる。
《觀月經》四課如不備,其卦號蕪淫。此論日辰陰陽有不全,止三課備者,為蕪淫卦也。五月乙卯日,未將午時占。辰陽見天罡,卯上見辰,為辰之陽神。太乙作陰神。太乙在辰上為辰之陰神也。日上無陽類,緣乙課在辰,辰上太乙,卻被辰之陰神佔了。
『観月経』に曰く、四課がもし完備せざれば、この一卦はすなわち蕪淫と呼ぶ。講ずる所は日干日支の陰陽両面に缺あり、ただ三課の斉全あるのみで、便ち蕪淫卦と算える。例を挙げれば、五月の乙卯日に、未将を午時に加えて占う。「辰の陽に天罡を見る」——日支の卯の上に辰を見る。辰はすなわち「天罡」で、日支の陽神である。「太乙、陰神を作す」——「太乙」巳が辰の上に圧するは、日支の陰神である。「日の上に陽類なし」——乙の寄宮が辰に在るがために、辰の上は正に太乙巳で、しかもこの巳は已に日支の陰神に占め去られたので、日干のこちらは自らの陽神の用いる可きなきなり。
二女競男心。本分皆有四課,二陽二陰。今止三課,太乙為日之陽神,卻被辰之陰神佔了,不可更作日陽。勝光為日之陰神,天罡為辰之陽神,是二陰一陽也,故曰二女兢男心。
「二女、男心を競う」——もともと四課は二陽二陰の四位倶に具わるべきなのに、今は三課のみ残る。太乙巳は本該日干の陽神を作すべきなのに、已に日支の陰神に占め去られ、さらに日干の陽神を充当し能わず。残る「勝光」午は日干の陰神を作り、「天罡」辰は日支の陽神を作り、合わせて二陰一陽なので、両個の女子が一個の男子の心を争うと曰うのである。
假令乙亥日,子將巳時占。午為辰之陽,一課亥乙,二課午亥,三課午亥,四課丑午。勝光為日之陰神,先被辰之陽神佔了。丑作午上兼。大吉加午為辰之神。日陽還從亥,乙課在辰,辰上見亥,為日之陽。日陰無處添。日之陰神被辰之陽神佔了。此名為不備,四課止有三課,是二陽一陰之三課也。
さらに乙亥日を仮設し、子将を巳時に加えて占う。「午は辰の陽と為る」——午は日支の亥の陽神である。四課は依次に、第一課は亥が乙に加わり、第二課は午が亥に加わり、第三課は午が亥に加わり、第四課は丑が午に加わる。「勝光」午は本該日干の陰神を作すべきなのに、先に日支の陽神に占用せられた。「丑、午の上に兼ねて作す」——「大吉」丑が午の上に加わるもまた日支に属する神である。「日の陽は還って亥に従う」——乙の寄宮は辰にあり、辰の上に亥を見るは、これがこそ日干の陽神である。「日の陰は添うる処なし」——日干の陰神は已に日支の陽神に占め去られ、さらに添え上ぐる能わず。これをすなわち不備と呼び、四課はただ三課を成し、二陽一陰の三課である。
雙男競婦兼。二陽一陰之象,是二男爭一女也。主有姦淫事,逢時心意嫌。有救應無事,凶神刑獄淹。三奇六儀德神為救。
「双男、婦を競い兼ねる」——二陽一陰の象は、すなわち両個の男子が一個の女子を争奪する。この課は奸淫の事あるを主り、事に応ずる時辰に遇えば、心の裏にも嫌隙を生ず。もし救神あれば、終に事なく、もし凶神に逢えば、すなわち刑獄の中に拖れん。いわゆる救神とは、三奇・六儀と徳神を指す。
戊午龍宮課,兩辰丁酉占。金雞皆一例,丑未二辛添。以上七日九課別責是蕪淫卦也。
歌訣の末に幾種の特例を列す。戊午日の龍宮課、戊辰・壬辰の両個の辰日と丁酉日の占えたる、「金鶏」の諸酉日もまた同一の例で、さらに辛丑・辛未の両個の辛日を添える。以上の七日、共に九種の課式は、みな「別責」の一類に属し、同じく蕪淫卦に帰入する。
《心鏡》陰陽不備是蕪淫,夫婦奸邪有外心。二女爭男陽不足,兩男一女共耽淫。上之克下緣夫過,反此誠為婦不仁。陽為陰將陰處合,陰來陽處為刑臨(日為夫,辰為婦)。
『心鏡』に曰く、陰陽両面の完備せざるはすなわち蕪淫で、夫妻は各々奸邪を懐き、各々外心あり。両個の女子が一個の男子を争うは、陽数の不足である。両男が共に一女を争えば、すなわち男女は一同に淫に沉溺する。上神が下神を克するは、過は丈夫に在り、反って下神が上神を克すれば、すなわち婦人の賢ならざるである。陽位の神が陰将に帯びられて陰位に往きて相合すれば、陰位の神が陽位に跑り来れば便ち刑克を成す——ここに説くは日干を夫と為し、日支を婦と為す。
若知其例看正月,甲子時加卯課尋。甲見天魁子傳送,甲夫陽也子妻陰。甲將就子憂申克,子近甲時魁必侵。十干上神交互克,事乖夫婦失調琴。妻懷內喜私情有,申子相生水合金。子上見申金,金水相生,又三合也。妻與西南有外情也。
実例を看らんと要すれば、すなわち正月の甲子日の卯時のあの一課を取りて尋ねよ。甲の寄宮の上に「天魁」戌を見、日支の子の上に「伝送」申を見る。甲は丈夫で陽に属し、子は妻子で陰に属す。甲は子に就かんと欲するも、支上の申金の来りて克するを怕る。子は甲に近づかんと欲するも、干上の戌土は必ず来りて相い侵す。十干の寄宮の上神が彼此交互相い克すれば、事はすなわち乖違し、夫妻の間は琴瑟の調いを失う。しかるに妻子の心の裏は正に暗自に歡喜す——それは別に私情あるがためで、申と子は金水相生し、また申子辰三合の一半である。子の上に申金を見れば、金は水を生じ、两下に相合するので、妻子が西南方の人と外遇あるを知るべし。
解離課
凡夫妻行年沖剋,及上下神互相剋賊,為解離格。如夫年立午上見寅,妻年立子上見申,乃子上申怕午克,午上寅怕申克。上下互相剋賊,天地解離,各有異心,故名解離。占者非斷絃之凶,必有反目之兆也。
およそ夫妻両人の「行年」(年歳に按じて推した流年の位)が互いに冲克し、および行年の上下の神が彼此克賊するは、すなわち解離格を成す。たとえば丈夫の行年が午に在って午の上に寅を見、妻子の行年が子に在って子の上に申を見れば、子の上の申金は午火の来りて克するを怕り、午の上の寅木はまた申金の来りて克するを怕る。上下が彼此克賊し、天地は離析し、両人は各々異心を懐くので、解離と呼ぶ。この課を占えば、偶を喪い弦を断ずの凶事ならざるも、また必ず夫妻反目の兆あることを主る。
如三月甲子日未時酉將,夫年立寅,妻年立午,值三合,逢春旺相氣,為旺孕格。 酉朱 亥貴 丑陰 朱 勾 貴 朱 酉 未 亥 酉 未 巳 酉 丁 未申酉戌 午 亥 巳 子 辰卯寅丑
例を挙げれば、三月の未時に酉将を以て課を起こし、丈夫の行年は寅に立ち、妻子の行年は午に立てば、寅午は正に三合の半で、また春の旺相の気に逢えば、便ち「旺孕格」で、解離とちょうど相反する。附する所の課盤の干支は実は丁巳日の未時の酉将で、正文の説く所の甲子日と合わず——まさしく原書の刊刻の誤りならん。丁の寄宮は未にあり、地盤の未の上に酉を得る——第一課の酉が丁に加わる。酉の上に亥を得る——第二課。日支の巳の上に未を得る——第三課。未の上に酉を得る——第四課。丁火が酉金を克するは下神が上神を賊するなので、酉を取って発用とし、中伝は亥、末伝は丑である。丁日の白天の貴人は亥にあり、地盤の酉位に落ち、天将は逆行して布列するので、酉は朱雀に乗り、亥は貴人に乗り、丑は太陰に乗り、第三課の未は勾陳に乗る。
又如夫年立午上見寅,妻年立子上見申,夫妻行年上下互相沖克,為解離格。
またたとえば丈夫の行年が午に立ち、午の上に寅を見、妻子の行年が子に立ち、子の上に申を見れば、夫妻両人の行年の上下が彼此冲克す——申金は寅木を克し、子水はまた午火と相い冲す——これがすなわち解離格である。
《觀月經》夫妻天匹配,有難解離頻。年命交相剋,妻行年上神剋夫,夫行年上神克妻,是交相剋也。始終亦同陳。妻年行至午,夫年立於寅。六月申時占,妻逢配夫嗔。夫年上逢子,妻運仰觀辰。夫運寅上見子,妻運午上見辰。辰逢克子水,的有解離迍。
『観月経』に曰く、夫妻はもともと天生の匹配で、一旦難あれば便ち屢々離散する。「年命、交わり相克す」とは、妻子の行年の上の神が丈夫を克し、丈夫の行年の上の神が妻子を克し、两下に互いに克して、始より終に至るまでみな斯くのごとくなるを指す。例を挙げれば、妻子の行年が午に走り、丈夫の行年が寅に立ち、六月の申時に占えば、妻子はすなわち配する所の丈夫と反目して嗔を生ず。この時、丈夫の行年の寅の上に子を見、妻子の行年の午の上に辰を見——すなわち言うに、丈夫の運位の寅の上に子が圧え、妻子の運位の午の上に辰が圧える。辰土が子水を克するは、確かに離散の困厄あり。
夫年反有克,與此一般伸。夫行年上神克妻行年上神亦同也。遞相淫情起,暗地使媒人。此不與四課三全之事同,若兩家行年相剋,夫有外妻,妻有外夫心,餘仿此。
もし倒して丈夫の行年の上の神が往きて妻子を克すれば、道理もまた同じく、同じく解離を成す。两下の裏に各々淫心を動かし、暗裏に人に托して媒を作らしむ。この格は前の四課がただ三課を余す蕪淫とは同一の事ならず——ただ夫妻両家の行年が互いに克戦すれば、すなわち丈夫に別に外室あり、妻子に別に外心あるを主り、その余の情形はこれに照らして類推す。
《心鏡》解離之卦看行年,先須察地後觀天。夫妻始終互相剋,二月寅時課請占。妻年立子夫年午,神后須知克勝光。神后子是妻天上行年,勝光是夫天上行年,此解論天上行年另一說。午上功曹子傳,夫年午上見功曹,妻年子上見傳送。
『心鏡』に曰く、解離の一卦は行年を看るべく、まず地盤を察し、後に天盤を観る。夫妻が頭より尾に至るまで互いに克すれば、すなわち二月の寅時のこの一課を取りて占う。妻子の行年は子に立ち、丈夫の行年は午に立つ。「神后」子は須くそれが「勝光」午を克するを知るべし——ここに言う神后子は妻子の天盤上の行年を指し、勝光午は丈夫の天盤上の行年を指す——これは天盤の行年に就いて論を立つる別の一説である。「午上、功曹・子伝」とは、丈夫の行年の午の上に「功曹」寅を見、妻子の行年の子の上に「伝送」申を見ると言うのである。
遞相傷殘更何安,子水本來先克午。子上申金怕勝光,午上功曹怕申克。此為始終互相殘,金盆覆水皆斯類。玉軫音悲是斷絃,解離夫妻行年上。神將相剋互相殘。此課不干四課三傳事,但夫妻行年相剋者也。若無刑損,或夫有外妻,妻有外夫也。
彼此傷残し、何れの処にか能く安寧あらんや。子水はもともと先に午火を克し、子上の申金はまた午火すなわち勝光の来りて克するを怕り、午上の寅木すなわち功曹はまた申金の来りて克するを怕る。これをすなわち始より終に至るまで互いに残害すると呼び、金盆の裏の水が一たび傾きて覆り、再び収め得ざるに譬え、また玉琴の轸柱が悲音を発するに譬える——まさに断弦の兆である。解離はただ夫妻両人の行年の上を看るのみで、神と将とが互いに克戦し、彼此摧残するかを見る。この課は四課・三伝と関わりなく、単に夫妻の行年が相克するか否かを看る。たとい刑傷・損折なくとも、また丈夫に別に外室あり、妻子に別に外心あるを主る。
夫行年 丑 寅 卯 辰 子 巳 亥 午 戌 酉 申 未 妻行年
これは上文に配合する行年図である。外圈は地盤の十二支に按じて方形に排し、丑・寅・卯・辰より巳・午・未・申・酉・戌・亥・子へと首尾が相接する。図の上に分かちて「夫行年」と「妻行年」を注するは、すなわち夫妻両人の各自の行年をこの十二位の上に安んじ、さらに両位の上の天盤の神が彼此に克戦あるか無かを看て、以て解離するか否かを定める。
《畢法》真解離卦者,謂干克支上神,支克干上神。或夫婦行年又值此者尤的。此時占人必占解離事。已後例內唯詳空亡而言之,則小畜九三輿說輻,夫妻反目不能正室也之凶象。
『畢法』に曰く、真の解離卦とは、日干が日支の上の神を克し、日支がまた日干の上の神を克するものである。もし夫妻の行年もまた正にこの種の互い克する上に落ちれば、断法はいっそう確切である。この時、来りて占問する人は、問う所は必ず夫妻の離異の事である。以後の各例の中、たださらに空亡の如何を細看すれば、便ち定奪し得——総じて『小畜』卦九三の「輿、輻を説き、夫妻反目す」——車輪が輻条を脱し、夫妻が反目して家室を正しうる能わざるの凶象に応ず。
辰 申 子 申 辰 戌 午 辰 子 午 甲 酉 戌 亥 子 申 丑 未 寅 午 巳 辰 卯 女行年 男行年 甲子日干上午,甲木克支上辰土,子水克干上午火。男行年三十五在子,女行年三十一在寅。
これは『畢法』の挙ぐる真の解離課盤である。甲子日に、天盤の各神は地盤より四位進む。甲の寄宮は寅にあり、地盤の寅の上に午を得る——第一課の午が甲に加わる。午の上に戌を得る——第二課。日支の子の上に辰を得る——第三課の辰が子に加わる。辰の上に申を得る——第四課。辰土が子水を克するは上神の下神を克するなので、辰を取って発用とし、中伝は申、末伝は子である。日干の甲木が日支の上の辰土を克し、日支の子水がまた日干の上の午火を克するは、まさに两下交克の解離の象である。図の下に男子の行年三十五歳は子に在り、女子の行年三十一歳は寅に在りと注明し、外圈は酉・戌・亥・子より順次環列するは、すなわち両人の行年を安ずる地盤である。
甲午日干上酉、支上丑,甲戌日干上亥、支上未,甲辰日干上亥、辰上丑,乙亥日乙上午、亥上丑,戊辰、壬辰、辛丑、庚戌並干上子,丁卯日干上丑,乙酉日乙上寅,辛酉日辛上卯,癸卯、己卯日干上辰,丙午日干上申,辛巳日辛上申,丁亥日干上巳,乙巳日乙上酉,癸未日干上亥。
以下さらに各日の解離を構成する干支の配合を列す。甲午日は干上に酉を見、支上に丑を見る。甲戌日は干上に亥を見、支上に未を見る。甲辰日は干上に亥を見、支上に丑を見る。乙亥日は乙の寄宮の上に午を見、亥の上に丑を見る。戊辰・壬辰・辛丑・庚戌の四日はいずれも干上に子を見る。丁卯日は干上に丑を見る。乙酉日は乙の上に寅を見る。辛酉日は辛の上に卯を見る。癸卯・己卯の二日は干上に辰を見る。丙午日は干上に申を見る。辛巳日は辛の上に申を見る。丁亥日は干上に巳を見る。乙巳日は乙の上に酉を見る。癸未日は干上に亥を見る。およそこれらの配合に合するは、みな解離に按じて取断する。
蕪淫與解離之所以分者,蕪淫乃干支上神互克下,解離乃干支互克上神。至於年命互克,則同取。
蕪淫と解離の分別は、蕪淫は干上神と支上神とが各々下に向かって日干・日支を克し、解離はすなわち日干と日支とが各々上に向かって対方の上神を克するに在る。両人の年命が互いに克戦するのこの一条に至っては、両課ともに同じく取用する。
《曾門》夫妻行年在上相剋,在下相賊。夫以陽年為始,陰年為終。妻以陰年為始,陽年為終。終始相生,為和合。終始相剋,為俱解。是謂無陰,天地解離,各有他心。
『曽門』に曰く、夫妻の行年は、天盤の上で相克し、地盤の下で相賊する。丈夫は陽位の行年を以て起始と為し、陰位の行年を以て終結と為す。妻子は陰位の行年を以て起始と為し、陽位の行年を以て終結と為す。始と終とが彼此相生するは、和合を主り、始と終とが彼此相克するは、両人倶に離るるを主る。これをすなわち「無陰」と呼び、天と地とが各々離析し、両人は各々別の心思あり。
《定章》曰:夫年立甲午,妻年立壬子。登明臨午,上克下。太乙臨子,下賊上。妻之陽年神后克午。此時天地解離,各有他心。所謂無陰者,無子孫也。天地解離者,言陽年為天上,陰年為地下。今登明加午上克下,太乙臨子下賊上,故曰在上相剋,在下相賊。
『定章』に曰く、丈夫の行年は甲午に立ち、妻子の行年は壬子に立つ。「登明」亥が午の上に圧するは、上神の下神を克するなり。「太乙」巳が子の上に圧するは、下神の上神を賊するなり。妻子の陽位の行年「神后」子がまた丈夫の午を克す。この時、天地は解離して、両人は各々異心を懐く。いわゆる「無陰」とは、子嗣なきを説く。いわゆる「天地解離」とは、陽位の行年は天上に属し、陰位の行年は地下に属すを説く。今や登明亥が午の上に加わって下を克し、太乙巳が子の上に臨んで下に賊せられるので、在る上に相克し、在る下に相賊すと曰うのである。
夫以陽年為始者,言天上勝光也。妻以陰年為始者,言地盤神后也。以神后制天上勝光,為始相剋。夫以陰年為終者,言地盤勝光也。妻以陽年為終者,言天上神后也。以神后制地盤勝光為終相剋也,故曰俱解。始為上,終為下,上下相剋,為刑傷;上下相生,為和合。
いわゆる丈夫は陽位の行年を以て始と為すとは、天盤上の「勝光」午を指し、妻子は陰位の行年を以て始と為すとは、地盤上の「神后」子を指す。地盤の神后を用いて天盤の勝光を制する——これがすなわち「始相克」である。丈夫は陰位の行年を以て終と為すとは、地盤上の勝光午を指し、妻子は陽位の行年を以て終と為すとは、天盤上の神后子を指す。天盤の神后を用いて地盤の勝光を制する——これがすなわち「終相克」なので、夫妻倶に離るると曰う。始は上と算え、終は下と算える。上下相克すれば刑傷を主り、上下相生すれば和合を主る。
正月午時占,夫年立酉,妻年立亥。夫以陽年為始,天上從魁。妻以陰年為始者,年上神天罡也。從魁與天罡相生,為始吉。夫以地盤年上神為終者,功曹也。妻以陽年為終者,天上登明也。寅與亥相生為終吉,主夫妻和合也。 夫 年 戌亥子丑 酉 寅 後夫年 申 卯 未午巳辰 妻 后 年 妻 年
例を挙げれば、正月の午時に占い、丈夫の行年は酉に立ち、妻子の行年は亥に立つ。丈夫は陽位の行年を以て始と為し、天盤上は「従魁」酉である。妻子は陰位の行年を以て始と為し、彼女の年上の神は「天罡」辰である。辰土は酉金を生じ、従魁と天罡と相生するので、起始は吉と為す。丈夫は地盤の年上の神を以て終と為し、正月の亥将を午時に加えれば、地盤の酉の上に寅を得るは、「功曹」である。妻子は陽位の行年を以て終と為し、天盤上は「登明」亥である。亥水は寅木を生じ、寅亥はまた六合なので、終結もまた吉で、夫妻の和合を主る。図の中の外圈は戌・亥・子・丑より順次環列するは、行年を安ずる地盤である。旁らに「夫年」は酉に在り「後夫年」は寅に在り、「妻年」は亥に在り「後妻年」は辰に在りと注するは、指す所は両人の行年およびその上神の落つる所の位である。
孤辰寡宿
《心鏡》居天寡宿地孤辰,發用須依六甲旬。欲識空亡何宿定,甲戌旬中用酉申。甲戌旬中胃昴畢觜參為寡宿,居天上也。申酉為孤辰,在地下也。占人孤獨離桑梓,財物虛無伴不親。官位遇之須改動,出行訪謁無親人。所問百事皆無實,卒遭官司不害身。久病亦畏空亡。
『心鏡』に曰く、天盤の上に落空するを「寡宿」と呼び、地盤の上に落空するを「孤辰」と呼び、発用の神が孤か寡かは、須く値する所の六甲旬に依って以て定むべし。何れの一処が空亡で、何れの幾宿に由りて標定するかを知らんと要すれば、すなわち甲戌旬を看よ——甲戌旬の空亡は酉・申の両位に在る。甲戌旬の裏、胃・昴・畢・觜・参のこの幾宿は正に空処に当たるは、天上の寡宿で、申・酉の两支が落空するは、地下の孤辰である。人を占えば、孤单独処し故郷を遠離するを主り、財物は虚にして実ならず、身の辺りに親近の伴侶なし。官位を占いてそれに遇えば、必ず調動を要し、出門して人を訪えば、親故を尋ね着かない。問う所の百般の事情はみな落実せず、縦に突然官司を喫するも、倒に身を傷つけない。久病の人もまた最も空亡を怕る。
《袖中金》地盤空亡為孤辰,天盤空亡為寡宿。蓋十干不到之地,五行脫空之鄉,能減凶禍,主人孤獨離鄉背井也。春巳午孤、子丑寡,夏申酉孤、卯辰寡,秋亥子孤、午未寡,冬寅卯孤、酉戌寡。此二卦各看發用。如春占巳午發用,即孤辰卦;子丑發用,即寡宿卦。餘例仿此。總屬親情離散之象。若有奇儀三光等救神者反吉。
『袖中金』に曰く、地盤の上に落つる空亡を孤辰と呼び、天盤の上に落つる空亡を寡宿と呼ぶ。空亡は十干旬の中に排び到らざる所で、五行はここに至りて脱落して空を成すので、それは凶禍を減軽し得れども、人の孤单独処・離郷背井を主る。四季に別に一套の孤寡あり——春は巳・午を以て孤と為し、子・丑を以て寡と為し、夏は申・酉を以て孤と為し、卯・辰を以て寡と為し、秋は亥・子を以て孤と為し、午・未を以て寡と為し、冬は寅・卯を以て孤と為し、酉・戌を以て寡と為す。この両卦は各々発用の神を看て以て定む。たとえば春に巳あるいは午の発用を占えれば、すなわち孤辰卦で、子あるいは丑の発用なれば、すなわち寡宿卦で、その余はこれに照らして類推す。総じて帰す所はみな親情の離散の象に属し、もし課の中に三奇・六儀・三光のこの類の救神あれば、かえって転じて吉と為る。
《訂訛》孤寡,旬中孤寡有三:發用值旬空,陽空為孤,陰空為寡,一也。發用地盤空為孤,天盤空為寡,二也。發用空為孤,末傳空為寡,三也。四時孤寡有二,如春以巳為孤,丑為寡等,一也;春又以生我之水絕神在巳為孤,我克之土墓神在辰為寡,二也。十干不到之地,五行藏脫之鄉,前去後空,陰惆陽悵,所謂孤辰寡宿,故名孤寡。
『訂訛』に辨明する——孤寡には旬中と四時の两套あり。旬中の孤寡には三種の取法あり。一つは発用の神が正に本旬の空亡に値し、陽支が空に落つるを孤と為し、陰支が空に落つるを寡と為す。二つは発用が地盤の空処に落つるを孤と為し、天盤の空処に落つるを寡と為す。三つは発用が空に落つるを孤と為し、末伝が空に落つるを寡と為す。四時の孤寡には両種の取法あり。一つは春に巳を以て孤と為し丑を以て寡と為すのこの類の季節に按じて位を定むるがごとき。二つは春は木に属し、我を生ずる水は巳に絶するので巳を孤と為し、我の克する所の土は辰に墓するので辰を寡と為す。空亡はもともと十干旬の中に排び到らざる所・五行の藏匿脱落の郷で、前に往く一歩は去、後に退く一歩は空、陰も惆悵し陽も悵然たり——これがすなわちいわゆる孤辰寡宿で、因而に合わせて孤寡と称す。
占主孤獨,離鄉背井,官易位,財空手,婚斷絃,孕虛有,出入防盜。日辰無氣最凶。孤辰,父母災,亦主離宗棄祖。寡宿,妻子離,六親叛。如旬孤寡又並四時孤寡,為空孤空寡,更凶。凡值空亡,憂喜皆不成,託人多詐。謀望近事,出旬可圖,遠事終難。時空事亦難成。或中傳空為斷橋折腰,主事中止難就。或中末俱空,為移遠就近,動中不動,尋遠人即在近也。初中空推末傳,中末空取初傳,以不空者斷吉凶。新病空病,久病空人,吉空反凶,凶空反吉。
この課は人事の孤单にして依るなく、多く離郷背井を要するを主る。項ごとに分かちて説けば、官職を問えば、職位の変動・旧位の守りがたきを主る。銭財を問えば、財路の落空・終に両手空空たるを主る。婚姻を問えば、姻縁の断絶し、琴の弦の中折するがごときを主る。胎孕を問えば、虚に其の形有りて結胎成りがたきを主る。出入・行走はまた盗賊を提防せねばならない。日干日支がもしまたともに月令に逢うて気なければ、凶険は最も重し。孤辰が発用すれば、父母に災あるを主り、また宗族を離れ祖業を拋棄するを主る。寡宿が発用すれば、妻子の離散・六亲の背棄するを主る。旬中の孤寡がさらに四時の孤寡に撞当すれば、空孤空寡と呼ばれ、凶の上に凶を加う。およそ「空亡」(一旬に十干のみ有りて十二支に配せねばならず、余る二支は配る干なき、すなわち旬空・空亡)に遇えば、憂うるも喜ぶも実処に落ちず、人に托して事を弁ずれば多く欺瞞に遇う。近期の事を謀れば、本旬を出でてなお指望あり、遠期の事を謀れば、終に成りがたし。占時が空に落ちれば、事は同じく弁じがたし。もし「三伝」(課を起こし推し得る初伝・中伝・末伝の三歩)の裏に中伝が空に落ちれば、名を断橋折腰といい、事が中途に至りて停摆するを主る。中末の両伝が倶に空なれば、名を移遠就近といい、動くに似て実は未だ動かず、遠人を尋訪すればかえって近在眼前にあり。初中の両伝が空なればすなわち末伝を推し、中末の両伝が空なればすなわち初伝を取り、落ち空せざるあの一伝を用いて吉凶を断ず。新たな病は空に遇えば、空くるは病で、久しき病は空に遇えば、空くるは人である。吉事が空に逢えばかえって凶を成し、凶事が空に逢えばかえって吉を成す。
此課大端不吉,或遇三奇六儀為救神,及遇太歲、月將、月建,為孤寡再醮。又今日所坐位值孤寡為用,曰孤寡得位。如庚日用申是也。皆主反禍為福,事前破後成。日辰年命不論空。又有純空反實,或遇歲月日時沖起為逢沖暗動,禍福皆成。
孤寡のこの類の課体は大体不吉である。もし課の中に三奇・六儀の一類の救神に遇うか、あるいは太歳・「月将」(当月の太陽の臨む所の地支で、課を起こす時に占時の上に加う)、月建に碰上れば、孤身の人が再度親を成すがごとく、境遇はこれに随いて転じて好し。またたとえば日干の坐する所の位がちょうど孤寡の神で、しかもこの神がまた取られて発用と為されば、孤寡得位と称し、庚日に申を取って初伝と為すは便ち一例である。以上の両種はいずれも禍を転じて福と為し、事が先に破して後に成るを主る。日干・日支と本命・行年のこの幾処は、落空に按じて論断せず。別に純空にして反って実なるの一説あり——もし太歳・月建・日辰・占時に冲動せられれば、逢冲暗動と呼ばれ、然らばすなわち吉なるべきは吉・凶なるべきは凶で、禍福はみな応験せん。
『観月経』孤辰卦 名は孤雁出群
元課孤辰卦,四時辰上推。冬北亥子丑,寅卯的孤危。南方巳午未,申酉是孤夷。春三寅卯辰,孤在巳午題。秋天申酉戌,亥子作孤推。父子分離析,夫妻有生離。忽然諸卦救,禍滅福相隨。前孤後是寡,骨肉縱睽違。
『観月経』が孤辰卦を講ずる歌訣に曰く、本課は孤辰の一格に属し、須く四季の当値する地支に按じて上に推すべし。冬に当値するは北方の亥子丑の三支で、然らばすなわちそれらの前の寅卯の両位が便ち孤辰の在る所で、最も危険である。夏に当値するは南方の巳午未で、然らばすなわち申酉の両位が便ち孤辰である。春季は寅卯辰に当値し、孤辰は便ち巳午に標じ、秋季は申酉戌に当値し、孤辰は便ち亥子に推す。この卦を占えば、父子の分居・離散を主り、夫妻は生きながらも分かれん。もし忽然として別の課体あるいは吉神の来りて救う有れば、災禍は便ち消解して、福気は随いて至らん。さらに記取すべし——当値の支の前の一位は孤辰、後の一位は寡宿で、この両位を占えば、骨肉の至亲は縦に強いて相守するも、終に乖違せん。
寡宿卦 久病は空亡を畏る
前言說孤辰,此卦論寡宿。仿象孤辰推,在後相驅逐。冬月申酉戌,發用無骨肉。夏天寅卯辰,親情不和睦。秋來午未占,春遇子丑宿。吉凶與孤同,有救禍反福。
上の一段の説く所は孤辰で、この一卦の説かんと欲する所は寡宿である。推法は孤辰に仿照し、ただ位置を当値の地支の後の一位に改め、影の形に随うがごとく後ろに跟う。冬月の裏に申酉戌が取られて発用と為るは、骨肉の零落して依るなきを主り、夏天の裏に寅卯辰が発用すれば、親情の失和を主る。秋天に卦を占いて午未を見、春天に卦を占いて子丑を見るは、いずれも寡宿の当値である。その吉凶の断法は孤辰と同じく、もし課の中に救解する救神あれば、災禍はかえって福気に転成し得る。
度厄課
凡四課內三上克下,或三下賊上,為度厄課。蓋上為尊,下為卑。三上克下,則長欺幼,勢必遭厄,為度厄。三下賊上,則長不正,幼乃凌長,為度厄。占者家宅欠利,老幼見災。統剝之體,乃六親冰炭之課也。
およそ「四課」(日干と日支とを用いて各々天盤の神に配し、四組に排して上下相い畳む神位を成す、六壬の課を起こす基本の盤面である)の中に三課が上神の下神を克するか、あるいは三課が下神の上神を賊するかは、すなわち度厄課と呼ぶ。四課の裏、上の一位は尊長を代表し、下の一位は卑幼を代表する。三処の上が下を克するは、尊長が幼小を欺圧し、幼小は勢い必ず難に遭うので、度厄と呼ぶ。三処の下が上を賊するは、尊長が事を行うに正しからずして、幼小を致し反って尊長を欺凌せしむるで、同じく度厄と呼ぶ。この課を占えば、家宅は順わず、老人・小孩はみな災を見ん。それは統ねて『剥』卦の卦体に属し、一副の六亲の間の水火容れざる課である。
象曰:事憂老幼,患病重來。家門不吉,骨肉尤乖。出軍失利,行者多災。類神旺相,禍去福來。如發用陽神乘凶將,主伯叔尊長有災。陰神主姑姨幼小有災。當應剝不利攸往之象。日用旺相乘吉將,主幼得長力,長得幼力,則應上九君子得輿之象。
断辞に曰く、憂うる所の事は老人・小孩の身の上に出で、旧病はまた再び犯さん。家門は安寧ならず、骨肉の間は格外に乖違す。兵を出だし戦を作すは利あらず、出門して路を趕る人は多く災あり。占う所の事の類神が旺相の地に転ずるを待ちてこそ、災禍はやっと退去して福気はやっと到来せん。仮に発用が陽神にして凶将に乗れば、伯父・叔父の一輩の尊長に災あるを主り、発用が陰神なれば、すなわち姑母・姨母と小輩とに災あるを主る——正に『剥』卦の往く所あるに宜しからざる象に応ず。反って、もし日干と発用とがともに旺相に居り、また吉将に乗れば、すなわち小輩が長輩の助力を得、長輩もまた小輩の助力を得るを主る——正に『剥』卦上九爻の君子が輿を得の吉象に応ず。
如甲子日丑時申將占,三上俱克下,為幼度厄課。 寅白 酉朱 辰元 白 貴 元 朱 寅 未 辰 酉 未 子 酉 甲 子丑寅卯 亥 辰 戌 巳 酉申未午
例を挙げれば、甲子日の丑時に占い、申将を用い、四課の中に三課がともに上神の下神を克するので、幼度厄課と定む。下面のこの幅の課盤は原刻に照らして保留し、その読法はこのごとし——最も下の方框は天地盤で、外框の十二格は巳午未申・酉戌・亥子丑寅・卯辰の次序に依りて固定して地盤と為し、框の内に列する所はすなわちその上に加臨する天盤の十二神である。申将を丑時の上に加えれば、天盤は便ち整体に七位を挪動す。中間の三行は右より左へ四課で、下の一字は下神、上の一字は上神、頂上の一行は乗る所の天将である。第一課は酉が朱雀に乗って甲に加わり、第二課は辰が玄武(刻本は諱を避けて「元」と写す)に乗って酉に加わり、第三課は未が「貴人」(天乙貴人、十二天将の首、尊長の提携を主る)に乗って子に加わり、第四課は寅が「白虎」(道路・疾病・死喪を主る凶将)に乗って未に加わる。酉金が甲木を克し、未土が子水を克し、寅木が未土を克するは、まさに三処の上が下を克するである。最も上の三行は上より下へ三伝で、初伝は寅が白虎に乗り、中伝は酉が「朱雀」(口舌・文書を主る将)に乗り、末伝は辰が「玄武」(盗賊・陰私を主る将)に乗る。
又如壬申日子時未將,占三下俱賊上,為長度厄。 午元 丑朱 申白 青 貴 朱 元 戌 卯 丑 午 卯 申 午 壬 子丑寅卯 亥 辰 戌 巳 酉申未午
さらに一例を挙ぐれば、壬申日の子時に占い、未将を用い、四課の中に三課がともに下神の上神を賊するので、長度厄課と定む。盤の読法は前の一例と同じである。四課は右より左へ、午が壬に加わる(壬の寄宮は亥に在る)、丑が午に加わる、卯が申に加わる、戌が卯に加わり、依次に玄武・朱雀・貴人と「青竜」(財喜・進益を主る吉将)に乗る。壬水が午火を克し、申金が卯木を克し、卯木が戌土を克する——三処ともに下面が反って上面を克するは、まさに卑幼が尊長を凌犯する象である。三伝は上より下へ午・丑・申で、初伝の午は玄武に乗り、中伝の丑は朱雀に乗り、末伝の申は白虎に乗る。
『訂訛』
度厄,三上克下曰幼度厄。三下賊上曰長度厄。三上克下,主卑小有厄難,故曰幼度厄。三下賊上主尊上厄難,故名長度厄。占主家門不吉,骨肉乖離。幼度厄,若子孫發用,凶神入墓,卑者更凶。長度厄若父母發用,凶神入墓,尊者更凶。若仕者占,主事從鄰邑發動,山雀合群,同氣相親之兆也。神將吉,因動成喜。神將凶,面合心離,或反有暗害,或與刑殺並及旺相氣,凶易成。若與德合併,不能害也。
『訂訛』は度厄課の名目を辨析す——三処の上神が下神を克するを幼度厄と呼び、三処の下神が上神を賊するを長度厄と呼ぶ。前者は尊長が卑幼を圧制し、難を受くるは小輩なので、幼度厄と称す。後者は卑幼が尊長を冒犯し、難を受くるは長輩なので、長度厄と称す。この課を占えば、家門は安からず、骨肉は彼此乖離す。もし幼度厄にして、子孫の一類の神が取られて発用と為され、また凶神が墓庫に落ち入れば、然らばすなわち小輩の凶険はいっそう重し。もし長度厄にして、父母の一類の神が取られて発用と為され、凶神が墓に入れば、然らばすなわち長輩の凶険はいっそう重し。官を為す人がこの課を占えば、事が隣近の州県より発動するを主り、山雀の群を成すに譬え、同類相亲・声気相求の兆頭である。この時、乗る所の神将がもし吉なれば、すなわちこの番の動作に因りて喜事を成し、神将がもし凶なれば、すなわち表面は和合して内裏は心を離れ、甚だしくは暗中に害を受くるに至る。倘若さらに刑・殺と同じく并し、また旺相の気に逢えば、凶事は坐実し易し。ただ徳神・合神と同じく并すれば、凶は人を傷害し能わず。
此二課同下二課俱以比者為用,俱不吉,然有救又不以凶斷。如火克金則水為救之類。
度厄のこの両種の課式は、下文に講ぜんとする無禄・絶嗣の両課と連なり、いずれも比用の法を用いて初伝を取り、すなわち幾つかの克を受ける神の裏に、日干と陰陽の属性の相同じきあの一つを挑ぶ。四者はいずれも吉利ならざれども、ただ課の中に別に救神あれば、一味に凶に按じて断ずること能わず。いわゆる救神とは、たとえば課の裏は火の来りて金を克するにして、別に水神の火を制し得るあれば、水はすなわち金の救神である。
『観月経』
三上來臨下,根源長幼推。四課之中三上克下是長幼卦也。子孫先發用,小者必低蕤。甲乙日用起火神發動也,是子孫低蕤不利之一名也。父母相臨用,凶神入墓悲。甲乙日水神發用,是父母應也。土神發用是妻財,木神發用是比和兄弟。此看三傳末,諸卦總如斯。諸卦入生、入死、入墓、吉凶,在重審卦註定也。
『観月経』の歌訣に曰く、三処の上神が下神に圧臨するは、事の根由は須く長輩・幼輩の関係の上に推求すべし。注文は解釈す——四課の中に三課の上が下を克するは、すなわち長幼卦である。歌訣にまた曰く、もし子孫の一類の神が先に取られて発用と為れば、小輩は必ず衰頹・不振である。注文は例を挙ぐ——甲乙は木に属し、火神を以て発動せば、火は木の生ずる所で、正に子孫なり、これをすなわち子孫の低蕤・不利と呼ぶ。歌訣にさらに曰く、もし父母の一類の神が臨みて用と為り、また凶神の墓に入るを見れば、すなわち悲しむ可し。注文に曰く、甲乙日に水神を以て発用せば便ち父母の事に応じ、土神を以て発用せば便ち妻財で、木神を以て発用せば便ち同類の兄弟である。歌訣の末句に曰く、これらはみな三伝の末伝に連ねて一併に看るべし、各種の課体は大抵このごとし。注文は補充す——各課の生に入る・死に入る・墓に入るの分別と吉凶の断法は、已に重審卦の一節の裏に定められたり、参看すべし。
度厄卦
三下制其上,六親竟不虞。事還同長幼,凶即暗嗟吁。今日何神發用,親情與長幼卦同也。生氣逢歡樂,休囚下淚珠。五行皆如此,消息要工夫。三傳入生則歡樂,入死墓為憂愁。凡五行務要精熟,災福自然見也。
『観月経』に度厄卦を説く——三処の下神が上神を制伏し、六亲の間は竟に意表に出でて生変するに至る。断法は依旧として長幼卦と同じく、凶事が一たび来ればただ暗自に嘆息するのみ。注文に曰く、今日が何れの一神の取られて発用と為るかを看て、これに拠って親属の所属を定むるは、弁法は長幼卦と相同じ。歌訣にまた曰く、発用が生気に逢着すれば便ち歡楽あり、休囚の地に落ちればすなわち涙を落とさん。五行の推法はみなこの道理で、その中の消長・盈虚は一番の功夫を下さねば掌握し能わず。注文は点明す——三伝が生地に入れば歡楽し、死地・墓庫に入れば憂愁す。ただ五行の生克を純熟に練れば、災禍と福気は自ずから一望に知る可し。
『袖中金』
三上克下為長幼,三下賊上為度厄。長幼不利於小,度厄不利於大。再詳神將吉凶,有救無救酌而用之。
『袖中金』は別に一套の名目を立つ——三処の上神が下神を克するを長幼と呼び、三処の下神が上神を賊するを度厄と呼ぶ。長幼の一格は小輩に対して不利で、度厄の一格は長輩に対して不利である。課を断ずる時はまた乗る所の天将の吉凶、および課の中に救神あるか無かを細看し、斟酌してのちに判語を下すべし。
無禄絶嗣課
凡課四上俱克下,為無祿課。蓋日神陰陽俱相剋,不得其所,不免投辰上兩神,辰上陰陽又相剋,則無所投之路,占者多主孤獨。如四上俱克下,為無祿格。主庶人不祿,有官罰職,輕者罰俸,重則削職。蓋以上制下,臣子受殃,屈者難伸,對敵利客,訟宜先起者勝。惟火多克金,有水可救。其課統否之體,乃上下僭亂之課也。
およそ四課の上神が全部下神を克するを、すなわち無禄課と呼ぶ。日干のこの辺の陽神・陰神がともに克制に遭い、身を安ずる処なく、好まずして日支の上の両神に転投せざるを得ず、偏に日支の上の陰陽両神もまた同じく相克して、ここにおいて投奔の路まで断たれ、占う人は多く半ば孤苦・無依である。四課の上神が全て下神を克すれば、便ち無禄格である。それは平民・百姓が衣食・生計を失い、官を為す者は処罰を受けるを主り、軽ければ俸禄を扣罰せられ、重ければ職務を革去せらる。一味に上を以て下を圧するがため、臣子は殃を受け、冤を含む人は申弁しがたい。両軍が対壘する時は客方に利あり、官司を打てばすなわち先に手を動かして告げる一方が勝を得る。ただ火多く金を克するのこの一種のみ、なお水に頼って解救し得る。この課は統ねて『否』卦の卦体に属し、一副の上下失序・強を以て弱を凌ぐ課である。
象曰:上克無祿,下克絕嗣。君臣悖逆,父子分離。求謀不遂,動作多疑。三傳有救,方免災危。如神將凶,則應六三包羞凶象。神將吉有救神,則應上九先否後喜之象也。
断辞に曰く、四課の上神が全て下神を克するを無禄と呼び、四課の下神が全て上神を克するを絶嗣と呼ぶ。かような盤面は、君と臣とが互いに背き離れ、父と子とが彼此分散し、求謀する所有れば如く能わず、一挙一動みな疑慮・重重なり。必ず三伝の中に別に救神あってこそ、災禍・危難を免れ得る。もし乗る所の神将が凶悪なれば、すなわち『否』卦六三爻の羞を含み辱を受くるの凶象に応じ、もし神将が吉利にしてまた救神あれば、すなわち上九爻の先に閉塞して後に喜に転ずるの吉象に応ず。
如三月己巳日寅時酉將占,四上俱克下,為無祿格。 酉蛇 辰常 亥六 后 勾 蛇 空 未 子 酉 寅 子 巳 寅 己 子丑寅卯 亥 辰 戌 巳 酉申未午
例を挙げれば、三月の己巳日の寅時に占い、酉将を用い、四課の上神が全部下神を克するので、無禄格と定む。課盤の読法は前面の各例と同じである。四課は右より左へ、寅が己に加わる(己の寄宮は未に在る)、酉が寅に加わる、子が巳に加わる、未が子に加わり、依次に「天空」(虚詐・不実を主る将)・螣蛇・勾陳・天后に乗る。寅木が己土を克し、酉金が寅木を克し、子水が巳火を克し、未土が子水を克する——四処は全て上が下を克する。三伝は上より下へ酉・辰・亥で、初伝の酉は「螣蛇」(惊恐・怪異を主る将)に乗り、中伝の辰は「太常」(衣食・宴会を主る将)に乗り、末伝の亥は「六合」(婚姻・交易を主る将)に乗る。
凡四下俱賊上,乃為絕嗣之格。乃主小人無禮、暗算、橫災、殃禍,病者死,逃者轉匿,尊長見災,戰鬥利主,訟宜後對。中年多子息,老後主孤獨。
およそ四課の下神が全部上神を賊克すれば、便ち絶嗣格である。それは小人が礼なく上に犯し、暗中に算い計り、横に禍災を生ずるを主る。病人は死に至り、逃亡の人は越えて蔵れること深し、尊長は災殃を見ん。両軍が交鋒すれば主方に利あり、官司を打てばすなわち後に訴えに応ずる一方が便宜を占む。人生の际遇に就いて言えば、中年の時は子女少なからず、老に到りて依然として孤单にして恃むなし。
如正月庚辰日辰時亥將占,四下俱賊上,為絕嗣格。 午白 丑貴 申青 白 朱 六 陰 午 亥 戌 卯 亥 辰 卯 庚 子丑寅卯 亥 辰 戌 巳 酉申未午
例を挙げれば、正月の庚辰日の辰時に占い、亥将を用い、四課の下神が全部上神を賊克するので、絶嗣格と定む。四課は右より左へ、卯が庚に加わる(庚の寄宮は申に在る)、戌が卯に加わる、亥が辰に加わる、午が亥に加わり、依次に「太陰」(陰私・隠蔽を主る将)・六合・朱雀・白虎に乗る。庚金が卯木を克し、卯木が戌土を克し、辰土が亥水を克し、亥水が午火を克する——四処は全て下が上を賊する。三伝は上より下へ午・丑・申で、初伝の午は白虎に乗り、中伝の丑は貴人に乗り、末伝の申は青竜に乗る。
『訂訛』
絕嗣,四上克下,上不容下,而下難自存,故名絕嗣。占主在上無禮,卑小不利,孕傷胎,病易死,占子病必不起,奴婢逃,骨肉散。若旬空發用,來人必主獨身而已。事起男子,兵訟先者勝,凡事動而必靜。
『訂訛』の与える名目は正文とちょうど相反する——それは四課の上神が全て下神を克するを絶嗣と呼び、その理由は上に在る者が下に在る者を容れず、下に在る者は便ち自ら存するに由なきがゆえに、名を絶嗣と為す。この格を占えば、上位に居る人は礼なく、小輩は処処に不利を主る。孕妇は胎を傷め、病人は死に易く、小児の病を占問すれば必ず起ち上がらない。奴婢は逃げ走り、骨肉は離散す。もし発用の神が正に旬空の上に落ちれば、前来りて卜を問う人は多く半ば孤身の一つである。事は男子に由りて挑起し、兵を用い官司を打つはともに先に発動する一方が勝を得る。凡事は動くに似て、最後は必ず静に帰す。
無祿,四下賊上,以下犯上,被上奪祿,故名無祿。占主孤獨失業,多刑傷,病必死,事起女人,兵訟後者勝。凡事靜而必動。此課神將凶,骨肉分離。若神將吉,來意主分財異居。
『訂訛』はまた四課の下神が全て上神を賊するを無禄と呼び、その理由は下を以て上に犯し、かえって上に在る者に禄位を奪い去られるがゆえに、名を無禄と為す。この格を占えば、人は孤单にして生計を失い、屢々刑傷に遭い、病人は必ず死するを主る。事は女人に由りて引起され、兵を用い官司を打つはともに後に応ずる一方が勝を得る。凡事は安静なるに似て、最後は必ず動き出さん。この課の乗る所の神将がもし凶なれば、すなわち骨肉の分離を主り、神将がもし吉なれば、すなわち来た人の来意は多く半ば家産を分かち各々門戸を立てんと欲するにある。
『観月経』無禄卦
四課俱臨下,男鰥女寡孤。三傳如有救,子必勝於吾。四課俱臨下者,為無祿卦。如發用是水神,末傳得金神為救。發用是金神,三傳見土神為救神。吾者,父也,其五行並用,此斷之假令己未日亥將辰時,占四上克下,取比用,酉為金神發用,中傳辰土生金為父,末傳亥水為子,即有救也。雖是無祿卦,不言絕也。
『観月経』の歌訶に曰く、四課の上神がことごとく下神に圧臨すれば、男は鰥夫と為り女は寡婦と為り、孤零にして偶なし。もし三伝の中に救神あれば、児輩の境况はかえって父輩に勝る。注文は解釈す——四課の上神がみな下神に圧臨するはすなわち無禄卦である。仮に発用が水神なれば、末伝に金神を得るは便ち救で、金は能く水を生ずればなり。発用が金神なれば、三伝の中に土神を見るは便ち救神で、土は能く金を生ずればなり。歌訣の裏の「吾」は父輩を指し、五行の生克は連ねて以て推すべし。一個の例を挙ぐれば、己未日に亥将を用い辰時に課を起こし、四課はみな上が下を克し、比用の法に依って初伝を取り、酉のこの金神を得て発用とす。中伝の辰土は金を生ずるは、すなわち我を生ずる父で、末伝の亥水は金の生ずる所は、すなわち我の生ずる子である。これが便ち救あるで、課体は無禄卦に属するも、また絶嗣と断ずる能わず。
首尾俱相制,臨年子失途。切須看用數,到老不如無。臨年老也。首尾,初末傳。若今日發用上其神子水,終傳復見土神,此道尾相制也。假令午將甲寅日未時占,神后臨丑,下克上為用,是首制也。終傳河魁土是尾制也。其神子水欲前就功曹為子,又下被大吉怒之,後欲親從魁為母,又被天魁戌土上降殃禍,此占人必災也。
歌訣にまた曰く、初伝・末伝の両頭はともに克制を受け、晚年に到りては、子嗣もまた走り投ずる路なし。務めて発用の位置と次数を細看せよ、否、則ち老いて活くるも后人なきに如かず。注文は解釈す——「臨年」は年老を指し、「首尾」は初伝と末伝を指す。仮に今日の発用が子水で、末伝にまた土神を出現せば、これは便ち首尾が一斉に制を受けるである。例を挙げて言えば、甲寅日に午将を用い未時に課を起こし、神后(子の別名)が丑の上に臨み、下神が上神を克して取られて発用と為る——これは頭の一処の制を受くるである。末伝の河魁(戌の別名)は土に属して来りて水を克す——これは末の一処の制を受くるである。子水はもともと前に向かい功曹(寅の別名)に投奔して子孫と認めんと欲するも、大吉(丑の別名)に下頭に攔えられて怒を発し、回頭して魁星に親しみて母親と認めんと欲するも、また戌土に上頭より降りて禍殃を来されん。前後に路なく、占う人は必ず災あり。
『心鏡』
四課上神俱克下,法式嚴時不可論。四上克下即法令嚴加,有屈不得伸雪也。臣子受殃從此起,無祿如何獨處尊。占人孤老誰扶侍,空室窮人豈得存。官門競訟必當罪,對者應知理不伸。
『心鏡』に曰く、四課の上神がことごとく下神を克するは、正に法令の森厳なる時に当たり、理あれども申説するに従うなし。注文は点明す——四課の上が下を克するはすなわち法網の加密に等しく、冤を含む人は昭雪を得られない。歌訣に続けて曰く、臣下と子弟の禍殃は此より起こり、既に禄を失いて、また怎能く尊位を独り享けんや。占う人は老に到りて孤身の一人、誰に依りて扶持・侍奉せられん。空屋の中は一貧如洗して、また何を以て活き去らん。官府の裏に争訟すれば必ず罪を獲、出でて対質する一方は須く自ら理あれども伸ばし出づる能わざるを知るべし。
『袖中金』
無祿,四上克下。絕嗣,四下賊上。上下之分,貴於忠恕。四下賊上,是無其尊,為不忠矣。四上克下,是不容其下,為不恕矣。若得此體,則主奴婢散失,子孫他之孤子空室。上不能保其祿位,下不能友其妻子,不友不親不弟不義之恥焉。又曰,無祿主動而必靜,室家孤獨,病不久退官事不妨;囚者脫,逃者獲,凡事宜先舉者。絕嗣主靜而必動,小人犯上無禮之兆,暗橫災殃,病者易死,逃者轉匿,凡事宜後施者。
『袖中金』に曰く、四課の上が下を克するを無禄と呼び、四課の下が上を賊するを絶嗣と呼ぶ。上下の間の分際は、最も忠と恕の両字を重んず。四課の下が上を賊するは、眼の中に尊長なし、これをすなわち不忠と呼ぶ。四課の上が下を克するは、卑幼を容れず、これをすなわち不恕と呼ぶ。かような課体を占えば、奴婢の走散・子孫の他乡に流落し、ただ孤児が空屋を守るを残すを主る。上に在るは自らの禄位を保つ能わず、下に在るも妻子・児女を顧みる能わず、不友愛・不親睦・不悌順・不合宜の恥辱に落ち得る。書の裏にまた曰く、無禄の一格は動を主りて終に静に帰し、家の中は孤单・冷落し、病は久しからずして退き、官司もまた碍する事なし。牢の裏に関められた人は身を脱し得、逃げ去った人は捉え帰られ、凡事は先んじて発動するに宜しい。絶嗣の一格は静を主りて終に動に帰し、小人の上に犯して礼なき兆頭で、暗中に災殃を横に生じ、病人は死に易く、逃亡の人は越えて蔵れること深く、凡事は後に発して人を制するに宜しい。
『曽門』
四上克下名曰無祿,室空無人,老而孤獨,臣子受殃,六親死亡。當此之時,戰鬥客勝,利以先舉。《定章》曰:父以子為下,君以臣為下,夫以婦為下,兄以弟為下,四課皆上克下,是為孤獨。法曰,君欲害臣,父欲殺子,兄欲損弟,夫欲傷妻,主欲害奴,是空室無人也。
『曽門』に曰く、四課の上が下を克するを無休と呼び、屋の裏は空蕩として人なく、老いて孤单、臣下・子弟は殃に遭い、六亲に死亡の事あるを主る。かような盤面に碰上れば、両軍が交戦するは客方の勝を取り、先んじて発動するに宜しい。それの引く所の『定章』に曰く、父は子を以て下と為し、君主は臣子を以て下と為し、丈夫は妻子を以て下と為し、兄は弟を以て下と為す。四課が全て上が下を克するは、すなわち孤独の象である。断法の上に講ずれば、これは君主の臣子を害せんと欲し、父の児子を殺さんと欲し、兄の弟を傷つけんと欲し、丈夫の妻子を害せんと欲し、主人の奴僕を害せんと欲するに等しいので、空屋に人なしと説くのである。
絶嗣卦
四下賊其上,名為絕嗣凶。中年多子息,五旬為中年始有子也。暮歲滅先宗。五十以後主老無子,初傳發用是木,末傳有水為子孫救之也。如末傳見金克木,即主絕後也。假令甲寅日亥將午時占,即四下賊上,取未上子水為比用,子為水神,末傳見戌土克之,又是孤辰無依也。又甲寅日亥將子時占,三傳子亥戌亦是絕嗣。
『観月経』の絶嗣卦の歌訣に曰く、四課の下神がともに上神を賊克するは、名を絶嗣といい、凶課である。中年の時は子女はなお多し。注文に曰く、五十歳を中年と算え、彼の時に至って始めて子を有す。歌訶の下句に曰く、晚年は却って先人の香火を断たんとす。注文は解釈す——五十以後は老いて子なきを主る。仮如初伝の発用が木で、末伝に水あれば、水は能く木を生ずれば、すなわちあれは子孫の来りて救うである。もし末伝に金の来りて木を克するを出現せば、便ち真に絶後を主る。例を挙げれば、甲寅日に亥将を用い午時に課を起こすは、正に四課の下が上を賊し、未の上の子水を取りて比用の法に依りて初伝を作す。子は水に属すれども、末伝に却って戌土の来りてそれを克するを見、また孤辰に逢うは、さらに依拠する所なし。またたとえば甲寅日に亥将を用い子時に課を起こせば、三伝は子・亥・戌で、同じく絶嗣と断ず。
假令己未日亥將午時占,即四下賊上,三傳巳戌卯,初巳火發用,與今日己土比合,中傳戌土為子孫,末傳卯木為父母,不得言絕嗣,為有救也。假令庚申日亥將辰時占,三傳戌巳子,初傳戌土,中傳巳火為母,末傳子水為子,即當頭救神,不得言絕矣。
さらに両個の救ある例を挙ぐ。己未日に亥将を用い午時に課を起こすもまた四課の下が上を賊し、三伝は巳・戌・卯で、初伝の巳火が発用し、火は能く土を生じ、今日の己土と相生・相合す。中伝の戌土は己土の同類で、六亲に按じて子孫と算える。末伝の卯木は能く土を克し、六亲に按じて父母と算える。この一課は絶嗣と断ずる能わず、その中に救あるがゆえなり。またたとえば庚申日に亥将を用い辰時に課を起こせば、三伝は戌・巳・子で、初伝は戌土、中伝の巳火は土を生ずるは、我を生ずる母で、末伝の子水は金の生ずる所は、我の生ずる子である。救神はすなわち頭上に擺れるは、同じく絶後と断ずる能わず。
有救同前例,亦用前例救之也。無醫斷後宗。醫者救也,無醫者絕後也。專看發用類,年月日時逢。此年月日時,元首卦內註定也。
歌訣に続けて曰く、救神あれば前の例に照らして弁ず。注文に曰く、依旧として上文の那幾個の例の弁法に按じて救神を探すべし。歌訣の下句に曰く、医するに医なければ、先人の香火はすなわち断たん。注文は解釈す——「医」はすなわち救で、救神なければ便ち絶後である。歌訣の末句に曰く、もっぱら発用が何れの一類の六亲に属するかを看、さらに太歳・月建・日辰・占時に対照して以て定む。注文は補充す——ここに説く年月日時が怎样に配合するかは、已に元首卦の一節の裏に注明せり、参看すべし。
『心鏡』 先ず失礼を起こす
四課下神俱賊上,絕嗣如何保二親。妻背夫兮奴叛主,子弒父兮臣弒君。孕長為男刑剋子,定是失業孤煢人。事訟切忌於行起,卻被番兮難訴陳。
『心鏡』に曰く、四課の下神がことごとく上神を賊克すれば、既に絶嗣と名づく、また怎能く父母双親を保ち得んや。かような盤面は、妻子は丈夫に背き離れ、奴僕は主人に背叛し、児子は父を弑殺し、臣下は君主を弑殺す。婦人の懐く胎は男孩に長成して、かえって子女を刑克せんとす。占う人は注定して生計を失い孤苦・無依の輩である。訟事に碰上れば、最も自ら先んじて発動するを忌諱し、一旦先に告げれば、かえって対方に翻転せられ、話あれども分説しがたし。
『袖中金』
四上克下為無祿,四下賊上為絕嗣。上下之分貴於忠恕,四下賊上為不忠,四下克下為不恕。
『袖中金』はここに重申す——四課の上が下を克するは無禄で、四課の下が上を賊するは絶嗣である。上下の間の分際は、忠と恕の両字を守るを貴ぶ。四課の下が上を賊するは眼の中に尊長なく、不忠に属す。末句の刻本は「四下克下」と作る——文意に按ずれば応に「四上克下」なるべく、卑幼を容れざるを指し、不恕に属す。
『曽門』
四下賊上名曰絕嗣,亡其先人,後有孤子,戰鬥利主,必不利客。《定章》曰:臣忠君子,孝親為正,今皆下賊上,是為滅絕。法曰,臣害君,子弒父,妻害夫,奴反主。生男則傷父,生女則傷母。經曰:亡其先人是為孤子。此占利居家,不利為客、訪館、訓教子弟。
『曽門』に曰く、四課の下が上を賊するを絶嗣と呼び、先人の門戸の断絶し、身後にただ孤児を残すを主る。両軍が交戦すれば主方に利あり、一定して客方に利あらず。それの引く所の『定章』に曰く、臣子が忠を尽し児女が孝を尽すはこそ正道で、今や四課が全て下が上に犯すは、すなわち門を滅し後を絶つの象である。断法の上に講ずれば、これは臣子が君主を害し、児子が父を弑し、妻子が丈夫を害し、奴僕が主人に反するに等しい。男孩を生めばすなわち父を傷り、女孩を生めばすなわち母を傷る。経文に曰く、先人の門戸が断絶すれば、残るは便ち孤児である。この課を占えば、家に安居するに宜しく、出門して客を作り館に投じて事を謀るに宜しからず、また子弟を教導するにも宜しからず。
迍福課
凡八迍課得五福為迍福課。如死氣為用,旺氣下勝,俯仰丘仇,帶凶將刑害,傳逢墳墓,下賊上,殺臨日辰相剋,為八迍格。用起初死,終旺,子母相生,始凶終吉,年神制初,旺相臨日辰,為五福格。此八凶者為迍,五吉者為福,故名迍福。
およそ八迍課の裏にまた五福を得るを、すなわち迍福課と呼ぶ。いわゆる八迍格とは、発用に取るが時令の死気で、下面にまた旺気に勝たれ、上下の俯仰の間にみな丘墓と仇克に碰上り、また凶将と刑害を帯び、三伝の裏に墳墓の神に遇い、下の上を賊するを出現し、凶殺がまた日干日支の上に臨んでそれと相克するを指す。いわゆる五福格とは、発用が死気に起こって末伝が旺気に帰し、母子の五行が相生し、開頭は凶で結局は吉、太歳の一類の年神が初伝を制住し得、旺相の神がまた日干日支の上に臨むを指す。この八項の凶なるを迍と呼び、五項の吉なるを福と呼び、両者が并せ見るるので、迍福と称す。
蓋時令死氣發用為一迍;下為旺氣所勝為二迍;上見丘墓為三迍;下見仇克為四迍;乘凶將為五迍,帶刑害子為墳墓星,主死亡,為六迍;下賊上為七迍;凶神臨日辰相剋為八迍。若用起死氣,末傳旺相為一福;子逢凶,母帶德解之為二福;始為凶將,終有吉神為三福;初傳見鬼賊,年命剋制為四福;日神吉,臨旺相為五福。占事先凶後吉,統屯之體,乃雷雨解災之神也。
八迍を逐条に列し出せばこのごとし——発用が時令の死気を取るは、第一迍。発用が下頭に在りて旺気に圧し過ごさるるは、第二迍。頭を擡げて丘墓を見るは、第三迍。頭を低れて仇克を見るは、第四迍。発用が凶将に乗るは、第五迍。刑害を帯びて、しかも子がまた墳墓星で死亡を主るは、第六迍。下神の上神を賊克するを出現するは、第七迍。凶神が日干日支の上に臨んでそれと相克するは、第八迍。五福もまた逐条に列出す——発用は死気に起こるも、末伝は却って旺相に転ずるは、第一福。子が凶克を受け、母が徳神を帯びて来りて解救するは、第二福。開頭は凶将に乗り、末了に吉神を見るは、第三福。初伝に官鬼・賊害を現出するも、本命・行年の上の神に克制せらるるは、第四福。日干の神が吉利にしてまた旺相の地に臨むは、第五福。事を占う結果は先に凶して後に吉である。この課は統ねて『屯』卦の卦体に属し、一場の雷雨に譬え、災気を化解し開く。
象曰:八迍並用,憂患將至。得病傾危,遭官坐死。營干不成,動作被累。五福相逢,變憂為喜。如課遇八迍,占者大凶,則應屯上六泣血漣如之象。或八迍變五福,主事先憂後喜,始終成就,則應屯初九居貞之象。
断辞に曰く、八項の迍難が一斉に発用の上に并せば、憂患はすなわち来らんとす。病を生ずれば病勢は危重し、官司に摊えば牢に坐して死に至る。経営・謀劃は弁じ成らず、一挙一動みな連累を受く。もし五福に碰上る能わば、憂愁はすなわち転じて喜事と為る。課の中にただ八迍に遇うのみは、占う人は大いに凶で、正に『屯』卦上六爻の泣血・漣漣たる象に応ず。もし八迍の中より五福を転じ出せば、すなわち事が先に憂えて後に喜ぶを主り、頭より尾に至るまでみな弁じ成ることを得——正に『屯』卦初九爻の正を守り自ら処るの象に応ず。
如癸酉日午時亥將春占,未上死氣,下為寅木所勝,俯仰丘仇,乘朱雀凶將,末傳相氣貴人為迍福課。 未朱 子白 巳貴 朱 元 空 蛇 未 寅 亥 午 寅 酉 午 癸 戌亥子丑 酉 寅 申 卯 未午巳辰
例を挙げれば、癸酉日の午時に占い、亥将を用い、時は春季に当たる。発用の未土は春天の死気で、下面にまた寅木に勝たれ、頭を擡げれば丘を見、頭を低れば仇を見、さらに朱雀のこの凶将に乗る。末伝は却って相気にして貴人に乗るので、迍福課と定む。四課は右より左へ、午が癸に加わる(癸の寄宮は丑に在る)、亥が午に加わる、寅が酉に加わる、未が寅に加わり、依次に螣蛇・天空・玄武・朱雀に乗る。三伝は上より下へ未・子・巳で、初伝の未は朱雀に乗り、中伝の子は白虎に乗り、末伝の巳は貴人に乗る。凶将は前に在り、吉将は後に在る——まさに先に迍して後に福する格局である。
『訂訛』
五福,初傳囚氣,末傳旺相,一也;子逢凶,母帶德解救之,二也;初傳凶將,末傳吉神,三也;初傳鬼,年命上神克之,四也;德臨日上,五也。此五者轉禍為福之象,故名五福。占主一切吉。
『訂訛』は五福を重ねて列し過ぐ——初伝が囚気で末伝が旺相に転成するは、これ第一。子の一輩が凶を受け、母の一輩が徳神を帯びて来りて解救するは、これ第二。初伝が凶将に乗り、末伝に吉神を見るは、これ第三。初伝に官鬼を現出するも、本命・行年の上の神に克制せらるるは、これ第四。徳神が日干の上に臨むは、これ第五。この五条はみな禍を転じて福と為す象なので、五福と呼ぶ。五福を占えば、諸事みな吉である。
迍福。八迍課又得五福。假如癸酉日午時亥將,春占,課得午癸、亥午、寅酉、未寅,傳得未子巳,將得雀虎貴。用死一迍,未下寅,春木太勝,二迍;木墓在未,仰見其丘,土畏木克,俯見其仇,三迍;將雀,四迍;雀與刑合,五迍;子臨未,下賊上又乘虎,六迍;子得虛宿,主墳墓哭泣,七迍;干上蛇支上武,俱凶將,八迍。初未死,末巳相,一福;末生初,子投母,二福;初雀末貴,三福;巳受子克,得救人救,四福;癸德附戊,戊寄丙,午臨日,五福。迍中有福,故名迍福。占主化凶為吉,先憂後喜。
いわゆる迍福とは、すなわち八迍課の裏にまた兼ねて五福を得るである。依然として上面のあの一課を用いて数う——癸酉日の午時に亥将を用い、春天に占い、四課は午が癸に加わり、亥が午に加わり、寅が酉に加わり、未が寅に加わり、三伝は未・子・巳で、乗る所の天将は朱雀・白虎・貴人である。発用の未土は春天に死気に属す——一迍。未の下に寅が坐し、春の木は正に旺んで、それを圧して死死たらしむ——二迍。木の墓庫は未に在り、頭を擡げればすなわち自家の丘墓を見、土はまた木の来りて克するを怕る——頭を低ればすなわち仇家を見る——三迍。初伝は朱雀に乗る——四迍。朱雀がまた刑と相合す——五迍。中伝の子が未の上に加わり、下が上を賊ししかも白虎に乗る——六迍。子はまた虚宿に値し、墳墓・哭泣を主る——七迍。日干の上に螣蛇に乗り、日支の上に玄武に乗るは、いずれも凶将——八迍。さらに五福を数う——初伝の未は死に属し末伝の巳は相に属す——一福。末伝が初伝を生ずるは、子の来りて母に投ずるがごとし——二福。初伝が朱雀に乗り末伝が貴人に乗る——三福。巳火が子水の克する所を受くるも、却って救神の相い救うを得——四福。癸の徳神は戊に依附し、戊はまた丙の居る所の位に寄し、午が日干の上に臨む——五福。迍難の中に還って福気を蔵するので、迍福と呼ぶ。この課を占えば、凶を化して吉と為し、先に憂えて後に喜ぶを主る。
『訂訛』
八迍。時令死氣發用,一也;用被地盤旺氣所勝,二也;俯仰見丘墓仇克,三也;乘凶將,四也;帶刑,五也;下賊上,六也;見墳墓哭泣神,七也;凶神臨日辰,八也。八者,濡滯憂患之象,故名八迍。占主一切凶,病危,遭官坐死,謀無成。
『訂訛』は八迍をも重ねて列し一遍す——時令の死気が取られて発用と為るは、これ第一。発用が地盤の上の旺気に圧住せらるるは、これ第二。上下の俯仰の間に丘墓と仇克とを見るは、これ第三。凶将に乗るは、これ第四。刑を帯びるは、これ第五。下が上を賊するを出現するは、これ第六。墳墓・哭泣の一類の神を見るは、これ第七。凶神が日干日支の上に臨むは、これ第八。この八条はみな滞塞・難行し憂患に身を纏わるる象なので、八迍と呼ぶ。八迍を占えば、諸事みな凶——病情は危重し、官司に摊えば牢に坐して死に至り、謀る所の事は一成を得ず。
小吉臨寅為用。八迍,春土死,用神是死氣,一迍;未土臨寅,寅旺木勝之,二迍;木墓在未,仰見其丘,丘土畏木,俯見其仇,三迍;朱雀為初傳,四迍;雀與刑並,五迍;中傳子臨未,下賊上,六迍;子為虛宿,與白虎同位,七迍;午加癸乘凶將螣蛇,又下賊,八迍。凡遇八迍,須得旺相吉將相生為救。若其福力均,殃漸退,疾病瘥,官訟理得伸。
還って小吉(未の別名)を取りて寅の上に加えて発用と作すこの一課を以て八迍を数う——春天は土は死地に処り、発用に取るは正に死気——一迍。未土が寅の上に坐すれば、寅の中の木気は方に旺んで、土を勝たしむ——二迍。木の墓庫は未に在り、頭を擡げて自家の丘墓を見、丘上の土はまた木の克を怕れ、頭を低れて仇家を見る——三迍。初伝は朱雀に乗る——四迍。朱雀が刑と同じく并す——五迍。中伝の子が未の上に加わり、下が上を賊す——六迍。子は虚宿に値し、また白虎と同位——七迍。午が癸の上に加わりて凶将の螣蛇に乗り、しかも下が上を賊す——八迍。およそ八迍に遇うは、必ず旺相の気と吉将との来りて相生するを須てこそ得救と算う。倘若福の力量が迍難と相当し得れば、災殃はすなわち漸々退去し、疾病は痊愈し、官司もまた道理を講り明かし得る。
『心鏡』
八迍五福詳吉凶,以意推之無定神。欲別凶微吉有力,不然八五是常文。沖破休囚刑墓殺,惡將都看有幾迍。旺相相生吉神救,又祝福之多少均。福力均時殃漸退,病瘥官事理得伸。
『心鏡』に曰く、八迍と五福は須く合わせて細看して吉凶を、全く占者が心を用いて推求するに頼り、一成不変の定則なし。分辨すべき所は、外ならず凶の一面が微弱にして吉の一面が有力なるか否かにある。このように看ずるにあらざれば、「八迍五福」は不过几句の套話に過ぎず。具体的な做法は、冲・破・休囚・刑・墓・殺のこれらの不利の因素を、乗る所の悪将に連ねて、一条条に数え清めて共に幾迍あるかを見、さらに旺相の気・相生の情と吉神の来りて救う有るか無かを看て、福気が迍難を抵し住むに足るか否かを権衡す。福の力と迍難とが相当する時は、災殃はすなわち漸々退去し、病は痊愈し能く、官司もまた道理を講り明かし得る。
侵害課
凡課日辰六害相加,並行年為用,為侵害課。六者,父、母、兄、弟、妻、子,六親也。害者,損也。如子畏午沖直上穿心,見未合沖助仇而為害也。害則似水壅滯,血氣未行,事多阻隔,然子未為勢家害。子加未,舉事無終始,及官非口舌;未加子,營謀阻塞有災。丑午、卯辰為少凌長害。丑加午,官病憂驚,夫妻不合;午加丑,事不明不就;卯加辰,辰加卯,主事虛聲,爭財有阻。
およそ日干日支の上に互いに六害を成す両神が彼此相加し、また行年に并せて取られて発用と為るを、すなわち侵害課と呼ぶ。「六」は父・母・兄・弟・妻・子の六亲を指し、「害」はすなわち損傷である。子を拿てて言えば、子は最も午の来りて相冲するを怕る——直に心口を冲す。しかるに未は午と相合して、仇家のために勢を助くるに等しく、ここにおいて子は未を見て便ち害を成す。害を受くる象は水道の壅塞し血気の通ぜざるに譬え、事は処処に阻まるる。子未のこの一対は勢家害に属す——子が未の上に加われば、事を弁ずるに頭ありて尾なく、また官非・口舌を惹く。未が子の上に加われば、謀劃は阻まれ并せて災禍あり。丑午の一対と卯辰の一対は少凌長害に属す——丑が午の上に加われば、官事・疾病・憂惊を主り、夫妻は不和す。午が丑の上に加われば、事は不明不白にして弁じ成らず。卯が辰に加わり、辰が卯に加わるは、いずれも伝聞の不実・争財の阻まるるを主る。
寅巳、申亥,為競強爭進害。寅加巳主出行改動,退利進阻;巳加寅主事艱阻,口舌憂疑;申加亥,事先的後疑阻,必無終始;亥加申,圖謀未遂,事無終始。酉戌為鬼害,酉加戌陰小逃亡,病凶;戌加酉,時有阻病凶事。此害神主侵損相害,故曰侵害。統“損”之體,乃防人暗算之象也。
寅巳の一対と申亥の一対は競強争進害に属す——寅が巳の上に加われば、出門して行程を改動するを主り、退回すれば利あり前進すれば阻まるる。巳が寅の上に加われば、事が艱難・阻滞し、口舌は紛紜・心に疑慮を懐くを主る。申が亥の上に加われば、事は起初には還って准なるも、後来に疑を生じ阻まれ、頭ありて尾なし。亥が申の上に加われば、図謀は得逞し能わず、同じく頭ありて尾なし。酉戌のこの一対は鬼害に属す——酉が戌の上に加われば、女眷・小口の逃亡・病情の凶険を主る。戌が酉の上に加われば、時時に阻まれ、また疾病・凶事あり。この一路の害神はもっぱら彼此の侵損を主るので、侵害と呼ぶ。この課は統ねて『損』卦の卦体に属し、別人の暗中の算い計るを提防するを要する象である。
象曰:“六親失靠,骨肉刑傷。財利譖害,疾病毆傷。求婚人破,出陣軍殃。胎孕防墮,干謁不祥。”如六害神臨日辰發用,又乘凶將惡殺,主侵害凶禍,當應九二征凶之象。若帶合德、善神、吉將,課體雖阻而終成,當應損上九利有攸之象也。
断辞に曰く、六亲の間は依靠を失い、骨肉の間は互いに刑傷す。財を求め利を得るには讒言の中傷を防ぐを要し、疾病の外にまた殴打の傷あり。親を説けば人に中間より破壊せられ、陣を出でて戦を打てば軍隊は殃に遭わん。胎を懐けば須く小産を防ぐべく、上官に求見すれば順利ならず。もし六害の神が日干日支の上に臨んで并せて取られて発用と為り、また凶将・悪殺に乗れば、すなわち侵損の凶禍を主る——正に『損』卦九二爻の軽率に往けばすなわち凶の象に応ず。もし課の中に合・徳および善神・吉将を帯びれば、然らばすなわち課体に阻碍あれども、事は終究成り得る——正に『損』卦上九爻の往く所あるに宜しき象に応ず。
如丙子日申時卯將占,子日未害並用子,為侵害課。 子 未 寅 六 常 常 蛇 寅 未 未 子 未 子 子 丙 子丑寅卯 貴 亥 辰 戌 巳 酉申未午
例を挙げれば、丙子日の申時に占い、卯将を用いる。日支の子と未は正に一対の六害で、未はまた子の上に并せて取られて発用と為るので、侵害課と定む。四課は右より左へ、子が丙に加わる(丙の寄宮は巳に在る)、未が子に加わる、未が子に加わる、寅が未に加わり、依次に螣蛇・太常・太常・六合に乗る。地盤の辰位の上の天盤の亥の旁らに一個の「貴」の字を注するは、天乙貴人が正にそこに臨むを表示す。三伝は上より下へ子・未・寅である。日支の頭上に圧するは正に相害の神なので、彼此侵損し暗中に傷を受くる課と断ず。
『訂訛』
侵害。干支害神上下相加發用,臨行年更的。子未為勢家害,丑午與卯辰為少凌長害,寅巳與申亥為競強爭進害,酉戌為鬼害。六處都能肆其侵損,故名侵害。
『訂訛』に侵害課を説く——日干日支の上の相害の神が上下相加して取られて発用と為り、もしさらに行年の上に臨めば、応験はいっそう准なり。六害は四類に分かつ——子未は勢家害で、丑午と卯辰は少凌長害で、寅巳と申亥は競強争進害で、酉戌は鬼害である。この六対の相害の処はいずれも各自に侵損を施行し得るので、侵害と呼ぶ。
刑傷課
凡課中三刑發用,並行年為刑傷課。蓋惡莫大於刑,刑主傷殘。如寅巳申刑者,寅中有木火、巳中有土金、申中有金水,父子在位相傷,為無恩刑。寅刑巳,主舉動險阻,官事災害,彼刑我斗,前事生發。巳刑申,主長幼不順,先犯後成,彼刑我解,仇將恩報。申刑寅,人鬼殘賊,男女相制,彼刑我動。
およそ課の中の三刑の神が取られて発用と為り、また行年の上に并せば、すなわち刑傷課と呼ぶ。諸般の凶悪の中に刑より利害なるはなし——刑は傷残を主る。まず寅巳申のこの一組を説く——寅の中に木と火とを蔵し、巳の中に土と金とを蔵し、申の中に金と水とを蔵し、もとは父子相生の関係なのに、一処に排して互いに残害するので、無恩刑と称す。寅が巳を刑すれば、行動は処処に険阻して官事・災害あるを主る。もし対方が我を刑せば、すなわち争闘を起こし、従前の旧事はまた翻し出さん。巳が申を刑すれば、長幼の序を失い先に冒犯して後に事を成すを主る。もし対方が我を刑せば、かえって我のために難処を解き、仇人は竟に恩を以て相い報いん。申が寅を刑すれば、人と鬼とが一同に害を為し、男女は彼此牽制するを主る。もし対方が我を刑せば、我のこちらはすなわち行動ある所あらん。
丑戌未刑者,三宮皆土,兄弟以力相傷,為恃勢刑。丑刑戌,主官鬼刑,禁尊貴傷卑賤,有撓不明。戌刑未,少凌長,舉事妻財凶。未刑丑,大小不和,或見喪服。子卯相刑者,水木母子,改節相傷,為無禮刑。子刑卯,主門戶淫亂、死敗,尊卑不睦。卯刑子,去明入暗,水路不通,子息不律。
さらに丑戌未のこの一組を説く——三個の宮位はみな土に属し、兄弟の間が力气に憑りて互いに傷害するに譬えるので、恃勢刑と称す。丑が戌を刑すれば、官鬼の祟を作し牢獄の刑を主り、尊貴の者は卑賎の者を欺圧し、事は人に攪擾せられて理め清めがたし。戌が未を刑するは、小なるが大なるを欺凌するので、事を弁ずる時に妻室・銭財の上に凶事を出さん。未が丑を刑すれば、長幼の和せざるを主り、甚だしくは喪事ありて孝を着るに至らん。子卯のこの一組は水と木で、もと母子相生と為るのに、名分を背棄して互いに傷害するので、無礼刑と称す。子が卯を刑すれば、家門の淫乱・敗落・死喪を主り、尊卑の間は和睦せず。卯が子を刑すれば、明処より暗処に転入し、水路は通ぜず、子女の行為は規矩に循わざるを主る。
辰午酉亥自刑,寅申巳亥四沖,無亥;辰戌丑未四沖,無辰;子午卯酉四沖,無酉午,惟子卯互刑。是四位無所相刑,為自刑。主自逞高大,更改自害。受此四沖,缺一不全,欹而不正,三者各自相推,不齊著力,罰而相刑。刑必有傷,故名刑傷。若尋奴僕小人,奔走去向,詳支之刑神所臨之方,追之必獲。統“訟”之體,乃大小不和之課也。
辰・午・酉・亥の四位は自刑に属す。その理由は、寅申巳亥のこの一組は彼此相冲して、その中の亥は刑すべき物を找め得ず、辰戌丑未のこの一組は相冲して、その中の辰は刑すべき物を找め得ず、子午卯酉のこの一組は相冲して、その中の酉と午もまた找め得ず、ただ子卯の两支のみ残りて互いに刑と為す。この四位は既に刑すべき物なければ、便ち自ら己を刑するよりほかなく、それゆえ自刑と呼ぶ。それは人が自ら高強を逞し自ら身価を擡げ、反復して主意を更改し、結果は自らを害するを主る。この幾位は相冲の気を承受して一角を缺き、残にして全からず、歪斜して正しからず、三支は各自に推排するも一処に使い到らず、ここにおいて罰を以て刑に代え、自ら相い刑克す。既に刑あれば必ず傷あるので、この一課を刑傷と呼ぶ。もし逃げ走った奴僕・下人を尋ねんと欲せば、ただ須く日支の刑神が何れの方位に落ちるかを細看し、あの辺に向かって追えば必ず捕え得る。この課は統ねて『訟』卦の卦体に属し、尊卑・大小が彼此和せざる課である。
象曰:“偏欹失位,家門不昌。胎孕欲墮,婚姻不良。徵下順利,斗上刑傷。謀為乖戾,凡事遭殃。”如刑神為用,或遞互相加,乘凶將臨日辰,皆主傷殘、人情不和。刑干男傷,人身不利;刑支女病,家宅不安。時刑干,憂小口小人,時下事不利。善刑惡無憂,惡刑善凶至。刑月建者不可訟人,刑日神者不可遠行。干刑速,支刑遲。或上下相刑遇日鬼,主公私之擾,尊長不分,凡事乖戾,謀干費力,忌小人。
断辞に曰く、盤面が歪斜にして各神が本位を失えば、家門はすなわち興旺せず。胎孕には小産の虞あり、婚姻は好き姻縁を結ばず。下に向かって征伐すれば還って順利なり、上に向かって争闘すればすなわち刑傷を受けん。謀る所・為す所は処処に别扭して、凡事みな殃に遭わん。もし刑神が取られて発用と為るか、あるいは刑神が彼此交互相加し、また凶将に乗って日干日支の上に臨めば、いずれも人に傷残あり・人情の和せざるを主る。刑が日干の上に落ちれば、傷つくは男子で、本人は不利である。刑が日支の上に落ちれば、病むは女子で、家宅は安からず。占時が日干を刑すれば、憂うるは小孩と下人で、眼前の事は順わず。善神の来りて悪神を刑するは憂うるに足らず、悪神の来りて善神を刑すればすなわち凶事の必ず至る。刑が月建に到る人は人と官司を打つ可からず、刑が日辰の神に到る人は遠門に出ず可からず。刑が日干に在れば応験は速く、刑が日支に在れば応験は遅し。もし上下が相刑してまた日干の官鬼に碰上れば、公事・私事は一斉に紛擾し、尊卑は分かたれず、凡事みな别扭し、謀劃は力を費やし、とりわけ小人を提防するを要す。
見蛇、血支血忌(血支:正月起丑順行;血忌:丑未寅申卯酉辰戌巳亥午子。,孕必墮胎,及血光災。或辰自刑,又見辰乘凶將,主燥爆挾刃自傷。或六處有神作支之自刑,又作干鬼,結連三傳,為鬼助刑,或伐德甚凶,當應訟上九,或錫般革,帶三褫之凶象。若遇德神吉將有氣,事有阻終遂象。
もし螣蛇を見、また血支・血忌の両神を見れば(原刻の夾注——血支は正月より丑に起こり順行し、血忌はすなわち丑・未・寅・申・卯・酉・辰・戌・巳・亥・午・子の次序に依りて十二月を排す)、孕妇は必ず堕胎し、また血を見るの災あらん。もし辰が自刑に逢い、また辰が凶将に乗るを見れば、人の性情は暴躁にして、刀を持ちて自ら傷るを主る。もし四課・三伝の六処の中に日支の自刑を構成する神あり、同時にまた日干の官鬼で、しかも三伝の中に串連し入れば、すなわち鬼の来りて刑を助くると呼ぶ。さらに徳神を克伐するを加えれば、すなわち凶の甚だしき——正に『訟』卦上九爻のたとい命服を賜うも一日の内に三度褫奪せらるるの凶象に応ず。反って、もし徳神・吉将に遇うてまた気あれば、事は阻碍あれども、最終には仍として弁じ成る。
如庚午日寅時子將占,午為支刑臨日用,為刑傷課。 庚午 蛇 壬辰 合 丙寅 青 青 六 六 蛇 寅 辰 辰 午 辰 午 午 庚 卯辰巳午 寅 未 丑 申 子亥戌酉
例を挙げれば、庚午日の寅時に占い、子将を用いる。日支の午は正に日干の庚の刑神で、また日干の上に臨んで取られて発用と為るので、刑傷課と定む。四課は右より左へ、午が庚に加わる(庚の寄宮は申に在る)、辰が午に加わる、辰が午に加わる、寅が辰に加わり、依次に螣蛇・六合・六合・青竜に乗る。三伝は上より下へ午・辰・寅で、毎一伝にみな遁干と乗る所の天将とを注明す——午は庚に配して螣蛇に乗り、辰は壬に配して六合に乗り、寅は丙に配して青竜に乗る。
凡偷盜,男女奔走,止論刑德。蓋尊貴以德,卑賤以刑,故為刑德格。刑者,寅午戌日,刑在巳午未方;申子辰日,刑在寅卯辰方;巳酉丑日,刑在申酉戌方;亥卯未日,刑在亥子丑方。德者,甲己德寅,乙庚德申,丙辛、戊癸德巳,丁壬德亥。陽德自處,陰德從陽。占奴僕尋刑,德勝刑,易獲;刑勝德,難見。德刑不相剋,見閉口課中推。尋常人占,但取天盤上德刑下所加之地,以別貴賤去向之主是也。
およそ盗偸を占い、男女の出走を占うは、ただ刑と徳の両様を論ずるのみ。身份の尊貴なる人は徳を用いて推し、身份の卑賎なる人は刑を用いて推すので、刑徳格を立つ。刑の定位は、寅午戌の日は、刑は巳午未の方に在り、申子辰の日は、刑は寅卯辰の方に在り、巳酉丑の日は、刑は申酉戌の方に在り、亥卯未の日は、刑は亥子丑の方に在る。徳の定位は、甲日・己日の徳は寅に在り、乙日・庚日の徳は申に在り、丙辛と戊癸の徳は巳に在り、丁日・壬日の徳は亥に在る。陽干の徳は自ら本位に居り、陰干の徳は陽干に随いて走る。奴僕・下人を占えばすなわち刑を找む——徳の力量が刑に勝れば、人は找め帰り易く、刑の力量が徳に勝れば、人は面会しがたい。もし徳と刑とが彼此相い克せなければ、それは閉口課の一節の推法を参看すべし。平常の人に占うには、ただ天盤の上の徳神・刑神が各自何れの一塊の地盤の上に加わるかを取り、これに拠って此人が貴か賎か・何れの方向に往ったかを分辨する。
如庚子日戌時亥將,占走奴僕。支刑在卯下,加寅,主去東北方,追之可獲。應在刑受克。金德,木刑也。若占貴人君子,日德在申下,加未,主往西南尋之可見,應德受生日時到也。其二者配為德刑格。
例を挙げれば、庚子日の戌時に占い、亥将を用い、逃げ走った奴僕を問う。日支の子の刑神は卯で、天盤の卯は地盤の寅の上に加わり、寅は東北に属するので、彼が東北方に往ったと断じ、追趕すれば捉え帰ることを得。応験の関鍵は刑神の克を受くるに在る——庚は金に属し、卯は木に属し、金は能く木を克すれば、刑神は便ち制住せらる。もし占う所が身份ある貴人・君子なれば、すなわち改めて徳神を看る——庚の徳は申に在り、天盤の申は地盤の未の上に加わり、未は西南に属するので、彼が西南に往ったと断じ、前に往きて尋訪すればすなわち見ることを得——応験する時は徳神の生を受くるあの日あるいは時辰に在る。以上の両条を合わせれば、便ちいわゆる徳刑格に配成す。
庚子日戌時亥將,占走奴婢。 戌玄 酉陰 申后 玄 常 蛇 貴 戌 亥 午 未 亥 子 未 庚 辰巳午未 卯 申 寅 酉 丑子亥戌
例を挙げれば、庚子日の戌時に占い、亥将を用い、逃げ走った奴婢を問う。四課は右より左へ、未が庚に加わる(庚の寄宮は申に在る)、午が未に加わる、亥が子に加わる、戌が亥に加わり、依次に貴人・螣蛇・太常・玄武に乗る。三伝は上より下へ戌・酉・申で、初伝の戌は玄武に乗り、中伝の酉は太陰に乗り、末伝の申は天后に乗る。説明すべきは、この幅の盤の上の天盤は正文の説く所より一位退く——実際は戌将を亥時に加えるに相当し、上文の「戌時亥将」と小さく出入りあり、今は原刻に照らして保留して改めず。
《訂訛》意同。
『訂訛』の一篇の刑徳格に対する解説は上文と相同じく、さらに別に新義を出さず。
二煩課
凡四仲月將遇四正及四平日占,得日月宿加四仲,斗罡繫丑未,為二煩課。四仲者,子午卯酉也。日宿者,太陽躔度宮神也,正月起亥,逆行十二辰。月宿者,太陰星躔度宮神也。正月初一起室,二奎、三胃、四畢、五參、六鬼、七張、八角、九氐、十尾、十一斗、十二虛。每月初一移一宿,逐日數二十八宿,遇奎、張、井、翼、氐、斗宿,重算留一,數盡月宿住處為太陰所在宮神。更詳七政歷細度為準。
およそ子午卯酉の四仲の将を用いて、また四正日あるいは四平の日に碰上りて占い、日宿あるいは月宿が四仲の位に加臨するを得、しかも天罡がまた丑未の上に落つるを、すなわち二煩課と呼ぶ。いわゆる四仲とは、子・午・卯・酉の四支を指す。いわゆる日宿とは、太陽の行度の在る所の宮神で、正月より亥に起こり、十二辰を逆らって倒数す。いわゆる月宿とは、太陰星の行度の在る所の宮神で、正月の初一は室宿に起こり、二月は奎に起こり、三月は胃に起こり、四月は畢に起こり、五月は参に起こり、六月は鬼に起こり、七月は張に起こり、八月は角に起こり、九月は氐に起こり、十月は尾に起こり、十一月は斗に起こり、十二月は虚に起こる。毎月の初一は一宿を挪し、さらに日を逐いて二十八宿を順数し、奎・張・井・翼・氐・斗のこの幾宿に遇うは重ねて算え一日を多く留め、占日に数え到るまでにして、停まる所のあの一宿は便ち太陰の在る所の宮神である。もしさらに精確を要せば、還って七政暦の上の細度を查して以て准と為すべし。
斗罡者,辰也。四正者,朔望弦晦也。初一為朔,初八為弦,十五為望,二十三為下弦,月終為晦。四平者,即四仲也。子平卯、卯平午、午平酉、酉平子也。如日月經仲宿度數多而有稽留,及天罡凶神交繫丑未,貴人不得理事,則三光不明,德氣在內,刑氣在外。此二者,天地相併,故名二煩。占者家有災禍。統明夷之體,乃荊棘滿途之課也。
いわゆる斗罡とは、すなわち辰のこの一支で、またの名を天罡という。いわゆる四正とは、朔・弦・望・晦のこの幾個の日子を指す——初一は朔と為り、初八は上弦で、十五は望で、二十三は下弦で、月底は晦である。いわゆる四平とは、其実は還って四仲である——子は卯を平し、卯は午を平し、午は酉を平し、酉は子を平す。もし太陽・太陰が仲位の宿を経過する時に度数の積みたること多くして停留する所有り、天罡のこの凶神がまた丑未の上に交係して、貴人をして事を理する能わざらしむれば、すなわち日・月・星の三光は晦暗し、徳気は裏頭に閉じ込められ、刑気は外頭に露れ出づ。天煩と地煩のこの両様が一処に并せ到るので、二煩と呼ぶ。この課を占う人は家の中に災禍あるを主る。この課は統ねて『明夷』卦の卦体に属し、一路の荆棘・寸步難行の課である。
象曰:“男遇天煩,命遭刑戮。女犯地煩,身受蟲毒。徵虎傷亡,疾病號哭。獄訟徒流,胎孕不育。”如將乘螣蛇主憂恐,勾陳主爭鬥,后合陰暗,白虎喪亡。此天地煩並,主男女俱有患。惟春夏可生,秋冬必死。當此之時,利居家,不利出行及干求事。凡百謀為造作,決招凶禍,則應明夷上六,後入于地失則凶象也。
断辞に曰く、男子が天煩に遇えば、性命は刑戮を遭わん。女子が地煩を犯せば、身の上に虫毒の暗害を受けん。出征して虎に遇えばすなわち傷亡あり、病を害すれば哭號を免れず。牢獄・訟事は流放・充軍に判じ到り、胎を懐くも養い活かす能わず。断法の上は還って乗る所の天将を細看せねばならず——螣蛇に乗れば憂愁・惊恐を主り、勾陳に乗れば争闘・官非を主り、天后・六合・太陰の一類に乗れば陰私・隠晦・暗中不明の事を主り、白虎に乗ればすなわち死喪を主る。天煩と地煩とが一処に并せ到れば、男女の両頭はともに殃に遭わん。ただ春夏の時のみ還って性命を保つことを得、秋冬に到れば便ち必ず死して疑いなし。かような時候に碰上れば、家に安居し守るに宜しく、出門して遠行するに宜しからず、また人を求めて事を弁ずるにも宜しからず。およそ謀劃・興作あれば、一定して凶禍を招来す。『明夷』はもともと光明の傷を受くる卦で、上六の一爻は明より暗に入りて極処に到る——正に此課の先に天に升りて後に地に墜ち、終にその法度を失うの凶象に応ず。
如九月初三丙午日午時卯將占,寅命,行年在午。月將為日宿,躔氐二度。月宿躔氐五度。太陽太陰俱值卯宮加午為仲。辰為斗罡臨未,二併為天地煩,曰二煩課也。 子蛇 酉陰 午白 蛇 勾 貴 六 子 卯 亥 寅 卯 午 寅 丙 寅卯辰巳 丑 午 子 未 亥戌酉申
例を挙げれば、九月の初三の丙午日の午時に占い、卯将を用い、事を問う人の本命は寅に属し、当年の行年は午に在る。この月の月将は正に日宿の在る所で、太陽は氐宿の二度に行き到り、月宿もまた氐宿の五度に行き到る。太陽・太陰はともに卯宮に値し、しかも卯が午の上に加わるは、正に仲位に加臨するである。辰は斗罡と為り、未の上に臨む。天煩・地煩の両様が并せ見るるので、二煩課と呼ぶ。四課は右より左へ、寅が丙に加わる(丙の寄宮は巳に在る)、亥が寅に加わる、卯が午に加わる、子が卯に加わり、依次に六合・貴人・勾陳・螣蛇に乗る。三伝は上より下へ子・酉・午で、初伝の子は螣蛇に乗り、中伝の酉は太陰に乗り、末伝の午は白虎に乗る。
凡日宿臨四仲,斗罡繫丑未,為天煩格,主男子犯法。蓋男禁天煩,無抵四正朔望弦晦。如春夏,男行年並日宿,臨卯午,主犯縣官刑囚,見血及徒配之患。秋冬臨酉子,有犯刀兵刑戮汗葬之災也。凡月宿臨仲,斗罡繫丑未,為地煩格,主女子受災。蓋女禁地煩,無沖四平子午卯酉。如春夏,女行年並月宿臨卯午,主產難、流血、鬥訟之愆。秋冬臨酉子,有刑喪犯法死亡之殘殃也。
およそ日宿が四仲の位に臨み、天罡がまた丑未の上に係るるを、天煩格と呼び、男子が刑法を触犯するを主る。男子の忌む所は正に天煩で、最も朔・望・上下弦・晦のこの幾個の四正日に撞上るを怕る。仮に春夏の時に在りて、男子の行年と日宿とが一処に并せて、また卯あるいは午に臨めば、官府に拘係し刑訊せられ、血を見るおよび徒刑・発配に判処せらるる禍患あるを主る。もし秋冬に在りて酉あるいは子に臨めば、すなわち刀兵の殺戮を遭い死後に草々と掩埋せらるるの災難あり。およそ月宿が仲位に臨み、天罡がまた丑未の上に係るるを、地煩格と呼び、女子が災を受くるを主る。女子の忌む所は正に地煩で、最も子午卯酉のこの四平の位を冲犯するを怕る。仮に春夏の時に在りて、女子の行年と月宿とが一処に并せて卯あるいは午に臨めば、難産・流血および争闘・訟事の禍を主る。もし秋冬に在りて酉あるいは子に臨めば、すなわち刑傷・喪事・犯法・乃至死亡の惨殃あらん。
如三月十五己卯日子時酉將,男命行年在子,日宿酉並臨子為加仲,罡下繫未,為天煩格。又女命行年在午,月宿卯並臨午為加仲,罡下繫未,為地煩格也。 子勾 酉蛇 午陰 蛇 勾 青 常 酉 子 丑 辰 子 卯 辰 己 女 年 寅卯辰巳 丑 午 子 未 亥戌酉申 男 年
また一例を挙ぐれば、三月の十五日の己卯日の子時に占い、酉将を用いる。男命の行年は子に在り、日宿の酉と行年とが并せて子に臨むは、正に仲位に加臨し、天罡の下にまた未を係るので、ここにおいて天煩格を成す。女命の行年は午に在り、月宿の卯と行年とが并せて午に臨むは、同じく仲位に加臨し、天罡の下にもまた未を係るので、ここにおいてまた地煩格を成す。四課は右より左へ、辰が己に加わる(己の寄宮は未に在る)、丑が辰に加わる、子が卯に加わる、酉が子に加わり、依次に太常・青竜・勾陳・螣蛇に乗る。三伝は上より下へ子・酉・午で、初伝の子は勾陳に乗り、中伝の酉は螣蛇に乗り、末伝の午は太陰に乗る。盤の外に別に「女年」「男年」の両処を注し、女命の行年が午に在り・男命の行年が子に在るの在る所を標出す。この一課の特別の処は、男女の両造が同時に中招するに在り——日宿と月宿とが分别に両個の仲位の上に圧し、天罡がまた一併に未に係るので、ここにおいて天煩・地煩が并せ見え、男のも女のもともに災に応ずべし。天地盤の方図の裏、地盤の巳位に天盤の寅を得、順次に卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥・子・丑と為るは、正に酉将を子時に加えて挪り成した格局である。断法に就いて言えば、男子のこの辺は官府の刑訊と徒刑・発配の禍を防ぐを要し、女子のあの辺は難産および争闘・訴訟の流血の厄を防ぐを要す。
『訂訛』
二煩。日宿臨仲,斗繫丑未,曰天煩。月宿臨仲,斗繫丑未,曰地煩。日月宿俱臨仲,斗繫丑未,曰天地二煩。日宿者,太陽躔度也,正月起亥,逆行十二辰。月宿者,太陰躔度也,正月初一起室、二月初一起奎、三月胃、四月畢、五月參、六月鬼、七月張、八月角、九月氐、十月心、十一月斗、十二月虛,每一日行一宿。如遇奎、井、張、翼、氐、斗,皆重留一日,數至占日,即知月宿所在也。
『訂訛』は二煩に定義を下す——日宿が仲位に臨み天罡が丑未に係るるを、天煩と呼ぶ。月宿が仲位に臨み天罡が丑未に係るるを、地煩と呼ぶ。日宿・月宿が一斉に仲位に臨み天罡がまた丑未に係るるを、すなわち天地二煩と呼ぶ。日宿は太陽の行度を指し、正月より亥に起こりて算え、十二辰を逆らって倒推す。月宿は太陰の行度を指す——正月の初一は室宿に起こり、二月の初一は奎宿に起こり、三月は胃に起こり、四月は畢に起こり、五月は参に起こり、六月は鬼に起こり、七月は張に起こり、八月は角に起こり、九月は氐に起こり、十月は心に起こり、十一月は斗に起こり、十二月は虚に起こり、此後は毎日に一宿を走る。もし奎・井・張・翼・氐・斗のこの幾宿に碰上れば、いずれも一日を多く留めて重ねて算え、一直に占い卜するあの日に数え到れば、すなわち月宿の何れの処に停まるかを知ることを得。
子午卯酉為天地關格,四極之地。太陽、太陰切忌臨之。丑未貴人之首也,斗罡凶神加臨其上,使貴人不得理事,此門門閉塞,三光不明,德氣在內,刑氣在外,天翻地覆,莫大憂煩,故名二煩。
子午卯酉は天地の間の関隘・四方の極邊の地で、太陽・太陰は最もこの四処に走り到るを忌諱す。丑と未とはまた貴人の首を起こす両個の位置で、一旦天罡のこの凶神が上頭に圧すれば、貴人は便ち事を弁ずること能わず。ここにおいて道道の門戸は閉塞し、日・月・星の三光は晦暗・不明して、徳気は裏面に関じ込められて出で来る能わず、刑気は外面に露れて当たり止む能わず、天は翻り地は覆り、憂愁・煩悩は此より甚だしきはなし——それゆえ二煩と呼ぶ。
占主極凶,春夏尚可生,秋冬必死,百事禍散復至,殃及子孫,喜者反怒,解者更結,雖有吉神不救。日宿臨卯午,為春夏天煩,男犯刑囚徒配。臨酉子為秋冬天煩,男犯刀刑法,死不葬。月宿臨卯午,為春夏地煩,女產難,鬥訟血流。臨酉子為秋冬地煩,女犯重法,為男所殺。男女行年並尤的。月宿遇重留者更凶。大抵弦望晦朔四正日,男行年抵日宿,主被吏執。子午卯酉四仲日,女行年抵月宿,主被盜賊。
二煩を占えば、凶は極処に到る——春夏の時は人は還って活くることを得、秋冬の時は必ず死す。百般の事情は禍患がちょうど散じてまた来り、さらに子孫に連累せん。もともと歡喜なるは反って怒を動かし、もともと已に化解せしは重ねて新たに怨を結び、縦に吉神ありとも救い帰る能わず。日宿が卯あるいは午の上に臨むは、春夏の天煩で、男子は刑訊・拘囚・徒刑・発配を遭わん。酉あるいは子の上に臨むは、秋冬の天煩で、男子は刀兵の刑法を犯し、死後に葬を収むる人なし。月宿が卯あるいは午の上に臨むは、春夏の地煩で、女子は難産し、また争闘・訴訟に因りて流血せん。酉あるいは子の上に臨むは、秋冬の地煩で、女子は重罪を犯し、あるいは男子に殺されん。もし男女の行年が正にそれと相い并せば、応験はいっそう准なり。月宿がまた那個の重ねて留むべき一日の幾宿に碰上れば、凶険はいっそう重し。大体に説けば、弦・望・晦・朔のこの四正日に在りて、男子の行年が日宿に撞上れば、官吏に拘捕せらるるを主る。子午卯酉のこの四仲日に在りて、女子の行年が月宿に撞上れば、盗賊を遭うを主る。
假如壬子日午將卯時,四課寅壬、巳寅、卯子、午卯,三傳午酉子。若正月十四占得此課,則為地煩。蓋正月初一起室,數至十四日為柳,乃乃午宮宿是也。若六月初二占得此課,為天地二煩。蓋午為六月月將臨卯,此日宿臨仲。又六月初一起鬼,初二柳,乃午宮宿此,又月宿臨仲,故名二煩也。二課俱斗繫丑。
例を挙げれば、壬子日に午将を用い卯時に課を起こし、四課は寅が壬に加わり、巳が寅に加わり、卯が子に加わり、午が卯に加わり、三伝は午・酉・子である。もし正月の十四日にこの一課を占えば、すなわち地煩である。正月の初一は室宿に起こり、順数して十四日に恰も柳宿で、柳は午宮に属し、正に月宿の仲に臨むに合す。もし六月の初二に同じ一課を占えば、あれはすなわち天地二煩である。六月の月将は午で、今や午が卯の上に臨む——これは日宿の仲に臨むである。さらに六月の初一は鬼宿に起こり、初二は便ち柳宿で、柳は仍として午宮に属す——これは月宿の仲に臨むである。両様ともに占め斉えたので、二煩と呼ぶ。上面のこの両個の例は、天罡はいずれも丑の上に係る。
此課四仲月日及四正日占之更的。然日月宿不發用者不真。附:日月宿臨仲,斗不繫丑未,又名杜傳,傳行杜塞也。
この一課は四仲の月・四仲の日および朔・望・弦・晦の四正日に占い到れば、応験は最も准なり。けれども日宿・月宿がもし取られて発用と為らざれば、真の二煩と算うる能わず。別に一条を附す——日宿・月宿は仲位に臨むも、天罡が丑未の上に係らざるは、別に一個の名目ありて杜伝と呼び、三伝の行進が堵塞せらるるを指す。
『心鏡』
日月宿行為四仲,此卦名為天地煩。更被斗罡加丑未,復以兼稱為杜傳。男行抵日女抵月,舉事災殃為汝言。禍散更生歡復怒,仇人和了又成冤。弦望晦朔天煩合,男犯刑傷被吏纏。弦望晦朔為四正日。男行年抵日者,主被吏執纏。子午卯酉地煩會,主女流血迍復邅。
『心鏡』の歌訣に曰く、日宿・月宿が四仲の位に走り到るは、この一卦はすなわち天地煩と呼ぶ。もし天罡がさらに丑未の上に加われば、便ちまた兼ねて杜伝の名あり。男は行年の日宿に撞くを看、女は行年の月宿に撞くを看、およそ挙動あればみな災を招かん——この話は為めに汝に説き明かす。禍患はちょうど散じてまた生じ、歡喜は眼を転じて怒に変じ、仇人とちょうど和を講じてまた新たに冤を結ぶ。弦・望・晦・朔は正に天煩の交會の日で、男子は刑傷を犯し官吏に纏われん。注文に曰く、弦・望・晦・朔はすなわち四正日で、男子の行年が日宿に撞上れば、官吏に拘捕し纏繞せらるるを主る。歌訣の末句に曰く、子午卯酉は地煩の聚會の処で、女子の流血を主り、一難が未だ了らざるにまた一難が来る。
春の酉将の八課
乙卯、丁卯、己卯、辛卯、癸卯、庚午、戊午、壬午。並酉加午臨仲發用,斗繫丑未。
春天に酉将を用いる時に二煩を出現する日子は共に八個で、すなわち乙卯・丁卯・己卯・辛卯・癸卯・庚午・戊午・壬午。この八日の共同の条件は、天盤の酉が地盤の午の上に加わり、正に仲位に落ちてまた取られて発用と為り、同時に天罡が丑未の上に係るるである。
夏の午将の十二課
甲子、丙子、丁酉、己酉、庚子、壬子、癸酉、辛酉。並午加酉臨仲發用,斗繫丑未。
夏天に午将を用いる時に二煩を出現する日子は、標題は十二課と作るも、下面に実際に列出するは甲子・丙子・丁酉・己酉・庚子・壬子・癸酉・辛酉の八日である。それらの共同の条件は、天盤の午が地盤の酉の上に加わり、正に仲位に落ちてまた取られて発用と為り、同時に天罡が丑未の上に係るるである。
秋の卯将の三課
戊子、辛酉、己酉。並係卯加子發用,斗繫丑未。
秋天に卯将を用いる時に二煩を出現する日子は三個あり——戊子・辛酉・己酉。それらの共同の条件は、天盤の卯が地盤の子の上に加わって取られて発用と為り、同時に天罡が丑未の上に係るるである。
冬の子将の七課
丁卯、丁丑、丁酉、辛卯、丙午、己卯。並係子加卯發用,斗繫丑未。
冬天に子将を用いる時に二煩を出現する日子は、標題は七課と作るも、下面に実際に列出するは丁卯・丁丑・丁酉・辛卯・丙午・己卯の六日。それらの共同の条件は、天盤の子が地盤の卯の上に加わって取られて発用と為り、同時に天罡が丑未の上に係るるである。
二十八宿,角亢氐房之類。正月起室,已見於前。假令正月初一日起室,二日壁,三日四日俱奎,五日胃、六日昴、七日畢、八觜、九參,初十日十一日俱井,十二鬼、十三柳、十四星、十五張,加四仲發用者是也。
ここに説く所の二十八宿とは、すなわち角・亢・氐・房のあの一套の星宿の名目である。正月は室宿より算え起こるは、上文に已に講じたり。これに照らして下に推せば、正月の初一は室宿に値し、初二は壁宿に値し、初三・初四はともに奎宿と算え、初五は胃、初六は昴、初七は畢、初八は觜、初九は参、初十と十一はともに井宿と算え、十二は鬼、十三は柳、十四は星、十五は張である。何れの一天に数え出した星宿が四仲の位に加臨しまた取られて発用と為れば、あの一天は便ち二煩の格に合す。
月宿を起こす法
正室二奎三在胃,四畢五參六鬼期,七張八角九月氐,十心一斗十二虛。每日一宿,遇奎、張、井、翼、氐、斗,重留一日,遇本日星發用者是地煩。地煩又要斗繫丑未。月宿加四仲發用是也。
月宿を推する口訣は、正月は室宿に起こり、二月は奎宿に起こり、三月は胃に在り、四月は畢、五月は参、六月は鬼、七月は張、八月は角、九月は氐、十月は心、十一月は斗、十二月は虚。注文は説明す——毎月の初一の起宿を定めてのち、此後は毎日に一宿を順推す。奎・張・井・翼・氐・斗のこの六宿に碰上れば、いずれも一日を多く留めて重ねて算えねばならず。もし占日の値する所のあの一宿が取られて発用と為れば、便ち地煩である。ただ地煩は還って天罡の丑未に係るのこの一条に配せねばならず、しかも月宿が四仲の位に加臨して発用せばこそ数に算う。
月宿の所属する十二辰
辰角亢,卯氐房心,寅尾箕,丑斗牛,子女虛危,亥室壁,戌奎婁,酉胃昴畢,申觜參,未井鬼,午柳星張,巳翼軫。
二十八宿が分かちて十二地支に属する対照表は、辰宮は角・亢の両宿を管し、卯宮は氐・房・心の三宿を管し、寅宮は尾・箕の両宿を管し、丑宮は斗・牛の両宿を管し、子宮は女・虚・危の三宿を管し、亥宮は室・壁の両宿を管し、戌宮は奎・婁の両宿を管し、酉宮は胃・昴・畢の三宿を管し、申宮は觜・参の両宿を管し、未宮は井・鬼の両宿を管し、午宮は柳・星・張の三宿を管し、巳宮は翼・軫の両宿を管す。月宿の何れの一宿に停まるかを查出せば、すなわちそれが何れの一支の上に落ちるかを知ることを得。
正月十四、十五、十六,二月十二、十三、十四,三月初九、初十、十一,四月初七、初八、初九,五月初五、初六、初七,六月初二、初三、初四,七月初一、初二,八月二十六、二十七、二十八,九月二十五、二十六、二十七,十月二十二、二十三、二十四,十一月十九、二十、二十一,十二月十五、十六、十七。丁丑昴星,丁亥、己卯、甲子、癸酉、丙子昴星,俯己丑、丁酉、庚子、己酉、壬子、辛酉並係午加酉為用,以上月內逢者是。
下面は月を按じて月宿の午宮に落つる日子を開列す——正月は十四より十六を取り、二月は十二より十四を取り、三月は初九より十一を取り、四月は初七より初九を取り、五月は初五より初七を取り、六月は初二より初四を取り、七月はただ頭の両天を取り、八月は二十六より二十八を取り、九月は二十五より二十七を取り、十月は二十二より二十四を取り、十一月は十九より二十一を取り、十二月は十五より十七を取る。それと相配する日辰は、丁丑(昴星課に属す)・丁亥・己卯・甲子・癸酉・丙子(昴星課に属す)、および己丑・丁酉・庚子・己酉・壬子・辛酉あり、一概に午を以て酉に加えて取りて発用と為す。およそ上面に開列するあれらの日期の裏にこれらの日辰に碰上るは、便ち此格に合す。換言すれば、ただ該月の月宿が正に午宮に落ち、当天の日辰がまた挙げる所の列に在れば、すなわち地煩に按じて推すべし。
正月初六、初七、初八,二月初四、初五、初六,三月初一、初二、初三,四月初一,五月二十九、三十,六月二十六、二十七、二十八,七月二十三、二十四、二十五,八月十八、十九、二十,九月二十六、二十七、二十八,十月十四、十五、十六,十一月十一、十二、十三,十二月初八、初九、初十。乙卯、庚午、己卯、壬午、辛卯、癸卯、戊午、丁卯,並係酉加午為用,以上月內逢者是。
さらに一組を開す——正月は初六より初八を取り、二月は初四より初六を取り、三月は頭の三天を取り、四月はただ朔日の一天を取り、五月は月末の両天を取り、六月は二十六より二十八を取り、七月は二十三より二十五を取り、八月は十八より二十を取り、九月は二十六より二十八を取り、十月は十四より十六を取り、十一月は十一より十三を取り、十二月は初八より初十を取る。それと相配する日辰は乙卯・庚午・己卯・壬午・辛卯・癸卯・戊午・丁卯の八個で、一概に酉を以て午に加えて取りて発用と為す。およそ上面に開列するあれらの日期の裏にこれらの日辰に遇上るは、便ち此格に合す。用法は前の一組と相同じ——まず月份に按じて月宿の在る所を推出し、さらに当天の日辰が列する所の内に在るか否かを看、両様ともに対し得れば、こそ真に地煩を犯したと算う。
正月三十,二月二十八、二十九、三十,三月二十六、二十七、二十八,四月二十四、二十五、二十六,五月十九、二十、二十一,六月二十三、二十四,七月二十六、二十七、二十八,八月十一、十二、十三,九月初九、初十,十月初六、初七、初八,十一月初三、初四、初五,十二月初一、初二。己卯、丁卯、丁丑、己丑、辛卯、丁酉、丙子,並係子加卯酉發用,如前月日逢者是。
第三組——正月はただ三十のこの一天を取り、二月は二十八より三十を取り、三月は二十六より二十八を取り、四月は二十四より二十六を取り、五月は十九より二十一を取り、六月は二十三と二十四の両天を取り、七月は二十六より二十八を取り、八月は十一より十三を取り、九月は初九と初十の両天を取り、十月は初六より初八を取り、十一月は初三より初五を取り、十二月は頭の両天を取る。それと相配する日辰は己卯・丁卯・丁丑・己丑・辛卯・丁酉・丙子で、一概に子を以て卯に加えあるいは子を以て酉に加えて取りて発用と為す。およそ上面に開列するあれらの日期の裏にこれらの日辰に遇上るは、便ち此格に合す。列する所の日辰の中、子が卯に加わると子が酉に加わるとは両種の異なる加臨の方式で、ただその中の一種に合上り、また正に上に開く月日に逢えば、いずれもこの一格の内に算う。
正月二十二、三、四,二月二十一、二、三,三月十八、十九、二十、二十一,四月十六、十七、十八,五月十四、五、六、七,六月十一、二、三、四,七月初八、九、十、十一,八月初三、四、五、六,九月初一、二、三、四,十月初一、三十,十一月二十七、二十八、二十九,十二月二十四、五、六、七。戊子、己酉、辛酉、癸酉、乙酉、丁酉,並係卯加酉發用者是。
第四組——正月は二十二より二十四を取り、二月は二十一より二十三を取り、三月は十八より二十一を取り、四月は十六より十八を取り、五月は十四より十七を取り、六月は十一より十四を取り、七月は初八より十一を取り、八月は初三より初六を取り、九月は頭の四天を取り、十月は朔日と三十を取り、十一月は二十七より二十九を取り、十二月は二十四より二十七を取る。それと相配する日辰は戊子・己酉・辛酉・癸酉・乙酉・丁酉で、一概に卯を以て酉に加えて取りて発用と為す。およそ上面に開列するあれらの日期の裏にこれらの日辰に遇上るは、便ち此格に合す。以上の四組の月日と日辰は、必ず月份・日期・日辰の三様がともに対し得てこそ、こそ二煩と定め作ることを得——ただその中の一様に合するのみは、数に算うる能わず。
子午卯酉四項通計三十餘課,值此月此日方是。假令正月二十二日己酉申時,月宿在卯,此日偶值己酉,卯加子,仲臨仲發用,為地煩課也。
子・午・卯・酉のこの四項を合わせれば、総じて三十幾種の課式で、必ず正に上面に列する所の月份と日期に逢えばこそ数に算う。例を挙げれば、正月の二十二日は己酉日で、申時に課を起こせば、この一天の月宿は卯に在り、日辰はまた恰好己酉である。卯が子の上に加わり、仲位が仲位を圧して取られて発用と為る——これはすなわち一課の地煩である。
斗不繫丑未者,名杜傳課,四位俱閉,三光不明,德氣在內,刑氣在外,利於居家,不可遠行。假令戌將卯時己卯日占,四月丙午日申將午時,六月癸酉日未將酉時,皆乃天煩杜傳。假令九月辰加酉,初一日起氐,數十四日乃月宿在戌,庚戌日戌加卯發用,是地煩杜傳。
もし天罡が丑未の上に係らざれば、この一課はすなわち名を改めて杜伝と為す——四方の門戸は全て関閉し、三光は晦暗し、徳気は裏面に閉じ込められ、刑気は外面に露れ出で、家に安居するに宜しく、遠門に出ず可からず。例を挙げて言えば、己卯日に戌将を用い卯時に課を起こし、四月の丙午日に申将を用い午時に課を起こし、六月の癸酉日に未将を用い酉時に課を起こすは、いずれも天煩に兼ねて杜伝に属す。またたとえば九月の裏に辰が酉の上に加わり、該月の初一は氐宿に起こり、順数して十四日に月宿は正に戌に在り、この一天は庚戌日で、戌が卯の上に加わって取られて発用と為れば、あれは便ち地煩に兼ねて杜伝である。
『観月経』
日宿加四仲,發用在其中。斗繫丑兼未,天煩卦本宮。愆招男子罪,如何走西東。兵甲將誅戮,加刑憂命終。
『観月経』に天煩卦を説く——日宿が四仲の位に加臨し、しかも発用はすなわちその中に落ち、天罡がまた丑あるいは未の上に係るれば、これは便ち天煩卦の本格である。この格の招来するは男子の罪愆で、占う人は東に奔り西に走るもまた逃げ掉れ能わず。兵戈に碰上ればすなわち誅戮を遭い、一旦さらに刑を加えれば、性命までも憂うるを要せん。
地煩卦
月宿加四仲,地煩發用名。天罡臨丑未,女子血光驚。產婦多憂懼,胎成子不成。傳中有惡將,必定舉哀聲。
『観月経』に地煩卦を説く——月宿が四仲の位に加臨して取られて発用と為るは、この一格はすなわち地煩と呼ぶ。天罡が丑未の上に臨む時は、女子に血光の惊あるを主る——産婦は多く憂懼・不安で、胎は結成するも孩子は保つ能わず。三伝の中にもしさらに悪将あれば、家の裏は必定に哀を挙げ喪を発せん。
『曽門』
日宿臨四仲為天煩,月宿臨四仲為地煩,斗繫丑未為在地煩,不繫丑未為杜傳。當此之時,四位俱閉,三光不明,德氣在內,刑氣在外,利於居家,不宜遠行。男子抵日,女子抵月,凡舉百事,喜者反怒,解者復結,殃及子孫,禍更復作。男禁天煩,無抵四正弦望晦朔之日,以此舉事,刑戮大驚。女禁地煩,無抵四平,子平卯、卯平午、午平酉、酉平子,以此舉事,流血見腥。
『曽門』に曰く、日宿が四仲に臨むを天煩と呼び、月宿が四仲に臨むを地煩と呼ぶ。天罡が丑未の上に係るるは仍として地煩の一路に帰し、丑未に係らざるは便ち改称して杜伝と為す。かような局面に碰上れば、四方の位置は全て閉塞し、三光は晦暗し、徳気は裏面に閉じ込められ、刑気は外面に露れ出で、家に安居するに宜しく、遠門に出ずるに宜しからず。男子は行年の日宿に撞くを看、女子は行年の月宿に撞くを看。およそ挙動あれば、歓喜なるは反って恼怒に変じ、已に解き開けしは重ねて新たに結び上がり、禍殃は子孫に牽連し、一波未だ平らかならざるに一波また起こる。男子の忌む所は天煩で、最も弦・望・晦・朔のこの四個の正日に撞上るを怕り、この種の日子に事を行えば、刑戮を遭い大惊を受けん。女子の忌む所は地煩で、最も四平の位に撞上るを怕る——子は卯を平し、卯は午を平し、午は酉を平し、酉は子を平す——この種の日子に事を行えば、血を流し腥を見ん。
《定章》曰:朔望弦晦日月加四仲占事,與九丑同。以九丑同,以舉百事必被殃也。又曰:日宿加午卯為春夏天煩,男子囚禁,流血見官。日宿加酉子為秋冬天煩,男子兵戮,法死不葬。月宿加卯午為春夏地煩,女子鬥訟流血。月宿加酉子為秋冬地煩,女子鬥訟為男子所殺。二煩之禁,不可不慎。以舉百事主死亡。
それの引く所の『定章』に曰く、朔・望・弦・晦のこの幾天に在りて、太陽・太陰がまた四仲の位に加臨して事を占えば、その凶険は九丑課と相同じ。既に九丑と同類なれば、如何なる事情を弁ずるも必定に殃を招かん。また曰く、日宿が午あるいは卯の上に加わるは、春夏の天煩で、男子は囚禁せられ流血して官に見えん。日宿が酉あるいは子の上に加わるは、秋冬の天煩で、男子は兵刃の殺戮を遭い、法に依って死に処せられて葬を収むる人なし。月宿が卯あるいは午の上に加わるは、春夏の地煩で、女子は争闘・訴訟に因りて流血せん。月宿が酉あるいは子の上に加わるは、秋冬の地煩で、女子は争闘・訴訟に因りて男子に殺害せられん。
如二月朔日,辛卯時加卯,天魁臨卯為用,將得勾陳主鬥訟刑傷。次傳天后,事因婦女。終見天空,耗散破滅。此時日月宿在魁下臨仲,為二煩。並斗不繫丑未,為杜傳。此時德氣在內,刑氣在外,以舉百事,必因婦人鬥訟刑傷,耗散家業,或被刑戮大驚,殃及子孫。三月午時,斗繫丑未曰天煩。四月二十七日巳時,名地煩。
二煩の禁忌は謹慎せざる可からず——この種の時候に如何なる事を弁ずるも死亡を主る。例を挙げれば、二月の初一の朔日に、辛卯日の卯時が加臨し、天魁(戌の別名)が卯の上に臨んで取られて発用と為り、乗る所は勾陳で、争闘・訴訟と刑傷とを主る。中伝は天后に乗り、事は婦女に因りて起こる。末伝は天空を見、耗散・破敗を主る。この時、日宿・月宿はともに天魁の下に在りて仲位に臨むので、二煩である。天罡はまた丑未の上に係らざるので、兼ねて杜伝と作す。この刻、徳気は裏頭に閉じ込められ刑気は外頭に露れ出で、およそ挙動あれば、必定に婦人に因りて争訟・刑傷を起こし、家業を耗散し、あるいは刑戮を遭受し一场の大惊を受け、還って子孫に連累せん。またたとえば三月の午時に、天罡が丑未の上に係れば、すなわち天煩と呼ぶ。四月の二十七日の巳時は、すなわち地煩と呼ぶ。
天禍課
凡四立日占得今日干支臨昨日干支,或昨日干支臨今日干支,為天禍課。蓋立春日木旺水絕,立夏日火旺木絕,立秋日金旺火絕,立冬日水旺金絕。一年之內,只此立春、立夏、立秋、立冬。四立日前一日為四絕。如四立日干支神加絕神干支,或絕神干支加四立干支神,此四時之氣,德絕用刑,如天刑時災,人受其禍,故名天禍。占者動有凶咎,不可妄為。統大過之體,嫩草遭霜之課也。
およそ立春・立夏・立秋・立冬のこの四個の交節の日に課を起こし、今日の干支が昨日の干支の上に圧するを得るか、あるいは昨日の干支が今日の干支の上に圧するを、すなわち天禍課と呼ぶ。立春のこの天は木気が転じて旺となり水気が断絶し、立夏は火が旺して木が絶し、立秋は金が旺して火が絶し、立冬は水が旺して金が絶するがゆえなり。一年の中にただこの四個の日子のみこのごとし。四立日の前の一天は、便ち四絶日と呼ぶ。もし四立日の干支の神が絶日の干支の上に加わるか、あるいは絶日の干支が四立日の干支の上に加われば、あれはすなわち四時の気の交接の際に徳は已に断絶してただ刑のみが当令するに残り、上天の刑罰を降す・時令の災殃を帯びるがごとく、人はその中に在りて禍患を承受するので、天禍と呼ぶ。占う人は一たび動けばすなわち凶咎あり、胡乱に事を行う可からず。この課は統ねて『大過』卦の卦体に属し、嫩草が霜打を遭うに譬える。
象曰:“以新易舊,天有災禍。咎事莫為,身宜謹守。戰鬥流血,造死喪偶。出行死亡,干謁空走。”如四立金日前一日是火神,相加又發用,占者主火殃或雷震天災。木日水動,主水災,或盜賊淫亂。木主屋樑崩折,金主兵戈戰鬥,土主土瘟牆壁險陷。更乘白虎,主死喪,元武失脫,朱雀口舌,勾陳爭鬥,帶惡殺必有不意凶禍,不出時節九十日也。或四立日值朔望先一日月窮,為四廢並,此四絕之日上望見月宿,其凶尤甚。當此之時,不可出行造作等事,犯者大凶,當應大過九三棟撓之象也。
断辞に曰く、新気が旧気に取代わるの際に、上天は正に災禍あり。咎ある事は作すなかれ、自身はただ謹慎・守静するに宜しい。出戦すれば流血し、興造すれば人を死し配偶を喪わん。出門・遠行は死亡の虞あり、上官に求見するはただ白く走り一趟のみ。具体的に推断する上では、もし四立日が金に属して前の一日が火神なれば、両者が相加してまた取られて発用と為れば、占う人は火殃あるを主り、あるいは雷震の一類の天災を遭う。もし日が木に属して水神が発動すれば、水災を主り、あるいは盗賊を出だし淫乱の事を生ず。木は還って屋梁の崩塌・折断を主り、金は兵戈・戦闘を主り、土は土気の瘟疫を引き起し・墻壁の塌陷を主る。もしさらに白虎に乗れば、死喪を主る。玄武に乗れば、失盗・走脱を主る。朱雀に乗れば、口舌を主る。勾陳に乗れば、争闘を主る。もし悪殺を帯びれば、必定に意料の外の凶禍あり、応験はこの節気の九十日の内を出でず。もし四立日がまた朔あるいは望の前の一日に碰上る——すなわちいわゆる月窮で、四廃と同じく并し、しかもこの四絶の日の頭上に月宿を望見せば、すなわち凶のいっそう甚だしき。この種の時候に碰上れば、出行す可からず・興造す可からず、触犯すればすなわち大いに凶——正に『大過』卦九三爻の棟梁の弯曲する象に応ず。
如正月立春甲申日,絕日癸未,寅加癸,為天禍課。 辰 巳 午 戌 酉 辰 卯 酉 申 卯 甲 午未申酉 巳 戌 辰 亥 卯寅丑子
例を挙げれば、正月の立春のこの天は甲申日で、前の一天の絶日は癸未である。甲の寄宮の寅が癸の寄宮の丑の上に加わるは、正に今日の干支が昨日の干支を圧するなので、天禍課と定む。四課は右より左へ、卯が甲に加わり、辰が卯に加わり、酉が申に加わり、戌が酉に加わる。三伝は上より下へ辰・巳・午である。この一幅の盤はただ神位を排出するのみで、天将を標注せず。
『訂訛』
天禍,亦名四窮天禍。凡四立日占得今日干支臨昨日干支,或昨日干支臨今日干支。立春日木旺水絕,立夏日火旺木絕,立秋日金旺火絕,立冬日水旺金絕。四立前一日為四絕。如四立日干支加絕神干支,或絕神干支加四立日干支,此四時之氣,德絕用刑,日上日下皆不願處。如天行時災,人受其禍,故名天禍。絕神為四時窮日,亦名四窮天禍。
『訂訛』に曰く、天禍はまたの名を四窮天禍という。およそ四立の日に課を起こし、今日の干支が昨日の干支の上に圧するを得るか、あるいは昨日の干支が今日の干支の上に圧するを得るは、みな此格に属す。立春は木が旺して水が絶し、立夏は火が旺して木が絶し、立秋は金が旺して火が絶し、立冬は水が旺して金が絶す。四立の前の一天は便ち四絶日である。もし四立日の干支が絶神の干支の上に加わるか、あるいは絶神の干支が四立日の干支の上に加われば、あれはすなわち四時の気の交替の際に徳は已に断絶してただ刑に由りて当令せしめ、日干の上下の両頭はともに安穏を待たず。上天が時令の災を推行し、人が底下に在りて禍患を承受するがごときなので、天禍と呼ぶ。絶神はまた四季の窮尽の日なので、因ってまた四窮天禍と呼ぶ。
占主動凶,不可妄為,出行死,干謁不見,造葬更忌。如絕神是火,主火災,或雷霆變異。水主水災,或盜賊淫亂。木主屋傾,金主兵戰,土主土瘟或官司牽累。應驗不出節內九十日也。或四立日值朔望先一日為月窮,又為四廢,並此四絕之日上,望見月宿,凶尤甚。
天禍を占えば、一たび動けばすなわち凶で、胡乱に事を行う可からず——出門・遠行は性命の憂あり、上官に求見すれば人に見えず、興造と安葬はさらに忌諱するを要す。もし絶神が火に属すれば、火災を主り、あるいは雷霆の異変あり。水に属すれば、水災を主り、あるいは盗賊を出だし淫乱を生ず。木に属すれば、房屋の傾塌を主る。金に属すれば、兵戈・戦事を主る。土に属すれば、土気の瘟を生じ、あるいは官司に牽連せらるるを主る。応験はいずれもこの節気の九十天の内を出でず。もし四立日がまた正に朔日あるいは望日の前の一日に当たれば、あれは便ち月窮で、同時にまた四廃に逢い、さらにこの四絶の日の頭上に月宿を望見せば、凶険は格外に甚だし。
『観月経』
四立干上神,分明末日臨。此名天禍卦,乖角竟相侵。立春前一日名水絕,立夏前一日名木絕,立秋前一日名火絕,立冬前一日名金絕。立春之日是甲,甲前一日是癸,癸是水,末日也。甲日占得甲上見丑,是末日臨也。主癸課在丑也。
『観月経』の歌訣に曰く、四立の日は須く日干の頭上の乗る所の神を看るべし。もし分明に昨日のあの末日の干が上頭に臨むなれば、これをすなわち天禍卦と呼び、彼此の别扭・互いの侵犯を主る。注文は解釈す——立春の前の一天を水絶と呼び、立夏の前の一天を木絶と呼び、立秋の前の一天を火絶と呼び、立冬の前の一天を金絶と呼ぶ。たとえば立春のこの天が甲日なれば、甲の前の一天は癸で、癸は水に属するは、すなわちいわゆる末日である。甲日に課を起こし、もし甲の頭上に丑を見れば、便ち末日の臨み上がるで、癸の寄宮が正に丑に在ればなり。
立夏之日是庚,前一日是己,己是木之末日。庚日占事,干上得小吉,是末日臨也,言己課在未也。如癸丑日立秋,前一日是壬,壬是火絕之日,癸日占得丑上見亥,主壬課在亥也。立冬之日是丁,前一日是丙,丙為金絕之末日也。丁日占事,未上見太乙,是末日臨也,以丙課在巳,。此是四立干上神,分明末日臨也。大抵天禍四立日干上見昨日天干上發用者是也。
さらに別の例を看れば、立夏のこの天がもし庚日なれば、前の一天は己で、己はすなわち木絶の末日である。庚日に課を起こし、日干の頭上に小吉(未の別名)を得れば、便ち末日の臨み上がるで、己の寄宮が未に在ればなり。またたとえば癸丑日に立秋せば、前の一天は壬で、壬は火絶の日である。癸日に課を起こし、丑の上に亥を見れば、便ち此格に合す——壬の寄宮が亥に在ればなり。立冬のこの天がもし丁日なれば、前の一天は丙で、丙はすなわち金絶の末日である。丁日に課を起こし、未の上に太乙(巳の別名)を見れば、便ち末日の臨み上がるで、丙の寄宮が巳に在ればなり。この幾条が講ずるはみな四立の日に日干の頭上の神を看ること、分明に末日の干の臨み上がるなり。総括の一句——天禍課とはすなわち四立の日に、日干の頭上に昨日の天干の寄宮を出現してまた取られて発用と為るあの一種である。
火動燒人死,若庚之日為四立日,見末日臨之又發用,若火神動者,主雷霆逆禍事,天降火燒人。或天中有詫異之事。如庚辛為末日,又火神動者,主此災禍。水臨劫盜深。若水動有水災賊盜,亦是家中濁濫而生凶禍也。丙丁為末日,又得水神發用者,課主賊盜也。
歌訣に曰く、火は一たび動けばすなわち人を焼き殺す事あり。注文は解釈す——もし四立日が庚日で、末日の干の上頭に臨みまた取られて発用と為るを見て、しかも課の中に火神が発動すれば、雷霆の逆行・禍事を降す・天火の人を焼き、あるいは天上に怪異の象を出現するを主る。およそ庚辛を以て末日と為して火神が発動するは、いずれもこの一類の災禍を主る。歌訣にまた曰く、水は一たび臨めば、劫盗は便ち深し。注文は解釈す——水神が発動すれば便ち水災と盗賊あり、また家の中の汚濁・泛濫して凶禍を生ずるを主る。およそ丙丁を以て末日と為して水神が取られて発用と為るは、この一課はすなわち賊盗を主る。
木因梁屋事,若木動主屋塌梁墜下札而致死亡之事。如戊己為末日見木神主此災禍也。土動為爭論。壬癸日立春得末發用見土神者,主此災禍也。金則兵戈亂,鬧處起哀聲。如金動主兵戈、刀死、刃傷。甲乙日立春立春時得末發用是金神,主此災禍也。四立之日是課妙用,切須熟讀記之。
歌訣に曰く、木は一たび動けばすなわち房梁・屋宇の上に出づ。注文は解釈す——木神が発動すれば房屋の倒塌・梁木の墜落して人を圧し殺すを主る。およそ戊己を以て末日と為して木神を見るは、いずれもこの一類の災禍を主る。歌訣に曰く、土は一たび動けばすなわち争論を起こさんとす。注文は解釈す——壬癸日の立春の時に末日の干を得て発用しまた土神を見るは、この一類の災禍を主る。歌訣に曰く、金は一たび動けば便ち兵戈の乱を作し、熱鬧の場の中に忽ち哀声を起こす。注文は解釈す——金神が発動すれば兵戈の禍・刀の下に死し刃に傷せらるるを主る。甲乙日が立春の時に末日の干を得て発用し、しかも用いる所が金神なれば、この一類の災禍を主る。末了に一句を叮嘱す——四立の日は正にこの一課の精妙の用処の在る所で、務めて読み熟し記え牢めるべし。
『心鏡』
四立日占為百事,切忌干臨向絕辰。立春、立夏、立秋、立冬四立前一日為四絕。前日干臨今日干是也。遇此是名天禍卦,天咎之災四五旬。經云:禍不出一節。一節四十五日也。
『心鏡』に曰く、四立の日に各種の事情を占問するは、最も日干が絶日の辰位に臨み到るを忌諱す。注文は解釈す——立春・立夏・立秋・立冬の四立の前の一天はすなわち四絶日で、いわゆる「干の絶辰に臨む」とは、前の一天の日干が今日の日干の上に臨み到るを指す。歌訣に続けて曰く、かような盤面に遇上ればすなわち天禍卦と呼び、上天の咎を降す災殃は四五十天の内に応験す。注文は経文を引きて曰く、禍患は一節を出でず——一節はすなわち四十五天である。
今日立春當乙酉,昨暮窮冬是甲申。假令乙酉戌時課,乙將臨甲害凌人。欲知禍患緣何起,以將推之決是因。白虎死亡元武賊,官事追朱斗勾陳。天空作事主欺詐,若依此法豈遭迍。
歌訣は例を挙げて曰く、今日の立春は乙酉日で、昨日の冬尽の日は甲申である。仮に乙酉日の戌時に課を起こせば、乙の寄宮は甲の寄宮の上に臨み到り、便ち以て彼を害し強を恃みて人を凌ぐの象を成す。須く禍患が何に由りて引起すかを知るべく、ただ乗る所の天将を看れば、すなわち縁由を断ずることを得——白虎に乗れば死亡を主り、玄武に乗れば盗賊を主り、朱雀に乗れば官事・追捕を主り、勾陳に乗れば争闘を主り、天空に乗ればすなわち弁ずる所の事は欺詐に出づ。もし肯んじてこの弁法に依りて推して往かば、また怎能く白く災に遭わんや。
天禍,四立日日干臨前一日日干上。天寇,分至日日支臨前一日日支上。創始值於干絕,旺極值於支離。天禍主九十日,水絕水厄,火絕火災。虎加病死,元加盜賊。天寇主四十五日,出行遭劫,造屋火災,骨肉不相保,疫癘必相傷。遇之者上天怒之咎也。
天禍と天寇の分別は、天禍は四立の日に出づるに在り、今日の日干が前の一日の日干の上に臨むである。天寇は二分二至の日に出づるに在り、今日の日支が前の一日の日支の上に臨むである。前者は一気の初めて創まれて天干の断絶する時に応じ、後者は気数の極めて旺んにして地支の離拆する時に応ず。天禍の応期は九十天で、水絶に属するは水厄を主り、火絶に属するは火災を主る。白虎に乗れば病死を主り、玄武に乗れば盗賊を主る。天寇の応期は四十五天で、出門すれば搶劫を遭い、屋を蓋えば火を失し、骨肉の間は彼此保つ能わず、瘟疫は必ず人を傷る。この両種の課に碰上るは、いずれも上天の怒を動かして降す咎罰である。
假令甲申旬乙酉日立春子將戌時。 丙 蛇 貴 后 陰 鬼 申 貴 白元貴朱 戊 未 申 酉 戌 己 午天 未丁 申庚 財 戌 陰 丑亥申午 午朱 中 巳 亥 元 辰乙 戶酉 父 子 常 亥酉午乙 巳六 子 常 門卯 戌辛 辰勾 卯青 寅空 丑 白 寅甲 丑癸 子中 亥壬
例を挙げれば、甲申旬の中の乙酉日に立春し、子将を用い戌時に課を起こす。この一幅は完整の六壬課式である。右側の方図は天地盤で、毎格の上一行は加臨の天盤の神と乗る所の天将とを写し、下一行は地盤本位の支を写し、并せて十干の寄宮と門戸等の旧記号を附注す——寅の下に甲を注し、丑の下に癸を注し、亥の下に壬を注し、辰の下に乙を注し、戌の下に辛を注し、卯の旁らに「門」を注し、酉の旁らに「戸」を注すがごとし。中間の三行は四課で、右より左へ午が乙に加わる(乙の寄宮は辰に在る)、申が午に加わる、亥が酉に加わる、丑が亥に加わり、依次に朱雀・貴人・玄武・白虎に乗る。左側の一列は三伝で、各々に六亲と天将を注す——初伝の申は官鬼で貴人に乗り、中伝の戌は妻財で太陰に乗り、末伝の子は父母で太常に乗る。三伝の申・戌・子は、戌土が申金を生じ、申金がまた子水を生じて、五行は一路相生して貫き下る。子将が戌時の上に加わり、天盤は整体に二位を前に挪し、それゆえ地盤の巳位に天盤の未を得、午位に申を得、未位に酉を得、申位に戌を得、依次順推して、地盤の卯位に巳を得、辰位に午を得る。この幅の盤の説明せんと要する所は正に天禍である——立春のこの天は乙酉で、前の一天の甲申は四絶の日である。乙の寄宮の辰の上に午を見、甲の寄宮の寅の上に辰を見るは、今日と昨日の干支が彼此相い臨むで、それゆえ天禍課を成す。甲申の一旬の中、午未の両支は天干の配する可きなく、もと旬空に属すのに、日干の頭上は恰好午に坐し、いっそうその虚を見る。乙は木に属して申金を以て鬼と為すは、正に立春の木気の方に旺んで金の来りて相い制する象に合す。かような盤を占えば、静に宜しくして動に宜しからず、出行・興造・求謁はみな避けるを要し、応期は立春の後の九十天を出でず。
天獄課
凡課囚死墓神發用,斗繫日本,為天獄卦。蓋囚死者,時令囚死之氣也。墓者,日庫也。我克者為死,克我者為囚,夫死囚發用,主死喪囚禁之事。斗者,辰為罡也。日本者,日干長生位也,若日本強旺生日有救。今日本又遭斗繫,不能扶助用神囚死墓葬之氣,如天降災殃,至人罹獄難逃,故名天獄。占者憂患相仍難解。統噬嗑之體,萎靡不振之課也。
およそ課の中の囚気・死気あるいは墓神が取られて発用と為り、しかも天罡がまた日干の長生の位に係るるを、すなわち天獄卦と呼ぶ。いわゆる囚死とは、時令の上の囚気と死気を指す。いわゆる墓とは、日干の墓庫を指す。我の克する所を死と呼び、我を克するを囚と呼ぶ。死囚の気が一旦発用すれば、便ち死喪・囚禁の一類の事を主る。いわゆる斗とは、辰のこの一支を指し、すなわち天罡である。いわゆる日本とは、日干の長生するあの位置を指す。日本がもし強旺なれば、もともと日干を生助して救応と為ることを得べきなり。今や日本は反って天罡に圧住せられ、発用のあの囚死・墓葬の気を扶助する能わず——上天の災殃を降し、人が牢獄の裏に陥りて再び身を脱しがたきに譬えるので、天獄と呼ぶ。占う人は憂患が一件接一件として、化解しがたい。この課は統ねて『噬嗑』卦の卦体に属し、一副の萎靡・不振の課である。
象曰:“日用迍邅,刑獄之愆。犯法難解,染病未痊。出行凶也,謀事徒然。兵家大忌,出軍不旋。”如用神囚死,俯仰丘仇,斗繫日本,或乙日辰加亥孟神,憂父母;加卯仲神,憂同類;加未季神,憂妻子。或帶刑殺災劫,為真天獄。雖有青龍莫能救止。或為魄化,奇繫日本,凶禍尤甚。當此之時,不可出行及造作,百事皆凶,則應噬嗑上九何校滅凶象也。
断辞に曰く、日干と発用とがともに困頓・難行すれば、刑獄の禍を主る。法を犯せば身を脱しがたく、病を害すれば久久愈えず。出門・遠行は凶険で、事情を謀劃するは力を白く費やす。兵を用いる人は最もこの一課を忌み、軍隊が出で往けば便ち帰り来らず。具体に説けば、発用の神が囚死の地に処り、上下の俯仰にみな丘墓と仇克あり、天罡がまた日干の長生の位に係る。たとえば乙日に天罡の辰が亥のこの孟神の上に加われば、すなわち父母を憂うべく、卯のこの仲神の上に加われば、すなわち兄弟・同輩を憂うべく、未のこの季神の上に加われば、すなわち妻子を憂うべし。もしさらに刑・殺・災・劫を帯びれば、あれは便ち真の天獄で、縦に青竜のかような吉将ありとも攔え止む能わず。もし発用が魄化の神で、奇門の奇がまた日本の上に係れば、凶禍はさらに甚だし。かような時候に碰上れば、出行す可からず・興造す可からず、百事みな凶——正に『噬嗑』卦上九爻の枷を荷い耳を滅するの凶象に応ず。
然辰為天牢,戌為地網,若罪囚入獄,喜見貴人臨辰戌,有履獄錄囚之義。更日辰行年得子孫生氣,德合解神吉將,為獄清平,則危中有救,憂中有喜,官訟得理,賊圍可解,當應九四得金矢利艱貞吉之象也。
けれども辰は天牢で、戌は地網である。もし人が已に身を囹圄の裏に陥れていれば、反って貴人が辰あるいは戌の上に臨むを見るを喜ぶ——これは長官の獄に親臨して囚犯の案巻を覆核するの意あり。さらに日干・日支と行年の上に子孫爻を得て生気に乗り、また徳・合・解神の一類の吉将あれば、すなわち牢獄の清明・公平と呼ぶ——危難の中に救あり、憂愁の中に喜あり、官司は道理を講り清め得、賊兵に囲困せられてもまた囲を解き得——正に『噬嗑』卦九四爻の金矢を得て艱難の中に正を守ればすなわち吉の象に応ず。
如乙酉日春占,未土死氣發用,斗罡繫亥,為天獄課。 未 子 巳 未 寅 寅 酉 寅 酉 酉 乙 戌亥子丑 酉 寅 申 卯 未午巳辰
例を挙げれば、乙酉日に春天に占う。未土は春天に正に死気に当たり、取られて発用と為る。天罡の辰はまた亥の上に係り、しかも亥は正に乙木の長生の位なので、天獄課と定む。四課は右より左へ、酉が乙に加わる(乙の寄宮は辰に在る)、寅が酉に加わる、寅が酉に加わる、未が寅に加わる。三伝は上より下へ未・子・巳である。この幅の盤はただ神位を排するのみで、天将を標注せず。発用の未は既に春天の死気で、また木の墓庫で、日本はまた天罡に圧せられ——まさに天獄の標準の格局である。
『訂訛』
天獄。發用死囚,斗繫日本。日本者,干長生也。我克為死,克我為囚。死囚發用巳主死喪囚繫,又是斗罡凶神臨日本之上,如天降災致人罹獄難脫,故名天獄。占主犯法入獄,病多死,出行用兵,一切造作凶。如用神囚死作日墓,俯仰丘仇者更的。丘乃三丘,天盤見之曰仰見其丘。仇乃剋制,下受地盤克,曰俯見其仇也。斗加日本帶刑煞災劫,為真天獄,乃致死之地,雖有青龍莫救。或魄化為用,斗繫日本,謂之絞斬卦,禍尤慘。
『訂訛』に天獄を説く——発用は死気・囚気で、天罡がまた日本の上に係る。いわゆる日本とは、すなわち日干の長生の位で、我の克する所を死と為し、我を克するを囚と為す。死囚の気が発用すれば、もともと死喪・囚係を主るに、いはんや天罡のこの凶神がまた日本の頭上に圧するをや——上天が災を降して人をして牢獄に陷入し難く脱げしむるに譬えるので、天獄と呼ぶ。この課を占えば、人が法を犯して獄に入り、病を得れば多く半ば死し、出門・用兵および一切の興造はみな凶なりを主る。もし発用の神が既に囚死に処り、また正に日干の墓庫で、しかも上下の俯仰にみな丘と仇とに逢えば、応験はいっそう准なり。ここの「丘」は三丘の神を指し、天盤の上にそれを見るを、すなわち頭を擡げて自家の丘墓を見ると呼ぶ。「仇」は克制を指し、発用が下頭に在りてまた地盤の支に克せらるるを、すなわち頭を低れて仇家を見ると呼ぶ。天罡が日本の上に加わってまた刑・煞・災・劫を帯ぶは、あれは真の天獄で、命を送る地步に走り到るに等しく、縦に青竜ありとも救う能わず。もし発用が魄化の神にして天罡が日本の上に係れば、別に一個の名目ありて絞斬卦と呼び、禍事はいっそう惨烈である。
此課甚凶,主家有人繫獄。如將得貴龍常後,又不帶災劫等,變凶為吉。來意主望天恩事。有貴臨辰戌,未入獄者遇之,則貴人不得地不能察訟,訟凶。若罪囚在獄,喜見貴人,有履獄錄囚之義,更日辰年上得子孫乘生氣,德解吉將,為天獄清平,危中有救,訟伸圍解。
この一課は極めて凶で、家の裏に人の牢獄に関め入れらるるあるを主る。倘若乗る所が貴人・青竜・太常・天后のこの幾位の吉将で、また災・劫の一類の凶煞を帯びざれば、すなわち凶を転じて吉と為すことを得——来た人の来意は多く半ば朝廷の恩赦の一類の事を盼むにある。もし貴人が辰あるいは戌の上に臨むあれば、未だ獄に入らざる人に対してはかえって好からず——貴人が天牢・地網の地に落ちて、施展し開く能わず、訟事を審理する能わず、官司は便ち凶である。已に獄の中に在る罪囚に対して言えば、却って正に貴人を見るを喜び、長官の獄に臨み案巻を覆核するの意あり。さらに日干・日支と行年の上に子孫爻を得て生気に乗り、また徳神・解神と吉将あれば、すなわち天獄清平と呼ぶ——危難の中に救あり、官司は冤を申すことを得、囲困もまた解き開くことを得。
『観月経』
欲知天獄卦,發用死囚神。斗繫加日本,相臨犯法人。傳中災劫殺,刑害轉生嗔。正墓加同類,災迷受禍迍。日本者,亥為甲乙之本,寅為丙丁之本,申為戊己壬癸之本,巳為庚辛之本。斗是天罡,若天罡加日本,又遇死囚神發用,三傳逢劫殺災殺刑害,更本命墓來臨日,入獄刑誅,難有出期。或上祖曾遭誅戮者應之。
『観月経』の歌訣に曰く、天獄卦を辨认せんと要すれば、すなわち発用が死気・囚気の神なるか否かを看よ。天罡が日本に係り上がり、両相臨み圧すれば、占う人は便ち刑法を触犯する人である。三伝の中にもし災殺・劫杀あり、さらに刑害に遇えば、怨怒は此より生ず。正墓がまた同類の上に加われば、人は昏迷・困頓して禍難を承受す。注文は解釈す——いわゆる日本とは、亥は甲乙の本位で、寅は丙丁の本位で、申は戊己壬癸の本位で、巳は庚辛の本位である。斗はすなわち天罡である。もし天罡が日本の上に加わり、また死囚の神の発用に遇い、三伝の裏に劫殺・災殺と刑害とに碰上り、さらに本命の墓神が日干に臨み到れば、すなわち獄に入りて刑を受け、出頭の日あること難し。時にまた祖上に曽て誅戮を遭いしこの事の上に応ずるもあり。
『心鏡』
占課用神當死囚,仰見其丘俯見仇。更值斗罡加日本,今日長生處是也。四凶天獄是其由。正月乙酉午時課,小吉臨寅故曰丘。未土是木之墓。春占土死未為墓,土畏於寅又是仇。未土被寅木克,小吉與木為仇。
『心鏡』に曰く、課を起こす時に発用の神が正に死気・囚気に当たり、頭を擡げて丘墓を見、頭を低れて仇家を見、さらに天罡が日本の上に加わるに碰上る——注文に曰く、日本はすなわち今日の日干の長生する地方である——四様の凶象が湊り斉えば、天獄の名は便ち此より来る。歌訣は例を挙げて曰く、正月の乙酉日の午時のあの一課に、小吉(未の別名)が寅の上に臨む、それゆえ「丘」と説く。注文に曰く、未土は正に木の墓庫である。歌訣にまた曰く、春天に卦を占えば土は死地に処り、未はまた墓で、土は寅木の来りて克するを怕る、それゆえまた「仇」である。注文に曰く、未土は寅木に克せらるる所で、小吉と木とは正に仇家を結ぶ。
乙生於亥將為本,乙木生於亥,亥是本父母。斗繫亥當父母憂。斗柄指亥,故當父母之憂。臨仲己身兄弟患,斗指仲,兄弟憂。加季兒孫妻妾愁。孟亥仲卯季未,亥卯未是木之位也。登明小吉例難得,如為如木忌逢秋。秋木死火囚也。行人不可此時出,百事能知不免憂。
歌訣に続けて曰く、乙木は亥に長生し、亥は便ちそれの本である。注文に曰く、乙木は亥に生じ、亥はすなわちそれの根本と父母である。歌訣に曰く、天罡が亥の上に係れば、すなわち父母の憂あるべし。注文に曰く、斗柄が亥を指すので、父母の身の上に応ず。歌訶に曰く、天罡が仲位に臨めば、憂うるは本人と兄弟である。注文に曰く、斗が仲位を指せばすなわち兄弟に憂あるを主る。歌訣に曰く、季位に加われば、愁うるは児孫・妻妾である。注文に曰く、亥は孟・卯は仲・未は季で、亥卯未の三支は正に木の位次である。歌訣にまた曰く、登明(亥の別名)と小吉のこの両位は湊り斉えがたく、木がもし秋に逢えばさらに大いに忌む。注文に曰く、秋天は木は死地に処り火は囚地に処る。末句は叮嘱す——出門の人はこの時候に身を動かす可からず、様様の事情はみな憂愁を免れず。
『袖中金』
天獄,用神死囚,仰見其丘,俯見其仇,斗罡加日本,出行百事不吉。欲知天獄卦。 假令七月乙丑日巳加子。 寅 未 子 亥 午 寅 酉 午 丑 酉 乙 戌亥子丑 酉 寅 申 卯 未午巳辰
『袖中金』に天獄を説く——発用の神が死囚の地に処り、頭を擡げれば丘を見、頭を低れば仇を見、天罡がまた日本の上に加わる——かような課は出門して事を弁ずるに様様不吉である。天獄卦を認識するを要せば、下面の一例を看るべし——七月の乙丑日に、巳が子の上に加わる。四課は右より左へ、酉が乙に加わる(乙の寄宮は辰に在る)、寅が酉に加わる、午が丑に加わる、亥が午に加わる。三伝は上より下へ寅・未・子である。この幅の盤も同じくただ神位を排するのみで、天将を標注せず。
此課功曹加酉,下賊為用。功曹為時之死氣,又天罡臨亥,是斗繫日本。小吉加寅,是正墓臨同類。寅為劫殺,未墓又是日刑,占人家凶禍終年者也。
この一課の裏、功曹(寅の別名)が酉の上に加わり、下神が上神を賊克して因って取られて発用と為る。寅は七月に正に時令の死気に当たり、天罡の辰はまた亥の上に臨み、亥は乙木の長生の位なので、天罡の日本に係るなり。小吉(未の別名)が寅の上に加わるは、正に木の墓庫が同類の木神の上に圧するである。寅はまた劫殺を充当し、未のこの墓庫は同時に還って日干の刑である。幾様の凶象が一処に湊れば、占う人の家の中は一整年にわたって凶禍を遭わん。
天寇課
凡四離日占得月宿加離辰,為天寇課。蓋春分、秋分,卯酉月中,陰陽均分而離。冬至、夏至,子午月中,陰陽俱到而離。四時之中,惟此春分、秋分、冬至、夏至四至前一日為四離,乃陰陽生殺,主盜賊。月宿者,乃太陰躔度之辰,正月初一起室,逆行二十八宿,每日約行十三度,所到之宮辰,為月宿,陰精刑殺,主盜。加此四離之辰,明中為盜,如天降凶寇,殃及於人,故名天寇。占事破壞,多值亂離,統蹇之體,乃時勢多艱之課也。
およそ四離日に課を起こし、月宿が離日の地支の上に加わるを得れば、すなわち天寇課と呼ぶ。春分と秋分とは卯月・酉月の月中に在り、陰陽両気が平分してのちに分離す。冬至と夏至とは子月・午月の月中に在り、陰陽は各自に尽頭に走りてのちに分離す。一年の内に、ただ春分・秋分・冬至・夏至のこの両分・両至の前の一天のみ四離と算え——正に陰陽の交替し生殺の關を転ずる際なので、盗賊を主る。いわゆる月宿とは、太陰の行度の到る所の辰位で、正月の初一は室宿に起こり、二十八宿を逆らって推行し、毎日約十三度を走り、到る所のあの宮辰は便ち月宿である。太陰は陰精で、刑殺を主り、もともと盗を主る。一旦四離の辰位の上に加われば、便ち光天化日の下に盗を行うで、上天の凶寇を降し世人に殃及ぶがごときなので、天寇と呼ぶ。事を占えば破敗を主り、多く乱離の世に逢う。この課は統ねて『蹇』卦の卦体に属し、時勢の艱難なる課である。
象曰:“陰陽分離,氣不得反。盜賊滋生,軍兵惰懶。病者即亡,孕婦當產。出路死傷,婚姻拆散。”如月宿加離辰發用,禍事尤速。乘元武勾陳作游都盜神,定主盜賊,來則必戰。或乘虎作鬼劫,為真天寇,其凶尤甚。此進出行市賈,主劫盜喪亡,百事不遂,則應蹇險在前也,其道窮也凶象。若占人年命見月宿加離辰,必己身欲為盜來問也。故月宿值太陽,日月並,主盜賊露,為敗寇,當應蹇見險能止,大人濟蹇之吉象也。
断辞に曰く、陰陽は此に就いて分離し、気機は頭を回らす能わず。盗賊は滋生し、軍兵は懈怠す。病人は立刻に死去し、孕妇は馬上に臨盆す。出門して路の上に死傷あり、婚姻は拆散せられん。もし月宿が離辰の上に加わってまた取られて発用と為れば、禍事の来るは格外に速し。もし玄武・勾陳に乗って游都の一類の盗神を充作すれば、一定して盗賊あるを主り、来れば必定に手を動かす。もし白虎に乗って官鬼・劫殺を充作すれば、あれは便ち真の天寇で、凶険はいっそう甚だし。この種の時候に出門して売買を為せば、搶劫を遭い喪亡の事あるを主り、百般の事情はみな弁じ成らず——正に『蹇』卦の険難が当前に在り去路の窮尽する凶象に応ず。もし占卜の人の本命・行年の上に正に月宿が離辰に加わるを見れば、あれは多く半ば彼自ら賊を為さんと欲してこそ来りて問うたなり。反って、月宿がもし太陽と同じく値して日・月并せ明なれば、すなわち盗賊の敗露し輸家と成るを主る——あれはすなわち『蹇』卦の険を見て能く止まり大人が険を済するの吉象に応ず。
如癸卯日春分,離辰壬寅,月宿在辰,加寅,為天寇課。 亦非發用。 未 酉 亥 未 巳 巳 卯 巳 卯 卯 癸 未申酉戌 午 亥 巳 子 辰卯寅丑
例を挙げれば、癸卯日が正に春分に当たり、前の一天の壬寅は便ち離日で、離辰はすなわち寅である。この一天は月宿が辰に在り、辰が寅の上に加わるので、天寇課と定む。原注は一句を補す——ただこの月宿は并せて取られて発用と為らず。四課は右より左へ、卯が癸に加わる(癸の寄宮は丑に在る)、巳が卯に加わる、巳が卯に加わる、未が巳に加わる。三伝は上より下へ未・酉・亥である。この幅の盤は同じくただ神位を排するのみで、天将を標注せず。
『訂訛』
天寇。分至日占得月宿臨離辰,春分、秋分,陰陽均分。冬至、夏至,陰陽俱至。分至前一日為離,乃陰陽離拆,盜生盜殺之時。月宿詳見二煩課中,即正月起寶寶室,二月起奎等是也。逢奎井張翼氐斗皆重留一日,數到四離日,若是月宿加之,當主寇盜。假如八月初五日丁酉秋分,辰將酉時占事。初一角、初二亢、初三氐、氐該重留一日,初四仍在氐,初五房。房宿在卯,申為離辰,而卯加之,是離辰上望見月也。月乃金水之精,主刑殺,又乘四離盜氣之辰,如天降凶寇,殃及於人,故名天寇。
『訂訛』に天寇を説く——二分二至の日に課を起こし、月宿が離辰の上に臨むを得れば便ち此格である。春分・秋分は陰陽の平分し、冬至・夏至は陰陽が各自に極に到る。分至の前の一天を離と呼び、正に陰陽の離拆し盗賊の滋生と肅殺とが并せ起こる時である。月宿の推法は已に二煩課に詳しく見る——すなわち正月は室宿に起こり二月は奎宿に起こるあの一套である(刻本はここに「起宝宝室」と作す——一字を衍す、応に「起室」と作すべし)。奎・井・張・翼・氐・斗に碰上ればいずれも一日を多く留め、一直に四離の日に数え到り、もし月宿が正に離辰の上に加われば、すなわち寇盗あるを主る。例を挙げれば、八月の初五の丁酉日に秋分し、辰将を用い酉時に事を占う。該月の初一は角宿で、初二は亢宿、初三は氐宿で、氐は重ねて一日を留めねばならず、それゆえ初四は仍として氐で、初五は便ち房宿である。房宿は卯宮に属し、申はこの一天の離辰で、卯が申の上に加わるは、すなわち離辰の頭上に月宿を望見したなり。月は金水の精で、刑を主り殺を主り、また四離のこの盗気を帯びた辰位に乗る——上天の凶寇を降し世人に殃及ぶがごときなので、天寇と呼ぶ。
占主凡事破壞,多值亂離、盜猖、兵敗,病者死,孕婦即產,是女而凶,出路死傷,婚拆散,營造見火災,謀望不成,一動即有生分死別之象,雖有救神莫解,惟居家守靜可也。月宿臨離辰,不在課傳亦凶,發用更甚。乘無勾作游都盜神,盜必來,來必戰,乘虎作鬼劫,為真天寇,凶尤甚。此時不可出行市賈,主劫盜喪亡。若占人年命見月宿加離辰,必己身欲為盜來問也。或月宿值太陽,日月並明,主盜賊敗露,為敗寇。
天寇を占えば、凡事みな破敗するを要す——多く乱離の世に逢い、盗賊は猖獗し、軍隊は敗仗を打つ。病人は死し、孕妇は立刻に臨盆し、生み下すは女孩にしてしかも不吉なり。出門して路の上に死傷あり、婚事は拆散せられ、工を興し屋を造れば火を失し、謀る所の事は弁じ成らず。一たび動けばすなわち生離・死別の象あり、縦に救神ありとも化解し開く能わず——ただ家の中に守りて安静に日を度るのみこそ行う可し。月宿が離辰の上に臨むは、たとい四課・三伝に進入せずとも同じく凶で、もし取られて発用と為ればすなわちさらに甚だし。もし玄武・勾陳に乗って游都・盗神を充作すれば、盗賊は一定して来り、来れば一定して手を動かす。もし白虎に乗って官鬼・劫殺を充作すれば、あれは便ち真の天寇で、凶険はいっそう重し。この種の時候は出門して経商する可からず——搶劫を遭い喪亡の事あらん。もし占卜の人の本命・行年の上に月宿が離辰に加わるを見れば、あれは多く半ば彼自ら賊を為さんと欲してこそ来りて問うたなり。もし月宿が太陽と同じく値して日・月并せ明なれば、すなわち盗賊の敗露し輸家と成るを主る。
『観月経』 四離に月宿を見る 離神は地盤の上に看る 月宿は天盤の上に看る
分至四神上,蟾光月正臨。分至者,即春分、秋分、夏至、冬至四辰也。如二月初二日春分是丁卯,先一日是丙寅。初五日卯時占,從奎數至昴為初五,酉是月宿,用戌將加卯時,寅上得酉,是蟾光月正臨也。凡此四日有之。
『観月経』の歌訣に曰く、二分二至のこの四個の神位の上に、月光は正に照臨す。注文は解釈す——分至はすなわち春分・秋分・夏至・冬至のこの四個の辰である。たとえば二月の初二の春分は丁卯日で、前の一天は丙寅で、寅は便ち離辰である。初五日の卯時に課を起こし到り、奎宿より数え起こり、昴宿に数え到るは正に初五で、昴は酉宮に属するので、月宿は酉に在る。この一天は戌将を用いて卯時の上に加えれば、地盤の寅位の上に正に天盤の酉を得——これをすなわち月光が正に離辰の上に照臨するを謂う。この四個の日子の前後はいずれもかような情形に碰上るを得。
名為天寇卦,百禍俱來侵。四課日辰上,得月宿太陰之星,舉百事皆凶。夫妻有離拆,君臣義不深。主夫妻別離,君臣失義也。傳中雖有救,父子淚淋淋。主離別失財、破散,為四離課也。
歌訶に曰く、これをすなわち天寇卦と呼び、百般の禍事は一斉に来りて侵す。注文に曰く、四課の日干・日支の上に月宿のこの顆の太陰の星を出現すれば、如何なる事を弁ずるも凶なり。歌訣に曰く、夫妻は離拆せんと要し、君臣の情義もまた深厚ならず。注文に曰く、夫妻の分別し君臣の道義を失うを主る。歌訣に曰く、三伝の中は縦に救神ありとも、父子は仍として淚流し面を滿たさん。注文に曰く、この一課は離別・損財・家道の破散を主る——それはもともと四離の課なればなり。
假令寅日春分卯時占,寅上見離辰太陰,更得金神發用,即凶卦也。假令午日夏至得巳為離辰,值月宿加午,更得水神發用者,以凶斷之。假令申日冬至,將得未作太陰加申,更得火神發用,即凶也,其災害所主大概與天禍同。
注文はさらに三例を挙ぐ——寅日の春分に卯時に課を起こし、寅の上に離辰と太陰とを見、また金神を得て取られて発用と為れば、これはすなわち凶卦である。午日の夏至は、巳は離辰で、正に月宿の午の上に加わるに遇い、また水神の発用を得——また凶に按じて断ず。申日の冬至は、月将は未を得て未は正に太陰を作して申の上に加わり、また火神の発用を得——同じく凶である。この幾種の情形の主る所の災害は、大致天禍課と相同じ。
『心鏡』
陰陽生殺言分至,陽至主生,陰至主殺。春分陽氣,盜殺在卯,故榆莢落。夏至陰氣,盜殺在午,故菁麥死。秋分陽氣旺,殺在酉,故麥生。冬至陽氣初生,殺在子,是根本,故蘭菊生,萌芽動。此四者名曰朝氣不得久立也。
『心鏡』は先に一句の綱領を立つ——陰陽の生と殺とは、全く二分二至の上に在りて説く。注文は解釈す——陽気が極処に到れば生を主り、陰気が極処に到れば殺を主る。春分は陽気が事を用い、肅殺の位は卯に在るので、楡莢はこの時に脱落す。夏至は陰気が初めて起こり、肅殺の位は午に在るので、菁菜と麦子はこの時に枯死す。秋分は陽気が正に旺んで、肅殺の位は酉に在るので、宿麦は反ってこの時に萌生す。冬至は陽気が初めて生じ、肅殺の位は子に在る——あれは万物の根本なので、蘭花・菊花は芽を抽し草木は萌動す。この四種の情形を朝気と呼び、来るは速く去るも速く、脚を站め住む能わず。
前之一日是離神,假令春分今日卯,離神昨日乃居寅,占時月宿在寅上。月宿營在二煩之卦註定。詳其多少悉殃人,月是積陰為殺氣。離上逢之天禍迍,非是行人去遭劫,即是修營害其身。要知心月狐在卯,危月燕在子,張月鹿在午,畢月鳥在酉,遇此乃真月宿也。
歌訣に曰く、分至の前の一天はすなわち離神である。たとえば春分が今日の卯に在れば、離神は便ち昨日の寅の上に落ち、課を起こす時に月宿は正に寅の上に圧する。注文に曰く、月宿は怎样に推算するか、已に二煩の一卦の裏に注明せり。歌訣に続けて曰く、それの度数の多少を細看すれば、すなわち殃が何人に及ぶかを算え出すことを皆得——月亮は積聚の陰気で、本身は便ち殺気で、離辰の頭上にそれに碰上れば、天の降す禍難は便ち到る——出門の人の搶劫を遭うならずんば、すなわち工を興し修造して自身を傷る。末了に点明す——心宿は卯に属するがゆえに心月狐と称し、危宿は子に属するがゆえに危月燕と称し、張宿は午に属するがゆえに張月鹿と称し、畢宿は酉に属するがゆえに畢月烏と称す。この四宿に遇上れば、こそ真の月宿と算う。
天網課
凡課占時與用神同剋日,為天網課。蓋時為目前,用為事始,時用既為日鬼,如人舉目見天網,故名天網。占者凡事不能踴躍登高致遠。統蒙之體,乃羅網在頭之課。
およそ課を起こす時辰と発用の神とが一斉に日干を克するを、すなわち天網課と呼ぶ。占時は眼前の処境を代表し、発用は事情の開端を代表す。この両様がともに日干の官鬼と成れば、人が一たび頭を擡げればすなわち天上に大網の張れるを見るがごときなので、天網と呼ぶ。占う人は凡事施し展げ開く能わず、跳ぶも高からず走るも遠からず。この課は統ねて『蒙』卦の卦体に属し、一副の羅網が頭頂に罩わる課である。
象曰:“天網四張,萬物盡傷。產孕損子,逃亡遭殃。戰有埋伏,病入膏肓。先凶有救,後獲吉祥。”如占時與用同剋日干,為天網。又天網正月起亥,逆行四孟。天刑煞春酉、夏子、秋卯、冬午。又天網辰也,地網戌也。入傳凶甚,主官災口舌難消,出軍被圍難出,則應六四困蒙吝之凶象。若末傳及年命有救神克初傳,為解網,反凶為吉,則應蒙九二子克家吉象也。
断辞に曰く、天網は四面に張り開き、万物はみな傷を受けん。生産・懐胎は子女を損折し、逃亡・在外は殃に遭わん。戦を打てば埋伏に中り、病を害せば病は膏肓に入らん。ただ先に凶して救あるは、後来は仍として吉祥を得るを得。いわゆる天網とは、すなわち占時と発用とが一同に日干を克する。このほか還って幾種の算法あり——天網は正月より亥に起こり、四孟の位を逆らって推行す。天刑煞は春は酉に在り夏は子に在り秋は卯に在り冬は午に在る。また一説ありて辰を以て天網と為し戌を以て地網と為す。これらの神煞がもし三伝に進入せば、凶の甚だしき——官府の災禍と口舌の糾纏・不清を主り、兵を出だせば囲困せられて身を脱し難し——正に『蒙』卦六四爻の蒙昧に困して吝を致すの凶象に応ず。もし末伝あるいは本命・行年の上に初伝を克住し得る救神あれば、あれはすなわち解網と呼び、凶を反して吉と為す——正に『蒙』卦九二爻の子の能く家を持つの吉象に応ず。
天網課・課例と諸家の論
如庚辰日午時辰將,午加庚,用時俱剋日,為天網課。 午青 辰六 寅蛇 后 蛇 六 青 子 寅 辰 午 寅 辰 午 庚 卯辰巳午 寅 未 丑 申 子亥戌酉
庚辰日を挙げて例と為す——占問する時辰は午時で、当令の「月将」(太陽の在る所の星次で、課を起こす時にそれを占時の上に加えて以て天盤を転じ出す)は辰将である。辰将を午時の上に加えれば、天盤は便ち整体に地盤より两位退き、庚の寄する所の申宮の上に正に天盤の午が落ちる——これがすなわち「午が庚に加わる」。庚は金に属し、午は火に属し、火は来りて金を克す——占時の午は日干を克し在り、発用を充当する午もまた日干を克し在るので、「用・時倶に日を克す」と曰う——眼前の時刻と事情の起頭の両処はいずれも日干の鬼殺で、恰も「天網」(頭を擡げれば満眼は網で、寸步も行き難し)の名に合す。「四課」(日干・日干の上神・日支・日支の上神が両両相い畳みて成る四組の神)は右より左へ依次に庚の上に午を見、午の上に辰を見、辰の上に寅を見、寅の上に子を見る。干上の午を取りて発用し、さらに順次にその上神を取れば、初伝の午・中伝の辰・末伝の寅のこの一組の「三伝」(事情の初・中・末の三段を主る三個の地支)を得。三伝の上は分别に「青竜」(財喜を主る吉将)・「六合」(媒妁・婚姻を主る吉将)・「螣蛇」(惊憂・怪異を主る凶将)に乗る。末尾の四行は地盤の十二宮の方位の排列で、天盤の落宮に対照するの用に供す。
凡日辰前一位為之天網殺,對沖為之地網殺,並日辰年命發用者,為之羅網格。若遇丁馬主官災厄難。更以神將言其吉凶,再論末傳年命有救神克初傳吉。
およそ日干・日支より前に向かって一位を数うるあの地支を、「天網殺」と呼び、それと相い对冲するあの一位を、「地網殺」と呼ぶ。この両位の神煞がもし日干・日支あるいは行年・本命と一処に并せてまた発用を充当すれば、この一課は便ち「羅網格」と称す。倘若課の中にさらに「丁神」(旬の中の丁で、動揺・奔走を主る)と駅馬とに碰上れば、多く半ば官司・刑獄の一類の厄難を遭わん。凶険の深淺に至っては、還ってこれらの地支の上に乗る天将が吉か凶かを看て以て定め、さらに一歩進めれば、すなわち末伝および行年・本命の上に反って初伝を克住し得る救神あるか無かを看る——もしあれば、凶は便ち解くことを得。
如甲寅日辰將酉時,用酉俱剋日,並日前沖位為羅網格。 酉 辰 亥 后 勾 玄 朱 午 亥 辰 酉 亥 辰 酉 甲 子丑寅卯 亥 辰 戌 巳 酉申未午
さらに甲寅日の一例を看る——月将は辰で、占時は酉に在り、辰将を酉時に加えれば、天盤は地盤より五位退く。甲の寄宮は寅に在り、寅の上に便ち酉を見る。酉は金に属し、甲は木に属し、金は木を克し——発用の酉は正に日干の鬼である。しかも甲寅日より前に往く一位は卯で、卯の对冲は恰恰もまた酉で、天網と地網の両重の意思は一斉にこの酉の上に圧するので、羅網格と定む。課盤は右より左へ甲の上に酉を見、酉の上に辰を見、辰の上に亥を見、亥の上に午を見る。三伝は酉・辰・亥を取り、分别に「朱雀」(口舌・文書を主る凶将)・「玄武」(盗賊・陰私を主る凶将)・「勾陳」(争闘・田土を主る凶将)に乗り、第四課の午の上はすなわち「天后」(婦人・陰私を主る神)に坐す。発用は既に日の鬼で、また前の一位の神に遮蓋せられて頭を擡げる能わず——事を占えば自然に処処に挡を受く。
《訂訛》:天網,時與用神俱剋日。時為目前,用為事始,二處既皆日鬼,則至近之處先有所阻。如人舉目見天有網,故名天網。
『訂訛』の一書は解釈す——いわゆる天網とは、占時と「発用」(三伝の第一伝で、事情の開端を代表す)とが同時に日干を克制するを謂う。占時は眼前・当下を代表し、発用は事情の起頭を代表す。この両処は既にいずれも身を克する鬼殺なれば、然らばすなわち自己より最も近き地方に先ず阻碍あらん。人が一たび頭を擡げれば、満天に羅網の張れるがごとく、進退に路なし——因って名を天網と得たり。
占主動見阻滯,不能踴躍登高而致遠也。孕損子,戰有埋伏,病在膏肓。金鬼主鬥訟、疾病,水鬼憂女子病或訟,木鬼鬥訟、錢財、毀傷,火鬼主火災、驚恐、經官、對吏,土鬼爭訟田地、墳墓事。
この課を占えば、およそ挙動あればみな阻に遇い、奮起して高く飛び遠く他方に走る能わず。孕妇は胎を傷り子を損ずるを防ぐを要し、行軍は人の埋伏に中るを防ぐを要し、病人はすなわち已に病の膏肓に入りたり。さらに鬼神を充当する五行に按じて分かちて看れば——金を鬼と為すは、多く争闘・訴訟と疾病とを主る。水を鬼と為すは、多く女子の生病か、あるいは女子に因りて訟に渉るを主る。木を鬼と為すは、争闘・訴訟・銭財の糾葛と身体の毀傷とを主る。火を鬼と為すは、火災・惊恐および官司を打ち官吏に見ゆるを主る。土を鬼と為すは、すなわち田地と墳塋の一類の官司を争奪するを主る。
傳遇三煞,定主官災。又遇災劫,謂之入網。旺相剋囚死,謂之天網四張,萬物盡傷。與天網正月起亥,逆行四孟。天刑春酉、夏子、秋卯、冬午。並或天羅辰也。地網戌也。入傳,凶甚,主官災口舌難消,行軍被圍難出,若與天獄死奇並必死。此課凡占凶,惟利田獵、行刑、追逃、捕盜。或日與中末及年命有子孫及沖破克鬼者為解網,反凶為吉。
三伝の裏にさらに三煞に遇えば、必定に官司の災あるを要す。もしまた災煞・劫煞に碰上れば、すなわち「入網」と呼ばれ、人は已に網の裏に落ちたり。旺相の気が往きて囚死の気を克するは、便ちいわゆる「天網四に張り、万物は尽く傷る」である。別に幾路の相関する神煞あり——天網は正月は亥より起こり、寅申巳亥の四孟位の上に逆行す。天刑は春は酉に在り夏は子に在り秋は卯に在り冬は午に在る。このほか辰は天羅と為り戌は地網と為る。これらの神煞は一旦三伝に進入せば、凶険は格外に深重で、官非・口舌は纏綿して消え難く、兵を出だせばすなわち囲困せられて突囲し難し。もしさらに天獄・死奇と同時に出現すれば、あれはすなわち必ず死する象である。総じてこの一課は何を占うも凶で、ただ独り打猟・刑を行い・逃亡を追捕し・盗賊を緝拿するのこの幾桩の事のみ反って利あり。倘若日干と中伝・末伝および行年・本命の上に子孫の神を帯ぶるか、あるいは鬼神を冲破し克制し得る神あれば、便ち「解網」と呼び、凶はすなわち転じて吉と為ることを得。
《觀月經》:正月庚子日午時值此。時用俱剋日,百禍竟相逢。事多爭鬥競,人傷禍必從。傳中災劫殺,犯法的難容。顛狂偏僻病,免得法場凶。
『観月経』は例を挙げて曰く、正月の庚子日に午時に占問すれば、すなわちこの一課に撞上らん。歌訣に講ず——占時と発用とが一同に日干を克制すれば、百般の禍患は便ち一斉に門を找めて来らん。問う所の事は多く半ば争闘・競逐に牽渉し、一旦人の傷を受くる有れば、災禍はすなわち踵に接して至らん。三伝の当中に若しさらに災煞・劫煞を見れば、法を犯せば便ち寛宥し身を脱すること難し。至るもただ一场の癲狂・痴痹の怪病を得るは、倒っても僥倖に法場の上の殺身の禍を躲け開けたと算うべし。
假令六月乙酉日酉時次客占,月將用大吉加酉,一課申乙、二課子申、三課丑酉、四課巳丑,傳送為用,申乃六月劫殺,帶災殺亦相氣發用,傳送克乙干,酉是死囚氣,十一月將申入墓因斗而亡,雖有青龍,入墓難救,是大凶。
さらに一例を挙ぐれば、六月の乙酉日に、酉時に来た客のために替りて占問し、用いる所の月将は「大吉」(丑の別名)で、丑を把りて酉時の上に加えて天盤を起こし出す。四課は依次に乙の上に申を見、申の上に子を見、酉の上に丑を見、丑の上に巳を見る。「伝送」(申の別名)を取りて発用とす——申は正に六月の劫煞で、また災煞を帯び、しかも相気に乗って起こるは、来勢は弱からず。申金はまた乙木を克し、日干の鬼である。日支の酉はこの時、死囚の気の上に処り、全く生機なし。十一月に等到り、月将は行きて大吉の丑に至り、申金の墓は正に丑に在り、届時に申は便ち墓に入り、主人は闘殴に因りて命を喪わん。課の中に青竜のかような吉将あるも、竜は已に墓に入り、人を救うことを得ず——それゆえ大いに凶と断ず。
《心鏡》:用起並時同克深,天網四張被災臨。經云:天網四張,萬物被傷。庚辛占值日中課,火作初用火克金。用神得火與時同剋日。甲乙申時得傳送,他皆仿此例須尋。問其憂事緣何發,消息天官解客心。
『心鏡』の歌訣に曰く、発用は占時に連なりて一斉に来りて日干を克し、克するが深重なれば、すなわち天網の四に張り災禍の身に臨む局面である。それの引く所の経文は正に「天網四に張り、万物は傷を被る」である。庚日・辛日は金に属し、もし日中の課を占えて初伝に火神を取り到れば、火は来りて金を克し——すなわち発用が火を得て占時と一同に日を克するである。同じ理で、甲日・乙日は木に属し、申時に占いて伝送の申を以て発用と為せば、申金は木を克し、道理は相同じ。その余の各干はこれに照らして類推して尋ねるべし。憂うる所の事が究竟何に因りて起こるかに至っては、すなわち課の上の乗る所の天将を斟酌し、これに拠って来りて問う人のために疑慮を開解する。
天網發用,與正時同剋日。天網四張,萬物盡傷。動作過度,以遇天爨。若更三煞入傳,定主官災,雖有解神吉將,亦不能免其咎,惟畋獵、追亡、捕盜利耳。
天網の神が発用を充当し、また正時と一同に日干を克制するは、これ便ち天網四張・万物尽傷の格局である。およそ挙動あれば、稍や一たび過分なればすなわち災殃に撞上る。倘若三煞がさらに三伝に進入せば、官司の災は躲け掉れ能わず。この時、縦に課の中に別に解神と吉将ありとも、この份の咎責を免れず。ただ独り打猟・逃亡を追捕し・盗賊を緝拿するのこの幾件の事のみ、反ってそれの殺気を借りて以て利を得ることを得。
天羅地網卦
日前一辰天羅真,對沖名為地網神。發用行年支干上,官災病厄是其迍。朱雀火殃白虎病,螣蛇憂夢怪驚人。
歌訣に曰く、日干より前に往きて一辰を数え、あの一位はこそ真の天羅である。それと相い对冲する一位は、便ち地網の神と呼ぶ。この両位の神煞がもし発用の処に落ちるか、あるいは行年・日支・日干の上に圧すれば、官司の災と疾病の厄難とがすなわち随いて至らん。還ってそれの乗る所の天将を看るべし——朱雀に乗るは、多く火災の殃を主る。白虎に乗るは、多く疾病の身に纏わるるを主る。螣蛇に乗るは、すなわち夜裏に悪夢断えず、怪異の事が人心を惊擾す。
《訂訛》:羅網,日前一位為天羅,羅之對沖為地網;又日前一位為天羅,辰前一位為地網,前位神覆蓋遮隔不得出頭,故名羅網。占主身宅俱不便利,病危官災,謀為多拙,遇丁馬更凶。此課得年命沖破羅網之神為有救。
『訂訛』に曰く、いわゆる羅網は、一種の算法は日干の前の一位を天羅と為し、天羅の对冲を地網と為す。別の一種の算法は、日干の前の一位を天羅と為し、日支の前の一位を地網と為す。何れの一種を取るを論ぜずとも、いずれも前面のあの一位の神が頭頂に圧して、人を遮蔽・阻隔し、頭を擡げ起こす能わざらしむるので、羅網と呼ぶ。この課を占えば、本身と住宅の両頭はともに順遂ならず、病情は危重し、官非は身に纏わり、およそ謀劃あればみな笨拙にして成り難きを顕す。もしさらに丁神と駅馬とに遇上れば、凶険はいっそう甚だし。ただ独り行年・本命の神が能く羅網の神を冲破するのみ、こそ救ありと算う。
魄化課
凡白虎帶死神死氣臨日辰行年發用,為魄化課。蓋虎乃凶將,乘旺相氣受制,不能為害,若遇死神死氣及時囚死之神,則為餓虎,定是傷人,如魄神受驚,化而飛散,故名魄化。死神,正月起巳。死氣,正月起午。俱順行十二辰。其神乘虎克日,占忌己身之災,克辰,門戶之災。統蠱之體,乃陰害相連之課。
およそ「白虎」(西方の金神で、疾病・死喪を主る凶将)が死神・死気を帯びて日干・日支あるいは行年の上に臨んで発用を充当するを、すなわち「魄化課」と呼ぶ。白虎はもと凶将なれども、それがもし旺相の気に乗れば、便ち自ら恃みて興旺と為し、あるいは反って克制を受くるも、いずれも害を為し難し。一旦死神・死気および当令の囚死の神に遇上れば、それはすなわち一隻の餓虎と変じて、必定に人を傷らん——正に人の魄が惊嚇を受けて化散し飛び去るがごときなので、名を魄化と取る。死神の起法は正月は巳に在り、死気の起法は正月は午に在り、いずれも十二辰に順いて依次に推移す。この類の神が白虎に乗って往きて日干を克するは、占問は最も自身に災あるを忌み、往きて日支を克するは、すなわち門戸・家宅の災である。この課は統ねて『周易』の蛊卦の体に属し、陰邪の暗害が一環扣一環の課である。
象曰:“人身喪魄,憂患相仍。病多喪死,訟有憂驚。產孕傷子,征戰損兵。謀而招禍,切莫遠行。”如日墓乘虎,或魁罡作日墓,帶死囚神發用,為虎銜尸,極凶。或在年命又為日鬼,乃自己喪魄,動則自尋死也。或日墓虎鬼臨干,主身受殃且凶速速。日墓虎臨支克支,宅有伏尸作怪,或有形響。
断辞に曰く、人身の魄は已に失せ、憂患は一重接一重なり。病を生ずれば多く半ば喪亡に転じ、官司を打つも惊憂を免れず。孕妇は胎を傷り子を損ずるの虞あり、出征すればすなわち兵員を折損せん。一たび謀劃あれば反って禍を招く——因って千万に遠行す可からず。もし日干の墓の上に白虎に乗り、あるいは魁(戌)・罡(辰)に由りて日墓を充当し、また死気・囚気を帯びて発用すれば、便ち「虎が尸を銜む」と呼び、凶は極処に到る。仮にこの一組が行年・本命の上に落ちてまた恰も日干の鬼なれば、あれはすなわち自己が魂魄を喪い、一たび動けば便ち自ら死路を尋ねるに等しい。日墓・白虎・日鬼の三者が一斉に日干の上に圧するは、本人が身に災殃を受くるを主り、しかも応験は極めて速し。日墓が虎に乗りて日支に臨み到り、また回頭して日支を克するは、すなわち家宅の裏に伏尸の祟を為すあり、甚だしくは声响・形影を鬧し出すに至らん。
虎在陽憂男,在陰憂女。上克下及日,外喪。下克上與辰,內喪。或人年在魁罡蛇虎之下,無沖剋救解,決有身主死亡之殃。當應蠱蟲在器,六四往見吝之凶象。若虎臨鬼門,虎陰神制虎,日辰年命處有沖剋,及吉神救解,為魄化魂歸,先憂後喜,則應上九高尚其事之吉象也。
白虎が陽支の上に落つれば、憂うる所は男子で、陰支の上に落つれば、憂うる所は女子である。上神が下神を克してまた日干に克し到るは、家門以外の喪事を主る。下神が上神を克してまた日支に克し到るは、家門以内の喪事を主る。もし人の行年が正に魁罡あるいは螣蛇・白虎の下に圧し、しかも冲克なく救解なければ、あればすなわち一定して主人の身亡るるの大殃あり。これは恰も『周易』の蛊卦の裏の蛊虫が已に器皿の中に生じたるの意象に応じ、六四爻の「往けば吝を見ん」の凶兆である。反って、もし白虎が鬼門の位に臨むか、あるいは白虎の陰神が能く白虎を制住し、日干・日支・行年・本命の幾処にまた冲克あり、さらに吉神の救解を加えれば、あれはすなわち魄は化じ去るも魂はまた帰り来り、先に憂えて後に喜ぶ——応ずる所は上九爻の「王侯に事えず、其の事を高尚にす」の吉象である。
戌白 酉常 申玄 玄 常 常 白 申 酉 酉 戌 酉 戌 戌 壬 辰巳午未 卯 申 寅 酉 丑子亥戌
これは魄化課の一張の課盤で、下文の挙ぐる所の六月の壬戌日の一例に対応す。四課は右より左へ壬の上に戌を見、戌の上に酉を見、日支の戌の上に酉を見、酉の上に申を見——第二課と第三課とが重畳するので、ただ三課を成す。戌を取りて発用し、さらに順次に上神を取れば、三伝の戌・酉・申を得——正に一路の金気の收斂して下行するなり。三伝の上は依次に白虎・「太常」(酒食・衣禄を主る吉将)・玄武に乗る。発用の戌の上は正に白虎に坐し、しかも六月の死神は恰好も戌に在り、餓虎は身に逼る——因って魄化と断ず。末の四行は地盤の十二宮の排列で、用いて天盤の各神の落宮に対看す。
《訂訛》:魄化:白虎乘死神死氣及囚死,臨日辰行年發用,又曰墓乘虎作鬼加日亦是。死神,正月起巳。死氣,正月起午。俱順行十二辰。虎乃凶神,乘旺相自貪其旺,或受剋制,皆難為害。若遇死神死氣,及時令囚死,則為餓虎,定是傷人,如魄神受驚消散。故名魄化。
『訂訛』は魄化を解釈して曰く——白虎が死神・死気あるいは囚死の気に乗り、日干・日支・行年の上に臨んで発用するは、すなわち魄化である。このほか、日墓の上に白虎に乗り、また日鬼を充当して日干に加臨するも、同じく数に算う。死神は正月は巳に起こり、死気は正月は午に起こり、いずれも十二辰を順行す。白虎は凶神なれども、それが旺相の気に乗る時は、ただ自ら恃みて興旺と為るを顧み、人を害するに暇あらず。もし克制を受くれば、また施展し開く能わず。ただ独り死神・死気に遇うか、あるいは当令して囚死の地に処るのみ、それはこそ一隻の餓虎と変じて、人を傷らざれば已まず——人の魄が惊を受けてのちに飄散して帰るなきに譬えるがゆえに、魄化と称す。
占主凶病者死,無病亦有病訟憂驚,孕傷子,戰損兵,謀為招禍,遠行更忌。如日墓作鬼乘虎,或作魁罡帶囚死發用,為虎銜尸,更凶。若在年命上,主自尋死。並金神三殺、血支、血忌,主刀下身亡。或木神天河地井相迫,必是自欲投水溺死,或為懸索勾絞主自縊死。
占断は凶を以て主と為す——病ある人は死し、もともと病なきも病痛・官司と惊憂とを免れず。孕妇は胎を傷り子を損じ、出戦すれば兵員を折損し、およそ謀劃あれば反って禍端を招き、遠行はいっそう忌諱す。もし日墓が日鬼を充当して上に白虎に乗るか、あるいは魁罡に由りて囚死の気を帯びて発用すれば、便ち「虎が尸を銜む」で、寻常よりさらに凶し。この一組がもし行年・本命の上に落ちれば、主人は自ら短見を尋ねん。さらに金神・三煞および血支・血忌と相い并せば、多く半ば刀刃の下に死せん。もし木神と天河・地井の神とが相い逼れば、あれはすなわち自ら水に投じて溺亡し、もし懸索・勾絞の象を結成せば、すなわち吊り上げて自縊するを主る。
大抵虎克干防身,克支防宅。上克下外喪,下克上內喪。若在陽憂男,在陰憂女。如二月甲戌日課得戌甲、午戌、午戌、寅午,三傳戌午寅,將得虎乘天上死神迫日辰,必有死喪事。午為陽,憂男子。下克上,內喪。又如六月壬戌日,課得戌壬、酉戌、酉戌、申酉,三傳戌酉申,將得虎乘地下死神迫日辰,必有死喪事。戌為陽,憂男子,上克下,外喪。此課十分凶,若貴臨鬼門,日辰年命得吉神,虎被沖剋,為魁化魂歸,先憂後喜。
大体に言えば、白虎が日干を克するは自身に災あるを防ぐを要し、日支を克するは家宅に事の出るを防ぐを要す。上神が下神を克するは家門以外の喪を主り、下神が上神を克するは家門以内の喪を主る。陽支に落つるは憂うるは男子で、陰支に落つるは憂うるは女子である。たとえば二月の甲戌日は、四課は排し成して甲の上に戌を見、戌の上に午を見、日支の戌の上に午を見、午の上に寅を見、三伝は戌・午・寅で、白虎は天盤の上の死神に乗って来りて日干・日支を逼迫すれば、必定に死喪の事あらん。午は陽に属し、憂うる所は男子に在り、また下神の上神を克するに逢うので、家内の喪と断ず。またたとえば六月の壬戌日は、四課は排し成して壬の上に戌を見、戌の上に酉を見、日支の戌の上に酉を見、酉の上に申を見、三伝は戌・酉・申で、白虎は地盤の上の死神に乗って来りて日干・日支を逼迫し、同じく必ず死喪あらん。戌は陽に属し、憂うる所は仍として男子に在り、この一回は上神が下神を克するので、家外の喪と断ず。この課は凶は十分に到り、ただ独り貴人が鬼門に臨み、日干・日支・行年・本命の上にまた吉神を得、白虎がさらに冲克せられて、こそ魄は化じ去るも魂は已に帰り来り、先に憂えて後に喜ぶと算う。
《觀月經》(名旱苗無雨):白虎乘死神死氣臨日辰、行年,主有災殃,病者不蘇。死囚為白虎,來臨日用由。魄化魂消散,死亡病者愁。行年同位上,患者命難留。細意看年用,凶神禍病尤。
『観月経』はこの一課に名を「旱苗に雨なし」と取り、禾苗の久しく旱して雨せず、眼を看るに枯死せんとする意を取る。それに曰く、白虎が死神・死気に乗って日干・日支あるいは行年の上に臨めば、災殃あるを主り、病人は蘇醒し難し。歌訣に講ず——死囚の気の上に坐する白虎が、来りて日干と発用の処に臨めば、便ち魄化・魂散の象で、病家はただ死亡のみあるを愁う。行年がもしまたそれと同じく一位に在れば、病人の性命はさらに保ち難し。占断する時は行年と発用の両処を細看すべく、凶神の聚まること愈多ければ、禍患・病苦もまた愈重し。
假令正月癸巳日寅時占,戌加癸為發用,上克下,白虎乘死氣來克癸水,三傳又見天羅日之正墓也,將是螣蛇,此卦有死亡之事。若人行年至丑必凶。依元首卦推之,萬無一失。 鬼戌白 鬼未陰 鬼辰蛇 空 六 陰 白 亥 寅 未 戌 寅 巳 戌 癸 貴 寅卯辰巳 丑 午 子 未 亥戌酉申
さらに一例を挙ぐれば、正月の癸巳日に寅時に占問す。癸の寄宮は丑にあり、天盤の戌は正に丑の上に落ち、戌が癸に加わって発用し、戌土が癸水を克するは、上神が下神を克するに属す。白虎は死気に乗って前来りて癸水を克伐し、しかも三伝の裏にまた辰を出現す——辰は既に天羅で、また正に水命の本墓で、末伝の辰の上に乗るは還って螣蛇である。この幾層の意思はみな死亡に指向す。もし占う者の行年が丑に行き到れば、必定に凶に応ず。この課は上が下を克して以て初伝を取り、元首の課に属し、元首課の法則に照らして推せば、万に一の失もなしと説くべし。課盤の上の三伝の戌・未・辰の旁らに各々一個の「鬼」の字を標するは、土が水を克すれば、三伝はみな癸の鬼なればなり。四課は右より左へ癸の上に戌を見、戌の上に未を見、日支の巳の上に寅を見、寅の上に亥を見、依次に白虎・太陰・六合・「天空」(虚詐・不実を主る凶将)に乗る。図の中に「貴」を標する地方は、天乙貴人の盤上に於ける落宮である。
白虎西方本是金,性專刑殺忌加臨。若遇死神相會合,日辰年上見災侵。遇此即名魄化卦。假如無病也昏沉。二月寅時甲戌日,勝光為虎是其陰。甲上天魁,戌上勝光,是甲之陰神。死神正巳二居午,死神正月在巳順行十二。止怕相兼作害深。虎為死神兼之相逼也。
歌訣に曰く、白虎は西方に属し、本体は金で、性情はもっぱら刑罰・殺伐を主り、最もそれが要緊の処に加臨するを忌む。もしさらに死神と會合すれば、日干・日支と行年の上に便ち災殃の侵擾を見ん。かような情形に碰上ればすなわち魄化卦と呼び、縦にもともと病なきも、人は昏沉・不振と為らん。それは二月の寅時の甲戌日を挙げて例と為す——勝光(午の別名)が白虎に乗るは、正に日干の陰神である。注文は解釈す——甲の上に天魁(戌)を見、戌の上に勝光(午)を見、午は便ち甲の陰神である。歌訣にまた死神は正月は巳に在り二月は午に在りと曰い、注文は死神が正月の巳より十二辰を順行し、二月は正に午位に当たるを補明す。最も怕るるは白虎と死神との両者の兼并して害を為すこと極めて深し。注文は点破す——これはすなわち白虎と死神とが一体を合成して一同に相い逼る局面である。
六月未時壬戌日,天魁乘虎又加壬。六月死神來至戌,下逼行年依此行。賊上為內下克外,陽為男子女為陰。行年若遇魁罡立,身須逢害必加迍。用在陽憂男,在陰憂女。上克下為外喪,下賊上為內喪。行年在魁罡,月下自喪身軀也。
歌訣はさらに六月の未時の壬戌日を挙ぐ——天魁(戌)が白虎に乗って壬の上に加臨する。六月の死神は恰好戌に行き到り、便ち下より上に向かって行年を逼迫す——その余の月份はこれに依りて順推す。下神が上神を賊克するは家内の喪と断じ、上神が下神を克するは家外の喪と断ず。陽支の憂うる所は男に在り、陰支の憂うる所は女に在る。行年がもし正に魁(戌)・罡(辰)の上に立てば、本身は必ずその害を遭い、困頓は免れがたし。注文は重申す——発用が陽支に落つれば男子を憂え、陰支に落つれば女子を憂う。上神が下神を克するは家外の喪と為し、下神が上神を賊克するは家内の喪と為す。行年が魁罡の上に圧するは、当月を出でずして便ち身を喪うの禍あらん。
《訂訛》:喪魄,正月未、二月辰、三月丑、四月戌,周而復始。加人行年或日辰發用。四土凶神能喪人魄,故名喪魄。占主病將死,壯健亦衰。
『訂訛』は別に喪魄の一煞を立つ——正月は未に在り、二月は辰に在り、三月は丑に在り、四月は戌に在り、四位は輪じ尽してさらに頭より循環す。それが人の行年に加臨するか、あるいは日干・日支の上に落ちて発用すれば、すなわち格を成すと算う。辰戌丑未の四位はいずれも土に属し、一処に聚まれば便ち凶神を成し、人をして魂魄を失わしむる能あるがゆえに、名を喪魄と取る。この煞を占えば、病人は将に死去せんとし、たといもともと壮健の人も、転じて衰頹に向かわん。
飛魂卦
游魂來加年日上(加行年、日辰上),用起兼之惡將並。但是飛魂魂不定,行逢鬼魅祟神驚。若問殺居何所在,順行正月起登明。
歌訣に曰く、游魂の神が行年と日干の上に加臨す——すなわち行年および日干・日支のこの幾処に落ち——また発用を充当し、還って凶悪の天将と一処に并す。およそ飛魂の象あれば、人の魂魄は便ち安定し得ず、出門すればすなわち鬼魅に撞見し邪祟に惊嚇せられん。もしこの一煞が究竟何れの処に居るかを問わんと欲せば、起法は正月は「登明」(亥の別名)より起こり、十二辰を順行して依次に推移す。
《袖中金》:飛魂喪魄,魂屬陽,魄屬陰。二者聚散去來之神。若於日辰行年上見者,壅滯魂魄之往來。若更值天乙逆行,白虎入傳,三傳隔角不見生氣,健者憂衰,病者憂死。
『袖中金』に曰く、飛魂と喪魄のこの一対の煞は、魂は陽に属し魄は陰に属し、いずれも聚散・来去を掌管する神である。それらがもし日干・日支あるいは行年の上に出現すれば、すなわち魂魄の往来を壅塞・阻滞せん。倘若さらに天乙貴人の逆行・白虎の三伝に進入するに碰上り、しかも三伝が彼此隔角してまた生気を見ざれば、然らばすなわち身体の强健なる人は衰敗を担心すべく、已に病める人はすなわち性命の保たれ難きを担心すべし。
《訂訛》:飛魂,正月起亥,順行十二宮,加人行年或日辰發用,令人魂有飛揚千里之象,故名飛魂。占主夜多凶夢,鬼祟相侵,恍惚不寧。
『訂訛』に曰く、飛魂の煞は正月は亥に起こり、十二宮に順いて依次に推移す。それが人の行年に加臨するか、あるいは日干・日支の上に落ちて発用すれば、便ち人の魂魄に飛揚し出でて千里に遠く走るの意象を令するがゆえに、飛魂と呼ぶ。この煞を占えば、夜裏に多く凶夢を作し、邪祟が前来りて侵擾し、白日もまた精神は恍惚として心緒は寧からず。
三陰課
凡天乙逆行,日辰在後,用其囚死,將乘元虎,時克行年,為三陰卦。蓋貴人逆治,日辰在後,陰氣不順,一也;用神囚死,動作無光,陰氣不振,二也;將乘元虎,時克行年,陰氣不利,三也。此三者闇昧幽晦,故名三陰課。占者凡事不能,多有晦滯。統中孚之體,乃群陰當惡之課。
およそ天乙貴人が逆行し、日干・日支が貴人の後に落ち、発用の神が囚死の地に処り、天将が玄武・白虎に乗り、占時がまた行年を克傷するを、すなわち「三陰卦」と呼ぶ。三陰と称する所以は、三重の陰晦が一処に畳まればなり——貴人が逆らって事を治めて日干・日支がそれの後頭に排するは、陰気の順ならず、これ第一重。発用の神が囚死にして気なく、一たび挙動あれば便ち黯淡として光なく、陰気の振るわず、これ第二重。天将が玄武・白虎に乗り、占時がまた行年を克するは、陰気の利ならず、これ第三重。三者はみな晦暗・幽昧の象に属するので、名を三陰課と取る。この課を占う人は凡事みな為し成らず、処処に滞澁して通じ難し。それは統ねて『周易』の中孚卦の体に属し、群陰の道に当たりて悪を為す課である。
象曰:“動作困苦,百事沉淪。見官屈伏,占病多迍。仕憂祿位,男忌婚姻。求財破散,孕主女娠。”如日辰三傳始終囚死、帶墓,時克行年,最凶。主公私事皆不成。或喪魂游魂,五鬼伏殃,諸煞並臨,其禍尤甚。喪魂殺,正月起未,逆行四季。游魂殺,正月起亥,順行十二辰。天鬼伏殃殺,正月起酉,逆行四仲。
断辞に曰く、およそ挙動あればみな困頓・辛苦して、百事は沉淪して起ち難し。官長に見ゆればただ身を屈して伏低するのみ、病を占えばすなわち遷延して愈え難し。官を為すは俸禄・職位を憂え、男子は婚を議るを忌み、財を求めれば必ず破散を致し、孕妇は多く半ば女を生む。もし日干・日支と三伝とが始より終に至るまで囚死の地に処り、また墓神を帯び、占時がさらに回頭して行年を克すれば、あれは最も凶で、公事・私事は一概に弁じ成らず。倘若喪魂・游魂・五鬼・伏殃のこれらの煞が一斉に身に臨めば、禍患は格外に深重なり。この幾個の煞の起法は——喪魂煞は正月は未に起こり、辰戌丑未の四季位の上に逆行す。游魂煞は正月は亥に起こり、十二辰を順行す。天鬼・伏殃煞は正月は酉に起こり、子午卯酉の四仲位の上に逆行す。
其殺並臨日辰年命,占病必死,行兵多敗,謀為及占家宅,主家破人離,百事凶殃,宜禳之。則應中孚六三得敵或鼓或罷,或泣或哥之凶象。六處有救解神,末傳旺相,則九二鳴鶴在陰,其子和之之象也。
これらの煞が一斉に日干・日支・行年・本命の上に圧せば、病を占えば必ず死し、兵を出だせば多く敗る。事情を謀劃するも家宅を占問するも、いずれも家破れ人散り百事の凶殃を主り、理に応じて禳解を設くべし。これはすなわち『周易』の中孚卦六三爻の「敵を得、あるいは鼓しあるいは罷め、あるいは泣きあるいは歌う」の凶象に応ず——進退に拠を失い、忽ち悲しみ忽ち喜ぶ。反って、もし日干・日支・初・中・末の三伝・行年・本命のこの六処に救解の神あり、末伝がまた旺相の地に居れば、あれは便ち九二爻の「鳴く鶴は陰に在り、其の子はこれに和す」の吉象で、身は幽暗の中に処るも、仍として同じ声の相い応ずる人あり。
如正月癸丑日卯時子將,占人申命,行年在丑,天乙乘巳加申,逆理天乙,日辰在天乙後,戌為死乘白虎凶將加癸為用,卯時屬木,克人年丑土,為三陰課。 戌白 未陰 辰蛇 陰白陰白 未戌未戌 戌丑戌癸 貴 寅卯辰巳 命 丑 午 子 未 亥戌酉申 年
正月の癸丑日を挙げて例と為す——卯時に占問し、月将は子で、子将を卯時に加えれば、天盤は地盤より三位退く。来りて問う人の本命は申に在り、行年は丑に在る。癸日の昼の貴人は巳で、天盤の巳は恰も地盤の申の上に落ち——貴人が申に臨むは、正に逆行の位で、これが便ち天乙の逆行である。日干の癸と日支の丑とはともに貴人の後頭に排するは、第一重の陰である。癸は丑に寄宮し、丑の上に戌を見、戌は死地に処してまた白虎の凶将に乗り、日干に加臨して発用するは、第二重の陰である。占時の卯は木に属し、回頭して行年の丑土を克傷するは、第三重の陰である。三陰は倶に備わるので、三陰課と定む。四課は癸の上に戌を見、戌の上に未を見、日支の丑の上に戌を見、戌の上に未を見——一・三課と二・四課とが両両重畳す。三伝は戌・未・辰を取り、分别に白虎・太陰・螣蛇に乗る。図の上に「貴」「命」「年」を標する地方は、分别に貴人・本命と行年とが盤上に於ける位置である。
《訂訛》:三陰:貴人逆治,日辰在後,一也;發用傳終,各帶囚死,二也;將乘元虎,時克行年,三也。三者俱主闇昧無光,幽陰之象,故名三陰。占主暗滯沉淪,見官屈伏,病多迍,名位失,財破,婚無就,孕生女。如日辰發用帶墓,鬼克行年,最凶。公私事皆不成。或喪魂、游魂、天鬼諸煞,占病必死。
『訂訛』は三陰の三個の条件を帰納す——貴人が逆らって事を治めて日干・日支がそれの後面に落つるは、これ其の一。発用と末伝とがともに囚死の気を帯ぶるは、これ其の二。天将が玄武・白虎に乗って占時がまた行年を克するは、これ其の三。三者はみな晦暗・光なきを主り、幽陰の象なので、三陰と呼ぶ。この課を占えば、処処に暗滞・沉淪し、官に見ゆればただ屈従するのみ、病情は遷延して愈え難く、名位は保つ能わず、銭財は破耗せんと要し、婚事は談じ成らず、孕妇は多く女児を生む。もし日干・日支の発用の処にまた墓神を帯び、鬼神がさらに来りて行年を克すれば、あれは最も凶で、公事・私事は一概に弁じ成らず。倘若喪魂・游魂・天鬼のこの幾個の煞もまた攙雑して進み入れば、病を占えば必ず死して疑いなし。
此課主凶,然六處有救解,末傳旺相,反之。附:課傳中六陰俱備者,名六陰課。利私謀,不利公干。晝傳夜迷甚。
この一課は総じて凶を以て断ずるも、けれどももし日干・日支・三伝・行年・本命の六処に救解の神あり、末伝がまた旺相の地に居れば、結果は便ち反って吉に転ず。附帯に一説す——四課・三伝の当中にもし六個の陰支が斉備すれば、すなわち「六陰課」と呼び、私下に謀劃するに宜しく、公家の差事に利あらず。白天に課を起こして伝の中に尽く夜色なれば、昏迷・不明の象はいっそう厳重なり。
《心鏡》(又丘墓臨日辰亦曰三陰):天乙逆行為不順,元白二神居日前(一陰),用中囚死復相剋(用神囚死,神將相剋日,二陰),時賊行年凶有殘(占時克行年為三陰)。三陰任汝能行履,卦主精神入墓間。百事總乖家業散,縱使登科位不遷。日辰見元武白虎為一陰,日辰在天乙後為二陰,用神囚死為三陰。
『心鏡』に別に一説あり、丘墓が日干・日支に臨むもまた三陰と呼ぶ。その歌訣に講ず——天乙貴人が逆行すれば、気機は便ち順わず。玄武・白虎の両位の凶将が日干の前に居るは、これ第一重の陰。発用と中伝とがともに囚死の地に処りてまた彼此克伐す——発用の神は囚死にして気なく、天将と乗る所の神とが互相交戦して并せて日を克す——これ第二重の陰。占時が行年を賊克すれば、凶険・傷残して、これ第三重の陰。三陰が既に成れば、汝が怎样に奔走し事を行うを任するも、課主の精神は終に墓穴の裏に陥れるがごとし。百事は乖違し、家業は離散し、たとい僥倖に科考に得中するも、官位は升遷を見ず。注文はさらに帰納を作す——日干・日支の上に玄武・白虎を見るを一陰と為し、日干・日支が天乙の後に落つるを二陰と為し、発用の神の囚死を三陰と為す。
《袖中金》:天乙逆治,元白立於前,大旺克初,日辰囚死,正時克行年,名曰三陰。為悔為否,為殺為消。凡事屯蒙,健人失志,喜事反凶。
『袖中金』に曰く、天乙貴人が逆らって事を治め、玄武・白虎が前頭に立ち、末伝の旺気が反って初伝を克伐し、日干・日支が囚死の地に処り、正時がまた行年を克する——かような課はすなわち三陰と呼ぶ。その意味は悔恨・閉塞・殺伐と消耗である。凡事はみな屯卦・蒙卦のかのごとき艱難・蒙昧に似て、身体の健旺なる人もまた灰心・喪志し、もともと歓喜なるべき事は反って凶事に転成す。
《訂訛》:四逆:用吉終凶,一也;用旺終衰,二也;天乙逆行,三也;傳入天乙後,四也。四者皆屬拂逆,故名四逆。占主事體隔絕,有頭無尾,志意不遂,妻奴不順。
『訂訛』はまた「四逆」の一格を立つ——発用はもと吉なのに末伝は転じて凶と為るは、これ其の一。発用は旺に居るのに末伝は転じて衰と為るは、これ其の二。天乙貴人が逆行するは、これ其の三。三伝が天乙の後に落ち入るは、これ其の四。四様はみな違拗・不順に属するので、四逆と呼ぶ。この格を占えば、事情は前後に隔絶し、頭ありて尾なく、心願は遂げ難く、妻室・奴僕に連ねるも使嗚を聴かず。
龍戦課
凡卯酉日占,卯酉為用,人年立卯酉,為龍戰課。蓋卯月陽氣南出,萬物生;陰氣北入,榆莢落。酉月陽氣北入,萬物凋;陰氣南出,麻麥生。此陰陽出入之位,刑德聚會之門,時氣分離,不可復合。
およそ卯日・酉日に占問し、また恰好卯あるいは酉を以て発用を充当し、占う者の行年もまた卯酉の上に立つは、これをすなわち「龍戦課」と呼ぶ。その中の道理は——卯月(二月)は陽気が北より南に向かって透出し、万物は萌生し、同時に陰気は北に向かって収入し、楡銭はこれに随いて凋落す。酉月(八月)は陽気が北に向かって收斂し、万物は凋残し、しかも陰気は北より南に向かって発散し、麻と麦は反って生長す。卯酉の両位は正に陰陽の出入する門戸・刑気と徳気とが聚會する所在で、時令の気はここに到れば便ち道を分かち镳を別にして、再び合わせ攏る能わず。
如卯日占課,遇卯為用,人年復立卯上。酉日占事,逢酉發用,人年並立酉上。此陰氣主刑殺,陽氣主德生,其體如龍,一生一殺,相戰於門,故名龍戰。主占事疑惑,反覆不定,統離之體,乃門戶不寧之課也。
具体に説けば、すなわち卯日に課を起こして卯を以て発用とし、占う者の行年がまた卯の上に立つか、あるいは酉日に事を占いて酉を以て発用とし、行年もまた一併に酉の上に立つ。この時、陰気はもっぱら刑殺を主り、陽気はもっぱら生養を主る——両股の気勢は宛然として両条の龍のごとく、一条は生を主り一条は殺を主り、この道の門戶の上に在りて厮杀・相持するので、名を龍戦と取る。この課を占えば、問う所の事は必定に疑惑にして明らかならず・反復して定まらず。それは統ねて『周易』の離卦の体に属し、門戸の安寧を得ざる課である。
象曰:“合者將離,居者將徙。欲行莫行,欲止莫止。出路迍邅,求婚莫娶。胎孕不安,財物弗聚。”如三傳入三交課,主賊來必戰。游神(春丑、夏子、秋亥、冬戌)相加,主行人必來,求財不得,占病反覆,占官改動。
断辞に曰く、もともと聚合するは将に分離せんとし、安居するは将に遷徙せんとす。走らんと欲するも走り成らず、停まらんと欲するも停まり得ず。身は出門・在外に在りて坎坷・難行し、婚を議ればすなわち迎娶するに宜しからず。胎孕は安穩を得ず、財物は聚まり起こらず。もし三伝が落ち成して三交の課と為れば、盗賊の門に上るあるを主り、必ず一场の争闘を起こさん。もしさらに游神(春は丑に在り夏は子に在り秋は亥に在り冬は戌に在る)の加臨に逢えば、然らばすなわち出門の人は一定して帰り来り、財を求めるは求め得ず、病を占えば病情は反復し、官職を占えばすなわち変動あるを要せん。
或夫妻年立其上,主室家離散。兄弟年立其上,主爭財異居。將得天后,事起婦女。乘蛇虎元,尤加驚恐。事宜決斷,進退不能,南北俱凶,縱有吉神將,不免其咎,當應離九三大耋之嗟凶象也。
もし夫妻両人の行年が卯酉の上に立てば、家室の離散を主る。もし兄弟の行年がその上に立てば、すなわち銭財を争奪して家を分かち別居せんと為る。天将がもし天后を得れば、事情は多く半ば婦女に由りて起こる。もし乗る所が螣蛇・白虎・玄武なれば、惊恐の意はさらに重し。この類の事はもともと当機に断を立つべきなのに、偏に進退ともに難しく、南に往くも北に往くも吉利ならず。縦に課の上に別に吉神・吉将ありとも、この份の咎責を免れず。これは正に『周易』の離卦九三爻の「日昃の離は、すなわち大耋の嗟なり」の凶象に応ず——夕陽は西に斜めして、ただ老境の悲嘆を余すのみ。
如丁卯日辰時戌將占,卯加酉發用,人年立卯地,為龍戰課。 卯常 酉朱 卯常 常朱勾陰 卯酉未丑 酉卯丑丁 陰 亥子丑寅 戌 卯 年 酉 辰 申未午巳
丁卯日を挙げて例と為す——辰時に占問し、月将は戌で、戌将を辰時に加えれば、天盤と地盤とは恰好両両相冲して、反吟の局を成す。丁は未に寄宮し、未の上に丑を見、日支の卯の上に酉を見る。天盤の卯は地盤の酉の上に落ち、卯を取りて発用し、しかも占う者の行年もまた地盤の卯位に立つので、龍戦課を成す。四課は右より左へ丁の上に丑を見、丑の上に未を見、日支の卯の上に酉を見、酉の上に卯を見る。反吟は親なし、三伝は卯・酉・卯を取り、一去り一還る——正に両龍の相い闘い進退・往复する象に合す。卯の上は太常に乗り、酉の上は朱雀に乗り、別の両課は分别に勾陳と太陰とに乗る。図の中に「陰」を標する処は太陰の落宮で、「年」を標する処は占う者の行年の在る所である。
《訂訛》:龍戰:卯酉日占,卯酉上神發用,行年卯酉更的。卯月陽氣南出,萬物生,陰氣北入,榆莢落。酉月陽氣北入,萬物凋,陰氣南出,麻麥生。此陰陽出入,刑德聚會,其體如龍,一生一殺,相戰於門,故或龍戰。
『訂訛』に曰く、龍戦の一格は、卯日・酉日に占問して、卯位あるいは酉位の上の神に由りて発用を充当せしむ。もし占う者の行年もまた卯酉に在れば、すなわちさらに確鑿なり。それは同じく節気より論を立つ——卯月は陽気が北より南に向かって透出し、万物は萌生し、陰気はすなわち北に向かって退入し、楡銭は凋落す。酉月は陽気が北に向かって收斂し、万物は凋残し、陰気は北より南に向かって発散し、麻麦は反って生ず。卯酉は陰陽の出入の処・刑徳の聚會の門で、その形勢は両条の龍の有るがごとく、一は生を主り一は殺を主り、門口に在りて相い闘う——因って龍戦と呼ばる。
占主疑惑反覆,門戶不寧。出忌南行,入忌北行。合者將離,居者將徙。欲行莫行,欲止難止。婚阻,孕不安,財不聚。如傳入三交,賊來必戰。游神並,行人來,病反覆,官改動。或夫妻年立其上,主室家離散,兄弟年立其上,主爭財異居。將得天后,事起婦人,乘蛇虎元,猶加驚恐。
占断の要点は、心中に疑惑して事情は反復し、門戸は安寧を得ず。出門は南に走るを忌み、帰来は北より入るを忌む。もともと一処に合するは将に分かれんとし、安居するは将に搬遷せんとす。動かんと欲するも動き得ず、停まらんと欲するも停まり下る能わず。婚事は阻まれ、胎孕は安からず、銭財は聚まり住まず。もし三伝が落ち成して三交と為れば、便ち盗賊の門に上るあり、必ず争闘を起こさん。もし游神が并せ臨めば、出門の人は帰り来り、病情は反復し、官職は調動せん。夫妻の行年が卯酉の上に立てば、家室の離散を主り、兄弟の行年がその上に立てば、財を争いて分居するを主る。天将が天后を得るは、事情は婦人に由りて引起され、螣蛇・白虎・玄武に乗るは、惊恐の意はいっそう甚だし。
《觀月經》:日辰是卯酉,所臨作用神。名為龍戰卦,進退事逡巡。凡卯酉日占事,行年在卯酉上,又遇卯酉入傳,卯酉上發用者,是龍戰卦。其餘日卯酉上發用者,亦是龍戰卦也。父子難同室,夫妻亦不親。若是仲日神位發用在卯酉上,主分離之事也。
『観月経』の歌訣に曰く、日干・日支が卯酉に落ち、それらの上面の神がまた発用を充当すれば、この一課は便ち龍戦卦と呼び、問う所の事は進退・遅疑して猶豫して前に進まず。注文は補充して曰く——およそ卯日・酉日に事を占い、行年が卯酉の上に在り、また卯酉が三伝に進入し、并且に卯酉の上の神に由りて発用するに碰上るは、龍戦卦である。その余の日子はただ発用の神が卯酉の上に落ちれば、同じく龍戦卦と算う。歌訣にまた曰く、父子は同じく一室に居ること難く、夫妻の間もまた親近ならず。注文は説明す——もし仲位の日で、神位がまた卯酉の上に在りて発用すれば、便ち分離の事を主る。
分財爭內外,論盜在比鄰。立秋乙卯日,辰時發用神。天罡臨卯上,發用正含嗔。假令乙卯日巳將辰時占,一課巳乙、二課午巳、三課辰卯、四課巳辰,取辰加卯下賊上發用,是天罡在卯也。人年立卯酉,正是涉迷津。人行年本命立卯酉,得此卦其人應涉迷津也。
歌訣に続けて曰く、家の裏に財を分かてば鬧して内外ともに争執を起こし、盗賊を占えばすなわち賊人は近隣の中に在り。それは立秋の後の乙卯日を挙げて例と為し、辰時に起こりて発用の神を出す——天罡(辰の別名)が卯の上に臨み、この一発用は本身に怒気を含む。注文は演算して曰く——乙卯日は巳を以て月将と為し辰を以て占時と為し、四課は依次に乙の上に巳を見、巳の上に午を見、日支の卯の上に辰を見、辰の上に巳を見る。辰を取りて卯に加えれば、卯木は辰土を克し、下神が上神を賊克するなので、因って辰を以て発用とす——これがすなわち天罡の卯に臨むである。歌訣の末句に曰く、人の行年が卯酉に立つは、正に迷津を渉らんと要す。注文は点明す——占う者の行年あるいは本命が卯酉に立ってこの卦を得れば、この人は便ち迷茫の津口に渡り在るがごとく、前路は辨え難し。
《心鏡》:龍戰元黃二八門,春生秋殺決於分。二月建卯,春分,生萬物。八月建酉,秋分,殺萬物。卯是日出月入之門,酉是日入月出之門。但遇卯酉日占事,用起其上,或人行年本命立卯酉者,則用此卦也。
『心鏡』の歌訣に曰く、龍戦の象は玄黄の相い雑わる血色を帯び、卯酉のこの二八の両道の門の上に発生す。春は生を主り秋は殺を主り、全く春分・秋分の両個の節気に憑りて以て判定す。注文は解釈す——二月の月建は卯に在り、春分に交わりて万物は生じ、八月の月建は酉に在り、秋分に交わりて万物は殺す。卯は太陽の升起し月亮の沉落する門で、酉は太陽の沉落し月亮の升起する門である。ただ卯日・酉日に事を占いて発用がその上より起こるか、あるいは占う者の行年・本命が卯酉に立てば、すなわちこの一卦を用いて断ず。
燕至燕歸離會兆,雷發雷收見潛因。二月元鳥至,以象會。八月元鳥歸,以象離。二月雷乃發聲,龍見德。八月雷始收聲,龍潛形,應離會之象。如今卯酉日占事,行年用起立斯辰。卯酉日占,或行年本命在卯酉上,或用神在卯酉上,是龍戰卦也。
歌訣にまた曰く、燕子は春に来り秋に去るは、正に聚會と離散の征兆である。春雷は声を発し秋雷は声を収むるは、龍に顕現と潜蔵の縁由あるを見るべし。注文は解釈す——二月は玄鳥が飛来して、相い會する象を取り、八月は玄鳥が帰去して、離別の象を取る。二月の裏に雷は始めて響き作し、龍は顕現して徳気は布施す。八月の裏に雷は始めて声を収め、龍は形を潜めて殺気が当令す——一來り一去るは、正に離と會の両重の意象に応ず。歌訣の末句に曰く、今や卯日・酉日に事を占い、行年と発用とがともにこの両個の地支の上に立つ。注文はさらに申明を作す——卯酉日に占問し、ただ行年・本命が卯酉に在るか、あるいは発用の神が卯酉に在れば、便ち龍戦卦である。
刑德兩途俱合此,二月春分生萬物,主德復有殺氣,盜刑而榆莢落。八月秋分殺萬物,主刑復有德氣,盜施而蒜麥生。故曰刑德兩途俱合此也。出南入北忌遭迍。行人進退心疑貳,兄弟乖張妻不親。
歌訣に曰く、刑と徳との両条の路はともにここに匯合す。注文は解釈す——二月の春分はもともと万物を生養するを主り、徳気が当令するなれども、その中に仍として暗に殺気を蔵し、あの股の刑気は悄悄と施行する——ここにおいて楡銭は紛紛として地に落つ。八月の秋分はもともと万物を肅殺するを主り、刑気が当令するなれども、その中にまた暗に徳気を含み、あの股の生気は偷偷と施行する——ここにおいて蒜と麦とが反って萌生す。正にこのがため、こそ刑徳の両途がともに卯酉に匯合すると説く。歌訶にまた曰く、出門して南に向かい、家に帰りて北に向かうは、いずれも困頓を提防するを要す。路を行く人は進退定まらず心に二意を懐き、兄弟の間は乖張・不睦で、夫妻の間もまた親近ならず。
《袖中金》:卯酉日占事,卯酉上發用,名曰龍戰卦。卯酉,天之私門,生殺有限,分社有期。雷動龍奔,示其有戰。主人心疑惑,進寸退尺,動有乖離之象。
『袖中金』に曰く、卯日・酉日に事を占いて、卯酉の上より発用するは、名を龍戦卦といい。卯酉は上天の私密の門戸で、生と殺とはここに於て界限を劃し出し、聚と散とはここに於て期限を定む。春雷が一たび動けば、龍はすなわち奔走す——正に此処に一场の争戦あるを顕示す。この卦を占う人は心の裏に疑惑定まらず、前に往きて一寸を挪めばすなわち後に向かって一尺を退き、およそ挙動あればみな乖違・離散の意味を帯ぶ。
假令立秋乙卯日巳將辰時占,天罡加卯發用,凶。若行年又在卯酉者尤凶。 辰勾 巳青 午空 青 勾 空 青 巳 辰 午 巳 辰 卯 巳 乙 午未申酉 巳 戌 辰 亥 卯寅丑子
仮に立秋の後の乙卯日に在りて、巳を以て月将と為し辰を以て占時と為して課を起こし、巳将を辰時に加えれば、天盤は地盤より一位進む。乙は辰に寄宮し、辰の上に巳を見、日支の卯の上に辰を見る。天罡の辰が卯の上に加わり、卯木は辰土を克し、下神が上神を賊克するに属し、因って辰を取りて発用とし、凶と断ず。占う者の行年がもしまた卯あるいは酉に落ちれば、凶険はいっそう重し。四課は右より左へ乙の上に巳を見、巳の上に午を見、日支の卯の上に辰を見、辰の上に巳を見る。三伝は辰・巳・午を取り、依次に勾陳・青竜・天空に乗る。末の四行は仍として地盤の十二宮の方位の排列である。
《曾門》:二八門上一為發用,欲行難行,欲止難止。人年立之,或分或異。刑德集聚,俱合於門。天地解離,不可復合。
『曽門』の一書に曰く、卯酉のこの二八の両道の門の上にただ一位の発用を充当するあらば、人はすなわち走らんと欲するも走り成らず、停まらんと欲するも停まり下る能わず。占う者の行年がもしまた此処に立てば、分かるるならずんばすなわち別居せん。刑気と徳気とがともに聚まり攏り来り、一斉にこの道の門の上に匯合し、天地の気はここに於て解散・離析し、再び一処に合い到る能わず。
《定章》曰:二月建卯,出萬物之門。八月建酉,納萬物之門。日出卯,月生酉,此皆日月所遊,萬物所從。故曰卯酉之辰為二八之門。用起立此,占人欲行不得行,欲止不得止,以象刑德,俱合於門。
『定章』に曰く、二月の月建は卯に在り、あれは万物の出生する門である。八月の月建は酉に在り、あれは万物の収納する門である。太陽は卯位より升起し、月亮は酉位より生ず——これはみな日月の運行の経る所・万物の依循する所の路径なので、卯酉の両辰は二月と八月の門戸と曰う。発用がもしここに立てば、占問の人は便ち走らんと欲するも走るを得ず、停まらんと欲するも停まり下る能わず——刑気と徳気とがともにこの道の門の上に匯合して、去留は両なんども難しければなり。
生者東南,入者西北。人年立卯,卯日占事,用起卯上。或人年立卯,以酉日占事,用起酉上。以此占人,動搖不安。夫妻年在上,室家分絕。兄弟年立之,爭財異居。以應刑不應德。合者將離,居者將徙也。丁卯日戌加卯用,年在卯上,曰二門。是欲行難行,欲止難止。主室家分離,兄弟異居也。
生発の気は東南に趨き、收斂の気は西北に趨く。占う者の行年が卯に立ち、また卯日に事を占いて発用が卯の上より起こるに逢うか、あるいは行年が卯に立つも、却って酉日に事を占いて発用が酉の上より起こる——この両種の情形に照らして推断すれば、この人は必定に動揺・不安なり。夫妻の行年がこの両位に落ちれば、家室は分崩・断絶せんと要し、兄弟の行年が此処に立てば、すなわち財を争いて別処に分居せんと為る。これは刑気に応じて徳気には応じ上げざるなり。もともと聚合するは終に分離し、安居するは終に遷徙す。前面の丁卯日のあの一例は、戌が卯に加わりて卯を以て発用とし、行年もまた卯の上に在れば、すなわち「二門」と呼び——正に走らんと欲するも走り成らず、停まらんと欲するも停まり下る能わず、家室の分離・兄弟の別居を主る。
死奇課
凡斗罡繫日辰陰陽發用,為死奇課。斗罡者辰也,蓋天罡為死奇凶惡厭翳之神,死囚帶殺,所在者殃。如罡加四課之神,主死亡奇怪之事,故名死奇。月為刑奇主刑殺,占者咸凶,故主病疾憂患。日奇為福德,主奸盜並息,反凶為吉。統“未濟”之體,憂中望喜之課也。
およそ斗罡が日干・日支の陽神あるいは陰神を係住して発用を充当するを、すなわち「死奇課」と呼ぶ。いわゆる斗罡とは、指す所は辰である。天罡のこの一位は死奇を主る凶悪・掩蔽の神で、本身に死囚の気と殺気とを帯び、何れに落ちても、其処には便ち殃禍あらん。天罡がもし四課の神の上に加われば、死亡と離奇怪異の事とあるを主る——因って名を死奇と為す。それと相配するに、月宿は刑奇と為り、もっぱら刑罰・殺戮を主り、占う者が遇えば凶険ならざるなし——それゆえ疾病・憂患を主る。日宿は徳奇と為り、福徳の神に属し、姦邪・盗賊を一併に止息せしむる能あり、凶を転じて吉と為すを得。この課は統ねて『周易』の未済卦の体に属し、憂患の中に還って転喜を盼望し得る課である。
象曰“辰為天罡,刑獄之曜。疾病死期,征戰凶兆。論訟被囚,干貴失靠。婚嫁出行,禍患自招。”如帶日鬼日墓,災劫惡煞相併克賊,及乘白虎,為必死之兆,大凶。更臨歲月之上,為三死課,禍尤凶。經曰“三者盡傷,歲必受殃。”
断辞に曰く、辰は天罡で、刑獄を主る星曜である。疾病を占えばすなわち死期は已に到り、征戦を占えばすなわち凶険の兆である。官司を打てば拘囚せられんと要し、貴人に見ゆるを求めればすなわち倚靠を失う。婚嫁と出行とは、いずれも自ら禍患を招く。もし天罡がさらに日鬼・日墓を帯び、災煞・劫煞の一類の悪神と一処に并して前来りて克伐し、また白虎に乗れば、あれはすなわち必ず死する兆で、凶は極点に到る。倘若それがさらに太歳と月建の上に臨み到れば、便ち「三死課」と成りて、禍患は愈発に凶険なり。経の上に曰く、三処に尽く傷克を被れば、この一年は必定に殃を受けん。
此天罡臨日,旬內憂;臨辰,月內憂;臨歲,歲內憂。孟憂二親,仲憂己身,季憂妻奴,當應未濟初六濡其尾吝之凶象也。若旺相德合相生遇吉將,或六處有沖剋救神及日奇,反吉。辰為月將尤美,為死奇回光,除禍為福,則應六五,有孚吉象也。
応期の遠近に至っては——天罡が日干に臨むは、憂患は本旬の内に在り。日支に臨むは、憂患は当月の内に在り。太歳に臨むは、憂患は一年の内に在る。それが寅申巳亥の四孟の位に落つれば、憂うるは父母の両親である。子午卯酉の四仲の位に落つれば、憂うるは自身である。辰戌丑未の四季の位に落つれば、憂うるは妻子・奴僕である。これは正に『周易』の未済卦初六爻の「其の尾を濡らすは、吝なり」の凶象に応ず——小狐が河を渡りて尾を沾湿せしむるは、進退ともに難し。反って、もし課の上に旺相にして気あり徳合相生してまた吉将に遇うか、あるいは日干・日支・三伝・行年・本命の六処に冲克と救神とあり、さらに日奇の照臨を加えれば、反って吉に転ず。ことさら辰が恰恰も当月の月将なる時は、あれは「死奇回光」と呼び、能く禍を除いて福と為す——応ずる所は六五爻の「孚あり」の吉象である。
如甲子日丑時巳將占,辰為天罡,加子為用,死奇課。 辰元 申青 子蛇 青 元 六 白 申 辰 戌 午 辰 子 午 甲 酉戌亥子 申 丑 未 寅 午巳辰卯
甲子日を挙げて例と為す——丑時に占問し、月将は巳で、巳将を丑時に加えれば、天盤は地盤より四位進む。甲は寅に寄宮し、寅の上に午を見、日支の子の上に恰好辰を見る。天罡の辰が日支の子に加臨して発用を充当するので、死奇課と定む。四課は右より左へ甲の上に午を見、午の上に戌を見、日支の子の上に辰を見、辰の上に申を見る。三伝は辰・申・子を取り——正に申子辰の三合水局に合し、その上は依次に玄武・青竜・螣蛇に乗り、別の両課の戌の上は六合に乗り、午の上は白虎に乗る。発用は既に天罡で、また日支の上に圧すれば、死奇の気は便ち直ちに家門に逼る。末の四行は地盤の十二宮の排列である。
《訂訛》:死奇:天罡發用,月行度到角亢之分,或月宿臨太歲,日辰皆是天上日月星三奇,天罡星宿為死奇,月宿為刑奇,日宿為德奇。蓋白晝萬物光輝,夜則鬼神不潛,奸盜為害,所以日主德,月主刑,星主死也。
『訂訛』は死奇を解釈して曰く——天罡が発用を充当し、月亮の行度が角宿・亢宿の分野に走り到るか、あるいは月宿が太歳・日干・日支の上に臨む——これらの講ずる所はみな天上の日・月・星のこの「三奇」である。その中の天罡の属する所の星宿は死奇と為り、月宿は刑奇と為り、日宿は徳奇と為る。かように分派する所以は、白昼の裏に万物はみな光明の中に沐して、夜間に一到れば鬼神はもはや潜蔵せず、姦人・盗賊は便ち出で来りて害を為すが故に、それゆえ太陽は徳を主り、月亮は刑を主り、星辰は死を主る。
日宿即月將是也;月宿乃月躔度。天罡太陰同見,六處有月將照之,謂死奇回光。只有太陰刑奇單見,亦主病患。而又天罡惡神並,且無月將救援,定主死亡奇禍,故名死奇。
いわゆる日宿とは、すなわち当令の月将である。いわゆる月宿とは、すなわち月亮の行く所の躔度である。もし天罡と太陰とが同時に出現し、しかも日干・日支・三伝・行年・本命の六処にまた月将の照臨あれば、これをすなわち「死奇回光」と呼び、凶象は回転することを得。倘若ただ太陰のこの一位の刑奇のみ単独に出現すれば、また疾病の身に纏わるるを主る。もし天罡がさらにその他の悪神と并立して、また月将の前来りて救援するなくんば、あれば便ち一定して死亡と離奇の禍事あり——因って名を死奇と取る。
《觀月經》:式加死奇卦,天罡日月論。死亡推斗下,憂患月中陳。日至能除禍,諸家卦備均。所生為父母,同類兄弟親。墓處論妻妾,三奇推苦辛。斗臨遭死損,月至憂患頻。日到災殃散,思量卦有神。
『観月経』の歌訣に曰く、式盤の上に死奇の卦を排出するは、天罡と日・月の三者を合わせて看るを要す。死亡の事は斗(天罡)の圧する所の処より推し、憂患の事は月宿の臨む所の中に顕現し、しかも日宿が一到れば便ち禍患を消除することを得——各家の占法はこの一点の上に大体一致す。さらに六亲に按じて分派す——我を生ずる一位は父母を主り、我と同類なる一位は兄弟を主り、墓庫の在る所の一位は妻妾を主る。三奇がその上に加臨すれば、便ち各人の苦楽を推し出すことを得。斗が何れの一位に臨めば、あの一位は便ち死損を遭い、月宿が何れの一位に到れば、あの一位は憂患が頻仍し、日宿が何れの一位に到れば、あの一位は災殃は消散す。細々に体味すれば、課の中に自ら神妙の尋ね得べきあり。
如甲乙,亥為生,寅卯為類,未為墓是妾。如丙丁,寅為生,巳午為類,戌為墓。戊己,巳午為生,四季為類,辰為墓。庚辛日巳為生,申酉為類,丑為墓。壬癸日申為生,亥子為類,辰為墓。
例を挙げてこの套の配法を説明す——甲日・乙日は木に属し、我を生ずるは亥水で、同類は寅卯で、墓は未に在り、未のこの一位は便ち妻妾を主る。丙日・丁日は火に属し、我を生ずるは寅木で、同類は巳午で、墓は戌に在る。戊日・己日は土に属し、我を生ずるは巳午の火で、同類は辰戌丑未の四季の位で、墓は辰に在る。庚日・辛日は金に属し、巳を以て生地と為し、同類は申酉で、墓は丑に在る。壬日・癸日は水に属し、我を生ずるは申金で、同類は亥子で、墓は辰に在る。三奇が分别に何れの一類の上に落ちるかを看れば、すなわち応験が父母・兄弟かそれとも妻妾の身の上なるかを知る。
《心鏡》:天上三奇日月星,日為福德月為刑。三奇皆靈奇也。日為福德者,日出則奸盜止,鬼神潛,惡獸伏,病者愈,故為福也。月為刑者,月夜曜也,則奸盜不止,鬼神不潛,惡獸不伏,病則劇,故主刑也。
『心鏡』の歌訣に曰く、天上の三奇は日・月・星で、日は福徳、月は刑罰である。注文は解釈す——この三者はみな霊妙・奇特の物である。太陽は福徳と説くは、日頭が一たび出でれば、姦人・盗賊は便ち止息し、鬼神は潜蔵し、猛獣は收伏し、病人もまた好転を見るがゆえに、福に属す。月亮は刑罰と説くは、月は夜間に光を発する物で、月の照る下に姦盗は止まず、鬼神は蔵れず、猛獣は伏せず、病情は反って加劇するがゆえに、刑を主る。
星是死奇為北斗,更互加之各有靈。星是死奇,為北斗星也。星斗之光不及日月之曜,處暗之中奸盜不止也。加孟所生憂父母,臨仲為身及弟兄,季上見之妻與子,看其臧否與誰並。
歌訣にまた曰く、星のこの一奇は死を主り、指す所は北斗で、三奇は彼此交互に加臨して、各々其の霊験あり。注文は説明す——星はすなわち死奇で、すなわち北斗の星である。斗星の光亮は日月の照耀に比ぶべくもなく、人がかような幽暗の裏に処れば、姦邪・盗賊は便ち肯んじて手を罷めず。歌訣に続けて講ず——三奇が寅申巳亥の四孟の位に加われば、憂うるは父母である。子午卯酉の四仲の位に臨めば、憂うるは自身と兄弟である。辰戌丑未の四季の位に落つれば、憂うるは妻子・児女である。吉凶の好壊に至っては、還ってそれが何れの一位の神将と一処に并するかを看るを要す。
假令今日丙丁,斗加寅,為孟,所憂父母;臨午為仲,所憂己身及弟兄;臨戌是季,為妻子奴婢。寅是火生,午是火旺,戌是火墓。他例此看,何奇加何位即可知之。日主旬中辰月裡,奇加日,吉凶在旬內。奇加辰,吉凶在月內。遇奇則吉凶有應。歲上一年之內程。奇在太歲,吉凶在一年之內應也。
例を挙げて説明すれば、今日がもし丙日あるいは丁日なれば、斗(天罡)が寅の上に加わり、寅は四孟に属し、憂うる所は父母である。午の上に臨めば、午は四仲に属し、憂うる所は自身と兄弟である。戌の上に臨めば、戌は四季に属し、憂うる所は妻子・児女と奴婢である。これは丙丁が火に属し、寅は火の長生で、午は火の帝旺で、戌は火の墓庫なればなり。その余の各干はこれに照らして類推し、何れの一奇が何れの一位の上に加わるかを看れば、便ち推知すべし。歌訣にまた曰く、日宿は一旬の内を管し、日支は一月の内を管す。注文は解釈す——三奇が日干の上に加われば、吉凶は本旬の内に応じ、日支の上に加われば、吉凶は当月の内に応ず——ただ三奇に遇上れば、吉凶は便ち着落あらん。末句は太歳の上は一年の進程を管すと曰い、注文は補明す——三奇が太歳の上に落つれば、吉凶はすなわちこの一年の内に応験す。
星月獨臨當死患,星奇主死、月奇主患。其中日照免危傾。星日之奇雖主凶惡,若日辰太歲上或有日奇,則星月不能為災殃也。蓋日出則星月沒故也。日奇者,月將也,是太陽故曰日宿。月奇者月宿也,是太陰,是二十八宿值日發用也,亦如二煩卦論也。
歌訣に曰く、星奇と月奇とが単独に身に臨めば、すなわち死亡と憂患とあるべし。注文は点明す——星奇は死を主り、月奇は患を主る。下の一句に曰く、その中にもし日光の照臨あれば、便ち傾危を免ることを得。注文は解釈す——星・月の両奇は凶悪を主ると雖も、ただ日干・日支あるいは太歳の上に日奇在らば、星・月は便ち災殃を興し起こさず——太陽が一たび出でれば、星・月は自然に隠没すればなり。いわゆる日奇とは、すなわち月将で、それは太陽を代表するがゆえに日宿と呼び、いわゆる月奇とは、すなわち月宿で、それは太陰を代表し、二十八宿の中の日に値する宿が発用を充当するので、推法もまた二煩卦と一様である。
《曾門》:三光媞媞,更立三奇。斗為死亡,月為憂患。日為福德,孟為二親。仲為己身,季為妻子奴婢。謂斗繫之,憂死亡。月照之,憂疾病。日加之,有喜慶。日,太陽也,日加年,雖見斗月,即免凶憂。日為旬期,辰為月期,歲為年期。三者不傷,歲中無殃,三者盡傷,歲中受殃。謂斗繫今日日辰,及歲辰也。
『曽門』に曰く、日・月・星の三光は明亮・安舒にして、此より三奇を立ち出す。斗は死亡を主り、月は憂患を主り、日は福徳を主る。四孟の位は父母の両親を主り、四仲の位は自身を主り、四季の位は妻子・児女と奴婢を主る。斗が何れの一位を係住すれば、すなわちあの一位のために死亡を担憂し、月が何れの一位に照れば、すなわちあの一位のために疾病を担憂し、日が何れの一位に加われば、あの一位は便ち喜慶あらん。日はすなわち太陽で、ただ日奇が行年の上に加われば、縦に同時に斗と月とを見るも、また凶憂を免ることを得。このほか、日干は一旬の応期を管し、日支は一月の応期を管し、太歳は一年の応期を管す。この三処はともに傷克を受けざれば、一年の中に平安・殃なく、三処に尽く傷克を被れば、一年の中に必ず殃禍を受けん。いわゆる傷を被るとは、すなわち斗が当日の日干・日支および太歳の在る所の辰を係住するである。
《定章》曰:日月星謂之三光,懸象著明為媞,若今日日月及斗並見,應天三奇。斗為凶神也,所繫者死。月為刑氣也,所臨者憂。日為福德也,則能救之。所生為孟,所旺為仲,所死為季。如甲乙日亥為所生,卯為所旺,未為所死。斗月臨孟憂二親,斗月臨仲憂己身兄弟,斗月臨季憂妻子奴婢。
『定章』に曰く、日・月・星は合わせて三光と称し、天上に高懸し光明・顕著なるがゆえに、「媞」と称作す。もし当日の日宿・月宿と斗との三者が同時に出現すれば、便ち天の三奇に応じ上げたり。斗は凶神で、それに係住せらるる人は死を主る。月は刑気で、それに臨み到らるる人は憂を主る。日は福徳で、能くこの両様を解救す。位次の分派に至っては、長生の地は孟と算え、帝旺の地は仲と算え、死絶の地は季と算う。たとえば甲日・乙日は木に属し、亥は長生の地すなわち孟で、卯は帝旺の地すなわち仲で、未は死墓の地すなわち季である。斗と月とが孟位に臨めば、憂うるは父母の両親で、仲位に臨めば、憂うるは自身と兄弟で、季位に臨めば、憂うるは妻子・児女と奴婢である。
《訂訛》:死絕,日之死鄉又加死地之絕鄉發用。如甲日午加亥發用是也。甲木死在午,午火絕在亥,故名死絕。占主紀綱紊亂,壯者病,病者死,百事衰微凶敗。
『訂訛』は別に「死絶」の一格を立つ——日干の死地がまたこの死地本身の絶郷の上に圧して発用を充当するは、すなわち死絶である。たとえば甲日に午を以て亥に加えて発用すれば便ち是なり——甲木は午に死し、しかも午火はまた亥に絶す、両重の絶滅が一処に畳まるので、名を死絶と取る。この格を占えば、綱紀・法度は紊乱・不整にして、健壮の人は病を生じ、病める人は死去し、百事はみな衰微・凶敗に趨らん。
災厄課
凡喪車、游魂、伏殃、病符、喪吊、丘墓、歲虎發用者,為災厄課也。蓋喪車一名喪魂,正月起未,逆行四季。為惡鬼臨門,主病疾憂死,婦人產厄,非病有危。游魂,正月起亥,順行十二辰。為鬼祟、妖怪、不詳,主精神驚恐,病患凶災。伏殃者,正月起酉,逆行四仲,為天鬼煞。主殃禍所侵,伏兵殺傷。
およそ喪車・游魂・伏殃・病符・喪門・弔客・丘墓・歳虎のこの幾路の凶煞が発用を充当するを、すなわち「災厄課」と呼ぶ。先ず喪車を説く——それはまた名を喪魂といい、正月は未に起こり、辰戌丑未の四季の位の上に逆行し、悪鬼の門に臨むを象徴し、疾病・憂愁と死亡とを主り、婦人はすなわち臨産の厄あり、縦に病なくとも危険あり。游魂は正月は亥に起こり、十二辰を順行し、鬼祟・妖怪の一類の不祥の神に属し、精神の惊恐・病患の凶災を主る。伏殃は正月は酉に起こり、子午卯酉の四仲の位の上に逆行し、すなわち天鬼煞で、殃禍の身に侵し伏兵に殺傷せらるるを遭うを主る。
病符,舊太歲,臨支克支,主闔家病患。並天鬼是疫,並白虎死喪,甚凶。或臨干支旺相,帶日財貴人,即宜成合殘年舊事。喪吊,歲前二辰為喪門,歲後二辰為弔客。若全加支干或年命發用,主身披孝服。或並死氣絕神,白虎臨身,弔客入宅,主自身死亡,致宅人掛孝。
病符はすなわち去年の太歳で、それが日支に臨み到ってまた回頭して日支を克すれば、全家人の皆病に染するを主る。天鬼と一処に并せば瘟疫を主り、白虎と一処に并せば死喪を主り、いずれも極めて凶し。倘若それが日干・日支に臨み到って正に旺相に当たり、また日財と貴人とを帯びれば、あれは反ってあの年末までに拖り延びた旧事を了結し撮合するに適す。さらに喪門・弔客を説く——太歳より前に往きて両辰を数うるは喪門で、後に往きて両辰を数うるは弔客である。この両位がもし一斉に日干・日支に加わるか、あるいは行年・本命の上に落ちて発用すれば、本人の麻を披き孝を戴くを主る。もしさらに死気・絶神と相い并し、白虎がまた身に臨み、弔客が宅位に進入せば、あればすなわち自身の死亡を主り、反って家の裏の人をして自己のために孝を掛けしめん。
白虎,歲後四神並旬虎臨日辰凶。並鬼,病不可療。五墓者,金丑、木未、火戌、水土辰。主死喪病元。三丘,庫墓沖位。並虎雀喪門,有葬埋事。臨丑有墓田事。或丘墓入傳,季神逢丁神,將凶,主惡禍官病,凶災最速。此凶殺災殃危厄,故名災厄。統歸妹之體,乃鬼祟作孽之課。
白虎の一項は、太歳より後に往きて四辰を数うるあの一位を指し、それが旬の中の虎神と一同に日干・日支に臨み到れば、凶を主る。もしさらに鬼神と相い并せば、疾病は便ち医治する能わず。五墓の分派は——金墓は丑に在り、木墓は未に在り、火墓は戌に在り、水と土との墓は辰に在り、それらは死喪と病根とを主る。三丘はすなわち庫墓の对冲の位を取り、白虎・朱雀・喪門と一処に并せば、便ち埋葬の事あらん。丑位に臨めば、還って墓田・田産に牽渉す。もし丘墓が三伝に進入し、四季の神がまた丁神に碰上り、天将がさらに凶なれば、あればすなわち悪禍・官非と疾病とを主り、凶災の来るは最も速し。以上の種種はみな凶煞・災殃と危厄なので、この一課は名を災厄と取る。それは統ねて『周易』の帰妹卦の体に属し、鬼祟の妖を興し孽を作す課である。
象曰:“家門厄會,妖孽為害。疾病死亡,財喜破壞。婚孕多凶,征戰大敗。行人不歸,訪人不在。”絕神,如申子辰用巳類,取水絕在巳也。亦為墓門,為女災,為劫煞,主孕凶,宜了絕舊事。
断辞に曰く、一家の門裏に厄運が匯聚し、妖孽が祟を為して害を為す。疾病と死亡とが踵に接して来り、財運・喜事はみな破壊せられん。婚事と胎孕とは多く凶で、出征・打仗は大敗す。出門の人は帰り来らず、訪ねんと要する人もまた家に在らず。絶神に関しては——たとえば申子辰の三合水局にして巳を以て発用とせば、すなわち水の巳に絶するの意を取る。この一位は同時にまた墓門・女災と劫煞とを充当し、胎孕を占えば凶を主るも、倒ってそれを借りて以てあの陳年の旧事を了結・断絶するに宜し。
血支,每月閉也。血忌,正丑二未三寅申,對位順數。忌針刺。並天空沐浴為產。血支血忌為破胎神,臨產宜見。胎神,絕前一位。羊刃,祿前一位,主兵刀血光。或值日用囚死,凶將並諸喪車惡殺,大凶。
血支のこの一煞は、毎月の建除十二神の裏の「閉」日の所在の位を取る。血忌の起法は正月は丑に在り、二月は未に在り、三月は寅に在り、この後は丑未・寅申のかような両両相対の位次の上で交替して順に数う。この両位はいずれも針灸・刺血を忌む。もし天空・沐浴と一処に并せば、すなわち生産の象に転ず。血支と血忌とはもと破胎の神で、臨産の時に見れば反って合宜である。胎神は絶位の前の一位を取り、羊刃は禄位の前の一位を取りて、刀兵と血光とを主る。倘若日干と発用とが正に囚死の地に処り、凶将がまた喪車などの一干の悪煞と一処に并せば、あれはすなわち大凶の象である。
或青龍作日鬼,為幸中不幸,則應歸妹征凶無攸利之象。若病符女災,虎墓囚死,日辰年命有沖剋,及天地醫救解,凶散為吉,病可療。或白虎作長生,為不幸中之幸,則應初九跛能履征吉之象也。
もし青竜のかような吉将が反って日鬼を充当すれば、あれは幸運の裏に不幸を蔵するで、『周易』の帰妹卦の「征けば凶、利するところなし」の意象に応ず——貿然として前に行けばただ凶険あるのみ。反って、もし病符・女災・白虎・墓神と囚死の気のこれらの凶象が、日干・日支・行年・本命の処に冲克あるに遇い、また天医・地医の神の前来りて救解するあれば、凶気は便ち散じて吉に転じ、病もまた治し好ることを得。白虎が恰恰も長生の位に落つるに至っては、あれは不幸の中に透き出る一線の幸運で、応ずる所は初九爻の「跛げるも能く履み、征けば吉」の意象——跛足なれども仍として行歩する能く、前往すれば反って吉を得。
如亥年正月將,乙亥日卯時占,未為喪車,春占死氣,加亥乘虎,亥年未為歲虎,曰災厄課。 未白 卯六 亥后 六白常貴 卯未申子 未亥子乙 丑寅卯辰 子 巳 亥 午 戌酉申未 白
一例を挙ぐ——亥年・正月の月将(亥)・乙亥日に卯時に占問す。亥将を卯時に加えれば、天盤は地盤より八位進む。乙は辰に寄宮し、辰の上に子を見、日支の亥の上に未を見る。この未は正に正月の喪車で、春天に占いてまた恰も死気に当たり、それが日支の亥の上に圧してしかも白虎に乗る。さらに亥年より後に往きて四辰を数うるも正に未で、未はまた当年の歳虎を充当す。数重の凶煞が一処に畳まるので、災厄課と断ず。四課は右より左へ乙の上に子を見、子の上に申を見、日支の亥の上に未を見、未の上に卯を見る。三伝は未・卯・亥を取り——恰も亥卯未の三合木局を成し、依次に白虎・六合・天后に乗る。図の右下角に別に一個の「白」の字を標するは、白虎の地盤の上に於ける落宮を標するなり。
六壬大全巻九終
六壬大全巻十 課経集四
殃咎課
凡三傳遞剋日,神將克戰,或干支乘墓,為殃咎課。如己巳日,三傳巳申寅,初傳克中,中克末傳,末剋日干。如丙子日,三傳子未寅,末傳克中傳,中傳克初傳,初傳剋日干,為遞克。主他人欺凌,互相剋害。為官宜自簡束,防人論劾。常人有凶橫之禍,或被鄰人雷狀攻訟。
およそ三伝が一環扣一環に日干に克し到るか、あるいは天将と乗る所の神とが彼此交戦するか、又あるいは日干・日支の上に墓神に乗るは、みな「殃咎課」と算う。たとえば己巳日の三伝は巳・申・寅で——初伝は中伝を克し、中伝は末伝を克し、末伝は再び日干を克す。またたとえば丙子日の三伝は子・未・寅で——末伝は中伝を克し、中伝は初伝を克し、初伝は日干を克す。この両種はいずれも「遞克」と呼ぶ。この課を占えば、別人に欺凌せらるるを主り、彼此互相に克害す。官を為すは応に自我を約束し検点して、人の章を上げて弾劾するあるを提防すべく、平常の百姓はすなわち横来の禍あるか、あるいは鄰居に具状せられて官に告げられん。
凡將克神為外戰,禍患易解。神克將為內戰,禍患難解。初遭夾克,凡占夾同類,身不由己,受人驅策;夾財,財不由己費用;惟夾克鬼反吉。將逢內戰,主謀事將成,被人攪擾。天后內戰為用,妻不和或多病。餘詳天將言之。
さらに交戦を説く——天将が往きて乗る所の神を克するを「外戦」と呼び、禍患は比較的に化解し易し。乗る所の神が反って来りて天将を克するを「内戦」と呼び、禍患はすなわち解き難し。もし初伝が上下に夹克を遭えば、然らばすなわち夾まるるがもし日干と同類の兄弟の神なれば、自身が主を為す能わずして人の駆使・差遣を受くるを主る。夾まるるがもし財神なれば、銭財は自己の支配に由らずして便ち花掉し去るを主る。ただ独り夾まるるが克我の鬼なるは、反って吉に転ず。天将がもし内戦に逢えば、謀劃する事はもと将に成らんとすも、却って人の中より攪擾するを受くるを主る。天后がもし内戦の中に在りて発用を充当すれば、妻子の不和睦あるいは多病を主る。その余の各将の情形は、もっぱら天将を講ずる篇章の裏に別に詳説あり。
壬申日亥加辰,申加丑,為干支坐墓,乃心肯意肯人宅甘受晦禍。丙寅日干上戌、支上未為干支乘墓,主人宅皆不亨利,此例非殃禍必過失之咎。故名殃咎,統解之體,內外凌辱之課。
さらに墓神を説く。壬申日に亥を以て辰に加え申を以て丑に加えれば、日干と日支とが双々ともに墓の上に坐する——これを「干支の墓に坐す」と呼び、人の自己の心甘・情願にして、人を連ね宅を併せてこの份の昏晦の禍を承受するである。丙寅日に干の上に戌を見支の上に未を見るは、これを「干支の墓に乗る」と呼び、人と宅との両頭はともに通暢・順利ならずを主る。およそ此の種種は、殃禍を招來するならずんば、すなわち自身に過失の咎あり——それゆえ名を殃咎と取る。この課は統ねて『周易』の解卦の体に属し、内外ともに人の凌辱を受くる課である。
象曰:“五行克賊,征戰凶禍。疾病增危,論訟反坐。官遭彈劾,人罹罪過。營干不成,出行不樂”。如三傳遞剋日干為凶。如末助初傳剋日,主他人教唆賊害。如三傳下賊上及日辰內戰,主家法不正,致爭窩犯,丑聲出外,病訟極危。惟占官自慎從微至著,迤邐轉遷則吉。舍此皆凶。
断辞に曰く、五行の間に彼此克伐・賊害すれば、出征・打仗は必ず凶禍あらん。疾病は危険を加重し、官司を打てば反って罪を判決せられん。官を為すは人の弾劾を遭い、尋常の人もまた身を罪過に陥れん。経営・謀劃は弁じ成らず、出門・在外は快活ならず。もし三伝が層々に遞に日干を克せば、便ち凶と断ず。もし末伝が初伝を助けて来りて日干を克すれば、旁人の中より教唆し加害するあるを主る。もし三伝がみな下神の上神を賊克して、日干・日支がまた内戦に逢えば、家法の正しからざるを主り、以て内部の争闘・犯上を致し、醜聞は伝揚して出で往き、病を占い訟を占うも極めて危険なり。ただ独り官職を占問するのみ、ただ自己が謹慎して細微の処より為し起こり、逐漸に顕達して一歩歩に遷転せば便ち吉である。このほかは、別の事はみな凶なり。
如墓神覆日為天羅自裹,主命運衰弱,作事昏迷,常被人挪揄虧算,且醮謝本命星位免殃。如干支逢墓兩(而?),空亡可解。如三傳眾鬼雖彰,有制無畏。
もし墓神が日干の頭上に蓋えば、すなわち「天羅の自ら裹る」と呼び、自己が自己を把りて網の中に裹み進めるがごとく、命運の衰弱・事を為すに昏昧・糊涂し、常に人に揶揄・戯弄せられ暗に算計せらるるを主る。この時は応に醮を設けて本命の星位に祭謝して、こそ災殃を免去することを得。日干・日支の両処がともに墓神に逢えるは、もし空亡に碰上れば、倒って化解することを得。三伝の裏に鬼神は衆多にして来勢は昭彰たるも、ただ課の上に別にそれらを制伏し得る神あれば、すなわち畏懼するに及ばず。
或春占木旺克土,鬼自貪榮盛無意興災,至夏秋其禍仍發。如傳財太旺財反傾危,或冬占水旺克火,長上主災,但財自貪生旺,身弱難受,至身旺財衰之時,或可取。餘仿此。
またたとえば春天に課を占えば、木気は正に旺んにして来りて土を克す——この時、木鬼はただ自身の榮盛を貪戀し顧みて、風を興し浪を作す心なく、けれども一たび夏秋に到れば、あの份の禍患は仍として発作せんと要す。もし三伝の中に財神が太く旺んずれば、財は反って自身を傾覆せん。さらにたとえば冬天に課を占えば、水は旺んで火を克し、尊長に災あるを主る。けれどもあの財神は同じくただ自己の生旺の気を貪るを顧み、日干は身弱にして承受け起こす能わず——須く身の旺んで財の衰する時節に等到りて、或いはこそ取り得て手に到るを得。その余の情形はみなこれに照らして類推す。
如辛酉日三傳未子巳,初傳末,遞剋日干,為殃咎課。 未蛇 子空 巳后 蛇 常 朱 玄 未 寅 申 卯 寅 酉 卯 辛 戌亥子丑 酉 寅 申 卯 未午巳辰
辛酉日を挙げて例と為す——三伝は未・子・巳で、初伝より順次に克し下り、末伝は再び回頭して日干を克す——正に遞克なので、殃咎課と定む。辛は戌に寄宮し、戌の上に卯を見れば、天盤が地盤より五位進むを知るべし。日支の酉の上に寅を見る。四課は右より左へ辛の上に卯を見、卯の上に申を見、日支の酉の上に寅を見、寅の上に未を見——四個の上神は依次に玄武・朱雀・太常・螣蛇に乗る。三伝は未・子・巳を取る——未土は子水を克し、子水は巳火を克し、巳火は再び辛金を克し、一重の克力は一重に接して、最後に日干の身の上に落つる。三伝の上は分别に螣蛇・天空・天后に乗る。末の四行は地盤の十二宮の排列である。
《訂訛》:殃咎:遞克、夾克、內戰、乘墓、坐墓皆是。遞克者,初克中、中克末、末克干;又末克中、中克初、初克干是也。夾克者,用神下既坐克,上又受將克,如午加亥,將乘元武是也。外戰者,三傳皆將克神。內戰者,三傳皆神克將。
『訂訛』に曰く、殃咎のこの一課は、遞克・夾克・内戦・墓に乗る・墓に坐すの五種の情形がみな算に入る。いわゆる遞克とは、初伝が中伝を克し、中伝が末伝を克し、末伝が日干を克するか、あるいは反って末伝が中伝を克し、中伝が初伝を克し、初伝が日干を克する。いわゆる夾克とは、発用の神の下面が已に坐する所の地盤の神に克伐せられ、上面がまた乗る所の天将に克伐せらるるを謂い——たとえば午が亥の上に加わり、頭上にまた玄武に乗るは、水気が下・上の両面より一斉に圧し来るがごとし。いわゆる外戦とは、三伝がみな天将より往きて乗る所の神を克するを謂い、いわゆる内戦とは、三伝がみな乗る所の神より反って来りて天将を克するを謂う。
乘墓者,干上支上各乘墓神。如丙寅日丙上戌、寅上未是也。坐墓者,干下支下各臨墓神。如丙寅日巳加戌、寅加未是也。此等皆殃禍災咎之兆。故名殃咎。
いわゆる墓に乗るとは、日干と日支との上神が各自みな墓神であるを謂い——たとえば丙寅日に丙の上に戌を見寅の上に未を見れば便ち是なり。いわゆる墓に坐すとは、日干と日支とが各自墓神の上に落つるを謂い——たとえば丙寅日に巳を以て戌に加え寅を以て未に加えれば便ち是なり——丙は巳に寄宮するので、巳の臨む所の処を看る。この幾種の格局はみな殃禍・災咎の先兆で、合わさって便ち名を殃咎と取る。
占主病訟危,營干出行俱阻。末助初剋日,主他人教唆賊害,官防論劾,常人有橫禍,或被鄰人連名攻訴。如三傳下賊上及日辰內戰,主家法不正,丑聲出外。惟占官細微謹慎,迤邐轉遷則吉耳。夾克如夾同類,身不自由,受人驅策;夾財,財不由己費用;惟夾鬼反吉。乘墓,主人宅各欠亨通。坐墓,主人宅自招晦禍。
占断の要点は——病を占い訟を占うもみな危険で、経営・謀劃と出門・遠行とはみな阻まるるを受く。末伝が初伝を助けて来りて日干を克するは、旁人の背後に於て教唆し加害するあるを主る。官を為すは弾劾せらるるを防ぐを要し、百姓はすなわち横禍あるか、あるいは鄰居に連名にて控告せられん。もし三伝がみな下神の上神を賊克して、日干・日支がまた内戦に逢えば、家法の正しからざるを主り、醜事は外頭に伝揚せん。ただ独り官職を占問する時のみ、ただ処処に小心・謹慎して一歩歩に遷転せば、反って吉利なり。夾克に至っては——夾まるるがもし同類の兄弟の神なれば、自身は自由を得ずして人の駆使を受くるを主る。夾まるるがもし財神なれば、銭財は自己の支配に由らずして便ち花し出すを主る。ただ独り夾まるるが鬼なるは、反って吉に転ず。墓に乗るは、人と宅との両頭がともに通暢を欠くを主り、墓に坐するは、すなわち人と宅とが自らこの份の昏晦の禍を招来するである。
伏殃卦
天鬼臨從四仲神,建寅居酉逆相尋。行年日上來相用,殃伏兵傷亂殺人。《心鏡》:伏殃,即天鬼也,正酉二午三卯四子周而復始,如行年日辰發用,主殃伏兵傷。
歌訣に曰く、天鬼のこの一煞はただ子午卯酉の四仲の位の上に落ち、寅を建つる正月より酉に起こり、この後は逆らって推尋す。それが行年あるいは日干の上に加わって発用を充当すれば、すなわち殃禍の潜伏し兵刃の相い加わり、乱の中に人を殺すを主る。『心鏡』は解釈して曰く——伏殃はすなわち天鬼で、正月は酉に在り二月は午に在り三月は卯に在り四月は子に在り、四位は輪じ尽してさらに頭より循環す。もしそれが行年あるいは日干・日支の上に落ちて発用すれば、便ち殃禍と伏兵の人を傷るとを主る。
《訂訛》:伏殃,天鬼臨日辰發用或臨年命發用。天鬼者,正酉二午三卯四子,周而復始。發用伏藏災禍,故名伏殃。占主伏兵殺傷或全家病,惟宜禳禱以除之。
『訂訛』に曰く、伏殃とは、天鬼が日干・日支に臨み到って発用するか、あるいは行年・本命に臨み到って発用するを謂う。天鬼の起法は正月は酉に在り二月は午に在り三月は卯に在り四月は子に在り、周して復して始まる。それが一たび発用すれば、災禍は便ち暗処に潜伏するので、伏殃と呼ぶ。この格を占えば、伏兵に遭いて殺傷せらるるか、あるいは全家人が一斉に病に生ずるを主る。ただ一の弁法は禳解・祈祷を設けて、それを除去するのみ。
九丑課
凡戊子、戊午、壬子、壬午、乙卯、乙酉、己卯、己酉、辛卯、辛酉十日,為九丑日。如四仲時占,丑臨日加四仲上發用,為九丑課。蓋子午卯酉為陰陽易絕之神,有生殺之道。乙戊己辛壬乃刑殺不正之位,三光不照,此五干四平合而為九丑,乃歲終物必紐結,醜惡同時,故名九丑。占事多凶,統小過之體,乃上下迍邅之課也。
戊子・戊午・壬子・壬午・乙卯・乙酉・己卯・己酉・辛卯・辛酉のこの十天を、「九丑日」と呼ぶ。もし子午卯酉の四仲の時に占問して、丑が日干に臨み到り四仲の上に加わって発用を充当すれば、すなわち「九丑課」を成す。道理は、子午卯酉は陰陽の交替し彼此断絶する四位に在り、その中に生と殺の両条の路を含む。乙・戊・己・辛・壬のこの五個の天干はすなわち刑殺・不正の位に処り、三光はそれらに照り到らず。この五個の天干に四正の位を配して、合わさって便ち九丑である。さらに丑は一年の将に尽きんとする時・万物の糾結する時に当たり、種種の醜悪は一斉に聚まり攏るので、名を九丑と取る。事を占えば多く凶で、それは統ねて『周易』の小過卦の体に属し、上下ともに困頓・難行の課である。
象曰:“剛日男凶,柔日女禍。重陽害父,重陰害母。婚姻有災,造葬無補。諸事謀為,徒勞辛苦。”如剛日日辰在天乙前為重陽,害父。柔日日辰在天乙後為重陰,害母。上乘白虎決主死亡。
断辞に曰く、陽干の日に占えば、凶は男子に在り。陰干の日に占えば、禍は女子に在る。陽気の重畳するは父親を傷害し、陰気の重畳するは母親を傷害す。婚姻に災あり、営造と安葬ともに事を補うなし。およそ謀劃あれば、みな辛苦を白く費やす。注文は説明す——陽干の日にして日干・日支が天乙貴人の前に排すれば、便ち重陽で、父親を傷害す。陰干の日にして日干・日支が天乙の後に排すれば、便ち重陰で、母親を傷害す。これらの位次の上にもしさらに白虎に乗れば、あればすなわち死亡の事あるべしと断定す。
當此之時,不可舉兵遠行、移徙、嫁娶、造葬、求謀,萬事災禍,不出三年三月,更與大時(正月起卯,逆行四仲)、小時(月建是也)二殺相併,禍不出月,或神將吉有解。或神將凶,再與大小時殺並,一切事皆不就,且多殃咎,則應小過上六災眚之凶象也。
かような時候に碰上れば、出兵・遠行・搬家・嫁娶・営造・安葬あるいは事情を謀求する可からず——万事はみな災を招き禍を惹く。応期は三年あるいは三個月を出でず。もしさらに大時(正月は卯に起こり、四仲位の上に逆行す)・小時(すなわち当月の月建)のこの両個の煞と一処に并せば、禍患は当月を出でずして便ち到らん。神と将とがともに吉なるに非ざれば、こそ化解の余地あらん。倘若神将がもともと凶にして、また大時・小時の両煞と并列せば、然らばすなわち一切の事情はみな弁じ成らず、しかも殃咎は接続して断えず——正に『周易』の小過卦上六爻の「これを災眚と謂う」の凶象に応ず。
如二月將乙卯日子時占,丑臨支時加仲又加卯上發用,為九丑課。 丑白 亥元 酉后 元 白 常 空 亥 丑 子 寅 丑卯寅乙 卯辰巳午 寅 未 丑 申 子亥戌酉
二月の乙卯日を挙げて例と為す——子時に占問し、二月の月将は戌で、戌将を子時に加えれば、天盤は地盤より両位退く。乙は辰に寄宮し、辰の上に寅を見、日支の卯の上に丑を見る。この丑は既に日支の上に臨み在り、占時もまた正に四仲の一で、丑が卯の上に加わり、卯木は丑土を克し、下神が上神を賊克するので、因って丑を取りて発用とし、それゆえ九丑課と断ず。四課は右より左へ乙の上に寅を見、寅の上に子を見、日支の卯の上に丑を見、丑の上に亥を見——四個の上神は依次に天空・太常・白虎・玄武に乗る。三伝は丑・亥・酉を取り、分别に白虎・玄武・天后に乗る。末の四行は地盤の十二宮の排列である。
《訂訛》:九丑:戊子、戊午、壬子、壬午、乙卯、己卯、辛卯、乙酉、己酉、辛酉,此十日占,丑臨四仲發用是也。不發用而臨支上者亦是。四仲時占更的。子為冬至,以陽易陰;午為夏至,以陰易陽;卯為春分,陽盛陰絕;酉為秋分,陰盛陽絕。此陰陽易絕之辰,有生殺之道焉。
『訂訛』に曰く、九丑は戊子・戊午・壬子・壬午・乙卯・己卯・辛卯・乙酉・己酉・辛酉のこの十天を指し、課を占うに丑が四仲の位に臨みて発用すれば、便ち格を成すと算う。たとい発用せずとも、ただ丑が日支の上に臨み在れば、同じく数に算う。もしまた四仲の時に占う所なれば、すなわちさらに確鑿なり。それはさらに一歩進めて四仲を解釈す——子は冬至に当たり、陽の陰に交替するなり。午は夏至に当たり、陰の陽に交替するなり。卯は春分に当たり、陽気は正に盛んにして陰気は断絶す。酉は秋分に当たり、陰気は正に盛んにして陽気は断絶す。この四位はみな陰陽の交替・断絶の辰で、その中に生と殺の両条の路を含む。
乙者,雷始震之日;戊己,北辰下降之日;辛者,萬物斷絕之日;壬者,三光不照之日。丑者,歲功既畢,諸神奏事,會集明堂,以考善惡。乙戊己辛壬五干合子午卯酉四支為九。此等日遇丑臨仲,乃凶禍,不美之兆,故名九丑。
さらにこの五個の天干を説く——乙は春雷の初めて震う日で、戊と己とは北極星君の下降する日で、辛は万物の断絶する日で、壬は日・月・星の三光の照らざる日である。丑に至っては、すなわち一年の功業が完畢し、衆神が天に向かって政事を奏報し、斉しく明堂に集まって善悪を考核する時である。乙・戊・己・辛・壬の五個の天干に、子・午・卯・酉の四個の地支を配して、合わさって正に九の数を成す。これらの日子がもし丑の四仲に臨むに碰上れば、便ち凶禍・不祥の兆なので、名を九丑と取る。
占主大禍,臣叛子逆,奴欺妻背,不可舉兵、嫁娶、移徙、起土、出行、埋葬。吉將禍淺,凶將禍深,禍不出三月三年。若與大小時並,不出月內。
九丑を占えば、大禍あるを主る——臣下は背叛し、兒子は忤逆し、奴僕は主を欺き、妻室は心を離る。出兵・嫁娶・搬遷・土を動かし・出行・埋葬す可からず。乗る所がもし吉将なれば、禍患は浅些し。もし凶将なれば、禍患はすなわち深し。応期は三個月あるいは三年を出でず。もしさらに大時・小時の両煞と一処に并せば、当月を出でずして便ち分晓を見ん。
《觀月經》:陽日男凶,陰日女凶,重陽害父,重陰害母。日辰若與白虎並,主有死亡之事。四辰連五日,九丑主惡聲。四辰,子午卯酉。五日,乙戊己辛壬。配子午卯酉是也。
『観月経』に曰く、陽干の日に占えば凶は男子に在り、陰干の日に占えば凶は女子に在る。陽気の重畳は父親を傷害し、陰気の重畳は母親を傷害す。日干・日支がもし白虎と一処に并せば、死亡の事あるを主る。歌訣に「四辰は五日に連なり、九丑は悪声を主る」と講じ、注文は解釈す——四辰は子午卯酉を指し、五日は乙・戊・己・辛・壬を指し、この五個の天干に子午卯酉の四支を配すれば便ち成る。九丑を占えば、多く悪名・悪語を招く。
大吉將加仲,天災莫舉兵。遠行人必死,嫁娶犯哀聲。修造妨家主,遷移人口驚。殯埋防長幼,買賣不能成。大小兩時並,大時者,正卯二子逆行四仲也。小時者,月建也。凶神在四平。三年與三月,不出大凶生。四平者,子平卯、卯平午、午平酉、酉平子,皆順行。此課但看占日合此便是也。
歌訣に続けて曰く、大吉の丑が四仲の上に加わるは、上天の降す災禍で、出兵す可からず。遠行の人は必ず死し、嫁娶はすなわち哀声に撞上らん。修造は一家の主を妨害し、搬遷すればすなわち家口は惊を受けん。殯葬は長幼の失あるを提防するを要し、売買もまた為し成らず。「大小の両時并」の一句は、注文は解釈す——大時は正月は卯に在り二月は子に在り、四仲位の上に逆行す。小時はすなわち当月の月建である。歌訶にまた凶神が四平の位に落つれば、応期は三年あるいは三個月に在り、この大凶を逃れ出でる能わずと曰う。注文は説明す——いわゆる四平とは、子は卯に平し、卯は午に平し、午は酉に平し、酉は子に平するで、みな順行に按じて推算す。この一課はただ占う所の日が上述の条件に合するか否かを看るのみ——合い上げれば便ち是なり。
《心鏡》:乙戊己辛壬五日,四仲相併九丑凶。大吉臨其支干上,值此凶災將及人。大小二時並相際,剛日男凶柔女迍。重陽害父重陰母,(剛日日在天乙前為重陽,害父。柔日日辰天乙後為重陰,害母。)
『心鏡』の歌訣に曰く、乙・戊・己・辛・壬のこの五個の天干の日に、子午卯酉の四仲と相い并せば、便ち凶険の九丑である。大吉の丑が日支あるいは日干の上に臨み到り、かような情形に碰上れば、凶災はすなわち人身に臨み到らん。もし大時・小時の二煞がまた交會して一処に在れば、陽干の日は凶は男子に在り、陰干の日はすなわち女子が困を受く。陽気の重畳は父親を傷害し、陰気の重畳は母親を傷害す——注文は補明す——陽干の日にして日干が天乙貴人の前に排するは重陽で、父親を傷害し、陰干の日にして日干・日支が天乙の後に排するは重陰で、母親を傷害す。
測禍天官決事因。大吉與朱雀並,主官訟口舌;與元武並,主失物或姦淫;與勾陳並,鬥訟;白虎並,疾病死亡。乃是天官決事因也。不但納妻並嫁女,最忌遊行及出軍。
歌訣の末句に曰く、禍事を推測するは天官に憑りて以て起因を判定す。注文は例を挙ぐ——大吉の丑が朱雀と一処に并せば、官司・口舌を主る。玄武と一処に并せば、失窃あるいは男女の私情を主る。勾陳と一処に并せば、争闘・訴訟を主る。白虎と一処に并せば、疾病・死亡を主る。これがすなわちいわゆる天官に憑りて事情の起因を判定するである。歌訣は最後に叮嘱す——ただ妻を娶り女を嫁するのみならず要してこの一課を避け、出門・遠游と出兵・打仗とはさらに大いに忌む。
鬼墓課
凡日辰墓神及日鬼發用,為鬼墓課。蓋鬼者賊也,陽見陽,陰見陰為鬼。如甲日用申,乙日用酉,丙日用子,丁日用亥,戊日用寅,己日用卯,庚日用午,辛日用巳,壬日用辰戌,癸日用丑未,為鬼也。鬼多主事不美,謀望不成,且災凶及己身。陰鬼星宿神祗,陽鬼公訟是非。
およそ日干・日支の墓神および日干の鬼が発用を充当するを、すなわち「鬼墓課」と呼ぶ。いわゆる鬼とは、すなわち前来りて我を賊害するあの一位で、陽干が陽支に遇いて来りて克し、陰干が陰支に遇いて来りて克するは、みな鬼と算う。たとえば甲日に申を以て発用し、乙日に酉を以て発用し、丙日に子を以て発用し、丁日に亥を以て発用し、戊日に寅を以て発用し、己日に卯を以て発用し、庚日に午を以て発用し、辛日に巳を以て発用し、壬日に辰あるいは戌を以て発用し、癸日に丑あるいは未を以て発用する——これらはみな鬼である。鬼が一たび多ければ、問う所の事は便ち美ならず、謀望は成り難く、しかも災凶は自己の身の上に牽連せんと要す。陰鬼は多く星宿・神祇の一類の祟事に關渉し、陽鬼はすなわち多く官府の訴訟と是非とに關渉す。
墓者,蒙昧也。如甲乙寅卯見未,丙丁巳午見戌,戊己、辰戌丑未、壬癸亥子見辰,庚辛申酉見丑。若用起丑加申、辰加亥、未加寅、戌加巳,為用起四墓格。或甲日未加寅為墓神覆日,主人口災晦;或丁卯日戌加卯為干墓臨支,主宅舍衰廢,為關神尤甚。關神,春丑夏辰秋未冬戌也。
いわゆる墓とは、蒙昧・不明の意を取る。配法は——甲乙と寅卯とは木に属し、墓は未に在り。丙丁と巳午とは火に属し、墓は戌に在り。戊己と辰戌丑未とは土に属し、壬癸と亥子とは水に属し、墓はいずれも辰に在り。庚辛と申酉とは金に属し、墓は丑に在る。もし発用が丑の申に加わる・辰の亥に加わる・未の寅に加わる・戌の巳に加わるのこの幾種の組合より起これば、便ち「用い四墓より起こる格」と呼ぶ。またたとえば甲日に未を以て寅に加えれば、木墓が日干の頭上に蓋えるは、「墓神の日を覆う」と呼び、家口に災殃・晦気あるを主る。丁卯日に戌を以て卯に加えれば、日干の墓が日支の上に圧し到るは、「干墓の支に臨む」と呼び、宅舍の衰敗を主る——この一位がもしまた正に關神なれば、害を為すこといっそう甚だし。關神の起法は春は丑に在り夏は辰に在り秋は未に在り冬は戌に在る。
或壬寅干上辰支上未,為干支乘墓,如人在雲霧中行也,家宅凋弊,凡占皆不亨快。如申加丑、亥加辰、寅加未、巳加戌,為自坐四墓格,乃人自招其禍,身心甘受昏迷,家宅願假與人作踐兌賃,終不能出脫,占病顛狂,行人失路。或甲申日寅加丑、申加未,為干支互換坐墓,乃彼此各招晦滯,不宜兩相投奔。
またたとえば壬寅日に干の上に辰を見支の上に未を見るは、両処ともに墓神に乗る——「干支の墓に乗る」と呼び、人が雲霧の裏を走りて方向を辨えがたきに似て、家宅は凋敝し、何を占うも暢快ならず。もし申の丑に加わる・亥の辰に加わる・寅の未に加わる・巳の戌に加わるのこの幾種を排し成せば、便ち「自ら四墓に坐する格」で、人が自ら禍患を招来し、身心は甘んじて昏迷の中に陥り、家宅に連ねるも情願して他人に糟蹋し租占せしめ、到頭に身を脱する能わず。病を占えば癲狂を主り、行人を占えば迷路を主る。さらにたとえば甲申日に寅を以て丑に加え申を以て未に加えれば、日干と日支とが互相に対方の墓の裏に踏み入る——「干支の互換して墓に坐す」と呼び、両下は各自に晦気・滞塞を招来し、彼此ともに前に往きて投靠するに宜しからず。
蓋鬼主傷殘,墓主閉塞不通、闇昧不振,凡事逢墓則止。此五行受鬼克賊,又加四墓,故名鬼墓。凡人占,鬼入傳及傳墓不吉,非官訟必疾病。辰未為日墓,暗中有明,及夜墓坐日亦吉。丑戌為夜墓,昏昧自甚。日墓坐夜亦然。辰戌墓主剛猛急速,丑未墓主事遲延柔緩。統“困”之體,乃守己待時課也。
総じて言えば、鬼は傷残・損害を主り、墓は閉塞・不通・昏暗・不振を主り、凡事は一たび墓に遇えば便ち停まり住む。この一課は既に五行の鬼の克伐を受くるあり、また四墓を畳ね上ぐるので、名を鬼墓と取る。尋常の人が課を占うに、鬼が三伝に進入するか、あるいは三伝の裏に墓を出現するは、いずれも吉利ならず——官司ならずんばすなわち疾病である。辰と未とは白天の墓と算え、暗中に還って幾分の明亮を透す——夜間の墓が白天に占う所の課の上に坐するも、また吉と算う。丑と戌とは夜間の墓と算え、昏昧はもともと格外に深重で、白天の墓が夜占の課の上に坐するは同じく此のごとし。辰戌の墓は事情の剛猛・急促を主り、丑未の墓は事情の拖延・柔緩を主る。この課は統ねて『周易』の困卦の体に属し、応に自身を固守し静かに時機を候うべき課である。
象曰:“五行克賊,死墓之鄉。人丁多耗,家宅不昌。行人可至,病者如狂。謀為遲滯,捕盜深藏。”如鬼在日上發用,常人占卜事多凶。或內有德神旺氣,求官大利。或辰戌丑未作日鬼為魁罡,占科舉必高中,餘占用神剋日,吉凶相半,事反覆而後成。鬼帶惡殺,多主怪禍,舉動不利。
断辞に曰く、五行は彼此克伐・賊害して、人は死地・墓郷に陥る。家の中の人丁は多く折損あり、宅第は興旺を得ず。出門の人は還って帰り来るを得ると雖も、病を生ずる人は狂躁して癲のごとし。およそ謀劃あればみな遅滞・難行し、盗賊を追捕すればすなわち賊人は蔵るること極めて深し。もし鬼が日干の上に在りて発用を充当すれば、尋常の百姓が占問するは多く半ば凶なれども、けれども課の中にもし徳神と旺気とを含めば、官を求むるは反って大いに利あり。もし辰戌丑未に由りて日鬼を充当せば、あれは便ち魁罡で、科挙を占えば必定に高中す。その余の情形下に発用の神が日干を克するは、吉凶は各々半ばで、事情は一たび反復してこそ成る。鬼がもし悪煞を帯びれば、多く怪異の禍を主り、およそ挙動あればみな順利ならず。
若寅加酉、巳加子、申加卯、亥加午為用,乃傳墓入墓,自明投暗,如人下井,一腳深於一腳,健人必病,病人必死。或未加亥、戌加寅、丑加巳、辰加申用,墓加長生,舊事再發,訟斷了又論,病痊了又作,事許了又悔,人喜了又怒,仇和了又怨。
もし寅を以て酉に加え、巳を以て子に加え、申を以て卯に加え、亥を以て午に加えて発用を充当せば、あれは一重の墓より伝じて別の一重の墓に進み、明処より暗処に投向するで、人が井の裏に下るがごとく、一脚は一脚よりもさらに深し——健康の人は必定に病を生じ、病める人は必定に死去せん。もし未を以て亥に加え、戌を以て寅に加え、丑を以て巳に加え、辰を以て申に加えて発用せば、すなわち墓が長生の上に圧するで、旧事はまた重ねて提せんと要す——官司は判じ終えてまた翻し出されて議せられ、病は好りてまた発作し、事情は答え允しまた反悔し、人は高興し過ぎてまた発怒し、仇怨は和解してまた新怨を結ぶ。
或生旺入墓,事成終止;墓入生旺,事廢又興。中傳見墓,主進退,求財無,百事不稱意,合則晦甚。日鬼墓神俱發用無氣,占病大忌,乘虎必死。或財神、祿神、官星、長生,中末見墓,仕人不利,當應六三困于石之凶象。
また、生旺の神が墓の中に伝じ入れば、事情はもと已に弁じ成りしも終に中止に帰す。墓神が生旺の地に伝じ入れば、事情はもと已に作罷ししもまた重新に振興す。中伝に墓神を出現するは、進退ともに難きを主り、財を求めれば一の得る所なく、百事はみな称心せず——もしさらに合神と一処に并せば、昏晦はいっそう甚だし。日鬼と墓神とが一同に発用してまた毫も気力なきは、病を占うに最も忌諱し、もしさらに白虎に乗れば、必ず死して疑いなし。もし財神・禄神・官星・長生のこれらの好き神が中伝・末伝に落ちて墓に遇えば、官を為す人は利あらず。これは正に『周易』の困卦六三爻の「石に困す」の凶象に応ず——頑石に路の上に挡えられて、進退するを得ず。
若日鬼盜氣,中末逢墓,常人為喜。或鬼墓臨日作生氣,或自墓傳生,或鬼墓有剋制沖破,變凶為吉,病者生,囚者釋,凡事先憂而後喜也,當應困亨貞大人吉之象也。
反って、もし日鬼が自身の気力を泄し去り、中伝・末伝がまた墓に遇ってそれを收住すれば、尋常の百姓が占うは反って歓喜す。あるいは鬼墓が日干に臨み到る時に正に生気に当たるか、あるいは墓地より長生に伝じ向かうか、あるいは鬼墓に別に神あって克制し冲破するあれば、凶はみな転じて吉と為ることを得——病人は命を活くることを得、囚犯は釈放を得、凡事はみな先に憂愁してのちに歓喜す。これはすなわち『周易』の困卦の卦辞「困、亨、貞、大人は吉」の意象に応ず——身は困境に処るも道路は仍として通じ、正を守る大人は終に吉利を得。
如壬申日丑時午將,壬日屬水,以辰為墓,又為日鬼,加日發用為鬼墓。 辰后 酉空 寅蛇 玄 朱 空 后 午 丑 酉 辰 丑 申 辰 壬 戌亥子丑 酉 寅 申 卯 未午巳辰
壬申日を挙げて例と為す——丑時に占問し、月将は午で、午将を丑時に加えれば、天盤は地盤より五位進む。壬日は水に属し、水の墓は辰に在り、しかも辰土はまた反って壬水を克するので、この辰は既に日の墓でまた日の鬼である。壬は亥に寄宮し、亥の上に恰好辰を見る——それが日干に加臨して発用を充当するので、因って鬼墓課と定む。四課は右より左へ壬の上に辰を見、辰の上に酉を見、日支の申の上に丑を見、丑の上に午を見——四個の上神は依次に天后・天空・朱雀・玄武に乗る。三伝は辰・酉・寅を取り、分别に天后・天空・螣蛇に乗る。墓と鬼とが同じ一位に合して日干を圧住するは、正にこの課の名を得る由来である。末の四行は地盤の十二宮の排列である。
墓門開格
凡日辰墓神乘蛇虎加卯酉,並人行年,為墓門開格。如日墓加卯為外喪,支墓加卯為內喪,出外宜遷葬以禳之。日墓加酉為內喪,支墓加酉為外喪,入內宜合壽木以禳之,惟不可納人。此水火木日辰有之外,有丁癸卯酉四日,墓臨卯酉,真墓門開格,或見喪吊、死神、死氣尤的。更發用囚死,克賊歸墓何類神,以定何人喪也。
およそ日干・日支の墓神が螣蛇あるいは白虎に乗って卯酉に加臨し、また占う者の行年と一処に并するを、すなわち「墓門開格」と呼び、意思は墓の門が打開かれたるなり。その中の日干の墓が卯の上に加わるは家外の喪を主り、日支の墓が卯の上に加わるは家内の喪を主り、人が外面に在るは宜しく遷葬を以て禳解すべし。日干の墓が酉の上に加わるは家内の喪を主り、日支の墓が酉の上に加わるは家外の喪を主り、人が家の裏に在るは宜しく寿材を預備して以て禳解すべし——ただこの時は切に外人を収留して門に入るる可からず。この種の格局は水・火・木の三行の日干・日支に出現するを除くほか、還って丁卯・丁酉・癸卯・癸酉の四日あり——墓神が正に卯酉に臨み、あれはこそ真の墓門開格である。もしまた喪門・弔客・死神・死気を見れば、すなわちさらに確鑿なり。さらに発用が囚死の地に処するか否か、および克伐せられて墓の中に帰入するは究竟何れの一類の神なるかを看て、これに拠って死するはどの一人なるかを判定す。
如壬戌日巳時,丑月子將,命在戊子,七月二十六日卯時生,行年未交,生在酉上見辰墓,將乘螣蛇,為墓門開格。 午后 丑勾 申玄 青 貴 勾 后 子 巳 丑 午 巳 戌 午 壬 青勾六朱 子丑寅卯 空亥 辰蛇 白戌 巳貴 酉申未午 常元陰后
下面は一則の実録である——壬戌日の巳時に占問し、時は丑月に値り、子将を用いる。子将を巳時に加えれば、天盤は地盤より五位退く。占う所の人の本命は戊子で、七月二十六日の卯時に生まれ、行年は尚ほ交換せず。彼の本命は酉の上に落ちて辰の墓を見、墓の上にまた螣蛇に乗る——それゆえ墓門開格を成す。壬は亥に寄宮し、亥の上に午を見、日支の戌の上に巳を見る。四課は右より左へ壬の上に午を見、午の上に丑を見、日支の戌の上に巳を見、巳の上に子を見——四個の上神は依次に天后・勾陳・貴人・青竜に乗る。三伝は午・丑・申を取り、分别に天后・勾陳・玄武に乗る。下面の一圈は地盤の十二宮と十二天将の排布を連ね、各将の盤上に於ける落宮を標明す。
此課得一下賊上,為重審課。主女人禍從內起,三傳遞生為亨通課,主舉薦。初傳午加壬下克上,將逢天后上克下,為財受夾克格,主財不由己費用。蓋日為我,子命水旺冬令,喜戌支沖辰,凶散交生,前四月內生疔,服藥危自可救。
この一課はただ一処に下神が上神を賊克するのみあるので、「重審課」に属し、禍事は女子より家内に於て引起すを主る。三伝は午が丑を生じ丑が申を生じ、層々に相生し、また亨通の課を成して、人の挙薦するあるを主る。けれども初伝の午が壬の上に加わるは、下神が上神を克するで、午の上の乗る所の天后は水に属し、また上より下に向かって克す——財神が上下の両面に夾まえられて、「財の夾克を受くる格」を成し、銭財は自己に由らずして便ち花掉し去るを主る。日干は本人を代表し、彼の本命の戊子は水に属し、正に冬令の水の旺するに値る。幸いなる所、日支の戌は能く辰の墓を冲開し、凶気は一たび散ぜば便ち転じて相生と為る。この人は先前に四個月の間に疔瘡を長じ、凶険なれども、薬を服して還って救い回るを得たり。
壬日以午為妻,乘時死氣,火以戌為墓,加卯將乘白虎。妻辛卯六月命,交生後,行年並臨卯,正墓門開格,故因時患飲水不藥身亡。予初以課傳夾克妻財,財生官,官生印,印生身,只謂破財加納,豈果妻病不服調理而死,財仍浪費,何其驗效如是之神哉。錄此以為記雲。
壬日は午火を以て妻財と為す——この時、午は正に当令の死気に乗る。火の墓は戌に在り、戌は卯の上に加わってしかも白虎に乗る。彼の妻子は六月に生まれ、本命は辛卯で、生日を過ぎてのち、行年もまた一併に卯の上に臨み到る——恰も墓門開格である。それゆえ彼女は後来、当時の時気に因りて病に染したれども、ただ水を飲むを肯んじて薬を服するを肯んぜず、終に身亡れり。我は起初に課伝の中に妻財の夾克せらるるを見、しかも財は官を生じ、官は印を生じ、印はまた身を生ずれば、ただ破些の銭財を以て捐納して個の官職に就くと過ぎずと為すのみに思い、何れに料到らんや竟に真に妻子が病して調治を肯んぜずして死し、銭財は照樣に白く耗費せられたるを。占験の霊なる、竟にかような地步に到れり。因ってそれを記し下して、聊か一段の実録を存す。
《訂訛》:鬼墓:干支上神發用,或作干鬼干墓,或作支鬼支墓。假如壬日辰加亥發用,既作日鬼,又作日墓,故名鬼墓。
『訂訛』に曰く、鬼墓のこの一課は、日干あるいは日支の上神が発用を充当して、しかもこの上神はあるいは既に日干の鬼にしてまた日干の墓、あるいは既に日支の鬼にしてまた日支の墓である。たとえば壬日に辰を以て亥に加えて発用すれば——辰土は壬水を克するは日の鬼で、水の墓はまた辰に在るは日の墓である。両重の身份が一位に合するので、名を鬼墓と取る。
占主一切凶。蓋鬼者賊也,主傷殘;墓者昧也,主暗塞,都不利謀望。家不昌,病凶財耗,盜難獲。陽鬼公訟是非,陰鬼神祗星宿。
占断は一概に皆凶を以て主と為す。鬼はすなわち賊害で、身体の傷残・損壊を主る。墓はすなわち昏昧で、道路の閉塞・不通を主る——両様ともに謀劃・希求に利あらず。家道は興旺せず、病情は凶険で、銭財は耗散し、盗まるる物もまた追回し難し。陽鬼の牽渉するは多くは官府の訴訟と是非で、陰鬼の牽渉するは多くは神祇・星宿の一類の祟事である。
墓有五格,日上得日墓為墓神覆日,主人昏晦,乃命運衰弱,天羅自裹,宜醮禳之。辰上得日墓為干墓臨支,主宅傾頹。或日上得日墓,辰上又得辰墓,為干支乘墓,人宅俱不利。
墓には五種の格局あり。其の一、日干の上に日干の墓を見るを、「墓神の日を覆う」と呼び、人の昏昧・晦暗して命運の衰弱するを主り、天羅が自己を裹むるに同じく、応に醮を設けて禳解すべし。其の二、日支の上に日干の墓を見るを、「干墓の支に臨む」と呼び、宅第の傾頹・破敗を主る。其の三、日干の上に日干の墓を見、日支の上にまた日支の墓を見るを、「干支の墓に乗る」と呼び、人と宅との両頭はともに利あらず。
或日下臨日墓,辰下又臨辰墓,為干支坐墓,乃自招禍,身心甘受昏迷,家宅願假與人作踐,占病顛狂,行人失路。或日上得辰墓,辰上得日墓,為干支互換坐墓,彼此各招晦滯,不宜兩相投奔。
其の四、日干の底下に日干の墓を踏み、日支の底下にまた日支の墓を踏むを、「干支の墓に坐す」と呼び——あれは自己が禍を招き、身心は甘んじて昏迷の裏に沉み、家宅に連ねるも情願して他人に借り与えて糟蹋せしめ、病を占えば癲狂を主り、行人を占えば迷路を主る。其の五、日干の上に見る所は日支の墓で、日支の上に見る所は日干の墓なるを、「干支の互換して墓に坐す」と呼び、両辺は各自に晦気・滞塞を招来し、彼此ともに前に往きて投靠するに宜しからず。
辰未為日墓,暗中有明,夜墓坐日亦吉。丑戌為夜墓,昏昧自甚,日墓坐夜亦然。辰戌墓主事剛速,丑未墓主事延緩。墓臨長生,舊事再發,訟斷又起,病痊又作,事許又悔,仇解又生。生旺入墓,事成中止。墓入生旺,事廢復興。
辰と未とは白天の墓と算え、暗処に在るも仍として一点の光明を透す——夜間の墓が白天に占う所の課に坐するも、また吉利と算う。丑と戌とは夜間の墓と算え、昏昧はもともと深重で、白天の墓が夜占の課に坐するは同じく此のごとし。辰戌の墓は事情の剛猛・迅速を主り、丑未の墓は事情の拖沓・遅緩を主る。墓がもし長生の位に圧すれば、旧事は便ち重ねて来らんと要す——官司は判じてまた起こり、病は好りてまた犯し、事情は応允してまた反悔し、仇怨は化解してまた生ず。生旺の神が墓の裏に伝じ進めば、事情は半ばに成りて便ち中止し、墓神が生旺の地に伝じ向かえば、事情は廃弃したる後にまた復興す。
凡日辰墓乘蛇虎加卯酉與行年並,為墓門開。如日墓加卯為外喪,辰墓加卯為內喪,出外宜遷葬以禳之。日墓加酉為內喪,辰墓加酉為外喪,入內宜合壽木以禳之。
およそ日干・日支の墓が螣蛇あるいは白虎に乗って卯酉に加臨し、また占う者の行年と一処に并するは、便ち墓門の開くるなり。日干の墓が卯の上に加わるは家外の喪を主り、日支の墓が卯の上に加わるは家内の喪を主る——人の外面に在るは宜しく遷葬を以て禳解すべし。日干の墓が酉の上に加わるは家内の喪を主り、日支の墓が酉の上に加わるは家外の喪を主る——人の家の中に在るは宜しく寿材を預め備え下して以て禳解すべし。
卯酉日墓臨卯酉為真墓門開,見喪吊、死神、死氣尤的,更看發用囚死,克賊歸墓,是何類神,以定何人喪也。大都鬼墓發用無氣,病最忌,乘虎必死。或財神、祿神、官星、長生在中末見墓,仕人不利。
卯日・酉日にして墓神が正に卯酉に臨むは、こそ真の墓門開である。もしさらに喪門・弔客・死神・死気を見れば、すなわちさらに確鑿なり。還って発用が囚死の地に処するか否か、および克伐せられて墓の中に帰入するは究竟何れの一類の神なるかを看て、これに拠って死するはどの一人なるかを判定す。大体に言えば、鬼墓が発用を充当して毫も気力なきは、病を占うに最も忌み、もしさらに白虎に乗れば便ち必ず死す。もし財神・禄神・官星・長生のこれらの好き神が中伝・末伝に落ちて墓に遇えば、官を為す人は利あらず。
此課常人更忌見鬼,鬼帶惡殺更凶。惟內有德神旺氣,求官大利。或魁罡及丑未作日鬼,占科名高中。若日鬼發用,中末逢墓,常人為喜。或鬼墓臨日辰作生炁,或自墓傳生,或鬼墓有剋制沖破,或墓逢空,變凶為吉,病者生,囚者散,凡事先憂後喜也。
この一課は尋常の百姓の身の上に於てさらに鬼を見るを忌み、鬼がもしさらに悪煞を帯びれば格外に凶し。ただ独り課の中に徳神と旺気とを含むは、官を求むるに大いに利あり。もし魁罡あるいは丑未に由りて日鬼を充当せば、科名を占えば必定に高中す。倘若日鬼が発用を充当して、中伝・末伝が墓に遇ってそれを收住すれば、尋常の人は反って歓喜す。あるいは又鬼墓が日干・日支に臨み到る時に正に生気に当たるか、あるいは墓地より長生に伝じ向かうか、あるいは鬼墓に別に神あって克制し冲破するか、あるいは墓が恰好空に落つるか——凶はみな転じて吉と為ることを得。病人は命を活くることを得、囚犯は開釈を得、凡事はみな先に憂えてのちに喜ぶ。
鬼呼格
《訂訛》:鬼呼,天盤作鬼加地盤墓神是也,行年神將凶更的。鬼臨墓則鬼為得地,引類呼朋,故名鬼呼。占主壯者亦病,病必有崇,事多暗害,或連累入獄。
『訂訛』に曰く、鬼呼の一格は、天盤の上に於て鬼を充当するあの一位が地盤の墓神の上に圧するを謂う。もし行年の上の神と将とがまた凶なれば、すなわちさらに確鑿なり。鬼は一旦墓地に臨み到れば、便ち地利を得たと算え、ここにおいて同類を招引し朋を呼び友を喚びて来る——それゆえ名を鬼呼と取る。この格を占えば、もともと壮健の人もまた病を生じ、病を生ぜば必定に邪祟の怪を作すあり。諸事は多く暗中に加害を遭い、甚だしくは人の牽連を受けて下獄するに至る。
五墳四煞格
五墳四煞,稼穡課作本日墓神乘凶將發用,五墓為墳,四神為煞,故名五墳四煞。占主不可獨行遠出,出逢凶禍,或訟病相纏。
五墳四煞のこの一格は稼穡の課の上に出づ——当日の墓神に由りて凶将に乗って発用を充当せしむ。五行の五個の墓庫を墳と算え、辰戌丑未の四位の土神を煞と算え、合わさって便ち五墳四煞と呼ぶ。この格を占えば、獨自に遠行・外出す可からず——一たび出門すればすなわち凶禍に撞上り、あるいは官司と病痛とが交相に身に纏わらん。
喪門卦
《心鏡》喪門卦:喪門正月未為之,(正月未逆行四季。)四季流行逆數推。用在行年支干上,病人憂死健人衰。白虎若臨轉凶惡,所主之事必無疑。
『心鏡』は別に喪門の一卦を立つ。歌訣に曰く、喪門は正月は未の上に落つ——注文は補明す、正月は未に起こり、辰戌丑未の四季の位の上に逆行す——この後はすなわちこの四季の位の上に逆序に按じて推算す。それがもし行年あるいは日支・日干の上に落ちて発用を充当すれば、病人は死亡を担心すべく、健康の人もまた衰敗に転向せんと要す。白虎がもしさらにこの一位に臨み到れば、凶悪はいっそう甚だしく、主る所の事情は便ち断じて疑義なし。
励徳課
凡天乙立卯酉,為勵德課。蓋卯酉為陰陽交易之位,貴人由之而遷易。如日辰陰神在天乙前,貴人不得引從則退陰,主小吏退剝。蓋小人恃勢,不知謹身修德則凶。若日辰陽神在天乙後,貴人前引而從則進陽,主君子進用。蓋君子知機而能行仁布德則吉,此天道福善禍淫,獎勵有德,占利君子不利小人。統隨之體,乃反覆不定之課也。
およそ天乙貴人が卯位あるいは酉位の上に立つを、すなわち「励徳課」と呼ぶ。卯酉は陰陽の交替・更換する位なればなり——貴人がここに到れば、進退・去留は便ちこれに随いて変動す。もし日干・日支の陰神が貴人の前に排すれば、貴人はそれを引きて身後に跟隨せしむる能わず、この陰神はすなわち圧退せられんと要し——小吏の黜落・削減を遭うを主る。小人が勢を仗して检点・修徳を知らざるなので、凶なり。もし日干・日支の陽神が貴人の後に排すれば、貴人は前に在りて引領しそれは跟従し、この陽神はすなわち晋陞を得るを得——君子の任用を獲得するを主る。君子が時機を識りて能く仁を行い徳を布くなので、吉なり。これは正に天道が善人に福を降し淫佚の人に禍を降し、用いて徳ある者を奨励するの道理なので、この一課は君子に利あって小人に利あらず。それは統ねて『周易』の随卦の体に属し、反復して定まらざる課である。
象曰:“陽神前引,陰神后隨。君子則吉,小人則危。陰神前立,陽神后居。小人得意,君子失機。”前既曰陽後得貴人接引利君子,此又曰陽神后居,君子失機,何也?前乃止於陽後,今乃陰前陽後俱全,故云君子失機也。
断辞に曰く、陽神が前に在りて路を引き陰神が後に在りて跟随すれば、然らばすなわち君子は吉を得小人は危あらん。反って、陰神が前面に立ち陽神が後面に居れば、然らばすなわち小人は意を得君子は時機を失わん。人の問うあらん——前面に既に陽神が貴人の後に在りて貴人の接引を得て君子に利ありと説くに、ここには何の故にまた陽神が後に居れば便ち君子の機を失うと説くや。答案は——前の一種の情形はただ陽神の後に在るこの一条を講じたるのみで、しかも此処は陰神が前に在り陽神が後に在るの両様が倶に備わり、陰は既に前位を搶占せり——君子は自然に先機を失う。
如陽前則貴人得其接引,陰前則貴人受其羈絆。陰在貴人前,訟則卑遭責。陽在貴後,災則修德自愈。若貴立卯酉,陽前陰後,當應隨六三係丈夫失小子之象。陰前陽後,當應隨六二係小子失丈夫之象也。
陽神が前に在れば、貴人は便ちそれの引薦・接応を得。陰神が前に在れば、貴人は反ってそれに牽絆せられて住す。陰神の貴人の前に在るは、官司を打つ時に地位の低き一方は責罰を受けんと要す。陽神の貴人の後に在るは、災に遇えばただ徳を修むればすなわち自ら痊愈することを得。もし貴人が卯酉に立ちて、しかも陽神が前に在り陰神が後に在れば、正に『周易』の随卦六三爻の「丈夫に係りて小子を失う」の意象に応ず——成年の男子に依附して小孩子を舎去す。もし陰神が前に在り陽神が後に在れば、すなわち六二爻の「小子に係りて丈夫を失う」の意象に応ず——小孩子に依附して成年の男子を失う。
如戊子日申時午將占,晝丑加卯,為勵德也。 丑貴 亥陰 酉常 白元貴朱 申戌丑卯 戌子卯戊 卯辰巳午 寅 未 貴 丑 申 子亥戌酉
戊子日を挙げて例と為す——申時に占問し、月将は午で、午将を申時に加えれば、天盤は地盤より両位退く。戊は巳に寄宮し、巳の上に卯を見、日支の子の上に戌を見る。この一天は白天に課を起こし、戊日の昼の貴人は丑で、天盤の丑は正に地盤の卯の上に落ち——貴人が卯位に立つので、励徳課を成す。四課は右より左へ戊の上に卯を見、卯の上に丑を見、日支の子の上に戌を見、戌の上に申を見——四個の上神は依次に朱雀・貴人・玄武・白虎に乗る。三伝は丑・亥・酉を取り、分别に貴人・太陰・太常に乗る。地盤の図の中に「貴」を標するあの一格は、正に貴人の在る所の宮である。
夫天乙為門內君子,處事之所,小吏犯罪而到。如日辰陰陽俱在天乙後,為微服格。主君子遷官,小人退職,事體稍遲,大干則可,小處則不可也。如辛丑日寅時丑將。 子陰 亥元 戌常 元陰空白 亥子申酉 子丑酉辛 辰巳午未 卯 申 貴 寅 酉 丑子亥戌
天乙貴人は門内の君子に譬え、事務を処理する所在で、小吏が罪を犯せば便ちここに押えて審を聴かしめらる。もし日干・日支の陰神と陽神とがともに天乙の後に排せば、すなわち「微服格」と呼び、貴人が便服に換えて行くに同じし。君子は官職に陞遷し、小人は職務を撤去せらるるを主る。事情の進展は稍や慢く、大事を弁ずるは行う可く、小事を弁ずるはすなわち不可なり。挙ぐる所の例は辛丑日の寅時に、丑を用いて月将と為す——丑将を寅時に加えれば、天盤は地盤より一位退く。辛は戌に寄宮し、戌の上に酉を見、日支の丑の上に子を見る。四課は右より左へ辛の上に酉を見、酉の上に申を見、日支の丑の上に子を見、子の上に亥を見——四個の上神は依次に白虎・天空・太陰・玄武に乗る。三伝は子・亥・戌を取り、分别に太陰・玄武・太常に乗る。地盤の図の上に「貴」を標するあの一格は、貴人の落宮である。
如日辰陰陽俱在天乙前,為蹉跎格。主小人進職,君子退位,事體稍遲,處小則可,大干不可,如庚申日 午蛇 辰六 寅青 六蛇六蛇 辰午辰午 午申午庚 卯辰巳午 寅 未 貴 丑 申 子亥戌酉
反って、もし日干・日支の陰神と陽神とがともに天乙の前に排せば、すなわち「蹉跎格」と呼ぶ。小人の職に升るを得、君子は反って位を降せらるるを主る。事情の進展は同じく稍や慢く、小事を弁ずるは行う可く、大事を弁ずるはすなわち不可なり。挙ぐる所の例は庚申日である——庚は申に寄宮し、申の上に午を見れば、天盤が地盤より両位退くを知るべし。日支もまた申で、上面は同じく午を見る——ここにおいて第一課と第三課とが重畳し、第二課と第四課とが重畳す。四課は右より左へ庚の上に午を見、午の上に辰を見、日支の申の上に午を見、午の上に辰を見——上神は依次に螣蛇・六合・螣蛇・六合に乗る。三伝は午・辰・寅を取り、分别に螣蛇・六合・青竜に乗る。地盤の図の中に「貴」を標する一格は、貴人の立つ所の処である。
《訂訛》(解之甚明):勵德:貴人臨卯酉。卯酉為陰陽交易之位,貴人臨之,門戶搖動,進退分焉。如干支陰神屬卑,乃妄立貴人前,是小人恃勢不謹,定當黜下,主小吏退剝。干支陽神屬尊,乃退處貴人後,是君子謙沖循省,定當進用。主大吏升遷。此天道福善禍淫,獎勵有德,故名勵德。
『訂訛』はこの一課を解して最も明白なり。それに曰く、励徳とは、すなわち貴人の卯酉に臨むを謂う。卯酉は陰陽の交替の位で、貴人がここに臨み到れば、門戸は便ち揺動・不定にして、進と退とは此より分判す。日干・日支の陰神は地位は卑に属するも、却って擅自に貴人の前に站り到るは、あれは小人の勢を仗して謹慎せざるなり——一定に黜退せられんと要し、小吏の削職を遭うを主る。日干・日支の陽神は地位は尊に属するも、却って貴人の後に退居するは、あれは君子の謙虚・自省なり——一定に起用せられんと要し、大吏の陞遷を獲得するを主る。これは正に天道が善人に福を降し淫佚の人に禍を降し、此を借りて徳ある人を奨励するなので、名を励徳と取る。
占主反覆不定,理宜遷動官位,君子遷,小吏黜,庶人身宅不安,宜謝土神。此課外有干支陰陽俱在貴人後,為微服。君子升遷,小吏黜,事體稍遲,大干則可,小處不可也。有干支陰陽俱在貴人前,為蹉跎格。主小吏遷,君子黜,事體亦稍遲,小處則可,大干不可也。
占断の要点は——事情は反復して定まらず、理に照らせば官位の上の調動あるべし——君子は陞遷し、小吏は黜せらる。平民・百姓はすなわち身体と住宅とがともに安寧ならず、宜しく土神に祭謝すべし。この課のほかに別に両個の附格あり——日干・日支の陰神・陽神がともに貴人の後に排するを、「微服」と呼び、君子の陞遷・小吏の黜せらるるを主り、事情の進展は稍や慢く、大事を弁ずるは行う可く小事を弁ずるは不可なり。日干・日支の陰神・陽神がともに貴人の前に排するを、「蹉跎格」と呼び、小吏の陞遷・君子の黜せらるるを主り、事情は同じく進展は稍や慢く、小事を弁ずるは行う可く大事を弁ずるは不可なり。
《觀月經》(名鸞失鳳):天乙立二八,卯酉日月門。貴神當其上,勵德卦基根。日出卯為二門,入酉為八門。天乙立其上,更詳日之陰陽二神,辰之陰陽二神,居前後者是也。
『観月経』はこの一課に別に一名を取りて「鸞が鳳を失う」と曰い、鸞鳥が鳳の伴を失うの意を取る。歌訣に曰く、天乙は二八の両門に立つ——すなわち卯酉のこの両道の日月の出入の門である。貴神が正にその上に当たれば、便ち励徳卦の根基である。注文は解釈す——太陽は卯より自ら出づ、卯は二月の門である。太陽は酉に入る、酉は八月の門である。天乙がこの両処に立つは、還って日干の陽神と陰神・日支の陽神と陰神とを細看し、究竟貴人の前に排するかそれとも後に排するかを要す。
六月甲子日,寅時得此門。天乙立酉是八門也。辰午陽在後,辰是辰之陽神,午是日之陽神,俱在天乙之後也。申戌陰前存。申是辰之陰神,戌是日之陰神,俱在天乙之前,正是天乙勵德之卦也。
歌訣は例を挙げて曰く、六月の甲子日に寅時に占えば、すなわちこの一道の門を得。注文は説明す——この時、天乙は酉の上に立ち、正に八門である。歌訣に「辰・午の陽は後に在り」と曰い、注文は解釈す——辰は日支の陽神で、午は日干の陽神で、両者はともに天乙の後に排す。歌訣にまた「申・戌の陰は前に存す」と曰い、注文は解釈す——申は日支の陰神で、戌は日干の陰神で、両者はともに天乙の前に排す——陽は後に陰は前に、これ正に天乙の励徳の卦である。
小吏犯剝退,官人轉更尊。居官貪祿,小吏剝退也。忽然申時算,微服別一般。陰陽俱在後,君子賜朱欄。假令六月甲子日申時,一課子甲、二課戌子、三課戌子、四課申戌。天乙立二門卯上,子為日之陽神,戌為日之陰神,戌又為辰之陽神,申為辰之陰神,俱在天乙之後也,主君子得之,加官進祿。
歌訶に曰く、小吏は職を削め位を退けられんと要し、官を為す人は反ってさらに尊貴を加えん。注文は点明す——これは身が官位に居りて俸禄を貪戀する一面で、小吏の削退を遭うと恰も対照を成す。歌訶にまた曰く、忽然として申時を改用して推算すれば、便ち微服格で、情形は別に一様なり——陰神・陽神ともに貴人の後に在れば、君子は朱欄の栄を賜与せられん。注文は演算して曰く——六月の甲子日に申時に占えば、一課は甲の上に子を見、二課は子の上に戌を見、三課は日支の子の上に戌を見、四課は戌の上に申を見る。天乙は二門の卯位の上に立つ。子は日干の陽神で、戌は日干の陰神で、戌は同時にまた日支の陽神で、申は日支の陰神で、四者はともに天乙の後に排するので、君子がこの課を占うを主り、官を加え禄を進めん。
小人逢此卦,四大不能安。天乙立二八,陰陽在後,名凶卦,小人退職之象。要知蹉跎體,陰陽翻在前。天乙立二八之門,其日辰陰陽居天乙之前者,名蹉跎卦也。君子災迍悶,小人喜牽連。蹉跎卦小人喜,君子憂也。
歌訶に曰く、小人がこの一卦に碰上れば、身心の四大はみな安寧を得ず。注文は解釈す——天乙が二八の門に立ち、陰神・陽神ともにそれの後面に在れば、小人に対して言えば便ち凶卦で、官を丟い職を退くの象である。歌訶にまた曰く、蹉跎格の样子を認識するを要せば、すなわち陰神・陽神が反って前面に翻り到るを看よ。注文は説明す——天乙が二八の門に立ちて、しかも日干・日支の陰神・陽神がともに天乙の前に居るを、すなわち蹉跎卦と呼ぶ。歌訶の末句に曰く、君子は此のために憂愁・困頓し、小人は却って歓喜して牽連し相い慶す。注文は一語にて点破す——蹉跎卦は小人の歓喜し君子の憂愁する卦である。
《心鏡》:勵德陰陽何以分,卯酉將為日月門。天乙此時居位上,天乙立卯酉之上。貴賤尊卑位各陳。尊卑以陳貴賤位,失則尊卑之分紊矣。
『心鏡』の歌訶に曰く、励徳の一課は、陰と陽とは究竟怎样に分判するか——関鍵は卯酉のこの両道の日月の出入の門に在り。天乙は此の刻に正にこの位置の上に立つ——注文は補明す、すなわち天乙が卯位あるいは酉位の上に立つ。歌訶にまた曰く、貴と賎・尊と卑とは各自位次を陳列し出す。注文は解釈す——尊卑は既に位次に依りて貴賎を排定せり、一旦排し錯れば、尊卑の分際は便ち紊乱す。
陰妄立前陽處後,陰者,乃日辰之陰第二課、第四課,屬卑,不合妄居貴人之前,必主黜退。陽者,乃日辰之陽第一課、第三課,屬尊,不合居於貴人之後,必遷進也。大吏升遷小吏迍。庶人身宅憂移動,魂夢不安謝土神。二八月是祭祀社稷之月,故曰土神。
歌訶に曰く、陰神は擅自に前面に站り到り、陽神は反って後面に退処す。注文は解釈す——いわゆる陰とは、日干・日支の陰神を指し、すなわち第二課と第四課で、地位は卑に属し、もともと貴人の前に擅居すべからざるなり——一旦かくのごとくなれば、必定に黜退を遭わん。いわゆる陽とは、日干・日支の陽神を指し、すなわち第一課と第三課で、地位は尊に属し、もともと貴人の後に屈居すべからざるなり——一旦かくのごとくなれば、反って必定に陞遷せん。それゆえ歌訶に続けて曰く、大吏は陞遷し、小吏は困頓し、平民・百姓はすなわち身体と住宅とが遷動せんと要するを憂心し、夜裏に魂夢安からず——応に土神に祭謝すべし。注文は補明す——二月と八月とは正に社稷を祭祀する月なので、土神を謝すると称作す。
此課通龜與《訂訛》皆說不明,止曰日辰陰神在天乙前,而不說出陽神在何處。如俱在前為蹉跎,如在後為君子失機,止曰日辰陽神在天乙後而不說出陰神在何處。如俱在後為微服,如在前亦為君子失機矣。
この一課は、『通龜』と『訂訛』の両書がともに講じて明白を得ざり——それらはただ日干・日支の陰神が天乙の前に在るを説くのみで、陽神が何れに落ちるかを交代せず——須く陰陽ともに前面に在れば便ち蹉跎で、陽神がもし後面に在ればすなわち君子の機を失うを知るべし。同じく、それらはただ日干・日支の陽神が天乙の後に在るを説くのみで、陰神が何れに落ちるかを交代せず——陰陽ともに後面に在れば便ち微服で、陰神がもし前面に在れば同じく君子の機を失う。
此課止宜以四段定之,一曰日辰陰陽俱在天乙前,為蹉跎格,主小人進職,君子退位。二曰俱在後,為微服格,主君子遷官,小人退職。三曰陽前陰後,君子則吉,小人則危。雖曰小人危,乃得陰陽之定位,小人如守分循理,亦獲吉象。
この一課はただ宜しく四種の情形に分かちて以て判定すべし。第一、日干・日支の陰神・陽神がともに天乙の前に在るは、蹉跎格で、小人の職に進み君子の位を退くを主る。第二、陰神・陽神がともに天乙の後に在るは、微服格で、君子の官に遷り小人の職を丟うを主る。第三、陽神が前に在りて陰神が後に在るは、君子は吉を得小人は危あらん。小人は危ありと説くと雖も、けれども陰陽は各々本位に帰り、小人はただ分を安んじ己を守り理に依りて行えば、同じく吉象を得ることを得。
四曰陰前陽後,小人得意,君子失機。雖曰小人得意,蓋陰在天乙前,貴人不得引從,則必退抑,其陰又小人恃勢,不知謹身修德,必至於凶。雖曰君子失機,然陽乃貴人同類,貴人前引則必進,扶其陽又君子知機而能行仁布德,終當獲吉。蓋小人得意,君子失機者,其象也。其吉凶自取者在人也,此理須明。
第四、陰神が前に在りて陽神が後に在るは、小人は意を得君子は機を失う。話は此のごとくと雖も、陰神は既に天乙の前に立てば、貴人はそれを引きて身後に跟隨せしむる能わず、終に壓抑し退け下られん。いはんやこの陰神はもともと勢を仗して检点・修徳を知らざる小人を代表するをや——最後に必定に凶に帰せん。反って、君子は時機を失うと説くと雖も、けれども陽神は貴人と同類で、貴人が前に在りて引領すれば、それは必定に晋陞を得ん。この陽神を扶持するはまた時機を識り能く仁を行い徳を布く君子で、終竟に吉を得ん。見るべくは、「小人は意を得君子は機を失う」は不ただ課の上の呈する表象に過ぎず、吉凶が究竟何れの処に落ちるかに至っては、還って人の自己が怎样に取舍するかを看るを要す——この道理は必ず講じ透さねばならず。
定章曰:天乙立卯酉之上,為二八門,刑德之會,搖動不安,所居法有轉移。陽立於陰者,在天乙之後也。陰立於陽者,在天乙之前也。
『定章』に曰く、天乙が卯酉の上に立つは、あれは二八の両門で、また刑気と徳気とが交會する処で、氣機は揺動・不安にして、処する所の位置は法則に按じて転移を発生せんと要す。いわゆる陽の陰に立つとは、陽神が天乙の後に排するを指す。いわゆる陰の陽に立つとは、陰神が天乙の前に排するを指す。
假令七月辛亥日巳將申時,小吉加辛,天罡為陰神。傳送加亥,陰得太乙。勝光為天乙,立酉逆行。小吉傳送為日辰之陽神,居天乙之後。天罡太乙為日辰之陰神,反居天乙之前,故曰陰立天乙前,陽立天乙後,陰陽錯亂,居非其居。故曰不安。陽在陰位,今當進上。陰在陽位,今當黜下。以此占人貴者將遷,下吏罷退,庶人居宅不安。 巳蛇 寅勾 亥白 蛇 陰 朱 后 巳 申 辰 未 申 亥 未 辛 日 支 陰 陰 勾六朱蛇 寅卯辰巳 青丑 午貴 空子 未后 亥戌酉申 白常元陰
仮に七月の辛亥日に在りて、巳を以て月将と為し申を以て占時と為せば——巳将を申時に加えれば、天盤は地盤より三位退く。辛は戌に寄宮し、戌の上に小吉(未の別名)を見——これは日干の陽神である。未の上に天罡(辰)を見——これは日干の陰神である。日支の亥の上に伝送(申)を見——これは日支の陽神である。申の上に太乙(巳の別名)を見——これは日支の陰神である。辛日の昼の貴人は午で、午はすなわち勝光で、此の時、勝光は正に酉位に落ち——天乙は酉に立ちて逆行す。小吉と伝送のこの両個の陽神はともに天乙の後に排し、天罡と太乙のこの両個の陰神は反って天乙の前に排す——それゆえ陰は天乙の前に立ち陽は天乙の後に立つと曰い、陰陽は錯乱して各自ともにもと在るべき位置の上に在らず、故に「不安」と称す。陽神は既に陰位に屈居せば、今や理に応じて上進すべく、陰神は既に陽位に僭居せば、今や理に応じて黜落すべし。これに拠って人のために占断す——顕貴の将に陞遷せんとするは、下級の小吏はすなわち罷免・退職を遭い、平民・百姓は居宅が安寧を得ず。課盤の上の三伝は巳・寅・亥を取り、依次に螣蛇・勾陳・白虎に乗る。図の中に標注する「日陰」「支陰」は、指す所は正に日干と日支との陰神の在る所で、外圏はすなわち地盤の十二宮と十二天将の排布である。
勵德言前後者,指天將而言,非論日辰午以未為前,巳為後也。賦曰:天乙居中,後六前五是也。
励徳課の裏の説く所の前と後とは、十二天将の排列の次序を指し、并せて地支を把りて以て数うるに非ず——日支が午時を為すに、未を前と算え巳を後と算うを説くに非る。『賦』の裏に「天乙は中に居り、後は六にして前は五」と講ずるは、正にこの意思である——貴人を以て中心と為し、それの前面に五位の天将を排し、後面に六位の天将を排し、前後は此より分定す。
盤珠課
凡太歲、月建及日、時並三傳皆在四課之中,曰盤珠課也。如甲子年七月乙巳日酉時巳將占,歲月日時皆在四課之上,為天心格。主事遠大非常,及干朝廷,可以成就。如辛亥日占,三傳戌酉申,皆在四課之上,為回還格,主謀為得遂,吉凶之事皆成。此二格合一,如盤中走珠,不出於外,故名盤珠。統大壯之體,乃鳳翔丹山之課也。
およそ太歳・月建および日辰・占時に三伝を連ねて、統々みな四課の中に出現するを、すなわち「盤珠課」と呼ぶ。たとえば甲子年の七月の乙巳日に、酉時に占問し巳将を用いれば、太歳・月建・日辰・占時は全く四課の上に落ち——これを「天心格」と呼び、問う所の事が宏大・非常にして、甚だしくは朝廷に上達し、しかも成就することを能くすを主る。またたとえば辛亥日に課を占えば、三伝は戌・酉・申で、もまた四課の上に在り——これを「回還格」と呼び、謀劃する事が願いのごとくを得、吉事も凶事もともに真に成るを主る。この両格は合わさって、珠子が盤の中に滾動して始終盤外に出でざるがごときなので、名を盤珠と取る。それは統ねて『周易』の大壮卦の体に属し、鳳凰が丹山の上に翱翔するの課である。
象曰:“三傳四課,偶合異常。吉則成福,凶則成殃。賊不出境,行人還鄉。陰私解釋,事反不良。”如日用旺相,神將吉,大利。或四課不備,守舊動作亦吉。課體吉,諸事利,則應大壯九二貞吉之象。
断語に曰く、「三伝」(法に依りて推し出す初伝・中伝・末伝で、一件の事の起頭・中段と結局とを代表す)と「四課」(日干・日支が各々乗る所の天盤の神を配し、排し成す四組の上下の神)とがこの一課の裏に湊りて一処に到る——この種の巧合は本身が已に尋常ならず。局面が吉なれば、福気は便ち成倍に来り、局面が凶なれば、禍殃もまた成倍に来る。盗賊を占えば、賊は本地界を逃れ出でず。遠人を占えば、人は鄉に回らん。ただ独り陰私の事を占い糾紛を化解せんと想うのみ、反って順ならず。もし日辰の用いる所の神が当旺して時を得、乗る所の天将がまた吉なれば、事を占うに大いに利あり。縦に四課が残缺・全からずとも、ただ旧局面を守りて再び手を動かせば、一様に吉利なり。課体は本身が吉で、諸事は順遂し——正に『周易』の大壮卦九二の「貞吉」に応ず——正を守ればすなわち吉を得るあの種の気象である。
外如反吟課為遠,初傳太歲,中末月日,為移遠就近,緩事為速也。或斬關課日辰乘龍合,及占時為用,中末傳空,乃動中不動,尋遠就近。惟柔日昴星伏匿不動耳。
このほか還って幾種の変例あり。「反吟課」はもともと遠行・遠事を主るも、もし初伝が太歳で、中伝・末伝が月建と日辰の上に落つれば、あればすなわち遠処の事を把りて近処に拉して来りて弁ずるで、もと拖沓すべき事が反って弁じること速し。またたとえば「斬關課」は、日辰の上に「青竜」(十二天将の一で、財禄・喜慶を主る)と「六合」(和合・婚配・交易を主る)とに乗り、また占卜の当時の時辰の神を取りて発用とし、しかも中伝・末伝がともに空亡に落つれば、あれば便ち看るに動く在るも其の実は動かず、一様に遠を舎てて近に就くなり。ただ陰日(乙丁己辛癸日)の占う所の「昴星課」のみ、こそ伏蔵・不動の格局である。
又如太歲加河魁、魁加歲為重陰,憂女。月建加天罡、罡加月為重陽,憂男。戌與歲加月為陰覆陽,事在內。月與辰加歲為陽覆陰,事在外。此時傳及年命,雖吉亦凶。
さらに年月の両建と辰戌の両神との疊圧を看る。太歳が「河魁」(地支の戌の別名)の上に圧するか、あるいは戌が反って太歳の上に圧するを、重陰と呼ばれ、憂患は女子の身の上に出づ。月建が「天罡」(地支の辰の別名)の上に圧するか、あるいは辰が反って月建の上に圧するを、重陽と呼ばれ、憂患は男子の身の上に出づ。戌と太歳とが一同に月建の上に圧し到るは、陰の陽を蓋え住するで、事情は家内に発生す。月建と辰とが一同に太歳の上に圧し到るは、陽の陰を蓋え住するで、事情は外頭に発生す。この幾種の疊圧に碰上れば、占時の神・三伝および本人の行年・本命は縦に表面は吉利なるも、実際は仍として凶を作して断ずるを要す。
若盤珠課占病訟、生產、憂疑、解釋事,反凶。日用囚死,神將凶,凡事成禍,憂疑難解,災甚,則應大壯九二小人用壯貞厲,羝羊觸藩羸其角之象也。
盤珠課をもし拿て来りて疾病・官司・臨産・心中の疑慮あるいは調解の糾紛を占わば、結果は反って好からず。日辰の用いる所の神が囚・死の地に落ち、天将がまた凶なれば、然らばすなわち何を弁ずるも禍を招き、心の裏の疑懼は解き開く能わず、災殃は格外に重し——正に『周易』の大壮卦九二の一節の引く所の爻象に応ず——小人が一味に強を逞しゅうするは、守り下るもまた危うく、公羊が硬く籬笆を頂きて角をその裏に卡めて動弾するを得ず。
如庚戌年十二丑月甲子日丑時子將占,子加丑為用,年月日時、三傳皆在四課之上,曰盤珠課。
一個の実例を挙ぐ——庚戌年の十二月(月建は丑と為す)の甲子日の丑時に課を起こし、子将を用いる。天盤の子が地盤の丑の上に加わり、取りて発用と作す。かように一来れば、太歳・月建・日辰・占時に三伝を連ねて、全く四課の中に出現し、一顆顆は盤の裏の珠子のごとく擠りて一処に在るので、盤珠課と呼ぶ。
子 亥 戌 玄 常 白 空 戌 亥 子 丑 亥 子 丑 甲 辰巳午未 卯 申 寅 酉 丑子亥戌
上面はこの一課の課式である。最上の一竪行は上より下に三伝で——初伝の子・中伝の亥・末伝の戌。下面に横写する「玄・常・白・空」は、四課の上神の乗る所の四位の天将で、依次に「玄武」(盗賊・隠匿・暗昧を主る)・「太常」(衣食・酒宴・文書を主る)・「白虎」(道路・疾病・喪凶・兵戈を主る)・「天空」(虚詐・不実を主る)である。天将の下面の両行は四課の上下の神で、上の一行の戌亥子丑は上神で、下の一行の亥子丑甲は下神で、末の一位の甲はすなわち日干である。さらに下面に圍み成す一圈の十二個の字は、地盤の十二支の固定の宮位で、用いて天盤の落ちる所が何処なるかを看る。年・月・日・時と三伝とが全く四課の裏に聚まるは、正に盤珠課の樣子である。
如戊子日子時未將占,三傳俱在四課之上,為回還格。
別に一例を挙ぐ——戊子日の子時に、未将を用いて課を起こし、推し出す三伝は全部四課の中に落つ——この一種は回還格と呼び、三伝が一圈を兜してまた四課の裏に回り到るは、事情が轉來轉去して仍として原処に帰るに等しい。
『訂訛』・天心格
天心:歲月日時俱在四課之上,或俱在三傳之中,皆是也。傳止有三,而四建偶或同宮,故有歲月日時俱在三傳之中者。四建偶爾同聚,遭遇異常。若天作其合,有心成就者然,故名天心。
『訂訛』は天心格を解釈す——太歳・月建・日辰・占時の四者が一斉に四課の上に出現するか、あるいは一斉に三伝の中に出現するは、みな天心格と算う。三伝はただ三位あるのみで、四建は却って四個ある——全く三伝に擠り進むことを得る所以は、その中の両建が偶然に同一の宮位を共用すればなり。四建が一処に湊まるはもともと難得に属し、老天が意あるに撮合し存心に人を成全せんと要するがごときなので、名を取りて天心と曰う。
占主事遠大非常,及干朝廷,可立就。如三傳年月日時順去,為移遠就近,緩事速也。日用旺相,神將吉,諸事利,賊不出境,行人回。若天空朱雀臨太歲,主朝信即動,尤的。此課吉事成福,若占病訟、陰私、生產、憂疑、解釋事反凶。日用囚死,神將凶,禍更難解。
天心格を占えば、問う所の事は多く半ば格局が遠大・尋常に同じからず。もし朝廷に奔走し上司に干謁するの一類なれば、当下に弁じ成るを得。三伝が太歳・月建・日・時の次序に按じて順行して下れば、便ち遠処の事を近処に移し、もともと慢き事は速く変らん。日辰の用いる所の神が旺相・有力にして天将がまた吉なれば、諸事は順利である——盗賊を追えば、賊は境を跑げ出でず。遠人を等てば、人は帰り来らん。もし天空と「朱雀」(文書・音信・口舌を主る)とが太歳の上に臨めば、朝廷の消息は立刻に動き、応験はいっそう准なり。この課は吉事の上に於て福を成すことを得るも、拿て来りて疾病・官司・陰私・臨産・憂疑あるいは調解を占わば、反って凶に転ず。日辰の用いる所の神が囚死の地に落ち天将がまた凶なれば、禍患はさらに化解し難し。
全局課
凡課得三合俱在傳者,為全局課。如三傳申子辰水局,名潤下格,主溝渠、魚網等事,占天陰雨。寅午戌火局,名炎上格,主爐冶、文書等事,占天晴旱。春夏火旺相,水囚死;秋冬水旺相,火囚死。值旺相,老凶少吉。囚死者,少凶老吉。用有氣,孕生男。
およそ三合局の三個の字が全く三伝に落ち進めば、すなわち全局課と呼ぶ。三伝が申・子・辰の合成する水局なるは、名を潤下格といい、問う所は多く溝渠・魚網のこの類の水辺の事物と相關し、天気を占えば陰雨を主る。三伝が寅・午・戌の合成する火局なるは、名を炎上格といい、問う所は多く爐竈・冶煉と文書・功名とに關り、天気を占えば晴旱を主る。季節は一併に看るを要す——春夏は火が当令して水は囚死し、秋冬は水が当令して火は囚死す。値る所の局が正に旺相に当たれば、老人に対して利なく年輕人に対して利あり。囚死の地に落ちれば、すなわち年輕人は利なくして老人は反って安し。発用の神に気あれば、胎孕を占えば男孩を生む。
亥卯未木局曲直格,主船車、種植,利修造。巳酉丑金局,名從革格,主兵戈、金鐵,利更改。春冬木旺相金囚死,季秋金旺相木囚死。值旺相經求利,值囚死坐守利。用無氣,孕生女。辰戌丑未名稼穡,季夏旺相,動作遂意;秋冬衰敗,田墓有憂。此三方神全入傳,同類一局,故名全局。統大畜之體,乃同類歡會之課也。
亥・卯・未の合成する木局を曲直格と呼び、問う所は多く舟車・種植に關り、興修・營造に宜し。巳・酉・丑の合成する金局を從革格と呼び、問う所は多く兵器・金鐵に關り、弦を改め張り更むるに宜し。春天と冬天とは木が旺んで金は囚死し、秋末は金が旺んで木は囚死す。旺相の時に逢えば外に出でて經營・求取するに宜しく、囚死の時に逢えば安坐して成を守るに宜し。発用の神に気なければ、胎孕を占えば女孩を生む。三伝が湊り成して辰・戌・丑・未の四土と為るを稼穡格と呼び、夏末に土の旺する時に手を動かし事を為せば称心し、秋冬に土の衰する時はすなわち田産・墳墓の上に憂患あらん。この幾種はみな三方の神が斉々整整として三伝に進み入り、同一類が聚まりて一局を成すので、全局と呼ぶ。卦体を以て論ずれば、それは統ねて『周易』の大畜卦に属し、同類の相聚まり歡會して一堂を為す課体である。
象曰:“三方會合,得成秀氣。吉事必成,凶事難棄。尊長恩榮,常人財喜。利合婚姻,謀為大利。”如求財,傳有財,財易得。有官,官易就。日用旺氣相生,神將吉,大利,則應大畜上九何天之衢亨象。
断語に曰く、三方の神が會合して局を成し、一股の清秀の気を凝し出す。吉事は必定に弁じ成り、凶事は却っても一様に甩げ脱ぐ能わず。身分ある尊長は恩寵・榮顯を得、尋常の人は財喜を得。この格局は最も親を結ぶに宜しく、事を謀り為を求むるもみな大いに利あり。財を求むるを占えば、三伝の裏に財爻あれば、財は便ち手に到り易し。官職を占えば、三伝の裏に官星あれば、官は便ち謀じ成り易し。日辰の用いる所の神が旺気相生にして天将がまた吉なれば、あれは大吉で——正に『周易』の大畜卦上九の「天の衢を何(あ)えてせむ」の——道路の豁然として通達するあの種の亨通の気象に応ず。
若日用衰,水倒主事遲逆;火併火鬼,主火災;金並血支忌,忌行兵;木並木怪,土木壓。戊己日用丑未,田宅事。丑戌未乘虎,病死訟獄,則應九二輿說輻象也。
反って、日辰の用いる所の神が衰弱にして、水局がまた倒れて傳せば、事情は便ち遲滯・不順なり。火局にさらに火の鬼爻と為るに遇上れば、火災を防ぐを須みとす。金局にさらに血支等の凶煞に撞上れば、兵を出だすを切忌す。木局に木怪の神を帯ぶれば、土木の倒塌・壓傷を防ぐを須みとす。戊己日に発用が丑・未の土の上に落つれば、問う所は多くは田産・房宅の事である。丑・戌・未の三支の上に白虎に乗れば、病を占えば死を主り、訟を占えば牢獄を主る——正に大畜卦九二の「輿は輻を説(ぬ)ぐ」の——車子が輻條を脱して寸步も行き難きあの種の象に応ず。
『観月経』・潤下卦
主人有口舌,占訟官事不成。三傳俱是水,潤下水因由。申子辰三合水生旺死也,申生水,子旺。水辰中死。水十雜之類,三者為傳,潤下卦也。
『観月経』は潤下卦を講ず——家中に口舌・争執あるを主り、官司を占えばすなわち案子は弁じ成らず。歌訣に曰く、三伝が全く水なれば、便ち潤下の縁由を成す。申・子・辰の三字が合成して水局と為るは、正に水の長生・帝旺・墓死の三個の階段に對應す——水は申に長生し、子に帝旺し、辰に墓死に入る。この三支はまたみな十雜の気を帯び、本宮のほかに還って別行の餘気を蔵し、三者が湊り成して三伝と為るは、すなわち潤下卦である。
后合姦情起,元武盜賊愁。天后並六合,姦情必有憂。忽然盜賊起,元武倍添愁。萬般皆有忌,壬水任追遊。縱有陰私事,救神立便休。課中奇儀等神為救,主吉。占雨宜用此課也。
歌訣に続けて曰く、「天后」(十二天将の一で、婦女・婚戀・陰私を主る)と六合とが同じく現れれば、男女の私情は便ち起こらん。「元武」(すなわち玄武)が当値すれば、失盗の愁事は便ち来らん。天后・六合が一処に并せば、私情は必ず憂患を生じ、盗賊の事が忽然として發作すれば、玄武が一たび臨めばさらに愁煩を添えん。この時、百般の事情はみな忌諱あるも、ただ独り壬水の一路は自在に流行す。けれども縦に陰私の事ありとも、ただ課の中に解救の神を出現せば、立刻に了結することを得。いわゆる救神とは、課の裏の三奇・六儀の一類の吉神を指し、之を得ればすなわち吉に転ず。雨を求むるを占えば、正にこの一課を用いるに宜し。
『心鏡』・潤下
立用傳中申子辰,卦名潤下水之因。占者必緣溝瀆意,不然舟楫網魚新。占胎定知是女子,疾病為殃謝水神。
『心鏡』の歌訣に曰く、発用と三伝の裏に申・子・辰を排すれば、卦名は便ち潤下と呼び、縁由は全く水の上に在り。来りて占う人は多く半ば溝渠・水道の事のために、然らざればすなわち新たに船隻・漁網の一類を添ふ。胎孕を占えば、女胎と断ずべし。疾病を占えば、水神の祟を為すで、須く水神に祭謝して解を求むべし。
『袖中金』・潤下
申子辰水局主淹留屈伏,然終不能靜也,主叢雜。凡三合若支干見一課與六合,凡占必遂,全無阻滯。邵公云:“三傳俱合課,若干支見一神與中一字作六合,凡謀必遂,全無阻滯。亦有人於中相助成合。俱求解事則不能散。若見天將六合亦妙。或一傳與支干上神作刑沖破害者,名三合犯殺,合如不合,人情美中有惡,俗謂笑中藏刀者也。”
『袖中金』に曰く、申子辰の水局は人事の滯留・身を屈して低く就くるを主るも、可し水性は終竟に靜まり下る能わず——それゆえ事情の頭緒は繁雜なり。およそ三合局は、ただ日干・日支の某一課と三伝の中の字とが六合を構成せば、占う所は必ず遂い、全く阻碍なし。邵公の話は——三伝が合成して一局と為るに、もし干支の上の某一神が中伝の字と相合すれば、何を謀るも何が成り、一点の阻滞もなく、還って人の中より幇忙し促成するあらん。ただ独り了結を求め散伙を想う事のみ、反って散じ掉れ能わず。課の中にもし天将の六合を見れば、もまた一様に好し。けれども万一に某一伝が干支の上神と刑・冲・破・害を構成せば、すなわち三合の殺を犯すと呼び、合うも合わざるに同じく、人情は好き裏に壞を帯び——俗話の説く笑裏に刀を蔵する便ち是なり。
大抵五行正氣入於雜揉之體,三合是異方三合生旺墓之神,事主叢雜不一,主關眾謀,不然三處幹事,委曲託人,與人相合之類。
総じて言えば、これは五行の正気が混雜・交揉の格局に落ち進んだるなり。三合の取る所は不同の方位の上の生・旺・墓の三個の階段の神なので、事情は雜にして純ならず——多く半ば衆人の合謀に牽渉し、然らざればすなわち三処に同時に事を弁じ、あるいは委曲・求全して人情を托し人と合伙するの一類である。
『訂訛』・潤下
潤下:三傳申子辰,水生於申、旺子、墓辰,水性潤澤就下,故名潤下。占主悠悠長久,事不急迫,亦主遲留屈伏。然終不能靜也。木日生氣,金日盜氣,事多係舟楫、溝渠、網罟、魚鱉等。性就下,吉凶多下賤人當之。占訟亦牽連下人。占天雨,孕生女,病凶,以天罡作墓故也,宜禱水神。
『訂訛』に潤下を説く——三伝は申・子・辰で、水は申に長生し子に帝旺し辰に墓に入る。水性は滋潤にして下に往かうがゆえに、潤下と呼ぶ。この局を占えば、事情は悠長にして急迫せず、また人の遲疑・滯留して身を屈し忍讓するを主るも、けれども水は終竟に流れて停まらず、靜まり下る能わず。日干が木に属するは、水は来りて我を生ずるは生気である。日干が金に属するは、金は往きて水を生ずるは泄せらるる盗気である。渉る所の事は多く船隻・溝渠・漁網・魚鼈と有り関す。水性は下に向かうがゆえに、吉凶は多く半ば地位の低微なる人の身の上に落ち、官司を占うも、また下人に牽連し到らん。天気を占えば雨を主り、胎孕を占えば女を生じ、病を占えば凶なり——辰は正に水の墓庫なればなり、宜しく水神に祈禱して消解すべし。
占宅雖不凶,亦不振。占文書不利,為克雀也。尋常水將水神多者,亦欠吉。三傳喜順,倒非水性,主事逆遲。大都潤下主事浮游不安。后合併,定主淫。元武並,定主盜。惟智者樂水,兼有潤澤之象,宜施惠於人也。
住宅を占うは、凶と算うに足らざるも、家道もまた興旺し難し。文書を占えば利あらず——水が火を克して、正に文書を主る朱雀を克住すればなり。平常の課の中に水将・水神の偏多きは、一様に吉を欠く。三伝は順行を以て好しと為し、倒れて傳すればすなわち水の下に往かう本性に違え、事情は逆にしてしかも慢し。大体に潤下は人の漂浮・不定にして心神の安からざるを主る。天后と六合とが并せ現れれば、必ず淫乱の事あらん。玄武が并せ現れれば、必ず盗窃の事あらん。けれども水にもまた好き一面あり——智者は水を樂しみ、この局は兼ねて萬物を潤澤する象あり、宜しくこの機會を借りて以て人に恵を施すべし。
『観月経』・炎上卦
三傳皆是火,炎上熱沖天。利為窯冶事,文明爐火燃。五姓看宅上,切怕見行年。若到火炎上,火起主燒田。此主文書相害,以爐冶、火燭、爭訟。宅神者,即宮商角徵羽五姓之宅也。宮辰、商酉、角卯、羽子,卦得炎上,若行年見宅辰者,必有大火起是也。不但本家宅,羽姓行年自有火起也。
『観月経』の炎上卦の歌訶に曰く、三伝は全く火に属し、炎上の勢は熱くして天に沖す。竈を燒き冶煉するの一類の事に宜しく、文采と爐火とが一同に旺盛なり。須く宮・商・角・徵・羽の五姓に按じて各人の宅神の在る所を査し、最も宅神が本人の行年に撞上るを怕る。一旦炎上局に落ち進めば、すなわち火を起こして田地に燒き到らん。これは文書の類が損傷を受けんと要するを説くで、應ずる所の事は爐冶・燈燭の火を走らすと争訟との上に在り。いわゆる宅神とは、すなわち宮商角徵羽の五姓が各自に對應する宅位で、宮姓は辰に属し、商姓は酉に属し、角姓は卯に属し、羽姓は子に属す。課が炎上を得て、もし某人の行年が正に自己の宅位の辰の上に踏めば、必ず大火の發生あらん。しかも本家の宅院に限らず、羽姓の人の行年の上にも亦おのずと火を起こさん。
『心鏡』・炎上
寅午戌為炎上卦,三傳皆是火之名。日上象人為性急,釜鳴爐冶卜天晴。占人欲行憂口舌,婦人懷孕是男嬰。
『心鏡』に曰く、寅・午・戌が局を成せば便ち炎上卦で、三伝は全く火の名目である。日干の上神は来人を象徴し、火性は急躁なので、来人は性子が急である。應ずる所の事は鍋釜の響き作す・爐冶の燒煉するの上に在り、天氣を占えばすなわち晴を主る。人の出門せんとするを占うは、口舌・是非を防ぐを須みとす。婦人の懷孕を占うは、男胎である。
『袖中金』・炎上
寅午戌火局,主多虛少實,所占明事反為闇昧。爐冶事來尋大忌。戌加寅是墓臨生也,謂火以明為主,虛則生明,實則生暗,是失其體也,所占事明者反為闇昧。壬日常用為財,其實為鬼,謂火生土,土能克水,名子母鬼。占事主破骨肉解破其事。又云,火上主所圖不遂。
『袖中金』に曰く、寅午戌の火局は虚多く實少なく、もともと明らかに擺れたる事が反って含糊・不清と變ず。もし爐冶の事のために来りて占わば、すなわち大いに忌諱す。戌が寅の上に加わるは、墓庫が長生を壓住するで、最も好からず——火は明亮を以て本と為し、中間が虚空にしてこそ燒け亮しく、實を填めれば反って暗を發して、これはすなわち火の本體を失うがゆえに、明白の事は暗昧に轉成せん。壬日に占えば、火はもと我の克する財爻なれども、實際には却って鬼の作用を起こす——火は土を生じ、土はまた回頭して水を克し、これを子母鬼と呼ぶ。事を占えば骨肉の間に破裂を鬧し、拆散を靠りて以て了結するを主る。また一説あり——火性は炎上すれば、圖謀する所の事は多く半ば成らず。
『訂訛』・炎上
炎上:三傳寅午戌,火生寅,旺午,墓戌。火性炎蒸上行,故名炎上。占主文書,金並主爐冶事。土日生氣,木日盜氣。火為日象君,宜奏對。得驛馬貞位,為天子持權,仕人差遣快心。驛馬貞位者,以罡加日建,視馬上所得神為貞神,年命遇更吉。常人占主口舌及宅不安。
『訂訛』に炎上を説く——三伝は寅・午・戌で、火は寅に長生し午に帝旺し戌に墓に入る。火氣は蒸騰して上に向かうがゆえに、炎上と呼ぶ。事を占えば多く文書に關り、もし課の中に金氣の并せ現るるあれば、すなわち爐冶・鍛造を主る。日干が土に属するは、火は来りて我を生ずるは生氣である。日干が木に属するは、木は往きて火を生ずるは泄せらるる盗氣である。火は日頭のごとく、君王の象で、上奏して君上に面對するに宜し。もし驛馬を得て貞位に落つれば、便ち天子の親自に權を握るがごとく、官を為す人は差遣・得意なり。いわゆる驛馬の貞位とは、辰を把りて日建の上に加え、驛馬の臨む所の處が何の神を得るかを看る——あれば便ち貞神である。本命・行年の上にもまた遇えば、さらに吉なり。尋常の百姓が占うは、多く口舌・是非・家宅の不寧を主る。
火鬼並,火災;朱雀並,官訟;天空並,屋壞。病者多熱,或在於心。見后合,婦人血病。占天大晴,占人性急、文明,行人來,火性動也。失物藏窯爐處。事主急速,枉圖不遂,虛多實少。或朋黨疏狂鼓扇而成,先喜後嗔,先合後散,蓋火焰焰不久成灰矣。
火が来りて鬼爻を充當すれば、火災を防ぐを須みとす。朱雀が并せ現れれば、官司を防ぐを須みとす。天空が并せ現れれば、屋舍は塌壞せんと要す。病人は多く發熱し、病位は常に心に在り。天后と六合とを見れば、婦人の血分の上の病を主る。天氣を占えば大晴で、来人を占えば、性子は急にして文采あり、行人を占えば、人は到來せん——火性は動を主ればなり。丟失の東西は窯竈・爐邊に蔵る。辦する所の事は來ること急速なれども、心機を白く費やすの居多し、虚の多く實の少なし。或る事は一夥の人の狂放・張揚して彼此に鼓動してこそ作し起こせるで、先に歡喜して後に臉を翻し、先に聚合して後に離散す——火焔が燒けること再び旺んなるも、久しからずして便ち灰と成るなり。
忌戌加寅為墓臨生,蓋火以虛而明,實則暗,占事明反為暗。午加戌主失馬,入墓故也。戌為獄神,傳墓有訟獄事。壬癸日為財,其實是鬼,蓋火生土,土能克水,名子母鬼,凡占主破骨肉解破其事。
最も戌が寅の上に加わるを忌む——あれは墓庫の長生を壓するなり。火は中間が虚空にしてこそ明亮を要し、實を填めればすなわち暗を發し、事を占えばもともと清楚なるもまた含糊に轉為らん。午が戌の上に加わるは馬匹を丟失するを主る——午馬が墓に進み入ればなり。戌はまた牢獄の神で、三伝の裏に墓を帶ぶれば、すなわち官司・牢獄の事あらん。壬癸日に占えば、火は表面は我の克する財なれども、其の實は鬼の作用を起こす——火は土を生じ、土は反って來りて水を克し、これを子母鬼と呼び、およそ占えば多く骨肉の決裂し拆散を以て事を了するを主る。
大都炎上利於見官,雪明皂白。秋夏占為恃勢謀事成。庚辛日名帶殺,來意占病訟。如年命更乘火神,病死訟凶。辛酉日寅加辛為用,主因財成怨也。
総じて説けば、炎上は官に見え堂に上るに宜しく、能く黑白を分辨し清楚す。秋天・夏天に占うは、一股の勢頭を仗りて以て事を辦成するである。庚辛日に占えば、この局は帶殺と呼び、来人の用意は多く半ば疾病あるいは官司を問うにある。もし本命・行年の上にさらに火神に乘れば、病を占えば死を主り、訟を占えば凶を主る。辛酉日に寅が辛の上に加わりて發用すれば、錢財に因りて怨仇を結下するを主る。
『観月経』・曲直卦
三傳皆是木,其位名曲直。利為船車事,修造覓材植。震動雖然有,求財無壅塞。百事愁皆通,春占必好極。春木旺,故好極也。
『観月経』の曲直卦の歌訣に曰く、三伝は全く木に屬し、この格局は曲直と呼ぶ。船隻・車輛の事を辦ずるに宜しく、興修・營造し木材・種苗を尋ね求むるに宜し。些かの震動を免れずと雖も、財を求むるは却って阻塞を受けず。種種の愁事はみな疏通することを得、春天に占うはさらに好きこと極點に到る——春天は木が正に旺に當ればなり。
『心鏡』・曲直
曲直東方是木形,三傳亥卯未相併。占人桴筏栽培木,病者因風致有縈。亥卯未三傳俱全,主風事也。
『心鏡』に曰く、曲直は東方に屬し、取る所は木の形象で、三伝は亥・卯・未の三字に由りて湊り齊う。人事を占えば、多く木筏・舟楫と栽種・樹木とに關り、病を占えば、風邪に纏われ受くるを主る。亥卯未の三字が齊く三伝に入るは、主る所は正に風の一類の事である。
『袖中金』・曲直
亥卯未木局,木以水為根,占人主先屈後伸,亦有伐斷及木植之事。秋冬氣收斂,則曲直外伐而內實;春夏氣發散,則曲直內伐而外柔。壬癸乙準此。己日根固,丁日枝枯,辛日當作成器。用事主先曲後直。甲戊丙庚四日無曲直。
『袖中金』に曰く、亥卯未の木局は、木は水を靠りて根を為すを要す。人事を占えば先に委屈を受け後に伸展を得るを主り、もまた樹木を砍伐しあるいは木材を栽種するの事に遇わん。秋冬の氣は收斂し、曲直局は便ち外面は砍削せられて裏頭は結實す。春夏の氣は發散し、便ち裏頭は蛀損せられて外表は柔順なり。壬・癸・乙の三日はみな此に照らして推す。己日に占えば、土は能く根を培い、根基は牢固なり。丁日に占えば、火は木氣を泄し、枝條は枯槁す。辛日に占えば、金は來りて裁削し、木は反って器具と成る。手を動かし事を辦ずるの次第は先に曲して後に直なり。甲・戊・丙・庚の四日に至っては、課を起こすに曲直局を排し出す能わず。
『訂訛』・曲直
曲直:三傳亥卯未。木生亥、旺卯、墓未。木性曲折又直,遂故名曲直。占主進退未決,動則如意,不動不寧。蓋木為震,主動也。火日生氣,水日盜氣。利則作舟車、修營、栽植。木以水為根,秋冬氣斂,外伐內實;春夏氣敷,外剛內柔。壬癸乙日準此。己日根固,丁日枝枯,辛則成器論矣。
『訂訛』に曲直を説く——三伝は亥・卯・未で、木は亥に長生し卯に帝旺し未に墓に入る。木の性子は既に彎曲すること能くまた挺直すること能きがゆえに、名を曲直と取る。この局を占えば、人は多く進と退の間に在りて主意を拿り定めず——一たび動き起これば倒って称心し、動かざれば反って心の裏に安からず——木は八卦の裏に震に配し、震はもと動を主ればなり。日干が火に屬するは、木は來りて我を生ずるは生氣である。日干が水に屬するは、水は往きて木を生ずるは泄せらるる盗氣である。利を得る門路は船を造り車を造り・修繕・營建と栽種との上に在り。木は水を以て根と為し、秋冬は氣收まりて、外面は砍せられて內里は充實す。春夏は氣舒けて、外表は剛硬にして內里は柔弱なり——壬・癸・乙日はみなかように照らして推す。己日は根基は牢固、丁日は枝條は枯乾、辛日はすなわち木の裁り成して器物を為ると當作して論ず。
春占最宜,自下傳上則直,未加亥是也。自上傳下則曲,亥加未是也。卯加亥先曲後直,卯加未先直後曲。先曲後直者,始難終易,先直後曲者,有始無終。
春天に占うは最も合宜なり。下より上に向かって傳するは直で、たとえば未が亥の上に加わるがごとし。上より下に向かって傳するは曲で、たとえば亥が未の上に加わるがごとし。卯が亥の上に加わるは、先に曲して後に直なり。卯が未の上に加わるは、先に直して後に曲なり。先に曲して後に直するは、開頭は難く後來は順なり。先に直して後に曲するは、開頭あるも尾を收め能わず。
木主風,風傳事多不實,病因風肝症,宜託人求貴暗禱。凡亥加卯作雀,望信未來,雀內戰也。亥加未作蛇內戰,主失財。未主桑絹之屬,卯加未作虎身災,克命尤應。未加卯作後,陰人災病,有離哭之兆,失物藏茂林木器中。曲直作鬼,訟主枷杻。
木は風を主り、風の一様の傳聞は多く半ば實ならず。病を占えば風邪と肝經の毛病で、宜しく人情を托し貴人を求め、并せて暗中に祈禱すべし。およそ亥が卯に加わりて上に朱雀に乘れば、盼む所の音信は來らず——あれは水火が一處に在りて相い戰えばなり。亥が未に加わりて上に「螣蛇」(惊恐・怪異を主る)に乘るも、もまた內戰で、財を破するを主る。未は桑蠶・絹帛の一類を主り、卯が未に加わりて白虎に乘れば、身上に災あるを主り、もしさらに本命に克し到ればさらに験なり。未が卯に加わりて天后に乘れば、女眷に災病あるを主り、家中に離別・哭泣の兆あらん。失物は密林あるいは木器の中に蔵る。曲直局がもし鬼爻を充當すれば、官司を占えば枷を上げ鐐を帶びるを主る。
己日根固者,木得土為根也。丁日枝枯者,火脫木也。此以成局論也。若以日干論,則干己為官鬼,干丁為父母矣。大約君子吉小人凶,潤下君子凶小人吉。
己日は根基の牢固と説く所以は、木が土を得着してこそ根を扎み住むことを得ればなり。丁日は枝條の枯乾と説く所以は、火が木氣を泄し光り去らしむればなり。これはみな成局の整體に按じて來りて講ず。もし日干と三傳との六親の關係に換えて以て論ぜば、己日はすなわち木は官鬼と為り、丁日はすなわち木は父母と為る。大體の上、曲直局は君子に對して吉にして小人に對して凶で、潤下局は反って、君子に對して凶にして小人に對して吉なり。
『観月経』・從革卦
主頭緒多端,先阻後當成。占宅主更改,陰人離。占訟互換官吏,事求陰人。三傳皆是金,從革卦生心。兵家為大忌,恐見血光臨。求財獲珍寶,遠行利相尋。求財反覆旺,百禍亦難侵。
『観月経』の從革卦——問う所の事は頭緒が繁多して、先に阻碍あり後に辦成すること能くす。家宅を占えば改建・變動を主り、女眷は離散の事あらん。官司を占えばすなわち經辦の官吏は人を換えんと要し、事情は女眷を托して疏通し往くを要す。歌訣に曰く、三伝は全く金に屬し、從革の心は便ち生ず。兵を用いる人は最もこの一局を忌み、ただ血光を見るを怕る。財を求めれば珍寶を得ることを得、遠行もまた彼此に尋訪するに宜し。財を求むるは一回回みな旺んにして、百般の禍事もまた侵犯し難し。
『心鏡』・從革
巳酉丑為從革卦,兵革相持位屬金。改故入新多別業,病傷筋骨肺癆侵。主陰人離別。占官主革故鼎新。
『心鏡』に曰く、巳・酉・丑が局を成すは從革卦で、兵戈の相い持する象で、方位は金に屬す。舊を除き新を更むるは、多く半ば別に門戶を立て別に產業を置く。病を占えば筋骨の受傷あるいは肺の上の癆損である。この局はまた女眷の離別を主り、官職を占えばすなわち舊規を革除し別に新章を立つるを主る。
『袖中金』・從革
巳酉丑金局,主先後從革。占人將有兵革金鐵之事,不可以更改。以上曲直、炎上、潤下、從革,曰推磨者無休歇之事,一事去又一事來,往來不歇,必得吉將,用事須得人引進方可。
『袖中金』に曰く、巳酉丑の金局は、一前に一後として從あり革あり。人事を占えば、將に兵器・金鐵の一類の事あらんとし、已に定まり下るは再び改む可からず。以上の曲直・炎上・潤下・從革の四局は、合わせて推磨と稱し、意思は磨盤の轉き停まらざるがごときにして、一件事は去りて別の一件は又來り、往來して歇まず——必ず吉將の當値するを得て、事を辦ずるに還って人の中より引薦するあらばこそ行う可し。
凡三合與連茹,又四仲,須帶眾用,十回五度乃可。曲直,先曲後直;從革,先從後革;炎上,有影無形;潤下,往而不返;稼穡,艱難作事無頭。
およそ三合局・連茹格、さらに子午卯酉の四仲の局を成すを加上すれば、みな一群人の合力に靠りて往きて辦ずるを要し、反復して十趟・五回してこそ辦じ成ることを得。各局の性情は——曲直は先に彎り後に直し、從革は先に順從して後に變革し、炎上は影子あるも形體を抓著る能わず、潤下は一去りて頭を回らず、稼穡は處處に艱難にして事を為すに頭緒を找著る能わず。
『指要』・從革
經曰:論從革一卦,若旺相氣與吉神並者,主有革變,為富貴之福。若與歲月相沖,與蛇虎並者,主死喪、兵革之凶。若日干囚死,有西行之兆,吉利進。從革者,酉丑巳,故有氣則革而增進,無氣則革而退失。主幹事有萌而欲就,必主阻隔革變而不順。
『指要』は經文を引きて曰く、從革のこの一卦を論ずれば、もし金氣が旺相にしてまた吉神と同じく在れば、一番の變革あるを主り、富貴の福を得ることを得。もし太歲・月建と相冲し、また螣蛇・白虎と一處に并せば、すなわち死喪と刀兵の凶を主る。日干が囚死の地に落つるは、往西に行走するの跡象あり、去れば反って利あり。從革が酉・丑・巳の次序を排し成す時、金氣が有力なれば一邊に變革して一邊に長進し、金氣が無力なれば越えて變ずれば越えて退失す。辦する所の事が已に苗頭あり眼を看るに成らんと要するも、また必定に中途に阻隔を生じて不順と變ぜん。
『訂訛』・從革
凡從革無丑酉巳。從革:三傳巳酉丑。金生巳、旺酉、墓丑。既煅煉相從,又故舊可革,故或從革。
『訂訛』は先に一条を辨す——從革局は丑・酉・巳のこの次序を排し出す能わず。從革——三傳は巳・酉・丑で、金は巳に長生し酉に帝旺し丑に墓に入る。金は既に爐火の煅煉を經て順從して器を成さんと要し、器を成しての後に舊きは又た再び改鑄することを得るがゆえに、從革と呼ぶ。
占主變動革故鼎新。水日生氣,土日盜氣。丙丁日雖為財,若丑發用,將見貴常勾,乃為降氣,卻主父母災,被恃勢力之人強抑而不得伸也。事先阻後就。若遇旺相氣,吉將並,主革變富貴。遇歲月破及蛇虎,主死喪兵革。日干囚死,有西行之兆。
從革を占えば、變動・舊を除き新を布くを主る。日干が水に屬するは、金は來りて我を生ずるは生氣である。日干が土に屬するは、土は往きて金を生ずるは泄せらるる盗氣である。丙丁日に占えば、金は雖も我の克する財なれども、可しもし丑に由りて發用し、天將にまた貴人・太常・「勾陳」(爭鬥・田土・牽連を主る)を見れば、あればすなわち氣は下に降り往き、反って父母に災あるを主り、人は勢力ある人に強壓せられて腰を伸げ開く能わず。事情は先に阻を受け後に成就す。もし金氣が旺相にしてまた吉將の同じく現るるあれば、變革の後に富貴を得るを主る。もし太歲・月建の來りて破するに遇い、また螣蛇・白虎と同じく現れれば、すなわち死喪と刀兵とを主る。日干が囚死の地に落つるは、西に往きて走動するの跡象あり。
巳酉丑為順,有氣則革而進,無氣則革而退。酉巳丑主萌芽,欲就而又被隔。巳丑酉變而不順,又主革。酉加巳為愁課,蓋酉為秋令肅殺,萬物愁苦。巳加酉,仕人差遣,改易;常人道路門戶,改革不寧,或有陰人離別之象,占婚大忌,仍以衰旺神將言之。
巳・酉・丑の次序は順で、金氣が有力なれば越えて革すれば越えて進み、金氣が無力なれば越えて革すれば越えて退く。酉・巳・丑の次序は事情の剛に芽を冒し、眼を看るに成らんと要するも又被られて隔斷せらるるを主る。巳・丑・酉の次序は變じて順ならず、もまた一様に變革を主る。酉が巳の上に加わるを愁課と呼ぶ——酉は秋令の肅殺に屬し、萬物がこの時に到ればみな愁苦すればなり。巳が酉の上に加わるは、官を為す人は差遣・調動を主り、尋常の人は道路・門戶の變更・家中の不安寧を主り、あるいは女眷の離別の象あり——婚事を占うは最もこの一局を忌む。具體の吉凶は、仍として神將の衰旺を看て以て定むるを要す。
大都從革與金鬼並,遇秋作游都,定主金革血光逃亡。遇從革藏山石道途之處,病在肺、在筋骨,訟有罪,三傳見劫殺故也。求財獲珍寶,遠行隱避最宜。
大體の上、從革局がもし金の鬼爻と為ると并せ現れ、秋天に占いてまた游都の格と成れば、必ず刀兵・血光・人の逃亡あるを主る。失物を占えば、東西は山石・路途の間に蔵る。病を占えば、病は肺に在るかあるいは筋骨に在る。官司を占えば、罪ありと判決せられん——三傳の裏に劫殺を帶ぶればなり。財を求むるに至っては、能く珍寶を得、遠門を出でるあるいは身を躲避し蔵るも、いずれも最も相宜なり。
此課雖宜改動更新,然值酉加巳、巳加酉,方孚改革之應。若火多金少,火旺金囚,或將得武后盜金氣,即名從革不革,來意主事欲動未能。如六癸日巳加癸,酉發用,亦難以改動言也。將得六合,亦主欲動不動。凡巳加癸,止有勾空無六合。
この一課は改動・更新に宜しと雖も、けれども酉の巳に加わる・巳の酉に加わるのこの兩種の情形を要して、こそ真に變革に應じ上げ得。もし課の中に火多く金少なく火旺にして金囚なり、あるいは天將が玄武・天后を得て以て金氣を泄せば、すなわち從革にして革が動かざると呼び、來人の用意は動かんと想うも動く能わず。六個の癸日に巳が癸の上に加わりて酉に由りて發用するがごときは、もまた真に改動し得ると談ずるに及ばず。天將が六合を得るも、同じく動かんと想うも動かざるなり。およそ巳の癸に加わる局は、天將はただ勾陳・天空を排し出すのみ会す、六合は出現せざらん。
『心鏡』・稼穡卦
戊己日占用土神,戊己日占,大吉、小吉發用是也。三傳四季合斯文。此名稼穡緣從土,築室開田墓宅因。
『心鏡』の稼穡卦に曰く、戊己日に課を起こし、發用に土神を取る——すなわち戊己日に占い、「大吉」(地支の丑)あるいは「小吉」(地支の未)に由りて發用するの情形である。三傳は辰・戌・丑・未の四季の土を湊り齊え、正にこの一卦の文義に合す。それを稼穡と呼ぶは、緣由は全く土の上に在り、應ずる所の事は房を蓋え田を開き、および墳墓・宅地の一類である。
『袖中金』・稼穡
戊己日用四季為傳,土氣重,主艱難之象。如壬癸日,當為脫難煞,為物極則變,變則通也。久厄者反有解散之意,無事。常占則名鯨鯢歸澗,凡事逼迫不由己出。若遇雷神,方能變化。雷神者,太沖六合是也。六癸日伏吟同。
『袖中金』に曰く、戊己日に辰戌丑未の四季の土を以て三傳と作せば、土氣は太く重くして、艱難・受困の象である。もし壬癸日に換えれば、すなわち脫難煞と呼ぶ——事物は極處に到ればすなわち變じ、一たび變ずればすなわち通じ、久しく困う人は反って解脫・散開の意思あり、無事と斷すべし。尋常に占うは、この局はまた名を鯨鯢の澗に歸るといい、大魚が小澗の裏に困るがごとく、凡事は逼迫せられて自己の主を為す能わず。ただ雷神に遇上るのみ、こそ變化を起こすことを得。いわゆる雷神とは、「太沖」(地支の卯)と六合とを指す。六個の癸日に伏吟課を占うは、道理は此と相同じ。
『指要』・稼穡
遊子稼穡,亦名五墳卦,不宜占病。巳上三交元胎,遊子稼穡,三體並由孟仲季之命名也。蓋孟為隱伏,仲為進退,季為游動,皆屬刑沖破害。況孟有孤神,仲有敗煞,季有華蓋,不可謂面前常見之體而忽之者也。
『指要』に曰く、游子・稼穡はまた五墳卦と呼ばれ、用いて疾病を占うに宜しからず。以上の講ずる所の三交・元胎・游子稼穡の三種の課體は、みな四孟・四仲・四季に按じて命名せり。四孟は隱伏を主り、四仲は進退の定まらざるを主り、四季は游移・走動を主る——三者はみな刑・沖・破・害を帶ぶ。いはんや四孟の上に孤神あり、四仲の上に敗煞あり、四季の上に「華蓋」(星名で、孤高・宗教・術數を主る)あるをや——それらが眼前に常見の課體なればとて以て輕忽し過ぐ可からず。
『指竅』・三合の順逆
若順三合理勢自然,申子辰為潤下,以和順為義。寅午戌為炎上,以發達為名。亥卯未為曲直,當舉直錯諸枉。巳酉丑為從革,宜革故鼎新。三傳稼穡,田土稽停。
『指竅』に曰く、三合がもし順序に按じて相生せば、事理と形勢とがみな自然に順遂す。申子辰は潤下で、和順を取りて義と為す。寅午戌は炎上で、發達を以て名を得。亥卯未は曲直で、正直を舉用し邪枉を摒退するに宜し。巳酉丑は從革で、舊を除き新を布くに宜し。三傳が稼穡を成すは、事情は多く田產・土地の上に滯留す。
若逆三合,事主乖違。子申辰為循順,貴無躐等。戌午寅為就燥,行合中庸。未卯亥為正陽,發生之意。巳丑酉為發罡,肅殺之危。四土迎財,尚宜守舊。
もし三合が逆らって排せば、事情は便ち多く違逆あり。子・申・辰のこの一路は循順と呼び、按部就班にして等次を越えざるを貴ぶ。戌・午・寅は就燥と呼び、事を行うは中道に合乎するを要す。未・卯・亥は正陽と呼び、生發の意思を含む。巳・丑・酉は發罡と呼び、肅殺の危險を帶ぶ。辰戌丑未の四土が來りて財爻を迎うるは、還って舊局面を守住するを以て宜しと為す。
『訂訛』・稼穡
稼穡:三傳辰戌丑未,無丁馬是也。土主稼穡事,故名稼穡。占主沉滯,戊己日更屬艱難。惟壬癸日為脫難殺,謂物極則變,變則通,危反解散。常人占則名鯨鯢歸潤,凡事逼迫不由自己,遇雷神方能變化。雷神者,太沖六合也。
『訂訛』に稼穡を説く——三傳が辰・戌・丑・未の上に落ち、并せて丁神と驛馬とを帶びざれば、こそこの局と算う。土は耕種・收穫を主るがゆえに、稼穡と呼ぶ。この局を占えば、事情は沉重・遲滯し、戊己日に占うはさらに艱難を加えん。ただ独り壬癸日に占うは脫難殺と呼ばれ——事物は極處に到れば必ず變じ、一たび變ずればすなわち通じ、危局は反って散開す。尋常の人が占うはすなわち鯨鯢の潤に歸ると呼び、大魚が淺水の裏に陷るがごとく、凡事は人に逼迫せられて自己に由る得ず——ただ雷神に遇上るのみ、こそ變化あることを得。雷神は卯と六合とを指す。
凡占多係耕農、土工、築室、田宅事。若日辰年命乘死氣,為墳墓事,乘煞墳墓不安。巳午加日辰年命,則理窯灶事,寅卯加為耕農,申酉加為修城築室,亥子加為治溝河,六合青龍為田宅交易。大凡為事遲鈍,病者在脾。
およそ稼穡を占うは、事情は多く耕種・土工・屋を蓋うと田産・房宅とに關る。もし日辰あるいは本命・行年の上に死氣に乘れば、墳墓の上の事である。さらに凶煞に乘れば、すなわち墳墓は安寧ならず。巳・午が日辰あるいは本命・行年の上に加わるは、窯竈を修治するである。寅・卯が上に加わるは、田を耕し農を務めるである。申・酉が上に加わるは、城を築き屋を蓋うである。亥・子が上に加わるは、溝渠・河道を疏浚するである。六合と青竜とを見れば、すなわち田宅の賣買・交易である。總じて事を辦ずるは遲鈍し。病を占えば、病は脾に在り。
此課如占田土,發用辰將得空、貴、勾、常,主因田土爭鬥帶眾,蓋天罡為部領之神,勾陳又住戊辰土,定主帶眾。如將不遇此,主兩人爭競田土。甲乙日主爭錢物。大都土氣重帶煞沖破者,託人費力,謀事反覆。
この一課をもし用いて田地を占わば、辰に由りて發用して天將が天空・貴人・勾陳・太常を得れば、田土のために群れ成し夥を結びて爭闘するを主る——辰はもと部衆を統領する神で、勾陳はまた戊辰の土に寄居するがゆえに、一群人を牽動せんと斷定す。天將がもしこの幾位ならざれば、ただ兩個人が田を爭い地を爭うのみである。甲乙日に占えば、爭う所は錢財・器物である。大體の上、土氣が太く重くしてまた凶煞を帶び冲に逢い破に遇うは、人を托して事を辦ずれば力を費やし、謀劃する事は反復して常なし。
此上五課,總名三合,又名全局,皆主事叢雜不一,夥眾共謀,不然兩三處託人幹事。或一傳與干支上神作六合,及見天將六合者,凡謀必遂,名利皆宜,主人相助成合也。大都三合是無休歇之象,一事去又一事來,必得吉將用事,須人引進方可,但不利解事。
以上の五種の課は、總名を三合といい、また全局と呼び、みな事情の雜亂・不一を主り、あるいは合伙して共に謀り、あるいは兩三處に同時に人を托して事を辦ず。もしその中の一傳が干支の上神と六合を構成するか、あるいは天將に六合を見れば、然らばすなわち何を謀るも何が成り、名と利とがともに相宜しく、人の傍より幇忙し促成するあらん。大體の上、三合は歇まる個のなき象で、一件事は畢えて別の一件はまた來り——必ず吉將の當値するを得、人の中より引薦するあらばこそ辦じ動かすことを得。ただ独り了結せんと想い散伙せんと想う事のみ、それを用いるは利あらず。
五課外,有寅卯辰亦作曲直,巳午未亦作炎上,申酉戌亦作從革,亥子丑亦作潤下。
この五種の正局を除くほか、還って變通の算法あり——三傳が寅・卯・辰を排し成すも、亦た曲直と當に看る。巳・午・未を排し成すも、亦た炎上と當に看る。申・酉・戌を排し成すも、亦た從革と當に看る。亥・子・丑を排し成すも、亦た潤下と當に看る——取る所は三支の同じく一方の氣に屬するなり。
元胎課
凡孟神發用,傳皆四孟,為元胎課。蓋四孟者,寅申巳亥,四生之局,又為五行受氣之位。如木生於亥,火子受氣;水生於申,木子受氣之類。此元中有胎,故名元胎。占者事皆新意。統家人之體,開花結子之課。
およそ四孟の神に由りて發用し、三傳もまた全く四孟なるは、すなわち元胎課である。四孟は寅・申・巳・亥を指し、五行の長生の四個の位置で、同時にまた別の一行が氣を受け始める位置である。たとえば木は亥に長生して、しかも木の生ずる所の火は恰も亥に於て氣を受く。水は申に長生して、しかも水の生ずる所の木は恰も申に於て氣を受く——その余は此に照らして類推す。長生の元の裏に已に胎氣を含んでいるので、元胎と呼ぶ。この課を占えば、問う所の事はみな一股の新意を帶ぶ。卦體を以て論ずれば統ねて『周易』の家人卦に屬し、花を開き子を結ぶの課體である。
象曰:“三傳長生,胎孕成形。官加恩爵,婚獲娉婷。病訟淹滯,財利疊興。行人敵賊,戀生不行。”戀生者,如寅加巳,巳加申,申加亥,亥加寅,為進步長生,主事遲。
断語に曰く、三傳がみな長生の位に在れば、胎孕は已に形を成せり。官を求むるは官を加え爵を進むることを得、婚を議するは美貌の女子を娶り到ることを得。疾病と官司とを占うは却って拖延・不決し、財利を占うはすなわち一重重に興旺す。行人を等ち敵賊を防ぐは、對方はみな長生の地を戀えて窩を挪め肯んぜず。いわゆる戀生とは、寅の巳に加わる・巳の申に加わる・申の亥に加わる・亥の寅に加わるのこの幾種を指し、進步の長生と呼び、事情の來ること慢きを主る。
如用值天后財爻,主妻必懷胎。外有妻財值生氣,胎神發用,主妻有孕。如正月戊己日用子,四月庚辛日用卯,七月壬癸日用午,占妻懷孕無疑。或年命見之,遇元胎尤的。或元胎帶喜神吉將,吉利。遠行又經求名利,百事皆吉,當應家人六四富家大吉之象。
もし發用の神が天后に乘ってしかもまた財爻なれば、妻子は必定に孕あるを主る。ほかに、妻財の爻が正に生氣に當たり、胎神がまた發用するも、もまた妻子の懷胎を主る。たとえば正月の戊己日に發用が子に在り、四月の庚辛日に發用が卯に在り、七月の壬癸日に發用が午に在れば、妻子の孕あるを占えば便ち疑う可きなく、本命・行年の上にこれらを見て、さらに元胎課に逢えば、應驗はいっそう准なり。元胎がもし喜神と吉將とを帶びれば、あれは吉利で——遠門に出で名利を經營・求取するに、樣樣みな吉で、正に家人卦六四の「家に富めば大いに吉」の——家道の富足するあの種の氣象に應ず。
若老少占病,為後世投胎之兆,最凶。或常占遇三刑及凶神惡將,必有憂疑驚恐。父母用事,家中尊長見災。或日用休囚,天后落空,為元胎不育,家招干兒義女接續,當應九三婦子嘻嘻終吝之象。
けれどももし老人あるいは小孩が疾病を占えば、元胎は便ち轉世・投胎の預兆と成りて、最も凶なり。尋常に占問してもし三刑および凶神・惡將に碰上れば、心の裏に必定に憂疑・惊恐あらん。父母爻が權を當りて發用すれば、家中の長輩は災を見んと要す。日辰の用いる所の神が休囚・無力にして天后がまた空亡に落つれば、便ち元胎の育たざると呼び、家の裏に乾兒子・義女を認めて以て香火を接續せしめんと要す——正に家人卦九三の説く所の婦人・孩子が嬉笑して節なく、終竟に悔吝を招來するあの種の局面に應ず。
如甲寅日寅時巳將占,三傳申亥寅孟神,為元胎課。
例を挙げて説かば——甲寅日の寅時に、巳將を用いて課を起こし、推し出す三傳は申・亥・寅で、全く四孟の神なり——これすなわち元胎課である。
申 亥 寅 蛇 陰 蛇 陰 申 巳 申 巳 巳 寅 巳 甲 申酉戌亥 未 子 午 丑 巳辰卯寅
上面はこの一課の課式である。最上の一竪行は三傳で、初傳より末傳に至りて依次に申・亥・寅。下面の一行の「蛇・陰・蛇・陰」は四課の上神の乘る所の天將で、依次に螣蛇・「太陰」(陰私・庇護・女子を主る)・螣蛇・太陰である。さらに下の兩行は四課の上下の神で、上の一行の申・巳・申・巳は上神で、下の一行の巳・寅・巳・甲は下神で、末の一位の甲はすなわち日干である。最も下面に圍み成す方框の十二支は、地盤の固定の宮位である。三傳の申・亥・寅は全く四孟の上に落つ——正に元胎課の樣子である。
『訂訛』・元胎
元胎:四孟神作三傳。三傳長生為五行母氣,此元中有胎,故名元胎。占主事皆新意,有嬰兒隱伏之象,最宜於產,求官、求財、求婚,皆以長生大利。病訟淹滯,行人不來,捕賊不獲,戀生故也。若老幼占病,為後世投胎之兆,凶。
『訂訛』に元胎を説く——四孟の神に由りて三傳を組成す。三傳はみな長生位に處り、五行の母氣で、長生の元の裏に已に胎を含んでいるがゆえに、元胎と呼ぶ。この課を占えば、問う所の事はみな新しき意思あり、嬰兒の藏れて露われざる象を帶び、最も生産に宜し。官を求め財を求め婚を求むるは、みな長生を占め著けるに因りて大いに利あり。疾病と官司とを占うはすなわち拖沓・不決し、行人を等てば人は來らず、盗賊を捉えれば捉え得ず——みな對方が長生の地を戀えて動かざるに因る。もし老人あるいは小孩が疾病を占えば、この一課は便ち來世に投胎するの預兆と成りて、凶を主る。
寅加巳、巳加申、申加亥、亥加寅,為進步長生,主事速,又名病胎。蓋上生下為五行病處,懷胎有憂。寅加亥、亥加申、申加巳、巳加寅,為退步長生,主事遲,又名生胎。蓋下生上,乃身臨長生之鄉,懷胎大吉,發用財爻,得天后,值生氣胎神,定主妻有孕。
寅の巳に加わる・巳の申に加わる・申の亥に加わる・亥の寅に加わるは、進步の長生と呼び、事情の來ること速きを主り、また病胎と呼ぶ——上神が下神を生じて、正に五行の病位の上に落つれば、懷胎は憂患あらん。反って寅の亥に加わる・亥の申に加わる・申の巳に加わる・巳の寅に加わるは、退步の長生と呼び、事情の來ること慢きを主り、また生胎と呼ぶ——下神が上神を生じて、人は正に長生の鄉に立てば、懷胎は大いに吉なり。この時もし發用するは財爻で、また天后に乘り、還って正に生氣と胎神とに値れば、妻子は已に孕あると斷定すべし。
如正月戊己日用子,四月庚辛日用卯,七月壬癸日用午,占妻懷孕無疑。年命見之尤的。常占遇三刑及凶將,必有憂疑驚恐。父母發用,尊長見災。子孫空亡,為元胎不育,凡占無成,更艱子息。天后空亡,因孕傷母。
たとえば正月の戊己日に發用が子に在り、四月の庚辛日に發用が卯に在り、七月の壬癸日に發用が午に在れば、妻子の懷孕を占うは便ち確定して疑いなく、本命・行年の上にさらに見ればさらに准なり。尋常に占問してもし三刑と凶將とに遇えば、必ず憂疑・惊恐を生ぜん。父母爻が發用すれば、家中の長輩に災あらん。子孫爻が空亡に落つるを、元胎の育たざると呼び、およそ占うはみな成らず、子嗣の上にさらに艱難なり。天后が空亡に落つれば、すなわち懷孕に因りて母體を傷つけん。
此課雖係新鮮喜慶之兆,然多身喜心憂。蓋為腹中有孕,心自懸懸也。事主遠而多伏,闇昧不通,觸則成禍,若反吟課為絕胎。
この一課は新鮮・喜慶の兆頭に屬すると雖も、卻って多く半ば身上は歡喜して心の裏は愁を發す——腹中に胎を懷くるがごとく、心は總して懸りて放ち下す能わず。問う所の事は離るること遠くまた多く隱伏し、含糊・難通にして、一たび碰ればすなわち禍を出ださん。もし反吟課に碰上れば、あれば便ち絕胎と成る。
『観月經』・元胎
五行受氣處,四孟是懷胎。三傳見寅申巳亥者,為元胎卦也。寅中金受氣,火生從此來。寅中金絕,名曰受氣,火生於寅。木從申上起,水產五行推。木受氣於申,水生於申也。金逢巳上生,水上卻栽培。水土巳上受氣,金生於巳也。登明上生木,火因此路開。火受氣在亥,木生於亥也。
『観月經』の歌訣に曰く、五行が氣を受くる地方は、四孟は正に胎を懷くる處で、三傳の裏に寅・申・巳・亥を見るを、すなわち元胎卦である。歌は逐句に講ず——寅の中に金氣は胎を受く、火はここより長生す——金は寅に絕して、受氣と呼ばれ、しかも火は寅に長生す。木は申の上より頭を起こし、水もまたここに生じ出づ——木は申に於て氣を受け、水は申に長生す。金は巳の上に長生を得、水は卻ってここに培植せらる——水と土とは巳の上に氣を受け、金は巳に長生す。「登明」(地支の亥)の上に木を生じ出で、火もまたこの路に由りて開端す——火は亥に氣を受け、木は亥に長生す。
欲知懷胎婦,因此卦中推。要知此端的,女人必有災。主婦人先有患,後有懷胎之事也。或然無產婦,來占為求財。正月丙申日,申時卦作陪。孟秋申發用,寅亥俱一垓。孟秋即申為初傳,亥為中傳,寅為末傳。學人依此語,求發不遲迴。三傳俱孟,依此為元胎卦也。
誰が家の婦人が胎を懷くるかを知らんと想えば、すなわちこの一卦の上より推す。もし准頭を論ぜば、すなわち女人は必ず先に災あらん。これは婦人が先に病患ありて、隨後にしてこそ懷胎の事あるを説く。倘若家の裏に并せて孕婦なく、來る人はただ財を求むるがために占えば、もまた此の卦に照らして看る。歌訣は例を挙ぐ——正月の丙申日に、申時に課を起こせば正に相配し、初秋の神の申が發用し、寅と亥とが湊りて一處を作す——すなわち申を以て初傳と為し亥を中傳と為し寅を末傳と為す。學者はこの幾句に依りて推せば、課を起こし發用するは便ち遲疑して路を繞れざらん。總じて三傳が全く四孟なれば、此に照らして元胎卦と斷じ作す。
『指竅』・元胎
巳申亥寅,春元胎者,生意已萌於中。夏勵陽者,機關略見於外。秋者四牡,驅馳不息。冬者全福,行止亨通。若逆相加,勢情為悖,三傳亥申巳寅,六合亦名六害。春元毓,有始勤終怠之形。夏秉弘鈞,中正權衡之象。秋含義而無中生有,冬傳慶而暗事將明。
『指竅』は四季に按じて分かちて説く——三傳が巳・申・亥・寅のこの一路を排し作すは、春天に占うは元胎と呼び、生機は已に裏面に於て萌動す。夏天に占うは勵陽と呼び、機關は略々外面に顯露す。秋天に占うは四牡と呼び、車を駕る四匹の公馬の奔走して停まらざるがごとし。冬天に占うは全福と呼び、行くも止まるもみな通順なり。もし倒れて來りて相い加えば、情勢は便ち乖悖す——三傳が亥・申・巳・寅を作すは、もと六合と稱し、また六害と呼ぶ。春天に占うは元毓と呼び、頭を起こすは勤快にして後來は懈怠するの形跡あり。夏天に占うは弘鈞を秉ると呼び、正を持して衡を掌るの氣象である。秋天に占うは義理を含みて、無中に有を生ずることを能くす。冬天に占うは喜慶を傳え來り、暗處の事は將に明朗ならんとす。
『心鏡』・元胎
三傳俱孟是元胎,五行生處主嬰孩。所占百事皆新意,或卜懷娠結偶來。三傳俱孟,是五行生處,應此卦。主懷胎及結偶之事。
『心鏡』に曰く、三傳が全く四孟なれば便ち元胎で、五行の長生の處は嬰兒を主る。占う所の百般の事情はみな新意を帶び、多く半ば來りて懷孕あるいは婚配を問うにある。三傳が全く四孟に落つるは、正に五行の長生の位置なので、此の卦に應じ、懷胎と成婚の事とを主る。
『袖中金』・元胎
三傳俱孟,名曰元胎。其象嬰兒,隱伏之狀,利上不利下,事主遠而多伏,闇昧不通,觸則成禍。申加巳名生胎,為憂課,女人懷孕必的,安得不憂?巳加申為病胎,又名怕課,又名四病課,胎孕有病,安得不怕?
『袖中金』に曰く、三傳が全く四孟なるは、名を元胎といい、取る所は嬰兒の藏れて露われざる象で、上位の者に對して利あり下位の者に對して利あらず。問う所の事は遠くして多く隱伏し、含糊・不通にして、一たび觸動すればすなわち禍を闖す。申が巳の上に加わるを生胎と呼び、是れ憂課なり——女人の懷孕は已に定局と成れば、怎んぞ憂えざるを得んや。巳が申の上に加わるを病胎と呼び、また怕課・四病課と呼ぶ——胎孕が病を帶ぶれば、怎んぞ怕れざるを得んや。
生胎主事生新,病胎主疾病,見虎入傳為驗。然皆身喜心憂。事主四人共謀,終見災異。又在臨時消詳。反吟四孟為絕元胎也。
生胎は事情の新生を主り、病胎は疾病を主る——もし白虎の三傳に入るを見ればさらに験なり。けれどもこの兩者はみな身上は歡喜して心の裏は愁を發す。辦する所の事は多くは四個人が一同に謀劃し、最後に總じて災異を見ん——具體は還って課に臨みて細細に斟酌するを要す。四孟がもし反吟に逢えば、すなわち絕元胎と呼ぶ。
元胎有四,驛馬、龍、雀、貴人,大利舉人占試。四孟是五行初氣,事多遲緩。四馬四祿俱吉。官員占差除,是學館有旺氣。若辰戌丑未,是親民守土之位,無土是學館。此四位用處不同,不可一例而推。
元胎に四種の配搭あり——驛馬を帶びる・青竜を帶びる・朱雀を帶びる・貴人を帶びるは、みな極めて舉子の考試を占うに利あり。四孟は五行の剛に頭を起こす氣なので、事情は多く半ば來ること慢し。四驛馬・四祿神の同じく現るるはみな吉なり。官員が任命・差遣を占うに、もし土氣が旺相なれば、學館を掌管する差事である。もし三傳が辰・戌・丑・未に落つれば、あれは百姓を親理し一方を鎮守する職位で、課の中に土なくんばこそ學館なれ。四孟と四季とは各々其の用法あり、一概に論ずる能わず。
謂有刑合沖破害克。如丙日亥申用,有克害,必有害事,更見元雀勾,定有五件事。又寅日見巳申用,雖合於內,有沖有刑。蓋申破巳,巳刑申也。占主刑中之合,薄有所就,欲出行則可。
これは四孟の間に還って刑・合・沖・破・害・克の分別あるがためなり。たとえば丙日に亥・申を以て發用すれば、中間に克と害とを帶び、必ず妨害の事あらん。さらに玄武・朱雀・勾陳を見れば、あれば斷じて五樁の事の身に纏わるあらん。またたとえば寅日に巳・申の發用を見るは、看るに似て裏頭は相合するも、其の實は又た沖し又た刑す——申は巳を破し、巳はまた申を刑す。この種の刑の中に合を帶ぶるを占うは、事情はただ小さく成就あるのみ可し。もし出門して遠行せば、倒って還って行う可し。
大抵四孟須看人情狀。如家樵小人,豈有學館。如勾朱白,必有訟事相交,或有病人也。如見日辰生處用,主婦人胎產,更行年見龍,必生男子,見後元是女。螣驚、虎傷、陰難產。勾有厄。惟朱空近產,只如尋常。
大體の上、四孟の課は來人の身分・處境を看るを要す——もし來るは柴を打ちて以て生を為す下層の人なれば、何れに學館の職を談ずることを得んや。天將にもし勾陳・朱雀・白虎を見れば、必ず官司の身に纏わるあり、あるいは家の裏に病人あらん。もし發用が日辰の長生の處に落つれば、婦人の胎産を主る。本命・行年の上にさらに青竜を見れば、必ず男孩を生じ、天后・玄武を見ればすなわち女孩なり。螣蛇は惊吓を主り、白虎は損傷を主り、太陰は難産を主り、勾陳は厄難あるを主る。ただ朱雀・天空の産に臨みて在即するのみ、情形は還って平常と算う。
巳作天后,亦主懷胎。巳是螣蛇本宮。太常占病主血疾。若巳作太陰,定傷血。如占婦人,多因產臥得之。若丈夫占病,得此上傷氣。若見陰常,須有膿血。見青龍,病不吉。占官事,見常陰白皆有官厄。
巳の上に天后に乘るも、もまた懷胎を主る——巳はもと螣蛇の本宮なり。巳の上に太常に乘りて病を占えば、血分の上の毛病を主る。太陰に乘れば、一定に血を傷らん。婦人を占うは、多く半ば月子を坐りて落ち下る病である。もし男子が病を占うは、この局を得るは上焦が氣を傷つけたるなり。太陰と太常との同じく現るるを見れば、必ず膿血の症あらん。青竜を見れば、病情は吉ならず。官司を占うに、太常・太陰・白虎を見れば、みな官非の厄あるを主る。
連珠課
凡用神傳在一方,相連作中末,為連珠課。如三傳寅卯辰之類。蓋中末傳孟仲季神相連若貫珠,故名連茹。茹,菜也。蓋拔茅連茹,言其相牽引也。吉事占之,若連珠可愛。凶似連茹可惡。統復之體,乃山外青山之課也。退連茹又名失友格,主事欲行不行,人情欠美。
およそ發用の神と後の兩傳とが同じく一方に在りて、一位は一位に接して排し成して中傳・末傳と為るは、すなわち連珠課である——たとえば三傳が寅・卯・辰を作すがごとし。中末の兩傳が孟・仲・季の三神を一串に連なるは、串ね起こしたる珠子に似たるがゆえに、また連茹と呼ぶ。茹は菜の根で、『周易』の泰卦は「茅を拔きて茹を連ぬ」——その一根を牽きて一串を帶し出すの意思を取る。吉事を占えば、それは連珠のごとく愛らしく、凶事を占えば、それは便ち連茹のごとく厭わし。卦體を以て論ずれば統ねて復卦に屬し、山の外に還って一山あり一重は一重に接する課體である。もし三傳が倒退して相い連なれば、また失友格と呼び、事情は辦さんと想うも辦じ成らず、人情の上にもまた融洽ならざるを主る。
象曰:“陰陽拱夾,奇偶有主。凶則重重,吉當累累。孕必連胎,事獲交舉。時旱多晴,天陰久雨。”
断語に曰く、陰陽の兩氣は兩邊より拱り夾みて、奇數・偶數は各々歸屬あり。凶の起これば一重は一重に接し、吉の來ればもまた一樁は一樁に連る。胎孕を占えば接して孕あるを會し、事情を辦ずれば幾件を一齊に辦成することを得。天旱の時に占えば多く半ば晴を繼續し、天陰の時に占えばすなわち雨は下りて停まらず。
若傳進宜進,貴順事順速成。值空亡則宜退,可以全身遠害。傳退宜退,貴逆遲阻,遇空亡則宜進,可以消災避禍。或三傳亥子丑日月星奇全者,為三奇聯珠,主萬事合和,乘吉將尤吉,當應復六五敦復無悔之象也。
三傳が順いで往きて前に排するは、人はすなわち前に進むべく、貴人の順行すればすなわち事情は順利にして成ること速し。もし空亡に落つれば、反って退くべし——退いてこそ自身を保全し禍害を遠離することを得。三傳が倒退して排するは、人はすなわち退くべく、貴人の逆行すればすなわち遲滯・多阻なり。もし空亡に遇えば、反って進むべし——進みてこそ災を消し禍を避くることを得。もし三傳が恰も亥・子・丑なれば、日奇・月奇・星奇の三奇を湊り齊えて、すなわち三奇の聯珠と呼び、萬事の和合を主り、さらに吉將に乘ればさらに吉なり——正に復卦六五の「敦く復して悔いなし」の——厚道に回歸して悔る所なきあの種の氣象に應ず。
如乙丑日酉時戌將占,三傳寅卯辰,為連珠課。
例を挙げて説かば——乙丑日の酉時に、戌將を用いて課を起こし、推し出す三傳は寅・卯・辰で、一位は一位に挨り——これすなわち連珠課である。
凡日辰前後夾定三傳在內,為夾定三傳格。凡事進退皆不由人,以其夾定故也。上病訟解除事不利,問財喜併成合事可為美也。如癸酉日亥加戌,庚子日戌加亥,甲午日辰加卯之類是也。
およそ日干と日支とが一前に一後して三傳を當中に夾むを、夾定三傳格と呼ぶ。この種の局面は、進むも好し退くも好しもみな自己に由る得ず——兩頭が卡め死にせられればなり。用いて疾病・官司・解脱して身を脱せんと想う事を占うは利あらず。財喜を問い撮合して事を成すを問えば、倒って好き局なり。たとえば癸酉日に亥の戌に加わる・庚子日に戌の亥に加わる・甲午日に辰の卯に加わるは、みなこの一類に屬す。
凡日辰前後夾定少一位,為夾定虛一格,凡事有小節不完,其勢稍緩。或前虛一主初時有阻,或後虛一主將成小阻。如虛一位是日財,主財上不足,父母則長上不足。丁卯日干上申,三傳辰巳午,欠一未字,是子孫乘朱雀,主卑幼文字口舌不足,年命填實不在此限。此三傳被干支夾定,不能進退,畢竟吉凶皆不散也。
もし日干・日支が三傳を夾住する時に中間に一位を缺けば、夾定の虚一格と呼び、凡事は總じて小さな環節の圓滿ならざるあり、勢頭もまた稍や緩し。前の一位を缺くは、頭を起こすに些かの阻碍を受くるを主る。後の一位を缺くは、成らんとするに快して小さな阻を出すを主る。缺く所のあの一位がもし日干の財爻なれば、錢財の上に不足を主り、もし父母爻なれば、長輩のあの邊に欠缺あるを主る。たとえば丁卯日に干の上は申で、三傳は辰・巳・午にして、獨り一個の未の字を缺けば、未は正に子孫爻にして朱雀に乘る——すなわち晚輩が文書・口舌の上に欠缺あるを主る。本命・行年がもし恰好この一位を填め上げれば、すなわちこの限りに在らず。三傳が干支に夾住せられて進退するを得ず、吉なりと罷れ凶なりと罷れ、終竟に散じ開く能わず。
凡三傳透出日干之外,為夾不住格。經云:夾住不住,留中有去。若進透出者,因進之太過;退透出者,因退之不及。如甲子日,三傳子亥戌是也。若干透出支,不利外動事,有回還;支透出干,不利於內,惟宜外動。或透鬼,鬼在外,有凶;透財,財在外,有破耗。餘仿此。
もし三傳が日干を越えて外面に跑げ出づれば、夾み住めざる格と呼ぶ。經文に曰く、夾まんと想うも卻って夾み住めず、看るに中間に留まるも其の實は已に溜まり走り去れり。順行して透出するは、往きて前に進むこと太く過ぎたるなり。逆行して透出するは、往きて後に退くこと足らざるなり。たとえば甲子日に三傳が子・亥・戌を作すは、便ちかようなり。もし日干の一頭より透出して日支の外に到れば、外に向かって活動する事に利あらず——事情は兜り回りて來らん。もし日支の一頭より透出して日干の外に到れば、家内の事に利あらず——ただ外に向かって活動するに宜し。透出するがもし鬼爻なれば、鬼は外頭に在りて凶あるを主り、透出するがもし財爻なれば、財は外頭に在りて破耗あるを主る。その余は此に照らして類推す。
凡三傳有支上發傳朝日格,神吉傳吉,主成合事,不求自至,無心中得。或神凶傳凶,主禍來不測,及占病生產事忌。如丙寅日干上午,三傳辰巳午;戊寅日干上午,三傳辰巳午;壬寅日干上戌,三傳子亥戌之類是也。
およそ三傳が日支の上より發用して一路に日干に向かって來るを、朝日格と呼ぶ。神が吉なれば傳もまた吉で、撮合の事の成るを主り、往きてそれを求めずとも它は自ら來り、無意の中に得著す。神が凶なれば傳もまた凶で、然らばすなわち禍事の來るは料り以て能わざらん——疾病と臨産とを占うはいっそう忌諱す。たとえば丙寅日に干の上は午にして三傳は辰巳午、戊寅日に干の上は午にして三傳は辰巳午、壬寅日に干の上は戌にして三傳は子亥戌は、みなこの一類に屬す。
凡三傳有干上發傳及他處發傳,歸支上;有支上自發用相連作三傳者,三傳朝支格。如臣使君,子使父,不免俯就於人,被人抑勒不自由。旺相尤可,死囚更凶,利卑不利尊,利靜不利動也。
およそ三傳が日干の上に由りて發用するか、あるいは別處より發用して最後に日支の上に歸り到るか、あるいは日支が自己より發用して一路に相い連ねて三傳を排し成すを、みな三傳の朝支格と呼ぶ。これは臣子を為す者の往きて君主を支使し兒子を為す者の往きて父親を支使するに譬え、免れずして頭を低くして別人に遷就し、人に壓制せられて自由を得ず。神氣が旺相の時は還って勉强して過ごし得、死囚の地に落ちればさらに凶なり。この格は地位の低き一方に利あり、地位の高き一方に利あらず——靜守に宜しく、妄動に宜しからず。
如甲午日三傳辰巳午,末傳引入死地,緣何會好?占病必死,行人未來,以上圖例仿此前。
たとえば甲午日に三傳が辰・巳・午を作せば、末傳は事情を引きて木の死地に進め入る——何れに好きあらんや。病を占えば必定に治せず、行人を等てばすなわち人は來らざらん。以上の各格の排盤の圖例は、みな前面の挙げたる所の樣子に比照して以て看る。
『訂訛』・連珠
連珠:三傳孟仲季相連,或三傳歲月日相連,連如貫珠,故名連珠。占主吉凶各重疊不已,進連珠事順,退連珠事逆。
『訂訛』に連珠を説く——三傳が孟・仲・季に按じて一位は一位に挨りて相い連なるか、あるいは三傳が恰も太歲・月建・日辰の相い連なるか、串の如く一串の珠子と成せるがゆえに、連珠と呼ぶ。この課を占えば、吉事も凶事もみな一重は一重に接して了る個なし。順いで往きて連なるは事情は順遂し、倒れて後に連なるは事情は違逆す。
間傳課
凡課間位作三傳,為間傳課。此順間傳十二格,逆間傳十二格,其義各有所主,詳具於後。蓋間一位遞作三傳,故名間傳。占者順主事順,逆主事逆。統巽之體,乃陰陽升降之課也。
およそ三傳が毎に一位を隔てて一支を取りて排し成すは、すなわち間傳課である。それは順行の十二格と逆行の十二格とに分かれ、各々其の義理ありて、詳情は後面に列す。一位を隔てて依次に相い傳えるがゆえに、間傳と呼ぶ。順行するは事情の順遂を主り、逆行するは事情の違逆を主る。卦體を以て論ずれば統ねて巽卦に屬し、陰陽の一升一降する課體である。
象曰:“間位相傳,事多間阻。順有登天,向陽出戶。逆有回陽,勵明顧祖。占者逢之,皆為吉課。”如日用旺相,神將吉,凡事吉利,則應巽小亨利有攸往,利見大人之象。若日用休囚,神將凶,則應上九喪其資斧,貞凶之象也。
断語に曰く、位を隔てて相い傳うるは、事情は多く間隔・阻碍あり。けれども順行の裏に登天・向陽・出戶のこれらの好き格あり、逆行の裏に回明・勵明・顧祖のこれらの好き格あり——占う者が遇上れば、みな吉課と算う。日辰の用いる所の神が旺相にして天將がまた吉なれば、諸事は吉利で、正に巽卦の卦辭「小さく亨り、往く所あるに利あり、大人を見るに利あり」の——小さく亨通し往くに宜しく大人を晋見するに宜しき氣象に應ず。もし日辰の用いる所の神が休囚にして天將がまた凶なれば、あればすなわち巽卦の上九「其の資斧を喪い、貞なれど凶」の——生を謀る斧頭を連ねて丟い失い守り下るもまた凶のあの種の象に應ず。
如甲子日辰加甲,三傳間位而行,為間傳課,辰午申亦名登三天之格也。
例を挙げて説かば——甲子日に辰が甲の上に加わり、三傳は毎に一位を隔てて下に傳え往く——これすなわち間傳課である。三傳が辰・午・申を作すは、また登三天格と呼ぶ。
順十二格
凡巳午未申四位皆為天,如間傳遇辰午申為登三天格,蓋龍登天則行雨,官登天位主遷轉,惟忌空脫。爭訟事情轉大,占病症候彌深,賊來行人至,久旱則雨也。午申戌為出三天格,蓋亢龍有悔,事情遠大,出行失約,病訟皆凶也。蓋戌為天頭,有超三天之象矣。
巳・午・未・申の四位はみな天位と算う。間傳が辰・午・申を排し成すを登三天格と呼ぶ——龍が上天に登ればすなわち雨を行い、官を為す者が天位に登上れば便ち陞遷・調動を主り、ただ空亡と脫氣とに落つるを忌む。爭訟を占えば、事情は鬧し大きくならん。病を占えば、症候は深きを加えん。賊を占えば、賊は來らん。行人を占えば、人は到らん。久しく旱なるを占えばすなわち雨を下さんと要す。午・申・戌を排し成すを出三天格と呼ぶ——亢龍の悔いあるに同じく、事情は雖も遠大なれど、出門すればすなわち約を失い、病を占い訟を占うもみな凶なり——戌は天の盡頭で、越えて三天の外に到る意思あり。
申戌子為涉三淵格,蓋龍涉三淵不雨,賊涉三淵不來,病訟危險,目前阻隔,占官不吉,謀望不成也。戌子寅為入三淵格,蓋亥子丑寅屬地,故有入三淵之象,凡舉皆凶,如履春冰,蹈虎尾,其禍在前。或末傳乘蛇虎為鬼煞,病必死,禍尤凶也。
申・戌・子を排し成すを涉三淵格と呼ぶ——龍が深淵に下れば便ち雨を行わず、賊が深淵に躲し進めばもまた出て來ず。病を占い訟を占うもみな危險で、眼前に阻隔あり、官を占えば吉ならず、謀る所の事は成らず。戌・子・寅を排し成すを入三淵格と呼ぶ——亥・子・丑・寅は地下に屬するがゆえに、深淵に沉入する象あり、何を為すもみな凶で、春天の薄冰を踩み老虎の尾巴を踏むに譬え、禍は便ち前頭に在り。もし末傳が螣蛇・白虎に乘ってまた鬼煞を充當すれば、病を占えば必ず死して、禍患は格外に重し。
子寅辰為向陽格,蓋子屬北方幽暗之鄉,寅辰乃日出之方,故有向三陽之象,凡舉皆自暗入明,初凶後吉,病癒訟解,人情皆美也。寅辰午為出陽格,蓋午后陰生,自寅傳午,有出三陽之象。凡占災咎相仍,病訟皆凶也。
子・寅・辰を排し成すを向陽格と呼ぶ——子は北方の幽暗の地に屬し、寅と辰とは日頭の出で來る方位なので、三陽に朝かって走る象あり、凡事はみな暗より明に轉じ、先に凶して後に吉し、病は能く痊愈し、訟は能く了結し、人情もまたみな和美なり。寅・辰・午を排し成すを出陽格と呼ぶ——午の後は陰氣は便ち生ず。寅より一路に午に傳えるは、三陽を走出で陽氣が頭に到るの象で、事を占えば災禍は接連して斷えず、病を占い訟を占うもみな凶なり。
丑卯巳為出戶格,蓋卯為門戶,巳為地戶,自丑傳巳,有人出戶之象。凡占訪人不在,行人出,利干望,君子升揚,小人狐疑而不吉也。卯巳未為盈陽格,蓋卯巳為二陽,未乃陰之始,自卯傳巳未,日中將反陽已至盈,物物極必反故也。凡事當急就之則吉,遲干則為凶也。
丑・卯・巳を排し成すを出戶格と呼ぶ——卯は門戶で、巳は地戶で、丑より巳に傳えて、人の門を走出で往く象あり。人を訪ねるを占えばすなわち人は家に在らず、行人を占えばすなわち人は已に門を出でたり。干謁・求望に宜しく、君子は此に由りて陞遷し、小人はすなわち疑慮・不定にして不吉なり。卯・巳・未を排し成すを盈陽格と呼ぶ——卯・巳は二陽で、未は陰氣の開頭で、卯より巳を經て未に傳えるは、日頭が午を過ぎれば便ち偏せんと要し、陽氣は已に滿盈せり——凡物は極處に到れば必ず反轉するを要す。それゆえ事情は趕緊に辦ずれば便ち吉にして、拖りて辦ずれば便ち凶なり。
巳未酉為充盈格,蓋陽至午而盈,未為一陰,酉為二陰,自巳傳酉,物滿必缺,勢過人衰故耳。凡占皆凶,占官被黜,占物非當時用者,占新病死,久病癒也。未酉亥為入冥格,蓋酉亥日冥之時,有明消暗長之象。凡占事體速干則可,緩則不及時,病訟凶,官不利,吉漸消而凶漸長也。
巳・未・酉を排し成すを充盈格と呼ぶ——陽氣は午に到れば便ち滿ち、未は一陰で、酉は二陰で、巳より酉に傳えるは、東西が滿ち装えれば必ず虧缺し、勢頭が過ぎれば人は便ち衰うなり。何を占うもみな凶で——官職を占えば罷免せられんと會し、物件を占えば眼下に用い著くるに非ず、新病を占えば死を主り、倒って久病は能く好らん。未・酉・亥を排し成すを入冥格と呼ぶ——酉・亥は正に天色の暗に轉ずる時辰で、明の一分分に消え暗の一分分に長ずる象あり。およそ事情を占うは趕緊に辦ずれば還って行う可く、一たび慢ければ便ち趟に趕き及ばず。病を占い訟を占うもみな凶で、官を占えば利あらず——吉氣は漸々消えて凶氣は漸々長ず。
酉亥丑為凝陰格,蓋亥丑屬北,冬令陰氣凝結,有嚴霜冰堅之象。凡占有淫慾奸盜之事,多主幽暗及事之不明也。亥丑卯為溟濛格,蓋亥丑陰極,卯為一陽始生,二陰之下,有明在溟濛時之象也。凡占事體不真,憂懼不寧,進退未決也。
酉・亥・丑を排し成すを凝陰格と呼ぶ——亥・丑は北方に屬し、冬令に陰氣は凝り住まりて、嚴霜・厚冰の象あり。事を占えば多く淫欲・奸盗の一類に渉り、大都は幽暗・隱秘にして説き清める能わざる事に關る。亥・丑・卯を排し成すを溟蒙格と呼ぶ——亥・丑は陰の極處に到るで、卯は一陽の初生で、兩重の陰氣の下に在りて、光亮は還って朦朧・未開の時に在り。事を占えば多く真切ならず、心の裏に憂懼・不安にして、進退は主意を拿り定めず。
逆十二格
寅子戌為冥陰格,蓋寅為日出曉方,子戌陰氣盛旺,自寅傳戌,有陽退入陰之象。凡占事自明入暗,凶暗在前,猶防暗損,占官最為凶也。子戌申為偃蹇格,蓋申亦陰方,自子傳申,以陰入陰,歷涉艱難,有重遭荊棘之象。凡舉迷暗不明,行軍被圍,出入作為亦不吉。
寅・子・戌を排し成すを冥陰格と呼ぶ——寅は天の亮まり日の出づる方位で、子と戌とは陰氣の正に盛んなり。寅より戌に退くは、陽氣の陰の裏に縮回る象で、事を占えば明より暗に轉じ、凶險の暗處は便ち前頭に在りて、還って暗中に受損するを防ぐを要し、官職を占うは最も凶なり。子・戌・申を排し成すを偃蹇格と呼ぶ——申もまた陰方に屬し、子より申に退くは、陰よりまた陰に進みて一路は艱難にして、再三に荆棘に撞上る象あり。何を為すも糊裏糊塗にして、行軍は圍困せられ、出入・行事もまたみな吉ならず。
戌申午為悖戾格,蓋午為陰氣始生,申戌乃陰之盛旺,自深退淺,逃禍不能,有勉強後退之象。占行人未至,占賊不來,作事成禍。申午辰為凝陽格,蓋辰為一陽,申午皆陰,自申傳辰,陽凝在陰,有災尚縈繫之象。占事前者未了,行人來遲,占訟留連,謀遲。
戌・申・午を排し成すを悖戾格と呼ぶ——午は陰氣の剛に生ずる地方で、申と戌とは陰氣の正に旺んなり。深處より淺處に退くは、禍を躲けんと想うも躲くる能わず、勉强して後に縮むの象である。行人を占えばすなわち人は到らず、賊を占えばすなわち賊は來らず、事を辦ずれば反って禍を闖し出さん。申・午・辰を排し成すを凝陽格と呼ぶ——辰は一陽で、申と午とはみな陰に屬し、申より辰に退くは、陽氣の陰の中に凝るるで、災禍の還って纏わりて散ぜざる象なり。事を占えばすなわち前の一樁が還って了結せず、行人は來ること遲く、官司は拖りて斷えず、謀劃する事は進展が緩慢なり。
午辰寅為顧祖格,蓋午為寅之子孫,寅乃午之長生之地,自午傳寅,子回顧母,有復舊廬之象。凡求財謀望皆吉,占賊去,行人來。惟庚日占病凶,占官大吉也。辰寅子為涉疑格,蓋陽主進,寅子不進而反退,又自明退入暗處,有涉歷疑難,莫知深淺之象。占事進退不決,行人未來,欲出不出,關渡防人賊埋伏,安營不吉,不可舉兵用事,官病皆凶也。
午・辰・寅を排し成すを顧祖格と呼ぶ——午は寅の生ずる所の子孫で、寅はまた午の長生の地で、午より寅に退回るは、孩子の頭を回して母親を看るに同じく、旧居に重返する象あり。財を求め望を謀るもみな吉で、賊を占えばすなわち賊は已に離去し、行人を占えばすなわち人は回り來らん。ただ庚日に病を占うは凶で、官職を占えばすなわち大いに吉なり。辰・寅・子を排し成すを涉疑格と呼ぶ——陽氣はもと往きて前に進むべきに、寅と子とは卻って進まずして反って退き、又是た明處より暗處に退進むで、身が疑難に陷り深淺を摸り清めざる象あり。事を占えば進退は決せず、行人は來らず、門を出でんと想うもまた出で往く能わず。關・渡口を過ぐるは人あるいは盗賊の埋伏するを防ぐを要し、營を扎むは吉ならず、兵を出し事を行う可からず——官職と疾病とを占うはみな凶なり。
丑亥酉為極陰格,蓋陰主退,自丑傳酉而終於極,有陰人入陰之象。凡占有淫泆酒色奸亂等事,病主死,訟至省部,或淫亂而生疾也。亥主淫亂,酉主酒色耳。亥酉未為時遁格,蓋酉為太陰,未中丁為玉女,利隱遁潛形。自亥傳未,如人入幽暗求隱,有遁身之象。占行人不出,出行不行,捕盜不獲,賊去不來,君子吉而小人凶也。
丑・亥・酉を排し成すを極陰格と呼ぶ——陰氣はもと退を主り、丑より酉に退けば便ち盡頭に退き到るで、陰人が再び陰處に入る象あり。事を占えば多く淫佚・酒色・奸亂に渉り、病を占えば死を主り、官司を占えば上級の衙門に鬧し到り、あるいは淫亂に因りて病を生ぜん——亥は淫亂を主り、酉は酒色を主ればなり。亥・酉・未を排し成すを時遁格と呼ぶ——酉は太陰で、未の中の藏する丁神は玉女で、みな身を隱し形を藏するに利あり。亥より未に退くは、人が幽暗の處に鑽り進みて躲起るに譬え、身を遁すの象あり。行人を占えばすなわち人は門を出でず、出行を占えばすなわち走り成らず、盗を捕らえて捉え得ず、賊は已に離開して再び來らず——君子が占えば吉にして、小人が占えば凶なり。
酉未巳為勵明格,蓋巳為陽明之地,自酉傳巳,從暗入明,有歷陰暗而後得明之象。凡舉皆由勉強而後去,君子利取祿位,小人宜早營運也。未巳卯為回明格,蓋未為一陰,巳卯為二陽,自未傳卯,由陰至陽,有缺月漸回之象,凡事不可驟舉,只宜遲進。久雨則晴,吉事漸成,凶事漸消也。
酉・未・巳を排し成すを勵明格と呼ぶ——巳は陽氣の明亮の地で、酉より巳に退くは、暗より明に走向かうで、先に一段の陰暗を經過して然る後に光明に重見する象あり。凡事はみな先に勉力・掙扎の一番を要してこそ走り動くことを得。君子は宜しく此を借りて祿位を謀取し、小人は宜しく早めに經營して生を謀るべし。未・巳・卯を排し成すを回明格と呼ぶ——未は一陰で、巳と卯とは二陽で、未より卯に退くは、陰より陽に回到るで、残月の一點點に復た圓ならんとするに似たり。凡事は急いで手を動かす可からず、ただ慢慢に推進するに宜し——久雨は晴に轉じ、吉事は一點點に作り成り、凶事は一點點に消解せん。
巳卯丑為轉悖格,蓋巳卯二陽,丑乃純陰,巳入丑避明向暗,以巧就拙,棄正歸邪,事轉悖戾之象。主家零身怯,怪夢,作事似邪摩隨,事好出頭,不知省檢守分以安命也。卯丑亥為斷澗格,蓋卯為一陽,丑亥二陰,自卯傳亥,一陽深入二陰,陽斷斷送,漸入深澗水底,有暗長明消之象。凡占君子退職,小人遇凶事者也。
巳・卯・丑を排し成すを轉悖格と呼ぶ——巳と卯とは二陽で、丑は純陰で、巳より丑に退進むは、光明を避けて黑暗に奔向かい、巧を変じて拙と為し正を舍てて邪路を走るで、事情が悖逆に轉向する象なり。家道の零落・人心の怯懦を主り、常に怪夢を做り、行事は邪祟に牽かれて走るに似て、また出頭・露面を愛し、反省・收斂して本分を安守することを懂得せず。卯・丑・亥を排し成すを断澗格と呼ぶ——卯は一陽で、丑と亥とは二陰で、卯より亥に退くは、一点の陽氣が兩重の陰の中に深陷して、陽氣は此に就きて斷送し、漸々深澗の水底に沉むで、暗長じ明消ゆるの象なり。この格を占えば、君子は官を丟い職を去り、小人は凶事に遭遇す。
以上陰陽各有三說,或以晝為陽,夜為陰。或以子丑寅卯辰巳為陽,午未申酉戌亥為陰。或以子寅辰午申戌為陽,丑卯巳未酉亥為陰。
以上の各格の講ずる所の陰陽は、前人に三種の分法あり——一は白晝を以て陽と為し夜裏を陰と為す。二は子・丑・寅・卯・辰・巳のこの前の六支を以て陽と為し、午・未・申・酉、戌・亥のこの後の六支を陰と為す。三は子・寅・辰・午・申・戌のこの六支を以て陽と為し、丑・卯・巳・未、酉・亥のこの六支を陰と為す。
撞干格・撞支格
干支前一位為關隔。凡日干支有期限,又為關隔。如三傳通連日干為撞干格。或初末傳撞日之關,主事急,及我若向前有為也。若三傳自干支內發用,傳出日辰之外,事雖急而終閒慢。或自干支外發用,傳入干支之內,事先緩而後急也。
日干と日支との各自の前面の一位は、それらの關隘である。日干・日支は既に事情の期限を標して、また關口を充當す。三傳が一路に連ねて日干の上に到るを、撞干格と呼ぶ。もし初傳あるいは末傳が日干の關口に撞上れば、事情の緊急を主り、是我のこちらの邊が前に往きて作為せんと要するなり。もし三傳が干支の内より發用して、卻って日辰の外に傳え到れば、事情は雖も急なるも最後は仍として拖沓し下らん。もし干支の外より發用して、一路に干支の内に傳え進めば、あればすなわち先に慢くして後に緊なり。
辛巳日丑加卯,三傳丑亥酉,本是退間傳,凡事偃蹇阻滯,緣被末傳撞辛之關,所以先緩而後急也。吉凶如此。如三傳通連日之支辰,為撞支格。蓋初末傳撞支之隔,主事宜急倏,彼動而我應之也。或傳帶日貴日財為用,末傳墓絕,大不利貴人交易,因財而有所屈也。
例を挙ぐ——辛巳日に丑が卯の上に加わり、三傳が丑・亥・酉を作すは、もと逆行の間傳に屬し、凡事は困頓・受阻す。けれども末傳が辛の關口に撞著するがゆえに、先に慢くして後に急と變成す。吉凶は便ちかように照らして推す。三傳が一路に連ねて日支の上に到るを、撞支格と呼ぶ——初傳あるいは末傳が日支の關隘に撞著すれば、事情は搶て快く辦ずるを要するを主り、是れ對方が先に動きて我のこちらの邊が應對するなり。もし三傳が日干の貴人あるいは財爻を帶びて發用して、しかも末傳が墓・絕の地に落つれば、あればすなわち貴人と交道を打ち買賣を為すに大いに利なく、錢財のために些かの委屈を受けん。
六純課
凡四課三傳俱陽,如三傳俱陰,為六純課。如四課屬陽,中一課發用並中末皆陽,為六陽課,宜尊貴占天庭高尊事。初中空,君子畏之減力,常人賴之省力末事得理。
およそ四課と三傳とが全く陽に屬するか、あるいは全く陰に屬するを、みな六純課と呼ぶ。四課が陽に屬し、その中の一課が發用して中傳・末傳を連ねてもまたみな陽なるを、六陽課と呼び、尊貴の人が朝廷の上層の事を占問するに宜し。もし初傳・中傳が空亡に落つれば、君子は此に因りて畏懼を心存して氣力は半減し、尋常の人は反って空亡を借りて力氣を省き、末に事情は還って理を占住することを得。
若四課陰,中一課發用並中末俱陰,為六陰格。宜卑下占陰謀奸私事,病者死。此六者陰陽皆純,故名六純,占孕陽男陰女。統革之體,乃天淵懸隔之象也。
もし四課が陰に屬し、その中の一課が發用して中傳・末傳を連ねてもまたみな陰なるを、六陰格と呼び、地位の低微なる人が隱秘・私下の謀劃の事を占問するに宜し。病を占えばすなわち死を主る。この六位は陰陽が純にして雜らざるがゆえに、六純と呼ぶ。胎孕を占えば、純陽は男を生じ純陰は女を生ず。卦體を以て論ずれば統ねて革卦に屬し、天上と深淵とが懸隔して兩端を為す氣象である。
象曰:六陽動達,如登三天。私凶公吉,官遇升遷。六陰朦昧,似涉重淵。公凶私利,病患纏延。如甲午日干上子,六陽遇退間傳,為倒拔蛇,名悖戾。及兼初傳戌財,引入中末鬼鄉,凡事艱辛不免功勞。或夜傳晝,事有明白。或遇五陽,以人年命定之。
断語に曰く、六陽課は通達・好動にして、一路に三重天に登上るがごとく、私事は凶にして公事は吉で、官を為すは陞遷に遇わんと會す。六陰課は昏昧・不明にして、接連して幾重の深淵を蹚り過ぐるがごとく、公事は凶にして私事は利あり、病を占えばすなわち纏綿して愈え難し。例を挙ぐ——甲午日に干の上は子で、六陽課がまた逆行の間傳に碰上れば、倒拔蛇と呼び、すなわち悖戾の象である。加上に初傳の戌はもと財爻なれども、卻って事情を引きて中末の兩傳の鬼鄉に進めれば、あればすなわち諸事は艱辛にして、一番の辛苦を白く費やさん。もし夜將が晝將に傳え到れば、事情は還って明白の結果あることを得。もしただ五陽を湊り齊うるのみなれば、すなわち當事の人の本命・行年を用いて以て定奪するを要す。
或六陰遇丑卯巳為出戶,卯巳未為盈陽,酉未巳為勵明,未巳卯為回明,未可以昏迷斷之,凶中有吉,則應革九五大人虎變之象。
六陰課がもし丑卯巳の出戶格・卯巳未の盈陽格・酉未巳の勵明格・未巳卯の回明格を排し出せば、すなわち一概に當作して昏昧・不明を以て斷ずる能わず——反って是れ凶の中に吉を帶び、正に革卦九五の「大人は虎變す」の——老虎が毛を換えるがごとく煥然として一新の氣象に應ず。
如己卯日酉加未,六陰遇晝將入夜,昏迷尤甚。將乘后合元,支干遇盜氣,彈射發用,坐空費力不可言。問病必死,求望虛耗。或遇五陰以人年命定之。夫五陰相續,盜氣迤邐脫去,為源消根斷,本命緣不攝而死。凡占皆脫耗,則應革上六小人革面征凶之象也。
またたとえば己卯日に酉が未の上に加われば、六陰課がまた晝將の夜將に轉入するに逢い、昏昧はいっそう甚だし。天將は天后・六合・玄武に乘り、干支の上にまた泄氣に遇い、彈射の法を用いて發用を取り、還って空亡の上に坐す——費やす力氣は説き得る法なし。病を占えば必ず死し、求望を占えばすなわち白く耗損す。もしただ五陰を湊り齊うるのみなれば、同じく本命・行年を用いて以て定む。五陰は一位は一位に接して、泄氣は一路に元氣を拖り去り、源頭の枯れたる・根も斷えたるに等しく、本命は接濟を失いて以て死に致す。およそ占うはみな脫耗を主り、正に革卦上六の説く所の小人がただ臉面を改め出徵すればすなわち凶なるあの種の象に應ず。
十雜卦
十雜看發用,本姓真不真。辨人家有兩姓同居也。寅中有生火,水土墓於辰。辰中有死水,生死有緣因。水土墓於辰,故辰中有雜水土也。巳上有生金,土乃寄於申。金長生在巳,水土生於申也。
十雜卦は發用の神を看る——それを用いてこの一家の姓氏が純なるか純ならざるかを辨明す——すなわち一戶の裏に兩姓の人が住んでいるか否かを分辨するなり。歌訣に曰く、寅の中には長生の火を藏し、水と土とはすなわち辰に墓に入る。辰の裏に既に死水あれば、生と死とはおのずと緣由あり——水と土とはみな辰に墓するがゆえに、辰宮は水土の氣を雜えて居る。巳の上に長生の金あり、土の生地はすなわち申に寄る——金は巳に長生し、水と土とは申に長生す。
未中有死木,木墓在未,故有雜木也。水乃便生申。申中有雜水。戌中有死火,戌為火墓,故有雜火也。木生亥上親。亥中有雜木。金在丑中墓,有雜金也。十干辨假真。生雜本祖宗,死雜兩姓人。
未の中に死木あり——木は未に墓するがゆえに、未宮は木氣を雜えて居る。水はすなわち申の上に長生す——申宮は水氣を雜えて居る。戌の中に死火あり——戌は火の墓庫なれば、戌宮は火氣を雜えて居る。木は亥の上に長生を得て、亥と最も親し——亥宮は木氣を雜えて居る。金は丑の中に墓に入る——丑宮は金氣を雜えて居る。さらに十天干を配して以て真假を辨ず——發用の帶ぶるがもし長生の雜なれば、本姓の祖宗の一脈で、帶ぶるがもし墓死の雜なれば、家中に兩姓の人あり。
發用得本長生者,上祖是本姓也。如甲乙日用亥,戊己壬癸日用申,庚辛用巳,丙丁用寅,生雜卦也,故曰生雜本祖宗。如甲乙日用未,丙丁日用戌,戊己壬癸日用辰,庚辛日用丑,為死雜卦,家中有兩姓人同居,故曰死雜兩姓人也。
發用の神が正に本日干の長生位の上に落つるは、祖上が本姓の一脈なるを説明す。たとえば甲乙日に發用が亥に在り、戊己と壬癸日に發用が申に在り、庚辛日に發用が巳に在り、丙丁日に發用が寅に在れば、みな生雜卦に屬す——それゆえ生雜は本姓の祖宗と曰う。反って、甲乙日に發用が未に在り、丙丁日に發用が戌に在り、戊己と壬癸日に發用が辰に在り、庚辛日に發用が丑に在れば、みな死雜卦に屬し、家の裏に兩姓の人が住むを主る——それゆえ死雜は兩姓の同居と曰う。
『心鏡』・十干の五合
甲與己合。戊己宮中忌木克,己來嫁甲合親情。六月己迴歸奉戊,瓜果雖熟色帶青。六月木死土旺,己卻歸戊,故懷木胎,瓜果雖熟,尚帶青色,為懷木胎也。
『心鏡』は嫁娶を用いて十天干の相合を講ず。甲と己とが合す——戊己の土は最も木の來りて克するを怕る——ここにおいて己を把りて甲に嫁がしめ、敵を化して親と為す。六月に到れば、己はまた娘家に回りて戊に侍奉す——六月は木は已に衰死して土は正に旺に當たり、己は戊のあの邊に回り到るも、身上は卻って木の胎氣を懷く——それゆえあの時の瓜果は雖も熟すれども、顏色は仍として一層の青を帶ぶ——正に木胎を懷けばなり。
乙與庚合。甲乙東方木畏金,甲將乙妹去合庚。春時木旺乙歸本,所以園木開瓊花。東方木畏西方金克,甲兄乙妹,將乙配與庚合,至春木旺金囚,乙卻還東方,木色青,金色白,乙懷庚胎歸還,所以春開白花,是乙中有金。
乙と庚とが合す——東方の甲乙木は金の來りて克するを怕れ、ここにおいて甲は妹妹の乙を嫁がせて往きて庚と相合せしむ。春天に到れば木は旺んで、乙はまた本家に回り、園の裏の樹は便ち玉のごとき白花を開かす。これは東方の木が西方の金を畏れ、兄長の甲が妹妹の乙を許配して庚に與え、春天に到れば木旺にして金囚なり——乙は東方に回り到り、木色はもと青く金色はもと白く、乙は庚の胎氣を帶びて回り來るがゆえに、春天に開くは白花なり——正に乙の裏頭に金氣を含めばなり。
丙辛合。庚辛性怯南方火,便以妹辛丙合同。秋間火死辛歸去,棗霜刑葉落紅。丙火死,辛歸庚,刑殺萬物,葉落,棗亦成赤色帶紅,為辛臨丙色,有火氣也。
丙と辛とが合す——庚辛の金は南方の丙丁火を怕れ、便ち妹妹の辛を把りて丙に嫁し與えて相合せしむ。秋天に到れば火は已に衰死し、辛は便ち娘家に回り、一路に霜氣を帶び、棗は熟し葉は落ちて、一片は紅色なり。これは丙火が死絕し辛が庚のあの邊に回るを説くで、霜氣は萬物を肅殺し、葉子は飄落し、棗子に連ねても亦た赤紅に轉ず——あれは辛が丙の顏色を沾い、身上に火氣を帶ぶればなり。
丁壬合。南方火畏北方水,故將丁妹配屬壬。夏旺丁來歸應丙,桑椹熟時帶紫深。夏火旺水囚,丁懷水胎歸丙,水黑火赤,相雜成紫,為丁中有水氣也。
丁と壬とが合す——南方の火は北方の水を怕れ、便ち妹妹の丁を許配して壬に與う。夏天に到れば火は旺んで、丁は回り來りて丙のこちらの邊に歸し、あの時の桑葚は熟して、顏色は深紫なり。これは夏天に火旺にして水囚なり——丁は水の胎氣を懷きて丙の處に回り到るを説く。水色は黑く火色は赤く、兩色の相い摻れば便ち紫と成る——丁の裏頭に水氣を含めばなり。
戊癸合。北方水懼中央土,戊癸成親燕新妝。立冬水旺癸還舍,土孕嚴凝殺草黃。立冬水旺土囚,癸懷土胎而歸,故殺百草而有黃色,為癸中有土氣也。
戊と癸とが合す——北方の水は中央の土を怕れ、ここにおいて戊癸は親を結び、新人の梳妝して禮を成するがごとし。立冬に到れば水は旺んで、癸は自家の屋裏に回り、腹中に土氣を懷き、寒氣は嚴凝して草を把りてみな枯黄に殺し成す。これは立冬に水旺にして土囚なり——癸は土の胎氣を帶びて回るがゆえに、百草を肅殺して黃色を現出す——癸の裏頭に土氣を含めばなり。
雜狀課
凡課俱取初傳動爻,以別五行純雜、數目、物色為用,曰雜狀課。純者,子午卯酉四仲為純。寅中有生火,一雜;辰中有水土墓,二三雜;巳中有生金,四雜;申中有生土,五雜;未中有木墓,六雜;又申中有生水,七雜;戌中有火墓,八雜;亥中有生木,九雜;丑中有金墓,十雜。
およそ課を起こすはみな初傳のこの動爻を取り、それを用いて五行の純と雜・事情の數目および物件の顏色を分辨す——これすなわち雜狀課と呼ぶ。いわゆる純とは、子・午・卯・酉の四仲の支を指し、本宮の氣は純にして摻らず。雜はすなわち依次に十種を排し出す——寅の中に長生の火を藏するは一雜、辰の中に水と土の墓を藏するは二雜・三雜、巳の中に長生の金を藏するは四雜、申の中に長生の土を藏するは五雜、未の中に木の墓を藏するは六雜、申の中にまた長生の水を藏するは七雜、戌の中に火の墓を藏するは八雜、亥の中に長生の木を藏するは九雜、丑の中に金の墓を藏するは十雜。
如寅卯為木,春寅懷火雜木,故卯為純木也。季火金水皆然。惟土守中宮,分旺四季,每季前各旺十八日,總七十二日,合而成歲,故辰中有餘木,未有餘火,戌中有餘金,丑中有餘水,各十二日。然四孟月懷胎,仲月娠壯,季月死墓葬,為五行十雜,紛紜眾事,其應不同。
たとえば寅・卯はみな木に屬するも、可し春天の寅の裏は火氣を懷き、木の中に摻雜するがゆえに、ただ卯のみこそ純木と算う。火・金・水の各自の孟仲の支もまたみなこの道理に照らす。ただ獨り土は中宮を鎮守し、分かち旺むは四季の末に在りて、每季の前頭に各々十八天を旺み、合わせて七十二天と為し、四行と湊りて一整年を成す——それゆえ辰の中に還って木の餘氣を留め、未の中に火の餘氣を留め、戌の中に金の餘氣を留め、丑の中に水の餘氣を留め、各々十二天を占む。四孟の月は胎を懷き、四仲の月は胎氣の壯實、四季の月は死墓・入葬で、五行は此に由りて十種の雜氣を生じ出し、應ずる所の事は紛紜・不一にして、斷法は各々相同じからず。
象曰:“五行陰陽,萬物純雜。凶視救神,吉防害鬼。數目日期,顏色物類。覓物尋人,克應可取。”如甲乙初用亥例,為生雜家,是上祖本姓人居住。庚辛日用丑例,是死雜家,有兩姓同居也。
断語に曰く、五行は陰陽に分かち、萬物は純あり雜あり。凶に遇えば解救の神あるや否やを看るを要し、吉に遇うもまた我を害する鬼爻を防ぐを要す。事情の數目・日期、物件の顏色・種類、および物を找い人を找うも、みなここより應驗を取ることを得。例を挙ぐ——甲乙日に初傳の發用が亥に在れば、生雜の家に屬し、住む所は祖上の本姓の人なり。庚辛日に發用が丑に在れば、死雜の家に屬し、家の裏は兩姓が同じく居す。
如戌為五數,加未八數,吉凶應在五八四十日,或四個月也。旺相倍數,休囚減之。如正月將甲子日寅時占物色,午加酉為用,主上赤下白色也。
さらに數目を看る——戌は五數に配し、八數に配する未の上に加えれば、吉凶は便ち五八の相乘する四十天の上に應じ、あるいは四個月の上に應ず。神氣が旺相なれば數目を把りて加倍し、休囚なれば相應じて減少す。顏色に至っては——正月の月將を用い、甲子日の寅時に物件の成色を占えば、午が酉の上に加わりて發用し、午は火に屬して其の色は赤く、酉は金に屬して其の色は白し——便ちこの一件の東西は上頭は紅く下頭は白しと斷ず。
物類課
凡課俱取初傳動爻,以別五行六親、物類親疏、旺相休囚為用,曰物類課。如甲乙日,日干及寅卯發用,為己身同類占,寅為兄,卯為弟,寅中甲為姐,辰中乙為妹,亥中甲為伯之兄弟,未中乙為叔之兄弟;
およそ課を起こすはみな初傳のこの動爻を取り、それを用いて五行・六親・物類の親疏および旺相・休囚を分辨す——これすなわち物類課と呼ぶ。甲乙日を以て例と為す——日干の本身および寅・卯の發用は、みな自己と同輩とを占うと算う。寅は兄長を代表し、卯は弟弟を代表し、寅の中の藏する甲は姐姐を代表し、辰の中の藏する乙は妹妹を代表し、亥の中の藏する甲は伯父の一輩の兄弟を代表し、未の中の藏する乙は叔父の一輩の兄弟を代表す。
子為父,亥為母,亥中壬為伯,丑中癸為叔,申中壬為長姑,辰中癸為小姑;申為祖父,酉為祖母,巳中庚金為伯祖,戌中辛金為叔祖,丑中辛金為祖姑;
さらに上の一輩に往けば——子は父親を代表し、亥は母親を代表し、亥の中の藏する壬は伯父を代表し、丑の中の藏する癸は叔父を代表し、申の中の藏する壬は大姑母を代表し、辰の中の藏する癸は小姑母を代表す。申は祖父を代表し、酉は祖母を代表し、巳の中の藏する庚金は伯祖父を代表し、戌の中の藏する辛金は叔祖父を代表し、丑の中の藏する辛金は祖姑を代表す。
未墓為妻,辰為繼妻,丑為妾,戌為婢妻;土生庚申金為媒人,午為男,巳為女,寅中火為兄之男女,未中火為弟之男女,戌中火為姐妹之男女;生祖者為曾祖,生曾祖者為高祖,男生者為孫,孫生者為元孫。
平輩と下輩——未は木の墓庫で、正妻を代表し、辰は續弦を代表し、丑は妾を代表し、戌は收房の婢女を代表す。土は能く庚申の金を生ずるがゆえに、庚申は媒人を代表す。午は兒子を代表し、巳は女兒を代表し、寅の中の藏する火は兄長の子女を代表し、未の中の藏する火は弟弟の子女を代表し、戌の中の藏する火は姐妹の子女を代表す。さらに上下に往きて推せば、祖父を生ずるは曾祖で、曾祖を生ずるは高祖で、兒子の生ずる所は孫で、孫の生ずる所は玄孫である。
丙丁日火,戊己日土,庚辛日金,壬癸日水,六親之類各仿此推。惟妻妾則陽為妻,陰為妾也。若占父母,要父母出現;占子孫,要子孫出現。或父母興旺則克子孫,兄弟興旺必克妻財。旺相相生吉,休囚刑剋凶。
丙丁日は火を以て本身と為し、戊己日は土を以て本身と為し、庚辛日は金を以て本身と為し、壬癸日は水を以て本身と為し——六親の配法はみな甲乙日の樣子に照らして類推す。ただ妻妾の一項のみ陰陽を分かつを要す——陽支は正妻と為し、陰支は妾と為す。父母を占うは、課の中に父母爻の出現するを要し、子孫を占うは、子孫爻の出現するを要す。父母爻が太く旺んなればすなわち子孫を克し、兄弟爻が太く旺んなれば必ず妻財を克す。諸爻が旺相にしてまた相生すればすなわち吉で、休囚にしてまた刑克すればすなわち凶なり。
陽神下臨陽宮,有德合為親;入陰宮為疏。陰神下臨陰宮,有德合為親,入陽宮為疏。更以神將吉凶參詳,則富貴貧賤存亡應驗,瞭然可見。此六親吉凶之族類也。
陽神が陽宮の上に落ちて、また徳あり合あるは、關係は親密なり。陰宮に落ち進むは、關係は疎遠なり。陰神が陰宮の上に落ちて、また徳あり合あるは、關係は親密なり。陽宮に落ち進むは、關係は疎遠なり。さらに天將の吉凶に參照して一併に斟酌すれば、然らばすなわち一家人の富貴・貧賤・生死・存亡は、應驗し起きて清清白白なり。以上の講ずる所は六親の吉凶のこの一類である。
如剛日用起陽神,旺相有氣加日上,是新物。用起陰神,休囚無氣加日上,是舊物。或甲日日辰見亥,乃木生,為生事,將來新物,應在父母;見卯乃木旺,為目下事,主不新不舊之物,憂在同類己身朋友;見未乃木死處,為死事,主已過舊事及舊物,憂在妻奴下人。
さらに物件の新舊を講ず。陽日に課を起こし、發用が陽神でまた旺相・有氣にして日干の上に加われば、占う所は新しき東西である。發用が陰神で、休囚・無氣にして日干の上に加われば、占う所は舊き東西である。たとえば甲日の日辰の上に亥を見れば、亥は木の長生で、正に生發する事に屬し、將來に新物あらんと要し、父母の身の上に應ず。卯を見れば、卯は木の帝旺で、眼下の事に屬し、主る所の東西は新ならず舊ならず、憂患は同輩・自己あるいは朋友の身の上に出づ。未を見れば、未は木の死墓の處で、已に過去したる事に屬し、主る所は舊事・舊物で、憂患は妻子・僕役・下人の身の上に出づ。
又剛日用神在干前為未來,干後為過去。柔日用在干前為過去,干後為未來。或乙日屬陰,婦德從夫,日上見辰為陽,是生新物;見未為陰,亦是新物,乃陰德在陽,乙庚化金,辰巳金生處,未亦金冠帶之位也。丑加日上為死故物,金死墓於丑也。此陰陽盛衰、生死新舊之物類也。
また、陽日に課を起こすは、發用の神が日干の前に排するは未來に屬し、日干の後に排するは過去に屬す。陰日に課を起こすはすなわち相反し、日干の前に在るは過去に屬し、日干の後に在るは未來に屬す。乙日を以て例と為せば——乙は陰に屬し、婦人の徳の丈夫に依從するに同じく、日干の上に辰を見るは陽に屬し、新生の物である。未を見るは陰に屬するも、もまた仍として新物と算う——陰の徳性は陽の上に寄り、乙と庚とは合して金に化し、辰・巳は正に金の生地で、未もまた金の冠帶の位なればなり。もし丑が日干の上に加われば、すなわち已に死したる舊物で——金は丑に死墓すればなり。以上の講ずる所は陰陽の盛衰・生死・新舊のこの一類の物象である。
如初傳旺相,神將吉,末傳囚死,神將凶,為始吉終凶,事先成後敗。若初傳休囚,神將凶帶刑害,末傳旺相,神將吉,見合德救制,為始凶終吉,事先難後遂。此始終吉凶之物類也。統節之體,乃蜃氣樓臺之課也。
さらに首尾を看る。初傳が旺相にして天將が吉なるも、末傳は卻って囚死にして天將が凶なるは、あれは開頭は吉にして結局は凶で、事情は先に成り後に敗る。反って、初傳が休囚にして天將が凶にしてまた刑害を帶び、末傳が旺相にして天將が吉で、還って合と徳とを得著して救護・制伏するは、あれは開頭は凶にして結局は吉で、事情は先に難く後に成る。以上の講ずる所は始あり終あるのこの一類の吉凶である。物類課は卦體を以て論ずれば統ねて節卦に屬し、海市・蜃樓の一様の課體である。
象曰:“物以聲應,方以類萃。六親俱現,以用為主。旺相吉言,休囚凶語。始終吉凶,神將分取。”如甲乙推六親,見亥卯為今日族類也。或用起水神無氣乘凶將,占者當憂父母長上及文書。見木神,憂己身兄弟及同類爭財事。見土為妻奴及婚姻財產事,推類見亥為豬,卯兔、未羊及酒食之類。六畜有刑無氣,主殘傷,有氣無刑即生育。更神將凶吉、旺相相生、休囚,逐類推之。
断語に曰く、萬物は聲氣に憑りて相い應じ、各方は種類に按じて相聚まる。六親がもしみな課の上に出現せば、すなわち發用の神を以て主と為す。旺相なれば便ち吉話を説き、休囚なれば便ち凶話を説く。一頭一尾の吉凶は、分別して兩頭の天將を看る。たとえば甲乙日に六親を推せば、亥・卯を見れば便ち本日の同族の神なり。もし發用するは水神にして無氣・また凶將に乘れば、占う者は父母・長輩および文書の上の事を担心すべし。木神を見れば、すなわち自身の兄弟あるいは同輩の財を爭うを憂う。土神を見れば、すなわち妻子・僕役および婚姻・財産に關る。さらに物類に按じて推し開けば——亥は猪で、卯は兔で、未は羊で、もまた酒食の一類に連帶す。六畜の爻がもし刑を帶びてまた無氣なれば、牲口の残傷を主る。氣ありて刑を帶びざれば、すなわち生養・繁殖を主る。このほか還って天將の吉凶・旺相相生と休囚とを合わせて、一類一類に推すを要す。
如丙午日三月占,三傳寅午戌火局,與日辰同類,為生物,占事必干新象。火有氣,謀為成就而速,秋冬火囚死事稍緩,成就艱難中得。
たとえば丙午日に三月に課を起こし、三傳は寅・午・戌の合成する火局で、日辰と同じく一類に屬し、生氣ある物と算作す——占う所の事は必定に新しき氣象に關渉せん。火氣が有力なれば、謀劃する事は成ること速し。秋冬に到れば火は囚死に落ちて、事情は便ち些か慢く、艱難の中に在りてこそ辦じ成ることを得。
如乙日陰德從庚化金,金雖以土生,然死墓於丑,故辰臨乙為新,丑臨乙為故,蓋丑中之土惡見乙中之木也,乙中之木惡見丑中之金也。
さらにたとえば乙日は、乙の陰徳は庚に随いて合して金に化す。金は雖も土の生ずる所に由るも、卻って丑に死墓す。それゆえ辰の乙の上に臨むは新物と算え、丑の乙の上に臨むは舊物と算う——丑の中の土は乙の中の木を見るを厭い、乙の中の木もまた丑の中の金を見るを厭い、彼此に相い忌むればなり。
如初傳凶,克末傳吉神,為始克終,所事困窮。或末傳吉,克初傳凶神,為終來克始,萬物皆美。或將乘六合,旺相私事私心,囚死闇昧不明。螣蛇旺相,驚恐稍散,囚死倍起憂惶。凶將囚休,凶事至甚。吉將旺相,吉事永久。凶將乘旺相氣不為凶,吉將乘囚休氣不為吉。
初傳が凶神にして往きて末傳の吉神を克するを、始の終を克すと呼び、辦する所の事は困頓・窘迫す。末傳が吉神にして往きて初傳の凶神を克するを、終の始を克すと呼び、樣樣みな美滿なり。天將がもし六合に乘れば、旺相の時は私事・私心を主り、囚死の時はすなわち暗昧・不明なり。螣蛇が旺相なれば、惊恐は還って些か散去ることを得。螣蛇が囚死なれば、憂惶は反って加倍す。凶將が囚休の地に落つれば、凶事は最も重し。吉將が旺相の氣を得れば、吉事は長久なり。けれども凶將がもし別に旺相の氣に乘れば、もまた凶たるこ��起こる能わず。吉將がもし別に囚休の氣に乘れば、同じく吉たること起こる能わず。
初傳言事之始,末傳決事之終,初末神將凶,始終皆凶,則應節九二不出門庭凶象。初末神將吉,始終皆吉,則應九五甘節吉之象也。
初傳の説くは事情の開頭で、末傳の斷ずるは事情の收尾である。初末の兩傳の神と將とがみな凶なれば、あればすなわち自始至終みな凶で、正に節卦九二の「門庭を出でず、凶」の——門を閉じて出でざれば反って凶を招くあの種の象に應ず。初末の兩傳の神と將とがみな吉なれば、あればすなわち自始至終みな吉で、正に節卦九五の「甘節は吉」の——節制して甘心・適度にして吉を獲る氣象に應ず。
如甲寅日冬占,子水母旺氣用,為新氣,曰物類課也。
例を挙げて説かば——甲寅日に冬天に課を起こし、子水のこの父母爻の旺氣を取りて發用すれば、新生の氣に屬す——これすなわち物類課と呼ぶ。
子 亥 戌 子 丑 子 丑 丑 寅 丑 甲 卯辰巳午 寅 未 丑 申 子亥戌酉
上面はこの一課の課式である。最上の一竪行は三傳で、初傳より末傳に至りて依次に子・亥・戌。中間の兩行は四課で、上の一行の子・丑・子・丑は四課の上神で、下の一行の丑・寅・丑・甲は下神で、末の一位の甲はすなわち日干である。最も外の圍り成す一圈の十二支は、地盤の固定の宮位である。冬天は水が正に旺に當たり、初傳の子水はまた甲木の父母爻で、母氣は時を得——それゆえ新氣と斷じ作して物類課に屬す。
『観月經』・物類
木火土金水,物類認疏親。甲乙東方木,亥為父母身。生我為父母,我生為子孫,克我為官鬼,我克為妻財,同類為兄弟姊妹,惟墓為妾也。
『観月經』の歌訣に曰く、木火土金水の五行に按じて、往きて物類の親疏を認む。甲乙は東方の木に屬し、亥水は木を生ず——それゆえ亥は便ち父母の位置である。六親の通例は——我を生ずるは父母で、我の生ずる所は子孫で、我を克するは官鬼で、我の克する所は妻財で、我と同類なるは兄弟姐妹で、ただ独り本行の墓庫は當作して妾と為す。
太沖與功曹,甲乙合三春。甲木為兄弟,姊妹乙為真。小吉為妻婦,巳午作子孫。甲來欲求己,庚便作媒人。外孫是丁火,與木為子孫。甲以己為妻,己土生庚金,為媒人也。
歌訣に続けて甲乙日を排す——卯(太沖)と寅(功曹)とはみな木に屬し、甲乙と同氣で、春天の三月に合す。甲木は兄弟を代表し、乙木はこそ姐妹なれ。未(小吉)は妻室で、巳・午は子孫である。甲は己を娶らんと要し、庚は便ち媒人を充當す。外孫は丁火で、火は木の生ずる所に由りて、仍として木の子孫の一輩と算う。庚は媒人と説く所以は、甲が己土を以て妻と為して、しかも己土は能く庚金を生ずればなり——子に由りて出面して往きて説合せしむ。
其日是丙丁,父母配寅中。巳午為身類,丁火姊妹宮。丙火兄弟是,河魁次妻同。辰與丑未土,子孫有始終。辛來欲嫁丙,壬水作媒人。尋思己中土,外孫此處窮。陽為子陰為孫也。
もし是れ丙丁日なれば——父母は寅木の上に配し、巳・午は本身と同類で、丁火は姐妹の位で、丙火は兄弟の位で、戌(河魁)は當作して次妻と為す。辰と丑・未のこれらの土は子孫の位置で、頭より尾に至りてみな算う。辛は丙に嫁がんと要し、壬水は便ち媒人なり。さらに下に往きて己の中の土を推せば、外孫はここに到りて止まるを為す。その中の陽支は兒子と算え、陰支は孫子と算う。
假令戊己日,傳送父母期。未土丑同類,兄弟戊中推。己土為姊妹,申酉子孫宜。外孫辛上推,天罡小妻室。癸水欲妻戊,甲媒送信知。
假設に是れ戊己日なれば——申(傳送)は父母の位と為す。未土と丑土とは同じく一類に屬し、兄弟は戊の上より推し、己土は姐妹と算う。申・酉は子孫と為し、外孫は辛の上より推し、辰(天罡)は當作して小妻と為す。癸水は戊に嫁がんと要すれば、便ち甲に由りて出面して媒を作り信を傳えしむ。
若遇庚辛日,太乙父母師。申酉為同類,庚金兄弟知。辛來作姊妹,亥子子孫期。癸日為外孫,丑墓小妻兒。乙來欲嫁庚,丙火作月冰。乙木生丙火,火作媒,惟求陽干通信也。
もし庚辛日に遇えば——巳(太乙)は父母と為す。申・酉は本身と同類で、庚金は兄弟で、辛金は姐妹である。亥・子は子孫と為し、癸は外孫と算え、丑は金の墓庫で、當作して小妻と為す。乙は庚に嫁がんと要すれば、便ち丙火に由りて冰人を作り説合せしむ——乙木は能く丙火を生ずるがゆえに、丙に由りて出面し、取る所は陽干を借りて往きて信を傳えるの意思なり。
其日是壬癸,傳送父母居。辰墓為妻妾,亥子身類推。壬水為兄弟,姊妹癸相知。寅卯子孫類,外孫乙不虛。丁來欲壬位,戊己土送書。媒者正妻子,取其正丈夫。細心分配定,墓上小妻居。正妻者,甲乙見土,丙丁見金,戊己見水,庚辛見木是也。墓為小妻,木墓未、火墓戌、金墓丑、水土墓辰,六親依此卦推之。
もし是れ壬癸日なれば——申(傳送)は父母と為し、辰は水土の墓庫で、當作して妻妾と為す。亥・子は本身と同類で、壬水は兄弟で、癸水是姐妹である。寅・卯は子孫と為し、乙は外孫と算う。丁は壬のこちらの邊に嫁がんと要すれば、便ち戊己土に由りて往きて書を送り説合せしむ。媒人を充當するは、正妻の生ずる所の子で、それを借りて往きて正夫のために合を作す。細細に分配し下れば、墓庫の上に安ずるは小妻である。いわゆる正妻とは、甲乙日に土を見・丙丁日に金を見・戊己日に水を見・庚辛日に木を見るである。墓庫を小妻と為すは——木は未に墓し、火は戌に墓し、金は丑に墓し、水土は辰に墓す。六親はみなこの一卦に照らして往きて推す。
『心鏡』・物類
用神與日類須詳,物氣分明辨否臧。立用之神與日有族類。甲乙初傳水為氣,甲乙木得水神為有氣也。
『心鏡』に曰く、發用の神と日干とが何れの族類に屬するかは、必ず細分するを須みとす。物象の氣を辨え分明にしてこそ、好壞を斷じ出すことを得。これは發用の神と日干との間に六親・族類の關係を存するを説く。甲乙日は初傳の水を以て氣と為す——甲乙は木に屬し、水神を得着して來りて生ぜば、便ち氣ありと算う。
占者當有父母匡。若見木神為兄弟,同類之稱是可量。如逢小吉為妻類,甲乙木見亥卯未皆今日之族類,墓為妾也。鷹雁妻奴及酒羊。亥豬卯兔甲乙類,旺相尤生墓已傷。旺生物,墓死物。
それゆえ占う者は當に父母の扶助あるべし。もし木神を見れば、あれは兄弟で、同類の稱は便ちかように衡量す。もし未(小吉)に逢えば、便ち妻の一類に屬す——甲乙木は亥・卯・未を見ればみな本日の族類で、その中の墓庫の未は當作して妾と為す。歌の裏にまた鷹・雁・妻・僕と酒・羊とに説き到る——亥は猪で、卯は兔で、みな甲乙の一族に歸す。神氣の旺相なるは活物で、墓の上に落つるは已に受傷せり。いわゆる旺相とはすなわち活物で、墓に入れば便ち死物なり。
甲乙 子 癸水母。 丑 辛金祖姑。 癸水叔。 己土妾。 寅 甲木兄姐。 丙火兄之男女。 卯 乙木弟 辰 癸水小姑。 乙木妹。 戊土繼妻。 巳 庚金伯祖。 丙火女。 午 丁火男。 未 乙木叔之兄弟。丁火弟之男女。 己土妻。 申 庚金祖。 壬水伯。 酉 辛金祖母。 戌 辛金叔祖。 丁火姊妹之男女。 戊土婢妾。 亥 壬水父。 甲木伯之兄弟。
これは甲乙日の六親の配位表で、十二地支の各自の藏する所の天干を一一に親屬に配成す。子位の癸水は母親と為す。丑位の辛金は祖姑・癸水は叔父と為し、己土は妾と為す。寅位の甲木は兄と姐と為し、丙火は兄長の子女と為す。卯位の乙木は弟と為す。辰位の癸水は小姑・乙木は妹と為し、戊土は續弦と為す。巳位の庚金は伯祖と為し、丙火は女兒と為す。午位の丁火は兒子と為す。未位の乙木は叔父の一輩の兄弟・丁火は弟弟の子女と為し、己土は正妻と為す。申位の庚金は祖父と為し、壬水は伯父と為す。酉位の辛金は祖母と為す。戌位の辛金は叔祖・丁火は姐妹の子女と為し、戊土は婢妾と為す。亥位の壬水は父親と為し、甲木は伯父の一輩の兄弟と為す。課を査するに某神が何れの支の上に落つるかを看れば、問う所は何れの一位の親屬なるかを知ることを得。
丙丁 子 癸水祖母。 丑 癸水祖姑。 己土弟之男女。 辛金婢妾。 寅 甲木父。 丙火伯之兄弟。 卯 乙木母。 辰 癸水叔祖。 乙木叔。 戊土男。 巳 丙火兄姐。 午 丁火弟。 未 乙木小姑。 丁火妹。 己土女。 申 壬水伯祖。 庚金繼妻。 酉 辛金妻。 戌 丁火叔之兄弟。 戊土兄之男女。 辛妾。 亥 壬水祖。 甲木伯。
これは丙丁日の六親の配位表である。子位の癸水は祖母と為す。丑位の癸水は祖姑・己土は弟弟の子女と為し、辛金は婢妾と為す。寅位の甲木は父親と為し、丙火は伯父の一輩の兄弟と為す。卯位の乙木は母親と為す。辰位の癸水は叔祖・乙木は叔父と為し、戊土は兒子と為す。巳位の丙火は兄と姐と為す。午位の丁火は弟と為す。未位の乙木は小姑・丁火は妹と為し、己土は女兒と為す。申位の壬水は伯祖と為し、庚金は續弦と為す。酉位の辛金は正妻と為す。戌位の丁火は叔父の一輩の兄弟・戊土は兄長の子女と為し、辛金は妾と為す。亥位の壬水は祖父と為し、甲木は伯父と為す。
戊己 子 癸水妻。 丑 己土叔之兄弟。辛金姊妹之男女。 癸水婢妾。 寅 甲木祖。 丙火伯。 卯 乙木祖母。 辰 乙木叔祖。 戊土伯之兄弟。 癸水婢妾。 巳 丙火父。 庚金兄之男女。 午 丁火母。 未 乙木祖姑。 丁火叔。 己土弟。 申 庚金子。 壬水妾。 酉 辛金女。 戌 丁火姑。 戊土兄。 辛金弟之男女。 亥 甲木伯祖。 壬水繼妻。
これは戊己日の六親の配位表である。子位の癸水は正妻と為す。丑位の己土は叔父の一輩の兄弟・辛金は姐妹の子女と為し、癸水是婢妾と為す。寅位の甲木は祖父と為し、丙火は伯父と為す。卯位の乙木は祖母と為す。辰位の乙木は叔祖・戊土は伯父の一輩の兄弟と為し、癸水是婢妾と為す。巳位の丙火は父親と為し、庚金は兄長の子女と為す。午位の丁火は母親と為す。未位の乙木は祖姑・丁火は叔父・己土は弟と為す。申位の庚金は兒子と為し、壬水是妾と為す。酉位の辛金は女兒と為す。戌位の丁火は姑母・戊土は兄と為し、辛金は弟弟の子女と為す。亥位の甲木は伯祖と為し、壬水是續弦と為す。
庚辛 子 癸水女。 丑 己土叔。 辛金妹。 癸水姐妹之男女。 寅 丙火伯祖。 甲木(繼妻。 卯 乙木妻。 辰 戊土父。 癸水弟之男女。 乙木婢妾。 巳 丙火祖。 庚金伯之兄弟。 午 丁火祖母。 未 丁火祖姑。 己土母。 乙木婢妾。 申 庚金兄姐。 壬水兄之男女。 酉 辛金弟。 戌 丁火叔祖。 戊土伯。 辛金叔之兄弟。 亥 壬水(男。 甲木妾。
これは庚辛日の六親の配位表である。子位の癸水は女兒と為す。丑位の己土は叔父・辛金は妹と為し、癸水は姐妹の子女と為す。寅位の丙火は伯祖と為し、甲木は續弦と為す。卯位の乙木は正妻と為す。辰位の戊土は父親・癸水是弟弟の子女と為し、乙木は婢妾と為す。巳位の丙火は祖父と為し、庚金は伯父の一輩の兄弟と為す。午位の丁火は祖母と為す。未位の丁火は祖姑・己土は母親と為し、乙木は婢妾と為す。申位の庚金は兄と姐と為し、壬水は兄長の子女と為す。酉位の辛金は弟と為す。戌位の丁火は叔祖・戊土は伯父・辛金は叔父の一輩の兄弟と為す。亥位の壬水は兒子と為し、甲木は妾と為す。表の中の「甲木の繼妻」「壬水の男」の兩處は一個の括弧を衍出せるは、刻本の殘誤で、配する所の親屬に影響せず。
壬癸 子 癸水弟。 丑 己土叔祖。 辛金姑。 癸水妹。 寅 甲木子。 丙火妾。 卯 乙木女。 辰 戊土伯祖。 癸水叔之兄弟。 乙木弟之男女。 巳 庚金伯。 丙火繼妻。 午 丁火妻。 未 己土祖母。 乙木姊妹之男女。 丁火婢妾。 申 庚金父。 壬水伯之兄弟。 酉 辛金母。 戌 戊土祖。 辛金叔。 丁火婢妾。 亥 壬水兄姐。 甲木兄之男女。
これは壬癸日の六親の配位表である。子位の癸水是弟と為す。丑位の己土は叔祖・辛金は姑母・癸水是妹と為す。寅位の甲木は兒子と為し、丙火は妾と為す。卯位の乙木は女兒と為す。辰位の戊土は伯祖・癸水是叔父の一輩の兄弟・乙木は弟弟の子女と為す。巳位の庚金は伯父と為し、丙火は續弦と為す。午位の丁火は正妻と為す。未位の己土は祖母・乙木は姐妹の子女と為し、丁火は婢妾と為す。申位の庚金は父親と為し、壬水は伯父の一輩の兄弟と為す。酉位の辛金は母親と為す。戌位の戊土は祖父・辛金は叔父と為し、丁火は婢妾と為す。亥位の壬水は兄と姐と為し、甲木は兄長の子女と為す。
人類神
父母生氣與日本,父兼德神母天后。妻責天后並財爻,神后之神亦為取。兄弟姊妹責太陰,及兼兄弟之爻神。子孫六合子孫爻,太沖登明亦可尋。奴責河魁及天空,婢責從魁太陰中。朋友單來責六合,以上人之類神從。
この一段の列する所は人物を占う時の取る所の類神である。父母は、我を生ずる氣と日干の本氣とを看る。父親はさらに兼ねて徳神を看、母親は兼ねて天后を看る。妻子は天后と財爻とを取り、子(神后)のこの一支もまた取ることを得。兄弟姐妹は太陰を取り、并せて兄弟の爻を兼ねて看る。子孫は六合と子孫爻とを取り、卯(太沖)・亥(登明)もまた找うることを得。僕人は戌(河魁)と天空とを取り、婢女は酉(從魁)と太陰とを取る。單に朋友を問えば、すなわち六合を取る。以上は便ち人を占う時の依る所の類神である。
事類神
求官龍常及官星,求名文書朱雀中。干貴貴人婚天后,求財青龍財爻通。衣服酒食責太常,雨責青龍晴天空。田土勾陳路白虎,以上事之類神名。
この一段の列する所は事情を占う時の取る所の類神である。官職を求むるは青竜・太常と官星とを取り、功名と文書とを求むるは朱雀を取る。貴人に干謁するは貴人を取り、婚事を問うは天后を取り、財を求むるは青竜と財爻とを取る。衣服・酒食は太常を取り、雨を求むるは青竜を取り、晴を問うは天空を取り、田産・土地は勾陳を取り、道路は白虎を取る。以上は便ち事を占う所の依る類神の名目である。
人事類神兼二三,以入傳課為取用。若是皆入皆不入,不用兼神責將神。如妻止去責天后,財爻神后不須論,不在課傳為局外,所臨地位看原因。有氣亦遠無氣難,旺相德合終可親。
人と事との類神は常に同時に兩三個あり——すなわち四課・三傳に進み入るあの一個を以て准と作す。もし兩三個がみな課傳に進み入るか、あるいはみな進み入らざれば、便ち再び兼ね取るそれらを用いず、專ら天將を責めて以て斷ず。たとえば妻子を占えば、ただ天后の一項を取るのみ、財爻と子(神后)とは便ち須らく再び論ぜず。類神がもし課傳の内に在らざれば、局外の神と呼ばれ、すなわちその臨む所の地盤の位置を看て以て原因を找う。それに氣あれば、人は雖も遠處に在るも終竟に得著することを能くす。氣なければ、あれば難し。神氣が旺相にしてまた徳に逢い合に逢うは、終に歸りて親近することを得。
人身類神
甲膽乙肝丙小腸,丁心戊胃己脾鄉。庚是大腸辛主肺,壬癸膀胱癸腎藏。
この一段は十天干を人身の臟腑に配す——甲は膽に配し、乙は肝に配し、丙は小腸に配し、丁は心に配し、戊は胃に配し、己は脾に配し、庚は大腸に配し、辛は肺に配し、壬は膀胱に配し、癸は腎に配す。病を占う時に日干と用神とが何れの干の上に落つるかを看れば、便ち病位が何れの臟腑に在るかを知る。
子腎膀胱耳腰液,丑脾腹兮與兩足。寅膽風門筋脈髮,卯肝血筋手背目。辰皮膚肩暨背項,巳焦小腸面齒股。午心目神氣與舌,未胃腹口唇齒戶。申為大腸筋骨間,酉肺口鼻聲血路。
この一段は十二地支を人身の部位に配す——子は腎と膀胱とを主り、また耳・腰と體內の津液とを主る。丑は脾・腹および兩脚を主る。寅は膽と風門とを主り、また筋脈と頭髮とを主る。卯は肝・血・筋を主り、また手背と眼睛とを主る。辰は皮膚・肩膀と背項とを主る。巳は三焦・小腸を主り、また面部・牙齒と大腿とを主る。午は心・眼・神氣と舌頭とを主る。未は胃・腹・口唇と齒齦とを主る。申は大腸と筋骨の間とを主る。酉は肺を主り、また口鼻・聲音と血脈とを主る。
戌乃命門膝脅胸,亥膀頭髓二便呼。
これは「十二支の人身に配する」口訣の收尾の兩句である。地支の「戌」の主る所の部位は命門(兩腎の間に元氣の聚まる所の處)・膝蓋・兩脅と胸膛で、地支の「亥」の主る所は膀胱・頭部・骨髓、および大小便と呼吸の氣である。病を占う時は先に病人の屬する所の「類神」(某類の人事が課盤の上の代表する神)に按じて定位し、さらに凶神・惡將が何れの支に落つるかを看る——戌の上に落ちれば、便ち命門の虚損・膝痛・脅脹・胸悶に往きて斷ず。亥の上に落ちれば、便ち小便の不利・頭痛・髓虧・二便の失調と氣喘・咳逆とに往きて斷ず。
農桑類神
木主谷林及瓜果,當於寅卯位中尋。火主黍稷與紅豆,巳午之位乃為親。午神又為蠶之命,螣蛇蠶象妙有因。土主麻與大黃豆,辰戌丑未為其根。金主二麥八月時,申當別論酉為真。水主黑豆與稻菜,亥子之位所必雲。
農事・桑蠶を占うは、先に五行に按じて作物のために類神を定むるを要す。およそ木に屬する穀物・林木と瓜果とは、みな寅・卯の兩支の上に到りて尋ねん。火に屬する黍子・稷米と紅豆とは、巳・午の兩支と最も親し。午は火類の作物を主るを除くほか、また兼ねて蠶の性命の神と作す——十二天將の中の「螣蛇」は形體が屈曲して蠶のごとく、蠶の取象は正に午火の上に寄る——この一層の配搭は極めて道理あり。土に屬する麻と大黃豆とは、根柢は辰・戌・丑・未の四個の土支の上に落つ。金に屬する大麥・小麥は八月に成熟するに應ず——その中の申は別に行われて論ぜられ、真正に麥を主るは酉である。水に屬する黑豆・水稻と菜蔬とは、すなわち必定に亥・子の兩支の上に到りて講ずるを要す。
旺相德合為收成,死囚克墓是所嗔。日辰農人辰禾類,生合吉將喜忻忻。日克支上農事荒,支剋日上禾必損。太歲上神生何類,即主何類收十分。太常小吉為棉花,又在五行之外存。
これらの類神がもし四時の旺氣・相氣に乘り、また日辰と相い徳し相い合せば、莊稼に收成あるを主る。もし死氣・囚氣の上に落つるか、あるいは別神に克傷せられ墓庫に收め去られれば、便ち最も厭悪すべき敗象なり。農事を占うは日干を以て田を種える人を代表し、日支を以て田の裏の禾稼を代表す——日・辰の兩處の上神が彼此に相生・相合して、また吉將に乘れば、便ち歡歡喜喜の好き年成なり。日干が反って往きて日支の上神を克すれば、農事は便ち荒廢せんと要す。日支の上神が反って來りて日干を克すれば、禾稼は必定に受損せん。さらに太歳の上の乘る所の神が何れの一類の作物を生助するかを看れば、あの一類は當年に便ち十成の豊收を得。このほか還って一項の五行の分配の外に在るあり——「太常」のこの天將と「小吉」(未)のこの一支とが、合わさって棉花を主る。
十雜
子有癸水。 丑有己土、有餘癸水、有死辛金。 寅有甲木、有生丙火。 卯有乙木。 辰有戊土、有餘乙木、有死癸水。 巳有丙火、有生庚金。 午有丁火。 未有己土、有餘丁火、有死乙木。 申有庚金、有生壬水、有生土。 酉有辛金。 戌有戊土、有餘辛金、有死丁火。 亥有壬水、有生甲木。
いわゆる「十雜」とは、十天干の十二地支の裏頭に雜寄するを講ず——每一支の藏する所はまた本氣・餘氣・死氣の幾層に分かつ。子の中はただ癸水を藏す。丑の中は己土を以て本氣と為し、別に癸水の餘氣と辛金の死氣とを存す。寅の中は甲木を藏し、兼ねて丙火のここに長生する生氣を含む。卯の中はただ乙木を藏す。辰の中は戊土を以て本氣と為し、別に乙木の餘氣と癸水の死氣とを存す。巳の中は丙火を藏し、兼ねて庚金のここに長生する生氣を含む。午の中はただ丁火を藏す。未の中は己土を以て本氣と為し、別に丁火の餘氣と乙木の死氣とを存す。申の中は庚金を藏し、兼ねて壬水と土とのここに長生する生氣を含む。酉の中はただ辛金を藏す。戌の中は戊土を以て本氣と為し、別に辛金の餘氣と丁火の死氣とを存す。亥の中は壬水を藏し、兼ねて甲木のここに長生する生氣を含む。子・午・卯・酉の四支は氣が最も專純にして、ただ一干あるのみ。辰戌丑未と寅申巳亥とはすなわち兼ねて數氣を收むるがゆえに、「雜」と呼ばれると作す。
經云:陰陽五行,中有十雜。其類異方,萬物存焉。或得凶,或得吉,或得短,或得長,紛紛眾事,其應不同,各懷其子,以救其窮。故曰憂與不憂,傳自相求。
古經の上に講ず——陰陽五行の中に、還って「十雜」のこの一層を含む。それらは分かちて東南・西北の各方に屬し、天下の萬物はみなその間に寄存す。課を占う時、あるは凶象を取り到り、あるは吉象を取り到り、あるは應驗の期が短促にして、あるは應驗の期が綿長なり——人間の事情は紛紜・萬端にして、感應は各々相同じからず。これは每一行がみな支の裏に自己の生ずる所の「子」を懷藏して、この子を靠りて以て自己の窮困を救うがためなり。それゆえ曰く——一件事が到頭に該當に憂うべきかそれとも憂うる必らざるかは、「三傳」(初傳・中傳・末傳の三個の用神)の裏に於て彼此に推求するに在りて、こそ分曉を見出すことを得。
顏色
甲青乙碧。蓋青者,東方正色,象木葉也。甲木畏金,以乙妹嫁庚金為妻,甲往召乙,乙懷金氣以應甲,故有間色碧也。丙赤丁紫。蓋赤者,南方正色,象火炎也。丙火畏水,以丁妹嫁壬水為妻,丙往召丁,丁懷水氣以應丙,故有間色紫也。
甲の色は青、乙の色は碧である。青は東方の正色で、草木の葉を取象とする。甲木は金に克伐されるのを恐れ、妹の乙を庚金に嫁がせた。後に甲が乙を呼び戻そうとすると、乙の身にはすでに嫁ぎ先の金気がまとわりついて甲に応じ、青に金の白が混じって、碧という間色が生まれた。丙の色は赤、丁の色は紫である。赤は南方の正色で、立ち昇る火焰を取象とする。丙火は水に潅克されるのを恐れ、妹の丁を壬水に嫁がせた。丙が丁を呼び戻すと、丁の身は嫁ぎ先の水気を帯びて丙に応じ、赤に水の黒が混じって、紫という間色が生まれた。
庚白辛栗。蓋白者,西方正色,象霜露也。庚金畏火,以辛妹嫁丙火為妻,庚往召辛,辛懷火氣以應庚,故有間色栗也。壬黑癸綠。蓋黑者,北方正色,象水中泥淖色也。壬水畏土,以癸妹嫁戊土為妻,壬往召癸,癸懷土氣以應壬,故有間色綠也。
庚の色は白、辛の色は栗(黄褐)である。白は西方の正色で、霜と露を取象とする。庚金は火に鎔かされるのを恐れ、妹の辛を丙火に嫁がせた。庚が辛を呼び戻すと、辛の身は嫁ぎ先の火気を帯びて庚に応じ、白に火の红黄が透けて、栗という間色が生まれた。壬の色は黒、癸の色は緑である。黒は北方の正色で、水底の淤泥の色を取象とする。壬水は土に壅塞されるのを恐れ、妹の癸を戊土に嫁がせた。壬が癸を呼び戻すと、癸の身は嫁ぎ先の土気を帯びて壬に応じ、黒に土の黄が混じって、緑という間色が生まれた。
戊黃己絳。蓋黃者,中央正色,象黃中通理也。戊土畏木,以己妹嫁甲木為妻,戊往召己,己懷木氣以應戊,故有間色絳也。
戊の色は黄、己の色は絳(深紅)である。黄は中央の正色で、《易経・坤卦・文言》に「黄中通理」とあるのは、まさに土が中央に居して条理が暢達する象を取ったものである。戊土は木に疏克されるのを恐れ、妹の己を甲木に嫁がせた。戊が己を呼び戻すと、己の身は嫁ぎ先の木気を帯びて戊に応じ、黄に木の生ずる火の赤が染まって、絳という間色が生まれた。以上の五組は、いずれも本干が正色を取り、その妹が間色を取るという通例である。
子黑、午赤、卯青、酉白、寅碧、申黑白、巳斑點、亥淡青、辰戌丑未純黃。寅卯為木,春旺時寅懷火,故卯為純木,寅為雜木。巳午為火,夏旺時,巳懷金,故午為純火,巳為雜火。申酉為金,秋旺時,申懷水,故酉為純金,申為雜金。亥子為水,冬旺時,亥懷木,故子為純水,亥為雜水。
さらに色を十二地支に配すると、子は黒色、午は赤色、卯は青色、酉は白色、寅は碧色、申は黒白相間、巳は斑点のある雑色、亥は淡青、辰・戌・丑・未の四土支はすべて純黄である。純と雑とがあるのは、四孟の支がそれぞれ別の一行の生気を懐いているからである。寅・卯はともに木に属し、春は木が旺するが、寅の中にはなお丙火の生気が蔵されているので、卯は純木、寅は雑木である。巳・午はともに火に属し、夏は火が旺するが、巳の中にはなお庚金の生気が蔵されているので、午は純火、巳は雑火である。申・酉はともに金に属し、秋は金が旺するが、申の中にはなお壬水の生気が蔵されているので、酉は純金、申は雑金である。亥・子はともに水に属し、冬は水が旺するが、亥の中にはなお甲木の生気が蔵されているので、子は純水、亥は雑水である。
土居中央,分旺四季,故春夏秋冬辰戌丑未月,各寄旺十八日,四季共七十二日。五行之旺,各為三百六十日,以為一歲功成。故辰中有餘木,未中有餘火,戌中有餘金,丑中有餘水也,各十二日。木死於未,火死於戌,金死於丑,水死於辰。故四孟之月為懷生氣之所由也。四仲之月為正位,盛旺之所立也。四季之月為死氣葬送之所由也。
土は一方を専らにせず中央に坐して、旺気を四季の末尾に分け配る。だから春末の辰月、夏末の未月、秋末の戌月、冬末の丑月に、土はそれぞれ十八日間旺を寄せ、四季合わせて七十二日となる。木火金水はそれぞれ七十二日旺し、五行が巡って合わせて三百六十日となり、一年の功用はこれで尽きる。また土月が別の一行の後に接するがゆえに、辰の中には木の余気、未の中には火の余気、戌の中には金の余気、丑の中には水の余気が残り、それぞれ十二日を占める。死地については、木は未に死に、火は戌に死に、金は丑に死に、水は辰に死ぬ。これによって知れるのは、寅申巳亥の四孟の月は各行が長生の気を懐いて始まるところ、子午卯酉の四仲の月は各行が正位に居して気勢が最も盛んなところ、辰戌丑未の四季の月は死気が葬られ収斂されるところだということである。
是五行十雜,其應不同,陰陽五行,萬物所存,吉凶之應,各以其類。或吉中有凶,或凶中有吉,征吉而有大凶,或征凶而有大吉。凶則視其所救,吉則視其所害。凶則有救不致於禍,吉而有害不及於慶。純凶則禍成,純吉則福生。
五行に十雑という層が加わると、感応はそれぞれ分かれる。陰陽五行は万物が寄り存する枠組みで、吉凶の応験はそれぞれ属する類にしたがって現れる。だから往々にして吉の中に凶を含み、凶の中に吉を含む。あるいは先に吉兆が見えて後に大凶が出、あるいは先に凶兆が見えて後に大吉が出る。断課の要領は、凶を見たらまず救神があるかを見、吉を見たらまず害神があるかを見ることである。凶に救いがあれば、まことの禍には至らない。吉に害があれば、まことに慶べきことには落ち着かない。ただ純凶で救いがないときだけ禍患が成り、ただ純吉で害がないときだけ福気が生じるのである。
言舉百事姓音不同。一云,五情不同時日,神將上下不和,四時旺相新故差別,和同則吉,乖異則凶,凶則有短,吉則有長。紛紛眾事,其應不同者,言五行各有所利,各有所傷,故曰不同。各懷其子以救其窮者,土中有金,金中有水,水中有木,木中有火,火中有土,此懷子救母之謂也。萬物消息盡在其中,不可不明。
ここで言うのは、世の中の百事は、各人の姓氏と五音の帰属がもともと同じではないということである。別の説では、人の五つの性情は時日によって異なり、天盤の神と乗る天将とが上下で必ずしも調和せず、四時の旺相の気と事の新旧とも各々差異がある。上下が調和して同じならば吉、互いに乖背して異なれば凶であり、凶ならば応期は短く、吉ならば応期は長い。「紛紛たる衆事、その応同じからず」とは、五行にそれぞれ利のある面があり、またそれぞれ傷つく面があるので、感応が同じでないということである。「各々その子を懐きてその窮を救う」とは、土の中に金を蔵し、金の中に水を蔵し、水の中に木を蔵し、木の中に火を蔵し、火の中に土を蔵して、母行が困窮したときに自ら生んだ子行に救援されるという理である。万物の盈虚消長の機関はすべてこの中にあり、明らかにしておかなければならない。
乙中金刑己中之木,己中木刑癸中之土,癸中土刑丁中之水,丁中水刑辛中之火,辛中火刑乙中之金,是謂五刑也。
十干がそれぞれ蔵する雑気のあいだにはさらに相刑の関係が一層ある。乙に含まれる金が己に含まれる木を刑し、己に含まれる木が癸に含まれる土を刑し、癸に含まれる土が丁に含まれる水を刑し、丁に含まれる水が辛に含まれる火を刑し、辛に含まれる火がまた乙に含まれる金を刑し返す。五者が首尾で銜接して一つの循環をなし、これを「五刑」と呼ぶ。これはいわゆる三刑とは異なり、刑するのは本気ではなく雑気であり、占課で取象するときは別の目で分別しなければならない。
乙中之金,從魁傳送是也。於物為斧斤;於人為下賤土匠;人形為頭、口、咽喉、缺齒;於色為白;於怪為釜鳴。己中之木,功曹太沖是也。於物為船、車、樹木;於人形有奇骨聳起,若病為癰腫;於色為青;於怪為音聲;於畜為野獸驢兔。
乙の中に含まれる金は、課盤上では「従魁」(酉)と「伝送」(申)の二位である。器物では斧や砍刀の類を取り、人事では地位の低い泥水職人を取り、人の形貌では頭・口・咽喉と歯の残缺を取り、顔色では白を取り、怪異の事では鍋釜が故なく自ら鳴ることを取る。己の中に含まれる木は、課盤上では「功曹」(寅)と「太冲」(卯)の二位である。器物では船・車輌・樹木を取り、人の形貌では骨節の奇突した高聳を取り、病気ならば癰疽腫毒に応じ、顔色では青を取り、怪異の事では端なく音響を聞くことを取り、畜類では野獣と驢・兎を取る。
癸中之土,辰戌丑未是也。於物為磚瓦、泥土類;於人形為大頭,腹腫黃,四肢癰腫;於色為黃;於怪為風塵,垣壁崩頹,孔穴土聚;於畜為子母牛、羊、狐、犬類。丁中之水,登明神后是也。於人形為腎,於色為黑,於怪為井沸,於畜為鼠豬。
癸の中に含まれる土は、課盤上では辰・戌・丑・未の四支である。器物では磚瓦泥土の類を取り、人の形貌では頭顱が粗大で肚腹が浮腫して黄ばみ、四肢に癰疽ができることを取り、顔色では黄を取り、怪異の事では風沙が塵を揚げ、牆垣の壁面が塌陷し、洞穴の中に土堆が堆り上がることを取り、畜類では小牛を連れた雌牛と羊・狐・犬の類を取る。丁の中に含まれる水は、課盤上では「登明」(亥)と「神后」(子)の二位である。人の形貌では腎臓を取り、顔色では黒を取り、怪異の事では井水が故なく翻涌することを取り、畜類では鼠と豚を取る。
辛中之火,太乙勝光是也。於物為文書、皮毛、文章、爐冶、血光、飛鳥;於人形為髭髮、赤目、有蒼缺損、股腫有疾;於色為赤;於怪為光明;於畜為馬蛇。言十二辰以觀親疏也。
辛の中に含まれる火は、課盤上では「太乙」(巳)と「勝光」(午)の二位である。器物では文書・皮毛・文章・炉灶の冶錬・血を見る光、および飛鳥を取り、人の形貌では鬚髪・眼の赤いこと・面色が青蒼で残損のあること・大腿が腫れて病のあることを取り、顔色では赤を取り、怪異の事では忽然と現れる光亮を取り、畜類では馬と蛇を取る。以上は五行の雑気を十二地支に分け配ったもので、これによってさらに人事の親疎遠近へと推し進めるためである。
親疎
日與辰三六合者為親,不合者為疏。生日干者父母。如甲乙日以子為父,亥為母,壬癸為外翁姑,午為子,巳為女,丙火為外孫,寅為伯為兄,卯為叔為弟,甲為姊,乙為妹,辰戌丑未為妻妾。
日干と日支のあいだで三合または六合を結べるものは親しいとし、合えないものは疎いとする。日干を生扶できるものは父母とする。たとえば甲・乙木の日は水が木を生ずるので、陽水の子を父、陰水の亥を母とし、天干の壬・癸は岳父岳母という外親の一路に数える。日干が生ずるものは子女とするので、甲乙日は午火を息子、巳火を娘とし、天干の丙火を外孫とする。日干と同類のものは兄弟姉妹とし、寅は伯父で兄を兼ね、卯は叔父で弟を兼ね、甲は姉、乙は妹とする。日干が克するものは妻妾とし、木は土を克するので、辰・戌・丑・未の四つの土支はすべて妻妾とする。
日干所克為正妻。如甲乙見土,丙丁見金,戊己見水,庚辛見木,壬癸見火是也。以干之墓神為妾。如甲乙見未,丙丁見戌,庚辛見丑,戊己壬癸見辰是也。
日干が克する一行を正妻とする。甲乙木は土を克するので土を妻と見、丙丁火は金を克するので金を妻と見、戊己土は水を克するので水を妻と見、庚辛金は木を克するので木を妻と見、壬癸水は火を克するので火を妻と見る。また日干の墓庫の支を妾とする。甲乙木は未に墓し、丙丁火は戌に墓し、庚辛金は丑に墓し、戊己土と壬癸水はともに辰に墓するので、それぞれ本干の帰る墓支にしたがって取る。正妻は所克に取り、妾は所帰に取る。両者は途を分かち、一緒に混ぜて見てはならない。
妻前一位為媒人,己為甲妻,則己前庚與申為媒。乙為庚妻,則乙前丙與巳為媒。辛為丙妻,則辛前壬與亥為媒。丁為壬妻,則丁前庚與申為媒。癸為戊妻,則癸前甲與寅為媒也。
妻星の前に接している一位を媒をする者とする。己は甲の妻で、己から前へ数えると庚に当たり、庚は申に寄宮するので、庚と申が甲の媒人である。乙は庚の妻で、乙から前へ数えると丙に当たり、丙は巳に寄宮するので、丙と巳が媒である。辛は丙の妻で、辛から前へ数えると壬に当たり、壬は亥に寄宮するので、壬と亥が媒である。丁は壬の妻で、丁から前へ数えると庚に当たり、庚はやはり申宮に寄るので、庚と申が媒である。癸は戊の妻で、癸から前へ数えると甲に当たり、甲は寅に寄宮するので、甲と寅が媒である。婚姻を占うとき、媒神に気があれば說合に力があり、空亡に落ちれば中人は実らない。
日干所克干神為奴婢。如甲乙日戊己,丙丁日庚辛之類,總之干屬外,支屬內,外翁姑、外甥、奴婢皆以干言。
日干が克するものが天干に落ちていれば、奴僕婢女とする。たとえば甲・乙木の日は戊・己土を克するので戊己を奴婢とし、丙・丁火の日は庚・辛金を克するので庚辛を奴婢とし、残りはこれに類推する。総じての分界は、天干の一路は外に属し、地支の一路は内に属するということで、岳父岳母・外甥・奴僕婢女といった外周の人々は、すべて天干の上から説き、地支の中には求めない。
媒辰所合為親家。如申為媒,則卯為親家,乙庚合也。巳為媒,則戌為親家,丙辛合也。亥為媒,則未為親家,丁壬合也。寅為媒,則未為親家,甲己合也。子日見亥,寅日見卯,日辰同氣,為本家人。子見丑,丑見寅為鄰人。
媒人の支と合するものを親家とする。たとえば申が媒なら、申の中に庚を蔵し、庚は乙と合し、乙は卯宮に寄るので、卯が親家である。巳が媒なら、巳の中に丙を蔵し、丙は辛と合し、辛は戌宮に寄るので、戌が親家である。亥が媒なら、亥の中に壬を蔵し、壬は丁と合し、丁は未宮に寄るので、未が親家である。寅が媒なら、寅の中に甲を蔵し、甲は己と合し、己もまた未宮に寄るので、未が親家である。このほか、子の日に亥を見、寅の日に卯を見るのは、日と辰が同じ一行の気に属して陰陽を分かつだけなので、自家人とする。子が丑を見、丑が寅を見るのは、二支の位次が緊接しても気は同じでないので、鄰居とする。
十二支類神不就日干而言者:子為子息漁屠兒,丑為賢者又僧尼。寅婿道士更胥吏,卯術沙門長子宜。辰為魁卒兇頑惡,巳朋長女為窯皂。婦人宮女蠶姑午,姑姨舅妹小吉時。申獵醫巫銀鐵匠,少女婢婦姐從魁。卒奴吏官僕凶戌,幼子寇盜亥宮推。
以下の十二支の類神は、日干との生克には関わらず、地支それ自体についてい取象するものである。子は子女を主とし、漁夫と屠戸をも主とする。丑は徳行のある賢者を主とし、また僧侶・尼姑を主とする。寅は女婿・道士を主とし、衙門の胥吏をも兼ねる。卯は術士・出家の沙門・長子を取るのが宜しい。辰は凶悍頑劣の徒と獄卒の頭目を主とする。巳は朋友・長女を主とし、窯を焼く匠人と皂隷の差役をも主とする。午は婦人・宮女と蚕を養う娘を主とする。「小吉」は未のことで、姑母・姨母・舅父と妹を主とする。申は獵戸・医師・巫師および銀匠・鐵匠を主とする。「従魁」は酉のことで、少女・婢妾の婦人と姉を主とする。戌は兵卒・奴僕・吏員・官家の差役という凶悍な人の類を主とする。亥宮は幼い息子を推し、兼ねて盗賊寇匪を推す。
凡占動眾,三合為兄弟朋友之眾,同類為眷屬之眾,戌為部領之眾,反吟連茹牽連之眾。
衆を集め師を興し、人手を動員する類の事を占うには、まずどの種の「衆」かを分けなければならない。課伝が三合局を結ぶのは、兄弟朋友が合わさった一群である。日干と同じ一行に属するのは、家眷親属の一群である。戌に落ちるのは、頭目に統帯された部曲の衆である。課体が「反吟」(天盤と地盤の各支が二二に相冲する)または「連茹」(三伝が逐位に連なって藤蔓のよう)となるのは、輾転として攀扯され、牽連されて引きずり込まれた一群である。
亥中木為功曹太沖之父母,甲中木為兄姊,辰中木為弟妹,未中木為外孫。寅中火為太乙勝光之父母,丙中火為兄姊,未中火為弟妹,戌中火為外孫。申中水為登明神后之父母,壬中水為兄姊,丑中水為弟妹,辰中水為外孫。巳中金為傳送從魁之父母,戊中土為兄姊,丑中土為弟妹,辰未中土為外孫。故曰萬物比類,以觀親疏也。
さらに雑気の長生・本気・余気・死気によって親属の輩分を分け配る。亥の中に蔵された甲木は木の長生の気なので、「功曹」(寅)と「太冲」(卯)の二木神の父母とする。甲の本気の木は兄姐、辰の中の余気の木は弟妹、未の中の死気の木は外孫である。寅の中に蔵された丙火は火の長生の気なので、「太乙」(巳)と「勝光」(午)の二火神の父母とする。丙の本気の火は兄姐、未の中の余気の火は弟妹、戌の中の死気の火は外孫である。申の中に蔵された壬水は水の長生の気なので、「登明」(亥)と「神后」(子)の二水神の父母とする。壬の本気の水は兄姐、丑の中の余気の水は弟妹、辰の中の死気の水は外孫である。巳の中に蔵された金は金の長生の気なので、「伝送」(申)と「従魁」(酉)の二金神の父母とする。土の一路については、戊の本気を兄姐、丑の中の土を弟妹、辰・未二支の中の土を外孫とする。だから万物を類によって比べれば、親疎遠近は見えてくるのである。
假令正月甲子日辰時上,是功曹臨未為發用,上克下,與日比,將得天后;傳見從魁,將得勾陳;終於天罡,將得元武。以此占人法,憂外孫,事因婦女鬥訟相傷,終到亡遺偷盜。他仿此。
一課を例に挙げる。正月甲子日辰時に起課し、天盤の「功曹」(寅)が地盤の未に落ちて発用とする。寅木は未土を克し、上克下の発用であり、寅はまた甲日と同じ木に属して相比し、乗る天将は「天后」で、天后は婦人を主とする。中伝に「従魁」(酉)を見、乗る天将は「勾陳」で、勾陳は争闘詞訟を主とする。末伝は「天罡」(辰)に帰り、乗る天将は「元武」で、元武は盗賊と遺失を主とする。前の親属の取法にしたがって推せば、未の中の木は外孫に属するので、憂患は外孫の身に落ちる。事は婦人から起こり、中に争闘官司・彼此の相傷を挟み、末は財物の遺失・人に盗まれることに帰結する。残りの各課もすべてこの路数にしたがって推す。
甲乙日日干及寅卯發用為己身同類,占寅為兄,卯為弟,寅中甲為姐,辰中乙為妹,亥中甲為伯之兄弟,未中乙為叔之兄弟,子為父,亥為母,亥中壬為伯,丑中癸為叔,申中壬為長姑,辰中癸為小姑,申為祖父,酉為祖母,巳中庚金為伯祖,戌中辛金為叔祖,丑中辛金為祖姑,未墓為妻,辰為繼妻,丑為妾,戊為婢妾,土生庚申金為媒人,午為男,巳為女,寅中火為兄之男女,未中火為弟之男女,戌中火為姐妹之男女,生祖者為曾祖,生曾祖者為之高祖,男生者為孫,孫生者為元孫。
甲・乙木の日を例に、一門の親族をすべて並べられる。日干それ自体と寅・卯の発用は、いずれも自分の輩の同類とする。寅は兄、卯は弟、寅の中に蔵された甲は姉、辰の中に蔵された乙は妹、亥の中に蔵された甲は伯父の系の兄弟、未の中に蔵された乙は叔父の系の兄弟である。我を生ずるものは父母とする。子は父、亥は母、亥の中の壬は伯父、丑の中の癸は叔父、申の中の壬は大姑母、辰の中の癸は小姑母である。さらに上一輩は、申は祖父、酉は祖母、巳の中の庚金は伯祖父、戌の中の辛金は叔祖父、丑の中の辛金は祖姑である。我が克するものは妻妾とする。木は未に墓するので、未は正妻、辰は続娶の妻、丑は妾、天干の戊は婢妾である。土は庚・申の金を生ずるので、庚と申が媒人である。我が生ずるものは子女とする。午は息子、巳は娘、寅の中の火は兄の子女、未の中の火は弟の子女、戌の中の火は姉妹の子女である。さらに上へ推せば、祖父を生ずるのは曾祖、曾祖を生ずるのは高祖である。下へ推せば、息子の生ずるのは孫、孫の生ずるのは元孫(すなわち玄孫)である。
凡十二支中親屬論者不一,姑兩存之。如甲乙日有取子陽水為父,亥陰水為母者,有取子中癸水為母,亥中壬水為父者,餘說類此。
十二支に親属を配するのは、各家の説が一致しないので、ここでは二説を併せて留めておく。たとえば甲・乙の日、ある人は陽水の子を父、陰水の亥を母と取るが、これは地支それ自体の陰陽で分けたものである。またある人は子の中に蔵された癸水を母、亥の中に蔵された壬水を父と取るが、これは支内に蔵された天干の陰陽で分けたものである。残りの各条の出入もすべてこの類である。占断するときは一説を選び定めればよく、前後で二説を混用してはならない。
《観月経》新故卦
凡事知新故,得之變生死。五陽德自處,甲丙戊庚壬各以本干為德,故曰五陽德處也。五陰德改移。夫自處德婦從夫,德以陽為正。甲為己德合,庚與乙為德。丙與辛為宜,丁德配在壬。癸德配在戊,生死後篇推。
《観月経》は「新故卦」という一門を立て、専ら問う事が新しく起きたものか旧来のものかを分別するのに用いる。新旧を弁明する鍵は、用いる神が長生の地にあるか死絶の地にあるかに落ちる。五つの陽干の「徳」は自分の身の上に安められる——甲・丙・戊・庚・壬はそれぞれ本干を徳とするので、五陽の徳は「自処」だという。五つの陰干の徳は別の所へ移さねばならない。これは夫が自分で主となり、妻が夫に随っていくようなもので、徳はつねに陽干を正位とする。甲は己と合するので己の徳は甲にあり、乙の徳は庚に帰り、辛の徳は丙に配され、丁の徳は壬に配され、癸の徳は戊に配される。各干の長生の地と死絶の地については、次の段に続けて推排する。
甲生原在亥,未是死根基。丙生寅上是,死戌是分離。壬壬生傳送,天罡見死悲。庚來生太乙,大吉死無疑。生加日辰上,凡事煥為新。死加日辰上,凡事更無新。假令甲乙日登明加甲上,為新,故曰煥為新。如今日甲乙小吉加甲,為故。剛日以本干之生為新,死加日辰為故,故曰更無新。
甲木の長生はもと亥にあり、墓死の根は未に扎る。丙火は寅に長生し、戌に死ぬので、戌を見れば離散の象である。壬水は「伝送」(申)に長生し、「天罡」(辰)を見れば入死して悲しむべきである。庚金は「太乙」(巳)に長生し、「大吉」(丑)に死ぬので、確鑿として疑いない。長生の神が日干または日支に加われば、問う事は焕然として新しくなる。死絶の神が日干日支に加われば、問う事に新意はなく、ただ旧事である。例えば、甲・乙の日に「登明」(亥)が甲に加われば、亥はまさに甲の長生なので新事と断じ、これが「焕為新」である。もし甲・乙の日に「小吉」(未)が甲に加われば、未は甲の墓死の地なので旧事と断ずる。陽日はすべて本干の長生をもって新とし、本干の死地が日辰に加臨するのをもって旧とするので、「更に新無し」と言う。原文「壬壬生伝送」のところは「壬」の字が一つ衍しているが、旧本のままに録出する。
前篇論生死,後法五行中。新來推旺相,凡事旺相加日是新事也。休囚死後終。凡休囚死加日辰是舊事也。其氣兩相見,新故一半通。或曰日上旺相氣,辰上休囚死氣,其物新故相半,故名新故一半通也。傳中先見者,此法續無窮。凡四課三傳先見者知新故,便以日辰推之,故曰傳中見事續無窮。
前の段は長生・死絶から新旧を論じたが、この段の法則は五行の旺衰に落ちる。新事を断ずるには旺気と相気を推す——旺相の神が日に加臨すれば、問う事は新たに起きた事である。休・囚・死気は事がすでに尽頭に至ったことを主とする——休囚死の神が日辰に加臨すれば、問う事は旧有の事である。二種の気が同時に現れたら、新旧はそれぞれ半分を占める。ある人が解釈していうには、日の上に乗るのが旺相の気で、辰の上に乗るのが休囚死の気なら、この事物は新旧が半ばずつなので、「新故一半通」と呼ぶ。断法上は、「四課」(日干・干陰・日支・支陰の四組の上下神)と三伝の中で最初に現れた一位をもって準とし、それによって新旧を定め、さらに日辰を参照して推衍する。この法門はいつまでも用いられるので、伝の中に事を見て源源として絶えないと言うのである。
《心鏡》
新故陰陽不易分,剛柔異類辨斯文。剛日用陽及有氣,是物裝成不染塵。剛日用起陽神及有氣神加日上並主生氣,曰物乃是新物。柔日用起陰,及無氣神加日上,並主死氣物,是舊物。
《六壬心鏡》にいう。事の新旧は陰陽から分かつが、分かちにくいので、日干の剛柔と用いる神の同異によってこの文の理を弁明しなければならない。陽日(剛日)に発用するのが陽神で、しかもこの神が気を得ていれば、占う物は装造されたばかりで一点の塵もまだ付いていないような、まったく新しいものである。下の注解にいう。陽日に発用して陽神が起き、また得気の神が日に加われば、みな生気を主とするので新物と断ずる。陰日(柔日)に発用して陰神が起き、また無気の神が日に加われば、みな死気を主とするので旧物と断ずる。
柔須求德看臨日,乙德居庚土是因。大吉臨干為死舊,天罡加日是生新。假令乙日是柔,即乙德在庚,生於土,天罡加日上即生新物,大吉臨干上是死舊物也。
陰日はまず本干の「徳」を見出し、次にこの徳が日に臨む様子を見る。乙の徳は庚に寄り、庚金は土に生ぜられるものだから、「土是因」と言う。「大吉」(丑)が日干に臨むのは入墓・死絶の象で、占う物は旧に属する。「天罡」(辰)が日に加わるのは生を得る象で、占う物は新に属する。注解が例を挙げていう。乙日は柔に属し、乙の徳は庚にあり、庚は土から生ずるので、辰土が日に加われば新物と断じ、丑土が日干に臨めば旧物・死物と断ずる。
《袖中金》
剛日用起陽及有有氣神加日,並主發物類。柔日用起陰及無氣神加日,並主死物及為舊物。旺相加日辰為生新,囚死加日辰為舊。
《袖中金》はこの法則をさらに簡明に帰納する。陽日に発用して陽神が起き、また得気の神が日に加われば、みな生発する物を主とする。陰日に発用して陰神が起き、また無気の神が日に加われば、みな死気の物、すなわち旧物を主とする。要するに、旺相の神が日辰に加臨すれば新生と断じ、囚死の神が日辰に加臨すれば陳旧と断ずる。原文「有有気神」のところは「有」の字が一つ衍しているが、旧本のままに録出する。
拘鈐卦
十雜拘鈐,支干配合色數,以四時休旺斷之。數目顏色言倍者,加一倍也。言進者一十進一百也。
「拘鈐」は前の十雑の義理を一組の定式に収攝したものである。地支と天干を配してそれぞれ顔色と数目を定め、さらに四時の休・旺によって加減して断定する。口訣に「倍」と言うのは本数を一倍に乗じること、「進」と言うのは一位を進めることで、十を進めれば百となる。失物の遠近を占い、物類の多寡を占うのは、すべてこの色数によって推す。
甲子日亥將寅時占 午蛇 卯勾 子白 蛇 陰 后 常 午 酉 申 亥 酉 子 亥 甲 青勾六朱 寅卯辰巳 空丑 午蛇 白子 未貴 亥戌酉申 常元陰后
これは模範の課式である。甲子の日、亥を月将とし、寅時に起課して、月将の亥を占時の寅に加えれば、天盤は全体が随って転じて定まる。中間の三行は「四課」で、右から左へ読む。日干の甲は寅に寄宮し、寅の上に亥を得て、亥は「太常」を乗せ、第一課とする。亥の上に申を得て、申は「天后」を乗せ、第二課とする。日支の子の上に酉を得て、酉は「太陰」を乗せ、第三課とする。酉の上に午を得て、午は「螣蛇」を乗せ、第四課とする。最上の三行は「三伝」で、第四課の午から発用して初伝とし、午の上に卯を得て中伝とし、卯の上に子を得て末伝とする。三伝の午・卯・子はそれぞれ螣蛇・勾陳・白虎を乗せる。最下の方框は天盤十二支がそれぞれ乗せる天将を列する。甲日寅時は夜貴を用い、貴人は未に乗って逆行するので、未は貴人、午は螣蛇、巳は朱雀、辰は六合、卯は勾陳、寅は青龍、丑は天空、子は白虎、亥は太常、戌は元武、酉は太陰、申は天后となる。
此午克酉為用,午是九數,酉是六數,色從赤白。春月火相數,宜加倍。甲己子午九,乙庚丑未八,丙辛寅申七,丁壬卯酉六,戊癸辰戌五,巳亥無干四。此一節論走失、遠近、物類多少,依此推之。
この課は午が酉を克するのを取って発用する。午の数目は九、酉の数目は六で、顔色は一赤一白である。春月に占うので火は「相」の位にあって気はちょうど長ずるときだから、数目は倍加すべきである。各干支に配する数目は、甲・己と子・午は九、乙・庚と丑・未は八、丙・辛と寅・申は七、丁・壬と卯・酉は六、戊・癸と辰・戌は五、巳・亥の二支には天干が寄らないので四だけを配する。この一節は、走失した物の遠近の方位と、占う物類の多少を推すのに専ら用い、すべてこの数目にしたがって推し進める。
甲己半青黃,乙庚碧綠竹,丙辛帶赤白,丁壬暗慘黑,戊癸灰黃樣,大干中洲版本作“天子”十敝居。酉白子純黑,卯青午赤逐。辰戌丑未黃,寅來緋碧服。申主白黑色,巳上斑點綠。亥來淡淡青,發用為骨肉。
配色の口訣は、甲・己の二干は半青半黄、乙・庚は竹のような碧緑、丙・辛は赤を帯びまた白を帯び、丁・壬は暗く沈んだ惨淡な黒、戊・癸は灰の中に黄を泛す様子である。末句の「大干十敝居」は、中洲刻本ではここを「天子」と作し、両本が互いに異なるので、しばらく併存させる。地支の配色は、酉は白、子は純黒、卯は青、午は赤で、四者は順次相接する。辰・戌・丑・未はすべて黄、寅は緋の中に碧を帯び、申は白黒二色を兼ね、巳は斑点のある緑、亥は淡い青である。発用の神に配された顔色は、すなわち占う物の本色であって、人の骨肉のようにぴったりと合う。
先乃窮顏色,次神言數目。正月甲子日,寅時來買卜。勝光加酉支,上下相驅逐。下神本白色,上神赤不黑。上神其數九,下神本管六。六九五十四,地裡宜數足。旺相倍加進,囚死退數目。休者五十里,囚死者,五十四里之半也。旺相五百四十里。不離反與覆。賊盜依數推,萬數悉皆卜。六十四卦中,從頭盡檢束。聖人言會者,神仙見骨肉。
推し断る次第は、まず顔色を窮め、次に神位によって数目を言う。上の一課を例に取る——正月甲子の日、ある人が寅時に占いを求めに来た。天盤の「勝光」(午)が酉に加わり、上下の二神は互いに駆逐し相克する。下の酉の本色は白、上の午の色は赤で黒くない。上神の午の数目は九、下神の酉の数目は六を管するので、九と六を乗じて五十四を得、路途の里数はこの数目に照らして算足する。旺相の気に逢えば倍加して進位し、囚死の気に逢えば数目を減退させる。休気ならば五十里と算し、注文にいう、囚死の気は五十四里の半分を取り、旺相の気は五百四十里に進める。求める物は概ね往還・反覆のあいだを離れない。賊盗を占うのもこの数目に照らして推し、万と千の数目もすべてこれによって卜できる。さらに六十四卦を参合し、頭から逐一に検核・約束すれば、法度は周備となる。聖人が言うには、この学問を会通し得る者は、神仙が人の骨肉を見るように一望で透かし見る。
午蛇 卯勾 子虎 蛇 陰 后 常 午 酉 申 亥 酉 子 亥 甲 寅卯辰巳 丑 午 子 未 亥戌酉申
これは前の課と重出の式で、四課・三伝は前とまったく同じであり、ただ末伝の子に乗る白虎をここでは「虎」と書き、天地盤の方框にも十二支の位次だけを排して、各支に乗る天将をもはや標注しない。三伝は依然として午は螣蛇、卯は勾陳、子は白虎を乗せる。四課は依然として甲の上に亥を得て太常、亥の上に申を得て天后、日支の子の上に酉を得て太陰、酉の上に午を得て螣蛇を乗せる。方框は上から下へ、左から右へ、寅卯辰巳、丑と午、子と未、亥戌酉申を列し、まさに天盤十二支の排列である。読者は前の式に標した天将と対照して見ることができる。
《観月経》終始卦
諸卦推始終,此卦最為良。初傳為始位,末傳是終鄉。始吉兼終吉,萬事太無妨。初凶末有吉,從空喜並強。初傳囚死刑害,天空朱雀,是初傳凶。末傳見吉將三合、六合、青龍,主喜事從空而來也。
《観月経》はまた「終始卦」という一門を立てる。あらゆる課式の中で事の開端と結局を推すには、この一門が最も精当である。初伝は事の起点を代表し、末伝は事の帰宿を代表する。開端が吉で結局も吉なら、万事が平安で障りない。開端が凶で末伝が吉に転ずれば、喜事は思いがけない空のところから力を併せて来る。注解にいう。初伝が囚気・死気に落ち、また三刑六害に逢うか、「天空」「朱雀」の二虚詐好訟の天将を乗せれば、初伝は凶とする。末伝に三合・六合・青龍といった吉将吉神を見れば、喜事が忽然として虚空のところから到来することを主とする。
始吉終不善,先喜後乖張。初傳見吉將良神,末傳見三刑六害凶神者,主先吉後凶也。始吉終見破,遇克卻馨香。消息皆如此,論情道理長。克末破也。
開端が吉で結局が善くないのは、先に歓喜し後に乖違するということである。注解にいう。初伝に吉将良神を見、末伝に三刑六害の類の凶神を見れば、先吉後凶を主とする。もし開端が吉で末伝が「破」神に逢い、この破神がまた別の神に克制されるなら、かえって馨香の好結果に転じ出る。盈虚消長の理はすべてこの路数に照らして見、人情事理を推論し広めれば、その中の意味は悠長である。末句の「克末破也」は、まさに末伝の破神を克するという一層を言うのである。
《心鏡》
始終之卦再臨時,神將相傳為正義。始吉終凶終不善,先凶後吉慶相隨。善惡等分無咎舉,首末俱吉福大奇。中末克初無不利,始往克末憂害身。三傳相生萬事成,若或相剋為鬼賊。用神生旺,吉凶為方來,囚死為已往。
《六壬心鏡》にいう。終始の卦は月将を改めて占時に加えて排定し、天盤の神と乗る天将とが逐伝に相承してこそ正解である。開端が吉で結局が凶なら、ついに良しと算えない。開端が凶で結局が吉なら、喜慶は直ちに随って来る。善と悪の分量が等しい課は、わざわざ吉凶を挙断しなくても、災禍を招かない。首尾の両伝がともに吉なら、福気は大きくて出類する。中伝・末伝が回頭して初伝を克するのは、不利なことはない。初伝がかえって末伝を克すれば、自身を傷つけることを憂慮しなければならない。三伝が彼此相生すれば、万事が成りうる。彼此相克すれば、暗に祟をなす鬼賊となる。注解にいう。用神が生旺に逢えば、吉凶はいずれも将に到来せんとする事に属し、囚死に逢えば、吉凶はいずれもすでに過ぎ去った事となる。
《袖中金》
論三傳初中末,即事有創始,在成終,方為始終有全。凡初傳凶,終末吉,能解之。三傳凶,行年吉,能解之。三傳行年盡凶,則凶不可解也。
《袖中金》にいう。三伝の初・中・末を論ずるとは、一つの事に開創の起頭があり、また成し遂げる收尾があるかを見ることで、こうして首尾が完備したと言える。およそ初伝が凶で末伝が吉ならば、末伝が初伝の凶を解くことができる。三伝がともに凶で占人の行年が吉ならば、行年が三伝の凶を解くことができる。もし三伝に行年までも加えてことごとく凶ならば、その凶はもはや解く余地がない。
《曽門》
始之與終,傳自相窮。進退輕重,何喜何怒。始吉終吉,自窮於吉。始凶終凶,自窮於凶。始吉終凶,先吉後凶。始凶終吉,先凶後吉。神將俱和,是為大吉。相剋不和,名曰大凶。《定章》曰:終始即初終二傳,以見吉凶。神將俱和,如子歸母為吉。神將不和,即仇怨為凶也。
《曽門》にいう。一つの事の起頭と收梢は、ただ三伝の内で互いに推究し尽くす。進むべきか退くべきか、軽いか重いか、どこに喜ぶべきか、どこに怒るべきか、すべてこれによって分かれる。開端が吉で收梢も吉ならば、一路すべて吉に窮まる。開端が凶で收梢も凶ならば、一路すべて凶に窮まる。開端が吉で收梢が凶ならば、先吉後凶である。開端が凶で收梢が吉ならば、先凶後吉である。天盤の神と乗る天将とが彼此調和するのは、すなわち大吉である。両者が相克して和しないのは、大凶と呼ぶ。《定章》が解説していう。いわゆる終始とは、初伝と末伝の二伝を指し、それらの身の上に吉凶を見る。神と将が相和するのは、たとえば子が母の身もとに帰るようなもので吉である。神と将が和しないのは、仇家怨偶となるので凶である。
六壬大全巻十終
六壬大全巻十一 《畢法賦》上
《六壬畢法》正文
第一法:前後引從升遷吉,第二法:首尾相見始終宜。第三法:簾幕貴人高甲第,第四法:催官使者赴官期。第五法:六陽數足須公用,第六法:六陰相繼盡昏迷。第七法:旺祿臨身徒妄作,第八法:權攝不正祿臨支。第九法:避難逃生須棄舊,第十法:朽木難雕別作為。
《畢法賦》は六壬断課の百の鍵となる格局を対句に編んで記誦に便ならしめ、下文で逐条に詳しく解説する。第一法は、初伝が日干の前に居るのを「引」といい、末伝が日干の後ろに居るのを「従」といい、前に引き後に従うのは、官に昇るか居所を遷修する吉を主とする。第二法は、干の上に旬の中の末位を得、支の上に旬の中の首位を得て、首尾が相接して周而复始すれば、凡事に始めあれば終わりあり、謀ること皆成る。第三法は、「簾幕貴人」(昼の占に夜貴を用い、夜の占に昼貴を用いる)が占人の年命または日干の上に臨むのは、科挙に高中するを主とする。第四法は、日鬼が白虎に乗って日干または年命に加臨するのを「催官使者」と名づけ、赴任の日が極めて急がされるを主とする。第五法は、四課三伝がみな六つの陽位に落ちて陽数が充足するのは、公家の事を執るに宜しい。第六法は、課伝がみな六つの陰位に落ちて陰気が一路相継ぐのは、事が昏昧で明らかでない。第七法は、日禄が兼ねて日旺を作して干の上に臨み、もともと足用なのに、さらにこれを捨てて別に謀るのは妄動である。第八法は、日禄が日干に臨まず日支に臨むのは、権柄が正しくなく、ただ人の下に屈居するのみである。第九法は、三伝が我に益なく、旧を捨て生に就くべきで、難を避け生に逃れる象である。第十法は、斫輪課の中で卯木が空亡に落ち、朽木は雕琢に堪えず、行を改めて別に営生を作るべきことを講ずる。
第十一法:眾鬼雖彰全不畏,第十二法:雖憂狐假虎威儀。第十三法:鬼賊當時無畏忌,第十四法:傳財太旺反財虧。第十五法:脫上逢脫防虛詐,第十六法:空上乘空事莫追。第十七法:進茹空亡宜退步,第十八法:踏腳空亡進用宜。第十九法:胎財生氣妻懷孕,第二十法:胎財死氣損胎推。
第十一法は、三伝が日鬼に満ちていても、別に救神があって制すれば、まったく畏るるに足りない。第十二法は、自分は弱くとも、傍人の力に倚仗して我を克する神を圧すれば、狐が虎の威を借るようなもので、憂いはあれど害はない。第十三法は、鬼賊がちょうど旺季にあって、自身の栄盛に貪って我を克する心がなく、しばらく忌憚するに足りない。第十四法は、三伝に伝わる財が旺の極に達し、財は自ら旺に貪って我に帰ろうとせず、財を求めればかえって亏折する。第十五法は、日干が上神を生じ、上神がまた天将を生じて、一層一層脱泄し下がるのは、虚言詐騙を防ぐべきである。第十六法は、上神が旬空に落ちかつ「天空」に乗るのは、空を指して空を言うのであって、まったく実のあるところがなく、事はもはや追うに足りない。第十七法は、三伝が逐位に進行して尽く空亡に落ちるのは、身を抽いて退歩するに宜しい。第十八法は、三伝が逐位に退行して退く所が尽く空亡なのは、退くに退けず、かえって前進して用いるに宜しい。第十九法は、日干の胎神がまた妻財を作して、しかも当月の生気に乗るのは、妻室を占えば必ずすでに懐孕している。第二十法は、胎神が財を作して死気に乗れば、損胎・小産のほうへ推し断ずるべきことを講ずる。
第二十一法:交車相合交關利,第二十二法:上下皆合兩心齊。第二十三法:彼求我事支傳干,第二十四法:我求彼事干傳支。第二十五法:金日逢丁凶禍動,第二十六法:水日逢丁財動之。第二十七法:傳財化鬼財休覓,第二十八法:傳鬼化財錢險危。第二十九法:眷屬豐盈居狹宅,第三十法:屋宅寬廣致人衰。
第二十一法は、干上神と支上神が交錯して相合し、二つの車が交わり会うがごときで、交易を為し手を転ずるに最も利あり。第二十二法は、上下の各神が一々相合して、彼此の両心が斉同である。第二十三法は、課伝が日支から日干へ伝わるのは、相手が我に求むる有り。第二十四法は、課伝が日干から日支へ伝わるのは、我が相手に求むる有り。第二十五法は、庚辛の金日に「丁神」(旬内の丁奇で動揺を主とする)に逢うと、凶禍が動に随う。第二十六法は、壬癸の水日に丁神に逢うと、動くのはかえって財で、財物に変あるを主とする。第二十七法は、三伝の中の財が鬼に転化するのは、この財はもはや尋ね覓るに足りない。第二十八法は、三伝の中の鬼が財に転化するのは、銭は手に入れども危険を帯びる。第二十九法は、家眷人口が興旺して居る宅が逼仄なのは、人多く屋小さし。第三十法は、屋宅が過度に寛広して人丁が稀少なのは、かえって人の衰を致す。
第三十一法:三傳遞生人舉薦,第三十二法:三傳互克眾人欺。第三十三法:有始無終難變易,第三十四法:苦去甘來樂里悲。第三十五法:人宅受脫俱招盜,第三十六法:干支皆敗事傾頹。第三十七法:末助初兮三等訟,第三十八法:閉口卦體兩般推。第三十九法:太陽照武宜擒賊,第四十法:后合占婚豈用媒。
第三十一法は、三伝が一路に遞々相生し助けるのは、人の挙薦・提携を得るを主とする。第三十二法は、三伝が彼此交々相克するのは、衆人の欺凌を受けるを主とする。第三十三法は、課体に起頭あって收尾なきは、事が変通・改易しがたい。第三十四法は、先に苦く後に甘く、しかも楽しみ極まってまた悲しみを生ず。第三十五法は、人を代表する日干と宅を代表する日支とが双々脱泄されるのは、人も宅も賊を招く。第三十六法は、干支ともに敗気の上に落ちるのは、事が終に傾覆・頽敗する。第三十七法は、末伝が初伝を助け起すのは、詞訟を占えば原告・被告・干証の三等の人が牵涉する。第三十八法は、「閉口卦」の課体に吉有り凶有りで、二つの路に分けて推し断ずべきである。第三十九法は、太陽が「元武」(盗賊を主とする)を照臨すれば、賊の形が毕露し、擒捕に宜しい。第四十法は、「天后」と「六合」の両将が同じく現れるのは、婚姻を占えば自然に成就し、どうして媒人を用いるに及ばん。
第四十一法:富貴干支逢祿馬,第四十二法:尊崇傳內遇三奇。第四十三法:害貴訟直作曲斷,第四十四法:課傳俱貴轉無依。第四十五法:晝夜貴加求兩貴,第四十六法:貴人差迭事參差。第四十七法:貴雖在獄宜臨干,第四十八法:鬼乘天乙乃神祗。第四十九法:兩貴受克難干貴,第五十法:二貴皆空虛喜期。
第四十一法は、干支の上に禄神と駅馬に遇うのは、富貴亨通を主とする。第四十二法は、三伝の内に三奇に遇うのは、地位の尊崇を主とする。第四十三法は、神有りて貴人を害するのは、官司を占えば自分に理有るも、没理に断ぜられる。第四十四法は、課と伝に処処皆貴人なるは、かえって多く得て依託する所なし。第四十五法は、昼貴・夜貴が一斉に加臨するのは、同時に二位の貴人に求託しうる。第四十六法は、貴人の次序が錯雑・顛倒するのは、事もまた参差不斉となる。第四十七法は、貴人は「獄」位に落ちるも、日干に臨んでさえすれば依然として用いうる。第四十八法は、日鬼が「天乙貴人」に乗るは、それは常の鬼にあらず、神祇の作祟である。第四十九法は、二位の貴人がともに克制を受けるのは、貴人の力に攀求しがたい。第五十法は、二位の貴人がともに空亡に落ちるのは、喜ぶべき期が終に空しく落つ。
第五十一法:魁度天門關隔定,第五十三法:罡塞鬼戶任謀為。第五十三法:兩蛇夾墓凶難免,第五十四法:虎視逢虎力難施。第五十五法:所謀多拙逢網羅,第五十六法:天網自裹己招非。第五十七法:費有餘而得不足,第五十八法:用破身心無所歸。第五十九法:華蓋覆日人昏晦,第六十法:太陽射宅屋光輝。
この一段はもともと第五十二法を誤って「第五十三法」と刻し、下の句と番号が重なっているが、今は旧本のままに録出する。第五十一法は、「河魁」(戌)が天門の亥位を渡るのは、関隘の阻隔がすでに定局となる。第五十二法は、「天罡」(辰)が鬼戸を塞ぐのは、凶気が堵せられ、謀為に任す。第五十三法は、二条の螣蛇が墓神を挟むのは、凶事が免れがたい。第五十四法は、白虎の対面にまた白虎に逢うのは、二虎が相持して各自に力を使出せない。第五十五法は、課体が「天網」の象を成すのは、謀ること多く笨拙にして成らず。第五十六法は、天網がかえって自らを裹むのは、自ら是非を招く。第五十七法は、費うところ余りあって得るところ足らざるは、得るもの失うものに償わず。第五十八法は、用神が冲破されるのは、身心に帰着する所なし。第五十九法は、「華蓋」という星煞が日干を覆圧すれば、人は昏昧・晦滞となる。第六十法は、太陽が宅第を照射すれば、房屋に輝きを生じ、家門の光顕を主とする。
第六十一法:干乘墓虎無占病,第六十二法:支乘墓虎有伏尸。第六十三法:彼此全傷防兩損,第六十四法:夫婦蕪淫各有私。第六十五法:干墓並關人宅廢,第六十六法:支墳財並旅程稽。第六十七法:受虎克神為病症,第六十八法:制鬼之位乃良醫。第六十九法:虎乘遁鬼殃非淺,第七十法:鬼臨三四訟災隨。
第六十一法は、日干が墓神に乗りまた白虎を帯びるのは、疾病を占うに最も忌む。第六十二法は、日支が墓に乗り虎を帯びるのは、宅中に旧屍未だ葬らざるあらんか。第六十三法は、双方が彼此ともに損傷を受くるは、両敗倶傷を防ぐべし。第六十四法は、夫妻が荒淫にして檢を失うは、各自に暗に私情有り。第六十五法は、日干の墓と関神とが同じく現るるは、人も宅も敗廃せんとす。第六十六法は、日支の墳墓と財神とが併臨するは、出門して外にある行程が耽擱せんとす。第六十七法は、白虎に克せられるあの一神は、まさに病症の所在なり。第六十八法は、日鬼を制し得るあの一位は、まさに病を治する良医なり。第六十九法は、白虎が遁干の化ずる鬼に乗れば、禍殃は軽からず。第七十法は、日鬼が第三課・第四課の上に臨むは、官司と災禍とが踵を接して来たる。
第七十一法:病符克宅全家患,第七十二法:喪吊全逢掛縞衣。第七十三法:前後逼迫難進退,第七十四法:空空如也事休追。第七十五法:賓主不投刑在上,第七十六法:彼此猜忌害相隨。第七十七法:互生俱生凡事益,第七十八法:互旺皆旺坐謀宜。第七十九法:干支值絕凡謀決,第八十法:人宅皆死各衰羸。
第七十一法は、「病符」という神煞が日支の宅を克傷すれば、全家みな病に染む。第七十二法は、「喪門」「弔客」の二煞が斉しく現れれば、家裏に麻を披き孝を掛くべし。第七十三法は、前後ともに逼せられて、進むも能わず退くも得ず。第七十四法は、課体が空空蕩蕩として一も実の所なく、事はもはや追うべからず。第七十五法は、賓主の両下が投契せず、また刑神が上に壓す。第七十六法は、彼此心に猜忌を存すれば、害神これに随いて来る。第七十七法は、干支が交々相生して上下ともに生気を得れば、凡事に益有り。第七十八法は、干支が交々に旺を得て処処旺相ならば、安坐して図謀すれば即ち事を成すべし。第七十九法は、干支ともに絶地に落ちれば、凡そ謀劃有れば皆断じて了結すべし。第八十法は、人も宅もともに死気の上に在れば、双方各々に衰弱・羸瘦せんとす。
第八十一法:傳墓入墓分憎愛,第八十二法:不行傳者考初時。第八十三法:萬事喜忻三六合,第八十四法:合中犯殺蜜中砒。第八十五法:初遭夾克不由己,第八十六法:將逢內戰所謀危。第八十七法:人宅坐墓甘招晦,第八十八法:干支乘墓各昏迷。第八十九法:任信丁馬須言動,第九十法:來去俱空豈動宜。
第八十一法は、三伝が墓の中に伝入するは、墓する所が可憎の物か可愛の物かを分かつべし。第八十二法は、課が伝を発せざる(伏吟して動かざる)ものは、回頭して初伝と占時とを考究すべし。第八十三法は、課伝が三合・六合を結ぶは、万事歓欣せんとす。第八十四法は、合の中にかえって凶殺を夾帯するは、蜜の中に砒霜を摻るがごとし。第八十五法は、初伝が上下に夾克を受くるは、事は自ら作主するに由らず。第八十六法は、天将と乗る所の神とが自相攻戦するは、謀る所危殆なり。第八十七法は、人も宅も墓の上に坐するは、ただ甘心して晦気を招くのみ。第八十八法は、干上・支上に各々墓神に乗るは、両辺ともに昏昧にして清からず。第八十九法は、凡そ「丁神」と「駅馬」に遇えば、皆身を動かし走り歩くの上に説くべし。第九十法は、来路・去路ともに空亡に落つるは、何ぞ動作に宜しからんや。
第九十一法:虎臨干鬼凶速速,第九十二法:龍加生氣吉遲遲。第九十三法:妄用三傳災福異,第九十四法:喜懼空亡乃妙機。第九十五法:六爻現卦防其克,第九十六法:旬內空亡逐類推。第九十七法:所筮不入仍憑類,第九十八法:非占現類勿言之。第九十九法:常問不應逢吉象,第一百法:已災凶逃返無疑。
第九十一法は、白虎が日干の鬼の上に臨むは、凶事の来たる極めて速し。第九十二法は、青龍が生気の上に加わるは、吉事はかえって来たること遅緩なり。第九十三法は、法度に按じず乱に三伝を取れば、断出する災と福とが全然走様せん。第九十四法は、喜ぶべきの落空すれば惜しく、懼るべきの落空すれば幸あるべし——空亡の一項はまさに断課の妙機なり。第九十五法は、課中に六爻顕現するは、それが反って我を克することを防ぐべし。第九十六法は、一旬の内の空亡は、各々事類に按じて逐一に推し去るべし。第九十七法は、占する事が課伝に入らざるものは、依然としてその類神に憑って断ずべし。第九十八法は、課上に現出する類神が占する事と関わらざるものは、牽強して説くことなかれ。第九十九法は、平常に事を問い久しく応験せざるが、忽然として吉象に遇う。第百法は、災禍すでに発生して凶神また出逃し反り去るは、必ず疑慮なし。
《畢法》正文終
前後引従升遷吉第一
引干宜進職,引支宜遷宅。夫前引後從格者有二等,如遇初傳居干前為引,末傳居干後為從,值此格者,必升擢官職;又如遇初傳居支前引,末傳居支後為從,值此格者,必遷修家宅,二事皆吉。
この一法の断語は、日干の上に引き在れば昇職に宜しく、日支の上に引き在れば宅を遷すに宜しいという。いわゆる「前引後従」の格局は二つの等に分かれる。一等は、初伝が日干の前の一位に落ちて「引」を作し、末伝が日干の後の一位に落ちて「従」を作すもので、この格局に遇えば必ず官に昇遷・擢用される。もう一等は、初伝が日支の前の一位に落ちて引を作し、末伝が日支の後の一位に落ちて従を作すもので、この格局に遇えば必ず居を遷すか房屋を修造する。二つの事とも吉兆に属する。
拱貴格
引從天干格內,如庚辰日寅加酉為初傳,子加未為末傳,此乃初末引從庚干在內,干上丑為晝貴人,兼三傳下賊上,豈不應升擢官職也?夜占乃墓神覆日亦無畏,緣中傳未作天乙沖破丑墓,乃為吉課也。
これは引従天干格の中の一種である。たとえば庚辰日に、寅が酉の上に加わって初伝を作し、子が未の上に加わって末伝を作す。庚の寄宮は申にあり、初伝の寅と末伝の子とが一前一後に庚干を中に挟むので、まさに初末引従の象である。干上に丑を得て、丑はまさに庚日の昼貴人であり、さらに三伝がみな下神が上神を賊克するので、かかる格局がどうして官に昇り擢用されるに応じないことがあろうか。もし夜に占うなら、丑は庚の墓神となって日干を覆圧する。見ると畏るべきようだが、実は必ずしも怕れるに足りない。中伝の未はまさに夜貴天乙の在所で、未は丑墓を冲し破りうるので、依然として一課の吉課と算えるのである。
両貴引従天干格
如壬子日初傳巳加子為晝貴,末傳卯加戌為夜貴,亦是墓神覆日,賴中傳之戌沖辰,不畏墓也。凡值此例,必得上人提攜,或兩處貴人引薦成事,如辰為月將尤妙也。
たとえば壬子日に、初伝の巳が子の上に加わり、巳は壬日の昼貴人である。末伝の卯が戌の上に加わり、卯は壬日の夜貴人である。二位の貴人が一前一後に日干を引従する。この一課も同じく墓神が日干を覆圧するが、全く中伝の戌に頼って辰墓を冲き開くので、入墓を怕れるに足りない。およそこの例に遇えば、必ず上級の提拔を得るか、あるいは二ヶ所の貴人が分頭に引薦して事を成す。もしこの日にちょうど辰を月将とすれば、さらに美妙である。
初末引従地支格
如己亥日初傳巳加子,末傳卯加戌,亦係引從地支格,雖初末加其干墓覆支,賴中傳之戌沖辰亦無畏,宜遷修家宅則吉。又如丁亥日初傳巳加子,末傳卯加戌,亦初末引從地支格,奈晝夜天將皆是白虎居於支上,豈宜遷修宅舍乎?殊不知亦賴中傳戌蛇沖辰虎,不為害也。如用辰為月將尤為妙也,或占人行年本命又居巳位,以巳上二戌沖辰,眾凶皆散矣。
たとえば己亥日に、初伝の巳が子の上に加わり、末伝の卯が戌の上に加わる。これも引従地支の格局に属する。初末の両伝が日干の墓神を日支の上に覆圧するが、中伝の戌に頼って辰墓を冲き開くので、同じく懼るに足らず、遷居・修宅を占うに用いれば即ち吉である。またたとえば丁亥日に、初伝の巳が子に加わり、末伝の卯が戌に加わる。これも初末引従地支格である。无奈、昼・夜両路の天将がともに白虎で日支の上に盤踞している。これでなお遷居・修屋に宜しいだろうか。実は依然として妨げない。中伝の戌の上に螣蛇が乗っており、辰位の白虎を冲き開きうるので、凶は害を成さない。もしこの日に正しく辰を月将に用いれば、さらに美妙である。あるいは占人の行年・本命がまた巳位に落ちるならば、巳の上の二重の戌を用いて辰を冲せば、衆凶は自ら涣散する。
昼夜貴人干支上に臨み其の年命を内に拱する者
宜告貴用事,必得兩貴人成就。如丁酉日酉加丁,亥加酉,占人年命在申;丁巳日亥加丁,酉加巳,占人年命在午;癸亥日巳加癸,卯加亥,占人年命在子。
この種の格局に遇えば、貴人に稟告し貴人の力を借りて事を弁ずるに宜しく、必ず二位の貴人が力を合わせて促成する。たとえば丁酉日に、酉が丁の上に加わり、亥が酉の上に加わる。占人の行年・本命がちょうど申にあって、まさに酉と亥とに中に挟まれる。丁巳日に、亥が丁の上に加わり、酉が巳の上に加わる。占人の年命がちょうど午にある。癸亥日に、巳が癸の上に加わり、卯が亥の上に加わる。占人の年命がちょうど子にある。この数例はいずれも二位の貴人が年命を挟んで拱する様子である。
凡干支夾拱在下層,惟甲子、甲辰、癸亥、癸卯。在上層惟庚午、庚戌、丁巳、丁酉。易無思注:此處可不必分上下層。甲寄寅宮,與子或辰;癸寄丑宮,與亥或卯;庚寄申宮,與午或戌;丁寄未宮,與巳或酉。以上皆形成夾拱。甲子日及庚午日伏吟課,天盤上可見干支拱貴;丁巳日及癸亥日伏吟課,天盤上可見干支拱日祿;丁巳日、癸亥日亥加未,丁酉、癸卯日酉加未,在天盤上可見兩貴臨干支拱年命。
およそ干支が彼此に挟拱するのは、下層の地盤に落ちるものは甲子・甲辰・癸亥・癸卯の四日だけあり、上層の天盤に落ちるものは庚午・庚戌・丁巳・丁酉の四日だけある。後人の易無思はここに注を加えていう。実は上下二層を分かつ必要はない。甲の寄宮は寅にあり、寅は子と或いは辰と相配する。癸の寄宮は丑にあり、丑は亥と或いは卯と相配する。庚の寄宮は申にあり、申は午と或いは戌と相配する。丁の寄宮は未にあり、未は巳と或いは酉と相配する。以上はみな挟拱を構成しうる。甲子日と庚午日は伏吟課を起し、天盤上に干支が貴人を挟拱するのを見ることができる。丁巳日と癸亥日は伏吟課を起し、天盤上に干支が日禄を挟拱するのを見ることができる。丁巳日・癸亥日に亥が未の上に加わり、丁酉日・癸卯日に酉が未の上に加われば、天盤上に二位の貴人が干支に臨んで年命を挟拱するのを見ることができる。
二貴拱年命格
如癸未日初傳巳加子,未傳卯加戌,占人行年本命在亥,宜告貴成事,名末助初財初德,亦貴人助貴人也。
たとえば癸未日に、初伝の巳が子の上に加わり、末伝の卯が戌の上に加わる。占人の行年・本命が亥に落ち、ちょうど両伝に挟まれる。こうして貴人に稟告して事を成すに宜しく、「末助初」と名づく——末伝は初伝に対して財でありかつ徳であり、一位の貴人がさらにもう一位の貴人を幇襯するに等しい。原文の「未伝」の二字は、文義に依って「末伝」と作すべきである。
干支拱定日禄格
惟伏吟卦為的,如丁巳、己巳、癸亥皆伏吟,宜占食祿事。癸亥為嫌祿空。
この格局は伏吟課のみ准ずることができる。たとえば丁巳日・己巳日・癸亥日に伏吟課を起出すれば、日干と日支がちょうど本日の禄神を中に挟むので、俸禄・食用の類の事を占うに宜しい。その中で癸亥日は一層の嫌いがある——その禄神がちょうど空亡の上に落ちて、見れば有るようで実際は得られない。
干支拱夜貴昼貴格
惟伏吟為的,如庚午、己酉支干拱夜貴,甲子支干拱晝貴,皆伏吟卦,宜告貴人求事。
この格局も同じく伏吟課のみ准ずることができる。たとえば庚午日・己酉日は、干支がちょうど夜貴人を中に挟む。甲子日は、干支がちょうど昼貴人を中に挟む。みな伏吟の課に属する。かかる課に遇えば、貴人に稟告しに行き、貴人に事を托すに宜しい。
初中拱地盤貴人格
如庚午日干上戌,支上申,乃支干並初中拱夜貴也;又庚午日干上酉、支上未,又庚午日干上午、支上辰,乃支干初中皆拱地盤之夜貴,皆宜告貴而成合事。餘皆仿此。
たとえば庚午日に、干上に戌を得、支上に申を得て、干支が初伝・中伝とともに夜貴人を挟んで内に拱する。またたとえば庚午日に干上に酉を得て支上に未を得るか、あるいは干上に午を得て支上に辰を得るのも、いずれも干支と初中の両伝が共に地盤上の夜貴人を挟み拱するものである。およそこの種は、みな貴人に稟告して、撮合すべき事を促し成すに宜しい。残りの各日もこれに類推する。
首尾相見終始宜第二
攻必取,戰必勝。謂干上有旬尾,支上有旬首,名周而復始格,亦名一旬周遍格,凡值此者,占事不脫,所謀皆成。占赴試,宜代工;占訟宜換司易局;占交加用事,去而復來。惟不宜占釋散事,如有憂疑,其事盡在未能決斷。
この一法の断語は、攻めれば必ず勝ち、戦えば必ず全功を獲るという。いわゆる首尾相見とは、日干の上に本旬の末の一位を得て、日支の上に本旬の頭の一位を得ることで、名づけて「周而复始格」といい、「一旬周遍格」とも呼ぶ。およそこの課に遇えば、占う事は空しく落ちず、謀劃するものはみな成せる。赴考を占うには人に代作を請うに宜しく、官司を占うには承弁の衙門を換え局面を改易するに宜しく、交易往還を占うには去ってまた再来する。ただ消散・散伙の類の事を占うには宜しくない——もし心中にもとより憂疑あれば、この事はいつまでも懸って、決断し下せない。
干上有旬尾,支上有旬首,惟乙未卯加辰、辛丑卯加戌、丙申卯加巳、壬寅卯加亥、戊申丑加巳五日有之。干支隔四位方有。前四日俱甲午旬,惟戊申乃甲辰旬。干上有旬首,支上有旬尾,惟乙丑子加辰、辛未子加戌、丙寅丑加巳、戊寅戌加巳、壬申子加亥五日有之,諸占亦照前斷。惟戊寅乃甲戌旬,其餘四日俱甲子旬。
干上に旬尾を得、支上に旬首を得るのは、五つの日だけある。乙未日の卯が辰に加わる、辛丑日の卯が戌に加わる、丙申日の卯が巳に加わる、壬寅日の卯が亥に加わる、戊申日の丑が巳に加わる。必ず干と支とが四位相隔たってこそ、この格を奏す。前の四日はみな甲午旬に属し、ただ戊申日だけが甲辰旬に属する。反対に、干上に旬首を得、支上に旬尾を得るのも、やはり五つの日だけある。乙丑日の子が辰に加わる、辛未日の子が戌に加わる、丙寅日の丑が巳に加わる、戊寅日の戌が巳に加わる、壬申日の子が亥に加わる。種々の占問も前と同じように断ずる。その中でただ戊寅日だけが甲戌旬に属し、残りの四日はみな甲子旬に属する。
天心格
乃年月日時皆在四課之內,凡占乃非常之事,即日而成,或干天庭之事,定然成就。如占陰私、常用鄙俚之事,反成咎也。
いわゆる天心格とは、太歳・月建・日辰・占時の四者がみな四課の内に現れることである。およそこの課に遇えば、問う所は必ず並の大事ではなく、当日のうちに弁成できる。朝廷・官府に干求する事ならば、かならず成就する。反対に、もしこれを以て私下の暧昧・日常の瑣屑鄙俗な事を占えば、格局が重すぎて事が軽すぎ、かえって過咎を招くことになる。
回還格
乃三傳在四課之中。如辛亥日干上酉、亥上戌,三傳戌酉申是也,此以不備言之。至於干支自作三合者,內多回還格,乃干支相會,不可作不備言之。如丁卯、丁亥、己卯、己亥,皆干上卯或干上亥,諸如此類,占凶凶成,占吉吉就,凡事只宜守舊,不能動作。如占病,其病難退,訟不解。如女命占得干加支,男命占得支加干,來意占婚尤驗,宜詳其生、克、空、脫、刑、沖、破、害、墓言也。
いわゆる回還格とは、三伝がいずれも四課の範囲を出ないことである。たとえば辛亥日に、干上に酉を得、亥上に戌を得て、三伝は戌・酉・申となるが、これは課体が不完備であることについて言うのである。干支それ自体が三合を結ぶものについては、その中にも多く回還格を成すが、あれは干支が彼此相會するので、もはや不備として講じることはできない。丁卯・丁亥・己卯・己亥の数日のごときは、みな干上に卯を得るか干上に亥を得る。この類は、凶事を占えば凶事が成し做され、吉事を占えば吉事が成就し、凡事にはただ旧局を守るのみ宜しく、軽挙妄動すべからず。疾病を占えば、病は退きがたい。官司を占えば、訟は了結しがたい。女子の命が干加支を占い得、男子の命が支加干を占い得るならば、来人の意図を推测し或いは婚姻を占問するにことに霊験する。断ずるときは生・克・空亡・脱泄・刑・冲・破・害・入墓の関係を一々詳しく審らかにしなければならない。
簾幕貴人高甲第第三
班超封萬里之侯。簾幕官者,如晝占乃夜貴,夜占乃晝貴。如占科目,專視此神,臨於占人年命之上,或臨日干上,試必高中矣。凡庶人占得簾幕,得林下官扶持。如有官人占得之,為休官之象。
この一法の断語は、漢の班超が筆を投じて従戎し、ついに万里侯に封ぜられた典故を借りる。いわゆる「簾幕官」とは、昼に課を占えば夜貴人を取り、夜に課を占えば昼貴人を取る——あの簾幕の後ろに退いて当値しない貴人のことである。およそ科挙功名を占うには、専らこの一位の神を見る。それが占人の年命の上に臨むか、あるいは日干の上に臨めば、試に赴いて必ず高中する。平民百姓が簾幕貴人を占い得れば、すでに林下に退隠した旧官の扶持を得られる。在職の官員がそれを占い得れば、かえって官を休め職を解かれる兆となる。
旬首作簾幕官者臨年命、日干之上尤的,惟乙己辛日有之。又辰戌作旬首臨年命、日干者必中魁元,乃甲辰、甲戌兩旬二十日有之。
旬首の神を用いて簾幕官に充て、さらに年命または日干の上に臨ませれば、応験はことに準確である。ただこれは乙・己・辛の三種の日干のみが遇える。また、辰または戌が旬首を充てて年命・日干に臨むのは、必ず頭名を考取する。これは甲辰・甲戌の両旬あわせて二十日のうちにしか現れない。
斗鬼相加格
或丑加未,或未加丑作年命日干者,亦中魁元,緣丑有斗,未中有鬼,斗鬼二字合而為魁故也。亞魁星,天盤酉臨年命日干者,占試必高中,緣酉為從魁也。以上諸說忌空亡。
あるいは丑が未の上に加わり、あるいは未が丑の上に加わって、年命・日干の所に落ちれば、やはり頭名を考中しうる。これは丑の分野に南斗があり、未の分野に鬼宿があって、「斗」「鬼」の二字を合わせるとちょうど一つの「魁」字となるからである。別に「亜魁星」の一説がある。天盤の酉が年命または日干の上に臨めば、考試を占って必ず高中する。酉の六壬における別名がまさに「従魁」と呼ばれるからである。以上の諸説はみな空亡に落ちることを最も忌み、一たび落ちればすべて数にならない。
徳入天門格
乃日德加亥為用,士人占之必高中。亥為天門,德者得也。
この格局は、日干の徳神が亥位に加臨して発用するものである。読書人がこれを占い得れば、試に赴いて必ず高中する。亥は十二支の中で天門の在所であり、「徳」の字は「得」の意を取る。徳神が天門に登るは、まさに登第して意を得る象である。
真朱雀格
如六己日於四季年占,用夜貴逆布,乃朱雀乘午,占春闈,其文貼上意,必得高中,緣朱雀主文書,生太歲又生日干。如真朱雀克太歲,占訟必達朝廷,罪必致死,惟申酉歲的。朱雀乘神克簾幕官,占試其文不貼主文意。朱雀乘丁馬,榜將出,忌。
たとえば六つの己日に、辰・戌・丑・未の四季の年に起課し、夜貴を用いて逆行に布将すれば、朱雀はちょうど午の上に乗る。これを以て春の會試を占えば、作る文章がちょうど主考の心意に符合し、必ず高中する。朱雀はもともと文書を主とし、午火は太歳の土を生じ、また己日の干を生ずるからである。反対に、もしこの真朱雀が太歳を克すれば、官司を占って必ず朝廷まで鬧いで、罪は死に処するほど重くなる。ただし申年・酉年にのみ准ずる。もし朱雀の乗る神が簾幕官を克すれば、考試を占って文章は主考の意に合わない。もし朱雀が丁神と駅馬に乗れば、それは榜文がまもなく張り出される象で、かえって忌諱すべきである。
晝夜貴人拱年命者,赴試必中。如丁酉日干上酉、支上亥,占人年命在申,大宜占試,緣干支上神作晝夜貴人拱年命上河魁。
昼貴人と夜貴人とが一緒に年命を中に挟拱するのは、試に赴いて必ず中る。たとえば丁酉日に、干上に酉を得、支上に亥を得て、占人の年命が申に落ちる。これは考試を占うに最も宜しい。干支の上の両神はまさに昼夜の二位の貴人で、年命の上の「河魁」(戌)を挟んで内に拱するからである。
源消根断格
如癸卯日干上卯、支上巳,年命在寅,大宜占試,不在此論,緣只取二貴拱年命也,但高中矣,恐以不攝終成勞瘵。
たとえば癸卯日に、干上に卯を得、支上に巳を得て、占人の年命が寅にある。これも考試を占うに最も宜しいが、ただ源消根断の本義に按じて論じない。ここでは単に二位の貴人が年命を挟拱する一層を取るからである。高中しうるとはいえ、節制・保养を知らないために、日が久しくなって痨瘵の疾に熬り成されることを怕れる。
簾幕貴人尤分喜畏,細具於後。甲日不喜未墓為之,庚日不喜丑墓為之。又甲寅日不喜丑空為之,庚寅日不喜未空為之,丙寅、丁卯日不喜亥空為之,己卯、乙亥日不喜申空為之,壬子、癸丑日不喜卯空為之,壬寅、癸卯日不喜巳空為之,六辛日不喜午克為之,又辛亥日不喜寅空為之,空亡尤甚,使試官置卷不視,徒勞一次。
簾幕貴人にはまた、どの情形が喜ばしくどの情形が畏るべきかを分かたなければならない。下に細かく列す。甲日は未の墓神が簾幕貴人を充てるのを喜ばず、庚日は丑の墓神が充てるのを喜ばない。また甲寅日は落空した丑が充てるのを喜ばず、庚寅日は落空した未が充てるのを喜ばず、丙寅日・丁卯日は落空した亥が充てるのを喜ばず、己卯日・乙亥日は落空した申が充てるのを喜ばず、壬子日・癸丑日は落空した卯が充てるのを喜ばず、壬寅日・癸卯日は落空した巳が充てるのを喜ばない。六つの辛日は克を受けた午が充てるのを喜ばず、辛亥日はまた落空した寅が充てるのを喜ばない。その中では空亡に落ちるのが最も悪い——一たび落ちれば、主考官が巻子を傍らに擱いて見もしないようなもので、空しく辛苦を一場するだけである。
占武舉法,以巳為弓弩,申為矢箭,申加午必箭中紅心。如申加寅、申、巳、亥為四腳花,以第幾課發用言其箭中之數。四墓脫垛。
武科挙を占う法子は、巳を以て弓弩とし、申を以て箭矢とする。申が午の上に加われば、必ず一箭で紅心を射中る。もし申が寅・申・巳・亥の四孟の位に加われば、「四脚花」と呼ばれ、箭は散じて聚まらず、発用したのが第几課かによって射中る箭数を定める。もし申が辰・戌・丑・未の四墓の上に落ちれば、それは箭が靶を脱して垛の外に落ちたのである。
催官使者赴官期第四
惟將赴任宜見。凡占上官赴任,見日鬼乘白虎加臨日干或年命之上,乃名催官使者,縱是遠缺,必催速赴任也。如催官使者空亡,又是虛信,或被遣差。
この一法の断語は、まさに走馬して任に就こうとする人のみがそれを見るに宜しいという。およそ上任・赴職を占うに、日干の鬼が白虎に乗って日干または年命の上に加臨すれば、それを「催官使者」と呼ぶ。たとえ補する所が遠地の缺分であっても、必ず催されて火速に任に到る。もしこの催官使者が空亡に落ちれば、それはただ一場の虚信か、あるいは差遣されて出でて件の差事を弁ずるにすぎない。
催官符
如官星臨日干年命者,其三傳上神生其官星是也。
いわゆる催官符とは、官星が日干または年命の上に臨み、しかも三伝の上神がみな来たってこの官星を生助することである。官星はすでに生扶を得れば、上任を催促する文書は自ら踵を接して来る。
恩主擧薦例
傳、年、日辰有父母爻者是,亦為食祿之地,如值長生作貴人亦如之。如乙日見日貴為父母,己日見夜貴為長生。外乙卯日晝貴空,己卯日夜貴空不用。
三伝・行年・日辰の中に父母爻が現れれば、それがこの例であり、同時に俸禄の食べ得る所でもある。もし長生の神が兼ねて貴人を作すものに碰上れば、作用は同じである。たとえば乙日に昼貴人を見れば、それはまさに自分の父母爻である。己日に夜貴人を見れば、それはまさに自分の長生である。このほか二種の情形を除き開く。乙卯日の昼貴人が空に落ちる、己卯日の夜貴人が空に落ちるのは、いずれも取り用いることができない。
四時返本煞
占赴任極遲。夫返本煞者,春得金局,夏得水局,秋得火局,冬得土局是也。如赴任占得返吟,多不滿任。
それに碰上れば、赴任を占って遅いこと甚だしい。いわゆる返本煞とは、春に三合金局を占い得、夏に水局を占い得、秋に火局を占い得、冬に土局を占い得ること——得る所の局がちょうど当令の気を克制するその一行で、気機が倒転するので「返本」と呼ぶ。もし赴任を占って返吟課を得れば、多くは一任を滿たさずして職を去る。
六陽數足須公用第五
隨六三,係丈夫,失小子,隨有求得,利居貞,揚兵於九天之上。
この一法は《易経・随卦》六三の爻辞を引く。年長の丈夫に係り繋げば、年幼の小子を失す。追随する所有れば求め得る所有り、安居して正を守るに宜しい。断語はまた「九天の上に兵を揚ぐ」と言い、六陽の課の陽気充盈・声勢顕揚を形容して、旌旗を九天の上に展げるがごとく、すべてが明るみに擺らかる。
六陽格
謂支干四課三傳皆居六陽之位是也,凡占皆利公干而不利私謀。假令庚子日第一課戌加庚,第二課子加戌,第三課寅加子,第四課辰加寅作初傳,其中傳午加辰,末傳申加午,卦名登三天,宜占天庭事,有動達高尊之象,如君子占之稍畏初中空亡而減力。如常人占之,賴初中空卻省力也,尤未免公干,明白事理。
いわゆる六陽格とは、日干・日支・四課・三伝がみな子・寅・辰・午・申・戌の六つの陽位に落ちることである。およそこの課を占うには、一概に公家の差事に利あって私下の図謀に利なし。たとえば庚子日、第一課は戌が庚の上に加わり、第二課は子が戌の上に加わり、第三課は寅が子の上に加わり、第四課は辰が寅の上に加わって併せて初伝を作し、中伝は午が辰の上に加わり、末伝は申が午の上に加わる。課の名は「登三天」という。このような課は朝廷官府の事を占うに宜しく、一たび動けば即ち尊貴の人に上達する気象がある。もし身分のある君子がそれを占い得れば、初伝・中伝が空に落ちて力量を減ぜられたのをやや嫌う。もし尋常の百姓がそれを占い得れば、かえって初中両伝が落空するに頼って気力を省くが、終に公家の事を弁ずるを免れず、事理は明明白白である。
悖戾格亦名倒拔蛇
如甲午日干上子,雖四課三傳皆處六陽之地,緣三傳退間,主事間阻艱難,兼被初傳戌財引入中末鬼鄉,凡占事皆艱辛,尤不免公用也。如甲戌日干上子,四課三傳亦皆處六陽位,以上是自夜傳出晝,尤明白。
たとえば甲午日に干上に子を得れば、四課三伝はみな六陽の位に落ちるが、三伝は位を隔てて倒退して行くので、事が中途に阻まれて弁じがたいを主とする。しかも初伝の戌財に一路引き入れられて中伝・末伝の鬼郷に至るので、およそ占えば皆費力・辛苦し、しかも照樣に公家の差使を脱け出せない。またたとえば甲戌日に干上に子を得れば、四課三伝もみな六陽位に在る。以上の諸課はいずれも夜の一辺から昼の一辺へ伝わるので、事は格外に顕豁で分明である。
五陽格
課傳居五陽之上者,或占人年命填之,亦名六陽,事主公用明白,利公不利私也。此例極多,不暇細具。
四課三伝が五つの陽位しか占めないのは、もし再び占人の年命によって空缺のその一位を補えば、同じく六陽と呼ぶ。この種の課が主とするのもやはり公家の事務で、情形は明白で、公に利あって私に利なし。この類の例は極めて多く、一々列挙するに及ばない。
六陰相繼盡昏迷第六
隨六二,係小子,失丈夫。伏兵於九地之下。
この一法は《易経・随卦》六二の爻辞を引く。年幼の小子に係り繋げば、年長の丈夫を失す。断語はまた「九地の下に兵を伏す」と言い、六陰の課の陰気重畳・一味隠伏を形容して、兵馬を九地の下に蔵するがごとく、事はすべて暗処で進行する。
六陰格
謂課傳皆居六陰之位是也,凡占利陰謀私干,不利公聞,尤盡昏迷也,或自晝傳夜昏迷愈甚。如己卯日第一課酉加巳,第二課亥加酉作初傳,第三課巳加卯,第四課未加巳,中傳丑加亥,末傳卯加丑,課名溟濛,凡占事必是陰謀奸私之象,兼天將天后、螣蛇、六合、元武,支干上皆乘盜氣,又是彈射發用坐於空鄉,至費力而不可言也,占病必死,求望皆為脫耗。又己亥日干上巳同。
いわゆる六陰格とは、四課三伝がみな丑・卯・巳・未・酉・亥の六つの陰位に落ちることである。およそこの課を占うには、暗中の図謀・私下の干求に利あって、公開・張揚に利なし。事は一味に昏昧不明で、課がまた昼の一辺から夜の一辺へ伝わるならば、昏迷の象はいっそう重い。たとえば己卯日、第一課は酉が巳の上に加わり、第二課は亥が酉の上に加わって併せて初伝を作し、第三課は巳が卯の上に加わり、第四課は未が巳の上に加わり、中伝は丑が亥の上に加わり、末伝は卯が丑の上に加わる。課の名は「溟蒙」という。およそこの課を占えば、問う所は必ず陰謀・奸私の事である。加えて乗る天将が天后・螣蛇・六合・元武で、干支の上にみな盗泄の気を帯び、また彈射の課に属して発用して空亡の郷に坐するので、費力のところは形容しようもない。疾病を占えば必ず死し、求望の事は一概に脱空・耗損する。また己亥日に干上に巳を得れば、情形はこれと同じである。
五陰格
課傳止五陰者,占人年命填之,凡占利私不利公,利小人不利君子。
四課三伝が五つの陰位しか占めないのは、占人の年命によって空缺のその一位を補足すれば、また六陰として見る。およそこの課を占うには、私下行事に利あって公開の弁事に利なし。小人に利あって君子に利なし。
源消根断格
如癸卯、癸未、癸巳,干上卯,課傳俱在五陰之位,又是下生上神,迤邐而脫去,占病緣不攝而致病,豈不危絕乎?凡占皆脫耗,其法如神,切宜秘之。又如辛卯日干上子,自干至支及初中末,迤邐下生上神,盡被脫盜,雖不繫五陰位全,其理其理一同。以上例除占病外,諸占未免脫耗,日漸消鑠也。
たとえば癸卯・癸未・癸巳の三日は、干上にみな卯を得て、四課三伝が全て五つの陰位に落ち、しかもみな下神が上神を生じて、一層一層に本身の気を泄し出す。疾病を占えば、まさに節制・保养を知らずして病を致すに応じ、豈危殆の極でなからんか。およそこの課を占えば一概に脱耗の象で、この断法は神のごとく霊験し、最も秘して宣せざるべきである。またたとえば辛卯日に干上に子を得れば、日干から日支へ、さらに初・中・末の三伝へと、一路すべて下神が上神を生じて、気は尽く脱盗される。五陰位を占め尽くしたわけではないが、道理はまったく同じである。原文のここで「其理」の二字は重出するが、旧本に照らして録存する。以上の諸例は、病を占うを除き、残りの各占も脱耗を免れず、日が久しくなれば漸々に消磨して尽きる。
旺禄臨身徒妄作第七
不戰而屈人之兵。謂日之祿神,又作日之旺神,臨於干上者,切不可舍此而別謀動作。如乙卯日干上卯,幸得乘日之旺祿,何不守此,乃舍而就初傳之財、中末之生,殊不知皆是旬內空亡,既逢干空,不免囉嚦,再歸干上就祿就旺,誠所謂“到處去來,不如在此。”之語也。
この一法の断語は《孫子》の「戦わずして人の兵を屈する」に意を立てる。いわゆる旺禄臨身とは、日干の禄神が同時にまた日干の旺神であって、ちょうど干の上に臨むことである。この格局に遇えば、決してそれを丟開して別に図謀を作してはならない。たとえば乙卯日に干上に卯を得れば、ちょうど本日の旺禄に乗っているのだから、何で守らないことがあろうか。あえてそれを捨てて初伝の財・中末両伝の生に就くが、知らないのだ、あの数ヶ所はみな本旬の空亡の中に落ちていることを。すでに干上の落空に逢えば、嘮叨・糾纏の一場を免れず、末にはやはり干上に帰ってこの禄・この旺に就かなければならない。これはまさにあの古い言葉に応ずる。到る處奔走して來去するより、ここに在るに如かずと。
又乙酉、乙亥日干上卯,癸巳、癸丑日干上子,辛卯、辛丑、辛酉日干上酉,己亥、己酉、己巳日干上午,雖不繫己土旺神,亦可用也。以上皆在鈐內。又如辛巳日,雖干上酉為日之旺祿,奈是旬空,既旺祿空亡,必所得不償所費,反不宜坐用,未免棄祿而就三傳之財,及別謀改業,遂致亨旺,切不可如前論之。
このほか、乙酉・乙亥日に干上に卯を得、癸巳・癸丑日に干上に子を得、辛卯・辛丑・辛酉日に干上に酉を得、己亥・己酉・己巳日に干上に午を得る——最後の数日の午は己土の旺神と算えないけれども、同じく取り用いうる。以上の各例はみな「鈐」という定式表に収められている。またたとえば辛巳日に、干上の酉は本日の旺禄であるが、无奈旬空の中に落ちる。旺禄が一空すれば、必ず得る所が費う所に敵わず、かえって安坐してそれを守るに宜しくなく、ただ禄神を捨てて三伝の中の財に就くか、あるいは別に別業を謀りて改行するほかなく、かえって亨通・興旺しうる。この一層は決して前の禄を守る説に照らして断じてはならない。
又如癸亥日,干上雖乘子為日之旺祿,亦是旬空,未免棄祿而就初傳之戌,乃值日鬼乘白虎,又不免向前投中傳酉,又值敗氣,又坐鬼鄉酉加戌為鬼鄉也,迤邐至於末傳申,始逢日之長生,凡值此課,未免舍空祿而就艱難中,更進一步,始得如意,此意法奇妙。丁亥日干上午,乙巳日干上卯同。
またたとえば癸亥日に、干上には子を乗せて本日の旺禄とするが、惜しいことにやはり旬空に落ちるので、ただ禄神を捨てて初伝の戌に就くほかない。偏偏として戌は日鬼でまた白虎に乗るので、たださらに前へ中伝の酉に投ずれば、酉はまた敗気に逢い、しかも酉が戌の上に加わるのはまさに鬼郷の中に坐する。こうして一路輾転して末伝の申に至って、ようやく本日の長生に碰上る。およそこのような課に遇えば、空禄を捨てて艱難の中でさらに前へ一歩を挪して、それからようやく称心を得るを免れない。この一層の意は法度と極めて奇妙である。丁亥日に干上に午を得、乙巳日に干上に卯を得れば、情形はこれと同じである。
外有乙未日干上卯,緣是閉口之祿而不可守,遂投初傳,奈是昴星不入之財,不免中傳再歸干上受其旺祿,又不能守,致於末傳,棄祿而歸於末傳宅上,受其干墓之鄉,以此占之,乃見食於人,把心不定,終處於家中受困厄而已。
また別に乙未日に干上に卯を得る一課がある。この禄は「閉口」の禄で、守り得ないので、転じて初伝に投ずれば、无奈初伝は昴星課の中の手の届かない財である。ただ中伝によって再び干上に帰ってこの旺禄を受けるほかないが、やはり守り牢めず、末に末伝に至って、ただ禄を棄てて末伝の主とする宅に帰り、日干の墓郷に落ち込むほかない。このように占断すれば、人の鼻息を仰ぎ他人の飯を喰らい、心の中に主意が定まらず、最終にただ家中に困守して多少の窘迫を受けるにすぎない。
禄被元奪格
如辛卯日,干上酉為日旺祿,緣晝乘元而夜乘虎,遂不可守,未免投初傳丑,又是日墓,中傳子又是脫氣,末傳又是丁亥乘虎而遙傷日干,自末傳至干,雖欠一位,終不能復投其旺祿也。此例尚有,皆在鈐內,甚詳。又辛未日干上酉,夜乘虎,支上午火,初巳、中歸巳鄉,末丁卯。
たとえば辛卯日に、干上の酉は本日の旺禄であるが、昼に占えば元武に乗り、夜に占えば白虎に乗って、凶将に占住されれば守り成さないので、ただ転じて初伝の丑に投ずるほかない。丑は偏にまた本日の墓神である。さらに中伝の子に至れば、子は泄気の神である。末伝は丁亥で、白虎に乗って遠くから日干を傷克する。末伝から日干へ数え返ればただ一位を差すだけだが、終に再びあの旺禄の上へは帰り得ない。この類の例はまだ少なくなく、みな「鈐」に詳載されている。またたとえば辛未日に干上に酉を得、夜に占えば白虎に乗り、支上は午火で、初伝は巳、中伝はやはり巳郷に帰り、末伝は丁卯で、やはり同じ路数である。
權攝不正禄臨支第八
不為鄰國之遊士,亦作幕府之客臣。謂日干祿神加臨支辰上者,凡占不自尊大,受屈折於他人。如占差遣,主權攝不正,或遙授職祿,或正宜食宅上之祿;或將本身之職祿替於兒男者,斯占尤的。且此例每日有一課,可逐類而言之。假令甲子日寅加子,乙丑日卯加丑之類,不暇細具,皆仿此。
この一法の断語にいう。たとえ別国の延請する遊士とは成り得なくとも、なお幕府の中の客卿たるを得る。いわゆる禄臨支とは、日干の禄神が日支の上に加臨することである。およそこの課を占えば、自分は身分を抬げられず、到る處人に屈抑される。差遣の職務を占えば、代理・署事で名分が正しくないか、あるいはただ遥かに虚銜を掛けて俸禄の一份を領するか、あるいはもともと住処のこの一份の禄を食むべきかを主とする。自分の職位・俸禄を息子に讓って承襲せしめる人もあり、この課を用いて占えばことに準確である。この例は毎日みな一課あって対応し、類に按じて逐一に講じうる。たとえば甲子日に寅が子の上に加わり、乙丑日に卯が丑の上に加わる、この類は一々細列するに及ばず、みなこの路数に照らして見る。
禄被支墓克脱
外有日干之祿加支上,被支辰墓其祿,或被支克其祿神者,必因起蓋房宅而失其祿。或被支辰脫其祿神者,必因起蓋房宅而以祿償債。假令辛丑日,酉加丑,乃祿神受墓。又乙酉日卯加酉,乃祿神受宅克。乙巳日卯加巳,乃祿神受脫。此例極多,不暇細具,餘仿此。
また別に一種の情形がある。日干の禄神が日支の上に加わるが、日支に墓庫の中に収められるか、あるいは日支に反って克傷されるならば、必ず房屋を興造するために俸禄を丟うことになる。日支に禄神を泄脱されれば、必ず家を蓋えるために俸禄を以て債に抵当することになる。たとえば辛丑日に酉が丑の上に加われば、酉金は丑墓に入るので禄神が墓を受ける。乙酉日に卯が酉の上に加われば、酉金が卯木を克するので禄神が住宅に克される。乙巳日に卯が巳の上に加われば、卯木が巳火を生ずるので禄神が泄脱される。この類の例は極めて多く細列するに及ばず、残りはこれに類推する。
避難逃生須棄舊第九
四面受敵,亦有無敵之處。
この一法の断語にいう。四方八面にみな敵が圍んでいるが、その中に総じて一處の敵なき空隙が留められている。課体は處處制を受けるけれども、ただあの一處の生路を認め定め、旧を捨て新に就けば、人は脱身して出て来られる。
避難逃生格
如甲子日戌加子作初傳,雖曰日財,乃是旬空,中傳申金又是日鬼,末傳午火作日之脫氣,且三傳既無所益,不免只就干上子水而受生,乃應避難而逃生之語。丁卯日干上亥,乙亥日干上酉,戊寅日干上申,庚戌日干上午,辛未日干上丑,戊午日干上辰,己巳日干上酉,辛酉日干上亥,壬申日干上寅,庚辰日干上子。
たとえば甲子日に、戌が子の上に加わって初伝を作す。戌は甲木の財であるが、旬空の中に落ちる。中伝の申金はまた甲木の鬼であり、末伝の午火は甲木の気を泄する。三伝がすでに一處も助けにならないので、ただ干上に帰って子水に就いて生を受けるほかない。これはまさに「避難逃生」の言葉に応ずる。同類にはまた、丁卯日の干上に亥を得る、乙亥日の干上に酉を得る、戊寅日の干上に申を得る、庚戌日の干上に午を得る、辛未日の干上に丑を得る、戊午日の干上に辰を得る、己巳日の干上に酉を得る、辛酉日の干上に亥を得る、壬申日の干上に寅を得る、庚辰日の干上に子を得る——みな三伝を捨てて干上の生気に就く様子である。
避難逃生,如甲子日辰加寅為初傳,雖曰日財,奈晝夜天將皆是六合,其財受上下夾克,終不可得,中傳午火乃日之脫氣,末傳申金又是日鬼,三傳既無所益,不免日干就子支上而受生,亦謂之避難而逃生。
さらに一例を挙げる。同じく避難逃生の一門に帰する。甲子日に辰が寅の上に加わって初伝を作す。辰は甲木の財であるが、无奈昼夜両路の天将がみな六合で、六合はもともと木に属し、上には木将が来て克し、下にはまた寅木に臨む。この財は上下に挟まれて傷つき、終に手に到らない。中伝の午火は甲木の気を泄し、末伝の申金はまた甲木の鬼である。三伝がすでに一處も補益にならないので、日干はただ回頭して日支の子水に就いて生を受けるほかない。これも避難して逃生するに算える。
又如庚子日子加申,此乃支神上門而脫干,兼三傳水局皆作脫氣,及晝夜天將蛇龍武皆是水中之獸也,愈擊其水而蝕庚金,誠所謂脫耗迍邅,而不可逃;熟視之,天盤申金坐於辰土之上就生,子水坐於申金之上長生,豈能蝕天上之申金?亦為避難逃生也。
またたとえば庚子日に子が申の上に加わる。これは日支の神が登門して日干を泄脱するので、加えて三伝が水局を結んで一斉に庚金の気を泄する。昼夜に乗る螣蛇・青龍・元武はまたみな水中の獣で、ますます水勢を助長して庚金を銷蝕する。真に脱耗・困頓して逃げる所なしと言い得る。しかし細かく見れば、天盤の申金は辰土の上に坐して正に土生を得ており、子水は申金の上に坐して正に長生である。子水はすでに申金に生ぜられるのだから、どうして反って天上の申金を蝕み得ようか。だからこの一課は依然として避難逃生と算える。
占人本命作丁神,動搖不安,而坐長生之上,亦為避難逃生。避難逃生而終不能逃生者,例如丁亥日干上戌,夜占昴星,三傳午戌寅,緣始棄干上之墓,遂投初傳之祿,奈是旬空,不免棄空祿而再歸干上中傳戌墓,終不可受,其久困又投未之長生,奈值白虎,未免止居宅中,受驚危之長生爾。
占人の本命の支がちょうど「丁神」を充てて動揺して安からず、しかも長生の上に坐すれば、これも避難逃生と算える。別に逃げようとして終に逃げ得ない一種がある。たとえば丁亥日に干上に戌を得、夜に占って昴星課を得、三伝は午・戌・寅である。はじめ干上の戌墓を丟開して初伝の午禄に転じ投ずるが、无奈午は旬空に落ちる。ただこの空禄を捨ててまた干上に帰るが、中伝は依然として戌墓で終に受け得ない。困ること久しくして再び未の上の長生に投ずれば、偏偏として未の上に白虎が乗る。到頭ただ自家の宅中に停まって、一つ分の提心吊膽の長生を享けるのみである。
避難逃生得財格
如壬午日,辰加亥作初傳,乃是墓神覆日為用,三傳辰酉寅,不免棄墓而投中傳酉金之生,又是旬空,遂再投末傳寅木,又是脫氣,然後棄其三傳,而壬干加午而取財也。如丙寅日寅加丙,申財加亥乘元,三傳亥申巳,緣申見在之財落空,又焉能求外來之財也。
たとえば壬午日に、辰が亥の上に加わって初伝を作す。これは墓神が日干を覆圧して取って発用とするものである。三伝は辰・酉・寅。ただ辰墓を捨てて中伝の酉金の生助に投ずれば、酉はまた旬空に落ちる。再び末伝の寅木に投ずれば、寅木はかえって壬水の気を泄する。三伝は統統として頼りにならず、最後にただ壬干を日支の午の上に臨ませてあの財を取るほかない。またたとえば丙寅日に寅が丙の上に加わる。財を作す申が亥の上に加わってまた元武に乗り、三伝は亥・申・巳である。眼前の現成の申財はすでに落空しているのに、どうして外来の財を求め得ることを指し望めようか。
捨益就損格
亦名不受福德,賁初九:“賁其趾,舍車而徒”。如壬寅日不就干上之申金為長生,願以壬干加寅木而受脫。
この格局はまた「不受福徳」と呼ばれ、《易経・賁卦》初九の爻辞を取る。自分の足趾を装飾して、むしろ車を捨てて歩行する。たとえば壬寅日に、干上に明らかに申金があって壬水の長生と作りうるのに、偏偏としてそれに就かず、甘んじて壬干を日支の寅木の上に臨ませて泄を受ける。まさに好处を放いて取らずして自ら損耗を取るのである。
捨就皆不可格
如乙酉日干上亥,辛丑日干上未,唯有庚子日干上辰乃空亡,庚午日干上戌乃空亡。
たとえば乙酉日に干上に亥を得、辛丑日に干上に未を得れば、捨てるも是ならず就くも是ならず、両頭ともに着落がない。その中で庚子日に干上に辰を得るのは、この辰がちょうど空亡であり、庚午日に干上に戌を得るのは、この戌もまた空亡で、ますます依託する處がない。
墓作太陽格
謂墓神覆日,卻作太陽,處難中得上人提攜,共有五等:一、就干上之生,二、就支上之生,三、日干坐地盤之生,四、本命乘丁坐地盤長生,五、日干下臨財鄉。
いわゆる墓作太陽とは、墓神は日干を覆圧するけれども、この墓神が同時にまた太陽の所在であるので、困難の中に身を処してかえって上位者の提携を得られる。この格はあわせて五等ある。第一等は干上の神に就いて生を得ること、第二等は支上の神に就いて生を得ること、第三等は日干の坐する地盤がまさにその長生であること、第四等は本命が丁神に乗って地盤の長生の上に坐すること、第五等は日干が下に臨む所がまさに財郷であること。
朽木難雕別作為第十
謂斫輪課中,卯為空亡者,故名朽木不可雕也。凡值此例,宜改科易業而別作營生。如庚戌日卯加申,辛亥日卯加辛,此二者尤的,餘有癸丑日卯加申發用。
いわゆる朽木難雕とは、「斫輪課」の中で木料を充てる卯が空亡に落ちることである。木はすでに朽ちれば雕琢して器を成さないので、この名目を取る。およそこの例に遇えば、行業を改換して別に生計を謀るに宜しい。たとえば庚戌日に卯が申の上に加わり、辛亥日に卯が辛の上に加わる。この二課はことに応験する。このほか癸丑日に卯が申の上に加わって発用するものも、この類に属する。
斧斤不利格
如丁丑日卯加申為發用,乃申酉空亡,卯木加空地,非朽木難雕之例也,凡謀不遂。
たとえば丁丑日に卯が申の上に加わって発用する。この旬の中で空亡に落ちるのは申と酉で、卯木は空地の上に加わる——空なのは卯木それ自体ではなく、それが踏むその地である。だからこの一課は朽木難雕の例に算えず、斧斤が力を著ける處なく、およそ謀劃有ればみな称心しがたい。
衆鬼雖彰全不畏第十一
雖有烏合之敵眾,難當虎豹之雄師。假令壬辰日戌加未為初傳,丑加戌為中傳,辰加丑為末傳,三傳戌丑辰皆是日鬼,誠為凶也,殊不知干上先有寅木可以敵其三傳之土,制鬼賊不能為害,兼是蒿矢擇比為用,又坐空鄉,鬼力至輕也,凡占未免先值驚危,下稍北海閒人按:下稍指事情的結局無畏,但言必有人相謀害,終不能為禍也。
この一法の断語にいう。敵人がたとえ一大群の烏合の衆を聚め起しても、虎豹のごとき雄師には抵当し得ない。たとえば壬辰日、戌が未の上に加わって初伝を作し、丑が戌の上に加わって中伝を作し、辰が丑の上に加わって末伝を作す。三伝の戌・丑・辰はすべて壬水の鬼で、見れば実に凶険である。知らないのだ、干上には先ず寅木が有って、木は土を克しうるので、ちょうど三伝の土を抵ぎ止め、鬼賊を制して害を為し得ない。何况この一課は「蒿矢」に属し、比を択んで発用し、初伝はまた空亡の郷に坐するので、鬼の力量は軽いこと甚だしい。およそこの課を占えば、起初は一場の驚嚇を受けるを免れないが、後段に至れば畏れる所なしとなる(原書のここに北海閑人の按語を挾み、「下稍」とは事の結局を指すと言う)。ただ必定して人の暗中の算計有るのみで、終に禍患を做し成さない。
如用夜貴,初乘白虎,尚可畏焉。如用日貴,全無畏矣。且論寅木切不可作脫氣言之,實為救神,其寅木論如孔氏門下有子路能禦侮者也。又如壬戌日干上寅,丙子、丙申、丙辰干上丑皆是。己亥日干上申夜貴,必得貴人力。
もし夜貴を用いて布将すれば、初伝の上に白虎が乗って、なお幾分かの可怕がある。もし昼貴を用いて布将すれば、全然怕るるに足りない。さらに一層説明すべきは、干上のこの点の寅木は決して壬水の気を泄すとして講じてはならない。それは実実在在の救神である。この寅木はたとえば孔子の門下に子路が有るがごとく、師門のために外侮を抵禦し得る。またたとえば壬戌日に干上に寅を得、丙子・丙申・丙辰の三日に干上に丑を得るのは、みなこの類に属する。己亥日に干上に申を得て夜貴に値えば、必ず貴人の力量を借り得る。
家鬼取家人,如己丑日干上申,支上寅為用,三傳寅卯辰,如用夜貴,必得貴人解救,自支寅木發用,中末傳俱歸木鄉,凡值支上有鬼,引入鬼鄉者,皆如此說。如丙申日干上丑,丙寅日干上辰,從支陰發用為鬼,亦以家鬼斷,賴干上有救,有官人可,病訟凶。
鬼がもし自家の門内に出ずれば、解救もまた家里人の身の上から尋ねなければならない。たとえば己丑日に、干上に申を得、日支の上に寅を得て発用し、三伝は寅・卯・辰である。もし夜貴を用いれば、必ず貴人が来て解救し得る。この鬼は日支の寅木から発したもので、中伝・末伝もまたみな木郷に帰り入る。およそ日支の上に鬼あり、しかも一路に鬼郷に引入るものは、みなこの講法に照らす。またたとえば丙申日に干上に丑を得、丙寅日に干上に辰を得る——支陰から発用して鬼と成るものも、家鬼に按じて断ずる。好いことに干上に救神が有るので、官を為る人が占い得ればまだ可なりと算えるが、疾病を占い官司を占えば凶となる。
家人解禍格
如癸亥日辰加癸為用,三傳辰未戌皆是土神,並來傷干,兼夜天將皆是蛇勾虎,誠為凶也。殊不知支上有寅木可以敵鬼,不為凶咎,此例必得宅中之人解禍,餘仿此。
たとえば癸亥日に、辰が癸の上に加わって発用し、三伝の辰・未・戌はみな土神で、一斉に来て日干を傷克する。加えて夜に乗る天将がまた螣蛇・勾陳・白虎で、見れば実に凶険である。知らないのだ、日支の上に寅木が有って、木は土を克しうるので、ちょうどこれらの鬼を抵ぎ止め、凶は咎害を成さない。およそこの例に属するものは、必ず家宅の中の人に頼って出面してこそ禍事を解き得る。残りはこれに類推する。
引鬼為生格
謂初傳日鬼,而生其末傳來育干者是也。如丙子日並干上子為初傳,雖是鬼卻生末傳寅木,作丙火之長生,反不畏干上之子水,亦賴宅上未土為救,是丙子日是也。丙午日亦有丑土為救也,餘不為救。己丑日卯加申,甲寅、甲午日酉加寅,乃先凶後吉。
いわゆる引鬼為生とは、初伝は日干の鬼であるが、転じて来て末伝を生助し、末伝がさらに回頭して日干を養育することである。たとえば丙子日に、干上にもまた子を得るので、即ち子を以て初伝と作す。子水は丙火の鬼であるが、末伝の寅木を生起し、寅はまさに丙火の長生である。こうしてかえって干上のあの点の子水を怕れず、同時にまた宅上の未土に頼って救神を充てる。丙子日はまさにこの様子である。丙午日にもまた丑土があって救神と作りうるが、残りの各日にはこの層の救助がない。このほか己丑日に卯が申の上に加わり、甲寅・甲午日に酉が寅の上に加わるのは、みな先に凶にして後に吉の課である。
伝鬼為生格
三傳皆作日鬼,反生起干上之神而育干者是也。如庚午日干上辰,三傳戌午寅火局,雖全傷日干,殊不知三傳反生干上辰土而育養庚金也。又癸巳日巳加酉,用晝將皆土剋日,殊不知土將生三傳金局,三傳金局生干,乃凶返吉也。
いわゆる伝鬼為生とは、三伝がすべて日干の鬼を作すが、かえって起こりて干上の神を生じ、再び干上の神によって日干を養育せしめることである。たとえば庚午日に干上に辰を得れば、三伝の戌・午・寅は火局を結んで、火はもともと全力で庚金を傷克するものである。知らないのだ、この一片の火はかえって起こりて干上の辰土を生じ、辰土は再び回頭して庚金を生養する。またたとえば癸巳日に巳が酉の上に加わり、昼将を用いれば乗る所はみな土将で、土は来て癸水を克する。知らないのだ、土将は先ず三伝の金局を生起し、三伝の金局が再び来て日干を生ずるので、ここにおいて凶はかえって吉と成る。
貴徳臨身消除萬禍格
如如乙丑、乙巳日並酉加巳為初傳,三傳金局並來傷其乙干,如用晝貴,凶不可遏,設用夜貴反為吉,言初傳酉金上被塍蛇克,下被巳火傷,又被中傳丑土來墓,末傳巳火來克其酉金,全無力來克干,縱然干上乘申金,又為貴人、又為日之德神臨身,能伏諸煞。
たとえば乙丑・乙巳の両日は、みな酉を以て巳の上に加えて初伝を作し、三伝が金局を結んで一斉に来て乙木の日干を傷克する。もし昼貴を用いて布将すれば、凶は遏止しようもない。もし夜貴を改め用いて布将すれば、かえって吉に転ず。これは初伝の酉金が上は螣蛇に克せられ、下は巳火に傷つけられ、また中伝の丑土に収められて墓に入り、末伝の巳火が再び来てそれを克するので、酉金はすでに日干を克する余力がないからである。たとえ干上に申金が乗るとも、あの申は貴人でありまた乙日の徳神が身に臨むので、諸路の凶煞を鎮伏するに足る。原文の冒頭「如如」の二字は重出し、「塍蛇」は即ち螣蛇で、いずれも旧本に照らして録存する。
天將為救神格
如辛巳日午加辛為用,三傳火局並來傷干,誠為凶也,如觀天將,晝夜皆是貴、常、勾土神,而竊其火氣生其日干,亦宜免禍。
たとえば辛巳日に、午が辛の上に加わって発用し、三伝が火局を結んで一斉に来て辛金を傷克し、見れば確かに凶険である。しかし再び乗る所の天将を見れば、昼夜両路ともに貴人・太常・勾陳という土に属する神将で、土は火気を盗泄し、手を転じてまた辛金の日干を生助し行く。こうして禍患を免れるのである。
脱氣為救格
如壬子日未加卯為用,三傳木局並來脫干,且此例既無日鬼,豈宜處於眾鬼雖彰全不畏者之例,三傳木局切不可作脫氣言之,如用夜將,緣三傳天將皆是勾、常、貴人土神,並來傷壬干,反賴三傳木局去其土將,豈不應斯格也。餘五壬日干上卯,夜貴並如其說。壬戌、壬子、癸卯、癸亥,三傳未卯亥夜同。
たとえば壬子日に、未が卯の上に加わって発用し、三伝が木局を結んで一斉に壬水の気を泄脱する。この一課はもともと日鬼がなく、理に照らせば「衆鬼雖彰全不畏」の一門に収めるべきではない。しかし三伝の木局はここでは決してただ泄気として看てはならない。もし夜将を用いて布局すれば、三伝の乗る天将はみな勾陳・太常・貴人という土に属する神将で、土は一斉に来て壬干を傷克する。全く三伝の木局に頼ってあの数人の土将を克掉するので、木はかえって救神と成る。豈にまさしくこの格局に応ずるや。残りの五つの壬日で干上に卯を得るものも、夜貴を用いるときはみなこの説法に照らす。壬戌・壬子・癸卯・癸亥の四日で三伝が未・卯・亥となり夜将を用いるものも、情形は同じである。
雖憂狐假虎威儀第十二
夫仗他人之力,乞兒向火何倚冰山之徒。
この一法の断語にいう。およそ傍人の力量に倚仗するものは、乞食する人が他人の火辺に湊って暖を取るがごとく、また氷山に攀附する人々のごとく、一旦日頭が出て氷が化すれば、靠山もまた無くなる。借りる所の勢いは終に自分のものではなく、ただ暫く一時を安んずるのみで、長久に依恃すること能わず。
狐假虎威格
如丁未日干上子,其丁火實畏子水所克,反倚賴支屬土卻能制其子水,不敢來傷丁干也,疑丁火喻狐,未土喻虎,故名為狐假虎威儀之例也。凡占切不可動謀,如動用離其未土,其子水隨蹤而傷丁火也。又辛亥日干上亥,晝虎夜元皆乘脫氣,尤賴亥水坐於戌土之上,尚懼戌土,不至辛金全脫,尤不宜動作,稍如前例。餘五辛日亦可如此說。
たとえば丁未日に干上に子を得れば、丁火はもともと最も子水に克せられるを怕れるが、かえって日支の未土に倚仗する——土は水を制しうるので、子水は来て丁干を傷つけることを敢えてしない。ここで丁火は狐狸に比し、未土は老虎に比し、狐狸が老虎の威風を借りて敵人を嚇退するので、名を取って狐假虎威という。およそこの課を占うには決して軽挙妄動すべからず。一たび動けば即ち未土のこの靠山を離れ、子水は立刻に蹤に跟って来て丁火を傷害する。またたとえば辛亥日に干上に亥を得れば、昼に占えば白虎に乗り、夜に占えば元武に乗って、みな泄脱の気を帯びる。全く亥水が戌土の上に坐することに頼り、亥水はなお戌土を忌憚して、辛金を泄し尽くすに至らない。この一課も同じく動作に宜しくなく、道理は前の例と相仿する。残りの五つの辛日もまたみなこのように講じうる。
鬼賊當時無畏忌第十三
吳釋越而終為越滅吳。假令戊子日干上午,三傳寅卯辰皆是日鬼,如春占木旺,誠所畏也,殊不知木至春令而榮旺,既貪榮盛而無意克土,故戊土不畏木克也。此例雖春占無畏,防至夏秋其禍仍發,如有禍時,便宜斷絕,免致後患,其餘傳內全逢日鬼者,各詳四季天令而言之。三合為鬼亦如前說。
この一法の断語は春秋の旧事を借りる。呉国が越国を放過した結果、越国は終に反って呉国を滅し去った。たとえば戊子日に干上に午を得、三伝の寅・卯・辰はみな戊土の鬼である。もし春に占えば、木は正に旺に当たり、見れば実に可畏である。知らないのだ、木は春令に到って自身が栄盛し、正に己の繁茂に貪恋して、土を克する心がない。だから戊土は木克を怕れない。ただこの一例は春占に無畏のみで、夏秋に到って木気が衰に転ずれば、あの禍患は依然として発作することを提防すべきである。禍端の苗头を一見すれば、即ち早く断絶すべく、後患を留めてはならない。残りのおよそ三伝の裏に尽く日鬼なるものは、みな各々四季の当令の気に按じて分別して論断すべきである。三伝が三合を結んで鬼を作すものも、上のこの道理に照らして講ずる。
伝財太旺反財虧第十四
漢黷武而海內空虛。假令戊申日干上丑,三傳子申辰皆作日之財,兼晝夜天將皆是水中之獸,又於秋冬水生旺之月,占求財事即無財也,如取其財,切防反費己財,緣水自貪其生旺,不能與我作財,只待身旺之月,財氣稍衰之月令,方可取其財。例尤多,餘亦仿此。
この一法の断語は漢武帝が窮兵黷武して天下の財力を空虚に至らしめた旧事を借りる。たとえば戊申日に干上に丑を得、三伝の子・申・辰は水局を結んでみな戊土の財である。加えて昼夜に乗る天将がまたみな水中の獣で、また秋冬の水が正に生旺する月份に碰上る。この時に財を求めを占えば、かえって財なし。もし硬くも取りに行かば、切に自らの本銭を倒貼することを提防すべし。水は正に己の生旺の勢いに貪って、来て我に財を作すことを肯んぜざるが故なり。ただ日干が身旺・財気が稍や衰する月份を待ってこそ、始めてこの財を取り得る。この類の例はことに多く、残りはこれに類推する。
進退連茹為財格
如網江魚之諭求財,不宜坐財墓,亦忌財加鬼墓。
三伝が逐位に進行し或いは逐位に退行して牽連して串を成すのは、財を求むること大江の中に網を張って魚を捕るがごとく、一網にて一串を連得しうる。ただ两条の忌諱に留意すべし。財の墓庫の上に坐すること宜しからず、また財神が鬼の墓庫の上に加わるを忌む。されば魚は網に入るとも撈り上げること能わざるなり。
財神空亡格
求財反費己財,緣見在之財已空,求外來之財豈有得也。如辛亥日干上寅、支上卯,二財皆空。庚戌日同。
財神が空に落つる課は、財を求めに行けばかえって自らの本銭を賠う。眼前の現成の財はすでに落空したるに、再び外来の財を指し望めば、何ぞ手に到らんや。たとえば辛亥日に干上に寅を得、支上に卯を得れば、寅・卯の両處の財はみな空亡の裏に落つ。庚戌日の情形もまた同じである。
脱上逢脱防虛詐第十五
金以議和愚宋,而宋以議和自愚。謂日干生其上神,上神又生天將者,故名脫上脫,凡占盡被脫耗,多虛詐不實之象也。假令六庚日干上子,夜將上乘青龍,此乃庚干生上神,子水又生青龍木將,那更三傳皆是水局並來盜日,凡占豈不遭虛詐乎。
この一法の断語は宋金和議の旧事を借りる。金人は議和を以て宋朝を愚弄し、宋朝はまた議和を以て自ら欺き自ら誤る。いわゆる「脱上脱」とは、日干がその上の神を生じ、この上神がまた乗る所の天将を生じて、一層泄れて一層を成すことである。およそこの課を占えば、元気は尽く脱耗され、多くは虚言・詐偽にして実の處に落ちざる景象なり。たとえば六つの庚日に干上に子を得、夜将に青龍を乗せば、庚金は上神の子水を生じ、子水はまた青龍のこの木に属する天将を生ず。何况三伝はなお水局を結んで一斉に来て日干を盗泄せん。このように事を占えば、何で虚詐に遭わざるを得んや。
內有庚子日子加庚,乃支上門來脫干,三傳又來脫之,並三傳天將夜晝俱是蛇龍元,盡被脫盜,倘熟視之,其庚居天盤坐辰土之上受生,子水居申金之上受長生,終不致脫盡,不可不知。六甲日干上巳,晝占上乘太常;六乙日干上午,晝占上乘天空,六丁日干上丑,晝占上乘太陰。
その中で庚子日に子が庚の上に加わるこの一課は、日支の神が登門して来て日干を泄脱し、三伝がまた接いてこれを泄し、加えて三伝の乗る天将は昼夜を論わずみな螣蛇・青龍・元武で、元気は尽く盗まり去る。しかし細かく看れば、庚は申宮に寄りて天盤上に辰土の上に坐して正に土生を得、子水もまた申金の上に坐して正に長生である。だから終に泄し尽くして乾からがるに至らず。この一層は知らざるべからず。同類にはまた六つの甲日に干上に巳を得て昼に占うて太常に乗る、六つの乙日に干上に午を得て昼に占うて天空に乗る、六つの丁日に干上に丑を得て昼に占うて太陰に乗るがある。
無依脱耗格
惟丁未日反吟,晝占乃干生丑,丑生將,一火逢九土,如憂事不止一件,若止見一件,別項又來,必有大災。六己日干上酉,夜占上乘天后。
ただ丁未日に反吟課を起すこの一式のみ。昼に占えば、丁火は干上の丑土を生じ、丑土はまた乗る所の天将を生ず。一点の火が九重の厚土を供養せねばならず、泄らるること依傍する所なし。このようにして憂う所の事は一桩に止まらず、たとえ眼下にただ一桩を見るとも、別の一項が跟いて来て、必ず大災を出さん。このほか六つの己日に干上に酉を得、夜に占うて上に天后を乗ずるものも、この格に属する。
脱盗格
乃干上逢脫氣,天將作元武者例,亦如前說。六辛日干上亥,夜占乘元武;六壬日干上寅,晝占乘元武;六癸日干上寅,晝占上乘元武。餘有甲午日午加甲,三傳又是火局,並支來盜干,虛詐尤甚。內辛亥日干上亥尤可惡,緣支干上皆脫,初墓又坐脫方,中末空亡,晝虎夜元之將日上俱值,其凶可見。
この格は干上に泄気の神に遇い、乗る所の天将がまた元武なるをいい、講法は前と同じである。たとえば六つの辛日に干上に亥を得て夜に占うて元武に乗る、六つの壬日に干上に寅を得て昼に占うて元武に乗る、六つの癸日に干上に寅を得て昼に占うて元武に乗る。このほか甲午日に午が甲の上に加わり、三伝がまた火局を結んで、日支を連ねて一斉に日干を盗泄するは、虚詐の象ことに厳重なり。その中で辛亥日に干上に亥を得るは最も可厭なり。干上・支上ともに泄脱され、初伝の墓神はまた泄脱の方に坐し、中伝・末伝はともに空亡に落ち、昼の白虎・夜の元武の两位の凶将はまたみな日の上に値す。凶険は想い知るべし。
空上乘空事莫追第十六
陳隋基業於唐,五代收功於宋。謂上見旬空乘天空者,凡占指空話空,全無實象。如甲申日干上未,晝占上乘天空。餘占日上空亡,上乘天空,皆仿此。
この一法の断語にいう。陳朝・隋朝の苦心に経営した基業は、末は唐朝のために底子を打ちたり。五代の紛争一場の功労は、末は宋朝の手裏に帰したり——気力を費尽して果実は他人に帰す、正に一場の空なり。いわゆる空上乘空とは、上神はすでに旬空に落ち、また「天空」のこの天将に乗ることなり。およそこの課を占えば、空の處を指して空話を説き、全く一点の実象なし。たとえば甲申日に干上に未を得、昼に占うて上に天空を乗ず。残りのおよそ日の上に空亡に落ち、また天空に乗ずるものは、みなこれに類推する。
脱空格
謂干上有脫乘天空,亦名脫空神,凡占皆無中生有,盡是脫空,全無實蹤,不足取信也。如辛卯日干上子,晝占上乘天空,初傳又是遙克,中末皆空亡,凡占盡被脫空。六辛日干上子,晝占乘空;六乙日干上午,晝占乘空,餘日皆仿此。但凡遙克為用作空亡,或坐空鄉,或乘天空者,凡占皆虛無不實也。
いわゆる脱空とは、干上に泄脱の神有りてまた天空に乗るをいい、また「脱空神」と呼ぶ。およそこの課を占えば、みな無中に生有し、一味に虚脱・落空して、全く実在の踪迹なく、憑信するに足らず。たとえば辛卯日に干上に子を得、昼に占うて上に天空を乗じ、初伝はまた遥克にて発用し、中伝・末伝はともに空亡に落つ。このように事を占えば尽く脱空せらる。またたとえば六つの辛日に干上に子を得て昼に占うて天空に乗る、六つの乙日に干上に午を得て昼に占うて天空に乗る。残りの各日はこれに類推する。要するにおよそ遥克を以て発用して空亡に落つるか、或いは空郷に坐するか、或いは天空に乗ずるものは、何を占うとも虚無にして実らず。
進茹空亡宜退步第十七
坎初六:“習坎,入于坎窞,凶。”遇此課宜班師。假令壬子日干上子,三傳寅卯辰,皆是空亡,既向前值三空亡,即宜退步,抽身縮首,卻就支干上子與丑合,反有所得,庶使壬水不被傳木全脫,可以全身遠害,不利托人。如甲午日干上卯,三傳辰巳午亦皆是空亡,亦宜退步,庶乎甲木不被傳火脫盡,奈支干前後夾定脫氣在內,盡被脫空而無窮也,如遇丑為年命,始宜退步就其祿神。
この一法は《易経・坎卦》初六の爻辞を引く。重々の険陷の中に処してまた坎底の小穴に掉り入る、凶なり。かかる課に遇えば、正に兵を収め営に帰るべし。たとえば壬子日に干上に子を得、三伝の寅・卯・辰は尽く空亡なり。前に往けば既に三重の空亡に連遇すれば、即ち退步すべく、身を抽き首を縮め、帰りて干支の上の子と丑とが相合するに就けば、反って収穫する所有り。また壬水をして三伝の木に泄し尽くされざらしめ、以て自身を保全して禍害に遠ざかるを得しむ。ただ人に托して代弁せしむるに宜しからず。またたとえば甲午日に干上に卯を得、三伝の辰・巳・午もまた尽く空亡なり。同じく退步に宜しく、甲木をして三伝の火に泄し乾からされざらしむるを好しとす。无奈干支の前後が泄気の神を中に挟んで、泄空の勢いは窮尽することなし。もし丑が占人の年命を作すに碰上れば、これにて好く退き帰りてあの禄神に就くを得る。
如癸丑日干上寅,自是空亡,那更寅卯辰為三傳,使癸水生其脫空,雖有千金亦不周其足,如晝占乘元武在干上尤甚,占訟費而不直,占病脫而虛甚,終不能退步。
たとえば癸丑日に干上に寅を得る。この寅はそれ自体すでに空亡の裏に落ち、何况三伝はまた寅・卯・辰の一片の木なり。癸水をしてこの一串の脱空の神を生ぜしむるは、たとい千金有りともこの虧空を填め滿たさず。もし昼に占うて干上に元武を乗せば、情形はさらに糟し。官司を占えば錢財を破費してなお理直を落ち得ず、疾病を占えば泄脱の下に虚弱極まりて、終に退步の余地すらなし。
踏脚空亡進用宜第十八
四課三傳俱退連茹,丁巳日干上午,三傳卯寅丑,宜深入重地。謂退步傳全值空亡者,故名踏腳空亡,既退後遇空,宜進而不宜退也。如戊申日干上辰,三傳卯寅丑皆作日之鬼,幸遇鬼空,足可以脫災避難,惟不宜守舊,緣干上乘墓,反宜於三傳之外,向前一步,便逢祿神,此卻不利有官人占之,緣官爻空亡故也。
この一法の断語にいう。四課三伝がみな逐位に倒退して牽連して串を成す、たとえば丁巳日に干上に午を得て三伝が卯・寅・丑であるような課は、かえって重地に深く入るに宜しい。いわゆる踏脚空亡とは、退行する三伝が尽く空亡の上に落ちることである。後ろへ退くが空なれば、前進に宜しくて後退に宜しくない。たとえば戊申日に干上に辰を得て、三伝の卯・寅・丑はみな戊土の鬼である。幸いにもこれらの鬼がみな空に落ちたので、災を脱し難を避けるに足る。ただ旧局を死守するに宜しくない。干上に墓神に乗っているので、かえって三伝の外に跳び出して前へ一歩を邁せば、禄神に碰上る。ただこの一課は官を為る人に利なし。官爻がちょうど空亡の裏に落ちるからである。
尋死格
如丙午日干上辰,三傳卯寅丑,雖三傳生日,豈宜皆空,如占病,乃尋死格也。占父母病死尤急,如占子息病無畏,占訟理虧,必官人不主張,緣生我者空亡故也。如乙卯日干上卯,亦若尋死格。已上例如背後有三阱坑,豈宜退乎,如退則腳下踏空,反陷其身,凡占宜催督。
たとえば丙午日に干上に辰を得、三伝は卯・寅・丑。三伝はみな日干を生ずるが、无奈尽く空亡に落つ。これを以て病を占えば、これ即ち「尋死格」である。父母の病を占えば最も急で、多くは挽回し得ない。子女の病を占えばかえって怕れるに足らず。官司を占えば理虧して、必ず官長の主持を得られない。我を生ずるあの一路が尽く空に落ちるが故なり。またたとえば乙卯日に干上に卯を得れば、また尋死格に近い。以上のこれらの例は、背後に三つの陷坑を掘るがごときで、何でなお後ろへ退けようか。一たび退けば脚下に空を踏み、かえって自身を中に陷れ込む。およそこの課を占えば、みな催促して前に向かうに宜しく、遅疑すべからず。
踏脚空亡格
惟不宜進前者例,但占事虛聲而無成就耳。如甲子日戌加子為初傳,乃是本旬之空,申加戌為中傳,乃後旬之空,午加申為末傳,乃外後旬之空亡,故向後全無實意,盡無成就。甲申日午加申,乙卯日丑加卯,丙辰日丑加卯,丁巳日丑加卯。
この一例はかえって前に向かうに宜しくない。占う所の事は虚張の声勢あるのみで、実事を成し得ない。たとえば甲子日に、戌が子の上に加わって初伝を作し、戌は本旬の空亡である。申が戌の上に加わって中伝を作し、申は次の旬の空亡である。午が申の上に加わって末伝を作し、午はまたさらに次の旬の空亡である。三重の空亡が層層として相接するので、後ろに往くほど実意がなく、一概に成らない。同類にはまた、甲申日に午が申の上に加わる、乙卯日に丑が卯の上に加わる、丙辰日に丑が卯の上に加わる、丁巳日に丑が卯の上に加わるがある。
胎財生気妻懐孕第十九
謂日干之胎神,作日之妻財,又逢月內之生氣者,如占妻必孕也。如壬寅日干上午,七用占,午加亥為發用,壬水胎在午,又是日之妻財,及七月生氣在午,占妻必有孕而無疑。五壬日干上午,七月占皆同。六庚六辛日干上卯,四月占皆然。
いわゆる胎財生気とは、日干の胎神が同時にまた日干の妻財を充て、しかも当月の生気に乗ることである。かかる課に遇えば、妻子を占って必ずすでに懐孕している。たとえば壬寅日に干上に午を得、七月に起課すれば、午は亥の上に加わって発用する。壬水の胎位は正に午に在り、午はまた壬水の妻財であり、七月の生気もまたちょうど午に在る。妻室を占えば必ず孕有り、疑う所なし。五つの壬日に干上に午を得て七月に占うものは、情形みな同じ。六つの庚日・六つの辛日に干上に卯を得て四月に占うものも、またこのごとし。
六戊六己日干上子,正月占亦主孕喜,何故言?戊己土神胎亦在子,或有用午為胎神者,不可不知,未免略具,擬土神歌於後。歌云“戊己當絕在亥懷,明知子上是胞胎。”云云。
六つの戊日・六つの己日に干上に子を得、正月に占ってもまた懐孕の喜を主とする。何でこのように講ずるか。戊己土神の胎位も同じく子に落ちるが故なり。ただある人は午を取って土の胎神とする。この一層は知らざるべからず。だからここに略して交代し、土神の歌訣を後に附す。歌にいう、戊己の二土の絶地は亥に在り、そこは正に気を受け胎を懐くる起處なり。続く子位は便ち明明白白たる胞胎の所在なり、と。以下の言葉は再び抄録しない。
支之胎神作月內生氣,占妻有胎孕亦確,不必作干之財,惟此胎神臨妻之年命尤好,或臨支上亦同。妻財作生氣,縱不作胎神亦可用。
もし日支の胎神がちょうどまた当月の生気ならば、妻子の孕を占って同じく準確で、必ずしもそれが同時に日干の財を充てるを要しない。この胎神がもし妻子の年命の上に臨めば、それは最も好い。日支の上に臨んでも、効験は相同じ。反対に言えば、妻財はただ生気に乗りさえすれば、たとい兼ねて胎神を作さずとも、同じく取り用いうる。
損胎格
如壬辰日干上午為發用,又七月占,雖妻財作胎神乘生氣,必後有損孕,緣午作空亡故也。餘仿此。
たとえば壬辰日に干上に午を得て発用し、また七月に起課する。妻財は兼ねて胎神を作しまた生気に乗るが、見れば前の格と两样なし。しかし日後に必ず小産して胎を損ず。この午が恰恰として空亡の上に落ちるが故なり。残りはこれに類推する。
胎財生気妻懐孕第十九(続)
妾孕格:如辛癸巳日,胎神為生氣,乃妻妾之妹有孕尤驗。如丙丁日胎神在子,如正月占非妻有孕,即是偏房也。私孕格:如辛癸日乘元有私。外有甲乙日胎神在酉,十月占;丙丁日胎神在子,正月占,非妻有孕,必是偏室婢妾有胎孕也。如作空乘死氣,必是鬼胎也。
「妾孕格」——「胎神」とは日干によって推し出された孕育の気の寄る地支であり、「生気」とは当月に生発を主る月神である。辛日・癸日に課を占い、胎神がまたちょうど本月の生気なれば、妻妾の一房ないし妻家の姉妹に孕有るを主とし、最も応験する。丙日・丁日は胎神が子に在り、正月に来て占えば、孕有るは正妻にあらずして偏房である。「私孕格」——辛日・癸日に胎神の上に「元武」のこの暗昧私隠を主る天将が乗れば、即ち私通・暗孕の事有り。また別に甲日・乙日は胎神が酉に在りて十月に占い、丙日・丁日は胎神が子に在りて正月に占えば、胎を懐くるも正妻にあらず、必ず側室・婢妾である。もし胎神が「空亡」に落ちまた当月の「死気」に乗れば、即ち真の胎にあらず、ただ虚假の鬼胎のみ。
互胎格:如戊寅日干上酉,乃支之胎神,支上午乃干之胎神,又作夫妻之行年本命,必然妻懷孕喜,不必尋生氣及財神也。乙丑、己未、癸未,干上子;己未、癸丑、己丑、辛未、丁丑,干上午;甲申干上卯,庚寅干上酉,已上並是干上得支之胎神,支上得干之胎神也。
「互胎格」——「四課」の中で、日干の上に臨む神を干上神と称し、日支の上に臨む神を支上神と称す。戊寅日に課を占えば、干上は酉で、酉は正に日支の寅の胎神である。支上は午で、午は正に日干の戊の胎神である。両下が互いに胎神を為す。この二位がもしまたちょうど夫妻二人の「行年」(歳数に按じて年々推移する流年の位)または「本命」(属する生年の地支)なれば、即ち妻子に必ず孕喜有ると断定しうる。更に生気と財爻を尋ねるに及ばず。同じくこの格に属するにはまた、乙丑日・己未日・癸未日の干上に子を見る、己未日・癸丑日・己丑日・辛未日・丁丑日の干上に午を見る、甲申日の干上に卯を見る、庚寅日の干上に酉を見るがある。以上の各日はみな干上に日支の胎神を得、支上に日干の胎神を得るので、互胎と呼ぶ。
憂子格:論孕產,乃六合三月占加申、四月占加酉,乃月之死氣克六合,至產則憂子凶,此二例乃天后、六合為子母之類也。憂母格:如十一月占天后乘辰,五月占天后乘戌,八月占天后乘丑,二月占天后乘未,已上者乃月內死氣克天后也,如至產期必憂母凶。
「憂子格」——懐孕・生産を論ずるには、「六合」のこの天将を以て子女を代表とする。三月に課を占って六合が申の上に加臨し、四月に課を占って六合が酉の上に加臨すれば、申・酉は正にこの両月の死気で、死気が反って来て六合を克伐する。臨産に到れば即ち子供のために担憂し、凶を主とする——この両例の依拠する所は、正に「天后」を以て母と為し六合を以て子と為す取象である。「憂母格」——十一月に課を占って天后が辰に乗り、五月に課を占って天后が戌に乗り、八月に課を占って天后が丑に乗り、二月に課を占って天后が未に乗れば、以上はみな当月の死気が天后を克傷する。産期に到れば必ず産婦のために担憂し、凶を主とする。
子戀母腹格:如干加支、支加干而互相生者,乃名子戀母腹,利占孕則保育,不利占產,如至產期占之,遲生則吉。外有支加干而克干者,主產速,或無克亦產,支為母俯首已見其子也。
「子恋母腹格」——日干の神が日支の上に加わり、日支の神が日干の上に加わり、両下がまた互相生助するのを、名づけて子が母腹に恋するという。この課は懐孕を占うに宜しく、胎気が安穩にして保ち得るを主とす。分娩を占うに宜しくない。胎児が母に恋して出で来ることを肯んぜざるが故なり。もし産期に到って才だ占えば、生産の遅緩を主とし、遅く生るるはかえって吉なり。また別に日支の神が日干に加わりてまた反って日干を克するは、分娩の迅速を主とす。たとい克なきとも、照樣に生まれ得る。日支は母を為し、支が干に加わるは正に母親が身を俯せ頭を低うして、すでに己の子を見たるがごときが故なり。
損孕格:如壬辰日午加亥,癸巳日午加丑,庚戌日卯加申,辛亥日卯加戌,戊午日子加巳,己未日子加未,甲戌、乙亥日酉加巳午,丙辰、丁巳日子加辰戌丑未,已上例緣胎神作空受克,占產當日便生,占孕必損。
「損孕格」——壬辰日に午が亥の上に加わり、癸巳日に午が丑の上に加わり、庚戌日に卯が申の上に加わり、辛亥日に卯が戌の上に加わり、戊午日に子が巳の上に加わり、己未日に子が未の上に加わり、甲戌日と乙亥日に酉が巳または午の上に加わり、丙辰日と丁巳日に子が辰・戌・丑・未の上に加わる。以上の各例は、みな日干の胎神がすでに空亡に落ち、また克制を受けるものである。このような課はもし分娩を占えば、当日に生み下すを主とす。もし懐孕を占えば、胎気は必ず損傷を受けて保全しがたい。
月厭煞:如三月占,不宜申加母年命上,九月占,不宜寅加母年命上,緣死氣作月厭,占產必凶。六月占,巳加母年命,十二月占,亥加母年命上,緣生氣作月厭,占產必速生。養神二血法:如丙丁、戊己日,胎神在子,養神在丑,如在正月占,言血支血忌皆在丑,並養神而克胎神,如占產生速,如或占孕有損無疑。如在十二月占,言血支血忌皆在子作胎神,如占產亦生速,如占孕亦防損。已上血忌作空亡或坐空鄉,占孕占產亦無妨也。
「月厭」は逐月に輪値する凶煞で、「年命」は産婦の行年と本命を指す。三月に課を占うては、申が母親の年命の上に落つるを忌む。九月に課を占うては、寅が母親の年命の上に落つるを忌む——この両處の申と寅は、既に当月の死気にしてまた月厭を充つれば、分娩を占えば必ず凶。反って、六月に課を占うて巳が母親の年命に落ち、十二月に課を占うて亥が母親の年命に落つるは、これは生気が月厭を充てるので、分娩を占えば速く生み下すを主とす。「養神二血法」——丙丁日・戊己日は胎神が子に在り、「養神」(五行十二運の中で養位の所在)は便ち丑に在り。もし正月に来て占えば、「血支」「血忌」のこの産血に関わる二凶神はみな丑に落ち、養神と同處して反って胎神を克す。分娩を占えば生るること速きを主とし、懐孕を占えば必ず損傷有りて疑いなし。もし十二月に来て占えば、血支・血忌はみな子に落ちて胎神と同位と為り、分娩を占えばまた速く生るるを主とし、懐孕を占えば同じく損胎を防ぐべし。以上の諸例は、ただ血忌それ自体が空亡に落つるか、或いは坐する處が空地なるかすれば、孕を占い産を占うともに妨げなし。
三元胎格:如寅加亥為生元胎,懷孕之時漸有生意,生下男女,必興旺家門也。如寅加巳為病元胎,如值此懷孕之時,母常有病,生下男女多病不甚長進。寅加辰為衰元胎卦,惟乙未日亥加丑昴星一課是也,懷孕之時,家道日漸衰替,生下男女身軀衰弱,全無生意。
「三元胎格」——寅が亥の上に加わるを生元胎と呼び、懐孕の期間に家中に漸く生発の気象有り、生む所の男女は日後に必ず門戸を興旺し得べし。寅が巳の上に加わるを病元胎と呼び、この一課に遇えば、母親は胎を懐くる時に常に病痛を鬧し、生み下す子供もまた多病にして、大いに長進あらず。寅が辰の上に加わるを衰元胎と呼び、ただ乙未日に亥が丑の上に加わる所成の「昴星」課(四課の上下に克なく、別に酉位を取って伝を起す一種の課式)のみがこの例に属す。懐孕の期間に家道は一天天に衰落し、生み下す男女は体質虚弱にして、全く生機なし。
昴星格:剛日生女,或柔日虎視生男,取俯仰而生故也。胎受克絕格:胎神臨本日及臨絕受克。六壬日午加亥,六庚日卯加申,乃胎臨本日,占產可言當日便生且安好。或六癸日午加亥,六辛日卯加申,乃胎神臨絕受克,占孕占產俱畏。六戊日子加巳,同六甲日亦如前說,且占產稍不畏矣。
「昴星格」——昴星課は剛日・柔日の両路に分かれて取用す。剛日は即ち陽干の日で、これを得れば女を生ずるを主とす。柔日にして「虎視」の一路を走れば、即ち男を生ずるを主とす。一俯一仰にして俯仰同じからずして男女を分かつ意を取る。「胎受克絶格」——胎神が本日の日干の上に落つるか、或いは絶地に落ちてまた克を受くるをいう。およそ壬日に午が亥の上に加わり、庚日に卯が申の上に加わるは、胎神が本日に臨むなり。分娩を占えば当日に生るると断じうるも、母子ともに安好なり。もし癸日に午が亥の上に加わり、辛日に卯が申の上に加われば、即ち胎神が絶地に臨みてまた克を受くる。孕を占うとも産を占うとも畏るべし。戊日に子が巳の上に加わると甲日の情形は前に説く所と同じく、ただ分娩を占う時は可怕の程度が稍や軽きのみ。
小產法:如母之年命上神沖剋胎神者,縱作生氣,必是小產,此法極驗。胎神坐長生格:如丙丁、戊己日子加申,庚辛日卯加亥,壬癸日午加寅,甲乙日酉加巳,大宜占孕,惟不利占產,占得此者反凶。
「小産法」——産婦の年命の上に臨む神がもし胎神を冲克せば、たとい胎神が同時に当月の生気を充つとも、また小産と断ず。この法は極めて応験す。「胎神坐長生格」——丙丁日・戊己日に子が申の上に加わり、庚辛日に卯が亥の上に加わり、壬癸日に午が寅の上に加わり、甲乙日に酉が巳の上に加わるは、みな胎神が自己の「長生」の位に坐するにして、即ち五行十二運の中で気機の初生する地なり。この種の課は懐孕を占うに大いに宜しく、胎気の日長するを主とす。しかし分娩を占うに利あらず、産を占いてこれを得れば反って凶。胎児が長生の地に安坐して出で来るを肯んぜざるが故なり。
腹胎格:腹加胎神,丑為腹也。如甲乙日丑加酉,丙丁、戊己日丑加子,庚辛日丑加卯,戊己壬癸日丑加午,如值此,來意妻必有孕,緣胎在腹內,丑為腹之類加臨胎神故也。腹空格:如天盤之丑作空或落空,如占產則生速,緣腹空而必已誕其右子,占孕必損孕。
「腹胎格」——丑を以て腹と為し、丑が胎神の上に加われば即ち腹胎と呼ぶ。甲乙日に丑が酉の上に加わり、丙丁日・戊己日に丑が子の上に加わり、庚辛日に丑が卯の上に加わり、戊己日と壬癸日に丑が午の上に加わる。この類の課に遇えば、来人の本意は多くは妻子すでに懐孕せるなり。胎児はもともと腹の中に在り、今腹を代表する丑が正に胎神の上に圧するに恰好す。象と事と合す。「腹空格」——「天盤」(月将に随って転動する上層の十二神盤)の上の丑がもし自身空亡に値するか、或いは落つる所の處が空地なれば、分娩を占えば生るること速きを主とす。腹はすでに空なれば、子供は想うにすでに産み下されり。しかし懐孕を占えば胎は必ず損有るを主とす。
全傷格:支干全傷,子母俱凶,獨支受傷害母,獨干受傷害子。如產期以本月之內破胎之日生,或害胎之日生,或刑胎之日生,或月內生氣之日生,或以子息爻中長生之日生,或以五行養處生,如甲乙日以戌為養神,或以逐季之天喜神所臨之日生妙矣,夫天喜者,乃逐季之養神也。以上不利占孕,反有損。
「全傷格」——日干と日支とがともに傷克を受ければ、母子ともに凶。ただ日支が傷を受ければ、傷は母親に在り。ただ日干が傷を受ければ、傷は子供に在り。産期を推算するに至っては、本月の内に胎神と相破する日・相害する日・相刑する日を取るべく、また当月の生気の値する日を取るべく、或いは子息爻の長生の日、或いは五行の「養」位の所在の日を取るべし——甲乙日は戌を以て養神と為すがごとし。もし毎季の「天喜」神の臨む日を取り得れば、即ち最も妙なり。いわゆる天喜とは、即ち逐季に輪値する養神なり。以上のこれらの日子は産期を推すに用いれば好しと雖も、懐孕を占うに用いれば利あらず。反って胎に損傷有るを主とす。
納音法,又妻本命納音之胎神,沖破之日生產尤驗。夾定三傳格:如干支夾定三傳,或初末六合,如占產,子母俱不可保,緣氣塞於中故也,如約母之年命透出支干之外,可免母之凶也。
さらに「納音法」有り——妻子の本命に属する納音五行を取って胎神を推し出し、再びこれと相冲・相破する日を看て、以て産期を定むるにことに応験す。「夾定三伝格」——「三伝」は即ち一課の中の初伝・中伝・末伝の三步の推演なり。もし日干と日支とが一前一後に三伝を中に挟むか、或いは初伝と末伝とが両下に六合を作せば、分娩を占うて母子ともに保全しがたし。気が中に堵せられて透り出づる能わざるが故なり。倘も母親の年命が恰好として干支の挟む所の範囲の外に透り出ずれば、便ち母親の凶険を免るを得べし。
胎財死気損胎推第二十
戊己日子為胎財,七月死氣在子;庚辛日卯為胎財,十月死氣在卯;壬癸日午為胎財,正月死氣在午;甲乙日酉為胎財,四月死氣在酉,甲戌旬鬼胎空亡,餘亦仿此,全如前篇論,但凡胎神作月內之死氣,婦孕不育。
戊己日は子を以て「胎財」と為す。即ち胎神が同時にまた日干の妻財を充て、しかも七月の死気が恰恰として子に在り。庚辛日は卯を以て胎財と為し、十月の死気が恰恰として卯に在り。壬癸日は午を以て胎財と為し、正月の死気が恰恰として午に在り。甲乙日は酉を以て胎財と為し、四月の死気が恰恰として酉に在り。またたとえば甲戌の一旬の中に、鬼を作す胎神が正に空亡に値する。残りの各旬もまたこれに類推し、判法は全く前の一篇の論ずる所と同じ。総じての原則は、ただ胎神が同時に当月の死気を充てさえすれば、婦人は身孕有るとも養い成さず。
交車相合交關利第二一
臨機應變,或戰或守,或退或和,視課體而行焉。交車長生:大宜合本而作營生,庚寅干上亥、支上巳,甲申干上巳、支上亥,戊申伏吟,戊寅返吟。交車合財:惟宜交關取財,以財交涉最好。辛丑干上子、支上卯,辛巳干上申、支上卯,壬申返吟,辛卯伏吟,癸未午加癸、子加未。
兵を用うるの際には機に臨み変に応ずべく、或いは戦い或いは守り、或いは退き或いは和し、全く課体の格局を看て行う。「交車長生」——干上神と支上神とが交叉互換して各々長生を得、最も合股して資を集め経営しに行くに宜し。たとえば庚寅日に干上は亥・支上は巳、甲申日に干上は巳・支上は亥、戊申日の「伏吟」課(天地の両盤動かず、十二神各々本位に居る)、戊寅日の「返吟」課(天盤は地盤を冲し、十二神各々対宮に居る)もまた是なり。「交車合財」——ただ交易を為して財を取るにのみ宜しく、およそ銭財の往来で打交渉するに最も好し。たとえば辛丑日に干上は子・支上は卯、辛巳日に干上は申・支上は卯、壬申日の返吟課、辛卯日の伏吟課、および癸未日に午が癸の上に加わり子が未の上に加わる。
交車脫:雖相交涉而用事,彼此各懷相脫之意,如壬午干上未、支上寅,乙亥寅乙,戊辰酉戊,丁卯戊丁;甲申巳甲,庚寅亥寅各自脫;壬辰酉壬;乙未午乙自脫。交車害:彼此各相謀害,但不宜相交用事,各有戾害,辛酉伏吟,乙卯伏吟,丁丑午丁,己丑午己。
「交車脱」——双方は往来交涉して事を弁ずるけれども、心裏には各々「脱」の念頭を懐く。即ち各々相手の身の上から好处を耗取せんと想うなり。いわゆる脱とは、我が往きて彼を生じて気が外に泄るるなり。たとえば壬午日に干上は未・支上は寅、乙亥日に寅が乙の上に加わり、戊辰日に酉が戊の上に加わり、丁卯日に戊が丁の上に加わる。甲申日に巳が甲の上に加わり、庚寅日に亥が寅の上に加わるは、各々自ら泄脱す。壬辰日に酉が壬の上に加わり、乙未日に午が乙の上に加わるも、また自脱なり。「交車害」——彼此が互相に加害せんと図謀し、およそ交涉して事を弁ずるに皆相宜ならず。各々乖戾・傷損有り。たとえば辛酉日の伏吟課、乙卯日の伏吟課、丁丑日に午が丁の上に加わり、己丑日に午が己の上に加わる。
交車空:如占事始初相交之時,極和極美,後總成畫餅,靡不有初,鮮克有終也。交車刑:如結交朋友,正和美中必致爭競,各無禮也。丙寅、戊寅伏吟,辛未辛丑伏吟。交車沖:不論親疏,先合而後離,夫婦、父子、兄弟、客主皆然。丁丑、癸未、甲申、庚寅俱伏吟。
「交車空」——事を占いてこの課を得れば、起初双方の交往は極めて和睦・美満なれど、後来に到れば全く一場の画餅と成る。正に《詩経・大雅》の説く所に応ず。凡そ事には皆開頭有れど、能く善終するは少なきなりと。「交車刑」——朋友を結ぶるがごとく、正に和美の中に必ず争競を生じ、彼此ともに礼数を失す。丙寅日・戊寅日の伏吟課、辛未日・辛丑日の伏吟課はみなこの格に属す。「交車冲」——関係の親疎を論わず、みな先に合して後に離る。夫妻のあいだ・父子のあいだ・兄弟のあいだおよび賓主のあいだ、一概に此のごとし。丁丑・癸未・甲申・庚寅の四日の伏吟課はみな是なり。
交車克:乃蜜裡砒,笑裡刀之喻也,匿怨而友其人,如相交涉,必至爭訟。庚子丑庚,庚戌卯庚,辛未午辛自克。交車三交:乃三交為三傳,凡因交關用事,必有奸私,或相交涉二三事。己酉辰己,丁卯戊丁,丁酉辰丁,己卯辰己原文己卯戊己之局有誤,因三傳非三交,子午日無。
「交車克」——これは蜜の中に砒霜を蔵し、笑いの裏に刀を蔵するの比喻なり。また正に《論語》の説くがごとく、怨恨を心裏に蔵してなおその人と交好するなり。一旦往来・交涉すれば、終に必ず争訟に鬧り至らん。庚子日に丑が庚の上に加わり、庚戌日に卯が庚の上に加わり、辛未日に午が辛の上に加わりて自ら其の克を受くるは、みなこの格に属す。「交車三交」——三交の神を以て三伝を充作す。およそ交易往来によって事を弁ずれば、その中に必ず奸私を夾帯し、或いは一次に二三桩の交涉を牽扯す。己酉日に辰が己の上に加わり、丁卯日に戊が丁の上に加わり、丁酉日に辰が丁の上に加わり、己卯日に辰が己の上に加わる——原書は「己卯戊己」の局と作るが、実は誤り有り。さられば三伝は便ち三交を成さざるが故なり。子日と午日には即ちこの格なし。
交車三合:乃三合為三傳,支支干交車相合,亦名交合格,凡值此者,家合仁義,外人相助而成合,惟忌空亡。乙丑子乙,三傳巳丑酉;辛未午辛,三傳卯亥未之類。已上謂日干與支上神作六合,地支與干上神作六合,故名交車合,凡占皆主交關交易,交加交換而成合也,惟不利占解散諸事矣。
「交車三合」——三合の局を以て三伝を充作し、日支と日干とがまた交叉相合する。亦た交合格と呼ぶ。およそこの課に遇えば、家中は和睦して仁義に合し、外人もまた来て相助けて合作を促成す。唯だ空亡に落つるを忌む。たとえば乙丑日に子が乙の上に加わり、三伝は巳・丑・酉。辛未日に午が辛の上に加わり、三伝は卯・亥・未。みなこの類に属す。以上はみな日干と支上神とが「六合」(十二支が両両に相合す。子と丑と合し寅と亥と合するがごとし)を結び、日支がまた干上神と六合を結び、交叉して合を成す。故に交車合と呼ぶ。およそこの課を占えば、みな交關・交易・交加・交換によって合作を促成するを主とす。ただ散伙・解約の類の拆き離るべき事を占うに利あらず。
此例如六十日內除甲寅、庚申、丁未、己未、癸丑五日繫八專日,干支不分,交車無合,其餘五十五日每日一課,更宜詳其相合凶吉而言之,內有伏吟相會合者亦同其說。內辛未日干上午、支上卯,三傳卯亥未,如占交易,後必齟齬;始見齟齬,後卻和合,因發用乘丁也。又丙寅日返吟亦同。
この一格は六十日の中で、甲寅・庚申・丁未・己未・癸丑の五日が「八専」日(干支同位にして寄宮相併び、彼此を分かち出せざる)に属して交車合なきを除く外、残りの五十五日は各々一課有り。なお細かく合する所の吉凶を看て後に断語を下すべし。その中で伏吟にして干支相會して合を成すものも、説法は同じ。ことに辛未日に干上は午・支上は卯、三伝は卯・亥・未なるは、もし交易を占えば、事が成った後に必ず齟齬を生ず。また先に齟齬して後に和合するも有り。それは「発用」(即ち初伝)の上に「丁神」(本旬の中で丁干の寄る支にして、動揺・変易を主とす)に乗ったるが故なり。丙寅日の返吟課もまたこれに照らして断ず。
上下皆合両心斉第二二
上下同心三軍協力。謂支干上神作六合,地盤支干亦作六合。如乙酉、丙申、戊申、辛卯、壬寅,此五日伏吟者是也。干支相會格:如乙酉日酉加乙,或乙加酉;丙申日申加丙,或巳加申;戊申日申加戊,或巳加申;辛卯日卯加辛,或戌加卯;壬寅日寅加亥,或壬加寅,緣上下作六合也。
この課は上下が一条の心、三軍が斉しく力を用うるを主とす。説く所は、干上神と支上神とが彼此に六合を作し、しかも「地盤」(十二支が固定して動かざる下層の盤)の上で日干の寄宮と日支とも六合を作すなり。乙酉・丙申・戊申・辛卯・壬寅の五日の伏吟課は即ち是なり。「干支相會格」——乙酉日に酉が乙の上に加わるか或いは乙が酉の上に加わる。丙申日に申が丙の上に加わるか或いは巳が申の上に加わる。戊申日に申が戊の上に加わるか或いは巳が申の上に加わる。辛卯日に卯が辛の上に加わるか或いは戌が卯の上に加わる。壬寅日に寅が亥の上に加わるか或いは壬が寅の上に加わる。この格を立てる所以は、上下の両層がともに六合を結成したればなり。
上下俱合格:如日干與上神作六合,地支亦與上神作六合者。例如甲申日干上亥與甲干作六合,支上巳與地支申作六合。丁丑日干上午、支上子,己丑日同。癸未日干上子、支上午,庚寅日干上巳、支上亥。
「上下俱合格」——日干はその上の神と六合を結び、日支もまたその上の神と六合を結ぶ。たとえば甲申日に、干上の亥は甲の寄宮と相合し、支上の巳は地支の申と相合す。またたとえば丁丑日に干上は午・支上は子、己丑日はこれと相同じ。癸未日に干上は子・支上は午。庚寅日に干上は巳・支上は亥。この数例はみな上下両層が各自に合を成す。故に上下俱合と呼ぶ。
獨支干上神作六合格:如戊辰日干上丑與支上子作六合,又戊辰日干上未與支上午作六合。辛未日干上寅,又干上申;乙亥日干上酉,又干上卯;丙子日干上卯,又干上酉;戊子日干上卯,又干上酉。
「独支干上神作六合格」——合はただ上面の一層に結ばるのみ。即ち干上神と支上神とが彼此相合し、下面の地盤は並び合を成さず。たとえば戊辰日に干上は丑・支上は子、丑は子と相合す。戊辰日に干上は未・支上は午、午は未と相合す。このほか辛未日に干上に寅を見また申を見、乙亥日に干上に酉を見また卯を見、丙子日に干上に卯を見また酉を見、戊子日に干上に卯を見また酉を見るは、みなこの類に属す。
交互六合格:如干上神與支作六合,支上神與干作六合。如乙丑日干上子、支上酉,丙寅日干上亥、支上申,戊辰日干上酉,辛未日干上午,乙亥日干上寅,丙子日干上丑,戊寅日干上亥,每日皆有。內有一字空亡,反為凶咎。已上相合,凡占主客相順,神合道合之象。
「交互六合格」——干上神は日支と相合し、支上神はまた日干と相合して、両下交叉して合を成す。たとえば乙丑日に干上は子・支上は酉、丙寅日に干上は亥・支上は申、戊辰日に干上は酉、辛未日に干上は午、乙亥日に干上は寅、丙子日に干上は丑、戊寅日に干上は亥。毎一日とも皆能くこのような課を排出す。ただその中に一つの字が空亡に落つる有れば、反って凶咎に転ず。以上のこれらの成合は、およそ占えば賓主両下の順遂を主とし、人神相合・事理相合の象なり。
外好裡槎枒格:凡占皆如其言,緣支干上神雖作六合,奈何地盤支干上神卻作六害也。如壬申日干上寅支支上亥作六合,殊不知壬干與申支作六害。乙基卯日干上丑與支上子作六合,其支干辰卯卻作六害,況合空亡而害實在,凡事空喜而實害。
「外好裏槎枒格」——槎枒とは枝杈が横生して手を扎して順ならざる様子なり。およそこの課を占えば皆その名に応ず。外面は和好するも裏面は别扭なり。縁故は干上神と支上神とが六合を作すけれども、无奈何して地盤上の日干の寄宮と日支とはかえって「六害」(十二支が相妨げ相忌む。子と未とが相害し、丑と午とが相害するがごとし)を結ぶなり。たとえば壬申日に干上は寅・支上は亥、寅亥は合を成すも、知らずや壬の寄宮と申の支とは正に六害を作す。またたとえば乙卯日(原文は「乙基卯日」と作して一字多し)に干上の丑と支上の子とは合を成すも、地盤の辰と卯とはかえって六害を作す。何况合する所はまた空亡に落ちて、害は即ち実在する。ここにおいて凡事皆空しく歓喜を一場して実にその害を受く。
辛酉日干上丑與支上子作六合,俱空,獨留支干酉戌六害。又辛酉日干上未與支上午作六合,支干酉戌自作六害。乙卯日干上未與支上午作六合,卯辰支干自作六害。丙寅日干上寅與支上亥作六合,干巳與支寅卻作六害。戊寅日干上寅與支上亥作六合,干巳與寅支干作六害。
辛酉日に干上の丑と支上の子とは合を成すも、この两位はともに空亡に落ち、ただ地盤の酉と戌とのあいだの六害のみ実に残る。また辛酉日に干上の未と支上の午とは合を成し、地盤の酉と戌とは本身依然として六害を作す。乙卯日に干上の未と支上の午とは合を成し、地盤の卯と辰とは本身六害を作す。丙寅日に干上の寅と支上の亥とは合を成すも、丙は巳に寄宮し、巳と寅の支とは正に六害を作す。戊寅日に干上の寅と支上の亥とは合を成し、戊もまた巳に寄宮し、巳と寅の支とは同じく六害を作す。以上の諸例は、みな合は明処に在りて害は暗処に在るなり。
日辰鄰近格:緣干支相會,上神作六合者,凡占皆主有變換,彼我共謀求合之事也。如壬子日,子加亥與支上丑作六合,又是支加干兼支干相鄰近也。戊午日干上午與支上未作六合,支是支加干兼支干相鄰近,丙午日同。值此例者,客主相順,神和道合。干支相會格:緣上神相合而不相鄰近者例,亦可相共謀而成合事。丙寅日寅加巳、亥加寅,丙戌日戌加巳及卯加戌,戊戌日戌加巳及卯加戌,壬辰日辰加亥及酉加辰。
「日辰鄰近格」——日干と日支とが相會し、両者の上の神がまた六合を作す。およそ占えば事に変換有りて、你我双方が共同に合作を謀るを主とす。たとえば壬子日に子が亥の上に加わりて、支上の丑と六合を作す。これは既に支の干に加わるにして、地盤上の壬の寄宮の亥と日支の子とがまた一處に緊挨する。戊午日に干上は午・支上は未、午未は合を成す。亦た支の干に加わりて干支が毗鄰す。丙午日も理は同じ。この一格に遇えば、賓主両下順遂にして人神和洽・事理相合す。「干支相會格」——これは上神は相合すれど干支は並び毗鄰せざる一路なり。同じく共に謀りて合作を促成しうる。たとえば丙寅日に寅が巳の上に加わり亥が寅の上に加わり、丙戌日に戌が巳の上に加わり及び卯が戌の上に加わり、戊戌日に戌が巳の上に加わり及び卯が戌の上に加わり、壬辰日に辰が亥の上に加わり及び酉が辰の上に加わる。
彼求我事支伝干第二三
彼有事必來求於我者。謂初傳從支上起,末傳歸干上者,凡占必主他人委託我干謀事體,吉凶皆成,故占吉則吉遂,占凶則凶成,行人至,求取得。如癸酉日初傳從支上巳起,末傳至干上酉止,乃三傳巳酉丑也。
この一課は相手に事有りて必ず来て我に求めるを主とす。説く所は、初伝が支上より発して起こり、末伝は干上に帰到すなり。およそこの課を占えば、必ず他人が我に委託して出面して事を弁じに行くを主とす。事は吉凶を論ぜずみな成り得べし。吉を占えば吉事順遂、凶を占えば凶事もまた照樣に応験す。行人を占えば人は到り得るを主とし、求索を占えば東西は取り得るを主とす。たとえば癸酉日に、初伝は支上の巳より発して起こり、末伝は干上の酉に落ちて止む。三伝は便ち巳・酉・丑なり。
我求彼事干伝支第二四
謂初傳從干上起,末傳歸在支上者,凡事勉強,不免俯求於人,亦為人抑勒,難自屈伸,旺相尤吉,死囚不安,又主為卑下所屈,兼禮下求人之意,只宜低心下意,不宜高上,百事不舉,家宅不和,行人未來,病者難愈,死。如丁亥日自干上酉作初傳起,至支上丑作末傳止也。
説く所は、初伝は干上より発して起こり、末伝は支上に帰る。凡事みな勉強して作すを要し、頭を低うして人を求め、また人に挟制・壓抑されて、自ら伸展する能わざるを免れず。臨む所の神がもし「旺相」、即ち令に当たり気を得れば、なお吉利と算え。もし「死囚」に落ち、即ち時を失い気なければ、安寧を得ず。また地位の低下の人に屈せられ、兼ねて己を屈し人に下り、礼を以て人を求めるの意有り。ただ姿態を放低するにのみ宜しく、自ら高ぶるに宜しからず。百事を占うとも弁成せず、家宅を占えば和睦せず、行人を占えば未だ来らず、病人を占えば痊愈しがたく、甚だしきは死亡の虞すら有り。たとえば丁亥日に、干上の酉より起こりて初伝と為し、支上の丑に到りて末伝と為して止む。
金日逢丁凶禍動第二五
海內方寧,不料盜賊蜂起。如有官人占之,則赴任極速,不欲占人行年上神克去六丁所乘之神。常人占之,反宜制丁乘神。謂庚辛二干,三傳、年命、日辰逢旬內六丁神者,必主凶動。如乘勾陳必被官詞勾追;如乘月之死氣,必親族在外府郡報死亡而動往;乘貴人必貴人差往;乘元武主逃或妻有血災,蛇雀尤的。
この章の取象は、海内は正に安寧に当たるに、不意に盗賊が蜂擁して起こる。もし官職有る人が来て占えば、赴任の極めて速きを主とす。この種の人は占者の行年の上の神が六丁の乗るあの天将を克掉せざるを希望す。平常の百姓が来て占えば、反って丁神の乗る所の神を制するに宜し。この格の説く所は、庚・辛の両干の日に、三伝・年命・日辰のこれらの處に本旬の中の丁神を見れば、必ず凶事の発動を主とす。丁神の上に「勾陳」(争闘・勾連を主とする天将)に乗れば、必ず官府の文書に勾追せられん。上に当月の死気に乗れば、必ず外府・外郡の親族が死訊を報じ来て、身を動かして往くを須とせん。上に「貴人」(十二天将の首にして尊長・権貴を主とす)に乗れば、必ず貴人の差遣によって行かん。上に元武に乗れば、逃亡を主とし、或いは妻子に血光の災有り。もし上に「螣蛇」「朱雀」の両将に乗れば、応験ことに分明なり。
如庚午、辛未二日,見卯是丁神,則因妻而凶動,不然取財而禍起,或先得財而後凶。庚辰、辛巳二日,見丑是丁神,則因父母之墓田而凶動,尤分旺相為田,死囚為墓;內辛巳日晝將順行,丑乘白虎作丁神而遙傷日干,其凶動尤速。
庚午・辛未の両日は卯を見て丁神と為し、凶事は妻子より起こる。然らざれば即ち財を取るによって禍を惹き、或いは先に財を得て後に凶に遭う。庚辰・辛巳の両日は丑を見て丁神と為し、凶事は父母の墳地・田産より起こる。その中になお分別すべし。丑はもし旺相ならば田産に応じ、死囚ならば墳墓に応ず。ことに辛巳日に「昼将」(日出以後に起課に用うる天将にして順布す)を用いる時、丑の上に「白虎」(疾病・死喪を主とする凶将)に乗りて丁神を充て、位を隔てて遥遥として日干を傷すれば、凶事の来たることことに迅速なり。
庚寅、辛卯二日,見亥是丁神,則因子息而凶動;內辛卯日晝將逆行,亥乘白虎,凶動尤速。庚子、辛丑二日,見酉是丁神,則因兄弟或己身而凶動,尤分庚日是兄,辛日是弟及己身及祿有動遙;內辛丑日夜將順行,酉乘白虎,其凶尤速。庚戌、辛亥二日,見未是丁神,則因父母長上而凶動,內辛亥日夜將逆行,未乘白虎,其凶亦速。庚申、辛酉二日見巳是丁神,則因官鬼及長上而凶動,尤分庚日主鬼動,辛日主官搖動。
庚寅・辛卯の両日は亥を見て丁神と為し、凶事は子女によって起こる。その中の辛卯日は昼将を逆布し、亥の上に白虎に乗れば、凶の動くことことに迅速なり。庚子・辛丑の両日は酉を見て丁神と為し、凶事は兄弟或いは自身によって起こる。なお分別すべし。庚日は兄に応じ、辛日は弟に応じ、また自身および「日禄」(日干の臨む禄位)の遥遥として動有るに応ず。その中の辛丑日に「夜将」(日落以後に起課に用うる天将)を用いて順布すれば、酉の上に白虎に乗り、その凶尤も速し。庚戌・辛亥の両日は未を見て丁神と為し、凶事は父母・尊長によって起こる。その中の辛亥日は夜将を逆布し、未の上に白虎に乗れば、その凶もまた速し。庚申・辛酉の両日は巳を見て丁神と為し、凶事は官鬼と尊長とによって起こる。なお分別すべし。庚日は鬼祟の発動を主とし、辛日は官事の揺動を主とす。以上は丁神の落つる所の支を各色の人事に分派するに、庚辛の金とあの地支との五行生克に依拠す。金は水を生ず、故に亥は子女を主とす。酉は庚辛と同類、故に兄弟・自身を主とす。土は金を生ず、故に未は父母・尊長を主とす。火は金を克す、故に巳は官鬼を主とす。
火鬼蛇雀克宅格:緣火鬼乘朱雀而克宅神,其末傳又乘丁而遙剋日干者例,惟庚辰日卯加辰,冬占用晝將是也,如值此課,必遭天火焚伐而怨也。餘有火鬼乘蛇雀而克宅者例。春占火鬼是午,如甲申、戊申、庚申三日並午加申,用夜將乘塍蛇而克宅,宜以井泥塗灶禳之,後例亦同。
「火鬼蛇雀克宅格」——火に属する官鬼が上に朱雀に乗りて「宅神」(即ち日支にして住宅を代表す)を克傷し、末伝がまた丁神に乗りて位を隔て遥かに日干を克すれば、便ちこの格を成す。ただ庚辰日に卯が辰の上に加わり、冬季に占いて昼将を用うる一課のみこのごとし。この課に遇えば、家中に必ず天火の焚焼の殃に遭い怨恨を生ず。このほかまた火鬼が螣蛇或いは朱雀に乗りて宅を克する例有り。春季に占えば、火鬼は午に在り。甲申日・戊申日・庚申日のこの三天はみな午が申の上に加わり、夜将を用うる時に午の上に「螣蛇」(驚怪・虚驚を主とする天将)に乗りて宅神を克傷す。井底の泥を取りて灶台に塗抹して禳解するに宜しく、後面の数例の禳法も同じ。
夏占火鬼是酉,如甲寅、庚寅、戊寅三日酉加寅,用夜將乘朱雀而克宅;乙卯、己卯二日酉加卯,用夜將乘塍蛇而克宅;丁卯日酉加卯用晝將乘朱雀而克宅。秋占火鬼是子,如甲午、庚午、戊午三日並子加午,用晝將乘塍蛇而克宅;丁巳日子加巳,晝將乘塍蛇而克宅;辛巳日子加巳,夜將乘朱雀而克宅。
夏季に占えば、火鬼は酉に在り。甲寅日・庚寅日・戊寅日のこの三天は酉が寅の上に加わり、夜将を用うる時に酉の上に朱雀に乗りて宅神を克傷す。乙卯日・己卯日のこの両天は酉が卯の上に加わり、夜将を用うる時に螣蛇に乗りて宅を克す。丁卯日は酉が卯の上に加わり、昼将を用うる時に朱雀に乗りて宅を克す。秋季に占えば、火鬼は子に在り。甲午日・庚午日・戊午日のこの三天はみな子が午の上に加わり、昼将を用うる時に子の上に螣蛇に乗りて宅を克す。丁巳日は子が巳の上に加わり、昼将の時に螣蛇に乗りて宅を克す。辛巳日は子が巳の上に加わり、夜将の時に朱雀に乗りて宅を克す。以上の各例は、みな当季に属する火の官鬼が上頭より圧し降り来て、また朱雀或いは螣蛇のこの火光・驚怪を主とする両天将に乗りて、住宅を代表する日支を克傷しに行く。故に一概に宅中に火燭の憂有りと断ず。禳解は依然として前に説く所の井底の泥を取りて灶に塗るの法子を用う。
冬占火鬼是卯,如甲辰、戊辰、庚辰三日並卯加辰,晝將乘朱雀而克宅;癸未日卯加未,晝將乘朱雀而克宅;辛丑日卯加丑,夜將乘塍蛇而克宅;壬辰日卯加辰,晝將乘朱雀而克宅。
冬季に占えば、火鬼は卯に在り。甲辰日・戊辰日・庚辰日のこの三天はみな卯が辰の上に加わり、昼将を用うる時に卯の上に朱雀に乗りて宅神を克傷す。癸未日は卯が未の上に加わり、昼将の時に朱雀に乗りて宅を克す。辛丑日は卯が丑の上に加わり、夜将の時に螣蛇に乗りて宅を克す。壬辰日は卯が辰の上に加わり、昼将の時に朱雀に乗りて宅を克す。およそこの類の課に遇えば、みな住宅に火燭の憂有るを主とし、早く防範・禳解すべし。
人宅罹禍格:緣日上神剋日,而辰上神乘丁又剋日,主身宅皆凶,人且災而宅必動搖,惟有官人占赴任極速,宜乎晝將。凡六庚日巳加庚,六辛日午加辛者,皆丁神臨宅。
「人宅罹禍格」——日干の上の神が日干を克傷し、日支の上の神がまた丁神に乗りて再び来て日干を克すれば、人と宅と両辺ともに凶なり。人身は災に遭い住宅は動揺して安からず。唯独官職有る人がこの課を占い得れば赴任の極めて速きを主とし、しかも昼将を用うるを以て宜しとす。およそ庚日に巳が庚の上に加わり、辛日に午が辛の上に加わるは、みな丁神の宅に臨むの例に属す。
蛇虎遁鬼格:專論蛇虎二爻,謂六甲日遁旬內之庚乘白虎在六處,並辛日遁旬內之丁乘塍蛇在六處者,凡占至凶至危,至怪至動,縱空亡不能解救。如甲子日,庚午加戌,三傳戌午寅,又庚午加子返吟,又庚午加丑,三傳辰申子,並用晝將,此乃遁旬內之庚乘白虎而遙傷日干者例。辛巳日丁丑乘蛇加巳臨宅,三傳午寅戌;又丁丑加申,三傳卯申丑,丁在末傳;又丁丑加酉,三傳酉丑巳,丁在中傳,並用夜將。此乃遁旬內之丁乘塍蛇而遙作日干者例。
「蛇虎遁鬼格」——専ら螣蛇・白虎のこの两位の天将を講ず。およそ甲日は、本旬の遁出する庚干(遁干、即ち旬中の十干を依次に四課三伝の上に配する)の上に白虎に乗り、干上・支上・三伝・年命のこの六處に現る。および辛日に本旬の遁出する丁干の上に螣蛇に乗りてこの六處に現る。これを占えば皆極めて凶極めて危く、極めて怪異にして極めて動盪す。たとい空亡に落つるとも解救し得べからず。たとえば甲子日に、庚午が戌の上に加わり、三伝は戌・午・寅。また庚午が子の上に加わりて返吟を成す。また庚午が丑の上に加わり、三伝は辰・申・子。みな昼将を用う。——これらはみな旬遁の庚が白虎に乗りて遥遥として日干を傷する例なり。またたとえば辛巳日に、丁丑が螣蛇に乗りて巳の上に加わりて宅に臨み、三伝は午・寅・戌。また丁丑が申の上に加わり、三伝は卯・申・丑、丁は末伝に落つ。また丁丑が酉の上に加わり、三伝は酉・丑・巳、丁は中伝に落つ。みな夜将を用う。——これらはみな旬遁の丁が螣蛇に乗りて遥遥として日干を冲动する例なり。
凶怪格:謂月厭、大煞、天目、墓神、丁神,皆主怪異凶災,並臨年命日辰。如乙巳日干上未,四月占;庚辰、辛巳日干上丑,十月占,此主極怪極凶。馬載虎鬼格:如甲寅日申加午為末傳,晝將又乘白虎,又伏吟,又申加戌,又申加亥,並用晝將,戊午日寅加未晝將,戊辰日寅加未,又寅加酉,又寅加亥,並用夜將,白虎克干,餘甲戌及戊申此二日,雖有此例,賴鬼空亡不能為害,其餘日辰極多,不暇細具,凡占主凶速。
「凶怪格」——月厭・大煞・天目・「墓神」(日干の五行の墓に入る位)・丁神のこの几位は、みな怪異・凶災を主とす。もし併せて年命或いは日辰の上に臨まばさらに験あり。たとえば乙巳日に干上は未にして四月に占い、庚辰日・辛巳日に干上は丑にして十月に占えば、みな極怪・極凶を主とす。「馬載虎鬼格」——駅馬の上に白虎に乗る官鬼を載す。たとえば甲寅日に申が午の上に加わりて末伝を作し、昼将を用うる時に申の上にまた白虎に乗る。またその伏吟課、および申が戌の上に加わる、申が亥の上に加わるは、みな昼将を用う。戊午日に寅が未の上に加わるは昼将を用う。戊辰日に寅が未の上に加わり、また寅が酉の上に加わる、寅が亥の上に加わるは、みな夜将を用う。——これらはみな白虎が日干を克傷するなり。残りの甲戌・戊申の両日は此の例有ると雖も、幸いに鬼爻が空亡に落ちて、害は事を成さず。このほかこの格に合する日辰は極めて多く、一々列挙する能わず。およそこの格を占い得れば、みな凶事の来たること速きを主とす。
蛇虎乘丁格:如乙亥日丑加亥,辛亥日未加亥者,乃丁作白虎而克支辰,必因家宅而有動,不然屋宇塌倒以致損人口,或染災病而不可免。餘日鬼乘丁作塍蛇尤凶尤怪。乙未日干上酉,夜乘塍蛇亦凶。外有丁神作日鬼乘白虎而剋日干者,未免本身有凶動也。惟有己巳一日卯加巳夜將乘白虎而克干者是也。
「蛇虎乗丁格」——たとえば乙亥日に丑が亥の上に加わり、辛亥日に未が亥の上に加わるは、みな丁神の上に白虎に乗りて日支を克傷す。必ず家宅の事によって変動を生ぜん。然らざれば即ち房屋が倒塌して以て人口を傷損し、或いは災病に染み、避けがたし。残りの各日にもし官鬼が丁に乗りてまた上に螣蛇に乗れば、凶険・怪異はさらに甚だし。乙未日に干上は酉、夜に占う時に酉の上に螣蛇に乗れば、また凶を主とす。このほかまた丁神が日鬼を充作して上に白虎に乗り、直に日干を克傷する有れば、即ち自身に凶事を出さんを免れず。この一路はただ己巳の一日に卯が巳の上に加わり、夜将を用うる時に卯の上に白虎に乗りて日干を克するこの一課のみ。
水日逢丁財動之第二六
掠敵人之糧必得。惟畏占人行年上神克去六丁所乘之神,則財不動。謂壬癸二日,三傳、年命、日辰之六處,逢旬內之丁神者,必主財動,及遠方封寄財物付本身之象。如未有妻,則有娶妻之喜,如已有妻,則主別妻之憂。
この章の取象は、往きて敵方の糧草を掠奪すれば、必ず手に得るを得。怕るる所はただ占者の行年の上の神が六丁の乗るあの天将を克掉すれば、さすれば財は動き起こる能わざるなり。この格の説く所は、壬日・癸日に、三伝・年命・日辰のこの六つの位置に本旬の丁神に遇えば、必ず銭財の発動を主とし、また遠方に人の財物を封寄して自己の手上に送り到るを主とす。もし未だ妻を娶らざれば、妻を娶るの喜有るを主とす。もしすでに妻有れば、即ち妻と分離の憂有るを主とす。
如壬申、癸酉二日見卯是丁,則因子息動而有財。內癸酉日因門戶之財動,或為子息而得財。壬午、癸未二日,見丑是丁,則因官鬼之財動,內癸未日伏吟,與癸丑日同說。壬辰、癸巳二日見亥為丁,則因己身或兄弟黨之財動,內有癸巳日見亥丁馬交加,財動又速。
壬申日・癸酉日のこの両天は卯を見て丁神と為し、子女の事によって発動して財を得るを主とす。その中の癸酉日は門戸・屋宅の事によって財の動くを主とし、或いは子女のために財を得。壬午日・癸未日のこの両天は丑を見て丁神と為し、官鬼の事によって財の動くを主とす。その中の癸未日は伏吟課にして、癸丑日の断法と相同じ。壬辰日・癸巳日のこの両天は亥を見て丁神と為し、自身或いは兄弟の一党の事によって財の動くを主とす。その中の癸巳日に亥を見るは、丁神と駅馬とが一處に畳まれ、称して「丁馬交加」といい、財の動くこと格外に迅速なり。
壬寅癸卯二日見酉是丁,則因父母或長上而財動,內癸卯日又因門戶之財動。壬子、癸丑二日見未是丁,則因官鬼之財動,內癸丑日干上未,並初傳是丁,緣三傳皆鬼,不可取財。壬戌、癸亥二日見巳是丁,則因妻之財動,內有癸亥,巳為丁馬交加,財動尤速,離妻娶妻更的。
壬寅日・癸卯日のこの両天は酉を見て丁神と為し、父母・尊長によって財の動くを主とす。その中の癸卯日はまた門戸・屋宅の事によって財の動くを主とす。壬子日・癸丑日のこの両天は未を見て丁神と為し、官鬼の事によって財の動くを主とす。その中の癸丑日に干上は未、初伝もまた丁神なれど、三伝は全て鬼を作す。かかる財は取りに往くべからず。壬戌日・癸亥日のこの両天は巳を見て丁神と為し、妻子によって財の動くを主とす。その中の癸亥日の巳は丁馬交加にして、財の動くことことに迅速にして、妻を離るか妻を娶るかに応ずることさらに準確なり。
財乘丁馬格:緣財神乘丁,或為驛馬者,必因出入求財或因妻動用者,如丁馬交加,必因妻財而非細之動。如己丑日亥為財乘丁馬,甲辰、乙巳見未,丙申、丁酉見酉,戊子日見亥,甲戌、乙亥日見丑。
「財乗丁馬格」——財爻の上に丁神に乗るか、或いはそれ自身が「駅馬」(奔走・遷移を主とする神)である。このような課は必ず出門・奔走によって財を求め、或いは妻子の縁故によって銭財を動用するを主とす。もし丁神と駅馬とが一處に畳まれれば、即ち妻財のために起こる少なからぬ一場の変動なり。たとえば己丑日は亥を以て財と為して丁馬に乗り、甲辰日・乙巳日は未を見、丙申日・丁酉日は酉を見、戊子日は亥を見、甲戌日・乙亥日は丑を見るは、みなこの格に属す。
太常乘日之長生臨日干上者,來人必占婚姻之喜,或有錫賜物帛之事。如六甲日亥加寅,夜將乘太常。六己申加未,晝將乘太常,癸亥日干上亥,夜常,未巳卯皆財。太常乘日之長生臨支上者,宅中必有婚禮之喜,或宜開彩帛鋪或開酒食店肆,後有長進。如甲子日夜占,亥加子作太常,為日長生,又是交車合併。甲戌日亥加戌,夜將亦是交車合,乘太常作日之長生,斯二例占婚尤的。甲寅日亥加寅夜,己未日申加未晝。
「太常」(衣食・宴饗・賞賜・財帛を主とする天将)が日干の長生の位に乗りて干上に臨めば、来人は必ず婚姻の喜事を占問するか、或いは衣物・布帛を賞賜される事有り。たとえば甲日に亥が寅の上に加わり夜将を用うる時に亥の上に太常に乗る。己日に申が未の上に加わり昼将を用うる時に太常に乗る。癸亥日に干上は亥、夜占に太常に乗り、しかも未・巳・卯はみな財爻なり。太常が日干の長生に乗りて支上に臨むは、即ち家中に必ず婚禮の喜有るを主とし、或いは綢緞舖・酒食店を開くに宜しく、日後に長進有り。たとえば甲子日に夜占し、亥が子の上に加わりて太常に乗れば、正に甲木の長生にして、また兼ねて交車相合なり。甲戌日に亥が戌の上に加わり、夜将を用うるもまた交車合にして、太常に乗りまた日干の長生を作す——この両例は婚を占ってことに準確なり。このほか甲寅日に亥が寅の上に加わりて夜将を用い、己未日に申が未の上に加わりて昼将を用うるも、また是なり。
牛女相會格:緣丑中有牛宿,子中有女宿,子與丑合,乘太常為用。如乙丑、己丑,子加丑;丙子、壬子,丑加子乘太常,大宜占婚姻。內壬子日是蕪淫體,後必不成。
「牛女相會格」——二十八宿の中に、丑位に牛宿有り、子位に女宿有り。子と丑とはまた正好相合す。もし更に太常に乗りて発用せば、便ち牛郎・織女の相会の象を取る。たとえば乙丑日・己丑日に子が丑の上に加わり、丙子日・壬子日に丑が子の上に加わりて太常に乗れば、みな大いに婚姻を占うに宜し。その中の壬子日は「蕪淫」の課体に属し、男女の淫佚・不正の象にして、婚事は後来に到れば必ず成らず。
伝財化鬼財休覓第二七
不宜掠軍糧,不可受敵賄賂。謂三傳皆作日之財,而生起干上日鬼,而傷其日干者,必因取財而致禍,及防妻與鬼交而損失。餘生支上鬼者,主破家。如辛亥日干上午,三傳未卯亥,皆作木局為日之財,其財且不可取,欲待不取,奈財在目前,爭忍舍之,設取其財,即生起干上之午火而作辛金,難免其凶禍也。
この章の取象は、往きて敵方の軍糧を搶奪すべからず、また敵人の賄賂を収受すべからざるなり。説く所は、三伝がみな日干の財爻を作すけれども、この財が反って干上の日鬼を生旺せしめ、鬼が再び回頭して日干を傷克すなり。この種の課は必ず財を取るによって禍を招き、なお妻子が外人と私通して以て損失を致すを防ぐべし。もし三伝の生ずる所が支上の鬼なれば、即ち家を敗するを主とす。たとえば辛亥日に干上は午、三伝は未・卯・亥で合して木局を成し、みな辛金の財なり。この筆の財は偏偏として取るべからず。取らざらんと想えば、財は眼前に擺され、何処で舍得ん。一旦これを取れば、木財は立ちどころに干上の午火を生旺せしめ、午火は転じて来て辛金に対付し、凶禍は便ち免れがたし。
此財如在虎口,又喻如刀上蜜,焉可舐,稍識事君子見其財自禍而出,必不取之,庶得全身遠害。此例雖不利取財,惟宜以己財而告貴人成其事,言用晝貴,乃以財生貴,必宜僥求關節事,可諧也。餘辛卯、辛未二日干上午同前說。丁巳、丁丑二日干上亥,若丁酉日干上亥,三傳亥卯未全生,但日上見鬼耳,幸為貴德,宜告貴得益,宜為長上占之。
このような財は虎口の裏に放すがごとく、また刀刃の上に抹した蜜に譬うるがごとし。怎ぞ舐め得ん。稍や事理に明白なる人は、この財が禍事の裏より生じ出づるを看り出して、必ず往きてそれを拿らず。これを以て自身を保全し禍害を遠離し得べし。この格は財を取るに利あらざると雖も、却って己の銭を拿りて貴人に打點し事情を弁成するに宜し——即ち昼貴人を用うる時は、財を以て貴人を生じに往き、およそ關節を托し門路を走らんと想う事は皆談成し得べし。残りの辛卯・辛未の両日に干上が午なるは、断法は前に同じ。丁巳・丁丑の両日は干上が亥。丁酉日に至っては干上が亥で、三伝は亥・卯・未の一路相生にして、ただ日干の上に鬼を見るのみ。所幸なるはこの鬼が兼ねて貴人・德神を作すにして、貴人に禀告して好处を得るに宜しく、また尊長のために来て占うに宜し。
若壬戌日干上未,夜乘太常,三傳全脫,占病則因傷食以致邪祟侵纏,尤恐不救,如得占人年命去其干上之鬼,稍輕。內有丁丑日干上亥,三傳酉丑巳,其金財不能生亥水,言初中空陷,末作天空,夜占三傳天將皆土,能克去亥鬼,致使財亦不可取,禍亦不傷身,未免經繇,此二事後始無一成。並丁巳、丁酉二日,各視天將言之。
またたとえば壬戌日に干上は未、夜占の時に未の上に太常に乗り、三伝は全て日干の気を泄脱するものなり。病を占えば飲食の積傷によって邪祟の糾纏を招いたるを主とし、ただ救い帰らざるを怕る。もし占者の年命が干上のあの鬼を除去し得れば、病勢は才だ稍や軽し。その中の丁丑日に干上は亥、三伝は酉・丑・巳にして、金財は亥水を生ずる能わず。初伝・中伝ともに空亡に陷り、末伝がまた「天空」(虚詐・不実を主とする天将)に乗るが故なり。夜占の時に三伝の天将は全て土に属し、能く亥鬼を克掉し得べし。このように一来すれば、財は固然として取り成さず、禍もまた身を傷らざるも、一番の周折・奔波を経歴するを免れず。財を取ると禍を免るとこの两桩の事は到頭に一件も弁成せざり。丁巳・丁酉の両日の情形もまた各自に天将を參看して断ず。
傳財化鬼格:緣三傳作日之財,反生起支上神而作日干者,此等禍害,必自宅中而發,惟要行年本命上神剋制其鬼,庶不致深害。如乙巳未乙,三傳未戌丑,支上申;丑亥丑乙,三傳丑戌未,支上申;丁亥申丁,三傳申酉戌,支上子,惟宜納粟得官,或以財告貴,買恩澤而補授極妙。但有官人占之則吉,必升擢官職也。又如四己日,己卯、己亥、己酉、己未,干上亥,雖為日財,奈三傳曲直木局,並來傷干,亦宜納粟求官。
「伝財化鬼格」——三伝はもとより日干の財なれど、却って反って支上の神を生旺せしめ、あの神が再び回頭して日干に対付す。この一類の禍害は必ず家宅の内部より生ず。ただ行年・本命の上の神を頼んでこの鬼を克制するのみ、深害を受けざるに致れ。たとえば乙巳日に未が乙の上に加わり、三伝は未・戌・丑、支上は申。また丑亥が丑・乙の上に加わり、三伝は丑・戌・未、支上は申。丁亥日に申が丁の上に加わり、三伝は申・酉・戌、支上は子。これに遇えばただ「納粟」(糧米を捐納して以て官職を換取す)のこの路を走りて官を得、或いは銭財を拿りて貴人に禀告し、恩澤を買通して補授を得るにのみ宜しく、最も妙なり。もし已に官職有る人が来て占えば即ち吉と為し、必ず升遷を得。又たとえば己卯・己亥・己酉・己未のこの四つの己日に干上は亥、説くは日干の財と雖も、无奈三伝が結んで曲直の木局を成し、一斉に来て日干を傷す。また納粟して官を求むるこの路を走るに宜し。
因財致禍格:或畏妻室,如帶凶將,或被妻傷者,緣財爻反克干上之神者是也。如庚辰日干上丑,初傳寅木為財乘白虎而傷干上丑土,必被妻傷其命,又被丑旬中之丁作墓而覆日,亦是命運災衰,以致然耳,不然娶惡妻而不孝於父母。
「因財致禍格」——或いは内を懼れ妻を怕るか、或いは財爻が凶将を帯びるか、或いは妻子に傷られん。縁故は皆財爻が反って来て干上の神を克傷するに在り。たとえば庚辰日に干上は丑、初伝の寅木は財にして、寅の上に白虎に乗りて往きて干上の丑土を傷すれば、必ず妻子に傷られて性命に及ばん。加上すれば丑はまた本旬の丁神にしてまた庚金の墓にして、日干の上に覆壓す。これも命運が正に災衰の時に当たって才だ招き来るなり。然らざれば即ち凶悍の妻子を娶りて父母に孝ならざるなり。
財遁鬼格:緣日上神作財,卻遁旬中干鬼,必因財致禍,為食喪身,因妻成訟。如甲戌日干上庚辰,甲辰日干上庚戌,乙丑日干上辛未,乙未日干上辛丑,丙寅日干上壬申,壬戌日干上戊午,癸酉日干上己巳,丁卯日干上癸酉,戊辰日干上甲子。借錢還債格:如辛酉日干上卯、支上寅,壬子日干上巳,丙午日干上申,外有乙未日伏吟,凡干支相同者,不宜求財耳,此曰借錢還債不明也。
「財遁鬼格」——日干の上の神は本作財なれど、それが遁出する所の旬中の天干は即ち日干を克する鬼なり。この種の課は必ず財によって禍を招き、或いは口腹の欲のために身を喪い、或いは妻子によって官司に惹れん。たとえば甲戌日に干上は庚辰を遁出し、甲辰日に干上は庚戌を遁出し、乙丑日に干上は辛未を遁出し、乙未日に干上は辛丑を遁出し、丙寅日に干上は壬申を遁出し、壬戌日に干上は戊午を遁出し、癸酉日に干上は己巳を遁出し、丁卯日に干上は癸酉を遁出し、戊辰日に干上は甲子を遁出す。「借銭還債格」——たとえば辛酉日に干上は卯・支上は寅、壬子日に干上は巳、丙午日に干上は申、別に乙未日の伏吟課有り。およそ干上と支上とに見る所が相同じきは、みな財を求むるに宜しからず。これを即ち銭を借りて債を還すと呼び、一筆の糊塗の賬にして、到頭に算え清めがたし。
伝鬼化財銭険危第二八
占後同前。謂三傳俱鬼,則能去比肩,既無奪財之神,於傳內有一作財現,其財安穩而無破也。謂三合課中雖作日之鬼,兩課俱空,獨存一字,中間為財者,乃名全鬼變為財,其財終是危險中出,縱得之亦不安穩,倘君子識事,必不取其財也。如占人命年上乘日鬼,其禍仍發,亦不為財也。如丙申、丙子、丙辰三日並干上丑土,可以敵其水局,獨存申金為財,如用晝將,少畏龍蛇元皆水獸,恐為禍也。
兵を用うるの法を占うは前一章と相同じ。説く所は、三伝が全て鬼にして、鬼は能く「比肩」(日干と同類にして、来て銭財を分奪する爻)を克去す。奪財の物なき既にすれば、三伝の裏に一位の財爻を露出せば、この財は安穩にして破れず。また説く、三合して局を成す課は、局中みな日干の鬼を作すと雖も、但しその中の两課は空に落ち、ただ一つの字を残し、しかもこの字が正に中間に在りて財を充てば、即ち全鬼が財に変ずと呼ぶ。このような財は終究危険の裏より掙り出づるにして、たとい手に到るとも安穩ならず。見識有るの君子は、必ず往きてそれを取らず。倘も占者の本命・行年の上にまた日鬼に乗れば、禍事は照樣に発するを要し、あれは更に財と算えられず。たとえば丙申・丙子・丙辰の三日に干上はみな丑土にして、丑土は三伝の水局を抵當し得て、ただ申金を留めて財を作す。但し昼将を用いれば、即ち「青龍」・螣蛇・元武の皆水獣に属するを略ぼ怕れ、恐らく反って禍を生ぜんを要す。
取還魂債格:緣三傳全為脫氣,反生干上財神者。例如己丑干上亥,三傳酉丑巳雖為日之脫氣,殊不知金局生起干上亥水作日之財。己巳干上亥空亡尤為的驗。壬寅返吟,甲戌、甲午、甲申、甲辰、甲寅日干上戌。又如丁丑日酉加巳用,墓土將生空亡之財,亦如前說。有三傳為脫氣,生起支上財神者,如壬寅、壬戌二日並支上午,甲午日支上戌,亦為取還魂債。
「取還魂債格」——三伝は全て日干の気を泄脱する物なれど、却って反って干上の財神を生旺せしめ、死掉したる債がまた魂を還して回り来るがごとし。たとえば己丑日に干上は亥、三伝は酉・丑・巳で皆己土の気を泄すと雖も、不料この金局が転じて干上の亥水を生起し、亥水は正に己土の財なり。己巳日に干上は亥にして空亡に落つるは、応験ことに分明なり。このほか壬寅日の返吟課、および甲戌・甲午・甲申・甲辰・甲寅の五日に干上が戌なるは、みなこの例に属す。またたとえば丁丑日に酉を以て巳の上に加わりて発用し、墓中の土が往きてあの空に落ちたる財を生ずるは、説法は前に同じ。また三伝が気を泄して支上の財神を生起する有り。たとえば壬寅・壬戌の両日に支上はみな午、甲午日に支上は戌は、同じく取還魂債と呼ぶ。
求財急取格:如乙未日未加乙,雖曰財就人格,惟宜速去取之,如緩則財反被未來墓其乙木,卻恐為禍。又如辛卯日卯加辛,雖名財就人格,亦宜速取其財,如少緩,亦被卯木克其戌土,反有害也。
「求財急取格」——たとえば乙未日に未が乙の上に加わるは、説くは「財就人」の格にして、即ち財が自ら門に送り来るなれど、只だ急いで往きて取るにのみ宜し。もし一たび拖延せば、あの未土が反って乙木の墓を成して日干を埋住し、恐怕らくは反って禍事を成さん。またたとえば辛卯日に卯が辛の上に加わるは、財就人格と呼ぶと雖も、同じく財を趕緊に取り手に到るを要す。稍や一たび遅緩すれば、卯木もまた往きて戌土を克し、反って害有らん。
空財格:如丙子日酉加巳,乃空財,如用夜將反生三傳之財,亦宜索債。危中取財格:緣干克支辰為財,支上神為鬼者,不免自驚,危中取財。如甲辰日乃甲木克辰土為財,如辰上乘申是也。甲戌日支上申空亡,似乎無畏。乙丑、乙未二日支上酉,丙申日支上亥,丁酉日支上子,戊子日支上寅,己亥日支上卯,庚寅日支上巳,辛卯日支上午作空亡,不可畏之。
「空財格」——たとえば丙子日に酉が巳の上に加われば、この財は空に落ちて虚財なり。但し夜将を用いれば、天将は反って三伝の財を生ず。あれもまた債を討うに宜し。「危中取財格」——日干が日支を克し、日支は便ち財なれど、支上の神はまた日干を克する鬼なり。この筆の財を取れば自己に先ず一身の汗を驚出すを免れず、危険の中より財を取るなり。たとえば甲辰日に甲木が辰土を克して財と為し、しかも辰の上に申金に乗れば即ち是なり。甲戌日に支上の申は空亡に落ち、看れば怕るるに足らざるがごとし。残りの乙丑・乙未の両日に支上は酉、丙申日に支上は亥、丁酉日に支上は子、戊子日に支上は寅、己亥日に支上は卯、庚寅日に支上は巳、辛卯日に支上は午にして空亡に落つるは、みな畏懼するを須とせず。
眷屬豊盈居狭宅第二九
凡占兵利先舉。謂三傳生其日干,反脫其支辰者是也,值此必人口豐隆而居宅窄狹也。如甲申日干上午,三傳辰申子水局全來生日,乃應人口豐盈也,申金為支辰,反生三傳之水局,乃應屋舍窄狹也,如得此課,切不可遷居寬廣之屋舍,恐反生災咎,此造化使然,不可逆天理而妄作也。其餘占別事,即我盛而他衰,我勝而他負,後例準此,乙酉日干上申,三傳申子辰,又干上巳,三傳亥子丑。
兵を用うるを占えば先に発して人を制するに利有り。この格の説く所は、三伝が来て日干を生ずるも、却って反って日支に生ぜられて日支の気を泄したるなり。この一課に遇えば、必ず家中の人口は興旺にして住宅は狭窄なり。たとえば甲申日に干上は午、三伝は辰・申・子で合して水局を成し、一斉に来て甲木を生ず。応は人口の豊盈に在り。しかも申金は日支にして、それは反って往きて三伝の水局を生ず。応は屋舍の窄小に在り。この一課を得れば、切に寛敞の房子に搬り往くべからず。恐怕らくは反って災咎を生ぜん——これは造化の本来の安排にして、天理に違逆して胡乱に行事すべからざるなり。もし別の事を占えば、即ち我が興盛にして彼方は衰敗し、我勝ちて彼負くるを主とす。後面の数例は皆これに照らして推斷す。またたとえば乙酉日に干上は申、三伝は申・子・辰。或いは干上は巳、三伝は亥・子・丑。
人旺棄宅格:緣三傳生其日干而克其支辰者,占人雖亨旺而無正屋可居,縱為官多是寄居,或欲逃亡而棄其家尤的。如丁未日卯加未,又亥加未用,癸卯日酉加巳用,甲午日子加丑,丙戌日卯加辰用。
「人旺棄宅格」——三伝は日干を生助して日支を克傷す。人の自身を占えば亨通・興旺すると雖も、正經の房屋有りて住すべきなし。たとい官を為すとも、多くは借住・寄居なり。もし逃げ走りて家業を丢下せんと説かば、ことに応験す。たとえば丁未日に卯が未の上に加わり、また亥が未の上に加わりて発用す。癸卯日に酉が巳の上に加わりて発用す。甲午日に子が丑の上に加わる。丙戌日に卯が辰の上に加わりて発用す。
贅婿卦:緣支加干而被干克者,其支上又乘脫氣,或克支者,必無正屋可居。如丙申日申加丙,亥脫申;丁酉日酉加丁,亥脫酉;戊子日子加戊,未克子;己亥日亥加巳,卯脫亥。
「贅婿卦」——日支の神が日干の上に加わりて反って日干に克され、支上にまた泄脱の神に乗るか、或いは直に日支を克傷す。かかる人は必ず自己の正屋有りて住すべからず、上門して女婿を為し、人の籬下に寄るほかなし。たとえば丙申日に申が丙の上に加わりて、しかも亥が来て申を泄す。丁酉日に酉が丁の上に加わりて、しかも亥が来て酉を泄す。戊子日に子が戊の上に加わりて、しかも未が来て子を克す。己亥日に亥が巳の上に加わりて、しかも卯が来て亥を泄す。
屋宅寛広致人衰第三十
占兵利為主而後應,或營空虛。謂三傳竊盜日干反生支辰者是也,凡值此課,必宅不容人居止,不然人口少而居寬廣之屋舍,致使人口日漸衰羸,患難俱生,惟宜棄此住場而別遷居止,庶免此患。餘占事皆我衰他旺,我負他勝,後例準此。如甲辰日戌加寅,甲戌日寅加戌,又壬午日未加卯。
兵を用うるを占えば拠守して敵を待ち、後に発して人を制するに宜しく、或いは相手方の營壘の空虚を主とす。この格の説く所は、三伝が竊取して日干の気を泄脱し、反って往きて日支を生ずるなり。およそこの課に遇えば、必ず住宅が人の安居を容れず。然らざれば即ち人少なくして過大・寛大の房子に住し、以て人口は一天天に衰弱し、患難は接連して生ず。唯一の辦法はこの處の住所を舎掉して別に他處に遷るに、能くこの患を免るを得。この格に遇えば、ただこの一法のみ。もし別の事を占えば、皆我の衰にして彼の旺、我負けて彼勝つを主とす。後面の数例はこれに照らして推斷す。たとえば甲辰日に戌が寅の上に加わり、甲戌日に寅が戌の上に加わり、また壬午日に未が卯の上に加わる。
賣宅備患格:緣三傳生支克干,惟宜兌賣宅舍,以錢預備災患之費,如癸酉日辰加丑用,己巳日卯加未,丙寅日子加丑,癸酉日伏吟。獅獸沖宅格:緣對鄰獸頭吻沖其本家,或有獅子道路衝宅,以致家道衰替,如對鄰空亡不足畏也。如壬辰日,申加戌作白虎,沖支上寅;辛巳日伏吟,亥作虎沖支上巳;甲午、庚午二日伏吟,子作虎沖支上午;辛丑日酉加未作虎沖支上卯。
「賣宅備患格」——三伝は日支を生じて日干を克す。ただ住宅を折價して賣掉し、銭を拿りて預め災患に應付する開銷を備下するにのみ宜し。たとえば癸酉日に辰が丑の上に加わりて発用し、己巳日に卯が未の上に加わり、丙寅日に子が丑の上に加わり、および癸酉日の伏吟課。「獅獣冲宅格」——対門の鄰居の屋上の獣頭が正に自家に対するか、或いは石獅・道路が直に住宅に冲して、以て家道は衰落す。もし対門のあの一方が空亡に落ちれば、懼るるに足らず。たとえば壬辰日に申が戌の上に加わりて白虎に乗り、支上の寅を冲す。辛巳日に伏吟し、亥の上に白虎に乗りて支上の巳を冲す。甲午・庚午の両日に伏吟し、子の上に白虎に乗りて支上の午を冲す。辛丑日に酉が未の上に加わりて白虎に乗り、支上の卯を冲す。
血厭克宅格:緣天后乘血支、血忌作月厭,臨支克支,凡交易買賣鋪店,皆宜忌此。如七月癸亥日,辰作天后加亥,乃夜占,緣七月血忌在辰,月厭亦在辰,又墓克其宅神故也。止有七月佔有血忌與月厭同處,餘中有天后臨血支、血忌之例。
「血厭克宅格」——天后が血支・血忌に乗りてまた月厭を充て、日支の上に臨みて往きて日支を克す。およそ買賣を為し舖面を開くの類の事は、皆この一課を忌むべし。たとえば七月の癸亥日に、辰の上に天后に乗りて亥の上に加わるは、夜占を用うるなり。七月の血忌は辰に在り月厭もまた辰に在り、辰はまた墓神にして、正に住宅神を克するが故なり。十二箇月の裏にただ七月のみ血忌と月厭とが同じく一處に落つ。残りの各月は即ち別に天后が血支・血忌に臨むの例有り。
三伝逓生人擧薦第三一
生干客勝,生支主勝。此格有二等,一自初傳生中,中生末傳,末傳生日干;一自末生中傳,中傳生初傳,初傳生日干。凡占值二例,必隔三隔四有人於上位推薦之意,所謂皆賴眾人之說。如欲干官及請舉文狀,皆宜得之,必得始終成就也。惟宜詳初末空亡,如值空亡者,雖有舉薦之心,終無成就之實,乃便作閒話多赤心少之語也。
三伝相生にもし日干に生じ到れば、客方の勝を主とす。もし日支に生じ到れば、主方の勝を主とす。この格は両種に分かつ。一種は初伝が中伝を生じ、中伝が末伝を生じ、末伝が再び日干を生ず。一種は末伝が中伝を生じ、中伝が初伝を生じ、初伝が再び日干を生ず。およそこの両樣の課を占い得れば、必ず三層四層を隔てて人の上頭に在りて自己のために推薦する有り。正に所謂全く衆人の抬擧に頼るなり。官職を謀取せんと想い、人に請うて擧薦の文書を遞上せんと想うも、皆この課を得るに宜しく、事情は頭より尾に至るまで弁成し得べし。ただ細看して初伝・末伝に空亡に落つる有無を要す。もし空に落ちれば、あの人々は擧薦の心有ると雖も、終帰して實實在在の結果なし。不過は閒話の説く多く、真心の拿出す少なきのみ。
如辛丑日,卯加丑為初傳,生其中傳巳,中傳巳生末傳未,未土生辛干,此中空末落空,如年月並幹事人命填實可成。又辛酉日干上寅,癸未日干上卯,甲子、壬申、壬辰、甲申、壬寅、壬子、壬戌並干上午;丙子、丙寅、丙辰、丙午、丙申、丙戌干上申,三傳申亥寅,此數日內有傳空者,有傳不空者,如丙子初中空,丙寅中末空。
たとえば辛丑日に、卯が丑の上に加わりて初伝を作し、卯木が中伝の巳火を生じ、巳火が末伝の未土を生じ、未土が再び辛金の日干を生ず。この一課は中伝が空に落ち末伝もまた空に落つ。もし太歳・月建或いは辦事人の本命が前來して「填實」(實有の神を以て空亡の位を補上す)せば、事情は仍舊として成り得べし。またたとえば辛酉日に干上は寅、癸未日に干上は卯。甲子・壬申・壬辰・甲申・壬寅・壬子・壬戌のこの几日に干上はみな午。丙子・丙寅・丙辰・丙午・丙申・丙戌のこの几日に干上はみな申、三伝は申・亥・寅。これらの日子の裏に、あるは三伝の帶空、あるは三伝の不空。たとえば丙子日は初伝・中伝が空に落ち、丙寅日は中伝・末伝が空に落つ。
將生財神格:緣三傳作財,其天將又生財神者,大宜取財,如六丙日酉加巳夜。支干相生格:如壬戌日干上申,支上未土生申金,金來生日,可無畏未為鬼,然後作福。兩面刀格:如六戊日伏吟,巳申寅,末傳寅能助初生干,亦能克干,俗諺云,成也蕭何,敗也蕭何,作兩面刀。外有三傳生干,天將又生傳者,例如六癸日三傳酉丑巳,或巳丑酉,晝占天將貴常勾。
「将生財神格」——三伝は皆財爻を作し、しかも乗る所の天将がまた来てこの財を生ず。最も財を取るに宜し。たとえば丙日に酉が巳の上に加わり夜占の時に即ち是なり。「支干相生格」——たとえば壬戌日に干上は申、支上の未土が往きて申金を生じ、申金が再来して壬水の日干を生ず。このように未土の鬼を作す有ると雖も、またそれを怕るるに足らず。反って能く転じて福を降さん。「両面刀格」——たとえば戊日の伏吟課に、三伝は巳・申・寅。末伝の寅木は能く初伝の巳火を幇して来て戊土の日干を生ぜしめ、自己また能く直に戊土を克す。正に俗話の説くがごとく、事を成すは蕭何にして事を敗るもまた蕭何なり。故に両面刀と呼ぶ。このほかまた三伝が日干を生じ、天将がまた来て三伝を生ずる有り。たとえば癸日に三伝は酉・丑・巳、或いは巳・丑・酉。昼占の時に乗る天将は貴人・太常・勾陳なり。
三伝互克衆人欺第三二
克干客敗,克支主敗。此例亦有二等,一初克中,中克末,末剋日干;一末克中,中克初,初剋日干。凡占值此二例,必有人遞互而相剋害我也,或使眾口一詞,總相欺凌,或如常人所為兇橫,遂被他人雷攻狀論。如或見在朝官占得此課,宜自檢束提防,恐有臺閣上言之患。
三伝逓克にもし日干に克じ到れば、客方の敗を主とす。もし日支に克じ到れば、主方の敗を主とす。この例もまた両種に分かつ。一種は初伝が中伝を克し、中伝が末伝を克し、末伝が日干を克す。一種は末伝が中伝を克し、中伝が初伝を克し、初伝が日干を克す。およそこの両樣の課を占い得れば、必ず人の一個接一個として来て我を克害する有り。或いは衆口一詞にして合して我を欺壓し、或いは自己の平日の行事が凶横にして、ここにおいて別人に群起して攻訐せられ状子を寫して吿發せられん。倘も在朝に官を為す人がこの課を占い得れば、即ち自我を約束し意を加えて隄防すべし。只だ臺諫衙門の上疏して彈劾するの患有るを怕る。
如丙辰日初傳寅加酉,克中傳未,其中傳未克末傳子,末傳子剋日干丙火。辛酉日干上卯,己巳日伏吟,六戊日伏吟,如丙子日,末傳寅加未,克中傳未,中傳未克初傳子,初傳子克丙火日干。
たとえば丙辰日に、初伝の寅が酉の上に加わり、寅木が中伝の未土を克し、未土が再び末伝の子水を克し、子水が回頭して丙火の日干を克す。このほか辛酉日に干上は卯、己巳日の伏吟課、戊日の伏吟課は、みなこの一路に属す。またたとえば丙子日に、末伝の寅が未の上に加わり、寅木が中伝の未土を克し、未土が初伝の子水を克し、子水が再び丙火の日干を克す。これは便ち倒さにして逓克するの一種なり。
求財大獲格:如庚辰日干上丑,三傳寅未子,自庚金克初傳寅為財,初傳寅木克中傳未土,中傳未土克末傳子水,總為財,故求財可以大獲。此法極好,他課例推。又如乙酉日未加寅,或如乙丑日干上酉,三傳寅未子俱同。
「求財大獲格」——たとえば庚辰日に干上は丑、三伝は寅・未・子。庚金は先ず初伝の寅木を克し、寅木は便ち財なり。初伝の寅木がまた中伝の未土を克し、中伝の未土が再び末伝の子水を克す。このように一路克して下去れば、克する所は全て財と成る。故に財を求めて能く大有斬獲を得。この法子は極めて好し。別の課はこれに依りて類推す。またたとえば乙酉日に未が寅の上に加わり、或いは乙丑日に干上は酉にして三伝は寅・未・子なるは、断法は皆同じ。
土將助財格:如六丙日酉加巳,三傳皆財,夜將又皆土神,盡生起財神,大宜求財事,尤宜成合萬事,卻不利父母,占病列,兼此人不義,多貪橫發。雀鬼格:朱雀作日鬼加干,如在朝官,防彈章,及不宜上書獻策,反受責黜。六丙日干上亥夜,六庚日干上巳暮,六甲日干上酉夜,六戊日干上卯晝,壬癸日未乘雀晝貴順行有之,但不臨干,如臨年命亦可用。
「土将助財格」——たとえば丙日に酉が巳の上に加わり、三伝はみな財にして、夜占に乗る所の天将がまた全て土に属し、一斉に財神を生旺せしむ。最も財を求むるに宜しく、最も各樣の事情を促成するに宜し。ただ父母に利あらず。父母の病を占えばさらに凶なり。兼ねてこの人の行事の義ならざるを主とし、多くは貪心によって暴発す。「雀鬼格」——朱雀が日鬼を充てて日干の上に加わる。朝に在りて官を為す人は人の上章して彈劾する有るを防ぐべく、また上書して策を獻ずるに宜しからず。反って斥責・罷黜を招來せん。たとえば丙日に干上は亥にして夜占。庚日に干上は巳にして暮時に占う。甲日に干上は酉にして夜占。戊日に干上は卯にして昼占。壬日・癸日に未の上に朱雀に乗りて昼占に貴人が順行する時もまたこの象有り。ただ日干に臨まざるのみ。もし年命の上に臨まば、一樣に取り用い得べし。
三傳內戰格:緣三傳俱下賊上,迤邐克去,遞相侵伐,乃名三傳內戰,凡占必是有窩犯,訟自家庭而出。如癸酉日,未加寅下克上,中傳子加未受克,末傳巳加子亦受克,且天盤未克子,子克巳,地盤寅克未,未克子,盡相傷伐而無窮也。又如戊辰日寅加酉為發用亦同。
「三伝内戦格」——三伝は皆「下賊上」にして、即ち地盤の神が天盤の神を克し、一路接連して克將して下去り、彼此侵伐して休まず。故に三伝内戦と呼ぶ。およそこの課を占えば、必ず家裏に事を犯したる人を窩藏し、官司は便ち自家の門裏より打起來す。たとえば癸酉日に、未が寅の上に加わるは下克上なり。中伝は子が未の上に加わりて克を受け、末伝は巳が子の上に加わりてまた克を受く。しかも天盤上は未が子を克し子が巳を克し、地盤上は寅が未を克し未が子を克し、上上下下互相に傷克して、了結する個なし。またたとえば戊辰日に寅が酉の上に加わりて発用するも、また同様の道理なり。
有始無終難變易第三三
占兵有先後,互為勝負。此一句,乃是二項事體。夫有始無終者,乃因初傳是日之長生,末傳為干之墓是也。夫難變易者,乃初為干墓,末為干之長生是也。如乙未日,初傳亥加未為干之長生,末傳未加卯為干墓。占得此例者,如初起謀事之時,如花似錦,後將必無成合。
兵を用うるを占うに先後の別有り、双方互いに勝負有り。この一句は其實兩件の事を包含す。いわゆる「有始無終」は、初伝が日干の長生の位に落ち、末伝は却って日干の墓位に落つるなり。いわゆる「難變易」は即ち倒さにして、初伝は日干の墓にして末伝は日干の長生なり。たとえば乙未日に、初伝の亥が未の上に加わり、亥は正に乙木の長生。末伝の未が卯の上に加わり、未は正に乙木の墓。かかる課を占い得れば、起初事情を謀劃する時は花のごとく錦のごとく样样に稱心するも、後来に到れば必ず弁成せず。
又如乙丑日亥加丑,初傳亥,末傳未,皆自生傳墓也,亦如前說。又如丙寅日戌加寅,初傳戌為干墓,末傳寅乃丙火長生之地,占事先難後易。又如壬子、壬寅二日,辰加寅為初傳,申加午為末傳,此乃自墓傳生,先迷後醒,如占得此例,謀事之初,雖值艱難,已後卻有成合,凡占未免先暗後明。
またたとえば乙丑日に亥が丑の上に加わり、初伝は亥・末伝は未なり。亦た長生より起こりて墓上に傳到す。断法は前に同じ。またたとえば丙寅日に戌が寅の上に加わり、初伝の戌は丙火の墓にして末伝の寅は正に丙火の長生の地。事を占えば先難後易を主とす。またたとえば壬子・壬寅の両日に、辰が寅の上に加わりて初伝を作し、申が午の上に加わりて末伝を作す。これは墓位より起こりて長生に傳到し、先迷後醒するがごとし。かかる課を占い得れば、事を謀るの初は艱難すると雖も、往後は却って弁成し得べし。およそ占えば先暗後明のこの過程を免れず。前の一路は長生より起こりて墓上に歸するを、自生傳墓と呼び。後の一路は墓上より起こりて長生に歸するを、自墓傳生と呼ぶ。起訖が一たび顛倒すれば、吉凶もまた恰好相反す。
舍損就益格:如甲辰日丑加甲,丑乃日之破碎,支上卯又作六害,又是干之羊刃,宜棄此而就三傳子亥戌為生干,凡占不免舍無益而就亨旺也。占得此例,一則有壽,二則自微至顯。又如甲子日亥加甲,六月占,乃父母爻作空亡,又是死氣,又為木之長生,主父母災,如父母歿後不論。餘極多,仿此。
「舍損就益格」——たとえば甲辰日に丑が甲の上に加われば、丑は日干の「破碎」の凶煞にして、支上の卯はまた日支と相害し、還た甲木の「羊刃」にして、即ち剛強過極にして刑傷を主とする位なり。この両處は皆舍掉すべく、転じて往きて三伝の子・亥・戌に就くべし——それらは皆来て日干を生ず。およそこの課を占えば、無益の一辺を丟開して亨通・旺相の一辺に投向するを免れず。この例を占い得れば、一に長壽を主とし、二に微賤より漸漸顯達するを主とす。またたとえば甲子日に亥が甲の上に加わり、六月に占えば、亥は父母爻にして空亡に落ち、また当月の死気にして、同時にまた甲木の長生なり。父母に災有るを主とす。もし父母すでに過世せば、この一条は論ずるを須とせず。同類の例子は極めて多く、皆これに照らして推せ。
苦去甘來樂裏悲第三四
不成功處反成功。此一句亦宜分為二項說,且夫苦去甘來者,如戊午日,末傳申生中傳亥水,中傳水生初傳寅木,而剋日干之戊土,誠為被寅木之苦,殊不知反賴末之申金部克其寅,又為戊土之長生,乃應苦去甘來之喻也。凡占未免先受磨折,後卻安逸。又如六戊日伏吟,乃初克中,克末,末剋日干,亦是先被寅苦,殊不知又賴寅徑生其巳火而生戊干也,以上二例,亦可作成敗蕭何。
本来弁成せざる處にして、反って弁成す。この一句もまた両層に分かちて説くべし。先ず「苦去甘來」を説く。たとえば戊午日に、末伝の申金が中伝の亥水を生じ、亥水が初伝の寅木を生じ、寅木が回頭して戊土の日干を克す。確かに寅木の苦を吃したるなり。却不料末伝の申金が能く剖開して寅木を克住し、しかも申はまた正に戊土の長生の地なり。ここにおいて苦盡甘來のこの比喻に應ず。およそこの課を占えば、先ず一番の磨折を受けて後に安逸を得るを免れず。またたとえば戊日の伏吟課は、初伝が中伝を克し中伝が末伝を克し末伝が日干を克するにして、亦た先ず寅木の苦を吃す。不料またこの寅木に頼りて徑直に往きて巳火を生じ、巳火が再び戊土の日干を生ず。以上の両例は、亦た算えて事を成すも事を敗するも皆蕭何の一人に在ると為し得べし。
一喜一悲格:如癸亥日,干上戌乘龍剋日,乃幸中不幸;支上申乘虎生日,乃不幸中幸。又癸卯日干上申乘虎,支上戌乘龍;又壬寅、壬子,戌加子發用,夜將同。如干上長生於月令無氣,卻喜傳中見鬼,乃甲日上見亥,月令無氣,傳中見申酉為可生亥水也,亦名不幸中幸。
「一喜一悲格」——たとえば癸亥日に、干上の戌は青龍に乗る——青龍は本は吉将なれど、戌土は却って来て癸水の日干を克す。これは幸中の不幸なり。支上の申は白虎に乗る——白虎は本は凶将なれど、申金は却って来て癸水を生ず。これは不幸中の幸なり。またたとえば癸卯日に干上は申にして白虎に乗り、支上は戌にして青龍に乗る。壬寅・壬子の両日に戌が子の上に加わりて発用し、夜将の時も一樣なり。またたとえば干上は日干の長生と雖も、卻って當令の月份の裏に氣なければ、反って三伝の中に鬼を見るを喜ぶ。甲日に干上に亥を見るがごとき、亥水は本は甲木の長生なれど、もし月令に氣なければ、ただ三伝の裏に申・酉の金が来て亥水を生ずるを要すれば即ち好し。これもまた不幸中の幸と呼ぶ。
樂里生憂格:如庚寅日干上巳乃庚金之長生,支上亥乃寅木之長生,此乃先各有長生之意,然後遞互相參,其庚金反被亥水脫,寅木又被巳火脫,卻反為兩邊脫盜,凡占皆然。又甲申日干上亥、支上巳同前。庚辰日干上戌生干,支上午辰,此例止宜坐待用事,盡有其益,如若動,其支干皆坐於克鄉。
「樂裏生憂格」——たとえば庚寅日に、干上の巳は庚金の長生にして、支上の亥は寅木の長生なり。両辺は起初各々長生の喜有り。然るに交叉して一たび參看すれば、庚金は反って亥水に泄去られ、寅木はまた巳火に泄去られ、倒れて両頭皆漏耗の中に在るを成す。およそこの課を占えば皆此のごとし。また甲申日に干上は亥・支上は巳、情形は前に同じ。庚辰日に干上は戌が来て日干を生じ、支上は午と辰。この一例はただ坐して動かず、靜待して時機に事を弁ずるにのみ宜しく、好处は自然皆在り。一旦妄動すれば、干支の両辺は皆克我の處に落ち去らん。
如庚午日干上辰土生庚金,支上寅木生午火,亦宜坐用,倘動,其支干坐於脫氣鄉。如庚子日干上巳作干之長生,殊不知巳火亦能克庚金,且支上酉生支,殊不知水敗於酉。如癸酉、癸丑、癸巳三日,酉加癸晝占,三傳雖金生日,其天將皆來傷日,雖有面前之生,背後反為深害,占病死,占訟刑,乃應俗諺云:貪得一粒粟,失卻半年糧。凡占俱如是。
たとえば庚午日に干上は辰土が来て庚金を生じ、支上は寅木が来て午火を生ず。亦た靜守して取用するに宜し。一たび動けば、干支は便ち泄氣の處に落ち去らん。たとえば庚子日に干上は巳、巳は庚金の長生と雖も、却不料巳火は同時に能く庚金を克す。支上は酉が来て日支を生ずと雖も、却不料水は酉位に在りて正に敗地なり。またたとえば癸酉・癸丑・癸巳の三日に、酉が癸の上に加わりて昼占すれば、三伝は金が来て日干を生ずと雖も、乗る所の天将は卻って一斉に来て日干を傷す。面前に生扶有ると雖も、背後に反って深害を受く。病を占えば死を主とし、官司を占えば刑を受くるを主とす。正に俗話の説くに應ず。あの一粒の小米を貪りて、倒れて半年の口糧を丟したりと。およそこの類を占えば皆是なり。
如庚辰日干上巳,雖曰日之長生,卻被末傳生中傳,中傳生初傳之巳火而克庚干。丙申日夜占,干上申,三傳申亥寅,初傳申加巳作日之財,受上下夾克而無用,中傳為日之鬼,末傳乘虎遁壬水克干,先是初生中,中生末,末生日干,後卻變出許多不美,亦如前說。已上諸例,變宮商薤露。
たとえば庚辰日に干上は巳、巳は説くは庚金の長生と雖も、卻因るに末伝が中伝を生じ中伝がまた初伝の巳火を生じ、巳火は転じて来て庚金の日干を克す。丙申日に夜占し、干上は申、三伝は申・亥・寅。初伝の申が巳の上に加わるは本作丙火の財なれど、无奈上下に挾まれてこれを克し、用上げらるべからず。中伝は日干の鬼。末伝は白虎に乗りてまた壬水を遁出して来て日干を克す。表面に看れば初伝が中伝を生じ中伝が末伝を生じ末伝が日干を生ずるなれど、後頭に却って許多の不美の處を生出す。説法は前に同じ。以上のこれらの例子は、皆譬うれば樂聲の和美なる宮商より忽然として送葬の《薤露》の哀歌に轉成するがごとし。
恩多怨深格:緣干生初恩也,初生中,中生末,末卻剋日干,反成仇是也。如己巳日,申加巳生中傳之亥水,中傳水生末傳之寅木,反剋日干之己土。乙亥、乙未、乙巳、乙卯四日午加亥用。
「恩多怨深格」——日干が往きて初伝を生ずるは、これは恩を施すなり。初伝が中伝を生じ中伝が末伝を生じ、末伝は卻って回頭して來て日干を克す。恩情は反って結んで仇を成す。たとえば己巳日に、申が巳の上に加わり、申金が往きて中伝の亥水を生じ、亥水がまた末伝の寅木を生じ、寅木が反って來て己土の日干を克す。このほか乙亥・乙未・乙巳・乙卯の四日に午が亥の上に加わりて発用するも、またこの一格に属す。
不幸中幸,幸中不幸格:緣白虎卻作長生,青龍卻乘日鬼是也,凡占皆然。如六戊日伏吟,晝占三重白虎作長生,乃不幸中幸;如夜占三重青龍作日干之鬼,乃幸中不幸。外有戊己日返吟,三月占,生氣剋日,主病,死氣生日主生。
「不幸中幸・幸中不幸格」——凶惡の白虎は偏偏として日干の長生の位に落ち、吉慶の青龍は偏偏として日干の鬼に乗る。およそこの象を占えば皆是の道理なり。たとえば戊日の伏吟課に、昼占の時に三處皆白虎にして白虎はまた長生を作せば、便ち不幸中の幸なり。夜占の時に三處皆青龍にして青龍はまた日干の鬼を作せば、便ち幸中の不幸なり。このほか戊日・己日の返吟課に、三月に占って生気が反って來て日干を克すれば、病を生ずるを主とす。死気が反って來て日干を生ずれば、反って命を活するを主とす。
人宅受脱俱招盜第三五
占兵主客俱不利。此例亦有二等,一則支上干上皆乘脫氣;一則干上脫支,支上脫干。以上二例,凡占人被脫賺,家宅必被盜竊財物,如占病定然起蓋屋宅費用,以致心氣脫弱而成虛憊,宜服補元氣藥餌獲愈。內有支干遞互相脫者及相交涉,必是我欲脫漏彼,彼亦早辦脫漏我也,既各懷脫漏之意,故應道典云:天網恢恢,疏而不漏。
兵を用うるを占えば即ち主客の双方俱に利あらず。この例もまた両種に分かつ。一は支上・干上に俱に泄脱の神に乗る。二は干上の神が日支を泄し支上の神が日干を泄す。およそこの両樣の課を占い得れば、人は人に誆騙せられ、家宅は必ず財物を盜竊せられん。もし病を占えば、一定に房子を蓋うるの花費の太大にして、以て心氣の虧虛を致して虛勞を成せるが故なり。元氣を補う藥を服するに宜しくして才だ痊愈し得べし。その中の干支が交互相泄してまた彼此往来交涉するは、必ず我が相手方の身上より揩油せんと想い、相手方もまた早くより我が身上より揩油せんと打算したるなり。各々漏取の心を懐く既にすれば、正に《道德經》の説く所に應ず。天網は寛大にして稀疏なるも、甚麽も漏掉せずと。
遙克、昴星、別責,乘空落空為初傳發用,將乘元武者,凡占定主失脫,此法極驗。如乙亥日蒿矢,酉元加亥用;丙子日彈射,申元加子用晝將;己巳日彈射,亥元加酉;辛丑日別責,巳元加申夜將;庚午日昴宿,戌加酉晝將夜將有之。又有庚子日元首,辰空元加子晝將皆乘元武;辛亥卯加戌晝將,此等日乃空亡乘元武為用,但初傳不繫遙克並昴星。
「遥克」(四課の上下に克なく、遥かに相克する者を取りて発用す)、昴星、「別責」(四課不備にして別に一神を取りて発用す)のこの三類の課は、もし発用の初伝が本身空亡なるか或いは空地に落ち、天将がまた元武に乗れば、これを占えば必ず失竊・走失を主とす。この法は極めて応験す。たとえば乙亥日の「蒿矢」課に、酉の上に元武に乗りて亥の上に加わりて発用す。丙子日の「彈射」課に、申の上に元武に乗りて子の上に加わりて昼将を用う。己巳日の彈射課に、亥の上に元武に乗りて酉の上に加わる。辛丑日の別責課に、巳の上に元武に乗りて申の上に加わりて夜将を用う。庚午日の昴星課に、戌が酉の上に加わり、昼将・夜将ともにこの象有り。還た庚子日の「元首」課有り、辰は空亡に落ちて元武に乗りて子の上に加わりて昼将を用う。辛亥日に卯が戌の上に加わりて昼将を用う。この両日は空亡に元武に乗りて発用するにして、ただ初伝は並び遥克と昴星の一類に属せず。
財空乘元格:或臨支發用,亦防失脫。如甲子日戌加子,晝占上乘元武,此例極多。鬼脫乘元格:緣日鬼或脫氣乘元武,來意占失脫,為發用尤的。如己酉日卯加酉晝,辛丑日亥加丑夜。
「財空乗元格」——財爻が空亡に落ちて元武に乗るか、或いはそれが日支の上に臨みて発用すれば、また失竊を防ぐべし。たとえば甲子日に戌が子の上に加わり、昼占の時に戌の上に元武に乗れば、この類の例子は極めて多し。「鬼脱乗元格」——日干の鬼爻或いは泄脱の神が元武に乗れば、来人の本意は多くは失竊・走失を占うなり。もしそれが正好発用を作せば、即ち更に準なり。たとえば己酉日に卯が酉の上に加わりて昼占、辛丑日に亥が丑の上に加わりて夜占。
干支皆敗勢傾頽第三六
占兵同前。謂干支上皆逢敗氣者,占身氣血衰敗,占宅屋舍崩頹,日漸狼狽,全無長進,更不可捕捉姦私,告訐他人陰事,倘若到官,必牽連我之舊過,同時敗露,各獲罪也。其餘占用,彼此皆值衰敗,乃應俗諺云:“殺人一萬,自損三千”之意也。如甲申日干上子、支上午,庚寅日干上午、支上子,丙申、丙寅日干上卯。
兵を用うるを占うは前一章と相同じ。この格の説く所は、干上・支上に俱に「敗氣」に遇うにして、即ち五行の沐浴の地・氣機の衰頽の位なり。自身を占えば氣血は衰敗し、住宅を占えば房屋は傾頽し、日子は一天天に狼狽して、全く長進なし。ことに往きて別人の私情を捉拿し、他人の隱私を揭發すべからず。一旦官府に鬧到せば、必ず我が從前の過失をも牽扯出され、一同に敗露して、双方俱に罪を獲らん。別の事を占うも、亦た彼此俱に衰敗に値う。正に俗話の説くに應ず。敵を殺す一萬にして自ら損う三千と。たとえば甲申日に干上は子・支上は午、庚寅日に干上は午・支上は子、丙申・丙寅の両日に干上は卯。
破敗神臨宅格:緣支上有敗氣,又為破碎煞,必宅中有人不利,而致日漸衰殘,家道破敗,宜詳其破敗者類神是何人。如己巳、己亥二日,干上乘酉,乃干之敗氣又作支之破碎,故總名為破敗神也。以類推之,晝占必家中有破敗之子,緣酉為己土之子息故也;夜乘天后因妾敗。又戊申、戊寅日干上酉,壬寅、壬申、癸巳、癸亥四日干上酉,並同其其酉為婢類,亦緣酒色而敗家。其餘破敗神臨之同說。一說破敗神臨干主凶,非臨支。
「破敗神臨宅格」——支上に敗氣有る既にすれば、また「破碎」の凶煞を兼ねれば、必ず家中に人の不利有りて、以て一天天に衰殘し、家道は破敗す。要ずるに細看してこの破敗の神の配する所の「類神」(人物の身分を象徴する神煞の歸類)の指すは哪の一人なるかを。たとえば己巳・己亥の両日に干上に酉に乗れば、酉は既に己土の敗氣にして、また日支の破碎煞なり。故に合して破敗神と稱す。類神に照らして推し去れば、昼占は必ず家裏に敗家の兒子出たるにして、酉は正に己土の子息なればなり。夜占にもし天后に乗れば、即ち妾室によって敗ずるなり。また戊申・戊寅の両日に干上は酉、壬寅・壬申・癸巳・癸亥の四日に干上は酉。断法は相同じ。ただこの几日の酉は婢女の一類に属して、同じく酒色によって家を敗ずるなり。殘りの破敗神の臨む所の處は、説法は一樣。別に一説有り。破敗神は日干の上に臨みて才だ凶を主とし、日支の上に臨むは算えずと。
末助初兮三等論第三七
占兵視其或利主或利客。謂末傳助其初傳而生日干者,亦有末助初而克干者,亦有末助初傳而作日之財神者,此三等皆是,傍有相助而和各成其上說。內末助初生日者,欲年命制末始可言吉,年命生末反凶。
兵を用うるを占えばこの一課の究竟に主方に利するか客方に利するかを看るべし。この章の説く所は、末伝が初伝を幇助して往きて日干を生ずる。別に末伝が初伝を幇助して反って來て日干を克する有り。還た末伝が初伝を幇助してそれを日干の財爻と成らしむる有り。この三等の情形は皆本格に属し、共同の處は旁邊に人の相助有るにして、相助の結果は各々上面の説く所のごとし。その中の末伝が初伝を助けて來て日干を生ずるの一等は、占者の年命が末伝を制住し得るを要して、才だ吉と斷じ作すべし。もし年命が反って往きて末伝を生ぜば、即ち転じて凶と成る。
如庚午日干上午,三傳午辰寅,末傳寅加辰,生起初傳午火而克伐庚金,末傳之寅木乃教唆詞訟之人也,其為公曹吏道士,為鬍鬚人,或屬虎人,或姓從木,詳天將逐類而言而之,尢不宜求財取財,反為禍也,又庚辰、庚申二日寅加辰,辛未日卯加戌,甲辰日辰加子。
たとえば庚午日に干上は午、三伝は午・辰・寅。末伝の寅が辰の上に加わり、初伝の午火を生旺せしめ、午火は便ち來て庚金を克伐す。この末伝の寅木は、即ち背後に在りて官司を教唆する人なり。類神に照らして推し去れば、他は或いは衙門裏の吏員、或いは道士、或いは鬍鬚有るの人、或いは虎に属するの人、或いは姓氏の木字旁に從うの人なり。還た乗る所の天将を參看して逐一に分類して斷ずべし。この種の課はことに財を求め財を取るに宜しからず。取れば反って禍を招く。このほか庚辰・庚申の両日に寅が辰の上に加わり、辛未日に卯が戌の上に加わり、甲辰日に辰が子の上に加わるは、皆同類に属す。
抱雞不斗格:緣己亥、己酉日卯丑亥為傳,庚寅日午辰寅為傳,癸亥日丑卯巳為傳,雖末助初而剋日干者,因初傳或空亡或落空本無意克其日干,其末傳徒為怨憎,奈初傳無力終不能克干,故取喻於抱雞不斗之例也。
「抱雞不鬥格」——己亥・己酉の両日は卯・丑・亥を以て三伝と為し、庚寅日は午・辰・寅を以て三伝と為し、癸亥日は丑・卯・巳を以て三伝と為す。これらは皆末伝が初伝を幇助して來て日干を克すると雖も、但し初伝の本身は或いは空亡に値するか或いは空地に落ちて、本来日干を克するの心なし。末伝は空しく怨恨を懐抱するも、无奈初伝に氣力なく、終究日干を克動し得ず。故に個の比方を取れば、懐裏に抱く鬥雞のごとく、架勢を擺足すれど打鬥し起こる能わず。
枉作惡人格:如庚戌日午辰寅為三傳,末空,干上午;又庚子日午辰寅為三傳,末傳落空亦是。末助初傳而剋日干者,緣末傳空亡不能助其初傳,其教唆人必自敗露,所以喻枉做惡人也。
「枉作惡人格」——たとえば庚戌日に午・辰・寅を以て三伝と為して末伝は空に落ち、干上は午。またたとえば庚子日に三伝は同じく午・辰・寅にして末伝は空に落つも、またこの格に属す。本来は末伝が初伝を幇助して來て日干を克するなれど、末伝は既に空亡すれば、初伝の忙を幇う能わず。あの背後に在りて教唆する人は反って必ず自家に馬脚を露す。故に比方して白く一回の惡人を作し為すと為す。壞事は弁成せざるも、惡名は卻って背上せり。
謁求禍出格:乃支上神作財生干上神為鬼者,大不利謁貴求財,犯之即有禍出。如甲子甲午日干上酉,甲辰甲戌日干上申,乙亥乙巳日干上酉,乙卯乙酉日干上申,丙寅日干上子、又干上亥。
「謁求禍出格」——支上の神は本は日干の財を作すも、それは卻って往きて干上の神を生旺せしめ、しかも干上の神は正に日干の鬼なり。このような課は大いに貴人を拜謁し口を開いて財を求むるに利あらず。一たび犯せば即ち禍事の冒出する有り。たとえば甲子日・甲午日に干上は酉、甲辰日・甲戌日に干上は申、乙亥日・乙巳日に干上は酉、乙卯日・乙酉日に干上は申、丙寅日に干上は子或いは干上は亥。
二等者,如辛酉日末傳巳加子助其初傳之未土生日干者例,必傍有人暗地相助推薦而致亨旺,如值末傳空亡,亦名閒話多赤心少也。六戊日伏吟,己巳伏吟,己丑、辛亥、己巳、己卯、己亥、己未、辛酉七日並干上子。
第二等——たとえば辛酉日に末伝の巳が子の上に加わり、初伝の未土を幇助して往きて日干を生ず。この一路は必ず旁邊に人の暗中に相助け推薦する有りて、因りて亨通・興旺を得べし。もし末伝が恰好空亡に落ちれば、あれも不過閒話の説く多く真心の拿出す少なきのみ。この一等に属するは還た戊日の伏吟課・己巳日の伏吟課、および己丑・辛亥・己巳・己卯・己亥・己未・辛酉の七日に干上は皆子なる課有り。
三等者,如甲辰日干上子,三傳戌申午,末傳午加申,助其初傳之戌土而作甲干之財者,凡占值此,必暗有人以財相助也。如占博奕,宜此末助初為財者作例,來意占婚尤的。如甲寅、甲午、癸未日干上子。末助初傳作日財反克干上神者,如甲子日干上子,三傳戌申午;又壬申日干上酉,三傳午辰寅同。自招其禍格:緣年命自助其初傳而克干者,乃自招其禍,必致患害也。
第三等——たとえば甲辰日に干上は子、三伝は戌・申・午。末伝の午が申の上に加わり、初伝の戌土を幇助し、しかも戌土は正に甲木の財なり。およそこの課を占い得れば、必ず人の暗裏に銭財を拿りて來て相助する有り。もし賭博・博戲を占えば、正にこの種の末助初にして財を成す課を拿りて以て準と為すべし。もし来人が婚事を占わば、応験ことに分明なり。同類に還た甲寅・甲午・癸未の三日に干上は子なる課有り。また末伝が初伝を助けて日干の財を作すも、財が卻って反って干上の神を克する有り。たとえば甲子日に干上は子・三伝は戌・申・午。また壬申日に干上は酉・三伝は午・辰・寅、亦た一樣なり。「自招其禍格」——占者の自己の年命が往きて初伝を幇助し、初伝が再び來て日干を克すれば、即ち自己の招來したる禍にして、必ず禍患を生出さん。
閉口卦体両般推第三八
捕盜亦可察。《心鏡》云:陽神作元武,度四是終陰。閉口卦止宜捕盜賊而追逃亡,此課縱值,目前時師多未嘗拈出,故立成法於後。地盤旬首上神乘元武者,每日有一二課推之,如甲子旬中,甲子日辰戌加子,晝夜皆乘元武;戊辰戌加子晝夜,乙丑日卯加子晝,乙丑日亥加子夜,戊辰日辰加子夜晝,庚午日戌加子晝夜,庚午日辰加子晝夜,己巳日卯加子晝,己巳日亥加子夜,丙寅日伏吟夜,丙寅日申加子晝,丙寅日寅加子晝,丁卯伏吟夜,丁卯日返吟夜。
この一課は用いて盗賊を察捕するにも亦可なり。《六壬心鏡》にいう。陽神が元武を充て、第四の位に数え至れば便ち終陰なりと。「閉口卦」はただ盗賊を捕捉し逃亡を追緝するにのみ宜し。この種の課は、たとい排し出すとも眼下の術士は多くは認出せざらん。故に成法を一々下面に列挙す。およそ地盤上の「旬首」(本旬の頭一つの干支の居る位)の上の神に元武に乗るは、毎日に一两課を推し出し得べし。たとえば甲子旬の中。甲子日に辰・戌が子の上に加わり、昼占・夜占ともに元武に乗る。戊辰日に戌が子の上に加わり、昼夜皆然。乙丑日に卯が子の上に加わりて昼占。乙丑日に亥が子の上に加わりて夜占。戊辰日に辰が子の上に加わり、夜占・昼占皆然。庚午日に戌が子の上に加わり、昼夜皆然。庚午日に辰が子の上に加わり、昼夜皆然。己巳日に卯が子の上に加わりて昼占。己巳日に亥が子の上に加わりて夜占。丙寅日の伏吟課は夜占。丙寅日に申が子の上に加わりて昼占。丙寅日に寅が子の上に加わりて昼占。丁卯日に伏吟して夜占。丁卯日に返吟して夜占。
甲申旬中,甲申日辰戌加申晝夜,戊子日辰加申晝夜,又戌加申晝夜,庚寅日辰戌加申晝夜,乙酉亥加申夜,卯加申晝,丙戌日子午加申夜又返吟、伏吟晝,丁亥日午子加申夜、返吟伏吟晝,壬辰日子午加申夜、返吟伏吟晝,乙酉日巳加申夜、酉加申晝。甲戌旬中,凡甲戊庚返吟、伏吟晝夜皆是,乙亥日巳亥加戌夜、卯酉加戌晝,己卯日卯酉加戌晝,己亥加戌夜。
甲申旬の中。甲申日に辰・戌が申の上に加わり、昼夜皆算ぞ。戊子日に辰が申の上に加わり、昼夜皆算ぞ。また戌が申の上に加わり、昼夜皆算ぞ。庚寅日に辰・戌が申の上に加わり、昼夜皆算ぞ。乙酉日に亥が申の上に加わりて夜占を用い、卯が申の上に加わりて昼占を用う。丙戌日に子・午が申の上に加わりて夜占を用い、また返吟・伏吟は昼占を用う。丁亥日に午・子が申の上に加わりて夜占を用い、返吟・伏吟は昼占を用う。壬辰日に子・午が申の上に加わりて夜占を用い、返吟・伏吟は昼占を用う。乙酉日に巳が申の上に加わりて夜占を用い、酉が申の上に加わりて昼占を用う。甲戌旬の中。およそ甲・戊・庚の三干の日の返吟と伏吟課は昼夜皆算ぞ。乙亥日に巳・亥が戌の上に加わりて夜占を用い、卯・酉が戌の上に加わりて昼占を用う。己卯日に卯・酉が戌の上に加わりて昼占を用い、己・亥が戌の上に加わりて夜占を用う。
甲午、甲辰、甲寅三旬,止有天盤之旬首乘元武,無地盤旬首乘元武,因元武不到東南方也,亦可如其說。凡旬尾加旬首作元武者,惟甲子甲申二旬,甲戌旬無之。旬尾加旬首為發用者例,更值初末上下六合,則氣塞於中,如占病即是瘂重或患禁口痢,不然咽喉腫塞,或痰厥症,不納飲食,如占胎產定是啞兒,如占失脫縱有傍人見其賊盜竊物,竟不肯言之,凡求人說事,人但閉口而不語有無之意。
甲午・甲辰・甲寅のこの三旬は、ただ天盤上の旬首に元武に乗る有るのみで、地盤の旬首に元武に乗るの情形なし。元武が東南方に走り到らざるが故なり。不過断法もまた上面の説く所に照らして推し得べし。およそ「旬尾」(本旬の末一位の地支)が旬首の上に加わりて元武に乗るは、ただ甲子・甲申の両旬にのみ有りて、甲戌旬にはなし。旬尾が旬首に加わりて発用を作すの一路に至っては、もし初伝・末伝の上下がまた六合を結成せば、氣は便ち中間に堵塞せられん。病を占えば即ち失音の重症或いは禁口痢を患い、然らざれば即ち咽喉腫塞・痰厥昏迷して物を喫し下る能わず。胎産を占えば、生み下すは定めて啞児なり。失竊を占えば、たとい旁人が親目に賊の物を偸るを見るとも、終究開口することを肯んぜず。およそ往きて人を求めて事情を説合せば、人家は只だ口を閉じて言わずして、有るや無しやをも一句を透すを肯んぜず。
餘占更詳天將而言其事類,且如上乘貴人,告貴不允,上乘朱雀,占訟屈枉難伸,乘白虎占訟使人不明而伏罪,餘皆仿此。但不免應閉口之意,此法尤好,如甲申、丙戌、丁亥、壬辰、庚寅日並巳加申用,甲寅、戊午、癸亥、丙辰、丁巳、己未、庚申日並亥加寅,內惟丙辰、丁巳為閉口發用,若甲午、庚子、丁酉日卯加午,甲辰日丑加辰,乙巳日丑加辰,甲子、丁卯日酉加了,甲戌、乙亥、未加戌,以上不必皆屬閉口發用,但旬尾加旬首即有閉口之意,六旬中皆有。
別の事を占うも、還た細看して乗る所の天将によって分門別類に断ずるを要す。上に貴人に乗れば、即ち貴人に禀告するも准許を獲ず。上に朱雀に乗れば、官司を占うて冤屈申辯しがたし。上に白虎に乗れば、官司を占うて人をして不明不白に服罪せしむ。残りはこれに照らして類推す。総じて之は皆「閉口」のこの一層の意思に應ずるを免れず。この法はことに好用なり。たとえば甲申・丙戌・丁亥・壬辰・庚寅のこの五日は皆巳が申の上に加わりて発用す。甲寅・戊午・癸亥・丙辰・丁巳・己未・庚申のこの七日は皆亥が寅の上に加わる。その中にただ丙辰・丁巳の両日のみ閉口発用と算ぞ。またたとえば甲午・庚子・丁酉の三日に卯が午の上に加わり、甲辰日に丑が辰の上に加わり、乙巳日に丑が辰の上に加わり、甲子・丁卯の両日に酉が子の上に加わり(原文は「酉加了」と作す。「了」は當に「子」の形近の訛なるべし)、甲戌・乙亥の両日に未が戌の上に加わる。以上は未だ必ずしも皆閉口発用と算えられざれど、但し旬尾が旬首に加われば即ち閉口の意味を帶び、六つの旬の中に皆この種の課有り。
祿作閉口:緣辛未日酉加寅,大不利占病,緣日祿作閉口,非旬尾加旬首,如乙未日卯加申酉,夜又乘白虎,或乘元武,不在傳課,就天盤言也,亦非旬尾加旬首,辛未日酉加戌夜亦乘白虎,外有丙戌、戊子日巳為閉口祿神,但不乘虎,壬戌日亥為閉口,亦無白虎。
「禄作閉口」——辛未日に酉が寅の上に加わるは、大いに病を占うに利あらず。辛の日禄が正好として閉口を作せばなり。これは並び旬尾が旬首に加わるの一路に属せず。またたとえば乙未日に卯が申・酉の上に加わり、夜占の時にまた白虎に乗るか或いは元武に乗る——これは即ち天盤の位置に就て説くにして、並び三伝四課の内に在らず、また旬尾が旬首に加わるに属せず。辛未日に酉が戌の上に加わりて夜占の時にも白虎に乗る。このほか丙戌・戊子の両日は巳を以て閉口の禄神と為し、ただ白虎に乗らざるのみ。壬戌日は亥を以て閉口と為し、同じく白虎なし。
財作閉口或食神空亡:皆如前說。丙寅日干支上酉,丁卯日干支上酉,甲戌日干支上未,壬辰、癸巳日干支上巳,庚子、辛丑日干上卯,甲辰、乙巳日干支上丑,戊午、己未日干支上亥。
「財作閉口」或いは「食神空亡」は、断法は皆前面に説く所と同じ。たとえば丙寅日に干上・支上はみな酉、丁卯日に干上・支上はみな酉、甲戌日に干上・支上はみな未、壬辰・癸巳の両日に干上・支上はみな巳、庚子・辛丑の両日に干上は卯、甲辰・乙巳の両日に干上・支上はみな丑、戊午・己未の両日に干上・支上はみな亥。これらの課は或いは財爻が口の上に堵し、或いは食神が空に落ち、皆話の説き出づる能わざる・事情の弁成せざるを主とす。
太陽照武宜擒賊第三九
不利劫營伐路。謂元武坐於太陽月將之上,占賊必敗,緣賊人喜夜而可以隱形,豈宜被太陽之光照耀,以致盜賊之形現露,不勞捕捉,必然自敗,縱太陽月將乘天空或作空亡,及坐空亡尤好,緣太陽不被雲翳,更光明也,惟畏占時在夜,賊反大幸也。
兵を用うれば即ち營を劫し路を截するに利あらず。この格の説く所は、元武が「太陽月将」(当月の太陽の在る星次の神)の上に坐すれば、賊を占えば必ず敗す。賊人は夜色を好み、黒暗を借りて身を蔵するを好めば、何処で太陽の一照に経得起さん。賊形は一たび露れれば、往きて捉うるを勞せず、自然に敗亡す。たとい太陽月将が天空に乗るか、或いは本身空亡に値するか、或いは坐する所の處が空地なるとも、反って更に好し。太陽は雲に遮られず、益々光明なればなり。怕るる所は只だ起課の時が正に夜裏に在れば、さすれば賊は反って大便宜を得ん。
尤宜逐季推尋日出日入之時,極準。如止以卯為日出,酉為日入,則元武止有臨地盤之申上者為晝,緣不臨地寅卯辰巳午未故也。如推究節氣,日出日入,則元武縱臨酉戌,尚可作太陽照武之用也。
最も好しとは四季に按じて分別に實際の日出・日落の時刻を推算すれば、さすれば才だ極準なり。倘若一概に卯を拿りて日出と當て酉を拿りて日落と當てば、然れば元武はただ地盤の申位の上に臨む者のみ白晝と算えらるべし。それが地盤の寅・卯・辰・巳・午・未の各位に臨み到らざればなり。若く肯んじて細究して節氣を推算して真正の日出・日入を得ば、然れば元武はたとい酉・戌の両位の上に臨むとも、還た太陽照武として以て取用し得べし。
如壬申日返吟卦,十月占,且支上寅木乃是日之盜氣,上又乘元武,必是家中人作盜,後必敗露,緣寅為月將照破元武故也。如辛亥日亥將戌時,三傳丑寅卯,此課所合主失脫而無疑也,緣干上亥是日之盜神又乘元武,又初傳是日之墓神,中傳雖寅卯為日財,又是旬空,雖是太陽照武,奈何是戌時,太陽已歸地下,其賊難獲,此例極多,餘皆仿此。
たとえば壬申日の返吟課に、十月に占えば、支上の寅木は正に壬水の氣を泄する盜神にして、寅の上にまた元武に乗れば、必ず家裏の人の賊を為すなり。但し後來に一定に敗露す。十月の月将は即ち寅にして、太陽の光が照破して元武を破るが故なり。またたとえば辛亥日に亥を以て月将と為し、戌時に起課すれば、三伝は丑・寅・卯。この一課は合せて看れば、失竊を主とす。干上の亥は辛金の氣を泄する盜神にしてまた元武に乗り、初伝はまた辛金の墓神なり。中伝の寅・卯は辛金の財と雖も、卻って「旬空」に落ち、即ち本旬の中に天干の配るべきなきあの両位の地支なり。説くは太陽照武と雖も、无奈戌時に占せば、太陽は已に地下に落ち去りて、この賊は便ち捉獲しがたし。この類の例子は極めて多く、残りは皆このように推せ。
至元武雖不臨太陽之上,如於卯辰巳午申天盤之上者,尚可捕盜,或元武臨天馬六丁,更臨酉戌亥子丑上,其賊終不敗露,必至遠竄。如占失財,其財坐長生之上者,終不致失,或所失物類坐於長生之上者,亦不至失也。
元武は正に太陽の上に坐せざると雖も、ただ天盤の卯・辰・巳・午・申のこの几位の上に落ちれば、仍舊として賊を捕うるを得べし。もし元武が「天馬」(奔走・馳逐を主とする神)或いは六丁の神に臨み、また酉・戌・亥・子・丑のこの几位の上に臨まば、あの賊は終究敗露せずして、必ず遠く逃窜せん。もし失財を占えば、あの筆の財が長生の位に坐するは、終究丟失せざるなり。或いは失う所の物件の類神が長生の位に坐するも、亦た照樣に丟失せざるなり。
天網四張格:最宜占賊必獲,謂用神與正時同剋日是也,惟在破網卦反難捉賊矣。破網者,有神克其初傳是也。賊向防連坐者例:緣元武所臨之神有神作六合是也。如元武加子臨丑,子與丑作六合故也。
「天網四張格」——最も賊を占うに宜しく、必ず捉獲す。説く所は「用神」(発用の神)と「正時」(起課に用うる時辰)とが一同に來て日干を克し、四面に網を張る。賊は逃るべき處なし。唯独破網卦に遇えば、反って賊を捉えがたし。いわゆる破網とは、即ち別に神有りて来てあの初伝を克するなり。「賊向防連坐者例」——元武の臨むあの神に、別に神有りてこれと六合を結ぶ。たとえば元武が子の上に加わりて丑に臨めば、子と丑とは正に六合を作す。これは即ち賊が同夥を供出し旁人を連累するを防ぐを要す。
捉賊不如趕賊格:假令甲日占,以申為賊,不可便以丙火剋剋之,雖去其鬼賊,亦竊甲干之氣,尤憂所費,以此推之,不如以壬水暗竊其申金尤生其甲木為妙。游都下捉賊必獲,游都煞者,甲己日丑,乙庚日子,丙辛日寅,丁壬日巳,戊癸日申。
「捉賊不如趕賊格」——假如甲日に賊を占うて申金を以て賊と為すも、卻って徑直に丙火を用いて往きてこれを克すべからず。丙火は能くこの鬼賊を除掉すと雖も、自己もまた甲木の氣を盜泄して、反って力を費し財を破らん。これに由って推想すれば、壬水を用いて暗暗にあの申金を耗泄せしめ、しかも壬水はまた転じて來て甲木を生ず。これ才だ妙と呼ぶべし。「游都」煞の下に在りて賊を捉えば、必定捉うるを得。游都煞の算法は、甲日・己日は丑に在り、乙日・庚日は子に在り、丙日・辛日は寅に在り、丁日・壬日は巳に在り、戊日・癸日は申に在り。
玄武加丁主失脫。賊捉賊格:如壬癸日辰戌未丑等為傳,三傳自相刑沖,可以凶制凶,又內有四金字可以化鬼也。又元之本家上神能制元亦是。鬼作生氣,賊來不已,如日之劫財,或占失財,亦以此為賊,或鬼賊本家與元武本家上神乘太陽,占盜立獲。
元武が丁神に加臨すれば、失竊・走失有るを主とす。「賊捉賊格」——たとえば壬日・癸日に辰・戌・未・丑を以て三伝を作せば、三伝は彼此相刑・相冲して、正に凶を以て凶を制すべし。四墓の中にまた各々金氣を蔵して、能く鬼を化解し得べし。別に元武の「本家」有り。即ち元武の属する本位の地支にして、その上の神の能く元武を制住するも、またこの格と算ぞ。もし鬼爻が同時に生氣を充てば、賊は便ち個不停に來らん。日干の「劫財」、即ち同類の相爭にして専ら我が財を奪うあの一爻に至っては、失財を占う時にもこれを當に賊として看べし。倘若鬼賊の本家・元武の本家の其上に乗る所の神が正に太陽月将なれば、失盜を占えば立刻に捉うるを得。
後合占婚豈用媒第四十
大過九五枯楊生花,家人九三嗃嗃嘻嘻,占兵有敵與臣下私謀者。謂干為夫,支為妻,凡占婚全看此,豈宜支干上乘天后、六合,以應私情,那更女之行年居在干上,男之行年居在支上,此乃私情,先相交通,至嫁娶之時,何有用媒伐乎。
取象は《周易》より出づ。《大過》の九五の爻辭に枯楊の花を開くと説き、《家人》の九三の爻辭に家を治むるの過嚴と嬉笑・無節のこの両種の情形を講ず。若く兵を用うるを占えば、即ち敵方と我が臣下との暗中に勾結する有るを主とす。この章の説く所は、日干を以て丈夫と為し日支を以て妻子と為し、およそ婚事を占うは全くこの両處を看る。干上・支上は怎麼して天后・六合のこの情愛を主とする両天将に乗るに宜しきや。あれは正に私情に應ず。何况女方の行年が干上に落ち男方の行年が支上に落つれば、これは更に私情なり。両人は已に先行して往来・通好して、正式の嫁娶の時候に到れば、何處で還た媒人を用いて説合せしめんを須せん。
如占婚值此者,必有有先奸後娶之意也。如丁卯日干上寅,晝乘六合,支上戌乘天后,又干上子夜乘六合,支上申乘天后,又干上戌乘天后,支上午乘六合夜。更看那邊空亡,審其真偽,如值空亡,則雖乘天后、六合,既已坐空,乃止懷虛意也。
婚を占うてこの種の課に遇えば、必定に先に私情有りて後に婚娶を行うの意思を含む。たとえば丁卯日に干上は寅、昼占の時に寅の上に六合に乗り、支上は戌にして天后に乗る。また干上は子、夜占の時に子の上に六合に乗り、支上は申にして天后に乗る。また干上は戌にして天后に乗り、支上は午にして六合に乗りて夜占を用う。還た再看して両辺に空亡に落つる有無有るを要し、以て是れ真か假かを辨明す。もし空亡に落ちれば、然れば天后・六合に乗ると雖も、既に空處に坐せば、亦不過白く一点の虚情を懐くのみ。
富貴干支逢禄馬第四一 功成受賞
謂干上有支驛馬,支上有干祿神者,故名真富貴卦,凡君子占之加官添俸,富貴雙全,常人占之,病訟俱凶,宅移身動。如丙寅日干上申,乃支驛馬,支上巳乃干祿,餘仿此。
日の天干を「干」と稱し、求占人の本身を主とす。日の地支を「支」と稱し、家宅と相手方とを主とす。およそ日干の上頭に乗る所の神が正に日支の「駅馬」(三合局に随って定め出す動星にして、奔走・遷転を主とす)にして、日支の上頭に乗る所の神がまた正に日干の「禄」(天干の臨官して位を得る處にして、俸禄・財源を主とす)なれば、「禄馬」が交互に登臨す。即ち真の富貴課と呼ぶ。士人・君子が占い得れば、官を升り俸を加え名も利も雙収するを主とす。尋常の百姓が占い得れば反って未だ必ずしも福ならず。病を問うも訟を問うも凶にして、多くは遷居・移宅・身の安を得ざるに應ず。譬如丙寅日に、日干の丙の上に申を見、申は正に日支の寅の駅馬なり。日支の寅の上に巳を見、巳は正に丙火の禄位なり。残りの各日はこれに照らして類推す。
尊崇伝内遇三奇第四二 如占大吉有成功封拜之喜
且夫三奇者有二等,有三傳全遇甲庚戊者,有三傳全遇乙丙丁者。其法亦有二,有遁旬中之干者,有遁五子元建之法者,凡值此二例,君子占之,官居一品之尊,貴入巖廊,縱使常人占之,雖無吉泰之兆,亦可消除災禍。
「三奇」は両類に分かつ。一類は「三伝」(四課より推し出す初伝・中伝・末伝)の三支の遁得する天干の齊しく甲・庚・戊を見る。一類は三支の遁得する天干の齊しく乙・丙・丁を見る。取法もまた両種有り。一種は本旬に依りて干を遁じ、日辰の属する旬首に照らして三伝の各支の天干を推し出す。一種は五子元建の法に依りて干を遁ず。およそこの両種の格局の一に碰えば、士人・君子が占い得れば、位列して一品の貴を主とし、朝廷の廊廟に出入するを得。たとい平常の百姓が占い得るとも、説くは未だ必ずしも大吉・大通の征兆ならずと雖も、亦た災を消し厄を解するに足る。
遁旬中之干者,如己卯日干上午,第四課發用,初傳丁丑加寅,中傳丙子,末傳乙亥。又己巳日丁卯加辰,丙寅加卯,乙丑加寅,又壬申日初傳乙丑加子,中傳丙寅,末傳丁卯。戊辰日初傳丁卯加辰,中傳丙寅,末傳乙丑。
先ず本旬に依りて干を遁ずるの一路を説く。譬如己卯日に、日干の己の上に午を得、第四課より取り出して発用と為す。初伝は丑にして遁干は丁を得、丑は寅の上に加わる。中伝は子にして遁干は丙を得。末伝は亥にして遁干は乙を得。三支の遁干は恰好として乙・丙・丁斉備す。またたとえば己巳日に、丁卯が辰に加わり丙寅が卯に加わり乙丑が寅に加わるも、亦た三奇の齊全なり。壬申日に、初伝の乙丑が子に加わり、中伝は丙寅、末伝は丁卯。戊辰日に、初伝の丁卯が辰に加わり、中伝は丙寅、末伝は乙丑。皆この一路に属す。
遁甲己還生甲者,如辛巳日干上午,初傳甲午加戌,中傳庚寅,末傳戊戌。己酉日初傳乙亥加戌,中傳丙子,末傳丁丑,餘仿此。
再び五子元建のあの一路を説く。口訣の所謂「甲己還生甲」は、即ち甲日・己日の遁干は仍お甲字より頭を起して順推すなり。譬如辛巳日に、日干の辛の上に午を得、初伝の甲午が戌の上に加わり、中伝は庚寅、末伝は戊戌。遁干は凑りて甲・庚・戊の三奇を成す。己酉日に、初伝の乙亥が戌に加わり、中伝は丙子、末伝は丁丑。遁干は凑りて乙・丙・丁の三奇を成す。残りの各日はこれに照らして推求せよ。
害貴訟直作屈断第四三 雖有深謀密計終主敗露無成
如甲申日未加申為夜貴,乃日之墓神,丑作晝貴,又受寅木克,又作天空,初傳子與未又為害,如占訟理雖直而必致曲斷,事小而必大凶。餘占皆弄巧成拙,止宜識時而屑就,庶不為大禍,其餘五甲日未加寅用夜貴,亦如其說。
譬如甲申日に、未が申の上に加わる。未は夜間に起課に用うる夜貴(天乙貴人は昼夜の両位に分かれ、白天は昼貴を取り夜間は夜貴を取る)にして、しかも未は偏偏としてまた甲木の墓神なり。別一位の丑は本は昼貴を為すも、卻って寅木に克住せられ、且つ虚詐不実の「天空」に乗る。再加えて初伝の子は未と互いに六害を為す。両位の貴人は一個は墓に困せられ、一個は克害に遭う。官司を占うてたとい自己の道理の再直なるとも、判し下せば必ず曲断と成り、事は本は大ならざるも終に大凶に致る。別の事情をこの一課に占うても、皆是巧を弄して拙を成し、只だ時勢を看清し委屈して遷就するにのみ宜しく、才だ大禍を釀成せざるに至らん。残りの五つの甲日の中に凡そ未が寅に加わりて夜貴を用うるは、説法はこれと相同じ。
又如乙酉日未加寅作初傳,害中傳之晝貴,其象稍相類占,亦如前說,曲直作鬼枷錮,如六己日逢曲直課也也,卯加亥先曲後直,卯加未先直後曲。凡申加午為白虎投朱雀,午加辰為朱雀投勾陳,皆主訟。
またたとえば乙酉日に、未が寅に加わりて取りて初伝を作し、反って來て中伝の上の昼貴を傷害す。取象は上例と相近く、断法もまた前面の説く所に照らす。若く曲直課(三伝が結んで亥卯未の木局を成す)の木が反って日干を克する官鬼を成せば、あれは即ち人に枷鎖を戴上するがごとし。六つの己日が木局の曲直課に遇えば便ち此のごとし。その中の卯が亥に加わるは、先ず委屈を受けて後に伸を得るを主とす。卯が未に加わるは、先ず順遂して後に屈を受くるを主とす。このほか凡そ申が午に加わるは、白虎の朱雀に投ずと呼び、午が辰に加わるは、朱雀の勾陳に投ずと呼ぶ。「白虎」は血光・凶傷を主とし、「朱雀」は口舌・文書を主とし、「勾陳」は爭鬥・牽纏を主とす。遇えば皆官司有るを主とす。
課伝俱貴転無依第四四 李廣不封侯楽毅見疑
如丁酉日第一課,干上酉乃夜貴,第二課酉上見亥乃晝貴,第三課酉亥相加,第四課又歸亥鄉,然後三傳酉亥丑,此四課三傳,皆是晝夜貴人所聚,名曰遍地貴人,貴多者不貴,凡占不歸其一,反無依倚,或權攝所委不一,託事無成。
譬如丁酉日に、「四課」(日干・日支とそれらの上神とを以て排成する四組の関係)の第一課は、日干の上に酉を見、酉は夜貴なり。第二課は酉の上に亥を見、亥は昼貴なり。第三課はまた酉亥の相加なり。第四課は仍舊として亥の上に落つ。続いて三伝を排出して酉・亥・丑。このように一来れば、四課三伝は處處皆昼夜の貴人の聚集の地なり。即ち遍地貴人と呼ぶ。貴人多ければ反って貴ならず。およそ事を占えば一個の専主なく、反って依託する所なし。事を弁じ起これば或いは代管・代弁する人の一位に止まらず、各々一套を説き、托付し出して終究一事も成さず。
如用夜貴,乃名咄目煞,如貴人咄目專視,反坐罪也,大不利告貴,占訟尤凶,外有三傳皆是貴人者亦可用,辛巳日干上午,丁卯日干上酉,乙亥日干上子、又干上午。
若く用うる所が夜貴なれば、この一格はまた咄目煞と呼ぶ。譬うれば貴人の目を怒らして視て、死死と你を盯住して放さざるがごとし。結果は反って罪責を判定せられん。この課は最も上司に求見し書を投じて干謁するに利あらず。官司を問えばことに凶険なり。別に三伝が全て貴人の位に落つる有り。またこの一例に照らして來て断ず。たとえば辛巳日に日干の上に午を見、丁卯日に日干の上に酉を見、乙亥日に日干の上に子を見また日干の上に午を見る有り。
昼夜貴加求両貴第四五 亦可請謁于諸侯
謂六處有旦暮天乙相加者,如占告貴求事,必干涉兩貴人而成就。或占謁貴,必不得見其貴人,緣貴人往見別貴,多不在宅,縱然在宅,必會貴客而排筵,蓋貴臨貴位,乃官人見官人也。如是同官,占之反宜謁見。
所謂六處とは、日干・日支およびその上神を連ねて三伝のこの幾個の位置を指す。この六處の中にもし早晚の両位の「天乙貴人」(即ち昼貴と夜貴)の彼此相加有れば、人を托して事を弁ずるを占うて、必要に両位の貴人に牽渉して才だ弁成し得べし。若く登門して貴人に拜見するを占えば、多くは見えず。這位の貴人は正に往きて別一位の貴人に會すれば、常に家に在らざるが故なり。たとい家に在るとも、正に貴客に陪して宴を設くるなり。これは貴が貴位に臨み官人が官人に會する象なり。若く見んと要するが同僚の一輩なれば、この課を占い得て反って前往するに適合す。
已後雖值晝夜貴人相加在傳,視其合用之貴,如值空亡,不可照前說。如六丁日亥加酉晝,丁巳、丁亥、丁丑日酉加亥夜,六丙日酉加亥夜,六癸日巳加卯晝,癸未、癸亥、癸巳、癸酉日卯加巳夜,辛酉日午加寅晝,辛巳日寅加午夜,乙酉日子加申晝,申加子夜,甲戊庚日返吟,餘雖有之,緣不在傳課,故不具載。
此の後に凡そ昼夜の貴人が相加して三伝の裏に落つるに遇えば、當時に該當に用うべきは哪の一位の貴人なるかを看るべし。それが若く正に「空亡」(一旬の中の缺くる所の两支にして、虚にして不実を主とす)に落ちれば、即ち上面の説法に照らして往きて断ずる能わず。具体の日辰有り。六つの丁日に亥が酉に加わりて昼貴を取る。丁巳・丁亥・丁丑の三日に酉が亥に加わりて夜貴を取る。六つの丙日に酉が亥に加わりて夜貴を取る。六つの癸日に巳が卯に加わりて昼貴を取る。癸未・癸亥・癸巳・癸酉の四日に卯が巳に加わりて夜貴を取る。辛酉日に午が寅に加わりて昼貴を取る。辛巳日に寅が午に加わりて夜貴を取る。乙酉日に子が申に加わりて昼貴を取り、申が子に加わりて夜貴を取る。甲・戊・庚の三日の返吟課もまたこの象有り。残りの日辰は貴人の相加有ると雖も、四課三伝の内に落ちざるが故に、一々列挙せず。
貴覆干支格:緣干支上皆乘晝夜貴人例,凡占亦得兩貴人周全而成事,如甲申日干上丑、支上未,庚寅日干上未,支上丑,己卯日干上子、支上申,己亥日干上申、支上子,丁巳日干上亥、支上酉,丁酉日干上酉、支上亥。
この一格は貴覆干支と呼ぶ。日干と日支の上神が同時に昼貴と夜貴とに乗ればなり。およそ事を占えば皆両位の貴人の一斉に照應するを得て、事情を弁じ得て周全なり。所属の日辰有り。甲申日に干上は丑・支上は未。庚寅日に干上は未・支上は丑。己卯日に干上は子・支上は申。己亥日に干上は申・支上は子。丁巳日に干上は亥・支上は酉。丁酉日に干上は酉・支上は亥。
兩貴空害格:如己卯日干上子、支上申,用夜貴乃空亡之貴加宅上,又克宅,干上之晝貴卻作勾陳,又為六害,凡占必家庭神位不齊,尊卑相厭,邪正同處,以致人口災患,又不宜告貴,告貴反逢其怒,或夜貴人加在晝貴人上,宜求關節也。
この一格は両貴空害と呼ぶ。譬如己卯日に、日干の上に子を得日支の上に申を得。夜貴を取れば、あの位の貴人は正に空亡に落ち、卻って家宅を代表する日支の上に加臨し、還た反って宅を克す。日干の上の昼貴は即ち爭鬥・牽纏を主とする勾陳に乗り、並び日干と六害を構成す。およそこの課を占い得れば、家中に供奉する神位は必定に齊整ならず、長幼・尊卑は彼此相厭し、正神と邪祟とは一室に同處す。因りて家裏の人口は多災・多病なり。この時もまた往きて上司に求見するに宜しからず。去れば反ってその怒を招く。若し是れ夜貴が昼貴の上に加臨すれば、即ち人を托して中より關節を打通するに宜し。
貴人差迭事参差不斝第四六 権臣在内忠臣不能在外立功
謂晝貴臨於夜地,夜貴卻臨晝方,故名貴人差迭,如占告貴人求事,多不歸一,如俗諺云:尖擔兩頭脫也。此例極多,不暇細具,或每日有二課者,但仿此而言之。如甲子日丑為晝貴坐在酉上,未為夜貴卻坐在卯上是也。
昼貴は偏偏として夜に属する方位に落ち、夜貴は反って昼に属する方位に落つ。両位の貴人の位置は互相に錯開す。故に貴人差迭と呼ぶ。請托して貴人に事を弁ぜしめるを占えば、事權は多くは一處に歸する能わず。正に俗話の説くがごとし。「尖担両頭脱」、両頭ともに實處に落ち得ざるなりと。この種の情形は極めて多く、一々列挙するに及ばず。ある日子は一天の中に両課を出現すとも、亦たこの道理に照らして往きて推せ。譬如甲子日に、丑は昼貴にして卻って酉の上に坐し、未は夜貴にして卻って卯の上に坐す。即ちこの格なり。
貴人順治格:緣一日內全無逆貴人者,凡告貴皆順,竟無阻卻,兼宜催督復進取。唯有巳為月將,甲戊庚日有之,內有空亡貴人乃無用,如丑未坐於辰戌上,貴人怒嗔。貴人逆治格:緣一日內全無順貴人者,凡告貴竟無相允意,止宜退步,不宜進前,如進則反受挫,惟亥為月將,甲戊庚日有之,內忌空亡。
貴人順治とは、這一天の内に昼夜の両貴が皆順行して、一位の逆行もなきを説く。およそ上司に求見し請托して事を弁ずる皆順當にして、全く阻攔なし。還た再三催促し勢に乗じて進取するに適合す。このような課はただ巳を以て「月将」(当月の太陽の在る辰にして、占時の上に加わりて天盤を転出す)と為す時に、また甲・戊・庚の三日に逢うて才だ有り。その中の貴人が若く恰も空亡に落ちれば便ち管用せず。若く丑・未の両貴が辰・戌の上に坐せば、反って貴人の發怒の象を成す。貴人逆治とは、這一天の内に両貴が全是逆行なるを説く。およそ人を求めて事を弁ぜしむる皆應允を得ず。只だ退讓するに宜しく、進逼するに宜しからず。硬に往きて前に迫れば反って挫折を受く。このような課はただ亥を以て月将と為す時に、また甲・戊・庚の三日に逢うて才だ有り。同じく貴人の空亡に落つるを忌む。
日貴在夜,開眼作暗。夜貴在日,自暗而明。貴在干前事不宜迫,迫則反為貴所怒,事必無成,貴在日後,事宜速催,不催事反被散漫,久必有災。
昼貴が夜方に落つれば、譬うれば眼を睜きながら暗處に身處するがごとく、明中に反って蒙蔽を受く。夜貴が昼方に落つれば、即ち暗より轉じて明と為り、事情は漸漸に眉目有らん。貴人の臨む所の辰が若く日干の前に在れば、事を弁ずれば即ち緊逼すべからず。逼め急けば反って貴人の惱怒を招き、事情は必ず弁成せず。貴人が若く日干の後に落つれば、即ち趕緊に催辦すべし。催さざれば即ち事情は拖沓・涣散して、拖し久しければ必ず災患を生ぜん。
貴雖在獄宜臨干第四七
謂天乙貴人加臨地盤辰戌上者,雖名入獄,如是乙辛二日占,卻名貴人臨身,反宜干投貴人周全成事。其餘八干,晝夜貴人坐地盤辰戌之上,始名天乙入獄,干官貴怒,惟宜私謀陰禱,亦名貴人受賄。如辰戌二日占之,乃為貴人入宅,非坐獄論也。
天乙貴人が地盤の辰・戌の両位の上に加臨すれば、本名は入獄——辰は天羅・戌は地網にして、皆囚繋の地なり。但し若し是れ乙日・辛日に起課せば、辰戌は恰好としてこの両干の貴人の本位にして、反って貴人臨身と呼ぶ。この時は正に書を投じて貴人に求見するに宜しく、事情は反って能く弁じ得て周全なり。残りの八つの天干の日に、昼夜の貴人が地盤の辰戌の上に坐すれば、才だ天乙の入獄と算ぞ。往きて官長に干謁すれば必ずその怒に觸れ、只だ暗中に謀劃し私下に禱求するに宜し。この種の課はまた貴人受賄と呼ぶ。若く辰日・戌日に占い得れば、あれは貴人が家宅に進入する象にして、坐獄に按じて断ずる能わず。
鬼乗天乙乃神祗第四八 當行反間可得敵人之助
如六辛日午加干,如用晝占,雖是日鬼臨身,緣為貴人,切不可作鬼祟看,占病必是神祗為害,如臨宅上者,必是家堂神像不肅而致病患,宜修設功德安慰宅神,庶得無咎。又六丙日晝將亥加巳或亥加支,六丁日晝將亥加未,或亥加支,六乙日申加乙或申加支。
譬如六つの辛日に、午が日干の辛の上に加わり、白天に起課すれば午は正に辛の昼貴なり。午火は辛金を克し、本は日鬼の身に臨むに属すれども、それは同時にまた貴人なり。切に當に鬼祟・凶煞として以て看るべからず。疾病を占えば、多くは神靈の作祟して病を致すなり。若くこの一位が日支即ち家宅の上に加われば、あれは便ち家中の堂上に供する神像の失修・失敬にして招來して病患を致すなり。當に功德を修設し宅神を安撫すべく、才だ災咎を免るを得。同類に還た有り。六つの丙日に昼将で亥が巳に加わるか或いは亥が日支に加わる。六つの丁日に昼将で亥が未に加わるか或いは亥が日支に加わる。六つの乙日に申が乙に加わるか或いは申が日支に加わる。
空亡貴人格:緣貴人作空亡者,亦是神祗撓害,占訟大凶,亦為之閒貴人尤忌。貴人作墓格:六甲日丑為夜貴作墓神加干,六庚日丑為晝貴作墓神加干。貴人脫氣格:如六壬、六癸日以卯為夜貴作脫氣,必被貴人脫賺,或神祗降殃,以致脫耗。
空亡貴人とは、取る所のあの位の貴人が正に空亡に落つるを指し、亦た神靈の擾害有るを主とす。官司を占えば大凶なり。このような貴人はまた閑貴人と呼び、事を弁ずる時にことに忌諱す。貴人作墓とは、貴人が同時にまた日干の墓神なるを指す。六つの甲日は丑を以て夜貴と為し、丑は正に甲木の墓にして、日干の上に加臨す。六つの庚日は丑を以て昼貴と為し、同じく墓神が日干の上に壓す。貴人脱氣とは、貴人が反って日干の氣を泄するを指す。六つの壬日・六つの癸日は卯を以て夜貴と為し、卯木は壬癸の水を泄す。事を占えば必ず貴人に誆騙せられ、或いは神靈の降禍に遭いて、以て銭物の耗散を致さん。
両貴受克難干貴第四九 栖栖皇皇終身不遇知己之主
凡晝夜貴人皆立受克之方者,切不可告貴用事,緣二貴自受剋制,必自怒而不能成就我也,不論在傳不在傳,皆可用之,占得此課,不如不告,天乙謾被怒阻也。如六乙、六己日申加午、子加戌,六丙、六丁日亥加未、酉加巳,六辛日午加子、寅加申,六壬、六癸日巳加亥,卯加酉,惟甲戊庚三干無此例。
およそ昼貴・夜貴の両位が皆克を受くる處に站立すれば、切に往きて上司に干謁し人を請けて事を弁ぜしむべからず。両位の貴人は自身尚且つ克せられて自主する能わざれば、必然に満腹の惱怒あらん。何處で還た我を成全するに顧及せん。それらが三伝の中に落つると否とを論ぜず、この一条は皆適用す。このような課を占い得れば、如かず往きて求告せざるなり。不然なれば白く天乙貴人の發怒・阻撓を惹來せん。所属の例子有り。六つの乙日・六つの己日に、申が午に加わり子が戌に加わる。六つの丙日・六つの丁日に、亥が未に加わり酉が巳に加わる。六つの辛日に、午が子に加わり寅が申に加わる。六つの壬日・六つの癸日に、巳が亥に加わり卯が酉に加わる。唯有りて甲・戊・庚の三干の日にこの種の格局なし。
白虎或乘臨丑格:乃貴人怒惡之貌,凡占干貴官值此,必招貴人嗔怒,占訟尤忌,緣丑乃天乙之本家,不宜見白虎也。或欲告貴人求文書事吉。
白虎が丑の上に乗臨すれば、便ち貴人の滿面の怒色の象なり。およそ往きて官長に求見してこの課を占い得れば、必定に相手方を觸怒せしめん。官司を問えばことに忌諱す。丑は天乙貴人の本家にして、家裏は該に一隻の白虎を闖入せしむべからざればなり。不過若し是れ貴人に向かって文書・批件の一類の事を求取せんと要せば、反って吉利なり。
貴人忌憚格:緣朱雀乘神克貴人,不可告貴求托,必貴人忌憚而不肯用事。如甲日丑加寅,乃晝貴臨身,如占用文書之事不吉,緣朱雀乘卯克天乙之丑土故也。又六己日申為夜貴臨身,朱雀乘午而克貴,又六己日晝貴人是子臨身,朱雀乘戌而克貴。
朱雀は文書・口舌を主とす。それが乗る所の神が反って往きて貴人を克制すれば、即ち貴人忌憚と呼ぶ。このような課は人を求め事を托すべからず。貴人は心存して顧忌有りて、肯んじて你のために出面せざればなり。譬如甲日に丑が寅に加わり、丑は昼貴にして日干の身に臨む。若く文書の事を占えば卻って不吉なり。縁故は朱雀が卯木に乗り、卯木が天乙の居る所の丑土を克住すればなり。またたとえば六つの己日に、申は夜貴にして身に臨むも、しかも朱雀は午火に乗りて來て申金を克す。六つの己日に昼貴は子にして身に臨むも、朱雀は戌土に乗りて來て子水を克す。皆この格に属す。
真朱雀格:緣朱雀臨午,惟可求文書於朝廷,或達於至尊之前最宜。戊己年或辰戌丑未年占之,以真朱雀生太歲故也。若申酉年占之大忌。
朱雀は本は火に属し、火位は午に在り。朱雀は恰好として午の上に臨み、是れ自己の本位を得たり。故に真朱雀と呼ぶ。この一格はただ朝廷に向かって文書を呈遞し、或いは話を直に至尊の御前に達するにのみ宜しく、最も相宜なり。若く戊年・己年或いは辰・戌・丑・未の年に占い得れば更に好し。真朱雀の火は能くこの幾年の土に属する太歳を生ずればなり。若く申年・酉年に占い得れば則ち大いに忌諱と為す。火は反って往きて金を克して、冲撞到を成せばなり。
二貴皆空虚喜期第五十 咸象曰山上有澤咸君子以虚受人功無成而終多不見用
凡晝夜貴人皆空亡者,如干投貴人,事已蒙許允,後卻被人攙越,凡占若值此,事事成拙,或有人報喜且勿信,恐為同名姓人,後非我喜,誠為虛喜,而己反有所費也,故俗諺云:爭似不來還不往,亦無歡喜亦無憂。如丁丑日酉加未作空,亥加酉又落空之類,主告貴先允而事未決,後換旬始可有望。
およそ昼貴・夜貴の両位が皆空亡に落つれば、往きて書を投じて貴人に求見すれば、事情は当面已に應允し下すれども、後頭に卻って別人に先を搶占せられん。およそこの一格に占い遇えば、件件の事皆弁じ得て笨拙にして成らず。たとい人の來て喜信を報ずる有るとも輕信する莫れ。多くは你と同名同姓の別の一人が好處を得たるにして、到頭にあの喜事は並び自己に属せず。白く高興を一場して、還た倒れて盤纏を貼したり。故に俗話に説く。空しく來て空しく往くに與んよりは、不來不往の如かず。既に歡喜なく、亦た憂愁なしと。譬如丁丑日に酉が未に加わりて空に落ち、亥が酉に加わりてまた空に落つ。即ちこの一類にして、上司に求見するに先ず口頭の應允を得て、事情は卻って遲遲として決せず、一旬を換え過ぐる後に要到して才だ指望有らんを主とす。
六壬大全巻十一終
六壬大全巻十二 《畢法賦》下
魁度天門關隔定第五一 賁六五賁于丘園束帛戔戔吝終吉猶駕舟楫而登劍閣如御輜重而過江津
謂戌為天魁,亥為天門,凡戌加亥為用者,占謀用皆被阻隔,或壬癸日占,旦暮皆乘白虎,占病多是隔氣,或食積隔,或是邪祟為災,服藥宜下之為佳。如占盜賊難獲,訪人不見,諸占總不免關隔二字也。
戌は天魁と稱し、亥は天門と稱す。およそ戌が亥の上に加わりて取りて発用と為すは、謀る所の事は皆阻隔に遇うを要す。若く壬日・癸日に起課に逢えば、早晚を論ぜずこの一位は皆白虎に乗る。疾病を占えば多くは氣機の壅塞して通ぜず、或いは飲食の積滞して隔を成し、或いは邪祟の作怪なり。藥を用うれば走りて通下し積を攻むるの路子を以て好しと為す。捕盜を占えば則ち賊は擒獲しがたく、訪人を占えば則ち人は見えず。各類の占問は総じて關隔の两字を逃るる能わず。
如壬午、壬辰、壬子、壬戌、癸亥五日並戌加亥為用,旦暮天將皆是白虎,又乙亥、丙子、丁亥、戊子、乙未、己亥、庚子、己酉、辛亥,此九日亦見戌加亥為用者,宜視晝夜之天將以定其吉凶之兆。
具体に説來すれば、壬午・壬辰・壬子・壬戌・癸亥のこの五天は、皆戌が亥に加わりて取りて発用と為し、且つ早占・晚占を論ぜず、この一位の乗る所の天将は皆白虎なり。別に乙亥・丙子・丁亥・戊子・乙未・己亥・庚子・己酉・辛亥の九天有りて、同じく戌が亥に加わりて発用するの情形を出現せん。あれは即ち當時の乗る所の究竟是れ昼将か夜将かを看るを要し、據りて吉凶の征兆を判定す。
罡塞鬼戸任謀為第五二 當行周文仁義之師
謂辰為天罡,寅為鬼戶,凡辰加寅為罡塞鬼門,不論在傳不在傳,皆名罡塞鬼戶,使眾鬼不得窺覷,宜閃災避難,陰謀私禱,或弔喪問病,合藥書符。
辰は天罡と稱し、寅は鬼戸と稱す。およそ辰が寅の上に加われば、便ち天罡が鬼門を把住して堵したなり。それが三伝の内に落つると否とを論ぜず、皆罡塞鬼戸と算え、能く群鬼をして窺伺するに從なからしめん。このような課は災を躲れ難を避け、暗中に籌謀し、私下に祈禱するに宜しく、亦た喪に奔り唁を吊い、病を探り疾を問い、および藥を配し劑を合し、符籙を書寫するに宜し。
如甲戊庚日尤的,緣晝貴登天門,天罡塞鬼戶,凡占無不亨利,又如己丑日卯加丑為初傳,乃是日之鬼,中傳巳又入鬼鄉,末傳未空,誠為凶課,如用辰為月將尤妙,名天網四張,賴天罡塞鬼戶,使萬鬼潛惡獸伏,所作任意謀為,無阻無障礙也。
甲日・戊日・庚日を以て最も応験と為す。這三日は昼貴が正に天門に登り(貴人は亥位に臨む)、天罡がまた鬼戸を堵住すれば、およそ占うて亨通・順利せざるなし。再びたとえば己丑日に、卯が丑に加わりて取りて初伝と為す。卯木は正に己土の官鬼にして、中伝の巳はまた落ち進みて鬼郷に入り、末伝の未は還た空亡に落つ。本是一副の凶課なれども、但し这一天に若く辰を以て月将と為せば、反って最も妙なり。この象は天網四張と呼び、全く天罡が鬼戸を堵死するに頼りて、萬鬼をして形を潛め惡獸をして伏蔵せしむれば、甚麽を弁ぜんと想うとも就かに弁じ、毫も阻碍なし。
貴塞鬼戶格:緣三傳作日鬼,賴貴人塞鬼戶也,亦任謀為。如壬戌、壬辰日巳加寅,癸丑、癸亥、癸未、癸酉四日亦巳加寅,三傳辰未戌皆鬼,如用晝貴乃名貴人臨寅鬼門,杜鬼賊不出,萬事皆寬。以上例如不在傳上,或占人行年本命在寅亦是也。
貴塞鬼戸とは、三伝は皆日干の官鬼を成したると雖も、卻って全く貴人が鬼戸を鎭住するに頼るを説く。故に照樣に放手して事を謀るを得べし。譬如壬戌・壬辰の両日に巳が寅に加わり、癸丑・癸亥・癸未・癸酉の四日も亦た巳が寅に加わる。三伝を排出して辰・未・戌は、壬癸の水に對して來説すれば皆是官鬼なり。この時に若く昼貴を取れば、便ち貴人が寅位の鬼門に臨むと呼び、鬼賊を門内に堵して出で來る能わざらしめ、萬事皆寛松を得。上面のこれらの例子は、たとい貴人が三伝の上に落ちざるとも、只だ求占人の「行年」(歳数に按じて年々推移する辰)或いは「本命」(属する生年の辰)が恰も寅の上に在れば、一樣に數え算うるを得。
神藏煞沒格:如甲戊庚三日以丑未臨亥者尤的,餘日有神藏無煞沒,有煞沒無神藏,緣貴人登天門,百煞拱護,凡謀亨利,且夫六神藏者,如甲戊庚日,丑未為晝夜貴加地盤亥,乃名貴登天門,塍蛇臨地盤子,名墮水;朱雀臨地盤癸丑,名投江;勾陳臨地盤卯,名受制;天空臨地盤巳,名投絕;白虎臨地盤午,名燒身;元武臨地盤申,名現形,此乃六神藏也。夫四煞沒者,緣辰戌丑未五墓煞,陷於四維而沒,故也。四孟月占尤的,緣四維為月將故也。餘月尚未可用。
神蔵煞沒とは、甲・戊・庚の三日に丑・未の両貴が亥の上に臨むを以て最も確切と為す。別の日子は往往としてただ神蔵有りて煞沒なきか、或いはただ煞沒有りて神蔵なきのみ。貴人が天門に登上し、衆煞が拱手して護衛すれば、およそ謀為有るは皆亨通・有利なり。所謂六神蔵とはこのごとし。甲・戊・庚日に丑・未の両位の昼夜貴人が地盤の亥の上に加わるを、貴登天門と呼ぶ。「螣蛇」が地盤の子位に臨むを、堕水と呼ぶ。朱雀が地盤の癸丑位に臨むを、投江と呼ぶ。勾陳が地盤の卯位に臨むを、受制と呼ぶ。天空が地盤の巳位に臨むを、投絶と呼ぶ。白虎が地盤の午位に臨むを、焼身と呼ぶ。「元武」(盗賊・陰私を主とする将)が地盤の申位に臨むを、現形と呼ぶ——六つの凶将が各々勢を失う。故に神蔵と稱す。所謂四煞沒とは、辰・戌・丑・未のこの几位の墓煞が四维の位に陷落して隱沒して起たざるなり。寅・申・巳・亥の四孟の月に起課すれば最も応験す。その時は四维が恰好として月将を充てればなり。残りの月份は還た用上げられず。
両蛇夾墓凶難免第五三 兵戦流血視其主客孰先預定
謂丙戌日戌加巳及支辰來墓日干,兼晝夜天將皆乘蛇及地盤之巳亦是螣蛇之位,故名為“兩蛇夾墓”也,如占病必有積塊在腹中,因此疾以至不救,或行年本命是戌,其死尤速。如年命居亥上乘天罡辰虎沖戌蛇故名“破墓”,庶得少延。如丙申日得此,終不能救,緣辰作空虎,無力沖其戌蛇也,外四丙日亦然。
丙戌日に戌が巳の上に加わり、日支の辰がまた来て日干の丙火の墓を充てる。加上すれば昼占・夜占を論ぜずこの一位は皆螣蛇に乗り、しかも地盤の巳は原本も亦た螣蛇の本位なり。上下の两条の蛇が墓神を中間に夾む。故に両蛇夾墓と呼ぶ。疾病を占えば、腹中に必ず積塊有りて、往往としてこの病によって救治する法なし。若く求占人の行年或いは本命が正に戌なれば、死することことに速し。倘若年命が亥の上に落ちれば、亥の上に乗るは天罡の辰にしてまた白虎に乗る。辰は能く戌位の蛇墓を冲開す。これを破墓と呼び、還た些かの時日を延するを得べし。若し是れ丙申日にこの一課を得れば、終帰して救い帰らず。あの辰が乗る所は落空の白虎にして、戌上の蛇を冲開するの力量なきが故なり。残りの四つの丙日も亦た一樣なり。
但不得如丙戌日例,巳上占訟必被囚禁,凡占事已見凶禍卒難脫免,轉昏轉晦不能亨快,占病難愈,占產凶。此例邵師為“抱石投江”之喻。
ただ応ずること丙戌日のあのように徹底せざるのみ。以上の諸例は官司を占えば必ず囚禁に遭い、およそ事情を占えば、凶禍は既に現形し、倉促のあいだ脱するが難く、局面は益々昏暗にして透氣し能わず。疾病を占えば好しがたく、生産を占えば則ち凶なり。この一格は、邵彦和先生が石を抱いて江に投ずるに比作す。石を抱いて跳びて江に下れば、沈み下去れば便ち再び浮起するの理なし。
外有六己日辰加未夜占,乃兩常夾墓;辰加辰伏吟,兩勾夾墓。六壬日辰加亥乃兩後夾墓;六辛日丑加申兩虎夾墓。六甲日未加丑夜貴,兩貴夾墓;未加戌晝貴,兩空夾墓。六乙日未加巳兩蛇夾墓。六壬、六癸日辰加巳,兩蛇夾墓。六庚日丑加丑,兩貴夾墓;丑加戌兩空夾墓。六丁日戌加巳兩蛇夾墓,六己日辰加辰兩勾夾墓。
このほか還た一批の同類の変格有り。六つの己日に辰が未に加わり夜間に起課すれば、上下皆「太常」(衣食・筵宴を主とし、亦た孝服・布帛を主とする将)に乗る。両常夾墓と呼ぶ。辰が辰に加わりて伏吟課を成せば、上下皆勾陳に乗る。両勾夾墓と呼ぶ。六つの壬日に辰が亥に加われば、上下皆「天后」(婦人・陰私を主とする将)に乗る。両后夾墓と呼ぶ。六つの辛日に丑が申に加われば、上下皆白虎に乗る。両虎夾墓と呼ぶ。六つの甲日に未が丑に加わりて夜貴を取れば、上下皆是貴人。両貴夾墓と呼ぶ。未が戌に加わりて昼貴を取れば、上下皆天空に乗る。両空夾墓と呼ぶ。六つの乙日に未が巳に加わるは、両蛇夾墓なり。六つの壬日・六つの癸日に辰が巳に加わるも、亦た両蛇夾墓なり。六つの庚日に丑が丑に加わるは、両貴夾墓なり。丑が戌に加わるは、両空夾墓なり。六つの丁日に戌が巳に加わるは、両蛇夾墓なり。六つの己日に辰が辰に加わるは、両勾夾墓なり。
虎視逢虎力難施第五四 頤六四頤虎視眈眈其欲逐逐無咎項羽臨垓下韓信入未央
謂虎視課者,乃柔日也,昴昨課者,乃剛日也,緣雞鳴則仰首,虎視則俯首也。如柔日虎視卦中,天將又乘白虎者,譬如前後皆有猛虎,縱勇夫至於此時,亦難施力,凡占豈免至驚至危乎。
虎視課は陰柔の日より出で、昴星課は陽剛の日より出づ。取象は、雞の叫ぶ時は頭を仰げ、老虎の人を盯む時は頭を低うす。一仰一俯して、正に剛柔の両種の取課の法に對す。若く柔日の虎視課の裏に、天将が偏偏としてまた白虎に乗れば、あれは即ち前後皆蹲る猛虎有るに譬うべし。たとい勇夫がこの一步に走到するとも、力を使出す能わず。およそ占えば何處で極度の驚恐と危険とを免れ得んや。
如丁亥日夜將,寅加亥作白虎在末傳,丁丑日辰加未夜將,又辰加丑晝將,辛卯日子加卯夜將,辛未日亥加戌晝將,雖白虎臨戌亥,是空亡,緣臨干上乃白虎臨身,兼中傳並干上是兩重虎,又支上乘申,及初末申亦作白虎之本位,乃支干三傳乘其虎五,凡值此課,驚天動地,而凶禍難免也。
例子有り。丁亥日に夜将を用い、寅が亥に加わりて白虎に乗り、末伝に落つ。丁丑日に辰が未に加わりて夜将を用い、また辰が丑に加わりて昼将を用う。辛卯日に子が卯に加わりて夜将を用う。辛未日に亥が戌に加わりて昼将を用う。最後のこの一日は、白虎は戌亥に臨むと雖も正に空亡に値すれど、卻因るにそれが日干の上に落つれば、仍お白虎臨身と算ぞ。中伝は連ねて干上とまた両重の白虎なり。日支の上に申に乗り、初伝・末伝の申も皆白虎の本位なり。このように干支・三伝の前後に共に五處の虎氣有り。およそこのような課に遇えば、事情は必ず天を驚かし地を動かし、凶禍は躲開しがたし。
及有戊寅日丑加酉旦占,雖是剛日,亦如前詳,俗諺云,雙拳不敵四手,何況逢剛猛虎乎。履六三咥人凶,九四訴訴終吉。外有己巳日干上申,初傳申,中傳申又上虎視卦,凡占既歷四重虎穴,豈免至驚至危。又己酉日第四課白虎未加申,末傳又是申,又是虎視卦體,凡占亦如值三虎。又癸未日乃虎視卦,初傳申,中傳寅亦是虎,末傳又是申,一如四虎。乙未日寅加辰亦是虎,又是虎視卦,未乘白虎臨酉,酉為年命者更凶。
還た戊寅日に丑が酉に加わり早上に起課する有り。剛日に属すと雖も、亦た前面の説法に照らして來て断ず。俗話に説く、雙拳は四手に敵せず、何况碰着する所は剛猛の老虎なるをやと。《周易・履卦》の六三爻に老虎が人を咬めば則ち凶と説き、九四爻に心に戒懼を存せば終帰吉を得ると説く。正にこの意思なり。另外に、己巳日に干上は申、初伝は申、中伝は還た申、又た虎視課に碰上る。事を占えば等しく四重の虎穴を連過するなり。怎で驚險萬分ならざるを得んや。己酉日に第四課の白虎が未に乗りて申に加わり、末伝は又た申。亦た虎視課の体式なり。事を占えば三隻の老虎に遇上するがごとし。癸未日は本是虎視課にして、初伝の申・中伝の寅は皆虎位に属し、末伝は又た申。同じく四虎に等し。乙未日に寅が辰に加わるも亦た虎なり。又た虎視課に逢い、未の上に白虎に乗りて酉に臨む。倘若酉が正に求占人の年命なれば、即ち更に凶なり。
所謀多拙逢羅網第五五 猶瞽者納諸陷阱之中
謂干上乘干前一辰,支上乘支前一辰,故名一在羅地網,凡得此卦,網羅兜裹身宅,諸占豈能亨快,此例如進連茹課中多有,不必細具。如甲申日干上卯、支上酉,餘仿此。
日干の上に乗るは日干の前一辰にして、日支の上に乗るは日支の前一辰なり。これを即ち天羅地網と呼ぶ。およそこのような課を得れば、羅網が人身と家宅とを併せて兜住す。各類の占問は何處で還た通暢・痛快を得んや。この種の格局は進茹・連茹の一類の課の中に甚だ多く、一々列挙するを須とせず。譬如甲申日に、干上は卯・支上は酉。残りの各日はこれに照らして類推す。
凡占止利守己,則為支干乘旺,倘若動謀,變為羅網纏其身宅,及作羊刃之煞,傷其身而毀其宅,又乘凶將,其禍尤甚,如占人年命上神沖破支干之網,始無咎也,或遇空亡亦名破羅破網。
およそこの課を占い得れば、只だ本分を安守するにのみ利有り。その時は干支の上神は還た算えて旺に乗り力を得たり。一旦念を動かして事を謀れば、あの両位は便ち翻じて羅網を成して身と宅とを纏住し、併せて羊刃の凶煞に化作して、人の身を傷り人の宅を毀す。若く更に凶将に乗れば、禍事は更に重し。ただ當に求占人の年命の上の神が干支のこの層の羅網を冲破し得る時にのみ、災禍有るに致らず。或いは干支の上神が恰逢して空亡するも、亦た破羅・破網と呼ぶ。
干上乘支之網,支上乘干之羅者例,凡占事我欲網羅他,他已網羅我,互相闇昧,如庚寅日干上卯、支上酉,餘干四絕體中多有。值干之天羅地網,有官人主丁父服;值支之天羅地網,主丁母服。丁丑日干上寅為互網,又干上申為皆網,癸未日干上寅申,己丑日干上寅申,庚寅日干上卯酉,丙申日干上午,庚申日干上酉,戊申日干上午,壬寅日干上子。
別に一種の交叉の格局有り。日干の上に乗るは日支に属するあの張の網にして、日支の上に乗るは日干に属するあの張の羅なり。およそ事を占えば、我が這邊は正に相手方を羅織せんと想い、相手方は早已に我を羅織せり。彼此皆暗中に算計す。譬如庚寅日に、干上は卯・支上は酉。この類の課は四絶体の中に甚だ多し。羅網若く日干の一辺に應ずれば、官を為す人は父喪に遭うを主とす。若く日支の一辺に應ずれば、母喪に遭うを主とす。このほか、丁丑日に干上に寅を見るは互網にして、干上に申を見るは皆網なり。癸未日に干上に寅・申を見る。己丑日に干上に寅・申を見る。庚寅日に干上に卯・酉を見る。丙申日に干上に午を見る。庚申日に干上に酉を見る。戊申日に干上に午を見る。壬寅日に干上に子を見る。
天網自裹己招非第五六 霍光有廢立之功卒招夷族之禍
如甲申日未加寅,乃墓神覆日,如占人本命又是未生,乃名天網自裹,凡值此課,必是自招其禍,非干他人暗算,所作昏晦,如處雲霧,常被揶揄,必是命運災衰,星辰不順,惟宜醮謝本命星位,庶免前殃,餘干仿此,或是用起並時同剋日課,又值本命作日墓神,尤為凶甚。
譬如甲申日に未が寅の上に加わる。未は甲木の墓神にして蓋覆して日干の上に在り。若く求占人の本命の辰も正に未なれば、即ち天網自裹と呼ぶ。およそこのような課に遇えば、禍事は必ず自己の招來したるにして、旁人の暗算に干わざるなり。行事は昏昧・不明にして、身が雲霧の中に處するがごとし。還た常に人の譏笑・戲弄に遭う。これは多くは命運の衰敗・星辰の不順の致す所なり。只だ醮を設けて自己の本命の星位に禱謝するに宜しくして、才だ將至の殃を免るを望むべし。残りの天干の日はこれに照らして類推す。若く発用の神が占時を連ねて一斉に來て日干を克し、本命が又た恰好として日干の墓神を充てば、即ち凶さえも更に厲害なり。
丁神厭目格:如乙巳日未加乙,乃墓神覆日,如夜占上乘塍蛇,如四月占,又為月厭,亦是飛廉大煞,亦是天目煞,又乘旬內之丁神,如占人未為本命,必是夜多怪夢而至身位災衰,亦宜禱禳上天星煞,庶免極凶。餘甲辰旬中,遇未加支於四月占,皆如前說,必宅中多怪現形,蓋未為丁神乘厭目等凶煞故也。
丁神厭目のこの一格。譬如乙巳日に未が乙の上に加わる。未は乙木の墓神にして日干を壓覆す。夜間に起課すればこの一位は螣蛇に乗る。若くまた四月に起課せば、未は便ち当月の月厭にして、同時にまた飛廉大煞と天目煞とを充てる。再び加上すれば未は正に本旬の遁ずる所の丁神なり。若く求占人の本命が恰好として未なれば、夜裏に必ず怪夢多くして、以て本身の運勢は衰敗す。亦た當に上天に向かって禱告してこの幾樣の星煞を禳解すべく、才だ凶の極處に到るを免れん。およそ甲辰の一旬の中に在りて、四月に起課して未が日支に加わるに遇うは、皆前面の説く所に照らして來て断ず。家宅の内に必ず屢々怪異の現形を見る。未は既に丁神にして、又た月厭・天目の一類の凶煞に乗ればなり。
費有餘而得不足第五七 四夷雖服而海內空虚矣
如丙午日干上寅、支上卯,此支干全生,豈宜俱空,其第二、第四課卻全見鬼賊。如壬午日干上申,雖為日之長生,奈是旬空,既見生不生,不如無生,不免尋初傳巳火為財,又坐空鄉,又為破碎,及至破費錢財,豈宜中傳見寅為脫氣,及支上卯木併力而盜脫其日干之氣,以此推之,得之不足,費之有餘,亦喻所得不償所費。
譬如丙午日に、干上は寅・支上は卯。寅卯の木は皆來て丙火を生ず。本は干支雙雙として生を得るなれど、偏偏としてこの両位は又一斉に空に落つ。しかも第二課・第四課の上に又た全都として官鬼・賊神を現出す。再びたとえば壬午日に、干上に申を見る。申は本は壬水の長生の地なれど、无奈正に旬空に當たれば、既に生を見ると雖も生じ起こる能わず。還た如かず原本に生なからんには。ここにおいて只だ轉向して初伝の巳火に就きて財を求めざるを得ず。然るに巳火は同じく空亡の郷に坐し、又た破碎煞を帶び、結果は一筆の銭財を白破費するに落得す。何况中伝に寅を見て來て壬水の氣を泄し、日支の上の卯木は又た一同に日干を盜泄す。このように推し下去れば、得る所は足らずして費やす所は餘り有り。正に收め入るるは花出するに抵らざるなり。
又如癸未日干上申金,乃長生作空,支上寅木乃脫氣卻實。又戊子日干上午雖是生氣,奈是旬空,既生我者空亡,豈宜三傳寅卯辰皆鬼,引起干午反為羊刃,其凶難免,如亥子本命稍緩。
またたとえば癸未日に、干上の申金は癸水の長生なれど、卻って空に落つ。支上の寅木は専ら癸水の氣を泄し、偏偏として又た實にして空ならず。一辺は虚にして一辺は實なり。只だ耗散有りて進益なし。再びたとえば戊子日に、干上の午火は本は戊土の生氣なれど、无奈亦た旬空の内に在り。我を生ずるの一位は既に空に落ちたれば、三伝は偏偏として寅・卯・辰を排出して全是戊土を克する官鬼にして、還た干上の午を引動して反って羊刃を成さしむ。凶事は便ち躲掉し得べからざるなり。若く求占人の本命が亥或いは子なれば、凶勢は稍や緩らぐべし。
又癸未日丑加巳,三傳金局生日,豈可初末空亡,獨留中傳丑土不空,並晝將貴勾常土將盡來克干。又乙巳日干上卯空亡,情願以干加支而受脫也。以上總皆生空,脫與鬼皆實論耳。
再びたとえば癸未日に丑が巳の上に加わり、三伝は結んで金局を成して本は日干を生助すべけれども、可惜初伝・末伝は皆空に落ち、單單として中伝の丑土のみ空ならず。しかも昼将の裏の貴人・勾陳・太常は又た皆土に属して、一斉に來て日干を克す。またたとえば乙巳日に、干上の卯は空亡に落つ。然れば寧ろ日干を日支の上に加えて、情願として一点の泄氣を受くべし。以上のこれらの例子は説き到り底つけば皆是れ一個の道理なり。我を生ずるは空に落ち、我を泄する・我を克するは卻って样样に落實す。
得少失多格:如甲寅日干上卯,乃日之旺神,三傳辰巳午,彼此引入初傳,辰乃干上卯之六害,中末盜氣,此所謂貪他一粒米,失卻半年糧也。
得少失多のこの一格。譬如甲寅日に、干上は卯、卯は甲木の帝旺の神にして本來力を得たり。然るに三伝は辰・巳・午を排出して、一路に日干を牽引して過去す。初伝の辰は恰も干上の卯と六害を構成し、中伝・末伝の巳午の火は又た來て木氣を盜泄す。これを即ち人家の一粒の米を貪圖して、反って自家の半年の口糧を賠上すと呼ぶ。
用破身心無所歸第五八 志決身蔵三軍務勞
如戊申日干上未,三傳子寅辰,初傳雖是日財,奈坐戌土之上受克,又乘白虎,緣戀此驚危之財,引入中末鬼鄉,尤幸鬼亦空亡,凡占乃應俗諺云:爭似不來還不往,亦無歡笑亦無愁。
譬如戊申日に、干上は未、三伝は子・寅・辰を排出す。初伝の子水は雖も戊土の財なれど、无奈戌土の上に坐して克を受け、又た白虎に乗る。只だこの一注の驚險の財を貪戀するに因りて、反って人を中伝・末伝の官鬼の郷に牽進す。所幸なるはあの官鬼の本身も亦た空亡に落ちて、凶險は實處に落ちざるなり。およそこの課を占い得れば、正にあの俗話に應ず。空しく來て空しく往くに與んよりは、不來不往の如かず。既に歡笑なく、亦た憂愁なしと。
又丙寅日申加巳,夜乘蛇夾克財,中末空陷。丁卯日酉加丁,晝乘朱雀夾克財,中末鬼空。癸未日巳加子作財,乃傳墓入墓,中末雖是日鬼,緣貪墓其巳火不能為鬼。己酉日亥加己作財受克,雖三傳克干,奈中末空亡。壬寅日返吟,棄干上空財就初末脫氣,幸受申生干也。壬寅日伏吟,干上雖逢日之祿,如晝占乃乘天空,中值脫,末財又空。已上財祿俱作空被克,總無實得之意也。
同類に還た幾例有り。丙寅日に申が巳に加わり、夜占の時に上下に螣蛇に乗りて、財神を中間に夾んで克住し、中伝・末伝は又た皆空亡に陷る。丁卯日に酉が丁に加わり、昼占の時に朱雀に乗りて夾克して財神を克し、中末の両伝の官鬼は空に落つ。癸未日に巳が子に加わりて取りて財と作すは、墓より傳じて墓に入るに由るなり。中末は雖も日干の官鬼たれど、但し巳火が貪戀して墓に入れば、鬼を作し成さず。己酉日に亥が己に加わり、財神は克を受け、三伝は雖も來て日干を克すれど、好在として中末は空に落つ。壬寅日の返吟課は、只だ干上のあの注の空財を舍掉して、轉じて初末の両伝の泄氣に就くのみ好し。幸いに末伝の申は還た能く日干を生ず。壬寅日の伏吟課は、干上に雖も日干の禄神に逢うれど、昼占は卻って天空に乗り、中伝は泄に遇い、末伝の財は又た空に落つ。以上の諸例は、財と禄とは空に落つるに非ずんば則ち克を受く。總歸して實實在在に手に到るの意思なし。
華蓋覆日人昏晦第五九 君有羈糜之令将有無用之功
謂辰之華蓋作干之墓神,臨於干上發用是也。凡占身位,多昏多晦,卒難明白;或遭冤枉,難以分訴;占行人不歸,盡在彼處不如意也。如壬申,壬辰二日辰加壬為用;乙亥、乙未二日未加乙為用。
所謂華蓋覆日とは、「華蓋」を充てるあの一辰が同時に又た日干の墓神にして、日干の上頭に臨みて併せて取りて発用と為すを説く。およそ本身の處境を占えば、多くは昏昧・晦暗にして、一時に説き明白せられず。或いは冤枉を蒙受して、又た分辯する處なし。外出の人を占えば則ち肯んじて回來せず。彼があの邊に在りて諸事如意せざればなり。譬如壬申・壬辰の両日に、辰が壬に加わりて発用す。乙亥・乙未の両日に、未が乙に加わりて発用す。
太陽射宅屋光輝第六十 無邀正正之旗無擊堂堂之陣
如丙午日戌加午,乃是支墓,如占家宅,誠為宅舍不亨快,如用戌為月將,反名太陽輝照家宅,其屋必向陽而明朗,不然常有上人光飾尤勝。如太歲、貴人入宅更美,其餘占彼我,乃我不利而利於他人,以支屬他人也。
譬如丙午日に戌が午の上に加わる。戌は日支の午の墓なり。若く家宅を占えば、實に屋宅は晦滞して暢ならず。但し这一天にもし正に戌を以て月将と為せば、戌は便ち太陽を代表して、反って太陽が家宅を照耀すると呼ぶ。あの房子は必定に朝陽・明亮なり。たとい然らざるとも、常に上頭の人來りてこれがために光を增し彩を添うる有りて、あれは即ち更に好し。若く更に太歳・貴人の一同に宅位に進入する有れば更に美なり。我と他人とのあいだの事を占うに至っては、この象は卻って我に利なくして相手方に利有り。日支は本来他人の一辺に属すればなり。
又如乙卯日子將卯時,此乃太陽作貴人而生宅,如占宅下必有寶藏,或是子年占之,其年必產貴子,其子雖是旬空,緣太陽乃懸空之象,不畏空亡故也。餘論太陽惟忌坐於夜方而不可用,或太陽臨身甚宜辨明雪恨。
またたとえば乙卯日に子を以て月将と為し、卯時に起課すれば、この時は太陽が恰好として貴人を充てて來て宅位を生助す。家宅を占えば則ち屋下に必ず埋藏する財寶有り。若く正に子年に逢うて占えば、あの一年に家中に必ず貴子を生ず。子は旬空の内に落つると雖も、但し太陽は本來高く天上に懸るの象にして、並び空亡を怕れず。總じて説來すれば、太陽を論ずるに只だそれが夜に属する方位に坐するを忌む。その時は便ち取用に堪えず。若く太陽が本身に臨めば、則ち最も機に借りて冤屈を辯白し舊恨を洗雪するに宜し。
干乗墓虎無占病第六一 不利交兵接刃
謂六辛日丑加戌晝將乘白虎作墓神,內辛酉日丑為空亡尤可畏也,至辛巳日可畏愈甚,緣丑作丁神乘虎作墓,占病必死,諸占且昏且迷,又凶惡,防讎人冤執而遭捶楚。如冬占稍輕,緣丑至冬旺可作庫說。
六つの辛日に丑が戌の上に加わり昼将を用うる時は、丑は白虎に乗りて而又た辛金の墓神なり。その中の辛酉日の丑は正に空亡に落ち、ことに可怕なり。辛巳日に到れば更に甚し。あの時の丑は既に本旬の丁神にして、又た白虎に乗り、又た墓神を充てればなり。疾病を占えば必ず死し、別の事を占うも亦た昏昏迷迷して且つ凶惡なり。還た仇家の誣告・扭送し杖責を遭受するを隄防するを要す。若く冬天に起課せば、凶勢は稍や輕し。丑は冬天に到りて當旺にして、財庫に按じて來るを講じ得べきが故なり。
外有六乙日晝貴順行,雖是未乘白虎,上有臨行年本命上者,即無加干者也,夏占稍輕,緣未旺亦為庫也,餘干無此例。
另外に六つの乙日に昼貴が順行する時は、未の上に亦た白虎に乗る。只だそれは只だ求占人の行年・本命の上に臨み到るを會し、日干の上頭に加わるを會せず。この種の情形は若く夏天に起課せば、凶勢は稍や輕し。未は夏季に在りて當旺にして、同じく當に庫として以て看るを得べきが故なり。残りの天干の日はこの一例なし。
虎鬼加干格:如六己日卯加己夜、六壬日戌加壬晝夜、六癸日戌加癸晝,除乙辛二日及甲丙戊庚壬丁己癸八日無之。
虎鬼加干とは、白虎の乗る所の神が又た正好として日干を克する官鬼にして、直に日干の頭上に壓するを説く。たとえば六つの己日に卯が己に加わりて夜占。六つの壬日に戌が壬に加わりて昼夜皆是なり。六つの癸日に戌が癸に加わりて昼占。乙・辛の両日に別に専例有るを除く外、甲・丙・戊・庚・壬・丁・己・癸のこの八日は並び皆この格を具備せず。
支乗墓虎有伏尸第六二 大過九三棟撓凶不利深溝高壘
此例有二等,一者干墓臨支,二者支墓臨支,以上二例占宅必有伏尸鬼禍或有形響,如又克宅者為的。假令乙亥日未為干墓臨支而克支,如晝占上乘白虎,其餘乙未日伏吟,並乙酉日未加酉,雖是墓虎臨支而不克支,外有辛未辛酉二日雖是丑加支,緣不克支稍輕,其墓作月將不在此限。
この一格は両類に分かつ。一類は日干の墓が日支の上に臨む。一類は日支の自己の墓が日支の上に臨む。この両類は家宅を占えば、宅中に必ず埋藏する尸骨の作祟有るか、或いは時時に響動を聽聞し形影を看見す。若くあの墓神が還た反って宅を克せば、斷じ起これば更に確准なり。譬如乙亥日に、未は乙木の墓にして、日支の亥の上に臨みて併せて亥水を克住す。昼占の時に它又た白虎に乗る。残りの乙未日の伏吟課・乙酉日に未が酉に加わるがごときは、雖も亦た墓神の虎を帶びて支に臨むなれど、卻って並び支を克せず。別に辛未・辛酉の両日有りて、雖も丑が日支の上に加わるなれど、支を克せざるに因りて、凶勢は稍や輕し。あの墓神の本身が正に月将を充てるに至っては、この例の内に在らず。
第二等者,假令丙子日辰加子晝占,乃支墓臨支而克支乘虎,如占家宅值此課者,必家中有孝服動或有喪吊,其年內必有停喪,尤詳其墓屬何類,而言何人死。又丁亥日辰加亥夜。
第二類の例子。丙子日に辰が子の上に加わり白天に起課すれば、辰は子の墓にして、日支の上に臨みて又た日支を克し、併せて白虎に乗る。家宅を占うてこの一課に遇えば、家中に必ず喪服の事の發動有るか、或いは吊喪の往來有りて、當年の内に必ず停柩の事有り。還た細看してあの墓神が六親の上に哪の一類に属するかを、據りて斷定して死する會うは甚麽の人なるかを。別に丁亥日に辰が亥に加わりて夜占するも、亦たこの一類に属す。
虎鬼克支格:緣支鬼乘白虎而克支者,例如壬子日戌加子晝,丁丑日寅加丑夜,壬寅日返吟夜,癸卯日申加卯夜,壬午日返吟晝,乙未己未卯加未夜,丙申日午加申晝,癸亥日戌加亥晝夜皆乘白虎。
虎鬼克支とは、日支を克するあの位の官鬼が白虎に乗りて、又た反って支を克するを指す。たとえば壬子日に戌が子に加わりて昼占。丁丑日に寅が丑に加わりて夜占。壬寅日の返吟課は夜占。癸卯日に申が卯に加わりて夜占。壬午日の返吟課は昼占。乙未日と己未日に卯が未に加わりて夜占。丙申日に午が申に加わりて昼占。癸亥日に戌が亥に加わるは、昼夜を論ぜずこの一位は皆白虎に乗る。
墓門開格:如卯酉日占,干墓乘蛇虎加支,主重重有喪。蛇墓克支格:緣干墓乘螣蛇而加支又克支者,必宅內怪異頻見。如丙子日戌加子夜,壬子日辰加子夜,餘有雖臨支而不克者稍輕,然亦未免怪異。外有三十三日例,不欲細具,已上例宜召法官行遣或安鎮之吉,此乃墓門開,占病,主死三兩口,乘白虎者亦的也。
墓門開のこの一格。卯日・酉日に起課して、日干の墓が螣蛇或いは白虎に乗りて日支に加われば、接連して喪事有るを主とす。蛇墓克支のこの一格。日干の墓が螣蛇に乗りて日支に加わり、併せて反って日支を克せば、家宅の内に必ず屢々怪異を出現す。たとえば丙子日に戌が子に加わりて夜占、壬子日に辰が子に加わりて夜占。残りの雖も支に臨むれど支を克せざるは、凶勢は稍や輕しと雖も、亦た怪事を免れず。このほか還た三十三日の例子有りて、再び細列せず。およそ上面のこれらの課に遇えば、法師を請い法を作して遣送し或いは宅舍を安鎭するに宜しくして才だ吉なり。これは即ち所謂墓門開にして、疾病を占えば家中に两三口の人を死するを主とす。若く白虎に乗れば更に確准なり。
彼此全傷防両損第六三 鷸蚌相持漁人坐収其利
謂支干各被上神克伐者,故名此例,如占訟必兩家皆被撲責。諸占必兩邊各有所虧,如占身被傷,占宅崩損。如丁亥日干上子水克丁火,支上辰土克亥水之類是也。諸例欲去其所克者,內辛未日干上午,支上卯,如占交易等,後必齟齬,如先有齟齬,後卻和合。
日干と日支とは各々自己の上頭の神に克伐せられ、故に彼此全傷と呼ぶ。官司を占えば、両家皆板子を挨らん。別の事を占えば、両辺も亦た各々虧損有り。本身を占えば則ち身體は傷を受け、家宅を占えば則ち房屋は崩壞す。譬如丁亥日に、干上の子水は日干の丁火を克し、支上の辰土は日支の亥水を克す。即ちこの一類なり。破解の法は、總じて設法してあの我を克するの一位を去掉するに在り。その中の辛未日に干上は午・支上は卯、買賣・交易の一類の事を占えば、成交の後に必ず齟齬を生ぜん。若く先前已に齟齬有れば、反って重ねて好に歸らん。
夫婦蕪淫各有私第六四 両敵陰相圖議
謂干被支上神克,支卻被干上神克者,為蕪淫卦,既名蕪淫,何又云夫婦各有私乎?繃夫婦乃人之大倫,既無夫婦好合之情,必有奸私不協之意,卻詳何處有情而言夫婦之私情也。
日干は日支の上の神に克され、日支は又た日干の上の神に克される。これを即ち蕪淫課と呼ぶ。既然に名づけて蕪淫と為すに、何を以て又た夫妻の各々私情を懐くと説くや。夫妻は本是人倫の大なる者にして、今干支は互克して、既に夫妻和合の情なく、則ち必ず各々苟且・彼此不協の意有り。私情の究竟に哪の一辺に落つるかに至っては、還た課中の何處に情有るかを看て、才だ好く斷定して是れ誰が外に在りて別に属する所有るやを得べし。
如《心鏡》中以甲子日干上戌,支上申一課為例,乃甲將就子受申克,子近甲兮魁必侵,妻懷內喜私情有,申子相生水合金是也。餘有癸巳、壬午干上子,庚子、乙亥干上丑諸例,凡占不可執為蕪淫卦,非專言夫婦而已,如先有人相允許,後各不相顧接,非獨存無情,尤彼此各懷惡意。
《六壬心鏡》の裏に甲子日の干上は戌・支上は申のこの一課を擧げて例と為し、説くに甲木は子水に遷就して反って申金に克を受く。子は既に甲に緊挨せば、戌魁は必ず來て相侵す。妻子の心裏は別に喜事有りて、暗蔵して私情有り。申と子と相生して水と金と相合すればなり。このほか還た癸巳日・壬午日に干上に子を見、庚子日・乙亥日に干上に丑を見る等の例有り。およそこの一格に占い到れば、死死と認定してそれが只だ夫妻の蕪淫なるのみと為すべからず。それは並び専ら夫妻の事を説くに非ず。亦た可能是れ先前に人の滿口に答應したる有りて、後來に彼此再び往來・照應せざるに至る。あれは即ち不只無情のみならず、更に双方の各々惡意を懐くなり。
真解離卦,緣干克支上神,支克干上神,或夫婦行年又值此者尤的。如甲子日干上午、支上辰,干克支上辰土,支克干上午火,如男命年在支上,女命年在干上,此時占人必占解離事,已後例內唯詳空亡而言之,小畜九三,輿說輻,夫妻反目。
真の解離課は、日干が往きて日支の上の神を克し、日支が往きて日干の上の神を克す。若く夫妻二人の行年が又た恰好としてこの両處に落つれば、斷じ得ることことに確准なり。譬如甲子日に、干上は午・支上は辰。日干の甲木は支上の辰土を克し、日支の子水は干上の午火を克す。倘若男方の行年が日支の上に落ち、女方の行年が日干の上に落つれば、この時に來て占う人は必ず離異の事のために來るなり。此の後の各例は、只だ再看して空亡の如何を以て來て斷ずるを須す。《周易・小畜》の九三爻に車輪の輻條を脱して夫妻反目すと説く。正にこの象なり。
干墓併關人宅廢第六五 關即寡也
謂日干之墓作四季之關神發用者是也,宜分干支發用。如日干之兩課上作發用者,主人衰,如支辰之兩課上發用者,主宅廢。
日干の墓神が同時に又た四季の關神を充てて取りて発用と為すれば、即ちこの一格なり。斷ずる時は分清して発用の哪の一辺より出づるやを要す。若く発用が日干のあの両課の上より取られれば、家中の人口の衰敗を主とす。若く日支のあの両課の上より取られれば、家宅の荒廃を主とす。
夫關神者,春丑、夏辰、秋未、冬戌。如乙丑、乙未、乙酉、乙亥四日於秋季占之,未乃干之墓作關神為發用,臨於干上,乃應人口災衰。餘六甲日除甲辰秋占未作丁更凶,其餘各占皆如前說。如丁卯日戌加卯為發用,冬占乃干墓臨支上,乃應宅頹廢,餘仿此。墓神覆日作生氣格:如占作庫務差遣必得,勿作墓看之。
關神の定法は、春季は丑と為し、夏季は辰と為し、秋季は未と為し、冬季は戌と為す。譬如乙丑・乙未・乙酉・乙亥の四日に秋天に起課すれば、未は既に乙木の墓にして、又た正に秋季の關神なり。取りて発用と為して日干の上に臨めば、應は家中の人口の災病・衰弱に在り。残りの六つの甲日の中に、唯獨甲辰日の秋占の時に未は又た丁神を充て、凶は更に重し。別の日子は皆前面の説く所に照らして來て斷ず。再びたとえば丁卯日に戌が卯に加わりて発用し、冬天に起課すれば戌は既に丁の墓にして又た關神なり。日支の上に臨めば、應は房宅の傾頽・荒廃に在り。残りはこれに照らして類推す。別に墓神の日を覆うて生氣を作すの一格有り。若く倉庫・府庫の一類の差事を謀求するを占えば、必定に得るを得。この時は即ち再び當に墓神として以て看るべからず。
支墳財併旅程稽第六六 鍾鄧終沒于蜀
謂地支之墓作日干之財者,必主商販折本,在路阻程,凡謀蹇滯不亨通也。如甲子日辰加子,乃支之墓神而作干之財為發用;甲午日戌加寅用,甲午日戌加子用,乙酉日丑加辰用。
日支の墓神が同時に又た日干の財星を充てれば、經商・販貨して本を虧き、行路の半途に阻まるるを主とし、およそ謀為有れば皆窒滞して通ぜず。譬如甲子日に辰が子の上に加わる。辰は既に子の墓にして、又た甲木の財なり。取りて発用と為す。甲午日に戌が寅に加わりて発用し、甲午日に戌が子に加わりて発用し、乙酉日に丑が辰に加わりて発用す。皆この一格に属す。
疑惑格:卯酉日占事,如行年又在卯酉之上者,必行人進退疑惑,此《心鏡》內龍戰卦中具載,尤忌天車煞。天車煞者,春丑、夏辰、秋未、冬戌也。
疑惑のこの一格。卯日・酉日に事を占いて、若く求占人の行年が又た卯・酉の上に落つれば、出門在外の人は必定に進退両難・猶疑不定なり。この一条は《六壬心鏡》の龍戰課の裏に講じて甚だ詳細なり。ことに再び天車煞に遇上するを忌諱す。天車煞の定法は、春季は丑と為し、夏季は辰と為し、秋季は未と為し、冬季は戌と為す。
受虎克神為病証第六七 受虎克之國民流兵疫
金神乘白虎,必是肝經受病,可治肺而不可治肝。木神乘白虎,必是脾經受病,可治肝而不可治脾。水神乘白虎,必是心經受病,可治腎而不可治心。火神乘白虎,必是肺經受病,可治心而不可治肺。土神乘白虎,必是腎經受病,可治脾而不可治腎。以上諸法,常得靈驗,惟虎受克及家亡,不必治也。
金に属する神が白虎に乗れば、病は必ず肝經に在り。金は能く木を克すればなり。醫治する時は當に金に属する肺より入手して往きてその克力を泄すべく、而も直に肝を治するに非ず。木に属する神が白虎に乗れば、病は必ず脾經に在り。木は土を克す。當に木に属する肝より入手すべく、是れ直に脾を治するに非ず。水に属する神が白虎に乗れば、病は必ず心經に在り。水は火を克す。當に水に属する腎より入手すべく、是れ直に心を治するに非ず。火に属する神が白虎に乗れば、病は必ず肺經に在り。火は金を克す。當に火に属する心より入手すべく、是れ直に肺を治するに非ず。土に属する神が白虎に乗れば、病は必ず腎經に在り。土は水を克す。當に土に属する脾より入手すべく、是れ直に腎を治するに非ず。以上の諸法は屢試して屢々験あり。唯獨白虎の自身が克を受くるか、或いはそれの居る所の家が已に敗亡せるは、便ち再び施治するを須とせず。
運糧神格:占治病專視日干之食神,尤妙干、行年乘之,乃名運糧神,忌空。祿糧神格:緣宜觀干之祿神,亦名祿糧神,唯不可落空亡及作閉口,或受克。如占久病值此,必絕食而餓死。如辛未日酉加寅,乃是祿坐絕鄉,又作閉口,又名無祿卦,占病必死,占食祿事亦忌。
運糧神のこの一格。病治を占うは専ら日干の食神を看る。若く日干の上或いは行年の上に正にそれに乗れば最も妙なり。この一位を即ち運糧神と呼ぶ。最もそれが空亡に落つるを忌む。禄糧神のこの一格。還た日干の禄神を看るを要す。亦た禄糧神と呼ぶ。只だ空亡に落つるべからず、閉口の神を充てるべからず、亦た克を受くるべからず。久病の人を占うて若くこの幾樣に遇上せば、必ず粒米も進まずして餓死するに至らん。譬如辛未日に酉が寅の上に加わる。辛の禄は本は酉に在るに、今酉は絶地に坐して、又た閉口を成す。これを即ち無禄課と呼ぶ。疾病を占えば必ず死し、俸禄・食用の事を占うも甚だ忌諱す。
絕體卦乃是柔干之祿受絕,返吟卦乃是剛干之祿受絕,絕嗣體先亡為祟。生死格:宜觀生氣死氣尤驗。如正月生氣在子,死氣在午,乃生氣剋死氣也。如在甲寅旬中占之,乃生氣空亡而死氣實在,占病可畏。如行年上神是亥水尚可醫療,緣亥水克其午之死氣故也。如死氣克生氣,又落空亡,或行年上神生其死氣者必死。如生氣與死氣不相剋者,占病雖無妨,但遷延而未即痊瘥也。
絶体課は陰柔の干の禄神の絶を受くるにして、返吟課は陽剛の干の禄神の絶を受くるなり。若く課体が又た絶嗣を主とせば、多くは先亡せる祖輩の作祟する在り。生死のこの一格。当月の生氣と死氣とを看るを以て最も靈験と為す。譬如正月に生氣は子に在り死氣は午に在り。子水は恰好として午火を克住し、是れ生氣が死氣を壓住し得るなり。然るに若く甲寅の一旬の中に在りて起課せば、子は正に空亡に落ち、生氣は虚にして死氣は實なり。病を占えば便ち可怕なり。この時に若く求占人の行年の上の神が亥水なれば、還た醫し得る有り。亥水は同じく能く午上の死氣を克すればなり。倘若死氣が反って來て生氣を克し、生氣が又た空亡に落ち、或いは行年の上の神が反って往きて死氣を生助せば、即ち必ず死せん。若く生氣と死氣とが彼此相克せざれば、病を占うて大礙無きと雖も、亦た只だ拖延して日久しく、馬上に痊愈する能わざるのみ。
白虎乘日鬼而作空亡,必已病而未瘥。虎墓格:緣日干之墓乘白虎在六處者,如占病必是積塊病,宜以破積藥治之,如六乙日晝將順行,乃未乘白虎;內乙酉日未空亡無畏,或易療,非年深積塊也。又六辛日晝將順行,亦丑乘白虎,辛酉日丑空亡,亦容易治療。
白虎が日干の官鬼に乗りて而又た空亡に落つれば、主人は早已病みて一直に好らざるを主とす。虎墓のこの一格。日干の墓神が白虎に乗りて、干・支・三伝の等の六個の位置の上に出現すれば、疾病を占えば必ず腹中結塊の症なり。當に積を消し塊を破るの藥を用いて往きて治すべし。譬如六つの乙日に昼将が順行する時は、未の上に白虎に乗る。その中の乙酉日の未は正に空亡に落ち、便ち畏るるに足らず。病も亦た治し易く、積年の老塊に非ず。またたとえば六つの辛日に昼将が順行する時は、丑の上に白虎に乗る。辛酉日の丑は空亡に落ち、同じく醫治し易し。
虎乘丁鬼格:如六辛日有白虎乘丁者,占病必知所患疼痛之處也。如辛卯日亥加丑作中傳,晝占乃亥乘白虎作丁神,必為頭疼以致不救,余觀丁虎類而言之。
虎乗丁鬼のこの一格。六つの辛日に若く白虎有りて本旬の丁神に乗れば、疾病を占えば便ち痛む所の確切の部位を推し出し得べし。譬如辛卯日に亥が丑の上に加わりて取りて中伝と為す。白天に起課すれば亥は正に白虎に乗りて又た丁神を充て、頭痛して以て治せざるに至るを主とす。残りの各例は、皆白虎と丁神との落つる所の支の類象に照らして往きて推せ。
丑為脾疼或腹疼,卯手疼或目疼,巳齒疼或咽喉疼,未胃疼或積塊疼,酉大腸,亥臨戌亥子丑寅卯為頭,亥臨辰巳午未申酉為腎,餘逐類言之。如日鬼臨於六處不乘白虎,但擬其鬼亦為病證,如火為鬼便言肺病,水為鬼便言心病,金為鬼便言肝病,土為鬼腎病,木為鬼脾病。如鬼受克並空亡不必療亦瘥。
部位を分かちて説來すれば、丁虎が丑に落つれば、脾痛或いは腹痛を主とす。卯に落つれば、手痛或いは眼痛を主とす。巳に落つれば、牙痛或いは咽喉痛を主とす。未に落つれば、胃痛或いは結塊して作痛するを主とす。酉に落つれば、大腸の病を主とす。亥が若く戌・亥・子・丑・寅・卯の上に臨まば、頭部を主とす。亥が若く辰・巳・午・未・申・酉の上に臨まば、腎を主とす。残りの各支はこれに照らして逐類して往きて推せ。若く日干の官鬼が六處に落ちて而も並び白虎に乗らざれば、亦た単憑してこの官鬼を以て病症を定むべし。火を鬼と為せば即ち肺病を説き、水を鬼と為せば即ち心病を説き、金を鬼と為せば即ち肝病を説き、土を鬼と為せば腎病を説き、木を鬼と為せば脾病を説く。倘若この官鬼が既に克を受け又た空亡に落つれば、あれは便ち醫治を用いずとも亦た好らん。
蒿矢卦亦宜言有疼痛處,金加火上,筋骨疼痛,惟庚日申酉加巳午尤的。連茹卦作日之財,占病必因傷食而得,如人年命上神能制其財神者,尚可醫療。如年命上神生其財神者,必致死亡。
蒿矢課も同じく身上の疼痛の處有るを斷出し得べし。金が火の上に加われば、筋骨の作痛を主とす。その中の庚日に申・酉が巳・午に加わるは最も応験す。連茹課は若く連なる所の神が日干の財を充てれば、疾病を占えば必ず飲食の過傷によって起これるが故なり。若く求占人の年命の上の神が能くあの財神を制住せば、還た醫し得る有り。若く年命の上の神が反って往きて財神を生助せば、即ち必ず喪命を致さん。
斫輪格:如卯加申,戌加卯,占病必手足不舉,或有傷。空祿格:緣日之祿神作空亡又坐克方,占病必絕食而餓死。如甲辰日寅加酉,夜又乘白虎,返吟夜;乙巳日卯加申夜,返吟夜;丁亥日午加亥夜,日之食神在禁方與前課同。
斫輪のこの一格。卯が申の上に加わり戌が卯の上に加われば、疾病を占えば手腳の抬げ起こる能わざるを主とし、或いは身上に傷有り。空禄のこの一格。日干の禄神が既に空亡に落ち、又たそれを克する方位の上に坐すれば、病を占えば必ず食を絶ち餓死するに至らん。譬如甲辰日に寅が酉に加わり、夜占の時に寅は還た白虎に乗る。返吟課の夜占も亦た是のごとし。乙巳日に卯が申に加わりて夜占、返吟課の夜占も同じく然り。丁亥日に午が亥に加わりて夜占すれば、日干の食神は禁地に被困し、斷法は前一課と相同じ。
祿神閉口格:緣祿神作閉口,為旬尾乘白虎者是也。如乙未卯加申,又返吟夜;丙戌、戊子,巳為祿神閉口;辛未日酉加戌夜;壬戌日亥為閉口祿。
禄神閉口のこの一格。日干の禄神が閉口の神を充て、即ちそれが本旬の末尾の一支の上に落ちて而又た白虎に乗る。譬如乙未日に卯が申に加わり、返吟課の夜占も亦た是なり。丙戌日・戊子日に、巳は閉口の禄神を充てる。辛未日に酉が戌に加わりて夜占。壬戌日の亥は便ち閉口の禄なり。
六片板格:緣六合乘申臨卯,為尸入棺。緣申者身也,於三月占尤的,乃是死身,即死尸也,且上有六合,下有卯木,是為棺也。尸入棺,占病必死,尤宜詳其類神而言之,或申加卯不乘六合,於九月占,但病在床而未愈,緣申是生氣,卯為木床。癸卯日申加卯,占父母長生病死尤速,緣父母爻入棺故也。又如丙戌、丁卯二日申加卯,晝將上乘六合,如占妻病必死,緣妻財爻亦入棺故也。已上皆三月占尤驗。
六片板のこの一格。「六合」が申に乗りて卯の上に臨めば、取象は尸首の棺に入るなり。申は人身を代表し、三月に起課すれば最も確切なり。その時の申は死身にして、即ち尸体なり。上頭に六合の合住する有り、下頭は卯木にして、木は即ち棺板なり。六片の木板が拼じて一具の棺材を成す。尸は既に棺に入れば、疾病を占えば必ず死す。還た細看してそれが六親の上に哪の一類に属するやを、據りて斷定して何人なるかを。若く申が卯に加わりて六合に乗らず、又た九月に起課せば、あれは只だ病に臥して牀上に在りて一時に愈えざるのみ。九月の申は生氣にして、卯木は不過一張の木牀なればなり。癸卯日に申が卯に加われば、父母の病を占って死することことに速し。父母爻が正好として棺に入ればなり。またたとえば丙戌・丁卯の両日に申が卯に加わり、昼将の上に六合に乗れば、妻子の病を占って必ず死す。妻財爻が棺に入ればなり。以上の諸例は皆三月に起課するを以て最も靈験と為す。
白虎入喪車格:緣申加巳發用為的,占病可畏。人入鬼門格:如庚日申為本命,返吟課占病必死。收魂神:乃戊日辰為元武者是,夜順晝逆有之,於十一月占尤的,緣辰為死氣故也。
白虎入喪車のこの一格。申を以て巳に加わりて取りて発用と為すを以て最も準とす。疾病を占えば甚だ可怕なり。人入鬼門のこの一格。庚日にして申を以て本命と為し、又た返吟課に逢えば、病を占って必ず死す。収魂神。戊日の辰の上に元武に乗るは即ち是なり。夜将の順行・昼将の逆行の時に皆出現す。十一月に起課すれば最も確切なり。その時の辰は正に死氣なればなり。
浴盆煞:緣忌浴盤有水。夫浴盤者,春辰、夏未、秋戌、冬丑是也。如地盤見浴盆上,忌乘亥子水;天盤見浴盤上忌天后元武二將,如占小兒病死尤速,緣亥為孩,子為子息,故不要見水也。天后亦是子,元武亦是亥。寒熱格:如巳午加亥子,如或剋日主癆病,十干返吟必心患痁(疒+邑)。
浴盆煞。忌む所は浴盆の裏に水有るなり。浴盆の定法は、春季は辰と為し、夏季は未と為し、秋季は戌と為し、冬季は丑と為す。地盤の浴盆位の上は、亥・子のこの两支の水に乗るを忌諱す。天盤が浴盆位に落つれば、則ち天后・元武の両位の水将に乗るを忌諱す。小児の病を占えば、これらに遇えば死することことに速し。亥は孩童を主とし子は子嗣を主とするが故に、故に最も水を見るを怕る。何况天后は本就子に属し、元武は本就亥に属するをや。寒熱のこの一格。巳・午が亥・子の上に加わり、若く又た來て日干を克せば、癆病を主とす。十干の返吟課は、必ず心中の寒熱往來の瘧疾を患う。
宴喜致病格:如癸酉、癸亥、癸丑三日並支上未作太常為用,夜將有之。壬戌子寅日並支上未作太常,夜貴有之。以上六日例,緣未為太常克干居於宅上,或為發用,如占病必因喜事及宴飲,或往親戚家帶病而歸。若是官人占之,必因赴宴席過觴而得病,餘占皆因前事而致不美。
宴喜致病のこの一格。癸酉・癸亥・癸丑の三日は、日支の上の未が太常に乗りて併せて取りて発用と為し、夜将を用うる時にこの象有り。壬戌・壬子・壬寅の三日は、日支の上の未も亦た太常に乗り、夜貴を用うる時にこの象有り。この六日の成格する所以は、太常の乗る所の未土が日干を克して而又た宅位の上に踞るか、或いは直に発用を成せるが故なり。疾病を占えば、必ず喜慶の事・飲酒・赴宴によって得たるか、或いは親戚の家に到りて、病を帶びて回來するなり。若し是れ官を為す人が占い到れば、必ず宴に赴く時に酒を喝み過ぎて病を致すなり。別の事を占うも、皆この類の事情によって不美に落得す。
因妻致病格:如壬子癸丑二日,未遁旬干者,必往妻家得病極驗,惟占人行年本命上有卯木為救,如乘寅木必得神護,尤宜命法官治之為妙,倘少緩,寅木反被未墓,便難救也。
因妻致病のこの一格。壬子・癸丑の両日は、未の上に遁ずる旬干が正にこの象に應ず。妻子の娘家に到りて病を得るを主とし、極めて靈験なり。唯有りて求占人の行年・本命の上に卯木を見れば、才だ解救し得べし。若く見る所が寅木なれば、還た神靈の護佑を得べし。この時は最も趕緊に法師を請いて法を作し禳治するに好し。倘若稍や一たび遲緩せば、寅木は反って未土に収作されて墓庫と為り、便ち救いがたし。
血厭病虎作鬼格:白虎乘病符克干尤可畏,或年命上乘血支血忌者,必是血病。或女命占病又帶月厭作血支血忌,病必是血崩或墮胎尤驗。
血厭病虎作鬼のこの一格。白虎が病符の神に乗りて來て日干を克すれば、最も畏るべし。若く求占人の年命の上に又た血支・血忌の両煞に乗れば、患う所は必ず失血の一類の病なり。若し是れ女子が病を占わば、年命の上に既に月厭を帶び、又た血支・血忌を充てば、あの病は必ず血崩なり、或いは小産・落胎なり。斷じ起こればことに靈験なり。
制鬼之位乃良醫第六八 訪賢求救于制鬼
凡鬼喜見者,惟妻占夫與有官人為宜,其餘皆凶。巳午作虎鬼,不宜灸,申酉作虎鬼,不宜針。如乙丑日酉加乙,乃日之鬼,卻賴支上有午火而克其酉金,此午火便是良醫,或是本家親人能醫,或得家堂祖宗神位保護,其餘可逐類而言之。
官鬼のこの一位は、唯だ妻子が丈夫を占い、および在職に官を為す人が占問する時にのみそれを喜見す。残りの各類の占問に遇えば皆凶を主とす。巳・午の位が虎に乗る官鬼を充つるは、艾灸を用うるに宜しからず。申・酉の位が虎に乗る官鬼を充つるは、針刺を用うるに宜しからず。譬如乙丑日に酉が乙の上に加わる。酉金は正に乙木の官鬼なれど、卻って全く日支の上に午火有りて來てこの酉金を克住するに頼る。この午火は便ち病を治し得るの良醫にして、亦た可能に自家の親属の中に人の醫を懂するに應じ、或いは家中の祖先の神位の庇佑を得るなり。残りの情形は皆この思路に照らして逐類に推斷し得べし。
除占病外,凡占雖值危難災患之中,必得人解紛,誠為救神也,其神臨於占人行年本命之上者,宜雪理辯明,自解其禍。如制鬼之神上乘貴人,必得上人除釋過愆,如見被囚禁,必有救援而可免禍,或乘蛇虎,必得神護,更詳神類而還謝,且制鬼之神即是良醫,緣皆是日之食神故也,趕賊神宜占捕盜,即制鬼之神。
疾病を占うを除く外、およそ別の事を占うて、たとい身が危難・災患の中に陷るとも、亦た必ず人の出面して調停・解紛する有り。この一位は確實に命を救うの神なり。それが若く求占人の行年・本命の上に臨まば、正に出面して申辯し理を説くに宜しく、自己が便ち能く禍事を化解開かん。若く制鬼の神の上頭に貴人に乗れば、必ず上級長官の寛免して罪過を與ふるを得。若く人が已に囚禁せられんも、亦た必ず人の搭救して禍を免るを得する有り。若くそれが乗る所が螣蛇・白虎なれば、則ち必ず神靈の護佑を得べし。還た細看して是れ哪の一類の神明なるかを、事後に祭を設けて酬謝すべし。制鬼の神は就中良醫なり。それらが皆日干の食神なればなり。捕盜を占う時に説く所の趕賊神は、指す所も亦たこの一位なり。
如甲戌日干上酉,雖為日鬼,奈是旬中空亡,不足為畏,兼支上巳火坐於墓上,亦不能為救,似此一例求醫,其醫雖言病證甚的,其實庸愚不能治療,奈何有福而成功也,必竟火克空鬼。又己丑日干上卯、支上酉,壬辰日干上戌、支上卯,其餘救神不在支上而臨三傳之上及臨行年本命,亦可為救,虎鬼臨處為畏期。
譬如甲戌日に干上は酉。酉は雖も甲木の官鬼なれど、无奈正に本旬の空亡に落ち、懼るるに足らず。しかも日支の上の巳火は本は酉を制すべけれども、又た墓の上に坐して、亦た救援の力を起し得べからず。このようの一課を以て往きて醫を求めば、あの醫生は雖も病症を説きて甚だ準なれど、實際の上は卻って庸碌・無能にして、病を治好する能わず。只だ病家の自己に福有りて僥幸に痊愈するを指望するのみ。説到底に不過火が往きて一個の空鬼を克するのみ。またたとえば己丑日に干上は卯・支上は酉、壬辰日に干上は戌・支上は卯。残りの救神はたとい日支の上に在らざるとも、只だ三伝の上に落つるか或いは行年・本命に臨まば、同じく救援し得べし。しかも虎鬼の臨む所の處は、即ち當に忌むべき凶期なり。
且如制鬼之神加亥子,宜服湯藥,加寅卯並四土之上宜服丸散,如巳午宜灸,加申酉宜針砭。其餘制鬼神空亡者,乃言不副行之喻,醫神所生為瘥期,所克為死期,乃天地醫也。
再者、制鬼の神が若く亥・子の水位の上に加われば、湯劑を服するに宜し。寅・卯の木位および辰戌丑未の四土の上に加われば、丸劑・散劑を服するに宜し。巳・午の火位に加われば、艾灸を用うるに宜し。申・酉の金位に加われば、針砭を用うるに宜し。倘若制鬼の神が空亡に落ちれば、あれは即ち譬うれば嘴上に説きて好聽なるも實際には做得到せざるがごとし。醫神の生ずる所の辰は、便ち病愈の期なり。醫神の克する所の辰は、便ち死亡の期なり。これを即ち天地之醫と呼ぶ。
天醫作虎鬼格:不宜醫者治,虎乘干鬼,必有不明之人作禍。病體難擔荷格:如丁日干上申,三傳申酉戌俱日財,占病必因傷食而得,以致不救,緣丁火逢病死墓,更於秋冬占之無疑也。如求財,春夏二季卻有,緣干強之故,尤宜詳空而憂喜俱無,如占病,三傳俱財,無制財者必死,有制財者可救。丁丑、丁未、丁亥干上申用。
天醫作虎鬼のこの一格。醫生をして來て治せしむるに宜しからず。白虎が日干を克する官鬼に乗れば、その中に必ず來路不明の東西の作祟する有り。病體難担荷のこの一格。譬如丁日に干上に申を見、三伝は申・酉・戌で全是丁火の財なり。疾病を占えば必ず飲食の過傷によって起これるに因りて、以て救治する能わざるに致る。丁火は申酉戌の上に在りて正に病・死・墓の三步を走ればなり。若く又た秋冬に起課せば更に疑いなし。但し若し是れ財を求めば、春夏の両季は反って求め得べし。あれは日干の強旺なるが故なり。還た細看して空亡を要す。空に落ちれば則ち憂喜の両無なり。病を占う時に三伝が全是財にして、物の財を制住するなきは必ず死し、財を制するの神有れば還た救い得べし。丁丑・丁未・丁亥の三日に干上に申を見て発用するは、皆この例に属す。
虎乗遁鬼殃非浅第六九 入険巉之敵境遇伏蔵之強卒
謂白虎加臨旬內之干為日鬼者例,此法應驗如神,凡占皆畏其咎彌深,難以消除,縱空亡亦不能為救。如甲子日晝占,乃虎加庚午臨戌為用,又旦占虎加庚午臨子在支上,又旦占庚午作虎加干,或返吟。乙丑日晝占虎臨辛未加戌,戊辰日夜占,虎臨甲子加戌。
白虎の加わる所のあの一位は、その本旬の遁ずる天干が恰好として日干を克する官鬼なれば、即ちこの一格にして、斷じ起これば應験して神のごとし。およそ占えば皆それを怕り、為害は極めて深く、消解しがたし。たといそれが空亡に落つるとも救い回る能わず。譬如甲子日に白天に起課し、白虎が遁干の庚と為る午の上に加わりて戌に臨み、取りて発用と為す。亦た早上に起課する時に白虎が庚午の上に加わりて子に臨みて日支に落つる有り。還た庚午の本身が白虎に乗りて日干の上に加わるか、或いは返吟課の中に出現する有り。乙丑日に昼占し、白虎が遁干の辛と為る未の上に臨みて戌に加わる。戊辰日に夜占し、白虎が遁干の甲と為る子の上に臨みて戌に加わる。
明暗二鬼格:乃干上神作日干明鬼,又支上神遁旬干作日干暗鬼。如六甲日申加甲、庚加支;六乙日酉加乙,亦庚加支;六丙日亥加丙,即壬加支;六丁日子加丁,即壬加支;六戊日寅加戊,即乙加支;六己日卯加己,即乙加支;六壬日未加壬,即戊加支;六癸日占無。
明暗二鬼のこの一格。日干の上の神は明擺して日干を克する官鬼にして、日支の上の神の遁出する旬干が又た暗中に日干の官鬼を充てる。一明一暗の両重の鬼なり。たとえば六つの甲日に、申が甲に加わり、同時に遁干の庚と為る一位が日支の上に加わる。六つの乙日に、酉が乙に加わり、同じく庚が支に加わる。六つの丙日に、亥が丙に加わり、遁干の壬が支に加わる。六つの丁日に、子が丁に加わり、亦た壬が支に加わる。六つの戊日に、寅が戊に加わり、遁干の乙が支に加わる。六つの己日に、卯が己に加わり、同じく乙が支に加わる。六つの壬日に、未が壬に加わり、遁干の戊が支に加わる。六つの癸日は則ちこの種の課なし。
鬼臨三四訟災隨第七十 先和好而後有兵謀
謂日干之鬼臨於第三四課全者,官詞病患繼踵而至,唯宜修德作福,及歸正道,庶得稍輕,猶未免於病詞二事也。如或全值空亡,始能免此,然亦且先見此而後無慮。如乙未日申加未為第三課,酉加申為第四課之類;如甲戌日酉加戌為第三課,申加酉為第四課,雖日鬼加臨辰兩課,尤幸皆作空亡,不能為害,似可無畏也。
日干を克する官鬼が第三課・第四課を全て占滿せば、官司と疾病と便ち接踵して來る。只だ德を修め福を積みて正路に回り帰るにのみ宜しく、才だ減輕些かを望むべし。此のごとくすとも亦た病・訟のこの両件事を完全に躲開しがたし。除非この両位の官鬼が一斉に空亡に落ち進めば、才だ免れ得べし。たとい免れたるとも、總じて要ずるに先ず病訟の影子を照見し一回して、然る後に乃ち無事に歸す。譬如乙未日に、申が未に加わりて第三課を成し、酉が申に加わりて第四課を成す。またたとえば甲戌日に、酉が戌に加わりて第三課を成し、申が酉に加わりて第四課を成す。後の一例は日鬼が雖も日支の両課を皆占めたれど、幸好両位皆空亡に落ちて、害して人を成さず。故に害怕するを須とせず。
歲破作鬼臨支格:如再克支辰,訟災免難。天鬼作日鬼格:在六處占病,必是疫氣,如天鬼作日鬼空亡者病,雖似疫,旋即無事,但未免頭疼發熱而已。朱勾相會格:如丙辰午加辰,乃朱雀入勾陳,必有非常之訟。
歳破作鬼臨支のこの一格。太歳と相冲するあの一辰が官鬼を充てて日支に臨み、若く還た反って日支を克せば、官司と災禍と便ち幸免しがたし。天鬼作日鬼のこの一格。天鬼が六處に落ちて而又た日干の官鬼を充てれば、疾病を占えば必ず時行の疫病なり。若くこの天鬼が空亡に落ちれば、病は雖も瘟疫に似たるも、卻って甚だ速く没事なり。不過頭痛・發熱の一場のみ。朱勾相會のこの一格。丙辰日に午が辰の上に加わるは、是れ朱雀が勾陳の地界に進入して、必ず非同尋常の官司有らん。
病符克宅全家患第七一 兵疲師老為主將者宜深忌焉
夫病符者,每年舊太歲是也,且如子年亥為病符,丑年子為病符,餘年仿此。若病符臨支又克支者,乃主闔家病患,更乘天鬼,定遭時疫而無疑也,病符乘白虎而臨支克支尤凶。如病符作月之生氣,尤主闔家病,或作月之死氣必死。以上乘天鬼尤凶。天鬼者,正月酉,逆行四仲,涉害深者必久病。
病符は就中上一年の太歳なり。子年は亥を以て病符と為し、丑年は子を以て病符と為し、残りの各年はこれに照らして順推す。若く病符が日支の上に臨みて而又た反って日支を克せば、全家の生病を主とす。再び天鬼に乗れば、必定に時行の瘟疫に遭わん。病符が白虎に乗りて支に臨み支を克すは、ことに凶険なり。若く病符が同時に又た当月の生氣なれば、更に一家人皆病むを主とす。若く当月の死氣を充てば、あれは即ち人を死するを要す。以上の諸象は再び天鬼に乗れば、凶の上に凶を加う。天鬼の定法は、正月は酉に在り、此の後は子・午・卯・酉の四仲の位の上に在りて逆行す。渉害の深きは、病は必ず拖して甚だ久し。
宜成合舊諸事格:緣緣病符臨宅反來生宅,或生日干,或作日財,或作貴人者,卻宜成合殘年舊事,一切之事宜逐類而推之,勿作病符論。
宜成合舊諸事のこの一格。病符は雖も宅位の上に臨むれど、卻って反って宅位を生助し、或いは日干を生助し、或いは日干の財星を充て、或いは本身正に貴人なり。この時は反って彼らの拖して多年の舊事を了結し促成するに適合す。各類の事情は皆この思路に照らして逐一に往きて推し、再び病符の凶義に按じて來て断ずる莫れ。
喪吊全逢掛縞衣第七二 主帥喪亡三軍皆服縞素
謂歲前二辰為喪門,歲後二辰為弔客。如支干上全逢此二位凶煞,主凶,又於占人行年本命上神乘之,其年必哭送親姻,身披孝服也。若論支干上全逢喪吊者,唯甲午、丁亥、己亥、庚子、癸巳,乃干上乘弔客,支上乘喪門。甲戌、丁卯、己卯、庚辰、癸酉,乃干上乘喪門,支上乘弔客。
太歳より往きて前に兩辰を數うるは喪門にして、往きて後に兩辰を數うるは吊客なり。喪門は自家の喪事の初起を主とし、吊客は外人の前來して吊唁するを主とす。若く日干と日支の上頭にこの両位の凶煞を占め全うせば、凶を主とす。若く求占人の行年・本命の上の神も亦たそれらに乗れば、あの一年は必要に親戚を哭送して孝服を身穿せん。干支が同時に喪吊に逢うに就て來説すれば、ただ甲午・丁亥・己亥・庚子・癸巳のこの几日のみ干上に吊客に乗り支上に喪門に乗る。甲戌・丁卯・己卯・庚辰・癸酉のこの几日は則ち干上に喪門に乗り支上に吊客に乗る。
內外孝服格:如日鬼作死氣而乘太常加干上,必主有外孝服,至如六辛日午加戌,正月夜占為死氣作太常;六壬日未加亥,二月夜占,又六壬日丑加亥,八月旦占;六癸日未加丑夜占,二月為死氣。內辛亥日太常臨午加戌,支上未亦為太常,上又乘白虎作丁神而克支,此必有內外孝服。內壬子日太常臨未加亥,支上申又乘白虎,三月占又是死氣乘虎入宅,亦主內外孝服。又壬戌日太常臨丑而克亥,干支上子為白虎作空亡羊刃入宅。
内外孝服のこの一格。日干の官鬼が同時に死氣を充て、又た太常に乗りて日干に加われば、必ず外姓の親戚のために喪服を主とす。譬如六つの辛日に午が戌に加わり、正月に夜占すれば午は死氣にして太常に乗る。六つの壬日に未が亥に加わり、二月に夜占。六つの壬日に丑が亥に加わり、八月に早上に起課。六つの癸日に未が丑に加わりて夜占すれば、二月の裏に未は正に死氣なり。その中の辛亥日に太常が午に臨みて戌に加わり、日支の上の未も亦た太常にして、上頭に又た白虎に乗りて併せて丁神を充てて來て日支を克す。これは即ち必ず内外の両重の孝服有らん。壬子日に太常が未に臨みて亥に加わり、日支の上の申は又た白虎に乗る。三月に起課すれば申は死氣にして、死氣が虎に乗りて闖進して宅位に入る。亦た内外皆孝服有るを主とす。またたとえば壬戌日に太常が丑に臨みて亥を克し、干支の上の子は白虎に乗り、既に空亡に落ちて又た羊刃を充てて宅位に入る。
孝白蓋妻頭格:如癸亥卯未三日,干上未夜將,酉年二月丑為年命,如是妻占夫病必死,緣妻之年命上乘華蓋作太常為日鬼,又是死氣為弔客故也。如八月內占之,乃未為生氣,尚有孝服未巳。
孝白蓋妻頭のこの一格。癸亥・癸卯・癸未の三日は、日干の上は未にして夜将を用う。若く酉年の二月に起課して丑を以て年命と為せば、妻子が丈夫のために病を占えば必ず死す。妻子の年命の上に乗る所の未は既に「華蓋」にして、又た太常に乗り、還た日干を克する官鬼にして、同時に又た死氣にして、又た吊客を充てればなり。若く改めて八月の裏に占えば、未は變じて生氣と為る。雖も死するに至らざれども、孝服の事も亦た還た未だ了せざるなり。
又如日干之鬼作死氣乘太常,如於支上主有內服至,再見喪吊更凶。又乙未日申加未,三月占用晝將,作死氣乘太常入宅。又戊戌日卯加戌,十月占用夜將,乃卯作死氣乘太常入宅,而又克宅,凶尤甚也。又戊子日卯加子作太常,死氣入宅刑宅,亦十月占,用夜將有之。
再びたとえば日干の官鬼が死氣を充てて而又た太常に乗れば、若く日支の上に落つれば、家中に本姓の親属の喪服有るを要するを主とし、再び喪門・吊客を見れば更に凶なり。譬如乙未日に申が未に加わり、三月に起課して昼将を用うれば、申は死氣にして太常に乗りて宅位に進入す。またたとえば戊戌日に卯が戌に加わり、十月に起課して夜将を用うれば、卯は死氣にして太常に乗りて宅に入り、還た反って宅を克す。凶は格外に厲害なり。再びたとえば戊子日に卯が子に加わりて太常に乗り、十月に起課して夜将を用うる時も亦たこの象有り。死氣が宅に入りて而又た宅を刑す。
又壬子日丑加子,八月占,用晝將,乃日鬼乘太常作死氣入宅克宅。又辛酉日午加酉,正月占用夜將,乃死氣作日鬼乘太常入宅克宅,凶甚。又壬戌日未加戌二月占,夜將乃死氣作鬼乘太常入宅。又癸亥日未加亥,二月夜將,乃死氣作日鬼乘太常入宅又克宅,凶。又癸酉日未加酉,二月夜將,乃死氣作日鬼乘太常入宅。
壬子日に丑が子に加わり、八月に起課して昼将を用うれば、丑は既に日干の官鬼にして、又た太常に乗り又た死氣にして、宅位に進入して併せて宅を克す。辛酉日に午が酉に加わり、正月に起課して夜将を用うれば、午は死氣にして日鬼を充て、太常に乗りて宅に入り宅を克す。凶は厲害なり。壬戌日に未が戌に加わり、二月に夜将を用うれば、未は死氣にして鬼を作し、太常に乗りて宅に入る。癸亥日に未が亥に加わり、二月に夜将を用うれば、未は死氣にして又た日鬼にして、太常に乗りて宅に入り而且宅を克す。凶を主とす。癸酉日に未が酉に加わり、二月に夜将を用うれば、未は死氣にして兼ねて日鬼にして、太常に乗りて宅に入る。この一串の例子の共同の處は在りて、皆是日干の官鬼が兼ねて死氣を當て、太常に乗りて闖進して宅位に入り、多くは還た宅位を克傷するを要す。故に一概に斷じて家有喪事と作す。
辛未日九月晝將,寅加未作死氣乘太常入宅又克宅。甲戌、庚戌二日卯加戌,十月占,夜將乃死氣作太常入宅又克宅。己亥日戌加亥,十一月占,晝夜將乃死氣作太常入宅又克宅。辛亥日戌加亥,五月占,晝夜將乃死氣作太常入宅又克宅。
辛未日に九月に昼将を用い、寅が未に加わる。寅は死氣にして太常に乗り、宅に進み又た宅を克す。甲戌・庚戌の両日に卯が戌に加わり、十月に起課して夜将を用うれば、卯は死氣にして太常に乗り、宅に入り又た宅を克す。己亥日に戌が亥に加わり、十一月に起課すれば、昼将・夜将を論ぜず戌は皆是死氣にして太常に乗り、宅に入り又た宅を克す。辛亥日に戌が亥に加わり、五月に起課すれば、昼夜の両将も亦た皆是死氣にして太常に乗り、宅に入り又た宅を克す。上に擧ぐる各例は、およそ死氣の神が太常に乗りて宅位の上に壓到するを見れば、家中に便ち喪服の憂有らん。
墓門開格:如歲後五墓又為干墓,臨卯酉作蛇,又作月厭,必主重喪。如子年四月乙酉日未加酉,放乘蛇同上。又午年十月辛酉日,丑加酉乘蛇作月厭,為歲後五墓而又作干墓。
墓門開のこの一格。太歳の後の五墓の辰が同時に又た日干の墓にして、卯或いは酉の上に臨みて螣蛇に乗り、併せて又た月厭を充てば、必ず接連して両重の喪事有るを主とす。譬如子年の四月の乙酉日に、未が酉の上に加わり、未の上に蛇に乗る。上面の説く所と相同じ。またたとえば午年の十月の辛酉日に、丑が酉の上に加わりて螣蛇に乗りて又た月厭を充つ。丑は既に歳後の五墓にして、又た正に辛金の墓なり。
前後逼迫難進退第七三 前有強敵後有追兵
假令壬寅日干上子,三傳辰巳午皆空而不可進,欲退後一步,逢地下寅盜氣,又退一步,逢丑為干鬼,乃前不可進,後不可退,以此推之,惟宜守干上旺,切不可輕舉妄動,如動則虛耗百出。又癸巳日干上子,乙巳日干上卯,三傳卯寅丑。甲寅日干上卯,三傳辰巳午。壬申日干上子,三傳丑寅卯。癸卯日干上寅,三傳辰巳午。此於逼迫二字不合,若克處迴歸,又受克還似。
譬如壬寅日に干上は子、三伝は辰・巳・午を排出するも卻って全て空亡に落つ。往きて前に一步は走り通せず。想いて後ろに一步を退かんにも、地盤の上の寅は又た來て壬水の氣を盜泄す。再び一步を退けば、丑土は正に壬水の官鬼なり。これは即ち前進は得べからず後退は能わざるなり。これに由りて推知すれば、只だ干上の當旺なる一位を守るにのみ宜しく、切に輕擧妄動すべからず。一たび動けば便ち虚耗百出す。同類に還た癸巳日に干上に子を見、乙巳日に干上は卯・三伝は卯・寅・丑、甲寅日に干上は卯・三伝は辰・巳・午、壬申日に干上は子・三伝は丑・寅・卯、癸卯日に干上は寅・三伝は辰・巳・午有り。この幾例は逼迫の两字と未必全く合せざれど、但し若く克處回歸して而又た再び克を受くるに属せば、取象も亦た相近づけり。
初傳被下克,繼歸地盤之本宮,又被上神所克格:此例乃克處迴歸又受克,雖虎賁之勇,亦不可為。如癸巳卯丑亥四日,午加癸為初傳,乃午火受癸水所克,及歸本家午上,又被亥水所克,使其午火去住不能也。
初伝が下面に克され、地盤の本宮に回りて之後に又た上頭の神に克される。この一格は克處回歸又受克と呼ぶ。たとい虎賁の武士のあのようの勇力有るとも、施展する所なし。譬如癸巳・癸卯・癸丑・癸亥の四日に、午が癸の上に加わりて取りて初伝と為す。午火は先ず癸水に克を受け、それが退回して本家の午位に到れば、上頭は又た亥水が來て克す。弄得この一團の午火は進むも能わず留まるも能わず。
且午火之類神為日之財,主財聚散。如用夜將元武加午,主失財,其午火之上亥亦為元武,主重重失財。亦為日干之妻,主妻常病,亦為馬類或有馬而常被人撓。亦為屋類,主頻遷徙而耗費用。亦為心類,主心病。亦為眼類,主常患眼目。以上之類皆不宜占。
再看して午火の類象の上の意思を。それは癸水の財にして、故に銭財の聚めて又た散ずるを主とす。若く夜将を用うる時に元武が午の上に加われば、破財を主とす。しかも午の上の亥は同じく元武なれば、あれは即ち一次又一次の失財なり。午火は亦た日干の妻子を代表し、妻子の常に病むを主とす。亦た馬匹の一類を代表し、馬を養うて卻って屢々人に攪擾せらるるを主とす。亦た房屋を代表し、頻頻に搬遷して錢財を耗費するを主とす。亦た心を代表し、心病を患うるを主とす。亦た眼睛を代表し、常に眼疾を犯すを主とす。以上のこれらの事情は、この課に占い到れば皆不吉利なり。
全傷坐克格:如支干各受上神克,又坐被克方者。假令甲午寅、丙寅午辰戌、癸卯巳,並是返吟。顧祖格並回還格:止宜守舊,亦進退不能也。
全傷坐克のこの一格。日干と日支とは各々上頭の神に克され、同時に又たそれを克する方位の上に坐す。譬如甲日の午と寅、丙日の寅・午・辰・戌、癸日の卯と巳。これらは皆返吟課の裏に出現す。還た顧祖格と回還格有り。この両格に占い到れば只だ舊局面を守住するにのみ宜しく、同じく進退両難なり。
空空如也事休追第七四 不可受降盟約
謂三傳皆空亡者是也,於進退連茹課中多有,如三合課兩傳空亡,縱有一傳不空,而上乘天空將者,亦係此例,不必細具。凡值此等例,占事皆主指空話空,全無實象。惟宜解散憂疑,欲成事而不可得也,或鬼空尤妙。如遇占病,久病者死,新病者空,慾望事成合,須待改旬再謀之方可也。凡鬼空亦宜制之,不然尤有虛撓之凶,為我難見彼之象。
三伝が全て空亡に落つるは即ちこの一格にして、進茹・退茹・連茹の一類の課の中に常見す。若し是れ三合課の裏に両伝の落空有れば、たとい一伝を剩して空ならずとも、而もそれの上頭に乗るは又た天空なれば、亦たこの例に歸入す。一々細列するを須とせず。およそこの類の課に遇えば、事を占えば皆空處を指著して空話を説くにして、全く一件も實處に落ちるなし。只だそれを借りて心中の憂慮・疑惑を化解するに宜しく、事を弁成せんと想うも弁成せず。若く空なるが正に官鬼なれば、あれは反って更に妙なり。疾病を占えば、久病の人は死を主とし、新病の人は則ち病の虚にして不實なるなり。事情の談成するを等たんと想えば、須く一旬を換え過ぐる後に再往きて謀劃して才だ行けり。およそ官鬼の空に落つるも、亦た仍お設法してそれを制住するを要す。不然なれば還た虚張聲勢の騷擾の凶有らん。これは我が這邊の難くして相手方を見る能わざる象なり。
四課全空格:四課無形,事不出名,縱然出也,也是虛聲。如乙巳日干上寅為空亡,第二課又入空亡鄉,支上卯作空亡,第四課又入空亡鄉,此乃四課皆空,故應前言。丙午日干上寅,戊辰日返吟,戊戌日返吟,以上前例內,如年命上乘空亡,但非成事,或替他人占事,或初傳遙克作空亡坐空鄉,尤無力也。
四課全空のこの一格。四課皆空は、等しく形體なきにして、事情は名目を立て起こる能わず。たとい勉強して立て起こすとも、亦不過一句の虚聲のみ。譬如乙巳日に、干上の寅は空亡に落ち、第二課も亦た空亡の郷に落ち、支上の卯は空亡に落ち、第四課も同じく空に落つ。これは即ち四課皆空にして、正に上面の話に應ず。丙午日に干上に寅を見、戊辰日の返吟課、戊戌日の返吟課、皆この例に属す。以上の諸課の中に、若く求占人の年命の上に又た空亡に乗れば、事情は便ち弁成せず。或いは別人のために來て占い、或いは初伝が遥克より取り出されて本身空に落ち、又た空郷に坐すれば、即ち更加に全く力量なし。
賓主不投刑在上第七五 猶金宋之和議而畢竟南侵
凡支干乘刑者有三等,凡占未免相刑之意,所謀交涉事,必各有異心。一字刑者,乃四課上神全逢辰午酉亥者是也。甲辰日第一課酉加寅、第二課辰加酉、第三課亥加辰、第四課午加亥,此乃四課上神全逢辰午酉亥者也。又癸亥日干上午同。又乙酉日第一課亥加辰、第二課午加亥、第三課辰加酉、第四課復亥加辰,支干上乘辰午酉亥又克支干者,尤可畏也。
干支の刑を帶びるの情形は三等に分かつ。およそ占えば彼此相刑するの意味を免れず。謀る所の交涉の事は、双方必ず各々異心を懐く。第一等は一字刑と呼び、即ち四課の上神が全都として辰・午・酉・亥のこの四個の自刑の位に落つるなり。譬如甲辰日に、第一課は酉が寅に加わり、第二課は辰が酉に加わり、第三課は亥が辰に加わり、第四課は午が亥に加わる。四課の上神は辰午酉亥斉備す。癸亥日に干上に午を見るも一樣なり。またたとえば乙酉日に、第一課は亥が辰に加わり、第二課は午が亥に加わり、第三課は辰が酉に加わり、第四課は又た亥が辰に加わる。若く干支の上に乗る所の辰午酉亥が還た反って干支を克傷せば、即ち更に可怕なり。
壬午日干上辰克干壬、支上亥克支午。又己酉日辰加己,上為墓覆干,午加酉而克支。丙戌日干上亥克干,支上辰墓支。如甲子日支上辰,其三傳辰申子,乃名自刑在干支上。又乙丑日支上酉,其三傳巳丑酉,亦支上重逢自刑。又丙寅日干上酉,其三傳酉丑巳,乃干上重逢自刑之酉也。餘並仿此。
壬午日に干上の辰は日干の壬水を克し、支上の亥は日支の午火を克す。己酉日に辰が己に加わり、辰は己土の墓にして日干を覆蓋し、午が酉に加わりて又た來て日支を克す。丙戌日に干上の亥は日干の丙火を克し、支上の辰は又た日支の戌の墓なり。再びたとえば甲子日に支上に辰を見、三伝は辰・申・子を排出す。即ち自刑が干支の上に落つると呼ぶ。乙丑日に支上に酉を見、三伝は巳・丑・酉を排出す。亦た日支の上に重複して自刑に遇う。丙寅日に干上に酉を見、三伝は酉・丑・巳を排出す。是れ日干の上に重複して自刑の酉に遇う。残りの各例はこれに照らして類推す。
二字刑者,乃支干上全乘子卯是也。子卯相刑者,兩邊無禮。乙未、丙申、戊申、壬申、辛丑五日,干上子、支上卯。乙丑、丙寅、戊寅、辛未、壬申五日,干上卯、支上子。以上十日,乃支干上神各無禮之刑也。
第二等は二字刑と呼び、即ち干支の上頭に一併に子と卯とに乗るなり。子卯の相刑は無禮の刑と稱し、両辺皆體面を失うを主とす。乙未・丙申・戊申・壬申・辛丑のこの五日は、干上は子・支上は卯。乙丑・丙寅・戊寅・辛未・壬申のこの五日は、干上は卯・支上は子。以上の十日は、皆是干支の上神の互相に無禮の刑を構成するなり。
三字刑者,乃三傳寅巳申或丑戌未是也。寅巳申三刑者,未免無恩之義,凡占必恩反怨也。如丑戌未者,凡占多恃勢而凌弱。尤宜觀干上之神帶生旺不空、乘吉將,乃名能刑于他人也。三傳寅巳申、巳申寅或申寅巳、丑戌未、戌未丑或未丑戌俱是也。
第三等は三字刑と呼び、即ち三伝が寅・巳・申或いは丑・戌・未に排成するなり。寅巳申は無恩の刑と呼び、およそ占えば必ず恩を施して反って怨を結ぶ。丑戌未は恃勢の刑と呼び、およそ占えば多くは勢力を仗りて弱小を欺凌す。這裏にことに日干の上の神を看るを要す。若くそれが長生・帝旺の氣を帶び、又た空に落ちず、還た吉将に乗れば、即ち我が能く往きて別人を刑して、而も別人に刑せられざると呼ぶ。三伝が寅巳申・巳申寅或いは申寅巳を作し、および丑戌未・戌未丑或いは未丑戌は、皆この一等と算ぞ。
金剛格:巳酉丑三合為三傳,支干上覆見酉者,乃應金剛自刑其方,緣巳刑申、丑刑戌,唯酉不能刑,故自刑其西方。火強格:寅午戌三合為三傳,支干上覆見午者,乃就火強自刑其方,緣寅能刑巳、戌能刑未,唯午不能刑,故自刑其南方也。
金剛のこの一格。三伝が結んで巳酉丑の金局を成し、干支の上に又た再び酉を見れば、便ち金氣の太剛にして自らその本方を刑す。巳は能く申を刑し丑は能く戌を刑すれば、唯獨酉は刑すべき對象なし。只だ好んで自刑す。刑するは即ち西方の金位なり。火強のこの一格。三伝が結んで寅午戌の火局を成し、干支の上に又た再び午を見れば、便ち火氣の太強にして自らその本方を刑す。寅は能く巳を刑し戌は能く未を刑すれば、唯獨午は刑すべき對象なし。只だ好んで自刑す。刑するは即ち南方の火位なり。
水流趨東格:申子辰為三傳,干支上覆見辰者,乃應水流趨東也,緣子能刑卯,申能刑寅,惟辰不能刑,用趨其辰之本宮,以辰為水之墓庫故也。木落歸根格:亥卯未為三傳,干支上覆見亥字者,乃應木落歸根也,緣卯能刑子,未能刑丑,唯亥不能刑,故歸其亥之本宮也,兼亥為木局之本,夫本者,乃木之父母鄉也。
水流趨東のこの一格。三伝が結んで申子辰の水局を成し、干支の上に又た再び辰を見れば、便ち水の往きて東に流るるの象に應ず。三合局の裏の另外の两支は各々刑すべき對象有り——子は能く卯を刑し申は能く寅を刑す——唯獨辰は刑すべき處を找見せず、只だ好んで歸趨して辰のこの本宮に就く。辰は本來水の墓庫なればなり。木落歸根のこの一格。三伝が結んで亥卯未の木局を成し、干支の上に又た再び亥字を見れば、便ち樹葉の落ちて樹根に回るの象に應ず。同じく、卯は能く子を刑し未は能く丑を刑すれば、唯獨亥は刑すべきなく、只だ好んで亥のこの本宮に回到す。何况亥は木局の起點にして、所謂根本は、正に木の父母の郷なり。
以上皆不宜值之。如占訟,不論一字刑、二字刑、三字刑,皆被刑責,如乘凶將其凶猶甚,唯空亡及皇恩、天赦可解,亦宜問罪犯輕重而言赦宥,如犯重但刑稍輕,而未免遭刑,如情輕則無刑也。皇恩者,正月起未順行六陰位。天赦者,春戊寅、夏甲午、秋戊申、冬甲子。
以上のこれらの格局は皆遇うに宜しからず。官司を占う時は、一字刑・二字刑・三字刑を論ぜず、皆刑に挨り責を受くるを要す。若く再び凶将に乗れば、凶は更に甚し。能く解救し得るはただ空亡、および皇恩・天赦のこの両個の吉神のみ。斷ずる時は還た問明して罪行の輕重を以て後に赦免を説く。犯する重きは、亦た只だ刑罰の略減するのみにして、終究刑を受くるを免れず。情節の軽きは、才だ刑を免るべし。皇恩の定法は正月は未より起こり、順にて六個の陰位に排して下去る。天赦の定法は春天は戊寅日に在り、夏天は甲午日に在り、秋天は戊申日に在り、冬天は甲子日に在り。
四勝煞格:乃干上酉、支上午或支上酉、干上午者皆是。又就自刑中單言酉午為四勝煞,凡占各逞能,或皆邀功逞俊之意。如乙丑日、丙寅、戊寅、辛未、壬申五日干上酉,支上午。又壬寅、乙未、丙申、戊申、辛丑五日,干上午,支上酉。
四勝煞のこの一格。干上は酉・支上は午、或いは支上は酉・干上は午は、皆數え算うるを得。これは自刑の中より單に酉と午とを提出して來て説くなり。酉と午とは各々一處の自刑の位にして、両辺は一人ずつ一個を占住して、誰も肯んじて相讓せず。故に凡そ占えば双方の各々其の能を逞しゅうし、皆功を搶い勝を爭わんと想うを主とす。譬如乙丑・丙寅・戊寅・辛未・壬申のこの五日は、干上は酉・支上は午。壬寅・乙未・丙申・戊申・辛丑のこの五日は、干上は午・支上は酉。
以前無恩刑等中,如甲子日寅刑干上巳、子刑支上卯;丙子日干上申,日刑干上申、子刑支上卯;辛丑日戌刑干上未、丑刑支上戌;癸卯日丑刑干上戌、卯刑支上子;辛卯日戌刑干上未、卯刑支上子。於前例中,如此五日,乃支干相刑其上神,又是子卯無禮刑。外有甲寅、庚申、己未、丁未、癸丑五日,或干上乘辰午酉亥,亦作自刑例。
前面に説く所の無恩の刑の一類の裏に、還た幾個の例子有り。甲子日に、寅は往きて干上の巳を刑し、子は往きて支上の卯を刑す。丙子日に干上は申、日辰は往きて干上の申を刑し、子は往きて支上の卯を刑す。辛丑日に、戌は往きて干上の未を刑し、丑は往きて支上の戌を刑す。癸卯日に、丑は往きて干上の戌を刑し、卯は往きて支上の子を刑す。辛卯日に、戌は往きて干上の未を刑し、卯は往きて支上の子を刑す。この五日の特點は日干日支が反ってそれら各自の上神を刑し、同時に又た子卯の無禮の刑を構成するに在り。別に甲寅・庚申・己未・丁未・癸丑の五日有りて、若く干上に乗る所が辰・午・酉・亥なれば、亦た自刑の一例に歸入す。
助刑戕德格:乃六處有神作支之自刑,又作干鬼,又結連三傳為鬼是也。庚午日午加庚發用,又午加未暮將,天乙臨干本身可以解凶。
助刑戕德のこの一格。干支・三伝の六處の中に、一位有りて既に日支の自刑を構成し、又た日干を克する官鬼を充て、還た牽連して三伝を一併に官鬼に化作さしむ。譬如庚午日に午が庚に加わりて取りて発用と作す。またたとえば午が未に加わりて晚間の夜将を用うる時に、若く天乙貴人が正に日干の本身の上に臨まば、倒れて凶険を化解し得べし。
彼此猜忌害相隨第七六 威振人主者身危功蓋天下者不賞
此例有五等:一者,干支上下皆各作六害,凡值此者,彼此各相猜忌,主客不相顧接,乃兩意相謀,各有戾害。如甲申日干上巳與干為六害,支上亥與支為六害。外有庚寅、丁丑、己丑、癸未等日,皆干支上下作害者。
この一格は五等に分かつ。第一等。日干とその上頭の神、日支とその上頭の神とが各自に六害を構成す。およそそれに遇えば、彼此は互相に猜忌し、主客の双方は肯んじて照應せず、表面上は両下に商量するも、心裏は各々戾氣を存す。譬如甲申日に、干上の巳は日干の甲と六害を成し、支上の亥は日支の申と六害を成す。このほか庚寅・丁丑・己丑・癸未の等の日も、皆是干支の上下が互相に為害するなり。
二者,支干上神作六害,亦主各相猜忌。如乙亥日干上子與支上未為六害,辛巳、壬午、丙子、戊子日干上子,支上未。三者,支干、天盤、地盤皆作六害,此等戾害尤甚。如辛酉日返吟,支干戌酉為六害,上神辰卯六害。又壬申、乙卯、丙寅返吟,又乙卯、戊寅、丙寅、壬申、辛酉伏吟,皆有之。
第二等。干支の両處の上神が彼此に六害を構成し、同じく互相猜忌を主とす。譬如乙亥日に、干上の子は支上の未と相害す。辛巳・壬午・丙子・戊子の几日も皆是干上に子を見支上に未を見るなり。第三等。干支の本身が天盤・地盤と處處皆六害を成す。この一等の戾氣は最も重し。譬如辛酉日の返吟課に、日干日支の戌は酉と相害し、上神の辰は卯と又た相害す。別にたとえば壬申・乙卯・丙寅の返吟課、および乙卯・戊寅・丙寅・壬申・辛酉の伏吟課は、皆會してこの種の情形を出現せん。
四者,干支三傳作六害,此局全無和氣。如辛卯日干上未,支上子,三傳又子未子,皆作六害;辛未日干上亥,支上申,三傳又申亥申皆作六害。五者,支干上下交互作六害,如我方動念害人,人已早思害我,此局更為危難。如乙未日,干上子與地支未作六害、支上卯與干作六害,而支干上子卯又復相刑,輾轉為害,無從解免。外如甲申日干上亥,支上巳;庚寅日干上巳,支上亥;丁卯、己卯日干上辰。
第四等。干支は連ねて三伝と一起に六害を構成す。この一局は全然として和氣なし。譬如辛卯日に干上は未・支上は子、三伝は又た子・未・子を排出して、處處相害す。辛未日に干上は亥・支上は申、三伝は又た申・亥・申を排出して、亦た處處相害す。第五等。干支の上下が交叉して互害す。等しく我が這邊は剛に人を害せんの念頭を動かせば、相手方は早已に我を害せんと想う。這一局は最も危険なり。譬如乙未日に、干上の子は日支の未と相害し、支上の卯は又た日干と相害し、しかも干支の上の子と卯とは還た彼此相刑して、輾轉して為害し、解脱するに從なし。このほかたとえば甲申日に干上は亥・支上は巳、庚寅日に干上は巳・支上は亥、丁卯・己卯の両日に干上に辰を見るは、皆この一類に属す。
人喜我憂格:如辛丑日干上酉與干作六害,支上子與丑卻作六合也。外有乙未、乙丑日並干上卯,辛未日干上酉。
「人喜我憂格」は、仍お彼此猜忌相害のこの一条に承りて下に往きて説くなり。「干」は日干を指し、求測者の本身を代表す。「支」は日支を指し、家宅と相手方とを代表す。辛丑日を以て例と為せば、辛の寄宮は戌に在り、日干の上に乗る所の酉金は戌と正に「六害」を結成す——六害は十二地支の両両に相妨ぐる一組の関係にして、暗中の損傷・面和して心不和を主とす。しかも日支の上に乗る所の子水は丑土と卻って六合を結成す。上頭は我が這邊は害を被り、下頭は他のあの邊は合を得。故に相手方は歡喜して自己は發愁す。このほか乙未日・乙丑日に日干の上に卯に乗り(乙の寄宮は辰に在り、卯は辰と正に相害す)、辛未日に日干の上に酉に乗るも、皆この一格に属す。
互生俱生凡事益第七七
南唐有順正之忠,宋祖有褒封之惠。雖有生而作墓敗空亡者,知其人宅盛衰,彼此旺敗。
兵占に譬を取りて説く。南唐の臣には歸順・守正の忠心有り、宋太祖には褒獎・加封の恩典有り——下面は忠を盡くし上面は惠を施し、彼此相成す。これは正に「互生」「俱生」の意象なり。不過亦た彼此相生するれども、又た墓庫・沐浴の敗地或いは空亡の裏に落ち進む有り。この一類の課に遇えば、即ち這裏より人と宅との各自の盛衰、および双方の究竟に誰が旺にして誰が敗なるかを看るを要す。
互生格:干上神生支,支上神生干是也。此例兩相有益,各有生意。如辛卯日干上亥生支,支上辰生干。庚戌日干上巳生支,支上未生干。庚子日干上酉雖生支而卻敗其支,支上丑雖生干而卻是干之墓。庚午日干上卯雖生支,而卻敗其支,支上丑雖生干,而卻墓其干。丁酉日干上丑雖生支,而卻墓其支,支上卯雖生干,而卻敗其干。己酉日干上辰雖生支,而卻墓其干,支上午雖生干,而卻克其支。辛巳日干上卯雖生支而卻敗其支,支上戌雖生干而卻墓其支。辛亥日干上酉雖生支而卻敗其支,支上戌雖生干而自克其支。壬午日干上寅生支,支上酉雖生干而作空亡,又為敗氣也。如值此等例,雖有生旺之名,反作衰敗空耗論矣。
「互生格」——日干の上に乗る所の神が往きて日支を生じ、日支の上に乗る所の神が又た回りて來て日干を生ず。これを即ち互生と呼ぶ。この一格は双方各々その益を得、彼此皆生發の意有り。たとえば辛卯日に、日干の上に亥水に乗りて卯木の支を生じ、日支の上に辰土に乗りて又た辛金の干を生ず。庚戌日に、日干の上に巳火に乗りて戌土の支を生じ、日支の上に未土に乗りて又た庚金の干を生ず——この両例は純粹の互生なり。但し亦た名づけて生而して實に生に非ざる有り。庚子日に日干の上に酉に乗るは、雖も子水の支を生ずるれど、酉は卻って又た水の沐浴の敗地なり。日支の上に丑に乗るは、雖も庚金の干を生ずるれど、丑は卻って正に金の墓庫なり。庚午日に日干の上に卯に乗るは、雖も午火の支を生ずるれど、卯は卻って火の沐浴の敗地なり。日支の上に丑に乗るは、雖も庚金の干を生ずるれど、丑は又た日干を墓住す。丁酉日に日干の上に丑に乗るは、雖も酉金の支を生ずるれど、丑は卻って金の墓なり。日支の上に卯に乗るは、雖も丁火の干を生ずるれど、卯は又た火の敗地なり。己酉日に日干の上に辰に乗るは、雖も酉金の支を生ずるれど、辰は卻って己土の墓なり。日支の上に午に乗るは、雖も己土の干を生ずるれど、午火は又た反って酉金の支を克す。辛巳日に日干の上に卯に乗るは、雖も巳火の支を生ずるれど、卯は卻って火の敗地なり。日支の上に戌に乗るは、雖も辛金の干を生ずるれど、戌は又た火の墓庫なり。辛亥日に日干の上に酉に乗るは、雖も亥水の支を生ずるれど、酉は卻って水の敗地なり。日支の上に戌に乗るは、雖も辛金の干を生ずるれど、戌土は又た自ら往きて亥水の支を克す。壬午日に日干の上に寅木に乗りて午火の支を生じ、日支の上に酉に乗るは雖も壬水の干を生ずるれど、无奈酉は「空亡」に落つ——空亡は本旬に十天干の配し到らざるあの両個の地支にして、空に落ちれば則ち名有りて實なし——酉は又た正に水の敗氣なり。およそこの一類に遇えば、雖も相生・相旺の名目を掛ぐるれど、實際の上は反って當に衰敗・空耗として以て断ずべし。
俱生格:乃干上神生干,支上神生支是也。此例各有生意,彼此和順,或兩家合本作營生尤應也。如逢月生氣尤的。支干全受上神生,丙寅、丁酉日並干上寅,庚午子戌申日並干乘辰。丙寅日干上卯雖生干而亦敗其干,支上子雖生支而亦敗其支。丁卯日干上卯雖生干而亦敗其干,支上亥雖生支而奈作旬空。乙卯日干上子雖生干而作空敗,支上亥為長生,此一課乃利宅不利人,利彼不利己。己巳日干上巳生干,支上卯雖生支而反敗支,此一課乃利己不利彼,利人不利宅。丙子日干上寅實生其干,支上酉雖生支而反敗其支,又作旬空。丙午日干上寅,支上卯皆作空亡。
「俱生格」——日干の上に乗る所の神は日干を生じ、日支の上に乗る所の神は日支を生じ、各々生ずるは各々なり。これを即ち俱生と呼ぶ。この一格は双方各々生意有りて彼此和順す。若し是れ両家が本を合して一起に買賣を做せば、応験はことに明顯なり。若し乗る所が又た正に当月の生氣に逢えば、就更に準なり。日支・日干の完全に上神に生ぜらるるは、たとえば丙寅日・丁酉日に日干の上は皆寅に乗り(寅木は丙火を生じ丁火を生ず)、庚午・庚子・庚戌・庚申の諸日に日干の上は皆辰に乗る(辰土は庚金を生ず)。このほか亦た名は生而して實は生ぜざる有り。丙寅日に日干の上に卯に乗るは、雖も丙火の干を生ずるれど、卯は卻って又た火の沐浴の敗地なり。日支の上に子に乗るは、雖も寅木の支を生ずるれど、子も亦た木の敗地なり。丁卯日に日干の上に卯に乗るは、雖も丁火を生ずるれど、同じくその干を敗す。日支の上に亥に乗るは、雖も卯木を生ずるれど、无奈亥は「旬空」に落つ、即ち本旬の裏の空亡なり。乙卯日に日干の上に子に乗るは、雖も乙木を生ずるれど、卻って又た空亡にして兼ねて敗地なり。日支の上に亥に乗るは、亥は木の長生なり——這一課は家宅に利有りて人に利あらず、相手方に利有りて自己に利あらざるなり。己巳日に日干の上に巳に乗りて己土の干を生じ、日支の上に卯に乗るは雖も巳火の支を生ずるれど、卯は反って火の敗地なり——這一課は恰恰として相反し、是れ自己に利有りて相手方に利あらず、人に利有りて宅に利あらざるなり。丙子日に日干の上に寅に乗るは、實實在在として丙火の干を生ず。日支の上に酉に乗るは、雖も子水の支を生ずるれど、酉は卻って反って水の敗地にして、而且又た旬空に落つ。丙午日に日干の上に寅に乗り日支の上に卯に乗るは、両個皆空亡の裏に落つ。
自在格:如甲子、乙亥、丙寅、丁卯、戊午、己巳、庚辰、辛未、壬申、癸酉十日,並支加干上而生日也。
「自在格」——甲子・乙亥・丙寅・丁卯・戊午・己巳・庚辰・辛未・壬申・癸酉のこの十個の日子のごときは、皆是本日の日支の神が日干の上に加わり、而且恰好として日干を生扶す——子水は甲木を生じ、亥水は乙木を生じ、寅木は丙火を生じ、卯木は丁火を生じ、午火は戊土を生じ、巳火は己土を生じ、辰土は庚金を生じ、未土は辛金を生じ、申金は壬水を生じ、酉金は癸水を生ず。自家の根基が回頭して來て本身を滋養す。故に「自在」と呼ぶ。事を占えば多くは安穩・自如を主とし、外に求むるを須とせず。
互旺皆旺坐謀宜第七八
運籌於帷幄之中,決勝於千里之外。互旺格:止甲申、庚寅二日有之。甲申日干上酉,乃是支之旺神,支上卯乃是干之旺神。庚寅日干上卯乃是支之旺神,支上酉乃是干之旺神。凡值此者,惟宜兩相投奔,各有興旺,客旺主而主旺客,人旺宅而宅旺人,夫旺妻而妻旺夫,父旺子而子旺父,兄旺弟弟旺兄,朋友彼此助益。
兵占に譬を取りて説く。帷幄の中に運籌し得れば、便ち千里の外に決勝し得べしと。「互旺格」——ただ甲申・庚寅の両日にのみ有り。甲申日に日干の上に酉に乗るは、酉は正に申金の支の帝旺の神なり。日支の上に卯に乗るは、卯は正に甲木の干の帝旺の神なり。庚寅日に日干の上に卯に乗るは、卯は寅木の支の旺神なり。日支の上に酉に乗るは、酉は庚金の干の旺神なり。およそこの一格に遇えば、最も彼此に投奔・往來するに宜しく、双方各々興旺を得。客は能く主を旺せしめ主も亦た能く客を旺せしめ、人は能く宅を旺せしめ宅も亦た能く人を旺せしめ、丈夫は妻子を旺せしめ妻子も亦た丈夫を旺せしめ、父親は兒子を旺せしめ兒子も亦た父親を旺せしめ、兄長は兄弟を旺せしめ兄弟も亦た兄長を旺せしめ、朋友のあいだは更に互相に幇襯して益を得。
皆旺格:支干上皆乘旺神者,乃彼我、客主、夫婦、父子皆然興旺,凡謀事順利,不勞其力,惟宜坐待,不利謀動,止可就本身之宅職而靜聽造轉,或已遭失而欲復舊事極妙。倘若意外之求,或遠謀動用,則變為網羅纏繞身宅,乃作羊刃,反為災禍。如或坐待,則人口通泰,宅復興隆,並無心中得人扶持而發旺,斯占最的。甲申日干上卯、支上酉,庚寅日干上酉,壬申、壬寅日干上子,丙申、丙寅日干上午,忌空亡。
「皆旺格」——日支と日干の上に皆各自の旺神に乗る。この一格は彼此・賓主・夫妻・父子の样样が興旺し、事を謀れば順遂して、何の氣力も費やすを用いず。但しそれは安坐して等待するにのみ宜しく、主動して變動を謀求するに宜しからず。本身の家宅と職位とを守住して、靜かに時運の自然に轉來するを候すればよし。或いは已に何かを失掉して舊日の局面を恢復せんと想わば、この一課を用うるが最も妙なり。倘若分外の干求を做し、或いは遠行して謀動せば、あの旺氣は便ち網羅に變じて、本身と家宅とを一斉に纏住し、轉じて當に「羊刃」として以て論ずるを要す——旺の極處に到れば便ち煞氣を生じ、反って災禍を成す。若く能く安坐して等待せば、則ち家中の人口は通泰して門戶は重ねて興隆し、往往として無心のあいだに人の扶持を得て發達す。この一占は最も応験す。この格に属する有り。甲申日に日干の上に卯に乗り日支の上に酉に乗り、庚寅日に日干の上に酉に乗り、壬申・壬寅日に日干の上に子に乗り、丙申・丙寅日に日干の上に午に乗る——不過皆最も空亡に落つるを忌む。
干支值絶凡謀決第七九
立三穴而欲晉室,終不能遂其謀。如甲申、甲寅日返吟,乃支干上皆乘絕神。又丙申、丙寅日亦是返吟,絕神作鬼,止宜結絕凶事,亦宜釋解官訟,占病痊。丙辰、丙戌日如晝占,亦宜告貴結絕,凶吉二事皆可。戊寅、庚寅、壬寅、戊申、庚申、壬申六日返吟,緣絕神作日之財神,止宜結絕財物事,惟不利占妻病,值此必死;又作月內之死氣者,妻死尤速。壬辰、壬戌日,如旦占,亦宜告貴結絕財物事。
兵占に譬を取りて説く。三窟を營むの計を為して晋室を圖謀せんと想うも、到頭來終にその心願を遂ぐる能わず。甲申・甲寅日に起きて「返吟」課を出すがごとき——返吟は天盤と地盤とが全然として相冲し、諸神皆冲動せらるるの課体なり——日支・日干の上に皆絶神に乗る。またたとえば丙申・丙寅日も亦是れ返吟にして、あの絶神は這裏に在りて正に日干の官鬼を充つ。この種の課は只だ凶事を了結するにのみ用いるに宜しく、亦た官司・訴訟を消解するに宜しく、病を占えば則ち痊愈を主とす。丙辰・丙戌の両日に若く白天に占えば、同じく貴人に稟告して以て舊案を了斷するに宜しく、凶事・吉事の両頭皆弁じ得べし。戊寅・庚寅・壬寅・戊申・庚申・壬申のこの六日の返吟課は、絶神が正好として本日の財神なれば、只だ錢財の一類の事を了結するにのみ宜し。唯獨妻子の病を占うに利あらず。遇えば必ず死し、若くあの絶神が又た兼ねて当月の死氣なれば、妻子は死すること更に速し。壬辰・壬戌の両日は如く清晨に占えば、亦た貴人に稟告して以て財物の事を了結するに宜し。
以上返吟結絕事極速,緣絕神投絕鄉故也。亦不宜占食祿事,緣神神投絕,如占病又作死氣,必絕食而死。外有乙未日干上申為乙木之絕,支上亥乃未土之絕,如夜占卻宜告貴結絕事理。又辛未日干上寅、支上亥,如夜占亦宜結絕告貴之事。又癸未日干上巳、支上亥,晝占亦宜告貴結絕事理。丁未日支干上皆乘亥,己未日干上亥、又干上巳,以上皆宜結絕,亦不宜占食祿事,此言土內有寄寅者,故以亥為絕也。
以上のこれらの返吟課は、了結の事を弁ずること極めて速し。絶神が又た投じて絶郷の裏に進めばなり。但し亦た皆衣食・俸禄の一類の事を占うに宜しからず。神は既に絶に投じたれば、若く病を占いて又た死氣に逢えば、必ず食を絶ちて亡ぶに至らん。このほか乙未日に日干の上に申に乗るは、申は正に乙木の絶地なり。日支の上に亥に乗るは、亥は正に未土の絶地なり——夜裏に占えば反って貴人に稟告し事理を了斷するに宜し。辛未日に日干の上に寅に乗り日支の上に亥に乗るは、夜占も亦た舊案を了結し貴人を干求するに宜し。癸未日に日干の上に巳に乗り日支の上に亥に乗るは、白天に占うも同じく貴に告げて事を了すに宜し。丁未日に日支・日干の上に皆亥に乗り、己未日に日干の上に亥に乗り又た巳に乗る有るは、以上皆了結を作すに宜しく、亦た皆食禄の事を占うに宜しからず。這裏に亥を拿りて當に土の絶地と為す所以は、土が火に附從して長生を寅に寄せ、寅より順に十二位を數えて、絶が正に亥の上に落つればなり。
絕神加生格:如庚辰寅加亥為用是也,凡巳加寅、申加巳、亥加申、寅加亥,最不宜占結絕事,緣絕神反坐長生之上,凡占事卒未了當,必止了又興,或年命乘之。遞互作絕神格:最宜兩相退換屋宇,或兌替差遣、交代職任等事。如甲申、庚寅二日伏吟,又癸未日干上亥、支上巳,丁丑日干上亥、支上巳,丁未日干上亥,癸丑日干上巳。
「絶神加生格」——たとえば庚辰日に寅を以て亥に加えて発用と為す——庚金は寅に絶し、しかるにこの寅は偏偏として亥の上に坐す。亥は長生の地なり。故に絶神加生と呼ぶ。およそ巳が寅に加わり、申が巳に加わり、亥が申に加わり、寅が亥に加わるのこの幾種は、皆最も了結の事を占うに宜しからず。絶神が反って長生の上頭に坐し到ればなり。事を占えば到頭來總じて弁じ乾净する能わず。必ず剛に停まりて又た生じ出づるか、或いは本命・行年の上に又たそれに乗るなり。「遞互作絶神格」——この一格は最も両家が互相に房屋を退換し、或いは差使を對調し職務を交接するの一類の事に宜し。たとえば甲申・庚寅の両日の「伏吟」課——伏吟は天盤と地盤とが完全相同にして諸神皆移動せざるの課体なり。またたとえば癸未日に日干の上に亥に乗り日支の上に巳に乗り、丁丑日に日干の上に亥に乗り日支の上に巳に乗り、丁未日に日干の上に亥に乗り、癸丑日に日干の上に巳に乗る。
人宅皆死各衰羸第八十
全師皆沒。干支上互乘死氣格:如戊申日干上子、支上卯,庚申日干上子,庚寅日干上午、支上子,甲寅日干支上午諸例,惟不宜弔喪問病,如乘月內之死氣尤的,如占病必死。支干全乘死氣格:如庚寅、庚申、辛丑日並干上子,乙丑、甲申、甲寅日干上午,己未、壬申、壬寅並干上卯,丙寅、丙申、丁丑日並干上酉,此例止宜休息,萬事不利謀動。
兵占に譬を取りて説く。全軍覆沒。「干支上互乗死氣格」——たとえば戊申日に日干の上に子に乗り日支の上に卯に乗り、庚申日に日干の上に子に乗り、庚寅日に日干の上に午に乗り日支の上に子に乗り、甲寅日に日干と日支の上に皆午に乗る——この幾例は最も弔喪・問病に往くに宜しからず。若く乗る所が又た正に当月の死氣なれば、応験はことに準にして、病を占えば必ず死す。「支干全乗死氣格」——たとえば庚寅・庚申・辛丑の三日に日干の上に皆子に乗り(金は子に死す)、乙丑・甲申・甲寅日に日干の上に午に乗り(木は午に死す)、己未・壬申・壬寅日に日干の上に皆卯に乗り(水は卯に死す)、丙寅・丙申・丁丑日に日干の上に皆酉に乗る(火土は酉に死す)。この一格に遇えば、只だ歇息・靜養するにのみ宜しく、およそ百の事情は皆謀劃・行動に利あらず。
伝墓入墓分憎愛第八一
當知主客孰憎孰愛。此等例詳初傳是何類神而言之,如是日之財神、祿神、長生、官星等,不可值中末之墓,如是日之鬼及盜炁等,卻喜中末墓也,細具於後。生我者傳墓入墓,如辛未日,三傳巳戌卯,巳加子為初傳,乃日之長生,豈宜中傳戌來墓巳,末傳又入戌鄉。又己巳卯未亥丑日,並巳加子為用,大不利占生計及長上之事,如辛未日有官人占之,緣官星、德神、長生入墓。如常人占之,反喜鬼入墓也。
兵占に譬を取りて説く。主と客と究竟に誰が憎み誰が愛するかを知るを要す。この一類の例子は、皆先ず「三伝」の裏の初伝が哪の一種の類神なるかを看て再び來て断ずるを要す——三伝は即ち六壬課が四課より推演出す初・中・末の三層の動態なり。假如初伝が本日の財神・禄神・長生・官星の類なれば、中伝・末伝をしてその墓庫と為さしむる能わず。假如初伝が本日の官鬼・盜氣の類なれば、反って中末の來てそれを墓住するを喜ぶ。下面に逐条に細説す。先ず我を生ずるの神が墓に落ち入るを説く。たとえば辛未日に三伝は巳・戌・卯にして、巳を以て子に加えて初伝と為す。巳は正に辛金の長生にして、何處で中伝の戌土の來て巳火を墓住し、末伝の又た戌郷に落ち進むを禁得住えんや。またたとえば己巳・己卯・己未・己亥・己丑の諸日も、亦た皆巳を以て子に加えて発用と為す。大いに謀生と尊長の事とを占うに利あらず。辛未日は若し是れ官職有る人の來て占わば、官星・德神・長生が一斉に墓に入りて、ことに好からず。若し是れ平常の百姓の來て占わば、反ってその官鬼の墓に入るを喜び、害して人に及ばざればなり。
德祿傳墓格:如丙子日巳加子為用,癸未、壬子日巳加子為用,乃財神入墓;戊子日巳加子,乃德祿並生炁入墓。長生入墓格:如庚子日巳加子用,常人占之,喜鬼入墓。脫氣入墓格:乙未日巳加子用。
「德禄伝墓格」——たとえば丙子日に巳を以て子に加えて発用と為す。巳は既に丙火の禄神にして又た德神なり。しかるにこの一課の中伝は恰も戌にして、戌は正に火の墓と為る。癸未・壬子の両日に巳を以て子に加えて用と為すは、巳火は水日の財神にして、一樣に戌墓に落ち進む。戊子日に巳を以て子に加うるは、あれは即ち德神・禄神が生氣を連ねて一斉に墓に入るなり。「長生入墓格」——たとえば庚子日に巳を以て子に加えて用と為す。巳は本是庚金の長生にして、卻って墓の裏に落ち進む。この一課は若く平常の人の來て占わば、反ってそれの官鬼をも一併に墓住するを喜ぶ。「脱氣入墓格」——乙未日に巳を以て子に加えて用と為す。巳火は乙木の生ずる所にして我が氣を泄するの處なり。今この脱氣の神も亦た墓に入れり。
財神傳墓格:丙戌日申加卯、庚辰日寅加酉乃財入墓、庚戌日申加卯用乃德入墓格。長生脫氣入墓:戊戌日申加卯用。鬼入墓格:戊辰日寅加酉用,以上占行人來遲。
「財神伝墓格」——丙戌日に申を以て卯に加え、庚辰日に寅を以て酉に加う。初伝の申金は丙火の財にして、寅木は庚金の財なり。しかるに中伝は恰好として即ちそれらの墓庫なり——金の墓は丑に在り、木の墓は未に在り。故に財入墓と呼ぶ。庚戌日に申を以て卯に加えて用と為すは、申は庚日の德神にして、あれは便ち德神の墓に入るなり。「長生脱氣入墓」——戊戌日に申を以て卯に加えて用と為す。申金は既に戊土の生ずる所にして氣を泄するの神にして、又た長生の位に居る。一樣に中伝の丑土に墓住せらる。「鬼入墓格」——戊辰日に寅を以て酉に加えて用と為す。寅木は戊土の官鬼にして、中伝の未土に墓住せらる。以上のこの幾種の課は、若く外出の人の何時に歸來するかを占わば、皆來るの遲緩なるを主とす。
不行伝者考初時第八二
夫不行傳者,乃中末空亡是也,中末既空,但只以初傳斷其凶吉,言其事類,此例極多,不必細具,或一日內有三五課者,如甲子日干上巳,初傳申是日之鬼,中傳亥是日之長生,末傳寅是日之德祿,既長生德祿皆空,豈宜獨存初傳之申金為日之鬼而坐實地,若以初傳用事,必好事無而惡事有也。已後如值初傳凶者,若是遙克者,好惡俱無,皆仿此,亦名守株待兔。
所謂「不行伝」とは、中伝と末伝とが皆空亡に落つるを指す。中末は既然に空なれば、則ち只だ初伝を拿りて來て吉凶を斷じ事類を説く。このようの例子は極めて多く、一々列挙するを須とせず。時に一日の内に即ち三五課有ること有り。譬如甲子日に日干の上に巳に乗る。初伝の申金は本日の官鬼にして、中伝の亥水は本日の長生にして、末伝の寅木は本日の德神と禄神と為す。今長生・德禄は皆空に落ち、單に初伝のあの實地の上に坐する申金の官鬼を剩すのみ。何處で還た好事たらんや。若く初伝に照らして來て事を用いれば、必定に好事は一樣もなく壞事は一件も少なからず。此の後およそ初伝の凶と為るに遇えば、皆この辦法に照らして看よ。若く初伝が只だ「遥克」にして発用せば——遥克は位次を隔てて相克するにして、力量は本就薄弱なり——あれは即ち好壞皆談じ上ぐる能わざるなり。この一類は又た「守株待兎」と呼ぶ。只だ眼前の一處を守りて結果を待つのみ能うなり。
獨足卦:己未日干上酉,凡占萬事皆不可行,此一例乃初中末並支干皆在未上,於七百二十課中,止有此一課,故名獨足。既止有一足,焉可行乎。如欲商販,利行舟而不利陸路,如欲逃亡者亦然,占病死。雖眾皆知有獨足例,殊不會稽考。己未伏吟卦亦名獨足,且己未伏吟雖有未丑戌為三傳,緣中傳乃旬內空亡,既中傳空亡,豈能刑其末傳之戌乎?且中末既無,惟支干與初傳皆在未上,與獨足何異耶。凡謀皆不能成也。
「獨足卦」——己未日に日干の上に酉に乗る。およそ萬事を占うも皆行動すべからず。この一課の特點は、初・中・末の三伝が日支・日干を連ねて統統として未のこの一個の字の上に壓するに在り。七百二十課の中に只だこの一課のみ。故に「獨足」と呼ぶ。既然に只だ一隻の腳を剩せば、怎で路を走り動かすを得んや。若く行商・販貨せんと要すれば、只だ水路の行舟に利有りて陸行に利あらず。逃亡・出走せんと想うも亦た一樣なり。病を占えば則ち死を主とす。世人は雖も皆獨足のこの一例有るを知るれど、卻って少なからずして肯んじて細究するを少なし。其實己未日の伏吟課も亦た獨足と呼ぶ。己未の伏吟は雖も未・丑・戌の三伝を排出し得るれど、可中伝の丑は正に本旬の空亡の裏に落つ(己未は甲寅旬に属し、子丑皆空)。中伝は既に空なれば、又た何處で還た能く往きて末伝の戌を刑せんや。中末の両伝は等しく無きがごとし。只だ日支・日干と初伝とが一斉に未の上に壓するを剩す。これは獨足と甚麽の両樣有らんや。故に凡そ謀る所有れば、一件も成る能わざるなり。
萬事喜忻三六合第八三
民豐物阜,君明臣良。謂三傳寅午戌等,或干支上見未;三傳亥卯未等,或干支上見戌;三傳申子辰等,或干支上見丑;三傳巳酉丑等,或干支上見辰,皆名為三合課,又與中間一字作六合者是也。故經云:三六相呼見喜忻,縱然帶惡不成嗔。且夫帶惡者,乃金日得寅午戌,土日得亥卯未,木日得巳酉丑,火日得申子辰,縱然三傳克干亦不能為禍,尚可成合。
兵占に譬を取りて説く。百姓は富足して物産は豊盈し、君主は英明にして臣子は賢良なり。この一条の説く所は、三伝が會して寅午戌の火局を成して日干・日支の上に未を見、三伝が會して亥卯未の木局を成して干支の上に戌を見、三伝が會して申子辰の水局を成して干支の上に丑を見、三伝が會して巳酉丑の金局を成して干支の上に辰を見る——これらは皆「三合課」と呼ぶ。而且あの多く出づるの字が又た恰好として三合の中間の一字と六合を結成す(午は未と合し、卯は戌と合し、子は丑と合し、酉は辰と合す)。故に經に説く、三合・六合は彼此相呼び、見る所は歡喜なり。たとい惡神を帶ぶるとも、亦た脾氣を發成する能わずと。所謂帶惡とは、金日が寅午戌の火局を得、土日が亥卯未の木局を得、木日が巳酉丑の金局を得、火日が申子辰の水局を得るを指す。三伝は雖も反って日干を克するれど、卻って亦た害を為す能わず。事情は照舊として合し得て成る。
其餘占雖曰未盡善,究竟事亦可成就也,何況三傳生日或作日之財。又三六相呼,凡謀皆遂,全無障礙,不然有人在中相助而成合事。唯不宜占解釋憂疑事。如占病,其勢彌篤。如占行人,忻喜而來。如乙酉日申加辰用,三傳申子辰水局並來生干,又支上見丑,乃名三合中有六合,為全吉之課,兼三傳之天將晝夜皆是貴勾常土神,並作日之財,盡可求財。舍占財外,大不宜尊長,及不利占作生計,緣天將上神克生氣故也。
残りの各樣の占問は雖も十全十美と算ふるに足らざると説けども、事情は到底亦た弁じ得て成る。何况三伝は還た能く日干を生じ、或いは本日の財神を充つるをや。三合・六合は彼此相呼び、凡そ謀る所有れば皆心に稱い、全く阻礙なし。便ち自己が力を使い上ぐる能わざるとも、亦た自ら人の中より撮合して事を促成する有り。ただ憂疑を消解するの事を占うにのみそれを用いるに宜しからず——合する越え緊なれば、愁は反って越え散じ開かざるなり。病を占えば、病勢は會して愈發して沈重ならん。外出の人を占えば、則ち歡歡喜喜として回來す。譬如乙酉日に申を以て辰に加えて発用と為す。三伝の申子辰は會して水局を成して一斉に來て乙木の日干を生じ、日支の上に又た丑土を見る。これを即ち三合の中に又た六合を含むと呼び、是れ全吉の課なり。加上して三伝の乗る所の「天将」——天将は即ち貴人に隨りて排布する十二位の神将なり——昼占・夜占を論ぜず皆是貴人・勾陳・太常のこの三位の土性の天将にして(貴人は尊榮を主とし、勾陳は爭鬥・田土を主とし、太常は衣食・宴會を主とす)、又た皆本日の財を充つ。盡く手を放して財を求むべし。但し求財を除く外、この課は大いに尊長に利あらず、亦た生計を謀るを占うに利あらず。天将の乗る所の土神が生氣を克住するの緣故なり。
又如丙申、丙子、丙辰三日干上丑,三傳皆水局來作日干,殊不知三合六合相呼之格,帶惡不成嗔之義也,兼干上丑亦可以敵其傳水,凡謀雖有成意,終是可畏,但顧目下成合,餘畏撥置事也。又辛未日干上寅,壬午日干上卯,辛亥日干上午,壬寅日干上未,戊申日干上丑,三合課中又逢天將六合居干支上者,亦可用,但力稍輕。
再びたとえば丙申・丙子・丙辰の三日に日干の上に丑に乗り、三伝は皆會して水局を成して來て丙火の日干を克す。殊不知これは正に三合・六合の相呼ぶの格局にして、所謂惡神を帶ぶるも亦た脾氣を發成する能わざるなり。何况日干の上のあの丑土は還た能く三伝の水を抵擋するをや。故に凡そ謀る所有れば雖も成就の意有るれど、到底仍舊として畏るべし。只だ眼前に事を合し成すを顧みて、剩る可怕の處は先ず一辺に撂くのみ。またたとえば辛未日に日干の上に寅に乗り、壬午日に日干の上に卯に乗り、辛亥日に日干の上に午に乗り、壬寅日に日干の上に未に乗り、戊申日に日干の上に丑に乗る——これらは三合課の中に又た天将の裏の「六合」が日干・日支の上に落つるに逢うなり。六合は木性の天将にして、媒妁・交易・和合を主とす。故に亦た取用し得べし。只是力量は稍や輕些なるのみ。
合中犯殺蜜中砒第八四
餌兵勿食。謂三傳寅午戌,如支干上有午為自刑,見丑為六害,見子為沖;三傳亥卯未,如干支上有子為無禮刑,見辰為六害,見酉為沖;三傳申子辰,如干支上有卯為無禮刑,見未為六害,見午為沖;三傳巳酉丑,如干支上有酉為自刑,見戌為六害,見卯為沖,凡值此例,所謂三合犯殺少人知,惟防好裡定相欺,笑裡有刀誰會得,事將成合失便宜。
兵占に譬を取りて説く。敵人の抛下する誘餌は、往きて吃すべからず。この一格の説く所は、三伝が寅午戌の火局を成す時、日干・日支の上に若く午を見れば便ち「自刑」にして、丑を見れば便ち六害にして、子を見れば便ち相冲なり。三伝が亥卯未の木局を成す時、干支の上に子を見れば便ち「無禮の刑」にして、辰を見れば是れ六害にして、酉を見れば是れ相冲なり。三伝が申子辰の水局を成す時、干支の上に卯を見れば是れ無禮の刑にして、未を見れば是れ六害にして、午を見れば是れ相冲なり。三伝が巳酉丑の金局を成す時、干支の上に酉を見れば是れ自刑にして、戌を見れば是れ六害にして、卯を見れば是れ相冲なり。およそこれらに遇えば、便ち古人の説く所なり。三合して而も刑・冲・害を犯すは、知る人の極めて少なきなり。隄防するを要するは正にあの和和氣氣の裏頭の相欺にして、笑臉の背後に刀を蔵す。誰か又た看て出來るを得んや。事情は眼看として將に合し成さんとすれど、便宜は已に丟掉せられたり。
占得此者,必至恩中變怨,合中有破,雖是屬我之事,亦被人在中阻隔,俗諺云:笑裡刀,蜜裡砒,正此意也。其中犯殺空亡,徒為冤憎,下稍成阻,不免先應其事。
このようの課を占い得れば、必定に恩情の裏頭より怨恨を翻出し、和合の中に破敗を蔵す。雖も説く本來は自己に属するの事なりとも、亦た人に中より攔阻せらるるを會す。俗話の講じる「笑裏藏刀・蜜裏下砒霜」は、正にこの意思なり。その中のあの犯殺の神が若く又た空亡に落ちれば、便ち只だ一場の白結する冤憎を剩すのみ。到末了に事情は終歸して受阻す。不過受阻する之前に、先ず會して一段の合合美美の光景を應出して罷了す。
初遭夾克不由己第八五
指日克汴,而班師之詔屢頒。謂初傳坐於克方,又被天將所傷,故取名夾克。凡占必身不由己,及受人驅策,尤宜詳其受克者是類而言之。且如夾克者是財,必財不由己費用;或是日之同類受夾克者,乃自身不由己。惟是日鬼受夾克者為妙,乃當憂不憂之義也。
兵占に譬を取りて説く。眼看として指日に汴京を攻克し能わすも、班師・回朝の詔書は卻って一道に接いで一道に下來す。所謂「夾克」とは、初伝の底下がそれを克する地盤の上に坐し、頭上に又た乗る所の天将に傷せられ、上下の両頭が夾んでそれを克す。これに因りて名を得たり。およそこの課を占い得れば、必ず身は己に由らずして人に驅使せらる。還た細看して夾克せらるるは究竟に哪の一類の神なるかを、再び判斷を作さん。譬如夾克せらるるが財神なれば、あれは即ち錢財が自己の作主に由らずして便ち花して出去す。若く夾克せらるるが本日の同類(兄弟・比肩の神)なれば、あれは便ち自身が己に由らざるなり。唯獨夾克せらるるが本日の官鬼たる時は最も妙なり。正に「本當に憂愁すべくして而其實に憂愁を須とせず」の意思に合す。
如六甲日戌加寅為初傳,晝夜天將皆乘六合木神,此乃夾克其財。六壬日午加亥為初傳,晝夜天將元武水神及天后水神,此乃夾克日財,必財不由己而費用。外有甲辰日辰加卯為初傳,晝夜天將皆是六合木神,夾克其財。又甲申日戌加卯同上,或妻常病。
たとえば六つの甲日に戌を以て寅に加えて初伝と為す。戌土は甲木の財にして、底下に寅木を坐して來てそれを克し、昼占・夜占に乗る所の天将は又た皆木に属する六合にして、上下が夾んでこの財を克す。六つの壬日に午を以て亥に加えて初伝と為す。午火は壬水の財にして、底下に亥水を坐して來てそれを克し、昼夜に乗る所の天将は又た水に属する「元武」(水神にして盗竊・暗昧を主とす)と「天后」(水神にして婦人・陰私を主とす)にして、同じく日財を夾克す——これらは皆錢財が自己の作主に由らずして便ち花掉するを主とす。このほか甲辰日に辰を以て卯に加えて初伝と為すは、昼夜の天将は皆是木に属する六合にして、亦たその財を夾克す。甲申日に戌を以て卯に加えて初伝と為すは上面と一樣にして、還た可能に妻子の常に病むの上に應ずべし。
家法不正格:緣三傳皆受夾克例,唯乙丑、乙卯、乙亥日並寅加酉,旦占有之。俯丘仰仇格:甲子日夜將寅加未為用,乃俯見丘仰見仇。乙巳日酉加丑,乙未日卯加未夜。
「家法不正格」——三伝が統統として夾克を受けて、上下は彼此安んぜざるが故に、故にこの名を取る。この一格はただ乙丑・乙卯・乙亥の三日に寅を以て酉に加うるのみ有りて、而且要ずるに清晨に占うる時に有りて才だ然り。「俯丘仰仇格」——甲子日に夜間の天将を用いて寅を以て未に加えて発用と為す。頭を低めて看見する所は墳丘にして、頭を抬げて看見する所は仇家なり。上上下下皆安穩を得る能わざるなり。乙巳日に酉を以て丑に加え、乙未日に夜占に卯を以て未に加うるも、亦た皆この一格に属す。
将逢内戦所謀危第八六
不知禍起蕭牆內,空築防胡萬里城。六合內戰為發用者,凡用事將成合而被人攪擾也。如癸巳日晝占,六合加申,申金加巳火之上。天后內戰為發用者,如丁卯戌加卯旦占,必妻常作而多病。
兵占に譬を取りて説く。禍患の自家の牆の裏頭に起これるを知らずして、卻って白白として萬里の長城を筑起して胡人を防備す。所謂「内戦」とは、天将とそれの乗る所の地支とが五行相克して、自家が先ず打ち起こすを指す。六合が発用して而も内戦するは、およそ事を弁ずれば眼看として將に合し成さんとするも、偏に人に中より攪擾せらる。たとえば癸巳日に白天に占えば、六合は申の上に乗りて、しかも申金は又た巳火の上に加わる。金と火とは自ら相交戦す。天后が発用して而も内戦するは、たとえば丁卯日に清晨に占いて戌を以て卯に加うれば、則ち妻子の常に事端を生じて而且多病なるを主とす。
夜貴內戰格:六癸日卯臨申為用。塍蛇內戰格:丙辰日旦占,子臨辰為用。朱雀內戰格:丁丑日夜占,乃朱雀乘亥臨丑為用。勾陳內戰格:丁丑日晝占,乃勾陳乘卯臨申為用。青龍內戰格:壬寅日夜占,乃青龍乘申臨巳為用。
「夜貴内戦格」——六つの癸日に卯を以て申に臨ましめて発用と為す。夜間の貴人は本は土に属するも、卻って木に乗りて又た金の上に坐す。自ら相交戦す。「螣蛇内戦格」(螣蛇は火神にして驚恐・怪異を主とす)——丙辰日に清晨に占いて子を以て辰に臨ましめて発用と為す。火神が水に乗るは、是を内戦と為す。「朱雀内戦格」——丁丑日に夜占し、「朱雀」(火神にして文書・口舌を主とす)が亥水に乗りて丑に臨みて用と為す。「勾陳内戦格」——丁丑日に白天に占い、勾陳が卯木に乗りて申に臨みて用と為す。「青龍内戦格」——壬寅日に夜占し、「青龍」(木神にして財帛・喜慶を主とす)が申金に乗りて巳に臨みて用と為す。
白虎內戰格:丁亥日晝占,乃白虎乘午臨亥為用。太常內戰格:丁酉日晝占,乃太常乘卯臨酉為用。元武無內戰。天空內戰格:如丁丑日卯加申為用,夜占。太陰內戰格:壬辰、壬戌日返吟夜占,乃太陰乘巳臨亥為用。夫十一天將皆有內戰,此例餘尚有之,不暇細具。今略具一例,餘皆仿此,而逐類言其內戰之意也。
「白虎内戦格」——丁亥日に白天に占い、「白虎」(金神にして道路・疾病・凶喪を主とす)が午火に乗りて亥に臨みて用と為す。「太常内戦格」——丁酉日に白天に占い、太常が卯木に乗りて酉に臨みて用と為す。元武に至っては、則ち内戦の例なし。「天空内戦格」——丁丑日に夜占し、卯を以て申に加えて発用と為す。「天空」は土に属して(虚詐・不實を主とす)、卻って木に乗りて金の上に坐す。「太陰内戦格」——壬辰・壬戌の両日の返吟課の夜占に、「太陰」(金神にして陰私・隱蔽を主とす)が巳火に乗りて亥に臨みて用と為す。總じて十二天将の裏に元武を除く外の十一位は、皆各々自己の内戦の例有り。このほか還た許多に一々列出し得ざる有り。今只だ略ば一例を擧げ、残りはこれに照らして類推し、逐一に説明して各自の内戦の意思を明かすのみ是れなり。
三傳日辰內戰格:支干三傳皆下克上者,凡占皆是家法不正,或自窩犯,或丑聲出於堂中,以致爭競,斯占極驗。如癸酉日,癸水克上神之午火,酉金克上神之寅木,初傳未加寅,中傳子加未,末傳巳加子,皆下賊上,凡占全無和氣,占訟被刑,占病必死,吉事不成。惟宜占官從卑賤而迤邐遷轉,大為興旺,舍此皆凶。己酉、辛酉日未加寅,戊辰日寅加酉皆如前說。
「三伝日辰内戦格」——日支・日干が三伝を連ねて、處處皆是底下の地盤が往きて上頭の天盤を克す。およそこの課を占い得れば、皆家法の正しからざるを主とす。或いは自家の窩裏に事を犯し、或いは醜聞が廳堂の上に出でて、因りて争執を鬧起す。この一占は極めて応験す。譬如癸酉日に、癸水はその上頭の午火を克し、酉金はその上頭の寅木を克す。初伝は未が寅に加わり、中伝は子が未に加わり、末伝は巳が子に加わる。亦た一路皆是下の上を賊す。およそ占えば全く和氣なし。官司を打てば刑に挨るを要し、病を占えば必ず死し、吉事は一件も弁じ成る能わざるなり。唯獨官を為るを占うて反って好し——卑微の位置より一路に輾轉して遷升して、大いに興旺す。これを除く外は样样皆凶なり。己酉・辛酉の両日に未を以て寅に加え、戊辰日に寅を以て酉に加うるも、皆上面の説法に照らして看よ。
人宅坐墓甘招晦第八七
魯酒薄而邯鄲圍。謂天盤支干皆坐於地盤墓上者,乃心肯意肯情願受其闇昧,凡事皆自招其禍,切不可怨天尤人也。不惟本身甘招其禍,猶且將家宅亦情願假借與人作賤,欲兌憑終不能脫出也。如壬寅日亥加辰、寅加未,壬申日亥加辰、申加丑,己未日未加辰,丁丑日未加戌、丑加辰、庚寅日申加丑、寅加未,庚申日申加丑,剛日四絕體也。
兵占に譬を取りて説く。魯國が進獻する酒は淡薄にして、邯鄲城は卻ってこれに因りて圍困に遭えり——禍事は往往として自己の意想不到の牽連の上に起こる。この一格の説く所は、天盤の上の日支・日干が皆地盤の墓庫の上に坐すなり。あれは心甘情願としてこの份の暗昧・昏聵を受けに往くにして、凡事は皆禍を自招するに属す。切に天を怨み人を尤むべからず。不只本身は甘心して禍を招くのみならず、還た情願として家宅をも旁人に借して糟蹋せしめ、出脱・典讓せんと想うも、終究脱して手を出る能わざるなり。たとえば壬寅日に亥を以て辰に加え寅を以て未に加え、壬申日に亥を以て辰に加え申を以て丑に加え、己未日に未を以て辰に加え、丁丑日に未を以て戌に加え丑を以て辰に加え、庚寅日に申を以て丑に加え寅を以て未に加え、庚申日に申を以て丑に加う。その中の陽日に属するは、還た兼ねて「四絶体」なり。
互坐丘墓格:干坐於支墓之上,支坐於干墓之上者,乃彼此各招其昏晦,惟不宜兩相投奔,必是愚蠢人也。如丁丑日未加辰、丑加戌;戊寅日巳加未、寅加辰;甲申日寅加丑、申加未;庚寅日申加未、寅加丑,戊申日巳加丑、申加辰。餘傳內雖有所喜之神,其年命上卻克去者,乃心多退懶,自不肯向前也。
「互坐丘墓格」——日干は日支の墓の上に坐し、日支は又た日干の墓の上に坐す。両辺各自に一份の昏昧・晦暗を招來す。この一格は最も彼此に投奔・往來するに宜しからず。往きて投奔するは必ず愚鈍の人なり。たとえば丁丑日に未を以て辰に加え丑を以て戌に加え、戊寅日に巳を以て未に加え寅を以て辰に加え、甲申日に寅を以て丑に加え申を以て未に加え、庚寅日に申を以て未に加え寅を以て丑に加え、戊申日に巳を以て丑に加え申を以て辰に加う。另外に還た一種の情形有り。三伝の中に雖も自己の喜ぶ所の吉神有るれど、卻って本命・行年の上の神に克掉せらる。あれは便ち心裏に多く退縮・懶散して、自己肯んじて向前せざるなり。
干支乗墓各昏迷第八八
如支干全被上神墓者,其人如雲霧中行,其家宅敝而自塵暗,凡彼此占不亨快,經云:墓覆日辰,人宅昏沉。壬申日干上辰、支上丑;壬寅日干上辰、支上未,己未日干支上辰;丙寅日干上戌、支上未;丙申日干上戌、支上丑;乙丑日干上未,以上諸例,乃干支兩課皆見墓神,經云:干支墓全逢,所為皆不通,兩處欲克害,猶忌合墓神。如甲申日干上未,如用夜貴,則兩處皆空,可以解疑。
およそ日支・日干の完全に上頭の神に墓住せらるるは、あの人は即ち雲霧の裏に在りて路を走るがごとし。その家宅も亦た破敝して塵を積み、自ら昏暗を生ず。誰に替りて占問するを論ぜず、皆暢快ならず。經に説く、墓神が日干・日支の上に覆壓すれば、人と宅と皆昏昏沉沉たりと。この一類に属する有り。壬申日に日干の上に辰に乗り(水の墓は辰に在り)日支の上に丑に乗る(金の墓は丑に在り)。壬寅日に日干の上に辰に乗り日支の上に未に乗る(木の墓は未に在り)。己未日に日干・日支の上に皆辰に乗る。丙寅日に日干の上に戌に乗り(火の墓は戌に在り)日支の上に未に乗る。丙申日に日干の上に戌に乗り日支の上に丑に乗る。乙丑日に日干の上に未に乗る。以上の諸例は、皆是「四課」の中に干上の一課と支上の一課とが斉しく墓神を見る——四課は六壬の起課に先ず立つる四組の天地盤の對應にして、日干上・干陰・日支上・支陰の各一課なり。經に又た説く、干と支との墓が一斉に撞上すれば、做す所の事は一樣も行き通る能わしと。両處は若く還た要して相克・相害せば、ことに再び墓を合住するの神に遇上するを怕る。甲申日に日干の上に未に乗るに至っては、若く改めて夜間の貴人を用いて起課せば、両處皆空亡に落ちて、反って疑難を解開し得べし。
互乘墓神格:干乘支之墓,支乘干之墓者,此例我欲昏昧他,卻被他已昏昧我也。道典云:天網恢恢,疏而不漏。戊寅日干上未,支上辰;戊申日干上丑、支上辰;辛未日干上辰、支上丑;甲申日干上丑實、支上未空;庚寅日干上未空,支上丑實;乙未日干上辰空,支上未實。
「互乗墓神格」——日干の上に乗るは正に日支の墓にして、日支の上に乗るは又た正に日干の墓なり。この一格の意思は我が他を蒙蔽せんと想えど、不料他は早已に我を蒙蔽せり。道家の典籍に説く、天網恢恢として疏にして漏らさず——彼此算計して、誰も漏れ出去る能わず。たとえば戊寅日に日干の上に未に乗り日支の上に辰に乗り、戊申日に日干の上に丑に乗り日支の上に辰に乗り、辛未日に日干の上に辰に乗り日支の上に丑に乗り、甲申日に日干の上に丑に乗るは實にして日支の上に未に乗るは卻って空なり、庚寅日に日干の上に未に乗るは空にして日支の上に丑に乗るは實なり、乙未日に日干の上に辰に乗るは空にして日支の上に未に乗るは實なり。
欲棄屋宇格:凡干加支,求宅必得,緣己身入宅故也。或被支所克或所脫,雖目下強,得其屋後無益也。凡支加干得之,尤不費力,緣宅來就人故也,亦不可受宅克、墓、脫,如我有屋宅欲出兌者,如值干加支,乃人尚戀宅,或支加干,乃屋戀人,二項皆不能脫也。其支干相加,宅生其人,切不可棄之,後有長進,如被克、脫、墓者,終被屋所累矣。
「欲棄屋宇格」——およそ日干が日支の上に加われば、房屋を買い求めて必定に得るを得。あれは自己が宅子の裏に走り進むなればなり。但し若く又た日支に克され泄されれば、然らば眼下は雖も勉强して屋子を得るとも、日後も亦た甚麽の好處なし。およそ日支が日干の上に加われば、屋を得ること更に氣力を費やさず。あれは宅子が自己人に找上するなればなり。不過同じく再び宅の克・墓・脱を受くるべからず。反って説來せば、假如我が屋宅有りて出手・典讓せんと想うに、日干の支に加わるに遇えば、あれは人が還た宅を戀えり。日支の干に加わるに遇えば、あれは屋が還た人を戀う——この両種の情形は皆脱して手を得る能わざるなり。若く干支が相加して宅が來て人を生ぜば、あれば即ち切にそれを舍弃すべからず。日後に自ら長進有らん。若し是れ克を受け脱を受け墓を受くるは、終歸してこの屋子に拖累せらるるを要す。
任信丁馬須言動第八九
如占訪人雖不藏匿,必在他處相見,有倉卒之軍旅。夫任信者,伏吟卦也。如剛日名自任,可委任於他人。柔日名自信,可取信於自己。凡值伏吟卦,切不可便言伏匿而不動。於傳中及支干上有旬內丁神,或乘天馬驛馬者,必靜而求動,不可不知。
兵占に譬を取りて説く。若く往きて人を拜訪するを占わば、相手方は雖も躲藏せずとも、亦た必ず別處に改めて相見るを得。還た倉促に兵を起こすの軍旅の事有らん。所謂「任信」とは、指す所は即ち伏吟課なり。陽日(剛日)は「自任」と呼び、事情は別人に托付して往かしめて弁じ得べし。陰日(柔日)は「自信」と呼び、事情は自己に靠りて才だ信實を取得すべし。およそ伏吟課に遇えば、切に一口に咬定してそれの伏藏して動かざるを説くべからず。只だ三伝の中或いは日支・日干の上に本旬の「丁神」を帶びれば——即ち本旬の天干の丁の臨む所のあの地支にして、その性は主として動搖す——或いは「天馬」「驛馬」に乗れば、あれは必ず靜の裏頭に正に動を求むるなり。この一層は知らざるべからず。
如壬辰、戊午、丙辰、甲寅、庚申、癸未、癸丑、己酉、辛亥,以上俱丁神在傳,如占訪人必出外幹事,如先允許,後必改易,故名無任無信也。天馬逐月推之,如填內無天馬、驛馬、旬丁者,如始欲謀事,盡伏盡匿,終不可動謀矣。如已嘗得人先蒙允許,後必有信也。凡占靜中求動終是靜,或動中求靜終是動,諸占不易之故也。
壬辰・戊午・丙辰・甲寅・庚申・癸未・癸丑・己酉・辛亥のこの几日のごときは、皆是丁神が三伝の裏に落つるなり。若く人を訪うを占わば、あの人は必定に已に出外して事を弁じに往けり。先前にたとい已に應允したるとも、後頭に一定に口を改む。故にこれを又た「無任無信」と呼ぶ。天馬は月份に按じて順次に推排す。假如課中に既に天馬無く又た驛馬無く亦た本旬の丁神無ければ、然らば起初に謀らんと想う事は便ち徹底に伏藏・隱匿して、終究動き起こる能わざるなり。倘若先前に已に人家の許諾を得たれば、後頭には倒れて還た回音有らん。大凡事を占うは、靜の中に動を求むれば到底は還た靜にして、動の中に靜を求むれば到底は還た動なり——各類の占問は皆この道理を跳出す能わざるなり。
伏吟卦內無丁馬,卻占人本命行年上乘魁罡及丁馬者,亦主動尤速。又乙酉、己丑、癸巳三日伏吟,如占人年命是亥,乃丁馬,又如占身動最速。又乙卯、己未、癸亥三日伏吟,如占人年命是巳,亦丁馬交加身動尤速。
伏吟課の裏に雖も丁神と馬星と無けれども、若く占問の人の本命・行年の上に「魁罡」に乗れば——辰は天罡と為し戌は河魁と為し、性は最も剛動す——或いは丁神・馬星に乗れば、亦た主として動くを要す。而且動くこと格外に速し。またたとえば乙酉・己丑・癸巳の三日の伏吟課に、占問の人の年命が若く正に亥なれば、あの亥は便ち兼ねて丁神と馬星と作す。自身を占えば則ち動くこと最も速し。再びたとえば乙卯・己未・癸亥の三日の伏吟課に、占問の人の年命が若く是れ巳なれば、亦た丁神・馬星の交加なり。自身の發動はことに迅速なり。
非伏吟而乘丁馬者亦主動。如癸亥日干上巳為財動,餘同。又癸酉、己未、丙子、戊寅、辛巳、丁亥、甲午、庚戌九日伏吟,占行人必中路被阻,緣中傳空亡而不能刑至末傳,故前後難進退耳。餘占必先雖允許,後卻無實惠也。六丁加天馬,或天馬加六丁,必非小動也。如甲子日卯加甲,十一月占是也,餘皆仿此言之。如值丑為本命,乃名本命戀宅,全無動意,此法極驗。
伏吟課に非ずして而も丁神・馬星に乗るは、同じく動を主とす。譬如癸亥日に日干の上に巳に乗る。巳火は癸水の財にして、あれは便ち財の動く在り。残りはこれに照らして類推す。またたとえば癸酉・己未・丙子・戊寅・辛巳・丁亥・甲午・庚戌の諸日(原書は九日と稱す)の伏吟課に、外出の人を占えば、必ず半路の上に阻住せられん。中伝が空亡に落ちて、刑して末伝に到らざればなり。故に前も亦た進み難く後も亦た退き難し。残りの占問も、亦た多くは先前に雖も應允したるも、後來には並び實惠なし。若く本旬の丁神が天馬の上に加わるか、或いは天馬が丁神の上に加われば、あの動靜は就中絶對に小ならざるなり。たとえば甲子日に卯を以て甲に加え、十一月に占えば便ち是なり。残りはこれに照らして類推す。倘若丑が正に占者の本命なれば、あれは即ち「本命戀宅」と呼ぶ。一点も動かんと要するの意思なし。この法は極めて応験す。
伏吟卦六丙日吉,緣初傳為德祿,中傳為財,末傳為長生,各忌空亡。伏吟卦六戊日伏吟凶,緣初傳巳火克中傳申金,中傳克末傳寅木而作日干,似乎無和氣也,且戊日伏吟切不可被是人惑作甲戊庚三奇言之,且初傳天盤乃巳火,地盤乃戊土,豈可言三傳甲戊庚耶,此之不可不知者也。
伏吟課は六つの丙日に在りては吉と為す。初伝は丙の德神にして兼ねて禄神にして、中伝は財にして、末伝は長生にして、一路皆好ければなり。只だ各自空亡に落つるを忌む。伏吟課は六つの戊日に在りては則ち凶なり。初伝の巳火は中伝の申金を克し、中伝の申金は又た末伝の寅木を克し、しかも寅木は又た回頭して來て日干の戊土を克す。一路に相克して、全く和氣なし。而且戊日の伏吟は切に人に蒙住せられて、説くこれは「甲戊庚三奇」なりと——初伝の天盤は明明として巳火にして、地盤こそ戊土なるに、怎で能く三伝を扯して甲・戊・庚と成さんや。この一層は知らざるべからず。
來去俱空豈動宜第九十
復,七日來復,虛張攻勢。夫來去者,返吟卦也,緣初傳與末傳、初中末往來交互也。故凡占得返吟卦,切不可便言凡事往來動移,內有三傳皆空亡者,雖有動意,實不動也。尤詳其空亡有用及無用言之。
兵占に譬を取りて説く。《周易》の復卦に講じる「七日來復」は、去りて而も復返す。這裏に指す所は虚張聲勢の攻伐なり。所謂「來去」とは、説く所は即ち返吟課なり。初伝と末伝、初中末の三伝とが彼此往來・交互すればなり。故におよそ返吟課を占い得れば、切に一たび口を開けば便ち凡事皆往來・動移せんと要すと説くべからず。その中に若く三伝が統統として空亡に落つれば、雖も動かんと想うの意有るも、實際の上は並び動かざるなり。還た細分してあの空亡の究竟に有用の空なるか還た無用の空なるかを、再び來て斷説せよ。
己酉返吟,三傳卯酉卯,此用鬼皆空亡,正宜處難中解禍,餘占空空然。乙丑日三傳戌辰戌,此傳財俱空亡,止宜占病,不宜問婚,妻及財凶。戊辰日返吟,三傳巳亥巳,此乃生氣落空亡,不利長上,或六月、十二月占之,尊長病死尤的。戊寅、戊午、戊戌、戊申、戊子、己亥、庚戌、甲辰等日返吟皆空,更宜逐類推之。德喪祿絕格:乃陽日返吟者是,若陰日子加巳,乃四絕體也。
己酉日の返吟課は、三伝は卯・酉・卯にして、発用の官鬼は統統として空に落つ。正に患難の中に在りて禍事を解脱するに宜し。残りの各樣の占問は就中皆空空如也なり。乙丑日に三伝は戌・辰・戌と為す。伝中の財神は全て空亡に落つ。只だ病を占うに宜しく、婚姻を問うに宜しからず。妻子と錢財との両頭皆凶なり。戊辰日の返吟課は、三伝は巳・亥・巳なり。あれは生氣が空亡に落つるにして、尊長に利あらず。若く六月或いは十二月に占えば、尊長の病死するの応験はことに準なり。戊寅・戊午・戊戌・戊申・戊子・己亥・庚戌・甲辰の等の日の返吟課は、三伝も亦た皆空に落つ。更に當に逐類に推詳すべし。「德喪禄絶格」——説く所は即ち陽日の返吟課なり。若し是れ陰日に子を以て巳に加うれば、あれは便ち「四絶体」なり。
移遠就近格:天罡乘青龍、六合在日上,乃真斬關卦。如占時為發用,名動中不動,尋遠在近處。兼中末空亦然。如初見太歲,中末見月建或日胡,亦名移遠就近,將緩為速。又如己丑日干上辰、支上戌,雖干支上全乘魁罡,緣干上墓覆,又是柔日昴星,伏匿萬狀,終不能動。庚寅日干上辰、支上戌亦是真斬關卦,必主動,緣中末空亡,反不能動;又干上戌、支上辰同。後二假令乃言斬關卦之義,非返吟也,須知之。
「移遠就近格」——辰は天罡と為す。天罡の上に若く青龍或いは六合に乗りて日干の上に落つれば、便ち真正の「斬關卦」なり——斬關は關隘を冲開して遠行・遷移を主とす。假如占う所のあの時辰が恰好として発用せば、即ち動中不動と呼ぶ。本想として遠處に往きて尋ねんとするも、其實は眼前に近在す。中末の両伝の空に落つるも、亦た一樣なり。若く初伝に太歳を見着し、中末の両伝に月建或いは「日胡」(日辰の値する所の神)を見着すれば、同じく移遠就近と呼作す。本當に遲緩すべき事は會して快く成らん。またたとえば己丑日に日干の上に辰に乗り日支の上に戌に乗るは、雖も干支の上に天罡・河魁は俱全するれど、无奈日干の上は墓に覆わるる所にして、又た是れ陰日の昴星課にして、伏藏・隱匿して極處に到り、終究動く能わざるなり。庚寅日に日干の上に辰に乗り日支の上に戌に乗るも、亦た真の斬關卦にして、本當に動を主とすべきも、卻って中末の両伝の空亡に因りて、反って動き成る能わざるなり。日干の上に戌に乗り日支の上に辰に乗るの情形も一樣なり。後面のこの両個の例子は斬關卦の義理に就て來て説くなり。並び返吟課に非ず。須く分辨して清楚とするを要す。
似返吟卦,癸未日干上寅,雖不繫返吟卦,緣三傳申寅申,往來皆在支干上,似乎與返吟相類也,如占事雖不免往來交通,下稍全無一事,緣始末皆空,又是柔日昴星,故伏匿也。如用晝貴,三傳合元合,陰私萬狀,兼支干上皆乘脫氣,占事不出旋窩。諸返吟卦占事難成而覆破,訪人差迭,復被誘差迭。
還た一種の返吟に像えるも而も其實は返吟に非ざる有り。癸未日に日干の上に寅に乗るは、雖も返吟課に属せざれども、但し三伝は申・寅・申にして、一來一往皆日支・日干の上に落つ。看るに返吟と甚だ像えり。事を占えば雖も一番の往來・交涉を免れざれども、到末了に卻って一件も弁じ成る能わざるなり。初末の両伝が皆空に落ち、又た是れ陰日の昴星課なれば、故に伏藏・隱匿を主とす。若く白天の貴人を用いて起課せば、三伝の上に乗るは六合・元武・六合にして、陰私の事は百出す。加上して日支・日干の上に皆我が氣を泄する脱神に乗れば、事を占えば總じてこの漩渦を跳出す能わざるなり。大凡返吟課に事を占えば皆成り難くして而且要して翻覆・破敗す。往きて人を訪えば則ち一再に錯過して、還た人に誘騙せられ、再三に空を撲く。
虎臨干鬼凶速速第九一
克干客敗,傷支主敗。謂日干之鬼上乘白虎者,凡占凶禍速中又速。如六己日卯加未夜占,六壬日戌加亥旦夜占,六癸日戌加丑晝占,此三干乃虎鬼臨干者。六六日申乘白虎旦將順行有之,但不臨干而在五處;六戊日寅乘白虎夜將順行有之,亦不臨干;六庚日午乘白虎旦將逆行,不臨干而在五處。若乙丙丁辛四干無此例。唯宜詳其虎鬼或空亡、或鬼坐鬼方、或坐生方。及虎之陰神能制虎者,雖目前值其災禍,後卻無畏也。
兵占に譬を取りて説く。日干を克するは、客方は敗を要す。日支を傷するは、主方は敗を要す。この一条の説く所は、日干の官鬼の頭上に白虎に乗るにして、およそ占うに凶禍は皆快の上に快を加う。たとえば六つの己日に夜占して卯を以て未に加え、六つの壬日に晨昏を論ぜず戌を以て亥に加え、六つの癸日に白天に占いて戌を以て丑に加う——この三個の天干は才だ虎鬼の正に日干に臨むなり。六甲日(原書は「六六日」と作す)に申金が白虎に乗るは、昼将の順行の時に有るべきも、但し日干に臨まずして日支・三伝・年命の等の残りの五處に落つ。六つの戊日に寅木が白虎に乗るは、夜将の順行の時に有りて、亦た日干に臨まず。六つの庚日に午火が白虎に乗るは、昼将の逆行の時に有りて、同じく日干に臨まずして残りの五處に落つ。乙・丙・丁・辛のこの四個の天干に至っては、則ちこの一例なし。遇う時は只だ細看して幾處かを須とす。あの虎鬼は是否空亡に落ちたるや、是否鬼がそれを克する鬼方に坐するや、或いは長生の方に坐するや。再び看て白虎の陰神の能く白虎を制得住するや否やを——若く能く制得住せば、眼前は雖も一場の災禍に遭うとも、往後は亦た畏るるに足らざるなり。
如甲子日申加戌晝將,上乘白虎作中傳,誠為可畏,殊不知申坐戌空,又賴虎之陰神上乘午火而制虎鬼。經云:“虎之陰神還制虎,生者安寧病者愈”,此虎鬼論,如小人稍得其勢,即為禍患極速,倘受制伏,隨即縮首拘捉,灰飛煙滅而不能為害也。
譬如甲子日に申を以て戌に加え白昼の天将を用うれば、申の上に白虎に乗りて中伝を作す。看るに去りて實に畏るべし。殊不知この申は戌の上に坐して、しかも戌は正に甲子日の空亡にして、又た幸に白虎の陰神の上頭に午火に乗る。恰好としてこの虎鬼を制住す。經に説く、白虎の陰神が反って白虎を制住すれば、活人は安寧を得て病人は痊愈し能うと。この虎鬼の道理は、即ち譬うれば小人が稍稍として勢頭を得れば、立刻に極快の禍患を鬧出し、一旦制伏を受ければ、便ち馬上に頭を縮めて擒に就き、灰飛煙滅して、再び人を害する能わざるがごとし。
又如甲子日申加午晝將,上乘白虎作末傳,其申不空,誠為可畏,尤賴申金坐於午火之上。經云:“鬼坐鬼方無所畏”。又如戊寅日寅加亥夜將,上乘白虎作中傳,縱干上有申金,緣作空亡而不能克其寅鬼,誠為凶也,殊不知寅木坐於亥水之上,寅木受亥水作長生,不來為害。經云:“鬼自就生不來侵”。其餘虎鬼無制不空等,占訟被刑,占病作死氣必死,所占萬事禍不可逃。唯有官人占赴任,卻名催官符,赴任極速,反不宜受制及空。餘仿此而推之。
再びたとえば甲子日に申を以て午に加え白昼の天将を用うれば、申の上に白虎に乗りて末伝を作す。この申は並び空に落ちず。看るに去りて著實に畏るべし。好在として申金が正に午火の上に坐して制を受く。經に説く、鬼がそれを克する鬼方に坐すれば、就中怕るべき何もなしと。またたとえば戊寅日に夜将を用いて寅を以て亥に加うれば、寅の上に白虎に乗りて中伝を作す。たとい日干の上に申金有りて能く寅を克するとも、可惜申は空亡に落ちて、この寅鬼を克動する能わず。看るに去りて是れ凶なり。殊不知寅木は亥水の上に坐して、亥水は正に木の長生にして、寅木は生養を得て、亦た來て人を害せざるなり。經に説く、鬼が自ら往きて長生に就けば、便ち來て相侵せずと。残りのあれらの虎鬼の既に制伏なく又た空に落ちざるは、官司を占えば刑を受くるを要し、病を占えば若く又た死氣に逢えば必ず死し、占う所の萬事は禍患皆躲開する能わざるなり。唯獨官職有る人が赴任を占うは、これは反って「催官符」と呼ぶ。上任は極めて速し。この時は反ってそれの制を受け或いは空に落つるに宜しからず。残りは皆この路子に照らして往きて推せ。
馬載虎鬼格:乃虎鬼作日之驛馬是也,凶禍尤速。占訟必得罪於遠方極妙。如戊辰日夜將,得寅加未作末傳,乃鬼乘白虎,又是驛馬。又戊辰日寅加酉夜,又戊辰日寅加亥夜,戊子日寅加未夜,甲寅日申加午晝,甲寅日伏吟晝,甲寅日申加戌晝,甲午日申加午晝。甲戌、戊申二日雖有,因虎鬼空亡,不足論也。
「馬載虎鬼格」——即ち虎鬼が同時に又た本日の驛馬を充つるにして、凶禍の來ること格外に速し。官司を占えば則ち必ず遠方に發落して罪を獲るを要す。この一格は応験極めて妙なり。たとえば戊辰日に夜将を用いて、寅が未に加わりて末伝を作すを得。寅木は既に戊土の官鬼にして、又た白虎に乗り、而且正に本日の驛馬なり。またたとえば戊辰日に夜占して寅を以て酉に加え寅を以て亥に加え、戊子日に夜占して寅を以て未に加え、甲寅日に昼占して申を以て午に加え、甲寅日に昼占するの伏吟課、甲寅日に昼占して申を以て戌に加え、甲午日に昼占して申を以て午に加うるは、皆この一格に属す。甲戌・戊申の両日に至っては雖も亦たこの種の課有るれど、但し虎鬼は空亡に落ちて、便ち論ずるを須とせず。
龍加生氣吉遲遲第九二
謂青龍乘生干之神,又作月內之生氣者,雖目下未足崢嶸,卻徐徐而發福也。此例喻君子欲施惠於人,未嘗啟齒,緩而作吉,尤奈歲寒爾。如六丙日,寅加巳夜將乘青龍,三月占尤的。六丁日干上寅夜將,三月占,內丙午、丁未日空亡不中用。六戊日干上申晝將乘青龍,九月占,內戊寅日申空。六己日干上巳晝將,六月占,內己亥日巳空。餘干無例。
この一条の説く所は、青龍が日干を生ずるあの神に乗りて、而もあの神が又た恰も当月の生氣なるに在り。眼下は雖も還た頭角を顯出せざれども、卻って會して慢慢として福を發起し來らん。これは譬うれば君子が恩惠を人に施さんと想うて、嘴上に從來先に説き出さざるがごとし。來ること雖も緩なれど卻って終歸して是れ吉なり。只是要して一段の歳寒に耐得住すのみ。生氣は月に按じて順推す。正月は子に在り、逐月に下に往く。三月は正に寅に在り、六月は正に巳に在り、九月は正に申に在り。たとえば六つの丙日に、夜将を用いて寅を以て巳に加えて而も寅の上に青龍に乗る。三月に占えばことに応験す。六つの丁日に日干の上に寅に乗りて夜将を用うるは、三月に占うも亦た好し。但しその中の丙午・丁未の両日は寅の空亡に落つるに因りて、就中用い上ぐる能わざるなり。六つの戊日に日干の上に申に乗りて昼将を用いて而も申の上に青龍に乗るは、九月に占うを佳と為す。その中の戊寅日の申は空に落つ。六つの己日に日干の上に巳に乗りて昼将を用うるは、六月に占うを佳と為す。その中の己亥日の巳は空に落つ。残りの天干はこの一例なし。
妄用三伝災福異第九三
時人起三傳尚有錯誤,想災福應無的驗也。且問三傳錯誤者何?辛酉日干上亥,既是辛日,豈可便以亥加戌為初傳乎。又如乙酉日亥加辰,既是乙日,豈可便以亥加辰為初傳乎。乙巳日干上卯,既是乙日,豈可便以卯加辰為初傳乎。戊寅日第四課申加巳有克。
如今の人は三伝をも起こすに錯有るを連ね、然らば即ち災と福との応験は自然として準を談じ上ぐる能わざるなり。要して問う三伝は怎麼會して錯を起こすや。譬如辛酉日に日干の上に亥に乗る。既然是れ辛日なれば、辛の寄宮は戌に在るに、怎麼能く便ち亥が戌に加わるを當に初伝と作さんや。またたとえば乙酉日に亥が辰に加わる。既然是れ乙日なれば、乙の寄宮は辰に在るに、怎麼能く便ち亥が辰に加わるを當に初伝と作さんや。乙巳日に日干の上に卯に乗る。既に是れ乙日なれば、怎麼能く便ち卯が辰に加わるを當に初伝と作さんや。還た戊寅日有りて、四課の中の第四課は申が巳に加わる。あそこは本來便ち相克有り。取用する時は當にそれを漏掉すべからざるなり。
又如甲辰日干上戌,時人皆以戌加寅涉害為用,三傳戌午寅皆作脫氣,凡占謀用無成,有憂皆散,殊不知乃擇此為用,非涉害也,何故?緣甲木與子水比和,戌土長甲木而不比,乃子申辰作三傳皆來生日,凡占欲成合而不利解釋災禍,但凶吉二事皆成也。後學何得以知之。
またたとえば甲辰日に日干の上に戌に乗る。如今の人は皆戌が寅に加わるを拿りて「渉害」の法に按じて取用し、戌・午・寅の三伝を排出す。全是甲木の氣を泄する脱神なり。ここにおいて斷じて凡そ謀る所有れば皆成らず、憂愁有れば皆消散し得ると作す。殊不知這裏は當に揀擇の辦法を用いて取用すべくして、並び渉害に非ず。甚麽の為にや。甲木と子水とは氣類相親しければ、戌土は甲木に對しては卻って一路に非ざればなり。この取法に照らせば、三伝は當に子・申・辰なるべくして、皆來て日干を生扶す。このようになれば、凡そ占うに反って促成せんと想う事は能く成り、而も災禍を解散するに利あらず——吉事・凶事の両樣皆弁じ成るを得べし。後學の人は何處でこの一層の道理を曉得せんや。
又甲戌日干上辰乃子加戌為用,非辰加寅用也。又戊辰、戊戌日返吟,丙子、戊辰日干上子,內戊子一日干上寅,庚辰、丁亥二日干上卯,壬戌、甲申日干上辰,庚子日干上午,乙卯日干上申,又乙卯日干上寅,庚寅日干上午,甲申日干上戌,各有其說也。
またたとえば甲戌日に日干の上に辰に乗る。取用は當に子が戌に加わるなるべくして、並び辰が寅に加わるに非ず。このほかたとえば戊辰・戊戌の両日の返吟課、丙子・戊辰日に日干の上に子に乗る、その中の戊子のこの一日に日干の上に寅に乗る、庚辰・丁亥の両日に日干の上に卯に乗る、壬戌・甲申日に日干の上に辰に乗る、庚子日に日干の上に午に乗る、乙卯日に日干の上に申に乗る又た日干の上に寅に乗る有る、庚寅日に日干の上に午に乗る、甲申日に日干の上に戌に乗る——これらの課の取用は各々その講究有りて、皆一概に常法に按じて往きて三伝を起こす能わざるなり。
喜懼空亡乃妙機第九四
強敵宜落空亡。凡空亡有要見,有不要見者,後學不辨,一例而言之,誠為可嘆。蓋天盤作空亡者,謂之遊行空亡,其吉凶有七八分,如地盤作空亡者,謂之落底空亡,其吉凶有十分。此不可不知者也。且夫要空亡者,乃克、盜、墓神,及神遙剋日,以上皆要空亡。惟生我者及救神並天德、生氣、財官及日遙克神,並不宜空亡,皆返為凶兆,尤有遇不遇者,共列五等於後。
兵占に譬を取りて説く。強敵は正に當に空亡の裏頭に落ちるべし。空亡には必ず見るを須とする有りて、亦た見るべからざる有り。後學の人は分辨して清からず、一律に等同して看待す。實に歎くべし。元來天盤の上に落つる空亡は、「游行空亡」と呼作し、吉凶は只だ七八分に應ず。地盤の上に落つる空亡は、「落底空亡」と呼作し、吉凶は就中十分に應足るを要す——この一点は知らざるべからず。哪些の神が巴不得としてそれの空に落つるを望むに至っては、我を克する・我が氣を盜泄する・墓神、および天盤の神が遥かに日干を克する、これらは皆それの空なるを要す。唯有りて我を生ずるの神・解救の神、および天德・生氣・財神・官星、還た日干が遥かに克するの神は、皆空に落つるに宜しからず。一たび空に落ちれば反って凶兆を成す。その中に又た遇うと遇わざるとの分別有りて、下面に五等に分かちて一々に列出す。
見生不生格:甲乙日以亥為生,其亥水居申上,他自戀生,不來生我。或是亥水居於辰戌丑未之上,為土所制,縱日辰行年上見之,亦不能生我。至於亥入空亡則大凶。如生我者空亡,占父母上人病,主不救,占干上位亦是徒然。略舉一全例,十二仿此,各令占之,亦如上說。
「見生不生格」——甲・乙日は亥水を以て我を生ずるの神と為す。若くこの亥水が申の上に坐せば、申は正に水の長生にして、それ自己が長生の地を貪戀して、便ち肯んじて過來して我を生ぜず。若く亥水が辰・戌・丑・未の土の上に坐せば、土に制せられて、たとい日干・日支・行年の上にそれを見るとも、亦た我を生ずる能わざるなり。亥が若く空亡に落ち進むに至っては、あれば即ち大凶なり。およそ我を生ずるの神が空に落つれば、父母・尊長の病を占えば救い回る能わざるを主とし、官位を謀求するを占うも亦た氣力を白費す。這裏は只だ略ば一個の完整の例子を擧ぐるのみ。残りの各干・各支はこれに照らして類推し、誰が來て占問するを論ぜず、道理は皆一樣なり。
見克不克格:如甲乙日以申酉為克,其金居巳午火上,他自受克,何暇克我。又申酉坐辰戌丑未上,他自戀生,亦不來克我。鬼陷空亡,亦不能為害。惟鬼作空亡加日辰、傳、年命上,無制伏者極凶,或失人口,或犯官司,費用百出。十干仿此。
「見克不克格」——たとえば甲・乙日は申酉の金を以て我を克するの鬼と為す。若くこの金が巳午の火の上に坐せば、それ自己は正に火の克に挨りて、何處で還た來て我を克するに顧及せんや。若く申酉が辰戌丑未の土の上に坐せば、土は能く金を生じて、それ自己がこの份の生扶を貪戀して、亦た來て我を克せざるなり。鬼が若く空亡に陷進せば、同じく人を害する能わざるなり。唯獨あの鬼が雖も空に落つるれど又た日干・日支・三伝・本命・行年の上に加臨して、而且甚麽の物もそれを制伏する能わざれば、あれば即ち極凶なり。或いは家中の人口を折損し、或いは官司に惹上して、花費は百出す。残りの十干は皆この道理に照らして往きて推せ。
見財無財格:如甲乙日以辰戌丑未為財,其財居寅卯上,不可取財也。或財作空亡,雖得,反有所費。財陷空亡亦不得,尤費財。如財居申酉脫氣之上,反有所費。十干仿此。戊辰日干上酉,壬午日干上未,壬寅日干上子,庚子日干上酉,丙午日干上午,己酉日干上申。
「見財無財格」——たとえば甲・乙日は辰戌丑未の土を以て財と為す。若くこの財が寅卯の木の上に坐せば、木が來て土を克し、財は便ち取り成す能わざるなり。財が若く天盤の空亡の裏に落ちれば、雖も手に到るれど、反って破費するを要す。財が若く地盤の空亡の裏に陷れば、あれば即ち根本として得る能わざるにして、破費すること更に厲害なり。若く財が申酉のこれらの氣を泄するの地の上に坐せば、同じく是れ有得にして有失有りて、反って錢を花するを要す。残りの十干はこれに照らして類推す。この一類に属する還た戊辰日に日干の上に酉に乗り、壬午日に日干の上に未に乗り、壬寅日に日干の上に子に乗り、庚子日に日干の上に酉に乗り、丙午日に日干の上に午に乗り、己酉日に日干の上に申に乗る有り。
見救不救格:如甲乙日,傳內先有申酉金,於日辰上見巳午火乃為救神,其巳午火居亥子上,或作空亡,或陷空亡,或在寅卯上,他自貪生,此不能為救也。如此反為災咎。如不見日鬼,其救神即盜神也。餘八干仿此。
「見救不救格」——たとえば甲・乙日に、三伝の裏に先ず申酉の金有りて來て我を克す。この時に日干・日支の上に巳午の火を見れば、火は能く金を克す。あれは便ち「救神」なり。然るにこの巳午の火が若く亥子の水の上に坐して水に澆熄せられるか、或いは自己が空に落ちて空亡の裏に陷るか、或いは寅卯の木の上に坐して只だ顧みて木の來てそれを生ずるを貪戀せば、あれば即ち救い成す能わざるにして、反って變じて一場の災咎と為る。反って説來せば、倘若課中に本來便ち日干の官鬼なからんには、あの所謂救神も亦不過我が氣を泄するの盜神のみ罷了す。残りの八個の天干はこれに照らして類推す。
見盜不盜格:如甲乙日見巳午火居亥子之鄉,或入空亡之內,皆是盜我之氣不得也,反變成吉。十干日同。今人不看如何,見生便言生,見財便說財,見鬼便言有鬼,有救便言救,至於所立之地,所行之方,不少為分別,惜哉。
「見盜不盜格」——たとえば甲・乙日に巳午の火を見るに、若くそれが亥子の水の地方に坐するか、或いは空亡の裏頭に落ち進めば、あれば即ち我が氣を盜み走る能わざるにして、反って凶を轉じて吉と為す。残りの十干は皆是一樣なり。如今の人は卻ってこれらを管せず。生神を見着れば便ち生と説き、財神を見着れば便ち財と説き、官鬼を見着れば便ち鬼有りと説き、救神を見着れば便ち救有りと説く。これらの神の各自の立つ所の地盤・行く所の方位に至っては、一点の分別も肯んじて做さざるなり——實に可惜なり。
德貴合局生身格,亦貴德臨身消除禍患格:如乙酉日干上申,晝占,雖三傳水局生日,緣天將晝夜皆貴勾常土神,使水局不能生其乙木。如用夜貴,尚賴貴臨本身,猶能勉強倚貴而求生計。
「德貴合局生身格」、亦た「貴德臨身消除禍患格」と呼ぶ——たとえば乙酉日に日干の上に申に乗りて白天に占えば、雖も三伝は會して水局を成して來て乙木の日干を生ずるれど、无奈乗る所の天将は昼夜を論ぜず皆是貴人・勾陳・太常のこの三位の土神にして、土が來て水を克し、水局をして乙木を生成せしめ得ざらしむ。若く改めて夜間の貴人を用いて起課せば、還た貴人の本身の上に臨むを仗るを得て、勉强として貴人に倚靠して往きて一条の生路を謀るを得べし。
長上災凶格:乃長生空亡之例。戊寅日申為長生作空亡,庚子日巳為長生作空亡,壬午日申為長生作空亡,甲子日亥為長生作空亡,丙午日寅為長生作空亡。月內生氣亦忌空亡。喜懼格:一則以喜,一則以懼之例,謂干上長生,三傳皆鬼。
「長上災凶格」——講ずる所は長生の空亡に落つるの例子なり。戊寅日は申を以て長生と為すれど、偏偏として申は空亡に落つ。庚子日は巳を以て長生と為すれど、巳は空亡に落つ。壬午日は申を以て長生と為すれど、申は空亡に落つ。甲子日は亥を以て長生と為すれど、亥は空亡に落つ。丙午日は寅を以て長生と為すれど、寅は空亡に落つ——この几日の空亡は皆恰好として本日の長生の上に壓す。当月の生氣も同じく空亡に落つるを忌む。「喜懼格」——一辺は喜ぶべく一辺は懼るべきの例子は、日干の上に長生に乗るを指して、而も三伝は卻って統統として官鬼なり——頭上は生扶を得て、腳下は克伐を受く。故に又た喜び又た怕る。
六爻現卦防其克第九五
財爻現卦,必憂父母。歌云:“三傳俱作日之財,得此須憂長上災,年命日辰乘干鬼,爭知此類不為乖”。如辛未日干上午,三傳卯亥未木局,三傳皆作日之財,雖憂父母,賴干上先有午火生其父母爻,竊其財爻,此名傳財化鬼。人但知言父母等類,而不知言傳財化鬼,如欲占財,則有災禍耳。
財爻が課中に顯現すれば、必ず要して父母を憂慮す。歌訣に説く、三伝が統統として本日の財を充てば、この種の課を得て便ち當に尊長の災有らんを擔心すべしと。若く本命・行年と日干・日支の上に又た日干の官鬼に乗れば、怎で知らんこの一類は反って違逆と算ふべからざるを。譬如辛未日に日干の上に午に乗り、三伝は卯・亥・未で會して木局を成す。木は辛金の財にして、三伝は全て財爻を成す。本當に父母を憂慮すべし。幸にして日干の上に先ず午火有りて、火は既に能く父母爻(土)を生じ、又た能く財爻を耗去す(木は火を生じて木を泄す)。これを即ち「伝財化鬼」と呼ぶ。世人は只だ父母の一類の応験を説くを知るれど、卻って伝財化鬼のこの一層を講ずるを懂せず。若し是れ求財を占わんと想わば、あれば反って災禍を出さんと要す。
餘日辰年命上無官鬼爻者,乃可言父母災也,亦必支干年命上先有父母爻,後被傳財克者,始可言父母長上災。如無父母爻,則亦不言此例。如丁丑日干上先見卯為父母爻,豈應三傳金局之財來傷卯木,此方可言長上災。或求財而妨生計,或被惡妻逆其翁姑,此二事尤的。又有己丑日干上午,庚辰日干上未,丁酉日干上卯,戊戌日干上午,皆如前說。必待財旺月乃憂長上,其財休囚,卻為財也。外有乙亥日,欲賴支上申生父母爻而竊其財爻,殊不知申空亡,仍主父母之災。
残りの日子は、唯だ日干・日支・本命・行年の上に皆官鬼爻を見ざる有りて、才だ父母の災有りと説くべし。而且必ず干支・年命の上に先ず父母爻有りて、隨後に三伝の財爻に克せられて、才だ父母・尊長の災を談じ上ぐべし。若く課中に根本として父母爻なければ、この一例は亦た便ち説くを須とせず。譬如丁丑日に日干の上に先ず卯木を見て父母爻を作すれど、偏偏として三伝は會して金局を成すの財が來てこの卯木を傷す。これは才だ尊長の災有りと斷作すべし。應験し起これば、或いは求財せんがために反って生計を妨礙し、或いは凶悍の妻子に公婆を忤逆せらる。この両樁はことに準なり。還た己丑日に日干の上に午に乗り、庚辰日に日干の上に未に乗り、丁酉日に日干の上に卯に乗り、戊戌日に日干の上に午に乗る有りて、皆上面の説法に照らして看よ。不過必ず財の旺なる月を待たば才だ尊長を憂うべし。若くあの財が正に當に休囚・無力なれば、就中仍舊として當に財として以て断ずべし。別に乙亥日有りて、本想として日支の上の申金を靠りて往きて父母爻を生じ、順帶して財爻を耗掉せんとするも、殊不知申は空亡に落つ。結果は仍舊として父母の災有るを主とす。
父母爻現卦,必憂子息。歌云:“父母現卦子孫憂,日辰年命細參求,同類比肩居在上,兒男昌盛不為仇”。如戊寅日干上丑,三傳戌午寅火局,皆作父母爻,雖憂子息,賴干上先有丑土生其子息,竊其父母。
父母爻が課中に顯現すれば、必ず要して子女を憂慮す。歌訣に説く、父母が卦に現ずれば、子孫は便ち當に發愁すべしと。要して日干・日支と本命・行年の上に細細として參詳すべし。若く同類の比肩の神が上頭に落つれば、兒郎は反って昌盛して、仇害と算ふべからず。譬如戊寅日に日干の上に丑に乗り、三伝は戌・午・寅で會して火局を成す。火は來て戊土を生じて、全て父母爻を成す。本當に子女を憂慮すべし。幸にして日干の上に先ず丑土有りて、丑は戊の同類にして、既に能く子息爻(金)を生じ、又た父母の火を耗去す(火は土を生じて火を泄す)。子女は便ち妨げなし。
若子息爻現卦,必憂官事。歌云:“子息見時官事無,古法流傳實不虛,豈知四處財爻現,官遷訟罪病難蘇”。己巳日干上亥,三傳酉丑巳金局皆作子息爻,雖憂官職,緣干上先有亥水生其官鬼,竊其子息爻,餘如前說。官訟則忌。
若く子息爻が課中に顯現すれば、必ず要して官職の事を憂慮す。歌訣に説く、子孫爻を見れば、官司は便ち無しと。これは古法の流傳して來るにして、確實に虚ならず。哪知道四處に又た財爻を現出せば、あれば官職は遷動するを要し、訟事は罪を判するを要し、病も亦た好し難し。譬如己巳日に日干の上に亥に乗り、三伝は酉・丑・巳で會して金局を成す。金は己土の生ずる所にして、全て子息爻を成す。本當に官職を憂慮すべし。好在として日干の上に先ず亥水有りて、水は能く官鬼(木)を生じ、又た子息の金を耗去す(金は水を生じて金を泄す)。残りは前面の説法に照らせ。不過官司・訴訟を占う時は、こようして反って忌むべし。
官鬼爻現卦,憂己身及兄弟。歌云:“官星鬼賊作三傳,本身兄弟不宜占,父母之爻如透出,己身昆仲總安然”。如乙丑日干上子,三傳巳丑酉金局皆鬼爻,雖憂己身及兄弟,奈干上先有子水生其己身兄弟,竊其官鬼爻也。餘仿此。
官鬼爻が課中に顯現すれば、要して自身と兄弟とを憂慮すべし。歌訣に説く、官星・鬼賊が三伝を占滿すれば、自身と兄弟とは便ち占問するに宜しからずと。若く父母爻の能く透出するを得れば、自己と手足とは反って總歸して平安なり。譬如乙丑日に日干の上に子に乗り、三伝は巳・丑・酉で會して金局を成す。金は來て乙木を克して、全是官鬼爻なり。本當に自身と兄弟とを憂慮すべし。好在として日干の上に先ず子水有りて、水は既に乙木の本身と同類の兄弟とを生じ、又た能く官鬼の金を耗掉す(金は水を生じて金を泄す)。残りはこれに照らして類推せ。
同類現卦,必憂妻及去財。歌云:“干支同類在傳中,錢財耗散及妻凶,支干上神乘子息,妻宮無恙反財豐”。如丙寅日干上丑,三傳戌午寅皆是日之同類,雖憂妻位及損耗錢財,奈干上先有丑土生其財爻,竊其比肩。餘仿此。
同類(兄弟・比肩)が課中に顯現すれば、必ず要して妻子と破財とを憂慮す。歌訣に説く、日干・日支の同類が三伝に佈滿すれば、錢財は就中耗散して妻子も亦た凶険有らんと。若く日支・日干の上に乗る所が子息爻なれば、あれば妻宮は平安・無恙にして、錢財は反って豊足なり。譬如丙寅日に日干の上に丑に乗り、三伝の戌・午・寅は本日に就て來説すれば皆同類の一黨と算す。本當に妻位と錢財の損耗とを憂慮すべし。好在として日干の上に先ず丑土有りて、土は丙火の生ずる所の子息にして、既に能く財爻(金)を生じ、又た比肩の火を耗掉す(火は土を生じて火を泄す)。残りはこれに照らして類推せ。
六爻相生而成類,乃三傳生起干上之爻象者。傳財化鬼者,如辛未日干上午,三傳卯亥未生起干上之午鬼。傳鬼化父母者,如乙巳日干上子,三傳酉巳丑生起干上之子水父母爻。傳父母化兄弟,如戊午日干上丑,三傳戌午寅生起干上之丑兄弟爻。傳兄弟化子息,如丁亥日昴星,干上戌,三傳午戌寅,生起干上之戌土為子息,乃不言墓。
六爻の彼此相生して結んで一類を成すとは、三伝が往きて日干の上のあの爻象を生起するを指す。所謂「伝財化鬼」は、たとえば辛未日に日干の上に午に乗り、三伝の卯・亥・未は本是財にして、卻って反って往きて日干の上の午火の官鬼を生起す。所謂「伝鬼化父母」は、たとえば乙巳日に日干の上に子に乗り、三伝の酉・巳・丑は本是官鬼にして、卻って往きて日干の上の子水の父母爻を生起す。所謂「伝父母化兄弟」は、たとえば戊午日に日干の上に丑に乗り、三伝の戌・午・寅は本是父母にして、往きて日干の上の丑土の兄弟爻を生起す。所謂「伝兄弟化子息」は、たとえば丁亥日の昴星課に、日干の上に戌に乗り、三伝の午・戌・寅は本是兄弟にして、往きて日干の上の戌土を生起して子息を作す——この時は便ち再びあの戌を當に墓として以て説かざるなり。
傳子息化財爻,如甲寅日干上戌,三傳戌午寅生起干上之戌土為財。以上如或占病,或父母、兄弟、子孫、妻妾、己身有病,如逐類現卦,雖曰不吉,其各類加干,令得地反不為凶。如位死絕又坐克方,死而無疑。
所謂「伝子息化財爻」は、たとえば甲寅日に日干の上に戌に乗り、三伝の戌・午・寅の裏の午火は甲木の子息にして、往きて日干の上の戌土を生起して財と為る。以上のこれらは、若し是れ病を占わば——父母・兄弟・子孫・妻妾或いは自身の病有るを論ぜず——只だ各自の類神が課中に顯現すれば、雖も説く吉と算ふべからざるとも、但しあの一類の神が若く日干に加臨して而又た地を占い得れば、反って凶と算せざるなり。倘若それが死・絶の位に落ち、底下に又たそれを克する方位を坐せば、あれば即ち死すること定まりて疑いなし。
三傳內現類而傳自墓克者例,皆是午丑申作三傳者。如乙亥、乙酉、乙未、乙巳、乙卯五日,並午加亥為用,如有官人占之,不可得官,如常人占之,反宜急難除禍,緣末傳之申金為官鬼,被初傳午火所克,又被中傳丑來墓申,兼末之申金自坐於丑墓之上,其申金全無氣象。又如丙辰、丁亥二日,亦是午丑申為三傳,乃申金財全無氣象,亦緣初被克,中被墓也。己亥日長生無氣,庚辰日德祿無氣。辛亥日兄弟爻無氣。六壬日長生無氣。以上皆是午丑申為三傳者。
三伝の内に類神を現出して、而も三伝の自身が又たそれを墓住し克住するの例子は、皆是午・丑・申が三伝を作すなり。譬如乙亥・乙酉・乙未・乙巳・乙卯の五日は、皆午を以て亥に加えて発用と為す。若し是れ官職有る人の來て占わば、官職は求め成る能わざるなり。若し是れ平常の人の來て占わば、反って急難の中に在りて禍患を除去するに宜し。これは因るに末伝の申金は本是乙木の官鬼にして、卻って先ず初伝の午火に克され、又た中伝の丑土に墓住せられ、加上して末伝の申金が自己還た丑のこの墓の上に坐すれば、あの申金は便ち一点の氣象も無くなれり。またたとえば丙辰・丁亥の両日も、亦た午・丑・申が三伝を作す。あの申金は火日の財にして、同じく一点の氣象も無く、一樣に是れ初伝がそれを克し中伝がそれを墓すればなり。己亥日は則ち長生の氣を沒し、庚辰日は德禄の氣を沒し、辛亥日は兄弟爻の氣を沒し、六つの壬日は長生の氣を沒す——以上皆午・丑・申が三伝を作すの例子に属す。
支干同類格:難求財,緣支干各相爭奪,惟有十二日,甲寅、乙卯、庚申、辛酉、丙午、丁巳、壬子、癸亥、己丑、己未、戊辰、戊戌。白蟻食尸格:壬癸日申坐丑上,夜將上乘白虎,此乃父母爻乘白虎坐墓,必父母墓中生白蟻,或興禍端。如父母在,主病災。更作月內死氣、死神,占父母病必死。又六戊日午加戌,晝將上乘白虎。六己日巳坐戌旦將,上乘白虎,皆如前說。餘干逐類而推之。
「支干同類格」——この一格は財を求むること難し。日支と日干とが五行相同にして、両辺が同じ一份の財を爭奪すればなり。この格に属するはただ十二日のみ有り。甲寅・乙卯・庚申・辛酉・丙午・丁巳・壬子・癸亥・己丑・己未・戊辰・戊戌なり。「白蟻食尸格」——壬・癸日に申金が丑の上に坐し、夜将を用いて而も申の上に白虎に乗る。申金は水日の父母爻にして、今父母爻が白虎に乗りて又た墓庫の裏に坐進す(金の墓は丑に在り)。必ず父母の墳塋の裏に白蟻を生じたるか、或いはこれに因りて禍端を惹出すを主とす。若く父母が還た在世なれば、則ち病災を主とす。倘若あの申が又た兼ねて当月の死氣・死神を當てば、父母の病を占えば必ず死す。またたとえば六つの戊日に午を以て戌に加えて昼将を用いて而も午の上に白虎に乗り、六つの己日に巳が戌の上に坐して晨将を用いて而も巳の上に白虎に乗る(火の墓は戌に在り)は、皆上面の説法に照らして看よ。残りの天干は各々自己の類神に按じて往きて推せ。
懶去取財格:六甲日干上寅或卯,縱傳內見財爻,如求財,必心多退悔,懶去取財,恐爭奪也。餘日逐類看所乘何神而言其事類。德喪祿絕格:陽日返吟,陰日四絕體。
「懶去取財格」——六つの甲日に日干の上に寅に乗るか或いは卯に乗れば、たとい三伝の裏に財爻を見るとも、真に往きて財を求める時に、心裏も亦た必定に多く退縮・懊悔して、懶として身を動かして往きて取らざるなり——寅卯は正に甲木の同類の兄弟にして、人と爭奪し起こるを怕ればなり。残りの日子は、各々日干の上に乗る所が甚麽の神なるかに按じて、往きてそれに相應するの事類を説け。「德喪禄絶格」——陽日の返吟課は即ち是にして、陰日は則ち四絶の体なり。
旬内空亡逐類推第九六
財空軍儲乏,鬼空敵人遁,救空謀策拙,比空贊佐慵,生空防失惠。甲子旬戌亥空亡。甲子、乙丑日妻財及父母空;丙寅、丁卯日墓貴及官鬼空;戊辰、己巳日兄弟及妻財空;庚午、辛未日父母及子息空;壬申、癸酉日官鬼及兄弟空。又壬日德祿皆空。以上縱戌亥在六處亦不可用。
兵占に譬を取りて説く。財が空に落ちれば、軍中の儲備は便ち匱乏す。鬼が空に落ちれば、敵人は便ち自行に遁走す。救神が空に落ちれば、謀略は便ち拙劣なり。比肩が空に落ちれば、輔佐の人は便ち怠惰なり。生氣が空に落ちれば、就中恩惠を失掉するを隄防するを要す。甲子のこの一旬の中に戌・亥は空亡と為す。甲子・乙丑日は妻財と父母とが空に落つ。丙寅・丁卯日は墓神・貴人と官鬼とが空に落つ。戊辰・己巳日は兄弟と妻財とが空に落つ。庚午・辛未日は父母と子息とが空に落つ。壬申・癸酉日は官鬼と兄弟とが空に落つ。このほか壬日の德神・禄神も亦た一斉に空に落つ。以上のこれらは、たとい戌亥が日干・日支・三伝・本命・行年のこの六處の内に落つるとも、一樣に取用する能わざるなり。
甲戌旬申酉空亡。甲戌、乙亥日官鬼空;丙子、丁丑日妻財空;戊寅、己卯日子息空;庚辰日德祿空,辛巳日兄弟己身空;壬午癸未日父母空。以上縱申酉在三傳、年命、日辰上亦不可用。甲申旬午未空亡。甲申、乙酉日子息、墓、妻財空;丙戌、丁亥日兄弟、子息空;戊子、己丑日父母、兄弟空,內己日祿空;庚寅、辛卯日官鬼、父母空,辛日旦貴空;壬辰、癸巳日妻財、官鬼空,內甲戊庚三日夜貴空。
甲戌のこの一旬の中に申・酉は空亡と為す。甲戌・乙亥日は官鬼が空に落つ。丙子・丁丑日は妻財が空に落つ。戊寅・己卯日は子息が空に落つ。庚辰日は德神・禄神が空に落つ。辛巳日は兄弟と自身とが空に落つ。壬午・癸未日は父母が空に落つ。以上のこれらは、たとい申酉が三伝・本命・行年・日干・日支の上に落つるとも、一樣に取用する能わざるなり。甲申のこの一旬の中に午・未は空亡と為す。甲申・乙酉日は子息・墓神と妻財とが空に落つ。丙戌・丁亥日は兄弟と子息とが空に落つ。戊子・己丑日は父母と兄弟とが空に落ち、その中の己日の禄神も亦た空に落つ。庚寅・辛卯日は官鬼と父母とが空に落ち、辛日の白昼の貴人も亦た空に落つ。壬辰・癸巳日は妻財と官鬼とが空に落ち、その中の甲・戊・庚の三日の夜間の貴人は空に落つ。
甲午旬辰巳空亡。甲午、乙未日妻財、子息空;丙申、丁酉日子息、兄弟空;戊戌、己亥日兄弟、父母空;庚子、辛丑日父母、官鬼空及長生空,辛日官德空;壬寅、癸卯日墓及官鬼、妻財空,並晝貴尤不得力,內丙戌日德祿空。甲辰旬寅卯空亡。甲辰、乙巳日兄弟、己身並祿空,甲日德空;丙午、丁未日父母空;戊申己酉日官鬼空,內己日德空;庚戌、辛亥日妻財空,內辛日夜貴空;壬子、癸丑日子息空,止宜脫禍。
甲午のこの一旬の中に辰・巳は空亡と為す。甲午・乙未日は妻財と子息とが空に落つ。丙申・丁酉日は子息と兄弟とが空に落つ。戊戌・己亥日は兄弟と父母とが空に落つ。庚子・辛丑日は父母・官鬼が長生を連ねて一斉に空に落ち、辛日の官星と德神とも亦た空に落つ。壬寅・癸卯日は墓神・官鬼と妻財とが空に落ち、白昼の貴人も亦た格外に力を使い上ぐる能わず。その中の丙戌日の德神・禄神は空に落つ。甲辰のこの一旬の中に寅・卯は空亡と為す。甲辰・乙巳日は兄弟と自身とが禄神を連ねて空に落ち、甲日の德神も亦た空に落つ。丙午・丁未日は父母が空に落つ。戊申・己酉日は官鬼が空に落ち、その中の己日の德神は空に落つ。庚戌・辛亥日は妻財が空に落ち、その中の辛日の夜間の貴人は空に落つ。壬子・癸丑日は子息が空に落ち、このようの課は就中只だ禍災を脱去するに用うるにのみ宜し。
甲寅旬子丑空亡。甲寅、乙卯日父母、妻財空;丙辰、丁巳日官鬼、子息空;戊午、己未日妻財、兄弟空;庚申、辛酉日子息及父母或墓空;壬戌、癸亥日兄弟、官鬼空;甲戊庚乙己五日旦貴空。十惡大敗日乃無祿之日也。蓋甲辰、乙巳、壬申、丙申、丁亥、庚辰、戊戌、癸亥、辛巳、己丑,此十日內祿神空亡,故為無祿之日。
甲寅のこの一旬の中に子・丑は空亡と為す。甲寅・乙卯日は父母と妻財とが空に落つ。丙辰・丁巳日は官鬼と子息とが空に落つ。戊午・己未日は妻財と兄弟とが空に落つ。庚申・辛酉日は子息と父母、或いは説く所は墓神が空に落つ。壬戌・癸亥日は兄弟と官鬼とが空に落つ。甲・戊・庚・乙・己の五日の清晨の貴人も亦た空に落つ。所謂「十惡大敗日」とは、即ち禄無きの日なり。甲辰・乙巳・壬申・丙申・丁亥・庚辰・戊戌・癸亥・辛巳・己丑のこの十個の日子は、本日の禄神が皆恰好として空亡の裏に落つ。故に之を呼びて禄無きの日と為す。
所筮不入仍憑類第九七
如占失脫,雖元武並脫氣、日鬼不在六處,亦宜用此類而言其方所、色目也。餘所占萬類皆如其法。
譬如失竊・走失を占うに、たとい盗を主とする元武・我が氣を泄する脱神および本日の官鬼が皆日干・日支・三伝・本命・行年のこの六處の内に落ちざるとも、亦た仍舊として要してこの幾種の類神を拿りて往きて推説して賊人の所在する方位・失物の色樣・名目を——占う所の事は課の裏に落ち進まざれば、就中類神に憑りて來て説く。残りの各類の占問も、亦た皆この辦法に照らして處理す。
非占現類勿言之第九八
凡行師之日,以干為三軍,支為營壘。如前賢有諸秘法,用之極靈。且如白虎臨寅在支上發用者,必宅中有棟折榱崩之驚,斯法極驗。設有占課君子問求財事,卜得此課,切不可言其樑棟摧折大抵與求財異。如此條貫犯之極多,時人不可不為自警。舉此一法,其餘可知。
兵占に譬を取りて説く。およそ兵を出すの日は、日干を以て三軍を代表し、日支を以て營壘を代表す。前輩の留下する各種の秘法は、用い起これば極めて靈験なり。譬如白虎が寅の上に臨みて、又た日支に落ちて発用するは、家中に必ず棟梁の折斷し椽子の崩塌するの驚恐有らん。この一法は極めて準なり。然るに假如來て課を占う君子有りて問う所が求財の事にして、恰好としてこの一課を卜得せば、就中切に梁棟の摧折するの話頭を説き出すべからず——あれは彼の問う所の求財と根本として両码事なり。この一類の毛病を犯す人は極めて多し。今人は引きて以て自警せざるべからず。この一法を擧出せば、残りのも亦た可想而知的なり。
常問不應逢吉象第九九
貴課利貴人不利小人,太平時雖有破敵之策而無所用之日。諸龍德、鑄印、高蓋乘軒、斫輪、官爵、富貴、三光、三奇、三陽之吉泰卦,但有官君子占之則為吉兆,或遷官轉職,或面君而奏事也。如常人占得上項吉卦,恐致災咎臨身,大難相壓,蓋常流百姓,既不事貴,兼以本身無官無祿,豈宜占得面君及見貴之卦乎。必因訟而名達朝廷,不然必到訟庭,面見太守而遭罪,占病必見陰司,如得遠干出外,可免病訟。
兵占に譬を取りて説く。貴人の課は貴人に利有りて小民に利あらず。即ち譬うれば太平の時節に雖も敵を破るの良策有るとも、卻って是れ用うる處無きの日子なり。およそ龍德・鑄印・高蓋乗軒・斫輪・官爵・富貴・三光・三奇・三陽のこの一類の吉泰の卦は、唯だ身に官職を居るる君子が占い到れば才だ吉兆と算す。或いは升遷・轉職し、或いは君王に面見して奏對するを得るを得。若し是れ平常の百姓が上述の吉卦を占い得れば、恐怕反って災咎の身に臨み大難の相壓するを招かん。尋常の百姓は既に權貴に侍奉せず、本身は又た官無く禄無し。何處で面君・見貴の課を占い得るに配得上せんや。あれは多くは訟事に因りて名聲が朝廷に傳到するが為にして、不然なれば即ち公堂に上りて、太守の面に當りて罪を獲るを要す。病を占えば則ち必ず陰司を見ん。この時に若く能く遠行・外出して往きて事を幹せば、倒れて病と訟とを避開し得べし。
已災凶逃返無疑第一百
凡值喪魂、魄化、天禍、天寇、伏殃、天獄、天網四張、天地二煩諸凶否卦,如已見病訟災迍,之後占得前項諸凶卦,其災卻可消除,不足為慮,如未見病訟之前占得此者,必病訟喪禍並至,更無疑也。至天罡之神臨身命、行年,靜者主動,動者主靜,如占訟入獄者,即出獄也,及問罪會犯與不犯,然後言之,其餘占凶者卻吉,占吉者卻凶。
およそ喪魂・魄化・天禍・天寇・伏殃・天獄・天網四張・天地二煩のこれらの凶否の卦に遇えば、如果病・訟・災難が已に發生し過ぎたれば、事後に再び上述の凶卦を占い得ても、あの災は反って消除し得べくして、憂慮するを須とせず。若く病・訟の未だ起こらざる之前にそれを占い得れば、あれば病・訟・喪・禍が一斉に來到して、絶として疑う可きなし。辰のこの天罡の神が本命・行年の上に臨むに至っては、本來静なるは就中動くを要し、本來動くは就中静なるを要す。譬如訟事を占いて而も人已に獄に下りたれば、反って立刻に獄を出るを主とす。還た須く先ず問清して犯する所の罪の究竟に犯したるや犯さざるやを、然る後に再び斷語を下せ。總じてこの一類の課は、凶事を占えば反って吉を得、吉事を占えば反って凶を得。
結絕格:六丙日干上亥,或常問必主病訟,如已見凶災,反宜結絕舊事,又作晝貴尤宜告貴人而結絕凶事。以凶制凶格:六癸日辰加丑,此乃墓神覆剋日,誠為凶也,如夜將又乘蛇尤凶,以末戌乘白虎沖辰,謂之破墓沖鬼,以凶制凶,凶即散而無咎也。又四癸日戌加丑晝將,亦賴末之蛇沖虎,辰沖戌,尤宜解憂。外無癸酉、癸亥日也。
「結絶格」——六つの丙日に日干の上に亥に乗る。若し是れ平常に事を問えば、必ず病と訟とを主とす。但如果凶災が已に發生し過ぎたれば、反ってこの一課を借りて往きて舊案を了結するに宜し。若く又た白昼の貴人を用いれば、ことに貴人に稟告して以て凶事を了斷するに宜し。「以凶制凶格」——六つの癸日に辰を以て丑に加う。辰は既に墓神にして、又た覆壓して上頭より來て日干を克す。本是實實在在の凶なり。若く夜将を用いて而も辰の上に又た螣蛇に乗れば、就更に凶なり。好在として末伝の戌の上に白虎に乗りて往きてあの辰を冲す。これを「破墓冲鬼」と呼ぶ——凶を拿りて往きて凶を制すれば、凶氣は反って散去して而も災咎なし。またたとえば四個の癸日に昼将を用いて戌を以て丑に加うるも、亦た全く末伝の螣蛇が往きて白虎を冲し辰が往きて戌を冲するに靠る。ことに憂愁を解開するに宜し。このほか癸酉・癸亥の両日は則ちこの種の課なし。
六壬大全卷十二終
《六壬大全》卷十二は此處に到りて結束す。全書も亦た就此にて終篇す。
