六壬经纬
太史馮夔揚先生鑑定 六壬経緯 京江鉄瓮子著
大六壬典籍
まず起課と三伝を発する機械的な流れを確実にしてから、課体と神煞に入る。起課を飛ばして断語だけ読んでも、書中の例を自分で再現できない。
太史馮夔揚先生鑑定 六壬経緯 京江鉄瓮子著
序
丹徒毛氏以數學名於鄉薦,紳士大夫咸欽其術。有毛生者,持《六壬經緯》來謁,請為序。其書六卷,曰演法,曰神煞,曰格局,曰斷占,曰類相,曰定式,條分縷析,皆其祖父所傳,秘不示人者。
丹徒県の毛氏は、「数学」――すなわち術数を推算する学――をもって本郷の薦挙士林に知られ、当地の士紳と読書して官をなす人で、その家のこの技芸を感服せぬ者はいなかった。毛家に一人の後生がいて、一部の《六壬経緯》を携えて私を訪ね、この書のために序を書いてほしいと請うた。この書は全六巻で、順に《演法》《神煞》《格局》《断占》《類相》《定式》と呼ばれ、条々に分かれ縷々に剖析して、説き方がきわめて条理整然としている。書中に載るものはすべて彼の祖父・父の二代に伝わった家学で、従来秘して人に示さなかったものである。
餘儒家也,儒者言數始《河圖》、《洛書》,大《易》之卦象、《尚書》之《洪範》並言數,而理即寓焉。《春秋左氏傳》所載龜筮之占,其理頗微妙,非有所授受,不得其解。漢以後,各自為家,如九流一十一家,傳其術者,各有師授,莫得而○考。
私は儒書を読んで身を立てた者である。儒家の「数」について言えば、その源は《河図》《洛書》にある。《周易》の卦象、《尚書・洪範》のいう九疇も、いずれも同時に「数」を講じており、天地の「理」はこれらの数の中に寄寓している。《春秋左氏伝》に記された亀卜と蓍筮の占は、道理がかなり精微で、師門の親授がなければ他人はとても読み解けない。漢代以降、術数はそれぞれ門戸を立て、諸子九流のように十一家に分かれ、その術を伝習する者はそれぞれ師承があり、他人はもはや査考のしようがなかった(底本はここに一字を欠く。「○」をもって代え、臆に補うことを敢えてしない)。
近世所傳,獨六壬占多奇中,考前代如《常陽經》、《金鑾密記》,亦有所授受。大都自隱其名,弗令人通曉,術家務秘其傳,以矜奇闢云爾。丹徒毛氏擅是術三世矣,毛生欲以是書傳諸人,其意蓋以數者天地自然之理,趨吉避凶亦儒家之道所宜通曉。毛生其不囿於術者歟!生祖一駒、父翥並以術名,生名志道,號鐵甕子,世居丹徒千秋橋畔雲。
近世に伝わる各種の占法の中で、「六壬」だけが占断にもっとも奇験が多い。前代の《常陽経》《金鑾密記》の類の壬書を考查しても、いずれもそれぞれ師承の来歴があるが、ただ作者は多く姓名を隠し、人に読み解かせようとしない――術数の家がひたすら家伝を死守するのは、要するにそれをもって自らの奇異を衒うにすぎない。丹徒の毛家はこの術に精擅してすでに三代を経たが、この毛生は家伝の書を公開して世に伝えようとしている。その用意は、おそらく「数」はもともと天地自然の道理であり、吉に趨り凶を避けることも儒者が通暁すべき一途に属すると考えたのであろう。毛生はまことに術数そのものに局限されない人と言える。毛生の祖父は名を一駒、父は名を翥といい、いずれも術数で知名であった。毛生本人は名を志道、号は鉄瓮子、代々丹徒県千秋橋のほとりに住む。
雍正三年乙巳五月。賜進士出身、翰林院庶吉士、特授江南鎮江府丹徒縣知縣金溪馮詠拜譔。
雍正三年、歳次乙巳(一七二五年)の五月に書す。序を作る人:賜進士出身・翰林院庶吉士・特命により江南省鎮江府丹徒県知県に任じられた、江西金渓の人馮詠、恭謹に撰する。(「庶吉士」は新科の進士が翰林院に入り深造する職名、「特授」は皇帝の特命により任ぜられることで、常規の銓選によらない。)
自序
餘漢儒毛公諱萇裔也,自宋龍圖閣待制諱友公來任鎮江軍府,啟宇千秋橋畔,名曰歸與齋,宦跡居址兩載郡志,丹徒故里由此昉焉。溯友公及道,凡二十一世。
私は漢代の経学家毛萇の裔である。宋代に官が竜図閣待制に至り、諱を「友」といった先祖が鎮江軍府に任官して以来、千秋橋のほとりに宅第を建て「帰与斎」と題してから、彼の仕宦の事跡と居住の地の二つがともに鎮江の郡志に書き込まれ、毛家が丹徒を故里としたのはこの時からである。友公の代から下ってこの志道の代まで数えて、すでに二十一世になる。
先祖子千公幼習經史,兼精數學,隱茅山白雲觀中,與泰郵鐵山王公、吳門豈金公最契,二相國屢欲薦於朝,卒託疾弗起。吾父際生公敬承家學,為人卜休咎,其應如響。都統北平蔡公、總河長沙陳公知交尤其密,其隱逸事蹟載在郡志,彰彰可考。
私の祖父・子千公は、幼年より経書史籍を研習し、同時に術数の学に精通し、後に茅山の白雲観に隠居した。泰州・高郵一帯の鉄山王公、蘇州の豈金公との交情が最も深く、この二氏の宰輔に位する先生はたびたび彼を朝廷に挙薦しようとしたが、彼はついに病と托して出山しなかった。私の父・際生公は恭謹にこの家学を承け継ぎ、人のために吉凶禍福を占って、その応験は回音が声に応ずるように的中した。都統・北平の人蔡公、総理河道・長沙の人陳公との交往がとりわけ密であり、隠居して仕えなかった事跡はすべて郡志に載り、明瞭に査考できる。
餘於經史諸書未及肄業,惟專意六壬之法,嘗鑑群書,旁搜秘旨,見諸家簡內有演法而無定式,有格局而無神煞,有類相而無斷占,遂鍵戶潛心,錯綜經緯,條分縷析。一演法,以七例為衡;二定式,以七百二十局為法;三格局,以九十一款為度;四神煞,以四十四種為準;五類相,以綱領一十一門為規;六斷占,以一十三篇為則。
私は経書史籍に十分な功夫を積まず、心力を六壬の一法に専ら注いだ。諸家の壬書を遍覧し、四方に各派の伝えざる要旨を捜し求めたところ、前人の著作には、起課の「演法」だけを講じて既成の課式を列しないもの、「格局」だけを講じて「神煞」を講じないもの、「類相」(人事万物の取象帰類)だけを講じて「断占」(事に臨んで実断する)を講じないものがあった。そこで私は門を閉じて心を静め、この数方面を縦横に交織し彼此参照して、逐条剖析し、これを編んで本書六巻とした。第一巻《演法》は七条の通例をもって起課の法を衡定し、第二巻《定式》は七百二十種の課局を既成の式様に立てて比对に供し、第三巻《格局》は九十一款の格局を定めて尺度とし、第四巻《神煞》は四十四種の神煞を選定して準縄とし、第五巻《類相》は提綱挈領して十一門に帰併し、第六巻《断占》は十三篇を立てて事を断ずる法則とした。
後更詳歸凡例,衍釋精微,公諸同好。乙巳歲太史金溪馮公出宰吾邑,以數學試餘,餘出是書就正,公贈以序,更編入郡志,以垂示將來,不可謂非餘之知遇也。在昔大易始於伏羲,成於文書周孔,天下宗之。六壬始於黃帝,雖有成書,尚未明備,余竊不自揣,纂成是帙,以坊友之請授,之梓人刊以問世,庶使遠近流傳。趨避之道,不可與有志者共喻哉。至於盡洩其傳,質直無隱,《經緯》出而知我罪,惟聽之斯世斯人而已。志道謹序。
全書の後に、私はまた詳しく若干条の「例言」を帰納し、その精微なところを推衍解釈して、同好に公開した。乙巳の年、翰林出身の金渓人・馮公が我が丹徒県の県令として出任し、術数の学をもって私を考較したので、私はこの書を取り出してご指正を請うた。馮公は私に一篇の序を贈り、またこの書のことを郡志に編入して後人に遺した。これは私が知音に遇ったと言わざるを得ない。昔《周易》は伏羲の画卦に発端し、文王・周公・孔子の手で成書され、天下に宗主として奉られた。六壬の学は黄帝に発端したが、歴代に成書の流伝があっても、終始して十分明白完備には講じられなかった。私は力を量らず、この一冊の書を編み、また書坊の友人の請託に応じて、これを刻工に付して印行して世に出し、遠近に流伝せしめようとした。吉に趨り凶を避ける道理は、どうしてこれに志ある人とともに講明すべきでなかろうか。家伝を和盤托出し、直白に隠すことなきについては、《六壬経緯》が一出して、私を解するか怪しむかは、ただ当世の人の評説に聴くのみである。志道謹んで序す。
六壬経緯総目
卷之一 演法 卷之二 定式 卷之三 格局 卷之四 神煞 卷之五 類相 卷之六 斷占
全書六巻の次第は以下のとおり。巻之一《演法》は、起課推演の方法を講じる。巻之二《定式》は、各種の課式を既成の定局に排して人の比对に供する。巻之三《格局》は、課体と格局の名目・断法を講じる。巻之四《神煞》は、各類の神煞の取法と所主を講じる。巻之五《類相》は、人事万物の取象帰類を講じる。巻之六《断占》は、門類に分かちて実際の断事を講じる。
例言
一、演法傳述皆訛,學者難以遵守,謹更定七例,為初學之津樑。 二、傳課裝訛,占斷不驗,今立成七百二十局,使學者觀此瞭然,庶幾無惑。 三、格局推設多端,瑕瑜互見,爰增減別成九十一格,其講斷一一載之集中。
第一条:起課の「演法」は従来輾転伝述されて訛誤が多く、学ぶ者は遵循する所がなかったので、私はあらためて七条の通例を釐定し、初学者入門の橋梁とした。 第二条:「三伝」を排し「四課」を装うに当たり装い誤れば、占い出た断語は自ずと応験しない。今私は七百二十種の課局をすべて既成の式様に立てたので、学ぶ者は一見して明白となり、おそらく再び疑惑はないであろう。 第三条:前人が推設した格局は名目が繁多で、良いものも悪いものも混雑しているので、私は増もあり刪もあり、あらためて九十一格を定め、各格の講法と断法を一々この書中に収めた。
四、神煞異說紛紜,並無理據,謹刪定四十四種,增著解義,其無用者皆去之。 五、類相不能盡述,但諸家互相是非,今提綱挈領,只著十一門,覽者由此引申觸類。 六、斷法不可勝紀,然諸家秘旨未傳,謹著一十三篇,如規矩準繩以資幼學,至於變化通微,尤在識者神而明之。
第四条:「神煞」は従来各家の説が紛乱し、多くは道理の根拠を見出せなかった。私は謹んで刪定して四十四種とし、逐条に解義を増書し、およそ無用に属するものは一概に剔除した。 第五条:「類相」(人事万物の取象帰類)は一々に説き尽くせず、しかも諸家が互いに対錯を指摘し合う。今私は提綱挈領してただ十一門を立てた。読者はこの十一門から引申推広し、触類旁通すべきである。 第六条:事を断ずる法は多くて記し勝てないが、各家の伝えざる秘はかつて公開されなかった。私は謹んで十三篇に書き成し、たとえば木匠の規矩・縄墨のごとく、初学者に依循せしめる。事に臨んでの千変万化・通達入微に至っては、有識見の人が自ら心領神会することに俟つほかない。
六壬経緯巻之一 演法
目錄:干支 占時 月將 四課 三傳 本命 貴神。正文
本巻の目次は共に七題:干支・占時・月将・四課・三伝・本命・貴神。この七題は順に起課の全手続を説き明かす――まず干支を定めて主体とし、次に占時を定め、次に月将を定めて天盤を布し、次に天盤から四課を取り、四課から三伝を取り、別に本命を立てて当事者を代表させ、最後に十二天将(貴神)を盤に安じる。以下本巻の正文である。
演法・干支
干支 演六壬數,先以本日干支為主,而陰陽五行生剋由是推之。其陽干,甲丙戊庚壬;陽干,乙丁己辛癸。陽支,子寅辰午申戌;陰支,丑卯巳未酉亥。五行,甲乙寅卯屬木,丙丁巳午屬火,庚辛申酉屬金,壬癸亥子屬水,戊己辰戌丑未屬土。生克,水生木,木生火,火生土,土生金,金生水;水克火,火克金,金克木,木克土,土克水。凡占某事,以本日之干為人,本日之支為事。若占某人,則以本日之干為我,本日之支為人。此干支、陰陽、五行、生克之辨也。
「干支」:六壬の数を推演するに、まず占問当日の「日干」「日支」を主体としなければならない。陰陽と五行の相生相克はすべてこの一対の干支から推衍される。十干は陰陽に分かれる:甲・丙・戊・庚・壬は陽干、乙・丁・己・辛・癸は陰干(底本はここ第二の「陽干」を「陰干」とすべきところ、刻誤なり。今は原字を照録す)。十二支も陰陽に分かれる:子・寅・辰・午・申・戌は陽支、丑・卯・巳・未・酉・亥は陰支。五行に配すれば、甲・乙と寅・卯は木、丙・丁と巳・午は火、庚・辛と申・酉は金、壬・癸と亥・子は水、戊・己と辰・戌・丑・未は土に属す。相生の次序は水生木・木生火・火生土・土生金・金生水、相克の次序は水克火・火克金・金克木・木克土・土克水。およそ一事を占問するには当日の日干をもって「人」を代表し、日支をもって「事」を代表する。一人を占問するには日干をもって「我」(問事人自身)、日支をもって「相手のその人」を代表する。以上が干支・陰陽・五行・生克の幾重かの区別である。
演法・占時
占時 取時之法,用雷劈棗木,擇十一月壬子日子時制成小盒,圓廣五寸,上下相連,內周圍刻十二塘。用赤珊瑚為珠,從左旋轉,盒面周圍刻十二孔,觀珠所落之處。中雕太極圖,以離坎兩分子午,定其某某時。
「占時」は起課に用いるその時辰を取り定める手続である。本家に伝わる取時の方法は:雷に撃たれたことのある棗木を料に選び、十一月の壬子日の子時に着手して、一隻の小円盒を作る。盒の径は五寸、上下二層が扣合して相連なり、内層は円周に沿って十二個の凹槽(「塘」は凹坑の意)を刻み、十二支に分応させる。別に紅珊瑚を磨いて一顆の珠とし、盒中に置いて左より右へ旋転させ、盒面は円周に沿って十二の孔を鑽り対応させる。転じて停まった後、珠がどの孔に落ちたかを見て、その一位の地支を「占時」とする。盒面の正中には一幅の太極図を彫り、離・坎両卦の方位を借りて「子」「午」の両極を分け定め、十二位の座標として、これにより占うのが究竟どの時辰かを定める。(これは毛氏家伝の取時器具で、通行の壬法が直接に問事の時刻を占時とするのとは異なる。)
演法・月将
月將 正月亥,二月戌,三月酉,四月申,五月未,六月午,七月巳,八月辰,九月卯,十月寅,十一月丑,十二月子。月將既明,則以值月之將加臨,運定之時,餘將左轉,依此周流順布,至於更換值月之將,不可拘定月分,當按歷家中氣交節時刻換之。
「月将」は毎月太陽のある宮位で、月份と逆向きに相配する:正月は亥、二月は戌、三月は酉、四月は申、五月は未、六月は午、七月は巳、八月は辰、九月は卯、十月は寅、十一月は丑、十二月は子。月将を查明した後、その月に事を値するこの月将を、前の「占時」で定めたその時辰位の上に加え、残りの十一将は次序に順って左へ排してゆく。このように周流して一圈すれば、天盤は布定される。毎月月将を更換する時点については、暦書の月份の起訖に拘泥してはならず、暦家の定める「中気」交節の時刻に依って換えるべきである――中気を過ぎて初めて将を換えたことになる。
演法・四課
四課 甲同寅,乙同辰,丙戊同巳,丁己同未,庚同申,辛同戌,壬同亥,癸同丑。其法:先取日干所同之位上之將加於日干上,為第一課。又以第一課位上之將加於第一課上為第二課。次取日支位上之將加於日支上為第三課,又以第三課位上之將於第三課上為第四課。占事者以第一課干陽應人,第三課支陽應事。占人者,以第一課干陽應我,第三課支陽應人。其第二課干陰、第四課支陰,不必論。其支與干所同者,即亦以干論之。
「四課」は天盤が布定された後に取出す四組の上下の対である。天干は十二支の地盤に本位がなく、まず「寄宮」しなければならない:甲は寅に寄り、乙は辰に寄り、丙・戊は巳に寄り、丁・己は未に寄り、庚は申に寄り、辛は戌に寄り、壬は亥に寄り、癸は丑に寄る。課を取る法は、まず日干の寄るその一宮を見、その上の天盤に落ちているのがどの将かを見て、それを日干の頭上に書く。これが「第一課」。次に第一課のその将自身が地盤上に占める位置を見、その上の天盤の将を第一課の上に書く。これが「第二課」。続いて日支の本位を見、その上の天盤の将を日支の頭上に書く。これが「第三課」。さらに第三課のその将の占める位置上の天盤の将を見て、第三課の上に書く。これが「第四課」。事を占うには第一課(日干に属し陽)をもって「人」に対応させ、第三課(日支に属し陽)をもって「事」に対応させる。人を占うには第一課を「我」に、第三課を「相手」に対応させる。第二課は日干の陰に属し、第四課は日支の陰に属し、別に専論を立てる必要はない。別に一種の情形がある:日支がちょうど日干の寄るその一宮であるとき(たとえば甲日に寅日に遇う、庚日に申日に遇う)、この一課はそのまま日干の側に帰して論ずる。
演法・三伝
三傳 四課中取五行上下相剋為初傳,初傳位上之將為中傳,中傳位上之將為末傳,謂之三傳。但四課中先取一下克上為初傳,縱有二三上克下,亦勿論。如無一下克上,方取一上克下為初傳。
「三伝」は四課の中から推出する三つの将で、それぞれ「初伝」「中伝」「末伝」と呼び、一つの事の起頭・中段・結末を見るのに用いる。取法は:四課の中で上下の二字が五行相克するその課を見出し、その中の受用の将を取って「初伝」とする。初伝のこの将の占める位置上の天盤の将がすなわち「中伝」、中伝の占める位置上の天盤の将がすなわち「末伝」、この三者を合わせて三伝と称す。ただし取用に先後がある:四課の中に一課でも「下克上」(下の字が上の字を克する)があれば、まずそれを取って初伝とし、たとえ同時に別に二三課が「上克下」であっても一概に顧みない。四課の中に「下克上」が一課もないときにのみ、転じて「上克下」のその課を取って初伝とする。これが壬学のいわゆる「賊克法」――まず賊(下克上)を見、後に克(上克下)を見る――である。
四課中有二三下克上,則取將與干陰陽相比為初傳,或有二三上克下,亦取將與干陰陽相比為初傳。四課中有二三四下克上或二三四上克下,將與干陰陽俱比俱不比,則取寅申巳亥位上為初傳,如無寅申巳亥所乘,則取子午卯酉位上為初傳。或俱是寅申巳亥所乘,或俱是子午卯酉所乘,陽日干則取干兩課,屬日中先見之時為初傳。陰日干則取支兩課屬日中先見之時為初傳。
もし四課の中に「下克上」が二課または三課あって一時に定まらなければ、この幾課の中から日干と陰陽属性の同じ将を択んで初伝とする――「相比」とはともに陽であるかともに陰であるかである。もし「上克下」が二三課あれば、同じく陰陽の相比によって択ぶ。仮に「下克上」または「上克下」が二課・三課乃至四課にまで多く、しかもこれらの将と日干の陰陽がすべて相比し、またはすべて相比せず、取捨のしようがなければ、改めてそれらが地盤のどの位次に坐するかを見る:まず寅・申・巳・亥(四孟)位に乗るものを取って初伝とし、もし一つも四孟位に乗るものがなければ、一歩退いて子・午・卯・酉(四仲)位に乗るものを取って初伝とする。もしこの幾課がすべて四孟位に乗り、またはすべて四仲位に乗って、なお高下を分かち得なければ、さらに日干の陰陽を見る:陽日干なら日干の二課(第一・第二課)の中で当日十二時のうち先に現れた一位を取って初伝とし、陰日干なら日支の二課(第三・第四課)の中で当日先に現れた一位を取って初伝とする。
四課中若上下俱無克,則取二三四課克干為初傳。如二三四課不克干,則取干克二三四課為初傳。或二將克干,干克二將,亦擇將與干陰陽相比為初傳。四課中上下俱無克,二三四課不克干,干不克二三四課,陽日干取酉上之將為初傳,中傳則取支上將,末傳則取干上將。陰日干取酉下之將為初傳,中傳則取干上將,末傳則取支上將。
仮に四課の上下の間に根本的に相克がなければ、眼光を遠く放つ:改めて第二・第三・第四課の中で日干を克し得るその将を取って初伝とする――克は遠くから来る、故に「遥克」と称す。もしこの三課がいずれも日干を克しなければ、反対に日干の克するその将を取って初伝とする。もし同時に二つの将が日干を克し、または日干が同時に二つの将を克すれば、依然として日干と陰陽相比の原則に按じて一を択んで初伝とする。さらに一歩退いて:四課の上下に克なく、二三四課が日干を克せず、日干もまたそれらを克せなければ、「昴星法」を用いる――陽日干は地盤の酉位の上に乗る天盤の将を取って初伝とし、中伝は日支上の将を取り、末伝は日干上の将を取る。陰日干はこれに反し、天盤の酉字の圧し伏せるその地盤位上の将を取って初伝とし、中伝は日干上の将を取り、末伝は日支上の将を取る。
四課中若支加干,或干加支,上下俱無克,二三四課不克干,干不克二三四課,戊辰、戊午日取丑上之將為初傳,丙辰日取戌上之將為初傳,辛丑日取巳為初傳,辛未日取亥為初傳,辛酉日取丑為初傳,中末兩傳俱取干上之將。四課中干支相同,若上下俱無克,不取二三四課克干,不取干克二三四課。甲寅、庚申日取第一課,順數第三將為初傳;丁未、己未、癸丑日第四課逆數第三將為初傳,中末兩俱取干上之將。
以上の諸法の外に、さらに別に成例を立てなければならない二種の情形がある。その一、日支が日干宮上に加わり、または日干が日支宮上に加わる(干支互加)とき、同時に四課の上下に克なく、二三四課が日干を克せず、日干もまたそれらを克しない。このとき日子に按じて分かち取り定める:戊辰日・戊午日は地盤の丑位上の将を取って初伝とし、丙辰日は戌位上の将を取って初伝とし、辛丑日は巳を取って初伝とし、辛未日は亥を取って初伝とし、辛酉日は丑を取って初伝とする。中伝・末伝は一律に皆日干上の将を取る。その二、日干の寄る宮と日支がちょうど同位である(すなわち前文のいう「支与干所同」)とき、また上下に克なく、二三四課の克干を取らず、干の二三四課を克することも取らない。このとき:甲寅日・庚申日は第一課から順に数えて第三の将を取って初伝とし、丁未日・己未日・癸丑日は第四課から逆に数えて第三の将を取って初伝とする。中伝・末伝も同じく皆日干上の将を取る。
四課中諸將各臨本位,勿論上下有克無克,六甲日三傳寅巳申,六丙日六戊日巳申寅,六庚日申寅巳,壬申日亥申寅,壬午日亥午子,壬辰日亥辰戌,壬寅日亥寅巳,壬子日亥子卯,壬戌日亥戌未,六癸日丑戌未,丁卯、己卯、辛卯日卯子午,丁巳、己巳、辛巳日巳申寅,丁酉、己酉日酉未丑,丁亥、己亥日亥未丑,丁未、己未、辛未日未丑戌,丁丑、己丑、辛丑日丑戌未,辛亥日亥戌未,辛酉日酉戌未,乙丑日辰丑戌,乙亥日辰亥巳,乙酉日辰酉卯,乙未日辰未丑,乙巳日辰巳申,乙卯日辰卯子。
もし四課の中の各将がすべて自分の本位に圧している(天盤と地盤が同字、すなわち「伏吟」課)ならば、上下に克あるなしを論ぜず、一律に下列の既成三伝に按じて取用する。六甲日は三伝が寅・巳・申、六丙日と六戊日は巳・申・寅、六庚日は申・寅・巳。壬申日は亥・申・寅、壬午日は亥・午・子、壬辰日は亥・辰・戌、壬寅日は亥・寅・巳、壬子日は亥・子・卯、壬戌日は亥・戌・未、六癸日は丑・戌・未。丁卯・己卯・辛卯日は卯・子・午、丁巳・己巳・辛巳日は巳・申・寅、丁酉・己酉日は酉・未・丑、丁亥・己亥日は亥・未・丑、丁未・己未・辛未日は未・丑・戌、丁丑・己丑・辛丑日は丑・戌・未、辛亥日は亥・戌・未、辛酉日は酉・戌・未。乙丑日は辰・丑・戌、乙亥日は辰・亥・巳、乙酉日は辰・酉・卯、乙未日は辰・未・丑、乙巳日は辰・巳・申、乙卯日は辰・卯・子。伏吟の課は天地同位で、克を起こす由がない。故に諸伝は多く自刑・相刑から逓推して来るので、別に成表を立てて照査するほかない。
四課中諸將各臨沖位,若上下俱無克,二三四課不克干,干不克二三四課,辛未日三傳巳丑辰,辛丑日亥未辰,丁丑、己丑日亥未丑,丁未、己未日巳丑丑。凡占人占事以初傳應初,中傳應中,末傳應末。
もし四課の中の各将がすべて本位と相冲の位置に落ちている(天盤が地盤の対宮に圧している、すなわち「返吟」課)とき、しかも上下に克なく、二三四課が日干を克せず、日干もまたそれらを克せなければ、下列の既成三伝に按じて取用する:辛未日の三伝は巳・丑・辰、辛丑日は亥・未・辰、丁丑日・己丑日は亥・未・丑、丁未日・己未日は巳・丑・丑。三伝を上述の各法に按じて取り定めた後、およそ人を占い事を占するに、一律に初伝をもって事情の起頭に応じ、中伝をもって事情の中段に応じ、末伝をもって事情の収局に応ずる。
演法・本命
本命 當事者屬相謂之本命,本命即如本人之身。本命位上所乘之神將如日干所乘之神將論焉。
「本命」とは当事者の出生年の属する生肖の地支を指し、たとえば子年に生まれた人の本命は子に属する。本命のこの一位は当事者本人の身体に等同し、占断のときはこれをその人の化身と見做す。本命のある地盤位の上に、天盤がどの将を落とし、その上にまたどの神が乗るかを、日干上に乗る神将と同一の方法で論断する:日干は「我」の処境を見、本命は「我」という人自身の処境を見る。両者が互いに参照して初めて断が周全となる。
演法・貴神
貴神 貴人、螣蛇、朱雀、六合、勾陳、青龍、天空、白虎、太常、玄武、太陰、天后為十二神。至演法則有陰陽配合、順逆之道。故六甲、六戊、六庚日丑為陽貴,未為陰貴;六乙六己日子為陽貴,申為陰貴;六丙六丁日亥為陽貴,酉為陰貴;六壬六癸日巳為陽貴,卯為陰貴;六辛日午為陽貴,寅為陰貴。陰陽之道如此。
「貴神」はすなわち十二天将で、共に十二位:貴人・螣蛇・朱雀・六合・勾陳・青竜・天空・白虎・太常・玄武・太陰・天后。この十二位を盤に安ずるに、「陰陽」「配合」「順逆」の三層の規矩がある。まず陰陽のこの層を言う:天乙貴人は昼夜二つの落点に分かれ、白昼に用いるものを「陽貴」、夜間に用いるものを「陰貴」と称し、日干に随って定まる――六甲日・六戊日・六庚日は丑を陽貴とし未を陰貴とし、六乙日・六己日は子を陽貴とし申を陰貴とし、六丙日・六丁日は亥を陽貴とし酉を陰貴とし、六壬日・六癸日は巳を陽貴とし卯を陰貴とし、六辛日は午を陽貴とし寅を陰貴とする。貴人の陰陽を分かつ規矩はこのようである。
若運定卯辰巳午未申六時者,即以貴人乘其陽貴。運定酉戌亥子丑寅六時者,即以貴人乘其陽貴。配合之道如此。若貴在亥子丑寅卯辰六位,餘神依此左傳加臨。若貴在戌酉申未午巳六位者,餘神依此右傳加臨。順逆之道如此。夫然後三傳、四課、占時一一加乘,凡占人占事,以神乘將,將乘神,相參論斷。
次に配合のこの層を言う:もし前に定めた占時が卯・辰・巳・午・未・申のこの六つの白昼の時辰に落ちれば、貴人をその日の「陽貴」位に安じ、もし占時が酉・戌・亥・子・丑・寅のこの六つの夜間の時辰に落ちれば、貴人をその日の「陰貴」位に安ずる(底本は両句とも「陽貴」と作るが、後の句は「陰貴」とすべく刻誤なり。今は原字を照録す)。これが昼夜配合の規矩である。次に順逆のこの層を言う:貴人がもし亥・子・丑・寅・卯・辰のこの六位に落ちれば、残りの十一神は貴人より起こって依次に左へ順行排布し、貴人がもし戌・酉・申・未・午・巳のこの六位に落ちれば、残りの十一神は依次に右へ逆行排布する。これが順逆の規矩である。三層の規矩が皆安妥して後、さらに三伝・四課・占時を逐一に乗る所の神将と対応させる。およそ人を占い事を占するに、神がどの将の上に圧し、将がまたどの神を載せるかを見て、両相参看し、合併して論断する。
六壬経緯巻之二 定式
卷二定式取四課三傳略去。
本書にはもともと巻之二《定式》一巻があり、その内容は七百二十種の課局の四課・三伝を局ごとに既成の式様に排して人の査対に供するものであった。今伝わる底本ではこの巻が刻入されておらず、ただこの一行の標注を残して、巻二定式の載する四課三伝が略去されたことを説明しているにすぎない。したがって本書の自序に称する六巻の体例は、実際に読み得るのは五巻のみである。
六壬経緯巻之三 格局
目錄:乾坤、知一、涉害、遙取、昴星、別擇、斷金、伏吟、返吟、歸定、俯就、脫我、歷虛、欺我、取辱、招夫、贅婿、壯基、培本、歸合、求合、連茹、間斷、懸胎、關隔、稼穡、金局、木局、水局、火局、印綬、傷官、官訟、妻財、劫財、遐齡、潔己、凶服、衣祿、崇位、荒淫、從患、昧死、禁繫、決絕、孕兒、異產、刑傷、搖動、破損、仇害、和合、前程、天恩、天禍、及時、失時、既往、將來、時泰、時否、孤寡、螟蛉、鰥居、孀居、失群、干貴、恐懼、文書、交合、爭訟、喜慶、朝天、災喪、宴會、逃脫、闇昧、干婦、斫輪、鑄印、軒蓋、斬關、六陰、六陽、迴環、一體、斬首、斷橋、刖足、始終。正文
本巻の立てる格局の名目は、性質によって九組に分かち得る。第一組九款――乾坤・知一・渉害・遥取・昴星・別択・断金・伏吟・返吟――は、初伝を取る異なる方法によって分け出した課体で、「定課九門」と称し得る。第二組十二款――帰定(正文の標目は「帰福」と作る)・俯就・脱我・歴虚・欺我・取辱・招夫・贅婿・壮基・培本・帰合・求合――は、日干と日支が互相加臨した後の生・克・比・合を講ずる。第三組九款――連茹・間断・懸胎・関隔・稼穡・金局・木局・水局・火局――は、三伝の三字が串を成し局を成す形を講ずる。第四組五款――印綬・傷官・官訟・妻財・劫財――は五種の「用神」(六親)である。第五組十二款――遐齢・潔己・凶服・衣禄・崇位・荒淫・従患(正文は「久患」と作る)・昧死(正文は「暗死」と作る)・禁繋・決絶・孕児・異産――は十二長生が各々一位の天将に配されたもの。第六組五款――刑傷・揺動・破損・仇害・和合――は刑・冲・破・害・合を講ずる。第七組九款――前程・天恩・天禍・及時・失時・既往・将来・時泰・時否――は駅馬・太歳・月建と四時旺衰を講ずる。第八組五款――孤寡(正文は「孤哀」と作る)・螟蛉・鰥居・孀居・失群――は五種の用神が旬空に落ちることを講ずる。第九組十二款――干貴・恐懼・文書・交合・争訟・喜慶(正文の標目は「重慶」と作る)・朝天・災喪・宴会・逃脱・暗昧・干婦――は十二天将が各々十二宮に臨む断辞である。その余の斫輪・鋳印・軒蓋・斬関・六陰・六陽・回環・一体・斬首・断橋・刖足・始終の十二款は雑格に属す。以下本巻の正文である。(この目は実は九十名を列すのみで、自序に称する「九十一款」より一少ない。おそらく刊刻に脱漏があったのであろう。)
格局・定課九門
乾坤 取一上克下,一下克上為初傳,曰乾坤。凡占人占事,上克下以尊動卑論;下克上以卑動尊論。視所乘何神、所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。 知一 二三上克下、二三下克上,取將與干陰陽相比者為初傳,曰知一。凡占人占事,以兩端擇一論,視所乘何神、所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。
「乾坤」:四課の中にただ一課が上克下であるか、またはただ一課が下克上であれば、この一課の将を取って初伝とする。この種の課体を乾坤という――乾は尊、坤は卑で、上下の相臨の義を取る。およそ人を占い事を占するに、もし上克下に属すれば「尊者が発動して卑者を管束する」と論じ、すなわち上司・長輩・官府の側が先に動く。もし下克上に属すれば「卑者が発動して尊者を冒犯する」と論じ、すなわち下属・晩輩・外人の側が先に動く。吉凶軽重に至っては、さらにこの初伝の上に乗るのがどの天将か、それ自身がどの神煞に属するか、またどの神煞の位に落ちるかを見て、三項を合看して初めて判定できる。 「知一」:四課の中で上克下が二課または三課を占め、または下克上が二課または三課を占めるとき、その中から日干と陰陽属性の同じ将を取って初伝とする。この種の課体を知一という――衆多の中にただその一を取るを知る。およそ人を占い事を占するに、「両頭の中にただ一頭を択定し得」と論じ、すなわち事に二条の路があり、必ず一を択んで従わねばならない。吉凶も同じく乗る天将・属する神煞・臨む神煞の三項を合看する。
涉害 二三四上克下、二三四下克上,將與干陰旨俱比俱不比,先取寅申巳亥位上為初傳。無寅申巳亥所乘,次取子午卯酉位上為初傳。俱是寅申巳亥所乘、俱是子卯午酉所乘,陽日干取干兩課屬日中先見之時為初傳;陰日干取支兩課屬日中先見之時為初傳,曰涉害。凡占人占事,以見機論,視所乘何神、所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。
「渉害」:四課の中で上克下が二課・三課乃至四課にまで多く、または下克上が二課・三課乃至四課にまで多く、しかもこれらの将と日干の陰陽属性がすべて同じであるかすべて異なり、取捨する由がない(底本「陰旨」は「陰陽」とすべく刻誤なり)。このときまずそれらが地盤のどの位次に坐するかを見る:優先して寅・申・巳・亥の四孟位に乗るものを取って初伝とし、もし一つも四孟位に乗らなければ、次に子・午・卯・酉の四仲位に乗るものを取って初伝とする。もし幾課がすべて四孟位に乗り、またはすべて四仲位に乗って、なお高下を分かち得なければ、陽日干は日干の二課の中で当日十二時のうち先に現れた一位を取って初伝とし、陰日干は日支の二課の中で当日先に現れた一位を取って初伝とする。この種の課体を渉害という――衆克が交渉し、その害を受けること最も深き者を取る。およそ人を占い事を占するに、「事に臨んで機を見て行う」と論ずる:局面が糾纏し、利害の間にあって自ら権衡取捨しなければならない。吉凶はなお乗る天将・属する神煞・臨む神煞の三項を見る。
遙取 四課上下剋剋,取二三四課克干、干克二三四課為初傳,曰遙取。凡占人占事將克干以官與夫遙遠論,干克將以財與妻遙遠論。二將克干、干克二將亦以兩而擇一論。視所乘何神、所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。 昴星 四課上下無克,二三四課不克干,干不克二三四課。陽日干取酉上將,陰日干取酉下將為初傳,曰昴星。凡占人占事,以鋒刃、驚險論。視所乘何神、所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。
「遥取」:四課の上下の間に取るべき克がない(底本「上下克克」は「上下無克」とすべし)とき、第二・第三・第四課の中で日干を克する将、または日干の克する将を取って初伝とする。この種の課体を遥取という――克は遠くから遥遥として来る。およそ人を占い事を占するに、もし将来が日干を克すれば「官職と丈夫が他方に遠くある」と論じ、功名・夫婿の事が遠処に渉るを主る。もし日干が将を克しにゆけば「銭財と妻室が他方に遠くある」と論じ、財を求め妻を娶る事が遠方にあるを主る。もし同時に二つの将が日干を克し、または日干が同時に二つの将を克すれば、また両頭一択に按じて論ずる。吉凶は乗る天将・属する神煞・臨む神煞の三項を見る。 「昴星」:四課の上下に克なく、第二・第三・第四課が日干を克せず、日干もまたそれらを克しない。このとき陽日干は地盤の酉位の上に乗る天盤の将を取って初伝とし、陰日干は天盤の酉字の圧し伏せる地盤位上の将を取って初伝とする。この種の課体を昴星という――酉は金に属し、西方白虎昴宿の位である。およそ人を占い事を占するに、「刀刃が身に加わり、驚険が突生ず」と論じ、事の来ること急にして凶険を帯びるを主る。吉凶はなお乗る天将・属する神煞・臨む神煞の三項を見る。
別擇 支加干、干加支,上下無克,二三四課不克干,干不克二三四課。戊辰、戊午日取丑上將為初傳,丙辰日取戌上將為初傳,辛丑日取巳為初傳,辛未日取亥為初傳,辛酉日取丑為初傳,曰別擇。凡占人占事以另謀別取論,視所乘何神、所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。 斷金 甲寅、庚申、丁未、己未、癸丑日,支干相同,曰斷金。凡占人占事以爾我同心論。視所乘何神、所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。
「別択」:日支が日干宮上に加わり、または日干が日支宮上に加わり、同時に四課の上下に克なく、第二・三・四課が日干を克せず、日干もまたそれらを克しない。この種の局面は取るべき克がなく、ただ日子に按じて別に定める:戊辰日・戊午日は地盤の丑位上の将を取って初伝とし、丙辰日は戌位上の将を取って初伝とし、辛丑日は巳を取って初伝とし、辛未日は亥を取って初伝とし、辛酉日は丑を取って初伝とする。この種の課体を別択という――正路が通ぜず、別に一路を択ぶ。およそ人を占い事を占するに、「原議成らず、別に打算を作し別に門路を尋ねねばならぬ」と論ずる。吉凶は乗る天将・属する神煞・臨む神煞の三項を見る。 「断金」:甲寅・庚申・丁未・己未・癸丑のこの五日は、日干の寄る宮と日支がちょうど同位となる(甲は寅に寄り支は寅、庚は申に寄り支は申、丁・己は未に寄り支は未、癸は丑に寄り支は丑)。干支合して一となる、この種の課体を断金という――語は《周易・繫辞》「二人同心、その利金を断つ」に出づ。およそ人を占い事を占するに、「你我同心一体」と論じ、彼此の意向が一致し合夥成るべきを主る。吉凶はなお乗る天将・属する神煞・臨む神煞の三項を見る。
伏吟 課傳諸將各臨本位,曰伏吟。凡占人占事皆以俯伏勿動論。視所乘何神、所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。 返吟 傳課諸將各臨沖位,曰返吟。凡占人占事皆以擊動返復論。視所乘何神、所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。
「伏吟」:四課と三伝の中の各将がすべて自分の本位に圧し、天盤と地盤が同字で、一歩も移らない。この種の課体を伏吟という――伏して動かず、人の身を俯して呻吟するがごとし。およそ人を占い事を占するに、一概に「安伏静守、妄動すべからず」と論ずる:事は停滞して進まず、謀望は遅滞し、守れば咎なく、動けば損を招く。吉凶はさらに乗る天将・属する神煞・臨む神煞の三項を見る。 「返吟」:四課と三伝の中の各将がすべて本位と相冲の位置に落ち、天盤が一律に地盤の対宮に圧し、整盤が対調する。この種の課体を返吟という――冲激し往返し、去りて復た来る。およそ人を占い事を占するに、一概に「震動冲撃、反復不定」と論ずる:事は来回に折腾し、去る者は復た返り、定まる者は復た動く。動に宜しく静に宜しからず、静はかえって制を受く。吉凶も同じく乗る天将・属する神煞・臨む神煞の三項を見る。
格局・干支加臨十二格
歸福 支加干生干,曰歸福。凡占人占事以就我助我論。視所乘何神、所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。 俯就 干加支受生,曰俯就,凡占人占事以彼助我論。視所乘何神、所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。 脫我 支加干受生曰脫我,凡占人占事以就我脫我論。視所乘何神、所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。 歷虛 干加支生支曰歷虛,凡中人占事以就彼脫我論。視所乘何神、所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。
以下の十二格はいずれも日干と日支が互相加臨した後の五行関係を見る。日干は「我」を代表し、日支は「相手・事情」を代表する。「支加干」は相手が我のほうへ歩み来ること、「干加支」は我が相手のほうへ歩み往くことである。 「帰福」:日支が日干宮上に加わり、しかも来て日干を生ずるを帰福という。およそ人を占い事を占するに、「相手が自ら門に来り、しかも我を助く」と論じ、外来の福が自ら門に送り届くるである。 「俯就」:日干が日支宮上に加わり、反って日支に生ぜられるを俯就という。およそ人を占い事を占するに、「我が身を屈して相手に就き、しかして相手が我を助くるを肯んず」と論じ、先に頭を低くせねばならぬが、終に実恵を得る。 「脱我」:日支が日干宮上に加わるも、我に生ぜられる(我がそれを生ず)を脱我という。およそ人を占い事を占するに、「相手が靠り寄って来るが、実は我を耗しに来る」と論ずる:来る者は殷勤なれど、実は利を取るためで、我の財気は外に洩る。 「歴虚」:日干が日支宮上に加わり、反って日支を生じにゆくを歴虚という。およそ人を占い事を占するに、「我が貼り往きて反って相手に耗損せらる」と論ずる:白く一趨して、徒然に力を費やし財を破る(底本「凡中人占事」は「凡占人占事」とすべし)。以上四格の吉凶は、いずれもなお乗る天将・属する神煞・臨む神煞の三項を合断せねばならない。
欺我 支加干克干曰欺我,凡占人占事以就我欺我論。視所乘何神、所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。 取辱 干加支受克曰取辱。凡占人占事以就彼欺我論。視所乘何神、所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。 招夫 支加干受克曰招夫,凡占人占事以妻財就我論。視所乘何神、所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。 贅婿 干加支克支曰贅婿,凡占人占事以我就妻財論。視所乘何神、所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。
「欺我」:日支が日干宮上に加わり、しかも来て日干を克するを欺我という。およそ人を占い事を占するに、「相手が門を尋ねて来て我を欺圧す」と論ずる:来る者善ならず、登門して事を生じ、我は被動に打たるるの地位に処す。 「取辱」:日干が日支宮上に加わり、反って日支に克せられるを取辱という。およそ人を占い事を占するに、「我が自ら貼り往きて、反って相手に欺侮せらる」と論ずる:能動的に人を求めて辱を受くるは、自らその咎を取るなり。 「招夫」:日支が日干宮上に加わり、しかも我に克せられる(我がそれを克す)を招夫という。六親の取用の中で、我の克する者を「妻財」という。故にこの名あり。およそ人を占い事を占するに、「妻室と財物が自ら門に送り来る」と論ずる:財を求めて財を得、婚を議して成あり、皆相手が我に就くなり。 「贅婿」:日干が日支宮上に加わり、往きて日支を克するを贅婿という――男子の女家に入贅するがごときは、自ら歩み往かねばならぬ。およそ人を占い事を占するに、「我が門に上りて妻財に就く」と論ずる:財と婚は皆得られども、自ら面を出して奔走せねばならず、坐して待つべからず。以上四格の吉凶も、同じく乗る天将・属する神煞・臨む神煞の三項を合看せねばならない。
壯基 支加干比干曰壯基,凡占人占事以就我培我論。視所乘何神、所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。 培本 干加支比支曰培本,凡占人占事以就彼培彼論。視所乘何神、所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。 歸合 支加干合干曰歸合,凡占人占事以就我和好論。視所乘何神、所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。 求合 干加支合支曰求合,凡占人占事以就彼和好論。視所乘何神、所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。
「壮基」:日支が日干宮上に加わり、日干と五行が同じ(「比」は同類相併の意)を壮基という。およそ人を占い事を占するに、「相手が前來して我と併力し、我の根基を培厚す」と論ずる:同輩・同行の助けを得て、声勢転じて盛んなり。 「培本」:日干が日支宮上に加わり、日支と五行が同じを培本という。およそ人を占い事を占するに、「我が歩み往きて相手のために本を培い基を固む」と論ずる:力を出すは我、益を得るは相手、他人の事を扶持するに宜し。 「帰合」:日支が日干宮上に加わり、しかも日干と相合す(地支六合)を帰合という。およそ人を占い事を占するに、「相手が頭を回らして来て我と和を講じ親好す」と論ずる:交渉成るべく、旧怨解くべく、婚媾は殊に吉なり。 「求合」:日干が日支宮上に加わり、日支と相合すを求合という。およそ人を占い事を占するに、「我が門に上りて相手に和を求む」と論ずる:和好は成就し得れども、先に我が頭を低くして求めねばならぬ。以上四格の吉凶も、皆なお乗る天将・属する神煞・臨む神煞の三項を合看せねばならない。
格局・連茹
連茹 三傳亥子丑、子丑寅、丑寅卯、卯辰巳、辰巳午、午未申、申酉戌、戌亥子,曰進茹。亥戌酉、戌酉申、酉申未、申未午、未午巳、午巳辰、巳辰卯、辰卯寅、卯寅丑、寅丑子、丑子亥曰退茹。凡占人占事進茹以牽連引進論,退茹以牽連引退論。視所乘何神、所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。若進茹末空,返以退論,退茹末空,返以進論。二者初空以不進不退論。
「連茹」は三伝の三つの地支が首尾相接し、順序不断の課体である。名は《周易・泰卦》初九「茅を拔き茹をもって其の汇に于す」に取り、茅草を拔き起こして根鬚が連帯して出るがごとし。三伝が十二支に按じて順行相連なるを「進茹」という:亥子丑・子丑寅・丑寅卯・卯辰巳・辰巳午・午未申・申酉戌・戌亥子のごとし(底本はここに八組を列するのみで、寅卯辰・巳午未・未申酉・酉戌亥の四組が脱漏す。下文の進茹断辞に拠りて十二組を補足すべし)。三伝が十二支に按じて逆行相連なるを「退茹」という:亥戌酉・戌酉申・酉申未・申未午・未午巳・午巳辰・巳辰卯・辰卯寅・卯寅丑・寅丑子・丑子亥のごとし(底本は「子亥戌」一組を脱す)。およそ人を占い事を占するに、進茹は「一件が一件を牽いて前に推進す」と論じ、事は連綿として進む。退茹は「一件が一件を牽いて後ろに倒退す」と論じ、事は連綿として退く。吉凶は三将の各々何の天将に乗り、何の神煞に属し、何の神煞に臨むかを見ねばならない。別に反断の例あり:進茹にして末伝が旬空に落ちれば、前進に着なく、反って退と作して論ずべし。退茹にして末伝が旬空に落ちれば、退くに退くべからず、反って進と作して論ずべし。両者もし初伝が落空すれば、「不進不退」に按じて論じ、事は原地にて停頓す。
進茹:亥子丑曰龍潛,陽光在下,空懷寶以迷邦;子丑寅曰含春,和氣積中,勿炫玉以求售;丑寅卯曰將泰,有虛名而未蒙實惠;寅卯辰曰正和,展經略而果沐恩光;卯辰巳曰離漸,利用賓于王家;辰巳午曰升階,親觀光於上國;巳午未曰鋟陽,名實相須;午未申曰勵明,威權獨盛;未申酉曰回春,若午夜殘燈;申酉戌曰流金似霜橋走馬;酉戌亥曰革故從新,小人進而君子退;戌亥子曰隱明就暗,私事吉而公事凶。
進茹十二局の断辞は以下のとおり。亥子丑は名を「竜潜」という:陽気はなお下に潜伏し、人が美玉を懐抱して邦国の迷乱を聴任するがごとし(語は《論語・陽貨》「其の宝を懐きて其の邦を迷わす」に本づく)。空しく才具ありて施展する所なし。子丑寅は名を「含春」という:和暖の気が内に蓄積して未だ発せず。人に戒めて急いで美玉を炫耀して售を求むることなく、韜蔵して時を待つに宜し。丑寅卯は名を「将泰」という:泰運は将に至らんとして未だ至らず、眼下はただ一個の虚名を得るのみで、実恵はなお手に到らず。寅卯辰は名を「正和」という:春気まさに調和に当たり、抱負を施展し経略すれば、果して恩沢光寵を蒙る。卯辰巳は名を「離漸」という:語は《周易・観卦》「国の光を観、王に賓たるに利用す」に出づ。出仕に宜しく、王家の賓客たるべし。辰巳午は名を「升階」という:級に拾て上り、身自ら京師に到りて国の光華を観覧す。朝廷に進身するを主る。巳午未は名を「锓陽」という:陽気至りて盛んにして、名と実とが互いに依托し、両者相称す。午未申は名を「励明」という:光明奮発して、威権独り時に盛んなり。未申酉は名を「回春」という:秋気已に至りて回春と言うは、譬えば午夜将尽の残灯のごときで、光焰限りあり、徒らに虚名を具す。申酉戌は名を「流金」という:金気流行して、霜結ぶ橋面上に馬を縦て疾駆するがごときは、滑険異常にして、躁進を切に忌む。酉戌亥は名を「革故従新」という:旧を除き新を布くの際、小人は進用を得て君子は身を引いて退く。戌亥子は名を「隠明就暗」という:光明を収斂して晦暗に入る。私の事は吉、公の事は凶なり。
退茹:亥戌酉曰回陰,心懷闇昧之私;戌酉申曰返駕,主行肅殺之道;酉申未曰出獄,離丑離群,疏者親而親者疏;申未午曰臨陰,行險僥倖,安者危而危者字;未午巳曰漸晞,脫凡俗而漸入高明;午巳辰曰登庸,舍井蛙而旋登月闕;巳辰卯曰正己,人物咸亨;辰卯寅曰返照,行藏攸利;卯寅丑曰聯芳,須知否極泰來;寅丑子曰游魂,坐看事成立敗;丑子亥曰入墓,有收藏之態,仕進無心;子亥戌曰重陰,安嘉遁之貞,寧肯沒齒。三將或空一二,勿以此名實論。
退茹十二局の断辞は以下のとおり。亥戌酉は名を「回陰」という:陰気回転して、心裏に人に見せられぬ私意を懐く。戌酉申は名を「返駕」という:車頭を掉轉して回る。行う所は粛殺刑罰の一路なり。酉申未は名を「出獄」という:囚繋を脱出し、醜悪を離れ旧群を離れ、これより疎遠の者は転じて親となり、親近の者は転じて疎となる。申未午は名を「臨陰」という:鋌而走険して僥倖を求む。安穏の者は転じて危険となり、危険の者は反って安穏を得る(底本「危者字」の「字」は「安」とすべし)。未午巳は名を「漸晞」という:露水の漸く乾き日頭の漸く出ずるがごとく、凡俗を摆脱して漸く高明の境に入る。午巳辰は名を「登庸」という:挙用せられ登進し、井底の蛙の見識を舎去して一挙に月中の宮闕に登る。巳辰卯は名を「正己」という:まず自身を端正すれば、是に於て人も物も皆通達順遂す。辰卯寅は名を「返照」という:夕陽返照して、出仕と退隠の両頭ともに利あり。卯寅丑は名を「聯芳」という:花開きて並蒂す。眼下は困なりとも、否極まれば自ら泰来することを知るべし。寅丑子は名を「遊魂」という:魂外に遊びて、ただ袖手傍観して事の成敗を見るのみ。丑子亥は名を「入墓」という:収斂蔵伏の象あり。仕進の一路に於ては已に心思なし。子亥戌は名を「重陰」という:陰の上に陰を加え、《周易・遯卦》のいう「嘉遯貞吉」の退隠の正に安んず。寧ろ終身このごとくならんことを。以上の進退茹の諸局は、もし三将の中に一二箇が旬空に落ちれば、再びこれらの名目に按じて坐実して断ずべからず。
格局・間断
間斷 三傳亥丑卯、子寅辰、丑卯巳、寅辰午、卯巳未、辰午申、巳未申、午申戌、未酉亥、申戌子、酉亥丑、戌子寅曰進間斷。亥酉未、戌申午、酉未巳、申午辰、未巳卯、午辰寅、巳卯丑、辰寅子、卯丑亥、寅子戌、丑亥酉、子戌申曰退間斷。凡占人占事進間以前時隔斷論,退間以退後隔斷論。視三將所乘何神、所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。
「間断」は三伝の三つの地支が一位おきに相接する課体である――連茹のごとく緊挨せず、中間に一格を空く。故に「間」にして「断」という。順に数えて一位おきのを「進間断」といい、共に十二局:亥丑卯・子寅辰・丑卯巳・寅辰午・卯巳未・辰午申・巳未酉(底本は「巳未申」と作る。「酉」字の誤とすべし)・午申戌・未酉亥・申戌子・酉亥丑・戌子寅。逆に数えて一位おきのを「退間断」といい、これも十二局:亥酉未・戌申午・酉未巳・申午辰・未巳卯・午辰寅・巳卯丑・辰寅子・卯丑亥・寅子戌・丑亥酉・子戌申。およそ人を占い事を占するに、進間は「前に歩みて中途に隔断せらる」と論じ、事は進むといえど阻あり。退間は「後ろに退くも同じく隔断せらる」と論じ、事は退くといえど干浄を得ず。吉凶は三将の各々何の天将に乗り、何の神煞に属し、何の神煞に臨むかを見ねばならない。
進間,亥丑卯為溟濛而事多闇昧,子寅辰向三陽而漸望光明,丑卯巳為出戶春雷震蟄,寅辰午出三陽金鯉波中,卯巳未迎陽者鳴高岡之鸞鳳,辰午申登三天得雲雨之蛟龍,巳未酉曰變盈秋場登稼,午申戌出三天似鳴鶴之在天,未酉亥為人局主心勞而日拙,申戌子涉三淵當隱於山林,酉亥丑乃凝陰而憂不可解,戌子寅入三淵而枉不能伸。
進間断十二局の断辞は以下のとおり。亥丑卯は名を「溟蒙」という:天色昏蒙にして明ならず。遇う所の事は多く晦暗不清なり。子寅辰は名を「向三陽」という:一歩々陽気に転じ向い、漸く光明を望見すべし。丑卯巳は名を「出戸」という:春雷の一震のごとく、蟄虫土を破り門を出で、久しく伏する者始めて動く。寅辰午は名を「出三陽」という:金色の鯉魚が波心に躍出するがごときは、まさに頭出の時に当たる。卯巳未は名を「迎陽」という:鸞鳳の高岡に鳴くがごときは、声外に聞え、時を得位を得たり。辰午申は名を「登三天」という:蛟竜の雲雨を得るがごときは、扶揺して直に上る。巳未酉は名を「変盈」という:盛極まりて将に変ぜんとす。秋日に穀場にて庄稼を収登するがごときは、時に及んで収成に宜し。午申戌は名を「出三天」という:鶴の天に鳴くがごときは、声九皋に聞え、名位顕達す。未酉亥は名を「人局」という:人事の牢籠に落ち入る。心力交瘁して処境は日に日に如かずを主る。申戌子は名を「渉三淵」という:深淵を渉行す。この時山林に隠入して自ら保つに当たる。酉亥丑は名を「凝陰」という:陰気凝聚して散ぜず。憂愁化解する由なし。戌子寅は名を「入三淵」という:深く淵底に陥り、冤を含み屈を受けて伸雪する由なし。
退間,亥酉未為時遁無出潛之意。戌申午曰悖戾有追悔之心。酉未巳勵明者出入從其所便,申午辰凝陽者動止罔戾於心。未巳卯為回明利有悠往,午辰寅為顧祖喜氣和平。巳卯丑為轉悖當吉凶二者之間,辰寅子為涉凝入禍福雙關之道。卯丑亥名斷澗義利分明,寅子戌為冥陽善人是寶。丑亥酉為極陰如月隱西山,子戌申名偃蹇似馬馳棧道。 三將或空一二,勿以此名實論。
退間断十二局の断辞は以下のとおり。亥酉未は名を「時遯」という:まさに引退の時に当たり、頭出露面の意なし。戌申午は名を「悖戻」という:行事乖違して、事後に自ら追悔の心を生ず。酉未巳は名を「励明」という:光明奮励して、出処進退いずれも自らの方便に随うべし。申午辰は名を「凝陽」という:陽気凝聚して、動くもよし静もよし、いずれも本心に背かず。未巳卯は名を「回明」という:光明回転して、長遠に行き往くに宜し。午辰寅は名を「顧祖」という:根本を回顧して、家門喜気和平なり。巳卯丑は名を「転悖」という:順より転じて乖となり、まさに吉凶両可の間に処す。辰寅子は名を「渉凝」という:凝滞に渉入して、歩むは禍福双関の路口なり。卯丑亥は名を「断澗」という:澗水の中断するがごとく、界限分明にして、義と利とを辨じること清楚なり。寅子戌は名を「冥陽」という:幽冥の中に自ら陽気あり。この時善人と相処るを宝とす。丑亥酉は名を「極陰」という:陰尽頭に到りて、月亮の西山に隠没するがごとし。子戌申は名を「偃蹇」という:処境艱難困頓にして、譬えば馬を駆りて桟道の上を奔行するがごとし。以上の進退間断の諸局は、もし三将の中に一二箇が旬空に落ちれば、同じく再びこれらの名目に按じて坐実して断ずべからず。
格局・懸胎
懸胎 三傳亥寅巳、寅巳申、巳申寅、申寅亥曰順懸胎,亥申巳、申巳寅、巳寅亥、寅亥申曰逆懸胎。凡占人占事以隱匿懷胎、繼先傳後論。視三將所乘何神、所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。
「懸胎」は三伝がすべて寅・申・巳・亥の四孟の位に落ちる課体である。四孟は四時の始めで、胎孕が内に懸結して未だ産まれざるがごとき。故にこの名がある。順の次序に排するを「順懸胎」といい、亥寅巳・寅巳申・巳申寅・申寅亥の四局あり。逆の次序に排するを「逆懸胎」といい、亥申巳・申巳寅・巳寅亥・寅亥申の四局あり。およそ人を占い事を占するに、一律に「隠匿する所有り、胎を懐いて未だ露れざるがごとし」と「前人を承継し、後人に伝う」の二義に按じて論ずる:事はなお醞醸隠伏の中にあり、発露の時に至らず。人事に於ては嗣続・家業の承接の類を主る。吉凶は三将の各々何の天将に乗り、何の神煞に属し、何の神煞に臨むかを見ねばならない。
順懸胎:春玄胎者生意已萌於中,夏勵陽者機關略見於外,秋占四牡驅馳不息,冬占全福行止亨通。 逆懸胎:春亢毓有始動終怠之形,夏洪鈞秉中正權衡之象,秋含義而無中生有,冬待慶而暗事將明。 三將或空一二,勿以此名實論。
順懸胎は四季に按じて分断す:春に占うて名を「玄胎」という。生機は已に裏に萌動し、ただ未だ露れ出でざるのみ。夏に占うて名を「励陽」という。裏なる機関は已に略々外に顕露す。秋に占うて名を「四牡」という。語は《詩経・小雅・四牡》に出づ。四匹の壮馬を駕して奔馳止まざるがごとく、奔波して歇息を得ずを主る。冬に占うて名を「全福」という。出行するも留止するも、皆亨通順遂なり。逆懸胎も四季に按じて分断す:春に占うて名を「亢毓」という。開頭は奮発し後来懈怠するの形状あり。夏に占うて名を「洪鈞」という。洪鈞はすなわち造化の輪、中正を秉持し権衡を執掌するの気象あり。秋に占うて名を「含義」という。義理含蓄して未だ露れず、無の中より有を生出すこと能くす。冬に占うて名を「待慶」という:静かに喜慶を候し、暗中の事将に明に転ぜんとす。以上の懸胎の諸局は、もし三将の中に一二箇が旬空に落ちれば、再びこれらの名目に按じて坐実して断ずべからず。
格局・関隔
關隔 三傳子卯午、卯午酉、午酉子、酉子卯曰順關隔;子酉午、酉午卯、午卯子、卯子酉曰逆關隔。凡占人占事以門戶破敗論。視三將所乘何神、所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。
「関隔」は三伝がすべて子・午・卯・酉の四仲の位に落ちる課体である。四仲は四方の門戸で、三伝皆門戸に臨んで互相に冲隔す。故に関隔と名づく。順の次序に排するを「順関隔」といい、子卯午・卯午酉・午酉子・酉子卯の四局あり。逆の次序に排するを「逆関隔」といい、子酉午・酉午卯・午卯子・卯子酉の四局あり。およそ人を占い事を占するに、一律に「門戸関隔、家宅破敗」と論ずる:出入は阻を受け、内外通ぜず、宅舎に於ては門戸の損壊を主り、人事に於ては関節の梗塞・事に阻隔多きを主る。吉凶は三将の各々何の天将に乗り、何の神煞に属し、何の神煞に臨むかを見ねばならない。
順關隔:春占關隔若羝羊觸藩,夏占觀瀾似游魚之吞餌,秋占四季平,日逢望弦晦朔名曰三光不仁,冬占匿陽,時遇卯酉辰戌號為四門俱閉。 逆關隔:春占陷井如鳥投籠,夏占正煩若牛受刃,秋失友既散離而復合,冬出漸名陰極而陽生。 三將或空一二,勿以此名實論。
順関隔は四季に按じて分断す:春に占うて名を「関隔」という。公羊が角をもって籬笆を抵くがごときは、角が籬の中に卡りて進退両難なり(語は《周易・大壮》「羝羊藩に触れて、其の角を羸す」に本づく)。夏に占うて名を「観瀾」という。遊魚が鉤上の餌を見て便ち之を呑下するがごときは、利を見て害を見ず。秋に占うて名を「四季平」という。もし占日がちょうど上弦・下弦・望日または朔日に逢えば、別に名を「三光不仁」という。日月星の三光が恩沢を施さざるを謂う。冬に占うて名を「匿陽」という:陽気蔵匿す。もし占時にまた卯・酉・辰・戌に遇えば、号を「四門倶閉」といい、四方の門戸全数関死す。逆関隔も四季に按じて分断す:春に占うて名を「陷井」という。飛鳥が自ら籠中に投ずるがごときは、自ら羅網に陥る。夏に占うて名を「正煩」という。耕牛が身に刀刃を受くるがごときは、煩躁して安んじ難し。秋に占うて名を「失友」という:失散の朋友は先に離れ後に合し、終に重聚すること能くす。冬に占うて名を「出漸」という:陰極処に到りて陽気初生し、困境漸次に開解す。以上の関隔の諸局は、もし三将の中に一二箇が旬空に落ちれば、再びこれらの名目に按じて坐実して断ずべからず。
格局・稼穡
稼穡 三傳丑辰未、辰未戌、未戌丑、戌丑辰曰順稼穡,丑戌未、戌未辰、未辰丑、辰丑戌曰逆稼穡。凡占人占事以田園植物論。詳稼穡屬何煞,視所乘何神、所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。
「稼穡」は三伝がすべて辰・戌・丑・未の四季土位に落ちる課体である。土は稼穡を主る(種するを稼といい、斂めるを穡という)。故にこの名がある。順の次序に排するを「順稼穡」といい、丑辰未・辰未戌・未戌丑・戌丑辰の四局あり。逆の次序に排するを「逆稼穡」といい、丑戌未・戌未辰・未辰丑・辰丑戌の四局あり。およそ人を占い事を占するに、皆「田園・庄稼・草木種植」の一路に按じて論ずる:問う所の事は多く田土・房产・耕種収成に関わり、その性は遅重穏緩なり。断ずる時はまず詳しくこの稼穡局が本日に於ていずれの神煞に属するか(印か財か鬼か等)を辨じ、再び三将の各々何の天将に乗り、何の神煞に属し、何の神煞に臨むかを見て、合わせて吉凶を定める。
順稼穡:春稼穡而生長以時,夏遊子而漂流不定,秋地角據一隅而忘天下,冬五墓舍朝市而守丘墟。 逆稼穡:春占越庫,散財不以其道;夏曰轉魁,委任不得其人;秋殺墓勢,將興而將起;冬伏陰,機漸收而漸藏。 三將或空一二,勿以此名實論。
順稼穡は四季に按じて分断す:春に占うてなお名を「稼穡」という。播種は時を得て、庄稼は節令に按じて生長す。夏に占うて名を「遊子」という。遊子の外に漂流するがごときは、行止定まらず。秋に占うて名を「地角」という:一角を拠守して天下の大を忘る。見識局促なり。冬に占うて名を「五墓」という:辰戌丑未は皆墓庫なり。朝廷市井を舎棄して独り荒丘廃墟を守る、退蔵の象なり。逆稼穡も四季に按じて分断す:春に占うて名を「越庫」という。庫蔵を越出して、財を散じて其の道を得ず、破耗して謂れなし。夏に占うて名を「転魁」という:事を主る人の調換、委任するも托する所其人に非ず。秋に占うて名を「殺墓」という:粛殺の勢将に興起せんとす。冬に占うて名を「伏陰」という:生機は一歩々収攏し、一歩々蔵伏す。以上の稼穡の諸局は、もし三将の中に一二箇が旬空に落ちれば、再びこれらの名目に按じて坐実して断ずべからず。
格局・三合四局
金局 三傳巳酉丑、酉丑巳、丑巳酉曰順三合金局,巳丑酉、丑酉巳、酉巳丑曰逆三合金局。凡占人占事以鋒刃、殺氣、金姓、金物、金事、三人、三事、謀合論。詳金局屬何煞,視三將所乘何神、所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。
「金局」:三伝がちょうど巳・酉・丑の三支を凑え成す、すなわち地支三合の金局である。順序に按じて排するを「順三合金局」といい、巳酉丑・酉丑巳・丑巳酉の三種の排法あり。倒して排するを「逆三合金局」といい、巳丑酉・丑酉巳・酉巳丑の三種の排法あり。およそ人を占い事を占するに、皆金の性情に往きて象を取りて論ずる:刀刃兵器・粛殺の気・姓氏の中に金旁を帯びまたは金に属する人・金属器物・金属刀兵に関わる事。また三支が一局を合成するがゆえに、さらに三人・三事が一処に聚まること、および衆人の合謀共議の事を主る。断ずる時はまず詳しくこの金局が本日に於ていずれの神煞に属するか――印か財か鬼か劫か――を辨じ、それから再び三将の各々何の天将に乗り、本身が何の神煞に属し、何の神煞位上に臨むかを見て、合わせて吉凶を定める。
順局:巳酉丑為從革宜革故鼎新,酉丑巳為獻刃遠近俱被其傷,丑巳酉曰藏金因事而韜。 逆局:酉巳丑為反射懷殺伐以酬恩,巳辰酉為法罡防肅殺之威,酉巳丑曰操會既得莫失。 三將或空一二,勿以此名與合局實論。
順金局の三種の排法の断辞:巳酉丑は名を「従革」という。語は《尚書・洪範》「金は従革と曰く」に出づ。旧を除き新を布き、弦を改め張を更くするに宜し。酉丑巳は名を「献刃」という:刀刃を人前に遞するがごときは、遠近の人皆それに傷られん。丑巳酉は名を「蔵金」という:金は土中に蔵す。事に因りて収斂韜晦し、顕露に宜しからず。逆金局の三種の排法の断辞:酉巳丑は名を「反射」という:箭は反射して回り来る。殺伐の心を懐きて恩情に報ゆるは、恩の中に怨を帯ぶ。巳辰酉は名を「法罡」という(底本はこの局を「巳辰酉」と作す。金局の三支と合せず。疑わくは「辰」は「丑」の誤ならん)。粛殺の威が身に加わるを堤防すべし。酉巳丑は名を「操会」という:すでに手中に握りたれば、再び失うことなかれ。以上の金局の諸式は、もし三将の中に一二箇が旬空に落ちれば、再びこれらの名目に按じ、また合局に按じて坐実して断ずべからず。
木局 三傳亥卯未、卯未亥、未亥卯曰順三合木局,亥未卯、未卯亥、卯亥未曰逆三合木局。凡占人占事以枝葉、發生、木姓、木物、木事、三人、三事、謀合論。詳木局屬何煞,視所乘何神、所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。
「木局」:三伝がちょうど亥・卯・未の三支を凑え成す、すなわち地支三合の木局である。順序に按じて排するを「順三合木局」といい、亥卯未・卯未亥・未亥卯の三種の排法あり。倒して排するを「逆三合木局」といい、亥未卯・未卯亥・卯亥未の三種の排法あり。およそ人を占い事を占するに、皆木の性情に往きて象を取りて論ずる:枝条葉片・生長発育・姓氏の中に木旁を帯びまたは木に属する人・木質器物・樹木舟車に関わる事。また三支が局を成すがゆえに、同じく三人・三事の聚合および衆人合謀の事を主る。断ずる時はまず詳しくこの木局が本日に於ていずれの神煞に属するかを辨じ、再び三将の各々何の天将に乗り、何の神煞に属し、何の神煞に臨むかを見て、合わせて吉凶を定める。
順局:亥卯未曰曲直舉直措枉,卯未亥曰合縱彼我懷仇,未亥卯曰從吉待時而動。 逆局:亥未卯曰轉輪顛蹶自反,未亥卯曰正陽遵發生意,卯亥未曰先春未萌先動。 三將或空一二,勿以此名與合局實論。
順木局の三種の排法の断辞:亥卯未は名を「曲直」という。語は《尚書・洪範》「木は曲直と曰く」に出づ。正直の人を挙用し、邪枉の輩を罷黜するに宜し(語は《論語・為政》「直を挙げて諸枉に錯く」に本づく)。卯未亥は名を「合縦」という:戦国の合縦連横のごときは、表面は盟を結びて彼我心中各々仇怨を懐く。未亥卯は名を「従吉」という:吉利の一路に順従し、静かに時機を候して後に動く。逆木局の三種の排法の断辞:亥未卯は名を「転輪」という:車輪転じ翻りて、跌倒の後は自ら反省せねばならぬ。未亥卯は名を「正陽」という:陽気方正にして、生発の意に順従すべし。卯亥未は名を「先春」という:春意未だ萌せざるに先に自ら行動す。失は過早なり。以上の木局の諸式は、もし三将の中に一二箇が旬空に落ちれば、同じく再びこれらの名目に按じ、また合局に按じて坐実して断ずべからず。
水局 三傳申子辰、子辰申、辰申子曰順三合水局,申辰子、辰子申、子申辰曰逆三合水局。凡占人占事以淵流不息、水姓、水物、水事、三人、三事、謀合論。詳水局屬何煞,視所乘何神、所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。申子辰曰潤下和順為義,子辰申曰出奇改過自新,辰申子曰呈斗玩其天象。逆局申辰子曰間斗懷中聚秀,辰子申曰循順毋懷躐等,子申辰曰仰玄宜守其困。 三將或空一二,勿以此名與合局實論。
「水局」:三伝がちょうど申・子・辰の三支を凑え成す、すなわち地支三合の水局である。順序に按じて排するを「順三合水局」といい、申子辰・子辰申・辰申子の三種の排法あり。倒して排するを「逆三合水局」といい、申辰子・辰子申・子申辰の三種の排法あり。およそ人を占い事を占するに、皆水の性情に往きて象を取りて論ずる:深淵長流・綿延絶えず、姓氏の中に水旁を帯びまたは水に属する人、水質器物、水路船只に関わる事。三支が局を成すも、また三人三事の聚合と衆人合謀を主る。断ずる時はまず詳しくこの水局が本日に於ていずれの神煞に属するかを辨じ、再び三将の各々何の天将に乗り、何の神煞に属し、何の神煞に臨むかを見る。順局の断辞:申子辰は名を「潤下」という。語は《尚書・洪範》「水は潤下と曰く」に出づ。柔和順従をもって合宜とす。子辰申は名を「出奇」という:出奇して制勝し、過を改め新たにすること能くす。辰申子は名を「呈斗」という:北斗呈現す。天象を観玩し天時を推究するに宜し。逆局の断辞:申辰子は名を「間斗」という:斗柄隔断して、秀気胸中に聚まりて未だ発せず。辰子申は名を「循順」という:循序漸進せねばならず、越級躐等の心思を懐くべからず。子申辰は名を「仰玄」という:玄冥を仰望して得ず。この時困境に安守するに宜し。以上の水局の諸式は、もし三将の中に一二箇が旬空に落ちれば、再びこれらの名目に按じ、また合局に按じて坐実して断ずべからず。
火局 三傳寅午戌、午戌寅、戌寅午曰順三合火局,寅戌午、戌午寅、午寅戌曰逆三合火局。凡占人占事以虛炎上達、火姓、火物、火事、三人、三事、謀合論。詳火局屬何煞,視所乘何神、所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。
「火局」:三伝がちょうど寅・午・戌の三支を凑え成す、すなわち地支三合の火局である。順序に按じて排するを「順三合火局」といい、寅午戌・午戌寅・戌寅午の三種の排法あり。倒して排するを「逆三合火局」といい、寅戌午・戌午寅・午寅戌の三種の排法あり。およそ人を占い事を占するに、皆火の性情に往きて象を取りて論ずる:虚浮の火気が上に向いて升騰し、声勢は外に揚がりて中間は空虚なり、姓氏の中に火旁を帯びまたは火に属する人、火性器物、炉竈灯燭文書に関わる事。三支が局を成すも、同じく三人三事の聚合と衆人合謀を主る。断ずる時はまず詳しくこの火局が本日に於ていずれの神煞に属するかを辨じ、再び三将の各々何の天将に乗り、何の神煞に属し、何の神煞に臨むかを見て、合わせて吉凶を定める。
順局:寅午戌曰炎上發達為名,午戌寅曰間魁舍賓從庭,戌寅午曰頂墓信問堪輿。 逆局:寅戌午曰華時晴光天表,戌午寅曰就燥行合中庸,午寅戌曰正義朱夏顯形。 三將或空一二,勿以此名與合局實論。
順火局の三種の排法の断辞:寅午戌は名を「炎上」という。語は《尚書・洪範》「火は炎上と曰く」に出づ。発達顕揚し声名を成就することを主る。午戌寅は名を「間魁」という:魁首が中間に隔てらる。賓位を舎てて正庭に就く、位を易えて処るを主る。戌寅午は名を「頂墓」という:戌は火墓なり。音信が墳塋風水の類の事を問及するを主る(堪輿はすなわち地を相する術)。逆火局の三種の排法の断辞:寅戌午は名を「華時」という:光華まさに盛んの時、晴光の天表に照徹するがごとし。戌午寅は名を「就燥」という:乾燥炎熱の地に趨就す。行事はなお中庸に合乎せねばならず、過激すべからず。午寅戌は名を「正義」という:義理端正にして、朱明盛夏のごときは万物顕形畢露す。以上の火局の諸式は、もし三将の中に一二箇が旬空に落ちれば、同じく再びこれらの名目に按じ、また合局に按じて坐実して断ずべからず。
格局・五用(印綬傷官官訟妻財劫財)
印綬 初傳生干,三傳合局生干,干支合局生干,支上生支、干上生干,干上生支、支上生干,支合局生干,干合局生干,初生中、中生末、末生干,末生中、中生初、初生干,皆曰印綬。凡占人占事,初傳生干起於扶助,或因父母,或傷男女。三傳合局生干,三人三事助我,或傷男女。三傳干支合局生干,眾人眾事助我,或傷男女。支上生支,干上生干,彼我各自有助。干上生支,支上生干,彼我交互相助。支生干,彼助我。支合局生干,彼眾助我。干合局生干,己眾助我。初生中、中生末、末作畫干,末生中、中生初、初生干,連連引進助我。皆視所乘何神、所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。
「印綬」は五種の用神の首である。およそ五行上で日干を生じ得るものは皆印綬に帰入する――父母の我を生じ、上司の我に印信綬帯を授くるがごとき。故にこの名を取り、六親の中ではすなわち父母・扶助・文書を代表する。印綬を構成する情形は多種ある:初伝が日干を生ず。三伝が三合して局を成して日干を生ず。三伝が日干日支を連ねて合局し日干を生ず。日支上神が日支を生じ、日干上神が日干を生ず。日干上神が日支を生じ、日支上神が日干を生ず。日支の合局が日干を生ず。日干の合局が日干を生ず。初伝が中伝を生じ、中伝が末伝を生じ、末伝が日干を生ず。末伝が中伝を生じ、中伝が初伝を生じ、初伝が日干を生ず――以上皆印綬という。断法は以下のごとし:初伝が日干を生ずれば、事は人の扶助あるより起こり、または父母に因りて起こり、または反って子女を損傷す(印は食傷を克し得、食傷は男女を主る)。三伝が合局して日干を生ずれば、三人・三事が来りて我を助け、または子女を損傷す。三伝と干支が合局して日干を生ずれば、衆人衆事が来りて我を助け、または子女を損傷す。日支上神が日支を生じ日干上神が日干を生ずれば、彼此各々其の幇手あり。日干上神が日支を生じ日支上神が日干を生ずれば、彼我交互に相助す。日支が日干を生ずれば、相手が我を助くるなり。日支の合局が日干を生ずれば、相手の一伙人が我を助く。日干の合局が日干を生ずれば、自己の一伙人が我を助く。初が中を生じ中が末を生じ末が日干を生ず(底本「末作画干」は「末生干」とすべく刻誤なり)、または末が中を生じ中が初を生じ初が日干を生ずれば、皆一環が一環を扣え連綿として断えず助力を引き来るに属す。以上の各項は皆なお乗る天将・属する神煞・臨む神煞の三項を合断せねばならない。
傷官 初傳受干生,三傳合局受干生,三傳干支合局受干生,支上受支生、干上受干生,干上受支生、支上受干生,支受干生,支合局受干生,干合局受干生,干生初、初生中、中生末,干生末、末生中、中生初,皆曰傷官。
「傷官」は第二種の用神である。およそ五行上で日干の生ずる所を受くるものは皆傷官に帰入する――我の生ずる者は子女であり、また我を泄す物なり。故にまた「盗神」「脱気」と称す。傷官を構成する情形は:初伝が日干の生ずる所を受く。三伝が合局して日干の生ずる所を受く。三伝が干支を連ねて合局し日干の生ずる所を受く。日支上神が日支の生ずる所を受け、日干上神が日干の生ずる所を受く。日干上神が日支の生ずる所を受け、日支上神が日干の生ずる所を受く。日支が日干の生ずる所を受く。日支の合局が日干の生ずる所を受く。日干の合局が日干の生ずる所を受く。日干が初伝を生じ、初伝が中伝を生じ、中伝が末伝を生ず。日干が末伝を生じ、末伝が中伝を生じ、中伝が初伝を生ず――以上皆傷官という。名を「傷官」というは、我の生ずる物が我の元気を耗し、且つ官星を克制し得るがゆえに、官を求め職を問う一路に於て最も不利なり。
凡占人占事初傳受干生,起於脫耗,或因男女,或傷夫職。三傳合局受干生,三人三事脫我,或傷夫職。三傳干支合局受干生,眾人眾事脫我,或傷夫職。支上受支生,干上受干生,彼我各自有脫。干上受支生,支上受干生,彼我交互相脫。支受干生彼脫我。支合局受干生,彼眾脫我。干合局受干生,己眾脫我。干生初,初生中,中生末;干生末,末生中,中生初,連連引進脫我。皆視所乘何神、所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。
傷官の断法は以下のごとし。初伝が日干の生ずる所を受くれば、事は耗泄破費より起こり、または子女の事に因りて起こり、または丈夫と官職を損傷す(傷官は官鬼を克し、官鬼は夫を主り職を主る)。三伝が合局して日干の生ずる所を受くれば、三人・三事が我を耗し、または夫職を損傷す。三伝が干支を連ねて合局し日干の生ずる所を受くれば、衆人衆事が我を耗し、または夫職を損傷す。日支上神が日支の生ずる所を受け日干上神が日干の生ずる所を受くれば、彼我各自に各々其の耗泄あり。日干上神が日支の生ずる所を受け日支上神が日干の生ずる所を受くれば、彼我交互に耗泄す。日支が日干の生ずる所を受くれば、相手が我を耗するなり。日支の合局が日干の生ずる所を受くれば、相手の一伙人が我を耗す。日干の合局が日干の生ずる所を受くれば、自己の一伙人が我を耗す。日干が初伝を生じ初伝が中伝を生じ中伝が末伝を生じ、または日干が末伝を生じ末伝が中伝を生じ中伝が初伝を生ずれば、皆一環が一環を扣え連綿として断えず我の元気を引き泄らし出すに属す。以上の各項も皆乗る天将・属する神煞・臨む神煞の三項を合断せねばならない。
官訟 初傳克干,三傳合局克干,三傳干支合局克干,支上克支、干上克干,干上克支、支上克干,支克干,支合局克干,干合局剋剋干,初克中、中克末、末克干,末克中、中克初、初克干,皆曰官訟。凡占人占事初傳克干起於官訟,或因夫職,或傷昆弟。三傳合局克干,三人三事傷我,或傷昆弟。三傳干支合局克干,眾人眾事傷我,或傷昆弟。支上克支,干上克干,彼我各自有傷。干上克支,支上克干,彼我交互相相傷。支克干,彼傷我。支合局克干,彼眾傷我。干合局克干,己眾傷我。初克中,中克末,末克干;末克中,中克初,初克干,連連引進傷我。皆視所乘何神、所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。
「官訟」は第三種の用神で、また「鬼煞」と称す。およそ五行上で日干を克し得るものは皆官訟に帰入する――我を克する者は、朝に在りては官府、家に在りては丈夫、身に在りては病災なり。故にこの名あり。官訟を構成する情形は:初伝が日干を克す。三伝が合局して日干を克す。三伝が干支を連ねて合局し日干を克す。日支上神が日支を克し、日干上神が日干を克す。日干上神が日支を克し、日支上神が日干を克す。日支が日干を克す。日支の合局が日干を克す。日干の合局が日干を克す(底本「克克干」は一「克」字を衍す)。初伝が中伝を克し、中伝が末伝を克し、末伝が日干を克す。末伝が中伝を克し、中伝が初伝を克し、初伝が日干を克す――以上皆官訟という。断法:初伝が日干を克すれば、事は官府詞訟より起こり、または丈夫と官職に因りて起こり、または兄弟を損傷す(官鬼は比劫を克し、比劫は兄弟を主る)。三伝が合局して日干を克すれば、三人・三事が我を傷し、または兄弟を損傷す。三伝が干支を連ねて合局し日干を克すれば、衆人衆事が我を傷し、または兄弟を損傷す。日支上神が日支を克し日干上神が日干を克すれば、彼我各自に傷を受く。日干上神が日支を克し日支上神が日干を克すれば、彼我交互に相傷す(底本「相相傷」は一字を衍す)。日支が日干を克すれば、相手が我を傷す。日支の合局が日干を克すれば、相手の一伙人が我を傷す。日干の合局が日干を克すれば、自己の一伙人が我を傷す。初が中を克し中が末を克し末が日干を克し、または末が中を克し中が初を克し初が日干を克すれば、皆一環が一環を扣えて傷害を我が身に引き至らしむるに属す。以上の各項はなお乗る天将・属する神煞・臨む神煞の三項を合断せねばならない。
妻財 初傳受干克,三傳合局受干克,三傳干支合局受干克,支上受支克、干上受干克,干上受無克、支上受干克,支受干克,支合局受干克,干合局受干克,干克初、初克中、中克末,干克末、末克中,中克初,皆曰妻財。凡占人占事,初傳受干克起於勞力,或因妻財,或傷父母。三傳合局受干克,三人三事勞我,或傷父母。三傳干支合局受干克,眾人眾事勞我,或傷父母。支上受支克、干上受干克,彼我各自有財。干上受無克、支上受干克,彼我交互取財。支受干克,己勞我。支合局受干克,彼眾勞我。干合局受干克,己眾勞我。干克初、初克中、中克末,干克末、末克中,中克初,連連引進得財。視所乘何神、所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。
「妻財」は第四種の用神である。およそ五行上で日干の克する所を受くるものは皆妻財に帰入する――我の克する者は、家に在りては妻妾、外に在りては銭財貨物なり。故にこの名あり。妻財を構成する情形は:初伝が日干の克する所を受く。三伝が合局して日干の克する所を受く。三伝が干支を連ねて合局し日干の克する所を受く。日支上神が日支の克する所を受け、日干上神が日干の克する所を受く。日干上神が日支の克する所を受け、日支上神が日干の克する所を受く(底本「受無克」は「受支克」とすべし)。日支が日干の克する所を受く。日支の合局が日干の克する所を受く。日干の合局が日干の克する所を受く。日干が初伝を克し、初伝が中伝を克し、中伝が末伝を克す。日干が末伝を克し、末伝が中伝を克し、中伝が初伝を克す――以上皆妻財という。断法:初伝が日干の克する所を受くれば、事は出力奔労より起こり、または妻室銭財に因りて起こり、または父母を損傷す(財は印を克し得、印は父母を主る)。三伝が合局して日干の克する所を受くれば、三人・三事が我に操労を要し、または父母を損傷す。三伝が干支を連ねて合局し日干の克する所を受くれば、衆人衆事が我に操労を要し、または父母を損傷す。日支上神が日支の克する所を受け日干上神が日干の克する所を受くれば、彼我各自に各々其の財あり。日干上神が日支の克する所を受け日支上神が日干の克する所を受くれば、彼我交互に財を取る。日支が日干の克する所を受くれば、相手が我に力を出さしむるなり(底本「己労我」は「彼労我」とすべし)。日支の合局が日干の克する所を受くれば、相手の一伙人が我に操労を要す。日干の合局が日干の克する所を受くれば、自己の一伙人が我に操労を要す。日干が初を克し初が中を克し中が末を克し、または日干が末を克し末が中を克し中が初を克すれば、皆一環が一環を扣えて財を門内に引き入るるに属す。吉凶はなお乗る天将・属する神煞・臨む神煞の三項を見る。
劫財 初傳比干,三傳合局比干,三傳干支合局比干,支上比支、干上比干,干上比支、支上比干,支比干,支合局比干,干合局比干,比曰劫財。凡占人占事,初傳比干起於起於奪財,或因昆弟,或傷妻妾。三傳合局比干,三人三事奪財,或傷妻妾。三傳干支合局比干,眾人眾事奪財,或傷妻妾。支上比支、干上比干,彼我各自奪財。干上比支、支上比干,彼我交互奪財。支合局比干,彼眾奪財。干合局比干,己眾奪財。皆觀所乘何神、所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。
「劫財」は第五種の用神である。およそ五行上で日干と同類なるものは皆劫財に帰入する――同類が相併するを「比」といい、同類が来りて我の物を分かつを「劫」という。六親の中では兄弟姉妹・同行同輩を代表す。劫財を構成する情形は:初伝が日干と同類。三伝が合局して日干と同類。三伝が干支を連ねて合局し日干と同類。日支上神が日支に比し、日干上神が日干に比す。日干上神が日支に比し、日支上神が日干に比す。日支が日干に比す。日支の合局が日干に比す。日干の合局が日干に比す――以上皆劫財という(底本「比曰劫財」は「皆曰劫財」とすべし)。断法:初伝が日干に比すれば、事は人の来りて銭財を分奪するより起こり(底本「起于起于」は一「起于」を衍す)、または兄弟に因りて起こり、または妻妾を損傷す(劫財は妻財を克す)。三伝が合局して日干に比すれば、三人・三事が来りて財を奪い、または妻妾を損傷す。三伝が干支を連ねて合局し日干に比すれば、衆人衆事が来りて財を奪い、または妻妾を損傷す。日支上神が日支に比し日干上神が日干に比すれば、彼我各自に人に遭りて財を分かたる。日干上神が日支に比し日支上神が日干に比すれば、彼我交互に相手の財を奪う。日支の合局が日干に比すれば、相手の一伙人が来りて財を奪う。日干の合局が日干に比すれば、自己の一伙人が来りて財を奪う。以上の各項は皆乗る天将・属する神煞・臨む神煞の三項を合断せねばならない。
格局・十二長生乗将
遐齡 長生煞乘青龍為初傳曰遐齡。凡占人占事以攸遠年高論。詳所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。 潔己 沐浴煞乘玄武為初傳曰潔己,凡占人占事以去汙潔身論。詳所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。 凶服 冠帶煞乘白虎為初傳,曰凶服。凡占人占事以齊衰孝服論。詳所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。 衣祿 臨官煞乘太常為初傳曰衣祿。凡占人占事以出仕食祿論。詳所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。
以下の十二格は、皆十二長生の中の或る一位の神煞がちょうど或る一位の天将に乗り上げて初伝を充とし、両者の気類が相同じきがゆえに、各々一名を立つ。 「遐齢」:長生煞の上に青竜が乗りて初伝を作す。長生は生発を主り、青竜は喜慶を主る。二者相得れば、「路途遥遠、年寿高長」に按じて論ずる:寿を問えば寿、事を問えば時日綿長なり。吉凶はさらに詳しく其の本身がいずれの神煞に属し、またいずれの神煞位上に臨むかを辨ずべし。 「潔己」:沐浴煞の上に玄武が乗りて初伝を作す。沐浴はもと洗濯の位、玄武は暗昧盗窃を主る。合看して「污垢を洗去り、身を潔くして自ら好む」に按じて論ずる:旧過を滌除することを主り、また暗中の事の澄清を得るを主る。吉凶の断法は上に同じ。 「凶服」:冠帯煞の上に白虎が乗りて初伝を作す。冠帯はもと衣冠を穿戴することを主り、白虎は喪亡を主る。衣冠と喪事とが相合すれば、「斉衰の孝服を身穿る」に按じて論ずる――斉衰は五服の一にして、家に喪事あるを主る。吉凶の断法は上に同じ。 「衣禄」:臨官煞の上に太常が乗りて初伝を作す。臨官は禄を得るの位、太常は衣冠飲食を主る。「出でて官を為し、俸禄を領受す」に按じて論ずる:功名に着落あり、衣食に虧なきを主る。吉凶はなお詳しく属する神煞と臨む神煞とを辨ずべし。
崇位 帝旺煞乘貴人為初傳曰崇位,凡占人占事以近帝極貴論。詳所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。 荒淫 衰煞乘天后為初傳曰荒淫。凡中人占事以淫色傷身論。詳所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。 久患 病煞乘勾陳為初傳曰久患,凡占人占事以疾病纏綿論。詳所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。 暗死 死煞乘太陰為初傳曰暗死。凡占人占事以死亡不明論。詳所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。
「崇位」:帝旺煞の上に天乙貴人が乗りて初伝を作す。帝旺は十二長生の中の最も盛なる位、貴人は十二天将の中の最も尊き神。尊の上に盛を加えれば、「帝王に親近し、位人臣に極まる」に按じて論ずる:貴人の提携を得て官高く位顯なるを主る。吉凶は詳しく其の本身がいずれの神煞に属し、またいずれの神煞位上に臨むかを辨ずべし。 「荒淫」:衰煞の上に天后が乗りて初伝を作す。衰は盛極まりて損に転ずる位、天后は婦女情色を主る。両下相合すれば、「女色に沉溺して以て身を傷るに致る」に按じて論ずる:色に因りて損を致し、精神耗散するを主る(底本「凡中人占事」は「凡占人占事」とすべし)。吉凶の断法は上に同じ。 「久患」:病煞の上に勾陳が乗りて初伝を作す。病位はもと疾患を主り、勾陳は牽連糾纏を主る。「疾病纏綿して去らず」に按じて論ずる:病の来ること拖沓にして、久しく治して愈えず。吉凶の断法は上に同じ。 「暗死」:死煞の上に太陰が乗りて初伝を作す。死位は喪亡を主り、太陰は隠晦不明を主る。「死するも明らかならず白からず」に按じて論ずる:暗中の喪亡の事ありて、死因は究め難きを主る。吉凶はなお詳しく属する神煞と臨む神煞とを辨ずべし。
禁繫 墓煞乘天空為初傳曰禁繫,凡占人占事以困守辦禁論。詳所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。 決絕 絕煞乘朱雀為初傳曰決絕,凡占人占事以議說斷決論。詳所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。 孕兒 胎煞乘六合為初傳曰孕兒,凡占人占事以隱匿懷胎論。詳所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。 異產 養煞乘螣蛇為初傳曰異產,凡占人占事以生產異怪論。詳所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。
「禁繋」:墓煞の上に天空が乗りて初伝を作す。墓は収蔵閉塞の位、天空は虚詐欺罔を主る。「一処に困守し、人に拘禁せらる」に按じて論ずる:身が牢獄囹圄に陥るか、または事が擱置封鎖せられて動弾を得ざるを主る。吉凶は詳しく其の本身がいずれの神煞に属し、またいずれの神煞位上に臨むかを辨ずべし。 「決絶」:絶煞の上に朱雀が乗りて初伝を作す。絶は気尽き断絶の位、朱雀は口舌言語文書を主る。「一番の議論の後に断然として了結す」に按じて論ずる:談判・訴訟に干脆の了断あるか、または音信がこれより断絶するを主る。吉凶の断法は上に同じ。 「孕児」:胎煞の上に六合が乗りて初伝を作す。胎は結孕の位、六合は交合婚配を主る。「暗中に身孕を懐く」に按じて論ずる:孕事已に成りて未だ顕露せざるを主り、およそ事もまた暗中に已に端倪あるを主る。吉凶の断法は上に同じ。 「異産」:養煞の上に螣蛇が乗りて初伝を作す。養は胎成りて生を待つの位、螣蛇は怪異驚恐を主る。「分娩の時に異常の怪事現わる」に按じて論ずる:生産が常規に循わざるか、または成す所の事が离奇反常なるを主る。吉凶はなお詳しく属する神煞と臨む神煞とを辨ずべし。
格局・刑冲破害合
刑傷 初刑干,干支相刑,干支上相刑,支上刑支、干上刑干,干上刑支、支上刑干,初刑中、中刑末,末刑中、中刑初,皆曰刑傷。凡占人占事,初刑干,起於刑傷。干支相刑,彼我相傷。干支上相刑,亦彼我相傷。支上刑支、干上刑干,彼我各有刑傷。干上刑支、支上刑干,彼我交互相傷。初刑中、中刑末,末刑中、中刑初,始終相傷。皆詳所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。
「刑傷」は地支三刑の義を取る(寅は巳を刑し、巳は申を刑し、申は寅を刑し、丑は戌を刑し、戌は未を刑し、未は丑を刑し、子は卯を刑し、卯は子を刑し、辰・午・酉・亥は各々自刑す)。およそ下列の情形は皆刑傷という:初伝が日干を刑す。日干と日支とが互刑す。日干上神と日支上神とが互刑す。日支上神が日支を刑し、日干上神が日干を刑す。日干上神が日支を刑し、日支上神が日干を刑す。初伝が中伝を刑し、中伝が末伝を刑す。末伝が中伝を刑し、中伝が初伝を刑す。断法:初伝が日干を刑すれば、事は刑傷懲創の上より頭を起こし、責罰・傷損の事あるを主る。日干と日支とが互刑すれば、彼我の互相傷害なり。日干上神と日支上神とが互刑するも、また彼我の互相傷害なり。ただ傷は外圍に在り。日支上神が日支を刑し日干上神が日干を刑すれば、彼我各自に各々其の傷を受け、相干涉せず。日干上神が日支を刑し日支上神が日干を刑すれば、彼我交叉互傷なり。初が中を刑し中が末を刑し、または末が中を刑し中が初を刑すれば、頭より尾に至るまで一路相傷し、事は自始至終安寧を得ず。以上の各項は皆詳しくいずれの神煞に属し、いずれの神煞に臨むかを辨じて、乃ち其の吉凶軽重を定め得る。
搖動 初傳沖干,干支相沖,干支上相沖,支上沖支、干上沖干,干上沖支,支上沖干,初沖中,中沖末,末沖中,中沖初,皆曰搖動。凡占人占事,初傳沖干,起於搖動。干支相沖,彼我勿合。干支上相沖,亦彼我勿合。支上沖支、干上沖干,彼我各自勿寧。干上沖支,支上沖干,彼我交互勿合。初沖中,中沖末,末沖中,中沖初,始終勿合。皆詳所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。
「揺動」は地支六冲の義を取る――子午・丑未・寅申・卯酉・辰戌・巳亥が両々相対し、六位を隔てて相冲す。およそ下列の情形は皆揺動という:初伝が日干を冲す。日干と日支とが相冲す。日干上神と日支上神とが相冲す。日支上神が日支を冲し、日干上神が日干を冲す。日干上神が日支を冲し、日支上神が日干を冲す。初伝が中伝を冲し、中伝が末伝を冲す。末伝が中伝を冲し、中伝が初伝を冲す。断法:初伝が日干を冲すれば、事は動蕩不安の上より頭を起こし、遷移・変動・驚擾あるを主る。日干と日支とが相冲すれば、彼我両下合い攏まず。日干上神と日支上神とが相冲すれば、同じく彼我合い攏まず、ただ冲は外圍に在り。日支上神が日支を冲し日干上神が日干を冲すれば、彼我各自に安寧を得ず。日干上神が日支を冲し日支上神が日干を冲すれば、彼我交叉に冲突す。初が中を冲し中が末を冲し、または末が中を冲し中が初を冲すれば、自始至終皆合い攏まず、事は反復揺摆す。以上の各項は皆詳しくいずれの神煞に属し、いずれの神煞に臨むかを辨じて、乃ち其の吉凶を定め得る。
破損 初傳破干,干支相破,干支上相破,支上破支、干上破干,干上破支,支上破干,初破中,中破末,末破中,中破初,皆曰破損。凡占人占事,初傳破干,起於破損。干支相破,彼我相損。干支上相破,亦彼我相損。支上破支、干上破干,彼我各自有損。干上破支,支上破干,彼我交互相損。初破中,中破末,末破中,中破初,始終相損。皆詳所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。
「破損」は地支六破の義を取る――子は酉を破り、午は卯を破り、丑は辰を破り、戌は未を破り、亥は寅を破り、申は巳を破る。两支相破すれば彼此残欠し、器物の裂を見るがごとし。およそ下列の情形は皆破損という:初伝が日干を破る。日干と日支とが相破す。日干上神と日支上神とが相破す。日支上神が日支を破り、日干上神が日干を破る。日干上神が日支を破り、日支上神が日干を破る。初伝が中伝を破り、中伝が末伝を破る。末伝が中伝を破り、中伝が初伝を破る。断法:初伝が日干を破れば、事は残破虧損の上より頭を起こし、器物の損壊・計画の落空・財物の折耗を主る。日干と日支とが相破すれば、彼我の互相折損なり。日干上神と日支上神とが相破するも、また彼我の互損なり。傷は外圍に在り。日支上神が日支を破り日干上神が日干を破れば、彼我各々其の虧損あり。日干上神が日支を破り日支上神が日干を破れば、彼我交叉に損耗す。初が中を破り中が末を破り、または末が中を破り中が初を破れば、自始至終断えず折損し、事は辦すれば辦するほど残欠す。以上の各項は皆詳しくいずれの神煞に属し、いずれの神煞に臨むかを辨じて、乃ち其の吉凶を定め得る。
仇害 初傳害干,干支相害,干支上相害,支上害支、干上害干,干上害支,支上害干,初害中,中害末,末害中,中害初,皆曰仇害。凡占人占事,初傳害干,起於仇害。干支相害,彼我相害。干支上相害,亦彼我相害。支上害支、干上害干,彼我各自有害。干上害支,支上害干,彼我交互相害。初害中,中害末,末害中,中害初,始終相害。皆詳所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。
「仇害」は地支六害の義を取る――子未・丑午・寅巳・申亥・卯辰・酉戌が両々相害す。六害は六合が冲せられて来るがゆえに、その害は多く親近の人より出で、暗地裏の怨仇なり。およそ下列の情形は皆仇害という:初伝が日干を害す。日干と日支とが相害す。日干上神と日支上神とが相害す。日支上神が日支を害し、日干上神が日干を害す。日干上神が日支を害し、日支上神が日干を害す。初伝が中伝を害し、中伝が末伝を害す。末伝が中伝を害し、中伝が初伝を害す。断法:初伝が日干を害すれば、事は怨を結び陥れ害する上より頭を起こし、暗中に我と仇を為す人あるを主る。日干と日支とが相害すれば、彼我の互相加害なり。日干上神と日支上神とが相害すれば、同じく彼我の相害なり。ただ害は外圍に在り。日支上神が日支を害し日干上神が日干を害すれば、彼我各自に害を受く。日干上神が日支を害し日支上神が日干を害すれば、彼我交叉に相害す。初が中を害し中が末を害し、または末が中を害し中が初を害すれば、自始至終暗害休まず。以上の各項は皆詳しくいずれの神煞に属し、いずれの神煞に臨むかを辨じて、乃ち其の吉凶を定め得る。
和合 初傳合干,干支相合,干支上相合,支上合支、干上合干,干上合支、支上合干,初合中、中合末,末合中、中合初。三傳三合、支三合、干三合,皆曰和合。凡占人占事,初傳合干,起於和合。干支相合,彼我相合。干支上相合,亦彼我相合。支上合支,干上合干,彼我各自有合。干上合支、支上合干,彼我交互相合。初合中、中合末,末合中、中合初,始終相合。三傳三合,三人三事相合。支三合彼眾相合。干三合己眾相合。皆觀所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。
「和合」は地支六合と三合の義を取る――六合は子丑・午未・卯戌・酉辰・寅亥・巳申の両々相合、三合は申子辰・亥卯未・寅午戌・巳酉丑の三支の局を成す。およそ下列の情形は皆和合という:初伝が日干を合す。日干と日支とが相合す。日干上神と日支上神とが相合す。日支上神が日支を合し、日干上神が日干を合す。日干上神が日支を合し、日支上神が日干を合す。初伝が中伝を合し、中伝が末伝を合す。末伝が中伝を合し、中伝が初伝を合す。および三伝が自ら三合を成し、日支の一方が三合を成し、日干の一方が三合を成す。断法:初伝が日干を合すれば、事は和睦交合の上より頭を起こし、人の来りて和を講じ、親を説き、約を議するを主る。日干と日支とが相合すれば、彼我両下の相投なり。日干上神と日支上神とが相合すれば、また彼我の相投なり。合は外圍に在り。日支上神が日支を合し日干上神が日干を合すれば、彼我各自に別に相合の人あり。日干上神が日支を合し日支上神が日干を合すれば、彼我交叉に好を結ぶ。初が中を合し中が末を合し、または末が中を合し中が初を合すれば、自始至終一路和順なり。三伝が三合を成せば、三人・三事の一処に凑るを主る。日支の一方が三合を成せば、相手の一伙人の来りて相合するを主る。日干の一方が三合を成せば、自己の一伙人の相合するを主る。以上の各項は皆いずれの神煞に属し、いずれの神煞に臨むかを見て、乃ち其の吉凶を定め得る。
格局・駅馬と太歳
前程 馬煞為初傳曰前程,凡占人占事以前論。視所乘合神、所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。 天恩 太歲煞為初傳,乘貴人、六合、青龍、太常、朱雀、天后,生合日干曰天恩。凡占人占事起於至尊至吉,或君恩論。視所乘何神、所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。 天禍 太歲煞為初傳,乘螣蛇、白虎、太陰、勾陳、玄武、天空、刑沖破害日干曰天禍。凡占人占事起於至大至凶,或君辱論。視所乘合神、所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。
「前程」:駅馬煞が初伝を充とすを前程という。駅馬は奔驰行動を主るがゆえに、およそ人を占い事を占するに、皆「前路・前進・出行」の一路に按じて論ずる:問う所の事は前方に在り遠処に在り、身を動かすに宜しく守るに宜しからず。吉凶は其の乗る所の天将・本身の属する神煞・臨む所の神煞位を見る(底本「所乗合神」は「所乗何神」とすべし)。 「天恩」:太歳煞が初伝を充とし、上に貴人・六合・青竜・太常・朱雀・天后のこの六位の吉将の一に乗り、しかも日干を生じまたは日干を合すを天恩という。太歳は一年の主にして至尊を象徴す。故におよそ人を占い事を占するに、皆「事は至尊至吉の処より起こり、または君上の恩沢より出づ」と論ずる:上司・朝廷・尊長の提拔賞賜を受くるを主る。吉凶はなお乗る天将・属する神煞・臨む神煞の三項を見る。 「天禍」:太歳煞が初伝を充とし、上に螣蛇・白虎・太陰・勾陳・玄武・天空のこの六位の凶将の一に乗り、しかも日干を刑・冲・破・害すを天禍という。およそ人を占い事を占するに、皆「事は至大至凶の処より起こり、または君上の責辱より出づ」と論ずる:上司・官府・尊長の譴責刑罰に遭い、その禍小ならざるを主る。吉凶も同じく乗る天将・属する神煞・臨む神煞の三項を見る。
格局・時令旺衰
及時 春木、夏火、秋金、冬水、季土為初傳,干支上乘此,三傳合此局,三傳干支合此局,皆曰及時。凡占人占事,初傳屬此,事起當時。干支上乘此,人事當時。三傳合此局,三人三合當時。三傳干支合此局,眾人從事當時。皆視所乘何神、所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。 失時 春金、土夏、金水、秋火、木冬、火土為初傳,干支上乘此,三傳合此局,三傳干支合此局,皆曰失時。凡占人占事初傳屬此,事起不時。干支上乘此,人事不時。三傳合此局,三人三事不時。三傳干支合此局,眾人眾事不時。皆視所乘何神、所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。
「及時」は当令得時を講ずる。春は木に属し、夏は火に属し、秋は金に属し、冬は水に属し、四季月(辰戌丑未月)は土に属す。これが即ち当季最も旺なる一行なり。およそ初伝が当令の行に属し、または日干日支上神が当令の行に乗り、または三伝が当令の其の局を合成し、または三伝が干支を連ねて当令の其の局を合成すれば、皆及時という。断法:初伝が当令に属すれば、事の起こるやまさに其の時に当たる。干支上神が当令に乗れば、問う所の人と事はまさに其の時に当たる。三伝が当令の局を合成すれば、三人・三事が皆時候に趕上す。三伝が干支を連ねて当令の局を合成すれば、衆人共事が皆時候に趕上す。吉凶はなお乗る天将・属する神煞・臨む神煞の三項を見る。 「失時」は不当令を講ずる。春に金と土を見、夏に金と水を見、秋に火と木を見、冬に火と土を見るは、皆本季の死囚の気なり(底本はここに「春金、土夏、金水、秋火、木冬、火土」と刻す。字序錯乱なり。「春金土、夏金水、秋火木、冬火土」と読むべし)。およそ初伝がこの類の失令の行に属し、または干支上神が之に乗り、または三伝が此の局を合成し、または三伝が干支を連ねて此の局を合成すれば、皆失時という。断法:初伝が之に属すれば、事の起こるや其の時ならず。干支上神が之に乗れば、問う所の人事は時宜に合せず。三伝が局を合すれば、三人三事が皆時に逢わず。三伝が干支を連ねて局を合すれば、衆人衆事が皆時に逢わず。吉凶も同じく乗る天将・属する神煞・臨む神煞の三項を見る。
既往 春水、夏木、秋土、冬金、季火為初傳,干支上乘此,三傳合此局,三傳干支合此局,皆曰既往。凡占人占事,初傳屬此,事起過時。干支上乘此,人事過時。三傳合此局,三人三事過時。三傳干支合此局,眾人眾事過時。皆視所乘何神、所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。 將來 春火、夏土、秋水、冬木、季金為初傳,干支上乘此,三傳合此局,三傳干支合此局,皆曰既往。凡占人占事,初傳屬此,事起將來。干支上乘此,人事將來。三傳合此局,三人三事將來。三傳干支合此局,眾人眾事將來。皆視所乘何神、所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。
「既往」は気已に過去せるを講ずる。春に水を見、夏に木を見、秋に土を見、冬に金を見、四季月に火を見るは、皆本季の当令の行を生ずる其の一位なり――它は已に気を当令の者に交して、自身は退居して休廃す。故に既往という。およそ初伝が此の一行に属し、または干支上神が之に乗り、または三伝が此の局を合成し、または三伝が干支を連ねて此の局を合成すれば、皆既往という。断法:初伝が之に属すれば、事は早已に時候を過ぎて後に発動す。干支上神が之に乗れば、問う所の人事は已に時機を錯過す。三伝が局を合すれば、三人・三事が皆已に時を過ぐ。三伝が干支を連ねて局を合すれば、衆人衆事が皆已に時を過ぐ。吉凶は乗る天将・属する神煞・臨む神煞の三項を見る。 「将来」は気未だ至らざるを講ずる。春に火を見、夏に土を見、秋に水を見、冬に木を見、四季月に金を見るは、皆当令の行の生ずる其の一位なり――気は剛に生を受けて未だ権に当たらず。故に将来という(底本は此の条もなお「皆曰既往」と作す。「皆曰将来」とすべく刻誤なり)。およそ初伝が此の一行に属し、または干支上神が之に乗り、または三伝が此の局を合成し、または三伝が干支を連ねて此の局を合成すれば、皆将来という。断法:初伝が之に属すれば、事は日後に至りて乃ち発動す。干支上神が之に乗れば、問う所の人事はなお将来に在り。三伝が局を合すれば、三人三事が皆日後に属す。三伝が干支を連ねて局を合すれば、衆人衆事が皆日後に属す。吉凶も同じく乗る天将・属する神煞・臨む神煞の三項を見る。
時泰 月將月建為初傳,乘貴人、六合、青龍、太常、朱雀、天后,生合日干,曰時泰。凡占人占事以時亨運泰論。視所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。 時否 月將月建為初傳,乘螣蛇、白虎、勾陳、玄武、太陰、天空,刑沖破害日干,曰時否。凡占人占事以時乖運蹇論。視所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。
「時泰」:当月の月将または月建が初伝を充とし、上に貴人・六合・青竜・太常・朱雀・天后のこの六位の吉将の一に乗り、しかも日干を生じまたは日干と相合すを時泰という。月将月建は当下の此の一月の時運を代表し、吉将を得てまた来りて我を生合す。故におよそ人を占い事を占するに、皆「時運亨通、運気順泰」と論ずる:問う所の事は水に順い風に順い、進取に宜し。吉凶はさらに其の本身がいずれの神煞に属し、いずれの神煞位上に臨むかを見ねばならない。 「時否」:当月の月将または月建が初伝を充とし、上に螣蛇・白虎・勾陳・玄武・太陰・天空のこの六位の凶将の一に乗り、しかも日干を刑・冲・破・害すを時否という。「否」は《周易》否卦の否にして、閉塞不通の意なり。およそ人を占い事を占するに、皆「時運乖違、命途蹇滞」と論ずる:問う所の事は処処に阻を受け、守るに宜しく動くに宜しからず。吉凶も同じく属する神煞と臨む神煞とを見る。
格局・五用落空
孤哀 初傳屬印煞空,三傳合局屬印煞空,三傳干支合局屬印煞空,皆曰孤哀。凡占人占事初傳屬印煞空,起於勿助,或喪父母。三傳合局屬印煞空,三人三事勿助,或喪父母。三傳干支合局屬印煞空,眾人眾事勿助,或喪父母。皆視所乘何神、所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。 螟蛉 初傳屬盜煞空,三傳合局屬盜煞空,三傳干支合局屬盜煞空,皆曰螟蛉。凡占人占事初傳屬盜煞空,起於勿脫,或喪男女。三傳合局屬盜煞空,三人三事勿脫,或喪男女。三傳干支合局屬盜煞空,眾人眾事勿脫,或喪男女。皆視所乘何神、所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。
以下の五格は、皆五種の用神が旬空に落ちるものである。旬空はすなわち本旬の中に干を配する無き其の二つの地支で、落空の神は有名無実にして、主る所の事も之に随って落空す。 「孤哀」:初伝が印煞に属して旬空に落ち、または三伝の合局が印煞に属して落空し、または三伝が干支を連ねた合局が印煞に属して落空すれば、皆孤哀という。印は父母を主り、印が空なれば依恃する所なし。故に孤哀と名づく(父の死を孤と称し、母の死を哀と称す)。断法:初伝が印空なれば、事は人の扶助なきより起こり、または父母の喪あるを主る。三伝の合局が印空なれば、三人・三事が皆指望し難く、または親の喪を主る。三伝が干支を連ねた合局が印空なれば、衆人衆事が皆指望し難く、または親の喪を主る。吉凶はなお乗る天将・属する神煞・臨む神煞の三項を見る。 「螟蛉」:初伝が盗煞(すなわち傷官・子孫の一路)に属して旬空に落ち、または三伝の合局が盗煞に属して落空し、または三伝が干支を連ねた合局が盗煞に属して落空すれば、皆螟蛉という。螟蛉はもと《詩経・小雅》のいう蜾蠃の養う他人の子で、後世は借りて養子を指す。盗煞は子女を主り、落空すれば子息虚にして実ならず。故にこの名あり。断法:初伝が盗空なれば、事は耗泄成らざるより起こり、または子女の喪あるを主る。三伝の合局が盗空なれば、三人三事が皆脱耗成らず、または子女の喪を主る。三伝が干支を連ねた合局が盗空なれば、衆人衆事が皆落空し、または子女の喪を主る。吉凶も同じく乗る天将・属する神煞・臨む神煞の三項を見る。
鰥居 初傳屬財煞空,三傳合局屬財煞空,三傳干支合局屬財煞空,皆曰鰥居。凡占人占事初傳屬財煞空,起於失財,或喪妻妾。三傳合局屬財煞空,三人三事失財,或喪妻妾。三傳干支合局屬財煞空,眾人眾事失財,或喪妻妾。皆視所乘何神、所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。 孀居 初傳屬鬼煞空,三傳合局屬鬼煞空,三傳干支合局屬鬼煞空,皆曰孀居。凡占人占事初傳屬鬼煞空,起於勿傷,或喪夫失職。三傳合局屬鬼煞空,三人三事勿傷,或喪夫失職。三傳干支合局屬鬼煞空,眾人眾事勿傷,或喪夫失職。皆視所乘何神、所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。
「鰥居」:初伝が財煞に属して旬空に落ち、または三伝の合局が財煞に属して落空し、または三伝が干支を連ねた合局が財煞に属して落空すれば、皆鰥居という。財は妻妾と銭財を主り、財が空なれば妻財両失す。老にして妻なきを鰥という。故にこの名あり。断法:初伝が財空なれば、事は破財失利より起こり、または妻妾の喪あるを主る。三伝の合局が財空なれば、三人・三事が皆財を折り、または妻妾の喪を主る。三伝が干支を連ねた合局が財空なれば、衆人衆事が皆財を折り、または妻妾の喪を主る。吉凶は乗る天将・属する神煞・臨む神煞の三項を見る。 「孀居」:初伝が鬼煞(すなわち官鬼の一路)に属して旬空に落ち、または三伝の合局が鬼煞に属して落空し、または三伝が干支を連ねた合局が鬼煞に属して落空すれば、皆孀居という。鬼煞は女子に在りては夫を主り、男子に在りては官職を主る。落空すれば夫と官と皆虚なり。寡婦を孀という。故にこの名あり。断法:初伝が鬼空なれば、事は起こるといえど傷は我に着かず――凶事の落空は反って好処なり。ただ女子に於ては夫の喪を主り、男子に於ては官職を失うを主る。三伝の合局が鬼空なれば、三人三事が皆我を傷るを得ず、または夫の喪・職の失を主る。三伝が干支を連ねた合局が鬼空なれば、衆人衆事が皆我を傷るを得ず、または夫の喪・職の失を主る。吉凶も同じく乗る天将・属する神煞・臨む神煞の三項を見る。
失群 初傳屬劫煞空,三合合局屬劫煞空,三傳干支合局屬劫煞空,皆曰失群。凡占人占事初傳屬劫煞空,起於勿劫,或喪兄弟。三傳合局屬劫煞空,三人三事勿劫,或喪兄弟。三傳干支合局屬劫煞空,眾人眾事勿劫,或喪兄弟。皆視所乘何神、所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。
「失群」:初伝が劫煞に属して旬空に落ち、または三伝の合局が劫煞に属して落空し、または三伝が干支を連ねた合局が劫煞に属して落空すれば、皆失群という。劫煞はすなわち日干と同類の比劫にして、兄弟姉妹と同輩同行を主る。落空すれば同類に着なく、群を離るる雁のごとし。故に失群と名づく。断法:初伝が劫空なれば、事は人の来りて分奪するあれど、我を奪うを成さず――財を奪うの落空は我に反って好事なり。ただ六親に於ては兄弟の喪を主る。三伝の合局が劫空なれば、三人・三事が皆我を劫するを得ず、または兄弟の喪を主る。三伝が干支を連ねた合局が劫空なれば、衆人衆事が皆我を劫するを得ず、または兄弟の喪を主る。吉凶はなお乗る天将・属する神煞・臨む神煞の三項を合断せねばならない。
格局・十二天将臨宮
干貴 初傳乘貴人曰干貴,凡占人占事,事起於干貴謁貴論。視所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。貴人臨子曰解紛,必囑事於童僕。貴人臨丑曰升堂,宜投書於公府。貴人臨寅曰憑几,可謁見於其家。貴人臨卯曰登車,宜訴詞於路。貴人臨辰曰天牢,臨戌曰地獄,下憂上辱。貴人臨巳午曰受貢,君喜臣歡。貴人臨未曰列席,有酒筵之娛。貴人臨申為移途,有求干之榮。貴人臨酉曰入私室,不遑寧處。臨亥曰登天門還絳宮坦然安居。貴人空勿實論。
「干貴」:初伝の上に天乙貴人に乗るを干貴という。およそ人を占い事を占するに、皆「事の干求あり、貴人を拝謁す」に按じて論ずる。吉凶は其の本身がいずれの神煞に属し、いずれの神煞位上に臨むかを見る。以下は貴人の十二宮に落つるの分断なり。貴人が子位に臨むを名づけて「解紛」という:糾紛解くべし。ただ童僕の輩の人を托して経手せしむるを須とす。丑位に臨むを名づけて「升堂」という:丑は貴人の本郷、官府に呈文を投逓するに宜し。寅位に臨むを名づけて「凭几」という:貴人几に凭りて安坐す。門に登りて拝見すべし。卯位に臨むを名づけて「登車」という:貴人まさに車に登らんとす。路途中に攔りて状詞を逓するに宜し。辰位に臨むを名づけて「天牢」、戌位に臨むを名づけて「地獄」という――辰戌は魁罡の凶地、下に在る者は憂懼し、上に在る者は辱を受くるを主る。巳・午位に臨むを名づけて「受貢」という:貴人人の進献を受く。君上歓び臣下もまた歓ぶ。未位に臨むを名づけて「列席」という:酒筵の楽あり、宴請款待の事を主る。申位に臨むを名づけて「移途」という:貴人道を改めて行く。干求の事は反って栄耀の得るべきあり。酉位に臨むを名づけて「入私室」という:貴人退きて内室に入る。奔忙して安居を得ず、見を求めて易からず。亥位に臨むを名づけて「登天門」という:亥は天門、貴人還りて絳宮に帰る。坦然として安居し、諸事平穏なり。もし貴人がまさに旬空の位に落ちれば、以上の各条は皆坐実して断ずべからず。
恐懼 初傳乘螣蛇曰恐懼。凡占人占事,事起於驚恐怪異論。視所屬何煞,所臨何煞定其吉凶。螣蛇臨子曰掩目,無患無憂。螣蛇臨丑曰蟠龜,禍消福善。螣蛇臨寅曰生角,臨酉曰露齒,禍福兩途。螣蛇臨巳曰乘霧,臨午曰飛空,休祥不辨。螣蛇臨未曰入林,鋒不可砍。螣蛇臨亥曰墜水,從心無患。螣蛇臨卯曰當門,臨申曰銜劍,總是成災。螣蛇臨辰曰入冢,臨辰曰象龍,併為釋難。螣蛇空勿實論。
「恐懼」:初伝の上に螣蛇に乗るを恐懼という。およそ人を占い事を占するに、皆「事は驚恐怪異より起こる」と論ずる。吉凶は其の属する神煞と臨む所の神煞とを見る。以下は螣蛇の十二宮に落つるの分断なり。螣蛇が子に臨むを名づけて「掩目」という:蛇水に入りて目掩わる。見えざれば即ち患なく憂なし。丑に臨むを名づけて「蟠亀」という:盤曲して亀のごとし。禍事消解して福善之に随う。寅に臨むを名づけて「生角」、酉に臨むを名づけて「露歯」という――蛇の角生ず、蛇の歯露るは皆異相なり。吉凶両路とも行き通ず。別項を別に参して乃ち定め得る。巳に臨むを名づけて「乗霧」、午に臨むを名づけて「飛空」という:蛇は霧を騰し空に飛ぶ。祥か不祥かは一時に分辨し得ず。未に臨むを名づけて「入林」という:蛇林中に鑽入す。刀鋒もそれを砍り着かず。身を蔵めて所を得るを主る。亥に臨むを名づけて「墜水」という:蛇水中に墜入して反って其の所を得る。心に従い欲する所なして患なし。卯に臨むを名づけて「当門」、申に臨むを名づけて「銜剣」という――当門して路を攔え、口に利刃を銜む。総じて災を成さんとす。辰に臨むを名づけて「入塚」、戌に臨むを名づけて「象竜」という(底本は両句とも「臨辰」と作す。後の句は「臨戌」とすべく刻誤なり)。この二種は皆困難の解開を得るを主る。もし螣蛇がまさに旬空に落ちれば、以上の各条は皆坐実して断ずべからず。
文書 初傳乘朱雀曰文書。凡占人占事起於文書信息論。視所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。朱雀臨子曰損羽,自傷難逃。朱雀臨丑曰掩目,動靜得昌。朱雀臨寅卯曰安巢,遲滯沉溺。朱雀臨辰戌曰投網,乖錯遺忘。朱雀臨申曰厲嘴,臨午曰銜符,怪異經官語訟。朱雀臨未曰臨墳,臨亥曰入水,悲哀且在雞窗。朱雀臨酉曰夜噪,因官災起。朱雀臨曰。有音信至。朱雀空勿實論。
「文書」:初伝の上に朱雀に乗るを文書という。およそ人を占い事を占するに、皆「事は文書音信より起こる」と論ずる。吉凶は其の属する神煞と臨む所の神煞とを見る。以下は朱雀の十二宮に落つるの分断なり。朱雀が子に臨むを名づけて「損羽」という:水其の羽を損す。自身傷を受けて逃脱を得ず。丑に臨むを名づけて「掩目」という:目を閉じて視ず。動くもよし静もよし、皆順昌を得る。寅・卯に臨むを名づけて「安巢」という:鳥巣中に帰りて安処して動かず。事の遅滞沉滞を主る。辰・戌に臨むを名づけて「投網」という:自ら羅網に投ず。差錯乖違・遺漏忘失を主る。申に臨むを名づけて「厲嘴」という:其の喙を磨礪す。午に臨むを名づけて「銜符」という:口に符信を銜む――両者は皆怪異の事が官府に牽入し、口舌詞訟を生出すを主る。未に臨むを名づけて「臨墳」、亥に臨むを名づけて「入水」という:皆悲哀の事を主る。而るに悲ぶ所はまた読書求學の一路に落つる(「鶏窓」は書房の代称)。酉に臨むを名づけて「夜噪」という:夜間に聒噪して不祥なり。官事に因りて災を起こす。此の下の一条は底本に臨む所の支を脱去し、ただ「朱雀臨」某位と作す。其の応験は音信の到来あるなり(原文脱字、今は照録して補わず)。もし朱雀がまさに旬空に落ちれば、以上の各条は皆坐実して断ずべからず。
交合 初傳乘六合曰交合。凡占人占事起於交涉和合論。視所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。六合臨亥曰待命和同。六合臨巳曰不諧驚悖。六合臨子曰反目,無禮之事端。六合臨酉曰私竄,不明之囚地。六合臨寅曰乘軒,臨申曰結髮,從媒妁而成歡。六合臨卯曰違理,臨辰曰亡羞,因妄冒而加罪。六合臨午曰升堂,臨卯曰入室,併為已就之占。六合臨丑曰納采,臨未曰妝嚴,總是欲成之例。六合空勿實論。
「交合」:初伝の上に六合に乗るを交合という。およそ人を占い事を占するに、皆「事は交渉議和・婚媾結合より起こる」と論ずる。吉凶は其の属する神煞と臨む所の神煞とを見る。以下は六合の十二宮に落つるの分断なり。六合が亥に臨むを名づけて「待命」という:静かに消息を候す。終に和同に帰す。巳に臨むを名づけて「不諧」という:両下談り攏まず。驚擾悖乱す。子に臨むを名づけて「反目」という:面を翻して仇を成す。端由は無礼の事より起こる。酉に臨むを名づけて「私竄」という:暗中に潜逃す。不明不白の囚禁の地に落ち入る。寅に臨むを名づけて「乗軒」、申に臨むを名づけて「結髪」という:両者は皆媒妁の撮合を経て好事を成すを主る。卯に臨むを名づけて「違理」、辰に臨むを名づけて「亡羞」という:皆虚妄に冒充するに因りて罪責を招致するを主る。午に臨むを名づけて「升堂」、戌に臨むを名づけて「入室」という(底本はここまた「臨卯」と作す。上文と重出す。別位とすべく刻誤なり):両者は皆事已に就緒せるの占なり。丑に臨むを名づけて「納采」、未に臨むを名づけて「妝厳」という――納采は六礼の首、妝厳は妝奩を備辨す。総じて皆将成未成就の例に属す。もし六合がまさに旬空に落ちれば、以上の各条は皆坐実して断ずべからず。
爭訟 初傳乘勾陳曰爭訟。凡占人占事起於爭訟牽連論。視所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。勾陳臨丑曰受越,臨子曰投機,被辱暗遭毒害。勾陳臨寅曰遭囚,宜上書。勾陳臨巳曰捧印,有封拜。勾陳臨卯曰臨門,家不和。勾陳臨酉曰披刃,身遭責。勾陳臨辰曰升堂,有獄吏以勾連。勾陳臨午曰反目,因他人而逆戾。勾陳臨未入驛,臨戌曰下獄,往返詞訟稽留。勾陳臨申曰趨戶,臨亥曰褰裳,反覆勾連改革。勾陳空勿實論。
「争訟」:初伝の上に勾陳に乗るを争訟という。およそ人を占い事を占するに、皆「事は争闘詞訟・牽連纏繞より起こる」と論ずる。吉凶は其の属する神煞と臨む所の神煞とを見る。以下は勾陳の十二宮に落つるの分断なり。勾陳が丑に臨むを名づけて「受越」、子に臨むを名づけて「投机」という:両者は皆辱を受くるを主り、併せて暗中に人に毒害せらる。寅に臨むを名づけて「遭囚」という:囚繫の象あるといえど、書を上りて申訴するに宜し。巳に臨むを名づけて「捧印」という:手に官印を捧ぐ。官を封じ職を拝するの喜あり。卯に臨むを名づけて「臨門」という:訟事門に臨む。家宅和せず。酉に臨むを名づけて「披刃」という:身に刀刃を被る。自身責罰に遭わんとす。辰に臨むを名づけて「升堂」という:辰は天獄、獄吏の来りて勾連拘牽するあるを主る。午に臨むを名づけて「反目」という:旁人の牽累に因りて乖戻を生ず。未に臨むを名づけて「入駅」、戌に臨むを名づけて「下獄」という:皆詞訟の往返拖延・久しく結ばざるを主る。申に臨むを名づけて「趨戸」、亥に臨むを名づけて「褰裳」という:皆反復勾連・事の幾経更改するを主る。もし勾陳がまさに旬空に落ちれば、以上の各条は皆坐実して断ずべからず。
重慶 初傳乘青龍曰喜慶。凡占人占事起於一應喜慶論。視所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。青龍臨未曰在陸,臨丑曰蟠泥,所謀未遂。青龍臨戌曰登魁,小人爭財。青龍臨辰曰飛天,君子欲動。青龍臨寅曰乘云,臨卯曰驅雷,利以經營。青龍臨申曰傷鱗,臨酉曰摧角,宜乎安靜。青龍臨午曰燒身,臨巳曰掩目,因財有不測之虞憂。青龍臨子曰入海,臨亥曰遊江,因動有非常之喜慶。青龍空勿實論。
「喜慶」:初伝の上に青竜に乗るを喜慶という(本条の底本の標目は「重慶」と作す。正文と巻首総目と皆「喜慶」と作す。標目は刻誤とすべし)。およそ人を占い事を占するに、皆「事は種種の喜慶より起こる」と論ずる。吉凶は其の属する神煞と臨む所の神煞とを見る。以下は青竜の十二宮に落つるの分断なり。青竜が未に臨むを名づけて「在陸」、丑に臨むを名づけて「蟠泥」という――竜の陸地に擱浅し、泥中に盤困するは、謀る所の事は一時に辦成せず。戌に臨むを名づけて「登魁」という:戌は魁罡、小人の財を争いに起こるを主る。辰に臨むを名づけて「飛天」という:辰は竜郷、竜本位に帰りて飛騰せんと欲す。君子将に作為あらんとするを主る。寅に臨むを名づけて「乗雲」、卯に臨むを名づけて「駆雷」という:竜雲雷の助を得る。経営謀画に利あり。申に臨むを名づけて「傷鱗」、酉に臨むを名づけて「摧角」という――金は木を克す。鱗傷つき角折る。この時安守静処に宜し。午に臨むを名づけて「焼身」、巳に臨むを名づけて「掩目」という:火其の身を焚く。銭財に因りて不測の憂を生ずるを主る。子に臨むを名づけて「入海」、亥に臨むを名づけて「遊江」という:竜水に入りて所を得る。発動に因りて非常の喜慶を得るを主る。もし青竜がまさに旬空に落ちれば、以上の各条は皆坐実して断ずべからず。
朝天 初傳乘天空曰,凡占人占事起於虛詐對奏論。視所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。天空臨子曰伏室,患生發女。臨戌曰居家,事起奴婢。臨丑曰侍側,詐尊長言。臨未曰趨進,騙貨財利。臨寅曰犯牢,公私口舌。臨酉曰出戶,奴婢逃亡。臨卯曰在卯,欺凌必至。臨辰曰入辰,暴客來傷。臨巳曰受辱,臨亥曰誣詞,奸人謀害。臨午曰識字,臨申曰鼓舌,情偽難分。天空空勿實論。
「朝天」:初伝の上に天空に乗るを朝天という(底本は此の句を「初伝乗天空曰」と作す。「曰」の下に「朝天」の二字を脱す。今は照録して補わず)。およそ人を占い事を占するに、皆「事は虚假欺詐・当面の奏対より起こる」と論ずる――天空は空虚不実を主り、言語は多く偽なり。吉凶は其の属する神煞と臨む所の神煞とを見る。以下は天空の十二宮に落つるの分断なり。天空が子に臨むを名づけて「伏室」という:禍患は婢女の類より生出す。戌に臨むを名づけて「居家」という:事は家中の奴僕より起こる。丑に臨むを名づけて「侍側」という:尊長の側に侍立して詐偽の言を進む。未に臨むを名づけて「趨進」という:趨奉して身を進む。実は貨財の利を騙取せんとするなり。寅に臨むを名づけて「犯牢」という:牢獄を触犯す。公私両面に口舌を生ず。酉に臨むを名づけて「出戸」という:奴婢私かに逃亡す。卯に臨むを名づけて「在卯」という:欺凌の事必ず至らん。辰に臨むを名づけて「入辰」という:強暴の客が門に上りて害を加うるあり。巳に臨むを名づけて「受辱」、亥に臨むを名づけて「誣詞」という:皆奸人の計を設けて謀害するを主る。午に臨むを名づけて「識字」、申に臨むを名づけて「鼓舌」という:皆真假掺杂・情偽の分かち難きを主る。もし天空がまさに旬空に落ちれば、以上の各条は皆坐実して断ずべからず。
災喪 初傳乘白虎曰災喪。凡占人占事起於一應災喪論。視所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。臨子曰溺水,音書不至。臨午曰焚身,禍害反昌。臨卯酉曰臨門,傷折人口。臨丑未曰在野,損壞牛羊。臨寅曰登山,掌生殺之權。臨戌曰落阱,脫桎梏之殃。臨申曰銜牒,無凶即可持其喜信。臨辰曰咥人,有害終不見乎休祥。白虎空勿實論。
「災喪」:初伝の上に白虎に乗るを災喪という。およそ人を占い事を占するに、皆「事は種種の災禍喪亡より起こる」と論ずる。吉凶は其の属する神煞と臨む所の神煞とを見る。以下は白虎の十二宮に落つるの分断なり。白虎が子に臨むを名づけて「溺水」という:虎水中に堕つ。音信書札の到らざるを主る。午に臨むを名づけて「焚身」という:火虎身を焚く。禍害反って転じて盛んなり。卯・酉に臨むを名づけて「臨門」という:卯酉は門戸、凶虎門に当たる。家中の人口傷折するを主る。丑・未に臨むを名づけて「在野」という:虎原野に在り。牛羊牲畜の損を受くるを主る。寅に臨むを名づけて「登山」という:寅は虎郷、虎其の位を得る。生殺の権を執掌するを主る。戌に臨むを名づけて「落穽」という:虎陥穽に堕つ。反って枷鎖刑戮の殃を脱去すること能くす。申に臨むを名づけて「銜牒」という:口に文書を銜む。別に凶象なからんのみ、反って喜讯を持来すべし。辰に臨むを名づけて「咥人」という:語は《周易・履卦》「虎尾を履みて、人を咥わず」に出づ。此の処の虎は果して人を咬む。害を為すこと底に至り、終に吉祥を見ず。もし白虎がまさに旬空に落ちれば、以上の各条は皆坐実して断ずべからず。
宴會 初傳乘太常曰宴會。凡占人占事起於衣冠筵會論。視所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。臨子曰遭枷,必值決罰。臨寅曰側目,須遭讒佞。臨卯曰遺冠,財物相傷。臨戌曰逆命,尊卑起訟。臨申曰銜杯,臨丑曰受爵,不轉職而遷官。臨巳曰鑄印,臨未曰捧觚,不征而喜慶。臨午曰乘軒,有改拜之封。臨辰曰佩印,有用遷之命。臨亥曰徵召,雖喜而必下憎。臨酉曰券書,雖順而防後競。太常空勿實論。
「宴会」:初伝の上に太常に乗るを宴会という。太常は衣冠服飾と酒食筵席を主るがゆえに、およそ人を占い事を占するに、皆「事は衣冠礼儀・筵席聚会より起こる」と論ずる。吉凶は其の属する神煞と臨む所の神煞とを見る。以下は太常の十二宮に落つるの分断なり。太常が子に臨むを名づけて「遭枷」という:必ず判決責罰に碰上す。寅に臨むを名づけて「側目」という:将に讒佞小人の中傷に遭わんとす。卯に臨むを名づけて「遺冠」という:冠冕失落す。財物両相の損傷を主る。戌に臨むを名づけて「逆命」という:上命に違逆す。尊卑の間に争訟を興起す。申に臨むを名づけて「銜杯」、丑に臨むを名づけて「受爵」という――爵はもと酒器にして、また爵位なり。転任せずして就地に升官するを主る。巳に臨むを名づけて「鋳印」、未に臨むを名づけて「捧觚」という:皆征召を須とせずして自ら喜慶あるを主る。午に臨むを名づけて「乗軒」という:改任受封の命あり。辰に臨むを名づけて「佩印」という:起用遷転の任命あり。亥に臨むを名づけて「徴召」という:喜事なりといえど、必ず下属の憎恨を受く。酉に臨むを名づけて「券書」という:眼下は順なりといえど、日後に人の争奪あるを堤防せねばならぬ。もし太常がまさに旬空に落ちれば、以上の各条は皆坐実して断ずべからず。
逃脫 初傳乘玄武曰逃脫。凡占人占事起於逃賊失脫論。視所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。臨子曰發,有畏捕之心。臨丑曰升堂,有干求之意。臨寅曰入林難尋。臨辰曰失路自制。臨卯曰窺戶,家有盜賊。臨巳曰反顧,虛獲驚悸。臨亥曰伏藏,隱於深邃之鄉。臨未曰不成,必敗於酒食之地。臨午曰截路,臨酉曰拔劍,懷惡攻之而反傷。臨申曰折足,臨戌曰遭囚,失勢擒之而可得。玄武空勿實論。
「逃脱」:初伝の上に玄武に乗るを逃脱という。玄武は盗賊陰私を主るがゆえに、およそ人を占い事を占するに、皆「事は逃亡・盗賊・失窃走脱より起こる」と論ずる。吉凶は其の属する神煞と臨む所の神煞とを見る。以下は玄武の十二宮に落つるの分断なり。玄武が子に臨むを名づけて「発」という:子は玄武の本郷、賊已に意を起こし発動す。心中は捕らるるを怕る。丑に臨むを名づけて「升堂」という:堂に登りて入る。干求索取の意を帯ぶ。寅に臨むを名づけて「入林」という:林莽に逃入す。尋獲し難し。辰に臨むを名づけて「失路」という:道路を迷失す。ただ自ら収斂するのみ。卯に臨むを名づけて「窺戸」という:門戸を窺探す。家中已に盗賊あるを主る。巳に臨むを名づけて「反顧」という:頭を回らして張望す。白く一場の驚悸を受けて獲る所なし。亥に臨むを名づけて「伏蔵」という:幽深偏僻の郷に隠匿す。未に臨むを名づけて「不成」という:事必ず酒食の場所に敗露す。午に臨むを名づけて「截路」、酉に臨むを名づけて「拔剣」という:皆賊の悪意を懐くを主り、往きて追捕すれば反って其の傷に遭う。申に臨むを名づけて「折足」、戌に臨むを名づけて「遭囚」という:皆賊已に勢を失うを主り、往きて擒拿すれば便ち拿獲し得る。もし玄武がまさに旬空に落ちれば、以上の各条は皆坐実して断ずべからず。
闇昧 初傳乘太陰曰闇昧。凡占人占事起於婢妾闇昧論。視所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。臨子曰簾,妾婦相侮。臨丑曰入內,尊貴相蒙。臨戌曰被察,當憂怪異。臨辰曰造庭,宜備乖事。臨寅曰跣足,臨午曰脫巾,財物文書暗動。臨亥曰裸形,臨巳曰伏枕,盜賊口舌憂驚。臨酉曰閉戶,臨未曰觀書,雅稱士人之政。臨卯曰微行,臨申曰執政,偏宜君子之貞。太陰空勿實論。
「暗昧」:初伝の上に太陰に乗るを暗昧という。太陰は陰私隠晦と婢妾女流を主るがゆえに、およそ人を占い事を占するに、皆「事は婢妾の流の隠私暗事より起こる」と論ずる。吉凶は其の属する神煞と臨む所の神煞とを見る。以下は太陰の十二宮に落つるの分断なり。太陰が子に臨むを名づけて「垂簾」という:妾婦の間の互相欺侮を主る。丑に臨むを名づけて「入内」という:深く内室に入る。尊貴の人に蒙蔽せらるるを主る。戌に臨むを名づけて「被察」という:人に窺察せらる。怪異の事あるを憂うべし。辰に臨むを名づけて「造庭」という:公庭に到る。乖違の事に応付するを預備するに宜し。寅に臨むを名づけて「跣足」、午に臨むを名づけて「脱巾」という:皆財物と文書の暗中に変動するを主る。亥に臨むを名づけて「裸形」、巳に臨むを名づけて「伏枕」という:皆盗賊・口舌と憂驚を主る。酉に臨むを名づけて「閉戸」という:酉は太陰の本郷。未に臨むを名づけて「観書」という:両者は皆読書人の静処治事の雅致に合す。卯に臨むを名づけて「微行」、申に臨むを名づけて「執政」という:偏に君子の其の貞正を守るに宜し。もし太陰がまさに旬空に落ちれば、以上の各条は皆坐実して断ずべからず。
干婦 初傳乘天后曰干婦。凡占人占事起於婦人女子論。視所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。臨子曰守閨,臨亥曰治事,動止多宜。臨酉曰倚戶,臨卯曰臨門,姦淫未足。臨戌曰褰帷,臨午曰伏枕,非嘆息而呻吟。臨巳曰裸體,臨辰曰毀妝,不哭泣而羞辱。臨寅曰理髮,臨申曰修容,優遊閒暇。臨子曰偷窺,臨未曰沐浴,悚懼驚惶。天后空勿實論。
「干婦」:初伝の上に天后に乗るを干婦という。天后は后妃と婦人少女を主るがゆえに、およそ人を占い事を占するに、皆「事は婦人女子より起こる」と論ずる。吉凶は其の属する神煞と臨む所の神煞とを見る。以下は天后の十二宮に落つるの分断なり。天后が子に臨むを名づけて「守閨」という:子は天后の本郷、安く閨門を守る。亥に臨むを名づけて「治事」という:家務を操持す――此の二処は動くもよし静もよし皆相宜なり。酉に臨むを名づけて「倚戸」という:門に倚りて張望す。卯に臨むを名づけて「臨門」という:門に当たりて立つ――皆奸淫の事の未だ饜足せざるを主る。戌に臨むを名づけて「褰帷」という:帷帳を掀起す。午に臨むを名づけて「伏枕」という:枕に伏して起たず――皆号哭に非ずといえど嘆息呻吟するを主る。巳に臨むを名づけて「裸体」、辰に臨むを名づけて「毀妝」という:皆未だ哭泣せずといえど已に羞辱を蒙るを主る。寅に臨むを名づけて「理髪」、申に臨むを名づけて「修容」という:妝飾を梳理す。悠遊閑暇にして事なきを主る。丑に臨むを名づけて「偷窺」という(底本はここまた「臨子」と作す。上文の「守閨」と重出す。別位とすべく刻誤なり)、未に臨むを名づけて「沐浴」という:皆惶恐驚懼して安からざるを主る。もし天后がまさに旬空に落ちれば、以上の各条は皆坐実して断ずべからず。
格局・雑格
斫輪 三傳卯戌巳曰斫輪。凡占人占事以受印乘軒或造舟車論。視所乘何神、視所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。 鑄印 三傳巳戌卯曰鑄印,凡占人占事以受印乘軒或干鑄造論。視所乘何神、視所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。 軒蓋 三傳午卯子曰軒蓋,凡占人占事以張蓋乘軒論。視所乘何神、視所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。
「斫輪」:三伝が卯・戌・巳に排成すを斫輪という。卯は木に属して輪材、戌は炉冶、巳は火なり。合わせて木を斫りて車を造るの象なり。およそ人を占い事を占するに、「官印を接受し、車軒に乗坐す」または「舟車器物を営造す」に按じて論ずる:職を得て事に任ずるか、または興造の挙あるを主る。吉凶は三将の乗る所の何の天将、本身の属する何の神煞、また臨む所の何の神煞位上を見ねばならない。 「鋳印」:三伝が巳・戌・卯に排成す、まさに斫輪の三支の倒排なり。これを鋳印という。巳火は前に在り、戌土は範を為し、卯木は柄を為す。金を熔して印を鋳るの象なり。およそ人を占い事を占するに、「官印を接受し、車軒に乗坐す」または「鋳造の事を経手す」に按じて論ずる:官を授け印を得るか、または冶鋳営造に従事するを主る。吉凶の断法は上に同じ。 「軒蓋」:三伝が午・卯・子に排成すを軒蓋という。午は馬、卯は車、子は蓋なり。合して華車の蓋を張るの象を成す。およそ人を占い事を占するに、「車蓋を張起し、軒に乗りて出行す」に按じて論ずる:顕貴の出行・儀従体面の事を主る。吉凶も同じく三将の乗る所の天将・属する神煞・臨む神煞の三項を見る。
斬關 辰戌臨干支曰斬關,凡占人占事以難安必動論。視所乘何神、視所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。 六陰 傳課全見丑卯巳未酉亥六將,不見子寅辰午申戌一將,曰六陰。凡占人占事以私干私謀論。亦以陰極陽生論。視所乘何神、視所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。 六陽 傳課全見子寅辰午申戌,不見丑卯巳未酉亥六將一將,曰六陽。凡占人占事以公干公謀論。亦以陽極陰生論。視所乘何神、視所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。
「斬関」:辰または戌が日干・日支の上に加臨すを斬関という。辰は天罡、戌は河魁、二者は十二支の中の関隘の凶地なり。干支に加臨すれば即ち関口を斬り開くに等し。およそ人を占い事を占するに、「身を安ずるも住まず、勢い必ず発動す」に按じて論ずる:遷移・出行・変動を主り、静守するを得ず。吉凶は乗る天将・属する神煞・臨む神煞の三項を見ねばならない。 「六陰」:四課三伝の中に見る所の将が、すべて丑・卯・巳・未・酉・亥のこの六つの陰支にして、子・寅・辰・午・申・戌の陽支一つも見えざるを六陰という。およそ人を占い事を占するに、「私下に干求し、暗中に図謀す」に按じて論ずる――純陰は隠晦を主る。また「陰極処に到りて陽気将に生ぜんとす」に按じて論じ得る。困極まりて将に転ぜんとするを謂う。吉凶の断法は上に同じ。 「六陽」:四課三伝の中に見る所の将が、すべて子・寅・辰・午・申・戌のこの六つの陽支にして、丑・卯・巳・未・酉・亥の陰支一つも見えざるを六陽という。およそ人を占い事を占するに、「公開に干辨し、明処に謀画す」に按じて論ずる――純陽は顕露を主る。また「陽極処に到りて陰気将に生ぜんとす」に按じて論じ得る。盛極まりて将に衰えんとするを謂う。吉凶も同じく乗る天将・属する神煞・臨む神煞の三項を見る。
迴環 三傳三將同四課三將曰迴環,凡占人占事以去而復返論。視所乘何神、視所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。 一體 三傳酉酉酉一體,凡占人占事以子息重重脫耗、連連始終論。視所乘何神、視所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。
「回環」:三伝の三つの将が、四課の中に已に現われたことある三つの将と完全相同にして、一圈を転じてまた原処に回るを回環という。およそ人を占い事を占するに、「去りてまた還らんとす」に按じて論ずる:出走の人は頭を回らし、辦したる事は翻案し、失去の物件は復得の望あり。然れど一切もまた了断し難し。吉凶は三将の乗る所の何の天将、本身の属する何の神煞、また臨む所の何の神煞位上を見ねばならない。 「一体」:三伝の三つの字が全て同一の支にして、たとえば酉・酉・酉の三重に叠出するがごとき、浑然一体を一体という。酉は六親の上で子孫脱耗の一路に属す。故におよそ人を占い事を占するに、「子息の事は重重叠叠・耗泄止まず、且つ自始至終連綿不断」に按じて論ずる:一件の事が反復発生し、同一類の人が反復出現す。吉凶も同じく乗る天将・属する神煞・臨む神煞の三項を見る。
斬首 初傳空曰斬首,凡占人占事以無始論。視所乘何神、視所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。 斷橋 中傳空曰斷橋,凡占人占事以無中論。視所乘何神、視所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。 刖足 末傳空曰刖足,凡占人占事以無終論。視所乘何神、視所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。 始終 初傳屬旬首,末傳屬旬尾,曰始終。凡占人占事以有始有終論。視所乘何神、視所屬何煞、所臨何煞定其吉凶。
以下の四格は皆三伝の落空と旬首旬尾を見る。 「斬首」:初伝が旬空に落入するを斬首という――頭砍り去られたり。およそ人を占い事を占するに、「事ありて開頭なし」と論ずる:事は根本より発動し得ず、または起因が虚假不実なり。吉凶は乗る天将・属する神煞・臨む神煞の三項を見る。 「断橋」:中伝が旬空に落入するを断橋という――半途にして橋断つ。およそ人を占い事を占するに、「始あり終ありて中段落空す」と論ずる:事は起こり来ること得、また終えること得るも、中間は接ぐことを得ず。中途に変生ずるを防がねばならぬ。断法は上に同じ。 「刖足」:末伝が旬空に落入するを刖足という――双足断たれたり。およそ人を占い事を占するに、「事ありて結局なし」と論ずる:事は辦して後来に落空し、始ありて終なし。断法は上に同じ。 「始終」:初伝がちょうど本旬の頭の一位(旬首、すなわち甲の配する所の支)にして、末伝がちょうど本旬の末の一位(旬尾)なれば、首尾俱全なるを始終という。およそ人を占い事を占するに、「始あり終あり」に按じて論ずる:事は頭より尾に至るまで完整に成就し、謀望遂ぐべし。吉凶はなお乗る天将・属する神煞・臨む神煞の三項を見る。
六壬経緯巻之四 神煞
目錄:印、盜、鬼、財、劫、長生、沐浴、冠帶、臨官、帝旺、衰、病、死、墓、絕、胎、養、刑、沖、破、害、合、馬、太歲、旺、相、死、囚、休、月建、月將、旬空、貴人、螣蛇、朱雀、六合、勾陳、青龍、天空、白虎、太常、玄武、太陰、天后。正文
本巻の定める神煞は共に四十四種で、自序に称する「四十四種」と相合す。七組に分かち作すこと能くす。第一組五種:印・盗・鬼・財・劫は、五行生克に按じて排出した五種の用神(六親)である。第二組十二種:長生・沐浴・冠帯・臨官・帝旺・衰・病・死・墓・絶・胎・養は、五行の十二長生である。第三組六種:刑・冲・破・害・合・馬は、地支の間の刑冲破害六合と駅馬である。第四組一種:太歳、すなわち本年の年支である。第五組五種:旺・相・死・囚・休は、四時の五等の気勢である。第六組三種:月建・月将・旬空。第七組十二種:貴人・螣蛇・朱雀・六合・勾陳・青竜・天空・白虎・太常・玄武・太陰・天后、すなわち十二天将である。以下本巻の正文である。
神煞・五用(印盗鬼財劫)
印 甲乙日亥子,丙丁日寅卯,戊己日巳午,庚辛日辰戌丑未,壬癸日申酉。若問事之人干支三傳占時本命等處見者,以扶助論。視印將所乘何神、所臨何煞定其吉凶。 盜 甲乙日巳午,丙丁日辰戌丑未,戊己日申酉,庚辛日亥子,壬癸日寅卯。若問事之人干支三傳占時本命等處見者,以脫耗論。視盜將所乘何神、所臨何煞定其吉凶。
「印」煞は「我を生ずる者を印とす」の義を取る。甲乙日は木に属し、水は木を生ず。故に亥・子を以て印と為す。丙丁日は火に属し、木は火を生ず。故に寅・卯を以て印と為す。戊己日は土に属し、火は土を生ず。故に巳・午を以て印と為す。庚辛日は金に属し、土は金を生ず。故に辰・戌・丑・未を以て印と為す。壬癸日は水に属し、金は水を生ず。故に申・酉を以て印と為す。およそ事を問う人の日干・日支・三伝・占時・本命等の処にこれらの字を見れば、皆「扶助する所有り」に按じて論ずる:父母長輩の力を得るか、または文書の蔭庇あるを主る。吉凶はこの印将の上に乗るいずれの天将、またいずれの神煞位上に臨むかを見ねばならない。 「盗」煞は「我の生ずる者は我の気を盗む」の義を取る、すなわち子孫食傷の一路。甲乙日は木に属し、木は火を生ず。故に巳・午を以て盗と為す。丙丁日は火に属し、火は土を生ず。故に辰・戌・丑・未を以て盗と為す。戊己日は土に属し、土は金を生ず。故に申・酉を以て盗と為す。庚辛日は金に属し、金は水を生ず。故に亥・子を以て盗と為す。壬癸日は水に属し、水は木を生ず。故に寅・卯を以て盗と為す。およそ干支・三伝・占時・本命等の処に見れば、皆「耗泄破費」に按じて論ずる:元気の外泄・財貨の耗散を主り、子女の事に於ては応を主る。吉凶も同じく乗る天将と臨む神煞とを見る。
鬼 甲乙日申酉,丙丁日亥子,戊己日寅卯,庚辛日巳午,壬癸日辰戌丑未。若問事之人干支三傳占時本命等處見者,以官訟論。視鬼將所乘何神、所臨何煞定其吉凶。 財 甲乙日辰戌丑未,丙丁日申酉,戊己日亥子,庚辛日寅卯,壬癸日巳午,若問事之人干支三傳占時本命等處見者,以財利論。視財神所乘何神、所臨何煞定其吉凶。
「鬼」煞は「我を克する者を鬼とす」の義を取る。官に在りては官府、女に在りては丈夫、身に在りては病災。甲乙日は木に属し、金は木を克す。故に申・酉を以て鬼と為す。丙丁日は火に属し、水は火を克す。故に亥・子を以て鬼と為す。戊己日は土に属し、木は土を克す。故に寅・卯を以て鬼と為す。庚辛日は金に属し、火は金を克す。故に巳・午を以て鬼と為す。壬癸日は水に属し、土は水を克す。故に辰・戌・丑・未を以て鬼と為す。およそ日干・日支・三伝・占時・本命等の処に見れば、皆「官府詞訟」に按じて論ずる:訟に渉り、制を受け、疾病の身に加わるを主る。吉凶はこの鬼将の上に乗るいずれの天将、またいずれの神煞位上に臨むかを見ねばならない。 「財」煞は「我の克する者を財とす」の義を取る。家に在りては妻妾、外に在りては銭貨。甲乙日は木に属し、木は土を克す。故に辰・戌・丑・未を以て財と為す。丙丁日は火に属し、火は金を克す。故に申・酉を以て財と為す。戊己日は土に属し、土は水を克す。故に亥・子を以て財と為す。庚辛日は金に属し、金は木を克す。故に寅・卯を以て財と為す。壬癸日は水に属し、水は火を克す。故に巳・午を以て財と為す。およそ干支・三伝・占時・本命等の処に見れば、皆「銭財利益」に按じて論ずる:財を進め利を得るを主り、婚姻に於ては妻妾を主る。吉凶も同じく乗る天将と臨む神煞とを見る。
劫 甲乙日寅卯,丙丁日巳午,戊己日辰戌丑未,庚辛日申酉,壬癸日亥子。若問事之人干支三傳占時本命等處見者,以傷財論。視劫將所乘何神、所臨何煞定其吉凶。
「劫」煞は「我と同類なる者は我の財を分かつ」の義を取る、すなわち比肩劫財の一路。六親の中では兄弟姉妹と同行同輩を主る。甲乙日は木に属し、同類は木。故に寅・卯を以て劫と為す。丙丁日は火に属し、同類は火。故に巳・午を以て劫と為す。戊己日は土に属し、同類は土。故に辰・戌・丑・未を以て劫と為す。庚辛日は金に属し、同類は金。故に申・酉を以て劫と為す。壬癸日は水に属し、同類は水。故に亥・子を以て劫と為す。およそ事を問う人の日干・日支・三伝・占時・本命等の処にこれらの字を見れば、皆「財物を損傷す」に按じて論ずる:同類すでに多ければ、銭財は必ず分奪せられ、人事に於ては兄弟朋輩の来りて利を分かち、産を争い、合夥して嫌を生ずるを主る。吉凶はこの劫将の上に乗るいずれの天将、またいずれの神煞位上に臨むかを見て、合わせて軽重を定める。
神煞・十二長生
長生 甲日亥,乙日午,丙戊日寅,丁己日酉,庚日巳,辛日子,壬日申,癸日卯,若問事之人干支三傳占時本命等處見者,以攸遠長生論。視長生將所乘何神、所臨何煞定其吉凶。 沐浴 甲日子,乙日巳,丙戊日卯,丁己日申,庚日午,辛日亥,壬日酉,癸日寅。若問事之人干支三傳占時本命等處見者,以潔身論。視沐浴將所乘何神、所臨何煞定其吉凶。 冠帶 甲癸日丑,乙丙戊日辰,丁己庚日未,辛壬日戌。若問事之人干支三傳占時本命等處見者,以冠服論。視冠帶將所乘何神、所臨何煞定其吉凶。
以下の十二種の神煞は、五行の生老病死を十二支に配したるもので、陽干は順行し陰干は逆行し、各々起点あり。 「長生」は気の初生なり。甲日は亥、乙日は午、丙日戊日は寅、丁日己日は酉、庚日は巳、辛日は子、壬日は申、癸日は卯。およそ事を問う人の干支・三伝・占時・本命等の処に見れば、皆「長遠綿延・生機初萌」に按じて論ずる:事は方に興り、人は寿考を主る。吉凶はこの長生将の乗る所の天将と臨む所の神煞とを見る。 「沐浴」は初生の後に胎垢を洗去るなり。また名を敗地という。甲日は子、乙日は巳、丙日戊日は卯、丁日己日は申、庚日は午、辛日は亥、壬日は酉、癸日は寅。およそ諸処に見れば、皆「洗濯して身を潔くす」に按じて論ずる:旧污を滌除することを主り、また淫佚不檢を主る。別項を参断せねばならぬ。断法は上に同じ。 「冠帯」は成人して冠を加え帯を束るの位なり。甲日癸日は丑、乙日丙日戊日は辰、丁日己日庚日は未、辛日壬日は戌。およそ諸処に見れば、皆「衣冠服飾」に按じて論ずる:礼を成し、職を受け、体面ある事を主る。吉凶はなお乗る天将と臨む神煞とを見る。
臨官 甲日寅,乙日卯,丙戊日巳,丁己日午,庚日申,辛日酉,壬日亥,癸日子。若問事之人干支三傳占時本命等處見者,以仕祿論。視臨官將所乘何神、所臨何煞定其吉凶。 帝旺 甲乙卯,乙日寅,丙戊日午,丁己日巳,庚日酉,辛日申,壬日子,癸日亥。若問事之人干支三傳占時本命等處見者,以極顯論。視帝旺將所乘何神、所臨何煞定其吉凶。 衰 甲丁己日辰,乙壬日丑,丙戊辛日未,庚癸日戌。若問事之人干支三傳占時本命等處見者,以朽邁論。視衰將所乘何神、所臨何煞定其吉凶。
「臨官」は成年して出仕し禄を得るの位、また名を建禄という。甲日は寅、乙日は卯、丙日戊日は巳、丁日己日は午、庚日は申、辛日は酉、壬日は亥、癸日は子。およそ事を問う人の干支・三伝・占時・本命等の処に見れば、皆「出仕食禄」に按じて論ずる:官を得職を得、俸給に着あるを主る。吉凶はこの臨官将の乗る所の天将と臨む所の神煞とを見る。 「帝旺」は気勢最も盛んの位なり。甲日は卯(底本は「甲乙卯」と作す。「乙」は「日」とすべく刻誤なり)、乙日は寅、丙日戊日は午、丁日己日は巳、庚日は酉、辛日は申、壬日は子、癸日は亥。およそ諸処に見れば、皆「極めて顕達」に按じて論ずる:位高く名重きを主る。然れど物極まれば必ず反す。また盛極まりて衰うるを防がねばならぬ。断法は上に同じ。 「衰」は旺極まりて損に転ずるの位なり。甲日丁日己日は辰、乙日壬日は丑、丙日戊日辛日は未、庚日癸日は戌。およそ諸処に見れば、皆「衰朽老邁」に按じて論ずる:気力継がず、事勢漸く退き、人は年老体弱的を主る。吉凶はなお乗る天将と臨む神煞とを見る。
病 甲日巳,乙日子,丙戊日申,丁己日卯,庚日亥,辛日午,壬日寅,癸日酉。若問事之人干支三傳占時本命等處見者,以疾病論。視病將所乘何神、所臨何煞定其吉凶。 死 甲日午,乙日亥,丙戊日酉,丁己日寅,庚日子,辛日巳,壬日卯,癸日申。若問事之人干支三傳占時本命等處見者,以喪亡論。視死將所乘何神、所臨何煞定其吉凶。 墓 甲癸日未,乙丙戊日戌,丁己庚日丑,辛壬日辰。若問事之人干支三傳占時本命等處見者,以困守論。視墓將所乘何神、所臨何煞定其吉凶。
「病」は衰の後に疾を染むるの位なり。甲日は巳、乙日は子、丙日戊日は申、丁日己日は卯、庚日は亥、辛日は午、壬日は寅、癸日は酉。およそ事を問う人の干支・三伝・占時・本命等の処に見れば、皆「疾病」に按じて論ずる:人に病痛あり、事に阻滞不振あるを主る。吉凶はこの病将の乗る所の天将と臨む所の神煞とを見る。 「死」は気尽き形亡ぶの位なり。甲日は午、乙日は亥、丙日戊日は酉、丁日己日は寅、庚日は子、辛日は巳、壬日は卯、癸日は申。およそ諸処に見れば、皆「喪亡」に按じて論ずる:死喪の事を主り、事を謀るに於ては全然成るなきを主る。断法は上に同じ。 「墓」は形亡びて土に入り、収蔵閉塞の位、また名を庫という。甲日癸日は未、乙日丙日戊日は戌、丁日己日庚日は丑、辛日壬日は辰。およそ諸処に見れば、皆「困守して出でず」に按じて論ずる:人は拘困せられ、物は収蔵せられ、事は擱置せられ、一時に動弾を得ざるを主る。吉凶はなお乗る天将と臨む神煞とを見る。
絕 甲日申,乙日酉,丙戊日亥,丁己日子,庚日寅,辛日卯,壬日巳,癸日午。若問事之人干支三傳占時本命等處見者,以斷絕論。視絕將所乘何神、所臨何煞定其吉凶。 胎 甲日酉,乙日申,丙戊日子,丁己日亥,庚日卯,辛日寅,壬日午,癸日巳。若問事之人干支三傳占時本命等處見者,以匿身論。視胎將所乘何神、所臨何煞定其吉凶。 養 甲丁己日戌,乙壬日未,丙戊辛日丑,庚癸日辰。若問事之人干支三傳占時本命等處見者,以現體論。視養將所乘何神、所臨何煞定其吉凶。
「絶」は気息断尽し、将に転ぜんとして未だ転ぜざるの位、また名を受気という。甲日は申、乙日は酉、丙日戊日は亥、丁日己日は子、庚日は寅、辛日は卯、壬日は巳、癸日は午。およそ事を問う人の干支・三伝・占時・本命等の処に見れば、皆「断絶」に按じて論ずる:人事の了断・音信の隔絶・旧局の終結を主る。吉凶はこの絶将の乗る所の天将と臨む所の神煞とを見る。 「胎」は絶の後に復た気を受けて胎を結ぶの位なり。甲日は酉、乙日は申、丙日戊日は子、丁日己日は亥、庚日は卯、辛日は寅、壬日は午、癸日は巳。およそ諸処に見れば、皆「其の身を蔵匿す」に按じて論ずる:人事はなお暗中に孕育し、未だ面を露すの時に至らず、婦人に於ては孕あるを主る。断法は上に同じ。 「養」は胎已に形を成して、生を待ちて未だ生ぜざるの位なり。甲日丁日己日は戌、乙日壬日は未、丙日戊日辛日は丑、庚日癸日は辰。およそ諸処に見れば、皆「形体顕現す」に按じて論ずる:事已に雏形を具え、将に出でて人に見えんとするを主る。吉凶はなお乗る天将と臨む神煞とを見る。
神煞・刑冲破害合馬
刑 寅刑巳,巳刑申,申刑寅;丑刑戌,戌刑未,未刑丑;子刑卯,卯刑子;辰刑辰,午刑午,酉刑酉,亥刑害。若問事之人干支三傳占時本命等處見者,刑干傷我傷人,刑支傷彼傷事。視刑將所乘何神、所臨何煞定其吉凶。 沖 子午相沖,丑未相沖,寅申相沖,卯酉相沖,辰戌相沖,巳亥相沖。若問事之人干支三傳占時本命等處見者,沖干動我動人,沖支動彼動事。視沖將所乘何神、所臨何煞定其吉凶。
「刑」は地支の相刑で、共に四類に分かれる:寅は巳を刑し、巳は申を刑し、申は寅を刑するは無恩の刑。丑は戌を刑し、戌は未を刑し、未は丑を刑するは恃勢の刑。子は卯を刑し、卯は子を刑するは無礼の刑。辰は辰を刑し、午は午を刑し、酉は酉を刑し、亥は亥を刑するは自刑(底本「亥刑害」は「亥刑亥」とすべく刻誤なり)。およそ事を問う人の日干・日支・三伝・占時・本命等の処に相刑を見れば、断法は両辺に分かれる:刑が日干に到るは、傷は「我」なり。また問う所の人を傷す。刑が日支に到るは、傷は「相手」なり。また問う所の事を傷す。吉凶はこの刑を帯びる将の上に乗る何の天将、またいずれの神煞位上に臨むかを見ねばならない。 「冲」は地支の相冲で、六対:子と午、丑と未、寅と申、卯と酉、辰と戌、巳と亥、両々相対して六位を隔てて互撃す。およそ干支・三伝・占時・本命等の処に相冲を見れば、断法も両辺に分かれる:冲が日干に到るは、動は「我」なり。また問う所の人を動かす。冲が日支に到るは、動は「相手」なり。また問う所の事を動かす。冲は移動・変更・争闘を主り、静なる者は必ず起こる。吉凶も同じく乗る天将と臨む神煞とを見る。
破 子酉相破,午卯相破,丑辰相破,戌未相破,亥寅相破,申巳相破。若問事之人干支三傳占時本命等處見者,破干損我損人,破支損彼損事。視破將所乘何神、所臨何煞定其吉凶。 害 子未相害,丑午相害,寅巳相害,申亥相害,卯辰相害,酉戌相害。若問事之人干支三傳占時本命等處見者,害干害我害人,害支害彼害事。視害將所乘何神、所臨何煞定其吉凶。
「破」は地支の相破で、六対:子と酉、午と卯、丑と辰、戌と未、亥と寅、申と巳。相破する者は彼此残欠し、器物の裂を見るがごとし。およそ事を問う人の干支・三伝・占時・本命等の処に相破を見れば、断法は両辺に分かれる:破が日干に到るは、損は「我」なり。また問う所の人を損す。破が日支に到るは、損は「相手」なり。また問う所の事を損す。破は虧折・破敗・計画の落空を主る。吉凶はこの破を帯びる将の上に乗る何の天将、またいずれの神煞位上に臨むかを見ねばならない。 「害」は地支の相害で、六対:子と未、丑と午、寅と巳、申と亥、卯と辰、酉と戌。六害は六合が冲破せられて来るがゆえに、その害は多く親近の人より起こり、暗中の怨仇に属す。およそ干支・三伝・占時・本命等の処に相害を見れば、断法も同じく両辺に分かれる:害が日干に到るは、害は「我」なり。また問う所の人を害す。害が日支に到るは、害は「相手」なり。また問う所の事を害す。吉凶はなお乗る天将と臨む神煞とを見る。
合 子丑相合,午未相合,卯戌相合,酉辰相合,寅亥相合,巳申相合。若問事之人干支三傳占時本命等處見者,合干合我合人,合支合彼合事。視合將所乘何神、所臨何煞定其吉凶。 馬 亥卯未日巳,寅午戌日申,巳酉丑日亥,申子辰日寅。若問事之人干支三傳占時本命等處見者,以行程論。視馬將所乘何神、所臨何煞定其吉凶。
「合」は地支の六合で、六対:子と丑、午と未、卯と戌、酉と辰、寅と亥、巳と申。相合する者は彼此牽繋して親附す。およそ事を問う人の干支・三伝・占時・本命等の処に相合を見れば、断法は両辺に分かれる:合が日干に到るは、合は「我」なり。また問う所の人を合す。合が日支に到るは、合は「相手」なり。また問う所の事を合す。合は和好・締約・婚媾を主り、およそ事に人の中より撮合する者あり。ただ事もし速を求めば、合は反って牽絆を成す。吉凶はこの合を帯びる将の上に乗る何の天将、またいずれの神煞位上に臨むかを見ねばならない。 「馬」はすなわち駅馬、日支の三合局の長生位の对冲より取出す:亥卯未日は巳、寅午戌日は申、巳酉丑日は亥、申子辰日は寅――皆寅・申・巳・亥の四孟の位に落つ。およそ干支・三伝・占時・本命等の処に駅馬を見れば、皆「行程身を動かす」に按じて論ずる:出行・遷移・奔走を主り、事は遠方に在るかまたは親往を須とす。吉凶も同じくこの馬将の乗る所の天将と臨む所の神煞とを見る。
神煞・太歳と四時旺衰
太歲 太歲,本歲之年支也。若問事之人干支三傳占時本命等處見者,以干涉天庭,或事經一歲論。視太歲將所乘何神、所臨何煞定其吉凶。 旺 春寅卯、夏巳午、秋申酉、冬亥子、季月辰戌丑未。若問事之人干支三傳占時本命等處見者,以當時論。視旺相將所乘何神、所臨何煞定其吉凶。 相 春巳午、夏辰戌丑未、秋亥子、冬寅卯、季月申酉。若問事之人干支三傳占時本命等處見者,以未來論。視相將所乘何神、所臨何煞定其吉凶。
「太歳」はすなわち当年の年支、たとえば甲子年は子を以て太歳と為す。它は一年の主にして位分最も尊し。およそ事を問う人の日干・日支・三伝・占時・本命等の処に太歳を見れば、皆「事は朝廷天庭に渉る」または「此の事は整整一年を経歴す」に按じて論ずる:問う所の事は至尊至大の処に関わるか、または応期は一年の上下に在り。吉凶はこの太歳将の乗る所の天将と臨む所の神煞とを見る。 「旺」は当季最も勢を得る一行:春は寅卯(木)、夏は巳午(火)、秋は申酉(金)、冬は亥子(水)、四季月(三・六・九・十二月)は辰戌丑未(土)。およそ諸処に見れば、皆「まさに其の時に当たる」に按じて論ずる:主る所の事は気足り力強く、何を言うも何に応ず。断法は上に同じ。 「相」は当令の者の生ずる一行で、気は方に生を受けて未だ権に当たらず:春は巳午、夏は辰戌丑未、秋は亥子、冬は寅卯、四季月は申酉。およそ諸処に見れば、皆「事は将来に在り」に按じて論ずる:眼下未だ発せず、日後に必ず起こる。候すに宜しく急ぐに宜しからず。吉凶はなお乗る天将と臨む神煞とを見る。
死 春辰戌丑未、夏申酉、秋寅卯、冬巳午、季月亥子。若問事之人干支三傳占時本命等處見者,以失時論。視死將所乘何神、所臨何煞定其吉凶。 囚 春申酉、夏亥子、秋巳午、冬辰戌丑未、季月寅卯。若問事之人干支三傳占時本命等處見者,亦以失時論。視囚將所乘何神、所臨何煞定其吉凶。 休 春亥子、夏寅卯、秋辰戌丑未、冬申酉、季月巳午。若問事之人干支三傳占時本命等處見者,以已往論。視休將所乘何神、所臨何煞定其吉凶。
「死」は当令の者に克せらるる一行で、気已に尽絶す:春は辰戌丑未(木は土を克す)、夏は申酉(火は金を克す)、秋は寅卯(金は木を克す)、冬は巳午(水は火を克す)、四季月は亥子(土は水を克す)。およそ事を問う人の干支・三伝・占時・本命等の処に見れば、皆「時を失い気なし」に按じて論ずる:主る所の事は名ありて力なく、辦成せず、また支撑し得ず。吉凶はこの死将の乗る所の天将と臨む所の神煞とを見る。 「囚」は当令の者を克する一行で、旺者を克せんとして反って自ら困を受く:春は申酉(金は木を克せんと欲すれど木旺なり)、夏は亥子、秋は巳午、冬は辰戌丑未、四季月は寅卯。およそ諸処に見れば、同じく「時を失う」に按じて論ずる:力あるといえど施展し開かず、囚人の牢に在るがごときは、空しく其の能有り。断法は上に同じ。 「休」は当令の者を生ずる一行で、気已に交し出して退居して閑地に居る:春は亥子(水は木を生じ訖る)、夏は寅卯、秋は辰戌丑未、冬は申酉、四季月は巳午。およそ諸処に見れば、皆「事は已往に属す」に按じて論ずる:主る所の事は早已に過去せるか、または人事已に陳跡を成せり。吉凶はなお乗る天将と臨む神煞とを見る。
神煞・月建月将旬空
月建 正月寅、二月卯、三月辰、四月巳、五月午、六月未、七月申、八月酉、九月戌、十月亥、十一月子、十二月丑。若問事之人干支三傳占時本命等處見者,以干涉當道或事經一月論。視月建將所乘何神、所臨何煞定其吉凶。 月將 正月亥、二月戌、三月酉、四月申、五月未、六月午、七月巳、八月辰、九月卯、十月寅、十一月丑、十二月子。若問事之人干支三傳占時本命等處見者,以干涉主宰論。視月將將所乘何神、所臨何煞定其吉凶。
「月建」は当月の建てる所の支で、月份と順行して相配す:正月は寅、二月は卯、三月は辰、四月は巳、五月は午、六月は未、七月は申、八月は酉、九月は戌、十月は亥、十一月は子、十二月は丑。它は一月の主なり。およそ事を問う人の干支・三伝・占時・本命等の処に月建を見れば、皆「事は権を当て位に在る人に渉る」または「此の事は一箇月を経歴す」に按じて論ずる:問う所の事は事を主る者に関わるか、または応期は一月の上下に在り。吉凶はこの月建将の乗る所の天将と臨む所の神煞とを見る。 「月将」は当月の太陽のある宮で、月份と逆行して相配す:正月は亥、二月は戌、三月は酉、四月は申、五月は未、六月は午、七月は巳、八月は辰、九月は卯、十月は寅、十一月は丑、十二月は子。它は天盤を布するの枢紐、故に主宰と称す。およそ干支・三伝・占時・本命等の処に月将を見れば、皆「事は主宰の人に渉る」に按じて論ずる:大権在握の者が其の事を過問するを主り、之を得れば多吉なり。吉凶も同じく乗る天将と臨む神煞とを見る。
旬空 甲子旬中戌亥空,甲戌旬中申酉空,甲申旬中午未空,甲午旬中辰巳空,甲辰旬中寅卯空,甲寅旬中子丑空。謂之逢空。六旬逢空位上所乘之將謂之臨空。若問事之人干支三傳占時本命等處見者,以不實論。視旬空將所乘何神、所臨何煞定其吉凶。
「旬空」はすなわち空亡。六十甲子は毎十日を一旬と為し、十干は十二支を配し、毎旬に総じて二つの地支は天干に配し得ず。この二支が即ち本旬の空亡なり。甲子旬中は戌・亥が空、甲戌旬中は申・酉が空、甲申旬中は午・未が空、甲午旬中は辰・巳が空、甲辰旬中は寅・卯が空、甲寅旬中は子・丑が空。地盤上で此の两位に碰うを「逢空」といい、六旬中およそ逢空の其の一位の上に乗る天盤の将を「臨空」という。およそ事を問う人の日干・日支・三伝・占時・本命等の処に空亡を見れば、皆「有名無実」に按じて論ずる:主る所の事は看るに有れど、実際には手に落ちず、吉事成らず、凶事もまた未だ必ずしも真に来らず。吉凶はこの落空の将の上に乗る何の天将、またいずれの神煞位上に臨むかを見て、合わせて它が究竟どの地步まで空なるかを定める。
神煞・十二貴神
貴人 陰陽五行生剋與丑將同。若問事之人干支三傳占時本命等處見者,以干貴論。視貴人所乘何煞、所臨何煞定其吉凶。 螣蛇 陰陽五行生剋與巳將同。若問事之人干支三傳占時本命等處見者,以異怪論。視螣蛇所乘何煞、所臨何煞定其吉凶。 朱雀 陰陽五行生剋與午將同。若問事之人干支三傳占時本命等處見者,以信息論。視朱雀所乘何煞、所臨何煞定其吉凶。 六合 陰陽五行生剋與卯將同。若問事之人干支三傳占時本命等處見者,以交合論。視六合所乘何煞、所臨何煞定其吉凶。
以下の十二位の天将は、本身もまた各々五行の属性あり。取法は各々其の本家の地支と同じくし、生克を推する時は即ち其の一支を照らして算す。 「貴人」の陰陽五行は丑支と同じく、土に属す。およそ事を問う人の干支・三伝・占時・本命等の処に貴人を見れば、皆「貴人を干求し、権要を拝謁す」に按じて論ずる:尊長の提携・官府の照応を得るを主る。吉凶は其の本身の乗る何の神煞、また何の神煞位上に臨むかを見る。 「螣蛇」の陰陽五行は巳支と同じく、火に属す。およそ諸処に見れば、皆「怪異驚恐」に按じて論ずる:虚驚・悪夢・反常の事を主る。断法は上に同じ。 「朱雀」の陰陽五行は午支と同じく、火に属す。およそ諸処に見れば、皆「音信消息」に按じて論ずる:文書・口舌・書札の往来を主る。断法は上に同じ。 「六合」の陰陽五行は卯支と同じく、木に属す。およそ諸処に見れば、皆「交渉和合」に按じて論ずる:婚媾・説合・契約中介の事を主る。吉凶はなお乗る神煞と臨む神煞とを見る。
勾陳 陰陽五行生剋與辰將同。若問事之人干支三傳占時本命等處見者,以爭訟論。視勾陳所乘何煞、所臨何煞定其吉凶。 青龍 陰陽五行生剋與寅將同。若問事之人干支三傳占時本命等處見者,以喜慶論。視青龍所乘何煞、所臨何煞定其吉凶。 天空 陰陽五行生剋與戌將同。若問事之人干支三傳占時本命等處見者,以虛詐論。視天空所乘何煞、所臨何煞定其吉凶。 白虎 陰陽五行生剋與申將同。若問事之人干支三傳占時本命等處見者,以災喪論。視白虎所乘何煞、所臨何煞定其吉凶。
「勾陳」の陰陽五行は辰支と同じく、土に属す。およそ事を問う人の干支・三伝・占時・本命等の処に勾陳を見れば、皆「争闘詞訟」に按じて論ずる:官非纏訟・田土争執・事の勾連清らかならざるを主る。吉凶は其の本身の乗る何の神煞、また何の神煞位上に臨むかを見る。 「青竜」の陰陽五行は寅支と同じく、木に属す。およそ諸処に見れば、皆「喜慶」に按じて論ずる:財を進め、丁を添え、升遷し、婚嫁の一応の喜事を主る。断法は上に同じ。 「天空」の陰陽五行は戌支と同じく、土に属す。およそ諸処に見れば、皆「虚假欺詐」に按じて論ずる:謊言・空諾・事の落空不実を主る。断法は上に同じ。 「白虎」の陰陽五行は申支と同じく、金に属す。およそ諸処に見れば、皆「災禍喪亡」に按じて論ずる:疾病・血光・喪服・道路の凶険を主る。吉凶はなお乗る神煞と臨む神煞とを見る。
太常 陰陽五行生剋與未將同。若問事之人干支三傳占時本命等處見者,以衣食論。視太常所乘何煞、所臨何煞定其吉凶。 玄武 陰陽五行生剋與亥將同。若問事之人干支三傳占時本命等處見者,以脫耗論。視玄琥所乘何煞、所臨何煞定其吉凶。 太陰 陰陽五行生剋與酉將同。若問事之人干支三傳占時本命等處見者,以闇昧論。視太陰所乘何煞、所臨何煞定其吉凶。 天后 陰陽五行生剋與子將同。若問事之人干支三傳占時本命等處見者,以婦女論。視天后所乘何煞、所臨何煞定其吉凶。
「太常」の陰陽五行は未支と同じく、土に属す。およそ事を問う人の干支・三伝・占時・本命等の処に太常を見れば、皆「衣食」に按じて論ずる:衣冠服飾・酒食筵宴・俸禄財帛を主る。吉凶は其の本身の乗る何の神煞、また何の神煞位上に臨むかを見る。 「玄武」の陰陽五行は亥支と同じく、水に属す。およそ諸処に見れば、皆「脱失耗散」に按じて論ずる:盗賊・遺失・暗中の虧折・人口の逃亡を主る(底本「視玄琥」は「視玄武」とすべく刻誤なり)。断法は上に同じ。 「太陰」の陰陽五行は酉支と同じく、金に属す。およそ諸処に見れば、皆「陰私暗昧」に按じて論ずる:隠秘の事・婢妾の流・曖昧不明の往来を主る。断法は上に同じ。 「天后」の陰陽五行は子支と同じく、水に属す。およそ諸処に見れば、皆「婦女」に按じて論ずる:后妃・主婦・少女の事を主り、また婚姻情色を主る。吉凶はなお乗る神煞と臨む神煞とを見る。
六壬経緯巻之五 類相
目錄:天文、地理、宮室、人物、姓氏、臟腑、飲食、器用、數目、顏色、飛潛動植。正文
本巻は「類相」を講ずる。すなわち天地間の人事万物を類に按じて十二支と十二天将の名下に帰し、占断の時に据えて象を取る。自序に「類相は綱領一十一門を以て規と為す」と言う。立てる所はまさに此の十一門:天文・地理・宮室・人物・姓氏・臓腑・飲食・器用・数目・顔色・飛潜動植。およそ盤上に或る支或る将が出現すれば、便ち本巻の列する所に依りて其の代表する事物を取るべし。書中は尽く挙げること能わず、読者は当に此に由りて引申推広し、触類旁通すべし。以下本巻の正文である。
類相・天文
天文 亥屬天,月將屬日,月建屬月,辰屬星。 寅卯屬東方木星,巳午屬南方火星,申酉屬西方金星,亥子屬北方水星,辰戌丑未屬中央土星。 辰屬角亢宿,卯屬氏房心宿,寅屬箕尾宿,丑屬斗牛宿,子屬女虛危宿,亥屬室壁,戌屬奎婁宿,酉為胃昴畢宿,申屬觜參宿,未屬井鬼宿,柳星張宿,巳屬翼軫宿。 巳與白虎屬風,寅與青龍屬云,卯與六合屬雷,午與朱雀屬電,辰與勾陳屬霧,巳與螣蛇屬虹霓,亥子壬癸與玄琥天后為雨澤,亥子申酉乘白虎太陰屬雪雹。凡占天文參此。
天象を占うに取る類象は以下のごとし。総じて言えば:亥は天、当月の月将は太陽、当月の月建は月亮、辰は衆星なり。 五星に配すれば:寅卯は東方歳星(木星)、巳午は南方熒惑(火星)、申酉は西方太白(金星)、亥子は北方辰星(水星)、辰戌丑未は中央鎮星(土星)。 二十八宿に配すれば:辰は角・亢の二宿に属し、卯は氐・房・心の三宿に属し(底本「氏」は「氐」とすべし)、寅は箕・尾の二宿に属し、丑は斗・牛の二宿に属し、子は女・虚・危の三宿に属し、亥は室・壁の二宿に属し、戌は奎・婁の二宿に属し、酉は胃・昴・畢の三宿に属し、申は觜・参の二宿に属し、未は井・鬼の二宿に属し、午は柳・星・張の三宿に属し(底本はここに「午属」の二字を脱し、ただ「柳星張宿」を存す。今は照録して補わず)、巳は翼・軫の二宿に属す。 天気に配すれば:巳位は白虎に配して風と為し、寅位は青竜に配して雲と為し、卯位は六合に配して雷と為し、午位は朱雀に配して電と為し、辰位は勾陳に配して霧と為し、巳位は螣蛇に配して虹霓と為す。亥子の二支と壬癸の二干は玄武・天后に配して、雨水の潤沢を主る(底本「玄琥」は「玄武」とすべし)。亥子申酉の四支の上に白虎・太陰に乗れば、降雪落雹を主る。およそ天時晴雨を占うに、皆此の一門を参照して象を取る。
類相・地理
地理 申屬地,寅屬山,亥子屬水,辰戌丑未屬四方田畝;卯屬正東方,亦屬柳星張所照處與市道旌旗地;酉屬正西方,亦屬胃昴畢所照處,與崗城街巷地;子屬正北方,亦屬女虛危所照處,與湖海塘池地;辰屬東南方,亦屬角亢所照處,與田墓山嶺地;巳屬東南,亦屬翼軫所照處,與爐冶窯灶地;未屬西南方,亦屬井鬼所照處,與村塋井泉地;申屬西南方,亦屬觜參所照處,與驛鋪石徑地;丑屬東北方,亦屬斗牛所照處,與園囿田墳地;寅屬東北方,亦屬箕尾所照處,與山林橋樑地;戌屬西北方,亦屬奎婁所照處,與田壟營丘地;亥屬西北方,亦屬室壁所照處,與江河港澗地。凡占地理參此。
地形方位を占うに取る類象は以下のごとし。総じて言えば:申は大地、寅は山、亥子は水、辰戌丑未は四方の田畝なり。方位に分ければ――卯は正東方にして、また柳・星・張の三宿の照る所の地および市集道路・旌旗招展の処を主る。酉は正西方にして、また胃・昴・畢の三宿の照る所の地および土崗・城垣・街巷を主る。子は正北方にして、また女・虚・危の三宿の照る所の地および湖海塘池等の積水の処を主る。辰は東南方にして、また角・亢の二宿の照る所の地および田地・墳墓・山嶺を主る。巳も東南に属し、また翼・軫の二宿の照る所の地および炉冶作坊・磚窯灶房を主る。未は西南方にして、また井・鬼の二宿の照る所の地および村落・塋地・井泉を主る。申も西南方に属し、また觜・参の二宿の照る所の地および駅站舎・石砌小径を主る。丑は東北方にして、また斗・牛の二宿の照る所の地および園圃・田畝・墳地を主る。寅も東北方に属し、また箕・尾の二宿の照る所の地および山林・橋梁を主る。戌は西北方にして、また奎・婁の二宿の照る所の地および田壟・営塁・丘阜を主る。亥も西北方に属し、また室・壁の二宿の照る所の地および江河港汊溪澗を主る。およそ地理形勢と方位遠近を占うに、皆此の一門を参照して象を取る。
類相・宮室
宮室 子屬後宮、後殿、內房、內堂;丑屬聖殿、神祠、官署、宦第;寅屬客館、山房、草廬、茅舍;卯屬行室、雷廟、船行、木廠;辰屬龍廟、星宮、天牢、帥府;巳屬弓店、爐店、炕房、廚房;午屬大堂、馬廄、命館、書齋;未屬酒肆、茶房、典槽、倉庫;申屬碾磨、碓房、遞鋪、館驛;酉屬金銀、珠玉、銅錫、錢鋪;戌屬佛殿、禪堂、營房、牢獄;亥屬道院、仙宮、戲園、樓閣。
房屋処所を占うに取る類象は以下のごとし。子は后宮・后殿・内房・内堂を主る――皆居所の最も深処の房間なり。丑は聖殿・神祠・官署・官宦宅第を主る。寅は客館・山房・草廬・茅舎を主る――山野の簡朴の居処。卯は行室・雷神廟・船行・木料廠を主る――およそ木と舟車とに関わる房屋。辰は竜王廟・星宿宮観・天牢・元帥府を主る。巳は弓箭鋪・炉冶鋪・炕房・厨房を主る――およそ火に関わる処所。午は大堂・馬廐・算命館・書斎を主る。未は酒楼・茶房・当鋪馬槽・倉庫を主る。申は碾房・舂米の碓房・逓鋪・館駅を主る。酉は金銀楼・珠玉店・銅錫鋪・銭荘を主る。戌は仏殿・禅堂・軍営房舎・牢獄を主る。亥は道院・仙宮・戯園・楼閣を主る。
貴人官宦宅,螣蛇火怪宅,朱雀是非宅,六合和合宅,勾陳爭訟宅,青龍喜慶宅,白虎災喪宅,太常安樂宅,玄武耗費宅,太陰暗昧宅,天后淫泆宅。凡占宮室者參此。
再び天将に按じて宅の性質を取る:宅の上に貴人に乗れば、官宦人家の宅第なり。螣蛇に乗れば、火災怪異ある宅。朱雀に乗れば、口舌是非断えざる宅。六合に乗れば、和睦融洽の宅。勾陳に乗れば、争闘渉訟の宅。青竜に乗れば、喜慶興旺の宅。白虎に乗れば、災禍喪亡の宅。太常に乗れば、安逸快楽の宅。玄武に乗れば、破費虧耗の宅。太陰に乗れば、陰暗隠晦の宅。天后に乗れば、淫佚不正の宅(底本はここに十一将を列するのみで、天空の一位を脱す。其の性に按じて当に虚詐不実の宅とすべし)。およそ房屋宅舎の吉凶を占うに、皆此の一門を参照して象を取る。
類相・人物
人物 子屬丫環婦女,丑屬牧築耕夫,寅屬隱樵書吏,卯屬船戶車伕,辰屬漁翁禁子,巳屬爐灶窯工,午屬馬伕蠶婦,未屬篾匠裁縫,申屬鋪兵驛卒,酉屬妾婢妓娼,戌屬軍丁奴僕,亥屬道士優伶。
人物身份を占うに取る類象は以下のごとし。子は丫環・婦女を主る。丑は放牧する者・牆を築く者・田を耕する農夫を主る。寅は隠士・樵夫・書吏を主る。卯は船戸・車夫を主る――およそ舟車を駕馭する人。辰は漁翁・獄卒を主る(「禁子」は即ち牢獄を看守する人)。巳は炉灶を看る者・窯を焼く工匠を主る。午は馬夫・蚕を養う婦人を主る。未は篾匠・裁縫を主る。申は鋪兵・駅卒を主る――およそ公文を伝逓する差役。酉は妾室・婢女・妓女娼優を主る。戌は軍丁・奴僕を主る。亥は道士・優伶戯子を主る。占問の渉る何人かは、便ち盤上の現る所の支に据えて其の身份行業を取る。
貴人屬王侯紳士,螣蛇屬異怪小人,朱雀屬醫卜星相,六合屬朋稚牙媒,勾陳屬將軍捕快,青龍屬木客茶商,天空屬尼姑和尚,白虎屬病者屠夫,太常屬業衣業食,玄武屬盜賊逃人,太陰屬老嫗嬪孀,天后屬後姬少女。 印煞屬父母,盜煞屬男女,鬼煞屬官屬夫,財煞屬妻屬妾,劫煞屬弟兄屬姊妹。凡占人物參此。
再び天将に按じて人を取る:貴人は王侯・縉紳・士大夫を主る。螣蛇は行跡詭異の小人を主る。朱雀は医生・卜者・星命相士を主る。六合は朋輩・少年および牙行経紀と媒人を主る。勾陳は将軍・捕快差役を主る。青竜は木材を販る客商と茶商を主る。天空は尼姑・和尚を主る。白虎は病人・屠戸を主る。太常は衣食を以て業と為す人、たとえば成衣匠・厨役を主る。玄武は盗賊と在逃の人を主る。太陰は老婦・嬪妾・寡婦を主る。天后は后妃・姫妾・年少女子を主る。 再び五種の用神に按じて六親を取る:印煞は父母を主り、盗煞は子女を主り、鬼煞は官長を主り丈夫を主り、財煞は妻を主り妾を主り、劫煞は兄弟を主り姊妹を主る。およそ人物は誰か・何等の身份に属するかを占問するに、皆此の一門を参照して象を取る。
類相・姓氏
姓氏 子屬危燕齊任與上下傍水字、子字、女字、雨字姓。 丑屬楊吳鈄紀與上下傍土字、田字、丑字、巳字、牛字、吉字、王字姓。 寅屬雲燕胥曹與上下傍木字、力字、山字、寶蓋、竹頭姓。 卯屬房東駱宋與上下傍木字、卯字、心字、耳字、車字、門字、戶字、雲頭、草頭姓。 辰屬鄭壽陳羅與上下傍土字、田字、山字、勾字、辰字、魚字、龍字、角字、亢字姓。 巳屬翼冶荊楚與上下傍火字、蟲字、弓字、丁字姓。
姓氏を占うに取る類象は以下のごとし。盤上の何の支が発動するかを見て、便ち該支の属する姓を取りて問う所の人の姓を推す。列する所は既に具体的の姓あり、また偏旁部首あり。およそ姓字の上下左右に其の偏旁を帯ぶるは皆算す。 子は危・燕・斉・任等の姓、および字中の上下左右に水旁を帯び、「子」を帯び、「女」を帯び、「雨」を帯ぶる姓を主る。 丑は楊・呉・鈄・紀等の姓、および土旁を帯び、「田」「丑」「巳」「牛」「吉」「王」を帯ぶる姓を主る。 寅は雲・燕・胥・曹等の姓、および木旁を帯び、「力」「山」を帯び、宝蓋頭を帯び、竹字頭を帯ぶる姓を主る。 卯は房・東・駱・宋等の姓、および木旁を帯び、「卯」「心」「耳」「車」「門」「戸」を帯び、雲字頭を帯び、草字頭を帯ぶる姓を主る。 辰は鄭・寿・陳・羅等の姓、および土旁を帯び、「田」「山」「勾」「辰」「魚」「竜」「角」「亢」を帯ぶる姓を主る。 巳は翼・冶・荊・楚等の姓、および火旁を帯び、「虫」「弓」「丁」を帯ぶる姓を主る。
午屬朱柳周張與上下傍火字、午字、丙字、言字、口字、馬字、羽字、鳥字、赤字姓。 未屬秦常雍井與上下傍土字、田字、未字、吉字、巳字、鬼字、衣字、食字姓。 申屬申傅益沈與上下傍金字、石字、白字、庚頭、虎頭、走之姓。 酉屬冀畢從趙與上下傍金字、鳥字、門字、戶字、西字、辛字、玉字、石字姓。 戌屬空印徐魯與上下傍土字、田字、戈字、犬字、僕字、婁字姓。 亥屬明江武鄧與上下傍水字、雨字、魚字姓。
午は朱・柳・周・張等の姓、および字中の上下左右に火旁を帯び、「午」「丙」「言」「口」「馬」「羽」「鳥」「赤」を帯ぶる姓を主る。 未は秦・常・雍・井等の姓、および土旁を帯び、「田」「未」「吉」「巳」「鬼」「衣」「食」を帯ぶる姓を主る。 申は申・傅・益・沈等の姓、および金旁を帯び、「石」「白」を帯び、庚字頭を帯び、虎字頭を帯び、走之底を帯ぶる姓を主る。 酉は冀・畢・従・趙等の姓、および金旁を帯び、「鳥」「門」「戸」「西」「辛」「玉」「石」を帯ぶる姓を主る。 戌は空・印・徐・魯等の姓、および土旁を帯び、「田」「戈」「犬」「僕」「婁」を帯ぶる姓を主る。 亥は明・江・武・鄧等の姓、および水旁を帯び、「雨」「魚」を帯ぶる姓を主る。
貴人貴重姓,螣蛇異怪姓,朱雀羽毛姓,六合連合姓,勾陳干戈姓,青龍鱗甲姓,白虎凶惡姓,太常及食姓,玄武不正姓,太陰暗昧姓,天后女字姓,凡占姓氏參此。
再び天将に按じて姓の性質を取る:貴人に乗れば、貴重顕赫の類の姓。螣蛇に乗れば、字義怪異の類の姓。朱雀に乗れば、羽毛鳥類の偏旁を帯ぶる姓。六合に乗れば、字形連綴合并の姓。勾陳に乗れば、干戈兵器の意味を帯ぶる姓。青竜に乗れば、鱗甲虫魚の意味を帯ぶる姓。白虎に乗れば、字義凶悪の姓。太常に乗れば、衣食と関わりある姓。玄武に乗れば、字義正ならざる姓。太陰に乗れば、字義暗昧の姓。天后に乗れば、女字旁を帯ぶる姓(底本はここに十一将を列するのみで、天空の一位を脱す。其の性に按じて当に字義空虚不実の姓とすべし)。およそ相手の姓は何かを占問するに、皆此の一門を参照して象を取る。
類相・臓腑
臟腑 午屬心,酉屬肺,卯屬肝,寅屬膽,申屬大腸,子屬膀胱,巳屬三焦亦屬小腸,亥屬陰亦屬腎,辰戌屬脾,丑未屬胃,凡占、臟腑參此。
人身の臓腑を占うに取る類象は以下のごとし:午は心を主り、酉は肺を主り、卯は肝を主り、寅は胆を主り、申は大腸を主り、子は膀胱を主り、巳は三焦を主りまた小腸を主り、亥は前陰を主りまた腎を主り、辰と戌は脾を主り、丑と未は胃を主る。此の一門は十二支を人身の内臓に配したるもので、およそ疾病の何処に生じ、病根がどの臓腑に落つるかを占問すれば、盤上の病気を帯ぶるはどの支かを見て、此に据えて其の部位を定める。以上の諸項は、およそ臓腑を占うに皆参照して象を取る。
類相・飲食
飲食 寅卯屬春季所生,或草木所長,與青色物。 巳午屬夏季所生,或蒸燒炒炙,與赤色物。 申酉屬秋季所生,或碾磨所出,與白色物。 亥子屬冬季所生,或水中所出,與黑色物。 辰戌丑未屬四季所生,或田園所長,與黃色物。
飲食を占うに取る類象は以下のごとし。五行に按じて五類に分かつ。寅卯は木に属し、春季の生長する食物、または草木蔬菜の類および青緑色の物を主る。巳午は火に属し、夏季の生長する食物、または蒸・焼・炒・炙等の火工を経て作り出たるものおよび赤紅色の物を主る。申酉は金に属し、秋季の生長する食物、または碾・磨の加工を経て出たる米麺の類および白色の物を主る。亥子は水に属し、冬季の生長する食物、または水中より取得する魚蝦菱藕の類および黒色の物を主る。辰戌丑未は土に属し、四季月の生長する食物、または田園裏に長じ出たる瓜菜五穀および黄色の物を主る。何を食したか・席上に何あるかを占問すれば、便ち盤上の支に据えて之を取る。
貴人珍重食,螣蛇異怪食,朱雀羽毛食,六合連合食,勾陳牽連食,青龍鱗甲食,天空不實食,白虎凶惡食,太常酒穀食,玄武不正食,太陰胡塗食,天后女制食。凡占飲食者參此。
再び天将に按じて飲食の品類性質を取る:貴人に乗れば、珍貴稀罕の食物。螣蛇に乗れば、形状怪異の食物。朱雀に乗れば、禽鳥羽族の類の食物。六合に乗れば、対を成し連綴し、拼合して成れる食物。勾陳に乗れば、彼此牽連して串を成す食物。青竜に乗れば、鱗甲魚蝦の類の食物。天空に乗れば、華にして実ならず、名ありて物なき食物。白虎に乗れば、腥悪不祥の食物。太常に乗れば、酒と五穀の類の正経飲食。玄武に乗れば、来路正ならざる食物。太陰に乗れば、混雑清からず、名目を説き出せざる食物。天后に乗れば、婦人の手製の食物。およそ飲食の一事を占問するに、皆此の一門を参照して象を取る。
類相・器用
器用 寅屬桌椅凳杌,卯屬櫥櫃舟車,寅卯又屬一應木器與青色物。 巳屬爐扇弓弩,午屬書畫旌旗,巳午又屬一應火器與赤色物。 申屬干戈碓磨,酉屬珠玉金銀,申酉又屬一應金器與白色物。 亥屬符圖傘笠,子屬胭粉簪環,亥子又屬一應水器與黑色物。 辰屬戥秤尺網,戌屬盔甲印綬,丑屬斛斗冠帶,未屬盤盞布帛,辰與丑未又屬一應土器與黃色物。
器物用具を占うに取る類象は以下のごとし。なお五行に按じて分類す。寅は木に属し、桌・椅・凳・杌の類の坐具を主る。卯もまた木に属し、橱・柜と舟・車を主る。寅卯の二支はまた統べて一切の木器と青色の物件を主る。巳は火に属し、香炉・扇子・弓弩を主る。午もまた火に属し、書画・旌旗を主る。巳午の二支はまた統べて一切の火を用いて制成せる器と赤色の物件を主る。申は金に属し、刀槍干戈と碓・磨を主る。酉もまた金に属し、珠玉金銀を主る。申酉の二支はまた統べて一切の金属器物と白色の物件を主る。亥は水に属し、符籙図画・傘と斗笠を主る。子もまた水に属し、胭脂香粉・簪環首飾を主る。亥子の二支はまた統べて一切の水を盛る器と黒色の物件を主る。辰は土に属し、戥子・秤・尺・網罟を主る。戌は盔甲と印信綬帯を主る。丑は斛・斗等の量器と冠冕帯履を主る。未は盤・盞と布帛を主る。辰と丑未の諸土支はまた統べて一切の陶土の器と黄色の物件を主る。
貴人珍重物,螣蛇異怪物,朱雀羽毛物,六合連合物,勾陳吊掛物,青龍喜慶物,天空空虛物,白虎凶喪物,太常衣食物,玄武戲弄物,太陰不明物,天后女制物。凡占器用者參此。
再び天将に按じて器物の性質を取る:貴人に乗れば、珍貴貴重の物。螣蛇に乗れば、形状怪異の物。朱雀に乗れば、羽毛禽鳥の類の物。六合に乗れば、連綴合并し成双成対すべき物。勾陳に乗れば、懸吊掛搭の物。青竜に乗れば、喜慶と関わりある物。天空に乗れば、中空実なき物。白虎に乗れば、凶険喪葬に用うる物。太常に乗れば、衣服飲食の類の物。玄武に乗れば、玩耍戯弄の物。太陰に乗れば、来歴不明の物。天后に乗れば、婦人の制する物。およそ器物用具を占問するに、皆此の一門を参照して象を取る。
類相・数目と顔色
數目 亥子一,巳午二,寅卯三,申酉四,辰戌丑未五,謂之五行。 子午九,丑未八,寅申七,卯酉六,辰戌五,巳亥四,謂之先天。 旺相多,休囚少,凡占數目參此。
数目を占うに取る類象は二套あり。頭の一套は五行生成の数に按ず:亥子は水に属し、数は一。巳午は火に属し、数は二。寅卯は木に属し、数は三。申酉は金に属し、数は四。辰戌丑未は土に属し、数は五――これを「五行数」という。《河図》の水一・火二・木三・金四・土五の序を取る。第二套は先天卦位の配する所の数に按ず:子と午は九、丑と未は八、寅と申は七、卯と酉は六、辰と戌は五、巳と亥は四――これを「先天数」という。この外さらに気勢を参看せねばならぬ:現る所の支がもし当旺得令または相位に処れば、数を取るに多きに往きて算し、もし休・囚・死の地に処れば、数を取るに少なきに往きて算す。およそ件数・人数・日数・里数を占問するに、皆此の一門を参照して象を取る。
顏色 寅卯青,巳午赤,申酉白,亥子黑,辰戌丑未黃。旺相鮮明,休囚淡舊。凡占顏色參此。
顔色を占うに取る類象は以下のごとし。なお五行に按じて分配す:寅卯は木に属し、其の色は青。巳午は火に属し、其の色は赤。申酉は金に属し、其の色は白。亥子は水に属し、其の色は黒。辰戌丑未は土に属し、其の色は黄。定色を除くの外、さらに気勢の深浅を見ねばならぬ:現る所の支がもし当旺得令または相位に処れば、顔色は便ち鮮艶明亮にして新制の物のごとく、もし休・囚・死の地に処れば、顔色は便ち暗淡陳旧にして久用褪色の物のごとし。およそ衣物器具は何の顔色か・新旧如何を占問するに、皆此の一門を参照して象を取る。
類相・飛潜動植
飛潛動植 子屬鼠亦屬燕蝠類,丑屬牛亦屬獬象類,寅屬龍亦屬彪豹類狸貓類,卯屬兔亦屬狐駱驢騾類,辰屬龍亦屬蛟鼉魚鱉類,巳屬蛇亦屬蟒蚓蟬蟲類,午屬馬亦屬鹿獐蠶雀類,未屬羊亦屬雁犴類,申屬猴亦屬猿猱類,酉屬雞亦屬雉鳥鶉鴨類,戌屬犬亦屬狼獾類,亥屬豬亦屬貐熊類。
飛禽・水族・走獣・草木を占うに取る類象は以下のごとし。まず十二生肖に按じて推広して往く。子は鼠を主り、また燕子・蝙蝠の類に旁及す。丑は牛を主り、また獬豸・大象の類に旁及す。寅は虎を主り、また彪・豹と狸猫の類に旁及す(底本「寅属竜」は「寅属虎」とすべく刻誤なり。下文の辰位こそ竜なり)。卯は兎を主り、また狐狸・駱駝・驢・騾の類に旁及す。辰は竜を主り、また蛟・鼉・魚・鱉の類に旁及す。巳は蛇を主り、また蟒・蚯蚓・蝉と諸般の虫類に旁及す。午は馬を主り、また鹿・獐・蚕・雀の類に旁及す。未は羊を主り、また雁と犴(野犬)の類に旁及す。申は猴を主り、また猿・猱の類に旁及す。酉は鶏を主り、また雉・鳥・鵪鶉・鴨の類に旁及す。戌は犬を主り、また狼・獾の類に旁及す。亥は猪を主り、また貐・熊の類に旁及す。
寅與卯並屬樹竹花草,貴人貴重物,螣蛇異怪物,朱雀飛鳴物,六合成雙物,勾陳爭鬥物,青龍鱗甲物,天空虛誕物,白虎凶惡物,太常飲啄物,玄武不正物,太陰不明物,天后閨藏物,凡占飛潛動植者參此。
草木の類に至っては、寅と卯の两支は同じく樹木・竹子と花草を主る。再び天将に按じて其の性質を取る:貴人に乗れば、貴重難得の物。螣蛇に乗れば、怪異反常の物。朱雀に乗れば、能く飛び能く鳴く禽鳥。六合に乗れば、成双成対の物。勾陳に乗れば、争い好み闘い好む物。青竜に乗れば、鱗有り甲有る魚竜の属。天空に乗れば、虚妄不実・伝聞失真の物。白虎に乗れば、凶悪にして人を傷る物。太常に乗れば、飲啄食用に供すべき物。玄武に乗れば、来路正ならざる物。太陰に乗れば、隠匿不明の物。天后に乗れば、閨閣の中に養う玩賞の物。およそ禽獣虫魚草木を占問するに、皆此の一門を参照して象を取る。
六壬経緯巻六 断占
目錄:晴雨、耕種、墳丁、宅第、身命、婚姻、孕產、考選、商賈、否泰、病醫。正文
本巻は篇に分かちて実際の断事の門径を講ずる。巻首の列する目次は晴雨・耕種・墳丁・宅第・身命・婚姻・孕産・考選・商賈・否泰・病医の十一目。自序は「断占は一十三篇を以て則と為す」と称す。正文は実に十三篇あり。此の目は末尾の訟罪・逃捕の两篇を脱す。正文に拠りて補うべし。每篇の体例は大致相同じ:まず綱領を立て、日干を以て人を代表し、日支を以て問う所の事または物を代表し、三伝を以て事情の頭・中・尾に分応し、課体格局を以て全局の綱領と為す。再び項に分かちて「用神」を立て、どの一位の天将またはどの一種の神煞を見て問う所の具体の項目に対応するかを指定し、かつそれの「臨む」所の其の一位を以て応験の方位と日期を定める。最後に総じて収めて一笔し、人に教えて各処の神将を逐一比較し、格局に参合して、しかる後に断語を下さしむ。以下本巻の正文である。
断占・晴雨第一
晴雨占第一 問旺問雨 以干為天,干上所乘之神將應天。以支為地,支上所乘之神將應地。以三傳為初中末,三傳所現之神將為初中末應晴應雨。以格局為綱領,三傳四課所現之格局綱領應晴應雨。
第一篇、天時晴雨を占う。まず綱領を立つ(篇題は「問旺問雨」。「旺」は「晴」とすべく刻誤なり):日干を以て天を代表し、日干の上に乗る所の神と将は即ち天象の上に応ず。日支を以て地を代表し、日支の上に乗る所の神と将は即ち地面の情形の上に応ず。三伝を以て事情の頭・中・尾に分応し、三伝の上に現る所の神将は便ち依次に初時・中時・末時の晴または雨に応ず。再び課体格局を以て全局の綱領と為し、三伝四課の結成する所の格局は此の一場の天気の究竟是晴か雨かを総管す。此の四項は晴雨を占うの骨架なり。具体にいつ放晴し、いつ下雨するかは、則ち下文の各項の用神を見る。
問晴 以天空為晴,天空與所乘之將應晴,所臨之將應晴期。以巳午為晴,巳午與所乘之神應晴,所臨之將應晴期。以旬中丙丁為晴,丙丁與所乘之神將應晴,所臨之將應晴期。以螣蛇朱雀為晴,螣蛇朱雀與所乘之將應晴,所臨之將應晴期。
専らいつ放晴するかを問うに、四組の用神の見べきあり。其の一、天空を以て晴と為す――天空は戌土に属し、空明にして雨なきを主る。天空の此の一位と其の乗る所の将を見て、晴と不晴を断じ、再び其の臨む所の其の一位を見て、放晴の日期を定める。其の二、巳午を以て晴と為す――巳午は火に属し、日照を主る。巳午の两支と其の上頭に乗る所の神を見て、晴と不晴を断じ、其の臨む所の其の一位を見て、放晴の日期を定める。其の三、本旬中の丙・丁を以て晴と為す――丙丁は火に属し、太陽の干と為す。丙丁の寄る所の処の神と将を見て、晴と不晴を断じ、臨む所の其の一位を見て、放晴の日期を定める。其の四、螣蛇・朱雀を以て晴と為す――二者は皆火将に属す。其らと乗る所の将を見て、晴と不晴を断じ、臨む所の其の一位を見て、放晴の日期を定める。四組の中、見得ること多ければ多いほど、晴意は越えて堅し。
問雨 以青龍為雨,青龍與所乘之將應雨,所臨之將應雨時雨方。以亥子為雨,亥子與所乘之神應雨,所臨之將應雨時。以旬中壬癸為雨,壬癸與所乘之神將應雨,所臨之將應雨時。以玄武天后為雨,玄武天后與所乘之將應雨,所臨之將應雨時。 問晴問雨視干支三傳占時所現神將,並應視神將,一一詳其所屬何煞,並較所臨何煞,其干支等處所現神將,仍與干支等處所見神將相較,更較其所現之格局,方可定其晴雨焉。
専らいつ下雨するかを問うに、また四組の用神あり。其の一、青竜を以て雨と為す――竜は能く雨を行う。青竜と其の乗る所の将を見て、雨有るか無きかを断じ、再び其の臨む所の其の一位を見て、下雨の時辰と来雨の方向を定める。其の二、亥子を以て雨と為す――亥子は水に属す。亥子の两支と上頭に乗る所の神を見て、雨有るか無きかを断じ、臨む所の其の一位を見て、下雨の時辰を定める。其の三、本旬中の壬・癸を以て雨と為す――壬癸は水に属す。其らの寄る所の処の神と将を見て、雨有るか無きかを断じ、臨む所の其の一位を見て、下雨の時辰を定める。其の四、玄武・天后を以て雨と為す――二者は皆水将に属す。其らと乗る所の将を見て、雨有るか無きかを断じ、臨む所の其の一位を見て、下雨の時辰を定める。 総断の法:晴を占い雨を占うに、日干・日支・三伝・占時の各処に現る所の神将を、上述の応晴応雨の用神を連ねて、一々詳しく其の本身がいずれの一種の神煞に属するかを辨じ、再び其の臨む所がいずれの一種の神煞かを比較す。干支等の処に現る所の神将は、さらに干支等の処の別の神将と互いに比較せねばならぬ。最後に再び結成する所の格局を参較し、此のようにして乃ち究竟是晴か雨かを断定すべし。
断占・耕種第二
耕種占第二 問耕問種 以干為農,干上所乘之神將應農。以支為田,支上所乘之神將應田。以三傳為初中末,三傳所現之神將初中末應耕應種。以格局為綱領,三傳四課所現之格局綱領應耕應種。
第二篇、田を耕し種を下すを占う。まず綱領を立つ:日干を以て田を種る人を代表し、日干の上に乗る所の神と将は即ち農人の身上に応ず――其の力量足るか足らざるか・阻碍有るか無きかを見る。日支を以て田地を代表し、日支の上に乗る所の神と将は即ち田土の上に応ず――田の肥瘠・損傷有るか無きかを見る。三伝を以て事情の頭・中・尾に分応し、三伝の上に現る所の神将は便ち依次に耕作と播種の先後の各段に応ず。再び課体格局を以て全局の綱領と為し、三伝四課の結成する所の格局は此の一年の耕種の成敗を総管す。此の四項は大局を定下す。具体にどの一方の田か・何の顔色の穀を種るかは、下文を見よ。
以卯為正東田地,卯上所乘之神將應正東田地。以午為正南田地,午上所乘之神將應正南田地。以酉為正西田地,酉上所乘之神將應正西田地。以子為正北田地,子上所乘之神將應正北田地。以辰巳為東南田地,辰巳上所乘之神將應東南田地。以未申為西南田地,未申上所乘之神將應西南田地。以丑寅為東北田地,丑寅上所乘之神將應東北田地。以戌亥為西北田地,戌亥上所乘之神將應西北田地。
田地を占うに方位に按じて分看せねばならぬ。八方は各々属する所の支あり:卯を以て正東の田を代表し、卯位の上に乗る所の神将は即ち東辺の其の片の田の豊歉の上に応ず。午を以て正南の田を代表し、午位の上に乗る所の神将は南辺の田に応ず。酉を以て正西の田を代表し、酉位の上に乗る所の神将は西辺の田に応ず。子を以て正北の田を代表し、子位の上に乗る所の神将は北辺の田に応ず。辰・巳を以て東南の田を代表し、辰巳の上に乗る所の神将は東南の田に応ず。未・申を以て西南の田を代表し、未申の上に乗る所の神将は西南の田に応ず。丑・寅を以て東北の田を代表し、丑寅の上に乗る所の神将は東北の田に応ず。戌・亥を以て西北の田を代表し、戌亥の上に乗る所の神将は西北の田に応ず。どの一方の支が吉将吉煞を得れば、どの一方の田は耕に宜しく収に宜し。之に反すれば其の一方は歉収を防ぐべし。
問種 以寅卯為青種,寅卯與所乘之神應青種,所臨之將應栽植方。以巳午為赤種,巳午與所乘之神應赤種,所臨之將應栽植方。以申酉為白種,申酉與所乘之神應白種,所臨之將應栽植方。以亥子為黑種,亥子與所乘之神應黑種,所臨之將應栽植方。以辰戌丑未為黃種,辰戌丑未與所乘之神應黃種,所臨之將應栽植方。 問耕問種視干支三傳占時所現神將,並應視神將,一一詳其所屬何煞,並較所臨何煞,其干支等處所現神將,仍與干支等處所現神將相較,更較其所現之格局,方可定其耕種焉。
専ら何の種子を下すかを問うに、五行に按じて五色に配して五類に分かつ。寅卯を以て青色の種子を代表す――寅卯は木に属し、其の色は青。寅卯と上頭に乗る所の神を見て、此の類の種子の宜しきか否かを断じ、再び其の臨む所の其の一位を見て、どの方位に向かって栽种すべきかを定める。巳午を以て赤色の種子を代表す――巳午は火に属す。断法は前に同じ。臨む所の位は栽植の方向を定める。申酉を以て白色の種子を代表す――申酉は金に属す。断法は前に同じ。亥子を以て黒色の種子を代表す――亥子は水に属す。断法は前に同じ。辰戌丑未を以て黄色の種子を代表す――四土支は其の色は黄。断法は前に同じ。 総断の法:耕を占い種を占うに、日干・日支・三伝・占時の各処に現る所の神将を、上述の応耕応種の用神を連ねて、逐一詳しく其のいずれの一種の神煞に属するかを辨じ、再び其の臨む所がいずれの一種の神煞かを比較す。干支等の処の神将の彼此の間もまた互いに比較せねばならぬ。最後に結成する所の格局を参較し、しかる後に乃ち此の一季の耕種の収成を断定すべし。
断占・墳丁
墳丁 問墳問丁 以干為人,干上所乘之神將應人。以支為墳,支上所乘之神將應墳。以三傳為初中末,三傳所現之神將初中末應墳應丁。以格局為綱領,三傳四課所現之格局綱領應墳應丁。
本篇は墳塋と子嗣を占う(「丁」は人丁を指す)。此の篇は底本に篇次を標せず。当に第二・第三篇の間に在るべし。まず綱領を立つ:日干を以て問う所の人を代表し、日干の上に乗る所の神と将は即ち此の人の身上に応ず。日支を以て墳地を代表し、日支の上に乗る所の神と将は即ち墳塋の形勢吉凶の上に応ず。三伝を以て頭・中・尾に分応し、三伝の現る所の神将は依次に葬事と子嗣の先後の各段に応ず。再び課体格局を以て全局の綱領と為し、三伝四課の結成する所の格局は墳地と人丁の两桩の事の成敗を総管す。以下再び「墳を問う」「丁を問う」の两路に分かちて用神を取る。
問墳 以青龍為左砂,青龍與所乘之神應左砂。以白虎為右砂,白虎與所乘之神應右砂。以朱雀為案山,朱雀與所乘之神應案山。以玄武為後山,玄武與所乘之神應左砂。
専ら墳地の形勢を問うに、四位の天将を取りて堪輿家の言う所の四方山水に配す。青竜を以て左辺の砂手と為す――青竜はもと東方を主る。青竜と其の乗る所の神を見て、左砂の環抱有情なるか否かを断ず。白虎を以て右辺の砂手と為す――白虎はもと西方を主る。白虎と乗る所の神を見て、右砂の馴伏して欺かざるか否かを断ず。朱雀を以て墳前の案山と為す――朱雀はもと南方を主る。朱雀と乗る所の神を見て、案山の端正近拱なるか否かを断ず。玄武を以て墳後の靠山と為す――玄武はもと北方を主る。玄武と乗る所の神を見て、後山の厚実にして倚るべきか否かを断ず(底本は此の句を「応左砂」と作す。上文と重出す。「応後山」とすべく刻誤なり)。四位が吉将吉煞を得れば四山は情あり、凶将凶煞を得れば其の一方に缺陷あり。
問丁 以印煞為父母,印煞與所乘之神應父母。以盜煞應男女,盜煞與所乘之神應男女。以鬼煞為官為夫,鬼煞與所乘之神應官應夫。以財煞為妻財,財煞與所乘之神應妻財。以劫煞為兄弟,劫煞與所乘之神應兄弟。 問墳問丁視干支三傳占時所現神將,並應視神將,一一詳其所屬何煞,並較所臨何煞,其干支等處所現神將,仍與干支等處所現神將相較,更較其所現之格局,方可定其墳丁焉。
専ら一門の人丁を問うに、即ち五種の用神に按じて六親を分配す。印煞を以て父母を代表し、印煞と其の乗る所の神を見て、父母の存殁安危を断ず。盗煞を以て子女を代表し、盗煞と乗る所の神を見て、子女の多寡賢愚を断ず。鬼煞を以て官長を代表し、婦人に在りては則ち丈夫を代表し、鬼煞と乗る所の神を見て、官運と夫婿を断ず。財煞を以て妻室と銭財を代表し、財煞と乗る所の神を見て、妻財の両項を断ず。劫煞を以て兄弟を代表し、劫煞と乗る所の神を見て、手足の間の情形を断ず。 総断の法:墳を占い丁を占うに、日干・日支・三伝・占時の各処に現る所の神将を、上述の各項の用神を連ねて、逐一詳しく其のいずれの一種の神煞に属するかを辨じ、再び其の臨む所がいずれの一種の神煞かを比較す。干支等の処に現る所の神将の彼此もさらに互いに比較せねばならぬ。最後に結成する所の格局を参較し、しかる後に乃ち墳地と人丁の吉凶を断定すべし。
断占・宅第第三
宅第占第三 問宅問第 以干為人,干上所乘之神將應人。以支為宅,支上所乘之神將應宅。以三傳為初中末,三傳所現之神將初中末宅應第。以格局為綱領,三傳四課所現之格局綱領應宅應第。
第三篇、住宅房舎を占う。まず綱領を立つ:日干を以て宅裏に住む人を代表し、日干の上に乗る所の神と将は即ち人の休咎の上に応ず。日支を以て宅子本身を代表し、日支の上に乗る所の神と将は即ち房屋の好坏の上に応ず。三伝を以て頭・中・尾に分応し、三伝の現る所の神将は依次に宅を買い・宅に住み・宅を遷るの先後の各段に応ず(底本「初中末宅応第」は「宅」の上に一「応」字を脱す)。再び課体格局を以て全局の綱領と為し、三伝四課の結成する所の格局は此の宅第の宜居か宜居ならざるかを総管す。以下再び宅内の各処に按じて分看す。
以午為廳堂,午上所乘之神將應廳堂。以子為內室,子上所乘之神將應內室。以卯為前門,卯上所乘之神將應前門。以酉為後戶,酉上所乘之神將應後戶。以未為井,未與所乘之神應井,所臨之將應井泉方。以巳為灶,巳與所乘之神應灶,所臨之方應設灶方。 問宅問第視干支三傳占時所現神將,並應視神將,一一詳其所屬何煞,並較所臨何煞,其干支等處所現神將,仍與干支等處所現神將相較,更較其所現之格局,方可定其宅第焉。
宅内の各処もまた各々属する所の支あり:午を以て庁堂と為す――午は正南に在り、一宅の明堂と為す。午上に乗る所の神将は即ち庁堂の気象の上に応ず。子を以て内室と為す――子は正北に在り、宅中の最深処と為す。子上に乗る所の神将は内房卧室に応ず。卯を以て前門と為す――卯は正東に在り、日出の方。卯上に乗る所の神将は大門に応ず。酉を以て後戸と為す――酉は正西に在り。酉上に乗る所の神将は後門に応ず。未を以て水井と為す――未と其の乗る所の神を見て、井の好坏を断じ、再び其の臨む所の其の一位を見て、水井の開くべきどの方位かを定める。巳を以て炉灶と為す――巳と其の乗る所の神を見て、灶の吉凶を断じ、再び其の臨む所の方位を見て、灶の安ずべきどの一方かを定める。 総断の法:宅第を占うに、日干・日支・三伝・占時の各処に現る所の神将を、上述の各処の用神を連ねて、逐一詳しく其のいずれの一種の神煞に属するかを辨じ、再び其の臨む所がいずれの一種の神煞かを比較す。干支等の処の神将の彼此もまた互いに比較せねばならぬ。最後に結成する所の格局を参較し、しかる後に乃ち此の宅第の吉凶を断定すべし。
断占・身命第四
身命占第四 問身問命 以干為人,干上所乘之神將應人。以支為業,支上所乘之神將應業。以三傳為初中末,三傳所現之神將初中末應身應命。以格局為綱領,三傳四課所現之格局綱領應身應命。
第四篇、一身一命の休咎を占う。まず綱領を立つ:日干を以て此の人本身を代表し、日干の上に乗る所の神と将は即ち其の形体・気質・当下の処境の上に応ず。日支を以て其の事業家業を代表し、日支の上に乗る所の神と将は即ち其の依靠する所の産業の上に応ず。三伝を以て頭・中・尾に分応し、三伝の現る所の神将は依次に一生の早年・中年・晩年に応ず。再び課体格局を以て全局の綱領と為し、三伝四課の結成する所の格局は此の人の身命の高下厚薄を総管す。以下再び「身を問う」「命を問う」の两路に分かち、各々用神を指定す。
問身 以長生煞為壽,長生煞與所乘之神應壽。以財煞為財帛,財煞與所乘之神應財帛,所臨之將應取財方發財日。以臨官煞為祿,臨官煞與所乘之神應祿,所臨之將應食祿方食祿日。以病煞為病,病煞與所乘之神應病,所臨之將應病日。以死煞為死,隱約煞與所乘之神應死,所臨之將應死日。
専ら一身の寿夭窮通を問うに、五項の用神を取る。長生煞を以て寿元を代表し、長生煞と其の乗る所の神を見て、寿数の長短を断ず。財煞を以て財帛を代表し、財煞と乗る所の神を見て、財の多寡を断じ、再び其の臨む所の其の一位を見て、どの方向に往きて財を取るか・いずれの日に財を発するかを定める。臨官煞を以て俸禄を代表し、臨官煞と乗る所の神を見て、禄の厚薄を断じ、再び臨む所の其の一位を見て、どの方位に在りて禄を食み・いずれの日に禄を得るかを定める。病煞を以て疾病を代表し、病煞と乗る所の神を見て、病の軽重を断じ、再び臨む所の其の一位を見て、発病の日子を定める。死煞を以て死亡を代表し、死煞と乗る所の神を見て、死生を断ず(底本はここに「隠約煞」と作す。「死煞」とすべく刻誤なり)。再び臨む所の其の一位を見て、死期を定める。
問命 以印煞為父母,印煞與所乘之神應父母。以盜煞為男女,盜煞與所乘之神應男女,所臨之將應得男女日。以鬼煞為官為夫,鬼煞與所乘之神應官應夫,所臨之將應出仕出嫁日。以財煞為妻妾,財煞與所乘之神應妻妾,所臨之將應娶妻妾日。以劫煞為弟兄,劫煞與所乘之神應弟兄。 問身問命視干支三傳占時所現神將,並應視神將,一一詳其所屬何煞,並較所臨何煞,其干支等處所現神將,仍與干支等處所現神將相較,更較其所現之格局,方可定其身命焉。
専ら一命の属する所の六親を問うに、なお五種の用神に按じて分配す。印煞を以て父母を代表し、印煞と其の乗る所の神を見て、父母の存殁と縁分の厚薄を断ず。盗煞を以て子女を代表し、盗煞と乗る所の神を見て、子女の有無多少を断じ、再び臨む所の其の一位を見て、子を得女を得るの日子を定める。鬼煞を以て官職を代表し、女子に在りては則ち丈夫を代表し、鬼煞と乗る所の神を見て、官運と夫婿を断じ、再び臨む所の其の一位を見て、出仕して官を為すかまたは出嫁するの日子を定める。財煞を以て妻妾を代表し、財煞と乗る所の神を見て、妻妾の賢否を断じ、再び臨む所の其の一位を見て、妻を娶り妾を納るるの日子を定める。劫煞を以て兄弟を代表し、劫煞と乗る所の神を見て、手足の多寡と情分を断ず。 総断の法:身を占い命を占うに、日干・日支・三伝・占時の各処に現る所の神将を、上述の各項の用神を連ねて、逐一詳しく其のいずれの一種の神煞に属するかを辨じ、再び其の臨む所がいずれの一種の神煞かを比較す。干支等の処に現る所の神将の彼此もさらに互いに比較せねばならぬ。最後に結成する所の格局を参較し、しかる後に乃ち此の一身一命の吉凶を断定すべし。
断占・婚姻第五
婚姻占第五 以干為己,干上所乘之神將應己。以支為彼,支上所乘之神將應彼。以三傳為初中末,三傳所現之神將初中末應婚應姻。以格局為綱領,三傳四課所現之格局綱領應婚應姻。
第五篇、婚姻を占う。まず綱領を立つ:日干を以て事を問うの此の一方を代表し、日干の上に乗る所の神と将は即ち自己の一辺の情形の上に応ず。日支を以て相手方を代表し、日支の上に乗る所の神と将は即ち相手方の一家の情形の上に応ず。三伝を以て頭・中・尾に分応し、三伝の現る所の神将は依次に議婚・定聘・成礼の三段に応ず。再び課体格局を以て全局の綱領と為し、三伝四課の結成する所の格局は此の親事の成りて成らざるかを総管す。古礼に按ずれば、男家の婦を娶るを「婚」と為し、女家の女を嫁すを「姻」と為す。故に下文は「婚を問う」(男家が娶を問う)と「姻を問う」(女家が嫁を問う)の两路に分かつ。
問婚 以天后為女,天后與所乘之將應女。以財煞為妻,財煞所乘之神應妻,所臨之將應歸娶日。以青龍為婚喜,青龍與所乘之將將應婚喜。以六合為媒人,六合與所乘之將應媒人,所臨之將應成期。以朱雀為年庚,朱雀所乘之將應年庚,所臨之將應得庚日。以太常為聘禮,太常與所乘之將應出院禮,所臨之將應聘期。
男家が婦を娶るを問うに、六項の用神を取る。天后を以て議する所の女子を代表し、天后と其の乗る所の将を見て、女方の品貌性情を断ず。財煞を以て未来の妻室を代表し、財煞の乗る所の神を見て、妻の賢否を断じ、再び其の臨む所の其の一位を見て、迎娶して門を過ぐるの日子を定める。青竜を以て婚事の喜を代表し、青竜と乗る所の将を見て、此の喜事の成色を断ず(底本「所乗之将将」は一「将」字を衍す)。六合を以て媒人を代表し、六合と乗る所の将を見て、媒人の得力なるか否かを断じ、再び臨む所の其の一位を見て、説合成功の日期を定める。朱雀を以て庚帖を代表し、朱雀の乗る所の将を見て、年庚八字の相合するか否かを断じ、再び臨む所の其の一位を見て、庚帖を收到するの日子を定める。太常を以て聘礼を代表し、太常と乗る所の将を見て、聘礼の豊倹を断ず(底本「応出院礼」は「応聘礼」とすべく刻誤なり)。再び臨む所の其の一位を見て、聘を下るの日期を定める。
問姻 以六合為男,六合與所乘之將應男。以鬼煞為夫,鬼煞所乘之神應夫,所臨之將應出嫁日。以青龍為婚喜,青龍與所乘之將應婚喜。以六合為媒人,六合與所乘之將應媒人,所臨之將應成期。以朱雀為年庚,朱雀所乘之將應年庚,所臨之將應發庚日。以太常為聘禮,太常與所乘之將應聘禮,所臨之將應聘期。 問婚問姻視干支三傳占時所現神將,並應視神將,一一詳其所屬何煞,並較所臨何煞,其干支等處所現神將,仍與干支等處所現神將相較,更較其所現之格局,方可定其婚姻焉。
女家が女を嫁するを問うに、また六項の用神を取る。六合を以て議する所の男子を代表し、六合と其の乗る所の将を見て、男方の人品才具を断ず。鬼煞を以て未来の丈夫を代表し、鬼煞の乗る所の神を見て、夫婿の貴賎を断じ、再び其の臨む所の其の一位を見て、出嫁して門を過ぐるの日子を定める。青竜を以て婚事の喜を代表し、青竜と乗る所の将を見て、此の喜事の成色を断ず。六合を以てまた兼ねて媒人を代表し、其と乗る所の将を見て、媒人の得力なるか否かを断じ、再び臨む所の其の一位を見て、説合成功の日期を定める。朱雀を以て庚帖を代表し、朱雀の乗る所の将を見て、年庚の般配するか否かを断じ、再び臨む所の其の一位を見て、庚帖を送出するの日子を定める。太常を以て聘礼を代表し、太常と乗る所の将を見て、聘礼の厚薄を断じ、再び臨む所の其の一位を見て、聘を受くるの日期を定める。 総断の法:婚を占い姻を占うに、日干・日支・三伝・占時の各処に現る所の神将を、上述の各項の用神を連ねて、逐一詳しく其のいずれの一種の神煞に属するかを辨じ、再び其の臨む所がいずれの一種の神煞かを比較す。干支等の処の神将の彼此もさらに互いに比較せねばならぬ。最後に結成する所の格局を参較し、しかる後に乃ち此の婚姻の成敗吉凶を断定すべし。
断占・孕産第六
孕產占第六 以干為婦,干上所乘之神將應婦。以支為孕,支上所乘之神將應孕。以三傳為初中末,三傳所現之神將初中末應孕應產。以格局為綱領,三傳四課所現之格局綱領應孕應產。
第六篇、懐孕と生産を占う。まず綱領を立つ:日干を以て孕婦本人を代表し、日干の上に乗る所の神と将は即ち産婦の身体強弱・安危順逆の上に応ず。日支を以て腹中の胎孕を代表し、日支の上に乗る所の神と将は即ち胎気の穏固するか否かの上に応ず。三伝を以て頭・中・尾に分応し、三伝の現る所の神将は依次に受孕・懐胎・分娩の三段に応ず。再び課体格局を以て全局の綱領と為し、三伝四課の結成する所の格局は此の一胎の孕より産に至るの整个过程を総管す。以下再び「孕を問う」「産を問う」の两路に分かちて用神を取る。
問孕 以青龍為孕喜,青龍與所乘之將應孕喜。以六合為子息,六合與所乘之將應子息。以盜煞為孕,盜煞與所乘之將應孕,所臨之將應懷孕日生子期。以胎煞為胎,胎煞與所乘之將應胎,所臨之將應男女。
専ら孕あるか否か・孕の如何を問うに、四項の用神を取る。青竜を以て孕を得るの喜を代表し、青竜と其の乗る所の将を見て、此の一胎は喜信なるか否かを断ず。六合を以て子息を代表し、六合と乗る所の将を見て、子嗣の有無厚薄を断ず――六合はもと交合結胎を主る。故に取りて子息の神と為す。盗煞を以て孕事を代表し、盗煞と乗る所の将を見て、孕の虚実を断ず(盗煞は即ち我の生ずる者、正に子女を主る)。再び其の臨む所の其の一位を見て、受孕の日子と将来の生産の時期を定める。胎煞を以て胎児を代表し、胎煞と乗る所の将を見て、胎気の安否を断じ、再び其の臨む所の其の一位を見て、腹中の男か女かを推断す。
問產 以青龍為產喜,青龍與所乘之將應產喜。以盜煞為產,盜煞與所乘之將應產,所臨之將應產期。以養煞為產,養煞與所乘之將應產,所臨之將應產期。以天空為產,天空與所乘之將應產,所臨之將應產期。以孕婦本命為孕婦,本命與所乘之將應孕婦。 問孕涸不視干支三傳占時所現神將,並應視神將,一一詳其所屬何煞,並較所臨何煞,其干支等處所現神將,仍與干支等處所現神將相較,更較其所現之格局,方可定其孕產焉。
専ら臨盆生産を問うに、五項の用神を取る。青竜を以て分娩の喜を代表し、青竜と其の乗る所の将を見て、産事の順遂なるか否かを断ず。盗煞を以て産する所の子を代表し、盗煞と乗る所の将を見て、産の順逆を断じ、再び臨む所の其の一位を見て、分娩の日期を定める。養煞を以て将に生まれんとして未だ生まれざるの胎を代表す――「養」は正に胎成りて産を待つの位。養煞と乗る所の将を見て之を断じ、臨む所の其の一位は産期を定める。天空を以てまた産事を代表す――天空は戌に属し、腹中の空出を主る。其と乗る所の将を見て之を断じ、臨む所の其の一位は産期を定める。孕婦の本命を以て産婦本人を代表し、本命と乗る所の将を見て、産婦自身の安危を断ず。 総断の法:孕を占い産を占うに(底本の篇末は「問孕涸不」と作す。「問孕問産」とすべく刻誤なり)、日干・日支・三伝・占時の各処に現る所の神将を、上述の各項の用神を連ねて、逐一詳しく其のいずれの一種の神煞に属するかを辨じ、再び其の臨む所がいずれの一種の神煞かを比較す。干支等の処の神将の彼此もさらに互いに比較せねばならぬ。最後に結成する所の格局を参較し、しかる後に乃ち此の一胎の孕産の吉凶を断定すべし。
断占・考選第七
考選占第七 以干為人,干上所乘之神將應人。以支為題為職,支上所乘之神將應題應職。以三傳為初中末,三傳所現之神將初中末應考應選。以格局為綱領,三傳四課所現之格局綱領應考應選。
第七篇、科挙の応試と官を為すの銓選を占う。まず綱領を立つ:日干を以て応試または候補の此の人を代表し、日干の上に乗る所の神と将は即ち其の本人の才具と運気の上に応ず。日支を以て考場の題目または選する所の官職を代表し、日支の上に乗る所の神と将は即ち題目の手に合うか合わざるか・職位の好否の上に応ず。三伝を以て頭・中・尾に分応し、三伝の現る所の神将は依次に赴考・入場・放榜(または候選・得缺・到任)の三段に応ず。再び課体格局を以て全局の綱領と為し、三伝四課の結成する所の格局は此の一場の考試または此の一次の銓選の成敗を総管す。以下考試の等級と選官の類別に按じて条を分かちて用神を立つ。
小試 以朱雀為文字為入泮為次第為榜案,朱雀與所乘之將應文字入泮次第榜案,所臨之將應考試出案入泮期。以青龍為泮喜,青龍與所乘之將應泮喜。以冠帶煞為入泮,冠帶煞與所乘之神應入泮,所臨之將應入泮期。以馬煞為前程,馬煞與所乘之神應前程。以鬼煞為府縣,鬼煞與所乘之神應府縣。以月建為文宗,月建與所乘之神應文宗。
「小試」は即ち童生の応考し、進学して秀才を為すの考試で、考中を「入泮」と称す(泮宮は学宮の古称)。六項の用神を取る。朱雀を以て文章・入泮・名次と放榜の案首を代表す――朱雀はもと文書を主る。朱雀と其の乗る所の将を見て、文章の好坏・進学し得るか否か・名次の高下を断じ、再び其の臨む所の其の一位を見て、考期・出案日と入泮の日子を定める。青竜を以て進学の喜を代表し、青竜と乗る所の将を見て、此の喜事の成色を断ず。冠帯煞を以て入泮を代表す――入泮は儒巾を換戴せねばならぬ。冠帯煞と乗る所の神を見て之を断じ、臨む所の其の一位は入泮の日期を定める。馬煞を以て将来の前程を代表し、馬煞と乗る所の神を見て、日後の走り得る遠近を断ず。鬼煞を以て府・県の両級衙門(主考の官長)を代表し、鬼煞と乗る所の神を見て、官長の賞識するか否かを断ず。月建を以て「文宗」(即ち提督学政)を代表し、月建と乗る所の神を見て、学政の取舎を断ず。
歲試科試 以朱雀為文字為等第為榜案,朱雀與所乘之將應文字等第榜案,所臨之將應考試日出案期。以青龍為泮喜,青龍與所乘之將應泮喜。以冠帶為衣巾,冠帶煞與所乘之神應衣巾,所臨之將應入泮期。以馬煞為前程,馬煞與所乘之神應前程。以臨官煞為廩,臨官煞與所乘之神應廩,所臨之將應廩膳期。以月建為文宗,月建與所乘之神應文宗。
「歳試」「科試」は生員の入学の後、学政が年に按じて考核し郷試の資格を選送する二種の考試で、考の結果は等第を定め廪膳を補す。六項の用神を取る。朱雀を以て文章・等第と榜案を代表し、朱雀と其の乗る所の将を見て、文章の高下と列する所の等第を断じ、再び其の臨む所の其の一位を見て、考試日と出案日を定める。青竜を以て学中の喜を代表し、青竜と乗る所の将を見て、喜事の成色を断ず。冠帯煞を以て衣巾(生員の服飾体面)を代表し、冠帯煞と乗る所の神を見て之を断じ、臨む所の其の一位は入学の日期を定める。馬煞を以て前程を代表し、馬煞と乗る所の神を見て、日後の出路を断ず。臨官煞を以て「廪」――即ち廪膳生の官給口粮――を代表す。臨官は正に禄を食むの位。臨官煞と乗る所の神を見て廪を補し得るか否かを断じ、臨む所の其の一位は廪膳を得るの日期を定める。月建を以て文宗学政を代表し、月建と乗る所の神を見て、学政の去取を断ず。
鄉試 以朱雀為文字為名次為鄉榜,朱雀與所乘之將應文字名次鄉榜,所臨之將應入榜期。以青龍為中式,青龍與所乘之將應中式應名次,所臨之將應中式期。以冠帶煞為冠帶,冠帶煞與所乘之神應冠帶。以馬煞為前程,馬煞與所乘之神應前程。以臨官煞為宴,臨官煞與所乘之神應宴。以月建為主考,月建與所乘之神應主考。
「郷試」は三年に一次省城に於て挙行する大考で、中式する者は挙人と為し、出る所の榜を郷榜(また名を桂榜)と称す。六項の用神を取る。朱雀を以て文章・名次と郷榜を代表し、朱雀と其の乗る所の将を見て、文章の入選し得るか否か・名次の前後を断じ、再び其の臨む所の其の一位を見て、上榜の日期を定める。青竜を以て中式を代表し、青竜と乗る所の将を見て、中るか中らざるかおよび名次の高低を断じ、再び臨む所の其の一位を見て、中式の日期を定める。冠帯煞を以て挙人の冠帯服色を代表し、冠帯煞と乗る所の神を見て、此の身份を得る能くするか否かを断ず。馬煞を以て前程を代表し、馬煞と乗る所の神を見て、此の後の仕路を断ず。臨官煞を以て鹿鳴宴――中挙の後に官府の設くる所の宴席――を代表し、臨官煞と乗る所の神を見て、此の分の有無を断ず。月建を以て主考官を代表し、月建と乗る所の神を見て、主考の合意するか否かを断ず。
會試 以朱雀為文字為名次為會榜,朱雀與所乘之將應文字名次會榜,所臨之將應發榜期。以青龍為中式,青龍與所乘之將應中式應名次,所臨之將應中式期。以冠帶煞為冠帶,冠帶煞與所乘之神應冠帶。以馬煞為前程,馬煞與所乘之神應前程。以臨官煞為宴,臨官煞與所乘之神應宴。以月將為總裁,月將與所乘之神應總裁。
「会試」は挙人が京城に赴きて合考し、中式する者は貢士と為し、出る所の榜を会榜(また名を杏榜)と称す。六項の用神を取る。朱雀を以て文章・名次と会榜を代表し、朱雀と其の乗る所の将を見て、文章の中選し得るか否か・名次の前後を断じ、再び其の臨む所の其の一位を見て、発榜の日期を定める。青竜を以て中式を代表し、青竜と乗る所の将を見て、中るか中らざるかおよび名次を断じ、再び臨む所の其の一位を見て、中式の日期を定める。冠帯煞を以て冠帯服色を代表し、冠帯煞と乗る所の神を見て、此の身份を得る能くするか否かを断ず。馬煞を以て前程を代表し、馬煞と乗る所の神を見て、此の後の仕路を断ず。臨官煞を以て会試後の宴席を代表し、臨官煞と乗る所の神を見て、此の分の有無を断ず。月将を以て「総裁」――会試の主考大臣――を代表す。月将は盤を布するの主宰、故に取りて以て総裁に象す。月将と乗る所の神を見て、総裁の去取を断ず。
殿試 以朱雀為試策為名次為御榜,朱雀與所乘之將應試策名次御榜,所臨之將應殿試期發榜期。以青龍為中式,青龍與所乘之將應中式應名次。以冠帶煞為冠帶,冠帶煞與所乘之神應冠帶。以馬煞為前程,馬煞與所乘之神應前程。以臨官煞為宴,臨官煞與所乘之神應宴。以太歲為君相,太歲與所乘之神應君相。
「殿試」は貢士が皇宮に於て天子の親策に由り、一甲・二甲・三甲の名次を定め、出る所の榜を御榜(また名を金榜)と称す。六項の用神を取る。朱雀を以て対する所の策文・名次と御榜を代表し、朱雀と其の乗る所の将を見て、策文の優劣と甲第の高下を断じ、再び其の臨む所の其の一位を見て、殿試の期と発榜の期を定める。青竜を以て中式を代表し、青竜と乗る所の将を見て、中式と名次を断ず。冠帯煞を以て進士の冠帯を代表し、冠帯煞と乗る所の神を見て、此の栄身を得る能くするか否かを断ず。馬煞を以て前程を代表し、馬煞と乗る所の神を見て、日後の官運を断ず。臨官煞を以て恩栄宴を代表し、臨官煞と乗る所の神を見て、此の分の有無を断ず。太歳を以て君王と宰輔を代表す――太歳は位分最も尊し。故に取りて以て君相に象す。太歳と乗る所の神を見て、上りて天眷を邀る能くするか否かを断ず。
武試 以巳為弓,巳將與所乘之神應弓。以午為馬,午將與所乘之神應馬。以酉為刀石,酉將與所乘之神應刀石。以申為箭,申將與所乘之神應箭,所臨之將應射期。其餘應視神將,五考與文同。
「武試」が考えるのは弓・馬・刀・石・箭等の技勇、故に別に四項の用神を立つ。巳を以て弓を代表す――巳は火に属し、弓弩の器に配す。巳位の将と其の乗る所の神を見て、弓力の拉満し得るか否か・弓法の優劣を断ず。午を以て馬を代表す――午はもと馬を主る。午位の将と乗る所の神を見て、馬上の功夫と坐騎の好坏を断ず。酉を以て刀と石を代表す――酉は金に属し、刀刃を主り、兼ねて石を挙げる力を主る。酉位の将と乗る所の神を見て、刀を舞い石を掇るの両項を断ず。申を以て箭を代表す――申は金に属し、箭鏃を主る。申位の将と乗る所の神を見て、射法の准否を断じ、再び其の臨む所の其の一位を見て、比射の日期を定める。其の余の各項はなお前法を照らして神将を見る。武試五門の考較の推断規矩は、前面の文試の各条と相同じ。
問選 初任 以鬼煞為官,鬼煞與所乘之神應官,所臨之將應選官日期。以冠帶煞為冠帶,冠帶煞與所乘之神應冠帶。以青龍為選喜,青龍與所乘之將應選喜。以寅為吏部,寅將與所乘之神應吏部。以太歲為陛見,太歲與所乘之神應陛見。以朱雀為文憑,朱雀與所乘之將慶文憑,所臨之將應發文日領憑期。以馬煞為前程,馬煞與所乘之神應前程,所臨之將應行期至期裡數。以戌為印,戌將與所乘之神應印,所臨之將應受印期。以臨官煞為俸,臨官煞與所乘之神應俸,所臨之將應食祿方食祿期。
以下は銓選して官を為すを問う。まず「初任」を言う。即ち頭一囘の官を選んで任に到る。九項の用神を取る。鬼煞を以て官職を代表す――我を克する者は官なり。鬼煞と其の乗る所の神を見て、官を得る能くするか否か・官職の大小を断じ、再び其の臨む所の其の一位を見て、選授の日期を定める。冠帯煞を以て官員の冠帯袍服を代表し、冠帯煞と乗る所の神を見て、品級体面を断ず。青竜を以て選を得るの喜を代表し、青竜と乗る所の将を見て、此の喜事の成色を断ず。寅を以て吏部を代表す――寅は文書銓叙の所を主る。寅位の将と乗る所の神を見て、部裏の選注の順利なるか否かを断ず。太歳を以て天子に陛見を代表し、太歳と乗る所の神を見て、聖に面し得るか否かを断ず。朱雀を以て委任の文凭を代表し、朱雀と乗る所の将を見て、文凭の手に到るか否かを断ず(底本「慶文凭」は「応文凭」とすべく刻誤なり)。再び臨む所の其の一位を見て、文を発し憑を領するの日期を定める。馬煞を以て前程を代表し、馬煞と乗る所の神を見て、赴任の遠近を断じ、再び臨む所の其の一位を見て、動身の期・到任の期と路程里数を定める。戌を以て官印を代表す――戌は印綬を主る。戌位の将と乗る所の神を見て、印信の手に到り得るか否かを断じ、再び臨む所の其の一位を見て、印を受くるの日期を定める。臨官煞を以て俸禄を代表し、臨官煞と乗る所の神を見て、俸給の厚薄を断じ、再び臨む所の其の一位を見て、禄を食むの方位と日期を定める。
升選 以鬼煞為官,鬼煞與所乘之神應官,所臨之將應升期。以馬煞為前程,馬煞與所乘之神應前程,所臨之將應行期至期裡數。以青龍為升遷,青龍與所乘之將應升遷。以冠帶煞為冠帶,冠帶煞與所乘之神應冠帶。以月將為上司,月將與所乘之神應上司。以寅為吏部,寅將與所乘之神應吏部。以太歲為陛見,太歲與所乘之神應陛見。以朱雀為文憑,朱雀與所乘之將應文憑,所臨之將應發文日領憑期。以戌為印,戌將與所乘之神應印,所臨之將應受印期。以臨官煞為俸,臨官煞與所乘之神應俸,所臨之將應食祿方食祿日。
次に「升選」を言う。即ち已に官任の上に在りて升遷調補を求む。十項の用神を取る。鬼煞を以て官職を代表し、鬼煞と其の乗る所の神を見て、新職の高下を断じ、再び其の臨む所の其の一位を見て、升遷の日期を定める。馬煞を以て前程を代表し、馬煞と乗る所の神を見て、何方に調往するかを断じ、再び臨む所の其の一位を見て、動身の期・到任の期と路程里数を定める。青竜を以て升遷の喜を代表し、青竜と乗る所の将を見て、升遷の順遂なるか否かを断ず。冠帯煞を以て新たの冠帯品級を代表し、冠帯煞と乗る所の神を見て之を断ず。月将を以て上司を代表す――月将は一月の主宰なり。月将と乗る所の神を見て、上司の提携するか否かを断ず。寅を以て吏部を代表し、寅位の将と乗る所の神を見て、部選の順か順ならざるかを断ず。太歳を以て陛見を代表し、太歳と乗る所の神を見て、君に面し得るか否かを断ず。朱雀を以て文凭を代表し、朱雀と乗る所の将を見て、憑文の手に到り得るか否かを断じ、再び臨む所の其の一位を見て、文を発し憑を領するの日期を定める。戌を以て官印を代表し、戌位の将と乗る所の神を見て、印信を断じ、再び臨む所の其の一位を見て、印を受くるの日期を定める。臨官煞を以て俸禄を代表し、臨官煞と乗る所の神を見て、俸給を断じ、再び臨む所の其の一位を見て、禄を食むの方位と日子を定める。
武選 以申為兵中,申將與所乘之神應兵部。以巳為弓,巳將與所乘之神應弓。以午為馬,午將與所乘之神應馬。以申為箭,申將與所乘之神應箭,所臨之將應射期。其餘應視神將,選升與文同。 問考問選,視干支三傳占時本命所現神將,並應視神將一一詳其所屬何煞,並較所臨何煞,其干支等處所現神將仍與干支等處所現神將相較,更較其所現之格局,方可定其考選焉。
「武選」は武職官員の銓選である。申を以て兵部を代表す――申は金に属し、兵戈を主る(底本「以申為兵中」は「中」を「部」とすべく刻誤なり)。申位の将と乗る所の神を見て、兵部の選注を断ず。巳を以て弓を代表し、巳位の将と乗る所の神を見て、弓馬技勇の中の弓の一項を断ず。午を以て馬を代表し、午位の将と乗る所の神を見て、馬術を断ず。申を以てまた兼ねて箭を代表し、申位の将と乗る所の神を見て、射法を断じ、再び其の臨む所の其の一位を見て、比射の日期を定める。其の余の各項は旧を照らして神将を見る。武職の選授と升遷の推断規矩は、前面の文職の各条と相同じ。 総断の法:考を占い選を占うに、日干・日支・三伝・占時・本命の各処に現る所の神将を、上述の各項の用神を連ねて、逐一詳しく其のいずれの一種の神煞に属するかを辨じ、再び其の臨む所がいずれの一種の神煞かを比較す。干支等の処に現る所の神将の彼此もさらに互いに比較せねばならぬ。最後に結成する所の格局を参較し、しかる後に乃ち此の一場の考試または此の一次の銓選の成敗を断定すべし。
断占・商賈第八
商賈占第八 問商問賈 以干為人,干上所乘之神將應人。以支為業,支上所乘之神將應業。以三傳為初中末,三傳所現之神將初中末應商應賈。以格局為綱領,三傳四課所現之格局綱領應商應賈。
第八篇、経商売買を占う。古人は行走して販運するを「商」といい、店に坐して貨を售るを「賈」という。本篇は両者を兼ねて占う。まず綱領を立つ:日干を以て売買を為す人を代表し、日干の上に乗る所の神と将は即ち此の人の本事と運気の上に応ず。日支を以て其の経営する行業本銭を代表し、日支の上に乗る所の神と将は即ち此の生意の底子の上に応ず。三伝を以て頭・中・尾に分応し、三伝の現る所の神将は依次に本を出し・販運・售脱の三段に応ず。再び課体格局を以て全局の綱領と為し、三伝四課の結成する所の格局は此の一趟の売買の賠賺を総管す。以下「商を問う」(行販)と「賈を問う」(坐售)の两路に分かちて用神を取る。
問商 以財煞為資本,財煞與所乘之神應資本,所臨之將應賣貨方得財期。以類相為貨類,類相與所乘之神應貨類,所臨之將應買賣方得貨期。以印煞為利,印煞與所乘之神應利,所臨之將應得利期。以馬煞為前程,馬煞與所乘之神應前程,所臨之將應行期至期裡數。以六合為經紀,六合與所乘之神應經紀,所臨之將應經紀方。以卯為驢騾舟車,卯與所乘之神應驢騾舟車,所臨之將應載至期。
行商の販運には、六項の用神を取る。財煞を以て本銭を代表し、財煞と其の乗る所の神を見て、資本の厚薄を断じ、再び其の臨む所の其の一位を見て、どの方向に往きて貨を売るか・いずれの日に財を得るかを定める。「類相」を以て貨物の種類を代表す――即ち巻五の類相の各門を照らし、現る所の支に按じて貨物の象を取る。類相の支と乗る所の神を見て、経営するはどの一類の貨かを断じ、再び其の臨む所の其の一位を見て、売買の方位と貨を得るの日期を定める。印煞を以て利潤を代表す――印は我を生ずる物なり。印煞と乗る所の神を見て、賺頭の大小を断じ、再び臨む所の其の一位を見て、利を得るの日期を定める。馬煞を以て行程前途を代表し、馬煞と乗る所の神を見て、此の行の順逆を断じ、再び臨む所の其の一位を見て、動身の期・到達の期と路程里数を定める。六合を以て牙行経紀を代表し、六合と乗る所の神を見て、中間人の可靠なるか否かを断じ、再び臨む所の其の一位を見て、どの方位に往きて経紀を尋ねるかを定める。卯を以て驢騾と舟車を代表す――卯は車馬船行を主る。卯位と乗る所の神を見て、運脚牲口を断じ、再び臨む所の其の一位を見て、貨物の運到の日期を定める。
問賈 以財煞為資本,財煞與所乘之神應資本,所臨之將應賣貨方得財期。以類相為貨類,類相與所乘之神將應貨,所臨之將應買賣方得利期。以印煞為利,印煞與所乘之神應利,所臨之將應得利期。 問商問賈 視干支三傳占時本命所現神將,並應視神將一一詳其所屬何煞,並較所臨何煞,其干支等處所現神將仍與干支等處所現神將相較,更較其所現之格局,方可定其商賈焉。
店に坐して貨を售るは、遠行を須とせざるがゆえに、用神は行商より三項少なく、ただ三項を取る。財煞を以て本銭を代表し、財煞と其の乗る所の神を見て、資本の厚薄を断じ、再び其の臨む所の其の一位を見て、どの方位に往きて貨を出すか・いずれの日に財を得るかを定める。類相を以て貨物の種類を代表し、類相の支と乗る所の神将を見て、售る所は何の貨かを断じ、再び其の臨む所の其の一位を見て、売買の方位と利を獲るの日期を定める。印煞を以て利潤を代表し、印煞と乗る所の神を見て、賺頭の大小を断じ、再び臨む所の其の一位を見て、利を得るの日期を定める。 総断の法:商を占い賈を占うに、日干・日支・三伝・占時・本命の各処に現る所の神将を、上述の各項の用神を連ねて、逐一詳しく其のいずれの一種の神煞に属するかを辨じ、再び其の臨む所がいずれの一種の神煞かを比較す。干支等の処に現る所の神将の彼此もさらに互いに比較せねばならぬ。最後に結成する所の格局を参較し、しかる後に乃ち此の一桩の売買の成敗賠賺を断定すべし。
断占・否泰第九
否泰占第九 問否問泰 以干為人,干上所乘之神將應人。以支為事,支上所乘之神將應事。以三傳為初中末,三傳所現之神將初中末應否泰。以格局為綱領,三傳四課所現之格局綱領應否應泰。
第九篇、運気の通塞を占う。「泰」は《周易》の泰卦にして、天地交わりて万物通ず。「否」は否卦にして、天地交わらずして万物閉塞す――两字を合わせれば即ち一段の時運の順なるか否かを問う。まず綱領を立つ:日干を以て問う所の此の人を代表し、日干の上に乗る所の神と将は即ち其の自身の気運の上に応ず。日支を以て問う所の其の件事を代表し、日支の上に乗る所の神と将は即ち事情の順逆の上に応ず。三伝を以て頭・中・尾に分応し、三伝の現る所の神将は依次に此の段の時運の前段・中段・後段に応ず。再び課体格局を以て全局の綱領と為し、三伝四課の結成する所の格局は此の一運の究竟是通か塞かを総管す。以下問う所の時段の長短に按じて条を分かつ。
問一歲 以太歲為一歲,太歲上所乘之神將應一歲。 問一月 以月建為一月,月建上所乘之神將應一月。 問一日 以支為一日,支上所乘之神將應一日。 問否問泰,視干支三傳占時本命所現神將,並應視神將一一詳其所屬何煞,並較所臨何煞,其干支等處所現神將仍與干支等處所現神將相較,更較其所現之格局,方可定其否泰焉。
一整年の運を問えば、即ち太歳を以て此の一年の代表と為す――太歳は当年の年支にして一歳の主なり。太歳位の上に乗る所の神と将を見れば、便ち此の一年の通塞に応ず。一箇月の運を問えば、即ち月建を以て此の一箇月の代表と為す――月建は当月の建てる所の支にして一月の主なり。月建位の上に乗る所の神と将を見れば、便ち此の一月の通塞に応ず。一天の運を問えば、即ち日支を以て此の一天の代表と為す。日支の上に乗る所の神と将を見れば、便ち此の一日の通塞に応ず。問う所の時段の長短同じからざれば、取用の主位もまた之に随って同じからず。此れ本篇の関鍵なり。 総断の法:否を占い泰を占うに、日干・日支・三伝・占時・本命の各処に現る所の神将を、上述の各項の主位の神将を連ねて、逐一詳しく其のいずれの一種の神煞に属するかを辨じ、再び其の臨む所がいずれの一種の神煞かを比較す。干支等の処に現る所の神将の彼此もさらに互いに比較せねばならぬ。最後に結成する所の格局を参較し、しかる後に乃ち此の一段の時運の是泰なるか否かを断定すべし。
断占・病医第十
病醫占第十 問病問醫 以干為人,干上所乘之神將應人。以支為病,支上所乘之神將應病。以三傳為初中末,三傳所現之神將初中末應病應醫。以格局為綱領,三傳四課所現之格局綱領應病應醫。
第十篇、疾病と求医を占う。まず綱領を立つ:日干を以て病人本身を代表し、日干の上に乗る所の神と将は即ち病人の元気強弱・支撑し得るか否かの上に応ず。日支を以て病症を代表し、日支の上に乗る所の神と将は即ち病勢の軽重進退の上に応ず。三伝を以て頭・中・尾に分応し、三伝の現る所の神将は依次に発病・纏綿・痊愈または危殆の三段に応ず。再び課体格局を以て全局の綱領と為し、三伝四課の結成する所の格局は此の一場の病の生死と医薬の效験を総管す。以下「病を問う」と「医を問う」の两路に分かちて用神を取る。
問病 以白虎為病患,白虎與所乘之將應病患。以病煞為病,病煞與所乘之神應病,所臨之將應經絡。以病人本命為病人,本命與所乘之神應病人,所臨之將應病人。以類相為病人,類相與所乘之神將應病人。以死煞絕煞為死,死煞絕煞與所乘之神應死,所臨之將應死期。以長生煞為壽,長生煞與所乘之神應壽。以臨官煞為祿,臨官煞與所乘之神應祿,所臨之將應食期。以馬煞為行動,馬煞與所乘之神應行動,所臨之將應行期。
専ら病情を問うに、八項の用神を取る。白虎を以て病患本身を代表す――白虎は災病を主る。白虎と其の乗る所の将を見て、病の来ることの凶なるか凶ならざるかを断ず。病煞を以て患う所の病を代表し、病煞と乗る所の神を見て、病の性質を断じ、再び其の臨む所の其の一位を見て、巻五「臓腑」の一門に配して、病のどの一条の経絡・どの一処の臓腑に在るかを推断す。病人の本命を以て病人を代表し、本命と乗る所の神を見て、病人の根本気数を断じ、再び臨む所の其の一位を見て、病人の眼下の処境を参断す。また類相を以て病人の象を取り、類相の支と乗る所の神将を見て、病人の形貌と体質を断ず。死煞・絶煞を以て死亡を代表し、此の两煞と乗る所の神を見て、死象の有無を断じ、再び臨む所の其の一位を見て、死期を定める。長生煞を以て寿元を代表し、長生煞と乗る所の神を見て、なお寿数の多少あるかを断ず。臨官煞を以て禄を代表す――人に禄あれば則ち飲食を進むこと能くす。臨官煞と乗る所の神を見て、禄気の存否を断じ、再び臨む所の其の一位を見て、食を進むこと能くするの日期を定める。馬煞を以て行動を代表し、馬煞と乗る所の神を見て、病人の身を起こし走動し得るか否かを断じ、再び臨む所の其の一位を見て、行動し得るの日期を定める。
問醫 以長生煞為醫生、為藥草,長生煞與所乘之神應醫生藥草,所臨之將應醫室方、病退期。 問病問醫,視干支三傳占時本命所現神將,並應視神將一一詳其所屬何煞,並較所臨何煞,其干支等處所現神將仍與干支等處所現神將相較,更較其所現之格局,方可定其病醫焉。
専ら求医服薬を問うに、ただ一項の用神を取る:長生煞を以て医生を代表し、同時にまた服する所の薬草を代表す――長生は生機の在る所、医と薬とは皆人命を救活するを以て事と為す。故に同じく此の煞を取る。長生煞と其の乗る所の神を見て、此の医生の高明なるか否か・此の剤の薬の症に対するか否かを断じ、再び其の臨む所の其の一位を見て、どの方位に往きて医を尋ね薬を求むべきか(医家の居する所の方)および病勢の退去の日期を定める。 総断の法:病を占い医を占うに、日干・日支・三伝・占時・本命の各処に現る所の神将を、上述の各項の用神を連ねて、逐一詳しく其のいずれの一種の神煞に属するかを辨じ、再び其の臨む所がいずれの一種の神煞かを比較す。干支等の処に現る所の神将の彼此もさらに互いに比較せねばならぬ。最後に結成する所の格局を参較し、しかる後に乃ち此の場の病は生か死か・此の医は是か非かを断定すべし。
断占・訟罪第十一
訟罪占第十一 問訟問罪 以干為己,干上所乘之神將應己。以支為彼,支上所乘之神將應彼。以三傳為初中末,三傳所現之神將初中末應訟應罪。以格局為綱領,三傳四課所現之格局綱領應訟應罪。
第十一篇、詞訟と刑罪を占う。まず綱領を立つ:日干を以て訟を興しまたは訟に渉る自己の一方を代表し、日干の上に乗る所の神と将は即ち我方の強弱曲直の上に応ず。日支を以て相手方を代表し、日支の上に乗る所の神と将は即ち対頭の一方の情形の上に応ず。三伝を以て頭・中・尾に分応し、三伝の現る所の神将は依次に告狀・審理・結案の三段に応ず。再び課体格局を以て全局の綱領と為し、三伝四課の結成する所の格局は此の場の官司の輸贏と罪責の軽重を総管す。以下「訟を問う」と「罪を問う」の两路に分かちて用神を取る。
問訟 以類相為訟人,類相與所乘之神將應訟人。以類相為訟事,類相與所乘之神將應訟事。以朱雀為呈狀、為拘稟,朱雀與所乘之神應呈狀拘稟,所臨之將應呈狀日差票期。以六合為中證人,六合與所乘之神將應中證。以鬼煞為官,鬼煞與所乘之神應官,所臨之將應訊期。以寅為書吏,寅將與所乘之神書吏。以勾陳為拘差,勾陳與所乘之神應拘差,所臨之將應拘期。以絕煞為息訟,絕煞與所乘之神應息訟,所臨之將應息期。
専ら詞訟を問うに、七項の用神を取る。類相を以て訟に対する人の形象を取る――巻五の類相の各門を照らし、現る所の支に按じて相手は何の身份の人かを断ず。また類相を以て訟する所の事の性質を取り、類相の支と乗る所の神将を見て、此の場の官司は何に因りて起こるかを断ず。朱雀を以て呈状と拘禀の公文を代表す――朱雀は文書を主る。朱雀と乗る所の神を見て、状紙の逓進し得るか否かを断じ、再び其の臨む所の其の一位を見て、状を呈するの日と差票の発出の期を定める。六合を以て中人と証人を代表し、六合と乗る所の神将を見て、証人の我に利あるか否かを断ず。鬼煞を以て案を審する官長を代表し、鬼煞と乗る所の神を見て、官長のどの一辺に偏向するかを断じ、再び臨む所の其の一位を見て、堂を過りて訊問するの日期を定める。寅を以て書吏を代表す――寅は案牘文書の人を主る。寅位の将と乗る所の神を見て、経手書吏の向背を断ず(底本「所乗之神書吏」は「神」の下に一「応」字を脱す)。勾陳を以て拘拿の差役を代表し、勾陳と乗る所の神を見て、差役の何如を断じ、再び臨む所の其の一位を見て、拘捕の日期を定める。絶煞を以て訟事の了結を代表す――絶は断絶の位。絶煞と乗る所の神を見て、訟を息し得るか否かを断じ、再び臨む所の其の一位を見て、訟を罷るの日期を定める。
問罪 以刑煞為刑,刑煞與所乘之神應刑,所臨之將應刑日刑方。 問訟問罪,視干支三傳占時本命所現神將,並應視神將一一詳其所屬何煞,並較所臨何煞,其干支等處所現神將仍與干支等處所現神將相較,更較其所現之格局,方可定其訟罪焉。
専ら刑罪を問うに、ただ一項の用神を取る:刑煞を以て刑罰を代表す――即ち前巻の立てる所の地支三刑。刑煞と其の乗る所の神を見て、刑責の軽重有無を断じ、再び其の臨む所の其の一位を見て、刑を用うの日子と刑を受くるの方位(たとえば何方に発配し・何処に囚繋するか)を定める。 総断の法:訟を占い罪を占うに、日干・日支・三伝・占時・本命の各処に現る所の神将を、上述の各項の用神を連ねて、逐一詳しく其のいずれの一種の神煞に属するかを辨じ、再び其の臨む所がいずれの一種の神煞かを比較す。干支等の処に現る所の神将の彼此もさらに互いに比較せねばならぬ。最後に結成する所の格局を参較し、しかる後に乃ち此の場の官司の輸贏と刑罪の軽重を断定すべし。
断占・逃捕第十二
逃捕占第十二 問逃問捕 以干為己,干上所乘之神將應己。以支為彼,支上所乘之神將應彼。以三傳為初中末,三傳所現之神將初中末應逃應捕。以格局為綱領,三傳四課所現之格局綱領應逃應捕。
第十二篇、逃亡と緝捕を占う。まず綱領を立つ:日干を以て追尋の此の一方を代表す――即ち失主または緝捕の人。日干の上に乗る所の神と将は即ち我方の力量と時機の上に応ず。日支を以て逃走の其の一方を代表し、日支の上に乗る所の神と将は即ち逃者の処境の上に応ず。三伝を以て頭・中・尾に分応し、三伝の現る所の神将は依次に初逃・蔵匿・擒獲または走脱の三段に応ず。再び課体格局を以て全局の綱領と為し、三伝四課の結成する所の格局は此の一場の追逃の結果を総管す。以下「逃を問う」(逃者の行踪)と「捕を問う」(緝拿の事宜)の两路に分かちて用神を取る。
問逃 以逃人本命為逃,逃人本命與上乘下臨之神將應逃人,所臨之將應逃方。以類相為逃人,類相與所乘之神將應逃方。以馬煞為程途,馬九與所乘之神應程途,所臨之將應程期至期裡數。
専ら逃者の下落を問うに、三項の用神を取る。逃亡者の本命を以て逃人を代表す――本命は即ち其の生年の地支にして其の人の身に等同す。本命位の上に乗る所の天将と其の下面に臨む所の地盤の神を見て、此の人の眼下は安か危か・蔵れ得るか蔵れ得ざるかを断じ、再び其の臨む所の其の一位を見て、其のどの方向に向かって逃げ往くかを定める。また類相を以て逃人の象を取り、類相の支と乗る所の神将を見て、其の蔵身するはどのような処所か・どの一方に逃げ往くかを断ず。馬煞を以て路程を代表す――駅馬は奔驰を主る。馬煞と乗る所の神を見て、其の走るはどの一条路かを断ず(底本「馬九」は「馬煞」とすべく刻誤なり)。再び其の臨む所の其の一位を見て、起程の期・到達の期と已に行の里数を定める。
問捕 以朱雀為呈詞為拘票為信息,朱雀與所乘之將應呈詞拘票信息,所臨之方應呈詞拘票信息期。以鬼煞為官,鬼煞與所乘之神應官,所臨之將應訊期。以寅為書吏,寅將與所乘之神應書吏。以勾陳為捕人,勾陳與所乘之將應捕人,所臨之將應捕期。 問逃問捕,視干支三傳占時本命所現神將,並應視神將一一詳其所屬何煞,並較所臨何煞,其干支等處所現神將仍與干支等處所現神將相較,更較其所現之格局,方可定其逃捕焉。
専ら緝捕を問うに、四項の用神を取る。朱雀を以て呈逓の状詞・官府の発する所の拘票と各処の伝わり来る消息を代表す――朱雀は文書信息を主る。朱雀と其の乗る所の将を見て、状詞の准理し得るか否か・拘票の発下し得るか否か・确信の有無を断じ、再び其の臨む所の方位を見て、詞を呈し・票を発し・信を得るの日期を定める。鬼煞を以て此の案を主弁する官長を代表し、鬼煞と乗る所の神を見て、官府の尽力するか否かを断じ、再び臨む所の其の一位を見て、提訊の日期を定める。寅を以て経手の書吏を代表し、寅位の将と乗る所の神を見て、書吏の力を出すを肯んずるか否かを断ず。勾陳を以て捕役を代表す――勾陳は拘拿牽連を主る。勾陳と乗る所の将を見て、捕手の手を得る能くするか否かを断じ、再び其の臨む所の其の一位を見て、拿獲の日期を定める。 総断の法:逃を占い捕を占うに、日干・日支・三伝・占時・本命の各処に現る所の神将を、上述の各項の用神を連ねて、逐一詳しく其のいずれの一種の神煞に属するかを辨じ、再び其の臨む所がいずれの一種の神煞かを比較す。干支等の処に現る所の神将の彼此もさらに互いに比較せねばならぬ。最後に結成する所の格局を参較し、しかる後に乃ち逃者の走脱し得るか否か・捕者の拿獲し得るか否かを断定すべし。
