大六壬秘本
《大六壬苗公鬼撮脚》巻之一 十二月将照顕変化論
大六壬典籍
まず起課と三伝を発する機械的な流れを確実にしてから、課体と神煞に入る。起課を飛ばして断語だけ読んでも、書中の例を自分で再現できない。
《大六壬秘本》(清)金正音
《大六壬苗公鬼撮脚》目次
十二月將照顯變化論卷之一,十二天將所主卷之二,旬中神煞卷之三,神物論卷之四:八卦屬十二將物類、五行上下類物。天官加十二辰射覆物類卷之五,八卦將神射覆法卷之六,十干旺相死休囚法卷之七:五行占物之所主、課名用神物之所主、發用休旺、十干五行旺相死囚休、十干所屬物類、二十八宿周天度位。李九萬六壬百章歌卷之八。
《大六壬苗公鬼撮脚》全書の篇目は次の通りである。巻一《十二月将照顕変化論》は、子・丑・寅・卯など十二地支の月将が異なる位置に加臨したときに現れる人・事・物の象の変化を説く。巻二《十二天将所主》は、「貴人」「螣蛇」「朱雀」「六合」「勾陳」「青竜」「天空」「白虎」「太常」「玄武」「太陰」「天后」の十二天将がそれぞれ主管する事類を説く。巻三《旬中神煞》は、六十甲子の各旬が帯びる神煞を説く。巻四《神物論》は「八卦属十二将物類」と「五行上下類物」の二篇に分かれ、射覆の際に卦象・五行から隠された物をいかに推断するかを説く。巻五《天官加十二辰射覆物類》、巻六《八卦将神射覆法》、巻七《十干旺相死休囚法》は「五行占物之所主」「課名用神物之所主」「発用休旺」「十干五行旺相死囚休」「十干所属物類」「二十八宿周天度位」の六篇に分かれる。巻八は李九万撰の《六壬百章歌》である。
十二宮神六壬所屬之圖鬼撮腳卷之九,六壬穿楊百章歌卷之九,通天鬼翼賦卷之十,六壬玉成歌註解卷之十一,鬼撮腳總括《玉田歌》卷之十二:婚姻、疾病、出行、行人、謁人察善惡、論訟、田六種、晴雨、科舉、干祿、日辰人宅、奴婢。五行旺相胎孕休囚論卷之十三,壬機秘要法語,五要權衡篇卷之十四:占盜遁蹤由、名殊義同、大六壬畢法略說、司天苗達過將法。
巻九は《十二宮神六壬所属之図》で《鬼撮脚》の系統に属し、同じ巻九に《六壬穿楊百章歌》も並ぶ。巻十は《通天鬼翼賦》。巻十一は《六壬玉成歌注解》。巻十二は《鬼撮脚》による《玉田歌》の総括で、事類別に、婚姻、疾病、出行、行人、人に謁見して相手の善悪を察する、訴訟、田地耕種の六種、天気の晴雨、科挙試験、官禄俸禄を求めること、日辰と人宅の関係、奴婢に分かれる。巻十三は《五行旺相胎孕休囚論》で、別に《壬機秘要法語》を附す。巻十四《五要権衡篇》は、盗賊が逃げ隠れた蹤跡の由来を占う篇、名称は異なるが意義の同じ術語の弁析、《大六壬畢法》の簡略な解説、司天官苗達が伝えた過将の法に分かれる。
《管輅神書》卷之十五:論終身、論空亡、論空亡作鬼、論破神、論刑沖害、論丁神、干支總論、論爭訟、論富貴、論課名。《六壬心鏡經》卷之十六:占天晴否、占天雨否、占水漲退否、占人宅、宅中有無鬼神、占修造歲內所忌、推月龍、推黃道吉凶方、推黑道吉凶方、犯黑道所生災、禳犯黑道、占求婚成否、訪人見否、占主人善惡。
巻十五は《管輅神書》を収め、十目に分かれる。終身の運命を論ずる、空亡を論ずる、空亡が鬼爻と化することを論ずる、破神を論ずる、刑冲害を論ずる、丁神を論ずる、干支総論、争訟を論ずる、富貴を論ずる、課体の名目を論ずる。巻十六は《六壬心鏡経》を収め、天が晴れるか否かを占う、雨が降るか否かを占う、江河水が漲るか退くかを占う、人の住宅を占う、宅中に鬼神があるか否かを占う、動土・興造が本年の内に忌むべきことを占う、月竜を推算する、黄道の吉方・凶方を推す、黒道の吉方・凶方を推す、黒道を犯して招く災禍、黒道への犯を禳解する法、求婚が成るか否かを占う、人を訪ねて会えるかを占う、訪ねた主人の善悪を占う。
見貴求望、人情虛實、占遷官、定文武、占赴舉、占求婚成否、擇婦以立方、占女邪正、占女美醜、婦人入門吉凶、占何時來、占產育、占懷孕生時、產婦所向方、占種田、占養蠶、占奴婢、占六畜病、求失畜、占商賈、宜往何方求財覓利、賣物售否、詞訟占、囚繫出獄否罪輕重、占欲避罪可否、占追證、占如知犯罪吉否、占雪訟冤枉、占被人申奏吉否、占漏稅事、占詞訟散後如何。
《六壬心鏡経》は以下、さらに諸目に分かれる。貴人に謁見して願いを求める、人情の虚実を判断する、官職の昇進を占う、任官が文職か武職かを判定する、赴挙受験を占う、求婚が成るか否かを占う、方位に依って妻室を選ぶ、女子の品行の邪正を占う、女子の容貌の美醜を占う、婦人が嫁いだ後の吉凶を占う、人がいつ来るかを占う、生産養育を占う、懐妊後の臨盆の時を占う、産婦がどの方に向かうべきかを占う、田を耕すことを占う、養蚕を占う、奴婢を占う、六畜の疾病を占う、逃げ失せた牲畜を探す、商売を占う、どの方角へ行って財利を求めるべきかを占う、貨物が売れるか否かを占う、詞訟官司を占う、囚われた者が出獄できるかと罪の軽重を占う、罪を避けようとすることが可か否かを占う、追捕対証を占う、万一犯罪が露見した場合の吉凶を占う、冤枉を申し雪ぐ訴訟を占う、人に上奏・参劾された場合の吉凶を占う、租税の逃漏の事を占う、官司が結了した後の情況を占う。
卷十七,增附釋三才應事:占病生死、病形狀、醫藥、看何鬼為殃、辨瘥期、占盜賊、疑何人行盜、占同居人竊否、占行人、占存亡遠近、占漁獵、占怪異驚人、博戲、占近出何時歸、占在事被差使、占逃亡、占沈時、占假借。
巻十七は後に増補して附入されたもので、「釈三才応事」と題し、天・地・人の三才の理をもって各種の応験を解釈する。病気の生死を占う、病の形状症候を占う、医薬を占う、いかなる鬼祟が殃をなすかを察する、病の癒える日期を弁ずる、盗賊を占う、いかなる人が窃盗したかを推疑する、同居の人が窃むか否かを占う、外に出て行った人を占う、その人の存亡と路の遠近を占う、漁猟を占う、怪異の事が人を驚かすのを占う、博戯を占う、近くへ出た者がいつ帰るかを占う、在職者が差遣出使されるのを占う、逃亡を占う、沈溺の時を占う、假借を占う。
《大六壬苗公鬼撮脚》巻之一 十二月将照顕変化論
神后屬子,其數九,味咸,女、虛、危三宿三位。子加日上,乘天后,為小女;子加小吉,加土,為老婦;子乘六合,為匪類。五子加日辰為公姑,子加酉為孀婦,子加辰作虎為軍婦,子加卯作常為娼妓。亥加子為孩童,子加亥作天空為幼女,加巳日上為嫁婦,子加辰女患,亦為水沉。
十二月将の第一位を「神后」といい、地支の子に配し、その数は九、その味は鹹で、二十八宿では女・虚・危の三宿の位を占める。子が日干の上に加臨し、さらに「天后」を乗ずれば、主とするのは少女。子が「小吉」(未)の上に加臨し、あるいは辰・戌・丑・未の土辰の上に加臨すれば、主とするのは老婦。子が「六合」を乗ずれば不良の輩を主とする。甲子・丙子・戊子・庚子・壬子の五つの子日に、子が日干・日支の上に加臨すれば、姑舅の類の尊長を主とする。子が酉に加臨すれば寡婦を主とする。子が辰に加臨して「白虎」を乗ずれば従軍の婦を主とする。子が卯に加臨して「太常」を乗ずれば娼妓を主とする。亥が子に加臨すれば孩童を主とする。子が亥に加臨して「天空」を乗ずれば幼女を主とする。子が巳日の上に加臨すれば既に嫁いだ婦を主とする。子が辰に加臨すれば女子の病を主とし、溺水とも断じ得る。
子作勾陳為駝背。子加日辰上房,虎臨年哭神。子加辰戌土甕,臨日辰為瓶盂。子加元武亥上為糖,子加生氣為燕子,作虎克日血病,子加巳悲聲,空亡中為遺失。寅未加子鬼神,子加巳午,冬至後為雪,丙子日辰上河祟,子作六合加日辰為布帛。子加酉為陰天,子日作元武大雨。“武”原本作“龍”。
子が「勾陳」を乗ずれば、せむしの人を主とする。子が日干・日支の上に加臨すれば、その物は房屋。「白虎」を乗じて行年の上に臨めば、訃報を告げる哭神となる。子が辰・戌に加臨すれば、その物は陶土の瓮。日・辰の上に臨めば、その物は瓶盂。子が「玄武」を乗じて亥の上に加われば、その物は糖。子が「生気」を乗ずれば、その物は燕。子が「白虎」を乗じて日干を克すれば血証を主とする。子が巳に加臨すれば悲哭の声ありを主とする。子が空亡の中に落ちれば遺失の事を主とする。寅・未が子に加臨すれば鬼神の事を主とする。子が巳・午に加臨し、冬至以後に占えば降雪を主とする。丙子日の日・辰の上に子を見れば河神の祟りを主とする。子が「六合」を乗じて日・辰に加われば、その物は布帛。子が酉に加臨すれば陰天を主とする。子日に「玄武」を乗ずれば大雨を主とする。按:ここの「武」の字は、もと「竜」の字と作る。
大吉為丑,其數八,味甘,斗、牛二宿在位。丑作天空為矮子,丑加卯酉上為缺嘴,日辰上為長者,丑日為農,丑加歲為宰執人。丑加亥為橋,寅加丑亦是橋;庚辛日為墓,卯日為轎;卯日丑加卯為車。丑加戊己日為土地,六丑日為牛,丑加未為不完物。
十二月将の第二位を「大吉」といい、地支の丑に配し、その数は八、その味は甘で、二十八宿では斗・牛の二宿の位を占める。丑が「天空」を乗ずれば矮い人を主とする。丑が卯・酉の上に加臨すれば缺唇の人を主とする。丑が日・辰の上に加われば年長者を主とする。丑日に逢えば農を営む人を主とする。丑が太歳に加臨すれば政務を執る大臣を主とする。丑が亥に加臨すればその物は橋、寅が丑に加臨しても同じく橋である。庚日・辛日にはその地は墳墓、卯日にはその物は轎子、卯日に逢って丑がまた卯に加臨すれば車輛となる。丑が戊日・己日に加臨すれば土地の神を主とする。およそ丑日に遇えばその物は牛である。丑が未に加臨すれば残欠不全の物を主とする。
丑加子為鱉,空亡日辰上為田野。丑加六合為家。“家”字金氏旁註“枷”字。丑加巳為土坑,丑加太常為甜物,丑加卯酉日為店,丑加亥為腸洩,丑加申為傳舍。合加丑為僧道院室,丑加朱雀作舉薦,丑作貴人為相招。丑加卯春夏雨雷,又為雨後雪;卯加丑先雷後雨。
丑が子に加臨すれば、その物は鼈。空亡に落ちて日・辰の上にあれば、その地は田野。丑が「六合」を加えれば家宅を主とする。按:「家」の字に、金正音は傍らに「枷」の一字を注した。丑が巳に加臨すればその地は土坑。丑が「太常」を加えればその物は甜食。丑が卯日・酉日に加臨すればその地は店鋪。丑が亥に加臨すれば腹瀉を主とする。丑が申に加臨すればその地は人に歇宿を供する驛舎。「六合」が丑に加臨すればその地は僧寺道観の房舎。丑が「朱雀」を加えれば人の挙薦あるを主とする。丑が「貴人」を乗ずれば人の邀請を受けるを主とする。丑が卯に加臨すれば春夏の時は雷雨を主とし、雨後に雪の落ちるとも断じ得る。卯が丑に加臨すれば、まず雷が鳴りて後に雨が降る。
功曹屬寅,其數七,味酸,箕、尾二宿在位。寅作六合、青龍為秀才,作元加巳為煉丹道人,戊己日為公吏,勾陳作寅同上。寅加巳午患人,寅作虎為瘋子,寅作朱雀為文書,寅加午為屋柱,寅加辰戌為林巒。寅作空為棒杖,寅加六合為從人,寅加巳亥為迷路,寅加丑戌為舊籍。寅加巳為大風,申子辰日主遠行。
十二月将の第三位を「功曹」といい、地支の寅に配し、その数は七、その味は酸で、二十八宿では箕・尾の二宿の位を占める。寅が「六合」あるいは「青竜」を乗ずれば秀才を主とする。寅が「玄武」を乗じて巳に加臨すれば丹を煉る道士を主とする。戊日・己日には衙門の吏員を主とし、寅が「勾陳」を乗じても右と同様に断ず。寅が巳・午に加臨すれば病人を主とする。寅が「白虎」を乗ずれば瘋癲の人を主とする。寅が「朱雀」を乗ずればその物は文書。寅が午に加臨すればその物は屋柱。寅が辰・戌に加臨すればその地は山林。寅が「天空」を乗ずればその物は棍棒。寅が「六合」を加えれば随従の人を主とする。寅が巳・亥に加臨すれば迷路を主とする。寅が丑・戌に加臨すればその物は旧書冊。寅が巳に加臨すれば大風の吹くを主とする。申日・子日・辰日には遠くへ出ることを主とする。
太沖屬卯,其數六,味酸,氐、房、心三宿在位。卯加甲乙為兄弟、朋友,未加卯亦為兄弟,卯加申為藝術,又作虎為匠人。卯作六合加日辰為羅網,卯加亥為舡。金氏旁註曰“梢子”。卯加丑未日辰為竹籬。卯作天空或空亡為目患人,加日辰上為門戶,卯作天后加子上為水車。卯加午為病目,卯作龍為竹棒,卯作天后加子,春主疫病,日辰上主私約。卯乘壬癸日為船筏。
十二月将の第四位を「太衝」といい、地支の卯に配し、その数は六、その味は酸で、二十八宿では氐・房・心の三宿の位を占める。卯が甲日・乙日に加臨すれば兄弟・朋友を主とする。未が卯に加臨しても兄弟を主とする。卯が申に加臨すれば技藝ある人を主とし、さらに「白虎」を乗ずれば工匠となる。卯が「六合」を乗じて日・辰に加われば、その物は羅網。卯が亥に加臨すればその物は船。金正音が傍らに注していう、「艄公」なりと。卯が丑日・未日の日・辰の上に加臨すれば、その物は竹籬。卯が「天空」を乗じあるいは空亡に落ちれば眼病に患う人を主とする。日・辰の上に加わればその物は門戸。卯が「天后」を乗じて子の上に加わればその物は水車。卯が午に加臨すれば眼疾を主とする。卯が「青竜」を乗ずればその物は竹棒。卯が「天后」を乗じて子に加臨し、春にあっては時疫を主とし、日・辰の上にあれば私に相約することを主とする。卯が壬日・癸日に乗ずれば、その物は船筏。
天罡屬辰,其數五,味甘,角、亢二宿在位。辰加月建為宰公監司,辰加巳午為老人,用上剋日辰主殺人。辰加子作元武為強盜,作虎屠殺人,作天空加丑上為山坡。辰加日辰上並子午上為阻截,辰加亥主哭,加日辰上主火驚,辰作初末傳主多慮。辰加壬癸主官非,辰加月建上為城門,辰加卯為文繡為怪手。金氏注云:手有龍文。龍加戌為怪足,足有龍文。
十二月将の第五位を「天罡」といい、地支の辰に配し、その数は五、その味は甘で、二十八宿では角・亢の二宿の位を占める。辰が月建に加臨すれば宰輔級の監察長官を主とする。辰が巳・午に加臨すれば老人を主とする。発用の神が上に在って日干・日支を克伐すれば殺人の事あるを主とする。辰が子に加臨して「玄武」を乗ずれば強盗を主とする。「白虎」を乗ずれば宰殺する人を主とする。「天空」を乗じて丑の上に加わればその地は山坡。辰が日・辰の上および子・午の上に加われば道路の阻まれ截断さるるを主とする。辰が亥に加臨すれば哭泣を主とする。日・辰の上に加われば火災・驚恐を主とする。辰が初伝または末伝と作れば人の思慮が重畳するを主とする。辰が壬日・癸日に加臨すれば官司是非を主とする。辰が月建の上に加臨すればその地は城門。辰が卯に加臨すれば花紋ある織繍を主とし、怪手をも主とする。金正音が注していう、手上に竜形の纹路の生えたるなりと。「青竜」が戌に加臨すれば怪足を主とし、脚上に竜形の纹路の生えたるなり。
太乙屬巳,其數四,味苦,翼、軫二宿在位。巳加子作太陰為娼婦,巳加辰戌上為囚禁人。朱丹書原本此下有空白二頁,蓋康雪村秘本已有闕文,後餘得之視有闕,迨至康熙乙巳仲秋幸得山左沈蓮溪先生秘書,遂補之於此,用藍筆記入。白沙顧商文補闕。黃晴崖照式鈔記。施錦堂亦從式記之。
十二月将の第六位を「太乙」といい、地支の巳に配し、その数は四、その味は苦で、二十八宿では翼・軫の二宿の位を占める。巳が子に加臨して「太陰」を乗ずれば娼婦を主とする。巳が辰・戌の上に加臨すれば囚禁せられたる人を主とする。以下は補抄者の題記である。朱筆をもって謄録した原本は、ここより以下二頁を空けてあり、おそらく康雪村の蔵せる秘本はすでに缺文であったが、後にわたしがこの本を得て缺あるを見出した。康熙乙巳年(一六六五)仲秋に至り、幸いに山東の沈蓮渓先生の秘蔵の書を得、ここに缺文を補して藍筆をもって記入した。白沙人顧商文が缺を補う。黄晴崖が原様に依りて抄録す。施錦堂も原様に依りて記録す。
旺剋日為蛇,巳加辰巳為窯。巳加日,屋,罵詈。巳乘虎加日辰主外服。巳加甲申為道士,為金。巳加子為鍋。巳加酉主徒配。巳乘蛇加辰主雙胎。月厭加巳為夢蛇。巳加未主灶傍有井。巳加午主旺房。巳乘太陰口瘡。
巳が旺を当たりて日干を克すれば、その物は蛇。巳が辰・巳に加臨すればその地は窯。巳が日干に加臨すればその物は房屋、また人の辱罵を被るをも主とする。巳が「白虎」を乗じて日・辰に加われば外姓親属のための服喪を主とする。巳が甲申に加臨すれば道士を主とし、その物は金。巳が子に加臨すればその物は鍋。巳が酉に加臨すれば流放服役に判せらるるを主とする。巳が「螣蛇」を乗じて辰に加われば双生児を懐くを主とする。「月厭」が巳に加臨すれば蛇を夢見るを主とする。巳が未に加臨すれば竈の傍に井ありを主とする。巳が午に加臨すれば房屋の興旺を主とする。巳が「太陰」を乗ずれば口瘡の生ずるを主とする。
勝光屬午,其數九,味苦,柳、星、張三宿在位。午作太陽為妾,午加酉為婢,午加辰老婦,午加日、辰、行年上為屋。午加申、酉、庚、辛日上笄妻,午加辰戌為半路,午乘六合加太常衣服。午加亥卯未為豆,午加寅卯主宅,庚辛加午癆病,午乘蛇加日辰,兒童發驚。午加卯酉交占股病,午加魁罡主信至,作蛇雀丙丁日交冬逢燒衣。
十二月将の第七位を「勝光」といい、地支の午に配し、その数は九、その味は苦で、二十八宿では柳・星・張の三宿の位を占める。午が「太陽」を乗ずれば小妾を主とする。午が酉に加臨すれば婢女を主とする。午が辰に加臨すれば老婦を主とする。午が日干・日支・行年の上に加わればその物は房屋。午が申・酉および庚日・辛日の上に加臨すれば及笄の年に至った妻室を主とする。午が辰・戌に加臨すればその地は半路。午が「六合」を乗じて「太常」を加えればその物は衣服。午が亥・卯・未に加臨すればその物は豆。午が寅・卯に加臨すれば宅舎を主とする。庚日・辛日に午が来て加臨すれば癆病を主とする。午が「螣蛇」を乗じて日・辰に加われば小児の驚くを主とする。午が卯・酉交会の際に加臨して来て占えば大腿の疾を主とする。午が「河魁」(戌)・「天罡」(辰)に加臨すれば音信の到来を主とする。午が「螣蛇」「朱雀」を乗じ、丙日・丁日に冬令に交わる時は、衣物の焼かれるに遇うを主とする。
小吉屬未,其數八,味甘,井、鬼二宿在位。未加亥為繼父,未加酉為繼母,今日陽比是兄,陰比是弟。未加亥、丙、丁日占為酌人,未加寅為婿,亦為招椅,未加酉丑為老人,作常合加日辰是樂器,未加子午上為醬。未加日為麻,未巳相加為風生。未加辰為園,未加卯為林,未貴加日辰,廟神,乘生氣加日辰主信。亥日為井祟,乘天后日辰上公婆。未乘龍為佛,未乘六合為僧。乘天空加辰吉屬墓,如日辰作空亡為廟墓。
十二月将の第八位を「小吉」といい、地支の未に配し、その数は八、その味は甘で、二十八宿では井・鬼の二宿の位を占める。未が亥に加臨すれば継父を主とする。未が酉に加臨すれば継母を主とする。当日の日干について言えば、日干と同類にして陰陽相同じきは兄、陰陽相異なるは弟である。未が亥に加臨し、あるいは丙日・丁日に占い得れば、酒を斟んで客に応待する人を主とする。未が寅に加臨すれば女婿を主とし、また客を待する座椅をも主とする。未が酉・丑に加臨すれば老人を主とする。未が「太常」「六合」を乗じて日・辰に加わればその物は楽器。未が子・午の上に加わればその物は醤。未が日干に加臨すればその物は麻。未が巳と相加えば風の起こるを主とする。未が辰に加臨すればその地は園圃。未が卯に加臨すればその地は樹林。未が「貴人」を乗じて日・辰に加われば廟中の神霊を主とする。未が「生気」を乗じて日・辰に加われば音信の到来あるを主とする。亥日には水井の祟りを主とする。未が「天后」を乗じて日・辰の上にあれば公婆を主とする。未が「青竜」を乗ずれば仏を主とする。未が「六合」を乗ずれば僧人を主とする。未が「天空」を乗じて辰に加われば、その吉処は墓地に属す。もし日・辰がまた空亡に落ちなば、庙宇墳墓となる。
傳送屬申,數七,味辛,觜、參二宿在位。申作虎,獵人;六癸日壬為遷移、刀斧;申加四仲為客人;申加戌亥仇人。申加巳午、加日,午用,主孤兒;作太陽加日、辰、魁、罡為軍人。申加卯為僧,乘龍合加日辰上為藥,申乘虎為刀斧,申加亥剋日水厄,加卯為改門。申加日辰主憂,乘元武加亥子主失脫,乘太陰加日辰為艮寅,申加辰戌為磨石。申加午戌巳為大麥。
十二月将の第九位を「伝送」といい、地支の申に配し、その数は七、その味は辛で、二十八宿では觜・参の二宿の位を占める。申が「白虎」を乗ずれば猟人を主とする。癸酉・癸未・癸巳・癸卯・癸丑・癸亥の六つの癸日に壬を見れば遷移を主とし、その物は刀斧。申が子・午・卯・酉の四仲の位に加臨すれば客人を主とする。申が戌・亥に加臨すれば仇人を主とする。申が巳・午に加臨しあるいは日干に加臨して、午をもって発用せば孤児を主とする。申が「太陽」を乗じて日干・日支および「河魁」(戌)・「天罡」(辰)の上に加われば軍人を主とする。申が卯に加臨すれば僧人を主とする。申が「青竜」「六合」を乗じて日・辰の上に加わればその物は薬。申が「白虎」を乗ずればその物は刀斧。申が亥に加臨して日干を克せば水中の厄を主とする。申が卯に加臨すれば門戸を改換することを主とする。申が日・辰に加われば憂愁を主とする。申が「玄武」を乗じて亥・子に加臨すれば失窃・走失を主とする。申が「太陰」を乗じて日・辰に加われば、その方位は艮・寅すなわち東北に在り。申が辰・戌に加臨すればその物は磨石。申が午・戌・巳に加臨すればその物は大麦。
從魁屬酉,其數六,味辛,胃、昴、畢三宿在位。酉作六合為奴婢,酉加青龍為侍妾,酉作天后為姑舅母,酉作天空為小婢。酉加子丑為老婢,酉作太陰加日辰上為妻妾,為財帛;酉作太常加卯未為樂妓。酉加巳為海,加子為江,酉加寅卯乘勾為小麥,酉加白虎甲乙日為服至。
十二月将の第十位を「従魁」といい、地支の酉に配し、その数は六、その味は辛で、二十八宿では胃・昴・畢の三宿の位を占める。酉が「六合」を乗ずれば奴婢を主とする。酉が「青竜」を加えれば侍妾を主とする。酉が「天后」を乗ずれば姑母・舅母の類の長輩婦人を主とする。酉が「天空」を乗ずれば年幼の婢女を主とする。酉が子・丑に加臨すれば年老の婢女を主とする。酉が「太陰」を乗じて日・辰の上に加われば妻妾を主とし、また銭財をも主とする。酉が「太常」を乗じて卯・未に加臨すれば歌舞楽妓を主とする。酉が巳に加臨すればその地は海。子に加臨すればその地は江。酉が寅・卯に加臨して「勾陳」を乗ずればその物は小麦。酉が「白虎」を加え、甲日・乙日には喪服の門に臨むを主とする。
酉作蛇加卯酉主鴉鳴,酉加天空無後,酉加年刑命,刀傷,酉加蛇雀主目疾人。酉作合亦主斜目人,酉加丙丁日辰上主赤眼,酉加子為水邊,酉作雀主喧聒。酉加寅卯克甲乙日辰主爭鬥,酉加子並壬癸日辰上為霜雪,酉加戌主霜,巳午加酉主雪。
酉が「螣蛇」を乗じて卯・酉に加臨すれば烏鴉の啼くを聞くを主とする。酉が「天空」を加えれば後嗣なきを主とする。酉が行年に加わりて本命を刑克せば刀傷あるを主とする。酉が「螣蛇」「朱雀」を加えれば眼疾ある人を主とする。酉が「六合」を乗じても斜眼の人を主とする。酉が丙日・丁日の日・辰の上に加われば紅眼病を主とする。酉が子に加臨すればその地は水辺。酉が「朱雀」を乗ずれば喧鬧嘈雑を主とする。酉が寅・卯に加臨して甲日・乙日の日・辰を克伐せば争闘を主とする。酉が子に加臨し、あるいは壬日・癸日の日・辰の上にあれば霜雪を主とする。酉が戌に加臨すれば降霜を主とする。巳・午が酉に加臨すれば降雪を主とする。
河魁屬戌,其數五,味甘,奎、婁二宿在位。戌作天空主奴僕。金氏注“天空”旁曰“元武”,注“奴婢”旁曰“健奴”。戌作朱雀為印綬,戌作六合加日辰上為人聚、眾人會,戌作朱雀加日辰主官長。戌加天空子午上為外舅公,戌加申為軍士,戌加月建主監司,戌加太歲主都轄。戌作太常勾陳作辰原本“加支”主官長。
十二月将の第十一位を「河魁」といい、地支の戌に配し、その数は五、その味は甘で、二十八宿では奎・婁の二宿の位を占める。戌が「天空」を乗ずれば奴僕を主とする。按:金正音は「天空」の傍らに「玄武」の二字を注し、「奴婢」の傍らに「健奴」の二字を注した。戌が「朱雀」を乗ずればその物は印綬。戌が「六合」を乗じて日・辰の上に加われば人群の聚集・衆人の会合を主とする。戌が「朱雀」を乗じて日・辰に加われば官長を主とする。戌が「天空」を加えて子・午の上にあれば岳父の類の外親長輩を主とする。戌が申に加臨すれば軍士を主とする。戌が月建に加臨すれば監察長官を主とする。戌が太歳に加臨すれば一方を統轄する大員を主とする。戌が「太常」を乗じ、あるいは「勾陳」が辰を乗ずれば(原本は「加支」と作る)、いずれも官長を主とする。
戌加寅在甲日主墳墓損壞。金氏勾畫,在甲以下八字注“牆損”二字。戌作白虎克日辰主惡積,戌加四季加日辰上主牆壁,戌加元武、天空為貪丐人,戌加日辰上主舊物。戌加元武為坑,戌加亥為小廝,戌加年命主足病,戌加白虎克日辰為盜賊。戌加壬癸日主牆倒。
戌が寅に加臨し、甲日には墳墓の損壊を主とする。按:金正音ここに勾画し、「甲」の字以下の八字の傍に「墻損」の二字を注した。戌が「白虎」を乗じて日・辰を克せば悪事の積みて禍と成るを主とする。戌が辰・戌・丑・未の四季の辰に加臨しまた日・辰の上に加われば、その物は墻壁。戌が「玄武」「天空」を加えれば貪婪の乞丐を主とする。戌が日・辰の上に加わればその物は旧物。戌が「玄武」を加えればその地は土坑。戌が亥に加臨すれば年少の僕役を主とする。戌が行年本命に加われば足疾を主とする。戌が「白虎」を加えて日・辰を克せば盗賊を主とする。戌が壬日・癸日に加臨すれば墻垣の倒塌を主とする。
登明屬亥,其數四,味咸,室、壁二宿在位。亥加四季為幼子。原本作“仲”。亥乘天空加卯酉為孩童,亥加酉為醉人。亥乘朱雀為遺棄小兒,作合加六辰及壬癸日,辰為獄人,亥加辰主屠人。亥乘勾陳為魚蝦,又為氣;亥加寅午戌日用之主傷殺人;亥作青龍為樓臺,一云為僕;亥作六合為閣;亥加巳為壞頭面人;亥加戌為廁;亥加日辰為柱。
十二月将の最後の位を「登明」といい、地支の亥に配し、その数は四、その味は鹹で、二十八宿では室・壁の二宿の位を占める。亥が辰・戌・丑・未の四季の辰に加臨すれば幼子を主とする。按:「季」の字は原本「仲」と作る。亥が「天空」を乗じて卯・酉に加臨すれば孩童を主とする。亥が酉に加臨すれば醉漢を主とする。亥が「朱雀」を乗ずれば人に遺棄せられたる小児を主とする。亥が「六合」を乗じて六つの辰日および壬日・癸日に加臨すれば、辰位は牢獄中の人を主とする。亥が辰に加臨すれば屠戸を主とする。亥が「勾陳」を乗ずればその物は魚蝦、また気をも主とする。亥が寅日・午日・戌日に加臨して発用せば人を傷つけ殺すを主とする。亥が「青竜」を乗ずればその地は楼台、一説に僕人を主とする。亥が「六合」を乗ずればその地は楼閣。亥が巳に加臨すれば頭面損傷の人を主とする。亥が戌に加臨すればその地は厠所。亥が日・辰に加わればその物は柱子。
占用上主醉散,亦主力盡。亥乘空加太歲主高人,一為天上吏。亥作太常殺加日辰為穀粟。亥加巳日占行人來。亥加子為麥。亥作太常為洩瀉。亥加歲刑刑本作行年主病。巳酉丑日亥為用主失物,雀臨亥為監引,亥加壬癸子上主不明。連三傳主重疊。又云:聯茹旺主重疊。
占課の時、亥もし発用の上に在れば、酒醉の後に衆人の散ずるを主とし、また気力の用盡することをも主とする。亥が「天空」を乗じて太歳に加臨すれば地位の高き人を主とし、一説に天上の官吏という。亥が「太常」を乗じ殺を帯びて日・辰に加わればその物は穀米。亥が巳日に加臨すれば、行人を占えば人の来たるを主とする。亥が子に加臨すればその物は麦。亥が「太常」を乗ずれば腹瀉を主とする。亥が太歳の刑に加臨すれば(「刑」の字は原本「行年」と作る)生病を主とする。巳日・酉日・丑日に亥が発用と作れば財物の丢失を主とする。「朱雀」が亥に臨めば監押牽引を受けるを主とする。亥が壬日・癸日の子位の上に加われば事情の曖昧不明を主とする。亥もし初・中・末の三伝の中に貫連せば事情の重畳して来るを主とする。又一説、三伝が「連茹」のごとく相連なりて当旺せば、また事情の重畳を主とする。
苗公鬼撮腳十二月將所主卷之一終。附李道生曰:“是書從太易所錄鬼撮腳,只三卷,其上卷即此一卷也。其中局即此四卷前半也。其下卷即此四卷後中並玉成七卷也。若異處即用硃筆對過。今抄多從對本,絲毫無錯。李九萬百章歌以下,直至下本六壬心鏡止,俱隱所無,學者宜敬寶。”乾隆丙子十月望日,黃晴崖照原本硃批。乾隆甲午正月初四,施錦堂照式硃批。
《苗公鬼撮脚》巻一「十二月将所主」はここに終わる。附録、李道生の言。「この書は《太易》より抄録し出た《鬼撮脚》で、原本は三巻のみ。その上巻はすなわち今のこの巻、その中局はすなわち今の第四巻の前半、その下巻はすなわち今の第四巻の後半と中間の部分に、《玉成》第七巻を加えたものである。およそ異文ある処は、みな朱筆をもって一一対校し尽くした。今のこの抄本は多く対校本に依り、毫も差錯なし。《李九万百章歌》以下、下冊《六壬心鏡》に至るまで、みな隠秘にして伝えず、外間に有らざるものである。学者はまさに敬重して珍蔵すべし。」乾隆丙子年(一七五六)十月十五日、黄晴崖が原本に依りて朱筆をもって批注す。乾隆甲午年(一七七四)正月初四、施錦堂が原様に依りて朱筆をもって批注す。
苗公鬼撮脚巻之二 十二天将所主
貴人者,黃帝之神,家在己丑,旺於四季,其將主貴人、官祿、慶賀、詔命等事,珍寶財物、君子遷官、小人官訟事。加寅貴人怒,加卯為求退官,加辰見官方,加巳為賞設,加午為遷官。加未為廟神,加申為佛像,加酉為關隔,加戌為貴怒訟,加亥為官供具。加子為婦人病,加丑貴人吉慶。
「貴人」は黄帝の神で、本家は己丑にあり、辰・戌・丑・未の四季月に当旺する。この天将は貴人・官職俸禄・慶賀・朝廷の詔命の類の事を主管し、また珍宝財物をも主とする。君子が占い得れば官職の昇遷を主とし、小人が占い得れば官府の訴訟を主とする。「貴人」が寅に加臨すれば貴人の動怒を主とする。卯に加臨すれば辞官退職を謀るを主とする。辰に加臨すれば官府に見ゆるを要するを主とする。巳に加臨すれば賞賜を受け酒宴を設けるを主とする。午に加臨すれば官職の昇遷を主とする。未に加臨すれば廟中の神霊を主とする。申に加臨すれば仏像を主とする。酉に加臨すれば関卡の阻隔を主とする。戌に加臨すれば貴人の悩怒して争訟を起こすを主とする。亥に加臨すれば官府の供張器用を主とする。子に加臨すれば婦人の患病を主とする。丑に加臨すれば貴人の吉慶を齎すを主とする。
螣蛇者,熒惑之精,家在丁巳,旺在孟夏,其將主驚恐、怪異、夢寐等事,君子憂官,小人爭鬥。加寅為文字,加卯為車馬怪,加辰為火光怪,加巳為難產,加午為血光怪。加未為酒食物,加申為道路怪,加酉為釜鳴怪,加戌為墳墓怪,加亥為事爭訟。加子為陰私事,加丑為宅中怪。
「螣蛇」は火星熒惑の精気で、本家は丁巳にあり、孟夏四月に当旺する。この天将は驚嚇恐懼・妖異怪事・夢境の類の事を主管する。君子が占い得れば官職のための憂慮を主とし、小人が占い得れば争闘を主とする。寅に加臨すれば文字の事を主とする。卯に加臨すれば車馬上の怪異を主とする。辰に加臨すれば火光の怪異を主とする。巳に加臨すれば難産を主とする。午に加臨すれば血光を見るの怪異を主とする。未に加臨すれば酒食の物を主とする。申に加臨すれば道路上の怪異を主とする。酉に加臨すれば鍋釜の自ら鳴るの怪異を主とする。戌に加臨すれば墳墓の怪異を主とする。亥に加臨すれば争訟の興るを主とする。子に加臨すれば陰私の事を主とする。丑に加臨すれば宅中の怪異を主とする。
朱雀者,南方驃騎尉,家在丙午,旺仲夏。其將主文書、遠信、刑戮、口舌等事。君子憂文書,小人爭財利。加寅為音信,加卯為口舌,加辰為獄訟仇冤,加巳為妻子,加午為爭鬥。加未為婚姻不和,加申為遠信,加酉為奴婢鬥訟,加戌為武官爭鬥,加亥為爭小口。加子為奸私訟,加丑為老人口舌。
「朱雀」は南方の驃騎尉で、本家は丙午にあり、仲夏五月に当旺する。この天将は文書・遠方よりの来信・刑罰殺戮・口舌是非の類の事を主管する。君子が占い得れば文書のために愁え、小人が占い得れば財利を争奪する。寅に加臨すれば音信を主とする。卯に加臨すれば口舌を主とする。辰に加臨すれば牢獄訴訟と仇怨寃屈を主とする。巳に加臨すれば妻子児女を主とする。午に加臨すれば争闘を主とする。未に加臨すれば婚姻の不和を主とする。申に加臨すれば遠方の書信を主とする。酉に加臨すれば奴婢の毆闘争訟を主とする。戌に加臨すれば武官の争闘を主とする。亥に加臨すれば小児のために争執するを主とする。子に加臨すれば奸情私通の官司を主とする。丑に加臨すれば老人の口舌を主とする。
六合者,天乙光祿卿相,家在乙卯,旺仲春,其將主婚姻、和合、丈夫、隱逸等事,君子遷官進財,小人聚會事。加寅為文書信喜,加卯為法術書,加辰為事不成,加巳為陰人和合,又爐冶。加午為喜事,加未為婚姻和合喜,又為婚姻私氣,加申為詞訟爭,加酉為男子喜。加戌為婦人逃走,加亥為陰人私亂,加子為陰亂爭鬥,加丑為田宅不安。
「六合」は天乙貴人の手下の光禄卿相で、本家は乙卯にあり、仲春二月に当旺する。この天将は婚姻・和合・丈夫・隠居避世の類の事を主管する。君子が占い得れば官を升り財を進め、小人が占い得れば聚会を主とする。寅に加臨すれば文書書信の喜を主とする。卯に加臨すれば法術の書を主とする。辰に加臨すれば事の成り得ざるを主とする。巳に加臨すれば女子の人と和合するを主とし、また炉竈冶煉をも主とする。午に加臨すれば喜事を主とする。未に加臨すれば婚姻和合の喜を主とし、また婚姻中の私情をも主とする。申に加臨すれば詞訟争執を主とする。酉に加臨すれば男子に喜あるを主とする。戌に加臨すれば婦人の逃走を主とする。亥に加臨すれば女子の私通淫乱を主とする。子に加臨すれば淫乱により争闘の起こるを主とする。丑に加臨すれば田産房宅の安寧を得ざるを主とする。
勾陳者,天乙將軍,家在戊辰,旺四季,其將主兵器、戰陣、刑革、爭鬥、詞訟等事,君子掩捕盜賊,小人爭田產。加寅為爭論、鬥訟,加卯為斗打、爭競,加辰為戰爭事,加巳為出兵事,加午為婦人爭訟,加未為說事,加申為神怒降災,加酉為遠行不通,加戌為牆垣事,加亥為小口病,加子為惡逆縱意,加丑為爭田宅。
「勾陳」は天乙貴人の手下の将軍で、本家は戊辰にあり、辰・戌・丑・未の四季月に当旺する。この天将は兵器・戦陣・刑罰革職・争闘・詞訟の類の事を主管する。君子が占い得れば盗賊を掩捕することを主とし、小人が占い得れば田産を争奪することを主とする。寅に加臨すれば争論と闘訟を主とする。卯に加臨すれば毆闘と競争を主とする。辰に加臨すれば戦争の事を主とする。巳に加臨すれば出兵の事を主とする。午に加臨すれば婦人の争訟を主とする。未に加臨すれば説合調停の事を主とする。申に加臨すれば神霊の発怒して災禍を降すを主とする。酉に加臨すれば遠行の通ぜざるを主とする。戌に加臨すれば墻垣の事を主とする。亥に加臨すれば小児の疾病を主とする。子に加臨すれば凶悪悖逆・放縦任性を主とする。丑に加臨すれば田宅を争奪するを主とする。
青龍者,天乙大丞相,家在甲寅,旺孟春,其將主官祿、財物、婚姻、慶賞等事,君子遷官,小人進財產。加寅為文書喜信,加卯為術士事喜又疑事,加辰為鮮物,加巳為酒食,加午為遷官職。加未為婚姻酒食,加申為失物,加酉為行遭雨,加戌為印信。加亥為道使喜信,又為直使喜,加子為官祿,加丑為田宅。
「青竜」は天乙貴人の手下の大丞相で、本家は甲寅にあり、孟春正月に当旺する。この天将は官職俸禄・財物・婚姻・慶賀賞賜の類の事を主管する。君子が占い得れば官職を昇遷し、小人が占い得れば財産を増添する。寅に加臨すれば文書の喜讯を主とする。卯に加臨すれば術士の事に喜あるを主とし、また疑難の事をも主とする。辰に加臨すれば新鮮の物を主とする。巳に加臨すれば酒食を主とする。午に加臨すれば官職の昇遷を主とする。未に加臨すれば婚姻酒席を主とする。申に加臨すれば物件の丢失を主とする。酉に加臨すれば出行に雨に遇うを主とする。戌に加臨すれば印信を主とする。亥に加臨すれば道路上の使者の喜信を齎すを主とし、また値使に喜あるをも主とする。子に加臨すれば官職俸禄を主とする。丑に加臨すれば田産房宅を主とする。
天空者,土神凶將,家在戊戌,旺於四季,其將主虛驚、欺詐、不實、奴婢、逃亡等事,君子讒誑,小人欺詐。加寅為誑亂,又主家中文書事,加卯為妄言,又為妻妾妄言不實,加辰為孝女。加巳為官大勢,又火爐,加午為馬死,加未媒人虛詐,加申為僧妄言。加子奴婢不實,加丑妄言、田宅、利害。
「天空」は土に属する凶将で、本家は戊戌にあり、辰・戌・丑・未の四季月に当旺する。この天将は虚驚一场・欺騙詐偽・言語不実・奴婢・逃亡の類の事を主管する。君子が占い得れば人に讒言・誑騙せられるを主とし、小人が占い得れば欺詐を行うを主とする。寅に加臨すれば謊話の惑乱を主とし、また家中の文書の事をも主とする。卯に加臨すれば胡言乱語を主とし、また妻妾の説話不実をも主とする。辰に加臨すれば孝を戴く女子を主とする。巳に加臨すれば官府の勢大なるを主とし、また火爐をも主とする。午に加臨すれば馬匹の死亡を主とする。未に加臨すれば媒人の説謊作假を主とする。申に加臨すれば僧人の妄語を主とする。子に加臨すれば奴婢の不老実なるを主とする。丑に加臨すれば妄語、および田宅方面の利害得失を主とする。
白虎者,金神凶將,家在庚申,旺孟秋,其將主病患、死亡、出入、器傷等事,君子失官,小人傷身。加寅為貓畜或虎,加卯為雷畜類,加辰為哭泣,加巳為喪車。加午為死亡、爭鬥、病,加未為匍卒又為爭鬥病,加申爭鬥病。加酉為守門卒,不宜出行,加戌為真印,為病,加亥為小口病,病重。加子為婦人爭鬥,病,加丑為六畜損病。
「白虎」は金に属する凶将で、本家は庚申にあり、孟秋七月に当旺する。この天将は疾病・死亡・出入往来・器械の人を傷つけるの類の事を主管する。君子が占い得れば官を失い、小人が占い得れば身を傷つく。寅に加臨すれば猫の類の畜物を主とし、あるいは老虎を主とする。卯に加臨すれば雷に震われる牲畜の類を主とする。辰に加臨すれば哭泣を主とする。巳に加臨すれば喪車を主とする。午に加臨すれば死亡・争闘と疾病を主とする。未に加臨すれば奔走の差役を主とし、また争闘と疾病をも主とする。申に加臨すれば争闘と疾病を主とする。酉に加臨すれば門を守る兵卒を主とし、出行に宜しからず。戌に加臨すれば真の印信を主とし、また疾病をも主とする。亥に加臨すれば小児の患病を主とし、しかも病情沈重なり。子に加臨すれば婦人の争闘と疾病を主とする。丑に加臨すれば六畜の損傷・患病を主とする。
太常者,天乙太常,家在己未,旺四季,其將主官祿、印綬、田宅、財物、衣服、賞賜等事,君子小人並喜慶。加寅為衛士,加卯為女冠,加辰為獵、官事,加巳為術士,加午為婦人孝服,為始。加未為巫女,一為印綬,加申為天德,加酉為師姑,加戌為印綬,加亥為黃衣人。加子為貞節婦,加丑為老人。
「太常」は天乙貴人の手下で礼儀を掌る太常で、本家は己未にあり、辰・戌・丑・未の四季月に当旺する。この天将は官職俸禄・印綬・田産房宅・財物・衣服・賞賜の類の事を主管する。君子小人を問わず占い得れば、いずれも喜慶を主とする。寅に加臨すれば衛士を主とする。卯に加臨すれば女道士を主とする。辰に加臨すれば田猟を主とし、また官府の事をも主とする。巳に加臨すれば術士を主とする。午に加臨すれば婦人の孝服を穿つを主とし、また事の開端をも主とする。未に加臨すれば巫女を主とし、一説に印綬を主とする。申に加臨すれば天徳の吉神を主とする。酉に加臨すれば尼姑を主とする。戌に加臨すれば印綬を主とする。亥に加臨すれば黄衣を穿つ人を主とする。子に加臨すれば節を守る婦人を主とする。丑に加臨すれば老人を主とする。
玄武者,水神凶將,家在癸亥,旺於孟冬,其將主盜賊、遺亡、奸私、離別等事。君子奴逃損失,小人淫亂之事。加寅為功曹、判官,加卯為盜賊,加辰為惡神煞,一為神事怒,加巳為灶君怒,又為家親鬼怒。加午為菩薩怒,加未為家親鬼,一為婚姻事凶,加申為羅漢。加酉為奴婢逃走,加戌為四足作怪,加亥為水厄怪,加子為婦人逃,加丑為失六畜。
「玄武」は水に属する凶将で、本家は癸亥にあり、孟冬十月に当旺する。この天将は盗賊・遺失走亡・奸情私通・離別の類の事を主管する。君子が占い得れば奴僕の逃走・財物の損失を主とし、小人が占い得れば淫乱の事を主とする。寅に加臨すれば功曹・判官の類の吏員を主とする。卯に加臨すれば盗賊を主とする。辰に加臨すれば凶悪の神煞を主とし、一説に神霊が事のために発怒するを主とする。巳に加臨すれば竈君の発怒を主とし、また家中の祖先の鬼の発怒をも主とする。午に加臨すれば菩薩の発怒を主とする。未に加臨すれば家中の祖先の鬼を主とし、一説に婚姻不吉を主とする。申に加臨すれば羅漢を主とする。酉に加臨すれば奴婢の逃走を主とする。戌に加臨すれば四足牲畜の作怪を主とする。亥に加臨すれば水厄の怪異を主とする。子に加臨すれば婦人の逃走を主とする。丑に加臨すれば六畜の丢失を主とする。
太陰者,金神吉將,家在辛酉,旺仲秋,其將主欺蔽、隱匿、陰私等事,君子罪咎,小人驚憂。加寅為淫婦、怪女,加卯為從出入、婚姻,加辰為伏藏,加巳為私事、發怒。加午為鬥爭及病,加未婚姻事,加申為音信,加酉為婢逃出,加戌官員印事。加亥為孝服、女子事,加子為奸私事,加丑女子疾病。
「太陰」は金に属する吉将で、本家は辛酉にあり、仲秋八月に当旺する。この天将は蒙蔽欺瞞・藏匿・陰私の類の事を主管する。君子が占い得れば罪責を招致するを主とし、小人が占い得れば驚恐憂慮を主とする。寅に加臨すれば淫蕩の婦・怪異の女子を主とする。卯に加臨すれば人に随い出入するを主とし、また婚姻をも主とする。辰に加臨すれば埋伏隠蔵を主とする。巳に加臨すれば私下の事を主とし、また発怒をも主とする。午に加臨すれば争闘および疾病を主とする。未に加臨すれば婚姻の事を主とする。申に加臨すれば音信を主とする。酉に加臨すれば婢女の逃出を主とする。戌に加臨すれば官員の印信の事を主とする。亥に加臨すれば孝服を主とし、また女子の事をも主とする。子に加臨すれば奸情私通を主とする。丑に加臨すれば女子の疾病を主とする。
天后者,天乙綵女,家在壬子,旺仲冬。其將主婦人、陰私、闇昧等事,君子遷官會賓,小人婚姻財禮之事。加寅為美婦人,加卯為女冠,加辰為婦人病,又孕婦,加巳為孕婦,加午為婦縱逸。加未婚姻凶,加申為婦細長體,加酉為婦貧賤、女身,加戌為婦嗔怒惡。加亥為婦、少年、又正道,加子為荒淫婦,加丑為婦人,一為老婦人。苗公鬼撮腳卷二終。
「天后」は天乙貴人の身辺の彩女で、本家は壬子にあり、仲冬十一月に当旺する。この天将は婦人・陰私・曖昧不明の類の事を主管する。君子が占い得れば官職の昇遷・宴会賓客を主とし、小人が占い得れば婚姻聘礼財物の事を主とする。寅に加臨すれば美貌の婦人を主とする。卯に加臨すれば女道士を主とする。辰に加臨すれば婦人の患病を主とし、また孕婦をも主とする。巳に加臨すれば孕婦を主とする。午に加臨すれば婦人の放縦不検を主とする。未に加臨すれば婚姻の不吉を主とする。申に加臨すれば身材細長の婦人を主とする。酉に加臨すれば貧賤の婦人を主とし、また女子その身をも主とする。戌に加臨すれば婦人の憤怒悪毒を主とする。亥に加臨すれば婦人・少年を主とし、また規矩に循い蹈むをも主とする。子に加臨すれば荒淫の婦を主とする。丑に加臨すれば婦人を主とし、一説に老婦人を主とする。《苗公鬼撮脚》巻二はここに終わる。
苗公鬼撮脚巻之三 旬中神煞
甲子旬,子儀神,卯丁神,戌亥天中,壬日亥不空,丑奇神,酉閉口,未五亡神。甲戌旬,戌儀神,丑丁神,申酉天中,庚日申不空,辛日酉不空。丑奇神,未閉口,巳五亡神。甲申旬,申儀神,亥丁神,未午天中,丁己日午不空。子奇神,巳閉口,卯五亡神。甲午旬,午儀神,酉丁神,辰巳天中,丙戊日巳不空。子奇神,卯閉口,丑五亡神。甲辰旬,辰儀神,未丁神,寅卯天中,甲日寅不空,乙日卯不空。亥奇神,丑閉口,亥五亡神。甲寅旬,寅儀神,巳丁神,子丑天中,癸日子不空。亥奇神,亥閉口,酉五良心神。鬼撮腳卷終此卷世所隱。
六十甲子を六旬に分かち、旬ごとに各々神煞を帯びること次の如し。甲子旬:子は「儀神」、卯は「丁神」、戌と亥は「天中」すなわち空亡であるが、ただし壬日の亥は空としない。丑は「奇神」、酉は「閉口」、未は「五亡神」。甲戌旬:戌は「儀神」、丑は「丁神」、申と酉は「天中」であるが、ただし庚日の申・辛日の酉は空としない。丑は「奇神」、未は「閉口」、巳は「五亡神」。甲申旬:申は「儀神」、亥は「丁神」、未と午は「天中」であるが、ただし丁日・己日の午は空としない。子は「奇神」、巳は「閉口」、卯は「五亡神」。甲午旬:午は「儀神」、酉は「丁神」、辰と巳は「天中」であるが、ただし丙日・戊日の巳は空としない。子は「奇神」、卯は「閉口」、丑は「五亡神」。甲辰旬:辰は「儀神」、未は「丁神」、寅と卯は「天中」であるが、ただし甲日の寅・乙日の卯は空としない。亥は「奇神」、丑は「閉口」、亥は「五亡神」。甲寅旬:寅は「儀神」、巳は「丁神」、子と丑は「天中」であるが、ただし癸日の子は空としない。亥は「奇神」、亥は「閉口」、酉は「五良心神」、すなわち前文のいうところの「五亡神」に当たろう。《鬼撮脚》この巻はここに終わる。この巻は世間に隠秘にして伝えられざるものである。
苗公鬼撮脚巻之四 神物論
射覆起例:剛日先看日上神,更兼發用細詳明。柔日支上先須視,用神兼取兩邊迎。用傳:月將加時專視初,中末總棄不須拘。用加日辰兼旺相,其物可食定非虛。反是不可食。用是水神近水物,火神經火泥土居。金是金石詳其義,五行實物不多途。
射覆の起課の通例:甲・丙・戊・庚・壬の陽剛の日に逢えば、まず日干の上に乗ずる神を見て、再び発用の神と合わせて仔細に推詳する。乙・丁・己・辛・癸の陰柔の日に逢えば、まず日支の上に乗ずる神を見て、同時に発用の神を兼ね取り、両辺を合わせて看る。用と三伝を論ずれば、月将を占時の上に加えて天盤を排出し、射覆は専ら初伝を看て、中伝・末伝は一切捨て去り、拘泥するに及ばない。発用の神が日・辰に加臨しまた旺相に当たれば、蔵された物は必ず食用できる。決して虚言ではない。反ればすなわち食べるべからず。発用がもし水神ならば、蔵されているのは水に近い物。火神ならば、火を経たもの、あるいは泥土の中に処る。金神ならば、金石の類である。これに依りてその義を推詳する。五行に対応する実物の路数はさほど繁多ではない。
及時過時:過時已發兼未發,用加支合正當時。假令正月丑已過,寅為目下卯前期。可用否:用神上下推休旺,有氣須知利用人。休廢不中無用物,天神地將為同陳。完不完:旺相神加用日辰,陰陽皆備物全形。此物堪為新且好,休囚刑剋舊伶仃。
時令が正当その時か已に過ぎたかを論ず。時令を過ぎたはその事已に発生し、時令に未だ至らぬはその事いまだ発動せず。発用の神が日支に加臨しこれと相合せば、まさに当令の時である。たとえば正月に来て占えば、丑月は已に過去し、寅は眼下当令のもの、卯はこれより後の期である。蔵された物が用い得るか否かを論ずれば、発用の神の上下二位につきて休囚旺相を推算し、気あればすなわちこの物が人に用あるを知る。もし休廃の地に落ちて力を得ざれば、すなわち無用の物である。天盤の神と地盤の将は皆この如くに断ず。物件の完整なるか否かを論ずれば、旺相の神が発用と日・辰に加臨し、陰陽斉備すれば、物件の形体はすなわち完整で、この物はまた新たにして良である。もし休囚に逢いまた刑を受け克を受けば、すなわちまた旧くして残破の物である。
五行類:卦逢潤下近水物,曲直木器成變形。伏吟近出返吟遠,過往來經卦內物。金為兵刃五金同,木行葦柴竹木中。水珠流轉形曲屈,火鬼羽毛炭火蹤。五色類:旺從本色相從子,死妻囚鬼母從休。春占甲日水加干,木色青方黑水傳。火赤土黃依此定,五行從日達其由。又如春季當囚日,木家是旺赤中串。遇火卻黃金卻黑,五鄉日干定源流。更次用物加上取,四時休旺理同周。五色分四季衰旺例:木:旺青、相紅、死黃、囚白、休黑。火:旺紅、相黃、死白、囚黑、休青。土:旺黃、相白、死黑、囚青、休紅。金:旺白、相黑、死青、囚紅、休黃。水:旺黑、相青、死紅、囚黃、休白。
五行類別を論ず。課体もし「潤下」の水象に逢えば、蔵されたは水に近い物。「曲直」の木象に逢えば木器で形体已に変わっている。「伏吟」課は物の近処より出るを主とし、「返吟」課は物の遠方より来るを主とする。およそ往来経過あるものは皆本卦の内の物に属する。金に属するは兵刃で五金同類、木に属するは蘆葦・柴草・竹木の中にあり、水に属するは珠子が流転するが如く形体屈曲し、火に属するは鬼祟・羽毛を主とし、あるいは炭火の痕跡を留める。五色を論ずれば、当旺の者は本行の色を取り、相の者は所生の子の顔色を取り、死の者は所克の妻の顔色を取り、囚の者は我を克する鬼の顔色を取り、休の者は我を生ずる母の顔色を取る。たとえば春に甲日来て占えば、水が日干の上に加わり、木の本色は青なるも、伝するは水なれば故に黒色を帯びる。火は赤、土は黄、皆これに依りて推定し、五行は皆日干の上より来由を求める。また春季に当囚の日に遇えば、木家は本より当旺なれば、赤色の中に挟みて推断する。火に遇えば黄に転じ、金に遇えば黒に転ず。皆五行の居る郷と日干とによりてその源流を定める。次いでさらに射る物の何の位に加臨するかを看て取る。四時の休囚旺相、道理は皆同じく周全である。附、五色の四季衰旺に依る分配の条例:木に属するは、当旺は青色、相を得れば紅色、死に処れば黄色、囚に処れば白色、休に処れば黒色。火に属するは、当旺は紅色、相を得れば黄色、死に処れば白色、囚に処れば黒色、休に処れば青色。土に属するは、当旺は黄色、相を得れば白色、死に処れば黒色、囚に処れば青色、休に処れば紅色。金に属するは、当旺は白色、相を得れば黒色、死に処れば青色、囚に処れば紅色、休に処れば黄色。水に属するは、当旺は黒色、相を得れば青色、死に処れば紅色、囚に処れば黄色、休に処れば白色。
物有無:天空用起又空亡,時又空亡何處詳。若問其中是何物,其中無物慢思量。射物何知人誑詐,空亡為用且參詳。物自空方將到者,縱然有物也成閒。乃無用不要緊之物也。假令正月甲子日卯時射之,亥加卯,三傳戌午寅。若物自寅卯方來,乃空方來也。
覆器の中に果たして物の有るか無きかを論ず。「天空」が発用しまた空亡に落ち、占時もまた空亡に落ちなば、なおどこへ往きて推詳せん。裡面の何物なるかを問えば、それ根本に物なきなり、空しく思量を費やすを要せず。射覆する人が戯弄作假しているとどう知るか。ただ空亡が発用するか否かを看、これに依りて参詳する。射る物もし空亡の方位より送り来たるものならば、たとい真に物有るとも、ただ閑物に過ぎず、すなわち用なく要ならざる物である。たとえば正月甲子日卯時に射覆せば、月将亥を占時卯の上に加えて盤を起こし、三伝は戌・午・寅。もし物件が寅・卯の方向より送り来たれば、すなわちこれ空亡の方より来たるなり。
虛實:日辰發用火神居,所用之物必多虛。若見水神虛又實,傳空加日及辰虛。生死:生死先看子上神,用兼旺相必為生。囚死更兼刑剋用,故知死物自然明。水陸:火木相加用日辰,物生陸地最為真。巳酉丑金石經火,申子辰為水內論。亥卯未木陸加水,寅午戌為陸路陳。
蔵された物の虚実を論ず。日・辰および発用の処、もし火神を坐せば蔵された物は多く中空である。もし水神を見れば則ちまた虚にしてまた実である。三伝が空亡に落ちて日干・日支に加臨すれば、また虚を主とする。活物死物を論ずれば、生死を判断するにまず子位上の神を看、発用の神もし兼ねて旺相の気を得ば、必ず活物である。もし囚死の地に処りまた刑を受け克を受けば、それ自ら明らかに死物である。水中より出るか陸上かを論ずれば、火と木と相加えて日・辰に発用せば、物件の陸地より出ること最も准確である。巳・酉・丑は金に属し、金石の火煉を経たるを主とする。申・子・辰は水に属し、当に水中の物と作して論ずべし。亥・卯・未は木に属し、これ陸上の木にして水位に加臨す。寅・午・戌は則ち陸路に按じて陳説する。
休旺:五行用起日辰中,休旺論之始見真。木神旺相為木物,死囚草葉是其因。金旺王金囚見石,土神囚廢是灰塵。水火休旺依時論,次第推詳理自分。形狀:用起孟神物帶圓,仲方四季碎並尖。旺神圓軟相方嫩,死神直硬不虛言。囚神細碎推其義,休是輕形又不全。
休囚旺相を論ず。五行が日・辰の中より発用するには、必ずその休囚旺相を論じて、乃ち真情を見る。木神が当旺し相を得れば、蔵されたは木器。死囚の地に落ちなば、ただ草葉のみである。金が当旺せば真金で、囚地に落ちなばただ石頭のみ。土神が囚廃の地に落ちなば、則ち灰塵である。水と火の休旺は時令に依りて論じ、次いで推詳せば道理自ら分明である。形状を論ずれば、発用が寅・申・巳・亥の四孟に在れば物件は円形を帯び、子・午・卯・酉の四仲に在れば則ち方を見、辰・戌・丑・未の四季に在れば細碎にして尖を帯びる。当旺の神は円にして軟らかを主とし、相を得る神は方にして嫩を主とし、死に処る神は則ち直にして硬し。この言虚ならず。囚に処る神は細碎を主とし、これに据りてその義を推求すべし。休に処る神は則ち形体軽薄にして残欠缺倫なり。
可食否:日辰發用互相生,吉將並來食可陳。不備昴星八專卦,物非食類別推情。可食又詳何味物,用加孟上定其酸。仲上是咸季甘美,五行本味更詳端。五味:木酸,火苦,金辛,水咸,土甘。新故:發用日辰皆旺相,定知其物嫩而新。俱見死囚並克賊,必然故舊不庸詢。用加生上新小弱,沐浴新而光澤鮮。帝旺近貴爭用物急用須極旺,從衰至養舊中言。舊本作“從衰至養日中言”。
食べ得べきか否かを論ず。日・辰と発用の神と互相生扶し、また吉将同じく来たれば、蔵されたは便ち食べ得べき物である。もし「不備」「昴星」「八専」の幾種の課体を排出せば、物件は食物の類に属せず、別に作りて推求を要す。既に食べ可し、なお細分して何の味なるかを見る。発用が寅・申・巳・亥の四孟の上に加われば、その味を酸と定める。子・午・卯・酉の四仲の上に加われば鹹で、辰・戌・丑・未の四季の上に加われば甘美である。さらに五行の本味を合わせて細かに推詳する。五味:木味は酸、火味は苦、金味は辛、水味は鹹、土味は甘。新旧を論ずれば、発用と日・辰と皆旺相を得ば、その物の鮮嫩にして新なるを知るべし。もし皆死囚の地に落ちまた克伐せられれば、必然陈旧の物である、さらに問うを要せず。発用が長生の上に加われば新にして小弱なり。沐浴の上に加われば則ち新にして光沢鮮亮である。帝旺の上に加われば貴盛に近く、これ衆人の争い用い急ぎ用いんとする物で、極旺なるを要す。衰位より養位に至れば、則ち旧物と作して言う。按:旧本は「従衰至養日中言」と作る。
集類:涉害昴星並八專,二三四件非一言。連茹日辰相比及,季神為用色相兼。日辰相剋為雜色,將此推之見類源。死活:用逢生氣及月建,定為活物更無疑。被剋死囚何以決?非為活物死中推。要知何類詳生死,飛禽朱雀及從魁。
物件の成組成類を論ず。「渉害」「昴星」「八専」の幾種の課体を排出せば、蔵されたは往々にして二件・三件・四件で一件に止まらない。三伝が「連茹」の如く首尾相接しまた日・辰と彼此比和し、再び辰・戌・丑・未の季神をもって発用せば、顔色は便ち幾種か相兼ねるものである。日と日支と互相克伐すれば則ち雑色である。これに据りて推求せば便ちその類別の来源を見るべし。死物活物を論ずれば、発用の神が「生気」あるいは月建に逢えば定めて活物で、さらに疑うべきなし。もし克伐せられて死囚の地に落ちなば、またいかに判断せん。則ち活物に非ず、死物の裡より推求を要す。いずれの類に属するかを知らんと欲せば、生死の象を細察せよ。飛禽の類は「朱雀」と「従魁」(酉)を看よ。
表裡:發用日辰俱入傳,物有表裡不虛言。只如甲午日寅午,外青內黑見其端。孟仲季:陽孟為四角,陰孟不團圓。陽中不偏托。沈本作“陽仲不便起”。陰季缺斜言。沈本作“陰仲缺斜言。”陽孟加陰仲形方,陽仲加陰季為圓。又形狀:旺氣所勝圓而新,相氣所乘方而長。死氣所勝剛而硬。休氣所勝尖小詳。或是兩頭不均者,推前孟仲季同量。
物件の表と裡を論ず。発用の神と日・辰と皆三伝に入れば、物件は便ち表有り裡有り。この言虚ならず。たとえば甲午日に寅・午を見ば、外は青色にして裏は黒色なるを看るべし。孟・仲・季を論ずれば、陽孟の神は四角の形を主とし、陰孟の神は則ち団円せず。陽仲の神は偏倚せず——沈蓮渓本は「陽仲不便起」と作る。陰季の神は残欠缺斜を主とする——沈本は「陰仲缺斜言」と作る。陽孟が陰仲に加臨すれば形体はこれ方なり。陽仲が陰季に加臨すれば形体はこれ円なり。さらに形状を論ずれば、旺気の主どころはまた円にして新しく、相気の乗ずるところは方にして長く、死気の主どころは剛強堅硬で、休気の主どころは尖にして細小である。仔細に分辨を要す。もし両頭の大小匀らざる者は、なお前の孟・仲・季の弁法に照りて同じく衡量する。
十干主色:甲青乙碧丙色赤,丁紫戊黃己卻紅。庚白辛藍壬是黑,癸為陰水綠色連。日辰上神:神后勝光加日辰,其物有爪及竅陳。太沖從鬼支干上,物有口腹最為真。魁罡加之物帶竅。沈本作“物帶殺。”丑未物有眉目因。寅申其物有手足,巳亥物死亦黑形。沈本作“巳亥此物必黑色。”生氣言新死氣舊,旺相言生囚論死。用在陽生陰是死,初傳月厭法中雲。
十干各々一色を主とする。甲は青、乙は碧、丙は赤、丁は紫、戊は黄、己は却って紅。庚は白、辛は藍、壬は黒、癸は陰水に属し連帯して緑色。日・辰の上に乗ずる神を論ず。「神后」(子)・「勝光」(午)が日・辰に加臨すれば、その物は爪子と孔竅を帯びる。「太衝」(卯)と「従魁」(酉、ここ原文は「従鬼」と写作す)が日支・日干の上に落ちれば、その物は口有り腹有り、最も准確である。「河魁」(戌)・「天罡」(辰)が加臨すれば物件は孔竅を帯びる——沈本は「物帯殺」と作る。丑・未が加臨すればその物は眉有り目有り。寅・申が加臨すればその物は手有り足有り。巳・亥が加臨すればその物は已に死せり、また黒色をも主とする——沈本は「巳亥此物必黒色」と作る。「生気」を乗ずるは新たなもの、「死気」を乗ずるは旧きもの。旺相の神は生を主とし、囚に処る神は死を主とする。発用が陽位に落ちれば生を主とし、陰位に落ちれば死を主とする。これ初伝に「月厭」を配する法則の裡に説くところである。
又日辰上神:日辰之上是天乙,珍寶貴奇兼可食。方圓黃白色鮮明,水下怪精魚類質。日辰之上見螣蛇,殊方異物帶文章。或以蛇形其色赤,甘香可食味偏佳。日辰之上見朱雀,光彩精明容灼灼。異物毛羽或文章,變異火炬或飛雀。日辰之上見六合,光華食味應佳物。竹木金玉綠石青,沈本作“竹器金石絲竹音。”或是鹽醋咸雜物。
さらに日・辰の上に乗ずる天将を論ず。日・辰の上もし「天乙貴人」ならば、蔵されたは珍宝贵重奇异の物で、しかも食べ得べし。形状あるいは方あるいは円、顔色黄白鮮明。あるいは水下の精怪・魚類の属たるべし。日・辰の上に「螣蛇」を見れば、これ遠方異域の奇物で花紋を帯びる。あるいは形状蛇に象りて顔色紅を発し、香甜可口にして味格別である。日・辰の上に「朱雀」を見れば、物件光彩鮮明にして灼灼として眼を耀かす。あるいは毛羽を帯び花紋有る异物。その変異の象は則ち火把あるいは飛鳥である。日・辰の上に「六合」を見れば、物件光華にして味美しく、応に佳品なるべし。竹木・金玉・緑石・青色の物の如し——沈本は「竹器金石糸竹音」と作る。あるいは塩・醋の類の鹹味雑物なるべし。
日辰之上見勾陳,其物破蹇利於人。青黑文章草木實,勾陳尾上損傷真。一作瓦土損傷真。日辰之上見青龍,其物懸虛堪食供。繒帛錢財黃白線,或為草木悉皆同。日辰之上見天后,其物須經女子手。蚌殼水類細推詳,白色如銀占法有。
日・辰の上に「勾陳」を見れば、物件破損蹇滞なるも人に用有り。あるいは青黒色にして花紋を帯びたる草木の果実。勾陳の末位の上は損傷を主とする、これ実情である——一説に「瓦土損傷真」と作る。日・辰の上に「青竜」を見れば、物件懸空虚架にして食用に供すべし。糸織の繒帛・銭財・黄白色の糸線の如く、あるいは草木の類、皆同じく断法である。日・辰の上に「天后」を見れば、物件必ず女子の手を経たり。蚌殻および水中の物は細かに推詳を要す。白きこと銀の如し、占法上確かにこの一条有り。
日辰之上見太陰,其物白黃生中心。金銀刀鏡錢野物,劍鎖不然化飛禽。日辰之上見元武,流轉白色出水土。文章鱗甲及虛空,物相勾連君記取。日辰之上見太常,其物可食色且黃。其形圓實希而美,或為珍寶細推詳。日辰之上見白虎,其物刀傷堅似鋸。或為白色死之蟲,金玉劍鐵皆同語。日辰之上見天空,其物遺棄塵穢中。或為印綬金石物,變異虛空丑狀容。
日・辰の上に「太陰」を見れば、物件白中に黄を帯び中心に生ず。金銀・刀・鏡・銭幣・野外の物の如く、あるいは剣と鎖、さもなくば則ち化して飛禽の象と作る。日・辰の上に「玄武」を見れば、物件流転不定にして顔色白を発し、水土の中より出ず。あるいは花紋・鱗甲を帯び、あるいは中間虚空にして、物と物と彼此勾連す。この一点を記憶せよ。日・辰の上に「太常」を見れば、物件食べ得べくして顔色黄を発し、形体円実にして稀罕にして美好、あるいは珍宝なるべし、細かに推詳を要す。日・辰の上に「白虎」を見れば、物件刀傷を帯び、堅硬なること鋸子の如し。あるいは白色の死虫。金玉・剣・鉄、皆此の断法に同じ。日・辰の上に「天空」を見れば、物件は塵土汚穢の中に遺棄せられたり。あるいは印綬・金石の物、その変異の象は則ち虚にして実ならず、形容醜陋である。
八卦属十二将物類
王神。坎宮,神后,數九,子為純水,在石中。其色黑,其物水中之類。為江,為河,為溝瀆,其音羽,其性為智,其情為好,其味為鹹,其方在北,在人為耳病、心病、腎虛之病,其形內實外虛之象。艮大吉,數八,丑為雜金,在冢墓。其色黃,其物產山中,為門,為闕,為徑路,其音宮,其性為信,其情哀,味甘。其方東北。在人為手指、背,其形上實下虛之象。
以下八卦に按じて十二月将を分配し、各々所属の物類を説明する。坎宮は「神后」(子)に配し、その数は九、子は純水で石中に居る。顔色は黒、主どころは水中の類。江に象り河に象り沟渠に象る。五音は羽に属す。その性は智、その情は好、その味は鹹。方位は北に在り。人身の上に耳病・心病・腎虚の病を主とする。その形は内実外虚の象である。艮宮は「大吉」(丑)に配し、その数は八、丑は雑金で墳墓に居る。顔色は黄、主どころの物は山中に産す。門に象り宮闕に象り小路に象る。五音は宮に属す。その性は信、その情は哀、その味は甘。方位は東北に在り。人身の上に手指と背を主とする。その形は上実下虚の象である。
艮功曹,數七,寅為柔木,在山林。其色青黃,其物產山林,其形方,其音宮角,其性等與大吉同。震,太沖。數六,卯為低木,在門戶。其色青,其物林木之類,為牖,為扉,為車,為船,其音角,其性仁,其情怒,味酸,其方正東,在人為足,為顙,為腓,其形上靜下動之象。
艮宮はまた「功曹」(寅)に配し、その数は七、寅は柔木で山林に居る。顔色は青中に黄を帯び、主どころの物は山林に産し形体方正。五音は宮・角の間に属す。その性情等項は皆「大吉」(丑)と相同じ。震宮は「太衝」(卯)に配し、その数は六、卯は低矮の木で門戸に居る。顔色は青、主どころは林木の類。窓に象り門扇に象り車に象り船に象る。五音は角に属す。その性は仁、その情は怒、その味は酸。方位は正東に在り。人身の上に足を主とし、額頭を主とし、小腿肚を主とする。その形は上静下動の象である。
巽,天罡,數五,位中有雜木,在城市,其色青,其物水池中之物,為股,為官司,為山野,其音角,其性仁,其情怒,味酸,其方東南,為髮,為唇,為顙,為腸,其形方圓之象。巽,太乙,數四,巳中有雜金,在窯灶。其色黃紅,木火中之類。為井,為廁,為囚繫,其音角徵,其性仁禮,其味酸苦,其方東南,在人為髮、為皮毛,方靜之象。
巽宮は「天罡」(辰)に配し、その数は五、辰位の中に雑木を含有し城市に居る。顔色は青、主どころは水池中の物。大腿に象り官司に象り山野に象る。五音は角に属す。その性は仁、その情は怒、その味は酸。方位は東南に在り。人身の上に頭髪・嘴唇・額頭と腸を主とする。その形は方中に円を帯ぶの象である。巽宮はまた「太乙」(巳)に配し、その数は四、巳の中に雑金を含有し窯竈に居る。顔色は黄中に紅を帯び、主どころは木火の中のもの。水井に象り厠所に象り囚禁に象る。五音は角・徴の間に属す。その性は兼ねて仁と礼、その味は兼ねて酸と苦。方位は東南に在り。人身の上に頭髪と皮毛を主とする。方にして静なる象である。
離,勝光,數九,午為純火,在屋宅。其色赤,戾熱之物,為文書,為戈,為兵甲胃,其音徵,其性為禮,其情為惡,味苦,其方正南,在人為目、心。其形光明彩色,內虛外實之象。坤,小吉,數八,未中有雜土,在田地。其色黃白,土產之類,為裳,為囊,為布帛,其音宮,其性信,其情哀,味甘。其方西南,在人為腹,其形方圓。
離宮は「勝光」(午)に配し、その数は九、午は純火で屋宅に居る。顔色は赤、主どころは燥烈炎熱の物。文書に象り戈に象り兵器甲冑に象る。五音は徴に属す。その性は礼、その情は悪、その味は苦。方位は正南に在り。人身の上に眼目と心を主とする。その形は光明にして彩色有り、内虚外実の象である。坤宮は「小吉」(未)に配し、その数は八、未の中に雑土を含有し田地に居る。顔色は黄白、主どころは土中に産する類。下裳に象り口袋に象り布帛に象る。五音は宮に属す。その性は信、その情は哀、その味は甘。方位は西南に在り。人身の上に腹部を主とする。その形は方中に円を帯びる。
坤,傳送,數七,申為少陰,在平野,其色黃白,鐵石之類,性情一切與小吉同,其形外硬心空之象。兌,從魁,數六,酉為純金,在金石中。其色白,金錢之類。尖圓之象。乾,河魁,數五,戌中有雜火,在官府,其色黃,金鐵谷果,龍,馬,金玉,衣冠,其音宮,其性義,其情喜,其味辛,其方西北,在人為首之類。剛圓之象。乾,登明,數四,亥為雜陽,在河水,其色黑,水中之類,性情、音、方等同河魁,凡形圓實,多動之象。
坤宮はまた「伝送」(申)に配し、その数は七、申は少陰に属し平野に居る。顔色は黄白、主どころは鉄石の類。性情等項は一概に「小吉」(未)と相同じ。その形は外面堅硬にして当中空虚の象である。兌宮は「従魁」(酉)に配し、その数は六、酉は純金で金石の中に居る。顔色は白、主どころは金銭の類。これまた尖にして円の象である。乾宮は「河魁」(戌)に配し、その数は五、戌の中に雑火を含有し官府に居る。顔色は黄、主どころは金鉄・穀物果実、および竜・馬・金玉・衣冠。五音は宮に属す。その性は義、その情は喜、その味は辛。方位は西北に在り。人身の上に頭部の類を主とする。これ剛強にして円の象である。乾宮はまた「登明」(亥)に配し、その数は四、亥は雑陽に属し河水に居る。顔色は黒、主どころは水中の類。性情・五音・方位等項は皆「河魁」(戌)と相同じ。その形は大抵円実にして、多動の象である。
五行上下類物
水上見水,其物有足而多動;水上見火,水土壞物;水上見木,其物有輪足轉動;水上見金,生命之物;水上見土,土中品物故舊;火上見水,傷破故物;火上見火,好行少靜之物;火上見木,花果蔬菜;火上見金,鑄冶釵環;火上見土,陶冶瓦磁器等類;木上見水,帶花生物;木上見火,殘焦枯槁之類;
水位の上にまた水を見れば、蔵された物は脚有りて動を好む。水上に火を見れば、水土に損壊せられたる物。水上に木を見れば、その物は輪と脚を帯びて転動すべし。水上に金を見れば、生命有る物。水上に土を見れば、土中に埋められたる陈旧の物件。火上に水を見れば、焼傷破損せられたる旧物。火上に火を見れば、動を好みて静少なき物。火上に木を見れば、花果蔬菜。火上に金を見れば、鋳造冶煉し出でたる釵環首飾。火上に土を見れば、陶冶焼制の瓦器瓷器の類。木上に水を見れば、花を帯びたる活物。木上に火を見れば、烧焦枯槁の類。
木上見木,花木器等類;木上見金,傷損之象;木上見土,棺槨之具;金上見水,金石類;金上見火,爐冶物;金上見木,雕刻之物;金上見金,五金咸備之物;金上見土,石器之物;土上見水,糅和物;土上見火,光明物;土上見木,堅牢物;土上見金,瓦石物;土上見土,壁壘物。潤下水之類,炎上火之類,曲直木之類,從革金之類,稼穡土之類。《神物論》當止此。道生批記。鬼撮腳卷四終。
木上に木を見れば、花木器具の類。木上に金を見れば、砍傷損壊せられたるの象。木上に土を見れば、棺椁の類の喪具。金上に水を見れば、金石の類。金上に火を見れば、爐中に冶煉する物。金上に木を見れば、雕刻の物。金上に金を見れば、五金斉備の物。金上に土を見れば、石器の物。土上に水を見れば、掺和調制の物。土上に火を見れば、光明の物。土上に木を見れば、堅固牢実の物。土上に金を見れば、瓦石の物。土上に土を見れば、墻壁営壘の類。総括して言えば、「潤下」は水の類に属し、「炎上」は火の類に属し、「曲直」は木の類に属し、「従革」は金の類に属し、「稼穡」は土の類に属す。李道生批記:《神物論》は当にここにて止まるべし。《鬼撮脚》巻四終わる。
天官加十二辰射覆物類巻之五(李批第貫)
天乙臨日辰,其物黃白,珍寶,可食,光明,文章,女子首飾物,變異水木之類,魚鱗甲物,五穀為麻,禽為蟹。子筆墨、文書文章。丑魚蟹、美味、有泥土。寅窯冶、磚瓦、磁器。卯竹笛、笙、簧。辰黃土、石物。巳花纈、衣裳、絲麻、棉薴、布匹。午緋紫衣物。未貴物、珍重、酒肉、酒卣。申黑形、牛畜類。酉黃白泥塑之象。戌黃草黃蠟類。亥銅錫器、硬物、酒壺、白色物。
「天乙貴人」が日・辰に臨めば、蔵された物は顔色黄白にして、これ珍宝、食べ得べく、光潔明亮にして文彩を帯び、あるいは女子の首飾。その変異の象は水木の類に属し、あるいは鱗甲有る魚。五穀の中では麻、禽類の中では蟹。貴人が子に臨めば、筆墨・文書文章を主とする。丑に臨めば、魚蟹・美味を主とし、あるいは泥土を帯ぶ。寅に臨めば、窯中に冶焼する物・磚瓦・瓷器を主とする。卯に臨めば、竹笛・笙・簧の類の楽器を主とする。辰に臨めば、黄土・石質の物を主とする。巳に臨めば、印花の糸織品・衣裳・糸麻・棉苧・布匹を主とする。午に臨めば、大紅と紫色の衣物を主とする。未に臨めば、貴重の物・珍宝・酒肉・酒器を主とする。申に臨めば、黒色の形・牛等の牲畜の類を主とする。酉に臨めば、黄白色泥塑の象を主とする。戌に臨めば、黄草・黄蝋の類を主とする。亥に臨めば、銅錫器皿・硬物・酒壺・白色の物を主とする。
螣蛇臨日辰,其物赤,文章、金火、毒物、殊異、甘美、可食,五穀中為豆粟,禽蟲蛇鹿類。子為井為龍。丑渠泥孔穴。寅蛇形之類。卯刀割玲瓏、花果、船車。辰磚瓦、磁碓、珠玉、異寶。巳蟲蛇、錦衣、絲綿。午尖物、文衣、彩帛。未,文字、黃物、顏色。申煅煉物、金石、銀礦等類。酉火灰、不中吃物。戌自死、泥中物。亥,爛水、柏皮等物,一作爛石朽皮。
「螣蛇」が日・辰に臨めば、蔵された物は色赤にして、花紋を帯び、金火の類に属し、あるいは毒物・奇异の物、甘美にして食べ得べし。五穀の中では豆と粟、禽虫の中では蛇・鹿の類。螣蛇が子に臨めば、水井を主とし、また竜をも主とする。丑に臨めば、沟渠・泥土・孔穴を主とする。寅に臨めば、蛇形の物を主とする。卯に臨めば、刀刻の玲瓏の物・花果・船車を主とする。辰に臨めば、磚瓦・瓷碓・珠玉・奇宝を主とする。巳に臨めば、虫蛇・錦衣・糸綿を主とする。午に臨めば、尖形の物・花紋有る衣裳・彩色糸帛を主とする。未に臨めば、文字・黄色の物・顔料を主とする。申に臨めば、鍛煉の物・金石・銀鉱等の類を主とする。酉に臨めば、火灰・食べ得ざるものを主とする。戌に臨めば、自然に死去した物・泥中の物を主とする。亥に臨めば、腐水・柏樹皮等の物を主とする、一説に「爛石朽皮」と作る。
朱雀臨日辰,其物黑赤色,羅網、捕縛、有晶明光彩、毛羽、文章、變異為煙火燒灼之物。五穀豆黍麥、鳥鴉雀、獸馬驢。子筆墨文書。丑尸穢塵灰。寅雞雉毛羽。卯黃色物、果子。辰羅網、水蟲、赤色。巳燒煉石藥。午衣服、獐鹿、馬、騾。未口舌、文章、書信。申釵釧、刀劍、凶。酉銅鐵、梳子、釵釧。戌飛鳥巢穴、骨角器皿。亥泥土類,玳瑁象牙。
「朱雀」が日・辰に臨めば、蔵された物は黒中に赤を帯び、あるいは羅網・捆縛の具、あるいは晶瑩にして光彩有り、あるいは毛羽花紋を帯ぶ。その変異の象は烟火燒灼の物。五穀の中では豆・黍・麦、鳥類の中では烏鴉・麻雀、獣類の中では馬・驢。朱雀が子に臨めば、筆墨文書を主とする。丑に臨めば、尸穢塵灰を主とする。寅に臨めば、鶏と野鶏の毛羽を主とする。卯に臨めば、黄色の物・果子を主とする。辰に臨めば、羅網・水虫・赤色の物を主とする。巳に臨めば、焼煉の鉱石薬物を主とする。午に臨めば、衣服・獐鹿・馬・騾を主とする。未に臨めば、口舌・文章・書信を主とする。申に臨めば、釵釧・刀剣を主とし、凶を主とする。酉に臨めば、銅鉄・梳子・釵釧を主とする。戌に臨めば、飛鳥の巢穴・骨角製の器皿を主とする。亥に臨めば、泥土の類、および玳瑁・象牙を主とする。
六合臨日辰,其物木色光彩。竹木金石所傷之物,音聲之類,變異可食,五穀為麻桑,為鹽,禽鳥雉、兔類。子書畫物,貯水火。丑傷破、刀割物,掘土鍬鋤。寅文書喜,果實,刀尺,貓狸,曲尺,曲木物。卯術士,沙門,塔物,果子。辰土瓦,盆盒子,釣竿,木礱。巳竹管,空虛,觱栗,火筒,笙簧,笛簫類。午置成鏡匣,或坩合子,火籤,神明籤筒,文書符篆,印信,曲板。未,婚姻,羊絨,百合。申,爭鬥,銅錢,刑傷,鑽木,挾剪。酉,女子刀尺,白色,磁器,鏡。戌,婦逃,緋衣服。亥,盒類,魚,囪,香味。
「六合」が日・辰に臨めば、蔵された物は木色を帯びて光彩有り。これ竹木金石に傷つけられたる物、あるいは音声の類に属す。その変異の象は可食の物。五穀の中では麻と桑、また塩をも主とする。禽鳥の中では野鶏・兔子の類。六合が子に臨めば、書画の物、および水を盛り火を盛る器皿を主とする。丑に臨めば、受傷破損・刀に割かれたる物、および土を掘る鍬鋤を主とする。寅に臨めば、文書の喜・果実・刀尺・猫と狸・曲尺・弯曲の木器を主とする。卯に臨めば、術士・僧人・佛塔の物・果子を主とする。辰に臨めば、陶土瓦器・盆と盒子・釣竿・木礲を主とする。巳に臨めば、竹管・中空の物・觱篥・火筒・笙簧・笛簫の類を主とする。午に臨めば、套に配したる鏡匣、あるいは坩堝盒子・火簽・神前の籤筒・文書符籙・印信・弯曲の木板を主とする。未に臨めば、婚姻・羊絨・百合を主とする。申に臨めば、争闘・銅銭・刑傷・木を鑽る具・剪刀を主とする。酉に臨めば、女子の用うる刀尺・白色の物・瓷器・鏡子を主とする。戌に臨めば、婦人逃走・大紅衣服を主とする。亥に臨めば、盒子の類・魚・烟囱・香味を主とする。
勾陳臨日辰,其物青黑,文章木植之類,傷損勾連之物,羅網之象,變異為瓦磚、金錢、石,禽獸魚蟹水蟲物類。子后土緋紫物,或不生花物。丑花紋,榻、蛇、蜂。寅瓦石,樹根如獸形,四足之器,或泥石做成禽獸形。卯蛇蟲,河橋,棟柱。辰龜鱉、魚蟹、鉤網。巳衣服、舊物。午描樣、符印、文書、篆刻。未粟帛綿絹,魚肉香,漂白。申,鐵器,刑傷。酉,白色,磁器,缺鏡,鐵槍。戌,緋紫衣。亥,緋紫衣,魚肉香味。
「勾陳」が日・辰に臨めば、蔵された物は青黒色にして、花紋を帯びたる草木の類に属す。これ損傷有り彼此勾連する物にして、羅網の象を呈す。その変異の象は瓦磚・金銭・石頭。禽獣の中では魚・蟹・水虫の類。勾陳が子に臨めば、后土の神・大紅と紫色の物を主とし、あるいは開花せざる物。丑に臨めば、花紋、および卧榻・蛇・蜂を主とする。寅に臨めば、瓦石・形狀獣に象る樹根・四足の器具、あるいは泥石をもって作りたる禽獣形狀を主とする。卯に臨めば、蛇虫・河上の橋・棟梁柱子を主とする。辰に臨めば、龜鼈・魚蟹・鈎と網を主とする。巳に臨めば、衣服・旧物を主とする。午に臨めば、描摹の図様・符印・文書・篆刻を主とする。未に臨めば、粟米と絹帛綿綢・魚肉の香気・漂白の物を主とする。申に臨めば、鉄器・刑傷を主とする。酉に臨めば、白色の物・瓷器・残缺の鏡子・鉄槍を主とする。戌に臨めば、大紅紫色の衣服を主とする。亥に臨めば、大紅紫色の衣服および魚肉の香味を主とする。
青龍臨日辰,其物青碧赤誠,草木之類,懸虛可吃之物,變異文章,筆,羽,螭吻之獸,虎狼狐兔之屬。子似鱔蛇形狀。丑鐵鍋槍鑽。寅櫃,或箱合孔竅似龍形。卯木器,果子,似貴人傢俱。辰,拄杖龍形,泥燒過磚瓦。巳,雙合相連,生氣物蛇蟲有腳物。午,燒成可食物,庫物,破碎物,稼穡泥。未,爛木或茶葉,腰帶斑物。申,腰帶,口傷器物。酉,刀傷器。戌,刀割人形物。亥,果子,刀傷物,白色如瓜形狀。
「青竜」が日・辰に臨めば、蔵された物は青碧にして赤誠、草木の類に属し、これ懸空虚架にして食べ得るもの。その変異の象は花紋・筆・羽毛・螭吻の獣、および虎・狼・狐・兔の属。青竜が子に臨めば、形狀鱔に象り蛇に象る物を主とする。丑に臨めば、鉄鍋・槍・鑽を主とする。寅に臨めば、柜子、あるいは孔竅の形が竜に似たる箱盒を主とする。卯に臨めば、木器・果子を主とし、貴人家の家具の如し。辰に臨めば、竜形の拄杖・泥に焼きたる磚瓦を主とする。巳に臨めば、成双相連の物・生気を帯びたる蛇虫等有脚の物を主とする。午に臨めば、焼熟して食べ得る物・倉庫中の東西・破碎の物・耕稼の泥土を主とする。未に臨めば、朽爛の木頭あるいは茶葉・腰帶および斑紋を帯びたる物を主とする。申に臨めば、腰帶・口部に損傷有る器物を主とする。酉に臨めば、刀に傷つけられたる器物を主とする。戌に臨めば、刀刻の人形の物を主とする。亥に臨めば、果子・刀に傷つけられたる物・白色にして形が瓜状の如きものを主とする。
天空臨日辰,其物主印綬金石物。變異為虛不實、臭惡之物。禽獸為狼狗。子石、土、磚、瓦、盆、缽、缸、鍋器。丑蟲形人、質、鎖、鏡、奩物。寅沒底物,火灰。卯土石物。辰甘甜可食,土泥燒過,磚瓦空虛等物。巳蟲蛇,有角足之物,生氣物類。午不用破碎物,或穢泥。未可食甘甜物。申三角堅鐵,銅石物。酉破珀磁器。戌穢汙泥物,似獸形類,殊異物。亥穢汙水中物。
「天空」が日・辰に臨めば、蔵された物は印綬・金石の類を主とする。その変異の象は虚にして実ならず、臭悪の物。禽獣の中では狼と狗。天空が子に臨めば、石・土・磚・瓦・盆・鉢・缸・鍋の類の器皿を主とする。丑に臨めば、虫形の人偶・抵押の物・鎖・鏡・妝奩の物を主とする。寅に臨めば、底なきもの・火灰を主とする。卯に臨めば、土石の物を主とする。辰に臨めば、甘甜にして食べ得る物・泥土に焼きたる磚瓦および中空の物を主とする。巳に臨めば、虫蛇・角有り足有る物・生気を帯びたる活物を主とする。午に臨めば、再び用い得ざる破碎の物、あるいは汚穢の泥を主とする。未に臨めば、食べ得る甘甜の物を主とする。申に臨めば、三角形の堅鉄・銅石の物を主とする。酉に臨めば、破損の琥珀と瓷器を主とする。戌に臨めば、汚穢の泥物・形が走獣に似たる類・奇异の物を主とする。亥に臨めば、汚穢水中の物を主とする。
白虎臨日辰,其物色白,金玉刀劍,鐵鋸物,或傷人見血之物,或死金之類。五穀為黍豆,獸為虎狼之屬。子燒成瓦器。丑刀斤物。寅錐鍬、尖刀、利器。卯割成錢物,刀鎖鏨。辰銅鐵、環子類。巳金帛、錢物,利刃,孝服。午燒壞藥器,破碎白葛,或搗藥具。未白色,或針燒熔刑象。申鐵鋤,杯子,或斧錯。酉鍬鋤鐵器,鏡子。戌獸頭鈕,縭吻,鍬,鈕有口,銅印,鐵記。亥刑傷,虎豹,四足物,有口物,或小兒。
「白虎」が日・辰に臨めば、蔵された物は色白にして、金玉刀剣・鉄鋸の物、あるいは人を傷つけ血を見る物、あるいは死金の類に属す。五穀の中では黍と豆、獣類の中では虎狼の属。白虎が子に臨めば、焼成の瓦器を主とする。丑に臨めば、刀斧の物を主とする。寅に臨めば、錐子・鉄鍬・尖刀等の利器を主とする。卯に臨めば、切割せる銭形の物、および刀・鎖・鏨子を主とする。辰に臨めば、銅鉄・環子の類を主とする。巳に臨めば、金帛銭財・鋒利の刀刃・孝服を主とする。午に臨めば、焼壊の薬器・破碎の白葛布、あるいは薬を搗く器具を主とする。未に臨めば、白色の物、あるいは針が火に焼熔する受刑の象を主とする。申に臨めば、鉄鋤・杯子、あるいは斧頭と銼刀を主とする。酉に臨めば、鍬鋤鉄器・鏡子を主とする。戌に臨めば、獣頭形の印鈕・螭吻・鉄鍬・口有る鈕・銅印・鉄質の印記を主とする。亥に臨めば、刑傷・虎豹・四足の物・口有る物、あるいは小児を主とする。
太常臨日辰,其物黃,可食,形圓,好,珍寶,變異醫藥、金石、文華、有日月耳目,主毛髮,五穀為麻,獸禽為羊雁類。子花纈羅衣。丑舊白衣。寅師人,筆硯,剛物,僧道,法服,閒人。卯,童行,經卷。辰,石、土、光明之物。巳,花紫衣被,故破之類。午飛鷹,文書,文章。未黃褐衣服。申猴,白錫,錢物,又四足物。酉白色物,裘,雞雉,雁,有毛。
「太常」が日・辰に臨めば、蔵された物は色黄にして、食べ得べく、形体円整美好にして、これ珍宝。その変異の象は医薬・金石・文采華美の物、および日月耳目の形を帯びたるもの、また毛髪をも主とする。五穀の中では麻、獣禽の中では羊と雁の類。太常が子に臨めば、印花の羅綢衣裳を主とする。丑に臨めば、陈旧の白衣を主とする。寅に臨めば、師と為る人・筆硯・堅硬の物・僧道・法衣・閑散の人を主とする。卯に臨めば、小道童・経巻を主とする。辰に臨めば、石・土および光明の物を主とする。巳に臨めば、花を帯びたる紫色衣被・破旧の類を主とする。午に臨めば、飛鷹・文書・文章を主とする。未に臨めば、黄褐色の衣服を主とする。申に臨めば、猴・白錫・銭財を主とし、また四足の物をも主とする。酉に臨めば、白色の物・皮裘・鶏と野鶏・雁、および毛を帯びたる物を主とする。
玄武臨日辰,其物出水中,相勾連,鱗甲,文章,變異為內虛、女子之物,五穀為豆,禽獸鼠燕之屬。子魚鱗,蟬之物,或經卷。丑羊角,羊肉,禽鳥獸,金箭。寅皂色物,及勾連動物。卯瓜果,經文。辰黃赤瓦器,石磚,灶器。巳破瓶甕。午心虛,亦懸,寧靜物,無赤色。未泥中物,吃食。申蛇蟲,蝴蝶,蜂,蚊,蠅類。酉金銀匹帛之類。戌斑駁,花紋,白瓦。亥果木,喜美物,迴游,外來。
「玄武」が日・辰に臨めば、蔵された物は水中より出で、彼此勾連し、鱗甲を帯び花紋有り。その変異の象は内部中空の物・女子の物。五穀の中では豆、禽獣の中では鼠と燕の属。玄武が子に臨めば、魚鱗・蝉の類、あるいは経巻を主とする。丑に臨めば、羊角・羊肉・禽鳥走獣・金箭を主とする。寅に臨めば、黒色の物および勾連する活物を主とする。卯に臨めば、瓜果・経文を主とする。辰に臨めば、黄赤色の瓦器・石磚・竈具を主とする。巳に臨めば、破損の瓶瓮を主とする。午に臨めば、中心空虚にしてまた懸空の寧静の物を主とし、赤色を帯びず。未に臨めば、泥中の物・吃食を主とする。申に臨めば、蛇虫・蝴蝶・蜂・蚊・蠅の類を主とする。酉に臨めば、金銀絹帛の類を主とする。戌に臨めば、斑駁の物・花紋・白瓦を主とする。亥に臨めば、果木・可喜美好の物・回游の物・外来の物を主とする。
太陰臨日辰,其物美白色,為金錢刀劍之類,變異出野外水中之物,五穀為麥,禽為雞雉之類。子麵食香甜物。丑婦人衣,鮮明衣。寅刀斧器,黃色甜物,可食物,焦香味物。卯侶、錢,光明物。辰釵釧花朵物。巳刀尺物,女衣。午剪刀,白物。未黃色可吃,尖錐,油麻等物。申,女子釵梳,或雞雉,小麥物。酉金石物,雞雉鴿鴨。戌髮毛,翼蟲,多足物。亥純白物,刀類,雞雉之屬。
「太陰」が日・辰に臨めば、蔵された物は潔白美好にして、金銭刀剣の類に属す。その変異の象は野外あるいは水中より出でたる物。五穀の中では麦、禽類の中では鶏と野鶏の類。太陰が子に臨めば、麺食および香甜の物を主とする。丑に臨めば、婦人の衣服・鮮亮の衣裳を主とする。寅に臨めば、刀斧器具・黄色甜食・食べ得る物・焦香味有るものを主とする。卯に臨めば、成対の物と銭幣・光亮の物を主とする。辰に臨めば、釵釧と花朵の物を主とする。巳に臨めば、刀尺の類・女子衣物を主とする。午に臨めば、剪刀・白色の物を主とする。未に臨めば、黄色にして食べ得る物・尖錐・油麻等の物を主とする。申に臨めば、女子の釵と梳、あるいは鶏と野鶏・小麦の物を主とする。酉に臨めば、金石の物・鶏・野鶏・鴿・鴨を主とする。戌に臨めば、毛髪・翅有る虫・多足の物を主とする。亥に臨めば、純白の物・刀剣の類・鶏と野鶏の属を主とする。
天后臨日辰,其物潔白,女人之用物,變異為草木可吃,五穀為稻豆,禽蟲為蠶蛛之類。子青黑衣衫,女人之物。丑瓦石器,如虛。寅焦香味物,黑甜果子。卯泥土之物,汙泥物。辰穢汙物,赤色。巳爛白衣服。午破物,鼠傷物。未帶傷凶物,赤色。申形如虎,如鼠。酉白衣。戌赤黃泥物,黃衣。亥水族物,酸醋。鬼撮腳卷五終。
「天后」が日・辰に臨めば、蔵された物は潔白にして、女人の用うる物。その変異の象は草木中の食べ得るもの。五穀の中では稻と豆、禽虫の中では蚕と蜘蛛の類。天后が子に臨めば、青黒色の衣衫・女人の物を主とする。丑に臨めば、瓦石器皿を主とし、当中は空の如し。寅に臨めば、焦香味有る物・黒色の甜果子を主とする。卯に臨めば、泥土の物・汚泥の物を主とする。辰に臨めば、汚穢の物を主とし、色赤。巳に臨めば、腐爛の白色衣服を主とする。午に臨めば、破損の物・老鼠に咬壊せられたる物を主とする。未に臨めば、傷を帯びたる凶物を主とし、色赤。申に臨めば、形狀虎に象り鼠に象る物を主とする。酉に臨めば、白衣を主とする。戌に臨めば、赤黄色の泥物・黄色衣裳を主とする。亥に臨めば、水族の物・酸醋を主とする。《鬼撮脚》巻五ここに終わる。
八卦将神射覆法巻之六(六壬入易)
乾,河魁登明主之。內赤外白,內方外圓,逢火即軟,遇水即堅。上有文字,繩索相連,聚而硬實,散而不全,細想是卦,無過是錢,仰如鏤鼎,覆如鍾懸。若非金鐵,即是銅鉛。團圓外實,裡畔虛空,人見敬貴,能鑑身容。坎,神后主之。坎卦承風,依近水中,不浮南北,又從西東。有形不動,落亦無蹤。騰浮方物,便似飄蓬。悠悠之物,外黃內黑。性樂潛藏,情同隱匿。長在家居,唯能野合。去即被擒,逢外不氓。
乾卦は、「河魁」(戌)と「登明」(亥)が主管する。蔵された物は裏面赤く外面白く、内方にして外円、火に遇えば軟らかくなり、水に遇えば硬くなる。上面に文字有り、绳索をもって串連す。聚むれば堅硬結実にして、散ずれば便ち不完整。細かく想えばこの卦の指すところ、過ぎずすなわち銭幣。仰ぎ放てば鏤花の鼎の如く、翻せば懸けたる鐘の如し。金鉄に非ずんば、便ち銅鉛。形体団円にして、外面充実にして裏面中空。人見れば敬重看重し、なお己の面容を照見し得べし。坎卦は、「神后」(子)が主管する。坎卦は風気を承接し、水辺に依傍す。南北に浮かず、東西に随従せず。形有りて動かず、落ちても蹤影を見ず。一旦浮騰すれば、風に随い飄転する蓬草の如し。これ悠悠不定の物にして、外面黄を発し裏面黒を発す。本性は潜伏を好み、情態は隠匿の如し。長く家中に待ち、ただ野外にて交合し得るのみ。一たび離るれば擒えられ、外に遭遇すれば安居を得ず。
艮,大吉功曹主之。艮背之形,不動其聲。內虛外實,團圓所成。王相剛實,死氣則虛。木能生火,能豈亭亭?人警音合,形如覆盆。春秋不改,積世長存。此物團圓,內虛外慳。能屈不動,種種能生。若非青白,即是龜紋。震,太沖主之。震物動停,內白外青,頭圓尾小,將變其形。震上變動,身無空形。死生復死,織絡成經。如蠶作繭,似獸熊身。能盛能壯,能圓能方。逐時變改,色體蒼然。下不著地,上不侵天,若非果實,即是魚荃。
艮卦は、「大吉」(丑)と「功曹」(寅)が主管する。艮は背の形象にして、静止して声を出さず。裏面空虚、外面充実、形体団円にして成る。旺相の気を得れば剛硬結実にして、死気の地に落ちれば虚軟。木は火を生じ得べし、その勢いかんぞ亭亭として独立せん。人の一たび驚動すれば便ち声音相応じ、形狀は倒扣の盆の如し。春去り秋来りて形狀改まらず、世を歴て長く存す。こ の物団円にして、内裏空虚にして外壁緊密。弯曲し得べくして移動せず、種種の物類皆これより生ずることを得。青白の色に非ずんば、便ち龜甲の纹路を帯ぶ。震卦は、「太衝」(卯)が主管する。震の主どころの物は動にして復た止み、裏面白く外面青く、頭円く尾小さく、将に形狀を変換せんとす。震が上に在れば便ち変動を主とし、本身に空虚の形なし。死により生じ生により復た死し、織絡交錯して経緯と成る。蚕の繭を結ぶが如く、また熊の類の獣身の如し。盛大なるを得べく強壮なるを得べし、円なるを得べくまた方なり。時に随い変改し、顔色形体蒼蒼然。下は地に着かず、上は天に触れず。果実に非ずんば、便ち魚を捕る竹笱。
巽,天罡太乙主之。巽凜風雲,豐氣氤氳。聲添音韻,遠聽時聞。乍吟乍笑,時聚時群。形如彩蝶,影似青蘋。棄主為形,光彩金生。遊行影照,繩索之刑。空中隱伏,嫋實茲成。神歌鬼笑,音大空聲。離,勝光主之。似龍無角,如馬頭訛。若非牝馬,即是驢羸。人頭即少,離體身多。不臨溪谷,即近長波。先白後赤,水上員藏。凋形鱗彩,內柔如剛。外頭雖實,裡畔虛張。賊人盜得,灰土埋藏。
巽卦は、「天罡」(辰)と「太乙」(巳)が主管する。巽卦は凛冽の風雲の如く、気象豊盛にして氤氲。声音は音韻を帯び、遥かに時々聞くべし。忽ち吟哦し、忽ち歓笑し、時に聚攏し、時に成群す。形狀は彩蝶の如く、影子は水面の青萍の如し。本主を捨てて自らその形を成し、光彩金の如し。游走の時は影子映照し、また绳索の拘束を受く。空中に潜伏し、袅袅然として後に結実成形す。神の歌い鬼の笑うが如く有りて、声音大なれど空響なり。離卦は、「勝光」(午)が主管する。竜に象るも角なし、馬に象るも頭形正ならず。母馬に非ずんば、便ち瘦弱の驢。人頭の象少なく、離体の身多し。谿谷に臨むに非ずんば、便ち長き水波に近づく。先ず白くして後に赤く、水面の上に円々として蔵る。形体凋零にして鱗状の彩紋有り、裏面柔軟にしてまた剛硬に似たり。外頭は結実なれど、裏辺は則ち虚張。若し賊人に偸去せられなば、便ち灰土の中に埋めらる。
坤,小吉傳送主之。坤體外黃,其色內蒼。水土而實,內圓外方。形如瓦礫,怪復有剛。若非古器,即是橐囊。卦體名坤,土性長存,朝依平野,墓宿孤村,若非牝馬,即是其牸。牸,牛也。兌,從魁主之。兌為金鎖,堅硬裁截。乍剛乍柔,有時屈折。內裡光彩,外能圓缺。若非連珠,衣茄帶玦。兌性居平,外缺內明。形依淨域,炫耀光生。遙承安殿,似佛因榮。若非銅錢,即是金銀。鬼撮腳卷六終。
坤卦は、「小吉」(未)と「伝送」(申)が主管する。坤の形体は外表黄を発し、裏面の顔色青を発す。水土相合して結実し、内円にして外方。形狀は瓦礫の如く、看れば怪異なれどまた堅硬。古器に非ずんば、便ち口袋。卦体の名を坤と曰い、土の性質は長久に存留す。早晨は平野に依傍し、夜裡は孤村に宿す。母馬に非ずんば、便ち母牛——「牸」とはすなわち牛。兌卦は、「従魁」(酉)が主管する。兌は金鎖にして、堅硬にして裁断すべし。忽ち剛にして忽ち柔、時にまた弯折し得べし。裏面に光彩有り、外形は円なるを得べく缺なるを得べし。串を成したる珠子に非ずんば、便ち衣上の佩飾と玉玦。兌の性情は平和に居り、外表残缺にして内裏明亮。形体は潔淨の地に依託し、光彩炫耀して生ず。遥かに安放的殿堂の上に承奉し、仏像の如くしてこれに因りて尊栄を享くを得。銅銭に非ずんば、便ち金銀。《鬼撮脚》巻六ここに終わる。
十干旺相死休囚法巻之七
甲乙日,春同。旺木青,相火黃,死土黑,囚金紅,休水白。丙丁日,夏同,火紅,土白,金青,水黃,木黑。戊己日,四季同,土黃,金黑,水紅,木白,火青。庚辛日,秋同,金白,水青,木黃,火黑,土紅。壬癸日,冬同,水黑,木紅,火白,土青,金黃。
甲日・乙日は、春三月と同じ。当旺の木は色青、相を得る火は色黄、死に処る土は色黒、囚に処る金は色紅、休に処る水は色白。丙日・丁日は、夏三月と同じ。火は色紅、土は色白、金は色青、水は色黄、木は色黒。戊日・己日は、辰・戌・丑・未の四季月と同じ。土は色黄、金は色黒、水は色紅、木は色白、火は色青。庚日・辛日は、秋三月と同じ。金は色白、水は色青、木は色黄、火は色黒、土は色紅。壬日・癸日は、冬三月と同じ。水は色黒、木は色紅、火は色白、土は色青、金は色黄。
五行占物之所主:炎上主煙火、虛心之物。從革主堅剛、鐫鏤之物。潤下主水中之物。曲直主屈曲、木器之物。稼穡為泥土所墓之物。曲直味酸,木實之性,數三,為木類,主屈折,長短,塵細之形象。炎上味苦,火焦之性,數二,為火類,主光明,華彩,虛心之形象。
五行の占物各々何を主とするかを論ず。「炎上」は火に属し、烟火および中心空虚の物を主とする。「従革」は金に属し、堅硬剛強・雕鏤に供すべき物を主とする。「潤下」は水に属し、水中の物を主とする。「曲直」は木に属し、弯曲の物と木器を主とする。「稼穡」は土に属し、泥土の中に埋藏するものを主とする。「曲直」は味酸、木質堅実の性情、数は三、木類に属し、屈折・長短・細かきこと塵埃の如き形象を主とする。「炎上」は味苦、火性焦灼の性情、数は二、火類に属し、光明・華彩・中心空虚の形象を主とする。
稼穡味甘,土養之性,數五,為土類,主包含,廣大,厚重之形象。從革味辛,金堅之性,數四,為金類,主堅硬,雕刻,銳利之形象。潤下味咸,水生之性,數一,為水類,主柔弱,卑下,綿軟之形象。課各用神物之所主:不備乃不全之物。返吟主遠路往來之物。伏吟主近處出入之物。四孟為用神,乃方而有鱗角。四仲課為用神,乃平直中正之物。四季為用神,乃圓轉敦實之物。
「稼穡」は味甘、土の養育し得る性情、数は五、土類に属し、包容含蔵・広大厚重の形象を主とする。「従革」は味辛、金質堅固の性情、数は四、金類に属し、堅硬・雕刻すべし・鋭利の形象を主とする。「潤下」は味鹹、水の生養し得る性情、数は一、水類に属し、柔弱・卑下・綿軟の形象を主とする。各種課体の用いる神の各々何の物を主とするかを論ず。「不備課」は残缺不全の物を主とする。「返吟課」は遠路往来の物を主とする。「伏吟課」は近処出入の物を主とする。寅・申・巳・亥の四孟をもって用神と為せば、蔵されたは方形にして鱗有り角有る物。子・午・卯・酉の四仲をもって用神と為せば、蔵されたは平直端正の物。辰・戌・丑・未の四季をもって用神と為せば、蔵されたは円転厚実の物。
火為用神,日辰上見火,乃半虛半實之物。凡土木為用神,加臨日辰,其物出陸地。己酉為土金之鄉,乃山中所出之物。水為用神,得青龍、元武、白虎者,物出水中也。發用休旺。李批:此二條在分屬物類之後。山陰道士云:“凡兩日計二十四時,五行各有旺相死囚休處。過兩日而遞相換也。”《苗公密寶》云:“五行每二日則一輪轉,此六壬占法之精髓也。常說卻以四季分五行之用,此言謬矣。”
火をもって用神と為し、日・辰の上にまた火を見れば、蔵されたは半虚半実の物。およそ土・木をもって用神と為して日・辰に加臨せば、蔵された物は陸地より出ず。己と酉は土・金聚集の郷にして、蔵されたは山中出産の物。水をもって用神と為し、また「青竜」「玄武」「白虎」を得るは、蔵された物は水中より出ず。以下発用の休囚旺相を論ず。李道生批注:この二条は当に分属物類の後に置くべし。山陰道士曰く、「大凡二天共に計りて二十四箇の時辰、五行各自皆旺・相・死・囚・休の位置有り、二天を過ぐれば便ち依次輪換す。」《苗公密宝》曰く、「五行は两天ごとに輪転一周す、これ六壬占法の精髓なり。平常皆四季に按じて五行の功用を分配すと説く、この話は錯なり。」
大抵天元六甲運氣治病,以五行象四時,而分五臟,乃醫病治法之妙處。若在課式之中,須當每月三十日,五行三周,每旬一十日,五行一遞,此用式之活法也。假令甲乙日,木王火相土死金囚水休,像春序也。餘仿此推之,乃先賢秘旨,聖人之奧妙,愚欲隱云,恐後人不明,故為是說也,學者珍而秘之。
大抵天元六甲の運気の学の治病に用うるは、五行をもって四時に比象し、これに据りて五蔵に分属せしむるは、これ医家治病の法の精妙の処。若し六壬課式の中に放らば、則ち当に每月三十天、五行輪転三周、每一旬十天、五行更遞一次、これ乃ち式を用うる活法なるべし。たとえば甲日・乙日、木当旺・火相を得・土死に処・金囚に処・水休に処すれば、正に春天の時序の如し。其余皆このに仿りて推求す。これ前輩賢人の秘旨・聖人の奥妙にして、我本より隠して言わざらんと欲す、また恐れくは后人の明白せざるを、故にこの議論を作す。学者は当に珍重して秘蔵すべし。
十干五行,旺、相、死、囚、休:甲乙日,木火土金水,春三月同。丙丁日,火土金水木,夏三月同。戊己日,土金水木火,四季月同。庚辛日,金水木火土,秋三月同。壬癸日,水木火土金,冬三月同。十干所屬物類:甲乙樹木,丙丁爐冶,戊己冢墓,庚辛利刃,壬癸江河。甲草木,乙竹骨,丙爐冶火燭,丁鼎金,戊溼潤,己田土,庚利刃槍鍬,辛珠寶,壬雨霖,癸江河。
十干の配する五行の旺・相・死・囚・休:甲日・乙日は、依次木旺・火相・土死・金囚・水休、春三月と同じ。丙日・丁日は、依次火旺・土相・金死・水囚・木休、夏三月と同じ。戊日・己日は、依次土旺・金相・水死・木囚・火休、辰・戌・丑・未の四季月と同じ。庚日・辛日は、依次金旺・水相・木死・火囚・土休、秋三月と同じ。壬日・癸日は、依次水旺・木相・火死・土囚・金休、冬三月と同じ。十干各自所属の物類:甲・乙は樹木、丙・丁は爐冶、戊・己は墳墓、庚・辛は鋒利の刀刃、壬・癸は江河。分かちて言えば、甲は草木、乙は竹と骨、丙は爐火と燭火、丁は鼎の類の金器、戊は湿潤の地、己は田土、庚は利刃と槍鍬、辛は珠宝、壬は綿綿の雨、癸は江河。
旺、相、死、囚、休。金:金玉珍寶,銅鐵利物,鍋釜,鉛錫,鍬針。木:林木,竹葦、柴草,棺槨,船車、樑棟,朽木、柴薪。水:雨露、江河,山澗、清泉,地坑、池湖,死水、溝渠,溼地、廁。火:爐冶,燈燭,光明,灰炭,煙、塵埃。土:山嶽,丘阜、石,冢墓、壁、牆石,沙泥,廣宇、地基。
下面旺・相・死・囚・休の五種の気象に按じ、分列して五行の主どころの物を挙ぐ。金:当旺は金玉珍宝、相を得れば銅鉄の類の利器、死に処れば鍋釜、囚に処れば鉛錫、休に処れば鍬と針。木:当旺は成材林木、相を得れば竹葦柴草、死に処れば棺椁、囚に処れば船車と梁棟、休に処れば朽木柴薪。水:当旺は雨露江河、相を得れば山澗清泉、死に処れば地坑池湖、囚に処れば死水沟渠、休に処れば湿地と厠所。火:当旺は爐冶の火、相を得れば燈燭、死に処れば光明の象、囚に処れば灰炭、休に処れば烟と塵埃。土:当旺は山岳、相を得れば丘陵と山石、死に処れば墳墓・墻壁と墻石、囚に処れば沙泥、休に処れば大屋と地基。
二十八宿周天度位
辰,天罡,角木狡,十二度一,鄭,五十二度一。辰,天罡,亢金龍,九度三。辰,太沖,氐土貉,十六度三。卯,太沖,房日兔,五度六,宋,在四五度內。卯,太沖,月心狐,六度五。寅,功曹,尾火虎,十九度一。寅,功曹,箕水豹,十度四。越,在三四五度內。
二十八宿の十二辰に分配する周天度数は次の如し。辰位は「天罡」に属し、角木蛟に配す(原文は「角木狡」と写作す)、十二度一。分野は鄭国に属し、五十二度一。辰位は「天罡」に属し、亢金竜に配す、九度三。辰位は「太衝」に属し、氐土貉に配す、十六度三。卯位は「太衝」に属し、房日兔に配す、五度六。分野は宋国に属し、四・五度の内に在り。卯位は「太衝」に属し、心月狐に配す(原文は「月心狐」と写作す)、六度五。寅位は「功曹」に属し、尾火虎に配す、十九度一。寅位は「功曹」に属し、箕水豹に配す、十度四。分野は越国に属し、三・四・五度の内に在り。
丑,大吉,斗木獬,二十五度二。吳,在十五度二。丑,大吉,牛金牛,七度三。子,神后,女土蝠,土度三五。子,神后,虛日鼠,八度九。子,神后,危月燕,十五度四。齊,在一二度內。亥,登明,室火豬,十七度一。魯,在十七度內。亥,登明,壁水狳,八度六七。
丑位は「大吉」に属し、斗木獬に配す、二十五度二。分野は呉国に属し、十五度二に在り。丑位は「大吉」に属し、牛金牛に配す、七度三。子位は「神后」に属し、女土蝠に配す、十度三五(原文の「十」は「土」と写作す)。子位は「神后」に属し、虚日鼠に配す、八度九。子位は「神后」に属し、危月燕に配す、十五度四。分野は斉国に属し、一・二度の内に在り。亥位は「登明」に属し、室火猪に配す、十七度一。分野は魯国に属し、十七度の内に在り。亥位は「登明」に属し、壁水貐に配す(原文は「壁水狳」と写作す)、八度六七。
戌,河魁,奎木狼,十六度六。戌,河魁,婁金狗,十一度八。燕,在四五六度內。酉,從魁,胃土雉,十五度六。酉,從魁,昴日雞,十一度三。趙,在七八九度內。酉,從魁,畢月烏,十七度四。申,傳送,觜火猴,五分。申,傳送,參水猿,十一度一。晉,在九、十、十一度內。
戌位は「河魁」に属し、奎木狼に配す、十六度六。戌位は「河魁」に属し、婁金狗に配す、十一度八。分野は燕国に属し、四・五・六度の内に在り。酉位は「従魁」に属し、胃土雉に配す、十五度六。酉位は「従魁」に属し、昴日鶏に配す、十一度三。分野は趙国に属し、七・八・九度の内に在り。酉位は「従魁」に属し、畢月烏に配す、十七度四。申位は「伝送」に属し、觜火猴に配す、ただ五分のみ。申位は「伝送」に属し、参水猿に配す、十一度一。分野は晋国に属し、九・十・十一度の内に在り。
未,小吉,井木犴,三十三度三。秦,在七、八、九三度內。未,小吉,鬼金羊,二度二。午,勝光,柳土獐,十三度三。午,勝光,星日馬。六度三。午,勝光,張月鹿,十七度二五。周,在三、四、五度內。巳,太乙,翼火蛇,十八七五。楚,在十八度內。巳,太乙,軫水蚓,十七度三分。鬼撮腳卷七終。
未位は「小吉」に属し、井木犴に配す、三十三度三。分野は秦国に属し、七・八・九のこの三度の内に在り。未位は「小吉」に属し、鬼金羊に配す、二度二。午位は「勝光」に属し、柳土獐に配す、十三度三。午位は「勝光」に属し、星日馬に配す、六度三。午位は「勝光」に属し、張月鹿に配す、十七度二五。分野は周に属し、三・四・五度の内に在り。巳位は「太乙」に属し、翼火蛇に配す、十八度七五。分野は楚国に属し、十八度の内に在り。巳位は「太乙」に属し、軫水蚓に配す、十七度三分。《鬼撮脚》巻七ここに終わる。
李九万六壬百章歌巻之八
課體已定課來意,日辰年命三傳記,來剋日干無差異,參合天官為真議。原本此下又有空白四行。來意已定見災祥,卻來命上再評章。命上見財財吉昌,逢鬼官病見乖張。兄弟父母及妻子,各各推遷本位尋。天官是誰親不親,因此推詳理自明。
課体既に排定せば、便ちこれに据りて来人の問うところ何事なるを推断す。日干・日支・行年本命と初・中・末の三伝は皆一々記清を須う。若し神の来りて日干を克伐する有れば、その事必ず差錯なし。さらに天将を参合せば、乃ち真確の論断なり。(原本ここの下また四行を空く。)来意既に判明せば、便ち災禍吉祥を看、また本命の上に回りて重新に評議す。本命の上に財爻を見れば、財運の吉昌を主とする。若し鬼爻に遇えば、官司と疾病を主とし、情形乖违反常なり。兄弟・父母および妻子児女、各々その本位に按じて推尋す。さらに天将と所占の人と親なるか疎なるかを看、これに据りて推詳せば、道理自ら明白なり。
類落空亡不可尋,卻來類上致神明。上神降下是信辰。此法幽微信更真。兒孫外逃問阿誰,但看天上卯何之。卻還地下卯上推,天罡乘害蛇驚危,若問舟車有遺亡,亦如兒孫細評詳。卯加巳上地戶當。但言丑日信無妨。剋應不須死墓推,類應本神日上知,如問文書午上宜,上神降下的無疑。
所属の類神もし空亡に落ちなば、便ち尋覓する無し。この時要に類神本位の上に回りて神明の指示を求むべし。天盤上神の降落する地盤の位、便ちこれ応験の日辰。この方法幽深精微にして、験すること更に真確なり。児孫の外に逃亡するを問わば誰に問うべき。ただ天盤上の卯の何の処に落ちるかを看、また地盤の卯位の上に回りて推求す。若し「天罡」(辰)が凶を乗じ害を帯び、また「螣蛇」を見ば、則ち驚恐危険を主とす。若し舟車に遺失有るや無きやを問わば、また児孫のこの一条に照りて細かに評断す。卯が巳上に加臨せば、正に地戸の位に当たる。ただ丑日なるが是れ、音信便ち妨礙なし。応期を判断するに死地墓地を用いて推するを必せず、類神の応験はその本神の日上の位置より便ち知ることを得。たとえば文書を問わば、宜しく午位を看るべし。天盤上神の降落する処、確かに疑うべき無し。
酉類妻獰並信息,太陰乘酉三妻偪。財旺妻離鏡分劈,加午議親子淫泆。逃亡奴婢天空圖,傳陰為婢陽為奴。天空加支事最殊,信至人歸有所需。有人失物問貓兒,使將天上功曹推。臨支不捕自歸來。臨干物不離人時。壬日失狗戍加壬,次日尋回不離人。各類如此準擬尋,或投鄰家得信音。
酉は妻室の類の類神にして、また凶悍の女子と音信をも主とす。「太陰」が酉を乗ずれば、三箇の妻室の相逼するを主とす。財爻過旺せば則ち妻子離散し、鏡子の破裂するが如し。酉が午に加臨して親を議れば、子女の淫乱放蕩を主とす。逃亡の奴婢を占えば、「天空」の所在の位を看よ。三伝中の陰に属するは婢女、陽に属するは奴僕。「天空」が日支に加臨せば、情形最も特别、音信の到来・人の帰りて別に求め有るを主とす。人有りて猫を丟せば、便ち天盤上の「功曹」(寅)を取りて推す。功曹が日支に臨めば、捉えに往くを用いず、猫自ら帰り来たる。日干に臨めば、則ち物は人を離れず、便ち近旁に在り。壬日に狗を丟せば、戌が壬に加臨し、第二天便ち找回し得べく、また人の身辺を離れず。其余各類皆この様子に照りて尋找を拟定し、あるいは隣家に到りて打聴せば、便ち消息を得るを得べし。
六畜災屯問太沖,上來子巳酉申同。刀砧湯火屠殺凶,餘將臨來皆可容。兄弟太陰父太常,只看本類落何方?刑害死氣及空亡,地上類下尅應詳。梯子燈擎並衣架,折足桌面兼床下,盡從卯字作加臨,端得言來是希詫。每日兩個天目鬼,四面居重辰上二。重克干上便是祟,以類言之無差異。
六畜に災厄有るや無きやを占えば、便ち「太衝」(卯)に問え。卯上より来る若し子・巳・酉・申ならば、断法相同じ。若し刀砧・湯火の象を見ば、宰殺の凶を主とす。其余の天将の臨み来るは皆なお容納し得べく、大凶に致らず。兄弟は「太陰」を看、父親は「太常」を看、ただ本類神のいずれの方に落ちるかを看よ。若し刑・害・死気および空亡に逢えば、便ち地盤上の類神の下の受くる克応より細かに推詳す。梯子・燈架と衣架、折れた腿の桌面および床下の物、一概に卯字の加臨する処より看るに従え。断じ出でれば往々にして人をして驚奇せしむ。每一天皆二箇の「天目鬼」有り、四面の中に重畳して日支の上に居り共に二処。若し重複して日干の上を克伐せば、便ち作祟の物、類に按じて推説せば、差錯有ることならず。
午加戍午寅戌字作三傳。婦人勞瘵血來纏。西北火爐相探言,久病婦人終不痊。辰加午字床帳驚,人家寢室不安寧,上乘螣蛇蛇來侵,直保堂前有孕人。酉加午上婢登堂,匪人為正或偏房,命上螣蛇心血尫,不然惡夢生驚惶。酉加午字議婚姻,不然作伐做媒人。若見勾陳不可陳,畢竟纏綿事不成。
午が戌に加臨し、午・寅・戌の三字をもって三伝と為せば、婦人の癆瘵に患い血証に纏身せらるるを主とす。さらに西北方の火爐より探訪せば、久病の婦人終に全癒し難し。辰が午字に加臨せば、床帳の間の驚有るを主とし、この家人の寝室安寧を得ず。若し上面に「螣蛇」を乗ずれば、便ち蛇の来りて侵擾するなり、堂前に孕婦有ると断定すべし。酉が午上に加臨せば、婢女の堂に登り室に入るを主とし、出身正ならざる人の正妻あるいは偏房と作れるを主とす。若し本命上に「螣蛇」を見ば、心血の虧弱を主とし、さもなくば便ち悪夢を作りて驚慌を生ず。酉が午字に加臨せば、婚姻を商議するを主とし、さもなくば便ち人の作伐説媒する有り。如果「勾陳」を見れば、那便ち説くに従う無く、終に纏夾拖延して事不成なり。
議親須是問勾陳,不然立處尋其真,辰戍丑未事真誠,餘外及空事不成。天罡加卯上勾陳,上門尋斗有憂驚。不然患病及相論,部眾爭田畍不明。天罡將為部領看,主權出入事多端。天罡加臨虎斬關,欲去不◎上大下厶彼此難。傳有太陰主託人,太陰去處見其真,辰戍丑未有誠心,餘外徒勞不至誠。
婚を議するは必ず「勾陳」に問うを須う、然らざれば便ちその立つ処に就きて真相を尋求す。辰・戌・丑・未に落ちなば、その事真誠より出づ。其余各位に落ちあるいは空亡に落ちなば、事便ち成り得ず。「天罡」(辰)が卯に加臨し而上に「勾陳」を乗ずれば、人の門に上りて寻衅争闘する有るを主とし、人をして憂驚せしむ。然らざれば便ち患病あるいは彼此争論、あるいは部下衆人の田界を争奪して界限不明を主とす。「天罡」この将神は当に部隊統領と作して看るべし、権柄を執掌し出入の間事端多様を主とす。「天罡」が加臨して「白虎」斬関に遇えば、走らんと欲して走るを得ず(ここの処原本一字を缺き、ただ字形上「大」下「厶」と注明す)、彼此皆為難なり。三伝中に「太陰」有れば、人に托して事を辦するを主とす。便ち「太陰」の去る処に就きてその真情を看よ。辰・戌・丑・未に落ちなば、対方誠心有り。其余各位に落ちなば、便ち白く気力を費やして、並びて誠懇ならず。
太陰官負擬避差,傳無刑剋定和諧。太陰空亡明暗乘,官鬼空亡更不才。貴人加未莫相論,貴人執拗事難明,只宜隨順莫相爭,無罪無僣和且平。干用初傳見勾陳,用盡心機事不成,先立玄武后勾陳,欲成不成徒費心。玄武來加申子辰,天上地下一般陳。論訟取索幹事云,百般阻難事難成。
「太陰」は官事虧負を主とし、差役を躲避せんと打算す。三伝中若し刑克無ければ、事情一定に和諧して結了す。「太陰」空亡に落ちなば、則ちあるいは明あるいは暗に乗凌す。官鬼空亡に落ちなば、便ち更加不成器なり。「貴人」が未に加臨せば、人と争論すること勿れ。貴人性情執拗にして事情説き清め難し、ただ宜しくこれに順いて、争うこと勿れ。本より罪過無く、また僭越無ければ、自然平和無事なり。日干発用の初伝上に「勾陳」を見ば、縦い心机を用盡すとも、事情は辦し成り得ず。若し先に「玄武」を立てて後に「勾陳」を立てば、那は成らんと欲してまた成らず、白く一番の心力を費やす。「玄武」が申・子・辰に加臨せば、天盤地盤皆是一様の陳布なり。訴訟を論じ討索し干求辦事すれば、皆百般に受阻し、事情成り難し。
白虎原是遞牒人,末傳見者被人論,中傳互狀遞相申,初傳我卻訟他人。月厭天罡六甲辰,若加卯上鬼來尋,屋頭屋尾囂聲頻,三五年中命也傾。辰戍丑未卯上加,臺土當門事可嗟。空勾常貴更來捱,萬般阻閡不伸賒。
「白虎」は元より公文状紙を遞送する人なり。末伝上にこれを見れば、別人に告げらるるを主とす。中伝上に見れば、両造互いに状紙を遞して申訴するを主とす。初伝上に見れば、則ち我が往きて別人を告ぐるなり。「月厭」と「天罡」が六箇の甲辰の位に落ち、若し卯上に加臨せば、鬼祟の来り尋ぬる有るを主とす。屋前屋後に頻々として喧囂の声有り、三五年の内に性命をも連ねて傾覆せん。辰・戌・丑・未が卯上に加われば、台土正に門戸に当たりてその事叹くべしを主とす。さらに「天空」「勾陳」「太常」「貴人」の来りて挨湊する有れば、便ち万般の阻隔、寃屈久久にして申雪を得ず。
子加卯上天后臨,進一陰人退一人。若還生死氣交侵,一生一死歲中雲。墓神復日滯難通,四十九日身家蒙,占病氣逆食不進,夜裡惺惺日裡慵。墓神臨支宅不寧,只堪望信與行人,病人不死也昏迷,宅暗人衰事不清。
子が卯上に加臨し「天后」がこれに臨めば、一箇の女子の進み来り一人の退去するを主とす。如果また生気と死気と交相侵擾有れば、那便ち一生一死、皆この一年の中に応ずべし。墓神に遇上しまた復日に逢えば、事情滞塞して通じ難く、四十九天の内に自身と家宅皆昏蒙不利なり。病を占えば則ち気逆上沖して飲食進まず、夜裡清醒にして白天倦怠す。墓神が日支に臨めば、家宅安寧を得ず、ただ音信と門外に出づる人とを盼望するのみ。病人縦い死せざるもまた昏迷せん。宅気晦闇にして人丁衰敗し、事情理り清むること得ざるなり。
墓神忽來復命年,病人纏體定難痊,官方牢獄吏迍邅,出行萬里自回還。九個無頭課不知,丁癸亥辛乙未推。官員誥命祿難移,常人還◎事難為。初傳空亡虛事起,末若禎祥有終始。未傳空亡無結果,反將此事作虛說。
墓神忽然として本命行年の上に覆壓せば、病人纏綿床榻して、一定に全癒し難し。官府に在れば則ち牢獄吏事困頓して行い難し。出行万里も、また只好く自ら折返り来たるのみ。九箇の「無頭課」は看破し易からず、丁・癸・亥・辛・乙・未の幾位より推求を要す。做官の誥命俸禄は遷転し難く、平常人(ここの処原本一字を缺く)の諸事もまた作為有り難し。初伝空亡に落ちなば、起こる所の事はこれ虚なり。末伝若し禎祥を得ば、事情乃ち始有り終有り。末伝空亡に落ちなば、便ち結果無く、反ってこの事を把りて虚話と作して看るを要す。
空亡不可便為空,空中喜惡最難工,天上機巧宜變通,地下只言旬內空。遁時時裡見空亡,甲乙日辰戍亥祥,求謀百事不相當,畢竟無成徒自傷。天空加空少誠實,託人虛詐事難憑,老少憂疑莫掛心,災福旬中總不成。
空亡に落つるもまた一概に空と作す可からず。空中の吉凶喜悪最も拿捏し難し。天盤上は機変精巧にして、宜しく活霊変通すべく、地盤上は則ちただ本旬の内の空亡を論ず。占時を遁得し、時辰の裡にもまた空亡を見。甲日・乙日の日・辰が戌・亥に逢うを吉と為す。ただ百事を求謀するも皆相称せず、終に一事成らず、白く自ら傷つくのみ。「天空」さらに空亡を加えば、人少なく誠実。人に托して事を辦するは多く虚詐にして、憑信し難し。老老少少の憂愁疑慮皆心上に掛くるを必せず、この一旬の中災禍と福分総じて皆事を成さざるなり。
天空歲月破臨支,宅破人離門戶衰,天空加卯土埊隳,信牒雖來病者悲。天空加惡人造作,便以天空方位捉,他人造作非為惡,自家造作猶為虐。天空本是奏書神,常人官府事相侵,大官登對奏乞頻,小官求薦得相親。天空加巳灶口破,人口屯蒙多災禍,外家信息來相過,呪詛奴婢灶中坐。丙丁壬庚巳亥辰,天官天空共貴人,天頭地角名返吟,空貴須將反覆尋。
「天空」が歳破・月破を帯びて日支に臨めば、宅舎破敗・人口離散・門戸衰落を主とす。「天空」が卯に加臨せば、土地の崩毀を主とし、書信文牒の送り来る有るも、病人仍是れ可悲なり。「天空」が加臨して悪人の動土興造する有れば、便ち「天空」の所在の方位に按じて往きて捉拿せよ。別人の動土興造は、その悪なお軽し。自家の動土興造は、為害更に甚し。「天空」は本より奏章文書を掌る神なり。平常人占い得れば、官府の事の来りて相侵擾するを主とす。大官占い得れば、頻々として殿に登り奏対陳請するを主とす。小官占い得れば、人の挙薦を求めて親近を得るを主とす。「天空」が巳に加臨せば、竈口の破損を主とし、家中人口困頓蒙昧にして災禍多し。外家の音信の前に来りて相訪す。なお人の咒詛する有るを主とし、奴婢便ち竈中に坐す。丙・丁・壬・庚と巳・亥・辰のこの幾位の上、天官・「天空」連なりて「貴人」と同じく一処に処る。天は頭に在り地は角に在り、これを「返吟」と叫ぶ。空亡と貴人に遇上せば、便ち反復推尋を須う。
丙丁太乙作天空,利於進取功名通。常人口舌上門攻,求住求遷皆可容。壬癸太乙作貴人,先貴后空退有成。及求後貴先空神,舊事重興喜相尋。天傾西北水之源,地隔東南水府寬。占人進退不能前,貴空先後不虛傳。
丙日・丁日に課を占えば、「太乙」(巳位)の上に「天空」を乗ず、進取に利有り、功名の路通ずべし。平常人は則ち口舌是非の門に上りて来る有るも、ただ居住を問い遷移を問わばなお容れ得べし。壬日・癸日に課を占えば、「太乙」の位の上に「天乙貴人」を乗ず、これ先に貴を見て後に空に落ち、退守して反って能く成る有り。若し求むる所は後に貴人を見先に空亡に臨まば、那便ち旧事重新に興起し、喜讯接連して来たる。天は西北に傾き、那里は亥位の天門・衆水の源なり。地は東南に陥り、那里は巳位の地戸・水府の広寛なり。貴人の順逆と空亡の先後、各々その位有り。人事の進退を占えば、一時前行する能わず、貴人空に落ちて先後を分かつ、この話は虚伝に非ず。
五個陰干卯酉辰,病人服藥斗相爭,乙辛九丑又相併,不利陰人病日增。寅申寅上乘青龍,對神隔將禍難容,卯酉上有六合攻,人離財散見災凶。午子午上見螣蛇,陰陽離釤實堪嗟。官病相纏驚怪邪,蛇蟠灶下並庭奢。
乙・丁・己・辛・癸の五箇の陰干の日、三伝に卯・酉・辰を見ば、病人服薬効なく、反って争闘の事有り。乙日・辛日さらに「九丑」及び丑位と並び臨めば、女子に対し不利、病勢一天天に加重す。寅日・申日に占えば、寅上に「青竜」を乗じ、対冲の神・間隔の将と相攻して、災禍容れ難し。卯・酉の上に「六合」の来り攻むる有れば、人口離散・銭財耗散を主とし、凶災を見。午日・子日に占えば、午上に「螣蛇」を見ば、陰陽乖離分散して、実に叹くべし。官事と疾病と糾纏して清まらず、多く驚怪邪祟を見、蛇の竈下に盤りまた庭中に肆行するが如し。
巳亥巳上見元武,船車反覆水來苦。出入欲行多又阻,白浪翻天君記取。癸丑癸未日返吟,期約人來日下迎。酒食自來尋起人,餘外徒勞枉用心。贅婿亂首日同量,天網罡魁本命傷。四課三傳實則昌,重沖重破亦無妨。“實”字金氏硃筆改“空”字,似以硃筆寫“實”字於旁。
巳日・亥日に占えば、巳上に「玄武」を見ば、船の翻り車の覆る・水厄の苦を主とす。出入行走多く阻碍有り、正にこれ白浪の天を翻すの象、占者は記住を要す。癸丑日・癸未日に「返吟」課を得ば、約定の人当天便ち到り、門を出でて迎えんと要す。酒食自然に門に送り上げて人を找う、此の外の謀求は皆白く心机を費やす。「贅婿」課と「乱首」課は同様に看待を要す。「天網」および天罡(辰)・河魁(戌)の本命に加臨するは、皆人を傷つくべし。四課三伝若し充実を得ば、反って昌盛し、縦便重重に冲・重重に破するも妨げざるなり。按:「実」の字、金氏は朱筆を用いて「空」の字に改作し、また朱筆を用いて「実」の字を傍に写したるが如し。
古言贅婿不由己,見貴求財皆不遂。天官若更土神值,萬般違拗仍迍滯。天罡右目將課中有勝光左目將,外盜原來在眼前。任是大寇也獲全,占病纏身不久安。“外”原本作“及”。“天罡”旁註“右目將”,“勝光”旁註“左目將”。
古語に曰く、贅婿は身自ら由らず。この課を得ば貴人を見・銭財を求むるを主として皆順遂ならず。若し「天官」さらに土神に値えば、万般の事情皆違拗せられ、仍お迍邅停滞す。「天罡」(辰、旁注は「右目将」と称す)の課中にまた「勝光」(午、旁注は「左目将」と称す)を見ば、外来の盗賊元より便ち眼前に在り。縦是大盗も捕獲保全し得べし。ただ疾病を占えば則ち纏身して日久しく、安寧を得ず。按:「外」の字は原本「及」と作る。「天罡」は旁注「右目将」、「勝光」は旁注「左目将」。
三合之課是雜神,兩姓公婆及異親。幹事轉手要託人,不然帯眾事憂心。六甲日貴天門逢,斬關六合次青龍,中傳陰生陽位空,未傳沖破不相容。六壬六癸用天罡,鯨魚立澗好商量。否極泰來災自散,一日之憂不相忘。注云:一日之中換甲日,癸未救神他必忙。壬戌、癸未、癸丑、癸酉、癸亥,辰未戌。
「三合」の課は雑神に属し、両姓公婆・外姓親眷の其間に混雑するを主とす。事を辦するは手を転じて人に代辦せしむるを要し、然らざれば一群の人を帯びて事を作し、処処に憂心す。六甲日に占えば、貴人「天門」(亥)に相逢う。「斬関」課は先ず「六合」を取り次いで「青竜」を取る。中伝の陰神が陽位に生じて空亡に落ち、末伝また冲破に遭い、前後相容れず。六壬日・六癸日に「天罡」(辰)をもって発用せば、鯨魚の山澗に困えるが如く、なお従容として商量すべし。否極まりて泰来り、災禍自ら消散せん、ただ一日の内の憂慮は仍お忘るる能わず。注に曰く、一日の中に甲日に換わるを要し、癸未日は救神有り、那の救神は必定に奔忙す。所指の日辰は壬戌・癸未・癸丑・癸酉・癸亥、所臨の支は辰・未・戌なり。
六甲之日六合初,上逼下迫自相拘,風氣未順病未除,被人煎逼未伸舒。六癸午乘天后武,心血不寧事多阻,不肰堂上尊長苦,年命逢之心栩栩。三傳傳逆要更圖,自家進退不伸舒,公人退職官退居,進寸退尺不能無。三傳傳逆望行人,行人不日便相親,若逢天耳有信音,信到人來定其真。
六甲日に占えば、初伝に「六合」を得、上下彼此逼迫して自ら拘束し、風気順わず病症未だ除かず、人他人に煎迫せられ、伸展して開けず。六癸日に占えば、午上に「天后」あるいは「玄武」を乗ず、心血不寧・諸事多く阻るを主とす。不然すれば便ち堂上尊長の受苦、本命・行年遇えば、心中惴惴として安からず。三伝逆伝するは、凡事皆別に作りて図謀を要し、自家進退皆伸展して開けず。公事を辦するは退職し、做官するは退居し、一寸を進み一尺を退くの事免れず。三伝逆伝にして行人を占えば、行人は日ならずして便ち相見親近すべし。若し「天耳」の神に遇えば、便ち音信有り、信到り人到り、皆断じて真と為すべし。
命上見財及用財,日上見財財自排,不必青龍六合挨,傳財入空空手來。注云:日克命上將為命上見財,初傳克命上神為用財。欲知人出向何方,但看發用在何廂,東西南北細推詳,遠近地理算短長。元武天空主墮胎,死符死氣死神栽,勾陳驚滯不穩來,正時克干子不才。
本命の上に財を見、あるいは財神をもって発用と為し、日上にまた財を見ば、銭財自然に排闥して来たり、必ずしも「青竜」「六合」の来りて湊るを要せず。ただ三伝中の財若し空亡に落入せば、便ちただ空手にして帰るのみ。注に曰く、日干が本命上に乗ずる将を克するを、「命上見財」と叫ぶ。初伝が本命上神を克するを、「用財」と叫ぶ。人の外出いずれの方向へ朝まるかを知らんと知れば、ただ発用の神のいずれの廂方位に落ちるかを看、東西南北細かに推詳せば、遠近の地理便ち長短を算出すべし。「玄武」「天空」は堕胎を主とし、「死符」「死気」「死神」は禍根を種下す。「勾陳」は驚恐滞礙・胎気不穏を主とす。正時が日干を克せば、所生の子の成材せざるを主とす。
占胎占產有二分,月日未足尚胎云,或觸或病或胎驚,皆取天官驗始真。日月已足忽驚疑,支辰為母日干兒,卻須仔細問占時,剋辰傷母剋干兒。不要驚疑子郎生,六合臨支兒便真,不克辰時不克干,自然母子兩無慮。
胎を占うと産を占うとは分かちて二層と作して看るを要す。月份日子なお足らざるは、仍お「胎」と算し、その間あるいは冲撞到、あるいは疾病、あるいは胎気の受驚有り、皆「天官」の神を取りて験証するを要して、断じて乃ち准なり。月日已に足れど忽然として驚疑不定なれば、便ち支辰をもって母親に代表し日干をもって胎児に代表す。なお仔細に問明して所占の時辰を須う。支辰に克到るは母を傷り、日干に克到るは児を傷るなり。男を生ずるか女を生ずるかを驚疑するを必せず、「六合」が支上に臨めば、胎児便ち真実無虞なり。ただ支辰を克せず日干を克せざれば、自然母子両辺皆憂慮無し。
占產不要見三合,三合時日必蹉跎,兩姓外家生者多,不然過日胎平和。占產不要逆連珠,孩兒不順母傷軀,三傳傳順運有餘,吉神吉將少驚慮。孕母行年上見陽,生男必定有風光,陰將原來生女子,陰陽反復命難延。三朝四日不能生,但看十二支干辰,天目鬼來克母身,為禍為崇各區分。
分娩を占うは「三合」局を見るに宜しからず、三合を見れば則ち時日必定に蹉跎拖延し、多半は両姓の外家(娘家の類)に在りて生産す。不然すれば便ち預産の日子を過ぎたり、しかして胎気なお算も平和なり。分娩を占うもまた「逆連珠」(三伝逆行して相連なる)に宜しからず、逆連珠は胎位不順・母体受傷を主とす。三伝順行せば則ち気運余裕有り、さらに吉神吉将有れば、便ち驚憂少なし。孕母行年の上に陽将を見ば、男を生ずること必定に風光体面なり。陰将を見ば本より女を生ずるを主とす。若し陰陽往复交錯せば、母子の性命便ち久延し難し。三四天に到りてなお生まれ来らざれば、ただ十二支と日干の臨む所の辰を看よ。「天目」の鬼の来りて母親の身を克するは、禍を作するか祟を作するか(原文の「崇」はすなわち「祟」なり)、各自に分辨を要す。
午堂丑房卯酉門,天目鬼來相歩行,若更傳中有關神,看其等處作災迍。天目鬼與阿誰並,七寶灘中神勿論。祟禍求除即便生,免得爹孃憂與驚。天目臨他孕母年,未寅太陰不可兼,鬼胎鬼氣相加纏,必不成人見禍仇。勝光為女太沖兒,詳考古文方始知,懸胎伏吟並見機,遇月之時不用疑。
午は厅堂・丑は卧房・卯酉は門戸と為す。「天目」の鬼は便ちこの幾処に在りて來回行走す。三伝中若しさらに「関神」有れば、便ちそのいずれの一処に落ちるかを看、便ちいずれの一処に在りて災を作す。「天目」の鬼は誰と並び臨むか。「七宝灘」中の神煞は便ちさらに論ずるを必せず。人に求めてこの祟禍を禳除せば、胎便ち順利に生まれ下り、爹娘の担憂受驚を免れしむ。「天目」若し孕母の行年上に加臨し、未・寅の位また「太陰」を兼ねば、那便ち兼容すべからず。鬼胎鬼気交相纏繞して、胎児必定に養い成る人と得ず、反って禍患仇害を招く。「勝光」(午)は女を主とし「太衝」(卯)は男を主とす、古書を詳考して乃ち明白を要す。「懸胎」課と「伏吟」課と一併に出現するに遇上せば、正にこれ機を見るの時、若し已に臨月に到れば、便ち疑惑するを必せず。
子午卯酉入傳來,未入月者不可偕,若值凶神凶將排,更有天目隱其胎。久病人身怕斫輪,門外修車促去程,本命對沖曰飛魂,十個須教損九人。占事驛馬在三傳,事多不決主遷移,今日議定來朝遷,轆軸一煞少人言。黃衣使者入傳來,臨辰尤得信相催,三傳入墓天目偕,當時立至下馬臺。
子・午・卯・酉の四仲の神が三伝に進入し、若しなお臨月に到らざれば、胎と産とは便ち相合する能わず。さらに凶神凶将の其間に排布するに遇い、また「天目」の暗藏有れば、胎便ち事を出ださん。久病の人最も「斫輪」の象を見るを怕る——門外に車を修るは、正にこれ上路を催促す。本命が対冲に遇うを「飛魂」と叫ぶ、十箇の裡に九箇を損せん。事を占うに「駅馬」三伝に在れば、事情多半議して決せず、遷移有るを主とす。今天議定し、明早便ち遷す。ただ「轆軸」この一煞、説き到る人甚だ少し。「黄衣使者」(太常の類の土神)が三伝に進入し、支辰に加臨すれば尤も信の来りて相催する有るを主とす。三伝が墓に入りまた「天目」と同行せば、候う所の人当時立刻に到りて下馬台前に至る。
久病人身怕見馬,殺名拖尸當世下,貴人空亡更休話,後事須教準備也。天馬名為迯牒神,望人望信向門迎,三傳又逆更相親,此法雖微真更真。“誰備”者,備身後事,宜一切。若望人來問天空,天空臨辰在逡巡,若加卯上出門迎,信息須知在路程。
久しく病む人は最も「駅馬」に会うことを恐れる——この一の殺を「拖屍」と名づけ、当世において最も不吉である。さらに「貴人」が空亡に落ちれば、なおさら言うまでもなく、後事は必ず早めに備えなければならない。「天馬」はまた「逃牒神」といい、人を待ち信を待つ者は、ただ門口に出て迎えればよい。三伝がさらに逆伝すれば、なおさら相親み相近づく——この法は細微なれど、真にしてまた真なり。いわゆる「誰備」とは、身後の事を備えること、一切みな備え全うすべし。もし人の来るを待たば、「天空」に問え:天空が支辰に臨めば、人はまだ逡巡して動かず。卯の上に加われば、門を出でて迎えるべく、音信はすでに路の上にあると知るべし。
候舟直須問太沖,太沖六合有期程,申戌子涉三淵兮在水泮,卯加酉上多虛驚。須分左右尋貴人,貴人逆則右邊尋,貴人順則左邊覓,百章歌內最幽深。占人欲得問課名,《玉曆》名多一例推,斷課從來災福真,無令占者得知音。失鵝未可問河魁,但問小吉落何支,或在空亡左右推,或臨亥子必池塘。
舟船を待つは、直ちに「太衝」(卯)に問うべし。太衝と「六合」が相配すれば、行程に期限を定むべし。申・戌・子の三神が深淵に渉れば、人はまだ水辺に停まる。卯が酉の上に加われば、多くは虚驚の一場。「貴人」を尋るにはまた左右を分かつべし——貴人逆行なら右に求め、貴人順行なら左に尋る。これ《百章歌》の最も幽深の一層。占者が課の名目を問わば、《玉暦》に載せる課名は極めて多く、例に照らして類推すべし。課を断ずるは従来ただ災福の真偽を論ずるのみ、占問する人に先にその底細を探らせる必要なし。鵞鴨を失うたるは、「河魁」(戌)に問うに及ばず、ただ「小吉」(未)がどの支に落ちるかを問え。あるいは空亡の左右に推尋し、亥・子に臨まば、必ず池塘の裏に落ちたり。
使者行衙來按巡,來與不來問貴人,臨辰便到在邏巡,不來還是隔三辰。課中總還畏蒿矢,蒿矢有金血光起,三傳申酉地上是,公文吃棒應無理。彈射有丸傷痛楚,占命死人傷命苦,辰戍丑未四九所,此體死人知幾許。占病老人與小囝,逢此二課定逡巡,一彈一射俱不任,須知性命速歸陰。
官府の使者が巡行按察して、来るや来ざるやは、「貴人」に問うべし。貴人が支辰に臨めば、すなわち已に到りて、近処を巡查中なり。臨まざれば、まだ三つの辰の路程を隔つ。課中に最も恐るべきはなお「蒿矢」課——蒿矢は金気を帯び、血光を主とする。三伝が申・酉の地に落つればこれなり、公文下りて棍棒を食らい、理を講じても講じ通さず。「弾射」課は弾丸の傷・痛楚堪え難きを主とし、本命を占すれば人の死・性命の受苦を主とする。辰・戌・丑・未の四墓と四九の数のあるところ、かかる課体にして、死せし人は知らざるほど多し。老人と小児の病を占して、蒿矢・弾射の二課に遇えば、病勢は必ず拖延す。一弾一射も承受し難く、性命まもなく陰に帰ると知るべし。
斬關須是有金氣,虎陰申酉分明記,若是青龍逃者逝,無龍爭官多獲釁。三傳俱是日之財,丙丁從革做金栽,求財未逐先見乘,財多害己父母災。三傳俱是日干類,須防兄弟相連累,過房隨娘並義兒,有憂疑慮心下記。三傳俱是日之鬼,庚辛炎上功名遂,否極泰來更改至,大宜從官有祿位。
「斬関」課は必ず金気を帯ぶべし。「白虎」「太陰」が申・酉の位に落つれば、分明に記すべし。もし「青竜」が当値すれば、逃走の人は一往して返らず。青竜なくして争訟官事あらば、多くは罪釁を招く。三伝すべて日干の財爻にして、丙・丁日また「従革」金局を成さば、金財を火位に栽するに等し。財を求めて未だ手に至らず、先に人に乗奪され、財多くかえって己を害し、なお父母に災いを連累す。三伝すべて日干と同類の比劫なら、兄弟の間の牽連拖累を防ぐべし。他家に過継ぎ、母に随いて改嫁し、および義子の類の事、いずれも憂疑掛慮あり、心に記すべし。三伝すべて日干を剋する官鬼にして、庚・辛日また「炎上」火局を成さば、功名かえって成就す。否極まりて泰来り、境遇改換して、最も出仕して官となるに宜しく、俸禄職位を得享す。
三傳相續吉凶隨,一事未脫一事來,根苗不斷信不誣,舊事新來想不疏。虎視傳中與螣蛇,占病絕食事可嗟,不是喉中命參差,滿口生瘡火上炎。課名獨腳只虛驚,不宜占病問行人,占賊不來驚不寧,任是危除三日清。辰加子上後玄乘,此是占人宅破星,散家破宅人淫奔,夫婦乘離有異心。
三伝が首尾相続けば、吉凶も接続して来り、一事未だ了結せざるに、また一事到る。根苗断えず、この言確かに假ならず、旧事未だ去らず、新事また来り、想うに一点も疏ならず。「虎視」課中また「螣蛇」を見れば、病を占して絶食して進まざるを主とし、事歎ずべし。咽喉に毛病出づるか性命参差不斉なるか、あるいは満口に瘡を生じ火気上炎するか。課名を「独脚」というは、多くはただ虚驚のみ、病を占し行人を問うに用いるべからず。盗賊を占せば賊は来らず、ただ驚擾不寧のみ、危険あれども、三日の内にすなわち清浄ならん。辰が子の上に加わり、また「天后」「玄武」を乗ずれば、これ人の家宅の破敗を占う星象なり——家散じ宅破れ、人に淫奔の事あり、夫婦乖離して各々異心を懐く。
午加申上見虎陰,財散人離事鼎新。庚辛逢鬼在門庭,閃人避債面逢迎。辛日用巳上見蛇,助刑伐德更吁嗟。一人不喜眾人邪,求謀不順被人遮。一云:加庚上見螣蛇,是刑中火克金也。辛德在丙上。酉加丁上見三妻,內外紛紜無定時。求財有應三日期,須知玄妙轉幽微。
午が申の上に加わり、また「白虎」「太陰」を見れば、銭財の耗散・人口の離析を主とし、事は別に炉竈を起さんとす。庚・辛日に官鬼が門庭に守るに遇えば、人に躲れ債に避け、迎面相逢うの窘境あり。辛日に巳を以て発用し、巳上に「螣蛇」を見るは、刑剋を助長し日德を傷伐するなり、いよいよ歎ずべし。一人悦ばざれば、衆人随いて邪を生じ、謀求の事順わず、処々人に遮攔せらる。別の一説:巳が庚の上に加わりて螣蛇を見るは、刑の中にまた火の金を剋するあり。辛の天德は丙位に在り。酉が丁の上に加わり、「三妻」の象を見れば、家の内外紛紜として定まらず。財を求むれば応験あり、三日を期とす。その中の玄妙は徐々に体昧すべく、推すほどに微なり。
行年本命破為禍,合用合動轉相拘。欲為不為百事虛,自身疑惑無定意。初傳巳破便無成,中傳中輟事相凌。事欲成就卻虛陳,末傳見破太的真。戌亥加支為朱雀,宅中斛斗堆垛腳。常龍戌亥更的確,典質豐隆滿架閣。寅未子巳作三傳,毋令卯酉作行年。夫婦分飛起盡間,男女行年被掠傷。
行年・本命が「破」に遇えばすなわち禍患を成す。本と会合して発用し会合して動くべきが、かえって彼此拘絆す。為さんと欲して為し得ず、百事落空し、自心疑いて、主意を定めず。初伝已に破を帯ぶれば、事は一開頭にして成らず。中伝に破を帯ぶれば、事は中途に至りて停輟し、彼此相凌ぐ。眼の前に成らんとすれど、これ虚設の一場——末伝に破を見る、この一条最もの当なり。戌・亥が支に加わりまた「朱雀」を乗ずれば、宅中に斛斗の量器が牆脚に堆積することを主とす。「太常」「青竜」が戌・亥に落つればいよいよ准く、典当質押の物豊厚にして、架閣に堆満することを主とす。寅・未・子・巳を三伝と作さば、卯・酉を更に行年と作さしむることなかれ。夫婦分飛離散せんとするは、正にその間に起り、男女の行年みな侵掠の傷を被らん。
功曹作虎在門前,貓兒當門惹禍端。螣蛇驚怪朱雀喧,若克干神被人牽。天狗逆行四行神,破刑發害虎勾侵。加人本命火來驚,加宅左右對門尋。天馬來臨門占宅,他人書信多不測。吉吉凶凶神將推,死氣物類與分劈。墓神死氣帶刑沖,加宅內外不安凶。更兼四廢又來逢,毀拆遷居卻可容。
「功曹」(寅)上に「白虎」を乗ずれば、虎が門前に守るがごとく、また猫児が門に当たるがごとく、最も禍を惹き易し。さらに「螣蛇」の驚怪を主とし「朱雀」の喧鬧を主とするあり、彼ら若し日干の神に剋到せば、人は牽連せられん。「天狗」逆行して四方の神を経過し、破・刑とともに発して害を為し、「白虎」「勾陳」隨いて侵擾す。人の本命に加臨すれば、火驚あることを主とす。住宅に加臨すれば、左右の隣居と対門に到りて尋るべし。「天馬」門戸に来臨して宅を占せば、多くは他人の書信の到来を主とし、事意外に出づ。吉なるか凶なるかは、神将に按じて推斷すべく、死気に属するはまた物類に按じて分辯すべし。墓神・死気さらに刑衝を帯びて宅の上に加われば、内外みな安寧ならず。さらに「四廃」の日に逢えば、すなわちただ拆毀遷居するのみ、かえってなお容身し得べし。
太歲並馬作貴人,或同天月德加臨。鄰居左右及對門,必是曾迎大貴人。寅年正月潤下日,巳年四月曲直日,申年七月炎上日,亥年十月從革日。白虎乘墓及加支,其宅必定有伏尸。或在鄰舍對門推,主禍頻頻被鬼欺。甲子旬,辛未返吟。甲戌旬,乙亥干上子;甲申旬,乙酉返吟。甲午旬,己未伏吟。甲辰旬,辛亥干上子。甲寅旬,辛酉干上寅。按,白虎二句即“支乘墓虎有伏尸”也。
「太歳」と「駅馬」が並び臨みて上に「貴人」を乗じ、あるいは「天德」「月徳」と同時に加臨すれば、すなわち左右の隣居と対門の人家、必ずかつて大貴人を迎接したることあらん。寅年正月に潤下(水局)の日を見、巳年四月に曲直(木局)の日を見、申年七月に炎上(火局)の日を見、亥年十月に従革(金局)の日を見るは、みなこの例に属す。「白虎」が墓神を乗じまた支の上に加臨すれば、その宅子の中に必ず伏尸あらん。あるいは隣舍・対門より推尋して、禍事頻頻にして鬼に欺かるることを主とす。指すところの日は:甲子旬中の辛未日は返吟。甲戌旬中の乙亥日は干上に子を見る。甲申旬中の乙酉日は返吟。甲午旬中の己未日は伏吟。甲辰旬中の辛亥日は干上に子を見る。甲寅旬中の辛酉日は干上に寅を見る。按語にいう、白虎のこの二句は、すなわち「支に墓虎を乗ずれば伏尸あり」の義なり。
天地二醫居宅傍,左右鄰居有藥房。天空狼藉糞堆牆,酒店小吉為龍常。天地二火與月厭,蛇朱狼藉有災變。若更加辰宜須辨,定知一夕火光現。注云:克宅天火之煞,甲首前四,卦內相逢,天燭同意,甲子旬在辰。辰戌丑未為籬院,天空空亡須損陷。更加寅卯不堪為,籬穿壁倒無邊畔。
「天医」「地医」の二神が宅の旁に居れば、左右の隣居にすなわち薬鋪あることを主とす。「天空」の臨むところ狼藉不潔にして、糞堆が牆に倚るなり。「小吉」(未)上に「青竜」「太常」を乗ずれば、近旁に酒店あらん。「天火」「地火」の二神が「月厭」と同じく現れ、「螣蛇」「朱雀」またその間に狼藉すれば、すなわち火災の変あらん。若しさらに支辰に加えば、なおさら分辯を要し、ある一夜必ず火光出現せんと断ずべし。注にいう:宅を剋する天火の殺は、本旬の甲首より前に第四位を数うるに、卦中相逢えばこれなり。「天烛」と同一の義、甲子旬の天火は辰に在り。辰・戌・丑・未の四墓は籬笆院牆と為り、「天空」と空亡これに臨まば、籬牆必ず損壊塌陷あらん。さらに寅・卯を加えば、いよいよ様子を成さず、籬笆穿ち牆壁倒れて、辺界というべきなし。
甲子乙亥土神行,籬穿壁倒枉支撐。更逢白虎轉猩獰,男虛女血兒肚膨。天魁月厭並天鬼,上乘蛇虎加宅地。或在卯酉門初位,宅凶難住迷遷徒。天鬼,春酉、夏午、秋卯、冬子。天鼠加支並月厭,蛇虎相乘子又見。老鼠白日驚怪見,虛耗錢財官病占。天鼠,正月在子,逆行十二支。
甲子日・乙亥日に土神当行して、籬穿ち壁倒れ、空しく支撑するも用なし。さらに「白虎」に遇えば、情状いよいよ猙獰にして、男子の虚損・女子の血症・小児の肚腹脹満を主とす。「天魁」(戌)・「月厭」と「天鬼」が並び臨み、上にまた「螣蛇」「白虎」を乗じて宅地に加わり、あるいは卯・酉門戸の初位に落つれば、宅子兇險にして住み難く、ただ茫然として遷り去るほかなし。天鬼のあるところ:春は酉に、夏は午に、秋は卯に、冬は子に在り。「天鼠」が支に加臨しまた「月厭」と同処し、「螣蛇」「白虎」相乗じ、さらに子位を見れば、老鼠が白日に出でて驚怪し、銭財虚耗し、病・官事を占うにいずれも利あらざるを主とす。天鼠のあるところ:正月は子に在り、此の後十二支を逆行す。
月厭六月來居巳,天鬼其時加午地。加宅鄰里邪鬼魅,童子師孃為禍祟。辰加午上螣蛇誇,更兼六合又相加。床蓆下面有毒蛇,若剋日干命輸它。“輸”,金氏旁改“乞”。劫煞臨命大凶神,亥卯未傳申生人。潤下巳主從革寅,炎上亥生不妄陳。
六月の「月厭」が巳位に落ち、「天鬼」この時午地に加わる。宅に加臨すれば、則ち隣里の間に邪鬼魅祟あり、童子・師娘(巫覡の流)が作祟して禍を為す。辰が午の上に加わり、「螣蛇」勢を得て張揚し、さらに「六合」相并すれば、牀席の下に毒蛇の藏まることを主とす。それ若し日干に剋到せば、性命はそれに輸せん。按:「輸」の字を金氏は旁に「乞」と改作す。「劫殺」本命に臨むは、大兇の神なり——亥卯未木局の劫殺は申に在り、この局に属する生の人これに当たる。潤下(申子辰)水局の劫殺は巳に在り、従革(巳酉丑)金局の劫殺は寅に在り、炎上(寅午戌)火局の劫殺は亥に在り。これ皆、口を随いて乱説するにあらず。
吉凶期應日逐挨,凶會吉會共推排。今明有酒今朝醉,明日當醒明日來。辰加亥上乙亥日,婦人久病命難存。庚辰日死極端的,十個九個無改易。子加卯上是相刑,天后乘之妻女奢。更須求取天后陰,卯日之下雨霖霖。支破為陰憂中喜,公人有釁對案起。除此不須別指擬,端的如神而已矣。
吉凶の応期は日に按じて一日一日挨次に推すべく、兇の会合と吉の会合を一幷に排比す。今天明天ともに酒あり、今朝まず酔わん。明日は醒むべし、事は明日また来らん。辰が亥の上に加わりて乙亥日に逢えば、婦人久しく病みて性命保ち難し。庚辰日に至りて死するは最もの当、十個に九個改まらず。子が卯の上に加わるは子卯相刑なり、「天后」これに乗ずれば、妻女の奢縦を主とす。さらにまた「天后」の陰神を看るべく、卯日の下すなわち霖霖の大雨あらん。支上に破を帯びて陰に属するは、憂の中に喜あり。公事を辦ずる人に過失嫌隙あれば、対簿公堂に至りて起らん。此の外、別に猜測を作すに及ばず、実実在在として神のごとく験あるのみ。
甲辰旬中卯酉卯,甲戌旬中亦天耗。三傳空盡無凶撓,二八月中大小耗。權衡配偶龜蛇星,巳來加子降天神。子若加巳蛇龜休,陰陽不備事難成。申加巳上號玄胎,六合內戰子孫災。占事遲疑便未諧,期約兒孫指日來。占產天罡所加時,其時便是子生時。未產將為生日期,遠近推量決不移。
甲辰旬中の卯・酉・卯の位、甲戌旬中も同じく「天耗」のあるところ。若し三伝全て空亡に落ちれば、かえって兇險の攪擾なし。二月・八月に至れば、すなわち「大耗」「小耗」を論ずべし。婚姻配偶を権衡するは、亀(玄武)・蛇(螣蛇)の二星を看るべし。巳が子の上に加わるは、天神下降して吉と為す。子若し巳の上に加わらば、蛇亀の気すなわち休廃し、陰陽相配備せず、事成り難し。申が巳の上に加わるは、名づけて「玄胎」という、「六合」その中に内戦して、子孫に災あることを主とす。事を占せば遅疑不決、一時に諧い難し。児孫の相会を約するに至りては、かえって日を指して待つべし。分娩を占うは、「天罡」(辰)の加臨する時辰を看れば、その時辰すなわち孩子出生の時なり。未だ生産せざるは、則ちこれに拠りて生産の日と推し、遠近推量して、決して移易せず。
何知人家產欲分,天喜為用立當門。青龍元武在逡巡,六合見子慶佳辰。乙亥占來未加乙,太與婦人不相益。新舊病死良辰日,占訟忽然枷鎖逼。小兒有病告淹延,生死二氣俱入傳。命上逢生死在傳,至今危困也須安。三傳無順事纏綿,進退疑惑自遷延。若卜行人會時間,進傳帶忌有根蟠。
どうして人の家の産業の分かれんとするを知らんや。「天喜」発用して正に門戸の位に立てばこれなり。「青竜」「玄武」なお逡巡として未定、「六合」上に子を見れば、則ち喜慶の好日なり。乙亥日に占し、未が乙の上に加われば、婦人に極めて不利。新病旧病みなこの日の上に死を応じ、訟事を占せば忽然として枷鎖身に逼る。小児病ありて纏綿拖延し、若し「生気」「死気」の二気ともに三伝に進入せば。ただ本命の上に生気に逢い、死気が伝中に落つれば、縦使い眼下危困すとも、終究にも転安を得べし。三伝順ならざれば、事すなわち纏綿せず。進退疑惑して、自然拖延す。若し行人相会の時間を卜せば、進伝して忌神を帯ぶるは、事別に根由の盤結あり。
日上發用內事論,日陰彼我事推論。辰上動時占別人,陰主小口宅災迍。第四辰陰有刑戰,定須小口生災譴。旺相向去自平和,常占否泰依公斷。辰陰空亡及天空,多因虛詭誑相籠。占人久病有災凶,欺罔神明心不公。午酉遞加乘勾陳,宅中難產女人驚。天空奴婢相欺凌,此類丙寅日死人。
日上より発用するは、自家内部の事を論ず。日の陰神は、則ち彼我双方の事を推す。支辰上に発動するは、别人を占うなり。辰の陰神は家の中小口(幼小の者)と宅中の災禍を主とす。第四課(辰陰)若し刑剋交戦あらば、家の中小口必ず災殃を生ぜん。若し旺相の気を得て前行を続けば、自然平和なり。平常に否泰吉凶を占うも、また此の公断に照らす。辰の陰神が空亡に落ち、あるいは「天空」に臨まば、多くは虚詐誑騙・彼此籠絡を因とす。人の久病を占せば則ち災兇あり、起因は神明を欺瞞し居心公ならざるなり。午と酉が遞々に加臨して「勾陳」を乗ずれば、家の中に難産・女人の受驚を主とす。「天空」当値なら奴婢互いに欺凌し、この一類の課は丙寅日に人の死に応ず。
凡欲幹事忌破神,干神沖破內人侵。支破卻被外人撐,太歲月建官事雲。經年累月事須詳,太歲相加數數將,一年隔歲次第張,不然患病與官妨。月建相加數幾月,亦如太歲一般說。若遇解神當解結,縱滯難通也喜悅。白虎加宅乘生氣,婦人有患或產至。兼帶血支並血忌,不久生產君須記。
およそ事を辦せんとするは、最も「破」神を忌む。日干上の神が衝破せらるるは、家裏の人の来り侵擾するなり。支上に破を被るは、則ち外人に撑持擠兌せらるるなり。若し破が太歳・月建の上に落ちれば、すなわち官府の事なり。年を経月を累ねる事は細詳を要す:太歳相加われば、則ち一年一年数え下し、一年隔てて一件に応じ、依次に鋪開す。然らざれば則ち患病するか、あるいは官事と相妨ぐなり。月建相加われば、則ち第幾個月に数え、太歳の算法と同じ。若し「解神」に遇えば、自ら当に糾結を解くべく、縱使い滞塞通じ難しとも、最終に転じて喜悅と為る。「白虎」宅に加臨しまた「生気」を乗ずれば、婦人の病あるか、あるいは臨産将に至らんとすることを主とす。さらに「血支」「血忌」の二殺を兼帯せば、久しからずして分娩せん、占者記すべし。
上件神煞帶墓神,必須生產後災迍。本命行年死類並,因此災迍主死人。仲年仲月仲時辰,何堪月厭又相併。占人目前有禍迍,急令它去免牽人。官員遷轉問何神,須求日祿在傳並。若傳支馬大分明,有馬無祿卻難成。六癸六戊日返吟,官旺三奇有祿神。何堪傳又入三刑,四十五日荷聖恩。
上面の説くところの神殺が若しさらに墓神を帯ぶれば、産後必ずなお災禍あらん。若し本命・行年また死気の類と並び臨まば、この場の災禍は人を死せしめん。子午卯酉の仲年・仲月・仲時、どこでなお「月厭」のまた来り相并するに禁えられんや。占者眼前にすなわち禍事あり、急ぎ設法してそれを去らしめ、別人を牽累せざらんことを要す。官員の昇遷調轉はどの神に問わん。須く日干の禄神を求めて並び三伝に入らしむべし。若し三伝中の支上に「駅馬」を帯ぶれば、すなわちいよいよ分明なり。ただ駅馬有りて禄神なきは、事なお成り難し。六癸日・六戊日に「返吟」課を得、官星旺相・三奇斉備・また福神あらん。さらに三伝が三刑に落つれば、四十五日の内に天恩に蒙ること能し。
六甲六庚也三刑,有祿備馬備官星。比如戊癸有艱辛,支干俱破乃申寅。庚辰之日午加庚,寂寂落空莫問官。便是重權必失權,天罡加子法難覓。“罡”,金氏旁註“魁”字。天后初傳忌四季,白虎為陰多不意。不出季中妻身廢,此法切於心上記。
六甲日・六庚日も同じく三刑を帯び、禄神・駅馬・官星俱全せば、また昇遷を主とす。ただ戊・癸日に比すれば、中間にやや艱辛多し——支干ともに衝破せられ、正に申と寅と相衝するが故なり。庚辰日に占し、午が庚の上に加わり、冷冷清清として空亡に落つれば、官職を問うに及ばず。たとい重権を手握すとも、必ず権を失わん。「天罡」子の上に加わるは、この法なおさら出路を尋ね難し。按:「罡」の字を金氏は旁に「魁」の字と注作す。「天后」初伝に在りては、最も辰・戌・丑・未の四季の位に落つるを忌む。「白虎」また陰神と作れば、多くは意外の変あり。この一季を出でざるに、妻子の身すなわち廃損せん——この一条、切实に心に記すべし。
吉星卻入空亡內,凶星又來支干寄。宅廢人災多不意,若占凶事反平易。末句即“已災凶禍反無虞。”之意也。太沖無令入酉申,床凳腳損不堪憑。令人腳痛及胃疼,修換堅牢病自平。金氏旁改“修換為有救。”癖改為病。
吉星かえって空亡の中に落ち進み、兇星また支上・干上に寄せば、宅第の荒廃・人の災殃を主とし、多くは人の意表に出づ。但し用いて兇險の事を占せば、かえって平順容易なり。末の一句はすなわち「已に有る災兇禍事はかえって憂なし」の義なり。「太衝」(卯)若し令を得ずして酉・申の位に進入せば、牀凳の腿脚の損壊して靠み難きを主とす。人をして脚痛かつ胃痛せしめ、これを修め換えて牢ならしめば、病おのずか平復す。按:金氏は旁に「修換」を「有救」と改作し、また「癖」を「病」と改作す。
天空加卯望人來,戌為人力更和諧。若帶天喜吉頻諧,定須報喜得開懷。天空臨支或空亡,或在對門左右居。更帶四廢無吉祥,屋倒門摧欲廢將。注云:四廢,春庚辛,夏壬癸,秋甲乙,冬丙丁。死氣入傳莫占病,忽然生氣來加命。臨危不死只重症,得入空亡凶更定。
「天空」が卯の上に加わりて人の到来を盼ぐは、戌位は人力の幇手あることを主とし、さらに和諧順当なり。若しさらに「天喜」を帯ぶれば、吉事頻頻に相合し、必ず喜びを報ずる消息ありて、人をして開懐せしめん。「天空」が支に臨みあるいは空亡に落ち、あるいは対門・左右の隣家に落ち、さらに「四廃」を帯ぶれば、すなわち毫も吉祥というべきなく、屋は倒れんとし門は摧れんとして、眼の前に荒廃せんとす。注にいう:四廃の日は、春は庚辛、夏は壬癸、秋は甲乙、冬は丙丁。「死気」が三伝に進入せば病を占するなかれ。若し忽然として「生気」の来りて本命に加臨するあらば、則ち危に臨むとも死に至らず、ただ重症のみ。但し生気若し空亡に落入せば、兇象すなわち定局と成る。
未加卯上曲直名,東司壁破見人身。老婦久病病難醒,乙日更乘官事頻。元武來加入浴盆,豐都使者號追魂,病人十日內須傾,出入須防溺水驚。反官驛馬祿青龍,武職太常白虎通,文龍武虎皆不從,官星不旺也難容。貧道新添一百章,未必全為珠玉藏。若有後人情斯者,洞澈天機理妙長。
未が卯の上に加わり、「曲直」木局の名を成せば、東辺の廁所の牆壁破損して人の身を見るを主とす。老婦久しく病み、昏沈として醒め難し。若し乙日に在らば、官司の事なお頻頻として来らん。「玄武」来臨して浴盆の位に加入るは、すなわち豊都の使者、号を「追魂」という——病人十日の内に必ず傾覆し、出入の間なお溺水の驚を防ぐべし。反って官職を看れば:駅馬・禄神・「青竜」は文官を主とし、「太常」「白虎」は武職に通ず。文に竜を見ず武に虎を見ず、両々相従わず、官星の旺ならざるを加えれば、また容身して位を得難し。貧道新たに添えたる此の百章歌訣、未だ必ずしも皆珠玉の蔵ならず。若し後人此に鍾情するあらば、自ずから天機を洞徹し、その中の義理精妙悠長ならん。
九万百章歌 終
天空之陰作元武,盜賊入家相陵侮。天后之陰是白虎,月中絃斷應難補。三傳年命及正時,若逢驛馬莫推移。生月後四胎空推,臍帶纏頭不用疑。六戊六癸日伏吟,官旺三奇有福神。何堪傳又入三刑,四十五日荷天恩。
「天空」の陰神が「玄武」と作り落ちれば、盗賊家に進みて欺凌侮辱することを主とす。「天后」の陰神が「白虎」と作り落ちれば、月の中旬に至りて弦断するがごとく、応験の後は修補し難し。三伝・年命および正時の中に、若し「駅馬」に遇えば、事すなわち再び遅疑推移するに及ばず。懐胎の月より後に第四位を数えて胎神と為し、若し空亡に落ちれば、臍帯頸に繞くの類の事、疑うに及ばず。六戊日・六癸日に「伏吟」課を得、官星旺相・三奇斉備・また福神あらん。さらに三伝が三刑に落入すれば、四十五日の内にすなわち天恩に蒙る。
天空加卯地土蕪,積穢不潔或當途。不能逐日香火疏,阻隔人財久不居。四絕又並馬入墓,喜中生災,人無路。不問四墓覆四生,病痊再發訟復興。仇人和了又重嗔,畢竟墓退生復生。前二句原本連此章貫下之,金氏以硃筆畫斷,餘細玩文義,實不相貫,故從前缺文例另錄之。
「天空」が卯の上に加われば、地土荒蕪し、汚穢積聚して潔ならず、あるいは正に路口に当たる。每日焚香洒掃すること能わざれば、人口銭財阻隔せられ、久しく住することを得ず。「四絶」の神また駅馬と並び臨みて墓に入るは、喜の中に災を生じ、人は路窮まりて投ずるところなし。四墓が四生の位を覆圧するは問うに及ばず:病は好きてまた犯し、官司了結してまた新たに興り、仇人和解してまた再び怒る。畢竟墓気一退すれば、生気また生じ出づるなり。按:前の二句はもとこの章に連なり貫き下るもの、金氏朱筆を以て画断せり。我細かに文義を玩味するに、実に相連貫せず、故に前の「缺文」の体例に依りて別行に録出す。
二十宮神 六壬所属
子,神后天后,屬齊,女虛危三宿。丑,大吉天乙,屬吳,斗牛二宿。寅,功曹青龍,屬越,尾箕二宿。卯,太沖六合,屬宋,氐房心三宿。辰,天罡勾陳,屬鄭,角亢。巳,太乙螣蛇,屬楚,翼軫二宿。
子の位は、月将の名は「神后」、天将は「天后」、分野は斉国に属し、女・虚・危の三宿に対応す。丑の位は、月将の名は「大吉」、天将は「天乙貴人」、分野は呉国に属し、斗・牛の二宿に対応す。寅の位は、月将の名は「功曹」、天将は「青竜」、分野は越国に属し、尾・箕の二宿に対応す。卯の位は、月将の名は「太衝」、天将は「六合」、分野は宋国に属し、氐・房・心の三宿に対応す。辰の位は、月将の名は「天罡」、天将は「勾陳」、分野は鄭国に属し、角・亢の二宿に対応す。巳の位は、月将の名は「太乙」、天将は「螣蛇」、分野は楚国に属し、翼・軫の二宿に対応す。
午,勝光朱雀,屬周,柳星張三。未,小吉太常,屬秦,蟛鬼二宿。申,傳送白虎,屬晉,觜參二宿。酉,從魁太陰,屬趙,胃昴畢三宿。戍,河魁天空,屬燕,硅婁二宿。亥,登明元武,屬魯,室壁二宿。六壬鬼撮腳卷之八九萬百章歌終。此卷起,總括玉田歌止,共五卷,與前之旬中神煞一卷,俱隱所無。有此者宜敬寶而秘之。春園又記。
午の位は、月将の名は「勝光」、天将は「朱雀」、分野は周に属し、柳・星・張の三宿に対応す。未の位は、月将の名は「小吉」、天将は「太常」、分野は秦国に属し、井(原文「蟛」と作る)・鬼の二宿に対応す。申の位は、月将の名は「伝送」、天将は「白虎」、分野は晋国に属し、觜・参の二宿に対応す。酉の位は、月将の名は「従魁」、天将は「太陰」、分野は趙国に属し、胃・昴・畢の三宿に対応す。戌の位は、月将の名は「河魁」、天将は「天空」、分野は燕国に属し、奎(原文「硅」と作る)・婁の二宿に対応す。亥の位は、月将の名は「登明」、天将は「玄武」、分野は魯国に属し、室・壁の二宿に対応す。以上《六壬鬼撮脚》巻之八、《九万百章歌》ここに終る。この巻より《玉田歌》を総括するに至るまで、一共に五巻、前の《旬中神殺》一巻を連ねて、みな別処に隠没して伝なし。幸いに得る者は、当に恭敬して珍蔵し、秘して人に示さざるべし。春園また記す。
六壬穿楊百章歌 巻之九
朱雀來臨旺相中,行年月建命相逢,驛馬加臨日辰用,高名先在薦書中。占解試,須得朱雀乘旺相氣,更加年命月建,又傳驛馬加日辰。朱雀加臨旺相中,上下相生不落空,更乘有氣吉神助,高名科甲喜重重。太歲為吉將剋日辰,年值天乙,定得官也。
「朱雀」は文書消息を主とす。それ来臨して旺相の気を乗じ、また行年・月建・本命と相逢い、「駅馬」さらに日辰に加臨して発用せば、則ち高名は早く已に薦挙の名册の中に写さる。解試(郷試の類)を占うは、必ず朱雀が旺相の気を乗じ、さらに年命・月建を加え、幷びて三伝中に駅馬の日辰に加わることを要す。朱雀加臨して旺相の中に居り、上下相生してまた空亡に落ちず、さらに気ある吉神の相助を乗ずれば、高名科甲、喜事重々なり。太歳が吉将と為りて日辰を剋し、本年また「天乙貴人」に値すれば、必ず官を得ん。
歲為將剋日辰年,更為傳用是占官,若逢天乙臨生旺,日辰蛇虎卻徒然。求財須是責青龍,龍喪身時定是凶,入水求之百倍豐,若還出水也成空。在未,入墓喪身;在雀午乘龍,亦謂喪身求財無氣。在亥謂之入水,利多,在子謂之出水,則利少。
太歳が天将と為りて日・辰・行年を剋し、また三伝の発用と成るは、これ官職を占う格局なり。若しさらに「天乙貴人」が生旺の地に臨むに逢えば、則ち日辰上に縦使い「螣蛇」「白虎」あるも妨なし。財を求むるは必ず「青竜」に責成すべし——青竜の身を喪う時は必ず兇を為す。青竜「入水」して求めば、獲利百倍。若し「出水」なら、落空せん。青竜が未に在るは、墓に入りて身を喪うなり。午(朱雀の位)に在りて竜を乗ずるも、また身を喪うと曰い、財を求むに気なし。亥に在るを入水と曰い、利を得ること多し。子に在るを出水と曰い、利を得ること少なし。
日時之上要財臨,莫犯空亡亡劫神,貴人龍雀乘干克,二馬帶貴須速尋。初末傳有氣,怕犯空,貴人等乘日,復見克為財。貴人等帶二馬,乘財者,隔州路出外之財。年財臨歲月主纏,龍蛇營運及妝奩,玄僧虎孝屠公吏,省眷勾合斗田園。玄僧道之財,虎孝家、公吏、屠 。
日上・時上に財神の位に臨むを要し、空亡と「亡神」「劫殺」を犯すこと可ならず。「貴人」「青竜」「朱雀」が日干の上に乗じて剋を受くるは、すなわち財なり。さらに天馬・駅馬の二馬が貴人を帯ぶれば、すなわち急ぎて尋ね行くべし。初伝・末伝に気有るを要し、最も空亡を犯すを怕る。貴人ら日上に乗じ、また剋を受くるを見るは、すなわち財なり。貴人らが二馬を帯びて財に乗ずるは、州を隔て路を越え、外に出でて得る財なり。流年の財が太歳・月建に臨むは、糾纏して断えざるを主とす。「青竜」「螣蛇」は経営運転と嫁粧奩具を主とす。「玄武」は僧道の財を主とし、「白虎」は孝家の財、また屠戸・公吏の財を主とす。「太常」は親眷を省視するを主とし、「勾陳」「六合」は田園を争闘するを主とす。いわゆる玄武は僧道の財、白虎は孝家・公吏・屠戸の財なり。
後陰婦女與金銀,太常衣服貸親人,天空爭奪最不仁,貴人尊長賜時新。財帶陰后,是婦人金銀釵釧之財;太常是借貸衣服之財。天空是爭奪之財,貴人是尊長賜與之財。青龍受克利難圖,龍克歲君利有餘,財加生旺意自用,用起空亡才自除。
「天后」「太陰」は婦女と金銀首飾の財を主とし、「太常」は衣服と親友に借貸する財を主とし、「天空」は強奪不仁の財を主とし、「貴人」は尊長の賞賜する時新の物を主とす。財爻が太陰・天后を帯ぶれば、則ち婦人の金銀釵釧の財なり。太常を帯ぶれば、借貸衣物の財なり。天空を帯ぶれば、争奪して来る財なり。貴人を帯ぶれば、尊長の賜与する財なり。「青竜」剋を受くれば、利益は図り難し。青竜かえって太歳を剋すれば、獲利すなわち余りあり。財爻が生旺の地に加われば、心に随いて取用せん。若し発用が空亡に落入せば、財もまた自ら除去せん。
卯占早近卯陽臨,陰局須遲遠處音。二月中氣分離事,酉居八月反茲尋。卯居陽局,主早信,陽朝信也。卯曰門,卯臨陰局,主晚信並遲。在春分時占得,主分離信。酉臨陽局,主暗遠信並遲信,臨陰局,主早近明信。在秋分占,主分離信。
卯を以て占問するに、卯が陽局に臨めば、音信の来る早く来処近きを主とす。陰局に臨まば、則ち消息遅緩にして遠方より来る。二月春分の中気に占得すれば、離別の事を主とす。酉は八月に在り、反って此に照らして推尋す。卯が陽局に居るは、早く音信を得るを主とし、清早の信なり。卯また門戸と曰い、卯が陰局に臨めば、信の来る晩くかつ遅きを主とす。春分の時に占得すれば、離別の音信を主とす。酉が陽局に臨めば、暗昧遙遠の遅到する信を主とす。陰局に臨めば、また早くかつ近き明白の音信を主とす。秋分に占得すれば、離別の音信を主とす。
欲知丹詔發京華,傳內歲君月將查,天馬一處並交加,此為天子信無差。虎馬卻來厭煞乘,傳中不與水神並,相旺更沒空亡煞,殿頭內職信分明。殿班內職,走馬信至也。遠信月將加正時,日上神陰是信期,信建臨官並帝旺,方神無氣信方歸。日上神陰,是信神。信神帶官旺即來,囚死空即無信也。神建旺處,信至之期。家神旺無信,休囚立至。
朝廷の詔書が京城より発したるか否かを知らんと欲せば、則ち三伝中に太歳と月将を査看し、さらに「天馬」の同一処に交相加臨する有れば、これ天子の音信、差あらじ。「白虎」と駅馬が却って「月厭」の殺に乗じて来り、三伝中また水神と並び臨まず、しかも相旺の気を得て空亡殺なければ、則ち殿前内職の消息、分明として待つべし。いわゆる殿班内職とは、すなわち馬を走らせ信を報じて至るなり。遠方の音信を占うは、月将を正時に加え、日上神の陰神すなわち信期なり。信神若し臨官・帝旺に臨まば、音信すなわち到る。方位の神に気なければ、信は始めて回還す。日上神の陰神は、すなわち信神なり——信神が官星旺気を帯ぶれば、信は来る。囚・死・空亡に落つれば、信なし。神と月建と同じく旺なるところ、正に信の到る期なり。家神旺なればかえって信なく、休囚なれば立刻に到る。
武來克信信隨歸,信來克武尚猶遲,更看元武入墓時,此是信來端的期。信來傳內害兼空,信必欺誣不可從,信為日鬼復刑害,語定侵凌用意凶。信神帶六害空亡入傳,或立於空亡之地,為詐信。信神為日鬼帶刑害,有人侵凌之意。行人若要問來期,四課行年六處摧,辰上兩課立見歸,日干兩課到時遲。行人行年入四課,得辰上兩課發用,定來速。日上兩課來遲。
「玄武」来りて信神を剋すれば、音信随いて回還す。信神かえって玄武を剋すれば、消息なおさら遅し。さらに玄武の墓に入る時を看れば、その時正に音信到来の確日期なり。信神が三伝に落入して六害を帯びまた空亡を兼ぬれば、この信必ず欺詐虚妄、聴従すべからず。信神若し日干の官鬼と成りまた刑害を帯ぶれば、則ち来る人の言語の間、必ず侵凌を含みて用心善ならず。信神が六害・空亡を帯びて伝に入り、あるいは空亡の地に立てば、すなわち詐信なり。信神が日鬼と成りて刑害を帯ぶるは、人の存心して侵凌する有るなり。行人を占いて帰期を問わんと欲せば、則ち四課と行年のこの六処より推求す。辰上の両課発用せば、立刻に人の帰るを見ん。日干上の両課発用せば、到ること則ち遅し。行人の行年が四課に落入して、若し辰上の両課発用を得れば、必ず来ること速く、日上の両課発用なら、来ること遅し。
正貴為用即時來。三傳俱順卻徘徊。陽日伏吟傳內歸,行人帶馬不須催。正貴為用立至,正時見返吟未到。陽日伏吟,如丙寅日,巳申寅,自外傳內,立至。又如戊寅日,申亥寅,占行人立至,以初傳日辰為用。飛神又帶馬,故來遲。日為外,辰為內,辛未日伏吟,陰日伏吟,未丑戌,自內傳出外,行人未歸也。
正貴人発用せば、行人当時に到る。三伝皆順伝なら、かえってなお徘徊して未だ帰らず。陽日に「伏吟」課を得、三伝外より内に向かえば、行人便ち帰る。行人若し駅馬を帯ぶれば、さらに催促するに及ばず。正貴人発用せば、人は立刻に到る。正時上に「返吟」を見れば、人はなお到らず。陽日の伏吟、たとえば丙寅日は、三伝巳・申・寅にして外より内に伝わり、立刻に到る。またたとえば戊寅日は、三伝申・亥・寅にして、行人を占うもまた立至——初伝の日辰発用を以てす。若し飛神また駅馬を帯ぶれば、かえって来ること遅し。日干を外と為し支辰を内と為す。辛未日の伏吟は陰日に属し、三伝未・丑・戌にして、これ内より外に伝わる——行人則ちなお帰らず。
欲問行人來未來,但將飛伏二神猜。第三第四不用摧,飛即臨門伏未回。傳上神剋日干為飛,日干克傳上神為伏,更加傳上第三第四為用,來得尤速。白虎行年道路神,貴人太歲本家尊,家旺路衰歸騎奔,家衰路旺未回身。白虎行年為路,貴歲為家。路在空亡敗墓鄉,家神克路路神空,行年白虎會今日,便是歸期不用詳。行年白虎二神合日即歸。
行人の来るや来ざるやを問わんと欲せば、ただ「飛」「伏」の両神を把来して推測せよ。第三課・第四課は倒して細推するに及ばず——飛神は人の已に門に臨むを主とし、伏神は人のなお回らざるを主とす。三伝上の神が日干を剋するを「飛」と曰い、日干が三伝上の神を剋するを「伏」と曰う。再び三伝上の第三・第四課を以て発用せば、来ることいよいよ速し。「白虎」と行年は道路の神、「貴人」と太歳は本家尊長の位なり。家旺にして路衰えれば、人は馬に騎りて奔帰す。家衰えて路旺なれば、人はなお回身せず。白虎・行年は路を代表し、貴人・太歳は家を代表す。路神が空亡・敗地・墓郷に落ち、あるいは家神が路を剋し路神が空に落ち、行年と白虎が今日に会合せば、則ちこれ帰期、再び細推するを用いず。行年・白虎の両神が日と相合せば、人は帰り来る。
三傳中神克歲君,行子憂災虎病侵,陽吟外至人內傳,陰內傳外杳無音。游神加孟尚遲遲,仲季加之不從歸,貴人加日至不疑,天罡加季不移時。游神,春巳、夏子、秋酉、冬辰,加孟未至,加仲季不久至。白虎加臨在戌宮,用神卯酉亥相逢,定須即日解歸驄,二馬臨墓占一同。若是音信尚未通,朱雀之陰問來蹤。馬旺即到,丁卯日辰時,辰加卯為用,上見虎,又天馬克日上,當是巳時歸。
三伝中の神が太歳に剋到せば、出行の人に憂災あり、「白虎」また病患の侵擾を帯来す。陽日の伏吟、三伝外より内に至れば、人は到る。陰日の伏吟、内より外に伝われば、則ち杳として音信なし。「游神」が寅申巳亥の四孟に加われば、人はなお遅々として来らず。四仲・四季に加われば、かえって久しからずして帰る。「貴人」が日上に加われば、人の到ること疑なし。「天罡」(辰)が四季の位に加われば、立時に到る。游神のあるところ:春は巳に、夏は子に、秋は酉に、冬は辰に在り。四孟に加えば未だ到らず、四仲四季に加えば則ち久しからずして到る。「白虎」が戌宮に加臨し、用神が卯・酉・亥と相逢えば、必ず当日に鞍を解き帰らん。天馬・駅馬の二馬が墓に臨むは、占法これと同じ。若し音信未だ通ぜざれば、則ち「朱雀」の陰神に問うて蹤跡を探れ。駅馬旺なれば立刻に到る——たとえば丁卯日辰時に占し、辰が卯に加わりて発用し、上に白虎を見、また天馬の日上の神を剋する有れば、当に巳時に帰来すべし。
行逾千里貴前尋,倍此而須數後程。前去後歸兩般論,彼此原來第五辰。近行龍路月為家,路克家回家克賒。返吟為用月復加,望人立至定無差。乘神家克路未回,是太陰克青龍所乘神。返吟為用,太陰加立至。返吟時,占行人多不來。雖是二馬傳墓,亦不來。返吟日為用,與月建相會,立至。
行程千里を超ゆるは、貴人の前に到りて尋る。さらに倍して遠きは、すなわち貴人の後の路程を数うべし。往前と帰後とは両様に分かち看るべく、彼此もともと皆第五辰(隔位相加の辰)を取る。近処の出行は、「青竜」を以て路と為し月建を以て家と為す——路が家を剋せば人は回り、家が路を剋せば帰期すなわち賖遠し。「返吟」発用して月建また加臨せば、盼ぐところの人立刻に到り、絶対に差錯なし。乗ずるところの神若し家の路を剋するは、人はなお回らず——これ「太陰」が「青竜」の乗ずる神を剋するなり。返吟発用し、太陰加臨すれば、人は立刻に到る。但し返吟の時に逢えば、行人を占うに多くは来らず。縱使い二馬が伝墓に入るとも、なおこれ来らず。若し返吟の日を以て発用し、また月建と相会せば、人は便ち立刻に到る。
欲將所孕卜月日,先看發用在何方,一二貴前主弄璋,四三貴後細消詳。用在第一二課,又在在乙前是男。用在三四課,又乙後是女。陰人年見有女占,那堪傳送復加年,三傳俱陰女不錯,純是陽時男有緣。行年上見陰是女,陽是男,三傳俱陽生男,俱陰生女。假令用在日陽,陽旺在卯,上見子,子為陽,即生男;陽日取日干旺處,陰日支生處是也。
懐くところの胎の生産月日を卜せんと欲せば、先ず発用がどの一方に落つるかを看よ。発用が第一・第二課に在りて貴人の前に処るは、男を生ずを主とす。第四・第三課に在りて貴人の後に処るは、則ち細々と推詳すべく、多くは女を生ずを主とす。発用が第一・二課に在り、また「天乙」の前に在るは男なり。発用が第三・四課に在り、また天乙の後に在るは女なり。婦人の行年上に陰将を見れば、則ち女を生ずと占う。況んや「伝送」(申)また行年に加臨するをや。三伝すべて陰将なら、女を生ずること錯らず。純に陽将の時は、則ち男孩と縁あらん。行年上に陰を見れば女、陽を見れば男なり。三伝全陽なら男を生じ、全陰なら女を生ず。假如発用が日の陽位に在る——陽の旺は卯に在り、卯上に子を見、子は陽に属すれば、則ち男を生ず。陽日は日干の旺処を取り、陰日は支神の生ずる処を取る——この道理なり。
三傳內藏卯酉神,兩門出入是其因。子午乘龍妻妾娠,血支血忌生氣並。月將加產母行年,數至今日日辰看,若值空亡兼命年,三合四煞望生難。月將加母行年,數至今辰,若空及年命值四殺三合,凶。用神月建母行年,三處同將一法占,陰即為女陽即男,三處二空胎盡然。三處見兩重空亡,又加墓地是胎。
三伝の内に暗に卯・酉の二神を蔵すれば、卯酉は両扇の門戸、出入の事皆此より起る。子・午の上に「青竜」を乗ずれば、妻妾の懐孕を主とし、さらに「血支」「血忌」と「生気」が幷び臨まば、いよいよ確証なり。月将を産母の行年の上に加え、今天の日辰に数え至りて看る。若し空亡に碰上り、また本命行年不利を兼ね、さらに三合と四殺に遇えば、順産せんと欲すも難し。月将を母の行年に加え、今日の辰に数え至る。若し空亡に落ち、および年命が四殺・三合に値するは、みな兇を主とす。発用の神・月建・母親の行年、この三処は同一の天将・同一種の方法を用いて占う——陰将ならば則ち女、陽将ならば則ち男。三処若し両処空に落ちれば、胎は保ち得ず。三処に両重の空亡を見、また墓地に加臨せば、胎便ち了る。
螣蛇白虎若重逢,更帶兒傳兩子同,三傳大殺飛廉虎玄同,須更立產在其中。蛇虎兩重者,假令巳作蛇,巳在蛇本位,故云重。又須帶兒子,主雙生。假如己巳日午將巳時,虎視課,兩重申,申即兩重白虎也,後於申月申時生兩男。若三傳中逢大煞、白虎、天空,立產。大煞旁,金氏朱注“飛廉”。
「螣蛇」「白虎」若し両重相逢い、また子孫爻を帯びて伝に入れば、一胎両子を主とす。三伝中に「大殺」(すなわち飛廉)と白虎・玄武が同現すれば、則ち当に臨産すべきを主とす。いわゆる蛇虎両重とは、たとえば巳上に螣蛇を作し、巳は正に螣蛇の本位、故に「重」と曰うなり。さらに子孫爻を帯ぶるを要して、始めて双生を主とす。たとえば己巳日に午将巳時に「虎視」課を占得し、両重の申位にして、申はすなわち両重の白虎——後に果たして申月申時に両個の男孩を生めり。若し三伝中に大殺・白虎・天空に逢えば、則ち立刻に分娩す。「大殺」の旁、金氏は朱筆を以て「飛廉」と注作せり。
類不逢空旺相乘,傳生支合事須成,見類日鬼空刑害,所干不遂類中明。幹事,三傳上下相生,支神三六合干合,所干成。雖是見類,與今日為鬼,或刑害空亡,三傳見害,不成。傳中用事之人,須此原本作“比”字。言之。
占うところの類神が空亡に落ちずして旺相の気を乗じ、三伝相生してまた支神と相合せば、事必ず成る。若し類神が日干の官鬼と成り、あるいは空亡に落ち・刑を帯び害を帯ぶれば、求むるところの事すなわち順わず——これ類神の上に分明に見ゆ。事を辦ずる時、三伝上下相生し、支神と日干と三合・六合を成せば、求むるところ便ち成る。類神を見るといえども、それが今日に対し官鬼と成り、あるいは刑害空亡あり、三伝中また害を見れば、事は辦じ成らず。三伝中に事を主とするその人も、またこの道理に照らして(「須」の字は原本「比」と作る)論ずべし。
占婚二后忌刑傷,子逢天后女賢良,丑為天乙男清秀,占妻占得喜非常。二后無克戰刑害,若子作天后,女新妍;丑作天乙,男清俊。假如寅卯日占婚,亥卯未局作傳神。必是連枝帶葉親,兩個姑舅作來回。寅卯日傳曲直,巳午日得炎上。若逢巳酉丑三傳,婚姻異類隔山川。五行依此言三合,須知四格不同然。從革難成,眾中分雜之意也。
婚姻を占うに、「天后」と「天乙貴人」のこの両位は最も刑傷を忌む。子上に天后に逢えば、女子賢良。丑上に天乙あれば、男子清秀。妻子を占いてかかる課を得れば、喜慶非常なり。天后・天乙の二神に剋戦刑害なきを要す。若し子上に天后を作れば、女方新美。丑上に天乙を作れば、男方清俊。假如寅日・卯日に婚を占し、三伝が亥卯未の木局を成せば、それ必ず枝を連ね葉を帯ぶる親上の親——両家の姑表舅表が回り来りて親を結ぶ。寅卯日に伝が「曲直」木局を成し、巳午日に伝が「炎上」火局を成すは、みな此の類に属す。若し三伝が巳酉丑の金局なれば、婚姻双方は異類の人、山川を隔つ。五行皆此に照らして三合に按じて講ずるも、但し四種の格局各々同じからざるを知るべし——「従革」金局は成り難きを主とし、取るところは衆人の中に分雑斉からざるの意なり。
旺氣與日為官鬼,勾朱貴會訟官司。相歷不陷於涉害,支干三六合為貴。占鬼,傳中見旺氣來克,為官鬼,更雀勾貴者,便言事因官府。又神將上下不落空亡,又須不歷涉害。與支干上三合六合,官司必成,對訟伸雪必勝,人老占病必死。如丙子日午將寅時老病。
旺気の神が日干に対し官鬼と成り、さらに「勾陳」「朱雀」「貴人」会合せば、則ち官司訴訟を主とす。歴るところの神が渉害に陥らず、また支干と三合・六合を結成せば、貴格と算うるなり。官鬼を占う:三伝中に旺気の来りて日干を剋するを見れば、則ち官鬼なり。さらに朱雀・勾陳・貴人有れば、便ち事の官府に因りて起ると断ず。さらに神将上下ともに空亡に落ちず、また渉害を経歴せざるを要す。支干上と三合・六合を成せば、則ち官司必ず打ち成し、対簿公堂して冤を申せば必ず勝たん。但し老人の病を占うは、則ち必ず死せん。たとえば丙子日に午将寅時に老人の病を占うは、すなわちかくのごとし。
相氣日鬼入傳時,吉神生合干官司,雀勾刑害日財為,落空爭理失便宜。傳中相氣剋日為鬼,若得吉神良將,上下相生,六合三合,或干貴或,主謀生事,及干官理事,若刑害與日為財者,主官中爭財,落空不成。相氣初剋日為財,定知財上事關懷。將是後陰並六合,便於妻妾位中猜。傳中見相氣,與日為財,即主財事。後陰六合,便是妻事。為今日子孫,便言子孫。
相気の神が日干の官鬼と作りて三伝に進入し、若し吉神のそれと相生相合する有れば、則ち官府に干求する事を主とす。若し「朱雀」「勾陳」が刑を帯び害を帯び、而して此の神が日干に対しまた財なれば、則ち空亡に落ちて理を争い得ず、かえって便宜を失う。三伝中に相気の日干を剋するは便ち鬼なり。若し吉神良将を得、上下相生し、六合・三合を成し、あるいは貴人に干求せば、則ち営生を謀划する事、および官府に干求し公事を辦理するを主とす。若し刑害を帯びて日干に対し財と為るは、官府の中に錢財を争奪するを主とし、空亡に落ちれば争い成さず。相気の神が初伝に在りて日干を剋して財と為れば、断じて掛懐するところは錢財の事なり。若し乗ずるところの将が「天后」「太陰」幷び「六合」なら、則ち妻妾のこの一層に往きて猜すべし。三伝中に相気を見、日干に対し財と為れば、則ち財事を主とす。天后・太陰・六合を帯ぶれば、すなわち妻子の事なり。若し今日の子孫爻なれば、便ち子孫の事を説く。
傳死占日為鬼並,死兼喪吊墓煞乘,蛇虎玄命喪家事,披刑帶煞任須停。傳中死氣剋日,披刑煞等,官任上占得,必因喪人而歸也。囚動日鬼二獄逢,傳墓勾蛇雀虎叢,官災牢禁繫獄中,化作空貴反不凶。傳見囚氣剋日,重加天地二獄,或傳入墓,將見雀等凶。天獄,春辰、夏午、秋戌、冬子。一雲夏未冬丑。地獄,正戌逆行十二辰,月獄同。
三伝中の死気が日干に対し官鬼と成り、また「喪門」「吊客」と墓殺と同乗し、さらに「螣蛇」「白虎」「玄武」本命に加臨せば、則ちそれ喪家の事なり。刑を帯び殺を帯ぶれば、任上の事皆停まるべし。三伝中に死気が日干を剋し、また刑を披り殺を帯び、若し官任上に在りて占得せば、必ず家の死人に因りて郷に帰らん。囚気発動して日干の官鬼と成り、また「天獄」「地獄」に逢い、三伝墓に入り、「勾陳」「螣蛇」「朱雀」「白虎」叢集せば、則ち官災牢獄の厄を主とす。若し空亡と化するか貴人を得れば、かえって兇ならず。三伝中に囚気の日干を剋するを見、重ねて天地の二獄を加え、あるいは三伝墓に入り、天将また朱雀の類を見るは、皆兇なり。天獄:春は辰に、夏は午に、秋は戌に、冬は子に在り。別の一説に夏は未に、冬は丑に在り。地獄:正月は戌に在り、十二辰を逆行す、月獄もまた同じ。
囚氣歲月並飛廉,煞上天赦朱雀兼。官吏終須見赦原,囚與日和藏避占。傳中囚死動,歲月二馬並大煞,或大殺之上得雀與天赦,定赦原。若囚氣與正和,神將無戰者,其人占藏避。天赦,正未順四季。大煞,正戌、二巳、三午、四未、五寅、六卯、七辰、八亥、九子、十丑、十一申、十二酉,即飛廉。
囚気と太歳・月建・「飛廉」と幷び現れ、殺神の上にまた「天赦」幷び「朱雀」有れば、則ち事を犯す官吏は終究に赦に遇い原免せられん。囚気若し日干と和順せば、占うところは藏匿躲避の事なり。三伝中に囚気・死気発動し、太歳・月建・二馬と「大殺」と同現し、あるいは大殺の上に朱雀と天赦を得れば、必ず赦免せん。若し囚気が本日と相和して、神将の間交戦なければ、この人の占うところは身を藏して躲避するなり。天赦:正月は未に在り、四季を順行す。大殺:正月戌、二月巳、三月午、四月未、五月寅、六月卯、七月辰、八月亥、九月子、十月丑、十一月申、十二月酉——すなわち飛廉なり。
休動與正墓神並,被刑害鬼病來縈,老幼逢休死之靈,如用官鬼訟之嗔。傳中休氣動,今日墓神披刑害鬼,主占病。與日何類,便是何等人病。生日為父母,即言父母老者之類。小兒占得必死。生氣才生,休乃老者,故曰死。
休気発動して本日の墓神と幷び臨み、また刑を被り・害を被り・鬼に侵されれば、疾病すなわち身に纏绕す。老人小孩が休気・死気の神霊に遇上り、若しそれまた官鬼発用なれば、訴訟相争の悩怒の事あらん。三伝中に休気発動し、今日の墓神また刑を披り害を帯び鬼を帯ぶるは、病を占うを主とす。この神が日干と何の六親関係なるか、病むはすなわち何の人ぞ——日干を生ずるは父母、すなわち父母尊長の類なり。小児占得すれば必ず死せん。生気は剛に生発し、休気は已に衰老すれば、故に「死」と曰うなり。
卯酉為格子午關,天罡加處事多艱。加於子卯多阻滯,午酉河津道路艱。天罡加子午為關,卯酉為格。子上為天關,午上為地關。卯為天格,酉上為地格。天之關格,必因天時風雨之類所格;地之關格,必因路險河漲、關津所格。涉害為用得火神,下臨壬癸隔江津。土神若見甲與寅,定應阻隔在山林。涉害為用,得火神,下臨壬癸,水路有阻隔。若用土神,下臨甲寅,以山林來向有阻也。
卯・酉を「格」と曰い、子・午を「関」と曰う——「天罡」(辰)これらの処に加われば、事多く艱難なり。子・卯に加われば多く阻滞あり、午・酉に加われば則ち河津道路行く難し。天罡が子・午に加わるを関と為し、卯・酉に加わるを格と為す——子上を天関と曰い、午上を地関と曰い、卯上を天格と曰い、酉上を地格と曰う。天の関格は、必ず天時風雨の類に因りて阻まる。地の関格は、必ず道路険阻・河水暴漲・関卡渡口に因りて阻まる。「渉害」を以て発用して火神を得、下に壬・癸の水に臨まば、江河渡口の阻隔を主とす。若し土神なれば、下に甲と寅木を見、必ず山林の間に阻隔せん。渉害発用して、火神を得て下に壬癸に臨まば、水路に阻隔あり。若し土神を用いて下に甲寅に臨まば、すなわち山林の方向より来る阻礙なり。
涉害為用得金神,下臨巳午散財因。木神在於庚辛上,衢路兵戈阻隔人。更以式中刑害空亡、官鬼旺相休囚消息言之。天空乘未井為妖,家內興災非一朝。勾陳辰卯訟相抬,血忌來臨訟不饒。井妖,主家中有宿病之人。勾陳朱雀及六合,官事占之未免迍。如乘戌卯丑傳上,問病須教淚滿襟。
「渉害」を以て発用して金神を得、下に巳・午の火に臨まば、散財の事に阻まるを主とす。若し木神が庚・辛の金に落つれば、則ち大路上に兵戈の乱ありて行人を阻隔するを主とす。此の外さらに式盘中の刑・害・空亡、および官鬼の旺相休囚を参照して斟酌消息すべし。「天空」未の上に乗ずるは、水井の妖を作すなり——家に災禍を興起すること一朝一夕ならず。「勾陳」辰・卯の位に在れば、訴訟の事すなわち頭を抬げ、さらに「血忌」来臨すれば、官司いよいよ寛饒せず。いわゆる井妖は、家に久病の人有るを主とす。「勾陳」「朱雀」と「六合」と同現すれば、官事を占うに迍邅を免れず。若し彼ら戌・卯・丑の上に乗じて伝に入れば、病を問うに人をして涙衣襟に満たしめん。
河魁休舊住河魁,尊長遭殃是此媒。若逢天后陰人害,戌日丑加戌上猜。戌日加戌,尊長病。戌日丑加戌同。歲臨支上人宅迍,下克之時災更深。支上鬼加主遷動,如逢白虎病傷人。太歲入宅,又克支,凶;加支,是鬼,主宅移。祿前一位為羊刃,三傳日辰忌見臨。非官即病膿血疾,加宅作虎血陰人。
「河魁」(戌)が依舊として河魁本位に停住すれば、尊長の殃に遭うは則ち此より起る。若しさらに「天后」に逢えば、すなわち女人の害と為すなり、戌日に丑の戌に加わるより推測すべし。戌日に戌が戌に加わるは、尊長の病有るを主とす。戌日に丑が戌に加わるは、情形相同なり。太歳が支に臨到すれば、人と宅とともに迍難あり。若し太歳また下より上を剋すれば、災禍いよいよ深し。支上に官鬼加臨すれば、住処を遷動するを主とす。若し再び「白虎」に逢えば、疾病人を傷る有らん。太歳が宅位に進入してまた支を剋するは兇なり。支に加わりて鬼と成るは、家を搬するを主とす。禄神の前の一位は「羊刃」——三伝と日辰と皆それの位に臨むを忌む。官非ならざれば膿血の疾なり。宅に加わりてまた「白虎」と作れば、女人に血光の災有るを主とす。
六合乙卯木為之,子孫凶吉憂中推。如臨申酉定悲泣,木絕鬼禍逢何疑。申酉作六合,子不利。天后三傳與日辰,天后之陰虎害人,占妻病此驗如神,假饒有救死為鄰。男子占之克妻,假令丙寅日子將辰時,戌加寅為用,占妻病,乃半月必死,後陰作虎。丑加戌土作白虎,外人喪服入家中。午加卯上子細家,託人失信事無功。寅能生火,卯能殺也。火生於寅,敗於卯。午加卯用,庚壬二子日。
「六合」は乙卯の木を以て本体と為す。子孫の吉凶は憂疑の中より推斷すべし。若しそれ申・酉の金位に臨まば、必ず悲泣の事有らん——木金に絶たれ、鬼禍頭に臨み、何の疑うべきあらん。申・酉上に六合を作るは、子女に利あらず。「天后」三伝と日辰の間に在り、天后の陰神また「白虎」なれば、則ち人を害せんとす。妻子の病を占うは、この法霊験神のごとし——縦使い救神有るも、已に死と相隣れり。男子この課を占得すれば妻を剋するを主とす。假如丙寅日に子将辰時に、戌が寅に加わりて発用し、妻の病を占えば、半個月の内に必ず死せん——天后の陰神が白虎と作るを以てなり。丑が戌土の上に加わりまた白虎を作れば、外人が喪服を著て家門に進むを主とす。午が卯の上に加わるは、家の中の事を子細に看るべし——別人に托して事を辦すれば信を失い、工夫を白費せん。寅は火を生じ得、卯は火を敗り得——火は寅に生じ、卯に敗る。午が卯に加わりて発用とは、庚子・壬子のこの両個の子日を指す。
丑加河魁更作空,奴僕為人最叵容。加臨支上混一同,未許教君取次窮。丑加支上虎臨傳,田產交加事可占。切須僧道事干連,式中推究意精專。午加支上作螣蛇,寅日占來回祿嗟。假饒得免焚其宅,遺禍鄉鄰亂似麻。壬寅日午加寅。巳到天罡定主喪,出門或見哭彷徨。若臨干上作朱雀,定知官事與推詳。巳加辰,為孝服事,或出門途、哭泣事。乙木主喪車,巳為軫星。巳加朱雀,必占灶事。
丑が「河魁」(戌)の上に加わりまた空亡に落つれば、奴僕の為人最も容忍し難し。若し支上に加臨するも、情形同じく、隨便に彼が困窮なりと断定を許さず。丑が支上に加わりて「白虎」伝に入れば、田産交錯糾紛の事を占うべし。この類の事往々僧道に牽連し、式盘中に精心に推究を要す。午が支上に加わりて「螣蛇」と作れば、寅日に占到せば火災(回禄)の為に歎息せんとす。縦使い僥倖に自家の房子の焼掉を免るとも、郷隣に禍を遺して乱麻のごとく乱れん——これ壬寅日の午が寅に加わるを指す。巳が「天罡」(辰)に到れば、必ず喪事を主とす。門を出でて或いは人の哭泣彷徨するを見ん。若し巳が日干の上に臨みてまた「朱雀」と作れば、則ち官事に按じて推詳すべし。巳が辰に加わるは、孝服の事を主とし、あるいは門を出でて途に在り・哭泣の事なり。乙木は喪車を主とし、巳は軫星の位なり。巳が朱雀に加臨するは、必ず灶上の事を占うなり。
庚辛占見蒿矢,巳加辰;癸卯日辰加卯,巳加辰,午加巳,三傳辰巳午;癸酉日遙克,未加申,巳加午,午加未,三傳未午巳。巳加卯上意何如?木履弓弩推不虛。加申作陰口舌虞,入官事訟必因朱。巳加卯,以木履弓弩推之,若巳加申作太陰,主陰人和合,中有口舌。若作雀,便言訟。巳加申相刑合,癸亥日是;辛卯、癸未日,巳加卯遙克。
庚日・辛日に「蒿矢」課を占見するは、巳の辰に加わるなり。癸卯日は辰が卯に加わり・巳が辰に加わり・午が巳に加わり、三伝は辰・巳・午なり。癸酉日は遥剋に属し、未が申に加わり・巳が午に加わり・午が未に加わり、三伝は未・午・巳なり。巳が卯の上に加わるは何の意か。木屐・弓弩の類の木器の上より推すべく、空に落ちず。巳が申の上に加わりて「太陰」と作れば、口舌の憂有らん。若し此に因りて官府に進みて官司を打てば、必ず「朱雀」の致すところなり。巳が卯に加わるは、木屐弓弩を用いて推斷す。若し巳が申に加わりて太陰と作れば、女子の和合を主とし、その中に口舌を挟む。若し朱雀と作れば、便ち訴訟と説く。巳が申に加わるは刑の中に合を帯ぶ、癸亥日すなわちこれなり。辛卯・癸未日は、巳が卯に加わるは遥剋に属す。
螣蛇入廟刀鐵因,翻作青龍險峻臨。申加巳上用為真,古法分明驗若神。申加巳,定占刀鐵事。若作龍,疑險事。申亥寅,六甲、六丁、六丙、庚寅、丁巳,夜蛇;壬寅、癸巳,夜龍。斗加日本名天獄,得是須知卜訟庭。會見貴人並六害,交加之事及相縈。乙日辰加亥,乙木生於亥,辰斗罡也,故知占訟。又見貴人六害,主交加牽連。
「螣蛇」廟に入るは、刀鉄の器に因りて事を起すを主とす。若し翻転して「青竜」と成れば、則ち険峻の地に臨むを主とす。申が巳の上に加わりて発用すれば、この一条最も真なり——古法分明、験すること神明のごとし。申が巳に加わるは、必ず刀鉄の事を占うなり。若し青竜と作れば、すなわち疑慮険阻の事なり。三伝申・亥・寅は、六甲・六丁・六丙日および庚寅・丁巳日に夜占して螣蛇を得。壬寅・癸巳日に夜占して青竜を得。「斗」(辰)が日の上に加わるは、本名「天獄」——これを得れば当に訟庭の事を占うと知るべし。若し貴人に会見してまた六害を帯ぶれば、則ちそれ交相牽扯・彼此糾纏の事なり。乙日に辰が亥に加わる——乙木の長生は亥に在り、辰はすなわち斗罡、故に訟事を占うと知るなり。また貴人と六害を見るは、事の交加牽連を主とす。
午火臨亥死絕神,傳中丑午害同詳。若還臨在空亡上,定知虛擾不為殃。傳中丑午為六害,入空亡不為殃。午丑申,子未寅。假令今日是庚辰,太乙為用屬比鄰。辰日若用起太乙,應在未日巳時真。用傳與日是妻財,類是陰人反卦猜。更見後陰並六合,妻背夫心仔細裁。妻財類,須是陰神及反吟,作如此占。
午火が亥の上に臨むは、死絶の神なり。三伝中に丑と午と相害するは、また此に照らし同様に推詳す。若しそれ空亡の上に落ちれば、則ち断じてただ虚驚攪擾にして災殃を成さず。三伝中に丑と午と六害と為るは、空亡に入れば禍を為さず。三伝の午・丑・申、あるいは子・未・寅は、みな此の類に属す。假如今天庚辰日にして、「太乙」(巳)発用するは、比隣の神に属す。辰日若し太乙を以て発用せば、応期は未日巳時に在りて、最も準確なり。発用と三伝と日干に対し妻財と為るは、この一類は女子と返吟の卦に按じて猜するを要す。さらに「天后」「太陰」幷び「六合」を見れば、すなわち妻子の丈夫を背離する心を仔細に裁断すべし。妻財のこの一類は、必ず陰神および返吟の課なるを要して、始めてかく占断す。
大凡遠近日何占,用占月內歲尋常。傳神旬裡不虛言,直日無疑應日前。如太歲在寅,發用在寅,則在年內;用起斗建,則應在月內;用起日干,不出旬;用起支神,不出一日。奴是天魁與天空,從魁為婢太陰同。妾求天乙若臨從,分明花葯作儀容。壬癸終於艮卦中,事若浮雲豈有蹤?甲慚乙尤怕到離宮,花隨流水去匆匆。絕神,木到午死,水到艮病。
およそ応期の遠近はどう占うや。発用の神がどの一層に属するかを看よ。太歳に属するは一年の内に応じ、月建に属するは一月の内に応ず。三伝の神が本旬の裏に落つるは、応期本旬を出でず、この言虚ならず。直日の神は則ち当日の前に応ず、疑うに及ばず。たとえば太歳寅に在り発用もまた寅に在れば、則ち本年の内に応ず。発用が斗建(月建)より起れば、則ち本月の内に応ず。発用が日干より起れば、本旬を出でず。発用が支神より起れば、一日を出でず。奴僕を看るは「河魁」(戌)と「天空」、婢女を看るは「従魁」(酉)と「太陰」。妾を求むれば則ち「天乙貴人」を看る——若し貴人が従魁に臨まば、その女子分明に花容薬貌・儀表衆に出づ。壬・癸の水は艮卦(丑寅の位)に終止し、事は浮云のごとく、どこにかなお踪影あらん。甲・乙の木は最も離宮(午の位)に到るを怕る——それ花の流水に随い、匆匆として去るなり。絶神のあるところ:木は午に到りて死と為り、水は艮に到りて病と為る。
戊己怕逢曲直鄉,木旺逢侵忌有殃。庚辛炎上不商量,火忌水神有所妨。鬼三合,戊己土知木局,為鬼旺,庚辛日炎上,不利。丙丁龍合散人財,勾陳辰神主官災。白虎魁罡巳午來,中人孝服事堪猜。神將自戰,龍合屬木,丙丁見之,為火出木盡灰煙。勾陳土加卯不得地,魁罡加巳午主孝服。
戊・己日は最も「曲直」木局に遇上るを怕る——木気旺盛にして来り土を侵剋し、災殃あるを忌む。庚・辛日に「炎上」火局に遇えばさらに商量するに及ばず——火来りて金を剋し、また水神の中より作梗するを忌む。これ官鬼の三合局なり:戊己は土に属し、木局を見れば便ち鬼旺なり。庚辛日に炎上火局を見るも、また利あらず。丙・丁日に「青竜」「六合」を見るは、人財の耗散を主とす。「勾陳」が辰位に落つるは、官府の災禍を主とす。「白虎」と「河魁」「天罡」(戌・辰)が巳・午の上に落つれば、中間人は孝服を穿つべし——かかる事は推想すべし。これ神将自ら相交戦するなり:青竜・六合は木に属し、丙丁の火これを見るは、火の木より出でて木尽きて灰烟と成るなり。勾陳は土に属し、卯の上に加わりて地を得ず。魁罡が巳午の上に加わるは、孝服の事を主とす。
進策干謁到侯門,日辰年上貴人存。龍合入傳喜氣津,蛇虎加之必避奔。須是貴加日辰行年,龍合入傳,主貴人見喜。蛇虎不出現,縱見亦不喜。子午返吟移床房,己巳元武灶兩廂。天空加巳灶破損,此言應驗不尋常。己巳日返吟,夜將得元武,主兩處有灶。亥日辰加亥用真,退人進口豈僉音?天門在亥天關辰,此法從來不易深。
策論を進献し・干謁求見して王侯の門に至るは、日辰と行年の上に貴人あるを要す。「青竜」「六合」伝に入れば、喜気津潤す。若し「螣蛇」「白虎」加臨すれば、すなわち必ず躲避奔走を要す。必ず貴人が日辰・行年の上に加わり、青竜・六合が伝に入るを要して、始めて貴人に見えて喜を得るを主とす。螣蛇・白虎は出現せざるが最良、縱使い出現するも喜ばず。子午の返吟は牀鋪房間を移動するを主とす。己巳日に「玄武」を見るは、両廂ともに灶有るを主とす。「天空」が巳の上に加われば、灶は破損せん——この言の応験すること尋常ならず。己巳日の返吟に夜占して玄武を得るは、両処に灶有るを主とす。亥日に辰を以て亥に加えて発用するは最も真にして、旧人を退き新口を進むるを主とし、どこで随りの言ならんや。天門は亥に在り、天関は辰に在り——この法従来容易に深透を講じ得ず。
體得無淫六害隨,娼家婦女不須疑。酉日落空亡酉地,寡婦元來極易詳。如甲戌旬,以申酉為空亡。旺鬼占官屬禁囚,相妻爭貸死傷憂。囚主訟刑休病愁,此法從來不易求。春木旺、火相、土死、金囚、水休。如戊己日占得木神動,主官事。若傳入三光、三陽等課,不得一例斷之為官事也。壬癸日占得用起火神準的,若不是妻財,不得一例斷之。
課体が「無淫」を得てまた六害に跟えば、占うところは娼家の婦女、疑うに及ばず。酉日が酉地空亡に落つるは、もとより極めて寡婦と断定し易し。たとえば甲戌旬は、申・酉を以て空亡と為す。旺気の官鬼は、官職を占せば禁囚の象に属す。相気は妻財と為り、争奪借貸を主とす。死気は傷亡憂患を主とし、囚気は訴訟刑罰を主とし、休気は疾病憂愁を主とす——この法従来求め得易からず。春は木旺・火相・土死・金囚・水休。たとえば戊己日に木神の発動を占得すれば、官事を主とす。但し三伝が「三光」「三陽」等の吉課を成せば、一概に官事と断ずること能わず。壬癸日に火神を以て発用を占得するは、最も準確、若し妻財ならざれば、また一概に論ずること能わず。
龍為玄武乘牛背,加在日神為用辰。來情定是占走失,甲戊庚戌日為真。辰加丑見元武,如今日支干,又是發用。若是甲戊庚三戌日得此課,定占走失。辰加酉上作青龍,刺腿之人必是傭。辰還加亥作玄武,貴失終須是敗蹤。刺龍指腿上之人。玄武在亥盜難追,在戌須關入墓迷。若帶空亡敗可期,帶馬他鄉定捕之。
「青竜」が変じて「玄武」と作りて牛背(丑)の上に乗じ、日神の上に加わり辰を以て発用せば、来る人の問うところ必ず走失の事——甲戌・戊戌・庚戌の三日に最も準確なり。辰が丑上に加わりて玄武を見るは、正に今日の支干と相合し、また発用なり。若し甲戌・戊戌・庚戌の三日にこの課を得れば、必ず走失を占うなり。辰が酉の上に加わりて「青竜」と作れば、その腿上に刺青ある人は必ず傭工なり。辰若し亥の上に加わりて「玄武」と作れば、貴重の物丢失して、終究に敗落蹤なし。いわゆる「刺竜」とは、腿上に竜紋を刺したる人を指す。玄武が亥に在れば、盗賊追い難し。戌に在れば、墓中に関入せられて迷失す。若し空亡を帯ぶれば、敗露期すべし。若し駅馬を帯ぶれば、賊は他郷に逃ぐるも、また必ず捕獲し得べし。
或臨羊刃主殘傷,大煞主財落空亡。帶死不過三日敗,生氣出月見其贓。元武臨羊刃主傷,大殺主失。物初主末賊居中,初克中傳贓露蹤。末克其中囚首捕,中來克末反遭凶。中來克末,盜傷捕人、害主故也。元乘二馬不辭危,跨屋逾垣捷似飛。地戶水窗穿竅入,天門樓閣逐繩歸。地戶,坎宮也,玄乘地戶,必從水地道來。乘天門,必自天梯繩來。
玄武若し「羊刃」に臨まば、人に残傷有るを主とす。若し「大殺」に遇えば、則ち銭財空亡に落つ。死気を帯ぶるは、三日を過ぎずして賊敗露す。生気を帯ぶるは、本月を出でて始めて贓物を見る。玄武が羊刃に臨むは人を傷るを主とし、大殺は財を失うを主とす。初伝を失物と為し末伝を失主と為せば、賊はすなわち中伝に居る。初伝が中伝を剋すれば、贓物すなわち蹤跡を露わす。末伝が中伝を剋すれば、賊首すなわち擒捕せらる。若し中伝かえって末伝を剋すれば、捕者かえって兇に遭う。中伝が末伝を剋するは、盗賊が捕人を傷り失主を害するが故なり。玄武が天馬・駅馬の二馬を乗ずれば、危険を避けず、屋を翻り牆を越え、敏捷飛ぶがごとし。地戸・水窗より洞を穿ちて入り、天門・楼閣より縄に順いて帰る。地戸すなわち坎宮なり。玄武が地戸を乗ずれば、必ず水道地道より進み入る。天門を乗ずれば、必ず天梯繩索より上る。
玄武天門二馬馳,長繩之煞就中推,何必逾牆鑿壁回?天窗懸煞入無疑。長繩殺,正酉順四仲,周而復始。用起三交羅網同,關隔相併路難通,三者數逢盜易窮,空亡劫反失前功。天羅地網卦,易敗;空亡,便執捕,亦遠遁不獲。
玄武が天門の位に在りて二馬奔馳すれば、すなわち「長繩殺」の上より推すべし。何ぞ必ずしも彼が牆を翻り壁を鑿ちて回ると言わん。必ずこれ天窗より繩を懸けて入る、疑うべきなし。長繩殺:正月は酉に在り、子午卯酉の四仲を順行し、周りて復た始まる。発用が「三交」より起るは、「天羅地網」と相同じ、關隔幷び臨みて道路通じ難し。この三様若し屢々出現せば、盗賊窮追して手に至り易し。但し空亡・劫殺に逢えば、かえって前功尽く棄つ。天羅地網の卦は、賊敗露し易し。若し空亡に落ちれば、たとい緝捕に往くも、賊は遠く逃げて獲られず。
勾陳一神忌落空,捕人百計不成功。若非怯懦賞不克,盜棄旺氣難當鋒。要勾陳有氣。若在空亡,非捕人力不能敵,即賞錢不克其意,不宜勾前。元武旺又得地,則難捕。春占甲乙木為武臨寅卯,得也;臨申酉,失也。
「勾陳」この一神は最も空亡に落つるを忌む——空に落ちれば捕役百般設法するも功を成さず。捕人の怯懦なるか、賞格のその心意に合わざるかにあらずんばあらず。盗賊若し命を捨ててまた旺気を乗ずれば、鋒芒当たり難し。これを以て勾陳に気あればこそ可なり。若し勾陳が空亡に在らば、捕人の力量の敵せざるにあらざれば、賞銭のその意に称わざるなり。また勾陳の前に排して行事するに宜しからず。玄武が旺相にしてまた地を得れば、賊は捕え難し。春に甲乙木を玄武と為して寅・卯の地に臨むを占得すれば、すなわち捕獲し得べし。若し申・酉に臨まば、則ち捉えられず。
武居死氣日辰刑,雀來克武盜哀鳴。玄武若與德神並,不須更問賊人名。有德不敗。失脫逃亡欲問津,但欲玄武即陰神。天乙在前盜伏匿,天乙在後去逡巡。路神乘虎物乘陰,敗墓贓明官旺沉。路克太陰贓自見,陰來克虎物難尋。更看路神干合處,見將贓出定何辰。太陰,財也。不墓絕,不在官旺之地,失財物見。欲贓出,以路干合處期之。
玄武が死気の地に居り、また日辰の刑を受け、さらに「朱雀」の来りて玄武を剋する有れば、盗賊すなわち哀号して擒せられん。玄武若し「天徳」「月徳」等の徳神と幷び臨まば、則ち賊人の姓名を問うに及ばず——徳あれば便ち敗露せず。丢失と逃亡の線索を找さんと欲せば、ただ玄武およびその陰神を看るを要す。「天乙貴人」が玄武の前に在れば、賊はなお藏匿して動かず。天乙が玄武の後に在れば、賊は已に逡巡逃走せり。路神が「白虎」を乗じ、失物が「太陰」を乗ず:敗地・墓地に落つれば、贓物すなわち明らかなり。官旺の地に落つれば、贓物すなわち沉埋して見え難し。路神が太陰を剋すれば、贓物自然顕露す。太陰かえって来りて白虎を剋すれば、失物すなわち尋ね難し。さらに路神と日干と相合する処を看るを要し、これを以て贓物のどの辰に顕出するかを断定す。太陰すなわち財なり——ただ墓絶に入らず・官旺の地に在らざれば、失去の財物は見ること能し。贓物の何時に出現するかを知らんと欲せば、則ち路神と日干と相合する処を以て期を定む。
陽罡為墓與日居,中他賊害事非虛。天罡為龍惡人爽,盜不出龍文刺軀。罡為墓鬼,與日干並,故主賊謀害。日干之神是主人,奴婢卻於辰上尋。初傳主人逃是末,歲月破空逃損身。主克逃者易獲,空亡、歲月破,逃者凶。逃在臨官帝旺鄉,回來害主必為殃。勾陳乘處是逃者,勾陳在午取南方。看勾陳臨何方。如臨午,逃者在南方,餘仿此。
陽日の「天罡」(辰)が墓神と作りて日干と同居するは、他人の賊害に中る——此事假ならず。天罡若し「青竜」と作れば、悪人便ち意を得、逃走の賊は跑げ出ること能わず、身上多く竜紋の刺青あり。天罡が墓神と作りまた鬼と作り、日干と幷び臨めば、故に賊人の謀害を主とす。日干上の神は主人を代表し、奴婢は則ち支辰の上に到りて找すべし。初伝は主人を代表し、逃走の人は末伝を看る。若し歳破・月破あるいは空亡に遇えば、逃者は身を損せん。主人の神が逃者を剋すれば、逃者捉え易し。若し空亡・歳破月破に逢えば、逃者に兇險あり。逃者が臨官・帝旺の郷に藏れて、回り来りて主人を害せば、必ず殃を成さん。「勾陳」の乗ずるところの処すなわち逃者のあるところ——勾陳が午に在れば、則ち南方を取る。勾陳のどの一方に臨むかを看よ:たとえば午に臨まば、逃者は南方に在り、其の余此に照らして類推す。
子逃父貴子勾神,父若克子子易尋。子來克父多不返,空亡無氣去因循。勾弟空兄逃外因,弟逃克空兄克陳。遞克都是不歸人,欲知逃處貴太陰。且如陰乘卯,在東方之類。課中惟有病難推,月厭作虎加在支。死氣入傳凶太甚,定知三日死無疑。常占主哭聲,占病必死。虎加生氣病傳尸,干絕用神竟定衰。未丑加卯目無輝,若占婦人病必危。目無輝者,言目不明也。
児子逃走すれば、父親は「貴人」を看、児子は「勾陳」を看る。父の神が子の神を剋すれば、児子找回し易し。児子の神かえって来りて父を剋せば、多くは回らず。若し空亡に落ちまた気なければ、則ち直ちに因循して外に流落せん。逃走するが兄弟なら、兄は「天空」を看、弟は「勾陳」を看る。弟逃げば則ち勾陳の天空を剋するか否かを看、兄逃げば則ち天空の勾陳を剋するか否かを看る。彼此遞々に相剋するは、皆肯んじて回らざる人なり。藏身の処を知らんと欲せば、則ち「貴人」と「太陰」を看よ。たとえば太陰が卯の上に乗ずれば、人は則ち東方に在り、其の余類推す。諸課の中ただ疾病のみ最も推し難し。「月厭」が「白虎」と作りて支に加わり、さらに死気伝に入れば、兇なること太甚にして、断じて三日の内に必ず死して疑なし。平常に占えば哭声有るを主とし、病を占せば則ち必ず死す。白虎が「生気」に加臨するは、伝尸癆瘵の病なり。日干絶えて用神もまた衰えれば、病勢終に帰して沉重なり。未・丑が卯の上に加われば、両眼光なし——若し婦人の病を占えば、必ず危険なり。いわゆる「目に輝なし」とは、すなわち眼睛見え清らかならざるを説くなり。
玄胎心腹滿膨脹,嬰兒占之必夭亡。貴坐魁罡須氣逆,昏迷元武共消詳。占病懸胎課,必心腹滿悶,小兒再受胎之象。乳食有傷吐瀉而死。貴作魁罡,北方勾魂之卒已到。即北陰遣卒拿魂。龍乘死氣夏秋棺,虎作喪門救療難。若見魁罡本命上,加干為用必歸泉。青龍夏難飛,季占得為棺槨。喪門加白虎上,凶。
「玄胎」の課は心腹の脹満膨隆を主とし、嬰児占得すれば必ず夭亡す。「貴人」が「河魁」「天罡」(戌・辰)の上に坐すれば、気機の逆乱を主とす。さらに昏迷の象と「玄武」を見れば、一幷に推詳を要す。病を占して「懸胎」課を得れば、病人必ず心腹満悶す。小児に在りては重ねて胎を受くるの象にして、乳食に傷あり、吐瀉して死す。貴人が魁罡と作るは、北方の魂を勾く差役已に到り、すなわち北陰の卒を派して魂を拿うなり。「青竜」が死気を乗ずるは、夏・秋の両季に棺木を主とす。「白虎」が「喪門」と作れば、救治療養ともに難し。若し「河魁」「天罡」が本命上に出現し、また日干を加えて発用せば、必ず黄泉に帰せん。青竜は夏天に飛騰し難く、四季月に占得すれば則ち棺槨を主とす。喪門が白虎の上に加わるは兇なり。
甲乙之日病來占,天罡加卯作初傳。若逢白虎傳中現,必是腰疼不可言。支刑落空小口亡,六害臨宅是憂惶。日德落空尊長亡,若無尊長自身防。占小兒,忌支刑,更空亡六害加宅,主啾唧。日德空亡,凶。甲日辰加寅用時,定知宅內不和夷。天罡加卯妻應病,寅卯辰年吐不醫。
甲日・乙日に来りて病を占えば、「天罡」(辰)が卯の上に加わりて初伝を作す。若しさらに「白虎」が三伝中に出現するに逢えば、必ず腰疼きて話を説き得ず。支上に刑を帯びまた空亡に落つれば、家の中小口亡びん。「六害」宅位に臨まば、則ち人をして憂惶せしむ。日干の「天徳」が空亡に落つれば、尊長亡びん——若し家中に尊長なければ、則ち自身を防ぐべし。小児を占うに最も支刑を忌み、さらに空亡・六害の宅に臨むを加えれば、小児の病痛啾唧として止まざるを主とす。日徳が空亡に落つるは兇なり。甲日に辰を以て寅に加えて発用する時は、断じて宅内の和睦せざるを知り得べし。「天罡」卯に加われば、妻子当に病有るべし。寅・卯・辰の年に在りては、嘔吐の症治し難し。
血支血忌白虎並,家間膿血病纏嬰。鬼罡加支伏尸在,虎臨日本命歸陰。白虎加支血忌災,虎加本命日難產。闕下二句無考。天后臨日作日鬼,婦人脾血病連綿。若是神后加罡上,婦毆其姑不可言。天后加日為鬼,血崩之症。子加辰,主婦犯悖逆。蛇入雞巢虎入乘,女人積氣已成形。巳加亥作死氣上,自縊傷身在宅驚。巳加酉作虎,女人血痾。巳加亥作死氣上宅,宅自縊鬼為祟。
「血支」「血忌」と「白虎」と幷び臨めば、家中すなわち膿血の病の身に纏う有り。官鬼と「天罡」と支に加われば、宅内に伏尸あり。「白虎」日干・本命に臨まば、人すなわち陰に帰せん。白虎が支に加わりまた血忌に逢えば、血光の災を主とす。白虎が本命に加われば、当日すなわち難産あらん。以下两句を缺き、考訂するに由なし。「天后」日に臨みて日干に対し官鬼と成れば、婦人の脾血の病連綿として愈えず。若し「神后」(子)が天罡(辰)の上に加われば、婦人の婆婆を殴打する、言うに堪えず。天后が日に加わりて鬼と成るは、血崩の症なり。子が辰に加わるは、婦人の悖逆の行を犯すを主とす。「螣蛇」が鶏巢(酉の位)に入り、「白虎」またその上に乗ずれば、女人の積気已に形を成せり。巳が亥の上に加わりて死気の位に処れば、人の宅中に自縊して身を傷つく有るを主とし、家を挙げて驚を受く。巳が酉に加わりて白虎を作るは、女人の血病なり。巳が亥に加わりて死気の上に処りて宅に臨むは、宅中の自縊の鬼の作祟なり。
子加天罡作白虎,辛日占病定難醫。午作螣蛇臨酉上,一體消詳不用疑。六辛日午為貴人,雖不入傳亦凶,亦主長上人不吉。辛酉占病未加寅,傳中蛇虎又同臨。未中鬼宿遭寅克,婦人邪氣喪其心。未中有鬼宿,小吉為婦人,加寅鬼門上受克,主病在心。猴入雞巢虎又乘,夏四五月麥收成。餘月來占別有情,定知占病甚分明。
子が「天罡」(辰)の上に加わりて「白虎」と作れば、辛日に病を占し必ず医し難し。午が「螣蛇」と作りて酉の上に臨めば、同じく推詳し、疑うに及ばず。六辛日は午を以て貴人と為し、縦使い三伝に入らずとも兇、なお尊長の人の不吉を主とす。辛酉日に病を占し、未が寅の上に加わり、三伝中に「螣蛇」「白虎」また一同に位に臨む。未宿の中の鬼宿が寅に剋され、婦人邪気に染まりて心神喪失す。未中に鬼宿あり、「小吉」(未)は婦人を代表し、寅のこの鬼門の上に加わりて剋を受くるは、病の心に在るを主とす。猴(申)が鶏巢(酉)に進み入り、「白虎」またその上に乗ずれば、夏天四五月は正に麥子收成の時なり。其の余の月份に来りて占うは、別に情あり、病を占えば則ち断ずること十分に分明なり。
傳中太乙克干神,子將白虎氣沉沉。若占事定干兒女,此法占之若有神。太乙入傳為日支鬼,占事則干兒女為擾。青龍亥子若相逢,白虎偏嫌巳午宮。天君未上休占病,若因青龍若歸蹤。婦人不利,占病即死。白虎從來號惡神,占病傳中忌見君。克干更臨年命上,墓神死氣定傷人。
三伝中に「太乙」(巳)が日干の神に剋到し、子を用いて月将と為しまた「白虎」を見れば、気象沉沉たり。若し事を占せば、必ず児女に牽渉し、此の法を用いて占えば霊験神のごとし。太乙が伝に入りて日支の官鬼と成るは、事を占えばすなわち児女の事に擾せらるるなり。「青竜」若し亥・子と相逢う(水郷)、「白虎」偏に巳・午宮(火郷)に落つるを忌諱す。「天君」が未位の上に在れば、則ち病を占することなかれ、それ多くは青竜に因りて帰する蹤跡なり。これ婦人に利あらず、病を占えば則ち死なり。「白虎」は従来悪神と号す。病を占う時三伝中に最もそれを見るを忌む。それ若し日干を剋し、また行年・本命の上に臨み、さらに墓神・死気を加えれば、必ず人を傷る。
喪吊三丘五墓臨,浴盆玄至作傳神。貴人克命人便到,魂歸岱嶺只逡巡。丙辰日占,亥申巳愛剋日,亥用庚,又乘生氣受日鬼是也。勾陳血氣為頭疼,空用腹餒及師憎。武用脾腎手足病,河伯鬼神願未清。勾陳為病,血氣壅腫,傷寒之疾。空鬼,師為祟主。武主脾腎瀉痢之疾。鬼祟即河伯等心願,速宜酬禳。
「喪門」「吊客」と「三丘」「五墓」と位に臨み、「浴盆」の位と「玄武」とまた来りて三伝の神と作さば、「貴人」本命に剋到し、魂を勾く人到り、魂の泰山(岱嶺)に帰するはただ旦夕の間に在り。たとえば丙辰日に占し、三伝亥・申・巳皆来りて日を剋し、亥を以て発用して庚金に属し、また生気を乗ずれば、正に日鬼を承受する様子なり。「勾陳」は血気の壅滞して頭疼するを主とす。「天空」発用は腹中の飢餒、および僧道師巫の作祟を主とす。「玄武」発用は脾腎の病と手足の疾を主とし、河伯の類の鬼神の心願未だ還え済まざるなり。勾陳の病と為るは、血気壅塞腫脹・傷寒の類なり。天空の鬼は、師巫を以て祟主と為す。玄武は脾腎瀉痢の疾を主とす。いわゆる鬼祟とは、すなわち河伯等の神の心願、当に速やかに神に酬い禳解すべし。
辛金絕氣在寅方,女人占病命堪傷,虎化兒子於北地,爪牙無用不須防。虎庚申金鄉到於亥子二位水鄉,是虎化子,不凶。以其相生之謂也,故不凶。太陰辛酉,忌臨寅位,此金絕之地也。犬入豬欄久必殃,羊投虎穴復為常。醫師絡繹不離房,須知覆體命難量。戌日加亥,久病可待。未日寅加作太常,定主來占病。此首金氏旁改云“犬入豬欄長上當,羊投虎穴不尋常,醫師絡繹不離房,有救干神解此殃。”
辛金の絶気は寅の方に在り、女人病を占せば、性命憂うべし。但し「白虎」若し化して子孫と成りて北方水地に落つれば、その爪牙用なし、防備するに及ばず。白虎は庚申の金郷に属し、亥・子の両位水郷に到れば、すなわち虎化して子孫と為り、兇ならず——金の水を生ずるは相生なるが故に、故に兇ならず。「太陰」は辛酉の金に属し、寅位に臨むを忌む、それ金の絶地なり。犬(戌)が猪欄(亥)に進み入れば、久しくすれば必ず災殃あらん。羊(未)が虎穴(寅)に投ずれば、かえって常事と成る。医生絡繹として絶えず、病房を離れず——病人の臥牀して体を覆い、性命量り難きを知るべし。戌日に戌が亥に加われば、久病なお待つべし。未日に寅が未に加わりて「太常」と作れば、必ずこれ病を占いに来るなり。この一首、金氏は旁に改作して曰く:「犬猪欄に入りて長に上り当たるべし、羊虎穴に投ずれば尋常ならず、医師絡繹として房を離れず、救い有り干神此の殃を解く。」
盜神之法兩邊求,六甲旬前一位搜。不然春卯夏午頭,秋雞冬鼠問根由。六甲旬前一辰,如甲子旬在丑上之類。元武乘盜神,並皆主盜。又武之陰為盜神。大清乾隆三十九年歲次甲午戊辰月朔日 春園施錦堂謹抄
「盗神」を找すの法は両辺より推求を要す。一は本旬甲首の前の一位を取りて捜尋し、二は季節に按じて取る——春は卯に、夏は午に、秋は酉(鶏)に、冬は子(鼠)に在り、此より根由を問い出す。いわゆる六甲旬の前の一辰は、たとえば甲子旬なら則ち丑の上に在り、其の余類推す。「玄武」が盗神を乗ずれば、皆盗有るを主とす。別に玄武の陰神もまた盗神なり。大清乾隆三十九年、歳次甲午、戊辰月初一日、春園施錦堂恭謹に抄録す。
通天鬼翼賦 巻之十
宜討神淵,窮究方員。討,論也。神淵者,鬼神之機妙也。測陰陽之隱奧,剖天地之幽玄。亡蹤獲兔,妙在日辰之通變;無中取有,先論支干之當權。干為身,支為宅。日者尊長官人,東南賢德,京府州軍,弓箭羅網,克辰上神,順也。
当に鬼神の淵微を探討し、方円の理を窮究すべし。「討」とはすなわち論なり。「神淵」とは、鬼神機変の精妙を指す。陰陽の隠奥を測度し、天地の幽玄を剖析せんとす。逃亡を追蹤し走獣を捕獲するの妙は、日と辰の通変に在り。無の中より有を取出さんとするは、先ず支と干のどちらの一辺が権を当つるかを論ずべし。日干は人身を代表し、支辰は住宅を代表す。日干のこの一辺は、尊長・官人・東南方の賢徳の士・京府州軍等の官署、および弓箭羅網の類を代表す。日干が辰上の神を剋するを、「順」と曰う。
辰者卑幼,小人奸邪,百姓,西北鎮店,馬獸魚鱉,剋日上神,逆也。宜細辨之。破合刑沖,克處先推發用;局分向背,當臨孟季精研。晝夜貴人逆順,六壬之主也。當觀其式內貴人,加孟責季上神;加季仲上神;加仲孟神。若年主事神則於日格上定。又法準應,來無季孟神主事,便用貴人。用順,前三傳主事;用逆,後三傳主事也。
支辰のこの一辺は、卑幼・小人姦邪・百姓・西北方の鎮集店鋪、および馬獣魚鼈の類を代表す。辰上の神が日上の神を剋するを、「逆」と曰い、当に仔細に分辯すべし。破・合・刑・衝に逢うは、先ず相剋の処より発用を推求す。三合局の分野と向背は、四孟・四季の位の上に精心に研究を要す。昼貴人・夜貴人の順行逆行は、六壬の主宰なり。式盘中の貴人を看るを要す——貴人が四孟に加われば、則ち四季上の神に責取し、四季に加われば、則ち四仲上の神を取り、四仲に加われば、則ち四孟の神を取る。若し行年を以て主事の神と為さば、則ち日格の上に判定す。また一法あり、およそ応験を論ずるに、若し四季・四孟の神の主事する無ければ、直ちに貴人を用いよ。貴人順行なら、前三伝を取りて主事と為し、貴人逆行なら、後三伝を取りて主事と為す。
是以相生而不擾,戰敵以成凶。用死終生,若涸鮃之得水;用生終死,如被火以投風。初死末生名出墓,獄不成凶;死者墓之地,生者旺之鄉也。不義不仁,蓋為傳中反背。有來有去,皆因子母和同。子加母,失禮,逆也。母加子,有理,順也。出《神樞經》。假如初見子,末見申,金生水,子加母逆;初寅末午,木生火,母見子,順也。
故に上下相生すれば攪擾を生ぜず、交戦して敵と為れば便ち兇險を成す。発用が死気にして末伝に生を得れば、涸れたる魚の水を得たるに譬えん。発用が生気にして末伝に死に帰すれば、火を挙げて風に迎うに譬えん。初伝死・末伝生は、名づけて「出墓」という——牢獄の災凶を成すに至らず。いわゆる「死」は墓に入るの地、「生」は旺相の郷なり。三伝中に不義不仁の象出現するは、皆前後の反背に因る。来る有り去る有るは、皆子と母の和順同気に由る。子が母の上に加わるは、礼を失う、すなわち「逆」に属す。母が子の上に加わるは、理有り、「順」に属す——此の説《神枢経》に出づ。假如初伝に子を見末伝に申を見れば、申金は子水を生ず——すなわち子が母の上に加わるを逆と為す。初伝寅・末伝午なら、寅木は午火を生ず——すなわち母の子を見る、順と為す。
惡將相刑,逢鬼賊而可畏;生神同德,遇吉將而有權。終末克始,夜行逢道;始克終末,逸馬失韁。初凶後吉,穿針於皓月之中;始吉終凶,秉燭於狂風之內。式中全吉,未必無凶。三傳皆吉,若逢旺鬼賊日,吉變為凶。假令壬癸日未丑戌,將得龍后乙,全局。緣三土克水,日鬼太旺。此因財上起禍。子是女人,必訟於官,乃吉中有凶也。
兇悪の天将互いに刑剋し、また官鬼盗賊に遇上れば、甚だ畏るべし。生を主とする神が日徳と同気し、さらに吉将に遇えば、則ち権柄を掌握す。末伝が初伝を剋するは、夜行の人の大路に遇うがごとし。初伝が末伝を剋するは、奔馬の繮繩を失うがごとし。先に兇にして後に吉は、皓月の下に針を穿つに譬えん。先に吉にして後に兇は、狂風の中に燭を秉るに譬えん。式盘中全て吉象なるも、未だ必ずしも兇なきにあらず。三伝皆吉なるも、若し旺気の官鬼の来りて日干を賊害するに遇えば、吉も兇と変ず。たとえば壬癸日に三伝未・丑・戌、天将「青竜」「天后」「天乙」を得るは、完整の格局なり。ただ三重の土の来りて水を剋するが因に、日鬼太旺——これ財の上より禍を惹出すなり。子は女人に属し、必ず官司を打たん——正に吉中に兇を蔵す。
若犯純凶;凶中有吉;傳中有鬼,須察休囚。見相鬼爭財,旺鬼官事,休鬼疾病,死鬼喪孝,囚鬼官刑。所立之方,何人得地。詳所立之方,如鬼臨申酉,西方人生害,餘準此詳雲。救神失備,未必無凶。假如庚寅日正月寅時課,太乙臨庚為用,是日鬼。中傳功曹,末見登明。此末傳克初為救神。太乙臨始為近,登明加寅為遠。登明見太乙克庚,欲救地逆遠,勢力不逮,此為失備也。
若し課が純兇を犯すも、兇中に自ら吉有り。三伝中に官鬼有れば、必ずその休囚旺相を考察すべし。相気の鬼は銭財を争奪するを主とし、旺気の鬼は官府の事を主とし、休気の鬼は疾病を主とし、死気の鬼は喪事孝服を主とし、囚気の鬼は官刑を主とす。さらにその立つところの方位を看るを要し、何の人の地を得たるかを。細かにその立つところの方を看よ:たとえば官鬼が申・酉に臨まば、則ち西方の人の害を生ずるなり、其の余此に照らして類推す。救神若し防備を失すれば、また未だ必ずしも兇なきにあらず。たとえば庚寅日正月寅時の課に、「太乙」(巳)が庚に臨みて発用するは、日干の官鬼なり。中伝は「功曹」(寅)、末伝に「登明」(亥)を見る——末伝が初伝を剋するは、すなわち救神なり。但し太乙が始位に臨むは近く、登明が寅に加わるは遠し。登明救わんと欲するも地位已に逆にして且つ遠く、力量趕き及ばず——これを「失備」と曰う。
若犯空亡,密雲不雨。吉凶皆不成也。日辰戰鬥,詳勝負以驗虛真。旺相氣真實也,囚死氣虛詐也。日神克支神,主勝;辰神克干神,客勝也。支干偕和,會陰陽而能罪結。日神相生,必解凶也。剛柔上下內外,推男女憂疑。剛日發用,上克下,事從外來,因男子起。下克上,事從內起因女人起。神遙剋日,事從外起;日遙克神,事從內生。剛昴主外,柔昴主內。
若し空亡を犯せば、密雲して雨せざるがごとく、吉凶ともに成就すること能わず。日と辰と互いに争闘するは、勝負を詳辨して虚実真偽を験明すべし。旺相の気は真実にして、囚死の気は虚詐なり。日上の神が支上の神を剋するは、主人の一方勝つ。辰上の神が日干の神を剋するは、客の一方勝つ。支干和順して、陰陽会合せば、則ち罪責の糾結を解くことを得べし。日神と辰神と相生するは、必ず兇險を解除し得べし。剛日柔日・上下内外は、用いて男女の憂疑を推斷す。剛日(陽日)発用して上が下を剋するは、事は外面より来り、男子に因りて起る。下が上を剋するは、事は内裏より起り、女人に因りて起る。神遙かに日を剋するは、事外より起る。日遙かに神を剋するは、事内より生ず。剛日の「昴星」課は外を主とし、柔日の昴星課は内を主とす。
用事傳神休旺,察往來否泰。發用月建傳神,用太歲,一年之事;月建一月之事。日辰旬中一日之事。出《金匱經》。生我日喜,克我日悲。壬癸日庚辛,主喜事也。罡臨前後,己性推期。罡者,辰也,若臨日辰前,其災已過;在日辰後,其災未退。若罡在日辰,旦名。相傷兮縈災內外。日克辰戰,日遙克神,主內起。辰遙剋日,主外起。以天官斷之。
主事と三伝の神の休囚旺相は、用いて往来の否泰を考察す。発用は月建あるいは三伝の神なり:太歳を用いれば、一年の事を主とす。月建を用いれば、一月の事を主とす。日辰・旬中の神を用いれば、一日の事を主とす——此の説《金匱経》に出づ。我を生ずるの日は喜有り、我を剋するの日は悲有り:壬癸日に庚辛の金の来りて生ずるを見れば、則ち喜事を主とす。「天罡」(辰)が日辰の前あるいは後に臨めば、これに拠りて災禍の時期を推斷し得べし。いわゆる「罡」とはすなわち辰なり。若し日辰の前に臨まば、災禍已に過去せり。日辰の後に在れば、災禍なお退かず。若し罡正に日辰の上に落つれば、「旦」と曰う。彼此相傷すれば、災禍すなわち内外に繚繞す。日が辰を剋して交戦し、あるいは日が遙かに神を剋するは、災の内より起るを主とす。辰が遙かに日を剋するは、災の外より起るを主とす——皆天官を用いて断ず。
陰陽進退,辨高低新故浮沉。日上陰陽之神,主於自身;辰上陰陽之神,主於他人。事用分途,詳內外虛防克己。主事神屬陰,管其內事;發用神屬陽,管其外事。分途者,子為昇陽之途,午為適陰之途。用神臨子至巳為內,午至亥為外,外逆內順。五行或臨交類,主斗為奇。
陰陽の進退は、用いて事の高低・新旧・浮沉を分辯す。日上の陰神陽神は、自身を主とす。辰上の陰神陽神は、他人を主とす。事と用と両途に分作して、内外虚実を詳辨し、己を剋する神を防備すべし。主事の神は陰に属し、内部の事を管す。発用の神は陽に属し、外部の事を管す。いわゆる分途とは、子は陽気上昇の途、午は陰気の帰する途——用神が子に臨みて巳に至るの間を内と為し、午に臨みて亥に至るの間を外と為す。外は逆・内は順なり。五行時に交車あるいは同類の上に臨むは、争闘を主とし、これ一種の奇格なり。
金入木則官事口舌,水入火則主驚恐,土入水主遺財病,木入土主牢獄口舌。假如二月乙巳日午時占,從魁臨巳為用,將得六合木臨金;中見大吉土,天后水臨之,此為水入土;末傳太乙火將,得白虎,此為金入火。三傳戰鬥,此之為交車也。類者,五行同類相臨也。臨金,移途分異,相傷呻吟;木加木非災飛禍,爭財競祿;水加水口舌盜賊;火加火口舌飛禍,疾病相畏;土加土住居不常,遷徒之象。假如八月甲子日辰時,寅巳申三傳,乃臨同類也。
金の木に入るは官事口舌を主とし、水の火に入るは驚恐を主とし、土の水に入るは銭財を遗失し幷びて病を生ずを主とし、木の土に入るは牢獄口舌を主とす。たとえば二月乙巳日午時に占し、「従魁」(酉)が巳に臨みて発用し、天将「六合」を得るは、木の金の上に臨むなり。中伝に「大吉」(丑)の土を見、「天后」の水その上に臨むは、これ水の土に入るなり。末伝「太乙」(巳)の火、天将「白虎」を得るは、これ金の火に入るなり。三伝彼此交戦すれば、これを「交車」と曰う。いわゆる「類」とは、五行同類相臨なり:金が金に臨めば、遷移分異・相傷呻吟を主とす。木が木に加われば、非災飛禍・財を争い禄を競うを主とす。水が水に加われば、口舌盗賊を主とす。火が火に加われば、口舌飛禍・疾病相畏を主とす。土が土に加われば、居住定まらず・遷徙の象有るを主とす。たとえば八月甲子日辰時に占し、三伝寅・巳・申は、すなわち同類に臨むなり。
八方涉有淺深,風飄水漲。此又論遠行阻隔閉塞之厄。八方者,八卦也。如乾金老陽,坤土老陰之類。假令三月乙卯酉時占,天罡加卯為用,將得勾陳;中傳太乙,將得青龍;末傳勝光,將得天空。卦名龍戰、亂首、斬關、無淫,此課主家宅不寧,卑凌尊老,因此遁離道路,天地閉塞,門戶不通。又主雷雨閃電,何也?法曰:天罡為關,下加卯為門戶;卯屬震,震為雷雨。臨六害,式中見青龍主雨,中見太乙,巽為風。又見勾陳,卦名龍戰,必有風雨關津之隔。
八方の渉害に深き有り浅き有る、風の飄い水の漲るがごとし。この一句また遠行に阻隔閉塞の厄難に遇うを論ず。八方すなわち八卦なり、たとえば乾は金に属し老陽と為し、坤は土に属し老陰と為すの類。たとえば三月乙卯日酉時に占し、「天罡」(辰)が卯に加わりて発用し、天将「勾陳」を得。中伝「太乙」(巳)、天将「青竜」を得。末伝「勝光」(午)、天将「天空」を得。課名は竜戦・乱首・斬関・無淫——この課は家宅不寧・卑幼の尊長を欺凌するを主とし、此に因りて逃離して路に上る、天地閉塞して門戸通ぜず。また雷雨閃電を主とす、何となればや。法訣に曰く:天罡を関と為し、下に卯を加うるは門戸なり。卯は震卦に属し、震は雷雨と為す。それまた六害に臨み、式中に青竜を見るは雨を主とし、中伝に太乙を見るは、巽は風と為す。さらに勾陳を見るは、課名竜戦、必ず風雨と関津の阻隔あらん。
涉有淺深者,涉害也。若用神涉害,將得火臨水,為江河泛漲之隔。若用土神,下臨寅卯,因山林有阻。若用金神,下臨丙丁,主消折財帛之隔。若水神下臨庚辛,因兵賊隔。用神下涉害寅卯,主風。若亥子,江河水漲之隔。餘詳之。天乙順逆,推陰女之與陽男。天乙順,利陽男,不利女人。天一逆,利女子,不利男人。支干盤旋,分速前之同緩後。發用、日辰在天乙前順主事速。發用、日辰在天乙後逆,主事慢。
いわゆる渉に浅深有りとは、「渉害」課なり。若し用神渉害して、天将火を得て水に臨めば、江河泛漲の阻隔なり。若し土神を用い、下に寅・卯に臨めば、山林に因りて阻あるを主とす。若し金神を用い、下に丙・丁に臨めば、財帛を折損する阻隔を主とす。若し水神下に庚・辛に臨めば、兵乱盗賊に因りて阻まるを主とす。用神が下に在りて寅・卯に渉害するは、風を主とす。若し亥・子に在れば、江河水漲の阻隔なり、其の余此に照らして詳推す。「天乙貴人」の順行逆行は、用いて陰女と陽男を推斷す:天乙順行は、陽男に利あり、女人に利なし。天乙逆行は、女子に利あり、男人に利なし。支干盤旋回環して、貴人の前に在れば則ち速く、貴人の後に在れば則ち緩きを分辯すべし。発用と日辰と天乙の前に在りて順行するは、事の快きを主とす。発用と日辰と天乙の後に在りて逆行するは、事の慢きを主とす。
神藏煞沒,罡斗移宮。內外潛機,用推孟季。神藏則吉,煞沒無凶。若天罡加孟,神在內,煞在外。加仲,神在門,殺將入;加季,神在外,煞在內。頻頻災蹇,年神與日將相仇。年者,男一歲起丙寅順行;女一歲起壬申逆行。右年上神剋日上神,名不及;日上神克年上神,名失節。若見此神,凶不可解。
「神蔵殺没」とは、天罡と斗宿と宮位を移したるなり。内外潜蔵の機関は、四孟・四季を用いて推すべし。神蔵すれば則ち吉、殺没すれば便ち兇なし。若し天罡が四孟の上に加われば、神は内に在り殺は外に在り。四仲に加われば、神は門口に在り殺は将に進み入らんとす。四季に加われば、神は外に在り殺は内に在り。災難接連して断えざるは、行年の神と日上の将と相仇するを因とす。行年の起法:男子は一歳丙寅より起りて順行し、女子は一歳壬申より起りて逆行す。上述の行年上の神が日上の神を剋するを、「不及」と曰い。日上の神が行年上の神を剋するを、「失節」と曰う。若しかかる神を見れば、兇險解くべからず。
簇簇官災,天乙受用神所制。用神遙克貴神,名四閉卦,凶神同克發用者,大凶。畏鄉有鬼,面皺眉頭。剋日之鄉見鬼宅,是名鬼得地,必主愁嗟。假如庚辰日申將未時,勝光發用,將得螣蛇,下臨巳而克庚,為畏鄉之鬼。無救神主愁也。假令十月辛亥日未時,午臨亥,下賊發上,與日為鬼。
官災一件また一件と接ぐるは、「天乙貴人」の用神に制せらるるを因とす。用神遙かに貴神を剋するは、課名「四閉卦」。若し兇神一同に来りて発用を剋せば、すなわち大兇なり。畏るところの郷に鬼有れば、人は愁えて眉頭を皺む。日を剋する郷に在りて鬼の居る位置を見るを、「鬼地を得たり」と曰い、必ず愁嘆を主とす。たとえば庚辰日申将未時に、「勝光」(午)発用し、天将「螣蛇」を得、下に巳位に臨みて庚金を剋すれば、則ち畏郷の鬼——救神なければ便ち憂愁を主とす。またたとえば十月辛亥日未時に、午が亥上に臨み、下より上を賊して、日干に対し鬼と成るも、また此のごとし。
族內逢親,宅生喜悅。若式中見官鬼可愁,若遇親戚,無損害之意。可喜。常以陽干生今日為父,陰干生今日為母。陽支生今日為叔,陰支生今日為外母。今日比陽干為兄,今日比陰干為弟妹。今日生陽支為侄,陰支為侄女。今日克陰干為妻,克支為妾。假令庚 年正月甲寅日酉時占,日上神為用,甲日以辰為財,時遁是其子孫。何也?為日上事神,遁得丙辰為子孫。將六合木與今日比和。若乘太陰白虎,剋日木為鬼,卻財化為鬼也。
族内に親人に遇えば、家宅便ち喜悦を生ず。式中若し官鬼を見れば、憂愁すべきなり。若し親戚の類に遇えば、則ち損害の意なく、かえって喜ぶべし。通常今日を生ずる陽干を以て父と為し、今日を生ずる陰干を以て母と為す。今日を生ずる陽支を以て叔と為し、今日を生ずる陰支を以て外母と為す。今日と同類の陽干を以て兄と為し、同類の陰干を以て弟妹と為す。今日の生ずるところの陽支を以て侄と為し、陰支を以て侄女と為す。今日の剋するところの陰干を以て妻と為し、剋するところの支を以て妾と為す。たとえば庚某年正月甲寅日酉時に占し、日上の神を以て発用し、甲日は辰土を以て財と為すも、用時に遁出するは却って子孫なり。何となればや。日上の事神が遁得するは丙辰にして、丙辰は子孫に属するを以てなり。天将「六合」を得て木に属し、今日と比和す。若し「太陰」「白虎」を乗ぜば、日干の木を剋して便ち官鬼と成り、それ財は化して鬼と成るなり。
傳中副將,鬼賊惡並於宮中。式中副將與將同宮賊日,其災可發。若無副將,其災不可發也。白虎正月申順支,主道路喪亡。朱雀正月巳順支,主官災口舌。勾陳正月丑順支,主鬥訟。玄武正月亥順支,主盜賊陰私伏匿。螣蛇正月辰順支,主驚恐。天空旬內納音,不主事。如甲子日甲子旬見水是也,此神主虛詐。假令正月庚午日寅時占,日上見太乙賊日,將朱雀,正月起巳,此為同宮賊日,其災禍必須發也。
三伝の中に「副将」有れば、鬼賊兇悪すなわち幷びて同一宮中に聚まる。式盘の裏に副将と本将と同宮にしてまた日干を賊害すれば、災禍すなわち発作せん。若し副将なければ、災禍は発して起らず。白虎は正月申に在り、十二支を順行して、道路上の喪亡を主とす。朱雀は正月巳に在り、順行して、官災口舌を主とす。勾陳は正月丑に在り、順行して、争闘訴訟を主とす。玄武は正月亥に在り、順行して、盗賊と陰私隠匿を主とす。螣蛇は正月辰に在り、順行して、驚恐を主とす。天空は旬内の納音を取り、具体の事を主とせず——たとえば甲子日に甲子旬中に水を見ればこれなり。この一神は虚詐を主とす。たとえば正月庚午日寅時に占し、日上に「太乙」を見て日干を賊害し、天将は朱雀——正月朱雀は巳より起る。これすなわち同宮の日を賊する、災禍必ず発作せん。
宅日呻吟,蛇虎忌臨於支上。常以日為人,辰為宅,蛇虎臨於辰上,並剋日辰,主呻吟也。角星來臨四仲,關隔難通。角木狡,天罡中星也。罡加子午卯酉為關隔閉塞。卯酉為隔,子午為關。加子為天關,加午為地關,加卯為天隔,加酉地隔。凡課遇天地關隔,所為之事,或因地利,或衢路關津隔,或因天時風雨所阻。卯酉為門戶,關隔者,亦有多門。
家宅と人口の臥病呻吟を占断するに、最も「螣蛇」「白虎」の両将の日支の上に臨むを忌む。六壬占法の通例は:日干を以て人を代表し、日支(また「辰」と称す)を以て住宅を代表す。螣蛇は驚恐を主とし、白虎は病喪を主とす——この両天将若し日支の上に落ち、同時に日干と日支を剋傷せば、則ち家中に人の臥病呻吟する有るを主とす。若し二十八宿中の角宿来りて子・午・卯・酉のこの四個の「仲」の位に臨まば、則ち「関隔」の象を構成し、謀るところの事通達し難し。角木蛟は天罡(辰)の所轄する中宮の星宿なり。天罡が子・午・卯・酉に加臨すれば、便ち関隔閉塞を成す——卯・酉を「隔」と曰い、子・午を「関」と曰う。子上に加わるは「天関」、午上に加わるは「地関」、卯上に加わるは「天隔」、酉上に加わるは「地隔」なり。およそ課を占して天関地隔に遇上れば、辦ずるところの事あるいは地形に限られ、あるいは大路・関口・渡頭に攔阻され、あるいは風雨天時に耽擱せらる。卯・酉もと門戸の位なり、いわゆる関隔もまた門径紛雑・出入一ならざるの意を含有す。
三交、天羅地網、斬關、從革主隔,遇旺相氣與吉將並,主改革,變富貴之福也。若天獄歲月二破與蛇虎並,主喪死兵革之凶隔。若用干犯亡而有行之兆。從革謂其革故,有旺氣則革而增進,死氣則革而主退。若巳酉丑,革變而不順,主隔也。三傳內戰,主內外不相和而隔。三傳內,若中傳克始末,主首尾不見而隔。剛昴,道路關梁而隔。柔昴與伏吟,主潛伏不欲見人而隔。若涉害,主道路有隔也。
「三交」「天羅地網」「斬関」「従革」の此の幾種の課体は皆阻隔を主とす。若し彼らが旺気・相気に遇上り、また吉将と同臨すれば、則ち変革更新を主とし、転化して富貴の福と成り得べし。若し「天獄」および太歳破・月建破の此の両種の破殺が螣蛇・白虎と同臨せば、則ち喪亡・兵災の類の兇險阻隔を主とす。若し発用の神が「亡神」を衝犯せば、則ち出行奔走の兆有り。いわゆる「従革」とは、金の能く旧を改め新に従うの義を取る:旺気有れば則ち旧を革めて進取し、死気に逢えば則ち革の後かえって退敗す。若し三伝巳・酉・丑の金局を成して変革順ならざれば、また阻隔を主とす。三伝の間彼此相剋するを「内戦」と曰い、内外不和にして隔閡を生ずを主とす。三伝の中若し中伝が初伝と末伝を剋傷せば、則ち首尾相顧みること能わずして阻隔を生ずを主とす。「剛日昴星課」は道路関卡橋梁の阻隔を主とす。「柔日昴星課」と「伏吟課」は潜蔵躲避・人に見えんと願わざるに因りて阻隔を生ずを主とす。若し「渉害課」なれば、則ち道路上に阻礙有るを主とす。
武盜若匿孤虛,追收不捕。元武逆度四辰,為武盜。假令正月甲子日卯時來占,天鬼為用,將得六合,中得天罡,上見元武,此為元武之陽神,追亡女,在陽神下也。其女必往西南去,以玄武臨申故也。從武逆數四辰,見大吉臨巳,此元武之陰神也。若追亡男,主盜賊必東南去也。若旬日之內,以玄武本位上所得之神為陰神,即武盜也。假令四月乙酉日子將占,太乙臨酉,將得元武,為亡女在西方。太乙本位得大吉,以為武盜。緣大吉帶相氣,不敢為盜,乃責大吉本位上,見從魁,此為盜神,上見螣蛇,下臨丘冢,盜人從西往東,丘墓之仙。必見驚恐而敗匿藏隱也。元武若匿孤虛之地,捕者不獲。
玄武の主とする盗賊若し「孤」「虚」の地に藏匿せば、追捕しても捉え得ず。玄武の臨むところの位より四辰を逆数して、得たるその一支すなわち「武盗」(盗賊の藏身処)なり。たとえば正月甲子日卯時に来りて占し、「天鬼」を以て初伝発用と為し、初伝六合を乗じ、中伝に天罡(辰)を得、その上に玄武を見る——これすなわち玄武の陽神なり。逃亡の女子を追尋せんと要せば、人は則ちこの陽神の下に在り。該の女必ず西南方に往かん、玄武が申位に臨むを以ての故なり。再び玄武より四辰を逆数して、「大吉」(丑)が巳の上に臨むを見る——これすなわち玄武の陰神なり。若し逃亡の男子を追尋せば、則ち盗賊必ず東南方に往かん。若し本旬十日の内に課を起さば、則ち玄武本位の上に得たる神を以て陰神に当て、便ちそれ武盗のあるところなり。またたとえば四月乙酉日に子将を用いて課を起し、「太乙」(巳)が酉の上に臨み、玄武を乗ずれば、逃亡の女子西方に在るを主とす。太乙の本位の上に「大吉」(丑)を得れば、便ちこれを以て武盗と為す。但因に大吉が相気を帯びて気盛んにして盗を為すを敢えてせず、ここにおいて再び大吉本位の上を追究して、「従魁」(酉)を見る——これぞ真の盗神なり。その上に螣蛇を見、その下に丘墳塚墓に臨む——盗人の西より東に走り、墳丘墓地の間に藏るるを知るべく、必ず驚を受けて敗露し、慌忙して藏匿隠蔽せん。玄武若し孤・虚のあるところの方位に躲進せば、追捕する人は捉え得ず。
旬中:孤、虛。甲子,戌亥、辰巳;甲戌,申酉、寅卯;甲申,午未、子丑;甲午,辰巳、戌亥;甲辰,寅卯、申酉;甲寅,子丑、午未。天門地戶,乘神符而涉杜門。玉女扶身,作禹步而乘黃黑。論亡匿之人,若遇此,即可通於鬼神也。天門地戶,經云:“六合為天門,太陰為地戶。逃亡當令六合臨日,太陰臨辰而出,為天門地戶,不可克逃人年上神也。”六合太陰者,天道也,亡人乘之,乃萬全。若有九天九地,必萬里安。
六甲各旬の「孤」「虚」の表は次のごとし:甲子旬は、孤は戌亥に在り、虚は辰巳に在り。甲戌旬は、孤は申酉に在り、虚は寅卯に在り。甲申旬は、孤は午未に在り、虚は子丑に在り。甲午旬は、孤は辰巳に在り、虚は戌亥に在り。甲辰旬は、孤は寅卯に在り、虚は申酉に在り。甲寅旬は、孤は子丑に在り、虚は午未に在り。逃亡の人若能く「天門」より出でて「地戸」に入り、手に神符を執りて奇門中の「杜門」を穿過し、さらに「玉女」六丁の神のその身を扶持し、「禹歩」を踏みて黄・黒の色の掩護を借助せば、則ちいよいよ周全なり。およそ逃亡藏匿の人を論ずるに、若し此の類の格局に遇上れば、便ち鬼神の助に通ずべし。天門地戸について、経書の上に曰く:「六合はこれ天門、太陰はこれ地戸。逃亡するに当たりて六合を日干に臨ませ太陰を日支に臨ましむるの時に出走すべし——これすなわち天門より出でて地戸に入るなり、かつ逃亡者の本命年上に臨むところの神を剋傷すべからず。」六合と太陰とは天道を代表し、逃亡者これに乗じて行けば、万全を保ち得べし。若しさらに「九天」「九地」の位を配上せば、縦行万里なるも平安なり。
又一注:“九天九地各有上下,春寅為九天上,申為九天下;夏午為九天上,子為九天下。秋申為九天上,寅為九天下。冬子為九天上,午為九天下。太陰臨九地下,六合臨九天上,臨杜門而出,逃亡人必免其禍也。杜乃八門中之一門也。此門可以逃遁。八門者,休生傷杜景死驚開。出休門,遇貴人得財。出生門,遇官吉。出傷門,見血光逢盜。出杜門,利隱遁逃匿。出景門,破財,八十里吉。出死門,主死喪哭泣之事。出驚門,遇鬥訟驚恐。出開門,逢酒食提挈。
別に一条の注解有りて曰く:「九天・九地は各々上下の両位に分かつ。春季は寅を以て九天の上・申を以て九天の下と為し、夏季は午を以て九天の上・子を以て九天の下と為し、秋季は申を以て九天の上・寅を以て九天の下と為し、冬季は子を以て九天の上・午を以て九天の下と為す。太陰が九地の下に臨み、六合が九天の上に臨み、再び杜門より出走せば、逃亡の人必ず禍を免れ得べし。杜門は奇門八門の一、此の門最も遁形逃匿に宜し。いわゆる八門とは、すなわち休門・生門・傷門・杜門・景門・死門・驚門・開門なり。休門より出行すれば、貴人に遇うことを得て財を得ん。生門より出行すれば、官長に遇うて吉を得ん。傷門より出行すれば、血光に会見し盗賊に遭遇せん。杜門より出行すれば、隠遁躲蔵に利あり。景門より出行すれば、財を破るを主とし、八十里の外に走出でて始めて吉に転ず。死門より出行すれば、死喪哭泣の事を主とす。驚門より出行すれば、争闘訴訟と驚恐に遇う。開門より出行すれば、則ち酒食の款待有り・人の提携有らん。」
假令十月寅將,壬辰日戌時,占得小吉臨卯為用,此為門戶動搖,為因訴訟文字交加,雀乘小吉與日為鬼,事有不寧,逃亡也。中見登明,將得天空,必因欺詐而起。甲申旬,以午未為孤,下臨孤而必逃匿,終不能獲。末見太沖,將得太陰,下臨日上辰上見傳送,將得六合,此為天門。壬辰日,秋冬日在七宮,太陰臨生門,逃必善終也。
例を挙げて説かん:十月寅将を用い、壬辰日戌時に課を起し、「小吉」(未)が卯の上に臨みて初伝発用と作るを占得す。卯は門戸、此即ち門戸動揺の象——訴訟・文書往来の交加に因りて事を生ずを主とす。朱雀が小吉を乗じ、未土また壬日の官鬼なれば、事安寧を得ず、ここにおいて逃亡の挙有り。中伝に「登明」(亥)を見、天空を乗ずれば、此事の必ず欺詐に因りて起るを知るべし。壬辰日は甲申旬に属し、甲申旬は午・未を以て孤と為す——未既に孤位の下に臨めば、逃亡者必然として藏匿し、終究に捉え得ず。末伝に「太衝」(卯)を見、太陰を乗じ、その下は日干の上に臨む。日支辰の上にまた「伝送」(申)を見、六合を乗ずれば——これすなわち天門なり。壬辰日は秋冬の両季に在り、日は第七宮を行き、太陰また生門に臨めば、故に此の逃亡必ず善終し得べし。
神符者,《六甲經》云:“每出天門入地戶,或出地戶入天門,執神符而去。神符者,必以月蝕夜,取牡荊木,或梧桐木,必陰上之木,長九寸,廣二寸,厚三分,辰砂書神名字於上。”丁神、名、字:丁卯,九林,陰荄;丁酉,費,子楊;丁未,屈,玉;丁巳,許威,地道;丁丑,梁立,叔;丁亥,陸成,陵音。
「神符」について、《六甲経》に曰く:「およそ天門より出でて地戸に入り、あるいは地戸より出でて天門に入らば、皆手に神符を執りて行くを要す。神符を制するの法:必ず月蝕の夜に、牡荆木あるいは梧桐木を取り、しかも必ず樹木の陰を背く一面の木料を取るべく、削りて長さ九寸・幅二寸・厚さ三分の木牌と為し、辰砂を用いて上に神の名と字を写す。」六丁の神の名と字は次のごとし:丁卯の神は名は九林、字は陰荄。丁酉の神は名は費、字は子楊。丁未の神は名は屈、字は玉。丁巳の神は名は許威、字は地道。丁丑の神は名は梁立、字は叔。丁亥の神は名は陸成、字は陵音。
凡書六神,錦囊盛之,逃時手指前方,玉女者,乃六丁也。經云:“玉女左右,遠行不及,登天梁者,亦不可極。入地戶者,隱無形三城,乘青龍者,一十九里,三翼乙神所福也。禹步者,太乙之正面也。左足在前,右足在後,乃趨三步,或九步是也。初出禹步入也。空之辰難所見也。”
およそ此の六位の丁神の名字を写し了り、錦囊を用いて盛装し、逃走する時手で前方を指して行けば可なり。いわゆる「玉女」とは、六丁の神を指す。経書の上に曰く:「玉女有りて左右を護持せば、遠行の追兵すなわち追い趕き及ばず。天梁の位に登上れば、追者もまたその蹤を窮尽する能わず。地戸に入れば、便ち身を隠して形なく、三城の遠さを蔵るべし。若し青竜に乗ぜば、十九里を行くべし——これ三翼乙神の降す福佑なり。いわゆる禹歩とは、太乙の正面に向かいて行くなり:左脚前に、右脚後に、かくのごとく快く三步を走り、あるいは九歩を走る。剛に門を出づる時すなわち禹歩を踏みて行くを要す。空亡の辰に落つるは、追者なおさら見え難し。」
又經云:“亡匿者,向其上呼其神名,去則追我,來則藏我,以左手中指畫地,取土置地上,又塗鼻、人中,咒曰‘天翻地覆,九道皆塞。有追我者,至此而極。’咒訖,因越而行六十步,解衣服,草置地,以為門梁,越而去,取其半草半障龍回捉,太陰中無人見也。”
経書また曰く:「逃亡藏匿の人は、臨むところの神の方位に向かいて該の神の名字を呼喚し、それに祈りて追兵の来る時我に替わりて遮蔽し、我の逃ぐる時我に替わりて掩蔵せしめんことを求む。然る後左手中指を用いて地上に字を画き、一把の土を抓みて地上に放ち、再び土を取りて鼻子と人中の上に塗りて、咒を念じて曰く:『天翻り地覆り、九条の道路全都堵塞す。我を追う者有らば、此処に走到りてすなわち頭に到る。』咒を念じ了りて、画したる処を跨ぎて前に向かいて六十歩を走り、衣服を脱ぎ、草を取りて地上に鋪き、門框橫梁に充作し、再び跨ぎ越えて離去す。その中一半の草を取りて留下し、一半を用いて遮擋し、竜神をして身を回らして把守せしむ。かくすれば人は便ち太陰の中に隱れ、人能く見るものなし。」
又經云:“四天者,功曹傳送及用勝光,各不欲克今日,是謂陰之陽沖強,親者必變妖殃,以知天門不獲,天門不敵亡人年上神,以知地戶不獲孤虛之神,不欲見亡人,始日以知,豈不獲其神金氏旁註改‘辰’,必定其神,六癸之神不欲克亡人,始雲日辰乃建除滿平定執破危成收開閉之地,亡人不獲,餘者皆敗。假令二月建卯,辰為除,未為定,所為傳相得微審下道至秘要而神參也。”
経書また曰く:「いわゆる『四天』とは、功曹(寅)・伝送(申)および用いるところの勝光(午)を指す——此の幾位は皆本日日干を剋傷すべからず。もし剋せば、則ち名づけて陰中の陽の衝撃太強しと曰い、本来親近なるかえって変じて妖異災殃と為る。此より知るべし:天門若し逃亡者の本命年上の神に敵せざれば、追捕すなわち獲るところなし。地戸若し孤・虚の神に遇上り、逃亡者と相見んことを肯ぜざれば、追捕もまた獲るところなし。これら課を起すの初めの日辰の上より推知し得べし。およそ人を捉え得ざるは、皆その神(金正音は旁注中に此処の『神』を『辰』と改作す)の必ず安穏して拠有るが因なり。六癸の神もまた逃亡者を剋傷すべからず。故に曰く、日辰若し建・除・満・平・定・執・破・危・成・収・開・閉の此の十二建の吉位に落つれば、逃亡者すなわち捉え得ず、其の余の位置は則ち皆敗露せん。たとえば二月月建卯に在らば、則ち辰を『除』と為し、未を『定』と為す。これらの道理は皆三伝の相互配合する処に細々に審察を要す——これ極めて隠秘精要にして神明に通ずるの法門なり。」
發用咸臨健旺,舉事亨通。支干上帶休囚,心懷畏懼。青龍氣逢衰鬼,產致虛花。吉將主吉,帶休囚之鬼剋日者,變喜成凶也。假令正月甲子日申時,青龍主錢財之喜,傳送乃日鬼,有爭訟事也。白虎神值生合,憂成吉利。白虎主病死,下乘生旺相氣,與今日相生、三合、六合,必患人臨喪而能復生,乃為吉也。
初伝発用の神皆旺健得気の位に臨めば、事を辦ずるに自然順利亨通す。日干・日支の上に乗ずる神が休気囚気を帯ぶれば、心中便ち常に畏懼を懐く。青竜はもと財喜を主とすれど、若し乗ずるところの気衰敗してまた日干の官鬼と成れば、喜事便ち化して虚花空果と為る。吉将本来吉を主とすれど、但し若し休囚の気を帯びたる官鬼の来りて日干を剋すれば、喜事かえって変じて兇事と為る。たとえば正月甲子日申時に課を占し、青竜はもと銭財の喜を主とするも、それの乗ずるところの「伝送」(申)は正に甲日の官鬼——ここにおいて争訟の事有り。白虎は兇将と為すといえども、若し生扶と合助に逢えば、憂愁かえって能く吉利に転ず。白虎は疾病死亡を主とするも、それの下に乗ずるところは生気・旺気・相気にして、また本日日干と相生し、あるいは三合・六合を結成せば、則ち病人虽已に喪亡に瀕臨すとも、なお能く死に起り生に回る——これすなわち兇中の吉なり。
命遇不合,由旬內之低昂。若式中雖遇三合六合,吉不遇吉者,何由?六甲旬中之空亡,天空不見人也。財不進財,奈鬼途之阻隔。假令八月丙子日巳時占,以河魁發用,將得天后,中傳從鬼,將得太陰,末傳傳送,將元武,此課主女人二子,隱匿道路財帛,卻後賊人當路阻隔,終不得入手,見賊為發用也。
本命の神虽かに合に逢うも終に帰して合せず——縁由は本旬の内に高下起伏の空亡有るに在り。課式を占う中に三合・六合に遇上る虽か、本と吉利なるべきに偏偏として吉応を得ず、これ何の縁故ぞや。則ち六甲旬中に空亡有り、天空の神虚にして実ならず、人に遇うも見えざるがごとくなればなり。財を求めて財終に進み来らざるは、官鬼有りて路途の上に阻隔するが因なり。たとえば八月丙子日巳時に課を起し、「河魁」(戌)を以て発用し、天后を乗じ。中伝は官鬼、太陰を乗じ。末伝は「伝送」(申)、玄武を乗ず。此の課は女子有りて両個の孩子と財物を路途の間に藏匿するを主とし、随後また盗賊の道に当たりて攔阻する有りて、銭財終に手に到らず——発用の初伝の上に正に盗賊の象を見るを因とす。
乙庚懷暗,喜怖巳午。之為雙金,木作財星。畏丙丁之見害,奇儀若犯,枯木重榮。三奇,子戌旬丑發用,申午旬子用,辰寅旬亥用。六儀六甲旬首發用也,主病者有康吉之兆。刑害相臨,昏燈盡燎。三刑六害傳中見者,災難解也。又值傳中光怪,須憂煙灶生災。光怪神,正月起戌逆行四季,主有火災。
乙・庚の両干暗に相合して隠情を懐蔵し、巳・午の位に遇上れば便ちまた喜びまた怕る。乙庚は化気して金と為し、両重の金気なり。金は能く木を剋し、而して木またそれの財星なれば、故に最も丙・丁の火の来りて傷害するを怕る。若し課中に「三奇」「六儀」を犯上せば、則ち枯木の重ねて春に逢いて栄を発するがごとし。いわゆる三奇:甲子・甲戌旬は丑を以て発用し、甲申・甲午旬は子を以て発用し、甲辰・甲寅旬は亥を以て発用す。いわゆる六儀とは、すなわち六甲旬首の神を以て発用するなり。病を占して三奇六儀に遇上れば、病人に康复吉利の兆有るを主とす。三刑・六害交相臨并すれば、昏暗の油灯の焼かれて精光を尽くすがごとし。三刑・六害若し三伝の中に出現せば、かえって災難の消解を主とす。若しさらに三伝の中に「光怪」の神の出現するに逢えば、すなわち烟囱灶火の災禍を惹出すを憂慮すべし。光怪神は正月戌より起り、辰・戌・丑・未の四季の位を逆行し、火災有るを主とす。
索煞傷身,恐有稠林自縊。索煞,正月起卯逆行四仲,與蛇虎臨並及乘死神者,主自縊。死神同立白虎,哭泣臨門。死神正月起巳,順行十二支。與白虎並,主有死傷之厄。式中見兒女,即言兒女。若見父母,即言父母也。井煞相乘死氣,凶殃防水。井煞,正月起未,順行十二支。死氣,正月起午,順行。二煞若乘白虎六害而剋日者,主落井之災。若不克者,不死於井中,臨危有救。
「索殺」が本身を傷剋すれば、恐らく人の密林の中に上弔して自盡する有らん。索殺は正月卯より起り、子・午・卯・酉の四仲の位を逆行す。若し螣蛇・白虎と同臨し、あるいは死神を乗ぜば、則ち自縊の事を主とす。「死神」と白虎と並び立てば、則ち哭声門に臨まん。死神は正月巳より起り、十二地支を順行す。白虎と同臨せば、死傷の厄有るを主とす。課式中若し此の一組が子孫爻位に落つれば、則ち児女に事有ると断ず。若し父母爻位に落つれば、則ち父母に事有ると断ず。「井殺」が死気を乗ずれば、兇殃に水厄を提防すべし。井殺は正月未より起り、十二地支を順行す。死気は正月午より起り、またこれ順行なり。此の両個の兇殺若し白虎・六害を乗じて日干を剋傷せば、則ち井に落つるの災を主とす。若し日干を剋せざれば、便ち井中に死せず——危険に臨む虽かなお救援有らん。
奸門天后,婦女荒淫。奸門者,正月起申順行四孟。與天后並,主婦女淫泆。又得昴星、無淫、六合尤應也。陽不備,二女爭男。陰不備,二男爭女。下克上,三傳皆陽,男佞女也。三傳皆陰,女佞男也。三傳二陽一陰,男爭女。三傳二陰一陽,女爭男。陽神得地,男吉;陰神得地,女吉。獄吏天牢,官刑禁繫。獄神,正月起未,順行四季。又云,獄神正月從辰,二月戌,十二月周而復始,辰戌起止。吏神,春寅、夏巳、秋申、冬亥。天牢,正月起丑,逆行十二支。惡煞剋日,主牢獄官司不利。
「姦門」と天后と同臨すれば、婦女の荒淫を主とす。姦門は正月申より起り、寅・申・巳・亥の四孟の位を順行す。天后と幷び臨めば、婦女の淫乱放縦を主とす。若しさらに昴星課・無淫殺・六合に遇上れば、応験すなわちいよいよ明らかなり。「陽不備」の課は、両個の女子の一個の男子を争うを主とす。「陰不備」の課は、両個の男子の一個の女子を争うを主とす。下神が上神を剋して三伝全て陽支なれば、男子の女子に諂媚するを主とす。三伝全て陰支なれば、女子の男子に諂媚するを主とす。三伝二陽一陰は、衆男の一女を争うなり。三伝二陰一陽は、衆女の一男を争うなり。陽神地を得て気有れば、男方吉なり。陰神地を得て気有れば、女方吉なり。「獄神」「吏神」と「天牢」と同現すれば、官府の刑罰拘禁を主とす。獄神は正月未より起り、辰・戌・丑・未の四季の位を順行す。別の一説は獄神正月辰に在り、二月戌に在り、かくのごとく往復して十二月に到り周りて復た始まる——ただ辰・戌の両位の上に起止するのみ。吏神:春は寅に、夏は巳に、秋は申に、冬は亥に在り。天牢は正月丑より起り、十二地支を逆行す。これらの悪殺若し日干を剋傷せば、則ち牢獄官司の不利を主とす。
天道見反覆,量動靜而遊清波。天地翻覆,即返吟,凡百事不寧也。課象臨歧路,見遊行而復白玉。臨歧者,在道路也。詳何卦主於遠行。涉害、彈射、遊子,不可不知也。涉害,主沉滯遲留,蒿矢主日月歲久,不然地理遠也,必有交加之意。若用神與日三合六合,三傳終始相得,吉辰良將不內戰,主外來遠信至也。若用神與日比,或臨卯酉,游神並不落空亡,游神戲神易至。游神春丑、夏子、秋亥、冬戌,戲神春巳、夏子、秋酉、冬辰。又天驛二馬並行人至。又末傳為足,若犯卯酉二門,行人即至。天馬,正午順行六陽,驛馬,如正月在申是也。
天道に反覆の象顕れれば、則ち動静の機を衡量して、清波の上に浮游するがごとく勢に随いて応変すべし。いわゆる天地翻覆とは、すなわち「返吟課」——凡百の事情皆安寧を得ず。課象が岔路口に臨めば、遠游外に在る人の往返して終に帰来し得べきを主とす。いわゆる「臨歧」とは、すなわち人正に道路の中に在るなり。細かにどの一種の課体の遠行を主とするかを看るを要す——「渉害課」「弾射課」「游子課」皆知らざるべからず。渉害課は沉滞遅留を主とす。「蒿矢課」は拖延して日久く年深きを主とし、然らざれば則ち路途地理の遥遠なるか、かつ必ず事情交錯糾纏の意有らん。若し初伝用神が日干と三合・六合を成し、三伝首尾彼此相得て、吉利の地支と良善の天将の間戦剋せざれば、則ち外地より遠方の音信の到来有るを主とす。若し用神が日干と比和し、あるいは卯・酉の位に臨み、而して「游神」また空亡に落ちざれば、則ち游神・戯神皆到来し易し。游神:春は丑に、夏は子に、秋は亥に、冬は戌に在り。戯神:春は巳に、夏は子に、秋は酉に、冬は辰に在り。此の外、天馬・駅馬の二馬幷び見るも、また行人の到来を主とす。さらに末伝は人の脚を代表す——若し末伝が卯・酉の此の両個の門戸の位を犯せば、行人立刻に到る。天馬は正月午より起り、六個の陽支を順行す。駅馬は則ち正月申に在るがごとき類なり。
途中進發,用神臨日後盤桓。若式中見進神,足動臨門,為進發也。路上不見者,盤桓也。進神,末傳是。發用為期,至日亦同於禍福。期,謂行人到日之期也。以發用之神定之。如前入禍福之期也。假如正月占,用起太沖,二月行人至;用起天罡,三月至。兩途惑意,日辰左右以規模。若路途兩歧,干吉左道通,支吉右道通。干吉大道通,支吉小道通。三路迷心,罡斗用觀於孟季。罡臨孟,左道。臨仲,中道。臨季,右道通也。
行人の途中に前進を継続するや、あるいは臨みて日干の背後に徘徊して動かざるやは、用神の位置を看るを要す。課式中若し「進神」を見、また脚を代表する末伝の発動して門戸の位に臨むに逢えば、則ち前進を継続するなり。若し路上に此らの征象を見ざれば、便ち滞留徘徊なり。いわゆる進神は、看るところは末伝なり。発用の初伝を以て帰期を定むれば、行人到達の日と推斷禍福の期とは同一の方法なり。「期」すなわち行人の抵達する日期——発用の神を用いて確定し、方法は前文の禍福応期を推算するに同じ。たとえば正月に課を占し、初伝「太衝」(卯)より起れば、則ち二月に行人到る。初伝「天罡」(辰)より起れば、則ち三月に到る。路二条に分かれて心中疑惑せば、則ち日干・日支を以て左右を分主して取舍を定めよ。若し路途両岔に分かれれば、日干吉なら左辺の路を走りて通達し、日支吉なら右辺の路を走りて通達す。また日干吉なら大路を走るに宜しく、日支吉なら小路を走るに宜しと説き得べし。若し三条の路人を迷惑せしめて決し難ければ、則ち天罡の孟・仲・季のどの一類の地支に落つるかを看よ——天罡が寅申巳亥の四孟に臨めば、左路を走れ。子午卯酉の四仲に臨めば、中路を走れ。辰戌丑未の四季に臨めば、右路を走りて通達せん。
昏迷失路,參角堪前。若行人逢昏暗,不辨面前路,於傳送下入十步,得左道也。參水猿者,申中宿也。斗罡下五十步,得正路也。角木蛟者,辰中之宿也。秦吳獲膳,房井求泉。若遇途中飢餒,大吉小吉下求之得。秦者,小吉之分。吳者,大吉之分也。小吉太沖下逢泉水。井木犴者,未中宿也。房日兔者,卯中宿也。此又論求飲覓水,但消息言之。
昏暗の中に道路を迷失せば、参宿と角宿と拠りて前行を指引すべし。若し行人が天色昏黒に遇上り、眼前の路を辨え清め得ざれば、則ち「伝送」(申)のあるところの方位に向かいて十歩を走り進めば、便ち左辺の路を找得せん——参水猿は正に申宮の所属する星宿なり。またあるいは「天罡」(辰)のあるところの方位に向かいて五十歩を走下れば、便ち正路を找得せん——角木蛟は正に辰宮の所属する星宿なり。秦地・呉地に在りて飯食を討得し、房宿・井宿の位に在りて泉水を尋得せんと欲するも、また同一の道理なり。若し途中飢餓すれば、則ち「大吉」(丑)・「小吉」(未)のあるところの方位に到りて求めよ——必ず食物を得ん。秦は、小吉の分けたる地域。呉は、大吉の分けたる地域なり。「小吉」(未)と「太衝」(卯)の下に到れば、則ち泉水を找得せん——井木犴は未宮の所属する星宿、房日兎は卯宮の所属する星宿なり。此の一節は路上に水を找して渇を解くを講ず——ただ此の消息に依りて推求すればこれなり。
盜若侵財,用神怕傷於日鬼。盜者,或式中見鬼剋日,返被用事之神克之,其神不能與日為害以為盜也。假令甲日占,用神見勝光,或式中傳送為日鬼,受勝光所克,其鬼不能為禍。兩暗中為盜,若事克,必偷內財,神克必偷外內。
盗賊若し来りて銭財を侵奪せば、則ち発用の用神が日干の官鬼に傷せらるるを怕る。いわゆる盗賊の象とは、課式中に官鬼の日干を剋傷するを見、かえってまた当値発用の神に剋せられ、ここにおいてこの官鬼は日干を危害する能わず、ただ暗中に偷窃する盗賊と淪為るのみ。たとえば甲日に課を占し、用神に「勝光」(午)を見、而して課式中の「伝送」(申)はもと甲日の官鬼——今申金は勝光午火に剋せられ、この官鬼は禍を興し乱を作すこと能わず。両処暗中相剋するは便ち偷盗の象と成る——若し事爻相剋するは、必ず家内の財物を偷す。若し神将相剋するは、則ち内外の財物皆偷せられん。
賊如同德,遊者臨畏於更闌。賊神者,六甲前二辰是也。假如甲子旬,大吉是也。又經云:“春卯夏午秋酉冬子。”若賊神同元武,主盜賊,不同宮非也。若元武與德神並者,主真武神君。若元武神乘日分之財,為空亡,主遺失也。若日下之財,主破財也。遊者,甲己日丑,乙庚日子,丙辛日寅,丁壬日巳,戊癸日申。若遊者加日辰,今日至,可畏於更闌。若臨後一日,來日到。若後三辰,三日必至。臨日前四辰,賊不來也。
盗賊の神若し徳神と同処し、また「游都」の神の位に臨む有れば、則ち深夜更闌の時分を提防すべし。いわゆる賊神とは、六甲旬首より前に両辰を数えたるその一支なり。たとえば甲子旬なら、則ち「大吉」(丑)を以て賊神と為す。経書の上また曰く:「春は卯に在り、夏は午に在り、秋は酉に在り、冬は子に在り。」賊神若し玄武と同宮なれば、始めて盗賊を主とす。同宮ならざれば此の断を作さず。若し玄武と徳神と幷び臨まば、それ真武神君の象、賊の論を作さず。若し玄武の乗ずるところが日干の所属する財爻にしてまた空亡に落つれば、財物の遺失を主とす。若し日干の下の財爻なれば、則ち財を破るを主とす。いわゆる「游者」すなわち游都の神:甲己日は丑に、乙庚日は子に、丙辛日は寅に、丁壬日は巳に、戊癸日は申に在り。游都若し日干日支の上に加臨せば、盗賊当日に来り、深夜の時分最も畏るべし。若し日後の一辰に臨めば、明天到る。若し日後の三辰に臨めば、三天の内に必ず到る。若し日前の四辰に臨めば、盗賊すなわち来らず。
惡煞相刑,見白虎而防刃器。若賊神與元武帶殺相刑于日,又式中見勾陳白虎,必鬥殺傷人傷財也。賊神克處,棄天馬而謹飛垣。元武盜神同克宅處,入來之方,若盜神同天日馬,其賊經所克之方飛垣而跳牆也。若不乘馬,必穿壁穴牆而來。若玄武乘天門,必虛空自臺閣入來。若入鼠穴,水坑中來。若乘遊索煞,主跳簾子窗中,用索懸下,入來為盜也。
悪殺交相刑剋し、また白虎を見れば、則ち刀刃兇器を提防すべし。若し賊神と玄武と兇殺の気を帯びて来りて日干を刑剋し、課式中また勾陳・白虎を見れば、必定に闘殴人を傷り・財を損する事発生せん。賊神の剋傷する処、すなわち盗賊の手を下すの地なり。若し天馬を乗ぜざれば、便ち彼の牆を翻りて入るに留意すべし。玄武と盗神と一同に住宅のあるところの位を剋傷せば、そこすなわち盗賊の進み来る方向なり。若し盗神と天馬・日馬と同臨せば、賊人すなわち剋するその一個の方位より身を飛ばして牆を越えて入らん。若し馬を乗ぜざれば、必定是壁を鑿ち洞を掘りて来らん。若し玄武が天門の位を乗ぜば、必是凌空して楼閣台榭より進み来らん。若し鼠穴の象に落つれば、すなわち水溝水坑の中より鑽り進み来らん。若し「游都」「索殺」を乗ぜば、則ち簾幕窓戸を翻越し、繩索を用いて垂弔して下り、潜入して行窃するを主とす。
用察始終,可量勝敗。武臨生處,蹤得逍遙。武臨生旺處,賊不敗。察東西而推窮審辨。如元武臨丑,則東北之方,認其顏色。分遠近而追捕根因。又視盜所臨處與賊人所入之方。如神后數九,河魁數五,自得四十五。不加也。囚死者,以減方之。
初伝と末伝を用いて事情の始終を考察すれば、則ち盗を捕うる成敗を衡量し得べし。玄武若し長生の位に臨めば、賊人蹤跡飄忽として、従容として身を脱し得べし。玄武が生気・旺気の処に臨めば、賊人すなわち敗露擒せられず。東西方位を辨明し、窮究細審を要す。たとえば玄武が丑位に臨めば、則ち東北方、なおこれに由りて賊人の衣物の顔色を認取し得べし。また遠近を分辯し、以て盗賊の来路根由を追查す。再び盗神の臨むところの処と賊人の進入する方位を看、幷びて数字を以て距離を推算す。たとえば「神后」(子)の数は九、「河魁」(戌)の数は五、相乗じて便ち四十五(里)を得——再び別に加うるに及ばず。若し乗ずるところの気が囚死の状態に処れば、則ち比例に按じて逓減すべし。
陰推歲建,陰發魁罡。君臣謀陷,夫婦情傷。四課連珠,執吉凶而齊動;三傳紹旺,迭勝負以頻詳。陰合陽扶諸禁戶,私門有喜;貴人用事臨房昴,遷轉無殃。凡所求占須憑事類,有則盈盈,無則蕩蕩,乃玉匣之貴寶,獲天地之靈祥。六壬通天鬼翼賦註解卷之十終。
陰神の上より太歳月建を推求し、陰神また河魁・天罡の位に発動せば、則ち君臣の間彼此図謀陷害し、夫妻の間情義の傷を受くるを主とす。四課上下相連して串珠のごとき、吉凶の應便ち一斉に発動す。三伝旺気を承接して勝負更迭す——須く反覆細察すべし。陰神と陽神と相合相扶して、各処の門禁を守れば、則ち私門の内に喜有り。貴人当値発用して房宿・昴宿の位に臨めば、則ち昇遷調轉皆災殃なし。およそ占卜して断を求むるは、皆須く問うところの事類に依照して象を取るべし——該当有る応験は自然充盈顕著にして、該当せざるは則ち空蕩して憑なし。これすなわち玉匣中の貴重法宝、能く天地間の霊験祥瑞を獲取す。《六壬通天鬼翼賦》注解巻之十、ここに終る。
大六壬玉成歌注解 巻之十一
六壬玄妙有靈機,支干神將辨安危。日為君,辰為臣;日為男,辰為女。干是日,支是辰。辨安危,又看神將加臨吉凶善惡言之。克沖刑破衰休害,七者言凶必定期。上下相刑,傳中相破,發用相害,又是死囚休廢氣,加干支上及用神者,為凶兆之事。細審一刑、二破、三克、四害、五休、六死、七囚,凡神將有此七者即凶。
六壬の術は玄妙窮まりなく、自ら霊動の機竅有り——全て日干・日支と十二天将と拠りて安危を分辯す。占法の通例:日干を君と為し日支を臣と為し、日干を男と為し日支を女と為す。「干」とは日干を指し、「支」とは日支を指す(また「辰」と称す)。安危を分辯するには、さらに天将の何位に加臨するかを看、それの吉凶善悪に拠りて断ずべし。相剋・相衝・相刑・相破・衰気・休気・六害——此の七様出現せば則ち兇と断じ、しかも応期必ず定まる。いわゆる上下相刑・三伝の中相破・発用の神相害、さらに死気・囚気・休気・廃気を加え——およそ此ら日干日支の上に加わりあるいは用神の上に加わるは、皆兇兆なり。細々に審辨を要す:一は刑・二は破・三は剋・四は害・五は休・六は死・七は囚——およそ天将が此の七様中の何れか一様を帯ぶれば、則ち兇と断ず。
德合相生並旺氣,吉屯相從福自隨。甲己德在寅,乙庚在申,丙辛在巳,丁壬在亥,戊癸在巳。所謂支德,前五辰是也。假令子日在巳,丑日在午,又三合六合,上下相生,旺相有氣,以上皆為吉慶。如課中見此,又有吉神加臨,百事亨通。
徳神・合神・相生さらに旺気を加えれば、吉慶聚集相随い、福気自然到来す。日干の徳の定位は:甲日・己日は徳は寅に在り、乙日・庚日は申に在り、丙日・辛日は巳に在り、丁日・壬日は亥に在り、戊日・癸日は巳に在り。いわゆる「支徳」に至りては、日支より前に第五辰を数う。たとえば子日の支徳は巳に在り、丑日の支徳は午に在り。さらに三合・六合を加え、上下両神彼此相生し、また旺相有気の状態に処るは、以上皆吉慶の象に属す。課中若し此らを見、また吉神加臨あれば、則ち百事亨通せん。
將是神兮神是將,若遇青龍便是寅。天元十二將,貴蛇之類;地元十二將,功曹太沖之類。假令乙丑日見白虎是德神也,餘仿此。假令甲子日得青龍入辰兩課,為外人入內。青龍在申酉上受克,亥子喜水生木也。
天将すなわち地支、地支もまたすなわち天将——たとえば青竜に遇上れば、それの本位便ち寅木なり。いわゆる「天元十二将」とは、貴人・螣蛇の類の十二天将。いわゆる「地元十二将」とは、功曹(寅)・太衝(卯)の類の十二地支月将。たとえば乙丑日に白虎を見れば、白虎の本位は申に属し、正に乙庚の徳申に在るを以て、故に此の時白虎すなわち徳神なり——其の余此に依りて類推すべし。またたとえば甲子日に青竜の日支の両課の中に進入するを占得すれば、外人の家内に進入するを主とす。青竜は木に属し、若し申・酉の金位に臨めば便ち剋を受け、若し亥・子の水位に臨めば、則ち水は能く木を生じて、かえって喜ぶべし。
日主尊外並人類,辰為卑幼宅兼身。日為尊、為外、為己身也,辰為卑、為內、為宅、為物類也。兩課有凶戰者,主宅中有人作禍。旺相為陽人,休囚為陰人。切忌天目、勾陳、白虎臨宅。慮遊魯二都煞者,乃主賊人盜神臨宅。又慮魁罡臨宅克宅,主亡失事。
日干は尊長・外部と人事の類を主とし、日支は則ち卑幼・住宅および自身の処する地を主とす。具に言えば:日干は尊貴の者・外部・自己本身を代表し、日支は卑下の者・内部・住宅と器物の類を代表す。日支の両課の中に若し兇神の交戦有れば、則ち宅中に人の禍を惹く有るを主とす。乗ずるところの気が旺相なるは男子、休囚なるは女子なり。最も忌むは「天目」・勾陳・白虎の住宅を代表する日支の上に臨むこと。さらに「游都」「魯都」の此の両個の盗殺を提防すべく、彼らは賊人・盗神の宅に臨むを主とす。また「河魁」(戌)・「天罡」(辰)の宅に臨みて幷びて宅を剋するを提防すべく、則ちそれ遗失亡佚の事を主とす。
占時考校日和辰,是財是鬼是何神。假令甲乙日得辰戌丑未四辰,為財;申酉為日鬼,主勾連官事。假令是庚辛金,見土神為休氣,是父母;見金神為旺神,是兄弟;見木神為死氣,是妻財。在日兩課克者為外財,在辰兩課克者為內財。
課を起すの時、日干と日支の関係を考察して、臨むところの神が究竟財爻なるか・官鬼なるか、あるいは別の何の神なるかを看るを要す。たとえば甲・乙の木日に辰・戌・丑・未の四土の辰を得れば、土は木に剋せられ、すなわち財爻なり。申・酉の金を得れば、則ち金は木を剋して、日干の官鬼なり、官司に牽連する事を主とす。またたとえば庚・辛の金日に、土神を見るは我を生ずる者、休気と為し、父母爻に属す。金神を見るは我と同じき者、旺神と為し、兄弟爻に属す。木神を見るは我の剋する者、死気と為し、妻財爻に属す。およそ日干の両課中に剋せらるるは、外来の財なり。日支の両課中に剋せらるるは、家内の財なり。
見機兩用艱辛險,疑惑先難後易成。凡課俱比俱不比,先取四孟為用神。名見機卦,主有兩事。又有艱難之意。占事主有疑惑不決,先難後易也。知一每事須知近,遙克當傳主遠尋。此卦占失,不離兩鄰。故知一主諸近事也。不宜占訟,和則吉。神遙剋日名蒿矢,日遙克神是彈射,主曖昧口舌遠望事。看神將吉凶言之。
「見機課」は両処取用すべき有り——事を辦ずるに艱辛にして险阻多く、心に疑惑を存すも、先に難く後に易く終に成就し得べし。およそ課中四課上下俱に比和するか、あるいは俱に比和せざるかすれば、先ず寅・申・巳・亥の四孟の神を取りて用神と作す——此の種の課を「見機卦」と曰い、同時に両桩の事あるを主とし、また艱難の意を含有す。事を占うに疑惑決し難く、先難後易なり。「知一課」は凡事皆近処より找すべく、「遥剋課」は則ち遠処に往きて尋るを要す。知一課に失物を占えば、失物は左隣右舎を出でず——故に知一課の主とするは皆近身近処の事なり。此の種の課は訴訟を占うに宜しからず、和解して乃ち吉なり。上神の遠くより日干を剋するを「蒿矢課」と曰い、日干の遠くより上神を剋するを「弾射課」と曰い——皆曖昧不明の口舌是非と遠方観望の事を主とし、なお天将の吉凶を参看して断ずべし。
玄胎生下人占病,當用生下定有嬰。三傳俱孟,上生下,主占病。下生上,主胎。用神如在長生上,乃生玄胎也。婦人占懷孕,男子占主有親事動。更看將神吉凶。蓋申巳寅亥合體,主親。亥申巳寅害體,主官事曖昧。
「玄胎課」中若し上神が下神を生ずれば、占うところ多くは疾病なり。若し発用の神が長生の位に落ちて下が上を生ずれば、則ち必ず嬰孩の喜有らん。具に言えば:三伝全て寅・申・巳・亥の四孟なれば、則ち玄胎課と曰う。その中上神が下神を生ずるは、病を占うを主とす。下神が上神を生ずるは、懐胎を主とす。用神若し正に長生の位に落つれば、則ちそれ玄胎孕育の象なり。婦人占えば、懐孕を主とす。男子占えば、婚姻親事の発動有るを主とす。なお天将の吉凶を参看すべし。申・巳・寅・亥の此の幾支が互いに合を作して一体を成するを因れば、親事を主とす。若し亥・申・巳・寅が互いに害を為して一体を成せば、則ち官司の曖昧清らかならざるを主とす。
反吟占者休言定,往復雙雙兩事因。反吟占事不一,須占兩事,主事往復未定之象。常占須主身離動,不動人情有怨嗔。反吟主身動,若不動有口舌、人情不足指事。伏吟舉動心無遂,剛主行人到戶庭。伏吟主求謀未遂,剛日占行人至,柔日不至。
「反吟課」を占得せば、則ち事已定なりと断ずることなかれ——それ来り回り去り来り・成双成対にして両桩の事由を牽出すを主とすればなり。反吟課の占うところの事は往々一件に止まらず、須く両件の事に按じて推すべく、事の往復反覆・未だ確定せざるの象を主とす。平常に反吟課を占うは、多くは本人に遠離走動の事有るを主とす。若し人并びに走動せざれば、則ちそれ人情の上に怨恨嗔怪有るなり。反吟は身動を主とし、若し身動かざれば、便ち口舌是非・人情周らざるの事有らん。「伏吟課」を占得せば、およそ挙動有るに皆心に称うこと難し。若し剛日(甲丙戊庚壬)の占に逢えば、則ち行人已に家門庭院に到るを主とす。伏吟は謀求の事未だ願いのごとくならざるを主とす。剛日に行人を占えば到るを主とし、柔日(乙丁己辛癸)に占えば則ち到らず。
卦隨三交吉凶定,昴星蛇虎火殃迍。三交是三傳皆仲。若非酉加午即是酉加子。卯上有凶將,主釜鳴。上見天空,主失五音之物。青龍太常朱雀主遷官;見勾陳陰后玄武主走失;上見蛇虎生旺,三傳內見天喜驛馬者,主交集之象。昴星卦發用見蛇虎,占病必死。占官事主枷鎖,太常主曖昧事。
「三交課」を占得せば、吉凶はその組合に随いて定めるを要す。「昴星課」を占得して螣蛇・白虎を見れば、則ち火災の類の殃禍迍難を主とす。いわゆる三交とは、三伝全て子・午・卯・酉の四仲の上に落つるなり——酉の午に加わるにあらざれば、酉の子に加わるなり。卯上若し兇将有れば、鍋釜の故なく作响するの怪異を主とす。卯上若し天空を見れば、琴瑟鐘磬の類の五音を発する器物を丢失するを主とす。三交課の上に青竜・太常・朱雀を見れば、官職昇遷を主とす。勾陳・太陰・天后・玄武を見れば、人口走失を主とす。上に螣蛇・白虎を見て生旺の気に処り、三伝の内また天喜・駅馬を見れば、則ち諸事交錯聚集の象を主とす。昴星課若し発用の神に螣蛇・白虎を見れば、病を占して必ず死し、官司を占して枷を戴き鎖を上ぐを主とす。若し太常を見れば、則ち曖昧不明の事を主とす。
歲月相傷尊長禍,虎臨弔喪哭聲頻。太歲月建相剋為用,得凶將者尊長災。若俱陽是男,俱陰是女。歲前二辰是喪門,歲後二辰是弔客。白虎加臨為用,主哭聲動。三刑為鬼人家破,馬吉加年職轉升。三刑入傳交戰者,大凶。煞傷日辰,主家破人亡,不知之事。日鬼為用,加行年本命,更見驛馬,天官朱雀太常,主遷官。
太歳と月建と互いに傷剋するは、尊長に禍有るを主とす。白虎さらに喪門・吊客の位に臨めば、則ち常に哭声を聞かん。太歳と月建と相剋して発用し、また兇将を乗ずれば、尊長に災有るを主とす。若し両者皆陽支なれば、男子の身上に応じ、皆陰支なれば、女子の身上に応ず。太歳より前に両辰を数うるは「喪門」、後に両辰を数うるは「吊客」——白虎その上に加臨して発用せば、則ち哭声起動するを主とす。三刑若し化して官鬼と成れば、人家の破敗を主とす。駅馬と吉神と行年に加臨すれば、則ち官職昇遷を主とす。三刑が三伝に入りて彼此交戦するは、大兇の象なり。兇殺が日干日支を傷剋するは、家破人亡を主とし、幷びて意料の到らざるの事有らん。若し日干の官鬼発用して、また行年・本命の上に加臨し、さらに駅馬および天官・朱雀・太常を見れば、則ち官職遷昇を主とす。
墓神加日身災滯,支煞干臨為所迍。墓神加日主災滯,支為卑干為尊,支煞臨干主事迍邅。歲同死虎加年命,相刑之月氣歸陰。太歲同白虎乘死氣加行年本命,占病必死。假令申年四月庚寅日申時占伏吟卦,申加行年上占病主凶。太歲白虎來傷行年,四月內主死。餘仿此推。
墓神が日干の上に加われば、本身に災病滞礙有るを主とす。日支上の兇殺が日干の頭上に臨到れば、則ち困頓行くこと難きの迍邅の象と成る。墓神が日干に加わるは災滞を主とす。日支は卑幼を代表し、日干は尊長を代表す——日支の兇殺が日干上に圧到するは、事の艱難受阻するを主とす。太歳と死気・白虎と一同に行年・本命の上に加われば、それと相刑する月份に到りて、気数便ち陰間に帰す。すなわち、太歳と白虎と同じく死気を乗じて行年本命に加臨するは、病を占して必ず死す。たとえば申年四月庚寅日申時に伏吟卦を占得し、申が行年の上に加われば、病を占して兇を主とす。太歳と白虎と一起に来りて行年を傷剋すれば、則ち四月の内に死亡するを主とす。其の余此に依りて類推すべし。
日鬼加臨辰兩課,門中官事乃相榮。日鬼加辰之兩課,主門中官事勾連。假如三月壬戌日反吟課是也。更以神將言之。吉將遭傷求事阻,凶神受制事還成。吉將逢休敗死氣亦當有阻難。時傷年命入傳來,忽然卒報有驚駭。占時如克行年本命者有卒報驚恐之事。
日干の官鬼が日支の両課上に加臨すれば、家門の中便ち官司の纏绕有らん。すなわち、日干の官鬼が日支の両課の上に加わるは、門戸の内に官司の牽連有るを主とす——たとえば三月壬戌日に反吟課を占得するは則ち此のごとし、なお天将と結合して断ずべし。吉将若し傷剋に遭えば、求むるところの事すなわち受阻せん。兇神若し制伏せられれば、事かえって能く成らん。吉将若し休気・敗気・死気に逢うも、同様に阻難有らん。占時の神が行年・本命を傷剋してまた三伝に進入せば、則ち忽然として急報を接して驚を受けん。およそ占時の神が行年本命を剋傷するは、突如其来の報訊と驚恐の事有るを主とす。
德神動處吉相遂,反遭刑剋見凶災。德神發用,又乘吉將,主有相扶喜事。假令己日傳見寅,寅又加申,為寅巳申三刑。如申酉上或見白虎,或申酉加寅卯,是遭刑剋,亦主有災。支上有鬼家移動,干若逢之人必衰。假令申酉日上見巳午,主遷移。日上兩課見發用有鬼加,主官事。
徳神発動の処は、吉事順遂す。但し徳神若し反って刑剋を遭受せば、則ち兇災を見ん。徳神発用して、また吉将を乗ずれば、人の扶助する喜事有るを主とす。たとえば己日に三伝中に寅を見(己日の徳は寅に在り)、而してこの寅また申の上に加臨せば、則ち寅・巳・申の三刑を構成す。またたとえば申・酉の上に白虎を見るか、あるいは申・酉が寅・卯の上に加わるは、此れ皆徳神の刑剋を遭受する、同様に災禍有るを主とす。日支上に官鬼出現するは、家宅の遷動せんとするを主とす。日干上若し官鬼に遇えば、則ち本人必ず衰敗せん。たとえば申・酉日の日支上に巳・午の火の来りて金を剋するを見れば、遷移を主とす。日干の両課中に発用の神の官鬼を帯ぶるを見れば、則ち官司を主とす。
日破對隔人離別,鬼值夜時宅破乘。日之兩課有對神隔,主有人離隔。假如乙日辰上見六合乘酉,木被金隔主有離別。辰上兩課遇鬼,主宅破。假令午日占,朱雀乘亥子臨午是也。陰神卻受陽神克,陰小傷刑人墮胎。日之陰神見天輪上陽神年干克者主退陰小事。上有凶將,主失脫。婦人損孕。
日干が衝破に逢いて対衝の神の相隔有れば、人事離別を主とす。官鬼若し夜将に値して日支に乗ぜば、則ち住宅破敗を主とす。日干の両課中若し対衝の神の中より阻隔する有れば、則ち人の离散有るを主とす。たとえば乙日の日支上に六合の酉を乗ずるを見れば、乙木は酉金に隔せられ、則ち離別の事有るを主とす。日支の両課上に官鬼に遇えば、宅舎破損を主とす——たとえば午日に課を占し、朱雀の亥・子の水を乗じて午の上に臨むは則ちこれなり。陰神かえって陽神に剋せられれば、則ち陰人小口傷を受け、甚だしきは婦人堕胎す。日干の陰神が天盤上の陽神および行年・日干に剋せらるるは、陰人小口の類の事の退敗を主とす。上面若しさらに兇将有れば、人口走失を主とし、婦人は則ち胎孕を損傷せん。
四課相間於內外,傳內沖支宅禍危。假令丙辰日丑將亥時,四課皆間,主外人官事,內人奴婢。發用傳中沖支,主宅中不安。凡用神刑剋支神,主宅不安。用神上見玄武,便言有賊。子孫陰劫日來臨,逆亂欺凌尊上人。子孫遇太陰劫殺也。假如甲乙日見火神為子孫,即客欺主也。三傳支俱陰,帶凶將,主陰人口舌之事。
四課内外相隔して相連ならず、三伝の中また日支を衝剋する神有れば、住宅便ち禍患危険有らん。たとえば丙辰日に丑将・亥時を用いて課を起し、四課彼此相隔すれば、外面の人の官司を惹出すを主とし、家内の人は則ち奴婢の身上に応ず。発用と三伝の中に日支を衝剋する有れば、宅中の不安を主とす。およそ用神が日支の神を刑剋するは、皆宅舎の不寧を主とす。用神の上若し玄武を見れば、則ち盗賊有ると断じ得べし。子孫爻が太陰・劫殺に遇上りて日干に臨到せば、則ち悖逆作乱・尊長を欺凌する事有らん。いわゆる「子孫陰劫」とは、すなわち子孫爻の太陰と劫殺に遇上るなり。たとえば甲・乙の木日に火神を見るは子孫(木は火を生ず)——すなわち客の主を欺くの象なり。三伝と日支と全て陰支にして、また兇将を帯ぶれば、女子に因りて起る口舌是非を主とす。
支將同類家中事,六合三合眷屬親。如巳午日傳見蛇雀主家中事。假令甲子日申辰發用為親戚事。又如占盜,見支辰三合上見六合,亦是骨肉為盜。天空臨未井為怪,兼主人遭病患磨。天空加未主井怪或未帶殺主患病。從魁白虎日辰上,宅中須有孝服人。如辛酉日伏吟夜貴,酉是白虎,主宅中有著孝人至。
日支の乗ずるところの天将が日支の五行と同類なれば、主とするところは家内の事なり。若し六合・三合を見れば、則ち眷属親戚の事を主とす。たとえば巳・午の火日に三伝中に螣蛇・朱雀を見(二者皆火に属し、日と同類)れば、則ち家中の事を主とす。またたとえば甲子日に申・辰を以て発用せば、申子辰三合成局して、親戚の事を主とす。さらにたとえば盗賊を占うに、若し日支の辰が三合を結成し、上にまた六合を見れば、それもまた骨肉至親の作したる賊なり。天空が未の上に臨めば、水井に怪異有るを主とし、同時にまた人の病痛の折磨に遭うを主とす。天空が未土に加臨するは、井中に作怪するを主とす。未若し兇殺を帯ぶれば、則ち病を生ずるを主とす。「従魁」(酉)と白虎と日干日支の上に落つれば、宅中必ず孝服を穿つ人有らん。たとえば辛酉日に伏吟課を占得して夜貴人を用いれば、酉上は正に白虎——則ち宅中に戴孝の人の到来有るを主とす。
白虎死氣日辰墓,來臨內外亦如然。白虎與死氣臨日辰,墓如臨日之陽神主內宅,日之陰神主外親。臨辰之陽神陰神主人災。傳帶凶將沖支干,疾病人災官事生。三傳內有一傳乘凶將沖日辰,主訟病。如甲寅日卯將子時,用起是申,又乘凶將螣蛇。餘準此例。
白虎・死気と日干日支の墓神と相并するは、内に臨むと外に臨むとを論ぜず、断法皆一なり。白虎と死気と日干日支の上に臨む——その中墓神若し日干の陽神に臨まば、家内宅舎に応ず。日干の陰神に臨まば、外面の親戚に応ず。若し日支の陽神あるいは陰神の上に臨まば、則ち人口に災有るを主とす。三伝の中に兇将を帯びて来りて日干日支を衝剋せば、則ち疾病・人口の災と官司を生出せん。ただ三伝中に一伝兇将を乗じて去りて日干日支を衝剋すれば、則ち訴訟と疾病を主とす。たとえば甲寅日に卯将・子時を用いて課を起し、初伝申より起れば、申は寅木の日支を衝し、また兇将螣蛇を乗ず——すなわち此の例なり、其の余此に依りて類推す。
本音墓與虎蛇並,棺槨墓喪欲動興。虎蛇與本日墓神並臨干支上,主喪服。如辛巳日,白虎乘丑加日辰發用,或在三傳。占身用與納音詳,相生有喜克時殃。發用神克納音,主身災。若貴人相生吉慶,相扶則吉,相剋則凶。
本日納音の墓神が白虎・螣蛇と幷び臨めば、棺槨墳墓・喪葬の事すなわち発動せんとす。白虎・螣蛇と本日の墓神と一同に日干日支の上に臨めば、家に喪服の事有るを主とす。たとえば辛巳日は、辛金の墓は丑に在り——白虎が丑を乗じて日干日支に加臨して発用するか、あるいは丑が三伝の内に落つれば、すなわち此の種の情形なり。本身の安危を占うは、発用の神と本命納音と合看を要す——両者相生すれば則ち喜有り、相剋すれば則ち殃有り。発用の神若し本命納音を剋せば、自身に災有るを主とす。若し貴人それと相生せば、すなわち吉慶なり。總じて相扶相生すれば則ち吉、相剋相戦すれば則ち兇なり。
父母臨干憂子息,妻財尊位豈能康。用見父母帶凶煞惡將加日上,主子息不寧。如甲子酉將亥時,白虎乘子在日上是也。用神見妻財主家長不安。如丙寅日反吟課,是父母受克也。子孫見時官事解,雀傷於日鬧喧喧。三傳中有子孫為救神,官事解散。如四月丙辰日子時占得子申辰,為事解。朱雀乘神剋日辰,主有鬥爭口舌之事。
父母爻が日干の上に臨めば、子女を憂慮すべし。妻財爻が尊長の位を占拠すれば、家長どこで安康ならんや。用神に父母爻を見、また兇殺悪将を帯びて日干の上に加われば、子女の安寧を得ざるを主とす。たとえば甲子日に酉将・亥時を用いて課を起し、白虎が子水を乗ず(子は甲木の父母)る日干の上に落つるは則ちこれなり。用神に妻財爻を見れば、則ち家長の不安を主とす——たとえば丙寅日の反吟課は、正に妻財の父母を剋し父母の剋を受くるの象なり。三伝の中に子孫爻出現せば、官司すなわち化解を得べし。朱雀若し来りて日干を傷剋せば、則ち口舌喧鬧して休まず。三伝中に子孫爻の救神に充当する有れば、官事自然解散す。たとえば四月丙辰日子時に子・申・辰の三伝を占得すれば、則ち事の消解を主とす。朱雀の乗ずるところの神若し日干日支を剋傷せば、則ち争闘口舌の事を主とす。
水乘火將多驚恐,勾雀同傳爭訟傷。蛇雀乘亥子,主有驚恐。勾雀同入三傳,主爭訟。假如三月丁卯日亥時丑加卯,初勾中雀末貴,主爭訟官事。卯為前二招唇舌,罡作朱禽獄訟殃。前二是朱雀,乘卯上主口舌。如七月戊辰日午時課是也。罡雀主獄訟。如辛卯日丑將子時占,初罡雀末午勾是也。
水支上に火に属する天将を乗ずれば、多くは驚恐を主とす。勾陳と朱雀と一同に三伝に進入せば、則ち争訟傷を受くるを主とす。螣蛇・朱雀(皆火に属す)が亥・子の水を乗ずるは、驚恐の事有るを主とす。勾陳と朱雀と同じく三伝に入るは、争訟を主とす。たとえば三月丁卯日亥時に、丑が卯の上に加わりて課を起し、初伝勾陳を乗じ・中伝朱雀を乗じ・末伝貴人を乗ぜば、則ち争訟官司を主とす。卯の前の両位は朱雀の位——朱雀が卯を乗ずれば口舌を招惹す。天罡(辰)が朱雀と配上せば、則ち牢獄訟事の殃有らん。いわゆる「前二」とはすなわち朱雀——朱雀が卯の上に乗ずれば口舌を主とす、たとえば七月戊辰日午時の課は則ちこれなり。天罡と朱雀と相配するは牢獄訴訟を主とす——たとえば辛卯日に丑将・子時を用いて課を起し、初伝は天罡の朱雀を乗ずる・末伝は午上の勾陳を乗ずるは、すなわち此の種の格局なり。
熒惑加寅音信至,太陰發用有陰詳。熒惑朱雀也。加寅主遠信至。如乙丑日,申將未時寅為朱雀也。若初傳太陰,兼與日辰無戰、乘旺者,主陰人暗助。若休囚必陰謀戕害。天罡立用須干眾,寅卯加臨訟獄防。罡神為用主有帶眾動求貴人事。罡加寅卯上,更看將神吉凶,便言有官司獄訟事。
熒惑が寅位に加臨すれば、音信到来有るを主とす。太陰発用すれば、則ち陰私の事有りて細察を須とす。熒惑すなわち朱雀——寅の上に加われば遠方の書信到達を主とす。たとえば乙丑日に申将・未時を用いて課を起せば、寅上は正に朱雀なり。若し初伝が太陰にして、また日干日支と相戦剋せずして乗ずるところの気旺盛なれば、女子暗中に相助する有るを主とす。若し太陰が休囚の気に処れば、則ち必ず陰謀加害なり。天罡(辰)発用するは、多くは衆人を帯領して干求する所有るを主とす。天罡が寅・卯の上に加臨すれば、則ち訟獄を提防すべし。天罡を用と為すは、一夥の人を帯びて貴人の事を干求するを主とす。天罡が寅・卯の上に加われば、再び天将の吉凶を看て、便ち官司牢獄の事有ると断じ得べし。
晝夜貴人傳俱見,或用日德動尊頏。晝夜貴俱在三傳中,主求勸貴人有德者大吉。假令二月癸巳日卯時,卯戌巳三傳,主動貴人求身事。天空發用無憑準,前四帶合主勾引。凡發用見天空與休囚並,主事虛誕。勾陳合日辰上,主勾連引誘事。後陰玄發主陰謀,傳出天乙前復明。凡傳中見陰后元武,主有闇昧陰謀之事。若用此三將,傳出天乙前主先晦後明也。
昼貴人と夜貴人と皆三伝の中に出現し、あるいは日干の徳を以て発用するは、皆尊貴の人を驚動するを主とす。昼貴・夜貴同じく三伝に在るは、徳有る貴人に求告するを主とし、大吉なり。たとえば二月癸巳日卯時に課を起し、三伝卯・戌・巳と為れば、則ち貴人を驚動して自身の為に事を求むるを主とす。天空発用すれば則ち事憑拠無根なり。貴人の前の第四位に合を帯ぶるは、人の中より勾引牽連する有るを主とす。およそ発用に天空を見、また休囚の気と相并せば、事の虚妄実ならざるを主とす。勾陳が日干日支と相合してその上に臨めば、牽連引誘の事を主とす。天后・太陰・玄武発用するは、陰謀有るを主とす。但し三伝若し走出でて天乙貴人の前に到れば、則ち暗より明に転ず。およそ三伝中に太陰・天后・玄武を見れば、暗昧陰謀の事有るを主とす。若し此の三将を以て用と為し、而して三伝行きて天乙貴人の前に到れば、則ち先に晦暗にして後に光明するを主とす。
惡將從來口舌凶,或逢生合卻歡榮。凶將乘旺相亦主有口舌。凶將若逢德合相生,凶中有吉。貴臨巳亥多反覆,罡加癸水卜賊人。天乙加巳亥主事多反覆。天罡加亥是龍得水,變化飛螣,捕捉難獲。如巳將癸酉日寅時,是辰加癸水,占賊不見。
兇悪の天将は向來口舌の兇を主とすれど、但し相生相合に逢えば、かえって転じて歓喜栄耀と成る。兇将の乗ずるところの気が旺相なれば、同様に口舌を主とす。兇将若し徳神・合神に遇上りて来りて相生せば、便ち兇中に吉有り。貴人が巳・亥の位に臨めば、事多く反覆す。天罡が癸水の上に加われば、賊を占して捉え難し。天乙貴人が巳・亥に加臨するは、事の屢々卦を変ずるを主とす。天罡(辰)が亥の上に加わるは、竜の水を得たるなり、変化すること飛騰の蛟螣のごとく、捕捉極めて成功し難し。たとえば巳将を用い癸酉日寅時に課を起すは、正に辰の癸水の上に加わるなり——賊を占えば便ち見えず。
支干發用歲神臨,所求遠望干朝廷。占見太歲加臨干支上,主望朝廷之事。太歲連傳三二年,卜時為用見當先。假如巳年午將巳時占事,主三二年不決,遲滯。只如貴人日辰月將亦同是也。占日時為用,主當日時定應。餘皆準此。支干發用還應速,歲建兼煞亦同然。傳中加日辰主事速也,太歲月建亦同。
日干日支発用してまた太歳の神の臨加有れば、求むるところ多くは朝廷を指望する遠大の事なり。課を占う時に太歳の日干日支の上に加臨するを見れば、朝廷を仰望する事有るを主とす。太歳連なりて三伝に入れば、事要して両三年を拖らん。起課の時を以て発用せば、則ち応験眼前に在り。たとえば巳年に午将・巳時を用いて事を占えば、両三年懸而して決せず・遅滞成り難きを主とす。貴人・日干日支・月将の推法もまた此と相同じ。若し占課の日・時を以て発用せば、則ち当日当時に応ず。其の余皆此に照らして類推す。日干日支発用すれば、応験すなわち速し。太歳・月建さらに兇殺を帯ぶるも、道理一なり。三伝の中に日干日支に加臨するは、事の来る速きを主とし、太歳・月建の加臨するもまた同様の看法なり。
旺相氣發同此斷,休衰陰逆定遲延。春用木神夏用火神為旺,發用休囚衰,傳中陰逆,主事遲延。日陰辰陰為合用,更乘吉將事求成。凡日之陰神辰之陰神相合為用,主成合事。吉將則吉,凶將則凶。如辛亥日午將申時午為用,主外親喜求事大吉。餘仿此推。
発用の神が旺気・相気を帯ぶるは、断法上文と同じ(皆応験迅速を主とす)。若し休気・衰気を帯び、三伝また逆行して陰に属せば、事一定に拖延せん。いわゆる旺とは、春は木神を以て発用し・夏は火神を以て発用するなり。若し発用の神が休囚衰敗の気に落ち、三伝また陰支逆行なれば、則ち事の遅緩を主とす。日干の陰神と日支の陰神と相合して発用し、さらに吉将を乗ぜば、求むるところの事すなわち辦成し得べし。およそ日干の陰神と日支の陰神と彼此相合して幷びて用神と作るは、合作の事を成就するを主とす。吉将を乗ぜば則ち吉、兇将を乗ぜば則ち兇なり。たとえば辛亥日に午将・申時を用いて課を起し、午を以て用神と為せば、外姓の親戚に喜有るを主とし、事を求めれば大吉なり。其の余此に依りて類推すべし。
日辰相合無凶將,亦有主他相合因。日辰與三傳帶合無凶將,大吉。又如日辰相見,並吉將臨,主它人來合求吉事。用與時傷干支凶,反生日辰卻豐隆。發用與占時同剋日,主災滯自外來。克辰者主災從內生。占時為用,生日辰,更得吉將,主大吉之事。
日干と日支と相合して兇将の掺杂なければ、また他人の前に来りて我と合作するの縁由を主とす。日干日支と三伝と皆合を帯び、また兇将を見ざれば、すなわち大吉の課なり。またたとえば日干日支彼此相見えて、さらに吉将臨加あれば、他人の前に来りて我と合謀して吉事を図るを主とす。用神と占時の神と一同に日干日支を傷剋すれば、すなわち兇なり。反って若能く日干日支を生扶せば、則ち豊盈興隆す。発用の神と占時の神と一の神と一緒に日干を剋するは、災禍滞礙の外面より来るを主とす。若し剋するが日支なれば、則ち災禍の家内より生出するを主とす。若し占時の神を以て発用して能く日干日支を生じ、さらに吉将を得れば、則ち大吉の事を主とす。
支用傳干他從己,干傳辰上我隨人。支上發用,傳在干上,主他人從我。日上發用,傳在支上,主我托他人。地足天頭加卯酉,將乘蛇虎遠行臻。天頭戌,地足亥,加臨卯酉上,更乘蛇虎,占行人動也。斬關遊子身俱動,干上支加事亦新。斬關遊子主動。凡支加干,事主新。天驛馬來傳內見,參星白虎動行人。二馬發用主身動遠行。參星是申中之宿,與白虎同加行年本命上,主身動也。
日支上より発用して三伝日干に帰到するは、别人の我に依従するなり。日干上より発用して三伝日支に落到するは、我の别人に依附するなり。すなわち:日支上に発用して三伝日干の上に落つるは、他人の我に順従するを主とす。日干上に発用して三伝日支の上に落つるは、我の他人に托靠するを主とす。「地足」と「天頭」と卯・酉に加臨し、天将また螣蛇・白虎を乗ぜば、遠行の事到来するを主とす。天頭は戌を指し、地足は亥を指す——彼ら卯・酉の上に加臨し、さらに螣蛇・白虎を乗ぜば、行人を占して走動有るを主とす。「斬関課」「游子課」皆人身の走動を主とす。日支が日干の上に加到すれば、則ち事は新起を主とす。斬関・游子の二課は動を主とし、およそ日支が日干の上に加わるは、占うところの事皆更新を主とす。天馬・駅馬三伝中に出現し、参宿と白虎と同臨するも、また行人の走動を主とす。天馬・駅馬の二馬発用するは、本身の走動遠行を主とす。参星は申宮の所属する星宿——若し白虎と一同に行年・本命の上に加われば、本人の走動有るを主とす。
玄空值財財不實,武陷空亡須損失。玄空乘日,主財不實。若又空亡,損失無疑也。財傷年命鬥爭因,劫亡下克盜為真。財克本命行年者,因財爭訟。若劫煞亡神值財,下克上,主有劫盜或走失也。外財入內當財喜,忽然逢旺貨物起。日之財神入辰兩課者,主有外財入內,主財喜動。內俱喜財,更逢旺氣,如貨物買賣,立有厚利。又主物價高。
玄武・天空が財爻上に落つれば、此の財は実ならず。玄武さらに空亡に陥入せば、銭財必ず損失有らん。玄武・天空が日干の上に乗ずるは、財物虚にして実ならざるを主とす。若しさらに空亡に逢えば、損失は免れがたし。財爻が行年本命を傷剋するは、財に因りて争闘を起すなり。劫殺・亡神のあるところの処に下神が上神を剋すれば、則ち真にこれ盗賊なり。財爻が本命・行年を剋傷するは、財物に因りて官司を打つを主とす。若し劫殺・亡神正に財爻の上に落ち、また下が上を剋すれば、搶劫・偷盗あるいは人口走失有るを主とす。外面の財が家内に進み入るは、財喜の象なり。若し忽然として旺気に遇上れば、貨物買賣立時に興起せん。日干の財神が日支の両課の中に進入するは、外財内に入りて財喜発動するを主とす。内外皆財爻を見るを喜び、さらに旺気に逢えば、則ち貨物を経営し買賣して立刻に厚利有り、同時にまた物価の上漲を主とす。
財入傳來天將傷,分遭破失不堪當。日之財在三傳中而有將相剋,主分財破失也。假令壬癸日,見巳午為財,而上有水將,言玄后也。官鬼下臨財位上,陰私用事畏人彰。如己酉日申將巳時,卯是日之鬼,臨子水財鄉,主陰私用事也。
財爻が三伝に進入して、却って天将に傷せられれば、銭財すなわち分散破失して、承当し難し。日干の財爻虽か三伝の中に落つるも、天将有りて来りてこれを剋すれば、財の瓜分せられ破耗損失するを主とす。たとえば壬・癸の水日は巳・午の火を以て財と為すも、而して巳午の上に却って水に属する天将を乗ず——すなわち玄武・天后——水は火を剋して、財便ち傷を受く。官鬼が財爻の位置上に落到すれば、暗中に做す私事の人に張揚せらるるを怕るを主とす。たとえば己酉日に申将・巳時を用いて課を起し、卯木は己土日の官鬼——今卯は子水の此の財郷の上に臨めば、則ち陰私の事の暗中に進行する有るを主とす。
日往加辰親戚來,又遭刑剋受凶災。日來臨辰兩課,有吉神相生者,主外內親人來。假令癸亥日午將辰時,是太常乘丑加亥上是也。雖日加辰上主親戚,人有災並口舌,緣太常亦為日鬼。火星明兮水主暗,火道□□滅失其明。發用克身,蛇雀臨巳午,主有明信動。若見玄武在亥子上,主暗信動。若是火神臨亥子受克,主見虛驚憂疑之事。
日干が日支の上に加到すれば、親戚の到来有るを主とす。但し若しまた刑剋を遭えば、則ち反って兇災を受く。日干が日支の両課上に臨到して、若し吉神彼此相生有れば、内外の親人の来訪を主とす。たとえば癸亥日に午将・辰時を用いて課を起すは、正に太常の丑を乗じて亥の上に加わるなり。虽かに日干の日支に加わるは親戚の来るを主とするも、但し人は却って災病と口舌有り——丑土は同時にまた癸水日の官鬼なるが因なり。火星明亮は消息公開を主とし、水神幽暗は消息隠秘を主とす。火の通路若し阻断せられれば、光明もまた熄滅消失す。発用の神が本身を剋傷して、螣蛇・朱雀が巳・午の火上に臨めば、公開の音信発動有るを主とす。若し玄武が亥・子の水上に落つるを見れば、則ち暗中の消息発動を主とす。若し火神が亥・子に臨みて水に剋せらるれば、則ち虚驚と憂疑の事を主とす。
水多火少詳衰旺,旺多衰少細推尋。但見生旺者主物多並大,若衰敗者物少而小也。學者詳之。月厭丁符與將空,傷干怪夢好沉吟。月厭正月起戌逆行,丁符者六甲旬中遇丁鬼,蛇亦是丁鬼。持天將空,如青龍在戌亥為將空也。如將空入傳,更加剋日,則主怪夢。要知怪狀,取符類看。
水多く火少なしの類の偏勝は、その衰旺を詳辨を要す。旺き者多く衰うる者少なし——また細々に推尋すべし。およそ生気旺気に処るを見れば、物件の又多く又大なるを主とす。衰敗の気に処るは、物件の又少なく又小なるを主とす。学者当に細察すべし。「月厭」「丁符」と「将空」と若し来りて日干を傷剋せば、則ち怪夢を做して、人をして沉吟安んぜざらしめん。月厭は正月戌より起り、十二支を逆行す。丁符は六甲旬中に遇うところの丁神の官鬼と成る——螣蛇もまた丁鬼と算す。いわゆる「将空」とは、天将の空亡の上に落つる——たとえば青竜が戌・亥の空亡の位に落つるは便ち将空なり。若し将空が三伝に進入し、また来りて日干を剋せば、則ち怪夢を做すを主とす。怪夢の形状を知らんと欲せば、則ち乗ずるところの符神の類象に按じて推す。
死生二氣常須用,飛魂喪魄鬼來臨。生氣正月起子,死氣正月起午,皆順行。飛魂正月起亥,順行十二辰。喪魄正月起未,逆行四季。占病主凶。天鬼或與蛇雀並,宅舍須憂火燭焚。天鬼正月起酉,逆行四仲。又正月起戌逆支,加日辰年命相沖也。關神動處見災迍,飛禍之神忌臨辰。關神春丑夏辰秋未冬戌,若加傳中日辰上,主訟獄。飛禍春申夏寅秋巳冬亥,此殺忌日辰年命上。宜動用更改。
生気・死気の此の両種の気は経常に用いるを要す。「飛魂」「喪魄」一到せば、鬼祟すなわち門に臨まん。生気は正月子より起り、死気は正月午より起り、皆順行なり。飛魂は正月亥より起り、十二辰を順行す。喪魄は正月未より起り、辰戌丑未の四季を逆行す。病を占して彼らに遇上れば皆兇を主とす。「天鬼」若し螣蛇・朱雀と幷び臨まば、宅舎すなわち火烛焚焼を憂慮せん。天鬼は正月酉より起り、子午卯酉の四仲を逆行す。別の一説は正月戌より起り、十二支を逆行し、日干日支・行年本命に加臨してそれと相衝す。「関神」発動の処は災難迍邅に会見せん、「飛禍」の神は最も日支に臨むを忌む。関神:春は丑に、夏は辰に、秋は未に、冬は戌に在り。若し三伝あるいは日干日支の上に加われば、訴訟牢獄を主とす。飛禍:春は申に、夏は寅に、秋は巳に、冬は亥に在り。此の殺は日干日支・行年本命の上に落つるを忌み、これに遇うに宜しく変動更改してこれを避くべし。
游都天盜並天賊,六辛便是五亡神。游都日甲己在丑,乙庚在子,丙辛在寅,丁壬在巳,戊癸在申。天盜春巳夏午秋酉冬子。天賊正丑逆季。與元武並臨日辰主盜賊發動,並主小人相損,不明破財事。五亡神,六甲旬六辛日是也。如剋日辰年命,主盜賊相侵,忌外出。
「游都」「天盗」と「天賊」の三殺幷び見るは、六個の辛日すなわちいわゆる「五亡神」なり。游都は日干に按じて定位す:甲日・己日は丑に、乙日・庚日は子に、丙日・辛日は寅に、丁日・壬日は巳に、戊日・癸日は申に在り。天盗:春は巳に、夏は午に、秋は酉に、冬は子に在り。天賊は正月丑より起り、辰戌丑未の四季を逆行す。それ玄武と一同に日干日支の上に臨めば、盗賊発動を主とし、同時にまた小人に損害せられ・不明不白に財を破るを主とす。いわゆる五亡神とは、すなわち六甲各旬中の六個の辛日なり。此らの兇殺若し日干日支・行年本命を剋傷せば、盗賊の来侵を主とし、外出を忌諱す。
魯都不可漏私商,天車出外必遭殃。魯都甲己在辰,乙庚申,丙辛巳,丁壬亥,戊癸寅。如加日辰上,主通行而漏私商也。天車春丑夏辰秋未冬戌,出行忌此殺,遇之主凶。天喜加臨喜慶多,解神憂事見消磨。天喜春戌夏丑秋辰冬未,解神正二申,三四酉,五六戌,七八亥,九十午,十一十二未。逢之者凶事難成也。
「魯都」に遇上れば、私下に販運する買賣瞞すこと能わず。「天車」に遇上れば、門を出でて外に在りて必ず殃禍に遭う。魯都は日干に按じて定位す:甲日・己日は辰に、乙日・庚日は申に、丙日・辛日は巳に、丁日・壬日は亥に、戊日・癸日は寅に在り。若し日干日支の上に加われば、一路通行の中に私販の行蔵を走漏するを主とす。天車:春は丑に、夏は辰に、秋は未に、冬は戌に在り。出行は此の兇殺を忌み、これに遇えば兇を主とす。「天喜」加臨すれば則ち喜慶多く、「解神」出現すれば則ち憂愁の事自然消磨す。天喜:春は戌に、夏は丑に、秋は辰に、冬は未に在り。解神:正月二月は申に、三月四月は酉に、五月六月は戌に、七月八月は亥に、九月十月は午に、十一月十二月は未に在り。解神に遇上れば、兇事すなわち成形し難し。
成神發用總皆成,天目宅中有鬼驚。成神正巳順輪四孟,與吉將並者,所求事成合。天目春辰順季行,若占家宅,加日辰者,主宅中有鬼神之類。迷惑始為終不犯,亡刑並煞事遭凶。迷惑煞正丑逆季,加年命上主疑惑昏迷。又正月戌逆十二。亡刑煞,正辰二亥三子四丑,五申六酉七戌八巳,九午十未十一寅十二卯。此殺與蛇虎並勾陳同臨行年本命日辰交克,主市曹赴法死亡也。
「成神」発用すれば、謀るところの事一概に成り得べし。「天目」宅に臨めば、家中便ち鬼祟驚擾有らん。成神は正月巳より起り、順次に寅申巳亥の四孟を輪転す。吉将と幷び臨めば、求むるところの事すなわち成合し得べし。天目は春季辰より起り、辰戌丑未の四季を順行す。若し家宅を占いてそれ日干日支の上に加われば、宅中に鬼神の類のもの有るを主とす。「迷惑殺」はただ起初に作祟するのみ、終究に至りて傷犯するに至らず。但し「亡刑殺」さらに其の他の兇殺と幷ぶれば、事すなわち兇に遭わん。迷惑殺は正月丑より起り、四季を逆行し、行年本命の上に加われば、心神疑惑昏迷するを主とす。別の一説は正月戌より起り、十二支を逆行す。亡刑殺:正月は辰に、二月は亥に、三月は子に、四月は丑に、五月は申に、六月は酉に、七月は戌に、八月は巳に、九月は午に、十月は未に、十一月は寅に、十二月は卯に在り。此の殺若し螣蛇・白虎と幷び臨み、さらに勾陳を加えて同じく行年・本命・日干日支に臨みて交相剋戦せば、則ち刑場に押赴せられて死を処せらるるを主とす。
金神四煞古來凶,神將相併禍重重。吉將吉神不相合,論事喜時未必成。金神孟日在酉,仲日巳,季日丑。四煞申子辰在未,亥卯未在戌,寅午戌在丑,巳酉丑在辰。並吉將主吉事遲疑。凶將凶神若吉將吉神有戰克,雖吉事亦難成也。若無神害年命,上下相生日辰,雖有憂疑,不能成凶事也。
「金神」と「四殺」とは自ずから古来兇を主とす。兇神と兇将と相并すれば、禍事便ち重々畳々す。吉将と吉神と若し彼此相和合せざれば、たとい事を論ずる時に喜ぶべく見ゆるも、未だ必ずしも成る能わず。金神の定位:寅申巳亥の孟日は酉に、子午卯酉の仲日は巳に、辰戌丑未の季日は丑に在り。四殺の定位:申子辰の日は未に、亥卯未の日は戌に、寅午戌の日は丑に、巳酉丑の日は辰に在り。彼ら若し吉将と幷び臨まば、吉事の遅疑決し難きを主とす。兇将兇神若し吉将吉神と交戦相剋せば、縦是れ吉事なるも成を就け難し。若し悪神の行年本命を害するなく、日干日支の上下また彼此相生せば、則ち心中忧疑す虽か、終究に兇事を成さず。
軌深不離衰休旺,靈驗應須學有成。六壬之法,至大小經六百餘家,皆不盡其奧旨,後學難明。凡消息,盡不出旺相相生,刑沖相剋,死囚法合之吉凶禍福。學者宜究矣。今來考證古人文,翻成彩句示同人。永記靈臺即默秘,玉成歌裡細推尋。六壬鬼撮腳·玉成歌卷十一終。
六壬の法則は再び幽深なるも、また衰・休・旺の此らの気数を離れる能わず。占断の霊験ならんと欲せば、全て学問の家に到下するに頼る。六壬の法は、従来大小の経書六百余家有れど、皆未だその奥義を講透し得ず、後学の人明白し難し。其の実一切の消息を推求するは、皆旺相・相生・刑衝・相剋・死囚・法合の此の幾項の生ずるところの吉凶禍福を跳ね出ること能わず——学者当に此に於いて深究すべし。今古人の文字を考証して、翻写して文采ある歌訣と為し、以て同道に示す。永く心頭に記して、黙々としてその秘要を守り、此の篇の《玉成歌》の裏に細々に推尋せんことを請う。《六壬鬼撮脚・玉成歌》巻十一、ここに終る。
鬼撮脚総括・玉田歌 巻之十二
李批:亦可作註解入各類下。
李氏批語:此の一巻の内容も、また拆き分けて注解と為し、分別して前面の各個門類の下に編入すべし。
婚姻
干為天上支為地,干即夫宮支即妻。欲卜婚姻何所宜,支干逆互求深意。支若傷干女相卻,干克支時男背約。和合旺相聘當諧,囚死害刑須阻隔。支若生干此婚善,婦道無虧蓋親眷。如將反此必驕奢,坐享安然猶有怨。后克干時夫不利,婦傷日本翁姑忌。婚姻得此即非宜,當勿遵承媒妁意。
婚姻を占うは日干を以て天と比し日支を以て地と比す——日干すなわち夫宮、日支すなわち妻宮なり。此の門の親事が合宜なるか否かを卜問するは、則ち日干日支の順逆交互の間に深意を求取す。日支若し日干を傷剋すれば、女方の親を退くるなり。日干若し日支を剋すれば、男方の約を背くなり。上下和合して乗ずるところの気が旺相なれば、聘娶自然諧美す。若し囚死の気に落ち、また六害・三刑に逢えば、婚事すなわち阻隔を受けん。日支若し日干を生ぜば、此の門の親事甚だ好く、婦徳に虧缺なく、なお親族の助力を帯来し得べし。若し情形此と相反せば、女子必ず驕縦奢侈にして、男家縱使い安逸を坐享すとも、終究に心に怨懟を存せん。天后若し日干を剋せば、丈夫に利あらず。妻方が日干本身を傷剋すれば、則ち公婆に忌有らん。婚姻此の類の課象を占得すれば則ち相宜ならず——媒人の撮合の言に聴従すること切に莫かれ。
龍戰支上神難處,病疾須生罹困苦。救助死閒后所乘,早離人世歸泉土。三傳生日婚亦吉,媒妁之言皆可聽。奩資豐盛行清廉,此女娶之終有益。日如生傳事必乖,費力虛勞不克諧。縱然勉強相依允,聘結之時也有災。喜乘空亡為用起,上頭六合來居止。媒妁言之虛且狂,切勿信他皆是詭。
青竜と日支上の神と交戦すれば、処境すなわち艱難にして、女方必ず疾病を生じて困苦を遭受せん。若し来りて救助する神かえって死気閑気の上に落ち、而して天后またそれを乗ぜば、則ち此の女早く人世を離れて黄泉に帰せん。三伝若し日干を生扶せば、婚事もまた吉、媒人の話皆聴くべし。女方の嫁粧豊厚にして、品行清正廉潔——かかる女子を娶れば終究に益有らん。反って若し日干の三伝を生ぜれば、事必定に别扭にして、気力を白費して諧和し難し。縱使い勉強に結親を答允すとも、聘を下して婚を成すの時また災有らん。若し「天喜」が空亡を乗じて発用し、上にまた六合の来りて停駐する有れば、則ちそれ媒人の天花乱墜に説き・虚妄に狂誇する——千万に信ずることなかれ、全てこれ詭詐の詞なり。
干與支辰來作合,青龍天喜中間集。末傳如也有空亡,他日斷絃誰會續?女有邪正須早辨,支上吉神斯淑善。卯酉亥未太陰並,是為不正生淫亂。六合元武傳上臨,六丁天馬又相併,便莫將為淑女論,當知在室也淫奔。天后神臨如旺相,得時生氣仍依傍。此女輕盈貌亦佳,絕勝西施真的豔。
日干と日支と彼此合を作し、青竜・天喜また中間に聚集すれば、もとこれ良縁なり。可是れど末伝若し空亡に落ちれば、日后琴絃断えて(配偶亡故)、また誰か續絃せんや。女子の品行の邪なるか正なるかは、須く早めに分辯すべし。日支上に吉神を乗ずるは、すなわち賢淑善良の人なり。若し卯・酉・亥・未の此ら桃花淫佚の支さらに太陰と幷び臨まば、則ちそれ行為正ならず・淫乱を生じ易し。若し六合・玄武が三伝の上に臨み、六丁の神と天馬とまた同時に幷び見れば、則ち彼女を淑女と看做すことなかれ——此の種の女子はたとい未だ出嫁せざるも、私自に逃奔すると知るべし。天后の臨むところの処若し旺相の気を得、また令に当たりて生気を帯び、かつ依托有れば、則ち此の女子体態軽盈・容貌美好にして、艶麗いよいよ西施に勝れり。
囚死之神為天后,替神破碎仍相湊。媒妁如方美貌多,定知誑惑斯為謬。後如加孟年居長,仲即為次季幼想。知其顏兒看行年,年上之神見形像。年上水神多智謀,金為躁急土肥魁。火主紅顏木主秀,此乃先天數里該。
之れに反して、天后若し囚気死気の上に落ち、また替神・破碎殺の湊り集まる有れば、則ち媒人縦使い女子を誇りて美貌無双と曰うも、一定是欺誑迷惑の詞、真と為すべからず。天后若し寅申巳亥の四孟に加臨すれば、此の女は姊妹の中に排行して長に居る。子午卯酉の四仲に加臨すれば、第二に排行す。辰戌丑未の四季に加臨すれば、則ち最も幼きなり。彼女の相貌を知らんと要せば、則ち行年を看よ——行年上に臨むところの神便ち形象を顕出す。行年上が水神なるは、智謀多し。金神なるは、性情急躁。土神なるは、身形肥壮魁偉。火神なるは、面色紅潤。木神なるは、身材清秀。此れ皆先天数理中の本有の道理なり。
疾病
天之運動以元氣,何獨人為不如是?氣若通候應流和,一息才差百痾至。氣若無氣及病由,未知此理君須否。但於變處細精詳,殘疾之因便可求。孫子今朝課內多,不然傳裡疊逢他。子孫皆受我生育,子孫繁時氣若何。人之本原苟堅固,傳課奚當逢土墓?必然危困氣將殂,此神故把形蹤露。
天体の運転は元気を頼りてす——人身また何ぞ此のごとからざらんや。気若し通暢して節候相応ずれば、血脉自然流転和順す。ただ一呼一吸稍々差錯有れば、百病便ち隨いて来らん。気有ると気無きと、正にこれ生病の根由——此の道理汝未だ必ずしも明白せず。ただ課体変化の処に於いて細々に精究せば、残疾の成因すなわち推求して出すべし。若し今日課中に子孫爻甚だ多く、あるいは三伝の裏に重畳して子孫出現すれば、須く子孫は皆我の生養するところ——子孫一多ければ、我の元気なお幾何を残さんやを知るべし。人の本元若し真に堅固ならば、課伝の中どこで辰戌丑未の土墓に碰上らんや。一旦これに逢上れば、必定に危困にして気息将に絶えんとす——正に此の墓神が病人の形跡を顕露し出すなり。
上俱克下煩凶神,下如賊上多傷毀。他來克我我殘他,奚為死喪同一理。彼此遙傷患病薄,傳無耗損隨勿藥。如還自被鬼相挾,鬼為大海一揲杓。仰伏昴星為凶曜,此類從來多卒暴。如雲安極不生危,斯豈陰陽真奧妙?不備之卦最堪憂,一體之間百事周。殆猶居室蕃蘺撤,此時莫怖穿窬投。
四課上神皆下神を剋するは、兇神の作祟なり。下神かえって上神を賊害するは、多くは傷損毀敗を主とす。彼の来りて我を剋するを論ぜず、我の往きて彼を残害するを論ぜず、何の故を以て皆同様に死喪と断ずるや。道理其の実一なり——交戦すなわち傷なり。若し彼此ただ遙遙として相傷して直接交剋せざれば、病情すなわち軽浅なり。三伝の中に耗損の神なければ、薬を吃せずとも好かん。若し自身官鬼に挟持せらるれば、那の官鬼は大海のごとく深広にして、病人不過は海中の水を舀う一隻の勺子、力量懸殊なり。「仰昴星」「伏昴星」皆兇曜の課——此の一類の課体は従来多くは暴病猝発を主とす。若し此の種の課が平安極点に到りて危険を生出せずと説かば、則ちまた何の陰陽の真奥妙を談ずるに足らんや。「不備課」は最も人をして憂慮せしめ、「一体課」は則ち百事周全なり。不備課は住宅の籬笆已に拆き去られたるに譬えん——此の時穿牆翻窓の賊人の来投する有るを怕るることなかれ、防護尽く失われ、邪気自然虚に乗じて入らん。
察微見機統緒散,知一重審不一貫。莫將輕重妄區分,厥應為屯斯汗漫。稼穡奚止孕腫論,曲直豈但風癱雲?土盛中兮水凝溝,水旺冬兮土摧崩。鬼徒雖可觀病熱,生死長於墓神繫。以墓傳生症尚痊,以生傳墓凶難治。曲直脾臟尋先藥,稼穡臨宮添草灼。從革炎上方地水,福祿笑談皆可約。
「察微課」「見機課」は頭緒散乱して統緒を成さざるを主とし、「知一課」「重審課」は則ち前後貫通し得ず。隨便に病情の軽重を胡乱に区別するなかれ——彼らの応験は往々遅滞にして漫り辺際なし。三伝土局を成す「稼穡課」は、どこでただ孕脹腫満を主とするのみならんや。三伝木局を成す「曲直課」は、またどこで風瘫の一症を主とするに止まらんや。土気中に過盛すれば、則ち水道をして凝滞せしめ溝渠の壅塞するがごとくならしめん。水気冬令に旺なれば、反ってまた土を衝壊崩壊せしめん。官鬼の類虽か病の熱証なるを看出し得べしといえども、但し生死の関鍵は、いよいよ墓神の牽繋に在り——墓神より長生に伝われば、病症なお痊愈し得べし。長生より墓神に傳入せば、則ち兇険にして治し難し。曲直木局の病は脾臓に在りて、先ず対症の薬を尋るを要す。稼穡土局宮に臨むは、更に艾草を加えて灸灼すべし。従革金局・炎上火局に至りては、方位と地水の気と配合して調治すれば、福禄安康談笑の間に於いて約定し得べし。
盛則純金衰毀損,人物同來尤一本。鍬鋤豈問生旺墳?囚死之時定齏粉。作用之神乖與遂,切勿將為平昔視。使令一切在天官,能教禍福生倒置。更看諸般吉凶煞,利害所關為甚切。否如欲泰吉神臨,否如終否凶管轄。血支血忌真堪惡,刑剋傳年多變故。將逢蛇虎作疽瘍,天空血光刑瀉吐。
金気旺盛なれば則ち純金の器を成し、金気衰敗なれば則ち毀壊損折す。人と物とは同一源に出づ——道理もとこれ一個なり。鍬鋤の類の金属器具は、どこでなお何の生旺の墳を問わんや。一旦囚死の気の上に落つれば、必定に齏粉に碾成せらる。発用の神の乖違なるか順遂なるかは、千万に平常の小事と看做すことなかれ。真正に号令を発するの関鍵は天官の神に在り——それは能く禍福を徹底に顛倒せしめん。さらに再び各種の吉殺兇殺を看るを要す——彼らの関渉するところの利害極めて緊要なり。本来困否にして将に泰に転ぜんとするは、吉神の身に臨むなり。本来困否にして終究に通ぜざるは、兇殺の管轄する有るなり。「血支」「血忌」の両殺実に可悪——若し三伝と行年に刑剋到せば、多く変故を生ぜん。天将若し螣蛇・白虎に逢えば、瘡瘍癰疽を生ずるを主とす。若し天空に逢えば、則ち血光を見るおよび吐瀉の疾を主とす。
玄武乘來事若合,妄行狂走作殘疾。澡滌亡軀方僕僕,羊刃逢來害地居。日辰月厭飛廉住,六丁又係三傳數。上並蛇雀賊命年,裸袒猖狂殊弗顧。鬼乃不逞之徒流,小人之性豈難求?貧則肆行富矯揉,時病生狂不必憂。有如魁罡為鬼屬,安心遍體奔而木。不然傳入病支辰,此處焉能為禍福?
玄武乗臨して課体と相合すれば、病人の胡乱に奔走し・挙止狂妄にして残疾を落下するを主とす。身を洗い穢を滌し、走りて医を求め、形容困頓——若しさらに羊刃の居るところの地に臨むに遇上れば、害を為すこといよいよ甚し。日干日支上に「月厭」「飛廉」の停駐有り、六丁の神また三伝の内に牽繋し、上にさらに螣蛇・朱雀を幷びて去りて本命・行年を賊害せば、病人すなわち赤身裸体・猖狂発作して全然顧みず。官鬼はもとより不安分の流氓の徒のごとし——小人の秉性に何の懂り難きやあらん。窮困すれば則ち肆意妄為し、富貴すれば則ち矯飾做作す。此の類の時行の病が狂を発するは、倒れてもなお過度に憂慮するに及ばず。またたとえば河魁(戌)・天罡(辰)が官鬼の類と成れば、病人虽か表面安靜なるも、浑身却って僵直して木のごとし。再び然らざれば三伝が疾病を代表する日支の上に落つれば、そこまたどこで禍福を生福を生ぜざらんや。
木神木將申酉區,金神寅卯理庚辛。巳午朱雀居壬癸,四土勾空超甲乙。丙丁亥子後女立,此等占來禍皆急。此言同類並摧殘,所以病人危岌岌。竊氣之禍有深淺,丙辰寅卯丑禍鮮。此言病向寅卯生,同克天罡盜氣免。癸卯之日干加支,竊氣之中此又危。中傳遞互相生養,本絕源湮疾豈宜?
木に属する地支と木に属する天将と申・酉の金地に落ち、金に属する神が寅・卯に落ちてまた庚・辛に遇上り、巳・午と朱雀と壬・癸の水位に落ち、辰戌丑未の四土と勾陳・天空と甲・乙の木上に落ち、丙・丁の火が亥・子の水と天后・女神の位に落つるは——此の幾種占来る禍事皆甚だ急迫なり。此処の講ずるところは同類の気の幷奪摧残せらるる——故に病人危きこと旦夕に在り。いわゆる「窃気」の禍に至りては、深浅各々同じからず。丙・辰と寅・卯・丑と相配するは、禍すなわちやや軽し。これ病の寅・卯の木上に生を得て、若し同時にまた天罡(辰)を剋制せば、盗泄の気すなわち免除し得べしと説くなり。癸卯の此の一日は、日干が日支の上に加到して、窃気の中にまたいよいよ兇危なり。若し中伝能く遞々に相生養せば、倒れてもなお救有らん。否らずんば本根断絶・源頭堙塞して、病どうして好かんや。
兩頭土神中寅卯,土或上中木下擾。此占同類受克傷,病者衰老命難保。極否未聞成大吉,必須以漸芬芳集。久病驟逢生支神,強作康強終有失。傳課之中關隔在,看是何神蒙患害。太乙逢之為嘔逆,大吉並來腹症塊。酉肺不利辰腰痛,午目羞明未耳重。戌足拘攣弗易行,卯手拳攣烏可用?
三伝首尾両頭が土神にして、中間に寅・卯の木を挟む。あるいは上・中の両伝が土にして下伝が木にして来りて攪擾するは——此の種の占法は皆同類の気の剋傷を受くる、若し病人年老体衰なれば、性命すなわち保ち難し。困頓極点に到りて、未だかつて立刻に転じて大吉と成るを聞かず——必ず循序漸進して、好気象始めて一点ずつ聚攏せん。久病の人若し驟然として日支を生扶する神に遇上れば、勉強に康健有力を顕す虽か、終究になお事を出さん。課伝の中若し関隔有れば、則ちどの一位の神の禍害を蒙受するかを看るを要す。太乙(巳)が関隔に遇上れば、嘔吐反逆を主とす。さらに大吉(丑)を幷べば、腹中に結塊して症を成すを主とす。酉は肺を主とし、これを見れば則ち肺気不利。辰は腰を主とし、これを見れば則ち腰痛。午は眼目を主とし、これを見れば則ち光を畏る。未は耳を主とし、これを見れば則ち耳背重聴。戌は足を主とし、これを見れば則ち脚部拘攣にして、行走不便。卯は手を主とし、これを見れば則ち手指蜷曲して、如何してなお使用し得んや。
蛇作天官午丙方,河魁一墓向中藏。外邪沉痛膏肓裡,病藥難投日瘁傷。日財散在三傳住,物重烏能將帶去?不堪負荷必衰頹,伏枕臥床誠可慮。晝夜之神各有六,方隅不同亦異屬。三傳俱晝症為陽,俱夜言陰非謗誹。有如辰午申三傳,此課名為登三天。常人豈可登天去?故為身亡作鬼仙。
螣蛇が天官に充当して午・丙火の方位に臨み、河魁(戌)の此一の墓神またその中に蔵れれば、則ち外来の邪気深沉痛楚にして、直ちに膏肓に入るを主とす。薬石奏效し難く、病人一日々々として憔悴受損す。日干の財爻が分散して三伝の中に停留するは、財物太だ重く、病人どこで帯び動かし得んや。担負し起る能わざれば、必然として衰敗頽喪し、牀に臥して起たず——実に人をして憂慮せしむ。十二天将中の昼将・夜将は各々六位有り、居るところの方位同じからず、所属もまた各々異なり:三伝全て昼将なれば、病症は陽に属す。三伝全て夜将なれば、病症は陰に属す——これ無稽の誹謗の詞にあらず。またたとえば三伝辰・午・申なるは、此の課を「登三天」と曰う。尋常の人どうして能く天に登りて去らんや。故にただ身亡じて鬼仙と作るのみ。
進茹空亡患出離,退茹空亡禍反至。鬼凶陷害昧中乘,譬猶機阱難面避。三傳俱孟玄胎神,嬰孩父老病皆迍。少則別尋胎孕去,老則病亡再投生。支干家處官鬼遊,病者占來百不周。家無擔石既堪慮,體纏沉痾又何求?鬼在干前始病猜,如居干後尚淺災。孟遠姑作干前論,季若為初干後排。
「進連茹課」若し空亡に逢えば、病患かえって脱して去る。「退連茹課」若し空亡に逢えば、禍事かえって門を找めて来らん。官鬼兇悪にして、専ら暗昧の中に虚に乗じて陥害す——暗設の機関陥穽に譬えん、人をして当面して躲避するに由なからしむ。三伝全て四孟に落つるは、「玄胎」の神なり——嬰孩と老人の病を占うに皆迍難を主とす。年少のは別に去りて胎に投じ孕を求め、年老のは則ち病亡の後再び去りて生に投ず。日干日支の主とする家宅の処に官鬼游走有れば、病人来りて占えば、様様皆周全ならず。家中既に一石の余粮の慮るべきなく、身上また沉重の痼疾に纏わる——なお何をか求め得んや。官鬼が日干の前に落つれば、病始めて剛に起る。日干の後に落つれば、災なお浅し。寅申巳亥の四孟は離るること遠く、姑らく日干の前と作して論ずべし。辰戌丑未の四季若し初伝を作れば、則ち日干の後に排す。
傳課之中欲純粹,苟為駁雜要紛紜。六丁蛇雀還參會,妄語譫言遠忌聞。夾定三傳最要緊,厥應分明如明敏。吉神夾定吉無疑,凶神夾定凶亦準。
課体と三伝とは總じて純粹を以て好しと為す——若し駁雑清らかならざれば、事すなわち紛乱多端なり。六丁の神と螣蛇・朱雀と再び交錯会聚せば、病人便ち胡言乱語・譫妄の詞を説き起し、遠く聴くも皆忌諱す。三伝が前後に挟定せらるる(すなわち「夾定」)は最も緊要——その応験分明なること耳聰目明のごとく清楚なり。吉神に挟定せらるるは、吉にして疑うべきなし。兇神に挟定せらるるは、兇もまた一様に准なり。
出行
出行惟忌逢阻滯,阻滯之神關墓是。關墓加臨向日干,若欲求他徒用意。年命上頭破關墓,否則克殘他恐怖。如斯卻用促行裝,不日應須戒徵路。年命無破關墓神,對沖中處問行因。假令小吉為關墓,丑月丑日動蹄輪。天官廟住課傳裡,干上空亡為用起。不然傳退遞相逢,身在外鄉心故里。
出行は最も阻滞に遇上るを忌諱す——阻滞を造成するは正に「関神」と「墓神」なり。関神墓神加臨して日干に朝向すれば、たとい往きて人に求めて事を辦さんと欲するも、不過心思を白費するのみ。若し行年・本命の上に能く関神墓神を衝破し、あるいは能く剋制し・傷残してそれを畏懼せしめば、則ちかえって行装を催促收拾して、日ならずして整備して路に上るべし。若し行年本命上に関墓の神を衝破する無ければ、則ちそれと相衝する位置に到りて出行の縁由を問え。たとえば「小吉」(未)を以て関墓と為さば、則ち丑月・丑日(丑は未を衝す)に至りて車馬すなわち動き出さん。天官の神が課伝の中に於いて廟位に停駐し、あるいは日干上が空亡に落ちて発用し、再び然らざれば三伝遞退して相逢うは——此の幾種の情形は皆人の身は外郷に在りて心は故里に在るを主とす。
傳退遊行計勿施,退趨生旺卻當窺。訪尋故舊無睽阻,若見生新有阻睽。占時偶爾作空亡,加臨日上用相當。時下空亡心漫切,欲用仍從覓食糧。四絕之中意至幽,須分行客意新謀。用既意深情卻已,貪心在道顧難周。干頭上見死神立,火日酉金臨子及。天元徂喪百皆休,所以新時惟遠去。
三伝遞退すれば、出游の打算は施行するなかれ。但し若し退いて生気旺気の地に趨向せば、倒れてもなお再び看るべし。此の種の課は老朋友旧相識を訪尋するに受阻せず、若し新人新事を結交せんと欲すれば則ち睽違阻碍有らん。占時の神偶々空亡の上に落つるは、ただそれ日干の上に加臨して発用すれば、なお相当なり。若し空亡が占時の下に在れば、心再び急切なるも徒然なり、勉强に用いんと欲するも、ただ一路を好しとして口粮を張羅するのみ。「四絶」の課は意思最も幽深——須く行客が別に新たな図謀有るか否かを分辯すべし。用神既に含意深沉にして、実情已に了結す——一味に上路を貪求すれば、終究に照顧周らざらん。日干の頭上若し死神の站立有れば、たとえば火日にして酉金が子に臨むの類——天元の気此に就いて凋喪し、百事皆休す。故に此の種の時に身を動かすは、ただ遠く離れ去るに宜し。
辰陽傳尾空亡見,千里相看不見渠。欲往遠途行不利,去還無際裹糧虛。申戌子兮涉三淵,辰午申兮登三天,涉淵將往多屯滯,登天之課諸事遂。生旺之神住干頭,傳送天驛馬順周。遠事堪謀謀必通,東西南北任行遊。傳送轉煞行當息,若見空亡亦無益。勾陳傷斗虎推凶,武空盜賊難安跡。
日支の陽神と末伝と皆空亡の上に落つれば、縦行千里なりとも、找むるところの其の人を見ること能わず。遠路を走らんと欲するは不利——去れば帰期着なく、白白として一路の干粮を帯ぶるのみ。三伝が申・戌・子なるは、「渉三淵」と曰う。三伝が辰・午・申なるは、「登三天」と曰う。渉淵の課は、此の去りて多く屯難滞礙有らん。登天の課は、則ち諸事順遂せん。若し生気旺気の神が日干の頭上に停まり、「伝送」(申)と天馬・駅馬とまた順行周流せば、則ち遠方の事は図謀するに値し、謀れば則ち必ず通じ、東南西北任に行走游歴せん。若し伝送が転殺を帯ぶれば、行程すなわち停まるべし。若しさらに空亡を見れば、走り去るもまた益なし。勾陳は争闘損傷を主とし、白虎は兇禍を推動するを主とし、玄武が空亡に落つれば則ち盗賊安分し難し——此らに遇上るは皆出行に宜しからず。
占時之向日干居,行計須知綽有餘。如逢脫氣未成就,欲往還留似有拘。六辛之下徒經涉,經涉應須防盜劫。六乙之下任行遊,更不防閒情慶愜。出行常切視游都,外遁須當避直符。魯都如也當頭立,商賈之人大可虞。魯都徵稅難藏遁,直符逃遁敗蹤跡。游都所值又當知,盜賊之憂誰免得?
占時の神が日干に朝向して居れば、出行の打算便ち綽々として余裕有り、行きて通ず。若し脱気(我それを生じて気泄らる)に碰上れば、事すなわち辦成せず、走らんと欲してまた走脱し難く、何物かに牽制せらるるがごとし。六辛日の下に出行するは、ただ白白として跋涉の一場——途中なお盗劫を提防を須とす。六乙日の下に出行すれば、則ち游歴に任せて、防閑するに及ばず、心情舒暢愉快なり。出行の時経常に「游都」を留意し、外に在りて躲避する時須く「直符」を避くべし。「魯都」若し正に頭に当たりて臨立せば、買賣を做す商人はすなわち大可に憂慮すべし。魯都は関税を徴収するを主とし、私貨蔵匿逃避し難し。直符は逃遁の人の蹤跡敗露するを主とす。游都の値するところの処もまた当に知るべし——これに遇えば、盗賊の憂誰か免れ得んや。
行囊顛覆輪蹄損,多見憂驚人不穩。此般災害為何因,天坑喪車宜度忖。課傳陽多不必憂,風和日暖快行遊。多陰風雨常飄驟,渡口關津日日愁。
行李傾覆し・車輪馬蹄損壊して、路上多く憂驚を見て人安穏ならず。此の一類の災害は何の縁故ぞや。当に「天坑」「喪車」の両個の兇殺の上より揣度推算すべし。課体三伝中に陽支多きは憂慮するに及ばず——一路風和らぎ日暖かく、行游暢快なり。陰支多きは則ち風雨常に驟然として至り、渡口関卡の上に天天愁えん。
行人
干為行客支為宅,內外區分象明白。彼此和合歸興生,克刑破害猶為客。干若克支回裝促,反此歸斯猶未卜。行人年命宅庭間,跋涉山川束裝行。年命若與支干遠,地角天涯歸未得。日辰若也互相臨,骨肉團圓繾綣論。若見日辰相會象,傳末仍逢干所住。名會為三切須知,歲久別離今復遇。
行人を占うは、日干を以て外に在るの客を代表し、日支を以て家宅を代表す——内外の分け十分明白なり。日干日支彼此和合すれば、帰来の意すなわち生発せん。若し相剋・相刑・相破・相害なれば、則ちなお継続して外に客を作るを要す。日干若し日支を剋せば、行装を收拾して回るを催すなり。反って日支が日干を剋せば、帰期すなわちなお説き准がたし。行人の行年本命若し宅院庭戸を代表する位置上に落つれば、則ちそれ山川を跋涉し・整装して帰来するの象なり。行年本命若し日干日支に離るること甚だ遠ければ、人すなわち遠く天涯地角に在り、一時に帰ることを得ず。日干と日支と若し互相臨加せば、便ち骨肉団円・情意纏綿と断じ得べし。若し日干日支相会の象を見、末伝また日干の居るところの処に落つれば、此を「会為三」と曰い——一定要して記え清むべし:久しく別れて多年の人、今重ねて相遇うを主とす。
戊申癸巳兩辰日,支向干居同一律。胡為厥應飛分張,一則相生一殘賊。戊申金土無相畏,所以行人疾速到。癸巳水火有戰爭,切恐他鄉還未遂。占時如傍日辰居,剛日伏吟順傳趨。伏陰用逆連茹退,程途此日賊歸歟。占時式畔切須窺,天上地下一般推。如為用始人來速,驛馬須更門外嘶。
戊申・癸巳の此の両個の日辰は、皆日支の日干に朝向して居するなり、格局もとこれ同一の規律——何の故を以て応験却って大いに相同じからざるや。ただ因るは一は相生、一は相残相賊なり。戊申日は、土は能く金を生じ、両々相畏れず——故に行人すぐに到る。癸巳日は、水火交戦して、ただ人がなお他郷に滞留し、帰ることを成さざるを怕る。占時の神若し日干日支に緊く靠って居し、剛日(甲丙戊庚壬)の伏吟に逢えば、三伝順行推進す。柔日の伏陰に逢えば則ち用神逆行して、連茹後退の象を成す——此の一天の路程はすなわち帰り往かんとするなり。課を占うの時、課式の両旁に対して必ず細看を要し、天盤・地盤の推法は皆一様なり。若し此らの徴象が初伝発用の処に出現せば、人の来る速く、駅馬また門外に嘶鳴して報到せん。
伏陽轉逆伏陰順,連茹蹤由仍向進。天官更值日辰間官,金氏改罡,雁杳沈淹外信無。三合中間六合逢,行人忻喜見歸蹤。天驛馬臨傳更逆,切為消息莫嫌重。行人以下三句,金氏旁改云:行人年命宅庭中,日邊還得本時位,任隔雲山歸興濃。
伏陽課は転じて逆行を為し、伏陰課は転じて順行を為して、連茹の象の蹤跡は仍お朝前に推進す。若し天官の神また日干日支の間に値すれば(「官」の字、金正音「罡」に改作、すなわち天罡)、則ちそれ大雁の杳として音信なく・消息沈没するがごとく、外地一点の信児もなし。三合の中さらに六合に遇上れば、行人歓歓喜喜として、帰来の踪影見るべし。天馬・駅馬虽か三伝に臨むも、但し三伝また転じて逆行と成れば、則ち消息虽か切なるも、またその反覆重复を嫌うことなかれ。「行人」以下の三句、金正音旁に於いて別に改めて曰わく:行人の行年本命が宅院庭戸の中に落ち、日干の旁にまた起課本時の位を得れば、則ち縱使い雲山万重を隔つるも、帰心十分濃切なり、と。
關神向進無區別,皆主行人多阻節。絕神為用不須疑,程途有客歸心切。初末行人合命年,用終還迫日干邊。天涯音信先須至,相逢不久有回緣。馬若進時有未回,先虛後實卻將來。後實先虛先宿留,返吟還速便須猜。支發傳趨干上去,行客應須問歸路。日邊用出必迢遙,尚在他鄉作居住。
「関神」はどの方向に推進するを論ぜず、皆分別なく、一概に行人の阻隔関節多きを主とす。若し「絶神」を以て発用せば、則ち疑うに及ばず:路上確かに客有りて、しかも帰心急切なり。初伝と末伝と若し行人の本命・行年と相合し、用神最終にまた日干の一辺に逼近せば、則ち天涯の音信先に到りて、相逢もまた遠からず、回還の縁有らん。駅馬若し正に前進の時にして、人却って未だ回らざれば、それ先虚にして後実、終究に来らん。若し後実にして先虚なれば、則ち先に外にて一陣停留するを要す。返吟課に至りては、かえって来ること速く、此のごとく以て推斷し得べし。日支より発用して三伝日干に趨向するは、則ち行客の帰路を問いわんとすべし。若し日干の旁より発用して外出せば、路途必定に遙遠にして、人なお他郷に居住せん。
支干如見墓神加,行人此日即回家。如還傳在生旺處,縱有歸期也會差。傳中天乙馬加臨,行客途中有異心。必有他知相眷戀,倚門空切望歸音。庚辰甲辰兩返吟,傳用同為見絕神,庚辰來絕甲辰去,來作歸論去住論。金氏旁改云:返吟來絕返徵軒,去絕羈人尚滯牽。庚辰來絕甲辰去,不會來去便難言。
日干日支若し墓神の加臨を見れば、行人当天すなわち家に回らん。若し三伝が生気旺気の処に落つれば、縱使い帰期を定めるもまた差錯せん。三伝の中若し天乙貴人と駅馬と加臨すれば、行客途中に於いて別に異心を生じ、必定に相好の人有りて那边に牽掛眷恋し、家裏の人ただ門に倚りて空しく帰音を盼ぐのみ。庚辰・甲辰の両個の返吟課は、三伝と用神と同様に皆絶神を見るも、但し庚辰は「来絶」を主とし・甲辰は「去絶」を主とす:来絶は帰来に按じて論じ、去絶は滞留に按じて論ず。金正音旁に於いて別に改めて曰わく:返吟課若し来絶なれば、則ち行人車轅を調転して帰る。若し去絶なれば、則ち羈旅の人なお牽絆滞留せらる。庚辰は来絶・甲辰は去絶——来と去を弄明清らかならざれば、論斷し難し、と。
太陽至卯光照耀,人皆營作難潛伏。如當正酉日須晡,動則還家尋止宿。日在東南酉臨位,象如日墓行人止,干臨西北太沖歸,象如日出行人離。此段金氏旁改四句云:日干東南喜乘酉,如居西北卯為首。象如日暮思故林,遇曉登程憶家婦。用越關移日辰杳,便言兩地音書悄。用初天將廟中居,尚在它鄉有未了。
太陽卯位に行き到れば、光明照耀して、人人皆経営劳作に在り、潜伏して身を蔵する処なし。正当酉位に到り・日已に晚に向うの時に至れば、人一身を動かせばすなわち家に回りて投宿する地を找むなり。日干が東南方に落ちて酉その位に臨めば、太陽の墓に入るに似たり——行人便ち停まりて走らず。日干が西北方に臨みて「太衝」(卯)来りて帰れば、太陽の初めて昇るに似たり——行人便ち家を離れて出発せんとす。此の一段、金正音旁に於いて別に四句に改成して曰わく:日干東南方に在れば、喜んでその酉を乗ずるを見る。若し西北方に居れば、則ち卯を以て首と為す。前者は日暮に故郷の林木を思念するに比し、後者は天明ければ則ち登程して家の妻子を懐想するに比す、と。用神が関神を越過して遷移し、日干日支の消息却って杳然なれば、則ちそれ両地の間の音書断絶なり。若し初伝発用の神の乗ずるところの天将正に自己の廟旺の位に居すれば、則ち人なお他郷に未了の事有るなり。
謁人して善悪を察す
人情莫不有善惡,欲見他時先密察。天官支上急須求,吉將歡忻凶怒作。蛇虎勾朱客怒忿,六合虛正非謙遜。天后遲疑意有猜,太陰不明多懶困。其餘諸將皆和美,獨有天空多詐詭,更將日辰細參稽,吉凶離合方知委。
人情総じて善有り悪有り、往きて対方を拜会せんとするの先、先ず暗中に察看清楚なるを得べし。急ぎ須く日支上に天官の神を尋求すべし:吉将を乗ずるは、対方の歓喜相待を主とす。兇将を乗ずるは、対方の発怒を主とす。若し螣蛇・白虎・勾陳・朱雀を乗ぜば、主人の客人に対し発怒動気するを主とす。六合を乗ぜば、則ち表面周旋して心中実ならず、真の謙遜にあらず。天后を乗ぜば、猶豫遅疑・心に猜忌を存するを主とす。太陰を乗ぜば、意向明らかならず・多く懶散困頓を主とす。其の余の各将大抵皆和順美好と算すべし。唯だ天空の一将最も欺詐詭譎多し。さらに日干日支を細々に参照考核して、対方の吉なるか兇なるか・合なるか離なるか、始めて真に底細を知るを得べし。
日若克辰他不出,辰還剋日徒疑密。主賓際會致殷勤,暮惡朝歡惠無實。他乘吉將來生我,凡有所求皆曰可。我乘吉將復生他,行役徒勞費糧果。支上害刑他多故,空亡臨著亦休去。君還不信漫然趨,千里相投人不遇。辰陽若也克干傳,所求為有不周全。用傳若把辰陽賊,苟欲相干莫啟齒。
日干若し日支を剋せば、対方避りて出でず。日支反って日干を剋せば、白白として人をして猜疑せしめて隠秘して宣せず。主客虽か相会の時殷勤客套するも、却是れ朝に歓笑し晩に顔を翻し、恩惠并びに落実せず。若し対方の乗ずるところ吉将にして来りて我を生ぜば、およそ求むる所有れば皆応允し得べし。若し我の吉将を乗じて去りて対方を生ぜれば、則ち奔走の一趟徒労して功なく、盤纏を白費す。日支上若し六害・三刑有れば、対方事故多し。若し空亡その上に臨めば、また往くに及ばず。汝若し信ぜずして、貿然として前往し、縦行千里にして投奔するも、また人を見ること能わず。日支の陽神若し日干と三伝とを剋傷せば、求むるところの事すなわち欠周全有らん。用神と三伝と若し反って日支の陽神を賊害せば、則ちたとい干求せんと欲するも、また口を開くことなかれ。
訟を論ず
乾則為天坎為水,乾坎相加成訟體。天道上行水下流,情睽義乖鬥爭起。訟之序卦既涉川,訟須理險有當然。欲知課之所由險,大小吉與魁罡邊。囚墓傳生禁者出,生傳囚墓獄須入。不然墓貴立干頭,害刑殘賊危岌岌。卦中官鬼要探求,官為官長鬼對仇。其間惟有壬癸日,官鬼長貳別蹤由。
《周易》は乾を以て天と為し坎を以て水と為す——乾上坎下相疊せば便ち《訟》卦の体を成す。天道は上に向りて運行し、水勢は下に向りて流去し、両相背離して、情義乖違し、争闘此に就いて起る。《序卦伝》は《訟》卦に大川を渉越するの象有りと曰う——故に官司を打つに自ずからその険を渉り処置するの道理有り。課体の兇険のどこより来るかを知らんと要せば、則ち「大吉」(丑)・「小吉」(未)と河魁(戌)・天罡(辰)の此の幾処を看よ。三伝が囚墓より長生に伝向すれば、拘禁せられたる人出獄し得べし。長生より囚墓に伝入せば、人すなわち牢房に進入を得べし。再び然らざれば、墓神と貴人と日干の頭上に立ち、また六害・三刑の残賊に逢えば、則ち危きこと旦夕に在り。課中の官鬼一定要して探求清楚を要す:「官」は官長を代表し、「鬼」は対頭仇家を代表す。その中唯だ壬日・癸日の官鬼は、なお再び正職と副職と分つを要し、来路各々相同じからず。
壬則丑正未偏官,長鬼居辰戌次班。癸官正副辰戌別,鬼之大小吉須看。貴人此日課中居,天后忽來傳上趨,後君無故奚臨對,長官受囑決非虛。戌丑酉兮足纏繞,卯子辰兮手纏吊,二血癸卯杖責災,功曹逢之徒配兆。盡說空亡官事散,要須分作兩邊看,我欲治他忌逢空,他將釋然宜遭見。
壬日は丑を以て正官と為し・未を以て偏官と為し、長官の鬼は則ち辰・戌に居りて、次一等の班次に属す。癸日の官は則ち辰・戌を以て正副を分ち、その鬼の大小は「大吉」(丑)・「小吉」(未)を看るを要す。若し此の一日貴人課中に在り、天后また忽然として三伝の上に来到せば、天后もとより無縁無故——何の故に来りて貴人と相対するや。知るべし、長官の人家の請託を受けたるを——此の断語決して虚言にあらず。戌・丑・酉は脚上に鎖を纏うを主とし、卯・子・辰は手上に吊を繋ぐを主とす。「血支」「血忌」の二殺癸卯に遇上れば、杖責の災を受くるを主とす。「功曹」(寅)が彼らに遇上れば、則ち流徒配遠の兆なり。人人皆空亡に逢えば官司散ずと説くも、其の実両辺に分ちて看るを要す:我が往きて対方の罪を治せんと欲するは、空亡に落つるを忌諱す。対方若し脱身開釈せんと欲するは、反って空亡に遇上るに宜し。
官作貴人居日位,直者泰來屈者否。如還寓在魁罡上,易盡吏胥亦乘理。天后天門關節徹,天空立用徒眾說。太陰居夜事難明,勾陳見合多留截。用初官鬼求財鄉,如還克命喜相當。若非取索能如意,當定論人得艮庚。關日夜用傳趨出,切莫便言囚無出。救助不逢刑害逢,乃訴前來如許責。
官鬼化して貴人と成りて日干の位に居れば、理有るの一方は否極まりて泰来り、理屈の一方は則ち通より塞に転ず。若しそれ河魁(戌)・天罡(辰)の上に寄居せば、則ち衙門の吏胥までも皆換遍く、彼ら同様に理に按じて事を辦ず。天后と天門と相配するは、関節疏通する徹底を主とす。天空発用すれば、則ち衆人の説法皆空話なり。太陰が夜将の位に居れば、事明かすこと難し。勾陳が合神に遇上れば、多く拖延截留有らん。初伝発用の官鬼が財を求むる位置上に落ち、若しまた能く本命を剋傷せば、かえって相当に可喜なり。若し索取討要の如意を得能わざれば、則ち論ずるところの人の東北と西方(艮位と庚位)に於いて着落有ると断ずべし。関神が昼夜の値する所の日に発用して三伝外に向りて趨出せば、切に马上に囚犯出で来らずと断ずることなかれ。若し既に救助を得ず、また刑害に逢えば、則ちそれ先前の訴訟の此のごとき責罰を受くるなり。
官鬼天乙合夜合,胥吏應須同鼠竊。鬼元命陰如為初,鬼既蕃多福斯發。財作空亡命上初,官鬼雖藏不容居。多應素有穿窬態,暴露今朝見罪誅。官初財末隨空亡,債被人逋處不遑。疾造訟遲將理索,誰知官吏又乖張?空亡傳外官鬼居,潛克行年患未除。用神空亡雖暫繫,有司不久又將趨。柔日用罡干支裡,或一或二為財起。蒿矢知一重審同,訟豈已之所由起?
官鬼と天乙貴人と相合し、また夜合の神に逢えば、那の胥吏は老鼠の物を偷むがごとし。若し官鬼が本命の陰神上に落ちて初伝を作れば、官鬼虽か多きも、福気かえって此に由りて発動せん。財爻が空亡に落ちて本命の上に初伝を作れば、官鬼虽か暫時蔵るるも、またそれをして久居を容さず。多くは此の人素より墻を翻り洞を鑽くの偷盗習気有りて、今日敗露して、罪罰に遭うなり。初伝は官・末伝は財にして皆随いて空亡に落つれば、債の人に拖欠せらるるを主とし、四処奔走するも暇に顧みる能わず。急急忙として告訴するも、官司却って辦ゆること慢く、将に理に按じて追索せんとするに、誰知官吏また卦を変じて乖張せん。空亡が三伝の外に落ちて、而して官鬼その中に居り、暗暗に行年を剋傷せば、禍患すなわち未だ除かれず。用神が空亡に落つれば、ただ暫時拘系せらるる虽か、官府不久にまた来りて追捕せん。柔日に天罡(辰)を以て日干日支の内に発用するか、あるいは一処あるいは両処に化して財爻と成りて起るは——此れ「蒿矢課」「知一課」「重審課」の看法と同じ。此の場の官司は豈に我が自ら惹起したるか。
田六種
水土既平先播種,農業民生知甚重。欲卜田疇何所宜,品類區分言始中。辰為田畝日農人,支為六種干耕耘。灌溉刈獲皆由主,禾苗黍稷應從賓。支若生干六並宜,干益支時一世虧。日克支時田耗失,支克干時主殘衰。兩頭生旺田無損,不然歡合亦平穩。日干更若克初傳,黍稷豐季當報本。
水患平定し・土地整治好れたれば、先ず播種するを要す——農業の民生に対する何等の重要なるか見るべし。田地の裏に何を種るか合宜を占卜するは、則ち作物品類を分ち開きて説くを得て、始めて点子上に説き到ると算す。占法は日支を以て田畝と為し・日干を以て農人と為す。日支は種るところの六類の作物を代表し、日干は耕耘の人を代表す。灌溉收割は皆主方(日干)より主を作り、禾苗黍稷は則ち賓方(日支)に従属す。日支若し日干を生ぜば、六種の作物皆相宜なり。日干去りて日支を補益せば、則ち一年到頭虧損有らん。日干日支を剋するは、田里耗損失收なり。日支日干を剋するは、主人すなわち衰敗す。日干日支両頭皆生旺の気に処れば、田稼損を受けず。たとい生旺せざるも、ただ彼此歓洽相合すれば、收成もまた平稳と算すべし。日干若しさらに能く初伝を剋傷せば、則ち黍稷豐收の季節に到りて、則ち祭謝して本源に報答すべし。
兩頭或害或沖刑,蹙額何須作頌聲。禍生旺相神猶可,囚死為之室若傾。貴常六合青龍將,憑生得喜合神上。住在支干更得時,知為五穀豐登象。克刑害在支辰表,蛇虎勾空同作撓。蟊蜚螟螽金作侵,淺薄稀疏木作淫,苗心爛腐水冤深,禾叢槁旱火仇臨。良田亦厄土為災,丁馬飛廉總非良。
日干日支両頭若し相害・相衝・相刑すれば、ただ愁えて眉を皺めるのみ、どこでなお豐收の頌歌を唱い出さんや。禍事若し旺相の神上に発生せばなお些か好し。若し囚死の気上に落つれば、一家人の日子は房屋の傾覆するがごとし。貴人・太常・六合・青竜の此の幾位の吉将は、相生に憑って合神の上に喜を得てす。彼ら若し日干日支の上に停住し、またその時令に正当れば、便ち五穀豐登の象なり。之に反して、若し相剋・相刑・相害皆日支の外に出現し、さらに螣蛇・白虎・勾陳・天空一同に攪擾すれば、則ちそれ災害なり:金気来りて侵せば、蟊賊・蜚虫・螟虫・蝗螽を生ぜん。木気泛滥すれば、則ち苗株浅薄稀疏ならん。水気過重なれば、苗心爛腐して、冤沈解し難し。火気仇を為せば、則ち禾叢枯槁旱死せん。土気災を成せば、再び好き田もまた厄に遭う。「丁馬」「飛廉」の此らの殺神は、総じて帰して善類にあらず。
若非疆畔水池興,也是牛羊踐踏來。空亡破碎支所值,不然死氣替神至,縱然六合相加臨,所獲它出應也細。支干轉煞來臨掌,秀而不實空勞攘。關閉神巡在上頭,徒亦揠苗而助長。傳支生干大段宜,縱乘糞壤亦異為。日去生傳徒費力,不然休耜負來歸。支干神將皆為吉,命支破碎空亡泣。
此らの殺神に遇上れば、田界水塘の那边に事を出すにあらざれば、牛羊闖り入りて来りて莊稼を踩踏するなり。若し日支正に空亡・破碎に値し、再び然らざれば死気と替神とに遇上れば、則ち縦使い六合の加臨有るも、收成もまた别人に帰し、所得寥寥なり。日干日支上に転殺来臨有れば、則ち莊稼穂を抽くも結実せず、白く忙しむ一場なり。「関神」「閉神」上頭に巡行せば、たとい宋人の苗を揠ぐるがごとく去りてそれを助け長ぜしむるも、また徒労なり。三伝と日支と能く日干を生扶するは、それ大大に合宜なり。縱使いただ些かの糞土肥壤を施すも、また別に一番の好收成有らん。反って日干去りて三伝を生ぜれば、すなわち気力を白費し、然らざればすなわち農具を丢下して空手にして帰る。日干日支と天将と皆吉なるも、可れど本命・日支却って破碎・空亡に逢えば、仍おただ哭泣の份有るのみ。
秋成所獲漫豐盈,酬償逋欠無餘粒。禾品分三早中遲,傳初是早二中窺。三即晚稻不須疑,三傳命上悉參推。孰是比和孰乖異,乖異不宜和合利。假令亥上首傳寅,亥寅作好初豐備。六種稿歉孰為豐,占法遲中早亦同。
秋天の收成看るに満倉豐盈なるも、可れど拿り去りて拖欠の債務を償還せば、則ち一粒も剩らず。稲禾は熟期に按じて早・中・晩の三等に分つ:初伝は早稻を主とし、中伝は中稻を主とし、末伝すなわち晚稻——疑うに及ばず。三伝と本命と合せて一にして参詳推求し、どの一処の比和・どの一処の乖違を看るを要す:乖違の不利、和合の乃ち利有り。たとえば亥上の初伝が寅なれば、亥水は寅木を生じ、配すること好く、早稻先に就いて豐備せん。六類の作物のどの一類の欠收・どの一類の豐收に至りては、占法は早・中・晚稻を推するに与に一様なり。
命合火宜紅豆黍,金神二麥有成功。丑未準好二麻熟,亥子黑豆稻周足。禾苗寅卯木神知,農業先能知禍福。禾生水土欲蕃茂,支干唯怕墓相就。傳用逢來總一般,定知萎損勞苦救。從墓傳生後有實,從生傳墓先芬蔚。三傳純粹始終好,何處不周須見疾。
本命と火と相合するは、紅豆・黍子を種るに宜し。金神に逢うは、大麥小麥の両麥收成有らん。丑・未の両土は、正好く大麻・苧麻の両種の麻類成熟を主とす。亥・子の水位は、則ち黒豆と水稻と皆長じて周全充足す。禾苗は木に属し、寅・卯の木神を看れば便ち知らん。此らを懂得すれば、農を務むる人すなわち能く預め禍福を知らん。禾稼は水土に靠りて生ず——本当に繁茂すべきも、最も怕るるは日干日支と墓神と相就するなり。三伝と用神と若しまた墓神に碰上れば、情形皆一様にして、定めて枯萎受損し、救治するに劳苦堪え難し。墓神より長生に伝向するは、後期始めて結実す。長生より墓神に伝入するは、ただ前期に於いて茂盛芬芳す。三伝純粹なれば、則ち自始自終皆好し。どの一処に欠周全有れば、どの一処すなわち毛病を出さん。
晴雨
此段亦不出《精蘊》。雲從龍兮風從虎,龍虎信可推風雨。有無輕重欲周知,二將所主宜默睹。金為水母巽電赫,風雹為殃同考索。震卻為雷兌澤看,丑乃雨師未風伯。六合便能為雷震,武亦雨師真可信。傳課課中有類神,便向其間詳體認。
此の一段もまた《精蘊》の一書を出でず。《周易・乾卦・文言》は雲の竜に従い・風の虎に従うを説く——故に青竜・白虎の両将確かに以て風雨を推斷し得べし。周全に風雨の有無と軽重と知らんと欲せば、則ち黙々に此の両将の主とする事を観察すべし。金は水の母亲、巽卦は風を主としまた閃電赫然を主とす。風災・雹災もまた一幷に考求し得べし。震卦は雷と為り、兌卦は沢と為り、丑は雨師の位、未は風伯の位なり。六合もまた能く雷震を主とし、玄武同様に雨師——皆真実信ずべし。課体三伝の中若し此らの類神有れば、則ちその中に於いて細々に体察辨認すべし。
龍旺昇天雨驟施,虎旺出林風勢惡。如陷囚墓死皆休,風定雨收成寂寞。青龍若也入江湖,不然廟裡止安立。龍既潛藏而勿用,任當塵凡自舞雩。虎在東方號出林,嘯動生風愁可禁。更逢小吉為行止,折木摧枝禍益深。龍若臨於申酉方,休死墓絕細消詳。焉知萬波藏申酉,得此常年雨大滂。
青竜旺盛なれば則ち天に升りて行き、大雨驟降す。白虎旺盛なれば則ち林を出でて動き、風勢兇惡なり。若し彼ら囚気・墓庫・死気の中に陥れば、則ち皆罷休して、風停まり雨收まり、一片寂静なり。青竜若し江湖水郷に落入し、あるいは廟宇の中に停まりて安然として動かざれば、則ちそれ竜已に潛蔵して施用せず、塵世の人の自ら去りて壇を筑いて雨を求むるに任ず。白虎の東方に在るは「出林」と曰う——長嘯して風を生ず、那の愁苦禁受し難し。若しさらに「小吉」(未)に遇上りて来りて行止を定めれば、則ち樹木を折り・枝幹を摧毀して、禍を為すこといよいよ深し。青竜若し申・酉の方位に臨めば、則ち細々にその休・死・墓・絶のどの一種の気上に処るかを推詳すべし。要して万頃の波濤正に申・酉の中に蔵るるを知るべし——此の象を占得すれば、往々一年到頭大雨滂沱なり。
巳作丁神上蛇雀,太沖位上來安著,忽然狂電驟如傾。雷迅時時光閃耀。朱雀螣蛇與六丁,傳用逢他卯附刑,加臨太乙火乖異,閃電長空霹靂聲。陽即為晴陰即雨,積陰顧視陽為主。火神有氣不為傷,水神囚死晴堪許。火神不越東南路,蛇雀又來頭上住。須更皎日見晴暉,縱有餘陰無著處。
巳は丁神と作して上に螣蛇・朱雀を乗じ、また「太衝」(卯)の位に安置せられれば、則ち忽然として狂電大作し、暴雨傾盆して、雷声迅疾にして、電光時ならず閃耀せん。朱雀・螣蛇と六丁の神——若し三伝用神中に於いて彼らに遇上り、而して卯また刑剋を附帯し、さらに「太乙」(巳)に加臨して火気乖戾反常なれば、則ちそれ長空閃電・霹靂轟鳴なり。陽は晴を主とし、陰は雨を主とす。たとい陰気積聚すとも、また頭を回して陽気の主を作すか否かを看るを要す。火神若し気有りて傷剋を受けず、水神また囚死の気上に落つれば、則ち晴と断じ得べし。火神が東南の一路を越出せず、螣蛇・朱雀また来りて頭上に停まれば、則ち必ず皎潔の日光と晴朗の光輝を見ん——縱使い残余の陰雲有るも、また附著する処なし。
人言巳午多晴明。或逢蛇雀說責晴。豈知傳用歸西北,火既潛藏水上升。龍入江湖皆遊逸,蛇入江湖變化疾。蛇化龍飛雨澤降,龍蛇蟮熱晴堪必。此句龍蛇二字,金氏旁改下升。龍飛天上雨準度,蛇飛天上日照耀。雲龍際會雨常施,蛇尫焉能作雲霧?戌亥子丑巳午停,火既下降水上升,立用便須看雲霧,忽然雨澤勢如傾。
人々皆巳・午は火に属し・多くは晴明を主とすと説く。あるいはまた螣蛇・朱雀を見てすなわち必ず晴と斷定す。卻って知らず、三伝用神若し西北方に帰到せば、火気已に潛蔵し、水気正に上昇せんとす——則ち未だ必ずしも晴ならず。青竜の江湖に入るは、ただ悠游自在なり。螣蛇の江湖に入るは、則ち変化迅疾なり。螣蛇化して竜と成りて騰飛すれば、雨沢すなわち降下せん。竜蛇困頓して暑気蒸熱せば、天必定に晴を放つ(此の句中の「竜蛇」の二字、金正音旁に於いて「下升」に改作)。青竜天上に飛ぶは、雨を降らすに自ずから准度有らん。螣蛇天上に飛ぶは、則ち日光普照す。雲と竜と相会すれば、雨常に下りて停まず。螣蛇孱弱にして、またどうして能く雲霧を興起せんや。戌・亥・子・丑と巳・午との間に停駐して動かざれば、火気已に下降し、水気正に上昇す——課を起し用を発する時すなわち雲霧の象を看るを要し、往々忽然の間に雨勢盆を傾けて下せん。
科挙
干上廣文支場屋,日為舉子辰題目。卷軸詞章以傳論,命詞之意同推認。干克支兮舉子畏,巨題特地來相治。支若傷干當上憂,動遭凌辱難迴避。支干若是兩相和,上下歡愉協氣多。或刑或害天官惡,定知藉藉見喧譁(金氏旁改云:紛紛藉枉奔波)。吉神吉將兩無嫌,日上加臨旺相全。廣文炯炯又眸碧,特進浮華拔滯淹。
科挙を占うは、日干上神を以て「広文」を代表す——すなわち主考の学官。日支上神を以て「場屋」を代表す——すなわち考場の号舎。日干は応試の挙子を代表し、日支は出ずるところの題目を代表す。巻面の辞章の優劣は、三伝より去りて論斷するを要す。命題立意の深淺も、また同一の法則に照らして推求す。日干が日支を剋するは、挙子の場に怯む——偏りに難題に遇上りて特地来りて刁難す。日支反って日干を傷剋すれば、憂患便ち上頭に出で、動輒凌辱を遭受して回避するに由なし。日干と日支と両相和順せば、則ち上下歓洽・和気充盈す。若し両者相刑相害し、また天官星兇惡に遇えば、必定に是非紛紜・喧嘩止まざるを鬧さん(金正音旁批「紛紛藉枉奔波」に改作)。若し吉神と吉将と斉備して嫌忌する所なく、また日干の上に加臨し、神将皆旺相の気を得れば、那位の主考学官便ち目光炯炯・青眼を加えて、肯んじて破格に提拔し、久しく埋没せられたる人才を擢拔し出さん。
天喜加臨年命上,生氣有時相助向。龍雀乘陽順作傳(雀字金氏旁改乙字),文氣雄豪高萬丈。三傳若也同生日,立用當時天將吉。官星與馬不罹空,獨步文場誰可敵?支上生干不作迍,日間舉子用陽神(日上神屬陽),文思滔滔如有助,一舉成名達紫宸。
「天喜」神が本命あるいは行年の上に加臨し、「生気」また時時前来りて相助すれば、前程自ずから人の扶持する有らん。青竜・朱雀が陽神を乗じて順行して三伝を結成すれば(「雀」の字、金正音旁「乙」の字に改作)、文気雄豪・気勢万丈を主とす。三伝若し日干と同気にして能く日干を生じ、発用の時天将また吉にして、「官星」と駅馬と皆空亡に落ちざれば、便ちそれ独歩文場・人の敵する可きなし。日支上神が日干を生ぜれば、前途困頓に至らず。白日に課を占うは、挙子は日干上の陽神を取りて用と為す(日上の神は陽に属す)——文思滔滔として神助のごとく有り、一挙にして名を成し、直ちに朝廷に上らん。
年命天驛馬交馳,順作三傳歲上歸。刑害不聞象純粹,淡墨書名四海知。始用螣蛇末見龍,龍頭化氣更潛通。歲君若更來生命,定躡雲梓步月宮。
本命・行年と天馬・駅馬と交相に馳驟し、順行して三伝を結成して太歳の上に帰結するは、此れ功名に奔赴するの象なり。課中に刑と害を聞かず・卦象純粹して雑なければ、便ち淡墨題名・声四海に聞ゆるを主とす。初伝螣蛇より起りて末伝青竜を見るは、蛇の化して竜と成り・竜頭の気の潜かに通じて変化するの象なり。太歳若しさらに来りて本命を生本命を生ぜれば、則ち一定能く雲梯を踏上り・蟾宮に步入し、登第の份有らん。
文章關切視朱雀,惟嫌西北為安著,住在東南匪替神,語意新奇人作格。天空支位文疏失,武克辰陰途注密。白虎傷干語犯時,後陰立用詞幽鬱。死氣死符並墓鬼,或臨傳首或傳尾,饒君才學若歐蘇,廣文意不相忻喜。
文章の関鍵は朱雀の此の位の天将を看るを要す:最も忌むはその西北方に落ちて身を安んずるなり。若し東南方に居りて替代の神に奪はれざれば、則ち文辞新奇にして、人の取法すると為る。天空が日支の位に落つれば、文章疏漏失誤を主とす。玄武が日支の陰神を剋すれば、門路隠晦・前途通じ難きを主とす。白虎が日干を傷剋すれば、言語の時忌を触犯するを主とす。天后の陰神発用すれば、文辞幽晦鬱結を主とす。「死気」「死符」さらに墓神・官鬼と同臨すれば、初伝に落つると末伝に落つるとを論ぜず、縱使い汝の才学が欧陽修・蘇東坡に賽うも、主考学官もまた中意せざらん。
下賊上兮上克將,日後為傳乘旺相,陰陽不備德罹空,三刑六害俱休望。日裡為傳無礙格,更還此類尤光赫。命年喜將又相扶,受作蟾宮攀桂客。無祿絕嗣天網張,飛魂魄化與伏殃。四絕蕪淫反吟卦,占如有此定乖張。
下神が上神を賊剋するか、あるいは上神が反って天将を剋するか。日干の後の神が伝に入りて旺相の気を乗ずるか。さらに四課陰陽不備・日干の「徳」の空亡に落つるに遇うか、あるいは三刑六害交加するは——此の幾様は皆必ず再び指望するに及ばず。反って、日干本身の生ずるところの神が伝に入りて毫も阻碍なきは、此の一類の課格は尤も光彩顕赫なり。若し本命・行年上また吉将の相扶有れば、則ちそれ蟾宮桂を折るの客なり。「無禄」「絶嗣」「天網」の張布、「飛魂」「魄化」「伏殃」、および「四絶」「蕪淫」と返吟の卦に至りては、科挙を占うに若し此らに遇上れば、結局必定に乖違失意せん。
無祿,四上克下;絕嗣,四下克上;天網,用起占時同剋日;四絕,午加亥之類;蕪淫即不備;飛魂煞,正月亥順支干本日上;伏殃,天鬼加年月並用;魄化,白虎與死神並日辰年上;天鬼,正月起酉逆行四仲;反吟,月將與時對沖也。
以上の諸兇の定法は下のごとし。「無禄」とは四課皆上が下を剋するなり。「絶嗣」とは四課皆下が上を賊するなり。「天網」とは発用の神と占時と一同に来りて日干を剋するなり。「四絶」とは午の亥に加わるの類のごとし。「蕪淫」とはすなわち四課陰陽不備なり。「飛魂殺」とは正月より亥に起り、順行して本日の日干日支の上に加わるなり。「伏殃」とは天鬼が太歳・月建に加臨して幷びて発用に入るなり。「魄化」とは白虎と死神と一同に日・辰・本命の上に落つるなり。「天鬼」とは正月より酉に起り、逆行して子午卯酉の四仲の位に在るなり。「反吟」とはすなわち月将と占時と正に相衝するなり。
禄を干す
仕官先論官與祿,官旺祿旺須發福。失時囚死便堪憂,任汝營求皆不足。官祿當分日與命,兩處參詳言決應。用起還逢旺相神,有求遂意官榮福。干乃占人支官品,官品生人福祥準。不勞著意苦求謀,爵祿升遷如騎騏。干若生支多偃蹇,調遷居選瓜期遠。如言此日已關升,降削難求徒宛轉(降削,金氏旁改舉刺)。
仕宦を占うは、先ず「官星」と「禄神」を論ずるを要す:官星旺・禄神旺なれば、自然福を発して得意す。若し時を失いて囚死の地に落つれば、便ち憂うべし——汝に如何に鑽営請託するを任すとも事を済さず。官と禄とは両処に分ちて看るを要し、一は日干に在り、一は本命に在り、両下参詳して始めて応験を断准し得べし。発用の神若しまた旺相の気に逢えば、則ち求むるところ意に遂い、官運栄顕す。日干は占うところの人、日支は官職品秩なり。官品を代表する神の来りて日干を生ずるは、福祥期すべく、必ずしも刻意に苦求するを要せず——爵禄昇遷は駿馬を騎上するがごとく順遂なり。之に反して、日干去りて日支を生ぜば、多くは坎坷なり:調職選官遅滞し、任満換屆遥遥として期無し。口頭上に今日已に關白昇遷と説くも、実際は却って降級削職——求めても来らず、徒然に輾轉す(「降削」の二字、金正音旁「挙刺」に改作)。
天驛馬臨年命上,用起神還乘旺相。順傳歲上作歸蹤,日邊從覲非虛誑。支干遞互相剋刑,又兼武虎官長嗔(又兼武虎,朱氏旁改“得此須憂。”)。傳逆更逢丁與馬,官當逆地弗如情(“官當逆”三字,朱氏改“當知易”,“弗”旁改“不”字)。傳用有神日本忌,父母如存多不利。凶神惡煞又居中,殃咎之來誰得避?
天馬・駅馬が本命行年の上に臨み、発用の神また旺相の気を乗じ、順行して伝を結して太歳に帰宿すれば、能く君王の身辺に到りて朝覲するを主とし、決して虚言にあらず。日干と日支と遞々に相剋刑し、また玄武・白虎の当権を加えば、上司の惱怒を主とす(「又兼武虎」の一句、朱氏旁「得此須憂」に改作)。三伝逆行して、また「丁神」と駅馬とに遇上れば、官職かえって逆勢の地に落ちて、心に称うこと能わず(「官當逆」の三字、朱氏「當知易」に改作、「弗」の字旁「不」の字に改作)。発用の神もとより日干の忌むところ、若し父母爻なお在れば、また多くは不利。さらに兇神惡殺中伝に夾在せば、災殃到来して誰か避け得んや。
干若蒙今月將生,官長信任日加亨。支益干時胥吏美,任從驅役弗乖情。歲支月支乘命上,上頭和洽無乖累。政聲藉藉四方間,不久應須作朝貴。日墓如來傳上住,不然用向其間去。陰神惡煞又居中,政清庸庸生嫉妒。趨部先須視日支,生來干上始相宜。吉將日前為用起,任嘉定易及瓜期。
日干若し当月の月将の来りて生ずるに蒙れば、上司の信任を主とし、一天比一天として亨通す。日支の来りて日干を增益するは、則ち屬吏得力にして、駆使に任ずるもまた違拗せず。太歳の支神・月建の支神が本命の上に乗ずれば、上頭和洽にして牽累なく、政声四方に伝遍し、不久に便ち当に入朝して貴官と為るべし。日干の墓神若し伝上に落ちて停住し、あるいは発用の神正に墓中に朝して去れば、陰神また惡殺有りて間に居り、則ち政事縱使い清明なるも不過庸碌にして、かえって人の嫉妬を招かん。部に赴きて銓選を謀求するは、先ず日支を看るを要す:日支の日干の上頭に生到る、始めて相宜と算す。吉将が日干の前に発用せば、任上安穏順遂にして、任満に到るを望むべし。
貴常雀合與青龍,陽神棄此作傳蹤。空亡破碎無相值,順動何憂選不通。丹詔今朝促覲忙,封章或欲近君王;天空立用三傳粹,頃刻應須見上方。占時之上逢日祿,吉神立用歡欣足;瓜期縱有數年遙,倏忽騶吏來相促。日命二祿值空亡,用神兼死逆行藏。玄空陰后來相會,失職己官見禍殃。官神若也加臨替,否則飛廉並破碎。用起來刑年命間,聲譽無聞多咎晦。
貴人・太常・朱雀・六合と青竜の此らの吉将は、陽神彼らを舎開きて別に三伝を結す。ただ空亡と破碎に撞上らざれば、順行発動して、何ぞ銓選の通の通ぜざるを愁えんや。若し是れ丹詔の入覲を催促し・章を上して君王に近づかんと欲するの事であれば:天空発用して三伝純粹なれば、頃刻の間に便ち能く天顔に面見せん。占時の上正に日禄に逢い、吉神発用して歓欣満足せば、任期縱使いなお数年の遥か有るも、転眼に便ち騶騎吏役有りて来りて赴任を催促せん。之に反して、日干の禄と本命の禄の両処皆空亡に落ち、用神また死気を帯びて逆行蔵伏し、玄武・天空と太陰・天后と来りて相会せば、則ち現職必ず失い、禍殃立ちどころに見ゆ。官星若し替代の神に加臨せられ、あるいは「飛廉」「破碎」に碰上り、発用また来りて本命行年を刑剋せば、則ちそれ声誉彰らかならず・咎晦重々なり。
日辰人宅
支上生干福駢集,夏清冬溫常自給。百端佳況動中生,一切不虞潛裡戢。干若生支諸況惡,多應卜築生乖錯。韭鹽朝夕苦孜孜,走北奔南多不樂。干上支上求邊神,彼此交攻必作嗔。干克支須費生畜,支殘干必損居人。辰神刑害日之表,必主居人室廬悄。門牆焉得有佳賓,更有惡客來相擾。
人と宅を占う:日支上神が日干を生ずれば、福気幷び集り、夏日清涼・冬日温暖にして、衣食自足す。種種の好事動中に生発し、一切の意外の患皆形なく潜消す。反って日干去りて日支を生ぜば、境况便ち差し:多くは宅第を營造して差錯を出す——早晩に薄塩咸韭を以て苦しく日子を捱り、南に奔り北に走りて安楽を得ず。日干上神と日支上神と旁側の神を争奪して、両下交攻すれば、家中必ず嗔怒を生ぜん。日干が日支を剋するは、耗費の牲畜家産上に出ずるなり。日支が日干を残傷するは、必定に居住の人に損及す。日支の神が日干の此の一辺を刑害するは、居人室廬冷落を主とし、門牆の内既に嘉賓なく、反って惡客有りて門に上りて相擾す。
墓覆日本真可畏,端猶雲霧有遮蔽。百子千孫漫眾多,其間寧有可人意?鬼為六合日支中,閨閣潛通外客從。若作螣蛇來損克,恐驚時作內人凶。天后將來支上止,所乘遙作日之鬼。從來牝牡不同乘,女掌權衡故非美。
日干の墓神が日干本位上に覆壓するは、最も可畏なり——正に雲霧の遮蔽するがごとく、一片昏暗なり。縱使い子孫満堂なりとも、その中どこに一個の心に称い意に適う有らんや。官鬼が日支の中に落ちて六合を乗ずれば、閨門の内の私通外人を主とす。若し換えて螣蛇前来りて損剋すれば、ただ時時驚を受けて、内眷に兇有らんを怕る。天后の此の位の天将が日支の上に停まり、乗ずるところの神また遥遥として日干の官鬼と成る——牝牡もとより一位に同乗すべからず、婦人の権を掌るを主とし、家道此に因りて美ならず。
忽然元武又來並,家內淫風當大播。天后六合同乘課,夫妻鴛侶須分破。天驛馬來辰上止,螣蛇還又相依倚,久長活計豈曾為?居人不日將遷徙。凶神作丁支上歇,瘟疫頻頻為禍孽。門庭時復作驚惶,若要求安尋別業。
若し忽然として玄武またそれと幷び臨まば、家内の淫風すなわち大肆りに傳揚せん。天后と六合と同じく一課を乗ずれば、夫妻鴛侶必ず將に分離破散せん。天馬・駅馬が日支上に落ちて停住し、螣蛇また依傍して相随えば、長久の生計従來曾て経営せず——住む人日ならずして他方に遷徙せんとす。兇神が「丁神」を作して日支の上に歇れば、瘟疫頻頻として禍を為し、門庭時時驚を受く。若し平安を求得せんと要せば、ただ別に別処の産業を尋て身を安んずるのみ。
奴婢
人道從來有定分,使令惟可用卑論。第三課裡是他家,凶吉便向其間問。使令若不忘忠敬,長上斯能享安靜。日若生辰事必乖,孰肯欣然從命令。動用出入察陰空(天空為僕陰為婢),奴婢因由四處提,禍福自然知仔細。陰空所乘日辰畏,悍然沖動忘拘忌。日辰所乘陰空愁,判手欲行相拋棄。
人倫もとより定分有り、僕役を使喚するはただ卑幼の一類に按じて論ずるのみ。四課中の第三課は対方に属し、正にこれ奴婢の居るところの位——吉凶すなわち此の一課上に向りて問う。僕役若し忠謹恭敬を忘れざれば、主家自然安く清靜を享く。日干若し反って去りて日支を生ぜば、事必然として乖違して、誰かなお肯んじて欣然として命を聴かんや。動用出入の際、太陰と天空を察看を要す(天空は男僕を代表し、太陰は婢女を代表す)。奴婢の来竜去脈は此の四処より提取して、禍福自然仔細に知るを得べし。太陰・天空の乗ずるところの神が日辰の畏懼する所と為れば、僕役の悍然として衝撞し・拘束禁忌を忘るるを主とす。反って日辰の乗ずるところの神が太陰・天空をして発愁せしめば、則ち奴婢の手を拍って去らんとし、彼此拋撇するを主とす。
課上之神與陰空,互被受凶總是凶。今朝若不論爭並,他日應須疾病業。四課陰陽如不備,奴婢當知有二意。或進或退兩無常,焉有一心為活計?今朝酉戌住干所,克賊方將作寇仇。此等奴婢多悖逆,使令縱恣豈堪留?支上從魁來克賊,此婢從來容不得。肆以不顧豈堪禁,早為驅逐免乖惑。
四課上の神と太陰・天空と互相に剋を受くるは、どの一頭の兇を受くるを論ぜず、総じて帰して兇なり。今日若し争執を論斷清楚せざれば、来日必ず疾病事端を生ぜん。四課陰陽不備なれば、則ち奴婢の二心を懐くを知るべし:あるいは進みあるいは退みて反覆常なく、どこで肯んじて一心一意に主家に替わりて日子を過さんや。今日酉・戌の神が日干の位に住して、日干を剋賊して寇仇を成せば、此等の奴婢多くは悖逆——それに放任を任せば、豈に留用し得んや。日支上に「従魁」(酉神)前来りて剋賊する有れば、此の個の婢女従來容留するを得ず——放肆にして毫も忌顧せず、管束する能わず、早く駆逐して始めて禍乱を免れん。
白虎空亡豈吉神,如臨酉戌奴婢迍。白虎驚憂見家宅,空亡盜竊是鄉鄰。傳如生日無凶厄,奴婢悉皆聽驅策。日若生傳有禍迍,奴婢動來生捍格。六丁月厭既乖淫,必定應須憂凶深。奴婢往來如犯著,動遭逃遁豈能禁?奴婢如臨驛馬蹤,不然天馬上相逢。若非遠向他方去,必定應須憂主人。
白虎と空亡と皆吉神と算するを得ず——若し酉・戌の位に臨まば、奴婢便ち屯难有らん:白虎は驚憂の家宅の内に出ずるを主とし、空亡は盗窃の鄉鄰の間に出ずるを主とす。三伝若し日干を生じて兇厄なければ、奴婢個個駆使に聴憑す。日干反って去りて三伝を生じて禍難を帯来すれば、奴婢動輒頂撞抗拒す。「六丁」と「月厭」と既に淫乱乖違を主とするは、則ち必定要してその禍を為すこと深重を憂うべし。奴婢の往来若し此の両者を犯着せば、動輒便ち逃亡して、どうしても禁得住こと能わず。奴婢の位若し駅馬の蹤に臨み、あるいは天馬と相逢えば、則ち他郷に遠走するにあらざれば、便ち一定要して主人の為に担憂す。
死氣死神替歲月,辰陽之上來安歇。奴婢雖然過失無,豈期纏患常為孽。辰陽之上自刑成,上作天空日畏渠。喝咄之嚴才作異,橫非之擾便為虛。進傳生旺奴勤敏,退傳囚死賴惰蠢。無祿動靜有憂虞,絕嗣僭越無憑準。破碎住上純陰重,上乘凶將潛惡鬼。此等占來豈吉祥?不拘寶器皆殘毀。輒擬師言成歌句,鬼撮腳裡細推詳。
死気・死神が太歳月建に代替して、日支の陽神の上に歇れば、奴婢虽か并びに明顯の過失なくも、却って長年に病に纏われ作祟することを免れず。日支陽神自ずから刑剋を成し、上頭また天空を坐す——日干までもそれを畏懼す:叱責再び嚴なるも不過怪異を鬧出すのみ、横生の是非其の実皆虚驚なり。三伝遞進して生旺に逢えば、僕役勤快機敏なり。三伝遞退して囚死に落つれば、僕役便ち懶惰愚蠢なり。「無禄」に遇えば、動靜皆憂虞有らん。「絶嗣」に遇えば、則ち下を以て上に犯し・全く憑准なし。「破碎」の住する所の位純陰畳重にして、上に兇将を乗じて暗に惡鬼を伏せれば、此のごとく占来るにどこに吉祥の言うべき有らんや。家中の寶器までも残破毀損を免れ難し。以上不過は師傳の言を凑りて歌句を成すのみ——その中の細節なお須く《鬼撮脚》の一書の中に細々に推詳すべし。
大六壬鬼撮脚全巻之十二総括玉田歌 終
五行旺相胎孕休囚論 巻之十三
木,立春木旺,春分相,立夏木休,夏至廢,立秋木囚,秋分死,立冬木歿,冬至胎,此木孕於冬水之中。火,立夏火相,夏至旺,立秋火休,秋分廢,立冬火囚,冬至死,立春火歿,春分胎,此火孕於木之中也。金,立秋金相,秋分旺,立冬金休,冬至廢,立春金囚,春分死,立夏金殃,夏至胎,此金孕於火土中也。水,立冬水相,冬至旺,立春水休,春分廢,立夏水囚,夏至死,立秋水殃,秋分胎,此水孕於金之中也。土,惟土旺於四季中,三六九月十二月,各月寄旺十八日,金相、水死、木中囚、火休。
木の消長:立春に木旺し、春分に相に転じ、立夏に木休み、夏至に衰廃し、立秋に囚に入り、秋分に死し、立冬に歿絶し、冬至に胎を結ぶ——此れ木の冬の水気の中に受孕するなり。火の消長:立夏に火相し、夏至に火旺し、立秋に火休み、秋分に衰廃し、立冬に囚に入り、冬至に死し、立春に歿絶し、春分に胎を結ぶ——此れ火の木中に受孕するなり。金の消長:立秋に金相し、秋分に金旺し、立冬に金休み、冬至に衰廃し、立春に囚に入り、春分に死し、立夏に殃に遭い、夏至に胎を結ぶ——此れ金の火土の中に受孕するなり。水の消長:立冬に水相し、冬至に水旺し、立春に水休み、春分に衰廃し、立夏に囚に入り、夏至に死し、立秋に殃に遭い、秋分に胎を結ぶ——此れ水の金中に受孕するなり。土は則ちただ四季月に旺す——すなわち三月・六月・九月・十二月、每月に旺を寄すること十八天。土の令に当たるの時、金は相気を得、水は死地に入り、木は囚中に処り、火は則ち休息す。
五行生剋制化に喜害あるの訣
金旺得火,成器皿;火旺得水,成相濟;水旺得土,成池沼;土旺得木,能疏通;木旺得金,成樑棟。土生金,土多埋金;火生土,火盛土焦;木生火,木多火烈;水生木,水多漂木;金生水,金多水濁。
金気旺盛なるは、火を得て来りて鍛煉して始めて器皿を成し得べし。火気旺盛なるは、水を得て来りて節制して始めて水火相済を成すべし。水気旺盛なるは、土を得て来りて堤防して始めて池沼を成すべし。土気旺盛なるは、木を得て来りて疏鬆して始めて通気し得べし。木気旺盛なるは、金を得て来りて砍削して始めて棟梁を成し得べし。相生もまた頭を過ぐるの時有り:土は金を生ずるも、土太だ多ければ反って金を埋没す。火は土を生ずるも、火太だ盛んなれば反って土を烤焦す。木は火を生ずるも、木太だ多ければ反って火勢をして暴烈ならしむ。水は木を生ずるも、水太だ多ければ反って木を漂走せしむ。金は水を生ずるも、金太だ多ければ反って水を渾濁せしむ。
水生木,木盛水宿;金生水,水多金沉;木生火,火盛焚木;火生土,土多火熄;土生金,金多土變。金克木,木堅金缺;木克土,土重木斷;土克水,水湧土流;水克火,火猛水乾;火克金,金多火滅。
生ぜらるるの一方より看れば、また反ってそれを生ずるの一方を傷るあり:水は木を生ずるも、木太だ盛んなれば反って水を枯滞せしむ。金は水を生ずるも、水太だ多ければ反って金を沈没せしむ。木は火を生ずるも、火太だ盛んなれば反って木を焼盡す。火は土を生ずるも、土太だ多ければ反って火を埋熄す。土は金を生ずるも、金太だ多ければ反って土質を壊変せしむ。相剋同様に反ってその傷を受くるあり:金は木を剋するも、木太だ堅硬なれば反って金を缺口せしむ。木は土を剋するも、土太だ厚重なれば反って木を折断せしむ。土は水を剋するも、水勢洶涌なれば反って土を衝流せしむ。水は火を剋するも、火太だ猛烈なれば反って水を焼乾す。火は金を剋するも、金太だ多ければ反って火を壓滅せしむ。
金衰遇火,必銷熔;火弱水強,火傾熄;水懦土強,必於塞;土衰見木,遭傾陷;木弱逢空,被砍削。強金得水,挫其鋒;強水得木,洩其勢;強木得火,化其頑;強火望土,止其焰;強土得金,制其害。此五行生中有克,克中有生,實造化之機也,學者詳之。
五行衰弱の時さらに剋伐に禁え難し:金已に衰敗して火に遇えば、必ず銷熔せられん。火弱くして水強ければ、火すなわち傾覆熄滅す。水柔弱にして土強ければ、必ず淤塞せられん。土衰弱にして木を見れば、すなわち傾陷に遭う。木衰弱にして空亡に逢えば(一説に「逢金」と作るべし)、すなわち砍削せられん。之に反して、気太だ強きの時もまた泄制を須要す:強金は水を得て、鋒芒挫減を得べし。強水は木を得て、水勢宣泄を得べし。強木は火を得て、頑性化開を得べし。強火は土を得て、火焰止住を得べし。強土は金を得て、害を為すこと制約を得べし。此れすなわち五行相生の中に相剋を含み・相剋の中に相生を含む——実に是れ造化運行の機枢、学者当に細かに体会を加うべし。
壬機秘要法語
始入者,初起而犯上者也。凡四課中惟一下賊上者,名始入。若有一上克,復有下賊,舍克取賊發用,乃謂之重審。凡上克下名比鄰,以其順理,若鄰里之和睦也。下賊上名知一,以其逆理犯分,於兩逆之中知擇其一,與我力均者制之也。
「始入」とは、下位の神の初めて起りて上位を侵犯するを指す。およそ四課の中ただ一処の下が上を賊する有るを、則ち始入と曰う。如果し既に一処の上が下を剋する有り、また別に下が上を賊する有れば、則ち「剋」を舎去して「賊」を取りて来りて発用す——此を「重審課」と曰う。上神が下神を剋するを「比隣」と称す——それ常理に順乎すればなり、隣里の間の和睦相処するに譬えん。下神が上神を賊するを「知一」と称す——それ理に逆り分を犯すればなり、須く両処の逆剋の中に辨擇してその一を取るべく——我(日干)と力量相当にして能く制伏する那の一個を取る。
虎視轉蓬者,虎見轉蓬,疑為飛矢,怒目仰視;冬蛇掩目者,蛇至冬而俯伏掩目。自任任其剛,自信信其柔。杜傳者,剛柔自刑,中傳互取上神,中復自刑,取中沖杜塞也。傳,郵也。伏吟無聊,自任自信,以希見用,而乃自刑,莫能前進,是求通而復塞也。
いわゆる「虎視轉蓬」とは、老虎の風に随いて打轉する蓬草を見て、疑心して是れ飛来の箭矢なりと為し、因りて怒目して上を視る——課体はその仰ぎて向上するの義を取るなり。いわゆる「冬蛇掩目」とは、蛇の冬に到れば便ち俯伏して目を閉ず——課体はその俯して向下するの義を取るなり。「自任」とは剛日の日干に任せて自ら発用するを凭らしめ、「自信」とは柔日の日支に信従して自ら発用せしむるなり。「杜杜傳」とは則ち剛柔各々自ら刑を成し、中伝只好く互いに上神を取る——誰知中伝また自刑なれば、只好く中伝と相衝する神を取りて、その杜塞して通して通ぜざるの義を取る。「傳」の字もとこれ駅郵傳遞の意思なり。伏吟の課本より就いて依託する所なく、自任・自信もとより発用する所有らんことを指望するも、却って偏偏として自刑して、前進する能わず——正に是れ通を求めて反って塞なり。
井欄射,《三元經》取馬發用,更捷。別責,如長家者即沒,凡百無主,別立一人長家。原相合者,責其肩任也。又曰無淫者,戒之無奢淫也,非淫合之謂。式例日用之法,當避太歲月建忌。正五九月卯時,二六十月子時,三七十一月酉時,四八十二月午時。日忌者,甲乙日酉時,丙丁日子時,戊己日卯時,庚辛日午時,壬癸日辰戌丑未時。以上忌時日,並不用占事。若誤用,當捐占之人也。
「井欄射」の此の一課体は、《三元經》は駅馬を取りて発用するを主張し、応験いよいよ速しとす。「別責」課は一家の長の忽然として亡故するに譬えん——百事主なく、只好く別に一人を立てて来りて家務を主持せしめん。原本日干と相合する那の個の神は、則ちそれを責成して出でて担当せしむ。別責課また「無淫」と曰う——人を告誡して奢侈淫佚すべからざるを、并びに男女の淫合を指すにあらず。課を起し日を擇ぶの常法に至りては、当に太歳・月建の忌時を回避すべし:正月・五月・九月は卯時を忌み、二月・六月・十月は子時を忌み、三月・七月・十一月は酉時を忌み、四月・八月・十二月は午時を忌む。日忌は:甲乙日は酉時を忌み、丙丁日は子時を忌み、戊己日は卯時を忌み、庚辛日は午時を忌み、壬癸日は辰・戌・丑・未時を忌む。以上の此らの忌時忌日は、一概に以て事を占うに用いず。若し誤りて用いれば、反って占卜の人を損傷せん。
凡有所占,先視日干吉凶甘苦。以日為主,日最畏克,卻喜合德,日喜用生,卻畏沖刑。凡日上見辰旺,辰上見日旺,如甲申日干上酉,支上卯之類;或日辰上自見旺,如甲申日干上卯,支上酉之例,不利謀動,動見羅網,只宜坐家謀為,百事通泰。
およそ占う所有れば、先ず日干の吉凶甘苦を看る。全課は日干を以て主と為す:日干は最も剋せらるるを怕れ、最も六合と日徳に逢うを喜ぶ。発用の神の来りてそれを生ずるを喜ぶも、却って衝に遭い刑に遭うを怕る。およそ日干の上に日支の旺神を見・日支の上に日干の旺神を見るは、たとえば甲申日に干上に酉を得・支上に卯を得るの類。あるいは日干日支上に各々本身の旺神を見るは、たとえば甲申日に干上に卯を得・支上に酉を得るの例——此の両種の課は皆外出して謀動するに利あらず、一動すれば便ち羅網に撞上り、ただ安坐して家中に経営するに宜しく、那様にすれば反って百事通泰なり。
凡日上見鬼墓,主諸事闇昧不明,或借姓假名,倚附詭托,占病尤忌鬼墓者,三合墓神剋日也。如甲乙日見丑,丑為金之墓神也。餘仿此。若年命傳課中見子孫,為破墓之神,凶不成凶也。日辰上逢敗氣,主身命衰敗,宅舍崩頹,不宜追捕及訟人奸私,主遭牽連同罪。敗氣,木午,火酉,金子,水土卯。
日干の上に官鬼の墓神を見るは、諸事昏昧不明を主とし、あるいは人の姓を借り名を假り・依附詭託する有り、病を占うに尤も忌諱す。いわゆる「鬼墓」とは、すなわち三合局の墓神の反って日干を剋する——たとえば甲乙の木日に丑を見れば、丑は正に金(甲乙の官鬼)の墓庫——其の余此に照らして類推す。若し本命・行年あるいは三伝四課中に子孫爻を見れば、子孫は是れ墓を破るの神——兇もまた兇として起き得ず。日干日支の上に「敗気」(すなわち沐浴の気)に遇上るは、身命衰敗・宅舎崩頽を主とし、逃人を追捕するに宜しからず、また人と姦私の官司を打つに宜しからず——否らずんば反って牽連同罪に遭う。敗気の定法は:木は午に在り、火は酉に在り、金は子に在り、水と土は卯に在り。
日辰上逢絕氣,惟宜結絕舊事。餘皆不吉。干上見旬尾,支上見旬首,名周遍格,主百事成就。占赴試宜代工,占訟宜換司,占交易用事去而復來,惟不宜占解釋。如有憂疑,未能決斷。首尾者,甲癸所加之支也。
日干日支の上に「絶気」に遇上るは、ただ旧事了結するに適宜す——其の余の諸事皆吉ならず。日干の上に本旬の旬尾を見・日支の上に本旬の旬首を見るを「周遍格」と曰い、百事成就を主とす:赴考を占うに人を請して筆に代わらしむるに宜しく、官司を占うに主審衙門を更換するに宜しく、交易を占えば則ち貨物去りて復た回る。唯だ宜しからざるは解散了結の事を占うに在りて、心中若しもとより憂疑有れば、此の課もまた汝に替わりて決斷する能わず。いわゆる首尾とは、すなわち本旬中の甲・癸の両干の加臨する所の地支なり。
凡干受上神克,支能制者不畏。如丁未日干上子之例。凡干逢旬鬼,見於傳歷年命者,主有凶動,以六親乘神決之。乘勾主官司勾攝,乘死氣主親屬死亡,乘貴人主奉上差遣,元武主逃亡失脫,乘蛇雀主血光災。如有爵者,占之赴任極速。假如庚子、辛丑二日以酉為旬鬼,酉與干比,主兄弟動。庚寅辛卯二日見亥為旬鬼,亥受干生,主子息凶動,餘日仿此。
日干虽か上神に剋制を受くるも、ただ日支能く那の個の上神を制住せば、便ち畏るるに足らず——たとえば丁未日に干上に子を得——子水虽か丁火を剋するも、未土却って能く子水を制住す。およそ日干が「旬鬼」に遇上り、また三伝・行年・本命の上に出現するは、兇事発動有るを主とす。何人に応ずるは、須くその乗ずるところの六親と天将を看て以て定むべし:勾陳を乗ずれば官司を喫して拘拿せらるるを主とし、死気を乗ずれば親属の亡故を主とし、貴人を乗ずれば上命の差遣に奉ずるを主とし、玄武を乗ずれば逃亡失脱を主とし、螣蛇・朱雀を乗ずれば血光の災を主とす。若し是れ官爵ある人の占得するは、則ち赴任極めて速し。たとえば庚子・辛丑の両日は酉を以て旬鬼と為す——酉は庚辛と同じく金に属して日干と比和すれば、兄弟の一輩に動有るを主とす。庚寅・辛卯の両日は亥を以て旬鬼と為す——亥水は日干の金の生ずるところを受ければ、子息の一輩に兇動有るを主とす。其の余の各日此に照らして類推す。
凡父母同文書、印綬,妻妾同財物,尊貴同官長,子息同卑幼斷,庚辛二日同旬,丙亦為鬼,但支不同,不便同說。三傳之中一陽二陰,以陽主事;一陰二陽,以陰主事。三傳皆陽,以日上神主事;皆陰,以辰上神主事。視神將旺相休囚死決之。旺剋日神主官司事,相剋日辰主財帛事,死剋日辰主喪事,囚剋日神主刑獄事,休克日辰主疾病事。凡剋日貴人君子當,克辰女子小人當。
六親を断ずる時、父母は文書・印綬と同じく看、妻妾は財物と同じく看、尊貴は官長と同じく看、子息は卑幼と同じく看。庚・辛の両日同じく一旬に在りて、丙火庚金に対して言えばまた官鬼と算すれど、ただ両日の日支相同じからず——一概に論ずるに便ならず。三伝の中若し一陽二陰なれば、則ち那の個の陽神を以て事を主とし、一陰二陽なれば、則ち那の個の陰神を以て事を主とす。三伝全陽なれば、日干上神を取りて事を主とし、三伝全陰なれば、日支上神を取りて事を主とす。さらに神将の旺・相・休・囚・死のどの一種の気数に処るかを看て以て定む:旺気を以て日干を剋するは、官司の事を主とし、相気を以て日辰を剋するは、財帛の事を主とし、死気を以て日辰を剋するは、喪亡の事を主とし、囚気を以て日干を剋するは、刑獄の事を主とし、休気を以て日辰を剋するは、疾病の事を主とす。およそ日干を剋するは、貴人君子の身上に応じ、日支を剋するは、婦女小人の身上に応ず。
三傳俱宜為日財、日印、日之生旺,不宜為日子、日鬼、日之墓空。凡三傳之有剋日者,即以此傳為為吉凶之主。若日與餘傳及月將貴人能克洩者,仍作吉斷。凡占凶事,取初傳沖處所臨之神為散期。占吉事,取初傳合處所臨之神為成期。妙在占者變通。中末為制鬼墓諸凶,故宜克不腚順,克順則吉不吉,凶益凶;逆則吉愈昌,凶自息。
三伝は最も好くは皆日干の財爻・印綬にして、あるいは日干の長生・帝旺の地なり。日干の子孫・官鬼と為るに宜しからず、また日干の墓庫と空亡と為るに宜しからず。およそ三伝中に日干を剋する有れば、則ち此の一伝を以て吉凶の主脳と作す。但し若し日干本身・其の余の両伝および月将・貴人が能くそれを剋しそれを泄せば、仍お吉断と作し得べし。兇事を占うは、初伝と相衝する処に臨むところの神を取りて、兇事消散の期と定め、吉事を占うは、初伝と相合する処に臨むところの神を取りて、吉事成就の期と定む——妙処全て占者の随機変通に在り。中伝末伝の職責は官鬼・墓神の各種の兇象を制伏するなり——故に剋制するに宜しくて一味に順従するに宜しからず(原文「不腚順」、「腚」は当に「宜」の字の訛なるべし):順りて下去れば、吉の吉と成る能わず・兇のいよいよ兇なり。逆にしてこれを制すれば、則ち吉のいよいよ昌盛し、兇の自然平息す。
凡發用猶為呈象,妙在用之陰神。如捕盜,則觀元武之陰神,乃知盜賊勝負。如訪人則觀日德之陰,乃見彼之長短。如占婚則觀天后之陰,乃識女之情性。如求財觀青龍之陰,乃驗財之得失。是知日辰有陰陽,乃成傳課;事物有陰陽,乃見機微。如酉日求財,青龍在午,又觀地盤午上丑為貴人,主得官貴財物之例。
発用はただ事の表象を呈出するのみ、真の機竅は用神の陰神上に在り。たとえば盗を捕うは、則ち玄武の陰神を看て、始めて盗賊と捕者の誰勝誰負を知らん。たとえば人を訪うは、則ち日徳の陰神を看て、始めて対方の長短を見ん。たとえば婚を占うは、則ち天后の陰神を看て、始めて女方の性情を識らん。たとえば財を求むは、則ち青竜の陰神を看て、始めて財物の得失を験せん。此に由りて知るべし、日干日支各々陰陽有りて、始めて四課三伝を結成し、事物各々陰陽有りて、始めて幽微の機兆を見るを得べし。たとえば酉日に財を求め、青竜午上に落ち、さらに地盤午位の加わるところの丑が正に貴人なるを看れば、此れすなわち官貴の手より得たる財物を主とす。
凡三傳與日辰互換三合,遞相牽連,占事覆來翻去,須為全脫、全鬼、全生以定吉凶。此例見全財、全比、全脫,主互相賺脫,占謀事主無了結,求財費力中得,占病綿延。如庚辰日干上子,三傳辰申子之例。金鬼占事,主挾我制我,又不結局。如己亥日干上亥,三傳未亥卯之例。全生占事,主彼此和合謀干,但事屬牽綿,終無完日。如癸酉日干上酉,三傳巳酉丑之例。
およそ三伝と日干日支と互換して三合局を結成し、遞相牽連すれば、事を占えば便ち覆り翻り去り来りせん。必ず「全脱」なるか「全鬼」なるかあるいは「全生」なるかを分清して、始めて吉凶を定め得べし。若し全て財・全て比肩・全て脱気を見れば、彼此互いに賺哄脱騙するを主とす:事を謀るを占えば了結するに由なく、財を求めれば力を費して始めて得、病を占えば則ち纏綿して愈えず——たとえば庚辰日に干上に子を得・三伝辰申子水局を成して金を泄するの例。若し全鬼の局を成せば(原文「金鬼」と作る、当に「全鬼」の誤なるべし)、対方の我に挟制するを主とし、事もまた結局し難し——たとえば己亥日に干上に亥を得・三伝未亥卯木局を成して己土の官鬼と為るの例。若し全生の局を成せば、彼此和合共謀を主とすれど、但し事牽纏綿延して、終に完結の日無し——たとえば癸酉日に干上に酉を得・三伝巳酉丑金局を成して来りて癸水を生ずるの例。
凡得此課,要視天將吉凶。又要視年命日神辰四處決之。如全鬼本凶,若四處有子孫則能制鬼,有父母則能脫鬼,與夫日干旺相,鬼氣休囚。凡三傳逆生剋日,而日復生其傳相制者,有苦盡甜來之意。如戊寅日干上寅,三傳寅亥申之例。凡初傳為日之長生而三傳又逆生剋日,凡占有樂處生悲之應。如庚申日干上巳,三傳巳寅亥之例。
およそ此の類の課に遇上れば、天将の吉凶を看るを要し、なお行年・本命・日干上神・日支上神の此の四処より来りて決断するを要す。たとえば全鬼の局もとより兇象に属すれど、但し四処の中若し子孫爻有れば、則ち能く官鬼を制伏し、若し父母爻有れば、則ち能く鬼気を泄脱し、さらに日干正に旺相に当たりて鬼気恰も休囚に逢うを加えば、兇もまたその兇と為るを成さず。およそ三伝が次序に逆りて相生して来りて日干を剋し、日干また反って那一伝を生じてそれと相制するは、苦盡きて甘来るの意思を含有す——たとえば戊寅日に干上に寅を得・三伝寅亥申の例。およそ初伝が日干の長生の地にして、而して三伝また逆生して日干を剋するは、事を占えば便ち楽極まりて悲を生ずるの応験有らん——たとえば庚申日に干上に巳を得・三伝巳寅亥の例。
凡初克中,中克末,末剋日而初又生日,名兩面刀格。凡占有起滅之應。如六戊日伏吟,三傳巳申寅之例。凡三傳生日而天將復來傷日,或干支上俱得長生而彼此又相脫者,皆主甘中有苦,喜裡藏憂。如庚寅日干上巳,支上亥,俱得長生,而巳盜寅氣,亥盜庚氣,反為互脫之例。如癸酉日支加干,三傳巳酉丑金局生日,若貴逆用事,則貴勾常入傳剋日之例。
初伝が中伝を剋し・中伝が末伝を剋し・末伝がまた来りて日干を剋し、而して初伝却って反って日干を生ずる——此を「両面刀格」と曰い、事を占えば忽起忽滅の応験有らん——たとえば六個の戊日の伏吟課・三伝巳申寅の例。およそ三伝虽か日干を生ずるも、天将却又って頭を回して来りて日干を傷すか、あるいは日干日支上に皆長生の神を得て、而して彼此また互相に盗泄するは——此ら皆甘中に苦を帯び・喜裏に憂を蔵るを主とす。たとえば庚寅日に干上に巳を得・支上に亥を得——巳は庚金の長生・亥は寅木の長生にして、看るに両全に似たるも、其の実巳火は寅木の気を盗泄し・亥水は庚金の気を盗泄して、反って互脱を成す。またたとえば癸酉日に日支を以て日干の上に加え、三伝巳酉丑金局を結成して来りて日干を生ずるは、もとこれ好事なるも、若し貴人逆行して事を用ゐれば、則ち貴人・勾陳・太常伝に入りて反って来りて日干を剋せん。
行年群書起例互異,《集要》以男一歲起丙寅,二歲起丁卯順行;女一歲起壬申,二歲起辛未逆行。《心鏡》以人命審屬何旬,即以男一歲起旬前丙上順行,女一歲起旬後壬上逆行。《照膽經》以六甲旬中起男丙女壬,如甲申男起丙戌,女起壬辰之例。《壬課指掌》男以甲子起於寅上順行至本生年止,即從止處起一歲順數;女以甲午起於申上逆行,至本生年止,即從止處起一歲逆數。《鬼靈經》注男陽命一歲起午宮丙上順行,陰命寅宮逆行;女陽命一歲起亥宮壬上逆行,陰命申宮順行。
行年を推排するに、各家の書の起例互いに相同じからず。《六壬集要》は男子一歳丙寅に起り・二歳丁卯に起りて、順行す。女子一歳壬申に起り・二歳辛未に起りて、逆行す。《心鏡》は先ず占うところの人の生年のどの一旬に属するかを審して、男子一歳便ち該旬前面の丙の字より起りて、順行す。女子一歳該旬後面の壬の字より起りて、逆行す。《照胆經》は則ち六甲旬中に於いて、男は丙に起り・女は壬に起る——甲申旬の男子丙戌に起り・女子壬辰に起るの例のごとし。《壬課指掌》は男子甲子より寅位に起りて順行し、本人生年に数え到るに至るまで、則ち停住するの処より一歳を起して順数す。女子甲午より申位に起りて逆行し、本人生年に数え到るに至るまで、則ち停住するの処より一歳を起して逆数す。《鬼霊經》の注は則ち曰わく:男子陽年生のは、一歳午宮丙上に起りて順行し、陰年生のは寅宮に起りて逆行す。女子陽年生のは、一歳亥宮壬上に起りて逆行し、陰年生のは申宮に起りて順行す、と。
余謂皆非也,夫男命起寅,女命起申者,從先天震巽之位起於陰陽始生之地也,其占孕加丙壬二干者,從丙火生於寅,壬水生於申也。從震巽者所以別男女也,從水火者所以證陰陽也。若紛紛無定論,則非陰陽之理矣。
我は此らの説法皆対ならずと認む。男命は寅に起り・女命は申に起るは、もとより先天八卦の震・巽の両卦の位に依りて、陰陽初生の地より起算するなり。胎孕を占う時に丙・壬の両干を配上するに至りては、丙火の長生が寅に在り・壬水の長生が申に在るを因とす。震巽の二位を取るは、男女を分別するを為とし、水火の二干を取るは、陰陽を印証するを為とす。若し各家紛紛として定論なければ、則ち陰陽の理に合わず。
凡月建加天后神后,主婦人懷孕。凡日之祿又作日之上神,若不逢空,即以旺祿臨身斷之。主君子進祿,常人得喜,不必照管傳課。若一一照管,反恐雜亂,無所適從。惟逢空,始宜別審,如乙卯日午將未時,干上卯為日祿,又為日之旺神,就作旺祿臨身立斷。即三傳丑子亥為印為財,亦不及臨身旺祿。
月建が天后の乗ずるところの神后(子)の上に加臨するは、婦人の懐孕を主とす。およそ日干の禄神また恰好日干上神なれば、ただ空亡に落ちざれば、便ち径直に「旺禄身に臨む」を以て断ず:君子は加官進禄を主とし、常人は喜慶を得るを主とし、必ずしもさらに去りて三伝四課を照管するを要せず。若し一一に照管せば、反って頭緒雑乱して、従うところを適う無し。ただ禄神の空に落つるの時、始めて別に審察を作す。たとえば乙卯日に午将を用い・未時を占するは、日干上に卯を得——卯は既に乙木の禄神にして、また乙木の旺神なれば、則ち直接に旺禄身に臨むと作して立断す。たとい三伝丑子亥また印また財なりとも、また身に臨むの旺禄に比せられず。
凡辰上見祿,主受屈於人。若在仕途,主權攝不正,或遙授職銜,自食其祿。此課每日一見,如甲子日寅加子,乙丑日卯加丑之例。其中非止一端,有祿神投墓者,如辛丑日酉加丑也;有祿神脫氣者,如乙巳日卯加巳是也。祿投墓占官占病兩凶,祿受克主因宅舍事貧窮,祿脫氣主干祿被辱、求謀多費。
日支の上に日干の禄神を見るは、人に屈を受くるを主とす。若し身仕途に在れば、則ち代理署職・名正ならず言順ならざるを主とし、あるいは遥かに一個の虚銜を授けて、ただ自らその禄を食して実権無し。此の種の課は毎日皆一回出現す——たとえば甲子日に寅の子上に加わり・乙丑日に卯の丑上に加わるの例。その中の情形一種に止まらず:禄神の墓庫に投入する有り——たとえば辛丑日に酉の丑に加わる、丑は正に金墓。禄神の盗泄せらるる有り——たとえば乙巳日に卯の巳に加わる、巳火は卯木の気を泄す。禄神墓に投ずるは、官を占い病を占うに両頭皆兇なり。禄神剋を受くるは、房産宅舎の事に因りて貧困するを主とす。禄神脱気するは、俸禄を干求して反って羞辱に遭い・事を謀るに花費甚だ多きを主とす。
凡祿馬互臨干支之上,名真富貴格。貴者占,加官進祿;應舉占之,得名膺爵;若常人占之,反主病訟,宅移身動。如丙寅日干上申,支上巳是也。空亡天盤為游神空,占主七分不應;地盤為坐地空,占主十分不應。凡歲建年命四者不論空亡,即入傳亦不論。凡傳逢空落空,又值天空,名空空格,凡事無成。
禄神と駅馬と交互に日干・日支の上に臨むを「真富貴格」と曰う:貴人占得すれば、加官進禄せん。応挙の人占得すれば、名を成し爵を受けん。若し尋常百姓占得せば、反って疾病官訟・遷居動身を主とす。たとえば丙寅日に干上に申を得・支上に巳を得るは便ちこれなり。空亡若し天盤に在れば、「游神空」と曰い、事を占えば約して七分応験せず。若し地盤に在れば、「坐地空」と曰い、事を占えば十分皆応験せず。太歳・月建・本命・行年の此の四者は空亡を論ぜず、たとい伝に入るともまた論ぜず。若し三伝の神既に空に逢いまた空に落ち、さらに天空の此の位の天将に遇上れば、則ち「空空格」と曰い、凡事皆成る能わず。
凡日生上神,上神又生天將,名脫脫格,與空空同。凡三傳皆空,名三空格。如癸卯日支上辰發用,初中逢空,末落空之例。四課皆空,名四盡格。如壬戌日干上丑,支干陽神逢空,陰神落空之例,主事事虛耗無成。
日干去りてその上神を生じ、上神また去りて乗ずるところの天将を生じて、一層層に泄せらるるを「脱脱格」と曰い、その一事成らざること空空格と同じ。三伝全て空亡なるを「三空格」と曰い、たとえば癸卯日に日支上の辰発用して、初伝中伝空に逢い・末伝空に落つるの例。四課全て空亡なるを「四盡格」と曰い、たとえば壬戌日に干上に丑を得て、日干日支の陽神空に逢い・陰神空に落つるの例——事事虚耗して、一成する所なきを主とす。
凡占以正時為主,或為日之德合鬼墓,或為辰之破害刑沖,傳課未成,吉凶先露,故曰先鋒門。月將加正時分四課之陰陽,別三傳之生克,非神不能決事之禍福,非將不能知神之吉凶,故曰直事門。凡占以日干為人,動作謀為皆主乎日,生剋制化皆應乎干,故曰外事門。
課を占うは正時を以て根本と為す:正時あるいは日干の徳・合・鬼・墓にして、あるいは日支の破・害・刑・衝にして、四課三伝未だ排し出さざるも、吉凶已に先に透露す——故に正時を「先鋒門」と曰う。月将を正時の上に加えて、始めて四課の陰陽を分ち出し・三伝の生剋を辨え出し得べし。地盤天盤の神無くんば事の禍福を決定する能わず、十二天将無くんば神の吉凶を知る能わず——故に月将時に加うるを「直事門」と曰う。課を占うに日干を以て人を代表し、一切の動作謀為皆日干を以て主と為し、生剋制化もまた皆日干上に応ず——故に日干を「外事門」と曰う。
以支辰為宅之盛衰,審辰休旺事之禍福察支吉凶,故曰內事門。以初傳為事之始應,吉則吉,凶則凶,禍福皆從此發,故曰發端門。中傳為事之中應,中凶,吉變,中吉凶變,謂之移易門。末傳為事之終應,末吉終有成,末凶終有悔,曰歸計門。凡占以年命為事之變易,傳有一定之吉凶,人有各殊之年命,傳財本吉,年命見官鬼成凶,傳鬼本凶,年命見子孫成吉,故曰變體門。
日支を以て住宅の盛衰を代表す:日支の休旺を審察すれば、則ち事の禍福を知らん。日支の吉凶を観察すれば、則ち家宅の吉凶を知らん——故に日支を「内事門」と曰う。初伝は事最初の応験——初伝吉なれば則ち吉・初伝兇なれば則ち兇、禍福皆此に由りて端を発す——故に「発端門」と曰う。中伝は事中途の応験:中伝兇なれば、吉の兇に転ぜん。中伝吉なれば、兇の吉に転ぜん——故に「移易門」と曰う。末伝は事終局の応験:末伝吉なれば則ち終に能く成就し、末伝兇なれば則ち終帰して悔有らん——故に「帰計門」と曰う。課を占うにまた本命・行年を以て事の変数と為す:三伝の吉凶は固定的なれど、而して人各々不同の行年本命有り——三伝に財を見るはもとより吉に属すれど、若し本命上に官鬼を見れば便ち転じて兇と為る。三伝に鬼を見るはもとより兇に属すれど、若し本命上に子孫を見れば便ち転じて吉と為る——故に年命を「変体門」と曰う。
凡德加干發用為鬼,仍作德斷,不可作鬼斷。蓋德為化鬼為吉也。惟寅巳申、乙巳辛亥丁四課。德用下賊,得貴人生扶,仍作全吉。若無生扶,又見克洩,主喜慶生憂。如乙未日申加午發用,申為乙德受制於午,但陰陽貴人屬土脫午生申,仍作全吉之例。
およそ日徳が日干に加臨して発用するは、たといそれ同時に日干の官鬼なるも、仍お「徳」に按じて断じて、「鬼」に按じて断ずべからず——徳は能く鬼を化して吉と為すを因とす。此の種の情形ただ少数の幾課に出現す——すなわち乙日の申・辛日の巳・丁日の亥等(原文「惟寅巳申、乙巳辛亥丁四課」の一句字錯乱有り)。徳神発用して下神に賊せられ、若し貴人の生扶を得れば、仍お全吉の論と作す。若し生扶無く、また剋を受け泄を受くれば、則ち喜慶の中反って憂患を生ずるを主とす。たとえば乙未日に申の午上に加わりて発用するは、申は乙木の徳なれど、却って午火の制伏を受く。但し陰陽貴人は土に属し、能く午火の気を泄して転じて申金を生ず——故に仍お全吉と作す。
凡德神歸日,又會合帶鬼,主有意外之喜,惟忌占病。如丁酉日陽貴,干上亥之例。德發用又用下神剋日,名德鬼格,主邪正同途。如乙酉日遙克申加酉發用,申為酉挾,化德為鬼。凡德作官星又臨朱雀,名文德格,主應舉得官,在官得薦。如己巳日寅加巳發用作官星,順貴,朱臨寅之例。
徳神が日干本位に回帰し、またそれと相会合して官鬼を帯ぶるは、意外の喜有るを主とし、ただ病を占う時に忌諱す——たとえば丁酉日に陽貴を用い・日干上に亥を得るの例。徳神発用して、而してその下の神また来りて日干を剋するを「徳鬼格」と曰い、邪正同途・正路と歪路と幷行するを主とす——たとえば乙酉日の遥剋課、申の酉上に加わりて発用し、申は酉に挟持せられて、於是に徳を化して鬼と為す。徳神また官星に充当して、なお朱雀に臨むを「文徳格」と曰い、応挙に能く中り・官に居りて挙薦を得るを主とす——たとえば己巳日に寅の巳上に加わりて発用して官星と為り、貴人順行して、朱雀正に寅上に臨むの例。
凡合與德入傳,百事皆吉,即會凶神,亦主凶中和合。凡寅亥合為破合,申巳合為刑合,主謀事合而不合,成而不成。若得貴龍德祿乘之,仍主順利。合剋日乘蛇虎朱雀,主合中有害,不可託人謀干,恐以直信人反招不足。
六合と日徳と一同に伝に入れば、百事皆吉なり。たとい凶神に会するも、また兇中に和合を帯ぶるを主とす。寅と亥とは虽か相合するも却又って相破す——「破合」と曰う。申と巳とは虽か相合するも却又って相刑す——「刑合」と曰う。皆事を謀るに合するに似て実は合せず・成るに似て竟に成らざるを主とす。若し貴人・青竜・日徳・禄神の上頭に乗ずる有れば、仍お順利を主とす。六合の神来りて日干を剋し、また螣蛇・白虎あるいは朱雀を乗ぜば、則ち和合の中暗に損害を蔵るを主とし、人に托して事を代辦すべからず——ただ誠を以て人に待して反って虧損を招くを怕る。
三等合神,以干合為主,支合次之,行合又次之,要與德神祿喜並臨,方為合吉,可制諸凶,若乘凶神無吉助,則又與凶合,反為凶矣。宜詳之。干與支上神相合,支與干上神相合,名交車格,主交關、交易、交加、交換成合之事。凡值此課,惟利合謀,不利解散。此例有十種,亦分長生、財、脫、害、空、刑、沖、克、三交、交會十者以斷吉凶。
合は三等有り:天干の相合を以て主と為し、地支の六合これに次ぎ、三合(行合)またこれに次ぐ。必ず日徳・禄神・天喜と同時に位に臨みて、始めて合の吉と算し、能く各種の兇神を制伏し得べし。若し乗ずるところ兇神にして吉神の幇扶なければ、則ち兇と相合するを成して、反って是れ兇なり——当に細辨すべし。日干と日支上神と相合し・日支と日干上神と相合するを「交車格」と曰い、交關・交易・交加・交換の一類の成合の事を主とす。此の種の課に遇上れば、ただ合夥共謀するに利有りて、分手解散するに利なし。此の格共に十種有りて、また長生・財・脱・害・空・刑・衝・剋・三交・交会の十項に分ちて吉凶を断ず。
陽克陽,陰克陰為鬼,晝鬼主公訟是非,夜鬼主神祗妖祟。凡鬼入傳,若日旺相及傳中命上見子孫,亦不為凶。凡占病訟,忌鬼入傳臨日,見子孫為救神,減凶;占盜,鬼入傳自相沖,或與盜神相沖,其盜自敗。若落空帶合,反難捕捉。
陽が陽を剋し・陰が陰を剋して、始めて正式の官鬼と算す。白天占得の鬼は、公門訴訟・是非口舌を主とす。夜裏占得の鬼は、神祇の作怪・妖邪の為祟を主とす。およそ官鬼伝に入るは、ただ日干正に旺相に当たるか、あるいは三伝の中・本命の上に子孫爻を見れば、また兇と算せず。病を占い・訟を占うに、最も官鬼の伝に入りてまた日干に臨むを忌む。此の時子孫爻を見れば便ち是れ救神、以て兇を減じ得べし。盗賊を占うに、若し官鬼伝に入りて自ら相衝し、あるいは盗賊を代表する神と相衝すれば、盗賊自ずから敗露せん。但し若し官鬼空に落ちてまた六合を帯ぶれば、反って捕獲し難し。
凡干上鬼發用,事多不美。若用見德合,猶可望事求官。凡傳鬼帶合,又剋日之上神,主求事反覆,進退而後成。鬼宜衰敗,不宜生旺,若鬼當時,亦不為凶。若甲為戊鬼,在仲春木貪生發,反不制土之例。防過時為凶。凡支上神發用為日鬼,占事有兩重不美,即遇救神,惟解其一。如庚辰日午加巳發用例。
日干上の官鬼発用するは、事多くは美ならず。若し用神同時にまた日徳・六合を見れば、なお事を辦し官を求むるを指望し得べし。三伝中の官鬼が六合を帯びて、また来りて日干の上神を剋するは、求むるところの事反覆不定を主とし、一番の進退を経て始めて成らん。官鬼は衰敗するに宜しく、生旺するに宜しからず。但し若し官鬼正にその時令に当たれば、また兇と算せず——たとえば甲木は戊土の官鬼にして、仲春二月に在りて木気生発に貪りて、反って土を制するを顧みるに及ばず。ただ此の時令を過ぎてまた転じて兇と為るを提防するを要す。日支上神発用して日干の官鬼と成るは、事を占えば便ち両重の美ならざる有らん:既に日干を剋し、又是れ家宅の位の来りて剋する——縱使い救神に遇うも、ただその中の一重を解くのみ——たとえば庚辰日に午の巳上に加わりて発用するの例。
凡鬼多有制,反不為凶。占事未免先值驚危,終乃無畏。若聞人謀害,但是商量,不能為禍。惟白虎發用,大有畏忌,要年命上有制虎之神。如壬辰日遙克,戌加未發用,三傳戌丑辰,上下六鬼,干上寅木制之。凡鬼發用是支上神,又引中末入鬼鄉,謂之家鬼弄家人,有救無禍,無救有禍。如己丑日支上寅發用,三傳寅卯辰皆歸木鄉,引課干上申制鬼有救。
官鬼虽か多きも、ただそれを制伏する神有れば、反ってその兇と為るを成さず:事を占えば免れずして先に一場の驚恐を受くも、終究に礙無し。たとい人の加害を圖謀する有るを聞くも、又不過空口に商量する、禍を做し成す能わず。唯だ白虎発用のみ最も畏忌すべし——須く行年本命の上に能く白虎を制するの神有るを得べし。たとえば壬辰日の遥剋課、戌の未上に加わりて発用し、三伝戌丑辰、上下皆官鬼なれど、好しところ日干上に寅木有りて能く土鬼を制す。およそ官鬼発用して而してそれ正に日支上神にして、また中伝末伝を引きて一同に鬼郷に落入するを、此を「家鬼家人を弄す」と曰う:救有れば便ち禍無く、救無ければ便ち禍有らん。たとえば己丑日に日支上の寅発用して、三伝寅卯辰皆木郷に帰して、木正に己土の官鬼なれど、幸いに日干上に申金有りて鬼を制せば、便ち救有りと算す。
凡鬼臨日干,得支上神救者,主一切事自外來,要家內人救解。如癸亥日辰加干發用,支上寅制之例。凡鬼發用生末傳作干長生,名鬼脫生格。主一切先凶後吉。如丙子日干上子發用之例。凡三傳入局為鬼,反生起干上神生干者,主一切事反凶為吉。如庚午日干上辰例。凡貴德臨身制鬼者,反吉。如乙丑乙巳,酉加巳發用,蛇制鬼例。凡傳鬼被貴人盜氣,亦能免禍。如辛巳日,午加辛發用之例。
官鬼が日干の上に臨みて、而して日支上神に由りて救わるるは、一切の事端皆外面より来りて、家裏の人に靠りて面を出でて解救するを要するを主とす——たとえば癸亥日に日支を以て日干に加えて発用し、日支上の寅木能く辰土の鬼を制す。官鬼発用して却って去りて末伝を生じ、末伝また正に日干の長生の地なるを「鬼脱生格」と曰い、一切先兇後吉を主とす——たとえば丙子日に干上に子を得て発用するの例。三伝局を結成して官鬼と為り、却って反って日干上神を生起し・再び上神に由りて日干を生ずるは、一切の事の反兇為吉を主とす——たとえば庚午日に干上に辰を得るの例。貴人と日徳と身に臨みて能く鬼を制するは、反って吉課と成る——たとえば乙丑・乙巳の両日に酉の巳上に加わりて発用し、螣蛇は火に属して能く酉金の鬼を制す。三伝中の官鬼が貴人に気を盗泄せらるるも、また能く禍を免る——たとえば辛巳日に午の辛上に加わりて発用するの例。
凡傳雖脫干,能制暗鬼,名借益格。猶有人來賺我,恰值我禍患,欲借其力,姑遂其意,用之反有益也。暗鬼者,貴克干也。其凶甚於明鬼。如壬子日未加卯發用,貴人受制。五行墓於四季,有陰陽生死之分。陽干死地,即陰干生地,故未為甲癸墓,丑為庚丁己墓,辰為辛壬墓,戌為丙戊乙墓,壬課重日,惟從日干墓,不從五行墓。五行墓者,未木戌火丑金辰水土。
三伝虽か日干の気を盗泄するも、却って能く暗鬼を制住するを、此を「借益格」と曰う:人の来りて我を賺哄する有るに譬えん、恰も我に禍患有りて、その力量を借らんと欲し、姑らくその心意に順りて、それを用いて反って益有らん。いわゆる「暗鬼」とは、貴人の来りて日干を剋する——その兇明面上の官鬼より甚だし——たとえば壬子日に未の卯上に加わりて発用し、貴人反って制伏せらる。五行の墓は皆辰戌丑未の四季の地に落つ——その中に陰陽生死の分別有り:陽干の死地は正に陰干の生地——故に未は甲・癸の墓、丑は庚・丁・己の墓、辰は辛・壬の墓、戌は丙・戊・乙の墓なり。六壬の課は日干を重とし、ただ日干の墓に依りて、五行の墓に依らず。五行の墓は則ち:未は木墓、戌は火墓、丑は金墓、辰は水土の墓なり。
凡未辰為日墓,丑戌為夜墓。日剛速夜柔遲。凡墓入傳臨日,蒙昧昏暗。若夜墓臨日,自暗投明,諸凶有救。日墓臨夜,自明投暗,愈見模糊。凡寅加戌,巳加丑,申加辰,亥加未,自生入墓,如人墮井中呼天,占病必死,賊難獲,行人不來。
未と辰とは白天の用うるところの墓、丑と戌とは夜間の用うるところの墓。白天は剛に属して事に応ずること速く、夜間は柔に属して事に応ずること慢し。およそ墓神伝に入りてまた日干に臨むは、事の蒙昧昏暗を主とす。若し夜墓の白日の課上に臨むは、是れ自ら暗より明に投ず——各種の兇象皆救有らん。若し日墓の夜間の課上に臨むは、是れ自ら明より暗に投ず——いよいよ模糊して清らかならず。およそ寅の戌に加わり・巳の丑に加わり・申の辰に加わり・亥の未に加わるは、皆長生の地より墓庫に投進する——人の井中に掉って天を仰ぎて救を呼ぶに譬えん:病を占えば必ず死し、盗賊獲得し難く、門を出でたる人回らず。
凡辰加申,戌加寅,丑加巳,未加亥,以墓覆生,如人羈暗室,占訟斷而復訊,病安而復危,事成而又敗,仇和而怒。凡寅加未,申加丑,巳加戌,亥加辰,以生投墓,主顛倒錯亂,凡事見凶。惟四孟月無妨。凡辰加亥,戌加巳,丑加申,未加寅,以墓求生,占事絕而復舉。凡中傳見墓,百事不順,進退有悔。
およそ辰の申に加わり・戌の寅に加わり・丑の巳に加わり・未の亥に加わるは、是れ墓庫の長生の上に覆壓する——人の暗室に囚はるるに譬えん:官司を占えば則ち断じてまた重審を要し、病を占えば則ち好れてまた危に転じ、事を占えば則ち成りてまた敗れ、仇怨を占えば則ち和してまた怒を発す。およそ寅の未に加わり・申の丑に加わり・巳の戌に加わり・亥の辰に加わるは、是れ長生の神を墓庫に投進する——顛倒錯乱・凡事兇を見るを主とし、ただ寅申巳亥の四孟の月妨げなし。およそ辰の亥に加わり・戌の巳に加わり・丑の申に加わり・未の寅に加わるは、是れ墓庫の反って去りて長生を求むる——事を占えば已に断絶して而又新たに提起せん。およそ中伝に墓神を見れば、百事順わず、進退皆悔有らん。
凡破臨日入傳,惟宜散凶,不宜成吉,主不完全。凡午破卯,主門戶破敗。辰破丑,牆墓傾頹。酉破子,陰小災晦。戌破未,人物刑傷。亥破申,又寅破巳,破中有合,敗而復成。凡害事多阻滯。
破神が日干に臨みてまた三伝に入るは、ただ以て兇事を散去するに宜しく、以て吉事を促成するに宜しからず——それ残缺全からざるを主とすればなり。午は卯を破りて、門戸破敗を主とす。辰は丑を破りて、牆垣墳墓の傾頽を主とす。酉は子を破りて、婦女幼小の災晦に遭うを主とす。戌は未を破りて、人口牲畜の刑傷に遭うを主とす。亥の申を破ると寅の巳を破るとの此の両組は、破中また六合を含有す——故に敗れてまた能く再び成らん。およそ六害に遇えば、事多く阻滞有らん。
凡刑入傳臨日,必主刑傷。刑干憂男,刑支憂女,刑時憂事。時刑日憂小人,日刑時憂君子。凡旺刑衰則福過,死刑旺則禍起。凡用刑月建不可對訟,刑日陰不可遠行。凡沖主動移反覆不寧。
およそ刑が三伝に入りてまた日干に臨めば、必ず刑傷を主とす:刑日干に到れば、憂男子に在り。刑日支に到れば、憂女子に在り。刑占時に到れば、憂事の本身に在り。占時の来りて日干を刑するは、憂患小人の身上に応ず。日干の去りて占時を刑するは、憂患君子の身上に応ず。旺気の去りて衰気を刑するは、是れ福気余裕有り。死気の去りて旺気を刑するは、則ち禍事将に起らんとす。発用の神の去りて月建を刑するは、人と公堂に對簿すべからず。去りて日干の陰神を刑するは、遠門を出づべからず。およそ相衝に遇えば、動蕩遷移・反覆不寧を主とす。
凡歲月日支干皆不宜沖。如甲子歲干上申,支上午例。月日皆仿此。沖歲歲中不足,沖月月中不足。凡見生不生者,占父母病難救,文書遲滯,官無印,赴考又思旋。如甲日亥加甲,亥自落空亡之利。凡見鬼不鬼者無凶。如丙日子加辰,鬼自受克之例。見財不財者,費財。如壬日午加辰,財為鬼脫是也。見救不救者,若子加辰寅,自盜克之例。
太歳・月建・日干・日支は皆衝せらるるに宜しからず——たとえば甲子年に干上に申を得て寅を衝し・日支上に午を得て子を衝するの例、月建と日辰此に照らして類推す。太歳を衝するは、一年の中総じて缺陷有らん。月建を衝するは、一月の中総じて缺陷有らん。いわゆる「生を見て生ぜず」とは、虽か我を生ずるの神有るも生じ成る能わざるなり:父母の病を占うに救い難く、文書遅滞して下らず、官を做して印信を得ず、赴考もまた半途にして頭を回らんと欲す——たとえば甲日に亥の甲上に加わる、亥水もと能く甲木を生ずるも、偏りに亥自身空亡に落つ。いわゆる「鬼を見て鬼ならず」とは、則ち并びに兇険無し——たとえば丙日に子の辰上に加わる、子水虽か丙火の鬼なるも、却って自ら辰土に剋せらる。いわゆる「財を見て財ならず」とは、是れ財銭を白く花せるなり——たとえば壬日に午の辰上に加わる、午火の財は辰土の此の個の鬼に盗泄せらる。いわゆる「救を見て救わず」とは、たとえば子の辰・寅の上に加わる、救神自身反って盗泄剋制せらるるの例。
凡占動眾有四等,辰戌為部領之眾,返吟、連茹為牽連之眾,三合為兄弟朋友之眾,同類為三黨親族之眾。凡占事吉凶應期,以發用決之。太歲發用,應在一年;月建發用,應在一月;旬首發用,應在一旬;節氣發用,應在一氣;日干發用,應在當日。其所應之事,以乘神決之。如勾用主田宅事。又乘貴人,主貴人扶助之例。
およそ衆を聚むるの事を占うに四等有り:辰・戌の両神は統属有るの部伍の衆を代表す。返吟課と連茹課とは牽連して串を成すの衆を代表す。三合局は兄弟朋友の衆を代表す。日干と同類の神は父族・母族・妻族の三黨親族の衆を代表す。およそ事の吉凶の応期を占うは、発用の神に由りて決定す:太歳発用すれば、一年の内に応ず。月建発用すれば、一月の内に応ず。旬首発用すれば、一旬の内に応ず。節気発用すれば、一個の節気の内に応ず。日干発用すれば、当天に応ず。応ずるところの何事なるかに至りては、則ちその乗ずるところの神を看て以て定む——たとえば勾陳発用すれば田宅の事を主とし、若しまた貴人を乗ぜば、則ち貴人の扶助を得るを主とす。
凡死氣發用克干,主有凶喪;囚氣主有官訟;休氣主病患。如木月土死金囚水休例。凡寅卯發用,以辰上神為應期;申酉發用,以戌上神為應期;亥子發用,以丑上神為應期,巳午發用,以未上神為應期。辰發用,以未上神為應期;戌發用,以丑上神為應期。丑發用,以辰上神為應期。未發用,以戌上神為應期。如發用值歲月旬節之支,仍如前例斷雲。
死気発用して来りて日干を剋するは、兇喪有るを主とす。囚気発用するは、官司訴訟有るを主とす。休気発用するは、疾病有るを主とす。たとえば木旺の月は、土は死地に居り・金は囚地に居り・水は休地に居る。およそ寅・卯発用するは、辰上の神を取りて応期と為す。申・酉発用するは、戌上の神を取りて応期と為す。亥・子発用するは、丑上の神を取りて応期と為す。巳・午発用するは、未上の神を取りて応期と為す——皆本気の帰する所の墓庫の位を取るなり。辰発用するは、未上の神を取りて応期と為す。戌発用するは、丑上の神を取る。丑発用するは、辰上の神を取る。未発用するは、戌上の神を取る。若し発用の神正に太歳・月建・旬首・節気の値する所の支に当たれば、仍お前面の例に照らして論斷す。
凡干支之陽神發用,以絕日為應期。陰神發用,以墓日為應期。凡辰加子午為關,戌加子午為隔。辰加卯酉為羅,戌加卯酉為網。發用見關隔阻塞,見羅網闇昧。干合:甲日未,乙日申,丙日戌,丁日亥,戊日丑,己日寅,庚日辰,辛日巳,壬日未,癸日巳。
およそ日干日支の陽神発用するは、該神の絶日を取りて応期を作す。陰神発用するは、該神の墓日を取りて応期を作す。辰の子・午の上に加わるを「関」と曰い、戌の子・午の上に加わるを「隔」と曰う。辰の卯・酉の上に加わるを「羅」と曰い、戌の卯・酉の上に加わるを「網」と曰う。発用の神が関・隔を見るは、道路の阻塞を主とす。羅・網を見るは、事の暗昧不明を主とす。各日干の合する神は:甲日は未に在り、乙日は申に在り、丙日は戌に在り、丁日は亥に在り、戊日は丑に在り、己日は寅に在り、庚日は辰に在り、辛日は巳に在り、壬日は未に在り、癸日は巳に在り。
癸酉年辛酉月己酉日戊辰時,隨之革卦。勾財丁未,雀官丁酉,龍父丁亥,元才Χ庚辰,虎兄庚寅,蛇父庚子。外互:巽之乾,內互:艮之巽。綜:蠱,錯:蠱。
癸酉年辛酉月己酉日戊辰時の占、随卦を得て革卦に変ず。六爻自上より下に至りて六神・六親と納甲を配す:上爻勾陳・妻財丁未土。五爻朱雀・官鬼丁酉金。四爻青竜・父母丁亥水。三爻玄武・妻財庚辰土——爻旁の記号は此の一爻の発動する老陰なるを表示す。二爻白虎・兄弟庚寅木。初爻螣蛇・父母庚子水。三爻発動して、内卦の震変じて離と為る——故に随卦変じて革卦と成る。上互卦は巽より乾に変じ、下互卦は艮より巽に変ず。随卦の綜卦(整卦倒置)は蠱、錯卦(各爻反を取る)もまた蠱なり。
占時發動,庚辰金旺,得歲月日傳相合一。三爻下伏錯卦酉金鬼相合,旺極之象,所射之物必活。本卦外悔為兌,兌為口,得年月日俱金相比,則不作為兌之廢缺論。上互巽變乾,巽為股,乾為頭;下互艮變巽有艮止巽入,風土相化之象。內貞震變離,有震足離目之象。但體下伏陰,金太旺,此物主水溼而生,多動少靜。此物屬土,時長時典,色紫帶綠,形體備足。蜈蚣一條也。
占時正に発動に当たり、庚辰の此の一爻は金気極旺の候に処りて、太歳・月建・日辰・三伝と一気を合成す。三爻の下また錯卦の酉金官鬼を伏せてそれと相合す——是れ極処に旺するの象、故に射覆する所の物必定に活物なり。本卦の外卦は兌と為り、兌は口と為る。年・月・日皆金に属してそれと比和するを因れば、則ち兌卦の「毀折残缺」に按じて論ずる能わず。上互卦は巽より乾に変じて、巽は股と為り・乾は頭と為る。下互卦は艮より巽に変じて、艮の静止・巽の潛入を含みて、是れ風と土と互相に化合するの象なり。内卦の震変じて離と為るは、震の足と為り・離の目と為るの象有り。ただ卦体の下に陰気を伏せて金気太だ旺なれば、故に此の物潮湿水気の中に生じ、動を好みて静少し。此の物五行は土に属し、身子時に伸長し時に蜷曲し(原文「時長時典」と作る)、顔色は紫中に緑を帯び、頭足形体一応倶全す——射るところは一條の蜈蚣なり。
壬機法語 終
五要権衡篇 巻之十四
中式,理人事也。要分彼此、體用、內外、出入、主客、尊卑,明天時、地利、內外、喜忌、虛實、聚散,知進退、動靜、始終、遲速、存亡、勝負,識幽明、人物、器物、食物、情狀、男女、貴賤、親疏、老幼、新舊、多寡,定方向、遠近、前後、左右、高下,總三十類,而天地人三才之衢備矣。
式法の中に合するは、人間の事務を料理するを為とす。彼此・体用・内外・出入・主客・尊卑を分清するを要し、天時・地利・内外・喜忌・虚実・聚散を明白にするを要し、進退・動靜・始終・遲速・存亡・勝負を知道するを要し、幽明・人物・器物・食物・情状・男女・貴賤・親疏・老幼・新舊・多寡を辨識するを要し、さらに方向・遠近・前後・左右・高下を判定するを要す。総じて三十類——天・地・人の三才の通衢大道もまた斉備す。
彼此
日為己身,為我,為占人;三傳為他,為人,為事情。地下曰體,天上曰用,皆是我也。餘皆為彼。
日干は自己本身を代表し、是れ「我」——前来りて占問する人なり。三伝は対方を代表し、是れ别人——占うところの那の件事なり。地盤の下に在るを「体」と曰い、天盤の上に在るを「用」と曰う——此の両者は皆我の此の一辺に属す。此を除く以外のは皆「彼」と算す。
内外
日為外,日陰亦為外;辰為內,辰陰亦為內。外自外傳,內自內傳,外則出,內則入,斯明白矣。
日干は外に属し、日干の陰神もまた外に属す。日支は内に属し、日支の陰神もまた内に属す。外に属するは自ら外伝を結し、内に属するは自ら内伝を結す。外に属するは出で去るを主とし、内に属するは進み来るを主とす——此のごとくすれば出入内外すなわち分明なり。
客主
我去見人,以干為我,以支為他,他為主,我為客也。干謁,他來見我,以干為他,以支為我,他為客,我為主也。
我が去りて别人を見るは、則ち日干を以て我を代表し・日支を以て対方を代表す。対方の自己の家中に在るは主、我は客なり。若し是れ别人の前来りて干謁求見するは、則ち日干を以て対方を代表し・日支を以て我を代表す。対方は客、我始めて主なり。
尊卑
日尊辰卑,干加支尊就卑也。干受支克曰亂首,自取之也。克支曰殘下,有就財之義。同類曰培本,下生上曰偃蹇,洩耗虛甚。干受支生曰俯就,初歷艱難,終受逸樂。支加干,卑見尊也。支克干曰上門亂首,下犯上也。支來生干曰自在,坐享也。干生支曰求受,反竭我力。同類曰壯基。干克支曰就財物,猶贅婿也。
日干は尊と為り、日支は卑と為る。日干が日支の上に加到するは、是れ尊者の卑者に屈就するなり。此の時日干反って日支に剋せらるるを「亂首」と曰い——是れ自己の招き来るところ。日干が去りて日支を剋するを「殘下」と曰い——人に就きて財を取るの義を含有す。両者同類にして比和するを「培本」と曰う。日干が気を泄して去りて日支を生ずるを(原文「下生上」と作る、文義に依りて当に干の支を生ずるを指すべし)「偃蹇」と曰い——泄耗太だ過ぎて空虚なり。日干反って日支の生ずるところを受くるを「俯就」と曰い——起初艱難を経歴して、終究に安逸を得享す。反って、日支が日干の上に加到するは、是れ卑者の去りて尊者を見るなり:日支が日干を剋するを「上門亂首」と曰い——是れ下を以て上に犯す。日支の来りて日干を生ずるを「自在」と曰い——是れ坐りてその成を享る。日干が去りて日支を生ずるを「求受」と曰い——反って我の気力を耗竭す。両者同類なるを「壯基」と曰う。日干が日支を剋するを「就財物」と曰い——入贅の女婿の人家の産業に就きて活を過ぐるに譬えん。
天時
四時之氣也,得時者旺,將來者相,過去者休,氣克者死,克氣者囚。五行惟土旺於四季各十八日,吉凶方來過去之期,在天時也。
天時すなわち四季の気:令に当たり時を得るを「旺」と曰い、将に令に当たらんとするを「相」と曰い、已に過去せるを「休」と曰い、当令の気に剋せらるるを「死」と曰い、反って去りて当令の気を剋するを「囚」と曰う。五行の中ただ土の辰戌丑未の四季の月に旺するのみ、每月各々旺を寄すること十八天。吉凶究竟將に到来せんとするかあるいは已に過去せるかは、皆天時上に於いて取決するを要す。
地利
天干之神,所臨地方,不臨空,不受克而得照得黨,是地利也。內外戰,將克神,神克將,將克方為外戰;方克神,神克將為內戰。
日干の化する所の神が地盤の某一の方位上に落ち、ただ空亡に落ちず・剋傷せられず、また能く照応を得・同黨の相助を得れば、此を地利を得ると曰う。内戦外戦の別に至りては:天将が乗ずるところの神を剋し・乗ずるところの神が天将を剋し・天将が地盤の方を剋する、此の幾種を「外戦」と曰う。地盤の方の来りて神を剋し・神また去りて将を剋する、此の種を「内戦」と曰う。
喜忌
喜者印、財、祿、德、官、救也,忌者鬼、劫、竊、梟也。又有馬、墓、刑、沖、克、害、合,又有空、陷、旺、相、死、休、囚,共二十四家緊要字眼。印能化鬼,能助我。財能生官,助鬼傷印。祿旺我,能奪財,仕人喜。德剛日用祿,柔日用官。
喜ぶところは印綬・財爻・禄神・日徳・官星・救神。忌むところは官鬼・劫財・盗窃の神・梟神。此の外なお駅馬・墓庫・刑・衝・剋・害・合、および空・陷・旺・相・死・休・囚有りて、合せて共に二十四個の緊要の字眼なり。印綬は能く官鬼を化解し、また能く我を幇扶す。財爻は能く官星を生じ、鬼気を助長して反って印綬を傷る。禄神は我をして強旺ならしめ、また能く財爻を奪去す——官を做す人は最もそれを喜ぶ。日徳は剛日に於いては禄神を取り、柔日に於いては官星を取る。
官能合食生印,助梟,常人畏之。救,即子,能御鬼,無鬼為竊。鬼,病訟皆畏見。劫比,皆奪財克妻。合,畏合煞來傷。竊,宜散,慮成脫。梟,式中只作印看,子平忌之。馬,主動,生我恩動,我克財物,克我官動鬼動,同類爭財。
官星は能く食神を合住し・能く印綬を生じ、また梟神を助長す——尋常の百姓は最もそれを怕る。救神すなわち子孫爻——能く官鬼を抵禦す。課中若しもとより官鬼無ければ、それ反って盗泄の神と成る。官鬼は、病を占い訟を占うに皆見るを怕る。劫財と比肩とは、皆財を奪い妻を剋す。六合は、最も合して来るの凶殺を怕れ、反ってその傷を受く。盗泄の神は以て事を散ずるに宜しく、ただ散じ散じて脱空と成るを怕る。梟神は六壬式中に於いてただ印綬として看るのみ、唯だ子平命法始めてそれを忌む。駅馬は動を主とす:我を生ずるの神が馬を帯びて動くは、是れ恩人有りて動有らん。我の剋する神が馬を帯びて動くは、是れ財物に動有らん。我を剋する神が馬を帯びて動くは、是れ官事鬼事の発動なり。我と同類の神が馬を帯びて動くは、是れ人有りて来りて財を争わん。
墓,主靜,主暗,主遲鈍沉抑,主昏蒙。刑,主不成,衰也,傷也,三刑互爭,自刑多傷。沖,擾爭也,仇讎也,動也。破,廢也。害,阻也,艱難也;若用六害而傳財,必自艱辛而得也。合,和也,合中有鬼,和而復起,所謂和帶怨,必有餘怨,終是和允。刃,作鬼,金刃兵,火刃災,木刃疫,土刃壓,水刃溺、吐血;又云,克必出,合必聚,沖必,刑戰鬥,害必阻,破必廢。
墓庫は靜を主とし・暗を主とし、遲鈍沈滯・昏蒙不明を主とす。刑は事の成らざるを主とし、是れ衰敗、是れ損傷なり。三刑は互相争奪を主とし、自刑は多くは自傷を主とす。衝は攪擾争闘を主とし、仇讐を結成するを主とし、動蕩を主とす。破は廃棄を主とす。害は阻隔艱難を主とす。若し用神が六害を帯びて三伝に財を見れば、那の財必定要して辛苦を歷盡して始めて得られん。合は和順を主とす。若し合中に官鬼を夾めば、則ち和好の後旧事また起り——いわゆる和解の中に怨気を帯ぶ、必ず余怨を留下す、但し終究になお和するを成し得べし。羊刃は官鬼として看る:金の刃は兵刃の傷を主とし、火の刃は火災を主とし、木の刃は瘟疫を主とし、土の刃は壓覆を主とし、水の刃は溺水吐血を主とす。また曰わく:剋に逢えば必ず出走有り、合に逢えば必ず聚集有り、衝に逢えば必ず動揺有り(原文此の処一字を脱す)、刑に逢えば必ず争闘を生じ、害に逢えば必ず阻隔有り、破に逢えば必ず廃棄に至る、と。
喜忌上,金氏又錄一條云“神煞奧理”,今附於此。神煞之類,干有德合鬼墓,支有破空刑沖。看其生旺休囚,審其親疏關隔。德為吉慶,合主成期。鬼主傷殘。墓多蒙昧。破須傾損。害必侵爭。刑分強弱。沖則動搖。此理簡明,為式中關鍵,是乃略節,猶有諸門,次分喜忌,以稽奧理。
「喜忌」の此の一条の上に、金正音また一条の「神殺奥理」と題する文字を抄録す——今ここに附す。神殺の一類は、日干の方面に徳・合・鬼・墓有り、日支の方面に破・空・刑・衝有り。それらの生旺に処るか休囚に処るかを看、その日辰と親近なるか疏远なるか・通達なるか関隔なるかを審するを要す。徳は吉慶を主とし、合は事成の期を主とし、鬼は傷残を主とし、墓は多く昏昧を主とし、破は必ず傾損し、害は必ず侵奪争競し、刑は強弱に分ちて以て論じ、衝は則ち動揺を主とす。此の道理簡明扼要にして、正に是れ六壬式法の中の関鍵。以上不過略かに綱目を挙ぐるのみ——此の外なお各門の条例有りて、下文さらに依次に喜忌を分論して、以てその中の深意を考究せん。
虚実
虛者,旬中空亡也。在天曰寡宿,在地曰孤辰,吉凶相反。克我、刑我、劫我、沖我,皆取空;生我、旺我、救我,不許空。天上神臨地下空,曰落空,曰陷空,即同空論。此天地妙理。課傳既定,首觀虛實,以分吉凶焉。實者,不空不陷,受生同類比和是也。
いわゆる「虚」とは、すなわち本旬中の空亡:天盤に落つるを「寡宿」と曰い、地盤に落つるを「孤辰」と曰い、両者吉凶正に相反す。およそ我を剋し・我を刑し・我を劫し・我を衝するは、皆它の空に落つるを巴望す。およそ我を生じ・我を旺にし・我を救うは、則ち它の空に落つるを許さず。天盤の神が地盤の空亡の位に臨むを「落空」と曰い、また「陷空」と曰い——一律に空亡に按じて論ず。此れ是れ天地間の妙理なり。四課三伝排定の後、首まず虚実を看るを要し、此に由りて吉凶を分辨す。いわゆる「実」とは、すなわち既に空亡ならずまた陷空ならず、また能く生を受け・同類の比和有るなり。
按:漠州司馬葆光論曰:“世人但泥旬中之空,不思旬中之實。”所謂實者,乃本旬中支干也。丁為玉女,得之者生,失之者死;能變化飛騰,通靈不老,故逃亡得之,萬里遠遁;盜賊得之,隱匿難獲;婚姻得之,聚散成奸;病訟得之,幽暗難伸。大抵利暗不利明。
按ずるに:漠州の司馬葆光の議論して曰わく、世人ただ本旬中の空亡に拘泥して、卻って本旬中の「実」を想わず。いわゆる実とは、すなわち本旬裏の干支。その中の丁神を「玉女」と曰い——それの生を得着し・それの死を失掉す。それは能く変化飛騰し・通霊して老いず。故に逃亡を占うにそれに遇えば、人便ち万里に遠遁す。盗賊を占うにそれに遇えば、賊便ち隠匿して獲難し。婚姻を占うにそれに遇えば、聚散の間に私情を生出せん。病訟を占うにそれに遇えば、事幽暗にして申雪し難し。大体に説けば、丁神は暗処に利有りて明処に利なし、と。
此數條旁金氏注云:若辛未日之戌干,壬申日亥干,不論空,天上又見戌亥為空也。如伏吟、虎視、彈射,空不凶。而太歲、月將、日干、本命、行年則不論空也。然亦終不滿意。若用神空者,憂喜皆無,小事遇之,過旬可干。久事則終不為利。中傳空名折腰,末傳空無結果。三傳皆空,占事皆無。若有一不空,即此為斷。
此の幾条の旁に、金正音注して曰わく:辛未日の戌・壬申日の亥の類のごとき日干上神は、もとより空亡を論ぜざれど、但し天盤上にまた戌・亥を見れば、則ち仍お空亡と作して看る。またたとえば伏吟・虎視・弾射の一類の課体は、空に逢うも并びに兇と算せず。太歳・月将・日干・本命・行年に至りては、則ち一概に空亡を論ぜず——不過此らの説法に彼終究にまた満意せず。若し用神空に落つれば、則ち憂と喜と皆談ずるに及ばず:小事それに遇えば、此の一旬を過ぎてなお再び圖謀し得べし。長久の事それに遇えば、終究に不利。中伝の空に落つるを「折腰」と曰い、末伝の空に落つるを「無結果」と曰う。三伝全て空なるは、事を占えば一得する所無し。若しその中に一処の空ならざる有れば、則ち那一処を以て断ず、と。
又云:丁主動,蛇馬逃,虎常作憂,陰后女人走,天空奴婢走,玄賊遠去,雀遠音至,勾陳兵遠音動,龍飛萬里,六合子孫遠行,乙為陽精,丙為月精,陰陽以生,乙丙所至,妖邪伏匿,凶惡藏消,斯不行之神矣。故婚姻成合,家宅安寧,逃亡脫,盜賊傾,大抵利明不利暗,利正不利邪。
また曰わく:丁神は動を主とす——それ螣蛇・駅馬を乗ずれば、人の逃走する有るを主とす。白虎・太常を乗ずれば、憂患を生ずるを主とす。太陰・天后を乗ずれば、婦女の出走を主とす。天空を乗ずれば、奴婢の逃走を主とす。玄武を乗ずれば、盗賊の遠遁を主とす。朱雀を乗ずれば、遠方の音信到来を主とす。勾陳を乗ずれば、兵事と遠処の消息の発動を主とす。青竜を乗ずれば、万里に遠行するを主とす。六合を乗ずれば、子孫の遠行を主とす。乙は陽精と為り、丙は月精と為り、陰陽此に由りて生ず。乙・丙の到るところの処は、妖邪潜伏し・兇惡消散す——是れ能く兇神をして施行を得ざらしむるの神なり。故に彼らは婚姻成合・家宅安寧・逃亡の事了脱を得・盗賊敗露を主とし、大体に於いて明処に利有りて暗処に利なく、正道に利有りて邪路に利なし、と。
壬者,天一生水,地六成之,水為五行之始,位乎乾坤,為八卦之始,故易以乾為首,式以壬為名也。壬者,萬物之祖,動之根也。故求壬以觀其動,乃來情之源,人心之萌矣。甲者,數之始,冠萬物以為尊,故占之者,必革故鼎新,重謀別用也。癸者,數之終,效天地以為靜,故可以隱遁,人亦伏藏,萬物之基也。戊者陰伏隱遁之漸,故利逃亡遠行。己者,為一陰之首,宜靜。庚辛,肅殺之氣,不宜動,動見死傷,惟占盜賊可獲。
壬の此の一干:天は一を生じて水と為し・地は六を成して之を成す——水は是れ五行の開端、位は乾坤の間に居りて、八卦の始と為る。故に《周易》は乾卦を以て首に居り、此の式は壬を以て名と為す。壬は是れ万物の祖・動機の根——故に壬を推求すれば則ち事の動向を看出し得べし、那は正に是れ来意の源頭・人心初萌の処なり。甲は是れ数の起頭、万物の首に居りて尊と為る。故に甲を占得すれば、必ず革故鼎新・別に竈を起して新たに謀劃するを主とす。癸は是れ数の終結、天地を效法して靜を主とす。故に隱遁するに宜しく、人もまた随いて伏蔵す——それ是れ万物の根基なり。戊は是れ陰気潜伏隱遁の開端——故に逃亡遠行に利有り。己は是れ一陰の首——靜に宜しく動に宜しからず。庚・辛は是れ肅殺の気——発動するに宜しからず、一動すれば便ち死傷を見ん。唯だ盗賊を占うの時のみ、動反って能く捕獲せん。
聚散
《中黃經》云:莫執東方木旺春,夏火秋金冬季水,專以初建復建,干多者為聚,少者為散。初建者,日干五子元遁之也。復建者,時干五子元遁之也。且以建干多寡,逐情而變,不執本支五行也。如巳午本火,上下癸壬,或臨水鄉,便從水論之。如丁亥春夏從火,秋冬從水。若臨火鄉,便從火論。若臨水方,還從水論。以多為勝耳。此中黃變化之妙也。須看上下,分先後、聚散、主客。又分建破鬼救,試驗實妙,錄告來茲。
《中黄經》曰わく:東方の木は春に旺・夏は火に属し・秋は金に属し・冬と四季は水土に属すの此の一套に死にて執着するなかれ。而して応に専ら「初建」と「復建」を看るべし——同一天干の出現する多きを「聚」と算し、出現する少なきを「散」と算す。いわゆる初建とは、日干を用いて五子元遁法に按じて遁し出すの干。いわゆる復建とは、時干を用いて五子元遁法に按じて遁し出すの干。須く建干の多寡に按じ、事に随いて変通して、必ずしも本支の五行に拘執するに及ばず。たとえば巳・午はもとより火に属すれど、若し上下に癸・壬を遁得し、あるいは水郷に臨まば、則ち改めて水に按じて論ず。たとえば丁亥は、春夏に在りては火に従りて論じ、秋冬に在りては水に従りて論ず。若し火郷に臨まば便ち火に従い、水方に臨まば仍お水に従う——総じて多きの一方を以て勝と為す。此れすなわち《中黄經》変化の妙処なり。なお須く上下の別を看て、先後・聚散・主客を分ち、また建・破・鬼・救を分つべし。実地に試験して極めて霊験なり——此に因りて記録して後来の人に告ぐ、と。
一占丁酉日亥將己酉時,三傳酉亥丑,天將貴陰常,來意盜賊殺人,後獲賊,是一婦人引奸,與一行者殺死一僧一僕於舟中,沉水內,其婦與僧通,猶妻也。經酉為少女,是因妻起事。亥為鬼為賊,為孤獨之人,未敢定論是賊傷人。由初建觀之,先尋今日建鬼,是癸卯,乘天空,是行人,亦是舟人。辛亥,辛為今日妻,亥卯相合,是妻與行人謀殺。又以復建觀之,酉得癸臨丁,酉為妻,癸為鬼,是妻來害己也。此婦是癸酉生,亦可怪。雖係獄,遭世變而漏網。
一ありて丁酉日・亥将・己酉時を占し、三伝酉亥丑、天将依次に貴人・太陰・太常——来意は盗賊の人を殺すを問う。後に兇手を捉得す:原來は一個の婦人の姦情を牽引して、一個の行脚人と船中に於いて一僧一僕を殺死し、屍を水裏に沈めたり。那の婦人は僧人と私通して、等于是れその妻室なり。經義に按ずれば、酉は少女と為る——事の妻室より起るを見るべし。亥は官鬼と為り・盗賊と為り、また孤独の人なり——単に此らに憑りてなお敢えてすなわち賊人の人を傷ると斷定せず。初建より看れば:先ず今日の建する所の鬼を找むに、是れ癸卯、天空を乗ず——正に是れ行脚の人、また船上人と為すべし。また辛亥有りて、辛は今日の妻星、亥は卯と相合す——知るべし、妻室と那の行脚人と合謀して人を殺すを。さらに復建より看れば:酉は癸を得て丁に臨む——酉は妻・癸は鬼、正に是れ妻の来りて自己を害するなり。此の婦人恰好癸酉年生——も奇巧と算すべし。彼女虽か下獄せらるるも、後來却って世道の變亂に因りて網を漏れたり。
一占丁巳年庚寅日,戌將加甲申時,三傳辰午申,天將合青虎,來意失盜鈔三百張。先鋒門是內鈔,又是馬;值事門是白虎,為驚變。中傳鬼作龍,財物寅。然午為旬空,未敢以盜賊言。雖元武乘戌,是庚之印,亦未言賊也。以初建言之,為丙戌,丙為庚之鬼,以復建言之,得甲戌,是復建生初建,鬼太旺矣,況乘元武,是盜失。
又一ありて丁巳年庚寅日を占し、戌将甲申時に加わり、三伝辰午申、天将依次に六合・青竜・白虎——来意は鈔票三百張の失竊なり。先鋒門(占時)の主とする所は家内の鈔、また是れ駅馬なり。値事門(月将時に加う)は白虎——驚恐變故を主とす。中伝の官鬼は青竜を乗じ、財物は寅上に落つ。但し午は旬空と為る——故になお敢えて盗賊の所為と斷定せず。虽かに玄武戌を乗ずるも、戌は庚金の印綬——も仍お賊と説き好しとせず。さらに初建より看れば、是れ丙戌——丙正に庚の官鬼なり。復建より看れば、甲戌を得——復建反って来りて初建を生じ、鬼気太だ旺なり。何の況んやまた玄武を乗ずるを——此に始めて確かに盗され失竊せられしと斷定す。
若以戌為僕,太陽在戌,又是貴者。日為白日賊也。戌與寅三合,是同類之人,否則屋主之親。自西南而來,藏於南方,而居於西北,相去甚遠。戌至戌,相隔一辰,再玄戌申,純陰為男,臨孟為少,申至戌二位,主二人。後獲一半以下,終是位來生干,中末空,盜者利纏。經以辰上見者為所失之物,今寅上見辰,辰乃月建,月建為貴物,此鈔乃世之所貴者。發用助日,我為有氣矣。由是觀之,生中有鬼,財中有克,皆在建干變化也。
若し戌を以て僕役と看なせば、太陽恰好戌上に在りて、また身份ある人なるを顕出す。白天に占得せば、則ちそれ白日に窃を行うなり。戌と寅と同じく三合局中に在るは、自己の一夥の人なるを見るべし——否らずんば便ち屋主の親戚なり。賊は西南方より来り、贓物は南方に蔵り、人却って西北に住して、相距ること甚だ遠し。戌より戌に至るは、相隔ること一辰。さらに玄武の乗ずるところの戌と申とを連ねて一幷に看れば、純陰の支は男子を主とし、孟位に臨むは年少を主とし、申より戌に至る共に両位——主として是れ両個の人なり。後來ただ半分に及ばずを追回するのみ——畢竟是れ本位の来りて日干を生じ、而して中伝末伝空に落つれば、賊人なお便宜を占むるなり。經義に按ずれば、日支上に見るところすなわち失する所の物——如今寅上に辰を見、辰正に是れ月建——月建は貴重の物を代表す。此の批の鈔票正に是れ世人の看重する所の東西なり。発用の神来りて日干を幇扶するは、我の此の一方なお気有るを説明す。此に由りて看れば、相生の中に鬼を含み、財爻の中に剋を含み、全て皆建干の変化上に顕出す。
此凝神子郭璞所以妙出人表也。若取來情,當以聚散鬼救論。若斷休咎,只用干為主,三傳生克正時論,不必用變求奇也。古人云“求奇反不奇。”
此れ正に是れ凝神子と郭璞との高明人に過ぐるの処なり。若し来人の心意を推測せんと要せば、当に聚散と鬼救とに依りて論ずべし。若しただ吉凶禍福を断ずれば、則ち仍お日干を以て主と為し、三伝の生剋と正時と配合して以て論じ、必ずしも刻意に変通の法を用いて奇を求めて行くを要せず。古人説きて有り:一味に奇を求めれば、反って奇ならず、と。
進退
傳進為進,傳退為退。進空宜退,退空宜進,觀其傳,吉則進,凶則退。
三伝依次に遞進するを「進」と曰い、依次に遞退するを「退」と曰う。進伝して空に逢えば、反って退守するに宜し。退伝して空に逢えば、反って前進するに宜し。總じて三伝を看るを要す:吉なれば則ち進取し、兇なれば則ち退避す。
動靜
日辰主靜,三傳主動。日辰有生意,而三傳有凶神,宜靜。日辰有凶煞,而三傳有扶助,宜動。泛言日神有動靜,以少別白;不然,則剛專日上,柔專辰上,天上日行道路也。相生宜動,克陷宜靜。道者,地方也。斬關、丁神、二馬、遊子則動,稼穡、墓、合則靜也。
日干日支は靜を主とし、三伝は動を主とす。日干日支に生發の意有りて、而して三伝却って兇神有れば、則ち靜なるに宜し。日干日支に兇殺有りて、而して三伝に扶助有れば、則ち動なるに宜し。泛泛に日上の神に動有り靜有りと説くは、分辨する未免粗略なり。細分すれば則ち剛日は専ら日干上神を看、柔日は専ら日支上神を看る——天盤の神上に於いて運行するは、正に人の道路上を行走するがごとし。相生は動に宜しく、剋を受け陷を受くるは靜に宜し。いわゆる「道」とは、すなわち地盤の方位なり。課中に斬関・丁神・天馬駅馬・游子等を見れば、則ち動を主とす。稼穡課・墓神・六合等を見れば、則ち靜を主とす。
始終
初傳事之初,中傳事之中,末傳事之末。專與日干分生克。然而有正有變。將神生克為正論,初建復建為變法。又經云:吉凶隨神而變,將之吉凶隨類而遷。此正論中玄關也。假如初鬼、中印、末財,便是先阻、中助、末得,大略如此,更宜在六親變化之中細觀之。將五要參透,則天時、地利、人、物、貴賤、虛實、遲速可見矣。此端最妙,每事要分三段。始中末如何,大體既定,變化在人。
初伝は事の開頭、中伝は事の中段、末伝は事の結局——皆日干と生剋を分清するを要す。然れどもその中正法有りまた變法有り:神と将との生剋を以て論ずるは是れ正法、初建・復建を以て論ずるは是れ變法。經上また曰わく:吉凶は神に随いて変化し、天将の吉凶また門類に随いて遷移す——此れ正論の中の玄妙の関鍵なり。たとえば初伝是れ官鬼・中伝是れ印綬・末伝是れ財爻なれば、則ちそれ先に受阻し・中間に助を得・末了に得有り——大略此のごとし、なお当に六親の変化の中に細々に体察すべし。「五要」を参透すれば、則ち天時・地利・人・物・貴賤・虚実・遲速皆推見し得べし。此の一段最も精妙:每件事皆三段に分ちて看るを要し——始・中・末各々是れ如何——大体定下の後、変化すなわち全て人の靈活運用に在り。
発用
發用者,事之始,用太歲歲中事,用月建月中事,用日辰日內事,用旬旬內應,用候候內應,分五段也。假如初一日冬至,初五日為初候,初十為中候,十五為末候,皆應在候內也。用墓事緩、病死、物在、人歸。用馬,支用、官擾。用劫,害阻。用印,求旺。用妻,問利。用洩,子孫事。用同類,兄弟朋友事。凡占謀為動作,視見馬,以臨處為方,無馬以用神加處為方,吉凶以神將言之也。
発用は是れ事の起頭。太歳を以て発用するは、太歳一年の内の事に応ず。月建を以て発用するは、一月の内の事に応ず。日辰を以て発用するは、当日の内の事に応ず。旬首を以て発用するは、一旬の内に応ず。節候を以て発用するは、一候の内に応ず——共に五段に分つ。たとえば初一日冬至に交われば、初五を初候と為し、初十を中候と為し、十五を末候と為し——皆此の一候の内に応ずるを要す。用神是れ墓神なれば、事遲緩にして、人の病死・物件の仍お原処に在り・外出の人の帰来するを主とす。用神是れ駅馬なれば、奔走支使・官事騒擾を主とす。用神是れ劫なれば、害を受け阻せらるるを主とす。用神是れ印綬なれば、求むる所の旺を得るを主とす。用神是れ妻財なれば、利益を問求するを主とす。用神是れ泄気の神なれば、子孫の事を主とす。用神と日干と同類なれば、兄弟朋友の事を主とす。およそ謀為動作を占うに、若し課中に駅馬を見れば、則ち駅馬の臨む所の位を以て方向を定む。若し駅馬無ければ、則ち用神の加わる所の位を以て方向を定む。吉凶に至りては、則ち乗ずる所の神将に由りて断ず。
發端門,初傳也。如正月占事,用起功曹,為當月。大吉為過去;太沖為將來也。
いわゆる発端門とは、指すところすなわち初伝なり。たとえば正月に事を占い、発用功曹(寅)より起れば、寅正に是れ当月の神——本月に応ずるを主とす。発用若し是れ大吉(丑)なれば、丑は上个の月に属し、已に過去せるの事を主とす。発用若し是れ太衝(卯)なれば、卯は下个の月に属し、將来の事を主とす。
移易門
中傳也。初凶中吉,則移凶易吉矣。
移易門の指すところは中伝。初伝兇にして中伝吉なれば、則ち兇を移換して吉と成す——故に之を移易と曰う。
帰計門
末傳也。如四月申日占事,而用申酉,末傳見午,即主五月內無事。
帰計門の指すところは末伝。たとえば四月の申日に事を占い、発用是れ申・酉にして、末伝午を見れば、午は五月に属し——則ち五月裏に到りて事便ち了結を告げ・平安無事を主とす。
遲速
柔日伏吟、涉害、天乙逆治、用在日辰之後,主事遲也。斬關、占時發用、天乙順治、用在日辰之前,主事速也。冬占申酉入傳,天罡在日辰後,是過去事。寅卯入傳,天罡在日辰前,是未來事。第三四課為用,向去事。用二八門,主事速。陰日伏吟、關格、斗罡加卯酉、傳歲月,久遠事。日上發用,應在旬內。辰上發用,應在一月。得歲不出歲,得月不出月。得日不出日,得時不出時,得候不出候。
柔日の伏吟課・渉害課、貴人逆行して将を布く、および発用の神の日辰の後に落つるは、皆事の来ること慢きを主とす。斬関課・占時を以て発用・貴人順行して将を布く、および発用の神の日辰の前に落つるは、皆事の来ること速きを主とす。冬天に課を占うに、申・酉が伝に入りて天罡(辰)が日辰の後に在るは、是れ已に過去せるの事。寅・卯が伝に入りて天罡が日辰の前に在るは、是れ未来の事。第三・第四課を取りて発用するは、是れ外へ往くの事。用神が卯・酉の二門八門の位に落つるは、事の速きを主とす。陰日の伏吟課・關格課・斗罡の卯酉に加臨する・三伝中に太歳月建を帯ぶるは、皆久遠の事を主とす。日干上神発用するは、一旬の内に応ず。日支上神発用するは、一個月の内に応ず。およそ応期の太歳に於いて得るは、此の一年を出でず。月建に於いて得るは、此の一月を出でず。日に於いて得るは、此の一日を出でず。時に於いて得るは、此の一時を出でず。候に於いて得るは、此の一候を出でず。
又歲在初,為當年事;在末,為久遠事;在中兮,方來過去。傳順年淺,傳逆年深。又如六月以前,是去年事;六月以後,是來年事。得者非特歲、月、日、辰、時上,作用而已。凡用在歲月日辰時上,皆是也。占歲內,如用傳送加巳,主四月內應;下克上多應在七月;上克下從地下巳神斷。
另外、太歳の初伝に落つるは、当年の事を主とす。末伝に落つるは、久遠の事を主とす。中伝に落つるは、則ちあるいは將来・あるいは已往なり。三伝順行すれば、応ずる所の年月浅近なり。三伝逆行すれば、応ずる所の年月深遠なり。またたとえば六月以前に占得するは、多くは去年の事。六月以後に占得するは、多くは来年の事。いわゆる「得」とは、并びに発用の恰も太歳・月建・日干・日支・占時の上に在るに限らず——およそ用神此の五者の上に落つるは、皆算す。一年の内の事を占うは、たとえば用神傳送(申)が巳上に加われば、四月の内に応験するを主とす。若し是れ下が上を剋すれば、多くは七月に応ず。若し是れ上が下を剋すれば、則ち地盤の巳神に就りて断ず。
旺衰新舊,決機定謀。假令子水九月甲子日戌時卯將,取比為用,天乙暮冶小吉,為貴加寅,以卯為前,發用神后,六旬之首。又得龍吉將,末見河魁加巳為鑄印,乘六合,三傳始終吉卦,故主遷官加印之喜,至當年十一月內應恩澤之應。此下克上,應得歲不出歲也。
旺衰新舊を看れば、便ち能く機宜を決斷し・謀略を定下せん。たとえば子水——九月甲子日戌時に於いて卯将を以て課を起し、日干と比和する神を取りて発用とす。夜貴人小吉(未)に治して、貴人寅上に加わり、卯を以て前位と為し、発用の神その後に在りて、正に六旬の首に当たる。また青竜の此一の吉将を得て、末伝に河魁(戌)の巳上に加わるを見て、「鑄印」の象を成し、かつ六合を乗ず。三伝自始至終皆吉象——故に官を升り印を加うの喜を主とし、当年十一月の内に到りて便ち恩沢の験に応ぜり。此の一課は下の上を剋する——正に「太歳に於いて得るは此の一年を出でず」の例に合す。
假令十一月丁卯日卯時,登明為天乙加丑,順理涉害,大吉加卯為用,得朱雀凶將,君子為理文字,小人為財而訟,婦人占者為文書口舌之事。主事艱難延遲,所作稽留。十二月內應,此亦下克上,應得歲不出歲也。
またたとえば十一月丁卯日卯時、登明(亥)を以て月将と為し、貴人丑上に加わり、順行して将を布いて渉害課を成し、大吉(丑)卯上に加わりて発用し、乗ずる所は朱雀の此一の兇将なり。君子占得すれば、文書の事を辦理するを主とす。小人占得すれば、銭財の為に官司を打つを主とす。婦人占得すれば、文書口舌の事を主とす。總じて事の艱難延遲・辦する所の事の遷延停滞を主とし、十二月の内に到りて始めて応ぜり。此もまた下の上を剋する——同様に「太歳に於いて得るは此の一年を出でず」の例に合す。
假令辰年三月甲子日巳時,從魁加巳,名元首。天罡為用,將玄武,乃天乙立酉逆治,占盜賊者,近水打捕漁獵之人。當敗。其人伏在水澤處,不出月敗矣。一上克下為始入,主事急,故月內敗。天罡屬土,克玄武水也。水至三月墓矣。此得月不出月也。
またたとえば辰年三月甲子日巳時、従魁(酉)巳上に加わり、課名元首。天罡(辰)用神と為り、乗ずる所の天将是れ玄武——此れ貴人の酉位に立ちて逆行して将を布くなり。盗賊を占えば、此の賊は是れ水に近く打捞し・魚を捕り行獵するの一類の人を主とし、必定要して敗露せん。那の人水沢の処に蔵れて、此の個の月を出でずして便ち敗れん。課中ただ一処の上が下を剋する有るのみ、「始入」の論と作して、事の緊急を主とす——故に月内に就いて敗る。天罡は土に属し、能く玄武の属する所の水を剋す。水三月に到れば正に墓庫に入る。此れすなわち「月建に於いて得るは此の一月を出でず」の例なり。
兵革疾病,假令辰年三月丙寅日未時酉將重審,天罡為用,得白虎凶將,天慚立酉上,主憂事在月內驚惶也。主關梁隔絕,兵革盜賊,謂虎漸入陰氣,主格鬥傷。又云,卯辰巳等須防賊,兵家只此是三刑。
さらに説くに兵革と疾病とを占う。たとえば辰年三月丙寅日未時に酉将を用い、重審課を得て、天罡(辰)用神と為り、乗ずる所は白虎の此一の兇将、天乙貴人酉上に立つ(原文「天慙」は当に「天乙」と作るべし)——憂うる所の事本月の内に就いて驚惶発作せんとするを主とす。関卡橋梁の阻隔断絶・兵禍盗賊有るを主とす。白虎漸々として陰気の地に進入するを因れば、格闘傷を受くるを主とす。また曰わく:卯・辰・巳の此の幾位須く盗賊を防ぐべし——兵を用るの家ただ此の三位を把って三刑と作して看るのみ、と。
又云:天罡是煞神,立於日辰上,用神囚死,斗繫日本為天獄,在家憂恐,及病厄死喪等事。是國家憂兵革。今天乙立二八門,主驚怖動搖。天罡太歲入宅,又是囚死為用,始入門,主事急,合應月內。又天罡為月建故也。病禍憂驚月內見。
また曰わく:天罡は是れ殺神——若し日干日支の上に立ち、用神また囚死の気に落ち、斗罡日干本位を繋住して「天獄」を成せば、家に在れば便ち憂懼驚恐および病厄死喪の一類の事有りて、国家に在れば則ち是れ兵革の憂なり。如今貴人卯・酉の両門戸の位に立てば、驚怖動揺を主とす。天罡また太歳を帯びて宅位に進入し、而且囚死の気を以て発用して、始入の門に属す——事の緊急を主とし、当に本月の内に応ずべし——何の況んや天罡本身正に是れ此の個の月の月建。故に疾病・禍患・憂驚皆月内に於いて分曉を見ん、と。
假令巳年正月己丑日午時亥將,知一卦。太乙發用,將白虎,乘死神為用主之。經云:“虎乘死神,上下逼日辰,名魄化。”虎在陽為男,在陰為女,下克上為內戰,故家有陰人病喪事,文字勾連,驚恐,口舌光怪,不成破碎。論吉凶方來已去之期、發用所主也。凡占事據下所占,是何神將為用,以其神將所屬年月日及以神為之情。五行飛化所主之事理決之。
またたとえば巳年正月己丑日午時に亥将を用い、知一課を得。太乙(巳)発用し、乗ずる所是れ白虎、また死神を乗じて用と為して事を主とす。經上曰わく:白虎死神を乗ずれば、上下逼迫して日干日支を逼す——此を「魄化」と曰う。白虎陽位に落つれば男子を主とし、陰位に落つれば女子を主とす。下が上を剋するは是れ内戦——故に家中有りて婦女の病喪の事を主とし、なお文書牽連・驚恐・口舌怪異・事残缺して成らざるの類有らん。吉凶の將来なるか已過なるかに至りては、皆発用の神に由りて主断す。およそ事を占うに、皆占う所の内容に依拠して、是れ何の神・何の将の用神に充当するかを看、再び此の神将の属する所の年月日・および神本身の情性に依り、五行飛化の主とする所の事理と配合して以て決断す、と。
若發用得吉神將,在三傳旺相,就其始末,則占人求望必遂矣。若發用神將是官鬼,吉而有氣,又與日辰三六合,必有和合,遷官轉職,加祿權位之意。若發用得凶神惡將,在旺相氣剋日干,又是月破之辰,主有官追驚恐,災禍牽連,及遠行責罰之事。方來已去之期,應在月日之中。
発用若し吉神吉将を得、三伝また皆旺相の気に処りて、始より末に至る一路順暢なれば、則ち占者の求むる所望むる所必定に願いのごとくならん。発用の神将若し是れ官鬼にして、而してそれ吉にして気有り、また日干日支と結成して三合・六合と為れば、那は必ず和合の事有りて、昇遷調職・禄を加え位を進むるの意思を含着せん。発用若し兇神惡将を得て、正に旺相の気に当たりて来りて日干を剋し、また恰も是れ月破の辰なれば、官府追捕の驚恐・災禍の牽連・および遠行して責罰を受くるの事有るを主とす。此らの事の將来なるか已過なるかは、応期皆月と日との中に在り。
假令正月占事,得功曹為用,吉凶應在月內。若得卯辰為方來,應二三月。若得傳送為用,吉凶應五月內。若涉害占事,主勾連艱難,不能見終,占病難解,占人來遲,孕難產,事不成。經云“見其機,察其微”,日辰中,有兩比不比,始入、涉害者以此,占事遲留難解以此,故云深者主遲留患難。經曰:“四課交克名曰單疑,為事難遂,遂亦遲,若入用將,得月建之辰,與吉將並,又在旺相之氣,事雖遲延猶為小喜。發用是凶神將,更歷涉害等門,必主身憂,囚繫獄訟之事。”
たとえば正月に事を占い、功曹(寅)の発用を得れば、吉凶本月の内に応ずべし。若し卯・辰を得れば、那是れ將来の事——二三月に応ずべし。若し傳送(申)の発用を得れば、吉凶五月の内に応ずべし。若し渉害課を占得せば、事の牽連糾纏・艱難にして結局を看る能わざるを主とす:病を占えば愈え難く、人を占えば来ること遲く、孕を占えば難産を主とし、事を占えば多くは成らず。經上に「その機を見・その微を察す」と曰うは、指す所正に是れ日干日支の中に両処の相比有りて而又比する能わざるの情形——始入課・渉害課此に由りて来り、事を占うに遲滞解し難きもまた此に由りて来る。故に渉害深きは拖延患難を主とすと曰う。經上また曰わく:四課交互相剋するを、「單疑」と曰い——事を辦すに成り難く、たとい成るともまた慢し。若し用に入るの天将月建の辰を得着し、また吉将と同臨し、なお旺相の気に処れば、則ち事虽か遲延するも、仍お小さき喜慶有りと算す。若し発用是れ兇神惡将にして、また渉害等の門を経歴せば、必ず自身に憂有るを主とし、甚至に牢獄訴訟の事有らん、と。
凡課得發用之神是遙克為用,主虛聲。如蒿矢射人,人終不傷,見吉凶本自他意,自無所害。雖有其聲,所事難難。若神遙剋日,事在外來;日遙克神,事從內起。經云“官居不入,常初獨立。”其憂執,其用日不用辰,望人不見。
およそ課中遥剋の神を以て発用するは、虚張聲勢を主とす:蒿草の杆を用いて作れる箭を以て人を射るに譬えん——終究に人を傷る能わず。見る所の吉凶もとより别人の心意に出でて、自己に対して并びに実害無し。虽かに那様の聲勢有るも、事却って辦するに艱難なり。若し是れ天盤の神の遥かに日干を剋すれば、事は外面より来る。若し是れ日干の遥かに天盤の神を剋すれば、事は裏面より起る。經上に「官居不入、常初獨立」と曰うは、正に是れ此の種の課の憂疑固執の象有るを形容す。此の課を断ずるにただ日干を取りて日支を取らず——人を占望すれば則ち見る能わず。
若得昴星俯仰視,事多指引,真非本意,春夏多是遠行不利,恐遇身災。若用神更得凶將,身憂獄繫,官追整理,文字不明,闇昧之事。若伏視又是秋冬氣,內事,主闇昧屈厄,無以伸雪。柔日伏匿在家,憂怖驚恐,被人勾連,對理交加,度關梁災厄事。凡仰伏視為用,剛日動行,稽留關梁,男子遠行,恐路死。柔日伏藏,不欲見人,更以神將所主,消息決之。
若し昴星課の仰視(虎視轉蓬)と俯視(冬蛇掩目)とを占得せば、事多くは别人の指引に由りて来りて、并びに本人の真意にあらざるを主とす。春夏に占得すれば、多くは遠行不利を主とし、自身の災に遭うを恐る。若し用神さらに兇将を乗ぜば、則ち自身に牢獄の憂有りて、官府に追捕査辦せられ、文書明らかならず、盡く是れ暗昧の事なり。若し是れ俯視の課にして而又秋冬の気に当たれば、内事に属し、暗昧にして屈を受け厄を受け、申雪するに由無きを主とす。柔日は伏匿して家に在るを主とし、憂怖驚恐して、人に牽連せられ、人と對簿して交争し、なお関を過ぎ橋を渡るの一類の災厄有らん。およそ仰視・俯視の課を以て発用するは:剛日は身を動かして出行するを主とすれど、却って関卡橋梁の処に滞留し、男子遠行すればただ路上に死するを怕るのみ。柔日は伏蔵して家に在るを主とし、人を見るを願わず。此の外なお乗ずる所の神将各々の主とする所を参照して、斟酌決断するを要す。
存亡
生旺為存,鬼墓為亡,占久出之人,若行年臨四季為亡,四孟為存。四季句金氏復注云“陷空為亡。”
生旺の地に処るを「存」と算し、官鬼・墓庫の地に落つるを「亡」と算す。久しく出でて未だ帰らざる人を占うは、行年若し辰戌丑未の四季の位に臨めば亡を主とし、寅申巳亥の四孟の位に臨めば存を主とす。「四季」の此の一句に関して、金正音また補注して曰わく:陷空に落つるもまた亡を主とす、と。
勝負
上克下利先舉,下克上利後時。日被上克尊勝,辰被上克卑負。日辰皆被克,尊卑皆負,或日辰分彼此論亦然。日辰上下互克者負,互生者勝。剋日者負,有解者勝。式中反克其救者負。八專在分陰陽喜忌斷之。假如己未日己為我,未為他,己所喜者卯與六合,己所畏者寅與木神青龍,喜卯與六合者,同氣也。
上神が下神を剋するは、先に発動するに利有り。下神が上神を賊するは、後に発動するに利有り。日干が上神に剋せらるるは、是れ尊者の一方の勝を得るなり。日支が上神に剋せらるるは、是れ卑者の一方の敗落なり。日干日支皆剋せらるれば、則ち尊卑両辺皆敗れん。あるいは日干日支を分ちて彼我の両方と作して論ずるも、道理一様なり。日干日支上下互相に剋するは敗落し、互相に生ずるは勝を得ん。来りて日干を剋するの一方は敗落し、その中解救するの一方は勝を得ん。式中反って那の個の救神を剋するも、また敗落す。八專課は則ち須く陰陽喜忌を分ちて以て断ずべし:たとえば己未日は、己は我を代表し・未は対方を代表す。己の喜ぶ所は卯と六合、畏る所は寅と木神青竜。卯と六合とを喜ぶ所以は、彼らの己と同気相通ずるを因とす。
幽明
幽為鬼神,明為人物。夜為幽,晝為明。死鬼死氣為幽,克我疾病臨身,為鬼神侮弄。星辰運限,陰相扼塞矣。此類生我則造物亨達,陰相資助,命分當也。旦晝為明,生氣為明,月將為明,生我則人來扶助,貴賤得情也。克我則盜賊官訟相侵也。
幽は鬼神を指し、明は人事を指す。夜裏は幽に属し、白天は明に属す。死鬼・死気は幽に属し——彼らの来りて我を剋すれば、則ち疾病身に臨む有りて、是れ鬼神に捉弄せらる、星辰運限までも暗中に於いて扼制阻塞せん。此の一類若し反って我を生ぜば、則ちそれ造化亨通・暗中に人の相助する有りて、命分もとより此のごとくなるべし。清早と白昼とは明に属し、生気は明に属し、月将は明に属す——彼らの我を生ぜば、便ち人の前来りて扶助する有りて、貴賤を論ぜず皆心に称い得べし。彼らの我を剋せば、便ち盗賊・官司の前来りて侵擾する有らん。
此下金氏又注一條云:在地盤酉戌亥子丑寅皆為夜為暗地,自卯至申皆為旦為明地,旦加夜地亦不明矣,夜加明地,亦不暗矣。重明為德,重暗為失,看事宜明宜暗詳之。
此の一条の下に、金正音また注して曰わく:地盤上の酉・戌・亥・子・丑・寅の六位皆夜に属し、是れ暗地。卯より申に至る六位皆旦に属し、是れ明地。白昼の神暗地上に加われば、も明ならず。夜間の神明地上に加われば、も暗ならず。明上に明を加うるを「徳」と曰い、暗上に暗を加うるを「失」と曰う。事を断ずる時に明を取るべきかあるいは暗を取るべきかは、仔細に斟酌するを要す、と。
鬼神
旺為神,衰為鬼,天乙為神,加刑沖害是猛神惡鬼。金刑水溺,土疫木縊,火焚死者,合為親,不合為疏。鬼之地上之神為方所。如申鬼,申上見酉,為西方之類。
気旺なるを神と算し、気衰なるを鬼と算す。天乙貴人は正神を代表す——若しさらに刑・衝・害を加上れば、則ち兇猛の神・惡鬼と成る。金に於いて死するは刀刃の傷、水に於いて死するは溺斃、土に於いて死するは瘟疫、木に於いて死するは自縊、火に於いて死するは焚焼なり。日干と相合するは是れ自家の親属、相合せざるは是れ外人。鬼の在る所の方位を定めんと要せば、則ちその下の地盤の神を看よ:たとえば申を以て鬼と為し、申酉上に落つれば、則ち西方に属すの類なり。
假如申為鬼,七月占,旺為金神,為嶽神西鎮,五月占衰為嗽鬼。加刑害為斬死鬼。老少形狀,以意決之。假令甲申日午乘龍加辰,以午加申為支鬼,是新裝神佛之類。來自東南,午乘龍旺,佛為新裝,加辰乃火之冠帶,神為東南來。
たとえば申を以て鬼と為す:七月に占得すれば、申金正に旺し——那是れ金神、西岳鎮山の神に属す。五月に占得すれば、申金已に衰し——那便ち是れ咳嗽を主とする病鬼。若しさらに刑を加え害を加えれば、則ち是れ斬殺せられて死せる厲鬼。鬼の老少形貌に至りては、理に拠りて揣度して以て定め得べし。またたとえば甲申日、午青竜を乗じて辰上に加わり、午を以て申に加わると論ずれば、午は是れ日支の鬼、新塑の神佛の一類に属し、東南方より来る——午青竜を乗じて気旺なれば、故に新装の佛像と断ず。辰上に加わるは、辰是れ火の冠帯の位——故に此の神自ずから東南方より来ると断ず。
假令己亥日未時寅加未,乘太陰,主西方神為祟,廟前有小樹,兼門破,廟後形勢高阜。假如戊子日伏吟,取寅為鬼,東北有廟神,兩重心願,其廟在山上,廟前後有樹木,上見青龍也。是龍寅三木森然,寅中有土為山,況戊日占是土鬼之上。
またたとえば己亥日未時、寅未上に加わりて、太陰を乗ず——西方の神の作祟を主とす:廟前に小樹有りて、兼ねて廟門破損し、廟後の地勢高聳して丘のごとし。またたとえば戊子日の伏吟課、寅を取りて鬼と為す——東北方に廟神有るを主とし、しかも両重の心願を欠く。那の廟山上に建ちて、廟の前後皆樹木有り——寅上に青竜を見るを因れ、青竜は木に属し・寅もまた木に属して、木気森然たり。寅中また土を蔵し、土便ち是れ山。何の況んや戊日の占う所、正に土の官鬼の頭に当たるを。
上中下兮看,克下腰腳病死合面,克上頭面病坐死,中受克腹病死,克陽面左死,左陰面右死,克上克下,其尸不能僵。返吟,舊病死,老病中責鬼神類。墓為祟,旺是墓神,衰是墓鬼。方所亦看地上墓所加神。
なお上・中・下の三段に分ちて看るを要す:剋の下段に在るは、腰脚に病有るを主とし、死する時面下に向く。剋の上段に在るは、頭面に病有るを主とし、坐りて死す。中段剋を受くるは、腹部に病有りて死するを主とす。剋の陽位に在るは、左辺に面向いて死す。剋の陰位に在るは、右辺に面向いて死す。上下皆剋せらるるは、尸身挺直立つる能わず。返吟課は、旧病復発して死するを主とし、老病の中なお帰咎して鬼神の一類を要す。墓神作祟する時、気旺なるは是れ墓神、気衰なるは是れ墓鬼。在る所の方位に至りては、も是れ地盤上の墓神の加わる所の位を看る。
人物
干為人,支為物,靜為財,帶刃為血物,空亡為動物,人有情狀、男女、貴賤、親疏、老幼、色目,具後。
日干は人を代表し、日支は物を代表す。靜にして動かざるは是れ銭財、羊刃を帯ぶるは是れ血を帯ぶるの物、空亡に落つるは是れ動くべきの活物。人の情状・男女・貴賤・親疏・老幼と名色種類に至りては、皆下文に列す。
人物
子螟子息梢屠染,丑賢長者舊僧尼。寅儒道士曹祝吏,卯術沙門長子宜。魁僧牙保兇頑眾,將軍兵馬共辰推。干匠賓朋工作巳,婦人宮妣午廄兒。故舊眷屬姑姨妹,酒匠籠鷹未是之。醫道獵師作面者,市曹鋪遞並申持。金珠匠婢少陰酉,軍戌僕從戌夫兒。裝塑造樓欄廁直,更為幼子亥無疑。
十二地支各々どの一類の人を主とするか:子は蚕桑螟蛾の事と子息とを主とし、兼ねて小販・屠戸・染匠を主とす。丑は賢徳の長者と年老の僧尼とを主とす。寅は儒生・道士・廟祝と官府の吏員とを主とす。卯は方術の士・僧侶と長子とを主とす。魁偉の僧人・牙人保人・兇頑の徒、および将軍兵馬は、皆辰位上より推す。幹練の工匠・賓朋と做工の人は巳に属す。婦人・宮中の女官と先妣、および馬廐と小児は午に属す。故旧眷属・姑母姨母姊妹、酒を醸すの匠人と籠中の鷹は、皆未位に帰す。醫家・道士・獵戸・麺食を做すの人、および市集商舗と遞送の人は、皆申位の掌管に由る。金銀珠寶の匠人・婢女と少女は酉に属す。軍中の戍卒・僕從・丈夫と児子は戌に属す。塑像裝金・楼を造り・欄圈廁所を修するの一類の工役、および幼子に至りては、疑いなく皆亥位に帰す。
器用
物有新舊多寡器,子為水桶缽缸瓶。巾帽冠帶升斗丑,椅桌薦席並祭器。碗碟匙箸並寅留,屏枕帳籠箱門戶。船舫車輿竹器舟,笛簫琴瑟笙鼓樂。枷鈕並向卯中求,磚瓦石欄並械廳。牆壁庭院向辰搜。臼杵鍋釜筐鼎巳。櫃廚灶床皆午料,奩具盞盤酒器未。金銀銅錢向申遊,珠玉刀錢鏡問酉。
器物に新舊多寡の別有りて、も十二支に按じて類に帰す。子は水桶・鉢・缸・瓶等の水を盛るの器を主とす。丑は頭巾・帽子・冠帯と升斗量具、また椅桌・草席坐褥と祭祀の器とを主とす。碗・碟・匙・箸の此らの餐具は皆寅位に留る。屏風・枕頭・帳幔・籠箱・門戸、船舫車轎・竹器舟楫、笛簫琴瑟笙鼓等の樂器、および枷鎖鐐銬は、皆卯位上に向りて求むるを要す。磚瓦・石欄・刑具と廳堂、牆壁庭院は、皆辰位上に向りて尋る。臼杵・鍋釜・筐籃・鼎器は巳に帰す。櫃子・櫥子・竈台・牀鋪は皆午位に由りて料理す。妝奩・盞盤・酒器は未に属す。金銀銅銭は申位に到りて找むを要し、珠玉・刀銭と鏡子は則ち酉位に問う。
鍬鋤錐劍戌宮謀,圈欄槽榨東司亥。十二支中用意收。
鍬・鋤・錐・劍の此の一類の金屬の農具と兵器は、「戌」の宮上に到りて尋求するを要す——戌是れ燥土にして内に金気を蔵し、正に是れ刀兵器械収蔵の地なるが因なり。牲口圈・柵欄・水槽・油榨、および「東司」すなわち茅廁の一類の卑下汚濁の処所は、則ち皆「亥」に帰して管せらる——亥水位に居りて、汚穢・低窪・匯聚を主とすればなり。十二地支の取象は、皆此の個の路数に照らして去りて体会歸納して、始めて「類神」の意思を收攏周全したと算すべし。
五要権衡・食物
辰為鹽鯗魚龍物,子是葷辛鼠燕腥。丑上蟹牛龜鱉類,虎豹貓狸果木寅。卯兔驢騾狐共取,蚓蛇蟬蟮巳為真。蠶馬鹿獐雀尋午,未雁鳩鴿酒羊群。猿猴猱鵬鵝面申,雞鴨鳥雉蚱酉陳。豺犬狼獒須看戌,豬豕熊狳筵亥雲。腥本作星。
辰は是れ水庫また是れ竜——故に鹽・鲞(醃制の魚干)・魚類と竜蛇の属と皆辰に帰す。子は水に属しまた是れ鼠——故に葷腥辛辣の物と鼠・燕の類と皆子に帰す。丑は是れ牛・また是れ水に近き濕土——故に蟹・牛・龜・鼈の一類丑に帰す。寅は是れ虎——虎・豹・猫・狸の此らの同類の猛獸、および寅木の生ずる所の果木は、皆寅に帰す。卯は是れ兔——兔・驢・騾・狐一幷に卯に於いて象を取る。巳は是れ蛇——蚯蚓・蛇・蝉・鱔の此らの細長蜿蜒の物巳に於いて象を取って始めて貼切なり。午は是れ馬——蚕・馬・鹿・獐・雀は午上に到りて尋るを要す。未は是れ羊また酒を主とす——雁・鳩・鴿・酒と羊群と皆未に帰す。申は是れ猴——猿・猴・猱および鵬・鵝と麺食と申に帰す。酉は是れ雞——雞・鴨・飛鳥・野雉・蚱蜢皆酉上に陳列す。戌は是れ狗——豺・犬・狼・獒須く戌宮を看るべし。亥は是れ猪——猪・豕・熊・狳と筵席酒饌と皆亥上に於いて説かる。原書校記:「腥」の字一本「星」と作る。
五要権衡・情状
干為外飾,將為頭首,神為體形狀,以肖類。假令戌為玄武,賊人犬形頭尖。丑牛形頭大,眼目粗糙之類。又云,寅矮美髭,卯瘦,辰長面方,巳瘦長,午斜視方長,未短小,申酉白鬚黃,亥肥丑輕小眼,亥子黑色,寅卯青,申酉白,巳午赤,未黃赤,辰黃青,丑黃白,戌黃黑。天乙細小,蛇眼小額尖,龍好髭鬚,虎頭項短,天后清疏,太陰骨細,勾陳豐肥,太常額寬,玄武丑,天空老大。
日干は一個の人の外表衣飾を管し、天将は頭面を管し、地支の神は身材体形を管す——皆各々の肖する所の類に按じて比附す。たとえば戌上に「玄武」を乗ずれば、戌は狗と為る——則ち賊人便ち一副の狗相を生じ、頭形尖削す。丑上に玄武を乗ずれば、丑は牛と為る——便ち牛の一様の形貌、頭大にして眼目粗糙なり。其の余此に照らして類推す。別の一説は専ら十二支の形を講ず:寅は身材矮にして髭鬚美なるを主とし、卯は清瘦を主とし、辰は臉長にして方を主とし、巳は又瘦又長を主とし、午は目光斜視・面方にして長を主とし、未は身量短小を主とし、申酉は鬚白にして面黄を主とし、亥は肥胖を主とし、丑は身輕にして眼小を主とす。気色を論ずれば則ち亥子は黒と為り、寅卯は青と為り、申酉は白と為り、巳午は赤と為り、未は黄中に赤を帯び、辰は黄中に青を帯び、丑は黄中に白を帯び、戌は黄中に黒を帯ぶ。さらに十二天将の形を論ず:「天乙」貴人は身形細小、「螣蛇」は眼小にして額尖、「青竜」は髭鬚美好、「白虎」は頭大にして頸項短し、「天后」は清秀疏朗、「太陰」は骨骼纎細、「勾陳」は体态豐肥、「太常」は額面寛闊、「玄武」は相貌醜陋、「天空」は形容老大なり。
五要権衡・性情
天乙莊重蛇陰冷,雀輕俊青龍文足,六合慢善,太常典雅,白虎威嚴猛鷙之類。裝飾看遁干,甲乙青衣之類。欲知帶破不完全,鬼賊相沖內去看。凡鬼上下所乘之處,若見沖剋,或上下重疊交戰,必主其人不完全。干戰主傷頭面,支戰主傷手足。若得申鬼,當建丙,即須頭面不堪見。
性情を論ず:「天乙」貴人は莊重を主とし、「螣蛇」は陰沈冷酷を主とし、「朱雀」は輕捷俊俏を主とし、「青竜」は文采足備を主とし、「六合」は性緩にして善良を主とし、「太常」は典雅を主とし、「白虎」は威嚴猛鷙を主とす——其の余の天将此に照らして類推す。衣着裝飾を看らんと要せば、則ち「遁干」を看よ——すなわち六甲遁法を用いて地支の下に遁し出すの天干。甲乙を遁得すれば木に属し、その色青と為り——便ち此の人の青衣を穿つを主とし、余類推すべし。占う所の人の身上に残破を帯びて不完全なるか否かを知らんと要せば、則ち「官鬼」と「賊爻」と相衝するの地方に到りて查看す。およそ官鬼上下の乗ずる所の処、若し衝剋を見、あるいは上下重疊して交戦せば、必ず此の人の形体に缺損有るを主とす。交戦日干上に在れば、傷の頭面に在るを主とす。交戦日支上に在れば、傷の手足に在るを主とす。たとえば申金を得て鬼と為し、遁干また丙火を得て来りて此の申金を剋せば、則ち頭面の受損を主とし、目に入るに堪えず。
五要権衡・男女
純陽男,純陰女,一陰二陽男,一陽二陰女。若陽神臨陽位是男,陰神臨陰位是女。更上下不比,看貴蛇朱勾青克白是陽將,後陰空合常是陰將,不消建干。純陽二句前金氏注云:小六壬反此推,一陰二句同。
課体純に是れ陽神なるは男を主とし、純に是れ陰神なるは女を主とす。一陰二陽のは仍お男を主とし、一陽二陰のは仍お女を主とす。若し陽神陽位に加臨せば、男と断ず。陰神陰位に加臨せば、女と断ず。若し上下相比和せずして取決するに由無ければ、則ち改めて十二天将の陰陽を看る:貴人・螣蛇・朱雀・勾陳・青竜・白虎は陽将に属し(原文「青克白」の「克」の字義に於いて通じ難し——当に傳寫の訛なるべし)、天后・太陰・天空・六合・太常は陰将に属す——天将を用いて男女を定めれば即ち可なり、必ずしもさらに去りて「遁干」を起すを要せず。金正音「純陽」の両句の前に旁注して曰わく:小六壬の推法此と相反し、「一陰二陽」の両句もまた照様に反推す、と。
五要権衡・貴賤
旺氣為貴,衰氣為賤。天乙為貴,螣蛇為賤。太歲為至尊,月建為臺省之類。皆旺氣也。然而得地為貴,敗絕空亡之地為賤。經云:“貴人坐印為有祿是貴,敗絕空亡是賤。貴人坐印,甲以乙丑為貴,丑加申,是壬申為坐印,是有祿之人。”又如甲子日以辛未為貴,未加辰,見戊辰為坐印,戊助辛鬼剋日,是有祿之人來害貧賤者。如庚寅日遁丙在戌,戌臨亥,是火絕亥,鬼居亥為貧,是貧賤之人來害貴者。
気旺なるを貴と為し、気衰なるを賤と為す。十二天将裏「天乙」貴人最も貴し、「螣蛇」最も賤し。「太歳」是れ至尊の神、「月建」台省長官の一類に譬えん——此ら皆旺気に属す。然れどもなおその落つる所の何の地方なるかを看るを要す:地を得る始めて貴と算し、敗・絶・空亡の地に落つるは仍お是れ賤なり。經文曰わく:「貴人印綬の上に坐するは、是れ禄有るの象、便ち是れ貴。敗絶空亡に落つれば、便ち是れ賤。いわゆる貴人印に坐するとは、たとえば甲日乙丑を以て貴人と為し、丑申上に加わり、申壬申を遁得し、壬水甲木を生ず正に是れ印綬——此を貴人印に坐すと曰い、此の人の禄有るの人なるを主とす。」またたとえば甲子日辛未を以て貴人と為し、未辰上に加わり、辰戊辰を遁得し、も是れ印に坐す——戊土辛金を生助し、辛金また是れ甲木の官鬼、正に来りて日干を剋す——此便ち是れ禄有るの人の前来りて貧賤の者を加害するなり。さらにたとえば庚寅日丙火を遁得して戌上に在り、戌また亥上に臨み、火亥に於いて絶つ——鬼神亥地に居れば便ち貧困を主とす。此れすなわち貧賤の人の反って来りて貴人を加害するなり、と。
五要権衡・親疏 老少 新舊
親疏:合親,不合疏,日與辰自然相須,不可分為二歧,蓋日是人,辰是宅,豈有有身而無歸棲之所耶?故知三傳中,但與支合者便是我親。老少:孟為少,仲為壯,季為老。看所臨地上,又看有氣為少,無氣為老。新舊:旺為新,衰為舊,詳見六親新故中。
親疏を論ず:相合するは是れ親、合せざるは是れ疏。日干と日支とはもとより相須相待して、割裂して両截と為すべからず——日干は人身を代表し、日支は住宅を代表すればなり。あに身子有りて帰宿棲止の所無きの道理あらんや。故に知るを要す、三伝の中およそ日支と相合するは、便ち是れ我の親人なり。老少を論ず:寅申巳亥の四孟は少年を主とし、子午卯酉の四仲は壮年を主とし、辰戌丑未の四季は老年を主とす。なおその臨む所の地盤を看、幷びにその気数を看る——気有るは少と作し、気無きは老と作す。新舊を論ず:旺相を新と為し、衰敗を舊と為す——詳細の分別は「六親新故」の一節に見る。
五要権衡・多寡
甲己子午九之類。上下得者為並,旺相為倍,休囚為減。假如乙亥日以丑為財,乘蛇,丑八蛇四,八四相併,為三百二十也。只用神將,不用地盤。
事物の多寡を論ずるは、用る所は先天の数:甲・己・子・午は皆九と作し、其の余の各干支は此に照らして類推す。上下の両神相得するは、両数を相并せしむ。旺相は加倍し、休囚は減除す。たとえば乙亥日丑土を以て財と為し、丑上に「螣蛇」を乗ず——丑の数是れ八、螣蛇の数是れ四、八と四と相合して推算すれば、三百二十の数と断ず。此の裏ただ天盤の神と乗ずる所の天将との数を取りて、地盤の数を取らず。
方華谷云:“參之天將所因之事,可以考求。以神多寡之數有定故也。子午九,丑未八,寅申七,卯酉六,辰戌五,巳亥四,上下參合,其數可知。至如上寅而下子,七九乘之為六十三,旺相多倍,囚死減半,休當十六之本數,歲月值建而多加之。十六之數,於寅子言。后九、貴八、龍七、合六、勾五、蛇四、雀九、常八、虎七、陰六、空五、元四。”附:水、火、木、金、土;一、二、三、四、五;羽、徵、角、商、宮。
方華谷曰わく:「さらに天将の主とする所の事情を参合せば、即ち以て数目を推求し出すべし——神将の多寡の数は是れ定則有るを因とす。子午は九と為り、丑未は八と為り、寅申は七と為り、卯酉は六と為り、辰戌は五と為り、巳亥は四と為る。上下の両位を参合して起れば、数目即ち知るべし。たとえば上神是れ寅・下神是れ子なれば、七と九と相乘して六十三を得。旺相は加倍し、囚死は半を減じ、休気は則ち十六の此の本数を取る——いわゆる十六とは、正に是れ寅の七・子の九の相加に就いて言うなり。若し太歳・月建の値臨するに逢えば、なお原数上に再加するを要す。十二天将の数是れ:天后九・貴人八・青竜七・六合六・勾陳五・螣蛇四・朱雀九・太常八・白虎七・太陰六・天空五・玄武四。」附するに五行成数と五音との対応:水・火・木・金・土、依次に一・二・三・四・五の数を配し、また依次に羽・徵・角・商・宮の五音を配す、と。
五要権衡・方所(附宅舎)
亥子為江湖,寅卯為山林,丑田,未井,午市,巳窯,申為囤場,戌為營寨,辰為衙庭,酉為城郭。宅舍:子為房,丑壁,寅過路,卯酉門,辰積壤,巳廚,午堂,未園圃井,申過路長道,戌浴堂,亥廁水溝。又上下相加取之,假如丑加亥為橋,未加亥為井,亥加定為樓臺之類。
処所を論ず:亥子は江湖と為り、寅卯は山林と為り、丑は田地と為り、未は水井と為り、午は鬧市と為り、巳は窯竈と為り、申は貨物を囤積するの場院と為り、戌は営寨と為り、辰は衙門公庭と為り、酉は城郭と為る。さらに住宅内の部位を論ず:子は卧房と為り、丑は牆壁と為り、寅は過道と為り、卯と酉とは門と為り、辰は堆積の土壤と為り、巳は厨房と為り、午は正堂と為り、未は園圃と井と為り、申は過路の長道と為り、戌は浴室と為り、亥は廁所と水溝と為る。また天盤地盤の上下相加を以て象を取るべし——たとえば丑の亥上に加わるは橋と為り、未の亥上に加わるは井と為り、亥の某支の上に加われば則ち楼台の一類と為る(原文「亥加定」と作る——「定」の字地支に於いて着く所無し、疑らくは傳寫に訛有らん)。
五要権衡・占盗逃蹤由
以用神為方,中傳為去處,末為所止之處。又逃者初出門外,剛責中,柔責末,為止處。假如壬剛午日,中傳卯,主賊人門前有大路,兩邊垂柳成陰。丑加子金氏旁註云:未加中,住前有大坑,有橋真入門前路。如戊剛申日卯酉上,主門前有大驛路金氏“卯”旁註“末”,“酉”旁註“中”,巳日平頭殺,是僧家。
盗賊と逃亡との蹤迹缘由を占う:「用神」を以て方向を定め、「中伝」を以て去往の処を定め、「末伝」を以て停留の処を定む。また逃亡の人の剛ち門外に出でて在る時、陽剛の日は中伝に責成し、陰柔の日は末伝に責成して、以てその落脚の処と作す。たとえば壬午日は剛日に属し、中伝に卯を得——卯は木と為り・道旁の垂柳と為る——則ち賊人の門前に一条の大路有りて、両辺に垂柳陰を成すを主とす。丑の子上に加わるは(金正音旁注:一に「未加中」と作る)、住処前面に大坑有りて、橋の正に門前の路に對する有るを主とす。またたとえば戊申日は剛日に属し、卯・酉その上に臨む(金正音「卯」の字旁に「末」と注し、「酉」の字旁に「中」と注す)——門前に官道驛路有るを主とす。巳日は「平頭殺」と為る——是れ僧人之家を主とす。
乙柔日看天罡加處,主賊家住有竹木藤蔓,草木纏繞之處。用貴人並三傳俱在日辰前,主占人住前巖。金日納音遙寅日艮為山,若三傳日辰亥子水,前有池塘,如壬癸申酉日主溪澗眾源,隨水勢直下。戌亥相加,在蹊岸灘磧之隱所。寅卯木居日辰前,地名前山前塢,亦名東村。加南南村,加西西村,加北北村之所。
乙日は柔日に属し、則ち「天罡」辰の加わる所の位置を看る——賊人の家住して竹木藤蔓・草木纏繞の地方有るを主とす。若し用神貴人と三伝と連なりて皆日辰の前に落つれば、占う所の人の住処前面に岩石有るを主とす。納音金に属するの日は遥かに寅位を取る——寅は艮卦と為り・艮は山と為る——もまた前面に山有るを主とす。若し三伝と日辰と亥子水を見れば、門前に池塘有るを主とす。たとえば壬癸日・申酉日なれば、則ち溪澗衆多・水源交匯して、水勢に随いて一直に下に流れ往くを主とす。戌と亥と相加すれば、小路岸辺・沙灘石磧の此らの隱蔽の所に在るを主とす。寅卯木日辰の前に居れば、その地名前山・前塢と曰い、も東村と曰う。南方に加われば即ち南村、西方に加われば即ち西村、北方に加われば即ち北村。
用日辰三傳俱貴人後,其賊家地名後塢,對見丑為田,後郭後山;見寅卯為後塢,見申午為後路,亥子為後塘,申酉為後坑,後塘後源。若庚子辛丑納音土,贓物藏於土窖;若甲子乙丑納音金,甲午乙未金,皆滋磧砂石土。若潤下水,必折東。三日後,自西轉東。凡辰戌丑未四墓,主墳窖穴寶。
若し用神・日辰と三伝と皆貴人の後に落つれば、則ち賊人家の地名皆「后」の個の字を帯びて、是れ后塢なり。對照して看れば:丑を見るは田と為り、后郭・后山と為る。寅卯を見るは后塢と為る。申・午を見るは后路と為る。亥子を見るは后塘と為る。申酉を見るは后坑・后塘・后源と為る。若し庚子・辛丑の納音土に属するに逢えば、贓物便ち土窖裏に蔵る。若し甲子・乙丑の納音金に属し、あるいは甲午・乙未の納音金に属するに逢えば、皆沙石磧土の中に蔵るを主とす。若し納音是れ「潤下」の水なれば、贓物必定に東方に折向し、三日の後西より東に轉ず。およそ辰戌丑未の四墓の神は、皆墳墓・地窖・洞穴の寶を蔵するの処を主とす。
又子為溪,亥為陂,戌為灘,只如戌酉申三傳占外婦,走西北角,近谷邊。戊己日為陂頭,壬癸日為古溪,癸日丑為流竇;若舊太歲為古塘古溪,新太歲為新塘新溪之所。
また子は小溪と為り、亥は陂塘と為り、戌は河灘と為る。たとえば三伝戌・酉・申を得て、外に遇うの婦人を占えば、則ち彼女の西北角に往きて、山谷の辺に靠近するを主とす。戊己日は陂塘の頭に在るを主とし、壬癸日は古溪に在るを主とし、癸日に丑を見れば流水の竇口に在るを主とす。若し旧太歳に逢えば、即ち是れ古塘古溪、若し新太歳に逢えば、即ち是れ新塘新溪の処。
卯為竹木,寅為大林,卯為木為井,加土為車,加未為園林,加辰為山崗林木,加丑為墳林,加戌為溪塘,加丑為田野,加亥為草澤,卯加戌,舊屋接新,加申欲動,加子加酉崩廢屋下。子加卯,望東北方有人修屋及門戶,卯加午,婦人家藏,卯乘元武加申上,逃者必在西南方城市中藏。
卯は竹木と為り、寅は大樹林と為る。卯既に木と為りまた井と為る——卯の土上に加わるは車と為り、未に加わるは園林と為り、辰に加わるは山崗林木と為り、丑に加わるは墳地林木と為り、戌に加わるは溪塘と為り、丑に加わるは田野と為り、亥に加わるは草沢と為る。卯戌に加わるは、旧屋に新屋を接蓋したるを主とす。申に加わるは、將に遷動せんとするを主とす。子に加わり・酉に加わるは、坍塌廃棄の屋下に蔵るるを主とす。子卯に加わるは、東北方に望向して人の屋と門戸とを修する有るを主とす。卯午に加わるは、婦人の家裏に蔵るるを主とす。卯「玄武」を乗じて申上に加われば、逃亡の人必定に西南方の城市の中に蔵れん。
五要権衡・地名
破者,損也。亥破寅,納音水日,為破塘破溪。納音土日,為破山崩石之名。午破卯,火日破屋,水日溪,辰破丑,主破田荒墳之所。諺云“破者,廢也。”酉破子,崩摧山石之所,水日灘磧古潭,丑破田,辰古冢,戌廢窯,未夏天井。納音即甲子乙丑金,丙寅丁卯火是也。
いわゆる「破」とは、すなわち損壞。亥は寅を破る:本日納音水に属するは、破塘・破溪を主とす。納音土に属するは、破山・崩石の此の一類の地名を主とす。午は卯を破る:本日納音火に属するは破屋を主とし、水に属するは溪流を主とす。辰は丑を破る:残破の田地と荒墳の所とを主とす。俗諺に曰わく:「破すなわち廢棄。」酉は子を破る:山石の崩塌摧折の処を主とす。納音水に属するの日は、則ち沙灘石磧と古潭とを主とす。丑を見るは残破の田を主とし、辰を見るは古墳を主とし、戌を見るは廃棄の窯を主とし、未を見るは廊廈天井の地を主とす。此の裏の説く所の納音とは、即ち甲子・乙丑の納音金に属し、丙寅・丁卯の納音火に属するの類なり。
刑者,險崩屈曲荒廢也。如寅刑巳,若元臨寅,主賊在破山中藏,此論甲乙日也。若金日巳申,為山石。戊日主疊土處,藏崩陷之所。申刑寅日山險壞,林木之下,藏樵夫小徑,屈曲之中。丑刑戌,古墳丘冢之中,戌刑未,舊荒廢園圃,或有古井藏匿。
いわゆる「刑」とは、険峻・崩塌・屈曲・荒廃の此の幾種の地形を主とす。たとえば寅は巳を刑し、若し「玄武」寅上に臨めば、賊人残破の山中に蔵るるを主とす——此れ甲乙日に就いて言うなり。若し本日納音金に属して巳・申を見れば、山石の間に在るを主とす。戊日は則ち層々と土を疊ねたるの処に在るを主とし、崩塌陷落の地方に蔵れん。申寅を刑するの日は、山勢険惡にして残壞し、林木の下・樵夫の走る小徑と屈曲の処とに蔵るるを主とす。丑は戌を刑して、古墳丘塚の中に蔵るるを主とす。戌は未を刑して、荒廃の旧園圃に蔵れ、あるいは古井の藏匿に供する有るを主とす。
沖者,橫也。亥子為橫塘橫溪,丑寅為橫山,丑未為橫田橫丘之名。辰戌為橫崗橫隴;寅申為橫石橫崗;返吟為遠,水日寅申沖為西溪西園,丑長田未南田,加亥加巳新田拗地,彎曲之所。未加丑古田,或加辰古槨。
いわゆる「衝」とは、「横」の意思を取る。亥子相衝は横塘・横溪を主とし、丑寅相衝は横山を主とし、丑未相衝は横田・横丘の一類の地名を主とし、辰戌相衝は横崗・横隴を主とし、寅申相衝は横石・横崗を主とす。およそ「返吟」課に遇えば、皆路途遥遠を主とす。本日納音水に属して寅申相衝すれば、西溪・西園に在るを主とす。丑を見るは長條形の田を主とし、未を見るは南辺の田を主とす。亥に加わり・巳に加わるは、新開の田と低窪彎曲の拗地とを主とす。未の丑上に加わるは、是れ古田を主とす。あるいは辰上に加わるは、古棺槨有るを主とす。
害者,直也,為長也。申亥為直源長塘。酉戌為直崗直隴。子未為直溪直塘,長溪長畔。丑午為長橋直坑。六合者,雙也。卯戌為雙峰,子丑為雙溪雙塘雙橋,寅亥為雙林雙塘雙墳,辰酉以新合舊,新冢溪澗之所。巳申為雙路,雙破損屋宅,新墳之所;午未為雙池,園亭,臺閣所藏。
いわゆる「六害」とは、「直」と「長」との意思を取る。申亥相害は筆直の水源と長塘とを主とし、酉戌相害は直崗・直隴を主とし、子未相害は直溪・直塘と長溪・長岸とを主とし、丑午相害は長橋と直坑とを主とす。いわゆる「六合」とは、「雙」の意思を取る。卯戌合は雙峰を主とし、子丑合は雙溪・雙塘・雙橋を主とし、寅亥合は雙林・雙塘・雙墳を主とし、辰酉合は新を以て旧に合すを是とし——新墳と溪澗の処とを主とし、巳申合は雙路・両処破損の屋宅と新墳の処とを主とし、午未合は雙池・園亭と台閣の蔵する所の地とを主とす。
三合者,三也,參差不齊也。寅午戌地名三峰,岩石穴竇中;亥卯未園林野基,居東;納音水日為三湖九江之所。申子辰為三溪三塘,始自西南,三日後定東也。巳酉丑為三坑三峰三隴之下。
いわゆる「三合」とは、「三」の意思を取り、また參差不齊を主とす。寅午戌三合火局は、地名「三峰」を帯びて、岩石洞穴の中に在るを主とす。亥卯未三合木局は、園林と荒野旧基とを主とし、方位東に居る。若し本日納音水に属せば、則ち三湖九江の一類の水郷を主とす。申子辰三合水局は、三溪三塘を主とし、起初西南に往きて、三日の後轉じて東方に定まる。巳酉丑三合金局は、三坑・三峰・三隴の下に在るを主とす。
五要権衡・遠近
知一伏吟近,返吟遠。又遠近用關梁,春寅卯辰以後丑為關,前巳為梁,即如元武加巳上,為五里內之數午未上。夏巳午未以辰為關,申為梁;秋申酉戌以未為關,亥為梁;冬亥子丑以戌為關,寅為梁。關內為近數,關外為遠數。關內十里以下,樑上五里以下,過關外又增,數有遠近推之。
およそ「知一」「伏吟」の一類の課体は近を主とし、「返吟」課は遠を主とす。此の外なお「関」「梁」を用いて以て遠近を定め得べし:春天当令なるは寅卯辰の三支——その後の一位の丑すなわち是れ関、その前の一位の巳すなわち是れ梁。たとえば「玄武」巳上に加われば、即ち是れ五里以内の里数、午・未の上に加われば此に依りて下に推す。夏天当令なるは巳午未——辰を以て関と為し・申を以て梁と為す。秋天当令なるは申酉戌——未を以て関と為し・亥を以て梁と為す。冬天当令なるは亥子丑——戌を以て関と為し・寅を以て梁と為す。関の以内に落つるは近数と算し、関を出づるは遠数と算す。関内は十里以下、梁上は五里以下、関を過ぎて外に往けばなお遞増し、数目すなわち遠近に照らして去りて推算す。
三合主三日百里外;六合,主五里、五十里。木三里、三十里。樑上近數,土主五里,木三里,金四里,火二里,水一里。
およそ三合局を成すは、三日の内・百里以外を主とす。六合を成すは、五里あるいは五十里を主とす。木に属するは三里あるいは三十里を主とす。若し梁上に落つれば、用る所は近数:土に属するは五里を主とし、木に属するは三里を主とし、金に属するは四里を主とし、火に属するは二里を主とし、水に属するは一里を主とす。
關外遠,潤下三百里,炎上、曲直、稼穡、從革二百五十里,遊子遠去千里。天罡為陽關,三傳過辰上,主去遠。河魁為陰關,三傳過戌上,主遠去。遠道可上下相加,如戌加申,戌五申七五七三十五里,三百五十里遠。若旺相倍而增之。用神囚死,因而減數。三傳日辰見六丁及馬、太陰、太乙、神后主逃者遠,不可追也。
関を出でれば即ち遠と算す:納音「潤下」の水に属するは三百里を主とし、「炎上」の火・「曲直」の木・「稼穡」の土・「従革」の金に属するは皆二百五十里を主とす。若し「游子」殺に逢えば則ち遠く去りて千里を主とす。「天罡」辰は是れ陽関——三伝辰位を経過するは、去ること遠きを主とす。「河魁」戌は是れ陰関——三伝戌位を経過するは、も遠く去るを主とす。路程遠きは上下両神の数を以て相加相乘し得べし——たとえば戌の申上に加われば、戌数五・申数七、五七三十五——即ち是れ三十五里、一位を進めば便ち三百五十里の遠なり。若し旺相に逢えば、則ち加倍遞増す。用神囚死の地に落つれば、則ち数に照らして減去す。三伝と日辰上に六丁神および駅馬・太陰・太乙・神后を見るは、皆逃亡の人の去ること遠く、追趕し得ざるを主とす。
五要権衡・前後
支前為前,支後為後。陰為前初傳也,再傳為後。假如天罡為墳,地盤上辰,上見酉,為前,酉為門戶,上見朱雀,前門有符篆。再傳酉,上見寅為後,上乘白虎,後有石虎或廟宇之類。
日支の前の位置は「前」と算し、日支の後の位置は「後」と算す。三伝に就いて論ずれば、陰神の起し出す初伝は前と算し、再び伝え出すは後と算す。たとえば「天罡」辰は墳墓を主とし、地盤の辰位の上頭に酉を見れば、此れ即ち是れ前——酉また門戸を主とし、若し酉上に「朱雀」を乗ぜば、則ち墳前の門上に符篆を貼りたる有るを主とす。再伝して酉を得、酉上また寅を見れば、此れ即ち是れ後——寅上若し「白虎」を乗ぜば、則ち墳後に石虎あるいは廟宇の一類の東西有るを主とす。
五要権衡・高下(附左右)
日上發用為高,辰上發用為下。假如占訟,在高為吊,在低為縛。占失物,用在日上,物在高處;用在辰上,物在低處。“高下”之前,原本失抄一節:左右 子作宅,丑為左鄰,亥為右鄰,午為對鄰。看其上所見之神,與日干上神,比和為順,刑戰為不睦。假如左右上下之神,自克其下,彼家凶衰。若白虎死氣則死喪,朱雀則口舌,元武則盜失之類也。
日干上より発用するは高と算し、日支上より発用するは低と算す。たとえば官司を占うに、事高処に在るは吊り起せらるるを主とし、事低処に在るは捆縛せらるるを主とす。遺失の東西を占うに、用神日干上に在れば、東西高処に在り。用神日支上に在れば、東西低処に在り。原書は「高下」の一条の前に「左右」の一節を抄漏し——その文是れ:子を以て自己の住宅と為し、丑を左鄰と為し、亥を右鄰と為し、午を對門の鄰と為す。此の幾位の上頭に見る所の神を看て、日干上神と相比す:比和は両家の和順を主とし、刑剋交戦は両家の不睦を主とす。假如左右上下の神自ら去りてその下の地盤を剋せば、則ち那の一家の兇衰を主とす。若し上に「白虎」を乗じてまた死気に値すれば、那の家に死喪有るを主とす。「朱雀」を乗ずれば口舌是非を主とし、「玄武」を乗ずれば失盗を主とし——其の余此に照らして類推す。
五要権衡・名殊義同
式中名義多異名同實,故表出之。兄弟、比肩、劫財、奪財、羊刃,又曰比劫、奪刃。父母:印綬、印梟、本、日本、長生。妻、財。官鬼、克賊。子孫、救神、盜氣、又曰子、竊、耗、脫、散。
六壬式盤中の名目、往々にして名稱不同にして指す所是れ一回事——故に此に一幷に列出して對照す。日干と同類の「兄弟」は、また比肩・劫財・奪財・羊刃と曰い、も簡稱して比劫・奪刃と曰う。我を生ずる「父母」は、また印綬・印梟・本・日本・長生と曰う。我の剋する所を「妻」と曰い、も「財」と曰う。我を剋するを「官鬼」と曰い、も剋・賊と曰う。我の生ずる所の「子孫」は、また救神・盗気と曰い、も簡稱して子・竊・耗・脱・散と曰う。
日干、我、身、人。辰、支、他、彼、宅、地方、道行、下。將、天乙、天將、天官、貴人、上、外。神、月將、神后等也。天盤、天上、內、中。臨、加、覆、留、落、踏、陷、入。戰、傷。
「日干」の一名の下に、また我・身・人と稱す。「日辰」の一名の下に、また支・他・彼・宅・地方・道行・下と稱す。「将」の一名の下に、また天乙・天将・天官・貴人・上・外と稱す。「神」の一名の下に、また月将・神后等々と稱す。「天盤」の一名の下に、また天上・内・中と稱す。加臨の関係を表示するは、臨・加・覆・留・落・踏・陷・入の幾種の説法有り。相剋相犯を表示するは、戦・傷の両種の説法有り。
乘、為、作、得、建、被、持、帶、扶、助。伏、住。葉、賊、制、入、受、爭。氣、天時。來、遠近皆可。俱同。傳、傳歸、傳入、傳終、傳內、傳外、傳進、傳出回、傳旺、傳墓、傳生、傳絕。中末,兼地盤者。彼此、彼各、彼己、彼我、互遞、互相、遞相、支干上下,凡對言者,人宅雙為法等。停、均。
承載・充当・取得を表示するは、乘・為・作・得・建・被・持・帶・扶・助の諸説有り。潜伏不動を表示するは、伏・住の二説有り。相協・相侵・相制を表示するは、叶(即ち「協」)・賊・制・入・受・争の諸説有り。節候旺衰を表示するは、気と曰い、も天時と曰う。来去を表示するに「来」の字を用い、遠近皆此のごとく説き得べし、用法一律相同なり。三伝の説法に伝・伝歸・伝入・伝終・伝内・伝外・伝進・伝出回・伝旺・伝墓・伝生・伝絶の別有り。「中末」を説く時は、是れ地盤を連ねて一幷に計算を内に入る。およそ両々相對して言うは、彼此・彼各・彼己・彼我・互遞・互相・遞相・支干上下の諸説有り——人と宅との両辺幷舉して法を立つるは、皆此の一類に属す。均平不偏を表示するは、停・均の二説有り。
中式心法跋(明・朱恒)
右中式心法一通,皆恆有得於心者,與人談壬,未嘗出此。蓋自黃帝作式,曰太一壬遁,以人謀參之天,中式。蓋專理人事者也。夫心者,身之主,神明之舍也。法者,則也,效也。神而明之,可則可效。雖天一君,式中之尊,法天則地,開造化門,不有發斷,孰知其神?
以上の此の一篇《中式心法》は、皆我が朱恒平日心中の得る所——平生人と六壬を談ずるに、従来此の範囲を超出せず。黄帝式盤を創制してより、いわゆる「太一」「六壬」「遁甲」の三式有りて、皆人事の謀劃を拿って去りて天道を参験す——その中六壬の此の一式は、専ら人間の事を料理す。いわゆる「心」とは、是れ一身の主宰・神明の居する所。いわゆる「法」とは、即ち是れ準則・即ち是れ效法すべきの様式。能くその道を神明すれば、此の法即ち準則と作すべく、も效法に供すべし。虽かに「天一貴人」は式盤中至尊の神にして、天地を效法し・造化の門を開啓するを説くも、然れども若し発用して事を断ぜざれば、誰かまたその神妙を知ることを得ん。
達觀天一發微,維一為道,萬化之基,甲拆癸歸,亥子滋,莫不有數,觀數有原,巡入式門,端推五行,妙在生生,曰親曰疏,有喜有畏。述六親變化,惟權在中,量彼輕重,分明知識,定為五要權衡,名殊義同,總由中式法,以告來昆。洪武十年五月十日朱恆謹志。
通達して之を看れば、天一貴人の発用最も精微を見る:ただ此の一個の「一」便ち是れ道・是れ万物変化の根基。甲は草木の甲を剖りて萌すを主とし、癸は歸藏揆度して終るを主とし、亥子は水気滋生を主とし、一つとして定数を含まざる無し。而して此らの数目を観察すればまた皆本原の尋ぬべき有り。次第に循りて式盤の門に走り入り、端正に五行を推演すれば、その妙処全て生生不息の中に在り——於是に親有り疏有り、喜ぶべき有り、も畏るべき有り。我が六親の変化を叙述するに、関鍵は一個の「権衡」に在り——彼此の軽重を衡量し、見識を分辨して明白ならしめ、因りて《五要権衡》の一篇を定む。名稱不同にして意義相同なるの彼らの説法に至りては、も総じて《中式》の法に本づきて、一幷に寫して後来の同道に告ぐ。洪武十年五月十日朱恒謹記。
大六壬畢法略説
前後引從升遷吉(用在干前引,末在干後從),首尾相見始終宜。簾幕貴人高甲第,催官使者赴官期。六陽數足須公用(子、寅、辰、午、申、戌),六陰相逐盡昏迷(未、酉、亥、丑、卯、巳)。旺祿臨身徒妄作,權攝不正祿臨支。避難逃生須棄舊,朽木難雕別作為。
用神日干の前に落つるは、是れ前頭に於いて「引」路す。末伝日干の後に落つるは、是れ後面に於いて「從」行す。前有引・後有從は、昇遷の吉を主とす。初伝と末伝と首尾相顧り・彼此相見るは、事の始有り終有るを主とし、謀る所の何事なるを論ぜず皆相宜なり。夜貴人また「簾幕貴人」と曰い、之に逢えば科第高中を主とす。月建あるいは太歳貴人を乗じて来るを「催官使者」と曰い、赴任に期有るを主とす。三伝課体盡く是れ子・寅・辰・午・申・戌の六個の陽支なれば、陽数已に足る——占う所必ず公家の事。盡く是れ未・酉・亥・丑・卯・巳の六個の陰支なれば、陰気相逐い——則ち事事昏昧不明。日禄虽か旺なるもただ日干自身の上に臨むのみは、看るに有力に似て実は徒らに妄動して成す所無し。禄神干に臨まずして日支に臨むは、是れ權柄暫攝・名分正ならず。難を避け生を逃れんと要せば、則ち須く旧路を捨棄すべし。朽木もとより雕琢し難く、休囚死絶の神任用に堪えず——只好く別に打算を作す。
眾鬼雖彰全不畏,雖憂狐假虎威儀。鬼賊當時無畏忌,傳財太旺反財虧。脫上逢脫防虛詐,空上乘空事莫追。進茹空亡宜退步,踏腳空亡進用宜。胎財生氣妻懷孕,胎財死氣損胎推。
三伝官鬼虽か滿盤に顕露するも、ただ日干に気有り・救神の制伏有れば、則ち全然畏るるを要せず。縱使い心中憂懼するも、那也不過是れ狐仮虎威の空架子のみ。官鬼賊爻縱使い令に当たり時を得るも、制有れば則ち畏忌する所無し。反って、三伝の伝う所の財爻太過旺盛なれば、財多くして身弱し、反って破財虧損を主とす。脱気の上また脱神に逢うは、人の虚詐欺騙を受くるを提防するを要す。空亡の上また「天空」を乗ずるは、事落空して、必ずしもさらに去りて追求するを要せず。「進茹」連珠の課にして空亡に落つるは、退步するに宜しくて前進するに宜しからず。踏む所の地盤空に落つるは、反って進取取用するに宜し。「胎神」と財爻と同じく生気を乗ずれば、妻室懐孕を主とす。胎神財爻若し死気を乗ぜば、則ち損胎小產の上に往きて推斷するを要す。
交車相合交關利,上下皆合兩心齊。彼求我事支傳干,我求彼事干傳支。金日逢丁凶禍動,水日逢丁財動之。傳財化鬼財休覓,傳鬼化財錢險危。眷屬豐盈居狹宅,屋宅寬廣致人衰。
干支上下の神交錯相合するを「交車相合」と曰い、交易關説の一類の事に利有るを主とす。上下皆相合するは、彼此両下同心を主とす。三伝日支より日干に向りて伝うは、是れ對方の来りて我を求むるの事。日干より日支に向りて伝うは、是れ我の去りて對方を求むるの事。庚辛金日「丁神」に遇上れば、兇禍発動を主とす。壬癸水日丁神に遇上れば、則ち財物発動を主とす。三伝財爻に由りて官鬼に轉化すれば、銭財便ち必ずしも去りて尋覓するを要せず。官鬼に由りて財爻に轉化すれば、銭虽か有るも而其中に兇険を蔵る。家中人口豊盈にして狭小の屋子に住すれば、是れ人宅に勝つ。屋宅過於寛廣にして人丁稀少なれば、反って人口衰敗を招致す。
三傳遞生人舉薦,三傳互克眾人欺。有始無終難變易,苦去甘來樂里悲。人宅受脫俱招盜,干支皆敗事傾頹。末助初兮三等訟,閉口卦體兩般推。太陽照武宜擒賊,后合占婚豈用媒。
三伝輾轉相生すれば、人の中より挙薦提拔する有るを主とす。三伝彼此交剋すれば、処処衆人の欺凌を受くるを主とす。課体始有りて終無きは、事変通改易し難し。先苦後甘なるも、も要して楽極まりて悲を生ずるを防ぐべし。日干は人と為り・日支は宅と為る——人と宅と皆脱気に泄せらるれば、盗賊を招惹するを主とす。日干日支皆敗地に落つれば、事必然に傾覆頽敗せん。末伝初伝を生助すれば、官司須く三等に分ちて去りて看るべし。「閉口」課の課体は、則ち両種不同の推法有り。「太陽」月将「玄武」に照臨すれば、捕捉擒拿して盗賊を獲るに宜し。「天后」と「六合」と幷見して来りて婚姻を占えば、両情自然に相合——あにさらに媒人を用るを須いんや。
富貴干支逢祿馬。〔第四十二法〕尊崇傳內遇三奇。害貴訟直作曲斷,課傳俱貴轉無依。晝夜貴加求兩貴,貴人差迭事參差。貴雖在獄宜臨干,鬼乘天乙乃神祗。
日干日支上に禄神と駅馬とに遇見すれば、富貴を主とす。以下是れ第四十二法:三伝の内「三奇」に遇うは、尊崇顕貴を主とす。「六害」貴人を傷れば、官司を打つに本来理直なるも、反って理曲と判成せらる。一課三伝処処是れ貴人なれば、貴多くして反って依憑する所無し。昼貴・夜貴の両重貴人一齊に加臨すれば、同時に両処の貴人を求め得べし。貴人前後交錯顛倒すれば、謀る所の事就いて參差不齊ならん。貴人虽か「獄」の位に落つるも、ただ日干の上に臨まば仍お用い得べし。官鬼「天乙」貴人を乗ずれば、那多くは是れ神祇の作祟なり。
兩貴受克難干貴,二貴皆空虛喜期。魁度天門關隔定,罡塞鬼戶任謀為。兩蛇夾墓凶難免,虎視逢虎力難施。所謀多拙逢網羅,天網自裹己招非。費有餘而得不足,用破身心無所歸。
昼夜両重の貴人皆剋制を受くれば、就いて去りて貴人を干求し難し。両重の貴人皆空亡に落つれば、那の点の喜訊不過虚期の一場。「河魁」戌亥位天門の上に加われば、関隔已に定死して、事を謀るに通ぜず。「天罡」辰巳位鬼戸を塞住すれば、邪祟出入を得ず、反って任意に謀為すべし。前後両条の「螣蛇」墓神を夾住すれば、兇事免れ難し。「白虎」前に当たりてまた白虎に逢えば、両虎相持して、気力施すに由無し。謀る所多くは拙笨にして成らざるは、那是れ天羅地網に逢着せるなり。天網自ら己を纏裹すれば、即ち是れ自ら是非を招く。費し去るの余り有りて得て回るの足らず——用神破せられ、身心皆帰着するの処無し。
華蓋覆日人昏晦,太陽射宅屋光輝。干乘墓虎無占病,支乘墓虎有伏尸。彼此全傷防兩損,夫婦蕪淫各有私。干墓並關人宅廢,支墳財並旅程稽。受虎克神為病症,制鬼之位乃良醫。
「華蓋」の此一の神殺日干の上に覆蓋すれば、人の昏昧晦滯を主とす。「太陽」月将日支の上に照射すれば、屋宅の光輝煥発を主とす。日干上に墓神を乗じまた「白虎」を乗ずれば、病を占うに宜しからず。日支上に墓神を乗じまた白虎を乗ずれば、宅中に伏尸旧殃有るを主とす。彼此両辺皆傷剋を受くれば、両下俱に損するを防ぐを要す。夫と婦と各自淫佚にして檢せざるは、是れ各々私情有るなり。日干墓に入りてまた関隔に逢えば、人と宅と皆敗廃せんと要す。日支墳墓に坐して財爻幷見すれば、旅途行程必ず耽擱せられん。白虎に剋せらるる那の個の神は、即ち是れ病症の在る所。能く官鬼を制伏する那の個の位置は、即ち是れ良醫の在る所。
虎乘遁鬼殃非淺,鬼臨三四訟災隨。病符克宅全家患,喪吊全逢掛縞衣。前後逼迫難進退,空空如也事休追。賓主不投刑在上,彼此猜忌害相隨。互生俱生凡事益,互旺皆旺坐謀宜。
「白虎」遁干の得る所の官鬼を乗ずれば、災殃浅ならず。官鬼第三課・第四課の上に臨めば、官司と災禍と踵を接して来らん。「病符」日支住宅を剋制すれば、全家病むを主とす。「喪門」「弔客」両殺齊しく見れば、家中素白の孝衣を掛ぐるを要す。前後皆逼迫せられて住すれば、進退両難なり。上下空空如たれば、事必ずしもさらに追求するを要せず。賓主両辺情意投ぜざるは、那是れ「刑」上神に落つるなり。彼此猜忌して安んぜざるは、那是れ「六害」の相随うなり。上下互相生助し・彼此皆生気を得れば、凡事益有り。上下互相旺相し・彼此皆旺気を得れば、安坐して圖謀する皆相宜なり。
干支值絕凡謀決,人宅皆死各衰羸。傳墓入墓分憎愛,不行傳者考初時。萬事喜忻三六合,合中犯殺蜜中砒。初遭夾克不由己,將逢內戰所謀危。人宅坐墓甘招晦,干支乘墓各昏迷。
日干日支皆絶地に値すれば、およそ謀望有るは皆断然として了決するを要す。人と宅と皆死気に落つれば、両辺各自衰弱羸弱なり。三伝墓に由りて出でて還お墓中に入るは、可憎なるか可愛なるかを分清するを要す。伝を発せざるの伏吟の類に遇上れば、則ち頭を回して去りて初伝と占時とを考究す。万事歓欣は、多くは是れ三合・六合に逢着す。但し合中若し兇殺を犯せば、那便ち是れ蜜裏に砒霜を蔵る。初伝一開頭に上下の夾剋に遭えば、事自ら主作するに由らず。天将と乗ずる所の神と内部交戦すれば、謀る所の事就いて危険ならん。人と宅と皆墓上に坐すれば、甘心して晦気を招く。日干日支各自墓を乗ずれば、両辺皆昏昧迷惘す。
任信丁馬須言動,來去俱空豈動宜。虎臨干鬼凶速速,龍加生氣吉遲遲。妄用三傳災福異,喜懼空亡乃妙機。六爻現卦防其克,旬內空亡逐類推。所筮不入仍憑類,非占現類勿言之。常問不應逢吉象,已災凶逃返無疑。
「丁神」と駅馬とを見れば、盡くそれに言語走動の事有るを断じ得べし。但し若し来去両頭皆空亡に落つれば、あにさらに動作するに宜しきを談ぜんや。「白虎」日干の官鬼上に臨めば、兇事来ること極めて速し。「青竜」生気の上に加われば、吉事却って来ること遲緩なり。胡乱に三伝を取用すれば、災と福との断法就会に兩歧せん。喜ぶべき・懼るべき皆空亡を看るを要す——此れ始めてその中の妙機なり。六爻卦上に現るるは、それの来りて相剋するを防ぐを要す。一旬の内の空亡は、も此の個の路子に照らして逐一類推す。占う所の事若し課伝中に現出せざれば、仍お類神に憑りて去りて断ず。本次の占するにあらずしてただ偶然現出するの類神は、就いて拿りて来りて亂説する勿れ。平常事を問うにもとより応験無く、却って忽然吉象に逢着す。已に災を成せる兇事忽然逃遁して去るは、も那是れ返照の機——必ずしもさらに疑うを要せず。
学壬決断七処
學壬決斷,先看七處:日、辰、三傳、年、命,次看類神,只在七處尋看。來問何事,各以類神決斷事情。然類神賅載事廣,姑舉一事略陳,它可類推。
六壬を学びて課を断ずるに、先ず須く「七処」を看定すべし——即ち是れ日干・日支・初中末の三伝・行年・本命の此の七個の地方。其の次始めて「類神」を看る——而して類神もまたただ此の七処に於いて尋找す。来人の問う所是れ何の事か、則ち各々那の件事の類神に按じて去りて決断す。不過類神の包羅する所の事情極めて広し——此の裏姑らく一件の事を挙げて略かに陳説を作し、其の余皆此に照らして類推すべし。
如占走失奴婢,要分三等,奴僕是男,婢妾是女。各有類神。戌、河魁、天空,奴之類神也;酉、太陰、從魁,婢之類神也。視七處上,此等類神落何宮,遇何神將神,有無刑沖破害及旺相休囚死,當令不當令,有氣無氣,落空亡否,然後就類神吉凶斷之,必無失矣。
たとえば奴婢走失を占うは、先ず須く等次を分清すべし:奴僕是れ男、婢妾是れ女——各々其の類神有り。戌支・河魁(戌の将名)と天空とは、是れ奴僕の類神。酉支・太陰と従魁(酉の将名)とは、是れ婢妾の類神。然る後此らの類神の七処のどの一宮に落つるかを察看し、上頭に何の神・何の天将に遇着し、刑・衝・破・害有るや無きや、是れ旺相かあるいは休囚死か、令に当たるか令に当たらざるか、気有るか気無きか、空亡に落つるや落つざるやを看る。此らを看定して、再び就いて類神の吉凶に於いて去りて断ずれば、必定に失なからん。
然壬書不一,斷路不同,如《心鐿經》、《中黃經》與《畢法》等書,皆並年命為一,泛言六處而直講。《通神集》及《斷經大要》以八法論也。八法者,又加入正時天上時,而去行年也。又《斷經》了了謂之六處,又各不同。
然れども六壬の書籍一家に止まらず、断法の門路も各々相同じからず。《心鏡經》《中黄經》と《畢法》の一類の書のごときは、皆行年と本命とを合并して一処と成し、籠統に「六処」と説成して径直に講り下去る。《通神集》と《斷經大要》とは則ち「八法」を用いて論を立つ——いわゆる八法とは、是れまた正時と天上時との両項を加進して、而して行年を把って去掉す。《斷經》の講る明白透徹するの処に至りては、また「六処」と稱作す——各家彼此一様ならず。
蓋以日辰、歲支、月建、來人方位、初傳用神而言,並去年命與中末三傳也。大抵以七處加正時金氏旁註“先鋒門”及時上貴人注“值事門”九處為主,更無別法矣。五要權衡終
《斷經》の六処は、是れ日辰・太歳の支・月建・来人の在る所の方位・初伝用神の此の幾項に就いて言う——行年・本命と中伝末伝とを把って皆一幷に去掉す。總じて説き来れば、なお是れ「七処」を以てさらに正時(金正音旁注:此を「先鋒門」と曰う)と正時上の貴人(旁注:此を「値事門」と曰う)とを加上し、合して九処と成して以て主と為す。此の外さらに別の法門無し。《五要権衡》の一篇此に至りて結束す。
司天苗達過将法
雨水前日卯初刻,太陽入衛用登明亥。春分後二巳一刻,入魯河魁作將明戌。穀雨後四亥初刻,入趙從魁用可稱酉。小滿後五酉三刻,入晉還須傳送興申。
此れ是れ月将交替(過将)の時刻と分野の歌。雨水の前一日卯時初刻、太陽行きて衛の分野に入る——此の後「登明」亥を取りて月将と為す。春分後第二日巳時一刻、太陽魯の分野に入り、改めて「河魁」戌を以て月将と為す。穀雨後第四日亥時初刻、太陽趙の分野に入り、改めて「従魁」酉を用いて月将と為す。小滿後第五日酉時三刻、太陽晉の分野に入り、則ち「傳送」申に換えて月将と為すべし。
夏至後四未一刻,入秦小吉用其名未。大暑後三巳一亥,入周先用勝光靈午。處暑後三巳二刻,入楚還當太乙迎巳。秋分後七寅三刻,入鄭天罡用去亨辰。
夏至後第四日未時一刻、太陽秦の分野に入り、改めて「小吉」未を用いて月将と為す。大暑後第三日巳時(原文「一亥」は当に刻数の訛と為すべし)、太陽周の分野に入り、先ず「勝光」午を以て月将と為す。處暑後第三日巳時二刻、太陽楚の分野に入り、則ち「太乙」巳を迎えて月将と為すべし。秋分後第七日寅時三刻、太陽鄭の分野に入り、改めて「天罡」辰を用いて月将と為し、事を行うに亨通す。
霜降後九丑三刻,太沖運動宋州城卯。小雪後七戌一刻,功曹將領入燕京寅。冬至後四刻一刻,入吳大吉便休停丑。大寒當日酉三刻,入齊神后歲功成子。卷之十四終
霜降後第九日丑時三刻、「太衝」卯将運轉し、太陽行きて宋の州城分野に到る。小雪後第七日戌時一刻、「功曹」寅将事を領し、太陽燕京の分野に入る。冬至後第四日刻時一刻、太陽呉の分野に入り、「大吉」丑に換えて月将と為せば便ち停當すべし。大寒当日酉時三刻、太陽齊の分野に入り、「神后」子を用いて月将と為し、一年の功候此に到りて圓滿す。巻之十四此に到りて結束す。
《管輅神書》巻之十五
論終身
干支傳課作提綱,先審安身無所傷。事業一生經歷處,存亡隱見莫胡詳。六壬課以干為主。干者,我也。其干支課傳上神皆我之用,有以首課入傳為終身經歷者,有以支起入傳為終身經歷者,有以干之陰神起傳為終身經歷者,有以支之陰神起傳為終身經歷者,有以初傳末傳作鬼歸干支為終身經歷者,皆以生干比干為上吉;若干克干上神,支課用上神為次吉,是安身無所傷也。此為上吉之數。
歌訣曰わく:一生の休咎を論ずるは、干支と四課三伝とを拿って総綱と作し、先ず自身の安んずるや安んぜざるや・傷を受ける有るや無きやを審察す。一生事業の経歴する所の地方は、存亡顯隱皆その中に在りて、胡乱に推詳すべからず、と。以下上文に承接して解説す:六壬課は日干を以て主と為し、日干即ち是れ「我」。干支・四課・三伝の上頭の神は、皆是れ我の用うる所の物。あるいは第一課に由りて伝に入りて以て一生の経歴を看る有り、あるいは日支より伝を起して以て看る有り、あるいは日干の陰神より伝を起して以て看る有り、あるいは日支の陰神より伝を起して以て看る有り、もあるいは初伝末伝を以て官鬼に化作して干支に歸りて上に来りて以て看る有り。此の幾種皆能く日干を生じ・能く日干と比和するを以て上吉と為す。若し是れ日干反って干上の神を剋し、あるいは日支の課支上の神を用うれば、次一の等の吉と算し、も安身して傷を受くる所無しと算して、仍お上吉の数に属す、と。
若干支上神、用傳上神或克害刑沖破干,是我身無所安著,以至絕嗣敗家,災訟喪命,終身無成,下等之數也。務宜詳之。若占功名,則以克我者為官,又從貴論,不在此限也。
若し是れ干支上神あるいは用神三伝上神反って来りて日干を剋し・害し・刑し・衝し・破すれば、則ち那是れ我の此の一身に安頓着落の処無くして、絶嗣敗家・災に遭い訟に渉り・性命を喪失し、終身一事成る無きに至る——此れ是れ下等の数、務必仔細に分辨するを要す。不過若し是れ功名を占わば、則ち別に当たりて論ず:功名を占うは剋我する者を以て官星と為し、また須く貴人の一路に按じて去りて論じ、上面の此の条の規矩の限制を受けず、と。
干祿得地可榮身,略有些傷支用尋。尋到好地方住腳,有些疑惑不堪停。承上言,既審上無所傷,尤宜看干上之祿神,得地則求名有祿,有祿可享,庶人有祿可用,九流百工技藝生意可資,要不空陷,並年命干支傳用又不來刑沖剋破,此祿斯謂祿無所傷,終身可守富貴,乃美數也。
歌訣曰わく:日干の禄神若し地を得れば、即ち以て此の身を榮顯すべし。禄稍く損傷有れば、便ち須く日支と用神との上に到りて別に着落を尋るべし。好地方に尋り到りて始めて脚に立つに足り、若しなお些かの疑礙有れば、則ち停留するに堪えず、と。以下上文に承接して解説す:既に日干上に傷を受くる無きを審明せば、尤其に該当して日干上の禄神を看るべし。禄神地を得れば、則ち名を求むるに禄の得べき有り、官と為るに禄の享くべき有り、平民に禄の用い得べき有り——九流百工・技藝買賣皆藉りて以て生を謀るべし。ただそれの空陷に落ちざらんこと、行年・本命・干支・三伝・用神また来りて刑衝剋破せざらんことを——此れ始めて「禄傷を受くる所無し」と曰う、終身富貴を守り得べし——是れ甚だ美なるの命数なり、と。
若祿被刑沖破陷,是祿有傷,既無所靠,則尋支上神之祿,或無祿則尋用傳上之祿神,無空陷刑沖破克害為吉。蓋干祿乃自身營為之祿,支祿家中現成之祿,用傳之祿,往來營求之祿也。三者得一為美數。如三者俱無或有祿不吉,則無所立腳,不可停守矣。
若し禄神刑衝破陷せられれば、即ち是れ禄損傷有り——既に靠りて住まる能わざれば、便ち去りて日支上神の禄を尋る。若し日支上もまた禄無ければ、則ちさらに去りて用神三伝上の禄神を尋る——ただ空陷に落ちず・刑衝破剋害に遭わざれば、即ち吉と算す。原來日干の禄は是れ自己經營掙り来るの禄、日支の禄は是れ家中現成の禄、三伝の禄は是れ往来奔走求め来るの禄。三者能くその一を得れば、便ち美数と算す。若し三者全て皆無く、あるいは虽か禄有るも而も并びに吉利ならざれば、則ち立脚の地無くして、可ならずさらに停留固守すべし。
或財或比或生身,無傷無克細推尋。得個穩中堪下腳,莫令衰敗又無存。如課傳無祿可依,當尋我之財,或比,或生,俱要無刑沖剋破害,方為平穩,可立腳矣。若有所傷而又入衰敗之鄉,則無靠也。
歌訣曰わく:あるいは財爻を看、あるいは比肩を看、あるいは我を生ずるの神を看る——務めて傷無く剋無きを要し、細細に推尋す。一個の穏当なる処を求め得て始めて脚を落とすべし——それをして既に衰敗しまた荡然として存せざらしむる莫れ、と。解説:もし課伝の中に靠るべきの禄無ければ、該当して我の剋する所の財爻を尋ね、あるいは我と同類の比肩、あるいは我を生ずるの印綬を尋ぬべし。此の幾樣皆刑衝剋破害無くして、始めて平穏と算し、以て脚跟を立て住むべし。若し既に損傷を受け、また衰敗の郷に落入せば、則ち依りて靠む所無し、と。
先審干上作元因,次把用傳配合尋。初不成傳方看二,方知此事得何因(原本作“若不成傳方看救,要知救我有何神”)。課無全吉,宜先尋干上以究共原因,次看用傳以審其運用。如初傳空克有傷,則看中傳末傳有何救我之神,何方可靠,何人可依,何事可為,雖不能成大富貴,亦為終身之依。數中無依,斯為下也。
歌訣曰わく:先ず日干上神を審して以て事の本原を求め、其の次用神三伝を把って配合して尋究す。初伝若し事を成さざれば、始めて第二伝を看る——此のごとくして始めて此の事の起因の何処に在るかを知る(原本此の両句「若不成伝方看救、要知救我有何神」と作る)、と。解説:一課の中全て皆吉象たること会せず——故に須く先ず日干上に於いて其の原因を尋究し、さらに用神三伝を看て以て其の運用を審察すべし。假如初伝空に落ち・剋せられて損傷有れば、則ち中伝末伝に何の我を救うの神有るかを看、然る後何方の靠れどきか・何人の依るべきか・何事の為すべきかを判斷す。たとい大富大貴を成就する能わざるも、も以て終身の依託と作すべし。若し数中依託すら無ければ、則ち那是れ下等なり、と。
然壬課有吉有凶,不可執一而論。如占功名,明無官星,或有官星而變空克,則又以暗遁得官星,父母得地無傷,所臨吉神吉煞,亦可取貴。如遁再凶,是功名不成矣。如常人占,明無財星,或有財星空克,又以暗遁得財星,父母得地無傷,所臨有吉神吉煞,亦可取財;若遁干又無所取,則財不聚矣。又有明吉而遁凶,亦為有害,務宜詳之。又察年命上神,與日干並用神,或生或比,或刑剋沖破害,方為得體也。
然れども六壬課に吉有り兇有りて、執定して一端に於いて論ずべからず。たとえば功名を占うに、明処に官星無く、あるいは虽か官星有るも空に落ち・剋せらる——此の時若し暗中の遁干上に官星を得着し、印綬父母また地を得て傷無く、臨む所皆吉神吉殺なれば、一樣に以て貴を取るべし。倘し遁干も又是れ兇なれば、那功名すなわち成る能わず。またたとえば常人の事を占うに、明処に財星無く、あるいは財星有りて空に落ち・剋せらるるも、若し遁干上に財星を得着し、印綬父母地を得て傷無く、臨む所また吉神吉殺有れば、も一樣に以て財を取るべし。若し遁干上も取るべき無ければ、那財すなわち聚まり攏らず。また明処吉にして遁干兇なる有りて、同様に害有り——務必細辨すべし。此の外なお行年・本命上神と日干および用神との間、是れ相生・比和なるか、還お是れ刑剋衝破害なるかを察看して、此のごとくして始めて断じ得て体を得たりと算すべし。
論空亡
卻有空亡臨吉神,吉神無倚不和平。惟有凶神臨日辰,就言其事主災迍。日辰空亡為真空亡,作事無力。在地曰孤,無妻可依;在天曰寡,無夫可依。凡凶神刑沖破害,宜空;若生我救我者,不宜空。如初傳空,末傳實,先雖無著,後卻有成。如中傳空,事將成而中止。如末傳空,事終無結果。
歌訣曰わく:若し空亡吉神の上頭に臨まば、吉神便ち依倚無くして、事就いて和順安寧ならず。ただ兇神實實在在として日辰の上に臨まば、始めて以て此の件の事の災難困頓を主とすると断じ得べし、と。解説:日干日支空に落ちて、始めて是れ「真空亡」——何事を做すとも力を使い上ぐる能わず。地盤上に落つるを「孤」と曰い、妻依る無きを主とす。天盤上に落つるを「寡」と曰い、夫依る無きを主とす。凡是れ兇神および刑衝破害は、皆空に落つるに宜し。若し是れ我を生じ・我を救うの神なれば、則ち空に落つるに宜しからず。假如初伝空にして末伝實なれば、起頭虽か着落無きも、後來終歸して成有らん。假如中伝空なれば、事將に成功せんとして却って中途に中止せん。假如末伝空なれば、事到底結果無し、と。
如占暴病、憂賊、爭訟,空則吉;久病占如空必主死;餘不吉,主人財走失。惟金水不嫌空,有生不為空,月將、太歲、月建、日、時、年、命填實為不空,不可全以空論。
假如急病を占い・盗賊を憂慮し・争訟の此の一類の事は、空に落つる反って是れ吉。但し久病を占うに若し空に逢えば、必定に死を主とす。其の余の事の空に逢うは皆不吉——多くは人口走失・銭財耗散を主とす。ただ金に属し・水に属するの支の空に落つるは忌諱と算せず。生気の来りて生ずる有るもまた真空と算せず。また若し月将・太歳・月建・日・時・行年・本命の任何かの一項の来りてそれを填實せば、則ち空亡の論と作さず——故に一概に空亡を拿って去りて断ずべからず、と。
如占墳宅,取支左空則空左,右空則空右,先吉而後空不嫌。如占六畜,逢空,看其地分,若採加不得位,必有損傷;採加得地臨生氣,雖空不妨。如占子孫帶空,縱有子是空中來,或奸生,或過繼。不然主有傷。如占才名,先實後空,主後有阻隔,不遂意,破財。如占買賣,帶空,不成。
假如墳地宅舎を占うは、就いて日支の左右を取りて以て看るべし:左辺空に落ちれば便ち是れ左首虚空、右辺空に落ちれば便ち是れ右首虚空。若し先に吉にして後に空に落つるは、倒れても妨げ無し。假如六畜を占うに、空に逢えば須くその落つる所の地分を看るべし:類神の加わる所の位若し地を得ざれば、牲口必定に損傷有らん。類神の加わる地を得てまた生気に臨まば、縱使い空に落つるも也要ならず。假如子孫を占うに空を帯ぶれば、縱使い兒子有るも、是れ空の中より得て来る——是れ私生ならずんば、即ち是れ過継なり。さらに然らざれば則ち子女の損傷有るを主とす。假如銭財と名聲とを占うに、先に實にして後に空なれば、後來阻隔有りて心に称わず、なお財を破るを主とす。假如買賣を占うに空を帯ぶれば、那是れ做し成る能わざるなり、と。
旬中空亡,當以類推。甲子旬中空戌亥,甲子乙丑空才、父,既入空,雖吉不可用;丙寅卯空官、子;戊辰己巳空兄、才;庚午辛未空父、子;壬申癸酉空官、兄。
一旬の中の空亡は、当に六親の類別に照らして去りて推すべし。甲子旬中戌亥の兩支空に落つ:甲子・乙丑の両日に於いては、戌亥の値する所是れ財と父母——既に空に入れば、虽か是れ吉神なるも取用すべからず。丙寅・丁卯の両日に於いて空に落つるは官鬼と子孫。戊辰・己巳の両日に於いて空に落つるは兄弟と財。庚午・辛未の両日に於いて空に落つるは父母と子孫。壬申・癸酉の両日に於いて空に落つるは官鬼と兄弟。
凡占有十惡大敗日,名無祿日。甲戌,乙巳,壬申,丙申,丁亥,庚辰,戊戌,癸亥,辛巳,己丑。此十日內無祿才空亡,故曰大敗,占身無才祿,決然不安,占壽無才祿,亦是不美。但看傳中有生,亦不死。直符克年方死。占官求才,俱為不利。
およそ占卜は「十惡大敗日」を留意するを要し——また「無禄日」と曰い、即ち是れ甲戌・乙巳・壬申・丙申・丁亥・庚辰・戊戌・癸亥・辛巳・己丑の此の十日。此の十日の内禄神と財爻と皆空亡に落つ——故に「大敗」と曰う。自身を占うに財無く禄無ければ、處境決然として安穩を得ず。壽数を占うに財無く禄無くば、も好兆頭にあらず。但し只要三伝の中に生気の来りて生ずる有れば、も還お死するに至らず。須く「直符」の来りて本命の年を剋するに到りて、始めて死を断ず。此の十日官職を占い・銭財を求むるに、皆利ならず。
用空入生,廢事再來。遇陰而昧,還是沈埋天空入空,旺相所合,中雖見阻,婚姻必吉。如用空居長生之地,是事不成而再發;傳入太陰在上,事雖露機而又入闇昧之地,將成又廢,畢竟是空,不可以值長生而謂事得再成也。
口訣曰わく:用神空に落ちて却って長生の上に坐すれば、廢掉せしの事還お会して再び来らん。若し「太陰」に遇上して轉じて昏昧に入れば、仍お要して沈埋して下去らん。(別に一条有り:「天空」空亡に入りて、若し旺相の神を得てそれと相合せば、事中間虽か阻碍を見るも、婚姻却って必定に吉利なり。)解説:假如用神空に落ちて長生の地に居るは、是れ事虽か成らざるも却って還お会して再び発動せん。但し若し太陰の上に伝われば、事已に機兆を露出せしも、却又って暗昧の地に落進み——眼看看くに成らんと要してまた廢す——歸根到底に還お是れ個の空——以てそれの長生に値するを因として事の能く再び成るを説くべからず、と。
用空入末,舊事再發。凶則宜避,凶則莫合。用作空亡而末傳歸於日上,主舊事再發,若帶吉神良將,則當為之而不可舍。若帶凶神惡將,則宜逃之而不可為。
口訣曰わく:用神空に落ちて末伝また日上に歸れば、旧事還お会して再び発作せん。若し是れ兇なれば則ち該当して躲避すべし、若し是れ兇なれば則ち要して去りて凑合する勿れ、と。解説:用神空亡と作して、末伝却って日干の上に歸れば、旧事の重新に発動するを主とす。此の時若し帯ぶる所是れ吉神良将なれば、則ち該当して勢に趁りて去りて做して放棄すべからず。若し帯ぶる所是れ兇神惡将なれば、則ち該当して逃開して做す可ならず、と。
空於其妻,其妻復歸。初雖有傷,後當再為。天空入空,又休又刑,婚姻虛喜,終見無成。支為宅為妻,入空是空於其妻也。若財亦然。先見其空而後有妻才入實,未娶者先難後成也。既娶者先奸後娶。若先空而末得子孫生之,亦主再娶。
口訣曰わく:妻位空に落つれば、妻子還お会して回り来らん——起初虽か損傷有るも、後來当に再び續ぐべし。但し若し「天空」また空亡に入り、既に休気に値してまた刑剋に遭わば、那婚姻不過是れ一場の虚喜——終究に成らず、と。解説:日支既に住宅を代表しも妻子を代表す——日支空に入れば即ち是れ妻位の空に落つる、財爻の空に落つるも一樣なり。若し先ず其の空を見て後來妻位・財爻填實せば、未娶のは是れ先難後成。已娶のは則ち是れ先に私情有りて而る後成婚す。若し先に空に落ちて末伝子孫を得て来りてそれを生ぜば、も再び一度娶るを主とす、と。
用見其妻,後入於空,半路斷絃,何日續終?發用見其妻才,或中末入空,主斷絃難續。妻雖入空,旺氣所鍾,一則有喜,一則病沖。初傳入空而中末歸旺,是空中有病,旺中有喜,是病中而得子也。“是病中”句金氏旁註“一喜一憂”四字。
口訣曰わく:用神上に妻位を見て、後來却って空亡に落入せん——半路の上に琴弦斷えたるに譬えん、何の日か始めて接續して底に到るを得ん、と。解説:発用妻財を見着して、而して中伝末伝空に落つるは、斷弦の後再び續ぎ難きを主とす。口訣また曰わく:妻位虽か空亡に落つるも、却って旺気の聚まる所有りて、一面に喜有り、一面また病の来りて衝犯する有らん、と。解説:初伝空に落ちて中末の両伝旺地に歸すれば、即ち是れ空の中に病を夾み・旺中に喜を含む——病中に於いて子を得るを主とす。金正音「是病中」の此の一句の旁に「一喜一憂」の四字を注せり、と。
空於其子,復見其子。子雖初乖,後還有濟。子發用入空,是初年難為子也。中末二傳而子星入實,是為後終有子。如末得父母生之,亦為有子。用見其子,復入於空。子雖相連,不見其終。用見子本有子,傳入空亡死絕鄉,中年必喪成家子,不然殘疾破家門。離鄉又背井,不送父母終。
口訣曰わく:子位空に落ちて後また子を見着せば、兒子起初虽か乖違するも、後來還お是れ指望有らん、と。解説:子孫発用して空に入るは、是れ早年に子を得ること難し。中伝末伝に子星填實すれば、即ち是れ後來終究に子有らん。若し末伝また父母印綬を得て来りて生ぜば、も一樣に子有るを主とす。口訣また曰わく:用神上に子を見着して、随即また空亡に落入せん——兒子虽か身辺に在りて接連するも、却って終局を看る能わず、と。解説:用神子を見るはもとより子有るの象なれど、但し空亡と死絶の郷とに伝入すれば、中年必ず那の個の家を成し得べきの兒子を喪掉するを主とす。然らざれば即ち是れ兒子殘疾にして門戸を敗破し、あるいは鄉を離れ井を背けて、父母の終を送る能わざるなり、と。
貴人於空,干貴反凶。當謁莫謁,當逢莫逢。貴人能解禍生福,若入空則不得力也。貴入於空,求名虛聲,傳入二死,不善其事。中末入二死,是慕功名終身無成也。中末逢生助,後猶有望也。
口訣曰わく:貴人空亡に落つれば、去りて貴人を干求して反って兇を招く——拜謁すべきは去りて拜謁する勿れ、會面すべきは去りて會面する勿れ、と。解説:貴人本來能く禍を解し福を生ず——一旦空に入れば便ち力を使い上ぐる能わず。口訣また曰わく:貴人空に入れば、功名を求めてただ個の虚名を落得すのみ。若し三伝さらに「二死」に入れば、此の件事就いて好結果無し、と。解説:中伝末伝死気・死神の二死の地に落進むは、是れ功名を仰慕して終身成る無し。若し中末生扶に逢えば、後來倒れて還お指望有らん、と。
地入於空,可免諸凶。任爾出入,自迪其功。凶將入空,諸凶可免,而出入有功。朱入於空,望文不就,執不如舍,進則難售。雀為文書,入空雖旺不就,不如別謀,是非則免。
口訣曰わく:地盤の神空亡に落入せば、各樣の兇険皆可な免去すべし——只管去りて出入往來せば、自然に能く功業を開出せん、と。解説:兇惡の天将空に落つれば、諸兇皆避免し得べし——門を出でて事を辦すに反って功有らん。口訣また曰わく:「朱雀」空に入れば、文書の事の辦し成る能わざるを指望す——固執するは捨棄するに如かず、硬く要して前進するも亦售出し難し、と。解説:朱雀は文書を主とす——空に入るの後縱使い旺相なるも事を成さず——別に出路を謀るに如かず、倒れて以て是非を免去し得べし、と。
六合入空,求財難通。不宜賣買,互見相攻。六合為才,婚姻和合之神,空則彼此不合而相攻。勾入於空,官無訟凶。在外莫見,在後莫容。勾乃爭鬥之神,入空訟無。外見有勾引,末傳見有後禍。又金氏注曰:一雲日前屬外,日後為內。
口訣曰わく:「六合」空に入れば、財を求むるに通暢し難く、買賣に宜しからず——双方反って彼此攻訐せん、と。解説:六合是れ財神、又は是れ婚姻和合を主とするの神——空に落つれば則ち彼此合する能わずして互相攻撃す。口訣また曰わく:「勾陳」空に入れば、官府の中訟事の兇無し——外面に在りて去りて相見する勿れ、後頭に在りても去りて容留する勿れ、と。解説:勾陳是れ争闘の神——空に入れば則ち訟事自ずから消えん。若し外に在りて見れば、人の中より勾引する有るを主とす。若し末伝に在りて見れば、後來還お禍端有るを主とす。金正音また注す:一説日干の前は外に属し、日干の後は内に属す、と。
龍入於空,仍作我妻。我妻見傷,難再言歸。青龍乃賢德之神,入空則傷妻。妻者,干支上神合也。龍入於空,仍作我財,一半可得,一半可諧。龍乃財喜之神,空則財可半得,不能全獲矣。
口訣曰わく:「青竜」空に入りて而して它又た我の妻位に充当せば、那便ち是れ妻子の受傷——さらに帰家を説き難し、と。解説:青竜本來是れ賢徳の神——空に入れば即ち妻を傷る。いわゆる妻とは、是れ日干日支上神と相合する那の一位を指す。口訣また曰わく:青竜空に入りて而して它又た我の財爻に充当せば、那便ち是れ一半得べし・一半心に称う、と。解説:青竜是れ財喜を主とするの神——空に落つれば則ち財ただ一半を得るのみ、全数手に到る能わず、と。
龍入於空,仍作我官。志雖慕貴,不得成歡。龍乃官貴之神,空則云云。天空入空,諸事無蹤。吉不作吉,凶不作凶。凡劫煞凶神加天空入空,俱有影無凶,凶吉不成。
口訣曰わく:青竜空に入りて而して它又た我の官星に充当せば、志向虽か富貴を仰慕するも、終歸して歓喜を得ず、と。解説:青竜是れ官貴を主とするの神——空に落つるの断法上面の説く所に照らして類推す。口訣また曰わく:「天空」さらに空亡に落入せば、諸事皆蹤影無くして、吉の成じて吉と為らず、兇のも成じて兇と為らず、と。解説:およそ劫殺の一類の兇神天空上に加わりて而又空に入るは、皆是れ影子有りて実禍無し——吉凶の両頭皆実処に落ち得ず、と。
白虎入空,見凶不凶,宜於出往,反得其功。白虎凶空,更末傳吉將,反得其功,可任意出外。常入於空,喪吊又逢,為親為服,何事匆匆?太常孝服神,帶喪吊,主親服,百事不遂,安得匆匆?
口訣曰わく:「白虎」空に入れば、兇象を見着して却って并びに兇ならず——出行前往するに宜しく、反って能く功業を成就せん、と。解説:白虎虽か兇なるも而して空に落ち、若し末伝さらに吉将を乗ぜば、反倒って功を得て、随意に出外すべし。口訣また曰わく:「太常」空に入りて、また逢い上ぐるに喪門弔客——是れ親人の為に孝服を穿く、還お忙忙碌として何を做さん、と。解説:太常もとより是れ孝服を主とするの神——さらに喪門弔客を帯ぶれば、親人の為に服喪するを主とし、百事皆順遂ならず——あに還お能く匆匆として為有らんや、と。
胎喜入空,有鬼在上,即日離身,子母無恙。此條想是金氏所增。常入於空,作官不蒙。雖有天馬,亦莫騰通。常又為印綬,空則不沐朝賜,安能飛騰?
口訣曰わく:胎神喜神空に入りて、上頭また官鬼有れば、那病災当日に就いて身を離れ、母子皆平安無事ならん。(此の一条大約是れ金正音後來の増補。)口訣また曰わく:太常空に入れば、官を做して恩沢を得着せず——縱使い「天馬」有るも、も騰達して起る能わず、と。解説:太常また印綬を主とす——空に落つれば則ち朝廷の賞賜を受け得ず——あに還お能く飛黄騰達せんや、と。
常入於空,求財不成。當安不安,當行不行。“安”字旁註“守”字,“行”字旁註“窮”字。常又為財神,空則財不能就。若傳課無依,當守窮而不可妄動妄為也。
口訣曰わく:太常空に入れば、財を求めて成らず——安處すべきは安り下る能わず、行動すべきは行い出ずる能わず、と。(金正音「安」の字旁に「守」の字を注し、「行」の字旁に「窮」の字を注せり。)解説:太常又是れ財神——空に落つれば則ち財求めて成らず。若し課伝の中別に依靠無ければ、則ち該当して清貧に安守して、胡乱に行動し・胡乱に作為すべからず、と。
胎喜無空,無鬼不旺。雲子云亡,焉雲得當。此條亦必金氏所增。玄入於空,謀害不凶。疑其盜失,無入吾宮。玄武為謀害神。陰后入空,女詐不逢。反得陰利,而有後通。太陰天后,女詐之象。
口訣曰わく:胎神喜神空に落ちずして、却又って鬼の来りて生扶する無くして旺気を得ず——説いて子有りとも罷り、説いて子無しとも罷り——如何に説くとも皆妥当と算せず、と。(此の一条も必ず是れ金正音の増補。)口訣また曰わく:「玄武」空に入れば、謀害の事成じてその兇と為らず——虽か疑心して盗を遭い遺失せんと要するも、賊も我の家門に進入する能わず、と。解説:玄武本來是れ謀害を主とするの神。口訣また曰わく:「太陰」「天后」空に入れば、婦女の欺詐すなわち遇着せず——反って能く陰私の中より利を得て、日後還お通達の機有らん、と。解説:太陰と天后とは、正に是れ婦女奸詐の象徵、と。
論空亡鬼と作す
空亡作鬼帶負謾,陰空相乘事欺慢。空鬼帶負謾,乘天空太陰,主有欺瞞騙害之事。謾語,正午順十二。空亡作鬼帶五盜,大耗相乘有失耗。空鬼乘玄武五盜二耗,其賊必自空中而來。財是空中而去。失耗之事不免。五盜,正丑逆十二。大耗,正戌逆十二。小耗正卯逆十二。凡神煞下見於《六壬經緯》者,朱標出之,此條晴崖硃批。
口訣曰わく:空亡官鬼に充当して而又「負謾」の殺を帯び、再び太陰・天空の此の両個の陰晦の神を乗ぜば、占う所の事人の欺瞞怠慢する有らん、と。解説:空鬼負謾を帯び、また天空・太陰を乗ずれば、欺瞞詐騙・暗中加害の事有るを主とす。「謾語」殺の起法:正月午に起り、順行して十二支を経る。口訣また曰わく:空亡官鬼に充当して「五盗」を帯び、再び「大耗」と同乗すれば、必ず失落耗散有らん、と。解説:空鬼玄武・五盗と大小二耗とを乗ずれば、那賊必定に空処より来りて、財物も空処より去る——失落耗散の事免れんとする所無し。「五盗」は正月丑に起り、逆行して十二支を経る。「大耗」は正月戌に起り、逆行して十二支を経る。「小耗」は正月卯に起り、順行して十二支を経る。およそ神殺《六壬經緯》の中に查得する有るは、皆朱筆を用いて標出す——此の一条是れ晴崖の朱批、と。
空亡作鬼帶馬丁,有人逃出事忙忙。空鬼帶丁馬,必有人逃出,不然則主離鄉過繼之事。支是天空,行人信通。帶喜尤妙,不宜入空。天空乃文書走報神,加支上,有外信入家,入空,不以信論。
口訣曰わく:空亡官鬼に充当して而して駅馬と丁神とを帯ぶれば、必ず人の逃走出去る有りて、事忙乱して堪えず、と。解説:空鬼丁馬を帯ぶれば、一定に人の出逃する有らん。然らざればも離郷背井・他人に過継するの事を主とす。口訣また曰わく:日支上是れ「天空」なれば、門を出でて外に在るの人に信息通じ来る有らん。さらに喜神を帯ぶればさらに妙なり——ただ是れ空に落つるに宜しからず、と。解説:天空本來是れ文書傳報を主とするの神——日支の上に加われば、外面の音信の家に傳わり来る有るを主とす。若し空に落ちたれば、則ち能わず以て信の来る有りと作して断ずべからず、と。
空亡剋日卻無依,孤單冷淡過生時。發用空鬼,主人無依,單冷過一生。貴雀作鬼,入於空亡,文字貴物,乃是其贓。用乘貴雀空鬼,文書貴物,乃當自嗔,餘以神煞詳之。
口訣曰わく:空亡来りて日干を剋すれば、人即ち依靠する所無くして、孤孤单単・冷冷清清として一辈子を過さん、と。解説:発用是れ空に落ちたるの官鬼——此の人一生依無く、孤单冷落として一世を過ごし尽すを主とす。口訣また曰わく:貴人と朱雀と官鬼に充当して而して空亡に落入せば、彼らの文書字據と貴重物件とは、正に是れ贓物の在る所なり、と。解説:用神貴人・朱雀を乗じて空鬼と作れば、およそ文書貴物の事皆ただ自家気を生ずるのみ——其の余さらに各種の神殺に按じて詳推すべし、と。
螣蛇作鬼,入於空亡,驚惶走失,又作火類。用雖入空,不免驚惶,走失火光之事。朱雀作鬼,入於空亡,不無虛誕,信息為狂。六合作鬼,入於空亡,文詞為美,亦宜自防。文詞喜美中,亦宜慎之。
口訣曰わく:「螣蛇」官鬼に充当して而して空亡に落入せば、驚慌と走失とを主とし、また火燭の類を主とす、と。解説:用神虽か空に落ちたるも、仍お免れずして驚惶失措、および人口走失・火光の災と為るの事有らん。口訣また曰わく:「朱雀」鬼と作して空亡に入れば、免れ難く虚妄不実の言有りて、音信もまた狂誕に近し。口訣また曰わく:「六合」鬼と作して空亡に入れば、文詞虽か好く美なるも、も該当して自家提防すべし、と。解説:文詞固然として喜ぶべく美なるも、その中仍お慎重なるに宜し、と。
勾陳作鬼,入於空亡。內勾外連,尤防其殃。青龍作鬼,入於空亡,喜中見賊,亦宜自防。天空作鬼,入於空亡,尤防暗損,諸事微茫。白虎作鬼,入於空亡,殺傷鬥訟,又作驚惶。
口訣曰わく:「勾陳」鬼と作して空亡に入れば、内に人の勾結有り・外に人の牽連有りて、尤其に須く此の場の禍殃を防ぐべし。「青竜」鬼と作して空亡に入れば、喜慶の中に賊害を夾みて、も該当して自家提防すべし。「天空」鬼と作して空亡に入れば、尤其に須く暗中の虧損を防ぐべし——諸事皆渺茫にして明らかに難し。「白虎」鬼と作して空亡に入れば、殺傷・闘毆と訟事とを主とし、また一場の虚驚を主とす。
太常作鬼,入於空亡,錢穀酒印,並失衣裳。玄琥作鬼,入於空亡,走失盜賊,亦當預防。太陰作鬼,入於空亡,陰謀相妒,婢妾死亡。天后作鬼,入於空亡,衣裳首飾,走失須防。
口訣曰わく:「太常」鬼と作して空亡に入れば、銭粮・酒食・印信の此らの事上に於いて手を失い、衣裳までも一幷に丟失せん。「玄武」(原文「玄琥」と作る)鬼と作して空亡に入れば、人口走失と盗賊とを主とし、も当に預め防備すべし。「太陰」鬼と作して空亡に入れば、陰謀と相互嫉妬とを主とし、婢女侍妾に死亡の事有らん。「天后」鬼と作して空亡に入れば、衣裳首飾の此の一類の東西須く丟失を防ぐべし。
論破神
破神最是不相宜,入干卻有內人欺。若是臨支被外侮,一切交遊總不如。破神,陽日後三辰,如子日見酉,寅日見亥;陰日前三辰,如丑日見辰,卯日見午。二破若在日干上,主家內鄰人欺。支上主外人朋友侮。干支互破,則外破內,內破外,交相破害。
歌訣曰わく:「破神」最も是れ相宜ならず——日干に進入すれば便ち自家の人の来りて欺く有り、若し日支上に臨まば則ち要して外人の欺侮を受けん——一切の交游往來總じて帰りて意に如わず、と。解説:破神の起法是れ——陽日は日後の第三辰を取る(子日に酉を見・寅日に亥を見るのごとし)、陰日は日前の第三辰を取る(丑日に辰を見・卯日に午を見るのごとし)。此の両種の破若し日干上に落つれば、家裏の人と鄰居との来りて欺負するを主とす。日支上に落つれば、外面の人と朋友との来りて欺侮するを主とす。若し日干日支彼此互いに破せば、即ち是れ外の内を破り・内の外を破りて、両下交いに破害す、と。
大抵逢破,凡事不成,才見破財,失物見破物,凶見破不成凶。貴人見破,則功名薦引,干貴不成。螣蛇見破,則牽連提帶,作事不久。朱雀見破,則文書口舌暗捺不行。六合見破,則賣買、交關、婚姻、納子不就。勾陳則爭鬥、田莊、墳墓、交關不就。青龍見破,則求財、婚姻、公文、案卷不舉。
大体に説けば、破に逢えば則ち凡事成らず:財爻破に逢えば則ち財を破り、失物破に逢えば則ち物件残破し、兇象破に逢えば反って兇を成さず。貴人破に逢えば、則ち功名挙薦・貴人を干求する皆辦し成らず。「螣蛇」破に逢えば、虽か牽連提携有るも、事を做して長久ならず。「朱雀」破に逢えば、則ち文書と口舌の事と暗の中に壓住せられて、行い通らず。「六合」破に逢えば、則ち買賣・交易關説・婚姻・収養子嗣皆成らず。「勾陳」破に逢えば、則ち争闘・田莊・墳墓・交易の事皆成らず。「青竜」破に逢えば、則ち財を求め・婚姻・公文・案卷皆舉辦して起る能わず。
天空見破,則文書、進納、奴婢不就,文學、舉業不成。元武破,則陰謀、賊黨不就,投師、立學不成。太陰破,則陰謀、金錢、關節不通。天后則恩澤、詔赦不來,婚姻不就。太常破則薦本、推官、婚姻、酒食中止。白虎破則道路防劫,武舉不成。金氏旁註曰:即月破是也,又隔四位相加。
「天空」破に逢えば、則ち文書・捐納・奴婢の事皆成らず、讀書挙業もまた成らず。「玄武」破に逢えば、則ち陰謀と盗黨の勾当と辦し成らず、師に拜して学に入るもまた成らず。「太陰」破に逢えば、則ち陰私の謀劃・金銭往來・疏通関節皆通ぜず。「天后」破に逢えば、則ち恩沢詔赦来らず、婚姻成らず。「太常」破に逢えば、則ち挙薦奏本・推挙官職・婚姻・酒食の事中途に於いて停止す。「白虎」破に逢えば、則ち路上須く搶劫を防ぐべし、武挙もまた考え成らず。金正音旁注して曰わく:此れ即ち是れ「月破」——別に一説有りて相隔ること四位にして加臨するを破と算す、と。
契者如便論神煞,必有損破不能饒。破即四破,驗神煞以審所破之由。歲破加於月破中,吉將相逢也不容。更有凶神與凶將,破財壞事主貧窮。歲月破入課為用,一破難為,又兼二破為用,則吉事不成,凶所不免。更有凶神凶將,財破事壞,貧窮到底無成立也。
歌訣曰わく:契合の際若し便ち去りて神殺を論ぜば、必定に損破有りて肯んじて饒過せざらん、と。解説:此の裏の破即ち是れ「四破」——須く神殺を験看して以て破せらるる所の缘由を審明すべし。歌訣また曰わく:歳破月破の中に加われば、縱使い吉将に遇上するも容れ下る能わず。さらに兇神と兇将とを加上せば、則ち須く財を破り事を敗り、人の貧窮を主とせん、と。解説:太歳の破と月建の破と課に入りて発用するは、単に是れ一破のみでも已に辦し難し——何の況んや二破同時に発用すれば、那便ち吉事成らず・兇事免れ難し。さらに兇神兇将の虐を助くる有れば、銭財破散し・事情敗壞して、一生貧窮して底に到り、一立する所無し、と。
沖者如何論神煞,必有橫禍審所招。沖即破碎煞。子午卯酉在巳,寅申巳亥在酉,辰戌丑未在丑。再詳神煞以審所招。或破或廢傳上居,事皆破廢不須疑。破者,年月日時四破;廢者,四廢。若用帶破廢煞,凡事不遂。
歌訣曰わく:「衝」に遇えば該当して如何様に神殺を論ずべきか——必定に横来の禍有りて、須くそれの何処より招き来るを審明すべし、と。解説:此の裏の衝即ち是れ「破碎殺」——起法是れ:子午卯酉の年月日は巳に在り、寅申巳亥は酉に在り、辰戌丑未は丑に在り。さらに別の神殺を詳參せば、即ち以て禍の何より来るかを審し出すべし。歌訣また曰わく:あるいは破あるいは廢三伝の上に落つれば、事皆破敗廃棄せん——必ずしもさらに疑うを要せず、と。解説:いわゆる破とは、是れ太歳・月建・日・時の此の四種の破。いわゆる廢とは、是れ「四廢」の殺。若し用神破殺廢殺を帯ぶれば、凡事皆順遂ならず、と。
碎在三傳事不成,中則狐疑末無後。破碎煞,才遇破才,事遇破事,物遇破物。初傳得之即不成,中傳得之狐疑不決,末傳得之,終無歸著。
歌訣曰わく:「破碎殺」三伝に落つれば、事成らず。中伝に落つれば則ち猶疑決せず、末伝に落つれば則ち下文無し、と。解説:破碎殺の此の一位——財爻それに遇上すれば則ち財を破り、事それに遇上すれば則ち事を敗り、物件それに遇上すれば則ち残破す。初伝それを得着すれば、事当下に就いて成らず。中伝それを得着すれば、中途狐疑して決斷する能わず。末伝それを得着すれば、到底歸着無し、と。
巳亥相沖有貴空,迷神關隔又相逢,要行不行語不通,凡事蕭條竟沒蹤。巳亥相加上乘貴人天空,巳亥自相沖,再加迷神關隔,要行不行,要語不語,主事趑趄也。
歌訣曰わく:巳亥相衝して而上頭また貴人・天空有りて、さらに「迷神」と「関隔」とに逢着せば、則ち那行かんと想うも行く能わず・説かんと想うも通ぜず——凡事冷落蕭條にして、竟に個の影子さえ無し、と。解説:巳亥相加して而上に貴人・天空を乗じ、巳亥本身また自ら相衝し、さらに迷神と関隔の両殺を加上すれば、於是に行かんと要するも行い得ず・説かんと要するも出ず——事の進退遲疑・舉步前ならざるを主とす、と。
人情斷絕見刑破,又臨衰敗主無親。或破或廢俱入傳,不是破殘帶疾籲。用傳帶破廢,凡事不成,謀不遂,若帶病符天鬼,主殘疾之人。
歌訣曰わく:人情の斷絶するは、是れ刑と破とを見着せるを因とす。さらに衰敗の地に落つれば、則ち六親靠る無きを主とす。また曰わく:あるいは破あるいは廢一齊に伝に入れば、此の人是れ身体破殘ならずんば、即ち是れ疾病を帯びて歎すべし、と。解説:用神と三伝と破殺廢殺を帯ぶれば、凡事成らず、謀る所遂わず。若しさらに「病符」「天鬼」の両殺を帯上せば、則ち是れ個の殘疾の人を主とす、と。
破侮須知忍在心,謾將狂語出傷人。但宜速閉毋令緩,好計方成勝且贏。用見四破,又見刑害、閉口、朱雀、謾語等神,破為神,人侮勿即以言傷人,宜當閉口含思,以計勝之,則破者豈能壞我哉?
歌訣曰わく:人の破壞欺侮に遭うは、須く此の口気を把って心裏に忍ぶを知るべし——胡乱に狂言を放出して去りて人を傷る勿れ。ただ該当して趕緊に口を閉じて、遲緩すべからず——好計策始めて能く成就し、既に勝ち且つ贏たん、と。解説:用神四破を見着し、また刑害・閉口・朱雀・謾語の此らの神殺を見れば、破殺既に象を成せり——人に欺侮せらるる時切に即ち言語を用いて去りて人を傷る可ならず——当に口を閉じて含忍し・静心して思量し、計謀を用いて去りて勝を取るべし——此のごとくして一來せば、那破殺また怎んぞ能く我を壊し得んや、と。
月破加於辰戌宮,其年必有跌傷凶。若加死氣患蒙朧,生氣加之喜氣濃。辰戌乃跌倒殺,發用月破加其上,主跌撲災。加死氣,主蒙朧之難。加生氣,雖危無事。歲破月上加玄空,必有逃走人不容。日上乘玄武天空,又加歲破,必有逃走出外之人。
歌訣曰わく:月破辰宮あるいは戌宮に加われば、此の一年必ず跌傷の兇有らん。若しさらに死気を加上せば、則ち須く一場の昏沈不明の病を害せん。生気を加上せば、反って喜気濃厚ならん、と。解説:辰戌の両位是れ「跌倒殺」——発用の月破それの上頭に加われば、跌扑の災有るを主とす。死気を加えれば、昏沉迷蒙の災難を主とす。生気を加えれば、虽か危険有るも却って終歸して無事なり。歌訣また曰わく:歳破月建の上に在りてまた「玄武」「天空」を加えれば、必ず人の出逃して收留し住む能わざる有らん、と。解説:日干上玄武・天空を乗じ、また歳破を加着せば、家中必定に逃走出外するの人有らん、と。
論刑衝害
刑者,殺之象,即三刑也,主上下不相合,剛柔不相濟,燥暴自害夾刃。凡入課者為吉為凶,吉多則輔吉為吉,凶多則輔凶為凶。旺相如乘車得馬,休囚如被禁加笞,主口舌凶惡憂擾失時。不空占病干謁賓主,在常人則取罪戾,惟宜捕捉,君子得之,則為威權,其名有四:
いわゆる「刑」とは、是れ肅殺の象——即ち是れ三刑——上下の相和合せず・剛柔の能く相済せざるを主とし、性情躁急暴烈にして自ら傷り、また両辺の刀刃を夾むるがごとし。およそ刑課に入るは、是れ吉なるか是れ兇なるか須く全局を看るを要す:吉象多きは、刑則ち吉を輔助して吉を成す。兇象多きは、刑則ち兇を輔助して兇を成す。刑旺相に逢えば、車を乘りてまた馬を得たるに譬えん。刑休囚に逢えば、拘禁せられてまた鞭笞を加上せらるるに譬えん——口舌・兇惡・憂擾と失時とを主とす。若し空亡に落ちずして疾病・干謁あるいは賓主往來の事を占わば、平常人の身上に於いて就いて罪過を招来せん——ただ盗賊を捕捉するの一類の事宜しく刑に逢うべし。官に居るの君子それを得着するに至りては、反って威權の象と成る。刑の名目共に四種有り:
一曰自刑。辰午酉亥自相刑害,落敗則別改更,自高自大,自作自受,自逞其能,自受其禍,死於非命。二曰無禮刑。子刑卯,卯刑子,是陽精生日,陽氣在子;而卯為日門,子為卯之卑位,而無卑恭。子為貪狼,卯為陰賊,死敗相刑,門戶不利,大小淫亂。如卯加子,明入暗出,水陸不通,子息不律。
第一種は「自刑」と曰う:辰・午・酉・亥の此の四支自ら刑害して自らを害す——若し敗地に落つれば則ち該当して別に改圖を作すべし。自刑の人自高自大・自作自受にして、自己の能耐を逞しうし、も自己の招き来るの禍を受け、甚至に非命に死するに至る。第二種は「無礼の刑」と曰う:子は卯を刑し・卯は子を刑す。太陽の精の生ずる所を因とし、陽気子位に蔵る。而して卯は是れ日出の門——子卯の卑下の位に居りて、却って肯んじて卑下恭順の礼を守らず。子また是れ「貪狼」、卯また是れ「陰賊」——両個の死敗の神互相に刑剋して、門戸不利・大人小孩皆淫乱の事有るを主とす。たとえば卯の子上に加わるは、即ち是れ明処より進み入りて暗処より出で去り、水路陸路皆通ぜず、子女の行為もまた法度を循らず。
三曰無恩之刑。寅刑巳,巳刑申,申刑寅,寅中有雜火,巳中有雜金,申中有雜水,故寅刑巳,刑中有害,舉動艱難,彼刑我斗,官事災殃。巳刑申,刑中有合,長幼不順,先犯後合,彼刑我解,冤讎相報。申刑寅,刑中沖破,人鬼侵凌,男女相繫,彼刑我動,殘賊相施。
第三種は「無恩の刑」と曰う:寅は巳を刑し・巳は申を刑し・申は寅を刑す。此れ是れ寅中に雜火を蔵し・巳中に雜金を蔵し・申中に雜水を蔵して、各自の生ずる所反って刑せらるる所を因とし——故に無恩と謂う。寅は巳を刑す——刑裏に害を帯びて、舉動艱難を主とし、対方の来りて我を刑すれば便ちそれと相闘して、因りて官司災殃を生出す。巳は申を刑す——刑裏に合を帯びて、長幼失序を主とし、先に冒犯して後に和好し、対方の来りて我を刑するも却って能く化解す——是れ冤仇彼此の相報なり。申は寅を刑す——刑裏に衝破を帯びて、人と鬼祟と一齊に侵凌するを主とし、男女互相牽連し、対方の来りて我を刑すれば便ち動く——是れ殘害賊傷彼此の相加なり。
四曰恃勢刑。上位在戌,寄旺四季,正旺在未,未恃旺而刑丑之冠帶。丑恃冠帶而刑戌,戌恃天刑而刑未之正旺。又曰:丑刑戌,戌遷其怒,自恃旬首而刑未;丑刑戌,刑中有暗鬼,乃貴刑賤,大刑小,刑禁官事。戌刑未,刑中有破,卑少凌長,妻財不豐,舉動不利。未刑日丑,刑中不破,大小不和,兄弟不順,或有喪服。發用逢之,多生災害。
第四種は「恃勢の刑」と曰う:土の上位戌に在り、土また辰戌丑未の四季に旺を寄せ、その正旺の位未に在り。未は自己の当旺なるに仗りて、去りて丑の冠帯の位を刑す。丑は冠帯気を得るに仗りて、また去りて戌を刑す。戌は自己の是れ天刑の位なるに仗りて、反って未の正旺を刑す。別の一説:丑は戌を刑し、戌此の股の怒気を轉嫁して出で去り、自己の旬首に居るに仗りて去りて未を刑す。丑は戌を刑す——刑中に暗鬼を帯びて、是れ貴者の賤者を刑し・大者の小者を刑す——刑罰拘禁と官司とを主とす。戌は未を刑す——刑中に破を帯びて、是れ卑幼の尊長を凌犯し、妻財豊ならず、舉動利ならず。未は丑を刑す——刑中に破を帯びず——大小不和・兄弟不睦を主とし、あるいは家中に喪服有らん。発用の処此らの刑に逢着すれば、多くは災害を生出するを要す。
刑干傷男,刑辰傷女。旺刑衰則福生,死刑旺則禍起。時刑干則憂小人,用刑時則行不利。善刑惡則無憂。惡刑善則凶至。刑月建不可訟人。刑日辰不可遠行,刑支干則人宅不安,干刑者速 ,支刑者緩。若上下相刑,又見日鬼,是氣象乖戾,反覆公訟無憂,不少緩矣。
刑日干上に落つれば男子を傷るを主とし、日支上に落つれば女子を傷るを主とす。旺神の衰神を刑すれば則ち福気生じ、死気の旺気を刑すれば則ち禍端起る。占時の来りて日干を刑するは、憂の小人身上に在るを主とす。用神の来りて占時を刑するは、出行利ならざるを主とす。善神の惡神を刑するは、憂うべき無し。惡神の善神を刑するは、兇禍即ち至らん。刑月建を犯すは、人と官司を打つべからず。刑日辰を犯すは、遠行すべからず。刑支干を犯すは、則ち人と宅と皆安寧を得ず。日干刑を受くるは来ること速く、日支刑を受くるは来ること慢し。若し上下互相に刑剋し、また日干の官鬼を見着せば、則ち那是れ気象乖張悖戾にして、官司反反覆覆し、憂患身に纏いて、一刻も松緩を得ず。
制御之刑,十干聚克,逆亂乃生,故加刑以制御。凡干支所加,戰鬥不出其下,甲刑申,乙刑酉,丙刑子,丁刑亥,戌刑寅,己刑卯,庚刑午,辛刑巳,壬刑戌,癸刑未。
此の外なお「制御の刑」有り:十天干一処に聚まりて互相に剋伐し、悖逆紛乱即ち生じ出づ——故に須く刑を加上して以て制伏駕御す。およそ干支相加の処は、交戦争闘皆その加わる所の地盤の下を出でず。その配法是れ:甲は申を刑し、乙は酉を刑し、丙は子を刑し、丁は亥を刑し、戊は寅を刑し(原文「戌」と作る——当に「戊」の字の訛なるべし)、己は卯を刑し、庚は午を刑し、辛は巳を刑し、壬は戌を刑し、癸は未を刑す。
沖者,擊動之煞。初雖有得,後必傾覆,主搖動,反覆不寧,在日身有遷,在辰宅有動。乘凶將損動,乘元武逃動,乘後陰暗動,乘元合盜失淫佚,出入更改,乘勾私邪、爭競、改易。子午沖,道路馳驅,男女交爭。謀動變遷;卯酉相加,門戶分異,失脫更改。寅申沖,人鬼刑傷,男女異心。巳亥沖,事多反覆,重求輕得。丑未沖,兄弟異心,謀事不遂。辰戌沖,悲喜雜異,貴賤不明,奴僕逃走,關節不行。大抵吉不宜沖,凶則散。
いわゆる「衝」とは、是れ撃動の殺。起初虽か略かに得る所有るも、後來必定に傾覆せん——搖擺動蕩・反覆不寧を主とす。日干に落つれば則ち自身に遷移有り、日支に落つれば則ち住宅に變動有り。兇将を乗ずれば損傷して動くを主とし、「玄武」を乗ずれば逃亡して動くを主とし、「天后」「太陰」を乗ずれば暗中に於いて動くを主とし、玄武六合を乗ずれば失盗と淫佚・出入更改とを主とし、「勾陳」を乗ずれば私邪・争競と改易とを主とす。子午相衝は、道路奔波・男女相争・事を謀るに變動遷徙を主とす。卯酉相加は、門戸分異・失脱更改を主とす。寅申相衝は、人と鬼祟と刑傷・男女異心を主とす。巳亥相衝は、事多く反覆し、重重に求索するも而して得る所甚だ軽し。丑未相衝は、兄弟異心・事を謀るに遂わざるを主とす。辰戌相衝は、悲喜交雜・貴賤不明・奴僕逃走・関節不通を主とす。大体に説き来れば、吉象宜しく衝に逢うべからず、兇象衝に逢えば反って消散す。
害者,侵損、凌害之象。陰陽不順,如水壅滯,如血未行,事多阻抑。子加未,事無終始,官災口舌。未加子,營謀阻滯,出入有災。丑加午,病訟多凶,夫婦不睦。午加丑,為卑小凌犯長上,事多不明,難得成就。
いわゆる「害」とは、是れ侵奪損傷・凌虐加害の象。陰陽順わず、水の壅塞せられて流れざるに譬え、血脈の未だ暢行せざるに譬えん——故に事多く阻碍壓抑有らん。子の未上に加わるは、事の頭有りて尾無きを主とし、官災口舌を招来す。未の子上に加わるは、經營謀劃の受阻を主とし、出入に災有り。丑の午上に加わるは、疾病と訟事と多く兇を主とし、夫妻和を睦せず。午の丑上に加わるは、是れ卑幼の尊長を凌犯し、事多くは不明不白にして、成就し難し。
寅加巳,為爭進相害,出入改動,退利進阻。巳加寅,作事艱難。卯加辰,為事下凌上之害,有虛聲,爭才阻隔。辰加卯,心緒不寧。申加亥,為疾詭之害,先阻後得,必無終始。亥加申,圖謀未遂,事無本末。酉加戌,闇昧凶。凡占口舌官非,守舊少恩。達者,妨也,在刑煞之間。
寅の巳上に加わるは、是れ争りて上進して彼此相害す——出入改動を主とし、退守すれば利有りて前進すれば受阻す。巳の寅上に加わるは、事を做して艱難を主とす。卯の辰上に加わるは、是れ下位の上位を凌犯するの害——虚名浮聲有るを主とし、財を争りて阻隔に遭う。辰の卯上に加わるは、心緒の安寧を得ざるを主とす。申の亥上に加わるは、是れ疾速詭詐の害——先に受阻して後に得る所有るを主とし、終究に頭有りて尾無し。亥の申上に加わるは、圖謀の達成する能わざるを主とし、事本末條理無し。酉の戌上に加わるは、暗昧不明の兇を主とす。およそ口舌官非を占うに六害に遇上せば、旧を守るに宜しく、しかも人の恩を得ること少なし。いわゆる「達」とは、即ち是れ妨礙——其の分量刑と殺との間に介す。
論丁神
丁神者,乃變動之神也。凡占惟庚辛日為凶動,壬癸日為財動。庚午辛未日見卯,因妻而凶動,因財而禍起。庚辰辛巳日見丑,因墓田而凶動,旺相為田,死囚為墓。庚寅辛卯日見亥,因子婿而凶動。庚子辛丑日見酉,因兄弟而凶動,並及己身庚為兄,辛為弟及己。庚戌辛亥日見未,因父母長上災而凶動。庚申辛酉見巳,因官鬼而凶動。
いわゆる「丁神」とは、是れ變動を主とするの神——本旬の中那の一位の丁を帯ぶるの干支の支を取りて丁神と為す。およそ占卜は、ただ庚辛日の兇事発動を主とし、壬癸日の銭財発動を主とす。庚午・辛未日の旬丁は卯に在り——卯是れ金の財——故に妻室に因りて兇動し、銭財に因りて禍を生ず。庚辰・辛巳日の旬丁は丑に在り——丑是れ土庫——故に墳墓田産に因りて兇動す。丑旺相の時は田産と作して看、死囚の時は墳墓と作して看る。庚寅・辛卯日の旬丁は亥に在り——亥是れ金の生ずる所の水・子孫と為る——故に兒子女婿に因りて兇動す。庚子・辛丑日の旬丁は酉に在り——酉は庚辛と同類にして兄弟と為る——故に兄弟に因りて兇動し、并且自身を牽連す(庚は兄と為り・辛は弟と為る——即ち是れ自己)。庚戌・辛亥日の旬丁は未に在り——未土金を生じて父母と為る——故に父母尊長に災有るに因りて兇動す。庚申・辛酉日の旬丁は巳に在り——巳火金を剋して官鬼と為る——故に官司鬼祟に因りて兇動す。
旬壬者,乃歸藏之所,與六丁相加,豈無所為?壬申癸酉見卯,因子息之才而凶動;壬午癸未日見丑,因官鬼之才而凶動;壬辰癸巳日見亥,因己身及兄弟之才而凶動;壬寅癸卯日見酉,因父母長上之才而凶動;壬子癸丑見未,因官司之才而凶動;壬戌癸亥日見巳,因妻妾之才而凶動。如癸丑日,干上未作初傳,不取其才,緣三傳火鬼,如蜜中砒也。
旬中の壬は、是れ水気の歸藏する所——それと六丁と相加せば、あに能く作為無からんや。壬申・癸酉日の旬丁は卯に在り——卯木是れ水の生ずる所の子孫——子息の一路の銭財に因りて兇動するを主とす。壬午・癸未日の旬丁は丑に在り——丑土水を剋して官鬼と為る——官鬼の一路の銭財に因りて兇動するを主とす。壬辰・癸巳日の旬丁は亥に在り——亥水日干と同類——自身および兄弟の一路の銭財に因りて兇動するを主とす。壬寅・癸卯日の旬丁は酉に在り——酉金水を生じて父母と為る——父母尊長の一路の銭財に因りて兇動するを主とす。壬子・癸丑日の旬丁は未に在り——未土是れ官——官司の一路の銭財に因りて兇動するを主とす。壬戌・癸亥日の旬丁は巳に在り——巳火是れ水の財——妻妾の一路の銭財に因りて兇動するを主とす。たとえば癸丑日は、日干上の未虽か初伝と為して発するも、却って能わずそれを取りて財に当たる——三伝是れ火・火は癸水の鬼と為れば、蜜裏に砒霜を摻れたるに譬えん。
凡丁神,逃亡得之,萬里遠遁;盜賊得之,隱匿難獲;婚姻得之,聚散成奸;病訟得之,幽冥難伸;為官得之,巡行查核。如帶蛇馬,主逃亡;帶虎主憂思;帶陰后主女人走;帶天空,奴婢逃亡;帶玄武,賊盜走失;帶朱雀,主音信;帶勾陳,兵遠來;帶青龍,主飛螣;帶六合,主遠行。
およそ丁神に遇うは:逃亡を占うのそれを得着は、万里の外に逃出するを主とす。盗賊を占うのそれを得着は、賊人隱匿して擒獲し難きを主とす。婚姻を占うのそれを得着は、聚散常無くして私通して姦を成すを主とす。疾病と訟事とを占うのそれを得着は、幽暗にして明らかに難く・冤情伸び難きを主とす。官を做すのそれを得着は、出で去りて巡行査核するを主とす。若し丁神「螣蛇」と駅馬とを帯ぶれば、逃亡を主とす。「白虎」を帯ぶれば憂思を主とす。「太陰」「天后」を帯ぶれば婦女の出走を主とす。「天空」を帯ぶれば奴婢の逃亡を主とす。「玄武」を帯ぶれば盗賊と走失とを主とす。「朱雀」を帯ぶれば音信有るを主とす。「勾陳」を帯ぶれば兵馬遠く来る有るを主とす。「青竜」を帯ぶれば飛騰の象を主とす。「六合」を帯ぶれば遠行を主とす。
帶三陽、三光、六儀、三奇等課,主官升財遂;帶三陰、魄化、喪門、伏殃、弔客,主病不可生;帶天網、天獄、官符、變動,有抑可伸,合中有變,新故有更。帶孤神、絕嗣、無祿,內中有復續之圖;亂首、贅婿、龍戰,有非常之變。
丁神若し「三陽」「三光」「六儀」「三奇」の此の幾種の課体を帯ぶれば、官職昇遷・銭財順遂を主とす。若し「三陰」「魄化」「喪門」「伏殃」「弔客」を帯ぶれば、疾病救活するに法無きを主とす。若し「天網」「天獄」「官符」および變動の神を帯ぶれば、原本壓抑を受くるの伸展し得べき・和合の中別に變故を生じ・新舊の間須く更替有るべきを主とす。若し「孤神」「絶嗣」「無禄」を帯ぶれば、その中反って接續復起の圖謀有らん。若し「亂首」「贅婿」「竜戦」の此の幾種の課体を帯ぶれば、則ち非常の變故有らん。
閉口不可開,斬關可斷。三交欲移,遊子不返。八專、泆女,久而生病;元首則吉凶在長上,犯者必動;重審則吉凶在下,犯者必成。比用有反戾之心,涉害有生禍之勢。反吟動於遠思,伏吟動其歸輿。又附蛇朱,卻來生怪。靜者欲動,動者不停。閒事欲起,舊事再生,遊子不返,帶吉則吉動,帶凶則凶動。
「閉口」課に遇えば、口開くべからず。「斬関」課に遇えば、事決断すべし。「三交」課に遇えば遷移を主とし、「游子」課に遇えば門を出でたる人の回らざるを主とす。「八專」「泆女」課に遇えば、日久しくして病を生ずるを要す。「元首」課に遇えば、吉凶皆尊長の身上に在りて、一旦觸犯すれば必定に発動せん。「重審」課に遇えば、吉凶皆下属の身上に在りて、一旦觸犯すれば必定に事を成せん。「比用」課に遇えば、人に乖違反覆の心有らん。「渉害」課に遇えば、禍端を生出するの勢有らん。「返吟」課に遇えば、動く所是れ遠行の心思。「伏吟」課に遇えば、動く所是れ家に歸るの車駕。若しさらに「螣蛇」「朱雀」を附上せば、反って要して怪異の事を生出せん。總じて丁神一動すれば、靜の動かんと想い、動の肯んじて停まらず。閑事生起せんと要し、旧事重ねて来らんと要し、門を出でたる人回還せず。吉神を帯ぶれば則ち吉事発動し、兇神を帯ぶれば則ち兇事発動す。
剛日伏吟有丁馬,行人即日見歸程;柔日馬丁雖出現,行人未必轉回程。伏吟課,凡事遲滯,行人不來,剛日帶馬丁、游煞,則可以望其來。柔日暫出可以至家,遠行未到也。游煞,正卯順十二。
歌訣曰わく:陽剛の日伏吟課に逢いて而して丁神駅馬有れば、門を出でたる人当日に就いて能くそれの路に上りて回り来るを見ん。陰柔の日虽か丁馬皆出現するも、門を出でたる人未だ必ずしも頭を掉げて回程せず、と。解説:伏吟課凡事遲滯して、行人来らず。但し陽日若し駅馬・丁神と「游殺」とを帯ぶれば、還お以てそれの回り来るを指望し得べし。陰日は則ちただ暫時門を出でたる人の能く家に到るのみ、遠行の人還お回り来る能わず。「游殺」の起法:正月卯に起り、順行して十二支を経る、と。
剛日伏吟名自任,可以委託於他人;柔日伏吟我自信,可以取信於自己。干之神固已主動,若傳於支上,有旬中之丁,或乘天驛二馬,亦靜而求動。如壬辰、戊午、丙辰、甲寅、庚申,此五日伏吟,乃有旬丁在傳內者;又癸未、己酉、辛亥、癸丑,通前共九日,訪人必出,先允後改,故名無任無信也。
歌訣曰わく:陽日の伏吟を「自任」と曰い——事以て别人に托付すべし。陰日の伏吟を「自信」と曰い——ただ能く自己に於いて信を取るのみ、と。解説:日干上の神本來動を主とす——若しさらに日支上に伝わり、また本旬の丁神有り、あるいは天馬・駅馬の此の両匹の馬を乗ずれば、則ち那虽か靜中に在るもまた動を求めるを要す。たとえば壬辰・戊午・丙辰・甲寅・庚申の此の五個の伏吟の日は、正に是れ旬丁の三伝の内に落つる。さらに癸未・己酉・辛亥・癸丑を加上し、前を連ねて共に九日——此の九日に逢いて去りて人を訪えば、人必定に門を出でて外に在り、事もまた是れ先に答応して後に卦を變ず——故に之を「無任」「無信」と曰う、と。
天馬逐月而論,課內無二馬旬丁者,謀事伏而不起。若無丁馬而人年命乘魁罡者,尤主速動。如庚子二八月占,天馬隨白虎入廟,反主不動,若訪人亦在外相遇。天馬,正月起午,順行六陽位。
天馬は須く月份に按じて推すべし。課内若し既に天馬駅馬の両馬無く・も旬丁無ければ、則ち謀る所の事就いて伏して起り来る能わず。若し虽か丁馬無きも、而して人の行年・本命上に「河魁」戌あるいは「天罡」辰を乗ずれば、反って動くこといよいよ速きを主とす。たとえば庚子日二月あるいは八月に於いて占えば、天馬「白虎」に随いて廟に入りて、反って動かざるを主とす。若し去りて人を訪えば、もただ能く外面の上に於いて碰上するのみ。天馬の起法:正月午に起り、順行して午・申・戌・子・寅・辰の六個の陽位を経る。
丁神靈靈,入於宅神,門移戶改,欲寧不寧。丁神旺相加宅,主家宅不寧,門哀改移之象。若年命傳課中有生支之神,此宅主修改,尤可居也。若無生支之神,又帶刑剋破耗空亡,則宅已變故而不可居也。
口訣曰わく:丁神靈動已まず、住宅を代表するの日支に進入すれば、則ち門を移し戸を改むるを要して、安寧せんと想うも安寧し得ず、と。解説:丁神旺相にして宅位上に加われば、家宅安んぜず・門戸改移の象有るを主とす。若し行年本命と三伝四課との中に日支を生扶するの神有れば、此の宅子ただ要して一番修改するのみ、還お以て住むべし。若し日支を生扶するの神無くして、反って刑剋・破耗・空亡を帯ぶれば、則ち此の宅子已に變故を出でて、さらに住む能わず、と。
丁神靈靈,必主死人。帶月厭為鬼,損財畜;帶三合喜神,有喜;帶劫煞、飛廉、飛禍、羊刃,有謀害。在卯辰巳午未申,禍生於日,日宜防之;在酉戌亥子丑寅,禍生於夜,夜宜防之。有救神可免其禍,無救神利於藏匿。滿日月之數方可出。
口訣曰わく:丁神靈動已まず、必定に人の死亡する有るを主とす、と。解説:丁神「月厭」を帯びて官鬼と作れば、銭財牲畜を損耗するを主とす。三合と喜神とを帯ぶれば、喜事有るを主とす。「劫殺」「飛廉」「飛禍」「羊刃」を帯ぶれば、人の謀害する有るを主とす。丁神卯・辰・巳・午・未・申の六位に落つれば、禍事白天に生じ、白天即ち該当して防備すべし。酉・戌・亥・子・丑・寅の六位に落つれば、禍事夜間に生じ、夜間即ち該当して防備すべし。救神有れば以て此の場の禍を免るべし。救神無ければ則ち藏匿躲避するに宜しく、須く日数月数満つるを等到して始めて頭を出だすべし、と。
丁神臨午合干,有貴人提帶,或招飯,出外立事。其吉神有皇書等吉,主功名事。飛廉正申順十二。飛禍春申夏寅秋巳冬亥。月厭正戌逆十二。
丁神午位に臨みて日干と相合すれば、貴人の提攜帶挈有るを主とし、あるいは請われて去りて飯を喫し、門を出でて外に在りて能く事を成就せん。その中若し「皇書」の一類の吉神有れば、則ち功名の事を主とす。「飛廉」の起法:正月申に起り、順行して十二支を経る。「飛禍」:春は申に在り・夏は寅に在り・秋は巳に在り・冬は亥に在り。「月厭」:正月戌に起り、逆行して十二支を経る。
丁神靈靈,而為我財,帶煞沖破,妻死離哀。丁神為妻財,帶劫煞、女煞、陰煞來沖其妻財,或帶巳酉丑從革隔角煞,主妻生離。帶二死,妻居墓絕,主死別。帶二耗、月破、二碎之煞,則為沖財,則難守業。
口訣曰わく:丁神靈動已まずして而又我の財爻に充当せば、若し兇殺を帯びて来りて衝破せん、就いて妻子死亡離散の悲有らん、と。解説:丁神既に是れ妻財——若し「劫殺」「女殺」「陰殺」を帯びて来りて此の個の妻財を衝し、あるいは巳酉丑「従革」局の「隔角殺」を帯ぶれば、妻と生離するを主とす。若し死気・死神の二死を帯び、妻位また墓絶の地に居れば、妻と死別するを主とす。若し大小二耗・月破および大小二破碎の殺を帯ぶれば、那便ち是れ財を衝し、家業保ち難し、と。
丁神靈靈,作鬼克身,災禍不已,禳祭堪生。丁神旺相作鬼,乘亥子丑寅位,與月鬼、火神、生氣克干者,災禍不已。若見天巫、咒詛、儀神,必須祭禳神佛,方曰安泰。火神,春丑、夏子、秋戌、冬亥;生氣正子順十二;天巫正辰順十二;天咒正子順四仲。
口訣曰わく:丁神靈動已まずして官鬼に充当して来りて身を剋すれば、災禍接連して断えず——ただ祭祀禳解して始めて能く生を求めん、と。解説:丁神旺相にして官鬼と作り、亥・子・丑・寅の諸位に乗じ、また「月鬼」「火神」「生気」と一同に来りて日干を剋するは、災禍止息する無し。若し「天巫」「呪詛」「儀神」の此の幾個の神殺を見着せば、則ち必須神佛に向りて祭禱禳解して、始めて安泰を得る能わし。「火神」の起法:春は丑に在り・夏は子に在り・秋は戌に在り・冬は亥に在り。「生気」は正月子に起り、順行して十二支を経る。「天巫」は正月辰に起り、順行して十二支を経る。「天呪」は正月子に起り、順行して子午卯酉の四仲を経る、と。
丁神靈靈,賊侵戶域,干乘生旺,未免流血。丁神乘元武盜神劫煞侵我之域,若干被傷帶刑沖二血,是我被傷流血。若支帶刑沖二血,是家幼小被傷流血也。盜神,春巳、夏卯、秋酉、冬子,劫殺寅午戌在亥,亥卯未在申,申子辰在巳,巳酉丑在寅。
口訣曰わく:丁神靈動已まず、盗賊門戸地界に侵入す——日干若し生旺の気を乗ずるも、も免れずして要して流血せん、と。解説:丁神「玄武」「盗神」「劫殺」を乗じて我の地界に侵入すれば、若し日干傷を受けまた刑衝と「血支」「血忌」の二血殺とを帯ぶれば、那便ち是れ我自己の傷を受け流血す。若し日支刑衝と二血殺とを帯ぶれば、那便ち是れ家中の幼小の傷を受け流血す。「盗神」の起法:春は巳に在り・夏は卯に在り・秋は酉に在り・冬は子に在り。「劫殺」の起法:寅午戌年は亥に在り、亥卯未年は申に在り、申子辰年は巳に在り、巳酉丑年は寅に在り、と。
丁神靈靈,主敕兼行。一差未了,二差又行。丁神旺相而帶皇書、天詔在歲上作丁者,乃天子之差也。帶皇詔在日辰月建作丁者,乃臺部之差使,主迭任差使。皇書春寅夏巳秋申冬亥,天詔正亥順二十。
口訣曰わく:丁神靈動已まず、詔敕と差遣と一齊に推行を主とし——頭の一桩の差事未だ了結せざるに、第二の桩の差事また派され来る、と。解説:丁神旺相にして「皇書」「天詔」を帯び、また太歳の上に於いて丁神に充当するは、那是れ天子の派し下すの差使。皇詔を帯びて而して日辰・月建の上に於いて丁神に充当するは、那是れ台省部院の派し下すの差使——接連して差遣を擔任するを主とす。「皇書」の起法:春は寅に在り・夏は巳に在り・秋は申に在り・冬は亥に在り。「天詔」:正月亥に起り、順行して推排す、と。
丁神靈靈,皇詔臨辰,使者皇恩,赴我家庭。皇恩,金氏改作早晚。丁神旺相作貴人,加支而帶皇恩、天詔,必有封贈超升之喜而入我家庭矣。皇恩正戌、二丑、三辰、四未、五酉、六卯、七子、八午、九亥、十寅、十一巳、十二申。金氏注曰:此為皇恩大赦也。
口訣曰わく:丁神靈動已まず、皇詔日辰に臨み、天使皇恩を帶びて、直ちに我家の庭中に到る、と。(「皇恩」の二字金正音改めて「早晚」と作す。)解説:丁神旺相にして貴人に充当し、日支上に加わりてまた「皇恩」「天詔」を帶ぶれば、必定に封贈加爵・越級昇遷の喜事門に臨まん。「皇恩」の起法是れ:正月戌・二月丑・三月辰・四月未・五月酉・六月卯・七月子・八月午・九月亥・十月寅・十一月巳・十二月申。金正音注して曰わく:此れ即ち是れ皇恩大赦、と。
丁神靈靈,凶煞刑辰,家門頹敗,過房繼人。丁神旺相乘凶煞以刑支神,又帶破耗,主家敗。若三交、游煞、孤寡,或加子星上,必主過繼。孤神春巳夏申秋亥冬寅,寡宿春丑夏辰秋未冬戌。
口訣曰わく:丁神靈動已まず、兇殺来りて日辰を刑すれば、家門頽敗して、須く孩子を把って人に過継せん、と。解説:丁神旺相にして兇殺を乗じて去りて日支の神を刑し、また破耗の殺を帯ぶれば、家道敗落を主とす。若しさらに「三交」「游殺」「孤神」「寡宿」有り、あるいは此らの殺子孫星上に加われば、必定に過継の事有るを主とす。「孤神」の起法:春は巳に在り・夏は申に在り・秋は亥に在り・冬は寅に在り。「寡宿」:春は丑に在り・夏は辰に在り・秋は未に在り・冬は戌に在り、と。
丁神靈靈,德合加申,早晚有慶,福湊壽人。丁神帶天德、月合、德祿來生日干者,主福壽安寧。天德正丁、二坤、三壬、四辛、五乾、六甲、七癸、八艮、九丙、十乙、十一巽、十二庚。月合正辛、二巳、三丁、四乙、五辛、六己、七丁、八乙、九辛、十己、十一丁、十二乙。
口訣曰わく:丁神靈動已まず、徳神と合神と加臨せば、早晚に喜慶有りて、福気皆壽有るの人の身上に湊り到らん、と。解説:丁神「天徳」「月合」および徳禄の神を帯びて前来りて日干を生助するは、福壽安寧を主とす。「天徳」の起法是れ:正月丁・二月坤・三月壬・四月辛・五月乾・六月甲・七月癸・八月艮・九月丙・十月乙・十一月巽・十二月庚。「月合」の起法是れ:正月辛・二月巳・三月丁・四月乙・五月辛・六月己・七月丁・八月乙・九月辛・十月己・十一月丁・十二月乙、と。
丁神靈靈,帶鬼不寧,之子生禍,如何得停?丁神旺相乘子位克支,帶劫煞破耗,是子敗家生禍。丁神靈靈,大禍刑干,當躲莫躲,當安莫安。
口訣曰わく:丁神靈動已まず、官鬼を帶ぶれば便ち安寧を得ず——此の個の兒子要して禍を惹き出さん——如何にして停め下るを得ん、と。解説:丁神旺相にして子孫の位に乗じて去りて日支を剋し、また「劫殺」と破耗とを帯ぶれば、此れ即ち是れ兒子の家を敗り禍を生ずるの象。口訣また曰わく:丁神靈動已まず、「大禍」殺来りて日干を刑すれば、躱すべきは躱し開く能わず、安ずべきは安り住む能わず、と。
旺丁帶大禍、劫煞、飛廉、亡神、二死刑剋其干,是大難數也。又丁神主動,必有出入路途之事。如傳見青龍劫煞、風雨雷煞,必有風雨之難所當躲也。傳見元武,帶三盜二都 ,途中遇劫賊之事當避。
解説:旺相の丁神「大禍」「劫殺」「飛廉」「亡神」および死気死神の二死を帶びて来りて日干を刑剋するは、此れ是れ大難の頭に臨むの数。また丁神の動を主とするを因れば、必定に門を出でて路を趕くの事有らん。たとえば三伝に「青竜」と劫殺とを見、また風殺・雨殺・雷殺を見れば、則ち那必ず風雨の難有りて、正に該当して躲避すべし。三伝に「玄武」を見、また三盗と二都の殺とを帶ぶれば、那便ち是れ途中に於いて劫賊に遇上す——当に回避すべし。
傳見白虎,又帶虎煞;乘蛇,帶蛇煞;有虎蛇難當躲。傳見陰后帶奸門、咸池、女禍,主女人姦淫事,不能安也。傳虎蛇帶病符、月厭,主瘟疫不安。傳勾朱帶官符、吏神、關隔、天地盤結,有牢獄不安。隨其變化而因事詳審之可也。
三伝に「白虎」を見て而又虎殺を帶び、あるいは「螣蛇」を乗じて而又蛇殺を帶ぶれば、那便ち虎蛇の難有りて、正に該当して躲避すべし。三伝に「太陰」「天后」を見て「奸門」「咸池」「女禍」を帶ぶれば、婦女奸淫の事有るを主とし、安寧を得ず。三伝に白虎螣蛇を見て「病符」「月厭」を帶ぶれば、瘟疫流行を主とし、安寧を得ず。三伝に「勾陳」「朱雀」を見て「官符」「吏神」「関隔」を帶び、天盤地盤また糾結して開けざれば、牢獄の災有るを主とし、安寧を得ず。總じてその變化に随いて、事に就いて事を論じ細細に審察すれば即ち是れなり。
關隔,鬼罡加四仲。亡神,即旬中辛也。風煞,正申逆十二。雨煞,正子順四仲。雷煞,正巳順十二。天盜,正寅逆四孟。五盜,正丑逆四季。盜神,春巳夏卯秋酉冬子重出。遊者魯者,甲己丑未,慚庚子午,丙辛寅申,丁壬巳亥,戊癸申寅。
以上の引く所の神殺の起例如りて下のごとし。「関隔」:鬼戸と天罡と子午卯酉の四仲の上に加わる。「亡神」:即ち是れ本旬の中辛を帶ぶるの那の一位。「風殺」:正月申に起り、逆行して十二支を経る。「雨殺」:正月子に起り、順行して四仲を経る。「雷殺」:正月巳に起り、順行して十二支を経る。「天盗」:正月寅に起り、逆行して寅申巳亥の四孟を経る。「五盗」:正月丑に起り、逆行して辰戌丑未の四季を経る。「盗神」:春は巳に在り・夏は卯に在り・秋は酉に在り・冬は子に在り(此の条前文と重出す)。「游」殺と「魯」殺:甲己日は丑未に在り、乙庚日は子午に在り(原文「慙庚」と作る——当に「乙庚」の訛なるべし)、丙辛日は寅申に在り、丁壬日は巳亥に在り、戊癸日は申寅に在り。
奸門,正寅二申三巳四亥五寅,周而復始。咸池,寅午戌在卯,申子辰在酉,巳酉丑在午,亥卯未在子。天鬼正酉逆四仲。官符正午順十二。吏神正七亥,二八丑,三九卯,四十巳,五十一未,六十二酉。大禍,正戌逆十二。病符,子年亥,丑年子逆輪。
「奸門」:正月寅・二月申・三月巳・四月亥・五月また回って寅——此のごとく循環往復す。「咸池」:寅午戌年は卯に在り、申子辰年は酉に在り、巳酉丑年は午に在り、亥卯未年は子に在り。「天鬼」:正月酉に起り、逆行して四仲を経る。「官符」:正月午に起り、順行して十二支を経る。「吏神」:正月と七月とは亥に在り、二月と八月とは丑に在り、三月と九月とは卯に在り、四月と十月とは巳に在り、五月と十一月とは未に在り、六月と十二月とは酉に在り。「大禍」:正月戌に起り、逆行して十二支を経る。「病符」:子年は亥に在り、丑年は子に在り——此に依りて逆りて輪排す。
丁神靈靈,不宜煞刑,當殺莫殺,當侵莫侵。丁神臨羊刃,主殺伐。帶三刑、大煞、金神,或日干得時生旺,可以殺人,可以侵戰。傳入空墓,並關隔,休囚則殺人侵人,自取其禍。大煞,正戌逆行四季。
口訣曰わく:丁神靈動已まず、宜しくさらに兇殺と刑とに遇うべからず——殺すべきは殺する勿れ、侵犯すべきは侵犯する勿れ、と。解説:丁神「羊刃」の上に臨めば、刀兵殺伐を主とす。さらに「三刑」「大殺」「金神」を帶ぶれば、若し日干また令に当たり生旺なれば、則ち那以て人を殺すべく、も以て兵を出だして侵戦すべし。但し若し三伝空亡・墓庫に落入して并びに関隔に遇い、日干また休囚にして気無ければ、此の時さらに去りて人を殺し人を侵すは、ただ是れ自らその禍を取るのみ。「大殺」の起法:正月戌に起り、逆行して辰戌丑未の四季を経る、と。
哭神不宜入命年,死氣家中死亡纏。休病本身須有病,犯之未得太平天。年命上帶哭神、死氣主死亡;休囚帶病符,主病。哭神,春未夏戌秋丑冬辰,死氣正午順十二。
歌訣曰わく:「哭神」宜しく本命と行年とに落進むべからず。「死気」課に入れば家中の死亡身に纏うを主とす。日干休囚にして而して病を帶ぶれば、自身必定に疾有りて、此らに犯着せば即ち太平の日子を得ず、と。解説:行年・本命上に哭神と死気とを帶ぶれば、死亡を主とす。日干休囚にして「病符」を帶ぶれば、病を生ずるを主とす。「哭神」の起法:春は未に在り・夏は戌に在り・秋は丑に在り・冬は辰に在り。「死気」:正月午に起り、順行して十二支を経る、と。
浴盆丘墓加日辰,死亡刑害加命年。須知我自不安然,不久應知入九泉。日辰年命乃都門也,日辰上神是帶浴盆、丘墓,年命上神帶刑害、二死,干支年命入死墓之地,定主死亡也。浴盆,春辰夏未秋戌冬丑。三丘春亥夏子秋寅冬酉。五墓與哭神同。
歌訣曰わく:「浴盆」と「丘」「墓」と日辰上に加わり、刑害と死殺と本命行年上に加われば、則ち該当して自身の安穩を得難きを知るべし——久しからずして便ち須く九泉の下に入らん、と。解説:日辰と年命とは是れ一個の人の總門戸——日辰上神若し浴盆・丘墓を帶び、年命上神また刑害と死気死神の二死とを帶び、干支年命一齊に死地墓地に落進めば、那是れ必定に死亡を主とす。「浴盆」の起法:春は辰に在り・夏は未に在り・秋は戌に在り・冬は丑に在り。「三丘」:春は亥に在り・夏は子に在り・秋は寅に在り・冬は酉に在り。「五墓」の起法哭神と相同じ、と。
喪吊全逢入課年,素衣日日掛身穿。不喪椿萱併骨肉,哭泣之聲動徹天。喪門,歲前二辰,如子年寅,丑年卯。弔客,歲後二辰,如子年戌,丑年亥,年命上見二殺,主孝服。
歌訣曰わく:「喪門」「弔客」一齊に課に入りてまた行年に入れば、素白の孝衣天天身上に穿く。是れ父母を喪せるならずんば、即ち是れ骨肉至親を喪す——哭聲要して上天を震動せん、と。解説:喪門是れ太歳の前の第二辰——子年は寅に・丑年は卯に在るがごとし。弔客是れ太歳の後の第二辰——子年は戌に・丑年は亥に在るがごとし。行年本命上此の兩個の殺を見着すれば、主要して孝服を穿くべし、と。
乙亥日來未加未,有個女人訟有孽。支上太陰乘寅為官符,末傳天后,三傳相刑,主女人訟。
歌訣曰わく:乙亥日課を占うに而未の未上に加われば、即ち一個の女人有りて訟事の為に罪孽を生出せん、と。解説:此れ是れ日支上の「太陰」寅を乗じて而して寅正に是れ「官符」、末伝また是れ「天后」、三伝彼此相刑するを因とす——故に婦女の訟に渉るを主とす、と。
太陽一照物皆暖,偕此其人赫赫名。庶術得之凡事遂,君子得之官職成。月將為用帶貴人,主權要;帶皇書、天詔,主敕封;青龍文,太常武。
歌訣曰わく:太陽一たび照れば、万物皆温暖を得——それと相偕するの人便ち赫赫の聲名有らん。平民百工それを得着すれば諸事順遂し、士人君子それを得着すれば官職成有らん、と。解説:月将(即ち太陽)発用して貴人を帶ぶれば、權要の位を掌るを主とす。「皇書」「天詔」を帶ぶれば、朝廷の敕封を受くるを主とす。若し「青竜」を乗ぜば文職を主とし、「太常」を乗ぜば武職を主とす、と。
太陽怨恨落山後,縱有陽光不久留。過了陽光還有忌,美來名利竟休休。自寅到酉,陽光不照,人不蒙福,小人得志,能生禍咎。凡月將乘父,父貴;乘子,子顯;各以六親類推。在物為得時富顯之物。乘照元武,盜逃可獲;乘照馬,行則知凶化吉,平安。
歌訣曰わく:太陽怨恨を含みて山後に落到すれば、縱使いなお余光有るも留まりて長久ならず。此の段の陽光を過ぎて還お忌諱有りて、本來將に至らんとするの美名と利禄と竟に一齊に罷休せん、と。解説:寅位より数えて酉位に到るに、陽光の照り到らざれば、人即ち福佑を得ず——小人反って志を得て、能く禍咎を生出せん(下文また酉より寅に至るを入陰と為すと曰う——両処互いに出入住有り)。およそ月将父母爻を乗ずれば、父親顯貴を主とす。子孫爻を乗ずれば、兒子顯達を主とす——其の余の六親此に照らして類推す。物上に落つれば、即ち是れ時に応じて富貴顯耀するの物。月将「玄武」を乗照すれば、逃走了せるの盗賊拿獲すべし。駅馬を乗照すれば、出行すれば便ち能く兇に逢いて吉に化し、一路平安ならん、と。
乘照官符,官訟光明,私仇官雪。乘照人病,則鬼祟不侵害,喜人忌空克入墓。酉至寅為入陰,反暗而不明,是不照也。太陽在支前,為進吉;太陽在支後,為退凶。
月将「官符」を乗照すれば、官司訴訟皆能く明明白白ならん——私下の冤仇官府に由りて代わりて昭雪せられん。病人を乗照すれば、則ち鬼祟侵害する能わず——太陽の此の一位人人皆それを喜ぶ——ただそれの空に落ち・剋せられあるいは墓に入るを忌む。酉位より寅位に到るを「入陰」と曰い、反って昏暗不明——即ち是れ太陽の照り着かざるなり。太陽日支の前に在れば、前進して吉と為るを主とす。太陽日支の後に在れば、退縮して兇と為るを主とす。
太歲今朝作貴用,有官升轉赴官期。最忌刑沖空破害,看三六合以期之。若日干支克年命太歲,主悖逆取禍。歲剋日干損家長,克支損卑小,或門戶破,盜移事。貴乘死墓,官長死。太歲臨支作喪吊,或空,或不克干支,不可斷喪事。太歲作天羅刑害,主牢獄災厄。天羅正寅二亥三巳四申,周而復始。
歌訣曰わく:太歳今日貴人に充当して発用すれば、官職昇遷調轉・赴任に期有るの喜有らん。最も刑・衝・空・破・害を忌む——須く三合六合を看て以てその応期を定むべし、と。解説:若し日干日支反って行年・本命と太歳とを剋せば、悖逆して上を犯して禍を招くを主とす。太歳日干を剋すれば、家長を損傷す。日支を剋すれば、卑幼を損傷し、あるいは門戸破敗・盗賊と遷移の事とに遭う。貴人死気墓神を乗ずれば、長官の死亡を主とす。太歳日支上に臨みて喪門弔客に充当するは、若しそれ空に落ち、あるいは并びに干支を剋せざれば、則ち可ならず喪事と作して断ずべからず。太歳「天羅」に充当して刑害を帶ぶれば、牢獄災厄を主とす。「天羅」の起法:正月寅・二月亥・三月巳・四月申——此のごとく循環往復す、と。
干支總論
夫課以干為主,尤當審干上所加之神,或生或比,克刑沖破害空脫何如。以支為宅,亦當審支上所加之神,或克或生,比刑沖破害空脫何如。吉神居生旺之地,吉而愈吉;凶神居所制之地,則吉凶不加於人。吉神者,喜合龍常陰后也;凶神者,蛇朱勾空白玄也。
六壬課は日干を以て主と為す——尤其に当に日干上の加わる所の神を審察すべし:それ是れ来りて我を生ずるか・我と比和するか、還お是れ来りて剋し・来りて刑し・来りて衝し・来りて破し・来りて害するか、あるいは空に落ち・脱せらるるか——情形究竟如何なるか。日支は住宅を代表す——も当に日支上の加わる所の神を審察すべし:是れ来りて剋するか還お是れ来りて生ずるか、是れ比和か還お是れ刑衝破害空脱か——情形また如何。吉神生旺の地に居れば、則ち吉上に吉を加う。兇神制伏せらるるの地に居れば、則ち那吉凶皆人の身上に加わる能わず。いわゆる吉神とは、喜神・六合・青竜・太常・太陰・天后を指す。いわゆる兇神とは、螣蛇・朱雀・勾陳・天空・白虎・玄武を指す。
既審干支之吉凶,尤當審用傳之禍福。發用為心之所主,事之所向,故名用神,不可損傷,必須與神將上下相生比和為吉。若上下相剋,入休敗之地,則凶。用在日之陰陽,則為外事,亦主遠出搖動。用在辰之陰陽,則為內事,目前立見之。
既に干支の吉凶を審明せば、尤其になお須く用神と三伝との禍福を審明すべし。発用是れ心思の主とする所・事情の向う所——故に「用神」と曰い、可ならずそれをして損傷を受けしめてはならず——必須乗ずる所の神将と上下相生比和して始めて是れ吉。若し上下相剋し、また休囚敗絶の地に落進めば、那便ち是れ兇。用神日干の陰神陽神より取れば、占う所便ち是れ外面の事——も遠行出門・搖動不定を主とす。用神日支の陰神陽神より取れば、占う所便ち是れ家内の事——眼前立刻に就いて能く分曉を見ん。
凡事出於驀然興發,驀然成就,事在意外,謂之驀越課也。如發用地盤克天將,貴人又克天將,名逼迫煞,主身不自由,被人抑伏。若天將為財,上下夾克,主財不自由。金氏旁註此云:由己費。或日之同類,受克乃身不由己。惟日鬼受克,則為吉也。
およそ事情忽然と興起し・忽然と成就して、意料の外に出づるを、「驀越課」と曰う。たとえば発用の処地盤の来りて天将を剋し、貴人また来りて天将を剋するは、此を「逼迫殺」と曰い——自身自由を得ざる・人に壓制降伏せらるるを主とす。若し天将財爻に充当して而して上下の両頭それを夾剋せば、銭財自ら由らざるを主とす(金正音此に旁注:此を「由己費」と曰う)。またたとえば日干と同類の兄弟爻剋を受くるも、も是れ自身己に由らず。ただ日干の官鬼剋を受くるのみ、始めて反って吉と為る。
蓋天官,神也;天頭,將也。天官如入本位,則無暇治事,干托不得其力矣。夫天將立中布上下相生,則事皆和美。天將居中而上下相剋,則彼此相違,謂之隔將,事遭阻滯。
原來いわゆる「天官」とは是れ天盤の神を指し、いわゆる「天頭」とは是れ乗ずる所の天将を指す。天官若し自己の本位上に回到すれば、就いて暇無くして人の為に事を辦せず——日干それに托付するも藉り上ぐるの力無し。天将神と地盤との間に立ち、上下皆相生すれば、事便ち皆和順美滿なり。天将中に居りて上下反って来りて相剋すれば、則ち那彼此違背して、「隔将」と曰う——事須く阻滞に遭うべし。
用臨長生,百事稱心;用臨死敗,事多囚謝。用臨絕地,事休重興,信息至,行人來。用官鬼,舉動不利。用墓,事主沉晦。用墓加生,事宜再發。用克見相害事,主艱難。用刑恩中成怨,歡裡成仇。用破,暗裡生災,隱中阻隔。用空吉凶不成,事多虛詐。用沖事多反覆,聚散不定。
用神長生の上に臨めば、百事事に称う。死地敗地に臨めば、事多くは囚滞凋謝す。絶地に臨めば、旧事就此に罷休して別に新たなる興起有りて、信息の到来・行人の家に歸る有るを主とす。用神是れ官鬼なれば、舉動利ならず。用神墓に入れば、事沈滞晦暗す。用神墓に入りて而又長生上に加われば、事重新に発動するに宜し。用神剋せられてまた相害を見れば、事艱難なり。用神刑を帶ぶれば、恩情の中怨恨を結成し、歡好の中仇讐と變作す。用神破を帶ぶれば、暗裏に災を生じ、隱処に阻を受く。用神空に落つれば、吉凶両頭皆成らず、事多く虚假期詐す。用神衝に逢えば、事反反覆覆して、聚散定まらず。
用克歲,歲中有災;克月,月中有禍;用剋日,鬼賊病訟,尊長有災。用克辰,宅中不寧。金氏旁註云:主動憂驚,小口奴婢災病。用克時,主心動憂驚,小口奴婢災病。用克末,主有頭無尾,先易後難。用克命,命運顛倒。用克行年,主年中休咎。
用神太歳を剋すれば、此の一年中災有らん。月建を剋すれば、此の一月中禍有らん。日干を剋すれば、鬼祟盗賊・疾病訟事を主とし、尊長に災有らん。用神日支を剋すれば、宅中寧ならざるを主とす(金正音旁注:心動憂驚を主とし、小口と奴婢とに災病有らん)。用神占時を剋すれば、心神動搖憂驚を主とし、小口と奴婢とに災病有らん。用神末伝を剋すれば、頭有りて尾無く・先易後難を主とす。用神本命を剋すれば、命運顛倒錯乱を主とす。行年を剋すれば、此の一年中吉凶定まらざるを主とす。
用財宜去求財,用印宜承舊庇,用官宜求官干貴,用二馬生干有出行進財之喜,用二馬克干及年命主損手足之災,乘馬行程登舟之事。用見月厭,作事不成。用見弔喪,事干孝服。
用神是れ財爻なれば、出で去りて財を求むるに宜し。用神是れ印綬なれば、旧有の蔭庇を承受するに宜し。用神是れ官星なれば、官職を謀求し・貴人を干謁するに宜し。用神天馬駅馬の二馬を帶びて日干を生ずれば、出行と進財との喜事有らん。二馬反って来りて日干および年命を剋せば、則ち手足を損傷するの災禍を主とし、あるいは馬を乘りて路を趕き・船に登りて遠行するの事有らん。用神「月厭」を見れば、事を做して成らず。用神弔客喪門を見れば、事須く孝服に牽涉するに到らん。
用臨寅申巳亥,事有發生之逃。春得寅為用,夏巳、秋申、冬亥,謂之機發當時。春巳、夏申、秋亥、冬寅為用,謂之將來者進。春亥、夏寅、秋巳、冬申為用,謂之功成者退,樂享無涯。春申、夏亥、秋寅、冬巳為用,謂之反弓相射,四廢無依。夫機發當時者,無往不利;將來者,進亦獲榮昌;成功而退者,則培養以知其枝;反弓相射者,當晦名以斂其跡。
「発用」即ちも是れ初伝——若し寅・申・巳・亥の此の四個の「四孟」の地支上に落つれば、占う所の事皆剛々に萌動し・隱より顕に由るの性質を帶ぶ。春天に寅を占得して初伝と為し、夏天に巳を得・秋天に申を得・冬天に亥を得——此の四者正に是れ本季五行の長生の地、「機発当時」と曰い——時機恰も眼下に於いて発動す。春天巳を以て発用し・夏天申を以てし・秋天亥を以てし・冬天寅を以てするは、取る所是れ下一季の長生の地——「將來者進」と曰い、勢頭正に前に向りて推す。春天亥を以て発用し・夏天寅を以てし・秋天巳を以てし・冬天申を以てするは、取る所是れ上一季の長生の地——「功成者退」と曰い、事已に辦し成りて身引退すべし——正好く無窮の福を安享す。春天申を以て発用し・夏天亥を以てし・秋天寅を以てし・冬天巳を以てするは、本季の気と正に相衝背し——「反弓相射」と曰い、また「四廢」の死絶の気に逢いて、孤立して依託する所無し。およそ「機発当時」に属するは、何事を做すとも順利なり。「將來者進」に属するは、進取するも能く榮顯を得べし。「功成而退」に属するは、則ち該当して根本を培植して、始めて枝葉の何処より生出するかを知らん。「反弓相射」に属するは、則ち該当して名聲を隱去し・行迹を収斂すべし。
子午卯酉乃四正之神,若臨四仲神而歸傳四正者,有正大之規模。辰戌丑未四墓之神,若用臨四墓而傳出墓庫者,有脫俗之志。事之先兆,發用預知,學者當潛心焉。干人支宅:干為君、父、夫、尊長、己身;支為臣、子、弟、妻、卑小、奴婢、他人。
子・午・卯・酉は是れ「四正」の神、も「四仲」と稱す。発用若し此の四位上に落ち、三伝また四正の地に歸結すれば、占う所の事便ち堂堂正正の格局気象有らん。辰・戌・丑・未は是れ「四墓」の神、も「四季」と稱す。初伝若し四墓上に落ち、而して中伝・末伝能く墓庫を走出せば、占者便ち流俗を超脱するの志向有らん。事の先兆、全て発用の一処に於いて預め顯露す——《六壬》を学ぶの人当に此の裏に於いて潛心して體會すべし。日干は人を代表し、日支は宅を代表す:日干は君主・父親・丈夫・尊長および占者自身を主とし、日支は臣下・子女・弟弟・妻子・卑幼・奴婢と外人とを主とす。
此章之上,金氏又錄一條云:占式法,暗遁扶鬼方作黨,無子不須尋暗遁。注曰:用作鬼,是明鬼也。旬遁作干鬼,是暗鬼也。若用作鬼,傳中必得子孫救之,或子孫寡而臨於敗絕之地。旬遁干神扶鬼作黨,勝於子孫,則明鬼愈熾。若傳中絕無子孫救之,則明鬼之克尚不能當,亦不須尋遁干之暗鬼也。
此の一章の前に於いて、金正音また一条の口訣を収録して曰わく:課を起し占断するの法、ただ「暗遁」の出づる所の天干の官鬼を扶助し・鬼と結びて黨羽を成すの時当に留意を須いず——課中若し根本に子孫爻無ければ、便ち必ずしもさらに去りて暗遁を追尋するを要せず、と。原注解釋す:初伝本身官鬼に化作して日干を剋するは、此れ是れ明処に擺するの「明鬼」。旬中の遁干を用いて配し出すの天干を以て来りて日干を剋するは、此れ是れ暗処に蔵るるの「暗鬼」。倘若初伝鬼と作れば、三伝裏必須子孫爻の解救有りて始めて行くべし——子孫能く官鬼を剋制すればなり。可なれども時に子孫ただ此の一位のみにして、また敗地・絶地に落ち、力量單薄なり。此の時旬遁の干神さらに来りて官鬼を扶助し・それと黨を結べば、聲勢子孫を壓過して、明鬼の兇焰いよいよ熾盛なり。反って來りて説けば、若し三伝中完全に救うべきの子孫無ければ、則ち単に明鬼の剋伐のみでも已に抵當し住む能わず——も就いて用る所無くしてさらに去りて遁干上の暗鬼を追究するを要せず、と。
或巳或亥或干支,干支生合兩事論。注曰:巳為雙女,亥為雙魚,乃兩事之象。或干支同出,即在傳中,亦有兩事之象。或生干合支,或生支合干,亦為兩事之象。占者遇此,俱兩事言之。
課中巳を出現し、あるいは亥を出現し、あるいは日干日支重疊して出現し、又あるいは干支の間既に相生しまた相合するは、皆「両件の事」に按じて来りて論斷するを要す。原注曰わく:巳は十二宮中に於いて「雙女宮」を配し、亥は「雙魚宮」を配す——皆是れ成雙成對の象——故に両事を主とす。日干と日支との属する所の地支同時に三伝裏に出現するも、も是れ両事の象。また一神の既に日干を生じまた日支に合し、あるいは既に日支を生じまた日干に合する有るも、同様に是れ両事の象。占者此の幾種の情形に遇上せば、一概に両桩の事情に按じて来りて講る、と。
午克年神入關吏,此年必定見爭官。更帶關迷並戲咒,縲紲相干欲脫難,德不勝刑君子滯,更看助刑黨惡是。文章劾謗不如歸,君子道消何所濟。關即關隔,吏即吏神,游神,春丑、夏子、秋戌、冬亥;戲神,春巳、夏子、秋酉、冬辰。德者,君子之象;刑者,小人之象。君子懷德,而得時旺相則小人仰君子也,而刑反為用。若休囚不旺,而小人之用刑者反成其黨,則德不勝刑而君子道消。若不知機而文章謗劾,自不容己,而君子可不明哲以保其身乎?
午来りて本人「行年」の上に乗ずる所の神を剋し、また「関隔」と「吏神」とに遇上すれば、此の一年必定に要して官府と相争い・訟事を喫せん。若しさらに関神・迷神および戲神・呪詛の象を帶ぶれば、就いて牢獄繩索の身に纏い・身を脱せんと想うも能わざるの兇険有らん。此の地步に到れば、「徳」は「刑」を壓し過ぐる能わず——君子の運途便ち滯塞して通ぜず。なお須くさらに別の兇殺の刑殺を幇し・惡黨を結成する有るや無きやを看るべし。此の種の時候還お須く文を著し書を投じて去りて彈劾誹謗するに靠るは、趁早に歸隱するに如かず——君子の道正に消退せんとして、争い下去りてまた何の事を濟せんや。注中説明す:「関」即ち是れ関隔殺、「吏」即ち是れ吏神。游神の定位是れ春は丑に在り・夏は子に在り・秋は戌に在り・冬は亥に在り、戲神是れ春は巳に在り・夏は子に在り・秋は酉に在り・冬は辰に在り。徳神は君子を象徵し、刑殺は小人を象徵す。君子徳義を心懷し、若しまた天時を得て旺相せば、小人自然に君子を仰望して、刑殺反倒って我の用うる所と為る。可なれども一旦日干休囚して旺ならざれば、彼らの刑罰を動用するの小人反って朋黨を結成して、徳即ち刑を壓し住む能わず——君子の道随いて消沉す。倘若還お時機を看清せずして、一味に文章を寫して彈章攻訐し・自己収まり住む能わざれば、君子あに該当せず明哲にして身を保せんや、と。
用被眾害來相親,不宜再見助害人。助害人多根已深,欲逃無可取前程。用被黨惡來害,害是傳中之鬼相合而成也。又遁暗建之鬼,助黨為惡,是暗建之黨愈助其災者,其禍根深固結而不可解,欲免其禍,尚不可得,安望取前程乎?
初伝衆多の害神に圍攏逼近せられて、最も忌諱するはさらに幇兇のごときの助害の神を見る。幇兇いよいよ多ければ、禍根扎ることいよいよ深くして、逃れんと想うも逃げ脱する能わず——還お何の前程を談ぜん。此れ是れ発用の一群の惡黨に害せらるるを説く:いわゆる「害」とは、是れ三伝中の官鬼と発用と相合して而して結成せる。さらに旬遁して出で・暗に月建と合するの官鬼もまた来りて紂を助け虐を為せば、暗中結黨の力量いよいよ強ければ、災禍の根就いて深固にして解し難し。此の地步に到れば、災禍を躲開せんと想うも辦し到る能わず——あに還お謀取前程に指望するを得んや。
客邀我入見以去,路必防之免其禍。初傳與干相合,是客來邀我也。末傳作鬼克干,加劫煞丁馬刑害,是客來邀我,見一去而後有害我心,宜防之以免禍。干辰上神剋日上神,害刑負克作殺兩相侵。更有迷神並謾語,卻有冤家未遇人。支者,他人;干為我。支上神克干上神,是人來害我,更凶神助,刑害、迷神、謾語,有仇人害我之事,預防之可也。
客人有りて来りて我を邀えて同去せん——路上一定要して提防して、始めて能く禍患を免除せん。此れ是れ初伝と日干と相合するが為なり——正に是れ客人の前来りて相邀うの象。而して末伝却って官鬼に化作して日干を剋し、また劫殺・丁神・駅馬と刑害とを加上すれば、客人虽か来りて邀うも、一旦真に跟着して去れば、彼便ち我を害するの心を存すを説明す——当に預め防備して以て禍に遭うを免るべし。日支上神日干上神を剋し、刑・害・負・剋の幾種の兇象合して殺気を成して両面夾攻し、さらに迷神と謾語神と摻雑してその間に在れば、即ち是れ仇家の我を害せんと要する有り——ただ是れ未だ面を照らせざるのみ。注中曰わく:日支は别人を代表し、日干は自己を代表す。支上神の干上神を剋するは、即ち是れ别人の来りて我を害する——若しさらに兇神の相助有りて、刑害・迷神・謾語を帶ぶれば、便ち確かに仇人加害の事有り——預め防範すれば即ち可なり、と。
未上巳午,謾負相害,克有口舌,相爭不停。巳午加未上,帶謾語刑害,尤有口舌相爭之事。一鬼一鬼復一鬼,鬼害相臨災病起。破訟累年常生斗,涉我憂愁何日已?一牛二換,東走西行,所事不得,嗟吁不已經。黃本作「東走西起」。丑為牛,加天牛之煞,是一牛二鬼。又加天鬼、天馬克干,是牛之東西起,主人事不得意。再加官符、病符,則災害嗟吁。
未上に巳あるいは午を乗じ、謾語・負殺を帶びて交相に刑害すれば、一旦剋を成せば、便ち口舌有りて、争執休まず。巳・午未上に加わり、また謾語神と刑害とを帶ぶれば、さらに是れ口舌相争の象。官鬼一重一重を接え・層層に出現し、鬼と害と交相に身に臨めば、災殃疾病随いて起る。破財と訟事と連年に了せず、争闘時時に発生して、我の憂愁を纏住するは何れの日か始めて完らん。口訣また曰わく「一牛二鬼、東走西行、所事不得、嗟歎不已」——黄氏本中「東走西行」は「東走西起」と作る。丑は十二屬相の中に於いて牛と為る——若しさらに天牛殺を加えれば、則ち「一牛二鬼」を成す。また天鬼・天馬を加えて来りて日干を剋せば、便ち是れ牛の東に奔り西に竄るるの象——人事の心に称わざるを主とす。若しさらに官符・病符を加えれば、那便ち是れ災害の頭に臨み・ただ歎息するのみに剩る。
有人前行,不可不顧。後雖有追,借其迴護。馬臨初傳是有人前行,與我作合,末見劫煞,是有人追我也。或為我之害,當借前人之合我以迴避之,方可免禍。兩鬼相鬥不相容,一個歌樽一個哭。歌者喜之哭者悲,若是幽人利空谷。用傳中鬼相刑害,是兩鬼相鬥不相容也。一個帶喜神而歌,一個帶哭神而哭。哭神遺我以悲,喜神遺我以樂,憂喜得半而無事也。天喜,春戌、夏丑、秋辰、冬未。
前頭に人の先行する有りて、可ならず照应を加えざるべからず。後頭虽か人の追趕する有るも、正好く前行の者を借りて我の為に回護遮擋せん。駅馬初伝に乗ずれば、即ち是れ人の前面に於いて先に走る有りて、并且我と相合す。末伝に劫殺を見れば、即ち是れ人の後面に於いて我を追う有り。追う者あるいは要して我を害せん——此の時当に前面の那の位の我と相合するの人を借重して以て回避掩護して、始めて能く禍を免れん。三伝中両重の官鬼互相に刑害するは、即ち是れ「両鬼相闘して相容れず」の象。その中の一鬼喜神を帶ぶれば、杯を擧げて歌うに同じく、別の一鬼哭神を帶ぶれば、面を掩いて泣くに同じし。哭神は我に悲傷を帶來し、喜神は我に歓樂を帶來す——憂喜各々一半を占めて、抵消の下反って事無し——正に空谷に隱居するの人の牽累を受けざるに象る。天喜神の定位是れ春は戌に在り・夏は丑に在り・秋は辰に在り・冬は未に在り。
一個鬼時傳上立,口不言時心裡設。切毋謾語作相交,免致其中成怨結。初傳鬼克干,是不言而設心害我;加謾語相負煞,宜慎之。隔地莫說投機話,被他直性前行罵。有時半路一些言,隨入他鄉有牽掛。課中帶隔角煞,為隔地不可說投機話。用傳入帶合神,是因其暫合之相投而即說同心之話。若傳入刑害或劫煞,則一言不合之間,終變為隔角之態,而我之心事反為他知,寧不入其圈套而牽掛乎?隔角煞,辰巳未申戌亥丑寅。
一重の官鬼時辰の臨む所の伝位上に立ち、対方口裏一句も説かざれど、心裏却って已に算計を在す。切に花言巧語を用いて彼と結交する莫れ——中途に於いて怨仇を結下するを免れんが為なり。初伝官鬼と作して日干を剋するは、即ち是れ対方の声色を動かさずして暗に我を害するの心を存す。若しさらに謾語神・相負殺を加えれば、さらに須く謹慎すべし。心を隔てたるの人の面前に交心の話を説く勿れ——否らずんば會して彼に当面に直性子にて搶白辱罵せられん。時に半路の上多くは一两句を説いて、跟着して他郷に到れば便ち牽掛を留下せん。課中「隔角殺」を帶ぶれば、即ち是れ彼此隔閡して、投機の言を説くべからず。三伝若し合神を帶びて入れば、人往往にして一時の相合投契に因りて就いて知心の話を説出す。可なれども一旦三伝刑害あるいは劫殺に轉入せば、ただ一句の話の攏らざるを消して、終究に要して隔閡の勢と變成し——而して我の心事反って対方に掌握せられ、あに能くその圈套に落進まず・後患を留下せざらんや。隔角殺の位置は辰・巳・未・申・戌・亥・丑・寅に在り。
初見其良兩相協,中間有詐不相入。誰知墮在詐陷中,欲結不結徒自說。用馬干合是見良與協,因不虞其詐而以腹心相待;次入空亡日害,是中見其詐,不相入乃知為其所欺,反以計術害我,始之不慎,悔之何用?
初めて面を見るの時対方の善良なるを覺え、両下裏十分に投合す。中途に到りて始めてその中に詐有るを發現して、彼此再び攏り合う能わず。誰か知らん早已に彼の設け下したるの陷阱に掉ち入りて——結交せんと想うも結交成らず、ただ白く説き一場を落得すのみ。此れ是れ初伝駅馬を乘じてまた日干と相合するを因とし——故に面を見れば便ち対方の良善にして協すべきを覺う。自己防いで彼の詐を作さんを到らずして、便ち心を掏り腹を置きて以て相待す。中伝空亡に落入し・また日害に逢うを等到して、始めて半途に於いて彼の詭詐を看出し、双方一処に合する能わず——此の時方に知る欺騙を受けしを、対方反って心計手段を用いて我を害するを。当初謹慎ならざりし、事後後悔するもまた何の用か有らん。
程途月是行將去,卻有良朋相遇見,同有憂心不可醒,他人藉是成婚眷。道路神加於望日,是程途月是行將去;中傳巳為良朋,帶德作合,是良朋相遇也。同道之中為見同心之憂,即效陳雷之歡,終成秦晉之好,豈偶然哉?
行程の月正に身を動かして路に上らんと要す——途中却って会して良朋好友に遇見せん。彼此同じく一段の解け開く能わざるの心事を懷して、別人反って此を藉りて姻親を結成せん。此れ是れ道路神の望日の上に加臨するを因とし——故に行程の月將に啓行せんとすと曰う。中伝の巳は是れ良朋の象、また徳神を帶びてそれと相合す——正に是れ好友に遇上るの徵兆。志同道合の人相見えて、共に一樣の憂慮有りて、於是に東漢の陳重・雷義の那様の膠漆相投の交情を效法して、最終に秦・晉の両国の世代聯姻の那様の親事を結成す——此あに是れ偶然ならんや。
干上騎馬兮下騎羊,意在躊躇兼刃方,欲乘不成徒自傷,縱然相合也開張。午未相加偶合,是有刃爭也,主意在兩事之間而躊躇不定,傳入刑沖破害,雖合有變,雖成不成,凡事終久開張也。
日干の上午馬に騎り、午の下また未羊に騎る——心意両頭に於いて徘徊し、還お羊刃の気を夾む。勢に乘じて行わんと想うも却って事を成さず、白白と自ら損傷を受け——縱使い表面相合するも、最後も還お要して散開せん。此れ是れ午と未と相加するを因とし——虽か六合を成すも不過是れ偶然の凑合、その中羊刃争奪の象を帶ぶ——故に主意両件の事の間に於いて躊躇して定まらず。三伝一旦刑・衝・破・害に落入せば、虽か合有るも要して變を生じ、虽か成に近きも終究に成らず——凡事最後皆離散して開去らんと要す。
有鬼相迷入禍方,要個人來救我良。救而不救恐自慌,不如先走跳高牆。初傳作鬼克干帶迷神,是鬼來迷我入禍方也。得救神可免禍,若子孫或生或禍,是救而不救,而我自慌矣。若傳見丁神,或見辰戌,不如跳牆避之可也。
官鬼有りて我を迷惑して、引きて我を走り入らしめて禍地に——此の時最も須く人の出面して搭救する有るを要して始めて好し。若し来りて救うの人の救うこと徹底せざれば、ただ怕れて自己先に手脚を慌て、倒れて趁早に牆を跳んで人を走るに如かず。此れ是れ初伝官鬼と作して日干を剋し、また迷神を帶ぶるを因とし——正に是れ鬼の来りて我を迷惑し・我を把って禍方に誘い入るるの象。課中若し救神を得れば、以て禍を免るべし。可なれども那の位の子孫爻は時に能く我を生助し・時に反って禍端と成りて、救うに救わざるに等しく、我自己反って張皇失措す。若し三伝に丁神を見、あるいは辰・戌の羅網の神を見れば、則ち牆を跳んで逃避するを上と為すに如かず。
課中有鬼與我禍,不得進兮不得退。旁得人來捉住他,也得平安可無事。用鬼克干是與我為仇,前後遇空,是不得進退,計亦窮矣。年命上神有救,可以制鬼,則我無事。有鬼附鬼不為凶,任他丁馬興迷濛。三三五五自相窮,總是人強鬼不凶。日干旺相得時,帶德祿神天喜,支傳上見鬼雖多,不敢動。任其丁馬、迷神三三五五,反為財,身強鬼不侵也。
課中官鬼有りて我に禍を招かしめ、弄して進むも是れならず・退くも是れならずと為る。幸いに旁邊に人の手を出手して彼を制住する有りて、も即ち能く平安無事ならん。此れ是れ発用官鬼と作して日干を剋するを説く——我と仇を結ぶに等し。前後また皆空亡に遇上して、進退両難にして、計策もまた用い尽したり。此の時若し行年・本命の上に乗ずる所の神に救助の力有りて、能く官鬼を制伏せば、我便ち安然として事無し。別の一種の情形是れ鬼上また鬼を附着する——反って兇と算せず。丁神・駅馬の興起する迷蒙の象に任るも怕れず。三個五個として一処に聚まりて、自己便ち自己の力量を耗盡す——説き到底に是れ人強ければ則ち鬼兇と為らず。此れ是れ日干旺相して時を得、また徳神・禄神と天喜とを帶ぶれば、日支と三伝上縱使い許多の官鬼を見るも、も敢えて発動せず。丁馬・迷神の三三五五として出現するに任せて、反って轉化して我の財と為る——身強ければ則ち鬼侵す能わず。
陷入其功不可前,馬居鳴後自蕭然。子宜速轉毋輕進,庶使吾功得保全。干被上神克,用乘太陰、天空為自陷奇功也,而不前矣。二馬居干之後,在傳中謂之背馬,而馬必不可進,只宜速轉毋往保功,庶不終敗。
功業已に陷住せり——可ならずさらに前に往きて推すべからず。駅馬また後頭に落ちて、気象自然に蕭索たり。您当に趕緊に頭を掉げて、軽率に前進する勿れ——此のごとくして始めて能く已有の功勞を保全して下来せん。此れ是れ日干その上に乗ずる所の神に剋せられ、発用また太陰・天空の両将を乘ずるを因とし——自己の奇功を陷没し尽すに等しく、前程再び進む能わず。天馬と駅馬との両馬皆日干の後に居りて、三伝中に於いて之を「背馬」と曰う——馬既に背向して行けば即ち絶対に前進すべからず——ただ該当して趕快に回轉して・さらに前往せず、功勞を守住して、始めて至らずして最終に敗落せざらん。
當縛莫縛,縛則有凶,當打莫打,打則有禍。用傳帶繩索殺,是縛人之象,作鬼克干,當縛莫縛可也。用傳帶羊刃、勾陳為打人之象,作鬼克干,當打莫打可也。必欲縛人打人,必致凶禍。繩煞,正酉逆四仲。索煞,正卯逆四仲。
人を捆すべきの時人を捆る勿れ——捆れば即ち兇険有らん。人を打つべきの時人を打つ勿れ——打てば即ち要して禍を惹かん。此れ是れ三伝繩殺・索殺を帶ぶるを因とし——本來是れ人を捆縛するの象。若しそれまた官鬼と作して来りて日干を剋せば、則ち那捆るべきも捆らざるを好しとす。三伝羊刃・勾陳を帶ぶるは、本來是れ人を毆打するの象。若しそれまた官鬼と作して来りて日干を剋せば、則ち那打つべきも打たざるを好しとす。若し一定要して手を動かして人を捆り人を打たば、必定に兇禍を招致せん。繩殺の起法是れ正月酉に在り、此の後逆りて四仲(子・酉・午・卯)に推移す。索殺の起法是れ正月卯に在り、も逆りて四仲に推移す。
合浦明珠何日逢,一木三金三火熔。推事不久復沉蒙,畢竟三回兩次中。明珠雖逢,課傳中一木三金二火,金固為日之財,二火又為日之比。木既生我而亦生他,兄弟爭財而金不得專矣。再加劫煞凶神,至爭訟不寧而事情多滯。不三回兩次,安得順乎?
合浦の明珠何れの日か始めて能く重逢せん。課中一木・三金・三火——火多ければ金須く熔せらるるを要す。事推し来り推し去りて、久しからずしてまた昏沈にして明らかに難く、終究に須く反復して三両回して始めて能く成らん。合浦還珠の典故《後漢書・孟嘗傳》に出自す——明珠虽か重逢の期有るも、可なれども課と三伝中一木・三金・二火:金固然として是れ日干の財、両重の火却って是れ日干の同類比肩。木既に我を生ずれば、も同様に別人を生じて、兄弟の同じく一份の財を争奪するに等しく、金便ち能わず我に由りて独占せらる。さらに劫殺等の兇神を加上すれば、就いて鬧りて争訟寧まらず・事処々に停滞せん。三回両次の折騰を經歷せざれば、あに能く順遂せんや。
適遇子木又入水,劫有陰私劫人起。得才又得劫人錢,一路迢迢主有喜。木加子,又木得子水相生,亦為木之沐浴地,乘太陰、天后為日之才,又為生氣喜氣,是與劫人有陰私之情,即得其劫奸而得才,又得其利,一路迢迢也。
恰好木の子位に臨みまた水郷に落入するに遇上る——その中便ち人に見るべからざるの私情有りて、那の個の来りて劫奪するの人の身上より生出す。既に銭財を得着し、また那の人の銭を得着して、一路遠行皆喜慶を主とす。此れ是れ木の子上に加わるを因とし——木また子水の相生を得、而して子正に是れ木の沐浴の地——即ちも是れ咸池桃花の位。さらに太陰・天后の両個の陰私の将を乘じて、日干の財と成りて、同時にまた生気・喜気を帶ぶ。故に是れ那の劫奪の人と暗中の情事有りて、既に此の段の私情を藉りて便宜を占め・財を得、また彼の利益を得——路途虽か遠きも却って一路心に称う。
家有禍起,惟父不喜。支子無良,令人生死。幹父支子,以干克支,是父怒子;干為人,支為宅,支帶咸池、劫煞、盜神,是家有禍起,乃子之不良而父欲克之,則子之禍可迨。若支上見生則其罪猶可,支上見死氣罪不容誅。
家中禍端を生出す——最も高興ならざるは是れ父親。日支の代表する所の兒子行為端ならずして、甚至に能く人を逼りて生死の関頭に到らしむ。此れ是れ日干の父親を象徵し・日支の兒子を象徵するを因とす:日干日支を剋するは、即ち是れ父親の兒子に對して怒を動かす。日干また人を代表し、日支また宅を代表す——日支咸池・劫殺・盗神を帶ぶるは、正に是れ家裏に乱子を出づるの徵兆——禍根兒子の不肖に在りて、父親懲治を加えんと想えば、兒子の災禍も就いて到らん。若し日支上の乘ずる所是れ生気なれば、彼の罪過還お恕すべき有らん。若し日支上に死気を見れば、則ち那罪大にして饒恕すべからざるに到る。
人有私事,不可以言。子露其風,死遭子殘。幹父支子,干神帶劫煞,乘太陰閉口,是父有陰私事,謀人之行,不可與人言。支神反克干神,或與傳用以克干神帶朱雀、丁神、謾語,是子露風於人而致父之死於非命,豈為孝子?
人人に見るべからざるの私事有るは、絶対に以て口に出だす可ならず。一旦兒子風聲を把って漏出して去らば、父親便ち要して兒子の手裏に於いて死せん。此れ是れ日干の父親を象徵し・日支の兒子を象徵するを因とす:日干の乘ずる所の神劫殺を帶び、また太陰の此の個の口を閉じて言わざるの将を乘ずれば、父親に隱私の事有るを説明し、正に別人に對付するを謀劃して、万々人に對して講る能わざるなり。若し日支の神反って来りて日干の神を剋し、あるいは発用と一同に日干を剋し、并びに朱雀・丁神・謾語を帶ぶれば、那便ち是れ兒子の外人に向りて風聲を走漏して、以致父親非命に死す——此の様の人あに還お孝子と算せらるべきや。
先庚三日後庚三,此日云為進退間。務宜準此自盤桓,馬住馬行不脫鞍。先庚三日,丁也,丁主變動;後庚三日,辛也,辛主外隱之神。丁主動,辛主退,是不進退而盤桓矣。天馬者,月之馬也;驛馬者,日之馬也。一馬出行,有前往之勞;一馬落空,有欲止之機,是一行一住而不脫鞍,遇此欲行又止,欲成又敗,安得遂意?
《周易・巽卦》九五曰わく「先庚三日、後庚三日」——此の一日の作為正に進と退との間に在り。凡事皆当に此に照らして徘徊觀望して、一馬の停まらんと要し・一馬の走らんと要するに如同じく、鞍子始終に卸して下る能わず。注中解釋す:庚の前の三日是れ丁——丁は變動を主とす。庚の後の三日是れ辛——辛は外に向りて潛藏するの神を主とす。丁は動を主とし辛は退を主とし——一動一退——故に進み成らず・退きも成らず、ただ能く原地に盤桓するのみ。いわゆる天馬とは、是れ月建に按じて起すの馬。駅馬は、是れ日辰に按じて起すの馬。一匹の馬出行せんと要せば、便ち奔波の勞有り。別の一匹の馬空亡に落つれば、便ち停まり下来らんと想うの意思有り。於是に一走一停して、馬鞍總じても解き下る能わず。此の種の課象に遇上れば、走らんと想いてまた停まり住み、成らんと想いてまた敗落す——あに能く称心如意せんや。
有馬不行,諸事宜停,子無前往,諸事不成。馬主動,或落空則為不能行,諸事不成,豈能往乎?上有鬼兮不可上,下有鬼命不可下。中倚一個水木地,上下鬼來終是罷。木神作用,上見太陰,是上有鬼不可上也。下乘申酉,是下有鬼不可下也。上下逼迫將何以望?或見木比,或見水生,是有救神,上下之鬼罷矣,餘仿此。
馬有るも却って走り動く能わず——各樣の事情皆該当して暫時停止すべし。您前に往き去る勿れ——去るも一成する事無し。此れ是れ駅馬本來動を主とすれど、可なれどもそれ一旦空亡に落入せば、即ち能く行走せざるに等しく、諸事成らず——還お怎麼様に前往せんや。別の一種の課象有り:上頭に鬼有りて、可ならず上に往くべからず。下頭に鬼有りて、性命関に攸りて、も可ならず下に往くべからず。中間ただ要して一処の水木の地に倚靠して、上下両重の鬼終究に罷休せん。此れ是れ木神を以て発用して、上面に太陰金将を見れば、便ち是れ上に鬼有りて上る可ならず。下面に申・酉を乘ずれば、も是れ下に鬼有りて下る可ならず。上下夾逼して、還お甚麼の指望有らん。若し課中別に木の来りて比助するを見、あるいは水の来りて相生するを見れば、那便ち是れ救神有るに至りて、上下の鬼自然に手を罷む。其の余の情形皆此の個の道理に照らして類推す。
一鬼有情,一鬼無情。相逢何日,解我疑謀。課見二鬼,一鬼落空,一鬼克干,一鬼欲害我,一鬼不害我,凶吉不成而我之疑謀說不得解矣。一鬼二鬼並立鬼,只要有個好兒子。不分前後事如何,他日家財還興起。課傳官鬼雖多,有子旺相,為吉可救。事敗復興,豈鬼多而忌哉?陰空辰戌,用鬼達刑,被人賺脫,謾語無因。辰戌乘空陰為用,作鬼克干,若帶謾語,主無中生有之事而空脫我之財也。
一重の鬼我に對して情有り、一重の鬼我に對して情無し——究竟何れの日か始めて能く轉機に碰上し、我の心裏の疑慮と謀劃とを解開せん。此れ是れ課中両重の官鬼を出現するを因とす:一重は空亡に落入し、一重は日干を剋す。一重は要して我を害し、一重は我を害せず。吉凶両とも成立せず、我の疑慮と打算とも就いて何時始めて解開し得べきかを説き上ぐる能わず。別の一種是れ一鬼・両鬼・并立の鬼層出して窮まらず——ただ一個の好兒子有れば則ち足れり。必ずしも前後の事情如何を分辨するを要せず——日後家業照樣に興旺せん。此れ是れ課と三伝中官鬼虽か多きも、ただ子孫爻の旺相有れば、便ち吉に属して救うべし。事業敗れて還お能く重興す——あに用いんとする所あらん鬼多きを忌諱するを。還お一種有りて是れ辰・戌旬空を乘じてまた太陰を乘じて発用し、官鬼と作して而して刑を帶ぶれば、人に騙し脱されて財物せらるるを主とし、盡く是れ些の根由無きの謊話。辰・戌空亡と太陰とを乘じて発用し、官鬼に化作して来りて日干を剋し、若しさらに謾語神を帶ぶれば、無中に生有するの事情有るを主とし、白白と我の銭財を騙走せん。
争訟を論ず
兩敵相逢是有爭,馬丁若動起官心。前者輸來更得勝,後者贏來便不贏。干支相剋為兩敵,帶馬丁,官心動搖更變,輸贏難定矣。連年詞訟未經決,卻似相持蚌與鷸。當宜推之再過年,宜無視不近豈知識?金氏改下二句云:「尚且推之再過年,移遠就近宜知識。」意較醒。太歲發用為年,如子年發用而丑寅卯連去,為鷸蚌相持,連年不決,不可以近日言之。如子年發用而傳入寅卯作月建,是以年之連茹者,則從月論,又不可論其過年也。
相対する二者が出会えば、必ず争いが起こる。駅馬と丁神が動けば、審理する官長の心も揺れ動く。先に負けた方がかえって勝ち、先に勝った方が勝てなくなる。これは日干と日支が相克し、まさに両方が敵対する象だからである。さらに駅馬・丁神を帯びれば、官長の心意が揺らぎ、勝敗は予測しがたい。別に一つの象がある。訴訟が年を経ても決着せず、鷸と蛤が持ち合って互いに放さないような場合は、なお一年引き延ばすと推すべきで、眼前だけに囚われて遠くを見ないのは見識があるとは言えない。金正音は後の二句を「尚且推之再過年、移遠就近宜知識」と改めており、意味はいっそう明白である。注に言う。太歳が発用すれば「年」を表す。たとえば子年に占って子が発用し、丑・寅・卯が続けて三伝に現れれば、これは鷸蚌相持の象で、訴訟は年を越えて決せず、目前の数日で論じてはならない。もし子年発用で三伝が寅・卯に入り、それがちょうど月建をなすなら、年上の連茹の象を月から論じることになり、もはや一年引き延ばすと断じてはならない。
土入木鄉爭田宅,忌見朱勾並賊劫。詳后土入木鄉,帶朱勾協助殺克干,主爭田宅。土加水上爭田宅,吏神直符臨其處。詳後直符,正戌、二丑、三辰、四未、五子、六卯、七午、八酉、九亥、十寅、十一巳、十二申。
土星が木の領域に落ちれば、田地・家屋の争いを主とし、朱雀・勾陳や盗神・劫殺といった凶将・凶煞にさらに逢うことを最も恐れる(細かい法は後文に別出)。原注に言う。土が木に克されてその郷に入り、朱雀・勾陳の両将が殺気を助けて日干を傷つければ、田宅の争いがここから起こる。別の一条では、土が水位に加わっても同じく田宅の争いを主とし、案牍を掌る吏神と「直符」がちょうどその方位に臨むかどうかを見るのが要点である(細法は後文に別出)。直符は正月から十二月まで逐月の落点が順に戌・丑・辰・未・子・卯・午・酉・亥・寅・巳・申である。
辰戌天吏守官符,帶憂爭訟入牢獄。辰戌為羅網牢獄神,帶天吏、官符,主爭訟牢獄之災。申臨寅卯有官符,口舌文狀主不寧。寅旺官符又見傷,老人爭認況財傷。申臨寅卯,金克木也,若帶官符,主有口舌文狀之事。定為老人,旺則將衰,又見官符作鬼克干,主老人爭財。
辰・戌の二位に天吏が官符を守り、憂神を帯びれば、争訟して獄に入ることを主とする。これは辰が天羅・戌が地網で、もともと牢獄の神であり、さらに天吏・官符を帯びれば、官司と坐牢の災いを主とするからである。また申が寅または卯に臨み、官符があれば、口舌是非と訴状文書に悩まされて安まらない。寅はもともと旺だが、さらに官符に逢って損傷を受ければ、老人の争産で財物まで損なわれる。これは申が寅卯に臨むのは金克木の象であり、官符を帯びれば口舌と呈状の事を主とするからである。寅は老人を象し、旺でありながら将に衰えんとしており、さらに官符が官鬼と化して日干を克すれば、老人が財産を争うことを主とする。
亥上官符不見金,田宅相爭外人分。亥為用,見寅為破,帶官符,傳中不見金生,必有外人爭田產也。囚脫訟釋因皇書,德奇儀解赦詔除。占訟遇皇書、天詔、天赦、三奇、六儀、天解,主囚脫、訟釋、罪赦。三奇,甲子戌旬丑,甲申午旬子,甲辰寅旬亥。六儀,甲午、乙巳、丙辰、丁卯、戊寅、己丑、庚未、辛申、壬酉、癸戌。解神,正二申、三四酉、五六戌、七八亥、九十子、十一十二丑。
亥の上に官符を負って課中に金が見出せなければ、田宅のこの官司は外人に一份を分け取られる。そのわけは、亥がいったん発用すれば寅に逢って破格となり、身の上に官符を圧され、三伝の中にそれを生ずる金がないので、必ず外姓の人が入り込んで田産を争うからである。逆に厄を解く一路を見れば、牢の中の人を放し、訟事を終わらせるのは皇書による。徳神・三奇・六儀・天解・天赦・天詔のこれらは罪責を帳消しにできる。訟事を占うときこのうちどれか一つにでも逢えば、みな脱囚・息訟・赦罪を主とする。三奇の取法は、甲子・甲戌の両旬は丑を取り、甲申・甲午の両旬は子を取り、甲辰・甲寅の両旬は亥を取る。六儀は十干に各一隻を配し、順に午・巳・辰・卯・寅・丑・未・申・酉・戌である。解神は月ごとに二支ずつ一組で、申は正・二月、酉は三・四月、戌は五・六月、亥は七・八月、子は九・十月、丑は十一・十二月を主る。
土入木鄉爭田宅,朱雀官符來相厄。卯加居上又克干,破碎相臨田宅干。土受木克,田宅不安。朱雀、官符、破碎相臨,田宅爭訟。木土官符災入獄,關鎖二神常自逐。水上土下帶爭風,田宅不安訟相攻。木加土上帶官符關鎖,牢獄災。水上土下帶朱雀官符,主田宅相爭訟也。
田宅の争いは、土が木の領域に落ち、朱雀と官符がともに迫ることから起こる。卯が上位に居ってさらに日干を傷つけ、破碎煞が身に臨めば、家産田地は敗落して枯渇する。その理は、土がすでに木に克されれば家宅は安まらず、朱雀・官符・破碎の三つが揃えば、田産上に必ず訴訟が起こるからである。次の一条は牢獄を講ず。木と土が相加して官符を負えば、災殃は獄中に落ち、関・鎖の二神がなおも付き纏って放さない。上が水・下が土で争いの気勢を挟めば、宅舍は安まらず、官司が互いに攻め合う。その所以を究めると、木が土の上に圧しかかり官符と関鎖を帯びるのは牢獄の災いであり、上水下土にさらに朱雀と官符を配すれば、家産田地のために法廷で争うことを主とする。
木金口舌看相臨,破耗錢財劫爭起。金木相加主口舌,帶破碎、二耗主口舌破才。若帶劫煞、勾陳,因口舌爭訟。丑未作勾爭田宅,官符刑害空相逐。血光卻入蒿矢金,被責公廷見訟神。蒿矢見金帶二血,勾陳二獄主刑獄。血支,正丑順十二,血忌正丑、二未、三寅、四申、五卯、六酉、七辰、八戌、九巳、十亥、十一午、十二子,天獄春子、夏卯、秋午、冬酉,地獄春辰、夏午、秋戌、冬子。
木と金が相臨すれば口舌を防ぐべく、破耗の神が一たび発動すれば、銭財上に劫奪・争奪の事がある。金木が相加すればもともと口舌を主とし、さらに破碎と大耗・小耗を配すれば、言い争いと破財の双方である。劫殺と勾陳を配せば、口舌はそのまま官司となる。丑・未の二位に勾陳が乗れば争うのは田宅で、官符・刑害・空亡が一路追い掛けて放さない。血光の災いが蒿矢課の金位に落ちれば、人は公堂で責めを受け、訟神に遭遇する。原注に言う。蒿矢課に金が現れ、さらに血支・血忌の二重の血煞を帯び、勾陳と天獄・地獄の二獄があれば、刑を受けて獄に下ることを主とする。血支は正月の丑から起こり十二支を順行し、血忌は逐月順に丑・未・寅・申・卯・酉・辰・戌・巳・亥・午・子に落ちる。二獄については、子・卯・午・酉がそれぞれ春夏秋冬の天獄、辰・午・戌・子がそれぞれ春夏秋冬の地獄である。
支鬼刑干人不安,災生禍發惹驚官。支上作鬼刑干,是宅不容人;帶二獄、天吏,主災禍官非事。貴立直符旺身合,多須為吏爭相涉。寅發用乘旺,或合干克支,必主多須之吏來爭。以用傳方之。
日支上の官鬼が日干を刑すれば、人は安穏に住めず、災禍が相継いで起こり、官府まで驚かせる。これは日支上が官鬼と化して日干を刑克すれば、住宅が人を容れないに等しいからである。さらに天獄・地獄と天吏を帯びれば、災禍と官司に纏われることを主とする。また貴人が直符の上に立ち、日干が旺相でこれと相合すれば、おそらく顎鬚をたくわえた胥吏が来て絡み争う。これは寅が発用して旺気に乗るか、日干と相合して日支を克すれば、必ず大きな鬚の吏人が来て争うことを主とするからである。何方の何人であるかは、発用と三伝に依って推し断ずる。
貴亥爭田官符出,病符陰小災生異。貴人乘亥克干,帶官符,主爭田宅;帶病符,陰小有災。貴戌官符不可親,知生舊事再還來。貴人臨戌為履獄,主貴人嗔怒,干貴不見,問訟有忌。若有貴傳生,帶官符,主舊事再發。
貴人が亥に乗って官符が現れれば、田地上に争奪がある。病符に換われば、家中の婦女・幼小に怪異な災病が生じる。これは天乙貴人が亥に乗って日干を傷つけ、官符を配すれば田宅を争い、病符を配すれば妻女・小児に災いがあるということである。また貴人が戌に臨んで官符が傍にあれば、攀附して親しくなってはならない。旧日の案子が再び繙かれることを知るべきである。貴人が戌位に臨むのを「履獄」と言い、貴人が怒りを発し、日干が貴人の照応を得られず、訟事を問うに忌諱があることを主とする。三伝に別の貴人が来て生助し、さらに官符を配せば、旧事が再発する。
貴人臨未貴人拗,只要奉承心不懊。慎口不爭言奉官,一定罪責都不判。未主陰而拗性,貴臨未,貴性拗也。得此課奉承上官得其歡心,而可無罪也。貴人官符來克干,吏官一定訟遭官。用乘貴人帶官符、天吏來剋日干,有爭訟之應。貴人爭訟無明白,不如舍棄歸家去。貴人履獄主爭訟不明,不如歸家不爭。
貴人が未に臨めば、性情は拗ねて扱いにくくなる。ただ彼に奉承すれば、心に懊悩を蓄めない。言語を慎み、人と争わず、上官に奉承すれば、罪責は必ず下されない。これは未が陰に属して性が執拗だからで、貴人が未に臨めば、貴人の気質もまた執拗になる。このような課を得たら、ただ上司に奉承してその歓心を得れば、無罪でいられる。また貴人が官符を帯びて日干を克すれば、胥吏と官長が必ず人に官司を負わせる。これは発用が貴人に乗り、官符・天吏を帯びて日干を克すれば、争訟の応験があるということである。また貴人が獄位に臨めば、争訟は明白に理が立たず、手を捨てて家に帰るに如かず。貴人が獄を履めば訟事は曖昧模糊として、家に帰って争いを止めるに如かないことを主とする。
蛇辰官吏為田園,憂哭昏沉有不安。「哭」原本作「災」。蛇乘辰上克干,帶官符、獄吏,主爭田園;帶憂哭、病符、死氣,主昏沉災病。憂是憂神,災是災煞。金氏云,一本作「哭神」。
螣蛇が辰に落ち、官符と吏神が併せ在れば、田園の争いのためである。憂・哭の二神がいっしょに現れれば、人は昏沈として安まらない。訣の「哭」の字は、底本ではもともと「災」と作っていた。田園産業のために訴訟を起こすというのは、螣蛇の乗る神が辰位に落ちて反って日干を傷つけ、傍らに官符と牢獄を掌る吏人があるからである。憂・哭の二神に換えてさらに病符・死気を配せば、主とするのは昏沈困頓・災病纏身である。ここでの「憂」は憂神を指し、「災」は災煞を指す。金正音の言では、別の本ではこれを「哭神」と作るという。
蛇卯賊驚見盜神,病煞女人災禍至。蛇加卯上克干帶盜神,主盜驚;帶病符、女禍,主女人災。蛇戌兵仇爭死喪,官符刑害入官方。戌惡人,蛇加之,又加劫煞,刑害必是挾仇而爭死喪人家之財物。若帶官符,主斗打入官方。
螣蛇が卯に加わり、さらに盗神が見えれば、盗賊の驚擾を主とする。病符の類の煞気を帯びれば、婦女が災禍に遭う。これは螣蛇が卯に加わって上から日干を克し、さらに盗神を帯びれば、盗賊の驚恐を受けることを主とする。病符と女禍煞を帯びれば、家中の女子に災いがあることを主とする。また螣蛇が戌に加われば、兵を動かし仇を結ぶことを主とし、丧事のために争う。官符と刑害を帯びれば官府にまで持ち込まれる。戌は凶悪な人を表し、螣蛇がその上に加わり、さらに劫殺を加え、刑あれば害もあり、必ず仇怨を挟んで葬儀を執り行う家の財物を争奪する。さらに官符を帯びれば、斗殴打架して官府に訴えることを主とする。
朱寅官符有官訟,若入病符籌火災。寅發用乘朱,帶官符,主官訟;帶病符、火鬼,主火災。火鬼,春午、夏酉、秋子、冬卯。朱辰官訟見官符,或者吏神至上呼。用神乘朱帶官符、天吏,主官訟。朱巳病符須見病,官符口舌相爭論。巳發用乘朱雀,帶病符,主病;帶官符,主官訟。
朱雀が寅に乗って官符が傍にあれば、官司が起こる。病符に換われば、火災の事を画策しなければならない。そのわけは、寅が発用してさらに朱雀に乗り、官符を配せば官司を打ち、病符と火鬼を配せば火災が出るからである。火鬼の位置は、午は春、酉は夏、子は秋、卯は冬に属する。朱雀が改めて辰に乗って官符に逢えば、同じく官訟の象であり、あるいは吏人が門に上って喚問する。発用が朱雀に乗りさらに官符と天吏を帯びれば、みな官訟を主とする。朱雀が巳に乗って病符を帯びれば、必ず疾病が現れる。官符を帯びれば、口舌の争論が起こる。巳が発用して朱雀に乗り、病符を配せば病気を主とし、官符を配せば官司を主とする。
朱寅官符官訟顯,皇詔文書喜信臨。寅為吏,為衙門,旺乘朱帶官符克干,主有吏人訟。又為文官。如克干帶旺相,時帶皇恩、天詔,有朝廷喜信。朱子官符爭必生,病符心痛事無成。用子乘朱,若帶官符,主爭訟;帶病符,主心痛。
朱雀が寅に乗って官符が同じく現れれば、官訟は明らかである。もし来るのが皇恩・天詔の一路であれば、文書の喜報が門に届く。そのわけは、寅は胥吏を象徴し、また衙門を象徴する。寅が旺して朱雀に乗り、官符を負って日干を傷つければ、吏人が告訴することを主とする。寅は同時に文官をも表し、もしそれが日干を傷つけるとき自身が旺相に当たり、なおかつその時に皇恩と天詔を配していれば、朝廷からの好消息がある。朱雀が改めて子に乗って官符を帯びれば、争執は必ず発生する。病符を帯びれば、心胸が痛み諸事成就しない。子が発用して朱雀に乗り、官符を配せば争訟を主とし、病符を配せば心痛を主とする。
勾陳乘卯加在辰,上有關神主訟爭。德喜加之應有解,終久不和訟不成。辰加卯,是惡人臨門,更有關、吏、二獄,有訟爭;見德、喜、解神,終久不成訟也。勾為羅網訟相侵,若入空亡有半驚。勾帶羅網,主爭訟;若入空亡,則有形無實,故半驚。
勾陳が卯に乗って辰に加わり、上にさらに関神があれば、訴訟争いが起こることを主とする。徳神・喜神が加臨すれば、解散の機があるはずで、双方はついに話がまとまらなくても、訟事は成立しない。これは辰が卯に加わるのはまさに凶悪な人が門に臨む象であり、さらに関神・吏神と天獄・地獄があれば、訴訟争いがある。一旦徳神・喜神・解神に逢えば、ついに訴訟は成り立たない。また勾陳が天羅地網を帯びれば、訟事が身に迫る。空亡に落ちれば、形はあって実がなく、ただ半場の虚驚を受けたにすぎない。勾陳が羅網を帯びれば争訟を主とし、空亡に落ちれば事は影があって形がない。ゆえに半驚という。
勾丁作鬼,入於網羅。之子不慎,沉淪獄窩。用勾克干帶丁神、二獄、羅網,尤為利害,否則淪獄不出。勾陳天牢獄並見,一定牢死家不見。又加羅網在其中,死氣相知人有難。勾陳用克干,又帶天牢、羅網煞、羊刃、死氣,主牢死。一有不全,不可言死。天牢,正丑順十二;地網,正酉二辰三午四未五子六丑七寅八亥九卯十戌十一巳十二申。
勾陳と丁神が官鬼と化し、さらに天羅地網に落ちれば、もし慎みを加えなければ、牢獄の中に沈淪する。発用が勾陳に乗って日干を克し、さらに丁神・天獄地獄・羅網を帯びれば、とりわけ酷い。そうでなくとも獄中に陥って出られない。また勾陳が天牢・獄神とともに現れれば、必ず牢中で死に、家人に会えない。さらに羅網がその間に挟まり、死気が随えば、人には大難がある。これは勾陳が発用して日干を克し、さらに天牢・羅網煞・羊刃・死気を帯びれば、獄中で死することを主とする。この数様のうち一つでも欠ければ、死と断じてはならない。天牢の起法は正月に丑にあり、以後十二支を順行する。地網の逐月の落点は酉・辰・午・未・子・丑・寅・亥・卯・戌・巳・申である。
勾陳又見二獄神,更加直符走紛紛。須更有卒來提捉,驚怕之時莫出門。上勾下水主辰方,刑害田宅相爭惶。用勾帶獄神、直符,有卒來提捉;又水乘辰,用見勾,加刑害,主爭田宅。寅卯辰乘上有勾,官災斗打事無休。勾連訟獄胥符會,當有非災牢獄愁。勾陳加吏、獄,主爭鬥官災。
勾陳のほかにさらに天獄・地獄の両獄神が現れ、直符を加えれば、人は四方に奔走して安まらず、おそらく差役が門に上って拘捕する。驚き恐れるときは決して門を出てはならない。上は勾陳、下は水で、辰の方位において刑害のために田宅の争いに惶恐することを主とする。これは発用が勾陳に乗りさらに獄神・直符を帯びれば、差役が人を捕らえに来る。さらに水が辰に乗り、発用に勾陳が見え、刑害を加えれば、田宅の争奪を主とする。また寅・卯・辰の上に勾陳が乗れば、官災と斗殴が果てしない。勾陳が訟獄に牽連すれば、胥吏と官符が一か所に集まり、意外の災いと牢獄の憂いがあるはずである。勾陳が吏神・獄神を加えれば、争闘と官災を主とする。
爭訟中間爭剝貴,雖欲求饒沒奈何。爭訟中見二貴,則訟必經二貴人問。劫煞刑傷制貴人,貴人反把我來嗔。不如歸避他方去,免得今朝自有刑。用帶劫煞刑傷克貴,取貴之怒,由是嗔我,宜避逃免禍。
争訟の中にさらに互いに弾劾し剥奪する貴人が現れれば、たとえ寛免を求めようとしてもどうにもならない。これは訟事中に二人の貴人が見えれば、案子は必ず二級の貴官の審問を経るからである。また劫殺と刑傷が反って貴人を制すれば、貴人は向きを変えて我に怒りを発する。ならば別の所に身を避けるに如かず、その日のうちに刑責を受けないためである。発用が劫殺・刑傷を帯びて貴人を克すれば、貴人の怒りを招き、それが我に遷怒する。身を避けて逃れてこそ禍を免れられる。
詔乘劫煞祿堪憂,克我難留頭上頭。人可預逃方上穩,免得公差下捉收。用天詔乘劫煞、羊刃克干,是朝廷賜死之詔,乘太歲尤的。月省、日府、時縣定之,無救則逃不得免。若有救並末傳有生意,並旺相,遠遁可免。
天詔が劫殺に乗れば、禄神さえも憂慮させる。それが我を克しに来れば、頭上のこの一命は保ちがたい。人があらかじめ安穏の方位に逃れれば、差役が下って捉えるのを免れられる。これは発用が天詔で劫殺・羊刃に乗って日干を克すれば、朝廷の賜死の詔書に等しい。さらに太歳に乗れば、なお確実である。いずれの級の衙門から発するかは、月建なら省、日辰なら府、時辰なら県と断じて定める。課中に救神がなければ、逃げても免れない。救神があり、しかも末伝に生気を含み、さらに旺相に逢えば、遠く逃げればなお躱し得る。
堂堂天詔出天門,雀使云云祿馬奔。上見君皇加寵贈,官上加官榮上榮。用亥為天門,加天詔、祿、馬、朱雀,傳見太歲、月、日昌生干,主封贈加官。皇恩天詔天龍戰,必有兩官相剝彈。奏對君王分可否,受克之人對理難。卯日占用卯,酉日占用酉,又人年立卯酉,用起卯酉上神,為龍戰。若用上帶皇恩、天詔,必有兩官剝彈之事,其辨勝負以何者克他,何者旺相,而克人勝他,理直。
堂々たる天詔が天門から発し、朱雀が使者となって伝報し、禄神・駅馬が一路奔馳する。上は君王に見えて寵賜・封贈を加えられ、官職の上にさらに官職を加え、栄耀の上にさらに栄耀を添える。これは亥が天門であり、発用に亥を取り、さらに天詔・禄神・駅馬・朱雀を加え、三伝中に太歳・月建・日辰が昌盛して日干を生助すれば、封を受け贈を受け、昇遷して官を加えることを主とするからである。また皇恩・天詔が「龍戦」の象に逢えば、必ず二人の官員が互いに弾劾する。君王の前で奏対して誰が是か誰が非かを判定すれば、克される方は理屈が立たず弁えない。「龍戦」とは、卯日に占って卯を発用とし、酉日に占って酉を発用とするか、本人の行年が卯酉に立ち、発用が卯酉上の神から起こるものをいう。発用の上に皇恩・天詔を帯びれば、必ず両官が互いに弾劾する事がある。勝敗を分かつには誰が誰を克し、誰が旺相かを見る。相手を克し得る方が勝ち、その理は直である。
火金德合得平和,其人如玉堪愛多。酉金卯木哭憂會,官符陰私口舌多。囚忌加於日與辰,網羅二獄又同臨。囹圄不久相纏繞,悔之不及淚徒零。旺鬼加之主訟爭,官與直符用上行。務宜謹慎免人侵,不見其輪不見贏。
火と金が徳神と相合すれば、事は平和に帰し、その人は温潤で玉の如く、大いに親しむに値する。しかし酉金と卯木が相冲し、さらに哭神・憂神を聚め、官符を加えれば、陰私と口舌が多い。囚神・忌神が日干と日支の上に加臨し、天羅地網と天獄・地獄がまたともに身に臨めば、牢獄の災いは間もなく纏い付く。その時に後悔しても遅く、空しく涙を落とすのみである。旺相の官鬼がその上に加臨すれば、訴訟争いが起こることを主とし、官符と直符がまた発用の上を行く。このような時は必ず慎むべきで、人に侵害されるのを免れられる。勝敗の輪転が見えず、勝つとは言えないからである。
時當訟神,家有訟刑,更有官符,仇悔不定。刑亥登明,勾帶朱官,直符二獄,更臨囚死,必有官司,鬼帶飛符,身犯二獄,之子不慎,如何不哭?飛符,甲乙申,丙丁亥,戊己未,庚辛戌,壬癸辰。
占時がちょうど訟神の位に落ちれば、家中に訟事と刑責がある。さらに官符を添えれば、仇怨と懊悔が絡み合って晴れない。刑が亥に落ちる。亥はすなわち十二月将の中の「登明」である。勾陳がまた朱雀と官符を挟み、直符と天獄・地獄がいっしょに現れ、日干がちょうど囚地・死地に臨めば、その官司は避けられない。官鬼がさらに飛符を負い、自身が二重の獄神を犯せば、なお慎もうとしなければ、どうして涙を落とさずにいられようか。飛符は日干に依って起こる。申は甲乙に、亥は丙丁に、未は戊己に、戌は庚辛に、辰は壬癸に属する。
午作官符加吉神,詔儀又入祿馬臨。朱動輕浮為歲貴,壬子曾將此舍名。用午作官符,上加吉神,詔儀祿馬又臨朱雀歲貴,訟不成。勾陳臨卯加在辰,墓門墳冢煞相臨,不是爭墳人不足,就是爭田價不明。辰為墓,帶墓門、墳冢煞,帶生氣是墳,生氣是田。勾臨卯加辰,是六害克干,主爭田或墳事。墓門,正亥逆四孟。三墳,即三丘。五墓,即哭神。
午は官符と化すが、上に吉神が圧し、天詔と六儀がまた禄神・駅馬に連なり、朱雀は発動するが軽浮で力なく、かえって太歳貴人となる。壬子のこの一課はかつてそれをもって名を立てた。言い換えれば、発用の午が官符をなすが、上に加わるのは吉神で、詔・儀・禄・馬がさらに朱雀・歳貴とともに位に臨めば、訟事は起こせない。別の一条は勾陳を講ず。それが卯に臨んで辰に加われば、墓門と墳塚煞が同時に身に臨み、墳地のために人心を争って足りないか、田価のために争って明らかでないかである。辰はもともと墓庫で、墓門と墳塚煞を配する。一説に生気を帯びるものは墳を主とし、一説に生気を帯びるものは田を主とする。勾陳が卯に臨み辰に加われば、卯辰はちょうど六害を成して日干を傷つける。ゆえに田地あるいは墳塋のために争いを起こすことを主とする。墓門は正月の亥に起こり、寅申巳亥の四孟に逆って推移する。三墳はすなわち三丘煞で、五墓はすなわち哭神である。
勾陳牢煞若並見,一定牢死家不見。騎虎而行,進必思卻。寅為干,加寅作馬是也。又被刑帶煞,主有凶,不可進也。騎馬而進,退而心安。午為馬,干上加午,必欲求進,卻又與支宅作三六合,是忘家也。強行不安,必中途而回,不去為妙。
勾陳と牢獄の煞が同時に現れれば、必ず獄中で死に、二度と家人に会えない。また虎に騎って路を急げば、一たび前に進めばすぐ後に退くことを思わねばならない。これは寅はもともと虎に属し、日干が寅に寄り、さらに寅を加えて駅馬と化すのは、まさに騎虎の象だからである。さらに刑克を受け、凶煞を帯びれば、凶険があって前進すべからずを主とする。別の一句に、馬に騎って前進すれば、退き帰れば心はかえって安穏であるという。午は馬に属し、日干の上に午を加えれば、もともと急いで進もうとする。しかし午が日支の表す住宅と三合・六合を結べば、家を後に置き去りにするに等しい。強いて前に往けば心神は安まらず、中途で必ず引き返す。行かない方がよい。
一牛二鬼,東走西起。課中金鬼,雖他為財。若非吉將,病哭訟來。課中無財,不能化為鬼,鬼多不止哭泣,病訟立見。后合出門女見悲,必有陰私人自欺。天后六合臨亥加卯酉上來克干,或刑害干支,帶哭神、憂神,主出門見女悲也。傳入太陰,是其悲也,必見陰私之人相欺,豈徒悲哉?憂神,春丑夏子秋戌冬亥。
一頭の牛に二重の鬼を配せば、東へ奔り終えれば西がまた起こる。課中に金が官鬼と化せば、他人にとっては財と見なせるが、吉将がこれに乗らなければ、疾病・哭泣・訴訟がそれに続いて来る。これは課中にもともと財がなければ、財は鬼に転化し得ない。鬼が多くなれば、哭泣だけに止まらず、疾病と訴訟がすぐに見える。また天后と六合が当値すれば、出門すれば女子の悲しみに逢い、必ず暗中で私を行う人が来て自己を欺く。天后・六合が亥に臨み卯または酉の上に加わって日干を克するか、日干日支を刑害し、さらに哭神・憂神を帯びれば、出門して女子の悲泣に遭うことを主とする。三伝がさらに太陰に入れば、その悲傷の背後には必ず陰私を弄する人がいて欺瞞しており、悲傷だけに止まるものではない。憂神の定位は春は丑、夏は子、秋は戌、冬は亥である。
有馬如龍,有事如風,速來速往,不落沉蒙。用日馬帶飛廉,是有馬如龍,帶劫煞是有事如風;事既來速,馬又催行,必有速事而速成也。有馬不行,諸事宜停。子無前往,諸事不成。馬主動,落空則馬不行。入蛇被纏有阻,所事不成,宜止。
馬があって竜の如く速く、事があって風の如く急で、来るのも速く去るのも速く、昏沈遅滞に陥ることはない。これは発用に日辰の駅馬を取り、さらに飛廉煞を帯びれば「有馬如竜」であり、劫殺を帯びれば「有事如風」である。事がすでに急で来て、馬がまた路を急ぎ催せば、必ず急事であり、しかも速く成し遂げられる。逆に言えば、馬があっても走れなければ、あらゆる事は停まるべきである。前に往くなかれ。往っても一事も成らない。駅馬はもともと動を主とするが、一たび空亡に落ちれば馬は走れない。さらに螣蛇に入れば、纏われて阻礙があり、弁ずる事は成らない。停まるのがよい。
行不可行,住不可住,忽然而往,忽然而至。此返吟課帶馬破沖,是不可行。即沖則止,又動不安,是不能住,忽往忽來,疏與事俱無定主。午子相掩看加煞,有影無形事還發。返吟相沖掩,若再入空,凡事有影無形。若更生氣旺相,其事初不成而後發。
行こうとしても行けず、停まろうとしても停まれず、忽ち出て行き、忽ち帰って来る。これは返吟課が駅馬を帯びてさらに破と冲に逢うので、動身すべからずである。一たび冲に逢えば止まるが、心はまた躁動して安まらず、ゆえに停まれず、忽ち去り忽ち来り、人も事も主意が定まらない。また午と子が互いに掩蔽すれば、なお何の凶煞を加えたかを見ねばならない。事には影があって形体が見えず、後日また再び発作する。返吟課はもともと相冲相掩で、さらに空亡に落ちれば、凡事みな影あって形なし。しかし別に生気があり、さらに旺相に逢えば、その事は初めは成らなくても、過ぎて後なお再び発動する。
三頭兩面,一鬼出現,上不為嗟,下不為嘆。如火日干,亥加卯為三頭鬼,巳加酉為四面鬼;一鬼克干出現,餘鬼乃傳中鬼,自相剋。如上克下損才不損人,不足為憂;下克上則傷長人,可慮。
いわゆる「三頭両面」とは、幾重もの鬼象のうち一重だけが真に現身することである。上が下を克すれば嘆くに足らず、下が上を克すればこそ憂い嘆くに値する。例を挙げれば、日干が火に属すれば、亥が卯の上に加わるのを「三頭鬼」といい、巳が酉の上に加わるのを「四面鬼」という。これらの鬼象のうち真に日干を克して作用を顕すのは一重だけで、残りはみな三伝の中で自ら相克する鬼である。上神が下神を克するなら、財物を損じて人を傷つけず、憂うに足らない。下神が上神を克するなら、尊長を傷つけることになり、それは顧慮に値する。
天空凡事皆為虛,意指其事都不實。天空乃虛詐之神,主虛不實。得賊被逃,得物被脫,作事不成,有害不實。難可隱匿,物則可藏。難捉又走,官星伏吟。求名不成,天空入空,枉用其心。用傳官星,上乘天空,虛名不成,若乘吉神,不空則有可望。
天空の一将が当値すれば、凡事みな虚妄に属し、指す所の事はすべて落実しない。天空は虚偽詐妄の神で、一切の有名無実を主とする。賊を捉えても逃げられ、物を得ても人に騙し取られ、事を為しても成らず、害ありと言っても害は実在しない。人は藏匿しがたいが、物はかえって蔵えられる。捉えようとして逃げられ、官星はまた伏吟に逢って動かず。功名を求めても成らず、天空がさらに旬空に落ちれば、それこそ心を空費する。発用と三伝中の官星が、その上に天空に乗れば、虚名だけで事は成らない。乗るのが吉神であり、しかも空亡に落ちなければ、なお指望がある。
官克年神被人騙,必有破耗兩相見。休囚方有旺相無,口裡無言心裡戀。年上神是我一年所專之事,空破耗殺作剋剋之,主破才事。若行年休囚奇應;旺相則無,雖騙不能言。空克年神帶丁馬,奴婢小人怨情寡。必須逃走隨別人,一例應防情意假。奴婢怨主而逃。天空負喜來生合,其年奴婢必添丁。天空發用並旬空,無形無影事沉蒙。
官鬼が本人行年上の神を克すれば、人に欺かれることを主とし、破財と耗損の二様がいっしょに現れる。行年が休囚の時にのみ応験し、行年が旺相ならばそうはならない。たとえ欺かれても、口に出さず心に念じて忘れないだけである。行年上に乗る神は、私のこの一年に専ら主る事を表す。空亡・破碎・大耗小耗などの殺神がそれを克すれば、破財の事を主とする。行年が休囚なら応験は格別に確かで、行年が旺相ならこの事はない。たとえ騙そうとする人がいても私を動かせない。また天空が空亡に落ちて行年を克し、併せて丁神・駅馬を帯びれば、奴婢・下人は怨望を抱き情分が薄れ、おそらく逃げて他人に従う。一切彼らの情意が偽りであることを防ぐべきである。これは奴婢が主人を怨んで出奔することである。逆に天空が喜神を負載して我を生じ我と合えば、この一年奴婢の家は必ず添丁する。しかし天空がいったん発用してさらに旬空に逢えば、事は無形無影で沈埋して明らかでない。
丙丁己日作本空,吏符相見訟災他。不見公門人有訟,公門口舌已成空。白虎行年上乘劫,大禍滅門羊刃發。必有殺傷鄙賴人,預防豫備免遭法。白坐年辰欲出行,忽入空亡行不成。不帶丁馬游煞準,若帶游神要過旬。白虎旺鬼,吏關官符,必有爭訟,與人作仇,吏神刑之,作我官符。白虎乘旺鬼並諸煞,必有官符爭訟。
丙日・丁日・己日の天空がちょうど本旬の空亡に当たれば、吏神と官符が相見えて、訟事災殃は他人の頭上に落ちる。自分は公門に上る必要がなく、たとえ訴訟があっても、公門内の口舌はすでに落空している。また白虎が行年の上に乗って劫殺を帯び、大禍煞と羊刃がいっしょに発動すれば、必ず凶横無頼の徒に遇って刀を動かされ人を傷つけられる。あらかじめ防備してこそ官司を免れられる。白虎が行年・日支に坐り、もともと出行しようとして、忽然と空亡に落ちれば、行程は成らない。もし丁神・駅馬と遊煞を帯びなければ、この断法は甚だ確かである。遊神を帯びれば、この一旬を過ぎるのを待つべきである。白虎が旺相の官鬼に乗り、さらに吏神・関神・官符があれば、必ず争訟があって人と仇を結び、吏神が来て我を刑すれば、それが我の官符となる。要するに白虎が旺鬼に乗りさらに各種の凶煞を併せれば、必ず官符争訟の事がある。
白牙乘金最不堪,必知論語事相干。二獄網羅官訟發,名罪應知在禁間。太常貴人兩合生,德祿馬喜又相併。邇來定作朝廷用,不是區區凡庶人。用乘常貴與年上生合,又帶生氣等吉,或季命上神帶祿馬、德神,必非凡人。常作官星合比日,功名是也。若蒿矢見申作用,常與祿加午,午為紅心,巳弓申箭,中武舉。
白虎が金に乗るのは最も承当しがたく、必然に言語議論の事に牽連する。天獄・地獄と天羅地網が揃って動き、官訟はこれに随って発作し、罪名はおそらく囚禁の中に坐実される。逆に吉象を見れば、太常と貴人が両下に相合相生し、徳神・禄神・駅馬・喜神がまた一か所に併せあれば、近いうちに必ず朝廷に用いられ、区々たる平民ではない。これは発用が太常・貴人に乗って行年上神と相生相合し、さらに生気などの吉神を帯びるか、本命上神が禄馬・徳神を帯びれば、この人は必ず凡庸ではないということである。太常が官星と化してさらに日干と相合相比すれば、それは功名の象である。蒿矢課を得て申を発用とし、太常と禄神が午の上に加われば、午は箭靶の紅心、巳は弓、申は箭で、武挙に考中することを主とする。
常克行年帶破神,必有爭奪財親事。預防不測免其傷,當與則與免悔失。玄克行年入五盜,又乘諸煞來相照。內必有賊來害我,夜急防之免賊耗。玄克行年帶相負,迷神更兼謾語傅。欲過東兮欲過西,無依必有陰害謗。干年神受元武所生,又入德神,並喜合旺,則進人口,衰則進田產,其年不可言禍矣。
太常が本人の行年を克してさらに破神を帯びれば、必ず財物や親事を争奪しに来る人がある。意外を防いで傷を免れ、与うべきは与えて、後日の懊悔と損失を免れるがよい。玄武が行年を克してさらに五盗の位に落ち、なお各種の凶煞に乗って交相映照すれば、家中に必ず我を害せんとする賊人があり、夜間に急いで防範してこそ盗まれずに済む。玄武が行年を克してさらに相負煞を帯び、迷神に谩語神が加わって相附すれば、人は東にも行きたく西にも行きたくなり、依るべなくして、必ず暗中の陥害と毀謗に遭う。しかし日干と行年上神が反って玄武に生ぜられ、さらに徳神に入り、併せて喜神と相合して気勢が旺盛ならば、旺時は人口の増加を主とし、衰時は田産の増加を主とする。この一年を禍事と断ずることはできない。
元加刑害與官吏,仍為爭訟事逃利。若見井煞無水憂,須防溺死無奔投。井煞,正未順十二。陰克行年帶咸池,劫人相累事無疑。或東或北人還西,必定陰謀要慎之。天后生年起劫神,或為喜合轉相親。此時必有婚和配,姻婢其間一路尋。后克行年帶奸門,傳中又見害和刑。必有姦情兩爭鬥,累死人家又至貧。陰后臨酉加於丁,莫說有財被婦爭。
玄武に刑害を加え、さらに官符・吏神に逢えば、依然として争訟を主とし、事は躲避に依ってこそ利益を保ち得る。井煞が見えて課中に水がなければ、また人を憂心させ、落水して溺死し身の寄る所なきを防がねばならない。井煞の起法は正月に未にあり、以後十二支を順行する。太陰が行年を克して咸池桃花を帯びれば、あの劫奪の人に牽累されるのは疑いない。その人はあるいは東、あるいは北にいて、最後に西へ往く。その中に必ず陰謀があり、格別に謹慎すべきである。天后が行年を生助して劫殺を引き起こすか、あるいは喜神と化して相合し互いに親近すれば、この時必ず婚配の事があり、媵妾・婢女までもその中に求める。天后が行年を克して奸門煞を帯び、三伝中にさらに刑と害が見えれば、必ず奸情のために両方が争闘を起こし、人家を牽累して敗落させ、貧窮に至る。太陰・天后が酉に臨み丁の上に加われば、銭財があるどころではなく、財まで婦人に争い取られるのを恐れるばかりである。
皇皇天使傳命敕,意本下來加赴試。小人不用不須求,君子逢之方有益。用乘貴為天使,帶皇書、天詔生支旺相,是朝廷敕命加官,君子有遇才吉,小人凶。官貴龍常,年命最良,意在求舉,皇書降祥。官星帶貴、龍、常在年命上,與用干支生比,無刑沖剋破害空,帶皇書與年命合吉,求名大利。
堂々たる天使が敕命を伝え下すのは、もともと人を試験に赴かせるのが本意である。小人がこれを得ても用はなく、強いて求めるに及ばず、君子だけが遇えば真に益がある。これは発用が貴人に乗れば天使の象であり、皇書・天詔を帯びて日支を生じ、さらに旺相に逢えば、朝廷が敕を下して官を加える。君子が遇えば吉で、小人が遇えばかえって凶である。また官星が貴人・青竜・太常とともに行年・本命の上にあれば、最も吉良で、もし科挙を求める心があれば、皇書は祥瑞を降す。官星が貴人・青竜・太常を帯びて行年本命の上に落ち、発用・日干日支と相生相比し、刑・冲・克・破・害・空がなく、さらに皇書を帯びて行年本命と相合すれば、功名を求めるに大いに利がある。
貴人丑未下乘馬,吉神德祿相扶持。皇恩天詔在其中,赫赫功名人仰視。丑未得貴人之位;用傳帶吉神良將,功名必顯。◎上臾下貝午德詔召徵書,官有升擢庶有資。午為文書,作用上,乘貴,帶恩、詔、皇書,干支年比合,官遷升,民為財。
天乙の一将が自家本位に端坐する。それは丑と未で、足元には駅馬を踏み、各種の吉神が徳・禄とともに来て扶ける。中にさらに皇恩と天詔を挟み入れれば、こうして声名は煊赫となり、衆人は仰ぎ見る。そのわけは、丑と未はもともと天乙の本家で、発用と三伝がまた良善な天将を配していれば、前程は自然と明るいからである。次の一条の口訣は、頭の一字が原書で欠刻し、刻工は四字でその形を描いたのみで、上は臾、下は貝である。この一条が講ずるのは、午が徳神と天詔を負えば、朝廷の徴召公文が下り、在職者は升擢を得、平頭の百姓もまた一份の資財に浴するということである。その理は、午が文書を象徴し、それが上に発用して天乙に乗り、さらに皇恩・天詔と皇書を配し、日干・日支・行年と相比相合すれば、官に居る者は遷転し、庶民は財を進める。
貴旺皇恩德喜扶,定有恩榮官吏吉。用貴得旺相併皇書德喜,主貴長遷。若帶吉神失時,為吏,異路功名。貴帶天詔,刑害自干,於此宜謹,免於命殘。用貴帶天詔,有下頒之恩。又帶二死刑害克干,若旺相生氣,或有譴責,而可防。如干臨囚死,不免命殘。
貴人が旺相で、さらに皇恩・徳神・喜神が扶助すれば、必ず恩栄を得、官を為し吏を為してもみな吉利である。発用が貴人に乗って旺相を得、併せて皇書・徳神・喜神があれば、貴人が一路昇遷することを主とする。もし吉神を帯びても時令を失えば、胥吏を為すに止まり、異途出身の功名を行く。また貴人が天詔を帯びるが、刑害が日干自身から発するような場合に遇えば、慎むべきで、こうしてこそ性命の残損を免れられる。発用が貴人に乗り天詔を帯びれば、もともと朝廷の頒下する恩典がある。しかし同時に二死煞と刑害を帯びて日干を克すれば、日干を見るべきである。日干が旺相で生気があれば、あるいは一場の譴責を受けるのみで、なお防備し得る。日干が囚地・死地に臨めば、性命の残傷は免れない。
官貪可囑,貪賄不足。被民所傷,告而歸俗。用官加休囚死絕之位,傳入太陰、六合、元武,臨財生官,是官貪財受賄。如下克上,帶謾語、天禍,又來入支,必被民告回家。有使相催莫便行,詔書雖到未為榮。只宜謹守山林隱,可伴漁樵過此生。用乘天詔、皇書,有使催我為官,中變二死、刑害克干,則吉中有禍,宜隱,不可去。用官見祿馬貴朱,無刑剋沖破,為吉。
官を為す者の貪心は、請託して打点することができるが、賄賂を貪ることは永遠に満足を知らない。結局は百姓に告発されて傷を負い、官を罷めて郷に帰り平民を為すのみである。これは発用の官星が休・囚・死・絶の地に加わり、三伝がまた太陰・六合・玄武に落ち、財爻に臨んで官を生ずれば、まさに官吏が財を貪り賄賂を受ける象である。さらに下神が上神を克し、谩語・天禍を帯び、また日支の上に落ちれば、必ず百姓に告げ倒されて家に帰る。また使者が来て催促し、すぐ動身するなかれ。詔書は届いても栄耀と言うに足らず、山林を謹守して隠居し、漁翁・樵夫と伴なってこの一生を過ごすに如かず。これは発用が天詔・皇書に乗れば、確かに使者が来て出仕を促す。しかし中伝が二死煞・刑害を変出して日干を克すれば、吉の中に禍を蔵しており、帰隠すべきで、往ってはならない。発用の官星が禄神・駅馬・貴人・朱雀に見えて、刑・克・冲・破がなければ、それこそ吉である。
貴人簾幕,晝夜兼見。意在功名,遐邇瞻仰。官貴三奇發用,皇書、天詔,顯赫當時,帶諸吉星用貴德祿,不是常人,必為科甲,高見王侯。帶印祿、皇恩、天詔,求官。奇儀德喜,官貴可擬。尤帶吉星,主當要路。貴乘丑未,有鬼為魁。課得元首作貴德馬,鑄印、龍德、太陰,功名唾手可得。
昼貴人と夜貴人が簾幕の如く層々に張り開かれ、両貴人は昼夜ともに見える。心思が功名に置かれていれば、遠近の人はみな仰ぎ見る。これは官星・貴人が三奇とともに発用し、さらに皇書と天詔があれば、声勢が一時に顕赫となる。さらに各種の吉星を配し、発用がまた貴・徳・禄に乗れば、この人は尋常の輩ではなく、必ず登科及第し、王侯に高攀し得る。印綬・禄神および皇恩・天詔を配せば、ちょうど官を求めるのに用いられる。三奇・六儀と徳神・喜神が斉備すれば、官位貴顕の指望がある。ことに吉星を添えれば、要衝の職を執掌することを主とする。貴人が丑・未の本位に乗る時は、たとえ官鬼があってもかえって魁首となる。もし課体が元首を得、しかもそれが貴人・徳神・駅馬をなし、さらに鋳印課・龍徳と太陰に見えれば、功名はまさに唾手で得られる。
螣蛇加酉,大小月煞。口舌相臨,無時可罷。朱雀門前,早晚嚼嚼。爾有佳音,官人升爵。朱雀臨卯酉為門前也。干若旺相,用官帶喜化德祿馬、天詔,主高遷。帶信馬主有信。帶官符,主口舌。
螣蛇が酉の上に加わり、さらに大月煞・小月煞に逢えば、口舌是非が相継いで身に臨み、歇まる時がない。朱雀が門前に落ちれば、早晚啾啾と鳴き叫び、吉象であれば、佳音の伝わることがあり、官を為す者は爵位を昇進できる。朱雀が卯に臨むか酉に臨むのを「門前」という。この時日干が旺相であれば、発用の官星が喜神を帯び併せて徳神・禄神・駅馬・天詔を転化すれば、高昇を主とする。信馬を帯びるものは音信があることを主とし、官符を帯びるものは口舌を主とする。
官朱用貴亥與刑,此身爭訟入公庭。直符乘朱來克支,更兼關獄兩相構。家門不幸遭人侮,文狀交爭見上司。用主作見因囚禁,無救淹纏好脫身。朱雀旺官,吏關官符。來剋日辰,必有訟事。朱會官符並歲刑,羅網卻主訟須凶。六合合申官符獄,羅網捕賊盜逃亡。
官星と朱雀が同時に発用し、貴人が亥に乗ってさらに刑を帯びれば、この人は争訟して公堂に上る。直符が朱雀に乗って日支を克し、さらに関神と獄神が両下に勾結すれば、家門は不幸にも人に欺侮され、状紙が往来交争して、上司に見えることになる。発用が事によって囚禁されることを主とし、課中にまた救神がなければ、長く纏訟するほかなく、身を脱し得ればよい方である。これは朱雀が旺相の官星に乗り、吏神・関神・官符を加えて日干日支を克せば、必ず訟事があるということである。朱雀が官符に會し、また太歳の刑を併せ、さらに天羅地網に逢えば、訟事は凶である。六合と申が相合すれば、官符・獄神がともに在り、羅網の象はかえって盗賊を捕捉し逃亡を追拿することを主とする。
勾陳臨寅作內戰,必因斗打爭相辨。勾陳空亡,官無訟凶。在外莫見,在後莫客。勾陳生年神,進田宅。關訟不宜作鬼刑,又加朱白勾陳生。來克身心有縲紲,見了如何得太平。門火寅辰關閉入,亦知獄中並二血。勾戌刑害是爭墳,或有死尸作祟驚。勾陳有土墓登墳,墓煞相侵攬去魂。不久劫家病災起,合人自在喪其身。
勾陳が寅の上に臨めば、「内戦」の象を成し、必ず斗殴打架によって争論して止まない。勾陳が空亡に落ちれば、官府の方に凶険の訟事はない。人は外で露面せず、後ろに落ちても客を為さぬがよい。勾陳が行年上神を生助すれば、かえって田宅の添進を主とする。関神と訟神は官鬼と化して刑を帯びることを最も宜しとしない。さらに朱雀・白虎と勾陳の相生を加えて自己を克しに来れば、繩索が身に加わる厄がある。このような課象を見てどうして太平でいられようか。門神と火神が寅・辰に落ちて関門閉戸すれば、牢獄の中にまた血支・血忌の二重の血光を併せていることも知れる。勾陳が戌に乗ってさらに刑害に逢えば、墳地の争いであり、あるいは死尸が祟って人を驚かせる。勾陳が土を帯びて墓に入れば、墳頭に登るが如く、墓煞が交侵し、魂魄をも摂り去る。間もなく家中に劫を受け、疾病・災殃が併せ起こり、もともと安穏であるべき人まで命を喪う。
門神在丑,雙乘破碎。必因墓破,須興修置。龍官年陳兩相全,儀合德祿又加年。又是尋常人作孽,此身應是榜中人。用乘龍官與年命合,主貴常同龍。旺生干,皇書、天詔、丁馬主升官職。龍克行年用喜破,不過破財並大禍。爭親爭產及相磨,只宜謹慎無差錯。
門神が丑の上に落ち、また雙雙と破碎煞に乗れば、必ず墳墓に破損があって、工を興して修葺し整治しなければならない。青竜・官星と行年・勾陳の四様が俱全し、六儀・六合・徳神・禄神がまた行年の上に加われば、尋常の人が孽を為して禍を招いたのでなければ、この人は金榜の上の人物であるはずである。発用が青竜と官星に乗って行年本命と相合すれば、太常と青竜がともに貴気を顕すことを主とする。それが旺相でさらに日干を生じ、また皇書・天詔・丁神駅馬があれば、升官晋職を主とする。逆に、青竜が行年を克し、発用の喜神がまた破に逢えば、破財に大禍煞を加えるにすぎず、親事のため、家産のために互いに摩擦する。ただ謹慎して事に従い、差錯を出さないことを要とするのみである。
惟木作鬼,二血帶死。嗚呼龍虎,扶杖而死。龍並蛇玄在傳支,以惡為善凶化吉。貴加龍常衣食全,若問功名卻有緣。龍不得地,有鬼磨鱗。不見薦引,何以求名?龍入於淵尚自閒,要垂鉤釣不勝竿。三五水天來點化,平空飛上九重天。龍入水者,申酉為鉤;寅卯為竿。守釣作三合不能去。蒿矢加申酉巳為弓箭,貴朱為文書,常為武,加皇書二馬三奇主高官也。射箭卻有二枝半,對客卻有十分卷。武試場中堪作魁,三才相用平胡亂。
ただ木が官鬼と化し、さらに血支・血忌の二重の血光を帯びて死気に連なり、青竜・白虎が同時に現れれば、拐杖に扶えられて死を待つほかない。青竜と螣蛇・玄武がともに三伝と日支の上に落ちれば、かえって悪を化して善となし、凶を転じて吉となせる。貴人が青竜・太常に加臨すれば、衣食は周全で、功名を問えばおのずから縁分がある。しかし青竜が応じる地支の位を得なければ、鬼がその鱗甲を磨ぐのに等しい。挙薦して引き入れる人がなければ、何をもって功名を求めようか。青竜が深淵に潜んでなお悠々自適なら、鉤を垂れて釣ろうとしても竿一本では足りない。三五重の水気と天時が来て點化するのを待てば、それは虚空より九重の雲天に飛び上がる。いわゆる青竜入水とは、申・酉を釣鉤とし、寅・卯を釣竿とするもので、釣鉤を守ってまた三合を結べば、竜は逃げ得ない。蒿矢課を得て申・酉・巳を加えれば、それは弓と箭の象である。貴人・朱雀は文書を主とし、太常は武職を主とし、さらに皇書・天馬駅馬の両馬と三奇を加えれば、高官を為すことを主とする。訣にまた言う。箭を射て二枝半のみ射得て、考官に応えては十分の卷子を書き足す。武挙場中で魁首と為すに堪え、天・地・人の三才が交相に用いられて、一挙に紛乱を平定する。
富貴を論ず
時為干支祿馬帶吉神,貴旺生干支,貴賤不同而求名異於各路。一看干為己身,要旺相,不受刑剋沖破空為吉,其中末傳,有刑沖剋破,初傳則不為忌。二看用末有旺相,與干年命相生比合,不犯所忌。三看帶祿馬、天詔、皇書等吉。四看太歲月建日時作用,帶祿馬官貴等吉。
占時がちょうど日干日支の禄神か駅馬であり、また吉神を帯び、貴人が旺相で来て干支を生助すれば、人の貴賤は各々同じからず、功名を求める門路も各々其道を行く。審察は四層に分かれる。第一層は日干を見る。日干はすなわち自身だから、旺相で気があり、刑・克・冲・破・空亡に傷つけられないことを要して吉とする。留意すべきは末伝である。末伝が刑冲克破に遭えば事を妨げ、初伝が遭ってもかえって忌むに足らない。第二層は発用と末伝が旺相かどうか、日干・行年・本命と相生・相比・相合するか、忌む所を犯していないかを見る。第三層は禄神・駅馬・天詔・皇書これらの吉神が随行するかを見る。第四層は太歳・月建・日辰・時辰が発用に参与しているか、禄馬・官星・貴人の類の吉象を帯びているかを見る。
初居干前,末居干後;末居干前,初居干後;前引後從,或夾祿馬貴等吉星。癸丑日卯巳未,未有鬼入丁,又兼二貴入傳,主貴人提攜成名。辰青入水是雙龍入海,一乘旺不空,主中;一加空亡,主不中。貴龍常三貴人帶四孟作馬,中高魁。貴入寅無空克作官星,必顯貴。入墓止有皇恩詔,則虛名不顯。若貴人不入傳,所乘神生龍常入傳,主合干。又帶吉神,為官長久。丑常入武作官星,帶德詔,中魁解,常戌如之。
格局の上ではなお前後の照応を重んずる。初伝が日干の前にあって末伝がその後にあり、あるいは末伝が前にあって初伝が後にあり、前が路を引き後が随従する勢を成す。あるいはまた前後が禄神・駅馬・貴人これらの吉星を挟んでいても、みなよい。例を挙げる。癸丑日に三伝が卯・巳・未で、未の上に官鬼がありまた丁神に入り、さらに両位の貴人が伝に進めば、貴人の提携に依って成名することを主とする。辰が青竜に乗ってさらに水郷に入るのを「雙龍入海」という。そのうち一条が旺に乗って空に落ちなければ考中を主とし、もう一条が空亡に加臨すれば考中しない。貴人・青竜・太常のこの三貴将が寅申巳亥の四孟の位を帯びて駅馬をなせば、高中魁首を主とする。貴人が寅に入って空に落ちず克を受けず、さらに官星と化せば、必ず顕貴である。しかし貴人が墓に入って皇恩・天詔のみ相随うなら、虚名にすぎず、顕達し得ない。もし貴人自身が三伝に進まなくても、それが乗る神が去ってすでに伝に入った青竜・太常を生助すれば、日干と相合することを主とする。さらに吉神を添えれば、官を為して久長できる。丑の上に太常に乗って武途に入り、官星と化し、また徳神と天詔を帯びれば、武魁か解元に中することを主とする。太常が戌に乗るのもこの理に照らして推す。
丙丁己日作天空,皇詔相逢喜氣濃。更有旺相加在內,不日功名達九重。貴馬在干前為用,合干,貴人引我,早早任。馬官星是功名有。入空亡、伏吟一時不利。丁馬迢迢被索纏,空中徒自重加鞭。不去不來還自閒,何日相逢到九天。詔書入空,一時不發,午丁生干即發。
丙日・丁日・己日に天空が当値するのに遇い、皇書・天詔と相逢えば、喜気は濃い。さらに旺相の気をその中に加えれば、間もなく功名は朝廷に上達できる。これは貴人と駅馬が日干の前に落ちて発用し、また日干と相合すれば、貴人が我を引薦するので、早く赴任できる。駅馬が官星をなせば、功名に就き所がある。しかし一旦空亡に落ちるか伏吟課に逢えば、しばらく順利ではない。訣にまた言う。丁神と駅馬は路途迢迢たるに、繩索に纏まれ、人は空中に在って空しく鞭を加えて催赶する。行かず来らず、依然として閑で、いずれの日にか相逢して直上九天できるか。これは詔書が空亡に落ちて、しばらく発し得ない。午と丁が日干を生助する時を待って、初めて発動する。
課名を論ず
入不入,事最急。課例先以克為傳,其事有應,亦來之意。如元首上克始入,重審下克始入,比用、涉害、返吟、伏吟皆自克而生,故謂之入。占得此者,十有九應,故為最急。如遙克、昴星、別責、八專、返吟、伏吟,不自克而入,皆謂之不入,其吉凶之事,應驗稍遲,亦不全應,故云雲。
課体には「入」と「不入」の分があり、およそ「入」に属するものは、事が最も急迫である。課を起こす通例は、まず四課の中の相克の神を取って初伝とし、およそ克によって伝を成すものは、事に応験があり、また事が自ら門に来るという意味を含む。たとえば元首課は上克下を取って伝を成し、重審課は下克上を取って伝を成し、比用課・渉害課・返吟課・伏吟課もみな相克から生ずる。ゆえに「入」と言う。この類の課を占い得れば、十に八九は応験する。ゆえに事は最も急である。遥克課・昴星課・別責課・八専課およびある種の返吟・伏吟の取法は、自身の相克によるのではなく、みな「不入」と言う。この類の課が主とする吉凶は、応験がやや遅く、しかも全数は兌現しない。ゆえに書中にこのように立論するのである。
課得元首,事可永久。凡事順利,庶可長久。順其分而定守之,順其執而推行之,人心自服,可以長守富貴。故雖遇凶,亦畏名利而不敢犯。故元首課,占人品,為貴。為尊。為君。為父。為長。占人事,為尊貴。占物,為頭上物、並貴重物。占功名為魁首。行兵,主尊制卑、貴役賤。占訟先者勝、事起男子,臣忠子孝,凡事皆順也。
元首課を占い得れば、事は長久できる。元首課は上神が下神を克するを取る。尊が卑に臨み、上が下を御する象で、ゆえに凡事順利で、持久し得る。本分に順って安守し、持する理に順って推行すれば、人心は自ずから信服し、富貴は長く保ち得る。ゆえにたとえ凶象に遇っても、相手は名利を顧忌して敢えて冒犯しない。ゆえに元首課をもって人品を占えば、貴・尊・君主・父親・尊長を主とする。人事を占えば、尊貴の人を主とする。物件を占えば、頭上に戴く物および貴重の物を主とする。功名を占えば、第一に居ることを主とする。行軍用兵では、尊者が卑者を制伏し、貴者が賤者を役使することを主とする。訟事を占えば、先に動いた方が勝つ。事は男子から起こり、臣下は忠誠、子女は孝順で、一切が理に順う。
課得重審,凡事宜謹。凡事以下犯上,則自取不正,人得議之,故凶多吉少。占者須自量其力,自審其勢,不可肆志。得天時之旺,天助也;得地利之和,地助也;得眾傳生助,人助也,自得吉。天時不旺相,地利不和平,傳課不生助,則力孤勢寡,所行不正,自取其敗。占人品則為臣、子、妻、孥,為民,為賤;子逆臣乖;事起女人;奴害主。占人事下犯上,賤凌貴;占禽獸,足趾頭上,其下反生;占物件,以下制上,足上頭下;先順後反;占功名,次榜而改上,副官而權正。
重審課を占い得れば、凡事みな謹慎すべきである。重審課は下神が上神を克するを取る。およそ下をもって上に犯すのは、自己が正しくない位置に立つので、人人すべて議論でき、ゆえに凶多く吉少ない。占者は必ず力量を自量し、形勢を自審し、心志を放縦してはならない。天時の旺相を得れば、天の助けである。地利の和順を得れば、大地の助けである。三伝の衆神の生扶を得れば、人力の助けである。このようにすれば自然に吉に転じ得る。もし天時が旺相せず、地利が和平せず、三伝と四課がまた生助しなければ、勢いは単薄で、行いはまた正しくなく、ただ失敗を自ら取るのみである。これをもって人品を占えば、臣下・子女・妻室児女を主とし、平民・卑賤の人を主とし、子女の忤逆・臣下の乖違を主とし、事は婦人から起こり、奴仆が主人を加害する。人事を占えば、下をもって上に犯し、賤をもって貴に凌ぐことを主とする。禽獣を占えば、脚趾が頭上に生え、下が反って上を生ずることを主とする。物件を占えば、下をもって上を制し、脚が上にあり頭が下にあり、先に順って後に逆らうことを主とする。功名を占えば、もと副榜に列して正榜に改入し、もと副職に任じて正職を代行することを主とする。
時用克干,天網自張;墓網加干,自取其禍;出克入剋,貴有難當;前空後鬼,進退不得;知得比用,免得人難。陽日陽比,陰日陰比發用。凡人一人一事,我可以相制,須謹相防,縱事難成,其凶不大。上下有二三四克,是其人參差不一,必審何者可依,何者可憎,惡者去之,義者依之,能依則同心共事,能去則不致施其奸。占者須審何人、何姓、何方、何地,因所喜而從之居之,寧有禍哉?若占人品,為朋友兄弟,為同事同學,藝官為同僚。占人事為兩事,為同謀。占物為鉗、剪、交椅等件。占飛禽為鴛鴦,走為狼狽,植為連理,潛為比目。
占時の発用が来て日干を克すれば、天羅地網が自ら張り開くに等しい。墓神と羅網が日干に加臨すれば、自ら禍患を招く。克は外から出てまた内から攻め入り、たとえ貴人でも承当しがたい。前は空亡、後は官鬼で、進退ともに得ない。比用課の道理を知れば、他人のもたらす困難を免れられる。比用課の取法は、陽日は日干と同じく陽の一課を取って発用とし、陰日は日干と同じく陰の一課を取って発用とする。およそ一人一事なら、私はなお制し得る。ただ小心に防範すればよく、たとえ事は成りがたくとも、凶険は大きくない。もし上下の間に二重・三重さらに四重の相克があれば、往来の人は参差不齊であり、必ずどれが倚靠できどれが厭悪かを辨明しなければならない。厭悪なものは除去し、仗義なものは倚靠する。倚靠し得れば、同心して事を共にできる。除去し得れば、彼の奸計は施展し得ない。占者はさらに何人か、何姓か、何の方位か、何の地界かを審察し、自己の喜ぶ方に就いて親近し安身すれば、どこにか禍があろうか。比用課で人品を占えば、朋友兄弟・同事同学を主とし、技藝ある官署の中では同僚を主とする。人事を占えば、二桩の事・共同の謀劃を主とする。物件を占えば、鉗子・剪刀・交椅の類の成双成対の物を主とする。飛禽を占えば鴛鴦、走獣を占えば狼狽、草木を占えば連理枝、水中の物を占えば比目魚である。
知得涉害,所事不敗;不知涉害,為害必大。剛日用日上神,柔日用辰上神;涉害深淺,論地盤孟仲季定之。在孟事多反覆,在仲進退不定。凡事交害而有可比,是我有賴,故彼此交加,必審害我者孰輕孰重,輕者來遲可支,重者來速為殃,輕者緩之,重者防之,其禍弭矣。占人品為仇、為敵、為賊;占事為爭、為害、為劈、為侵凌、為賊虐;占草木為荊棘;飲食為毒藥;在禽獸為鷹、蠍、虎、狼、蛇、鴆;在物件為刃、槍、枷、杻類詳之。
渉害課の道理を知れば、弁ずる事は失敗しない。渉害を知らなければ、害を受けること必ず大きい。渉害課の取法は、陽日(剛日)は日干上神を取って発用とし、陰日(柔日)は日支上神を取って発用とする。渉害の深淺は、地盤上の四孟・四仲・四季の位置に依って定める。四孟に落ちれば、事は多く反復する。四仲に落ちれば、進退が定まらない。およそ彼此が交わり害を為し、しかもその中に比較して依るべき所があれば、私にはなお憑藉がある。まさに双方が交攻するがゆえに、害を為すこれらの神のどれが軽くどれが重いかを辨明しなければならない。軽いものは来るのが遅く、なお支撑し得る。重いものは来るのが速く、災殃を成す。軽いものには従容に対応し、重いものには厳しく防備すれば、禍患は消弭できる。渉害課で人品を占えば、仇人・敵人・盗賊を主とする。事情を占えば、争奪・傷害・劈砍・侵凌・賊虐を主とする。草木を占えば荆棘である。飲食を占えば毒藥である。禽獣を占えば鷹・蝎・虎・狼・蛇・鴆である。物件を占えば刀刃・長槍・枷鎖・手銬の類である。みなこれに照らして詳推する。
縱有千金謝,不教作彈射。日遙克神名彈射,天乙逆治,則父子不親;順治君臣猜嫌,客不可留,口舌起西南,事主搖動,人情倒置。用帶土,為有丸,亦能傷人,無土災輕,憂事立散。見太陰元武天空,當有欺謾虛誕事,禍起於內。第四課發用無力,行兵不利主,利先動。
たとえ千金の酬謝があっても、人に弾射課を占わせてはならない。日干が遥かに他神を克して伝を成す。この一課の名を「弾射」という。この時天乙貴人が逆行して将を布けば、父子の間が親しまず。貴人が順行して将を布けば、君臣の間に猜忌・嫌隙がある。客人は挽留すべからず、口舌是非は西南方向から起こり、事主の心神は動揺し、人情は顛倒錯乱する。発用が土を帯びれば、弾弓に泥丸を上げたに等しく、人を傷つけ得る。土を帯びなければ、災害は軽く、憂愁の事は即刻消散する。太陰・玄武・天空の三将に見えれば、必ず欺瞞虚詐の事があり、禍端は内部から起こる。第四課をもって発用するものは、力量が薄弱で、行軍用兵は主方に利あらず、先発して人を制するに宜しい。
死與不死,要明蒿矢。神遙剋日,上下克,並涉害返吟克入最急,有害心置死之道焉。蒿矢不入,為緩,有時發禍其重者,每亦置人於死,占者須辨何輕得生,何重罹禍。此課主外人侵害,占人為仇為賊人,事為亂物件,為枷杻鎖索,禽為啄木鴟梟。
人が死か生かは、鍵は蒿矢課を辨明することにある。他神が遥かに日干を克して伝を成す。この一課の名を「蒿矢」という。およそ上克下・下克上および渉害・返吟の類の克によって入る課体は、来勢が最も急で、その中に人を害しさらに人を死に置く路数を帯びる。蒿矢課は「不入」に属し、来勢は較べて緩い。しかし時としてそれが禍を発することは特別に沈重で、同じく人を死に逼らせ得る。ゆえに占者は必ず分辨しなければならない。どの情形が軽くて生を得、どの情形が重くて禍に遭うかを。この一課は外人が来て侵害することを主とし、人を占えば仇家・盗賊を主とし、事を占えば紛乱の事を主とし、物件を占えば枷鎖・鐐銬・繩索を主とし、禽鳥を占えば啄木鳥と鴟梟を主とする。
成不成,看昴星。四課無克無遙,陽日取仰視酉上神為初傳,支上神為中傳,日上神為末傳;陰日取俯視酉下神為初傳,干上神為中傳,支上神為末傳;昴星雖不入而事之成敗比所入者尤急,不可不慎。如柔日昴雖有吉者而憂懼常兼。剛日昴出行常急。占人品主外人,或來人;占人事或外事牽惹;占物如鐵爐箱類。
事が成るか成らないかは、昴星課を見るべきである。四課の中に相克もなく遥克もない時、昴星課を用いる。陽日は「仰視」し、天盤酉上に臨む神を取って初伝とし、日支上神を中伝とし、日干上神を末伝とする。陰日は「俯視」し、地盤酉下に臨む神を取って初伝とし、日干上神を中伝とし、日支上神を末伝とする。昴星課は「不入」に属するが、事の成敗はそれらの「入」課よりもなお緊急で、慎重にせざるを得ない。たとえば陰日の昴星課は、たとえ吉象があっても常に憂懼を兼ねる。陽日の昴星課は、出行は往々にして十分急迫である。人品を占えば、外来の人あるいは門に上る人を主とする。人事を占えば、外面の事に牽扯されることを主とする。物件を占えば、鐵爐・箱籠の類の如しである。
剛日名虎視轉蓬,宜防闇昧驚憂,見空亡災輕,忌子午卯酉日,值此舉動稽留,在外難於進止,遠行遭禁,恐死他鄉。女多淫。酉為私門,不宜用事。主病患多警。柔日名冬蛇掩目,不動之象。伏匿遲留,隱匿於內,進退猶豫,四正亦忌,宜空災輕。
陽日の昴星課を「虎視轉蓬」という。暗中不明の驚擾憂患を提防水べきである。空亡に見えれば、災害はかえって軽い。最も忌むのは子・午・卯・酉の四正の日で、このような日に遇えば、一挙一動すべて耽擱を受け、人は外で進退両難で、遠行すれば拘禁され、甚だしきは客死他鄉するのを恐れる。女子には多く淫佚の事がある。酉はここで「私門」である。もって事を行うに宜しからず、病を占えば病患は多く驚く。陰日の昴星課を「冬蛇掩目」という。紋も動かぬ象で、潜伏藏匿・遅滞不前で、内に隠蔽し、進退猶豫する。同じく子午卯酉の四正の日を忌み、空亡に落ちれば、災害はかえって軽い。
行如不如,要潛伏吟。陽日取日上神,刑為三傳;陰日取辰上神,刑為三傳。如無刑乃自刑,以沖為末傳。伏吟者,靜也。其體不動,其事不行。凡事宜守,不可妄為。占人品為隱士,為無能;占事為陰滯;占草木為枝葉;占物為婦人戲具。
行くか行かないかは、伏吟課を見るべきである。伏吟課は月将と占時が相同じく、天盤が地盤を壓して動かない課体である。取法は、陽日は日干上神を取って発用とし、さらに相刑に依って三伝を推出する。陰日は日支上神を取って発用とし、同じく相刑に依って三伝を推出する。もし取る神に刑がなく取り得なければ、それは自刑で、相冲の神に改めて末伝とする。いわゆる伏吟とは、すなわち「靜」である。形体は動かず、事はまた推行し得ない。凡事守り固めるに宜しく、妄りに動くべからず。人品を占えば、隱士・無能の輩を主とする。事情を占えば、陰晦停滯を主とする。草木を占えば、枝枝葉葉を主とする。物件を占えば、婦人の玩耍の具を主とする。
自己無策,專看別責。無克無遙,只三課,剛日干合處為初傳,如戊日戊合癸,癸課在丑,以丑上臨神為初傳,中末俱日上。柔日以支前三合位上神為初傳,如辛酉日戌時,酉將取支前三合丑加寅上為初傳,中末皆重於日上,三傳丑酉酉。別責,言借人以善事,占者當仗人以行,庶幾無禍。占人事為人私干,占物為牽連。
自己が弁法を出せなければ、専ら別責課を見る。四課の中に相克もなく遥克もなく、しかも四課が三課のみを成す時にこれを用いる。陽日は日干が合する所を取って初伝とする。たとえば戊日は、戊と癸が相合し、癸の属する一課は丑にあり、丑上に臨む神をもって初伝とし、中伝・末伝はみな日干上神を用いる。陰日は日支の前の三合の位上の神を取って初伝とする。たとえば辛酉日戌時に課を占い、酉を月将とし、日支の前の三合の丑を取り、寅の上に加えて初伝とし、中伝末伝はともに日干上神を重ねて用いる。こうして三伝は丑・酉・酉となる。いわゆる「別責」とは、他人を借重して好事を成し遂げることを言い、占者は他人に依仗して事を行うべきで、こうしてこそ禍なきを望み得る。人事を占えば、人のために暗中に奔走して事を弁ずることを主とする。物件を占えば、彼此牽連を主とする。
課目返吟,先破後成。有丁己辛,三傳不同,為井欄射。丑日斜沖巳,巳上見亥,以亥為初傳,中取辰,末取日。未日斜沖亥,亥上見巳,以巳為初傳,中取辰,末取日,此課易欹易斜,不能長久之象。南北相違,占事動則宜,靜則擾,難成易破,遇吉祥是將亦遂一半,反覆不定。
課名を「返吟」と呼ぶものは、事は先に破れて後に成る。返吟の中でもし丁・己・辛これらの日に遇えば、三伝の取法は常例と同じからず、別に一つの名目を立てて「井欄射」という。丑日に逢えば、斜冲の法を用いて巳を取り、巳の上に亥が見えるので、初伝は亥と定め、中伝は辰と定め、末伝は日干上神に定める。未日に逢えば、斜冲して亥を取り、亥の上に巳が見えるので、初伝は巳と定め、中伝は依然として辰と定め、末伝は依然として日干上神に定める。この一課は歪斜傾側しやすく、長久し得ない象である。南と北は彼此背違し、事情は動いてこそ合宜で、一味に靜守すればかえって騒擾を受ける。事は成りがたく破れやすく、たとえ吉神良将に遇っても、一半の心願を遂げるに止まり、来返反復して定まらない。
返吟課帶刑沖破害,事有兩端,遠近繫心。更相仇怨,反覆呻吟,瞪而復合,疑而不決。事從下起,臣慢君,子逆親,妻背夫,朋失友,禍生於外人,久動思靜。柔日非一事虛,事有兩端,事成亦破。占人品,子反父,臣反君,奴反主,卑反尊。占人事我欲如此,彼欲如彼,吉而反凶。占器物則有反交之勢,頭居下,足居上。
返吟課がさらに刑・冲・破・害を帯びれば、事には両頭があり、遠處近處ともに心に牽挂する。彼此仇怨を結び、翻来覆去呻吟歎息し、眼を瞪えて争執した後にまた強いて凑合し、心に疑惑して主意を取れない。事端は下から起こる。臣下は君主を輕慢し、子女は雙親に忤逆し、妻子は丈夫を背棄し、朋友は朋友を失い、禍事は外人から生ずる。動くこと久しくしてまた安靜を思う。陰日に返吟を占い得れば、一事の落空のみならず、事には両頭があり、たとえ成し遂げても破壊を要する。人品を占えば、子女が父親に反抗し、臣下が君主に反抗し、奴仆が主人に反抗し、卑者が尊者に反抗することを主とする。人事を占えば、我はこうあろうと思い彼はあえてそうあろうと思い、もともと吉なのにかえって凶に変わることを主とする。器物を占えば、上下顛倒の勢があり、頭は下にあり脚は上にある。
內外宣淫,課得八專。陽日從第一課順數三辰為用,中末皆日上;柔日從第三課逆數三辰,之地盤上何神為用,中末皆日上。四課不全,不修帷簿,男女混雜;見后合勾武,主叔嫂通姦,兄妹淫亂,上下混則亂,人事混則壅,家不治人不治,事不成,得此者宜正身齊家,備己制物,庶可吉,否則凶。占事混而不專,難成,占行財乘舟則得利。占官不能獨斷。占物為竹夫人、花木、夜合花。占人鴟子。
内外ともに淫乱の事があるのは、八専課を占い得たからである。八専課の取法は、陽日は第一課から順に三位の地支を数えて発用とし、中伝末伝はみな日干上神を用いる。陰日は第三課から逆に三位の地支を数え、地盤のどの神に落ちるかを見てそれをもって発用とし、中伝末伝もみな日干上神を用いる。八專課は四課が全でなく、帷幕が整わず男女混雜することを象徴する。さらに天后・六合・勾陳・玄武に見えれば、叔嫂の通奸・兄妹の淫乱を主とする。上下が混雜すれば亂が生じ、人事が混雜すれば壅塞し、家は治まらず人も管し得ず、事は成し得ない。この種の課を得た人は、自身を端正し家門を整肅し、自己を約束し財物を管えてこそ、吉に転ずるを望み得、さもなくば凶である。事情を占えば、混雜して専一ならず、成し遂げがたいことを主とする。外出して商売し船に乗るを占えば、かえって利を得る。官を為すを占えば、獨自に決斷し得ないことを主とする。物件を占えば、竹夫人・花木・夜合花の類を主とする。人を占えば鴟鳥の屬を主とする。
官自為官,民自為民;官占與民,民受其迍。官尊民卑,數依於理,故有官數,有民數。官得官數吉,民得民數安,反是則官被貶削罷職,未任者見廢死敗;民則鬼乘夜位為病,鬼乘日位為訟,鬼加罪責,乘蛇生禍作怪,乘朱是非百出,乘合財喜致傷,乘勾殺傷斗打,乘龍爭婚奪財,乘空暗損,乘虎死亡,乘常孝服為亂鬼,乘元武失脫為賊鬼,乘陰有陰謀之害,作後有婦人之離。三災迭出,八難頻生,民何可當也。
官を為す者には自ら官を為す数があり、百姓には自ら百姓の数がある。もともと官に属する課が百姓の身に落ちれば、百姓はかえってその困頓を受ける。官は尊く民は卑く、氣數は道理に依って来る。ゆえに課には「官數」と「民數」の別がある。官が官數を得れば吉で、民が民數を得れば安である。逆に、官が民數を得れば貶黜罷職され、まだ上任していない者は廢黜され、敗亡に至る。百姓が官數を得れば、官鬼が夜貴の位に乗れば生病を主とし、官鬼が晝貴の位に乗れば官司を主とし、官鬼が加臨すればすなわち罪責である。官鬼が螣蛇に乗れば、災禍怪異を生ず。朱雀に乗れば、是非百出する。六合に乗れば、財喜によって傷を受ける。勾陳に乗れば、殺傷斗殴を受ける。青竜に乗れば、婚事のために争い、人に財を奪われる。天空に乗れば、暗中に損を受ける。白虎に乗れば、死亡を主とする。太常に乗れば、孝服を著し、亂鬼となることを主とする。玄武に乗れば、失竊を主とし、賊鬼となる。太陰に乗れば、陰謀暗害に遭う。天后に乗れば、婦人離散の事がある。三様の災禍が相継いで現れ、八種の苦難が頻頻に発生すれば、百姓はどこで堪えられようか。
斫輪,卯加申發用,君子得之,有乘車之顯,庶人得之,則為囚車。高蓋乘軒,子卯乘天馬青常,君子為章服,庶人為喪服。鑄印,戌加巳發用,君子懸金印,庶民則為假印。吉凶因貴賤而生,可否以尊卑而定,君民不可雜論。若值空亡,乘軒落馬,吉課入空,已仕者有阻,未仕者不可攀;吉課失時,已仕者將停,未仕者不可進。加凶喪而帶丁馬,立遠竄。加喪吊而帶病符,主丁憂。克太歲為天子不容,害月建為上司彈劾。
「斫輪課」とは卯が申に加わって發用するものである。君子が占い得れば、車に乗って顯達する榮がある。平民が占い得れば、その車は囚車となる。「高蓋乘軒」とは子・卯が天馬に乗って青竜・太常を帯びるものである。君子が占い得れば、官服の賜を受けることを主とする。平民が占い得れば、かえって喪服となる。「鑄印課」とは戌が巳に加わって發用するものである。君子が占い得れば、金印を佩掛することを主とする。平民が占い得れば、ただ一枚の假印のみ。これで見れば、吉凶は身分の貴賤に因って定まり、可行かどうかは尊卑に按じて判ずるべきで、君と民は混ぜて講じ得ないことが分かる。もし空亡に遇えば、それは車に坐して馬から墜ちるようなものである。吉課が落空すれば、すでに官を為した者は阻碍に遇い、まだ官を為していない者は攀附し得ない。吉課が時令を失えば、すでに官を為した者は停職され、まだ官を為していない者は進むべからず。凶喪の神を加えてまた丁神駅馬を帶びれば、即刻遠く流亡する。喪門・弔客を加えてまた病符を帶びれば、家中に喪があり、孝を守らねばならない。發用が太歲を克すれば、天子の容れる所ではない。月建を害すれば、上司が來て彈劾する。
重審下克上凶,將為下民之反告;財神作脫,為賊贓之敗亡;細玩自見。豈可以官得民之數,遂以為吉而概不之論耶?不論官庶,時逢富貴,將得時臨,平民得志。天乙乘旺相臨日辰,天以富貴貧賤與人,數固已定,貧賤有時,而富貴亦天意也。數故有官民可同用者,如富貴、時泰等卦是也。官得而吉,民得而說吉,主平民受封,有吉無凶,官民同用此。
重審課の下克上はもともと凶に屬し、官の身に落ちれば、下の百姓が反って告訴することを防がねばならない。財神が脫氣と化せば、賊贓が敗露して敗亡に致る。細かく玩味すれば自然に看出來る。どうして官を為す者が民數を占い得たからといって、一概に吉として辨えずにいられようか。官民を分けない情形もある。占時に富貴の象に逢い、天將がまた時令を得て身に臨めば、平民でも得志し得る。これは天乙貴人が旺相の氣に乘って日干日支に臨むということである。上天が富貴貧賤を世人に分ける、氣數はもともとすでに定まっており、貧賤にはその時があり、富貴も同じく天意に出る。ゆえに課中に確かに官民が通用し得るものがあり、たとえば「富貴課」「時泰課」の類である。官が占い得れば吉で、民が占い得てもまた吉と言い、平民が封賞を受け、吉あって凶なしを主とする。この類の課は官民共用するものである。
三光三陽,三奇六儀,凶者化吉,吉者愈新。用神旺相為三光;天乙順治,龍合立干前為三陽;三奇好前甲子旬丑是,六儀如甲子旬旬首子為用是。此四課,百事逢之吉,君子得之官職晉加,庶人得之,無計不遂,財利豐盈,病者得之生,訟者得之入獄有救無凶,可推惟吉是定,大吉之課也。
三光・三陽・三奇・六儀のこの四種の課象は、凶を化して吉とし、吉を變じて更に新たならしめ得る。發用の神が旺相で氣があるのを「三光」といい、天乙貴人が順行して將を布き、青竜・六合がまた日干の前に立つのを「三陽」という。「三奇」は甲子旬に丑を取るが如く。「六儀」は甲子旬に旬首の子をもって發用するが如し。この四種の課は、百事遇えばみな吉である。君子が占い得れば、官職昇遷する。平民が占い得れば、謀りて遂げずんばあらず、財利豐盈する。病人が占い得れば、活命し得る。官司を打つ者が占い得れば、たとえ獄に入っても人の搭救があって凶なし。およそこれらは一概に吉と推してよく、大吉の課である。
『管輅神書』卷之十五終わり
『六壬心鏡經』卷之十六
天の晴れるか否かを占う
日辰發用,見火土將晴,天空曉晴,傳中三木多風,三火大日。久雨何神辨即晴,巳午螣蛇朱雀並。三傳皆土雲凝聚,天空霽色映山明。龍若乘金當陰霧,火臨之處是晴明。從今日至火神為大晴處也,即蛇下是。陽即為晴陰即雨,積陰欲霽觀陽主。丙丁生旺發用時,壬癸休囚晴可許。火神不越東南路,蛇雀又來頭上住,須更皎日見晴空,縱有餘陰無著處。
天氣が晴れるか否かを占うには、日干日支の發用を見る。火と土に見えれば、天は晴れる。天空の一將が當値すれば、拂曉に晴れに轉ずることを主とする。三傳の中にもし三重の木があれば、多風を主とする。三重の火があれば、大晴の日頭を主とする。久雨の後、どの神に依って將に晴れんとすることを判斷するか。巳・午の二位と螣蛇・朱雀のこの二員の火將が併せ出るかを見ればよい。三傳が全て土に屬すれば、雲氣が凝聚することを主とする。天空が當値すれば、雨過天青で、山色分明である。青竜が金に乘れば、まさに陰雲霧氣である。火の臨む位置が、すなわち晴朗の處である。占卜の當日から算して、火神が當値するその日が大晴の日で、すなわち螣蛇の下に臨む處である。總じて言えば、陽は晴を主とし、陰は雨を主とし、積陰が晴に轉ずるには、陽氣の主る一方を見る。丙・丁の二火干が生旺の地で發用すれば、晴を主とし、壬・癸の二水干が休囚で力なければ、晴天もまた許定し得る。火神が東南方向を出ず、螣蛇・朱雀がまた頭上に來て停まれば、続いて皎潔の日頭・晴朗の天空に見え、たとえ殘餘の陰氣があっても附著する處がない。
天の雨か否かを占う
亥子主雨,勾陳主陰。占風候雨徵龍虎(雲從龍,風從虎),用起兼看日與辰。有氣帶刑來必速,休廢空亡略酒塵。子卯相加救枯穗(子為雲,卯為雷),玄合入傳滋涸鱗。白虎若臨加亥子,雨落連綿未有晴。凡龍虎所乘神有氣則負雨,龍虎主雷電風雨。巳作六丁上蛇雀,太沖位下來安著。忽然狂電見飛揚,迅速之時光閃爍。
水神の亥・子が當値すれば降雨を主とし、勾陳が當値すれば天陰を主とする。風を占い雨を候うには、青竜と白虎の兩員の天將を驗看しなければならない。なぜなら『周易・乾卦・文言』に「雲從龍、風從虎」と講ずるゆえ、雲雨は龍に歸管し、風は虎に歸管するからである。發用から算し起こし、同時に兼ねて日干と日支を見る。この兩將が氣あってまた刑を挾めば、風雨は來ること極めて速い。もし休囚廢沒あるいは空亡に落ちれば、浮塵の如き細雨を一點灑らすのみである。子と卯が相加すれば、枯萎の禾穗を救活し得る。なぜなら子は雲を象し、卯は雷を象するからである。玄武と六合が三傳に入れば、乾涸して將に死なんとする魚を再び滋潤し得る。白虎が一旦亥・子の上に臨加すれば、雨は連下して停まず、遲遲として晴れようとしない。およそ龍虎の乘る神が氣あれば、みな雨水を承載することを主とし、この兩將はもともと雷電風雨を管する。巳位は六丁の數に當たり、その上に螣蛇と朱雀を乘せ、卯位「太衝」の下に安落すれば、忽然の間に狂電飛揚し、轉瞬の際に光芒閃爍する。
戌亥子丑午巳停,火龍下降水上升。亥子水居巳午未申,謂之水升於上;巳午火居亥子丑寅,謂之火伏於下,主雨。主用何須看雲霧,忽然雨澤勢如傾。亥子為傳雖主雨,一怕空亡二嫌土。辰戌丑未四維間,密雲不雨終何補。亥子退入江湖居,甘澤難逢莫浪圖。如還臨上雨滂沱,頃刻之間澤旱枯。蓋水升火降方雨。虎在東方謂出林,動嘯生風孰可禁?更乘小吉為行止,拔木摧林勢益森。龍旺昇天雨驟作,虎旺出林風力惡。如乘囚墓死皆休,風定雨收成寂寞。
戌・亥・子・丑と午・巳が彼此對停し、火性の龍氣は下降し、水氣は上升する。亥・子これらの水神が巳・午・未・申の位置上に落ちるのを「水升於上」といい、巳・午これらの火神が亥・子・丑・寅の位置上に落ちるのを「火伏於下」という。みな雨を主とする。事を主る發用は何ぞ更に雲霧を看るを須いよう、忽然の間に雨水は便ち傾盆して下る。ただし亥・子が三傳に入って雨を主とするとはいえ、一に空亡に落ちるを怕れ、二に土に克されるを嫌う。もし三傳が辰・戌・丑・未のこの四維の間に落ちれば、ただ密雲して雨せず、終究濟事なし。亥・子が江湖本位に退回して安居すれば、好雨もまた指望しがたく、空しく圖謀すること勿れ。もし水神が上位に臨めば、雨勢滂沱として、頃刻の間に乾旱枯焦の土地をみな澆透する。なぜなら水が升り火が降って、初めて真に雨が降るからである。白虎は東方にあって「出林」といい、一動すれば長嘯して風を生じ、誰が抵當し得ようか。さらに未位の「小吉」を乘って行止の地とすれば、樹を拔き林を摧き、聲勢は愈々浩大である。總じて青竜が旺なれば天に升って驟雨大作し、白虎が旺なれば林を出て風力凶惡である。もしそれらが乘るのが囚・墓・死の衰敗の氣ならば、それらは皆罷休し、風停まり雨止んで、一片寂寥である。
水の漲退か否かを占う
水漲傷木欲害民,進退加時看日辰,支傷干吉漲猶速,干傷支吉退因循。日辰共損須臾滅,並不相傷水穩下。日辰無相剋,水無進退。
洪水が漲り上がり林木を淹損し、眼に見えて百姓を害せんとする。水勢が進むか退くかは、月將を占時の上に加えて天地盤を排出し、さらに日干と日支の克應を見る。日支が日干を克傷すれば、水は漲ること速くまた急である。日干が日支を克傷すれば、水は退くこと却って慢騰騰である。日干日支が彼此ともに損を受ければ、大水は片刻の間に退き盡くす。兩下がともに相傷しなければ、水位は平穩に落下する。日干と日支の間に相克なければ、水勢は進まず退かずである。
人宅を占う 附入宅占 分宅占
辰為宅兮日為人,上宅凶神便有屯。帶殺兼刑來相剋,以將言之得事因。辰上神為宅,惡將剋日與朱雀並,主官事。與白虎病,主疾病。四課四生吉神立,六合青龍福慶生。更視三傳知善惡,遍看年上所臨神。支傍有人何所主,欲識名之是近鄰。推宅之法看日神,若見魁罡必損人。干傷支吉老者病,干吉支傷少者迍。
日支は住宅を表し、日干は居住の人を表す。住宅の上に凶神を壓されれば、家中に困頓がある。もしさらに凶煞を帶び兼ねて刑をもって相克すれば、乘る天將に依って起因を斷明する。日支上神はすなわち宅で、凶惡の天將が日干を克してまた朱雀と同時に現れれば、官司を主とする。白虎と同時に現れて病氣が重ければ、疾病を主とする。四課の上にもし四長生と吉神が立ち、六合・青竜が當値すれば、福慶が生ずる。さらにまた三傳を見て善惡を辨じ、併せて逐一行年上に臨む神を察看する。日支の傍らに別に人形の神があれば、主とするのは何か。それは近鄰を指すことを知るべきである。住宅を推斷する方法は日干上神を見るにあり、もし河魁戌と天罡辰のこの二つの「魁罡」に見えれば、必ず人を損ずる。日干が日支を克傷すれば、吉は少者にあり老人は病あり。日干が吉を得て日支が傷を受ければ、少者は困頓する。
附入宅占
此定新移來入住,看將幾時無憂慮。卻將月將疊行年,宅上之神問其緣。寅申子午相加及,若是安居水不遷。魁罡是老憂逢禍,卯酉分立忌病纏。巳亥六畜多傷損,丑未遭官必喟然。
この一節は專ら新遷入住の吉凶を斷じ、久しきを過ごして後に憂慮なきを見る。方法は月將を本人行年の上に疊加し、さらに宅位上に乘る神を問うて緣由を求める。もし寅と申、子と午の類の相加の象を得れば、安居して下り、水の如く再び遷動しない。もし河魁・天罡の二つの魁罡の神に見えれば、老人は禍に遭うことを憂心すべく、卯と酉が兩端に分立すれば、疾病纏身を忌む。巳・亥が當値すれば、牲畜は多く傷損を受ける。丑・未が當値すれば、必ず官司を喫して長嘆する。
附分宅占
將宅許人來共住,還向日辰推所遇。上克下兮將利己,下賊上兮須吉彼。忽然上下共相生,此中所動亦分明。子之加母無宜受,母之加子會須聽。
自家の房子を分け出して人に合住を許すには、また日干・日支の上から雙方の際遇を推斷する。上神が下神を克すれば、自己に利あるを主とする。下神が賊して上神を害せば、それは吉は相手方にある。もし忽然上下の間に彼此相生あれば、この中の動向はまた分明である。子が母の上に加われば、子が母の惠を受けるので、多く取受するを宜しとせず。母が子の上に加われば、母に囑託する所あるので、聽從すべきである。
宅中に鬼神の有無
宅內何知有鬼神,蛇白臨年天目因。春辰夏未秋立戌,冬在丑兮殃害人。四時沖破將刑合,斷其鬼祟定紛紛。四時春酉夏子秋卯冬午,更與刑煞合,有鬼神。
宅子の中に鬼神の作祟があるかどうかは、どうして知るか。螣蛇・白虎が行年上に臨むかを見、併せて「天目」の神に配合して判斷する。天目の定位は春は辰、夏は未、秋は戌、冬は丑で、それが當値すれば人を害する。さらに四季所屬の神に冲・破・刑・合があるかを看て、據って鬼祟を斷定すれば、必ず紛紜として見え得る。注の中に言う。四季所屬は、春は酉、夏は子、秋は卯、冬は午で、もしさらに刑煞と相合すれば、宅中に鬼神がある。
修造歲內の忌む所を占う
凡欲修造及遷移,家長行年加歲支,旺墓上頭見三煞,此是凶災不可為。孟年酉,仲年巳,季年丑,名三煞。行年加歲加其旺,歲煞今年莫犯之。月煞若臨其日惡,災劫兩般須要知。若還修造開門戶,勿使諸神有嗔怒。行年太歲上頭看,避忌魁罡及蛇虎。月殺,正月起丑,逆行四季。
およそ動土修造あるいは搬家遷移せんとするには、まず家長の行年を太歲の地支の上に加え、もし旺位・墓位の上に三煞に見えれば、それは凶災で、動土すべからず。三煞の定法は、孟年は酉にあり、仲年は巳にあり、季年は丑にある。行年を太歲の上に加えて恰も旺氣に逢えば、當年の歲煞は今年は切に觸犯する勿れ。月煞がその日に臨めば、日もまた凶で、災煞と劫煞のこの兩樣はみな弄清楚しなければならない。もし修造してなお門戶を開かんとすれば、各路の神煞を怒らせてはならない。行年を太歲の上に加えて察看し、河魁・天罡のこの二つの魁罡の神および螣蛇・白虎の兩將を避けるべきである。月殺の起法は正月に丑から起こり、辰戌丑未の四季に逆らって推行する。
月龍を推す
又須推他為月龍,大吉須知月建中。即看寅上何神在,亥子當頭名黑龍。若使修家逢此卦,用之修主應其凶。雖用前占無惡將,更以行年加宅神。本命上頭看所得,第一須知寅及申,勝光神后為中吉,但值魁罡不利人。
さらに別に「月龍」を推算する。丑位の月將「大吉」を月建の上に放って看て、さらに寅位上に乘るは何の神かを看る。もし亥・子が頭に當たれば、これを「黑龍」という。假使修造の人家がこの一卦に碰えば、これを用いて動土すれば、主人は便ち凶事に應驗する。たとえ前面に占った惡將なくとも、さらに行年を宅神の上に加え、本命の上頭に得る神を看る。頭一樣に認清すべきは寅と申の兩位である。午位の「勝光」・子位の「神后」を得れば中等の吉と算せられ、一旦河魁・天罡の二つの魁罡の神に碰えば、人に對して利なし。
黃道の吉凶を推す
金匱宜財物,青龍壽命長。玉堂招僕畜,天德合家昌。司命人多吉,明堂子更良。若能常擇喜,生也獲嘉祥。黃道所臨為吉神,任其修造不殃人。太歲之方猶不畏,況其諸煞及將軍?
黃道六神は各々主る所有り。金匱に輪れば、財物の聚斂に宜しい。青竜に輪れば、壽命長久を主とする。玉堂に輪れば、奴仆牲畜を招進する。天德に輪れば、全家昌盛する。司命に輪れば、人口多吉である。明堂に輪れば、子嗣尤も良善である。もし常にこれらの吉神の值日を挑んで事を辦せば、生養の事にも嘉祥を獲得できる。およそ黃道の臨む處は皆吉神に屬し、そこで動土修造しても人を害しない。太歲の居する方位をさえ畏懼する必要なく、何況んや尋常のそれらの凶煞と將軍の類をや。
推之常合天罡訣,正七加虛二八寅。兩月順行陽位上,還加三九便臨辰。黃道吉。天罡黃道建青龍,太乙明堂除可從。傳送臨之定金匱。從魁天德勢消凶。登明危下玉堂吉,功曹司命是開通。
推算する時は常に「天罡訣」に配合する。正月と七月は虛宿の位に加え、二月と八月は寅位に加え、この兩組はみな陽位に順って推行する。さらに下って、三月と九月は便ち辰位に臨む。以上は皆黃道の吉に歸入する。黃道六神と建除十二神の配法については、青竜は建日に配し、辰位の「天罡」に落ちる。明堂は除日に配し、巳位の「太乙」に落ち、聽從し得る。金匱は定日に配し、申位の「傳送」よりこれに臨む。天德は酉位の「從魁」に配し、その勢は以て凶氣を消解し足る。玉堂は危日に配し、亥位の「登明」に落ち、吉と為す。司命は開日に配し、寅位の「功曹」に落ち、開通順遂を主とする。
黑道の吉凶の方を推す
勝光下滿天地刑,小吉平為朱雀方。上見天魁破白虎,神后臨成天獄場。大吉俱收元武位,勾陳閉在太沖藏。以上六神名黑道,欲擬修方必受殃。
午位「勝光」の下に滿日を配し、天刑に屬する。未位「小吉」は平日を配し、朱雀の所在する方位である。戌位「天魁」が上にあって破日を配し、白虎に屬する。子位「神后」がこれに臨み成日を配せば、天牢狱場と成る。丑位「大吉」は收日を配し、玄武の位である。卯位「太衝」は閉日を配し、勾陳はすなわちここに藏れる。以上のこの六位の神を「黑道」といい、もしこれらの方位で動土修造せんと打算すれば、必ず殃に遭う。
黑道を犯して生ずる災
天刑害畜病顛倒,朱雀官司口舌傷。白虎到臨家長獄(主損家長,更刑獄事),天空賊害及財亡。元武損胎奴婢走,勾陳長婦斗刑傷。若令禳之災自滅,莫召師巫出禍殃。
黑道の各神を觸犯すれば、生ずる災禍は各々同じからず。天刑は牲畜の受害・疾病の顛倒失常を主とする。朱雀は官司を打ち口舌の傷を受けることを主とする。白虎が到臨すれば、家長は牢獄の災を喫する。注の中に言う、家長の損傷を主とし、また刑獄の事を牽出す、と。天空は賊に遭い害を受けて破財するに至ることを主とする。玄武は孕婦の小産・奴婢の逃走を主とする。勾陳は家中の長婦が争鬥して刑傷を受けることを主とする。これらの災はもし法に依って禳解するを肯んずれば、自然に消滅する。巫師法師を召請するに切に及ばず、かえって禍殃を招き出す。
黑道を犯すを禳ぐ
誤犯凶神黑煞方,但能修報即消殃。若觸天刑理天德,勾陳金匱虎明堂。朱雀青龍應逢上,元武即求司命禳。天牢須向玉堂內,依此法行保命長。黑道凶天刑害家宅,朱雀斗刑傷。白虎多凶禍,元武貨物妨。勾陳田宅散,天空人口傷。若能迴避得,必不見凶殃。
誤って凶神黑煞の方位を犯した場合、ただ禮に依って齋を修め祭報するを肯んずれば、災殃は立刻に消解する。禳解の法は、對應する黃道の神を以て黑道の神を化解する。天刑を觸犯せば、天德の上で辦理する。勾陳を觸犯せば、金匱にこれを求める。白虎を觸犯せば、明堂にこれを求める。朱雀を觸犯せば、應當に青竜の上で化解すべし。玄武を觸犯せば、すなわち司命に求めて禳除する。天牢を觸犯せば、玉堂の裏に向いて解くを須いる。この法に依って行事すれば、性命長久を保ち得る。黑道六神の凶應は、天刑は家宅を損害し、朱雀は争鬥刑傷を主とし、白虎は多く凶禍を招き、玄武は貨物を妨礙し、勾陳は田宅を散失せしめ、天空は人口を傷損する。もし預め回避し得れば、必ず凶殃に見えない。
婚を求めて成るか否かを占う 後に細斷は赴舉章の左にあり
支傷干兮陰凌陰,干勝支兮女有傷。勿爾男家強欲娶,必是幼年焚土香。
婚事が成就するか否かを占う。日支が日干を克傷すれば、陰氣が凌駕する象で、女方が男方に壓り勝つことを主とする。日干が日支に勝れば、女方は損を受ける。もしこの兩種の情形でなく、男家が強いて迎娶せんとすれば、必ず幼年時にかつて香を焚いて許した舊約である。
人に見えるか否か 附約斯人果たして來るか否か
欲出前途訪覓人,看其居處對何神。神上值方他用合(其人居方上神與用神合),三合相呼見且忻。假使他人立戌地,用起加之卯午寅(卯戌六合,寅午戌三合,兼宜與用神加之)
門を出て前進して某人を尋訪せんとするには、まず彼の居する方位が天盤上のいずれの神に對するかを看る。其人の居する方位の上神がもし發用と相合するか、あるいは發用と三合を結んで彼此呼應すれば、人に見え得るのみならず、また歡喜して見え得る。例を擧げれば、假使その人が戌の方位に住めば、發用が卯・午・寅の上に起こればよい。なぜなら卯と戌は六合、寅・午・戌は三合だからであり、同時にまたこれらの神を發用の上に加えるに宜しい。
天頭地足來加日(戌為天頭,巳為地足),斗罡加孟定相親(斗罡加孟神是在內,訪人在)。勝光神后宜須待,從魁路上敘殷勤。小吉合進家飲酒(甲乙日用末傳,小吉主醉)。柔昴伏吟即隱身(柔日昴星、伏吟,是人身藏不見)。
「天頭」と「地足」が日上に加臨するもまた看るべき徵象である。戌を天頭といい、巳を地足という。斗罡がもし四孟の位に加臨すれば、必ず親切に見え得る。なぜなら斗罡が孟に加われば、その人がまさに屋內に在ることを說明し、彼を訪えば必ず家在だからである。もし午位「勝光」・子位「神后」を得れば、やや待つべきである。酉位「從魁」を得れば、路上で相遇い殷勤に敘談する。未位「小吉」を得てこれと相合すれば、便ち彼の家中に進みて飮酒し得る。注の中に言う、甲日・乙日は小吉を以て末傳とし、醉うに至るまで飮むことを主とする、と。もし陰日の昴星課あるいは伏吟課に逢えば、その人は藏れ起きている。陰日の昴星と伏吟は、みな人身が隱匿して面に見えないことを表示する。
附約斯人果たして來るか否か
與人同約來遊此,為當已過未曾來。斗繫支干及加仲,待之相見不須猜。斗在日前兼加季,期人離此去難回。此皆在道占之。更值昴星伏吟卦,在家不出莫相猜。
人と約してともに此處に來て遊玩せんと、究竟彼は已經に走過したか、それともまだ到らないか。もし斗罡が日干・日支の上に繫連するか、あるいは四仲の位に加臨すれば、只管相見を待つべく、疑猜するに及ばず。もし斗罡が日干の前に落ちてまた四季の位に加われば、約した人は已經に此地を離れ、再び回頭しがたい。以上はみな路途中に占う問の斷法である。倘若また昴星課あるいは伏吟課に碰上えば、それは彼が家裏に待って出門しないことで、胡亂に猜疑するに及ばず。
主人の善惡を占う
征途日暮前途遠,欲寄安宵恐異謀。辰是主人日是客,辰上相生吉可投(辰上與日相生,若值旺相,主人是長者)。登明天空將誘我,蛇虎魁罡欲害仇(元武是賊)。從魁勝光宜急去,神后臨傳進退由。
遠行の途中に日頭が已に晚くして前路なお遠く、地方を找して投宿し夜を過ごさんとするも、また主人が別に圖謀あるを怕れる。占法は、日支は主人を表し、日干は客人を表す。日支上神が日干と相生すれば便ち吉で、投宿し得る。注の中に言う、日支上が日干と相生し、もしまた旺相に逢えば、主人は忠厚の長者である、と。もし亥位「登明」を得て天空に乘れば、この主人は我を誘騙せんとする者である。もし螣蛇・白虎と河魁・天罡に見えれば、存心加害の仇敵である。玄武に乘ればさらに盜賊である。もし酉位「從魁」・午位「勝光」を得れば、趕緊に離開すべし。もし子位「神后」が三傳に臨めば、進退は自由に斟酌し得る。
貴に見えて求望する
欲謁尊官何處期,青龍小吉可投依。斗罡加孟所求攻,臨季空回仲許之(見六合、太常並吉。如日辰刑害,神將不吉,無也)。
尊貴の官長に拜謁せんと欲し、何時何處にして如願し得るか。「青竜」と「小吉」(未)のこの兩位がいずれの方に落ちるかを看るべく、そこはすなわち投奔し求見し得る處である。「斗罡」(すなわち天罡、辰)が寅・申・巳・亥の四孟の位に加臨すれば、求める事は一番の攻取を費やしてこそ手に到る。辰・戌・丑・未の四季の位に加臨すれば、撲空して回る。子・午・卯・酉の四仲の位に加臨すれば、對方は便ち應允する(もし同時に「六合」「太常」の二將に見えれば、更加に吉利である。倘若日干と日支の間に互相に刑害し、乘る天將がまた不吉ならば、毫も指望なし)。
人情の虛實
彼有使來知偽真,加時先看日兼辰。辰上之神傷日上,來者言詞不妄陳。日為來使辰為我,干若傷支是妄因。陰空蛇虎魁罡立(立在日上),五者相逢必誑人(如報凶事,視白虎與今日比合,即是實;若報吉事,視青龍與今日比合,即是實也)。
對方が使者を派して前來する、その言うことが眞か假かを判斷するには、「月將加時」を用いて課を起こし、まず日干と日支の上に乘る神を看る。日支上の神が日干上の神を克傷すれば、來人の言詞は便ち虛妄編造でない。日干は來使を表し、日支は我方を表す。もし日干が反って日支を克傷すれば、來意はすなわち虛假である。「太陰」「天空」「螣蛇」「白虎」と「魁罡」(河魁戌・天罡辰)——みな日干の上に立つを以て言う——この五者がもし課中に相逢えば、來人は必ず誆騙している(たとえば彼が報ずるが凶事ならば、「白虎」が占日と比和するかを看るべく、比和してこそ實情である。もし報ずるが吉事ならば、「青竜」が占日と比和するかを看るべく、比和してこそ實情である)。
遷官を占う(附求官遂うか否か)
文視青龍武視常,與日神相生吉,相剋凶;神將外戰,在官憂罪累;內戰,主官憂疾病測之。文官視龍,三月甲戌日未時占,辰卯寅,用午加辰乘龍,與今日相生,為吉遷。甲至辰青龍得三位,即為三歲期。從戌至辰青龍得七位,為七月期。此日青龍乘午火,火生土,是戊己為日期。青龍加在辰,則為辰時。旺相去三年七月戊己日辰時遷。
文官の遷轉を占うには「青竜」を看、武官の遷轉を占うには「太常」を看る。この兩位の天將が日上の神と相生すれば便ち吉、相克すれば便ち凶。天將が乘る神を克するを「外戰」といい、在職者の憂うるは罪責の牽累である。乘る神が天將を克するを「內戰」といい、すなわち官を為す者の憂うるは疾病を主とし、據って測斷し得る。文官は青竜を看る。たとえば三月甲戌日未時に來て占い、三傳は辰・卯・寅、發用は午が辰に加わり上に青竜を乘せ、占日と相生して、吉利の遷升の象である。甲から辰に數えて、青竜は三位を隔てれば、三年の期と定める。戌から辰に數えて、青竜は七位を隔てれば、七箇月の期と定める。この一日に青竜は午火に乘り、火は土を生ず。ここにおいて戊・己日を以て應期と為す。青竜はまた辰の上に加われば、すなわち辰時に定める。もし課體が旺相なれば、三年七箇月後の戊己日辰時に遷官と斷ずる。
武官視太常,亦如之。文官春占寅乘青龍,寅屬木,木生於亥,至十月始遷。武官春占子乘太常,子屬水,生於申,至七月始遷。餘仿此。馬折足,龍化蛇,最不利。
武官は「太常」を看、推法は上と同じ。文官は春天に寅の上に青竜を乘るを占い得て、寅は木に屬し、木の長生は亥にあり、亥は十月に當たり、十月に至ってこそ遷轉を得る。武官は春天に子の上に太常を乘るを占い得て、子は水に屬し、水の長生は申にあり、申は七月に當たり、七月に至ってこそ遷轉を得る。その餘の各例はみなこれに類推する。もし「馬折足」(天馬が傷を受けて行走し得ず)あるいは「龍化蛇」(青竜の臨む處が轉じて螣蛇と成る)に遇上えば、昇遷に最も不利である。
附 官を求めて遂うか否か
欲卜求官成不成,須逢印綬馬相併(魁常為印綬,馬即天馬)。龍常天后成傳內,城吏太陰居顯榮(傳送為天城,功曹為天吏)。
官を求めて成功するか否かを卜問するには、「印綬」と「天馬」が同時に出現するを看るを須いる(「河魁」戌と「太常」はすなわち印綬で、「馬」はすなわち天馬である)。もし「青竜」「太常」「天后」が三傳の內に落ちるか、あるいは「天城」「天吏」と「太陰」が同處すれば、みな顯達榮耀を主とする(「傳送」申を天城といい、「功曹」寅を天吏という)。
文武を定む(附日を擇んで上官赴任)
文武位殊占各別,文要青龍武太常。日辰若內生其將,此選居官得久長。上克下為憂罪累,下賊上時遭疾殃(龍常所臨處,上下相剋賊也)。日去就常遷歲限,辰至龍常月可量。二將相生為上日,時即克龍為共詳(注誤前遷官下)。
文官と武官は地位が同じからず、占法もまた各々分別あり。文官は「青竜」を看、武官は「太常」を看るべきである。もし日干・日支が內から生扶してこの兩位の天將に及べば、選んだ官職は長久穩固である。上神が下神を克すれば、憂うるは罪責の牽累である。下神が賊して上神を害すれば、遭うは疾病災殃である(これは青竜・太常の臨む處に就いて言うので、上下相克すればすなわち賊と呼ぶ)。日干から青竜・太常に數えて、遷轉の年限を量り出し得る。日支から青竜・太常に數えて、月數を量り出し得る。兩將が互相に生扶するその日が便ち上任の吉日である。占時がもし青竜を克せば、一併に詳しく考究を加えねばならない(この條の注文はもともと前面の「遷官を占う」一節の下に誤置されていた)。
附 日を擇んで上官赴任
擇日上官何所從,年上神遭官克凶。兵法二曹金是主,任曹為木水司工,禮屬火官倉任土,水來傷火害期冬(水官主事,行年上神,或被官克,主冬有災,及天將言之)。
日を擇んで上任するには何を憑るか。本人の「行年」上に乘る神を看て、もし本職所屬の五行に克されれば、すなわち凶である。職司を以て五行に配す。兵法・刑法を掌る兩曹は金を主とし、任事の曹は木に屬し、水部は工程を主司し、禮曹は火に屬し、官倉の任は土に屬する。もし水が來て火を傷つけば、災期は便ち冬天に應ず(水官の當値する人は、行年上の神が一旦本官所屬の五行に克制されれば、冬天に災ありを主とする。さらに乘る天將を合せ看て斷ずるを要す)。
將是朱禽憂口舌,神為白虎病龍鍾。年上又遙能制日,值此之時禍必重。年上神克上官日,亦凶。年上陰神所合為月,假如甲乙日上官,年上見傳送,傳送本位登明,登明合寅,為月建,建正月有凶。陰神在亥,亥屬水,當戊己日有禍。餘仿此定日以測。
行年上に乘る天將がもし「朱雀」(朱禽)ならば、口舌是非を憂うべし。乘る神がもし「白虎」ならば、則ち病は沈重して起きがたい。行年上の神がまた遙遙に日干を克制し、この種の情形に遇上えば、禍患は一定に輕からず。行年上の神が上任の日に克到するも、同じく凶である。行年上の陰神が誰と相合するかに就いて、應災の月と定める。たとえば甲・乙日に上任し、行年上に「傳送」申に見えれば、申の本位は「登明」亥に對應し、亥と寅は相合し、寅は正月の月建で、正月裏に便ち凶事がある。陰神が亥に落ち、亥は水に屬すれば、戊・己日に禍あり。その餘は皆此に照らして日期を推定して測算する。
門上傷年歸未得(任官之方為門,門上神克年上神,是未歸本鄉),年上傷門徭役蹤(被差遣也)。求替支傷干吉允,斗罡加季也相容(擇上官日勿令人年上克拜署之日。又所出之門不可克人年上神,恐不得歸鄉也。所出之門者,所往之方也。假令人年見從魁,所往之方是西北戌地,上得勝光,此謂門上克行年也。年上神亦不要克所往之門上神,主徭役不安之象)。
赴任する官の方位を「門」と呼ぶ。門上の神が行年上の神を克傷すれば、此の往くは還鄉を得ないを主とする。行年上の神が反って門上の神を克傷すれば、則ち奔走徭役の苦を主とする(すなわち差遣されて往來せねばならない)。人を求めて自己に替代して赴任せしめんとすれば、日支が日干を克傷すれば便ち獲准し得る。「斗罡」(辰)が四季の位に加臨すれば、また相容し得る(上任の日を擇定するに、切に此の人の行年上の神が拜官署職の日に克到せしめる勿れ。また出づる門もまた此の人の行年上の神に克するを得せしめざるべし。否くば恐らく鄉に回るを得ざらん。いわゆる「出づる門」とは、すなわち往かんとする方位である。たとえば某人の行年に「從魁」酉に見え、往く方位は西北の戌地で、戌の上に「勝光」午を得れば、これを門上の行年を克すと謂う。反って、行年上の神もまた往く門上の神を克する勿れ。それは徭役奔波・身心不安の象を主とする)。
催官使者赴官期。凡占上官赴任,見日鬼乘白虎加日干,或年命上,名催官使者。縱是遠缺,必催速赴任也。如使值空亡,又是虛信,或被遣差。又如官星臨日干年命之上,其三傳上神生其官星者,亦名催官符。
いわゆる「催官使者」と赴任の期。およそ上任赴職を占い、もし日干を克する鬼神が「白虎」に乘って日干の上に加わるか、あるいは本命・行年の上に加われば、これを「催官使者」と呼ぶ。たとえ補するが極遠の缺でも、必ず催促されて火速に赴任する。もしこの位の使者が恰好空亡に落ちれば、それは便ち一場の虛信で、あるいはただ臨時に差遣されて一趟するのみである。また「官星」が日干あるいは本命・行年の上に臨み、而して三傳上神がまたこの一顆の官星を生扶すれば、また「催官符」と呼ばれる。
如六處見父母爻者,便為恩主舉主,亦為食祿之地。如值長生貴人,亦妙。假如六乙日見旦貴,六己日用夜貴,忌乙卯日貴空。外有四時返本煞,占赴任極遲也。查返本煞,春得金局,夏得水局,秋得火局,冬得土局。赴任占得返吟,多不滿任。
もし日干・日支・三傳・本命・行年のこの六處に「父母爻」に見えれば、それは便ち自己を提携する恩主・擧主であり、また安身食祿の所在である。父母爻がもし恰好長生に逢いまた「貴人」に乘れば、更に妙である。たとえば六乙日は「旦貴」(晝貴人)を看、六己日は「夜貴」(夜貴人)を用いるべく、ただ乙卯日の貴人が空亡に落ちるを忌む。此の外また四時の「返本煞」があり、赴任を占ってこれに遇上えば、到任は極めて遲緩である。返本煞を査る法は、春天に金局を占い得、夏天に水局を占い得、秋天に火局を占い得、冬天に土局を占い得る。赴任に「返吟」課を占い得れば、多くは一任を滿たし得ない。
赴舉を占う(附殿試)
凡占科舉,以夜貴為簾幕貴人;以朱雀為文字。雀乘神旺相與日相生,文字合格;雀乘休囚與日相剋,傳空,為不合格。
およそ科擧考試を占うには、「夜貴人」を以て主考の簾幕貴人を代表し、「朱雀」を以て自己の文章卷子を代表とする。朱雀の乘る神がもし旺相で、また日干と相生すれば、文章は合格中式する。朱雀の乘る神がもし休囚の地に處し、また日干と相克するか、あるいは三傳が空亡に落ちれば、文章は不合格である。
簾幕官者,晝占以夜貴是,夜占以晝貴是。此神臨人年命之上,或臨日干者,試必中高甲。或用六甲旬首臨年命日干之上,作簾幕官者,尤的。惟六辛日、己日、乙日有之。
いわゆる「簾幕官」。晝に占えば夜貴人を取り、夜に占えば晝貴人を取る。この神が本人の行年・本命の上に臨むか、あるいは日干の上に臨めば、考試は必ず甲科に高中する。もし發用が六甲旬首(甲子・甲戌の類の每旬の頭の一位)で、行年・本命あるいは日干の上に臨んで簾幕官を充當すれば、それは更加に準確である。ただしこの種の格局は、六辛日・六己日・六乙日にのみ出現する。
又如甲辰甲戌二旬中,占得辰或戌臨年命日干者,必作魁元。或丑加未,或未加丑作年命,日干者,亦作魁元。緣丑中有斗,未中有鬼,斗鬼二字合而為魁故也。或天盤酉臨年命日干者,占試必作亞魁,緣酉為從魁故也。已上諸說皆忌空亡。
またたとえば甲辰・甲戌の兩旬の中で、辰あるいは戌が行年・本命あるいは日干の上に臨むを占い得れば、必ず魁元(第一名)を奪得する。あるいは丑が未上に加わり、未が丑上に加わって行年・本命・日干の處に落ちれば、同じく魁元と作ることができる。これは丑の中に「斗」宿を藏し、未の中に「鬼」宿を藏し、「斗」「鬼」の二字が合わさって正に一個の「魁」の字となるからである。またもし天盤の酉が行年・本命あるいは日干の上に臨めば、考試を占って必ず亞魁(第二名)を得る。なぜなら酉の將名は正に「從魁」と叫ぶからである。以上のこれらの說法は、みな臨む神が空亡に落ちるを最も忌む。
日德加亥為用,主人高中。緣德入天門,德者得也。占赴殿試,如六己日於在辰戌丑未年占,用夜貴人逆布,乃真雀臨午,名真朱雀,其文得上意,必得高中。緣朱雀生太歲又生日干也。如真朱克太歲,占訟達朝廷,罪必致凶,惟申酉歲然。
日干の「徳神」が亥の上に加わって發用と為れば、本人の高中を主とする。なぜなら亥は天門で、徳神が天門に入り、「徳」はすなわち「得」の意である。殿試を占う。たとえば六己日に辰・戌・丑・未年に來て占い、夜貴人を用いて逆行して將を布けば、午の上に正に朱雀が落ちる。これを「眞朱雀」と呼び、文章は上意に合い、必ず高中する。これは朱雀が既に太歲を生じ、また日干を生ずるゆえである。反って、もし眞朱雀が去って太歲を克せば、占うは官司を打って朝廷に告げるので、罪責は必ず凶を招く。ただしこれは申年・酉年にのみこの如しである。
占試如逢朱雀所乘之神克簾幕官者,文不帖主司意;榜將出,忌朱雀乘丁馬。假如申年巳將己巳日子將占,三傳巳戌卯,課名鑄印乘軒,又曰龍德卦,又係甲子旬首,子加未上,卻以旦貴為簾幕官臨身,且占人本命乙巳,其行年本命上又乘神魁,占試必中魁甲無疑。此例如無官人占試,則得簾幕周全,如有官人見之,則無不仕之官。
考試を占ってもし朱雀の乘る神が反って簾幕官を克すれば、文章は主考の心意に合わない。將に放榜せんとする時、最も忌むのは朱雀が「丁馬」(旬丁と天馬)に乘ることである。たとえば申年・巳將・己巳日・子將に來て占い、三傳は巳・戌・卯、課名は「鑄印乘軒」、また「龍徳卦」と呼ばれ、また甲子旬首に當たり、子が未の上に加わり、旦貴を以て簾幕官を充當して身に臨む。加えて占者の本命は乙巳で、行年・本命の上にまた河魁を乘せれば、このように考試を占って必ず魁甲に中ること疑いなし。この一例、もしまだ官を爲していない人が占い得れば、便ち簾幕周全を得て高中及第する。もし已に官職ある人が占い得れば、昇遷を得ざるの理なし。
雖值簾幕官者,猶分喜忌細具於後。甲日不喜未,庚日不喜丑,墓也。又甲寅日亦不喜空丑為之,庚寅日之未同六丙日,並丁卯日不喜克亥為之,己卯、乙亥日不喜空申為之,六壬六壬日不喜脫卯為之,壬寅癸卯日不喜空巳為之,六辛日不喜克午為之,辛亥日不喜空寅為之,空亡尤甚。試官不視其文卷,徒勞一次。
たとえ簾幕官に遇上えども、その中に仍お喜忌の別あり、細かく後に列す。甲日は未を喜ばず、庚日は丑を喜ばず。なぜなら未は甲の墓、丑は庚の墓だからである。また甲寅日もまた丑が空亡に落ちて簾幕官を充當するを喜ばず。庚寅日に未に遇うは、六丙日の情形と同じ。丁卯日は亥が來てこれを克するを喜ばず。己卯・乙亥日は申が空亡に落ちるを喜ばず。六壬日は卯が來て脱泄するを喜ばず。壬寅・癸卯日は巳が空亡に落ちるを喜ばず。六辛日は午が來てこれを克するを喜ばず。辛亥日は寅が空亡に落ちるを喜ばず。その中にまた空亡に落ちるを以て最も壞しと爲す。これらに遇上えば、主考官は根本に彼の卷子を看ず、空しく應考する一場のみ。
如占武舉試弓箭,以巳為弓,申不矢,申加午,必箭中紅心。如申加寅、申、巳、亥為四腳花,以第四課言其箭數,其中四墓必脫垛。
もし武擧考試の射箭を占えば、巳を以て弓を代表し、申を以て箭矢を代表とする。申が午の上に加われば、箭は必ず紅心に射中する。もし申が寅・申・巳・亥の四孟の上に加われば、「四脚花」と呼ばれ、第四課を用いて彼の中箭の枝數を推算する。その中もし辰・戌・丑・未の四墓の上に落ちれば、箭は必ず靶を脫する。
婚を求めて成るか否かを占う
凡卜求婚成不成,須逢天后莫相刑。日辰上得凶神將,克下如何合聘名。天后畏干女不宜,支克天后男悔情。斗罡加季催花燭,加孟禮函徒自營。加仲許之為配偶,媒看六合辨其情。日辰上下無相剋,天后相生便合親。
およそ婚事の成るか成らないかを卜問するには、女方を代表する「天后」が刑克を受けざるを看てこそよい。もし日干・日支の上に乘るが凶神惡將で、上が下を克すれば、下聘定名を論じ得ようや。日干が天后を克すれば、天后は畏懼する所有り、女方に不利。日支が天后を克すれば、男方は反悔する。「斗罡」(辰)が辰・戌・丑・未の四季の位に加臨すれば、花燭の喜を催成することを主とする。寅・申・巳・亥の四孟の位に加臨すれば、聘禮書函は一番の經營を白費する。子・午・卯・酉の四仲の位に加臨すれば、對方は便ち應允して配偶を結ぶ。媒人は則ち「六合」のこの天將を看、それから撮合の實情を辨別する。日干・日支の上下が相克せず、天后がまたこれと相生すれば、この門の親事は合し成り得る。
不然支被上神克,干上又剋制此神。傳中六合青龍在,陰陽有氣好婚姻。夫之本命加女命,兩家年上看邪正。若是魁罡有損傷,大小吉兮尤多病。雖遇惡神成不怡,兩家年上吉相催。忽然相喜還中吉,若也相嗔不用為。
さもなくば、日支が上神に克され、日干上の神がまた反ってこの上神を克制すれば、また吉と算せず。三傳の中にもし「六合」「青竜」あれば、陰陽二氣がまた皆地を得て力あれば、便ち好姻緣である。男方の本命を女方の本命の上に加え、兩家の行年の上から雙方の品行の邪正を看る。もし「河魁」(戌)「天罡」(辰)が損傷を受けるか、あるいは「大吉」(丑)「小吉」(未)が損を受ければ、婚後多く病あり。たとえ惡神に遇上えども、婚事は勉强に成っても歡洽せず、總じて兩家の行年の上に皆吉神ありて互相に催合してこそよい。兩家の行年の神がもし忽然相生相喜すれば、中吉と算せられ。もし彼此相嗔相克すれば、この門の親事は作るに及ばず。
婦を擇びて以て方を立つ
欲取三方為女兒,辰申與午各相摧(一女在辰,一女則在申,一女午地)。方上有神知善惡,天后相生即可為。八月卯時甲子日,子乘天后與誰宜(天后屬水,看與何方相生)。午上土兮辰上火(午上是土克天后,辰上是火畏天后,兩處相剋莫娶之)。申上從魁金水會,此女為妻是合儀。
三箇の方位の上に分けて議する女子を取るべし。辰・申・午の三處が各々一位を主る(一位は辰に在り、一位は申に在り、一位は午地に在り)。この三方の上に乘る神を看れば、各人の品性の善惡を知る。いずれの一位が「天后」と相生するか、いずれの一位が娶り得るかである。たとえば八月卯時甲子日に來て占い、子の上に天后を乘せば、究竟いずれの方と相宜なるか(天后は水に屬し、それがいずれの方の神と相生するかを看ればよい)?午の上は土に屬し、土は來て天后の水を克す。辰の上は火に屬し、天后の畏るる所である(午上は土が天后を克し、辰上は火で天后がこれを畏る。兩處ともに相克し、ともに娶るべからず)。ただ申の上のみ「從魁」酉金あり、金水相會して相生す。これを娶って妻と爲してこそ合宜なる。
女の邪正を占う
從魁太沖與亥未,為用之時並太陰。玄合悉為皆不正,若非無色即邪淫。天上甲來臨子上,功曹加戌兩夫心。神后處伊年命上,採乘逢客必售金。
もし「從魁」(酉)・「太衝」(卯)あるいは亥・未のこの幾位が發用と爲り、また「太陰」と同處するか、あるいは課中盡く「玄武」「六合」ならば、この女子の品行は皆端正ならず。姿色平常ならざれば、行爲邪淫なり。天盤の甲(旬首)が子の上に臨み、あるいは「功曹」(寅)が戌の上に加われば、皆此の女に兩夫の心あるを主とする。「神后」(子)が彼女の行年・本命の上に落ちれば、則ち妝點して客を迎え、笑を賣りて金を求むる人である。
女の美醜を占う
二后課時如旺相,此女輕盈貌並仙。居在凶神又囚死,媒人說好是虛言。斗罡加孟當居長,仲即為中季少年。年上見金應白色,火來臨照必紅顏(木青,水黑,土黃)。
「天后」と「神后」の二神が課中にもし旺相の氣に逢えば、この女子は體態輕盈で、容貌は仙の如し。もし二后が凶神の上に落ち、また囚死の地に處すれば、媒人の說く再好も亦虛言である。「斗罡」(辰)が四孟に加臨すれば、此の女は姉妹の中で長に居る。四仲に加臨すれば、排行は中に居る者。四季に加臨すれば、則ち年幼の小女である。行年上に金に見えれば、膚色は應に白皙を主とすべし。火の來臨照に見えれば、必ず紅潤の容顏である(木に見れば青を主とし、水に見れば黑を主とし、土に見れば黃を主とする)。
婦人の入門の吉凶
婦入門來何否臧?止於天后以居詳。傷殘日本公姑疾(假如壬癸日炎為天后,傷申金,金是水之父母)。若克青龍婿必尫,六合畏之男女少。丑午遭刑牛馬殃(刑剋丑損牛,刑剋午損馬)。
新婦が門に入って後に吉か凶か。全く「天后」の居する處を看て詳斷する。天后が日干の本源を傷克すれば、公婆は便ち疾病あり(たとえば壬・癸の水日に、天后が火に乘り、火は申金を傷し、而して申金は正に水の父母で、父母が傷を受ければすなわち公婆に疾あるを主とする)。天后がもし「青竜」を克せば、女婿は必ず羸弱。「六合」が天后を畏懼すれば、則ち子女稀少。丑・午の二位が刑に遭えば、牛馬が殃を受くる(丑に克刑到ればすなわち牛を損し、午に克刑到ればすなわち馬を損ず)。
何時に來るかを占う
男以龍之陰為來年,女以後之陰為來年。大吉臨下辰為嫁月,后合占婚豈用媒?
男方が何時に來るかを占えば、すなわち「青竜」の陰神を以てその年份を定む。女方が何時に來るかを占えば、すなわち「天后」の陰神を以てその年份を定む。「大吉」(丑)が下の地盤の辰位に臨めば、便ち出嫁の月である。もし「天后」と「六合」が相合して來て婚を占えば、兩情は已經に相投し、何ぞ媒人を須いんや。
產育を占う
罡為天后加年上,合主傷胎善獲持。或值時傷憂更重,支是母兮干是兒(凡時傷天后,大凶。假令六月辛未日申時,午將加申,此為傷時與干也。干為子,支為母,被螣蛇臨,至癸酉日子死母腹,傷申故也)。
「天罡」(辰)と「天后」が一同に行年の上に加われば、胎氣の傷を受くるを主とし、善く保養を加えてこそ保ち得る。もしさらに占時が來て傷克するに遇上えば、憂患は就更に重し。產育を占う時、日支は母親を表し、日干は胎兒を表す(およそ占時が天后を傷克するは、皆大凶。たとえば六月辛未日申時に占い、午將が申の上に加われば、これはすなわち占時と日干が同時に傷を受くる。日干は子を爲し日支は母を爲し、また「螣蛇」に臨まれ、癸酉日に到れば胎兒は便ち母腹の中に死す。正に申が傷を受けたゆえである)。
支傷害母干傷子,蛇虎刑並命必危。旺相吉神居此上,子母俱歡不要疑。又看三傳神將決,六合青龍喜慶隨。行年子上無刑害,便是平安信可知。
日支が傷を受ければ便ち母親に害及び、日干が傷を受ければ便ち胎兒に害及ぶ。もしさらに「螣蛇」「白虎」と刑煞が一同に臨併すれば、性命は必ず危險である。反って、日干・日支の上に乘るがもし旺相吉神ならば、母子俱に平安歡喜を得、疑慮するに及ばず。さらに三傳に乘る天將を看て決斷するを要す。「六合」「青竜」に見えれば、喜慶は隨って至る。行年と子息の位の上に刑害なければ、それはすなわち母子平安の確信である。
懷孕の生時を占う
婦人懷孕無多時,未辨所懷雄與雌。正時仰看母之命,更看行年支上推。陰神本定生女子,陽神必定是男兒。再用勝光推產月,以臨之處莫無移。又將月將以加時,時與日兮比不比。比即是男應不妄,不比是女亦無疑。
婦人が懷孕して日子なお淺く、腹中の男か女かを分かち辨えがたければ、課を起こすの正時を以て準と爲し、仰いで母親の本命を觀、さらに彼女の行年と日支の上から推求する。陰神を得れば本來生女を主とし、陽神を得れば必ず生男を主とする。さらに「勝光」(午)を用いて臨盆の月份を推算し、それの臨む處はすなわち產月で、移改しない。また「月將加時」を用いて課を起こし、占時と日干が「比和」(五行同類)なるかを看る。比和すればすなわち男で、應驗虛ならず。比和せざればすなわち女で、同じく疑いなし。
假令甲子日占孕,時在午兮必是男。未時直欲當生女,未與甲兮為不比。斗罡加孟胎猶未,縱值生時亦主難。臨仲而今生已近,加季便生如等閒。奇偶天罡以繫辰,與日比陽男子自。比陰是女言非謬,不比難產恐驚人。
たとえば甲子日に胎孕を占い、占時が午に在れば、必ず男を生ず。もし未時に在れば、女を生ずべし。なぜなら未と甲は同類にあらず、兩び比和せざればなり。「斗罡」(辰)が四孟に加臨すれば、胎氣はなお早く、たとえ生ずべき時に到るとも難產を主とする。四仲に加臨すれば、產期は已經に臨近す。四季に加臨すれば、便ち順順當當に生み下す。天罡の繫る地支には奇あり偶あり。日干と同類を「比陽」と呼び、男を生ずを主とする。日支と同類を「比陰」と呼び、女を生ずを主とする。この話は假らず。兩邊ともに比和せざれば、難產を要し、人に驚心せしむ。
時上日上同為決,俱陰是女不虛陳(俱陽是男)。用陽克下生男子,此訣前人嘗告君。四月辛巳日子時課,上勝光克下,范蠡斷越王生男,果然。
占時と日干上の陰陽は合せて決斷するを要す。兩邊ともに陰に屬すれば、女を生ず。この話は虛ならず(兩邊ともに陽に屬すれば、すなわち男を生ず)。發用が陽に屬して下神を克せば、男を生ずを主とし、この訣竅は前人已に早く傳下した。四月辛巳日子時の課に、上神「勝光」(午)が下神を克し、范蠡はこれに據って越王宮中に男を生ずべしと斷定し、後に果たして應驗した。
假如甲子日罡臨寅卯,乃是比陽,若臨子亥為比陰。凡罡與日同類曰陽,與支同類曰陰。如罡加申酉,乃是不比,主難產。蓋干為兒,干受傷故也。若臨四季,亦是不比,主難產,恐損母,蓋支為母,支受傷故也。若罡臨巳午,亦是不比,卻主生男。蓋巳午皆火,乃甲之子孫故也。雖難產而子母俱安。緣天罡所繫,與支干俱無相剋故也。餘皆仿此。
たとえば甲子日に、天罡が寅・卯の上に臨めば、すなわち「比陽」である。子・亥の上に臨めば、すなわち「比陰」である。およそ天罡が日干と同類なるを陽と呼び、日支と同類なるを陰と呼ぶ。もし天罡が申・酉の上に加われば、便ち不比で、難產を主とする。なぜなら日干は胎兒を表し、申酉金は甲木を克し、日干は傷を受けたればなり。もし辰・戌・丑・未の四季の上に臨めば、亦是れ不比で、同じく難產を主とし、還って母親を損傷するを恐る。なぜなら日支は母親を表し、四季土は木に克され、日支は傷を受けたればなり。もし天罡が巳・午の上に臨めば、亦是れ不比なれども、卻って男を生ずを主とする。巳午は皆火に屬し、正に甲木の生ずる子孫なれば、ゆえに難產なれども母子皆平安なり。これは天罡の繫る支が日干日支と皆相克せざるゆえなり。その餘の各例は皆此に照らして類推する。
如甲寅日,干支同類何辨?以天罡臨寅生男,臨卯生女;以寅為奇,卯為偶也。不比依前法取之。又法,傳陽生男,傳陰生女。如臨產日,占得剛日兒星,生女;柔日虎視,生田。取俯仰之義。凡日干之胎神是作日之妻財,又逢月內之生氣者,占妻必懷孕。支之胎神作月內生氣尤的。不必干財也。惟此胎神臨妻年命更好。或臨支上亦同。
もし甲寅日ならば、日干と日支は同じく木に屬し、また怎麼樣に分辨せん。すなわち天罡が寅に臨むを以て男を生ずを主とし、卯に臨むを以て女を生ずを主とする。なぜなら寅は奇位、卯は偶位なればなり。もし比和せざれば、依然として前面の方法に依って推取する。別に一法あり。三傳が陽に屬すれば男を生じ、三傳が陰に屬すれば女を生ず。もし臨產の日に占えば、甲丙戊庚壬の類の剛日に「兒星」を得れば女を生ずを主とし、乙丁己辛癸の類の柔日に「虎視」を得れば男を生ずを主とする(原文は「田」と作る。當に「男」の字の譌なるべし)。取るは俯仰相對の意なり。およそ日干の「胎神」がまた正好本日の妻財爻たり、さらに月內の「生氣」に逢えば、妻室を占えば必ず已に懷孕せり。日支の胎神が月內生氣と作れば就更に準なり。必ずしも日干の財を要せず。この胎神がもし妻子の行年・本命の上に臨めば更に好し。日支の上に臨むも亦一樣なり。
妻財作生氣,不必胎神亦可用。內有六辛六癸六己日乘胎神生氣,乃妻之妹有孕,尤驗。又辛癸日乘玄,有私。外有甲乙日,胎神在酉,如十月占,必是婢妾有孕。丙丁日胎神在子,如正月占亦然。又甲乙丙丁四干,胎神作空,乘死氣,必是鬼胎。胎神作空受克,占產當日便生。生氣作月厭,占產必速。如六月占,巳加母年命是也。
妻財爻がもし月內生氣に正當すれば、必ずしも胎神ならずとも亦取り用い得る。その中六辛・六癸・六己のこの三類の日子は胎神と生氣に乘り、主とするは妻子の妹妹に孕あることで、尤も應驗す。辛日・癸日がもしさらに「玄武」に乘れば、その中に還って私情あり。此の外、甲・乙日の胎神は酉に在り、もし十月に占えば、必ず婢妾に孕あり。丙・丁日の胎神は子に在り、もし正月に占えば亦是れ一樣なり。また甲・乙・丙・丁の四干、胎神が空亡に落ちて「死氣」に乘れば、あれは必ず虛胎假孕なり。胎神が空亡に落ちまた克を受くれば、生產を占えば當日に便ち分娩す。生氣と「月厭」が同位にあれば、生產を占えば必ず生むること速し。たとえば六月に占い、巳が母親の行年本命の上に加わればすなわち是なり。
死氣作月厭,占產必凶。如三月占,申加母年命是也。六合三月占加申,四月占加酉,乃月之死氣克六合,至產期憂子,凶。天后十一月占加辰,五月占加戌,八月占加丑,二月占加未,乃月內死氣克天后,至產期憂母凶。
もし「死氣」と月厭が同位にあれば、生產を占えば必ず凶。たとえば三月に占い、申が母親の行年本命の上に加わればすなわち是なり。「六合」は子女を代表す。三月に占ってそれが申の上に加わり、四月に占ってそれが酉の上に加わるは、皆當月の死氣が六合を克し、臨產の期に到れば子女を憂うを要し、凶を主とす。「天后」は母親を代表す。十一月に占ってそれが辰の上に加わり、五月に占って戌の上に加わり、八月に占って丑の上に加わり、二月に占って未の上に加わるは、皆月內の死氣が天后を克し、臨產の期に到れば母親を憂うを要し、凶を主とす。
凡支加干,干加支,互相生者,名子戀母腹,利占孕,不利占產。如至產期占之,主遲生則吉。六丙、六丁、六戊、六己日,胎神在子,養神在丑,如在正月占,緣血支血忌皆在丑,並養神而克胎神,占產必生速,或占孕有損。
およそ日支が日干に加わり、日干が日支に加わって彼此相生するを、「子戀母腹」と呼ぶ。懷孕を占えば利あり、分娩を占えば利なし。もし產期に到って占えば、拖延遲生を主として反って吉なり。六丙・六丁・六戊・六己のこの幾類の日子は、胎神は子に在り、養神は丑に在り。もし正月に占えば、「血支」「血忌」が皆丑に落ちて、養神と合力して胎神を克するがゆえに、分娩を占えば必ず生むること速く、懷孕を占えば損胎の虞あり。
如十二月占,緣血支血忌皆在子作胎神,占產亦生速。如占孕亦防損。胎神臨本日及臨絕受克,六壬日午加亥,六庚日卯加申,乃胎臨本日,如占產可言本日便是生期。六癸日行加亥,六辛日卯加申,乃胎神臨絕受克,占孕占產俱畏。
もし十二月に占えば、「血支」「血忌」が皆子に落ちて正に胎神に當たれば、分娩を占うも亦生むること速し。懷孕を占えば、同じく損胎を防ぐを要す。胎神が本日に臨みおよび絕地に臨んで克を受くるに、各々說法あり。六壬日の午が亥に加わり、六庚日の卯が申に加わるは、これは胎神が本日に臨むなり。分娩を占えば當日が便ち生期と斷定し得る。六癸日の行(?)が亥に加わり、六辛日の卯が申に加わるは、これは胎神が絕に臨み克を受くるなり。懷孕を占うとも分娩を占うとも畏るべし。
六戊、六甲日子加巳時,占產稍不畏也。如母之年命上神沖剋腫神者,縱作生氣,必是小產,此法極驗。丙丁戊己日子加申,庚申日卯加亥,壬癸日午加寅,甲乙日酉加巳,大宜占孕,因胎坐長生之上耳,惟占產反凶。腹加胎神,丑為腹也。甲乙丑加酉,丙丁戊己日丑加子,庚辛日丑加卯,戊己壬癸日丑加午,如值此,來意占妻必有孕,因胎在腹內故也。
六戊・六甲日に子が巳の時に加われば、分娩を占うに稍稍畏るるに足らず。もし母親の行年・本命上の神が胎神を冲克せば、たとえ胎神が正に生氣に當たるとも、必ず小產す。この一法は極めて應驗す。丙・丁・戊・己日に子が申に加わり、庚申日に卯が亥に加わり、壬・癸日に午が寅に加わり、甲・乙日に酉が巳に加わる。これらの格局は最も懷孕を占うに宜し。なぜなら胎神が正に長生の上に坐すればなり。ただ分娩を占うは反って凶なり。さらに「腹加胎神」の一說あり。丑はすなわち腹なり。甲・乙日に丑が酉に加わり、丙丁戊己日に丑が子に加わり、庚・辛日に丑が卯に加わり、戊己壬癸日に丑が午に加わる。これらに遇上えば、來人が問う所が妻子の事ならば、妻は必ず孕あり。胎が正に腹中に在るがゆえなり。
如天盤之丑作旬空,占產必生速,因復空,必已誕其子。占孕必損。支干全傷,子母俱凶。獨支受傷害母,獨干受傷害子。如卜產取破胎之日必生,或刑胎之日生,或月內生氣之日生,或以子息爻之長生日生,或以子臨養處而生。假令甲乙日以戌為養神,或以逐季之天喜神所臨之日生。天喜者,乃逐季之養神也。以上占孕反損。又妻本命納音之胎神沖破之日生,尤驗。支干夾三傳,首尾六合,如占產,子母俱不可保,因氣塞於中故也。若母之年命透出支干之外,可免母凶。
もし天盤の丑が旬空に落ちれば、分娩を占って必ず生むること速し。腹中已に空なるがゆえに、孩子は想定に已に產下したり。ただし懷孕を占えば必ず損胎を主とす。日干・日支が同時に傷を受くれば、母子俱に凶。單に日支が傷を受くればただ母親を害し、單に日干が傷を受くればただ胎兒を害す。分娩を占って產期を推算するに、胎神を冲破する日を取れば必ず生み、あるいは胎神を刑する日に生み、あるいは月內生氣の日に生み、あるいは子息爻の長生の日を以て生み、あるいは子息が養神の處に臨むを以て生ず。たとえば甲・乙日はすなわち戌を以て養神と爲す。また逐季の「天喜」神の臨む日を取って生ずることを得。いわゆる天喜とは、すなわち每季の養神なり。以上のこれらの日子をもし用いて懷孕を占えば、反って損胎を主とす。また妻子の本命納音の胎神が冲破される日を以て生期と爲す。尤も應驗す。もし日干日支が三傳を中間に夾み、首尾また六合を成せば、分娩を占って則ち母子皆保全しがたし。胎氣が中間に閉塞せらるるがゆえなり。ただ母親の行年本命が日干日支の外に透出するのみ、纔に母親の凶を免れ得る。
田を種るを占う
今歲營農問農稔,五穀之神各數推。木主禾苗金二麥,黍兼紅豆火為之。丑未為麻皆屬土,稻將黑豆水言宜。四課三傳有其數,歲上之神和合宜。土並朱雀爭疆界,亥子勾陳競水池。更將室宿加寅上,宅長行年看所臨。傳送功曹為大熟,辰未必遭蟲所侵。巳亥收時對官訟,卯戌不收或還人。勝光熟與他人共,不然還債折資金。
今年農を務め、收成の好壞を問うに、五穀は各々屬する神あり、分別して推算するを要す。木は禾苗を主とし、金は大麥小麥を主とし、黍子と紅豆は火の管に歸し、丑・未は土に屬して麻を主とし、稻子と黑豆は則ち水に屬す。四課三傳の中に各類の神の多少旺衰を看て、さらに太歲上の神がこれと和合相宜なるかを看る。土上に「朱雀」を併せば、人と地界を争うを主とす。亥・子の上に「勾陳」を乘せば、水塘のために訟を渉るを主とす。さらに「室宿」を寅の上に加え、一家之主の行年がいずれの處に臨むかを看る。三傳に「傳送」(申)「功曹」(寅)に見えれば、大熟豐收を主とす。辰・未に見えれば、莊稼は必ず蟲害に遭う。巳・亥に見えれば、收割の時節に公堂に對簿するを要す。卯・戌に見えれば、收め上げず、あるいは收めても人に還るを得。「勝光」(午)に見えれば、熟しても他人と共分を要し、然らざれば債を還し本を折る。
產婦の向かう所の方
孟月功曹仲神后,季以天罡加建看。丙壬臨處月虛地,產婦居之得保安。又得傳送加年上,魁罡之下見傷殘。
產婦はいずれの方に向かって安置さるべきか。孟月は「功曹」(寅)を用い、仲月は「神后」(子)を用い、季月は「天罡」(辰)を用い、各々月建の上に加えて看る。丙・壬の臨む處は便ち「月虛」の地で、產婦はそこに住めば平安を保ち得る。もしまた「傳送」(申)が行年の上に加わるに見え、あるいは身が「河魁」「天罡」の下に處すれば、傷損に見るを要す。
蠶を養うを占う
午為養蠶未為桑,寅為繭子巳為筐。卯是絲兮辰是箔,申為綿絮酉為僵。子神鼠盜亥當死,丑當眠伏戌為黃。傳用凶神知不保,吉將並之養好強。木為朱雀憂爭葉,白虎臨年人必尫。四課之中逢見馬,以馬三傳看否臧。歲上局神允和洽,欲得青龍及太常。
蠶を養うは各々地支を以て象を取る。午は蠶を爲し、未は桑葉を爲し、寅は蠶繭を爲し、巳は蠶筐を爲し、卯は蠶絲を爲し、辰は蠶箔を爲し、申は綿絮を爲し、酉は僵死の蠶を爲し、子は食を偷む鼠を爲し、亥は蠶死を主とし、丑は蠶眠を主とし、戌は蠶體の發黃を主とす。發用と三傳がもし凶神ならば、蠶は保ちがたし。吉將の同臨あれば、纔に養い得て强壯なり。木上に「朱雀」を乘せば、桑葉を買い争うに愁いを爲さん。白虎が行年に臨到すれば、蠶を養う人は必ず病弱なり。四課の中にもし「天馬」に見えれば、天馬の三傳中の落處に依って好壞を看る。太歲上の神と全局が和洽相生するが最も好く、最も見たいは「青竜」と「太常」なり。
奴婢を占う
天空奴婢共為名,酉戌分占庶得精。河魁是奴從魁婢,六合加之慾隱形。白虎並時憂疾病,吉神相拱保安身。不審行年求月朔,朔上之神辨事情(凡占婢,若從魁作六合,並陰陽三傳中見元武,其婢必走。若作蛇虎,其婢必病。若酉戌二神乘龍常吉將者,其奴必有心腹,能事主,可留也)。
「天空」のこの天將は奴と婢の共名なり。さらに酉・戌を用いて分かち開きて占い、纔に推し得て精細なり。「河魁」(戌)は奴仆を代表し、「從魁」(酉)は婢女を代表す。それらの上に「六合」を加えれば、此人は藏匿逃走せんと欲す。「白虎」を併せれば、則ち疾病を憂う。吉神の拱護あれば、纔に平安を保ち得る。もし彼の行年を知らざれば、月朔を取って求め、朔日上の神を看て事情を辨明せよ(およそ婢女を占うに、もし從魁が六合と化し、陰神と三傳中にさらに「元武」に見えれば、この婢女は必ず逃走す。もし「螣蛇」「白虎」と作れば、この婢女は必ず生病す。もし酉・戌の二神が「青竜」「太常」の類の吉將に乘れば、この奴仆は必ず心腹の人で、主家に侍奉し得て、留用し得る)。
六畜を占う
六畜占須逐類詳,勝光為馬未為羊。元武並財憂走失,白虎同為疾病殃。地上屬神為本命,惡神臨並不為強。午並朱雀加金上,馬欲咬人宜謹防。
六畜を占うには各類に按って分別詳推するを要す。「勝光」(午)は馬を代表し、未は羊を代表し、その餘は各々地支を以て象を取る。「元武」と財爻が同臨すれば、牲口の走失を憂う。「白虎」が同臨すれば、則ち疾病の殃あり。地盤上の屬する神はすなわちこの牲口の本命なり。惡神がその上に臨併すれば、牲口は强壯ならず。午上に「朱雀」を併せてまた金位の上に加われば、馬は人を咬み、謹慎提防するを須いる。
六畜の病を占う
假如牛病先看丑,丑見何神來覆臨。魁罡作虎應難活,寅卯加之亦是侵。神后為屠太乙灶,酉為刀釜卯為砧。刀來砧上屠臨灶,四課三傳總不任。
たとえば牛が病むれば、まず丑位を看て、何の神が丑の上に覆臨するかを看る。もし「河魁」(戌)「天罡」(辰)の上に「白虎」を乘せば、この牛は活きがたし。寅・卯が丑の上に加わるも、亦是れ木が來て土を克する侵傷なり。六畜の病を占うは別に一套の取象あり。「神后」(子)は屠夫を代表し、「太乙」(巳)は竈を代表し、酉は刀と釜を爲し、卯は砧板を爲す。刀が砧板の上に落ち、屠夫が竈前に臨めば、四課三傳盡くこの一路の象なれば、牲口は終に歸して保ちがたし。
失畜を求む
牛馬放時忌臨在,勝光大吉立何方。東西南北看何處,神將相生不損傷。下之凌上遭拘禁(馬午加水,牛丑加木),不見何憂人絆韁。元武天空盜賊劫,六合太陰人匿藏。貴人朱雀官中隱,加在支干歸本鄉(其所屬加支干,自歸)。遠近至陰為裡數。
牛馬が走失し去りて尋ねんとする。放牧の時はそれが凶位に臨むを忌む。まず「勝光」(午、馬を主る)・「大吉」(丑、牛を主る)がいずれの方に立つかを看、東西南北から方位を定出す。神と將が相生すれば、牲口は傷損を受けず。下神が上神を凌克すれば、牲口は拘禁に遭うを要す(馬は午が水位の上に加わるを爲し、牛は丑が木位の上に加わるを爲す)。もしこの種の克象に見えざれば、また何を愁えて人がそれを韁繩に絆することをや。「元武」「天空」に見えれば、盜賊に劫走せられたり。「六合」「太陰」に見えれば、人に藏匿せられたり。「貴人」「朱雀」に見えれば、官府に扣下せられたり。それの屬する神が日干日支の上に加われば、自ずから本家に回る(本命の屬する神が日干日支に加臨すれば、牲口は自ずから回って來る)。遠近に至っては、則ち陰神の隔るる數を以て里數を定む。
若失牛,大吉加申,牛在西南,陰在丑,丑去申隔六里、六十里,或三十六晨,或十六、二址六里,臨時消息,獲在所臨辰日詳(臨申,申日務之)。貴人順去螣蛇值(天乙順行,螣蛇為盜),若也逆行玄武當(天乙逆行,元武為盜)。日辰克盜尋還易,不克誰人知去場?
たとえば牛を丟失したれば、「大吉」(丑)が申の上に加われば、牛は西南方に在り。陰神が丑に落ち、丑から申に至るまで相隔たる六位なれば、便ち六里・六十里と斷じ、あるいは三十六天、あるいは十六里・二十六里とし、臨時に斟酌して取用す。尋回の日子は則ちそれの臨む地支を看て以て定む(申の上に臨めば、則ち申日に往きて辦せよ)。貴人が順行する時は、賊を爲すは「螣蛇」なり(天乙が順布するは、螣蛇を以て盜神と爲す)。貴人が逆行する時は、賊を爲すは「玄武」なり(天乙が逆布するは、元武を以て盜神と爲す)。日干日支が盜神を克制し得れば、尋ね回ること容易し。克し得ざれば、誰か還ってそれが何處に牽かれ去ったかを知らんや。
商賈を占う
擬欲求財市日中,三傳有類便興工。物與日辰無克害,買賣營求運即通。物取太常為絹帛,勾陳田土雀書同。金鋪刀劍珠傳送,木器舟車竹太沖。有類旺相宜商賈,若是休囚枉費工。
買賣を爲して財を求めんと打算すれば、まず三傳中に販する物の類神あるかを看る。類神あってこそ動工經營すべし。占う所の物が日干日支と相克害せざれば、買賣經營の運道は通暢なり。類を取る法は、「太常」は絹帛を主とし、「勾陳」は田地土產を主とし、「朱雀」は書籍文書を主とし、「傳送」(申)は金銀鋪面と刀劍珠寶を主とし、「太衝」(卯)は木器・舟車・竹貨を主とす。類神がもし旺相に逢えば、經商に宜し。もし休囚に落ちれば、一番の工夫を白費す。
いずれの方に往きて財を求め利を覓るに宜しい
求財須向龍行處,欲得龍居有氣神。以臨之位無相剋,復要龍生今日辰。歲上有神年以畏(太歲上神克行年),年克青龍悉主貧(行年上神克青龍)。行年先看青龍旺,所主求財必定成。
財を求むるは「青竜」の行く方位に往くを要し、最も好きは青竜の居する神が正に旺氣に當たるなり。それの臨む位がそれと相克せず、還って青竜が當日の日干日支を生扶し得るを要す。太歲上の神がもし行年を克せば、畏るべき象なり。行年上の神がもし青竜を克せば、則ち一概に貧を主とす(この兩句は分別に太歲上神が行年を克し、行年上神が青竜を克するを指す)。まず行年上の青竜が旺を得るかを看る。青竜が旺相なれば、求むる所の財は必ず手に到る。
物を賣り售けるを占う
有物市中見鬻時,支干俱吉大相宜。干吉支傷憂少利,支吉干傷不厭遲。時下無傷猶獲寶,支干俱損不如歸(凡求財,傳中見財易求,無才難取;龍居日本財堪覓)。
貨物ありて市上に出售するに、日干日支皆吉なるを以て最も相宜と爲す。日干が吉にして日支が傷を受くれば、憂うるは利薄なり。日支が吉にして日干が傷を受くれば、不妨に慢慢來る。占時の下に傷克なくして、還って好價を得るを得。日干日支皆損を受くれば、攤を收めて家に歸るに如かず(およそ財を求むるは、三傳中に財爻に見れば容易に求め得、財爻なければ取りがたし。「青竜」が日干本位の上に落ちれば、財物は便ち尋ね得る)。
占財緊切視三財,日辰命上細推排。三位俱乘旺相來,定知凡事有和諧(假如春占,庚子日返吟,亥生人是也。寅申相加為日財,午加子為辰財,巳加亥為命財,三位旺相,占財如意。凡求財,初剋日而中末為日克,先難後易。若日克初傳,而中末剋日,宜速求,緩則無矣。求財見元武、白虎、天空,空手無益)。
財を占うに最も要緊なるは「三財」を看るなり。日干上の財・日支上の財・本命上の財を、日・辰・命の三處に於いて細細に推排す。三處皆旺相の氣に乘れば、凡事必ず和順遂心なり(たとえば春天に占い、庚子日に返吟課を得て、占者は亥年生の人なり。寅申相加は日干の財、午が子上に加わるは日支の財、巳が亥上に加わるは本命の財。三處皆旺相なれば、財を占うに便ち稱心如意なり。およそ財を求むるは、初傳が日干を克して中末傳が日干に克さるれば、先難後易なり。もし日干が初傳を克して中末傳が反って來て日干を克せば、趕緊に求めねばならず、慢ければ便ち沒有なり。財を求めて「元武」「白虎」「天空」に見れば、空手一場で益處なし)。
詞訟を占う
家人爭看尊卑,外人爭看先後。論訟四般看勝負,尊卑先後各區分。干克支神尊有理,支克干神卑得贏。用神傷下宜先舉,下之凌上後無迍。上下相生和解準,傳終有氣肆眚因。末傳囚墓皆曹罪,死氣終傳必害身。若見太陰乘入卦,與日相生可首陳。課內凶神何者是,魁與罡兮亥與巳。日辰年上若相逢,定知囚繫遭笞捶。
一家人の間に相争うは、尊卑の分を看る。外人と相争うは、先に手を動かすと後に手を動かすの別を看る。訟を論ずるはこの四般を憑って勝負を定め、尊卑先後は各々區分す。日干が日支上の神を克せば、尊長の一方に理あり。日支が日干上の神を克せば、卑幼の一方が勝を得。發用の神が下神を傷克すれば、先發して人を制するに宜し。下神が上神を凌克すれば、後發してこそ阻滞なし。上下相生すれば、和解し得るを主として準なり。末傳に氣あれば、官司は多く赦宥に因って止む(「肆眚」の語は『尚書・舜典』の「眚災肆赦」に出づ、すなわち過失を赦免す)。末傳が囚地・墓地に落ちれば、皆罪を判ずるを主とす。末傳が「死氣」に乘れば、必ず身を傷ず。もし「太陰」の乘臨入課に見え、また日干と相生すれば、出頭して自首陳情し得る。課中の凶神はいずれの幾位か。すなわち「河魁」(戌)・「天罡」(辰)と亥・巳なり。それらがもし日干・日支・行年の上に碰頭せば、一定に牢獄笞杖の苦を喫するを要す。
囚繫出獄を占う
訟訟未休憂被繫,四氣須徵關鎖神。關立後季鑰前孟,如夏關辰鑰在申。關即為囚鑰為放,傳用臨年加日辰。傳逢入墓還遭獄,初墓傳生不禁身。斗罡臨日須更釋,時值伏吟猶滯人。
官司が纏訟未だ了せず、拘押せらるるを擔心すれば、四季の「關」「鎖」の二神を考察するを要す。「關」は本季の後の季支の上に立ち、「鑰」は本季の前の孟支の上に立つ。たとえば夏天は、關は辰に在り、鑰は申に在り。關はすなわち囚禁で、鑰はすなわち開釋なり。さらに發用と三傳が行年に臨到し、日干日支の上に加わるはいずれの一個なるかを看る。三傳がもし墓に入れば、還って坐牢するを得。初傳は墓に入るも三傳相生すれば、禁身に至らず。「斗罡」(辰)が日干の上に臨到すれば、改判開釋を得るを須う。占時がもし「伏吟」課に逢えば、人は還って獄中に滞留するを要す。
罪の輕重
非繫須知罪重輕,初繫之日見分明。勾陳剋日難分雪,日克勾陳訟必聽(或不犯,初訟起,即看今日上神)。勾陳繫日為同類,羑里多回見久停。勾陳作虎同傷日,獲罪當須主戮刑(勾陳陰作折虎與勾同剋日者是也)。
未だ下獄せざるも、亦須らく先に罪の輕重を知るべく、最初に拘繫せられたるその日の課より便ち看て分明なり。「勾陳」は官府の刑獄を主とす。それがもし日干を克せば、冤情は分辯洗雪しがたし。日干が反って勾陳を克せば、訴狀は必ず受理せらる(亦可能根本に犯法せざりしなり。官司が剛に起こる時は、則ち當日の日干上の神を看ればよい)。勾陳が繫る所の日と同じく一類に屬すれば、あれは周文王の羑里に囚はるるが如く(『史記・周本紀』に見る)、反復遷延して久久決せず。勾陳が「白虎」と化して一同に日干を傷克せば、罪を獲て殺戮の刑に判至るを要す(勾陳の陰神が轉じて白虎と成り、勾陳と一同に日干を克する情形を指す)。
勾陳若也為天乙,生其繫日放疏真。勾虎二神俱不旺,日辰有氣獻書情。朱雀帶殺傷年命,或克支干罪亦成。事關明敕神同歲,理涉州司月建並。日刑遭罰月刑伏,歲刑囚病莫惺惺。三刑棄市二徒是,一刑止是有鞭刑。
勾陳がもし換わりて「天乙貴人」と成り、また拘せらるる日を生扶すれば、あれは真に開釋して人を放すなり。勾陳・白虎の兩神が皆旺ならずして、日干日支に氣あれば、上書して申辯陳情することを得。「朱雀」が凶殺を帶びて行年本命を傷克するか、あるいは日干日支に克到せば、罪も亦照樣に成立す。事情がもし朝廷明發の敕令に關涉せば、天將と太歲の同位を看る。もし州縣衙門にのみ涉れば、則ち月建との同位を看る。日刑を犯せば罰を受くるを要し、月刑を犯せば刑を服するを要し、歲刑を犯せば則ち牢中に病を帶び昏として自ら明らめず。三刑俱全すれば棄市の死罪なり、二刑は徒刑なり、ただ一刑を犯すのみなれば、一頓の鞭笞を挨ぐに過ぎず。
龍並歲月建為用,恩赦乘宣放汝生(一雲天后與今日干相生,有恩赦。又云,歲月同用,即有赦)。官鬼之墓絕上為散日,朱雀對沖為斷日,雀下位為解散日,朱雀加下辰為了日,鑰日加處為出獄日。
「青竜」と太歲・月建が一同に發用と爲れば、便ち恩赦の宣下あり、一條の生路を放す(一說に「天后」と當日の日干が相生すれば、すなわち恩赦あり。又一說に太歲と月建が同時に發用すれば、すなわち赦令あり)。日期に至っては、官鬼が墓・絕の上に落つるその日は案子の消散する日なり。朱雀の對冲するその日は判決の日なり。朱雀の下に臨む地支の日は解散の日なり。朱雀が下の地支の上に加わるその日は了結の日なり。「鑰」神の加わる處のその日は、すなわち出獄の日なり。
附 更案果たすか否かを占う(併訟事諸占)
馬龍入傳必更案,生日吉,剋日凶,日生不定,罡加孟季可,仲不可。占追證公事吉否:罡加孟拱案,仲無罪,季無事。占相知犯罪吉否:罡加孟不妨,仲有罪,季罪輕。占雪訟冤枉:罡加孟休訴,仲好訴,季吉利。占被申奏吉否:罡加孟無事,仲憂煎,季無事。占漏稅事:罡加孟無事,仲有罪,季吉放。占詞訟散後如何:凡末見墓,事止不復發。凡傳中克干,支貴加仲,後必再發。
「天馬」と「青竜」が三傳に入れば、案子は必ず翻改重審す。それらが日干を生ずれば吉を爲し、日干を克すれば凶を爲し、日干が反って去りてそれらを生ずれば吉凶未だ定まらず。「天罡」(辰)が四孟・四季の位に加臨すれば翻案し得るを以てし、四仲に加臨すれば則ち不可なり。證を作りに追去せらるる公事の吉凶を占うに、天罡が孟に加われば、案子は拱起して下せず。仲に加われば、罪なし。季に加われば、事なし。相識の人の犯罪如何を占うに、天罡が孟に加われば、事に妨げず。仲に加われば、罪あり。季に加われば、罪輕し。冤枉を申雪するを占うに、天罡が孟に加われば、告げに往く勿れ。仲に加われば、正好告げに往くべし。季に加われば、吉利。人に參奏せらるる如何を占うに、天罡が孟に加われば、事なし。仲に加われば、憂愁煎迫す。季に加われば、事なし。漏稅の事を占うに、天罡が孟に加われば、事なし。仲に加われば、罪あり。季に加われば、吉で、開釋せらるるを會す。官司が了結した後に重ねて起こるか否かを占うに、およそ末傳に墓に見えれば、事情はすなわち此れに就きて打止み、再び發作せず。およそ三傳中に日干を克するものあり、而して日支上の貴人がまた四仲に加臨せば、日後必ず重新に翻起す。
『心經鏡經』卷之十六終わり
增附釋三才應事 卷之十七
天課占天人課人,地課卜宅地墳塋。罡天魁地人求貴,此訣教君最有靈。孟仲季中分順逆,地般落處見真情。仲於本位天盤取,孟季須知隔五尊。此是三才期應訣,鬼神無處可潛形。
天課は以て天時を占い、人課は以て人事を占い、地課は以て宅地と墳塋を卜するに用いる。天を占うは「天罡」(辰)を取り、地を占うは「河魁」(戌)を取り、人を占うは「貴人」を取る。この口訣は最も靈驗なり。孟・仲・季の三類の地支の上に落ちて、各々順推と逆推を分かち、地盤の落處を看てこそ真情を見るを得。四仲に落ちれば、則ち本位の天盤の上に取應す。四孟・四季に落ちれば、則ち須らく五辰を隔てて取るべし。これはすなわち三才應期の訣竅で、鬼神も亦形を藏する處なし。
凡占天,求天罡落處;占地,求河魁落處;占人,求貴人落處。若加孟神,順責五辰取應;加仲,以本地位取應;加季,逆責五辰取應。今舉三課以例其餘:假如五月戊午日未將巳時占天,即以月將加時,求天罡落處,辰加寅是罡落孟處,取前五辰為應,前一辰是未,加巳,見天空,主西南風起,至東南方止。何也?蓋未為風伯,巳為風門。未位西南,巳痊東西,神見天空,故主風耳。
およそ天時を占うは、則ち天罡がいずれの處に落つるかを求む。地事を占うは、則ち河魁がいずれの處に落つるかを求む。人事を占うは、則ち貴人がいずれの處に落つるかを求む。もし寅申巳亥の四孟の神の上に加われば、順に數えて五辰に應期を取る。四仲に加われば、則ち本地盤の位を以て應を取る。四季に加われば、則ち逆に數えて五辰に應を取る。現に三箇の課例を擧ぐ、その餘は此に照らして類推せよ。たとえば五月戊午日・未將巳時に天時を占えば、則ち月將加時を用いて盤を起こし、天罡の落處を求む。辰が寅の上に加わり、天罡は孟位に落つ。向前に數えて五辰を應と爲すを取る。順數第一辰は未なり。未が巳の上に加わり、上に「天空」を乘せば、西南風の起こるを主とし、東南方向に到って止息す。何となれば、未は風伯、巳は風門なればなり。未位は西南に在り、巳位は東南に在り、その上にまた天空に見ゆ。ゆえに風を颳るを主とす。
又如九月庚申日卯時亥將占地,即以月將加時,求河魁落處。戌加午,是魁落仲處。取本位午為應,午加寅,見天后,主寅地有胎衣沾血之物。蓋午為心火,主血。寅為胞胎,天后應婦人也。又如十一月甲子日丑將辰時占人,即以月將加時,求貴人落處。丑加辰,是貴落季,取後五辰為應。後五辰是亥,亥加寅,見太陰,主陰人從西北主來求醫。蓋太陰地盤上是申,白虎銜牒,主患腰痛疾也。
またたとえば九月庚申日・卯時亥將に地事を占えば、同じく月將加時を以て盤を起こし、河魁の落處を求む。戌が午の上に加わり、河魁は仲位に落つ。則ち本位の午を取って應と爲す。午が寅の上に加わり、上に「天后」を乘せば、寅方の地下に血に沾る胎衣の類あるを主とす。なぜなら午は心火で血を主とし、寅は胞胎で、天后はまた婦人の身に應ずればなり。またたとえば十一月甲子日・丑將辰時に人事を占えば、亦月將加時を以て盤を起こし、貴人の落處を求む。丑が辰の上に加わり、貴人は季位に落つ。則ち往後に數えて五辰を應と爲すを取る。後五辰は亥なり。亥が寅の上に加わり、上に「太陰」を乘せば、婦人ありて西北方より前來して醫を求むるを主とす。なぜなら太陰は地盤上に正に申位に當たり、また「白虎」の銜牒相随うあり。ゆえに彼女の患うるは腰痛の疾と斷ず。
五行應日を釋す
五行有旺相死休囚,五應應於四時者,本於支。如寅卯月木旺火相土死金囚水休之例。凡歲月發用,應期遠,則以此例決之。應於兩日者,本於干。如丙丁日火旺土相金死水囚木休之例。凡日發用、應期則以此例斷之。大抵以四時決五行之衰旺,此歲中之定理;以兩干決五行之衰旺,此逐日之圓機。壬課尚變,宜用圓機,未可拘之定理也。
五行は各々旺・相・死・休・囚の五種の氣數あり。もし四時の上に應ずれば、則ち地支を以て本と爲す。たとえば寅・卯月は木旺・火相・土死・金囚・水休なり。およそ太歲・月建を以て發用とし應期の較べて遠き者は、皆この一例に按って決斷す。もし兩個の日干の上に應ずれば、則ち天干を以て本と爲す。たとえば丙・丁日は火旺・土相・金死・水囚・木休なり。およそ日干を以て發用として應期を定むる者は、皆この一例に按って判斷す。大抵四時を用いて五行の衰旺を決するは、これ一年之中の定理なり。兩干を用いて五行の衰旺を決するは、これ逐日變通する活法なり。六壬課は通變を貴ぶ。活法を用いるべく、定理を死守するべからず。
病の生死を占う
須看喪門、白虎煞、弔客煞,並喪車煞斷之。占病如何辨死生?先推白虎與誰並。假令今日干居水,土神為虎病難生。次看六煞來入墓,細尋枝季看分明。火日用神傳見戌(一,身入墓),惡見天魁覆丙丁(二,雲鬼入墓)。
病を占うには「喪門」「白虎煞」「弔客煞」連同「喪車煞」を看て一起に判斷するを要す。病を占うに怎麼樣に生死を分辨せん。まず「白虎」が何の神と同臨するかを推す。たとえば當日の日干が水に屬し、而して土神が白虎に乘れば(土は水を克して鬼と爲す)、病は好くなりがたし。其次に六種の「入墓」の煞を看、細細に四季支の上に尋ねれば便ち分明なり。火日發用にして三傳に戌に見えれば、是れ第一種で、「身入墓」と呼ぶ。最も怕るるは河魁(戌)が丙・丁の上に覆るで、是れ第二種で、「鬼入墓」と呼ぶ。
戊己木神成未上(三,鬼入墓。戊己日未為鬼,未上入墓),壬癸水神辰上停(四,日入墓,水庫居辰),申酉二支逢丑位(五岐入墓),行年三合夢魂驚(木六,行年入墓。假如男行年立寅,功曹加戌,是寅午屬火,火墓立戌位)。
戊・己日に木神が未の上に落つるは、是れ第三種で、「鬼入墓」と呼ぶ(戊己日は未を以て鬼と爲し、未はまた木墓なれば、ゆえに鬼入墓なり)。壬・癸日に水神が辰の上に停まるは、是れ第四種で、「日入墓」と呼ぶ(水庫は正に辰に在り)。申・酉の二支が丑位に逢うは、是れ第五種の入墓なり。行年と三合が會して墓局を成せば、夢魂も亦驚を受くる。是れ第六種で、「行年入墓」と呼ぶ(たとえば男子の行年が寅に立ち、「功曹」寅が戌の上に加われば、寅と午は同じく火局に屬し、火墓は正に戌位に立つ)。
帶殺虎並來入卦,值此之時不成迍。白虎所乘兼旺相,逢克行年必命傾。凶期鬼日將為準,甲乙占憂辛及庚(虎與死神並克行年上神,並凶,凶以鬼日定之)。支干作鬼憂今日,別立他辰數計程。丑是墓田寅卯槨,浴盆加季四時終(浴盆煞春辰夏未秋戌冬丑)。
凶殺を帶びてまた「白虎」の一同に課に入るあれば、この種の情形に遇上えども還って立刻に災を成すに至らず。ただし白虎の乘る神がもしまた旺相に當たり、再び去りて行年を克傷せば、性命は必ず傾く。凶險の日期は「鬼日」を以て準と爲す。たとえば甲・乙の木日は則ち辛・庚の金日に憂う(白虎と死神が一同に行年上の神を克傷すれば、皆凶を主とし、凶期は則ち鬼日を以て定む)。日干日支が自身鬼と化せば、憂うるは占うのこの一日なり。然らざれば別に他の地支を立てて日程を計算す。丑は墓田、寅・卯は棺槨なり。「浴盆煞」が四季に加臨すれば、則ち一期告終す(浴盆煞は春は辰、夏は未、秋は戌、冬は丑に在り)。
魁罡又生鍬鋤煞,軫宿喪車不要逢(軫宿,太乙巳也。喪車,正未二辰三丑四戌逆四季。又云,春酉夏子秋卯冬午,四種加人年命凶)。毛頭本命加年上,與虎作臨是大凶。虎與陰神傷病日(虎之陰神與白虎同克起病日,或克今日支干者,必死矣)。
「河魁」(戌)と「天罡」(辰)はまた「鍬鋤煞」を生出す。土を掘り葬を送るの象なり。「軫宿」と「喪車煞」は皆碰上するを要せず(軫宿はすなわち「太乙」巳なり。喪車煞は正月は未、二月は辰、三月は丑、四月は戌に在り、四季に依って逆行す。別に一說あり、春は酉、夏は子、秋は卯、冬は午に在り。この四種が人の行年本命の上に加臨すれば皆凶なり)。「毛頭煞」と本命が一同に行年の上に加わり、また白虎と相臨すれば、是大凶の象なり。白虎がその陰神を連れて一起に起病の日を傷克するも亦凶なり(白虎の陰神が白虎と一同に起病の日を克するか、あるいは當日の日干日支に克到せば、病人は必ず死す)。
死鬼來追更不容(又云,天上死神臨墓,並行年及日辰上,大凶。死神,子日在卯,順行十二辰。玄武臨浴盆,大凶。為浴盆見於白虎陰神,自克白虎所居神,病者必不死)。
死鬼が前來して命を追う、更に緩を容れず(別に一說あり、天盤の「死神」が墓の上に臨み、また行年及び日干日支の上に併到せば、是大凶なり。死神の起法は子日は卯に在り、その後十二辰を順行す。「玄武」が「浴盆煞」に臨むも、亦是大凶なり。ただし浴盆煞がもし白虎の陰神の上に出現し、而してそれが反って白虎の居する神を克制せば、病人は死せざるなり)。
病の形狀
用金終木傳流血,用木終土疤腫疽。用水終火寒熱瘡,火金尫瘦或瘡痍。土水淋漓並腹急,五行相剋逐情推(此皆用起及傳終)。本命上神依類辨,如逢子亥腎衰羸(水腎木肚土脾金肺,各分主之)。
發用と末傳の五行を以て相配して病形を定む。發用が金に屬して末傳が木に屬すれば、流血の症を主とす。發用が木に屬して末傳が土に屬すれば、瘡疤腫疽を主とす。發用が水に屬して末傳が火に屬すれば、寒熱瘡瘍を主とす。火と金が相配すれば、形體羸瘦あるいは瘡痍を生ずるを主とす。土と水が相配すれば、淋漓止まず兼ねて腹中急痛を主とす。總じて五行相克に依り、逐一實情に按って推求す(以上は皆發用の起處と末傳の終處に就いて言うなり)。さらに本命上の神に依って分類辨認す。たとえば子・亥の水に遇上えば、則ち腎氣衰弱羸瘦を主とす(水は腎を主とし、木は肚腹を主とし、土は脾を主とし、金は肺を主とし、各々主る所有り)。
支有氣憂頻嘔吐,干同虎類從淹遲(干與白虎比也)。元武體虛為水疾,天空下痢更何疑。金神乘白虎,必是肝經受病,可治肺而不可治肝。木神乘白虎,必是脾經受病,可治肝而不可治脾;水乘虎,心經痛病,可治腎不可治心;火神乘虎,肺經受病,治心不可治肺;土神乘虎,腎經受病,治脾不可治腎。已上五法,常為的確有驗。惟虎受克及空亡,不必治之。
日支に氣あれば、憂うるは頻頻に嘔吐するなり。日干と「白虎」が同類相比すれば、病勢は拖延纏綿す(日干と白虎の五行比和するを指す)。「元武」に見えれば體虛を主とし、水濕の疾に屬す。「天空」に見えれば則ち下痢を主とし、更に疑うべきなし。金神が白虎に乘れば、必ず肝經の受病なり。金が木を克するがゆえなり。治法は當に肺(金)より着手してしかも肝のみを治するべからず。木神が白虎に乘れば、必ず脾經の受病なり。當に肝を治してしかも脾を治するべからず。水神が白虎に乘れば、是れ心經の作痛なり。當に腎を治してしかも心を治するべからず。火神が白虎に乘れば、是れ肺經の受病なり。當に心を治してしかも肺を治するべからず。土神が白虎に乘れば、是れ腎經の受病なり。當に脾を治してしかも腎を治するべからず。以上の五法は向來確かに應驗あり。ただ白虎自身が克を受くるか空亡に落つる時は、此に依って施治するを須いず。
占病太乙螣蛇主頭,二神俱是火,炎上,旺則喘嗽,衰則赤目,口舌生瘡,頭痛。又主咽喉之疾。元武登明,俱是水,潤下,旺主腹腎之疾,衰則水逆上,主頭目眼疾,重則心疼也。天空臨戌,俱土罡亦然,旺則肺肝腰疼,衰則骨腿痛。
病を占う時の各神將の主とする病症。「太乙」(巳)と「螣蛇」は皆火に屬し、火性炎上す。旺なれば喘嗽し、衰なれば眼赤・口舌生瘡・頭痛し、また咽喉の病を主とす。「元武」と「登明」(亥)は皆水に屬し、水性潤下す。旺なれば腹疾腎疾を主とし、衰なれば水氣上逆して、頭目眼疾を主とし、重ければ還って心口作疼することを會す。「天空」が戌の上に臨むは、同じく土に屬し、「天罡」(辰)も亦一樣なり。旺なれば肺・肝と腰部の疼痛し、衰なれば骨節腿腳の疼痛す。
勾陳在天秤,旺則克水,多主噎塞之疔。白虎臨傳送,旺則血流之災,衰則皮膚瘡腫,筋骨傷折。青龍臨功曹,主肝明,旺則風疾,衰則損胃減食。太沖六合,胸膈疼。太陰從魁,主腸疼肺疾。天后在子,主男腎病。太常在未,酒食蟲疾,嘔逆氣滯。
「勾陳」は天秤(丑未の土位)に在り、旺なれば則ち水を克し、多く噎塞の疾を主とす。「白虎」が「傳送」(申)に臨めば、旺なれば則ち流血の災あり、衰なれば則ち皮膚瘡腫・筋骨折傷す。「青竜」が「功曹」(寅)に臨めば、肝膽の病を主とし、旺なれば則ち風疾を生じ、衰なれば則ち胃を損し食を減ず。「太衝」(卯)と「六合」は、胸膈疼痛を主とす。「太陰」と「從魁」(酉)は、腸痛肺疾を主とす。「天后」は子に在り、男子の腎病を主とす。「太常」は未に在り、酒食の傷・蟲疾および嘔逆氣滯を主とす。
占病專視日干之食神,尤妙。行年乘之,乃名運糧神,忌空也。又觀干之祿何神,不可落空亡及作閉口,或受克,如占久病,必絕食而餓死。外有冬蛇掩目卦亦然。假如辛未日酉加寅,乃祿坐絕鄉,又作閉口。又名無祿卦,問病必凶。
病を占うは專ら日干の「食神」を看、最も靈妙なり。行年が食神に乘れば、則ち「運糧神」と呼ばれ、最もそれが空亡に落つるを忌む。また日干の「祿神」がいずれに落つるかを看るを要す。祿神は空亡に落つるべからず、「閉口」の象と作るべからず、亦克を受くるべからず。もし久病を占ってこれらを犯せば、病人は必ず絕食して餓死す。另外「冬蛇掩目」課を占い得るも亦是一樣なり。たとえば辛未日に酉が寅の上に加わり、祿神は正に絕鄕に坐し、また閉口の象と成れば、これを「無祿卦」と呼び、病を問えば必ず凶なり。
天盤日之祿神,食作空亡,又坐克方,占病必絕食而亡。假如甲辰日寅加酉,夜又乘白虎,又返吟。乙巳日卯加申夜,又返吟;丁亥日午加亥夜;庚申日申加午晝;辛卯日酉加午夜;癸亥日子加未;又子加戌晝;亦謂之食神在禁方。又有祿神作閉口乘白虎者,假如乙未日卯加申,又返吟夜;其反吟卦乃剛干之祿受絕;丙戌戊子,巳為閉口;辛未日酉加戌夜;壬戌日亥為閉口祿。
天盤上の日干の祿神と食神がもし皆空亡に落ち、またそれを克する方位の上に坐せば、病を占って必ず絕食して亡ぶ。たとえば甲辰日に寅が酉の上に加わり、夜占また白虎に乘り、且つ返吟と成る。乙巳日に卯が申に加わり、夜占また返吟。丁亥日に午が亥に加わり、夜占。庚申日に申が午に加わり、晝占。辛卯日に酉が午に加わり、夜占。癸亥日に子が未に加わり、また子が戌に加わり、晝占。これらは皆「食神在禁方」と呼ばる。別に祿神が閉口と作り而してまた白虎に乘るあれば、たとえば乙未日に卯が申に加わり、夜占また返吟すれば、この返吟課は正に剛干の祿の絕を受くるなり。丙戌・戊子日は巳を以て閉口と爲す。辛未日は酉が戌に加わり、夜占。壬戌日は亥を以て閉口の祿と爲す。
外宜觀生氣死氣,尤驗。假如正月生氣在子,死氣在午,乃生氣剋死氣也。如在甲寅旬占之,乃生氣空亡,死氣實,占病可畏。如行年上神是亥水,尚可醫治。緣亥水能克午之死氣也。行年上神反生其死氣者,死如生氣與死氣不相剋者,占病雖無嫌,然難痊。如白虎乘日鬼作空亡,病必未瘥。
此の外還って「生氣」と「死氣」を看るべく、尤も應驗す。たとえば正月は生氣は子に在り、死氣は午に在り。正に生氣が死氣を克すなり。もし甲寅旬の中に來て占えば、生氣は空亡に落ちて死氣は坐實す。病を占えば畏るべし。この時行年上の神がもし亥水なれば、還って醫治し得る可し。なぜなら亥水は午上の死氣を克し得ればなり。倘若行年上の神が反って去りて死氣を生扶せば、病人は便ち死せんとす。もし生氣と死氣が彼此相克せざれば、病を占うに雖も大碍なきも、亦痊愈しがたし。もし白虎が日鬼に乘って空亡に落ちれば、病も亦一時好くなり得ず。
外有日干之墓乘白虎在六處者,如占病,必是積塊病,宜以破積藥治之。假如六乙日晝將順行,乃未乘白虎,內乙酉日未空亡無畏,或易療,非年深積爾。六辛日晝將順行,丑乘白虎,內辛酉日丑空亡,亦易治。外有六庚六辛日有白虎乘旬丁者,占病必重。以連疼痛之處,且如辛卯日亥加丑作中傳,晝占,乃亥乘白虎作旬丁神,必為頭疼,以致不救。
別に日干の墓神が白虎に乘って日干・日支・三傳・本命・行年のこの六處に落つるあれば、病を占って必ず積塊の症なり。應當に消積破塊の藥を用いて治すべし。たとえば六乙日に晝間將を順布し、未の上に白虎を乘せば、その中乙酉日は未が空亡に落ち、畏るるに足らず、あるいは醫治し易く、積年の痼疾にあらず。六辛日に晝間將を順布し、丑の上に白虎を乘せば、その中辛酉日は丑が空亡に落ち、亦治し易し。また六庚・六辛日にもし白虎が「旬丁」に乘れば、病を占って必ず重し。還って連帶して疼痛の部位を看るを要す。たとえば辛卯日に亥が丑に加わって中傳と作り、晝間來て占えば、亥上に白虎を乘せまた旬丁の神と作れば、必ず頭疼で、以て救い可ならざるに致る。
餘有丁虎乘類而言之。丑為脾疼,或腹疼;卯手疼,或目疼;戌足疼;巳齒疼,或咽喉疼;未胃疼,或積瘕;酉小腹疼;亥臨戌亥子丑寅卯為足,亥臨辰巳午未申為腎;餘逐類言之。如日鬼臨在六處,不乘白虎,但擬其鬼,亦為病症。假如火為鬼,便言肺病。水為鬼,便言心病。金為鬼,便言肝疾。土為鬼,便言腎病。木為鬼,是脾病。如鬼受克及空亡,不必療,亦愈。
その餘の旬丁と白虎の乘る地支は、各々類に按って推す。丑は脾疼あるいは腹疼を主とし、卯は手疼あるいは目疼を主とし、戌は足疼を主とし、巳は牙疼あるいは咽喉疼を主とし、未は胃疼あるいは腹中積塊を主とし、酉は小腹疼を主とす。亥が戌・亥・子・丑・寅・卯の上に臨めば足病を主とし、亥が辰・巳・午・未・申の上に臨めば腎病を主とす。その餘は此に照らして分類して說く。もし日鬼があの六處に臨んで白虎に乘らざれば、ただこの鬼の五行に按って推すのみ、亦病名を定出し得る。火が鬼と作れば則ち肺病と說し、水が鬼と作れば則ち心病と說し、金が鬼と作れば則ち肝病と說し、土が鬼と作れば則ち腎病と說し、木が鬼と作れば則ち脾病なり。もし鬼が克を受くるか空亡に落ちれば、醫治するを須いずとも自ずから愈ゆ。
如蒿矢卦,亦宜言有疼痛處。金加火上,主筋骨痛,惟庚日申酉加巳午尤的。速茹卦作日之財,占病必因傷食而得。如命年上神能制其財神,尚有醫療。卯加申,戌加卯,占病必手足不舉,或有傷。占病見太陰、六合、青龍,為殮日。
もし「蒿矢」課を占い得れば、亦當に疼痛の處あるを說すべし。金が火の上に加われば筋骨疼痛を主とし、尤も庚日に申・酉が巳・午の上に加わるを以て最も準なり。もし「速茹」課を占い得てそれが正に本日の財と作れば、病を占って必ず傷食に因る所致なり。もし本命・行年上の神がこの財神を制住し得れば、還って醫治の餘地あり。卯が申に加わり、戌が卯に加われば、病を占って必ず手足の擧擡し得ざるか、あるいは外傷あり。病を占って「太陰」「六合」「青竜」に見えれば、入殮の日を主とす。
外有六合加申臨卯,謂之尸入棺。緣申本身也,於三月之內,乃是死氣,身即尸也。且上有六合,下有卯木,是棺也。尸入棺,占病必死,尤宜詳其類神言之。或申加卯木乘六合,於九月占之,占病在床而未愈。緣申是生氣,卯為木、床。癸卯日占父母長上病,死尤急。緣父母爻入棺故也。已上皆三占,尤驗。
別に「六合」が申の上に加わって卯に臨むあり、これを「尸入棺」と呼ぶ。申は本來人身を代表し、三月の內に申は正に死氣なれば、身も亦尸と成る。上に六合あり(六合はすなわち棺板なり)、下に卯木あり(木は棺材を爲す)。ゆえに尸入棺と呼ぶ。病を占って必ず死す。還って當に細看して類神を以て斷ずべし。反って、もし申が卯木に加わって六合に乘り、九月に來て占えば、則ち病に臥して牀上に在り未だ痊愈せざるなり。なぜなら九月は申は生氣で、卯木は此に於いて牀を作ればなり。もし癸卯日に父母尊長の病を占えば、死するは尤も急なり。父母爻が棺に入るがゆえなり。以上は皆三處を合せて占看するを要し、特別に應驗す。
六合名六片板,外有申加巳,名白虎入喪車,發用為的。占病可畏。如庚日或申日為本命,返吟課占病必死,緣人入鬼門。又忌收魂神,乃戊日辰為元武是也。夜順旦逆有之,於十一月占之,緣辰為死氣,尤的。
「六合」はまた「六片板」と呼ばる。すなわち棺材の六塊の板なり。別に申が巳の上に加わるあり、「白虎入喪車」と呼ばれ、それを以て發用と爲すを以て最も準なり。病を占うに畏るべし。もし庚日、あるいは申を以て本命と爲す人が返吟課を占い得れば、病を占って必ず死す。人が鬼門に進むがゆえなり。また「收魂神」を忌む。すなわち戊日に辰上に元武に乘るのこの一格なり。夜占に順布し旦占に逆布する時に出現す。もし十一月に占えば、辰が正に死氣に當たるがゆえに、尤も準なり。
亦忌浴盆有水,浴盆殺,春辰順季位,其上忌乘亥子水。如天盤是浴盆,忌乘天后玄武,如占小兒病,死尤忌。緣亥為孩,子為子息。元武天后即亥子。巳午加亥子,寒熱患目,或剋日,主癆病。干支反吟,必主癜
亦「浴盆煞」上に水あるを忌む。浴盆煞は自ら春季の辰より起こり、四季に按って順行す。それの上は最も亥・子の水を乘るを忌む。もし天盤の落つるが浴盆煞なれば、則ちそれが「天后」「玄武」に乘るを忌む。小兒の病を占うに最もこの種の格局を忌み、死を主とす。なぜなら亥は孩子を代表し、子は子息を代表し、而して元武・天后は恰恰としてすなわち亥・子の二神なればなり。巳・午が亥・子の上に加われば、寒熱往來・眼目の患あるを主とす。もしさらに日干を克せば、勞病を主とす。日干日支が返吟と成れば、必ず癜疾を主とす。
餘有癸酉、癸丑、癸亥日,並支上未,作太常為用,夜將有之;壬戌、壬寅、知子日,並支上未,亦作太常為用,夜貴有之。以上六日例,因未為太常克干居於宅上,或為發用,如占病必因喜事,及飲宴,或往親戚家帶病而歸;或是大官占之,必因赴宴得病,餘占皆因前事而致不豫。
別に癸酉・癸丑・癸亥のこの三日あり、日支上は未にして「太常」の發用と作る。夜間將を布くる時に出現す。壬戌・壬寅・壬子(原文は「知子」と作る)のこの三日は、日支上は亦是れ未にして太常の發用と作る。夜貴人を用うる時に出現す。以上の六日の例は、皆未上に太常を乘り、日干を克して宅位に居るか、あるいは發用を充當するに因る。病を占って必ず喜慶の事に因り、飮宴に因り、あるいは親戚の家に到りて病を帶びて回るなり。もし大官が占い得れば、必ず宴に赴きて病を得たるなり。その餘の人の占うるも、皆前面のこれらの事情に因って身體不適なり。
內有壬子、癸丑二日,帶旬丁在,必往妻家得病,極驗,惟宜占人年命上有卯木為救。如乘寅木,必有神擬,尤宜命法官治之,倘稍緩,寅木反被未墓,難救矣。外有白虎乘病符克干,尤可畏。或年命上乘血支、血忌者,必是血症,或女命占病,又帶月厭,作血支血發明獎,必病血崩,或墮胎,甚驗。
その中壬子・癸丑の兩日はもし「旬丁」を帶びれば、必ず妻子の娘家に到りて得たる病なり。極めて應驗す。ただ占者の行年本命上に卯木あってのみ解救し得る。もし乘るが寅木なれば、必ず邪神の作祟あり。最も好きは法師を請して禳治せしむるなり。稍も遷延すれば、寅木は反って未土の墓に收め去られ、就きて救いがたし。此の外、白虎が「病符」に乘って來て日干を克すれば、尤も畏るべし。もし行年本命上に「血支」「血忌」を乘せれば、必ず血症なり。もし女命が病を占い、また「月厭」を帶びて血支血忌と作れば、必ず血崩あるいは墮胎を患う。非常に應驗す。
醫藥を覓む
日辰月建同前之,此是天醫對地醫。今日支神同克虎,當知減退必無疑。醫神木土宜丸藥,水即須湯火灸之。金為針砭看其類,勿用魁罡下喚師。
日干日支と月建の配法は前に同じ。これはすなわち「天醫」が「地醫」に對すなり。當日日支の神がそれと一同に去りて「白虎」を克せば、病勢は必ず減退し、疑うべきなし。醫神が木に屬し土に屬するは丸藥を服するに宜し。水に屬するは湯藥を用いるを須う。火に屬するは艾灸を用うるに宜し。金に屬するは則ち鍼砭を用いよ。各々その類に按って取用せよ。切に「河魁」「天罡」の落つる處に到りて醫生を請うべからず。
制鬼之位是良醫。巳午作虎鬼,不宜灸;申酉作虎鬼,不宜針。假令乙丑日酉加干,乃日之鬼,卻賴支上有午火克其酉金。此午火便是良醫,或是本家親人能醫,或得家堂神位保護。其餘可逐類而言之。
病鬼を制服し得る那一位は、すなわち良醫なり。巳・午が白虎の鬼と作る時は灸を用うるに宜しからず。申・酉が白虎の鬼と作る時は鍼を用うるに宜しからず。たとえば乙丑日に酉が日干の上に加われば、酉金は正に乙木の鬼なり。幸いに日支上に午火ありてこの酉金を克し得れば、この午火は便ち良醫なり。亦可能本家の親人が治し得るか、あるいは家堂神位が暗中に保佑するなり。その餘は皆類に照らして推說し得る。
又假令甲戌日干上酉,雖日鬼,標是空亡,不足畏。兼支上巳火坐於墓上,亦不能為救,似此一例求醫,其醫言病甚明,其如庸醫,不能治療。其餘救神,不在支上,而臨三傳及年命,亦可為救。且如制鬼之神加亥子,宜服湯藥;加寅卯,並四土,上宜服丸藥;加巳午上,宜灸;加申酉上宜針砭。
さらにたとえば甲戌日に日干上は酉なり。雖も日鬼を爲すも、卻正好空亡に落ち、畏るるに足らず。加うるに日支上の巳火は墓の上に坐して、亦救護の力を起こし得ず。この一類の課の如く去りて醫を求めれば、醫生は病情を說き得て甚だ明白なれど、無奈何只だ是れ庸醫で、治し好くなし。その餘の救神はたとえ日支上に在らずとも、而して三傳あるいは行年本命の上に臨めば、一樣に救と爲し得る。さらに制鬼の神が亥・子の上に加われば、湯藥を服するに宜し。寅・卯および辰戌丑未の四土の上に加われば、丸藥を服するに宜し。巳・午の上に加われば、灸を用うるに宜し。申・酉の上に加われば、鍼砭を用うるに宜し。
醫神所生為瘥期,所克為凶期,乃天地醫也。天醫作虎鬼,不宜醫。攻治庸良審二醫,男以辰加行年,於天上功曹下尋醫;女以日加行年,於天上傳送下尋醫。須於所值之處視其神將,吉者方可用之。
醫神の生ずるその日は病愈の期なり。醫神の克するその日は凶險の期なり。これはすなわち天醫と地醫の用法なり。もし「天醫」が反って白虎の鬼と化せば、則ち醫を求むるに宜しからず。醫生の高明と庸劣を審察するを要す。男子は日支を行年の上に加え、天盤の「功曹」(寅)の下に去りて醫生を找求す。女子は日干を行年の上に加え、天盤の「傳送」(申)の下に去りて醫生を找求す。皆その值する處の神將を看るを要し、吉なるを以て纔に延請し得るなり。
天醫日,正月卯二亥三丑四未五巳,經此五神挨月臨之。訣曰:天醫正卯二豬臨,三月隨牛四未尋,五巳六卯七成亥,八牛九羊十巳真,十一卯再來尋卯,十二亥上作醫人。
「天醫」日の定法。正月は卯に在り、二月は亥に在り、三月は丑に在り、四月は未に在り、五月は巳に在り。この五個の地支は月に按って輪轉す。口訣に曰く、天醫正月は卯に在り、二月は亥(猪)に在り、三月は丑(牛)に随い、四月は未に在り、五月は巳に在り、六月はまた卯に回り、七月は亥に在り、八月は丑に在り、九月は未(羊)に在り、十月は巳に在り、十一月は再び卯に回り、十二月は則ち亥の上に去りて醫人を尋ねよ、と。
何の鬼の殃なりやを看る
傳中有虎傷本日,看是何神作禍殃。木主絞刑修造祟,金為傷鬼佛神堂。火併五道城隍灶,水則河神測北方。土犯宅神須祭祀,螣蛇朱雀道中亡。虎為兵役勾陳吏,天后女姑為怪詳。貴人神廟並先祖,親化只緣因太常。
三傳中に「白虎」ありて本日を傷克せば、則ち何の神が作祟するかを看るを要す。木は自縊絞死の鬼と動土修造の犯す祟を主とす。金は刀兵傷亡の鬼と佛寺神堂を主とす。火は五道神・城隍と竈神を主とす。水は則ち河神で、北方に應ず。土は宅神を冲犯し、祭祀するを須う。「螣蛇」「朱雀」に見えれば、道路上に死したる亡魂なり。「白虎」に見えれば、兵役陣亡の鬼なり。「勾陳」に見えれば、胥吏の鬼なり。「天后」に見えれば、女性尊長の作怪なり。「貴人」に見えれば、神廟の神と先祖なり。もし已故の至親の顯化なれば、あれは皆「太常」の緣故なり。
傳中逢見鬼長生(己巳用木,傳是金是),婆神五道祟分明。沐浴河官水神禍,凶帶宜修功德神。臨官論訟因留願,帝旺家先土地並。衰為木下山林鬼,病即須酬小墓靈。死墓先亡公伯禍,絕為流浪客傷冤。胎因產死養神廟,此法推詳課復精。
三傳中に鬼爻の「長生」に遇上えば(たとえば己巳日に木を以て鬼と爲し、三傳中に金が長生と作るの類なり)、是れ婆神と五道の神の作祟なり。明白疑いなし。鬼爻が「沐浴」に落つれば、是れ河官水神の禍なり。凶を帶びるは功德を修めて以て禳解するに宜し。「臨官」に落つれば、官司口舌あり、是れ許願未だ還らざるに因る。「帝旺」に落つれば、家先と土地神が一同に作祟す。「衰」に落つれば、樹下山林の鬼なり。「病」に落つれば、小墓中の神靈に酬還するを得るを須う。「死」「墓」に落つれば、先亡の伯叔公輩の禍を作るなり。「絕」に落つれば、流浪客死の冤魂なり。「胎」に落つれば、難産に因って死したるなり。「養」に落つれば、則ち神廟に應ず。この法に照らして推詳せば、課を占うに就更に精細なり。
瘥期を辨ず
醫療如何是瘥期,行年之上有何神。天乙所居乘旺相,傷干鬼虎不成迍。假令白虎傷其日,天乙宜臨日與辰。虎落空亡或有德,與日相生不損人。干日作期為退限,還如戊己瘥庚辛。
醫治の後に何時に痊愈せん。行年の上は何の神なるかを看るを要す。「天乙貴人」の居する處がもし旺相の氣に乘れば、たとえ日干を傷克する鬼神と白虎あるも、災を成すこと能わず。たとえば白虎が日干を傷克せば、則ち天乙貴人の日干・日支の上に臨到して解救するを要す。白虎がもし空亡に落つるか、あるいは徳神を帶び、また日干と相生せば、人を傷害するを會せず。日干を用いて痊愈の期限を定む。たとえば戊・己日に病を得れば、則ち庚・辛日に病を退き痊愈す。
盜賊を占う
占盜先尋玄武臨,所臨之地賊潛身。剋日之鬼乘玄武,此賊強梁盜劫真。如臨旺相強人眾,若遇休囚少許人,陽星照武宜擒盜,勾陳當道賊寒心。更得福神臨發用,賊縱飛騰難駕云,倘乘生合防窩頓,若值刑沖必露形。
盜賊を占うはまず「玄武」がいずれの處に臨むかを找尋す。それの臨む地は便ち賊の藏身の所なり。もし日干を克する鬼神が正に玄武に乘れば、この賊は便ち真の强梁劫盜なり。玄武が旺相の地に臨めば、賊衆人多しを主とす。休囚に落ちれば、人は多からず。太陽(月將)が玄武に照到せば、賊を擒するに宜し。「勾陳」が道に當たり攔截すれば、賊子は膽寒す。さらに福神の發用に臨むを得れば、賊はたとえ身手飛騰するも、雲を駕して逃走し得ず。倘若玄武が相生相合の神に乘れば、人の窩藏銷贓あるを防ぐを要す。もし刑冲に逢えば、賊は必ず形迹を露出す。
或作空亡逢救解,知是偷兒未必真。吉曜並臨多庇護,陰神沖剋定遭擒。天馬加臨賊逃遁,武乘死氣喪殘生。要知何日能擒獲,須待狼星(即盜星)疾入墓辰(乃玄武墓絕之日也)。
玄武がもし空亡に落ちまた救解に遇えば、この偷兒は未だ必ずしも真の賊ならざるを知るべし。吉星が併臨すれば、賊は多く人の庇護あり。陰神が來てこれを冲克せば、賊は一定に擒せらる。「天馬」が加臨すれば、賊は已に逃遁遠走せり。玄武が「死氣」に乘れば、賊は命を喪うを要す。いずれの日に捉住し得るかを知らんには、須らく「狼星」(すなわち盜星)の快快に墓に入る時を待つべし(すなわち玄武が墓絕するその日なり)。
更占所盜財和物,須看財神不落空。若坐三傳或發用,定教原物返囊中。物取類神無克害,旺相生扶捕獻功。金銀財寶憑傳送,衣資綢緞太常同。經書文具推朱雀,玩器舟車視太沖。要知贓物追還數,賊人夥伴分後先(贓物占盜秋仍分先後)。
さらに盜まれたる錢財物件を占うに、須らく財神が空亡に落ちざるを看るべし。財神がもし三傳の中に坐するか正に發用に當たれば、原物は一定に囊中に回る。占う所の物はその類神を取る。ただ克害を受けず、また旺相生扶に逢えば、便ち賊を捕え贓を追って功を立て得る。金銀財寶は「傳送」(申)を看、衣料綢緞は「太常」を看、經書文具は「朱雀」を推し、玩器舟車は「太衝」(卯)を看る。いくらの贓物を追回し得、賊黨は共に幾人なるかを知らんには、先後を分かちて推するに就く(贓物と盜賊は皆仍お先後を分かちて以て定む)。
地盤但有元武立,上下相乘總若干(子午九,丑未八之類。上下相乘,即知裡數)。復視亡神天目星,賊立其下莫教驚。亡神旬內居其乙,還如甲戌在登明(甲子旬在乙丑下,甲戌旬在乙亥下,餘仿此)。
地盤上およそ「元武」の立つ處あれば、便ち上下二神の配する數を相乘す(子・午は九を配し、丑・未は八を配し、此に類推す。上下相乘して得る所は、すなわち里數なり)。さらに「亡神」と「天目星」を看れば、賊は便ちそれらの底下に立つ。驚疑するに及ばず。亡神は本旬の內に「乙」位に居る。たとえば甲戌旬は則ち登明(亥)に落つ(甲子旬は乙丑の下に在り、甲戌旬は乙亥の下に在り、その餘は此に照らして類推す)。
天目春氐夏居柳,秋奎冬女下藏形(天目所為盜賊之處)。干若來傷支上將,莫問偷人何處停。支上陰神傷日下(第四課剋日上之神),尋完追搜保實成。太陰龍合來加日(此三傳加日辰,難捉),捕捉應言登遠程。
「天目星」は春天は氐宿に在り、夏天は柳宿に在り、秋天は奎宿に在り、冬天は女宿に在り。賊は便ちそれの下に藏る(天目の指す所は正に盜賊の所在の處なり)。日干がもし來て日支上の天將を傷克せば、則ち賊が何處に停まるかを問うを須いず。日支上の陰神が日干を傷克すれば(すなわち第四課が日干上の神を克するなり)、追搜して下れば必ず査實し得る。もし「太陰」「青竜」「六合」が來て日干に加臨せば(この三將が日干日支の上に加わるを指す)、賊は捉えがたし。追捕に往けば只だ很遠の路を跑るを怕れるのみ。
三九元武見螣蛇,即是囚徒喪禍家。十二支神皆有例,以例推之無有差(見朱雀在吏家,見六合在貴人婦女親戚家,見勾陳在將家,見元武吏家,見太常長者家及鄰家,見青龍在長者或寺觀,見天后主婦女貴人家,見貴人太常在出入宮禁、權將家,見白虎在喪家、寡婦家,見天空在奴婢人家)。旺相相生永不得,休囚欲走被人拿。
三月・九月に玄武上に「螣蛇」に見えれば、賊は便ち囚徒あるいは喪禍ある人家に藏る。十二支神は各々成例あり、例に照らして推して去れば差あるを會せず(「朱雀」に見えば胥吏の家、「六合」に見えば貴人・婦女・親戚の家、「勾陳」に見えば武將の家、「元武」に見えば吏人の家、「太常」に見えば長者の家及び鄰家、「青竜」に見えば長者の家あるいは寺觀、「天后」に見えば婦女・貴人の家、「貴人」「太常」に見えば宮禁を出入する權貴將帥の家、「白虎」に見えば喪家・寡婦の家、「天空」に見えば奴婢の人家)。玄武が旺相でまた日と相生せば、贓物は永遠に追い回ること能わず。玄武が休囚に落ちれば、賊は逃走せんと思うて反って人に拿住せらる。
何人行盜なりやを占う
此人在處好非求,而我亡財疑爾偷。且將太乙加季上,其次便看生月頭。虛星立子為真盜,參宿加臨莫陷尤。用神到此亦云是,無此何須結怨仇?欲知失物何人取,陽是男人陰是女。克之與少看日辰,旺相休囚相類舉(元武有氣,少;無氣,老)。其物貴賤若何知,此則專心尋武時。吉神並者豪家子,凶神臨者是貧兒。
この人は平日に就きて是非を惹くを好み、如今我は財物を丟失し、便ち是れ你の偷したるを疑心す。占法は「太乙」(巳)を四季の支の上に加え、其次に本人生月の所在を看る。「虛宿」が子位に立つは、纔に真賊なり。「參宿」が加臨すれば、則ち好人を冤枉する勿れ。發用の神も亦ここに落ちて、纔に彼と說し得るなり。これらの徵驗なければ、何ぞ人と仇怨を結ばん。失物は何人の拿したるかを知らんには、陽に屬すれば男人、陰に屬すれば女人なり。長幼に至っては、則ち日干日支の克應および旺相休囚を看て分類し推擧す(元武に氣あれば年少を主とし、氣なければ年老を主とす)。この人の身份貴賤を知らんには、專心して玄武の臨む處を尋ねればよい。吉神と同臨するは豪門の子弟、凶神に臨まるるは貧寒の人なり。
同居人の竊するか否かを占う
一家之內十人居,一人失物九人籲。未知失者豈無準,欲占先以將加時。若有人年元武下,此人行盜定無疑。太陽照武宜擒賊。玄武坐於太陽月將之上,占賊必敗。緣賊人喜夜,可以隱形,豈宜被太陽之光照耀?以致賊形現露。惟畏占時在夜,賊反隱也。尤宜逐季推尋日出日入之時,尤誰。
一家の內に十口人住み居り、一人が物を失えば、九人皆疑心せらる。究竟誰なるかを斷定するに、難道準則なからんや。占法は先用月將加時を以て盤を起こす。誰の行年が「元武」の下に落つるか、此人の竊を行うは則ち疑いなし。いわゆる「太陽照武」は賊を擒するに宜し。玄武が太陽月將の上に坐すれば、賊を占って必ず敗露す。なぜなら賊人は黑夜を喜び、藏身隱形を好む。怎麼經得住太陽の光の照耀をや。一照すれば便ち形迹を現出す。唯だ占う時辰が正に夜裏なるを怕る。あの賊は反って藏れ得るなり。還って四季に按って日出日入の時刻を推算し、纔に更に準確なり。
假如壬申日寅將申時,乃返吟卦,且支上乘寅木,乃是日之盜氣。上乘元武,必是家中人作盜,後必敗露,因月將照破元武也。又假令辛亥日亥將戌時,干上亥是日之賊神,又乘玄武,初傳又是日之墓神,中末寅卯為日財,又是勾蛇,雖是太陽照武,戌時太陽己歸地下,其賊難獲,此例極多,餘仿此。
たとえば壬申日寅將申時は、是れ返吟課で、日支上に寅木を乘せ、正に本日の盜氣で、上にまた元武を乘せば、必ず家裏人の賊を爲すなり。後來一定に敗露す。なぜなら月將(太陽)が元武を照破するがゆえなり。またたとえば辛亥日亥將戌時は、日干上の亥は本日の賊神で、また玄武に乘り、初傳は還って本日の墓神で、中傳末傳の寅・卯は本日の財爻で、また「勾陳」「螣蛇」に乘る。雖も亦算して太陽照武なりとすも、戌時は太陽已に地下に落到せり。この賊は則ち捉えがたし。この類の例子は極めて多し。その餘は此に照らして類推せよ。
又有元武雖不臨太陽之上,如加於卯辰巳午未申天盤上者,尚可捕捉;或元武臨天馬六丁,更臨酉戌亥子丑寅之上,其賊終不敗露。或陽年日辰上有日鬼在,尤賊人之類。如鬼之本家上乘太陽者,占盜立獲。
また元武ありて雖も太陽の上に臨まざれども、もし天盤の卯・辰・巳・午・未・申のこの幾位の上に加われば、仍舊捉え得る。もし元武が「天馬」あるいは「旬丁」に臨み、また酉・戌・亥・子・丑・寅の上に臨めば、この賊は終究敗露せず。もし陽年に在りて、日干日支上に日鬼あれば、あれも亦是れ賊人の一類なり。もしこの鬼の本家の位上に太陽月將を乘せば、盜を占って立刻に抓到し得る。
如占失財,其財坐長生之上者,財終不致失。或所失物類,其物坐長生之上,亦不失。又如戊寅日辰將申時,上乘元武,乃名太陽照武。又乙未日酉將申時在初傳,乙巳在末傳,六己日並酉將申時;又六己日卯將申時,六癸日寅將申時,六乙日酉將申時,乃臨年者也。
もし財を失うを占えば、財爻が長生の上に坐せば、財は終究丟失せず。あるいは失う所の物の類神が長生の上に坐すれば、亦丟せず。またたとえば戊寅日辰將申時に上に元武を乘せば、これを「太陽照武」と呼ぶ。また乙未日酉將申時は、元武は初傳に落つ。乙巳日は則ち末傳に落つ。六己日も亦是れ酉將申時なり。另外六己日卯將申時・六癸日寅將申時・六乙日酉將申時。これらは皆行年上に臨むの例子なり。
外有天網四張卦,占賊必獲,用起並時,用剋日干是也。臨破網卦,占賊難獲,有神克其初用者是也。外有用神作賊者例,因元武所臨之神,有神作六合者是也。假令元武加子臨丑,子與丑合,為兩人也。
別に「天網四張」課あり、賊を占って必ず獲す。すなわち發用と占時が相併し、發用がまた日干を克する格局なり。もし「破網」課に臨めば、賊を占って則ち獲がたし。あれは神ありて初傳發用を克制する格局なり。別に發用の神を以て賊を斷ずるの例子あり。元武の臨む神を看、もし別に神ありてそれと六合を作れば、あれはすなわち同伙なり。たとえば元武が子に加わって丑の上に臨めば、子と丑は相合し、すなわち兩個人なり。
外有捉賊不如趕賊者例。假如甲日占,以申為賊,不可便以丙火去克,雖去其鬼賊,亦竊其甲干,猶有所費。不如以壬水竊其申金,反生其甲干之木矣。又游都之下,捉賊必獲。甲己日用丑,乙庚日子,丙辛日寅,丁壬日巳,戊癸日加申。元武加丁主失脫。
別に「捉賊不如趕賊」の例子あり。たとえば甲日に占い、申金を以て賊と爲せば、不可則ち丙火を用いて去りてこれを克せん。雖もこの鬼賊を除掉するも、丙火も亦甲木を泄耗し、自己は還って破費ある所なり。壬水を用いて申金を泄脫するに如かず、反って還って甲木を生扶し得る。また「游都」の下に賊を捉えれば必ず獲す。甲・己日は丑を用い、乙・庚日は子を用い、丙・辛日は寅を用い、丁・壬日は巳を用い、戊・癸日は申に加わる。元武がもし「旬丁」の上に加われば、失脫破財を主とす。
行人を占う
思望行人久不歸,須憑類神以推之。類神,如占奴視天空、河魁;占婢視太陰、從魁;占僧視傳送、太沖;占道視功曹、青龍;占婦女視二后;占六親視我生、生我、克我、我克之類。
遠行する人を盼望して久久歸らざれば、須らく「類神」を憑って推算すべし。いわゆる類神。奴仆を占うは「天空」と「河魁」(戌)を看、婢女を占うは「太陰」と「從魁」(酉)を看、僧人を占うは「傳送」(申)と「太衝」(卯)を看、道士を占うは「功曹」(寅)と「青竜」を看、婦女を占うは「天后」「神后」の二后を看、六親を占うは則ち我生・生我・克我・我克のこの一類の關係を看るなり。
日月二門為發限,陰陽二至算來期。類神臨二至上立到(子午為二至也)。東並南起酉為速,西將北轉卯非遲。假令行者身居戌,天魁臨亥綻裝衣。何名斗道應相念,轉在東方寅卯維。午上功曹申相見,大吉當午巳合歸。
日門・月門を以て起程の限と爲し、陰至・陽至を以て歸來の期を推算す。類神が一たび二至の位に臨到せば、人は立刻に到る(子・午はすなわち二至なり)。行人が東方・南方に在るは、酉位に起きるを以て快と爲す。西方・北方に在るは、卯位に轉じても亦遲と算せず。たとえば行人本身が戌に屬し、天盤河魁(戌)が亥上に臨到せば、彼は便ち行裝を打點しつつあり。何を「斗道相應」と呼ぶ。すなわち東方の寅・卯の維に轉ずるなり。午上に「功曹」(寅)が見えて申と相見るか、あるいは「大吉」(丑)が午に當たり巳位と相合すれば、皆回るべきを主とす。
假令占奴僕視天魁,若魁加亥,其人必動,有歸意。如加寅卯,其人已在路臨限,午上為至期。戌若加寅午上,是功曹,其人甲乙寅卯日到。戌若加卯午上,是大吉,其人戊己日歸。戌若加午,其人當今日回,乃日臨限至。
たとえば奴仆を占えば、則ち河魁(戌)を看る。河魁が亥上に加われば、此人は必ず已に起身し、歸意あり。寅・卯上に加われば、人は已に路上に在り期限に臨近し、午位に到ればすなわち家に到るの期なり。戌がもし寅に加わり午上が「功曹」(寅)なれば、此人は甲・乙日あるいは寅・卯日に到る。戌がもし卯に加わり午上が「大吉」(丑)なれば、此人は戊・己日に回る。戌がもし直接午上に加われば、此人は當日に便ち回る。これは日辰が恰に限至の位に臨むなり。
又取用神三合至,子午干上相配之。應來必至日前立,前四上神看是誰。若所占類神並不臨限至,難定歸期。卻取用神三合,子午二至上,看有無決之。假令占文書,看朱雀乘寅加戌卦,乃寅午戌之臨午上,用神朱雀,寅與戌合,為三合臨至,當戊己日到也。若類神不臨限至,又不臨三合,歸期亦難定。卻看支前四位。假令正月甲子日占得卯時課,登明臨卯,乃支前四課神,其人在路。功曹加午在至,當甲乙寅卯日歸也,餘仿此。
又可以發用の神の三合を取って以て到期を定め、子・午の二至と日干を用いて相配す。歸來に應ぜんには、必ず先に「日前」の位に立つを要し、則ち日支の往前第四位上は何の神なるかを看ればよい。もし占う所の類神が並びて限至の位に臨まざれば、歸期は則ち定めがたし。あれは則ち發用の神の三合を取り、それが子・午二至の上に落處あるか無きかを看て以て決斷す。たとえば文書を占えば、「朱雀」が寅に乘って戌上に加わるのこの一課を看る。寅・午・戌は三合にして午上に臨み、用神は正に朱雀で、寅と戌は相合し、是れ三合臨至で、當に戊・己日に到るべし。もし類神が既に限至に臨まず、また三合に臨まざれば、歸期は還って定めがたし。則ち日支の往前第四位を看ればよい。たとえば正月甲子日に卯時課を占い得て、「登明」(亥)が卯上に臨めば、正に日支前の第四位の神なり。此人は已に路上に在り。さらに「功曹」(寅)が午上に加わって二至の位に當たれば、當に甲・乙日あるいは寅・卯日に歸來すべし。その餘は此に照らして類推せよ。
或不知方千里外,即視行年限度推。占人遠在千里,即看其人行年臨處。若臨卯酉限度,其人在路。若臨子午二至之上,其人即到門也。
もし人が何方に在るかを知らず、千里の外に遠ければ、則ち彼の行年の臨む限度を看て以て推す。人の千里の外に遠きを占うは、則ち彼の行年がいずれの處に臨むかを看る。卯・酉の限度の上に臨めば、人は還って路上に在り。子・午の二至の上に臨めば、人は便ち門に到らんとす。
又辨其人詳物色,神將為名皆可知。太常衣服糧兼父,六合媒人孫與兒。青龍朋友銀夫婿,天后神后是妻姬(天后妻,神后姬)。太乙太陰兄弟位,勾陳兵吏申毛皮。天空酉戌雞奴婢,白虎病人喪柩悲。元武陰私奸盜者,朱禽官吏辨徵追。
還って天將の名より行人の帶する物色・遇う所の人を辨明し得る。「太常」は衣服・糧食を主とし、兼ねて父輩を主とす。「六合」は媒人と子孫兒女を主とす。「青竜」は朋友・銀錢と夫婿を主とす。「天后」「神后」は妻妾を主とす(天后は妻、神后は妾)。「太乙」「太陰」は兄弟を主とす。「勾陳」は兵卒吏役を主とし、申位はまた毛皮を主とす。「天空」と酉・戌は鷄と奴婢を主とす。「白虎」は病人と喪柩の悲を主とす。「元武」は陰私奸盜の人を主とす。「朱雀」は則ち官吏と征討追捕の事を主とす。
功曹狸豹兼羽士,傳送刀兵僧與醫。太沖驢兔船車木,勝光獐鹿馬兼麋。小吉雁鷹羊酒等,登明書易豕熊羆。此類悉皆求限至,課中逢類到無疑。
「功曹」(寅)は狸・豹と道士を主とし、「傳送」(申)は刀兵・僧人と醫生を主とし、「太衝」(卯)は驢・兔・船車と木器を主とし、「勝光」(午)は獐・鹿・馬と麋を主とし、「小吉」(未)は雁・鷹・羊と酒食を主とし、「登明」(亥)は書籍・卜筮と猪・熊・羆を主とす。これらの類神は皆それが限至の位に到るか到らざるかを看るを要す。課中に類神の臨至に遇上えば、人は一定に到るなり。
存亡遠近を占う(附將軍法を推す)
前述雖推限與期,存亡遠近未曾知。有人一去無消息,乃課行年定吉凶。年前寅申意不返,巳亥本鄉心還念。處季已為他方鬼,逢孟身安即便回。乘仲定然多阻滯,或纏疾病尚棲遲。天乙太常臨生旺,必逢高貴挈同隨。龍旺加臨多財帛,天后陰人酒色圍
前面は雖も限度と歸期を推出すれども、人の存亡と遠近は卻還って知らず。人ありて一たび去れば杳として音信なきに、則ち彼の行年を用いて課を起こして以て吉凶を定む。行年の前は寅・申なれば、此人は回る意なし。巳・亥なれば、還って故鄕を念う。行年が辰戌丑未の四季に落つれば、人は已に他鄕の鬼と成れり。寅申巳亥の四孟に落つれば、身體平安で馬上に回る。子午卯酉の四仲に落つれば、必ず多く阻滞あり、あるいは疾病に纏って仍お外に栖留す。「天乙貴人」「太常」が長生・帝旺の地に臨めば、必ず高貴の人の提携同行に遇う。「青竜」が旺相加臨すれば、多く財帛を得。「天后」に見えれば、則ち女色酒宴に圍繞せらる。
勾雀乘之必構訟,蛇虎臨年惹禍危。總觀神將知凶吉,生辰合日是歸期。三千理外卜將軍,千里須教看歲支。五百里應求月建,百里干臨五十時。其下悉來為到限,日月還須意決疑。
「勾陳」「朱雀」が乘臨すれば、必ず官司を構成す。「螣蛇」「白虎」が行年に臨到せば、則ち禍を惹き危を招く。總じて神將を看れば便ち凶吉を知り、本命生辰と相合する日はすなわち歸期なり。三千里の外に遠く在るは、「將軍」煞を卜するを要す。千里の內のは、須らく太歲の地支を看るべし。五百里のは月建を求む。一百里のは日干の臨む所を看る。五十里のは占時の臨む所を看る。これらの臨む下の地支が皆到齊せば、すなわち家に到るの限なり。究竟いずれの月いずれの日に應ずるか、還って須らく自己斟酌決斷すべし。
附 將軍法を推す
孟以勝光仲以未,季加傳送加太歲,常來罡下訪將軍,動土備營多不利。凡占行人,將軍法別云,日如度限乃方用,若不度限不用此。三千里將軍下者是,此煞加臨到處為到期。
將軍煞を推すの法。孟年は「勝光」(午)を用い、仲年は未を用い、季年は「傳送」(申)を用い、太歲の上に加え、常に「天罡」(辰)の下に在りて將軍の所在を尋ねる。この方位に動土扎營すれば多く不利。およそ行人を占うに、將軍法は別に說法あり。日辰がもし已に限度を過ぎてこそそれを用い得、限度を過ぎざれば則ち此法を用いず。三千里の外に遠く在るは、則ち將軍煞の下を以て準と爲す。この煞が加臨する所到れば、何處なるかはすなわち到期なり。
將軍三年一移辰,如寅卯辰年在子,巳午未年在卯,申酉戌年在午,亥子丑年在柘。如未年在卯,加臨子者,即正到也。千里而看歲支加未,看臨甚處。五百看月建臨甚處。一百里而看干臨甚處,五十里看支神甚處,即為到期也。
將軍煞は三年に一辰を移す。寅・卯・辰年は子に在り、巳・午・未年は卯に在り、申・酉・戌年は午に在り、亥・子・丑年は酉に在り(原文は「柘」と作る)。たとえば未年は將軍は卯に在り。卯がもし子上に加臨せば、便ち正に家に到るの時なり。千里の內は、太歲地支が未に加わりて後にいずれの處に臨むかを看る。五百里は、月建がいずれの處に臨むかを看る。一百里は、日干がいずれの處に臨むかを看る。五十里は、日支の神がいずれの處に臨むかを看る。臨む所の處は便ち到期なり。
更課游神春在丑,秋亥冬辰夏子位。加孟未來加仲發,季上相逢不久歸。復有親情不相見,欲得他來意甚思。乃為戲神看立處,冬夏與午同取之。
さらに「游神」を看る。春は丑に在り、夏は子に在り、秋は亥に在り、冬は辰に在り。游神が四孟に加臨すれば、人は還だ動身せず。四仲に加臨すれば、已經出發せり。四季に加臨すれば、不久に就ち歸る。また親友久しく相見えず、很に彼を請い來らしめんと欲すれば、則ち「戲神」の立つ處を看る。冬季と夏季は皆同じく午位を取る。
春當在巳秋居酉,臨處依前辨速遲。更看游神臨用發論,須看天罡加日辰為到,加孟未,加仲發,加季至。如不見天罡,即看游神發用,主歸也。途處差慢,不見游神,可以度限。
戲神は春天は巳に在り、秋天は酉に在り。臨む所は仍お前法に照らして來るの快慢を分辨す。還って游神が發用に臨むか無きかを看て以て論斷するを要す。須らく「天罡」(辰)が日干日支の上に加わるを看てこそ到を算すべし。加臨四孟は還だ來らず、加臨四仲は已經出發せり、加臨四季は就きに到らんとす。もし課中に天罡に見えざれば、則ち游神が發用するかを看る。發用も亦歸來を主とす。もし路上の耽擱較べて慢く、また游神に見えざれば、便ち限度を用いて以て推算し得る。
漁獵を占う
漁獵太沖為害神,若來加午虎狼嗔。臨丑中刀還走失,伏昴空回不利人
漁獵の占は「太衝」(卯)を以て害神と爲す。それがもし午上に加われば、虎狼の怒りて人を傷つるを主とす。丑上に臨到せば、獵物は刀箭に中りて仍舊逃脫す。「伏吟」「昴星」の類の課體に遇上えば、則ち空手にして回り、人に利なし。
支為魚鳥干為網,支傷斗季獲毛鱗。占時受克為多得,營室宜加日與辰。
日支は魚鳥獵物を代表し、日干は羅網を代表す。日支が傷を受け、「斗罡」(辰)がまた四季に加臨せば、便ち毛獸鱗魚を捕え得る。占時が克を受ければ、收穫は必ず多し。「營室」宿が日干・日支の上に加臨せば就更に好し。
怪異驚人を占う
有怪驚人須決憂,三傳神將辨其由(看朱及元武等神)。又看怪是何神物,三空禽物依次求。元作天空水禽物,酉乘六合釜鳴鳩。魁併合時神驚犬,罡附螣蛇井沸流。太乙武兼蛇入廁。傳送光明大吉牛。
家中に怪異驚嚇出れば、須らくその中の憂患を決斷し、三傳の乘る神將より緣由を辨明すべし(重點は「朱雀」と「元武」等の神を看る)。さらにこの怪異は究竟何の東西なるかを看る。三傳が落空して「天空」に見えれば、水禽の類なり。酉上に「六合」を乘せば、鍋釜の自鳴あるいは斑鳩の作怪なり。「河魁」(戌)と六合が同時に併臨すれば、犬吠驚人なり。「天罡」(辰)が「螣蛇」を附着せば、井水の沸涌なり。「太乙」(巳)と「玄武」が兼ねて「螣蛇」あれば、蛇の廁所に爬進するなり。「傳送」(申)が光明の象を現せば、「大吉」(丑)は則ち牛の作怪なり。
博戲を占う
博戲三傳吉將宜(欲知勝負,但看吉將),兩人俱課就年推(兩人合視,行年上吉將克彼人者吉,年上得凶將克此則彼勝)。年上吉神雖立勝,遭彼凶神克也輸。三人以上皆詳此(只看行年上立)。同年主客以乘除(如二人同年,即看主客)。
賭博游戲は、三傳中に吉將あってこそ好し(勝負を知らんには、只だ吉將が誰の那一邊に落つるかを看ればよい)。兩人對賭すれば、則ち各各就各人の行年に課を起こして以て推す(兩人を合せ看る。自己行年上の吉將が去りて對方を克せば、則ち吉。自己行年上に得るが凶將にして對方に克制せらるれば、則ち對方の勝なり)。行年上に雖も吉神ありて本來取勝し得るも、もし對方の凶神の克制に遭えば、照樣に輸するを要す。三人以上は皆この辦法に照らして詳推せよ(只だ各人の行年上に立つ神を看ればよい)。もし兩人同年なれば、則ち主客の分を用いて加減推算す(たとえば兩人の年歲相同なれば、則ち誰が主、誰が客なるかを看る)。
先起為客應為主,客是干兮主是支。支干上下言凶吉,克處之時使可為。對敵從何推勝負,支干年上定贏輸。相剋擇其強者勝,龍常旺相併難爭。
先に發動する一方は客、應戰する一方は主なり。客は日干を用い、主は日支を用い。則ち日干日支上下の神より吉凶を說き、誰が對方を克住し得るか、誰が注を下し得るか。兩方對敵して怎麼樣に勝負を推せん。則ち日干・日支と行年の上に輸贏を定む。彼此相克する時、五行の强き一方の勝を取る。もし對方に「青竜」「太常」ありてまた旺相に當たれば、あれは則ち與え爭鋒しがたし。
近出の何時歸るかを占う
有人暫出何時返,從出門時加日支。後星之下辰應到(後星,天罡也)。或見貴人臨貴歸(天罡與貴人加日,並立到)。天罡加季門前待,占值伏吟相見遲
人ありて暫時門を出で、何時に回るか。彼の出門の時辰より日支の上に加えて課を起こす。「后星」の下の值する地支は、すなわち應回の時なり(后星はすなわち「天罡」辰なり)。あるいは貴人の臨身に見えれば、便ち貴人に随いて一同に歸來す(天罡と貴人が日干の上に加われば、皆立刻に到るを主とす)。天罡が四季に加臨すれば、人は已に門前に在りて等待す。「伏吟」課を占い得れば、相見れば則ち遲し。
出行正反水陸の安危
擬出行時當去否,須看行年與日辰。太沖傳送魁罡立,或在時前定涉塵。日神年神逢旺相,斗罡中孟往無因。干吉去時宜陸路。支安水道往無迍。太沖若也為蛇虎,車覆船翻必損人。
門を出でんと打算し、往くべきか往かざるべきか。須らく行年と日干日支を看るべし。「太衝」(卯)・「傳送」(申)と「河魁」「天罡」の立つ所の處、あるいはそれらが占時の前に落つれば、皆此の行は風塵を奔波するを主とす。日上の神と行年の神が皆旺相に逢い、而して「斗罡」(辰)が四仲・四孟に落つれば、去りても亦成る所なし。日干が吉なれば、陸路を走るに宜し。日支が安穩なれば、水路を走るに阻なし。もし「太衝」上に乘るが「螣蛇」「白虎」なれば、則ち車は翻り船は覆り、必ず人を傷つる。
在事の差使せらるるを占う
在事同差作使行,去留猶未決衷情。日辰上下無刑剋,傳往天罡必有徵。支干上下相殘害,用神天乙復還停。貴人背卻支干位(為干支在天乙後勾入臨),天馬行陽並計程(乘天馬主行人得出,天乙前為出陽主行)。行年立用為關鑰,記過猶能據本廳。若值天車來入卦,前途恐遭車馬驚。春巳夏辰秋在未,冬酉行人畏此並。
在職の人が差を派せられ出使せられ、去るか留まるか、心裏主意を拿えず。日干日支上下に刑克なく、三傳がまた「天罡」(辰)に行到せば、必定に出行するを要す。日干日支上下が互相殘害し、而して發用の神がまた「天乙貴人」なれば、あれは還って停留するを要す。貴人が日干日支の位を背向すれば(すなわち干支が天乙の後に落ちて勾連臨入せらるるなり)、「天馬」に乘りて陽位に行けば、則ち路程を計算するを要す(天馬に乘れば行人の動身し得るを主とす。天乙の前に在るを「出」と爲し、陽に屬して行を主とす)。行年の立つ神はすなわち關卡と鑰匙なり。たとえ過失あるも、還って本衙門の裏に申辯し得る。もし「天車」煞が課に入れば、前途は恐らく車馬の驚險に遭わん。天車は春は巳、夏は辰、秋は未、冬は酉に在り。出行の人は最もそれに遇上るを怕る。
逃亡を占う
運式占逃須辨人,男女良賤位中分。閉口德刑前兩卦,仔細推尋聖若神。假使天魁作元武,元下便是逃者身(欲尋逃者,皆責元武)。天魁去戌知遐邇(凡占逃亡,天魁戌地,一辰一進而,餘仿此,三里遠離三個辰,亦主三伴)。
式を運り盤を起こして逃亡を占うに、先に辨明するを要すは逃ぐるは何の人なるか。男女良賤は各々課位の中に分別す。「閉口」「徳」「刑」の前面の說く所の兩種の卦例を參用し、仔細に推尋すれば、靈驗神の如し。假使天盤の「河魁」(戌)上に「元武」を乘せば、元武の下は便ち逃者の藏身の處なり(およそ逃亡の人を尋ねるは、皆元武を以て主と爲す)。天盤河魁より地盤戌位に數えて、便ち遠近を知る(およそ逃亡を占うは、天盤河魁と地盤戌位を以て相較し、一辰を隔てて一程と算し、その餘は此に照らして類推す。三辰を隔てれば則ち三里の遠で、亦同行に三個の伴あるを主とす)。
上下並都因合數,三十五緣魁在寅(寅七魁五,並方之十二進而。若乘之即五七三十五進而)。貴人順治初玄檢(元武所成為初),天乙逆治武終巡(三傳元武終是)。返吟逃遠玄沖地(返沖即元武對沖),伏即非遙責元鄰(伏吟即元武所居前辰也)。
上神下神の數目は相加するか相乘するかして以て推すを要す。いわゆる「三十五」は、河魁が寅上に落つるに因る(寅數七・魁數五で、相加すれば十二程なり。もし相乘すれば則ち五七三十五程なり)。貴人が順行する時は、初傳上の元武より檢尋す(元武の落つる處を以て初と爲す)。貴人が逆行する時は、則ち末傳の元武上に巡查す(三傳中の末傳の元武はすなわち是なり)。返吟を占い得れば、逃ぐること遠し。元武の冲する地に到りて找求するを要す(返冲はすなわち元武の對冲の位なり)。伏吟を占い得れば、逃ぐること遠からず。則ち元武の左近に就きて找求せよ(伏吟は則ち元武の居する前一辰を取る)。
武在南方近窯灶,若在北方藏水濱。西為礱磨東林木,未是平田丑墓墳(未近坤,為平田;丑近艮,為墓墳)。武能生日自歸舍,武若生辰問友親。三傳元武並今日(傳中元武與今日之辰並),逃者當回莫告陳。三傳元武賊居處,剛日在干柔在辰。
元武が南方に在れば、人は窯竈の附近に躲藏す。北方に在れば、水邊に藏る。西方に在れば、碾坊磨房なり。東方に在れば、樹林の中なり。未に落つれば、平田なり。丑に落つれば、墳墓なり(未は坤位に近く、平田に屬す。丑は艮位に近く、墳墓に屬す)。元武が日干を生じ得れば、逃者は自ずから家に回る。元武がもし日支を生ぜば、則ち親友の家に到りて問え。三傳中の元武が占日と相併すれば(すなわち三傳裏の元武が當日の日辰と同位なり)、逃者は自ず當に回來すべく、官に報ずるに及ばず。三傳中の元武の所在は、すなわち逃者の藏身の處なり。甲丙戊庚壬の類の剛日は日干を看、乙丁己辛癸の類の柔日は日支を看る。
逃時を占う
欲覓人逃物走時,還將月宿以加之(月宿即月將也)。男藏室宿勝光捉,婦隱前星神后推(此法加當時之法也)。又去今辰三合墓,以墓加時此法奇。魁罡臨處藏其下,便遑擒之更莫疑(亥卯未以未加時,餘仿此)。
人の逃走し物件の失去したる時刻を尋ねんには、仍舊月宿加時を用いて課を起こす(月宿はすなわち月將なり)。男子が藏身すれば、「室宿」と「勝光」(午)を用いて去りて捉えよ。婦人が躲藏すれば、前星と「神后」(子)を用いて來て推せよ(これはそれらを當時の上に加えるの方法なり)。別に一法あり。當日日支三合局の墓神を取り、墓神を占時の上に加えれば、此法最も奇なり。「河魁」「天罡」の臨む所の處は、人は便ちそれの下に藏る。趕緊に去りて擒し、再び疑うに及ばず(たとえば亥卯未局は則ち未を以て時に加え、その餘は此に照らして類推す)。
假借を占う
若欲就人求借物,月將加時看日辰,上見功曹並大吉,吉將並之宜請陳。太乙勝光遲緩得,酉戌如臨便速之。婦女阻之因亥子,男作嬉難為卯辰。申未若臨虛措意,類在三傳不阻人(亦看三傳決之)。亦看三傳不相剋,當言如意順情因。
もし人に向いて東西を借りんとすれば、月將加時を用いて課を起こし、日干日支を看る。上に「功曹」(寅)と「大吉」(丑)に見え、また吉將の同臨あれば、應當に去りて口を開き相求すべし。「太乙」(巳)「勝光」(午)に見えれば、些時を拖延してこそ借り得る。酉・戌の臨身に見えれば、很く快く便ち借り得る。亥・子に見えれば、是れ婦女が中より作梗す。卯・辰に見えれば、是れ男子が戲弄留難す。申・未に見えれば、あれは心思を白費す。ただ所借の物の類神が三傳の中に在れば、則ち人の攔阻なし(亦三傳を看て以て決斷するを要す)。同じく三傳を看て彼此相克せざれば、便ち稱心如意・人情に順遂すると斷定し得る。
增附釋三才應事卷之十七終。大清乾隆四十年歲次乙未仲春七日錄竟。
『增附釋三才應事』卷之十七は此處に到りて結束す。大清乾隆四十年・歲次乙未仲春初七日に抄錄完畢す。
