奇门遁甲秘笈大全
作盤ガイド: 奇門遁甲作盤
總論太陽過宮天三門、地四戶、地私門、太冲天馬方同例
奇門遁甲典籍
排盤規則をまず明確にしないと格局の部分が落とし所を失う。歌訣を読むときは、同時に手で一盤を排して対照するのがよい。
総序
竊惟黃帝戰蚩尤於涿鹿,夢天神授符,而命風后演就奇門,此遁甲所由始也。帝堯命大禹治水,得玄女傳文,而因洛龜畫敍九疇,此遁甲所由著也。漢子房總局十八而成決勝之功,蜀孔明分列三奇而創艱難之業。
私が密かに「奇門遁甲」という学問の来歴を考究したところによると、上古の黄帝が涿鹿で蚩尤と交戦し、長く戦っても決着がつかず、夜、天神が符訣を授ける夢を見て、覚めると大臣の風后に命じてこれを基に一揃いの術数へと推演させた。これが「遁甲」の起こりである。帝堯が大禹に洪水の治水を命じた時、大禹は九天玄女の伝えた文書を得、さらに洛水の神亀の背の模様によって「九疇」という九類の治国の大法を排し、「遁甲」の学はここに初めて世に顕れた。漢代の張良(字は子房)は全ての格局を十八局に併合し、それによって千里の外で勝負を決する功業を成し遂げ、蜀漢の諸葛亮は乙・丙・丁「三奇」を分けて布列し、これによって艱難な興復の大業を切り開いた。
先排九宮於掌上,而坎居一、坤居二、震居三、巽居四、中央五、干六、兌七、艮八、離九,而造化見矣。次分八卦於盤中,而離位於南,坎位於北,震東,兌西,巽東南,坤西南,艮東北,干西北,而方隅定矣。
入門の手順として、まず「九宮」を掌の上に排する。坎宮に一の数を配し、坤宮に二の数、震宮に三の数、巽宮に四の数、中央に五の数、乾宮に六の数、兌宮に七の数、艮宮に八の数、離宮に九の数を配する。九宮の数が定まると、天地造化の順序が現れてくる。続いて八卦を盤面に分布する。離卦は南方、坎卦は北方、震卦は東方、兌卦は西方、巽卦は東南、坤卦は西南、艮卦は東北、乾卦は西北である。八卦がそれぞれの位に就き、四正四隅の方向も定まって、起局の際に依拠すべき方位ができる。
縱橫十五,錯敍三元,以八卦分八節,而節令以全。以一節統三氣,而氣候以備。逢甲己為符頭,須閏奇而補局,符速節遲,看甲己臨於何處?而用超神之法。節先符後,驗日辰甲己何居?而行節氣之方。
九宮の数字は横に並べても縦に並べても斜めに並べても、三つを足せば皆十五に等しく、上元・中元・下元の「三元」がその中に交錯して配布される。八卦をもって立春・春分・立夏・夏至・立秋・秋分・立冬・冬至という八つの節を分領すれば、一年の節令が整い、それぞれの節がまた三段の気候を統轄するので、一年の気候もまた完備する。起局の際、天干が「甲」または「己」の日を「符頭」とし、符頭が節気と合わなければ「閏奇」の法で局数を補う。符頭が早く来て節気が遅れて至れば、甲己の日がどこに落ちるかを調べて「超神」の法で定局し、節気が先に至り符頭が後であれば、日辰の中の甲己日がどの位にあるかを照合し、節気の属する宮に依って布局する。
子午東部為冬至後陽遁,歷坎、艮、震、巽,儀順行而奇逆布,由直符而順飛於九宮也。子午西部為夏至後陰遁,歷離、坤、兌、干,奇順布而儀逆行,由直符而逆飛於八卦也。
正北の子位と正南の午位を一線で結び、盤面を東西の半分に分ける。東の半分は冬至以後に属し「陽遁」を用い、坎・艮・震・巽の順序で巡行し、六儀を順に排して三奇を逆に布し、「直符」のある宮から順時計に九宮を飛行する。西の半分は夏至以後に属し「陰遁」を用い、離・坤・兌・乾の順序で巡行し、三奇を順に布して六儀を逆に行かせ、同じく直符から逆時計に八卦の位を飛行する。陽遁と陰遁のどちらに定めるかは布盤の第一歩で、方向を一度取り違えれば、局全体がことごとく誤りとなる。
認九宮安九星為直符,而吉凶以分。如坎宮認天蓬為符,則天芮二、天沖三、天輔四、天禽五、天心六、天柱七、天任八、天英九也。配八卦立八門為直使,而休咎以判。如干宮配開為使,則休門坎、生門艮、傷門震、杜門巽、景門離、死門坤、驚門兌也。移直符於時干,而時干住處,直符之起首寓矣。尋直使於時支,而時支住處,直使之方向存矣。
九宮を認定して九星を安んじ、その中の一星を取って「直符」とすれば、一局の吉凶に分かれ目ができる。たとえば坎一宮の「天蓬」を直符とすれば、坤二宮は天芮、震三宮は天冲、巽四宮は天輔、中五宮は天禽、乾六宮は天心、兌七宮は天柱、艮八宮は天任、離九宮は天英となる。さらに八門を八卦に配し、その中の一門を取って「直使」とすれば、一局の休咎を判断できる。たとえば乾六宮に「開門」を配して直使とすれば、坎宮は休門、艮宮は生門、震宮は傷門、巽宮は杜門、離宮は景門、坤宮は死門、兌宮は驚門となる。盤を転ずる時は、直符を現在の時刻の天干の上に移し、時干がどの宮に止まるかで、直符の起首する所がどの宮に寄寓するかが決まり、直使を現在の時刻の地支の上に尋ね、時支がどの宮に止まるかで、直使の指す方向がどの宮に存するかが決まる。
天盤九星共奇儀,而一時一易,象天之旋轉。地盤九星與奇儀,而五日方移,法地道之貞靜也。天盤臨地,審吉凶之消長;地盤承天,斷休咎之盈虛。天甲子臨地甲子是為伏吟,凡門符臨本宮皆同此例,而不可用也。地天英逢天天蓬是為反吟,凡門加沖宮皆同此例,而避之可也。
天盤上の九星と三奇六儀は、一時辰ごとに一度変換し、天体の運転の止まないことに取法する。地盤上の九星と奇儀は、五日満ちて初めて一度移動し、大地の貞定安静に取法する。天盤が地盤の上に落ちれば、吉凶の消長を審察でき、地盤が天盤の臨むのを承ければ、休咎の盈虚を判断できる。天盤の甲子が地盤の甲子に落ちるのを「伏吟」といい、凡そ八門・直符が自己の本宮に落ち戻るのは皆同じ類で、この局面では事を行うことができない。地盤の天英星が天盤の天蓬星に遇うのを「反吟」といい、凡そ八門が対冲の宮に加わるのも皆同じ類で、遇えば回避すればよい。
吉門臨三奇而所求皆遂,奇門入墓、迫而所為無成。乙、丙、丁、生、休、開如合太陰之位,是謂三全奇吉。陰或有無必審從背之方,是謂三奇六儀擊刑至惡,而不可使用。
開・休・生といった吉門が乙・丙・丁「三奇」と相臨すれば、求める事は多くが順調に運ぶ。反対に、三奇が墓庫の宮に落ちるか、八門が所在の宮位の五行に剋されて「門迫」となれば、事を行っても成就しにくい。乙・丙・丁の三奇に生門・休門・開門の三吉門を配し、さらに「太陰」のある位に合すれば、これを「三奇全吉」という。太陽の類の陰神が在るか否かは、必ず向かう方位と背く方位を審察しなければならない。もし「三奇六儀撃刑」に遇えば、あれは最も凶悪な格局で、決して事を行うのに用いてはならない。
九遁合門,至利而大可施為。開門合乙而加己位,不犯奇墓、門迫,名曰“地遁”,臨紫微而蔽,以日精者也。月奇臨丁而逢生門,不犯奇墓、門迫,號曰“天遁”,乘華蓋而蔽,以月精者也。休門與丁奇相合太陰,共地盤相臨,斯為“人遁”,亦可行師。
「九遁」とは、三奇と吉門の相配する九種の隠遁の格局で、最も有利で、存分に施為できる。開門が乙奇と相合して己位に加臨し、しかも三奇入墓・門迫という二つの忌みを犯さなければ「地遁」という。紫微の気を借りて形跡を遮蔽するようなもので、憑り所とするのは日の精華である。月奇の丙が丁位に落ちて生門に遇い、同じく奇墓・門迫を犯さなければ「天遁」という。「華蓋」の星に乗じて形跡を遮蔽するようなもので、憑り所とするのは月の精華である。休門が丁奇と相合し、さらに「太陰」と同在し、天地両盤が相臨めば、これが「人遁」で、この格局で兵を出して行軍するのも可能である。
丙奇同生門而合於九天,遁屬於“神”。星奇遇休門而臨於九地,遁屬於“鬼”。“龍”得月奇合休癸而或臨於坎,“虎”得乙奇臨生門而或出於艮,“風遁”則日開臨於巽,“雲遁”則月開合於坤,此九遁之例名,實兵家之秘,顧用之何如,而驗之無不應也。
丙奇が生門と同在し、さらに「九天」と合すれば、この遁は「神遁」に属する。星奇の丁が休門に遇って「九地」に落ちれば、この遁は「鬼遁」に属する。「龍遁」は月奇の丙が休門と癸水と合して坎宮に落ちるもの。「虎遁」は乙奇が生門に臨んで艮宮より出ずるもの。「風遁」は日奇の乙と開門が巽宮に臨むもの。「雲遁」は月奇の丙と開門が坤宮に合するもの。以上が九遁の名目で、実に兵家秘伝のもので、ただ用いる者の手腕いかんを見るのみ、験証すれば応えないことはない。
夫星有陰陽,門有開闔。惟天禽則無定位,寄西南而屬中宮。從三避五,為害為生。勝地有三,天上直符所臨天乙,大將居之,一也。直符後一為九天,我軍居之,二也。地生門而合三奇之宮,若引軍而從生門擊死,百戰百勝,三也。
九星は陰陽に分かれ、八門には開閉がある。九星の中で「天禽」だけは固定の宮位がなく、西南の坤宮に寄居しながら実際には中五宮に属する。用事には「従三避五」すなわち震三宮の生気に趨き、中五宮の死気を避ける。一方は禍害、一方は生機である。勝利できる方位は三か所ある。その一、天盤直符の臨む「天乙」の位で、主将はここに座して鎮すべきである。その二、直符の後の一宮は「九天」で、我が軍はここに駐屯すべきである。その三、地盤の生門がさらに三奇と同宮である所で、兵を率いて生門の方向から死門の方向へ攻めれば、百戦百勝である。
不擊有五,天乙、九天擊之必被其殃,一與二也。生門、九地犯之必罹其害,三與四也。直符而臨直使之位,如用兵突圍、摧陣,將死軍亡,五也。孟甲刑門,難以出入,而宜隱跡;仲甲陽內,宜於堅守,而利於藏兵;四季甲時陰內陽外,須分主客,始決雌雄。
攻めてはならない方位は五か所ある。「天乙」と「九天」のこの二か所は、攻めれば必ず災殃を招く。これが第一・第二である。「生門」と「九地」のこの二か所は、犯せば必ず禍害を受ける。これが第三・第四である。直符がちょうど直使の宮位に落ちた時、この時に兵を用いて突囲し敵陣を衝き崩せば、主将は死に軍は亡ぶ。これが第五である。時辰について言えば、孟位の甲旬が刑門に遇えば、出入りともに難しく、蹤跡を隠すのが宜しい。仲位の甲旬は陽気が内にあり、堅守するのが宜しく、兵馬を埋伏させるに利がある。辰・戌・丑・未の四季の甲時は、陰が内にあり陽が外にあり、必ず先に誰が主で誰が客かを分け明らかにしてから、勝負を決することができる。
六乙為天德,出從而上,日奇之下,可決勝於未然之內。丙為天威,不得丙火銷金之令,宜防敗於不測。時臨六丁,名為玉女潛形,如隱伏而不見其象。時臨六戊號曰乘龍萬里,逢兇徒而自滅其蹤。
六乙は「天徳」と呼ばれ、出行がこれに依って上に向かえば、人は日奇の下に処り、事の未だ発せざる先に勝局を定めることができる。丙は「天威」と呼ばれ、丙火が金を熔かすような時令の助けを得なければ、思いがけない敗績を防がなければならない。時辰が六丁に臨むのを「玉女潜形」といい、隠伏して形跡の見えないようなものである。時辰が六戊に臨むのを「乗龍万里」といい、たとえ凶徒に遇っても、相手は自ら蹤影を消してしまう。
六己為地戶,宜陰私而用偷劫。六癸為天網,審高下而利逃亡。六庚而出戰,咎將及於其師。六辛而行師,禍必及於其身。六壬為天牢,而飛禍速至。六甲為時首,而應局斯靈。
六己は「地戸」と呼ばれ、隠秘の事を行うのに宜しく、また襲撃・劫掠に用いることもできる。六癸は「天網」と呼ばれ、網の張りが高いか低いかを審察し、網が高ければこそ逃亡に利がある。六庚の時に出戦すれば、災咎は全軍の身に落ちる。六辛の時に行軍すれば、禍患は必ず主将自身に落ちる。六壬は「天牢」と呼ばれ、突如其来の横禍を招く。六甲は十干の首で、また奇門時局の首でもあり、これをもって局に応ずるのが最も霊験がある。
甲加丙為“青龍反首”,而動作無阻。丙加甲為“飛鳥跌穴”,而運用有成。乙加辛是“青龍逃走”,而財物廢墜。辛加乙是“白虎猖狂”,而身體毀傷。丁加癸為“朱雀投江”,而訟獄所由起也。癸加丁為“螣蛇夭矯”,而憂惶之事必至也。
以下は天盤の干が地盤の干に加臨して成る格局を説く。甲が丙に加わるのを「青龍返首」といい、行動・作事に阻碍がない。丙が甲に加わるのを「飛鳥跌穴」といい、謀划・運用が皆成就する。乙が辛に加わるのを「青龍逃走」といい、財物が散失敗落するのを主る。辛が乙に加わるのを「白虎猖狂」といい、身体が毀傷されるのを主る。丁が癸に加わるのを「朱雀投江」といい、官司・牢獄がこれより起こる。癸が丁に加わるのを「螣蛇夭矯」といい、憂愁・惶恐の事が必ず相踵いで来る。
六庚加符為“伏宮格”,不利其主,而利其客。直符加庚為“飛宮格”,不貴於戰,而貴於謀。庚加直符,太白格於天乙,外兵侵而主將必敗。符加六庚,太乙格於太白,強出兵而客將必阻。直使臨庚名為“野戰”,兵雖精而主困也。庚加直使名曰“同宮”,將雖驍而必挫也。庚加於丙是為“太白入熒惑”,而賊必來。丙加於庚是為“丙火入金鄉”,而賊必退也,此主客皆不利,莫倚奇門而強用也。
六庚が直符に加わるのを「伏宮格」といい、主方に利あらず客方に利あり。直符が六庚に加わるのを「飛宮格」といい、硬拚するに宜しからず、謀を用いるに宜しい。庚が直符に加わるのは、「太白」金星が「天乙」を格するので、外来の兵が進犯すれば主将は必ず敗れる。直符が六庚に加わるのは、「太乙」が「太白」を格するので、強いて兵を出せば客方の主将は必ず阻まれる。直使が庚に落ちるのを「野戦」といい、兵馬は精鋭でも主方は依然として困頓する。庚が直使に加わるのを「同宮」といい、将領は驍勇でも必ず挫折する。庚が丙に加わるのは「太白入熒惑」で、賊寇は必ず来る。丙が庚に加わるのは「丙火入金郷」で、賊寇は必ず退く。この二格は主客双方ともに不利で、己が奇門を解するのを恃んで強いて動用してはならない。
天地“大格”,庚下加癸,天地“小格”,壬上加庚。庚加於己,士卒死於中途(刑格)。己加於庚,將兵厄於危路。“歲格”,則歲逢於庚;“月格”,則庚加朔建。庚臨日干為“伏干格”,而主人見傷。日干臨庚為“飛宮格”,而客將不勝。時干尅日(干)為“五不遇”,而定損其明。丙加日干名曰“悖亂”,而顛倒紀綱。
天地の間の「大格」は庚が癸を下に加えるもの、天地の間の「小格」は壬が庚を上に加えるものである。庚が己に加われば、士卒は半路で死ぬ。この格はまた「刑格」とも称する。己が庚に加われば、将士は険途の中に困厄する。「歳格」とは流年が六庚に遇うこと。「月格」とは庚が月建朔日に加わること。庚が日干に臨むのを「伏干格」といい、主方の人が傷を受ける。日干が庚に臨むのを「飛宮格」といい、客方の将領は勝つことができない。時干が日干を剋制するのを「五不遇時」といい、必ず日月の光明を損なう。丙が日干に加わるのを「悖乱」といい、綱紀がこれによって転倒錯乱する。
天有“三門”,天沖、小吉、從魁。地有“四戶”,月建除、危、開、定。直使相交,乃天乙之所在;直符臨處,為天乙之行宮,其直符同乎。天乙有難,宜棄門從坤,後一為九天,二為九地,九天之上利以揚兵,九地之下利以埋伏。
天には「三門」があり、太冲・小吉・従魁という三つの月将の位である。地には「四戸」があり、建除十二神の中の除日・危日・開日・定日である。直使とこれらの交会する所は、まさに「天乙」貴人のある所。直符の臨む所は、すなわち天乙の行く宮位で、直符と天乙は同じく在る。天乙が危難に遇った時は、開門位を捨てて坤宮に走るべきである。直符の後一宮は「九天」、後二宮は「九地」である。九天の上では兵威を張揚し声勢を示すに宜しく、九地の下では埋伏・隠蔽するに宜しい。
前三為六合,二為太陰,六合之中逃亡是利,太陰之處潛伏斯宜。“三詐”之方舉動皆利,是休、生、開合乙、丙、丁、九地、太陰、(六合)而然也。“五假”之地各有吉凶,是杜、死、驚、傷、景合九地、太陰、(六合),乙、丙、丁、己、癸而致也。
直符の前三宮は「六合」、前二宮は「太陰」である。六合の中で逃亡するのが最も有利で、太陰の所に潜伏するのが最も相宜しい。「三詐」の方位は、一挙一動が皆吉利で、それは休門・生門・開門に乙・丙・丁の三奇を配し、さらに九地・太陰・六合の三つの陰神に合して成る。「五假」の方位は吉凶それぞれ別で、それは杜門・死門・驚門・傷門・景門に九地・太陰・六合を配し、さらに乙・丙・丁・己・癸に合して成る。
如六戊不測之術,六甲陰符之妙,此乃心悟,難以言傳,有志於衛國安民,出將入相者,不可不知也。鳴呼!分天地於掌握,羅列宿於心胸,風雷從其呼吸,神鬼聽其指揮,其天府石室之秘文,運籌決勝之神算乎!歲次大明洪武四年季夏四月朔八日是為敍。劉基伯溫氏謹識。
六戊のあの測度しがたい法術、六甲陰符の精妙については、これは心で体悟するほかなく、言語で伝授するのは難しい。凡そ国家を保衛し百姓を安定させ、将来出でて大将となり入りて宰相となる志のある人は、これを知らないではいられない。嗚呼!この学問を掌握すれば、天地は掌の中に分列し、星宿は懐裏の内に羅列し、風雷は呼吸に随って動き、神鬼は指揮に任せて行う――それは実に天府石室に珍藏された秘文で、帷幄の中に運籌して千里の外に勝を決する神算である!時に大明洪武四年季夏四月初八日、この序を作る。劉基、字は伯温、謹んで記す。
巻一
煙波釣叟歌
陰暘順逆妙難窮,二至還鄉一九宮,若能了達陰陽理,天地都來一掌中,軒轅黃帝戰蚩尤,涿鹿經年苦未休,偶夢天神授符訣,登壇致祭謹虔修,神龍負圖岀洛水,綵鳳銜書碧雲裡,因命風后演成文,遁甲奇門從此始。
陰遁・陽遁の順行・逆行、その中の奥妙は窮尽することがない。冬至・夏至は陰陽の転換点で、冬至以後は陽遁を起し坎一宮から排し起こし、夏至以後は陰遁を起し離九宮から排し起こす。これが「二至還郷一九宮」である。ただ陰陽消長の理を透徹に明らめば、天地全体の運行も一只の掌の中に収めることができる。その来歴を遡れば、軒轅黄帝が蚩尤と交戦し、涿鹿一帯で整整一年を戦い、苦戦して休止を得られなかった。黄帝は偶然天神が符訣を授ける夢を見て、覚めると壇を築いて致祭し、虔誠に修持した。続いて神龍が図書を背負って洛水の中より浮出し、彩鳳が天書を銜えて碧雲の間を飛んだ。黄帝はこれらの天授の図書に依って、大臣の風后に文を成すよう推演させ、「遁甲奇門」の学問はこれより端緒を開いた。
一千八十當時制,太公刪成七十二,逮於漢代張子房,一十八局為精藝,先須掌上排九宮,縱橫十五圖其中,次將八卦分八節,一氣統三為正宗,陰陽二遁分順逆,一氣三元人莫測,五日都來換一元,接氣超神為準則。
奇門は当初立法として都合一千八十局があったが、周朝の姜太公の手で七十二局に刪削され、さらに漢代の張良の手で一十八局に精簡され、最も精要な一套の技芸となった。これを学ぶ次第は、まず掌の上に九宮を排し、横・縦・斜めの三数の相加が皆十五に等しくする。これが洛書の図である。さらに八卦を八つの節気に分配し、それぞれの気が上・中・下の三元を統轄する。これこそ正宗の排法である。陰遁と陽遁は順行・逆行の二路に分かれ、一気の中はまた三元に分かれ、変化は細密で常人の測度できるものではない。五日ごとに一元を更換し、元と元との銜接は「接気」「超神」の二法を準則とする。
認取九宮分九星,八門又逐九宮行,九宮逢甲為值符,八門值使自分明,符上之門為值使,十時一易堪憑據,值符常遣加時干,值使順逆遁宮去,六甲元號六儀名,三奇即是乙丙丁,陽遁順儀奇逆布,陰遁逆儀奇順行。
九宮を認め、九星をその中に分派すれば、八門もまた九宮の次序に随って巡行する。九宮の中で、六甲旬首の落ちる宮の星が「値符」で、それに相配する門が「値使」で、両者は自然と分明する。値符のある宮位上のあの一門がすなわち値使で、十時辰ごとに一度更換し、これに拠って推断できる。用いる時は値符を移して時辰の天干の上に加え、値使を陽遁順行・陰遁逆行の規矩に拠って行くべき宮位に推して行く。六甲旬首には別に名号があり、戊・己・庚・辛・壬・癸の「六儀」である。「三奇」は乙・丙・丁の三干である。陽遁の時は六儀を順に排し三奇を逆に布し、陰遁の時は六儀を逆に排し三奇を順に行かせる。
吉門偶合爾三奇,萬事開三萬事宜,更合從傍加檢點,餘宮不可有微疵,三奇得使誠堪使,六甲遇之非小補,乙逢犬馬丙鼠猴,六丁玉女騎龍虎,又有三奇游六儀,號為玉女守門扉,若作陰私和合事,請君但向此中推。
吉門がちょうど三奇と相合すれば、万事はこの方位から局面を開き、様々に合宜である。ただし傍らから一併に検点して、其余の各宮に少しの瑕疵もあってはならない。三奇は「使」を得て初めて真に堪用となる。六甲旬首がこれに遇えば、利益は小さくない。いわゆる「三奇得使」とは、乙奇が甲戌・甲午に遇い(戌は犬、午は馬)、丙奇が甲子・甲申に遇い(子は鼠、申は猴)、丁奇が甲辰・甲寅に遇う(辰は龍、寅は虎)ので、「六丁玉女騎龍虎」という。これ以外に三奇が六儀の上に遊走するのを「玉女守門扉」という。隠秘の事を行い、縁談を説き合わせる類の事は、この格局の上より推求すればよい。
天三門兮地四戶,問君此法如何處,太沖小吉與從魁,此是天門私出路,地戶除危定與開,舉事皆從此中去,六合太陰太常君,三辰元是地私門,更得奇門相照輝,岀行百事總欣欣,太沖天馬最為貴,猝然有難宜逃避。
「天三門」と「地四戸」のこの二法はどう取用すべきか。天三門は太冲(卯)・小吉(未)・従魁(酉)の三つの月将の位を指し、これは天が人のために留めた暗中の出行の路である。地四戸は建除十二神の中の除日・危日・定日・開日を指し、凡そ挙動があれば皆この数日より出発すべきである。さらに六合・太陰・太常の三つの吉神の臨む辰を加えれば、本来大地が人のために留めた私下の通行の門戸である。もしさらに三奇・吉門が交じり映えて輝けば、出行して事を行って称心喜ばないことはない。その中で太冲の位の乗ずる「天馬」が最も貴重で、突然危難に遭遇して避走すべき時、まさにこれに借重すべきである。
但能乘馭天馬行,劍戟如山不足畏,三為生氣五為死,勝在三兮衰在五,能識遊三避五時,造化真機須記取,就中伏吟為最凶,天蓬加著地天蓬,天蓬若到天英上,須知即是返吟宮,八門反伏皆如此,生在生兮死在死。
ただ天馬の方位を駕して行くことができれば、たとえ刀剣・長戟が山の如く積み上がっても畏るるに足らない。震三宮は生気のある所、中五宮は死気のある所で、だから勝利は三宮に拠り、衰敗は五宮に出る。「遊三避五」の時機を知ることができれば、この天地造化の真機を必ず牢記せよ。諸般の格局の中で「伏吟」が最も凶で、天盤の天蓬が地盤の天蓬に圧しかかれば伏吟、天蓬が天英の位置に走れば「返吟」の宮という。八門の返吟・伏吟も同じ道理に照らして判断する。生門が依然として生門の位に落ち、死門が依然として死門の位に落ち、星門が原地で動かなければ、事もまた滞塞して通じない。
就是凶宿得奇門,萬事皆凶不堪使,六儀擊刑何太凶,甲子直符愁向東,戌刑未上申刑虎,寅巳辰辰午刑午,三奇入墓宜細推,甲日那堪入坤宮,丙奇屬火火墓戌,此時諸事不宜為,更兼六乙來臨二,丁奇臨八亦同論。
返吟・伏吟に遇った時は、たとえ凶星がちょうど三奇・吉門に配されても、万事は依然として凶に転じ、用に堪えない。「六儀撃刑」もまた極めて凶で、甲子戊が値符となる時は東方震三宮に落ちることを最も怕れ、甲戌己は未位に落ちて刑を受け、甲申庚は寅位に落ちて刑を受け(寅は虎に属す)、甲寅癸は巳に刑があり、甲辰壬は辰で自刑し、甲午辛は午で自刑する。三奇入墓もまた仔細に推詳すべきで、甲日はとりわけ坤二宮に落ち込むことを受けられない。丙奇は五行で火に属し、火の墓庫は戌にあるので、丙奇が戌位に落ちた時は諸事すべて施行するに宜しからず。これに六乙が坤二宮に落ち、丁奇が艮八宮に落ちるのを加えても、入墓と同じ様に論断する。
又有時干入墓宮,課中時下忌相逢,戊戌壬辰兼丙戌,癸未丁丑亦同凶,五不遇時龍不精,號為日月損光明,時干來尅日干上,甲日須知時忌庚,奇與門兮共太陰,三般難得共加臨,若還得二亦為吉,舉措行藏必遂心。
別に「時干入墓」という一忌があり、排した課の中で時干が自身の墓宮に落ちるのは相逢うことを最も怕れる。たとえば戊戌時・壬辰時・丙戌時、さらに癸未時・丁丑時、同じく凶である。「五不遇時」は真龍の気を精純ならずし、日月が皆光明を損したと号する。それは時辰の天干が当日の天干を剋制することを指し、たとえば甲は木に属し、庚金は木を剋するので、甲日は庚午時を忌む。三奇・吉門に「太陰」を加えたこの三様を揃えて同宮に臨ませるのは極めて得がたく、仮にその中の二様だけを得ても吉利と算し、一挙一動、出仕も退隠も皆心のままに意を得る。
更得值符直使利,兵家用事最為貴,常從此地擊其沖,百戰百勝君須記,天乙之神所在宮,大將宜居擊對沖,假令值符居離位,天英坐取擊天蓬,甲乙丙丁戊陽時,神人天上報君知,坐擊須憑天上奇,陰時地下亦如此。
もしさらに値符・値使が皆有利の位に処ることを得れば、それは兵家の用事で最も貴ぶべき局面である。常法はこの方位に坐してそれの対冲する方位を攻撃するので、百戦百勝、必ず記憶せよ。「天乙」の神のある宮位は、主将がその中に坐鎮すべきで、真正面の宮位を攻撃する。たとえば値符が離九宮に落ちれば、天英星の位に坐守して、対冲の坎一宮天蓬の位を攻撃する。甲・乙・丙・丁・戊のこの五つの陽に属する時辰は、天上の神明が消息をお前に告知する。坐守と攻撃の方位は皆天盤上の三奇に憑って定める。己・庚・辛・壬・癸のこの五つの陰に属する時辰は、地盤の三奇に依って同じ様に弁理する。
若見三奇在五陽,偏宜為客是高強,忽然逢著五陰位,又宜為主好裁詳,值符前三六合位,太陰之神在前二,後一宮中為九天,後二之神為九地,九天之上好揚兵,九地潛藏可立營,伏兵但向太陰位,若逢六合利逃形。
もし三奇が五つの陽時の位に落ちるのを見れば、最も「客」を作るに宜しく、すなわち先に手を動かす一方となれば、最も上風に占める。忽然と五つの陰時の位に碰えば、「主」を作るに宜しく、すなわち後発して敵に応じ、よく斟酌しなければならない。値符のある宮より前に数えて第三宮は「六合」、前に数えて第二宮は「太陰」、後に数えて第一宮は「九天」、後に数えて第二宮は「九地」である。九天の上は兵威を張揚し武威を耀い示衆するに適し、九地の下は潜伏・隠蔵して営寨を安んずるに適する。兵馬を埋伏させるには太陰の方位に向かい、もし六合の位に遇えば、形跡を隠匿し身を脱して逃走するに利あり。
天地人分三遁名,天遁日精華蓋臨,地遁月精紫雲蔽,人遁當知是太陰,生門六丙合六丁,此為天遁自分明,開門六乙合六己,地遁如斯而已矣,休門六丁共太陰,欲求人遁無過此,要知三遁何所宜,藏形遁跡斯為美。
隠遁の法は天・地・人に拠って三つの名目に分かれる。「天遁」は日の精華を借り、華蓋の星の来臨あり。「地遁」は月の精華を借り、紫雲がこれを遮蔽する。「人遁」は太陰の神に拠ると知るべきである。具体的格局は、生門に六丙を配しさらに六丁を合せば、これが天遁で、界限は分明である。開門に六乙を配しさらに六己を合せば、地遁はただこれだけのものである。休門に六丁を配しさらに太陰を加え、人遁を求めるにこれより相合するものはない。問う、この三遁は何をするに適宜か。曰く、形体を蔵して蹤跡を隠すに過ぎず、これこそそれらの好処のある所である。
庚為太白丙熒惑,庚丙相加誰會得,六庚加丙白入熒,六丙加庚熒入白,白入熒兮賊即來,熒入白兮賊即去,丙為悖兮庚為格,格則不通悖亂逆,天丙加地庚為勃,天庚加地癸為格,丙加天乙為伏逆,天乙加丙為飛悖。
庚は天象で太白金星に対応し、丙は熒惑火星に対応する。庚と丙との相加、その中の分別を真に解する者は幾人か。六庚が六丙に加臨するのを「太白入熒惑」といい、六丙が六庚に加臨するのを「熒惑入太白」という。太白入熒惑は賊寇がまさに到来するのを主り、熒惑入太白は賊寇がまさに退去するのを主る。丙は「悖」を主り、庚は「格」を主る。格は阻塞不通、悖は紊乱逆行である。天盤の丙が地盤の庚に加わるのを「悖」といい、天盤の庚が地盤の癸に加わるのを「格」という。丙が天乙(値符)の上に加わるのを「伏逆」といい、天乙が丙の上に加わるのを「飛悖」という。
庚加日干為伏干,日干加庚飛干格,加一宮兮戰在野,同一宮兮戰於國,庚加值符天乙伏,值符加庚天乙飛,庚加癸兮為大格,加己為刑最不宜,加壬之時為上格,又嫌年月日時逢,更有一般奇格者,六庚謹勿加三奇。
庚が当日の日干に加わるのを「伏干格」といい、日干が庚に加わるのを「飛干格」という。両者が一宮を隔てれば、郊野で交戦するのを主り、一宮に同処すれば、城中・国内で交戦するのを主る。庚が値符に加わるのを「天乙伏宮」といい、値符が庚に加わるのを「天乙飛宮」という。庚が癸に加わるのを「大格」といい、庚が己に加わるのを「刑格」といい、皆最も行事に宜しからず。庚が壬に加わるのを「上格」といい、この外に流年・月建・日辰・時辰上の庚と相遇し、歳格・月格・日格・時格となることを嫌う。さらに一類の特別な格があり、六庚は決して三奇の上に加えてはならない。
此時若也行兵去,匹馬隻輪無返期,六癸加丁蛇夭蹻,六丁加癸雀投江,六乙加辛龍逃走,六辛加乙虎猖狂,請觀四者是凶神,百事逢之莫措手,丙加甲兮鳥跌穴,甲加丙兮龍返首,只此二者是吉神,為事如意十八九。
この類の時辰に碰ってさらに出兵すれば、一匹の馬、一只の車輪も戻って来られない。六癸が六丁に加わるのを「螣蛇夭矯」といい、六丁が六癸に加わるのを「朱雀投江」といい、六乙が六辛に加わるのを「青龍逃走」といい、六辛が六乙に加わるのを「白虎猖狂」という。よく見よ、以上の四つの格は皆凶神に属し、何の事を行うにもこれらに碰えば軽率に手を動かすな。丙が甲に加わるのを「飛鳥跌穴」といい、甲が丙に加わるのを「青龍返首」といい、ただこの二つの格のみが吉神に属し、事を行うに用いて、十件のうち八九件は意に叶う。
八門若遇開休生,諸事逢之皆稱情,傷宜捕獵終須獲,杜好邀遮及隱形,景上投書並破陣,驚能擒訟有聲名,若問死門何所主,只宜吊死與行刑,蓬任沖輔禽陽星,英芮柱心陰宿名,輔禽心星為上吉,沖任小吉未全亨。
八門の中で開門・休門・生門のこの三つの吉門に遇えば、何の事を行っても心意に叶う。傷門は捕捉・打猟に宜しく、追い下れば終に擒獲する所有り。杜門は半路の攔截に適し、また形跡の隠匿に適す。景門は書信の呈遞・敵陣の衝破に宜しい。驚門は罪犯を擒拿し官司に打勝って声名を得る。問う、死門は何を主管するか。ただ弔喪・送死と行刑・処決にのみ宜しい。九星の中で、天蓬・天任・天冲・天輔・天禽は陽星に属し、天英・天芮・天柱・天心は陰星に属する。天輔・天禽・天心の三星が最も上吉で、天冲・天任は小吉と算するのみで、なお様々に亨通するとは言えない。
大凶蓬芮不堪使,小凶英柱不精明,小凶無氣變為吉,大凶無氣卻平平,吉宿更能逢旺相,萬舉萬全必成功,若遇休囚並廢沒,勸君不必走前程,要識九星配五行,須求八卦考羲經,坎蓬水星離英火,中宮坤艮土為營。
大凶の星は天蓬・天芮で、根本的に用に堪えない。小凶の星は天英・天柱で、なお精明に足らない。ただし小凶の星が無気の時に処れば、反って吉に転じ、大凶の星が無気の時に処れば、平平常常となる。吉星がさらに旺・相の気に逢えば、何をしても万に一つの失もなく必ず成功する。もし休・囚・廃・没といった衰敗の気に碰えば、お前に勧める、もう先に歩まなくてよい。九星がそれぞれどの五行を配するかを認めるには、八卦より入手し、伏羲の卦を画く易理を参考せよ。坎宮の天蓬は水に属し、離宮の天英は火に属し、中五宮は坤宮・艮宮と連ねて皆土を本営とする。
乾兌為金震巽木,旺相休囚看重輕,與我同行即為相,我生之月誠為旺,廢於父母休於財,囚於鬼兮真不妄,假令水宿號天蓬,相在初冬與仲冬,旺於正二休四五,其餘仿此自研窮,急則從神緩從門,三五反覆天道亨。
乾宮・兌宮は金に属し、震宮・巽宮は木に属する。旺・相・休・囚は軽重を分けて見るべきである。本星の五行と同じ月分がすなわち「相」で、本星の生ずる月分をこそ「旺」という。我を生ずる父母の気に遇えばすなわち「廃」で、我の剋する財気に遇えばすなわち「休」で、我を剋する鬼気に遇えばすなわち「囚」で、この話は少しも虚しくない。たとえば水に属する天蓬星は、相気は初冬の十月と仲冬の十一月にあり、旺は正月・二月(水は木を生ず)にあり、休は四月・五月(水は火を剋す)にあり、其余の各星はこの办法に照らして自ら推求せよ。事が緊急なら九神を取用し、事が従容なら八門を取用し、「遊三避五」を解して往復推詳すれば、天道は自然に亨通する。
十干加符若加錯,入墓休囚吉事危,十精為使用為貴,起宮天乙用無遺,天目為客地耳主,六甲推合無差理,勸君莫失此玄機,洞徹九宮輔明主,宮制其門不為迫,門制其宮是迫雄,天網四張無走路,一二網低有路蹤。
十天干が値符に加臨する時、もし位置を加え誤り、さらに入墓・休囚の地に落ちれば、本来の吉事も危事に転じる。十干の精気を値使とするのは最も貴く、天乙のある宮より起算すれば、一処も遺漏しない。「天目」は客方を代表し、「地耳」は主方を代表し、六甲で逐一推合すれば、道理に差錯はない。諸君に勧める、この層の玄機を逸するな。九宮を透彻に見れば、明主を輔佐することができる。宮位がその門を剋制するのは、反って「迫」と算せず、門がそのある宮を剋制しに行くのをこそ「門迫」といい、その勢いは最も強横である。「天網四張」は行く路なしの象だが、一宮・二宮に落ちた時は網の張りが低く、なお走脱できる路径がある。
三至四宮難迴避,八九高張任西東,節氣推移時候定,陰陽順逆要精通,三元積數成六紀,天地未成有一理,請觀歌裡真妙訣,非是真賢莫傳與。
天網が三宮・四宮に落ちれば回避しがたく、八宮・九宮に落ちれば網の張りが高く、東へ行っても西へ行っても自由に通行できる。節気は時に随って推移し、時候はそれに随って定まり、陰遁・陽遁の順行逆行は必ず精通すべきである。上・中・下の三元が積み上がって六十甲子の六紀となり、早くも天地の未だ形を成さざる以前に、この道理はすでに存在していた。諸君に請う、この歌の中の真妙の口訣を細かく見よ。真の賢者でなければ、軽々しくこれを伝授してはならない。
奇門総要訣
陰陽順逆妙難窮,二至還歸一九宮,若能了達陰陽理,天地都來一掌中,三才變化作三元,八卦分為八遁門,星符每逐十干轉,值使常從天乙奔,六儀六甲本同名,三奇即是乙丙丁,三奇若合開休生,便是吉門利出行。
陰遁・陽遁の順逆の変化は奥妙窮りなし。冬至以後は坎一宮に帰して陽遁を起し、夏至以後は離九宮に帰して陰遁を起す。ただ陰陽の理を透徹に解すれば、天地の運行は皆一只の掌の中にある。天・地・人の三才の変化は上・中・下の三元に分かれ、八卦は八つの遁甲の門に分かれる。九星と直符は十天干に随って転動し、値使は常に「天乙」のある宮より奔行する。六儀と六甲は本来一物二名――甲子は戊に隠れ、甲戌は己に隠れ、以下類推する。「三奇」はすなわち乙・丙・丁の三干である。三奇がもし開門・休門・生門と相合すれば、それは吉門で、出行に宜しい。
萬事從之無不利,能知玄妙得其靈,值符前三六合位,前二太陰須切記,值符後一為九天,後二之宮為九地,地可伏匿天揚兵,六合太陰可藏避,急從神兮緩從門,三五反覆天道利,以上雖得三奇妙,不如更得三奇使。
万事この方位に順って行えば利ならざるはなく、その中の玄妙を解せば、用いて自然に霊験がある。値符より前に数えて第三宮は「六合」、前の第二宮は「太陰」で、必ず切に記すべし。値符より後に数えて第一宮は「九天」、後の第二宮は「九地」である。九地の下では隠蔽・埋伏でき、九天の上では兵威を張揚でき、六合・太陰の二か所では躱蔵・避難できる。事が緊急なら九神を取用し、事が従容なら八門を取用する。「遊三避五」を解して反復推詳し、天道に順って行えばこそ利あり。以上、すでに三奇の妙を得たとはいえ、さらに「三奇得使」を得るに如かず。
得使猶來未為精,五不遇時損光明,用事須憂時尅日,反伏吟格猶不吉,掩捕逃亡須格時,占稽行人信豈失,斗中三奇游六儀,天乙會合主陰私,討捕須用時下尅,行人信息遇三奇,三奇上見遊六儀,六儀更見五陽時。
単に「使」を得るだけではなお精純と算せず、もし「五不遇時」に碰えば、日月の光明が損なわれる。用事の時は時干が日干を剋制することを最も憂え、反吟・伏吟の格に遇うも同じく不吉である。逃亡の人を掩襲・捕捉するには「格」の成る時辰を取らねばならず、行人の音信を占問するにはこれを用いれば失准しない。北斗の轄する三奇が六儀の上に遊走し、さらに「天乙」と会合すれば、隠私の事あるを主る。緝捕・討拿には時干が下方の宮を剋制する格局を取り、行人の消息を占問するには三奇に遇うことを要す。三奇の上に遊六儀を見、六儀がまた五つの陽時に逢うは、皆用うべきの象である。
兼向八門尋吉位,萬事開三萬事宜,五陽在前五陰後,主客須知有盛衰,陰後五干君須記,六儀加著更無利,六儀忽然加三宮,便為擊刑先須記,六儀擊刑三奇墓,此時舉動可憚懼,太白入熒賊即來,熒入太白賊即去。
さらに八門の中より吉利の方位を尋ね出し、万事はここより局面を開き、様々に合宜である。五つの陽時が前にあり五つの陰時が後にあり、主方と客方のどちらが盛んでどちらが衰えるかを分別清楚にせよ。陰時の後のあの五つの天干は牢記せよ、六儀がその上に加臨してさらに好処はない。六儀が忽然と震三宮に加われば、それは「撃刑」で、まず記憶すべし。六儀撃刑または三奇入墓に碰上れば、この時挙動あるは甚だ恐ろしい。太白入熒惑なら賊寇まさに来たらんとし、熒惑入太白なら賊寇まさに去らんとす。
丙為悖兮庚為格,格則不通悖亂逆,庚加日干為伏干,日干加庚飛干格,庚加值符天乙伏,值符加庚天乙飛,加己為刑遁上格,加癸路中見疑格,加壬之時為小格,又嫌年月日時逢,當此之時最不吉,舉動行師皆不宜。
丙は「悖」を主り、庚は「格」を主る。格は阻塞不通、悖は紊乱逆行である。庚が日干に加わるのを「伏干格」といい、日干が庚に加わるのを「飛干格」という。庚が値符に加わるのを「天乙伏宮」といい、値符が庚に加わるのを「天乙飛宮」という。庚が己に加わるのを「刑格」といい、遁中の上格とも算す。庚が癸に加わるのを「路中疑格」といい、庚が壬に加わるのを「小格」という。この外に流年・月建・日辰・時辰上の庚と相逢うことを嫌う。これらの時辰に碰上れば最も不吉利で、挙動であれ出兵・行軍であれ皆適宜でない。
丙為甲兮鳥跌穴,甲加丙兮龍返首,辛加乙兮虎猖狂,乙加辛兮龍逃走,丁加癸兮鳥投江,癸加丁兮蛇夭矯,符加丙兮為相佐,時加六丁為守星,丙合戊開為天遁,地遁乙合入開宮,休承丁乙太陰人,天網四張時加癸。
丙が甲に加わるのを「飛鳥跌穴」といい、甲が丙に加わるのを「青龍返首」という。辛が乙に加わるのを「白虎猖狂」といい、乙が辛に加わるのを「青龍逃走」という。丁が癸に加わるのを「朱雀投江」といい、癸が丁に加わるのを「螣蛇夭矯」という。値符が丙に加わるは、得力の輔佐の象。時辰が六丁に加臨するは「守星」の象。丙が戊・開門と相合するを「天遁」といい、乙奇が開門の宮に合入するを「地遁」といい、休門が丁奇・乙奇を承けてまた太陰に値するを「人遁」という。時干が癸に加われば、すなわち「天網四張」の格である。
蓬加英上為返吟,伏吟之時蓬加蓬,吉宿逢之事不吉,凶宿逢之事愈凶,天輔沖任禽心吉,天蓬天芮英柱凶,陰宿天心英柱芮,陽星沖輔禽任蓬,天網四張無走路,陰陽順逆妙無窮,節氣推移時候定,二至還鄉一九宮,三元超接遊六儀,八卦周流遍九宮,若能了達陰陽理,天地消詳一掌中。
天蓬が天英の上に加わるは「返吟」、天蓬が天蓬に加わるは「伏吟」である。吉星がこれらに碰上れば事も吉ならず、凶星がこれらに碰上れば事はさらに凶。九星の中で天輔・天冲・天任・天禽・天心は吉に属し、天蓬・天芮・天英・天柱は凶に属す。天心・天英・天柱・天芮は陰星で、天冲・天輔・天禽・天任・天蓬は陽星である。「天網四張」は行く路なしの象。陰陽順逆の妙は窮尽せず、節気が推移して時候これに随って確定し、冬至・夏至はそれぞれ坎一宮・離九宮に帰す。三元は「超神」「接気」の法で銜接し、三奇は六儀を遊走し、八卦は周流して九宮を遍歴す。ただ陰陽の理を透徹に解せば、天地の消息盈虚は皆一只の掌の上で斟酌して明らめられる。
陽遁九宮起例
冬至驚蟄一七四,小寒二八五同推,春分大寒三九六,立春八五二相隨,榖雨小滿五二八,雨水九六三為期,清明立夏四一七,芒種六三九為宜,十二節氣四時定,上中下元是根基。
これは陽遁十二箇の節気の定局の口訣である。冬至と驚蟄は一・七・四の三局を用い、小寒も同じく二・八・五に拠って推排する。春分と大寒は三・九・六を用い、立春は八・五・二でその後に随う。穀雨と小満は五・二・八を用い、雨水は九・六・三を期とす。清明と立夏は四・一・七を用い、芒種は六・三・九を宜とす。冬至から芒種までのこの十二箇の節気は四時に依って定まり、各節気の下に列する三つの数字は、順に上元・中元・下元の用いる局数で、これが起局の根基である。
陰遁九宮起例
夏至白露九三六,小暑八二五之間,大暑秋分七一四,立秋二五八循環,霜降小雪五八二,大雪四七一相關,處暑排來一四七,立冬寒露六九三,此是陰遁起例法,節氣推移細心參。
これは陰遁十二箇の節気の定局の口訣である。夏至と白露は九・三・六の三局を用い、小暑は八・二・五の間にあり、大暑と秋分は七・一・四を用い、立秋は二・五・八に拠って循環し、霜降と小雪は五・八・二を用い、大雪は四・七・一と相関し、処暑を排し下れば一・四・七で、立冬と寒露は六・九・三を用いる。以上が陰遁の起局の法で、三つの数字は順に上元・中元・下元の局数で、節気の推移に随い、細心に参詳すべきである。
冬至一七四、小寒二八五、大寒三九六、立春八五二、雨水九六三、驚蟄一七四、春分三九六、清明四一七、榖雨五二八、立夏四一七、小滿五二八、芒種六三九。(以上陽遁)
陽遁の各節気の局数を順序に排列すれば以下の如く、各組の三つの数は順に上元・中元・下元の用いる局である。冬至は一局・七局・四局を用い、小寒は二局・八局・五局を用い、大寒は三局・九局・六局を用い、立春は八局・五局・二局を用い、雨水は九局・六局・三局を用い、驚蟄は一局・七局・四局を用い、春分は三局・九局・六局を用い、清明は四局・一局・七局を用い、穀雨は五局・二局・八局を用い、立夏は四局・一局・七局を用い、小満は五局・二局・八局を用い、芒種は六局・三局・九局を用いる。以上は皆陽遁に属す。
夏至九三六、小暑八二五、大暑七一四、立秋二五八、處暑一四七、白露九三六、秋分七一四、寒露六九三、霜降五八二、立冬六九三、小雪五八二、大雪四七一。(以上陰遁)
陰遁の各節気の局数を順に排列すれば以下の如く、各組の三つの数は同じく上元・中元・下元の用いる局である。夏至は九局・三局・六局を用い、小暑は八局・二局・五局を用い、大暑は七局・一局・四局を用い、立秋は二局・五局・八局を用い、処暑は一局・四局・七局を用い、白露は九局・三局・六局を用い、秋分は七局・一局・四局を用い、寒露は六局・九局・三局を用い、霜降は五局・八局・二局を用い、立冬は六局・九局・三局を用い、小雪は五局・八局・二局を用い、大雪は四局・七局・一局を用いる。以上は皆陰遁に属す。
十二神応験要説
天乙在門,行遠良人,貴人車馬,長者歡欣。螣蛇在門,虛驚怪異,半途而回,風雨相阻,若有鴉鳴,有人追捕。朱雀在門,遇生色物,遠聞鼓聲,文書無阻。六合在門,路逢車馬,陰人綵衣,兒童戲耍。
この節は十二位の天将が門に臨んだ時、路上に現れる徴兆を講ずる。「天乙」が門に臨めば、遠行するは良善の人を主り、途中で貴人の車馬に遇い、長者は見て歓欣する。「螣蛇」が門に臨めば、虚驚と怪異の事を主り、多くは半路まで行って折り返すか、あるいは風雨に阻まれる。もし烏鴉の鳴くを聞けば、追捕する人あり。「朱雀」が門に臨めば、活物または彩色の物に遇うを主り、遠方より鼓声が伝わり、文書の往来に阻碍なし。「六合」が門に臨めば、路上で車馬に遇うを主り、また彩衣を著た婦人と嬉戯・玩耍する児童を見る。
勾陳在門,路逢鬪打,作事勾留,謀為參差。青龍在門,喜兆則馬路逢官吏,錦衣、奇花。天空在門,賤物載道,陽增陰道,類聚笑話。白虎在門,見死聞悲,官事驚迫,途逢兵革。
「勾陳」が門に臨めば、路上で毆鬥に遇うを主り、事を行えば牽絆・拖延され、謀る事は参差不斉で合拍しがたい。「青龍」が門に臨むは喜兆で、路上で官吏に遇い、あるいは錦繍の衣裳と奇異の花卉を見るを主る。「天空」が門に臨めば、満路が皆値銭せぬ物を主り、陽気増長して陰道虧損し、一群の人が一処に聚まり説笑・打諢する。「白虎」が門に臨めば、死傷を見て悲声を聞くを主り、官司の事が逼迫して人を驚かし、路上で兵器と戦乱に碰う。
太常在門,酒食巫師,或為優使,彩童神軸。玄武在門,盜賊亡失,若非牙偤,即是乞兒。太陰在門,小求大得,陰私和合,音樂相隨。天后在門,童子戲耍,婦人送物,女子還家。
「太常」が門に臨めば、酒食・宴会と巫祝の人に遇うを主り、あるいは伶人・差役で、また扮彩の童子と神像の画軸を見ることもある。「玄武」が門に臨めば、盗賊と遺失の事を主り、路上で遇うは牙儈・僮僕でなければ乞討の人である。「太陰」が門に臨めば、求むるは少なく得るは多きを主り、隠秘の事・説合の事が皆成り、また常に音楽の相伴うあり。「天后」が門に臨めば、童子の嬉戯を見、婦人が物を送って来、あるいは女子が娘家に帰るを見る。
青龍吉方,天目、地耳,宜坐吉方,求財、賭博、謀為,百事皆吉。華蓋、地戶、天門、地耳、天目、青龍:酉方,巳、辰、癸酉、丁卯、子、甲子;未方,卯、寅、癸未、丁丑、戌、甲戌;巳方,丑、子、癸巳、丁亥、申、甲申;卯方,亥、戌、癸卯、丁酉、午、甲午;丑方,酉、申、癸丑、丁未、辰、甲辰;亥方,未、午、癸亥、丁巳、寅、甲寅。
「青龍」は吉方で、「天目」「地耳」と同じく用うべきの位に属し、行事はこの吉方に坐するに宜しく、求財・賭博・各種の謀划は百事皆吉である。以下、六つの方位に拠って華蓋・地戸・天門・地耳・天目・青龍がそれぞれ臨む干支を列する。酉方:華蓋は巳にあり、地戸は辰にあり、天門は癸酉にあり、地耳は丁卯にあり、天目は子にあり、青龍は甲子にあり。未方:華蓋は卯にあり、地戸は寅にあり、天門は癸未にあり、地耳は丁丑にあり、天目は戌にあり、青龍は甲戌にあり。巳方:華蓋は丑にあり、地戸は子にあり、天門は癸巳にあり、地耳は丁亥にあり、天目は申にあり、青龍は甲申にあり。卯方:華蓋は亥にあり、地戸は戌にあり、天門は癸卯にあり、地耳は丁酉にあり、天目は午にあり、青龍は甲午にあり。丑方:華蓋は酉にあり、地戸は申にあり、天門は癸丑にあり、地耳は丁未にあり、天目は辰にあり、青龍は甲辰にあり。亥方:華蓋は未にあり、地戸は午にあり、天門は癸亥にあり、地耳は丁巳にあり、天目は寅にあり、青龍は甲寅にあり。
十二黄黒道日時歌
子午臨申位,丑未戌上尋,寅申居子位,卯酉卻加寅,辰戌龍位上,巳亥午中行。
これは「十二黄黒道」を推排する起例の口訣で、当日の地支に拠って青龍星がどの時辰の位に起るかを定める。子日と午日は申位より起し、丑日と未日は戌位の上に尋ね、寅日と申日は子位に起り、卯日と酉日は却って寅位に加え、辰日と戌日は辰位に起り(辰はすなわち龍位)、巳日と亥日は午位の中より起行する。起点が定まりて後、さらに十二神の次序に拠って順に数え下れば、一日の各時の黄道と黒道を排出できる。
青龍(黃道)、明堂(黃)、天刑(黑)、朱雀(黑)、金匱(黃)、天德(黃)、白虎(黑)、玉堂(黃)、天牢(黑)、玄武(黑)、司命(黃)、勾陳(黑)。
起点より順に数え下る十二神の次序とその黄黒道の属性は、青龍は黄道に属し、明堂は黄道に属し、天刑は黒道に属し、朱雀は黒道に属し、金匱は黄道に属し、天徳は黄道に属し、白虎は黒道に属し、玉堂は黄道に属し、天牢は黒道に属し、玄武は黒道に属し、司命は黄道に属し、勾陳は黒道に属す。黄道六神の値する日辰・時辰は用事でき、黒道六神の値する日辰・時辰は回避すべきである。
坎,水、一白、天蓬;坤,土、二黑、天芮;震,木、三碧、天沖;巽,木、四綠、天輔;中五,土、五黃、天禽;干,金、六白、天心;兌,金、七赤、天柱;艮,土、八白、天任;離,火、九紫、天英。
九宮がそれぞれ配する五行・飛星と九星は以下の如く。坎一宮は水に属し一白で、「天蓬」星を配す。坤二宮は土に属し二黒で、「天芮」星を配す。震三宮は木に属し三碧で、「天冲」星を配す。巽四宮は木に属し四緑で、「天輔」星を配す。中五宮は土に属し五黄で、「天禽」星を配す。乾六宮は金に属し六白で、「天心」星を配す。兌七宮は金に属し七赤で、「天柱」星を配す。艮八宮は土に属し八白で、「天任」星を配す。離九宮は火に属し九紫で、「天英」星を配す。地盤を布する時はまずこの九星を本宮に拠って安んじ、天盤は時辰に随って旋転し、皆これを底子とする。
值符(火)、螣蛇(土)、太陰(金)、六合(木)、勾陳(土)、太常(五行化氣)、朱雀(火)、九地(土)、九天(金),陽遁順行。值、螣、陰、六(白虎金)、常(玄武水)、陳、雀、地、天,陰遁逆布。甲子戊、甲戌己、甲申庚、甲午辛、甲辰壬、甲寅癸。星奇丁、月奇丙、日奇乙,陽順陰逆。
諸神の五行の属性と排布の次序は、値符は火に属し、螣蛇は土に属し、太陰は金に属し、六合は木に属し、勾陳は土に属し、太常は五行の化気で、朱雀は火に属し、九地は土に属し、九天は金に属す。陽遁の時はこの次序に依って順行排布する。陰遁の時は依然として値符・螣蛇・太陰・六合(この位はまた白虎と称し金に属す)・太常(この位はまた玄武と称し水に属す)・勾陳・朱雀・九地・九天で、ただ逆行排布を要す。六甲旬首はそれぞれ一儀を隠蔵す。甲子は戊を隠し、甲戌は己を隠し、甲申は庚を隠し、甲午は辛を隠し、甲辰は壬を隠し、甲寅は癸を隠す。三奇は星奇の丁・月奇の丙・日奇の乙で、陽遁は順に排し、陰遁は逆に排す。
月例
甲己之年丙作首,乙庚之歲戊為頭,丙辛便向庚寅起,丁壬壬寅順行流,惟有戊癸何方起,正月始從甲寅求。
これは年干より正月の月干を推出する口訣で、月柱を定めるに用いる。甲年・己年に逢えば、正月は丙寅を首とす。乙年・庚年に逢えば、正月は戊寅をもって開頭とす。丙年・辛年に逢えば、庚寅より起算す。丁年・壬年に逢えば、壬寅より順に排し下る。ただ戊年・癸年のみ何処より起るかを知らず、答えは正月甲寅に求むべし。正月の干支が一定すれば、以下の各月は順に依って順推すればよい。
時例
甲己還加甲,乙庚丙作初,丙辛生戊子,丁壬庚子居,戊癸推壬子,時元定不虛。
これは日干より子時の天干を推出する口訣で、時柱を定めるに用いる。甲日・己日は子時依然として甲子より起り、乙日・庚日は丙子をもって初とし、丙日・辛日は戊子を生じ、丁日・壬日は庚子に落ち、戊日・癸日は壬子を推得す。子時の干支が一定すれば、其余の各時は順次に排し下り、時辰の元首は決して推し誤らない。
納甲墓
乾納甲壬、坤納乙癸、坎戊、離己、震庚、巽辛、艮丙、兌丁,甲墓於干,戊墓坎之類。
八卦納甲の配法は、乾卦は甲と壬を納め、坤卦は乙と癸を納め、坎卦は戊を納め、離卦は己を納め、震卦は庚を納め、巽卦は辛を納め、艮卦は丙を納め、兌卦は丁を納める。ある天干が「入墓」するか否かを判断するには、この納甲に依って推す。甲は乾に納まるので甲の墓は乾宮にあり、戊は坎に納まるので戊の墓は坎宮にある。其余の各干は皆この辦法に照らして類推する。
驛馬・劫煞
寅午戌日馬在申劫在亥宮,申子辰日馬在寅劫在巳宮,巳酉丑日馬在亥劫在寅宮,亥卯未日馬在巳劫在申宮。
「驛馬」と「劫煞」は日支の三合局に拠って定める。寅・午・戌日は驛馬は申にあり、劫煞は亥宮にあり。申・子・辰日は驛馬は寅にあり、劫煞は巳宮にあり。巳・酉・丑日は驛馬は亥にあり、劫煞は寅宮にあり。亥・卯・未日は驛馬は巳にあり、劫煞は申宮にあり。驛馬のある方は奔走・遷動を主り、劫煞のある方は劫奪・損傷を主り、用事の時は一つを趨き一つを避く。
旬空
甲子旬中戌亥空,甲戌旬中申酉空,甲申旬中午未空,甲午旬中辰巳空,甲辰旬中寅卯空,甲寅旬中子丑空。
六十甲子は六旬に分かれ、毎旬は十日のみあり、十天干は十二地支に配し満たず、多出した二支は干の配すべきなく、これを「旬空」といい、また空亡とも称す。甲子旬の中は戌・亥の二支が落空し、甲戌旬の中は申・酉が落空し、甲申旬の中は午・未が落空し、甲午旬の中は辰・巳が落空し、甲辰旬の中は寅・卯が落空し、甲寅旬の中は子・丑が落空す。空亡の位に落ちれば、行う事は多くは虚にして実ならず。
喜神方位
甲己在艮乙庚干,丙辛坤位喜神安,丁壬離宮笑嘻嘻,戊癸巽上醉沉沉。
これは日干に拠って「喜神」の方位を定める口訣である。甲日・己日は喜神は艮方にあり即ち東北、乙日・庚日は喜神は乾方にあり即ち西北、丙日・辛日は喜神は坤方に安んじ即ち西南、丁日・壬日は喜神は離宮にあり即ち正南で、故に歌に「笑嬉嬉」と云い、戊日・癸日は喜神は巽方にあり即ち東南で、故に歌に「酔沈沈」と云う。出行・嫁娶は喜神のある方向に向かって行くのが最も吉利である。
日禄
甲祿在寅,乙祿在卯,丙戊在巳,丁己在午,庚祿在申,辛祿在酉,壬祿在亥,癸祿在子。
十天干はそれぞれ己の「禄」の位があり、すなわち本干の臨官・得気する地支である。甲の禄は寅にあり、乙の禄は卯にあり、丙と戊の禄は同じく巳にあり、丁と己の禄は同じく午にあり、庚の禄は申にあり、辛の禄は酉にあり、壬の禄は亥にあり、癸の禄は子にあり。日干が禄を得る方位は俸禄・財帛を主り、用事の時はこの方位を取るを吉とす。
干支合化五行
甲己化土,乙庚化金,丙辛化水,丁壬化木,戊癸化火。子丑化土,寅亥化木,辰酉化金,巳申化水,卯戌化火,午未合而不化。
天干が両々相合して化出する五行は、甲と己が相合して土を化し、乙と庚が相合して金を化し、丙と辛が相合して水を化し、丁と壬が相合して木を化し、戊と癸が相合して火を化す。地支六合の化する五行は、子と丑が合して土を化し、寅と亥が合して木を化し、辰と酉が合して金を化し、巳と申が合して水を化し、卯と戌が合して火を化す。ただ午と未のみ、相合するといえども別に五行を化出しない。
貴人方
甲日未陽貴丑陰貴,戊庚日丑陽貴未陰貴,乙日申陽貴子陰貴,己日子陽貴申陰貴,丙日酉陽貴亥陰貴,丁日亥陽貴酉陰貴,壬日卯陽貴巳陰貴,癸日巳陽貴卯陰貴,辛日寅陽貴午陰貴。
「天乙貴人」は日干に拠って陽貴・陰貴の二か所に分かれる。甲日は未が陽貴、丑が陰貴。戊日・庚日は丑が陽貴、未が陰貴。乙日は申が陽貴、子が陰貴。己日は子が陽貴、申が陰貴。丙日は酉が陽貴、亥が陰貴。丁日は亥が陽貴、酉が陰貴。壬日は卯が陽貴、巳が陰貴。癸日は巳が陽貴、卯が陰貴。辛日は寅が陽貴、午が陰貴。貴人の臨む方位は尊長への謁見・請託・求人に宜しい。
十二支神将地盤
申(白虎、傳送)、酉(太陰、從魁)、戌(天空、河魁)、亥(神玄武、將登明)、未(太常、小吉)、子(神天后、將神后)、午(朱雀、勝光)、丑(神天乙、將大吉)、巳(螣蛇、太乙)、辰(勾陳、天罡)、卯(六合、太沖)、寅(神青龍、將功曹)。
地盤の十二支はそれぞれ一位の天神と一位の月将を配す。申位は白虎神・伝送将を配し、酉位は太陰神・従魁将を配し、戌位は天空神・河魁将を配し、亥位は玄武神・登明将を配し、未位は太常神・小吉将を配し、子位は天后神・神后将を配し、午位は朱雀神・勝光将を配し、丑位は天乙神・大吉将を配し、巳位は螣蛇神・太乙将を配し、辰位は勾陳神・天罡将を配し、卯位は六合神・太冲将を配し、寅位は青龍神・功曹将を配す。占断の時はまず占う事がどの支に落ちるかを見て、さらにその支の配する神将を取って吉凶を断ずる。
巻二
十干尅応訣
六甲同六戊,天盤戊加地盤戊,謂之伏吟。凡事閉塞靜守為吉。戊加戊(甲值符)謂之“伏吟”。凡事閉塞,靜守為吉。加乙為“青龍合靈”,門吉事吉,門凶事凶。加丙為“青龍返首”,動作大吉,若逢迫、墓、擊、刑,吉事成凶。加丁為“青龍耀明”,謁貴求名吉利,若值墓、迫,招是招非。
六甲旬首の中で甲子は六戊の里に隠れる。故に六甲は六戊に同じという。天盤の戊が地盤の戊に加わるのを「伏吟」といい、凡事閉塞不通で、安静に守成すればこそ吉。以下順に戊が各干に加わって成る格局を講ずる。戊加戊、すなわち甲子値符が自己に自己を加えるは、依然として「伏吟」といい、凡事閉塞で静守を吉とす。戊加乙は「青龍合霊」といい、臨む門が吉なら事も吉、門が凶なら事も凶。戊加丙は「青龍返首」といい、行動・作事は大吉。ただし門迫・入墓・撃刑に碰上れば、好事も凶事に転ず。戊加丁は「青龍耀明」といい、貴人への謁見・功名の求取に宜しい。もし入墓・門迫に遇上れば、反って是非を招惹する。
加己為“貴人入獄”,公私皆不利。加庚為“值符飛宮”,吉事不吉,凶事更凶。加辛為“青龍折足”,吉門生助尚可謀為,若逢凶門,主招災、失財、有足疾。加壬為“青龍入天牢”,凡陰陽皆不吉利。加癸為“青龍華蓋”吉格者吉,招福,門凶多乖。
戊加己は「貴人入獄」といい、公事・私事を問わず皆不利。戊加庚は「値符飛宮」といい、本当は吉の筈の事が吉ならず、本来凶の事はさらに凶。戊加辛は「青龍折足」といい、もし吉門の生扶・相助を得ればまだ事を謀れる。もし凶門に碰上れば、災いを招き財を破るを主り、あるいは脚上の病を害す。戊加壬は「青龍入天牢」といい、明処・暗処の事を論ぜず皆不吉利。戊加癸は「青龍華蓋」といい、吉格に配すれば吉で福気を招来できる。もし臨む門が凶なら、多くは事事乖違する。
乙加戊(甲值符)為“利陰害陽”,門逢凶迫,財破人傷。加乙為“日奇伏吟”,不宜謁貴求名,只可安分守身。加丙為“奇儀順遂”,吉星遷官進職,凶星夫妻離別。加丁為“奇儀相佐”,文書事吉,百事皆可為。加己為“日奇入霧”,被土闇昧,門凶必凶,得三吉門為“地遁”。
乙奇が戊に加わる、すなわち甲子値符に加わるは、「利陰害陽」といい、暗中の事に利あり明処の人を傷つける。もし門がまた凶に逢い・迫に逢えば、財を破り人を傷めるを主る。乙加乙は「日奇伏吟」といい、貴人への謁見・功名の求取に宜しからず、ただ安分守己すべきのみ。乙加丙は「奇儀順遂」といい、吉星に配すれば升官・進職を主り、凶星に配すれば夫妻離散を主る。乙加丁は「奇儀相佐」といい、文書の事を行えば吉利で、百事皆なし得る。乙加己は「日奇入霧」といい、土気に蒙蔽されて暗昧不明で、門が凶なれば必ず凶。ただし開・休・生の三吉門を得れば、「地遁」の格となる。
加庚為“日奇被刑”,爭訟財產,夫妻懷私。加辛為“青龍逃走”,奴僕拐帶,六畜皆傷。加壬為“日奇入地”,尊卑悖亂,官訟是非。加癸為“華蓋逢星”,官遁跡修道,隱匿藏形,躲災避難為吉。
乙加庚は「日奇被刑」といい、財産のために官司を打つを主り、夫妻は各々私心を懐く。乙加辛は「青龍逃走」といい、奴僕が財物を拐帯して逃走するを主り、六畜もまた傷を受ける。乙加壬は「日奇入地」といい、尊卑・上下が悖乱して秩序を失い、官司・是非を招来するを主る。乙加癸は「華蓋逢星」といい、世を遁れ跡を隠し、道を修め真を養い、形跡を藏匿するに宜しい。これをもって災を躱し難を避ければ吉利である。
丙加戊(甲值符)名“飛鳥跌穴”,謀為百事洞澈。加乙為“日月並行”,公謀私為皆吉。加丙為“月奇孛師”,文書逼迫,破耗遺失。加丁為“月奇朱雀”,貴人文書吉利,常人平靜,得三吉門為“天遁”。
丙奇が戊に加わる、すなわち甲子値符に加わるは、「飛鳥跌穴」といい、謀る事が様々に通透明白。丙加乙は「日月並行」といい、公事・私事ともに吉。丙加丙は「月奇孛師」といい、文書の催逼が緊迫し、財物が破耗・遺失するを主る。丙加丁は「月奇朱雀」といい、貴人が文書を行えば吉利で、平常人は平安無事。もしさらに開・休・生の三吉門を得れば、「天遁」の格となる。
加己為“太孛入刑”,囚人刑杖,文書不行,吉門得吉,凶門轉凶。加庚為“熒入太白”,門戶破敗,盜賊耗失。加辛為“謀事就成”,病人不凶。加壬為“火入天羅”,為客不利,是非頗多。加癸為“華蓋孛師”,陰人害事,災禍頻生。
丙加己は「太孛入刑」といい、囚犯が杖責を受け、文書が行き通らぬを主る。吉門に配すればなお吉を得、凶門に配すれば凶に転ず。丙加庚は「熒惑入太白」といい、門戸が破敗し、盗賊に遭って財物を損耗するを主る。丙加辛は「謀事就成」といい、謀る事が成り、病人も凶険に至らず。丙加壬は「火入天羅」といい、客方となるは不利で、是非頗る多し。丙加癸は「華蓋孛師」といい、婦女がその中より梗して事を壞すを主り、災禍が接続して発生す。
丁加戊(甲值符)為“青龍轉光”,官人升遷,常人威昌。加乙為“人遁”吉格,貴人加官進爵,常人婚姻財喜。加丙為“星隨月轉”,貴人越級高升,常人樂里生悲。加丁為“奇入太陰”,文書即至,喜事遂心。
丁奇が戊に加わる、すなわち甲子値符に加わるは、「青龍転光」といい、官を做す人は升遷し、平常人は声威興旺す。丁加乙は「人遁」の吉格で、貴人は官を加え爵を進め、平常人は婚姻の喜と財物の喜あり。丁加丙は「星随月転」といい、貴人は級を越えて高升するが、平常人は却って楽極まりて悲を生ず。丁加丁は「奇入太陰」といい、文書は即座に到り、喜事は称心如意なり。
加己為“火入勾陳”,奸私讎冤,事因女人。加庚為“年月日時格”,文書阻隔,行人必歸。加辛名曰“朱雀入獄”,罪人釋囚,官人失位。加壬名曰“五神互合”,貴人恩昭,訟獄公平。加癸名曰“朱雀投江”,文書口舌俱消,音信沉溺。
丁加己は「火入勾陳」といい、男女の奸私・仇怨の結ぶを主り、事は多く女人に因って起こる。丁加庚は「年月日時格」といい、文書が阻隔を受けるを主り、門外に出ている人は必ず帰って来る。丁加辛は「朱雀入獄」といい、罪人が釈放されて獄を出るを主り、位にある官員は却って官を失う。丁加壬は「五神互合」といい、貴人の恩沢が昭明し、官司・訟獄が公平に判ぜられるを主る。丁加癸は「朱雀投江」といい、文書と口舌の争いが皆消散し、音信も沈没して通ぜぬを主る。
己加戊(甲值符)為“犬遇青龍”,門吉謀望遂意,上人見喜,門凶枉勞心機。加乙名為“墓神不明”,地戶蓬星,宜遁跡隱形為利逸。加丙名曰“火孛地戶”,陽人冤枉相害,陰人必致淫汙。加丁名曰“朱雀入墓”,文狀詞訟,先曲後直。
己が戊に加わる、すなわち甲子値符に加わるは、「犬遇青龍」といい、臨む門が吉なら謀望は称心し上司も歓喜し、門が凶なれば心機を費やすのみ。己加乙は「墓神不明」といい、地戸の上で天蓬星に遇う。蹤跡を隠匿し世を遁れて安を偸むに宜しければこそ利あり。己加丙は「火孛地戸」といい、男子が冤枉・陥害されるを主り、女子は淫污を受けるを免れ難し。己加丁は「朱雀入墓」といい、官司を打ち状紙を遞せば、初めは理に屈し後に反って理を占む。
加己名為“地戶逢鬼”,病者必死,百事不遂。加庚名曰“刑格”,求名、詞訟先動者不利,陰星有謀害之情。加辛名曰“游魂入墓”,大人鬼魅,小人家先為祟。加壬名曰“地網高張”,狡童佚女,姦情殺傷。加癸名曰“地刑玄武”,男女疾病垂危,詞訟有囚獄之災。
己加己は「地戸逢鬼」といい、病人は必ず死し、百事皆順遂せず。己加庚は「刑格」といい、功名を求め官司を打つに、先に手を動かす一方が不利。もし陰星に配すれば、対方はなお謀害の心を存す。己加辛は「游魂入墓」といい、大人は鬼魅に擾され、小戸の人家は祖先の作祟なり。己加壬は「地網高張」といい、軽狂の少年と放蕩の女子が奸情を生じ、甚だしきは殺傷を醸成するを主る。己加癸は「地刑玄武」といい、男女が病を得て危重し、官司を打てば牢獄の災あるを主る。
庚加戊(甲值符)曰“太白天乙伏宮”,百事不可謀為凶。加乙為“太白蓬星”,退吉進凶。加丙曰“太白入熒”,占賊必來,為客進利,為主破財。加丁曰“亭亭之格”,因私暱起官司,門吉有救。
庚が戊に加わる、すなわち甲子値符に加わるは、「太白天乙伏宮」といい、百事皆謀るべからず、凶を主る。庚加乙は「太白蓬星」といい、退守すれば吉、進取すれば凶。庚加丙は「太白入熒惑」といい、賊寇を占えば必ず到来す。客方を為せば利を得、主方を為せば財を破る。庚加丁は「亭亭之格」といい、私情・親暱に因って官司に惹かれるを主る。もし臨む門が吉ならば、なお救解あらん。
加己曰名為“刑格”,官司被重刑。加庚曰“太白同宮”,官災橫禍,兄弟雷攻。加辛曰“白虎干格”,遠行車折馬死。加壬曰遠行失迷道路,男女音信嗟呀。加癸名為“大格”,行人至官司止,生產母子俱傷,大凶。
庚加己は「刑格」といい、官司を打てば重刑を受く。庚加庚は「太白同宮」といい、官府の災と意外の横禍を主り、兄弟の間も雷霆の相攻するが如く争闘す。庚加辛は「白虎干格」といい、遠行すれば車毀れ馬死す。庚加壬は、遠行して道路を迷失し、男女双の音信断絶して徒らに嘆息するを主る。庚加癸は「大格」といい、門を出た人は半路で官司に纏われ、婦人が生産すれば母子ともに傷害を受く。大凶。
辛加戊(甲值符)曰“困龍被傷”,官司破敗,屈抑守分,妄動禍殃。加乙曰“白虎猖狂”,人亡家敗,遠行多殃,尊長不喜,車船俱傷。加丙曰“干合孛師”,熒惑出現,占雨無,占晴旱,占事必因財致訟。加丁曰“獄神得奇”,經商獲倍利,因人逢赦宥。
辛が戊に加わる、すなわち甲子値符に加わるは、「困龍被傷」といい、官司は敗訴し家業は破損す。この時委曲を受け本を安んじ分を守るをよしとし、妄動すれば禍を招く。辛加乙は「白虎猖狂」といい、人口の傷亡・家道の敗落を主り、遠行は多く災殃あり、尊長は歓喜せず、車と船は皆損壊す。辛加丙は「干合孛師」といい、熒惑星の出現の象。雨を占えば雨なく、晴を占えば大旱し、事を占えば必ず銭財に因って官司を打つ。辛加丁は「獄神得奇」といい、経商すれば加倍の利を獲得し、また他人の関係に因って赦免に遇う。
加己曰“入獄自刑”,奴僕背主,訟訴難伸。加庚曰“白虎出力”,刀刃相接,主客相殘,遜讓退步,稍可強進,血濺衣衫。加辛為“伏吟天庭”,公廢私就,訟獄自罹罪名。加壬曰“凶蛇入獄”,兩男爭女,訟獄不息,先動失理。加癸曰“天牢華蓋”,日月失明,誤入天網,動止乖張。
辛加己は「入獄自刑」といい、奴僕が主人を背棄し、訴訟に冤あれど伸び難きを主る。辛加庚は「白虎出力」といい、刀兵相接し、主客双方が彼此残殺するを主る。この時謙譲・退避すればなおよし、強いて前進すれば血は衣衫に濺がん。辛加辛は「伏吟天庭」といい、公事廃弛して私事成り得、官司を打てば反って自ら罪名に惹かれるを主る。辛加壬は「凶蛇入獄」といい、両の男子が一の女子を争奪し、訟獄は糾纏して休まず、先に手を動かす一方が理に虧けるを主る。辛加癸は「天牢華蓋」といい、日月が光明を失い、誤って天羅地網に入り、一挙一動が皆乖張失当するを主る。
壬加甲子戊(甲值符)名曰“小蛇化龍”,男人發達,女產嬰童。加日奇六乙名曰格名“小蛇”,女子柔順,男人嗟呀,占孕生子,祿馬光華。加月奇六丙名曰“水蛇入火”,官災刑禁絡繹不絕。加星奇六丁名曰“干合蛇刑”,文書牽連,貴人匆匆,男凶女吉。加甲戌己名曰“凶蛇入獄”,大禍將至,順守斯吉,詞訟理曲。
壬が甲子戊に加わる、すなわち甲子値符に加わるは、「小蛇化龍」といい、男子の発達・婦人の男孩を生むを主る。壬が日奇六乙に加わる、この格は「小蛇」といい、女子の柔順・男子の嘆息するを主る。胎孕を占えば男を生むを主り、禄馬の気は光彩煥発す。壬が月奇六丙に加わるを「水蛇入火」といい、官司の災と刑罰・禁錮が接続して断えぬを主る。壬が星奇六丁に加わるを「干合蛇刑」といい、文書に牽連され、貴人は来去匆忙で、男子には凶にして女子には吉を主る。壬が甲戌己に加わるを「凶蛇入獄」といい、大禍まさに臨頭せんとし、順従し静を守ればこそ吉、官司を打てば理に虧ける。
加甲申庚名曰“太白擒蛇”,刑獄公平,立剖邪正。加甲午辛名曰“螣蛇相纏”,縱得吉門,亦不能安,若有謀望,被人欺瞞。加甲辰壬名曰“蛇入地羅”,外人纏繞,內事索索,門吉星凶,庶免蹉跎。加甲寅癸名曰“幼女姦淫”,家有丑聲,門星俱吉,反禍福隆。
壬が甲申庚に加わるを「太白擒蛇」といい、刑獄の判ぜられる公平、是非・邪正は当場に剖断分明を主る。壬が甲午辛に加わるを「螣蛇相纏」といい、縦い吉門を得ても安寧を得ず。もし図謀する所有れば、人に蒙騙せられる。壬が甲辰壬に加わるを「蛇入地羅」といい、外人の糾纏して休まず、家内の事も瑣碎にして寧らならぬを主る。この時もし門吉にして星凶ならば、強いて蹉跎を免れ得るのみ。壬が甲寅癸に加わるを「幼女奸淫」といい、家中に醜聞の伝わるを主る。もし門と星と皆吉ならば、反って禍を転じて福と為し、福気隆盛なり。
癸加甲子戊(甲值符)為“天乙會合”吉格,財喜婚姻,吉人贊助成合,若門凶迫制,反招官非。加日奇六乙名曰“華蓋蓬星”,貴人祿位,常人平安。加月奇六丙名曰“華蓋孛師”,貴賤逢之,上人見喜。加星奇六丁名曰“螣蛇妖矯”,文書官司,火焚莫逃。
癸が甲子戊に加わる、すなわち甲子値符に加わるは、「天乙会合」の吉格で、財物の喜と婚姻の喜を主り、好心の人がその中より賛助し促成す。ただしもし臨む門が凶悪でまた迫制されれば、反って官非を招く。癸が日奇六乙に加わるを「華蓋蓬星」といい、貴人は禄位を得、平常人は平安を得。癸が月奇六丙に加わるを「華蓋孛師」といい、貴賤を問わず、これに遇えば皆上司の歓喜を討ち得る。癸が星奇六丁に加わるを「螣蛇妖矯」といい、文書・官司が身に纏わり、また火災の患あって逃免し難きを主る。
加甲戌己名曰“華蓋地戶”,男女占之,書信皆阻,躲災避難為吉。加甲申庚曰“太白入網”,以暴爭訟力平。加甲午辛曰“網蓋天牢”,占訟占病,死罪莫逃。加甲辰壬曰“復見螣蛇”,嫁娶重婚,後嫁無子,不保年華。加甲寅癸曰“天網四張”,行人失伴,病訟皆傷。
癸が甲戌己に加わるを「華蓋地戸」といい、男女これを占えば、書信は皆阻隔せられる。これをもって災を躱し難を避ければ吉。癸が甲申庚に加わるを「太白入網」といい、強横の手段を用いて争訟し、強いて平手を打ち得るのみを主る。癸が甲午辛に加わるを「網蓋天牢」といい、官司を占い疾病を占うとも、皆死罪逃れ難きの象。癸が甲辰壬に加わるを「復見螣蛇」といい、嫁娶は再婚を主り、後に嫁するは子嗣なく、寿数も保ち難し。癸が甲寅癸に加わるを「天網四張」といい、門を出た人は同伴と失散し、病人と訟事は皆損傷を受ける。
時加六甲,一開一闔,上下交接。陽星為開,陰星為闔,孟仲為闔,季加為開。時加六乙,往來恍惚,與神俱出。加地盤乙,與日奇同行,謀為皆吉。時加六丙,萬兵莫往,王侯之象。加地盤丙為天威,行兵謀為,有吉無凶。時加六丁,出幽入冥,到老不刑。加地盤丁者,為挾玉女而行,謀為百事皆吉。
時辰が六甲に加臨するは、一開一合、上下交じり相接続す。陽星は開を主り、陰星は合を主る。孟位・仲位の時は合を主り、季位の時は開を主る。時辰が六乙に加臨すれば、来往の間は恍恍惚惚として、神明と一道に出入するが如し。もし地盤の乙に加われば、すなわち日奇と同行で、謀る事は皆吉。時辰が六丙に加臨すれば、千軍万馬も前往するなかれ、あれは王侯の象。もし地盤の丙に加われば、すなわち「天威」で、兵を用い事を謀るに吉ありて凶なし。時辰が六丁に加臨すれば、幽冥の境に出入し得、老いるまで刑罰を受けず。もし地盤の丁に加われば、すなわち玉女を挟んで同行で、百事を謀るに皆吉。
時加六戊,乘龍萬里,萬敢呵止。加地盤戊為天武,公私謀為皆吉。時加六己,如神所使,出彼凶咎。加地盤己,為地戶刑,伏藏私匿,利私不利公。時加六庚,抱木而行,強有出入,必有爭鬪。加地盤庚為天刑,凡事凶。
時辰が六戊に加臨すれば、竜に乗りて万里を行くが如く、人の敢えて喝止するなし。もし地盤の戊に加われば、すなわち「天武」で、公事・私事を謀るに皆吉。時辰が六己に加臨すれば、神明に差遣せられるが如く、凶険・災咎を脱出し得。もし地盤の己に加われば、地戸の刑となり、潜伏・藏匿に宜しく、私事に利ありて公事に利なし。時辰が六庚に加臨すれば、木を抱えて行けばこそ穏当なり。もし強いて出入すれば、必ず争闘あり。もし地盤の庚に加われば、すなわち「天刑」で、凡事皆凶。
時加六辛,行逢死人,強有作為,殃罰纏身。加地盤辛為天庭,謀為皆凶。時加六壬,為吏所禁,強有出入,非禍相侵。加地盤壬為天牢,百事俱凶。時加六癸,眾人莫視,不知六癸,出門即死。加地盤癸為地網,利隱遁,餘事皆凶。
時辰が六辛に加臨すれば、路上で死人に遇う。もし強いて作为あらんとすれば、災殃・刑罰が身に纏わりて去らず。地盤の辛に加わればすなわち「天庭」で、何を謀っても凶。時辰が六壬に加臨すれば、官吏に拘禁せられる。もし強いて出入すれば、横禍来り侵擾す。地盤の壬に加わればすなわち「天牢」で、百事皆凶。時辰が六癸に加臨すれば、衆人皆お前の行跡を見ず。六癸のこの一層の道理を解せざる人は、門を出れば性命の憂あり。地盤の癸に加わればすなわち「地網」で、隠遁・蔵身にのみ利あり、其余の事は皆凶。
天蓬星
訟庭爭競遇天蓬,勝捷名威萬里同,春夏用之皆大吉,秋冬用之半為凶;嫁娶遠行皆不利,修造埋葬亦閒空,須得生門同丙乙,用之萬事得昌隆。
官司を打ち人と争競する時に「天蓬」星に遇えば、勝利を得ることができ、名声・威望は万里の外に伝わる。天蓬は水に属し、春夏の两季にこれを用いれば皆大吉、秋冬の两季にこれを用いれば半ば凶に転ず。嫁娶と遠行はこれに遇えば皆不利で、興修・建造と埋葬もまた功を費やすのみ。必ずこれに生門を配し、また丙奇・乙奇と同宮せしめて、こうして用いてこそ万事昌隆なり。
天蓬值子時,主有雞鳴犬吠、宿鳥鬧林,或有鳥自北方爭鬧飛來。作用後缺唇人至,六十日後應雞生肉卵,主口舌官訟,退財凶。值丑時,主樹倒傷人、有雷電大作,及風雨為應。作用後主七日內鷄生鵝卵、犬上房,百日內傷小口,白頭老人作牙,進田產、大旺十年後主退敗。
天蓬星が子時に値すれば、外応は鶏鳴・犬吠を聞き、棲鳥が林中に喧閙し、あるいは鳥が北方より争鳴して飛来す。用事の後は豁嘴の人が門に上る。六十日後は母鶏が殻なき軟蛋を下すに応験し、口舌・官司、破財を主り、凶。丑時に値すれば、外応は樹木が倒れて人を傷つけ、雷電大作し、あるいは風雨あり。用事の後七日の内に、母鶏は鵞蛋の如き大蛋を下し、狗は房頂に爬上る。一百日の内に小孩を損傷す。白頭の老人が来りて中人と為り説合し、因って田産を添進して家道大いに旺るも、十年の後は依然として衰敗に転ず。
值寅時,主青衣童子持花來,北方和尚裹衣至,又主女人來為應。作用後主有賊劫家財,六十日蛇入屋咬人,牛馬死,傷人口,三年後進田宅。值卯時,主黃雲四起、婦人拿把鐵器前來、大蛇過路為應。作用後半月有徵音人送財物來,六十日內女人被賊害破財,百日內得橫財大發。
寅時に値すれば、外応は青衣を著た童子が花を持ちて走り来り、北方に僧衣を裹れた和尚の到来あり、あるいは女人が門に上る。用事の後は盗賊が家財を劫走するを主る。六十日の内に蛇が屋に入り人を咬み、牛馬死亡し、人口を傷損す。三年の後は却って田宅を添進し得。卯時に値すれば、外応は黄雲が四面に涌起し、婦人が鉄器を手にして前来し、大蛇が道路を横過す。用事の後半月、五音の徵に属する人が財物を送り来る。六十日の内に女人が賊に害されて破財す。一百日の内に横財を得て大いに発す。
值辰時,主東北樹倒傷人、鼓聲四起、女人著紅衣至為應。作用後主鵲噪,鴉鵲繞屋,賊入盜財物,六十日內病腳人上門抵賴,三年內生貴子發福。值巳時,主駝背人著毛衣,女子攜酒至及師人來為應。作用後百日內,因大發橫財,因武得官發達。
辰時に値すれば、外応は東北方の樹が倒れて人を傷つけ、四面に鼓声が響き、紅衣を著た女人が到来す。用事の後は喜鵲が聒噪し、烏鴉・喜鵲が房屋を繞って飛ぶを主る。賊が門に入りて財物を偸走す。六十日の内に跛脚の病人が門に上りて帳を賴む。三年の内に貴子を生じ、家道興発す。巳時に値すれば、外応は駝背の人が毛衣を著、女子が酒を提げて前来し、また術士が門に上る。用事の後一百日の内に、因って横財を大いに発し、また武を習って官を得て発達す。
值午時,主有人持刀上山,婦人領青衣童子至為應,作用後四十日家主亡,六十日犬作人語入屋作怪,風腳人行凶、破財,三年發旺。值未時,主童子趕馬牛至,鷺鷥自北方飛來,女人著紅衣至為應,作用後六十日內賊入屋,劫掠財物凶敗。
午時に値すれば、外応は人の刀を持ちて山に上るあり、婦人が青衣を著た童子を領して到来す。用事の後四十日、家主身亡す。六十日、狗が人の如く言語し、屋に入りて怪を為す。腿脚不便の人が行凶し、因って破財す。三年に至りてこそ興旺に転ず。未時に値すれば、外応は童子が馬牛を趕りて走り来り、鷺鷥が北方より飛来し、紅衣を著た女人が到来す。用事の後六十日の内に賊が屋に入り、財物を劫掠し、凶にして敗落す。
值申時,主有取水人並持傘蓋至,西方小兒打水、擂鼓、叫喊為應。作用後二十日鷄窩內有蛇傷物,百日內少婦自縊、為淫慾,起官司凶敗。值酉時,主西方有馬行來,群鴉飛噪為應。作用後百日內生貴子,僧道作牙、進商音人財產大發。
申時に値すれば、外応は人の来りて水を取るあり、併せて人の傘蓋を打ちて到来し、西辺に小孩が水を打ち、鼓を擂り、叫喊す。用事の後二十日、鶏窩の中に蛇が家禽を傷害す。一百日の内に年輕の婦人が淫欲の事に因りて上吊自盡し、これに由りて官司を惹起し、凶にして敗落す。酉時に値すれば、外応は西方に馬の走り来り、成群の烏鴉が飛鳴す。用事の後一百日の内に貴子を生ず。僧人・道士が中人と為り説合し、五音の商に属する人の財産を進得し、大いに発す。
值戌時,主老人持杖至,鬍鬚人擔籮筐至,西方雷雨至為應。作用後有白犬自來,八十日內拾軍器得橫財發大富。值亥時,小兒成群至,女人著孝服為應。作用後六十日因捉賊得錢榖,三年內賣藥及符咒水發財。
戌時に値すれば、外応は老人が杖を拄きて前来し、鬍鬚を留めた人が籮筐を挑げて到来し、西方に雷雨の襲来す。用事の後は白狗が自ら走り来る。八十日の内に軍器を拾得したことに因りて横財を得、大富と成る。亥時に値すれば、外応は小孩が成群して来り、孝服を著た女人あり。用事の後六十日、盗賊を抓獲したことに因りて銭糧を得到す。三年の内に薬を売り符を画き咒を念ずる符水に憑りて発財す。
天芮星
天芮授道結交宜,行方值之最不吉,出行用事皆宜退,修造安塋禍難測;賊盜驚惶憂小口,更有官事被官責,縱得奇門從此位,求其吉事皆虛為。
「天芮」星は道を伝え業を授け、朋友を結ぶに宜しい。もし出行・方を擇ぶにこれに遇えば最も不吉利。門を出て事を辦するに天芮に碰上れば皆難を知りて退くべく、房屋を興造し墳塋を安葬するはさらに禍患測り難し。それは賊盗に遭いて驚惶安ならず、小孩のために憂い、さらに官司に纏われ上官に責罰せられるを主る。縦いこの方位の上で三奇・吉門を得て、これを借りて吉を求めんとするも、全て功を費やすのみ。
天芮值子時,秋、冬用吉,春、夏用凶。有飛禽戰驚,西南方上火光,二人相逐為應。作用後主貓犬瘋癩傷人,惹官事,六十日內有女人自縊死,秋冬用之當進羽音財產發旺及婦人喜事吉。
天芮星が子時に値すれば、秋・冬の两季にこれを用いるは吉、春・夏の两季にこれを用いるは凶。外応は飛鳥が驚いて乱飛し、西南方に火光あり、両の人が互相いに追逐す。用事の後は猫狗が瘋癩の病を得て人を咬み傷つけ、因って官司に惹かれるを主る。六十日の内に女人の上吊身亡あり。もし秋冬の两季にこれを用いれば、則ち五音の羽に属する人の財産を進得して興旺し、婦人もまた喜事あり、吉。
值丑時,有鼓聲自西北至。七日內主龜鱉自林中來,六十日主盜賊官司破財凶。值寅時,主瘦婦懷孕至,夏秋主披蓑衣人至,春著皮衣人來為應。作用後如得奇門旺相,六十日內牛入屋,進血財,財官祿至,子孫興旺大發。
丑時に値すれば、外応は鼓声が西北方より伝来す。用事の後七日の内に亀鱉が林中より爬来す。六十日は盗賊に遭い、官司を惹いて破財す。凶。寅時に値すれば、外応は瘦弱の孕婦の到来あり。夏秋の两季は蓑衣を披る人が門に上り、春季は皮衣を著た人の前来なり。用事の後、もし三奇・吉門を得てまた旺相の気に処れば、六十日の内に牛の屋に入るあり、牲畜の財を添進し、財・官・禄が一斉に到来し、子孫興旺し、大いに発す。
值卯時,主女人著色衣送物,及貴人騎馬來,二犬相咬,牛鳴為應。作用後六十日進東方人財產,犬傷小兒、進血產,三年內婦人產難凶。值辰時,有東北方樹倒傷人、鼓樂鳴、女人著紅衣至為應。鵲繞屋飛鳴,因賊破財,作用後六十日有瘋腳人上門賴,婚後生貴子、發旺。
卯時に値すれば、外応は彩衣を著た女人が物を送り来り、貴人が馬に騎りて至り、両条の狗が互相いに撕咬し、牛が鳴叫す。用事の後六十日、東方の人の財産を進得す。狗が小孩を咬み傷つけ、同時に牲畜を添進す。三年の内に婦人の難産あり、凶。辰時に値すれば、外応は東北方の樹が倒れて人を傷つけ、鼓楽奏鳴し、紅衣を著た女人が到来す。喜鵲が屋を繞りて飛び叫ぶは、賊に因りて破財するを主る。用事の後六十日、跛脚の人が門に上りて帳を賴む。婚後は貴子を生じ得、家道興旺す。
值巳時,有婦人少女同至為應。作用後四十日進絕戶田契,一年因水大發財。值午時,有缺唇白衣人至,孕婦過為應。作用後六十日貓咬人,因買賣大發財,得東鄰產業大發。
巳時に値すれば、外応は婦人と少女が一同に到来す。用事の後四十日、絶戸の人家の田契を進得す。一年の内に水上の営生に憑りてその財を大いに発す。午時に値すれば、外応は豁嘴にして白衣を著た人が門に上り、孕婦が傍を経過す。用事の後六十日に猫が人を咬むあり。売買を為すに憑りてその財を大いに発し、また東辺の隣家の産業を得て大いに発す。
值未時,有捕獵人至,白衣僧道攜茶過為應,作用後七日有烏鵲繞屋樹鳴噪,一年內動瘟癀,火燒屋蕩敗。值申時,主東方傘蓋人過,僧道鬍鬚人至為應,主牛馬傷人、犬咬人。作用後一百日內進羽音人產業,一年內水牛入屋、野鳥進宅,家主疾病。
未時に値すれば、外応は打猟の人が到来し、白衣を著た僧道が茶を帯びて経過す。用事の後七日、烏鴉・喜鵲が屋辺の樹木を繞りて鳴叫す。一年の内に瘟疫を鬧し、また火焼に遭いて房屋を蕩尽し、家業蕩尽す。申時に値すれば、外応は東方に傘蓋を打つ人の経過し、僧道と鬍鬚を留めた人が門に上り、また牛馬が人を傷つけ狗が人を咬むを主る。用事の後一百日の内に、五音の羽に属する人の産業を進得す。一年の内に水牛が屋に入り野鳥が宅に入り、家主生病す。
值酉時,主有西方馬過,群鳥鳴飛為應。作用後百日內僧道作牙,進商音人產財,生貴子發旺。值戌時,有老人扶杖至,西方雷雨,鬍鬚人擔物來為應。後有白犬自來,六十日拾軍器得橫財大發。值亥時,有小兒成群,婦人著孝服至為應。後六十日因賊得財,三年後因符水、藥劑發財。
酉時に値すれば、外応は西方に馬の経過し、群鳥が鳴叫して飛起す。用事の後一百日の内に、僧道が中人と為り説合し、五音の商に属する人の財産を進得し、また貴子を生じ、家道興旺す。戌時に値すれば、外応は老人が杖を扶けて前来し、西方に雷雨あり、鬍鬚を留めた人が物を挑げて走り来る。この後白狗が自ら走り来るあり。六十日の内に軍器を拾到して横財を得、大いに発す。亥時に値すれば、外応は小孩が成群して来り、孝服を著た婦人が到来す。この後六十日に賊を抓るに因りて財を得。三年の後は符水と薬剤に憑りて発財す。
天冲星
嫁娶安塋產女驚,出行移徙遇災迍,修造葬埋皆不利,萬般作為且逡巡。天沖值子時,主仙禽鳴噪、鐘聲為應。作用後有生氣入宅,一年田蠶倍收,新婦亡後,因口舌得財。
「天冲」星は嫁娶・安葬・生女に皆驚擾あるを主り、出行と遷居は災難・困頓に遇い、興修・建造と埋葬は皆不利で、何の事を為すにも遅疑・観望して暫く緩行すべし。天冲星が子時に値すれば、外応は仙鶴の類の禽鳥が鳴叫し、鐘声の伝来あり。用事の後は生気が宅中に進入し、一年の内に田禾・蚕桑が加倍に豊収す。新しく娶った媳婦が身亡した後、反って口舌の争執に因りて財を得。
值丑時,主雲霧四合,小兒成隊及婦人至為應。作用後黑貓生白子,拾得古鏡發財,一年內得僧道、田契、生貴子。值寅時,主貴人乘轎馬及執金銀器至為應。作用後六十日進文契、六畜,並琉璃器物入宅,母鷄啼、家主有災,因口舌得財,乙己丁生者發富貴。
丑時に値すれば、外応は雲霧が四面に合攏し、小孩が隊を成して走過し及び婦人の到来す。用事の後は黒猫が白色の小猫を生じ、また古鏡を拾到したことに因りて発財す。一年の内に僧道の処より田契を得、また貴子を生ず。寅時に値すれば、外応は貴人が轎に乘り馬に騎りて来り、あるいは人の金銀器物を手にするあり。用事の後六十日に文契と六畜を進得し、また琉璃器物が宅に入る。母鶏が鳴き、家主に災あり。口舌の争いに因りて反って財を得。乙・己・丁年の生まれの人はこれに由りて発達・富貴す。
值卯時,主女人穿色衣送物,及貴人騎馬至、二犬嘶咬、又主牛鳴為應。作用後六十日進東方人產業,湯火傷小兒、進財,三年內婦人產難凶。值辰時,有魚上樹、白虎出山、僧道成夥至為應。作用後四十日內拾得黃白之物發橫財,七十日內家主有折傷之患。
卯時に値すれば、外応は彩衣を著た女人が物を送り来り、貴人が馬に騎りて至り、両条の狗が嘶咬・撕打し、また牛の叫ぶを聞くを主る。用事の後六十日に東方の人の産業を進得す。小孩が湯水または火に燙傷され、同時に財を進む。三年の内に婦人の難産あり、凶。辰時に値すれば、外応は魚が樹に跳上り、白虎が山を出で、僧道が成群結伙して到来す。用事の後四十日の内に金銀の物を拾到して横財を発す。七十日の内に家主に跌打・折傷の患あり。
值巳時,主牛羊爭行、二女嘶罵、西方有鼓聲為應。作用後六十日內蛇咬鷄、牛入屋、女人送文契,百日內生貴子大發。值午時,主有東方人家火起,白衣人叫喊,山鳥鳴噪為應,作用後六十日內拾得古銅器物發財產。
巳時に値すれば、外応は牛羊が路を争いて行き、両の女子が対罵し、西方より鼓声伝来す。用事の後六十日の内に、蛇が鶏を咬み、牛が屋に入り、女人の文契を送り来るあり。一百日の内に貴子を生じ、大いに発す。午時に値すれば、外応は東辺の人家に火起り、白衣を著た人が叫喊し、山鳥が鳴叫・喧閙す。用事の後六十日の内に、古銅器物を拾到して発財し産を置く。
值未時,有鼓聲響、小兒著孝衣,牛馬成群過,西北人喊叫為應。作用後六十日內白羊入屋,發橫財,六畜興旺。值申時,主南方白衣人騎馬過,吏卒爭鬪為應。作用後一百日內女人作牙,添進人口,發財產。
未時に値すれば、外応は鼓声が作響し、小孩が孝衣を著け、牛馬が成群して経過し、西北方に人の喊叫あり。用事の後六十日の内に白羊が屋に入り、横財を発得し、六畜興旺す。申時に値すれば、外応は南方に白衣を著た人が馬に騎りて経過し、差役・兵卒が相互に毆鬥す。用事の後一百日の内に婦人が中人と為り説合するあり、因って人口を添進し、財産を興発す。
值酉時,有遠方書信至,東方人家說狐狸,有人喊叫,婦人掌火為應。作用後三年內生貴子,橫發富貴。值戌時,西方有三、五人來尋物,及師巫人對走為應。作用後六十日鷄鳴上樹、遠信至、得外人財,一年內小兒被牛踏傷。值亥時,有跛足青衣人至,東方人家起火為應。作用後一百日內貓捕白鼠,一年內得財,進人家田契。
酉時に値すれば、外応は遠方より書信来り、東辺の人家が狐狸を談論し、人の喊叫あり、婦人が火燭を手持す。用事の後三年の内に貴子を生じ、暴発して富貴す。戌時に値すれば、外応は西方に三五人が来りて物を尋找し、巫師・術士が迎面して走過す。用事の後六十日、鶏が樹に飛上りて鳴叫し、遠処の信が到来し、外人の財物を得到す。一年の内に小孩が牛に踩傷せられる。亥時に値すれば、外応は跛脚にして青衣を著た人が到来し、東辺の人家に火起る。用事の後一百日の内に猫が白老鼠を捉到す。一年の内に財を得、他家の田契を進得す。
巻三
天輔星
天輔之星遠行良,修造埋葬福綿長,上官移徙皆吉利,喜溢人財百事昌。天輔值子時,主西方著紅衣大叫前來為應。作用後六十日進商音人財物、猴入室、寶瓶鳴,主加官進職、生貴子,十二年興旺吉。
「天輔」星は遠行に宜しく、興修・建造と埋葬は皆福沢綿長で、赴任・上官と遷居は皆吉利、喜気門に盈ち、人丁・財物両方旺り、百事昌盛す。天輔星が子時に値すれば、外応は西方に紅衣を著た人が大声叫喊して走り来るあり。用事の後六十日、五音の商に属する人の財物を進得し、また猴子が屋に入り、宝瓶自ら鳴り、加官・進職・貴子を生ずるを主る。この後十二年家道興旺す。吉。
(原文缺)值丑時,作用時主東方有犬吠,有人持刀殺人鬪叫。造葬後有白兔野鷄入室,六十日內僧道送物,及東南方羽音人送文契至、遠行信歸、週年添進人口、大旺血財、加官進祿。《遁甲演義》值寅時,有公吏人持鐵器至,及藝人送物來為應。六十日內進田契,十一年生貴子大發。
丑時に値すれば(底本ここに脱文あり)、用事の時、外応は東方に狗吠あり、人の刀を持ちて人を殺して喧閙叫喊す。営造・安葬の後、白兎・野鶏が屋に入るあり。六十日の内に僧道が物を送り来り、東南方の五音の羽に属する人が文契を送って門に上り、遠行の人は信をもって帰る。一年満ちて人口を添進し、牲畜の財大いに旺り、また加官・進禄し得。此の条は《遁甲演義》に見ゆ。寅時に値すれば、外応は官府の差役が鉄器を拿して到来し、および手艺人が物を送り来る。六十日の内に田契を進得し、十一年の上に貴子を生じ、大いに発す。
值卯時,有女人持傘至,及師巫吹角聲為應。六十日內發財、添丁,有生氣物,家旺財榖,因女人公事進田地財產。值辰時,白羊與黃犬相鬪,賣菜人與賣油人相撞,白衣小兒啼哭、孕婦至為應。一年內生貴子,財產大發。
卯時に値すれば、外応は女人が傘を打ちて到来し、および巫師が号角を吹響する声あり。六十日の内に財を発し丁を添え、家中に活物の生養あり、家道興旺して銭糧充足す。また女人の渉る公事に因りて田地・財産を進得す。辰時に値すれば、外応は白羊と黄狗の相鬥い、菜を売る人と油を売る人が撞き合い、白衣を著た小孩が啼哭し、孕婦到来す。一年の内に貴子を生じ、財産大いに発す。
值巳時,有二人相打,女人抱布衣,風四起、小兒啼哭。六十日進東財產,鬼神運來大發。值午時,有僧拿物,女人著紅衣過為應。六十日有貴人送異物,進四方金銀,一年內得寡婦財產大發。
巳時に値すれば、外応は両の人が打架し、女人が布衣を抱き、四面に風起り、小孩啼哭す。六十日の内に東方の財産を進得し、鬼神の運送して来るが如く、大いに発す。午時に値すれば、外応は僧人が手の中に物を持ち、紅衣を著た女人が経過す。六十日の内に貴人が奇異の物を送り来り、四方の金銀が皆門に入る。一年の内に寡婦の財産を得、大いに発す。
值未時,主二畜相觸,有人攜皮毛至,僧道成群過為應。作用後西北方人爭財,百日內進財物、文契。值申時,有患足人攜酒至,三色衣人來,西北方鼓聲鳴為應。作用後半年內蛇從井中出,白衣人送牛羊至,得婦人財發。
未時に値すれば、外応は両の牲畜が互相いに抵撞し、人の皮毛を帯びて到来し、僧道が成群して経過す。用事の後は西北方の人と銭財を争奪す。一百日の内に財物と文契を進得す。申時に値すれば、外応は脚上に病ある人が酒を提げて到来し、三色衣を著た人が前来し、西北方に鼓声作響す。用事の後半年の内に、蛇が井裏より爬出すあり、白衣を著た人が牛羊を送り来り、また婦人の財物を得て家を発す。
值酉時,主有遠方人書信至,東方人言狐狸或有人喊叫為應,女人拿火至,後三年內生貴子,橫發財產。值戌時,主有三、五人來尋物,師巫對行為應,六十日鷄上樹鳴、遠信至、得婦人財,小兒被牛傷,一年內驗之。值亥時,主有跛足人至,青衣人來,東北方人家火光為應。作用後百日內貓捕白鼠,一年內進田產。
酉時に値すれば、外応は遠方より人来りて信を送り、東辺に人の狐狸を談論しあるいは人の喊叫し、女人が火燭を手持して到来す。この後三年の内に貴子を生じ、暴発して財産す。戌時に値すれば、外応は三五人が来りて物を尋找し、巫師・術士が迎面して走り来る。六十日の内に鶏が樹に飛上りて鳴叫し、遠方より信来り、婦人の財物を得。小孩が牛に傷せられ、これらは皆一年の内に応験す。亥時に値すれば、外応は跛脚の人が到来し、青衣を著た人が前来し、東北方の人家に火光あり。用事の後一百日の内に猫が白老鼠を捉到し、一年の内に田産を添進す。
天禽星
天禽遠行偏得利,坐賈行商皆稱意,投謁貴人俱益懷,修造埋葬都豐裕。天禽值子時,主有孕婦來,紫衣人至為應。作用後五十日有文人送物,三年內因武得官,二十年外財榖廣益,人丁千口財旺。
「天禽」星は遠行に最も利あり、店に坐して経営し外に出て行商する皆称心如意で、書を投げ貴人に謁見するも皆得満懐に益し、興修・建造と埋葬は皆豊厚・寛裕なり。天禽星が子時に値すれば、外応は孕婦の前来・紫衣を著た人の到来あり。用事の後五十日、読書人の物を送り来るあり。三年の内に武を習ったことに因りて官を得。二十年以後は銭糧広く增益あり、人丁多く千口に至り、財運興旺す。
值丑時,主孝婦拿錫器來,小兒拍掌、吹哨、打鼓、喊叫為應。作用後因賭戲得財,或開窖得財,三年內得盜賊財,發家致富。值寅時,主鷄鳴犬吠,道人戴棕笠至為應。作用後進羽音人田契、人丁發旺。
丑時に値すれば、外応は孝服を著た婦人が錫器を拿して前来し、小孩が拍手し、哨を吹き、鼓を打ち、喊叫す。用事の後は賭博・博戯に因りて財を得、あるいは地窖を開挖して財を得。三年の内に盗賊の財物を得て、因って家を発し富に致る。寅時に値すれば、外応は鶏鳴・狗叫し、道人が棕笠を戴きて到来す。用事の後は五音の羽に属する人の田契を進得し、人丁興旺す。
值卯時,主有大風東起、禽鳥四叫、孕婦至為應。作用後半年內得橫財起家。值辰時,主九流人相爭叫,東方烏鴉鳴為應。作用後六十日有僧道及孤獨人送物來。值巳時,主有白項鴉成群飛來,及師巫相打,貴人騎馬過為應。作用後七十日內主婦人生貴子,成家,田產大旺。
卯時に値すれば、外応は大風が東方より刮起し、禽鳥が四処に鳴叫し、孕婦到来す。用事の後半年の内に横財を得て家を起す。辰時に値すれば、外応は三教九流の人が互相いに争吵・叫嚷し、東方に烏鴉の鳴叫あり。用事の後六十日、僧道および孤苦無依の人が物を送り来るあり。巳時に値すれば、外応は白脖子の烏鴉が成群して飛来し、巫師・術士が互相いに毆打し、貴人が馬に騎りて経過す。用事の後七十日の内に、主として婦人が貴子を生じ、家を成し業を立て、田産大いに旺る。
值午時,主有白衣女人至,狗銜花、山鷄鬪,風雨至為應。作用後有人自來,因賭戲公事得財,黑雞生白雛,田產發旺。值未時,主有老年跛足擔花過,或青衣人攜物至為應。作用後六十日內進羽音人、鐵器,發旺。
午時に値すれば、外応は白衣を著た女人の到来、狗が花を銜え、山鶏相鬥い、風雨驟至す。用事の後は人が自ら門を尋ね上りて来り、賭博と公事に因りて財を得。黒母鶏が白色の小鶏を孵出し、田産興旺す。未時に値すれば、外応は年老いた跛脚の人が花を挑げて経過し、あるいは青衣を著た人が物を帯びて到来す。用事の後六十日の内に、五音の羽に属する人の財物と鉄器を進得し、家道興旺す。
值申時,主空中飛鳥啼,師巫拿紙物來為應。作用後百日內女人拾珠翠歸,一年內生貴子起家。值酉時,主西方火起、人家吵嚷、鼓聲喧鬧為應。作用後一年內生貴子,發旺。
申時に値すれば、外応は空中の飛鳥が啼叫し、巫師・術士が紙扎の物を拿して前来す。用事の後一百日の内に、女人が珠翠の首飾を拾到して家に帯帰るあり。一年の内に貴子を生じて家を興す。酉時に値すれば、外応は西方に火起り、人家が吵嚷し、鼓声喧閙す。用事の後一年の内に貴子を生じ、家道興旺す。
值戌時,主東北方有鐘鼓聲,青衣童子攜籃至為應。作用後六十日內白鼠來,得寡婦財物發達。值亥時,主有西北方婦人笑聲,大起狂風,折樹毀屋,人喊叫為應。作用後百日內進鐵匠器物及僧道產。
戌時に値すれば、外応は東北方より鐘鼓の声伝来し、青衣を著た童子が籃子を提げて到来す。用事の後六十日の内に白老鼠が出現し、寡婦の財物を得て発達す。亥時に値すれば、外応は西北方より婦人の笑声伝来し、狂風大作して樹木を吹折し房屋を毀壞し、人の喊叫あり。用事の後一百日の内に、鉄匠の器物および僧道の産業を進得す。
天心星
天心求仙合藥當,商途客旅財祿昌,更將遷葬皆吉利,萬事欣逢盡高強。天心值子時,主有人爭鬪,鼓聲西北起為應。作用後九十日內有赤面人作牙,進商音人古銅畫軸,十二年田蠶發旺。
「天心」星は仙を求め道を訪い、薬物を配合するに宜しく、外に行商し旅客の往来は皆財禄昌盛し、遷居と安葬も皆吉利で、万事これに碰上れば称心・高強ならぬなし。天心星が子時に値すれば、外応は人の打架あり、鼓声が西北より響起す。用事の後九十日の内に、紅臉の人が来りて中人と為り説合し、五音の商に属する人の古銅器と字画・巻軸を進得す。この後十二年田禾・蚕桑興旺す。
值丑時,主西南方有火光,跛足人送物至,五日內雙貓自來為應。作用後四十日有遠方人送物,進商音人財產、文契。值寅時,主有水鳥至,鐘鼓鳴,青衣女子提籃至為應。作用後火燒小口,六十日有公事,百日進金銀,拾古器,進人口產業,三年因妻得財、生貴子。
丑時に値すれば、外応は西南方に火光あり、跛脚の人が物を送り来り、五天の内に両の猫が自ら走り来る。用事の後四十日、遠方の人が物を送り来るあり、五音の商に属する人の財産と文契を進得す。寅時に値すれば、外応は水鳥が飛来し、鐘鼓鳴響し、青衣を著た女子が籃子を提げて到来す。用事の後は小孩が火に焼傷せられる。六十日に公事あり。一百日に金銀を進得し古器を拾到し、人口と産業を添進す。三年の内に妻子に因りて財を得、併せて貴子を生ず。
值卯時,主有跛足婦人相打,犬吠及鼓聲,北方轎至為應。作用後七日內進財物,三年內有牛馬來,財祿大旺。值辰時,主雲從西北起,青衣人拿魚至,女人與僧道同行為應。作用後井中氣出如云,三日內生貴子,後主科第富貴。
卯時に値すれば、外応は跛脚の婦人が相互に毆打し、狗吠と鼓声あり、北方に轎子の抬来あり。用事の後七日の内に財物を進得す。三年の内に牛馬が門に進み、財禄大いに旺る。辰時に値すれば、外応は雲が西北方より升起し、青衣を著た人が魚を拿して到来し、女人が僧道と同行す。用事の後は井中より冒出する水気が雲の如し。三天の内に貴子を生じ、日後は科挙に登第し榮華富貴を主る。
值巳時,主有女人抱小兒至,紫衣人騎馬過為應,龜上樹。作用後半月內進遠方人財,跛足人作牙、進田契、六畜旺,女人治家,寡婦坐堂。值午時,主有風雨驟至,蛇橫路,女人著紅裙提酒至為應。作用後六十日內有跛足人送活物,五年內橫發財產。
巳時に値すれば、外応は女人が小孩を抱きて到来し、紫衣を著た人が馬に騎りて経過し、また烏龜が樹に爬上るあり。用事の後半月の内に遠方の人の財物を進得す。跛脚の人が中人と為り説合するあり、因って田契を進得し六畜興旺す。家中は女人に由りて家を當み、寡婦が堂に坐して事を主る。午時に値すれば、外応は風雨驟然として至り、蛇が道路を横穿し、紅裙を著た女人が酒を提げて到来す。用事の後六十日の内に、跛脚の人が活物を送り来るあり。五年の内に暴発して財産す。
值未時,主有法術人拿空器過,白衣老人至為應。作用後得商音姓人文契,田宅發富。值申時,主有僧道來,金鼓四鳴,百鳥齊嗓,紅裙女人送酒為應。作用後三年內寡婦持家。
未時に値すれば、外応は法術を会する人が空器皿を拿して経過し、白衣を著た老人が到来す。用事の後は五音の商に属する人家の文契を得、田宅に憑りて富に致る。申時に値すれば、外応は僧道前来し、四面に鉦鼓斉鳴し、百鳥一斉に啼叫し、紅裙を著た女人が酒を送り来る。用事の後三年の内に寡婦に由りて家務を主持す。
值酉時,主僧尼道姑拿火自西南來,北方鐘鼓聲為應。作用後七十日內得馬牛,得官府財,遠信至。值戌時,主南方喊叫有賊,小兒牽牛至為應。作用後百日內生貴子,金鷄石上鳴,無故犬吠,二年後中科第。值亥時,主鷄鳴犬吠,老人著皮衣帽至,手拿鐵器為應。作用後七日內有遠人來借宿,遺下財物而去。
酉時に値すれば、外応は僧尼・道姑が火燭を手持して西南方より走り来り、北方より鐘鼓の声伝来す。用事の後七十日の内に馬牛を得、また官府の財物を得、遠方の信も到る。戌時に値すれば、外応は南方に人の喊叫して賊ありといい、小孩が牛を牽きて到来す。用事の後一百日の内に貴子を生ず。金鶏が石上に鳴叫し、狗が無故に乱吠す。两年の後に科挙に中第す。亥時に値すれば、外応は鶏鳴・狗叫し、老人が皮衣・皮帽を穿戴して到来し、手の中に鉄器を持つ。用事の後七日の内に、遠方の来客が借宿し、去る時に財物を遺落下す。
天柱星
天柱藏形謹守宜,不須遠行及營為,商賈百事皆不利,動作立刻見凶危。天柱值子時,主有風雨,火從東方起,缺唇人至為應。作用後六十日內蛇犬咬人,刀刃傷人、見血光、破財。
「天柱」星は形跡を蔵起し謹んで守成するに宜しく、遠行すべからず、また経営・謀划すべからず。経商・売買を為せば百事皆不利で、一に動作あれば即座に凶険を見る。天柱星が子時に値すれば、外応は風雨あり、火が東方より焼起り、豁嘴の人が到来す。用事の後六十日の内に、蛇と狗が人を咬み、刀刃が人を傷つけ、血光を見、破財す。
值丑時,主有北方木匠拿斧,樹上生金花為應。作用後六十日進羽音人金銀器,三年內火災,主敗家產,出人弄蛇戲犬。值寅時,主牛馬喧,僧道拿傘蓋至,有雷雨,喜鵲噪為應。作用後主賊人牽連,官訟破財,女人小產死凶。
丑時に値すれば、外応は北方に木匠が斧頭を拿し、樹上に金色の花の開くあり。用事の後六十日、五音の羽に属する人の金銀器皿を進得す。三年の内に火災に遭い、家産の敗落を主り、家中さらに蛇を弄し狗を耍して生と為す人を出す。寅時に値すれば、外応は牛馬喧閙し、僧道が傘蓋を打ちて到来し、雷雨あり、喜鵲聒噪す。用事の後は盗賊に牽連せられ、官司を打ちて破財し、婦人は小産して身亡するを主る。凶。
值卯時,主有人伐樹,男人拿鼓,黃衣老人拿鋤鎌過為應。作用後六十日內母雞犬上屋,一年內少婦死凶。值辰時,主有人自西方拿金器來為應。作用後七日內進陰人財物,三年內大發。
卯時に値すれば、外応は人の樹を砍るあり、男子が鼓を拿し、黄衣を著た老人が鍬頭・鎌刀を扛げて経過す。用事の後六十日の内に、母鶏と狗が屋頂に爬上る。一年の内に年輕婦人死亡す。凶。辰時に値すれば、外応は人が西方より金器を拿して前来するあり。用事の後七日の内に婦人の財物を進得す。三年の内に大いに発す。
值巳時,主有黑牛拉車,豬上山、鐘鼓聲鳴為應。作用後二十日內進商音姓人財物,六十日內有女人下水,野物入宅,一年內生貴子,大發之兆。值午時,主有人騎馬至,冬月有雪,夏秋有鴉飛鳴為應。作用後五日內孕婦帶疾行孝服哭泣,六十日內水邊得古銅器,退財小口凶。
巳時に値すれば、外応は黒牛が車を拉き、猪が山上へ跑り、鐘鼓の声鳴響す。用事の後二十日の内に、五音の商に属する人の財物を進得す。六十日の内に女人の落水あり、野物が宅中に進入す。一年の内に貴子を生ずるは、大発の兆なり。午時に値すれば、外応は人の馬に騎りて到来すあり。冬季は落雪を見、夏秋は烏鴉の飛鳴を見る。用事の後五天の内に、孕婦が病を帯び孝服を著て哭泣す。六十日の内に水辺で古銅器を拾得す。破財・小孩を損傷するを主る。凶。
值未時,主有女人與僧道同行,東北方人攜傘蓋騎馬為應。作用後因女人見狐狸退敗大凶。值申時,主有鷹捕鳥落地,及青衣人攜傘蓋至為應。作用後三年內大火焚宅,家業大敗。
未時に値すれば、外応は女人が僧道と同行し、東北方に人の傘蓋を帯び馬に騎りて過ぐるあり。用事の後は女人に因りて狐狸の精怪を見、家道衰退・敗落す。大凶。申時に値すれば、外応は老鷹が鳥を捕らえて地上に落ち、青衣を著た人が傘蓋を帯びて到来す。用事の後三年の内に大火が住宅を焼毀し、家業大敗す。
值酉時,主東方有大小車連絡數十輛行為應。作用後七十日內得女人首飾發財。值戌時,主有女人抱白布物至,西北方有鼓聲為應。作用後東北方樹打人喊叫,後六十日蛇蠍傷人,瘟疫死,大敗凶。值亥時,主西方有鐘聲為應,山下人喊叫,作用後百日內,因救火得財大利。
酉時に値すれば、外応は東方に大小の車輛数十輛が接続して行くあり。用事の後七十日の内に、婦人の首飾を得て発財す。戌時に値すれば、外応は女人が白布の物を抱きて到来し、西北方に鼓声あり。用事の後は東北方に樹が人を砸傷して喊叫を引起す。この後六十日に蛇蝎が人を傷つけ、また瘟疫に因りて人を死なせ、家道大敗す。凶。亥時に値すれば、外応は西方より鐘声伝来し、山下に人の喊叫あり。用事の後一百日の内に、火を救うに因りて財を得、大いに利あり。
天任星
天任吉宿事皆通,祭祀求官嫁娶同,斬絕妖蛇移徙事,商賈造葬喜重重。天任值子時,主有風雨至,水畔鷄鳴,東南方有人帶刀過為應。作用後百日內,主婦人離異,水姓人上門抵賴、退田產,後出人男盜女娼凶。
「天任」は吉星で、何の事を行っても通達し、祭祀・求官・嫁娶も同じく合宜で、妖蛇の類の邪祟を斬除することと遷居の事も行え、経商・営造・安葬は皆喜事重重なり。天任星が子時に値すれば、外応は風雨の到来、水辺に鶏鳴あり、東南方に人の刀を帯びて経過す。用事の後一百日の内に、主として婦人の離異あり。姓氏の五行が水に属する人が門に上りて帳を賴み、因って田産を退失す。日後家中に男は賊を為し女は娼と為るを出す。凶。
值丑時,主青衣婦人提酒至,西方鼓聲為應。作用後半年內進異方財物,一年內鸚鵡入宅,因口舌得財,三年後貓犬相咬,主發科吉。值寅時,主女人成對至或拿火來,童子拍手大笑為應。作用後六十日內,甑鳴,老翁死,百日內進六畜、女人,財寶自來,田蠶發,後因缺唇人爭,婚姻事敗。
丑時に値すれば、外応は青衣を著た婦人が酒を提げて到来し、西方に鼓声あり。用事の後半年の内に外地の財物を進得す。一年の内に鸚鵡が宅中に飛入り、口舌の争いに因りて反って財を得。三年の後に猫狗が相互に撕咬し、科挙に登第するを主る。吉。寅時に値すれば、外応は女人が双を成して到来し、あるいは手の中に火を拿し、童子が拍手して大笑す。用事の後六十日の内に、飯を蒸す甑器が響声を発し、家中の老翁が去世す。一百日の内に六畜と女眷を添進し、財宝が自ら門に上り、田禾・蚕桑興発す。この後豁嘴の人がその中より争執したことに因りて、婚姻の事は吹消す。
值卯時,主有老人持杖至,喜鵲鳴造為應。作用後七日內有人送銅鐵器物,六十日內因女人得進六畜,賭博贏,官祿至吉。值辰時,主有白衣男女同行,或孕婦抱小兒為應。作用後有人送活物至,大吉。
卯時に値すれば、外応は老人が杖を拄きて到来し、喜鵲が鳴叫して巢を築く。用事の後七日の内に人の銅鉄器物を送り来るあり。六十日の内に女人の故に因りて六畜を添進し、賭博に得勝し、官禄手に到る。吉。辰時に値すれば、外応は白衣を著た男女が同行し、あるいは孕婦が小孩を抱くあり。用事の後は人の活物を送り前来す。大吉。
值巳時,主有二犬相爭,野人負薪,吏人拿傘過為應。作用後六十日得外方人財物,南方人送魚至,一年內生貴子,發富貴吉。值午時,主西方黃色禽鳥飛來,僧道與儒士同行為應。作用後四十日得貴人財寶,紫衣人進宅,生貴子吉。
巳時に値すれば、外応は両条の狗が争鬥い、郷野の人が柴を背負い、官府の差役が傘を打ちて経過す。用事の後六十日、外地の人の財物を得、南方に人の魚を送り来るあり。一年の内に貴子を生じ、発達・富貴す。吉。午時に値すれば、外応は西方に黄色の禽鳥が飛来し、僧道と読書人が同行す。用事の後四十日、貴人の財宝を得、紫衣を著た人が宅中に進入し、また貴子を生ず。吉。
值未時,主有白鳥自西南方飛來,北方鐘鼓聲為應,風雨至。作用後七日,外女人送白衣物或白紙物來,主六畜興旺。值申時,主大風雨陡至,人打鼓,僧道著黃衣為應。作用後七日內,女人被火燒,蕩敗凶。
未時に値すれば、外応は白色の鳥が西南方より飛来し、北方より鐘鼓の声伝来し、併せて風雨到来す。用事の後七日、外より女人が白色の衣物あるいは白紙の物を送り来り、六畜興旺を主る。申時に値すれば、外応は大風雨が陡然として至り、人の鼓を撃つあり、僧道は黄衣を著す。用事の後七日の内に、女人が火に焼傷せられ、家業蕩尽・敗落す。凶。
值酉時,主僧道尼姑持火自西南方來,北方鐘鼓聲為應。作用後七十日內得官員財物,進牛馬,喜信至,大吉,錢財豐美大利。值戌時,主有女人抱布來,西北方鼓聲,北方樹木傷人為應。作用後六十日內蛇咬人,凶。若有老人與小兒同至,即解禍為福。值亥時,主西方磬鳴,人拿火喊叫為應。作用後一年內因救火得財大利。
酉時に値すれば、外応は僧道・尼姑が火燭を手持して西南方より走り来り、北方より鐘鼓の声伝来す。用事の後七十日の内に、官員の財物を得、牛馬を添進し、喜信到来す。大吉、銭財豊厚、大いに利あり。戌時に値すれば、外応は女人が布匹を抱きて前来し、西北方に鼓声あり、北方に樹木が人を砸傷す。用事の後六十日の内に蛇が人を咬むあり、凶。もしこの時老人と小孩が一同に到来すれば、禍を化して福と為し得。亥時に値すれば、外応は西方に磬声鳴響し、人の火把を拿して喊叫す。用事の後一年の内に、火を救うに因りて財を得、大いに利あり。
天英星
天英之星嫁娶凶,遠行移徙不宜逢,上官商賈凶敗死,造作求財一場空。天英值子時,主有鑼聲自西北來,三、五人掌火伐木為應。作用後一年內主有殘病人抵賴破家,三年內自刎、小兒因湯火災傷。
「天英」星は嫁娶の凶険を主り、遠行と遷居は皆これに遇うに宜しからず。赴任・上官、経商・売買は凶敗乃至死亡に遭い、営造と求財もまた一場の空なり。天英星が子時に値すれば、外応は鑼声が西北より伝来し、三五人が火把を挙げて樹木を砍伐す。用事の後一年の内に、残疾病人が門に上りて帳を賴みて家を破るを主る。三年の内に人の自刎あり、小孩もまた湯水または火に因りて災傷を受く。
值丑時,主東北方師巫僧道至,鑼聲鳴為應。作用後一月內火燒房屋,一年內犬作人言,百怪俱見,死亡大敗凶。值寅時,主東方有兵馬來,及捕魚人持網過為應。作用後女人路上拾得財物,六十日內進寡婦田產,龍雷折屋凶。
丑時に値すれば、外応は東北方に巫師・僧道の到来、鑼声鳴響す。用事の後一月の内に、火が房屋を焼く。一年の内に狗が人の如く言語し、各種の怪異が接続して出現し、家中に死人あり、大敗す。凶。寅時に値すれば、外応は東方に兵馬の開来、魚を打つ人が網を拿して経過す。用事の後は女人が路上で財物を拾到するあり。六十日の内に寡婦の田産を進得す。ただし龍雷が房屋を震塌するあり。凶。
值卯時,主有提燈籠過或持米來,雷鳴為應。作用後應六十日內進女人財寶發家。值辰時,主西北方女人攜物來,鷄上樹為應。作用後人七十日,野物進宅,大發財產。
卯時に値すれば、外応は人の灯籠を提げて経過しあるいは米を拿して前来し、雷声鳴響す。用事の後六十日の内に、女人の財宝を進得して家を発す。辰時に値すれば、外応は西北方に女人が物を帯びて前来し、鶏が樹に飛上る。用事の後七十日、野物が宅中に進入し、財産大いに発す。
值巳時,主有人抱文書、持傘蓋至,或抱錫磁器為應。作用後六十日內得異姓人財產,南方人送活物來,一年內生貴子,發達。值午時,主有人自南方來,著紅衣或騎馬持文書至為應。作用後六十日內被木石打死,及自縊、人命官司凶。
巳時に値すれば、外応は人の文書を抱き傘蓋を打ちて到来し、あるいは錫器・瓷器を抱く。用事の後六十日の内に、異姓の人の財産を得、南方に人の活物を送り来るあり。一年の内に貴子を生じ、家道発達す。午時に値すれば、外応は人が南方より来り、紅衣を著しあるいは馬に騎りて文書を拿して到来す。用事の後六十日の内に、人が木頭・石塊に砸死せられ、また人の上吊自盡あり、因って人命の官司に惹かる。凶。
值未時,主有懷孕婦過,西北方鼓聲為應。作用後九十日內家主淹死,一年內瘟疫大敗。值申時,主有孕婦哭泣,西方鐘鼓聲,僧道拿物過為應。作用後七十日內大凶。
未時に値すれば、外応は懐孕の婦人が経過し、西北方に鼓声あり。用事の後九十日の内に、家主淹死す。一年の内に瘟疫を鬧し、家道大敗す。申時に値すれば、外応は孕婦が哭泣し、西方より鐘鼓の声伝来し、僧道が物を拿して経過す。用事の後七十日の内に、大凶の事の発生あるべし。
值酉時,主西方有人吵鬧、鳥鵲鳴噪、白衣女人過為應。作用後主小口、女人足疾,百日內因唇舌得財。值戌時,主有女人持瓦器或鐵物怒罵為應。作用後百日內因詞訟破財。值亥時,主有女人掌火來為應。作用後有瘋癩人上門抵賴,身死破財。
酉時に値すれば、外応は西方に人の吵閙し、鳥鵲鳴叫し、白衣を著た女人経過す。用事の後は小孩と女人が脚病を患うを主る。一百日の内に口舌の争執に因りて反って財を得。戌時に値すれば、外応は女人が瓦器あるいは鉄器を拿して怒声して叫罵す。用事の後一百日の内に、官司を打つに因りて破財す。亥時に値すれば、外応は女人が火燭を手持して前来す。用事の後は瘋癩を患う人が門に上りて帳を賴み、主人は身を死し財を破る。
巻四
三奇到宮尅応吉凶
乙奇到干有人著黃衣至,或扛錢過為應。後六十日內進商音人財產,大發。到坎有人著皂衣至,或有鼓聲為應,後七日得財。到艮有人著白衣至,或纏物來,或用網裡魚來為應,後一年內進人口,若有人送家禽來者,大吉。
「乙奇」が乾六宮に飛到すれば、外応は人の黄衣を著て到来し、あるいは人の銭を扛げて経過す。この後六十日の内に五音の商に属する人の財産を進得し、大いに発す。坎一宮に到れば、外応は人の黒衣を著て到来し、あるいは鼓声を聞く。この後七日の内に財を得。艮八宮に到れば、外応は人の白衣を著て到来し、あるいは纏繞の物を帯び、あるいは網で魚を兜りて前来す。この後一年の内に人口を添進し、もし人の家禽を送り来るあらば、すなわち大吉なり。
到震有有漁獵人至,並小兒二人同來為應,後七日內進財寶,若聞有東方產亡者,大發。到巽有白衣人騎馬過,或小兒作戲耍為應,後三年內生貴子,進東方財產,若聞東方人家失火,或有縊死者,必大發。到離有人著色衣為應,後三十日進橫財,若聞東方有刀刃自殺者,必大發。
震三宮に到れば、外応は魚を打ち獣を猟する人の到来し、併せて両の小孩が一同に前来す。この後七日の内に財宝を進得す。もし東方に産婦の亡故あるを聞かば、すなわち大いに発す。巽四宮に到れば、外応は白衣を著た人が馬に騎りて経過し、あるいは小孩が嬉戯・玩耍するあり。この後三年の内に貴子を生じ、東方の財産を進得す。もし東辺の人家が火を失し、あるいは人の上吊身亡あるを聞かば、必ず大いに発す。離九宮に到れば、外応は人の彩衣を著するあり。この後三十日の内に横財を進得す。もし東方に人の刀刃を用いて自殺するあるを聞かば、必ず大いに発す。
到坤有三、五人至為應,後七日進橫財,六十日進文契,若聞南方有雷、牛畜者,大發。到兌有三、五少婦至,或鳥鵲成群為應,後三日,或三十日進角音人財大發,或生牛馬者,橫發。
坤二宮に到れば、外応は三五人の到来す。この後七日の内に横財を進得し、六十日の内に文契を進得す。もし南方に雷声ありあるいは牛畜の事あるを聞かば、すなわち大いに発す。兌七宮に到れば、外応は三五の少婦の到来し、あるいは鳥鵲が成群して飛聚す。この後三天あるいは三十日の内に、五音の角に属する人の銭財を進得し、大いに発す。もし家中の牛馬が仔を産せば、また暴発す。
丙奇到干有披衣人至,或鳥鵲成隊飛來為應,後月內進寡婦財產、文契,若聞南方有生產者,發旺。到坎有瞽目人至,及北方有鳥飛來為應,後百日或一年因水火生財大富。到艮有人著青衣至,小兒哭泣或童子手拿銅鐵器物為應,後七日內進財寶,週年內進白馬發旺。
「丙奇」が乾六宮に飛到すれば、外応は人の衣裳を披きて到来し、あるいは鳥鵲が隊を成して飛来す。この後一月の内に寡婦の財産と文契を進得す。もし南方に人の生産あるを聞かば、家道すなわち興旺す。坎一宮に到れば、外応は眼の瞎えた人の到来、および北方に鳥の飛来あり。この後一百日あるいは一年の内に、水火の利に因りて財を生じ、大富と成る。艮八宮に到れば、外応は人の青衣を著て到来し、小孩哭泣し、あるいは童子が手の中に銅鉄器物を持つ。この後七日の内に財宝を進得し、一年満ちて白馬を進得し、家道興旺す。
到震有武大將軍器至,若春天有雷聲或鼓聲為應,後十日內外進古銅器,一年內生貴子,北方有龍雷震者,必大發。到巽有鼓音歌樂為應,後七日有色衣人至,家招橫財,若聞南方有大驚者,必然橫發。到離有黃色飛禽成對來為應,後或一、七日或六十日進坑壠田蠶發旺。
震三宮に到れば、外応は武将の兵器の送り到る。もし春に在れば、雷声あるいは鼓声をもって応と為す。この後十天の上下に古銅器を進得し、一年の内に貴子を生ず。もし北方に龍雷の震響あれば、必ず大いに発す。巽四宮に到れば、外応は鼓楽・歌唱の声。この後七天に彩衣を著た人の到来あり、家中に横財を招進す。もし南方に人の大きく驚嚇を受くるあるを聞かば、必然的に暴発す。離九宮に到れば、外応は黄色の飛禽が対を成して飛来す。この後あるいは一天・七天に、あるいは六十日の内に、坑地・壟田を進得し、田禾・蚕桑興旺す。
到坤有皂衣人至,或鳥鵲在南方鳴為應,後二、七日進南方人財物,或一年內進牛羊及絕戶人財產,大發。若聞東方鼓聲更吉。到兌有人持杖並拿酒器及抱小兒為應,後更有鼓樂之聲,七日進財,週年內進人財及坤艮二方財產,大發。
坤二宮に到れば、外応は黒衣を著た人の到来し、あるいは鳥鵲が南方に鳴叫す。この後两天・七天の内に南方の人の財物を進得し、あるいは一年の内に牛羊および絶戸人家の財産を進得し、大いに発す。もし東方に鼓声あるを聞かば、さらに吉。兌七宮に到れば、外応は人の杖を拄き併せて酒器を拿し、人の小孩を抱くあり。この後また鼓楽の声あり、七天の内に財を進む。一年満ちて人口・財物を進得し、および坤・艮両方の財産を得、大いに発す。
丁奇到干有人持刀刃至或牽馬過為應,後二、七日內或七十日內動土得財,大發。到坎有人抱小兒來,南方雲雨至,黑禽自西方來為應,百日內有喜慶婚姻事大吉。到艮有人與小兒打狗為應,後七日或七十日內進黃黑色活物,半年內進人口及田契發旺。
「丁奇」が乾六宮に飛到すれば、外応は人の刀刃を拿して到来しあるいは馬を牽きて経過す。この後两天・七天あるいは七十日の内に、動土に因りて財を得、大いに発す。坎一宮に到れば、外応は人の小孩を抱きて前来し、南方より雲雨来り、黒色の禽鳥が西方より飛来す。一百日の内に喜慶・婚姻の事あり。大吉。艮八宮に到れば、外応は人が小孩と一緒に狗を打つあり。この後七天あるいは七十日の内に黄色・黒色の活物を進得し、半年の内に人口と田契を添進し、家道興旺す。
到震有二女子著青衣至,或雙夫婦至,或黑白禽自南方來為應,後七十日內進黃白活物,大發。到巽有小兒騎馬過,南方雲起,北方下雨為應,後周年人落水淹死,婦人產亡凶。到離有蹶足人或瞎眼人至,及小兒騎馬過為應,後七十日內因火生財,發旺。
震三宮に到れば、外応は両の青衣を著た女子の到来し、あるいは一対の夫婦の到来し、あるいは黒白色の禽鳥が南方より飛来す。この後七十日の内に黄白色の活物を進得し、大いに発す。巽四宮に到れば、外応は小孩が馬に騎りて経過し、南方に雲起り、北方に雨降る。この後一年満ちて人の落水・淹死するあり、婦人もまた生産に因りて亡ぶべし。凶。離九宮に到れば、外応は跛脚の人あるいは眼の瞎えた人の到来、および小孩が馬に騎りて経過す。この後七十日の内に火に因りて財を生じ、家道興旺す。
到坤有女人著青衣至,與僧道同行,或黑牛拉車為應,後七十日內因水破財致敗。到兌有人抱文書印簿至,或趕牛羊鹿為應,後六十日內進田宅致富。
坤二宮に到れば、外応は青衣を著た女人の到来し、僧道と同行し、あるいは黒牛が車を拉く。この後七十日の内に水に因りて破財し、以至敗落す。兌七宮に到れば、外応は人の文書・印冊を抱きて到来し、あるいは人の牛羊・麋鹿を趕る。この後六十日の内に田宅を進得して富に致る。
十天干尅応法
六甲天德貴有餘,名“天福”,陽日青衣男人為應,三日內得祿吉。六乙僧道九流宜,名“蓬星”、“天賢”,陽日陽星為男貴人,陰日陰星主僧道為應,八日或八十日主有光輝喜事至,吉。六丙飛龍見赤白,名“天威”,行逢騎赤白馬人著青衣為應,七日或七十日進財寶、文契。
六甲は天徳の神で、貴気有余り、「天福」と名づく。陽日は青衣を著た男子をもって外応と為し、三天の内に俸禄を得、吉。六乙は僧道と三教九流の人に宜しく、「蓬星」と名づけ、また「天賢」とも称す。陽日は陽星に配し、男性の貴人をもって応と為し、陰日は陰星に配し、僧道をもって応と為すを主る。八天あるいは八十日の内に光彩・榮耀の喜事到来す。吉。六丙は飛龍の如く、見る所は赤白の色を為し、「天威」と名づく。出行の時に赤馬・白馬に騎りて青衣を著た人に遇うをもって応と為し、七天あるいは七十日の内に財宝と文契を進得す。
六丁玉女好容儀,名“玉女”,陽日大女人,陰日少女為應,二十七日進古器。六戊旗鎗並鑼鼓,名“天武”,陽日鑼鼓聲,陰日歌唱聲,年內進武人財。六己黃衣並白衣,名“地戶”,陽日黃衣男子,陰日白衣女人,或一男一女並行為應,五十日有遠親至。
六丁は玉女で、容貌・儀態美好、「玉女」と名づく。陽日は年長の婦人をもって応と為し、陰日は少女をもって応と為し、二十七天の内に古器を進得す。六戊は旗幟・槍械と鑼鼓を主り、「天武」と名づく。陽日は鑼鼓の声をもって応と為し、陰日は歌唱の声をもって応と為し、一年の内に武人の財物を進得す。六己は黄衣と白衣を主り、「地戸」と名づく。陽日は黄衣を著た男子をもって応と為し、陰日は白衣を著た女子をもって応と為し、あるいは一男一女が肩を並べて行くをもって応と為し、五十天の内に遠方の親戚到来す。
六庚喪服並兵吏,名“天刑”、“天獄”,陽日陽星為兵吏,陰日陰星為孝服人應,四十九日內有文字、官事。六辛禽鳥並鴉飛,名“天庭”,陽日陽星為白衣人,陰日陰星為飛鳥應,年內因口舌作牙得財。
六庚は孝服と兵卒・差役を主り、「天刑」と名づけ、また「天獄」とも称す。陽日は陽星に配し、兵卒・差役をもって応と為し、陰日は陰星に配し、孝服を著た人をもって応と為す。四十九天の内に文書と官司の事あり。六辛は禽鳥と烏鴉の飛過を主り、「天庭」と名づく。陽日は陽星に配し、白衣を著た人をもって応と為し、陰日は陰星に配し、飛鳥をもって応と為す。一年の内に口舌の争執に因りて中人と為り説合し、その中より財を得。
六壬雷霆及雨雪,名“天牢”,主千里雷霆,陽日陽星皂衣人,陰日陰星白衣人應,年內進人口。六癸孕婦喜欣歸,名“天藏”、“天網”,陽日陽星為漁獵人,陰日陰星為孕婦應,六十日得銅鏡。
六壬は雷霆と雨雪を主り、「天牢」と名づけ、千里の内の雷霆に応験す。陽日は陽星に配し、黒衣を著た人をもって応と為し、陰日は陰星に配し、白衣を著た人をもって応と為す。一年の内に人口を添進す。六癸は孕婦の歓歓喜喜として帰るを主り、「天蔵」と名づけ、また「天網」とも称す。陽日は陽星に配し、魚を打ち獣を猟する人をもって応と為し、陰日は陰星に配し、孕婦をもって応と為す。六十日の内に銅鏡を得。
八門尅応訣総目
開門尅応
開門欲得照臨來,奴婢牛羊百日廻,財源婚姻田地入,興隆宅舍有資財,產業招得商音送,巳酉丑年必人來,廕襲子孫多拜授,紫衣金帶沐恩回。問曰:開門屬金,以天地肅殺之氣,萬物俱盡之時,何以謂吉?衢仙答曰:“開門之金,固是萬物殺盡之時,卻不知萬物殺盡而有復生”。
「開門」がもし用事の方位に照臨すれば、一百日の内に奴婢・牛羊は皆帰攏して来る。財源・婚姻・田地が一斉に門に入り、宅舎興隆して家に資財あり。産業は五音の商に属する人を招得して門に送り上り、巳年・酉年・丑年は必ず人の来投するあり。子孫は蔭を承け世襲し、多く朝廷の授職を得、紫袍を著て金帯を繫け、皇恩を沐浴して帰る。或る人問う、開門は五行が金に属し、金は天地の間の粛殺の気で、まさに万物凋尽の時節に当たるのに、何故反ってこれを吉と云うか。衢仙答えて曰く、開門の金気は固より万物の殺し尽くされる時に処るが、人の知らざるなり、万物殺尽の後になお復生あるを。
開門屬干,干中有亥,乾納甲壬,金動水生,水生而生萬物,故為滋生萬物之初,又為天門,所以吉也。若得乙奇相合,名為天遁,得日精所蔽。與丙奇合,得月精所蔽。與丁奇合,得太陰所蔽。凡有謀為,宜名正言順,公事從之而百吉百泰。若為陰私之事,必被他人洩漏反遭凶咎。
開門は乾宮に属し、乾宮の中に亥水を含み、乾はまた甲と壬を納める。金は一たび動けば水を生じ、水は生じ出でてまた万物を養育す。故にこれは万物を滋生する開端で、また「天門」と称す。これによって吉と為す。開門がもし乙奇と相合すれば「天遁」と呼ばれ、日の精華を借りて形跡を遮蔽し得。丙奇と相合すれば月の精華を借りて遮蔽し得。丁奇と相合すれば太陰を借りて遮蔽し得。凡そ謀划する所有れば、皆名正言順すべく、公事はこれに順って行えば百般吉祥・安泰。もしこれをもって陰私の事を行えば、必ず別人に泄漏せられ、反って凶咎を受く。
喜乾兌之宮為相氣,入坎宮為旺氣,金水相生,如母顧子,所以為吉。出行四里或四十里見豬鼠等物,六十里見貴人車馬,逢酒食事。艮宮入墓,震宮為迫,又為四氣,巽宮反吟,離宮金被火尅,不利。開門出者,三十里見貴人騎馬吉,四十里見豬馬,有酒食吉。乙奇臨見貴人著紅衣,丙奇臨見老人持杖,丁奇臨見人執竹木等物為應吉。
開門は乾宮・兌宮に落ちるを喜ぶ、あれは相気なり。坎宮に落ち入るは旺気で、金・水相生して、母の子を照看するが如く、故に吉。開門の方より出行すれば、四里あるいは四十里行きて猪・鼠の類の動物を見、六十里は貴人の車馬に遇い、また酒食の事に碰上。もし艮宮に落ち入ればすなわち入墓、震宮に落つるは門迫で、また四気と算す。巽宮に落つるは反吟。離宮に落つれば金は火に剋され、これらの数か所は皆不利。開門より出行する人は、三十里行きて貴人の馬に騎るに遇うを吉とし、四十里は猪馬に遇い酒食あるも吉。もし乙奇がこの門に臨めば、外応は紅衣を著た貴人を見る。丙奇がこの門に臨めば、外応は杖を拄く老人を見る。丁奇がこの門に臨めば、外応は人の竹木の類を手持するを見る。皆吉応なり。
靜應。開門加開:主貴人、寶物、財喜。加休:主見貴人、財喜,更主開張鋪店,貿易大利。加生:主見貴人、謀望,所求皆遂。加傷:主變動,更改、移徙事皆不吉。加杜:失脫刊印書契小凶。加景:主見貴人,因文書事不利。加死:主官司驚憂,先憂後喜。加驚:主百事不利。
以下は開門の「静応」で、すなわち門と門と相加するの主る事。開門加開門は、貴人に遇い宝物を得、財の喜あるを主る。休門に加われば、貴人を見、財の喜あるを主り、さらに店舗を開張し、売買を為せば大いに利ありに適す。生門に加われば、貴人を見、謀る所・望む所は様々に願の如くなるを主る。傷門に加われば、変動あるを主り、更改と遷移の類の事は皆不吉。杜門に加われば、物を遺失するを主り、印を刻み書契する類の事は小凶。景門に加われば、貴人を見るを主るが、文書の事に因りて不利。死門に加われば、官司・驚憂あるを主り、先に憂愁し後に歓喜す。驚門に加われば、百事皆不利を主る。
加甲戊:財名俱得。加乙:小財可求。加丙:貴人印綬。加丁:遠信必至。加己:事緒不定。加庚:道路詞訟,謀為兩歧。加辛:陰人道路。加壬:遠行有失。加癸:陰人失財,小凶。
開門加甲戊は、財と名と皆得。乙奇に加われば、小財を求め得べし。丙奇に加われば、貴人の提携・印信・官職を得るを主る。丁奇に加われば、遠方の音信必ず至る。己に加われば、事の頭緒定まらず。庚に加われば、路上で官司に惹かれるを主り、謀る事は两岔に分かれる。辛に加われば、婦人の事のために道路を奔走するを主る。壬に加われば、遠行して損失あるを主る。癸に加われば、婦人が銭財を丢失するを主る。小凶。
動應。開門加開:六里、十六里見貴人及鬪打者為應。加休:一里、十一里逢四足畜物相鬪,婦人著皂衣及文人言功名事。加生:八里、十八里逢陰人並四足物或陽人言爭產財帛事。加傷:三里、十三里逢婦人車馬隨人弄火。加杜:四里、十四里逢陽人急唱或僧道為應。加景:九里、十九里逢貴人騎馬或抱文書為應。加死:二里、十二里逢老人啼哭或開土埋葬為應。加驚:七里、十七里逢兄妹同行為應。
以下は開門の「動応」で、すなわち出行の途中に多少の里の処で遇見する徴兆。開門加開門は、六里・十六里行きて貴人および打架の人を看見す。休門に加われば、一里・十一里の処に四足の牲畜が相鬥い、黒衣を著た婦人、および読書人が功名の事を談論するに遇う。生門に加われば、八里・十八里の処に婦人と四足動物に遇い、あるいは男子が産業・財帛を争奪するを談論するあり。傷門に加われば、三里・十三里の処に婦人が車に乘り馬に騎り、随行の人が火を玩ぶに遇う。杜門に加われば、四里・十四里の処に男子の急促に唱歌するに遇い、あるいは僧道に遇う。景門に加われば、九里・十九里の処に貴人が馬に騎りあるいは文書を抱くに遇う。死門に加われば、二里・十二里の処に老人が啼哭し、あるいは人の土を破り埋葬するに遇う。驚門に加われば、七里・十七里の処に兄妹の同行するに遇う。
占身命:金水命者吉利,土命平穩,火木二命主官司、疾病、破財不利。又歌云:“見官得理,作事欣然,覓人得見,大利上官,求財必遂,病人易安,出行合伴,行人將還,貿易開張,移徙欣然,謁貴利濟,造作獲安,百事悉吉,無不洞然”。
開門を用いて身命を占問すれば、金命・水命の人は吉利で、土命の人は平穏で、火命と木命のこの二種の人は官司・疾病・破財を主り、不利。別に歌訣に曰く、官に見え官司を打てば理を占め得、事を辦すれば順心・歓暢し、人を尋ねれば必ず見着し、最も赴任・做官に利あり、財を求めれば必ず願の如くなり、病人は痊愈し易し。出行すれば伴の同行あり、外にある人はまさに帰来せんとす。開張して売買を為し遷居するも皆歓喜。貴人に謁見すれば利ありて済あり、営造・興修は平安を得。要するに百事皆吉で、通達明白せざる一様なし。
休門尅応
休門最好聚資財,牛馬豬羊自送來,外日婚姻南方應,遷官進職作京臺,定進羽音人產業,居家安慶水無災。問曰:休門屬水,無物不殺,霜雪之寒,純陰之氣,元武之精,三光不照,鬼邪所居之宮,何以言吉?
「休門」は最もよく資財を聚集し、牛馬・猪羊は自ら門に送り上る。日後の婚姻は南方に応じ、官職・陞遷は京城の台省の官まで至ることができる。必ず五音の羽に属する人家の産業を進得し、居家は安寧・喜慶で、また水災もなし。或る人問う、休門は水に属し、水の寒さは極まる処までして物と為して殺傷せざるなし。あれは霜雪の厳寒・純陰の気・玄武の精で、日・月・星の三光も照らすに至らず、鬼邪の居する宮位なのに、何故反ってこれを吉と言うか。
衢仙答曰:“休門之水,故為至陰之地,實係寶瓶宮,萬物以水為生氣,而發揚於外,以水為死氣,收斂歸根而藏精於內。子者乃一陽復始之初,草木值此而萌動,返本還源之門,所以吉也。休門與丁奇合,下臨太陰為人遁,得星精所蔽,百事皆吉。旺於震宮,相於坎宮,生於干、兌宮,皆吉;坤、艮、中宮,被土尅制,巽宮入墓,離宮返吟,不利。宜謁貴、取和合,百事皆吉。出行五十里見蛇、鼠、水中黑色之物為應”。
衢仙答えて曰く、休門の水は固より至陰の地なり、実は正しく天上の宝瓶宮に対応す。万物は水をもって生気と為せば、便ち外に生発・張揚し、水をもって死気と為せば、便ち収斂して根に帰り精気を内裏に蔵す。子位は一陽来復の開端で、草木はこの時に至り萌動を始め、これは本に返り源に還る門なり。故に吉と為す。休門は丁奇と相合し、下にまた太陰に臨めば、すなわち「人遁」と成り、星の精華を借りて形跡を遮蔽し得、百事皆吉。休門は震宮に旺し、坎宮に相し、乾宮・兌宮に落つれば金が水を生ずを得て皆吉。坤宮・艮宮・中五宮に落つれば土に剋制せられ、巽宮に落つるは入墓、離宮に落つるは返吟で、皆不利。それは貴人に謁見し、説合・和事するに宜しく、百事皆吉。休門の方より五十里出行すれば、蛇・鼠あるいは水中の黒色の物を見るをもって外応と為す。
靜應。休門加休:求財、進人口、謁貴吉。朝見、上官修,大利。加生:主得陰人財物並干貴,謀望遲應吉。加傷:主上官喜慶,求財不得,有親故分產變動事,不吉。加杜:主破財,失物難尋。加景:主求望、文書印信事不至,反招口舌,小凶。加死:主求文書印信、官司事,或僧道遠行事,不吉。占病,凶。加驚:主損財招益,並疾病驚恐事,破財不利。加開:主開張店肆及見貴、求財、喜慶事,大吉。
以下は休門の「静応」。休門加休門は、財を求め人口を添進し、貴人に謁見するも皆吉。朝に入り進見し、赴任・上官すれば大いに利あり。生門に加われば、婦人の財物を得併せて貴人を結交するを主り、謀望の事は応験遅しと雖も、終に吉。傷門に加われば、上任して喜慶あるを主るが、ただし財を求めて得られず、また親友の産を分け、変動の事あり、不吉。杜門に加われば、破財を主り、丢した物は找回し難し。景門に加われば、求むる所の事と文書・印信は皆手に到らず、反って口舌を招来す。小凶。死門に加われば、文書・印信を求取し官司の事を辦し、あるいは僧道の遠行の事は皆不吉。疾病を占えば、凶。驚門に加われば、財を損しながらもまた好处を得着し、同時に疾病・驚恐の事あり、破財・不利。開門に加われば、店舗を開張しおよび貴人を見、財を求め、喜慶の事を辦するを主る。大吉。
加甲戊:財物和合。加乙:謀重不得,求輕得。加丙:文書、和合、喜慶。加丁:百訟休息。加己:闇昧不寍,後吉。加庚:文書詞訟,後和解。加辛:疾病遟愈,失物不得。加壬:陰人詞訟牽連。加癸:陰人詞訟牽連。
休門加甲戊は、財物の和順・聚合を主る。乙奇に加われば、重大な事を図謀して得られず、軽小な事を求取すれば得。丙奇に加われば、文書順遂・和合して事成り、喜慶あるを主る。丁奇に加われば、各種の訴訟皆止息す。己に加われば、一時暗昧・不安を主るが、後に転じて吉。庚に加われば、文書の官司あるを主るが、最後に和解し得。辛に加われば、疾病の痊愈遅緩を主り、丢失の物は找ること得られず。壬に加われば、婦人の官司に牽連せられるを主る。癸に加われば、同じく婦人の官司に牽連せられるを主る。
動應。休門加休:一里、十一里逢青衣夫婦歌唱為應。加生:八里、十八里逢婦人下黑土黃,或皂衣公吏人。加傷:三里、十三里逢匠人拿木棍,或皂衣公吏人。加杜:四里、十四里逢青衣婦人引孩童行唱。加景:九里、十九里逢皂衣公吏人騎騾馬。加死:二里、十二里逢孝服人哭泣,更有綠衣人相伴。加驚:七里、十七里逢皂衣人打足,婦人引孩童。加開:六里、十六里逢人打架、嘆氣,畜物鬪敵。占身命:木命者大利,金命者脫耗,土命者災疾,火命者大凶。丙、丁、戊、己、巳、午、辰、戌、丑、未年月日時者,不利。
以下は休門の「動応」。休門加休門は、一里・十一里の処に青衣を著た夫婦が唱歌するに遇う。生門に加われば、八里・十八里の処に婦人が黒土・黄土を挖るに遇い、あるいは黒衣を著た官府の差役に遇う。傷門に加われば、三里・十三里の処に工匠が木棍を拿するに遇い、あるいは黒衣を著た差役に遇う。杜門に加われば、四里・十四里の処に青衣を著た婦人が孩童を領きて辺を走り辺に唱するに遇う。景門に加われば、九里・十九里の処に黒衣を著た差役が騾馬に騎るに遇う。死門に加われば、二里・十二里の処に孝服を著た人が哭泣し、傍らにまた緑衣を著た人の相伴するあり。驚門に加われば、七里・十七里の処に黒衣を著た人が足を跺み、および婦人が孩童を領くに遇う。開門に加われば、六里・十六里の処に人の打架し嘆息し、牲畜が相互に争鬥するに遇う。休門を用いて身命を占えば、木命の人は大いに利あり、金命の人は銭財を耗散し、土命の人は災病あり、火命の人は大凶。丙・丁・戊・己および巳・午・辰・戌・丑・未の年月日時に生まれた人は、不利。
生門尅応
生門臨著吉星辰,人財資旺各稱情,子丑年中三七月,牛羊鞍馬進門庭,蠶榖綿絲皆豐足,朱紫兒郎在帝京,南方商信田土進,子孫祿位到公卿。問曰:生門艮土,少陽之方,何以為至言?
「生門」がもし吉星に臨めば、人丁と銭財と皆興旺し、様々に称心す。子年・丑年の三月・七月に牛羊・鞍馬が門庭に進入す。蚕糸・五谷・綿帛皆豊足す。子弟は朱袍・紫袍を著て京城に官を為す。南方に商人の音信あり、田地もまた門に入る。子孫の禄位は公卿に至るまで為し得。或る人問う、生門は艮宮の土に属し、少陽の方なり、何故それを最吉の門と説くか。
衢仙答曰:“艮者,寅位天開於子,地闢於丑,人建於寅,天氣至此,而三陽俱足,開泰從此,而萬物皆生,陽回氣轉,天地好生之情,而廣及萬物,仁道生焉,所以為至吉之門。生門與乙奇合,下臨九地為地遁,得日精所蔽吉。與丙奇合,得月精所蔽,為天遁。與丁奇合得星精所蔽,為人遁,百事大吉”。
衢仙答えて曰く、艮宮の在る所は正に寅位なり。天は子時に闢き、地は丑時に闢き、人は寅時に立つ。天気が寅位に到れば、三陽の気は已に斉足し、泰運は此に従りて打開し、万物皆此に由りて生発す。陽気回転し、天地の生命を愛惜する心意は万物に広被し、仁徳の道は此に由りて産生す。故に生門は至吉の門なり。生門が乙奇と相合し、下に九地に臨めば、すなわち「地遁」と成り、日の精華を借りて形跡を遮蔽し得。吉。丙奇と相合すれば、月の精華を借りて遮蔽し得、「天遁」と成る。丁奇と相合すれば、星の精華を借りて遮蔽し得、「人遁」と成り、百事大吉。
生門宜上官、修造、嫁娶、求財、牧養皆大吉。出六十里主見貴人車馬吉。臨干、兌二宮為旺,中宮為相,坎宮為迫,震宮被木尅制,入巽宮入墓皆不利,生於離宮吉。
生門は赴任・上官、興修・営造、嫁娶、求財、放牧・畜養に宜しく、皆大吉。生門の方より六十里出行すれば、貴人の車馬を見るを主る。吉。生門は乾・兌の両宮に臨めば旺気と為し、中五宮に落つれば相気と為す。坎宮に落つるは門迫、震宮に落つれば木に剋制せられ、巽宮に落つるは入墓で、これらの数か所は皆不利。離宮に落つれば火が来たりて土を生ずを得、則ち吉。
靜應。生門加生:主遠行、求財產吉。加傷:主親友變動道路不吉。加杜:主陰謀,陰人破財,不利。加景:主主陰人、小口不寍及文書事後吉。加死:主田宅官司主難救。加驚:主尊長財產詞訟及病纏遲愈吉。加開:主見貴人,求財大發。加休:主陰人處求望財利吉。
以下は生門の「静応」。生門加生門は、遠行・財産を求取する皆吉を主る。傷門に加われば、親友に変動あり、出門して路上不吉を主る。杜門に加われば、人の暗中に図謀するあり、婦人が破財するを主り、不利。景門に加われば、婦人と小孩の安寧ならざるを主り、および文書の事、最後に転じて吉。死門に加われば、田宅の官司は救解し難きを主る。驚門に加われば、長輩の財産が訴訟を引起し、および疾病に纏身して痊愈緩慢なるを主るが、終に吉。開門に加われば、貴人を見、財を求めて大いに発するを主る。休門に加われば、婦人の処に向かいて財利を求取するを主る。吉。
加甲戊:主嫁娶、求財、謁貴皆吉。加乙:主陰人生產遲,吉。加丙:主貴人、印綬、婚姻、書信、喜事。加丁:主詞訟、婚姻、財利、出行,大吉。加己:主得貴人維持,吉。加庚:主財產爭訟,破產失,不利。加辛:主官事、產婦疾病,後吉。加壬:主遺失財後得,賊盜易獲。加癸:主婚姻不成,餘事皆吉。
生門加甲戊は、嫁娶・求財・貴人に謁見する皆吉を主る。乙奇に加われば、婦人の生産遅緩を主るが、終に吉。丙奇に加われば、貴人の相助あり、印信・官職を得、また婚姻・書信の類の喜事あるを主る。丁奇に加われば、訴訟・婚姻・財利・出行は皆大吉を主る。己に加われば、貴人の扶持・維護を得るを主る。吉。庚に加われば、財産のために官司を打つを主り、破産・損失し、不利。辛に加われば、官府の事と産婦の疾病を主るが、後に転じて吉。壬に加われば、丢失の銭財は後に找回し、盗賊は抓获し易しを主る。癸に加われば、婚姻成らざるを主り、その余の事は皆吉。
動應。生門出者,八里、十八里見貴人車馬,或公吏、皂衣人。乙奇臨見兔,或二鼠相咬。丙奇臨見病人足,或二人爭財吵鬧。丁奇見漁獵人,此方大利,百事俱利。
以下は生門の「動応」。生門の方より出行する人は、八里・十八里行きて貴人の車馬を見、あるいは官府の差役と黒衣を著た人を見る。もし乙奇がこの門に臨めば、兎を見、あるいは両只の老鼠が相咬むを見るべし。丙奇がこの門に臨めば、脚に病ある人を見、あるいは両人が銭のために争吵するを見るべし。丁奇がこの門に臨めば、魚を打ち獣を猟する人を見るべし。この方位は大いに利あり、百事皆吉利なり。
生門加生:八里、十八里逢朱衣貴人。加傷:三里、十三里逢公吏人持棍,或培土、栽樹。加杜:四里、十四里逢人拿彩色物行唱,並長嘆息者。加景:九里、十九里逢貴人車馬,多人相隨。加死:二里、十二里逢孝服人哭泣。加驚:七里、十七里逢人趕畜及有人說詞訟事。加開:六里、十六里逢貴人車馬,並有蛇咬豬者。加休:一里、十一里逢皂衣及扛錢人。占身命:火土金命者,大利。水木命者,不利,多厄難。忌甲乙寅卯年月日時者,不利。若壬癸命主腫脹凶。
生門加生門は、八里・十八里の処に紅衣を著た貴人に遇う。傷門に加われば、三里・十三里の処に官府の差役が棍棒を拿するに遇い、あるいは人の土を培い樹を栽えるあり。杜門に加われば、四里・十四里の処に人の彩色の物品を拿して辺を走り辺に唱し、また人の長声して嘆息するありに遇う。景門に加われば、九里・十九里の処に貴人の車馬に遇い、随従甚だ多し。死門に加われば、二里・十二里の処に孝服を著た人の哭泣するに遇う。驚門に加われば、七里・十七里の処に人の牲畜を趕り、および人の官司を談論するに遇う。開門に加われば、六里・十六里の処に貴人の車馬に遇い、また蛇の猪を咬むあり。休門に加われば、一里・十一里の処に黒衣を著た人および銭を扛ぐ人に遇う。生門を用いて身命を占えば、火命・土命・金命の人は大いに利あり。水命・木命の人は不利で、多く厄難あり。甲・乙および寅・卯の年月日時に生まれた人は、忌諱して不利。もし壬癸の命ならば、腫脹の病を害するを主る。凶。
巻五
傷門尅応
傷門不可說,夫妻主災迍,瘡病行不得,折損血財牲,天穴人枉死,經年有病人,商音信難得,餘事不堪陳。問曰:傷門屬木,正值春分之時,嫩甲發生,當以吉看,反以凶論,請問其詳?
「傷門」の害処は説き尽くし難し。夫妻は災難・困頓あるを主り、瘡を長じ病を生じて寸步も行き難く、また牲畜の財を折損す。家中に人の無辜に横死するあり、整年に病人あり。五音の商に属する人は音信通じ難く、その余の事はさらに細講に堪えず。或る人問う、傷門は五行が木に属し、まさに春分の時節に当たり、草木の嫩芽は剛に萌発す。本は吉として看るべきに、何故反って凶と論ず。請う、その中の詳情を説かれよ。
衢仙答曰:“傷門之木,正值春分之氣,精液自內而發揚於外,以致根本洩之太過,所謂以外華而內虛,而不能勝其勞。況二月中嫩甲不能當霜露之寒,因謂之傷,所以凶也。傷門得奇,惟宜捕捉逃亡盜賊、漁獵、索債、賭戲等事則吉。若上官、出行、嫁娶、商賈、修造、埋葬皆不利,大凶”。
衢仙答えて曰く、傷門の木気はまさに春分の節候に当たり、精華・汁液は内より外に生発し、以至根本の泄漏太過なり。これすなわち外表は繁華にして内裏空虚で、労損に禁えず。況んや二月の嫩芽は霜露の寒気に経えず、これによって「傷」と呼ばれ、故に凶と為す。傷門がもし三奇を得着すれば、ただ逃犯・盗賊を捉拿し、魚を打ち獣を猟し、債を討ち、賭博・博戯の類の事にのみ宜しく、始めて吉と算す。もし用いて赴任・上官、出行、嫁娶、経商、営造、埋葬すれば、皆不利、大凶。
靜應。傷門加傷:主變動,遠行皆折傷,凶。加杜:主變動、失脫、官司、桎梏,百事凶。加景:主文書、印信、口舌、動撓、啾喞。加死:主官司、印信,凶。出行,大忌。占病,凶。加驚:主親人疾病憂懼,謀伐不利,凶。加開:主貴人,開張有走失變動之事,不利。加休:主陽人變動,或託人謀干財名不利。加生:(原文缺)
以下は傷門の「静応」。傷門加傷門は、変動あるを主り、遠行は皆折損・受傷す。凶。杜門に加われば、変動・丢失・官司・囚繫を主り、百事皆凶。景門に加われば、文書・印信の事が口舌を引起し、紛擾・不安・煩言・碎語を主る。死門に加われば、官司と印信の事を主る。凶。出行は大いに忌む。疾病を占えば、凶。驚門に加われば、親人が病を生じて憂懼し、図謀・征伐皆不利を主る。凶。開門に加われば、貴人を見、開張・営業するを主るが、走失・変動の事あり、不利。休門に加われば、男子に変動あり、あるいは人に托して銭財と名位を謀求するも皆順わざるを主る。生門に加わるこの一条は、底本此処に脱文あり。
加甲戊:主失脫難獲。加乙:主求謀不得,反防盜失財。加丙:主道路損失。加丁:主音信不的。加己:主財散人病。加庚:主訟獄被刑杖,凶。加辛:主夫妻懷私、恣怨。加壬:主因盜牽連。加癸:主訟獄被冤,有理難伸。
傷門加甲戊は、丢失の物找回し難きを主る。乙奇に加われば、求め謀る所落空し、反って盗まれて破財するを提防すべしを主る。丙奇に加われば、路上に損失あるを主る。丁奇に加われば、音信確実ならざるを主る。己に加われば、銭財散失し家人病を生ずるを主る。庚に加われば、官司を打ちて杖刑を受くるを主る。凶。辛に加われば、夫妻各々私心を懐き、相互に怨恨するを主る。壬に加われば、盗竊の事に牽連せられるを主る。癸に加われば、官司を打ちて冤枉を蒙り、理ありと雖も申訴し難きを主る。
動應。傷門出者,三十里見人爭鬪,見漁人或畜爭鬪,敵宜避之,大吉。傷門加傷:三里、十三里逢二車塞道爭行。加杜:四里、十四里逢公吏人及木匠伐樹,並有婦人抱小兒過。加景:九里、十九里逢色衣人騎騾馬過。加死:二里、十二里逢埋葬及孝服人哭泣。
以下は傷門の「動応」。傷門の方より出行する人は、三十里行きて人の打架するを看見し、あるいは漁人を見、あるいは牲畜の相鬥うを見る。対頭に遇上ればまさに避くべし、これすなわち大吉なり。傷門加傷門は、三里・十三里の処に両輛の車が道路を堵住して争うて走るに遇う。杜門に加われば、四里・十四里の処に官府の差役と木匠が樹を砍り、また婦人が小孩を抱きて経過するに遇う。景門に加われば、九里・十九里の処に彩衣を著た人が騾馬に騎りて経過するに遇う。死門に加われば、二里・十二里の処に人の埋葬および孝服を著た人の哭泣するに遇う。
加驚:七里、十七里逢人鬪打併趕畜,有婦人與少女同行。加開:六里、十六里逢人拆牆、安門、解板,或二豬相咬。加休:一里、十一里逢老婦與少男同行。加生:八里、十八里逢人伐樹或培土。占身命:水火木命者吉,金命者主病,土命者凶,官司、刑杖。
傷門加驚門は、七里・十七里の処に人の打架し併せて牲畜を趕り、また婦人と少女の同行するに遇う。開門に加われば、六里・十六里の処に人の墻を拆き門を安じ板を鋸るに遇い、あるいは両頭の猪が相互に撕咬す。休門に加われば、一里・十一里の処に老婦と少年男子の同行するに遇う。生門に加われば、八里・十八里の処に人の樹を砍りあるいは土を培うに遇う。傷門を用いて身命を占えば、水命・火命・木命の人は吉。金命の人は病を生ずるを主る。土命の人は凶で、官司と杖刑あるべし。
杜門尅応
杜門原是木,犯者災禍頻,亥卯未年月,遭入獄迍生,生死離別事,六畜也多瘟,跌打見膿血,禍害及子孫。問曰:杜門陽木,夏冬繁盛之時,本為旺氣,何以凶論?
「杜門」はもともと木に属し、これを冒犯する人は災禍頻頻たり。亥・卯・未の年月に在りては、牢獄の災に遭いて困頓に陷入す。生離・死別の事あり、六畜も多く瘟疫を鬧す。跌打・損傷して膿血を見、禍害はまた子孫に波及す。或る人問う、杜門は陽木で、夏冬の両季はまさに草木繁盛の時に当たり、本は旺気に属すべきに、何故凶と論ずか。
衢仙答曰:杜門陽木,時值夏冬,發生於外,而津液已洩,陽氣亢極,一陰將至,木性至此而力屈,欲收斂而不能收斂,欲生旺而力已盡,又不洩其力以實其子,而待陰伏藏其子于堅密之處,恐有傷於子,故謂之杜門,小凶。杜門為藏形之方,為宜躲災避難,塞穴、捕捉則吉,餘事皆不利。
衢仙答えて曰く、杜門は陽木で、時令は夏と冬に値し、生機は已に外に発散し、津液もまた已に洩尽す。陽気亢盛して極点に至れば、一縷の陰気まさに到来せんとす。木性はこの時に至りて力量已に屈し、収斂せんと欲して収斂し得ず、再び旺盛ならんと欲して気力已に尽く。それまた肯んじて自らの力量を洩出して所生の子を充実せず、ただ陰気の来るを待ちて子嗣を堅固・厳密の処に蔵し、ただそれを傷つけんことを恐る。正しくこの閉塞・封堵の象に因りて、故に「杜門」と呼び、小凶に属す。杜門は形を蔵し跡を隠す方位で、災を躲し難を避くるに宜しく、洞穴を堵塞し人犯を捉拿すれば則ち吉、その余の事は皆不利。
靜應。杜門加杜:主因父母疾病、田宅出脫事,凶。加景:主文書印信阻隔,陽人、小口疾病,遲疑不利。加死:主田宅;文書失落,官司破財,小凶。加驚:主門戶內憂疑驚恐,並有詞訟事。加開:主見貴人、官長,謀事主先破己財後吉。加休:主求財有益。加生:主陽人小口破財,及田宅求財不成。加傷:主兄弟相爭,田產破財。
以下は杜門の「静応」。杜門加杜門は、父母の病を生じ、田宅の出手・転譲の事に因るを主る。凶。景門に加われば、文書・印信が阻隔を受け、男子と小孩が病を生じ、遅疑・不決して不利を主る。死門に加われば、田宅と文書の遺失、官司を打ちて破財するを主る。小凶。驚門に加われば、家門の内に憂疑・驚恐あり、また訴訟の事あるを主る。開門に加われば、貴人と官長を見、事を謀れば先ず己の銭財を破費し、然る後乃ち吉を主る。休門に加われば、財を求めて収益あるを主る。生門に加われば、男子と小孩が破財し、および田宅・求財皆成らざるを主る。傷門に加われば、兄弟相争い、田産の上に破財するを主る。
加甲戊:主謀事不成,密處求財得。加乙:主宜暗求陽人財物,後主不明至訟。加丙:主文契遺失。加丁:主陽人訟獄。加己:主私謀害人招非。加庚:主因女人訟獄被刑。加辛:主打傷人詞訟,陽人、小口凶。加壬:主奸盜事,凶。加癸:主百事皆阻,病者不食。
杜門加甲戊は、事を謀れば成らざるを主り、ただ隠秘の処に在りて財を求めてのみ手に得べし。乙奇に加われば、暗中に男子に向かいて財物を求取するに宜しく、ただ後に帳目の不明に因りて官司を打たん。丙奇に加われば、文契の遺失を主る。丁奇に加われば、男子が官司を食うを主る。己に加われば、暗中に別人を謀害して是非を招惹するを主る。庚に加われば、女人に因りて官司を食い刑を受くるを主る。辛に加われば、人を打傷して訴訟を引起すを主り、男子と小孩に凶あり。壬に加われば、奸淫・盗竊の事あるを主る。凶。癸に加われば、百事皆阻まれるを主り、病人は飯を喫うこと得ず。
動應。杜門出三十里逢少女同行歌唱,六十里逢惡人。乙奇臨,見少婦著色衣;丙奇臨,見火光燒屋或烽火之物;丁奇臨,見人騎馬帶弓弩。杜門加杜:四里、十四里逢婦人引孫兒著綠衣。加景:九里、十九里逢孕婦著色衣,或公吏人騎赤馬。加死:二里、十二里逢喪服人哭泣。加驚:七里、十七里逢歌唱鑼鼓聲,或人言公訟事。
以下は杜門の「動応」。杜門の方より出行すれば、三十里の処に少女が同行して唱歌するに遇い、六十里の処に悪人に遇う。もし乙奇がこの門に臨めば、彩衣を著た少婦を見るべし。丙奇がこの門に臨めば、火光の屋を焼くあるいは烽火の類の物を見るべし。丁奇がこの門に臨めば、人の馬に騎りて弓弩を帯びるを見るべし。杜門加杜門は、四里・十四里の処に婦人が緑衣を著た孫児を領くに遇う。景門に加われば、九里・十九里の処に彩衣を著た孕婦に遇い、あるいは官府の差役が紅馬に騎る。死門に加われば、二里・十二里の処に喪服を著た人の哭泣するに遇う。驚門に加われば、七里・十七里の処に唱歌と鑼鼓の声に遇い、あるいは人の官府・訴訟の事を談論する。
加開:六里、十六里逢歌唱及犬咬豬。加休:一里、十一里逢唱戲或皂衣婦人抱孩兒。加生:八里、十八里逢人扛錢,或手拿食物並唱詞。加傷:三里、十三里逢木匠拿木棍。占身命:火命者發貴,水命者發富,木命者平穩,金命者疾病,土命者官司凶。若金年月日時,或土命年月日時者不利,如逢水火年月日時吉。
杜門加開門は、六里・十六里の処に人の唱歌および狗が猪を咬むに遇う。休門に加われば、一里・十一里の処に戯を唱う人に遇い、あるいは黒衣を著た婦人が孩子を抱く。生門に加われば、八里・十八里の処に人の銭を扛ぐに遇い、あるいは手の中に食物を持ち併せて曲を唱う。傷門に加われば、三里・十三里の処に木匠が木棍を拿するに遇う。杜門を用いて身命を占えば、火命の人は顕貴し、水命の人は富に致り、木命の人は平穏で、金命の人は多く病み、土命の人は官司あり。凶。もし金に属する年月日時に生まれ、あるいは土命にして土に属する年月日時に値せば、皆不利。もし水に属し火に属する年月日時に逢上せば、則ち吉。
景門尅応
景門主血光,官符賣田莊,禍災應多有,子孫受苦殃,外凶並惡死,六畜也見傷,生離與死別,占者須堤防。問曰:景門屬火,南方夏令,正值陽明之域,何以為凶也?
「景門」は血光の災を主り、官符纏身して田荘を変売す。災禍は多く応験あり、子孫もまたこれに跟いて苦を受く。外に在りて凶険に遭遇し乃至悪死し、六畜もまた傷を受けん。また生離・死別の事あり、それを占う人は務めて提防すべし。或る人問う、景門は五行が火に属し、南方に居り、夏令を主り、まさに陽気光明の地界に当たるに、何故反って凶と算するか。
衢仙答曰:景門夏令之氣,萬物壯盛,將老之時,與死門坤宮相近,又為陽之盛氣,天數至此時,將有殺物之情,雖主上明下亮之方,亦不全吉。惟利文書之事,因為次吉。
衢仙答えて曰く、景門は夏令の気で、この時万物壮盛なりと雖も、已に衰老に臨近し、しかもそれは死門の在る坤宮と相隣る。それまた陽気最盛の処で、天道の運行ここに到れば、まさに万物を粛殺するの意を生ぜんとす。故に景門は上下通明の方位なりと雖も、また全吉とは算せず、ただ文書の類の事にのみ利あり、これによってただ次一等の吉門と算し得るのみ。
景門用事,惟宜上書、獻策、奏對、選拔將士,吉,餘者不利。坤、艮、中宮吉,三、四宮平之,一宮迫吟,六、七宮迫宮,大凶。若得三奇,又宜於設計行詐、破陣、火攻、號令、封功、賞爵等事。
景門を用いて事を辦すれば、ただ書を上し、計策を進獻し、君に面して奏対し、将士を選択することに適合し、これのみ吉、その余の事は皆不利。景門は坤二宮・艮八宮・中五宮に落つれば吉と為す。震三宮・巽四宮に落つるは平常に属す。坎一宮に落つるは迫また吟なり。乾六宮・兌七宮に落つるは門がその宮を迫る、大凶。もし三奇を得着し得ば、則ちなお計謀を設下し、詐術を施行し、敵陣を衝破し、火を用いて進攻し、および号令を発布し、功労を封賞し、官を加え爵を進むる類の事に適合す。
靜應。景門加景:主文狀未動,有預先見之意,內有陽人小口憂患。加死:主官訟,因田宅事爭,多啾唧。加驚:主陽人、小口疾病事,凶。加開:主官人升遷吉,求文印更吉。加休:主文書遺失,爭訟不休。加生:主陰人生產大喜,更主求財旺利,行人皆吉。加傷:主姻親眷小口角,或嫌隙撓亂。加杜:主失脫文書,散財後平。
以下は景門の「静応」。景門加景門は、状紙はなお遞出せざるに、却已に預め結局を看見するの意あるを主る。家中に男子と小孩の憂患あり。死門に加われば、官司を打ち、田宅の事に因りて相争い、糾纏・囉唆を主る。驚門に加われば、男子と小孩が病を生ずるを主る。凶。開門に加われば、官を做る人の陞遷を主る。吉。文書・印信を求取すればさらに吉。休門に加われば、文書の遺失、争訟止まざるを主る。生門に加われば、婦人の生産大いに喜ばしきを主り、さらに財を求めて興旺して利を得るを主り、門を出て外にある人は皆吉。傷門に加われば、姻親・眷属の間に口角発生し、あるいは嫌隙に因りて紛擾を生ずるを主る。杜門に加われば、文書の遺失を主り、銭財を散じた後に平静に帰す。
加甲戊:主因財產詞訟,遠行吉。加乙:主訟事不成。加丙:主文書急迫,火速不利。加丁:主因文書、印狀招非。加己:主官事牽連。加庚:主訟人自訟。加辛:主陰人詞訟。加壬:主因賊牽連。加癸:主因奴婢致禍。
景門加甲戊は、財産に因りて官司を打つを主り、遠行すれば則ち吉。乙奇に加われば、訴訟辦し成らざるを主る。丙奇に加われば、文書の催促緊急を主り、火速に行事すれば反って不利。丁奇に加われば、文書と印信・状紙に因りて是非を招惹するを主る。己に加われば、官府の事に牽連せられるを主る。庚に加われば、官司を打つ人が反って自己を告ぐるを主る。辛に加われば、婦人のために官司を打つを主る。壬に加われば、盗賊の事に牽連せられるを主る。癸に加われば、奴婢に因りて禍端を招致するを主る。
動應。景門出三十里外,赤紋大蛇,七十里外,因水火失物。若強有作為,主東家長及小口。景門加景:九里、十九里逢人抱文書,更有火光驚恐。加死:二里、十二里逢喪服人哭泣,色衣人騎馬。加驚:七里、十七里逢爭訟斗打,宜避之。加開:六里、十六里逢人成隊行,官人騎馬。
以下は景門の「動応」。景門の方より出行すれば、三十里外に紅色の花紋ある大蛇を見、七十里外には水火の故に因りて物を丢失せん。もし勉強して挙動あるをば、東家の長輩と小孩を牽累せん。景門加景門は、九里・十九里の処に人の文書を抱くに遇い、また火光が驚恐を引起す。死門に加われば、二里・十二里の処に喪服を著た人の哭泣し、彩衣を著た人が馬に騎るに遇う。驚門に加われば、七里・十七里の処に人の争訟・鬥毆するに遇う、まさに避くべし。開門に加われば、六里・十六里の処に隊を成して行く人および官を做る人が馬に騎るに遇う。
加休:一里、十一里逢女人哭泣與賣魚人並行。加生:八里、十八里逢小兒趕牛,人背錢以袋裝之。加傷:三里、十三里逢色衣女人坐車轎或乘騾馬。加杜:四里、十四里逢老少婦領黑衣童子行。占身命:主火災。水命者大凶,金命者疾病,木命者中平,土命者富。若值金水年月日時者,不利。
景門加休門は、一里・十一里の処に女人の哭泣し、魚を売る人と肩を並べて行くに遇う。生門に加われば、八里・十八里の処に小孩が牛を趕り、人が口袋を用いて銭を装して身上に背負うに遇う。傷門に加われば、三里・十三里の処に彩衣を著た女人が車に坐り轎に坐りあるいは騾馬に騎るに遇う。杜門に加われば、四里・十四里の処に老婦・少婦が黒衣を著た童子を領きて行走するに遇う。景門を用いて身命を占えば、火災あるを主る。水命の人は大凶、金命の人は多く病み、木命の人は中平、土命の人は富有す。もし金に属し水に属する年月日時に値せば、不利。
死門尅応
元死之方最為凶,人命逢之禍不輕,犯者平平財產退,更防孝服死人丁。問曰:死門屬土,又係黑星,分夜之方,秋冬之氣,天地肅殺,自此而始彰,門凶星凶,當棄之而不用,不知此門寧可用之?衢仙答曰:死門之凶,天地令行,大肆肅殺之威,草柳色變,木逢葉落,故為凶象。若得奇相助,而吊死刑、捕捉、畋獵之事,有得吉者,順天之序而然也,不可棄。
「死門」この方位は最も凶で、人の性命これに遇えば、禍患軽からず。これを冒犯する人は本来平順なりと雖もまた財産を退失し、さらに家中に孝を著け、死人の口あるを提防すべし。或る人問う、死門は五行が土に属し、また黒道の星に属し、昼夜分界の方位に処り、秋冬の気に属し、天地の粛殺の威ここより彰顯を始む。門は凶にして星もまた凶なり、まさに棄置して用うべからず。知らず、この門は究竟なお用い得るか否か。衢仙答えて曰く、死門の凶なる所以は、天地の時令が運行して此に至り、大いに粛殺の威力を施展し、草木色を変え樹葉凋落するをもって、故に凶象と成る。ただしもし三奇の相助を得着せば、それを用いて喪を弔い、刑を行い、人犯を捉拿し、田猟すれば、反って吉を得るあり、これは上天の時序に順うの然らしむるなり。故に一概に棄てて用いざるべからず。
靜應。死門加死:主官司而留,印信無氣,凶。加死:主官司動而被刑杖,凶?加驚:主因官司不給,憂疑、患病,凶。加開:主見貴人,求印信、文書事,大利。加休:主求財物事不吉,若問僧道求方吉。加生:主喪事,求財得。占病,死者復生。加傷:(原文缺)加杜:(原文缺)加景:主主因文契、印信、財產事見官,先怒後喜,不凶。
以下は死門の「静応」。死門加死門は、官司拖延して結せず、印信気力なきを主る。凶。別の一説は、官司発動して杖刑を遭受するを主るとす。凶。驚門に加われば、官司未了に因りて憂疑して病を生ずるを主る。凶。開門に加われば、貴人を見、印信と文書の事を求取すれば大いに利あるを主る。休門に加われば、財物を求取する事不吉を主る。もし僧道に向かいて方薬を問求せば、則ち吉。生門に加われば、単事あるを主り、財を求めて能く得。疾病を占えば、眼の前に死なんとする人がまた活き返るを主る。傷門に加わる、杜門に加わるこの两条は、底本此処に皆脱文あり。景門に加われば、文契・印信・財産の事に因りて官に見ゆるを主り、先に発怒し後に歓喜す、凶と算せず。
加甲戊:主作偽財。加乙:主求事不成。加丙:主信息憂疑。加丁:主老陽人疾病。加己:主病訟牽連不已,凶。加庚:主女人生產,子母俱凶。加辛:主盜賊,失脫難獲。加壬:主訟人自訟、自招。加癸:主嫁娶;婦女事凶。
死門加甲戊は、偽を作す手段を用いて銭財を謀取するを主る。乙奇に加われば、求むる所の事成らざるを主る。丙奇に加われば、收到する消息は人をして憂疑せしむるを主る。丁奇に加われば、年長の男子が病を生ずるを主る。己に加われば、疾病と官司が牽連して断えざるを主る。凶。庚に加われば、婦人が生産し、母子皆凶を主る。辛に加われば、盗賊に遭い、丢失の物は追回し難きを主る。壬に加われば、官司を打つ人が反って自己を控告し、自ら招認するを主る。癸に加われば、嫁娶および婦女方面の事を主る。凶。
動應。死門出者,二十里逢病人,三十里逢孝服、血光事,雖有三奇,亦不吉。丙奇臨,逢抱文書;乙奇臨,見喪葬祭物或紙紮物;丁奇臨,逢少婦孝服、哭泣。死門加死:二里、十二里逢婦人哭泣,凶。加驚:七里、十七里逢喪哭泣,或死畜物類。加開:六里、十六里逢開墳、哭泣,或畜鬪傷。加休:一里、十一里逢青衣婦人哭泣。
以下は死門の「動応」。死門の方より出行する人は、二十里の処に病人に遇い、三十里の処に孝服と血光の事に遇う。この時たとえ三奇あると雖も、また吉とは算せず。もし丙奇がこの門に臨めば、人の文書を抱くに遇うべし。乙奇がこの門に臨めば、単葬の祭品あるいは紙扎の物を見るべし。丁奇がこの門に臨めば、孝服を著て哭泣する少婦に遇うべし。死門加死門は、二里・十二里の処に婦人の哭泣するに遇う。凶。驚門に加われば、七里・十七里の処に単事を辦して哭泣し、あるいは死んだ牲畜を見るに遇う。開門に加われば、六里・十六里の処に人の墳を掘り哭泣するに遇い、あるいは牲畜が相鬥して受傷す。休門に加われば、一里・十一里の処に青衣を著た婦人の哭泣するに遇う。
加生:八里、十八里逢孝子拿生物大慟。加傷:三里、十三里逢人抬棺槨。加杜:四里、十四里逢埋葬及紙紮彩色物。加景:九里、十九里逢重孝人哭泣,退吉進凶。占身命:主有孝服、病死之凶。水木命並年月日時者,大凶。餘平。
死門加生門は、八里・十八里の処に孝子が活物を拿して大声に痛哭するに遇う。傷門に加われば、三里・十三里の処に人の棺材を抬ぐに遇う。杜門に加われば、四里・十四里の処に人の埋葬および紙扎の彩色物品に遇う。景門に加われば、九里・十九里の処に重孝を著た人の哭泣するに遇う。この時退避すれば則ち吉、前進すれば則ち凶。死門を用いて身命を占えば、孝服と病死の凶事あるを主る。水命・木命の人および水に属し木に属する年月日時に生まれた人は、大凶。その余の人は平常。
驚門尅応
驚門主爭訟,瘟疫死人丁,辰年並花月,非禍進門庭。惟宜詞訟事、捕捉、博戲吉,餘皆凶。問曰:驚門屬金,值八月秋令,萬物俱老,天地大示肅殺之威,亦可棄乎?
「驚門」は争訟の事を主り、瘟疫を鬧して死人口あり。辰年および春花の月に在りては、横禍が門庭に進入す。それはただ官司を打ち、人犯を捉拿し、賭博・博戯のこれらの事にのみ宜しくて始めて吉、その余は皆凶。或る人問う、驚門は五行が金に属し、正しく八月秋令に値し、万物皆已に衰老し、天地は大いに粛殺の威を顯す。この門はこれ亦棄置して用うべからざるか。
衢仙答曰:驚門氣肅,物數蒼老,本無生氣,固凶。但天地存好生之心,不欲殺盡,而生蒜麥,亦不得已而殺也。此門雖凶,若諛詞、獻詐、捕捉、設疑、伏兵皆吉,亦不可棄。
衢仙答えて曰く、驚門の気候は粛殺で、万物皆已に蒼老し、本身に生気なし。固より是れ凶。ただし天地は生命を愛惜する心を存し、肯んじて万物を趕尽・殺絶せず、故にこの時また蒜と麦とを生出す。見るべし、その粛殺もまた已むことを得ざるに出づるを。この門は凶なりと雖も、もしそれを用いて好話を説き奉承し、詐術を施行し、人犯を捉拿し、疑兵を布設し、軍隊を埋伏せば、皆吉。故にまた棄置して用いざるべからず。
靜應。驚門加驚:主疾病、憂慮、驚疑。加開:主憂疑、官司、驚恐,又主上見喜,不凶。加休:主求財事,或因口舌、求財事,遲吉。加生:主因婦人生憂驚,或因求財生憂驚,皆吉。加傷:主因商議同謀害人事洩,惹訟,凶。加杜:主因失脫破財、驚恐,不凶。加景:主詞訟不息及小口疾病。加死:主因宅中怪異而生是非,凶。
以下は驚門の「静応」。驚門加驚門は、疾病・憂慮と驚疑を主る。開門に加われば、憂疑・官司・驚恐を主るが、また上司の歓喜を得るを主り、故に凶と算せず。休門に加われば、財を求める事を主り、あるいは口舌の争執に因りて財を求め、応験遅しと雖も、終に吉。生門に加われば、婦人に因りて憂驚を生じ、あるいは財を求むるに因りて憂驚を生ずるを主り、結果皆吉。傷門に加われば、商議し合謀して人を害せんとすることに因りて風声を走漏し、官司に惹かるを主る。凶。杜門に加われば、物を丢失するに因りて破財・受驚するを主り、凶と算せず。景門に加われば、訴訟止まずおよび小孩が病を生ずるを主る。死門に加われば、宅中に怪異出現するに因りて是非を生出するを主る。凶。
加甲戊:主損財、信阻。加乙:主謀財不得。加丙:主文書印信驚恐。加丁:主詞訟牽連。加戊:主因田宅致訟。加己:主惡犬傷人成訟。加庚:主道路損折、賊盜,凶。加辛:主女人成訟,凶。加壬:主官司囚禁。病者,大凶。加癸:主被盜賊,失物不獲。
驚門加甲戊は、銭財を損失し、音信受阻せるを主る。乙奇に加われば、銭財を謀求して得られざるを主る。丙奇に加われば、文書・印信に因りて驚恐を受くるを主る。丁奇に加われば、訴訟に牽連せられるを主る。戊に加われば、田宅に因りて官司を引起すを主る。己に加われば、悪狗が人を傷つけて鬧りて官司と成るを主る。庚に加われば、路上に折損あり、盗賊に遇うを主る。凶。辛に加われば、女人に因りて訟と成るを主る。凶。壬に加われば、官司を食いて囚禁せられるを主る。病人がこれに遇上れば、大凶。癸に加われば、盗賊に遭い、丢失の物は找りて回らざるを主る。
動應。驚門出者,三十里逢群鳥雀噪,六畜相鬪,四十里見人爭打則吉,若無,七十里必有折損之凶,不可前往。驚門加驚:七里、十七里逢二女吵鬧,旁人說打官司。加開:六里、十六里逢官吏、役人爭訟。加休:一里、十一里逢青衣婦人說官司。加生:八里、十八里逢女人引童子趕牛,小兒拿吃物。
以下は驚門の「動応」。驚門の方より出行する人は、三十里の処に群鳥・麻雀の聒噪し、六畜の相鬥うに遇い、四十里の処に人の争吵・打架するを見、これすなわち吉。もしこれらの徴兆皆出現せざれば、七十里行きて必ず折損の凶事あり、再び前に往くべからず。驚門加驚門は、七里・十七里の処に両の女子が吵閙し、旁人が官司を打つを談論するに遇う。開門に加われば、六里・十六里の処に官吏と差役の争訟するに遇う。休門に加われば、一里・十一里の処に青衣を著た婦人が官司を談論するに遇う。生門に加われば、八里・十八里の処に女人が童子を領きて牛を趕り、小孩が手の中に吃食を持つに遇う。
加傷:三里、十三里逢男女吵鬧、打孩子,宜退回。若強行,主車折馬死,凶。加杜:四里、十四里逢僧道同行,或男女相商。加景:九里、十九里逢色衣婦人說官司。加死:二里、十二里逢女人哭泣及喪亡者。占身命:主詞訟、官災、口舌、血光之事。若值丙丁巳午年月日時,占者,凶;甲乙寅卯年月日時占者,亦不利。
驚門加傷門は、三里・十三里の処に男女が吵閙し、孩子を打つに遇う。この時まさに退回すべし。もし勉強して前行せば、車は毀れ馬は死するを主る。凶。杜門に加われば、四里・十四里の処に僧道の同行し、あるいは男女が事情を商量するに遇う。景門に加われば、九里・十九里の処に彩衣を著た婦人が官司を談論するに遇う。死門に加われば、二里・十二里の処に女人の哭泣および人の単亡するに遇う。驚門を用いて身命を占えば、訴訟・官災・口舌・血光の事あるを主る。もし丙・丁・巳・午の年月日時に来たりて占えば、凶。甲・乙・寅・卯の年月日時に来たりて占うも、また不利。
五假法
天假:景門合乙丙丁三奇,下臨地盤九天宮者,名曰“天假”。乙為天德,丙為天威,丁為太陰,凡三奇之靈,宜陳事、利便、進謁、干求之事,大吉。地假:杜門合丁己癸,下臨地盤九地宮者,名曰“地假”;宜潛藏、埋伏,此三時宜遁跡藏形。地假:傷門合丁己癸,下臨地盤太陰宮者,亦名“地假”;宜遣人、行間諜、謀探私事。又如六合宮,亦名“地假”,宜逃亡、躲災、避難。
「天假」:景門が乙・丙・丁の三奇に配合し、下に地盤の九天宮に臨めば、すなわち「天假」と呼ぶ。乙は天徳、丙は天威、丁は太陰で、凡そ三奇の霊気の相助あれば、事情を陳述し、便利を図謀し、進見・謁求し、干求・請托するに宜しく、大吉。「地假」には両種あり。その一、杜門が丁・己・癸に配合し、下に地盤の九地宮に臨むを「地假」と呼び、潜伏・隠蔵し、兵馬を埋伏するに宜しく、この三個の時辰は皆形跡を遁去し身形を蔵起するに適合す。その二、傷門が丁・己・癸に配合し、下に地盤の太陰宮に臨むを、また「地假」と呼び、人手を派遣し、間諜を施行し、暗中に私事を打探するに宜しい。もし六合の宮に臨めば、同じく「地假」と呼び、逃亡・災を躲し難を避くるに宜しい。
神假:傷門合丁己癸,下臨地盤九地宮者,名曰“神假”,利埋葬。伏藏,人不能知也。人假:驚門合六合(一作六壬),下臨地盤九天宮者,名曰“人假”,利捕捉逃亡。若太白入熒惑在其下,必獲。鬼假:死門合丁己癸,下臨地盤九地宮者,名曰“鬼假”,利超亡、薦度。一作臨“三隱宮”,(疑即地盤之三吉門也?三隱宮太陰、六合、九地)。
「神假」:傷門が丁・己・癸に配合し、下に地盤の九地宮に臨むを「神假」と呼び、埋葬に利あり。ここに埋伏・蔵匿すれば、別人知る由なし。「人假」:驚門が六合に配合し(別の一作は六壬)、下に地盤の九天宮に臨むを「人假」と呼び、逃亡の人を捉拿するに利あり。もしこの時また「太白入熒惑」の格局が下にあれば、必ず抓获し得べし。「鬼假」:死門が丁・己・癸に配合し、下に地盤の九地宮に臨むを「鬼假」と呼び、亡魂を超度し、幽霊を薦抜するに利あり。別の一作は「三隠宮」に臨むと云う——大概はすなわち地盤上のあの三個の吉位を指すであろう。所謂三隠宮とは、すなわち太陰・六合・九地なり。
三詐法
凡事宜開、休、生三吉門,即不得乙丙丁三奇亦吉。又取陰神相助,謂之三詐,有地盤九地、太陰、六合三神助奇,謂之“陽門得助”,再得地盤吉門相助者,全吉。若開、休、生三吉門合乙丙丁三奇,無地盤太陰、六合、九地者,謂之有門無遁,陽有奇無陰,凡事有七分之利。
凡そ事を辦するは皆開・休・生の三個の吉門をもって宜しきを為し、たとえ乙・丙・丁の三奇に配合せざるも、なおなお吉と算す。もしさらに陰神を取りて相助となさば、すなわち「三詐」と呼ぶ。地盤の九地・太陰・六合のこの三個の神が来たりて三奇を幇襯すれば、これを「陽門得助」と呼ぶ。さらに地盤の吉門の相助を得れば、すなわち全吉なり。もし開・休・生の三吉門が乙・丙・丁の三奇に合したと雖も、地盤の太陰・六合・九地なければ、則ちこれを「有門無遁」と呼び、すなわち陽面に奇ありて陰面に神なし、事を辦してただ七分の利あるのみ。
開休生三吉門合三奇,下臨地盤太陰之宮者,再得吉門,此吉門當作吉星相助,謂之“真詐”,利施恩、隱遁、祈禱、求仙,吉。開休生合三奇,下臨地盤六合宮者,再得吉門相助,謂之“休詐”,宜合藥、法符、祈神、禳災、祭祀,皆大吉。
開・休・生の三吉門が三奇に配合し、下に地盤の太陰の宮に臨み、さらに吉門を得着し——ここの吉門は吉星として看待すべし——旁より相助するを「真詐」と呼び、恩を施し徳を布き、隠遁して世を避け、祈祷・禳求し、道を訪い仙を求むるに利あり。吉。開・休・生が三奇に配合し、下に地盤の六合宮に臨み、さらに吉門の相助を得るを「休詐」と呼び、薬物を配合し、法符を書写し、神を祈り、災禍を禳解し、祭祀を挙行するに宜しく、皆大吉。
開休生合三奇,下臨地盤九地宮者,再得吉門相助,謂之“重詐”,宜收降、添兵、進人口、納財、襲爵、拜綬,皆吉。以上詐門,凡事遠行、商賈、嫁娶,百事大吉。
開・休・生が三奇に配合し、下に地盤の九地宮に臨み、さらに吉門の相助を得るを「重詐」と呼び、敵方の投降を接受し、兵員を增添し、人口を添進し、財物を収納し、爵位を承襲し、官を受け印を拝するに宜しく、皆吉。以上のこれらの「詐門」の格局は、用いて遠行・経商・嫁娶し、何の事を辦しても皆大吉。
巻六
九遁変化法
天遁:開休生三吉門,天盤丙奇下臨地盤丁奇者,皆名“天遁”,得月精所蔽。或臨地盤九地、太陰者,亦名“天遁”,可以遁跡、隱形。若乘天月二德、天恩、天赦、日祿、喜神者,百事皆吉。乘朱雀,利文書、奏對。乘螣蛇,主疑惑。乘青龍,主財喜。如乘白虎、玄武者,主災病、損失,細事不得全吉。倘練祭丁甲,呼風喚雨等項之事,用“天遁”可以全吉也。
「天遁」:開・休・生の三個の吉門の中、天盤の丙奇が下に地盤の丁奇に臨めば、皆「天遁」と呼び、月の精華を借りて形跡を遮蔽し得。もし地盤の九地・太陰に臨めば、また「天遁」と呼び、蹤跡を隠去し形体を蔵起し得。この時もしさらに天徳・月徳および天恩・天赦・日禄・喜神のこれらの吉神に乗れば、百事皆吉。朱雀に乗れば、文書の往来と君に面して奏対するに利あり。螣蛇に乗れば、心に疑惑を生ずるを主る。青龍に乗れば、財物の喜を主る。もし白虎・玄武に乗れば、則ち災病と損失を主り、細小の事もまた全吉と難し。倘若丁神・甲神を修煉・祭祀し、風を呼び雨を喚ぶこの一類の法術をせんと欲せば、「天遁」を用いれば様々に如意なり。
地遁:開休生合乙奇,下臨地盤六合、九地、太陰宮者,皆名“地遁”,得日精所蔽,可以設伏、謀為,百事皆吉。若乘朱雀,惟宜設詞、行詐、間諜。乘螣蛇者,宜蠱惑。乘太常,有酒食、宴會。乘青龍,有財喜。如乘白虎主鬪勝。乘玄武,主竊盜、探私。乘勾陳,主淹滯。得地遁之吉者,宜修築、起造、埋葬、藏匿之事,俱皆大吉。
「地遁」:開・休・生の三吉門が乙奇に配合し、下に地盤の六合・九地・太陰の宮に臨めば、皆「地遁」と呼び、日の精華を借りて形跡を遮蔽し得、埋伏を布設し大事を図謀し得、百事皆吉。この時もし朱雀に乗れば、ただ説辞を編造し詐術を施行し間諜を派遣するにのみ宜しい。螣蛇に乗れば、人心を蛊惑するに宜しい。太常に乗れば、酒食の宴会あり。青龍に乗れば、財物の喜あり。もし白虎に乗れば、争鬥して勝を取るを主る。玄武に乗れば、行窃し隠私を刺探するを主る。勾陳に乗れば、拖延・滞留を主る。地遁の吉を得着するは、修築・興造・埋葬・蔵匿の類の事に宜しく、全て大吉。
人遁:開休生合三奇,下臨地盤六合者,名為“人遁”。生門與三奇臨太陰,及生門、乙奇、九地宮者,亦名“人遁”。乘日祿、喜神及貴神者,主財喜、和合之事。乘朱雀者,主詞訟得理。乘螣蛇者,主惡夢、邪魅之事。乘白虎者,忌行船。乘玄武者,主盜賊。若乘天輔、天柱之星,主雨;天沖主雷,天英主電。占疾病,危急。
「人遁」:開・休・生の三吉門が三奇に配合し、下に地盤の六合に臨めば、すなわち「人遁」と呼ぶ。生門と三奇が同じく太陰に臨み、および生門が乙奇に配しまた九地の宮に落つるも、皆「人遁」と呼ぶ。この時日禄・喜神と貴神に乗れば、財喜と説合して事成るあるを主る。朱雀に乗れば、官司を打ちて理を占め得るを主る。螣蛇に乗れば、悪夢を做し邪祟に遇うを主る。白虎に乗れば、船に乘りて出行するを忌諱す。玄武に乗れば、盗賊あるを主る。もし天輔・天柱の二星に乗れば、雨降るを主る。天冲に乗れば雷を打つを主り、天英に乗れば閃電を主る。それを用いて疾病を占えば、病情危急を主る。
風遁:開休生合乙奇,下臨地盤六辛,落於巽宮者為“風遁”。乘天沖、天輔二星者,此方可以祭風,但不利行舟。信息至,行兵利火攻大勝。雲遁:開休生合乙奇,下臨六辛宮者,名為“雲遁”。生門合天芮,壬臨坤宮,及三吉門合六辛臨於地盤乙;或天芮合生門,下臨地盤九地於坤宮,亦皆名“雲遁”。冬月宜祈云,夏月宜求雨。若乘白虎,主有冰雹。乘螣蛇、朱雀者,主旱。強求招火災,行兵宜刦營,彼不能知也。
「風遁」:開・休・生の三吉門が乙奇に配合し、下に地盤の六辛に臨み、また巽宮に落つれば、すなわち「風遁」なり。もし天冲・天輔の二星に乗れば、この方位は祭祷して風を求むべし、ただし船を行くに利あらず。この時消息は到来せん。兵を用いれば火攻に利あり、大勝を獲得し得。「雲遁」:開・休・生が乙奇に配合し、下に六辛の宮に臨むを「雲遁」と呼ぶ。このほか、生門が天芮に配して壬が坤宮に臨み、および三吉門が六辛に配して地盤の乙の上に臨み、あるいは天芮が生門に配して下に坤宮・地盤の九地に臨むも、皆「雲遁」と呼ぶ。冬月は雲を祈るに宜しく、夏月は雨を求むるに宜しい。もし白虎に乗れば、氷雹を降すを主る。螣蛇・朱雀に乗れば、大旱を主る。勉強して祈求すれば反って火災を招来す。兵を用いるは営を劫するに宜しく、対方は察覚せず。
龍遁:開休生合天心星、甲辰壬、六合於坎宮為“龍遁”。或休門、乙奇加坤宮,或開門、六戊加地盤九地,及休門、丁奇,下臨地盤九地於坎宮,皆名“龍遁”。此方祈雨必應,水戰必勝,再得青龍、玄武、神后之神,主霪雨,仍防奸細、盜賊。
「龍遁」:開・休・生の三吉門が天心星・甲辰壬と六合に配合し、同じく坎宮に落つれば、すなわち「龍遁」なり。このほか、休門が乙奇に配して坤宮に加臨し、あるいは開門が六戊に配して地盤の九地に加臨し、および休門が丁奇に配して下に坎宮・地盤の九地に臨むも、皆「龍遁」と呼ぶ。この方位に在りて雨を祈れば必ず応験し、水上で作戦すれば必ず取勝す。もしさらに青龍・玄武・神后のこの幾個の神を得着せば、連綿の久雨を主り、同時になお奸細と盗賊を提防すべし。
虎遁:開門、甲申庚,下臨地盤兌宮為“虎遁”。或休門、乙奇加地盤六辛於艮宮,或生門、辛加地盤於乙、艮宮,亦皆名“虎遁”。此方宜祭風、鎮邪、驅鬼、安宅,並吉。行船宜,招安、攻險、剿巢,利為客。若安營、伏兵,賊不敢正視也。
「虎遁」:開門が甲申庚に配し、下に地盤の兌宮に臨めば、すなわち「虎遁」なり。このほか、休門が乙奇に配して艮宮・地盤の六辛の上に加わり、あるいは生門が辛に配して艮宮・地盤の乙の上に加わるも、皆「虎遁」と呼ぶ。この方位は風を祭り、邪祟を鎮圧し、鬼怪を駆逐し、宅第を安定するに宜しく、皆吉。船を行くもまた合宜。降を招き安撫し、険要を攻打し、匪巢を剿滅するも、皆先に手を動かす客方と為るに利あり。もしここに営を安じ埋伏せば、賊寇は正眼を以て看ることさえ敢えてせず。
神遁:開門、乙奇合天心星或天禽星,下臨地盤九天於干宮,名為“神遁”。或生門、丙奇合禽、心二星,下臨地盤九天宮者,亦名“神遁”。此方宜驅神遣將、施計,神必暗助,行兵宜作神將,塗抹三軍,神即至矣。更宜祭祀,神必來享。若有白虎雷煞、刦煞,主雷傷。
「神遁」:開門が乙奇に配し、また天心星あるいは天禽星に合い、下に乾宮・地盤の九天に臨むを「神遁」と呼ぶ。あるいは生門が丙奇に配し、天禽・天心の二星に合い、下に地盤の九天宮に臨むも、また「神遁」と呼ぶ。この方位は神明を駆使し、神将を差遣し、計謀を施展するに宜しく、神明は必ず暗中に相助す。兵を用いる時は神将を扮作し、全軍を装扮・塗飾すれば、神霊すなわち降臨せん。さらに祭祀を挙行するに宜しく、神明は必ず来たりて受享せん。もしここに白虎・雷煞・劫煞あれば、則ち雷に傷せられるを主る。
鬼遁:休門、天輔,六辛下臨地盤丁奇,於艮宮者,名為鬼遁,生門、太陰下臨地盤丁奇,或生門、九地,下臨地盤丁奇,亦皆“鬼遁”。宜探路、偵賊處、實行間謀、布謠言,彼不能察,而疑惑軍心。宅中有鬼,宜書符鎮之則吉,餘事不利。
「鬼遁」:休門が天輔星に配し、六辛が下に艮宮・地盤の丁奇に臨むを「鬼遁」と呼ぶ。生門が太陰に配して下に地盤の丁奇に臨み、あるいは生門が九地に配して下に地盤の丁奇に臨むも、皆これ「鬼遁」なり。この方位は路を探り、敵情の所在を偵察し、間諜の謀を実施し、謡言を散布するに宜しく、対方は察覚する由なく、またこれに因りて軍心を動揺せん。もし宅中に鬼を鬧せば、この方に符箓を書写して鎮圧すれば則ち吉。その余の事は皆不利。
超神接気訣
夫閏奇者,有過九日而後閏者,有過十四日而值閏者,各有決例。大約氣先到而節未到,先用其氣謂之“接氣”,節先到而氣未到,謂之“超神”。超神者,仍用其當局之氣,而不用其節,待超過九日而方用其節,謂之“超神”。接氣者,必在閏月之前;超神者,須在閏月之後。閏月前,氣必先到;閏月後,節必先到。節先到者,必先用其氣;節先到者,猶不用其節,超神、接氣之旨明矣。
所謂「閏奇」は、九天を超過して乃ち閏を置く有り、また十四天を超過して乃ち閏に碰上る有り、各々その定例あり。大略して言えば、気が先に到りて節がなお到らざれば、則ち先ずこの気を用い、これを「接気」と呼ぶ。節が先に到りて気がなお到らざれば、これを「超神」と呼ぶ。超神の法を用いるは、なおなお当前のこの一局の気を沿用して、新到の節に改用せず、九天を超過するの後を待ちて乃ち節に改用す、これを「超神」と呼ぶ。接気は一定に閏月の前に発生し、超神は必定に閏月の後に在り。閏月の前には、気は必ず先に到る。閏月の後には、節は必ず先に到る。節の先に到るは、反って先ずその気を用いる要す。節は先に到ると雖も、なおなおその節に改用せず。こう一説すれば、超神と接気の旨要はすなわち清楚なり。
若其年閏正、二、三、四月者,必閏大雪一氣之候;如閏五、六、七、八、九月者,必閏芒種一氣之候,所謂過猶不及者,不得中和之氣,而值閏也。總以甲己子午卯酉為上元,寅申巳亥為中元,辰戌丑未為下元,此定例也。又云:“節與氣同為中和”,中節之前甲己子午卯酉者,謂之過,過則接氣;中節之後見甲己子午卯酉者,謂之不及,不及則超神總以三十值月而值閏者,不過陰陽消長之道也。
もし或る一年が正月・二月・三月・四月に閏すれば、必定に大雪この一気の節候の上に閏すべし。もし五月・六月・七月・八月・九月に閏すれば、必定に芒種この一気の節候の上に閏すべし。これすなわち所謂「過猶不及」——中和の気を得られず、乃ち置閏に碰上る。総の規矩は、甲己をもって子午卯酉の日に配するを上元と為し、寅申巳亥の日に配するを中元と為し、辰戌丑未の日に配するを下元と為し、これは固定の成例なり。また一説あり、「節と気と相合して乃ち中和と算す」と。節気の前に甲己に遇うて子午卯酉に配するを「過」と呼び、過は則ち接気の法を用いる。節気の後に甲己に遇うて子午卯酉に配するを「不及」と呼び、不及は則ち超神の法を用いる。要するに三十日をもって一月に値満して閏月に遇上るも、また不過陰陽消長の自然の道なりのみ。
九神主論章
值符者,諸神之元首,九星之領袖。因名值符,其體屬火,其神所到之處,百惡消散,諸凶寂滅,至吉之神。所畏者,太白金星,忌入墓,吉處不吉,凶處更凶。天始於甲,地始於子,固謂萬匯之尊者,舉甲子而六甲在其中矣,故名之曰“值符”。螣蛇者,丁火之氣,其實屬陰土,兌納丁,其神性柔而口毒,專司驚恐、怪異、火妖蠱之事。位鎮巽方,又名“玉女”,遁為六丁,六甲之神,乃陰神之最靈者,舉丁卯而六丁在其中矣。
「値符」は衆神の元首・九星の領袖で、これによって名を値符と得たり。その本体は火に属し、到る所、百般の醜悪皆消散し、各種の凶険皆寂滅す、最吉の神なり。その畏懼する所は太白金星で、また入墓を忌諱す。一たび入墓すれば、本吉の地方は不吉、本凶の地方はさらに凶。天は甲より始まり、地は子より始まる。甲子はもともと万類の尊で、甲子を挙出すれば、六甲もまた皆その中に包含せらる。故にこれに名を取りて「値符」と為す。「螣蛇」はもともと丁火の気で、実は陰土に属す。兌卦は丁を納め、その性情は柔和にして口舌狠毒で、専ら驚恐・怪異・火災・妖異と蠱祟の事を管す。それは巽方を鎮守し、また「玉女」と称し、遁甲の中に在りてはすなわち六丁で、六甲の神の裏の陰神最も霊験なる一位なり。丁卯を挙出すれば、六丁もまた皆その中に在り。
太陰者,西方之陰金也。其神好陰匿、闇昧、欺蔽、妾婦之事。離納辛,配於西方,位鎮兌宮,兌為少女,陰陽至此而化育不成。自甲至癸,其數終,自子至酉,其數窮,故名之曰“太陰”。六合者,甲木之化氣也,東方之陰木也。其神性和平,專司婚姻、交易、媒勺、和合之事。乃六甲之妹,配於庚金,為妻懷庚之胎,歸妹於家,位鎮東方,震納庚,自甲至己其數六,故名之曰“六合”。
「太陰」は西方の陰金で、それこの神は隠匿・暗昧・蒙蔽および妾婦の一類の事を喜好す。離卦は辛を納め、西方に配し、太陰は兌宮を鎮守す。兌は少女と為り、陰陽ここに到れば化育成らず。甲より癸に数えて、天干の数已に尽く。子より酉に数えて、地支の数已に窮まる。故にこれに名を取りて「太陰」と為す。「六合」は甲木の化気で、東方の陰木に属す。その性情は平和で、専ら婚姻・交易・媒を為し説合する事を管す。それは六甲の妹で、庚金に配して妻と為し、庚の胎を懐き、夫家に出嫁す。それは東方を鎮守し、震卦は庚を納め、甲より己に数えて正好して六なり。故にこれに名を取りて「六合」と為す。
勾陳者,中央之陽土也。其性頑,專司田土、詞訟之事,自甲至戊其數五,自子至辰其數亦五,艮納丙,坎納戊,配於東南。經云:知三避五,三五反覆,兇頑之氣,不可趨位。鎮於艮,故名之曰“勾陳”。白虎者,庚金也。統轄西方之威,其神好殺,專司兵戈、殺伐、爭鬪、疾病、死喪、道路之事。已納庚金,巽為風,風從虎,位鎮於西方。自甲至庚,其數七,故名之曰“白虎”。
「勾陳」は中央の陽土で、性情頑劣にして、専ら田地・土産と訴訟の事を管す。甲より戊に数えては五、子より辰に数えてもまた五。艮卦は丙を納め、坎卦は戊を納め、それは東南に配す。経書の上に「三を知りて五を避く、三五反復」と説くは、正しくそれこの凶頑の気を指し、その在る所の方位に朝かいて走るべからず。勾陳は艮位を鎮守す。故にこれに名を取りて「勾陳」と為す。「白虎」はすなわち庚金で、西方の威勢を統轄す。それこの神は殺伐を喜好し、専ら兵戈・征戦・争鬥・疾病・死単と道路の事を管す。巳位は庚金を納め、巽卦は風と為り、風は虎に随いて生ず。白虎は西方を鎮守す。甲より庚に数えては七なり。故にこれに名を取りて「白虎」と為す。
朱雀者,南方之火神,統轄周天之野,專司文明之權,掌奏口舌、文書之職。得地則文書印信有喜,失時則有是非口舌撓亂之凶。位在丙,丙納艮,土旺相在離,在天為赤鳥之神,屬丙火,舉丙寅而六丙在其中矣。故名之曰“朱雀”。玄武者,水之精也。統轄北方之氣,其神好陰謀、賊害,專司盜賊、逃亡之事。水主黑色,得中央黃土而成元,故名之曰“元武”。
「朱雀」は南方の火神で、周天の分野を統轄し、専ら文明・教化の権を掌り、奏章・口舌と文書の職を主管す。それは地を得勢を得れば、文書・印信すなわち喜あり。時令を失えば、すなわち是非・口舌・紛擾の凶事あり。その位次は丙に在り、丙は艮に納まり、土の旺相の気は離宮に在り。天上に在りてはそれは赤鳥の神で、五行は丙火に属し、丙寅を挙出すれば、六丙もまた皆その中に在り。故にこれに名を取りて「朱雀」と為す。「玄武」は水の精華で、北方の気を統轄す。それこの神は陰謀と残害を喜好し、専ら盗賊と逃亡の事を管す。水の本色は黒で、黒色は中央の黄土の相配を得て玄色と成る。故にこれに名を取りて「玄武」と為す。
九地者,坤土也。其性好靜,所主者,乃柔順虛恭之事,亦操生殺之權,半吉半凶之神,畏尅制,忌入墓,春夏則生,秋冬則殺,司君后之柄。坤納乙癸,自乙至癸其數九,故名之曰“九地”。舉乙丑而六乙在其中矣。九天者,乾金也。其體屬金,乾納甲壬,性剛而好動。所主者,名正言順之事,值其令而無阻,至吉之神。若得門、得奇,萬福咸集,即不得奇,亦不為凶,畏入墓而力屈。天始於甲,自甲至壬其數九,故名之曰“九天”。
「九地」はすなわち坤土で、性情は静を喜び、主管する所は柔順・謙恭の一類の事なり。それは同じく生殺の権を握り、是れ半吉半凶の神で、剋制せらるるを怕れ、入墓を忌諱す。春夏の時はそれは生を主り、秋冬の時はそれは殺を主り、執掌するは君后の如き権柄なり。坤卦は乙と癸を納め、乙より癸に数えて正好して九なり。故にこれに名を取りて「九地」と為す。乙丑を挙出すれば、六乙もまた皆その中に在り。「九天」はすなわち乾金で、本体は金に属し、乾卦は甲と壬を納め、性情剛強にして動を好む。その主管する所は名正言順の事で、ただその時令に値上すれば、一路阻まることなし、最吉の神なり。もしさらに吉門を得三奇を得れば、万般の福気皆汇聚して来る。たとえ三奇を得ざるも、また凶と算せず。それが唯一怕るるは入墓して力量屈缩するなり。天は甲より始まり、甲より壬に数えて正好して九なり。故にこれに名を取りて「九天」と為す。
太常者,五行之化氣也。其神好歌飲,專司宴享、祭祀、衣帛、羔雁、酒食之事。此神隨天禽遍遊諸方,遇火則從火,遇金則從金,遇水則從水,遇木則從木,遇土則從土,與五體相合,其性不常,故名之曰“太常”。與吉門並則吉,與凶門並則凶,主衣服、綵衣、孝服之變更也。
「太常」は五行の化気なり。それこの神は唱歌・飲酒を喜好し、専ら宴請・祭祀・衣帛・布匹・羔羊・大雁の一類の礼品および酒食の事を管す。太常は天禽星に随いて遍く各方に遊び、火に遇えば則ち火に従い、金に遇えば則ち金に従い、水に遇えば則ち水に従い、木に遇えば則ち木に従い、土に遇えば則ち土に従い、五行の本体と一一に相合し、性情は変動定まらず。故にこれに名を取りて「太常」と為す。それは吉門と並列すれば則ち吉、凶門と並列すれば則ち凶、衣服・彩衣と孝服の更換・変易を主る。
二十四気
正月立春、雨水,二月驚蟄、春分,三月清明、榖雨,四月立夏、小滿,五月芒種、夏至,六月小暑、大暑,七月立秋、處暑,八月白露、秋分,九月寒露、霜降,十月立冬、小雪,十一月大雪、冬至,十二月小寒、大寒。
一年の二十四気は月份に按じて排列すれば下の如し。正月は立春と雨水、二月は驚蟄と春分、三月は清明と穀雨、四月は立夏と小満、五月は芒種と夏至、六月は小暑と大暑、七月は立秋と処暑、八月は白露と秋分、九月は寒露と霜降、十月は立冬と小雪、十一月は大雪と冬至、十二月は小寒と大寒。毎個月各々一節一気あり、局を起こす時に陰遁・陽遁を判定し、上中下の三元を推排するは、皆この次序をもって憑拠と為す。
天徳吉日
正丁二坤申日宮,三壬四辛同,五干亥日六甲上,七癸八艮寅日逢,九丙十居乙,子巽巳日丑庚申。
「天徳」吉日は月に按じて輪値す。正月は丁に在り、二月は坤宮の申日に在り、三月は壬に在り、四月は辛に在り、五月は乾宮の亥日に在り、六月は甲に在り、七月は癸に在り、八月は艮宮の寅日に逢い、九月は丙に在り、十月は乙に在り、十一月(子月)は巽宮の巳日に在り、十二月(丑月)は庚申に在り。天徳の値する所の日は擇日の中の上吉の日なり。
月徳吉日
正五九月居丙,二六十月在甲,三七十一月在壬,四八十二月在庚。
「月徳」吉日は三合月に按じて輪値す。正月・五月・九月は丙に在り、二月・六月・十月は甲に在り、三月・七月・十一月は壬に在り、四月・八月・十二月は庚に在り。月徳は天徳と同じく擇日の吉神で、両者が相並ぶ日は最も取るべし。
五符法
五符,吉神,屬火,謁貴。天曹,屬金,主詞訟。地符,半吉半凶,屬土,迫避。風伯、雷公,屬木,主驚恐。雨師,陽水,出行主陰雨。風雲,陰木,主半陰。唐符,屬金,求財吉。國印,屬金,主升遷。天官,屬木,主阻隔。地軸,陰土,主反覆。天賊,陰水,主失盜。
「五符」は吉神で、五行は火に属し、貴人に謁見するに宜しい。「天曹」は金に属し、訴訟の事を主る。「地符」は半吉半凶で、土に属し、これに遇上れば回避するに宜しい。「風伯」「雷公」は木に属し、驚恐を主る。「雨師」は陽水で、出行してこれに遇えば陰雨を主る。「風雲」は陰木で、半陰の天色を主る。「唐符」は金に属し、財を求めれば則ち吉。「国印」は金に属し、官職の陞遷を主る。「天官」は木に属し、事が阻隔を受くるを主る。「地軸」は陰土で、事の反復して定まらざるを主る。「天賊」は陰水で、窃盗せられ盗まるるを主る。
以上月將加正,順數至本日祿上起五符,如甲祿寅,即在寅上起五符,卯上即為天曹,辰上即為地符,巳上即為風伯,雷公在午,餘俱仿此。
以上の諸神の起法は、当月の月将を正時の上に加え、順に数えて当日の日干の禄位に至り、則ち禄位より「五符」を起こす。例えば甲日の禄は寅に在れば、則ち寅位の上に五符を起こす。卯位はすなわち天曹、辰位はすなわち地符、巳位はすなわち風伯、午位はすなわち雷公。その余の各神は皆この次序に照らして順排して下る。
皇恩煞
正五九月戌,二六十月丑,三七十一月辰,四八十二月未。
「皇恩煞」は三合月に按じて四位を分かち輪値す。正月・五月・九月は戌に在り、二月・六月・十月は丑に在り、三月・七月・十一月は辰に在り、四月・八月・十二月は未に在り。神煞を推布する時は、当月の値するこの地支に按じてその位置を定む。
月厭煞
正月戌、二月酉、三月申、四月未、五月午、六月巳、七月辰、八月卯、九月寅、十月丑、十一月子、十二月亥。相沖即對不可用。
「月厭煞」は月を逐うて逆行して一位ずつす。正月は戌に在り、二月は酉に在り、三月は申に在り、四月は未に在り、五月は午に在り、六月は巳に在り、七月は辰に在り、八月は卯に在り、九月は寅に在り、十月は丑に在り、十一月は子に在り、十二月は亥に在り。月厭と相冲するあの方位、すなわち正対面の位置も、同じく取用すべからず。
洪範五行歌
甲己子午九,乙庚丑未八,丙辛寅申七,丁壬卯酉六,戊癸辰戌五,巳亥四數終。
これは「洪範五行」の数を取る口訣なり。甲・己・子・午は九数を取り、乙・庚・丑・未は八数を取り、丙・辛・寅・申は七数を取り、丁・壬・卯・酉は六数を取り、戊・癸・辰・戌は五数を取り、巳・亥は四数を取り、数はここに至りて止まる。推算する時は干支の各々対応する数を取出して相加し、さらにこれに拠りて五行の所属を判定す。
渾天甲子歌
(納音所屬亦出洪範五行)甲子乙丑海中金,丙寅丁卯爐中火,戊辰己巳大林木,庚午辛未路傍土,壬申癸酉劍鋒金,甲戌乙亥山頭火,丙子丁丑澗下水,戊寅己卯城頭土,庚辰辛巳白鑞金,壬午癸未楊柳木。
六十甲子の納音の所属も、また洪範五行より推出されたり。甲子・乙丑の納音は「海中金」、丙寅・丁卯は「爐中火」、戊辰・己巳は「大林木」、庚午・辛未は「路旁土」、壬申・癸酉は「剣鋒金」、甲戌・乙亥は「山頭火」、丙子・丁丑は「澗下水」、戊寅・己卯は「城頭土」、庚辰・辛巳は「白鑞金」、壬午・癸未は「楊柳木」なり。
甲申乙酉井泉水,丙戌丁亥屋上土,戊子己丑霹靂火,庚寅辛卯松柏木,壬辰癸巳長流水,甲午乙未砂中金,丙申丁酉山下火,戊戌己亥平地木,庚子辛丑壁上土,壬寅癸卯金箔金。
甲申・乙酉の納音は「井泉水」、丙戌・丁亥は「屋上土」、戊子・己丑は「霹靂火」、庚寅・辛卯は「松柏木」、壬辰・癸巳は「長流水」、甲午・乙未は「沙中金」、丙申・丁酉は「山下火」、戊戌・己亥は「平地木」、庚子・辛丑は「壁上土」、壬寅・癸卯は「金箔金」なり。
甲辰乙巳覆燈火,丙午丁未天河水,戊申己酉大驛土,庚戌辛亥釵釧金,壬子癸丑桑柘木,甲寅乙卯大溪水,丙辰丁巳砂中土,戊午己未天上火,庚申辛酉石榴木,壬戌癸亥大海水。
甲辰・乙巳の納音は「覆燈火」、丙午・丁未は「天河水」、戊申・己酉は「大駅土」、庚戌・辛亥は「釵釧金」、壬子・癸丑は「桑柘木」、甲寅・乙卯は「大溪水」、丙辰・丁巳は「沙中土」、戊午・己未は「天上火」、庚申・辛酉は「石榴木」、壬戌・癸亥は「大海水」なり。六十甲子の納音はここに至りて循環一周す。
巻七
奇門主客占験論
論曰:奇門之應驗,時有先後,應有主客,以彼此人我而推之。大凡奇神應物之初,星應事之中,門應事之末,依次推詳,無不應驗如神。若我去尋人,我為客他為主,以天盤之星為我,地盤之星為他;如他來尋我,他為客我為主,以天盤之星為他,地盤之星為我。
論ずるに、奇門の応験には先後の別あり、応ずる所の事にもまた主と客の分あり、彼と此・人と我の関係に按じて推斷すべし。大略して言えば、三奇と八神は事の開頭に応じ、九星は事の中間に応じ、八門は事の末尾に応ず。この次序に依りて細かく推詳すれば、応験して神の如くならざるなし。もし我が人を尋訪すれば、我は客にして対方は主なり、便ち天盤の星をもって我を代表し、地盤の星をもって彼を代表す。もし別人が来たりて我を尋ねれば、彼は客にして我は主なり、則ち天盤の星をもって彼を代表し、地盤の星をもって我を代表す。
看他來生我,我去生他,他生我,益在我;我生他,益在他;他尅我,損在我;我尅他,損在他。又以陰日之天盤星為我,陽日之地盤星為他,比和無損益,須仿此而推之。
さらに看るに、彼が来たりて我を生ずるか、あるいは我が往きて彼を生ずるか。彼が我を生ずれば、好処は我この辺に在り。我が彼を生ずれば、好処は彼その辺に在り。彼が我を剋すれば、損失は我この辺に在り。我が彼を剋すれば、損失は彼その辺に在り。また、陰日は天盤の星をもって我を代表し、陽日は地盤の星をもって彼を代表す。両者の五行比和すれば、則ち彼此既に損せずまた益せず。皆この辦法に照らして推斷すべし。
奇門曰:“有陽無陽,德祿在門,無陽半吉,有陽欣欣”。此陽神係指飛值使門時適得丁奇,即為陽神得助。如甲子值符,丁卯為陽神,甲戌值符,丁丑為陽神之類。
奇門の口訣に曰く、陽神有るや無きやは、徳と禄と門の上に落つるか否かを看るべし。陽神なければただ半吉と算し得るのみ、陽神あって乃ち事事歓欣す。ここに言う所の「陽神」とは、飛布して値使の門にする時に恰も丁奇を得着すれば、あれすなわち陽神が来たりて相助するを指す。たとえば甲子が値符と為る時、丁卯すなわち陽神なり。甲戌が値符と為る時、丁丑すなわち陽神なり。その余はこれに依りて類推す。
奇門占事
按奇門貴人歌與六壬同,但冬至後得陰貴,夏至後用陽貴之不用。奇門上盤象天(謂九星),中盤象人(謂八門),下盤象地(謂九宮),上盤星也,中盤門也,下盤宮也。用法凡占吉凶者,首重九星,以九星是天盤,吉凶由天故也。凡星尅門吉,門尅星凶。
按ずるに、奇門の用うる所の貴人歌訣は六壬と相同じ、ただ奇門は冬至以後に陰貴を取り、夏至以後に陽貴を取り、六壬の用法と一様ならず。奇門の上盤は象を天に取り、指すは九星なり。中盤は象を人に取り、指すは八門なり。下盤は象を地に取り、指すは九宮なり。故に上盤すなわち星、中盤すなわち門、下盤すなわち宮なり。用法の上、凡そ吉凶を占するは、まず九星を看重す、九星は天盤にして、吉凶は天に由りて定まるをもって。凡そ星が門を剋すれば則ち吉、門が星を剋すれば則ち凶。
凡出行趨避者,首重八門,以八門為人盤,吉凶由自取故也。凡門尅宮吉,宮尅門凶,傷人事故凶。凡造葬、遷移者,首重九宮,以九宮為地盤,遷移等事皆由地而起也,故門宮相生俱吉,相尅俱凶,茍得此意而推之。凡事關天人者,無不可以數通妙哉,此示人以用法。
凡そ出行して方を擇び、吉に趨り凶を避くるは、まず八門を看重す、八門は人盤にして、吉凶は人自ら招来するをもって。凡そ門が宮を剋すれば則ち吉、宮が門を剋すれば則ち凶——宮が門を剋すれば人事を傷及せん、故に凶。凡そ営造・安葬、遷居・搬移は、まず九宮を看重す、九宮は地盤にして、遷移の類の事は皆地に由りて起こるをもって。故に門と宮と相生すれば皆吉、相剋すれば皆凶。ただこの層の意思を把握して推斷すれば、凡そ天と人に関渉する事情は、数をもって理を推通せざるなし、実に奇妙なり。この一段は用法を指點して人に看せしむるなり。
傳曰:奇門既分三盤,上下盤俱有一干,地盤宮中有奇儀是也,上下相對一照,成格、不成格顯然可知。如甲加丙,乙加辛之類。惟主星之下,飛門之內,暗藏一干,謂值使加時支法。
伝の中に曰く、奇門は既に三盤に分かれ、上盤・下盤各々一個の天干あり——地盤の宮中に蔵する三奇・六儀すなわち是なり。上下両盤を対照して一看すれば、格と成るか成らざるか、一目瞭然なり、たとえば甲が丙に加わり、乙が辛に加わるの類。独り主星の下・飛ぶ所の門の内に在りては、なお暗に一個の天干を蔵す、これすなわち値使を時辰の地支の上に加える算法なり。
又值符首中起數至時干止,其由甲而丙,而乙至癸,以求時支,則八門中又帶了一干,曰“飛干”。此干並不露干,局面上下盤之外數時支,時用甲乙排得者,故曰暗藏,若隱若現,變化無窮,古今來無一識之者。假如飛門內(即中盤八門),既生主星飛門內忽有庚飛到(此甲求時支我甲乙來不露跡)。
また値符の旬首より起こりて数え、一直に時干に至るまで止まり、甲より丙に、乙に、直至癸に至り、用いて時支を求出す。こうすれば八門の中にまた一個の天干を帯びるを得、これを「飛干」と呼ぶ。この干は盤面の上に顕露せず、上下両盤の外に在りて別に時支を数え、臨時に甲乙を用いて推排し出すなり。故に「暗蔵」と呼ばれ、若隠若現して変化無窮、古往今來一人もそれを識得するあらず。たとえば飛ぶ所の門の内——すなわち中盤の八門——はもともと已に主星を生助するも、門内に忽然としてまた一個の庚に飛到す。これ正しく甲より起こりて数えて時支を求め、甲乙を用いて推し来りて痕跡を露さざるあの飛干なり。
凡百事外面雖美備,內中蹭蹬,又加飛門既尅主星,凡百事占之大凶,而飛門內忽有奇飛到(即飛干之乙丙丁),凡百事外面雖凶,內中實多暗獲。經之若隱若現,若有若無,飛干之謂也。
この時、凡百の事情は表面看来すれば完美・斉備、内裏は実は困頓・不順なり。反って、もし飛ぶ所の門が本已に主星を剋制し、百事を占問すれば皆大凶なるも、門内に忽然としてまた三奇に飛到せば——すなわち飛干の裏の乙・丙・丁——則ち百事表面は凶なりと雖も、内裏実は多く暗中の収穫あり。経文の説く所の「若隠若現・若有若無」、講ずるは正しくこの飛干なり。
占投軍
天沖為武士,值符為主帥。值符宮生天沖宮,及天沖宮生值符宮,一見即投合,如彼此相尅,定不收錄。天沖若坐值符,一去即為部長,後必大用,伏吟空回,反吟反覆不准。
軍に投じ入伍するを占えば、「天冲」星をもって投軍の武士を代表し、「値符」をもって主帥を代表す。もし値符の在る所の宮が天冲の在る所の宮を生じ、あるいは天冲の宮が値符の宮を生ぜば、一たび見ればすなわち投合す。もし両宮相互に剋制せば、一定に録用せられず。天冲がもし正しく値符の上に坐すれば、一たび往けばすなわち部曲の長官と成り得、日後必ず重用を受けん。もし伏吟に逢えば、すなわち白く一趙走る。もし反吟に逢えば、則ち反復して定まらず、占い准がらず。
占攻城
以六庚為攻者,以天禽為守者(原法云:庚者兵眾,禽者,中心者攻之,故受攻)。如六庚乘旺相,得開門加中五宮城必破(可見中五宮亦有門,行到此不奇之驗)。又看地盤天禽所乘之宮,得旺相及吉門者,其守將不可擒也,反此必死。
攻城を占えば、六庚をもって進攻の一方を代表し、「天禽」をもって城を守る一方を代表す。原法に曰く、庚は兵衆を代表し、天禽は中に居り、中に居るは正しく攻めらるる目標なり、故にそれに由りて攻を受く。もし六庚が旺相の気に乗り、また開門を得て中五宮に加臨せば、城は必ず攻破せられん——これに由りて見るべし、中五宮もまた門有るを、ここに推し至りて正しく一条の不尋常の験証なり。さらに地盤の天禽の落つる所の宮を看るに、もし旺相の気および吉門を得ば、城を守る将は擒えられず。反って、守将は必ず死せん。
占守城
以天禽為守者,天蓬、六庚為攻者,天禽宮得休、生、開、景,又旺相有六丙,其城不破。如無旺相及吉門,再犯天蓬、六庚,又中宮,不能守斷。
城を守るを占えば、「天禽」をもって城を守る一方を代表し、「天蓬」と六庚をもって進攻の一方を代表す。もし天禽の在る所の宮が休門・生門・開門あるいは景門を得、また旺相の気に処り、なお六丙の相助あれば、この城は攻破し得ず。もし旺相の気もなくまた吉門もなく、反って天蓬・六庚を犯し、加えてまた中宮に落ちれば、則ち守り得ずと断ず。
占盗賊
敵兵來去先分界限,冬至以後以坎艮震巽為內,離坤兌干四宮為不至,六庚落宮被尅者,為安營不穩,自驚而退。六庚尅所落之宮,又逢元武、天蓬、白虎之神,乘必大戰。庚得九天,則大張聲勢,鳴鼓而進。庚得九地,則掩旗息鼓而來。
盗賊を占えば、敵兵の来るか去るかは、まず内外の界限を分清すべし。冬至以後は、坎・艮・震・巽の四宮をもって内界と為す。もし離・坤・兌・乾のこの四宮に落ちれば、則ち到來せざると断ず。六庚の落つる所の宮が剋せられれば、対方は営を安んじて穩ならず、自ら驚きて退かんを説明す。もし六庚が反ってその落つる所の宮を剋し、また玄武・天蓬・白虎のこの幾個の神に遇上れば、勢に乗じて来れば必ず大戦あり。庚が九天を得れば、すなわち声勢を大張し鼓を擂りて進む。庚が九地を得れば、すなわち旗を偃え鼓を息め悄として来る。
如賊已入境,占其何時去?看六庚在內四宮為不去,在外四宮為去。總以六庚地盤干支年月日時為去來之期,庚加年(年為方吉之類)。如太白入熒,雖賊來,若在外界(外四宮),亦主不來;熒入太白,雖主賊去,若在內界,亦不去。
もし賊寇已に境内に進入せば、それの何時離去するを占うに、則ち六庚を看る。内四宮に落つればすなわち走らず、外四宮に落つればすなわちまさに走らんとす。要するに六庚の地盤上に対応する干支をもってその来去の年月日時を定む。庚が某年の上に加われば、則ちあの一年に応じ、その余はこれに照らして類推す。また、「太白入熒惑」は賊の来るを主ると雖も、もしそれが外界の四宮に落ちれば、なお来らざるを主る。「熒惑入太白」は賊の走るを主ると雖も、もしそれが内界の四宮に落ちれば、またなおなお走らず。
占賊臨境城可守否
以時干宮為客,時支宮為主(即符使之宮),看其生尅何如?如時支宮地盤受值符所落之宮尅制,而時支又乘六庚、元武,此城當棄。或值使宮自被下尅,此城亦不可居,速宜退避。如值符宮與值使宮相生、相比,或值符宮自受刑尅,敵人三來,不能取勝,守之無妨。
賊兵が境に臨み城池守り得るや否やを占えば、時干の在る所の宮をもって客方を代表し、時支の在る所の宮をもって主方を代表し、すなわち値符・値使の落つる所の宮なり、さらに両者の間の生剋如何を看る。もし時支の宮が地盤上に値符の落つる所の宮に剋制せられ、しかも時支の上にまた六庚と玄武に乗れば、この城はまさに放棄すべし。あるいは値使の宮が下面の宮に剋せられれば、この城もまた住むべからず、まさに速やかに退避すべし。もし値符の宮と値使の宮と相生しあるいは比和し、あるいは値符の宮が反って自ら刑剋を受ければ、則ち敵人は再三来たりて犯すも取勝し得ず、守りて妨げなし。
占勝敗
凡戰陣以景、驚二門主之。經曰:景門宜破陣。又治亂之法,要視驚門,當以值符所落之宮為主,六庚所落之宮為客。值符宮尅六庚之宮,主勝;六庚宮尅值符之宮,客勝。又論旺相為勝,休囚為負。如主得驚、景二門,或二門宮與客宮相生則客勝。
勝敗を占えば、凡そ両陣交戦するは、景門と驚門をもって主と為す。経の上に景門は敵陣を攻破するに宜しと説く。禍乱を平定するの辦法は、則ち驚門を看るべし。判斷する時は値符の落つる所の宮をもって主方を代表し、六庚の落つる所の宮をもって客方を代表す。値符の宮が六庚の宮を剋すれば、主方獲勝す。六庚の宮が値符の宮を剋すれば、客方獲勝す。このほかなお気を論ずべし、旺相の一方は勝ち、休囚の一方は負く。もし主方が驚・景の二門を得着し、あるいはこの両門の在る所の宮が反って客方の宮と相生せば、則ち是れ客方獲勝なり。
如主客宮相生,來必講和;如主客所乘皆旺相,俱得二門,不相刑尅,其力相等,則兩相恐懼,不戰而退。如六庚為值符,是主客同宮,二家不分勝負。又日干加庚主勝,庚加日干客勝。如榖雨上元陰遁五局,丙辛日壬辰時,天柱為值符,上帶六庚,主二家不相勝負,自相退避。
もし主客双方の宮が相互に生助せば、来る一方は必定に和を講ぜんとす。もし主客の乗る所皆旺相の気に在り、また皆景・驚の二門を得着し、彼此相刑剋せず、力量相当すれば、則ち両辺皆心に畏懼を存し、戦わずして各々退去す。もし六庚が正好して値符なれば、あれは主客が同一宮に同処するを以て、両家は勝負を分け得ず。また、日干が庚に加われば、主方勝ち。庚が日干に加われば、客方勝ち。たとえば穀雨の上元に陰遁五局を用い、丙日あるいは辛日の壬辰時に、天柱星を値符と為し、上にまた六庚を帯びれば、則ち両家は勝負を分けず、各々退避するを主る。
占遠信
以景門為信,歌曰:“景上投書並破陣”。景門臨外界來遲,臨內界為速,上帶吉格,信吉;凶格,信凶。門迫、投江水,無信。
遠方からの信を占えば、景門をもって書信を代表す。歌訣の裏に「景上に書を投げ併せて陣を破る」と説くは、正しくこの意なり。景門が外界の四宮に落つれば、信は来ること遅し。内界の四宮に落つれば、信は来ること速し。景門の上に吉格を帯びれば、来るは好消息なり。凶格を帯びれば、来るは坏消息なり。もし門迫に遇上り、あるいは朱雀投江の格と成れば、すなわち信なし。
占大計吉凶
以值符為吏部,開門為官星,開門宮受值符宮尅制,又休囚廢沒,及不得吉星、吉格者,主拿問。旺相者,主罷職。得吉星降級。開門宮不受值符宮尅制,返相生者,無事。
大計・考課の吉凶を占えば、値符をもって吏部を代表し、開門をもって官星を代表す。もし開門の在る所の宮が値符の宮に剋制せられ、また休・囚・廃・没の衰敗の気に処り、かつ吉星・吉格を得ざれば、逮捕せられ罪を問はるるを主る。もし開門がなお旺相の気に在れば、則ちただ革職するのみ。もしまた吉星を得着せば、ただ降級するのみ。もし開門の宮が値符の宮に剋制せられず、反って彼此相生せば、則ち平安にして事なし。
占領批文遅速
六丁宮與值使宮相生,則速;相尅,則遲。又看六丁在何處?即以本日干支定其日期。
批文を領取するの遅速を占えば、六丁の在る所の宮と値使の在る所の宮と相生せば、批文は来ること速し。両宮相剋せば、来ること遅し。さらに六丁の何の位置に落つるかを看て、便ち当日の干支を用いて具体の日期を推定す。
占新任官員賢吏及何処人
以門為官星,九星為心性,天干為分野(天盤之干)。如開門上乘吉星為好人,凶星為惡人。天輔心性文明,天任仁慈,天心善心正直,天禽忠厚,天沖風厲,天英轟烈,天芮貪毒,天柱奸宄大惡。甲蠻,乙海外及東夷,丙楚,丁岱江、淮南,戊己韓、魏、中州、何濟,庚秦,辛華,壬燕、趙,癸常山。
新任の官員が賢か劣か、何処の人かを占えば、八門をもって官星を代表し、九星をもって心性を代表し、天干(天盤の干を指す)をもって籍貫・分野を代表す。たとえば開門の上に吉星に乗れば、すなわち好人なり。凶星に乗れば、すなわち悪人なり。九星の主る心性は、天輔は性情文雅・明達、天任は仁厚・慈愛、天心は心地良善にして正直、天禽は忠厚・老実、天冲は作風凌厲、天英は轟轟烈烈、天芮は貪婪・狠毒、天柱は奸邪にして大悪なり。天干の主る分野は、甲は蛮地を主り、乙は海外と東夷を主り、丙は楚地を主り、丁は岱山と江淮以南を主り、戊己は韓・魏・中州・河済の一带を主り、庚は秦地を主り、辛は華山の一带を主り、壬は燕・趙を主り、癸は常山を主る。
占官事催提緩急
以時干為我,日干為官長,六丁為公文,值使為公差。若值符宮尅天乙宮(按此天乙,時干也。天上時干為天乙),而六丁臨於內地,其提緩。如值符宮尅天乙宮,而值使臨於外地,其提急。再有擊刑,來意至惡,三奇至善。若相生,公差與官長相見則喜,相尅見怒。又看六庚為天獄,落休囚一去即結,旺相則不能結。
官府の催提・傳訊の緩急を占えば、時干をもって自己を代表し、日干をもって官長を代表し、六丁をもって公文を代表し、値使をもって差役を代表す。もし値符の宮が天乙の宮を剋制し(按:ここの天乙は時干を指し、天盤上の時干すなわち天乙と称す)、しかも六丁が内界に落ちれば、傳訊は来ること緩し。もし値符の宮が天乙の宮を剋し、しかも値使が外界に落ちれば、傳訊は来ること急なり。この時さらに撃刑あれば、来意極めて悪劣なるを説明す。もし三奇あれば、則ち来意極めて善良なり。もし彼此相生せば、差役と官長見ればすなわち歓喜す。相剋せば、見ればすなわち動怒す。さらに六庚を看るに、それは「天獄」なり。休囚の気に落つれば、一往きてすなわち了結す。旺相の気に落つれば、則ち了結し得ず。
占遷移吉凶
以九星及九宮分方向定可否,如此方上有三奇、吉門,再時得天禽,四季皆吉;得天輔,春、夏大吉;得天心,秋、冬大利,餘星俱不利。各以來時占,看何星為天乙定之,觀此則以其人來之時發占,不似六壬之筮時也。
遷居の吉凶を占えば、九星と九宮を用いて方向を分出し、これに拠りて行くべきか否かを判定す。もし遷ぶ所の方の上に三奇と吉門あり、この時また天禽星を得着せば、一年四季皆吉。天輔星を得着せば、春夏大吉。天心星を得着せば、秋冬大いに利あり。その余の各星は皆不利。皆来たる人の事を問う時辰に按じて局を起こし、哪一顆の星が天乙を作るかを看て定奪すべし。これに由りて見るべし、奇門は来人の到訪するあの一刻をもって課を発し、六壬の如く別に筮して時辰を定めざるを。
占雀噪
以朱雀為主,看朱雀所臨何奇、何門?以決其事。如開門得奇,主有親朋至,或行人遠歸,或主酒食(此皆以開門斷之,人盤以斷人事,此舉一隅也)。休門得奇,主有喜事(休即喜也)、喜信及婚姻之事。生門得奇,主得田產、財物、豬畜之事(俱切生門斷法)。若不得三門及門迫、奇墓,俱主無所關係。要看景門臨吉格,則有喜信,凶格則有憂信,或小煩惱。
雀鳥の聒噪は何の事を主るかを占えば、朱雀をもって主と為し、朱雀が哪一の奇・哪一の門に臨むかを看て、これに拠りて主る所の事を判定す。たとえば開門が三奇を得れば、親友の到来あるを主り、あるいは門を出て外にある人が遠方より帰来し、あるいは酒食の事あり——これらは皆開門に依りて断ず。八門は人盤に属し、是れ人事を断ずるなり、此処は不過一を挙げて三に反するのみ。休門が三奇を得れば、喜事(休すなわち喜の意)・喜訊および婚姻の事あるを主る。生門が三奇を得れば、田産・財物・猪畜の一類の物を得るを主り、皆緊く生門の断法に扣らる。もし開・休・生のこの三門を得着せざれば、あるいは門迫・三奇入墓に碰上れば、皆相干の事なきを主る。なお景門を看るべし。景門が吉格に臨めば、すなわち喜訊あり。凶格に臨めば、すなわち憂信あり、あるいは些かの小煩悩あり。
占陞遷
凡蒞任日久,薦多未見超擢,欲知升期,當以開門決之,因開門為官,掌發印也。開加生旺宮,再有三奇、德合、吉格,必再遇歲月建乘吉神來生,定然高擢。其有吉格,而不旺相,或旺相而無吉格,及旺相、吉格,而歲月建不來相生,亦不升也。
陞遷を占えば、凡そ任に到りて日久しく、挙薦多しと雖も遲遲として超陞を見ざれば、陞遷の日期を知らんと要すれば、まさに開門を用いて判斷すべし、開門は官職を代表し、印信を頒發するを掌るをもって。もし開門が生気・旺気の宮に加臨し、さらに三奇・徳合と吉格あり、また恰好して流年・太歳と月建が吉神に乗りて前来りて生助するに遇上れば、必定に高陞す。もしただ吉格ありて旺相に在らざれば、あるいは旺相に在ると雖も吉格なければ、甚至旺相と吉格と皆斉備するも、太歳・月建が来たりて相生せざれば、あれもまた陞り得ず。
占郷會試
以日干為士子,值符總裁,天乙(值使也,此指貴人言,非值符名也,疑即六壬所謂廉幙者也)為房師,六丁為文章。值符宮尅日干宮,座師不取。天乙宮尅日干宮,房師不薦。六丁宮尅日干宮,日干宮尅六丁宮,及六丁休囚廢沒,俱主題目大難,文章失意。如值符宮、天乙宮來生日干宮,六丁宮又得旺相必中,缺一不中,故必須此格皆全乃獲,此至理也。六壬亦當仿此法推之。
郷試・會試を占えば、日干をもって応試の士子を代表し、値符をもって主考・総裁を代表し、天乙をもって房師を代表し(天乙すなわち値使、ここは貴人に就きて言うなり、値符の別名にあらず、大概は六壬の裏に説く所の「廉幕」に相当す)、六丁をもって文章を代表す。もし値符の宮が日干の宮を剋すれば、主考取らず。天乙の宮が日干の宮を剋すれば、房師薦めず。六丁の宮が日干の宮を剋し、あるいは日干の宮が六丁の宮を剋し、および六丁が休・囚・廃・没の地に落つれば、皆題目極めて難く文章失意を主る。もし値符の宮と天乙の宮と皆来たりて日干の宮を生じ、六丁の宮また旺相の気を得れば、必定に考中す。これらの幾様は一様を欠けばすなわち中らず。故に必ずこれらの格局斉全して乃ち得中し得、これ最も切要の道理なり。六壬で考試を占うもまたこの辦法に仿照して推斷すべし。
占病何日愈
以病人日干為主(八字內之日),以天芮為病神,以生死二門為生死。如日干落在生門,生主不死(皆天盤),得死門者,難愈。更遇日干休囚,得凶星、凶格,必死;其餘六門主纏綿,以天芮廢沒之日為愈期。占兒女病,時干入墓必死。
疾病の何日に痊愈するかを占えば、病人の日干をもって主と為し、すなわち彼の八字の裏の日柱の天干なり。「天芮」をもって病神と為し、生門・死門をもって生死を定む。もし日干が生門の上に落つれば(これらは皆天盤を看る)、活きて死せざるを主る。もし死門の上に落つれば、すなわち痊愈し難し。さらにもし日干が休囚の気に処り、また凶星・凶格を得ば、必ず死せん。その余の六門に落つれば、病情纏綿して去らざるを主り、天芮の落ちて廃・没の気に到るあの日を推して痊愈の期と為し得。小児の病を占うは、時干が入墓すればすなわち必ず死せん。
占干謁
干謁專看休門宮分(如天盤休加震為本宮),為所見之人,時干宮(天上時干加地盤坎方為水之類)為所往之人,加休門宮生時干宮,而時干宮又有三奇臨之,遂意。如相尅制又無三奇,不得見,或不喜悅,所求不遂。又要彼此二宮旺相,有一處休咎,即不吉。若所見之方得休門臨之,亦相見也。
干謁して見を求むるを占えば、専ら休門の落つる所の宮位を看る——たとえば天盤の休門が震宮に加われば、則ち震宮をもって本宮と為す——それは見んと要する人を代表す。さらに時干の在る所の宮を看る——たとえば天盤の時干が地盤の坎方に加われば、則ち水に按じて論ず——それは前に往きて拜訪する人を代表す。もし休門の宮が時干の宮を生じ、しかも時干の宮にまた三奇の臨むあれば、事はすなわち称心・如意す。もし両宮相互に剋制しまた三奇なければ、すなわち見るを得ず、あるいは対方高興せず、求むる所遂わず。なお両宮皆旺相の気に在るを要す、ただ一処の休囚・衰敗に落つるあれば、すなわち不吉。もし往かんと要するあの方位の上に恰好して休門の臨むあれば、また見るを得上るを得。
占捕捉
以六合為逃人,以傷門為捕人(全以八門為主,以八門為人盤,主人事也)。如六合宮(謂天盤六合所臨地盤之宮,後凡言宮皆仿此)尅傷門宮,不可得,反此易得。傷門宮生六合宮,捕人不實力,必受其賂。傷門、六合同宮,兩相通同。值年月日時格,則可獲,天網低亦然。
逃犯を捕捉するを占えば、六合をもって逃走の人を代表し、傷門をもって捕拿の人を代表す——整套の断法は皆八門をもって主と為す、八門は人盤にして、人事を主管するをもって。もし六合の宮(天盤の六合の臨む所の地盤の宮を指し、以下凡そ「宮」と説くは皆此に照らして理解す)が傷門の宮を剋すれば、人は抓るを得ず。反ってすなわち抓ること易し。もし傷門の宮が六合の宮を生ぜば、捕役が肯んじて力を出さず、必定に逃犯の賄賂を収めたるを説明す。もし傷門と六合と同一宮に在れば、あれは両下里に串通して一気なり。もし年格・月格・日格・時格に値上せば、すなわち抓获し得。「天網」の張ること低き時も一様に抓るを得。
占婚姻
以六乙為女,六庚為男,取甲以乙妹娶庚之義也。如乙庚二乾落宮兩相生合則成,兩相尅則不成(如地盤子卯刑之類)。又以天上六合為媒人,如六合宮生六乙宮媒向女家,生六庚宮媒向男家,六庚宮尅六乙宮,女家畏男而不嫁。六乙宮尅六庚宮,男家嫌女而不娶。六乙宮帶擊刑,主女性凶惡;帶德合,女性堅貞。六庚宮帶凶神,主男性暴烈,帶德合,主溫厚。
婚姻を占えば、六乙をもって女方を代表し、六庚をもって男方を代表す、取る所は甲が妹乙を庚に嫁がせるの意なり。もし乙・庚の両干の落つる所の宮が相互に生合せば、婚事はすなわち成る。相互に剋制すれば成らず、たとえば地盤上に子卯相刑の一類。さらに天盤の六合をもって媒人を代表す。六合の宮が六乙の宮を生ずれば、媒人は女家に偏向す。六庚の宮を生ずれば、媒人は男家に偏向す。六庚の宮が六乙の宮を剋すれば、女家は男方を畏懼して肯んじて嫁がず。六乙の宮が六庚の宮を剋すれば、男家は女方を嫌棄して肯んじて娶らず。六乙の宮が撃刑を帯びれば、この女子の性情凶悪を主る。徳合を帯びれば、彼女の性情堅貞を主る。六庚の宮が凶神を帯びれば、この男子の性情暴烈を主る。徳合を帯びれば、彼の為人温厚を主る。
占走失
以時干為失主(與六壬之用干同理),六合為逃走之物,俱以落宮論之,又以六合宮與時干落宮,看在內外以分遠近。如日干、六合俱在內,易尋,俱在外,難尋。六合在外,時干在內,難尋。
走失を占えば、時干をもって失主を代表し(六壬の日干を用いるの道理と相同じ)、六合をもって走失の人あるいは物を代表し、皆それらの落つる所の宮に按じて論断す。さらに六合の宮と時干の落つる所の宮を拿し、それらの内界に在るか外界に在るかを看て、これをもって遠近を分辨す。もし日干と六合と皆内界に在れば、找ること易し。皆外界に在れば、則ち找り難し。六合が外界に在りて時干が内界に在れば、また找り難し。
又以六合所在之宮為方向,如得旺相星,又乘開休生杜四門,不可得,反此可得。乘九地、太陰,有人潛藏;乘九天遠走,乘元武被人盜去,乘螣蛇有人盤詰羈縻,乘朱雀有信,勾陳有勾引而去(以上指六壬所乘而言也)。又看六庚,年格則年獲,月格則月獲,日格則日獲,時格則時獲。
さらに六合の在る所の宮をもって方向を定出す。もしあの一宮が旺相の星を得着し、また開・休・生・杜のこの四門に乗れば、東西は找りて回り得ず。反ってすなわち找回し得。六合が九地・太陰に乗れば、是れ人のそれを蔵起したるあり。九天に乗れば、是れ遠遠に逃走したるあり。玄武に乗れば、是れ人に偷去せられたり。螣蛇に乗れば、是れ人の盤問・扣留するあり。朱雀に乗すれば、消息あるべし。勾陳に乗れば、是れ人に勾引・拐帶して去りたり。以上は皆六壬の乗る所の神に就きて言うなり。さらに六庚を看るに、成年の格と成ればすなわち当年に尋獲し、月格と成ればすなわち当月に尋獲し、日格と成ればすなわち当日に尋獲し、時格と成ればすなわち当时に尋獲す。
占借貸
以值符為物主,天乙(即值使,俱仿此推)為往借之人,各以所落宮分生尅論之。值符宮生天乙宮,天乙宮尅值符宮,借貸必遂;值符宮尅天乙宮,天乙宮生值符宮,借貸不遂。
借貸を占えば、値符をもって物を出借する物主を代表し、天乙(すなわち値使、以下皆此に照らして推す)をもって前に往きて借貸する人を代表し、各々それらの落つる所の宮位の生剋に按じて論断す。もし値符の宮が天乙の宮を生じ、あるいは天乙の宮が値符の宮を剋すれば、借貸必定に成功す。もし値符の宮が天乙の宮を剋し、あるいは天乙の宮が反って往きて値符の宮を生ぜば、借貸はすなわち成らず。
占武舉
以值符為主考,時干為舉子,甲申庚為箭,甲午辛為紅心,景門為策論。專看甲申庚落宮若尅甲午辛之宮,或沖其宮皆為箭中紅心,再看景門得旺相,又與值符宮相生者,主中。缺一不中箭論。
武舉考試を占えば、値符をもって主考官を代表し、時干をもって応試の挙子を代表し、甲申庚をもって箭を代表し、甲午辛をもって箭靶の紅心を代表し、景門をもって策論・文章を代表す。専ら甲申庚の落つる所の宮を看る。もしそれが甲午辛の在る所の宮を剋し、あるいはあの一宮を冲せば、皆箭が紅心に中ると算す。さらに景門の旺相の気を得着するや否やを看て、また値符の宮と相生するや。若是なれば、すなわち考中を主る。これらの幾様は一様を欠けば、則ち射えて箭に中らざるに按じて論断す。
占求財
當分休囚,以生門所落之宮,為休生開上所乘之星為用,用生休吉,休生咎,則不吉,囚旺休衰,休雖尅囚,不為大吉。休旺衰囚,雖尅休亦無大害,大抵看門所落宮分,再看上下三盤,格局吉凶何如?吉信吉星,所求如意,一有不吉,所求僅半,休囚不吉,所求全無。
求財を占えば、まず休気と囚気の旺衰を分清すべし、生門の落つる所の宮をもって准と為し、休門・生門・開門の上に乗る所の星を以て用神と為す。用神が休気を生扶すれば則ち吉、休気が反って用神を生ずればすなわち咎あり、あれ便ち不吉。囚気旺にして休気衰なる時は、休気は囚気を剋し得と雖も、また大吉と算上せず。休気旺にして囚気衰なる時は、囚気は来たりて休気を剋すと雖も、また大害なし。大体まず門の哪一宮に落つるかを看て、さらに上・中・下の三盤の格局の吉か凶かを看る。もし消息吉にして星もまた吉なれば、求むる所便ち如意。ただ一処の不吉あれば、求むる所はただ一半を得るのみ。もし休囚に落ちてしかも不吉なれば、求むる所便ち全然落空す。
占船主善惡
以震三宮為船主,以天盤上所得之星,為船主之善惡。震宮上得輔心禽三星為上吉,沖任為中吉,其船家是好人。得英、芮、杜、蓬為大凶,船不可登。
船主の好坏を占えば、震三宮をもって船主を代表し、天盤上にこの一宮に落到する星をもって船主の善悪を断ず。震宮の上に天輔・天心・天禽のこの三星を得着せば、是れ上等の吉。天冲・天任を得れば、是れ中等の吉、こういう船家は皆好人なり。もし天英・天芮・天柱(原文は「杜」と作る)・天蓬を得着せば、すなわち大凶、この条の船は上るべからず。
占出外之人安否
先定方向,看其方上下二盤得三奇吉門天地二門俱有奇門及諸吉格者,安;反此不安。
門を出て外にある人の平安なるや否やを占えば、まず彼の在る所の方向を定出し、さらにあの方位の上・下両盤の三奇と吉門を得着するや否やを看る。もし天盤・地盤の両処皆奇有り門有り、また各種の吉格に配上せば、人はすなわち平安。反ってすなわち平安ならず。
占訪友
大凡奇門用事,專擇方向與時耳。如我欲訪友尋人,以所往之方地盤為主,天盤為客,主客要相生合,又得吉門、吉星必相遷。若門凶,上下兩盤又相尅制,則不遷也。庚為年月日時格,值此亦不遷也。
友を訪うを占えば、大凡奇門を用いて事を辦するは、ただ方向と時辰を挑選するのみなり。たとえば我が朋友を拜訪し、某人を尋找せんとすれば、則ち往く所の方位の地盤をもって主と為し、天盤をもって客と為す。主客両方は相生・相合することを要し、また吉門・吉星を得着せば、必定に会い得上るを得。もし門凶にして、上下両盤また相互に剋制せば、すなわち会い上らず。もし六庚が年格・月格・日格・時格と成れば、それに碰上るもまた会い上らず。
占雪
以干、兌二宮為主,天心宮即干,天心星乘壬癸二干到兌,或天柱、兌宮乘壬癸二干到干,皆主雪。如以落宮所得之干,地盤宮中日干以定其期。
雪の下るを占えば、乾・兌の両宮をもって主と為す。天心星の本宮はすなわち乾宮なり。もし天心星が壬・癸の二干に乗りて兌宮に飛到し、あるいは本宮が兌に在る天柱星が壬・癸の二干に乗りて乾宮に飛到せば、皆雪の下るを主る。雪の下る日期に至りては、則ち落つる所の宮の上に得る所の天干、および地盤の宮中の日干に依りて推定す。
巻八
或有人、有物、有動靜,即以其方所乘之星入宮,又以其正時所乘之門入中宮以定人。再看中宮之本宮何星、何門填實,或各以官鬼、父母、兄弟、子孫、妻妾之類推之。若填實之宮生本宮、本星者,有益;尅中宮、本宮、本星者,有損,宜避之。卻以本時干加於中宮,陽遁順布,陰遁逆行,須向得奇、得門之方以避之。
もし某個の方位の上に人・物あるいは動静の出現あれば、則ちあの方位の乗る所の星を本宮に移入し、さらに当時の乗る所の門を中五宮に移入し、これに拠りて何人の身上に応ずるかを判定す。続いて中宮の本宮が哪一顆の星・哪一個の門に由りて填実せらるるかを看、あるいは分別して官鬼・父母・兄弟・子孫・妻妾のこれらの六亲の類別に按じて推斷す。もし填実の宮が本宮・本星を生ぜば、すなわち益処あり。もしそれが中宮・本宮・本星を剋せば、すなわち損害あり、まさに回避すべし。回避の辦法は、当時の時干を中五宮の上に加え、陽遁は順排し陰遁は逆排し、三奇を得吉門を得るあの方位に朝かいて躲避す。
占出外預定帰期
其法以四維長生決之,看出門之日干繫何干?即看四維是何干長生之宮?以本宮地盤之干,即回家之日也。
門を出て外に在り、帰期を預定するを占えば、この方法は四維の位の長生を用いて判斷す。まず門を出たあの日の日干が哪一個の干かを看出し、さらに乾・坤・艮・巽の四維の中、哪一宮がこの天干の長生の宮かを看る。その一宮の地盤上の天干を取れば、すなわち家に帰る日子なり。
占出外不知家安否
其法專以四維決之。四維者,乃四長生之方也。倘甲乙日看干宮,此四大長生之根也。若得門、得奇、吉格,則吉;凶格,俱凶。
人が外に在りて家中平安なるや否やを知らざるを占えば、この方法は専ら四維を用いて判斷す。所謂四維とは、すなわち四個の長生の方位なり。たとえば甲日・乙日は則ち乾宮を看る、これは四大長生の根本の所在なり。あの一宮がもし吉門・三奇と吉格を得着せば、家中すなわち吉。もし凶格なれば、皆凶。
占求人推薦
其法以甲子戊為求薦之人,以天乙為推薦之人。若天乙落宮生甲子戊與值符宮者,必推薦,否則不薦。
人に求めて挙薦するを占えば、この方法は甲子戊をもって人に求めて挙薦する一方を代表し、天乙をもって出面して挙薦する人を代表す。もし天乙の落つる所の宮が甲子戊および値符の在る所の宮を生ぜば、対方必定に肯んじて挙薦せん。然らざれば則ち肯んじて挙薦せず。
占詞訟吉凶
其法以驚、景二門主之。凡有詞訟,看驚門乘旺相之氣者,訟不息,景門亦然。若二門入墓,落空亡之宮者,主訟不成。
訴訟の吉凶を占えば、この方法は驚門・景門の両門をもって主と為す。凡そ訴訟有れば、驚門のもし旺相の気に乗ずるを看れば、官司はすなわち止め得ず。景門もまた一様なり。もしこの両門が墓に入り、あるいは空亡の宮に落つれば、則ち官司の打起さざるを主る。
占夢吉凶
其法專責螣蛇所乘天盤門儀下臨地盤是何門儀。合吉門、吉格者,吉;凶格,則凶。若落地盤空亡、墓庫者,則無吉凶。
夢の吉凶を占えば、この方法は専ら螣蛇を取り、それの乗る所の天盤の門と儀、下に地盤の何の門・何の儀に臨むかを看る。もし吉門・吉格に配成せば、夢はすなわち吉。もし凶格と成れば、夢はすなわち凶。もし地盤の空亡あるいは墓庫の位に落つれば、この夢は便ち吉凶と謂う所なし。
占禽鳥怪鳴
其法專責天禽星落宮下臨地盤之宮是何干以決之。若天禽落地盤得奇門吉格者吉,凶格者凶。各以八門配之,吉凶自驗。
禽鳥の異常に鳴叫するを占えば、この方法は専ら天禽星を取り、それの落つる所の宮の下に地盤の哪一宮・是れ何の天干に臨むかを看て、これに拠りて判斷す。もし天禽が地盤上に落到して三奇・吉門と吉格を得着せば、則ち吉。凶格を得着せば、則ち凶。さらに各々八門に配上して看れば、吉凶自然に応験す。
占何怪
專責螣蛇及所乘星門以決之。若螣蛇落宮在坎,為水怪、神怪。落艮,石怪、山精。落震,木怪、狐狸。落巽,花妖、龍蛇。落離,火怪、鳥怪、龜蛇。落坤,老婦、牛羊及房屋、金灶怪。落兌,飛禽、羊怪、金銀,埋久作怪。落干,神願豬羊犬首及銅鐵器皿作怪。若不得奇門吉格,而乘凶格者,必至死亡、孝服、官司之凶。落空亡者,無礙。
家中に怪を作すは是れ何ぞやを占えば、専ら螣蛇およびそれの乗る所の星と門を取りて判斷す。螣蛇が坎宮に落つれば、是れ水怪あるいは神祟なり。艮宮に落つれば、是れ石怪・山精。震宮に落つれば、是れ木怪あるいは狐狸。巽宮に落つれば、是れ花妖あるいは龍蛇。離宮に落つれば、是れ火怪・鳥怪あるいは龜蛇。坤宮に落つれば、是れ老婦・牛羊、および房屋・金屬竈具の怪を作す。兌宮に落つれば、是れ飛禽・羊怪、あるいは埋藏して日久き金銀の怪を作す在り。乾宮に落つれば、是れ許したる神願未だ還らず、および猪羊狗頭・銅鉄器皿の怪を作す在り。もしこの時三奇・吉門と吉格を得ざれば、反って凶格に乗じて、必定に死亡・孝服・官司の類の凶事を招来せん。もし螣蛇が空亡の位に落つれば、すなわち妨礙なし。
占避難
專以杜門決之,看其落於何方?即以其方避之。再看所乘之干是何干?見戊為貴人潛避。若杜門乘三奇則去無阻隔,大吉。若見庚,須抱木行,方免凶災。見辛為天獄,壬為地牢,必不能逃。
難を避くるを占えば、専ら杜門を用いて判斷す。まず杜門の哪個の方位に落つるかを看て、則ちあの方位に朝かいて躲避す。さらにそれの乗る所は是れ何の天干かを看る。戊を見れば、是れ貴人の身を隠し潜み避くるの象なり。もし杜門が三奇に乗ずれば、逃走すれば便ち毫も阻隔なく、大吉。もし庚を見れば、須く木頭を抱きて行くを得て、乃ち凶災を免れ得。辛を見れば、あれは「天獄」なり。壬を見れば、あれは「地牢」なり、皆必定に逃げ得ず。
若杜門落地盤癸為天網之格,在坎艮二宮,可用三、四尺之木壓之而逃;若干兌二宮,可匍匐而過之。逃方在艮離二宮,或高八、九尺,可挺身而行。若杜門同癸、震、巽二宮,天網盈門,不能逃脫。若杜門臨乾兌二宮,木被金尅,雖然逃去,後亦拿獲。若有三奇吉格,落日干之宮者,有救。
もし杜門が地盤の癸の上に落つれば、すなわち「天網」の格と成る。この時網はもし坎・艮の両宮に在れば、張ること低し、三四尺長の木頭を用いて網を圧住して乃ち逃げ得。もし乾・兌の両宮に在れば、匍匐して爬り過ぐべし。逃走の方位もし艮宮・離宮に在れば、網の張ること八九尺の高さあり、則ち身を挺直して走り過ぐべし。もし杜門と癸と同じく震・巽の両宮に落つれば、あれは天網門に満ち、逃脫する法なし。もし杜門が乾・兌の両宮に臨めば、木は金に剋され、たとえ一時逃走すも、後に仍ほ抓获せられん。もし三奇・吉格ありて日干の在る所の宮に落つれば、則ちなお救いあり。
占入山訪道
以天芮為訪道之人,天輔為傳道之人。若天輔得奇門、吉格來生天芮者,得高人傳授。相比和者,空見人,不傳道。相尅者,不能見人。惟推陽日得僧道傳道,陰日得羽士傳道。
山に入り師を尋ね道を訪うを占問するに、九星の中の「天芮」を用いて前に往きて道を求むる人を代表し、「天輔」を用いて道法を傳授し得る高人を代表す。もし天輔の落つる所の宮が三奇・吉門と吉格を得、併せて天芮の落つる所の宮を生扶せば、この行に高人に遇い真傳を得るを主る。もし天輔・天芮の両宮の五行相同じくして彼此比和せば、ただ白く一面を見るのみ、対方は併せて肯んじて法を傳えず。もし天輔の宮が反って来たりて天芮の宮を剋制せば、則ち面さえも見得ず。傳法者の身分に至りては、占日の陰陽を看る。陽日に占得すれば、多くは僧人・道士が彼に道を傳う。陰日に占得すれば、多くは方士・術士の一流の「羽士」が彼に道を傳う。
占差遣誰去
專責開門、天沖之星與眾人年命之干是何年干?何日干?年命被開門沖者,籤差;不沖者,不籤差。
一批の人の当中に究竟誰を派して出差し事を辦さしむるかを占問するに、専ら「開門」と「天冲」星の哪一宮に落つるかを看て、さらに逐個に衆人の年命の配する所の天干を查出し、各人の年命干・生日の干の分別して何宮に落つるかを看る。凡そ年命の干の落つる所の宮が開門に冲动せらるるは、此人便ち名を点じ簽發して差遣せられん。年命の宮が開門の冲动を受けざれば、則ち彼の往くに輪らず。
占退役
以開門為官長,以日干為退役之人。若開門生日干,主官有眷戀之情,不准退。開門尅日干者,準退,惹官怒責。比和者,準退。又日干乘青龍逃走、熒入白者,必退。若乘白入熒、虎猖狂者,不可退。螣蛇妖矯,主驚恐,欲退不能。若見大格與朱雀投江,必革。
軍役・差役を辞し得るや否やを占問するに、「開門」をもって自己を管轄する長官を代表し、占日の日干をもって退を請う人を代表す。もし開門の宮が日干の宮を生扶せば、長官が此人に対し心に眷顾・器重を存し、肯んじて彼の退役を准さざるを主る。もし開門が日干を剋制せば、准退すと雖も、却て先に一頓の斥責を受くべし。両宮比和すれば、則ち順順當當として准退す。また日干の乗る所の格局を看る。「青龍逃走」(乙奇が辛に加わる、逃遁して離去するを主る)あるいは「熒入白」(丙が庚に加わる、主動して進取するを主る)に乗ずるは、必定に退成す。「白入熒」(庚が丙に加わる)あるいは「白虎猖狂」(辛が乙に加わる)に乗ずるは、退り下来らず。「螣蛇妖矯」(癸が丁に加わる)に乗ずれば、ただ虚驚一場、退らんと想うて退るを得ず。もし「大格」(庚が癸に加わる)と「朱雀投江」(丁が癸に加わる)を見れば、則ち是れ准退にあらず、而も革職・除名せられんとす。
占応役
以開門為現任之官,以日干為應役之人。若日干所乘之宮得旺相氣,再得奇門吉格,而開門所乘之宮得奇儀吉格來生日干者,必得官長重用發達。若日干不得旺相奇儀吉格,而被開門生日干者,主士見喜,小吉。若日干開門彼此相沖尅者,不利。
身を投じて役に応じ差を當るを占問するに、「開門」をもって現任の主官を代表し、日干をもって前に往きて役に応ずる人を代表す。もし日干の落つる所の宮が気候旺相にして、また三奇・吉門と吉格を得、しかも開門の落つる所の宮にもまた奇儀・吉格ありて併せて来たりて日干を生ぜば、此人必ず長官に倚重・提拔せられ、日後発達するを主る。もし日干本身が既に旺相ならず、また奇儀・吉格なく、ただ単に開門に倚りて来たりて生扶せらるるは、あれ不過一点の小喜事に遇うに過ぎず、小吉に属するのみ。もし日干と開門の両宮が相互に冲剋せば、則ち役に応ずるは不利、往くに宜しからず。
占買人
以值符為買奴之人,以天芮之落宮為奴婢。若天芮落宮生值符者,主奴益主。相比和者,不遜。尅值符者,反逆。乘玄武、天蓬者,偷盜。乘青龍逃走者,失。螣蛇妖矯者,病亡。乘白入熒、虎猖狂尅值符落宮者,弒主,大凶。乘玉女守門,淫亂汙主。熒入太白,懶惰庸愚,餘皆仿此。
僮僕・婢女を買進するを占問するに、「値符」をもって人を買う主家を代表し、「天芮」の落つる所の宮をもって買う所の奴婢を代表す。もし天芮の宮が値符の宮を生扶せば、この奴は主家に益あるを主る。両宮比和せば、その人の倨傲にして馴れざるを主る。天芮が反って値符を剋すれば、その人の主に忤逆し背くを主る。天芮が「玄武」「天蓬」の二凶神に乗ずれば、此人は手脚乾淨ならず、盗を行うを主る。「青龍逃走」に乗ずれば、日後逃亡・走失するを主る。「螣蛇妖矯」に乗ずれば、病を染め身を亡ぶを主る。「白入熒」あるいは「白虎猖狂」に乗じてしかも値符の宮を剋制するは、甚至主人を弑害す、是れ大凶の象なり。「玉女守門」に乗ずれば、淫乱にして主家の門風を玷污するを主る。「熒入太白」に乗ずれば、則ち懶惰・昏庸にして使喚に堪えず。その余の情形は皆此に照らして推斷す。
占幕館
以天輔為求幕館之人,以甲子戊為開門官長。若開門乘三奇吉格來生天輔之宮者,主顯官來聘。若甲子戊、開門、天輔之宮,主貴人舉薦。若開門不乘旺相三奇者,主微官來聘。相比和者,主賓投契。相尅制、返吟者,主賓不和。若天輔入墓,賓凶。開門入墓,東主凶。落空亡者,終不得館。
幕僚の館職を謀求するを占問するに、「天輔」をもって聘を求むる幕客を代表し、「甲子戊」と「開門」をもって彼を延聘する官長・東主を代表す。もし開門が三奇・吉格に乗りて来たりて天輔の宮を生ぜば、顕貴の官の前来りて聘請するあるを主る。もし甲子戊・開門と天輔の三者が一宮に会せば、貴人の中より挙薦するあるを主る。もし開門が既に旺相ならずまた三奇を帯びざれば、来たりて聘するはただ位卑く職小なる官員なるを主る。両宮比和せば、賓主の性情投合するを主る。両宮相剋制しあるいは「返吟」の局と成れば、賓主和せざるを主る。もし天輔が入墓すれば、凶は幕客の一方に在り。開門が入墓すれば、凶は東家の一方に在り。二者が空亡に落つれば、則ちこの份の館職は終竟に談じ成らず。
占書館
以天輔為師長,天芮為弟子。若天芮落宮生天輔宮者,主弟子聘師長。天輔落宮生天芮宮者,主師長就弟子,或舊徒。天輔宮尅天芮宮者,師長嫌弟子。天芮尅天輔,弟子嫌師長。若天芮乘旺相氣,又得奇門吉格者,必是厚館。如天芮不得奇門吉格,不乘旺相,其館必菲。輔、芮返吟者,主半途而廢。天芮落空亡、墓庫者,終不得館,餘仿此。
帳を設け徒を授くる塾師の館席を占問するに、「天輔」をもって塾師を代表し、「天芮」をもって學生を代表す。もし天芮の宮が天輔の宮を生扶せば、是れ學生の一方の主動して来たりて老師を聘請するを主る。もし天輔の宮が天芮の宮を生扶せば、是れ老師が學生に遷就し、あるいは教える所はなお従前の旧門生なるを主る。天輔の宮が天芮の宮を剋すれば、老師の學生を嫌棄するを主る。天芮の宮が天輔の宮を剋すれば、學生の老師を嫌棄するを主る。もし天芮が旺相の気に乗じ、また三奇・吉門・吉格を得ば、是れ一份の束脩優厚の好館なるを主る。もし天芮に奇門・吉格なく、また旺相ならざれば、束脩必定に微薄ならん。輔・芮の両星が「返吟」と成れば、教読半途にして廃するを主る。天芮が空亡あるいは墓庫に落つれば、この館席は終竟に談じ成らず。その余の情形は此に照らして類推す。
占訪人
以天盤所往之方為我,地盤之星為他,天地二盤相比和者,必見。再得奇門、吉格及天地二盤所得之干相合者,並有酒食。若相尅制,主猜忌,不見。如臨星干入墓,彼在家,不肯見。如地盤之星落空亡者,彼實不在家。
門に登りて他人を拜訪するを占問するに、往く所の方位の天盤の星をもって自己を代表し、該宮の地盤の星をもって対方を代表す。天地両盤の星が比和せば、この行必ず見着し得るを主る。もしさらに三奇・吉門・吉格を得、しかも天地両盤の臨む所の干が正好して相合せば、但し見得るのみならず、主人はまた酒飯を備えて款待せん。もし両盤の星が相互に剋制せば、彼此心に猜忌を存して見成らざるを主る。もし臨む所の星と干と入墓すれば、対方は確かに家に在りて、ただ肯んじて出来て相見ざるを主る。もし地盤の星が空亡に落つれば、あれは対方根本に家中に在らざるなり。
占人来訪
以來人所來之方天盤之星為來人、為客,地盤所乘之星為主、為我,天盤星得奇門來生地盤之星者,為貴客,有益於我,可見。若天盤之星尅地盤星,再有凶門、凶格相乘者,必損我之人,不可見。
人の門に上りて来訪するあるを占問するに、来人の自らする所の方位上の天盤の星をもって来客を代表し、該宮の地盤の星をもって自己この主人を代表す。もし天盤の星が三奇・吉門を得て来たりて地盤の星を生ぜば、来るは貴客にして、自己に益あり、接見すべしを説明す。もし天盤の星が反って来たりて地盤の星を剋し、また凶門・凶格に乗ずれば、此人の来意善ならざるを説明し、見れば必ずその損を受け、相見るに宜しからず。
占信息虚実
以景門、朱雀信息決之。若景門乘旺相氣,又得三奇者,的信。景門休囚,不得三奇,而乘朱雀者,為詐信,不可聽。景門落空亡、入墓,而帶朱雀者,乃道路之言,或忤悖架勾之詞,更不可信。
聞き得た消息が真か假かを占問するに、専ら「景門」と「朱雀」のこの二個の文書・音訊を主る類神をもって判斷す。もし景門が旺相の気に乗り、また三奇の相助を得ば、この消息は確鑿にして信じ得べし。もし景門が休囚にして気なく、三奇を得ず、反って口舌・是非を主る朱雀に乗ずれば、これすなわち人の編造したる假消息にして、聴信すべからず。もし景門が空亡に落ちあるいは入墓し、同時にまた朱雀を帯びれば、あれは不過道聴途説の街談巷議、あるいは人の挑撥・構陷し捏造・羅織する詞にして、さらに当真とすること能わざるなり。
占出行水陸吉凶
以休、景二門所乘之宮分水旱二路。休門落空,合天地二盤有三奇相乘者,水路吉;景門有三奇者,旱路吉,行船忌。青龍逃走、白虎猖狂凶格,主風暴。螣蛇妖矯,主凶災。朱雀投江,主沉溺。
門を出て水路を取るか旱路を取るかを占問するに、「休門」「景門」の両門の落つる所の宮をもって水陸の二途を分主す。休門は水に属し、水路を主る。景門は火に属し、陸路を主る。休門は空亡に落つると雖も、ただ天地両盤皆三奇の相乗するあれば、水路を走るは吉利。景門に三奇を得るは、旱路を走るは吉利、この時反って船を行くを忌諱す。もし「青龍逃走」「白虎猖狂」のこの両個の凶格に遇えば、路上必ず狂風・暴雨に遇う。「螣蛇妖矯」に遇えば、途中に横に災禍を生ずるを主る。「朱雀投江」に遇えば、舟の覆り沉溺するの険あるを主る。
又以傷門為船,傷加休上為浮、為順;休加傷上,為舟行水底,主沉溺。景門為旱路,又以傷門為馬、為車,忌太白入熒,主益。熒入太白主火驚,元武、天蓬主失盜。水路忌驚門來尅,恐傷船,艮無水,利旱路。休加景主泥濘難行。若二門入墓,主關梁阻隔,行動艱難。
別に一法あり、「傷門」をもって船只を代表す。傷門が休門の上に加臨すれば、是れ船が水面に浮き順流して行くの象なり。反って休門が傷門の上に加臨すれば、便ち船が水底を行くと成り、沈没の危あるを主る。陸路を走るはなお景門を看て、しかも傷門をもって兼ねて車馬を代す。陸行は「太白入熒」(庚が丙に加わる)を見るを忌み、耗損を主る。「熒入太白」(丙が庚に加わる)を見れば、火光の驚あるを主る。「玄武」「天蓬」を見れば、中途に窃を失い盗に遭うを主る。水路を走るは則ち「驚門」の来たりて休門を剋するを忌み、船只の損傷せらるるを恐る。艮宮は山に属し水なし、ただ旱路に利ありて舟行に利ならず。休門が景門の上に加臨すれば、道路泥濘して行き難きを主る。もし休・景の二門が入墓すれば、關隘・橋梁処々阻隔し、行程艱難を主る。
占出行
以日干落宮為出行謀干之人,所往何方,有吉門、吉格來生日干之宮者,往必大利。或不得奇門吉格來生,而與日干比和者,亦利,反此不利。再被凶門、凶格來沖尅日干者,大凶。若臨空亡、入墓之方,或日干年命刑、墓、空亡方位者,不利。
門を出て事を辦するを占問するに、日干の落つる所の宮をもって出行して事を謀る本人を代表し、さらに前に往かんと要するあの一方を看る。もし該方に吉門・吉格ありて併せて来たりて日干の宮を生ぜば、この行必然に大いに順利なり。たとえ奇門・吉格の来たりて生ずるなくとも、ただ日干の宮と比和すれば、また利ありと算す。反ってもし剋制せられれば、便ち不利。倘若あの一方が凶門・凶格に乗りて来たりて日干を冲剋せば、則ち是れ大凶、断じて往くべからず。もし往く所の方が正しく空亡・入墓の宮に落ち、あるいは正しく日干と年命の刑地・墓地・空亡の位なれば、同じく出行に利あらず。
占問罪軽重
以甲午辛為罪人,開門為問官。如開門落宮生甲午辛之落宮,問官憐憫不加罪。相比者,罪必輕。相沖尅及凶格相乘,罪必重。若甲午辛落空亡,得奇門吉格相救者,罪必赦宥。
罪を獲るの軽重を占問するに、旬首「甲午辛」をもって罪を待つ人を代表し、「開門」をもって審問の官長を代表す。もし開門の落つる所の宮が甲午辛の落つる所の宮を生扶せば、問官の心に憐憫を生じ、罪を加えざるを主る。両宮比和せば、罪責必ず軽し。両宮相互に冲剋し、また凶格の相乗あれば、罪責必ず重し。もし甲午辛が空亡に落ち、しかもまた三奇・吉門・吉格の前来りて解救するあれば、此人終に必ず赦免・寛宥を獲得せん。
占囚禁
以甲午為罪人,辛為天獄,壬為地牢,癸為天網。看日干之落宮下臨甲午辛者,主凶禁。甲午辛落宮,下臨地盤壬癸者,為誤入天牢,待沖破之日,必出。若天盤壬癸之乾下臨地盤甲午辛者,為天網蒙頭,主囚禁。又如天上星儀,落地盤墓庫及壬癸者,終不出獄,竟作獄底之鬼。若落空亡之宮者,為空獄,不囚禁。
牢獄を免れ得るや否やを占問するに、「甲午」をもって罪人を代表し、「辛」をもって天獄と為し、「壬」を地牢と為し、「癸」を天網と為す。日干の落つる所の宮を看て、下に甲午辛に臨むは、凶険の拘禁を主る。甲午辛の落つる所の宮が、下に地盤の壬・癸に臨むは、これを誤りて天牢に入ると呼び、須くあの宮を冲開する日を待ちて、人乃ち放されて出るを得。もし天盤の壬・癸の干が下に地盤の甲午辛に臨めば、これを「天網蒙頭」と呼び、身が囹圄に陥るを主る。また天盤の星と儀とが、地盤の墓庫あるいは壬癸の上に落つるの如きは、此人終竟に獄を出ることを得ず、竟に獄底に死する冤鬼と為らんとす。もし空亡の宮に落つれば、あれを「空獄」と呼び、反って囚われざるを得。
占官司
以甲辰壬為螣蛇推之,值符落宮下臨甲辰壬、螣蛇,主原告牽連多人。乙奇落宮下臨甲辰壬與螣蛇相併者,主被告牽連多人。開門落宮下臨甲辰壬、螣蛇者,主問官牽連多人。甲辰壬、螣蛇落空亡之官者,不牽連。若見庚癸大格,縱牽連,不妨。
一場の官司が旁人に波及するや否やを占問するに、旬首「甲辰壬」を用いて「螣蛇」この纏繞・糾葛を主る神に配合して推斷す。値符の落つる所の宮が下に甲辰壬あるいは螣蛇に臨めば、原告の一方が許の多くの人を牽連して水に下さしむるを主る。乙奇の落つる所の宮が下に甲辰壬に臨み併せて螣蛇と同宮なれば、被告の一方が許の多くの人を牽連せんことを主る。開門の落つる所の宮が下に甲辰壬・螣蛇に臨めば、主審の官が拘傳して許の多くの人を牽連せんことを主る。もし甲辰壬と螣蛇と空亡の宮に落つれば、便ち他人を牽連するに至らず。倘若庚が癸に加わるの「大格」を見れば、則ちたとえ牽連に到るも、終に妨げなし。
占被審責否
以庚格決之。庚金所乘之宮來尅值符宮者,主原告被責。尅乙奇落宮者,被告受責。尅六合宮者,干證受責。若庚金入墓及落空亡之宮,官怒不責。
堂を過ぐる時誰が板子を挨ぐかを占問するに、専ら「庚」の成す所の格局をもって断ず。庚金の乗る所の宮が来たりて値符の宮を剋するは、是れ原告が責罰を受くるなり。来たりて乙奇の落つる所の宮を剋するは、是れ被告が責罰を受くるなり。来たりて「六合」の落つる所の宮を剋するは、是れ証を作す干連人が責罰を受くるなり。もし庚金が入墓し、あるいは空亡の宮に落つれば、則ち官長は発怒すと雖も、終竟に刑を動かさず。
占状詞
以景門、朱雀為狀詞。開門為官長,如景、驚二門乘旺相氣,再有三奇吉格,主情詞懇切。不被開門沖尅者,必準。驚、景二門不得奇儀吉格,再與開門沖尅者,主官嗔怒,不准;即準,反招罪責。若驚、景二門入墓,主情詞不明,不准。驚、景二門落空亡者,主平空捏詞,不准。開門入墓及落空亡者,官不動情,不准。
遞する所の状紙が准を獲得し得るや否やを占問するに、「景門」と「朱雀」をもって状詞・文書を代表し、「開門」をもって受理の官長を代表す。もし景門・驚門が旺相の気に乗り、また三奇・吉格の相扶あれば、状中の訴える所の情辞懇切にして人を動かすを主る。ただ開門に冲剋せられざれば、必定に状を准さん。もし驚・景の二門に既に奇儀・吉格なく、また開門と相互に冲剋せば、官長が看て発怒し、准理を予ざるを主る。たとえ勉強して准すも、反って遞状人に責罰を招来せん。もし驚・景の二門が入墓すれば、状中の情節含糊にして清らならざるを主り、准せず。もし驚・景の二門が空亡に落つれば、あれは空を凭んで捏造する誣詞にして、また准せず。もし開門が自ら入墓しあるいは空亡に落つれば、則ち是れ官長に過問するの心なし、同じく准せず。
占官嘱託
以開門為問官,值符為原告,乙奇為被告,值符落宮生開門宮者,主原告有托,乙奇亦然。二宮若被開門沖尅,縱囑託,官必不准。
承審官に私下に招呼を打ち情を説く人あるや無きやを占問するに、「開門」をもって主審の官を代表し、「値符」をもって原告を代表し、「乙奇」をもって被告を代表す。値符の落つる所の宮が開門の宮を生扶するは、原告の一方已に人情を托したるを主る。乙奇の宮が開門の宮を生扶するは、則ち是れ被告の一方が人情を托したるなり。もしこの両宮が反って開門に冲剋せられれば、則ちたとえ人を托して情を求むも、官長必定に肯んじて賬を買わざらん。
占審官司得理否
以開門所落之宮為問官,值符落宮為原告,乙奇落宮為被告,六合落宮為干證。開門落宮生值符者,官向原告,生乙亦然。生六合主聽干證之言歸結。相生者,得理。相尅者,不得理。開門入墓,問官胡塗,審不明白。開門落宮亡,不審。反吟,須換官審。
堂を過ぐる時哪一方が理を占むるかを占問するに、「開門」の落つる所の宮をもって主審の官を代表し、「値符」の宮をもって原告を代表し、「乙奇」の宮をもって被告を代表し、「六合」の宮をもって証人を代表す。開門の宮が値符を生扶すれば、官長の原告に偏向するを主る。乙奇を生扶すれば、官長の被告に偏向するを主る。六合を生扶すれば、官長が証人の言を採信し併せてこれに拠りて結案するを主る。凡そ開門と相生する一方すなわち是れ理を占め直を得、開門に剋制せらるる一方すなわち是れ理屈なり。もし開門が入墓すれば、承審官の糊塗・昏聵にして審して明白を出さざるを主る。開門が空亡に落つれば、則ち案子は擱置して審せず。もし「反吟」の局と成れば、主として一位の官員を換えて重ねて審理せん。
占詞訟
以值符為原告,值符所落地盤所乘之星為被告。天盤星尅地盤星,原告勝。地盤星尅天盤星,被告勝。
訴訟の勝負を占問するに、「値符」をもって原告を代表し、値符の落つるあの一宮の地盤上の星をもって被告を代表す。天盤の星が地盤の星を剋するは、是れ原告の一方の得勝なり。地盤の星が反って天盤の星を剋するは、則ち是れ被告の一方の得勝なり。
占病愈
以天芮落宮為病症,尅天芮落宮之干支者為愈期。如甲乙木尅戊己土之類。
疾病の何時痊愈するかを占問するに、「天芮」この病星の落つる所の宮をもって病症の所在を代表し、凡そ天芮の落宮の五行を剋制し得るあの干支の日すなわち是れ病愈の期なり。例を挙げて言えば、天芮が戊己の属する所の土宮に落つれば、則ち甲乙木は土を剋し得、甲日・乙日に逢えば便ち転愈の日子なり、その余は此に照らして類推す。
占請醫
以天心星為醫者,又以天乙奇為醫者,所落之宮乘奇門吉格為良醫,二神乘旺相之宮。不逢奇門吉格為時醫,不得旺相氣及奇門吉格為庸醫。不論良醫、庸醫,但能尅天芮病神之宮者,醫必有功。若病神落宮尅二神落宮者,雖良醫亦不能治也。
誰を請うて病を治さしむるかを占問するに、「天心」星をもって醫生を代表し、また「乙奇」を用いて醫生を代表し得。この両個の類神の落つる所の宮が三奇・吉門・吉格に乗ずるは、是れ醫術高明の良醫なり。ただ旺相の宮に乗じて奇門・吉格に遇い得ざるは、不過俗に随いて診に応ずる尋常の醫生なり。既に旺相ならずまた奇門・吉格なければ、便ち庸醫なり。良醫庸醫を論ぜず、ただその落宮が天芮この病神の在る所の宮を剋制し得れば、此人薬を下せば必定に効を見ん。反ってもし病神の宮が醫者の二神の宮を剋制せば、則ちたとえ名醫を請うも、この病を治し得ざらん。
占何病症
以天芮所落之宮決之,後以戴九履一之法論是何病?離宮為頭、眼目,在內為心、為病、為火。落坤為腹,在內為胃,在病為蠱賬,在外為肌膚,又為右肩、右耳,在病為瘡。落兌宮為咽喉、胸膈、為肺,在內為咳嗽、噎疾、喘急、喑啞,在外為口齒、額角、右肋,在病為痞。落干為腿足,亦為頭,在內為大腸,在病內為則膀胱、便閉、壅結,外則腿足筋骨疼痛,又為瘡。落坎在內為小腸、腎氣、丹田,在病為寒疾、遺精、洩瀉或淋漓、便閉,或茶酒久宿腹痛,在外為腎,在病為陰虛、瘡癢、疝氣。落艮在內為脾,內病主虛脹,在外為腿足腳氣,在病為麻木風溼,又為瘡。
患う所は何の症かを占断するに、病星「天芮」の落つる所の宮をもって決定し、さらに九宮「戴九履一」の方位に按じて身体の部位に配して病の何処に在るかを判斷す。天芮が離宮に落つれば、頭面・眼目を主り、内に在りては心臟に応じ、火に属し、多くは火症なり。坤宮に落つれば、腹部を主り、内に在りては脾胃に応じ、病は則ち鼓脹・蟲積、外に在りては肌膚に応じ、また右肩・右耳を主り、病は則ち瘡瘍なり。兌宮に落つれば、咽喉・胸膈・肺臟を主り、内に在りては咳嗽・噎膈・氣喘・失音と為り、外に在りては口歯・額角・右脅に応じ、病は則ち痞塊なり。乾宮に落つれば、腿足を主り、また兼ねて頭部を主り、内に在りては大腸に応じ、内の病は膀胱不利・大便閉結・壅塞して通ぜず、外の病は則ち腿足・筋骨の疼痛にして、また瘡瘍を主る。坎宮に落つれば、内に在りては小腸・腎氣と丹田に応じ、病は寒證・遺精・泄瀉あるいは小便淋瀝・大便不通と為り、また茶酒の停積して夜を過ぐして腹痛するを主り、外に在りては腎に応じ、病は陰虚・瘡癢と疝氣なり。艮宮に落つれば、内に在りては脾に応じ、内病は虚脹を主り、外に在りては腿足の脚氣に応じ、病は麻木・風濕にして、また瘡瘍を主る。
落震在內為肝膽,在外為左肋,內病則為血虛、為癆症、吐血、寤寐、驚悖、狂言,外病則目盲、耳聾及膚瘋、癩瘡痛、左股肋眷之疾。落巽在內為胃、口、膏盲,又為膽病,內則中風不語、肝肺相傷、三焦虛炎、感傷風熱、喘急,在外為左耳、左肩、左胘,又為筋,外病則手足浮熱、四肢無力,為火為疾,又為癱疾、狂悖、筋舒之疾。再以天芮落宮所帶之干,驗其寒熱虛實,詳審節氣時令,方為的驗,不可疎忽,取笑於人,學者慎之。
天芮が震宮に落つれば、内に在りては肝膽に応じ、外に在りては左脅に応じ、内病は則ち血虚・癆瘵・吐血を見、および寝臥安んぜず、驚悸・悖亂し、胡言亂語す。外病は則ち目盲・耳聾・皮膚の風疾・癩瘡の疼痛、および左股・脅肋と脊背の疾を見る。巽宮に落つれば、内に在りては胃・口と膏肓に応じ、また膽病を主り、内は則ち中風して言語すること能わず、肝肺倶に傷られ、三焦虚火の上炎し、外感の風熱、氣喘急促す。外に在りては左耳・左肩・左臂に応じ、また筋絡を主り、外病は則ち手足發熱・浮腫し、四肢無力、火に属し熱に属し、また癱瘓・狂悖と筋脈弛縱の疾を主る。部位を斷定した後、なおさらに天芮の落宮の帶ぶる所の天干を看て、用いて病情の寒熱・虚實を験証し、併せて當令の節氣・時令を細審し、かくの如く推斷して乃ち應験し得。切に粗疏・大意すべからず、以て斷錯して人に恥笑せらるるを致さん、學者務めて謹愼すべし。
占病吉凶
以天芮之落宮為病,以生死二門推之。天芮得生門者,生;得死門者,死。又看天芮落干、兌二宮為旺,不能治。落離宮、中五,其病纏綿。落震、巽二宮,病神受尅,主不藥而癒。落坎宮為休囚,病雖纏綿,猶可醫治。新病落空亡者,生;久病落空亡者,死。又看日干帶死囚之氣,帶凶神、凶格,或不得奇門者,亦死。若天芮落宮乘凶神、凶格,日干雖得旺相氣,而被天芮來沖尅年命者,亦死。又看病人年命日干(即生日八字中之日干)入墓者,亦死。衢仙曰:“死門加生門,占病,死者復生”。
病人の生死・安危を占断するに、「天芮」の落つる所の宮をもって病を代表し、さらに「生門」「死門」の両門を用いて推す。天芮と生門と同宮なれば、生を主る。死門と同宮なれば、死を主る。さらに天芮の落宮の旺衰を看る。天芮は土に属し、乾・兌の二宮に落ちて土が金を生じて氣を泄し旺に轉ずれば、病勢正に盛んにして、醫治し難し。離宮と中五宮に落ちて、火土相生すれば、病必ず纏綿して去らず。震・巽の二宮に落ちて、木が土を剋して病神制せられれば、服藥せずとも自ら愈ゆるを主る。坎宮に落ちて土が休囚の地に居れば、病纏綿すと雖も、なお醫治し得べし。新たに得たる病の空亡に落つるは生を主り、久病の人の空亡に落つるは死を主る。さらに日干を看る。日干が死氣・囚氣を帶び、また凶神・凶格に乗じ、あるいは全く奇門の相助なければ、また死を主る。もし天芮の落宮が凶神・凶格に乗じ、日干は旺相の氣を得ると雖も、卻て天芮に年命を冲剋せらるるは、同じく死を主る。さらに病人の年命と日干(すなわち出生年月日時八字の裏の日干)の入墓するを看るも、また死を主る。衢仙曾て曰く、「死門が生門の上に加臨して病を占えば、たとえ垂死の人もまた復活し得」と。
巻九
占失物
以日干落宮為失主,時干落宮為失物,各以類推之。看時干落宮乘旺相氣來生日干落宮者,仍得。反吟者,亦得。落空亡、墓、絕之宮,不得。干為金鎖、寶物、銅鐵、圓圈之物,又為帽纓、為馬。坎為水晶、珍珠、筆墨、毛髮細軟之物,又為豬。艮為山、玉石、器皿、蹬靴之物,又為牛、犬、貓。震為車、船、木器、碧色衣服之物,又為驢、騾。巽為絲紬、緞布細軟之物,又為彩色細長成隊之物。離為文明圖書、手卷、字畫、印信、文劵、彩禽、暖衣之物,又為馬。坤為銅鐵、鼓磬、釜中空有聲、象牙之物,又為牛羊。兌為金銀、首飾、有口對衿之物,又為羊雞、飛禽。看其有氣,便為活生之物,無氣即為死囚廢舊之物。
丢失の物を占問するに、日干の落つる所の宮をもって失主を代表し、時干の落つる所の宮をもって失物を代表し、各々その宮の卦象に按じて物類を推斷す。もし時干の宮が旺相の氣に乗じて來たりて日干の宮を生ぜば、失物はなお找回し得。成して「反吟」の局のも、また找回し得。もし時干が空亡・墓地・絶地の宮に落ちれば、就ち尋ねて回らず。物類に至りては、各々八卦に依りて象を取る。乾宮は金鎖・珍寶・銅鐵と圓環の物を主り、また帽纓と馬を主る。坎宮は水晶・珍珠・筆墨と毛髮・細軟の物を主り、また猪を主る。艮宮は山石・玉器、器皿と靴履の物を主り、また牛・犬・貓を主る。震宮は車船・木器と青碧色の衣物を主り、また驢騾を主る。巽宮は絲綢・緞布の一類の細軟を主り、また彩色細長にして串を成し隊を成す物を主る。離宮は圖書典籍・手卷字畫・印信契券・彩羽禽鳥と禦寒衣物を主り、また馬を主る。坤宮は銅鐵・鼓磬・中空にして聲ある釜器と象牙の物を主り、また牛羊を主る。兌宮は金銀首飾・口あり開襟ある物を主り、また羊・雞と飛禽を主る。さらに該宮の氣あるや否やを看る。氣あれば便ち活物、氣なければ便ち陳旧・廢棄の死物なり。
占何人盜
以蓬元為盜主,神乘旺相氣,又得奇門吉格者,乃是貴人為盜,不乘旺相氣,不得奇門吉格者,乃是小人為盜。仍配卦以決之,干為老陽,震為長、壯,坎為中男、始壯,艮為少男、童年,坤為老婦,巽為長女,離中女,兌少女。在內為親近之人,在外為他人。
是れ何人の行竊なるかを占問するに、「天蓬」星と「玄武」神をもって盜賊の類神と為す。この両個の類神が旺相の氣に乘じ、また三奇・吉門・吉格を得るは、作案するは身分ある體面人なり。旺相の氣に乘ぜず、また奇門・吉格を得着せざれば、作案するは市井の小人なり。さらに八卦に配上してその年貌を定む。乾宮に落つれば是れ年高の男子、震宮に落つれば是れ長子の輩の壮年人、坎宮に落つれば是れ排行居中の男子・剛に成年したる青壯、艮宮に落つれば是れ幼子の輩の童稚・少年、坤宮に落つれば是れ年老の婦人、巽宮に落つれば是れ長女、離宮に落つれば是れ中女、兌宮に落つれば是れ少女なり。内四宮に落つるは、身辺の親近の人の為す所なり。外四宮に落つるは、則ち外人の為す所なり。
占捕盜賊
刦人財物者,謂之盜;殺人取財者,謂之賊。以天蓬為大賊,元武為小賊,勾陳為捕盜之人,杜門為捕獲之方,皆以天盤主之。勾陳落宮尅蓬元之落宮者,捕之必獲。若蓬元尅勾陳之宮,主賊旺,捕人不敢獲。蓬元與勾陳宮比和者,必捕人通同為盜。勾陳、蓬、元同宮,必捕人為盜。蓬、元宮生勾陳宮者,捕人受賄,縱之不捕。總以庚格主之,年格年獲,月格月獲,日格日獲,時格時獲,不格不獲,杜門有格必獲,否亦不獲。
人の家の財物を劫奪するを「盜」と呼び、人を殺して財を劫するを「賊」と呼ぶ。盜賊を捕拿するを占うに、「天蓬」をもって大盜を代表し、「玄武」をもって小偷を代表し、「勾陳」をもって緝捕の差役を代表し、「杜門」をもって捕獲の方位を代表し、一律に天盤を看る。勾陳の宮が天蓬・玄武の宮を剋するは、一たび捕えれば便ち拿獲し得。もし天蓬・玄武が反って勾陳の宮を剋すれば、賊勢正に旺んにして、差役畏懼して敢えて手を下さざるを主る。蓬・玄と勾陳の両宮比和せば、捕役と盜賊と串通して一氣なるを主る。勾陳と天蓬・玄武と同じく一宮に落つれば、あれは捕役自らがすなわち盜賊なり。蓬・玄の宮が勾陳の宮を生扶すれば、捕役が賄賂を收受し、故意に縱放して拿えざるを主る。總の應期はなお「庚格」を看るべし。成年格と成れば便ち當年に拿獲し、月格と成れば便ち當月に拿獲し、日格と成れば便ち當日に拿獲し、時格と成れば便ち當時に拿獲し、格と成らざれば便ち拿るに到らず。杜門の上に格あれば必ず獲、杜門に格なければも照樣に捕え得ず。
開挖水道
以開門主之。開門乘旺相氣而得三奇者,主開挖有益,順利無害。若開門返吟、入墓,不宜挑挖,倘值太白凶格及甲辰壬者,後必有大害。
水道を疏浚・開鑿するを占問するに、専ら「開門」をもって主と為す。開門が旺相の氣に乘じてしかも三奇を得るは、工を動かすに益あり、一路順利にして妨害なきを主る。もし開門が「返吟」の局と成りあるいは墓地に落ち入れば、則ち工を興し開挖するに宜しからず。倘若庚金の成す所の「太白」凶格に碰上り、あるいは旬首「甲辰壬」に遇うやうあらば、土を動かすの後必定に大禍を醸成せん。
占河水消漲
以天蓬、休門決之。休門乘旺相氣而得三奇者,水雖漲不至氾濫。休門乘旺相氣而值庚格者,主河水壅塞,氾濫湧漲。再看有甲辰壬帶螣蛇,主孽龍舞水為害。休門落於二五八宮,水被土尅,主立消或無水。休門不乘庚格與甲辰壬者,水雖旺發,亦不出岸。
河水の漲落を占問するに、水に属する「天蓬」星と「休門」をもって判斷す。休門が旺相の氣に乘じて三奇を得るは、水勢漲ると雖も、氾濫して災を成すに至らず。休門が旺相の氣に乘じて卻て「庚格」に逢うは、河道壅塞して通ぜず、水勢倒灌して暴漲するを主る。さらに盤上を看るに、もし旬首「甲辰壬」ありて併せて「螣蛇」を帶ぶれば、孽龍の風を興し浪を作して一方に害を為すあるを主る。休門が二・五・八のこの三個の土に属する宮に落つれば、水は土に剋制せられ、水勢立刻に消退し、甚至乾涸して水なきに至るを主る。休門が既に庚格に逢わず、また甲辰壬に遇わざれば、則ち水は漲ること旺なりと雖も、終竟に堤岸を漫出せざらん。
占布種五穀
以九星所乘之門以類推之。乘旺相氣而得三奇吉門者,以開門、天心為麥田;傷門、天沖為稻穀;杜門、天輔為麥稷,又為棉花;景門、天英為高梁;休門、天蓬為豆田;死門、天芮為蕎麥,又為蒜。各門、各星乘旺相氣帶三奇吉格者,大收。乘旺相氣不得三奇吉格者,薄收。九星內有被尅,或值空亡、入墓,而得凶格者,歉收,不必種。
五穀を播種するを占問するに、九星の配する所の八門に按じて門類を分かちて推斷す。凡そ旺相の氣に乘じてしかも三奇・吉門を得るは、各々一類の作物を主る。開門が天心に配するは、麥田を主る。傷門が天冲に配するは、稻谷を主る。杜門が天輔に配するは、麥と稷を主り、また兼ねて棉花を主る。景門が天英に配するは、高粱を主る。休門が天蓬に配するは、豆田を主る。死門が天芮に配するは、蕎麥を主り、また兼ねて蒜を主る。各門・各星が旺相の氣に乘じて三奇・吉格を帶ぶるは、あの一類必定に大豐收す。旺相の氣に乘ずると雖も三奇・吉格を得着せざれば、收成微薄なり。九星の中にもし剋を受け、あるいは正しく空亡・入墓に落ち、また凶格に逢うあれば、あの一類必定に歉收す、索性に下種せざるも可なり。
占請客
以值符為客,天乙為主。天乙所乘之宮來生值符之宮者,必來。時干生日干者,亦來。天盤星生地盤星者,亦來。反此不來。
宴を設け客を請い、客人來るか來らざるかを占問するに、「値符」をもって請う所の賓客を代表し、「天乙」をもって東を做る主人を代表す。天乙の乘る所の宮が來たりて値符の宮を生ずるは、客必ず約に赴く。時干の宮が日干の宮を生ずるは、また來る。天盤の星が地盤の星を生ずるは、同じく來る。もし三者が反って相剋の勢と成れば、客人便ち來らず。
占選妃
以值符為差官,歲干為天子,柱星為室女。室女年命日干為值符所生者,主差官看中,必選。天柱為值符所生者,亦選。若室女年命日干所乘之宮,或天柱之落宮為值符所乘之宮,或天柱之落宮為值符所乘之宮來尅者,不選。
宮に入り妃を選ぶを占問するに、「値符」をもって旨を奉じて采選する差官を代表し、太歲の干をもって天子を代表し、「天柱」星をもって選を待つ閨中の女子を代表す。もし待選女子の年命の干・日干の落つる所の宮が値符の生扶を得れば、差官の彼女を看中したるを主り、必ず選ばれ上らん。天柱の宮が値符の生扶を得るも、また入選せん。もし待選女子の年命・日干の落つる所の宮、あるいは天柱の落つる所の宮が、反って値符の乘る所の宮に剋制せられれば、便ち選ばれ上らず。
占選後如何
以歲干所乘之宮與室女年命日干之宮,來合天柱之落宮,看歲干之宮來生室女年命日干並天柱之宮者,主上喜隆寵。若甲子戊之宮,依生年命日干及天柱之宮者,主後有王妃貴人。尅年命、天柱宮者,主上不喜,僅充不陳。
入選の後境遇如何なるかを占問するに、太歲の干の乘る所の宮と女子の年命・日干の宮とを、一併に天柱の落つる所の宮を合看す。もし太歲の宮が女子の年命・日干と天柱の宮を生扶せば、皇上の歓喜し恩寵優隆なるを主る。もし旬首「甲子戊」の宮が依次に年命・日干と天柱の宮を生扶せば、この女日後妃嬪の位に列し、宮中の貴人と成るを主る。もし太歲の宮が反って來たりて年命と天柱の宮を剋制せば、皇上が彼女を喜ばざるを主り、ただ白く宮中に充てらるるのみ、終身進見を得ず。
朝覲引見
以休門、歲干、年命日干之落宮決之。歲干為天子,日干為引見之人,年命日干得歲干來生,再有三奇相扶者,大吉。又有休門落宮得奇儀相乘者,主引見,天子必喜,而得隆寵。如歲干不生命日干之落宮,亦不相尅制,而休門得奇來生年命日干之落宮者,亦吉。若歲干來尅年命日干,再入空亡、墓廢,並休門不得奇儀吉格者,不利。
朝に入り陛見するを占問するに、「休門」・太歲の干と自己の年命・日干の落つる所の宮をもって判斷す。太歲の干は天子を代表し、日干は引見せらるる臣子を代表す。もし年命・日干の宮が太歲の宮の生扶を得、また三奇の相助あれば、是れ大吉の象なり。もしさらに休門の落宮が奇儀に乘ずるを加えれば、この番の引見は天子必定に歓喜し、優厚の恩寵を給與するを主る。もし太歲の宮が既に年命・日干の宮を生ぜず、また相剋せず、然るに休門が三奇を帶びて來たりて年命・日干の宮を生ずるは、もまた吉利と算す。もし太歲の干が反って來たりて年命・日干を剋制し、年命・日干また空亡・墓地あるいは廢地に落ち入り、同時に休門もまた奇儀・吉格なければ、則ち此行便ち不利。
占墳墓
凡墳墓之地,死者居之,吉則招福,凶則招禍。蓋祖先之靈魂守黃泉之下,安則子孫興旺,不安則子孫敗亡。若未葬之先占之,其法專責死門,並天地二盤之星決之。以死門落宮地盤之星為死者,死門天盤之星為主人,死門落宮乘三奇而與地盤之星相生、相合、不相尅制者,主死者安。地盤之星生天盤之星,天盤之星得三奇者,主存亡俱安,吉,後主興旺。若死門落宮與地盤之星相尅者,主存亡不安。地盤之星尅天盤之星,不得奇門護持者,主存亡俱凶。死門反吟者,遷之斯吉。死門落空亡者,主無地氣,家敗人亡。再以何干、何神、何格推之,吉星吉干生旺者,吉;凶神、凶格、凶干尅制者,凶。(此天盤之星,疑上下二盤之星而言,應俟高明者訪焉。)
凡そ墳塋の地は、皆逝者の身を安んずる所にして、地氣吉なれば則ち子孫のために福を招き、地氣凶なれば則ち子孫のために禍を招く。祖先の魂靈長く黃泉の下に守るを以て、先人安ければ則ち子孫興旺し、先人安からざれば則ち子孫敗亡す。もし下葬の前先に行い占問せば、その法は專ら「死門」を取り、さらに天地兩盤の星を合して斷ず。死門の落つる所の宮の地盤の星をもって亡者を代表し、該宮の天盤の星をもって喪を主る家人を代表す。死門の落宮が三奇に乘じ、而も地盤の星と相生・相合して相剋制せざれば、亡者の安を得るを主る。地盤の星が天盤の星を生じ、天盤の星また三奇を得れば、亡者と生者と兩皆安穩を主り、是れ吉象にして、日後家道興旺せん。もし死門の落宮が地盤の星と相剋せば、存亡兩方安寧ならざるを主る。地盤の星が天盤の星を剋し、また奇門の護持なければ、生者・亡者俱に凶を主る。死門が「返吟」の局と成るは、墳を遷して去れば乃ち吉。死門が空亡に落つれば、此地全く地氣なきを主り、家敗れ人亡ぶ。大勢を斷定した後、さらに臨む所の何干・何神・何格を看る。吉星・吉干生旺すれば則ち吉、凶神・凶格・凶干剋制せば則ち凶。(原注:此處に説く所の天盤の星は、疑らくは兼ねて上下兩盤の星を指して言うなり、まさに高明の士の考訂に留待すべし。)
占走失六畜
驢、騾、車、船以傷門、天沖主之,牛、羊以死門主之。看落天盤何宮?即往何方尋之。馬以干、兌宮所得之星主之,若得天蓬星,當於近水處尋之,如乘元武為人盜去,再看得之之日必逢庚格。
牲畜の走失を占問するに、驢・騾および車輛・船只は皆「傷門」と「天冲」星をもって類神と為し、牛・羊は則ち「死門」をもって類神と為す。これらの類神の天盤の哪一宮に落つるかを看て、則ちあの一方に往きて尋找す。馬匹は乾宮・兌宮の得る所の星をもって類神と為し、もし得る所が水に属する「天蓬」星なれば、まさに水に臨み水に近き地方に到りて找るべし。もし類神が「玄武」に乘ずれば、あれは人に偷去せられたり。何時に找回し得るに至りては、なお應期が必定に「庚格」の日に逢うを看るべし。
占文武陞遷
法以開、杜二門主之,文官看開門,武官看杜門。二門乘三奇,再得旺相相生其年命日干者,必升。太歲來生年命日干者,必係天子特旨。值符來生者,上司保舉。月建來生日干年命及開門者,部臣保舉。開門再得旺相相生,升之必速;得門不得奇,亦升;得奇不得門,只加銜不升。
官員の陞遷を占問するに、「開門」「杜門」の兩門をもって主と為す。文官は開門を看、武官は杜門を看る。この兩門が三奇に乘じ、また旺相にして氣あり併せて來たりて本人の年命・日干を生扶するは、必定に官を陞らん。もし是れ太歲の干の來たりて年命・日干を生ずれば、あれは天子の特旨にて簡拔す。もし是れ「値符」の來たりて生ずれば、あれは頂頭上司の出面して保擧す。もし是れ月建の來たりて日干・年命と開門を生ずれば、あれは部院の大臣の保擧す。開門本身さらに旺相を得併せて年命と相生せば、陞遷必然に甚だ速し。ただ吉門を得て三奇なきも、も照樣に陞ること能し。ただ三奇を得て吉門なければ、則ち不過一個の虛銜を加ふるのみ、併せて真に陞らず。
占降調
開門受尅,文官降調,杜門受尅,武官降調。返吟主調任,空亡必革職,入墓不惟降調,仍招罪戾。太歲來尅,天子不喜。值符來尅,上司參劾。月干來尅,部臣參劾。如見玄武為盜案,白虎為命案,朱雀印信,螣蛇罣誤,太陰罷職,六合、勾陳貪酷。若開杜二門乘旺相相生之宮,或得三奇吉格,雖參不妨。
官を貶め調を改むるを占問するに、開門が剋を受ければ、文官の降級・調動を主る。杜門が剋を受ければ、武官の降級・調動を主る。「返吟」に逢えば平級の調任を主り、空亡に落つれば則ち必ず革職せられ、入墓すれば但だ降調するのみならず、また罪責を招来せん。看るに是れ誰の來たりて剋するか。太歲の干の來たりて剋するは、是れ天子の不悅なり。「値符」の來たりて剋するは、是れ上司の出面して參奏す。月干の來たりて剋するは、是れ部院の大臣の彈劾す。さらに犯す所は何事かを看る。「玄武」を見れば是れ盜竊案、「白虎」を見れば是れ人命案、「朱雀」を見れば是れ印信・文書の過失、「螣蛇」を見れば是れ牽連・掛誤、「太陰」を見れば是れ徑に罷職に遭い、「六合」「勾陳」を見れば則ち是れ貪贓・酷虐なり。もし開・杜の二門が旺相の氣に乘じて而も落つる所の宮がまた年命と相生し、あるいは三奇・吉格を得たれば、則ちたとえ人に參劾せられとも、終竟に礙なし。
占求官
以開門落宮與年命日干宮決之。開門落宮生年命日干之宮,再得三奇吉門、吉格者,得官必速。不得三奇吉門、吉格者,得官必遲誤,反必不得。
官職を謀求するを占問するに、「開門」の落つる所の宮と自己の年命・日干の落つる所の宮の兩相對照をもって判斷す。開門の宮が年命・日干の宮を生扶し、また三奇・吉門と吉格を得るは、甚だ速く手に到る。もし三奇・吉門・吉格を得着せざれば、生扶ありと雖も、官を得るも必ず遲延・耽擱せん。もし開門の宮が反って年命・日干の宮を剋制せば、則ち根本に謀りて到らず。
占出任何方
以天盤開門之落宮決之。開門落於內四宮,必近;落於外四宮,必遠。陽遁自坎至巽為內,自離至干為外,陰遁反此。再以地盤所帶之干分配九州島,甲齊、乙東夷、丙楚、丁南蠻、戊韓魏、己中州、庚秦、辛晉、壬燕、癸北狄、子齊、丑吳越、寅燕、卯宋、辰鄭邯戰、巳楚、午周、未秦、申晉、酉趙、戌魯、亥衛。見元武主民間多盜,白虎主鬪傷,朱雀主刁訟,螣蛇多怪異,太陰主姦淫,天乙青龍、六合乃禮義敦僕之俗,勾陳多爭田土之事。
將に何地に赴きて官を任ぜんとするかを占問するに、天盤「開門」の落つる所の宮をもって斷ず。開門が內四宮に落つれば、任所必ず近し。外四宮に落つれば、任所必ず遠し。陽遁は坎・艮・震・巽をもって內と為し、離・坤・兌・乾をもって外と為し、陰遁は則ち內外相反す。さらに地盤の帶ぶる所の天干・地支を用いて九州の地界を分配す。甲は齊地に属し、乙は東夷に属し、丙は楚に属し、丁は南蠻に属し、戊は韓魏に属し、己は中州に属し、庚は秦に属し、辛は晉に属し、壬は燕に属し、癸は北狄に属す。子は齊に属し、丑は吳越に属し、寅は燕に属し、卯は宋に属し、辰は鄭と邯鄲に属し、巳は楚に属し、午は周に属し、未は秦に属し、申は晉に属し、酉は趙に属し、戌は魯に属し、亥は衛に属す。また乘る所の神に由りて任地の風俗を預知し得。「玄武」を見れば境内に盜多きを主り、「白虎」は鬬毆して人を傷つくるを主り、「朱雀」は刁民の訟を好むを主り、「螣蛇」は多く怪異の事あるを主り、「太陰」は民風淫佚を主り、「天乙」「青龍」「六合」は則ち是れ禮義淳厚・樸實の郷、「勾陳」は田土を爭奪する官司特別に多きを主る。
占童生應試
以天輔星為試官,丁奇為文章,日干為童生。丁奇得門來生年命日干,合吉門、吉格而得天輔來生者,必高取。或年命日干、丁奇合吉門、吉格,不得天輔來生者,亦取。丁奇、年命日干不得吉門、吉格,而被天輔來生者,主文憲施恩,不在文章好歹,亦取。若返吟、伏吟、入庫,主錄舊文,不取。落空亡者,必不完篇。驚、傷二門主文卷扯割。休門乘凶神、凶格沖尅年命日干者,主文章塗汙。
童生の考に赴くを占うに、「天輔」星をもって主考官を代表し、「丁奇」をもって文章を代表し、日干をもって應試の童生を代表す。もし丁奇が吉門を得て來たりて年命・日干を生じ、吉門・吉格に配上し、また天輔の來たりて生ずるを得れば、必定に前茅に列せん。あるいは年命・日干と丁奇とがただ吉門・吉格を配せるのみにして天輔の來たりて生ずるなくとも、も照樣に取中し得。もし丁奇と年命・日干と皆吉門・吉格を得着せざるも、卻て天輔に生ぜられれば、あれは學政の格外に恩を施し、文章の好坏を論ぜず一併に録取するなり。もし「返吟」「伏吟」に逢いあるいは墓庫に入れば、旧文を抄襲するを主り、取らず。空亡に落つるは、必定に未完の卷子を交したるなり。「驚門」「傷門」を見れば、試卷の破損・撕裂するを主る。「休門」が凶神・凶格に乘じて來たりて年命・日干を冲剋するは、卷面の塗抹・污損するを主る。
占歲考第
以天輔星為試官,日干為試子,丁奇為文章,看天輔來生丁奇及年命日干,再合奇儀吉格乘三吉門者,上吉,主一等。若丁奇年命日干落景門者,次吉,主二等。得門不得奇,得奇不得門,或與天輔比和者,三等。如丁奇落空亡之宮,年命日干再得凶神、凶格,四等。倘被天輔來尅者,主劣等。
歲試の等第を占うに、仍ほ「天輔」星をもって主考を代表し、日干をもって考生を代表し、「丁奇」をもって文章を代表す。もし天輔が丁奇と年命・日干を生扶し、また奇儀・吉格に配上して併せて開・休・生の三吉門に乘ずれば、是れ上上の象にして、一等に列し得。もし丁奇と年命・日干とが「景門」の上に落つれば、次一等の吉にして、二等に列す。もしただ吉門を得て三奇なく、あるいはただ三奇を得て吉門なく、あるいは天輔の宮と僅かに比和するのみなれば、便ち是れ三等なり。もし丁奇が空亡の宮に落ち、年命・日干また凶神・凶格に逢えば、則ち四等に落つ。倘若天輔の宮に反って來たりて剋制せられれば、就中劣等に評せん。
占科舉
以值符為正主考,月干為副主考,天乙、朱雀為文章、為廉官,景門、丁奇、日干為士子。以值符落宮生日干落宮,景門、丁奇落宮再合吉格者,必高中,月干來生亦然。朱雀來生景門、丁奇,主廉官力薦,不生不薦。丁奇、景門落宮尅值符、月干之宮者,文卷雖佳,主考不喜。尅朱雀之落宮,不薦。乘凶格者,文章差池。空亡、入墓,必犯格式。乘元武必錯訛字跡,不中。日干落空亡之宮,得值符、月干來生者,文章雖佳,榜上無名。值符、日干、朱雀空亡,文卷不入主考之目。入墓者,亦不中。場後見天驛二馬及太沖者,不中,更不必候榜。
郷試・會試を占うに、「値符」をもって正主考を代表し、月干をもって副主考を代表し、「天乙」「朱雀」をもって文章と卷を閱る房考官を代表し、「景門」「丁奇」と日干をもって應試の擧子を代表す。もし値符の宮が日干の宮を生扶し、景門・丁奇の宮また吉格に配上せば、必定に高中す。月干の來たりて生ずるも一樣なり。朱雀の宮が景門・丁奇を生扶すれば、房考官の竭力して擧薦するを主る。相生せざれば便ち卷を薦めず。もし丁奇・景門の宮が反って値符と月干の宮を剋すれば、文章好なりと雖も、主考が欣賞せざるを主る。朱雀の宮を剋するは、房考薦めず。凶格に乘ずるは、文章本身が就中差し。空亡に落ちあるいは入墓するは、必定に程式・格式を違犯したるなり。「玄武」に乘ずるは、卷上必ず錯字・訛筆あり、中らず。日干が空亡の宮に落つれば、たとえ値符・月干の來たりて生ずる有るも、文章佳なりと雖も終竟に榜上名なし。値符・日干・朱雀の空亡に落つるは、卷子根本に主考の眼前に送り到らず。入墓するも、同じく中らず。考完の後もし天馬・驛馬の二馬および「太冲」を見れば、あれは不中の象にして、榜をも待つに及ばず。
占殿試
以景門、丁奇為文章。如歲干所乘之宮來生景門、丁奇之落宮,再得奇門吉格者,必中鼎甲。歲乾落宮生景門、丁奇之宮,不得奇門吉格者,必中二甲。歲乾落宮不生景門、丁奇之宮,自乘旺相,中三甲。歲干不生景門、丁奇之宮,又返吟、入墓者,不中。或尅歲干之宮,又有凶神相併,不惟不中,且遭罪戾。
殿試の名次を占うに、「景門」と「丁奇」をもって對する所の策文を代表す。もし太歲の干の乘る所の宮が景門・丁奇の落つる所の宮を生扶し、また三奇・吉門・吉格を得ば、必ず一甲・鼎甲に中り、すなわち狀元・榜眼・探花の列なり。もし太歲の宮が景門・丁奇を生ずと雖も、卻て奇門・吉格を得着せざれば、二甲に中り得。もし太歲の宮が併せて景門・丁奇を生ぜず、而も景門・丁奇自身が旺相の氣に乘ずれば、則ち三甲に中る。もし太歲の宮が既に景門・丁奇を生ぜず、また「返吟」に逢いあるいは入墓すれば、便ち中らず。倘若景門・丁奇の宮が反って往きて太歲の宮を剋し、同時にまた凶神の併臨あれば、則ちただ中らざるのみならず、還たこれに因りて罪を獲らん。
占武科舉
以天沖星為監試官,以日干為試士,甲戌己為弓,甲申庚為矢,景門為策論,傷門為馬。甲戌己、甲申庚、傷門各乘旺相之宮與日干相生者,主外場合式;尅者,主外場阻隔,又以甲午辛為紅心,庚加辛宮主矢中紅心。庚落艮、干,矢落四角。巽、震、坤、兌矢落兩旁。落空亡者,矢不中。庚落幾宮,計中幾矢。落年命日干宮得天沖來生,更兼景門奇儀,有吉格者,必中;反此不中,武童仿此。
武科考試を占うに、「天冲」星をもって監試の官を代表し、日干をもって應試の武擧を代表し、旬首「甲戌己」をもって弓を代表し、「甲申庚」をもって箭矢を代表し、「景門」をもって筆試の策論を代表し、「傷門」をもって馬を代表す。もし甲戌己・甲申庚と傷門と各々旺相の宮に乘じ、併せて日干と相生せば、外場の弓馬・技勇皆合格し得るを主る。もし日干と相剋せば、外場に阻まるるを主る。また「甲午辛」をもって箭靶の紅心を代表す。庚が辛宮の上に加われば、箭が紅心に中るを主る。庚が艮宮・乾宮に落つれば、箭は靶の四角に射る。巽・震・坤・兌に落つれば、箭は偏して兩旁に在り。空亡の宮に落つれば、則ち靶を脱して中らず。庚が幾個の宮位に落つれば、就ち幾箭に中ると計す。もし庚が年命・日干の宮に落ち、また天冲の來たりて生ずるを得、さらに兼ねて景門と奇儀と併せて吉格あれば、必定に中式す。之に反すれば則ち中らず。武童生の考試もまた此に照らして推斷す。
占人生貴賤
其法先明戴九履一,細尋接氣、超神,八門配合九宮,九宮要帶三奇,年月日時要旺相,八門九宮須推移。離宮,頭面;干、艮,兩足、肩、耳、左手;坤巽震,在右手筋;坎為陰腎;中為心、腹。年干父母,月干兄弟,日干本身,時干屬兒,推及妻妾。
奇門を用いて人の一生の貴賤を推すに、その法はまず九宮「戴九履一」の定位を明白にし、さらに細心に節氣と局數との間の「接氣」「超神」の進退を考求すべし。八門は九宮に配合し、九宮の中は三奇を帶びるを要し、年月日時の四柱は旺相の地に處するを要し、八門と九宮は還た時に隨いて推移・變換す。人身の部位の配属は、離宮は頭面を主る。乾宮・艮宮は兩足・肩・耳と左手を主る。坤・巽・震の三宮は右手と筋絡を主る。坎宮は前陰と腎を主る。中宮は心腹を主る。六親の配属は、年干は父母と為し、月干は兄弟と為し、日干は自身と為し、時干は子女と為し、併せて此に由りて妻妾に推及す。
但看乙奇之落宮,庚為夫,定不移。要詳細其強弱,即能決其榮枯。旺相得奇,且富且貴;死囚墓絕,極賤極貧。格局要分輕重,命運驗其得失,未佈局先看孤虛旺相,即問口必辨天地乘時。太白入乾坤,父母早年淪沒;如若臨兄弟宮位,手足竟是讎敵,日奇被刑沖莊生嗟嘆,時干逢之鄧通無兒。
妻を看るにはただ「乙奇」の落つる所の宮を查すれば足り、夫を看るには則ち「庚」をもって準と為す、これは移らざるの法なり。仔細にこれらの用神の強弱を分辨すれば、就ち一生の榮枯を判定し得。用神が旺相にしてしかも三奇を得るは、富めり且つ貴し。死氣・囚氣と墓絕の地に落つるは、極貧極賤なり。格局は輕重を分出すべく、命運の得失は就中其の中に在り。なお未だ局を排せざるの前、先に孤虚と旺相とを看清を要し、一たび口を開きて事を斷ずれば必ず天盤・地盤の各々乘る所は何の時令の氣かを辨明すべし。もし「太白」庚金が乾・坤の二宮に加臨すれば、父母の早年に亡故するを主る。もし兄弟の属する所の宮に加臨すれば、兄弟の間竟に仇敵と成る。日干上の三奇が刑せられ冲せられれば、便ち莊子の妻を喪して盆を鼓して長歎するが如し。時干上に同樣の刑冲に遇えば、便ち漢代の鄧通の如く終身子なし。
生門產業要得門奇,成敗分於內外,生尅決其得失。生門、太白逢沖陷,背祖離鄉之客;被沖尅,售盡祖父舊園。生在外而身在內,必遷居而發富;身在外而生在內,縱有祖業亦難容;身生二宮俱在內,安享僕馬之福;身生俱在外宮,遠方創立之人。日值孤,時值虛,少年無倚;時落孤,日落虛,老後鰥獨。命被沖尅,乞食道路。日臨絕墓,難釋愁眉。財旺生官,蓋因飛鳥跌穴。鰲頭獨立,必得青龍返首。
「生門」は田產・家業を主り、吉門と三奇を得るを要す。成敗の別は生門の內宮に落つるか外宮に落つるかに在り、得失の數は則ち生剋に由りて決定す。生門が「太白」庚金と遭遇・冲擊・陷落すれば、此人の祖宗を背離し他郷に客居するを主る。もしさらに冲剋せられれば、祖上の留下したる田園をも變賣して淨盡せん。生門が外宮に在りて自身を代表する宮が內に在れば、別處に遷居して而る後家を發するを主る。自身が外宮に在りて生門が內に在れば、たとえ祖業あれども彼を容れ得ず。自身と生門の兩宮皆內四宮に在れば、僕從・車馬の福を安享し得。兩宮皆外四宮に在れば、則ち是れ遠く他郷に走りて白手にて創業する人なり。日干が「孤」に値し時干が「虚」に値すれば、少年にして倚靠する所なきを主る。時干が「孤」に落ち日干が「虚」に落つれば、老來鰥寡・孤獨を主る。年命が冲剋せられれば、路に沿いて食を乞うを主る。日干が絕地・墓地に臨めば、一生愁眉展び難きを主る。財星旺にして官を生ずるは、あれは局中に「飛鳥跌穴」あるを以てなり。獨り鰲頭を占め第一に列するは、必定に「青龍返首」を得たるなり。
天輔旺相得奇門,文明翰苑。天沖旺相得儀,威震邊疆。天禽位鎮中宮得奇門,百官元首。英星右弼合吉格,鼎鼐元勳。天柱直言諫議。天心入垣,醫藥最良。任為左輔,司農之職。天芮不可得地,得奇門曹董之流。蓬星位鎮北垣,得奇門叛君之賊。
さらに九星をもってその身份を論ず。「天輔」が旺相にして奇門を得れば、文采斐然にして身は翰林に列するを主る。「天冲」が旺相にして六儀を得れば、邊疆を威震する武將を主る。「天禽」が中宮を鎮守しまた奇門を得れば、位は人臣に極まり百官の首と為るを主る。「天英」は右弼の星に属し、もし吉格に合せば、鼎鼐の重臣・開國の元勳を主る。「天柱」は敢えて直言する諫諍の官を主る。「天心」が本垣に入り位を得れば、醫藥に精しきを主り、是れ第一等の良醫なり。「天任」は左輔の星に属し、錢糧・農政を執掌する司農の職を主る。「天芮」は本是凶星にして、地を得れば反って佳ならず、もし奇門を得れば、則ち是れ曹操・董卓の一流の權奸なり。「天蓬」が北方一宮を鎮守し、もし奇門を得れば、是れ君を叛き亂を作す賊を主る。
開門有奇應,是文職。傷門得令,定係虎臣。生門得奇,石崇富足。景門合局,丹天文明。驚門入式,好辯之人。干宮為開,白頭出仕。死門得奇,職在司刑。分佈八門、星、神、奇、儀合局者,豪富豪貴;失局者,下等平人。
さらに八門をもってその職分を論ず。「開門」の上に三奇の相応あれば、文職に居るを主る。「傷門」が時令を得れば、必ず勇猛にして虎の如き武臣なり。「生門」が三奇を得れば、その富は晋代の石崇に比し得べし。「景門」が吉局に合すれば、文采の煥発するを主る。「驚門」が式に入り地を得れば、口才便給にして人と争辯することを好むを主る。乾宮は本身就是開門の位にして、晚年に白頭して乃ち出仕するを主る。「死門」が三奇を得れば、刑名・獄訟の職を掌るを主る。要するに、八門・九星・八神と三奇・六儀を通盤に排布し、凡そ吉局を合成するは、便ち大富・大貴の人なり。局を成さざれば、不過等而下の尋常の百姓なり。
開門、心星皆是金,稍有氣,醫卜星相;若值死囚,手藝辛勤。休門、天蓬同一木,稍有氣,兵弁役吏;值死囚,軍忤賊人。生門、天任是土宿,得地者,田地富足;若失時,傭工耕耘。傷門、天沖皆為木,稍有氣,兵役之首;值死休,馬後相奔。杜門、天輔亦是木,稍有氣乃是寒儒;值墓絕僧山道林。景門、天英是火宿,稍有氣,行行威烈之表全;失局,凡治勞碌之人。死門、天芮皆是土,稍有氣,趙衛家長;值墓空,孤窮之人。
さらに門星の五行に按じて分別して論断す。開門と「天心」と皆金に属し、稍稍氣あれば、便ち醫卜・星相の一類の術業の人なり。もし死氣・囚氣に値せば、則ちただ手藝に倚りて辛苦して日を度る。休門と「天蓬」と同じく一行に属し(底本は「木」と作る、二者實は皆水に属す)、稍氣あれば、是れ兵丁・差役の小吏なり。死囚に値せば、則ち淪落して軍中の悍卒あるいは不法の徒と為る。生門と「天任」と皆土宿にして、地を得れば田產富足し、時を失せばただ雇はれて耕作するのみ。傷門と「天冲」と皆木に属し、稍氣あれば、是れ兵役中の頭目なり。死氣・休氣に値せば、不過人に代わりて馬を牽き腿を走らす從人なり。杜門と「天輔」とも木に属し、稍氣あれば、是れ清苦の讀書人なり。墓絕に値せば、則ち是れ山林に遁入する僧道なり。景門と「天英」は火宿にして、稍氣あれば、一擧一動皆威烈の氣派を帶びる。局を成さざれば、便ち終日勞碌する凡庸の輩なり。死門と「天芮」と皆土に属し、稍氣あれば、一方の富室の家長と做り得。墓に値し空に値せば、則ち是れ孤苦・貧窮の人なり。
八門辨別旺相,再論九星,得天蓬星乘時,邊疆之將;失地,利軍卒賊人。天任得地,田土僕馬之富;受尅,農圃辛苦之人。天沖有氣者,武貴;背時,車船江湖之流。天輔為左樞,得氣者,文雅仕宦;失地,利僧道、畫工。天英火,司南離,乘權者,必主文明;背時者,貪暴昏庸。天芮本是黑星,得天時,性惡霸盜;失天時,牧隸傭工。七赤位鎮西垣,有氣者,舌辯當世;被沖尅,優伎樂工。天心原是六白得地者,才華國柱;若空墓,九流相尋。
八門の旺相を辨明した後、さらに九星を論ず。「天蓬」が時に乘り令を得れば、是れ邊疆を鎮守する大將なり。地を失えば、則ち不過軍卒あるいは匪類なり。「天任」が地を得れば、田土・僕馬の富を主る。剋を受ければ、則ち是れ田園の中に辛苦勞作する人なり。「天冲」に氣あれば、武職の顯貴を主る。時に背けば、則ち是れ江湖を奔走し車を駕し船を行くの流なり。「天輔」は左樞の星と為り、氣を得れば、是れ風雅の士人・官宦なり。地を失えば、則ち僧道あるいは畫工と為るに宜しい。「天英」は火に属し、南方の離位を主り、權に乘り勢を得れば、必ず文采の昭著を主る。時に背けば、則ち貪暴・昏庸なり。「天芮」は本是黑星にして、天時を得れば反って性情凶惡と成り、一方の豪霸・盜魁と成る。天時を失えば、則ち淪落して牧奴・傭工と為る。「天柱」は七赤の位に居り、西方を鎮守し、氣あれば則ち口辯をもって當世に名動す。冲剋せられれば、則ち是れ伶人・樂工なり。「天心」は本是六白に属し、地を得れば、是れ才華出衆の國の棟梁なり。もし空亡に落ち入墓すれば、就ちただ九流の雜業の中に生計を討るのみ。
青龍返首,鰲頭獨占。飛鳥跌穴,窩富而成名。青龍得光,邑長縣令。丁加戊,富家之名。白虎猖狂,兇頑之輩。青龍逃走,懦弱之人,更主因妻成敗,而且佗背佗身。朱雀投江,刀筆書吏。螣蛇夭矯,毒心小人;失時者,目盲耳瞶;乘氣者,火焚傷身。太白入熒惑者,進主先貧後富。熒入太白者,退主,家業蕭條。天以太白,太白天乙,多成多敗。太白同宮,兄弟雷攻。太白蓬星,妻室常病。蓬星太白,惟薄丑聲。大格者,萍跡四海。小格者,暫時清貧。
さらに格局をもって人品・際遇を論ず。「青龍返首」は、獨り鰲頭を占むるを主る。「飛鳥跌穴」は、財を積み名を成すを主る。「青龍得光」は、一縣の長と做り得。丁奇が戊の上に加われば、富家の名聲を得るを主る。「白虎猖狂」は、是れ凶狠・頑劣の輩なり。「青龍逃走」は、是れ懦弱・無能の人にして、還た妻子に因りて成敗あるを主り、甚至身に駝背の疾あり。「朱雀投江」は、刀筆の書吏と為るを主る。「螣蛇夭矯」は、是れ心地陰毒の小人なり。時を失するは、目盲・耳聾。旺氣に乘ずるは、反って火に焚かれ身を傷く。「太白入熒惑」は進氣に属し、先貧して後富を主る。「熒入太白」は退氣に属し、家業蕭條を主る。天乙と太白・庚金と彼此加臨すれば、一生多く成り多く敗る。太白と本宮の干と同じく一宮に處すれば、兄弟の間雷の如く相攻して爭鬥休まざるを主る。太白が天蓬に加われば、妻子常年に多病を主る。天蓬が太白に加われば、則ち聲名澆薄にして醜名を落す。「大格」に逢うは、一生萍蹤・浪跡して四海に漂泊す。「小格」に逢うは、不過一時清貧なるのみ。
年月日時四格即六親,而推去看是何宮?測驗而為悖戾,無禮相從,推及父母、兄弟、妻子賢否?可以詳明。辛為天獄、壬為天牢,主低下之品,更主抑鬱難伸。癸為天網,須看高低,高者,化為華蓋,可推貴格;低者,天網纏身,寂寂孤貧。且忌玉女守門,妻隨人行。乙丁妻妾,看是誰親誰疎,乙奇入墓,妻不生子;子乙同宮,另續相親;乙奇在上,妻妾協和;丁加乙上,辛幸。天心諸格,忌落空亡,吉者更吉,而苦者更苦。若臨墓絕之地,無告窮民。八門推來,最怕返吟,伏吟亦是凶神,五行配合斯理,取刑在乎一心,餘不盡言,同志者,識之。
年・月・日・時の四柱の成す所の格は、正しく六親に對應し、逐一推して往き、各々何宮に落つるかを看る。もし「悖」格「格」象を測出せば、便ち是れ乖戾・無禮の徵にして、此に由りて父母・兄弟・妻子の賢と不賢とを推斷すれば、皆看て分明なるを得。辛は天獄、壬は天牢と為り、人品の卑下を主り、さらに一生抑鬱して伸展し難きを主る。癸は天網にして、須く高低を分かつべし。宮位の高きは、化作して「華蓋」、貴格と斷じ得。宮位の低きは、天網纏身して、ただ冷落・孤貧を落す。また最も「玉女守門」を忌み、妻子の人に隨いて去るを主る。妻妾は則ち乙奇と丁奇を看て、哪一個が親で哪一個が疏かを分辨す。乙奇が入墓すれば、妻子は生育すること能わず。子星と乙奇と同宮なれば、別に娶りて續絃して相親するを主る。乙奇が上に居れば、妻妾の和睦を主る。丁が乙の上に加われば、則ち是れ僥倖に得來の偏房の喜なり。凡そ「天心」の諸般の格局は、最も空亡に落つるを忌む。本吉のはさらに吉、本苦のはさらに苦なり。もし墓絕の地に臨めば、便ち是れ苦を訴える處なき窮困の民なり。八門推排して下れば、最も「返吟」を怕れ、「伏吟」も同じく凶神なり。五行配合の道理は就中此に在り、取用と定刑とは全く一心の體會に憑る、その余は一一に盡述すること能わず、同道の人は自ずから心領・神會すべし。
巻十
占走失奴婢
男僕專責天盤天蓬之宮,女婢專責天盤天芮之宮,尋之必獲。陽日責地盤蓬、芮之宮決之,逢格必獲,不格不獲。若與六合相併者,必被拐去。二神入庫,有人隱藏難尋。落空亡者,必不能獲。
僮僕・婢女の逃走を占問するに、男僕は專ら天盤の「天蓬」星の落つる所の宮を看、女婢は專ら天盤の「天芮」星の落つる所の宮を看、あの方位に朝かいて找れば必ず尋着し得。もし陽日の占に逢えば、則ち改めて地盤上の蓬・芮の二星の宮を看て方位を定む。應期は格を成すか否かを看るべし。格に逢えば便ち尋獲し得、格を成さざれば就ち尋着せず。もしこの両星が「六合」と併びて一宮に臨めば、此人必ず是れ人に拐帶して去られしなり。二星が墓庫に入れば、人の彼を蔵匿せしめたるあるを主り、甚だ找り難し。空亡の宮に落つれば、則ち終竟に尋ねて回らず。
占走失何方
失去小兒,陽遁於天盤六合所在之方,陰遁於地盤六合所在之宮決之。若失女婢,陽遁於天盤太陰所在之方,陰遁於地盤太陰所在之宮定之,看此二神,即知其人所在之方矣。陽遁在坎艮震巽四宮為內,為近;落離坤兌干為外,為遠,陰遁反此。若二神落日干之墓庫者,遠近難尋。落空亡者,其人又往他方去,之後再以干合神之宮尋之,必獲。
走失の人が哪個の方向に去ったかを占問す。もし丢したは小孩なれば、陽遁の時は天盤の「六合」の在る所の方を看、陰遁の時は地盤の六合の在る所の宮を看る。もし走失するは婢女なれば、陽遁の時は天盤の「太陰」の在る所の方を看、陰遁の時は地盤の太陰の在る所の宮を看る。この両個の類神を看准せば、就ち人の哪一方に在るかを知るを得。陽遁は坎・艮・震・巽の四宮をもって內と為し、距離近きを主る。離・坤・兌・乾に落つれば外と為し、距離遠きを主る。陰遁は則ち內外相反す。もしこの両個の類神が日干の墓庫の宮に落つれば、則ち遠近を論ぜず皆尋ね難し。もし空亡に落つれば、其人また別處に轉往して去りたるを説明し、此の後改めて該神の干と相合するあの一宮を用いて找れば、必ず尋獲し得。
占行人在外
法以行人年命日干決之。年命日干落在坎艮震巽,陽遁為內,為近;離坤兌干為外,為遠,合而決之。年命落於四維甚遠,落坤艮者,為極遠。陰遁以離坤兌干為內,為近,坎艮震巽,為外,為遠,合而決之。年命落於四正下者,不甚遠。年命日干落於休廢,其人在外必不如意,非困即病。若年命日干落於墓庫、空亡之宮,再乘死絕之氣,其人必不在。如年命日干乘旺相之氣,再得奇門吉格,行人在外發財如意。
門を出て外に在る人の近況を占問するに、行人の年命と日干をもって判斷す。陽遁の時は年命・日干が坎・艮・震・巽に落つれば內と為し、人の近處に在るを主る。離・坤・兌・乾に落つれば外と為し、人の遠方に在るを主り、合參して定む。年命が四維の宮に落つるは相当に遠く、坤・艮に落つるはさらに極遠なり。陰遁は則ち離・坤・兌・乾をもって內と為し近しと為し、坎・艮・震・巽をもって外と為し遠しと為し、同じく合參して定む。年命が四正の宮に落つるは、去ること算して遠からず。年命・日干が休氣・廢氣の地に落つれば、此人は外に在りて必ず如意ならず、窮困ならざれば即ち患病するを主る。もし年命・日干が墓庫あるいは空亡の宮に落ち、また死氣・絕氣に乘ずれば、則ち此人は恐らく已に人世に在らざらん。もし年命・日干が旺相の氣に乘じ、さらに三奇・吉門・吉格を得ば、行人は外に在りて發財・順遂にして事事如意を主る。
占行人歸期
法以行人年命專責庚格,陽日以庚下臨之干主之,陰日以庚上乘之干定之。年格年來,月格月來,日格日來,時格時來,不格不來。何謂不格?乙庚為合不為格。庚金入墓或臨空亡,不為格。
門を出た人の幾時回來するかを占問するに、行人の年命をもって主と為し專ら「庚格」を看る。陽日の占は、庚金の下面に臨む所の干をもって斷と為す。陰日の占は、庚金の上面に乘る所の干をもって斷と為す。成年格と成れば便ち當年に歸來し、月格と成れば便ち當月に歸來し、日格と成れば便ち當日に歸來し、時格と成れば便ち當時に歸來す。格を成さざれば、人は就ち回來せず。何をか不成格と謂う。乙と庚と相遇するは天干の相合にして、合に属し格に属さず、故に算せず。庚金の入墓しあるいは空亡に落つるも、また格を成さず。
占借貸
其占法以所往之方天盤所得之星為求借之人,又以天盤之星所落地盤之星為借貸之家。地盤所乘之星生天盤星者,必得借。比和者,雖借主遲疑。相尅主不借,反惹羞辱。若天盤所得之干入地盤墓庫者,彼寔吝嗇,不肯借入。臨空亡宮者,彼寔無,不必去借。
人に向かいて錢を借るを占問するに、往く所の方位の天盤の星をもって借を求むる自己を代表し、該宮の地盤の星をもって出借の人家を代表す。地盤の星が天盤の星を生扶すれば、必定に借り得着。兩者比和せば、肯んじて借すと雖も、對方は猶疑して爽快ならず。兩者相剋せば、對方は肯んじて借さず、反って白く一場の沒趣を討う。もし天盤の得る所の干が地盤の墓庫に落ち入れば、對方確かに吝嗇にして出借を肯ぜざるを説明す。もし空亡の宮に落つれば、あれは對方手頭に實在に有らざるなり、白く一趙走るに及ばず。
占打抽豐
以日干落宮為打抽豐之人,所往之方為抽豐之處。得奇門吉格來生日干者,所往必利,即不得奇門吉格而來生者,亦利。比和者,平平。尅制日干之宮者,去必有損。臨空亡、墓絕之宮,主不見,徒勞無益,不必去。
門に上りて親友に向かいて資助を求取するを占問するに、日干の落つる所の宮をもって助を求むる人を代表し、往く所の方をもって助を求めらるる人家を代表す。あの一方が三奇・吉門・吉格を得て來たりて日干を生ずるは、此行必ず得る所有らん。たとえ奇門・吉格なくとも、ただ來たりて日干を生ぜば、も利ありと算す。兩宮比和せば、獲る所平平なり。もしあの一宮が日干の宮を剋制せば、去れば必ず損失を受けん。もし空亡あるいは墓絕の宮に臨めば、對方の避けて見ず、白く一趙走りて毫も益處なきを主り、索性に去らざるも可なり。
占謁貴人
現任官以天盤開門落宮主之,未任致仕官以天盤甲子戊主之,以日干為求謁之人。開門甲子戊乘旺相氣,再得奇門吉格來生日干落宮者,去謁必見,見且有益,所求如意。開門甲子戊與日干比和者,但求謁主少遲。開門甲子戊同宮者,主貴人有客,宜稍待。若開門甲子戊返吟者,主貴人他在,不得見。開門甲子戊入庫,不能見。開門甲子戊受制,貴人有憂事,不見,見亦無益。開門甲子戊落宮沖尅日干宮者,貴人不喜,枉惹羞辱。若謁武官,看杜門,亦仿此。
權貴に投謁するを占問するに、もし謁する所が現任の官なれば、天盤の「開門」の落つる所の宮をもって主と為す。もし未だ赴任せざるあるいは已に致仕したる官員なれば、則ち天盤の「甲子戊」をもって主と為す。日干をもって前に往きて拜謁する自己を代表す。開門あるいは甲子戊が旺相の氣に乘じ、また三奇・吉門・吉格を得て來たりて日干の宮を生ぜば、去れば必定に見得着し、見れば還た實惠あり、求むる所の事は稱心・如意す。開門・甲子戊と日干と比和せば、求見し得と雖も、卻て稍く一陣を待つを要す。開門と甲子戊と同じく一宮に落つれば、貴人正に客の座に在るあるを主り、稍く片刻を候うに宜しい。もし開門・甲子戊が「返吟」の局と成れば、貴人は此處に在らざるを主り、見不着。開門・甲子戊が墓庫に入れば、も見成らず。開門・甲子戊が制を受ければ、貴人自ら煩心の事ありて客を見るを肯ぜず、たとえ見るも亦益なきを主る。もし開門・甲子戊の宮が反って來たりて日干の宮を冲剋せば、貴人の心中悅ばざるを主り、白く一場の羞辱を討う。倘若拜謁するは武官なれば、改めて「杜門」を看る、推法は此と相同じ。
占生男女長命
以所生時干天盤所落之宮,看是何星?何神?以天蓬為天賊,元武為偷生,犯此二神,再乘休廢無氣之時,主不能養。若有奇門吉格、吉神,再乘旺相之氣,主長命富貴。
新生兒の長く養い得るや否やを占問するに、出生の時辰の干の天盤に落つる所のあの一宮を看て、該宮が是れ何の星・何の神かを查明す。「天蓬」は天賊と為り、「玄武」は偷生と為り、この兩個の凶神を犯し、また正當休廢・無氣の時に當れば、此兒の養い大きくし難きを主る。もし落つる所の宮に三奇・吉門・吉格と吉神あり、さらに旺相の氣に乘ずれば、則ち此兒の長壽にして而も富貴なるを主る。
占孕何日生
以坤宮為產室,天芮為產母,天盤所得之星為小兒。天芮尅天盤之星者,主產速。天盤星生地盤星天芮者,子戀母腹,產遲。天盤星尅地盤星者,主母凶。地盤星尅天盤星者,主子亡。若得旺相氣及奇門吉格者,方吉。如天盤星落地盤庫,子死母腹內。天地二盤乘凶門、凶格者,子母俱凶。以天地二盤乘死絕之氣也。
孕婦の哪一天に分娩するかを占問するに、坤宮をもって産房を代表し、「天芮」をもって産婦を代表し、天盤の星をもって腹中の胎兒を代表す。天芮が天盤の星を剋制すれば、分娩迅速を主る。天盤の星が反って往きて地盤の天芮を生ずれば、是れ胎兒が母に戀して肯んじて出來せず、産期必ず遲し。天盤の星が地盤の星を剋すれば、凶は産婦に在り。地盤の星が天盤の星を剋すれば、凶は胎兒に在り。ただ旺相の氣を得併せて三奇・吉門・吉格あれば、乃ち吉利と算す。もし天盤の星が地盤の墓庫に落ち入れば、胎の腹中に死するを主る。天地兩盤皆凶門・凶格に乘ずれば、母子俱に凶を主る、これは天地兩盤が同時に死氣・絕氣に乘ずるの緣故なり。
占討債
以天乙所落之宮為欠債之人,以勾陳落宮為使討之人。勾陳落宮尅天乙落宮者,其人實心去討。天乙落宮尅勾陳宮者,所使之人畏彼,不敢討。勾陳與天乙相生和者,彼此通同,不討。勾陳被天乙生者,主囑託賄賂,所使之人不肯討。天乙落宮得旺相氣來生值符者,必還。若落空亡來生值符(可知值符為放債之人)者,有心無力,天蓬、天乙落宮尅制值符宮者,安心不環,必不能討。
人を派して門に上り債を討うを占問するに、「天乙」の落つる所の宮をもって債を欠く人を代表し、「勾陳」の落つる所の宮をもって派を受けて往きて催討する人を代表す。勾陳の宮が天乙の宮を剋すれば、此人の實心實意にて討い往かんを主る。天乙の宮が反って勾陳の宮を剋すれば、派を受けし人の債を欠く者を懼れて敢えて口を開き催討せざるを主る。勾陳と天乙の兩宮が相生・比和せば、二人已に串通して一氣、根本に討い往かざるを主る。勾陳が天乙に生ぜられれば、債を欠く者の人情を托し賄賂を送り、派を受けし人便ち肯んじて力を出し催討せざるを主る。天乙の宮が旺相の氣を得て來たりて値符の宮を生ずるは、債必ず償還せん。もし天乙が空亡に落ちて來たりて値符を生ぜば(此に由りて知るべし、値符正しく是れ債を放つ債主なり)、あれは債を欠く者に錢を還すの心有れども力なく償付し得ざるなり。もし天蓬・天乙の宮が値符の宮を剋制せば、債を欠く者の存心して帳を賴むを主り、この筆の債は終竟に討い回らず。
占放債
以六甲值符為放債之人,值符下臨之星為天乙,即借債之人。若地盤之星乘旺相之氣生天盤之星者,借債必還。乘凶格尅天盤之星者,必不還。落空亡者,主死亡負債。乘墓絕之宮者,主混賴不還,此句言地盤之星所帶之干儀也。
債を放ち出して收回し得るや否やを占問するに、六甲の旬首の領く所の「値符」をもって債を放つ債主を代表し、値符の下面に臨む所の星すなわち「天乙」をもって債を借る人を代表す。もし地盤の星が旺相の氣に乘じて天盤の星を生ぜば、この筆の債は必定に歸還せん。もし地盤の星が凶格に乘じて來たりて天盤の星を剋せば、必定に還らず。もし空亡に落ちれば、債務人の身故して債は死賬と成るを主る。もし墓絕の宮に乘ずれば、その人の賴を耍して抵死して還さざるを主る。この一段の説く所は、皆地盤の星の帶ぶる所の干と儀に就きて言うなり。
占買貨
以日干落宮為收買貨物之人,以時干落宮為貨物。時干落宮乘旺相氣,再得奇門、吉格者,為美貨。乘休囚之氣,不得奇門、吉格者,為廢貨。時干落宮來生日干落宮者,其貨不拘,美惡皆有。利息來尅日干落宮,或乘墓絕及空亡者,貨皆無利,不必買。餘仿此類推之。
貨物を買進するを占問するに、日干の落つる所の宮をもって貨を收る買主を代表し、時干の落つる所の宮をもって貨物本身を代表す。時干の宮が旺相の氣に乘じ、また三奇・吉門・吉格を得るは、是れ上等の好貨なり。休囚の氣に乘じ、また奇門・吉格を得着せざれば、是れ殘次の廢貨なり。時干の宮の來たりて日干の宮を生ずるは、則ち好壞雜陳して何の貨色も皆あり。もし利息を代表する一方が反って來たりて日干の宮を剋し、あるいは時干が墓絕と空亡の宮に落つれば、皆利を圖る可きなきの象にして、この批の貨は買うに及ばず。その餘の情形は此に照らして類推す。
占胎息男女
其占法以坤宮、天芮星為母,以天盤星臨坤之宮為胎息,陽星為男胎,陰星為女胎。惟天禽臨之為雙生,陽干是男,陰干女也。
腹中の胎兒が男か女かを占問するに、坤宮と「天芮」星をもって母親を代表し、坤宮に加臨する天盤の星をもって腹中の胎息を代表す。臨む所が陽星なれば、懐くは男胎なり。陰星なれば、懐くは女胎なり。獨り「天禽」星の加臨する時は雙胞胎を主り、この時さらに帶ぶる所の天干を看る。陽干は男と為し、陰干は女と為す。
占脫貨求財
以值符甲子戊為我,以天乙為脫貨之人,以六合為經紀牙人。若天乙落宮乘奇門吉格來生值符之宮者,其貨可脫。比和者,脫亦無礙,反此必不可脫,必有失。又看六合落宮生天乙落宮,主經紀以脫貨之人相生,吉。值符與甲子戊之宮者,主經紀與貨主同心。倘六合入墓或落空亡之宮,必有奸詐、欺騙之事,斷不可脫。
貨物を出手して錢を換うるを占問するに、「値符」と旬首「甲子戊」をもって貨主の自己を代表し、「天乙」をもって貨物を承接する買家を代表し、「六合」をもって間に居りて説合する牙行・經紀を代表す。もし天乙の宮が三奇・吉門・吉格に乘じて來たりて値符の宮を生ぜば、この批の貨は脫し得べし。兩宮比和せば、脫手するも妨礙なし。反ってもし相剋制せば、則ち斷然として脫し得ず、勉強して出手すれば必ず虧損あらん。さらに六合の宮を看る。六合が天乙の宮を生扶すれば、經紀と買家と一條心を主る。吉。六合が値符と甲子戊の宮を生扶すれば、經紀と貨主と一條心を主る。倘若六合が入墓しあるいは空亡の宮に落つれば、その中必ず奸詐・欺騙の勾當あり、此の貨萬萬に脫手すべからず。
占脫貨求財
以日干落宮為貨主,時干落宮為貨物,以甲子戊落宮為資本,生門落宮為利息。看日干之落宮生時干之落宮,主人戀貨,不肯脫。若時干之落宮生日干之落宮,主貨戀人,不能脫。再看時干之落宮生甲子戊與生門之落宮者,有利息,反此無利息。倘時干落宮乘凶神、凶格來沖尅日干宮者,主折耗。惟日干落宮尅時干落宮者,雖欲急脫,而貨之甚遲。時干落宮尅日干之落宮者,售之必速。
別に一法あり。日干の落つる所の宮をもって貨主を代表し、時干の落つる所の宮をもって貨物を代表し、「甲子戊」の落つる所の宮をもって本錢を代表し、「生門」の落つる所の宮をもって利潤を代表す。日干の宮が時干の宮を生ずれば、是れ人が貨に戀して、貨主の出手を捨て得ざるなり。時干の宮が日干の宮を生ずれば、是れ貨が人に戀して、一時に脫し得ず。さらに時干の宮の甲子戊と生門の宮を生扶するを看れば、この筆の買賣は利を圖る可し。之に反すれば則ち利なし。倘若時干の宮が凶神・凶格に乘じて來たりて日干の宮を冲剋せば、本を虧き耗を折るを主る。ただ日干の宮が時干の宮を剋する時にのみ、貨主は急いで脫手せんと欲すと雖も、貨は卻て賣ること甚だ遲し。反って時干の宮が日干の宮を剋せば、貨必定に出ること甚だ速し。
占開店肆
以開門主之,開門乘旺相氣,帶奇門吉格來生日干之落宮者,大吉。相比和不尅制者,次吉。若開門入墓或返吟,及落空亡者,不利。開門落宮乘凶神、凶格來沖尅日干宮者,更不利。
店鋪を開設するを占問するに、專ら「開門」をもって主と為す。開門が旺相の氣に乘じ、また三奇・吉門・吉格を帶びて來たりて日干の落つる所の宮を生ずるは、是れ大吉の象なり。兩宮比和して相剋制せざるは、次一等の吉。もし開門が入墓し、「返吟」の局と成り、あるいは空亡に落つれば、皆開張に利あらず。もし開門の宮が凶神・凶格に乘じて來たりて日干の宮を冲剋せば、則ちさらに不利、勉強して店を開くに宜しからず。
占合伙求財
以日干落宮為我,時干落宮為夥計。時干乘奇門吉格來生日干者,則合夥有益於我。日干乘奇門吉格而生時干者,則有益於他。二宮相比和者,主合夥公平,各無猜忌。若時干所落之宮乘凶神、凶格來尅日干宮者,不利。再以生門之生我,不生我詳之,百無一失。
人と合伙して買賣を做すを占問するに、日干の落つる所の宮をもって自己を代表し、時干の落つる所の宮をもって合伙の伙計を代表す。時干が三奇・吉門・吉格に乘じて來たりて日干を生ずるは、この場の合伙は自己に利あるを主る。反って日干が奇門・吉格に乘じて往きて時干を生ずるは、則ち是れ對方の利を得るなり。兩宮比和せば、合伙公平にして彼此猜忌を生ぜざるを主る。もし時干の宮が凶神・凶格に乘じて來たりて日干の宮を剋せば、則ち己に於て不利。斷定した後、さらに財利を主る「生門」の我を生ずるか我を生ぜざるかを看て、參合して判斷せば、百に一を失わず。
占貿易
以甲子戊為資本,生門為利息。生門所落之宮得奇門吉格來生甲子戊之落宮者,必獲倍利。二宮比和者,亦得中利。生門來尅甲子戊之落宮,再乘凶神、凶格者,必折本。甲子戊之宮生生門之宮,主加添資本,仍得利息。生門若臨墓絕之地,再有凶神、凶格相乘者,必耗盡資本,尤凶。
經商・貿易を占問するに、旬首「甲子戊」をもって本錢を代表し、「生門」をもって利潤を代表す。生門の落つる所の宮が三奇・吉門・吉格を得て來たりて甲子戊の宮を生ずるは、必ず成倍の利を獲る。兩宮比和するは、も中等の利を得べし。生門が反って來たりて甲子戊の宮を剋し、また凶神・凶格に乘ずるは、必定に本を折る。甲子戊の宮が往きて生門の宮を生ずれば、須く再び本錢を追加するを主るが、不過なお利を圖る可し。もし生門が墓絕の地に臨み、また凶神・凶格の相乘あれば、則ち本錢を賠して精光に至るべく、尤も凶險なり。
占求財
以甲子戊為財神,生門為財方。看二宮天盤落於何方?以二方生尅、比和驗其得失。天盤甲子戊與生門落於坎、艮、震、巽四宮,陽遁為內為近,又為速。再得奇門吉格者,得之必多。若得門不得奇,得奇不得門,得之不多。門奇俱不得,不落空亡、墓絕,不受地盤尅制,得之必少。或甲子戊與生門落於一內一外,得之必遲。二宮俱在外,必求千里之財。二宮落空亡、返吟、墓絕,再以凶神、凶格相併者,必不得財,反遭是非。
財を求むるを占問するに、旬首「甲子戊」をもって財神を代表し、「生門」をもって財を求むる方位を代表す。まずこの兩者の天盤に何方に落つるかを看て、さらに兩方の間の生剋・比和を用いてその得失を験す。天盤の甲子戊と生門が坎・艮・震・巽の四宮に落つれば、陽遁の時は內に属し近に属し、財を得るもまた速し。もしさらに三奇・吉門・吉格を得れば、得る所必ず豊なり。もしただ吉門を得て三奇なく、あるいはただ三奇を得て吉門なければ、得る所は就中多からず。門と奇と皆得着せざるも、空亡・墓絕に落ちず、また地盤の剋制を受けざれば、なお一点を得べし、ただ甚だ少なし。もし甲子戊と生門と一個は內、一個は外なれば、財必ず遲遲として乃ち手に到る。兩宮皆外四宮に在れば、あれは千里之外に往きて求むるを要す。もし兩宮が空亡に落ち、「返吟」と成りあるいは墓絕に臨み、さらに凶神・凶格の併臨を加えば、但だ財を求め得ざるのみならず、反って是非を惹出せん。
占交易
以日干落宮為我,時干落宮為他,六合為經紀。日干生時干,買主受置。時干生日干,業主願意。日干尅時干,買主不要。時干尅日干,業主不賣。六合生日干,經紀人向買主。生時干者,向賣主。二乾落宮、相比和者,兩家公平交易,主成。二干有一落空亡者,交易不成。
買賣の成交を占問するに、日干の落つる所の宮をもって自己を代表し、時干の落つる所の宮をもって對方を代表し、「六合」をもって間に居る經紀を代表す。日干が時干を生ずれば、買主の情願して承買するを主る。時干が日干を生ずれば、業主の情願して出售するを主る。日干が時干を剋すれば、買主の肯んじて要らざるを主る。時干が日干を剋すれば、業主の肯んじて賣らざるを主る。六合が日干を生ずれば、經紀の買主に偏向するを説明す。六合が時干を生ずれば、經紀の賣主に偏向するを説明す。兩干の落つる所の宮が彼此比和するは、兩家の公平に交易し、買賣成るを主る。兩干の中ただ一個の空亡に落つるあれば、この樁の交易は就ち做し成らず。
占買房屋
以值符為買主,生門為住宅,死門為土地。生死二門乘三奇吉格來生值符宮者,主買後發達。二門不得吉格來生值符宮者,主買後發達,二門不得吉格來生值符宮者,中吉。比和者,平安。二門乘休廢之氣,再有凶神、凶格來尅值符宮者,主買後破敗家財。值符生此二門者,主因宅產贏敗不利。
房産を置買するを占問するに、「値符」をもって買主を代表し、「生門」をもって房屋・住宅を代表し、「死門」をもって地基・田土を代表す。生・死の二門が三奇・吉格に乘じて來たりて値符の宮を生ずるは、買下した後家道發達するを主る。二門が來たりて値符の宮を生ずと雖も吉格を得着せざれば(底本此句重出す)、ただ中等の吉利と算す。二門と値符と比和するは、平安にして事なきを主る。二門が休氣・廢氣に乘じ、また凶神・凶格の來たりて値符の宮を剋するは、買下した後反って家財を破敗するを主る。もし反って是れ値符が往きてこの兩門を生ずれば、この處の房産に因りて輸耗・不利を主る。
占人壽夭吉凶
法以沖、柱二星合死門遠近以定之。男以天沖星起順布奇儀,女以天柱星起逆布奇儀,看至死門相隔幾宮,一宮十年,起算致死門幾宮,作壽幾十年,餘幾十年外,再以宮一宮為一年,看零幾年是幾歲,零數以四正四宮,一宮只作一宮,惟四維四宮,一宮便作二宮,因為四維乃八支也。
人の壽數を推算するに、「天冲」「天柱」の二星と「死門」との間の相隔の遠近を用いて定む。男命は天冲星より順に奇儀を布し、女命は天柱星より逆に奇儀を布し、死門の處に數えて共に幾宮を隔つるか。每一宮を十年と作し、幾宮を隔つれば便ち幾十年の壽數なり。整十の外にまた零頭あれば、就ち改めて一宮をもって一年と作して數え、零頭の幾宮を看れば便ち幾歲なり。零頭を數る時、四正の坎・離・震・兌の四宮は、一宮はただ一年と算す。獨り四維の乾・坤・艮・巽の四宮は、一宮は兩年と算するを要す、四維は每一宮各々兩個の地支を管るを以てなり。
占人年命吉凶
以來人所乘之方,合天地正時與其年命所坐之方,合而推之。來方得奇門吉格者,其年命必吉;年命落宮合奇門吉格者,亦吉。年命坐方俱合奇門吉格,再乘旺相之氣,必有奇遇橫發。入如地盤墓庫者,主昏晦。落空亡者,百事不成。入死門者,死。傷門者,病。驚門者,口舌詞訟。景門者,血光、火災。杜門者,憂疑。開門者,見貴。休門者,進謁。生門者,發財得喜。大抵得奇門者,吉;乘凶門相尅年命者,凶;不尅者,小凶。
來人の一年の休咎を占斷するに、來人の自らする所の方位・局を起こす正時とその年命の坐する所の宮を合せて推斷す。來る方位が三奇・吉門・吉格を得れば、その年命必ず吉。年命の落つる所の宮が三奇・吉門・吉格に合するも、も吉。もし年命と坐する所の方と皆奇門・吉格に合し、また旺相の氣に乘ずれば、必ず意外の奇遇ありて暴發せん。もし地盤の墓庫に落ち入れば、時運昏暗にして明ならざるを主る。空亡に落つれば、百事成らざるを主る。年命が死門に落つれば死亡を主り、傷門に落つれば疾病を主り、驚門に落つれば口舌・官司を主り、景門に落つれば血光・火災を主り、杜門に落つれば憂疑して解せざるを主り、開門に落つれば貴人を見得るを主り、休門に落つれば投謁成る有りを主り、生門に落つれば發財して喜に遇うを主る。大体に言えば、三奇・吉門を得るを吉と為し、凶門に乘じて而も年命を剋制するを凶と為し、凶門に乘ずると雖も年命を剋せざるは、ただ小凶なり。
占納寵
以乙奇為妻,丁奇為妾,太白庚金為夫。若乙、丁奇之落宮生庚之落宮,其女必肯嫁。乙丁落宮尅庚之落宮者,不肯嫁。乙丁宮相比和者,主妻妾和諧。如乙尅丁宮,主妻不能容妾。或丁尅乙宮,主妾欲欺妻。若乙丁入空陷庫絕之宮,主不能成,成亦不利。如庚金宮生丁奇之宮,主徒勞無成。
妾を納るるを占問するに、「乙奇」をもって正妻を代表し、「丁奇」をもって侍妾を代表し、「太白」庚金をもって丈夫を代表す。もし乙奇・丁奇の落つる所の宮が庚金の宮を生扶せば、女方の情願して嫁ぎ來るを主る。もし乙・丁の宮が反って庚金の宮を剋すれば、女方の肯ぜざるを主る。乙・丁の兩宮比和せば、妻妾の相處和睦を主る。もし乙宮が丁宮を剋すれば、正妻の妾を容れ得ざるを主る。もし丁宮が乙宮を剋すれば、妾の正妻を欺壓せんとするを主る。もし乙・丁が空亡・陷地・墓庫あるいは絕地の宮に落つれば、この門の事は辦し成らず、勉強して辦成すも終に利あらず。もし是れ庚金の宮が反って往きて丁奇の宮を生ずれば、則ち白く一場の心力を費して、終に成す所なし。
占婚姻
以庚金為男家,乙奇為女家,六合為媒妁。庚之落宮生乙之落宮,主男家愛女家,乙之落宮生庚之落宮,主女家愛男家。得奇門吉格者,婚姻必成。比和不相尅制者,亦成。若庚宮尅乙宮,主男家嫌女家,不成。乙宮尅庚宮,主女家嫌男家,不成,強成之後必有刑尅。庚金入墓而乘凶格者,刑夫。乙奇入墓而乘凶格者,尅妻。
嫁娶を占問するに、「庚」金をもって男家を代表し、「乙奇」をもって女家を代表し、「六合」をもって媒人を代表す。庚金の宮が乙奇の宮を生ずれば、男家の女家を中意するを主る。乙奇の宮が庚金の宮を生ずれば、女家の男家を中意するを主る。もしさらに三奇・吉門・吉格を得ば、この門の親事必ず成る。兩宮比和して相剋制せざれば、も成り得。もし庚宮が乙宮を剋すれば、男家の女家を嫌棄するを主り、成らず。もし乙宮が庚宮を剋すれば、女家の男家を嫌棄するを主り、も成らず、勉強して婚を成した後必ず刑剋の禍あらん。庚金が入墓して而も凶格に乘ずるは、夫を剋するを主る。乙奇が入墓して而も凶格に乘ずるは、妻を剋するを主る。
占雨
以天禽星為司命之主,天柱為雨師,天沖為雷神,天輔為風伯,螣蛇為雷光,天蓬為水神,甲辰壬為為龍神。天禽臨旺相之宮,天柱、甲辰壬遊於一、三、七宮,或下臨甲辰壬,主大雨。帶甲寅癸下臨甲寅癸於一、三、七宮,主小雨。甲辰壬加臨震宮為龍登雷門,主雷雨。丁臨地盤螣蛇,主閃電。乘凶門臨地盤螣蛇為龍雷發蛟,震怪。落空亡、墓庫宮,主陰霧不雨。
雨の下るを占問するに、各々類神あり。「天禽」星は天時を司どる神と為り、「天柱」は雨師、「天冲」は雷神、「天輔」は風伯、「螣蛇」は雷光・閃電、「天蓬」は水神、旬首「甲辰壬」は龍神なり。天禽が旺相の宮に臨み、而も天柱と甲辰壬とが一・三・七宮に遊行し、あるいはその下に甲辰壬に臨むは、大雨を降すを主る。もし旬首「甲寅癸」を帶びて併せて甲寅癸を一・三・七宮に下臨すれば、ただ小雨を主る。甲辰壬が震宮に加臨すれば、これを「龍登雷門」と呼び、雷雨交加を主る。丁奇が地盤の螣蛇の上に臨めば、天際の閃電を主る。もし凶門に乘じて地盤の螣蛇に臨めば、あれは「龍雷發蛟」にして、震雷・怪異の變あるを主る。もしこれらの類神が空亡と墓庫の宮に落つれば、則ちただ陰雲・霧氣にして、終竟に雨せず。
冬月看天心星及天任土宿,帶壬癸,下臨壬癸,或乘元武、白虎,主水土凝結而為雪。空亡、入墓,主陰寒。更看白虎猖狂,主大風。青龍逃走,主風起雲散,無雨。白入熒主冰雹。熒入白主晴。若天柱遊於一、三、七宮下帶壬癸,或下臨壬癸之宮,不見壬癸,而見螣蛇者,主現虹霓不雨。如落宮下臨朱雀,或落空亡者,主亢旱不雨,強求反有火災。
もし冬月に雨を占わば、則ち「天心」星と土に属する「天任」星を看る。壬癸を帶び、あるいは下に壬癸に臨み、あるいは「玄武」「白虎」に乘ずるは、水土凝結して雪を降すを主る。もし空亡に落ちあるいは入墓すれば、ただ陰冷・天寒にして雪なし。さらに格局を看る。「白虎猖狂」に遇えば、大風の刮るを主る。「青龍逃走」に遇えば、風起こり雲散じて反って雨降らざるを主る。「白入熒」に遇えば、氷雹を下すを主る。「熒入白」に遇えば、天の晴るるを主る。もし天柱が一・三・七宮に遊行して下に壬癸を帶び、あるいは下に壬癸の宮に臨み、あるいはまた壬癸を見ずして卻て「螣蛇」を見るは、皆ただ虹霓を現して雨降らざるを主る。もし落つる所の宮が下に「朱雀」に臨み、あるいは空亡に落つれば、久旱して雨なきを主る。この時強いて雨を祈れば、反って火災を招来せん。
占立窯
其占法以景門主之。景門乘旺相氣,得三奇吉格來生我年命日干者,吉,可立。若帶凶神、凶格尅我年命日干者,凶。乘朱雀投江、螣蛇夭矯者,大凶,斷斷不可立。
窯を建て燒造するを占問するに、窯は火を主るに因りて、專ら火に属する「景門」をもって主と為す。景門が旺相の氣に乘じ、また三奇・吉格を得て來たりて自己の年命・日干を生ずれば、是れ吉象にして、この座の窯は興建し得。もし景門が凶神・凶格を帶びて來たりて自己の年命・日干を剋せば、便ち是れ凶。もし「朱雀投江」あるいは「螣蛇夭矯」に乘ずれば、あれは大凶の象にして、この窯は萬萬に修建すべからず。
巻十一
千金訣
人專煞貢起例:四孟月甲子日起妖星,四仲月甲子日起惑星,四季月甲子日起禾刀。逐日輪算,周而復始。妖星元武,惑星朱雀,禾刀白虎,煞貢青龍,直星金匱,卜木道符,角己太陰,人專金堂,立旱勾陳。
「人專」「煞貢」等の九星課の起例は是の如し。寅申巳亥の四孟の月は、甲子日より「妖星」を起こす。子午卯酉の四仲の月は、甲子日より「惑星」を起こす。辰戌丑未の四季の月は、甲子日より「禾刀」を起こす。起點を定下した後、日に按じて順次に輪轉し、周して復た始まる。九個の課名は各々一位の天將に配す。妖星は玄武に配し、惑星は朱雀に配し、禾刀は白虎に配し、煞貢は青龍に配し、直星は金匱に配し、卜木は道符に配し、角己は太陰に配し、人專は金堂に配し、立旱は勾陳に配す。用る時は課名と配する所の神とを合して吉凶を斷ず。
三甲開闔圖
孟甲,內開甲寅,合陽星陽氣在內,利主不利客,利守。外闔甲申,合陰星陰氣在外,利主不利客,利守。仲甲半開甲子,合陽星陽氣,利主利後應。半闔甲午,合陰星為格,利客不利守。季甲俱闔,甲辰合陽星陽氣在外,利客利傷兵。甲戌合陰星陰氣在內,利主利迎敵。
三甲の開闔の法。孟甲一組は、甲寅旬は內開と為し、陽星に配すれば則ち陽氣は內に在り、主方に利ありて客方に利あらず、守勢を取るに宜しい。甲申旬は外闔と為し、陰星に配すれば則ち陰氣は外に在り、同じく主に利し客に利あらず、仍ほ堅守するに宜しい。仲甲一組は、甲子旬は半開と為し、陽星・陽氣に配し、主方に利あり、も後隊の策應に利あり。甲午旬は半闔と為し、陰星に配して格を成せば、客方に利ありて固守に利あらず。季甲一組は兩旬俱に闔なり。甲辰旬は陽星に配し、陽氣は外に在り、客方に利あり、も出兵して接戰するに利あり。甲戌旬は陰星に配し、陰氣は內に在り、主方に利あり、兵を按じて敵を迎うるに宜しい。
禹罡圖
凡出兵左足向前踏去,咒曰:“禹步相催登陽明,一氣混沌灌我形,天回地轉步七星,躡罡履斗覺通靈,惡逆催伏妖魔群,眾星助我斬妖精,我得長生遊太清”。左右足一步一句念去,切勿回頭。
凡そ兵を出すの時禹步の法を行うは、まず左脚を迈し前に踏出し、口中に咒を念じて道く、「禹步相催して陽明に登り、一氣混沌わが形を灌ぎ、天回り地轉じて七星を步み、罡を蹑み斗を履みて靈通を覺え、惡逆を催伏し妖魔の群を、衆星われを助けて妖精を斬り、われ長生を得て太清に遊ぶ」と。左右兩脚交替して、一步踏む毎に一句を念じ、一路念じて往き、切に中途に頭を回りて張望することを忌む。
兵占
論值符:值符,士卒、旗鼓。螣蛇,三軍司令。太陰,陰謀、埋伏、私通。六合,主謀臣、贊畫。朱雀、元武,間諜、軍讓。值使:休,養生、納降。生,休營壘、安軍圖。傷,賞罰、捕逃。杜,伏險、夜遁、堅壁。景,投書、探聽。死,行刑、錄囚。驚,擒殺。開,開壁迎敵、遣使。
兵を用うるの占は、まず八神の主る所を分つ。「値符」は士卒と旗鼓・號令を主る。「螣蛇」は三軍の號令・調度を主る。「太陰」は陰謀・埋伏と暗に款曲を通ずるを主る。「六合」は謀士・參贊を主る。「朱雀」「玄武」は間諜と軍中の謠言・構陷を主る。さらに八門の主る所を分つ。休門は休養・生息し降卒を接納するに宜しい。生門は營壘を修築し軍陣の圖形を安排するに宜しい。傷門は賞罰を行い逃兵を緝捕するに宜しい。杜門は伏を設け險に據り、夜間遁走し堅壁して出ざるに宜しい。景門は書信を投遞し軍情を刺探するに宜しい。死門は刑を行い俘囚を處置するに宜しい。驚門は擒拿・斬殺に宜しい。開門は營を開き出戰し、使を遣し往來するに宜しい。
十干:甲,演戎。乙,副將。丙,先鋒。丁,說客。戊,大隊。己,輜重。庚,勁敵。辛,遊騎。壬,騎兵。癸,天塹。九星:蓬,猛將。任,狻將。沖,戰將。輔,儒將。英,凶將。芮,頑將。禽,義將。柱,雄將。心,天將。
さらに十干の主る所を分つ。甲は兵馬を演練するを主り、乙は副將を主り、丙是先鋒を主り、丁は遊説の説客を主り、戊は大隊の人馬を主り、己は糧草・輜重を主り、庚は強勁の敵手を主り、辛は往來の遊騎を主り、壬は騎兵を主り、癸は險要の天塹を主る。さらに九星の主る所の將才を分つ。天蓬は勇猛の將、天任は狻猊の如く威武の將、天冲は善戰の將、天輔は儒雅の將、天英は凶悍の將、天芮は頑鈍の將、天禽は義を持する將、天柱は雄豪の將、天心は智略神の如き將なり。
九宮:一,申子辰宜水戰。二,四維士利攻圖。三,寅午戌宜火攻。四,節炁。五,節炁。六,節炁。七,巳酉丑戰。八,四維士堅壁固守。九,亥卯未援解。門戶:陰六地天喜臨,勾白朱元忌照天馬,更坐天馬出行如乘飛驥。
さらに九宮の主る所を分つ。一宮は水に属し、申子辰に逢えば水戰を行うに宜しい。二宮は四維の土に属し、強攻・圖取に利あり。三宮は木に属し、寅午戌に逢えば火攻を用うるに宜しい。四・五・六の三宮は節氣を分主し、節氣の推移に隨いて取用す。七宮は金に属し、巳酉丑に逢えば交戰に宜しい。八宮も亦四維の土に属し、堅壁・固守に宜しい。九宮は火に属し、亥卯未に逢えば救援・解圍に宜しい。門戶に至りては、「太陰」「六合」「九地」「九天」等の吉神の臨照を見るを喜び、「勾陳」「白虎」「朱雀」「玄武」等の凶神の天馬の位に照臨するを忌む。もし天馬の上に坐して兵を出せば、行軍は飛馳する駿馬に騎りたるが如く迅捷ならん。
三甲:孟甲,合陽星陽炁在內,利戰。合陰星陰氣在內,利守。仲甲,合陽星利於後應。合陰星陰氣在門,利守。季甲,合陽星陽炁在外,利守。合陰星陰氣在內,利主。
さらに三甲を論ず。孟甲が陽星に配すれば、陽氣內に聚り、出戰に宜しい。陰星に配すれば、陰氣も亦內に在り、據守に宜しい。仲甲が陽星に配すれば、後隊の接應に利あり。陰星に配すれば、陰氣門上に聚り、據守に宜しい。季甲が陽星に配すれば、陽氣外に散じ、反って據守に宜しい。陰星に配すれば、陰氣內に在り、則ち主方に利あり。
論干支:日干我軍時干敵,日制時兮戰必克;時干若或尅日干,號令三軍宜堅壁;日干若受時干生,來將私意懷歸伏;惟嫌壬癸作生神(水土詐故也),須防詐降終無益;時干若是脫日干,對壘之間閃賺的;主客從來分時日,先起之兵即作客;日支時支偏將倫,生尅休咎如干陳;兩家納音宜究檢,先後勝負援剿因;辨出行居生旺氣,休咎刑尅君莫向;天罡六壬元妙道,煞貢人專與大安,明堂天德金匱較。
干支を論ず。日干は我軍を代表し、時干は敵軍を代表す。日干が時干を制服し得れば、交戰必ず勝つ。時干が反って來たりて日干を剋せば、就中三軍に號令して堅壁して出ざるべし。日干もし時干の生扶を受ければ、敵將の暗に歸降の意を懐くを主る。ただ來たりて生ずるが壬癸ならんを怕る(水と土は最も僞を作すに善なるを以て)、須く對方の詐降を防ぎ、接納すも亦益なし。時干もし日干の氣を脫泄せば、あれは兩軍對壘の際人に誆騙せらるるなり。主客の分は向來日時をもって準と為し、先に兵を起こし手を動かす一方すなわち是れ客なり。日支と時支は分別して雙方の偏將を代表し、その生剋・休咎は天干の推法と相同じ。兩家の納音・五行もまた仔細に考究すべし、此に由りて先後の勝負と救援・進剿の形勢を推知す。還た出兵と駐紮の處する生旺の氣を辨明すべく、凡そ休囚・刑剋の方位は切に前往する勿れ。このほか、六壬の中の「天罡」一課は自ら玄妙の理あり、「煞貢」「人專」「大安」、および「明堂」「天德」「金匱」の諸課と參照・比較すべし。
論值符:值符占驗大將軍,本宮傳吉立大勳;三宮檢點無凶礙,左右沖戰遂將心;再將年命來參取,不值刑沖無禍侵;地天螣陰朱勾六,何者為仇何者親;九地失刑防偷刦,九天害隔莫交兵;時日勿與值符害,方位宜同值符生。論值使:值使得令堪進取,地門有吉分正奇;推詳主副年與命,臨吉門中是勝基;倘值網羅並反伏,太公陰符不用之。
値符を論ず。「値符」の占するは主帥・大將軍にして、本宮の傳する所が吉なれば、便ち大功を建立し得。さらに前後・左右の三宮を檢點し、もし凶象の妨礙なければ、左冲・右突皆將帥の心に稱え得。還た主將の年命を一併に參看すべく、ただ刑冲に逢わざれば、就中禍患の侵擾なし。九地・九天・螣蛇・太陰・朱雀・勾陳・六合の諸神は、須く一一に分清して哪個が我と仇を為し哪個が我と親しむかをすべし。九地が位を失い刑を受ければ、敵人の營を偷し寨を劫するを防ぐを要す。九天が害に遭い隔を受ければ、切に貿然として兵を交うる勿れ。用うる所の日と時は値符と相害すべからず、進兵の方位は則ち値符の生ずる所の方を取るに宜しい。値使を論ず。「値使」が時令を得れば、便ち進兵して勝を取るべし。地盤の門に吉象あれば、還た何をか正兵・何をか奇兵を分清すべし。主將・副將の年命を推詳し、凡そ吉門の中に臨むは、就中勝を取るの根基なり。倘若値使が天羅・地網あるいは「返吟」「伏吟」に遇上れば、たとえ太公の『陰符』の謀ありとも用い得べからず。
論十干:奇偶各有所分屬,最忌囚墓與刑格;制甲之神喜休囚,輔甲之神怕孤隔;甲所用神如伏仇,本營奸究須推測;查其本局孤與虛,繫何奇儀落其局;分局既值孤虛宮,畢竟吉凶半準的;天用落宮與值刑,切忌臨此遭損失。論九星:九星旺方能取勝,休囚失地忌興師;悖格飛伏皆難許,最羨吉宿得奇門;天上風雷來助武,上下左右魁與魒;躡罡履斗丁甲使,疑神疑鬼壯軍威。
十干を論ず。三奇と六儀と各々属する所有り、最も囚地・墓地と刑格の上に落つるを忌む。甲木を剋制する凶神は、その休囚・無力を喜び、甲木を輔佐する吉神は、則ち孤辰・隔斷の地に落つるを怕る。甲の用うる所の用神もし仇敵の如く潛伏して出ざれば、就ち本營の中に奸細の害を為すあるかを推測すべし。還た本局の孤と虚と何處に落つるか、是れ哪一路の奇儀のあの一宮に落ち進みしやを查明すべし。分局既に孤虚の宮に値すれば、斷ずる所の吉凶も就中ただ一半の準頭なり。天盤の用神の落つる所の宮もし正しく刑地に當るに至りては、尤も此に臨むを忌み、これに臨めば必ず損失に遭う。九星を論ず。九星は旺方に居りて乃ち勝を取り得、休囚・失地すれば則ち師を興すを忌む。「悖格」および飛宮・伏宮に逢えば、皆勝算あること難し。最も喜ぶ可きは吉星にしてまた奇門を得。天上の風雷の勢前に來りて戰を助け、上下・左右に還た魁星・魒星の呼應あり。さらに罡を蹑み斗を履み、丁神・甲將を役使する術を加えて、敵人に神を疑い鬼を疑わしめば、我軍の軍威自ら壯なり。
論九宮:九宮起元考天時,地適三方亦證推;水火金木土各別,主將年命莫教違;正局老營堪立寨,過局輜重可屯棲;將來局位伏接剿,奇正分兵奏捷回。論門戶:門戶忌迫墓格刑,欣逢遁假詐使來;如若加臨孤虛地,出軍不利好逃兵;倘逢天乙登天門,煞沒神藏任取亨。
九宮を論ず。九宮の起元は先ず天時を考察し、さらに地利を取り、前後の三方も亦互いに印證し得。水火・金木土各々分別あり、皆主將の年命と相違背すべからず。當値の正局の宮は中軍・老營を安下して寨を立つべし、已過の局の宮位は輜重・糧草を屯放し得、將來の局の宮位は則ち埋伏・接應し、機を伺い進剿するに宜しく、奇兵・正兵分頭に出動せば、自然に捷を奏して歸らん。門戶を論ず。門戶は最も門迫・入墓・成格と刑を受くるを忌み、最も遁格・假局・詐局と「三奇得使」に遇うを喜ぶ。もし門戶が孤虚の地に加臨すれば、出兵は利あらず、士卒は逃亡し易し。倘も「天乙登天門」の時に逢わば、あれは凶煞の隱沒し吉神の潛藏する候にして、如何に取用するも亨通ならん。
論三甲:三甲詳分開闔情,開宜興師闔偃兵;孟甲反伏不宜動,仲甲反伏猶豫情;季甲反伏背宜動,此從罡訣斷玄宗;更有三加玄加臨,遲中變速動中寧;孟甲加仲宜哨探,加季上面好進徵;仲甲加孟始當心,加季宮中快起營;季甲加孟權駐北,加仲之時防伏兵;陽時喜逢上尅下,陰時尅上亦稱情。
三甲を論ず。三甲は開と闔の情狀を細分すべく、開なれば則ち師を興して出戰するに宜しく、闔なれば則ち兵を按じて動かざるに宜しい。孟甲が「返吟」「伏吟」に遇えば、妄動すべからず。仲甲が返伏に遇えば、進退・猶豫を主る。季甲が返伏に遇えば、反って行動に宜しい。此は皆禹罡の訣に依りて推斷する玄妙の宗旨なり。このほか還た三甲の互いに加臨する變化あり、遲緩の中を迅速に轉じ、躁動の中を安寧に歸せしむ。孟甲が仲甲に加われば、哨探を派出するに宜しい。孟甲が季甲に加われば、正しく兵を進め征討すべし。仲甲が孟甲に加われば、起初に須く當心すべし。仲甲が季甲に加われば、就中速かに營を拔くべし。季甲が孟甲に加われば、權且北面に駐紮す。季甲が仲甲に加わる時は、則ち敵人の伏を設けるを提防すべし。陽時は上が下を剋するを見るを喜び、陰時は下が上を剋するも一樣に稱心なり。
論吉凶:返首一戰成功,跌穴伏兵取勝,天遁大開旗鼓,所戰必克。地遁安置營壘,埋伏出奇。人遁利偵探,神遁使陰謀,鬼遁偷刦可行,龍遁祈禱大利,虎遁招討,威振遠方。風雲二遁抽避為良。三詐爭戰定勝,五假變陣成功。三奇得使,偏裨效力。玉女守門,陰私可行。三詐宮,百戰皆捷。天輔時,有罪可原。天三門,宜張招撫之旗。地四戶須置埋伏之卒。地私門潛藏之路,天馬方逃難之鄉。門吉、星吉、符吉,戰爭攻取均宜。
吉凶・格局を論ず。「青龍返首」を得れば、一戰して成功す。「飛鳥跌穴」を得れば、伏を設けて勝を取る。「天遁」を得れば、旗を張り鼓を動かして正面進攻し、戰必ず獲勝せん。「地遁」を得れば、營を安んじ寨を紮して埋伏・出奇するに宜しい。「人遁」を得れば、刺探・偵察に利あり。「神遁」を得れば、陰謀・詭計を行うに宜しい。「鬼遁」を得れば、營を偷み寨を劫すべし。「龍遁」を得れば、祈禱・禳祭大いに利あり。「虎遁」を得れば、師を出して征討し遠方を威震すべし。「風遁」「雲遁」の二格を得れば、則ち身を抽いて回避するを上策と為す。「三詐」の局は、交戰必ず勝つ。「五假」の局は、陣法を變換して成るべし。「三奇得使」は、副將・裨將皆肯んじて力を效めん。「玉女守門」は、凡そ隱秘の事皆施行すべし。三詐の宮に落つれば、百戰百捷なり。「天輔時」に逢えば、たとえ罪ありとも寛宥を獲得すべし。「天三門」を得れば、招撫の旗號を張起するに宜しい。「地四戶」を得れば、須く此に兵卒を埋伏すべし。「地私門」は潛行・隱蔽の通路、「天馬」の在る所の方は逃難・避險の去處なり。要するに門吉・星吉・値符も亦吉なれば、交戰と攻取と論ぜず皆相宜なり。
乙加辛宜防敗北,辛加乙宜勿圖謀,癸加丁軍謠有變,丁加癸將撖凝況,伏干當慮暴出之師,飛干恐墮敵人之計,伏宮勁敵難御,飛宮先鋒失機,大隔怕遭刦掠,小隔須防伏兵,刑格戰鬪罕利,悖格乍起軍驚,歲格主營生變,月格偏將受傷,日時格豈堪搦戰,五不遇切勿進徵,熒入白兮詐退而必返,白入熒兮窮寇而莫追,網羅豈避坑陷,返伏卻忌交兵。三奇入墓與刑制,副將援兵不協情。六儀擊刑,戰雖利而有損。門空制迫,營雖固而防沖。
乙が辛に加わりて「青龍逃走」と成れば、兵敗れて奔北するを防ぐを要す。辛が乙に加わりて「白虎猖狂」と成れば、圖謀ある所有るに宜しからず。癸が丁に加わりて「螣蛇夭矯」と成れば、軍中に謠言四起して變を生ず。丁が癸に加わりて「朱雀投江」と成れば、主將の遲疑・不決を主る。「伏干格」に逢えば、敵軍の突然殺出するを慮るに當る。「飛干格」に逢えば、敵人の圈套に落ち入るを恐る。「伏宮格」に逢えば、強敵抵禦し難し。「飛宮格」に逢えば、先鋒は戰機を貽誤せん。「大隔」に逢えば、劫掠に遭うを怕る。「小隔」に逢えば、須く伏兵を防ぐべし。「刑格」に逢えば、交戰勝算少なし。「悖格」に逢えば、軍中突然に驚亂せん。「歲格」に逢えば、中軍・大營に變を生ず。「月格」に逢えば、偏將傷を受く。日格・時格に逢えば、さらに出陣・挑戰に堪えず。「五不遇時」に逢えば、切に兵を進めて征討すべからず。「熒入白」に逢えば、敵人詐退の後必定に師を回らす。「白入熒」に逢えば、あれは窮寇にして追撃すべからず。天羅・地網に落つれば、何ぞ坑陷を避け得ん。返吟・伏吟に遇えば、尤も兵を交うるを忌む。三奇が入墓しあるいは刑剋せられれば、副將と援兵と便ち肯んじて同心せず。「六儀擊刑」に逢えば、仗は打勝つと雖も、自身も亦折損あり。門が空亡に落ちまた制を受け迫を受ければ、營壘固しと雖も、なお須く敵の來冲を防ぐべし。
官禄占
論值符:值符,官僚品秩生除謫降。螣蛇,行人遊府織造延尉。太陰,兵刑工廠錢。六合,吏禮。勾陳、白虎,總制鹽政。朱雀、元武,科道稅水利營。九地,屯衛有司。九天,巡撫。值使:休,青、齊、吳、濱海。生,幽、燕、揚。傷,豫、宋、兗、濱海。杜,鄭、荊、楚、濱海。景,壅州、堂治。死,秦、益、晉、土殼。驚,趙、迎闔。開,徐、魯、並御。
官職・禄位を占問するに、まず八神の主る所を分つ。「値符」は官員の品級・階秩と陞遷・貶謫を主る。「螣蛇」は行人司・王府の属官・織造と廷尉の獄官を主る。「太陰」は兵部・刑部と工廠・錢法の事を主る。「六合」は吏部・禮部を主る。「勾陳」「白虎」は總督・制置と鹽政を主る。「朱雀」「玄武」は科道の言官・税課・水利と軍營を主る。「九地」は屯田・衛所と地方の有司を主る。「九天」は巡撫の大員を主る。さらに八門をもって任所の地界を分主す。休門は青州・齊地・吳地と沿海を主る。生門は幽州・燕地・揚州を主る。傷門は豫州・宋地・兖州と沿海を主る。杜門は鄭地・荆楚と沿海を主る。景門は雍州と京畿の治所を主る。死門は秦地・益州・晉地と邊土を主る。驚門は趙地と關隘を主る。開門は徐州・魯地と并州の邊御の區を主る。
十干:甲,督副。乙,佈政書院。丙,禮科鴻儒。丁,逃方。戊,闔開主事必成。己,鹽漕糧儲。庚,提督刑科。辛,按察。壬,清理司。癸,水利道。九星:蓬,總河操江。任,太常四廠。沖,織造。輔,翰林。英,通政行人。芮,關帥總兵。禽,撫臣。柱,副帥戎政。心,君臣。
さらに十干をもって官職を分主す。甲は總督と副職を主り、乙は布政使と書院の學官を主り、丙は禮科給事中と鴻儒の選を主り、丁は外任・逃避の方を主り、戊は闔に逢い開に逢うも皆任事の成るを主り、己は鹽政・漕運と糧儲を主り、庚は提督と刑科を主り、辛は按察使を主り、壬は清理司を主り、癸は水利道を主る。さらに九星をもって職守を分主す。天蓬は總理河道と操江の任を主り、天任は太常寺と四廠を主り、天冲は織造を主り、天輔は翰林を主り、天英は通政司と行人司を主り、天芮は關隘の主帥と總兵を主り、天禽は巡撫の重臣を主り、天柱は副帥と戎政を主り、天心は則ち君臣の近侍の任を主る。
九宮:一,河漕鹽運。二,有司。三,禮部。四,節氣申子辰巳酉丑。五,節氣四維士。六,節氣寅午戌亥卯未。七,兵刑部屬。八,鹽政。九,吏戶工。門戶:外轉責天門,內轉則地戶,年命官星遇門戶,乘天德、天乙、天馬者,升;年命刑、悖、格、伏宮,星與年命相傷者,降。三甲:孟甲,主春選、秋選。仲甲,夏選。季甲,欽取、行取。吉星值開,利推薦。凶星值闔,慎究參。
さらに九宮をもって衙署を分主す。一宮は河道・漕運と鹽運を主り、二宮は地方の有司を主り、三宮は禮部を主り、四宮は節氣の申子辰と巳酉丑に應じ、五宮は四維の土に應じ、六宮は節氣の寅午戌と亥卯未に應じ、七宮は兵部・刑部の所属を主り、八宮は鹽政を主り、九宮は吏部・戶部・工部を主る。門戶の法。外任の遷轉は天門を看、京內の遷轉は地戶を看る。本人の年命と官星とが門戶に逢着し、また「天德」「天乙」「天馬」に乘ずるは、陞遷を主る。年命が刑に逢い・悖に逢い・格を成しあるいは伏宮に落ち、星辰また年命と相傷するは、降黜を主る。三甲の法。孟甲は春選と秋選を主り、仲甲は夏選を主り、季甲は欽命の簡取と保擧の行取を主る。吉星が「開」に値すれば、人に推薦せらるるに利あり。凶星が「闔」に値すれば、就中小心して人に參究・彈劾せらるるを要す。
論干支:時干為印日干官,納音藏化品秩看;官印相生多利益,品秩衰旺逐時探;傷符未保前程遠,傷使地方恐不安;最怕截空與刑墓,升降謫除有來源。
干支を論ず。時干は印綬を代表し、日干は官職を代表し、さらに兩者の納音の藏する所・化する所を看て、用いて品級の高低を判斷す。官と印と互相生扶すれば、多く實惠あり。品秩の盛衰は、則ち逐時・逐位に探究するを要す。「値符」を傷てば、前程未だ必ずしも長遠ならず。「値使」を傷てば、治する所の地方は恐らく安寧を得ざらん。最も怕るるは截空と刑墓に遇うにあり、一旦これを犯せば、升降と貶謫・革除と便ち皆來由を有せん。
論值符:值符占官品秩階,旺相休囚著意裁;誰生誰尅旁宮取,進退加臨官父諧;不值刑囚並墓陷,定然榮任稱心懷。論值使:值使從來論地方,五凶三吉各分疆;門凶得令堪終任,門吉迫刑俸不長;乘吉逢生斷顯揚,遠近勞逸與殘廢;更將祿馬考方位,入門飛伏可參詳。
値符を論ず。「値符」の占するは官階・品秩にして、須くそれが旺相か休囚かを分辨することを留意すべし。誰が誰を生じ誰が誰を剋するかは、傍宮より證を取るを要す。進氣・退氣の加臨は、則ち官星・父母の爻と協調するや否やを看るを要す。ただ刑・囚と墓陷とに逢わざれば、必定に榮えて美任を膺け、稱心・如意せん。値使を論ず。「値使」は歴來任ずる所の地方を主り、五凶門と三吉門と各々疆界を分つ。凶門もし時令を得れば、なお任期を滿し做り得。吉門もし迫せられ刑せられれば、俸禄反って長からず。吉神に乘じまた生扶に逢うは、顯達・揚名と斷ず。地方の遠近・差事の勞逸およぴ殘破の區たるや否やに至りては、も此に由りて推知す。さらに禄神・驛馬をもって方位を考察し、入門と飛宮・伏宮とを配合して一して一併に參詳す。
論十干:十干則分所屬宮,本宮得令始為歡;奇儀生合多獎薦,一值刑害參罰看;合處帶刑池魚咎,比旺干旺不須貪;只喜官爻奇儀旺,金章紫綬笑彈冠。論九星:九星恩難用仇分,恩星得地喜生君;吉凶大小分僚屬,仇難無侵官印欣;三方對照查沖合,旺相休廢著意尋;最宜本符星旺相,威福從君可稱心。
十干を論ず。十干は各々所属の宮を分かち、本宮が時令を得て乃ち歓喜すべし。奇儀の間相生・相合すれば、多く獎勵・薦擧を獲得するを主る。一旦刑害に逢着せば、就中參劾・處罰せらるるを防ぐを要す。相合の處また刑を帶ぶれば、便ち池魚に殃及すの咎あり。干と干とただ比和・同旺するも、も貪求するに値せず。最も喜ぶ可きは官職を代表する爻と奇儀と皆旺なり、あれは便ち金印・紫綬の望みに在りて、冠を彈じて相慶賀すべし。九星を論ず。九星は恩星・用星・仇星と難星とを分清すべく、恩星が地を得て主星を生扶するを最上と為す。吉凶の大小は、此に由りて僚属の高下を分別す。仇星・難星の來たりて侵犯せざれば、官星・印星自然に安穩なり。さらに三方を取りて對照し、その冲合を查し、仔細に旺相・休廢を尋究す。最も宜しきは本命・値符の星の旺相に處するにして、則ち威福自ら專にし、事事稱心ならん。
論九宮:九宮起元論轉遷,推選所屬逐元宮;新舊起復宮局數,所治職事亦相兼;水元轉金當署篆,木元轉水俸加添;最忌官元入子舍,刑害空陷足堪嫌。論門戶:門戶內傳與外傳,年命貴人祿馬算;吉星會合指日升,凶神迫害官不遠。論三甲:三甲開合有神機,開則推選合尚遲,孟仲季兮時令斷,半開半合卦中推。
九宮を論ず。九宮の起元は用いて遷轉を論じ、官職を推選するには逐一元宮の所属に按じて查するを要す。新任・舊任、起復・補缺は、皆宮位と局數より推す。管する所の職事もまた此に由りて兼帶して看出し得。水元が金元に轉入すれば、印信を署理するを主る。木元が水元に轉入すれば、俸禄の增加を主る。最も忌むは官元の子孫の位に落ち入るにあり、さらに刑害・空陷に逢うは、尤も厭う可し。門戶を論ず。門戶に內傳・外傳の別あり、須く本人の年命・貴人・禄神・驛馬と合算すべし。吉星會合すれば、日を指して高陞す。凶神迫害せば、官を去ること遠からず。三甲を論ず。三甲の開と闔とは自ら神機あり、開に逢えば則ち推選即に在り、闔に逢えば則ち遲遲として成り難し。孟・仲・季の三者は時令に按じて斷ずるを要し、半開・半闔の象は則ち卦中より細推す。
論吉凶:返首兮行取升擢,跌穴兮俸深歲深,虎狂兮筮仕不利,龍走兮任所蹊蹺,得遁格利以除授,逢假局可以掛冠,三詐利求獎薦。三奇喜實,年命得喜,而上下歡悅。守門而地方稱心,三門四戶切莫刑制,符、命、天馬、私門最忌。勾、白、螣蛇夭矯,而地方有變。投江而文案關心。飛干、伏干在京科道之參罰。伏宮、飛宮任所督撫之罪尤。大隔、小隔,士民怨嗟,而居任不滿。刑格悖格,同僚不睦,而官途多歧。
吉凶・格局を論ず。「青龍返首」を得れば、保擧・行取せられて升擢するを主る。「飛鳥跌穴」を得れば、俸禄豊厚・任期長久を主る。「白虎猖狂」に逢えば、出仕は利あらず。「青龍逃走」に逢えば、任所必ず蹊蹺あらん。遁格を得れば、官を授け職を除するに利あり。假局に逢えば、反って官を辭し冠を掛くるに宜しい。「三詐」を得れば、獎賞・薦擧を求取するに利あり。三奇はその實に落ちて空に落ちざるを喜び、年命が喜に遇えば、則ち上司・下屬皆歡悅す。「玉女守門」を得れば、治する所の地方は稱心す。「三門四戶」は切に刑せられ制せらるる勿れ。値符・年命・天馬と地私門とは最も傷を受くるを忌む。「勾陳」「白虎」および「螣蛇夭矯」に逢えば、地方に變故を出さん。「朱雀投江」に逢えば、須く公文・案卷のために心を操るべし。「飛干」「伏干」に逢えば、京に在りて科道官に參劾・處分せらるるを主る。「伏宮」「飛宮」に逢えば、任所に在りて督撫に罪を問はるるを主る。「大隔」「小隔」に逢えば、士民の怨聲道に載ち、任期は滿たざるに做らん。「刑格」「悖格」に逢えば、同僚和せず、仕途多く歧路あらん。
熒入白宜防賊寇,白入熒亦慎災殃。年月日時逢悖格,已過將來事可詳。五不遇兮難以調選,六儀刑兮任所有傷,入墓網羅居官不顯,返吟、門迫,地到不良。行使休囚,未必終任。年命刑害,豈得還鄉。大約元星旺相,又得日時相幫,年命逢恩值吉,天乙守照為祥。
「熒入白」に逢えば、境內の盜賊を防ぐを要す。「白入熒」に逢えば、も須く災殃を謹愼すべし。年・月・日・時の四者が「悖格」に逢えば、則ち過去と將來の禍福皆此に由りて推詳し得。「五不遇時」に逢えば、調補・選官すること難し。「六儀擊刑」に逢えば、任所必ず損傷あらん。入墓しあるいは天羅・地網に落つれば、官と為りて顯達すること能わず。「返吟」と門迫に逢えば、到任の地も亦安寧ならず。値使が休囚・無氣なれば、未だ必ずしも一任を滿し做る能わず。年命が刑せられ害せられれば、さらに平安にして鄕に還るを指望し難し。總じて言えば、ただ元星の旺相にして、また日辰・時辰の相幇を得、年命が恩星に逢い吉神に値し、さらに「天乙」の守照あれば、便ち是れ吉祥の象なり。
詞訟占
論值符:值符,問官。螣蛇,稿房。太陰,責罰。六合,吏屬。勾陳、白虎,催提、刑杖。朱雀、元武,文卷、挑唆。九地,賍物。九天,上司。值使:休,彼此一般。生,賄賂、囑託。傷,總責、喝散。杜,冤屈難伸。景,文牒轉移。死,賍執、追呼。驚,定罪、虛驚。開,訴辯得理。
訴訟を占問するに、まず八神の主る所を分つ。「値符」は承審の官と為る。「螣蛇」は稿を擬する書房吏と為る。「太陰」は責罰を主る。「六合」は衙門の吏役と為る。「勾陳」「白虎」は人犯を催提し刑杖を主る。「朱雀」「玄武」は案卷・文書と中より挑唆するを主る。「九地」は贓物を主る。「九天」は上級の衙門を主る。さらに八門をもって案情を分斷す。休門は兩造の高下を分かたざるを主る。生門は賄賂・請託を主る。傷門は一体に責罰して而る後喝散するを主る。杜門は冤屈の伸張する處なきを主る。景門は文書の移送・轉遞を主る。死門は贓證手に在りて追呼・拘提するを主る。驚門は定罪を主り、あるいはただ虚驚一場なり。開門は申辯して直を得、理を占むるを主る。
十干:甲,生於亥。乙,生於午。丙,生於寅。丁,生於酉。戊,生於寅。己,生於酉。庚,生於巳。辛,生於子。壬,生於申。癸,生於卯。九星:蓬,陰險星。任,遲滯星。沖,怒惡星。輔,恩赦星。英,喝散星。芮,賍吏星。禽,清星。柱,樸實星。心,喝散星。
さらに十干の長生の位を取りて應期を定む。甲の長生は亥に在り、乙の長生は午に在り、丙の長生は寅に在り、丁の長生は酉に在り、戊の長生は寅に在り、己の長生は酉に在り、庚の長生は巳に在り、辛の長生は子に在り、壬の長生は申に在り、癸の長生は卯に在り。さらに九星をもって案情の走勢を分斷す。天蓬は陰險の星、天任は遲滯の星、天冲は暴怒・凶惡の星、天輔は恩赦の星、天英は喝令・散案の星、天芮は貪贓・胥吏の星、天禽は清正の星、天柱は樸實の星、天心も亦是れ喝令・散案の星なり。
九宮:(原文缺)門戶:原告責天門,辯訴責地戶,吉星同天乙生合年命及干符者,吉。凶星勾白傷尅年命及符使兩干者,凶。三甲:孟甲,有驚。仲甲,易散。季甲,防險。開值吉星者,勝。闔值凶星者,輸。
九宮の一節は、底本元來脱文あり、その内容已に亡佚す、敢えて臆補せず。門戶の法。原告の一方は天門を看、申辯・答訴の一方は地戶を看る。吉星が「天乙」と一同に來たりて本人の年命および値符の干を生合するは、吉と為す。凶星たる「勾陳」「白虎」の來たりて年命および値符・値使の兩干を傷剋するは、凶と為す。三甲の法。孟甲は案中の驚あるを主る。仲甲は案子の了結し易きを主る。季甲は則ち險惡を提防するを要す。「開」に逢いて吉星に値すれば、官司は打赢す。「闔」に逢いて凶星に値すれば、官司は打輸す。
論干支:日干原告時干被,日支時支干證類;納音所藏是問官,尅日傷時春妙文;時日生合訟宜和,時日尅制勝負異;兩支相會證作奸,兩支刑傷中證累;日干如若傷時干,原告利口多惡意;時支又或尅日支,詐證中人硬嘴利,本時干支同傷口,案倒如山真可畏,只看納音卻如何;若要助仇擬罪狀,時日兩家定高低;旺相休囚與死廢,旺氣制囚可望贏,囚來尅旺空費氣;再看納音脫何干,就裡賄賂真得計;更將年命納音查,生合干納方無慮。
干支を論ず。日干は原告を代表し、時干は被告を代表し、日支・時支は則ち干連の人證を代表す。干支納音の中に藏する所は、正しく是れ承審の官なり。納音が日を剋し時を傷てば、筆下自ら一番の文章あらん。時・日相生・相合せば、この場の官司は和解するに宜しい。時・日互相剋制せば、勝負便ち分曉あり。兩支相會せば、證人の串通・作弊を主る。兩支刑傷せば、中人・證佐の反って牽累を受くるを主る。日干もし時干を傷てば、原告の口歯鋒利にして心に惡意を存するを主る。時支もし日支を剋せば、假證人の嘴硬く強辯するを主る。もし本時の干支が一同に人を傷てば、案子は便ち山の倒るるが如く可畏に壓さる、この時ただ須くさらに納音の究竟如何を看るべし。もし誰が人を助け誰が罪狀を構陷するかを判定せんと要せば、就ち時・日の兩家よりその高低を定む。旺相・休囚と死廢とは、須く一一に分清すべし。旺氣は囚氣を制し得て勝訴を望み得、囚氣は反って旺氣を剋し往けども白く力を費すのみ。さらに納音の哪一干の氣を脫泄せしかを看れば、暗中の賄賂は此に在りて計を得ん。最後に還た年命の納音を查すべし、ただ干支納音と相生・相合するのみ、乃ち無憂たるべし。
論值符:值符占訟作問官,符宮網毋酷與貪;符傷日干責原告,符傷時干被告冤;看其誰生誰受尅,兩家勝負可分端;官符入官中駁類,官符入爻結案堪;符空入陷無準的,日下審豁未可原;朱蛇遙尅文案駁,陰六來傷樸責喧;勾白制干差役惡,前項生合死為歡;地屬有司作寇仇,時近衙門未可投;天繫上司若生合,狀投憲制可消愁;更查逐日陰陽貴;有如甲戌庚午類,幫扶生日得自由;大約用神無代制,行進起脫可遨遊。
値符を論ず。訟を占うは「値符」をもって承審の官と為し、もし符宮が羅網に落つれば、則ち此の官は酷ならずまた貪ならず。値符が日干を傷てば、原告の責を受くるを主る。値符が時干を傷てば、被告の冤を含むを主る。看て清めよ是れ誰が誰を生じ誰が剋せらるるかを、兩造の勝負便ち端倪を見ん。官符が官位に入れば、案子は中途に駁回せらる。官符が爻位に入れば、則ち結案し得。値符が空亡あるいは陷地に落つれば、判斷便ち準頭なく、眼下審斷・開釋も還た説定し難し。「朱雀」「螣蛇」が遙かに剋すれば、案卷の駁せらるるを主る。「太陰」「六合」が來たりて傷てば、主として一頓の責打・喧鬧を挨ぐ。「勾陳」「白虎」が用干を制住すれば、差役の凶惡を主る。上述の諸神もし轉じて生合と為れば、反って死より喜に轉ず。「九地」は地方の有司に属し、我と仇を為す、この時近處の衙門に状を投ずるに宜しからず。「九天」は上司の衙門に係り、もし來たりて生合せば、状子を上憲のあそこに投じて便ち愁を消すべし。還た逐日の陽貴・陰貴を查明すべし、譬えば甲日は未と丑・庚日は丑と未の類の如き、凡そ日干を幇扶・生助し得るは、行事すなわち自由にして礙なし。大体に言えば、ただ用神の替代・壓制せられざれば、進取と脫身とを論ぜず、皆從容として迫らざるべし。
論值使:值使占事之起隙,各從五行分斷義;木金相交門毀嗔,土木相持田宅類;水火激搏奸盜情,旺相休囚孤謊議;吉迫先勝後必輸,凶迫理直斷作屈;必查兩干本門機,旺勝衰兮不須贅。論十干:奇儀子父與財官,年月日時十字參;事蹟須從六親論,審理時日官父干;親怕刑兮干怕隔,休囚遲速可合觀;鬼要空兮身要旺,父宜墓兮子當權;最宜恩曜臨身命,縱然險危不到官。
値使を論ず。「値使」の占するは爭端の何に因りて起こるかにして、各々五行に按じて分別して義を取る。金木相交れば、門戶の毀壞し彼此嗔怒するを主る。土木相持すれば、田産・房宅の爭を主る。水火激搏すれば、奸情・盜案を主る。さらに旺相・休囚を看て、以てその中の孤立・無援か虚言・誑語かを定む。吉門迫せられれば、先に勝ちて後必ず輸す。凶門迫せられれば、たとえ理ありとも斷じて理屈と成る。總じて須く兩干と本門の機竅を查明すべし、旺なる者勝ち衰るる者敗る、その理は贅言を須とせず。十干を論ず。三奇・六儀は各々子孫・父母・妻財・官鬼に配し、年月日時の十字と合參す。案情の原委は六親の上より論じ、審理の關鍵は時・日の兩柱の官爻と父爻に在り。六親は刑に逢うを怕れ、天干は隔に遭うを怕れ、休囚か否かは以て遲速を看出し得。官司を打つは官鬼の空に落ち自身の旺相するを要し、父爻は入墓するに宜しく子孫は權に當るべし。最も好しきは恩星の身命の上に臨むにして、則ちたとえ險危ありとも、終竟に公堂に鬧るに到らざらん。
論九星:九星條分吉星生,吉星生合定稱心;凶星激伐宜刑杖,看臨何干生何刑,性空本宮居旺氣,不犯凶星理自明;若是孤星又囚弱,縱然審斷不輸贏。論九宮:九宮論訟新舊情,旺則興訟衰則停,退臨後氣事已往,進臨來氣正當興,水元轉土堪結案,木元轉火訟又生,本局還歸本局定,此局當了莫生心。
九星を論ず。九星は逐一に分清し、吉星の來たりて生ずれば便ち稱心・如意す。凶星の激揚・討伐すれば、則ち刑杖の厄を免れ難し、還たそれが何干に臨み何の刑剋を生出するかを看るを要す。もし本宮が旺氣に居りて臨む所が空に落ち、凶星を犯さざれば、則ち曲直自然に分明なり。もし是れ孤星にして而も囚弱・無力なれば、たとえ審斷して下るも、も是れ輸さず贏らずの僵局なり。九宮を論ず。九宮は用いてこの場の訟事の新か旧かを判斷す。宮位旺なれば則ち訟事方に興り、宮位衰れば則ち訟事將に息まんとす。退氣の後位に臨むは、事情已に過去せり。進氣の來位に臨むは、事情正しく興頭に當る。水元が土元に轉入すれば、案子は了結し得。木元が火元に轉入すれば、訟事また重ねて生ぜん。もし本局が仍ほ本局に歸すれば、則ち此案當りて了り、別に念を起こすに及ばず。
論門戶:門戶原分告與訴,告看門兮訴看戶,門不傷干原告呈,戶不傷干訴得利,門戶若是總刑格,勸君莫進公門去,官父二主制門戶,再傷年命恐囚繫。論三甲:占訟孟甲是多憂,如逢仲甲便了休,季甲當符防罪責,開符理兮合生愁,若求用甲無刑害,官雖發怒亦當投,半開半合須澤比,較合時日兩干求。
門戶を論ず。門戶は本來原告と答訴の兩面を分かち、状を告ぐるは天門を看、答辯するは地戶を看る。天門が本干を傷つけざれば、原告の状子は遞りて進まん。地戶が本干を傷つけざれば、答辯の一方は利を得ん。もし門と戶と皆刑格と成れば、則ち人に勸めて索性に衙門に進まざるも可なり。官爻・父爻の二者が門戶を制住し、さらに年命を傷及せば、恐らく獄に下り囚に係らん。三甲を論ず。訟を占うに孟甲に逢えば、憂慮最も多し。仲甲に逢えば、事情便ち了結し得。季甲に逢いて値符に當れば、罪を獲り責を受くるを防ぐを要す。「開」に逢いて値符が理を占むれば吉、「闔」に逢えば則ち徒らに愁煩を生ず。もし用うる所の甲が刑害に遭わざれば、則ち官長は發怒すと雖も、状子は仍ほ投ずべし。半開・半闔の象に遇えば、須く相澤・相比の義を取り、さらに時・日の兩干を比較して細かに推求すべし。
論吉凶:返首而原告欠利,跌穴而被告不祥。虎狂、龍走公庭有傷,得遁賄賂可勝,許假囑託備良,三勝三吉喜臨年命,得使而衙役效力,守門而陰小作殃。三門四戶切記日干時干逢悖格,經年經月始消禳。五不遇兮訟直而遭屈斷,六儀刑兮類神恐有彷徨。入墓羅網不宜占訟,反伏門迫翻案迭詳。符使休囚,雖訟而無益。年命受尅,見官而乖張。大約初入官司,喜遇官鬼興隆,久遭纏害,偏宜爻鬼墓絕。官父兩干無尅制,管取喝散喜非常。
吉凶・格局を論ず。「青龍返首」を得れば、原告反って利あらず。「飛鳥跌穴」を得れば、被告は吉ならず。「白虎猖狂」「青龍逃走」に逢えば、公堂の上必ず傷損あらん。遁格を得れば、賄を行うて勝を取り得。假局を得れば、請託も亦周旋に足らん。「三勝」と三吉門とは年命の上に臨むを喜ぶ。「三奇得使」を得れば、衙役は肯んじて汝のために力を出さん。「玉女守門」を得れば、則ち婦人・小人の中より作祟するを防ぐを要す。「三門四戶」は尤も留意を須とす。日干・時干もし「悖格」に逢えば、經年・累月ならざれば消し得ざることなし。「五不遇時」に逢えば、明らかに理あるも斷じて理屈と為さる。「六儀擊刑」に逢えば、類神便ち彷徨して主なし。入墓と羅網に落つるとは、皆訟を占うに宜しからず。「返吟」「伏吟」と門迫に逢えば、案子の一再に翻覆・重審するを主る。値符・値使が休囚すれば、官司を打つも益處なし。年命が剋を受ければ、官を見れば必ず乖張を生ず。大体に言えば、官司初めて起こる時は官鬼の興旺を見るを喜び、纏訟日に久しく拖累を受け盡す時は、則ち反って官鬼の爻の入墓・臨絕するを宜しとす。ただ官爻・父爻の兩干の剋制を受けざれば、一聲喝散せしめて皆大歓喜ならん。
巻十二
晴雨占
論值符:值符,九天日月風雨應明。螣蛇,雷電虹霓。太陰,霜雪、冰凍、陰雲。六合,和風麗日。勾陳、白虎,呵霧、沉晦、疾風、暴雨。朱雀、元武,天鼓電雷、密雲細雨。九地,陰晴、苦寒。九天,晴空、爽氣。值使:休,白雲、甘露、苦寒、細雨。生,狂風黃沙。傷,青氣、雷雹、風雲、暴雷。杜,虹霓、閃雷霹靂。景,虹霓、赤日、炎風。死,陰風、寒凍、冰霜、河瘴。驚,狂風、霹靂雷雹。開,霞彩、雷雹。
陰晴・風雨を占問するに、まず八神の主る所の天象を分つ。「値符」は九天の上の日月・風雨の應候分明を主る。「螣蛇」は雷電と虹霓を主る。「太陰」は霜雪・氷凍と陰雲を主る。「六合」は和風・麗日を主る。「勾陳」「白虎」は氣を呵して霧を成し、天色沈晦および疾風・暴雨を主る。「朱雀」「玄武」は雷聲鼓の如く、電光閃爍と密雲・細雨を主る。「九地」は時に陰り時に晴れ、天氣苦寒を主る。「九天」は晴空萬里・氣爽・風清を主る。さらに八門の主る所を分つ。休門は白雲・甘露・苦寒と細雨を主る。生門は狂風・黃沙を主る。傷門は青氣・雷雹・風雲と暴雷を主る。杜門は虹霓と閃電・霹靂を主る。景門は虹霓・赤日と炎風を主る。死門は陰風・寒凍・氷霜と河上の瘴氣を主る。驚門は狂風・霹靂と雷雹を主る。開門は霞光・彩氣と雷雹を主る。
十干:甲,青龍、旭日、榖風。乙,青龍、和風、麗日。丙,朱雀、新月、電光。丁,朱雀、景星、慶雲。戊,勾陳、霜霧、瘴氣、迷濛、雲氣、燥溼。庚,白虎、嚴霜、暴雨,秋冬則嚴霜,春夏則暴雨,按其時令。壬,元武、疾風、暴雨。癸,元武、潔雨、虹霓、凝冰、肅氣,按其時令。九星:蓬,烏雲、蒼龍、陰雨、怪氣。任,霧瘴、風沙。沖,風沙、雹、晴爽氣。輔,虹霓、祥雲。英,彩雲、暗嵐、霓電。芮,霧氣、陰霾、黃沙。禽,晴風、淑氣、爽籟、甘露。柱,風霜、霹靂、寒冰。心,雷電、寒光、赤霞、白氣。
さらに十干の主る所の天象を分つ。甲は青龍に配し、旭日の東に升ると和煦の谷風を主る。乙は青龍に配し、和風・麗日を主る。丙は朱雀に配し、新月と電光を主る。丁は朱雀に配し、景星と慶雲等の祥瑞の氣を主る。戊は勾陳に配し、霜霧・瘴氣・天色迷蒙・雲氣と燥濕の變を主る。庚は白虎に配し、嚴霜と暴雨を主り、秋冬の時は嚴霜に應じ、春夏の時は暴雨に應じ、時令に隨いて定む。壬は玄武に配し、疾風・暴雨を主る。癸は玄武に配し、淨雨・虹霓・凝氷と肅殺の氣を主り、も時令に按じて分つ。此處の己・辛の二干は底本に載を失す。さらに九星の主る所を分つ。天蓬は烏雲・蒼龍・陰雨と怪異の氣を主る。天任は霧瘴・風沙を主る。天冲は風沙・氷雹と晴爽の氣を主る。天輔は虹霓と祥雲を主る。天英は彩雲・暗嵐と霓電を主る。天芮は霧氣・陰霾と黃沙を主る。天禽は晴風・淑氣・爽籟と甘露を主る。天柱は風霜・霹靂と寒氷を主る。天心は雷電・寒光・赤霞と白氣を主る。
門戶:晴霽,責天門。風雲,責地戶門戶。合陽宮陽星晴,合陰宮陰星雨。三甲:孟甲多陰雨,合陰開時取。仲甲半陰晴,開合細搜尋。季甲晴堪許,開合從星舉。
門戶の法。天の晴れて霽るるを占うは天門を看、風雲の變化を占うは地戶を看、門と戶とを合參して斷ず。凡そ門戶が陽宮・陽星に配するは晴を主り、陰宮・陰星に配するは雨を主る。三甲の法。孟甲は多く陰雨を主り、須く陰星に配合して併せてその開の時を取りて斷ずべし。仲甲は半陰・半晴にして、開と闔と皆細かに搜尋するを要す。季甲は天晴を許し得、開闔の際は則ち値する所の星に依りて定む。
論干支:日干為天時為地,納音五行陰陽帝,天尅地兮風生林,地尅天兮空霧氣,天地生合論化神(如甲己化土之類),金水甘露天未霽,細雨納音生尅情,五行時令消息意,假如合水納是金,管教刻下風雨至。
干支を論ず。日干は天を代表し、時干は地を代表し、さらに干支納音の五行と陰陽とを取りて主宰と為す。天が地を剋すれば、林間に風の起こるを主る。地が天を剋すれば、空中に霧の生ずるを主る。天地兩干が相生・相合せば、則ちその化する所の神を論ず、譬えば甲と己と相合して土を化すの類の如し。金水相生すれば甘露を降すを主るも、天は卻て未だ晴を放たず。細雨に至りては、則ち納音の間の生剋の情を看て、さらに五行と時令の消長の意を合す。例を挙げて言えば、兩干相合して水を化し、而も納音また金に属すれば、金水相滋し、頃刻の間に風雨の到るを管敎せん。
論值符:水局主雨金局寒,門金符水教出潭,若是金符門到水,只疑飛龍入九淵,土局陰霾未有涯,時或四野起黃沙,冬深符土門金凍,門土符金飛六花,符門之間火木局,天地晴和寔可誇,木局風生火局晴,春夏逢之斷得靈,惟懼囚墓廢時日,反致風停細雨零。
値符を論ず。水局は雨を主り、金局は天寒を主る。門が金に属して値符が水に属すれば、是れ龍の深潭を出るの象なり。もし反って値符が金に属して門が水位に落つれば、あれは便ち飛龍の九淵に潛入するが如し。土局は陰霾・無邊を主り、時にまた四野に黃沙を揚起さん。深冬の時節に値符が土に属して門が金に属すれば、天寒・地凍を主る。門が土に属して値符が金に属すれば、則ち雪花の紛飛を主る。もし値符と門との間が火局・木局と成れば、天地晴和にして實に喜ぶ可し。木局は風を起こすを主り、火局は天の晴るるを主り、春夏の際これに逢えば、斷じて來れば最も靈なり。怕るる所はただ囚・墓・廢の時日に遇上するにあり、則ち反って風止み雲停まり、ただ零星の細雨を殘すのみ。
論值使:值使各逐本宮求,旺氣逢生從類搜,刑制隔害吟反伏,陰晴變易有來由,休囚死廢無定據,縱有風雨霎時收。論十干:三奇六儀所臨宮,陰晴尅應好推窮,惟忌背令刑墓格,時違三合究其蹤。
値使を論ず。「値使」は各々本宮に依りて求め、旺氣に遇い生扶に逢う時は、就ちそれが属する所の物類に順いて天象を搜求す。もし刑・制・隔・害および「伏吟」「返吟」に逢えば、則ち陰晴の變化自ら來由あり。もし休囚・死廢の地に落つれば、就中定準なく、たとえ風雨を下すも、轉眼に就中收住せん。十干を論ず。三奇・六儀の臨む所の宮は、正好陰晴の應驗を推究するに用い得。ただそれの時令に背離し、あるいは刑地・墓地と格局の中に落つるを忌む。もし時辰また三合に違えば、就中別にその蹤跡を尋ぬるを要す。
論九星:九星陰陽判雨晴,符泊旬空未可憑,陽星陽宮晴堪恕,陰宮陰星主晦蒙,半開半合晴兼雨,內外開闔先後評。
九星を論ず。九星は陰を分かち陽を分かち、用いて雨晴を判定す。もし値符が旬空の處に停泊せば、斷ずる所は便ち憑信に足らず。陽星が陽宮に落つれば、晴と斷じ得。陰星が陰宮に落つれば、天色の晦暗を主る。もし半開・半闔の象を呈せば、則ち是れまた晴れまた雨なり。究竟先に晴れて後に雨するか先に雨して後に晴るるかは、內外・開闔の次序を看て以て評定す。
論九宮:占驗雨晴論天乙,須究五行起元例,得令失令與刑格,生尅制伏陰晴別,太陰元武司陰雨,六合白虎雷風生,朱雀蛇轄雷雹虹,勾陳陰霧曰霾取,日時月格刑悖逢,陰陽星宮雨暘蹤,九天九地奇儀到,陽開陰闔究玄宗,雨占奇儀化合神,方位時刻可詳料,白虎到巽六合干,旺相風生休廢煙,朱雀坎位武九,主勝客氣雨必然,惟有太陰並九地,或晴或雨論宮纏。
九宮を論ず。雨晴を占驗するは「天乙」を論ずるを要し、還た五行・起元の成例を考究すべし。令を得ると失う、刑格の有無、および生剋・制伏は、皆陰晴を分出し得。「太陰」「玄武」は陰雨を主り、「六合」「白虎」は雷を起こし風を生ずるを主り、「朱雀」と「螣蛇」とは雷雹・虹霓を管り、「勾陳」は則ち陰霧・霾天の象を取る。日格・時格・月格および刑格・悖格もし相逢せば、就ち陰陽・星宮の上より雨晴の蹤跡を尋ぬ。「九天」「九地」と奇儀の臨み到る處、陽開・陰闔の間自ら玄機の究む可きあり。雨を占うは奇儀の化する所・合する所の神を看るを要し、此に由りて雨の下る方位と時刻を詳料し得。白虎が巽宮に到り六合が乾宮に到れば、旺相なれば則ち風を起こし、休廢なれば則ち煙靄を生ず。朱雀が坎位に落ち玄武が九宮に居れば、主氣が客氣に勝る時、必定に雨あり。獨り「太陰」と「九地」と併臨するは、晴か雨かは、その纏する所の宮に就きて別に判斷を作すを要す。
論門戶:三門八宮別陰陽,奇儀加臨仔細詳,陽門陽星三奇會,斷定三光出時方,陰門陰星三奇會,會著之時不顯揚,日月星奇天門照,中宮干巽見三光,風雨儀神會陰星,來臨六合陰勢生,地四戶兮值陰宮,六儀臨之風雨宗,三奇陰星墓地戶,必主其光不照空。
門戶を論ず。三門・八宮は陰陽を分別すべく、奇儀の加臨する處は須く仔細に推詳すべし。陽門・陽星と三奇と相會すれば、日・月・星の三光が就中この時辰・方位に顯現すると斷定し得。陰門・陰星と三奇と相會すれば、たとえ會着すとも、三光は明朗ならず。日・月・星の三奇が天門に照臨し、あるいは中宮・乾宮・巽宮に於て三光を見るは、皆晴明の象なり。もし風雨の儀と神とが陰星に會着し、また來たりて「六合」に臨めば、陰氣便ち此に由りて生ず。「地四戶」が陰宮に値し、さらに六儀のこれに臨むあれば、あれは就中風雨の根由なり。もし三奇と陰星とが墓地あるいは地戶に落つれば、必ず天光の掩はれ、空中に照らざるを主る。
論三甲:孟甲季甲判陰陽,須從開闔細推詳,再察符使干星類,會合時令下斷強。論吉凶格:跌穴主晴,返首主雨,躔在陽宮方晴,移居陰垣定雨,白虎狂兮立見風生,青龍走兮決然雨至,蛇妖而陰雲密佈,投江而大雨淋漓,熒入白虹霓頓起,白入熒雷電依稀,庚格陰晴疊變雨將電,日年移羅網四張,須知遍佈陰暗,時日生尅的是晴雨真機。
三甲を論ず。孟甲と季甲とは陰陽を分判す、須く開闔の上より細かに推詳し、さらに値符・値使・天干と九星の各々の物類を察看し、當令の節氣に會合せば、斷語は乃ち下ること力あり。吉凶・格局を論ず。「飛鳥跌穴」を得れば晴を主り、「青龍返首」を得れば雨を主る。星辰の行度が陽宮に落ちて乃ち晴を放ち、陰宮に移れば便ち雨を下らん。「白虎猖狂」に逢えば、立時に風を起こさん。「青龍逃走」に逢えば、必定に雨あらん。「螣蛇夭矯」に逢えば、陰雲密布せん。「朱雀投江」に逢えば、大雨滂沱せん。「熒入白」に逢えば、虹霓頓に現れん。「白入熒」に逢えば、雷電隱約ならん。「庚格」に逢えば、陰晴反復・變化し、雨中還た電光を夾まん。日格・年格移動して天羅・地網四面に張開すれば、須くあれは陰雲遍布の象なるを知るべし。要するに時と日との間の生剋こそ、晴雨を判斷する真正の機竅なれ。
又斷:凡占晴須論符、天、朱、蛇、勾、白之神,與八門生、景、死、杜、輔、禽、英、芮,並起元於火木局,三奇得位,戊己當權,陽星開必主晴。凡占雨須看地、陰、元、白之神,與八門之休、驚、開、傷,九星之蓬、柱、心、沖,並起元於金水局,三奇虛墓,庚辛壬癸當權,陰星闔必陰雨也。
別に一斷法あり。凡そ天晴を占うに、須く「値符」「九天」「朱雀」「螣蛇」「勾陳」「白虎」の諸神を看て、生門・景門・死門・杜門および天輔・天禽・天英・天芮の諸星に配上し、起元また火局・木局に在り、三奇各々その位を得、戊己の二儀權に當り、陽星が開に値すれば、則ち必定に晴を放たん。凡そ雨の下るを占うに、須く「九地」「太陰」「玄武」「白虎」の諸神を看て、休門・驚門・開門・傷門および天蓬・天柱・天心・天冲の諸星に配上し、起元は金局・水局に在り、三奇は空に落ち墓に入り、庚辛壬癸權に當り、陰星が闔に値すれば、則ち必定に陰雨ならん。
身命占
值符:值符,發朝之初氣概、雄偉、羊盾、虎皮。螣蛇,口實虛驚、奸佞心毒、委屈婉轉。太陰,小人暗算、沉滯猥小、深謀遠慮。六合,親朋招撫、和靄慈祥、易惑易動。勾陳、白虎,事多磨折、果敢執物、道路驚、凶勇威權。朱雀、元武,詞訟是非、巧辯能文、宜防欺偽、奸險陰邪。九地,宜防險阻、深機大度、陰謀莫測。九天,出谷遷向、軒昂大方、虛張聲勢。
人の身命を占うに、まず八神の主る所の氣質を分つ。「値符」は初めて茅廬を出で便ち一番の氣概あるを主り、人と為りて雄偉にして、羊盾・虎皮を披くが如く威武なり。「螣蛇」は口舌・把柄と虚驚を主り、性情奸佞にして心毒、行事委曲・婉轉す。「太陰」は小人の暗算を受くるを主り、人と為りて沈滯・猥瑣なるも、も深謀・遠慮あり。「六合」は親友の招携・撫助を得るを主り、性情和靄・慈祥にして、ただ人の迷惑・鼓動を受け易し。「勾陳」「白虎」は諸事多く磨折するを主り、人と為りて果敢・固執にして、路上多く驚險あり、性は凶勇を帶びて威權を握る。「朱雀」「玄武」は詞訟・是非を主り、人と為りて巧辯・能文にして、須く欺詐・虚僞を防ぐべく、性は奸險・陰邪を帶ぶ。「九地」は須く險阻を防ぐを主り、人と為りて機心深沈・器量宏大にして、陰謀測り難し。「九天」は幽谷より喬に遷るを主り、人と為りて軒昂・大方にして、ただ虚に聲勢を張るを好む。
值使:休,利謁見、安葬、固執事屈而伸。生,利經營、安葬、守時、鳴則驚人。傷,利捕獵、得令著損,先凶損傷。杜,利遮攔、安分、潛形隱匿、秘密。景,利投書、利見大人、文書消息。死,防縊死、收債財貨、弔喪、行刑。驚,利擒訟、聲名振世、肅殺虛驚。開,利遠行、遠圖、舉謀、營造、市賈。
さらに八門の主る所の行藏を分つ。休門は尊長に謁見し先人を安葬するに利あり、人と為りて固執にして、事は一時屈を受くると雖も終に伸展し得。生門は生業を經營し安葬するに利あり、時を守り機を待つに善く、一鳴すれば則ち人を驚かす。傷門は田獵・捕捉に利あり、時令を得ると雖も損傷あるを免れ難し、且つ是先に凶して後に損を受く。杜門は遮攔・阻隔し分を安んじ己を守るに利あり、形を潛め跡を隱すに善く、行事隱秘なり。景門は書信を投遞し大人に進見するに利あり、文書・消息の往來を主る。死門は須く自縊・橫死を防ぐべく、債務・財貨を收取し弔喪と行刑とに宜しい。驚門は擒捕と訟爭とに利あり、聲名世を震わす能し、ただ肅殺と虚驚とを帶ぶ。開門は遠行・遠圖・事を擧げ謀劃し營造と經商・貿易とに利あり。
十干:甲,若父兄師、高人君子。乙,如姊姑妹、僧道、藝術。丙,兒外甥佐、詩人墨客。丁,女孫使、媒妁。戊,妾健步。己,妻婢、農人、士工。庚,祖父、將帥、軍校。辛,祖母、陶冶、匠尼。壬,母、牙客、舟人、腳投、穩婆。癸,母姨、參謀、博士。
さらに十干の主る所の人物を分つ。甲は父兄・師長の如く、も高人・君子を主る。乙は姉姑・姐妹の如く、も僧道と技藝の人を主る。丙は兒子・外甥と佐貳の官を主り、も詩人・墨客を主る。丁は女兒・孫輩・使女と媒妁を主る。戊は侍妾と走るに善き健歩の人を主る。己は妻子・婢女・農人と士工を主る。庚は祖父・將帥と軍校を主る。辛は祖母・陶冶の匠人と尼姑を主る。壬は母親・牙行の客商・船夫・腳夫と接生の穩婆を主る。癸は姨母・參謀と博士の流を主る。
九星:蓬,須黑肥濁、勇猛沉滯。任,矮跎跛足、偽諉詐師巫。沖,五表清奇、善辨奇律。輔,清秀、歌訣、文雅、和順。英,棗面、青須、稀髮、麻班、脫穎。芮,黑矮肥胖、拘執忍耐。禽,端正、淑慎、忠良正直。柱,長大雄狼、剛暴險惡。心,闊面、重腮、大耳、果斷辨才。
さらに九星の主る所の形貌・性情を分つ。天蓬は鬚髮黑く體肥にして色濁り、性勇猛にして遲滯に失するを主る。天任は身矮く駝背・跛足にして、人と為りて虚僞・推諉にして、多くは巫祝・術士の流を主る。天冲は五官・儀表清奇にして、音律・法度を分辨するに善きを主る。天輔は容貌清秀にして、歌うに善く誦する能し、文雅・和順を主る。天英は面色棗の如く鬚色青を發し頭髮稀疏・面に麻點を帶び、才華は脱穎して出づるに易きを主る。天芮は膚黑く身矮く而も肥胖にして、性情拘執にして忍耐し得を主る。天禽は相貌端正にして、擧止淑慎、人と為りて忠良・正直を主る。天柱は身材高大・雄悍にして、性剛暴にして險惡を主る。天心は面闊く腮重く耳大にして、人と為りて果斷にして辯才あるを主る。
九宮:一,得令,才名雙美;失令,風流蕩子。二,得令,富厚;失令,奔馳。三,得令,聰明虛詐;失令,有始無終。四,得令,節申子辰,氣巳酉丑。五,節四維土,氣四庫土。六,節寅午戌,氣亥卯未。七,得令,威名服眾;失令,刑尅險惡。八,得時,有格;失令,執滯。九,得時,清秀文墨;失令,匠作詭謀。
さらに九宮の主る所の成就を分つ。一宮が令を得れば、才華と名望と兩全す。令を失えば、則ち是れ風流・浪蕩の子なり。二宮が令を得れば、家道富厚なり。令を失えば、則ち終身奔波す。三宮が令を得れば、聰明にして略に虚詐を帶ぶ。令を失えば、則ち始ありて終なし。四宮は節氣の申子辰と巳酉丑に應じ、五宮は四維の土と四庫の土に應じ、六宮は節氣の寅午戌と亥卯未に應じ、三宮は皆節氣に隨いて斷を取る。七宮が令を得れば、威名衆に服さん。令を失えば、則ち刑剋・險惡なり。八宮が時を得れば、人と為りて格局あり。令を失えば、則ち固執・遲滯なり。九宮が時を得れば、清秀にして文墨を擅とす。令を失えば、則ち淪落して工匠と為り、あるいは詭譎・多謀に流る。
門戶:榮貴責天門,富厚責地戶,門戶合陽宮、陽星、得令,軒昂進貴;合陰宮、陰星、失令,奸險小人。三甲:孟甲,多慷慨,開主武魁,合主瘦長或矮疲。仲甲,多瀟灑,開主飄蕩,合主刑害或僧道、藝術。季甲,多敦厚,開主刑沖,合主慳澀、孤獨。
門戶の法。榮顯・貴盛を看るは天門を取り、家道の富厚を看るは地戶を取る。門戶が陽宮・陽星に配して而も時令を得れば、人の氣宇軒昂にして步々に顯貴に進むを主る。陰宮・陰星に配して時令を失せば、則ち是れ奸險の小人なり。三甲の法。孟甲の人は多く慷慨にして、開に逢えば武科の魁首と為るを主り、闔に逢えば則ち身形瘦長あるいは矮小・疲弱す。仲甲の人は多く瀟灑にして、開に逢えば一生漂泊を主り、闔に逢えば刑害に遭い、あるいは僧道と技藝の人と為るを主る。季甲の人は多く敦厚にして、開に逢えば刑冲を犯すを主り、闔に逢えば則ち性情慳吝にして孤獨なり。
論干支:日干為身時為命,納音之中運氣定,身無傷尅是吉胎,納音生扶事業成,得化得時不刑傷,此君名望人欽敬,最怕身命值休囚,祖產於令都無剩,納音最慮身命墓,作事多歧壽恐竟。
干支を論ず。日干は自身を代表し、時干は命運を代表し、一生の運氣は則ち納音の中より判定す。自身が傷剋を受けざれば、便ち是れ好胎命なり。納音さらに來たりて生扶せば、事業成るべし。もし既に化神を得また時令を得、而も刑傷に遭わざれば、此人の名望は必ず衆人に敬重せらる。最も怕るるは自身と命と皆休囚に値するにあり、則ち祖上の留下したる産業も彼の手に到りて何ものも殘さざらん。納音の中最も自身と命との入墓を忌み、さようあらば一生事を為せば岔路百出して、壽數も恐らく長久し難し。
論值符:值符論人直使事,十干人物是性情,九宮起元論來歷,門戶開闔事業因,歲月日時行年命,宮分泊落細推尋,已過將來及時旺,子父財官逐類分,大凡值符怕空鄉,生平事業甚乖張,年命再值別格墓,只疑前程不久長,次及歲月日時干,不值刑格事多歡,其中有一失宮次,根苗花果分類看。
値符を論ず。「値符」は用いて人を論じ、「値使」は用いて事を論じ、十干の主る所の人物は則ちその性情を見る。九宮の起元は用いて出身・來歷を論じ、門戶の開と闔とは則ち事業の由來なり。太歲・月・日・時および行年・本命は、各々哪一宮に落つるかを皆細かに推尋すべし。已過の氣・將來の氣と當令の旺氣と、子孫・父母・妻財・官鬼に配上して、逐類に分別す。大凡そ値符は最も空亡の鄕に落つるを怕れ、さようあらば一生の事業十分に乖違す。年命さらに別格に値しあるいは入墓すれば、前程ただ長久なる能わざるを怕るのみ。次に太歲・月・日・時の四干を看るに、ただ刑格に逢わざれば、諸事多く歡喜あり。四者の中もし一個の宮次を失するあれば、就ち根・苗・花・果の次第に按じて年少・青壯・中年・晚景と分作して看るべし。
論值使:值使從來考作為,逢生乘旺始相宜,倘值刑害兼格墓,所謀未許逐心期,從旁檢點年命上,次及四干門所依,五凶三吉並空廢,休咎其間另有機。論十干:奇儀九處序六親,各從起宮辨來因,值符宮元時元旺,得符得使亨利貞。
値使を論ず。「値使」は歴來用いて人の作為を考察す、須く生扶に逢い旺相に乘じて乃ち相宜と算す。倘若刑に逢い害に逢い、また兼ねて格を成し墓に入れば、圖謀する所の事便ち稱心し難し。還た傍より年命の上の情形を檢點し、次に四干の各々哪一門に依託するかを看るべし。五凶門・三吉門および空亡に落ち廢地に居るは、その間の休咎別に尋ぬべき機竅あり。十干を論ず。三奇・六儀は九宮に散布し、各々次序に按じて六親を配定し、皆起宮の上より來由を辨明するを要す。もし値符の宮元と時元と俱に旺なりて、既に値符を得また値使を得れば、あれは便ち亨通・利貞の象なり。
論九星:九星自古別性情,各隨五行考羲經,孤虛旺相及年命,逐一參看自通靈。論九宮:九宮起元考繫派,會局得時多貴介,逐類用神察旁宮,作術興廢數內載。
九星を論ず。九星は自古用いて人の性情を分別し、各々所属の五行に依りて『易』理を考究す。さらに孤・虚・旺・相と本人の年命とを合して、逐一參看せば、自然に靈驗を推得し得。九宮を論ず。九宮の起元は用いて家世・源流を考察す、凡そ會して吉局を成しまた時令を得るは、多く顯貴の人を出す。さらに類別に按じて用神を取り、併せて傍宮の情形を察看せば、此人の作る所の術業の興と廢とは、皆この數中に載明せらる。
論門戶:須察奇儀分八卦,宮陷墓絕論親因,年命所欣三六會,算來人物自亨通。論三甲:三門四所合陽開,年命逢之顯者來,如若失令值陰合,作事多見巧中呆。
門戶を論ず。須く三奇・六儀の八卦に分属するを察看すべく、凡そ宮位の陷落し墓に臨み絕に臨むは、就ちこれに據りて六親の緣分の厚薄を推論す。年命の最も喜ぶは三合と六合の會聚にして、かくの如く推算せば、此人自然に一生亨通せん。三甲を論ず。三門と四戶と陽に合して開に値し、年命がこれに逢着せば、顯達の運便ち到らん。もし時令を失して陰に値しまた闔に値せば、則ち事を做す時は常に自ら聰明を作して反って呆拙と成る。
論吉凶:螣蛇含金憂口吻,忽然墜水生災非,太陰課體或承羞,六白臨西陰謀忌。勾陳卯位公事擾,到艮申庚門毀嗔,白虎驚柱銜刀可畏,朱雀杜景喧噪堪嫌,元武居干不能終勢,九地杜死沒齒無聞,九天開雲龍變化。
吉凶を論ず。「螣蛇」が金を帶ぶれば、口舌の憂を主る。もし忽然として水位に墜入せば、便ち災禍・是非を生ず。「太陰」は課體と為り、あるいは羞を蒙り辱を受くるを主る。六白の金が西方に臨めば、須く人の陰謀を施行するあるを忌むべし。「勾陳」が卯位に落つれば、公事の紛擾を主る。艮宮あるいは申・庚の位に到れば、門戶の毀損し家人の嗔怒するを主る。「白虎」が驚門と天柱に逢えば、刀を口に銜むが如く、甚だ畏る可し。「朱雀」が杜門・景門に逢えば、喧鬧・聒噪して人に厭わしむるを主る。「玄武」が乾宮に居れば、氣勢は持久すること能わず。「九地」が杜門・死門に逢えば、終身黙黙として聞えざるを主る。「九天」が開門に逢えば、則ち雲中の龍の如く、變化測る可からず。
甲乙春榮,丙丁夏盛,戊己四季,庚辛旺秋,壬癸喜冬,此皆發達超群之人。至若甲得己而中正可風,乙遇庚而剛柔相濟,丙合辛而施威,丁見壬而諂媚,戊癸剛決,無緣宵小。八宮互合靄靄吉人;各宮偏黨,硜硜鄙劣;合中帶刑,美不足凶,空吉寔樂有餘。
甲乙の人は春に榮え、丙丁の人は夏に盛んなり、戊己の人は四季の月に當旺し、庚辛の人は秋に旺なり、壬癸の人は冬に喜ぶ、凡そ時令に合するは、皆發達・超群の人なり。天干の相合に至りては、甲が己合を得れば、人と為りて中正にして風範と為すべし。乙が庚合に遇えば、剛柔相濟す。丙と辛と合せば、人に威を施し得。丁が壬合を見れば、則ち諂媚に流る。戊癸相合せば、性情剛決にして、宵小の輩と緣なし。八宮の彼此相合するは、是れ和氣・可親の吉人なり。各宮各に門戶を立て黨を結び偏私するは、則ち是れ固執・鄙陋の輩なり。相合の中また刑を帶ぶれば、美なりと雖もその凶を掩うに足らず。空に落ちて仍ほ吉、實に居りて樂を得るは、福分反って餘あり。
從其相生,避其相尅,年月日時參究,旬得龍返首而事業順美,鳥跌穴而聲名顯揚,得遁才堪權變,逢詐自能斡旋,得使急外有助,守門出入亨通,五假機緣邁眾,三勝膽畧過人,夭矯而作事虛驚,投江而文信遺失,伏干出遺財物,飛干恃強自傷,伏宮須防盜賊,飛宮事業消亡。大隔小隔,謀為不轉。刑格悖格,禍自內生。
總じて相生の勢に順い、相剋の處を避けて、年・月・日・時を通盤に參究すべし。本旬に「青龍返首」を得れば、事業順遂・美滿す。「飛鳥跌穴」を得れば、聲名顯揚す。遁格を得れば、才具は機に隨り變に應ずるに足らん。詐局に逢えば、自らその中より斡旋し得。「三奇得使」を得れば、危急の際外援の相助あり。「玉女守門」を得れば、出入亨通せざるなし。「五假」を得れば、機緣は常人に勝る。「三勝」を得れば、膽識・謀略は人に過ぎたり。「螣蛇夭矯」に逢えば、事を做す常に虚驚あり。「朱雀投江」に逢えば、文書・信件は遺失し易し。「伏干格」に逢えば、財を破り物を失うを主る。「飛干格」に逢えば、強を恃みて自ら傷くを主る。「伏宮格」に逢えば、須く盜賊を防ぐべし。「飛宮格」に逢えば、事業の消亡するを主る。「大隔」「小隔」に逢えば、謀る所の事遲遲として轉ぜず。「刑格」「悖格」に逢えば、禍患は家內より生出せん。
白入熒宜防外敵,熒入白仇敵自亡,龍逃防身災晦,虎狂恐物乖張,五不遇舉事蹭蹬,羅網張出入宜防。六儀擊刑,凶災各別。三奇入墓,圖謀不揚。反吟伏吟多啾唧,吉凶門迫果非祥,天馬吉門臨命上,策驥生方永無殃。
「白入熒」に逢えば、須く外來の仇敵を防ぐべし。「熒入白」に逢えば、仇敵は反って自ら敗亡せん。「青龍逃走」に逢えば、自身の災晦を防ぐを要す。「白虎猖狂」に逢えば、恐らく財物の失う有り諸事乖張せん。「五不遇時」に逢えば、事を擧ぐれば總じて順利ならず。天羅・地網張開せば、出入皆小心すべし。「六儀擊刑」に逢えば、各々各の凶災あり。三奇が入墓すれば、圖謀する所の事は張揚して起こらず。「返吟」「伏吟」に逢えば、瑣碎・煩擾斷えず。吉門・凶門の迫せらるるは、果然として皆好兆頭にあらず。もし「天馬」と吉門と本命の上に臨まば、則ち馬を策して生旺の方に奔るが如く、一生永く災殃なからん。
又訣:凡占造化,須看其本命行年屬何卦氣,當令失令,以斷其生平之吉凶。次及本日干支之納,正時干支之納,生旺尅制何如,以斷其目下事業興衰。值符起元何宮元,屬本宮何親,今行何卦,旺相生尅何如,其子入父垣,妾讓妻位,從中斟酌,自得消息。再詳值使,以定眼前之作為,會合年命以觀其變化之神妙。如父占子則看兒舍,夫占妻則論妻神,遂得所值之星,以察其心事、人品,更加詳於門戶開合,三甲陰陽,自當得其玄妙矣。
別に一訣あり。凡そ人の一生の造化を推すに、須くまず彼の本命と行年とが哪一卦の氣に属するか、是れ當令か失令かを看て、此に據りて生平の吉凶を判斷す。次に本日・干支の納音、正時・干支の納音を看て、彼此の間は是れ生か旺か、是れ剋か制かを、此に據りて眼下の事業の興衰を判斷す。さらに「値符」の哪一宮より起元するかを看て、本宮は哪一位の六親に属するか、如今どの卦に行き到り、旺相と生剋とは如何なるかを看る。譬えば子爻が父母の垣に入れば、妾位は妻位に讓る、中より細かに斟酌せば、自然にその消息を得ん。さらに「値使」を詳推して、以て眼前の作為を斷定し、年命に會合せば、就中その變化の神妙を看出し得。譬えば父が兒を占えば便ち子孫の位を看、夫が妻を占えば便ち妻神を論じ、得たる所値の星を取れば、就ち此人の心事と人品とを察知し得。もしさらに門戶の開闔・三甲の陰陽の上に意を加えて詳審せば、自然にその玄妙を得べし。
科試占
論干支:日干原為應試人,時干卻是主考臨,日支文章忌刑害,時支場屋所寄陳,納音之中去査取,等第優劣可詳分,旺相生合為吉兆,刑囚攻截總遭迍,日生主文宜賄囑,主文生日宜中君,文章再興主文合,擲地金聲姓氏芬,惟忌時納遭刑制,只恐類窄有遺淪,兩支亦忌相刑害,傷驚塗抹要留心。
干支を論ず。日干は本來應試の擧子を代表し、時干は則ち臨場の主考を代表す。日支は作る所の文章を代表し、最も刑せられ害せらるるを忌む。時支は貢院の號舍を代表し、是れ身家の寄する所なり。さらに納音の中より查考せば、等第の優劣は就ち分れ明白なり。旺相・相生・相合は是れ吉兆、刑に逢い・囚に逢い・攻せられ截せられれば、總じて困頓に遭遇せん。日干が往きて主考を生ずれば、賄を行い請を託するに宜しい。主考が反って來たりて日干を生ずれば、則ちまさに高中すべし。文章の氣さらに旺なりて、また主考と相合せば、便ち地に擲ちて金石の聲を作す佳作にして、姓名自然に芬芳ならん。ただ時柱納音の刑を遭い制を受くるを忌み、ただ取中の類額の窄きがため遺漏せらるるを怕るのみ。日・時の兩支も亦互いに刑害するを忌む。傷門・驚門を見れば、還た卷面の塗抹・污損に留心すべし。
論值符:科試先須論值符,逢生合旺可進圖,朱白生身名高擢,勾蛇刑害卷胡塗,年命日元九天位,皇都得意唱傳臚。論直使:值使論門以後先,開遇九天御筆鮮,杜臨九地孫山外,景門臨之不列前,大約用門無刑格,旁類多吉副榜邊。
値符を論ず。科擧考試は先ず「値符」を論ずるを要し、生扶に逢い・合に逢い・旺に逢えば、便ち進取・圖謀すべし。「朱雀」「白虎」が來たりて自身を生ずるは、名次の高擢を主る。「勾陳」「螣蛇」が來たりて刑し來たりて害するは、卷面の糊塗・潦草を主る。もし年命と日干とが「九天」の位に落つれば、則ち京城・金殿に於て名を唱え臚を傳え、一擧に意を得んとす。値使を論ず。「値使」は八門を看て以て先後の次第を定む。開門が九天に遇えば、御筆親點にして鮮明・夺目を主る。杜門が九地に臨めば、則ち名は孫山の外に落つ。景門が九地に臨むも、も前列に排し入る能わず。大体に言えば、用うる所の門が刑に逢わず格を成さず、傍類また多く吉象なれば、副榜に名を列すること望み得。
論十干:奇儀用神怕刑格,飛伏宮次相推測,三奇湊聚年命間,來朝定作金榜客。論九星:符星起伏忌孤虛,背時擊刑總嗟吁,入父入官要身旺,獻策投書可曳裾。論九宮:起元專考飛伏宮,弱飛旺兮可從龍,官父互交多得意,比脫加臨可落空。
十干を論ず。三奇・六儀の取る所の用神は最も刑に逢い格を成すを怕れ、還た飛宮・伏宮の次第に就きて互相推測すべし。もし三奇が年命の間に湊聚せば、來日朝に入れば、必定に金榜に名を題するの客ならん。九星を論ず。値符の星の起と伏とは最も孤虚を忌み、時令に背離しまた「六儀擊刑」に遭えば、總じて歎息するのみ。星が父母の位・官鬼の位に入る時は、自身の旺相するを要し、かくの如く策を献じ書を投ずれば、方に龍門に登りて裾を曳き王門に入らん。九宮を論ず。起元は專ら飛宮と伏宮とを考え、弱より旺に飛ぶは、龍に攀り鳳に附くべし。官爻・父爻の互いに交會するは、多く稱心・得意し得。もし是れ比和・脫氣の象の加臨せば、則ち落空せんとす。
論門戶:將揭曉兮看天門,吉星生合步青雲,初入闈時看地戶,得令生官中舉人。論三甲:三甲區分前後中,陽開星吉與生身,得比堪言名已備,只從甲位寄奇蹤。
門戶を論ず。將に榜を放ち揭曉せんとする時は天門を看、吉星の來たりて生し來たりて合せば、便ち平步・青雲すべし。初めて闈に入り考に應ずる時は地戶を看、時令を得て而も官星を生扶するは、擧人に中り得。三甲を論ず。三甲は前・中・後の三段に分作し、陽に逢い・開に逢い・星吉にして而も自身を生扶するを佳と為す。もし比和の象を得ば、名次已に預備し下せりと説く可し。奇門の蹤跡に至りては、ただ値する所の甲位の上より寄托して推尋す。
論吉凶格:返首跌穴,無疵方得成名。虎狂龍走,有傷那能進步。天遁人遁,際會風雲之客。虎遁龍遁,蟾宮折桂之人。俱要填合年命用干,始可斷其天衢得路。三詐五假,從前折挫始亨通。得使守門,旁求公薦方得意。門戶忌傷符使,人元最怕休囚,天馬上乘朱雀,泥封已出天衢,夭矯而文不入式,投江而卷或漏遺,伏干飛干只疑場屋生變,飛宮伏宮又懼試後興殃,格隔進呈有阻,刑悖字號宜防,熒入白兮不第,白入熒兮不揚,不遇徒勞獻策,擊刑反惹驚惶,入墓網羅,年命吉而可言中。反伏門迫雖入試,而未免狼當。天乙祿馬乘吉,時來生命自飛黃。
吉凶・格局を論ず。「青龍返首」「飛鳥跌穴」を得れば、毫も瑕疵なくして乃ち名を成すべし。「白虎猖狂」「青龍逃走」に逢えば、既に傷を受けたり、何ぞさらに一歩を進め得んや。「天遁」「人遁」を得れば、是れ風雲際會の客なり。「虎遁」「龍遁」を得れば、是れ蟾宮に桂を折る人なり。但しこれらは皆年命と用うる所の干と實を填め相合せば、乃ち彼が天衢・仕路に登ると斷じ得。「三詐」「五假」を得れば、先に挫折を受けて後に亨通するを主る。「三奇得使」と「玉女守門」を得れば、須く傍より公薦を求めて乃ち如意なるを得。門戶は最も値符・値使を傷つくるを忌み、人元は最も休囚に落つるを怕る。「天馬」の上に「朱雀」を乘するは、封詔已に出で喜信途に在るの象なり。「螣蛇夭矯」に逢えば、文章は程式に合せず。「朱雀投江」に逢えば、卷子はあるいは漏落・遺失せん。「伏干」「飛干」に逢えば、ただ考場の中に變を生ぜんを怕る。「飛宮」「伏宮」に逢えば、また恐らく考後別に禍殃を生ぜん。格に逢い隔に逢えば、卷子の進呈は阻まる。刑に逢い悖に逢えば、須く號舍・字號の岔を出さんを防ぐべし。「熒入白」に逢えば、第に落ちて中らず。「白入熒」に逢えば、も顯揚し難し。「五不遇時」に逢えば、策を献ずるも徒勞なり。「六儀擊刑」に逢えば、反って驚慌を招く。入墓と羅網に落つるとは、もし年命本吉なれば、倒って中式と説く可し。「返吟」「伏吟」と門迫に逢えば、場に入ると雖も、も狼狽を免れ難し。もし「天乙」と禄神・驛馬とが吉神に乘ずれば、時運一到すれば、本命を生扶して、自然に一たび飛びて天に冲らん。
求財占
論干支:日元為人時元財,兩支中間債物船,納音之中定市價,孤虛旺相著裁量。日尅時兮財可就,時尅日兮腦心懷,買貨時支分貴賤,生合人元可買來,賣貨日支分休旺,最喜生支又作財,日納如若尅時納,倍息生意此一回,時納若尅於日納,空費心機事不諧,一切藝術圖謀事,亦喜時生鬼化財,大抵上下無刑害,始終如意不須猜,索債取捕他受制,支納生干可得來。
干支を論ず。日干は財を求むる人を代表し、時干は財物を代表し、日支・時支の間は則ち債務・貨物と舟車を代表す。市價の高低は納音の中より判定し、さらに孤虚と旺相とを合して斟酌・裁量す。日干が時干を剋せば、財は手に到る可し。時干が日干を剋せば、就ちただ空しく心を掛くるのみ。貨を買うは時支を看て以て貴賤を分かち、時支が人元を生合するは、この貨は買い得。貨を賣るは日支を看て以て休旺を分かち、最も日支の來たりて生じて而も財爻に化作するを喜ぶ。日柱納音もし時柱納音を剋せば、この一回の生意は加倍の利を得べし。時柱納音が反って日柱納音を剋せば、則ち空しく心機を費して事情は諧せず。凡そ百工・技藝と謀劃の事も、亦時干の來たりて生じ、官鬼の財星に化するを喜ぶ。大体ただ上下相刑害せざれば、始より終に至るまで皆如意にして、猜疑するに及ばず。債を索ぐと緝捕とに至りては、對方の我の制服を受くるを要す。干支・納音の來たりて日干を生ずるは、錢と人と皆取りて回り得。
論值符:值符貨物交易情,或生或旺休廢刑,賣貨生旺宜售客,買貨休囚當速成,六合中人忌尅休,勾如傷用必遲行,元朱傷人防失脫,又恐腐爛貨不真,九地生身宜堆積,九天生合賣遂心,就使空拳去覓利,亦喜符旺又相生。
値符を論ず。「値符」は貨物の交易の情形を主り、須くそれが相生か旺相か、是れ休廢か刑を受くるかを分かつべし。貨を賣る時に値符が生旺なれば、正しく客商に出手して售るに宜しい。貨を買う時に値符が休囚なれば、反って速かに成交するに當る。「六合」は間に居る中人を代表し、その剋せられ休せらるるを忌む。「勾陳」もし用神を傷てば、交易必定に遲延せん。「玄武」「朱雀」が人を傷てば、貨物の失竊・走脫を防ぐを要し、また恐らく貨は已に腐爛し成色真ならざらん。「九地」が自身を生扶すれば、囤積・居奇するに宜しい。「九天」が來たりて生し來たりて合すれば、貨を出せば便ち稱心す。たとえ空手にて利を謀り往くも、ただ値符の旺相にして而も來たりて生ぜば、も一樣に指望あり。
論值使:值使求財出八方,門無傷尅利偏安,吉門更臨生旺地,腰纏千萬可行藏,若得用門守財令,坐賈行商不用忙。論十干:奇儀詳兮子與財,子旺財生可遂懷,最喜財庫命臨身,到手時日此中該。
値使を論ず。「値使」は八方に向かいて財を求むるを主り、用うる所の門が傷剋を受けざれば、たとえ偏遠の地に在るも利あり。吉門さらに生旺の地に臨めば、便ち腰に萬貫を纏め、來去從容たるべし。もし用うる所の門が正しく財令を守れば、則ち坐商・行商皆忙ぐるに及ばず。十干を論ず。三奇・六儀は子孫爻と妻財爻とを詳辨するを要し、子孫旺なりて財爻の生を得れば、願う所は遂う可し。最も財庫と本命と自身の上に臨むを喜ぶ、何時に手に到るかは、就中此に在りて推求す。
論九星:符星喜旺制財星,財星空旺總勞神,財星化鬼君休覓,鬼化為財白手覆,若還飛入比肩地,其間必定有分爭,財星若去投子舍,我到其方必獲成。論九宮:起元分辨是何財,土宜布菽栗鹽諧,水木經商火窰冶,金為錢榖珠玉該,時日會元乘生旺,此時端的遂心懷,只有飛伏臨何處,便察從何得將來。
九星を論ず。値符の星は旺なるを宜しとし、財星を制し得住ること能くして乃ち好し。財星旺なりと雖も卻て空に落つれば、終竟に精神を白費す。財星の官鬼に化するは、この財は就中求め往くに及ばず。官鬼が反って財に化するは、白手にて起家し得。財星もし比肩の地に飛入せば、その間必ず財を爭奪し分くる事あらん。財星もし子孫の位に投向せば、我あの方位に往けば、必定に求め得ん。九宮を論ず。起元は用いて求むる所は何種の財かを分辨す。土は布帛・豆麥・粟米と鹽を主り、水と木は經商・販運を主り、火は窯冶・燒造を主り、金は錢糧と珠玉を主る。時と日と元宮に會して生旺の氣に乘ずれば、この時財を求めて端的に稱心す。財は何處より來るに至りては、ただ飛宮・伏宮の哪一處に臨むかを看れば、便ち察知し得。
論門戶:門戶莫與財元刦,生助財宮方安貼,符元更制門戶上,青蚨多翼方門歇。論三甲:孟甲原宜去求財,仲甲半喜遂心懷,季甲欲求求未得,開闔中間得失裁。
門戶を論ず。門戶は財元と相劫奪すべからず、須く財宮を生助し得て、乃ち安穩・妥帖と算す。もし値符の元が反って門戶を制住せば、あれは便ち錢財の翅を生じて飛去り、門戶の歇息するに至りて方に休まん。三甲を論ず。孟甲は本來門を出て財を求むるに宜しい。仲甲は半吉にして、なお稱心すべし。季甲は則ち求めんと想うも求め得ず。得失・多少に至りては、還た開と闔との間より裁定するを要す。
論吉凶:返首跌穴,垂手可得。虎狂龍走,枉自逢迎。得遁格,機變而取。逢詐假設計以求,得使而中人效力,守門而坐賈偏宜,三門四戶最宜生合,財神天馬私門不宜刑沖。符命、妖矯,而人情反覆。投江而售賣不行。伏宮飛宮,此地不比他地。伏干飛干,此人不比那人。大小格難以覓利,刑悖隔就早抽身,熒入白兮宜買貨,白入熒兮賣稱情,不遇空費心力,擊刑此處難求。入墓、羅網,縱見利而不能得手。反伏、門迫,雖懷寶而難入亂邦。最要持納符元,三才合式不逢鬼刦為詳。
吉凶・格局を論ず。「青龍返首」「飛鳥跌穴」を得れば、財は手を垂れて得べし。「白虎猖狂」「青龍逃走」に逢えば、一味に逢迎するも亦白搭なり。遁格を得れば、機に隨り變に應じて取るに宜しい。詐局・假局に逢えば、計を設けて謀求するに宜しい。「三奇得使」を得れば、中人は肯んじて汝のために力を出さん。「玉女守門」を得れば、地に坐して鋪を開くは尤も相宜なり。「三門四戶」は最も相生・相合するに宜しく、財神・「天馬」と地私門とは則ち刑せられ冲せらるるに宜しからず。値符・本命が「螣蛇夭矯」に逢えば、人情の反復・無常を主る。「朱雀投江」に逢えば、貨物は售賣し出さず。「伏宮」「飛宮」に逢えば、此地の行情は別處に同じからず。「伏干」「飛干」に逢えば、此人の心性はあの人に同じからず。「大格」「小格」に逢えば、利を覓ること難し。刑格・悖格と隔格に逢えば、就中早く身を抽くべし。「熒入白」に逢えば買進するに宜しく、「白入熒」に逢えば賣出するに宜しく、正しく心意に稱う。「五不遇時」に逢えば、心力を白費す。「六儀擊刑」に逢えば、此處は求め難し。入墓と羅網に落つるは、たとえ利頭を見るも拿り手に到らず。「返吟」「伏吟」と門迫に逢えば、珍寶を懐くと雖も、も亂邦に入りて交易すること難し。最も緊要なるは納音と値符の元とを把住するにして、務めて三才の配合合式を求め、官鬼の劫奪に遭わざれば、あれは乃ち周詳と算す。
巻十三
行人占
論干支:推測行人來不來,只從時日細安排,時元合生日元上,逢制日支軍馬回,又喜時支作日馬,日支合馬歸時下,若使時馬繫日支,投墓支干定返期,最忌截空與刑墓,死絕多應音信稀,日音時納去留人,納音生合已登程,時音來尅日干納,行人飛驥在武陵,干納尅制用時納,縱慾動身又怕行,更詳臨官占驛馬,三合時日察歸情。
干支を論ず。門を出た人が回來するか否かを推測するに、ただ日・時の兩柱の上より細かに安排す。時元が來たりて日元を生合するは、行人に歸意あり。日支もし剋制を受くれば、あれは行人が軍馬の如く折返するなり。また時支が正しく日干の驛馬なるを喜び、あるいは日支と驛馬と相合して時下に歸するを喜ぶ。もし時上の驛馬が正しく日支に係すれば、さらにそれが何處の墓庫に投入するかを看て、便ち歸期を定め得。最も截空と刑墓を忌み、死絕の地に落ち入れば、多半に音信も亦稀少ならん。日柱納音と時柱納音との關係は去留を定め得。納音相生・相合すれば、人は已に路に上れり。時柱納音が來たりて日干納音を剋すれば、行人快馬に鞭を加えて已に近處に到るを主る。日干納音が反って時柱納音を剋せば、則ちたとえ身を動かさんと想うも終竟に敢えて走らず。このほか還た臨官の位を詳推し、驛馬を占看し、併せて三合をもって日時を參合し、その歸期を察すべし。
論值符:值符所推論行人,旺相逢生必稱心,休囚刑尅豈得意,空亡在後想家門,勾白朱蛇逢尅制,多般遲滯是非生,元武太陰如生合,又疑陰小絆行程,五馬如投天與地,歸鞭已拂嶺頭雲。
値符を論ず。「値符」を用いて行人を推すに、旺相にして而も生扶に逢うは、必定に稱心して歸來せん。休囚に落ちまた刑せられ剋せられれば、何ぞ如意ならんや。もし値符が空亡に落ちて後位に在れば、あれは行人の家門を思念するも未だ身を動かさざるなり。「勾陳」「白虎」「朱雀」「螣蛇」に逢いて剋制せらるるは、路上多く遲滯と是非あり。「玄武」「太陰」が來たりて生し來たりて合するは、また疑うらくは是れ婦人・小人に行程を絆住せらるるなり。もし驛馬が「九天」「九地」の位に投入せば、則ち歸鞭已に嶺頭の雲頭を拂りて、人は將に到らんとす。
論值使:值使斷可斷行蹤,門合來方歸意濃,惟忌驚傷與杜死,刑格迫伏未回蹤,開休生景乘天忌,加臨干符墓相逢。論十干:十干時兮所望親,用神乘馬始來臨,馬阻關東歸未得,馬過山谷喜相尋。
値使を論ず。「値使」は行人の蹤跡を斷じ得。用うる所の門と來人の在る所の方位と相合せば、歸意就ち濃し。ただ驚門・傷門と杜門・死門を忌み、さらに刑格・門迫と「伏吟」に遇えば、人は便ち未だ回轉の蹤影なし。開・休・生・景の四門が天忌の時に乘じ、あるいは乾宮・値符に加臨し墓地と相逢するに至りては、も皆吉ならず。十干を論ず。十干と時辰の主る所は、正しく是れ盼望する所の親人なり。用神が驛馬に乘れば、人は乃ち到來せん。驛馬もし關隘に阻まれれば、人は還た回來せず。驛馬已に山谷を過ぎれば、あれは就ち歓喜して相候すべし。
論九星:九星南北與西東,來旺投生在外棲,入墓加比營歸計,前程空絕必回廬。論九宮:起元伐問去何方,卻將本局所推詳,議歷過來搜父比,此官此日合回鄉。
九星を論ず。九星は東西南北の四方を分主し、もし行人の値する所の星が來たりて旺地に居り生方に投ずれば、あれは彼が還た外に在りて棲留せんとするなり。もし入墓し、あるいは比和の宮に加臨せば、便ち是れ歸計を盤算する中なり。もし前程の位が空に落ち絕に臨めば、則ち必定に家に回らん。九宮を論ず。起元は用いて行人の何方に去りしかを推問す、仍ほ本局に就きて細かに推詳するを要す。逐一に歷る所の宮を議過し、父母爻と比肩爻とを搜尋せば、便ち哪一宮・哪一日に當りて鄕に回るべきかを知らん。
論門戶:門戶要合符與門關,時日驛馬可搜尋,要看加臨何親屬,加合占人評來臨。論三甲:行人孟闔未登程,仲甲開兮路宿云,季甲值開人便到,本甲之上考門時,喜時日干支門符坐馬來馬又杳,又行人類神年命相生相合,而甲門內開不闔,大為準到也。
門戶を論ず。門戶は値符および門關と相合するを要し、さらに時・日と驛馬の上より消息を搜尋し、還たそれが哪一位の親属の上に加臨するかを看るべし。凡そ占問の人と相合するは、就ち彼が何時に到來するかを評斷し得。三甲を論ず。行人を占うに孟甲に逢いて闔に値すれば、人は未だ身を動かさず。仲甲に逢いて開に値すれば、人は正しく途中に在りて宿に投す。季甲に逢いて開に値すれば、人は馬上に就中到らん。總じて本甲の上に於て門と時とを考察するを要す。最も時・日の干支と門・符と皆驛馬の上に坐するを喜ぶ。もし驛馬來たりて又杳として蹤跡なければ、便ち準と作さず。また有り、行人の類神と年命と彼此相生・相合して、而も値する所の甲の門は內開して闔せざれば、則ち十拿九穩、人必定に到らん。
論吉凶格:返首跌穴早已束裝,其中遲速刑合參詳,虎狂兮羈留而不返,龍走兮蹭蹬不歸鄉。遁格合時日兩元可以言到,詐假會白虎朱蛇,書信必來。蛇夭而道路災疫,投江而歸計彷徨,飛干伏干來情不善,伏宮飛宮客若遐荒,大小格而遷延時日,刑悖格而彼此俱傷,白入熒而行人將到,熒入白而書信皆亡,不遇何須盼望,擊刑有事相妨,入墓無傷可云到宅,羅網相格莫斷回鄉,返伏門迫須分行人遠近,若合驛馬臨宮,反主去客登堂。
吉凶・格局を論ず。「青龍返首」「飛鳥跌穴」を得れば、行人は早く已に行裝を收拾せり、快慢に至りては、還た刑と合とを參詳するを要す。「白虎猖狂」に逢えば、人は羈留して返らず。「青龍逃走」に逢えば、蹉跎して外に在りて歸らず。遁格を得て而も時・日の兩元に合するは、彼が家に到ると斷じ得。詐局・假局に逢いて「白虎」「朱雀」「螣蛇」に會するは、書信必ず到らん。「螣蛇夭矯」に逢えば、途中に災病・瘟疫あり。「朱雀投江」に逢えば、歸計は彷徨・不定なり。「飛干」「伏干」に逢えば、來意善ならず。「伏宮」「飛宮」に逢えば、遙遠・荒僻の地に客居す。「大格」「小格」に逢えば、行期は一再に拖延す。刑格・悖格に逢えば、彼此皆損傷を受く。「白入熒」に逢えば、行人將に到らんとす。「熒入白」に逢えば、書信をも斷絶せん。「五不遇時」に逢えば、盼望するに及ばず。「六儀擊刑」に逢えば、別に事情の妨礙あり。入墓して傷剋を受けざれば、已に家に到れりと説く可し。天羅・地網に落ちまた格に逢うは、則ち彼が鄕に回ると斷ずる勿れ。「返吟」「伏吟」と門迫に逢えば、須く行人の遠か近かを分清すべし。もし正しく驛馬の宮に臨むに合せば、反って外客の門に登るを主る。
出行占
論干支:日元為人時元地,人元尅地去向利,時元如若尅人元,所往之方多不濟,時納所藏是中途,不傷人元堪策驥,若得再來生日元,未到地頭先稱意,最忌截空與刑害,進退趦趄方另議。
干支を論ず。日元は出行の人を代表し、時元は往く所の地を代表す。人元が地元を剋し得住れば、此行方向に利あり。時元もし反って人元を剋せば、往く所の方は多半に事を濟さず。時柱納音の藏する所は、是れ途中の情形にして、人元を傷つけざれば、就ち馬を放ちて前行すべし。もし還た來たりて日元を生ずれば、則ち人は未だ目的地に到らざるに、一路上已に稱心せん。最も截空と刑害を忌み、一旦これを犯せば、進退・遲疑して、就中別に商議を作すを要す。
論值符:出行道行宜生旺,六合所主同伴當,勾陳白虎依程途,朱蛇文信口舌項,元武所主盜與奸,前後俱忌相利創,地陰尅制路多岐,九天生合宜去向。論值使:出行直使最為重,加臨無傷始堪用,本門起自何卦中,飛臨生合人趨奉,其間用空與落空,反伏迫格及刑沖,起程不得去無向,勸君另自卜門從。
値符を論ず。出行の時道路・行程は生旺の地に居るに宜しい。「六合」は同行の伴侶を主る。「勾陳」「白虎」は沿途の路況を主る。「朱雀」「螣蛇」は文書・信件と口舌・是非を主る。「玄武」は盜賊と奸宄を主り、行程の前後皆その來たりて傷害するを忌む。「九地」「太陰」の剋制は、路の歧途多きを主る。「九天」の來たりて生し來たりて合するは、則ち往く所の方向は相宜なり。値使を論ず。出行は「値使」をもって最も緊要と為し、須く加臨して傷なくして乃ち取用すべし。まず本門の哪一卦より起こるかを看て、飛臨する處もし來たりて生し來たりて合せば、一路自ら人の趨奉・照應するあらん。その間もし用うる所の門が空に落ち、あるいは「返吟」「伏吟」・門迫・成格および刑冲に逢えば、則ち身を動かすを得ず去りて向かう所なし、人に勸めて別に一門を占してさらに打算を作るを要す。
論十干:奇儀所主六親神,旅舍風塵亦同因,圖謀宜入財宮位,投托須臨父舍恩,忌入官鄉與刑格,再據地方車折輪。
十干を論ず。三奇・六儀は各々一位の六親の神を主り、旅途中の客舍・風塵も亦此に由りて推知す。もし財利を圖謀するがために行かば、用神は財宮の位に落ち入るに宜しい。もし親に投じ友に託するがために行かば、用神は須く父母の位に臨みてその恩養を得べし。最も用神の官鬼の鄕に落ち入り、また刑格に逢うを忌み、さらに往く所の地方に據りて推せば、恐らく車輪をも半路に折斷せん。
論吉凶格:吉格事事俱吉,凶格事事俱凶,夭矯防口舌,投江莫長驅,伏干飛干途中前後有變,伏宮飛宮早晚旅宿多殃,大隔小隔舟車宜有防,刑格悖格盜刦鬥傷,熒入白而火盜留意,白入熒而輜重提防,不遇何勞遠去,擊刑莫求行裝,入墓羅網切莫輕身險地,反伏門迫進退受困,奔必求符便協吉,助元無礙起行。
吉凶・格局を論ず。吉格に逢えば則ち事事皆吉、凶格に逢えば則ち事事皆凶なり。「螣蛇夭矯」に逢えば、口舌を防ぐを要す。「朱雀投江」に逢えば、長驅・遠行すべからず。「伏干」「飛干」に逢えば、途中の前前後後皆變を生ぜん。「伏宮」「飛宮」に逢えば、早晚に旅店に投宿して多く禍殃あらん。「大隔」「小隔」に逢えば、舟車は須く多く提防を加ふべし。刑格・悖格に逢えば、恐らく盜劫と鬬毆に遭い身を傷けん。「熒入白」に逢えば、火災と盜賊とに留意を要す。「白入熒」に逢えば、隨行の行李・輜重を提防するを要す。「五不遇時」に逢えば、何ぞ遠行せんや。「六儀擊刑」に逢えば、行裝も亦收拾するに及ばず。入墓と天羅・地網に落つるは、切に身を輕んじて險に渉る勿れ。「返吟」「伏吟」と門迫に逢えば、進退兩難にして困を受く。要するに急いで奔走する時、務めて値符と自己と相協して吉を得、元神に助ありて阻碍なきを求め、方に程を起こすべし。
家宅占
論值符:值符,宅艮山向。螣蛇,向小婢、驚癲。太陰,女婢。六合,子女弟兄、親友。勾陳、白虎,奴婢、道路。朱雀、元武,光棍、口舌、盜賊、小人。九天,明堂。九地,暗室。值使:休,坎宅門路。生,艮宅門路。傷,震宅門路。杜,巽宅門路。景,離宅門路。死,坤宅門路。驚,兌宅門路。開,乾宅門路。
家宅を占うに、まず八神の主る所を分つ。「値符」は宅基と坐山・朝向を主る。「螣蛇」は朝向の對する處・家中の小婢および驚悸・癲狂の事を主る。「太陰」は婢女を主る。「六合」は子女・兄弟と親友を主る。「勾陳」「白虎」は奴僕と門前の道路を主る。「朱雀」「玄武」は無賴・光棍・口舌・盜賊と小人を主る。「九天」は宅前の明堂を主る。「九地」は宅中の暗室を主る。さらに八門をもって八種の宅式の門路を分主す。休門は坎宅の門路を主り、生門は艮宅を主り、傷門は震宅を主り、杜門は巽宅を主り、景門は離宅を主り、死門は坤宅を主り、驚門は兌宅を主り、開門は乾宅を主る。
十干:甲,棟柱。乙,樑柱、福欞、東門、臥榻。丙,香火堂。丁,屈灶。戊,牆院、厰房。己,住居、天井、房屋。庚,過道、屋脊、爐鐺。辛,團積、戶牖、釜甑。壬,小路、門扇、井。癸,廁後門路。九星:蓬,房屋、亭院、神、中男、婦女。任,少男、道士、道路。沖,長男、經紀、戶牖、棺。輔,長女、僧尼、鼎筺。英,中女、堂室。芮,老脊、道路、井、院。禽,母姨、堂室。柱,少女、門戶、父叔、廁、閣。心,牆。
さらに十干の主る所の宅中の物を分つ。甲は棟梁の柱子を主る。乙は梁柱・福櫺の窗格・東門と臥榻を主る。丙は香火を供奉する堂屋を主る。丁は曲折の灶を主る。戊は圍墻・庭院と廠房を主る。己は起居の正屋・天井と房舍を主る。庚は過道・屋脊と爐鐺を主る。辛は囤積の處・門窗と釜甑の炊具を主る。壬は小路・門扇と水井を主る。癸は廁所と後門の通路を主る。さらに九星の主る所の人と物を分つ。天蓬は房屋・亭院・神位・中男と婦女を主る。天任は少男・道士と道路を主る。天冲は長男・經紀・門窗と棺木を主る。天輔は長女・僧尼と鼎筐を主る。天英は中女と堂室を主る。天芮は屋脊老舊・道路・水井と庭院を主る。天禽は姨母と堂室を主る。天柱は少女・門戶・父輩・叔輩・廁所と樓閣を主る。天心は墻垣を主る。
九宮:一,得令,秀整委曲;失令,高低參差。二,得令夫圓寬廣。三,得令高低中院;失令,大破低路。四,節申子辰,氣巳酉丑。五,節居中四維土,氣居中四庫土。六,節寅午戌近岡冶,氣亥卯未近橋樑。七,得令,四齊院密;失令,缺凹破敗。八,失令,傾頹凸凹。九,得令,曲直新鮮;失令,衰析中。
さらに九宮の主る所の宅形を分つ。一宮が令を得れば、屋宇清秀・齊整にして曲折有致なり。令を失えば、則ち高低參差して齊しからず。二宮が令を得れば、宅形圓滿・寬廣なり。三宮が令を得れば、是れ高低相間の中庭・院落なり。令を失えば、則ち大處破敗・道路は低窪なり。四宮は節氣の申子辰と巳酉丑に應じ、五宮は中に居り四維の土と四庫の土に應じ、六宮は節氣の寅午戌に應じ、宅は山岡・冶煉の處に近く、亥卯未に應ずれば則ち宅は橋梁に近し。七宮が令を得れば、四面齊整・院落嚴密なり。令を失えば、則ち角を缺き凹陷し、破敗堪えざらん。八宮が令を失せば、房舍の傾頹し地面の凹凸するを主る。九宮が令を得れば、屋宇曲直分明にして嶄新・鮮潔なり。令を失えば、則ち衰敗・拆裂す。
門戶:朱白忌登天門,勾元忌居地戶。門戶合陽星旺相者宅宇宮,門戶合陰星休囚者軒昂宮。三甲:孟甲前門路,開旺光明,闔囚歪破。仲甲門堂,陽開整齊,陰闔破漏。季甲後門牆,開旺壁光心,闔破損壞。
門戶の法。「朱雀」「白虎」の天門に登るを忌み、「勾陳」「玄武」の地戶に居るを忌む。門戶が陽星に配して旺相なるは、宅第寬敞・宏麗なり。門戶が陰星に配して休囚なるは、その屋外表は軒昂なりと雖も、內裏は卻て虚なり。三甲の法。孟甲は前門と門前の道路を主り、開に逢いて旺なれば則ち光明・暢達し、闔に逢いて囚なれば則ち歪斜・破敗す。仲甲は門堂を主り、陽に逢いて開なれば則ち整齊し、陰に逢いて闔なれば則ち破漏す。季甲は後門と圍墻を主り、開に逢いて旺なれば則ち墻壁光潔・完好し、闔に逢えば則ち破損・坍壞す。
論干支:日干為人時干宅,人宅相生多利益,人若尅宅庶可居,宅若傷人住不得,納音生尅與刑沖,較取年命定禍福,值符從中作生授,福神到堂喜安逸。
干支を論ず。日干は居住の人を代表し、時干は宅舍を代表す。人と宅と相生せば、多く利益あり。人が宅を剋すれば、なお居住すべし。宅もし反って人を傷てば、この屋は就ち住む可からず。さらに納音の生剋・刑冲を取りて、本人の年命と比較し、此に據りて禍福を斷定す。もし「値符」が中より生扶・傳授の勢を作せば、あれは便ち福神の堂に到る、一家安逸にして喜ぶ可し。
論值符:占宅直符逢休廢,人眷房宇疑衰替,飛宮上下兩無傷,前後新舊皆遂意。論值使:直使得來怕悖迫,尅儀落宅及反伏,水木漂流火金勞,土值刑傷災疫逐,金水刑囚露風聲,木火猖狂防回祿,開杜生死若失宜,算來門向須改革。
値符を論ず。宅を占う時「値符」もし休氣・廢地に落つれば、家眷と房舍と皆衰敗・凋替せんとす。もし飛宮上下兩方とも傷を受けざれば、則ち前後の房舍・新舊の屋宇皆稱心・如意なり。値使を論ず。「値使」は最も「悖格」と門迫に逢うを怕れ、も六儀を剋し、宅位に落ちおよび「返吟」「伏吟」に遇うを怕る。水木に属するは漂泊・流蕩を主り、火金に属するは勞碌・奔忙を主り、土に属して刑傷に遭うは、災病・瘟疫の連綿として斷えざるを主る。金水が刑を受け囚を受ければ、家中の醜事の外泄を主る。木火が猖狂すれば、則ち火災を防ぐを要す。開・杜・生・死の四門もしその宜しきを失せば、算めて來ればこの宅子の門向は就中改建すべきなり。
論十干:三奇六儀所臨宮,逢生乘旺必興隆,刑墓空亡隔悖害,休咎其間斷來蹤。論九星:九星五行古六親,得旺無傷喜慶新,反伏二吟刑囚星,宅眷災迍當新尋。論九宮:九宮起元論風水,乘旺臨生為福秘,假令飛符入鬼鄉,從旁休谷因類取。
十干を論ず。三奇・六儀の臨む所の宮が、生扶に逢い旺相に乘ずれば、家道必定に興隆せん。もし刑に逢い・墓に逢い・空亡に落ちおよび隔・悖・害せば、その間の休咎は就ち此に照らしてその來龍・去脈を斷ず。九星を論ず。九星は五行に按じて六親を配定し、旺相を得て傷剋を受けざれば、新たに喜慶を添うるを主る。もし「返吟」「伏吟」に逢い、星辰また刑せられ囚せられれば、則ち家眷に災あり、就中別に新居を尋ぬるべし。九宮を論ず。九宮の起元は用いて宅地の風水を論ず、旺相に乘じ生氣に臨むは便ち福地の秘訣なり。假使飛宮の値符が官鬼の鄕に落ち入れば、就中傍宮の休咎より類に按じて斷を取るを要す。
論吉凶格:虎入門兮離散,雀帶刑兮吏追,勾刑門兮宅禍,虎害干兮人追,蛇附蓬星值戰,小口驚癇憂疑武會,任宿當權匪人邪祟作孽,六合天柱子女怨尤,太陰英景寵婢竊位,九地庚辛為伏刃。若遇驚傷帶利害,而暗中有損。九天丙丁為飛牒。若乘甲乙蓬尅戰,而光棍須防。朱雀再附丙丁,喧爭聒耳。元武更乘壬癸,宵小跳梁。白虎得地而凶勢愈張,戊己勾陳刑沖而破敗立見,燒尾之虎先凶後吉,入土之蛇蟄後須防。
吉凶・格局を論ず。「白虎」が門に入れば、家人の離散を主る。「朱雀」が刑を帶ぶれば、胥吏の門に上りて追比するを主る。「勾陳」が門戶を刑剋すれば、宅中に禍を生ずるを主る。「白虎」が用干に害及せば、人の追逼する有りを主る。「螣蛇」が「天蓬」に附して相戰の勢と成れば、小兒の驚風・癇症を主る。さらに「玄武」と會合せば、便ち憂疑を添う。「天任」が權に當れば、匪人と邪祟の作怪を主る。「六合」が「天柱」に逢えば、子女の心に怨尤を懷くを主る。「太陰」が天英・景門に逢えば、寵婢の僭越・竊位を主る。「九地」が庚辛に逢えば、是れ伏藏の刀刃にして、もしさらに驚門・傷門に遇い利害を帶ぶれば、暗中に損を受くるを主る。「九天」が丙丁に逢えば、是れ飛來の文書にして、もし甲乙と天蓬と相剋戰に乘ずれば、則ち須く無賴・光棍を防ぐべし。「朱雀」がさらに丙丁に附すれば、喧鬧・爭吵休まざるを主る。「玄武」がさらに壬癸に乘ずれば、宵小の徒の跳梁・作亂を主る。「白虎」が地を得れば、凶勢愈々張揚せん。戊己と「勾陳」と刑冲に遭えば、破敗立時に見る可し。燒尾の虎に至りては、先に凶して後に吉。土に入るの蛇は、蟄伏の後仍ほ須く提防すべし。
又論吉凶格:返首宅宇軒昂,跌穴雕樑畫棟,藏風聚氣。遁格裡參詳拱護有情。詐局中理會,得使而堂構森嚴,守門而家居清吉,五假抽添偏宜,三勝修造獲吉,乙加辛而房廊有損,辛加乙而虎首房強,癸加丁而廚廁不利,丁加癸而魅祟為殃,伏干入宅欠順,飛干基址招殃,伏宮招入妬害,飛宮禍起蕭牆,大格小格沖射不利,刑格悖格宅眷不昌,熒入白兮防怪異,白入熒兮慎火光,五不遇兮人有損,羅網張兮見乖張,六儀擊刑凶災伏,三奇入墓暗幽房,天馬空陷無出路,反伏門迫總非詳,吉凶格見防其類,檢點六親何者當。
さらに吉凶・格局を論ず。「青龍返首」を得れば、宅宇軒昂なり。「飛鳥跌穴」を得れば、梁を雕り棟を畫き、風を藏して氣を聚む。遁格の中に於ては四圍の拱護有情なるや否やを參詳するを要し、詐局の中に於ても亦一一に理會するを要す。「三奇得使」を得れば、廳堂の結構森嚴・有度なり。「玉女守門」を得れば、家居は清靜・吉利なり。「五假」を得れば、最も增建・改建に宜しい。「三勝」を得れば、工を興し修造して吉を得。乙が辛に加われば、房廊の損あるを主る。辛が乙に加われば、西邊の虎頭の一側の房子の強きに過ぐるを主る。癸が丁に加われば、廚房・廁所の不利を主る。丁が癸に加われば、魅祟の殃を為すを主る。「伏干格」に逢えば、宅に進むこと順ならず。「飛干格」に逢えば、地基は殃を招く。「伏宮格」に逢えば、嫉妒・陷害を招來す。「飛宮格」に逢えば、禍は蕭墻の內より起こる。「大格」「小格」に逢えば、形煞の冲射して不利あるを主る。刑格・悖格に逢えば、家眷の昌ならざるを主る。「熒入白」に逢えば、怪異の事を防ぐを要す。「白入熒」に逢えば、火燭を謹愼するを要す。「五不遇時」に逢えば、家人に損あり。天羅・地網張開せば、諸事乖張す。「六儀擊刑」に逢えば、凶災潛伏す。三奇が入墓すれば、房舍幽暗なり。「天馬」が空陷に落つれば、宅に出路なきを主る。「返吟」「伏吟」と門迫に逢えば、總じて吉祥に非ず。凡そ吉凶・格局を見れば、皆その類別に按じて防範を加え、さらに六親の中に於て何人の身に應ずるかを檢點すべし。
疾病占
值符:值符,陽症。螣蛇,驚恐、夜夢、遺精。太陰,肺勞、骨虛。六合,風麻。勾陳、白虎,翻胃嘔吐、傷亡道路。朱雀、元武,顛邪、崩瀉。九地,陰症。九天,落魄。值使:休,瀉痢、傷寒。生,癱毒、傷目。傷,拘彎、風寒。杜,壅寒、喉齒、胃風。景,傷食、疽疔。死,蠱塊。驚,勞瘵。開,肺癱、喉舌。
疾病を占うに、まず八神の主る所の病症を分つ。「値符」は陽症を主る。「螣蛇」は驚恐・夜に噩夢多しと遺精を主る。「太陰」は肺癆と骨虚を主る。「六合」は風疾・麻木を主る。「勾陳」「白虎」は翻胃・嘔吐、および道路上の傷亡を主る。「朱雀」「玄武」は癲邪と崩漏・泄瀉を主る。「九地」は陰症を主る。「九天」は神魂・落魄を主る。さらに八門をもって分主す。休門は瀉痢と傷寒を主る。生門は癱疽・瘡毒と目疾を主る。傷門は拘攣・屈曲と風寒を主る。杜門は壅塞・寒結・喉齒の疾と胃風を主る。景門は傷食と疽疔を主る。死門は蠱脹・積塊を主る。驚門は勞瘵・癆病を主る。開門は肺癰と喉舌の疾を主る。
十干:甲,頭面、肝。乙,肩背、膽。丙,額、鼻、心、筋。丁,齒、舌、小腸。戊,脾。己,胃。庚,肺、筋。辛,胸。壬,腎。癸,臟。九星:蓬,水祟為災。任,冷廟鬼作祟。沖,吊柱、產故、索命怪樹、時疫。輔,天神舊願未遂、東嶽査判。英,灶司不安。芮,家先作祟。禽,城隍、社神降福。柱,井、墓為穴。心,天神斗府降災。
さらに十干の主る所の部位を分つ。甲は頭面と肝を主り、乙は肩背と膽を主り、丙は額頭・鼻・心と筋を主り、丁は牙齒・舌と小腸を主り、戊は脾を主り、己は胃を主り、庚は肺と筋を主り、辛は胸を主り、壬は腎を主り、癸は臟腑を主る。さらに九星の主る所の祟由を分つ。天蓬は水中の邪祟の災と為すを主る。天任は荒廢・冷廟の中の鬼の作祟を主る。天冲は弔に上るの魂・難産にして死するの鬼・命を索ぐる怪樹および時疫を主る。天輔は天神に許したる舊願未だ還さず、東嶽の查勘・問罪するを主る。天英は灶神の安んぜざるを主る。天芮は家中の先人の作祟を主る。天禽は城隍と社神の福を降すを主る。天柱は水井と墳墓の在る所の患と為すを主る。天心は天神と斗府の災を降すを主る。
九宮:一,血症、脈絡不利宜開導。二,脾、胃病。三,火症、心胸煩燥、宜溫涼。四,申子辰、巳酉丑。五,四維上四章上。六,寅午戌、亥卯未。七,勞症、筋骨不好、宜溫補。八,宜針灸。九,風症、肌體不便,宜和解。
さらに九宮の主る所の病と治法を分つ。一宮は血症を主り、脈絡通ぜず、開導・疏通の法を用うるに宜しい。二宮は脾胃の病を主る。三宮は火症を主り、心胸煩躁し、溫涼・調和の劑を用うるに宜しい。四宮は申子辰と巳酉丑に應じ、節氣に隨いて斷を取る。五宮は四維の土に應ず。六宮は寅午戌と亥卯未に應ず。七宮は勞傷の症を主り、筋骨健ならず、溫補を用うるに宜しい。八宮は針灸を施すに宜しい。九宮は風症を主り、肢體便ならず、和解の法を用うるに宜しい。
門戶:發散責天門,消導責地戶,門戶遇刑擊其病在表,門戶遇刑陷其病在裡,有救而陽症易治,有救而陰症易疹。三甲:孟甲主上焦之病,開嘔吐,闔鬱。仲甲主中焦之病,開嘗噎,闔隔悶。季甲主下焦之病,開庤漏,闔痔閉。開忌刑,闔忌沖,陽開在表,陰闔在裡。
門戶の法。發散の劑を用うるは天門を看、消導の劑を用うるは地戶を看る。門戶が刑に遇い擊に遇えば、病は肌表に在り。門戶が刑に遇いて陷落せば、病は臟腑の裏に在り。救助の神ある時は、陽症は醫治し易く、陰症も亦見效し易し。三甲の法。孟甲は上焦の病を主り、開に逢えば則ち嘔吐し、闔に逢えば則ち氣鬱す。仲甲は中焦の病を主り、開に逢えば則ち食を噎して下り難く、闔に逢えば則ち胸膈悶塞す。季甲は下焦の病を主り、開に逢えば則ち痔漏・下血し、闔に逢えば則ち痔閉して通ぜず。開に逢うは刑を忌み、闔に逢うは冲を忌む。陽に属して開なるは病は表に在り、陰に属して闔なるは病は裏に在り。
論干支:日干為人時干病,納干之藏醫藥症,人尅病兮可云瘥,病尅人兮憂險應,醫能尅病始可投,如若傷人未可用,遙制符使是名醫,生合符使藥蹭蹬,惟喜日旺時休囚,五行檢點參病症。
干支を論ず。日干は病人を代表し、時干は病症を代表し、干支納音の藏する所は則ち醫生と藥性なり。人が病を剋し得れば、病の好るると説く可し。病が反って人を剋せば、凶險憂う可し。醫藥の神が病を剋し得住れば、この藥は乃ち服すべし。もし反って病人を傷てば、就中用い得べからず。遙遙に値符・値使を制住するは是れ名醫なり、一味に往きて値符・値使を生合するは、その藥必然に效なし。最も日干の旺にして時干の休囚なるを喜び、さらに逐一に五行を檢點し、參合して病症を斷定す。
論值符:直符占病所由來,刑傷尅制考病胎,陰六遙傷情慾病,勾地刑符滯未開,朱蛇制符因門惱,白天卻是恐驚災,符入空鄉災不實,胎沒死廢著意裁。
値符を論ず。「値符」は用いて病の何に由りて起こるかを占い、刑・傷・剋・制の上より病根を考究す。「太陰」「六合」が遙かに來たりて傷剋するは、是れ情欲の致す所の病なり。「勾陳」「九地」が値符を刑剋すれば、病氣の滯塞して未だ開けざるを主る。「朱雀」「螣蛇」が値符を制住すれば、是れ門戶の事に因りて惱怒して疾と成る。「白虎」「九天」が符を制すれば、則ち是れ驚嚇を受けて得たる災病なり。もし値符が空亡の鄕に落ち入れば、この病は來ること併せて實在せず。病根の隱沒し死氣・廢地に落つるに至りては、格外に心を用いて裁斷するを要す。
論值使:直使占病之瘥劇,三五吉凶論門義,吉值休囚主纏綿,凶更旺相堪畏懼,最忌墓命與刑年,時中詳占進退氣,凶退可痊吉進瘥,門戶生吉始無慮。
値使を論ず。「値使」は用いて病情の轉好するか加重するかを占い、三吉門・五凶門の門義の上に就きて吉凶を論ず。吉門もし休囚に落つれば、病勢纏綿して去らざるを主る。凶門反って旺相なれば、則ち格外に怕る可し。最も本命の入墓・行年の刑に遇うを忌む。還た時辰の上に於て進氣・退氣を細占するを要す。凶氣退けば則ち痊愈し得、吉氣進めば則ち病轉じて輕し。總じて門戶の來たりて生じて吉を得るを要し、乃ち無憂と算す。
論十干:十干論病在何處,肝膽脾胃心腎注,參詳奇儀刑與擊,上下加臨識病處,木尅土兮脾胃傷,火尅金兮肺家替,金來尅木筋脈變,水尅火兮心腎廢,年命日時細參詳,生旺休囚知災竪。
十干を論ず。十干は用いて病の何處に在るかを判斷す、肝・膽・脾・胃・心・腎各々属する所有り。三奇・六儀の間の刑と擊とを參詳し、上下の加臨の情形を看れば、就ち病位を認出し得。木が土を剋すれば、脾胃の傷を受くるを主る。火が金を剋すれば、肺家の衰替を主る。金が來たりて木を剋すれば、筋脈の變異を主る。水が火を剋すれば、心腎の廢損を主る。さらに年命と日・時とを細かに參詳せば、生旺・休囚の中より災禍の輕重を知らん。
論九星:九星從來知禍福,吉凶星宿從所屬,旺吉星臨災無虞,死凶星照防哀哭,吉逢生兮凶不刑,任爾祈禱災不贖。論九宮:九宮病源與醫藥,水宜疎通木忌削,金宜溫補火怕關,土乃五行之歸橐。此行旺動比刑傷,變理中和醫的確,詳觀節氣察虛實,病識真兮藥不錯。
九星を論ず。九星は歴來用いて禍福を知る、吉星・凶星各々その所属に依る。旺相の吉星の臨照は、災病虞なし。死氣の凶星の照臨は、就中哭泣の事を防ぐを要す。もし吉星が生に逢い而も凶星が刑を受けざれば、則ち如何なる祈禱をなすに任せても、災殃は贖免し得ざらん。九宮を論ず。九宮は用いて病源と用藥とを推す。水に属するは疏通するに宜しく、木に属するは攻削を忌み、金に属するは溫補するに宜しく、火に属するは閉結を怕れ、土に属するは則ち五行の歸藏する處なり。この一行もし旺に過ぎて妄動し、あるいは比和・相刑・相傷せば、就中變通・調理し、中和の法を取りて、藥を用いる乃ち準確ならん。さらに節氣を細觀して以て虚實を察せば、病は眞に看られ、藥は開き錯らざらん。
論門戶:門傷發表抑何疑,戶傷治裡墓稽遲,門戶俱陽表裡治,陰陽先後判因依。論三甲:三甲開闔論三焦,泥丸尾閭夾脊交,開若傷兮休尅伐,闔遇刑囚忌補調。
門戶を論ず。天門が傷を受ければ、發散・解表の法を用いて自然に疑いなし。地戶が傷を受ければ、治裏の法を用い、もし墓に逢えば則ち病程稽留・遲緩す。門と戶と皆陽に属するは、表裏同治す。先に表を治するか先に裏を治するかに至りては、就ち陰陽の次序に按じて判定す。三甲を論ず。三甲の開闔は人身の三焦に對應し、上は泥丸に通じ下は尾閭に達し、中は夾脊を經て相交わる。開に逢いて傷を受くるは、切にさらに攻伐・剋削の藥を用いる勿れ。闔に逢いて刑囚に遇うは、則ち滋補・調養の劑を用うるを忌む。
論吉凶格:返首跌穴吉課成凶,須得年命無傷始雲葉吉,虎狂龍走凶中有吉。若再刑迫符使便作凶推。地遁臨命已作黃泉正客,鬼假當權定知冥府追呼,鬼遁人遁似非吉兆,鬼假人假非是休徵,三詐病有反覆,遁假貴辨陰陽,得使而制鬼為利,守門而舊病不祥,三門四戶最忌刑墓,年命那堪喪吊重逢,天馬私門豈宜擊迫,符使更嫌空亡刑陷,夭矯鬼怪近,投江魂魄揚。
吉凶・格局を論ず。病を占うは別事を占うと同じからず、「青龍返首」「飛鳥跌穴」の類の吉課を得るも、反って凶と成る、必ず年命の傷を受けざれば、乃ち協吉と説く可し。「白虎猖狂」「青龍逃走」の類の凶格に逢うは、倒って凶中に吉あり、但しさらに値符・値使を刑迫せば、仍ほ凶と斷ず。「地遁」が本命に臨めば、已に黃泉の正客なり。「鬼假」が權に當れば、定めて冥府の追呼し來るを知らん。「鬼遁」「人遁」は吉格なるが如く見ゆるも、病を占うに吉兆に非ず。「鬼假」「人假」も亦好き徵候にあらず。「三詐」を得れば、病情に反復あらん。遁格と假局とは、貴く陰陽を分辨するに在り。「三奇得使」を得て而も鬼爻を制住し得るを利と為す。「玉女守門」を得れば、則ち舊病の復發す、不祥なり。「三門四戶」は最も刑せられ墓に入るを忌み、年命の上に哪堪さらに喪門・弔客に逢わんや。「天馬」と地私門とは豈に擊せられ迫せらるる可けんや。値符・値使はさらに空亡に落ち刑陷に遭うを嫌う。「螣蛇夭矯」に逢えば、鬼怪逼近す。「朱雀投江」に逢えば、魂魄飛揚す。
伏干飛干醫不明而藥味反症。飛宮伏宮人不安,而宅舍驚惶。大格小格胸膈便道不利,刑格悖格肢體脈絡相妨,熒入白兮病轉添,白入熒兮災自退,年月日時逢悖格,新舊災疫可參詳,五不遇兮將逝,六儀刑兮有傷,入墓羅網纏綿災異,反伏門迫迭罹凶殃,金為尸兮木為棺,尸入木兮寧得安,庚辛若來刑甲乙,飛入中宮哭聲喧。
「伏干」「飛干」に逢えば、醫生の看ること明白ならず、開く所の藥味は反って症と相違するを主る。「飛宮」「伏宮」に逢えば、病人安んぜず、宅舍をも連ねて一片驚惶を主る。「大格」「小格」に逢えば、胸膈の暢ならず二便の利あらざるを主る。刑格・悖格に逢えば、肢體・脈絡の彼此妨礙するを主る。「熒入白」に逢えば、病勢反って加重す。「白入熒」に逢えば、災病自ら退去せん。年・月・日・時もし「悖格」に逢えば、新病・舊疾皆此に由りて參詳し得。「五不遇時」に逢えば、人は將に起たざらんとす。「六儀擊刑」に逢えば、身上に傷あり。入墓と天羅・地網に落つるは、病災纏綿して解せざるを主る。「返吟」「伏吟」と門迫に逢えば、接連して殃に遭うを主る。金は尸と為し、木は棺と為し、尸が棺木に入れば、何ぞ安を得んや。庚辛もし來たりて甲乙を刑剋し、また中宮に飛入せば、あれは便ち一片の哭聲ならん。
胎産占
值符:值符,胎孕母。螣蛇,漏胎。太陰,穩婆。六合,男女。勾陳、白虎,產門、木催、產神。朱雀、元武,胎衣、惡濁。九地,胎神。九天,產神。值使:休,胎產穩遲,主男。生,胎產利,主男。傷,產母有驚,主男。杜,防產空,主女。景,胎安產速,主女。死,子母不利主生女。驚,有損折之憂,主女。開,利產忌胎主生男。
胎産を占うに、まず八神の主る所を分つ。「値符」は懐胎の母親を主る。「螣蛇」は漏胎・見紅を主る。「太陰」は接生の穩婆を主る。「六合」は生む所の男女を主る。「勾陳」「白虎」は産門・催生の物と産神を主る。「朱雀」「玄武」は胎衣と惡露・穢濁を主る。「九地」は胎神を主る。「九天」は産神を主る。さらに八門をもって分斷す。休門は胎安くして産期稍く遲し、多く男を生ず。生門は胎産順利、多く男を生ず。傷門は産婦に驚あり、仍ほ男を生ずるを主る。杜門は胎孕の空に落つるを防ぐを要し、女を生ずるを主る。景門は胎安くして分娩迅速、女を生ずるを主る。死門は母子皆利あらず、女を生ずるを主る。驚門は損折の憂あるを主り、女を生ずるを主る。開門は分娩に利ありて懐胎を忌み、男を生ずるを主る。
十干:甲,胎於酉,養於戌、生於亥、死於午。乙,胎申、養未、生午、死亥。丙,胎未、養丑、生寅、死酉。丁,胎亥、養戌、生酉、死寅。戊,胎子、養丑、生寅、死酉。己,胎亥、養戌、生酉、死寅。庚,胎卯、養辰、生巳、死子。辛,胎寅、養丑、生子、死巳。壬,胎午、養未、生申、死卯。癸,胎於巳、養於辰、生於卯、死於申。
さらに十干の胎・養・長生・死の四位を取りて以て胎産の期を定む。甲は酉に胎り戌に養い亥に生じ午に死す。乙は申に胎り未に養い午に生じ亥に死す。丙は未に胎り丑に養い寅に生じ酉に死す。丁は亥に胎り戌に養い酉に生じ寅に死す。戊は子に胎り丑に養い寅に生じ酉に死す。己は亥に胎り戌に養い酉に生じ寅に死す。庚は卯に胎り辰に養い巳に生じ子に死す。辛は寅に胎り丑に養い子に生じ巳に死す。壬は午に胎り未に養い申に生じ卯に死す。癸は巳に胎り辰に養い卯に生じ申に死す。
九星:蓬,水旺氣。任,土旺氣。沖,木旺氣。輔,木旺氣。英,火旺氣。芮,土旺氣。禽,土旺氣。柱,金旺氣。心,金旺氣。九宮:一,本局日時及申未日寅時主生男。二,四維土陽主生男。三,本局日時或丑寅日時生。四,節申子辰氣巳酉丑,反此有坎坷刑害。五,節氣土雙頂生。六,節寅午戌,男防虛驚,氣亥卯未女怕休囚。七,本局日時及辰巳日亥時生主女。八,四庫土陰主女。九,本局日時生或酉日卯時及亥日巳時生。
さらに九星の所属の旺氣を分つ。天蓬は水の旺氣に属し、天任は土の旺氣に属し、天冲は木の旺氣に属し、天輔は木の旺氣に属し、天英は火の旺氣に属し、天芮は土の旺氣に属し、天禽は土の旺氣に属し、天柱は金の旺氣に属し、天心は金の旺氣に属す。さらに九宮の主る所の産期と男女を分つ。一宮は本局の日時に遇い、および申日・未日の寅時は、男を生ずるを主る。二宮は四維の土に属して陽と為り、男を生ずるを主る。三宮は本局の日時に遇い、あるいは丑・寅の日時に分娩す。四宮は節氣の申子辰と氣の巳酉丑に應じ、もし此と相反せば、則ち産事坎坷にして刑害あり。五宮は節氣土に属し、雙胎並びて生ずるを主る。六宮は節の寅午戌に應じ、男を生ずるは須く虚驚を防ぐべし。氣の亥卯未に應ずれば、女を生ずるは則ち休囚に落つるを怕る。七宮は本局の日時に遇い、および辰日・巳日の亥時に分娩し、女を生ずるを主る。八宮は四庫の土に属して陰と為り、女を生ずるを主る。九宮は本局の日時に遇い分娩し、あるいは酉日卯時・亥日巳時に分娩す。
門戶:地戶無刑胎必穩,天門吉馬產無虞,門戶合陽星主男,陰星主女。三甲:孟甲胎穩產遲疑,開男闔女斷因依,仲甲胎懸孕將產,開闔小產刑沖機,季甲胎虛即產子,開合虎馬定時期,孟利初胎,仲利次胎,季利三胎,看年命落何甲下。
門戶の法。地戶が刑を受けざれば、胎必ず安穩なり。天門に吉神と「天馬」あれば、分娩便ち憂なし。門戶が陽星に配すれば男を生ずるを主り、陰星に配すれば女を生ずるを主る。三甲の法。孟甲は胎は穩なりと雖も産期遲疑するを主り、開に逢えば男を生じ闔に逢えば女を生ず、此に據りてその緣由を斷ず。仲甲は胎位懸にして未だ定まらず分娩に近づくを主り、開と闔との間に還た小産と刑冲の機兆を藏す。季甲は胎氣虚にして随いて子を産むを主り、開闔の際は「白虎」と「天馬」とをもって時辰を定む。このほか、孟甲は頭胎に利あり、仲甲は第二胎に利あり、季甲は第三胎に利あり、産婦の年命の哪一甲の下に落つるかを看れば便ち知らん。
論干支:日干為母時干子,納音之中辨男女,順生利產逆生時,化合胎刑奇耦取,旺相休囚與孤虛,課元用神飛伏旨,大象無疵是吉徵,化父化鬼憂危體,行年木命納音詳,天喜生氣時方舉。
干支を論ず。日干は母親を代表し、時干は胎兒を代表し、納音の中より男女を辨別す。順生は分娩に利あり、逆生は則ち時辰を看て定む。化神・合神と胎位・刑位とは、皆奇偶・陰陽に按じて取る。さらに旺相・休囚と孤虚、および課元・用神と飛宮・伏宮の意旨を合す。もし整體の課象に瑕疵なければ、便ち是れ吉徵なり。もし父母爻あるいは官鬼爻に化作せば、母子の身體に危憂あらん。還た行年・本命と納音とを詳推し、「天喜」と生氣と臨む時を待ちて、乃ち是れ分娩の期なり。
論值符:產母直符子六合,刑因旺相吉凶訣,蛇白催六是生期,地陰合六當出月,推求時日兩不傷,子母團圓不須說,專責符元起何親,輪飛之宮可生合,吉凶男女細參詳,陰陽奇耦官儀撥。
値符を論ず。産婦は「値符」をもって主と為し、胎兒は「六合」をもって主と為し、さらに刑剋と旺相との中より吉凶の訣竅を求む。「螣蛇」「白虎」が六合を催動する時は、就中臨盆の期なり。「九地」「太陰」と六合と相合せば、則ち月を出でて方に産まんとす。日・時の兩處を推求して皆傷を受けざれば、母子團圓自ら言を俟たず。還た專ら値符の元の哪一位の六親より起こるかを看て、輪飛して到る所の宮の相生・相合し得るや否やを看る。吉凶と男女に至りては、則ち細かに陰陽・奇偶を參詳し、値する所の官星と六儀の上より撥定す。
論值使:值使推詳羆與熊,門吉陽宮產豹龍,陰門陰宮瑤池女,刑格空亡最忌逢,宮制門兮多不育,門制宮兮畧有驚,若卜胎產全吉利,宮馬相生天馬騰。
値使を論ず。「値使」を用いて生む所は男か女かを推詳す。吉門が陽宮に落つれば、生むは龍豹の如き男兒なり。陰門が陰宮に落つれば、生むは瑤池・仙姝の如き女兒なり。最も刑格と空亡に逢うを忌む。宮が門を制住するは、多半に養い活さず。門が宮を制住するは、略に驚險あるのみ。もし胎産の十全・吉利を占わんと要せば、須く宮と驛馬と相生し、「天馬」騰躍して起こるを得ば、あれは乃ち最も好きなり。
論十干:儀主母兮奇主男,生合刑囚逐類看,胎養生死詳時日,起元飛加上下探。論九星:九星陰陽判胎孕,旺相休囚時日論,胎逢死廢孤與虛,起飛宮次五行門。入墓逢生辨速遲,當今孕寔產將近,就中形體可參詳,入鬼入財與入印,化空逢生產物客,化死坐墓產憂門。
十干を論ず。六儀は母親を代表し、三奇は生む所の子を代表し、生・合・刑・囚に按じて逐類に看て往く。胎・養・生・死の四位は日辰・時辰を詳推するを要し、起元と飛宮の加臨する處は則ち上下に探究するを要す。九星を論ず。九星は陰陽を分かちて以て胎孕を判じ、旺相・休囚は須く日時に就きて論ずべし。胎位もし死氣・廢氣と孤虚に逢えば、就ち起宮・飛宮の次第と五行の門類の上より推す。入墓して而も生に逢うは、産期の速か遲かを辨じ得。もし當下に胎氣充實せば、則ち臨盆即に在り。胎兒の形體も亦中より參詳し得。官鬼に入り・妻財に入り・印綬に入るは各々分別あり。空に化して生に逢うは、産み下せば便ち路を過ぐるの客の如く留め難し。死に化して墓に坐するは、則ち分娩の門必ず憂患あらん。
論九宮:九宮起元分節氣,節氣分時猶阻滯,胎臨馬兮當轉移,長生得馬產育易,金火逢空將臨盆,水木逢空擬不濟,廢土空陷必墮胎,酌取年命斷來意。論門戶三甲:占斷胎產有妙訣,門戶陰陽甲開合,陽開問產盡亨通,陰闔胎安不須忌。
九宮を論ず。九宮の起元は先ず節氣を分かち、節氣さらに時辰を分かち、分くること細に過ぐれば反って滯阻あり。胎位が驛馬の上に臨めば、胎氣の轉移・變動を主る。長生の位また驛馬を得れば、則ち生育容易なり。金火の局が空に逢えば、將に臨盆せんとす。水木の局が空に逢えば、事情便ち濟さず。廢土の局また空陷に落つれば、必定に胎を墮とさん。これらは皆産婦の年命を斟酌してその來意を斷ずるを要す。門戶と三甲を論ず。胎産を占斷するに別に妙訣あり、全く門戶の陰陽と三甲の開闔に在り。陽に逢いて開なれば、分娩を問うて亨通せざるなし。陰に逢いて闔なれば、則ち胎氣安穩にして、忌諱するに及ばず。
論吉凶格:返首偏宜問孕,跌穴占產為祥,白虎猖狂產母似有驚險,青龍逃走孕子恐有悽惶。遁格雖多吉利,其中尚有微疵,詐假本非凶格,胎產各有疑忌。三奇得使,究儀神之陰陽,可辨弄章弄瓦,玉女守門,考宮次之主墓,遂知男吉女良,蛇夭矯而孕非禎祥,也遂虞穩婆作弊。雀投江而子之長年,又兼小產須防。
吉凶・格局を論ず。「青龍返首」を得れば、最も懐孕を占うに宜しい。「飛鳥跌穴」を得れば、分娩を占うに吉祥と為す。「白虎猖狂」に逢えば、産婦は似たり驚險あらんとす。「青龍逃走」に逢えば、胎兒は恐らく凄惶の厄あらん。遁格は多く吉利を主ると雖も、その中仍ほ細小の瑕疵あり。詐局・假局は本來凶格と算せざるも、但し胎産の上に用いれば各々疑忌あり。「三奇得使」を得れば、就中六儀と八神の陰陽を研究し、璋を弄す男を生ずるか瓦を弄す女を生ずるかを分辨し得。「玉女守門」を得れば、則ち宮位の次第と主る所の墓位とを考察して、便ち男は吉にして女は良なるを知らん。「螣蛇夭矯」に逢えば、懐孕は併せて祥兆にあらず、還た穩婆の作弊を提防するを要す。「朱雀投江」に逢えば、孩子は長壽を得べしと説くと雖も、卻てまた須く小産を防ぐべし。
伏干飛乾產母未免啾唧,飛宮伏宮嬰兒必定狼當,大格小格母子鮮獲全濟,刑格悖格胎前產後不昌,歲月格而胎重如山,時日格而坐草彷徨,入白入熒胎產應分遲速,而吉凶逐宮推算,返吟伏吟胎產責辨,星門而返伏二項分詳,星軺而胎不寔,門反而臨產乖張。若是星門皆反,雖然產速有妨。不遇兮災異,刑擊兮凶殃,入墓網羅產不利,男女年命不可忘。
「伏干」「飛干」に逢えば、産婦は呻吟・不適を免れ難し。「飛宮」「伏宮」に逢えば、嬰兒必定に狼狽せん。「大格」「小格」に逢えば、母子は兩全し難し。刑格・悖格に逢えば、産前・産後皆順遂ならず。歲格・月格に逢えば、胎氣は山の如く沈重なり。時格・日格に逢えば、臨盆・坐草の時彷徨して措なし。「白入熒」「熒入白」に逢えば、胎産の遲速は就中別に看待するを要し、吉凶は還た逐宮に推算すべし。「返吟」「伏吟」に逢えば、胎産を占うに須く是れ星の返伏か門の返伏かを分清すべし、兩項各々詳推す。星象の輕浮・不定なるは、胎氣實ならず。門の返吟に逢うは、臨産の時に諸事乖張す。もし星と門と皆返吟と成れば、則ち産は速なりと雖も、終竟に妨礙あらん。「五不遇時」に逢えば、災異を主る。「六儀擊刑」に逢えば、凶殃を主る。入墓と天羅・地網に落つるは、分娩利あらず。このほか、男女雙方の年命は、終始に參看を忘る可からず。
巻十四
婚姻占
值符:值符,婚主。螣蛇,唆使。太陰,女妁、男飾。六合,婿媒、禮物。勾陳、白虎,阻撓、刑尅。朱雀、元武,口舌、奸詐、欺瞞、說合。九地,蓬滯、女室、遠涉。九天,懼悅、軒昂、男家。值使:休,中男、遲滯。生,少男、年齡不等。傷,長男、男家更變。杜,長女、髮稀、女家失約。景,中女、虛詐。死,母姑、婆囂。驚,少女、殘疾。開,父老、妝奩。
婚姻を占うに、まず八神の主る所を分つ。「値符」は婚を主る人を主る。「螣蛇」は中より唆使するを主る。「太陰」は女方の媒人と男方の修飾・裝點を主る。「六合」は女婿・媒人と聘禮を主る。「勾陳」「白虎」は阻挠と刑剋を主る。「朱雀」「玄武」は口舌・奸詐・欺瞞と説合を主る。「九地」は拖沓・遲滯・女家の閨閣と遠地の聯姻を主る。「九天」は既に畏み且つ喜び、氣宇軒昂にして、男家を代表す。さらに八門をもって人物を分斷す。休門は中男を主り、事多く遲滯す。生門は少男を主り、雙方の年齢は相當せず。傷門は長男を主り、男家は中途に變卦す。杜門は長女を主り、髮稀にして、女家は約を失す。景門は中女を主り、多く虚詐す。死門は母親・姑母の一輩を主り、婆媳喧囂す。驚門は少女を主り、あるいは殘疾あり。開門は年老の父輩を主り、も嫁粧・奩具を主る。
十干:甲,男家長。乙,媒妁、姨、秀媚。丙,媒、躁急。丁,媒使、柔順。戊,禮儀。己,女敦厚。庚,奸讒、刑門。辛,媒紅白。壬,媒妁、姑、長女。癸,婚期、婆。九星:蓬,黑矮暗疾。任,孿僻、丑貌。沖,雄聲長瘦。輔,富厚、才貌。英,紫赤、細麻、大聲。芮,斑點、黃黑、腰大。禽,端正。柱,清瘦、須厲聲突。心,平麗有為。
さらに十干の主る所を分つ。甲は男家の家長を主る。乙は媒人・姨母を主り、形貌秀媚なり。丙は媒人を主り、性情躁急なり。丁は媒人の使女を主り、性情柔順なり。戊は聘娶の禮儀を主る。己は女子の敦厚を主る。庚は奸邪・讒佞を主り、も刑剋・門戶を主る。辛は媒人の來往して紅を傳え白を傳うるを主る。壬は媒妁・姑母と長女を主る。癸は婚期を主り、も老婦を主る。さらに九星の主る所の相貌を分つ。天蓬は膚黑く身矮くして暗疾あるを主る。天任は拘攣・偏僻・容貌丑陋を主る。天冲は聲音雄壯・身形瘦長を主る。天輔は家道富厚・才貌雙全を主る。天英は面色紫赤・細麻點・說話聲大を主る。天芮は面に斑點あり色黄黑・腰身粗大を主る。天禽は相貌端正を主る。天柱は身形清瘦・鬚髮挺出して聲音嚴厲を主る。天心は容貌端麗にして作為あるを主る。
九宮:一,得令,幽閒貞靜;失令,蕩佚風塵。二,得令敦厚。三,得令,半儀丰采;失令,疤痣淫佚。四,節申子辰緇黑聰明,氣巳酉丑,黃閏剛決。五,節四維土,氣四庫土。六,節寅午戌麻赤,氣亥卯未清俊。七,得令,名門大家;失令,刑尅孤寡。八,失令,踒跛。九,得令,秀長;失令,飄逸、夭折、殘疾。
さらに九宮の主る所の品貌・門第を分つ。一宮が令を得れば、性情幽嫻・貞靜なり。令を失えば、則ち放蕩して風塵に流落す。二宮が令を得れば、人と為りて敦厚なり。三宮が令を得れば、儀表はなお豊采と稱す。令を失えば、則ち面に疤痣ありて性淫佚なり。四宮は節氣の申子辰に應じ、膚色黝黑にして聰明なり。氣の巳酉丑に應ずれば、膚色黄潤にして性剛決なり。五宮は四維の土と四庫の土に應ず。六宮は節氣の寅午戌に應じ、面麻して色赤なり。氣の亥卯未に應ずれば、則ち清秀・俊逸なり。七宮が令を得れば、名門・大家より出づ。令を失えば、則ち刑剋・孤寡なり。八宮が令を失せば、脚跛して行動不便を主る。九宮が令を得れば、身材秀長なり。令を失えば、則ち飄忽・輕浮にして、あるいは夭折・殘疾の虞あらん。
門戶:男家責天門,女家責地戶,門戶值直符、太陰、九天、九地、六合者,男昌女盛。三甲:孟甲宜長男、長女,占利於初婚。仲甲宜中男、中女占。季甲宜少男、少女,占利於再醮。陽開無刑,男家富麗;陰闔無刑,女家父麗。
門戶の法。男家は天門を看、女家は地戶を看る。門戶の上に「値符」「太陰」「九天」「九地」「六合」の諸吉神に値するは、男家昌盛・女家興旺なり。三甲の法。孟甲は長男・長女に配するに宜しく、初婚を占うに利あり。仲甲は中男・中女に配するに宜しい。季甲は少男・少女に配するに宜しく、再嫁・續娶を占うに利あり。陽に逢いて開してまた刑を受けざるは、男家富麗なり。陰に逢いて闔してまた刑を受けざるは、女家豐美なり。
論干支:日干為男時干女,納音生尅從中取,時日生合兩和諧,化從變體有無理,化父化鬼事難成,化子化財婚可許,金水相傷貴時令,水火尅濟上下舉,大約休尅事無妨,旺刑沖制非為美,考取年命及類神,害門休劣辨大體。
干支を論ず。日干は男方を代表し、時干は女方を代表し、納音の生剋の中より斷を取る。時と日と相生・相合せば、兩家和諧す。もし化神が體を變えば、就中道理の有無を看るを要す。父母爻・官鬼爻に化作するは、婚事成り難し。子孫爻・妻財爻に化作するは、この門の親事は答應し得。金水の彼此相傷するは、時令の宜しきを得るや否やを看るを要す。水火の相剋・相濟は、則ち須く上下を併擧して論ずべし。大体に言えば、休氣に處して剋を受くるは、事情なお妨げなし。正しく旺氣に當るも卻て刑冲・制服に遭えば、反って美ならず。最後に還た雙方の年命と類神とを考察し、併せて害門・休門の優劣の上よりその大体を辨ずべし。
論值符:男婚女嫁貴陰合,生旺相資登姻牘,螣蛇朱雀是媒婆,勾陳白虎破婚局,地遲天速元詐虛,直符婚娶大機軸。論值使:直使從來考破成,方位老少亦同徵,合占無尅誠為吉,休囚空陷枉勞心。
値符を論ず。男が婚ぎ女が嫁ぐは貴く陰陽の相合し、彼此生旺・資助して、婚書乃ち登りて成るべし。「螣蛇」「朱雀」は説合の媒婆にして、「勾陳」「白虎」は則ち婚局を破壞す。「九地」は遲を主り、「九天」は速を主り、「玄武」は虚情・詐僞を主る。要するに「値符」は婚娶を判斷するの一大の關鍵なり。値使を論ず。「値使」は歴來用いて婚事の成か破かを考察し、方位と年歲の老少も亦同じく此に由りて験証す。合して占して剋を受けざれば、確かに吉象なり。もし休囚・空亡と陷地に落つれば、則ち心思を白費せん。
論十干:三奇六儀判陰陽,男女情形別樣妝,奇不墓兮儀不繫,正合旁合逐日詳。論九星:九星分類識性情,亦如身命考原因,已過將來論時令,貧富貴賤透玄靈。
十干を論ず。三奇・六儀は陰陽を分判し、男女の雙方の情形各々同じからざる裝點あり。須く三奇の入墓せず六儀の繫縛せられざるを乃ち好し。正合か旁合かに至りては、則ち逐日に細かに推詳す。九星を論ず。九星は類を分かちて人の性情を識り得、身命を占うと一樣にその來由を考究す。已過の氣と將來の氣とは時令を論ずるを要し、貧富・貴賤も亦中より玄機を透出せん。
論九宮:起元水局多淫蕩,得吉無刑真端相,只嫌背時與孤虛,勉強成親坎坷狀,起元火局疑虛詐,得吉男才女貌吉,若是背時與刑墓,婚娶不久而生疤,起元木局主和柔,清秀淑人君子流,若值刑墓囚空廢,暗疾殘傷不自由,起亢金局兩和諧,得令無沖屏雀開,若犯刑沖空廢墓,痴瘦黑肥都帶來。
九宮を論ず。起元が水局を成すは、多く淫蕩を主る。もし吉神を得て刑を受けざれば、倒って眞に端莊の相貌なり。ただそれが時令に背離しまた孤虚に逢うを嫌み、さようあらば勉强して親を成しても、日後坎坷あらん。起元が火局を成すは、虚情・詐僞あるを疑う。吉神を得れば則ち男は才あり女は貌あり、是れ吉配なり。もし時に背きまた刑墓に逢えば、婚後ほどなくして瑕疵を生出さんとす。起元が木局を成すは、性情和柔を主り、是れ清秀の淑女と君子の一流なり。もし刑墓・囚空と廢地に値せば、則ち暗疾・殘傷ありて、身己より由らず。起元が金局を成すは、兩下和諧す。時令を得て冲を受けざれば、便ち屛風の上に孔雀を射中したるが如く良縁を成就せん。もし刑冲・空亡・廢地と墓庫を犯せば、則ち癡笨・瘦弱・黑丑・肥胖の類の毛病は皆齊して來たらん。
論門戶:門戶吉泰兩相當,門凶戶吉男不昌,戶凶門吉女不利,門戶皆凶男女傷。論三甲:孟甲逢門婚正宜,仲季相依亦共推,最怕囚兼刑尅闔,休廢男女皆趦趄。
門戶を論ず。天門と地戶と皆吉利・安泰なれば、男女の兩家門當・戶對す。門凶にして戶吉なれば、男家昌ならず。戶凶にして門吉なれば、女家利あらず。門戶皆凶なれば、則ち男女の雙方皆損傷を受く。三甲を論ず。孟甲が吉門に逢着せば、婚事正しく相宜なり。仲甲・季甲は彼此相依り、も此に照らして一倂に推斷す。最も怕るるは囚氣に逢いまた刑剋を兼ねて闔に値するにして、もしさらに休氣・廢地に落つれば、男女の雙方皆遲疑・不前せん。
論吉凶格:返首乘龍之婿,跌穴百兩之娘,虎狂龍走男女相傷,天遁人遁齊眉孟光,三詐五假過舍填房,得使而鸞妝耀日,守戶而女男掌綱,蛇妖而婦女激聒,投江而媒妁不良,伏干飛干多應剛悍,伏宮飛宮彼此狼當,大格小格鰥寡孤獨,刑格悖格男女暴強,歲月格而公姑不利,時日格而夫妻不長,入熒入白各懷私意,不遇兮有變,刑擊兮性狂,入墓羅網定受屈,返伏門迫恐招殃,男女年命乘生合,白髮兒孫滿畫堂。
吉凶・格局を論ず。「青龍返首」を得れば、是れ龍に乘る快婿なり。「飛鳥跌穴」を得れば、是れ百兩の車にて迎娶する新娘なり。「白虎猖狂」「青龍逃走」に逢えば、男女彼此損傷す。「天遁」「人遁」を得れば、是れ梁鴻・孟光の案を擧げ眉に齊う良配なり。「三詐」「五假」を得れば、多く門に過ぎて填房し再嫁・續絃するを主る。「三奇得使」を得れば、鳳冠・霞帔は日下に光耀す。「玉女守戶」を得れば、則ち家中は女強・男弱にして、妻がその綱を主る。「螣蛇夭矯」に逢えば、婦人は吵鬧・聒噪す。「朱雀投江」に逢えば、媒人は心術良ならず。「伏干」「飛干」に逢えば、多く性情剛悍に應ず。「伏宮」「飛宮」に逢えば、彼此狼狽す。「大格」「小格」に逢えば、鰥寡・孤獨を主る。刑格・悖格に逢えば、男女の性情暴戾・強橫を主る。歲格・月格に逢えば、公婆に於て利あらず。時格・日格に逢えば、則ち夫妻は長久する能わず。「熒入白」「白入熒」に逢えば、雙方各々私意を懷く。「五不遇時」に逢えば、中途に變あり。「六儀擊刑」に逢えば、性情狂躁す。入墓と天羅・地網に落つるは、必定に屈を受けん。「返吟」「伏吟」と門迫に逢えば、恐らく災を招かん。もし男女雙方の年命が相生・相合の勢に乘ずれば、あれは便ち白頭偕老、兒孫堂に滿たん。
埋葬占
論值符:值符,塋壙、龍神、結聚、形勢、起伏、去向。螣蛇,道路、羅星、對岸、去脈。太陰,穴順起風、右仲昌弓。六合,向道植樹、左右右弓。勾陳、白虎,護沙、內勢拱對、外勢右沙。朱雀、元武,明堂、原長水、主山來龍。九地,穴窩、臍跌歇之情。九天,向、屏障照臨之勢。
埋葬の風水を占うに、まず八神の主る所の形勢を分つ。「値符」は墳塋・壙穴・龍神・氣脈の結聚・山形の起伏と去向を主る。「螣蛇」は道路・水口の羅星・對岸と去脈を主る。「太陰」は穴場の順風の情と右側の彎抱して弓の如き砂手を主る。「六合」は朝向の道路と植樹、および左右の環抱の勢を主る。「勾陳」「白虎」は穴を護るの砂・內勢の拱抱・相對と外勢の右砂を主る。「朱雀」「玄武」は明堂・源流長遠の水と主山・來龍を主る。「九地」は穴窩および臍凹・跌斷・停歇の情狀を主る。「九天」は朝向と屛障・照臨の氣勢を主る。
值使:休,壬子癸黃泉在辰忌辰戌日時。生,丑艮寅黃泉在寅忌丙寅日時。傷,甲卯乙黃泉在申忌庚申日時。杜,辰巽巳黃泉在酉忌辛酉日時。景,丙午丁黃泉在亥忌己亥日時。死,未坤申黃泉在卯忌乙卯日時。驚,庚酉辛黃泉在巳忌丁巳日時。開,戌乾亥黃泉在午忌丙午日時。
さらに八門をもって二十四山に分配し、併せて各々その黃泉・煞位と忌む所の日時を定む。休門は壬・子・癸の三山に配し、黃泉は辰に在り、辰日・戌日と辰時・戌時を忌む。生門は丑・艮・寅に配し、黃泉は寅に在り、丙寅の日時を忌む。傷門は甲・卯・乙に配し、黃泉は申に在り、庚申の日時を忌む。杜門は辰・巽・巳に配し、黃泉は酉に在り、辛酉の日時を忌む。景門は丙・午・丁に配し、黃泉は亥に在り、己亥の日時を忌む。死門は未・坤・申に配し、黃泉は卯に在り、乙卯の日時を忌む。驚門は庚・酉・辛に配し、黃泉は巳に在り、丁巳の日時を忌む。開門は戌・乾・亥に配し、黃泉は午に在り、丙午の日時を忌む。
十干:甲,黃泉震庫在未,忌寅水向,忌亥流。乙,黃泉巽庫在戌,忌辰水向,忌丑流。丙,黃泉巽庫在戌,忌午水向,忌寅流。丁,黃泉坤庫在丑,忌未水向,忌寅流。戊,居坎。己,居離。庚,黃泉坤庫在丑,忌申水向,忌申流。辛,黃泉干庫在辰,忌戌水向,忌辰流。壬,黃泉干庫在辰,忌亥水向,忌巳流。癸,黃泉艮庫在未,忌丑水向,忌巳流。
さらに十干をもって黃泉と墓庫に分配し、併せて各々忌む所の水口・去向を定む。甲の黃泉は震に在り、墓庫は未に在り、寅方の水向を立つるを忌み、水の亥方より流去を忌む。乙の黃泉は巽に在り、墓庫は戌に在り、辰方の水向を忌み、水の丑方より流去を忌む。丙の黃泉は巽に在り、墓庫は戌に在り、午方の水向を忌み、水の寅方より流去を忌む。丁の黃泉は坤に在り、墓庫は丑に在り、未方の水向を忌み、水の寅方より流去を忌む。戊は坎位に居り、己は離位に居る。庚の黃泉は坤に在り、墓庫は丑に在り、申方の水向を忌み、水の申方より流去を忌む。辛の黃泉は乾に在り、墓庫は辰に在り、戌方の水向を忌み、水の辰方より流去を忌む。壬の黃泉は乾に在り、墓庫は辰に在り、亥方の水向を忌み、水の巳方より流去を忌む。癸の黃泉は艮に在り、墓庫は未に在り、丑方の水向を忌み、水の巳方より流去を忌む。
九星:蓬,水形方尖。任,土形曲尖。沖,木形長斜。輔,木形秀麗。英,水形尖虛。芮,土形偏側。禽,土形方正。柱,金形仰缺。心,金形門窩。九宮:一,結穴水局。二,四維土。三,結穴木局。四,節申子辰,氣巳酉丑。五,節氣結穴土局。六,節寅午戌,氣亥卯未。七,結穴金局。八,四庫土。九,結穴火局。
さらに九星をもって山形を分辨す。天蓬は水形に属し、形狀は方にして中に尖を帶ぶ。天任は土形に属し、曲折して尖を帶ぶ。天冲は木形に属し、修長にして斜欹す。天輔は木形に属し、清秀・端麗なり。天英は火に属してその形は水形の尖虚の如し。天芮は土形に属し、偏側して正ならず。天禽は土形に属し、方正・端莊なり。天柱は金形に属し、仰面にして缺口あり。天心は金形に属し、門戶の凹窩の如し。さらに九宮をもって穴を結ぶの局を定む。一宮は水局の穴を結び、二宮は四維の土に属し、三宮は木局の穴を結び、四宮は節氣の申子辰と氣の巳酉丑に應じ、五宮は節氣に應じて土局の穴を結び、六宮は節の寅午戌と氣の亥卯未に應じ、七宮は金局の穴を結び、八宮は四庫の土に属し、九宮は火局の穴を結ぶ。
門戶:迎向朝對看天門,擁護過峽看地戶。門貴合天乙、天馬、三吉門者,吉。戶貴合陰貴、九遁、五假者,佳。三甲:孟甲看左勢,主龍;仲甲看中勢,主穴;季甲看右勢,主河水。開忌無刑闔忌隔,內外開闔前後測,金開沙水沒收欄,全闔不化欠利益。
門戶の法。朝山・迎向・對案を看るは天門を取り、兩旁の擁護と過峽・束氣を看るは地戶を取る。天門は貴く「天乙」「天馬」と開・休・生の三吉門に合すれば、かくの如く吉と為す。地戶は貴く陰貴人・九遁と五假の局に合すれば、かくの如く佳と為す。三甲の法。孟甲は左邊の形勢を看、來龍を主る。仲甲は中間の形勢を看、穴場を主る。季甲は右邊の形勢を看、河水を主る。開に逢うはただ刑を受けざるを求め、闔に逢うは則ち隔斷せらるるを忌む。內外・開闔の間は、前後の吉凶を測知すべし。金局が開に値して砂水に收攔・關鎖なきか、あるいは全然閉闔して氣を化する能わざれば、皆利益を欠缺す。
論干支:日干為人時干地,納音所藏山向寄,兩干生合可遷葬,地尅人兮不愜意,日納山情時納向,山向無傷堪塋壙,其中有一犯刑傷,酌分改山與遷向,山向未可尅地元,時師點向無真傳,若尅人死亡者害,勸君另議向山看,化合中間定龍神,化旺須真假囚困,化氣納音相生合,得此衣紫與腰金,若再符使乘健旺,終始迪吉可安墳。
干支を論ず。日干は人を代表し、時干は地を代表し、坐山と朝向とは則ち納音の中に寄托す。兩干相生・相合せば、遷葬し得。地元が反って人元を剋せば、便ち稱心せず。日柱納音は坐山の情を主り、時柱納音は朝向の勢を主る。山と向と皆傷を受けざれば、この塊の地方は墳を造るべし。もしその中一處の刑傷を犯すあれば、就中山を改めあるいは向を改むるを斟酌するを要す。山向は往きて地元を剋すべからず。もし一味に時下の地師に由りて胡亂に向を點ぜば、あれは眞傳を得たることなきなり。倘若人元に剋して致して亡者を害せば、就中別に山向を議すべし。化合の中は龍神を定出し得、化旺の時は須く是れ眞旺か假旺か・囚困に落つるや否やを分清すべし。化氣と納音と彼此相生・相合して、この地を得ば便ち紫を衣て金を腰にすべし。もしさらに値符・値使が健旺の氣に乘ずるを加えれば、則ち始より終に至るまで順遂にして、墳を安んずべし。
論值符:值符占地火勢形,木火金土水類情,旺相休囚與孤虛,審時考宮可辨明,太陰穴情九地穴,明堂路案考朱蛇,向對屏障九天問,主山砂勢元白陳,用神不犯刑孤格,得合生合可壙塋。
値符を論ず。「値符」を用いて地を占うに、まず山勢の何形に属するかを看、木・火・金・土・水各々情狀あり。さらに旺相・休囚と孤虚を合して、時令を審察し・宮位を考究すれば、形勢は就ち辨まれ明白なり。穴場の情狀は「太陰」と「九地」に問い、明堂・道路と案山は「朱雀」「螣蛇」を考え、朝向と屛障は「九天」に問い、主山と砂手の氣勢は則ち「玄武」「白虎」に由りて陳說す。ただ用神の刑を犯さず・孤に逢わず・格を成さず、また相合・相生を得ば、この地は就中壙を開き墳を造るべし。
論值使:值使分占山與向,其中轉折多情況,休囚飛旺可立塋,旺飛休廢莫交創,好將飛伏兩參詳,彼此無傷宜山向,所忌煞曜時日逢,端的其中有此狀,更忌此使入此宮,宜速改遷方無恙。
値使を論ず。「値使」は分かちて坐山と朝向を占い、その間の轉折・變化の情形頗る多し。休囚の地より旺地に飛ぶは、墳を立て得。旺地より休廢の地に飛ぶは、切に工を動かし興造する勿れ。最も好きは飛宮と伏宮とを兩下に參詳し、彼此相傷害せず、山向乃ち相宜と算す。忌む所は凶煞・星曜が恰も土を動かすの日時の上に出現するにして、則ち確かに凶險の狀あり。さらに忌むは値する所の使が落つべからざる宮位に落つるにして、遇えば應當に速やかに葬を改め墳を遷し、方に恙なからん。
論十干:十干查分所主,莫教鬼尅入關攔,尤嫌坐臨忌煞位,此地當年擬廢間,甲乙興隆左脈威,制主須教林木芟,庚辛眠外無驚險,昂首沖空右脈殘,丙丁得令跳峰秀,一有瑕疵口舌關,壬癸得元來脈厚,枯澀休囚後裔難,戊己球氈胎息地,須要生煞入其間,細查何干孤尅缺,堪斷其方缺廢殘,子父財官區以別,富貴兒孫一局頒。
十干を論ず。十干は各々主る所の處を查し、切に官鬼をして來たりて剋して關攔を把住せしむる勿れ。尤も嫌うは坐山の忌む所の煞位に臨むにして、さようあらばこの地は當年就中作廢すべし。甲乙旺相なれば則ち地氣興隆し、左邊の龍脈に威勢あり。もし反って主山を制住せば、就中林木を砍去して以てその勢を疏かざるを得ず。庚辛が外に安臥すれば、併せて驚險なし。もし首を昂めて空に冲れば、右邊の白虎砂就ち殘缺せん。丙丁が令を得れば、則ち峰巒跳躍・秀麗なり。一たび瑕疵あれば、便ち口舌・是非を主る。壬癸が元を得れば、來脈深厚なり。もし枯澀・休囚なれば、後代便ち艱難ならん。戊己は球氈・胎息・氣聚して穴と成るの地にして、須く生氣と煞氣の配合當を得るを要す。さらに哪一干が孤・剋・缺損の位に處するかを細查すれば、就中あの一方の形勢殘缺・廢敗を斷定し得。最後に子孫・父母・妻財・官鬼に按じてその類を分かてば、兒孫の富貴は便ちこの一局に由りて頒定せらん。
論九星:大概九星要純粹,脫脫變鬼定衰替,吉報吉星吉更多,凶助凶威凶可畏,只要本星生本塋,飛伏兩宮僱祖利,欲查形勢折換情,進退加臨考星義,旺相休囚逐一詳,便知其形成與廢。
九星を論ず。大抵九星は純粹を貴ぶ、もし一再に氣を脫し變じて官鬼と作れば、則ち衰替と注定せん。吉星さらに吉星をもって報ずれば、吉の上に吉を加う。凶星さらに凶威を助長すれば、その凶畏る可し。ただ本星が本墳塋を生じ得、飛宮・伏宮の兩處また祖山を照顧すれば、便ち利あるに属す。形勢の折換・變化を查せんと要せば、就中進氣・退氣と加臨の星義とを考究す。さらに旺相・休囚を逐一に詳推せば、この地形は是れ成か廢か、も亦知らん。
論九宮:九宮起元論山祖,元局不孤才可許,若有一局墜旬空,化氣不真非為美,即令全局總無傷,再將本局細參取,起從何宮飛向何,穿田過峽須尋迤,更看歸局歷幾辰,詳考變胎可脫體,倘得節次入生鄉,此是佳城天付與,上局得令左偏宜,中元依中下右取,應從節次別元情,得令失令因時舉。
九宮を論ず。九宮の起元は用いて山の祖脈を推論し、元局孤ならず、乃ち吉地と許すべし。もしその中一局が旬空に墜入せば、化する所の氣便ち眞ならず、美と算するに足らず。たとえ全局皆傷を受けざるも、亦還た本局を細かに參取するを要す。哪一宮より起こり哪一宮に飛向するか、田を穿ち峽を過ぐるの走勢は須く地形に順いて尋ね往くべし。さらに歸局に共に幾辰を歷るかを看て、胎氣の變化の脫換して體と成り得るや否やを詳考す。倘若一節一節皆生旺の鄕に進入せば、此は便ち上天の賜りたる佳城・吉壤なり。上元の局は令を得ば偏左に宜しく、中元は中に依り、下元は右を取る、應當に節次に按じて各元の情狀を分別し、是れ令を得か失か、皆時令に隨いて定むべし。
論門戶:門戶休囚易得徵,只看陰陽貴人星,陽吉星臨門發早,陰吉星臨戶後興,門吉戶凶門漸替,戶吉門凶先拂情,若見門戶全凶吉,終始如類說前程。論三甲:三甲區分左右中,龍穴砂水定其蹤,開闔就裡有微妙,用神得地是仙宮。
門戶を論ず。門戶の休囚は最も験証し易く、ただ陰陽の兩貴人の星を看るのみ。陽貴の吉星が天門に臨めば、福を發すること較早し。陰貴の吉星が地戶に臨めば、則ち後來して乃ち興る。門吉にして戶凶なれば、家道漸々衰替す。戶吉にして門凶なれば、起初に順心せず。もし門戶の全凶あるいは全吉を見ば、則ち始より終に至るまで皆この一類に照らして前程を説くべし。三甲を論ず。三甲は左・中・右の三面を分主し、龍・穴・砂・水は各々その蹤跡を定む。開と闔との中自ら微妙あり、ただ用神の地を得ば、あれは便ち神仙・福地なり。
論吉凶格:返首兮回龍顧祖,跌穴兮蛇入龍窩,虎狂兮須推右水反跳,龍走兮只怕左脈奔騰,遁格各有取用,地遁得之喜非常,假格各有區別,鬼假逢之大吉利。三詐之格,壙當論深淺。三勝之宮,臨山城為妙地。得使而氣脈遠布,守門而拱護森嚴,門四戶切莫刑傷,值使與時元日元。天馬、私門要值六合、九天與值符、值使。蛇夭矯而穴情不實,須防道路穿傷,雀投江而案山低卸,還疑元神直流。伏干飛干,此地必有更變,猶恐後日作邊場。飛宮伏宮,此地必見凶咎,待看蟻屯與風透。
吉凶・格局を論ず。「青龍返首」を得れば、是れ回龍・祖を顧るの形なり。「飛鳥跌穴」を得れば、是れ靈蛇の龍窩に入るの象なり。「白虎猖狂」に逢えば、須く右邊の水の反跳して情なきを推知すべし。「青龍逃走」に逢えば、ただ左邊の龍脈の奔騰して去りて肯んじて回顧せざるを怕る。遁格は各々取用あり、その中「地遁」を得るは尤も喜ぶ可し。假局も亦各々分別あり、葬事を占うに「鬼假」に逢えば反って大吉・大利なり。「三詐」の格を得れば、壙を開く時に深淺を斟酌するを要す。「三勝」の宮を得れば、もし山城の形勢に臨まば、便ち是れ妙地なり。「三奇得使」を得れば、氣脈は遠く布散す。「玉女守門」を得れば、四周の拱護森嚴なり。三門・四戶は切に刑せられ傷せらるる勿れ、値使と時元・日元も亦一樣なり。「天馬」と地私門とは、最も「六合」「九天」および値符・値使に値するを好む。「螣蛇夭矯」に逢えば、穴情實ならず、須く道路の中より穿鑿・損傷するを防ぐべし。「朱雀投江」に逢えば、案山低陷・卸落し、還た元辰の水の直瀉して去るを疑心するを要す。「伏干」「飛干」に逢えば、この地は日後必ず變更あり、恐らく將來は邊地・戰場に淪せん。「飛宮」「伏宮」に逢えば、この地は必ず凶咎を見ん、且く日後の蟻が穴中に聚まり風が棺槨を透すや否やを看よ。
大格小格水不朝而反射,刑格悖格砂不合而門傷,熒入白兮丑聲官非造出,白入熒兮尸靡棺爛遭殃,年月日時逢悖格,龍穴砂水可推詳,五不遇兮人丁不旺,六儀刑兮財帛分張,入墓羅網拱護皆帶刑煞,反伏門迫山向那得禎樣,符使休囚縱葬而不發,時日刑害雖用而喪亡,兩元納音無刑陷,符使生旺時葬之良。
「大格」「小格」に逢えば、水の來たりて朝せず反弓して冲射するを主る。刑格・悖格に逢えば、砂手の收合する能わず門戶の傷を受くるを主る。「熒入白」に逢えば、醜聞を傳出し官非を惹くを主る。「白入熒」に逢えば、尸骸腐爛・棺木朽壞して殃に遭うを主る。年・月・日・時が「悖格」に逢えば、龍・穴・砂・水の吉凶皆此に由りて推詳し得。「五不遇時」に逢えば、人丁の旺ならざるを主る。「六儀擊刑」に逢えば、財帛の分散を主る。入墓と天羅・地網に落つるは、四圍の拱護の砂皆刑煞を帶ぶ。「返吟」「伏吟」と門迫に逢えば、山向何ぞさらに吉祥を得んや。値符・値使が休囚なれば、たとえ下葬するも福を發せず。日時が刑に逢い害に逢えば、この時辰を用うると雖も、も喪亡を免れ難し。總じて日・時の兩元の納音が刑陷に遭わず、値符・値使また生旺の氣に乘ずるを要し、かくの如き時辰に下葬すれば乃ち上好と算す。
田禾占
論值符:值符,農人、禾稼。螣蛇,蝗喃、蛙害。太陰,籽粒。六合,禾苗。勾陳、白虎,牛力、災殃。朱雀、元武,穗頭、旱蝗、根淺水澇。九地,田塍堆積收成。九天,場圃、栽插。值使:休,水灌溉。生,春耕。傷,耨耘。杜,苗梗。景,花節。死,秋收、籽粒。驚,收割。開,抽心、放葉、探穗。
田禾の收成を占うに、まず八神の主る所を分つ。「値符」は農人と莊稼を主る。「螣蛇」は蝗蟲と蛙害を主る。「太陰」は籽粒を主る。「六合」は禾苗を主る。「勾陳」「白虎」は耕牛の力と災殃を主る。「朱雀」「玄武」は穗頭・旱情と蝗災を主り、も根淺にして水澇に遭うを主る。「九地」は田埂と堆積し起るの收成を主る。「九天」は場圃と栽插を主る。さらに八門をもって農事の次第を分主す。休門は水を引き灌漑するを主り、生門は春耕を主り、傷門は田を耘り草を除くを主り、杜門は苗莖の生長を主り、景門は花を開き節を抽くを主り、死門は秋收と結實を主り、驚門は收割を主り、開門は心を抽き葉を放ち穗を出すを主る。
十干:甲,秧、牛力、人工、旱稻。乙,苗中木。丙,花豆。丁,穗麻。戊,黍、栗、棉、豆。己,稻穀、圍埂。庚,大麥、蟲。辛,小麥、籽粒、未雹。壬,漿汁、晚稻。癸,收實。九星:蓬,芒稻、粘稻、水災。任,旱稻、旱榖、風暴。輔,榖、粟、福神。英,花穗沖、旱焦。芮,秀實、神。禽,稼穡、真宰。柱,蟲瘟、枯焦。心,籽粒。
さらに十干の主る所の作物を分つ。甲は秧苗・牛力・人工と旱稻を主る。乙は苗中の木を主る。丙は花と豆を主る。丁は穗と麻を主る。戊は黍・粟・綿と豆を主る。己は稻谷と田埂を主る。庚は大麥を主り、も蟲害を主る。辛は小麥・籽粒を主り、も冰雹を主る。壬は漿汁と晚稻を主る。癸は收成・結實を主る。さらに九星の主る所を分つ。天蓬は芒稻・粘稻を主り、も水災を主る。天任は旱稻・旱谷を主り、も風暴を主る。天輔は谷・粟を主り、兼ねて福神と為る。天英は花穗の冲を受くると旱焦を主る。天芮は秀穗・結實の神を主る。天禽は稼穡を主り、主宰の神と為る。天柱は蟲害・瘟疫と枯焦を主る。天心は籽粒を主る。
九宮:一,主菽,得令水勢大;中和,水漿、豐稔。二,得令,田禾好、四維土。三,主麻,失令,防旱荒;中和,花秀。四,節申子辰,氣巳酉丑。五,節五榖總宰,氣。六,節寅午戌,氣亥卯未。七,主麥,失令有尅,防蟲荒,無尅收成。八,四庫土,失令有偏枯。九,主禾,得令,豐熟;失莠草。
さらに九宮の主る所を分つ。一宮は豆類を主り、令を得れば則ち水勢偏大にして、中和なれば則ち水漿充足して豐收す。二宮が令を得れば、田禾長ずること好し、四維の土に属す。三宮は麻を主り、令を失せば旱荒を防ぐを要し、中和なれば則ち花を開き秀美なり。四宮は節氣の申子辰と氣の巳酉丑に應ず。五宮は節氣に應じ、五谷の總主宰と為る。六宮は節の寅午戌と氣の亥卯未に應ず。七宮は麥を主り、令を失して而も剋を受くるは蟲害・荒歉を防ぐを要し、剋を受けざれば則ち收成あり。八宮は四庫の土に属し、令を失えば則ち莊稼は偏枯・不均なり。九宮は禾を主り、令を得れば則ち豐熟し、令を失えば則ち田中盡く莠草なり。
門戶:栽插花秀責天門,耨耘收割責地戶,陽開得令豐收,陰闔失令荒歉。三甲:甲宜早榖,仲甲宜中稻,季甲宜晚禾,陽開無刑不怕旱,陰闔刑格須慮水。
門戶の法。栽插と揚花・秀穗を看るは天門を取り、田を耘ると收割を看るは地戶を取る。陽に逢いて開してまた時令を得るは、豐收を主る。陰に逢いて闔してまた時令を失するは、荒歉を主る。三甲の法。孟甲は早谷を種うるに宜しく、仲甲は中稻を種うるに宜しく、季甲は晚禾を種うるに宜しい。陽に逢いて開してまた刑を受けざるは、天旱を怕れず。陰に逢いて闔してまた刑に逢い格を成すは、就中水患を顧慮するを要す。
論干支:日干農人時干田,納音牛力時籽兼,時生日兮宜佃種,日尅時兮亦許全,反此須防有災變,納音化合考先天,課體之中怕金火,蟲荒焦旱查類銓,土木二象宜取用,水象氾濫正堪嫌,逐頂搜看田種子,參詳時令仔細言。
干支を論ず。日干は農人を代表し、時干は田地を代表し、納音は兼ねて耕牛の力と下す所の種子を主る。時干が日干を生ずるは、田を佃して耕種するに宜しい。日干が時干を剋するは、もその保全を許し得。もし此と相反せば、就中災變を防備するを要す。納音の化神・合神は先天の數を考究するを要す。課體の中最も金と火を怕れ、蟲害・荒歉と焦枯・干旱は皆類別に按じて查明するを要す。土象・木象は取用するに宜しく、水象は則ち氾濫して災と成るを怕る。須く逐一に田地と種子の情形を搜看し、さらに時令を細かに參詳して、乃ち斷語を下すに好し。
論值符:值符六合怕刑傷,飛宮伏宮生旺強,朱蛇元白加臨處,休囚無氣忌猖狂。論值使:值使東作與西成,門次條分優劣情,得令逢水無刑格,用神旺相細多能。
値符を論ず。「値符」と「六合」と皆刑せられ傷せらるるを怕れ、飛宮・伏宮は則ち生旺をもって強と為す。「朱雀」「螣蛇」「玄武」「白虎」の加臨する處は、もし休囚・無氣に落つればなお可なり、最もそれらの氣焰猖狂するを忌む。値使を論ず。「値使」は春耕・東作と秋收・西成を主り、八門の次第に按じて條分・縷析して、優劣自ら見ゆ。時令を得・水に逢い而も刑格を成さざるを好と為す。用神旺相なれば、則ち田事處處幹能なり。
論十干:秧苗花粒逐干分,四季天時亦繼陳,主干乘生無刑擊,佐使兼濟榖如雲。論九星:九星五行各分行,吉星得令有收成,用神天星不生合,人力參差齟齬情。論九宮:九宮起元論所屬,旺相生合樹藝熟,時逢刑格與孤虛,反局古來宜種粟。
十干を論ず。秧・苗・花・粒は各々天干に按じて分属し、四季の天時も依りて次に陳列す。主用の干が生氣に乘じて刑を遭わず擊を遭わず、輔佐の神また兼ねて濟すれば、則ち谷粟は雲の如く豐盛ならん。九星を論ず。九星は五行に按じて各々門類を分かち、吉星が令を得れば便ち收成あり。もし用神と天盤の星と相生・相合する能わざれば、人力參差・不齊、事事齟齬・不順を主る。九宮を論ず。九宮の起元は所属の物を論じ、旺相・相生・相合せば、則ち種植の作物は成熟す。もし時辰が刑格と孤虚に逢えば、則ち古法に按じてこの反局の年は粟米に改種するに宜しい。
論門戶:四季令星登門戶,無隔無刑榖麥富,門吉戶凶秋實虛,戶吉門凶春作悞。論三甲:三甲查分播種田,何開何闔各爭先(逐類未),三吉三勝來湊合,如茹如雲寄阡陌(隴頭)。
門戶を論ず。四季の當令の星が門戶に登れば、ただ隔せられず刑せられざれば、谷麥便ち豐足す。門吉にして戶凶なれば、秋天の果實は空虚なり。戶吉にして門凶なれば、春天の耕作は事を誤らん。三甲を論ず。三甲は用いて播種の田畝を分查す、何時に開に逢い何時に闔に逢うか、各々先後・爭持あり(原注:逐類に之を推せば、この下未だ詳ならず)。もし三吉門と「三勝」の格と湊合して來たれば、あれは便ち禾苗は茹の如く雲の如く、遍く阡陌に寄せん(原注:即ち隴頭)。
論吉凶格:反首跌穴皆為吉象,倘無刑尅與墓空,自然千倉與頌。虎狂龍走原作凶,推若遇震巽風雲,管教險後豐收。地遁人遁吉無不利,三詐五假權變合宜,得使而本類皆豐,守門而本屬傷利,三門四戶出作入息喜恩。逢天馬私門,風車水槽怕刑格。
吉凶・格局を論ず。「青龍返首」「飛鳥跌穴」を得れば皆吉象なり、倘若刑剋に遭わず・墓に入らず空に落ちざれば、自然に倉廩千間、人人稱頌せん。「白虎猖狂」「青龍逃走」に逢えば、本來凶と斷ず。但しそれらが震宮・巽宮の風雲の助に遇うを推得れば、先に險にして後に豐收と敎管せん。「地遁」「人遁」を得れば、往くとして利あらざるなし。「三詐」「五假」を得れば、機に隨り變に應じて正しくその宜に合す。「三奇得使」を得れば、本類の作物皆豐足す。「玉女守門」を得れば、則ち本属の物小傷ありと雖も終に利を得ん。三門・四戶は農人の作に出で息に入るを主り、恩星の照臨する有りを喜ぶ。「天馬」と地私門に逢うに至りては、あれは風車・水槽の類の車水の機具にして、ただ刑格に落つるを怕る。
蛇夭矯而苗不秀,雀投江而秀入倉,伏干飛干蝗蟲災異,伏宮飛宮耕種狼當,大格小格水災蟲變,刑格悖格旱魃為殃,年月日時逢悖格,五行消息斷災祥,熒入白兮夏榖有損,白入熒兮秋來須防,五不遇兮徒勞心力,六儀刑兮佃種相妨。入墓與羅網,或因臨界偏生隙。反伏及門迫,縱雖佃種卻心忙。武侯賦比千金訣,留為佃種細推詳,再查來人行年命,或逢生旺與刑傷,如此會合類神取,判斷佃種驗非常。
「螣蛇夭矯」に逢えば、禾苗は花を揚げ穗を吐く能わず。「朱雀投江」に逢えば、則ち秀穗は糧倉に收進せん。「伏干」「飛干」に逢えば、蝗蟲の災と為すを主る。「伏宮」「飛宮」に逢えば、耕種の狼狽・失序を主る。「大格」「小格」に逢えば、水災と蟲害の變を生ずるを主る。刑格・悖格に逢えば、旱魃の殃を為すを主る。年・月・日・時が「悖格」に逢えば、就中五行の消長に按じてその災祥を斷ず。「熒入白」に逢えば、夏糧に損あり。「白入熒」に逢えば、秋收の時須く防ぐべし。「五不遇時」に逢えば、心力を徒勞す。「六儀擊刑」に逢えば、佃種も亦妨礙を受く。入墓と天羅・地網に落つるは、あるいは田界の相隣に因りて嫌隙を生出せん。「返吟」「伏吟」と門迫に逢えば、たとえ田を佃するも、心裏は安閑を得ざらん。この篇の『武侯賦』は『千金訣』に比すべし、留めて佃農の耕種する時に細かに推詳せしむ。さらに來占の人の行年と本命を查し、是れ生旺に逢うか刑傷に逢うかを看て、かくの如く類神に會合して斷を取れば、農事を判斷するに最も靈驗なり。
巻十五
三奇八門
乙至六七自疑難,丙丁臨一不堪觀,柱心至九皆難用,也忌驚開門莫前,英景定知愁坎位,休逢二八是頭端,死生芮任禽三四,沖傷六七不虛言,杜輔要知同六七,若人會此透天關。
これは三奇・八門の迫を受くるの口訣なり。乙奇が六宮・七宮に到れば、自然に處境為難なり。丙奇・丁奇が一宮に臨むも、亦堪えて取用せず。天柱・天心の二星は九宮に到るも皆用い難く、同時に驚門・開門が此に臨むも亦前進すべからず。天英星と景門とが坎宮に落つれば、必定に愁う。休門が二宮・八宮に逢う、これは頭の一件の忌む可きなり。死門・生門と天芮・天任・天禽とが三宮・四宮に落ち、天冲と傷門とが六宮・七宮に落つるは、皆實實在在の忌處なり。杜門と天輔とは同じく六宮・七宮を忌むを知るを要す。もし人に能くこれらを領會するあれば、便ち天關を參透したりと算す。
門迫歌
驚開三四休臨九,傷杜還歸二八宮,生死排來居第一,景門六七總相同,吉門被迫吉不就,凶門被迫禍重重。
これは八門の迫せらるるの口訣なり。驚門・開門は金に属し、三宮・四宮の木位に落つるを迫と為す。休門は水に属し、九宮の火位に臨むを迫と為す。傷門・杜門は木に属し、二宮・八宮の土位に落つるを迫と為す。生門・死門は土に属し、第一宮の水位に排するを迫と為す。景門は火に属し、六宮・七宮の金位に落つるも亦一樣に是れ迫なり。凡そ吉門の迫せらるれば、吉事成らず。凶門の迫せらるれば、禍患重々なり。
三奇入墓歌
三奇入墓百不宜,乙丙臨干請避之,丁奇乙未臨艮土,諸般動作盡休休。
これは三奇の入墓の口訣なり。三奇一旦入墓せば、百事皆相宜ならず。乙奇・丙奇が乾宮に臨むを入墓と為し、務めて回避を請う。丁奇が未土の墓に入りて艮宮の土位に臨むも、も一樣なり。凡そこれらの情形に遇えば、何事を為さんとするを論ぜず、皆罷めて已むよりなし。
奇門吉格
“天遁”者,生門主興隆合丙奇,臨下六丁是也,此遁得月華之蔽,宜行兵、獻策、攝王侯之權,百事生旺。又開門與六丙亦相同,宜祭禱天神。“地遁”者,開門合乙奇,臨地下六己是也,此遁得日精之蔽,宜安葬、埋伏、出門、造屋一切皆吉。
所謂る「天遁」は、生門が興隆の氣を主り、丙奇と相合し、而も下に地盤の六丁に臨むの格局なり。この遁は月華の氣を得て形跡を遮蔽し、行軍・用兵・上に向かいて策を献じ・王侯の權を代攝するに宜しく、百事皆生旺の地に處す。また開門と六丙と相配するも亦同じ道理にして、天神に祭祀・禱告するに宜しい。所謂る「地遁」は、開門と乙奇と相合し、而も下に地盤の六己に臨むの格局なり。この遁は日精の氣を得て形跡を遮蔽し、安葬・埋伏・出門と造屋に宜しく、一切皆吉なり。
“人遁”者,休門與丁奇合太陰是也,此遁得星精之蔽,宜密探賊營、隱跡、謁貴、招賢、求親、經營、求將、對敵、盟誓,吉;百事和集。
所謂る「人遁」は、休門と丁奇と相配して而も「太陰」に會合するの格局なり。この遁は星精の氣を得て形跡を遮蔽し、秘密に敵營を刺探し・行蹤を隱匿し・貴人に拜謁し・賢士を招納し・親を議し婚を求め・生業を經營し・將才を訪求し・陣に臨み敵に對し・および血を歃して盟誓するに宜しく、皆吉利にして、百事和順・齊集す。
“風遁”者,乙奇合休開生臨巽是也,又開丙臨巽亦是。此時風從西北方來,名“天罡風”,宜順風擊賊,以嘿吸風氣噴噀旌旄,或托異香令士卒沉聽音樂,得靈風順音爽帆之蔽,順風所助。如風從東來,名“雷門風”,若賊在東方不可與戰。風從東南來,名“大門風”,如賊在南方亦不可與戰。《參籌秘書》云:“開門乙奇臨巽,宜祭風伯,以火攻敵,戰立旌旗,以候風應”。
所謂る「風遁」は、乙奇と休門・開門・生門と相配して巽宮に臨むの格局にして、開門が丙奇に配して巽宮に臨むも亦是れ。この時風は西北方より吹き來たり、名づけて「天罡風」と曰う、風に順い敵を攻撃するに宜しい。默々として風氣を吸取して旌旗の上に噴灑し、あるいは異香を焚き・士卒をして靜かに音樂を聽かしめて以て軍心を安んずれば、かくの如く便ち靈風・順音と順帆の氣の遮護を得、全く順風の相助に仗る。もし風が東方より來れば、名づけて「雷門風」と曰う、敵もし東方に在れば、則ちこれと交戰すべからず。もし風が東南より來れば、名づけて「大門風」と曰う、敵もし南方に在れば、もこれと交戰すべからず。『參籌秘書』に曰く、「開門と乙奇と巽宮に臨む、風伯の神を祭祀し、火を用いて敵を攻め、戰に臨みて旌旗を豎立し、以て風勢の感應を觀候す」と。
十遁(續)
“雲遁”者,乙合開休生,下臨六辛宮,又乙開臨坤亦是此遁,得雲精之蔽,宜藏形、蔽敵。如雲氣形、如婦人雙手雙足,主三日有喜,所臨處吉。白雲在外中有黑雲,主有伏兵,形似雁行,主有大將出,所臨處吉。形如坐狗,有奇兵埋伏,雲震片片,被風吹斷,主大敗。一云:乙休臨坤,利求雨澤、建立雲寨、製造軍器,以候雲應。
「雲遁」の局を成すの條件は、乙奇と開・休・生の三吉門と相合し、下に六辛の在る所の宮に臨むなり。また一説あり、乙奇と開門と同じく坤宮に落つるも亦この遁と算す。この遁は雲氣の精華の遮蔽を得て、形跡を隱藏し・敵の耳目を遮蔽するに適す。雲を用いて占驗する時は雲の形狀を看るを要す。雲氣もし婦人の雙手・雙足を張開せるが如ければ、三日の內に喜事あるを主り、雲の臨む所の方位は吉利なり。白雲外層にして當中に黑雲を夾むれば、對方の伏兵を設けたるを主る。雲形の排列して大雁の成行せるが如ければ、大將の出動あるを主り、雲の臨む所の方位は吉利なり。雲形の蹲坐の狗の如きは、奇兵の埋伏あるを説明す。雲の片片震動し風に吹斷せらるれば、大敗を主る。別の一説は、乙奇と休門と同じく坤宮に落つるは、雨澤を祈求し・雲寨を建立し・軍器を制造するに利あり、雲氣の來たりて相應驗するを等候すべし。
“龍遁”者,休門與乙奇臨六甲於坎宮,臨六癸亦是。此時宜祭龍神、祈求雨澤、掩捕賊人、密計渡河、把守水口、設機伏謀、攻敵、量水面,得龍神助,又利水戰。“虎遁”者,乙奇合辛臨休門於艮宮,又辛儀合生臨艮亦是。此時宜招安亡命及戰用急攻,必勝;設伏游擊、藏兵、計渡要害、道路量險,用謀得虎之威。一云:生門丙奇合辛亦是,利守禦,宜建立山寨,以候虎應。
「龍遁」の局を成すの條件は、休門と乙奇と一同に六甲の在る所の坎宮に臨み、六癸の宮に臨むも亦算す。この時は龍神を祭祀し・雨澤を祈求し・盜賊を掩襲・圍捕し・密かに河を渡るを謀り・水口を把守し・機關・埋伏を設置し・敵人を進攻し・水面の寬窄を測量するに適し、龍神の相助を得、また水戰に利あり。「虎遁」の局を成すの條件は、乙奇と六辛と相合し、休門に同じく艮宮に臨むなり。六辛と生門と相合して艮宮に臨むも亦算す。この時は亡命の徒を招安し、作戰するに急攻の法を采用すれば必ず勝ち。も設伏・游擊し・兵馬を藏匿し・要害の地を渡るを謀劃し・道路の險易を測量するに適し、計謀を用いて猛虎の威勢を借得す。もう一説は、生門と丙奇・六辛と相合するも亦虎遁にして、敵に防守・御るに利あり、山寨を建立し、虎兆の來應するを等候するに宜しい。
“神遁”者,丙奇合九天臨生門,此時宜禱神靈、行神術、畫地布籌、禹罡、造壇、驅邪、命將、呼風召雨,及制伏鬼神魔魅,得天靈百神之蔽。一云:“修塑神像,神靈佑之”。“鬼遁”者,生門與丁奇、九地臨艮。又乙奇合九地於杜門亦是。此時宜哨探賊機、偷營刦寨、設偽為伏虛、驅神役鬼,得鬼神之蔽。一云:“開門、丁奇合九地亦是鬼遁”。
「神遁」の局を成すの條件は、丙奇と九天と相合して生門に臨むなり。この時は神靈を祈禱し・法術を施行し・地を畫き籌を布いて以て方位を定め・「禹罡」を踏み斗を步み・壇場を修造し・邪祟を驅除し・將領を任命し・風を呼び雨を喚び、および鬼神・精魅を制伏するに適し、上天・百神の護蔽を得べし。もう一説は、「この時神像を修造・塑繪すれば、神靈は彼を保佑せん」と。「鬼遁」の局を成すの條件は、生門と丁奇・九地と一同に艮宮に臨むなり。乙奇と九地と相合して杜門に落つるも、この遁と算す。この時は敵軍の機密を哨探し・營を偷み寨を劫し・假象を布置して敵を誘い虚に入らしめ・神鬼を驅使するに適し、鬼神の遮蔽を得べし。もう一説は、「開門と丁奇・九地と相合するも、亦鬼遁なり」と。
三奇貴人升殿格
乙奇臨震為“日出扶桑”,有祿之鄉,是貴人升於乙卯正殿。丙奇到離為“月照端門”,火旺之地,是貴人升於丙午正殿。丁奇臨兌為“丁見西方”,天之神位,是貴人升於丁酉本殿。
乙奇が震宮に臨むを、喚んで「日出扶桑」と曰う、震は東方・乙木の祿を得るの鄕、これは即ち貴人の「乙卯正殿」に升坐するなり。丙奇が離宮に到るを、喚んで「月照端門」と曰う、離は南方・火旺の地、これは即ち貴人の「丙午正殿」に升坐するなり。丁奇が兌宮に臨むを、喚んで「丁見西方」と曰う、兌位は上天・神靈の位、これは即ち貴人の「丁酉本殿」に升坐するなり。三條皆三奇が各々本氣最旺の地に回るを取るの意にして、是れ奇門の中の最も尊貴なる格局なり。
“三奇上吉門格”乙丙丁三奇到,而無開休生三吉門者,不可用。如三吉門到,而無三奇者,尚可用。經云:“背生向死,百戰百勝”。總之三奇吉星、吉門俱到,又不犯格,方為萬全。若事在危急,諸星不到,須用背生向死之法。如敵勢尚緩,候三奇吉門俱到,斯為全美矣。
「三奇上吉門格」とは、乙・丙・丁の三奇は到したると雖も、卻て開・休・生の三吉門の相配なければ、かくの如き時辰は用う可からず。反って三吉門到位して三奇なきは、還た勉强に用い得。經文に曰く、「生門を背にし死門に向かえば、百戰百勝」と。要するに三奇・吉星・吉門皆齊備し、また凶格に觸犯せざれば、乃ち萬一の失なしと算す。假如事情緊急にして諸星皆位に到らざれば、就中「背生向死」なるこの應急の辦法を用うるのみ。もし敵情なお急迫と算せざれば、就中三奇と吉門と皆湊齊するを待ちて再び手を動かせば、あれは乃ち盡善・盡美なり。
“三奇專使格”甲己日乙奇,丙辛日丙奇,乙庚日丁奇,丁壬日乙奇,戊癸日丁奇也。以上皆吉,陰陽二遁同。“玉女守門格”甲己時在丙,乙庚時在辛,丙辛時在乙,丁壬時在己,戊癸時在壬。一云:兌宮有丁辛者吉。
「三奇專使格」は日干に按じて奇を取る。甲日・己日は乙奇を用い、丙日・辛日は丙奇を用い、乙日・庚日は丁奇を用い、丁日・壬日は乙奇を用い、戊日・癸日は丁奇を用う。已上の格局は皆吉格に属し、陽遁・陰遁の兩種の排局通用す。「玉女守門格」は時干に按じて取用す。甲己の時は丙を看、乙庚の時は辛を看、丙辛の時は乙を看、丁壬の時は己を看、戊癸の時は壬を看る。もう一説は、兌宮の裏に丁奇・六辛あるも亦吉と算す。
“交泰格”乙奇加丁,乙奇加丙,遇之大吉。“天遇(運)昌氣格”六丁加六乙。“三奇利合格”六丁加六甲,六甲謂之符頭。“天輔時格”甲己日甲戌,乙庚日甲申,丙辛日甲午,丁壬日甲辰,戊癸日甲寅。行兵、戰鬪、上官、參謁、求財、遠行皆吉。有罪者,皆逢宥釋。甲己日甲子、己巳時亦是。
「交泰格」は乙奇が丁奇に加臨し、あるいは乙奇が丙奇に加臨し、かくの如き組合に遇えば大吉なり。「天遇昌氣格」(一に「天運昌氣格」と作す)は六丁が六乙に加臨す。「三奇利合格」は六丁が六甲に加臨し、六甲また喚んで「符頭」と曰う、即ち値符の統べる旬首なり。「天輔時格」は日干に按じて時を取る。甲己日は甲戌時を取り、乙庚日は甲申時を取り、丙辛日は甲午時を取り、丁壬日は甲辰時を取り、戊癸日は甲寅時を取る。この時辰は行軍・作戰・任に赴き官に上り・尊長に參謁し・財を求め・遠行する皆吉利にして、身に罪ある人は、皆寬宥・釋放に遇い得。甲己日の甲子時・己巳時も亦この一格に属す。
“青龍回首格”天盤六戊,地盤六丙。“飛鳥跌穴”丙加戊。“雀含花格”丙加乙。“三奇得使格”乙加午(甲午)、戌(甲戌)二宮,丙奇加子(甲子)、申(甲申)二宮,丁奇加寅(甲寅)、辰(甲辰)。
「青龍回首格」は天盤が六戊・地盤が六丙、即ち戊加丙なり。「飛鳥跌穴」は丙奇が六戊に加臨す。「雀含花格」は丙奇が乙奇に加臨す。「三奇得使格」は三奇が各々それと相配する旬首の宮の上に加わるを指す。乙奇は甲午・甲戌の兩宮に加臨し、丙奇は甲子・甲申の兩宮に加臨し、丁奇は甲寅・甲辰の兩宮に加臨す。三奇が六儀の旬首を得て使者に充當せば、奇の憑借する所あり事を辦するに差遣する人あるに等しく、是れ奇門の裏の最も上等の吉格の一なり。
凶格
“悖格”丙加值符,加丙及丙加歲月日時之上,俱為悖格,主蒞政綱紀紊亂。丙加丙亦為悖,主見亂臣賊子。“天網四張”歌曰:“天網四張無路走,一二網低有路通”。如壬戌年九月癸未日癸丑時陰六局,休門與值符加時干癸於坎宮,日時二干俱加離宮,是為網高九尺。又曰:“天網四張不可當”。此時用事有災殃,若是有人強出者,立便身眠見血光。
「悖格」は丙奇が値符に加臨し、あるいは丙に加臨し、あるいは丙が太歲・月建・日干・時干の上に加わるを指し、これらを皆悖格と喚び、事に臨み政を施す時に綱紀紊亂するを主る。丙が丙に加わるも亦悖格にして、亂臣・賊子の出現するを主る。「天網四張」の歌訣に曰く、「天網四面張開して走る可き路なく、網の一二宮に落つる時は低矮にして、還た通行すべき路あり」と。例を擧ぐれば、壬戌年九月癸未日癸丑時に陰遁六局を用い、休門と値符とが時干癸を加えて坎宮に落ち、日干・時干の兩干皆離宮に加われば、これを「網高九尺」と喚び、人の脫身する由なし。また一句に曰く、「天網四張は當る可からず」と。この時辰に事を辦すれば災禍を招き、もし人ありて硬に冲り出さんとすれば、立刻に屍を横たえ血を見ん。
“地網遮格”六壬加時干六癸,二網俱不宜出兵、出行,大凶。“高格”即“天網四張”,天上六癸加五六七八九宮,大凶,不可用。“低格”天盤六癸加一二三四宮,即匍匐而出。經曰:“天網四張,百物自傷”。此時可舉百事,又神有高下必須知之。
「地網遮格」は六壬が時干の六癸に加臨す。天網・地網のこの兩種の網格は、皆兵を出し出行するに宜しからず、大凶に属す。「高格」は即ち「天網四張」にして、天盤の六癸が五・六・七・八・九宮に加臨するを指し、大凶にして事を用う可からず。「低格」は天盤の六癸が一・二・三・四宮に加臨するを指し、網低くして人は還た匍匐して爬出し得。經文に曰く、「天網四面張開せば、萬物皆自ら損傷を受けん」と。但し網の低き時は百事仍ほ施行すべし、故に網に高き有り低き有りて、事を用うる人は必ず分辨して清楚なるを要す。
“伏宮格”天盤六庚加值符及地盤戊,主客俱不利,戰鬪兩傷。“飛宮格”直符加六庚,主客俱凶。“時墓格”丙戌墓干,壬辰墓巽,辛丑墓艮,乙未墓坤,戊戌墓干。“迫制和義格”門尅宮為迫,宮尅門為制,門生宮為和,宮生門為義。
「伏宮格」は天盤の六庚が値符および地盤の六戊に加臨し、この種の格局は主方・客方皆利あらず、交戰の雙方は兩敗・俱傷す。「飛宮格」は値符が六庚に加臨し、主・客皆凶なり。「時墓格」は時干の入墓の方位を講ず。丙戌時は墓は乾宮に在り、壬辰時は墓は巽宮に在り、辛丑時は墓は艮宮に在り、乙未時は墓は坤宮に在り、戊戌時は墓も亦乾宮に在り。「迫制和義格」は八門と落つる所の宮との五行の關係を講ず。門が宮を剋するを「迫」と喚び、宮が門を剋するを「制」と喚び、門が宮を生ずるを「和」と喚び、宮が門を生ずるを「義」と喚ぶ。
“二龍相比格”六甲加六乙,凶。“青龍受困格”六甲加六戊,危。“火披水地”丙丁入乙宮,萬事莫舉。“木入金鄉”乙奇臨六、七宮,萬事莫舉。“火臨金位”丙丁加乾兌宮。“金劈木林”庚辛臨震巽宮。“木來尅土”乙奇臨坤艮宮。
「二龍相比格」は六甲が六乙に加臨し、二龍相抗して、凶を主る。「青龍受困格」は六甲が六戊に加臨し、處境危殆なり。「火披水地」は丙・丁の二火が乙宮に入り、火は水地に困せられて、萬事皆擧辦すべからず。「木入金鄕」は乙奇が六宮乾・七宮兌に臨み、金が來たりて木を剋し、萬事皆擧辦すべからず。「火臨金位」は丙・丁が乾宮・兌宮に加臨す。「金劈木林」は庚・辛が震宮・巽宮に臨む。「木來剋土」は乙奇が坤宮・艮宮に臨む。この幾格は皆五行相剋に属し、事を用うるに利あらず。
“伏干格”庚加日干。“飛干格”日干加庚。“伏吟格”本星伏本宮。“反吟格”星臨對宮。“奇墓格”乙到臨坤,丙奇臨干,丁奇臨艮。“六儀刑擊格”甲子戊直符加三宮,甲戌己值符加二宮,甲申庚加八宮,甲午辛加九宮,甲辰壬加四宮,甲寅癸值符加四宮。
「伏干格」は六庚が日干に加臨す。「飛干格」は日干が六庚に加臨す。「伏吟格」は本宮の星が仍ほ本宮に伏して動かざるなり。「反吟格」は星が本宮と正相對する宮位に臨むなり。「奇墓格」は三奇の入墓を指す。乙奇は坤宮に臨み、丙奇は乾宮に臨み、丁奇は艮宮に臨む。「六儀刑擊格」は六儀が各々本旬の地支と相刑する宮位に加わるなり。甲子戊の値符は三宮に加わり、甲戌己の値符は二宮に加わり、甲申庚は八宮に加わり、甲午辛は九宮に加わり、甲辰壬は四宮に加わり、甲寅癸の値符は四宮に加わる。凡そ刑擊に遇えば、百凶齊集す。
“六儀受制”休加離,傷杜加艮坤,景加干、兌,生死加坎,開、驚加震、巽。“五不遇時格”時干尅日干。“地羅占葬格”天盤壬加地盤壬。“歲格”庚臨歲干。“月格”庚臨月干。“日格”庚臨日干。“時格”庚臨時干。即庚年庚月庚日庚時。
「六儀受制」は八門が落つる所の宮に壓制せらるるの情形を講ず。休門は離宮に加臨し、傷門・杜門は艮宮・坤宮に加臨し、景門は乾宮・兌宮に加臨し、生門・死門は坎宮に加臨し、開門・驚門は震宮・巽宮に加臨す。「五不遇時格」は時干が日干を剋するなり。「地羅占葬格」は天盤の六壬が地盤の六壬に加臨す。「歲格」は六庚が太歲の天干に臨み、「月格」は六庚が月干に臨み、「日格」は六庚が日干に臨み、「時格」は六庚が時干に臨む、即ち庚年・庚月・庚日・庚時の各々庚と相逢するなり。
“大格”庚臨六癸。“小格”庚臨六壬。“刑格”庚臨六己。“悖格”丙加時干。“青龍逃走”乙加辛。“白虎猖狂”辛加乙。“螣蛇妖矯”癸加丁。“朱雀投江”丁加癸。“熒惑入太白”丙加庚。“太白入熒惑”庚加丙。
「大格」は六庚が六癸に臨み、「小格」は六庚が六壬に臨み、「刑格」は六庚が六己に臨み、「悖格」は丙奇が時干に加臨す。以下の四格は四獸に象を取る。「青龍逃走」は乙奇が六辛に加臨し、「白虎猖狂」は六辛が乙奇に加臨し、「螣蛇妖矯」は六癸が丁奇に加臨し、「朱雀投江」は丁奇が六癸に加臨す。最後の兩格は星に象を取る。「熒惑入太白」は丙奇が六庚に加臨し、敵寇の將に退かんとするを主る。「太白入熒惑」は六庚が丙奇に加臨し、敵兵の將に來らんとするを主る。
十二宮神歌
子在寶瓶青齊位,丑居磨蠍越揚州,寅中人馬幽燕地,卯位天蠍宋豫求,辰為天秤鄭兗分,巳為雙女楚荊丘,午周三河屬獅子,未居巨蟹秦雍留,申為魏益陰陽位,酉趙冀州方為金,戌星白羊魯徐郡,亥為雙魚衛並收。
この歌訣は十二地支に西域より傳入したる黃道の十二宮名を配上し、さらに中土の分野・州郡を配上す。子宮は「寶瓶」にして、分野は青州・齊地に在り。丑宮は「磨蝎」(即ち摩羯)にして、分野は越地・揚州に在り。寅宮は「人馬」(即ち射手)にして、分野は幽州・燕地に在り。卯宮は「天蝎」にして、分野は宋國・豫州に在り。辰宮は「天秤」にして、分野は鄭國・兗州に属す。巳宮は「雙女」(即ち室女)にして、分野は楚國・荊地に在り。午宮は「獅子」にして、分野は周地・三河の一帶に属す。未宮は「巨蟹」にして、分野は秦地・雍州に在り。申宮は「陰陽」(即ち雙子)にして、分野は魏地・益州に在り。酉宮は「金牛」にして、分野は趙地・冀州に在り。戌宮は「白羊」にして、分野は魯地・徐郡に在り。亥宮は「雙魚」にして、分野は衛地・幷州に在り。
星宿過度訣
氐二度過卯,尾三度過寅,斗四度過丑,女二度過子,危十三度過亥,奎二度過戌,胃四度過酉,畢七度過申,井九度過未,柳四度過午,張十五度過巳,軫十度過辰。周天共計三百六十五度二十五分五十杪,分佈十二宮,每宮計三十度四十二分七十九杪。
これは太陽が二十八宿を經行する時に十二宮界を跨越するの度數なり。太陽が氐宿の二度に行けば就ち卯宮に過入し、尾宿の三度は寅宮に過入し、斗宿の四度は丑宮に過入し、女宿の二度は子宮に過入し、危宿の十三度は亥宮に過入し、奎宿の二度は戌宮に過入し、胃宿の四度は酉宮に過入し、畢宿の七度は申宮に過入し、井宿の九度は未宮に過入し、柳宿の四度は午宮に過入し、張宿の十五度は巳宮に過入し、軫宿の十度は辰宮に過入す。周天は總じて三百六十五度二十五分五十秒にして、均しく十二宮に分給し、每宮は三十度四十二分七十九秒に合す。
十二宮分野
子,元枵,危月燕十六度,虛日鼠九度,女土蝠十五度,齊、青州、梓州,京東路。丑,星紀,牛金牛七度,斗水獬二十三度,吳、淮、南東路、泗水、江東、揚州、盧州、兩浙、福建。寅,析木,箕水豹九度,尾火虎十八度,燕、幽州、夔州、河北、河西。
子宮は、星次の名を「元枵」(即ち玄枵)と曰い、所轄の星宿は危月燕十六度・虛日鼠九度・女土蝠十五度にして、分野は齊地・青州・梓州と京東路に對應す。丑宮は、星次の名を「星紀」と曰い、所轄は牛金牛七度・斗水獬二十三度にして、分野は吳地・淮南東路・泗水・江東・揚州・盧州・兩浙と福建に對應す。寅宮は、星次の名を「析木」と曰い、所轄は箕水豹九度・尾火虎十八度にして、分野は燕地・幽州・夔州・河北と河西に對應す。
卯,大火,心月狐六度,房日兔五度,氐土貉十六度,宋、京畿、豫州、楚國、濟陰。辰,壽星,亢金龍九度,角木蛟十二度,鄭、龍慶府、兗州、東西路、泰山、陳留、山陰。巳,鶉尾,軫水蚓十八度半,翼火蛇二十度十杪,楚、荊、湖南路、湖北路、荊州、廣東西路。
卯宮は、星次の名を「大火」と曰い、所轄は心月狐六度・房日兔五度・氐土貉十六度にして、分野は宋地・京畿・豫州・楚國と濟陰に對應す。辰宮は、星次の名を「壽星」と曰い、所轄は亢金龍九度・角木蛟十二度にして、分野は鄭地・龍慶府・兗州東西路・泰山・陳留と山陰に對應す。巳宮は、星次の名を「鶉尾」と曰い、所轄は軫水蚓十八度半・翼火蛇二十度十秒にして、分野は楚地・荊地・湖南路・湖北路・荊州と廣南東西路に對應す。
午,鶉火,張月鹿十八度,星日馬七度,柳土獐十四度、周、京西南路、三河、關西。未,鶉首,鬼金羊二度半,井木犴三十度,秦、雍州、陜西、永興軍、秦風路、四州。申,實沉,參水猿九度,觜火猴半度,晉、河北東路、代州、成都、孟州。
午宮は、星次の名を「鶉火」と曰い、所轄は張月鹿十八度・星日馬七度・柳土獐十四度にして、分野は周地・京西南路・三河と關西に對應す。未宮は、星次の名を「鶉首」と曰い、所轄は鬼金羊二度半・井木犴三十度にして、分野は秦地・雍州・陜西・永興軍・秦鳳路と四州に對應す。申宮は、星次の名を「實沈」と曰い、所轄は參水猿九度・觜火猴半度にして、分野は晉地・河北東路・代州・成都と孟州に對應す。
酉,大梁,畢月烏十六度,昴日雞七度,胃土雉十四度,趙、冀州、河北東西路、真定。戌,降婁,婁金狗十二度,奎木狼十七度半,魯、徐州北路。亥,娵訾,璧水狳九度,室火豬十七度,危月燕十七度,衛、幷州、太原、河東路。
酉宮は、星次の名を「大梁」と曰い、所轄は畢月烏十六度・昴日雞七度・胃土雉十四度にして、分野は趙地・冀州・河北東西路と眞定に對應す。戌宮は、星次の名を「降婁」と曰い、所轄は婁金狗十二度・奎木狼十七度半にして、分野は魯地と徐州北路に對應す。亥宮は、星次の名を「娵訾」と曰い、所轄は璧水狳九度・室火猪十七度・危月燕十七度にして、分野は衛地・幷州・太原と河東路に對應す。
巻十六
太冲天馬方吉時定局
用時憲書審定太陽過宮。方可選用:子時、丑時、寅時、卯時、辰時、巳時、午時、未時、申時、酉時、戌時、亥時。正月登明將太沖天馬方:辰、巳、午、未、申、酉、戌、亥、子、丑、寅、卯。二月河魁將太沖天馬方:巳、午、未、申、酉、戌、亥、子、丑、寅、卯、辰。三月從魁將太沖天馬方:午、未、申、酉、戌、亥、子、丑、寅、卯、辰、巳。四月傳送將太沖天馬方:未、申、酉、戌、亥、子、丑、寅、卯、辰、巳、午。五月小吉將太沖天馬方:申、酉、戌、亥、子、丑、寅、卯、辰、巳、午、未。六月勝光將太沖天馬方:酉、戌、亥、子、丑、寅、卯、辰、巳、午、未、申。
この表を用うる以前に、まず『時憲書』(官が頒る歷書)を用いて太陽の實際に宮を過ぐるの時刻を核定し、然る後に乃ち月に按じ・時に按じて「太冲天馬方」を選取すべし。表の橫列は十二の時辰、子時・丑時・寅時・卯時・辰時・巳時・午時・未時・申時・酉時・戌時・亥時なり。正月は「登明」を月將と為し、子時より起こり、太冲・天馬方は依次に辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥・子・丑・寅・卯なり。二月は「河魁」を月將と為し、依次に巳・午・未・申・酉・戌・亥・子・丑・寅・卯・辰なり。三月は「從魁」を月將と為し、依次に午・未・申・酉・戌・亥・子・丑・寅・卯・辰・巳なり。四月は「傳送」を月將と為し、依次に未・申・酉・戌・亥・子・丑・寅・卯・辰・巳・午なり。五月は「小吉」を月將と為し、依次に申・酉・戌・亥・子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未なり。六月は「勝光」を月將と為し、依次に酉・戌・亥・子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申なり。每换一月すれば、同一時辰の天馬方は就ち順に一位を移るを看出し得。
七月太乙將太沖天馬方:戌、亥、子、丑、寅、卯、辰、巳、午、未、申、酉。八月天罡將太沖天馬方:亥、子、丑、寅、卯、辰、巳、午、未、申、酉、戌。九月太沖將太沖天馬方:子、丑、寅、卯、辰、巳、午、未、申、酉、戌、亥。十月功曹將太沖天馬方:丑、寅、卯、辰、巳、午、未、申、酉、戌、亥、子。十一月大吉將太沖天馬方:寅、卯、辰、巳、午、未、申、酉、戌、亥、子、丑。十二月神后將太沖天馬方:卯、辰、巳、午、未、申、酉、戌、亥、子、丑、寅。
七月は「太乙」を月將と為し、子時より起こり、太冲・天馬方は依次に戌・亥・子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉なり。八月は「天罡」を月將と為し、依次に亥・子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌なり。九月は「太冲」を月將と為し、依次に子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥なり。十月は「功曹」を月將と為し、依次に丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥・子なり。十一月は「大吉」を月將と為し、依次に寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥・子・丑なり。十二月は「神后」を月將と為し、依次に卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥・子・丑・寅なり。所謂る「太冲天馬」は、十二月將中の太冲の神と驛馬と同じく臨むの方にして、出行・傳令・逃遁この方に向かう最も吉利なり。
總論太陽過宮天三門、地四戶、地私門、太冲天馬方同例
旦貴用上一字,即內盤之乙巽丙丁坤庚六時,暮貴用下一字,即內盤之辛干壬癸艮坤。甲六時神所到之宮,自亥至辰為陽支,宜順行;自巳至戌為陰支,宜逆行。二盤當合推用,但分之以知甲在卯宮用暮貴,巽在巳宮用旦貴。
早晨に事を用うは「旦貴」を取り、上面の一行の字を看、即ち內盤上の乙・巽・丙・丁・坤・庚のこの六つの時位なり。傍晚に事を用うは「暮貴」を取り、下面の一行の字を看、即ち內盤上の辛・乾・壬・癸・艮・坤のこの六つの時位なり。甲等の六時の貴神の到る所の宮は、亥より辰に至るは陽支に属し、應當に順行して排布すべし。巳より戌に至るは陰支に属し、應當に逆行して排布すべし。天地の兩盤は本該合して推算す、ただ分かちて看る時は便ち知るべし。甲が卯宮に落つれば就中暮貴を用い、巽が巳宮に落つれば就中旦貴を用う。
假如正月雨水後,太陽躔娵訾之次,月將在亥,則以亥加用時之上,以分旦暮,定其陰陽。又視貴神所到之宮,詳其陽支宜順行,陰支宜逆行,以求三辰所在之位。假如甲日用卯時屬下之一字,用暮貴,定為陽貴,則以亥加卯宮順行,陽貴神未在亥,亥為陽支,加貴神順行,六合在寅,太常在未,太陰在酉也。
例を擧ぐれば、正月雨水の節氣以後、太陽は「娵訾」なるこの星次に運行し、月將便ち亥に在り、是に於て亥を用うる所の時辰の上に加え、此に據りて旦貴・暮貴を分出し、陰陽を定出す。さらに貴神の落つる所の宮位を看て、陽支は順行するを要し陰支は逆行するを要すを細辨し、從りて六合・太常・太陰のこの三辰の在る所の方位を求出す。また甲日に卯時を用うるが如きは、卯は下面のあの一行の字に属す、此に因りて暮貴を用い、陽貴と定む。亥を卯宮の上に加えて順に數えば、甲日の陽貴神「未」は亥位に落ち、亥是れ陽支にして、故に貴神より起こり順行して十二神を排せば、六合は寅に在り太常は未に在り太陰は酉に在るを得出す。
假如甲日用午時屬上之一字,用旦貴,定為陰貴,則以亥加午順行,陰貴丑在申,申為陰支,加貴神逆行,太陰在戌,太常在子,六合在巳也。假如甲日用子時屬下之一字,用暮貴,定為陽貴神,則以亥加子順行,陽貴神未在申,申為陰支,加貴神逆行,太陰在戌,太常在子,六合在巳也。餘皆仿此。陽貴詩曰:“庚戊見牛甲在羊,乙猴己鼠丙雞方,丁豬癸蛇壬是兔,六辛逢虎貴為陽”。陰貴詩曰:“甲貴陰牛庚戊羊,乙陰在鼠己猴鄉,丙雞丁豬辛遇馬,壬蛇癸兔是陰方”。
また甲日に午時を用うるが如きは、午は上面のあの一行の字に属す、此に因りて旦貴を用い、陰貴と定む。亥を午の上に加えて順に數えば、甲日の陰貴神「丑」は申位に落ち、申是れ陰支にして、故に貴神より起こり逆行して排布すれば、太陰は戌に在り太常は子に在り六合は巳に在るを得出す。さらに甲日に子時を用うるが如きは、子是れ下面のあの一行の字に属す、此に因りて暮貴を用い、陽貴神と定む。亥を子の上に加えて順に數えば、陽貴神「未」は申位に落ち、申是れ陰支にして、仍ほ貴神より起こり逆行すれば、太陰は戌に在り太常は子に在り六合は巳に在るを得出す。その餘の各日・各時は皆此に照らし類推す。陽貴人の口訣に曰く、「庚・戊の二干は丑(牛)に貴あり、甲干は未(羊)に貴あり、乙干は申(猴)に貴あり、己干は子(鼠)に貴あり、丙干は酉(鷄)に貴あり、丁干は亥(猪)に貴あり、癸干は巳(蛇)に貴あり、壬干は卯(兔)に貴あり、六辛は寅(虎)に貴あり、これら皆陽貴なり」と。陰貴人の口訣に曰く、「甲干の陰貴は丑(牛)に在り、庚・戊の二干は未(羊)に在り、乙干は子(鼠)に在り、己干は申(猴)に在り、丙干は酉(鷄)に在り、丁干は亥(猪)に在り、辛干は午(馬)に在り、壬干は巳(蛇)に在り、癸干は卯(兔)に在り、これら是れ陰貴の在る所の方なり」と。
天門地戶を論ず
入式歌云:“天乙會合女陰私”。所謂天乙會合女陰私之事,要在三奇臨六儀,與三奇吉門合太沖、小吉、從魁天三門,加除、危、定、開地四戶,是謂福食、遠行、出入皆吉。
『入式歌』に曰く、「天乙・六合・太陰は女子と陰私の事を主る」と。所謂る天乙・六合・太陰は陰私の事を掌管し、關鍵は三奇が六儀の上に臨み、併せて三奇と吉門とが同時に太冲・小吉・從魁のこの「天三門」に會合し、さらに建除十二神中の除・危・定・開のこの「地四戶」を加上するに在り。かくの如き時方を福食の方と喚び、福を求め・飮宴し・遠行しあるいは出入するも、皆吉利なり。
歌云:“本月將名加時支,十二月將順數去,太沖、小吉與從魁,三方避禍天門是,便以月將加時支順數也”。假如正月雨水後用午時出行,則以登明將加於午宮,登明在午,神后在未,大吉在申,功曹在酉,太沖在戌為天門,天罡在亥,太乙在子,勝光在丑,小吉在寅為天門,傳送在卯,從魁在辰為天門,河魁在巳。
歌訣に曰く、「本月の月將名を用事の時辰の地支の上に加え、十二月將を依次に順に數へ下れば、その中太冲・小吉・從魁のこの三つの方位は就中禍を避く可き『天三門』にして、方法は即ち月將をもって時支に加えて順に數ふなり」と。例を擧ぐれば、正月雨水以後に午時を用いて出行せば、就中「登明」なるこの月將を午宮の上に加え、是に於て登明は午に在り神后は未に在り大吉は申に在り功曹は酉に在り太冲は戌に在り(此れ天門なり)天罡は亥に在り太乙は子に在り勝光は丑に在り小吉は寅に在り(此れ天門なり)傳送は卯に在り從魁は辰に在り(此れ天門なり)河魁は巳に在る。
以時憲書審訂太陽過宮方要選用。如去年大寒後某日時刻日躔元枵之次,太陽在子,以神后出將加用時,世俗但知登明為正月將,卻不知雨水後某日時刻日躔娵訾之次,太陽始過亥宮,始可用登明將,以次輪去,如遇從魁、小吉、太沖即是天三門也。倘得本日貴神到乾亥,就是貴神登天門,大吉。
必ず『時憲書』を用いて太陽過宮の準確なる時刻を核定し、然る後に乃ち方位を選用し得。譬如去年大寒之後の某日・某時刻、太陽「元枵」の星次に行り、太陽子に在れば、就中「神后」なるこの月將を用いて用事の時辰に加うべし。世俗の人はただ登明をして正月の月將と知るのみで、卻て雨水以後の某日・某時刻を待ち、太陽「娵訾」の星次に行り眞に亥宮に過入して、乃ち登明將に改用すべきを知らず。此後依次に輪轉し、凡そ從魁・小吉・太冲に遇えば、就ち是れ「天三門」なり。倘若當日の貴神が恰好乾宮・亥位に行到せば、則ち喚んで「貴神登天門」と曰い、大吉なり。
天月將(即太陽):正月亥、二月戌、三月酉、四月申、五月未、六月午、七月巳、八月辰、九月卯、十月寅、十一月丑、十二月子。地月將(即月建):正月寅、二月卯、三月辰、四月巳、五月午、六月未、七月申、八月酉、九月戌、十月亥、十一月子、十二月丑。
「天月將」は即ち太陽の在る所の宮位にして、月に按じて排定す。正月は亥に在り、二月は戌に在り、三月は酉に在り、四月は申に在り、五月は未に在り、六月は午に在り、七月は巳に在り、八月は辰に在り、九月は卯に在り、十月は寅に在り、十一月は丑に在り、十二月は子に在り——それは月を逐て逆行す。「地月將」は即ち月建にして、月に按じて排定す。正月は寅を建て、二月は卯を建て、三月は辰を建て、四月は巳を建て、五月は午を建て、六月は未を建て、七月は申を建て、八月は酉を建て、九月は戌を建て、十月は亥を建て、十一月は子を建て、十二月は丑を建て——それは月を逐て順行す。兩者一逆一順にして、正しく相配す。
天氣將:正月雨水壬、二月春分干、三月榖雨辛、四月小滿庚、五月夏至坤、六月大暑丁、七月處暑丙、八月秋分巽、九月霜將乙、十月立冬甲、十一月冬至艮、十二月大寒癸。地氣將:正月立春子、二月驚蟄亥、三月清明戌、四月立夏酉、五月芒種申、六月小暑未、七月立秋午、八月白露巳、九月寒露辰、十月立冬卯、十一月大雪寅、十二月小寒丑。天符經:正月娵訾亥、二月降婁戌、三月大梁酉、四月實沉申、五月鶉首未、六月鶉火午、七月鶉尾巳、八月壽星辰、九月大火卯、十月析木寅、十一月星紀丑、十二月元枵子。
「天氣將」は每月の中氣に配する天干あるいは卦位をもって定む。正月雨水は壬に配し、二月春分は乾に配し、三月穀雨は辛に配し、四月小滿は庚に配し、五月夏至は坤に配し、六月大暑は丁に配し、七月處暑は丙に配し、八月秋分は巽に配し、九月霜降は乙に配し、十月立冬は甲に配し、十一月冬至は艮に配し、十二月大寒は癸に配す。「地氣將」は每月の節氣に配する地支をもって定む。正月立春は子に配し、二月驚蟄は亥に配し、三月清明は戌に配し、四月立夏は酉に配し、五月芒種は申に配し、六月小暑は未に配し、七月立秋は午に配し、八月白露は巳に配し、九月寒露は辰に配し、十月立冬は卯に配し、十一月大雪は寅に配し、十二月小寒は丑に配す。「天符經」は十二星次と地支との對應を講ず。正月娵訾は亥に在り、二月降婁は戌に在り、三月大梁は酉に在り、四月實沈は申に在り、五月鶉首は未に在り、六月鶉火は午に在り、七月鶉尾は巳に在り、八月壽星は辰に在り、九月大火は卯に在り、十月析木は寅に在り、十一月星紀は丑に在り、十二月元枵は子に在る。
十二支神將
申(白虎、傳送)、酉(太陰、從魁),戌(天空、河魁)、亥(神元武、將登明),未(太常、小吉)、子(神天后、將神后),午(朱雀、勝光)、丑(神天乙、將大吉),巳(螣蛇、太乙)、辰(勾陳、天罡),卯(六合、太沖)、寅(神青龍、將功曹)。
ここに十二地支が各々配する「天將の神」と「月將の名」とを竝列して出す。申は白虎の神・傳送の將に配し、酉は太陰の神・從魁の將に配す。戌は天空の神・河魁の將に配し、亥は玄武の神・登明の將に配す。未は太常の神・小吉の將に配し、子は天后の神・神后の將に配す。午は朱雀の神・勝光の將に配し、丑は天乙の神・大吉の將に配す。巳は螣蛇の神・太乙の將に配し、辰は勾陳の神・天罡の將に配す。卯は六合の神・太冲の將に配し、寅は青龍の神・功曹の將に配す。凡そ神と言えば即ち十二天將、凡そ將と言えば即ち十二月將、兩套の名目は分清するを要す。
歌云:“用時支上加月建,建除滿平一順流,定執破危相接去,成收開閉掌中周,除定危開為四戶,此方有難來逃避”。以月建加用時順數,如寅月寅時,於寅上起建,卯為除,午為定,酉為危,子為開,三奇臨之大吉;若得三吉門更佳,餘仿此。
歌訣に曰く、「月建を用事の時辰の地支の上に加え、建・除・滿・平の次序に依り一路順に排し、接いで定・執・破・危、再接いで成・收・開・閉、十二神は掌上に於て一週を轉ず。その中除・定・危・開の四位は即ち『地四戶』にして、危難あるに遇えばこの四方より逃避し得」と。具體の做法は月建を用事の時辰の上に加えて順に數ふ。譬えば寅月の寅時は、就中寅位に「建」を起こし、卯位を「除」と為し、午位を「定」と為し、酉位を「危」と為し、子位を「開」と為し、もし三奇のこの幾つの方位に臨むあれば則ち大吉なり。もしさらに開・休・生の三吉門を配上せば就中さらに好し。その餘の月份・時辰は皆此に照らし類推す。
如九月戌建用巳時,則以戌加巳上,建在巳,除在午,午為地戶,滿在未,平在申,定在酉,酉為地戶,執在戌,破在亥,危在子,子為地戶,成在丑,收在寅,開在卯,卯為地戶,閉在辰,子午卯酉四宮為地四戶,俱吉。
さらに一例を擧ぐ。九月の月建は戌に在り、巳時を用いて事を辦せば、就中戌を巳位の上に加えて順に排す。建は巳に在り、除は午に在り(午は地戶と為す)、滿は未に在り、平は申に在り、定は酉に在り(酉は地戶と為す)、執は戌に在り、破は亥に在り、危は子に在り(子は地戶と為す)、成は丑に在り、收は寅に在り、開は卯に在り(卯は地戶と為す)、閉は辰に在り。かくの如くすれば、子・午・卯・酉の四宮は正しく皆「地四戶」の在る所にして、四方皆吉利にして、この幾方より出入して難を避くべし。
地私門
以天月將加用時,看貴神所泊何宮,即於貴神上起貴神、螣蛇、朱雀、六合、勾陳、青龍、天空、白虎、太常、元武、太陰、天后,順逆而行,陽貴神出於先天之坤,子上起甲干順布,乙癸在丑,庚與乙合,戊與癸合,取干德為貴神,故庚戊二干,陽貴神在丑也;己干在未,甲與己合,故甲干陽貴神在未也。自亥至辰為陽貴順流,自巳至戌為陰貴逆行。若得太陰、太常、六合之神與奇門同臨其方,百事大吉。陽時宜擊,陰時宜陜,陽先舉,陰後應。凡欲擊者,謂破而擊之;陜者,密而去之,其敗軍宜向六合下走得出也。
「地私門」を求むるの方法は、天月將を用事の時辰の上に加え、貴神の哪一宮に停まるかを看て、就中貴神の在る所の宮より起こりて貴神・螣蛇・朱雀・六合・勾陳・青龍・天空・白虎・太常・玄武・太陰・天后のこの十二神を數え、陽順・陰逆に按じて排布す。陽貴神は先天八卦の坤位より起こり、子位より甲干を起こして順次に排布し、乙・癸は丑に落つ。庚は乙と相合し、戊は癸と相合し、天干相合の德を取りて貴神と作るをもって、故に庚・戊の兩干の陽貴神は皆丑に在り。己干は未に落ち、甲は己と相合し、故に甲干の陽貴神は未に在り。亥より辰に至るは陽貴順行の區段にして、巳より戌に至るは陰貴逆行の區段なり。もし太陰・太常・六合のこの三位の神と奇門とが同時に某の一方に臨まば、則ち此方に於て何事を辦するも皆大吉なり。陽時は出擊するに宜しく、陰時は隱匿するに宜しく、陽時は先に發動し、陰時は後に接應す。所謂る「擊」は、敵陣を攻破して之を擊つなり。所謂る「陜」は、隱秘に撤走するなり。敗仗を打ちたる軍隊は、應當に六合の在る所の下方に向かいて突圍し、乃ち脫身し得べし。
以六合、太陰、太常三辰,依圖推看何方日支。自子至巳為陽,用陽貴神,自午至亥為陰,用陰貴神。假如丁亥日,亥為陽日,丙丁豬雞位,則亥豬為陽日貴神,須將貴神加亥上順數去,卻是六合、太陰、太常在何處?即是地私門,只是論日不論時,然須得奇門方可用。
六合・太陰・太常のこの三位の神を用い、圖式に依照してそれらの哪一方の日支の上に落つるかを推看す。子より巳に至るは陽に属し、陽貴神を用い。午より亥に至るは陰に属し、陰貴神を用う。譬えば丁亥日は、亥は陽日に属し、「丙丁は猪雞に貴あり」の例に按じ、丁干の貴人は亥(猪)に在り、故に亥は就中この陽日の貴神の在る所にして、須く貴神を亥位の上に加えて順に數へ下り、さらに六合・太陰・太常の各々何處に落つるかを看る——それらの落つる處は便ち「地私門」なり。この一法はただ日を論じて時を論ぜず、但し仍ほ奇・門の配合當を得るを要して乃ち使用すべし。
又一例,審太陽過宮,以月將加用時,尋本日貴人起星,求地私門。如正月亥加甲日辰時,即以亥加辰順數去,尋本日陽貴未到子,陽貴順行,則螣蛇在丑,朱雀在寅,六合在卯為地私門,勾陳在辰,青龍在巳,天空在午,白虎在未,太常在申為地私門,玄武在酉,太陰在戌為地私門,天后在亥。如用陰貴,亦以亥加辰,陰貴丑到午,陰貴逆行,則螣蛇在巳,朱雀在辰,六合在卯為地私門,勾陳在寅,青龍在丑,天空在子,白虎在亥,太常在戌為地私門,元武在酉,太陰在申為地私門,天后在未,餘皆仿此。
さらに一例を擧ぐ。まず太陽過宮を核定し、月將を用事の時辰の上に加え、當日の貴人の落點を找出してさらに十二神を起こし、此に據りて地私門を求む。譬えば正月の亥將を甲日辰時の上に加えれば、就中亥を辰に加えて順に數へ下り、當日の陽貴神「未」の子位に落つるを找出す。陽貴順行にして、是に於て螣蛇は丑に在り、朱雀は寅に在り、六合は卯に在り(此れ地私門なり)、勾陳は辰に在り、青龍は巳に在り、天空は午に在り、白虎は未に在り、太常は申に在り(此れ地私門なり)、玄武は酉に在り、太陰は戌に在り(此れ地私門なり)、天后は亥に在り。もし陰貴に改用せば、同じく亥を辰の上に加え、陰貴「丑」は午位に落つ。陰貴逆行にして、是に於て螣蛇は巳に在り、朱雀は辰に在り、六合は卯に在り(此れ地私門なり)、勾陳は寅に在り、青龍は丑に在り、天空は子に在り、白虎は亥に在り、太常は戌に在り(此れ地私門なり)、玄武は酉に在り、太陰は申に在り(此れ地私門なり)、天后は未に在り。地私門は始終に六合・太常・太陰の三神の在る所を取るを見べし、その餘の日時は皆此に照らし類推す。
三奇尅應
乙奇遇開聞吏經,休同牛馬扛木人,乙生丙鼠咬孝子,出門應候老婦人。丙奇遇開有雷聲,老翁執杖使威風,休門鼓樂五十里,生逢患眼相鬪爭。丁遇開執竹杖物,休婦皂白二十里,遇捕獵人須帶犬,奇門合處皆應驗。
これは三奇が三吉門に配する時の外應の徵兆なり。乙奇が開門に遇えば、官吏の文書を誦讀するの聲を聞かん。乙奇が休門に同じければ、則ち牛馬あるいは木頭を抬扛する人を見ん。乙奇が生門・丙奇の時に合せば、老鼠が孝服を穿する人を咬齧する有り、門を出づるに應當に老婦人の來應するを俟つべし。丙奇が開門に遇えば、雷聲あらん、あるいは老翁の杖を拄りて威風を顯すを見ん。丙奇が休門に合せば、五十里の內に鼓樂の聲あり。丙奇が生門に逢えば、則ち眼病を患うる人あるいは人の相爭鬥する有るを見ん。丁奇が開門に遇えば、人の手に竹杖の器物を執る有り。丁奇が休門に合せば、二十里の內に黑白色の衣を穿る婦人あり。丁奇が生門に逢えば、獵犬を帶いたる捕獵人に遇わん。凡そ奇と門と相合する處は、これらの徵應皆靈驗せらん。
また三奇が三吉門に會する應驗
乙為日奇,會生門宜上官赴任、應舉、嫁娶、破土、立券、安葬,見兩鼠或孝服人,有百鳥、風雲、微雨、車馬來應,主子孫富貴。會休門見牛馬或打木人來應。會開門逢客人、公吏、穿紅衣者至。
乙是れ「日奇」なり。乙奇と生門と相會すれば、官に上り任に赴き・科擧に參加し・嫁娶し・土を破り・契券を訂立し・安葬するに宜しく、外應は兩隻の老鼠あるいは孝服を穿る人を見、還た百鳥の群飛し・風雲の突起し・微雨の飄落し・車馬の經過する等の徵兆あり、子孫の富貴を主る。乙奇と休門と相會すれば、外應は牛馬あるいは木頭を捶打する人を見るなり。乙奇と開門と相會すれば、外應は客人・公門の吏役あるいは紅衣を穿る人の到來に遇うなり。
丙為月奇,會生門見眼疾人或逢爭鬪事應。會休門宜上官赴任、應舉、嫁娶、破土、立券、豎柱、上樑,五十里內外聞鼓聲或軍器、樂器、烏鳥、白鶴來應,主子孫富貴。會開門主見老者執杖等物,或聞哭聲應。
丙是れ「月奇」なり。丙奇と生門と相會すれば、外應は眼疾を患うる人を見あるいは爭鬥の事に遇上するなり。丙奇と休門と相會すれば、官に上り任に赴き・科擧に參加し・嫁娶し・土を破り・契券を訂立し・柱を豎て・梁を上ぐるに宜しく、外應は五十里の內外に鼓聲を聞き、あるいは軍器・樂器を見、あるいは烏鴉・白鶴の飛來する有り、子孫の富貴を主る。丙奇と開門と相會すれば、老者の手に杖類の器物を執るを見、あるいは哭聲の來應するを聞くを主る。
丁為星奇,會生門遇捕獵或鷹犬應。會休門二十里見白虎、皂衣人或婦女應。會開門宜上官赴任、嫁娶、豎柱、上樑、入宅,見大車、小車、白雲、蓋幕,或小兒手執杖物等應,主子孫富貴。
丁是れ「星奇」なり。丁奇と生門と相會すれば、外應は捕獵の人に遇いあるいは鷹犬を見るなり。丁奇と休門と相會すれば、二十里の內に白虎・黑衣を穿る人あるいは婦女の來應するを見ん。丁奇と開門と相會すれば、官に上り任に赴き・嫁娶し・柱を豎て・梁を上げ・新宅に遷入するに宜しく、外應は大車・小車・白雲・傘蓋・帷幕を見、あるいは小兒の手裏に杖類の器物を拿る有り、子孫の富貴を主る。
三奇合格斷
乙奇遇青龍返首,丙奇東南是跌穴,丁奇西貴升壇,回首喜悅百易遂逐,跌穴顯灼事成就,龍逃身遭百凶,虎狂兮財虛耗盡,妖矯逢盜染官訟。
乙奇が「青龍返首」に遇上し、丙奇が東南方に於て「飛鳥跌穴」を成し、丁奇が西方に於ては則ち「貴人升壇」なり。青龍返首に逢えば、心中喜悅して百事順遂し易し。飛鳥跌穴に逢えば、事情顯赫・昭彰にして成就し易し。反って説えば、「青龍逃走」に逢えば則ち自身は種種の凶險に遭遇す。「白虎猖狂」に逢えば則ち錢財は虚耗・淨盡す。「螣蛇妖矯」に逢えば則ち盜賊に碰上し・官司・訴訟を沾染す。これは三奇の吉格と凶格とを對擧して以て吉凶を斷ずるなり。
符使應驗
乙奇會天輔、生門,主乙庚日時雷電現、二鳥來應,大利。丙奇會天芮、休門,主甲己日時,鶴鳥至、二人乘馬來應,大吉。丁奇會天英、開門,主戊癸日時,烏鳥白項、雷鳴來應,大吉。天盤星尅地盤星,在四時旺相日時,有本方五色雲起在其方助客,客勝。地盤星尅天盤星,在四時旺相日時,有五色雲氣在其方助主,主勝。五色雲氣合從本方,東青、西白、中黃、南赤、北黑。
乙奇と天輔星・生門と相會すれば、乙日・庚日あるいは乙時・庚時に雷電を出し、兩隻の鳥の飛來して相應する有り、大いに利ありを主る。丙奇と天芮星・休門と相會すれば、甲日・己日あるいは甲時・己時に鶴鳥の飛來・兩人の馬に乘りて經過して相應する有り、大吉を主る。丁奇と天英星・開門と相會すれば、戊日・癸日あるいは戊時・癸時に白い頸の烏鴉の出現・雷聲の轟鳴して相應する有り、大吉を主る。もし天盤の星が地盤の星を剋し、また四季中の旺相の日時に逢えば、本方に五色の雲氣の昇起する有り、これは客を助くるの徵兆にして、客方勝を取る。もし地盤の星が天盤の星を剋し、また旺相の日時に逢えば、本方に五色の雲氣の出現する有り、これは主を助くるの徵兆にして、主方勝を取る。五色の雲氣は方位と相合するを要して乃ち數と算す。東方は青色・西方は白色・中央は黃色・南方は赤色・北方は黑色なり。
八門尅應
休門二十里,貴陰人衣著藍黃及白青。生門十里,逢公吏人著皂衣紫紳。傷門三十里,公訟起、囚人著皂衣、血光生。杜門二十里,男女輩絹皂在裙相從行。景門二十里,驚憂至、非皂衣人、會賓客。死門二十里,逢疾病、黃皂衣、甲俱遭迍。驚門三十里,鴉雀噪、官司相連、六畜驚。開門二十里,陽人至、貴人乘馬、紫衣襟。
これは八門各々の外應の徵兆と應驗の里程なり。休門は二十里の內に尊貴の女子を出し、衣著は藍黃あるいは白青の色を主る。生門は十里の內に公門の吏役に遇い、身に黑衣を穿き紫色の紳帶を係すを主る。傷門は三十里の內に官司・詞訟を興起し、囚犯の黑衣を身穿る有り、併せて血光を見るを主る。杜門は二十里の內に男女成群して、黑色の絹裙を穿著して相隨いて行く有るを主る。景門は二十里の內に驚憂の事の到來し、黑衣を穿らざる人を見、あるいは賓客に會見する事あるを主る。死門は二十里の內に疾病に遇上し、黃黑衣を穿る人を見、甲を披るの士も亦一併に困頓に遭うを主る。驚門は三十里の內に烏鴉・喜鵲の聒噪し、官司の接連・不斷、六畜の驚を受くるを主る。開門は二十里の內に男子の到來し、貴人の馬に乘りて過ぎ、身に紫色の衣襟を著るを主る。
十干應驗
來時六甲出門去,金馬玉堂逢貴人。若乘六乙出門去,禿頭公吏宜終身,執持弓弩人騎射。蓋為時乘六丙行,州官縣宰相逢著,出門行時正六丁,若逢戊己出行去,兩個婦人身著青。若乘庚辛壬最惡,大凶無吉有災迍,六癸出門逢騎射,多遇山林隱逸人。
これは十干の値する所の時に按じて出行する時に遇上する外應なり。六甲の時に乘じて門を出れば、金馬門・玉堂署の類の地方に於て貴人に遇わん。六乙の時に乘じて門を出れば、頭の禿げたる公門の吏役に遇い、終身を託付し得、還た手に弓弩を持ち馬に騎して射獵する人を見ん。大抵六丙の時に乘じて出行すれば、州官・縣令の一類の地方長官と相逢せん。門を出づる時正しく六丁に當れば、應ずる所も亦此と相類なり。もし戊・己の時に逢いて出行せば、青衣を身穿る兩個の婦人を見ん。もし庚・辛・壬の時に乘ずるは最も惡劣にして、大凶にして吉なく、ただ災禍・困頓あるのみ。六癸の時に門を出れば馬に騎して射獵する人に遇い、多半に還た山林に隱居する高士に碰上せん。
八神應驗
值符主長者、貴人、公吏、錢物為應。螣蛇主官司牽連、羅網、推風送雨,及驚恐、怪異為應。太陰主賢人及夫婦陰私之事為應。六合主華彩、車、書、酒食、筵會、婚姻為應。白虎主醫巫、死喪、穢氣、錢物為應。元武主驚盜賊及雲雨為應。九地主女人、衣服、稻豆、埋葬、走獸為應。九天主文書、印信、鎗棒、火災、占天、飛鳥為應。
これは八神各々の主管する外應の象なり。値符は長輩・貴人・公門の吏役と錢財・器物の應を主る。螣蛇は官司・牽連・身の羅網に陷り・風起き雨來るおよび驚恐・怪異の事の應を主る。太陰は賢德の人および夫妻の間の隱秘・私事の應を主る。六合は華美・文彩・車輛・書信・酒食・筵席・聚會と婚姻の應を主る。白虎は醫者・巫者・死亡・喪事・穢濁の氣と錢財の應を主る。玄武は驚擾・盜賊および雲雨の應を主る。九地は女人・衣服・稻谷・豆麥・埋葬と走獸の應を主る。九天は文書・印信・槍棒・兵器・火災・天象を觀測すると飛鳥の應を主る。
巻十七
三奇到宮斷
六乙到干名曰“玉兔入天門”,吉。天沖、天輔加六宮,在季夏、秋月或庚辛酉申日,有白色氣來助,主勝。一名“玉兔入林”。六丙到干名為“天成天權”,凶。有白雲氣從西北或西方來助,主勝。天英加六宮,在夏秋月有赤色雲氣來助,客勝。一名“光明不全”。六丁到干名為“火到天門”,吉。丙丁巳午日有赤色雲氣從正南方來助,客勝。一名“玉女游天門”,又名“火照天門”。
六乙が乾宮に到るを、喚んで「玉兔入天門」と曰い、吉なり。もし天冲・天輔の二星が六宮に加臨し、また季夏あるいは秋月、あるいは庚・辛・酉・申等の日に、白色の氣の來たりて相助くる有れば、主方勝を取る。この格また名づけて「玉兔入林」と曰う。六丙が乾宮に到るを、喚んで「天成天權」と曰い、凶なり。もし白色の雲氣が西北方あるいは正西方より來たりて助けば、主方勝を取る。もし天英星が六宮に加臨し、夏秋の月に於て赤色の雲氣の來たりて助くる有れば、則ち客方勝を取る。この格また名づけて「光明不全」と曰う。六丁が乾宮に到るを、喚んで「火到天門」と曰い、吉なり。丙・丁・巳・午等の日に於て赤色の雲氣が正南方より來たりて助けば、客方勝を取る。この格また名づけて「玉女游天門」と曰い、も喚んで「火照天門」と曰う。
六乙到坎名為“玉兔投泉”,吉。天英加一宮在秋冬月或壬癸亥子日,有黑色雲氣從正北方來助,主勝。一名“玉兔飲泉”。六丙到坎名為“丙火燒壬”,吉,主勝。天任、天禽、天芮加一宮在四季月或辰戌丑未日,一名“火投水池”。六丁到坎名曰“朱雀投江”,中吉。有黃色雲氣從東北或西南方來助,客勝。
六乙が坎宮に到るを、喚んで「玉兔投泉」と曰い、吉なり。もし天英星が一宮に加臨し、秋冬の月あるいは壬・癸・亥・子等の日に、黑色の雲氣が正北方より來たりて助けば、主方勝を取る。この格また名づけて「玉兔飮泉」と曰う。六丙が坎宮に到るを、喚んで「丙火燒壬」と曰い、吉にして主方勝を取る。もし天任・天禽・天芮が一宮に加臨し、四季の月あるいは辰・戌・丑・未等の日に於ては、この格また名づけて「火投水池」と曰う。六丁が坎宮に到るを、喚んで「朱雀投江」と曰い、中等の吉利なり。黃色の雲氣の東北あるいは西南方より來たりて助くる有れば、客方勝を取る。
六乙到艮名為“玉兔步貴”,吉。天蓬臨八宮,在四季月或戊己辰戌丑未日,有黃色雲氣來助,主勝。六丙到艮名為“鳳入丹山”,吉。有黃色雲氣從東北或西南方來助,主勝。天輔、天沖加八宮在冬春月。六丁到艮名為“玉女乘雲”,吉。甲乙寅卯日有青色雲氣從正東或東南方來助,客勝。一名“玉女游鬼門”。
六乙が艮宮に到るを、喚んで「玉兔步貴」と曰い、吉なり。もし天蓬星が八宮に臨み、四季の月あるいは戊・己・辰・戌・丑・未等の日に、黃色の雲氣の來たりて助くる有れば、主方勝を取る。六丙が艮宮に到るを、喚んで「鳳入丹山」と曰い、吉なり。黃色の雲氣の東北あるいは西南方より來たりて助くる有れば、主方勝を取る。この時天輔・天冲が八宮に加臨し、多く冬春の月に在る。六丁が艮宮に到るを、喚んで「玉女乘雲」と曰い、吉なり。甲・乙・寅・卯等の日に於て青色の雲氣が正東あるいは東南方より來たりて助けば、客方勝を取る。この格また名づけて「玉女游鬼門」と曰う。
六乙到震名為“日出扶桑”,吉。天任、天禽、天芮臨三宮,在冬夏月或甲乙寅卯日,有青雲來助,主勝。即貴人升乙卯正殿。六丙到震名為“月入雷門”,吉。有雲氣從正東或東南方來助,主勝。天柱、天任加三宮,在季秋月天柱疑誤。六丁到震名曰“最明”,吉。庚辛申酉日有白雲氣從正西或西北方來助,客勝。
六乙が震宮に到るを、喚んで「日出扶桑」と曰い、吉なり。もし天任・天禽・天芮が三宮に臨み、冬夏の月あるいは甲・乙・寅・卯等の日に、青雲の來たりて助くる有れば、主方勝を取る。これは即ち前に説きたる貴人の「乙卯正殿」に升坐するなり。六丙が震宮に到るを、喚んで「月入雷門」と曰い、吉なり。雲氣の正東あるいは東南方より來たりて助くる有れば、主方勝を取る。天柱・天任が三宮に加臨し、季秋の月に在る(底本此處に「天柱」の二字は疑わしく訛誤あらんと注明す)。六丁が震宮に到るを、喚んで「最明」と曰い、吉なり。庚・辛・申・酉等の日に於て白色の雲氣が正西あるいは西北方より來たりて助けば、客方勝を取る。
六乙到巽名曰“玉兔乘風”,吉。天任、天禽、天芮臨四宮,在冬春月或甲乙寅卯日,有青色雲氣來助,主勝。六丙到巽名曰“火行風起”,又為“龍神助威”吉。東南方神旺,主勝。天心、天柱加四宮在季夏秋月。六丁到巽名曰“美女留神”吉。或庚辛申酉日,有白色雲氣從正西或西北方來助,客勝。
六乙が巽宮に到るを、喚んで「玉兔乘風」と曰い、吉なり。もし天任・天禽・天芮が四宮に臨み、冬春の月あるいは甲・乙・寅・卯等の日に、青色の雲氣の來たりて助くる有れば、主方勝を取る。六丙が巽宮に到るを、喚んで「火行風起」と曰い、も喚んで「龍神助威」と曰い、吉なり。東南方の神氣正しく旺なり、主方勝を取る。この時天心・天柱が四宮に加臨し、多く季夏と秋月に在る。六丁が巽宮に到るを、喚んで「美女留神」と曰い、吉なり。もし庚・辛・申・酉等の日に於て、白色の雲氣の正西あるいは西北方より來たりて助くる有れば、客方勝を取る。
六乙到離名曰“玉兔當陽”,吉。天柱、天心加九宮,在春夏月或丙丁巳午日,有赤色雲氣來助,主勝。六丙到離名曰“月照端門”,吉。有雲氣從正南方來助,主勝。天蓬加九宮,在秋月或壬癸日,即貴人升丙午正殿。六丁到離名曰“乘龍萬里”。壬癸亥子日,有黑色雲從正北方來助,客勝。
六乙が離宮に到るを、喚んで「玉兔當陽」と曰い、吉なり。もし天柱・天心が九宮に加臨し、春夏の月あるいは丙・丁・巳・午等の日に、赤色の雲氣の來たりて助くる有れば、主方勝を取る。六丙が離宮に到るを、喚んで「月照端門」と曰い、吉なり。雲氣の正南方より來たりて助くる有れば、主方勝を取る。天蓬が九宮に加臨し、秋月あるいは壬・癸日に於ては、これは即ち貴人の「丙午正殿」に升坐するなり。六丁が離宮に到るを、喚んで「乘龍萬里」と曰う。壬・癸・亥・子等の日に於て、黑色の雲の正北方より來たりて助くる有れば、客方勝を取る。
六乙到坤名曰“玉兔入坤”,中吉。天蓬臨二宮在四季月或戊己辰戌丑未日,有黃色雲氣從北方來助,主勝。一名“玉兔暗日”。六丙到坤名曰“子居母舍”,吉。雲氣從西南方來助,主勝。天輔、天沖加二宮,在冬春月或甲日吉。六丁到坤名為“玉女游地”,吉。甲乙寅卯日有青色雲氣從正東或東南來助,客勝,大吉。一名“玉女游地戶”,吉。
六乙が坤宮に到るを、喚んで「玉兔入坤」と曰い、中等の吉利なり。もし天蓬星が二宮に臨み、四季の月あるいは戊・己・辰・戌・丑・未等の日に、黃色の雲氣が北方より來たりて助けば、主方勝を取る。この格また名づけて「玉兔暗日」と曰う。六丙が坤宮に到るを、喚んで「子居母舍」と曰い、吉なり。雲氣の西南方より來たりて助くる有れば、主方勝を取る。天輔・天冲が二宮に加臨し、冬春の月あるいは甲日に於ては則ち吉なり。六丁が坤宮に到るを、喚んで「玉女游地」と曰い、吉なり。甲・乙・寅・卯等の日に於て青色の雲氣が正東あるいは東南方より來たりて助けば、客方勝を取り、大吉なり。この格また名づけて「玉女游地戶」と曰い、吉なり。
六乙到兌名為“玉女受制”,平平。天沖、天輔加七宮,在季夏、秋月或庚辛申酉日,有白色雲氣來助,主勝。一名“白兔游宮”,吉。六丙到兌名曰“鳳凰折翅”,凶。白雲氣從正西或西北方來助,主勝。天英加七宮在春夏月及丙日,客勝。六丁到兌,平平。丙丁巳午日,有赤雲氣從南方來助,客勝。一云:丁見兌為天乙貴人,即為貴升於丁酉正殿,大吉。
六乙が兌宮に到るを、喚んで「玉女受制」と曰い、平平なり。もし天冲・天輔が七宮に加臨し、季夏・秋月あるいは庚・辛・申・酉等の日に、白色の雲氣の來たりて助くる有れば、主方勝を取る。この格また名づけて「白兔游宮」と曰い、吉なり。六丙が兌宮に到るを、喚んで「鳳凰折翅」と曰い、凶なり。白色の雲氣の正西あるいは西北方より來たりて助くる有れば、主方勝を取る。天英が七宮に加臨し、春夏の月および丙日に於ては、則ち客方勝を取る。六丁が兌宮に到るは、平平なり。丙・丁・巳・午等の日に於て、赤色の雲氣の南方より來たりて助くる有れば、客方勝を取る。もう一説は、丁が兌宮を見れば就中天乙貴人の在る所にして、即ち貴人の「丁酉正殿」に升坐するにして、大吉なり。
遁甲利主(先に至る者を主と為し、後に至る者を客と為す)
天英加坎宮,利為主,加在秋冬月及壬、癸、亥、子日,有黑色雲從正北方來助,主大勝。天任、天禽、天芮加震、巽,利為主。如在春、夏之月,甲、乙、寅、卯日,青色雲氣從東南方及正東方來助,主大勝。天蓬加坤、艮,利為主。如在四季月及戊、己、辰、戌、丑、未日,有黃色雲氣從東北或西南方來助,主大勝。
ここに所謂る主客は、先に到る者を主と為し後に到る者を客と為す。天英星が坎宮に加臨すれば、主方と為すに利あり。もしまた秋冬の月および壬・癸・亥・子等の日に、黑色の雲氣が正北方より來たりて相助けば、主方大いに勝つ。天任・天禽・天芮が震宮・巽宮に加臨すれば、主方と為すに利あり。もしまた春夏の月・甲・乙・寅・卯等の日に、青色の雲氣が東南方および正東方より來たりて助けば、主方大いに勝つ。天蓬星が坤宮・艮宮に加臨すれば、主方と為すに利あり。もしまた四季の月および戊・己・辰・戌・丑・未等の日に、黃色の雲氣が東北あるいは西南方より來たりて助けば、主方大いに勝つ。この幾條の共同の道理は天盤の星が地盤の宮に制せられ、先にその地に據る者が利を得るにして、故に守るに宜しく攻むるに宜しからず。
遁甲利客
天蓬加九宮利為客,如在秋冬之月,壬、癸、亥、子日,有黑色雲氣自北方來助,客勝。天心、天柱加三、四宮利為客。如在三秋四季月,庚、辛、申、酉日,有白色雲氣從西方來助,客大勝。天任、天禽、天芮加一宮,利為客。如在四季月,戊、己、辰、戌、丑、未日,有黃色雲氣從西南或正南方來助者,客大勝。
天蓬星が九宮に加臨すれば、客方と為すに利あり。もしまた秋冬の月・壬・癸・亥・子等の日に、黑色の雲氣が北方より來たりて助けば、客方勝を取る。天心・天柱が三宮・四宮に加臨すれば、客方と為すに利あり。もしまた三秋と四季の月・庚・辛・申・酉等の日に、白色の雲氣が西方より來たりて助けば、客方大いに勝つ。天任・天禽・天芮が一宮に加臨すれば、客方と為すに利あり。もしまた四季の月・戊・己・辰・戌・丑・未等の日に、黃色の雲氣が西南あるいは正南方より來たりて助けば、客方大いに勝つ。
天輔、天沖加二、八宮利為客。如在冬、春月,甲、乙、寅、卯日,有青色雲氣自東方或東南方來助,客大勝。天英加六、七宮,利為客。如在春、夏月,丙、丁、巳、午日,有赤色雲氣從南方來助,客大勝。
天輔・天冲が二宮・八宮に加臨すれば、客方と為すに利あり。もしまた冬春の月・甲・乙・寅・卯等の日に、青色の雲氣が東方あるいは東南方より來たりて助けば、客方大いに勝つ。天英星が六宮・七宮に加臨すれば、客方と為すに利あり。もしまた春夏の月・丙・丁・巳・午等の日に、赤色の雲氣が南方より來たりて助けば、客方大いに勝つ。この幾條の共同の道理は天盤の星が地盤の宮を剋し、後に動く者が反って先に據る者を制服し得るにして、故に攻むるに宜しく守るに宜しからず。さらに雲氣の顔色と來向とをもって験せば、勝負は便ち預め知るべし。
九星値時尅應
(論用時者,以九星管事為主)。天蓬星值子時:值子入宅凶,赴任、安營、鬥訟,生雞犬吠鳥鬧林,北方鵬爭缺唇人,六十日內雞生卵,退財時至訟必勝。天芮星值子時:值子身旺興,作用之時主走禽驚,坤方火光二人應,嫁娶豬犬傷人訟,六十日內女自縊,秋冬進財羽音珍。天沖星值子時:值子有風雨、禽噪、鐘鳴,造葬後六十日內怪物入,週年田產數倍收,更防新婦產後死,虎狼口內可得財。
以下は時辰をもって取用するの法を講じ、皆當時の事に値する九星の事を管くるを主として以て吉凶を斷ず。天蓬星が子時に値す。この時宅を新たに遷るは凶なり。凡そ任に赴き・營を安んじ・爭訟の類は、外應は雞鳴・犬吠・群鳥の林に鬧し、北方に大鳥の爭鬥し・口の豁けたる人の出現する有り。六十日の內に母雞が卵を生み、財を破すと雖も、但し時に到りて官司を打てば必ず勝つ。天芮星が子時に値す。この時星氣は身を旺して興り、動用の際は走獸・飛禽の驚を受くるを主り、坤方に火光あり・兩人の來應する有り。嫁娶すれば則ち猪狗の人を傷て訴訟を招致し、六十日の內に婦女の自縊する有り、秋冬の兩季は財を進め、羽音の人の珍寶を得。天冲星が子時に値す。この時風雨あり・禽鳥聒噪し・鐘聲の鳴響するを應と為す。營造・安葬の後六十日の內に怪物の宅に入る有り、一年を滿てば田産の收成は加倍す、但し新婦の産後に身亡するを提防するを要し、虎狼の口より反って財を得べし。
天輔星值子時:值子若反吟,天中有物夜中鳴,西方紅白人叫應,造葬後來六十日,得進商音人產物,野猿入屋甑鳴時,加官進祿生貴子,若得門奇併到來,十二年中大旺矣。天禽星值子時:值子孕婦至、紫衣人來,造葬後六十日雞犬銜花,儒人饋物武得官,田土財榖進益旺,二十年後人千丁。天心星值子時:值子人爭鬪,西北鼓聲鬧喧喧,用後百日赤人媒,商人古器畫仙家,生白雞,十二年田蠶大旺,諸公連連。
天輔星が子時に値す。この時もし反吟の局に遇えば、天上にもの有りて夜裏に鳴響し、西方に紅白衣を穿る人の呼叫して來應する有り。營造・安葬の後六十日、商音の人の田産・財物を得べく、また野猿の屋に入り・甑釜自ら鳴るの怪象あり、官を加え祿を進め・貴子を生むを主る。もしさらに吉門と三奇と一同に位に到れば、十二年の間家業大いに旺す。天禽星が子時に値す。この時孕婦の經過する有り・紫衣を穿る人の到來す。營造・安葬の後六十日の內に雞犬が花を銜み、讀書人は禮物を送り・習武の人は官職を得、田地・財谷は日に日益に興旺し、二十年の後人丁は上千ならん。天心星が子時に値す。この時人の爭鬥する有り、西北方の鼓聲喧鬧す。用事の後一百日に紅臉の人の來たりて媒を為す有り、商人は古器と仙家の圖畫を送り、家中に白雞を生じ、十二年の間田蠶大いに旺し、公卿の貴接連して來たらん。
天柱星值子時:值子起大風,火從東至缺唇人,用後六十日內事,蛇犬傷人逢刀刃,殺人血光財破散,幼女遭殃必定臨。天任星值子時:值子東風雨,水畔鷄鳴為應驗,巽方人來持刀鎗,造葬百日新婦離,三牙須人木姓至,由賴退產男女淫。天英星值子時:值子干鑼聲,三五人持火把焚,斧鉞伐木缺唇人,用後破家三年中,血光自刎傷人物,小兒至湯火坑中。
天柱星が子時に値す。この時大風を刮起し、火光は東方より來り、口の豁けたる人の出現する有り。用事の後六十日の內に、蛇犬の人を傷て刀刃の禍に遭遇し、人を殺して血を見・錢財破散し、年幼の女孩は必ず殃に遭わん。天任星が子時に値す。この時東風に雨を夾み、水邊の雞鳴するを應驗と為す。巽方に人の手に刀槍を持して來る有り、營造・安葬の後一百日に新婦は家を離れ、三縷の鬚鬚を長えたる人と木姓の人と到來し、人に拖累せらるに因りて家産を退失し、男女淫亂す。天英星が子時に値す。この時乾方に鑼聲を傳ふ、三五個の人が火把を手持して焚燒し、人の斧鉞をもって樹木を砍伐する有り、また口の豁けたる人の出現する有り。用事の後三年の內に家は破れ、血光を見・人の自刎する有り併せて人物を傷て、小兒は沸湯・火坑の中に跌入せん。
天蓬星值丑時:值丑雷電生,樹倒傷人被風雨,七日鷄生鵝子卵,犬至屋上小口傾,三年後有白頭牙,商進屋旺十年退。天芮星值丑時:值丑作用時,乾地金鼓聲至此,造葬後七日龜出林,六十日內盜賊起,退財口舌官訟至,大姑屢次索奩禮。天沖星值丑時:值丑雲霧昏,小兒成隊來上門,婦人執木至為應,烏貓白子拾古鏡,週年僧道進田契,發財生得貴子聰。
天蓬星が丑時に値す。この時雷電大作し、樹は風雨に吹倒せられて人を傷る。七日の內に母雞が鵝蛋の如き大卵を生み、狗は屋頂に跳上り、家中の小口は夭折す。三年の後白頭髮の牙人の門に上り、商音の人が屋に進み、家道興旺し十年の後衰に轉ず。天芮星が丑時に値す。この時動用すれば、乾方に金鼓の聲を傳ふ。營造・安葬の後七日に烏龜の林より出づる有り、六十日の內に盜賊興起し、破財・口舌・官司接連して至り、大姑屢に屢門に上りて嫁粧・聘禮を索要す。天冲星が丑時に値す。この時雲霧昏暗し、小兒隊を成して門に上り、婦人の木器を手持して到來するを應と為す。黑猫が白崽を生み、家中に古鏡を拾得す。一年を滿てば僧道は田契を送來し、財を發し併せて聰慧の貴子を生まん。
天輔星值丑時:值丑東方犬吠,有人持刀來戰對,用後白兔野鷄入,六十日內僧道饋,羽音巽來信契歸,週年添丁加官品。天禽星值丑時:值丑孝婦來,手持錫器為葬埋,小兒吹笛笑拍手,鼓鬧後進賭博財,獲得寶誥年後拾,得賊財富旺皆來。天心星值丑時:值丑作用時,南方火光跛足人,五日內有貓成雙,四十日內遠物至,商音進書並財帛,官中更出有壽人。
天輔星が丑時に値す。この時東方に狗の吠ゆる有り、人の刀を持して來りて對陣する有り。用事の後白兔・野雞の宅に入る有り、六十日の內に僧道は禮物を饋贈し、羽音の人は巽方より書信・契約を帶來し、一年を滿てば家中に丁を添え・官階升遷す。天禽星が丑時に値す。この時孝を戴る婦人の到來し、錫器を手持して喪葬を辦理す。小兒は笛を吹き・笑いて手を拍ち、鼓聲喧鬧の後に賭博の財を進得す。また封贈の寶誥を獲得し、一年の後さらに拾遺の得あり、盜賊の遺したる錢財をも一倂に進入し、家道富旺す。天心星が丑時に値す。この時動用すれば、南方に火光あり・跛脚の人あり。五日の內に成雙の猫あり、四十日の內に遠方の物の送到し、商音の人は書信と財帛を送來し、官府の中さらに長壽の人を出現せん。
天柱星值丑時:值丑匠北來,手攜斧斤樹上材,生得金花為後應,造葬六十日進財,羽音金器三年後,火光如洗人弄蛇。天任星值丑時:值丑婦青衣,攜酒必然有跛聲,半載後進無名財,週年鸚鵡入屋來,口舌得財三年後,貓狗相咬主請舉。天英星值丑時:值丑東北來,師巫鳴鑼至此寨,用後一月火燒屋,週年有大作人言,百怪起時可移鎮,不然定是死亡連。
天柱星が丑時に値す。この時工匠の北方より來る有り、手裏に斧頭を帶して往きて樹上の木材を砍す。家中に金花を開きて後應と為し、營造・安葬の後六十日に財を進む。三年の後羽音の人の金器を得、また火光ありて房屋を燒きて乾淨ならしめ、還た人の蛇を耍する有り。天任星が丑時に値す。この時青衣を穿る婦人の酒を帶して來る有り、必定に跛行の脚步聲を伴ふ。半年の後一筆の來路明ならざる財を得、一年を滿てば鸚鵡の屋中に飛入り、口舌・是非に因りて反って財を得。三年の後猫狗相咬き、家中に人の擧薦せらるるあるを主る。天英星が丑時に値す。この時應兆は東北より來り、師巫は鑼を敲きて營寨に來る。用事の後一個月の內に火を失して屋を燒き、一年を滿てば大いに土木を興し・人の議論を招くの事あり。百般の怪異興起する時は應當に移居して鎭壓し、さもなくば必定に接連して人を死せん。
天蓬星值寅時:值寅作用時,青衣童子持花枝,北方僧人包頭巾,女人穿著衫裙臨,賊劫蛇咬馬傷人,三年田地財旺臨。天芮星值寅時:值寅瘦孕婦至,蓑衣臨門樂器音,奇門旺相六十日,水牛入屋進血財,加官進祿子孫,宿臨時干在刻栽。天沖星值寅時:值寅貴乘轎,童執金銀器物到,二十日進角音契,羽音作牙畜玩入,六十母鷄啼主死,陰干人福發財凶。
天蓬星が寅時に値す。この時動用すれば、青衣を穿る童子の花枝を手持する有り。北方より頭巾を包む僧人來り、女人の衫裙を穿著して到來する有り。盜賊の搶劫し・蛇の人を咬み・馬の人を踢て傷るに遇上し、三年の後田地・財物興旺せん。天芮星が寅時に値す。この時瘦弱の孕婦の到來し、蓑衣を穿る人の門前に到り、併せて樂器の聲あり。もし奇門正しく旺相の氣に處せば、六十日の內に水牛の宅に入り、血財を進得し、併せて官を加え祿を進め・子多く孫多し。これらは皆星宿の臨む所の時干を看て、時刻の上に於て細かに推定を加ふるを要す。天冲星が寅時に値す。この時貴人の轎に乘りて過ぐ有り、童子の金銀の器物を拿着して到來す。二十日の內に角音の人の契約を得、羽音の人は中人を為して牲畜・玩物を送來す。六十日の內に母雞の鳴を打てば人の死亡あるを主り、陰干の人は福氣ありと雖も、卻て是れ發財して凶を帶ぶ。
天輔星值寅時:值寅見公吏,執鐵藝攜物至,六十日內貓咬鷄,有賊送財報恩義,赤面作牙,羽音,十二年發生貴子。天禽星值寅時:值寅玉犬吠金鷄亂鳴,人帶笠,用後六十日便喜,宮商進契添人丁,田蠶大旺享富貴,宿旺立時有應情。天心星值寅時:值寅白鷺到,金鼓四鳴水鏡曉,女穿黃赤攜籃過,小口火焰六十交,百日窖金商羽物,三年妻生貴得財。
天輔星が寅時に値す。この時公門の吏役を見、身に鐵藝を懷く匠人の器物を帶して到來する有り。六十日の內に猫が雞を咬き、盜賊ありて反って財を送りて恩に報ゆ。紅臉の人は中人に充當し、羽音の人は相助し、十二年の間貴子を生出せん。天禽星が寅時に値す。この時白狗吠叫し・金雞亂鳴し、人の頭に斗笠を戴く有り。用事の後六十日に便ち喜事あり、宮音・商音の人は契約を送來し・家中に丁を添え、田蠶大いに旺して富貴を享受す。もし星宿正しく旺氣に當れば、立時に便ち應驗あらん。天心星が寅時に値す。この時白鷺飛到し、金鼓四面に鳴響し、水面は鏡の如く天色は曉を破る。女子の黃赤衣を穿き籃を提げて走り過ぐ有り。六十日の交界に到りて家中の小口は火厄に遭う。一百日の內に窖藏の金子を挖出し、また商音・羽音の人の財物を得。三年の後妻子は子を生じて貴を得財を得ん。
天柱星值寅時:值寅北喧鬧,僧道持蓋雷雨到,喜得鐘鼓鳴以後,六十日內賊牽連,爭訟破財事已可,女人墮胎產中亡。天任星值寅時:值寅女家隊火把前行,童子拍手,轎馬西北來,葬後六十日內甑鳴,墜婦死,百日進畜財田旺,缺唇人爭婚敗。天英星值寅時:值寅東方軍馬,捕獵網魚手執至,用後女人拾得財,六十日內有暗喜,寡婦送到田地契,百日雷打屋即敗。
天柱星が寅時に値す。この時北方喧鬧し、僧道は傘蓋を撐持して來り、雷雨之に隨いて至る。先に鐘鼓の鳴響する喜兆あり、その後六十日の內に卻て盜賊に牽連せられ、爭訟・破財し、事情はただ此に到りて止まるのみ。また女人の胎を墮とし・生産の中に死する有り。天任星が寅時に値す。この時女家の隊伍は火把を打ちて前面を走り、童子は手を拍ち、轎馬は西北方より來る。安葬の後六十日の內に甑釜自ら鳴り、婦人は地に墜ちて亡す。一百日の內に六畜・財物を進得し・田産興旺す。口の豁けたる人の來たりて婚を爭うも失敗す。天英星が寅時に値す。この時東方に軍馬の經過し、人の手に漁網・獵具を執して來る有り。用事の後女人は錢財を拾到し、六十日の內に暗中の喜事あり、寡婦は田地の契約を送來す。一百日の內に雷は屋宇を擊ち、家道は隨いて敗落せん。
天蓬星值卯時:值卯黃雲起,婦人烹飪把火至,七日角音相邀請,半月徵音送財禮,六十女人進寶物,百日窖中多見喜。天芮星值卯時:值卯婦人穿紅送財物,貴人馬至犬爭吠,水牛作聲這葬後,六十日進東絕屋,二年婦胎墮血死。天沖星值卯時:值卯婦人穿紅送財物,貴人馬至犬爭吠,水牛作聲這葬後,六十日進東絕屋,二年婦胎墮血死。
天蓬星が卯時に値す。この時黃雲昇起し、婦人の火を生じて飯を做する有り。七日の內に角音の人の相邀い、半月の內に徵音の人は財禮を送來し、六十日の內に女人の寶物を送來する有り、一百日の內に地窖の中より財を得、多く喜事あり。天芮星が卯時に値す。この時婦人の紅衣を穿り財物を送來する有り、貴人は馬に騎して到來し・群犬爭吠し、水牛は叫聲を發す。安葬の後六十日の內に東邊の絕戶の房屋を得、兩年の後婦人は胎を墮とし・血を下して亡す。天冲星が卯時に値す。應ずる所は天芮の卯時に値するに完全相同、亦是れ婦人の紅を穿りて財物を送り・貴人の馬に乘りて至り・群犬の爭吠し・水牛の聲を作す。安葬の後六十日の內に東邊の絕戶の屋を得、兩年の後婦人は胎を墮とし・血を下して亡す(底本この二條の文字全く同じく、分別を加えず)。
天輔星值卯時:值卯女執傘,又有師巫吹角聲,用後六十添人丁,必有生氣(一作怪氣)大門庭,室女私通得財穀,進田納契有寶珍。天禽星值卯時:值卯東風起,群鶴四叫分憂喜,懷孕婦人從此過,半年貓犬自來,拾得園內寶窖來,百事逢之皆有理。天心星值卯時:值卯作用時,跛腳婦人相打期,犬吠鼓譟比東轎,用後七日發旺財,三年有牛來大旺,因軍得物人來請。
天輔星が卯時に値す。この時女子の傘を撐ぐ有り、また師巫の號角を吹響する有り。用事の後六十日に家中に丁を添え、門庭は必ず生氣あり(一に「怪氣」と作す)。未だ嫁せざる女子は人と私通して財谷を得、また田を置き契を納れ・珍寶を得ん。天禽星が卯時に値す。この時東風吹起し、群鶴は四面に鳴叫し、憂喜參半す。懐孕の婦人此より經過し、半年の內に猫狗は自ら門に上る。園中に於て窖藏の寶物を拾得し、百事この時に遇えば皆條理の循ふ可き有り。天心星が卯時に値す。この時動用すれば、跛脚の婦人の相約して鬬毆する有り、犬吠・鼓噪し・東邊に轎子の經過する有り。用事の後七日に大いに錢財を發し、三年の內に牛の家に入る有り・家道大いに旺し、軍中の事に因りて財物を得併せて人に邀請せられん。
天柱星值卯時:值卯有瘦婦,持刃至此防賊欺,僧道持蓋女人罵,六十日有火起時,雞母晝鳴犬上屋,週歲疫病死絕氣。天任星值卯時:值卯喜鵲噪,老人持杖至此道,七日人進古器物,六十日內六畜寶,女人獲財真是發,加官進祿百日好。天英星值卯時:值卯馬東來,捕捉賊人至此栽,網魚之五前邊過,女人行路因得財,六十日進寡婦物,百日雷火屋上襄。
天柱星が卯時に値す。この時瘦弱の婦人の刀刃を手持して到來する有り、須く盜賊の欺凌を防ぐべし。僧道は傘蓋を撐持して經過し、女人の辱罵する有り。六十日の內に火を起こさん、母雞は白天に鳴を打ち・狗は屋頂に爬上り、一歲を滿てば瘟疫流行し・人口を死絕せん。天任星が卯時に値す。この時喜鵲聒噪し、老人は杖を拄りて路上に來る。七日の內に人の古器物を送來する有り、六十日の內に六畜は家中の寶と成る。女人は錢財を獲得し、眞に是れ發達の兆にして、一百日の內に官を加え祿を進め、樣樣皆好し。天英星が卯時に値す。この時馬の東方より來る有り、盜賊を捕捉する人は此に到りて網に落つ。網を張りて魚を捕る人は前邊より經過し、女人は路上に於て因りて財を得。六十日の內に寡婦の財物を得、一百日の內に雷火は屋の上に擊つ。
巻十八
天蓬、天芮星值辰時:東北樹倒打人迷,鼓響女穿紅衣至,鳥鵲遠遶賊劫財,六十日有風人到,後生貴子大發財。天沖星值辰時:鯉魚上樹,白虎出山,僧道成群,用後拾得金銀物,家中大發百事成,七旬因主折傷災,一女一男退回靈。天輔星值辰時:羊犬相撞,賣油人遇賣菓米,白衣童子哭家去,孕婦至此問產期,造後大發財榖旺,一年雙生貴孫兒。
天蓬星・天芮星が辰時に値す。この時東北方に樹の倒れて行人を打傷して昏迷せしむる有り、鼓聲響起し・紅衣を穿る女子の到來す。鳥鵲は遠處に盤旋し、盜賊の財を劫する有り。六十日の內に中風の人の到來し、此後貴子を生じ・大いに錢財を發せん。天冲星が辰時に値す。この時鯉魚の樹に上り・白虎の山を出で・僧道の成群するのこれら異象あり。用事の後金銀の器物を拾得し、家中大いに發して・百事皆成る。七十日の內に家主の故をもって折傷の災あり、一女・一男夭亡して幽冥に返歸せん。天輔星が辰時に値す。この時羊と狗と相撞き、油を賣る人は果米を賣る人に遇上す。白衣を穿る童子は哭いて家に歸り、孕婦は此に到りて産期を詢問す。營造の後大いに錢財を發し・五谷豐旺し、一年の內に雙胞胎の貴孫を生まん。
天禽星值辰時:師巫爭,東方鷗鵲鳴為應,雀鶴必定喜臨屋,造葬七九之日內,自有道士僧人來,並及絕戶產物至。天心星值辰時:干雲起,青衣人手攜魚至,女人同行及僧道,六十井中氣如云,出來三日生貴子,及第聯登甚有意。天柱星值辰時:人扛樹,男子持鼓有引婦,老人攜鋤(一作攜鍋)後六十,烏貓白子鷄雙生,北方人進寡婦財,紅面人說羽音物。
天禽星が辰時に値す。この時師巫の爭執する有り、東方の鷗鳥・喜鵲の鳴叫するを應と為す。雀鳥・仙鶴は必定に喜氣を帶して屋頂に飛臨せん。營造・安葬の後七日・九日の內に、自ら道士・僧人の前來する有り、併せて絕戸人家の産業・財物の送到する有り。天心星が辰時に値す。この時乾方に雲起き、青衣を穿る人の手裏に魚を提げて到來し、女人の僧道と同行する有り。六十日の內に井中に雲の如き水氣を冒出し、この氣の出づる三日に便ち貴子を生じ、接連して科擧に及第し、甚だ意に稱う。天柱星が辰時に値す。この時人の樹木を扛ぐ有り、男子は鼓を敲き併せて婦人を領し、老人は鋤頭を拿る(一に「鍋を拿る」と作す)。六十日の後、黑猫は白崽を産み・母雞は一窩に雙生し、北方より來る人は寡婦の財物を送進し、紅臉の人は羽音の人の物件を談起す。
天任星值辰時:老人臨,弟兄相會小不留,禽噪犬吠黃衣過,古器男子獲的真,開店人家童手拍,六十日內家畜訟。天英星值辰時:干來雨,鷄飛上樹是赤尾,女人穿紅攜籃錯,用後七日怪氣寓,六十日內進血財,火光臨處誠有起。
天任星が辰時に値す。この時老人の到來し、兄弟相聚して年幼の者は久留する能わず。禽鳥聒噪し・犬吠止まず、黃衣を穿る人の經過する有り。男子の獲得したる古器は確かに是れ眞品にして、店を開く人家の童僕は手を拍ちて樂と為す。六十日の內に家中は牲畜に因りて爭訟を起こさん。天英星が辰時に値す。この時乾方に雨を降り、雞は樹に飛上り、是れ紅尾の雞なり。女人は紅衣を穿り籃を提げて過ぐも、卻て物を拿り錯る。用事の後七日に怪氣の家中に寄寓する有り、六十日の內に血財を進得し、火光の臨む所は確かに火を起こさん。
天蓬星值巳時:見老人,女人執酒宴忘雄,口舌皆因水上起,百日得火有黃金,週年武職加官祿,豬過必然見蛇形。天芮星值巳時:孕婦至,妓巫為樂著黃衣,烏鵝成群北來過,六十日內見寡婦,貓兒咬雞真堪怪,牛入草房方可異。天沖星值巳時:牛爭鬪,羊亂行時女相併,南方禽喧因坤程,六十日內蛇咬雞,牛入屋中女送契,田財發生花兒(一作犬生花子)。
天蓬星が巳時に値す。この時老人を見、女子の酒を擺し宴を設けて丈夫を忘る有り。口舌・是非は皆水邊の事に由りて起こる。一百日の內に火に因りて黃金を得、一年を滿てば習武の人は官を加え祿を進む。猪の經過する時は必定にまた蛇形を見ん。天芮星が巳時に値す。この時孕婦の到來し、歌妓・巫者は樂を作り、身に黃衣を穿す。烏鴉・大雁は群を成して北方より飛過す。六十日の內に寡婦を見、猫が雞を咬くは眞に是れ怪事にして、牛の草房に闖入するはさらに是れ異兆なり。天冲星が巳時に値す。この時牛は相爭鬥し、羊は亂跑する時に女子の並行する有り。南方の禽鳥の喧鬧するは因るに坤方の路を走るに在り。六十日の內に蛇が雞を咬き、牛は屋中に進みて女子の契約を送來する有り、田産・財物は生發し、家中に花色の小兒を生ず(一に「狗が花斑の幼崽を生ず」と作す)。
天輔星值巳時:人相打,女人抱布有風起,小兒嘆叫爭家冷,六十日內進震財,鬼神運糧大發達,竹木器物盡置來。天禽星值巳時:雞鳴至(一作鴨成隊),師巫術人相打罵,貴人騎馬慌忙過,七十日中婦打魔,合生貴子成家業,三年田蠶發苗禾。天心星值巳時:女穿青,抱得小兒龜上樹,紫衣騎馬半月後,四方進的畜財屬,跛人作牙商音產,三年寡婦成空服。
天輔星が巳時に値す。この時人の互相毆打する有り、女人は布匹を抱きて風を起こす。小兒は歎息・哭叫し・家産を爭いて致して家道冷落せん。六十日の內に東方の震宮方向の財を進得し、鬼神の糧を運るが如く大いに發し、竹木の器物は統統に置辦して進入せん。天禽星が巳時に値す。この時雞鳴あり(一に「鴨子の隊を成して來る」と作す)、師巫・術士は互相打罵し、貴人は馬に騎して匆忙に經過す。七十日の中に婦人の邪魔を驅打する有り。この時は貴子を生じ・家業を成就するに宜しく、三年の內に田蠶興旺し・禾苗茂發せん。天心星が巳時に値す。この時女子の青衣を穿り、小兒を抱き、また烏龜の樹に爬るを見る。半個月の後に紫衣を穿る人の馬に騎して來る有り、四方は牲畜・財物を送進す。跛脚の人は中人に充當し、商音の人の産業を得。三年の後寡婦は空を守り・喪服は門に臨まん。
天柱星值巳時:黑牛過,鐘鳴豬走入山林,二十日進商音物,六十日女下水池,週年貓捕白鼠至,大發富貴何待時。天任星值巳時:兩犬爭,野人負薪至此程,吏役持蓋童子拍,六十日獲公門財,南方人送鯉魚至,異路顯達貴子排。天英星值巳時:婦穿紅,婚姻事體口舌起,花馬過後六十日,拾得獵財血光榮,徵音人進文書至,信炮一聲滿天烘。
天柱星が巳時に値す。この時黑牛の經過する有り、鐘聲響起し・猪は山林に跑入す。二十日の內に商音の人の財物を進得し、六十日の內に女子の水池に落入する有り。一年を滿てば猫の白鼠を捉えて來る有り、大いに富貴を發して、久待するに及ばず。天任星が巳時に値す。この時兩隻の狗は相爭い、山野の人は柴薪を背負いてこの路に走り到る。吏役は傘蓋を撐持し、童子は手を拍つ。六十日の內に公門の中の錢財を獲得し、南方に人の鯉魚を送來する有り。家人は異途より出身して顯達し、貴子は行を成さん。天英星が巳時に値す。この時婦人の紅衣を穿る有り、婚姻の事は口舌を引起す。花馬の經過の後六十日に、打獵の獲得したる財を拾得して血光の榮を帶ぶ。徵音の人は文書を送來し、一聲の信炮は天に滿ちて響徹す。
天蓬星值午時:婦青衣,有人持刀上南山,東北有嘆聲,六旬犬作人言怪,赤面風瘋人家主死,三年內有古窖財。天芮星值午時:缺唇人,身著白衣牽黃牛,孕婦過後六十日,貓兒咬人因賣屋,橫財獲的進田地,後姜奩財多上壁。天沖星值午時:(原文缺)
天蓬星が午時に値す。この時婦人の青衣を穿る有り、人の刀を拿りて南山に上る有り。東北方に歎息の聲を傳ふ。六十日の內に狗は人言を作す、是れ怪異と為す。紅臉の人は風瘋の疾を得、家主は身亡す。三年の內に古窖の藏財を得ん。天芮星が午時に値す。この時口の豁けたる人を見、身に白衣を穿き黃牛を牽く。孕婦の經過の後六十日に、猫が人を咬くは因るに屋を賣るに在り。橫財を獲得して田地を買進し、此後繼室の帶來したる嫁粧・財物は墻壁に堆滿せん。天冲星が午時に値す。この條は底本の原文脫漏し、僅に標題を存し、內容已に闕け、臆補を作さず。
天輔星值午時:僧持蓋,女人穿紅家中來,石火光發至後日,六十貴人進異財,西方金銀人送至,週年寡婦將物來。天禽星值午時:女白衣,狗銜花枝鷄鬬山,風雨徐徐從東來,造六旬犬吠至,東北人財,一年內雞生白卵,田苗旺發。天心星值午時:驟雨來,蛇過路去女紅裙,攜符酒送武士杯,六十日中釜鳴,有跛足人送生氣物,五年進金田莊財。
天輔星が午時に値す。この時僧人は傘蓋を撐持し、紅衣を穿る女子は家中に來る。石を擊ちて火を取りて光焰迸發し、後來に到りて六十日の內に貴人の意外の財を送進する有り、西方に人の金銀を送來する有り、一年を滿てば寡婦は財物を帶して門に上る。天禽星が午時に値す。この時女子の白衣を穿る有り、狗は花枝を銜み、雞は山上に於て爭鬥す。風雨は東方より緩緩に來る。營造の後六十日の內に犬吠止まず、東北方は人口・財物を送來す。一年の內に母雞は白蛋を生み、田中の禾苗は茂盛せん。天心星が午時に値す。この時驟雨忽に降り、蛇は路上より爬過し、紅裙を穿る女子あり。人の符籙と酒とを帶して武士を敬う有り。六十日の中に鍋釜自ら鳴る有り、跛脚の人の生氣の物を送來する有り。五年の內に金銀・田莊の財を進得せん。
天柱星值午時:鴉飛鳴,西方騎馬就有云,五日孕婦並喪泣,六十日內水尋神物,古器真是寶,小口傷時在一旬。天任星值午時:來師尼,西北黃禽君子行,四十日進貴人寶,紫衣入宅生貴孫,孕婦童子來借馬,人還虎皮穿黃青。天英星值午時:婚姻南,採獵漁人執弓弦,用後六十日中事,被木傷人火光炎,自縊落水是公子,乘馬必定為女娘。
天柱星が午時に値す。この時烏鴉飛鳴し、西方に人の馬に騎して來り・隨いて雲を起こす。五日の內に孕婦ある同時に喪事・哭泣する有り。六十日の內に水中に於て神異の物を尋得し、あの古器は確かに是れ珍寶なり。家中の小口の傷を受くるは就中十天の內に在り。天任星が午時に値す。この時師姑・尼僧の到來し、西北方に黃色の禽鳥の飛過し・君子の同行する有り。四十日の內に貴人の寶物を進得し、紫衣を穿る人は宅に入り・家中に貴孫を生ず。孕婦と童子と前來して馬を借り、人の虎皮を歸還する有り、衣著は黃青の色なり。天英星が午時に値す。この時婚姻の事は南方に於て應ず、打獵・捕魚の人は手に弓弦を執る。用事の後六十日の中に、人の木頭に砸傷せらるる有り・火光炎炎たる有り。自縊・落水するは是れ公子にして、馬に乘りて來るは必定に是れ女子なり。
天蓬星值未時:童子過,牽的牛兒是兩個,鷺飛鵝禽北方來,女人穿紅還是青衣,六十日內逢賊劫,破顏惹氣至官災。天芮星值未時:捕獵應,白衣道人攜茶瓶,七日烏鴉遶屋噪,赤面須人三牙靈,鬬爭週年動瘟疫,火燒屋敗又傷人。天沖星值未時:干鼓響,小兒著孝馬成行,西北人叫或爭鬪,用後六十日內防,惡人持木尅寡母,白羊入屋六畜旺。
天蓬星が未時に値す。この時童子の經過し、兩頭の小牛を牽く有り。鷺鳥飛起し・鵝群は北方より來る。女人に紅を穿る有りも青を穿る有り。六十日の內に盜賊の搶劫に遭遇し、臉面を撕破し・怨氣を招惹するに因りて官司の災を引來せん。天芮星が未時に値す。この時捕獵の事をもって應と為し、白衣を穿る道人は茶瓶を提ぐ。七日の內に烏鴉は屋を繞り聒噪し、紅臉にして三縷の鬚鬚を長えたる人は來ること靈驗なり。爭鬥に因りて一年を滿てば瘟疫流行し、また火の房屋を燒く有り・家敗れ人を傷る。天冲星が未時に値す。この時乾方に鼓聲響作し、小兒は孝服を穿著し・馬匹は行を成す。西北方に人の呼叫あるいは爭鬥する有り。用事の後六十日の內に多く提防を加ふるを要し、惡人の木棒を手持して寡母を欺凌する有り。白羊が屋に進めば則ち六畜興旺せん。
天輔星值未時:群犬吠,乞丐攜著破衣服,眾僧道人同議話,西北有人爭屋廚,百日內進文書契,商音人送金銀餘。天禽星值未時:老人來,跛足人擔花果來,青黃衣人攜酒至,葬後六十日內裁,羽音人送雞畜物,鐵器原來是宰肉開。天心星值未時:霧雨來,男子著黃女衣人彩,攜酒必定邀尊長,六十日中亦釜鳴,跛足人騎馬或坐車,金銅刃器為田程。
天輔星が未時に値す。この時群犬狂吠し、乞丐は破舊の衣服を帶す。衆多の僧人・道士は聚まりて議論す。西北方に人の房屋・灶廚を爭奪する有り。一百日の內に文書・契約を進得し、商音の人は多餘の金銀を送來す。天禽星が未時に値す。この時老人の到來し、跛脚の人は花果を挑して至り、青衣・黃衣を穿る人は酒を帶して來到す。安葬の後六十日の內に便ち吉凶を裁斷すべし。羽音の人は雞と牲畜を送來し、見る所の鐵器は原來是れ肉を宰するの刀具なり。天心星が未時に値す。この時霧雨來臨し、男子は黃衣を穿き・女子は衣著彩色なり。人の酒を帶するは必定に是れ尊長を邀請す。六十日の中も亦鍋釜の自鳴の異あり。跛脚の人は馬に騎しあるいは車に乘りて來る。金銅・刀刃の器は田産の資に換作すべし。
天柱星值未時:遇瘦婦,僧道同行求安否,東北人馬持旗蓋,用後百日有怪粕,新媳狐狸纏身邊,生鐵那火叩頭面。天任星值未時:白雞飛,禽鳥飛自西南至,北來風雨鼓聲鬧,用後七日家童張(一作一七內女送白物),六九家生白炁異,應得六畜大旺財。天英星值未時:孕婦遇,西方鼓聲來相賀,造葬之後六十日,家主落水怎奈何,週年瘟疫身體敗,馬肥還得母草多。
天柱星が未時に値す。この時瘦弱の婦人に遇到し、僧道は同行して來りて安否を問候す。東北方に人馬ありて旗幟・傘蓋を擧ぐ。用事の後一百日に怪異の糟粕の物の出現する有り。新たに門に過ぎたる媳婦は狐狸精に纏身せらる。生鐵は火に遇い、人は頭を叩き面を掩ふ。天任星が未時に値す。この時白雞飛起し、禽鳥は西南方より飛來す。北方は風雨交加し・鼓聲喧鬧す。用事の後七日に家中の童僕は張揚す(一に「七日の內に女子の白色の物を送來する有り」と作す)。五十四日の左右に家中に白氣を生出し、是れ異兆と為す。應驗は是れ六畜興旺し・大いに錢財を得。天英星が未時に値す。この時孕婦に遇上し、西方の鼓聲傳來して道賀の如し。營造・安葬の後六十日に、家主は水に落ち、奈何する可からず。一年を滿てば瘟疫流行し・身體敗壞す。馬は肥壯に養うと雖も、還た多く母草を備ふるを要す。
天蓬星值申時:人取水,傘笠避雨必有趨,西方小兒打水過,擂鼓叫喊笑聲去,一十日鷄窼蛇傷人,妻淫自縊訟事惡。天芮星值申時:東產來(一作涼傘),道人(一作僧道)青蓋身長驅(一作有鬍鬚),牛鬬傷人犬咬毒,百日羽音進物排,週年水牛入屋中,鵬鳥人家染病懷。天沖星值申時:作用時,南方騎馬白衣人,吏卒人持刃相殺,百二十日女作媒,絕戶田產來進納,寡婦被賊劫不容。
天蓬星が申時に値す。この時人の水を取る有り、傘笠を戴りて雨を避くる人は必定に匆忙に趨走す。西方に小兒の水を打ちて經過する有り、また鼓を擂き叫喊し・笑聲遠去す。十日の內に雞窩の裏に蛇出でて人を傷る。妻子は淫亂して自縊し、惡劣の官司を招來す。天芮星が申時に値す。この時東方に物産の送來する有り(一に「涼傘を見る」と作す)、道人(一に「僧道」と作す)は青色の傘蓋を撐持し・身材高大にして行く(一に「鬚鬚を留有す」と作す)。牛は相鬥して人を傷り、狗は人を咬きて毒を中す。一百日の內に羽音の人は財物を送進す。一年を滿てば水牛の屋中に闖入し、大鳥の飛來すれば則ち家人は病を染せん。天冲星が申時に値す。この時動用すれば、南方に白衣を穿る人の馬に騎して來る有り。吏卒は刀刃を手持して相互廝殺す。一百二十日の內に女子の媒を為す有り。絕戶人家の田産は家に進納す。寡婦は盜賊に劫掠せられ、相容る能わず。
天輔星值申時:腫腳人攜酒至此,請醫婦儒釋,道人穿色衣,西北鼓聲女財發,半年蛇從井中出,平白人送牛羊至。天禽星值申時:家(一作飛)鳥叫師巫持符,百日內女人自拾珠翠歸,週年新婦昌有位,生得貴子旺田蠶,誠恐家賊自劫退。天心星值申時:僧道來,金鼓四鳴百鳥噪,紅裙女人送酒至,寡婦坐堂入寶窖,老人持杖馬銜環,軍人在家推病好。
天輔星が申時に値す。この時脚の腫れたる人は酒を帶して到來し、人の醫生を請ふ有り・また婦人と儒生・僧人と座に在る有り。道人は彩色の衣裳を穿著す。西北方に鼓聲響起し、婦女に因りて財を發す。半年の內に蛇の井中より爬出する有り。平白に人の牛羊を家に送る有り。天禽星が申時に値す。この時家禽(一に「飛鳥」と作す)鳴叫し、師巫は手に符籙を持す。一百日の內に女人の自ら珠玉・首飾を拾得して歸來する有り。一年を滿てば新婦は昌盛にして名位あり。貴子を生じ・田蠶興旺す。ただ家中に內賊を出して、自ら劫奪・退財せんを怕る。天心星が申時に値す。この時僧道到來し、金鼓四面に鳴響し・百鳥聒噪す。紅裙を穿る女子は酒を送りて來到す。寡婦は堂に坐して寶窖の財を得。老人は杖を拄りて來り、馬は口に環を銜む。從軍の人は家中に於て病を托して愈ゆ。
天柱星值申時:作用時,水鷹鷂掠禽墜地,青衣女人攜籃至,用後百日火光起,家敗人亡白衣物,尅宅體生是遊情。天任星值申時:風雨來,三牙須人打鼓至,僧道穿黃應時候,七日軍置黃犬來(一作七日之內甑釜),女人火燒湯潑水,車碾百禽銜榖排。天英星值申時:作用時,懷孕婦人大哭啼,西方金鼓聲鳴響,僧道持蓋浪喘瘟,火臨金時門爭戰,六十日內有進金。
天柱星が申時に値す。この時動用すれば、水邊に鷹鷂の食を掠め・禽鳥の地に墜つる有り。青衣を穿る女子は籃を提げて來る。用事の後一百日に火光燃起し、家敗れ人亡して白衣・喪事の物ある有り。臨む所の宮は宅を剋し、宅體安んぜず、人は游蕩の情を生ず。天任星が申時に値す。この時風雨來臨し、三縷の鬚鬚を長えたる人は鼓を擊ちて至る。僧道は黃衣を穿りて正しくこの時に應ず。七日の內に軍中は一條の黃狗を置辦して來る(一に「七日の內に甑釜自ら鳴る」と作す)。女人は火に燒かれ・沸湯に潑かる。車輪碾過し、百鳥は谷を銜んで行を成す。天英星が申時に値す。この時動用すれば、懐孕の婦人は聲を放ちて大哭す。西方の金鼓の聲鳴響す。僧道は傘蓋を撐持し、人多く氣喘し・疫氣流行す。火の金位に臨むの時、門戶の間に爭戰を起こす。六十日の內に金銀の進項あり。
天蓬星值酉時:赤馬過,西方輪輿群鴉噪,用後百日生貴子,僧道作牙商音地,三年內雞生雙子,貓養白兒試及第。天芮星值酉時:西黃馬,車轎傘蓋婦必寡,須人相鬪犬吠人,羽音進產主誠雅,週年牛必入屋中,鳥鵬來家腹得疾。天沖、天輔星值酉時:遠方人送書至,東方狐狸咬叫聲,婦人拿火把來吹,用後周年生貴子,拾得橫財大發期。
天蓬星が酉時に値す。この時紅馬の經過する有り、西方は車輪轔轔し・群鴉聒噪す。用事の後一百日に貴子を生ず。僧道は中人に充當し、商音の人の田地を得。三年の內に母雞は一窩に兩隻を生じ、猫は白崽を産み、家人は試に應じて及第せん。天芮星が酉時に値す。この時西方に黃馬あり、車轎・傘蓋は行を成して而も婦人は必ず將に寡を守らんとす。鬚鬚ある人は相鬥し、狗は人に對して狂吠す。羽音の人は産業を進獻し、主人は誠朴・文雅なり。一年を滿てば必ず牛の屋中に闖入する有り。大鳥は家裏に飛來し、人は則ち腹中に病を得ん。天冲星・天輔星が酉時に値す。この時遠方に人の書信を送來する有り、東方に狐狸の撕咬・號叫の聲を傳ふ。婦人は火把を拿りて火を吹く。用事の後一年を滿てば貴子を生じ、また橫財を拾得し、正しく是れ大發の期なり。
天禽星值酉時:西火起,人家相打大叫理,鼓聲遶噪驚鳥飛,造後周歲有貴子,必有窖財進門庭,喜鵲簷前報霧雨。天心星值酉時:僧尼來,火起從坤必定排,北方鐘鼓鳴聲鬧,騾叫官員駝寶財,藝人送到遠信至,七日商音娶女釵。天柱星值酉時:作用時,白鷹撲鴿明是欺,青衣之人取鐵器,因火喪家女守孤,七十日有商音進,夫婦和諧遠路移。
天禽星が酉時に値す。この時西方に火を起き、人家は互相毆打し・聲を大にして理を爭う。鼓聲は環繞・喧鬧して、鳥兒を驚かして飛散せしむ。營造の後一歲を滿てば貴子を生じ、必ず窖藏の財の門庭に進入する有らん。喜鵲は屋檐の前に於て霧雨の將に至らんとするを報知す。天心星が酉時に値す。この時僧尼到來し、火は坤方より燒起して、必定に排解するを要す。北方に鐘鼓鳴響・喧鬧す。騾子嘶叫し、官員は寶物・錢財を駝載す。手藝人の遠方の書信を送來する有り。七日の內に商音の人は妻を娶り・女子は釵を得ん。天柱星が酉時に値す。この時動用すれば、白鷹は鴿子を撲擊し、明らかに擺れて是れ強をもって弱を欺くなり。青衣を穿る人は來りて鐵器を取る。火災に因りて家を喪い、女子は寡を守る。七十日の內に商音の人の財物を進獻する有り。夫婦和睦し、遠方に向かいて遷移す。
天任星值酉時:犬上門,童子拍手笑黃狐,院中幼女喜歡娛,六十日中生貴兒,白雞地起婦傾酒,遠路必定遇碑石。天英星值酉時:火入金,西方有人宅相爭,鴉鳴喧呼暴碑過,白衣女人懷孕臨,事後一旬小口母折足,百日爭得財。
天任星が酉時に値す。この時狗の門に上る有り、童子は手を拍ちて黃狐を嘲笑す。院中の幼小の女孩は歡喜・嬉戲す。六十日の中に貴子を生ず。白雞は地上より飛起し、婦人は酒を傾けて相待す。遠行の路上は必定に碑石に遇わん。天英星が酉時に値す。この時是れ火の金鄕に入るの象にして、西方に人の宅院を為して相爭う有り。烏鴉鳴叫・喧呼し、殘破の石碑を經過す。白衣を穿る女人は身孕を懐いて到來す。事後十天の內に家中の小口と母親と脚を跌折す。一百日の內に爭奪を經て財を得ん。
天蓬星值戌時:作用時,老人持杖入側,西北露雨至此下,三牙須人擔籮至,白犬過後依旬內,拾得軍器有橫財。天芮星值戌時:黃牛來,孕婦東方持傘回,惡犬家中出傷人,週年宮音送土財,百禽飛過車入到,糞中拋出女金釵。天沖、天輔星值戌時:西方來了三五人,手執火把尋失物,師巫與三牙須人逢,鷄上樹啼遠有信,週年小口被牛損。
天蓬星が戌時に値す。この時動用すれば、老人の杖を拄りて傍らに走り到る有り。西北方に露雨を降下す。三縷の鬚鬚を長えたる人は籮筐を挑して到來す。白狗の經過の後の十天の內に、軍器を拾得して一筆の橫財を發せん。天芮星が戌時に値す。この時黃牛の到來し、孕婦は東方より傘を撐して返回す。家中より惡犬を窜出して人を傷る。一年を滿てば宮音の人は田土の財を送來す。百鳥飛過し・車馬は門に進む。糞土の中より女子の金釵を翻出す。天冲星・天輔星が戌時に値す。この時西方より三五個の人來り、手に火把を執して失物を尋找す。師巫と三縷の鬚鬚の人と相逢す。雞は樹に飛上り啼叫し、遠方に信あるを主る。一年を滿てば家中の小口は牛に傷せられん。
天禽星值戌時:東北應,鐘聲鐃鈸響叮咚,青衣童子攜籃過,一旬之內白龜臨,就得寡母田地發,有人攜舉福到門。天心星值戌時:作用時,南方大叫賊驚疑,小兒騎牛至此過,百日家中主生貴子,金鷄鳴分玉犬吠,二年之後請得舉。天柱星值戌時:女抱布,北方樹倒打人故,西有鼓聲因葬事,六十日內蛇入宅,咬人皆是白色毒,連年瘟疫死未絕。
天禽星が戌時に値す。この時應兆は東北に在り、鐘聲と鐃鈸と叮咚として響作す。青衣を穿る童子は籃を提げて走り過ぐ。十天の內に白龜の出現する有り。隨いて寡母の田地を得て家を發す。人の薦擧文書を携帶する有り、福氣門に臨む。天心星が戌時に値す。この時動用すれば、南方に人の大叫する有り、盜賊は驚を受け疑を生ず。小兒は牛に騎して此より經過す。一百日の內に家中は貴子を生ずるを主る。金雞は曉を報じ・玉犬吠叫し、各々その時に按ず。兩年の後人の薦擧されて試に應ずる有り。天柱星が戌時に値す。この時女子の布匹を抱く有り、北方に樹の倒れて人を打傷する有り。西邊に鼓聲を傳ふ、是れ喪葬の事に因るに在り。六十日の內に蛇の宅に進む有り、人を咬むは皆白色の毒蛇なり。連年に瘟疫し、死亡斷えず。
天任星值戌時:童來時,家中爭訟因失時,犬噪發凶喪戶過,飛禽色黃尼姑來,貴人財旺一百日,紫衣之人來有財。天英星值戌時:用時推,西方女人執白布,火光至此賊獄死,赤馬買到遭訟非,一旬之內瘟病急,野雞紅翅主退財。
天任星が戌時に値す。この時童子の到來し、家中は時機を錯過するに因りて爭訟を起こす。犬吠・聒噪して凶を發し、喪家の門前より經過する有り。黃色の飛鳥出現し、尼姑は門に上る。一百日の內に貴人門に臨み・錢財興旺す。紫衣を穿る人の到來し、之に隨いて財あり。天英星が戌時に値す。この時用うる所の時に按じて推斷すれば、西方に女人の手に白布を執る有り。火光は此處に燒き到り、盜賊は獄中に死す。紅馬を買來して官司・是非に遭遇す。十天の內に瘟病は發作すること急なり。野雞は紅色の翅膀を長え、退財・破耗を主る。
天蓬星值亥時:童子多成群,女人著孝服,後因投賊得橫財,三年內出道人過,術人求財積成家,義豬被鵬銜肉過。天芮星值亥時:走禽驚,秋冬吉時客主宅,春夏不用囚尅洩,坤方火起二人還,貓犬傷人孕婦病,女人自縊一自悲。天沖、天輔星值亥時:跛足青衣人即至,東北人家火光起,百日貓兒捉白鼠,商音人進田地契,妻財大發扶其主。
天蓬星が亥時に値す。この時童子は群を成して出現し、女人の孝服を穿著する有り。後來に賊寇に投靠するに因りて橫財を得。三年の內に道人の門を出で經過する有り。術士は術をもって財を求め、積攢して家を成す。家養の猪は大鳥に肉を叼走せらる。天芮星が亥時に値す。この時走獸・飛禽は驚を受く。秋冬の兩季は是れ吉時にして、客方・主方皆宅を安んじ得。春夏は則ち用う可からず、因るに天芮はこの時囚・剋・泄の衰氣の中に處するに在り。坤方に火を起き、兩人返回す。猫狗は人を傷り・孕婦は病を生ず。女人の自縊する有り、人をして悲歎せしむ。天冲星・天輔星が亥時に値す。この時跛脚にして青衣を穿る人は隨いて到來す。東北方の人家に火を起き。一百日の內に猫は白鼠を捉得す。商音の人は田地の契約を送進す。妻家の財物は大いに發して、家主を扶助せん。
天禽星值亥時:起西風,乾地婦人有哭聲,樹倒拆屋大叫起,六十日進鐵匠財,商音人說僧人產,喜鵲報到家信來。天心星值亥時:鷄夜鳴,又主無故犬狂吠,老人頭戴皮帽子,手執鐵器必然貴,七日不知異人至,借宿遺財天賜得。天柱星值亥時:西磬聲,山下有人持火焚,叫呼喧天造葬後,救火得財大發榮,百日恐有雞作怪,人死雙雙拜古墳。
天禽星が亥時に値す。この時西風を刮起し、乾方に婦人の哭泣の聲あり。樹木倒れ・房屋を拆毀し、衆人大聲に呼叫す。六十日の內に鐵匠の錢財を進得す。商音の人は來りて僧人的産業を説合す。喜鵲は喜を報じ、家書は之に隨いて送到す。天心星が亥時に値す。この時雞は夜裏に鳴叫し、また狗の故なく狂吠するを主る。老人の頭に皮帽を戴き・手に鐵器を拿る有り、必定に顯貴せん。七日の內に相識らざる異人の到來し、宿を借る時に財物を留下し、上天の賜る所の如し。天柱星が亥時に値す。この時西邊に磬聲を傳ふ、山下に人の火を擧げて焚燒する有り。叫喊の聲は天を震ふ。營造・安葬の後、火を救うに因りて財を得、大いに榮顯を發す。一百日の內に恐らく雞の怪を為す有らん。死者は雙を成し、人々は前に往きて古墳を祭拜す。
天任星值亥時:小兒過,悔苔之下笑呵呵,西方鑼鼓喧喧鬧,鐵器手空中傷多,白日憂福至家僕,一人土墊水渠橋。天英星值亥時:女人來,手執火把出大街,百日內有癩人至,鍾命要與投井壞,北方樹倒傷人屋,星為客兮宮主斷。
天任星が亥時に値す。この時小兒の經過し、青苔の長滿したる墻下に於て笑呵呵なり。西方は鑼鼓喧鬧す。徒らに手に鐵器を操持し、多く損傷あり。白天は憂喜相雜し、福氣は家僕の身の上に應ず。一個の人の土を用いて水渠上の橋を墊平する有り。天英星が亥時に値す。この時女人の到來し、手に火把を執して大街に走上る。一百日の內に癩瘡を患うる人の門に上る有り。命を受けたる人は險くも井に投じて事を壞せんとす。北方に樹倒れ、人と房屋とを砸傷す。總じて推斷する時は天盤の星をもって客方を代表し・地盤の宮をもって主方を代表して以て吉凶を斷ず。
巻十九
斗柄の指す所
天罡指巳天地門(以月將加時,尋天罡至巳為天地初開),出軍行師任徘徊(用兵大勝開地千里),指午坐帳宜彈琴(指午為天地縱橫,不宜出軍,坐帳彈琴吉),指未小通亦可裁(天地小通出軍亦吉),指申迫爭君須忌(天地爭史之時,用兵須忌),指酉人馬受驚骸(天地閉塞之時,車傷馬死,戰主大凶),返來戌上指乖隔(出軍主士卒乖隔傷和),加亥天窄不稱懐(用軍主損傷驚恐),指子半路魂魄散(行至半路,魂魄不安),指丑途宿待明來(為小通,出軍三十里待來朝任意而行,必獲大勝),臨寅有喜戰獲勝(行者有喜,戰必大捷),到卯閉塞宜埋葬(為天地閉塞,宜藏匿避之,凡事不宜),復臨辰地關梁塞(關梁閉塞,只可安營下寨,不可妄動),掌上兵機仔細排。
この歌訣は斗柄の神・天罡(辰)の指す所の方と用兵の吉凶とを講ずるなり(括弧の內は舊注なり)。天罡が巳を指すは、是れ「天地門」なり——月將を時に加えて推算するに、天罡が巳位に行き到れば便ち天地初めて開くの象なり。この時軍を出だし師を行えば從容として進退し得、兵を用ゐて大いに勝ち、疆土を開拓すること千里なり。天罡が午を指すは、帳中に坐して琴を彈くに宜し——午を指すは天地縱橫の象にして、軍を出づるに宜しからず、ただ帳中に安坐して琴を彈きて自ら娛しむを吉と為す。未を指すを「小通」と曰うも、亦た行事を裁度し得、天地小通の時に軍を出づるも亦吉なり。申を指すは逼迫・爭鬥の象あり、天地相爭うの時は、兵を用ゐるに須く忌避すべし。酉を指せば則ち人馬は驚を受け骨傷す、これは天地閉塞の時にして、車損れ馬死し、作戰は大凶なり。戌位に回れば則ち乖隔を主り、軍を出づれば士卒をして心を離れ・和氣を傷らしめん。亥位に加わるを「天窄」と曰い、人心に稱わず、兵を用ゐれば損傷・驚恐を主る。子を指せば則ち半路に行き到りて魂魄消散し、人心安んぜず。丑を指すは途中に住宿して天明を俟つに宜し、此れ小通の象にして、軍を出だして三十里に駐扎し、次日の早晨を俟ちて意のまゝに行けば、必ず大勝を獲ん。寅に臨むは喜あり、出行の者は喜を得、作戰すれば必ず大捷を獲ん。卯に到れば則ち天地閉塞し、埋葬するに宜しく、隱藏・躲避するに宜しく、その餘の諸事は皆相宜ならず。さらに辰位に臨めば則ち關梁堵塞し、ただ營を安んじ寨を扎る可く、妄動す可からず。掌上に兵機を推排するに、須くこのように仔細に分辨すべし。
迷路を占ふの法
三路迷失時,天罡隨於孟仲,兩歧感應日辰,左右以規謀,路逢三叉不知何道吉,以正時占,天罡加孟左道通,加季右道通,加仲中道通,此下出軍大捷,所求必遂。若逢兩歧路,日干吉者左道通,辰支爻吉者右道通也。如七月申時占,以巳將加地盤申上起順數,辰時天罡在地盤未上,未為季左道通,餘仿此。子午卯酉四仲,寅申巳亥為四孟,辰戌丑未為四季。
三岔の路口に於て方向に迷失する時は、天罡の四孟に落つるか四仲に落つるかを看る。もし兩岔路ならば、則ち日と辰との感應を取りて準と為し、左右の兩路各々法度に依りて謀定す。具體に説けば、路上に三岔道に遇うて哪條か吉利なるを知らざれば、就中當下の正時を用ゐて課を起こす——天罡が四孟の位に加はれば、左邊の一路通ず可し。四季の位に加はれば、右邊の一路通ず可し。四仲の位に加はれば、中間の一路通ず可し。此に照らして行けば、軍を出だして大捷し、求むる所必定に順遂せん。もし兩岔路に遇えば、日干の吉利なれば左路を走り、日辰の地支の爻の吉利なれば右路を走る。例を擧げて説けば、七月申時に占問し、巳將を地盤の申位の上に加えて順に數へ、辰時に數へ到れば、天罡は地盤の未位の上に落ち、未は四季に属し、底本は此に據りて左邊の一路通ず可しと斷ず(上文の「季に加はれば右道通ず」と略に出入あり、此處仍ほ原文に依る)。その餘の情形は皆此に照らし類推す。ここに説く所の子・午・卯・酉は是れ四仲、寅・申・巳・亥は是れ四孟、辰・戌・丑・未は是れ四季なり。
密訪
欲得賊消息,天目聽之吉(天目日大吉、小吉方也)。欲訪機密事,地耳不須疑(地耳,太沖、從魁方也)。渡河:天有三河壬子癸,地有三井卯酉辰,月將加時看三河,一河臨井必覆舟。又曰:“太沖加日辰,主風雨;神后加季,急渡則吉”。
盜賊の消息を探得せんと欲せば、「天目」の方に到りて聽探すれば吉利なり——天目は大吉・小吉の兩個の月將の在る所の方を指す。機密の事を打聽せんと欲せば、「地耳」の方に到り、遲疑するに及ばず——地耳は太冲・從魁の兩個の月將の在る所の方を指す。河を渡るの法は、天上に「三河」あり、就中壬・子・癸の三位なり。地下に「三井」あり、就中卯・酉・辰の三位なり。月將を時に加えて排定したる後さらに三河を看るに、ただ一河の井位に臨到する有れば、河を渡れば必定に船を翻さん。また曰く、「太冲が日辰の上に加はれば、風雨を起こすを主る。神后が四季の位に加はれば、搶渡すれば則ち吉なり」と。
糧を刦び水を覓る
我軍欲刦糧,大小吉下訪,我軍欲求水,小吉太沖訪。小吉、太沖為井泉之神,地下見之可得。敵使虛實:敵有使來看日辰,日上為客辰主人(辰實時也),日干上神辰尅辰上(日尅時),其言虛謬不可聞,若是辰上尅日上,彼必畏我言詞真,朱空太陰日辰上(乘日上主彼詐,乘辰上主我詐)。
我軍が敵の糧草を劫奪せんと欲せば、就中大吉・小吉の兩將の臨む所の下に到りて査訪す。我軍が水源を尋找せんと欲せば、就中小吉・太冲の兩將の臨む所の處に到りて訪求す、因るに小吉・太冲は是れ井泉の神にして、それらの臨む所の地下に於て必ず水を取得し得るに在り。敵方の使者の言語の虚實を判斷するには、敵の使者を派して來れば、就中日と辰とを看る——日上は客にして來使を代表し、辰上は主にして我方を代表す、辰は就中當下の時辰なり。もし日干の上の神が辰上の神を剋するならば(即ち日が時を剋するなり)、則ち來使の話は虚妄・錯謬にして、聽信す可からず。もし反って辰上が日上を剋するならば、對方は必定に我方を畏懼し、説く所の話は是れ眞なり。もし朱雀・天空・太陰のこの幾位の神が日上あるいは辰上に乘ずるならば、日上に乘れば對方の欺詐を主り、辰上に乘れば我方の欺詐を主る。
突圍
或被兵圍不要忙,加時出路是天罡(太公曰:“兵圍千里,斗道必通”。斗者,天罡也。以月將加時尋天罡,其下一實可出。若天罡方無路可出,當尋三官時,三官時,亥子丑也。),若值絳官申酉地(以月將加時,若亥臨子午卯酉為絳官,宜向天盤申酉下出。),明堂時往太沖方(子臨子午卯酉為明堂,宜向天盤卯方出。),玉堂宜突天魁下(丑臨子午卯酉為玉堂,宜向戌方出。),利若鋒芒八極張(逢豪強之賊,勢不可當,向天罡可出,此為八極張也。),日辰上將相生吉(傷不傷視陰陽,若日辰與上將相生者吉。),相尅如今有損傷(日辰與上將相尅,又制日辰者,必有損傷,用兵者,宜審之。)。
倘も敵兵に圍困せられば、慌張すること勿れ、月將を時に加えて推得たる天罡の在る所は就中突圍の路なり。舊注は太公の話を引きて曰く、「兵圍ること千里なりとも、斗道は必ず通ず」と。ここに説く「斗」は就中天罡なり。月將を時に加えて天罡を找出せば、その下の那一個の實位は便ち突き出づ可し。もし天罡の方に路の出づ可き無からば、就中「三官時」を尋ぬべし、三官時は亥・子・丑の三時を指す。もし「絳官」に値すれば、則ち申・酉の地より突圍す——月將を時に加え、亥が子・午・卯・酉の四仲の位に臨到すれば便ち絳官にして、天盤の申・酉の下に朝かいて出づるに宜し。もし「明堂」に値すれば、則ち太冲の方に往け——子が子・午・卯・酉に臨到すれば便ち明堂にして、天盤の卯方に朝かいて突出するに宜し。もし「玉堂」に値すれば、天魁(戌)の下より突圍するに宜し——丑が子・午・卯・酉に臨到すれば便ち玉堂にして、戌方に朝かいて出づるに宜し。鋒芒の銳利は八極の張るが如し——强悍にして抵當し難き悍賊に遇到せば、天罡の方に朝かいて仍ほ突出し得、これを「八極張」と喚ぶ。日辰とその上に乘ずる所の將と相生すれば則ち吉なり——傷ると傷らざるとは須く陰陽を看るべく、日辰と上將と相生するは就中吉利なり。もし兩者相克すれば、眼下に便ち損傷あり——日辰と上將と相克し、しかも反って日辰を制住するは、必定に損傷あり、兵を用ゐる人は應當に審慎・斟酌すべし。
賊の在る所を察す
聞賊未知賊所在,加時春乙夏居丁(乙干寄辰,丁干寄未。),秋辛冬癸名天目(辛干寄戌,癸干寄丑。),賊當在下伏其形(以月將加時,視天目之方,賊在其下。天目者,春辰、夏未、秋戌、冬丑。春占尋辰,餘仿此。)。
賊あるを聞くも賊の何處に在るかを知らざれば、就中月將を時に加えて推算す。春は乙を取り・夏は丁を取る——乙干の寄宮は辰に在り、丁干の寄宮は未に在り。秋は辛を取り・冬は癸を取り、この幾つの方位は皆喚んで「天目」と曰う——辛干の寄宮は戌に在り、癸干の寄宮は丑に在り。賊人は就中天目の指す所の下に潛伏し、形迹はあそこに隱藏す。具體の做法は月將を時に加え、天目の在る所の方を察看すれば、賊は便ちその下に在り。天目の定位は、春は辰に在り、夏は未に在り、秋は戌に在り、冬は丑に在り。春天占問すれば就中辰位を找り、その餘の各季は此に照らし類推す。
軍を抽きて寇を避く
賊勢平凌我未強(途逢兵賊,他強我弱。),抽軍迴避看天罡(以月將加時,看天罡落在何宮,以避其強猛。),繫孟直須從右隱(辰為天罡,如加寅申巳亥之孟神,從右道而避之。),仲季還宜向左藏(子午卯酉為四仲,辰戌丑未為四季,天罡如此向左藏之,無咎。),從魁小吉太沖地(酉為從魁,未為小吉,卯為太沖,此三神為天三門,再得除危開定,是天門地戶庇佑。),天上加臨為好方(以月將加時,看天盤卯酉未落在何宮,可以避難。如遇旺方不可往,春不東去,餘仿此。),大吉、神后、紫房、華蓋,能藏萬物,即行無害(大吉為紫房,神后為華蓋,凡有急難,避藏之下,人不能掩藏也。)。
賊勢は人を凌ぐも我方未だ强盛ならず——舊注は説く、これは途中に兵賊に遇い、對方強く我方弱きの情形なりと。この時應當に軍を抽きて回避し、まず天罡の落つる處を看る——月將を時に加え、天罡の何宮に落つるかを看て、此に據りて對方の强猛を躲避す。天罡もし四孟に落てば、就中右邊より隱蔽して去るべし——辰は天罡にして、もし寅・申・巳・亥のこれら孟神の上に加はれば、便ち右路より避く。もし四仲・四季に落てば、仍ほ左に向かいて藏匿するに宜し——子・午・卯・酉は四仲にして、辰・戌・丑・未は四季にして、天罡がこれらの位の上に落つれば左に向かいて身を藏め、過錯あらざらん。從魁・小吉・太冲のこの三處の在る所の地——酉は從魁にして、未は小吉にして、卯は太冲にして、この三神は就中「天三門」にして、さらに除・危・開・定の四位を配上せば、便ち天門・地戸の庇佑を得。天盤の上この三神の加臨する處は就中好方位にして——月將を時に加え、天盤の卯・酉・未の哪一宮に落つるかを看れば、就中あそこに往きて難を避くべし。但し當旺の方に遇うは往く可からず、例えば春天は東に向かいて走る可からず、その餘は此に照らし類推す。大吉・神后はも喚んで「紫房」「華蓋」と曰い、萬物を藏匿し得、あそこに往けば便ち妨害無し——大吉は紫房にして、神后は華蓋にして、凡そ急難に遇えば、それらの下に躲藏すれば、別人は便ち汝を搜出する能わず。
排山掌
干六、兌七、艮八、離九,中五,巽四、震三、坤二、坎一。但從震宮起甲子,紅嘴朱雀丈二長,眼似銅鈴火耀光,等閒無事傷人命,千里飛來會過江,巽宮乙丑順行裝,行到中宮莫歸火,干宮一位莫安床,兌上占之莫修井,艮宮莫作僧道房,離宮大門君莫犯,坎宮水溝大難當,坤宮嫁娶損宅長,震宮修廚新婦亡,巽宮一位管山野,十人犯著九人殃。如甲子震宮數起,乙丑日至巽,忌山野。丙寅日數至中,忌遷宅。丁卯日數至干,忌安床。戊辰日數至兌,忌修井。餘仿此類推。
排山掌の九宮の定位は、乾六・兌七・艮八・離九を上排に列ね、中五は中に居り、巽四・震三・坤二・坎一を下排に列ぬ。用法は震宮より甲子日を起こして順に數ふ。歌訣に曰く、紅嘴の朱雀は身長一丈二尺、眼睛は銅鈴の如く火光を閃し、平白無故にも人の性命を傷ることを得、千里飛來して還た江を越えて過ぎると。乙丑日は順行して巽宮に到る。中宮に數へ到るの日は居を遷り火に歸る可からず、乾宮のこの一位に數へ到るは牀を安んず可からず、兌宮に數へ到るは水井を淘修す可からず、艮宮に數へ到るは僧道の房舍を修造す可からず、離宮に數へ到るは大門を動かす可からず、坎宮に數へ到るは水溝を開挖すれば必ず大難あり、坤宮に數へ到るは嫁娶すれば一家の長を損傷せん、震宮に數へ到るは廚を修れば新婦をして命を喪はしめん、巽宮のこの一位に數へ到るの管くる所は山野の事にして、十人これを犯せば九人殃に遭う。例を擧げて説けば、甲子日は震宮より數へ起こり、乙丑日は巽宮に數へ到れば、就中山野を動かすを忌む。丙寅日は中宮に數へ到れば、宅を遷るを忌む。丁卯日は乾宮に數へ到れば、牀を安んずるを忌む。戊辰日は兌宮に數へ到れば、井を修るを忌む。その餘の各日は此に照らし類推す。
鬼谷子九仙數
河圖甲己子午九,乙庚丑未八當頭,丙辛寅申七數真,丁壬卯酉六相親,戊癸辰戌五為坎,巳亥原來數當四,其法日則干支並用,時則止用支不用干。如甲子日未時,干支相配合得二十六數,乃是大吉仙,餘仿此數,甲九數子亦九數,未得八數。
これは『河圖』の數に依りて干支に數を配するの口訣なり。甲・己の兩干と子・午の兩支は皆九と算し、乙・庚と丑・未は皆八と算し、丙・辛と寅・申は皆七と算し、丁・壬と卯・酉は皆六と算し、戊・癸と辰・戌は皆五と算し、巳・亥は原本四と算す。用法は、日は天干・地支を一倂に數を取り、時は則ちただ地支を取りて天干を取らず。譬えば甲子日未時は、甲は九を得・子も亦九を得・未は八を得、干支相配して共に二十六數を得、下文を査すれば便ち「大吉仙」なり。その餘の日時は皆この法に照らして計數す。
吉遷凶神合數
十三數日光仙,吉;十四數日天仙,吉(《協紀》為大禍神,凶。);十五數月光仙,吉;十六數金玉仙,吉;十七數滅門仙,凶;十八數天德仙,吉;十九數天凶神,凶;二十數地凶神,凶;二十一數祭國仙,凶;二十二數地藏仙,吉;二十三數喪門神,凶;二十四數逆神仙,吉(《協紀》為送福神,吉。);二十五數大善仙,吉;二十六數大吉仙,吉;二十七數弔客神,凶。
上法に按じて算出したる總數は、各々一位の神仙に配す、吉凶は以下の如し。十三數は「日光仙」にして吉。十四數は「日天仙」にして吉(『協紀辨方書』は則ち「大禍神」と作して凶と斷ず)。十五數は「月光仙」にして吉。十六數は「金玉仙」にして吉。十七數は「滅門仙」にして凶。十八數は「天德仙」にして吉。十九數は「天凶神」にして凶。二十數は「地凶神」にして凶。二十一數は「祭國仙」にして凶。二十二數は「地藏仙」にして吉。二十三數は「喪門神」にして凶。二十四數は「逆神仙」にして吉(『協紀辨方書』は則ち「送福神」と作して、同じく吉と斷ず)。二十五數は「大善仙」にして吉。二十六數は「大吉仙」にして吉。二十七數は「弔客神」にして凶。
右吉神宜上官、出行、移居、起屋、修營,所作百事大吉。月支:寅、卯、辰、巳、午、未、申、酉、戌、亥、子、丑。天德合:壬、巳、丁、丙、寅、己、戊、亥、辛、庚、申、乙。月德合:辛、己、丁、乙、辛、己、丁、乙、辛、己、丁、乙。天成日:未、酉、亥、丑、卯、巳、未、酉、亥、丑、卯、巳。天喜日:戌、亥、子、丑、寅、卯、辰、巳、午、未、申、酉。天富日:辰、巳、午、未、申、酉、戌、亥、子、丑、寅、卯。紅沙日:巳、酉、丑、巳、酉、丑、巳、酉、丑、巳、酉、丑。黃沙日:午、寅、子、午、寅、子、午、寅、子、午、寅、子。往亡日:寅、巳、申、亥、卯、午、酉、子、辰、未、戌、丑。往亡,忌出軍、出行、上官赴任、嫁娶、進人口、求醫療病。
上面に列ねたるこれらの吉神の日は、官に上り任に赴き・出行し・遷居し・房屋を起造し・修繕・營建するに宜しく、為す所の一切の事情は皆大吉なり。下面のこの一張の表は月支を綱と為し、正月の寅を建むるより起こり、依次に寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥・子・丑なり。各月の「天德合」は依次に壬・巳・丁・丙・寅・己・戊・亥・辛・庚・申・乙なり。「月德合」は依次に辛・己・丁・乙にして、四季各々一遍を輪ず。「天成日」は依次に未・酉・亥・丑・卯・巳にして、半年に一循環す。「天喜日」は依次に戌・亥・子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉なり。「天富日」は依次に辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥・子・丑・寅・卯なり。「紅沙日」は依次に巳・酉・丑の三支を取りて循環す。「黃沙日」は依次に午・寅・子の三支を取りて循環す。「往亡日」は依次に寅・巳・申・亥・卯・午・酉・子・辰・未・戌・丑なり。凡そ往亡の日に逢えば、軍を出だし・出行し・官に上り任に赴き・嫁娶し・人口を招進し・醫を求め病を治するを忌む。
重喪日:甲、乙、戊、丙、丁、己、庚、辛、戊、壬、癸、己。天翻地覆時:亥、戌、酉、申、未、午、酉、辰、酉、辰、未、卯。天赦日:春戊寅、夏甲午、秋戊申、冬甲子。天貴日:春甲乙、夏丙丁、秋庚辛、冬壬癸。四順日:建宜行、成宜離、寅宜往、卯宜歸。四逆日:申不行、酉不離、七不往、八不歸。
「重喪日」は十二月に按じて各々一個の天干を配す。正月は甲、二月は乙、三月は戊、四月は丙、五月は丁、六月は己、七月は庚、八月は辛、九月は戊、十月は壬、十一月は癸、十二月は己なり。「天翻地覆時」は月に按じて依次に亥・戌・酉・申・未・午・酉・辰・酉・辰・未・卯なり。「天赦日」は季に按じて定む。春天は是れ戊寅日、夏天は是れ甲午日、秋天は是れ戊申日、冬天は是れ甲子日、これは一年中に罪を赦し厄を解くの大吉の日なり。「天貴日」も亦季に按じて定む。春天は甲・乙を取り、夏天は丙・丁を取り、秋天は庚・辛を取り、冬天は壬・癸を取る。「四順日」は説く、建日は出行に宜しく、成日は家を離るるに宜しく、寅日は往くに宜しく、卯日は歸るに宜しと。「四逆日」は説く、申日は出行す可からず、酉日は家を離る可からず、初七は往く可からず、初八は歸る可からずと。
十惡大敗日
甲己年:三月戊戌日、七月癸亥日、十月丙申日、十一月丁亥日。乙庚年:四月壬申日、九月乙巳日。丙辛年:三月辛巳日、九月庚辰日、十月甲辰日。戊癸年:六月己丑日。丁壬年:無忌。
「十惡大敗日」は年干に按じて分列す。甲年・己年は四個あり、三月戊戌日・七月癸亥日・十月丙申日・十一月丁亥日なり。乙年・庚年は兩個あり、四月壬申日・九月乙巳日なり。丙年・辛年は三個あり、三月辛巳日・九月庚辰日・十月甲辰日なり。戊年・癸年はただ一個あり、六月己丑日なり。丁年・壬年は則ち忌日無し。この名は十種の大凶俱に全くして事必ず大敗せるの義を取り、凡そこれらの日子に遇えば、一切の擧動は皆宜しからず。
上元四孟月初一從堂房逐日逆數。順陽○、金堂○,賊盜●、金庫●,寶倉○、堂房○→。堂房吉、金庫凶、金堂吉、順陽吉、賊盜凶、寶倉吉、天盜凶。中元四仲月初一從天盜逐日順數。天堂○、天財○,天門○、天賊●,天盜●→、天陽○,天倉○、天侯●。天盜凶、天門吉、天堂吉、天財吉、天賊凶、天陽吉、天侯凶、天倉吉。下元四季月初一起朱雀逐日順數。青龍頭○、青龍肋○,元武●、青龍足●,白虎足●、朱雀●←,白虎肋○、白虎頭●。朱雀凶、白虎肋吉、白虎頭凶、元武凶、青龍頭吉、青龍肋吉、青龍足凶。
「上元」は正・四・七・十のこの四個の孟月を管し、初一より起こりて「堂房」の位の上に於て日を逐ひて逆に數ふ。圖中の排位は順陽・金堂・賊盜・金庫・寶倉・堂房にして、箭頭の指す所の堂房は就中數を起こすの處なり。空心圈は吉を表示し、實心圈は凶を表示す。その斷語は、堂房は吉・金庫は凶・金堂は吉・順陽は吉・賊盜は凶・寶倉は吉・天盜は凶なり。「中元」は二・五・八・十一のこの四個の仲月を管し、初一より起こりて「天盜」の位の上に於て日を逐ひて順に數ふ。圖中の排位は天堂・天財・天門・天賊・天盜・天陽・天倉・天侯にして、箭頭の指す所の天盜は就中數を起こすの處なり。その斷語は、天盜は凶・天門は吉・天堂は吉・天財は吉・天賊は凶・天陽は吉・天侯は凶・天倉は吉なり。「下元」は三・六・九・十二のこの四個の季月を管し、初一より起こりて「朱雀」の位の上に於て日を逐ひて順に數ふ。圖中の排位は青龍頭・青龍肋・玄武・青龍足・白虎足・朱雀・白虎肋・白虎頭にして、箭頭の指す所の朱雀は就中數を起こすの處なり。その斷語は、朱雀は凶・白虎肋は吉・白虎頭は凶・玄武は凶・青龍頭は吉・青龍肋は吉・青龍足は凶なり。
上元將軍の管くる所の四孟月の出行の吉凶、正・四・七・十月
堂房日,出行神道不在,宅中求財稱意,好人相逢大吉。金庫日,出行車馬不成,大吉失路路逢,盜賊求財不得,大凶。金堂日,出行吉利通,詞訟有理,求財稱意,大吉。順陽日,出行去處通達,爭訟有理,不逢盜賊,求財遂意,好人相逢,出遇酒食,大吉。賊盜日,出行不利,所求不遂,必主人亡,枷鎖臨身,不宜用。寶倉日,出行大人見喜,百事通達,求財遂意,衣錦還鄉,用之大吉。
堂房日。出行する時凶神在らず、家中に於て財を求むるも心に稱い意に稱い、路上に遇う所は皆好人にして、大吉なり。金庫日。出行すれば則ち車馬成行すること能わず、縱い本是れ大吉の神なるも亦た道路に迷失し、路上に盜賊に遇い、財を求めて得ず、大凶なり。金堂日。出行は吉利・通達し、官司を打てば理を占め、財を求むるは意に稱い、大吉なり。順陽日。出行は到る所の處暢通し、爭訟は理を占め、盜賊に碰上せず、財を求むるは順遂し、遇う所は皆好人にして、路上に還た酒食の享く可き有り、大吉なり。賊盜日。出行は利ならず、求むる所の事は願の如くならず、必ず人の亡故する有るを主り、自身は還た枷鎖の厄に遭う、取用するに宜しからず。寶倉日。出行すれば大人物の歡心を得べく、百事通達し、財を求むるは順遂し、衣に錦を著て郷に還るべく、之を用ゐれば大吉なり。
中元將軍の管くる所の四仲月の出行の吉凶、二・五・八・十一月
天盜日,出行求財不成,口舌臨身大凶。天門日,出行所求皆遂,萬事如意,貴人接引,大吉。天堂日,出行求財得財,好人相逢,凡事俱吉。天財日(原文缺)。天賊日,求財失落,見官無理,諸事不成,大凶。天陽日,所求得財,婚姻和合,萬事稱心,大吉。天侯日,吉少凶多,有口舌血光之災,不可用。天倉日,所求得財,出官見喜,大吉。
天盜日。出行し財を求めて成らず、口舌・是非身に纏わる、大凶なり。天門日。出行すれば求むる所の事は皆順遂し、萬事意の如く、還た貴人の引薦・提携する有り、大吉なり。天堂日。出行し財を求めれば便ち財を得、路上に遇う所は皆好人にして、凡事皆吉なり。天財日。この條は底本の原文脫漏し、ただ名目を存すのみ、臆補を作さず。天賊日。財を求めて反って失落し、官に見えて理を占めず、諸事成らず、大凶なり。天陽日。求むる所財を得、婚姻和合し、萬事心に稱い、大吉なり。天侯日。吉少く凶多く、口舌と血光の災とあり、取用す可からず。天倉日。求むる所財を得、出面して官に見ゆるも喜事あり、大吉なり。
下元將軍の管くる所の四季月の出行の吉凶、三・六・九・十二月
朱雀日,出行多主失財,見官無理,大凶。白虎頭日,出行求財遂意,去處大吉。白虎肋日,出行求財遂心,無往不利,大吉。白虎足日,出行求財不利,不宜遠行,作事不成,不宜用。元武日,出行主口舌,凡事不遂,不可用。青龍頭日,出行利於求財,卯時出行吉。青龍肋日,求財遂心,凡事稱意,大吉。青龍足日,求財不遂,見官失理,凶。伏斷日忌出軍、出行、上官、嫁娶、修船、豎柱、上粱。子虛、丑斗、寅室、卯女、辰箕、巳房、午角、未張、申鬼、酉觜、戌胃、亥壁。
朱雀日。出行すれば多く財を失ふを主り、官に見えて理を占めず、大凶なり。白虎頭日。出行し財を求むるは順遂し、往く所の處大吉なり。白虎肋日。出行し財を求むるは心に稱い、往くところ利ならざる無し、大吉なり。白虎足日。出行し財を求むるは利ならず、遠行するに宜しからず、事を辦して成らず、取用するに宜しからず。玄武日。出行は口舌・是非を主り、凡事順遂する能わず、取用す可からず。青龍頭日。出行は財を求むるに利あり、その中卯時に出行するは最も吉なり。青龍肋日。財を求むるは心に稱い、凡事意の如く、大吉なり。青龍足日。財を求めて遂げず、官に見えて理を失ふ、凶なり。別に「伏斷日」あり、軍を出だし・出行し・官に上り任に赴き・嫁娶し・船隻を修造し・柱を豎て・梁を上ぐるを忌む。伏斷日の定法は地支各々一宿を配す。子日は虚宿に配し、丑日は斗宿に配し、寅日は室宿に配し、卯日は女宿に配し、辰日は箕宿に配し、巳日は房宿に配し、午日は角宿に配し、未日は張宿に配し、申日は鬼宿に配し、酉日は觜宿に配し、戌日は胃宿に配し、亥日は壁宿に配す。
月を逐ひて出行する吉方
正月大從寅,月小從申;二月大從子,月小從卯;三月大從酉,月小從辰;四月大從巳,月小從亥;五月大從午,月小從子;六月大從未,月小從丑;七月大從寅,月小從申;八月大從午,月小從卯;九月大從卯,月小從辰;十月大從子,月小從巳;十一月大從午,月小從申;十二月大從未,月小從戌。以上當三十人,大忌月忌日,又怕天地人三殺日,壬戌、庚辰、辛巳日,庚辛壬為七煞,癸卯為截路空亡,出行大凶。
月を逐ひて出行する吉方は、須く大月・小月に按じて分別して取用すべし。正月の大月は寅方より出發し、小月は申方より出發す。二月の大月は子より、小月は卯より。三月の大月は酉より、小月は辰より。四月の大月は巳より、小月は亥より。五月の大月は午より、小月は子より。六月の大月は未より、小月は丑より。七月の大月は寅より、小月は申より。八月の大月は午より、小月は卯より。九月の大月は卯より、小月は辰より。十月の大月は子より、小月は巳より。十一月の大月は午より、小月は申より。十二月の大月は未より、小月は戌より。以上の諸法は三十人上下の隊伍に適用す。出行は最も月忌の日を忌み、また天・地・人の三殺の日を怕る、即ち壬戌・庚辰・辛巳のこの幾天なり。庚・辛・壬は七煞にして、癸卯は截路空亡にして、これらの日子に逢上すれば出行は大凶なり。
巻二十
黃黑道日時
凡子午月日申上起青龍,所謂子午從申起是也。丑未月日戌上起青龍,即丑未戌上尋是也。寅申月日子上起青龍,即寅申居子位是也。卯酉月日寅上起青龍,即卯酉卻加寅是也。辰戌月日辰上起青龍,即辰戌龍位上是也。巳亥月日午上起青龍,即所謂巳亥午中行是也。如正月二十六庚戌日,寅月子上起道字,數至戌遇還字,是黃道日;又戌日辰上起道字,巳上遇遠字,申酉遇通達二字,亥上遇遙字,寅上遇還字,辰、巳、申、酉、亥、寅時皆是黃道時也;餘仿此。
凡そ子月・午月あるいは子日・午日は、皆申位の上に於て青龍を起こす、所謂る「子午は申より起こる」は就中この意思なり。丑月・未月あるいは丑日・未日は、戌位の上に於て青龍を起こす、即ち口訣の「丑未は戌上に尋ねよ」なり。寅月・申月あるいは寅日・申日は、子位の上に於て青龍を起こす、即ち「寅申は子位に居れ」なり。卯月・酉月あるいは卯日・酉日は、寅位の上に於て青龍を起こす、即ち「卯酉は卻て寅に加はれ」なり。辰月・戌月あるいは辰日・戌日は、辰位の上に於て青龍を起こす、即ち「辰戌は龍位の上」なり。巳月・亥月あるいは巳日・亥日は、午位の上に於て青龍を起こす、即ち所謂る「巳亥は午中に行け」なり。例を擧げて説けば、正月二十六は庚戌日にして、正月は寅を建てば、便ち子位の上に於て「道」の字を起こし、戌位に數へ到りて「還」の字に遇えば、この一天は就中黃道日なり。さらに戌日をもって時辰を推し、辰位の上より「道」の字を起こし、巳位は「遠」の字に遇い、申・酉の兩位は「通」「達」の二字に遇い、亥位は「遥」の字に遇い、寅位は「還」の字に遇う、故に辰・巳・申・酉・亥・寅のこの幾個の時辰は皆黃道時なり。その餘の日時は皆此に照らし類推す。
青龍明堂及天刑,朱雀金匱天德神,白虎玉堂天牢黑,元武司命及勾陳。青龍、明堂、金匱、天德、玉堂、司命為黃道,天刑、朱雀、白虎、天牢、元武、勾陳為黑道。歌曰:“道遠幾時通達,路遙何日還鄉”。定黃黑道二日:正七起子二八寅,三九原來卻在辰,四十須知午上起,五月十一併居申,六十二月起於戌,黃道為祥黑道凶。
十二神の排列の次序は、青龍・明堂・天刑・朱雀・金匱・天德・白虎・玉堂・天牢・玄武・司命・勾陳なり。その中青龍・明堂・金匱・天德・玉堂・司命の六位は黃道に属し、天刑・朱雀・白虎・天牢・玄武・勾陳の六位は黑道に属す。記誦するに便きの歌訣は、「道遠幾時か通達せん、路遥何日か還郷せん」と。この十二個の字は依次に十二神に配し、凡そ「道・遠・通・達・遥・還」の六字の落つる所の位は就中黃道にして、その餘の六字の落つる所の位は就中黑道なり。至りて黃黑道の日を定むるの起例は、正月・七月は子位より起こり、二月・八月は寅位より起こり、三月・九月は原來辰位に在り、四月・十月は須く午位より起こるを知るべし、五月・十一月は一倂に申位に在り、六月・十二月は戌位より起こる。黃道に落つるは祥瑞と為し、黑道に落つるは凶と為す。
三德吉方
日支:子、丑、寅、卯、辰、巳、午、未、申、酉、戌、亥。陽德方:丙、丙、丙、庚、庚、庚、壬、壬、壬、甲、甲、甲。陰德方:乙、乙、庚、丁、丁、壬、辛、辛、甲、癸、癸、丙。人德方:庚、辛、干、壬、癸、艮、甲、乙、巽、丙、丁、坤。凡為百事、遠行、見長吏、貴人,諸方事出陰德方入陽德方,從人德方去。若避難免禍,出陽德方從人德方去,縱遇凶險,皆變為吉。
三德吉方は日支に按じて排定す。日支は依次に子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥なり。對應する所の「陽德方」は依次に丙・丙・丙・庚・庚・庚・壬・壬・壬・甲・甲・甲にして、三支毎に一干を換る。「陰德方」は依次に乙・乙・庚・丁・丁・壬・辛・辛・甲・癸・癸・丙なり。「人德方」は依次に庚・辛・乾・壬・癸・艮・甲・乙・巽・丙・丁・坤なり。凡そ各種の事情を辦理し・遠行し・長官・貴人に拜見するは、皆應當に陰德方より門を出で・陽德方に進入し、さらに道を人德方に取りて去るべし。もし難を避け禍を免かるるを為さば、就中陽德方より門を出で・道を人德方に取りて去り、縱い途中に凶險に遇うも、亦皆轉化して吉利と為らん。
喜神の方位
甲己寅卯喜,乙庚辰戌強,丙辛申酉上,戊癸巳亥良,丁壬午未向,此是喜神方。如甲己之日,寅卯二方乃喜神之所在也;餘仿此。凡出行、賭戲,宜向之。
喜神の方位は日干に按じて選取す。甲日・己日は喜神は寅・卯の兩方に在り。乙日・庚日は辰・戌の兩方に於て最も強し。丙日・辛日は申・酉の兩方に在り。戊日・癸日は巳・亥の兩方を良と為す。丁日・壬日は則ち午・未の兩方に面向かう——これは就中喜神の在る所の方なり。例を擧げて説けば、甲日・己日に逢えば、寅・卯の兩方便ち喜神の在る所なり。その餘の各日は此に照らし類推す。凡そ門を出でて遠行しあるいは賭博・游戲するは、皆宜しく喜神の方位に朝かいて行くべし。
六甲青龍
甲子旬子上起青龍,甲戌旬戌上起青龍,甲申旬申上起青龍之類。申天牢、酉天藏、戌陽孤、亥陰虛,未天庭、子青龍,午天獄、丑蓬星,巳地戶、辰天門、卯太陰、寅明堂。安宮:干甲離壬寅午戌,艮丙辛上是貪狼,坤乙坎癸申子辰,坤壬乙上是貪狼,巽辛兌丁巳酉丑,干甲庚上是貪狼,艮丙震庚亥卯未,巽艮丁上貪狼是。
六甲の各旬に青龍を起こすの辦法は、甲子旬は子位の上に於て青龍を起こし、甲戌旬は戌位の上に於て青龍を起こし、甲申旬は申位の上に於て青龍を起こし、その餘の各旬は此に照らし類推す。排び出したる所の十二位は、申は天牢にして、酉は天藏にして、戌は陽孤にして、亥は陰虚にして、未は天庭にして、子は青龍にして、午は天獄にして、丑は蓬星にして、巳は地戶にして、辰は天門にして、卯は太陰にして、寅は明堂なり。至りて「安宮」の法は、三合と卦位とを按じて貪狼の在る所を尋ぬ。乾・甲・離・壬と寅午戌とは一組にして、貪狼は艮・丙・辛の上に在り。坤・乙・坎・癸と申子辰とは一組にして、貪狼は坤・壬・乙の上に在り。巽・辛・兌・丁と巳酉丑とは一組にして、貪狼は乾・甲・庚の上に在り。艮・丙・震・庚と亥卯未とは一組にして、貪狼は巽・艮・丁の上に在り。
安營
六甲起青龍,大將居之;六乙為蓬星,旗鼓居之;六丙為明堂,次將居之;六丁為太陰,出入私路、探聽軍情、脫身隱匿;六戊為天門,又為軍門,吉事出入;六己為地戶,伏兵、凶事、出入、躲藏;六庚為天獄,宜積糧草;六辛為天庭,判斷、斬決;六壬為天牢,宜積蓄;六癸為華蓋,又為天藏,若欲脫難,入太陰出天藏而去,安營壘而有慶,攻擊敵以無乖。
營を安んじ陣を布くは十干各々一位を配す。六甲は青龍を起こし、是れ大將の居る所の處なり。六乙は蓬星にして、是れ旗幟・戰鼓の在る所なり。六丙は明堂にして、是れ副將の居る所なり。六丁は太陰にして、出入して隱秘の小路・軍情を探聽し・身を脫し匿るるに用ゐる。六戊は天門にして、も喚んで軍門と曰い、吉事は此より出入す。六己は地戶にして、兵馬を埋伏し・凶事を辦理し・出入して躲藏するに用ゐる。六庚は天獄にして、糧草を囤積するに宜し。六辛は天庭にして、案情を判斷し・斬殺・處決するに宜し。六壬は天牢にして、財物を積蓄するに宜し。六癸は華蓋にして、も喚んで天藏と曰う。もし危難を脫離せんと欲せば、就中太陰より進入し・天藏より出去す。此に依りて營壘を安扎すれば便ち吉慶あり、敵人を攻撃するも差錯を出さざらん。
《三元經》曰:“夫將兵四出,統眾安營,必取其法,以六甲為首,十時一易”。真卓曰:“以歲月旬而為,或依歲月,或取六甲旬首而推排之”。大將居青龍(甲),旗鼓居蓬星(乙),士卒居明堂(丙),伏兵居太陰(丁),軍門居天門(戊),小將居地戶(己),斬伐居天獄(庚),判斷居天庭(辛),囚擊糧儲居天牢(壬),天藏居華蓋(癸)。
『三元經』に曰く、「凡そ兵を領して四出し・部衆を統率して營を安んずるは、必定に法度に依照し、六甲を首と為し、十個の時辰毎に一度を更換す」と。真卓は曰く、「年・月・旬に按じて推排し、あるいは年月に依照し、あるいは六甲の旬首を取りて推布す」と。具體の對應は、大將は青龍位に居り(甲)、旗鼓は蓬星位に居り(乙)、士卒は明堂位に居り(丙)、伏兵は太陰位に居り(丁)、軍門は天門位に居り(戊)、偏將は地戶位に居り(己)、斬殺は天獄位に居り(庚)、案を判ずるは天庭位に居り(辛)、囚犯・刑撃と糧儲とは天牢位に居り(壬)、天藏は華蓋位に居る(癸)なり。
陰府を忌む
干甲兌丁丑忌乙庚,坤乙坎癸申辰忌丙辛,離寅壬午戌忌丁壬,震庚亥未忌戊癸,巽辛艮丙忌甲己。二十八宿陰晴日:軫角陰來往返晴,亢宿吹沙起大風,氐房心尾風聲起,箕斗雲霧雨濛濛,每見奎光天日晴,胃婁雨聲陰凍凍,昴畢原來又轉晴,遇觜參井大風起,鬼日天陰晚後晴,柳星值日雲霧暗,張翼日色卻烘烘。
「陰府を忌む」は説く、各組の山向は各々忌む所の年干ありと。乾・甲・兌・丁・丑の一組は乙年と庚年を忌み、坤・乙・坎・癸・申・辰の一組は丙年と辛年を忌み、離・寅・壬・午・戌の一組は丁年と壬年を忌み、震・庚・亥・未の一組は戊年と癸年を忌み、巽・辛・艮・丙の一組は甲年と己年を忌む。至りて二十八宿の主管する陰晴は、軫宿・角宿が日に値すれば先ず陰にして後に晴に轉じ、亢宿が日に値すれば沙を吹きて大風を起こし、氐・房・心・尾の四宿が日に値すれば風聲大作し、箕宿・斗宿が日に値すれば雲霧迷蒙し・細雨綿綿たり。凡そ奎宿に逢えば則ち天光晴朗し、胃宿・婁宿が日に値すれば雨聲不斷にして陰冷當り難し、昴宿・畢宿は原來また晴に轉じ、觜・參・井の三宿に遇上すれば則ち大風驟起し、鬼宿が日に値すれば白天陰にして入夜の後晴に轉じ、柳宿・星宿が日に値すれば雲霧昏暗し、張宿・翼宿が日に値すれば則ち日色紅亮なり。
每月の凶星
天上凶星不自由,正七在閉二八收,三九逢危四十執,五十一月向平流,六十二月除中見,拜職求官萬事休。定太陽出沒時刻長短歌訣:正九出乙入庚方,二八出兔入雞場,三七發甲入辛地,四六出寅入戌方,五月生艮歸乾上,仲冬出巽入坤方,惟有十月與十二,出辰入申仔細詳。定寅時歌訣:正九五更四點徹,二八五更二點歇,三七平光是寅時,四六日出寅無別,五月日高三丈地,十月十二四更二,仲冬才到四更初,此是寅時須切記。
「每月の凶星」の歌訣に曰く、天上の凶星は人に由りて主と為らず、正月と七月は「閉」の日に落ち、二月と八月は「收」の日に落ち、三月と九月は「危」の日に逢い、四月と十月は「執」の日に逢い、五月と十一月は「平」の日に落ち、六月と十二月は「除」の日の中に於て出現す。これらの日子に逢いて職務を拜受し・官位を謀求すれば、一切は皆落空せんと。「太陽の出没・時刻・長短を定むるの歌訣」に曰く、正月・九月は太陽は乙方より升起し・庚方に落入り、二月・八月は卯(兎)位より出で・酉(雞)位に入り、三月・七月は甲方より出で・辛方に入り、四月・六月は寅方より出で・戌方に入り、五月は艮方より升起し・乾方に歸入し、仲冬十一月は巽方より出で・坤方に入り、ただ十月と十二月とは是れ辰方より出で・申方に入る、須く仔細に分辨すべし。「寅時を定むるの歌訣」に曰く、正月・九月は須く五更四點に天光透き亮くする時に到りて乃ち是れ寅時にして、二月・八月は五更二點に在り、三月・七月は天剛に放亮すれば便ち寅時にして、四月・六月は日出の時は就中寅時にして竝に分別無く、五月は則ち已に日高さ三丈にして、十月と十二月は四更二點に在り、仲冬十一月は乃ち四更の初刻に到る——これは就中各月の寅時の界限にして、務めて牢記すべし。
八門斷訣
要求市賈出生方,捕捉須經死路強,欲問遠行開戶去,休門最好謁君王,索債傷門多稱意,杜門有事可潛藏,捕捉驚門宜訟詞,獻策酒食出景鄉。見貴參官須用開,求財覓利奔休求,避難求官生上去,傷門索債可相催,尋人覓故須逢景,釣魚獵射死門該,擒賊捕盜死門好,杜門走失不能回。
買賣を做さば須く生門の方より出づべく、人犯を捉拿せば須く死門のこの硬路を走るべし。遠行の事を問はば則ち開門より出づべし。君王に朝見するは休門をもって最も好しと為す。債を討うは傷門を走れば多く心に稱うを得。事ありて隱藏するを須すれば杜門を走れ。人を捕へ官司・告狀を打つは驚門を用ゐるに宜し。策論を進獻し・宴に赴き飲食するは則ち景門の方向より出づ。下半首はまた曰く、貴人を拜見し・官長を參謁するは須く開門を用ゐるべし、財を求め利を謀るは休門に奔り、難を避け官を求むるは生門より去り、傷門は債務を催討す可く、人を尋ね舊を訪うは景門に逢うを要し、魚を釣り獵を射るは死門を用ゐるに當り、賊を擒へ盜を捕ふるも亦死門をもって好しと為し、至りて杜門は、走失せる人あるいは物は就中再び追回すること能わず。
孤虚の法
黃石公曰:“背孤擊虛,一女可敵十人”。古法十人用時孤,百人用日孤,千人用月孤,萬人用年孤,惟有時孤最驗。甲子旬,孤在戌亥,虛在辰巳。甲戌旬,孤在申酉,虛在寅卯之類;餘仿此。旺氣十倍,相氣五倍,休氣如數,囚氣減少,死氣減半也。
黃石公は曰く、「孤位を背負いて虛位を攻撃せば、一個の女子をもっても十個の人を抵當し得」と。古法は、十人の隊伍は時孤を取り、百人は日孤を取り、千人は月孤を取り、萬人は年孤を取り、その中時孤をもって最も靈驗と為す。孤虚の定法は、甲子旬の中は戌・亥を孤と為し・辰・巳を虚と為し、甲戌旬の中は申・酉を孤と為し・寅・卯を虚と為し、その餘の各旬は此に照らし類推す。至りて戰力の加成は氣數の旺衰を看るを要し、旺氣に處すれば則ち效力十倍し、相氣は五倍し、休氣は本數と相當し、囚氣は則ち減少し、死氣は半減す。
博奕の勝負
《金匱》云:“得與無,視孤虛”。謂樗蒲博奕以正時六甲旬孤上坐者勝,虛上坐者負。又參以三奇吉門,斗罡以杓指他人必勝。五帝旺氣坐向方位:正、五、九月正南方面北大勝,二、六、十月正東方面西大勝,三、七、十一月正北方面南大勝,四、八、十二月正西方面東大勝。
『金匱』に曰く、「得る所有るか無得なるかは、須く孤虚を看るべし」と。意思は樗蒲を玩び・棋を下し賭博する時は、當下の正時の属する所の六甲旬に按じて孤虚を定出し、孤位の上に坐する人は勝を取り、虚位の上に坐する人は敗落す。さらに三奇と吉門とを參照し、併せて斗柄・天罡の斗杓をして對方に指向せしめば、必定に勝を獲ん。至りて「五帝旺氣の坐向・方位」は、正月・五月・九月は正南に坐して面して北に朝き、大勝し、二月・六月・十月は正東に坐して面して西に朝き、大勝し、三月・七月・十一月は正北に坐して面して南に朝き、大勝し、四月・八月・十二月は正西に坐して面して東に朝き、大勝す。
險危に陟るを論ず
經曰:九山河水際深大為絕過山朦朧為天牢過。絕人者,為天羅。兼葭者,眾草也。潢者,池也。險者,疾也。高下有水之處,天井者,坑下也。翳薈者,屏蔽之處也。此地情形,兵不得轉移者,賊從利方上來,即視天時,如陽時令士卒皆坦前左肩,引聲大呼,鳴鐘鼓而先擊之。
經文に曰く、山高く水深く・邊際廣大の處を喚んで「絕」と曰い、山嶺を越えて雲氣朦朧たるの處を喚んで「天牢」と曰う。人の行くを斷絶し得る地方を喚んで「天羅」と曰い、「蒹葭」は叢生の野草を指し、「潢」は池沼を指し、「險」は急迫・難行の處を指し、高下の間に水あり・下陷して坑と成る地方を喚んで「天井」と曰い、「翳薈」は草木の遮蔽する處を指す。かくの如き地形の上に於ては、兵馬は轉移する能わず、敵人はまた有利の方より壓して來れば、就中天時を察看すべし。もし是れ陽時ならば、就中士卒に命じて皆左肩を袒露し・聲を長くして大聲に呼喊せしめ、鐘鼓を敲響して先に攻撃を發起すべし。
若陰時令士卒銜枚駐車,立馬桴皷,靜以待之,倘賊人四面圍迫,當分軍馬為三部,一部居月建上,一部居月德上(一雲居日月德上),一部居生神上(即每月建逢開是生神,時沖逢死氣。),月德正從未順行,日德正從亥逆行數,時德亥子丑逢申酉戌巳午未寅十二卯上勝。一云:“大將居亭亭上,引兵擊之大勝”,生神一作生門。
もし是れ陰時ならば、就中士卒に命じて口に枚木を銜ませ・車馬は駐立して動かず、人馬は槌を持して鼓を待ち、靜靜として時機を等候す。倘も敵人四面より圍逼せば、應當に軍馬を分かちて三部と作し、一部は月建の位に駐し、一部は月德の位に駐し(一説は日德・月德の位に駐す)、一部は生神の位に駐す——所謂る生神は、就中每月の月建の値する所の「開」の日にして、時辰の相冲する處は則ち死氣に逢う。月德は正月の未位より起こりて順行して推數し、日德は正月の亥位より起こりて逆行して推數し、時德は則ち亥・子・丑の三時は申・酉・戌に對應し、巳・午・未の三時は寅に對應し、第十二位に到りて卯の上に於て勝を得。もう一説は、「大將は亭亭の位に坐鎭し、兵を率いて出撃すれば大勝を獲べし」と。文中の「生神」は、一本は「生門」と作す。
亭亭・白奸
王璋曰:“亭亭者,天之貴神也”。背之而擊其沖,其法以月將加時,神后下是。歌曰:“常從此地擊其沖”。如正月雨水節,太陽過亥宮之後,乃用登明天月將,將即太陽也。如午時用事,即以月將亥加午上,子加未上,是為亭亭在未,宜背之。背之者,或坐其上而擊對沖也。又一法,子日在巳,丑日在未,順行十二宮。
王璋は曰く、「亭亭は上天の貴神なり」と。用法はそれを背負いて往きてそれの對する所の冲位を攻打す。求法は月將を時に加え、神后(子)の落つる所の處は便ち亭亭なり。歌訣に曰く、「常にこの位置よりそれの對冲を攻打す」と。例を擧げて説けば、正月の雨水節以後に太陽は亥宮を過ぐれば、就中登明を用ゐて天月將と作る——所謂る將は、其實は就中太陽なり。假令午時を用事せば、便ち月將の亥を午位の上に加え、子は之に隨いて未位の上に加はる、故に亭亭は未に在り、この位を背負うに宜し。所謂る「之を背く」は、就中この位置の上に坐してそれの對冲の方を攻撃するなり。別に一法あり、子日は亭亭は巳に在り、丑日は未に在り、その後順行して十二宮す。
白奸者,天之奸神也。合於巳亥,格於寅申。當合之時,宜背之,當格之時,背亭亭向白奸。其法以月將加時,寅午戌三宮見寅申巳亥四孟神。即白奸所在。如正月雨水節,太陽過亥宮,或午時用事,以登明亥將加午上,以亥臨午,即為白奸在午之數。又一法,寅午戌日白奸在亥,亥卯未日白奸在寅,申子辰日白奸在巳,巳酉丑日白奸在申。
白奸は上天の奸邪の神にして、それは巳・亥と相合し・寅・申と相格す。それの相合の時に處するは、それを背負うに宜しく、それの相格の時に處するは、則ち亭亭を背負いて白奸に面向かう。求法は月將を時に加え、寅・午・戌の三宮の中に於て寅・申・巳・亥のこの四孟の神を看れば、あそこは便ち白奸の在る所なり。例を擧げて説けば、正月の雨水節に太陽は亥宮を過ぎ、もし午時を用事せば、就中登明の亥將を午の上に加え、亥は午に臨み、これは便ち白奸の午に在るの算法なり。別に一法あり、寅・午・戌日は白奸は亥に在り、亥・卯・未日は白奸は寅に在り、申・子・辰日は白奸は巳に在り、巳・酉・丑日は白奸は申に在り。
日:子、丑、寅、卯、辰、巳、午、未、申、酉、戌、亥。亭亭方:巳、午、未、申、酉、戌、亥、子、丑、寅、卯、辰。白奸方:巳、申、亥、寅、巳、申、亥、寅、巳、申、亥、寅。月:正、二、三、四、五、六、七、八、九、十、十一、十二。亭亭:卯、辰、巳、午、未、申、酉、戌、亥、子、丑、寅。白奸:亥、寅、巳、申、亥、寅、巳、申、亥、寅、巳、申。
下面の兩張の表は分別に日に按じ・月に按じて亭亭と白奸との在る所を列ねる。日に按じて推せば、日支は子より亥に至るまで、亭亭の方は依次に巳・午・未・申・酉・戌・亥・子・丑・寅・卯・辰にして、即ち子日の巳位より起こりて日を逐ひて順行して一週す。白奸の方は依次に巳・申・亥・寅の四位を反復・循環す。月に按じて推せば、正月より十二月に至るまで、亭亭は依次に卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥・子・丑・寅にして、同じく月を逐ひて順行す。白奸は依次に亥・寅・巳・申の四位を反復・循環す。兩表相對照すれば、便ち日に隨い月に隨いて背負うべきと面向かうべきとの方位を定出すべし。
日家の奇門の歌訣
甲戊壬子起坎,丁辛乙卯坤裁,庚甲戊午震宮求,巽到癸丁辛酉,庚丙鼠行乾上,己癸兔走西疇,壬丙騎馬艮山頭,乙己雞飛離九。其法一卦管三日,如甲子、乙丑、丙寅三日於坎宮起休門,丁卯、戊辰、己巳三日於坤起休門,依九宮次序,三日一換,局去中五不用,待休門既定,然後從八卦定方位也。
この歌訣は每日の休門の何宮より起こるかを講ず。甲子・戊子・壬子等の日は坎宮より起こり、丁卯・辛卯・乙卯等の日は坤宮に於て裁定し、庚午・甲午・戊午等の日は震宮に到りて找り、癸酉・丁酉・辛酉等の日は巽宮に落ち、庚子・丙子等の鼠日は乾宮に行き到り、己卯・癸卯等の兎日は西邊に走向し、壬午・丙午等の馬日は艮山の頭上に騎到し、乙酉・己酉等の雞日は離の九宮に飛入る。その用法は一卦が三天を管す。譬えば甲子・乙丑・丙寅の三日は皆坎宮に於て休門を起こし、丁卯・戊辰・己巳の三日は皆坤宮に於て休門を起こす。九宮の次序に依りて、三日に一換し、局を排ぶ時は中五宮を去りて用ゐず。休門の位置の定まるを待ちて後、さらに八卦に依りてその餘の各門の方位を定出す。
八門三奇出行定局
休、生、傷、杜、景、死、驚、開。甲子、乙丑、丙寅、戊子、己丑、庚寅、壬子、癸丑、甲寅:坎、艮、震、巽、離、坤、兌、干。丁卯、戊辰、己巳、辛卯、壬辰、癸巳、乙卯、丙辰、丁巳:坤、兌、干、坎、艮、震、巽、離。庚午、辛未、壬申、甲午、乙未、丙申、戊午、己未、庚申:震、巽、離、坤、兌、干、坎、艮。癸酉、甲戌、乙亥、丁酉、戊戌、己亥、辛酉、壬戌、癸亥:巽、離、坤、兌、干、坎、艮、震。
この張の表の橫欄は八門にして、次序は休・生・傷・杜・景・死・驚・開と為し、竪欄は日辰にして、欄內に列ねる所は就中八門の當日の各々落つる宮なり。甲子・乙丑・丙寅・戊子・己丑・庚寅・壬子・癸丑・甲寅のこの九日は、休門は坎に在り・生門は艮に在り・傷門は震に在り・杜門は巽に在り・景門は離に在り・死門は坤に在り・驚門は兌に在り・開門は乾に在り。丁卯・戊辰・己巳・辛卯・壬辰・癸巳・乙卯・丙辰・丁巳のこの九日は、八門は依次に坤・兌・乾・坎・艮・震・巽・離に落つ。庚午・辛未・壬申・甲午・乙未・丙申・戊午・己未・庚申のこの九日は、八門は依次に震・巽・離・坤・兌・乾・坎・艮に落つ。癸酉・甲戌・乙亥・丁酉・戊戌・己亥・辛酉・壬戌・癸亥のこの九日は、八門は依次に巽・離・坤・兌・乾・坎・艮・震に落つ。
丙子、丁丑、戊寅、庚子、辛丑、壬寅日:干、坎、艮、震、巽、離、坤、兌。己卯、庚辰、辛巳、癸卯、甲辰、乙巳日:艮、震、巽、離、坤、兌、干、坎。壬午、癸未、甲申、丙午、丁未、戊申日:兌、干、坎、艮、震、巽、離、坤。乙酉、丙戌、丁亥、己酉、庚戌、辛亥日:離、坤、兌、干、坎、艮、震、巽。
上表に接續す。丙子・丁丑・戊寅・庚子・辛丑・壬寅のこの幾日は、休門は乾に在り、生門は坎に在り、傷門は艮に在り、杜門は震に在り、景門は巽に在り、死門は離に在り、驚門は坤に在り、開門は兌に在り。己卯・庚辰・辛巳・癸卯・甲辰・乙巳のこの幾日は、八門は依次に艮・震・巽・離・坤・兌・乾・坎に落つ。壬午・癸未・甲申・丙午・丁未・戊申のこの幾日は、八門は依次に兌・乾・坎・艮・震・巽・離・坤に落つ。乙酉・丙戌・丁亥・己酉・庚戌・辛亥のこの幾日は、八門は依次に離・坤・兌・乾・坎・艮・震・巽に落つ。此より見る可く、休門は三日毎に一宮を移換し、その餘の七門は之に隨いて順序排開す。
日家の九星の歌訣
甲子艮宮加太乙,攝提軒轅招搖遊,天符青龍咸池繼,太陰天乙順行流。太乙、青龍、太陰、天乙,吉。天符、軒轅,中平。攝提、招搖、咸池,凶。如甲子日以太乙加艮宮順行,甲戌加離,甲申加坎,甲午加坤,甲辰加震,甲寅以太乙加巽宮。
歌訣に曰く、甲子日は太乙を艮宮に加え、その後は依次に攝提・軒轅・招摇、再接いで天符・青龍・咸池、最後は太陰・天乙にして、一路順行して排布す。九星の吉凶は、太乙・青龍・太陰・天乙の四星は吉と為し、天符・軒轅の兩星は中平にして、攝提・招摇・咸池の三星は凶と為す。用法の例を擧げれば、甲子日は太乙を艮宮に加えて順行し、甲戌旬は離宮に加え、甲申旬は坎宮に加え、甲午旬は坤宮に加え、甲辰旬は震宮に加え、甲寅旬は則ち太乙を巽宮に加う。
大八門日を逐ひて出行する訣
冬至、小寒、大寒、立春:甲戊壬子居坎,丁辛乙卯坤設,戊庚甲馬震宮來,癸酉丁辛巽在,庚丙鼠逢干位,己癸兔走西街,丙壬午馬艮遊臺,乙己雞飛離界。雨水、驚蟄、春分、清明:甲戊壬子居兌,丁辛乙卯八宮,戊庚甲馬在離中,癸酉丁辛坎用,庚丙鼠逢行坤位,己癸兔走東宮,丙壬午馬巽為風,乙己雞飛干應。
この一節は八節に按じて分列して每日の休門の在る所を出す。冬至・小寒・大寒・立春のこの四個の節氣の內に、甲子・戊子・壬子等の日は休門は坎宮に居り、丁卯・辛卯・乙卯等の日は坤宮に設け、戊午・庚午・甲午等の日は震宮に來到し、癸酉・丁酉・辛酉等の日は巽宮に在り、庚子・丙子等の鼠日は乾位に逢い、己卯・癸卯等の兎日は西邊の兌宮を走り、丙午・壬午等の馬日は艮臺に游び、乙酉・己酉等の雞日は離界に飛入る。雨水・驚蟄・春分・清明のこの四個の節氣の內に、甲子・戊子・壬子等の日は休門は兌宮に居り、丁卯・辛卯・乙卯等の日は八宮の艮に在り、戊午・庚午・甲午等の日は離宮の中に在り、癸酉・丁酉・辛酉等の日は坎宮を用ゐ、庚子・丙子等の鼠日は坤位を行き、己卯・癸卯等の兎日は東宮を走り、丙午・壬午等の馬日は巽の風と為すの位に在り、乙酉・己酉等の雞日は乾宮に飛到して相應す。
榖雨、立夏、小滿、芒種:甲戊壬子居巽,丁辛乙卯干方,戊庚甲馬兌宮藏,癸酉丁辛艮向,庚丙子行離位,己癸兔走北方,丙壬午馬在坤岡,乙己酉歸震上。夏至、小暑、大暑、立秋:甲戊壬子離位,丁辛乙卯北居,戊庚甲馬在坤期,癸酉丁辛震在,庚丙鼠歸巽上,己癸兔走干室,丙壬午馬兌宮吉,乙己雞飛艮地。
穀雨・立夏・小滿・芒種のこの四個の節氣の內に、甲子・戊子・壬子等の日は休門は巽宮に居り、丁卯・辛卯・乙卯等の日は乾方に在り、戊午・庚午・甲午等の日は兌宮に藏れ、癸酉・丁酉・辛酉等の日は艮宮に朝向し、庚子・丙子等の日は離位を行き、己卯・癸卯等の兎日は北方の坎宮を走り、丙午・壬午等の馬日は坤岡に在り、乙酉・己酉等の日は震上に歸す。夏至・小暑・大暑・立秋のこの四個の節氣の內に、甲子・戊子・壬子等の日は休門は離位に在り、丁卯・辛卯・乙卯等の日は北方の坎宮に居り、戊午・庚午・甲午等の日は坤宮に約し、癸酉・丁酉・辛酉等の日は震宮に在り、庚子・丙子等の鼠日は巽上に歸し、己卯・癸卯等の兎日は乾室を走り、丙午・壬午等の馬日は兌宮に在りて吉と為し、乙酉・己酉等の雞日は艮地に飛入る。
處暑、白露、秋分、寒露:甲戊壬子居震,丁辛乙卯東南,戊庚甲馬卻行干,癸酉丁辛兌換,庚丙鼠逢艮位,己癸兔走離軒,丙壬午馬坎宮眠,乙己離飛坤轉。霜降、立冬、小雪、大雪:甲戊壬子干位,丁辛乙卯酉宮,戊庚甲馬艮相逢,癸酉丁辛離應,庚丙鼠行坎位,己癸兔坤宮,丙壬午馬震宮興,乙己雞逢巽用。冬至四氣首云,甲戊壬子居坎,乃休門在坎也。丁辛乙卯坤設,乃休門在坤也。三日換一門,五日換一奇。夏至四氣,甲子、乙丑、丙寅、戊子、己丑、庚寅,壬子、癸丑、甲寅,乃是休門在離,所謂甲戊壬子離位也,三日換一門,五日換一奇,餘仿此。
處暑・白露・秋分・寒露のこの四個の節氣の內に、甲子・戊子・壬子等の日は休門は震宮に居り、丁卯・辛卯・乙卯等の日は東南の巽宮に在り、戊午・庚午・甲午等の日は反行して乾宮に在り、癸酉・丁酉・辛酉等の日は兌宮に換到し、庚子・丙子等の鼠日は艮位に逢い、己卯・癸卯等の兎日は離軒を走り、丙午・壬午等の馬日は坎宮に安眠し、乙酉・己酉等の日は離宮より轉じて坤宮に入る。霜降・立冬・小雪・大雪のこの四個の節氣の內に、甲子・戊子・壬子等の日は休門は乾位に在り、丁卯・辛卯・乙卯等の日は酉位の兌宮に在り、戊午・庚午・甲午等の日は艮宮と相逢し、癸酉・丁酉・辛酉等の日は離宮に應じ、庚子・丙子等の鼠日は坎位を行き、己卯・癸卯等の兎日は坤宮に在り、丙午・壬午等の馬日は震宮に興り、乙酉・己酉等の雞日は巽に逢いて用ふ。總じて説えば、冬至の一節四氣の頭の一句の「甲戊壬子は坎に居れ」は、就中休門は坎宮に在るを説き、「丁辛乙卯は坤に設く」は、就中休門は坤宮に在るを説く。三天に一門を換へ、五天に一奇を換ふ。夏至の一節四氣の中は、甲子・乙丑・丙寅・戊子・己丑・庚寅・壬子・癸丑・甲寅のこれらの日子は、休門は皆離宮に在り、即ち所謂る「甲戊壬子は離位」なり。同じく三天に一門を換へ、五天に一奇を換ふ。その餘の各節は此に照らし類推す。
每日出行の八門捷訣(三吉門に向かいて行けば大吉)
甲干丙艮戊子風,震庚壬坎起休門,乙卯東南丁卯火,兌辛干癸卯東中,離丙兌戊西北,庚午東南壬午,坤乙酉丁山坤母,辛酉南行癸酉東,此是休門真居處,每宮三日順排輪。日家九星:甲子回頭起艮,甲戌飛入離宮,猿猴來入水晶宮,甲午坤中不動,曾見龍與震地,更見虎嘯生風,九星殿上顯能功,太乙臨之發用。
この首の捷訣に曰く、甲子日は乾宮に在り、丙子日は艮宮に在り、戊子日は巽(風)宮に在り、庚子日は震宮に在り、壬子日は坎宮に在り、皆これらの宮より休門を起こす。乙卯日は東南の巽宮に在り、丁卯日は離(火)宮に在り、辛卯日は兌宮に在り、癸卯日は乾宮と東方との間に在り。丙午日は離宮に在り、戊午日は兌宮の西北に偏り、庚午日は東南の巽宮に在り、壬午日も亦然り。乙酉日は坤宮に在り、丁酉日は坤位の山に在り、辛酉日は南行して離宮に到り、癸酉日は東方の震宮に在り。これらは就中休門の眞正の在る所の處にして、宮毎に三日を管し、順次に輪排す。「日家の九星」の口訣に曰く、甲子旬は頭を回して艮宮より起こり、甲戌旬は離宮に飛入し、甲申旬(猿猴)は坎の水晶宮に進入し、甲午旬は坤宮に於て動かず、甲辰旬は龍を見て震地に落ち、甲寅旬はさらに虎嘯して風を生じて巽宮に落つるを見る。九星は宮殿の上に於て各々功能を顯し、太乙星の哪らかに臨むや則ち何處よりか發用す。
九星斷訣
太乙求財萬事通,攝提開打鬧重重,軒轅出入多驚恐,招搖動處血光紅,天符正宜打獵吉,青龍動處干財豐,咸池多怕官事起,太陰婦女結婚穠,天乙門中必遇貴,此法千金莫與窮。八節三奇圖例:坤二、兌七、干六,立秋、秋分、立冬;離九、中五、坎一,夏至、冬至;巽四、震三、艮八,立夏、春分、立春。詩曰:“冬夏二至逆順飛,八節須尋甲子推,當年歲下五虎遁,便知方位有三奇,辰戌丑未皆為殺,可否中間事可施”。
九星斷訣に曰く、太乙星は財を求め・萬事亨通するを主り、攝提星は一たび動けば便ち紛爭・喧鬧不斷にして、軒轅星は出入多く驚恐あるを主り、招摇星の動く所の處は血光を見、天符星は正しく打獵するに宜しく吉利にして、青龍星の動く所の處は大財を幹成し得、咸池星は最も官非を引起すを怕れ、太陰星は婦女の婚姻の美滿を主り、天乙星の在る所の門は必定に貴人に遇う——この套の法門は價値千金にして、輕輕として不肖の人に傳ふ可からず。「八節三奇の圖例」の排布は、坤二・兌七・乾六の三宮は立秋・秋分・立冬に配し、離九・中五・坎一は夏至と冬至とに配し、巽四・震三・艮八は立夏・春分・立春に配す。詩の中に説く、「冬至・夏至の兩節は一逆・一順に飛布し、八節は皆須く甲子を尋ねて以て推排すべし。當年の太歲の下の五虎遁を用ゐて月を起こせば、便ち三奇の什麼の方位に落つるかを知る。辰・戌・丑・未の四位は皆煞と算し、行ふ可きや否やは、須くその中に於て斟酌・施行すべし」と。
假如,甲子年立春節後乙丑,奇出局,丙寅奇在艮,丁卯奇在離,祿在寅,馬在寅,貴人在丑未,出局天煞辛未,四旺丁卯、庚午、癸酉、丙子出局,金神庚午、辛未,壬申、癸酉獨火,乙丑出局。
例を擧げて説けば、甲子年の立春節以後は、乙丑日の奇は已に本局を出で、丙寅日の奇は艮宮に在り、丁卯日の奇は離宮に在り。甲年の祿は寅に在り、驛馬は寅に在り、貴人は丑と未との兩位に在り。已に局を出でたる天煞は是れ辛未にして、四旺の日の丁卯・庚午・癸酉・丙子も亦皆局を出でたり。金神は庚午・辛未の兩日に在り、壬申・癸酉の兩日は獨火にして、乙丑日は則ち已に局を出でたり。この一類の推算は須く日を逐ひて核對して、乃ち當日の三奇と各神煞との實際の落つる處を知るべし。
神煞を起こす例
一太歲、二獨火、三喪門、四勾陳、五官符、六死符、七小耗、八大耗、九將軍、十黃帝、十一吊客、十二病符。大耗七餘同。假如,子年太歲在子,獨火在丑,官符在辰宮,次第順去八節,用五虎元遁飛九宮,甲子年立春節官符飛在北方壬癸之位,此節若在壬癸方,造作犯官符,餘仿此。
十二神煞を起こすの次序は、第一は太歲、第二は獨火、第三は喪門、第四は勾陳、第五は官符、第六は死符、第七は小耗、第八は大耗、第九は將軍、第十は黃帝、第十一は弔客、第十二は病符。その中大耗は第七位の後に排ぶ、その餘は此に照らし類推す。例を擧げて説けば、子年は太歲は子位に在り、獨火は丑位に在り、官符は辰宮に在り、依次順排して八節に到り、さらに五虎遁を用ゐて月を起こして九宮に飛布す。甲子年の立春のこの一節は、官符は北方の壬・癸の位に飛到し、故にこの一節の裏に於てもし壬癸方に於て工を興し營造せば、就中官符を觸犯するなり。その餘の年節は皆此に照らして推算す。
月を起こす例
假如,己未年、正月丙寅、初八日甲子、乙亥時用事,立春節後艮宮起甲子,至離宮是己未太歲位處,就於離上用五虎遁起丙寅,便是奇至離,月建丙寅,就離起庚寅順飛,至中宮、干、兌,是奇奇起庚寅折。
さらに一例を擧ぐ。己未年の正月は月建を丙寅と為し、初八日は是れ甲子日にして、乙亥時を用ゐて事を辦す。立春節の後に艮宮より甲子を起こし、順に數へて離宮に到るは、正しく是れ己未太歲の在る所の處にして、是に於て離宮の上に於て五虎遁を用ゐて丙寅を起こす、これは便ち奇の離宮に行き到るなり。月建旣に丙寅なれば、就中離宮より庚寅を起こして順に飛ばし、中宮・乾宮・兌宮を經る——これは就中奇の庚寅より起算して折轉・推排するの路徑なり。
日家に時家の伏斷時を尋ぬ
子,太陽值日虛見鬼;丑,火星值日斗見婁;寅,太陽值日室見牛;卯,火星值日女見亢;辰,木星值日箕見鬼;巳,土星值日房見婁;午,太陰值日角見斗;未,水星值日張見亢;申,金星值日鬼見鬼;酉,太陽值日觜見婁;戌,火星值日胃見牛;亥,木星值日璧見亢。太陽值日子、寅、酉時犯,太陰值日午時犯,火星值日丑、卯、戌時犯,水星值日未時犯,木星值日辰、亥時犯,金星值日申時犯,土星值日巳時犯。
伏斷時は時辰に按じて日に値する星と二十八宿とを配す。子時は太陽が日に値して虚宿は鬼宿を見、丑時は火星が日に値して斗宿は婁宿を見、寅時は太陽が日に値して室宿は牛宿を見、卯時は火星が日に値して女宿は亢宿を見、辰時は木星が日に値して箕宿は鬼宿を見、巳時は土星が日に値して房宿は婁宿を見、午時は太陰が日に値して角宿は斗宿を見、未時は水星が日に値して張宿は亢宿を見、申時は金星が日に値して鬼宿は鬼宿を見、酉時は太陽が日に値して觜宿は婁宿を見、戌時は火星が日に値して胃宿は牛宿を見、亥時は木星が日に値して壁宿は亢宿を見る。反って日に値する星に按じて犯す所の時辰を査すれば、太陽が日に値すれば、則ち子・寅・酉の三時を犯と為し、太陰が日に値すれば、則ち午時を犯と為し、火星が日に値すれば、則ち丑・卯・戌の三時を犯と為し、水星が日に値すれば、則ち未時を犯と為し、木星が日に値すれば、則ち辰・亥の兩時を犯と為し、金星が日に値すれば、則ち申時を犯と為し、土星が日に値すれば、則ち巳時を犯と為す。
巻二十一
主客を論ず
太公曰:“凡主客動靜不定,變化莫測”。故主客不定之象,或以先動為客,後動為主;或以動為客,靜為主;或以先聲為客,或以天盤為客,地盤為主。諸事總有用訣,成敗勝負皆貴乎主賓之緊要也。如出兵動眾,以我為客,至彼地為主;或賊巢及賊所侵之城郭為主;或以陽為客,陰為主;或反客為主,反主為客。若選將、求賢、招兵買馬、干謁、訪友之類,是我為客彼他、彼人為主。如有人來求我,或通知我而我未知,是彼為客我為主。如在對陣,或不在對敵,再分主客也。或此時交鋒若利客,宜先耀武揚威,放炮吶喊;若利主,惟宜偃旗旗息鼓,禁聲而敵,埋伏取勝。
太公は曰く、「凡そ主と客との動靜は竝に定準無く、變化は測度し難し」と。故に主客は本是れ不定の象にして、あるいは先に動くの一方を客と為し・後に動くの一方を主と為し、あるいは動く者を客と為し・靜かなる者を主と為し、あるいは先に聲を出すの一方を客と為し、亦あるいは天盤を客と為し・地盤を主と為す。各種の事情は皆各々取用の口訣あり、成敗・勝負は全く主賓を分清するのこの關鍵に在り。譬えば兵を出だし師を興すに、我方は客と為り、對方の地界に到れば、對方は就中主なり。賊人の巢穴および賊に侵占せられたる城郭も亦主と算し、またあるいは陽を客と為し・陰を主と為す。還た客を反して主と為し・主を反して客と為す可し。至りて將領を選拔し・賢才を訪求し・兵を招き馬を買い・權貴に求見し・朋友を拜訪するのこの一類の事は、是れ我を客と為し而も對方を主と為す。もし人の來たりて我に求むる有り、あるいは對方已に知會して我未だ得知せざれば、那れは則ち對方を客と為し・我を主と為す。正しく對陣するを論ぜず、あるいは竝に敵に對せざるを論ぜず、皆さらに主客を分かつを要す。假如この時交鋒して客方に利あらば、就中應當に先に武を耀し威を揚げ・炮を放ち吶喊し、もし主方に利あらば、則ちただ旗を偃け鼓を息め・聲を禁じて敵を待ちて、埋伏を靠りて勝を取るに宜し。
凡發兵,須看賊巢遠近。如發兵時交戰,或不同時交鋒,不可以先動為客,待臨敵取主客,到時而用之可也。如此時主客不利,只宜固守,倘若急迫,或被圍困,宜以計勝。或運籌、閉六戊、或乘天馬,或書符、唸咒等類亦可。
凡そ兵を發するは、必ず先に敵人の巢穴の遠近を看るを要す。もし兵を發するの時に就中立刻に交戰し、あるいは竝に同一の時辰に於て交鋒せざれば、那れは一概に先に動く者を客と為す能わず、而して敵に臨むの際を待ちてさらに主客を定め、時に到りて當時の局勢に按じて取用すれば便ち可なり。假如當時主客の兩方皆利ならざれば、則ちただ堅守するに宜しく、倘も情勢緊迫し、あるいは敵に圍困せられば、應當に計謀を用ゐて勝を取るべし——あるいは運籌・畫策し、あるいは「六戊を閉ぐ」の法を施行し、あるいは天馬の在る所の方に乘駕し、あるいは符籙を書寫し・咒語を誦念するの類も、亦皆可なり。
如國事、都省府縣鄉事、家宅、官訟、墳塋、求謀、名利、婚姻、行人、失脫、逃走、捕捉,即以地盤為主人,天盤為客人。人事是多,不能細述,大天盤諸星生合地盤為上,地盤生合天盤次之。如客生主,為稱意美滿,進益多端;主生客,為耗散遲延;主客皆和,行藏皆遂;主尅客,乃半實半虛,自敗虛花,事為不果;客尅主,則戰敗無成,求吉招凶。故善用奇門者,先分主客,然後再明占法。如此時利主,我即為主;此時利客,我即為客。或以進為客,不進為主,在我一心,不可執一,為客為主任我可也。
至りて國家の大事・京師・省・府・縣・鄕の公事、および家宅・官司・墳塋・事を謀り・名利・婚姻・行人・失物・逃亡・緝捕のこれらの事は、皆地盤を主人と為し・天盤を客人と為す。人事は紛繁にして、一一に細説する能わず、大體上は天盤の諸星の地盤を生合するをもって最も好しと為し、地盤の天盤を生合するは之に次ぐ。もし是れ客の主を生ずるは、那れは心に稱い意に滿ち・進益多端的なり。主の客を生ずるは、則ち耗散・拖延す。主客皆相和すれば、出處・進退皆順遂するを得。主の客を剋するは、那れは半實・半虚にして・自ら敗落を取り・虚に其表有るのみにして、事情は成り辦ず能わず。客の主を剋するは、則ち交戰すれば必ず敗れ・一成る所無く、吉を求めて反って凶を招く。故に奇門を善用する人は、先に主客を分清し、然る後に乃ち占斷の法に及ぶを得。もしこの時主に利あらば、我は就中主を做し、この時客に利あらば、我は就中客を做す。あるいは進取を客と為し・兵を按して動かざるを主と為し、全く我の一念の間に在り、一端に拘執す可からず、客を做し主を做すは皆我より自主す。
總法天機(前篇)
凡布演奇門,先觀天象,後察細微,總在我一心之所用,不可不知也。如天盤九星、奇儀、八門屬金,加於地盤諸星上,木是金水為客來傷,主戰利為客,行兵先舉,放炮吶喊,士卒精強,百戰百勝。凡求謀、請謁、交易等事,破敗驚憂,客舍闇昧,遭逢盜賊小人,惟行人即至。若金旺木衰,其凶尤甚。如天盤金星在衰、墓、死、絕之時加於木,無氣之金不能尅木;若木在生旺之時,則木星為吉;如木亦衰、墓、絕之時,而凶終不能免矣。
凡そ奇門を布排・推演するは、先に須く天象を觀察し、さらに細微の處を體察し、總じて心を用ゐて運用するに在り、この道理は明白せざる可からず。譬えば天盤の九星・奇儀・八門の金に属するは、地盤の木に属する諸星の上に加臨し、金の來たりて木を剋するは、是れ客方の前來して主を傷るにして、戰を主るの時は客方に利あり。行軍は應當に先に發して人を制し、炮を放ち吶喊し、士卒精銳・强悍にして、百戰百勝す。但しもし求謀・請托・拜謁・交易のこの類の事に用ゐれば、則ち破敗・驚憂を主り、客居の處は昏暗・不明にして、盜賊・小人に遭遇せん。ただ行人を占問するの一項のみ、行人の立刻に到るを主る。もし金氣正しく旺にして木氣衰弱ならば、凶象は尤其に嚴重なり。もし天盤の金星正しく衰・墓・死・絕の時に處して木上に加臨せば、氣無きの金は便ち木を剋する動かず。この時木もし正しく生旺に當れば、木星は反って吉と為る。但し假如木も亦た衰・墓・絕の境地に處せば、那れは凶咎は終に免れざるなり。
如天盤木星加於地盤火星上,是為木能生火,戰利為主,諸為一切等事,皆如心意。如有重木臨生旺之宮,謂之貪生之木,壓火無光,火漸自滅。若木臨退氣之宮或木少,多是枯木生火,大利主兵。如天盤土加於地盤金,是客來生主。若係土旺或有重土,雖曰生金,而土重埋金,必有暗兵埋伏,或英雄失志,或忠烈受屈。如天盤木加地盤金,乃主傷其客,宜偃旗息皷,禁聲而敵,大勝。凡有謀為,事多破敗,有始無終。惟求名顯達,官事得失,出行吉。如天盤金加地盤土,乃主生客,宜耀武揚威,徵兵奏凱,客兵大勝。凡事謀為,始終皆耗,勞碌勞力,得援安妥。
もし天盤の木星が地盤の火星の上に加臨せば、是れ木の火を生ずる能く、作戰は主方に利あり、一切の事情は皆心に稱い意の如くするを得。但しもし重叠の木の生旺の宮に臨む有らば、喚んで「生を貪るの木」と曰い、木多くなり過ぎて反って火を壓えて光焰無からしめ、火は便ち漸漸として自滅す。もし木の退氣の宮に臨み、あるいは木勢單薄ならば、那れは多半は是れ枯木の火を生ずるにして、反って大いに主方の用兵に利あり。もし天盤の土が地盤の金に加臨せば、是れ客の來たりて主を生ず。但しもし土氣正しく旺あるいは土勢重叠ならば、土は金を生ずる能うと説くと雖も、卻て是れ土厚くして金を埋むにして、必定に暗兵の埋伏あるいは英雄の失意、あるいは忠烈の士の冤を蒙り屈を受くる有らん。もし天盤の木が地盤の金に加臨せば、是れ主の來たりて客を傷るにして、この時は旗を偃け鼓を息め・聲を禁じて敵を待つに宜しく、大勝を獲べし。但し謀る所有らば、事情は多半破敗し・始有りて終無し。ただ功名・顯達を求取し・官司の得失および出行の三項を吉と為す。もし天盤の金が地盤の土に加臨せば、是れ主の來たりて客を生ずにして、武を耀し威を揚げ・兵馬を征調して凱を奏して歸るに宜しく、客兵は大勝す。至りて凡事・謀為は、則ち始終耗損し・心を勞し力を費し、須く援手を得て乃ち安妥なるを得。
作用の妙法(後篇)
妙用之法,全在年月日時四天干。詳臨九宮,合為吉凶等格,則知聖君、賢臣、孝子、慈孫、父母、妻妾、奴婢、戚鄰諸事,成敗可推詳之矣。年干為君、為父母,月干為臣宰、為伯叔,日干為兄弟、朋友,時干為妻妾、子女、士卒、奴婢。如天盤年干合吉格,門生宮,或上下相合者,主國泰民安,君臣父子,福壽康寧。若年干合凶格,或被沖尅,主四海兵戈,身心不寧,骨肉刑傷,災厄憂驚。若月干得天盤相生,或合吉格,有忠臣烈士,輔國安民,加官封爵,萬事稱心。若合凶格又被尅制,有奸臣專權,休官罷職,六親參商,貧苦奔波。
奇門の運用の精妙の處は、全く年・月・日・時のこの四個の天干に在り。仔細にそれらの臨む所の九宮を看て、配合して各種の吉凶の格局と成せば、便ち聖君・賢臣・孝子・慈孫および父母・妻妾・奴婢・親戚・鄰里の諸般の事情の成敗を推知すべし。四干の分属は、年干は君主と父母とを代表し、月干は朝廷の大臣と伯父・叔父とを代表し、日干は兄弟・朋友を代表し、時干は妻妾・子女・士卒と奴婢とを代表す。もし天盤の年干が吉格と合成し、門は宮を生じ、あるいは上下相合せば、國泰く民安く・君臣・父子各々その所を得・福壽・安康を主る。もし年干が凶格と合成し、あるいは冲せられ剋せられば、四海の刀兵・身心の不寧・骨肉の刑傷・災厄・驚憂を主る。もし月干が天盤の生助を得、あるいは吉格と合成せば、則ち忠臣・烈士の國家を輔佐し・百姓を安定する有り、官を加え爵を封じ、萬事心に稱う。もし凶格と合成しまた制剋せられれば、就中奸臣の權を專にする有りて、自己も亦た官を免ぜられ職を罷められ、六親は參星と商星との如く彼此相見ず、貧苦・奔波せん。
若日干得天盤八門生合吉格,主兄弟和睦,貴喜臨門,身安友助,求謀遂心。若日干貝尅合凶格,主兄弟刑傷,六親不和,身困招穴。若時干得天盤生合吉格,主妻子賢能,士卒精強,奴婢得力;倘合凶格又被沖尅,主子女刑傷,父子不和,兵卒自亂,奴婢欺主。凡六庚加於年、月、日、時干上,或年、月、日、時干加臨六庚上,須看六庚加於何人乾上,則知某人之吉凶,吉格尤吉,合凶格尤凶,骨肉不和,己身危困。假如陽遁三局,甲己日起丁卯時,時干在九宮離上開門,遁甲子戊、天沖一同臨宮,驚門與庚在坤二宮,如己日為飛干格,主兄弟不和,朋友反目,身招災困。又如陽遁九局乙庚日起丙子時,得青龍返首吉格,主貴喜盈門,身安友助,求謀遂心。若看年干、月干、時干,須另起,不可即以此為準,恐吉凶不驗也。
もし日干が天盤の八門の生合を得て吉格と成せば、兄弟和睦し・貴人・喜事門に臨み・自身平安にして朋友の相助する有り・謀を求むるは心に稱うを主る。もし日干が剋せられて凶格と合成せば、兄弟刑傷し・六親不和し・自身困頓して禍を招くを主る。もし時干が天盤の生合を得て吉格と成せば、妻子賢惠・能幹にして・士卒精銳にして・奴婢得力なりを主る。倘も凶格と合成しまた冲剋せられれば、子女刑傷し・父子不和し・兵卒自相擾亂し・奴婢主人を欺凌するを主る。凡そ六庚が年・月・日・時干の上に加はり、あるいは年・月・日・時干が六庚の上に加臨するは、皆須く六庚の何人を代表する天干の上に加はるかを看て、便ちあの人の吉凶を知るべし。本是れ吉格なるはさらに吉にして、凶格と合成するはさらに凶にして、骨肉不和し・自身危困するを主る。例を擧げて説けば、陽遁の三局に甲己日は丁卯時より起こり、時干は九宮の離上の開門に落ち、甲子戊は天冲星と一同に宮に臨み、驚門と六庚とは坤の二宮に在り。もしこの天は己日ならば、就中「飛干格」を構成し、兄弟不和し・朋友反目し・自身災を招き困を受くるを主る。また陽遁の九局の如く、乙庚日は丙子時より起こり、「青龍返首」の吉格を得、貴人・喜事の門に盈ち・自身安泰にして友助する有り・謀を求むるは心に順うを主る。もし年干・月干・時干を察看せんと要せば、必ず別行に局を起こして推算し、ただこの一個の局を拿りて準と作す可からず、さもなくば恐らく吉凶の應驗すること能わざらん。
機に臨み變用す
人為萬物之靈,感通諸事之應,在我一時之動靜,取其人、事、器、物,以推兵家勝負,人生得失,物之成敗,就於出師。或以動眾發馬立營,或為人事之得失離合,或器物之所得之日時為始,逐日查算。利於何日時交鋒得勝,何日時賊來,何方日時埋伏於何處,何日時成功奏凱。如欲知人之壽夭窮通,則取本命年月日時演布,而妻財子祿從可知矣。凡物之破損、成敗、久暫,以所得之日時,或方見之時,以及物長短、方圓,按五行所屬,配合遁甲,則物器破損、被盜可預知矣。
人は萬物の靈にして、各種の事情の徵應を感通し得、關鍵は就中自己の一時の間の動靜に在り。身邊の人・事・器・物を取りて象と為せば、便ち兵家の勝負・人生の得失・器物の成敗を推斷し得、これらは皆兵を出づるの事に就きて一倂に來りて推す可し。あるいは師を興し衆を動かし・馬を發し營を立てるの時を起點と為し、あるいは人事の得失・離合を起點と為し、あるいは某件の器物を獲得するの日時を起點と為し、日を逐ひて査算す。算り出す所の哪一天・哪一時に交鋒すれば勝を得るか、哪一天・哪一時に敵人は來らんか、哪個の方位・哪個の日時に應當に何處に於て伏を設くべきか、哪一天・哪一時に成功して凱を奏するを得るか。もし一個の人の壽夭・窮通を知らんと欲せば、就中その本命の年月日時を取りて排布し、妻室・財帛・子嗣・祿位も亦皆此に由りて推知し得。凡そ器物の破損・成敗・久暫は、就中それを得たる日時、あるいは剛にそれを看見したる時刻をもって、さらに物件の長短・方圓を加え、五行の属する所に按じて遁甲に配合して推せば、則ち器物の何時に破損し・何時に盜まれるかは、皆預め知るべし。
如軍營,凡有一見一聞,或遇移倒、斜蹲、錯落、金鼓等項,或聽言語善惡,或見旗鼓破損,或鳥獸來從何方,但一見一聞,怪異之事,俱可為吉凶之兆;或聽人言語幾聲幾字,或金皷不時亂鳴幾聲,或樂器不時遠近響動幾聲。凡事物遇目一見皆可取,占卜之應在吾心一動,活潑變通,切記不可取其一,又取其二,以致吉凶無所定也。
譬えば軍營の中に於て、凡そ一見・一聞の有るは——あるいは東西の位を移し倒れ・歪斜・蹲伏し・散亂・錯落するに遇い、あるいは金鼓の聲を聞き、あるいは人の言語の善惡を聞き、あるいは旗幟・戰鼓の破損を見、あるいは鳥獸の哪個の方向より飛來し跑來するかを見——ただ眼に入り耳に入るの怪異の事是れ、皆吉凶の徵兆と作為すべし。また人の説く幾聲・幾個の字を聞き、あるいは金鼓の端無く亂鳴する幾聲を聞き、あるいは樂器の遠近の響動する幾聲を聞くの如きは、皆取用すべし。凡そ事物一たび眼に入れば便ち象を取る可く、占卜の應驗は就中自己の心念の一たび動くの間に在り、須く靈活に變通すべし。切に記せよ、これ一件を取りまたあの一件を取る可からず、那の如くすれば反って吉凶を判定するに從無からしめん。
如取某件,或吉凶不准,再取別物占之又不准,是心未定,所以吉凶無驗也。如遇一字、一點、一物、一聲、一人、一獸,即為子時,二為丑,三為寅。如甲己日遁起甲子時,若數有十三即作第一次丙子時,若數多皆逢子時,即為第三次、第四次、五次、戊子、庚子、壬子,再數過多,五子用盡,即作為乙丑、丁丑、己丑、辛丑、癸丑;如此千時萬時,皆仿此。若出師須詳看領軍官及大小頭目本命,天子合吉凶等格。或可於征伐,或利於埋伏,或利於衝鋒,或利於接應,總視其人利於行事者,斟酌行之,則大小三軍皆無悟矣。
もし某一件の東西を取りて占斷して吉凶準ならざれば、さらに別の東西に換えて來りて占するも仍ほ準ならず、那れは因るに心念未だ定まらず、故に吉凶の應驗すること能わざるに在り。數を取るの法は、一個の字・一點・一物・一聲・一人・一獸に遇えば、就中子時と算し、二を丑時と為し、三を寅時と為す。譬えば甲己日は遁して甲子時を起こし、もし十三を數得れば、就中下一輪の丙子時と算し、もし數目さらに多くしてまた子時に逢えば、就中依次に第三輪・第四輪・第五輪の戊子・庚子・壬子と算し、さらに數得ることさらに多くして、五個の子時用盡きば、就中乙丑・丁丑・己丑・辛丑・癸丑と轉作す。このように千時・萬時も、皆此に照らして推算す。もし是れ兵を出づるは、還た詳細に軍を領く將官および大小の頭目の本命を察看し、天干と配合して何種の吉凶の格局と成すかを見るべし。ある人は征伐するに宜しく、あるは埋伏するに宜しく、あるは衝鋒するに宜しく、あるは接應するに宜し。總じてこの人の什麼の事を做すに適合するかを看て、斟酌して派用し、かくの如くすれば全軍の上下は就中皆差錯あらざらん。
遁甲神機賦
兩儀主使三才攸,分步咒攝乎鬼神,存局通乎妙旨前,修刪簡靈文,裁整諸經要理原。夫甲加丙兮龍回首,丙加甲兮鳥跌穴,回首則喜悅易遂,跌穴則顯灼易成,身殘毀兮;乙遇辛而龍逃走,財虛耗兮,辛遇乙而虎猖狂;癸見丁兮螣蛇躍蹻,丁見癸兮朱雀投江;生臨丙戊,天遁用兵;開乙臨己,地遁安墳;休丁遇太陰,人遁安營;伏干格,庚臨日干,飛干格;日干臨庚,庚臨直符,伏干格之名;直符臨庚,飛宮格之說;大格,庚臨六癸;刑格,庚臨六己,按格所向既凶,百事營為不善。
この賦は遁甲の要義を総括する。両儀が三才の所属を統摂し、罡を踏み呪を誦すれば鬼神を役使でき、存想して局を布けば古人の妙旨に通じる。此の賦は繁を删り簡に就き、諸経の根本義理を裁定したものである。甲に丙を加えるを「青龍回首」といい、丙に甲を加えるを「飛鳥跌穴」という。回首に逢えば心情は喜悦し事は順い易く、跌穴に逢えば声名は赫奕として事は成り易い。反して傷身の患あり。乙が辛に遇うは「青龍逃走」で身の毀損を主り、辛が乙に遇うは「白虎猖狂」で銭財の虚耗を主る。癸が丁を見るは「螣蛇妖矯」、丁が癸を見るは「朱雀投江」である。三遁に至っては、生門が丙奇と六戊に臨むを「天遁」といい用兵に宜しく、開門と乙奇が六己に臨むを「地遁」といい安葬・立墳に宜しく、休門と丁奇が太陰に遇うを「人遁」といい営を安んずるに宜しい。凶格では、六庚が日干に臨むを「伏干格」、日干が六庚に臨むを「飛干格」といい、六庚が値符に臨むもまた伏干格、値符が六庚に臨むは「飛宮格」と称し、六庚が六癸に臨むは「大格」、六庚が六己に臨むは「刑格」である。これらの格局の指す方向が既に凶であるから、百事の経営はすべて順当には行かない。
時尅日干,乃五不遇而災生。丙奇臨時干,名為悖逆而禍起。三奇得使,眾善皆臻。六儀擊刑,百凶俱集。太白入熒賊即來,火入金鄉賊即去,地羅遮障不宜前,天網四張無走路,直符宮同天乙位而取。
時干が日干を剋するを「五不遇時」といい、災禍はこれより生ずる。丙奇が時干に加臨するを「悖逆」といい、禍患はこれより起こる。もし「三奇得使」に逢えば種々の吉善が至り、もし「六儀撃刑」に逢えば百般の凶険が一斉に集まる。「太白入熒惑」(庚の丙への加臨)は敵寇のまさに来犯せんとするを主り、「火入金郷」(丙の庚への加臨、すなわち熒惑の太白に入る)は敵寇のまさに退かんとするを主る。「地羅」は遮蔽・阻障して前に進むべからず、「天網四張」は行く路なし。値符の所在の宮に至っては、天乙貴人の位と併せ取って用いる。
如逢急難宜從直符方而行,二至順逆妙理玄微,陽符左為前數,陰符右為前尋,陽遁從冬至前一十二氣,直符後一為九天,後二為九地,前三為六合,前二為太陰,陰遁從夏至前一十二氣,直符前一為九天,前二為九地,前五為六合,前七為太陰,太陰潛形而隱遁,六合遁身而謀議,九天之上揚威武,九地之下匿兵馬,天地備兮難量,神機妙兮莫測,學者欲臨事,有謀存心,斯賦無惑。
もし急難に遇わば、値符の所在の方に向かって行くがよい。冬至・夏至の両至の順行・逆行、その妙理は玄妙にして微細である。陽遁の値符は左をもって前となして数え、陰遁の値符は右をもって前となして尋ねる。陽遁は冬至より起こり、前の十二節気を管し、値符を准として、後の一位を九天、後の二位を九地、前の三位を六合、前の二位を太陰とする。陰遁は夏至より起こり、前の十二節気を管し、値符を准として、前の一位を九天、前の二位を九地、前の五位を六合、前の七位を太陰とする。太陰は形跡を潜蔵して隠遁でき、六合は身を隠して密かに議を謀ることができ、九天の上では威を揚げ武を耀かせ、九地の下では兵馬を隠匿できる。天地の道は斉備して測り難く、神機の妙は玄奥にして揣度すべからず。学者もし事に臨んで謀あり、これを心に存せば、この賦を読んで再び疑惑あらざらん。
是書謂之選宅三白之法,出自都天撼龍經八十一論。太乙、紫微、九總、八卦者,天地之骨髓,星斗之樞機,八卦互變而及乎無窮,五行推移而應乎無盡。以九星為之九總,以八門為之八卦,上可以補天地不全之化,下可以助君王不及之功,扶危助吉,發瑞生祥。同遊一十二分之經圖,又殊配二十八宿之格局。是此書者,正天地之紀綱,明陰陽之經緯,幽探賾隱,顯達通玄。
この書の講ずるところは「選宅三白」の法と称し、《都天撼龍経》の八十一論より出る。太乙・紫微・九総・八卦の数者は、天地の骨髓・星斗の枢機である。八卦は交互に変化して無窮に至り、五行は推移・流転して応験尽きず。九星をもって「九総」と為し、八門をもって八卦に配合すれば、上には天地造化の不備を補い、下には君王の力の及ばぬ事功を助け、危難を扶助し吉慶を増益し祥瑞を発生せしめる。それは十二分野の経図に通じ、また別に二十八宿の格局を配する。ゆえにこの書は、まさに天地の綱紀・陰陽の経緯にして、幽隠を深く探り玄妙を洞達するものである。
試看八卦門庭,配列九宮蹊向,推遷六甲,驅使六儀,天乙值符俾之運局,太乙值使使之指揮,奇以六儀,遇以八節,上下招搖,內外表應,三盤運局,八卦皆通。值其吉則萬事堪為,值其凶則一分莫舉。其一曰“都天九卦”,其二曰“入地三元”,其三曰“行軍三奇”,其四曰“選宅三白”,其五曰“遁形太白之書”,其六曰“八山撼龍之訣”,其七曰“轉山移水九字符經”,其八曰“建國安邦萬年金鏡”,其九曰“元宮”,獲福救貧,生仙產聖,變禍福如反掌,使貧富似等閒,倘三迭之遇奇門,若蛟龍之得雲雨,見六合之逢格局,如狼虎之產羽翼,忌取休囚,防其刑擊。
試みに八卦の立てる門庭を見よ。配列して九宫の路徑・方向を成し、六甲を推移し六儀を駆使し、天乙・値符に全局を運転させ、太乙・値使に指揮・調度せしめる。三奇は六儀を配し、八節に遇合し、上下招摇して呼応し、内外・表裏相通ず。天・地・人の三盤が運転して局を成し、八卦は貫通せざるなし。上吉の格に値すれば万事いずれも為すべく、凶格に値すれば一すじ一毫も妄りに動くべからず。この書の含むところは全部で九門ある。一を「都天九卦」、二を「入地三元」、三を「行軍三奇」、四を「選宅三白」、五を「遁形太白之書」、六を「八山撼龍之訣」、七を「轉山移水九字符経」、八を「建国安邦萬年金鏡」、九を「元宮」という。これを用いれば福を獲て貧を救い、仙を生じ聖を産し、禍福を転ずること掌を反すが如く、貧富を改易すること挙手の易きことである。もし三つ重なり合いまた奇門に遇えば、蛟龍の雲雨を得るが如く、六合を見てまた好格に逢えば、狼虎の翼を生ずるが如し。ただし休囚・無気の時を取るを忌み、刑撃の害を提防せねばならない。
如得奇星來到,必須吉位開門,位位皆宜,門門皆吉,只要合得其要,仍須各論其時,干神不囚,支神不尅,神藏煞沒,方知萬事皆和。反吟、伏吟定是千殃數集,奇逢旺相,是為富貴之謀;門逢開休,方協英雄之應;遇青龍返首,為甲乙之妙詳;值白虎猖狂,見庚辛之凶禍;若值螣蛇妖蹻,知壬癸之崢嶸;倘逢朱雀投江,管丙丁之妖怪;飛鳥跌穴,便云百事皆祥;貴人登壇,管取九宮皆慶;通元機而天地皆轉,得妙用則觸事咸亨。
もし三奇と吉星とがともに位に到らば、なお必ず吉利の方位に開門を求め、位位相宜・門門皆吉とせねばならない。たとえ要領に合せりとも、なお時令を分かちて論ずべし。天干の神は囚地に落ちず、地支の神は剋制を受けず、吉神は隠蔵し凶煞は消没して、初めて万事の和順を知る。もし反吟・伏吟に遇えば、必ずや千般の災殃の聚まるところとなる。三奇が旺相の気に逢うは、富貴を謀るの好時機である。八門が開門・休門に逢うは、英雄の事を成すの征応に符う。「青龍返首」に遇うは、甲・乙の妙の詳しき体現であり、「白虎猖狂」に値すれば、庚・辛のもたらす凶禍を見る。「螣蛇妖矯」に値すれば、壬・癸の気の崢嶸として祟りを為すを知り、「朱雀投江」に逢うは、丙・丁の主る妖怪の兆である。「飛鳥跌穴」に逢えば、百事皆祥と言うべく、「貴人登壇」に逢えば、九宫いずれも慶事あり。この玄機に通暁すれば、天地もこれに随って運転し、その妙用を得れば、事に遇うて亨通せざるなし。
若為文武官僚修造,職位皆增,或與良民庶士遷塋,扶危作福,建州府而民安物泰,興縣鎮而富足租平,立宮室而福集人依,作廟宇而鬼安神妥。橋樑、船驛、井、灶、路途,或諸餘行事,在選擇周詳,或有太歲將軍,盡在拱手,任是九良七煞莫敢當頭,不問諸家運氣,不超不開,犯著空亡禁殺,但求此局卻要有奇,可保千年,皆招百福,最堪動土、破土、埋宗葬祖,務有奇星到坐,門戶得開。
もし文武の官員のために時を選んで修造すれば、職位を増高せしめることができ、あるいは良民百姓のために墳塋を遷移せば、危を扶け福を造すことができる。州府を建立すれば百姓は安定し物阜かに民豊かなり、県鎮を興弁すれば家給戸足して租賦は平允なり、宮室を営建すれば福気は聚集して人心は帰依し、廟宇を修造すれば鬼は安んじ神は妥かなり。橋梁・船只・駅駅・水井・竈台・道路、およびその余の諸事に至るまで、みな時日選択の周詳に在る。たとえ太歳・将軍のごとき凶神あるも、みな拱手して退くほかなく、九良星・七煞を憑るも当頭に難を作すを敢えてせず。各家の推する運気を問うに及ばず、所謂「不超不開」をも管せず、たとえ空亡・禁殺に触犯すとも、求むるこの局の中に三奇在りさえすれば、千年の平安を保ち百般の福気を招くことができる。この法は動土・破土・先人祖宗の埋葬に最も宜しく、ただ必ず奇星を坐山の位に到らせ、門戸の開通を得せしめればよい。
有青龍山者,必求反首青龍;有白虎者,大忌其猖狂之白虎;有元武者,遠其妖矯螣蛇;有朱雀者,怕其投江朱雀。如斯迎避,用意配求,值飛鳥跌穴,則有異鳥遺鵰,彩禽墜羽,棄其亡鳥,鶴鷺返以鱔魚,仙鶴來鳴,綵鸞下集,四仲俱吉者吉;兩頭破壞者,凶;貴人登壇,必有旌旗相乘,雷電風雲,印蠻文書,金章紫綬。得青龍返首之日時者,當有玉鱗伏藏,金魚落穴,螣蛇蜃化,馬驟雷轟,火焰金銀,旛花結綵,來應其時,在助其吉。
もし墳宅に青龍砂山あれば、必ず「青龍返首」の格を求めねばならず、白虎砂あれば最も「白虎猖狂」を忌み、玄武砂あれば「螣蛇妖矯」を遠ざけ、朱雀砂あれば「朱雀投江」に遇うを怕れる。このように迎うる所有り避くる所有り、心を用いて配合・求取する。「飛鳥跌穴」の時に逢えば、異鳥の遺した雕羽・彩禽の墜ちた翎毛あるいは棄置の死鳥あり、鶴鷺は鱔魚を銜えて回り、仙鶴は飛来して鳴き、彩鸞は降落して聚集す。四仲の位いずれも吉なれば吉、両頭に破損あれば凶である。「貴人登壇」に逢えば、必ず旌旗の相随い、雷電・風雲の并作り、および印信・文書・金印紫綬のごとき征兆あらん。「青龍返首」の日時を得れば、まさに玉鱗の潜伏・金魚の落穴・螣蛇の蜃と化し・馬匹の奔馳・雷声の轟鳴・火焰の金銀・幡花の結彩のごとき景象の前来してその時に応じ、もってその吉を増助すべきものがあらん。
各有尅應,合取山頭,萬無一失之虞,動有十全之吉,分其頭緒,布其提綱,俱列千端,俢明萬事。非但謀猷之逢吉,乃天地之獻祥,助國安邦,濟民利物,得之者,宜什襲於玉匱金縢,真所謂至聖皇家之重寶也。
それぞれの格局はおのおの相応の外応を有し、配合して山頭の方位を選取すれば、万に一失なく、一動して十全の吉を得る。その中の頭緒を理め、その綱領を布置せば、条目は千端なりとも万事を修明し得る。これはただ謀を得て吉利に逢うのみならず、まさに天地の献ずる祥瑞なり。国を助け邦を安んじ、百姓を救済し万物に利す。この書を得たる者は、至宝を収蔵するが如く層層に包裹し、玉匱・金縢の中に珍藏すべし。まことに至聖皇家の重宝と言うべきである。
正超接閏歌
甲己居仲上元逢,孟住中位季下宗,五日一元周二遁,十時一甲用皆同,陰陽二遁原洪造,節氣未來符先訣,遲時交節奇未來,超神接氣通元奧,四仲未來節先來,值符仍將本局裁,雖然新節已交氣,奈何四仲來胚胎,四仲先來節後至,超用本來之節氣,有時超越遇旬餘,所以積餘成閏位,二至之前有閏奇,此時積累迭成之,陽極陰終無後飫,節因此立閏其餘。
この歌は奇門排局中の「超神・接気・置閏」の法を講ずる。甲・己の日が四仲に落つれば上元を用い、四孟に落つれば中元を用い、四季に落つれば下元を用いる。五日をもって一元と算し、陰遁・陽遁おのおの一周流す。十の時辰ごとに一つの甲を換え、用法はみな同じ。陰陽二遁はもとより天地の大造化の定めるところ、あるいは節気未だ交らずして符頭先に到り、あるいは節気は交ること遅れて三奇未だ追いつかず、ここに「超神接気」の法を立ててその中の奥妙を貫通す。もし四仲の符頭未だ到らずして節気先到れば、値符はなお旧に依り本局をもって裁定す。新しい節気已に交接したりと雖も、奈んずるせん四仲の符頭ようやく萌生したるのみ。反って、もし四仲の符頭先到して節気後れて至れば、超前して本来の節気を用いる。あるいは超すること多く、一旬を超えて余りあるに至っては、多出来たる部分を積み累ねて閏局と置く。冬至・夏至の両至の前におのおの閏奇あるは、まさにこのように一点ずつ積累・叠加して成るものである。陽気は極処に到り陰気は尽頭に至り、これより後は余りなく、節気これにより確立し、多出来たる部分は安置して閏と為す。
九遁歌
奇門九遁少人知,秘在仙經甚奧微,丙合生門居丁上,便為天遁月光輝。乙合開門臨六己,地遁日精能蔽之。丁共休門合太陰,人遁星精藉照臨。丙合生門合九天,神靈所蔽有威權。丁合休門臨九地,伏兵鬼遁能潛避。乙合休門臨坎水,即是蛟龍得雲雨。辛儀合生臨艮出,猛虎神威淨八蠻,虎狂位遇丁景制,叱吒生風上將壇。龍逃亦藉丁和景,一躍雷門震羽輪。
奇門中の九遁は知る人稀にして、仙家の経典に秘蔵せられ、極めて深奥・微妙である。丙奇が生門と相合して丁奇の上に居るを「天遁」といい、月光の輝映を得る。乙奇が開門と相合して六己に臨むは「地遁」にして、日精の遮蔽を得る。丁奇が休門と相合して太陰に遇うは「人遁」にして、星精の照臨を借る。丙奇が生門と相合しまた九天に会すは「神遁」にして、神霊の護蔽ありて威権を具す。丁奇が休門と相合して九地に臨むは「鬼遁」にして、埋伏・潜蔵・躲避に最も宜しい。乙奇が休門と相合して坎水に臨めば、すなわち蛟龍の雲雨を得るがごとき「龍遁」である。六辛が生門と相合して艮宮に臨むは「虎遁」にして、猛虎の神威は八方の蛮夷を盪平すべし。「白虎猖狂」の位に遇えば、丁奇と景門をもってこれを制伏し、一声叱咤すれば風を生じ、将の壇に登るべし。「青龍逃走」に遇えば、同様に丁奇と景門を借りて、一躍して雷門・震宮に入り、車輪の翼を生じて起つが如くならん。
天遁
凡丙奇臨生門下合六丁,不犯奇墓刑者,得月精所蔽,內應其心,外主其身,其氣上升於首,其質下注於心,名曰“元珠”,能聽而修者,昇天。若有事時呼玉女神名,曰丁卯而岀之,其神護之,咒曰:“丁卯玉女,護我佑我,毋令有鬼傷我,視我者瞽,惡我者反受其殃”。咒畢行之,慎勿反顧。其方可以稱王侯之權,利朝君王、謝蒼穹、禮求福,及利征戰,使敵自伏,上書獻策、求官進職、修身隱跡、剪惡除凶、市賈岀行,百事俱吉。婚姻、入宅,來往此方,大吉。
およそ丙奇が生門に臨み、下がまた六丁と相合し、かつ奇墓・刑格に触犯せざるは、月精の遮蔽を得る。この格は内に心に応じ外に身を主り、その気は頭頂に上昇し、その質は心中に下注す。名づけて「元珠」という。この理を領会しこれに依って修煉する者は升天を得る。もし事ありてこの方を用いなば、玉女の神名「丁卯」を呼びて後に出行すれば、この神護佑せん。呪は曰く「丁卯玉女、我を護り我を佑け、鬼をして我を傷つけしむるなかれ。我を窺視する者は瞎子と変じ、我を憎悪する者は反ってその殃を受けよ」と。呪を念じ終われば路に就く。切に回頭・張望すべからず。この方は王侯の権位を取るべく、君王への朝見・蒼天への祭謝・行礼・求福に利あり、また征戦に利あり、敵をして自ら降服せしめる。このほか上書・献策・求官・升職・修身・隠跡・凶悪の剪除・経商・出行、百事みな吉。婚姻・嫁娶・新宅への遷入、この方への往来も、また大吉なり。
地遁
凡乙奇與開門合,下臨六己,得日精所蔽,其氣黃,內應其脾,外應其形,任呼應用,又名黃婆金公。能修之者,南宮列仙,有事時呼本旬玉女,依前法呪之,大護其驗。出紫庭,蓋己為地戶,得日精蓋之,其方可以藏兵伏將、紮寨、安營、建府、造倉、築垣牆、安墳、開壙、修道求仙、逃亡絕跡,出陣攻城,全師捷勝,百事大吉。
およそ乙奇が開門と相合し、下に六己に臨むは、日精の遮蔽を得る。この格は気色は黄にして、内は脾に応じ外は形体に応じ、呼ぶに随って応じ、また「黄婆金公」とも名づく。これに依って修煉する者は、南宮の仙班に位列すべし。事あらば本旬の玉女の名を呼び、前の天遁の法に照らして呪を念ずれば、護佑十分に霊験あり。出行は紫庭より出ず。六己はすなわち地戸にして、また日精の覆うを得るがゆえに。この方は兵を蔵し将を伏せ、寨を扎し営を安んじ、府衙を建造し、倉庫を修築し、垣牆を砌造し、安葬・立墳・墓壙の開挖・修道・求仙・逃亡して踪跡を留めざるに用い得。陣を出て城を攻むるも全軍勝を得て、百事大吉なり。
人遁
凡丁奇與休門合,下臨太陰之位,得星精所蔽,其氣青黑,內應於腎,外主耳目,名曰“還陽丹”。修之者,駐世長年,有事出門,呼本旬玉女,如前法咒之,其方可以擇賢人、求猛將、說敵和仇,三年竝吉,又宜獻策謀、結婚姻、添進人口、和合、交易利市十倍,若藏伏、獻策、上書俱吉。
およそ丁奇が休門と相合し、下に太陰の位に臨むは、星精の遮蔽を得る。この格は気色は青黒にして、内は腎に応じ外は耳目を主り、名づけて「還陽丹」という。これに依って修煉する者は、長く人世に駐まり寿命を延ばし益すことを得。事ありて門を出ずる時は、本旬の玉女の名を呼び、前法に照らして呪を念ず。この方は賢才を選び猛将を訪求し、敵方を游説して仇怨を和解するに用い得て、三年の内みな吉利なり。また謀策の進献・婚姻の締結・人口の招添・調和・撮合に宜しく、売買を為せば十倍の利を獲ん。藏匿・隠伏・献策・上書に至るも、また吉なり。
神遁
凡丙奇與生門,下臨九天之位,得神靈所蔽,其方可以祭神明、用聖術、畫地立籌、步罡、造壇場、刻鬼神、攝魔魅,自有威伏,更利攻虛、陰謀密計最玄妙,開路、塞河、修塑神像、裱褙神畫,以候神候。
およそ丙奇が生門と同じく在り、下に九天の位に臨むは、神霊の遮蔽を得る。この方は神明を祭祀し、道術を施用し、地を画き籌を布いて方位を定め、罡を踏み斗を步み、壇場を修造し、神像・鬼像を雕刻し、妖魔・精魅を收摂するに用い得て、自ずから威勢ありて人を降伏せしむ。さらに空虚の処を攻打するに利あり、暗中に密計を謀るに最も玄妙なり。このほか道路の開辟・河道の堵塞・神像の修塑・神画の装裱も、また宜しく、もって神霊の征応を候すべし。
鬼遁
凡丁奇下臨九地與休門合。得鬼神隱匿之蔽,其方可以探機、偷營、設伏攻虛、密伺動靜、詭詐文書、薦孤、拔寡,以候鬼應。
およそ丁奇が下に九地に臨み、また休門と相合するは、鬼神の隠匿の力の遮蔽を得る。この方は機密を刺探し、敵営を偸襲し、埋伏を設置してその空虚を攻め、暗中に彼の動静を窺伺し、詭詐の文書を偽造するに用い得。また孤魂を超薦し、依怙なき亡者を抜済し、もって鬼神の征応を候すべし。
風遁
凡丙奇與開門合,下臨巽宮,不犯墓迫,得靈奇順風爽帆之蔽。又辛儀與休門,下臨六乙,其方可以默吸風雲、噴噀旗旐,音遙普遍,或托異遁,令眾軍士沉吟聽音。又丙奇與開門臨坤宮,更宜禱祭風伯雨師、同敵壘、立旌旗,以候風應。
およそ丙奇が開門と相合し、下に巽宮に臨み、また入墓・門迫に触犯せざるは、霊奇の順風・揚帆の力の遮蔽を得る。また一に六辛が休門と相配して下に六乙に臨むも、風遁に属す。この方は黙々と呼吸を運んで風雲を招引し、水を含んで旗幟を噴洒し、声音を四方に遠播せしめ、あるいは奇異の遁法に仮托し、衆軍士をして静かに風声を聆聴せしむるに用い得。また丙奇と開門が坤宮に臨むが如きは、さらに風伯・雨師への祈祷・祭祀・敵壘への逼近・旌旗の豎立に宜しく、もって風の征応を候すべし。
雲遁
凡乙奇與開門合,下臨坤宮,不犯墓迫,得雲之蔽。又曰:“乙奇與開門合,下臨六辛,其方可以默吸風雲、噴噀甲冑、音搖普遍,或托射鵰為名,令士卒仰望,更宜求雨澤、利農稼、建營寨、造軍器,以候雲應”。
およそ乙奇が開門と相合し、下に坤宮に臨み、また入墓・門迫に触犯せざるは、雲気の遮蔽を得る。また一説に曰く、「乙奇と開門と相合して下に六辛に臨めば、この方は黙々と呼吸を運んで風雲を招引し、水を含んで甲冑を噴洒し、声音を四方に遠播せしめ、あるいは射雕を仮托して名と為し、士卒をして皆な仰いで天象を観望せしむ。さらに雨沢の祈求・農耕・稼穡への利・営寨の建立・軍器の制造に宜しく、もって雲気の征応を候すべし」と。
龍遁
凡乙奇與休門合,下臨六癸,或坎宮得龍之蔽。其方可以祭龍神、祈雨澤、水戰演敵、計量江面、把守河渡、教習水戰、密運機謀、移舟轉向、下船、開江、造置水櫃、祭禱鬼神、填堤、塞河、修橋、穿井,以候龍應”。《武備志》作休門與乙奇臨六甲為龍遁。
およそ乙奇が休門と相合し、下に六癸に臨み、あるいは坎宮に落つるは、龍の遮蔽を得る。この方は龍神を祭祀し、雨沢を祈求し、水戦を演練して敵を御ぎ、江面の宽窄を測算し、河流・渡口を把守し、水軍を教習し、暗中に機謀を運籌し、舟船の方向を調轉し、水に下り船を行かせ、江道を開鑿し、蓄水の水柜を造置し、鬼神を祭祷し、堤壩を填築し、河道を堵塞し、橋梁を修造し、水井を開鑿し、もって龍の征応を候すべし。《武備志》は則ち休門と乙奇とが六甲の上に臨むを以て龍遁と算し、この説とやや出入あり。
虎遁
凡乙奇與生門臨六辛,得虎之蔽。一云:“辛儀合生臨艮,其方可以招安逆黨、設伏邀擊、計度要害、據險守禦、建立山寨、措置關隘、防險修鑿,以候虎應”。
およそ乙奇が生門とともに六辛に臨むは、猛虎の遮蔽を得る。別の説に「六辛が生門と相合して艮宮に臨むもまた虎遁。この方は叛逆の党羽を招安し、埋伏を設けて攔截・邀撃し、要害の地を謀算し、険に憑りて拠守し、山寨を建立し、関隘を布置し、険要を防備しかつ修鑿し、もって虎の征応を候すべし」と。
巻二十二
八門総歌
奇到開門宜出行,休門上書竝理訟,生門婚姻堪入宅,傷門索債終須中,杜門逃閃並塞穴,思量酒肉景門動,死門捕獵並上陣,驚門祈雨並伏眾。
三奇が開門に到れば、出門・遠行に宜しく、休門に到れば上書・言事および訴訟の処理に宜しく、生門に到れば婚嫁と新宅への遷入に宜しく、傷門に到れば債を討って終に手に入り、杜門に到れば逃避・躲蔵・洞穴の堵塞に宜しく、酒食・宴飲の事を思わば景門より発動し、死門に到れば打猟・捕獸と上陣・作戦に宜しく、驚門に到れば祈雨と衆の鎮服に宜しい。
門迫宮迫
宮制其門是為門迫,門制其宮是為宮迫,宮迫謂之制,門迫謂之宮,吉門被迫吉事不成,凶門被迫則凶災尤甚。
宮の五行が門の五行を剋するを「門迫」といい、門の五行が宮の五行を剋するを「宮迫」という。宮迫はまた「制」と称し、門迫はまた「宮」と称す。およそ吉門迫を受くれば吉事成らず、凶門迫を受くれば凶災反っていよいよ重し。ゆえに奇門を看るにただ門の吉凶を看るのみならず、なお門と宮の生剋の順逆なるかを看ねばならない。
月建属九星出行歌訣
建計除陰滿羅睺,平定水貪執水破,破木危陽成是土,收紫開金閉月孛,建為青龍用為頭,除是眀堂黃道遊,滿為天刑平朱雀,定為金匱吉神求,執為天德直黃道,破為白虎危玉堂,成為天牢堅固守,收為元盜賊心愁,開為司命臨黃道,勾陳為閉主亡流,黃道出行為大吉,行軍戰鬬黑道憂。
建除十二神はおのおの一星一神を配す。星を以て論ずれば、建は計都に配し、除は太陰に配し、満は羅睺に配し、平は水星と貪狼に配し、執は水星と破軍に配し、破は木星に配し、危は太陽に配し、成は土星に配し、收は紫気に配し、開は金星に配し、閉は月孛に配す。十二神を以て論ずれば、建は青龍にして十二神の首に居り、除は明堂にして黄道の游ぶところに属し、満は天刑、平は朱雀、定は金匱にして求むべき吉神、執は天徳にしてまさに黄道に当たり、破は白虎、危は玉堂、成は天牢にしてただ堅守のみ宜しく、收は元武にして盗賊を主り人をして憂えしめ、開は司命にしてまた黄道に臨み、勾陳は則ち閉日に配して亡失・流散を主る。およそ黄道の日より出行すれば大吉、行軍・作戦に黒道に逢えば人をして担憂せしむ。
凡犯天刑者,出軍必傷,主癲狂、六畜死亡之事。(滿為天刑)犯天牢者,人傷、賊害、亡財、失利。(成為天牢)犯玄武者,亡失財利、逃走奴婢、遭賊劫、傷胎孕。(收為玄武)犯青龍者,父母、兄弟、長婦死,入獄、逃亡、遭賊,主凶惡事。(建為青龍)犯朱雀者,因死見血光亡財於地。(平為朱雀)犯白虎者,治眀堂。(破為白虎,除為明堂)犯天牢者,治玉堂(成為天牢,危為玉堂),即此處壓彼處以消災,大有功。伍子胥曰:“凡遠行諸事,不往天庭(辛)、天獄(庚)、天牢(壬)三神上去,大凶。常乘青龍(甲)歷蓬星(乙),百惡不敢起,大吉”。
およそ天刑に触犯するは、出兵すれば必ず傷亡あり、癲狂と六畜の死亡の事を主る(満日は天刑なり)。天牢に触犯するは、人の傷害され・賊寇の禍害に遭い・銭財を損失し・諸事失利を主る(成日は天牢なり)。玄武に触犯するは、財利の丢失・奴婢の逃走・盗賊の搶劫に遭い・孕婦の傷胎を主る(收日は玄武なり)。青龍に触犯するは、父母・兄弟・長媳の死亡、あるいは入獄・逃亡・遭賊、みな凶悪の事を主る(建日は青龍なり)。朱雀に触犯するは、死亡により血光を見・銭財の地に丢失するを主る(平日は朱雀なり)。白虎に触犯するは、明堂を以てこれを制す(破日は白虎、除日は明堂)。天牢に触犯するは、玉堂を以てこれを制す(成日は天牢、危日は玉堂)——すなわちこの一処を以て彼の一処を圧制し、これを以て災を消す。甚だ効験あり。伍子胥曰く「およそ遠行などの諸事は、みな天庭(辛)・天獄(庚)・天牢(壬)の三神の所在の処に往くべからず。これ大凶なり。常に青龍(甲)に乗りて蓬星(乙)を経歴せば、百般の凶悪敢えて興作せず、大吉なり」と。
大金剛神値日百忌詩訣
奎婁角亢鬼牛星,出軍定是不還程,若還遠行逢盜賊,經求財利百無成,登船定是遭沉溺,買賣交關不稱情,穿井用工難見水,拜職為官剝重名,婚姻乃主刑損害,出喪撞著損生靈,欲識星辰吉凶處,出在天符秘密經。
奎・婁・角・亢・鬼・牛・星の七宿が日に値するは、すなわち「大金剛神」の当値の時。この時出兵すれば必ず往って回らず、もし遠行に往かば路上に盗賊に遇い、経営・謀求・財利は百事成らず、船に登れば必ず沈溺の禍に遭い、売買・交易は心に称わず、水井を開鑿すれば人工を費尽しても水出難く、官職を拝受すれば反って原有の名位を剥損し、婚事を弁ずれば刑剋・損害を主り、出殯・送喪これに撞当すれば、なお人命を損傷せん。これらの星辰の吉凶の来歴を知らんと欲せば、みな《天符秘密経》に出づ。
易数総断
玉冊天元誠至理,分丁役甲洛書數;陰陽變化互逆順,參伍錯綜並九坵;遁曰三才天地人,龍虎風雲及鬼神;生土生中附神位,八卦推行列八門;一中造化露天機,上可凌虛升步飛;中可測推謹趨避,藏神合朔卜時期;出行造葬為百利,今古幾時能盡知;一千八百軒轅制,子房十八局法邃;智慧通神能達微,四十八格難推致;予今復古演成書,易數通微可精義;中人不知能推詳,跬步登階天衢長;沖輔禽任心最吉,三奇加互發禎祥;值符值使嫌沖擊,開休生門為上吉;大概要察候與節,奇門造葬合龍穴,開基斬草及行商,動用作為占方向,勿度勿疑勿反顧,至誠感應福無強。
《玉冊》に載する天元の理は確かに至理にして、六丁を分派し六甲を役使し、《洛書》の数に本づく。陰陽変化・交互・逆順、参伍・錯綜して九宫に合す。所謂遁甲は三才・天地人を含み、また龍・虎・風・雲および鬼神の諸遁あり。土は中央に生じて神位を附し、八卦は推衍して八門を排列す。この一門の学問の中に造化の天機を蔵す。上は凌虚・飛升すべく、中は吉凶を推測し・謹慎して趨避し、また神を蔵し朔に合わせ・時期を卜定すべし。出行・營造・安葬に用うれば皆な百利あり、古往今来幾人か能くこれを窮めんや。伝えて曰く、軒轅黄帝は千八百局を制し、張子房は十八局に精簡し、法度は深邃なり。智慧の神に通ずる者のみ能くその中の微妙に通達し、四十八格はさらに尽く推し難し。我今に古法を復求してこの書を演成し、易数を以て微義に通達せば、その理を精研すべし。中等の資質の者はその中の詳細を知らずと雖も、ただ一歩ずつ階に循って上らば、通天の路は自ずから長遠なり。九星中は天冲・天輔・天禽・天任を以て最吉と為し、三奇交互に加臨すれば禎祥を発す。値符・値使は最も冲击せられるを忌み、八門中は開・休・生の三門を以て上吉と為す。大体はなお節候を察看し、奇門を以て營造・安葬するに龍穴に合せよ。基を開き土を動かし・草を斬り土を破りおよび行商、およそ動作あらば皆な方向を占定せよ。猶疑・揣度するなかれ、遅疑・反顧するなかれ。至誠にして則ち感応あり、福気無窮なり。
三奇得使誠堪用,六甲遇之非小補;乙歸犬馬丙鼠猴,六丁玉女騎龍虎。又有三奇游六儀,號為玉女守門時,甲子己卯並庚午,丙午丁酉乙卯期,利作陰私和合事,宮庭宴樂亦堪為。三奇入墓總非宜,作事此時防後危;五不遇時尤可嗔,號為日月損明辰,時干來尅日干位,百事皆凶莫輕試。
「三奇得使」は確かに用い可し。六甲これに遇えば決して小補にあらず。乙奇は甲戌(犬)・甲午(馬)の二宮に帰し、丙奇は甲子(鼠)・甲申(猴)の二宮に帰し、六丁・玉女は則ち甲辰(龍)・甲寅(虎)の二宮に騎る。別に三奇の六儀の上に游行するあり、「玉女守門」の時と号して、具体的には甲子・己卯・庚午・丙午・丁酉・乙卯のこの幾つの時辰にして、陰私・和合の事を弁理するに利し、宮廷の宴楽もまた挙行すべし。三奇もし墓地に落ち入らば帰するに総じて宜しからず、この時事を弁ずるに後患を提防せよ。「五不遇時」は尤も恨むべし、日月の光明を損傷する辰と称せられ、すなわち時干の前来して日干を剋制するは、この時百事皆凶、軽々しく試み可ならず。
逆順直符統七神,地宜伏匿天揚兵,太陰六合可迴避,蛇遠勾連田土爭,白虎西方凶神殺,玄武盜賊防征途,難籌天乙六戊閉。急從神兮緩從門,天三門兮地四戶,問君此法居何處,太沖小吉與從魁,此是天門私出路;地戶除危定與開,作為動用從茲去;太陰六合太常君,元是地私三吉門;若得奇門相照應,出門舉事總欣欣。太沖天馬真為貴,有難從斯宜躲避,若然乘取天馬行,虎豹交馳終不遇。
値符は八神を統領して逆順の別あり。九地は潜伏・隠匿に宜しく、九天は兵を揚げ武を耀かすに宜しく、太陰・六合は用いて回避すべく、螣蛇は遠離すべし。それは牽連・糾纏・田土・争訟を主る。白虎は西方に属し、凶神にして殺伐を主る。玄武は盗賊を主り、行軍の途中は必ず防ぐべし。もし謀劃艱難ならば、天乙と「六戊閉」の法を用いべし。事急なれば八神を取り、事緩なれば八門を取る。所謂「天三門」「地四戸」は何の処に在るや。太冲・小吉・従魁の三処は、すなわち天門の隠秘の出路。除・危・定・開の四位は便ち地戸にして、およそ動作あらば皆なここより出ず。太陰・六合・太常の三神は、もとより地私の三吉門なり。もし再び奇と門とが彼此照応するを得ば、出門して事を弁ずるに総じて欣然として順遂なり。太冲と天馬のこの両処は最も貴重にして、危難に遇うあらば宜しくこの処より躲避すべし。もし天馬の方に乗りて行かば、縦り虎豹の奔馳・交錯するも、終に遇わざらん。
最吉奇門如太陰,三般難得總照臨,宮方得合亦為美,舉措行藏必遂心。六丙生門如六戊,此為天遁自分明;開門六乙加六己,地遁如斯而已矣;休門六丁合太陰,欲識人遁無過此;三遁須知百事宜,藏修隱影尤為美。
最吉は奇・門と太陰の三者斉備するに若くはなく、これら三様は同時に照臨し難し。もし宮位・方向また相合せば、則ちいよいよ美なり。一挙一動・出処・進退、必ず心に称わん。六丙と生門とに再加えて六戊、これすなわち「天遁」にして界限分明なり。開門と六乙とが六己に加臨すれば、「地遁」これに過ぎず。休門と六丁とが太陰に相合すれば、「人遁」を認識せんには、これより准なるはなし。要するにこの三遁は百事いずれも宜しく、殊に身を蔵め修煉し・形跡を隠匿するに適することを知るべし。
乙辛為龍休坎羽,龍遁之名居水委;辛乙為虎生門遇,虎遁居山在長棲;六乙加辛休門合,水氣生風風遁威;六乙加辛生更合,艮源坤土龍遁飛;生臨丙月九天上,神遁斯為福世熙;六乙若然加九地,斯為鬼遁達幽機;
乙と辛と相配し休門の坎宮に落つるは羽音に属し、これを龍と為す。「龍遁」の名は水の委聚の処より取る。辛と乙と相配して生門に遇うは、これを虎と為す。「虎遁」は山中に居り、長く栖止すべし。六乙が六辛に加わりまた休門と相合すれば、水気風を生じ、これ「風遁」の威なり。六乙が六辛に加わりて生門と相合すれば、艮は山の源・坤は土の母にして、則ち「龍遁」の飛騰なり。生門が丙奇・月精に臨みて九天の上に在れば、便ち「神遁」にして、世道の福沢をして昌隆ならしむべし。六乙もし九地に加臨せば、あれすなわち「鬼遁」にして、幽冥の機に通達すべし。
刑擊六儀何太凶,值符刑處與時同,子卯戌未申嫌虎,辰午自刑巳午宮;時日門星有伏吟,休加休上蓬加蓬,惟當守己財貨斂,妄動輕謀有侵害;就中返吟子加午,尤嫌門符相對伍,偏宜散侐發倉廩,動眾興工凶必阻,奇門吉宿若加臨,可免災刑福無補;宮尅門害為財多,門制宮分宮鬼迫,吉門逼迫宜疾成,凶門過迫凶莫測;
「六儀撃刑」はなにゆえぞかくのごとき凶なる。値符の刑を受くる処が時辰と同じなればなり。子は卯を刑し、戌は未を刑し、申と寅(虎)は相刑し、辰・午は則ち自刑にして、巳・午の宮もその中に在り。もし時・日・門・星いずれも「伏吟」を現すが如きは、たとえば休門の休門の上に加わる・天蓬の天蓬の上に加わるが如き、則ちただ本分を守り財貨を収斂すべく、妄動・軽謀すれば必ず侵害を受く。その中「返吟」は子の午に加わるの類にして、尤も門と値符とが正しく相対して伍を成すを忌む。この種の時はかえって財を散じ衆を済い・倉を開き粮を放つに宜しく、もし師を興し衆を動かし・土木を大いに興さば必ず阻撓を受くん。仮使奇門・吉宿の加臨あらば、災禍・刑傷を免る可しと雖も、しかも福を増すなし。宮が門を剋して害を為すは、財の耗すこと多きを主り、門が宮を制すれば則ち宮鬼の相迫るを分かち出す。吉門迫せられれば、事成ると雖も速辦を須い、凶門过分に迫せられれば、凶険測度し難し。
丙為悖逆庚為格,格則不通悖亂逆;丙加日干及值符,忤逆紀綱應不飭;庚加本歲月日時,俱名乾格生災隙;六丙加寅熒入白,寇即欲去勢可獲;六庚加丙白入熒,賊信方來勢莫測;庚加值符天乙伏,值符加庚天乙飛,加一宮兮戰在野,刑一宮兮防國持;庚加癸兮防國持,癸加庚兮為大格,加壬之時小格用;加己為刑道路格,日干加庚飛干推。
丙は「悖逆」を主り、庚は「格」を主る。格に逢えば則ち道路通ぜず、悖に逢えば則ち綱紀乱逆す。丙が日干に加わりあるいは値符に加わるは、すなわち綱紀に忤逆し、政令整粛し能わず。庚が本年・本月・本日・本時の上に加わるは、皆な「干格」と叫し、災禍の縫隙を生ず。六丙が寅(火に属す)に加わるは「熒惑入太白」にして、敵寇まさに退かんとするを主り、その勢い擒獲すべし。六庚が丙に加わるは「太白入熒惑」にして、敵軍の消息ようやく到りて来勢測度し難きを主る。庚が値符に加わるを「天乙伏宮」と叫び、値符が庚に加わるを「天乙飛宮」と叫ぶ。同一宮に加わるは野戦の象にして、刑の同一宮に在るは必ず国事の艱危を防ぐべし。庚の癸に加わるもまた国事の艱危を防ぐべく、癸の庚に加わるは則ち「大格」。壬に加わる時は「小格」を用い、己に加わるは「刑格」にしてまた道路格と叫び、日干の庚に加わるは則ち「飛干格」に按じて推断す。
更有一般時格者,六庚慎勿加三奇,此時若動出行去,匹馬隻輪無返期。六癸加丁蛇妖矯,憂惶心事何時了,六癸加丁雀投江,奸頑訟罣入公堂。六辛加乙虎猖狂,恐懼身親有損傷,六乙加辛龍逃走,驚惶凜散財存否。龍回首兮甲加丙,津悅意應無朽,丙加甲兮鳥跌穴,百為舉動成功烈。
また一種の「時格」あり。六庚は切に三奇に加臨すべからず。この種の時辰に動身・出行せば、便ち一匹の馬・一隻の車輪も回り来たらず。六癸が丁に加わるは「螣蛇妖矯」にして、憂愁・惶恐の心事いつか了るを知らず。六癸が丁に加わるはまた「朱雀投江」と作し、奸頑の徒は訟事に牽連し公堂に鬧ぐ(この二句は底本に重出し、一句は「丁の癸に加わる」の誤りなるべし)。六辛が乙に加わるは「白虎猖狂」にして、人をして恐懼せしめ、自身・親人に損傷あらん。六乙が辛に加わるは「青龍逃走」にして、驚惶・凜懼し財物離散し、保存し得るや否やも言い難し。「青龍回首」は甲の丙に加わるにして、心中喜悦・感応無窮(この句底本に闕文あり)。「飛鳥跌穴」は丙の甲に加わるにして、百般の挙動みな功業を成就すべし。
天盤動用占為客,地盤安靜占主穴;細看星宮奇門知,察其刑尅吉凶決;分其日月旺休方,更辨其方雲氣色;假如天蓬加九宮,旺相之月在秋冬;喜逢癸壬亥子日,北方黑氣客有功;若還天英加一地,冬時北方主反利;奇門星位仿此推,人在時方分仔細。自寅至午五陽時,甲乙丙丁戊合宜,先與出行為客勝,利造姻宮並移徙;自未至亥時五陰,己庚辛壬癸干尋,利主集謀修備用,尤宜禱造與逃離。
天盤は動を主り、占問の時は客方を代表す。地盤は安静にして、占問の時は主方と墳穴を代表す。細かに星・宮・奇・門を看れば便ち知るべく、再びその間の刑剋を察すれば、吉凶便ち決断し得。なお日月・旺衰の方位を分辨し、さらに該方の雲気の顔色を辨明すべし。たとえば天蓬の九宫に加臨する、旺相の月は秋冬に在り、最も癸・壬・亥・子等の日に逢うを喜び、北方に黒色の雲気現ずれば、則ち客方功あらん。もし天英の一宮・坎地に加臨するが如きは、冬季の時、北方は反って主方に利あり。その余の奇門と星位は皆なこれに照らして推算し、人のいかなる時辰・いかなる方位に処るかは、必ず仔細に分辨すべし。寅時より午時に至るは五つの陽時にして、甲・乙・丙・丁・戊の五干に配して最も相宜しく、先に動き出行すれば則ち客方勝を取り、婚事を弁じ遷移するに利あり。未時より亥時に至るは五つの陰時にして、己・庚・辛・壬・癸の五干に配し、主方の衆を聚め謀劃し・備え用の物を整修するに利し、尤も祈祷・營造と逃遁・離去に宜しい。
十干六甲為宗主,上下交承開闔分,陽星加一宮開吉,陰星一宮闔事凶,甲孟宜貞仲宜守,宮方加季吉序興,作為進往憑天局,基穴陰謀靜地乘,若見三奇在五陽,偏宜為客自高強,三奇若遇五陰上,利宜為主志倘徉,三奇積蘊妙難言,陰逆後占陽順前,每時須別初中末,總把值符分後先,乙德往來恍似神,行逢酒饌市財陳,入宮移娶皆宜客,卻忌鞭刑與怒嗔,丙子月奇天威吒,火氣銷金兵不起,市賈入官行遇仙,聽無憂兮聞有喜,六丁玉女太陰精,出入幽冥老不刑,謁請入官商娶吉,半為憂喜利私營,六戊三門凶不起,來龍萬里誰呵止,大馬不鳴行客隨,市賈得財驚走否,己為六合利機謀,隱匿如神天莫指,出入官行利百為,驚逃凶去小人利,六庚加時絕五本,強出遭凌入天獄,市賈道亡物有傷,百宜固守斯為福,六辛出遇死尸陳,強出天庭罪縛身,問疾官商婚娶忌,自新利決罪刑人,壬是天牢強出焦,邀遮卻利亡與逃,病人進退存餘喘,官吏仇稽百事騷,癸藏出入百憂煎,利病逃亡與覓仙,遁跡隱形人莫曉,病加沉重日纏綿。
十干と六甲は全局の宗主にして、上下相承して開と闔とを分かち出す。陽星の一宮に加臨するは開にして吉を主り、陰星の一宮に落つるは闔にして凶を主る。甲の四孟に落つるは正を守るに宜しく、四仲に落つるは固守に宜しく、宮位・方向の四季に落つるは則ち吉慶次第に興起す。作為あり・往く所有りは天盤の局に憑り、基址・墓穴を營造し・暗中に謀議するは則ち地盤の静に乗ずべし。もし三奇の五陽時に落つるは、偏ねて客を為すに宜しく、自ずから強勢を占拠す。三奇もし五陰時に遇えば、則ち主を為すに利あり、従容として自ずから得たり。三奇の蘊含する妙処は尽く言い難し。陰遁は逆行して占は後に在り、陽遁は順行して占は前に在る。それぞれの時辰はなお初・中・末の三段を分かちて、総じて皆な値符を用いて先後を分かち出す。以下再び十干の宜忌を分説す。乙奇の徳は往来神の如く、出行すれば酒食に遇上し、市上に銭財陈列す。宮に入り官と為り・遷居・嫁娶は皆な客を作すに宜しく、ただし鞭撻・刑罰と発怒・動気を忌む。丙は月奇にして、天威の震怒の如く、火気は金鉄を銷熔し、兵事起こらず。経商・入官・出行は皆な神仙に遇うが如く、聴聞の間は憂愁なくただ喜讯のみあり。六丁は玉女・太陰の精にして、幽冥の境に出入し年老いても刑傷を受けず、謁見・請托・入仕・為官・経商・娶妻は皆な吉にして、憂喜各半にして私下の経営に利あり。六戊は三吉門に配すれば凶事起こらず、来龍縦り万里あるも人の阻攔する能わず。大馬嘶かずして行客相随い、経商すれば財を得、驚擾・奔走の事は自ずから消解す。六己は六合を為し、機密の謀劃に利し、行跡を隠匿すること神の如く、上天すら指認し出さず。出入・做官・行走、百事皆な利あり、驚懼・逃亡の類の凶事は離去し、下位に処る者に利あり。六庚が時干に加臨すれば、五行の根本を断絶し、勉強して出行せば欺凌に遭い身は天獄に陥らん。経商すれば半路に損失し貨物傷を受け、この時百事皆な固守に宜しく、固守するのみ福なり。六辛は出行すれば陳尸に遇上し、勉強して出去せば天庭に触犯し身は罪責に捆縛せられん。問病・見官・経商・婚娶は皆な忌避すべく、ただ改過・自新・罪囚の判決の類の事のみ利あり。六壬は天牢にして、勉強して出行せば必ず焦頭爛額を致さん。攔截・堵截するは反って利あり、また亡命・逃遁に利あり。病人は病情反復し、ただ残喘のみ余らん。官吏は怨を結び稽留し、百事騒擾す。六癸は潜蔵を主り、出入の際は百般の憂愁・煎熬のみ。ただ治病・逃亡と訪仙・求道に利あるのみ。跡を遁え形を隠して人の知るなし。もし病あらば、則ち病情加重し日に纏綿せん。
九星吉凶詩訣
天蓬主事異秋冬,用訟安邊春夏功,嫁娶俱亡移徙火,入官險道門逢凶,賈商埋葬居行否,相會奇門畧少過。天任之宿屬星儀,百事求謀利四時,造葬入官並請謁,行商娶祀吉遷移,主邊更喜氣神旺,來發機緣客已危。天沖報怨趁春溫,萬里威風膽氣雄,不利秋冬春夏勝,賈商行徙入官迍,造葬修方娶產難,須知萬物來逢春。
天蓬星の主る事は、秋冬と春夏と各々同じからず。訴訟・辺疆の安定に用いるは、春夏に到って初めて功効を見る。嫁娶これに遇えば則ち双方俱に損なわれ、遷徙これに遇えば則ち火患あり。入仕・為官は険道を行走するが如く、門に逢うもまた凶多し。経商・埋葬・居家・出行は皆な宜しからず。ただ奇門と相会するのみ、過失ようやく些か軽減す。天任のこの一宿は吉星の儀に属し、百事の求謀、四季皆な利あり。營造・安葬・入仕・為官・謁見・請托、および行商・娶妻・祭祀・遷移は皆な吉なり。それは辺境の一方を守るを主り、さらに気旺・神強を喜ぶ。客方来たりて機縁を発動すれば、反って已に危境に陥らん。天冲星は報仇・雪怨に宜しく、春天の温暖の時に趁えば、威風万里を行くべく胆気豪雄なり。それは秋冬に利あらずして春夏に勝を取り、経商・出行・遷徙・入仕・為官は皆な困頓せん。營造・安葬・修方・娶妻は則ち難産・受阻の虞あり。総じてその力量は万物の春に逢うの際に応ずるを知るべし。
天輔修身利造營,徵贏春夏地開平,罪刑此出逢天赦,遠出居官功亦成,嫁娶多兒增利市,謁求移徙卻無情。天英之宿是天衢,遠行飲宴樂愉愉,出入葬埋宜嫁娶,徙宮築室祀商違,主令慎勿輕加客,彼若未攻自取危。芮星授道結交宜,作事征行不必為,盜賊憂驚傷小口,災刑囚事被官羈,大凶春夏秋冬吉,縱得奇門福亦虧。
天輔星は修身と營造に利し、出征・取勝は春夏に宜しく、土地の開墾・平整もまた相宜し。罪刑を身負う者この時出行せば、天赦に遇上せん。遠行・外出・居官・任職もまた功業を成就し得、嫁娶すれば則ち子孫多く売買利を増す。ただ謁見・請求と遷徙に用いるは、則ち情分を講ずるなし。天英のこの一宿は通天の大道にして、遠行・飲宴皆な歓愉なり。出入・埋葬・嫁娶もまた宜しく、ただ遷宮・築室・祭祀・経商のみこれと相違す。主方の号令は切に軽々しく客方に施加すべからず。相手方もし尚未だ攻め来たらずして自己先に動かば、すなわち自ら危険を取るなり。天芮星は道を伝え業を授け・朋友を結交するに宜しく、事を弁じ征戦・出行するは必ず為すに及ばず。それは盗賊・憂驚・家中の小口を傷るを主り、また災禍・刑罰・牢獄の事・官府に羈押せらるるを主る。春夏は大凶にして秋冬は稍や吉なり。縦り奇門の相助を得とも、福分終に亏けたらん。
天禽中主四時通,硬沖堅大有奇功,宜用智謀機活伏,祭神感應上官亨,賈商嫁娶行修造,奇門加到盡亨通。天柱山方修造良,祀神嫁娶亦生光,藏形謹守斯為美,移徙征行卻受殃,營謀不善如輕動,妄行相交主中傷。心宿星機神道輝,求仙合藥百為宜,入官嫁娶及移徙,造葬征行祭祀時,泰在秋冬春夏日,利加君子小人危。
天禽星は中央に居り、四時皆な通ず。用いて堅固なる大敵を強攻すれば奇功を建つべし。智謀を運用し・霊活に埋伏を設くるに宜しく、神を祭れば則ち感応あり、任に上就き官を為すも亨通す。経商・嫁娶・出行・修造は皆な行くべし。もし再び奇門の加臨あらば、則ち亨通せざるなし。天柱星の所在の山向に修造するは良を為し、神を祭り・嫁娶するもまた光彩を生ずべし。形跡を隠蔵し・謹慎して自守するは則ちそれが最好の用法なり。もし遷徙・征戦・出行に用いなば、反って殃を受けん。経営・謀劃善くせずして軽挙・妄動し、あるいは胡乱に人と結交せば、皆な中傷を招致せん。天心のこの一宿は星機と神道の光輝を蔵し、仙を求め道を訪い・薬を配し剤を合せ、百事皆な宜し。入仕・為官・嫁娶・遷徙、および營造・安葬・征戦・出行・祭祀、皆なこの時を用いべし。それは秋冬に安泰にして、春夏の日もまた可なり。君子に利ありて、小人これを用いれば則ち危し。
八門吉凶詩訣
休門一一(原文九九)氣盈室,富貴子孫田土吉,祭祀修營入宅基,赴官遷徙事周悉,產招逃絕入興隆,北旺冬時數六一,南北婚姻有遠親,送來六畜增官秩。生門八八氣盈星,凶煞皆降尊土精,因待女財人寄物,從茲致富子孫興,三年定有貴兒產,出入外州泉貨盈,嫁娶種萌竝造作,消災發福有奇靈。
休門は一宮の数に属し(底本もと「九九」と作る、当に「一一」の誤りなるべし)、その気は充盈して室に満ち、富貴・子孫の昌盛・田土の吉利を主る。祭祀・修造・營建・宅基への遷入・任に赴き官を為し・遷徙、事事周全なり。逃亡・絶戸の産業を招納すれば則ち家道隆興す。それは北方に旺え冬季に旺え、その数は六と一。南北婚姻を結べば遠方の親戚を牽出し、また人の六畜を送るあり、官秩もこれに随って増高す。生門は八宮の数に属し、その気は充盈して星の如く、一切の凶煞みなその秉ける土精の下に降伏す。女子の接待により財を得、あるいは人の財物を寄存し、これより致富して子孫興旺す。三年の内必ず貴子を生ず。出入して外州に経商すれば則ち銭貨充盈す。嫁娶・播種・營造、样样皆な好く、災を消し福を発するに奇異の霊験あり。
傷門氣短數三三,寅卯旺方音角間,漁獵捕徵搜索債,更宜賭博追亡還,官司口舌重喪至,六畜邅瘟火盜艱,夫婦血光災眼症,三旬產厄禍力殘,刑名死以兼瘋疾,蛇虎傷人居不安。杜門四四星凶惡,木性時方寅卯泊,閉堤絕水事封培,追邪伐盜竝勾捉,出亡逃難斷欲宜,隱伏邀遮俱可托,去佞遠藏埋閉藏,克絕陰私能久約,用動似防盜賊侵,官刑財散瘟疫傷,蛇傷雷打疥瘡濃,焚廩人亡家退落。
傷門は気短促にして、三宮の数に属し、寅・卯の方に旺え、音は角に属す。それは漁猟・捕捉・征討・搜捕・索債に宜しく、さらに賭博と逃亡の人の追討に宜し。ただしまた官司・口舌・重喪の接続して至るを主り、六畜は瘟に遭い・火災・盗賊患と為り、夫婦は血光を見・眼疾を患い、三十日の内に産厄の禍ありて元気残損し、また刑名の禍・死亡兼ねて瘋疾を加え・蛇虎の人を傷り・居処の安からざるを主る。杜門は四宮の数に属し、星性は凶悪にして、五行は木に属し、時と方と皆な寅・卯に停泊す。それは堤壩の堵閉・水源の断絶・封土・培基に宜しく、また邪祟の追捕・盗匪の討伐・勾拿・緝捕に宜しく、出走・逃亡・避難・躲蔵は最も相宜し。隠伏・埋伏・攔截・阻遮は皆な托し可く、奸佞の斥退・遠遁・深蔵・物の埋蔵・閉蔵、および陰私の断絶・長く約束を守るも、また用いべし。ただし妄動すれば、則ち盗賊の侵擾を防ぐべく、また官刑・破財・瘟疫の傷、および蛇咬・雷撃・疥瘡の潰爛・糸倉の失火・人口の死亡・家道の衰落の禍あらん。
景門九九(原文七七)紫氣盈,巳午旺南寅戌結,遣使上書能解危,求謀修造訪尋謁,葬埋嫁娶吉中斗,給賞吏人如手捉,獻策求名墀陛親,舉科文士藻文潔。死門二二凶星逆,戊己坤艮方位即,穿獵漁網刑戳宜,送喪吊死葬埋益,修營妨長及平房,忤逆重喪亡產憾,所求不利不宜行,動見敗亡官落職。
景門は九宫の数に属し(底本もと「七七」と作る、当に「九九」の誤りなるべし)、紫気充盈し、南方巳・午に旺え、寅・戌と相結んで火局を成す。それは使者の派遣・上書・言事に宜しく、危難を解除し得。求謀・修造・訪求・謁見は皆な用いべく、埋葬・嫁娶は吉利の中また些か争鬥の意を帯び、吏員に賞賜すれば則ち囊中の物を探るが如し。策を献じ名を求めれば朝堂に親近すべく、科挙に参加する文士は文采清潔にして出衆す。死門は二宮の数に属し、凶星・逆気にして、方位は戊・己の属する坤・艮の両宮に在り。それは洞を打ち猟を捕らえ・網を張り魚を捕り・刑を行い殺戮するに宜しく、喪を送り唁を弔い・死者を埋葬するもまた益あり。もし修造・營建に用いなば、則ち家中の長輩と平房を妨害し、また忤逆・不孝・重喪の接続・産業の喪失して憾を抱くを主る。およそ求む所有らば皆な利なく、施行に宜しからず。一動すれば則ち敗亡を見、官を為す者は免職せられん。
驚門無化氣為逆,旺在庚辛申酉地,羅網張疑立獄訟,攻門刑擊一齊到,逃亡掩捕得功能,市賈營修皆可忌,致訟虛驚疾疫興,敗囚軍賊牛羊斃。開門六六氣營奇,謁貴求謀利有為,立宅扦修官職進,外來財帛馬牛肥,蜂蜜窖冶橫財發,富盛子孫名利齊,金上庚辛秋月旺,奴田畜產賈商宜。
驚門は化気なく、その気は逆を為し、庚・辛と申・酉の地に旺えり。それは羅網を張開し・疑を設け局を布き・獄訟を興起するを主る。門を攻め刑撃の禍は一斉に到来す。逃亡の追捕・掩襲・緝拿に用いれば則ち功を建つべし。経商・營造・修繕に至っては、皆な忌諱の列に在り。それはまた訴訟の招致・虚驚一場・疾病・瘟疫の興起・兵敗・被囚・軍中の生賊・牛羊の死亡を主る。開門は六宮の数に属し、その気は経営に善くして奇特なり。貴人の謁見・求謀・辦事に宜しく、およそ作為あらば皆な利あり。宅第を營立し・穴を扦し修造すれば則ち官職晋升す。外面より来たる銭財は源々として絶えず、馬牛肥壯す。蜂を養い蜜を取り・窖を開き冶煉すれば横財を発すべし。家道富盛にして、子孫名利双全す。それ五行は金に属し、庚・辛に配して秋月に旺えり。奴僕・田産・畜牧・経商の各事は皆な相宜し。
日家奇門九星
更有太乙九星位,冬至艮宮夏坤地,命起甲子順逆行,本日住宮太乙立。太乙求財萬事通,攝提門打鬧叢中,軒轅出入多驚恐,招搖到處血光紅,天符打圍射獵吉,青龍覓利喜重重,咸池所至主官事,太陰服處暗財豐,天乙貴人宜酒食,九星應驗最靈通,天之最貴亭亭星,最宜背主擊向沖,兼及亭亭月將加,時神后是亭亭也,生神背向一般窮,天之好神白奸位,格在寅申合巳亥(由亭亭而及白奸)。月將加時求孟神,亥寅巳申合孟異,旬裡孤皆壬癸方,所對之方是虛位,背孤擊虛虛用奸,女流可當百夫氣(由白奸而論孤虛)。
別に太乙九星の定位あり。冬至は艮宮より起こり、夏至は坤地より起こり、皆な甲子日より算を起こし、陽順・陰逆に按じて行き、当日の停まる宮がすなわち太乙の立つる処なり。九星の断語は:太乙星は財を求むれば万事亨通し、摂提星は門前の打鬥・喧鬧の叢生を主り、軒轅星は出入に惊恐多きを主り、招摇星の至る処は血光を見、天符星は囲猟・射箭に宜しく吉、青龍星は利を求むれば喜事重々、咸池星の至るは官司を主り、太陰星の潜伏の処は暗財豊厚、天乙貴人は酒食・宴飲に宜しい。九星の応験は最も霊通なり。上天の最も尊貴なるは亭亭星にして、最もそれに背いてその对冲の方を撃つに宜し。亭亭は月将を時に加えて以て求め、時を加えた後、神后の落つる処がすなわち亭亭なり。生神の背向の用法はこれと相仿し。上天の別の一位の好き神は白奸の位にして、それ寅・申に格て巳・亥に合す(これは亭亭より講じて白奸に及ぶ)。月将を時に加えて以て四孟の神を求むるに、亥・寅・巳・申は四孟と相合して各々分別あり。一旬の中の孤位は皆な壬・癸の方に在り、それと正对する方位がすなわち虚位なり。孤位に背き、虚位を撃ち、虚位を取るにまた白奸を借用す。かくの如くすれば則ち一介の女流も以て百人の勇に抵当し得べし(これは白奸より講じて孤虚に及ぶ)。
巻二十三
十方星將生尅を論ず
天元即是人時元,十二方位人坐邊,月將尋時依次定,貴人須審日干傳。天元君父夫主師,尊先長上首高皮,貴神官祿心家主,群吏外財胸乳臍。月將親戚弟兄輩,內財妻子腹腰腓,下方卑幼臣民妾,孫足家中物些微。干尅方為妻妾動,官財損折下卑疲,外邊取索多唇舌,人在家中防不怡。
所謂「天元」とは、すなわち人の事を用うる時元なり。十二方位環列して人は一辺に坐す。月將は須らく用うる所の時辰に依りて依次排定し、貴人は須らく日干を審察して推伝すべし。天元の主る所は君王・父・夫・主人・師長にして、尊者の先に在り・長者の上に在るを代表し、人身に於ては頭首と皮膚に応ず。貴神の主る所は官禄と一家の主にして、また衆吏と外来の財を代表し、人身に於ては胸・乳・臍に応ず。月將の主る所は親戚と兄弟輩にして、家内の財と妻子を代表し、人身に於ては腹・腰・小腿に応ず。下方の主る所は卑幼・臣民・妾侍にして、子孫と家中の零碎の物を代表し、人身に於ては足に応ず。もし日干が方を剋すれば、妻妾に動あり・官職・銭財損なわれ・下人・卑幼疲困を主り、外より来たりて索取する人多く口舌を生じ、人家中に在りても不快を提防すべし。
干尅神為官祿動,官財兩得非常宜,外人取索多謀害,市不利官散不遲。干尅將為財內動,求財多得妻多病,又知屋宇柱樑權,將本求財多利進。干生神位親來訪,又有外人送物廣,物色官府所用之,借來借去數中仿。干生月將內財興,人送物來依類分,內外弟兄和氣合,須知慈父愛兒孫。
日干が貴神を剋するは、官禄の発動を主り、官位と財帛の両様皆な得、非常に適宜なり。ただし外人の前来して索取するは多く謀害の心を懐き、市面利なく、官事速やかに消散す。日干が月將を剋するは、家内の財の発動を主り、財を求むれば多く手に入り得、ただ妻子多病なり。また屋宇・柱梁の権を掌握し、本銭に憑りて財を求むれば多く利の進むべきを主る。日干が貴神の位を生ずるは、親友の来訪あるを主り、また外人の物品を送り来ること多く、これらの物色は多く官府の用うる所の物にして、借り借りせられ、数目大略この如し。日干が月將を生ずるは、家内の財源の興旺を主り、人の物を送り来るあり、類に依りて分派すべし。内外の兄弟和気融洽し、また慈父の児孫を疼愛する情分を体会すべし。
干生方位澤恩該,蔭子添孫奴婢財,占產始知多易育,非常寵遇自天來。神尅干為官祿動,仕膺祿位望財無,常人官事得官物,喉病財來暗損失。神尅將為內賊生,勾連偸詐構攘深,損財卑幼當災疾,求望無成占病傾。神尅方為隔動興,求財遲得事遲成,主人怒發災奴僕,占病臍疼足跛行。
日干が方位を生ずるは、恩沢の被る所にして、子孫を蔭庇し・丁を添え口を進め・奴婢と財物を得るを主る。生産を占問して初めて大半養育し易きを知り、非常の寵遇天より降る。貴神が日干を剋するは、官禄の発動を主り、官を為す者は禄位を承受し得るも、銭財は指望し難し。平常人は官事ありて官府の物を得。咽喉の疾を主り、銭財手に到りて暗中に損失す。貴神が月將を剋するは、家内に賊を生ずるを主り、勾結・牽連・偸盗・欺詐・構陷・侵奪の事甚だ深し。財を破りて卑幼災に遭い病し、求望成らず、病を占すれば病勢傾危なり。貴神が方を剋するは、間隔の事の発動を主り、財を求むれば遅緩にして初めて得、事は遅緩にして初めて成る。主人怒りて災奴僕に及び、病を占すれば臍部疼痛・脚跛きて行くこと難し。
神生干有官超薦,人送物來官可見,祭祀以時享孝歆,尋人必定來見面。神生將為婚姻合,饋送來珍物最時,求望謀為皆遂意,行人必至莫生疑。神生方位隔神動,宛轉謀為始望成,和氣主翁恩下及,家奴盡力業生營。將尅干為隔喜竝,歡忻喜事由天定,求財阻隔事難成,必待天祿方合併。
貴神が日干を生ずるは、官職の超升・人の荐挙あるを主り、人の物を送り来るあり、官長もまた見るべし。祭祀時を按じて挙行すれば先人その孝を歆享し、人を尋ぬればも必ず面に見るべし。貴神が月將を生ずるは、婚姻・和合を主り、饋贈・送来の珍物最も時宜に合し、求望・謀劃皆な意に遂い、出門在外の人必ず帰来す、疑慮するを須いず。貴神が方位を生ずるは、隔位の神の発動を主り、謀劃の事は輾轉・周折して終に成功を望むべし。和気主翁より起こり、恩沢衆人に下り及び、家中の奴僕力を尽くして家業を経営す。月將が日干を剋するは、間隔の中に並びて喜事あるを主り、歓欣・喜慶は天の注定する由。ただし財を求むれば受阻し、事成り難く、必ず天禄の相合する時を待たねば可ならず。
將尅神為財動興,求財得利妻得病,求官難得疾難醫,出外物形終損應。將尅方為憂慮興,憂慮疾病足難行,幼災財僕多傷損,爭訟難贏宅不寧。將生干是平星吉,內外和合妻正室,財產興隆兒孝親,須知人宅兩安並。
月將が貴神を剋するは、財運の発動を主り、財を求むれば利を得、ただ妻子病を生ぜん。官を求むれば手に入り難く、疾病治療し難し。出門在外すれば、物件の形制・器用終に損耗あるを主る。月將が方を剋するは、憂慮の興起を主り、憂愁と疾病と人をして挙歩維艱ならしむ。幼小の者災に遭い、銭財と僕役多く損傷し、争訟打勝ち難く、宅中もまた安寧ならず。月將が日干を生ずるは、平和の星にして吉に属す。内外和合し、妻子正室の位に安居し、財産興隆し、児女双親に孝順す。須らく知るべし、これ人と宅の両方面皆な安寧を得る格局なりと。
將生神是和合星,百事皆祥和福臻,兒孝妻賢家宇泰,施財普濟路橋平。將生方是吉神課,財帛外來有親助,喜慶兒孫多秀拔,須知天庇家平和。方尅干為官鬼動,官亨出外訟牽人,災憂口舌冤仇損,自艾遁逃乾上刑。方尅神為官祿動,求官得祿必成名,傷神擧薦無提拔,刑獄連遭官府嗔。
「將」の「神」を生ずるは、すなわち諸將の気が天盤の神を生助するにして、この一組を「和合星」と叫ぶ。百事を占問すれば皆な吉祥にして、福気自ずから来る。家中の児子孝順・妻子賢恵にして、一門安泰なり。主人肯んじて財を散じ衆を済い、橋を修し路を鋪き善行を多くす。「將」の「方」を生ずるは、すなわち諸將の臨む所の宮方を生ずるにして、吉神の課に当たる。銭財外面より進入し、また親族の帮衬あり。喜慶の事接続して至り、児孫の輩俊秀の才を多出す。知るべし、これ上天の庇佑にして、家道平順・和睦なり。「方」の「干」を尅するは、宮方反って日干を尅すれば、すなわち「官鬼」の発動なり。官に在る者は亨通を得と雖も、平人出外すれば則ち官司に牽連せられ、災禍・憂愁・口舌・冤仇一斉に来たりて人を傷る。ただ自ら悔い自ら責め・退避・躲譲するのみ、日干正に頭上に於て刑尅を受くればなり。「方」の「神」を尅するは、宮方が天盤の神を尅すれば、則ち「官禄」の発動なり。官を謀り禄を求むる者は必ず名を成すべし。ただし神位を傷つけば、縦り人の挙荐あるも真心の提拔する人なく、反って一再刑獄の災に遭い、官府に責怪せられん。
方尅將為外賊露,耗材妻妾生災毒,須知人慾出於家,失物因尋復得物。方生神是喜和星,宛轉謀為皆稱情,奴僕盡心忠益主,須知基旺屋更新。方生干是忠孝星,父母君師皆喜忻,印綬擢拔多進益,須知祭祀福祥臻。
「方」の「將」を尅するは、宮方が諸將を尅制すれば、外面に盗賊の形を露すを主る。銭財耗散し、妻妾の一房災病・毒害を生ず。また知るべし、家里已に人の出走の心思を動かせるあり。失物に至っては、反って尋ね求むるがゆえに重新して得回す。「方」の「神」を生ずるは、「喜和星」なり。凡事輾轉・籌劃皆な心意に合し、奴僕・下人心を尽くし力を尽くして主家に忠なり。宅基気旺え、房屋もまた翻修して一新せん。「方」の「干」を生ずるは、「忠孝星」なり。父母・君上・師長皆な歓喜し、印を掌る官職は提拔せられて進益甚だ多し。須らく知るべし、この時祖先・神明を祭祀すれば、福祥自ずから来らん。
方生干是壬星得,地載吉祥喜事臨,和合婚姻謀望遂,家庭和氣業更新。上順下生天與慶,外人送物進財應,添丁百事皆和合,立至行人得產興。下順上生出行該,經商得利稱心懷,求官得舉蒙恩擢,喜信家中傳報來。
再び「方」の「干」を生じて「壬星」を得るの一層を説く。大地の承載の気吉祥にして、喜事門に臨み、婚姻和合し、謀る所・望む所皆な心に遂い、一家和気にして家業更新す。上位下位に順い相生するは、上天の慶を降すにして、外人物を送り門に来たり、財を進むるに応ず。家中に丁を添え、百事和合し、出門在外の人は即刻に至り、産業もこれに随って興旺す。下位上位に順い相生するは、出行に宜しく、経商すれば利を得て心に称い意に如く、官を求むる者は荐挙せられ恩を蒙り提拔せん。喜讯もまた家中に伝報到来せん。
上順尅時外尅內,外人構詐生謀害,頻爭財破上凌卑,足疾地基多退敗。下順尅尊內尅外,卑幼忤逆官司壞,勾連財失舌唇多,嘔吐病災無父母。干神比是近謀身,不犯親戚不累人,神將比為親屬好,謀為作事托宗親。
上位順次に下を尅すれば、すなわち外来の気が内裏を尅制するにして、外人計を設け欺詐し・加害を圖謀し、争執頻りに起こりて財を破り、尊長卑幼を欺凌す。病は則ち脚上に応じ、宅基・田産もまた多く退敗す。下位順次に上を尅するは、内裏の反って外を尅するにして、卑幼尊長に忤逆し、官司敗壊し、牽連・糾纏して財を失い、唇舌の是非また多し。病は嘔吐に応じ、また父母已に在らずを主る。日の「干」と「神」と比和すれば、謀る所はただ自身の近処に在り、親戚を冒犯せず、外人を牽累せず。「神」と「將」と比和すれば、親属の和好の象にして、事を謀り事を作すに本宗・親族を托して弁せしむべし。
將方比是為朋友,進退作為朋友成,干戈比為兄弟類,事謀不寔比肩行。全比親屬迭重連,卑逾尊兮邪奪正,上下混向無分別,大凶無吉災刑並。神與干合為官合,士子科場榮擢廷,庸俗訟公官府累,謀望小事多難成。
「將」と「方」と比和するは、朋友の身に応じ、進退・行止皆な朋友に憑りて成全す。干と支と比和するは、兄弟の一類に属し、事情の謀劃実在たらず、ただ同輩肩を並べて行くのみ。もし四者全部比和せば、親属関係層層に重畳し、卑幼尊長を越え、邪気正気を圧倒し、上下混杂して分別なし。これ大凶の象にして、全く吉処なく、災禍・刑傷一併に到来す。「神」と「干」と相合するを「官合」と叫ぶ。読書人科場の試に応じ、朝廷に於て栄顕すべし。平常人もし官司を打たば、反って官府に拖累せられ、謀望の小事にも多く成り難し。
神與將合為正合,婚姻成就事亨通,又多朋友親隣助,惟有病占秋復冬。將與方合為遙合,遠路來年婚就成,謀事遲成人病仰,以卑動長合相承。干與將合名為格,內外關防遲送迎,方與神合經年事,卑幼干尊事晚成。方與干合人謀己,門中有事就相爭,星奇方位門諸將,吉凶平穩隨時評。
「神」と「將」と相合するを「正合」と叫ぶ。婚姻成るべく、諸事亨通し、また朋友・隣里の相助を多得。ただ病を占するに利あらず、病情は秋天を拖過して再び冬に入らん。「將」と「方」と相合するを「遥合」と叫ぶ。遠路に応じ、婚事は来年に到って初めて成り、事を謀るに遅緩にして、病人はただ仰卧して起つ能わず。事情多く卑幼の一方より発動し、尊長を承接す。「干」と「將」と相合するを「格」と名づく。内外皆な阻隔・提防あり、迎来・送往皆な遅滞す。「方」と「神」と相合するは、占する所は経年にして初めて分曉を見る事にして、卑幼尊長を冒犯し、事情は後来に到って初めて成る。「方」と「干」と相合するは、別人の来たりて自己を謀算するにして、門戸の内に事あれば則ち相争わん。総じて三奇・九宫の方位・八門と諸將、吉凶いかんは皆な時に随い局に随って評断し、執定して一説にすべからず。
同朋為旺我生相,休是財官囚鬼將,死為父母分輕重,有氣大凶無小恙,大吉星旺固勝小,無氣不如小星暢,吉宿若逢時旺相,萬擧萬全功業尚,管甚身相竝定命,諸家不論惡星將,官符太歲盡歸承,壓煞擢凶靈顯真。
旺衰を論ずるは五行の生尅に照らして分かつべし。我と同類を「旺」と叫び、我の生ずる所を「相」と叫び、我を生ずるを「休」と叫び、この一位は財と官の上に落つ。我の尅する所を「囚」と叫び、我を尅するを「死」と叫び、鬼と將これにより分かち出す。「死」位は父母の上に落ち、なお軽重を分かちて看待すべし。凶神もし気あらば、反って大凶を成し、もし気なければ、也不外小病小災のみ。大吉の星の当たりて旺なれば、固より小吉の星に勝ると雖も、可なり吉星一旦無気ならば、反って小星の来たるに暢達せるに如かず。吉宿もし正に当時の旺相に逢えば、則ち万挙万全にして、功業期すべし。この歩に到らば、必ずしも再び本命・身宮のいかに相配するかを管するを須いず、各家の忌む所の悪星・凶將も一概に論ぜず、「官符」「太歳」のごとき大煞をも皆な俯首して聴命せしむるを得。能く凶煞を圧伏し・凶神を駆使して我の用と為せば、霊験初めて真に顕れ出づ。
作著流財財便發,作著空亡空裡興,若值休囚並廢棄,勸君不必進前升,愚今推演局卦數,變易隨時見道流,值符為綱使為目,詳演西山數人周,門為外卦宮為內,值使宰時正卦遊,飛爻出現目今斷,伏爻藏隱詳後頭。
局を用いるもし「流財」の位に作せば、銭財立刻に発動す。「空亡」の位に作せば、もまた空処に於て興旺を見るべし。もし休囚・廃棄の気に碰上せば、則ち汝に勧めて再び前に進取するなかれ。作者自ら謙していわく、我今に局と卦の数理を推演し、時に随って変易し、その中自ずから大道の脉络を見る。「値符」を以て綱と為し、「値使」を以て目と為す。値符の領する九星は大綱にして、値使の領する八門は条目なり。この一路の推演は西山先生の一派の数学に本づき、一一敷演してこれを周備せしむ。八門を外卦と作し、九宫を内卦と作す。「値使」は時辰を主宰し、正卦これにより推游す。飛爻は外に顕露して、断るは眼前の事、伏爻は下に蔵れて、後面に留めて細看を要す。
反卦先天相對取,彼方之向敵占留,互察未來後代事,用占旺相與休囚,用爻被傷尋生救,絕處逢生一樣搜,二卷分明推斷類,請君一一熟詳求,泊宮本命六儀裡,甲子行年本命頭,本命宮中起甲子,陰陽逆順一般周。
反卦は須らく先天八卦の相対の位置に按じて取り、用いて相手方の動向・敵人の去留を看る。互卦は則ち用いて将来と後代の事を察看す。およそ事を用うるは皆なその旺相なるや休囚なるやを占すべし。用爻もし傷尅を受けば、則ち生扶・救助の神を尋ね求め、絶地に処りて生に逢うもまたこの法子に照らして捜索すべし。この両巻は各類の推断を分かちて清清楚楚なり。読者に請う、一条ずつ熟読し細求せんことを。人の本命の泊まる所の宮は、則ち六儀の中に落つ。甲子を以て行年を起し・本命を起して頭と為し、本命宮の中に甲子を起し、陽遁順行・陰遁逆行し、一样に九宫を周流す。
命與行年隨宮斷,便知情性興亡籌,三易玩占周易主,啟蒙占法變之搜,參伍研幾惟在己,極深達用至誠求,若能念念時存此,方可循循達上俢。此篇歌訣是以奇門而演周易之卦也。
本命と行年のいずれの宮に落つるやに随い、則ち該宮に随って断ぜば、人の性情と家道の興亡もまた皆な籌算し出すべし。《連山》《帰蔵》《周易》の三易の玩索・占断は、なお《周易》を以て主と為し、占法の変通は則ち朱熹の《易学啓蒙》の一類の書に到りて捜求すべし。所謂「参伍以て変じ、幾を研してその神ならしむ」は、全く自己の用心に在り。要は極深・研幾し・通達して用に致すに至り、ただ至誠を以て求むるのみ。能く念々忘れず・時時この心を存せば、乃ち循序漸進して上乘の修為に達すべし。以上のこの一篇の歌訣は、奇門の法則を用いて《周易》の卦爻を推演するものである。
奇門掌中金要訣
奇門玄妙九宮邊。即邊九掌訣也。遁至奇儀順逆傳。陽遁順布六儀,甲子戊、甲戌己、甲申庚、甲午辛、甲辰壬、甲寅癸,逆布三奇,星奇丁、月奇丙、日奇乙。陰遁逆布六儀順布三奇也。宮局星門隨甲換。假如陽遁二局,就在邊九宮坤二上起,甲子至某時止,甲旬符頭落在何宮?就將此宮星門二處,星為值符,門為值使也。
訣に「奇門玄妙九宮邊」と云うは、掌上の「邊九宮」の口訣を指す。九宫を手掌の辺縁に排して、指節を以て掐算す。「遁至奇儀順逆伝」は、六儀と三奇とを順・逆の两种の排法に分かつを説く。陽遁の時は六儀順排し、甲子は戊に隠れ、甲戌は己に隠れ、甲申は庚に隠れ、甲午は辛に隠れ、甲辰は壬に隠れ、甲寅は癸に隠る。三奇は則ち逆排し、依次星奇の丁・月奇の丙・日奇の乙とす。陰遁は反って、六儀逆排し・三奇順排す。「宮局星門随甲換」は、宮・局・九星・八門皆な甲旬・符頭に跟って変換するを説く。例を挙げて説く:陽遁二局は、則ち掌上の邊九宮の坤二宮より甲子を起し、占する所の時辰まで一路数えて、この一旬の甲旬・符頭のいずれの宮に落つるかを看る。再び該宮の九星と八門の两样を取り、星は則ち「値符」と叫び、門は則ち「値使」と叫ぶ。
日時須遁五子元。甲己還加甲,乙庚丙作初,丙辛生戊子,丁壬庚子居,戊癸何方落,壬子是真途。先將甲旬求符使。即前甲旬落在宮,星符、門使也。次覓時辰幾宮安。本時落宮在何宮,就以值門加之為使。
「日時須遁五子元」は、日干に按じて時干を起す「五鼠遁」の口訣を説く。甲日・己日は甲子時より起こり、乙日・庚日は丙子時より起こり、丙日・辛日は戊子時より起こり、丁日・壬日は庚子時より起こり、戊日・癸日は則ち壬子時より起こる。これ正路なり。「先ず甲旬を將て符使を求む」は、すなわち先ず前法に照らして甲旬・符頭のいずれの宮に落つるかを看て、該宮の九星便ち「値符」、該宮の八門便ち「値使」なり。「次いで時辰の幾宮に安んずるかを覓む」は、再び占する所の時辰のいずれの宮に落つるかを看て、値使の門をあの一宮に加えて、便ちこの時の用うる所の門を成す。
再看時干幾宮落。假如以甲子至某甲符頭,於邊九宮上算至甲宮止,所餘者就是奇也。陽遁丙丁乙,陰遁乙丙丁,從上一宮甲子起戊、己、庚、辛、壬、癸,看本時干落於何宮,即值符在此也。乙丙丁所在亦然。
「再び時干の幾宮に落つるかを看る」は、占する時辰の天干のいずれの宮に落つるかを査せんとするを要す。做法は:甲子より数えて本旬の甲旬・符頭に至り、掌上の邊九宮一路に算て甲の所在の宮に至るまで、余りて六儀に占め去られざる宮位は、則ち三奇の居る所なり。陽遁の余宮は丙・丁・乙の次序に依りて排し、陰遁は乙・丙・丁の次序に依りて排す。再び甲子を起したるあの一宮より依次に戊・己・庚・辛・壬・癸の六儀を布し、本時の天干のいずれの宮に落つるかを看れば、「値符」則ちこの一宮に在り。乙・丙・丁の三奇の所在の宮もまた、この辦法に照らして定め出す。
宮數星門記的端。須記明宮、星、門便成局矣。八卦有定位,雖遇陰陽二遁亦不飛動,九星亦有定宮,須隨值符而飛者,看某局上起子至某甲符頭,即分星,又數至某時,即為門也,如甲子上起戊,至時干上之類也。
「宮数・星門記の端」は、宮の数目・九星・八門を皆な記えて准确なることを要求す。記えて清楚なれば、局もまた排成す。八卦は各々定位あり、たとえ陽遁・陰遁に分かつとも、卦位は飛動せず。九星は本来もまた各々定宮あり、然れども「値符」と同じく飛転を随うべし。具体の做法:本局の子時より起算するを看て、数えて本旬の甲旬・符頭に至り、これにより九星を分定し、再び往下に数えて占する所の時辰に至り、則ち八門を定め出す。たとえば甲子の所在の宮より戊を起し、一路数えて時干の所在の宮に至るは、すなわちこの意なり。
便將符使九宮飛。於掌上飛九宮方,知前奇門吉凶下落。休到二宮從二起。如陽遁二局甲子日乙丑時,休門飛到坤二宮即住,便為值使門也。任駐三宮在三起。任從三宮,即符,即三宮也。星奇門合是為奇。九星奇門俱要合,方可用也。八門干支相加地。八門支干加地盤,俱要相生方用。生尅休旺吉凶稽。以休旺墓尅而推吉凶。此是神仙秘密訣,頗得千金不授伊。
「便ち符使を將て九宫に飛ばしむ」は、値符・値使を九宫の次序に按じて掌上に飛転せしむるなり。一遍飛び過ぐれば、前面に排したる奇門の吉凶の落つる処もまた清楚なり。「休門到二宮従二起」は、たとえば陽遁二局・甲子日・乙丑時、休門の飛びて坤二宮に到りて便ち停住し、この休門則ち本時の「値使門」なり。「任駐三宮在三起」は、天任星の震三宮に駐するを説き、値符もまた三宮より起算す。「星奇門合是為奇」は、九星・三奇・八門の三者皆な相合を須い、この一局乃ち取り用うべし。「八門干支相加地」は、八門連なりて帯ぶる所の干支の地盤に加臨し、彼此皆な相生を須い初めて好用なり。「生尅休旺吉凶稽」は、則ち休囚・旺相・入墓・受尅のこの幾層に按じて吉凶を推断す。これ神仙の秘密口訣にして、縦り千金あれども軽々しく人に伝えず。
掌上飛九宫圖
二○ 七○ 六○,九○ 五○ 一○,四○ 三○ 八○。
これは掌上飛九宫の排位図にして、図中の○は手掌上の一個の指節を代表す。上面の一排は左より右へ依次に二宮・七宮・六宮、中間の一排は九宫・五宮・一宮、下面の一排は四宮・三宮・八宮なり。掐算の時は則ちこの次第に依りて掌上に飛転し、すなわち前面に説ける「便ち符使を將て九宫に飛ばしむ」の手法なり。それは洛書の「戴九履一・左三右七」の常式の摆法と同じからず、掌訣専用の盤式にして、記え熟して初めて宮位を飛錯らざるを致さん。
邊九宫飛掌圖
野馬跳澗走,逢寅數豬狗,一局過一宮,不用亥子丑。兌七(申)艮八(酉)離九(戌)不用(亥);干六(未)不用(子);中五(午)不用(丑);巽四(巳)震三(辰)坤二(卯)坎一(寅)。
これは掌上の「邊九宫」の飛掌図なり。歌訣に「野馬跳澗走」といえるは、掐算の時手指は掌心を跳び越えて、ただ掌辺に沿って行走することを指す。「逢寅数猪狗」は、数えて寅位に到る時再び連帯して亥(猪)・戌(狗)の两支を数えるをいう。「一局過一宮」は、一局を換うる毎に便ち一宮を挪過るをいう。「不用亥子丑」は、亥・子・丑の三個の指位を空けて用いざるをいう。図中の配法は:兌七宮は申に配し、艮八宮は酉に配し、離九宫は戌に配し、亥位は空けて用いず。乾六宮は未に配し、子位は用いず。中五宮は午に配し、丑位は用いず。巽四宮は巳に配し、震三宮は辰に配し、坤二宮は卯に配し、坎一宮は寅に配す。掐算して局を起す時は、則ちこの掌位の次序に依りて推転す。
超神接氣置閏訣
閏奇自有玄妙訣。以時置閏。神仙不肯說分明。冬夏二至前起閏,凡一月節氣以三十日零五時二刻為準,以三十日分六局,以餘五時二刻置閏,遇芒種、大雪超過九日便當置閏,大概五日一元,一日十二時也。
「閏奇自有玄妙訣」は、奇門の置閏に別に一套の精妙の口訣あるを説き、その法は「以時置閏」に在り——一月中の多出来たる零余の時辰を用いて閏局を安放す。「神仙不肯説分明」は、前人の秘を守りて肯んじて講透せざるを説く。其実法則はかくの如し:冬至・夏至の両個の節気の前に於て閏を起す。一個月の節気は三十日零五時二刻を以て標準と為し、整三十日を分かちて六個の局と為し(五日毎に一局)、余る五時二刻は則ち用いて閏を置く。芒種・大雪のこの両個の節気に碰上すれば、もし符頭の節気を超過すること九日以上ならば、当に閏を置くべし。大体に説いて五日を一元と為し、一日を十二個の時辰と為す。
甲己二字號符頭。此甲己乃至要之訣也。置閏以甲己二字為主,假如甲己之符先到,謂之超;甲己之符未到,謂之接;甲己與節同到,謂之正授。子午卯酉上局設。子午卯酉為上局也。寅申巳亥中局求,辰戌丑未下局截。節通符,符遇節。符,即甲己符頭;節,即節氣也。萬兩黃金不輕說,節前遇符便是超,節後遇符便是接。超神接氣若能明,便是三山雲外客。
「甲己二字号符頭」は、日干の甲・己と為る日を則ち「符頭」と叫ぶを説き、これ最も要緊の一句の口訣なり。置閏は全く甲・己の二字を以て准と為す。もし甲己・符頭の節気に先だちて到来するをば、「超神」と叫ぶ。もし甲己・符頭未だ到らずして節気已に至るをば、「接気」と叫ぶ。もし符頭と節気と同一天に到るをば、「正授」と叫ぶ。「子午卯酉上局設」は、符頭日の地支の子・午・卯・酉と為るは、上元の局を用い、地支の寅・申・巳・亥と為るは、中元の局を用い、地支の辰・戌・丑・未と為るは、下元の局を用いるを説く。「節通符、符遇節」の中の「符」は則ち甲己・符頭にして、「節」は則ち節気なり。この一段は万両の黄金に値すとも軽々しく説破せず。節気の前先に符頭に遇うは便ち「超」、節気の後に符頭に遇うは便ち「接」なり。超神・接気のこの両層、もし弄明白すれば、算して三山雲外の高人と称し得べし。
六甲利用
經曰:“若有所用,百事皆向六甲所在之方,呼其神名,行六十步左轉入太陰中。又六丁名太陰,見貴人則喜悅,遇陣則勝”。甲子旬神名“王文卿”,登壇、拜將令、領授兵符者,元帥運籌命起兵,發儲糧者,皆向其方呼其神之名,而行六十步左轉入太陰中,則發握如神。
遁甲経の上に説く:およそ挙動ある所は、各様の事情皆な「六甲」の所在の方位に向かい、口に該旬の甲神の名号を呼し、前に向かって六十步を走り、再び左に轉じ、入りて「太陰」の臨む所の宮に入れ。別に「六丁」もまた太陰と称し、この方位を用いて貴人に見えば、貴人必ず歓喜し、これを用いて陣に臨めば、必ず勝を取らん。甲子のこの一旬の神の名は「王文卿」と叫ぶ:およそ壇に登り將を拝し・將令を頒下し・兵符を領受する場合、元帥の運籌・決策・起兵を下令し、あるいは儲備の糧餉を発放するは、皆な甲子の所在の方位に向かって口に「王文卿」の名を呼し、六十步を走りて後に左轉して太陰宮に入れば、かくの如くすれば則ち謀劃・施行皆な神助あるが如くならん。
甲戌旬神名“徐何”,利通伐山林、平治道途路、分決河道,得於自然,開路無損,皆向其方呼其神之名,行六十步左轉入太陰中,則得所願道路自通。甲申旬首名“蓋新”,若入山畋獵、捕捉虎狼蟲獸,皆向其方呼其神之名,而行六十步左轉入太陰中,蟲獸自然不動。
甲戌のこの一旬の神の名は「徐何」と叫ぶ:道路を開通し・山林を砍伐し・路面を修治し・河道を分導・決通するに利あり、為すに自然に順応し、路を開きて損傷を受けず。こ類の事を弁ずるは皆な甲戌の所在の方位に向かって口に「徐何」の名を呼し、六十步を走りて後に左轉して太陰宮に入れば、能く所願の如くにして、道路自ずから暢通せん。甲申のこの一旬の旬首の神の名は「蓋新」と叫ぶ:もし山に入り猟を打ち・虎狼と各種の野獣を捕捉せんと欲せば、皆な甲申の所在の方位に向かって口に「蓋新」の名を呼し、六十步を走りて後に左轉して太陰宮に入れば、虫獣自ずから動かず、人の擒獲に任せん。
甲午旬神名“靈光”,若安營、置陣、巡狩、戰鬪,向其方呼其神之名,行六十步左轉入太陰中,則必勝。甲辰旬神名“含章”,若求官、拜將、臨民、赴任,皆向其方呼其神之名,行六十步左轉入太陰中,則為官不敗悔。甲寅旬神名“監兵”,若揚兵、振武、教陣、蕩寇、行軍、征伐不道,皆向其方呼其神之名,行六十步左轉入太陰中,出行、安邊,賊自然不起。
甲午のこの一旬の神の名は「霊光」と叫ぶ:およそ営寨を安下し・陣法を布置し・猟を巡行し・陣に臨み交戦するは、皆な甲午の所在の方位に向かって口に「霊光」の名を呼し、六十步を走りて後に左轉して太陰宮に入れば、必ず勝を得ん。甲辰のこの一旬の神の名は「含章」と叫ぶ:およそ官職を謀求し・將職を拝受し・百姓に臨理し・任に赴き官に到るは、皆な甲辰の所在の方位に向かって口に「含章」の名を呼し、六十步を走りて後に左轉して太陰宮に入れば、官を為して事を敗し悔を招かざらん。甲寅のこの一旬の神の名は「監兵」と叫ぶ:およそ兵を揚げ威を示し・武備を振作し・陣法を教習し・寇盗を掃蕩し・軍を行き出征し・無道を討伐するは、皆な甲寅の所在の方位に向かって口に「監兵」の名を呼し、六十步を走りて後に左轉して太陰宮に入れば、かくの如く出行して外に在り・辺疆を安定せば、賊寇自ずから事を起さざらん。
以上六甲管轄,五行尊神,體統好靜,行事之時,書相制之字則吉。蓋六甲內管五行,而動靜無方,其五行而舍勝,有相生相尅之道,左手象天,右手法地,神靈好靜,故書五行相制,運化之道,無不兼該。若欲出兵,大將左手中用朱書“強”字,將手捏住,行六十步左轉入太陰,能欺弱制勝之道也。
以上の六甲各々轄する所有り、皆な五行中の尊神にして、性情・本体は安静を好む。事を行うの時、手心の中に一個の能く相制する字を写せば則ち吉利なり。これは六甲は内に於て五行を統管し、動静に固定の方所なく、五行の間彼此更替して勝を取り、本より相生相尅の道理あればなり。人の左手は天に象を取り、右手は地に法を取り、神霊また静を好む。ゆえに五行相制の字を写せば、運化の道兼ね備えざるなし。たとえば兵を出さんと要すれば、主將左手心に於て朱砂を用いて一個の「強」の字を写し、手を把握して捏緊し、前に向かって六十步を走りて再び左轉して太陰宮に入る。これすなわち強を以て弱を凌ぎ・制勝して勝を取るの門道なり。
若見貴人、求官,及二千石令長,左手中書“天”字。若商賈、興販、和結交友、嫁娶、立契,則書“和”字。若入山、捕獵、畋獵,則書“獅”字。若部工居眾,則書“強”字。若過河、治水,則書“土”字或“戊”字。若波浪騰聲,舟楫將溺,尤忌八風、觸水龍、招搖、咸池之日,宜書“戊”字。若遊山、入道,則書“龍”字,龍不敢動。值符臨其方,前行六十步左轉入太陰中,得此者天道亨,此五行制勝之妙用也。
もし貴人に謁見し・官職を謀求し、あるいは俸禄二千石の郡守と県令長を拝訪せんとせば、則ち左手心に一個の「天」の字を写せ。もし経商・貨を販じ・朋友を結交し・嫁娶・契約を訂立せんとせば、則ち一個の「和」の字を写せ。もし山に入り猟を捕らえ・田猟せんとせば、則ち一個の「獅」の字を写せ。もし工役を統領し・衆人の中に身を処せば、則ち一個の「強」の字を写せ。もし河を渡り・水を治めんとせば、則ち「土」の字あるいは「戊」の字を写せ。もし風浪の喧騰・船只のまさに傾覆せんとするに遇わば、尤も「八風」および水龍に冲犯し・「招摇」「咸池」のこれらの凶日を避くべし。この時宜しく「戊」の字を写すべし。もし山を游び・道を訪わば、則ち一個の「龍」の字を写せば、龍神便ち敢えて興動せず。写し畢りて、「値符」の該方位に臨む時に趁りて、前に向かって六十步を走りて再び左轉して太陰宮に入れ。能くかくの如くする者は、天道亨通す。これすなわち五行相制して勝を取るの妙用なり。
巻二十四
出行して神字を呼び太陰中に入る
凡出行者,於其所向之方,呼其神之字,而行六十步左轉入太陰,陽遁值前二為太陰中,陰遁值後二為太陰中。又六丁亦為太陰,呼其神字,謂所用之時,天盤上所得星之字。天蓬字子禽,天芮字子成,天沖字子翹,天輔字子卿,天禽字子公,天柱字子申,天任字子韋,天英字子威。
およそ門を出で遠行するは、往かんとする所の方位に向かい、口に該方の神の表字を呼し、然る後六十步を走りて再び左に轉じ、入りて「太陰」の宮に入れ。陽遁の時は値符の前面第二宮を以て太陰宮と為し、陰遁の時は値符の後面第二宮を以て太陰宮と為す。別に「六丁」もまた太陰と算す。所謂その神字を呼ぶは、用うるこの時辰に按じて、天盤上の得たるあの顆の九星の表字を取りて呼ぶを指す。九星の表字は:天蓬は字を子禽、天芮は字を子成、天冲は字を子翹、天輔は字を子卿、天禽は字を子公、天柱は字を子申、天任は字を子韋、天英は字を子威とす。
假如冬至上元陽遁之局,甲己之日平旦丙寅時,此時六丙在八宮,以天上甲子戊天蓬加八宮,欲出東北者,呼其神字曰子禽,行六十步入太陰中,此時回二太陰臨四宮(按九宮排法當在坎一宮),即左向入東南之類。
例を挙げて説く:冬至上元は陽遁の局を用い、甲日あるいは己日の天亮の時分・丙寅時に逢う。この時「六丙」は艮八宮に落つ。天盤上の甲子・戊の領する天蓬星を把って八宮の上に加う。もし東北方向に往きて出行せんと要せば、則ち口に天蓬の表字「子禽」を呼し、六十步を走りて太陰宮に入れ。この時両宮を退回すれば、太陰は巽四宮に臨む(校語:九宫飛布の排法に依れば、此処当に坎一宮に落つべし)。ここに左に轉じて東南方向に入る。その余の情形は皆なこれに照らして類推せよ。
出入してその時十二辰上の十干神名を呼ぶ
甲為天福,神王文卿;乙為天德,神龍文卿;丙為天威,神杜唐仲卿;丁為玉女、天女,神季遊田;戊為天武,神司馬羊;己為明堂,神紀遊卿;庚為天刑,神鄒元遊陽、郭陽之;辛為天庭,神高子強;壬為天牢,神王祿卿;癸為天獄,神爰強、爰子光。
出入して事を行うの時は、須らく臨む所の時辰の十二地支上に値する天干に按じて、該干の神の名号を呼すべし。十干各々名目と神名あり:甲は「天福」と称し、その神名は王文卿。乙は「天徳」と称し、その神名は龍文卿。丙は「天威」と称し、その神名は杜唐仲卿。丁は「玉女」と称し、また「天女」と叫び、その神名は季游田。戊は「天武」と称し、その神名は司馬羊。己は「明堂」と称し、その神名は紀游卿。庚は「天刑」と称し、その神名は鄒元游陽、一説に名は郭陽之。辛は「天庭」と称し、その神名は高子強。壬は「天牢」と称し、その神名は王禄卿。癸は「天獄」と称し、その神名は爰強、一説に名は爰子光。
六甲陰神
甲子旬陰神丁卯,兔首人身名孔林族,字文伯;甲戌旬陰神丁丑,牛首人身名梁邱叔,一作梁邱,或作梁邱仲,未知孰是;甲申旬陰神丁亥,豬首人身名陸城,字文公,一作陸成;甲午旬陰神丁酉,雞首人身,費揚,字文通,一作貴揚;甲辰旬陰神丁未,羊頭人身名王屈奇,字文卿;甲寅旬陰神丁巳,蛇首人身名許咸池,字巨卿。
六甲の毎一旬各々一位の「陰神」を配す。すなわち該旬の遁する所の丁奇なり。甲子旬の陰神は丁卯にして、形貌は兎頭・人身、名は孔林族と叫び、表字は文伯。甲戌旬の陰神は丁丑にして、牛頭・人身、名は梁邱叔と叫び、また梁邱と写作る有り、また梁邱仲と写作る有り、いずれかが正しいかを知らず。甲申旬の陰神は丁亥にして、猪頭・人身、名は陸城と叫び、表字は文公、一に陸成と作る。甲午旬の陰神は丁酉にして、鶏頭・人身、名は費揚と叫び、表字は文通、一に貴揚と作る。甲辰旬の陰神は丁未にして、羊頭・人身、名は王屈奇と叫び、表字は文卿。甲寅旬の陰神は丁巳にして、蛇頭・人身、名は許咸池と叫び、表字は巨卿。法を行い名を呼ぶ時は須らくこの次序に照らして称すべし。
遁甲門戸神名(軍を出し事を行うに並びて宜しく之を用うべし)
甲子旬門名徐儀,戶名公孫齊,解衣去吉;甲戌旬門名天可,戶名徐可,仰天大呼吉;甲申旬門名司馬光,戶名石戰,解衣去吉;甲午旬門名石家,戶名子可,解衣振迅而去吉;甲辰旬門名公孫錯,戶名司馬勝,解髮更結而去吉;甲寅旬門名公孫光,戶名司馬強,解帶而去吉。
遁甲の六旬各々「門神」と「戸神」の名号あり。兵を出し事を行うの時皆な呼喚し、なお各々一種の起身の動作を配す。甲子旬の門神は名を徐儀、戸神は名を公孫斉とし、行前に衣襟を解きて去るを吉と為す。甲戌旬の門神は名を天可、戸神は名を徐可とし、面を仰いで天に向かい大喊一声するを吉と為す。甲申旬の門神は名を司馬光、戸神は名を石戦とし、衣襟を解きて去るを吉と為す。甲午旬の門神は名を石家、戸神は名を子可とし、衣襟を解き・抖擻・振作して去るを吉と為す。甲辰旬の門神は名を公孫錯、戸神は名を司馬勝とし、頭髪を解きて重新して結好して再び走るを吉と為す。甲寅旬の門神は名を公孫光、戸神は名を司馬強とし、腰帯を解きて去るを吉と為す。
大將出入及行兵,無問多少,往止之方必有法度也。以六為法,大將列士卒左旋入太陰中,呼門戶神名。咒曰:“某甲有急,請神佐我佑我,匿我藏我,毋使敵傷我,覆我蓋我,五兵推折,毋令至我,當我者死,視我者亡,使敵人冥冥,默默視我,迷惑為我,亂其魂魄,使敵人不敢起”。唸咒訖,令士卒左旋直去,勿反顧,藏於六癸之下。如甲子六癸在酉之類,餘仿此。
主將の営門に出入しおよび行軍・用兵するは、人馬の多少を論ぜず、前往と駐止の方位皆な必ず法度の依るべき有り。その法は「六」を以て准数と為す。主將士卒を排列・停当せしめ、左に旋轉して太陰の宮に入り、口に門神・戸神の名号を呼し、呪を念じて曰く:「某某急難有り、神を請じて我を佐助し・我を保佑し、我を隠匿・蔵匿せしめ、敵人をして我に傷らしむるなかれ。我を遮覆し・我を蓋い、敵人の刀槍・劍戟の等各種の兵器をして皆な折断せしめ、我が身に落ちるなからしめよ。我を擋ぐ者は死し、我を看る者は亡び、敵人をして昏昏冥冥、黙々として我を望ましめ、反って我に迷惑せられ、その魂魄を擾乱し、敵人をして敢えて発動せしめざらん」と。呪を念じ畢れば、則ち士卒をして左に旋轉し・径直に前行せしめ、回頭・張望するを許さず、隠蔵して「六癸」の所在の方位の下に至れ。たとえば甲子旬の六癸は酉位に在り、則ち酉方に蔵れ、その余の各旬はこれに照らして類推せよ。
六甲陰符法
經曰:“為上將者,禦敵須作六甲陰符法,令敵人身誅”。故曰:“寧與人千金,不教人六甲之陰,天地之間,此道最靈,藏之金匱,貴之於心,不傳非人,慎勿輕洩。盜視者盲,盜讀者疫。若作六甲陰符,必須至誠齋戒以邀天福,稍有汙犯便不潔矣,安望靈驗”。
遁甲経の上に説く:主將を為す人は、敵軍を抵御するに必ず「六甲陰符」の法を修せば、乃ち敵人をして自ら誅滅を取らしむべし。ゆえにまた説く:寧ろ人に一千両の黄金を送るとも、肯んじて六甲陰神の法を人に教えず。天地の間、この道術最も霊験にして、須らく金匱の裏に蔵れ、心中に珍重すべし。伝うべき人にあらざれば則ち伝えず、千万に軽々しく泄漏するなかれ。この法を偷看する人は眼を瞎し、この法を偷読する人は疫を染ぜん。もし六甲陰符を制作せんと要せば、必ず至誠の心を以て斎戒し、来たりて上天の賜福を求めよ。稍や汚穢・冒犯あらば、符便ち不潔なり、なおそれの霊験を指望せんや。
凡作符者,當於月蝕之時,伐桐木及杜荊等木,陰枝或栢心亦可。悉長九寸,廣二寸,厚三分,用雌黃塗之作像,並書其名於像下。(即丁卯陰神孔林族等之像及名)畫符之後,絳錦為囊盛之,大將自隨身佩之,用兵時便取本旬陰神之符於囊外以指敵人,敵人自散,不敢交兵也。
およそ陰符を制作するは、須らく月蝕の時候を挑り、桐木あるいは杜荊の一類の木材を砍伐し、その背陰の一面の枝条を取り、柏樹の心材を用いるも可なり。木牌は一律に長さ九寸・幅二寸・厚さ三分に作し、雌黄を用いて上に涂りて神像を画出し、併せて神の名号を像の下面に写せ。画し写す所は、すなわち前面に説ける丁卯陰神・孔林族等の六位の形像と名号なり。符画し好みて後、深紅色の錦緞を用いて袋に縫成して之を装い、主將に身に随え佩帶せしむ。兵を用うるの時、則ち本旬の陰神のあの一道の符を取出し、袋を隔てて敵人に指向すれば、敵人自ずから潰散し、敢えて我と交戦せざらん。
凡取木時必先齋戒,取酒一升、鹿脯三斤、鹽一盞,祝而祭之,白茆為席,北向再拜。祝於杜荊之前,百鬼之神,與子俱遊,變化其身,以子所指,莫不服者,謹奉清酌、美脯及鹽等物,願歆饗之”。咒訖再拜,凡三咒畢,乃伐取木,勿令汙穢,亦勿近穢之物及婦人、雞犬見之。
およそ符木を取るの時、必ず先に斎戒を行い、酒一升・鹿肉干三斤・鹽一小盞を備え、一面に祝告し一面に祭祀す。白茅草を用いて坐席と為さんに舗し、面は北方に向かい拜両拜す。祝辞は須らく杜荊樹の前に於て念誦し、詞意は:衆鬼の神、汝と一同に游行し、能く自身を変化す。およそ汝の指する所、降服せざるなし。今謹みて清酒・美好の肉脯と鹽等の物を奉上し、願わくは神明来たりて享用せんことを。祝咒念じ畢りて再び両拜し、一共に三遍咒を念じ、然る後乃ち手を動かして木材を砍取す。木を取る時汚穢に沾染すべからず、また不潔の物に靠近するなかれ、さらに婦人と鶏犬をして見しむるなかれ。
凡受持之法,齋戒五日,蘭湯沐浴,潔食淨飯,毋食五辛之物,及書畫畢,於六甲之日夜半,醮之於方壇之上,為法壇一丈二尺,外浮土十二丈,開十二辰門,以竹為纂,長三尺或九尺,隨地方列之於四向,將六陰之符置壇上,依六位放,以五色繪彩各三尺五寸,上安酒三杯、脯二觔、鹽一盞,白茆為席,北向而跪,呼四方支辰神名,及六甲六陰神名,並門戶神名而祭之。
この符を受持する儀法は:先ず斎戒五日し、蘭湯を用いて沐浴し、ただ清潔・素浄の飯食を喫し、葱蒜の一類の五種の辛味の物を喫することを許さず。符像の画写畢るを待ち、天干の甲と為る日の半夜に於て、一座の方壇の上に醮を設け祭祀す。法壇は一丈二尺の見方に筑成し、壇外再び十二丈の浮土を培起し、十二個の十二地支に対応する壇門を開出す。竹子を用いて幡竿と為し、長さ三尺あるいは九尺、地形に依りて四方に分列す。六陰の符を壇上に請い、六個の方位に按じて摆放し、再び五色彩帛各々三尺五寸を用いて鋪陳し、上に酒三杯・肉脯二斤・鹽一盞を摆き、白茅を舗して席と為し、面は北方に向かい跪下し、依次に四方の地支の神の名号・六甲と六陰神の名号、連なりて門神・戸神の名号を呼し、一一祭告す。
假如甲子陰在丁卯,正東再拜,呼其神而祝之,以絳棉為囊盛陰符常隨身,則百鬼不敢侵,以陰符指敵,則敵人自滅。如倉猝無壇,但於庭中或野外畫地為壇亦可矣。
例を挙げて説く:甲子旬の陰神は丁卯にして、卯は正東に在り、則ち正東方に向かい両拜し、口にこの位の陰神の名号を呼して彼に向かい祝告す。祭畢りて、深紅色の綿帛を用いて袋に縫成して陰符を盛り好い、経常に身上に帯びれば、各種の鬼祟敢えて侵犯し来らず。陣に臨みて陰符を拿りて敵人に指向すれば、敵人自ずから潰滅せん。倘若事情倉猝にして、壇を筑くに及ばず、ただ庭院の中あるいは野外の空地上に於て地を画いて壇と為すも、またこの套の法を行うべし。
真人步斗法
《步斗經》曰:“夫步斗可以通神,當於夜半居星光下,立場畫地作北斗七星,中間相去三尺,天蓬從天罡起,隨次第布之,居魁前逆布訖,正立天英而歌斗咒,誦至天英,必先舉左足,並誦咒,以次依輕步之,左右更徧履之,如後法為之百日,則與神人自然感通。秘之勿洩,非人者,殃墮九祖,盜視者,其目必瞽也”。
《歩斗経》の上に説く:歩を踏みて北斗すれば神明に通ずべし。須らく半夜の時分、星光の下に於て一塊の場地を選定し、地上に北斗七星の図形を画出し、星と星の間は三尺を相距らしむ。九星の布列は天蓬星より「天罡」の位に起こり、次序に依りて往下に排布し、排して斗魁の前に到る時は改めて逆布と為し、布し畢りて端正に天英星位の上に立ち、歩斗の呪語を歌唱す。呪を念じて天英のこの句に到る時、必ず先ず左脚を抬起し、一辺に呪を誦し一辺に依次軽く歩みて各星位を踏過し、左脚・右脚交替して、七星を皆な踏遍す。後面に載する法式に照らして一百日修持すれば、自ずから神人と感応・相通を得ん。この法は須らく保密し、泄漏すべからず。伝うべからざる人に伝えば、災殃九代の祖先に牽累せん。この法を偷看する人は、眼睛必ず失明せん。
咒曰:“斗要妙兮十二神,承光明兮元武陳,氣髣髴兮如浮雲,七變動兮上應天,知變化兮有吉凶,入斗宿兮過天關,合律呂兮治甲乙,履天英兮度天任,清冷淵兮可陸沉,住天柱兮擁天心,從此度兮登天禽,依天輔兮望天沖,入天芮兮出天蓬,斗道通兮剛柔濟,添福祿兮流後世,出冥明兮千萬歲,急急如律令”。
誦する所の斗咒はこの如し:北斗の枢要精妙なるや、十二位の時辰の神を統摂し、星斗の光明を承受するや、玄武の象これに随いて陳布す。星気縹緲として浮雲の如く、七星変動して上に天時に応ず。この変化を懂得するや、便ち吉凶を知るべし。斗宿に踏入するや、「天関」を穿過す。律吕の数に合するや、甲乙の気を調治す。脚に天英を踏むや、天任を越度す。清冷の淵は測るべからざるや、身をその中に隠すべし。天柱に駐足するや、天心を護擁す。ここより跨過するや、天禽に登らん。天輔に依傍するや、遥かに天冲を望む。天芮に進入するや、天蓬を走出す。斗道既に通ずるや、剛柔相济い、福禄を增添して後世に流伝し、幽冥より光明に走向するや、寿は千万年に至らん。急急律令の如く。
凡有事出門,呼本旬玉女名,如甲子旬陰在丁卯,從丁卯而出,咒曰:“丁卯玉女,護我佑我,毋令傷我,視我者瞽,聽我者反受其殃”。咒畢行去,慎勿反顧,其神隨護,大獲其德。如甲戌旬頭則呼丁丑玉女,咒之如前,餘仿此。
およそ事ありて門を出づるは、須らく本旬の「玉女」の名号を呼すべし。たとえば甲子旬の陰神は丁卯なれば、則ち丁卯の所在の方位より門を出で、呪を念じて曰く:「丁卯玉女、我を護佑し・我を保全し、人をして我に傷らしむるなかれ。我を窺看する者は彼をして眼を瞎しめ、我を窃聴する者は反って自ずから災殃を受けしめよ」と。呪念じ畢れば則ち走り、千万に回頭・張望するなかれ。玉女の神便ち一路随行して護衛し、大いに彼女の庇佑の徳を得ん。もし甲戌旬を旬頭と為せば、則ち改めて丁丑玉女を呼し、呪を念ずる詞句は前面と同じく、その余の各旬はこれに照らして類推せよ。
乙奇神咒:“天帝威神,誅滅鬼賊,六乙相扶,天道賛德,吾今所行,無攻不尅,急急如玄女律令”。丙奇神咒:“吾德助天,前後遮邏,青龍白虎,左右驅魔,朱雀道前,使吾會他,天威助我,六丙除痾,急急如玄女律令”。
「乙奇」の神咒は:天帝の威厳の神、鬼祟と賊寇を誅滅し、六乙の神旁より扶助し、天道我が徳を賛す。我の今日の行う所、攻めて克たざるなし。急急九天玄女律令の如く。「丙奇」の神咒は:我は徳行を以て上天を輔助し、前後皆な神將の巡守・遮護あり。青龍・白虎は左右に分列して邪魔を駆除し、朱雀は前に在りて道を開き、我をして求むる所の人に会合せしめん。上天の威霊我を助け、六丙の神我が為に病患を除去せん。急急九天玄女律令の如く。
丁奇神咒:“天帝弟子,部令天兵,賞善罰惡,出幽入冥,來護我者,玉女六丁,有犯我者,自滅其形,急急如玄女律令”。孤虛神咒:“天靈靈,地靈靈,孤虛孤虛,神舉意如吾意,神不離吾左右,急急如律令”。凡念各咒宜直行,不可回顧,至六十步外乃止。
「丁奇」の神咒は:我は天帝の弟子にして、部署・号令して天兵を率い、善を賞し悪を罰し、幽冥の間に出入す。前来して我を護衛するは、六丁玉女なり。敢えて我に冒犯する者有らば、自ずから形消・影滅せん。急急九天玄女律令の如く。「孤虚」の神咒は:天地皆な霊あり、孤虚の神や孤虚の神、神の心意便ち我が心意の如く、神を請じて我が左右を離れしむるなかれ。急急律令の如く。およそこの幾道の呪語を念ずるは、皆な須らく一直に前に往き、回頭・顧看すべからず、走りて六十歩以外に到りて乃ち停まるべし。
三奇吉門を出づる咒
經曰:出六乙門,禹步三咒曰:“白虎白虎除道路,當前尊路慎勿悞,有德之士來相助,出幽冥冥交相助,急急如九天玄女元君律令”。出六丙門,禹步三咒曰:“前有天罡揚威武,當從青龍與白虎,行誅天賊及天魔,敢有不從伏天斧,急急如九天玄女元君律令”。
遁甲経の上に説く:「六乙」の門より出行するは、須らく禹歩を三次踏み、呪を念じて道く:白虎や白虎、我が為に道路を清除し、当前のこの条の尊貴の大路、千万に差錯を出すなかれ。徳ある人前來して相助け、幽暗・冥昧の中よりも神霊交相護助せん。急急九天玄女元君律令の如く。「六丙」の門より出行するも、また禹歩を三次踏み、呪を念じて道く:前面に天罡星ありて威武を宣揚し、我当に青龍と白虎に跟随して同行し、往きて天賊と天魔を誅除すべし。胆敢に服従せざる者有らば、則ち天斧の下に伏して誅を受けん。急急九天玄女元君律令の如く。
出六丙門,禹步三咒曰:“玉女玉女名神母,呼而問之道吾所,常從斗杓入斗裡,清冷之淵多神草,折以自障勿驚悞,急急如九天玄女元君律令”。經曰:“出三奇吉門,倘事急不及咒亦可去,但須志心信之必驗,慎勿回顧”。
「六丙」の門を出づ(次序に按ずれば此条当に六丁の門なるべし)もまた禹歩を三次踏み、呪を念じて道く:玉女や玉女、名号は神母と叫ばる。彼女を呼喚し・彼女に請問すれば、彼女便ち我に往くべき方位を指点せん。彼女は常に斗柄より斗魁の中に進入し、あの清冷の深淵の裏に多くの神草を生長せり。一枝を折りて自身を遮蔽せば、驚き錯るを受けざらん。急急九天玄女元君律令の如く。経の上にまた説く:三奇の臨む所の吉門より出行するに、倘若事情緊急にして、呪を念ずるに及ばざれば、直接に走るも可なり。ただ一心誠信あれば、必ず霊験あらん。ただ切に回頭・張望するなかれと。
凡唸咒須禹步,右手畫四縱五橫,即曰:“四縱五橫,六甲六丁,玄武載道,蚩尤避兵,左懸南斗,右佩七星,邪魔滅跡,鬼祟潛形,干不敢犯,支不敢侵,太上有勅,吾令指行,入水不溺,入火不焚,逆吾者死,順吾者生,當吾者死,視吾者盲,急急太上道祖鐵師上帝律令”。念畢即前,或乙、或丙、或丁三奇神咒,隨念隨行,慎勿反顧。
およそ呪を念ずるは皆な禹歩を配合し、同時に右手を用いて空中あるいは地上に四条の竪線・五条の横線を画出し、随に念じて道く:四縦五横、六甲六丁。玄武我が為に道路を承載し、蚩尤我が為に刀兵を避く。左辺に南斗を懸け、右辺に七星を佩び、邪魔滅尽して踪跡し、鬼祟隠去して形影す。天干敢えて冒犯せず、地支敢えて侵擾せず。太上敕令ここに在り、我一発令すれば即刻施行す。水に入りて淹没せず、火に入りて焚焼せず。我に違逆するは死し、我に順従するは生き、我を擋ぐは死し、我を窺るは瞎す。急急太上道祖鉄師上帝律令を奉ずるが如く。念じ畢れば則ち前に往き、同時に出づる所の門に随いて乙奇・丙奇あるいは丁奇の神咒を念じ、辺に念じ辺に行き、切に回頭するなかれと。
單日東西五橫,南北四直,雙日南北五橫,東西四直。咒曰:“禹王滅道,吾令出行,四縱五橫,蚩尤備兵,撞吾者死,避吾者生,吾遊天下,還歸故鄉,敬請南斗六郎,北斗七星,吾奉太上老君,急急如律令”。左手捏本日字(當是本日支辰),佐右手子文畫橫,二咒大同小異,隨意用之。
四縦五横を画くはなお単双日を分かつを要す。単日は画く五条の横線は東西向を取り、四条の直線は南北向を取る。双日は則ち五条の横線は南北向を取り、四条の直線は東西向を取る。念ずる所の咒は:禹王我が為に道を開き障を除き、我今に令を奉じて出行す。四縦五横ここに在り、蚩尤我が為に兵戈を整備す。我に冲撞する人は死し、我を回避する人は生き、我天下を游行し、なお平安にして故郷に回帰せん。敬して南斗六郎・北斗七星を請じて降臨し、我太上老君の命を奉じ、急急律令の如く。咒を念ずる時左手は本日の字を掐住し(校語:当に本日の地支の辰位を掐すべし)、右手に配合して子文の筆法に依りて横線を画出す。上面の両道の呪語は大同小異にして、随に意に選用すべし。
玉女反閉局
子日玉女在庚,天門在丙,地戶在乙。丑日玉女在辛,天門在丙,地戶在乙。寅日玉女在干,天門在丙,地戶在庚。卯日玉女在壬,天門在庚,地戶在丁。辰日玉女在癸,天門在庚,地戶在丁。巳日玉女在艮,天門在庚,地戶在壬。
「玉女反閉局」は日支に按じて玉女・天門・地戸の三個の方位を定め出す。子日に逢えば、玉女は庚方に在り、天門は丙方に在り、地戸は乙方に在り。丑日に逢えば、玉女は辛方に在り、天門は丙方に在り、地戸は乙方に在り。寅日に逢えば、玉女は乾方に在り、天門は丙方に在り、地戸は庚方に在り。卯日に逢えば、玉女は壬方に在り、天門は庚方に在り、地戸は丁方に在り。辰日に逢えば、玉女は癸方に在り、天門は庚方に在り、地戸は丁方に在り。巳日に逢えば、玉女は艮方に在り、天門は庚方に在り、地戸は壬方に在り。ここに説く所の庚・辛・壬・癸等は、皆な羅盤二十四山上の天干と四維の位にして、日辰の干支にあらず。
午日玉女在甲,天門在壬,地戶在辛。未日玉女在乙,天門在壬,地戶在辛。申日玉女在巽,天門在壬,地戶在甲。酉日玉女在丙,天門在甲,地戶在癸。戌日玉女在丁,天門在甲,地戶在癸。亥日玉女在坤,天門在甲,地戶在丙。
接いては後の六日なり。午日に逢えば、玉女は甲方に在り、天門は壬方に在り、地戸は辛方に在り。未日に逢えば、玉女は乙方に在り、天門は壬方に在り、地戸は辛方に在り。申日に逢えば、玉女は巽方に在り、天門は壬方に在り、地戸は甲方に在り。酉日に逢えば、玉女は丙方に在り、天門は甲方に在り、地戸は癸方に在り。戌日に逢えば、玉女は丁方に在り、天門は甲方に在り、地戸は癸方に在り。亥日に逢えば、玉女は坤方に在り、天門は甲方に在り、地戸は丙方に在り。十二日一周して、出行の時便ち本日の値する所に照らし、地戸より入りて天門より出で、玉女の方に乗りて去る。
凡陰陽二遁,無奇門出入者,即用玉女反閉局出入,貞吉。為上將者,必須知之,以保萬全。凡有奇無門,或有門無奇,即謂之無奇門也。
およそ陽遁あるいは陰遁の局を排出すれども、三奇と吉門の出入に供するを尋ね得ざる時、則ち改めてこの套の「玉女反閉局」を用いて出入の方位を定め、正を守れば則ち吉を得ん。主將を為す人は必ずこの法を懂得せば、乃ち万全を保ち得。この所謂「無奇門」は、ただ三奇有りて吉門の相配なく、あるいはただ吉門有りて三奇の宮に臨むなきを指し、この两种の情形皆な奇門の用いべきなしと算す。
伏匿藏行法
伍子胥曰:“若欲伏匿藏形,當乘青龍(六甲也),歷蓬星(六乙也),過明堂(六丙也),伏太陰(六丁也),出天門(六戊也),入地戶(六己也),伐天刑(六庚也),判天庭(六辛也),羈天牢(六壬也),取草折半障人中,半入天藏(六癸也),從天藏下進去,走月厭方,正月戌逆數,許藏身與天喜同”。
伍子胥説く:もし身形を隠匿して人に発覚せしめざらんと要せば、須らく依次に「青龍」に乗るべし——すなわち六甲の位、「蓬星」を経歴す——六乙の位、「明堂」を走過す——六丙の位、「太陰」に潜伏す——六丁の位、「天門」より出去す——六戊の位、「地戸」より進来す——六己の位、「天刑」を討伐す——六庚の位、「天庭」を判制す——六辛の位、「天牢」を羈縻す——六壬の位。再び一把の草を取りて折りて两半と為し、一半は人中を遮住し、一半は帯びて「天蔵」に入る——六癸の位、天蔵の下より潜行して進入し、「月厭」の方位に向かって走る。月厭は正月より戌に起こり、逐月に逆数す。蔵身の処また「天喜」と同位と為すべし。
假如六甲日甲子時,欲伏藏者,初起甲子,歷丑過寅,伏卯出辰入巳,取草折半障人中,置卯地入酉地,而出入無見者,過太陰時,咒曰:“天翻地覆,九道皆塞,有來迫我,至此而極,視我者、追我者亡,吾奉九天玄女道母元君律令”。咒畢,逕入天藏,慎勿反顧,庚為天獄,辛為天庭,壬為天牢,俱宜避之,切勿抵向,致被擒縛。
例を挙げて説く:天干の甲と為る日の甲子時に逢い、隠伏・蔵身せんと要せば、則ち甲子より起步し、丑位を経歴し・寅位を走過し、卯位に潜伏し、辰位より出去し、巳位より進来す。再び草を取りて折りて两半と為して人中を遮住し、一半を把って卯の方位に放し、人は則ち酉の方位に進入すれば、かくの如く出入すれば人に看見せられざらん。太陰の位を経過する時、呪を念じて説く:天翻・地覆して、九条の道路皆な堵塞せり。来たりて我に逼迫する者有らば、此処に到りて止め。我を窺看する・我を追趕するは、一概に滅亡せよ。我九天玄女道母元君律令を奉ず。呪念じ畢れば、径直に天蔵の位に進入し、切に回頭するなかれ。別に庚は「天獄」、辛は「天庭」、壬は「天牢」と為し、この三個の方位皆な回避を須い、千万に迎頭に撞上するなかれ、人に擒獲・捆縛せられるを免れんがためなり。
迷路を推す法
黃石公曰:“出行道逢三路,未知何道通?以月將加時,天罡加孟左道通,在季右道通,加仲中道通,子午卯酉為四仲,寅申巳亥為四孟,辰戌丑未為四季”。
黄石公説く:出行の途中三条の岔路に遇い、いずれの一条か通じ得るを知らざれば、則ち推算の辦法を用いてこれを定む。方法は当月の「月將」を把って占する所の時辰の上に加えて天盤を転出し、再び「天罡」のこの神のいかなる位置に落つるかを看る。天罡四孟の位に落つれば、左辺のあの条の路を走れば通ず。四季の位に落つれば、右辺のあの条の路を走れば通ず。四仲の位に落つれば、中間のあの条の路を走れば通ず。所謂四仲は、子・午・卯・酉。四孟は寅・申・巳・亥。四季は辰・戌・丑・未なり。
天目地耳
經曰:“天目為客地目主,六甲推兮無差理,勸君莫求此元機,洞澈九宮扶英主”。卯為天目,酉為地耳。又六甲為青龍位,六丁為天目位,六癸為地耳位,又為華蓋位,六戊為天門位,六己為地戶位。甲子者,六甲旬中,庚為天目,戊為地耳,丙為三刑位,主戰。如甲子旬,卯方入營,六丁之位。
遁甲経の上に説く:「天目」は客方に属し、「地目」は主方に属す。六甲を用いて逐旬に推算すれば、道理は絲毫も差わらず。学者に奉勸して、ただこれを玄虚の機巧と作して追求するなかれ。真に能く九宫を看通透せば、乃ち以て英明の主を輔佐すべし。固定の方位に就いて説けば、卯は「天目」、酉は「地耳」なり。再び遁甲の神位に按じて説けば:六甲の所在は「青龍」の位、六丁の所在は「天目」の位、六癸の所在は「地耳」の位、また「華蓋」の位と叫び、六戊の所在は「天門」の位、六己の所在は「地戸」の位なり。もし甲子のこの一旬を論ずれば、六甲旬中は庚を以て天目と為し、戊を以て地耳と為し、丙を以て「三刑」の位と為して、兵戦の事を主る。たとえば甲子旬は、卯方より営に入れば、卯は正に六丁の臨む所の位なり。
凡劫賊營,令人鬼不知,從六丁位,或太陰位下入營,或從天目、地耳入。又欲入劫營者,從天目、地耳、天門、地戶、青龍、華蓋、九天位上入劫,即吉。
およそ敵人の営寨を偸襲・劫奪せんと要し、人に知らず鬼に覚らずと為さんと欲せば、則ち六丁の位より、あるいは「太陰」の位より敵営に潜入し、また「天目」「地耳」の両個の方位より切入すべし。総じておよそ営を劫さんと想うは、「天目」「地耳」「天門」「地戸」「青龍」「華蓋」「九天」のこの幾個の方位の上より劫襲を発起すれば、便ち吉利なり。
九勝法
黃帝曰:“行兵要背天目向地耳”。甲子旬天目在庚午,地耳在戊辰。甲戌旬天目在庚辰,地耳在戊寅。甲申旬天目在庚寅,地耳在戊子。甲午旬天目在庚子,地耳在戊戌。甲辰旬天目在庚戌,地耳在戊申。甲寅旬天目在庚申,地耳在戊午。
黄帝説く:軍を行き兵を用うるは、須らく「天目」に背いて「地耳」に面向すべし。六旬の中、両者各々所在あり:甲子旬の天目は庚午に在り、地耳は戊辰に在り。甲戌旬の天目は庚辰に在り、地耳は戊寅に在り。甲申旬の天目は庚寅に在り、地耳は戊子に在り。甲午旬の天目は庚子に在り、地耳は戊戌に在り。甲辰旬の天目は庚戌に在り、地耳は戊申に在り。甲寅旬の天目は庚申に在り、地耳は戊午に在り。見るべし、天目は一律に本旬の六庚の臨む所の支を取り、地耳は一律に本旬の六戊の臨む所の支を取る。陣を列る時これに依りて背向を定めれば、便ち所謂「九勝」の法なり。
卜螺法
田中赤色大螺,取時忌婦人、孝子、雞犬見之。凡預卜勝負,取二螺安於盤中,直畫一路,左為我,右為賊,盤中盛水一寸許,將螺各記之。咒曰:“田螺舞舞,能知風雨,賊若來遇,入我境界,田螺索索,風雨不著,賊若不來,各守城郭”。咒畢,候至天明,依法斷之,若賊螺入我境界,不可與戰,宜固守;我螺入賊界,宜急攻之。
田の中の赤色の大田螺を取る。捕える時、婦人・戴孝の人・鶏犬に見られるを忌む。およそあらかじめ勝負を卜問しようとする時は、田螺二隻を取って盤子の中に置き、盤中に直ちに一条の界線を画き、左半を我方となし、右半を敵方となす。盤には一寸ほどの深さの水を盛り、二隻の螺に各々記号を付す。それから呪を念じていわく、田螺よ田螺よ、汝は風雨を知ること能くす。敵人若し来犯せんとせば、汝は我が辺に爬り入れ。田螺縮んで動かざれば、風雨は身に落ちざらん。敵人若し来たらざれば、各々その城池を守れ。呪念じ終わり、天亮を待って再看し、法に依りて判断す。若し敵方を代表する螺が我方の界内に爬り入れば、敵と交戦すべからず、堅く守るべし。若し我方の螺が敵方の界内に爬り入れば、急いで進攻すべし。
春螺頭向東大利,向南有驚,向西被賊,向北小吉。夏螺頭向東小吉,向南大利,向西賊來破我,向北大驚。秋螺頭向西大利,向南有神助,向東大吉獲財,向北戰勝,我宜守。冬螺頭向北大利,向西平安,向南賊能散,向東小驚,宜固守吉。
更に螺頭の朝むる所の方向を看て、また四季に分かちて断ず。春に占えば、螺頭東に向かえば大いに利あり、南に向かえば驚擾あるを主り、西に向かえば敵に侵せらるるを主り、北に向かえば小吉なり。夏に占えば、螺頭東に向かえば小吉、南に向かえば大いに利あり、西に向かえば敵人の来たりて我軍を撃破するを主り、北に向かえば大いに驚恐を受くるを主る。秋に占えば、螺頭西に向かえば大いに利あり、南に向かえば神明の相助あるを主り、東に向かえば大吉にしてまた財物を獲るを得、北に向かえば戦勝する能うと雖も、我方はなお守勢を取るに宜し。冬に占えば、螺頭北に向かえば大いに利あり、西に向かえば平安を主り、南に向かえば敵人の自ら潰散するを主り、東に向かえば小驚あり、堅く守れば則ち吉に宜し。
甲乙日螺頭向東賊來急,不宜戰;向南五日內賊來,向西十四日賊來,向北賊不至。丙丁日螺頭向南九日去,向西七日去,向北當日至,交戰我勝敵敗,向東賊散。戊己日占,宜各固守。庚辛日螺頭向西與賊平,向北賊散,向南賊來而復去,向東有賊大戰。壬癸日螺頭向南賊不勝而去,向西賊不來,向東各守一方,向北宜平。
また占卜当日の天干に按じて断ず。甲日・乙日に占えば、螺頭東に向かえば敵人の来たること急なるを主り、交戦に宜からず。南に向かえば五日の内に敵人到来す。西に向かえば十四日後に敵人到来す。北に向かえば敵人は来たらず。丙日・丁日に占えば、螺頭南に向かえば九日の後に敵人退走す。西に向かえば七日の後に退走す。北に向かえば当日に到り、交戦すれば我勝ち敵敗る。東に向かえば敵人潰散す。戊日・己日の占は、双方とも各々堅く守るに宜し。庚日・辛日に占えば、螺頭西に向かえば敵と相持して勝負分かれざるを主る。北に向かえば敵人潰散す。南に向かえば敵人来たりてまた去る。東に向かえば敵の来犯あり、将に大戦あらんとす。壬日・癸日に占えば、螺頭南に向かえば敵人勝つ能わずして退去するを主る。西に向かえば敵人は来たらず。東に向かえば双方各々一方を守る。北に向かえば則ち講和して相安んずるに宜し。
禳疫法
經曰:“出軍疫癘傳染,死者甚眾,號曰軍氣,可於上風焚死人骷髏數枚,軍氣即能散”。
遁甲経にいう、軍隊の出征して外に在り、若し瘟疫の伝染発生して死亡の人甚だ多ければ、この病気を「軍気」と叫ぶ。上風の処に於て死者の頭骨数具を焚焼し、煙気をして風に随って営区を吹き過ぎせしめば、軍気は則ち驱散せらるべし。これは古人が火気を以て穢癘を辟除するの法にして、軍中の禳解の術に属す。
居青龍法
凡出天門入地戶,過太陰居青龍。經曰:“初兵出天門(六戊也),入地戶(六己也),過太陰(六丁也),居青龍(六甲也),居其下百戰百勝”。假如冬至上元甲己之日夜半生甲子時初起兵,岀天門辰地,入地戶巳地,過太陰午地,居青龍子地,即百戰百勝。又一法曰:“出天門者,天上六戊在一宮;入天上地戶在二宮,過天上太陰在七宮,居天上青龍在一宮”。餘仿此。
およそ兵を用うるは、皆な「天門」より出で、「地戸」より入り、「太陰」を経過して、最後に「青龍」の位に駐す。経にいう、起兵の初め、天門――即ち六戊の位――より出で、地戸――六己の位――より入り、太陰――六丁の位――を経過し、青龍――六甲の位――に駐す。営寨を青龍の下に安んずれば、則ち百戦百勝すべし。例を挙げて言わば、冬至の上元、甲日または己日に逢いて半夜の甲子時に起兵を始むれば、天門は辰の方位に在り、則ち辰方より出で、地戸は巳の方位に在り、則ち巳方より入り、太陰は午の方位に在り、則ち午方を経過し、青龍は子の方位に在り、則ち子方に駐扎す。しかくすれば便ち百戦百勝なり。別に一種の算法ありていう、所謂天門を出ずとは、天盤の六戊が坎一宮に落つるを指し、地戸に入るは天盤の六己が坤二宮に落つるなり。太陰を過ぐるは天盤の六丁が兌七宮に落つるなり。青龍に居るは天盤の六甲が坎一宮に落つるなり。その余の各局はこれを照らして類推す。
巻二十五
游門
出兵攻敵常須遊門。正月天門在申,百死在酉;二月天門在酉,百死在戌;三月天門在戌,百死在亥;四月天門在亥,百死在子;五月天門在子,百死在丑;六月天門在丑,百死在寅;七月天門在寅,百死在卯;八月天門在卯,百死在辰;九月天門在辰,百死在巳;十月天門在巳,百死在午;十一月天門在午,百死在未;十二月天門在未,百死在申。
兵を出して敵人を攻打するに、常に「游門」というこの方位を用いることを要す。それは月分に按じて逐月移動し、同時にまた一つの凶方あって「百死」と叫び、天門と相隣れり。正月は天門申に在り、百死は酉に在り。二月は天門酉に在り、百死は戌に在り。三月は天門戌に在り、百死は亥に在り。四月は天門亥に在り、百死は子に在り。五月は天門子に在り、百死は丑に在り。六月は天門丑に在り、百死は寅に在り。七月は天門寅に在り、百死は卯に在り。八月は天門卯に在り、百死は辰に在り。九月は天門辰に在り、百死は巳に在り。十月は天門巳に在り、百死は午に在り。十一月は天門午に在り、百死は未に在り。十二月は天門未に在り、百死は申に在り。見るべし、天門は正月より申に起り、逐月順行して一位づつ進み、「百死」は総じて天門の下一位に在り、出兵の時は当に天門に由りて行き、百死を避くべし。
地兵法
太公曰:“凡行軍向陣,勿犯地兵,將軍忌之,甲子旬地兵在寅,甲戌旬地兵在子,甲申旬地兵在戌,甲午旬地兵在申,甲辰旬地兵在午,甲寅旬地兵在辰(地兵即六丙也)”。
姜太公いう、およそ行軍して陣を布き、ある方向に向かって進兵するに、皆な「地兵」というこの方位を沖犯するなかれ、将軍たる者が最も忌諱する所なり。六旬の中、地兵各々在る所有り。甲子旬の地兵は寅に在り、甲戌旬の地兵は子に在り、甲申旬の地兵は戌に在り、甲午旬の地兵は申に在り、甲辰旬の地兵は午に在り、甲寅旬の地兵は辰に在り。原注は明らかに指す、地兵は則ち本旬の六丙の臨む所の支なり、故に逐旬に二位を退く。
黄旛虎尾
凡戰宜背虎尾向黃旛吉,午戌歲黃旛在戌,虎尾在辰;子辰歲黃旛在辰,虎尾在戌;卯未歲黃旛在未,虎尾在丑;酉丑歲黃旛在丑,虎尾在未。
およそ交戦には、宜しく「虎尾」に背いて「黄旛」に面向すべし、しかくすれば吉を為す。両者は年支の三合局に按じて位を定む。午年・戌年に逢えば、黄旛は戌に在り、虎尾は辰に在り。子年・辰年に逢えば、黄旛は辰に在り、虎尾は戌に在り。卯年・未年に逢えば、黄旛は未に在り、虎尾は丑に在り。酉年・丑年に逢えば、黄旛は丑に在り、虎尾は未に在り。見るべし、黄旛は三合局の墓庫の位を取り、虎尾は恰もその対沖の位に在り、陣を布く時は黄旛を以て向かう所と為し、虎尾を以て背く所と為す。
雷公
雷公者,六庚耳。庚為天刑,又為百神所聚之方,故宜避之,不敢犯也。攝殺六律曰:“雷公將軍在午遊庚,領十二日將友,風伯、雨師其所遊之處,郡居響應而到,若出軍、佈陣、安營,則雷公之所處,慎不可犯,犯之主敗軍,殺將也。甲子旬六庚在午,甲戌旬六庚在辰,甲申旬六庚在寅,甲午旬在子,甲辰旬在戌,甲寅旬在申”。
所謂「雷公」とは、指して六庚を言う。庚は「天刑」と為し、また衆神の聚集する方位なり、故に当に回避すべく、敢えて触犯せず。『摂殺六律』にいう、雷公将軍は午位より起りて庚位に游行し、十二日の日将僚属を統領し、風伯・雨師随行す。その游行する所は、各地皆な応じて至る。若し出兵・布陣・安営せんとせば、およそ雷公の在る所の方位は、務めて謹慎して沖犯すべからず、犯せば軍隊の敗績・主将の被殺を主る。六旬の中、六庚各々在る所有り。甲子旬の六庚は午に在り、甲戌旬の六庚は辰に在り、甲申旬の六庚は寅に在り、甲午旬の六庚は子に在り、甲辰旬の六庚は戌に在り、甲寅旬の六庚は申に在り。
立知井泉法
屯兵山阜,被賊圍困,又無溪澗,無處汲水,急用磁碗覆地,將土壅碗口,明曉揭碗視之,底下有水珠,下有泉脈也。掘地數尺,可以得水。
軍隊が山岡の高地に駐扎して敵人に囲困せられ、附近にまた溪流・山澗なく、水を取る処なき時は、急いで瓷碗一隻を取って地面に倒扣し、泥土を以て碗口の四周を壅めて厳実にす。翌日の清早、碗を掲げて看れば、若し碗の内壁の底下に水珠凝れば、則ちこの地の下に泉脉あるを明す。この処に向かって数尺の深さを掘れば、便ち水を得ることを得。これは地気の蒸騰して露を凝するに依りて地下水を験知するの法なり。
五行相制負法
此法至誠閉氣,吸東方生氣一口吹在手心,書字即行,不可回顧。見官書“天”字,求婚書“合”字,市賈書“利”字,出道書“通”字,博戲書“干”字,夜行書“魁”字,入眾書“遁”字,入陣書“強”字,看病書“鬼”字,入罡書“罡”字,吃酒書“少”字,入山書“子”字,入水書“土”字或“龍”字,或“戊”字。
この套の法を行うには至誠の心を以て息を閉住し、東方の生気一口を吸取し、手掌心に吹き、随即掌心に字を写し、写し終われば即ち行き、回頭して張望することを許さず。写す所の字は事に随って同じからず。官長に謁見するは「天」の字を写し、親を求め婚を議するは「合」の字を写し、市に上りて経商するは「利」の字を写し、門を出でて路を趕るは「通」の字を写し、賭博・游戯は「干」の字を写し、夜間に路を行くは「魁」の字を写し、人群に入るは「遁」の字を写し、陣に臨み敵に対するは「強」の字を写し、病人を探視するは「鬼」の字を写し、罡を踏み斗を歩むは「罡」の字を写し、宴に赴き酒を飲むは「少」の字を写し、山に入るは「子」の字を写し、水に下るは「土」の字または「龍」の字を写し、また「戊」の字を写すも可なり。これ則ち五行相制の理を借りて吉に趨り害を避くるなり。
三勝宮
第一勝天乙宮(即值符宮),上將居之,用兵而擊其沖,百戰百勝。只要坐三向五,不可坐五向三,三為生氣,五為死氣,生謂坐生門,死為坐死門。若甲申庚見值符,則不可引兵居也。第二勝九天宮,上將居之,用兵擊其沖,則敵雖大,不敢當我鋒,而大勝矣。第三勝生門宮(合三奇之吉宮),上將引兵從生門擊死門,百戰百勝。
第一の取勝の宮は「天乙宮」、即ち値符の在る所の宮なり。主將ここに坐镇して、兵を出してその対沖の宮を打てば、百戦百勝なり。ただ三に坐して五に面向するを要し、五に坐して三に面向するは不可なり。三は生気と為し、五は死気と為す。所謂生とは則ち生門に坐するを言い、所謂死とは則ち死門に坐するを言う。但し若し「甲申庚」というこの凶格が値符に加臨せば、則ち兵を帯びてこの宮に駐する能わず。第二の取勝の宮は「九天宮」なり。主將ここに坐镇して、兵を出してその対沖の宮を打てば、敵人縦ち勢大なりと雖も、敢えて我軍の鋒鋩に抵当せず、必ず大勝すること能くす。第三の取勝の宮は「生門宮」、即ち三奇と相合する吉宮なり。主將兵を帯びて生門より出発して死門の在る所の方を攻打すれば、百戦百勝なり。
五不撃宮
第一不擊天乙宮。如甲申庚臨值符,則可沖擊矣。第二不擊九天宮。第三不擊生門宮。第四不擊九地宮。第五不擊玉女宮,臨陣傳令紀之,則萬舉萬全矣。
五つの方位あって攻撃すべからず。第一、「天乙宮」を攻めず、即ち値符の宮なり。但し若し「甲申庚」に逢うて値符に加臨せば、この一宮は已に凶格に破られたれば、則ち沖撃する可し。第二、「九天宮」を攻めず。第三、「生門宮」を攻めず。第四、「九地宮」を攻めず。第五、「玉女宮」を攻めず。陣に臨んでこの五条を伝えて号令と為し、心に記えば、則ち万挙万全なり。この五宮は皆な吉神の居る所にして、我方は当に拠りて守りと為すべく、若し反ってこれを攻めば、自ら吉気を傷るに等し。
天蓬咒:“天蓬天蓬,九元殺童,五丁都司,高力北翁,七政八靈,太上皓凶,長顱鉅額,手把帝鍾,未梟三神,嚴駕夒龍,威劍神王,斬邪滅蹤,紫氣乘天,丹霞嚇沖,吞魔食鬼,橫身飲風,蒼舌綠齒,四目老翁,天丁力士,威南御凶,天驟激戾,威北銜鋒,三十萬兵,衛我九重,闢尸千里,袪卻不祥,敢有小鬼,次來見形,钁天大斧,斬鬼五形,炎帝瀝血,北斗燃膏,四盟破骸,天猷滅數,神劍一下,萬鬼自消,急急如律令”。
これは道教軍中最も重き一道の「天蓬呪」にして、詞意大略は以下のごとし。天蓬大神よ天蓬大神よ、汝は九元の中の殺童にして、五丁の都司を統轄し、大神力ある北方の尊長なり。七政八霊の気は汝の身に聚まり、太上の命は汝をして明らかに凶悪を察せしむ。汝の頭顱は長大にして前額は寛広、手中に帝鐘を持てり。三神の首を鎮伏し、威厳にして夒龍を駕馭す。威霊の劔、神王の力、邪祟を斬除して蹤跡を留めず。紫気は天空に騰がり、丹霞は赫然として沖起す。汝は妖魔鬼怪を吞食し、身を横たうる間に長風を吸盡す。蒼色の舌、青緑の牙、是れ四つの眼睛の老翁なり。天丁力士は南方を威震して凶邪を御ぎ、天馬は疾馳して暴烈、北方を威震して口に鋒刃を銜む。三十万の天兵は我を九重の内に護衛し、尸穢を千里之外に辟除し、一切の不祥を祛去す。倘し小鬼敢えて次いで形を現さば、則ち鑦天の大斧を以て群鬼の五種の形体を斬断せん。炎帝これが為に瀝血し、北斗これが為に膏を燃し、四方盟を結びて共に鬼骸を破り、天猷元帥その気数を滅す。神劔一揮して下れば、万鬼自ずから消亡す。急急如律令。
五陰五陽時
《三元經》曰:“甲乙丙丁戊為五陽時,利為客,宜先舉兵、高旗、響鼓,耀武揚威,客兵大勝,所謂陽者,飛而不止也。己庚辛壬癸為五陰時,利為主,宜偃旗息鼓、銜枚靜聽,待客敵至後,則戰大勝矣,所謂得陰者,伏而不舉也”。
『三元経』にいう、時干が甲・乙・丙・丁・戊たるを、「五陽時」と叫ぶ、客方を為すに利あり――則ち先に発して人を制するの一方なり。この時は宜しく先んじて出兵し、旗幟を高挙げ、戦鼓を擂り響かし、武を耀し威を揚ぐべし、客兵必ず大勝を得ん。所謂「陽」は、飛騰して止まざるの意を取る。時干が己・庚・辛・壬・癸たるを、「五陰時」と叫ぶ、主方を為すに利あり――則ち後に発して敵に応ずるの一方なり。この時は宜しく旗幟を放倒し、鼓声を停め、兵士は口に枚を銜えて静かに埋伏し聴聆して、来犯の敵人の到るを待ちて後に戦えば、必然大勝す。所謂「陰を得」とは、潜伏して軽挙せざるの意を取る。
凡奇門一時一換,謂不善必先知之。若天盤甲申庚加地盤月奇丙之方,防其沖營擊寨,夜間必要守備,每一更一令一籌,密傳若籌錯令差,便是奸細,所謂入金鄉,賊獨至也。即在入門之內,取路埋伏,以逸代勞。
奇門の局は一時辰過ぐるごとに変換するを以て、不利の格局に対しては必ず預め知るを要す。譬えば天盤の「甲申庚」が地盤の月奇丙の在る所の方位に加臨すれば、これは凶格にして、敵人の我が営壘を沖し・我が寨栅を劫するを提防し、夜間は必ず守備を加強すべし。一更ごとに一道の号令を伝え・一根の籌籤を発し、暗中に遞伝す。若し籌籤対わず・号令差錯あらば、則ちそれ混入して来たる奸細なり。これ則ち所謂「入金郷」の格にして、賊人の単独に来犯するを主る。応対の法は、則ち敵人の必ず経る入口の内に於て路経を選好し埋伏を設け、逸を以て労を待て。
徳威の時
葛洪曰:“六丙為威,六甲為德,利以為客,宜發號施令,入其國犬不吠馬不鳴,回車止輪,折衝萬里,不敢有聲。兵來曏者,還自滅形,賊必亡矣。天兵來助,敵人自恐。天兵扶行,敵人自驚。將兵征伐,為客大勝。若此時不利為主,惟宜固守屯營,以待天時”。
葛洪いう、六丙の臨む所を「威」と為し、六甲の臨む所を「徳」と為す、かくのごとき時辰は客方を為すに利あり、号令を発し施するに宜し。この時辰を用いて敵国に入れば、狗も吠えず馬も鳴かず、車子回転し輪子停住し、皆な声息なく、而も万里の外に於て敵人の鋒鋭を挫折すること能くす。敵兵の迎面して来犯するは、反って自ら消亡し、賊寇は必ず敗滅す。天兵前来りて相助ければ、敵人自ずから恐懼す。天兵我軍を扶持して行けば、敵人自ずから驚慌す。兵を帯びて出征し討伐し、客方と為れば必ず大勝を獲ん。但しこの時辰は主方を為すに利あらず、主方を為せば則ちただ営壘を堅守し、有利の天時を等待するに宜し。
天輔の時
《三元經》曰:“天輔之時,有罪無虞,斧鑽在前,天猶赦之”。謂甲己之日時下得己,乙庚、丙辛、丁壬、戊癸之日,時下得甲也。甲己日己巳時,乙庚日甲申時,丙辛日甲午時,丁壬日甲辰時,戊癸日甲寅時,是為天輔之時,此時有罪自釋。
『三元経』にいう、「天輔」の時に碰えば、たとえ身に罪責を負うとも憂慮を須いず、たとえ刀斧鑽鑿已に面前に擺らるとも、上天はなお彼を赦免す。所謂天輔の時とは、甲日・己日にして時干己を得、乙庚・丙辛・丁壬・戊癸のこれ几組の日にして時干甲を得るを指す。具体に言えば、甲日・己日の己巳時、乙日・庚日の甲申時、丙日・辛日の甲午時、丁日・壬日の甲辰時、戊日・癸日の甲寅時、これら則ち天輔の時なり。この時辰の内に罪ある人は自ずから開釈を得ん。
奇門飛斗法(即ち禹歩)
凡有急事,不得奇門,用此亦妙。凡飛斗,足步手揚,口誦咒曰:“天圓地步,六律九章,出行大吉,永保安康,掃除凶惡,削去災殃,人來追我,掩其兩目,馬來追我,折其四足,車來追我,斷其輪輔,所求遂意,咸願從心,吾奉九天玄女急急如律令勅。
およそ緊急の事に遇い、一時に三奇と吉門を排して用うる能わざれば、改めてこの套の「飛斗」の法に行うも甚だ霊妙なり。飛斗を行う時、脚下に歩を踏み、双手を揚げ、口中に呪を念じていわく、天円にして地方、人は歩法に依りて行く。六律九章の数に合す。此の行い大吉、永く安康を保たん。一切の凶悪を掃除し、所有の灾殃を削去せん。人の我を追うあらば、則ち彼の両眼を遮らん。馬の我を追うあらば、則ちその四蹄を折断せん。車の我を追うあらば、則ちその車輪・車輻を毀断せん。およそ求むる所有れば皆な意に遂い、一切の心願皆な心に従わん。我は九天玄女の命を奉ず、急急如律令敕。
陽斗甲丙戊庚壬為六陽,貪巨祿文廉武破。○破 ○廉 ○文 ○貪;○武 ○祿 ○巨。陰斗乙丁己辛癸為六陰,魁(勺雚行畢甫)魒,俱七斗之諱。○勺 ○雚 ○甫;○魁 ○行 ○魓 ○魒。
飛斗は陽斗と陰斗の二式に分かつ。陽斗は時干の甲・丙・戊・庚・壬たる六陽の時に用い、踏む所の七つの星位は依次に貪狼・巨門・禄存・文曲・廉貞・武曲・破軍なり。その図は両排と為し、上排は左より右へ破軍・廉貞・文曲・貪狼とし、下排は武曲・禄存・巨門とし、○は踏む所の星位を表示す。陰斗は時干の乙・丁・己・辛・癸たる六陰の時に用い、踏む所の星位は改めて魁・勺・雚・行・畢(魓)・甫・魒のこの一組の名号を用う、これら皆な北斗七星の隠諱の名なり。その図の上排は勺・雚・甫、下排は魁・行・魓・魒なり。斗を踏む時は便ち図上の星位の次第に依りて脚を落す。
真人閉六戊法
凡出軍止宿,要安營下寨,避禍逃難,當用此法,鬼神不敢近也。其法於旬中六戊土,用刀從鬼門起左行畫地一周,次取中央土一斗,分置六戊之上,六處各置一升餘,乃置刀於原取土處,入中央咒曰:“泰山之陽,恆山之陰,盜賊不起,虎狼不侵,城郭不完,閉以金關,千凶萬惡,莫之敢干,急急如律令勅”。
およそ兵を出して外に宿営し、営を安んじ寨を下さんとし、あるいは禍を避け難を逃るるに、皆なこの套の法を用うべし、法を行えば鬼神も敢えて靠近せず。その法は、本旬の六戊の属する土位を找出し、刀を以て「鬼門」――東北の艮方――より手を起し、左に向かって地を繞りて一整圏を画く。再び中央の土一斗を取り、分かちて六戊の六つの方位に放ち、毎処に一升余を置く。然る後に刀を元の土を取りし処に挿し戻し、人は中央に進み入りて呪を念じていわく、泰山の南面、恒山の北面、盗賊起らず、虎狼侵さず。城郭完固ならずと雖も、亦た金関を以て封閉す。千種の凶険、万般の邪悪、皆な敢えて来たりて干犯せず。急急如律令敕。
咒畢,仍在中宿,勿令出入,明日啟行,拔刀散土而去,若不散土,其神不敢去也(六戊即罡神)。欲驗六戊之法,置犢牸於外,繫母牛於內,終不敢入,欲令其神去一戊土,犢便從空上入矣。甲子旬戊辰,甲戌旬戊寅,甲申旬戊在子,甲午旬戊在戌,甲辰旬戊在申,甲寅旬戊在午。
呪念じ終われば、人はこの圈子の中央に住し、随便に出入することを許さず。翌日身を動かす時、刀を拔き起し、六処の土を散じて去れ。若し土を散ぜざれば、請いし所の神は反って留住せられて敢えて離去せず――原注にいう、六戊は則ち罡神なり。六戊の法の霊なるや否やを験せんと欲せば、小牛を圈外に放ち、母牛を圈内に繋げば、小牛は終始敢えて進み入らず。若しその中の一処の戊位の土を撤去して、その一位の神をして離去せしめば、小牛は立刻にその缺口より進み入る。六旬の六戊各々在る所有り。甲子旬の六戊は辰に在り、甲戌旬の六戊は寅に在り、甲申旬の六戊は子に在り、甲午旬の六戊は戌に在り、甲辰旬の六戊は申に在り、甲寅旬の六戊は午に在り。
禹歩法(およそ事を作すに皆な禹歩に宜し)
初移一步,不在九步之數,然相因仍之一步七尺,合二丈一尺。故曰:見跡禹步,乃成攝濟之卦,正立右足以前,左足在後,次復前左足,次復前右足,以左足從右足並一禹步也。次復前右足,次前左足,並二禹步也。次復前左,次前右,次左右足並,三禹步也。
歩を起す時先ず邁ぐる那一歩は、九歩の数目の内に算せず。但だ前后相承し、毎一歩の長七尺、三歩合わせて正好に二丈一尺なり。故にいう、地上の足跡を見れば、則ち踏む所が禹歩なるを知る、しかくして初めて「摂済」の卦を成就す。具体の走法は、端正に立定し、右脚を前に・左脚を後にす。続いて向前に左脚を邁ぎ、再び向前に右脚を邁ぎ、然る後に左脚を右脚の旁に併せる、これを算して第一の禹歩を完成す。続いて再び向前に右脚を邁ぎ、再び向前に左脚を邁ぎ、両脚併び立つ、これは第二の禹歩なり。再び向前に左脚を邁ぎ、再び向前に右脚を邁ぎ、然る後に左右の脚併び立つ、これは第三の禹歩なり。
未済禹跡
芮(坤)右 柱(兌)左 心(干)右;英(離)左 禽(中)左 蓬(坎)左;輔(巽)右 沖(震)左 任(艮)右。既濟禹跡:芮(坤)右 柱(兌)左 心(干)右;英(離)左 禽(中)左 蓬(坎)左;輔(巽)右 沖(震)左 任(艮)右。
これは禹歩を踏む時の九宮落脚の図式にして、「未済」一式と「既済」一式の載する所相同なり。天芮星の在る所の坤宮に右脚を落とし、天柱星の在る所の兌宮に左脚を落とし、天心星の在る所の乾宮に右脚を落とす。天英星の在る所の離宮に左脚を落とし、天禽星の在る所の中宮に左脚を落とし、天蓬星の在る所の坎宮に左脚を落とす。天輔星の在る所の巽宮に右脚を落とし、天冲星の在る所の震宮に左脚を落とし、天任星の在る所の艮宮に右脚を落とす。歩を踏む時は九星の寄する所の宮位に照らして依次に脚を落とし、左右分明白く、錯乱すべからず。
巽雙離只坤單步,震亦依依兌是雙,艮上獨行坎只立,天門歸去望天罡。(坤)只(兌)只(雙)(干)雙;(離)只(中)(坎)只;(巽)雙(震)只(艮)雙(只)。
別に一首の歩法歌訣ありていう、巽宮は双歩を踏むを要し、離宮はただ単歩を踏み、坤宮もまた単歩一踏なり。震宮も同じく依次に単踏し、兌宮は則ち双歩なり。艮宮は独自に行過ぎ、坎宮はただ単足にて站立す。最後に「天門」より回転し、遥かに「天罡」の位を望む。附図の記す所と歌訣と相参ず。坤宮単歩、兌宮単歩(一に双歩と作す)、乾宮双歩。離宮単歩、中宮落とさず、坎宮単歩。巽宮双歩、震宮単歩、艮宮双歩(一に単歩と作す)。所謂単双とは、該宮に一足を落とすか両足を併せ踏むかを指す。
玉女返閉局
經曰:“玉女返閉局者,在室中庭中六步,野外六十步,量入地多少,地之宜表,皆以六為數,先定數訖,便以左手執六算,各長一尺二寸,隨吸旺氣,叩齒十二通,默咒心下所謀之事,然後回身背旺氣”。
経にいう、所謂「玉女返閉局」は、屋里または庭院中に在りては六歩を走り、野外に在りては六十歩を走る。場地に進み入る遠近を量度し、および地界を標示する方式は、皆な「六」というこの数を取る。先ず歩数を定めおき、則ち左手を以て六根の算籌を拿し、毎根の長一尺二寸なり。一面に当令の旺方の気を吸取し、一面に歯を十二下叩き、心の裏に謀る所の事を默念し、然る後に身を轉じて来て、旺気に背いて立つ。
神啟請曰:“維某年某月某日某時,啟天地父母、六甲、六丁、十二時神、青龍、蓬星、明堂、天上玉女、六戊之神,某好學長生之術,行不擇日,出不擇時,今欲遊行某處為某事,欲賴大神庇佑,謹按天門,畫地敷局,出天門,入地戶,閉金關,乘玉女(輅),謹請玉女、青龍、朱雀、白虎、玄武、勾陳、六合、六甲六丁十二時神,乘我而行,至某處為某事,左右巡防,隨行隨止,隨臥隨起,闢除盜賊,鬼魅消亡。
随後に神明に啓請し、祝辞にいう、今当に某年某月某日某時に、謹んで天地父母・六甲・六丁・十二時辰の神、および青龍・蓬星・明堂・天上玉女・六戊の諸神に稟告す。某人は長生の術を愛好し、出行は日子を挑まず、動身は時辰を選ばず、如今某処に前りて某事を辦せんとす、願わくは大神の庇佑に仰がん。謹んで天門の方位に按じて、地の上に局式を画く。天門に由りて出で、地戸に従りて入り、金関を關閉し、玉女の車に乘りて行かん。謹んで玉女・青龍・朱雀・白虎・玄武・勾陳・六合、および六甲・六丁の十二時辰の神を請う、我に随い同行し、某処に到りて某事を辦せん。我が左右に於て巡守・護衛し、我行けば則ち行き、我止まれば則ち止まり、我卧れば則ち卧し、我起きれば則ち起きん。我が為に盗賊を辟除し、鬼魅をして消亡せしめよ。
君子見之喜樂倍常,小人見我歡喜皇皇,男兒(女)見我,共將(侍)酒漿;百惡鬼賊,當我者亡。今日禹步,上應天罡,玉女侍傍,下擊不祥,萬精厭伏,所向無殃,所值病瘥,所攻者達,所擊者破,所摧者傾,所求者得,所願者成,帝王、大臣、二千石長吏,見我者愛如赤子。今日請召玉女六神隨我而進”。凡一切出行用事,無吉方吉時者,可用此法,便畫八卦圖局,排定東西南北,在八干十二辰時神。
祝辞続いていわく、君子我を見れば、歡喜倍加し、小人我を見れば、亦た歓欣已まず。男女我を見れば、皆な酒漿を捧げて相待つ。各種の悪鬼賊寇、およそ我が路を擋ぐるは一概に滅亡せん。今日の踏む所の禹歩は、上は天罡の象に応じ、玉女は旁に侍立し、下に不祥を撃退す。千万の精怪皆な鎮伏せられ、到る所に灾殃なし。遇う所の病人は痊愈を得、攻むる所は必ず通達すること能くし、撃つ所は必ず攻破せられ、摧く所は必ず傾覆せられ、求むる所は必然に得られ、願う所は必然に成就せん。帝王・大臣および俸禄二千石の長吏我を見れば、皆な嬰児を疼愛するがごとく我を待たん。今日敬して請う、玉女六神を召し来たらしめ、我に随い一同に前進せん。およそ一切の出行して事を辦ずるに、実に吉方・吉時を見出だす能わざれば、皆なこの套の法を用いるべし。就地に八卦局図を画き、東西南北の方位を排定し、八干・四維と十二地支の時神を一一に布上せよ。
歩斗呪(毎に一歩を移すに、呪一句を持す)
咒曰:“白氣混沌灌我形,禹步相催合登明,天回地轉步七星,躡罡履斗齊九靈,亞指伏妖眾邪驚,眾災消滅我長生,我得長生,我得長生”。至心虔誠步星斗,畢即念後咒:“六甲九章,天圓地方,四時五行,青赤白黃,太乙為師,日月為光,禹步治道,蚩尤避兵,青龍扶轂,白虎伏行,熒惑前引,闢不祥兆,北斗誅伐,去降凶殃,五神從我,周遊八方,當我者死,嫉我者亡,左社右稷,寇盜伏藏,行者有喜,留者有福,萬神護我,永除盜賊,急急如律令”。
歩斗の時毎に一歩を移して一句の呪を念ず、呪辞はこれなり。混沌の白気は我が形体を灌注し、禹歩は一歩緊接して一歩、「登明」の位に合す。天旋地轉の間に七星を踏遍し、脚は天罡を踏み、身は斗宿を履み、九霊の気と相斉し。指を屈して訣を作せば便ち妖物を降伏し、衆邪驚散す。一切の灾禍消滅し、我は長生を得、我は長生を得ん。心中至誠にして星斗を踏み終わり、随即再び後の一道の呪を念ず。六甲九章の法、天は円にして地は方なり。四時運行し、五行相生し、青赤白黄各々その位に拠る。太乙を以て師と為し、日月を以て光と為す。禹歩は我が為に道路を開治し、蚩尤は我が為に兵戈を避开す。青龍は我が車轂を扶け、白虎は地に伏して随行し、熒惑星は前に在りて路を引き、不祥の征兆を辟除す。北斗は我が為に誅伐し、降り来たる凶殃を除去す。五方の神は我に跟従し、八方を周游す。我を擋ぐる人は死し、我を忌恨する人は亡ぶ。左に社神あり右に稷神あり、寇盗皆な隠伏して出でず。出行の人は喜有り、留守の人は福有り。万神我を護佑し、永く盗賊を除去せん。急急如律令。
啓請四方神位
“謹請東方功曹、太沖、天罡青帝大神、甲乙大神,降於局所,侍衛我身。南方太乙、勝光、小吉、赤帝大神,(丙丁大神)降於局所,侍衛我身。西方傳送、從魁、河魁、白帝大神,庚辛大神,降於局所,侍衛我身。北方登明、神后、大吉、黑帝大神,壬癸大神,降於局所,侍衛我身”。
四方の神位に啓請するの祝辞はこれなり。謹んで東方の功曹・太冲・天罡三位の月将、および青帝大神・甲乙大神を請う、布局の処に降臨し、我が身体を侍衛せん。謹んで南方の太乙・勝光・小吉三将、および赤帝大神・丙丁大神を請う、布局の処に降臨し、我が身体を侍衛せん。謹んで西方の伝送・従魁・河魁三将、および白帝大神・庚辛大神を請う、布局の処に降臨し、我が身体を侍衛せん。謹んで北方の登明・神后・大吉三将、および黒帝大神・壬癸大神を請う、布局の処に降臨し、我が身体を侍衛せん。ここに称する所の功曹・太冲の一類の名号は、皆な十二月将の別名にして、各々一支を配り、分かちて四方に属す。
既請四方神訖,便從今日日辰上下第一算。如子日,則於子上下第一算,丑上第二算,寅上下第三算,卯上下第四算,辰位上下第五算,巳位上下第六算。四仲日地戶不成,取初下第一算安辰上所沖,卻以沖命起,自然成門。
四方の神を請い畢れば、則ち当日の日支の位置上より第一根の算籌を放下す。譬えば子日に逢えば、便ち子位の上に第一根の算籌を放ち、丑位の上に第二根を放ち、寅位の上に第三根を放ち、卯位の上に第四根を放ち、辰位の上に第五根を放ち、巳位の上に第六根を放つ。若し子・午・卯・酉のこの四仲の日に逢えば、地戸排して局を成さず、則ち最初に放下せし第一根の算籌を辰位の対冲する所の位置上に移し、改めて対冲の位より起算せば、門戸自然に排し成さん。
五文術咒曰:“鼠行入穴入狗市”,便移於上算安戌上,大呼青龍下。又咒曰:“牛入兔園食甘美”,便移丑上第二算安卯上,大呼曰朱雀下。又咒曰:“猛虎耽耽來向蛇”,便移寅上第三算安巳上,大呼曰勾陳下。又咒曰:“兔入牛欄伏不起”,便移卯上第四算安丑上,大呼曰白虎下。又咒曰:“龍入馬廄困留止”,便移辰上第五算安午上,大呼曰玄武下。又咒曰:“螣蛇婉轉來申裡”,便移巳上第六算安申上,大呼曰六合下。
続いて「五文術」を行い、毎に一根の算籌を移して一句の呪を念じ、同時に高声に一位の神将の下降を呼請す。「鼠行して穴に入り狗市に入る」と念じれば、則ち子位の上の第一根の算籌を戌位に移し、高呼して「青龍下れり」――子は鼠に属し、戌は狗に属す、故に此の語あり。「牛兎園に入りて甘美を食す」と念じれば、則ち丑位の上の第二根の算籌を卯位に移し、高呼して「朱雀下れり」――丑は牛に属し、卯は兎に属す。「猛虎耽耽として来たりて蛇に向かう」と念じれば、則ち寅位の上の第三根の算籌を巳位に移し、高呼して「勾陳下れり」――寅は虎に属し、巳は蛇に属す。「兎牛欄に入りて伏して起たず」と念じれば、則ち卯位の上の第四根の算籌を丑位に移し、高呼して「白虎下れり」。「龍馬廐に入りて困留せり」と念じれば、則ち辰位の上の第五根の算籌を午位に移し、高呼して「玄武下れり」――辰は龍に属し、午は馬に属す。「螣蛇婉転として来たりて申裏に入る」と念じれば、則ち巳位の上の第六根の算籌を申位に移し、高呼して「六合下れり」。
若午日則於午上下第一算,未上下第二算,申上下地三算,酉上下第四算,戌上下第五算,亥上下第六算,咒曰:“馬入龍泉飲井水”,便移午上第一算安辰上,大呼曰青龍下。又咒曰:“羊鳴易位入酉裡”,便移未上第二算安酉上,大呼曰朱雀下。又咒曰:“猿猴躍躍北奔亥”,便移申上第三算安亥上,大呼曰勾陳下。又咒曰:“鷄飛撲落羊欄裡”,便移酉上第四算安未上,大呼曰白虎下。又咒曰:“狗入鼠穴捕其子”,便移戌上第五算安子上,大呼曰玄武下。又咒曰:“豬入虎穴自取死”,便移亥上第六算安寅上,大呼曰六合下。
若し午日に逢えば、則ち午位の上に第一根の算籌を放ち、未位の上に第二根を放ち、申位の上に第三根を放ち、酉位の上に第四根を放ち、戌位の上に第五根を放ち、亥位の上に第六根を放つ。然る後に「馬龍泉に入りて井水を飲む」と念じ、午位の上の第一根の算籌を辰位に移し、高呼して「青龍下れり」――午は馬に属し、辰は龍に属す。「羊鳴きて位を易え酉裏に入る」と念じ、未位の上の第二根を酉位に移し、高呼して「朱雀下れり」――未は羊に属す。「猿猴躍躍として北奔して亥に向かう」と念じ、申位の上の第三根を亥位に移し、高呼して「勾陳下れり」――申は猴に属す。「鶏飛び撲り落ちて羊欄裏に入る」と念じ、酉位の上の第四根を未位に移し、高呼して「白虎下れり」――酉は鶏に属す。「狗鼠穴に入りてその子を捕う」と念じ、戌位の上の第五根を子位に移し、高呼して「玄武下れり」。「猪虎穴に入りて自ら死を取る」と念じ、亥位の上の第六根を寅位に移し、高呼して「六合下れり」――亥は猪に属し、寅は虎に属す。見るべし、午日の一組と子日の一組の移法は同一の机杼なり。皆な六根の算籌を依次に本支と相配または相冲する位置上に挪め、一移し一呼びて、青龍・朱雀・勾陳・白虎・玄武・六合六位の神将を依次に壇に請い下ろす。原文の「申上下地三算」の「地」の字は、当に「第」の字の訛なるべし。
喝算訖,先成者為天門,後成者為地戶。不成者,將初算投之作第七算,命乃成於入之方位立執算。咒曰:“干尊耀靈,坤順內營,二儀交泰,要合利貞,配天履地,永寧肅清,應感元黃,上衣下裳,巽離坤兌,翊賛扶囊,干坎艮震,虎伏龍翔,今日行算,玉女侍傍,有急相助,常輔扶匡,追我者死,捕我者亡,牽牛織女,化成海江,急急如律令”。
算籌移り畢るを喝報し、先に排成せし那一処を「天門」と作し、後に排成せし那一処を「地戸」と作す。若し排成せざる有らば、則ち最初の那根の算籌を投上して第七根と作せば、局便ち入らんとする所の方位の上に排成し、人は則ち彼処に立ちて算籌を手執す。呪を念じていわく、乾道は尊貴にして神霊を光耀し、坤道は柔順にして内に営衛を蔵す。天地二儀交感して通泰し、「利貞」の徳に合せんと要す。上は天に配し下は地を履み、永く安寧清粛せん。玄黄の気に感応し、上は衣と為し下は裳と為す。巽・離・坤・兌の四卦は輔翼して相助け、乾・坎・艮・震の四卦は虎伏して龍翔す。今日此の算法を行えば、玉女旁に侍立す。一たび急難あれば則ち来たりて相助け、常に扶持して匡救せん。我を追趕する人は死し、我を捕捉する人は亡び、牽牛・織女の二星は化して大海長江と為りて来路を阻断せん。急急如律令。
玉女左行八干四維,子日辰上行起,周而復始,乘玉女而去,去時有咒。當呼所在玉女,如在庚上,即咒曰:“庚上玉女,速來護我,毋令百鬼傷我,人莫見我,見我者以為束薪,獨開我門,而閉他入地戶,急急如律令”。即開門而去,慎勿反顧。
玉女は八干と四維の位上に於て左に向かって行走し、子日に逢えば則ち辰位より歩を起し、周に復して始まるに輪転す。出行の時は便ち玉女の位に乘りて去り、動身の時に別に一道の呪あり。玉女の当時に在る所の那一位を呼喚するを要す、譬えば玉女庚位に在れば、則ち呪を念じていわく、庚位の上の玉女よ、速やかに来たりて我を護衛し、各種の鬼祟をして我を傷らしむるなかれ。人をして我を見えざらしめ、たとえ見るとも、ただ一捆の柴草と當らしめよ。ただ我が為に我が這一道の門を打開き、别人の走らんとする地戸を關閉せよ。急急如律令。念じ終われば則ち門を開きて去れ、切に記えて回頭するなかれ。
凡欲為百事遠行、見貴人、上官赴任者,出地戶入天門,乘玉女而行。咒曰:“天門天門,今日維良,玉女侍我,左右遊傍,行來(出入)四方,日出六甲,不逢災殃,君子見之,喜樂煌煌,所求如意,萬事吉昌,急急如律令”。
およそ各種の事情を辦じ、遠門に出で、貴人に謁見し、あるいは升官して任に赴くは、則ち地戸より出でて天門に由りて入り、玉女の位に乘りて行く。呪を念じていわく、天門よ天門よ、今日は正に良辰なり。玉女は我を侍奉し、我が左右に随行して護衛す。四方に往来出入し、毎日六甲の位より出行す、灾殃に遇わざらん。君子我を見れば、歡喜光耀し、求むる所皆な如意にして、万事吉利にして興昌せん。急急如律令。
凡欲入陣、掩捕,即出天門入地戶,乘玉女而去。咒曰:“諾諾譯譯,行不擇日,反不擇時,隨斗所指,與人俱之,天地反覆,中心所歌,皆得如意,使汝迷惑,以東為西,以南為北,有知我者,使汝迷不得見,急急如律令”。以莫閉戶老去,皆一心虔誠,三呵玉女。
およそ陣を沖して敵を殺し、掩襲して擒捕せんとするは、則ち天門より出でて地戸に由りて入り、玉女の位に乘りて行く。呪を念じていわく、唯唯諾諾、紛紛紜紜、出行は日子を挑まず、回来も時辰を選ばず。ただ斗柄の指す所の方向に随い、衆人と同行せん。天地翻覆の間、我が心中の歌い念ずる所は、皆な如意なるを得ん。汝ら敵人をして迷惑せしめ、東を以て西と為し、南を以て北と為さん。我を認識する者有りとも、亦た汝をして迷乱せしめて我を見ること能わざらしめん。急急如律令。傍晚に門を關する時に到りて動身し、皆な一心に虔誠にして、玉女に向かって連呼三声せよ。
乘玉女咒曰:“玉女玉女,天神至靈,護我保我,與我傳我,行到某處,窈窈冥冥,莫覩其形,人不得聞其人,鬼不得聞其精,善我者福,惡我者殃,百邪鬼賊,當我者死,值我者亡,千萬人中,見我者喜,急急如律令奉行”。以刀畫地,撮禁諸惡,唸咒先叩齒七通,以應北斗天罡,右手持刀畫地,咒曰:“四縱五橫,萬惡潛形,吾去千里者回,萬里者歸,呵我者死,叱我者亡,自受其殃,急急如律令”。
玉女に乘りて行く時に念ずる呪はこれなり。玉女よ玉女よ、汝は天神の中に最も霊験なり。我を護衛し我を保全し、神力を我に授与し我に伝給せよ。我某処に走り至らば、幽深昏冥にして、人の我が形体を見る能わず。活人は我が何人なるかを聴き出だす能わず、鬼神もまた我が精気を察覚する能わず。我を善待するは福を得、我を加害するは殃を招く。各種の邪祟鬼賊、我を擋ぐるは死し、我に撞上するは亡ぶ。千万人の中に於て、我を見る者皆な歓喜せん。急急如律令奉行。再び刀を以て地の上に符を画き、各種の悪煞を收摂して禁ず。呪を念ずるに先だち歯を七下叩き、以て北斗天罡の七星の数に応じ、然る後に右手刀を持ちて地の上に画き、呪を念じていわく、四縦五横ここに在り、万種の邪悪皆な形跡を隠去せん。我走出去れば、千里の外の者は回来ること能くし、万里の外の者もまた家に帰ること能くし。我を呵斥する人は死し、我を喝罵する人は亡び、各々灾殃を承受せん。急急如律令。
十二局天門地戸返閉立成図
子日丑日寅日卯日辰日巳日午日未日申日酉日戌日亥日;天門 丙 丙 丙 庚 庚 庚 壬 壬 壬 甲 甲 甲;地戶 乙 乙 庚 丁 丁 壬 辛 辛 甲 癸 癸 丙;玉女 庚 辛 干 壬 癸 艮 甲 乙 巽 丙 丁 坤。此與三德方同。
これは十二日の天門・地戸・玉女の三項を列ねた現成の対照表なり。表頭は左より右へ依次に子日・丑日・寅日・卯日・辰日・巳日・午日・未日・申日・酉日・戌日・亥日なり。天門の一行は依次に丙・丙・丙・庚・庚・庚・壬・壬・壬・甲・甲・甲にして、毎に三日一換す。地戸の一行は依次に乙・乙・庚・丁・丁・壬・辛・辛・甲・癸・癸・丙なり。玉女の一行は依次に庚・辛・乾・壬・癸・艮・甲・乙・巽・丙・丁・坤なり。これ三項の定むる所の方位は、「三徳」の在る所の方位と相同なり。
圍然後入局,玉女術曰:“先畫地圖,用桑柴灰為之,可以隱匿逃亡,或有患難,隱遁人無見者,即不避歸忌、往亡、陷破,一切凶神惡煞,又可以市賈求利、進見長吏、報仇、攻惡,宜深保此局法,父子不傳之秘,毋輕易語人,以洩天機也。
場地を囲み好んで後に局中に進み入る。玉女術の上にいう、先ず地の上に局図を画き、桑柴を焼成せる灰を以て画く。この套の法を用うれば、身形を隠匿し追捕を逃避すること能くし、万一患難有れば、隠遁して别人に見えざるを得。この時は「帰忌」「往亡」「陷破」これらの凶日および一切の凶神悪煞も皆な回避を須いず。それはまた経商して利を求め・長官に進見し・仇を報じ恨を雪ぎ・奸悪を攻撃するにも用うべし。この套の局法は当に深く自ら保守すべく、父子の間にも軽伝せざる秘密にして、軽々しく别人に告げるなかれ、以て天機の漏洩を免れん。
佈局時讀,左三右七,戴九履一,二四為肩,六八為足,畫地圖訖,即心下排定東西南北,布十二支辰,八干四維之位”。假如,甲日便從甲地入局內,乙日便從乙地入局內,丙丁庚辛壬癸日俱仿此,惟戊日從乾坤方位上入局,己日便從艮巽方入局,手執六算祝四方,急急如律令。欲行千里法亦念此咒。
局を布く時は洛書九宮の口訣を念ずるを要す。左辺は三にして右辺は七、頭上に九を頂き脚下に一を踏み、二と四は両肩に分列し、六と八は両足に分踞す。地図画き完れば、則ち心の裏に東南西北の方向を排定し、十二地支を布き、再び八天干と四維の位を布く。例を挙げて言わば、甲日に逢えば則ち甲の方位より局内に進み入り、乙日に逢えば則ち乙の方位より局内に進み入る。丙・丁・庚・辛・壬・癸の各日皆なこのごとく照らして辦ず。ただ戊日は乾・坤両個の方位上より入局するを要し、己日は則ち艮・巽の方位より入局す。入局の後、手に六根の算籌を執りて四方に祝告し、「急急如律令」を念ず。遠く千里に行くの法術を行わんと欲すれば、亦たこの一道の呪を念ず。
巻二十六
天頂名嵩高,夏至日道下直沖,嶽晷無影,北距嵩高九度餘,陽城中距衡約二千五百里,古以二分卯酉,晷影相直,以定東西之地;中又取夏至午中晷影與夜半窺筒北極相直,以定南北之地;故嵩與陽城相直也。然春分前二日,太陽已纏於春分赤道度,秋分後二日,太陽方纏於赤道度,此陽常有餘也。或以陽城偏南二度,是知有數,而不知有理也。地上極天際六十一度,下五十九度,亦此意也。
天の正頂を「嵩高」と叫ぶ。夏至の那天、太陽の行道は正にこれに対して直射し下り、嵩山上の日晷は竟に影子を量出すること能わず。此地の北面は嵩高に距ること九度余、陽城また中に居り、南は衡山に距ること約二千五百里。古人は春分・秋分の両日の卯時と酉時に測量し、日出・日落の晷影が正対して一直線を成すや否やを看て、以て東西方位を確定す。また夏至日の正午の晷影を取り、半夜に窺管を以て北極星を観測して得る所の方位と相対照し、以て南北方位を確定す。故に嵩山と陽城と初めて正相対直の中心と認作せられたり。但だ春分の前の両日、太陽は其の実已に春分の在る所の赤道度上に行き到り、而も秋分の後の両日、太陽は初めて赤道度上に行き到る、見るべし陽気は総じて余有り。人この因に陽城は南に偏りて二度ありと言う、これはただ度数有るを知るのみ、而もその中の道理を懂得せざるなり。地面の上に於て天辺に距ること六十一度・地下五十九度と言うに至りては、講る所も亦た同一の意思なり。
但知之者絕少,故赤道橫束天中,萬古不易,而黃道或出入者,日行之差也。春分日東至角,秋分日西至婁,南北極各九十一度,此天之赤道分定東西南北者也。故春分日出奎婁之黃道,其道出卯入酉,秋分日出軫角之黃道,其道亦出卯入酉,至冬至在箕斗之黃道,其道出辰入申,去赤道二十四度之南,夏至在井鬼之黃道,其道出寅入戌,去黃道二十四度之北,此日行黃道赤道之所以分,而二十八宿之度,皆以赤道為法也。
ただこの道理を懂得する人極めて少なし。赤道は横に天の中間に束ねられ、万古変わらず。黄道の時に偏り出で時に偏り入る所以は、太陽の運行に偏差有るの故なり。春分の時、太陽は東行して角宿に到り、秋分の時、西行して婁宿に到る。南極・北極に距ること各々九十一度、これ則ち天上の赤道の用いて東西南北を划定する所以の拠なり。故に春分の日、太陽は奎宿・婁宿の間の黄道上に出ず、この道は卯位より出で酉位より落つ。秋分の日、太陽は軫宿・角宿の間の黄道に出ず、亦た卯より出で酉より入る。冬至に到りては、太陽は箕宿・斗宿の黄道上に在り、この道は辰位より出で申位より落ち、赤道の南に偏りて二十四度。夏至は、太陽は井宿・鬼宿の黄道上に在り、この道は寅位より出で戌位より落ち、赤道の北に偏りて二十四度。これ則ち太陽の行く所の黄道と赤道と分别開く所以の縁由にして、而も二十八宿の度数は一概に赤道を以て準と為す。
然午令以後,日常主減,而中天之盛,其減不覺,漢洛下閔,太初曆始有八千年差一度之說,晉虞喜何承天阿劉準,各定歲差之法,然未定準者,以陰漸深而氣漸促,而差漸多也。堯典冬至日在虛七度,莊襄王元年在斗二十二度,太初年在斗二十度,開元甲子在斗十度,慶曆甲申在斗五度,開禧古測日在箕宿四度矣。然冬至子半則不可移,故天竺之法,宮分無繫於宿,宿不屬於宮,以其宮定,而宿不定也。
然るに正午を過ぐる以後、日影は常に漸減す、ただ中天の時日光正に盛なるに因り、この一点の減損は人の察覚し易からざるなり。漢代の洛下閎『太初暦』を制して、初めて八千年相差一度の説有り。晋代の虞喜・何承天および後来の劉氏の諸家、各々歳差の算法を定出す、然れども始終一個の准数を定出すること能わず、これは陰気の逐漸に加深し・節気の逐漸に迫促するに因り、差数もまた越々積もりて多し。『尚書・堯典』の記す所、冬至の時太陽は虚宿の七度に在り。秦荘襄王元年に到りては斗宿の二十二度に在り。漢の太初年間は斗宿の二十度に在り。唐の開元甲子年は斗宿の十度に在り。宋の慶暦甲申年は斗宿の五度に在り。宋の開禧年間の実測に到りては、太陽は已に箕宿の四度に在り。但だ冬至の子時の半に定まる这一点は移動すべからず、故に天竺暦法の做法は、宮の划分は星宿に牽係せず、星宿もまた宮に隷属せず、宮の位置は固定にして、宿の位置は固定せざるに因る。
周天三百六十五度四分度之一,歲日行而天行日過分為四限,每限九十一日三十一分,一限為進差,二限為退差,二至合為四象,曰盈初、盈末、縮初未也。角南星距極九十七度半,亢南第二星距九十六度,氐西南星距百四度半,房南第二星距百十四度半,心前星距百十四度半,尾星距百二十七度半,箕西北星距一百二十一度半。
周天は共に三百六十五度また四分の一度。一年の中、太陽は一周を行き、天体の運行は日行より一点多出す、この多出の部分は一歳を分かちて四個の限段と為し、毎一限は九十一日三十一分。第一限を「進差」と叫び、第二限を「退差」と叫ぶ。再び冬至・夏至と相配合して四象と為し、分かちて盈初・盈末・縮初・縮末と称す。以下は二十八宿の各標準星の北極に距る度数なり。角宿の南辺の那颗星は極に距ること九十七度半、亢宿の南辺第二顆星は九十六度、氐宿の西南の那颗星は百四度半、房宿の南辺第二顆星は百十四度半、心宿の前辺の那颗星は百十四度半、尾宿の星は百二十七度半、箕宿の西北の那颗星は百二十一度半。
斗西三星距極一百十九度半,中星距百八十度半,女西南距百四度半,虛南星距百度半,危南星距極九十六度,室南星距八十度半,壁南星距八十度半,奎西南大星距極七十二度,婁中星距七十五度半,胃西星距六十七度半,昴西南星距七十度,畢右股一星距七十五度,參西星及西第一星距極九十二度半,井西扇北一星距極六十九度,鬼西南星距六十九度半,柳西第三星距八十二度半,星大星距九十六度,張西第二星距百二十度半,翼中央西第二星距百四度,軫西北星距百三十度半,(補)觜西南星八十三度半。
続いて下に往く。斗宿の西辺三星は極に距ること百十九度半、其中の星は百八十度半。女宿の西南の那颗は百四度半。虚宿の南辺の那颗は百度半。危宿の南辺の那颗は極に距ること九十六度。室宿の南辺の那颗は八十度半。壁宿の南辺の那颗は八十度半。奎宿の西南の那颗大星は極に距ること七十二度。婁宿の中間の那颗は七十五度半。胃宿の西辺の那颗は六十七度半。昴宿の西南の那颗は七十度。畢宿の右股上の一顆は七十五度。参宿の西辺星および西辺第一顆は極に距ること九十二度半。井宿の西扇北面の一顆は極に距ること六十九度。鬼宿の西南の那颗は六十九度半。柳宿の西辺第三顆は八十二度半。星宿の大星は九十六度。張宿の西辺第二顆は百二十度半。翼宿の中央西辺第二顆は百四度。軫宿の西北の那颗は百三十度半。原本は觜宿の一項を脱漏せり、今補う、觜宿の西南の那颗は八十三度半に距る。
黃帝作蓋天曰:天如蓋笠。宣夜則曰:天了無質,顯帝渾天,以形圓裡黃為喻,方天則以大光遠轉為北。昕天曰:天如人形,而北則偏高,安天言,天形常安,而星辰不麗,惟渾天則親而且密。
古来天を論ずる学説は好んて几家あり。黄帝は「蓋天」の説を創り、天は一頂の斗笠のごとく覆い在ると認む。「宣夜」の説は則ち天は根本的に形質なく、空闊にして辺無しと認む。「渾天」の説を顕揚する一派は、鶏蛋壳の円にして蛋黄の中に居るを以て比喻と為す。「方天」の説は大光の遠遠に旋転する方位を以て北方と定む。「昕天」の説は天は人の形体のごとく北面偏高と認む。「安天」の説は天の形体は常に安んじて動かず、星辰はその上に附著せずと認む。諸説の中、ただ渾天説のみ実際の観測と最も貼近し周密なり。
三臺下主九州島:上臺,上星主兗、豫,下星主荊、揚。中臺,上星主雍、梁,下星主冀州。下臺,上星主青州,下星主徐州;非其故以占其國。尺度:一蠶之絲曰忽,十忽曰絲,十絲曰毫,十毫曰釐,十釐曰分,十分曰寸,十寸曰丈,十丈曰引。斗斛:六十黍曰圭,四圭曰撮,千二百黍曰禽,兩禽曰合,十合曰升,十升曰斗,五斗曰斛,兩斛曰石。九河:徒駭在蒼州青池太吏,今南皮縣,馬頰今德隸州,覆論今安德,胡蘇在無棣,臨津在東光,簡潔在臨清,鉤盤在樂陵,鬲津在饒安,又河之經流也。
天上の「三台」六星は下界に於て各々幾個かの州を主管す。上台の上星は兗州・豫州を主り、下星は荆州・揚州を主る。中台の上星は雍州・梁州を主り、下星は冀州を主る。下台の上星は青州を主り、下星は徐州を主る。哪一顆の星に変異出現すれば、則ちその主る所の那一方の国を占う。長短を度量する名目は、一条の蚕糸を「忽」と叫び、十忽を「糸」と叫び、十糸を「毫」と叫び、十毫を「厘」と叫び、十厘を「分」と叫び、十分を「寸」と叫び、十寸を「丈」と叫び、十丈を「引」と叫ぶ。米穀を量る名目は、六十粒の黍を「圭」と叫び、四圭を「撮」と叫び、一千二百粒の黍を「禽」と叫び、両禽を「合」と叫び、十合を「升」と叫び、十升を「斗」と叫び、五斗を「斛」と叫び、両斛を「石」と叫ぶ。禹の疏しし九河は、各々今地有り。徒駭河は滄州青池太吏に在り、即ち今の南皮県。馬頬河は今の德州に在り。覆釜河は今の安徳に在り。胡蘇河は無棣に在り。臨津河は東光に在り。簡潔河は臨清に在り。鈎盤河は楽陵に在り。鬲津河は饒安に在り。此の外にまた黄河の幹流あり。
戦国輿図
魏今解州安邑,魏即大名也。趙霍州趙城、邯鄲、廣平、常山也,中山今定州。三齊,右即墨中臨淄,左平陸。吳越,三吳、東蘇州,中鎮江、西湖。又吳興、吳郡、會稽為三吳。三越,吳越杭州,閩越福建,南越廣州。徐今徐州。東海今嘉興海寧。燕、幽、冀。南海廣東。宋今歸德。河中山西蒲州。河間即河間府。
戦国の列国の疆域は後世の地名に対照すれば以下のごとし。魏国は即ち今の解州安邑の一帯、別に一処の魏地は則ち大名なり。赵国は霍州趙城・邯鄲・広平・常山などの地を包括し、その中の中山国は即ち今の定州なり。「三斉」の地は、右辺は即墨、中間は臨淄、左辺は平陸。呉越の地は、「三呉」の中、東は蘇州、中は鎮江、西は湖州。別の一説は呉興・呉郡・会稽を以て三呉と為す。「三越」は、呉越は杭州に在り、閩越は福建に在り、南越は広州に在り。徐国は即ち今の徐州。東海は即ち今の嘉興・海寧。此の外にまた燕地・幽州・冀州あり。南海は即ち今の広東。宋国は即ち今の帰徳。河中は即ち山西蒲州。河間は即ち今の河間府。
晉,平陽、曲絳。鄭,榮陽、汜水。周,西扶風,東洛陽。秦,岐雍,二桃林,三上郡。三巴,中巴縣,巴西錦洲合州,巴東歸州、夔州雲安漢。三蜀,成都、廣漢、犍為。梁,華陽、黑水。三楚,南江陵,西彭城、徐州,東吳郡。韓,上黨今潞州、同州、潁州。
晋国は平陽・曲沃絳都の一帯に在り。鄭国は滎陽・氾水の一帯に在り。周朝の疆域は、西辺は扶風、東辺は洛陽。秦国に三処の要地あり、一は岐山・雍城、二は桃林の塞、三は上郡。「三巴」は、中巴は巴県に在り、巴西は錦州・合州に在り、巴東は帰州・夔州雲安の一帯に在り。「三蜀」は成都・広漢・犍為。梁州は華陽・黒水の地を包括す。「三楚」は、南楚は江陵に在り、西楚は彭城・徐州に在り、東楚は呉郡に在り。韓国の上党は、則ち今天の潞州・同州・潁州の一帯なり。
弘農今河南靈縣,岷江為大江、為中江、徐陵為北江,所謂三江。漢兩源一出西縣,一出會泉,皆曰嶓冡。五嶺,一大庾嶺,在大庾縣,二始安,在平樂縣,三監賀,在賀州,四柱(疑當作柱)陽,今獵嶺,五陽,今潮州。漳州、福建、漳州、西巂越今延州。首陽山在河中府,一曰在遼州。上郡今綏德州。成紀今秦州。濊貊今遼東。
弘農は即ち今の河南霊宝の一帯。所謂「三江」は、岷江を以て大江と為し・中江と為し、徐陵の一支を以て北江と為す。漢水に両個の源頭あり、一支は西県より出で、一支は会泉より出で、両処の山皆な嶓冢山と叫ぶ。「五嶺」は、第一は大庾嶺、大庾県に在り。第二は始安嶺、平楽県に在り。第三は監賀嶺、賀州に在り。第四は桂陽嶺(原書「柱陽」と作す、校語は疑いて当に「桂」と作すべしとす)、即ち今の猟嶺。第五は掲陽嶺、今の潮州に在り。此の外漳州は福建に属し、西辺の巂越は即ち今の延州。首陽山は河中府に在り、別に一説は遼州に在りとす。上郡は即ち今の綏徳州。成紀は即ち今の秦州。濊貊の地は即ち今の遼東。
占風
爾雅曰:風而雨上曰霾,陰而雨曰曀,日出而風為暴,迴風曰飄,焚輪謂之頹,扶搖謂之飈,宮曰風曰雨徵三羽五正商,角始得雨則能。十二辰分五音:一宮子陽君,午陰後,東方三徵,丑寅陽言事,未申陰凶事也,南方五羽,卯陽物,四陰水也,北方七商,辰陽兵,戌陰賊也,西方九角,巳陽民,亥陰事也。六情:子申貪狼,好;亥卯陰賊,怒;寅午廉貞,惡;巳酉寬大,喜;辰未姦淫,樂;丑戌公正,哀。
『爾雅』は各種の風に名目を定む。風刮りて尘土日を蔽い、雨上より下るを「霾」と叫ぶ。天陰にして雨降るを「曀」と叫ぶ。日出の後忽ち大風起るを「暴」と叫ぶ。旋を打つ風を「飄」と叫ぶ。上より下に卷落するを「頽」と叫ぶ。下より上に盤旋するを「飆」と叫ぶ。占風また五音に配す。宮音は風を主り、徵音三・羽音五は、商音と相配し、角音起る時初めて雨を得ること能くす。十二地支の五音に分配するは、一は宮音と為し、子に配して陽と為し君王を主り、午に配して陰と為し后妃を主る。東方の三は徵音と為し、丑・寅に配して陽と為し言語政事を主り、未・申に配して陰と為し凶事を主る。南方の五は羽音と為し、卯に配して陽と為し物産を主り、別に四に配して陰と為し水を主る。北方の七は商音と為し、辰に配して陽と為し兵戈を主り、戌に配して陰と為し盗賊を主る。西方の九は角音と為し、巳に配して陽と為し百姓を主り、亥に配して陰と為し喪事を主る。「六情」の配法は、子と申は「貪狼」と為し情は好に属し、亥と卯は「陰賊」と為し情は怒に属し、寅と午は「廉貞」と為し情は悪に属し、巳と酉は「寛大」と為し情は喜に属し、辰と未は「奸淫」と為し情は楽に属し、丑と戌は「公正」と為し情は哀に属す。
五音風遠近
宮十里,中百里,遠千里。商九里,中九十里,遠九百里。角八里,中八十里,遠八百里。徵七里,中七十里,遠七百里。羽六里,中六十里,遠六百里。凡風動葉來十里,鳴條百里,搖枝二百里,落葉三百里,折小枝四百里,折大枝五百里,飛砂走石拔木五千里。
五音に按じて風の応ずる所の事情の遠近を判断す。宮音の風は、近きは十里に応じ、中等は百里、遠きは千里。商音の風は、近きは九里、中等は九十里、遠きは九百里。角音の風は、近きは八里、中等は八十里、遠きは八百里。徵音の風は、近きは七里、中等は七十里、遠きは七百里。羽音の風は、近きは六里、中等は六十里、遠きは六百里。また風力の大小に按じて遠近を断ずべし。風ただ樹葉を吹動するは、十里の内に応ず。枝條を吹きて響かしむるは、百里。枝幹を揺動するは、二百里。樹葉を吹落するは、三百里。小枝を折断するは、四百里。大枝を折断するは、五百里。砂を飛ばし石を走らし樹を根ごと拔くは、遠く五千里に及ぶ。
又一日夜者,千里;二日夜者,半天下;三日夜者,通天下也。又一日夜為縣,二日夜為州,三日夜為郡,四、五日夜為國,六、七日夜為天下。又大風一時以上,事及百里,三時事及五百里,六時事及千里;一日夜若折大枝,事及二千里;二日夜若拔大木,事及三千、五千里。
また風刮り持続する時間に按じて範囲を断ずべし。一昼夜刮り満るは、応ずる所の事は千里に及ぶ。両昼夜は、半個の天下に及ぶ。三昼夜は、天下に通及す。別の一種の分法は、一昼夜は一県に応じ、両昼夜は一州に応じ、三昼夜は一郡に応じ、四五昼夜は一国に応じ、六七昼夜は天下に応ず。再び一種の算法は、大風一個の時辰以上を刮り過ぐれば、応ずる所の事は百里に及ぶ。三個の時辰を刮れば、五百里に及ぶ。六個の時辰を刮れば、千里に及ぶ。一昼夜を刮り満ちて大枝を折断する能くするは、二千里に及ぶ。両昼夜を刮り満ちて大樹を拔起する能くするは、三千里乃至五千里に及ぶ。
六情有五
本情,本日支也。合情,支合也。刑情,本日支刑也。沖情,支沖也。錫情,陽日支後三辰,陰日支前三辰。凡六情日與方,止用支辰斷之。五音以納甲五行分五音之日。如甲子陽商貪狼,乙丑陰商,公正之類。
「六情」の下にまた五種の情に分かつ。「本情」は、則ち本日の地支の本身なり。「合情」は、本日支と相合する那一支なり。「刑情」は、本日支と相刑する那一支なり。「冲情」は、本日支と相冲する那一支なり。「錫情」は、陽日は本支より後に数えて第三辰を取り、陰日は本支より前に数えて第三辰を取る。およそ六情を用いて日子と方位を断ずるは、ただ地支を用いて推断すれば則ち足る。五音に至りては、則ち納音五行に按じて某日の何音に属するかを划分するを要す。譬えば甲子日の納音は金に属し、陽商と為し、情は「貪狼」に属す。乙丑日は陰商と為し、情は「公正」に属す、その余類推す。
歳月日時方徳刑墓殺例
陽干自處,甲德在甲是也。陰干取合,乙德在庚是也。支德以次順行前五辰,子德在巳是也。月干德,三合寅午戌月丙是也。歲月日時殺:寅午戌在丑,巳酉丑在辰,申子辰在未,亥卯未在戌。五墓:木墓在未,水墓在辰,火墓在戌,金墓在丑也。
「徳」を推す通例は、陽干の徳は則ち本干の上に在り、譬えば甲の徳は甲位に在り。陰干の徳はそれと相合する那一干を取り、譬えば乙と庚とは合す、故に乙の徳は庚位に在り。地支の徳は、依次に順に数えて向前して第五辰、譬えば子の徳は巳位に在り。月徳は則ち三合局に按じて取り、譬えば寅・午・戌の三合火局の月份は、月徳は丙に在り。年月日時の「殺」もまた三合局に按じて取る。寅午戌局の殺は丑に在り、巳酉丑局の殺は辰に在り、申子辰局の殺は未に在り、亥卯未局の殺は戌に在り。「五墓」は、木の墓は未に在り、水の墓は辰に在り、火の墓は戌に在り、金の墓は丑に在り。
三刑(刑は尤急を為し坐して起つに及ばず)
刑上刑下,自刑也。如子刑卯為下刑,午為上刑,酉亥為自刑。寅刑巳,巳刑申,申刑寅,丑刑戌,戌刑未,未刑丑,為三刑。子刑卯,卯刑子,為五刑。辰、午、酉、亥為自刑。此午為上刑之說誤。
刑に刑上・刑下と自刑の分別あり。譬えば子の卯を刑するは、刑下なり。午は刑上と為す。酉・亥は則ち自刑に属す。三刑の正例は、寅は巳を刑し、巳は申を刑し、申は寅を刑す、これ是一組。丑は戌を刑し、戌は未を刑し、未は丑を刑す、これは別の一組、合わせて「三刑」と称す。子の卯を刑し・卯の子を刑すは互相に刑と為し、別に「五刑」と称す。辰・午・酉・亥の四支は各々自ら刑と為し、「自刑」と叫ぶ。前面に午を「上刑」と説き成せし講法は錯なり、午は本来自刑の支に因る。篇題の下に「刑は尤急を為す」と注明す、これは三刑一臨せば、事情最も緊迫にして、坐守の勢は発動に及ばざるを言う。
風色
風為教始來自四方,其政鳴條,啟折其化,鼓舞飄頌乎則清和明淨,政治則天氣溫涼,發屋折本者為怒,揚砂轉石者為狂,其勢分錯交橫,任小人而疎君子,其聲啾唧慘悽,不疾疫而必大喪,慽慽蓬勃,大兵將至;炎炎恍惚,火旱為殃;大風橫露,兮白日沉沉,主上昏亂,兮政教未明,觸塵蓬勃者,為悖亂。扶搖羊角者,為飄風。凜冽而人懷,戰懼刑戮,暴急猝起,而南北靡定者,上下不寧。
風は教化の開端にして、四方より吹来す。政令清明の時は、風はただ枝條を吹きて微かに響かし、万物を啓動して摧折せず、鼓蕩飄揚の間に一片の清和明浄なり。政治清平の時は、天気もまた之に随いて温和凉爽なり。若し風大きくして屋頂を掀翻し・樹幹を折断するは、那是れ「怒風」なり。沙土を揚起し・石塊を滾動するは、那是れ「狂風」なり。風勢分歧交錯し・縦横に乱吹するは、朝廷の小人を任用して君子を疏逺するを主る。風声の啾唧凄惨なるは、たとえ瘟疫を鬧さずとも必ず大喪有り。風声の悲戚にして尘土の蓬勃として起るは、大軍の将至を主る。風気の炎熱にして恍惚不定なるは、火灾・旱灾の殃を成すを主る。大風横斜の霧露を夾み、白日昏沉にして光無きは、君上の昏聵・政教の不明を主る。尘土を掀動して蓬々として起るは、悖逆して乱を作すを主る。盤旋して上升し羊角のごときは、是れ「飄風」なり。風の凛冽して骨を刺し、人をして心に恐懼を懐かしむるは、刑戮の事有るを主る。風の来たること急暴突然にして、忽ち南忽ち北として飄忽不定なるは、上下安寧を得ざるを主る。
主客法
凡日辰納音為客,風所來之處為主。如甲子商為君,風從未申丑寅上來,為商動,徵火尅金,主人勝。若從巳上來,受制於金,客勝。又日納音為客,加時為主。如丙寅日火音,時加卯酉,為徵動羽,羽水尅徵火,主人勝。若加辰戌為徵動,商火尅金,客勝。
占風は主客に分かつ。当日の日辰の納音を以て客方と為し、風の吹き来たる那個の方位を以て主方と為し、再び両者の五行の生尅を看て勝負を定む。譬えば甲子日の納音は金に属し、商音と為し、君位に居る。風が未・申・丑・寅の幾個かの方位より吹き来たれば、これらの位は徵音に属し、是れ商音の徵に動かさるるにして、徵は火に属して火は金を尅すれば、則ち主方の勝ちなり。若し風が巳位より吹き来たれば、巳は反って金の制伏を受く、那れは則ち客方の勝ちなり。別の一種の算法は日の納音を以て客と為し、加える所の時辰を以て主と為す。譬えば丙寅日の納音は火に属し、是れ徵音なり。時辰卯・酉の位に加われば、羽音に属し、徵の羽に動かさるると成りて、羽は水に属して水は火を尅すれば、主方の勝ちなり。若し時辰辰・戌の位に加われば、是れ徵の商を動かし、火は金を尅すれば、則ち客方の勝ちなり。
又甲子金日,時加丑寅,為徵動商,火尅金,主勝。風又從丑未上來,是二火一金,主大勝。又風從巳刑上來客勝,從時刑上來主勝。凡遠者為客,近者為主。行者客,居者主。起者客,應者主。動者客,靜者主。如兩人相擊,先擧者客,後擧者主,有氣勝,無氣敗也。
再び一例を挙ぐ。甲子日の納音は金に属し、時辰丑・寅の位に加われば、是れ徵の商を動かし、火は金を尅し、主方の勝ちなり。もし風また丑・未の両位より吹き来たれば、両重の火気が一重の金気に対すると成りて、主方の大勝なり。また、風巳位のこの相刑の処より吹き来たれば、客方の勝ち。時辰の刑する所の位より吹き来たれば、主方の勝ち。大およそ主客を分かつ通則は、遠くより来たる一方を客と為し、近く就く一方を主と為し、行動するを客と為し、安居するを主と為し、発起するを客と為し、応対するを主と為し、主動するを客と為し、静守するを主と為す。譬えば両人の搏鬪に、先に手を出すは客、後に手を出すは主なり。最後に仍お気を看るを要す。気有る一方は勝ち、気無き一方は敗る。
巻二十七
納音分日例
甲子、甲午、壬申、壬寅、庚辰、庚戌陽商,乙丑、乙未、癸卯、癸酉、辛巳、辛亥陰商。丙寅、丙申、戊子、戊午、甲辰、甲戌陽徵,丁卯、丁酉、己丑、己未、乙巳、乙亥陰徵。戊辰、戊戌、庚寅、庚申、壬子、壬午陽角,己巳、己亥、辛卯、辛酉、癸丑、癸未陰角。庚子、庚午、戊寅、戊申、丙辰、丙戌陽宮,辛丑、辛未、己卯、己酉、丁巳、丁亥陰宮。甲寅、甲申、壬辰、壬戌、丙子、丙午陽羽,乙卯、乙酉、癸巳、癸亥、丁丑、丁未陰羽。
六十甲子は納音に按じて五音に分属し、また各々陰陽に分かつ。甲子・甲午・壬申・壬寅・庚辰・庚戌のこの六日は陽商に属す。乙丑・乙未・癸卯・癸酉・辛巳・辛亥のこの六日は陰商に属す。丙寅・丙申・戊子・戊午・甲辰・甲戌は陽徵に属す。丁卯・丁酉・己丑・己未・乙巳・乙亥は陰徵に属す。戊辰・戊戌・庚寅・庚申・壬子・壬午は陽角に属す。己巳・己亥・辛卯・辛酉・癸丑・癸未は陰角に属す。庚子・庚午・戊寅・戊申・丙辰・丙戌は陽宮に属す。辛丑・辛未・己卯・己酉、丁巳・丁亥は陰宮に属す。甲寅・甲申・壬辰・壬戌・丙子・丙午は陽羽に属す。乙卯・乙酉・癸巳・癸亥・丁丑・丁未は陰羽に属す。占風の時は先ずこの張の表に按じて本日の何音に属するか・陰か陽かを定出し、然る後に初めて風の来たる方位と相配して生尅を論ずるを得。
十二辰五音の主る所
子陽宮,屬土,主帝王。丑寅陽徵,屬火,主旱,為宮寺、口舌。卯陽羽,屬水,主雨霧。辰陽商,屬金,主將軍、吏士。巳陽角,屬木,主疾病、憂患。午陰宮土,主女後。未申陰徵火,主庶人、士土,誥書、文檄、旱火、郵驛。酉陰羽水,主霜雪,雷電,陰沉虹。戌陰商金,主小將,兵刃。亥陰角木,主死喪、哭泣。
十二地支は各々五音に配し、各々主る所有り。子は陽宮にして、五行は土に属し、帝王の事を主る。丑・寅は陽徵にして、火に属し、旱情を主り、また宮殿・寺廟と口舌・是非を主る。卯は陽羽にして、水に属し、雨水・雲霧を主る。辰は陽商にして、金に属し、将軍と吏卒・士兵を主る。巳は陽角にして、木に属し、疾病・憂患を主る。午は陰宮にして、土に属し、后妃・女主を主る。未・申は陰徵にして、火に属し、平民百姓と士人を主り、また詔誥・文書・軍中の檄文・旱灾・火灾および駅駅の伝逓を主る。酉は陰羽にして、水に属し、霜雪・雷電および陰沉の天気と虹霓を主る。戌は陰商にして、金に属し、偏裨の小将と刀兵を主る。亥は陰角にして、木に属し、死喪・哭泣を主る。
凡宮為君,商為臣子、奴僕,角為民、為疾病、死喪。徵為事、為宗廟、鬼神。羽為物、為妻財、為境界。如子日、子方風為官動、主人,君出行布令風暴念急風徐令喜。
総じて言えば、五音各々象う所有り。宮音は君主を象り、商音は臣子と奴僕を象り、角音は百姓を象り、また疾病と死喪を主り、徵音は事務を象り、また宗廟・鬼神を主り、羽音は財物を象り、また妻室・銭財と疆界を主る。譬えば子日に逢いて風また子方より吹き来たれば、これは官位の発動にして、主人の身に応じ、君王の出行・号令の頒布を主る。風の来たること急暴なれば、頒する所の号令もまた急迫し、風の来たること徐緩なれば、号令は便ち寛和にして喜ばし。
五音風動占
宮日,風起子,山陵崩、君出、地動、旱、有土工;起午,旱、地震、後出。又時加子午,為重宮,君大夫走,風雨不調。從丑、寅、未、申起,為宮動徵,有火燭,土上寶物,出有兵。時加徵,為重徵,有義兵、詔令,曰義風。從卯酉來,商動羽,大雨、大臣走、旱。時加羽為重羽,即有赦、五榖成。從辰戌來,宮動商,有兵行。時加辰戌為重商,有兵殃。風從巳亥來,宮動角,主戰、人主憂、客兵傷、有喪。時加巳亥為重角,君不昌。
宮音の日に逢いて風を占う。風子方より起れば、山陵の崩塌・君主の出行・地震・旱灾を主り、あるいは土木を興すの役有り。午方より起れば、旱・地震・后妃の出行を主る。若し時辰また子・午の位に加われば、「重宮」と叫び、君主と大夫の奔走して位を離れ、風雨の失調するを主る。風が丑・寅・未・申の四位より吹き来たるは、是れ宮の徵を動かすにして、火燭の灾有るを主り、地下より宝物出づるを主り、兵を出せば則ち兵事有り。時辰また徵位に加われば、「重徵」と叫び、義兵を興し・詔令を下すを主り、この種の風は「義風」と称す。風が卯・酉より吹き来たるは、是れ商の羽を動かすにして、大雨・大臣の出走・旱灾を主る。時辰また羽位に加われば「重羽」と為し、則ち赦令の頒下あり、五穀豊成す。風が辰・戌より吹き来たるは、是れ宮の商を動かすにして、兵馬の行動有るを主る。時辰また辰・戌に加われば「重商」と為し、兵灾を主る。風が巳・亥より吹き来たるは、是れ宮の角を動かすにして、戦事・君主の憂愁・客兵の受傷・喪事有るを主る。時辰また巳・亥に加われば「重角」と為し、君主の昌盛せざるを主る。
徵日,陽宮風來,旱、火土上起、宮寺災。從陰宮起,太子疾。時加重徵,土上火災。從陽徵來,君有恐、火災、走獸入為害、宮寺焚、王相憂、大旱。徵陽徵來,六畜多死。從陽商來,急兵、君自守七日、遠七十日。從陰商來,有兵戰一日。從陽商來,臣強大死、君殃,以日占國。從陽羽來,四鄰有事、有寶玉、雷電、霜雹、臣候憂、多火災、夷兵至。從陰羽來,寶出、雷電、夷有事。從陽角來,兵喪。從陰角來,邊驚、兵火、春有喪。
徵音の日に逢いて風を占う。風陽宮の位より吹き来たれば、旱灾・地面に火起こり・宮殿寺廟の灾に遭うを主る。陰宮の位より吹き来たれば、太子の生病を主る。時辰更に徵位に加わりて「重徵」と成れば、地上に火灾起るを主る。風陽徵の位より吹き来たれば、君主の驚恐を受くる・火灾有る・野獣の闖入して害を為す・宮寺の焚焼せらる・王侯宰相の憂愁・大旱を主る。仍お陽徵より吹き来たるは、還た六畜の多く死するを主る。風陽商の位より吹き来たれば、急兵有るを主り、君主は須らく自ら七日を守り、遠ければ七十日を守るべし。陰商より吹き来たれば、一日の戦有るを主る。再び陽商より吹き来たれば、強臣・大人の死亡・君主の殃に遭うを主り、日辰に按じて推占して哪一国のこれに応ずるかを知るべし。風陽羽の位より吹き来たれば、四隣の事有る・地より宝玉出づ・雷電・霜雹・臣属諸侯の憂愁・火灾多し・外族の兵至るを主る。陰羽より吹き来たれば、宝物の世に出づ・雷電有る・外族に事有るを主る。風陽角の位より吹き来たれば、兵事と喪事を主る。陰角より吹き来たれば、辺境の驚擾・兵火の灾を主り、春天は則ち喪有り。
羽日,風從陽宮來,財物聚、君有使令、邊兵土工興、將受命、有集會、雷電。從陰宮來,冰雹寒傷物、有土工。從陽徵來,有兵、有急令、臣有憂、關塞路阻。風從陰徵來,邊臣有羽事大喪會,寒雪雹期五日,若五十日大雨南方來,國憂人,疾風從北方來,賊聚水中。陽羽來,日應。從陰羽來,夜應。從商來,兵圍不戰、邊急關阻、大雨,軍各不利。
羽音の日に逢いて風を占う。風陽宮の位より吹き来たれば、財物の聚集・君主の使命を派遣し・辺境に兵を用い并びに土木を興し・将帥の命を受けて出征し・集会の事有るを主り、また雷電を主る。陰宮より吹き来たれば、冰雹・厳寒の庄稼を傷害し、并びに土木の役有るを主る。風陽徵の位より吹き来たれば、兵事有る・緊急の号令有る・臣下に憂有り・関隘・道路の阻塞を主る。風陰徵より吹き来たれば、辺地の臣属に羽書の急報と大喪・集会の事有るを主り、寒雪・冰雹は期を応じて五日の内に在り。若し五十日に延ぶれば、則ち大雨の南方より来たる有り、挙国百姓の為に憂慮す。疾風の北方より吹き来たるは、賊寇の水沢の中に聚集するを主る。風陽羽より吹き来たれば、白天に応験す。陰羽より吹き来たれば、夜裏に応験す。風商位より吹き来たれば、敵軍の城を囲みて交戦せず・辺境の告急・関隘の阻断・天の大雨を降らすを主り、各路の軍馬皆な利あらず。
商日,風從陽宮來,太子忌恐、人臣有急、兵主疾。從陰宮來,庶子憂、有急變、兵北起。風從徵來,兵圍不戰,且旱。時加重徵,大旱。從陽商來,白衣聚、關梁閉、大將死、出忌外邑有兵、有小寇、兵在西,君有憂。從陽商來,有殃、粟貴、有兵七日,若七十日有急令。從陽角來,猝兵從急令。從陰角來,喪土工。
商音の日に逢いて風を占う。風陽宮の位より吹き来たれば、太子に忌諱の驚恐有る・臣下に急事有る・兵を領く人の患病を主る。陰宮より吹き来たれば、庶出の子に憂有る・緊急の変故発生し・兵事北方より興起するを主る。風徵位より吹き来たれば、敵軍の囲みて戦わず・且つ旱情有るを主る。時辰更に徵位に加わりて「重徵」と成れば、則ち大旱を主る。風陽商の位より吹き来たれば、平民百姓の聚集・関口橋梁の封閉・大将の死亡を主り、出行は忌諱を要し、外邑に兵有り・小股の賊寇有り、兵は西方に起り、君主に憂有り。風仍お陽商より吹き来たるは、灾殃有る・糧価の騰貴・七日の内に兵事有るを主り、若し七十日に延ぶれば則ち緊急の号令有り。風陽角より吹き来たれば、倉猝の間に兵起るを主り、之に随いて来たるは急令なり。陰角より吹き来たれば、喪事と土木の役有るを主る。
角日,風從陽宮來,兵中興、君憂國四閉。從陽宮來,貴人病、喪土工。從徵來,大臣災、火蠱生、榖貴。從羽來,土工興、大雨、邊兵人多口舌病、夷相奪。從商來,有急兵。從陽角來,邊兵起、人主憂、賊至、戰多死亡。從陰角來,大喪。時加重角,兵戰、盜起民飢、多死人。宮為君,以下皆為大臣、令長、庶宮小民當之,以下辰占國。
角音の日に逢いて風を占う。風陽宮の位より吹き来たれば、兵事の中途に復起し・君主の憂慮して四境の閉塞するを主る。再び陽宮より吹き来たるは、貴人の生病・喪事と土木の役有るを主る。風徵位より吹き来たれば、大臣の灾に遭う・火患・蛊惑の事を生ず・糧価の昂貴を主る。風羽位より吹き来たれば、土木の興起・天の大雨を降らす・辺兵と民衆の口舌と疾病多し・外族の相互に侵奪するを主る。風商位より吹き来たれば、緊急の兵事有るを主る。風陽角より吹き来たれば、辺境に兵起り・君主の憂愁・賊寇の到来・交戦して死亡多きを主る。陰角より吹き来たれば、大喪有るを主る。時辰更に角位に加わりて「重角」と成れば、兵戦・盗賊の四起・百姓の飢荒・死人の众多を主る。総じて宮音は君主を象り、宮以下の諸音は分かちて大臣・県令長官・平民小民に由りて承当し、再び下面の地支に按じて推占して哪一国の応験するかを知るべし。
凡風起正日時方位,徵多為火,羽多為水,商多為兵,為粟貴,角多為疾,宮多為吉,鳴條落葉,揚塵吹砍,乃占豈君月相日辰,占分期以干支合數,宮為十數,徵為三十,羽五十,商七十,角九十,干支令數,如甲子十八數,乙丑十六數之類。又日為令長,時為民,如德刑俱臨,以風之吉凶占,常以正月二十日,五月、十一月十四日,候天門有雲氣,或蒼黑赤白,皆為中外不通心。
およそ風の起るは、正しく当日・当時と方位の所属を看るを要す。徵音多きは火灾を主り、羽音多きは水患を主り、商音多きは兵戈と糧価の騰貴を主り、角音多きは疾病を主り、宮音多きは吉利を主る。風ただ枝條を吹きて響かし・樹葉を飄落せしめ、あるいは尘土を揚起し・草木を吹折するは、則ちこれに拠りて君王・月建・日辰を参看して占断す。応期を推算するは、干支相合の数目を用う。宮音は十数に配し、徵音は三十に配し、羽音は五十に配し、商音は七十に配し、角音は九十に配す。干支の本身もまた各々数有り、譬えば甲子は合して十八数、乙丑は合して十六数の類なり。また日辰を以て県令長官を象り、時辰を以て百姓を象る。若し徳神と刑煞と一同に位に臨まば、則ち風の吉凶を以て判断す。此の外、常に正月の二十日、および五月・十一月の十四日に、天門の方位に云気の有无を守候す。云気の青黑または赤白の色を呈するは、皆な内外の阻隔・上下心意を通ぜざるを主る。
凡雲氣紫赤,如煙非煙,如雲非云,鬱鬱紛紛,蕭索輪困,是曰夏云,喜氣也。雲含五色,潤澤和緩,見城上為景云,太平之應,一曰卿云,大風將至,雲如亂穰,大雨將至,雲甚重潤,日入而青雲東西極天,無雨則三年將有喪軍。
およそ云気の紫赤の色を呈し、煙に似て煙に非ず、雲に似て雲に非ざり、郁郁紛紛として聚集し、蕭散に盤繞して車輪の団結するがごときは、これを「夏雲」と叫び、是れ喜慶の気なり。雲の中に五種の顔色を含み、潤沢にして舒緩にして、城池の上空に出現するを、「景雲」と叫び、是れ天下太平の感応にして、ある人はまたこれを「卿雲」と叫ぶ。大風将に起らんとする時、雲の形状は散乱の禾秆に似たり。大雨将に至らんとする時、雲色は極めて濃重にして潤湿なり。若し日落の後に青雲の東西を横貫して直ちに天辺に抵り、而も雨下らざれば、則ち三年の内に軍隊の覆亡の喪将に有らんとす。
有喪則白雲南北如陣。赤雲如血則血流。黑氣如道則有赦雲。如龍行則大水入流。赤氣如人影,三日臣叛。雲俱五色不下雨,有隱賢。赤黃四塞,連日夜光此照地,大臣縱恣。赤色覆日如血,大旱民飢。黑氣變化更移,夷欺中國。雲如疋布,東西南北在邑上者,羊變。黑氣如牛頭,龍蛇變化,主病、流亡,不宜新婦,亦為狄侵華。
将に喪事有らんとする時、白雲は列陣のごとく南北に排開せん。赤雲の血のごときは、流血の灾を主る。黒気の道路のごとく横亘するは、赦令有るを主る。雲気の行動して龍のごときは、大水の泛濫して境に入るを主る。赤気の人影の形状を顕出するは、三日の内に臣子の反叛有り。雲は五色俱に備わると雖も雨を下さざるは、賢人の隠居して出でざるを主る。赤黄の気四方を堵塞し、連接して数日通宵に発光して地面に照るは、大臣の驕縦放肆を主る。赤色太陽を遮住し、顔色血のごときは、大旱にして百姓の飢荒を主る。黒気の不断に変化移動するは、外族の中原を欺凌するを主る。雲の一匹の布のごとく、城邑の上空に横たわりて東西南北皆な有るは、羊群の変異を生ずるを主る。黒気の形は牛頭のごとく、また龍蛇のごとき変化有るは、疾病を主り・人口の流亡を主り、新婦の成婚を為すに宜からず、また外族の華夏を侵犯するを主る。
凡戰氣赤雲,如傘蓋覆羊上,千里內戰吉,外憂。赤雲如狗入營,大戰流血。赤雲旋而不動,或如丹蛇,如覆舟,如耕襲,或白氣如車入北斗中轉移者,下流血將死。或雲上白氣如虹而交,或日旁有玦,五色白虹,皆戰氣也。凡出軍之日,天氣昏漠,雲氣陰沉,必戰。若青陽溫和,風塵不動,不見敵,亦不戰也。
およそ戦を主る気。赤雲の傘蓋のごとく羊群の上に覆うは、千里の内に交戦すれば吉と為し、千里之外に出ずれば則ち憂有り。赤雲の狗のごとく軍営に竄入するは、大戦して流血するを主る。赤雲の盤旋して移動せざる、あるいは形は紅蛇のごとく、あるいは翻覆の船に似、あるいは耕地相襲の壟に似、あるいは白気の車子のごとく北斗に入りて転移する有るは、下面の流血・将帥の将に死せんとするを主る。またあるいは雲上の白気交叉して虹のごとく、あるいは太陽の旁に缺環形の暈出現し、および五色の白虹、これら皆な戦気に属す。およそ出兵の那一天、天色の昏暗迷蒙・雲気の陰沉なるは、必定に打つべき仗有り。若し天気の清朗温和にして、風尘起らざれば、則ち敵人を見ず、また交戦せず。
猛将気
凡氣上與天連,下有名將。抱朴子曰:猛將之氣,如火勢,如張弓,或白如粉絮囷倉,黑如山林竹木,或紫黑如門上樓,或上或下赤如旌旗,或氣發漸漸如雲而變作山形,或雲氣如蛟蛇形,或如龍、如虎在殺氣中,或內白而赤氣外繞,或中黑而赤氣在前,或勃勃然如火煙之狀,皆為悍猛謀深,不可當在我軍上,四速戰也。
およそ気の上に青天に接する有れば、下に必ず名将有り。葛洪『抱朴子』にいう、猛将の気は、形は烈火の騰起するがごとく、弓弦の張り満つるがごとし。あるいは白くして粉絮のごとく・円倉に似たり。あるいは黒くして山林・竹木のごとし。あるいは紫黒色を呈し、門楼の一般なり。あるいは上に在りあるいは下に在り、赤くして旌旗のごとし。あるいは気の初めて発する時漸々雲に似て、後来変じて山の形状と為す。あるいは雲気蛟龍・長蛇の形に似たり。あるいは龍に似・虎に似て殺気の中に処る。あるいは内裏白を発して赤気外に環繞す。あるいは中間黒を発して赤気前に在り。これら皆な相手方の将領の剽悍勇猛・謀略の深沉を表示し、これと硬く碰り合う可からず。若しこの種の気が我軍の上空に出現せば、則ち四面に速戦速決するを要す。
伏兵気
凡兩軍相當,前後左右有赤氣,即有伏氣云,紛紛綿綿而相繼者,車騎伏也。如有席蒿草者,少兵伏也。白氣紛紜,如樓上狀,萬人伏也。軍上黑氣洋洋,而赤氣在中,或如烏雲之赤杵,或赤雲中之鳥,人在烏雲內,或如幢節在烏雲中,或如山嶽之王外,或前黑而白雲在後,皆伏兵氣也。
両軍対壘の時、若し前后左右に赤気出現せば、則ち那は伏兵有るの気なり。雲気の紛紛綿綿として接続して断えざるは、車馬・騎兵の埋伏なり。形状の鋪開せる席子または蒿草に似るは、小股兵力の埋伏なり。白気紛紜・形状楼台に似るは、上万人の伏兵なり。軍営の上空に黒気弥漫して赤気その中に居り、あるいは黒雲中の一根の紅杵に似、あるいは赤雲中の飛ぶ鳥に似、あるいは人の黒雲の裏面に在るに似、あるいは旌幢・符節の黒雲の中に立つに似、あるいは山岳の外に矗立するに似、あるいは前面黒を発して白雲後に在る――これら皆な伏兵の気なり。
陰謀気
凡白氣群行,或如群羊徘徊,結陣而來,或日月濛濛無光,士卒內亂及兵內發。或黑如幢節而出於營,必有詐謀。或黑而車旗臨我陣,必有亂臣,謀與賊通。晝陰夜月出,君謀臣,夜陰晝日出,臣謀君。或晝夜陰沉,或連陰十日,不是冬月而風亂起,君臣奸謀,亦是兩國相圖。黑氣流行,互含五色,臨我軍上,則敵與臣謀,自敗死。
およそ白気の群を成して行き、あるいは一群の羊の徘徊して去らず・陣勢を結びて逼り来たるに似、あるいは日月昏蒙にして光無きは、士卒の内部に乱を生じ・兵変の内部より発動するを主る。若し黒気の旌幢符節のごとく営中より冒出せば、必定に人の詐を施し謀を用う有り。若し黒気車馬・旗幟を挟みて我方の陣前に逼臨せば、必定に乱臣賊子の暗中に敵と勾通する有り。白天陰沉にして夜裏月亮反って出づるは、君主の臣下を算計するを主る。夜裏陰沉にして白天太陽反って出づるは、臣下の君主を算計するを主る。若し昼夜皆な陰沉なり、あるいは連接して十日陰りて、また冬季に非ずして乱れて大風起るは、君臣の間に各々奸謀を懐くを主り、また両国の相互に図謀するも可なり。黒気流動して其の中に五色を夾雑し、我軍の上空に圧するは、敵人の我方の臣属と合謀するを主る、但し彼らは自ら敗亡せん。
凡敵兵暴至,必有赤雲赫赫然及王子還見,或赤若旌旗,或獨見赤雲,如虹、如狗、如覆船,及天下白雲如布疋,經於丑未,或廣六、七丈,東西亙天,上下起兵,赤者尤甚,青者大喪。
およそ敵兵の将に突然来襲せんとするは、必定に先に征兆有り。赤雲赫赫として燃焼する一般の気象出現し、王子の気もまた之に随いて顕現す。あるいは赤気の形は旌旗に似たり。あるいは単に赤雲を見るのみにして、形状は虹に似・狗に似・翻覆の船に似たり。および満天の白雲一匹匹の布のごとく、丑位と未位の間に横貫し、あるいは寛さ六七丈に達し、東より西に至りて長空を横亘す。およそこの類の雲気有れば、上下皆な兵を起す。その中の赤色は尤も严重にして、青色は則ち大喪を主る。
又白如瓜蔓,如仙人衣,千萬戴結,罷而反興,至八九丈,連而不斷,千里兵至。或赤虹如狗,四枚相聚,如人行不絕,或如艾虎,或上有云,下有零螟,中天而下入我軍,或黑雲從敵來覆我軍,有云如人而赤臨城邑,而四望無雲,獨見雲極天半起,或如胡人列陣,或如執楯、如赤杵、如火云,如人持節之勢,或如旌旗之伸,皆主敵兵暴來襲我也。
また白気の瓜蔓の延伸するに似・仙人の衣帯に似・千万重に纏結して、散じてまた新たに聚起り、長さ八九丈、連綿として断えざるは、千里之外に兵の来たる有るを主る。あるいは赤色の虹の形は狗に似て、四条一处に聚まり、人の行きて絶えざるに似たり。あるいは形状は艾草の紋の老虎に似たり。あるいは上に雲有り・下に細密にして雨のごとき黒気有り、半空より垂れ下りて我軍に落入る。あるいは黒雲の敵方より飄来して我軍を罩う有り。あるいは雲の形は人に似て赤色を呈し、城邑の上空に圧し、四面望みて別に他雲なく、ただ此の一片の雲の半天より升起するを見るのみ。あるいは胡人の列陣に似、あるいは盾牌を執るに似、あるいは紅色の杵に似、あるいは火雲に似、あるいは人の手に符節を持てる様子に似、あるいは旌旗の舒展するに似る――これら皆な敵兵の将に突然来たりて我を襲撃せんとするを主る。
陣前色黑,有陰謀。色青,兵叛。色赤,兵飢。色黃,急去之勾擊。軍勝氣:軍勝之氣,前赤後白,雲如旌旗,揚揮指敵。或氣如堤阪,前後摩地。或如日月暈狀光芒,如飛鳥來而高。或赤白相隨,如鬪雞在雲霧中,或如三疋帛,前廣後大,或如一疋帛,皆不可勝。
陣前の雲気の黒を発するは、相手方に陰謀有るを主る。青を発するは、軍中に人の叛変有るを主る。赤を発するは、士卒の飢困を主る。黄を発するは、則ち急いで撤离して回身して勾撃するを要す。「軍勝気」に至りては、取勝すること能くする気象は前面赤色・後面白色にして、雲の形状は旌旗に似、揚起して飄動して敵方に指向す。あるいは気は長堤・陡坡に似て、前后地に貼りて摩擦して行く。あるいは日月の周囲の暈圈に似て、光芒四射し、また飛鳥の騰がり来たりて升ること甚だ高きに似たり。あるいは赤白の両色相随い、斗鶏の雲霧の中に在るに似たり。あるいは三匹の帛に似て、前面寛濶にして後面更に大なり。あるいは一整匹の帛に似たり。およそこれらの気象有る一方は、敵人の戦勝すること能わざるなり。
又如五頭馬低尾,而又赤如鳥在氣中如赤杵,在白雲中如人,在烏氣中如人持斧向之,如蛇擧首向之,如人牽牛、如覆舟、如小提、如山林木、如乳虎伏豹、如樸、如樓、如赤繞之。或赤黃連之,天如華蓋獨立,或五色雲氣如引絲,如陣前銳,皆盛氣也。
此の外にまた種種の形状有り。五匹の馬の尾巴を垂れたるに似たり。赤気の中に鳥の飛ぶ有るに似、また一根の紅杵に似たり。白雲の裏に人形有るに似たり。黒気の中に人の手に斧头を持ちて敵方に対するに似たり。蛇の首を昂げて相手方に向かうに似たり。人の牛を牽くに似たり。翻覆の船に似たり。小小の堤埂に似たり。山林樹木に似たり。哺乳の母虎・伏卧の豹子に似たり。朴樹に似・楼閣に似たり。また赤気その外を環繞するに似たり。あるいは赤黄の二気一片に連なり、天上に於て一頂の「華蓋」の独自に矗立するがごとし。あるいは五色の雲気抽出する絲線に似・陣形前端の尖鋭に似る――これら皆な気勢の旺盛の象に属し、本方の勝利を得るを主る。
敗気
營上氣囚廢枯散,或如馬肝,如死灰,如敗車不起,如臥牛,如敗屋,皆敗氣也。或蓋道敝蒙盡,暝飯不及食,炊不及熟,即急去之。或黑如壤山墮軍壘營頭星也。或白雲如群鳥起,趨入屯營結連,百里不絕,須臾不見,主他國來降。氣如群鳥亂飛,如粉、如塵、如煙燔生草,前銳後敗,如枯蓬轉者,急擊之。
軍営上空の雲気若し囚滞・廃弛・枯槁・涣散を顕し、あるいは顔色馬肝に似・冷透の死灰に似、あるいは形状破車の爬り起き能わざるに似・卧倒の牛に似・坍敗の房屋に似るは、これら皆な敗亡の気なり。若し雲気道路を蓋い、破敝昏蒙極処に到れば、則ち晩飯を喰うに及ばず・鍋未だ煮熟せずとも、急いで撤走するを要す。若し黒気の土山の崩塌して下り来たりて軍壘の上に圧する有るは、那是れ「営頭星」の象なり。若し白雲の一群の鳥の騰起するに似、成串に屯営に涌入し、綿延して百里断えず、轉眼また見えざるは、別国の前来りて投降するを主る。若し気の群鳥の乱飛するに似・粉末に似・尘土に似・青草を焚焼して冒出する煙に似、前端尖鋭にして後部潰散し、枯蓬の風に随いて打転するに似るは、則ち急いで出撃するを要す。
雲如偃蓋,如偃魚臨于軍上,如群羊、群豬在氣中,在十里以外,望念軍上,氣多而前白後青,或基兒臨營上,如馬在氣中漸漸入營,如只蛇委曲,如群狐驚奔,或赤光從天流下,如氣發連夜照人,或如卷席、如灰,如人臥無手無足,如飛鳥亂飛,如覆船車蓋,如敗提,如霧始起,聚散出沒。如十十五五妙手相向,又氣出而半絕將敗,氣漸盡將走,皆敗走逃奔之象。
雲の倒扣の傘蓋に似・仰卧の魚の軍営上空に圧するに似たり。成群の羊・成群の猪の気中に処るに似たり。十里の外に遠望して軍営上空に、気甚だ濃厚にして前面白を発し・後面青を発す。あるいは雲気の小児の営上に蹲るに似る有り。馬の気中より一歩一歩営に走り入るに似たり。一条の蛇の曲折盤繞するに似たり。一群の狐狸の驚きて奔逃するに似たり。あるいは赤光の天上より流瀉して下る有り。あるいは気一発すれば便ち接続して整夜人を照る有り。あるいは卷起の席子に似・灰烬に似たり。人の躺卧して手脚無きに似たり。飛鳥の乱飛に似たり。翻覆の船と車蓋に似たり。坍塌の堤岸に似たり。霧気の初起に似て、忽ち聚まり忽ち散じ・時に隠れ時に現る。あるいは三五群を成して相対して立つ。此の外、気剛に一半出でて便ち断絶するは、将に敗亡せんとするを主る。気逐漸に消尽するは、将に逃走せんとするを主る――これら皆な敗走逃奔の征象なり。
城有不可攻者,凡青黃雲氣臨城,若白雲從城中南北出,或白氣中出而青氣北入,往返四遠。若赤氣如杵向外有黑雲如星出,曰星精。若日暈有青赤氣從中四出,若蒙氣繞城而不入,若城上白氣如旌旗形狀云,若赤絮、若青雲入,如牛頭觸千人,若氣如煙火,若中出而入我軍,若如雙蛇,若云分雨雪。若云尅日,如甲乙平旦有白雲。丙丁日有黑雲等,若圍城,雷雨過旬,又城上氣滿人不見,皆為不可攻。
有る城は攻むるを得ざるなり。およそ青黄色の雲気の城池を籠罩する、あるいは白雲の城中より南北の両頭に向かって涌出する、あるいは白気の中より冒出して青気の北面より進入し、往復して四方に遠達する、あるいは赤気の一根の杵のごとく城外を指向し、また黒雲の星のごとく冒出する有る、これを「星精」と叫ぶ、あるいは日暈の中に青赤の気の四面に向かって射出する有る、あるいは蒙蒙の気城を繞りて城に入らざる、あるいは城上の白気形は旌旗に似る、あるいは赤絮のごとき気・青色の雲の城中に進入し、牛頭の千人を頂撞するに似る有る、あるいは気の煙火の一般に似る、あるいは城中より冒出して反って我軍に扑する、あるいは形は两条の蛇に似る、あるいは雲中より雨雪を分出す。また若し雲気の日辰を尅制すれば、譬えば甲乙の木に属する日に、清早に金に属する白雲出現す。丙丁の火に属する日に水に属する黒雲出現する等々。再び城を囲むの時雷雨十日间以上下り、および城上気満ちて人を見る能わざれば、これらの情形は皆な此の城の強攻すべからざるを表示す。
城有不可尅者,凡赤氣在城上,而黃氣四面繞之,將死城降。城中氣聚,如樓而出見於外,又赤虹從外入,三日可瘏。日重暈而白虹貫之,及濛霧入城,白氣繞而入後,所入攻之。赤黑氣如狐狸皮經及正赤,或如雄雌臨城,或赤氣如眾人頭,如飛鳥,如敗車,氣出向東南者,不可攻。氣向西北,或云如式人五、如三牛,如白蛇指城,或青氣,及氣上赤下白,及日無光明,日有西南風至,必尅。
還た有る城は打ち下すこと能わざるも、有るは反って必ず破る。およそ赤気城上に籠りて黄気四面に環繞するは、守将の将に死せんとし・城池の投降するを主る。城中の気楼台の形状に聚成して城外に顕現し、また赤虹の外面より城中に挿入せば、三日の内に城攻め下すべし。太陽に双重の暈圈出現して白虹横貫し、および蒙霧城内に涌入し、白気城を繞りて後に随即城に進入せば、則ち気の進入する所の那一面より攻打せよ。若し赤黒の気狐狸皮の紋路に似、あるいは純なる正赤の色、あるいは一雌一雄の両団の気の城上に圧するに似る。あるいは赤気の形は衆人の頭顱に似・飛鳥に似・破車に似る。これらの気若し東南方向に向かって散出せば、此の城は攻むべからず。若し気西北方向に向かい、あるいは雲の五個の直立の人に似・三頭の牛に似・白蛇の城池を指すに似る、あるいは青気、あるいは気の上部赤を発し・下部白を発し、加うるに太陽晦暗にして光無く、当日また西南風の吹き来たるあらば、則ち必定に攻克すること能くす。
城中氣出復入者,人慾逃。凡兩軍相當之氣,以我西賊東為例。西厚東薄,西長東短,西高東下,西澤東枯,我軍勝,反之敗。氣安則軍安,氣散則軍亂,氣南軍亦南,氣北軍亦北。對敵有火來,甚早。蔭覆人掩溝,盜大賊將至,雲如蛟蛇者,勝氣也。如兔雄者亡,甲乙日東方青氣,盛氣也。黃氣,死氣也。初出軍,赤氣相隨日出,居有憂,隨日沒,外告急,收兵勿行。
城中の気冒出してまた縮回するは、城裏に人の逃げんと欲する有るを主る。およそ両軍対峙の時気を看れば、則ち我軍の西に在り・敵軍の東に在るを例と為す。西面の気厚くして東面の薄く、西面の長くして東面の短く、西面の高くして東面の低く、西面の潤沢にして東面の枯槁なるは、皆な我軍の得勝なり。反って来たれば則ち我軍の敗なり。気安定すれば則ち軍心安定し、気涣散すれば則ち軍中乱を生ず。気南に偏向すれば、軍隊もまた南に向かわん。気北に偏向すれば、軍隊もまた北に向かわん。敵に対する時若し火光の过来る有れば、那の来たること甚だ早し。若し陰雲の覆蓋し・人影の溝中に掩伏する有れば、大股の盗賊の将至を主る。雲の蛟龍・長蛇に似るは、是れ取勝の気なり。兎子の雄踞するに似るは、敗亡を主る。甲乙の日東方に青気現ずるは、是れ気勢の旺盛なり。黄気現ずるは、則ち是れ死気なり。剛に兵を出す時、若し赤気日出に随いて来たれば、留守する一方に憂有るを主る。若し赤気日落に随いて来たれば、外面に急報有るを主り、当に兵を収めて出行するなかれ。
京房曰:“赤氣隨行,黑氣隨之,赤氣滅,賊可得,有赤無黑,賊不可得。被圍亦盛,關上氣鬱鬱如火光芒蓊蓊,然有救。至外出軍,雲隨後來,隨而擊之勝,逆者,急宜屯兵固守”。
京房いう、赤気軍隊に跟いて行き、後面また黒気相随うは、赤気熄滅する時を待てば、賊寇則ち擒獲すべし。若しただ赤気有りて黒気無ければ、賊寇は則ち捕らうる能わず。囲困せらるる時若し気仍お旺盛ならば、関隘の上気郁郁然として火光の一般に蓊蓊蒸騰せば、則ち必ず救兵の到来有らん。出兵して外に在るに至りては、若し雲の軍後に跟いて来たる有れば、則ち勢に順って追撃し、必勝す。若し雲の迎面して逆に来たるは、則ち急いで兵馬を屯駐して堅守し、軽進すべからず。
五音風
宮聲風,隆隆然,如雷鼓,如牛羊鳴窯中,發屋折木,主土動,君心煩,急令貴神輔相,疑忌兵起不安,其日風從宮來,山擢岸崩,君出地裂。風從角,蝗蟲敗榖。從商來,大水暴雨。風從徵來,蠱狼為害。從羽來,大雨陽寒,大臣凶。
宮声の風は、響声隆隆として、雷鳴・鼓震に似、また牛羊の窑洞裏に叫ぶに似て、房屋を掀翻し・樹木を折断すること能くす。それは地気の動揺・君主の心中煩躁を主り、急いで下令して貴臣良相の輔佐を要し、猜忌の下に兵事また起り、人心安からず。この日若し風宮位より吹き来たれば、山峰の拔裂・河岸の崩塌を主り、君主出行して土地開裂す。風角位より吹き来たれば、蝗虫の害を為し・庄稼を損壊するを主る。商位より吹き来たれば、大水・暴雨を主る。徵位より吹き来たれば、蛊惑と豺狼の患を為すを主る。羽位より吹き来たれば、大雨と反常の寒気を主り、大臣に凶有り。
商聲風,如離群羊,如扣鐘磬,如飛羽集,如鳴咽流水鳴聲惑人,發屋折木,主宮中兵起,鬪兵,急令關梁不通,耀貴。其日風從商來,白衣聚,關梁塞,大將退,外兵入。從角來,國有喪,兵行。從宮來,國有憂,將在外兵不戰。從徵來,君令行兵,主凶。從羽來,大雨至,在外兵解。
商声の風は、声音は群を離れたる羊の叫ぶに似・鐘磬を敲撃するに似・飛鳥の羽翼の聚集するに似、また呜咽の流水に似て、声音聴きて人を迷惑せしめ、また屋を掀し木を折ること能くす。それは宮中の起兵・士卒の相鬪を主り、急令して関隘・橋梁を封閉して通ぜず、糧価騰貴す。この日若し風商位より吹き来たれば、平民の聚集・関梁の堵塞・大将の退却・外来の兵の入境を主る。角位より吹き来たれば、国中に喪有る・兵馬の出動を主る。宮位より吹き来たれば、国家に憂有るを主り、将帥外に在ると雖も交戦せず。徵位より吹き来たれば、君主の下令して兵を用うるを主り、その占は凶と為す。羽位より吹き来たれば、大雨の到来を主り、外に在る軍隊解散す。
角聲風,如千人合聲呼嘯,或合合然。如千人唱,令人悲哀。如啾風鳴,雉登木,發屋折木,有急兵鬪入城邑。風從商來,有暴兵,軍令,宮中貴人疾,土工興。從羽來,野飢人。從徵來,絲貴有火燔。從宮來,不祥。從角來,不吉。
角声の風は、上千人の斉声に呼嘯するに似、あるいは嗡嗡として合鳴す。千人の同唱するに似て、聴きて人を悲哀せしむ。また啾啾の風声に似て、野鶏驚きて樹に飛び上がる。それもまた屋を掀し木を折ること能くし、緊急の兵事有るを主り、敵兵鬪りて城邑に入る。この日若し風商位より吹き来たれば、突如として至る兵馬と軍令有るを主り、宮中の貴人生病し、土木の役興起す。羽位より吹き来たれば、野外に飢民有るを主る。徵位より吹き来たれば、絲価の昂貴・火灾の焚焼有るを主る。宮位より吹き来たれば、是れ不祥の兆なり。角位より吹き来たれば、亦た不吉なり。
徵音風,如奔馬、火炎,如縛彘聲發,屋行來火災,妖害、急事、兵行。其日風從徵來,火起、君憂。從角來,火災、土工、大旱。從宮來,喪泣、寺舍火災。從商來,有鬪兵。從羽來,寶物出,國多雷,震有使。
徵音の風は、来勢奔馬の疾馳するに似・烈火の騰焰するに似、声音は猪只を捆縛する時の嘶叫に似たり。それ一路屋を掀きて来たり、火灾・妖異の害を為す・突発の急事および兵馬の調動を主る。この日若し風徵位より吹き来たれば、火を起し・君主の憂愁を主る。角位より吹き来たれば、火灾・土木の役と大旱を主る。宮位より吹き来たれば、喪事の哭泣・寺廟屋舎の失火を主る。商位より吹き来たれば、士卒の相鬪を主る。羽位より吹き来たれば、宝物の世に出づ・国中雷多きを主り、雷震の後に使者の到来有り。
羽音風,如擊溫鼓,如糜鳴子,如水揚波,激氣相磋,發屋折木,兵起,耀貴。其日風從羽來,雨雹、霜災。從商來,兵鬪、將憂。從宮來,暴風、大雨、寒氣傷物。從徵來,臣民有憂。從羽來,城圍不去。風角之書。
羽音の風は、声音は悶鼓を敲撃するに似・麋鹿の幼崽を呼喚するに似・水面の波涛を揚起するに似、気流激荡して相摩し、また屋を掀し木を折ること能くし、起兵と糧価の騰貴を主る。この日若し風羽位より吹き来たれば、雨雹を降し・霜灾有るを主る。商位より吹き来たれば、士卒の相鬪・将帥に憂有るを主る。宮位より吹き来たれば、暴風・大雨・寒気の作物を傷害するを主る。徵位より吹き来たれば、臣下と百姓に憂有るを主る。仍お羽位より吹き来たるは、城の囲困せられて敵兵退かざるを主る。以上皆な「風角」一家の占候の書の載する所の内容なり。
巻二十八
六丁六甲神符
郁離子曰:“大法軍中急用符法者,乃時門不利,故六丁之符以禳之。但當用咒,掌噀畫雷印鈴甲,方能應驗,此例極神,繫九天玄女傳授軍中六丁六甲神符”。
郁離子いう、大凡軍中に急を要して符法を用うるは、皆な当時の時辰と八門の不利に因り、故に六丁の符を画きて以て禳解す。符を行う時は必ず呪を念ずるに配合し、掌中に水を含みて噴出し・雷印を画き・鈴鐸を揺動し・訣を掐して甲を布く、かくして初めて応験すること能くす。この一套の法例は極めて神験にして、九天玄女の伝授せる軍中の六丁六甲神符なり。
甲子符:甲子神君號曰“飛天大帝”,又名蛬(雨鬼)將軍,其神鼠首人身,高一丈九尺,居陽光天壘之宮,統領神將九萬九千九百,助有忠孝,怒殺不仁不義,九天青青之下。符式長一尺九寸,濶三寸一分,用青黑紙杇研砂為上吉。甲戌符:甲戌神君號曰“掩郎”,又名司獄將軍,其神犬首人身女相,其性好酒,居西隍天廐之宮,統領神兵五萬五千五百五十,喜助正將,誅斬賊兵,身長一丈六尺,綸綰九天青黃下。符式長一尺六寸,濶二寸九分,用大黃紙杇研砂紅為上吉。
甲子符:甲子神君は「飛天大帝」と号し、また蛬(雨鬼)将軍と叫び、形貌は鼠頭人身、身の高一丈九尺、陽光天壘の宮に住し、神将九万九千九百員を統領す。彼は忠孝の人を扶助し、怒る時は不仁不義の徒を誅殺し、位は九天青気の下に在り。符式は長一尺九寸・寛三寸一分に作り、青黒色の紙・朱砂を研磨して書写するを最佳と為す。甲戌符:甲戌神君は「掩郎」と号し、また司獄将軍と叫び、形貌は狗頭人身にして女相を帯び、性情は酒を愛し、西隍天廐の宮に住し、神兵五万五千五百五十を統領す。彼は正直の将領を帮助するを喜び、賊兵を誅斬し、身の高一丈六尺、九天の青黄の気を繋帯す。符式は長一尺六寸・寛二寸九分に作り、大黄紙・紅砂を研磨して書写するを最佳と為す。およそこの两道の符を画くに、皆な先ず本旬の所属を辨明し、再び記する所の尺寸・紙色と顔料に依りて書写す、尺寸・顔色一錯すれば、符は則ち霊ならず。
甲申符:甲申神君號曰“六府神”,又名捷報將軍,其神猴首人身,長二尺五寸,性甘食,好淫,居天鉞之宮,統領神兵七萬七千七百七十數,喜助順擊,綸綰九天青白,符式長一尺五寸,濶二寸七分,用白杇研紅砂為上吉。甲午符:甲午神君號曰“平水將軍”,其神馬首人身,高一丈九尺,性最烈,不宜速召,好肥大尤物,忌用馬肉供養,統領神兵九萬九千九百九十數,喜助報仇,綸綰青紅下。符式長一尺九寸,濶三寸二分,用青紅紙杇研黑丹砂為上吉。
甲申符:甲申神君は「六府神」と号し、また捷報将軍と叫び、形貌は猴頭人身、身の長二尺五寸、性は美食を喜び、また色を好み、天鉞の宮に住し、神兵七万七千七百七十の数を統領す。彼は理に順いて出撃する一方を帮助するを喜び、九天の青白の気を繋帯す。符式は長一尺五寸・寛二寸七分に作り、白紙・紅砂を研磨して書写するを最佳と為す。甲午符:甲午神君は「平水将軍」と号し、形貌は馬頭人身、身の高一丈九尺、性情最も剛烈にして、倉促に召喚するに宜からず。肥碩の珍異の物を喜好し、馬肉を以て供養するを忌諱す。彼は神兵九万九千九百九十の数を統領し、人の仇を報ずるを帮助するを喜び、青紅の気を繋帯す。符式は長一尺九寸・寛三寸二分に作り、青紅紙・黒丹砂を研磨して書写するを最佳と為す。この两位の神君は一は捷報を主り・一は平水を主り、兵を用うる時は遇う所の旬頭に按じて符を取り、供養の物品もまた各々の性情の喜忌に合するを要す。
甲辰符:甲辰神君號曰“平蠻將軍”,其神龍首人身,高一丈九尺,性清高,可順不可逆,喜東南方,輔助真人,掃蕩妖氛,統領神兵五萬五千五百五十數,綸綰青黃下。符式長一尺九寸,濶三寸九分,用青黃紙杇研紅朱為上吉。甲寅符:甲寅神君號曰“六孽將軍”,其名灌佳郎,其神虎首人身,高一丈有奇,性最躁不可輕,扶強抑弱,黨正害邪,神居天苑之位,常遊六吉之宮,統領神將七萬七千七百七十數,綸綰青黑下。符式長一尺八寸,濶二寸七分,用青紙杇研紅朱為上吉。
甲辰符:甲辰神君は「平蛮将軍」と号し、形貌は龍頭人身、身の高一丈九尺、性情清高にして、ただ彼に順う可くして違逆すべからず、東南方位を喜ぶ。彼は道を修めて成れる真人を輔助し、妖邪の気を掃蕩し、神兵五万五千五百五十の数を統領し、青黄の気を繋帯す。符式は長一尺九寸・寛三寸九分に作り、青黄紙・朱砂を研磨して書写するを最佳と為す。甲寅符:甲寅神君は「六孽将軍」と号し、名は灌佳郎と叫び、形貌は虎頭人身、身の高一丈余、性情最も暴躁にして、軽慢すべからず。彼は強者を扶助し・弱者を抑制し、正直を偏袒して邪悪を禍害し、神位は天苑に在り、常に六吉の宮に游び、神将七万七千七百七十の数を統領し、青黒の気を繋帯す。符式は長一尺八寸・寛二寸七分に作り、青紙・朱砂を研磨して書写するを最佳と為す。六甲の符これに至りて六道斉備し、甲子・甲戌・甲申・甲午・甲辰・甲寅各々一旬を主り、事に臨み旬に按じて取用し、混淆すべからず。
右畫六甲神符,用劍訣,以左手大指杜天罡捧劍跌坐,默唸六甲神咒七遍,吸東方一口氣吹入神筆,一氣呵成。用天池水一瓶,將符焚在瓶中,壓不利之門,化凶為吉。咒曰:“吾呼六君元陽甲子神,急來速去,願君證吾身,(魁康卯勺未吉並),召奉太上老君急急如律令”。
以上の画く所の六甲神符は、画く時に剣訣を用うるを要す。左手の大拇指を以て天罡の位を掐住し、両手剣を捧げて盤膝して坐し、黙念して六甲神呪七遍し、東方の気一口を吸して筆中に吹き入れ、一气呵成して画き畢る。再び天池水一瓶を取り、符を瓶裏に焚化し、それを以て不利の那一門を鎮圧せば、則ち凶を化して吉と為すこと能くす。念ず所の呪はこれなり。我は六位の神君と元陽甲子の神を呼喚す、速やかに来たり速やかに去れ、願わくは神君我が為に作証し・我が此の身に附せん。魁・康・卯・勺・未・吉の諸諱を念動して一併に奉請し、太上老君を召請す、急急如律令。
丁卯符:丁卯神君號曰“六將軍”,其神兔首人身,性最柔和,高一丈六尺,司九天雷火之權,統領神兵六萬六千六百六十數,驅邪斬鬼,輔佐真人,鈴錫青赤下。符式長一尺六寸,濶三寸三分,用紅青紙杇紅朱為上吉。丁丑符:丁丑神君號曰“奕將軍”,牛首人身,性好香物,高一丈八尺,居天漢之宮,司水利之權,好水戰,統領神兵八萬八千八百八十數,斬誅賊兵,鈴錫赤黃下。符式長一尺八寸,濶五寸三分,用黃紙杇研朱為上吉。
丁卯符:丁卯神君は「六将軍」と号し、形貌は兔頭人身、性情最も柔和、身の高一丈六尺、九天雷火の権を掌管し、神兵六万六千六百六十の数を統領す。彼は邪祟を駆除し・鬼物を斬殺し、真人を輔佐し、青赤色の鈴鐸を揺動す。符式は長一尺六寸・寛三寸三分に作り、紅青色の紙・朱砂を以て書写するを最佳と為す。丁丑符:丁丑神君は「奕将軍」と号し、牛頭人身、性は香物を好み、身の高一丈八尺、天漢の宮に住し、水利の権を掌管し、水戦に善くし、神兵八万八千八百八十の数を統領し、専ら賊兵を斬り、赤黄色の鈴鐸を揺動す。符式は長一尺八寸・寛五寸三分に作り、黄紙・朱砂を研磨して書写するを最佳と為す。六丁の諸神は則ち六甲の各旬の遁する所の陰神にして、符を画く時は須らく本旬に按じてその名号・形貌を取るべく、錯認すべからず。
丁亥符:丁亥神君號曰“塗將軍”,其神豬首人身,性好米食飲酒,宜寬請不可急召,身高一丈四尺,鎮天皇之宮,喜輔順誅逆,統領神兵四萬四千四百四十數,鈴錫赤黃下。符式長一尺四寸,濶二寸九分,用紅黑紙杇研紅朱為上吉。丁酉符:丁酉神君號曰“飛將軍”,其神雞首人身,性最惡,不可犯,喜飲酒肉,好陸戰忌水戰,身一丈六尺,居少微之宮,統領神兵六萬六千六百六十數,劫寨破壘,斬將搴旗,追奔逐北,赤白下。符式長一尺六寸,濶三寸一分,用赤紙杇研朱為上吉。
丁亥符:丁亥神君は「塗将軍」と号し、形貌は猪頭人身、米食と飲酒を喜好し、宜しく従容に相請すべく、急切に召喚すべからず。身の高一丈四尺、天皇の宮を鎮守し、理に順う一方を輔助して叛逆を誅討するを喜び、神兵四万四千四百四十の数を統領し、赤黄色の鈴鐸を揺動す。符式は長一尺四寸・寛二寸九分に作り、紅黒色の紙・朱砂を研磨して書写するを最佳と為す。丁酉符:丁酉神君は「飛将軍」と号し、形貌は鶏頭人身、性情最も凶にして、冒犯すべからず、酒肉を喜び、陸戦を擅長として水戦を忌諱す。身の高一丈六尺、少微の宮に住し、神兵六万六千六百六十の数を統領し、営を劫し壘を破り・将を斬り旗を奪い・奔を追い北を逐うこと能くし、位は赤白の下に在り。符式は長一尺六寸・寛三寸一分に作り、赤色紙・朱砂を研磨して書写するを最佳と為す。この两位は一は性緩・一は性急にして、請召の時あるいは寛あるいは速各々分寸有り、供養の物もまたその好む所に依るを要し、方に応えて感応すること能くす。
丁未符:丁未神君號曰“(未載何姓)將軍”,其神羊首人身,喜食菓品蔬菜之物,好烈口,忌陰雨,身高一丈八尺,居鎮南極之宮,統領神兵八萬八千八百八十數,沖虜破陣,不能御,鈴錫赤下。符式長一尺八寸,濶三寸一分,用赤黃紙杇研朱為上吉。丁巳符:丁巳神君號曰“陳將軍”,蛇首人身,性最毒,不可輕用,喜食六畜之物,不忌水陸,高一丈四尺九寸,鎮守天屏之宮,統領神兵四萬四千四百四十數,復城陷陣,變化無窮,鈴赤赤下。符式長一尺四寸九分,濶二寸九分,用紅紙杇研黑丹為上吉。
丁未符:丁未神君は某将軍と号す、原書はその姓氏を載せず。形貌は羊頭人身、瓜果・蔬菜の類を喫するを喜び、口味は辛烈を喜び、陰雨天を忌諱す。身の高一丈八尺、南極の宮を鎮守し、神兵八万八千八百八十の数を統領し、敵虜を沖撃し・敵陣を攻破すること能くし、敵人の抵禦する能わず、赤色の鈴鐸を揺動す。符式は長一尺八寸・寛三寸一分に作り、赤黄紙・朱砂を研磨して書写するを最佳と為す。丁巳符:丁巳神君は「陳将軍」と号し、蛇頭人身、性情最も毒にして、軽々しく動用すべからず。六畜の肉を喫するを喜び、水戦・陸戦皆な忌まず。身の高一丈四尺九寸、天屏の宮を鎮守し、神兵四万四千四百四十の数を統領し、城池を収復し・敵陣を攻陥し、変化無窮、赤色の鈴鐸を揺動す。符式は長一尺四寸九分・寛二寸九分に作り、紅紙・黒丹を研磨して書写するを最佳と為す。六丁の符これに至りて亦た已に六道斉全し、前面の六甲の符と相配し、一陽一陰、行軍して法を作す時は旬に按じて取用す。
右畫六丁符,用斗訣,以左手大指,杜天地步斗而坐,默唸六丁神咒七遍,吸南方一口吹入神筆,一氣呵成,作法如前。咒曰:“六丁神兵,八卦之精,推例神將,安在吾身,聞咒速至,百事通靈,無事不報,不得動令,吾奉九天玄女急急如律令”。
以上の画く所の六丁符は、画く時に斗訣を用うるを要す。左手の大拇指を以て天地の位を掐住し、罡を踏み斗を歩みて後に坐定し、黙念して六丁神呪七遍し、南方の気一口を吸して筆中に吹き入れ、一气呵成して画き畢る。その余の作法は前面の六甲符を画く時と相同なり。念ず所の呪はこれなり。六丁神兵は、是れ八卦の精気の化する所なり。例に依りて諸位の神将を推請し、安駐して我が身の上に在らん。一たび呪声を聞けば便ち迅速に到来し、百様の事を辦じて皆な通霊すること能くせん。一事として来たりて回報せざる無く、号令に違抗することを得ず。我は九天玄女の命を奉ず、急急如律令。
巻二十九
陽遁九局:冬至驚蟄一七四,小寒二八五同推,春分大寒三九六,立春八五二相隨,榖雨小滿五二八,雨水九六三為期,清明立夏四一七,芒種六三九為宜,十二節氣時候定,上中下分是根基。陰遁九局:夏至白露九三六,小暑八二五之間,大暑秋分七一四,立秋二五八循環,霜降小雪五八二,大雪四七一相關,處暑排來一四七,立冬寒露六九三,此是陰遁起例法,節氣推宜仔細看。
陽遁の九個の局は、節気と上・中・下の三元に按じて局数を定む。冬至と驚蟄は一局・七局・四局を用い、小寒は二局・八局・五局を用い、春分と大寒は三局・九局・六局を用い、立春は八局・五局・二局を用い、谷雨と小満は五局・二局・八局を用い、雨水は九局・六局・三局を用い、清明と立夏は四局・一局・七局を用い、芒種は六局・三局・九局を用う。十二個の節気の時一経定まれば、上元・中元・下元の划分は則ち局を排する根基なり。陰遁の九個の局は、夏至と白露は九局・三局・六局を用い、小暑は八局・二局・五局を用い、大暑と秋分は七局・一局・四局を用い、立秋は二局・五局・八局を用い、霜降と小雪は五局・八局・二局を用い、大雪は四局・七局・一局を用い、処暑は排して来れば一局・四局・七局、立冬と寒露は六局・九局・三局を用う。これ則ち陰遁の局を起す例法にして、節気に按じて推排する時は仔細に核対するを要す。
黄石公奇門七十二局軍中応験神符経
第一局:乙奇同輔星臨休門。號曰“飛龍在天”,主將軍於京地千里,利西方進兵札營,出門有二鳥齊鳴成奇勳也。陽五局甲己日乙亥時,但無九地之神,候查。陽三局乙庚日丙戌時,但無玄武之神。陰三局丙辛日戊子時。陽三局甲己日乙亥時有天輔。
第一局:日奇「乙」と天輔星と同宮にして「休門」に臨む、この格局を「飛龍在天」と叫ぶ。主将軍は京畿千里の地に於て功を建つ可く、西方に向かって進兵して営を扎するに利あり。軍門を出ずる時若し両隻の鳥の一斉に鳴叫する有れば、便ち奇功を成就するに応験す。原書の附注する所値の時局:陽遁五局甲日または己日の乙亥時、ただこの一局の裏に「九地」这位の神無く、查考を待つべし。陽遁三局乙日または庚日の丙戌時、ただ「玄武」这位の神無し。陰遁三局丙日または辛日の戊子時。陽遁三局甲日または己日の乙亥時、この一局の中に天輔星有り。
第二局:乙奇同九天、柱星臨生門,號曰“青雲得露(路)”,出軍主大勝,得首級五千、地百里,出門有老嫗到左逢,軍行五百里有壺漿來迎,吉。第三局:乙奇同任星、太陰臨傷門,號曰“太陰當權”。主大將出陣得勝,有獲輜重糧餉之類,軍行坎宮五百里有云鋪頂,西方有鼓樂,大利。
第二局:乙奇と「九天」と天柱星と同宮にして「生門」に臨む、「青雲得露」と叫び、一に「青雲得路」と作す。兵を出せば大獲全勝を主り、首級五千を斬獲し・地百里を拓く可し。門を出ずる時老婦人の左辺より迎面して来たる有り、行軍五百里の後に百姓の壺漿を提げて前来りて犒迎する有るは、是れ吉兆なり。第三局:乙奇と天任星・「太陰」と同宮にして「傷門」に臨む、「太陰当権」と叫ぶ。大将の出陣して勝を得るを主り、輜重・糧餉の一類の物資を繳獲すること能くす。軍隊の行きて坎宮方向五百里の処に至り、雲気の帳幕のごとく頭頂に鋪き、西方より鼓楽の声伝わり来たるは、大いに利あり。
第四局:乙奇同值符、英星臨杜門,號曰“霹靂雷全”。宜副將出軍正將坐營,得地四十里、首級五千餘,軍行宜兌宮,出門有道人相逢,本營有旗旗折,大利。陽六局丙辛日乙未時。陰二局乙庚日乙酉時。第五局:乙奇同六合臨景門,號曰“天馬馳星”。軍行宜出兌宮,巽宮坐營,有異人獻策,得軍馬於京,出門有大風,行至五百里大雨驟至,吉。陽八局戊癸日乙卯時,是否天柱星,應查。陰一局戊癸日乙卯時,同局又是天芮。
第四局:乙奇と「値符」・天英星と同宮にして「杜門」に臨む、「霹靂雷全」と叫ぶ。宜しく副将に由りて兵を領りて出戦し・主将は営中に坐镇すべく、地四十里・首級五千余を得る可し。行軍は宜しく兌宮方向を走り、門を出ずる時道人に遇見し、本営中に旗杆の折断する有るは、皆な大利の兆なり。値する所の時局:陽遁六局丙日または辛日の乙未時。陰遁二局乙日または庚日の乙酉時。第五局:乙奇と「六合」と同宮にして「景門」に臨む、「天馬馳星」と叫ぶ。行軍は宜しく兌宮より出発し、巽宮に営を扎すべし。奇異の人の前来りて策を献ずる会有り、京師の一帯に於て軍馬を得ること能くす。門を出ずる時大風刮り起り、走りて五百里の処に到りて大雨驟然として至るは、是れ吉兆なり。値する所の時局:陽遁八局戊日または癸日の乙卯時、この局の臨む所是天柱星なるや否や、なお查考を待つ。陰遁一局戊日または癸日の乙卯時、同一局中の臨む所また天芮星と為す。
第六局:乙奇同白虎、心星臨死門,號曰“五虎臨門”。宜出巳宮坐午宮,正將大勝,得城池、首級、車馬、財帛,軍行出門有紫色雲氣,行三里有黃傘人至,大吉。第七局:乙奇同太陰、禽星臨驚門,號曰“月出天衢”。軍行宜出干宮坐營巳宮,攻城利西北,奪地利東南,出門有三人飛馬報獻消息,有鷹鳴,大利。
第六局:乙奇と「白虎」・天心星と同宮にして「死門」に臨む、「五虎臨門」と叫ぶ。宜しく巳の方位より出兵し・午の方位に坐镇すべく、主将大勝し、城池・首級・車馬と財帛を得る可し。行軍して門を出ずる時紫色の雲気升起し、走り出でて三里に黄傘を打つ人の前来るに遇うは、大吉なり。第七局:乙奇と「太陰」・天禽星と同宮にして「驚門」に臨む、「月出天衢」と叫ぶ。行軍は宜しく乾宮より出発し、巳の方位に営を扎すべし。城を攻むるは西北方向に利あり、土地を奪取するは東南方向に利あり。門を出ずる時三個人の馬に騎りて飞奔して来たりて消息を報送する有り、また鷹鳴を聞くは、大いに利あり。
第八局:乙奇同九天、天輔星臨開門,號曰“太陰得令”。至於天子御駕親征,判伏四夷,剿除不法。陰三局甲己日乙丑時。第九局:乙奇同柱星、直符臨休門也,號曰“白虎揚威”。宜劫人營寨、奪人糧草,大勝。宜坎宮出陣,巽宮坐營,主將有功,出門三里有青雀飛噪,途中遇火起,大吉。陽三局丁壬日乙巳時。陰八局甲己日乙亥時。
第八局:乙奇と「九天」・天輔星と同宮にして「開門」に臨む、「太陰得令」と叫ぶ。この一局は大なるは天子の御駕親征に用う可く、四方の外族を判服し、法度を守らざるの徒を剿滅す。値する所の時局:陰遁三局甲日または己日の乙丑時。第九局:乙奇と天柱星・「値符」と同宮にして「休門」に臨む、「白虎揚威」と叫ぶ。敵人の営寨を劫奪し・敵人の糧草を搶奪するに宜しく、大勝を獲得すべし。宜しく坎宮より出陣し、巽宮に営を扎すべく、主将必然に功を立てん。門を出でて三里に青雀の飛鳴し、途中に火を起すに遇うは、皆な大吉の兆なり。値する所の時局:陽遁三局丁日または壬日の乙巳時。陰遁八局甲日または己日の乙亥時。
第十局:乙奇同九天、柱星臨生門,號曰“天羅地網”。主大將出陣,百戰百勝,得地千里,城池十餘,所向皆利,軍行出門有大風起自西北,東北有雷聲相應,大吉。第十一局:乙奇同太陰、柱星臨傷門,號曰“六合同春”。出軍有損攻戰,宜與敵人有弓弩埋伏東西,出軍宜防之。出行有黃雲四起,辰巳時利。
第十局:乙奇と「九天」・天柱星と同宮にして「生門」に臨む、「天羅地網」と叫ぶ。大将の出陣して百戦百勝を主り、地千里・城池十余座を得る可く、向かう所皆な利あり。行軍して門を出ずる時大風の西北方より刮り起り、東北方に雷声の相応ずる有るは、大吉なり。第十一局:乙奇と「太陰」・天柱星と同宮にして「傷門」に臨む、「六合同春」と叫ぶ。兵を出して攻戦すれば損傷有らん、敵人東西両面に弓弩を埋伏せるに因り、兵を出す時当に提防すべし。出行の時黄雲四面に涌起し、辰時・巳時に行動して初めて利有り。両局同じく天柱星を用い、一は生門に臨みて全吉、一は傷門に臨みて損有り、見るべし吉凶は星に在らずして門に在り。
第十二局:乙奇同六合、柱星臨杜門,號曰“玉女歸關”。出戰大將有傷,利東北不利西南,軍行出門微雨,不利。第十三局:乙奇同九天、禽星臨景門,號曰“喜鵲爭巢”。利用火攻,後劫人營寨,得人器械、戈盾之屬,軍行午時,出門未時,兵行三里遇兔,大吉。
第十二局:乙奇と「六合」・天柱星と同宮にして「杜門」に臨む、「玉女歸關」と叫ぶ。戦を出せば大将の受傷するを主り、東北方向に利ありて西南方向に利あらず。行軍して門を出ずる時細雨下るは、是れ不利の象なり。第十三局:乙奇と「九天」・天禽星と同宮にして「景門」に臨む、「喜鵲爭巢」と叫ぶ。先に火攻を用い、随後に敵人の営寨を劫奪するに利あり、敵人の器械と戈盾の類を繳獲すること能くす。行軍は定めて午時、門を出ずるは定めて未時、兵行く三里に兎子に遇うは、大吉なり。
第十四局:乙奇同朱雀、任星臨死門,號曰“鳥占枯枝”。出軍主士卒失散,所為不遂,戰不成功,軍行出門有雁南來,不吉。陽九局乙庚日丙戌時。第十五局:乙奇同螣蛇、輔星臨驚門,號曰“黃龍昇天”。出陣宜水戰不宜陸戰,水戰有東風天助,利火攻,軍行五百里有紫色雲氣,大吉。
第十四局:乙奇と「朱雀」・天任星と同宮にして「死門」に臨む、「鳥占枯枝」と叫ぶ。兵を出せば士卒の離散を主り、図る所の事願いを遂ぐる能わず、交戦して成功すること能わず。行軍して門を出ずる時大雁の南より飛来する有るは、不吉なり。値する所の時局:陽遁九局乙日または庚日の丙戌時。第十五局:乙奇と「螣蛇」・天輔星と同宮にして「驚門」に臨む、「黄龍升天」と叫ぶ。出陣は宜しく水戦を打ちて陸戦に宜からず、水戦の時東風の相助有るは、是れ上天の我を佑するなり、また火攻を用うるに利あり。行軍五百里の処に紫色の雲気出現す、大吉なり。
第十六局:乙奇同太陰、蓬星臨開門,號曰“天虎司衡”。利守不利戰,正將出師有憂,利出巽宮,丁甲焚符可免途中遇雲掩紅日,不利。第十七局:乙奇同九地、芮星臨休門,號曰“天樞直日”。軍行宜出干宮坐未宮,不利攻城,若在大寒節乃利攻城,軍行出門有五彩人至,大利。陽三局甲己日乙亥時。
第十六局:乙奇と「太陰」・天蓬星と同宮にして「開門」に臨む、「天虎司衡」と叫ぶ。拠守するに利ありて交戦に利あらず、主将親自に師を出せば憂患有らん。兵を出すは巽宮方向を走るに利あり、并びに丁甲の符を焚化して禳解すれば灾を免る可し。若し途中に雲の紅日を遮るに遇えば、則ち是れ不利の兆なり。第十七局:乙奇と「九地」・天芮星と同宮にして「休門」に臨む、「天枢直日」と叫ぶ。行軍は宜しく乾宮より出発し、未の方位に営を扎すべし。城を攻むるに利あらず、但し若し大寒の節気の中に在れば、反って城を攻むるに利あり。行軍して門を出ずる時五彩衣を身着る人の到来有るは、大いに利あり。値する所の時局:陽遁三局甲日または己日の乙亥時。
第十八局:乙奇同太陰、沖星臨生門,號曰“白露橫江”。宜出坎宮或午宮,用符水噀之,利水戰,可得首級二千、舟車數百,出門有白魚入舟,大利。第十九局:乙奇同六合、禽星臨傷門,號曰“風散百花”。不宜出師,不利主將,有折兵覆舟之阨,軍行出門遇西風,有惡風,不利。行師若事急不得已,當出巽宮,先書六甲符,噀之、燒之,可免凶煞。陰四局戊癸日乙卯時。
第十八局:乙奇と「太陰」・天冲星と同宮にして「生門」に臨む、「白露横江」と叫ぶ。宜しく坎宮または午の方位より出兵し、符水を口中に含みて噴洒して路を開き、水戦に利あり、首級二千を斬獲し・舟車数百を繳獲する可し。門を出ずる時白魚の船中に跳入する有るは、大いに利あり。第十九局:乙奇と「六合」・天禽星と同宮にして「傷門」に臨む、「風散百花」と叫ぶ。兵を出すに宜からず、主将に対して不利、兵馬を折損し・船只の傾覆する厄难有り。行軍して門を出ずる時西風に遇上り、且つ是れ悪風、不利なり。如果軍情緊急にして、兵を出さざるを得ざれば、則ち巽宮方向を走るべく、先に六甲符を書写し、符水を噴上げて再び焚化せば、凶煞を免去する可し。値する所の時局:陰遁四局戊日または癸日の乙卯時。
第二十局:乙奇同輔星、白虎臨杜門,號曰“虎嘯生風”。軍行宜出寅宮,坐巳宮,利陸戰,五十里地有伏兵,宜退不宜進,出行有瞽至,主小利。第二十一局:乙奇同九天、任星臨景門,號曰“飛蛾撲火”。不利守城,宜死戰守城,破敵則可,若敵人有反間之計,不可從。出門有白犬當路,不利。
第二十局:乙奇と天輔星・「白虎」と同宮にして「杜門」に臨む、「虎嘯生風」と叫ぶ。行軍は宜しく寅の方位より出発し、巳の方位に営を扎すべく、陸戦に利あり。五十里外に敵人の伏兵有り、宜しく退くべく進むに宜からず。出行の時盲人の到来有るは、小さく便利有るを主る。第二十一局:乙奇と「九天」・天任星と同宮にして「景門」に臨む、「飛蛾撲火」と叫ぶ。城を守るに利あらず、若し守らんと要せば則ち拚死に力戦するを得、用いて敵を破るは倒も還た可なり。如果敵人反間の計を使出せば、切に聴信する可からず。門を出ずる時白狗の路上に擋る有るは、是れ不利の兆なり。
第二十二局:乙奇同朱雀、柱星臨死門,號曰“尸橫遍野”。不宜出師,宜固守營壘,謹防西、北二方有賊劫營,午時不利。陽遁朱雀即陰遁元武。陰六局乙庚日乙酉時。第二十三局:乙奇同螣蛇、任星臨驚門,號曰“昆蟲變化”。宜岀西方,水陸俱利,城池可破,大將可擒,出門有白雲當空,行三里天有微雨,大利。
第二十二局:乙奇と「朱雀」・天柱星と同宮にして「死門」に臨む、「尸横遍野」と叫ぶ。兵を出すに宜からず、当に営壘を堅守し、厳防して西・北両個の方向に敵の来たりて営を劫するを防ぐべく、午時尤も不利なり。原注説明す:陽遁中の朱雀は、陰遁中には則ち玄武なり。値する所の時局:陰遁六局乙日または庚日の乙酉時。第二十三局:乙奇と「螣蛇」・天任星と同宮にして「驚門」に臨む、「昆虫変化」と叫ぶ。宜しく西方に向かって出兵し、水戦・陸戦皆な利あり、城池攻破する可く、敵方の大将生擒する可し。門を出ずる時白雲当空、走る三里に天上細雨を飄起するは、大いに利あり。
第二十四局:乙奇同任星、入符臨開門,號曰“天門大開”。大將出師,得城池、首級數百,軍行宜從坎宮,主聞鼓樂聲,有野人獻策,大利。陽八局甲己日乙丑時。陰四局戊癸日乙卯時。陰七局戊癸日乙卯時。
第二十四局:乙奇と天任星・「値符」と同宮にして「開門」に臨む――原書の「入符」は当に「値符」の訛なるべし――この格局を「天門大開」と叫ぶ。大将の師を出して城池を奪得し・首級数百を斬獲すること能くすを主る。行軍は宜しく坎宮方向より前進し、途中鼓楽の声を聴く会有り、山野の人の前来りて策を献ずる有るは、大いに利あり。値する所の時局:陽遁八局甲日または己日の乙丑時。陰遁四局戊日または癸日の乙卯時。陰遁七局戊日または癸日の乙卯時。
第二十五局:丙奇同六合、芮星臨休門,號曰“五星聚會”。大將出師,宜出坤宮坐巽宮,得首級五千,又得一名大將知天文地理,可招服之。大將出師宜遇大雪,春遇微雨,有狗二隻從西方來。陰九局丁壬日丙午時。第二十六局:丙奇臨朱雀、任星臨生門,號曰“如魚失水”。大將出師不利,主士卒傷火矢,若事急不得已出坎宮,宜書丁甲符,水制之可反凶為吉,出門忌見人持彩物來,不利。
第二十五局:月奇「丙」と「六合」・天芮星と同宮にして「休門」に臨む、「五星聚会」と叫ぶ。大将の師を出すは宜しく坤宮より出発し・巽宮に営を扎すべく、首級五千を斬獲する可く、還た一名の天文地理に通暁する将才を招得し、招撫して帰順せしむる可し。師を出す時若し大雪に遇上り、春天は則ち細雨に遇い、また両隻の狗の西方より跑り来たる有るは、皆な是れ応験なり。値する所の時局:陰遁九局丁日または壬日の丙午時。第二十六局:丙奇と「朱雀」・天任星と同宮にして「生門」に臨む、「如魚失水」と叫ぶ。大将の師を出すは不利、士卒の火器・箭矢に傷せらるるを主る。若し軍情緊急にして出でざるを得ざれば、則ち坎宮方向を走り、并びに丁甲の符を書写し、符水を以て制伏せば、凶を轉じて吉と為す可し。門を出ずる時人の手に彩色の物を持ちて迎面して来たるを看るを忌諱す、那是れ不利の兆なり。
第二十七局:丙奇同值符、心星臨傷門,號曰“得出天羅”。主大將出師,宜出南方坐正北,始不利,主午時大獲輜重、器械,途中遇青衣道人持書獻策來迎,大吉。第二十八局:丙奇同值符、芮星臨杜門遇甲己日,號曰“六甲逢時”。出軍有小傷,士卒皆有憂色,午時出兵大利,得土地、破城,人心歸順,出門五百里有婦人衣色服自西方來,大利。陽八局丙辛日丙申時。
第二十七局:丙奇と「値符」・天心星と同宮にして「傷門」に臨む、「得出天羅」と叫ぶ。大将の師を出すは宜しく南方に向かって出兵し・正北に坐镇すべく、起初は不利、午時に到れば便ち大量に輜重と器械を繳獲すること能くす。途中青衣を身着る道人の手に書信を持ちて前来りて策を献じ迎接するに遇うは、大吉なり。第二十八局:丙奇と「値符」・天芮星と同宮にして「杜門」に臨み、また甲日または己日に逢うは、「六甲逢時」と叫ぶ。兵を出せば小さき傷亡有らん、士卒の臉上皆な憂色を帯ぶ。但し午時に兵を出せば則ち大いに利あり、土地を奪取し・城池を攻破し、人心帰順すること能くす。門を出でて走ること五百里、身穿彩色衣服の婦人の西方より来たる有るは、大いに利あり。値する所の時局:陽遁八局丙日または辛日の丙申時。
第二十九局:丙奇同勾陳、蓬星臨景門,號曰“魚龍變化”。主將出師單騎破,虜獲首級數十,宜坤宮坐營,軍行出門遇仙風、道人,大利。陽遁勾陳,陰遁白虎。陰八局丙辛日丁酉時。第三十局:丙奇同勾陳、英星臨死門,遇午、未時,號曰“寶鏡重磨”。大將出師,先敗後勝,得地五千,宜震宮,出門遇黃衣道人騎白馬至,大利。陽二局丙辛日丙申時。陰二局丙辛日戊戌、己亥皆同。
第二十九局:丙奇と「勾陳」・天蓬星と同宮にして「景門」に臨む、「魚龍変化」と叫ぶ。主将の師を出して単騎を以て敵を破り・首級数十を俘獲すること能くすを主る。宜しく坤宮に営を扎すべし。行軍して門を出ずる時清風と道人に遇上るは、大いに利あり。原注説明す:陽遁中の勾陳は、陰遁中には則ち白虎なり。値する所の時局:陰遁八局丙日または辛日の丁酉時。第三十局:丙奇と「勾陳」・天英星と同宮にして「死門」に臨み、また午時または未時に逢うは、「宝鏡重磨」と叫ぶ。大将の師を出すは先に敗れ後に勝ち、地五千を得る可し。宜しく震宮方向を走るべし。門を出ずる時黄衣道人の白馬に騎りて来たるに遇見するは、大いに利あり。値する所の時局:陽遁二局丙日または辛日の丙申時。陰遁二局丙日または辛日の戊戌時・己亥時も皆な相同なり。
第三十一局:丙奇同太陰臨驚門,號曰“蛇入龍穴”。主將出師可,宜入人城池,得金寶數萬,軍行出門西方有鼓聲,白雲射斗牛,黃雲蓋頂,大利。陽九局戊癸日丙辰時,但遺漏星名,是否天柱臨宮?俟查。第三十二局:丙奇同九天、六合臨開門,號曰“鴻鵠沖天”。主大將出師大勝,可奪人土地,斬將寨旗,軍中有員歸營,出門東南有紅霓射天市垣,大利。陰五局丁壬日丙午時,九天重出,是否遺漏天柱?俟查。
第三十一局:丙奇と「太陰」と同宮にして「驚門」に臨む、「蛇入龍穴」と叫ぶ。主将の師を出すは行く可く、宜しく敵人の城池に攻入すべく、金銀珍宝数万を得る可し。行軍して門を出ずる時西方より鼓声伝わり来たり、白雲斗宿・牛宿を直射し、黄雲頂を覆うは、大いに利あり。値する所の時局:陽遁九局戊日または癸日の丙辰時、ただ原書星名を漏記せり、是天柱星の宮に臨むや否や、なお查考を待つ。第三十二局:丙奇と「九天」・「六合」と同宮にして「開門」に臨む、「鴻鵠冲天」と叫ぶ。大将の師を出して大勝を主り、敵人の土地を奪取し、敵将を斬殺し・寨旗を拔取し、軍中に走失の人員の営に帰る有る可し。門を出ずる時東南方に紅色の虹霓の天市垣を直射する有るは、大いに利あり。値する所の時局:陰遁五局丁日または壬日の丙午時。此の条中九天重複して出現す、是れ漏記せる天柱星なるや否や、亦た查考を待つ。
第三十三局:丙奇同螣蛇、芮星臨休門遇壬子日,號曰“天罡擇地”。主將先凶後吉,有弓矢之傷,至吉時得勝,可得土地,殺人盈野。軍行出門三里主陰雨微微,大吉。第三十四局:丙奇同九地、任星臨生門,號曰“蛇入燕巢”。不可出軍,有敵人伏兵入營內,傷副將軍。軍行三里南方有鼓聲,主軍中有火起,不利。
第三十三局:丙奇と「螣蛇」・天芮星と同宮にして「休門」に臨み、また壬子日に逢うは、「天罡択地」と叫ぶ。主将は先に凶後に吉、弓箭の傷を受くる会有り、吉時に到れば便ち取勝すること能くし、土地を奪得し、敵を殺して遍野と為す可し。行軍して門を出でて三里に天の蒙蒙細雨を降らすを主るは、大吉なり。第三十四局:丙奇と「九地」・天任星と同宮にして「生門」に臨む、「蛇入燕巢」と叫ぶ。兵を出す可からず、敵人の伏兵の我が営に潜入し・副将を傷及するに因る。行軍三里の時南方より鼓声伝わり来たるは、軍中に火を起すを主る、是れ不利の兆なり。両局同じく休門・生門のこのごとき吉門に臨み、一吉一凶、見るべし吉門は還た同宮する所の八神と九星を看るを須要す。
第三十五局:丙奇同六合、輔星臨傷門,號曰“天門大開”。大將從震宮出可縛敵首,有擒王斬將之功,軍行有黑雲氣起震宮,大利。第三十六局:丙奇同六合、任星臨杜門遇庚申日,號曰“枯木逢春”。主戰陣已破之,兵復整出陣,竟成大利。軍行出門三里有鴉鳴之聲飛過,大吉。
第三十五局:丙奇と「六合」・天輔星と同宮にして「傷門」に臨む、「天門大開」と叫ぶ。大将震宮より兵を出せば敵方の首領を擒縛する可く、敵王を生擒し・敵将を斬殺する功有り。行軍の時黒色の雲気震宮方向より升起する有るは、大いに利あり。第三十六局:丙奇と「六合」・天任星と同宮にして「杜門」に臨み、また庚申日に逢うは、「枯木逢春」と叫ぶ。本方の陣勢已に攻破せられたるを主る、但し残兵重ねて整頓して再度出陣し、終に大利に轉成す。行軍して門を出でて三里、烏鴉の鳴叫して飛過する有るは、大吉なり。
第三十七局:丙奇同九天、芮星臨景門,號曰“蛟龍失水”。主出師不利,折車馬、損輜重。若事急宜向兌宮出,以行水解之,亦可半吉。軍行出門遇烈日,行至十里有鼓聲,大利。第三十八局:丙奇同朱雀、輔星臨死門,號曰“天沖臨陣”。出師宜從震方,主敵人退三舍,得首級四十,獲大將一員,出門西北方有巨雷聲,二十里大利。
第三十七局:丙奇と「九天」・天芮星と同宮にして「景門」に臨む、「蛟龍失水」と叫ぶ。師を出すは不利を主り、車馬を損折し・輜重を折損せん。若し軍情緊急なれば、則ち兌宮方向に朝かって兵を出し、行水の法を用いて禳解せば、亦た半吉を得る能くす。行軍して門を出ずる時烈日に遇上り、走りて十里の処に鼓声を聴見せば、則ち大利に轉ず。第三十八局:丙奇と「朱雀」・天輔星と同宮にして「死門」に臨む、「天冲臨陣」と叫ぶ。師を出すは宜しく震方より進兵し、敵人の九十里に退避するを主り、首級四十を斬獲し・敵方の大将一員を擒獲する可し。門を出ずる時西北方に巨雷の声響起し、行きて二十里の処に至るは大いに利あり。
第三十九局:丙奇同值符、芮星臨驚門遇卯未日時,號曰“風雲聚會”。主大將出師,棄西北出東南,伏兵能得首級五百。軍行出門三里有野飛來,大吉。陽二局甲己日丙寅時。陰二局乙庚日丙子時。第四十局:丙奇同九天、芮星臨開門,號曰“群羊搏虎”。辰戌日時出兵大敗,折馬卒三千,不宜戰。軍行遇虎,不利。
第三十九局:丙奇と「値符」・天芮星と同宮にして「驚門」に臨み、また卯・未の日辰または時辰に逢うは、「風雲聚会」と叫ぶ。大将の師を出すは西北を捨弃して東南より出兵すべきを主り、伏兵を設下して首級五百を斬獲すること能くす。行軍して門を出でて三里に野禽の飛来する有るは、大吉なり。値する所の時局:陽遁二局甲日または己日の丙寅時。陰遁二局乙日または庚日の丙子時。第四十局:丙奇と「九天」・天芮星と同宮にして「開門」に臨む、「群羊搏虎」と叫ぶ。辰・戌の日辰または時辰に兵を出せば大敗し、馬匹・士卒三千を損折し、交戦に宜からず。行軍途中に老虎に遇見するも、亦た不利の兆なり。
第四十一局:丙奇臨太陰、蓬星臨休門,號曰“天日照臨”。主兵得勝,吉。縛大將一員,得地三十里,城池可破,軍行宜從艮宮出,坐坤宮,行至五百里有大火,風雨十里有。陽三局戊癸日丙辰時。陰八局日時皆同。第四十二局:丙奇同六合、沖星臨生門,號曰“秋風四起”。軍行宜在艮宮出,坐在兌宮,四路伏兵,破敗敵五百騎,俱不利水戰。軍行出門有一人獻輿圖,大利。
第四十一局:丙奇と「太陰」・天蓬星と同宮にして「休門」に臨む、「天日照臨」と叫ぶ。兵を用いて勝を得るを主る、是れ吉局なり。敵方の大将一員を擒縛し・地三十里を得、城池攻破する可し。行軍は宜しく艮宮より出発し、坤宮に営を扎すべし。走りて五百里の処に大火に遇上る会有り、再行きて十里に風雨有り。値する所の時局:陽遁三局戊日または癸日の丙辰時。陰遁八局の日辰・時辰も皆な相同なり。第四十二局:丙奇と「六合」・天冲星と同宮にして「生門」に臨む、「秋風四起」と叫ぶ。行軍は宜しく艮宮より出発し、兌宮に営を扎すべし。四面に伏兵を設下し、敵騎五百を撃破する可く、但し各路皆な水戦に利あらず。行軍して門を出ずる時人の前来りて地図を進献する有るは、大いに利あり。
第四十三局:丙奇同朱雀臨傷門遇午未日,號曰“河魁奪魄”。主將宜出離宮坐坎宮,利水戰,可奪舟楫,軍行出門西方有火起,大利。陽一局乙庚日丙子時是否任星,應查。丙戌日時亦同天英又是。第四十四局:丙奇同九地、心星臨杜門遇申子辰日,號曰“天乙司沖”。軍行宜出兌宮坐震宮,可得地五千里。出門有黃衣人自南方來報獻消息,大利。
第四十三局:丙奇と「朱雀」と同宮にして「傷門」に臨み、また午日または未日に逢うは、「河魁奪魄」と叫ぶ。主将は宜しく離宮より出兵し・坎宮に坐镇すべく、水戦に利あり、敵方の船只を奪取する可し。行軍して門を出ずる時西方に火を起すは、大いに利あり。値する所の時局:陽遁一局乙日または庚日の丙子時、この局の臨む所是天任星なるや、当に查考すべし。丙戌の日辰・時辰も相同なり、臨む所また天英星と作す。第四十四局:丙奇と「九地」・天心星と同宮にして「杜門」に臨み、また申・子・辰日に逢うは、「天乙司冲」と叫ぶ。行軍は宜しく兌宮より出発し、震宮に営を扎すべく、地五千里を得る可し。門を出ずる時黄衣を身着る人の南方より来たりて消息を報送する有るは、大いに利あり。
第四十五局:丙奇同太陰、英星臨景門,號曰“火焚昆岡”。主大將出師百里,破寨斬首級七百。出門遇黃衣人自西來,大吉。陽二局癸酉日丙辰時。陰七局戊癸日丙辰時。第四十六局:丙奇同六合、柱星臨死門遇卯未日時,號曰“天河轉運”。出師不利,主傷士卒、車馬。軍行出師有微雨,行至三百里有群鳥向北飛來,不利。
第四十五局:丙奇と「太陰」・天英星と同宮にして「景門」に臨む、「火焚昆岡」と叫ぶ。大将の師を出して軍行百里し、敵寨を攻破し・首級七百を斬獲すること能くすを主る。門を出ずる時黄衣人の西方より来たるに遇見するは、大吉なり。値する所の時局:陽遁二局癸酉日の丙辰時。陰遁七局戊日または癸日の丙辰時。第四十六局:丙奇と「六合」・天柱星と同宮にして「死門」に臨み、また卯・未の日辰・時辰に逢うは、「天河轉運」と叫ぶ。師を出すは不利、士卒と車馬を損傷するを主る。行軍して出発する時細雨下り、走りて三百里の処に群鳥の北に向かって飛来する有るは、皆な不利の兆なり。
第四十七局:丙奇同朱雀、任星臨驚門,號曰“太乙得令”。軍行出門可得城池,戰必勝,攻必取。若在驚蟄時節,軍行有黃雲從巽宮起,大吉。第四十八局:丙奇同勾陳、心星臨開門在雨水前,號曰“河魁直時”。利水戰,可縛敵首,軍行遇西方有鼓聲,大吉。陽八局丙辛日丁酉時。陰四局日時同。陽一局丙辛日甲午時。
第四十七局:丙奇と「朱雀」・天任星と同宮にして「驚門」に臨む、「太乙得令」と叫ぶ。行軍して門を出でれば便ち城池を奪取し、戦えば則ち必ず勝ち、攻めれば則ち必ず取ること能くす。若し正に驚蟄の時節に当たり、行軍の時また黄雲の巽宮方向より升起する有れば、大吉なり。第四十八局:丙奇と「勾陳」・天心星と同宮にして「開門」に臨み、且つ雨水の節気の前は、「河魁直時」と叫ぶ。水戦に利あり、敵方の首領を擒縛する可し。行軍の時西方より鼓声伝わり来たるは、大吉なり。値する所の時局:陽遁八局丙日または辛日の丁酉時。陰遁四局の日辰・時辰相同なり。陽遁一局丙日または辛日の甲午時。
第四十九局:丁奇同值符、任星臨休門遇丑未日時,號曰“雨霽滄江”。出師宜出坎宮坐坤宮,可奪寨、焚糧、用計、伏兵,大勝。軍行三里有微雨,遇西風,大利。陽七局乙庚日丁丑時。陰四局戊癸日丁巳時。第五十局:丁奇同太陰、禽星臨生門,號曰“勝光爭位”。出師不利,主大將有災,士卒多阨。軍行宜退不宜進,軍行出門遇有北風大起,不利。陽八局丁壬日乙巳時。
第四十九局:星奇「丁」と「値符」・天任星と同宮にして「休門」に臨み、また丑・未の日辰・時辰に逢うは、「雨霽滄江」と叫ぶ。師を出すは宜しく坎宮より出発し・坤宮に営を扎すべく、敵寨を奪取し・敵糧を焚焼し・計謀を施用し・伏兵を設置し、大獲全勝する可し。行軍三里に細雨に遇い、また西風に遇うは、大いに利あり。値する所の時局:陽遁七局乙日または庚日の丁丑時。陰遁四局戊日または癸日の丁巳時。第五十局:丁奇と「太陰」・天禽星と同宮にして「生門」に臨む、「勝光爭位」と叫ぶ。師を出すは不利、大将に灾有るを主り、士卒多く困厄に遭う。行軍は宜しく退くべく進むに宜からず。門を出ずる時北風の大作するに遇上るは、是れ不利の兆なり。値する所の時局:陽遁八局丁日または壬日の乙巳時。
第五十一局:丁奇同六合、任星臨傷門,號曰“群鷄化鳳”。主將宜出震宮坐離宮,可破敵五百騎,遇午未時更勝。軍行有老人攜子來見,大吉。第五十二局:丁奇同朱雀臨杜門遇寅卯日時,號曰“火鍊金丹”。主大將出師,從兌上出先凶後吉,軍行出門遇婦人抱子來,見群鴉飛噪,大吉。陽四局甲己日丁卯時,但遺漏星名,是否天蓬臨宮,當須查考。陰四局亦同格局,又是天柱名,俟查。陽二局丙辛日戊子時,與陽四局同。
第五十一局:丁奇と「六合」・天任星と同宮にして「傷門」に臨む、「群鶏化鳳」と叫ぶ。主将は宜しく震宮より出兵し・離宮に営を扎すべく、敵騎五百を撃破する可し。若し午時・未時に逢えば則ち勝は更に大なり。行軍途中に老人の子供を帯びて前来りて相見する有るは、大吉なり。第五十二局:丁奇と「朱雀」と同宮にして「杜門」に臨み、また寅・卯の日辰・時辰に逢うは、「火錬金丹」と叫ぶ。大将の師を出して兌方より出兵するを主り、先に凶後に吉。行軍して門を出ずる時婦人の子供を抱きて走り来たるに遇見し、また群鴉の飛鳴を見るは、大吉なり。値する所の時局:陽遁四局甲日または己日の丁卯時、ただ星名を漏記せり、是天蓬星の宮に臨むや否や、なお須らく查考すべし。陰遁四局も亦た同様の格局なり、記する所また天柱星と作す、查考を待つ。陽遁二局丙日または辛日の戊子時、陽遁四局と相同なり。
第五十三局:丁奇同勾陳、禽星臨景門,號曰“鼠落糠盤”。出師先勝後不成,敗大功。軍出門見西方有火起,不利。第五十四局:丁奇同九天、英星臨死門遇子午日時,號曰“孤舟渡江”。主大將軍宜出坎宮,東方坐營,可斬大將三員者,首級三千,天子出師,可服萬國,出兵南方,有五色雲見,大吉。第五十五局:丁奇同六合、心星臨驚門,號曰“太歲坐營”。宜出大兵八方皆利,可得土地數千里,敵兵盡掃。軍出南方有大風起,白雲見頂,大吉。
第五十三局:丁奇と「勾陳」・天禽星と同宮にして「景門」に臨む、「鼠落糠盤」と叫ぶ。師を出すは先に勝ちて後に成らず、終に大功を敗壊す。門を出ずる時西方に火を起すを看るは、是れ不利の兆なり。第五十四局:丁奇と「九天」・天英星と同宮にして「死門」に臨み、また子・午の日辰・時辰に逢うは、「孤舟渡江」と叫ぶ。大将は宜しく坎宮より出兵し、東方に営を扎すべく、敵将三員を斬り・首級三千を獲る可し。若し是れ天子親自に師を出せば、更に万国をして帰服せしむる能くす。南方に向かって出兵する時五色雲出現する有るは、大吉なり。第五十五局:丁奇と「六合」・天心星と同宮にして「驚門」に臨む、「太歳坐営」と叫ぶ。宜しく大いに挙げて兵を出すべく、八方皆な利あり、土地数千里を得、敵兵掃蕩して一空せられん。兵を出す南方の時大風刮り起り、白雲頭頂に現ずるは、大吉なり。丁奇の諸局は四十九局より起算し、これに至りて已に七局を暦り、凶吉相間がり、用うる時は須らく日辰と臨む所の門を併看すべし。
黄石公奇門七十二局軍中応験神符経(続)
第五十六局:丁奇同值符、輔星臨開門,號曰“豹變南山”。主將出師大勝,軍出宜出巳宮坐營震宮,出門有二小兒從北方來見,大吉。陽三局乙庚日丁丑時。陰九局戊癸日丁巳時。第五十七局:丁奇同太陰、蓬星臨休門遇丑未日時,號曰“雷震百里”。大將出師大利,宜出震宮,得地二百里,斬首級五百。出門遇婦人著紅衣自西方來,大吉。陽七局丁丑日丙戌時。陰三局同。
第五十六局:丁奇と「値符」・天輔星と同宮にして「開門」に臨む、「豹変南山」と叫ぶ。主将の師を出して大勝す。兵を出すは宜しく巳の方位より出発し、震宮に営を扎すべし。門を出ずる時両個の小孩の北方より走り来たりて相見する有るは、大吉なり。値する所の時局:陽遁三局乙日または庚日の丁丑時。陰遁九局戊日または癸日の丁巳時。第五十七局:丁奇と「太陰」・天蓬星と同宮にして「休門」に臨み、また丑・未の日辰・時辰に逢うは、「雷震百里」と叫ぶ。大将の師を出すは大いに利あり、宜しく震宮より出兵し、地二百里を得・首級五百を斬獲する可し。門を出ずる時身穿紅衣の婦人の西方より走り来たるに遇見するは、大吉なり。値する所の時局:陽遁七局丁丑日の丙戌時。陰遁三局もこれと相同なり。
第五十八局:丁奇同六合輔星臨生門,號曰“六合臨陣”。主大將出師大勝,軍出離宮坐震宮,直擊敵首,莫攻敵尾。出門有雞鳴,大吉。第五十九局:丁奇俱同前。第六十局:丁奇同六合、心星臨杜門,號曰“玉女反面”。主大將出師不利,巽宮出營,宜坐營稍吉。軍出門行五里遇微雨,至十里有敵來戰,不利。陰三局丁壬日庚子時。
第五十八局:丁奇と「六合」・天輔星と同宮にして「生門」に臨む、「六合臨陣」と叫ぶ。大将の師を出して大勝を主る。兵を出すは離宮より出発し、震宮に営を扎す。作戦は直ちに敵軍の首脳を取るを要し、敵軍の後尾を攻むるなかれ。門を出ずる時鶏鳴を聴見するは、大吉なり。第五十九局:用う所の丁奇の格局は前一局と完全相同なり。第六十局:丁奇と「六合」・天心星と同宮にして「杜門」に臨む、「玉女反面」と叫ぶ。大将の師を出すは不利を主る。若し巽宮より営を出でば、就地に坐守して稍稍吉を得るに如かず。門を出でて走る五里に細雨に遇い、走りて十里に敵軍の前来りて交戦する有るは、是れ不利の兆なり。値する所の時局:陰遁三局丁日または壬日の庚子時。
第六十一局:丁奇同朱雀、任星臨景門,號曰“六丁沖陣”。出軍宜向西方坐營,有敵伏在北方,可得地三處。出門空中有五色雲見,行至三里遇群豬,大利。第六十二局:丁奇同太陰、任星臨死門,號曰“金剛掃地”。出師宜向南,又宜坐震宮,主先凶後吉,可得首級五千。軍出門遇術士獻策,大利。
第六十一局:丁奇と「朱雀」・天任星と同宮にして「景門」に臨む、「六丁冲陣」と叫ぶ。兵を出すは宜しく西方に朝かって営を扎すべし。敵人に伏兵の北方に在る有り、須らく防ぐべし。此の行は三処の地方を得る可し。門を出ずる時空中に五色雲出現し、走りて三里の処に一群の猪に遇見するは、大いに利あり。第六十二局:丁奇と「太陰」・天任星と同宮にして「死門」に臨む、「金剛掃地」と叫ぶ。師を出すは宜しく南方に朝かい、また宜しく震宮に坐镇すべし。先に凶後に吉を主り、首級五千を斬獲する可し。門を出ずる時術士の前来りて策を献ずるに遇見するは、大いに利あり。この両局は皆な天任星を以て主と為し、一は景門に臨みて伏兵に利あり、一は死門に臨みて先に凶後に吉、取用する時は須らく門の性情を辨明すべし。
第六十三局:丁奇同九天、輔星臨驚門,號曰“河落呈祥”。宜南方出軍,東方坐營。若攻城亦宜向震宮,三日奏捷。軍出門三里見瑞氣從東南方來,大吉。第六十四局:丁奇同九天、禽星臨開門,號曰“太白垂光”。出師得勝,多獲金寶。軍行宜出震宮坐干宮。行五里有鸇鳴,二百里人獲器物,大利。
第六十三局:丁奇と「九天」・天輔星と同宮にして「驚門」に臨む、「河落呈祥」と叫ぶ。宜しく南方より出兵し、東方に営を扎すべし。若し城を攻めんと要せば、亦た宜しく震宮方向に朝かうべく、三日の内に便ち捷を奏する可し。門を出でて三里に祥瑞の気の東南方より来たるを看るは、大吉なり。第六十四局:丁奇と「九天」・天禽星と同宮にして「開門」に臨む、「太白垂光」と叫ぶ。師を出して勝を得、金銀珍宝を多獲すること能くす。行軍は宜しく震宮より出発し、乾宮に営を扎すべし。走る五里に鹯鳥の鳴叫を聴見し、走りて二百里に人の器物を拾獲する有るは、大いに利あり。
第六十五局:丁奇同蓬星臨休門遇辰戌日,號曰“熒惑生光”。宜離宮出軍,坎宮坐營,宜用火攻,可破敵都邑,俘獲上將,出門見黃衣人自北來,不利。第六十六局:丁奇同值符、輔星臨生門,號曰“羅猴過渡”。宜出師坎宮坐營坤宮,主破敵三十騎,得地百里,斬首級三千。軍出遇大風一陣,即不利。
第六十五局:丁奇と天蓬星と同宮にして「休門」に臨み、また辰日または戌日に逢うは、「熒惑生光」と叫ぶ。宜しく離宮より出兵し、坎宮に営を扎すべく、宜しく火攻を用い、敵方の都城を攻破し・上将を俘獲する可し。但し門を出ずる時若し黄衣人の北方より走り来たるを看れば、則ち是れ不利の兆なり。第六十六局:丁奇と「値符」・天輔星と同宮にして「生門」に臨む、「羅睺過渡」と叫ぶ。宜しく坎宮より師を出し、坤宮に営を扎すべし。敵騎三十を撃破し・地百里を得・首級三千を斬獲するを主る。行軍途中若し一陣の大風に遇上れば、則ち不利に轉ず。
第六十七局:丁奇同朱雀、心星臨傷門,號曰“月孛當空”。出師不利,事急不得已,宜以鬼掌符水噀北方可出,得三里有跛足人自西北來報,大利。第六十八局:丁奇同勾陳、禽星臨杜門,號曰“月德臨門”。宜副將出陣,可得地五千里,宜兌宮坐營,出軍東方,向西而行,有雷炮聲應,大吉。
第六十七局:丁奇と「朱雀」・天心星と同宮にして「傷門」に臨む、「月孛当空」と叫ぶ。師を出すは不利。若し軍情緊急にして出でざるを得ざれば、則ち鬼掌符水を用いて北方に朝かって噴洒して路を開き、方に兵を出す可し。走り出でて三里に跛脚の人の西北方より来たりて信を報ずる有るは、反って大いに利あり。第六十八局:丁奇と「勾陳」・天禽星と同宮にして「杜門」に臨む、「月徳臨門」と叫ぶ。宜しく副将に由りて出陣し、地五千里を得る可し。宜しく兌宮に営を扎し、東方より出兵し、西方に朝かって進発すべし。途中に雷声・炮声の相応ずる有るは、大吉なり。
第六十九局:丁奇同九天、天任星臨景門,號曰“天德照門”。利副將出師,軍行五里遇伏兵,不可戰,行二里東方有火光,不利。第七十局:丁奇同九地、柱星臨死門,號曰“陰陽不交”。主大將出師,有弓矢之災。軍出不宜北方,利西南方,坐營艮宮,其災可免。行三里有公差騎馬,大吉。
第六十九局:丁奇と「九天」・天任星と同宮にして「景門」に臨む、「天徳照門」と叫ぶ。副将の師を出すに利あり。但し行軍五里に敵人の伏兵に遇上る会有り、交戦すべからず。再走ること二里に東方火光現ずるは、是れ不利の兆なり。第七十局:丁奇と「九地」・天柱星と同宮にして「死門」に臨む、「陰陽不交」と叫ぶ。大将の師を出せば弓箭の灾有ることを主る。出兵は北に向かうに宜からず、西南方向に利あり、艮宮に営を扎せば、この灾禍則ち避免する可し。走る三里に公差の馬に騎りて過ぐるに遇うは、大吉なり。この両局は皆な凶象を先に有し、一つは途中に伏に遇い・一つは身に弓矢を受く、全く方を択び営に坐するに頼りて化解す、見るべし凶局は併せて全然用うべからざるに非ず。
第七十一局:丁奇同九天、任星臨驚門,號曰“三臺得位”。出師大勝,宜艮宮出軍,坎宮坐營可,軍千乘地千里,出門有微雨,大吉。第七十二局:丁奇同勾陳、輔星臨開門,號曰“瑞生九鼎”。主出師大勝,四方皆利,得城池、土地並得上將首級。軍行三里有白雲自西北方來,東方風起,皆大利。
第七十一局:丁奇と「九天」・天任星と同宮にして「驚門」に臨む、「三台得位」と叫ぶ。師を出して大勝す。宜しく艮宮より出兵し、坎宮に営を扎すべし。兵車千乗・土地千里を得る可し。門を出ずる時細雨下るは、大吉なり。第七十二局:丁奇と「勾陳」・天輔星と同宮にして「開門」に臨む、「瑞生九鼎」と叫ぶ。師を出して大勝を主り、四方皆な利あり、城池・土地を奪得し、并びに敵方の上将の首級を斬獲すること能くす。行軍三里に白雲の西北方より飄来する有り、東方また風起るは、皆な大利の兆なり。七十二局これに至りて俱全し、乙・丙・丁の三奇各々二十四局を領し、八門・九星と八神に配合す、およそ軍中の事を用うるは皆な局に按じて断を取る可し。
巻三十
奇門地盤図
此陽遁一局,先以左邊掌訣,甲子戊起一坎,順飛六儀,逆布三奇,即知某為值符,某為值使矣,諸照此而推之。其圖如左:甲寅癸 丁 丙 乙;干六 兌七 艮八 離九;天心、開 天柱、驚 天任、生 天英、景;天禽星寄於坤宮甲辰壬;甲午辛 甲申庚 甲戌己 甲子戊;巽四 震三 坤二 坎一;天輔杜 天沖、傷 天芮、死 天蓬、休。
これは陽遁一局の地盤なり。排法は先ず左手の掌訣を用い、甲子の遁する所の戊を坎一宮に起し、然る後に六儀を順飛し・三奇を逆布すれば、某星の「値符」と為るか・某門の「値使」と為るかは一目瞭然、其の余の各局は皆なこのごとく照らして推排す。図式は以下のごとし。乾六宮は甲寅癸と為し、兌七宮は丁奇と為し、艮八宮は丙奇と為し、離九宮は乙奇と為す。この四宮の配する所の星門は、天心星は開門に配し、天柱星は驚門に配し、天任星は生門に配し、天英星は景門に配す。天禽星は坤宮に寄居し、坤宮の遁する所は甲辰壬なり。下面の一排は、巽四宮は甲午辛と為し、震三宮は甲申庚と為し、坤二宮は甲戌己と為し、坎一宮は甲子戊と為す。配する所の星門は、天輔星は杜門に配し、天冲星は傷門に配し、天芮星は死門に配し、天蓬星は休門に配す。
此地盤一定不易者也。所謂地主靜也,五日換一元。天盤則時時不同,所謂天主動也。如乙丑時則以休門加天盤坤為值使,以值符天蓬星甲子戊加離九為值符,諸照此例。歌曰:“戊子干宮亥為庚,戊寅坎艮丑壬辰,戊午生門同甲卯,四宮戊戌二九申,上有戊辰庚酉辛,一飛盤過一回新,二十四盤方上起,門從方上定金鳴,所泊若差時一位,就將方位東方神,此是九星真秘訣,消凶納吉萬全亨”。
この幅の地盤は固定して変わらず、所謂「地主静」にして、毎五日に初めて一元を換う。天盤は却って時時に同じからず、所謂「天動」と為す。譬えば乙丑時に到れば、則ち休門を天盤の坤宮上に加えて「値使」と為し、値符の領く所の天蓬星甲子戊を離九宮上に加えて「値符」と為し、その余は皆なこの例に照らして推す。歌訣有りていう、戊子は乾宮に在り、亥位は庚に属す。戊寅は坎・艮の間に在り、丑位は壬に配し・辰位相随う。戊午は生門と同在して甲卯の位に在り。第四宮は戊戌、二宮・九宮は申に配す。上面にまた戊辰有り、庚は酉に配し・辛相随う。盤は毎に一転を飛び過ぐれば便ち一副の新局を換う、二十四盤皆な方位上より起算し、八門もまた方位に依りて金を鳴らし兵を収むる処を定出す。泊る所の宮若し一位差えば、則ち該方位の東方の神を取りて校正す。これは九星の真正の秘訣にして、それを用いて凶険を消解し・吉利を納受すれば、万全にして亨通す。
歌曰:“一盤西去兩盤東,二至精微在此中,一二卻從天上落,八九順從地下通,二九伏從丁九丙,乙丙山山盡起風,三四過去重三九,一盤起去一盤宮,此方即是真神女,九九移來路上同,非是賢人莫妄語,怕將機巧亂研窮”。以子加直使,陽遁順,陰遁逆,玉女時上落在何宮是也。
また歌訣有りていう、一盤は西に向かって飛び去り、両盤は東に向かって轉じ来たる、冬至・夏至の両個の至点の精微は則ちこの裏面に在り。一宮・二宮は天上より落下し、八宮・九宮は地下に順い相通ず。二宮・九宮の伏藏の処は丁奇より算り起し、九宮また帰して丙奇にす。乙奇と丙奇の臨む所の山位は処処皆な風を起すこと能くす。三宮・四宮過ぎ去れば便ち重ねて三宮・九宮に回る。一盤を起せば則ち一宮を轉ず。この方位は則ち真正の玉女の在る所にして、九九の数移り来たれば道路相同なり。賢徳の人に非ざれば軽々しく講説する可からず、ただ人のこれらの机巧の術を拿りて胡乱に窮究するを恐る。玉女を求むるの法は、子時を「値使」の上に加え、陽遁は順に数え・陰遁は逆に数え、占う所の時の玉女の哪一宮に落つるかを看れば、則ちそれは玉女の位なり。
此是陽遁上元甲己日乙亥時,值使在三宮,故休門杜坤,取子加卯順行,看亥落何宮,即知亥時在艮景門上,左足先二步華蓋,豹向豹尾而去,人鬼不見形。其法照飛宮,指陰陽二遁。如冬至上元甲己日甲子時,則知九天在休門,九地在離;夏至上元甲己日甲子時,九地在休門,九天在離,餘仿此而推之。
例を挙げて言わば、これは陽遁上元甲日または己日の乙亥時にして、「値使」震三宮に落つ、故に休門は坤宮に堵す。子時を取りて卯位上に加えて順に数え、亥時の哪一宮に落つるかを看れば、便ち亥時は艮宮の景門の上に落つるを知る。この時左脚先に両歩を邁ぎて「華蓋」の位を踏み、豹子のごとく豹尾方向に朝かって去れば、人も鬼も汝の形影を見る能わず。この套の法は飛宮の次序に照らして算するを要し、并びに陰遁・陽遁両種に分かつ。譬えば冬至上元甲日または己日の甲子時は、則ち「九天」は休門に在り・「九地」は離宮に在るを知る。夏至上元甲日または己日の甲子時は、則ち是れ「九地」は休門に在り・「九天」は離宮に在り、その余は皆なこれを照らして類推す。
歌曰:“赤道白道與黃道,不避千年騐不到,餘此六道是吉神,配合奇門遁真好”。法分二遁隱避之訣,必分道,遁道之中赤、白、黃三道,尤宜謹避。不然雖合三奇吉門,亦遁不通,難免十患。此即甲乙丙丁戊陽時,神居天上要君知也,陰時仿此。
歌訣有りていう、赤道・白道と黄道のこの三条の道は、若し回避せざれば、千年も霊効を験し出だす能わず。これを除くの外の六条の道は皆な吉神の行く所にして、奇門に配合して遁蔵して初めて真に好用なり。この套の法は陽遁・陰遁両種の身を隠し害を避くる訣竅に分かち、法を行う時は必ず先ず走る所の道を分清せねばならず。諸道の中、赤道・白道・黄道のこの三条は尤も当に謹慎して回避すべし。然らざれば縦ち三奇と吉門を凑合するとも、亦た遁蔵して通ぜず、十種の禍患を招来するを免れ難し。以上の講る所は正に甲・乙・丙・丁・戊のこの五個の陽時の中に諸神の天盤に居る道理にして、諸君に記住せよと請うを要す。陰時の推法はこれを照らして類推す。
諸葛武侯行兵遁甲金函玉鏡
諸葛武侯行兵遁甲金函玉鏡図序
金函玉鏡者,蜀時諸葛孔明所著也。當漢末時因黃巾之亂,天下豪傑並起,而曹氏父子、孫權、周瑜諸將,皆稱召用兵過於孫吳者也,獨孔明與蜀主往往行兵遇敵,縱橫吳魏間,以正維奇兵而獲勝者何?
『金函玉鏡』この部の書は、三国蜀漢の時の諸葛孔明の撰する所なり。当に東漢の末年、黄巾の乱起り、天下の豪傑紛紛として起り、曹操父子および孫権・周瑜等の将領、人人皆な兵を用うること孫武・呉起に勝ると号す。独り孔明と蜀主劉備のみ屡々兵を出して敵に遇い、能く東呉と曹魏の間に於て縦横に往来し、正兵を以て綱と為し・また奇兵を輔えて屡々勝利を獲たり、これ是れ何の故ぞや。
蓋此乃出於金函玉鏡之書,是書始自上古聖皇軒轅氏破蚩尤不勝,齋戒上感九天玄女,傳授驅役六丁玉女之神,諸遁甲旬內逐日遁時,書為八門定以吉凶,分內外勝負集為秘書一編傳於世間,而孔明得之於龍門山岩穴之間,孔明行師出陣用以取勝,魏吳諸將咸稱其神焉。
元来これ皆な『金函玉鏡』一書より出づ。此の書の源頭は上古に在り。聖皇軒轅氏の蚩尤を討伐して久しく攻め下さざりしに、於是斋戒して祈祷し、上は九天玄女に感じ、玄女は彼に六丁玉女の神を駆使役令するの法門を伝授し、遁甲各旬の内の逐日逐時の遁法を、写して八門と為して以て吉凶を定め、内外・主客の勝負を分出し、彙集して一部の秘書と為して世間に流伝す。孔明はこれを龍門山の岩穴の中に於て得て、行軍して陣を布く時に用いて以て勝を取り、魏・呉両国の将領彼を称して神と為さざる無し。
孔明奇其書可以傳世,厥後自畫圖局六十甲子日,每日十二時,全圖局俱載,九星所值,各門吉凶成敗,以備行兵擇選用之者,其應如響,名之曰金函玉鏡圖,其書指畫詳明,別為一家,不與遁甲諸書相似,所稱神異,不可測度者也。
孔明この部の書の奇特にして、足りて後世に伝うべしと認め、此の後便ち親自に図局を絵制す。六十甲子日を以て綱と為し、毎日十二個の時辰、全部の図局を一一に載明し、九星の値する所の宮・各門の吉凶成敗を標出し、行軍の時に選択取用に供す、応験するや回声のごとき迅速なり、因りて名を取りて『金函玉鏡図』と曰う。この部の書は画法を指点して詳細明白、自ら一家を成し、他の遁甲の書と皆な相同じからず、故に神異にして揣测すべからずと称せらる。
孔明有云,是書在兵興之日則為行軍,其歷代作日用選擇出行必不可無者甚矣,流傳於世歷代,知兵之將帥,此秘而寶之,其傳者寡矣。餘學兵二十年,凡武經韜略七寶新書,六旨金鏡,青囊索書,諸家兵法悉得觀覽,獨孫氏與是圖,相為體用,誠國家之書籍,而無毫髮差誤,實世之寶焉。
孔明曾ていう、この部の書は兵を興すの日に於て行軍に用う可く、歴代も以て日常に時日を選択し・出行して取用するに、亦た万万に缺少すべからざるなり。それ世に流伝し、歴代の兵法を懂る将帥皆なそれを秘藏して珍視す、故に真正に伝わり来たるは甚だ少なし。我は兵学を研習すること二十年、およそ『武経』『韜略』『七宝新書』『六旨金鏡』『青囊索書』等の各家の兵法、皆な遍覧を得たり。その中にただ孫子兵法とこの部の図書と、一つは体と為し一つは用と為し、互相に配合し、実に国家の典籍にして、而且毫髪差わらず、確かに世間の宝なり。
餘雖武人不文獨得是圖之微奧,不敢擅秘,以故今出終南山黃岩老人,夙朝本朝大將狄青家藏本繕圖式,命史端撫抄錄用,廣其傳以俟後世,明哲忠謀之士用兵之際,得以觀閱闡助武功,以見餘之不秘昔賢之傳也。
我は武人なりと雖も・文辞を擅とせず、而も独りこの部の図書の精微奥妙を領会したり、敢えて独り秘藏せず。因りて如今終南山の黄岩老人の伝えし所、および先朝・本朝の名将狄青の家中の蔵する所の本子を取出し、繕写して図式と為し、史端を命じて摹写抄録せしめ、好んでそれを広く流伝せしめ、以て後世を待たん。明智忠贞・深く謀略有るの士をして、兵を用うるの際に於て、翻閲して参考し、藉りて武功を助成せしめんことを。これもまた我の前賢の伝授を私に秘藏するを肯んぜざるを表明するなり。
諸葛武侯行兵遁甲金函玉鏡巻一
九星落局法
冬至後陽遁順行九宮起例(一日一宮完,即至上日甲戌,餘例仿此):甲子為頭起艮,甲戌飛入宮字,猿猴翻入水晶宮(坎),甲馬坤中不動,曾見龍生震地,再看虎嘯生風(巽),九星殿上顯奇功,太乙臨之法用。假如,甲子日艮上起太乙,離上攝提,坎上軒轅,坤上招搖,震上天符,巽上青龍,中宮咸池,乾上太陰,兌上天乙,此九星順行九宮之法也。
冬至以後は陽遁を用い、九星の九宮を順行する起例は以下のごとし(一天に一宮を走り、走り完れば一轮に到りて上一个の甲戌日に至る、其の余の各旬はこれを照らして類推す)。甲子旬を頭と為し、艮宮より起る。甲戌旬は飛び入りて離宮に入る。甲申旬――申は猴に属す、故にいう猿猴翻りて水晶宮に入る――坎宮に落つ。甲午旬――午は馬に属す、故に甲馬という――坤宮に落ちて動かず。甲辰旬――辰は龍に属す、故にいう龍は震地に生ず――震宮に落つ。甲寅旬――寅は虎に属す、故にいう虎嘯して風生ず――巽宮に落つ。九星この九宮の殿位上に於て各々奇功を顕し、而も「太乙」の臨む所の処を以て用法の起点と為す。例を挙げて言わば、甲子日艮宮に太乙を起し、離宮は是れ摂提、坎宮は軒轅、坤宮是れ招揺、震宮是天符、巽宮是青龍、中宮是咸池、乾宮是太陰、兌宮是天乙――これ則ち九星の九宮を順行するの方法なり。
夏至後陰遁逆行九宮起例:甲子為頭起坤,甲戌飛入坎宮,猿猴馬上笑欣欣(離),甲馬山中直進(艮),龍臨金位顯位能(兌),虎向干方坐鎮,九宮太乙逆行,仔細推求有應。假如,甲子日坤上起太乙,坎上攝提,離上軒轅,艮上招搖,兌上天符,乾上青龍,中宮咸池,巽上太陰,震上天乙,此九星逆行九宮之法也。
夏至以後は陰遁を用い、九星の九宮を逆行する起例は、甲子旬を頭と為し、坤宮より起る。甲戌旬は飛び入りて坎宮に入る。甲申旬――申は猴に属す――離宮に落つ。甲午旬――午は馬に属す――直ちに艮宮のこの山に入る。甲辰旬――辰は龍に属す――兌宮のこの金に属する位に臨む。甲寅旬――寅は虎に属す――乾宮方向に朝かって坐镇す。九宮の中、太乙は次序に逆らいて行走し、仔細に推求して初めて応験有るを要す。例を挙げて言わば、甲子日坤宮に太乙を起し、坎宮是れ摂提、離宮是軒轅、艮宮是招揺、兌宮是天符、乾宮是青龍、中宮是咸池、巽宮是太陰、震宮是天乙――これ則ち九星の九宮を逆行するの方法なり。
九星神名次序起例:一太乙吉、二攝提凶、三軒轅平、四招搖平、五天符凶、六青龍吉、七咸池凶、八太陰吉、九天乙吉。冬至後陽遁八門起例:陽干順布八門,甲丙戊庚壬為陽;陰干逆布八門,乙丁己辛癸為陰。甲戊壬子坎為休,丁辛乙卯向坤遊,庚甲戊午居震位,癸丁辛酉巽方求,庚丙鼠入金鄉去(干),己癸兔居水澤幽(兌),壬丙馬行山上路(艮),乙己雞與火為儔(離)。假如,甲子日陽順休生開,乙丑日陰逆休生開,丙寅日又順休生開,陰遁起例仿此。
九星神名の次序と吉凶は、第一太乙は吉と為し、第二摂提は凶と為し、第三軒轅は平と為し、第四招揺は平と為し、第五天符は凶と為し、第六青龍は吉と為し、第七咸池は凶と為し、第八太陰は吉と為し、第九天乙は吉と為す。冬至以後の陽遁の八門を布く起例は、日干の陽たるは順に八門を布き、甲・丙・戊・庚・壬は陽に属す。日干の陰たるは逆に八門を布き、乙・丁・己・辛・癸は陰に属す。歌訣にいう、甲子・戊子・壬子のこの三日は、休門坎宮に在り。丁卯・辛卯・乙卯の三日は、休門移りて坤宮に到る。庚午・甲午・戊午の三日は震宮に居る。癸酉・丁酉・辛酉の三日は巽宮に到りて求む。庚子・丙子の二日は「鼠金郷に入る」、休門乾宮に在り。己卯・癸卯の二日は「兔水沢に居る」、兌宮に在り。壬午・丙午の二日は「馬山上を行く」、艮宮に在り。乙酉・己酉の二日は「鶏火と儔を為す」、離宮に在り。例を挙げて言わば、甲子日は陽に属し、順に休門・生門・開門を数え、乙丑日は陰に属し、逆に休門・生門・開門を数え、丙寅日はまた轉じて順に数う――陰遁の起例もまたこのごとく照らして推す。
夏至後陰遁八門起例:甲戊壬子居離,丁辛乙卯艮連,戊寅甲馬兌宮先,丁癸辛酉乾健,赤白鼠遊巽位(丙庚),黑黃兔走東邊(癸己),丙壬騎馬到坤門,乙己雞飛坎畔。假如,甲子、戊子、壬子俱從離上起休門,每宮三日一換,陽順陰逆,起法如前。
夏至以後の陰遁の八門を布く起例は、甲子・戊子・壬子の三日は、休門離宮に在り。丁卯・辛卯・乙卯の三日は艮宮に連なる。戊寅と甲午の一類は先ず兌宮に落つ。丁酉・癸酉・辛酉の三日は乾宮に在り、その剛健を取る。丙子・庚子の二日は「赤白鼠」にして、游びて巽宮に到る。癸卯・己卯の二日は「黒黄兔」にして、走りて東辺の震位に向かう。丙午・壬午の二日は「馬に騎る」にして坤門に到る。乙酉・己酉の二日は「鶏飛び」て坎宮の畔に到る。例を挙げて言わば、甲子・戊子・壬子のこの几日は皆な離宮より休門を起し、毎一宮三天を管りて一換し、日干の陽に属するは順に数え・陰に属するは逆に数え、起法は前面の陽遁と相同なり。
飛宮掌訣起例
掌訣圖、八門圖:坤二(死) 兌七(驚) 干六(開);離九(景) 中五 坎一(休);巽四(杜) 震三(傷) 艮八(生)。起休門訣:如冬至後陽遁順起,甲戊壬子坎為休,是休門,在坎一,生門在艮八,數至開門在干六。乙丑日休門還在坎,生門轉干,數至開門在艮。丙寅日休門亦在坎,生門又轉在艮,開門又在干,此陽順陰逆也。如丁辛乙卯向坤遊,則休門移於坤二矣。此三日一換也,餘類推。夏至後甲戊壬子居離九,繫逆起亦問此義。
掌訣図と八門図の排法は、上排は坤二宮は死門に配し・兌七宮は驚門に配し・乾六宮は開門に配す。中排は離九宮は景門に配し・中五宮は門無し・坎一宮は休門に配す。下排は巽四宮は杜門に配し・震三宮は傷門に配し・艮八宮は生門に配す。休門を起す口訣は、冬至以後は陽遁を用いて順に起し、甲子・戊子・壬子の三日は休門坎宮に在り、即ち坎一宮なり。生門は艮八宮に在り、順に数えて下れば開門は乾六宮に在り。乙丑日に到れば、休門仍お坎宮に在り、生門轉じて乾宮に到り、数えて下れば開門は艮宮に在り。丙寅日は休門も亦た仍お坎宮に在り、生門また轉じ回りて艮宮に在り、開門また乾宮に在り――これ則ち陽日順に数え・陰日逆に数うの道理なり。若し丁卯・辛卯・乙卯の三日に到れば、休門則ち坤二宮に移去す。見るべし休門は三日に一換し、其の余はこれを照らして類推す。夏至以後は甲子・戊子・壬子の三日は休門離九宮に居り、是れ逆らいて起るにして、道理も一様なり。
九星起飛宮訣
如冬至後陽遁順行,甲子為頭起艮,從艮八上起太乙,順行離九攝提,轉坎一上軒轅,坤二招搖,震三天符,巽四青龍,中五咸池,干六太陰,兌七天乙,此九星順行也。一日一換,如甲子日太乙在艮,乙丑日太乙在離九,丙寅日太乙在坎一,丁卯日太乙在坤二,餘類推。如夏至後陰遁逆行,甲子為頭起坤,是從坤二上起太乙逆行坎一是也。
冬至以後は陽遁を用いて順行し、甲子旬を頭と為し艮宮より起る。艮八宮に太乙を起し、順行して離九宮に到れば是れ摂提、轉じて坎一宮に到れば是れ軒轅、坤二宮は是れ招揺、震三宮是天符、巽四宮是青龍、中五宮是咸池、乾六宮是太陰、兌七宮是天乙――これ則ち九星順行の次序なり。それ一天に一位を換う。甲子日太乙艮宮に在り、乙丑日太乙離九宮に在り、丙寅日太乙坎一宮に在り、丁卯日太乙坤二宮に在り、其の余これを照らして類推す。若し是れ夏至以後は陰遁を用いて逆行し、甲子旬を頭と為し坤宮より起れば、則ち坤二宮に太乙を起し、再び逆行して坎一宮に到り、かくのごとく順次に逆布す。
九星吉凶歌
一、太乙水神:逢著皂衣人求謁,訪謁婚姻皆大吉。門中見太乙,星曜號貪狼,博奕錢財眾,婚姻大吉昌,出門無阻滯,參謁見賢良。二、攝提土神:遇死門大凶,逢老婦悲啼,再逢牛犁耕田,不吉。遠行遭羈絆,耕地損牛犁,相生又問可,相尅見災危,死門並相見,老婦哭悲啼,求財並嫁娶,萬事不相宜,主隱匿藏道,言動則傷身。
第一位「太乙」、五行は水に属す。その応験の象は、路上に黒衣を穿つ人の前来りて見を求むるに遇い、およそ人を拜訪し・婚事を議するは皆な大吉なり。歌訣にいう、門中に太乙を見れば、この星また「貪狼」と叫ぶ。賭博・博戯は众多の銭財を贏得すること能くし、婚姻大吉大昌。出門に阻滞なく、参謁の時は賢良の人を見ることを得ん。第二位「摂提」、五行は土に属す。その応験の象は、死門に遇上れば則ち大凶。路上に老婦の悲啼するに遇見し、また牛の犁を拉して田を耕すに遇うは、皆な吉利ならず。歌訣にいう、遠行は羈絆に遭い、耕地は牛と犁を損傷せん。本命と相生せばなお事を問う可く、相尅すれば則ち灾危有り。若し死門と同時に出現せば、則ち老婦の哭泣悲啼の上に応ず。財を求め嫁娶するに、万事皆な相宜ならず。この時は宜しく身を隠匿して道に藏し、一たび口を開き一たび挙動すれば則ち身を傷らん。
三、軒轅木神:路遇宜見於十五里外。出入遇軒轅,作事必牽纏,相生災侵慢,相尅必憂煎,遠行逢迍遰,博奕定輸錢,九天玄女法,句句不虛傳。四、招搖木神:逢二親人,又見婦人口舌,怪夢驚恐,鄰家釜鳴,屋響不吉。招搖號木星,當門百事成,相尅行人阻,陰人口舌迎,怪夢多驚恐,屋響釜自鳴,陰陽消息用,作事不容情。
第三位「軒轅」、五行は木に属す。その応験の象は、路上に人に遇うを要し、宜しく十五里以外に在るべし。歌訣にいう、出入の際に軒轅に遇上れば、事を作せば必定に牽纏して清からず。本命と相生せば、灾禍の来たること緩やかにし、相尅すれば則ち必然に憂愁煎迫す。遠行は困頓・阻滞に遇い、賭博は必定に銭を輸す。これ是れ九天玄女の伝えし所の法にして、句句皆な虚言に非ず。第四位「招揺」、亦た木に属す。その応験の象は、両位の親人に遇う会有り、また婦人の口舌に碰上り、怪夢を作して驚恐し、隣家の鍋無故に響き、屋子異響を発出す、皆な不吉なり。歌訣にいう、招揺は木星と号し、正に門に当る時は百事成る可し。一旦相尅せば、出行の人は受阻し、婦人の口舌は迎面して来たる。怪夢頻生して人を驚恐せしめ、屋響き鍋鳴りて接続して出現す。須らく陰陽消長の理に按じて取用すべく、事を作り起すに毫も情を容れず。
五、天符土神:五鬼是天符,當門陰女謀,相尅無好事,言客在程遲,走失難得見,弔客惹成孤,此星當門值,切忌有災途,交戰出兵,迎鋒出陣,軍糧則利。六、青龍金神:路逢醫人或是酒仙,今博奕於道中。門內見青龍,求財喜重重,每逢茶酒食,博奕定見贏,相生錢財旺,休言尅破刑,接貴安營寨,萬事喜和同。
第五位「天符」、五行は土に属す。歌訣にいう、「五鬼」則ち是天符なり。それ正に門に当る時は、婦人の暗中に算計するを主る。一旦相尅すれば便ち好事無し。説く所の客人は路上に耽擱して遅到す。走失の人畜は尋見し難し。弔喪の客門に上り、孤苦を惹き起す。この星門に当りて事を値うは、最も途中に灾有るを忌む。但だ若し交戦して兵を出し・鋒刃を迎えて出陣し、および軍糧を運送するに用いれば、反って利有り。第六位「青龍」、五行は金に属す。その応験の象は、路上に医人または酒を好む人に遇見し、また道中に於て博戯して楽を取ること能くす。歌訣にいう、門内に青龍を見れば、財を求め喜事重重。毎々茶飯・酒食に遇上り、賭博必定に銭を贏す。本命と相生せば則ち銭財興旺し、更に尅破・刑冲を説くを須いず。用いて貴人を結交し・営寨を安んずれば、万事皆な歓喜和順す。
七、咸池金神:不可行軍破敵。五將號咸池,當門事不宜,相生皆無破,相尅有災危,博奕相輸脫,求財空手歸,神仙真妙訣,愚人要與知,軍事虛驚退,反覆逆風吹。八、太陰土神:行六七里,見有小兒牽羊至,求財成就吉。當門見太陰,百禍不能侵,方行六七里,知交有覓尋,妙法牢收取,回軍引馬前,有伏兵截路,慎不可輕行。九、天乙火神:行三十里見一婦人著五六色,遇抱小兒,百事吉。門迎天乙星,相生百事成,動用皆和順,茶酒自相迎,求婚行嫁娶,相會天自成,出軍交兵陣,一見定勝贏。
第七位「咸池」、五行は金に属す。その応験の象は、行軍して敵を破る可からず。歌訣にいう、五将の中に咸池と号す、正に門に当る時は諸事宜しからず。相生するも破損無しと雖も、相尅すれば則ち灾危有り。賭博は精光に輸し、財を求むるは空手にして回る。これ是れ神仙の真妙の口訣にして、愚人も亦た知るべし。軍事に用いれば、ただ虚驚一場にして兵を退くのみ、反復無常にして逆風の吹き来たるがごとし。第八位「太陰」、五行は土に属す。その応験の象は、六七里を走り、小孩の羊を牽きて过来るを看て、財を求めれば成るを得、是れ吉なり。歌訣にいう、門に当りて太陰を見れば、百般の禍患皆な侵し入ること能わず。剛に六七里を走れば、便ち知交の前来りて尋訪する有り。この妙法は牢く記取するを要す。若し是れ軍を回さば、須らく先ず馬を引きて前に在らしむべし、伏兵の道路を截断する有るに因り、千万に軽率にして行く可からず。第九位「天乙」、五行は火に属す。その応験の象は、三十里を走りて一位の五六種の顔色の衣服を穿つ婦人に遇見し、また小孩を抱く人に遇上る、百事皆な吉なり。歌訣にいう、門に天乙星を迎えば、本命と相生せば則ち百事成る可し。一挙一動皆な和順にして、茶酒自ずから人の相迎する有らん。婚を求め嫁娶すれば、相会自ずから天成せん。若し兵を出して交戦し陣を列れば、一たび此の星に遇えば必定に勝利を得ん。
八門吉凶歌
休門水神貪狼:求公干私遇休門,求財參謁貴人欽,欲速同行吉相助,出入嫁娶五福臨,休門己見百般食,出入經行得恁強,但求休門門見路,更逢吉利和衷腸。生門土神左輔:此門爭財見官訟兆,嫁娶避走,二十里見飛鳥來迎之,大吉。但凡出入遇生門,吉曜臨之萬事成,若有凶神相隔輟,求財所得利稱心,生門已見好經營,百事流通得稱情,此門出入逢歡喜,但求經營喜氣生。
「休門」五行は水に属し、北斗「貪狼」星に配す。歌訣にいう、公事を辦じ・私事を謀るに休門に遇えば、財を求め拜謁するも皆な貴人の敬重を得ん。快く事を成さんと欲せば、同行の人も来たりて吉利に相助せん。出入と嫁娶に皆な五福門に臨まん。休門を走れば便ち処処に各様の酒食を見ん。出門して路を行けば格外に順暢にして力有り。ただ休門の路に当るを求め、再び吉神に逢えば、人人和衷にして共に済わん。「生門」五行は土に属し、「左輔」星に配す。その応験の象は、此の門は財物を爭奪し・官を見て官司を打つの兆頭を主る。嫁娶と走失を躲避するの事は、二十里を走れば飛鳥の迎面して飛来する有り、大吉なり。歌訣にいう、およそ出入して生門に遇い、再び吉星の臨照有れば、万事皆な成就すること能くす。たとえ中間に凶神の隔断有るとも、財を求めて得る所もまた心に称う如し。生門一たび現われば、正に宜しく好く経営すべく、百事流通して心に遂う。此の門より出入すれば必ず歓喜に逢い、ただ経営に着手すれば、喜気自ずから生ず。
傷門木神祿存:此門出行必見精怪嚇、喧事、扭洩、血傷。出入求財如遇傷,更逢吉曜亦難當,跟前人惹疼病禍,自身須防有災殃,傷門往往是非傳,若出門來有禍僽,採捕稱心雖是好,其餘不得不憂煎。杜門木神文曲:此門宜出行、謁貴、求財,或遇避者,尅難吉。杜門公用各施行,亦見門中有吉星,茶酒自然留客住,忻歡百事喜相成,杜門曾見好經營,出入從來未稱情,若然逃遁如避難,即是元木也不成。
「傷門」五行は木に属し、「禄存」星に配す。その応験の象は、此の門より出行すれば、必定に精怪の驚嚇・吵鬧の事・扭打して憤を泄すおよび流血して受傷するに遇わん。歌訣にいう、出入して財を求め若し傷門に遇えば、縱ち再び吉星に逢うとも抵挡し難し。身辺の人は病痛・灾禍を招来し、自身もまた須らく灾殃を提防すべし。傷門往々にして是非を伝出し、一たび門を出でれば便ち禍事の纏糾有り。ただ采捕・漁猟のこの類の事のみ還た心に称うと算するも、その余の事は皆な憂愁煎迫を免れず。「杜門」五行は木に属し、「文曲」星に配す。その応験の象は、此の門は出行・貴人に謁見し・財を求むるに宜しく、若し是れ躲避せんと要する人に遇上れば、尅制有ると雖も吉と算す。歌訣にいう、杜門は公事・私事に用いて皆な施行する可し、門中もまた吉星を見ること能くす。自然に茶酒の客を留むる有りて、歓欣の中に百事相成らん。杜門曽て好き経営を見たりと雖も、但し出入従来甚だ心に称わず。若し是れ逃遁して難を避くるに用いれば、則ち原本の木気の利すら成らざらん。
景門火神廉貞:此門出行見貴、博戲、爭逐、捕獵,行四十里,必見喜樂聲。遠行出入景門中,無尅無生平吉凶,若值星辰方位惡,心頭作事亦難通,景門出入且宜良,翫賞嬉中第一強,採獵捕魚人少得,無憂無喜見安康。死門土神巨門:此門宜出獵、張捕、殺生,千死一生,行二十里,路旁必見死傷應之。參謁求謀入死門,吉神刻剝不堪論,若不自身作橫事,其人必定見傷痕,死門不可東西去,大抵為名事莫言,死傷求哀為不利,聖人怎肯教胡傳。
「景門」五行は火に属し、「廉貞」星に配す。その応験の象は、此の門より出行すれば宜しく貴人を見・賭博游戯・追逐して勝を爭い・捕猟し、四十里を走れば必定に歓楽の声音を聴見せん。歌訣にいう、遠行して景門の中を出入すれば、尅も無く生も無く、吉凶平平なり。若し星辰または方位の悪劣に碰上れば、心裏の謀る所の事もまた暢通し難し。景門の出入は還た良善と算し、游玩して楽を賞するに最も得宜なり。采猟・捕魚は少しの収獲有ると雖も、却って憂無く喜無く、平安康泰なり。「死門」五行は土に属し、「巨門」星に配す。その応験の象は、此の門は出猟し・網を張りて捕捉し・牲畜を宰殺するに宜しく、是れ千死一生の地なり。二十里を走れば、路旁に必定に死傷の物を見て応験せん。歌訣にいう、参謁して謀を求め若し死門に入れば、縱ち吉神有るとも刻剥せられて余無からん。此の人若し自ら横事を惹き出ださざらば、必定に傷痕を見ん。死門は東西方向に往く可からず、大凡名を求むるの事は皆な口を開くを須いず。用いて哀を求め喪を弔うは更に不利――聖人怎んぞ肯んてこれらを胡乱に人に伝えんや。
驚門金神破軍:此門不宜出行、上官,諸事不吉,行六七里,必見驚怪、犬物騐方。尋求走失出驚門,逃人財物盡都存,更得吉星變刑尅,在失逃人自失魂,驚門一定有虛驚,出入如逢百不成,百般美事休更說,往往居家不稱情。開門金神武曲:此門宜上官、見貴、出入、求財、迴避,三十里必見婦人或穿顏色衣人以應之。開門出入最為良,萬事亨通大吉昌,出入求財定見喜,八方干事一齊強,求財出入遇開門,自有欣歡百事成,更值吉星當位照,相逢酒食笑忻忻。
「驚門」五行は金に属し、「破軍」星に配す。その応験の象は、此の門は出行に宜からず・上任して官と為るに宜からず、諸事不吉なり。六七里を走れば、必定に驚怪の事または狗の一類の東西に遇見し、用いて方位を験証せん。歌訣にいう、走失の人を寻找すれば驚門より出でて、逃走の人と失去の財物は皆な還た在り。若し再び吉星を得て刑尅を化解せば、逃亡の人自ずから失魂落魄として回来らん。但し驚門総じて一場の虚驚有り、出入若し此の門に逢えば、百事成らず。種種の好事皆な更に説くを須いず、往々にして家に在るも心に称わざらん。「開門」五行は金に属し、「武曲」星に配す。その応験の象は、此の門は上任し・貴人に謁見し・出入往来し・財を求め回避するに宜しく、三十里を走れば必定に婦人または彩色衣服を穿つ人の来たるに遇見して応験せん。歌訣にいう、開門の出入は最も吉良にして、万事亨通・大吉大昌なり。出入して財を求めば一定に喜を見、八方に事を辦じて様様に力を得ん。財を求め出入して開門に遇えば、自然に歓欣し、百事成る可し。再び吉星の位に当りて照臨有れば、還た酒食の歓笑に遇上らん。
九星飛宮断例
太乙雖名凶惡星,兵亡將敗至憂驚,札寨安營須大忌,倘逢吉曜轉凶星。青龍臨處利求財,出入逢之事必諧,佈陣行軍百勝吉,修營嫁娶福齊來。太陰本是水之精,出入無阻坦蕩行,若遇陰人尤大吉,行兵百事盡歡欣。
「太乙」は飛宮断例の中に於て反って凶悪の星と称せらる。兵敗れ将亡ぶを主り、憂愁・驚恐之に随いて来たる。寨を扎し営を安んずる時最もそれを忌諱するを要す。倘若同時に吉星に逢えば、凶星もまた吉に轉ずる能くす。「青龍」は臨む所の処は財を求むるに利あり。出入してそれに遇えば、事情必然に諧和して順遂す。陣を布き軍を行けば百戦百勝し、営寨を修造し・嫁娶して婚配するも皆な福気の一斉に到来する有り。「太陰」は本是れ水の精気なり。出入に阻碍なく、一路坦蕩として行く。若し再び女子または陰柔の一類の人に遇えば、尤も大吉なり。兵を用い軍を行けば、百事皆な歓欣して順利す。
天乙偏宜見貴人,用事求謀總遂心,更出此方無所慮,身名必定得天恩。招搖如遇入中宮,知者將軍莫交鋒,無論王侯共宰相,徒勞心力不成功。天符方上恐邅迍,避忌此宮大不寧,倘能用力禳酧過,不然五鬼不容情。
「天乙」は最も貴人に謁見するに用うるに宜し。事を辦じ・謀を求むるは総じて心に遂う。この方位より出行すれば更に顧慮する所無く、自身と名声必定に天恩を蒙らん。「招揺」若し中宮に入れば、行を懂る人は便ち将軍の敵と交鋒する可からざるを知る。王侯たりとも宰相たりとも、この時は皆なただ心力を費やして白費と為し、事を成す能わず。「天符」の在る所の方位は困頓迍邅を主る。当に避忌すべく、この一宮に進み入れば大いに安からず。倘若肯んじて力を用いて祭祷して禳解せば、還た度り過ぐること能くし、然らざれば「五鬼」は情面を講ぜざるなり。
軒轅遇著最艱難,百事謀為遂傷殘,出入定當防有火,暗損明傷定不還。咸池惡煞凶神隨,蛇虎重重遭困圍,此方遠近宜穿井,其它用事恐傷悲。攝提方上主多災,腳腿多憂坎坷災,若此行路定無吉,兵家切忌去艱來。
「軒轅」は一たび遇上れば便ち最も艱難なり。百事の謀劃皆な傷残に落つるを要す。出入は必ず火患を提防し、暗中に折損し・明処に受傷し、去りて必定に回り来たらず。「咸池」是れ悪煞にして、凶神其の後に随いて紧に逼る。蛇虎重重に逼り来たり、人困らしめ囲まれん。この方位は遠近を論わず、ただ井を打ち水を取るに用うるに宜しく、その他の事は動用して悲傷を招致せんことを恐る。「摂提」の在る所の方位は灾患多きを主る。脚腿に憂有るに応じ、道路坎坷にして灾多し。若しここより路を行けば必定に不吉なり。兵を用うる家は切にこの方向に往くを忌むべし、往けば則ち来路艱難ならん。
八門遇九星断例
休門若獲遇青龍,凡事謀為盡亨通,覓利求財興百倍,出軍排陣定摧鋒;休門太乙百事興,相爭戰鬪旺雄兵,起營立寨終須勝,見貴參官喜相逢;休門若遇天乙星,出入求財大快亨,多遇貴人憐憂喜,邀迎酒食得人欽。
休門若し「青龍」と相遇すれば、およそ謀劃有るは皆な亨通し、利を謀り財を求めて百倍に興旺すること能くし、兵を出し陣を列せば必定に敵鋒を摧折せん。休門若し「太乙」と相遇すれば、百事興旺し、爭鬪して交戦する時は我方の兵力雄壮にして、営を起し寨を立てて終に勝を得ん、貴人に謁見し・上官を参拜するも皆な歓喜して相逢わん。休門若し「天乙」星と相遇すれば、出入して財を求むるは大いに畅快にして亨通し、多く貴人の体恤に遇い、憂を轉じて喜と為す。人の邀請款待して酒食するを受け、処処に人の敬重を得ん。
生門最喜見青龍,謁貴謀為百事通,經商定獲千倍利,出入無憂展笑容;生門太乙福德多,所求稱意任張羅,覓利求財期百倍,出入行軍無滯過;生門若遇天乙星,出入定無鬪爭迎,佈陣排兵皆得勝,萬事從心大亨貞。
生門最も「青龍」に遇見するを喜ぶ。貴人に謁見し・諸事を謀劃して様様に通達し、商を経れば必定に千倍の利を獲、出入して憂慮なく・面上笑容を帯ぶ。生門と「太乙」と相遇れば、福徳深厚にして、求むる所の事皆な心に称い、尽く手を放して張羅する可し。利を謀り財を求めて百倍の数を期する可く、出入して軍を行くに毫も滞碍なし。生門若し「天乙」星に遇えば、出入して必定に争鬪に撞上ることなく、陣を布き兵を排して皆な勝を取ること能くし、万事心の欲する所に従い、大いに亨通して正を守りて吉を得ん。
開門若得遇青龍,覓利重逢得裕豐,謁貴參官多見愛,求謀出入定無空;開門若合太乙星,雖時劫寨好偷營,出戰行兵無不勝,只有開門用安寧;開門如遇天乙星,出軍行陣莫懷猜,求望經營多得利,參官偏得貴人財。八門吉凶隨事行,不但生休與開門,節氣若排十干上,悉心詳究自分明。
開門若能く「青龍」に遇見せば、利を謀るの事一再に吉に逢い、得る所豊裕なり。貴人に謁見し・上官を参拜すれば多く愛好を受け、謀を求め出入して決して空しく落せず。開門若し「太乙」と相合すれば、正好く寨を劫し営を偸むに用い、出戦して兵を行くに勝たざる無く、独り開門の用いるは最も安寧穏妥なり。開門若し「天乙」星に遇えば、兵を出し陣を列するに猜疑を心存するを須いず、求むる所・望む所・経営して謀る所多く手に得る能くし、上官を参拜すれば更に貴人の処より財物を得る能くす。総じて八門の吉凶は辦ずる所の事に随いて変ずるを要し、ただ生門・休門と開門の三吉門のみの好きに非ず。ただ節気を排して十天干上に対核し、心を用いて詳究せば、自然に分明ならん。
十干日凶時(一名五不遇時)
六壬遁甲專征伐云:五不遇時,陰陽交會,干天庭,時干尅日干,動必有災。公歌曰:五不遇時豈知難,定為時干尅日干,縱有奇門皆不利,損其日月不堪觀,遁甲三奇乙丙丁,若合開休生三吉,門倘忌五不遇時,凡興兵、除授、上官、遠行、造作,百事不利,切宜避忌。假如,甲日午未時,時干庚辛金尅日干,中甲,餘仿此。
『六壬遁甲専征伐』の上に説く、所謂「五不遇時」は、陰陽交会して・冲犯して天庭するの象にして、ただ時干の日干を尅制すれば、一動すれば則ち灾有り。黄石公の歌訣にいう、五不遇時は哪れか難解ならん、それ定むる所は則ち時干の日干を尅するなり。縱ち奇と門を凑斉するとも一概に利あらず、日月の気損なわれ、局面看るに堪えず。遁甲は乙・丙・丁を以て三奇と為し、たとえ開門・休門・生門のこの三個の吉門に配するも、亦た仍お五不遇時を忌諱するを要す。およそ兵を興して仗を打ち・官を授け職を除き・任に上就き職に赴き・遠門を出で・土を動かして営造するは、百事皆な利あらず、一定要に回避すべし。例を挙げて言わば、甲日の午時と未時は、時干是れ庚・辛にして金に属し、正に木に属する日干の甲を尅す、その余の各日はこれを照らして類推す。
八門所宜
休門宜出貴人留,杜門藏身可免憂,景門求財多獲利,傷門索債必得收,生門嫁娶遠行吉,驚門遇喜未必周,死門捕捉並魚獵,開門順利徧九州島。九星吉凶所宜:太乙凡為百事通,攝提到處便為凶,招搖出入多風雨,軒轅鬪毆血光逢,咸池臨處多官事,太陰取用暗財充,天符射獵打圍吉,青龍財喜兩重重,天乙所求百事遂,九星吉凶妙無窮。
八門は各々宜しき所有り。休門は出行に宜しく、還た貴人の挽留を受くる能くす。杜門は身を藏し隠匿するに宜しく、憂患を免る可し。景門は財を求むるに宜しく、多く利を獲る有り。傷門は欠債を索取するに宜しく、必ず収回する能くす。生門は嫁娶と遠行に宜しく、皆な吉なり。驚門は偶々喜事に遇うと雖も、亦た必ずしも周全ならず。死門は禽獣を捕捉し漁猟するに宜し。開門は万事順利にして、遍く九州を行く可し。九星は各々宜しき所有り。太乙一たび臨めば、およそ百事皆な通達す。摂提は到る処皆な凶を主る。招揺の出入は多く風雨に遇う。軒轅は鬪殴して血光を見るを主る。咸池の臨む所の処は多く官司有り。太陰は取用して暗中の財を得る可し。天符は射猟して囲場するに宜し。青龍は財と喜と双々として来たる。天乙は求むる所百事心に遂う。九星の吉凶変化、妙用無窮なり。
諸葛武侯行兵遁甲金函玉鏡巻六
起青龍訣(冬至・夏至を論ぜず皆な順に数う)
子午青龍起在申,卯酉之日又到寅,寅申須從子上起,巳亥到午不須論,惟有辰戌歸辰位,丑未反逆戌上尋。如甲子日從申上起青龍,酉上起明堂順數之例。申(青龍)酉(明堂)戌(天刑)亥(朱雀);未(勾陳)子(金匱);午(司命)丑(天德);巳(玄武)辰(天牢)卯(玉堂)寅(白虎)。本日如遇時上有青龍、明堂、金匱、天德、玉堂、司命為黃道時。如遇時上有天刑、朱雀、白虎、天牢、玄武、勾陳為黑道時。
青龍を起す口訣は、子日・午日に逢えば、青龍は申位に起る。卯日・酉日に逢えば、寅位に起る。寅日・申日に逢えば、須らく子位より起すべし。巳日・亥日に逢えば、午位に起る、多く論ずるを須いず。ただ辰日・戌日のみ辰位に帰す。丑日・未日は反って逆に行き、戌位の上に到りて求む。例を挙げて言わば、甲子日は申位より青龍を起し、酉位に明堂を起し、順次に順に数えて下る。排する所の十二神は、申位青龍、酉位明堂、戌位天刑、亥位朱雀、未位勾陳、子位金匮、午位司命、丑位天徳、巳位玄武、辰位天牢、卯位玉堂、寅位白虎なり。当日若し占う所の時辰の青龍・明堂・金匮・天徳・玉堂・司命のこの六位の上に落つれば、則ち是れ「黄道時」にして、事を用うるに宜し。若し天刑・朱雀・白虎・天牢・玄武・勾陳のこの六位の上に落つれば、則ち是れ「黒道時」にして、当に回避すべし。
起天乙貴人(本時貴人に遇い、凶に逢うも化じて吉と為す)
甲戊兼牛羊,乙己鼠猴鄉,丙丁豬雞位,壬癸兔蛇藏,庚辛逢馬虎,此是貴人方。
これは「天乙貴人」の起例にして、占う所の日の天干を主と為し、歌訣に依りて之に相配する両個の地支を查出し、那両個の地支の値する所の時辰と居る所の方位は、則ち貴人の臨降する処なり。甲日・戊日の貴人は丑と未に在り、丑は牛に属し・未は羊に属す、故に「牛羊を兼ぬ」と曰う。乙日・己日の貴人は子と申に在り、子は鼠に属し・申は猴に属す。丙日・丁日の貴人は亥と酉に在り、亥は猪に属し・酉は鶏に属す。壬日・癸日の貴人は卯と巳に在り、卯は兔に属し・巳は蛇に属す。庚日・辛日の貴人は午と寅に在り、午は馬に属し・寅は虎に属す。事を占うの時、若し当下の時辰正に貴人の臨む所の支なれば、あるいは趨く所の方位恰も貴人の方に在れば、便ち本時に「天乙貴人」に遇えば、尊長・貴人の旁より扶助する有るを主り、縦ち局中に凶神悪格有るとも、亦た人の解救を得て危を轉じて安と為す能くす。
起截路空亡訣(時空亡に遇い、吉凶成らず)
甲己在坤乙庚離,丙辛巽位卻相宜,丁壬震宮名截路,戊癸干坎空亡時。
これは「截路空亡」の起例にして、占う所の日の天干を以て後天八卦の宮に配し、該宮の轄する所の地支便ち是れ空亡の時辰なり。甲日・己日の截路空亡は坤宮に在り、坤は西南に居り、未・申の両時を轄す。乙日・庚日は離宮に在り、離は正南に居り、午時を轄す。丙日・辛日は巽宮に在り、巽は東南に居り、辰・巳の両時を轄す。丁日・壬日は震宮に在り、震は正東に居り、寅・卯の両時を轄す。戊日・癸日は乾宮と坎宮に在り、乾は西北に居りて戌・亥を轄し、坎は正北に居りて子・丑を轄す、歌中の「干」は則ち乾卦なり。之を「截路」と叫ぶ所以は、水の前に横たわり・去路を截断するの意を取るなり。およそ事を用うるの時辰この幾個の地支の上に落てば、行到して中途に水に拦住せらるるがごとく、事両頭落空す。吉事成る能わず、凶事もまた発し起る能わず、故に「吉凶成らず」と曰う。
起喜神訣(時内に喜神に遇い、諸事順利す)
甲己在艮乙庚干,丙辛坤位喜神安,丁壬遠向離宮坐,戊癸原來在巽間。
これは「喜神」の起例にして、同じく日干に由りて推求し、得る所の宮即ち是れ喜神の値に当る所の方位なり。甲日・己日は喜神艮宮に在り、艮は東北に居る。乙日・庚日は乾宮に在り、乾は西北に居る、歌中の「干」の字即ち乾卦なり。丙日・辛日は坤宮に在り、坤は西南に居る。丁日・壬日は離宮に在り、離は正南に居る。戊日・癸日は巽宮に在り、巽は東南に居る。事を用うるの時、出門して喜神の在る所の方位に朝かって行き、あるいは坐向・迎賓に皆な此方を取れば、便ち本時に「喜神」に遇えば、人情歓洽・阻碍消解するを主り、謀る所の事多く順遂して如意すること能くす。
五不遇時(実は時干の日干を尅するなり)
甲乙日忌庚辛時,丙丁日忌壬癸時,戊己日忌甲乙時,庚辛日忌丙丁時,壬癸日忌戊己時。如甲日庚午、辛未時,已日庚辰、辛巳時之類,餘仿此。
これは「五不遇時」の起例なり。およそ時辰の天干反って本日の天干を克制するは、この時辰便ち五不遇と叫ぶ。甲・乙は木に属し、庚・辛の金の来たりて伐るを怕る、故に甲日・乙日は庚時・辛時を忌む。丙・丁は火に属し、壬・癸の水の来たりて浇るを怕る、故に丙日・丁日は壬時・癸時を忌む。戊・己は土に属し、甲・乙の木の来たりて疏くを怕る、故に戊日・己日は甲時・乙時を忌む。庚・辛は金に属し、丙・丁の火の来たりて熔かすを怕る、故に庚日・辛日は丙時・丁時を忌む。壬・癸は水に属し、戊・己の土の来たりて堵ぐを怕る、故に壬日・癸日は戊時・己時を忌む。例を挙げて説けば、甲日は「五鼠遁」に依り子時より甲子を起し、順に数えて午時に到れば正に庚午・未時に到れば正に辛未、この両個の時辰便ち五不遇を犯す。乙日は子時より丙子を起し、順に数えて辰時は庚辰・巳時は辛巳、亦た五不遇を犯す(底本は「已日」と作す、起時の法に按ずれば、庚辰・辛巳の両時は正に乙日より出づ)。其の余の各日はこれを照らして類推す。日干は譬えば主帥のごとく、時干の日干を克するは便ち部下の上を犯し・主帥の受制す、兵を用い事を謀るも皆な力を得難し、故に奇門の時を択ぶは最も此の格を忌む。
五行生尅例
東方甲乙木,南方丙丁火,西方庚辛金,北方壬癸水,中央戊己土。甲乙木尅戊己土,戊己土尅壬癸水,壬癸水尅丙丁火,丙丁火尅庚辛金,庚辛金尅甲乙木。甲乙木生丙丁火,丙丁火生戊己土,戊己土生庚辛金,庚辛金生壬癸水,壬癸水生甲乙木。
十天干は各々属する所の五行と方位有り。甲・乙は木に属し、東方に居る。丙・丁は火に属し、南方に居る。庚・辛は金に属し、西方に居る。壬・癸は水に属し、北方に居る。戊・己は土に属し、中央に居る。相克の次序は、木根は土壤を疏松すること能くす、故に甲乙木は戊己土を克す。土は堤を筑き水を挡ぐ能くす、故に戊己土は壬癸水を克す。水は火焰を浇滅する能くす、故に壬癸水は丙丁火を克す。火は金鉄を熔化する能くす、故に丙丁火は庚辛金を克す。金は樹木を斫断する能くす、故に庚辛金は甲乙木を克す、克してここに到りてまた轉じ回りて木上に至り、循環して已まず。相生の次序は、木燃えて火を生ず、故に甲乙木は丙丁火を生ず。火燼れて灰と成りて積みて土と為す、故に丙丁火は戊己土を生ず。土中に鉱を藴みて金を産す、故に戊己土は庚辛金を生ず。金気清凉にして凝りて水と為す、故に庚辛金は壬癸水を生ず。水は潤沢して木を養う、故に壬癸水は甲乙木を生ず、亦た週りて復し始まる。奇門の中に門・星・神・宮と干支との間は得力なるか受制なるかを判断するは、全くこの生・克の両条の次序に頼りて推するを要す。
地支属五行例
北方亥子水,東方寅卯木,南方巳午火,西方申酉金,四隅辰戌丑未土。
十二地支もまた各々五行と方位有り。亥・子は水に属し、北方に居る。寅・卯は木に属し、東方に居る。巳・午は火に属し、南方に居る。申・酉は金に属し、西方に居る。辰・戌・丑・未のこの四支は同じく土に属し、分かちて四隅に居る――辰は東南に在り、未は西南に在り、戌は西北に在り、丑は東北に在り、正に四正方位の間の角に当る、故に「四隅」と称し、また四维と叫ぶ。土性は中に居りて寄せて春夏秋冬の四季の末に旺す、是れ四方転換の枢紐なり、故に一方に専守せずして、分かちて四角を鎮す。奇門九宮の中、坤・艮の二宮は土に属す、亦た正にこの道理より来たるなり。
年上起月歌
甲己之年丙作首,乙庚之歲戊為頭,丙辛並向庚寅起,丁壬壬寅順行流,若言戊癸何方發,甲寅之上好追求。
これは「年上起月」の口訣にして、また「五虎遁」と称し、用いて本年の天干に由りて各月の月干支を推出す。暦法は正月に寅を建つるを以てす、故に毎年皆な寅月より頭を起す。甲年・己年に逢えば、正月是れ丙寅。乙年・庚年に逢えば、正月是れ戊寅。丙年・辛年に逢えば、正月是れ庚寅。丁年・壬年に逢えば、正月是れ壬寅。戊年・癸年に逢えば、正月是れ甲寅。因りて頭を起す所の月支皆な是れ寅にして、寅は虎に属す、故に「五虎遁」と叫ぶ。正月既に定まれば、便ち六十甲子の次序に按じて順に推して下り、二月は卯を建て・三月は辰を建て、一直に数えて十二月丑を建つるに到る、全年十二個月の干支は便ち皆な排し斉ぬ。
日上起時歌
甲己還生甲,乙庚丙作初,丙辛從戊起,丁壬庚子居,戊癸推壬子,此法定無訛。
これは「日上起時」の口訣にして、また「五鼠遁」と称し、用いて本日の天干に由りて各時辰の時干支を推出す。一昼夜十二時は子時を以て首と為す、故に皆な子時より頭を定む。甲日・己日の子時是れ甲子。乙日・庚日の子時是れ丙子。丙日・辛日の子時是れ戊子。丁日・壬日の子時是れ庚子。戊日・癸日の子時是れ壬子。因りて頭を起す所の時支皆な是れ子にして、子は鼠に属す、故に「五鼠遁」と叫ぶ。子時既に定まれば、再び順次に丑・寅・卯を排して以て亥時に至る、十二時の干支は便ち毫も差わらず、故に「此の法定まりて訛無し」と曰う。前文の「五不遇時」は時干と日干の克応を査するを要し、用うる所は正に此の一套の推法なり。
時上起青龍明堂歌
寅申須加子,卯酉卻起寅,辰戌龍位上,巳亥午上尋,子午尋申位,丑未戌上親。
これは「時上起青龍」の口訶にして、用いて十二個の時辰の各々哪一位の黄道・黒道の神に値するかを推定す。方法は本日の日支を以て準と為し、先ず哪個の時辰より「青龍」を起すかを找出す。日支是れ寅または申なれば、子時より青龍を起す。日支是れ卯または酉なれば、寅時より起す。日支是れ辰または戌なれば、辰時より起す、辰は十二生肖の中に龍に属す、故に歌中に「龍位上」と曰う。日支是れ巳または亥なれば、午時より起す。日支是れ子または午なれば、申時より起す。日支是れ丑または未なれば、戌時より起す。起点既に定まれば、再び下一首の歌訣の列する所の十二神の次序に依り、逐個の時辰を順に数えて下れば、便ち毎一時の値するは吉神なるか凶神なるかを知らん。
青龍明堂與天刑,朱雀金匱天德神,白虎玉堂天牢黑,玄武司命及勾陳。
此の一首の列する所は十二神順行の次序なり。青龍・明堂・天刑・朱雀・金匮・天徳・白虎・玉堂・天牢・玄武・司命・勾陳。その中「青龍」「明堂」「金匮」「天徳」「玉堂」「司命」の六位は黄道の吉神に属し、時に値すれば出行・興造・婚娶・上任して貴に謁するに宜し。「天刑」「朱雀」「白虎」「天牢」「玄武」「勾陳」の六位は黒道の凶神に属し、時に値すれば多く刑傷・口舌・疾病・牢獄・盗失・牽連を主り、静に宜しく動に宜からず。前一訣に按じて青龍を起す時辰を定め好て後、此次序に依りて順に数えれば、十二個の時辰恰好に一周を輪し完ぬ。
超神接気
如遇冬至、夏至,以甲日換順逆,如甲在冬至前七日,仍依夏至後逆行,冬至後三日亦必逆行,須到第四逢之甲,方用冬至後順行之例,名曰“超神”,謂中氣已到,六甲一旬十日,超過中氣也。如甲子日在冬至前四日,即依冬至後順行,名曰“接氣”,謂中氣未到,六甲旬頭先到,迎接中氣也。
冬至・夏至は一陰一陽の転関する地方にして、およそ二至に遇えば、皆な甲日を用いて界限と作して交換して陽遁順行と陰遁逆行す。例を挙げて説けば、若し甲日落つること冬至前七天なれば、那麼此一旬は仍お旧来の夏至以後の陰遁逆行を沿用す。冬至以後の頭三天に進入せば、新たなる甲日未だ輪に到らざるに因り、亦た依然として逆行するを要す。一定要に第四天の逢う所の那個の甲日を待ち、初めて改めて用いて冬至以後の陽遁順行す。此の種の情形を「超神」と叫作し、意思是れ中気(冬至)已に先到し、而も六甲一旬十日の旬頭は還た後面に落つ、旬頭の中気を跨過するに等し。反って、若し甲子日の冬至前四天に出現すれば、則ち冬至の那一天を待つを須いず、当に即座に冬至以後の陽遁順行に依りて局を起す、これを「接気」と叫作し、意思是れ中気未だ到らずして、六甲の���頭先に到る、先に去りて中気を迎接す。奇門の局を排するは節気を以て綱と為し・符頭の甲日を以て用と為す、超神と接気は正に此の両者の先后斉しからざるを調停するの辦法なり。
每見布圖局,看以六十花甲,一日繪一圖局,填注八門九星,陽順陰逆,按圖索之,一目瞭然,未免繁絮,餘在軍營總以二至陰陽二周順逆一百二十圖局,會歸於兩儀之中,按三日移門九星遁甲,陰逆陽順,朱圈別之,魚珠不混,繪圖小折,隨處可佩,所謂短衣匹馬,便捷之至,故附編末聊助同志者便覽雲。
常見の奇門図局を排布する人は、六十甲子に依りて一天に一個の図局を画き、八門・九星を逐一に填注して上去し、陽遁は順に排し・陰遁は逆に排し、用に臨みて図に按じて翻査す、固然として一目瞭然なり、ただ失する所は繁瑣なり。我は軍営の中に於て、冬至・夏至の両輪の陰陽順逆共一百二十個の図局を、一併に帰攏して「両儀」――即ち陽遁・陰遁の両大類の内に――三日に一門を換え・九星は遁甲に随いて轉ずの規矩に依り、陰遁は逆行・陽遁は順行し、再び朱筆を用いて圏点を加えて分別し、真なるか假なるか・主たるか次たるかを混雜せしめず、画き成して一個の小折子と為し、身に随いて便ち佩帯する能くす。正に古人の説く所の短衣単騎のごとく、軽装にしても帯い走ること能くし、便捷極処に到る、因りてそれを全書の末尾に附し、略しく同道の翻検するに供す。
斐晋公金鎖玉環遁甲出行要訣
天干,甲己九、乙庚八、丙辛七、丁壬六、戊癸五。地支,子午九、丑未八、寅申七、卯酉六、辰戌五、巳亥四。
これは「金鎖玉環」の出行占法の数を取る之例にして、相伝えて唐代の裴度より出づとす――裴度は晋國公に封ぜられ、故に「裴晋公」と称し、底本は「斐」と写作す。此の法は先ず天干・地支に各々一個の数を配定す。天干の方面は、甲と己は各々九数を得、乙と庚は各々八数を得、丙と辛は各々七数を得、丁と壬は各々六数を得、戊と癸は各々五数を得、五組順次に一数を遞減す。地支の方面は、子と午は各々九数を得、丑と未は各々八数を得、寅と申は各々七数を得、卯と酉は各々六数を得、辰と戌は各々五数を得、巳と亥は各々四数を得、六組もまた順次に遞減す。相冲の両支は数同じく、相合の両干は数同じく、熟く記えて後に事に臨み指を掐めば便ち算出する能くす。
假如,甲子日出行,甲與子皆九數,二九得一十八數,或卯時六數,共得二十四數,課吉。或午時九數,共得一十七數,課凶;餘仿此。日論干支,時祇論地支,不論天干。
例を挙げて言わば、甲子日の出行は、甲は九数を得・子もまた九数を得、両個の九は合して十八数と成る。若し卯時を取れば、卯は六数を得、合し共に二十四数、下文の「二十四数吉」を査すれば、便ち是れ吉課なり。若し午時を取れば、午は九数を得、合し共に応に二十七数なるべく、下文の「二十七数凶」を査すれば、便ち是れ凶課なり(底本は「一十七数」と作す、当に「二十七数」の伝写の誤なるべし、十八に九を加えて十七を得ず)。其の余の各日各時は皆な此の辦法に照らして推算す。要紧の処に在りては、日はただ天干と地支の両項の数を相加し、時辰は則ち単に地支の数を取り、再び時の天干を計入せず。因りて得る所の数最小は戊癸日・巳亥支再び巳亥時に配し、五加四加四にして十三を得。最大は甲己日・子午支再び子午時に配し、九加九加九にして二十七を得。下文の「各数備考」はただ十三より二十七に至る此の十五個の数を列す、縁故則ちここに在り。
各数備考
十三數吉。十三遁甲見陰陽,西北干宮老婦娘,手執棉布將小女,此時有應主亨昌。作事出門,推合陰陽,營謀嫁娶,起造營昌,子孫官貴,祿遇時良。
合して十三数と成るは、断じて吉課と為す。遁甲の数十三に到れば、正に是れ陰陽交見の象なり。尅応は西北乾宮方位に出で、年上る所の婦人に遇見し、手裏に棉布を拿り、小女孩を領きて同行す。出門の時若し真に此の様の景象を見れば、則ち是れ応験にして、事事亨通して昌盛するを主る。此の数は事を辦じて出門するに宜しく、陰陽を推算して婚を合するに宜しく、事を謀り・嫁娶し・土を動かして起造するに宜しく、子孫の官を得て貴を得・福禄正に好き時候に逢うを主る。
十四數凶。遁甲俱十四,東北有人至,白馬或青驢,弓箭身穿紫。有人著紫,或是皂衣,前有大坑,後有白虎,凶惡相及,不宜嫁娶,休去遠行,凡事難遇。
合して十四数と成るは、断じて凶課と為す。その尅応は東北方向に人の过来る有り、あるいは白馬に騎り、あるいは青驢に騎り、身に弓箭を帯びて紫衣を穿着す。あるいはただ紫衣または黑衣を穿つ人を見るのみ、「皂衣」則ち黑衣なり。此の象は前に大坑・陥穽有り・後に白虎の凶神有り、前后の凶悪相逼る。故に嫁娶の事を辦ずるに宜からず、亦た遠門に出ずる可からず、およそ求むる所有れば皆な遇合して成ること難し。
十五數吉。南方有少女,牽牛抱嬰孩,東方車與馬,更有男趕來。日月在前,光明麗天,駟馬時從,千事皆好,非但殯葬,亦宜修造。
合して十五数と成るは、断じて吉課と為す。その尅応は南方に年輕の女子有り、牛を牽き・嬰孩を抱き、東方に車馬有り、また男子の随後に趕来る有り。此の象は日月の空に当り・光明天に麗うがごとく、また駟馬の車の随時に相従う有り、故に千事皆な好し。ただ送殯・安葬に相宜なるのみならず、土を動かし修造するも一様に吉利なり。
十六數吉(如有婦人到,主大升官得委缺)。東北有禽蜚,西北白色衣,老人持杖橛,脫卻西黃衣。出遇財珍,兼逢酒食,營謀起造,必遇貴人,交易婚姻,得宜獲福。
合して十六数と成るは、断じて吉課と為す。若し出門して恰好に婦人の前来るに遇えば、更に大大に官を升り並びに実缺の委任を得るを主る。其の余の尅応は、東北方に飛鳥有り、「蜚」は「飞」に通ず。西北方に白衣を穿つ人有り。また老人の手杖・木橛を拄り、西辺の身の上の着る所の黄衣を脱ぐを見る。此の時出門すれば財に遇い宝を得る能くし、兼ねて酒食の款待有り。事を謀り・起造すれば必ず貴人の相助に遇う。売買を做し・婚姻を議すれば皆な其の宜しきを得て福を獲ん。
十七數凶。西北風雨云,西方孝服子,兩個駕車人,十七必逢是。死尸在前,病符在後,營謀嫁娶,所求災咎,若遇此時,不獲良久。
合して十七数と成るは、断じて凶課と為す。その尅応は西北方に風雨・陰雲起り、西方に孝服を穿つ人有り、また両個の車を趕る人有り、およそ合して十七数と成れば必定に此の一類の景象に碰上る。此の象は前に死尸有り・後に病符の凶神有り、事を謀り・嫁娶して求むる所皆な灾禍を招来す。若し此の時辰上に於て事を用うれば、長久の安穏を得る能わず。
十八數吉。南方有少婦,犬子或青驢,東方忽見行,尅應必無疑。不宜嫁娶,萬事吉昌,若遇此時,必要升官。
合して十八数と成るは、断じて吉課と為す。その尅応は南方に年輕の婦人有り、狗または青驢を帯び、東方に忽然として人の行走して过来る有り、此の様の景象を見れば、応験便ち更に疑うを須いず。此の数は独り嫁娶の一事のみ宜からず、其の余万事皆な吉利昌盛す。若し此の時辰上に於て事を用うれば、必然に官を升らん。
十九數凶。鴉鵲並弓弩,銅鐵東方舞,更有著白衣,西方喚驢狗。俱是凶兆,不是吉祥,故難動用,守靜為良。
合して十九数と成るは、断じて凶課と為す。その尅応は烏鴉・喜鵲の乱飛し、また弓弩・兵器を見、東方に人の銅鉄の物を揮舞する有り、また白衣を穿つ人有り、西方に人の驢狗を吆喝する有り。これら統べて是れ凶兆にして、祥瑞の景象は無一なり、故に此の時作為有ること難く、分を安んじ静を守る乃ち上策と算す。
二十數凶。北方有人驢,乾坤僧道尼,屠趕豬羊去,諸凶必應之。前有津樑,後有豬羊,若遇此時,萬事俱殃。
合して二十数と成るは、断じて凶課と為す。その尅応は北方に人の驢を牽く有り、乾宮西北・坤宮西南の両個の方位に僧人・道士・尼姑出現し、また屠戸の猪羊を趕りて走り過ぐる有り、種種の凶象必定に一一に応験せん。此の象は前に渡口・橋梁の阻隔有り、後に猪羊の相随う有り、若し此の時辰上に於て事を用うれば、万事皆な殃に遭わん。
二十一數吉。東方有孝子,更與婦人逢,老人持杖板,西北應干宮。此時所遊,青雲上蓋,百事吉昌,不敢移改。
合して二十一数と成るは、断じて吉課と為す。その尅応は東方に孝を戴く人有り、また婦人と相遇し、還た老人の杖板を拄くを見る、これらの征兆皆な西北の乾宮方位に応ず。此の時出行して游走すれば、頭頂に青雲の華蓋を戴くがごとく、百事吉利昌盛し、断語十分に確定し、更改を容れず。
二十二數吉。求乞持杖子,西方鼓笛聲,坤兌應更奇,提籠有婦人。乘車駕馬,攜酒相看,萬事皆吉,必遇平安。
合して二十二数と成るは、断じて吉課と為す。その尅応は乞讨の人の棍杖を拄きて走来る有り、西方より鼓声・笛声伝わり来たり、応験は坤宮西南と兌宮正西の両個の方位に出づるは更に霊奇なり、また籠子を提ぐる婦人を見ん。此の時あるいは車に乗り・あるいは馬に騎り、あるいは人の酒を携えて相看に来たる有り、万事皆な吉にして、必ず平安を得ん。
二十三數凶。男婦攜寶劍,南方執鐵瓶,文字並豬羊,毀罵病迎門。萬事重迭,難於遠行,動則遇侵,靜則安寧。
合して二十三数と成るは、断じて凶課と為す。その尅応は男女の身に刀剣を随え帯び、南方に人の鉄瓶を手執する有り、また文書・字紙と猪羊を見、また辱罵・争吵・疾病の門に上るの事有り。此の時諸事牽纏して重畳し、遠行するに便ならず、一動すれば則ち人の侵擾を遭わん、静守して動かざれば反って平安寧帖なり。
二十四數吉。南方送福仙,少女手執錢,兌宮羊又至,物色黑青纏。飛鳥在前,玉士在後,行見長官,嫁娶無咎。
合して二十四数と成るは、断じて吉課と為す。その尅応は南方に福を送る仙人の降臨するがごとく有り、少女手裏に銭を拿り、兌宮正西また羊の来たる有り、見る所の器物の顔色は多く黒・青の二色相間なり。此の象は前に飛鳥の路を引く有り、後に玉を佩ぶる士の相随う有り、前に去りて上司・長官に謁見すれば必ず接納を得、嫁娶の事を辦理するも過錯有らざらん。
二十五數吉。驢子共猿猻,南方有婦人,西方老人至,尅應最為靈。見四足物,百事稱心,出逢長者,更遇知音。
合して二十五数と成るは、断じて吉課と為す。その尅応は驢子と猿猴の一同に出現し、南方に婦人有り、西方に老人の过来る有り、此の数の応験は最も霊準なり。出門して若し四足の牲畜を見れば、便ち百事心に称うを主る。路上に年長・有徳の人に遇見し、還た知己・同好に碰上る能くす。
二十六數吉。北方公文行,南方小兒啼,子孫封官祿,大吉不須疑。以上諸時,此時最吉,但試其事,萬無一失。
合して二十六数と成るは、断じて吉課と為す。その尅応は北方に公文の伝逓往来有り、南方に小児の啼哭有り、子孫の官爵・俸禄を封ぜらるるを主り、大吉大利にして更に疑うを須いず。以上の列する所の各個の時辰の中に於て、要数するは此一時を以て最も吉利と為す。只管に事を拿りて験証に去れ、万に一失無からん。
二十七數凶。白馬共紫驢,西方一騎出,東方逢覺人,寇纓來應必。以上諸數,此數最惡,先賢詳看,明應不錯。
合して二十七数と成るは、断じて凶課と為す。その尅応は白馬と紫驢の一同に出現し、西方に人の単騎にして出ずる有り、東方に警覚して張望する人に遇上り、冠纓を戴き・形は盗寇に似たる人も必定に接続して来たりて応ず。以上の列する所の各個の数目の中に於て、要数するは此の一数を以て最も凶悪と為し、前賢反復して審看験証したり、その応験分明にして、錯有る能わず。
每日出行,欲占吉凶,如法起數,趨吉避凶,百發百中,其妙無窮,人能用此,喜氣沖沖。
毎日出行するの前、此の行の吉凶を預知せんと欲せば、ただ須らく上面の法子に照らして日の干支と時の地支とを合し起して数目を出だし、再び各数の下の断語に対照せば、便ち吉方に趨就し・凶時を避开する能くす。此の法は百発百中にして、妙用説き尽す能わず。人若能くそれに依りて事を行えば、自然に喜気門に盈ちん。
