奇门遁甲统宗
作盤ガイド: 奇門遁甲作盤
奇門遁甲という学問は、もともと軍事のために創られたものです。陰に象を取り、「詭道」を行くので、「遁」の一字で名づけられています――つまり「甲…
奇門遁甲典籍
排盤規則をまず明確にしないと格局の部分が落とし所を失う。歌訣を読むときは、同時に手で一盤を排して対照するのがよい。
序
遁甲為兵而設,為陰象,為詭道,故取諸遁,謂其遁於六儀之下而不見其形也。甲為至尊之神,宜藏而不宜露,宜和而不宜乖,宜生扶而不宜剋制。所喜者惟土,所憎者惟金也。惟其喜土也,故奇門始起之宮例,以六戊隨之,甲逆而戊亦逆,甲順而戊亦順,如形之與影,兩相時隨不相離。
奇門遁甲という学問は、もともと軍事のために創られたものです。陰に象を取り、「詭道」を行くので、「遁」の一字で名づけられています――つまり「甲」が「六儀」(戊・己・庚・辛・壬・癸)の下に隠れ遁れて、その形跡を見せないという意味です。「甲」は十干の中でもっとも尊貴な位にあり、君主を象徴します。だから潜藏すべきであって露顕すべきではなく、四周と和順すべきであって乖違すべきではなく、生扶を受けるべきであって克制を受けるべきではありません。甲木が喜ぶのは土だけで、憎むのは金だけです。甲が土を喜ぶからこそ、奇門の起局の通例では「六戊」(甲子旬の旬首である戊)を常に甲に随わせるのです。甲が逆行すれば戊も逆行し、甲が順行すれば戊も順行する、ちょうど影が形に従うように、時時相随って離れません。
惟其憎金也,故有乙之合以伺其內,有丙丁之制以咸其外。乙者,用之同氣;丙丁,乃甲之子嗣,如手足之情、心腹臣子之情。君父鼎足之形成,而後甲有苞桑之固矣。先王之建業親諸侯,其義亦準諸此。故陰陽順逆者,造化之定理;戴九履一者,河洛之精蘊。配以八門,八神列矣;加以三盤,三才正矣;重以三奇,三光耀矣;積時置閏,歲功成矣;一節三元,二十四氣備矣。
甲が金を憎むからこそ、乙木に庚金と合させて内から牽制し、さらに丙火・丁火に金を剋させて外から制伏するのです。乙は甲と同じく木に属し、甲の同気の助けです。丙・丁は甲木から生じたもので、甲の子嗣にあたり、甲との間は手足の親しみ、心腹の重臣と君主との親しみにも似ています。君(甲)・父(乙)・子(丙丁)の三方が鼎の足のように並び立つ形ができてはじめて、甲は桑の根が絡まり合うような動かしがたい安定を得ます。古代の聖王が基業を開くにあたって近親の諸侯を分封して屏藩としたのも、道理はまったく同じです。ですから、陽遁は順行し陰遁は逆行するというのは天地造化の定則であり、九宮の「戴九履一」という方位の配置は《河図》《洛書》の精髄なのです。九宮の上に「八門」を配すれば「八神」の位次が定まり、さらに天・地・人の三盤を加えれば天地人「三才」の構えが整い、さらに乙丙丁「三奇」を重ねれば日・月・星「三光」がその間を照らし、余った時辰を積み重ねて「閏奇」を設ければ一年の節候の働きが備わり、一つの節気を上・中・下の「三元」に分ければ二十四節気の用局もすべて揃います。
以六十時干為經,以四時八節為緯,九一二四六八三七五,相摩相蕩而四千三百二十之局成矣。大之為風雲龍虎之機宜,小之為動靜行藏之趨避,範圍天地而不過,曲成萬物而不遺,百姓日用而不知。雖其中不無詭譎荒唐悖於聖賢之論,但取其生剋制伏近於理者,著之於篇,以前民用而輔易道之所未備。至於書符誦咒,似為不經。而臨事倉皇,可以反凶變吉,避難除危亦行師整旅之要,故以投錄。凡欲教為子者之思孝,為臣者之思忠,不至於前有讒而弗見,後有賊而不知,未始非治平之一助也。
六十甲子時の干支を経線とし、四季八節を緯線とし、さらに九・一・二・四・六・八・三・七・五という九宮数を配して、互いに摩蕩し推移することで、四千三百二十の時局が成り立ちます。大きく言えば、風雲の際会や龍虎の争いといった軍国の大きな機宜を推しはかることができ、小さく言えば、一進一退・一顕一蔵の日常の趨吉避凶を指し示すことができます。天地を範囲してその外に出ず、万物を委曲して成し遂げて遺漏なく、百姓は日々これを用いながらその理を知りません。書中には怪誕荒唐で聖賢の論に背く説もないわけではありませんが、私は五行の生克制化を説く、比較的事理に合う部分だけを選んで篇に著し、百姓の日用の指針とし、《易》道のまだ及ばないところを補おうとしたのです。画符念呪の類は、見たところ荒唐無稽のようですが、いざ事に臨んで倉皇と失措したときには、凶を転じて吉とする働きをなし、難を避け危を除くことも行軍整旅の要務ですから、あわせて収録しました。およそ子たる者に孝を思わせ、臣たる者に忠を思わせ、「前に讒言を進める者がいても見えず、後ろに賊寇が迫っていても知らない」ということのないようにできれば、この書も国を治め天下を平らげる一助ではないでしょうか。
奇門遁甲統宗源流
奇門之說,論者謂始於黃帝,刪於呂望、張良。漢以前往往散見於他書,至於《隋志·藝文》專書,始有一十三家。唐益倍之,則其學之來亦不在近矣。《陰符經》曰:“爰有奇器,是生萬象,八卦甲子,神機鬼藏。”張良注云:“六癸為天藏,可以伏藏。”由是言之,即奇門之權輿也。
奇門の由来について、論ずる者は皆、黄帝に始まり、後に呂望(姜太公)・張良が刪訂したと言います。漢代以前、関係する記載はしばしば他の書に断片的に附見されるだけでしたが、《隋書·経籍志》に著録される頃には、十三家の奇門専書が現れました。唐代の著録は隋代の倍ほどにもなっており、この学問が伝わってきたのは決して近い世のことではありません。《陰符経》に「爰有奇器,是生万象,八卦甲子,神機鬼蔵」(世に奇妙な法器があり、万象を生じ、それは八卦と甲子の中に藏まれ、神機深く隠されている)とあります。張良がこの句に注して「六癸為天蔵,可以伏蔵」と言ったことは、まさに後世の奇門が六癸を「天蔵」として隠遁の法を主とする源です。この意味から言えば、《陰符経》こそ奇門の萌芽なのです。
《大戴禮記·明堂篇》曰:“明堂者,古有之也。凡九室,九一二四六八三七五,蓋即河圖之義。”而奇門之九宮耳。漢《藝文志》有明堂、陰陽二十三篇,又明堂陰陽五篇。宣帝時魏相上表,採易陰陽及明堂月令,言五帝所司各有時:東方之卦不可以治西方,南方之卦不可以治北方,乃以八卦方位配明堂之九室。後漢張衡傳鄭玄既注九宮之說,而《南齊·高帝本紀》云:“九宮者,一蓬二芮三沖四輔五禽六心七柱八任九英,皆有大過不及之占。”
《大戴礼記·明堂篇》に「明堂という建築は古くからあった。全部で九室あり、方位の数は九・一・二・四・六・八・三・七・五の順に配されている。おそらく《河図》の意であろう」とあります。この九室こそ、実は奇門の用いる九宮です。《漢書·芸文志》には《明堂陰陽》二十三篇があり、また《明堂陰陽説》五篇があります。漢の宣帝の時、丞相の魏相が上表して、《易》の陰陽の説と明堂月令を引き、五方の天帝にはそれぞれ当令の時節がある――東方に属する卦をもって西方を治めることはできず、南方に属する卦をもって北方を治めることはできないと指摘し、そこで八卦の方位を明堂の九室に配したのです。後漢になると、《張衡伝》と鄭玄はすでに九宮の説に注を施しており、《南斉書·高帝本紀》にはさらに明確に「九宮とは、一が天蓬、二が天芮、三が天衝、四が天輔、五が天禽、六が天心、七が天柱、八が天任、九が天英で、それぞれの宮に太過と不及の占法がある」と記されています。これはすでに今日の奇門の用いる九星と完全に一致しています。
唐會要元宗三載十月,術士蘇嘉慶上言請於京城,置九宮壇,五數為中,戴九履一,右七左三,二四為上,六八為下,符於遁甲。武宗會昌二年正月,左僕射王起等奏按:黃帝《九宮經》及蕭吉《五行大義》所謂一曰天逢卦坎行水方白者,與今奇門之言星而無異,抑顯晦各有時也。
《唐会要》の記すところでは、唐玄宗天宝三載十月、術士の蘇嘉慶が上奏して、京城に九宮壇を設けることを請い、五数を中央に居させ、上に九を戴き下に一を履み、右に七、左に三、二と四を上位に、六と八を下位に置く――この方位の配置は遁甲の法にまったく合致していました。唐武宗会昌二年正月、左僕射の王起らが上奏して考訂し、黄帝《九宮経》と隋の蕭吉《五行大義》の言う「一を天逢と呼び、坎卦に属し、五行は水を行い、方色は白とする」ことを引きましたが、今日の奇門が九星を説くのと少しも違いはありません。つまりこの学問は、ある時は世に顕れ、ある時は世に隠れ、それぞれに時があるにすぎないのです。
宋之仁宗以洗馬楊維德篡《六壬》則曰《神應經》,篡《奇門》則曰《符應經》,今亦不得見其全。得毋好古之士,尚有什襲而藏者乎?明之宸濠稱亂,王守仁收覽異術,乃有孝成君者,進以《奇門真傳》,今之所謂李氏奇門也。仇鸞門下士有林士徵者,以奇門占兵,屢有奇驗。錦衣陸炳序其書而傳之,呼為林氏奇門。陶仲又以李林二氏之書,參以他書而繆紊之曰《陶真人遁甲神書》。蓋勝國以奇門著見者,三家而已。
宋の仁宗の時、太子洗馬の楊維徳が命を受けて六壬の書を編纂し、《景祐六壬神定経》(当時は《神応経》と称した)と名づけ、また奇門の書を編纂して《符応経》と名づけました。この二書は今日では全本を見ることができません。あるいは古を好む士が幾重にも包んで秘蔵しているのでしょうか。明の寧王朱宸濠の乱の時、王守仁が広く奇異の術を捜し集めたところ、孝成君と号する者が《奇門真伝》を献じました。これが今日いう「李氏奇門」です。仇鸞の門下に林士徵という者がおり、奇門をもって兵事を占ってしばしば的中し、錦衣衛都督の陸炳がその書に序をつけて流布させました。世に「林氏奇門」と称します。陶仲はまた李・林両家の書とその他の雑書を混ぜ合わせて、筋目を紊乱させ、《陶真人遁甲神書》と名づけました。要するに、前朝において奇門で世に知られたのは、この三家だけです。
昔之奇門之序出於都天《撼龍經》八十一論者凡九,其一曰《都天九卦》,二曰《人地三光》,三曰《行軍三奇》,四曰《造宅三白》,五曰《遁形太白之書》,六曰《入山撼龍之訣》,七曰《轉山移水九字元經》,八曰《建國安基萬年金經》,九曰《元宮八福救貧生仙產聖》。今所傳者,《造宅三白》耳,外俱不得見聞,或者名山石室之藏精光不得終磨。更有取而修明者,庶幾拭目俟之矣。
昔の奇門の門類は、都天《撼龍経》八十一論から出たものが全部で九種ありました。第一を《都天九卦》、第二を《人地三光》、第三を《行軍三奇》、第四を《造宅三白》、第五を《遁形太白之書》、第六を《入山撼龍之訣》、第七を《転山移水九字元経》、第八を《建国安基万年金経》、第九を《元宮八福救貧生仙産聖》と言います。今日伝わっているのは《造宅三白》の一種だけで、残りはすべて見聞きすることができません。あるいは名山の石室に藏されて、その精光はとうてい磨滅し尽くすことなく、将来またこれを取り出して闡明する者がいるでしょう。その日を、私たちは目をこらして待つことができます。
凡例
一、奇門久已失傳,人樹一幟,敝帚千金無從別白。今一字一義,有兩說三說者並存之,以備參考。二、奇門眾說紛然,取其理之正者為首行,列於後或分注者為次,不敢私心去取,然亦略見低昂。
第一に、奇門の学問が失われて久しく、各家がそれぞれ門戸を立て、誰もが自家の残欠な説を千金の宝としており、部外者には高下を分かつ術がありません。そこで本書では、一字でも一層の義理でも、二説三説あるものはすべて併列して存置し、読者の参考比較に供します。第二に、奇門は説が衆多に分かれているので、本書は義理のもっとも正しい一説を前に置いて正文とし、残りを後に置くか分注として次一等とします。編者は個人の好悪で取捨しようとは思いませんが、配列の先後から、読者もおおよそ孰高孰低を見取ることができるでしょう。
三、奇門兵事避忌甚多,凡三勝五不擊之外,又有太歲月建俱不可擊;旺氣所在亦宜避之,所謂“春不伐東,秋不西征”者是也;與大亭亭白*、三門四戶、大馬方之類,須從歲月太陽查算,書中未敢預載。四、奇門最重格局,如龍回首、鳥跌穴吉矣;如逢庚為值符,則為格勃,格勃又不可用。龍走雀投凶矣,為主者不害;虎狂蛇矯凶矣,為客者不害。皆有活訣,不可一例。
第三に、奇門を兵事に用いる場合、禁忌が多くあります。「三勝」(値符・九天・生門)の地は用いるべきで、「五不撃」の地は攻めてはならないほか、太歳と月建の在る方位もいずれも攻撃してはなりません。当令の旺気の在る方位も同様に回避すべきで、これがいわゆる「春は東方を討たず、秋は西征しない」という道理です。「大亭亭」「白奸」「三門四戸」「大馬方」といった類の神煞については、その年その月の太陽の位置に従って逐一推算しなければならず、本書ではあらかじめ表を立てて載せることは敢えてしません。第四に、奇門は格局をもっとも重視します。たとえば「青龍回首」「飛鳥跌穴」はもともと吉格ですが、六庚が値符となった場合に逢えば「格勃」に変わり、格勃は用いることができません。「青龍逃走」「朱雀投江」はもともと凶格ですが、主たる側にとっては妨害がありません。「白虎猖狂」「螣蛇妖矯」も凶格ですが、客たる側にとっては妨害がありません。これらはすべて臨機応変の口訣があり、一概に論ずることはできません。
五、奇門選擇最重衰旺休囚,如開門本吉,但其性屬金,如臨土宮、金位及季夏三秋,所謂得時得地,時之最吉者也;如在春夏而臨於木火,則金氣大衰,豈得為吉。凡八門皆然,三奇亦然。六、奇門選擇以會合為上吉,若有門無奇,猶為可用;有奇無門,則當另擇矣。然如捕獵用傷門,逃亡用杜門,弔唁用死門之類,皆當擇其得時得地,則為上吉,又不專重奇門也。
第五に、奇門で時日を選ぶにもっとも重視するのは五行の旺・相・休・囚です。たとえば開門はもともと吉門ですが、その五行は金に属します。もし土宮(坤二・艮八)や金位(乾六・兌七)に臨み、さらに季夏と秋の三か月に当たれば、これを「時を得地を得た」と言い、もっとも吉の時です。もし春夏に木宮・火宮に臨めば、金気は大いに衰え、どうして吉と言えましょう。八門はすべてこの道理で、三奇もまたこの道理です。第六に、時日を選ぶには「奇」と「門」の会合をもって最上の吉とします。もし吉門があって三奇がなければ、なんとか使えますが、もし三奇があって吉門がなければ、別の時辰を選ぶべきです。ただし捕捕獲には傷門を、逃亡には杜門を、弔喪には死門を用いるといった専門の用途では、用いる門が時を得地を得さえすれば上吉で、一様に奇門の相会を強いて求めることはしません。
七、奇門陰陽宅選擇,淺學者但知會合為上吉,而不知陽宅須宅主生命配合門奇之生旺,陰宅須與山頭化命配合門奇之生旺,若天祿、天德、天貴、天馬、三合、六合之理,皆宜參考。八、奇門止用選擇,則諸眾可廢然,亦須檢點,必當配合斗首五行、太陽、吉凶星煞,無有避忌而又能合於奇門,方為萬吉。若造宅、遷葬之家,往往有算至十餘年而後得,蓋欲求其純吉無凶者,甚難也。
第七に、奇門をもって陽宅・陰宅の日課を選ぶにあたり、学問の浅い者は「奇門が会合する」だけで上吉と思い込んで、次のことを知りません。陽宅ではさらに宅主の生辰本命を門・奇の生旺の気と配合させなければならず、陰宅ではさらに山頭の方位と亡者の「化命」を門・奇の生旺の気と配合させなければならないのです。このほか天禄・天徳・天貴・天馬および三合・六合といった義理も、いずれもあわせて参考すべきです。第八に、もし奇門だけで日を選ぶなら、他の方法はすべて廃してもよいように思えますが、やはり丁寧に点検しなければなりません。必ず斗首五行・太陽到位および各種の吉凶星煞を同時に配合させ、いかなる禁忌にも犯さず、かつ奇門に合うことをもって、はじめて万全無失の大吉とします。ですから造宅・遷葬の家では、しばしば十数年推算してはじめて意に合う日を一つ選びます――純吉で少しも凶咎のない時辰を求めるのが、あまりに難しいからです。
九、奇門占法要分動靜之用,靜則止查值符、值使、時干,看其生克衰旺如何;動則專看方向。蓋動者,機之先見者也。如聞南方之事,則占離位;聞北方之事,則占坎位。凡鴉鳴鵲噪,東鳴則看震,西鳴則看兌,此皆不能膠柱鼓瑟、刻舟求劍者也,諸占例此。
第九に、奇門の占法は「静占」と「動占」の二つの用法に分かれます。静占は値符・値使・時干の三か所を調べれば足り、それらが互いにどう生剋し旺衰するかを見ます。動占はひたすら方向を見ます。「動」は先兆がもっとも早く顕れるところだからです。たとえば南方で起きたことを聞いたなら離九宮を占い、北方のことを聞いたなら坎一宮を占います。およそ烏の鳴き、鵲の噪ぎも、東で鳴けば震三宮を見、西で鳴けば兌七宮を見ます。これらはすべて機に随って応じなければならず、琴柱に膠して弦を調べたり、舟に刻んで剣を求めたりするような死板なことをしてはいけません。その他の各種の占断もすべてこの例に準じて推します。
十、奇門占法,其說不一。如占天時,有專看值符者,有專看格局者,有專看蓬英為水火二星者,有專看壬癸丙丁為晴雨所司者,有專看風師雨伯雷公電母等神者,其說既不可全非,其理亦不可偏廢。臨時會意,頭緒紛然,靈機所觸,皆難預決。諸占例此。
第十に、奇門の占法は各家の説が一様ではありません。天気を占うことについて言えば、値符ばかりを見る者もいれば、格局ばかりを見る者もおり、天蓬(水星)と天英(火星)という一水一火の二星ばかりを見る者もおり、壬・癸の雨を主り丙・丁の晴れを主るばかりを見る者もいれば、風師・雨伯・雷公・電母といった神煞ばかりを見る者もいます。これらの説は一概に否定することはできず、中の道理もどれ一つ偏廃することはできません。占いに臨んではすべて機に随って领会し、もともと頭緒が繁多なうえ、霊機が触発する際にはなおさらあらかじめ定めることが難しいのです。その他の各種の占断もすべてこの例に準じて推します。
奇門遁甲統宗目録
卷之一:奇門秘訣總賦、遁甲起例、論超接之法、又法、超接訣、又訣、置閏法、奇門四十格、八節應八門旺相、九星旺相、迫、論八門執事歌、又歌、陰陽遁甲順逆起例、九星值符圖、八門值使圖、值符值使訣、年家孤虛方位、三奇神咒、三奇加六儀訣(注)。
巻一には以下の各篇を収めます。奇門の要旨を総述する《奇門秘訣総賦》、排盤入門を説く《遁甲起例》、節気と符頭の揃え方を説く《論超接之法》およびその別本《又法》、口訣《超接訣》と《又訣》、余った天数をどう閏奇に配するかを説く《置閏法》、四十種の吉凶格局を挙げる《奇門四十格》、八節と八門の旺衰の対応を説く《八節応八門旺相》、九星の四時の旺衰を説く《九星旺相》、門が宮を剋するのを「迫」とする《迫》、八門の執事を説く歌訣二首《論八門執事歌》と《又歌》、陰陽二遁の局数の起法を説く《陰陽遁甲順逆起例》、《九星値符図》《八門値使図》の二張の定位図、《値符値使訣》、《年家孤虚方位》、三奇の《三奇神呪》、および注つきの《三奇加六儀訣》です。
卷之二:奇門妙秘訣、八門、九星、六儀遁、八神、陰遁起例、陽遁起例、三元法、八節法、八節定八卦圖、以旬首取符使法、值符加時干法、值使加時支法、小值符加大值符法、附年奇門起例、附月奇門起例、附日奇門起例(贅八又二法)、遁年奇法、遁月奇法、遁日奇法、遁日門法、日奇布五符法、日奇起青龍法、德刑、寶和羲制伏、五陽時、五陰時、八門所主、九星所主、三奇喜怒、八卦類神、九星類神、八神類神。
巻二には以下の各篇を収めます。総綱となる《奇門妙秘訣》。八門・九星・六儀遁・八神の四大要素をそれぞれ界定する四節。陰遁・陽遁の儀と奇の布き方を説く《陰遁起例》《陽遁起例》。一気三元を説く《三元法》と八節に卦を配する《八節法》《八節定八卦図》。旬首から値符値使を定める法を説く《以旬首取符使法》および《値符加時干法》《値使加時支法》《小値符加大値符法》の三種の加臨の法。年家・月家・日家の奇門起例を紹介する三篇(日家の一篇には多種の別法を附列)。《遁年奇法》《遁月奇法》《遁日奇法》《遁日門法》の四篇。《日奇布五符法》《日奇起青龍法》。干支の徳刑を説く《徳刑》と日辰の宝・和・義・制・伏の五等を説く《宝和羲制伏》。主客の先後を説く《五陽時》《五陰時》。八門・九星がそれぞれ主る事を分述する《八門所主》《九星所主》。三奇の落宮の喜忌を説く《三奇喜怒》。および《八卦類神》《九星類神》《八神類神》の三篇の取象です。
卷之三:十干類神、十二支類神、兵事分主客、出兵方、背擊、孤虛、雄雌、亭亭白*、游都魯都、三勝地、五不擊、趨三避五、天馬方、旺相休囚、天目、地耳、太歲、月建、太陰、大將軍、時中將軍、天罡時、破軍加時法、天營、四神、占風、旬中地丙日、五將方、下營法、迷路法、涉陰法、出入山中法、逃避法、太陽臨時法、九星吉凶歌、甲癸丁乙、行兵雜摘、奇門演卦法、值符值使演卦例、門外演卦例、主客雌雄、陣勢得失、節候、六親克應、八卦克應、六神克應、十二支克應。
巻三には以下の各篇を収めます。十天干・十二地支の取象を説く《十干類神》《十二支類神》。続いて軍事応用の一そろいの条項――主客を判定する《兵事分主客》、出兵の方位を選ぶ《出兵方》、吉方を背にして凶方を撃つことを説く《背撃》、および孤虚・雄雌・亭亭白奸・遊都魯都などの擇方の神煞。坐すことも撃つこともできる《三勝地》《五不撃》《趨三避五》《天馬方》。四時の旺衰を説く《旺相休囚》。天目・地耳・太歳・月建・太陰・大将軍・時中将軍・天罡時・破軍加時法・天営・四神などの諸般の方位神煞。風を観て敵を察する《占風》、忌日の《旬中地丙日》、《五将方》。営を下す《下営法》、路を弁ずる《迷路法》、険を履む《渉陰法》、山に入る《出入山中法》、身を脱する《逃避法》、時を擇ぶ《太陽臨時法》。さらに《九星吉凶歌》《甲癸丁乙》《行兵雑摘》。最後に奇門の盤を六爻卦に転じて断ずる一組――《奇門演卦法》《値符値使演卦例》《門外演卦例》、および卦爻に拠って推断する《主客雌雄》《陣勢得失》《節候》《六親剋応》《八卦剋応》《六神剋応》《十二支剋応》です。
卷之四:奇門遁甲陽局,一、二、三。卷之五:奇門遁甲陽局,四、五、六。卷之六:奇門遁甲陽局,七、八、九。卷之七:奇門遁甲陰局,一、二、三。卷之八:奇門遁甲陰局,四、五、六。卷之九:奇門遁甲陰局,七、八、九。卷之十:玄機賦上。卷之十一:玄機賦中。卷之十二:玄機賦下。
巻四から巻九までは時家奇門の全套の定局図です。巻四に陽遁一局・二局・三局を列し、巻五に陽遁四局・五局・六局を列し、巻六に陽遁七局・八局・九局を列し、巻七に陰遁一局・二局・三局を列し、巻八に陰遁四局・五局・六局を列し、巻九に陰遁七局・八局・九局を列します。九つの陽局に九つの陰局を加え、一局ごとに六十時辰で、まさに全書四千三百二十局の完全な盤面です。巻十・巻十一・巻十二は《玄機賦》の上・中・下の三篇で、賦体に注解を加えた形で、八神が八門に会する占断、行兵格局の吉凶取用および剋応・年命推断を条ごとに説き尽くしています。
奇門遁甲統宗巻之一
奇門秘訣総賦
甲加丙兮龍回首,丙加甲兮鳥跌穴。回首則悅懌易逐,跌穴則顯灼易成。身殘毀兮,乙遇辛而龍逃走;財虛耗兮,辛遇乙而虎猖狂。癸見丁,騰蛇妖矯;丁見癸,朱雀投江。生丙臨戊天遁用兵,開乙臨己地遁安墳,休丁遇太陰人遁安營。庚臨日干伏干格,日干臨庚飛干格。庚臨值符伏宮格之名,值符臨庚飛宮格之說。大格庚臨六癸,刑格庚臨六己。
天盤の甲(すなわち値符)が地盤の丙奇に加臨するのを「青龍回首」と言い、天盤の丙奇が地盤の甲に加臨するのを「飛鳥跌穴」と言います。青龍回首を得れば、事をなすに心が快く、求めるものが得やすくなります。飛鳥跌穴を得れば、事が明らかに顕れ、成功しやすくなります。身体が傷つき残毁する凶兆は、天盤の乙奇が地盤の辛に落ちることで、「青龍逃走」と言います。財銭が徒らに耗散する凶兆は、天盤の辛が地盤の乙奇に落ちることで、「白虎猖狂」と言います。天盤の癸が地盤の丁奇に落ちるのを「螣蛇妖矯」と言い、天盤の丁奇が地盤の癸に落ちるのを「朱雀投江」と言います。生門と丙奇がともに戊の上に臨むのは「天遁」で、用兵に宜しいとします。開門と乙奇がともに己の上に臨むのは「地遁」で、安葬修墳に宜しいとします。休門と丁奇がともに太陰に会するのは「人遁」で、安営扎寨に宜しいとします。天盤の庚が地盤の日干に加わるのを「伏干格」と言い、天盤の日干が地盤の庚に加わるのを「飛干格」と言います。天盤の庚が地盤の値符宮に加わるのを「伏宮格」と言い、天盤の値符が地盤の庚に加わるのを「飛宮格」と言います。天盤の庚が地盤の六癸に臨むのを「大格」と言い、天盤の庚が地盤の六己に臨むのを「刑格」と言います。
時干剋日干乃五不遇而災生,丙奇臨時干名勃格而禍起。三奇得使眾善皆臻,六儀擊刑百凶俱集。太白加熒賊欲來,火入金鄉賊將去。地羅遮障不能前,天網四張無走路。值符宮同天乙位而取,如逢急難宜從值符方下而行。太陰潛形而隱跡,六合遁身而謀議。九天之上揚威武,九地之下匿兵馬。
時干が日干を剋するのが「五不遇時」で、災禍の発生を主ります。丙奇が時干の上に加臨するのを「悖格」と言い、禍端が驟り起こることを主ります。「三奇得使」(乙丙丁の三奇がちょうどそれと相配する旬首の上に加わること)の時には、さまざまな良い事が集まってきます。「六儀撃刑」(六甲の旬首がその地支と相刑する宮に落ちること)の時には、あらゆる凶事がいっせいに寄せ集まります。天盤の庚(太白)が地盤の丙(熒惑)に加臨するのを「太白加熒」と言い、敵兵がまさに来犯しようとすることを主ります。天盤の丙が地盤の庚に加臨するのを「火入金郷」と言い、敵兵がまさに退き去ろうとすることを主ります。六壬の在るところは「地羅」で、遮り隔てて前に進めません。六癸の在るところは「天網」で、四方に張りめぐらされて出る路がありません。値符宮はすなわち天乙貴人の在る位置で、取用には二者を同じく見ます。もし緊急の危難に逢えば、値符の在る方位の下から出行すべきです。太陰の神は形跡を潜蔵し蹤影を隠蔽することができます。六合の神はその中に身を隠して暗に謀ることができます。九天の上では威武を張り陣を列ねて強さを示すに宜しく、九地の下では埋伏して隠匿し兵を蔵して露わさないに宜しいです。
倘三疊之得奇門,若蛟龍之得雲雨。見六合之逢殺局,如虎狼之產羽翼。忌取休囚,防其刑擊,神藏殺沒,方和萬事。皆和反吟伏吟,知是干殃數集;和或奇逢旺相,是為富貴之謀。門逢休開,方協英雄之應。如遇青龍反首,值甲乙之妙詳;若逢白虎猖狂,見庚辛凶之禍端。若見騰蛇夭矯,知壬癸之崢嶸;若遇朱雀投江,管丙丁之妖怪。若見飛鳥跌穴,便云百事皆神;貴人登壇,管取九宮俱慶。
もし三奇・吉門・吉神の三者が層々に重なり一宮に聚まれば、それは蛟龍が雲雨を得たようで、施して利しなからざるはありません。もし六合の神が偏に粛殺の局に落ちれば、それは虎狼に翼を添えたようで、凶の上に凶を重ねます。用事はもっとも臨む門星が休囚無気の地に落ちることを忌み、さらに六儀撃刑の類の刑傷を防がなければなりません。ただ「神蔵殺没」(吉神が潜蔵し凶煞が隠没する時)に至ってのみ、万事が和順となりえます。およそ反吟・伏吟の局に逢えば、災殃がまさに相継いで至ろうとすることを知るべきです。もし三奇がまた旺相の気に当たれば、それは富貴を求める良い謀りです。門の上に休門・開門に逢ってはじめて、英雄が功業を建てる感応に合います。もし「青龍返首」に逢えば、それと甲・乙木との精妙な関係を細かく察すべきです。もし「白虎猖狂」に当たれば、それは庚・辛金のもたらす凶禍の端です。もし「螣蛇妖矯」を見れば、それが壬・癸水の祟りであることを知るべきです。もし「朱雀投江」に逢えば、それが司るのは丙・丁火の生ずる妖異です。もし「飛鳥跌穴」を見れば、百事すべて神の助けがあると言えます。さらに貴人が壇に登り(値符が地を得て権を当てる)に逢えば、九宮の上下はいずれも一様に吉慶となります。
陰陽二遁分順逆,一氣三元人莫測。五日都來換一元,接氣超神為準的。吉門仍又合三奇,大概須云百事宜。其間倘或多凶吉,一篇未足究精微。三奇得使誠可取,乙歸犬馬丙鼠猴,六丁玉女騎龍虎。又有三奇游六儀,號為玉女守門時。凡作陰私和合事,請君但向此中推。
陰遁・陽遁の二套の体系はそれぞれ逆行・順行に従って布列され、一つの節気はまた上・中・下の三元に分かれ、その中の変化は常人には測りがたいものです。五日ごとに一元を換え、元と元との接続は「超神」「接気」を準縄とします。もし吉門の上にまた三奇が会合すれば、大体において百事皆宜と言えます。ただしその中に吉凶が交錯する情形も多く、一篇の歌訣ではその精微を尽くすに足りません。「三奇得使」はまことに取用に値します。乙奇は甲戌(狗)・甲午(馬)の二旬首に落ちるべく、丙奇は甲子(鼠)・甲申(猴)の二旬首に落ちるべく、丁奇(六丁玉女)は甲辰(龍)・甲寅(虎)の二旬首に落ちるべきです。別に三奇が六儀に遊臨する情形があり、これを「玉女守門」の時と称します。およそ隠秘な私事をなし、姻縁を説き合う類の事をなさんとする者は、これらの格局の中から推求してください。
就中伏吟為最凶,天上蓬加地上蓬。二蓬若在天英上,須知便是反吟宮。假饒吉宿得奇門,萬事皆凶不堪使。六儀擊刑為大凶,甲子值符愁向東。戌刑在未申在寅,寅巳辰辰午刑午。三奇入墓可推詳,乙日哪堪見未時。丙丁入火火墓戌,此時諸事不須為。更嫌六乙來臨二,丙丁臨六亦如之。又有時干入墓中,課中時下忌相逢。乙未壬辰兼丙戌,辛丑都來盡是凶。
諸凶格の中では「伏吟」がもっとも凶悪で、その標識は天盤の天蓬星が地盤の天蓬星を圧する(天地両盤が完全に重なる)ことです。もしこの天蓬が天英星の本宮(離九宮)に走れば、それは「反吟」の宮(星が対宮に加わる)です。この二種の情形では、たとえ吉星がまた三奇吉門を得ても、万事は依然として凶で、取用に堪えません。「六儀撃刑」もまた大凶です。甲子(戊)が値符となる時にもっとも恐れるのは東方の震三宮に落ちることです。地支の相刑の規律は、戌は未を刑し、申は寅を刑し、寅は巳を刑し、辰は辰と自刑し、午は午と自刑します。「三奇入墓」も細かく推すべきです。乙奇は陰木に属し、未時(未は木の庫)に逢えば用いるに堪えず、丙・丁は火に属し、火の墓は戌にあるので、戌位に落ちるこの時は諸事すべてなすべきではありません。さらに忌むべきは乙奇が坤二宮(未申の位)に落ちること、丙・丁が乾六宮(戌亥の位)に落ちることも同様です。このほか「時干入墓」もあり、局を排するにもっとも忌むのは時干がその墓位と相逢することで、乙未・壬辰・丙戌・辛丑のこれらの組の干支が凑り合うと、すべて凶となります。
五不遇兮龍不精,號為日月損光明。時干來剋日干上,甲日須知時忌庚。乙忌辛兮丙忌壬,丁忌癸兮戊忌甲。奇與囚兮共太陰,三般難得總來臨。若教得二皆為目,學損行藏得遂心。天乙之人所在宮,大將直居擊對沖。假如值符居離九,天英坐取擊天蓬。甲乙丙丁戊陽時,神居天上要君知。坐擊須向天上奇,陰如地下亦同之。
いわゆる「五不遇時」とは、この時には用神がもはや霊験をなさず、ちょうど日月が光明を失ったようだと言います。その条件は時干が日干を剋することで、甲日は庚時を忌み、乙日は辛時を忌み、丙日は壬時を忌み、丁日は癸時を忌み、戊日は甲時を忌みます。三奇・六儀と太陰の神、この三様がすべて備わるのは得難いことです。もしその中の二様を得られれば、進退行蔵のいずれも意に称えます。天乙貴人(値符)の在るその一宮が、すなわち主将の坐鎮すべきところで、攻撃の目標はその対衝の宮を選びます。例を挙げれば、値符が離九宮に落ちれば、天英星の在る離宮に坐り、対衝の天蓬(坎一宮)を攻撃します。甲・乙・丙・丁・戊のこの五つの陽時には、用神は天盤に居り、この一点は必ず記し留めなければなりません。坐守と攻撃はいずれも天盤上の三奇を準とし、陰時に至っては、同じ道理で改めて地盤を見ます。
若見三奇在五陽,便宜為主自強高。忽然遇著五陰上,利宜為客好推詳。值符九天可陳兵,九地伏藏誠可憑。伏兵但向太陰位,唯有六合可逃形。天地人分三遁尋,天遁日精華蓋臨。地遁月精紫微蔽,人遁當知是太陰。生門六丙臨六戊,此為天遁是分明。開門六乙臨六己,地遁如斯而已矣。休門六丁合太陰,欲識人遁莫過此。要知三遁何所宜,形藏影隱斯為美。
もし三奇が甲・乙・丙・丁・戊の五つの陽時に現れれば、それは「主」となるに宜しく、自ら守りて強盛に高く居ります。もし急に己・庚・辛・壬・癸の五つの陰時に逢えば、それは「客」となるに宜しく、よく推詳してから出でて撃ちます。値符と九天の在るところは陣を列ね兵を陳ることができ、九地の在るところは安心して埋伏し隠蔵することができます。伏兵を設けるには太陰の在る方位を選び、もし逃れて身を蔵すには、ただ六合の方がもっとも適しています。天遁・地遁・人遁の三者はそれぞれに尋ねなければなりません。天遁は日の精華で、華蓋の気が臨み照らします。地遁は月の精華で、紫微の気が遮蔽します。人遁は太陰の神に依ることを知らなければなりません。生門と丙奇がともに六戊の上に臨めば、これが明らかに天遁です。開門と乙奇がともに六己の上に臨めば、地遁はこれに過ぎません。休門と丁奇がともに太陰に会合すれば、人遁を認めるにこれより確かなものはありません。この三遁が何を為すに適しているかを問うなら――その妙はすべて形跡を蔵し影を隠すところにあります。
庚為太白丙熒惑,庚丙相加誰會得。六庚加丙白入熒,六丙加庚熒入白。白入熒兮賊即來,熒入白兮賊欲隔。丙為勃兮庚為格,格則不通勃亂逆。庚加六甲為伏干,甲加六庚飛干格。庚加值符天乙伏,值符加庚天乙飛。加一宮兮戰在野,同一宮兮戰國中。庚加癸兮為大格,加己為刑大不宜。加壬之時為小格,格嫌歲月日時移。
庚金は太白星に喩え、丙火は熒惑星に喩えます。庚と丙とが相加わる道理を领会できる者は多くありません。天盤の六庚が地盤の丙に加わるのを「白入熒」と言い、天盤の六丙が地盤の庚に加わるのを「熒入白」と言います。「白入熒」を得れば、敵兵がまもなく来ることを主り、「熒入白」を得れば、敵兵がまさに退避して隔絶することを主ります。丙は「悖」を主り、庚は「格」を主ります。格とは道路が通ぜず諸事が阻滯することで、悖とは綱紀が紊乱し事が顛倒することです。天盤の庚が地盤の六甲(日干)に加わるのを「伏干格」と言い、天盤の甲(日干)が地盤の六庚に加わるのを「飛干格」と言います。天盤の庚が地盤の値符宮に加わるのを「天乙伏宮」と言い、天盤の値符が地盤の庚に加わるのを「天乙飛宮」と言います。庚と値符が隣り合う二宮に分かれて居れば、国境の野で交戦することを主り、同じ一宮に居れば、戦火が国中にまで及ぶことを主ります。天盤の庚が地盤の癸に加わるのを「大格」と言い、地盤の己に加わるのを「刑格」と言い、いずれもきわめて適しません。地盤の壬に加わるのを「小格」と言います。およそ格局に逢うときは、なおそれが年・月・日・時の各層の干支を牽動して、凶象を層々に転移させ拡大させることを恐れます。
更有一般時格者,六庚慎勿加三奇。此局若還行師去,匹馬隻輪無返期。六癸加丁騰蛇矯,六丁加癸雀入水。六辛加乙虎猖狂,六乙加辛龍逃走。諸君四是曰凶神,凡事遇之宜不平。丙加甲兮鳥跌穴,甲加丙兮龍回首。只此二者是吉神,為事加吉十八九。
また「時格」と呼ばれるものがあります。六庚は決して三奇の上に加臨してはなりません。もしこのような局面で出兵すれば、まさに「一疋の馬、一隻の車輪も帰ってこない」ことになります。天盤の六癸が地盤の丁奇に加わるのは「螣蛇妖矯」、天盤の六丁が地盤の癸に加わるのは「朱雀投江」、天盤の六辛が地盤の乙奇に加わるのは「白虎猖狂」、天盤の六乙が地盤の辛に加わるのは「青龍逃走」です。皆さん記し留めてください。この四種はすべて凶神と呼ばれ、凡事これに遇えば太平ではありません。天盤の丙が地盤の甲に加わるのは「飛鳥跌穴」、天盤の甲が地盤の丙に加わるのは「青龍回首」です。この二種だけが吉神で、用いて事をなせば十中八九は倍々に順調です。
八門若遇休開生,諸事遇之總稱情。傷宜捕獵終須獲,杜好逃遮更隱形。景士投書與破陣,死唯遊獵葬埋宜。試問驚門何所益,捕捉公庭較是非。蓬任沖輔禽陽星,英芮柱心陰宿益。輔禽心星為大吉,沖任小吉未全亨。大凶蓬芮不堪遇,小凶英柱在中宮。大凶無氣交為小,小凶有氣亦丁憂。吉宿更能逢旺相,萬舉萬全功必成。
八門の中で休門・開門・生門のこの三吉門に逢えば、諸事はすべて意に称います。傷門は捕獲・追討に宜しく、終に必ず収穫があります。杜門は逃遁・遮蔽に宜しく、さらに形跡を隠すことができます。景門は士人が書を上して策を献ずることと衝鋒して陣を破ることに宜しいです。死門はただ田猟と丧葬埋殯の事にのみ適します。驚門に何の用があるかを問うなら――それは盗賊を緝捕し、公堂に上りて是非を弁ずるに宜しいです。天蓬・天任・天衝・天輔・天禽は陽星で、天英・天芮・天柱・天心は陰宿です。天輔・天禽・天心の三星は大吉で、天衝・天任は小吉で、なお完全には亨通していません。大凶の星は天蓬・天芮で、遇うに宜しくありません。小凶の星は天英・天柱で、ほかに中宮に寄せる一つがあります。大凶の星がもし気を失い力がなければ、凶性は小凶に減じます。小凶の星がもし気を得て力があれば、やはり同じく喪憂をもたらします。吉星がさらに旺相の気に逢えば、それこそ万挙万全、事必ず成功します。
遁甲起例
洛書九宮,奇宮之祖。上法九宮,下應九州,中建八門,以例八卦氣。卦統三氣(五日為一候,六十時換一局,十五日為三氣計,一百八十時保一節),每氣分三候(五日為一候,則一氣計三候矣)。
《洛書》の九宮は、奇門の宮位体系の祖本です。上は天上の九宮星野に取法し、下は地上の九州分域に対応し、中間に八門を安置して、以て八卦の気に配します。一卦ごとに三つの節気を統轄します(原注:五日を一候とし、六十の時辰で一局を換え、十五日を以て三気と算し、一百八十の時辰が一つの節を構成する)。一つの節気はまた三候に分かれます(原注:五日を一候とすれば、一つの節気はすなわち三候である)。このようにして八卦・二十四気・七十二候が層層に套合し、奇門排局の時間の骨格を構成します。
自冬至陽生起坎一宮,坎、艮、震、巽四卦統氣十二候,分三十六局,計五百四十,為陽遁,故順布六儀(甲子戊、甲戌己、甲申庚、甲午辛、甲辰壬、甲寅癸),逆飛三奇(乙為日奇,丙為月奇,丁為星奇)。自夏至氣降起離九宮,離、坤、兌、乾四卦統氣十二候,分三十六分局,亦五百四十,為陰遁,故逆布六儀,順飛三奇。以九星為值符,加時干布八門。
冬至の一陽初生から始まり、坎一宮に起こります。坎・艮・震・巽の四卦は十二の節気・三十六候を統轄し、合わせて三十六の五日元に分かれ、五百四十の時辰に及びます。この一段は「陽遁」に属します。陽遁の排法は六儀を順布し――甲子は戊に隠れ、甲戌は己に隠れ、甲申は庚に隠れ、甲午は辛に隠れ、甲辰は壬に隠れ、甲寅は癸に隠れ――宮序に依って順行します。次いで三奇を逆飛し――乙を「日奇」、丙を「月奇」、丁を「星奇」として――宮序に依って逆行します。夏至の一陰下降から始まり、離九宮に起こります。離・坤・兌・乾の四卦も同様に十二の節気・三十六候を統轄し、これも五百四十の時辰です。この一段は「陰遁」に属します。陰遁の排法はまさにこれと反対で、六儀を逆布し三奇を順飛します。地盤を布定して後、さらに九星のうちの一つを以て値符に充て、それを時干の落ちる宮に加え、それに随って八門を推布します。
九星常為值符用,十時一易,每用加時干是;八門為值使,後定方位為奇。八門常為值使,隨值符亦十時一易,值儀隨時飛轉,以定方位,出奇無窮。五日一元,遇甲己日為氣交,而非甲己則以超接之,即拆局補局之法。
九星は定まって値符に充てられ、十の時辰(一旬)ごとに一度更え、その用法はそれを時干の在る宮に加えることです。八門は定まって値使に充てられ、それが落ち定まる方位を以て吉凶奇正を判断します。八門は値使として、値符に随って十の時辰ごとに一度更えます。値符と六儀は時に随って飛転し、これにより方位が定まり、変化は窮まることがありません。五日ごとに一元をなし、甲日または己日に遇えばそれが節気の交接するところです。もし節気が甲己でない日に交われば、「超神」「接気」の法を用いて調整します。すなわちいわゆる拆局・補局の法です。
假如庚寅大雪節,自己卯至庚寅已超十二日,是過旬也,餘無再造之理,至此合用閏。閏者,何也?自甲午至戊申十五日重複大雪局奇,惟十七日乙巳方用冬至節上局奇,是謂之接也。自此以後而用接閏之法矣。
例を挙げて言いましょう。もし庚寅日に大雪の節に交わり、符頭の己卯日から庚寅日までにすでに十二日超過して一旬を超えているなら、余った日はもはや別に一局を造って安置することができず、ここで「置閏」を用いるべきです。閏とは何か。甲午日から戊申日までの十五日に、大雪の局奇を一遍重複して用いる(すなわち一組の閏奇の上中下三元を加挿する)ことで、十七日の乙巳日になってはじめて冬至節の上元局奇を用い始めます――これを「接気」と言います。これより以後、この「接気置閏」の法に拠って運転していきます。
論超接之法
超者,超過也。神者,日辰也。接者,承接也。氣者,諸節也。節氣未至而日辰先到,則復節氣為主而超越用未來之節氣,此之謂超。又有節氣已至而日辰未到,則伏辰為主而待日辰至方接承節。蓋其氣來則日辰未至,而奇星常用於前節,此之謂接也。
いわゆる「超」とは超前・超過すること、「神」とは日辰(甲子・己卯等の符頭の日)を指し、「接」とは承接すること、「気」とは各々の節気を指します。節気がまだ交わらないのに符頭の日が先に至った時は、もはや節気を死に待たず、あらかじめまだ到来していないその節気の局を用います。これを「超神」と言います。逆に、もし節気がすでに交わったのに符頭の日がまだ至っていなければ、この時は日辰を準として伏して動かず、符頭の日が至ってから新しい節気の局を承接します。節気の気はすでに到来したけれど符頭の日が未だ至らないので、奇門の星局はやむを得ず依然として前の節気のものを沿用します。これを「接気」と言います。
如丙午年四月十三日壬申交立夏節,然四月初五日甲子日。甲己是四仲日,已在立夏前九日矣,則合超,超先於甲子日,下用立夏上局奇,己巳後用甲局,此乃先得奇後得節,凡作用取效為速。
例を挙げて言いましょう。丙午年四月十三日壬申に立夏の節に交わり、四月初五日がすでに甲子日です。甲・己の日がまたちょうど子午卯酉の四仲の上に落ち(甲子日の支は子)、それは立夏より九日早いので、「超神」とすべきです――あらかじめ初五日甲子日から、立夏節の上元局奇を用い、初十日己巳日以後に次いで中元の局に転用します。これが「先に奇を得、後に節を得る」で、およそこのように取用するものは効験がとくに速やかに来ます。
又法
超神者,謂節氣未至而甲子、己卯、甲午、己酉四上元之符頭先到,則從符頭而行節氣之先上元。如正月初一日立春,而上年十二月二十五日即是甲子。此符頭先至,即以此二十五日甲子作立春上元,至正月初一日乃行中元,故謂之超也。
別の説があります。いわゆる「超神」とは、節気がまだ交わらないのに甲子・己卯・甲午・己酉の四つの上元符頭が先に至った場合を指し、そこで符頭に依って起算し、あらかじめ次の節気の上元に入ります。たとえば正月初一日に立春に交わるのに、上一年十二月二十五日がすでに甲子日で、この符頭が先に至ったなら、十二月二十五日甲子を立春の上元の起点とし、正月初一日の時点ではすでに中元まで排していることになります。局が節気より先に行っているので、「超」と言います。
接氣者,謂甲子、己卯、甲午、己酉四上元之符頭未到而節氣先到,則候符頭先日方行節氣。如正月初一日立春,而初五方是甲子,此符頭未到,卻以初一至初四仍行大寒下元,至初五方行立春上元。故謂之接也。超有十日止五日,餘仿此。
いわゆる「接気」とは、甲子・己卯・甲午・己酉の四つの上元符頭がまだ至っていないのに節気が先に交わった場合を指し、この時は符頭の日を待ってから新しい節気の局に転用します。たとえば正月初一日に立春に交わるのに、初五日がやっと甲子日で、符頭が未だ至らないので、初一日から初四日までは依然として大寒の下元局を沿用し、初五日になってやっと立春の上元局に転用します。局が待って節気を承接するので、「接」と言います。超神は多くて十日まで超えることができ、少なくて五日、その余の情形はこれに類して推します。
超接訣
陰陽二遁,原洪進速。時未節氣,先到遲時。節氣交未來,超接通玄奧,日未來節先來,今日端然在割裁。雖然節氣已交度,奈何仲日未胚胎。先至節未至,超用未來節氣,有時超起過旬餘,所以積餘成閏,位二至之前有閏奇。
陰遁・陽遁の二大系統には、もとより行進の快慢の差があります。ある時は時辰が節気の前を行き、ある時はまた節気の後ろに落ちます。節気の交不交の間の調節は、すべて「超神」「接気」のこの玄妙なる法に拠ります。符頭の日がまだ至らないのに節気が先に至るか、あるいは符頭が先に至るのに節気が未だ至らないか、今日どの一局を用いるべきかは、如何に裁断するかに拠ります。節気はすでに度数を交え足りたけれど、符頭たるべき四仲の日がまだ現れていないので、待つほかありません。逆に符頭が先に至り節気が未だ至らなければ、あらかじめまだ到来しない節気の局を借用します。ある時は一超して十日以上を超え、余った日が積み重なれば「置閏」しなければならず、したがって冬至・夏至の両至の前には、いずれも一組の閏奇が設けられています。
此時疊積累乘之陽極陰終無定數,因立此閏畢。其餘起法者,於逐年芒種節上,於大雪前尋之。蓋緣芒種節後是夏至,則儀逆奇順;大雪之後是冬至,則儀順而奇逆,陽順陰逆皆此也。
この時に日数は層層に積累し疊乗していき、陽気が極に至り陰気がまさに終わろうとして、一定の数に循ることがないので、ここにおいて閏奇を設立して収束します。閏奇が具体的にどこに安置されるかは、毎年芒種節の上に尋ねるか、あるいは大雪節の前に尋ねます。その原因は、芒種の後は夏至に緊接し、夏至以後は六儀を逆布し三奇を順飛に改め、大雪の後は冬至に緊接し、冬至以後は六儀を順布し三奇を逆飛に改めるからです。陽遁順行・陰遁逆行の転折点はすべてここにあるので、閏奇も必ずこの二つの転折の前に安置しなければなりません。
又訣
凡節氣或遇甲子、甲午、己卯、己酉,是甲己謂之正授。若不遇,則以官曆挨究共過幾日星當用第幾局,名曰超接。其造化,每至冬至多是超,至十二三日又日閏也。
およそ節気の交接の日がちょうど甲子・甲午・己卯・己酉に当たるとき、すなわち符頭と節気が分毫も差なく揃うとき、これを「正授」と言います。もし当たらなければ、官頒の暦書に依って日を逐い推査し、全部で何日差があり、第几局を用いるべきかを定めます。これを「超神接気」と言います。実際の運行から見れば、冬至の前後には大抵「超神」となり、十二三日まで超えると、また閏奇を設置すべきです。
置閏法
置閏之法,在芒種、大雪二節之後,冬至、夏至二至之前。他節雖超至十日,不可置閏,然他節亦無至八日九日十日者。
置閏の規矩は、閏奇はただ芒種・大雪のこの二つの節気の後、冬至と夏至の両至の前に安置できるということです。他の節気ではたとえ超神して十日に達しても置閏は許されません。ただし実際には、他の節気も八日・九日・十日ほどには超えません。
假如康熙五十六年五月十三日丙寅夜子初二刻交夏至節,而十一日甲子即為夏至符頭,已超三日,至十一月二十日庚午寅正時節交冬至節,去符頭甲午日共超七日。
一例を挙げましょう。康煕五十六年五月十三日丙寅、夜の子時初二刻に夏至節に交わり、十一日甲子がすなわち夏至の符頭で、符頭は節気より三日至るのが早く、超神三日に属します。この年の十一月二十日庚午寅正時に冬至節に交わるまでに、符頭甲午日からすでに七日超えています。見えるように、超神の日数は年月の推移に随って次第に大きくなります。
至五十七年五月二十四日壬申卯初二度交夏至節,十六日即為甲子上元,乃超過九日矣,宜先於芒種節上置閏。蓋五月初一己酉即為芒種上局,初六日為芒種中局,十一日為芒種下局。至十六日為芒種上中下三局已足矣。
康煕五十七年五月二十四日壬申、卯初二度に夏至節に交わり、十六日がすなわち甲子上元符頭で、超前はすでに九日に達しています。ここにおいて先に芒種節の上に閏奇を安置すべきです。推算の過程はこうです。五月初一日己酉日に芒種の上元局を起こし、初六日に中元局を起こし、十一日に下元局を起こし、十六日の時点で芒種の上・中・下三元はすでに排し尽くされています。もし常規に照らせば十六日甲子は夏至上元に転入すべきですが、夏至の実際の交節まではなお九日あり、あまりに遠すぎます。
自十六甲子至二十四壬申,已超九日,為期大遠。故十六日甲子不作夏至上局,而為芒種閏奇上局,二十一日己巳作芒種閏奇中局,二十六日甲戌作芒種閏奇下局。至六月初一日戊寅閏奇方終,六月初二日己卯始得為夏至上局。斯乃謂之接氣。
十六日甲子から二十四日壬申まで、すでに九日超えており、間隔は実に大きすぎます。そこで十六日甲子は夏至上元とせず、「芒種閏奇」の上元に改め、二十一日己巳を芒種閏奇の中元とし、二十六日甲戌を芒種閏奇の下元とします。このようにして六月初一日戊寅まで、閏奇がやっと排し終わり、六月初二日己卯になって、はじめて正式に夏至の上元局を用い始めます。これを「接気」と言います――一組の重複した閏奇を以て余った日を吸収し、局を改めて節気の後ろに落とし戻して承接させるのです。
直至康熙五十八年六月二十三日立秋,而甲子符頭恰當日,是為正授,本日即是陰遁二局。上元至七月初九日庚辰處暑即超一日矣。凡閏奇,三候一終即為接氣,接氣乃換正授,正授漸移乃換超局,超遇九日十日或十一日則仍置閏。
康煕五十八年六月二十三日の立秋まで、甲子符頭がちょうどこの日に落ち、符頭と節気が完全に揃い、これが「正授」で、その日に用いたのはまさに陰遁二局の上元です。ところが七月初九日庚辰に處暑に交わる時には、またすでに一日超えていました。総じての規律は、閏奇が三候(十五日)を排し満たせば接気に転じ、接気の後は次第に正授に変わり、正授の後は次第に超神に変わり、超神が九日・十日ないし十一日まで累積すれば、再び置閏するということです。このようにして循環往復し、局と節気は終始節脱することはありません。
奇門四十格
龍回首:甲值符加地盤丙奇。鳥跌穴:丙奇加地盤甲值符。天遁:生門與丙奇臨,又開門與六丙合。地遁:開門與乙奇臨己。人遁:休門與丁奇臨太陰。雲遁:休開生與乙奇合奇,地盤六辛。風遁:休開生臨乙奇,地盤巽四宮。龍遁:休門與乙奇合坎。虎遁:休門與乙奇合艮辛。神遁:休門與乙奇合九天。鬼遁:乙奇合九地杜門。
「青龍回首」――天盤の甲(値符)が地盤の丙奇の上に圧します。「飛鳥跌穴」――天盤の丙奇が地盤の甲(値符)の上に圧します。「天遁」――生門が丙奇を帯びて戊土の宮に落ちるか、あるいは開門が六丙に相会します。「地遁」――開門が乙奇を帯びて己土の宮に落ちます。「人遁」――休門が丁奇を帯びて太陰の下に落ちます。「雲遁」――休・開・生の三吉門の一つが乙奇に相会し、地盤が六辛です。「風遁」――休・開・生の三吉門の一つが乙奇を帯びて、地盤の巽四宮に落ちます。「龍遁」――休門が乙奇を帯びて坎一宮に落ちます。「虎遁」――休門が乙奇を帯びて艮八宮または辛位に落ちます。「神遁」――休門が乙奇を帯びてさらに九天に逢います。「鬼遁」――乙奇が九地・杜門に相会します。この十一格はすべて取るべき吉格に属し、その中の五種の「遁」は形を遁れ跡を隠し、奇を出して勝を制する上選です。
龍逃走:乙奇遇辛。虎猖狂:辛遇乙奇。蛇妖矯:癸見丁奇。雀投江:丁奇見癸。三奇得使:乙奇加甲午、甲戌,丙奇加甲子、甲申,丁奇加甲寅、甲辰。玉女守門:甲己時丙,乙庚時辛,丙辛時乙,丁壬時己,戊癸時壬,十干之符。
「青龍逃走」――天盤の乙奇が地盤の辛に落ちます。「白虎猖狂」――天盤の辛が地盤の乙奇に落ちます。「螣蛇妖矯」――天盤の癸が地盤の丁奇に落ちます。「朱雀投江」――天盤の丁奇が地盤の癸に落ちます。この四格はいずれも凶を主ります。「三奇得使」――乙奇が甲午(辛)または甲戌(己)の宮に加臨し、丙奇が甲子(戊)または甲申(庚)の宮に加臨し、丁奇が甲寅(癸)または甲辰(壬)の宮に加臨すれば、三奇がそれぞれそれを駆使する儀を得たことになり、もっとも得力です。「玉女守門」――日干に依って時を起こします。甲日・己日は丙時を見、乙日・庚日は辛時を見、丙日・辛日は乙時を見、丁日・壬日は己時を見、戊日・癸日は壬時を見ます。これは十干の配する符に依って推し出したものです。
大格:庚臨六癸。刑格:庚臨六己。歲格:庚臨歲干。月格:庚臨月干。日格:庚臨日干。時格:庚臨時干三奇。小格:庚臨壬。伏宮:庚臨值符。伏干:庚臨日干。飛干格:日干臨庚。
以下はすべて六庚の造成する阻格です。「大格」――天盤の六庚が地盤の六癸に圧します。「刑格」――天盤の六庚が地盤の六己に圧します。「歳格」――六庚が当年の年干の上に圧します。「月格」――六庚が当月の月干の上に圧します。「日格」――六庚が当日の日干の上に圧します。「時格」――六庚が時干または三奇の上に圧します。「小格」――六庚が壬の上に圧します。「伏宮」――六庚が値符の在る宮に圧します。「伏干」――六庚が日干の上に圧します。「飛干格」――逆に、日干が六庚の上に圧します。およそこれらの格に逢えば、事はすべて阻滯して通ぜず、進退ともに拠り所を失います。
太白入熒:六庚加丙奇,又庚加卯日時酉丁。火入金鄉:丙奇加六庚金,又丙奇加驚用值符之庚辛。反吟:星加對宮。伏吟:本星加本宮。五不遇格:時干剋日干。三奇入墓:乙奇坤宮,丙奇乾宮,丁奇艮宮。時墓:當用時墓干。
「太白入熒」――天盤の六庚が地盤の丙奇に圧します。別の説では、六庚が卯日・酉時または丁位の上に加わるのもこれに数えます。「火入金郷」――天盤の丙奇が地盤の六庚(金)に圧します。別の説では、丙奇が驚門に加わるか、あるいは値符の帯びる庚辛の上に加わるのもこれに数えます。「反吟」――天盤の星がその本宮の対衝の宮に加わること。「伏吟」――天盤の星がちょうどそれ自身の本宮に加わり戻ること。「五不遇格」――時干が日干を剋すること。「三奇入墓」――乙奇が坤二宮に落ち、丙奇が乾六宮に落ち、丁奇が艮八宮に落ちて、それぞれ自らの墓庫に入ります。「時墓」――用いる時の天干がちょうどその墓位に落ちること。これらはすべて用事にあたって必ず回避しなければならない凶格です。
六儀擊刑:甲子值符三,甲申值符八,甲戌值符二,甲午值符九,甲辰值符四,甲寅值符四。六儀受制:休加離,傷加坤,杜加艮,景加乾,生加兌,死加坎,開加震,驚加巽。地羅遮蔽:六壬臨時干。天網四張:六癸臨時干。尺寸高低:一二三四五宮尺寸低,六七八九宮尺寸高。
「六儀撃刑」――甲子(戊)が値符となって震三宮に落ち、甲申(庚)が値符となって艮八宮に落ち、甲戌(己)が値符となって坤二宮に落ち、甲午(辛)が値符となって離九宮に落ち、甲辰(壬)が値符となって巽四宮に落ち、甲寅(癸)が値符となってまた巽四宮に落ちるのは、いずれも旬首がみずから地支の刑に撞当たるものです。「六儀受制」――休門が離九に加わり、傷門が坤二に加わり、杜門が艮八に加わり、景門が乾六に加わり、生門が兌七に加わり、死門が坎一に加わり、開門が震三に加わり、驚門が巽四に加わるのは、いずれも門が宮に圧制されるものです。「地羅遮蔽」――六壬が時干の上に圧し、羅網が目前にあるがごとく、前に進むことができません。「天網四張」――六癸が時干の上に圧し、四方が網に罩められます。「尺寸高低」とは、天網が一・二・三・四・五宮に落ちる時は網が低く、掲げて潜り出ることができ、六・七・八・九宮に落ちる時は網が人より高く、もはや通る路がないことを言います。
八節応八門旺相
冬至:休門旺,生門絕,傷門胎,杜門沐,景門死,死門囚,驚門休,開門廢。立春生門旺,春分傷門旺,立夏杜門旺,夏至景門旺,立秋死門旺,秋分驚門旺,立冬開門旺,冬至周而復始。
冬至を例に八門が八節に随って旺衰することを説明します。冬至の時は休門が旺に当たり、生門は絶地にあり、傷門は胎位にあり、杜門は沐浴にあり、景門は死地にあり、死門は囚地にあり、驚門は休位にあり、開門は廃位にあります。その余の七節は順次輪転します――立春の時は生門が旺に当たり、春分の時は傷門が旺に当たり、立夏の時は杜門が旺に当たり、夏至の時は景門が旺に当たり、立秋の時は死門が旺に当たり、秋分の時は驚門が旺に当たり、立冬の時は開門が旺に当たり、冬至に至ってまた休門が旺に当たって、周してまた始まります。八門はそれぞれその本宮の配する節気において令を得ます。これが門の強弱を判断する基準です。
九星旺相
九星旺於子月,相於本月,死於父母月,囚於鬼月,廢於妻月。如天蓬水星,正二月旺,十月十一月相,七月八月死,三六九十二月囚,四五月廢。
九星の四時の状態は五行の生剋によって判定します。自己の生ずる「子」の月を旺とし、自己の本気が令に当たる月を相とし、我を生ずる「父母」の月を死とし、我を剋する「鬼」の月を囚とし、我が剋する「妻」の月を廃とします。例を挙げれば天蓬星は水に属します。正月・二月はそれが生ずる木の月なので旺とし、十月・十一月は水の本気の月なので相とし、七月・八月は金が水を生ずる月でかえって死とし、三・六・九・十二のこの四つの土の月は土が水を剋するので囚とし、四月・五月は火が水に剋されるので廃とします。その余の八星はこれに類して推します。
迫
開門臨三四宮(金克木),休門臨九宮(水克火),生門臨一宮(土克水),傷門臨八宮(木克土),景門臨六宮(火克金),死門臨一宮(土克水),驚門臨三四宮(金克木),杜門臨二八宮(木克土)。
いわゆる「迫」とは、八門が自己の剋する宮に落ちて、門の気が宮に牽制され、吉門は吉を減じ、凶門は凶を増すことを指します。具体的な情形はこうです。開門は金に属し、震三・巽四の木宮に落ちれば金が木を剋します。休門は水に属し、離九の火宮に落ちれば水が火を剋します。生門は土に属し、坎一の水宮に落ちれば土が水を剋します。傷門は木に属し、艮八の土宮に落ちれば木が土を剋します。景門は火に属し、乾六の金宮に落ちれば火が金を剋します。死門は土に属し、坎一の水宮に落ちれば土が水を剋します。驚門は金に属し、震三・巽四の木宮に落ちれば金が木を剋します。杜門は木に属し、坤二・艮八の土宮に落ちれば木が土を剋します。
論八門執事歌
欲求財利往生方,葬獵須知死路強。征戰遠行開門吉,休門見貴最為良。捉賊驚門無不獲,杜門無事好逃藏。索債須防傷上去,思量飲酒景門高。
財利を求め取ろうとすれば、生門の在る方位に向かいなさい。下葬や田猟をしようとすれば、死門というこの路を行くのがもっとも有力であると知りなさい。出兵征伐・遠行し路を急ぐには、開門を以て吉としなさい。貴人に謁見するには、休門が最も良いです。盗賊を緝捕するには驚門を行き、捉えられないことはありません。事なくして清静に避けて身を蔵したいなら、杜門が最も適しています。門に上りて債を討つには用心しなければならず、傷門の方向から行きなさい。もし宴飲して集会しようとするなら、景門を以て上としなさい。この歌は八門の用途を一つひとつ具体的な事項に対応させたもので、奇門擇方のもっとも基本となる口訣です。
陰陽二遁順逆起例
冬至驚蜇一七四,夏至白露九三六,小寒二八五相隨,小暑八二五之間。大寒春分三九六,大暑秋分七一四,芒種六三九是儀,立秋二五八循環。穀雨小滿五二八,霜降小雪五八二,立春八五二相宜,大雪四七一相關。清明立夏四一七,處暑排來一四七,雨水九六三為奇,立冬寒露六九三。
これは二十四節気のそれぞれの上・中・下三元に用いる局数の口訣で、一句ごとに一つ(あるいは二つが共用する)の節気三元の局数を示します。冬至・驚蟄は一局・七局・四局を用い、夏至・白露は九局・三局・六局を用い、小寒は二局・八局・五局を用い、小暑は八局・二局・五局を用います。大寒・春分は三局・九局・六局を用い、大暑・秋分は七局・一局・四局を用い、芒種は六局・三局・九局を用い、立秋は二局・五局・八局を用います。穀雨・小満は五局・二局・八局を用い、霜降・小雪は五局・八局・二局を用い、立春は八局・五局・二局を用い、大雪は四局・七局・一局を用います。清明・立夏は四局・一局・七局を用い、處暑は一局・四局・七局を用い、雨水は九局・六局・三局を用い、立冬・寒露は六局・九局・三局を用います。冬至から芒種までの一段は陽遁に属して順行し、夏至から大雪までの一段は陰遁に属して逆行します。
九星値符図 八門値使図
天輔巽四木、天英離九火、天芮坤二土;杜門四綠、景門九黃、死門二黑。天沖震三木、天禽中五土、天柱兌七金;傷門三碧、驚門七赤。天任艮八土、天蓬坎一水、天心乾六金;生門八白、休門一白、開門六白。
この二張の図は九星と八門の九宮における本位・五行および対応する九宮の色数を示し、上・中・下の三行に排列しています。上の列は、天輔星は巽四宮に居り木に属し、天英星は離九宮に居り火に属し、天芮星は坤二宮に居り土に属します。相応する門は杜門(四緑)・景門(九紫、本書は九黄と作る)・死門(二黒)です。中の列は、天衝星は震三宮に居り木に属し、天禽星は中五宮に居り土に属し、天柱星は兌七宮に居り金に属します。相応する門は傷門(三碧)・驚門(七赤)で、中宮には門がありません。下の列は、天任星は艮八宮に居り土に属し、天蓬星は坎一宮に居り水に属し、天心星は乾六宮に居り金に属します。相応する門は生門(八白)・休門(一白)・開門(六白)です。この本位図を記憶してはじめて、値符値使を推転することができます。
値符値使訣
一逢坎上一坎休,芮死還排第二流,更有沖傷居震位,巽逢杜輔數為頭。禽心死五心開六,驚柱還從七上來,惟有任生居八艮,九尋英景逐方周。
この口訣は九星と八門を一宮から九宮までの順に背誦するものです。一宮の坎位は天蓬星と休門に配し、二宮は天芮星と死門に配し、三宮の震位は天衝星と傷門に配し、四宮の巽位は天輔星と杜門に配し、五宮の中央は天禽星に配し、中宮に門がないので死門を借用し、六宮の乾位は天心星と開門に配し、七宮の兌位は天柱星と驚門に配し、八宮の艮位は天任星と生門に配し、九宮の離位は天英星と景門に配します。九宮を一巡り数え終えれば、星と門の対応もまた周遍します。旬首がどの宮に落ちるか、その宮の星がすなわち本旬の値符で、その宮の門がすなわち本旬の値使です。
年家孤虚方位
年運:子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥。年孤:亥子丑寅卯辰巳午未申酉戌。年虛:巳午未申酉戌亥子丑寅卯辰。月位:正、二、三、四、五、六、七、八、九、十、十一、臘。月孤:丑寅卯辰巳午未申酉戌亥子。月虛:未申酉戌亥子丑寅卯辰巳午。
これは年ごと・月ごとに「孤」「虚」の两方を推す対照表です。上一行は年支で、子年から順に亥年まで排し、第二行は対応する孤方で、ちょうど年支より一位退きます(子年は孤が亥にあり、丑年は孤が子にあり、これに類して推します)。第三行は対応する虚方で、すなわち孤方の対衝です(子年は虚が巳にあり、丑年は虚が午にあり、これに類して推します)。下の三行は月の対照です。第一行は正月から臘月(十二月)までの月序で、第二行は対応する月孤(正月の孤は丑にあり、二月の孤は寅にあり、これに類して推します)、第三行は対応する月虚(正月の虚は未にあり、二月の虚は申にあり、これに類して推します)です。用兵には「孤を背にし虚を撃つ」と講究し、この表に拠って方向を定めます。
日位:子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥。日孤:亥子丑寅卯辰巳午未申酉戌。日虛:巳午未申酉戌亥子丑寅卯辰。時位:東北東西西西南北南北北南。時孤:東北東西西西西南北南北南。時虛:西南西東東東東北南北南北。
これは日ごと・時ごとに孤虚を推す対照表です。日の算法は年と同じです。第一行は日支の子から亥まで、第二行は日孤(一位退く)、第三行は日虚(孤の対衝)です。時の一組は直接方位を標出します。第一行は十二時辰のそれぞれの属する大方位で、順次東・北・東・西・西・西・南・北・南・北・北・南です。第二行は対応する時孤の方位で、順次東・北・東・西・西・西・西・南・北・南・北・南です。第三行は対応する時虚の方位で、順次西・南・西・東・東・東・東・北・南・北・南・北です。人数の多寡によって、用いる孤虚の層級も異なり、この点は後文の《孤虚》の条に別に述べます。
三奇神呪
乙奇咒曰:天帝神威,誅滅鬼賊。六乙相扶,天道贊德。吾令所行,無攻不克,急急如玄女律令。丙奇咒曰:吾德天助,前後遮羅。青龍白虎,左右驅魔。朱雀道前,使我會他。天威助我,六丙除痾。急急如玄女律令。丁奇咒曰:天帝弟子,部令天兵。賞善罰惡,出幽入冥。來護吾者,玉女六丁。有犯我者,自滅其形。急急如玄女律令。
三奇にはそれぞれ一道の呪語があり、出行して取用する時に誦念して、以て奇門の勢いを助けます。乙奇の呪の大意はこうです。天帝の神威を借りて、一切の鬼祟・盗賊を誅滅する。六乙の神が傍らから扶助し、天道は我が徳を嘉し許す。およそ我が号令の至るところ、攻めて克たざるなし――急急に九天玄女の敕令の如し。丙奇の呪の大意はこうです。我が徳は上天の護佑を得、前後に神兵が網を張り遮護する。青龍・白虎は左右に分列して邪魔を駆除し、朱雀は前に道を開いて、我が求める人に会合することを得しめる。上天の威霊は我を助け、六丙の神は我のために病痛を祛除する――急急に九天玄女の敕令の如し。丁奇の呪の大意はこうです。我は天帝の弟子で、天兵を部署し調遣することができる。善を賞し悪を罰し、幽冥の間に出入する。来りて我を護衛する者は、六丁玉女である。敢えて我を冒犯する者あれば、自ら形を銷し影を滅する――急急に九天玄女の敕令の如し。
三奇六儀
三奇六儀,天地之機。陰陽順逆,至順玄微。時加六甲,一開一闢,上下交接。加陽星為開,百事吉;加陰星為闢,百事凶。
乙丙丁の三奇と戊己庚辛壬癸の六儀は、天地運行の機枢です。陽遁は順行し陰遁は逆行し、その中の道理はきわめて順暢でかつきわめて玄微です。用いる時が六甲(値符)の上に加臨すれば、一開一閉の二種の局面を形成し、天盤と地盤はここにおいて上下に交接します。もし加臨するのが陽星(天蓬・天任・天衝・天輔・天禽)なら、「開」と呼ばれ、百事すべて吉です。もし加臨するのが陰星(天英・天芮・天柱・天心)なら、「辟」と呼ばれ、百事すべて凶です。
時加六乙,往來恍惚,與神俱出。時下得乙為日奇,凡攻擊往來者、逃凶者,宜從天上六乙出。則恍惚如神,無人見者,故曰:與神俱出。六乙為蓬星,又為天德,百事宜,利將兵不勝所向獲功。人君宜施恩賞,不可違怒行鞭樸之事。
用時に六乙に加臨すれば、往来の行蹤は恍惚として、神とともに行くがごとくです。原注:時下に乙を得るのはすなわち「日奇」です。およそ出撃往来し、あるいは凶険を逃避しようとする者は、すべて天盤の六乙の在る方位から出発すべきです。こうすれば行跡は恍惚として神のごとく、見ることができる者はありません。だから「神と倶に出る」と言います。六乙はまた天蓬星に対応し、「天徳」とも呼ばれ、百事すべて相応しく、用兵すれば向うところ敵なく、しばしば戦功を建てます。人君はこの時辰に恩賞を施すに宜しく、天徳に違逆して怒り鞭笞の刑を行ってはなりません。
時加六丙,萬兵莫往,王侯之象。時下得丙為月奇,又為威火之象,凡攻伐宜從天上六丙出,與月奇相逢,又挾威火,故威王侯。
用時に六丙に加臨すれば、万軍もその鋒を挡ぐことが敢えてせず、これは王侯の象です。原注:時下に丙を得るのはすなわち「月奇」で、同時にまた威猛の火の象徴です。およそ出兵して攻伐するには、天盤の六丙の在る方位から出発すべきです――月奇に相遇ううえ、威火の勢いを挟帯しているので、王侯を威震する気象があります。
時加六丁,出入幽冥,到老不刑。時下得丁為星奇,又為玉女,宜安葬逃匿。人事若隨星奇,挾玉女從天上六丁而出,入太陰而藏,敵人自不能見也。百事皆吉,若用兵主大勝。
用時に六丁に加臨すれば、幽暗冥昧の中に出入して人に知られず、老いるまで刑傷を受けることもありません。原注:時下に丁を得るのはすなわち「星奇」で、また「玉女」とも呼ばれ、安葬と蔵匿に宜しいです。人事上もし星奇に随って行き、玉女の神を挟帯して天盤の六丁の在る方位から出発し、さらに太陰の下に鑽り込んで蔵れれば、敵人は自然と見ることができません。この時辰は百事すべて吉で、もし出兵に用いれば、大いに勝利を獲ることを主ります。
時加六戊,乘龍萬里,莫敢阻止。戊為天武,從天上六戊而出,杖天武入天門,百事皆吉,遠行萬里,凡所阻止。又宜發施號令,誅惡伐罰。
用時に六戊に加臨すれば、龍に乘じて万里を遠行するがごとく、遮り阻むことを敢えてする者はありません。原注:戊は「天武」と呼ばれます。天盤の六戊の在る方位から出発するのは、天武の威を恃んで天門に入ることで、百事すべて吉で、万里を遠行しても阻礙されることはありません。この時辰はまた号令を発し、凶悪を誅除し、征伐を施行するに宜しいです。
時加六己,神人所使,出被凶咎。己為地戶,為六合,宜陰謀私合之事,不可表裹彰露。凡事皆凶,將兵必弱。
用時に六己に加臨すれば、神人に駆使されるがごとくで、門を出れば凶咎を招きます。原注:己は「地戸」と呼ばれ、また六合を主り、暗に謀り私に説き合う類の事に宜しく、決して内外に張揚し公に露顕してはなりません。この時辰は凡事すべて凶で、用いて兵を帯びれば、兵勢は必ず弱まります。
時加六庚,抱木而行,蚩尤不入,必有鬥爭。庚為天獄,百事凶。將兵客死主勝。時加六辛,行逢死人,強有所作,殃罰纏身。辛為天庭,諸事不利,將兵客死主勝。
用時に六庚に加臨すれば、木枷を抱いて行くがごとくで、兵神の蚩尤でさえ進んで助けに来ようとせず、必ず争闘があります。原注:庚は「天獄」と呼ばれ、百事すべて凶です。用いて兵を帯びれば、客方は敗仗を喫し、主方は勝利を得ます。用時に六辛に加臨すれば、路を行くに死人に遇い、もし強いて挙動すれば、災殃刑罰が身に纏います。原注:辛は「天庭」と呼ばれ、諸事不利です。用いて兵を帯びれば、同じく客方が敗れ主方が勝ちます。
時加六壬,為利所禁,強又出入,非禍相臨。壬為天牢,此時用事必有仇惡,為吏所呵不可舉兵,止宜嚴刑獄平訴訟。時加六癸,眾人莫視,不知六癸,出門必死。癸為天藏,只宜遠遁絕跡,從天上六癸而出,則眾人不見。又宜揚鞭樸之事。
用時に六壬に加臨すれば、利益を貪ることによって禁錮を受け、もし強いて出入すれば、横禍が頭に臨みます。原注:壬は「天牢」と呼ばれ、この時に事をなせば必ず仇怨の悪感を招き、また官吏に呵責され、出兵は不可です。ただ刑獄を厳明にし訴訟を公平に審理するにのみ適します。用時に六癸に加臨すれば、衆人はあなたを見ることができません。ただし六癸の理を解さない者は、門を出れば必ず死難があります。原注:癸は「天蔵」と呼ばれ、ただ遥かに逃遁し蹤跡を断絶するにのみ宜しく、天盤の六癸の在る方位から出れば、衆人は見ることができません。この時辰はまた鞭笞して責罰する事を施行するに宜しいです。
奇門遁甲統宗巻之二
奇門妙秘賦
陰陽順逆妙難窮,二至還鄉一九宮。若能了達陰陽理,天地都在一掌中。三才變化作三元,八卦分為八遁門。三才,天地人也;三元,上中下也。遁者,隱也。六甲隱在六儀之下,故名遁甲。今以神龜數論,故知八卦所屬,即:左三右七,戴九履一,二四為肩,六八為足,五居中宮,以實其腹。中宮,寄坤宮也,即易之坤為母也。今遁八卦所生,故曰八遁門也。
陽遁は順行し陰遁は逆行して、その中の奥妙は窮まることがありません。冬至・夏至の両至はそれぞれ自己の本宮に帰り、一つは坎一宮に起こり、一つは離九宮に起こります。もし陰陽順逆の道理を透徹して明らかにすることができれば、天地の変化はすべて自己の一掌の中にあります。天・地・人の三才の変化は上・中・下の三元に化し、八卦は分派して八つの遁門を出します。原注:三才とは天・地・人、三元とは上元・中元・下元です。「遁」は隠蔵の意――六甲が六儀の下に隠蔵するので、「遁甲」と呼びます。いま神亀の負図の数に拠って言えば、八卦の方位の帰属が分かります。左に三、右に七、頭に九を戴き、足に一を履み、二と四は両肩、六と八は両足、五は中宮に居りてその腹を充実させます。中宮は坤二宮に寄せるので、すなわち《易》の「坤為母」の道理です。八門は八卦から生じるので、「八遁門」と呼びます。
星符每逐時干轉,值使常隨天乙奔。星符,九星也。值使,八門也。天乙,值符也。時甲乙丙丁戊己庚辛壬癸是也,本甲所主之值使。順即一二三四五六七八九也;逆,則九八七六五四三二一也。
値符たる星は常に時干に随って転移し、値使たる門は常に天乙(値符)に随って奔走します。原注:「星符」は九星を指し、「値使」は八門を指し、「天乙」は値符を指します。いわゆる「時」とは、甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸のこの十干の配する時辰で、値使はもとより旬首の甲に統領されます。順行の時の宮序は一・二・三・四・五・六・七・八・九、逆行の時の宮序は九・八・七・六・五・四・三・二・一です。
急從神兮緩從門,三五反覆天道利。若急速無奇門,即從玉女反閉之術布六儀而行,即神機也。若緩須吉門出。經云:趨三避五,巍然獨處,謂趨三吉門避五凶也。如用神機則反凶變吉,是天道利矣。如遁得乙奇,貞在門,念乙奇咒丙丁咒,出其方,百事貞吉。
事が緊急なら「神」(八神と神機の術)に依って行い、事が従容なら「門」に依って行います。「趨三避五」を反復して運用することを知れば、天道は我に利があります。原注:もし情勢が緊急で当時また奇門の用いるべきがなければ、玉女反閉の術に依って六儀を布いて行います。これがいわゆる「神機」です。もし時間に余裕があれば、なお吉門を待ってから出なければなりません。経に「趨三避五,巍然獨處」と言うのは、三吉門に趨り五凶門を避ける意です。もし神機の法を用いれば、凶を転じて吉とすることができ、これを天道に利ありと言います。たとえば遁れて乙奇を得てそれがちょうど吉門の上に落ちていれば、乙奇の呪と丙丁の呪を誦し、その方位から出行すれば、百事すべて貞正にして吉利です。
天輔沖任禽心吉,天蓬天英芮柱凶。凡時下得輔禽心大吉,任沖小吉,蓬芮大凶,英柱小凶。吉星方不合奇,用可;凶星方奇到,呼其事而咒之,如天蓬呼子之類是也。
天輔・天衝・天任・天禽・天心の五星を吉とし、天蓬・天英・天芮・天柱の四星を凶とします。原注:およそ時下に天輔・天禽・天心を得れば大吉、天任・天衝を得れば小吉、天蓬・天芮を得れば大凶、天英・天柱を得れば小凶です。吉星の在る方位はたとえ三奇の会合がなくても、照じて用いることができます。凶星の在る方位にもし三奇が到臨すれば、求める事の名目を呼び出して呪を念じ禳解します。たとえば天蓬は子水に属すので、「子」を呼んでそれを禳ぎ、その余は類推します。
陰宿禽心柱英芮,陽宿沖輔及蓬任。凡陰星加一宮為闢,陽星加一宮為開。蓋一宮者,九氣之盡,陰陽之根。凡占事,開時吉,闢時不吉。遠信行人開時來,闢時不來。
陰星は天禽・天心・天柱・天英・天芮で、陽星は天衝・天輔・天蓬・天任です。原注:およそ陰星が坎一宮に加臨するのを「辟」(閉)と言い、陽星が坎一宮に加臨するのを「開」と言います。一宮は九宮の気の終点であり、また陰陽交替の根本だからです。およそ事を占うに、「開」に逢えば吉、「辟」に逢えば不吉です。遠方の音信と出門の人の帰期を占うに、「開」に逢う時は人が来、「辟」に逢う時は来ません。
天網四張無走路,陰陽順逆妙難窮。天網者,六癸也。六癸時,不宜舉動,百事惟宜逃亡,從天上六癸方出,其人不見也。然網有高低,若臨一二三四五宮,尺寸低,可揚而出;臨六七八九宮,尺寸高過人,為四張無走路,多遭刑厄。
天網が四面に張られる時は行く路がなく、陰陽順逆の妙は実に窮究し尽くせません。原注:いわゆる「天網」とは六癸です。六癸に逢う時は挙動するに宜しくなく、百事の中ではただ逃亡が適します――天盤の六癸の在る方位から出れば、他人はこの人を見ることができません。ただし網には高低の別があります。六癸がもし一・二・三・四・五宮に落ちれば網の尺寸は低く、掲げて潜り出ることができ、六・七・八・九宮に落ちれば、網は人の頭より高く、まさに「四張して走る路なし」で、多くは刑厄を遭います。
九星
坎一天蓬,坤二天芮,震三天沖,巽四天輔,中五天禽,乾六天心,兌七天柱,艮八天任,離九天英。天禽陽遁陰遁俱寄坤宮,一本陽遁寄坤宮陰遁寄艮宮。
九星の九宮における本位はこうです。坎一宮は天蓬星、坤二宮は天芮星、震三宮は天衝星、巽四宮は天輔星、中五宮は天禽星、乾六宮は天心星、兌七宮は天柱星、艮八宮は天任星、離九宮は天英星です。中宮には方位の用いるべきがないので、天禽星は陽遁・陰遁において一律に坤二宮に寄居します。別に一種の本では、陽遁の時は坤二宮に寄せ、陰遁の時は艮八宮に寄せると主張します。
八門
坎休、艮生、震傷、巽杜、離景、坤死、兌驚、乾開。六儀:戊己庚辛壬癸為六儀。甲子遁於六戊,甲戌遁於六己,甲申遁於六庚,甲午遁於六辛,甲辰遁於六壬,甲寅遁於六癸。
八門の八卦宮位における本位はこうです。坎宮は休門、艮宮は生門、震宮は傷門、巽宮は杜門、離宮は景門、坤宮は死門、兌宮は驚門、乾宮は開門です。いわゆる「六儀」とは、戊・己・庚・辛・壬・癸のこの六つの天干です。六甲はそれぞれ一儀の下に隠遁します。甲子は六戊に隠れ、甲戌は六己に隠れ、甲申は六庚に隠れ、甲午は六辛に隠れ、甲辰は六壬に隠れ、甲寅は六癸に隠れます。排盤の時、盤面上には六儀のみ見えて六甲は見えず、「遁甲」の名はまさにこれに由来します。
八神
一值符、二騰蛇、三太陰、四六合、五勾陳、六朱雀、七九地、八九天,此謂陽遁也。陰遁則一值符、二九天、三九地、四朱雀、五勾陳、六六合、七太陰、八騰蛇(朱雀下有玄武,勾陳下又白虎)。
八神の排列の次序は、陽遁の時は順次こうです。一に値符、二に螣蛇、三に太陰、四に六合、五に勾陳、六に朱雀、七に九地、八に九天で、値符の在る宮から起こり、九宮を順行します。陰遁では次序が逆です。一に値符、二に九天、三に九地、四に朱雀、五に勾陳、六に六合、七に太陰、八に螣蛇で、値符から起こり九宮を逆行します。原注の説明では、朱雀の下にさらに玄武が一位あり、勾陳の下にさらに白虎が一位あります――これは八神を十神に拡げる別の算法で、後文の占断にしばしば白虎・玄武を併称するのは、ここから来ています。
陽遁
陽遁九局,順布六儀逆布三奇。如一局,甲子戊起坎一宮,則甲戌己在坤二宮,甲申庚在震三宮,甲午辛在巽四宮,甲辰壬在中五宮,甲寅癸在乾六宮,此順布六儀也。丁在兌七宮,丙在艮八宮,乙在離九宮,此逆布三奇也。(因乙丙丁次於六七八九故曰逆)二局則甲子戊起坤二宮,三局則甲子戊起兌三宮,餘仿此。
陽遁は全部で九つの局があり、排法は六儀を順布し三奇を逆布します。陽遁一局を例に取れば、甲子戊は坎一宮に起こり、続いて甲戌己は坤二宮に、甲申庚は震三宮に、甲午辛は巽四宮に、甲辰壬は中五宮に、甲寅癸は乾六宮にあります――これが宮数に拠って順行して六儀を布くことです。六儀を布き終えて続いて三奇を布き、丁は兌七宮に、丙は艮八宮に、乙は離九宮にあります――これが三奇を逆布することです(原注:乙・丙・丁が順次九・八・七宮に落ち、宮序と相反するので「逆」と言います)。局数は甲子戊の起こる宮です。二局なら甲子戊は坤二宮に起こり、三局なら甲子戊は震三宮に起こり(原文は「兌三宮」と作るが、三宮は実は震)、その余の各局はこれに類して推します。
陰遁
陰遁九局逆布六儀順布三奇。如甲子戊起離九宮,則甲戌己在艮八宮,甲申庚在兌七宮,甲午辛在乾六宮,甲辰壬在中五宮,甲寅癸在巽四宮,此逆布六儀也。丁在震三宮,丙在坤二宮,乙在坎一宮,此順布三奇也。八局則甲子戊起艮八宮,七局則甲子戊起兌七宮,餘仿此。
陰遁もまた九つの局で、排法は陽遁と相反します。六儀を逆布し三奇を順布します。陰遁九局を例に取れば、甲子戊は離九宮に起こり、続いて甲戌己は艮八宮に、甲申庚は兌七宮に、甲午辛は乾六宮に、甲辰壬は中五宮に、甲寅癸は巽四宮にあります――これが宮数に拠って逆行して六儀を布くことです。六儀を布き終えて続いて三奇を布き、丁は震三宮に、丙は坤二宮に、乙は坎一宮にあります――これが三奇を順布することです。同じく甲子戊の起こる宮を以て局数を定めます。八局なら甲子戊は艮八宮に起こり、七局なら甲子戊は兌七宮に起こり、その余の各局はこれに類して推します。
三元
一年二十四氣,一氣三候,一候五日。故五日為一元,一氣之中凡統三元,而下六十花甲之時一周。
一年は全部で二十四の節気があり、一つの節気ごとに三候に分かれ、一候は五日です。ですから五日を以て一元と算し、一つの節気は全部で三元を統轄します。三元は合計十五日で、ちょうど一百八十の時辰、まさに六十甲子時が三度輪転し、一つの完全な周期を構成します。
八節
冬至甲子起坎,小寒、大寒隨之。立春甲子起艮,雨水、驚蜇隨之。春分甲子起震,清明、穀雨隨之。立夏甲子起巽,小滿、芒種隨之。夏至甲子起離,小暑、大暑隨之。立秋甲子起坤,處暑、白露隨之。秋分甲子起兌,寒露、霜降隨之。立冬甲子起乾,小雪、大雪隨之。
八節はそれぞれ三つの節気を領起し、起局の宮もまた各々本卦に帰ります。冬至の甲子は坎一宮から起こり、小寒・大寒がそれに随って排します。立春の甲子は艮八宮から起こり、雨水・驚蟄が随います。春分の甲子は震三宮から起こり、清明・穀雨が随います。立夏の甲子は巽四宮から起こり、小満・芒種が随います。夏至の甲子は離九宮から起こり、小暑・大暑が随います。立秋の甲子は坤二宮から起こり、處暑・白露が随います。秋分の甲子は兌七宮から起こり、寒露・霜降が随います。立冬の甲子は乾六宮から起こり、小雪・大雪が随います。八節に三気を乘じて、ちょうど二十四節気です。
八卦定図
坤(立秋、處暑、白露)、兌(秋分、寒露、霜降)、乾(立冬、小雪、大雪);離(夏至、小暑、大暑)、中、坎(冬至、小寒、大寒);巽(立夏、小滿、芒種)、震(春分、清明、穀雨)、艮(立春、雨水、驚蜇)。
この図は八卦を九宮方位に拠って配列し、每卦の下にそれが統する三つの節気を注記しています。上一行は右から左へ(九宮図の西南・正西・西北に依る)、坤宮は立秋・處暑・白露を統し、兌宮は秋分・寒露・霜降を統し、乾宮は立冬・小雪・大雪を統します。中間の一行(正南・中央・正北)は、離宮は夏至・小暑・大暑を統し、中宮は統する節気がなく、坎宮は冬至・小寒・大寒を統します。下一行(東南・正東・東北)は、巽宮は立夏・小満・芒種を統し、震宮は春分・清明・穀雨を統し、艮宮は立春・雨水・驚蟄を統します。図を見れば、いずれの節気がどの宮から局を起こすべきかが分かります。
定三元法
三元者,上中下三局也。一元五日,以甲己二干為一元之首,謂之符頭。符頭所臨之支值子午卯酉則為上元;值寅申巳亥則為中元;值辰戌丑未則為下元。蓋甲子日起上元,越五日己巳起中元,又起五日甲戌起下元。三局已遊,又起五日,己卯復起上元,則又是一氣矣。
いわゆる三元とは、上元・中元・下元の三つの局です。一元は五日で、天干が甲または己の日を以て一元の開頭とし、この日を「符頭」と呼びます。符頭日の地支を見ます。子・午・卯・酉の四仲の上に落ちれば上元で、寅・申・巳・亥の四孟の上に落ちれば中元で、辰・戌・丑・未の四季の上に落ちれば下元です。ですから甲子日に上元を起こし、五日を経て己巳日に中元を起こし、また五日を経て甲戌日に下元を起こします。三つの局を行き尽くし、また五日を経て己卯日にまた上元に重回すれば、それは次の節気に入ったことになります。
以旬首取符使法
旬首者,從用時之干溯至本旬之甲首。如乙丑至癸酉皆以甲子為旬首,乙亥至癸未皆以甲戌為旬首是也。地盤旬首所臨之宮,其星即為值符,其門即為值使。如旬首在坎宮,則天蓬星為值符,休門為值使,餘仿此。
いわゆる「旬首」とは、用いる時辰の干支から逆に遡って、本旬を領頭するその甲を見出すことです。たとえば乙丑時から癸酉時までのこの十の時辰は、すべて甲子を旬首とし、乙亥時から癸未時までのこの十の時辰は、すべて甲戌を旬首とします。旬首を見出して後、それが地盤においてどの宮に落ちるかを見ます。その宮の星がすなわち本旬の値符で、その宮の門がすなわち本旬の値使です。たとえば旬首が坎一宮に落ちれば、天蓬星がすなわち値符で休門がすなわち値使、その余の各宮はこれに類して推します。
假如陽遁一局甲子在坎宮,天蓬為本旬值符,休門為本旬值使。至癸酉十時又換符使甲戌在坤宮,天芮為本旬值符,死門為本旬值使,管至癸未十時;又換甲申在震宮,天沖為本旬值符,傷門為本旬值使,管至癸巳十時。又換甲午在巽宮,天輔為符,杜門為使。甲辰在中宮,寄於坤二,天禽為符,死門為使;甲寅在乾,天心為符,開門為使。
陽遁一局を例に挙げます。甲子が坎一宮に落ちれば、天蓬星がすなわち本旬の値符で、休門がすなわち本旬の値使です。この一套は十の時辰を管し、癸酉時に終わって旬を換えます――甲戌が坤二宮に落ちれば、天芮星を値符とし死門を値使とし、同じく十の時辰を管して癸未時に至ります。さらに換えて――甲申が震三宮に落ちれば、天衝星を値符とし傷門を値使とし、癸巳時まで管します。さらに換えて――甲午が巽四宮に落ちれば、天輔星を値符とし杜門を値使とします。甲辰が中五宮に落ちれば、中宮に門がないので坤二宮に寄せ、天禽星を値符とし死門を値使とします。甲寅が乾六宮に落ちれば、天心星を値符とし開門を値使とします。六旬を輪り尽くせば、六十の時辰がちょうど一周します。
値符加時干法
看用時之干臨於地盤何宮,即以天盤值符加於此宮。假如陽遁一局甲子時,即以天蓬為值符,而加甲子坎一宮,所謂伏吟者也。若用乙丑時,則地盤乙在九宮,即以天盤加九宮。丙寅時則地盤丙在八宮,即以天蓬加八宮。丁卯時則地盤丁在七宮,即以天蓬加七宮。餘仿此。陰遁此例同。
天盤を転ずる法はこうです。まず用いる時辰の天干が地盤においてどの宮に落ちるかを見て、天盤の値符をその宮の上に移します。陽遁一局を例に挙げます。甲子時の旬首はすなわち甲子で、値符は天蓬です。甲子(戊)はもともと坎一宮にあり、そこで天蓬はまた坎一宮に加わり戻ります。これがいわゆる「伏吟」です。もし乙丑時を用いれば、地盤の乙は離九宮にあるので、天盤(値符天蓬を連ねて)を九宮の上に加えます。丙寅時は地盤の丙が艮八宮にあるので、天蓬を八宮に加えます。丁卯時は地盤の丁が兌七宮にあるので、天蓬を七宮に加えます。その余の時辰はこれに類して推し、陰遁の做法も完全に同じです。
值符加時干:看用時之支臨於地盤何宮,即以天盤值符加於此宮。假如陽遁一局,甲子時子在一宮,休門即在子上,即所謂伏吟者也。丑時則休門加於二宮,寅時則加三宮,卯時則加四宮,餘仿此。陰遁須用逆布,如九局甲子時子在九宮,景門即在九宮;丑時在八宮,寅時在七宮,餘仿此。
八門を転ずる法(この条の標題は上と同じだが、実は値使を時支に加える法)はこうです。用いる時辰の地支が地盤においてどの宮に落ちるかを見て、値使の門をその宮の上に移します。陽遁一局を例に挙げます。甲子時の子は坎一宮に落ち、値使の休門はすなわち子位に落ちます。これも「伏吟」です。丑時は休門を坤二宮に加え、寅時は震三宮に加え、卯時は巽四宮に加え、その余は順次順行します。陰遁では必ず逆に排しなければなりません。たとえば陰遁九局の甲子時では、子は離九宮にあり、値使の景門はすなわち九宮に落ち、丑時は艮八宮に移り、寅時は兌七宮に移り、その余は順次逆行します。
小値符加大値符法
以最上盤之值符加於九星值符所臨之宮,次即騰蛇以至九天,陽順陰逆。
八神盤(いわゆる「小値符」)の排法はこうです。神盤の値符を九星の値符(大値符)の落ちるその宮の上に加え、それから順に螣蛇・太陰・六合・勾陳・朱雀・九地・九天を排し、九天まで排し終わります。排列の方向は遁法に依って定めます。陽遁の時は九宮を順行し、陰遁の時は九宮を逆行します。
附年奇門起例
上元甲子六十年用陰遁一局,中元甲子六十年用陰遁四局,下元甲子六十年用陰遁七局。皆以其年旬首所值之門為值使,所值之星為值符,看其年支臨於地盤何宮,即以天盤值使加之;看其年干臨於地盤何宮,即以天盤值符加之。
年家奇門の起法はこうです。上元甲子に起算する六十年は陰遁一局を用い、中元甲子に起算する六十年は陰遁四局を用い、下元甲子に起算する六十年は陰遁七局を用います。いずれもその年の旬首の対応する門を取って値使とし、対応する星を取って値符とします。さらにその年の年支が地盤においてどの宮に落ちるかを見て、天盤の値使をその宮に加え、その年の年干が地盤においてどの宮に落ちるかを見て、天盤の値符をその宮に加えます。すなわち時家奇門の転盤の法をそのまま年に移して用いるのです。
如上元甲子年用陰遁一局,甲子即為旬首,休門為值使,天蓬為值符。因甲子在坎,即以天盤休門加坎,天蓬亦加坎。若乙丑年,乙在坤二,丑在離九,即以天盤休門加離九,天蓬加坤二,又以八神之值符加於天蓬逆轉。餘仿此。
例を挙げて言いましょう。上元甲子年は陰遁一局を用い、甲子はそれ自身が旬首で、休門が値使、天蓬が値符です。地盤の甲子が坎一宮に落ちるので、天盤の休門を坎宮に加え、天蓬もまた坎宮に加えます(天地相同じく、すなわち伏吟)。もし乙丑年なら、地盤の乙は坤二宮にあり、丑は離九宮にあるので、天盤の休門を離九宮に加え、天蓬を坤二宮に加えます。それからさらに八神の値符を天蓬の落ちる宮に加え、その余の七神は陰遁に依って逆行して排布します。その他の年はこれに類して推します。
共一百八十年為一周,用逆不用順者,天道左旋,日月隨之而左,故逆也。年家紫白亦陰遁,用逆。紫白之用,重在白宮,故上元甲子一白入於奇門之用,重在八宮,故上元甲子一白起坎。
上・中・下の三元は各々六十年で、合計一百八十年を以て一つの大周期とします。年家奇門はただ陰遁の逆行のみを用いて順行を用いません。その原因は、天道は左に旋転し日月もまた左に随って運行するので、逆を取るのです。年家の紫白九星も同様に陰遁に依って逆行します。紫白の法が重視するのは幾つかの「白」宮(一白・六白・八白)なので、上元甲子年は一白より中に入ります。奇門の法が重視するのは八宮なので、上元甲子年の一白は坎宮から起算します。両者は旨趣が異なるので、起点も因而に別れます。
附月奇門起例
甲子至戊辰、己卯至癸未、甲午之戊戌、己酉至癸丑為上元二十年,用陰遁一局;己巳至癸酉、甲申至戊子、己亥至癸卯、甲寅至戊午為中元二十年,用陰遁四局;甲戌至戊寅、己丑至癸巳、甲辰之戊申、己未至癸亥為下元二十年,用陰遁七局。
月家奇門はまず年份に拠って三元に分けなければなりません。甲子から戊辰まで、己卯から癸未まで、甲午から戊戌まで、己酉から癸丑まで、この四段の合計二十年を上元と算し、陰遁一局を用います。己巳から癸酉まで、甲申から戊子まで、己亥から癸卯まで、甲寅から戊午まで、この四段の合計二十年を中元と算し、陰遁四局を用います。甲戌から戊寅まで、己丑から癸巳まで、甲辰から戊申まで、己未から癸亥まで、この四段の合計二十年を下元と算し、陰遁七局を用います。六十年を一輪とし、三元は各々二十年を占めます。
年以月建,旬首所值之門為值使,所值之星為值符。看月建之支臨於地盤何宮,即以天盤值使加之;看月建之干臨於地盤何宮,即以天盤值符加之,與年奇門同。
局を定めて後、当年の月建に拠って推します。月建の旬首の対応する門を取って値使とし、対応する星を取って値符とします。さらに月建の地支が地盤においてどの宮に落ちるかを見て、天盤の値使をその宮に加え、月建の天干が地盤においてどの宮に落ちるかを見て、天盤の値符をその宮に加えます。転盤の法は全体として年家奇門と完全に同じです。
附日奇門起例
冬至後用陽遁,夏至後用陰遁,子午日用二局(冬至後子午日用陽遁二局,夏至後子午日用陰遁二局),餘仿此。丑未日用六局,寅申日用一局,卯酉日用八局,辰戌日用四局,巳亥日用九局。其起九星八門之法不必復分陰遁陽遁。
日家奇門は冬至・夏至を以て界を画します。冬至以後は陽遁を用い、夏至以後は陰遁を用います。局数は日支に拠って定めます。子日・午日は二局を用い(原注:冬至後の子午日は陽遁二局を用い、夏至後の子午日は陰遁二局を用い、その余の各支もこの法に同じ)、丑日・未日は六局を用い、寅日・申日は一局を用い、卯日・酉日は八局を用い、辰日・戌日は四局を用い、巳日・亥日は九局を用います。九星と八門の起法に至っては、もはや陰遁・陽遁を分つ必要はなく、一律に以下の固定の法に照らして推します。
凡甲子日天蓬起艮八宮,芮在離九,順飛九宮。乙丑日天蓬起離九,天芮在坎一。一日順移其八門,則甲子日休門起坎一。三日順轉一宮,不入中五。如甲子、乙丑、丙寅三日起坎一,丁卯、戊辰、己巳三日休門起坤二,庚午、辛未、壬申三日休門起震三,癸酉、甲戌、乙亥三日休門起巽四,丙子、丁丑、戊寅三日休門起乾六。餘仿此。
具体的な推法はこうです。甲子日は天蓬星が艮八宮に起こり、天芮星が続いて離九宮に落ち、その余の七星は順に九宮を飛び遍ります。乙丑日は天蓬星が離九宮に移り、天芮星が坎一宮に落ちます――九星は毎日一宮ずつ順移します。八門は移るのが遅く、甲子日に休門が坎一宮に起こり、三日ごとにやっと一宮ずつ順転し、しかも中五宮を跳び越えて入りません。ですから甲子・乙丑・丙寅の三日は休門がいずれも坎一宮にあり、丁卯・戊辰・己巳の三日は休門が坤二宮に起こり、庚午・辛未・壬申の三日は休門が震三宮に起こり、癸酉・甲戌・乙亥の三日は休門が巽四宮に起こり、丙子・丁丑・戊寅の三日は休門が乾六宮に起こります(中五を跳び越える)。その余はこれに類して推します。
按子午起於二宮,或者奇門知地故首坤。抑考古人明堂九宮,皆從西南而入蓋,尚右之義也。其不及卯酉者,六儀寄於南北四維,卯酉獨無所居,故不及也。門三日過一宮,或如翻禽與太乙有三日一宮之法乎,然皆不解,姑存。
編者按:日家奇門が子午日に二宮を起こすのは、あるいは奇門が「地を知る」を本とするので、まず坤宮を推すのでしょう。さらに古人の明堂九宮の行法を考えるに、いずれも西南の方から入るのは、右方を尚ぶ意です。なぜ卯・酉の二日だけを挙げないかと言えば、六儀がすべて南北四維の位に寄居しており、卯・酉のこの正東正西の支はかえって安頓するところがないので、それらに言及しなかったのです。八門が三日でやっと一宮を過ぎるのは、あるいは翻禽暦や太乙術の中にも三日一宮の算法があるのでしょうか。これらはいずれもなお説き通せず、姑く存置して考証に備えます。
又法日奇門起例
冬至甲子第一六十日用陽遁一局,第二甲子六十日用陽遁七局,第三甲子六十日用陽遁四局。夏至第一甲子六十日用陰遁九局,第二甲子六十日用陰遁二局,第三甲子六十日用陰遁六局,皆以其日旬首所值之星為值符,所值之門為值使,法亦同於年奇。其超接置閏,則如時奇,凡甲子符頭超過三十日有奇,即宜置閏。
日家奇門にはさらに別の算法があります。冬至以後、最初の甲子に起こる六十日は陽遁一局を用い、二番目の甲子に起こる六十日は陽遁七局を用い、三番目の甲子に起こる六十日は陽遁四局を用います。夏至以後、最初の甲子に起こる六十日は陰遁九局を用い、二番目の甲子に起こる六十日は陰遁二局を用い、三番目の甲子に起こる六十日は陰遁六局を用います。いずれも当日の旬首の対応する星を以て値符とし、対応する門を以て値使とし、転盤の法は年家奇門と同じです。その超神接気と置閏は、法は時家奇門と同じく、およそ甲子符頭が三十日以上超過すれば、置閏すべきです。
又法月奇門起例
甲己加四仲月為上元,加四孟月為中元,加四季月為下元。亦冬至用陽遁,夏至用陰遁。
月家奇門にもまた別の算法があります。およそ月建の天干が甲または己で、月支が子・午・卯・酉の四仲の月に落ちれば上元と算し、寅・申・巳・亥の四孟の月に落ちれば中元と算し、辰・戌・丑・未の四季の月に落ちれば下元と算します。同じく冬至以後は陽遁を用い、夏至以後は陰遁を用います。
又一本遁年奇法
假如庚子年立春節出師,陽氣用事,艮上起甲子順行,其庚子奇頭乃是甲午,以甲子起艮,以甲戌起離,以甲申起坎,以甲午起坤,則是奇頭在坤也。陽遁逆奇,丁奇在中,丙奇在乾,乙奇在兌,七六五宮奇到為吉。若在夏至後出師,用陰遁逆行,餘仿此。
別に一種の本の年奇の推法があります。仮に庚子年に立春の節に出兵するなら、この時は陽気が令に当たるので、艮八宮から甲子を起こして順行します。庚子年の旬首(奇頭)は甲午なので、甲子は艮八宮に起こり、甲戌は離九宮に落ち、甲申は坎一宮に落ち、甲午は坤二宮に落ちます――見えるように、この年の奇頭は坤宮にあります。陽遁は三奇を逆布するので、丁奇は中五宮に落ち、丙奇は乾六宮に落ち、乙奇は兌七宮に落ちます。七宮・六宮・五宮のこの三か所に奇が到臨すれば、それが吉方です。もし夏至以後に出兵するなら、陰遁の逆行に改め、その余の推法は照じて同じです。
又一本遁月奇法
假如己亥年冬至節,陽遁坎上起甲子,順飛,其己亥年奇乃在離,甲己之年正月起丙寅,即以丙寅入離宮,順飛。丁卯在坎,戊辰在坤,己巳在震,庚午在巽,辛未在中,壬申在乾,癸酉在兌,甲戌在艮,乙亥在離,丙子在坎,則離坎坤奇到方為吉。
別に一種の本の月奇の推法があります。仮に己亥年に冬至節に逢うなら、陽遁に拠って坎一宮から甲子を起こして順飛し、己亥年の年奇が離九宮に落ちると推し得ます。およそ甲年・己年の正月の月建は丙寅なので、丙寅を離九宮に入れて順飛させます。丁卯は坎一宮に落ち、戊辰は坤二宮に落ち、己巳は震三宮に落ち、庚午は巽四宮に落ち、辛未は中五宮に落ち、壬申は乾六宮に落ち、癸酉は兌七宮に落ち、甲戌は艮八宮に落ち、乙亥は離九宮に落ち、丙子はまた坎一宮に落ちます。このように排し下れば、離・坎・坤の三宮に奇が到臨し、それが吉方です。
遁日奇法
年月奇以節氣起宮,而日奇以局數起宮,法從本節上起甲子,陽順陰逆數去。如立春節丙寅日是上元,陽遁八局即八宮起甲子戊順行,己在離,庚在坎,辛在坤,壬在震,癸在巽,丁在中,丙在乾,乙在兌,則中乾兌得奇可用也。夏至後陰遁逆行,餘仿此。
年奇・月奇は節気に拠って起宮を定めますが、日奇は局数に拠って起宮を定めます。その法は本節気の上に甲子を起こし、陽遁は順に数え、陰遁は逆に数えます。たとえば立春節の丙寅日は上元に属し、立春の上元は陽遁八局なので、艮八宮から甲子戊を起こして順行します。甲戌己は離九宮に落ち、甲申庚は坎一宮に落ち、甲午辛は坤二宮に落ち、甲辰壬は震三宮に落ち、甲寅癸は巽四宮に落ちます。続いて三奇を逆布して、丁は中五宮に落ち、丙は乾六宮に落ち、乙は兌七宮に落ちます。こうして中・乾・兌の三宮が奇を得て、取用することができます。夏至以後は陰遁の逆行に改め、その余の推法は照じて同じです。
遁日奇法
假如中元冬至後辛未日,陽遁七局,中元旬頭甲子為值使,就於兌七宮起甲子順飛。乙丑艮,丙寅離,丁卯坎,戊辰坤,己巳震,庚午巽,辛未中。則本日在中宮,兌宮驚門值事,即以驚門加中五寄坤,便知開在兌,休在乾,生在坎也。
この条は日家奇門がどのように門を定めるかを講じます。仮に冬至以後、中元に属する辛未日で、陽遁七局を用い、中元の旬首甲子を値使とするなら、兌七宮から甲子を起こして順飛します。乙丑は艮八宮に落ち、丙寅は離九宮に落ち、丁卯は坎一宮に落ち、戊辰は坤二宮に落ち、己巳は震三宮に落ち、庚午は巽四宮に落ち、辛未は中五宮に落ちます。見えるように当日は中宮に落ち、起点の兌七宮の本門は驚門が当値しているので、驚門を中五宮に加え(坤二に寄せる)、八門はそれに随って転動し、開門が兌七宮に転じ、休門が乾六宮に転じ、生門が坎一宮に転じることが分かります。どの門を用いるかは、これに照らして方位を推し出せばよいです。
按奇門之學,以釣叟歌為宗,並無一字及於年月日者。以兵機決於俄頃,萬無再查年月之理,況諸說紛紜,全無定見,恐後人穿鑿附會,於理皆有未通,於法皆有不順,姑備錄之,以俟選擇之用,非奇門所急也。
編者按:奇門のこの学問は《煙波釣叟歌》を宗とするのに、《釣叟歌》には年家・月家・日家の奇門を講じた字が一つもありません。軍機の戦況は頃刻の間に決するもので、決してまた年を査し月を査する道理はありません。ましてや上のこれらの説法は衆口紛紜で少しも定準がなく、おそらくは後人の穿鑿附会して出したもので、理に於いて説き通せず、法に於いても順いません。姑くいっしょにここに収録して、日を擇び時を選ぶ人の参考に留め、奇門の当に務むべき急ではありません。
日奇布五符法
從本日干祿上起五符順行,一五行(符),二天曹,三地府(符),四風伯,五雷公,六雨師,七風靈(雲),八唐符,九國印,十天關,十一地軸,十二天賊。
「五符」十二神を布く法はこうです。当日の日干の禄位(甲禄は寅にあり、乙禄は卯にある類)から起算し、十二地支に拠って順行して排し下ります。次序はこうです。第一位は五符、第二位は天曹、第三位は地府、第四位は風伯、第五位は雷公、第六位は雨師、第七位は風霊(一に風雲と作る)、第八位は唐符、第九位は国印、第十位は天關、第十一位は地軸、第十二位は天賊です。排定して後、求める事がどの位の神に落ちるかを見て、それに拠って吉凶を断じます。
日奇起青龍法
子午日青龍起申,丑未日青龍起戌,寅申日青龍起子,卯酉日青龍起寅,辰戌日青龍起辰,巳亥日青龍起午。一青龍、二明堂、三天刑、四朱雀、五金匱、六天德、七白虎、八玉堂、九天牢、十玄武、十一司命、十二勾陳。
十二値日神を布く法はこうです。まず日支に拠って青龍の起点を定めます――子日・午日は青龍が申に起こり、丑日・未日は戌に起こり、寅日・申日は子に起こり、卯日・酉日は寅に起こり、辰日・戌日は辰に起こり、巳日・亥日は午に起こります。起点を定めて後、十二地支に拠って順行に順次排します。第一位は青龍、第二位は明堂、第三位は天刑、第四位は朱雀、第五位は金匱、第六位は天徳、第七位は白虎、第八位は玉堂、第九位は天牢、第十位は玄武、第十一位は司命、第十二位は勾陳です。青龍・明堂・金匱・天徳・玉堂・司命を吉とし、天刑・朱雀・白虎・天牢・玄武・勾陳を凶とします。
徳刑
立春、雨水、驚蜇在艮,德辰刑戌;春分、清明、穀雨在震,德午刑子;立夏、小滿、芒種在巽,德未刑丑;夏至、小暑、大暑在離,德酉刑卯;立秋、處暑、白露在坤,德戌刑辰;秋分、寒露、霜降在兌,德子刑午;立冬、小雪、大雪在乾,德丑刑未;冬至、小寒、大寒在坎,德卯刑酉。
「徳」は当令の福徳の位で、「刑」はそれと相対する刑傷の位で、二者は八節に随って転移します。立春・雨水・驚蟄の三気は艮宮において当令し、徳は辰にあり、刑は戌にあります。春分・清明・穀雨は震宮において当令し、徳は午にあり、刑は子にあります。立夏・小満・芒種は巽宮において当令し、徳は未にあり、刑は丑にあります。夏至・小暑・大暑は離宮において当令し、徳は酉にあり、刑は卯にあります。立秋・處暑・白露は坤宮において当令し、徳は戌にあり、刑は辰にあります。秋分・寒露・霜降は兌宮において当令し、徳は子にあり、刑は午にあります。立冬・小雪・大雪は乾宮において当令し、徳は丑にあり、刑は未にあります。冬至・小寒・大寒は坎宮において当令し、徳は卯にあり、刑は酉にあります。用兵は「徳を背にし刑を撃つ」と講じ、すなわち徳位を背にして刑位に向かって攻めるのです。
宝和義制伏
寶者,干生支也,如甲午、己酉之類;和者,干支比和也,如甲寅、戊辰之類;義者,支生干也,如甲子、戊午之類;制者,干克支也,如庚寅、壬午之類;伏者,支克干也,如乙酉、丙子之類。寶和義日吉,制日小凶,伏日大凶。歷家以和日為專日,以伏日為伐日。
これは日柱の干支の生剋に拠って日を五等に分けるものです。「宝日」は天干が地支を生ずるもので、甲午(木が火を生ずる)、己酉(土が金を生ずる)の類です。「和日」は干支の五行が相同じいもので、甲寅(ともに木に属す)、戊辰(ともに土に属す)の類です。「義日」は地支が天干を生ずるもので、甲子(水が木を生ずる)、戊午(火が土を生ずる)の類です。「制日」は天干が地支を剋するもので、庚寅(金が木を剋する)、壬午(水が火を剋する)の類です。「伏日」は地支が天干を剋するもので、乙酉(金が木を剋する)、丙子(水が火を剋する)の類です。宝・和・義の三種の日は吉で、制日は小凶、伏日は大凶です。暦家は和日を「専日」と呼び、伏日を「伐日」と呼びます。
五陽時
甲乙丙丁戊五時為陽,二至皆以此五干為陽時,將兵利客,宜先舉。凡出軍、征伐、遠行、求財、立國邑、安社稷、治人民、臨武事、入宮見貴、移徙、嫁娶皆吉,惟逃亡難捕。經云:符使之行,一時一見,行陽利為客,蓋陽干受東部之生氣,陽時氣升也。
甲・乙・丙・丁・戊のこの五つの時辰は陽に属し、冬至・夏至の両半年はいずれもこの五つの天干を以て陽時とします。陽時に兵を帯びるには「客」を為すのに利があり(主動して進攻する側)、先んじて発動すべきです。およそ出兵・征伐・遠行・求財・城邑の建立・社稷の安定・百姓の治理・軍務の処置・入宮して貴人に謁見・遷居・嫁娶は、いずれも吉利です。ただ逃亡の人を追捕することだけは捉えにくいです。経に言います。値符値使の運行は一時辰ごとに一度変換し、陽時に行えば客を為すに利あり。これは陽干が東方の生発の気を承受するためで、陽時の気機は上昇するのです。
五陰時
己庚辛壬癸五時為陰,二至皆以此五干為陰時。將兵利主宜後應。凡出軍征伐、遠行、求財、立國邑、安社稷、治人民、臨武事、入宮見貴、移徙、嫁娶皆不吉,惟逃亡可獲。經云:符使之行,一時一易,行陰利為主,蓋陰干受西部之煞氣也。
己・庚・辛・壬・癸のこの五つの時辰は陰に属し、冬至・夏至の両半年はいずれもこの五つの天干を以て陰時とします。陰時に兵を帯びるには「主」を為すのに利があり(拠り守って戦に応ずる側)、後れて発して人を制すべきです。およそ出兵征伐・遠行・求財・城邑の建立・社稷の安定・百姓の治理・軍務の処置・入宮して貴人に謁見・遷居・嫁娶は、いずれも吉利ではありません。ただ逃亡の人を追捕することは捉えることができます。経に言います。値符値使の運行は一時辰ごとに一度変換し、陰時に行えば主を為すに利あり。これは陰干が西方の粛殺の気を承受するためです。
八門所主
開門所主:開門宜征討、謀望、入官見貴、應舉、遠行、嫁娶、移徙、商賈、營建,不宜治政,有私人窺伺。休門所主:休門宜面君謁貴、上官到任、嫁娶、移徙、商賈、營建,諸事皆吉,不宜行刑斷獄。生門所主:生門宜征討、謀望、入官見貴、嫁娶、移徙,諸事皆吉,不宜埋葬治喪。
開門の主る事:出兵征討・謀求・就任して貴人に見える・科挙に応試・遠行・嫁娶・遷居・商売・営造建築に宜しいです。政務を処理するのは宜しくありません。この時は私意を懐く人が傍らに窺いやすいからです。休門の主る事:君王に面見し、貴人に謁見し、就任して職に赴き、嫁娶・遷居・商売・営造に宜しく、諸事すべて吉です。ただ刑を用いて案を判ずるのは宜しくありません。生門の主る事:征討・謀画・就任して貴人に見える・嫁娶・遷居に宜しく、諸事すべて吉です。ただ埋葬と喪事を執り行うのは宜しくありません。生門は生気に属し、喪事と相背くからです。
傷門所主:傷門宜漁獵、討捕索債、博戲、收斂貨財,餘俱不宜。杜門所主:杜門宜捕盜、剪凶、決隱、獄形、填塞溝壑,餘俱不宜。景門所主:景門宜上書獻策、招賢謁貴、拜職遣使、行誅、突陣、破齒等事,餘俱不宜。死門所主:死門宜決斷、刑獄、弔喪、埋葬等事。驚門所主:驚門宜掩捕盜賊、恐惑亂眾等事。右八門最怕迫制,吉門有氣益吉,無氣減吉;凶門有氣益凶,無氣減凶。
傷門の主る事:魚を打ち猟を行い、緝捕し債を討ち、賭博競技し、貨財を収斂するに宜しく、その余はすべて適しません。杜門の主る事:盗を捕らえ、凶徒を剪除し、隠秘の事を決断し、獄訟を審理し、溝壑を填塞するに宜しく、その余はすべて適しません。景門の主る事:書を上し策を献じ、賢才を招納し、貴人に謁見し、職を授け使者を派遣し、刑を行い戮を誅し、陣を衝き敵を破る等に宜しく、その余はすべて適しません。死門の主る事:決断・刑獄・弔喪・埋葬のこれらの事に宜しいです。驚門の主る事:掩襲して盗賊を捕捉し、敵衆を恫喝惑乱するこれらの事に宜しいです。以上の八門はもっとも「迫」と「制」(自己の剋するまたは自己を剋する宮に落ちること)を恐れます。吉門は気を得ればさらに吉で、気を失えば吉の力は減弱します。凶門は気を得ればさらに凶で、気を失えば凶性は軽減します。
九星所主
天蓬所主:蓬星宜安撫邊境,修築城池,不宜入官見貴、嫁娶、移徙、商賈、營建。凡征戰將兵,辰戌丑未月日加二五八宮利為主,申亥子月日加九宮利為客。貪狼星也。天任所主:任星宜立國邑、化人民、入官見貴、求請應與商賈、嫁娶,不宜遷徙、營建。凡將兵,亥子寅卯月日加三四宮利為主,辰戌丑未月日加一宮利為客。左輔星也。
天蓬星の主る事:辺境を安撫し、城池を修筑するに宜しいです。就任して貴人に見える・嫁娶・遷居・商売・営造には宜しくありません。およそ兵を帯びて征戦するに、辰・戌・丑・未の月日に天蓬が坤二・中五・艮八のこの三つの土宮に加臨すれば、主方を為すに利があります。申・亥・子の月日に離九宮に加臨すれば、客方を為すに利があります。それは北斗の貪狼星に対応します。天任星の主る事:城邑を建立し、百姓を教化し、就任して貴人に見え、請託して応酬し、商売・嫁娶するに宜しいです。遷居・営造には宜しくありません。およそ兵を帯びるに、亥・子・寅・卯の月日に天任が震三・巽四の木宮に加臨すれば、主方を為すに利があります。辰・戌・丑・未の月日に坎一宮に加臨すれば、客方を為すに利があります。それは北斗の左輔星に対応します。
天沖所主:沖星宜征伐戰鬥、報怨酬恩,不宜上官見貴、嫁娶、移徙、商賈、營建。凡征戰,四季申酉月加六七宮利為主,亥子寅卯月日加二五八宮利為客。祿存星也。天輔所主:輔星宜修道設教、誅凶伐暴、入官見貴、嫁娶、移徙、商賈、營建、應舉、謀望。凡將兵征伐,與沖星同。文曲星也。
天衝星の主る事:征伐戦闘・仇を報じ怨を雪ぎ或いは恩に報いるに宜しいです。就任して貴人に見える・嫁娶・遷居・商売・営造には宜しくありません。およそ征戦に、辰戌丑未の四季の月および申・酉の月に天衝が乾六・兌七の金宮に加臨すれば、主方を為すに利があります。亥・子・寅・卯の月日に坤二・中五・艮八の土宮に加臨すれば、客方を為すに利があります。それは北斗の禄存星に対応します。天輔星の主る事:道術を修明し、教化を設立し、凶頑を誅除し、暴乱を討伐し、就任して貴人に見え、嫁娶・遷居・商売・営造・応試・謀事に宜しいです。およそ兵を帯びて征伐するに、主客の宜忌は天衝星と同じです。それは北斗の文曲星に対応します。
天禽所主:禽星宜祭祀、祈福、斷滅群凶、入官見貴、賜爵賞功、應舉、謀望、嫁娶、移徙、商賈、營建。凡將兵征伐,亥子寅卯月日加三四宮利為主,辰戌丑未月日加一宮利為客。廉貞星也。天英所主:天英宜上官見貴、應舉報書,不宜嫁娶、移徙、商賈、營建、祭祀、遠行。凡戰伐,申酉亥子月日加一宮利為主,寅卯巳午月日加六七宮利為客。右弼星也。
天禽星の主る事:祭祀・祈福・群凶を剿滅・就任して貴人に見える・爵を封じ功を賞する・応試・謀事・嫁娶・遷居・商売・営造に宜しく、ほとんど宜しからざるがありません。およそ兵を帯びて征伐するに、亥・子・寅・卯の月日に天禽が震三・巽四の木宮に加臨すれば、主方を為すに利があります。辰・戌・丑・未の月日に坎一宮に加臨すれば、客方を為すに利があります。それは北斗の廉貞星に対応します。天英星の主る事:就任して貴人に見え、応試し書を投ずるに宜しいです。嫁娶・遷居・商売・営造・祭祀・遠行には宜しくありません。およそ作戦征伐に、申・酉・亥・子の月日に天英が坎一宮に加臨すれば、主方を為すに利があります。寅・卯・巳・午の月日に乾六・兌七宮に加臨すれば、客方を為すに利があります。それは北斗の右弼星に対応します。
天芮所主:芮星宜崇尚道德、尊師親友、入官見貴,不宜嫁娶移徙、商賈、營建。凡將兵征伐,與任星同。巨門星也。天柱所主:柱星宜修築營壘、訓練士卒,不宜入官見貴、嫁娶移徙、商賈營建。凡將兵征伐,寅卯巳午月日加九宮利主,四季申酉月日加三四宮利客。破軍星也。
天芮星の主る事:道徳を崇尚し、師長を尊敬し、朋友に親しみ、就任して貴人に見えるに宜しいです。嫁娶・遷居・商売・営造には宜しくありません。およそ兵を帯びて征伐するに、主客の宜忌は天任星と同じです。それは北斗の巨門星に対応します。天柱星の主る事:営塁を修筑し、士卒を操練するに宜しいです。就任して貴人に見える・嫁娶・遷居・商売・営造には宜しくありません。およそ兵を帯びて征伐するに、寅・卯・巳・午の月日に天柱が離九宮に加臨すれば、主方を為すに利があります。辰戌丑未の四季の月および申・酉の月日に震三・巽四宮に加臨すれば、客方を為すに利があります。それは北斗の破軍星に対応します。
天心所主:心星宜興師陳旅、誅暴伐惡、入官見貴、應舉、求謀、嫁娶、移徙、商賈、營建。凡將兵征伐,與柱星同。武曲星也。右九星有氣而合奇門,吉者益吉,凶者減凶。若無氣而不合奇門,凶者益凶,吉者不吉。
天心星の主る事:兵を興し陣を列ね、暴を誅し悪を討ち、就任して貴人に見え、応試・謀求・嫁娶・遷居・商売・営造に宜しいです。およそ兵を帯びて征伐するに、主客の宜忌は天柱星と同じです。それは北斗の武曲星に対応します。以上の九星は、もし四時の旺気を得てかつ三奇吉門と会合すれば、吉星はさらに吉で凶星の凶性も軽減します。もし気を失い力がなくかつ奇門と合わなければ、凶星はさらに凶で吉星も吉たりえません。これが九星取用の総原則です。
三奇喜怒
乙奇者,日奇也,到震為玉兔遊宮,到巽為玉兔乘風,到離為玉兔當陽,到坤為玉兔暗風(亦名入墓),到兌受制,到乾受傷,到坎為玉兔飲泉,艮為玉兔步青雲。
乙奇はすなわち「日奇」で、それが各宮に落ちるには各々の名目と喜忌があります。震三宮に落ちるのを「玉兎遊宮」と言い、木は本気を得ます。巽四宮に落ちるのを「玉兎乘風」と言い、同じく地を得ます。離九宮に落ちるのを「玉兎当陽」と言い、木火通明です。坤二宮に落ちるのを「玉兎暗風」と言い、また「入墓」とも名づけ、乙木が土庫に埋もれるものです。兌七宮に落ちれば金に制せられ、乾六宮に落ちれば金に傷つけられ、坎一宮に落ちるのを「玉兎飲泉」と言い、水が来たりて木を生じ、艮八宮に落ちるのを「玉兎歩青雲」と言います。前の三と後の二を喜びとし、入墓と金に臨むを怒りとします。
丙奇者,月奇也,到震為月入雷門,到巽為火行風起,到離為帝旺之鄉,到坤為子居母腹,到兌為鳳凰折翅,到乾為光明不全,到艮為鳳入丹山,到坎為火入水池。
丙奇はすなわち「月奇」で、それが各宮に落ちる名目はこうです。震三宮に落ちるのを「月入雷門」と言い、巽四宮に落ちるのを「火行風起」と言い、風が火勢を助けます。離九宮に落ちれば丙火の帝旺の地で、もっとも勢いを得ます。坤二宮に落ちるのを「子居母腹」と言い、火は土を生じて土中に蔵れます。兌七宮に落ちるのを「鳳凰折翅」と言い、火は金を剋しながらかえって牽制を受けます。乾六宮に落ちるのを「光明不全」と言い、艮八宮に落ちるのを「鳳入丹山」と言い、坎一宮に落ちるのを「火入水池」と言い、水に剋されます。離・巽・艮を得るを喜びとし、兌・乾・坎に落ちるを怒りとします。
丁奇者,星奇也,三奇之中星奇最靈。到震獨明,到巽名玉女留郎,到離乘旺而火炎,到坤為玉女游地戶,到兌為火死金旺之鄉,到乾為火上天門,到艮為玉女游鬼戶,到坎為朱雀投江。
丁奇はすなわち「星奇」で、三奇の中では星奇を以てもっとも霊験とします。それが震三宮に落ちるのを「獨明」と言い、巽四宮に落ちるのを「玉女留郎」と言い、人を留め和合する事を主ります。離九宮に落ちれば旺に乘ずる地で、火勢は炎炎たり。坤二宮に落ちるのを「玉女遊地戸」と言い、兌七宮に落ちれば火は死して金の旺なる郷で、乾六宮に落ちるのを「火上天門」と言い、艮八宮に落ちるのを「玉女遊鬼戸」と言い、坎一宮に落ちるのを「朱雀投江」と言い、水に滅せられて最も凶です。丁奇を用いて方を擇ぶには、その明・その旺・その和合を取り、その入水入墓を避けます。
八卦類神
坎宮:北道、舟程、黑色、鹹味、漿糊、水膏、繩索、樂器、水瀉、遺精、耳腎腰疾、深聽智謀、漫事曲折。坤宮:城隍、司命、土社、穀帛、田野、倉場、雲霧、沙石、老女、道姑、脾胃、腹疾、鄉農、鬥毆、思慮、牢獄、符藥丸散、醫筮算卜。
坎一宮の取る象:北方の道路、船に乘る行程、黒い顔色、鹹い味道、糊、水の類の膏汁、繩索、楽器。疾病上は腹瀉・遺精および耳・腎・腰の病を主ります。人事上は深沈なる聴聞と謀略を主り、事は多く迂迴曲折します。坤二宮の取る象:城隍・司命の神・土地社壇・糧食布帛・田野・倉庫場院・雲霧・沙石。人物上は年老いた婦人・女道士・郷間の農夫を主ります。疾病上は脾胃と腹部の病を主ります。事情上は鬥毆・憂思・牢獄、および符籙丸散の類の薬物と行醫・卜筮・算命の事を主ります。
震宮:甲乙青龍、禁廷、內翰、舟船、車馬、泰嶽、宮觀廟宇、家神林麓、妖怪、肝膽、四肢、長男、憂喜、遊獵、威聲、相貌俊偉、蒜菜、瓜菜、腥、酸、鮮味、工巧雕刻、雲龍、怪異。巽宮:山林、竹舍、進退、藏匿、懸吊、安柱、繩索、縈結、工巧、機關、諸事、灣環、長安新婦、秀士、幽閒、絕煙、神廟、股肱、手足、風寒、氣症、膽肝、眼目。
震三宮の取る象:甲乙木と青龍・宮禁朝廷・翰林近臣・船隻・車馬・東岳泰山・宮觀廟宇・家宅神祇と山脚の林木、また妖怪をも主ります。身体上は肝胆と四肢を主ります。人物上は長子を主ります。事情上は憂喜の交集・出遊行猟・声威の遠播を主り、人の相貌は俊偉です。飲食上は蒜・瓜菜の類を主り、気味は腥・酸・鮮です。技芸上は精巧の雕刻を主ります。異象上は雲中の龍と種種の怪事を主ります。巽四宮の取る象:山林・竹屋・進退不定・藏匿・懸掛吊起・柱を豎立・繩索・纏繞打結・工巧・機關。事は多く迂回盤曲します。人物上は遠行の新婦・秀異の士・幽居閒散の人を主り、また炊烟の絶えた人家と神廟をも主ります。身体上は大腿手臂・手足・胆肝と眼目を主ります。疾病上は風寒と気病を主ります。
乾宮:君父、顯官、僧道、老人、寶石、銅鐵金石、絲絃、色白形圓、體堅味辛、刀砧、錘鈴、骨腦、股筋。兌宮:破損、毀折、陰人災厄、少女、*妾、咽喉、口舌、妖邪不正、詭言虛譎、缺地、廢井、刀針銅鐵。
乾六宮の取る象:君王と父親・顕貴の官員・僧人道人・老年人。物件上は宝石・銅鐵金石・絲弦を主ります。色は白く、形は圓く、質は堅く、味は辛辣です。器具上は刀と砧板・鎚子と鈴鐺を主ります。身体上は骨骼・腦髓・大腿と筋を主ります。兌七宮の取る象:破損・毁折・女子の災厄。人物上は少女・婢妾を主ります。身体上は咽喉を主ります。事情上は口舌是非・妖邪不正・詭詐虚偽の言語を主ります。地形上は殘缺の地・廢棄の井を主ります。物件上は刀・針と銅鐵の器を主ります。
艮宮:少男、山岡、徑路、石岸、土石、瓦塊、山村、寺觀、動止不常、堅硬多節、鼻、背、手指、氣血積結、色黃味甘、進退、生死、脊背癰疽、手足瘡疥、虎豹狼狽鼠狗之物。
艮八宮の取る象:人物上は少年男子を主ります。地形上は山岡・小路・石岸・土石・瓦塊・山間の村落・寺廟道觀を主ります。情態上は動静無常・行止不定を主ります。物性上は堅硬にして節多きを主ります。身体上は鼻・脊背・手指を主ります。病理上は気血の凝結不通を主ります。色は黃く、味は甘甜です。事情上は進退兩難・生死の際を主ります。疾病上は脊背に癰疽を生じ、手足に瘡疥を長ずるを主ります。動物上は虎・豹・狼・狽・鼠・狗の類を主ります。
離宮:神聖、公像、閃電、星火、赤鴉、丹鳳、火灶、煙囪、燈籠、紅盒、酒食、馨香、焙炙藥物、帶殼而嘗、炊燥性熱、緊急、熏蒸、祖先、宗廟、明堂、客廳、爐鼎、火具、詩賦、詞文、眼目、心血潮熱、虛驚。
離九宮の取る象:神靈聖像・官府塑像・閃電・星火。禽鳥上は紅色の烏鴉と丹鳳を主ります。器物上は竈臺・煙筒・燈籠・紅色の盒子を主ります。飲食上は酒食・芳香の物・烘焙炮炙の薬物・殼を帯びて食する物を主り、性質は乾燥にして熱です。事態上は緊急・熏蒸を主ります。場所上は祖先・宗廟・明堂・客廳を主ります。器具上は爐鼎と各種の火具を主ります。文事上は詩賦詞章を主ります。身体上は眼目を主り、疾病上は心血の虧虛・潮熱と莫名の驚悸を主ります。
九星類神
天蓬:為水,為後,為水火、盜賊,其音為羽,入官逢盜賊,起造、移徙防火,婚姻妨翁姑,娶傷產,商賈遠方遇仇人侵害,行人即歸。兗州分野。天芮:為士,為教師,為良朋益友,其音為宮,宜於秋冬,起造、嫁娶、遷徙當招官訟,或有盜侵佔,行人則歸,經商失財破侶。梁州分野。
天蓬星:五行は水に属し、人物上は皇后を主り、事象上は水火の災と盗賊を主り、五音は羽に属します。就任して官を為すを占えば盗賊に遇います。動工営造・遷居を占えば火災を堤防すべきです。婚姻を占えば公婆を妨害し、妻を娶れば生育に損あります。商売を占えば遠方において仇家に侵害されます。出門の人を占えば、すぐに帰り来るを主ります。分野は兗州に属します。天芮星:人物上は士人・教師を主り、また良朋益友をも主り、五音は宮に属し、秋冬両季に宜しいです。営造・嫁娶・遷居を占えば、官司訴訟を招き、或いは人に財産を侵占されます。出門の人を占えば帰り来るを主ります。商売を占えば財を破り同夥と拆れます。分野は梁州に属します。
天沖:為雷祖天帝,為木,為武士,其音為角,宜出軍雷冤,若移徙、商賈不吉,嫁娶妨害,一年之內修造三年當有凶事,上官利武職。徐州分野。天輔:為草,為民,其音角,春夏婚姻、移徙大吉,秋冬諸事不吉。荊州分野。
天衝星:雷祖天帝を主り、五行は木に属し、人物上は武士を主り、五音は角に属します。出兵征戦・冤情の申雪に宜しいです。もし遷居・商売に用いれば不吉です。嫁娶を占えば妨害あり。一年の内に土を動かし営造すれば、三年の内に必ず凶事あり。就任して官を為すを占えば、武職に利あり。分野は徐州に属します。天輔星:物象上は草木を主り、人物上は平民百姓を主り、五音は角に属します。春夏両季の婚嫁・遷居は大吉、秋冬両季は諸事不吉です。分野は荆州に属します。
天禽:為工,為師巫,為法士,其音為宮,宜祭祀神祗,商賈、埋葬、移徙皆吉,秋冬大利,春夏小凶。寄於坤宮,依門債戶,其神不正吉,亦非全。豫州分野。天心:為金,為高道,為名醫,其音為商,宜書符合藥,春夏不利修造,宜移徙、嫁娶,不可商賈,此日時晴明大吉。冀州分野。
天禽星:人物上は工匠・巫師・行法の士を主り、五音は宮に属します。神祇を祭祀するに宜しく、商売・埋葬・遷居はすべて吉で、秋冬両季は大いに利あり、春夏両季はやや小凶あります。中宮に位なきにより、それは坤二宮に寄居し、他人の門戸に依傍するに等しく、ゆえにその吉性は純正とも算えず、完全とも算えません。分野は豫州に属します。天心星:五行は金に属し、人物上は高道の士と名医を主り、五音は商に属します。符を画き薬を配するに宜しいです。春夏両季は営造に利せず、遷居・嫁娶に宜しく、商売すべからず。それが値日値時に逢えば、天気晴明ならば大吉です。分野は冀州に属します。
天柱:為金,為隱士,為修煉,其音為商,宜固守隱跡,或為陰謀,不可移徙、商賈、嫁娶,皆不吉。雍州分野。天任:為上始富室,其音為宮,嫁娶、生子大貴,上官謁貴全吉,惟修其不利商賈、遠行。春夏大吉。青州分野。
天柱星:五行は金に属し、人物上は隠士と修錬の人を主り、五音は商に属します。固守して自ら保ち、行跡を隠藏し、或いは暗中に謀略を籌画するに宜しいです。遷居・商売・嫁娶すべからず、之を用いればすべて不吉です。分野は雍州に属します。天任星:上等富貴の家を主り、五音は宮に属します。嫁娶・生子を占えば大貴を主り、就任して官を為し貴人に謁見すればすべて吉利です。ただ商売と遠行に利せず。春夏両季は大吉です。分野は青州に属します。
天英:為火,為爐冶人,為殘患,其音為徵,宜遠行獻書,不宜商賈,主失財物,修造失火,上官有災,止宜嫁娶。揚州分野。
天英星:五行は火に属し、人物上は爐冶鋳造の人を主り、また残疾病患をも主り、五音は徵に属します。遠行・上書して策を献ずるに宜しいです。商売に宜しからず、之を用いれば財物を丢失するを主ります。営造すれば火を失します。就任して官を為せば災禍あり。八事の中では嫁娶のみがまだ合适です。分野は揚州に属します。
八神類神
值符:稟中央之土,為貴人之位,能育萬物,大將利居其下。為人性清高而厚重,為仙佛,為尊貴,失令則為牙保媒。於物為印綬文章、金銀首飾、絲麻布帛、珍寶、谷、鱉、獬牛之類。變異則為水木之精、鱗魚之怪。其於事也,旺相則為元慶、詔書、筵會、酒食,休囚則為哭泣、愁悶。其色黃白,其形端方,其數八。
値符:中央の土気を秉受し、貴人の居る所の位で、万物を生養しうる。主将がその下に坐すればもっとも利あり。人物を取れば、性情清高にして穏重の人、仙佛、尊貴の人となります。もし令を失い気なければ、経紀人・保人・媒婆に降ります。物件を取れば、官印文書・金銀首飾・絲麻布帛・珍宝・穀物・鱉・獬と牛の類となります。もし怪異が現われれば、水木の精・鱗魚の怪です。事情を取れば、旺相の時は大喜慶・朝廷の詔書・宴会酒食を主り、休囚の時は哭泣と愁悶を主ります。その色は黄白、形は端正にして方直、成数は八です。
騰蛇:稟南方之火,為虛耗之神。為人性虛偽而巧詐,為公吏、為婦女,失令為市井人、為奴婢、牙婆。於物為光亮,為醜陋,為歪斜破損,為花梨,為繩索,為蛇。其於事也,為胎產、婚姻、文契、錢貨,得奇得門無妨;變異則為光怪、火燭、驚疑,為淹纏,為惡夢,為血光、脫賺、罵詈,為汙穢、臭氣之類。其色紅白,其形虛幻、勾曲,其數三。
螣蛇:南方の火気を秉受し、虚耗を主る神です。人物を取れば、虚偽にして巧詐の人、衙門の吏員、婦女となります。もし令を失い気なければ、市井の小民・奴婢・牙婆に降ります。物件を取れば、閃亮の物、また丑陋の物・歪斜破損の物、花梨木、繩索、蛇となります。事情を取れば、懐胎生産・婚姻・契約文書・銭財貨物を主ります――もし同時に三奇を得吉門を得れば妨げなし。もし怪異が現われれば、光怪陸離・火燭の災・驚疑不定を主り、纏綿不解・悪夢・血光・人に誆騙される・人に辱罵される、および汚穢臭気の類を主ります。その色は紅白、形は虚幻にして弯曲勾折、成数は三です。
太陰:稟西方之金,為陰佑之神,能為禎祥、護持,為人正直無私,性氣難馴。為台垣、諫府,為文人,失令為婢妾宵小。於物為雕琢、金銀、羽毛、精潔、陰霖、露雨、霜雪、冰凍、佛寺、字跡。其於事也,旺相則為喜慶、恩赦、澤宥、婚姻胎產,休囚則為淫濫、憂疑、欺詐、隱私、口舌、詛咒、哭泣、暗謀、密約、私通、走失。其色白,其體柔,其數九。
太陰:西方の金気を秉受し、暗中に保佑する神で、祥瑞をもたらし人に護持を与えます。人物を取れば、正直無私・性情倔强にして馴らしがたき人、御史台・諫議官署の中の人、文人となります。もし令を失い気なければ、婢妾と宵小の輩に降ります。物件を取れば、雕琢の器・金銀・羽毛・潔淨の物、および連綿の陰雨・露水・霜雪・冰凍・佛寺・字迹となります。事情を取れば、旺相の時は喜慶・恩赦・寛宥・婚姻と生育を主り、休囚の時は淫乱・憂疑・欺詐・隠私・口舌・呪詛・哭泣・暗中の圖謀・秘密の約會・私通と走失を主ります。その色は白、質は柔軟、成数は九です。
六合:稟東方之木,為雷部雨師護衛之神,能飛騰變化。為人性好賢樂善,為貴族、高隱,失令則為工巧、技藝、僧道、術士、醫生、書客。於物為果品、鹽粟、羽毛、布帛、衣裳、轎傘、彩仗、印璽、書契、樹枝、舟車、錢財,變異則為草木之精,水族之怪。其於事也,旺相則為爵祿、榮慶、婚姻、和合、胎產,休囚則為*女、口舌、爭財致疾、囚繫、膽怯、訕謗、通謀、求降、勾引。其色黃赤,其形光彩,其數六與七。
六合:東方の木気を秉受し、雷部雨師麾下の護衛の神で、飛騰変化しうる。人物を取れば、賢才を喜好し善を行うを樂しむ人、貴族、高蹈の隠士となります。もし令を失い気なければ、工匠・藝人・僧道・術士・醫生・書客に降ります。物件を取れば、果品・鹽と粟・羽毛・布帛・衣裳・轎子雨傘・彩色儀仗・印璽・契據・樹枝・舟車と銭財となります。もし怪異が現われれば、草木の精・水族の怪です。事情を取れば、旺相の時は爵祿・榮耀喜慶・婚姻・和合と生育を主り、休囚の時は女色・口舌・財を争い病を致す・囚禁・膽怯・毁謗・串通密謀・乞降と勾引を主ります。その色は黄赤、形は光彩目を奪う、成数は六と七です。
勾陳(下有白虎):稟西方之金,為剛勇之神,主兵戈戰鬥。為人性猛烈威雄,為權官、使者、侍衛、虎賁,失令則為軍卒、丑婦、工匠、農夫、牧童、捕役、屠宰、凶人、孝服、病人。於物為金銀、刀劍、財帛、木實、魚鱉、蛟龍,失令則朽鐵、瓦石、網羅,變異則為冰雹、狂風、迅雷、害物。於事為爭訟、疾病、死喪、道路、跌傷、留連、遺失。其色青白,其形銳利,其數七與五。
勾陳(この神の下に別に白虎を附す):西方の金気を秉受し、剛强勇武の神で、兵戈戦鬥を主管します。人物を取れば、性情猛烈・威武雄壯の人、権を掌る官員・使者・侍衛・虎賁武士となります。もし令を失い気なければ、兵卒・醜婦・工匠・農夫・牧童・捕快・屠戶・凶人・孝を戴く人と病人に降ります。物件を取れば、金銀・刀劍・財帛・樹上の果實・魚鱉・蛟龍となり、令を失えば朽鐵・瓦石・羅網となります。もし怪異が現われれば、冰雹・狂風・迅雷と万物を傷害する事です。事情を取れば、争訟・疾病・死喪・道路奔波・跌傷・滯留不前と遺失を主ります。その色は青白、形は鋭利、成数は七と五です。
朱雀(下有玄武):稟北方之水,為刑戮*讒之神。為人性聰明而躁急,巧辯而反覆,為文士、醉客、孕婦,失令則為牙伶、書吏、盜賊、*婦、賣魚鹽人。於物為文章、印信、敕令、服物、魚蛇、蛋、鹽滷、油酒、傘炭之類,變異則為妖魔鬼魅。於事則為謁官、求望,失令則為口舌、啼哭、夢想、離別、驚恐、遺失、逃人、*佞。其色赤黑,其形缺,其數四與九。
朱雀(この神の下に別に玄武を附す):北方の水気を秉受し、刑戮と讒言を主る神です。人物を取れば、聰明にして性急・能言善辯にして反復無常の人、文士・醉漢・孕婦となります。もし令を失い気なければ、伶人牙儈・書吏・盗賊・不正の婦・魚鹽を販賣する人に降ります。物件を取れば、文章・印信・敕令・衣物・魚蛇・蛋・鹽鹵・油酒・傘と炭の類となります。もし怪異が現われれば、妖魔鬼魅です。事情を取れば、官長に謁見し功名を求取することを主り、令を失えば口舌・啼哭・空想・離別・驚恐・遺失・逃亡の人と奸佞小人を主ります。その色は赤黑、形は殘缺、成数は四と九です。
九地:坤上之象,萬物之母,為陰晦之神。為人性柔順吝嗇,為人像,為大腹,為醫卜人,為老婦、道姑、鄉農、獄卒。於物為子母牛,為五穀、布帛、金、沙、石、雲、物,符錄、藥餌、舊物。於事為模糊、憂思、病患、牢獄、闇昧、哭泣、死喪。其色黑,其形厚有柄,其數八與二。
九地:坤卦の象を取り、万物の母で、陰晦の神に属します。人物を取れば、性情柔順にして吝啬の人、人形塑像、大腹の人、行醫占卜の人、老婦・女道士・郷間の農夫と獄卒となります。物件を取れば、母牛が小牛を帯びる、五穀・布帛・金屬・沙・石・雲氣の物、符籙・藥餌と陳舊の物となります。事情を取れば、含糊不明・憂思・病患・牢獄・暗昧不彰・哭泣と死喪を主ります。その色は黑、形は厚重にして柄を帯び、成数は八と二です。
九天:乾金之象,萬物之父,為顯揚之神。為人性剛健而不測,為君父,為官長,為僧道、老人,為首腦、股肋。於物為馬,為金玉、寶石、劍戟、刀砧、錘鈴、錢鏡、寒冰、銅鐵、水果、絲竹、光亮、玲瓏、旋轉、活動,有聲有足之物。於事為謀望、博弈、遠行之類。其色赤白,其形圓而質堅,其數一與六。
九天:乾卦金象を取り、万物の父で、顯揚の神に属します。人物を取れば、性情剛健にして測りがたき人、君王と父親、長官、僧道と老人となります。身体上は頭腦・大腿と肋部を主ります。物件を取れば、馬、金玉・寶石・劍戟・刀と砧板・鎚と鈴・銭幣銅鏡・寒冰・銅鐵・水果・絲竹樂器、および一切の光亮・玲瓏・旋轉しうる・活動しうる・聲響ある・足あって行いうる物となります。事情を取れば、謀劃求取・博弈競逐と遠行の類を主ります。その色は赤白、形は圓にして質は堅硬、成数は一と六です。
奇門遁甲統宗卷之三
天干類神
甲:其為質也勁,其為性也直,其為色也青,其為味也酸,其為聲也濁,其為體也方與長,其為用也萌與動。得時則為棟樑,失令則為廢材,克戰太過則為朽腐無用,生旺太過則為漂泊無依。其性過於自負,不能嫻於世故。乙:其為質也潤,其為性也曲,其為色也碧,其為味也酸甘,其為聲也婉轉,其為體也柔嫩,其為用也無差。得時繁華,失令則枯朽。其性矯揉造作,依附世情。
甲木:質地は強勁、性情は正直、色は青、味は酸、聲は渾濁、形體は方正にして修長、功用は萌發と生動にあります。時を得令に當れば棟樑の材となり、時を失い氣なければ廢木となります。剋伐太過なれば朽爛して用無く、生旺太過なれば漂泊して依る無し。その性格は自負に過ぎ、世故人情に應付することを善くしません。乙木:質地は潤澤、性情は曲折柔順、色は碧綠、味は酸に甘を帯び、聲は婉轉、形體は柔嫩、功用は随處適應して差錯出ざるにあります。時を得れば枝葉繁華、令を失えば枯槁朽敗します。その性格は矯飾做作を好み、世情に依附することを善くします。
丙:其為質也廉,其為性也烈,其為色也紫赤,其為味也苦辣,其為聲也蒼雄,其為體也踝與腹,其為用也抑與揚。得時則輝煌,失令則灰槁。有可大之材,而不能有恆;有轉變之功,而不可干犯。其性剛愎自用,惟好趨承。丁:其為質也媚,其為性也順,其為色也淡紅,其為味也爽快,其為聲也清亮,其為體也秀而揚,其為用也便而捷。得時則能銷容暴戾、洞察*邪,失令則為窮愁呻吟、幽人婺婦。投其機則狎,當其銳則不可攖。其性柔佞,不可測識。
丙火:質地は方正廉潔、性情は猛烈、色は紫赤、味は苦辣、聲は蒼勁雄壯、形體は踝と腹に應じ、功用は一抑一揚にあります。時を得れば光輝燦爛、令を失えば死灰槁木の如し。大事を成就する材質ありと雖も、恒を以て持すること能わず。局面を轉變する本領ありと雖も、人の冒犯を容れず。性格は剛愎自用、ただ人の奉承を喜びます。丁火:質地は柔媚、性情は和順、色は淡紅、味は爽利、聲は清亮、形體は清秀にして張揚、功用は便捷靈巧にあります。時を得れば暴戾の氣を銷熔し姦邪を洞察しうる。令を失えば愁苦呻吟の人となり、或いは幽居の隱士・寡を守る婦人となります。その心意に順えば之に親しむことを得、正しくその鋒芒畢露の時は碰うべからず。性格は柔の中に佞を帯び、人に捉摸不透とせしめます。
戊:其為質也烈燥,其為性也耿介,其為味也甘辛,其為聲也剛雄,其為體也澀而深,其為用也滷而粗。得時則豪雄果敢,失令則柔懦痴愚。其性執拗,不可強制。己:其為質也博厚,其為性也坦真,其為味也甘辛,其為聲也婉切,其為體也沉而靜,其為用也順而柔。得時則陶熔品彙,失令亦抱質堅貞。其性寬宏而不凝滯於物。
戊土:質地は燥烈、性情は耿直方正、味は甘に辛を帯び、聲は剛強雄渾、形體は滯澀にして深厚、功用は粗豪にして細膩ならず。時を得れば豪邁雄壯・果敢有為、令を失えば柔弱怯懦・癡呆愚鈍。性格は執拗、強硬の手段を以て壓制すること能わず。己土:質地は寬博厚重、性情は坦蕩眞誠、味は甘に辛を帯び、聲は婉轉懇切、形體は沈穩安靜、功用は和順柔軟。時を得れば陶鑄熔鍊して萬物を化育しうる。令を失いてもなお堅貞の本質を守ります。性格は寬宏大量、具體の事物に拘泥停滯せず。
庚:其為質也剛勁,其為性也急銳,其為味也辛辣,其為聲也雄尖,其為體也便直,其為用也暴戾。得時逞其專制,失令失其雄威。可柔以化之,不可剛以制之。其性堅執,能屈人而不能屈於人。辛:其為質也芒銳,其為性也柔剛,其為味也苦辣,其為聲也鏗鏘,其為體也沉靜、如錐處囊,其為用也堅耐似玉出璞。得時則黃鐘,失令則瓦缶。必待秋風,方能扶搖直上。
庚金:質地は剛強勁健、性情は急躁銳利、味は辛辣、聲は雄壯にして尖利、形體は便捷直挺、功用は暴烈狠戾。時を得ればその專橫を逞しくし、令を失えば雄威を喪失します。之に對付するには柔を以て感化すべく、剛を以て壓制すること能わず。性格は堅執、ただ人をして屈服せしめるのみ、決して人に屈服することを肯んぜず。辛金:質地は鋒芒銳利、性情は柔の中に剛を帯び、味は苦辣、聲は鏗鏘として響き、形體は沈靜内斂、譬えば錐子を布袋の中に藏るが如し。功用は堅韌耐久、譬えば美玉の璞石より出づるが如し。時を得れば黃鐘大呂の如く、令を失えば瓦缶陶盆の如し。必ず秋風の當令を待ちて、始めて扶搖直上しうる。
壬:其為質也潤,其為性也淫,其為味也咸,其為聲也洪,其為體也圓活,其為用也流通。得時則濟物利人,失令則妨賢病國。其性柔險,可與共憂,不可共樂。癸:其為質也重,其為性也陰,其為味也濁,其為聲也亮,其為體也沉厚、有沉溺由己之情,其為用也淺露無包容湧蓄之量。得時則從龍變化,失令則搖尾乞憐。其性憨直,惟知排難解紛,不知察*燭弊。
壬水:質地は潤澤、性情は放縱漫溢、味は鹹、聲は洪亮、形體は圓轉靈活、功用は流通して滯らざるにあります。時を得れば萬物を濟助し衆人を利益しうる。令を失えば賢才を妨害し國家に貽害します。性格は柔順の中に陰險を藏し、患難を同じくすべく、安樂を共にすべからず。癸水:質地は沈重、性情は陰に屬し、味は渾濁、聲は響亮、形體は沈厚、自ら沉溺に甘んずる情態を帯びます。功用は淺露外泄、包容蓄積の度量なし。時を得れば神龍に追隨して雲に騰り變化しうる。令を失えばただ尾を搖りて憐れみを乞うのみ。性格は憨厚耿直、ただ人のために難を排し紛を解することを知り、姦邪を明察し弊端を洞照することを知らず。
地支類神
子:為水,為池,為河井,為溝渠,為後宮。其於人也,為婦人,為盜賊,為乳媼。其於物也,為鼠,為燕、蝸。其於事也,見吉神為聰明,見凶神為淫佚。丑:為土,為桑園,為橋樑,為宮殿,為墳墓。其於人也,為君子,為尊長,為貴人。其於物也,為牛、騾。其於事也,見吉神為喜慶,為遷官;見凶神為詛咒、冤仇、訟獄、憂離、遠行、疾病。
子:五行は水に屬し、象を取れば水池・河流水井・溝渠、また後宮を主ります。人物上は婦人・盗賊・乳母を主り、物類上は老鼠を主り、また燕子と蜗牛をも主ります。事情上は、吉神と同宮なれば聰明を主り、凶神と同宮なれば淫乱放蕩を主ります。丑:五行は土に屬し、象を取れば桑園・橋梁・宮殿・墳墓。人物上は君子・尊長・貴人を主り、物類上は牛と騾を主ります。事情上は、吉神と同宮なれば喜慶・官職の升遷を主り、凶神と同宮なれば呪詛・冤仇・訴訟牢獄・憂愁離別・遠行と疾病を主ります。
寅:為木,為神像,為山林,為橋樑,為公門。其於人也,為丞相,為夫婿,為道人,為貴人,為人馬,為公吏,為家長,為賓客。其於物也,為虎豹,為貓。其於事也,見吉神為文書、財帛、信息;見凶神為口舌、失財、疾病、官事、是非。卯:為木,為門窗,為街土。其於人也,為婦,為兄弟,為姑母,為盜賊。其於物也,為舟車。其於事也,見吉神為門戶、舟車、安然無事,見凶神為口舌、官事、追呼、分離,雖無奇門不可避行。
寅:五行は木に屬し、象を取れば神像・山林・橋梁・官府門庭。人物上は丞相・丈夫・道人・貴人・人馬・衙門吏員・一家之長と賓客を主り、物類上は虎豹と猫を主ります。事情上は、吉神と同宮なれば文書・財帛・消息を主り、凶神と同宮なれば口舌・破財・疾病・官司與是非を主ります。卯:五行は木に屬し、象を取れば門窗・街道土地。人物上は婦人・兄弟・姑母・盗賊を主り、物類上は舟船車輛を主ります。事情上は、吉神と同宮なれば門戶・舟車の事・平安無事を主り、凶神と同宮なれば口舌・官司・追捕呼喚・離散を主ります――この方位は奇門用うべきなくとも、行かざるを得ざるなり。
辰:為土,為崗嶺,為麥地,為奇觀,為土堆,為墳墓,為田園。其於人也,為丑婦,為僧道,為候人,為屠宰。其於事也,見吉神為醫人、藥物,見凶神為屠宰爭競。巳:為火,為爐冶,為钁。其於人也,為婦人,為乞丐。其於事也,見吉神為文書,見凶神為夢寢疾病。
辰:五行は土に屬し、象を取れば山岡丘嶺・麥地・奇特景觀・土堆・墳墓・田園。人物上は相貌丑陋の婦人・僧道・守候等待の人と屠戶を主ります。事情上は、吉神と同宮なれば醫生與藥物を主り、凶神と同宮なれば宰殺與争鬥を主ります。巳:五行は火に屬し、象を取れば爐冶熔鑄の所と钁頭の類の鐵器。人物上は婦人と乞丐を主ります。事情上は、吉神と同宮なれば文書を主り、凶神と同宮なれば夢魘與臥病を主ります。
午:為火,為廳堂,為菜食。其於人也,為宮女,為使者,為亭長,為蠶姑。其於事也,見吉神為信息文章,見凶神為驚疑口舌。未:為土,為庭院,為牆垣,為井,為墳墓,為茶房。其於人也,為父母,為白頭翁,為寡婦,為師巫,為放羊人,為道人。其於物也,為羊,為鷹。其於事也,見吉神為酒食宴會喜美,見凶神為官事、孝服、毒藥、競爭、疾病。此方得遇奇門,可以逃難藏形。
午:五行は火に屬し、象を取れば廳堂と菜餚飲食。人物上は宮女・使者・亭長と養蠶の婦人を主ります。事情上は、吉神と同宮なれば音信文章を主り、凶神と同宮なれば驚疑與口舌を主ります。未:五行は土に屬し、象を取れば庭院・牆垣・水井・墳墓・茶館。人物上は父母・白髮老翁・寡婦・巫師・牧羊人と道人を主り、物類上は羊と鷹を主ります。事情上は、吉神と同宮なれば酒食宴會・喜慶美事を主り、凶神と同宮なれば官司・孝服・毒藥・争競與疾病を主ります。この方位、もし奇門の相會を得れば、難を避け身を藏るに用いうる。
申:為金,為仙堂,為神堂,為道路,為碓隈,為城宇,為祠廟,為湖池。其於人也,為公人,為貴客,為行人,為軍徒,為凶人。其於物也,為猿猴,為獅子。其於事也,見吉神為行程、奔走,見凶神為口舌、車碾、道路、損失、疾病。酉:為金,為碑碣,為街巷,為白塔。其於人也,為外親,為婢妾,為婦女,為陰貴人,為賣酒人。其於物也,為鴿雉。其於事也,見吉神為清淨恬淡和合,見凶神為失財、疾患、離別。此方遇奇門,可以藏形遁跡。
申:五行は金に屬し、象を取れば仙堂・神堂・道路・碓臼の在る角落・城郭屋宇・祠廟・湖泊池塘。人物上は公門の中の人・貴客・行路人・軍中の人と凶徒を主り、物類上は猿猴と獅子を主ります。事情上は、吉神と同宮なれば行程與奔走を主り、凶神と同宮なれば口舌・車輛輾壓・道路之險・損失與疾病を主ります。酉:五行は金に屬し、象を取れば碑碣・街巷・白塔。人物上は外姓親戚・婢妾・婦女・陰貴人與賣酒之人を主り、物類上は鴿子と野鶏を主ります。事情上は、吉神と同宮なれば清淨恬淡・和合安寧を主り、凶神と同宮なれば破財・疾患與離別を主ります。この方位、もし奇門に遇えば、形を藏し跡を遁るるに用いうる。
戌:為土,為虛堂,為牢獄,為墳墓,為寺觀,為岡嶺,為廁所,為死尸。其於物也,為驢、犬。其於人也,為僧道,為善人,為孤寒,為獄吏,為屠兒。其於事也,見吉神為僧道,見凶神為虛詐不實即走失爭競、牢獄之災。亥:為水,為牢獄,為庭廨,為廝坑,為寺院,為江湖,為樓臺,為倉房。其於人也,為盜賊,為小兒,為乞丐,為趕豬人,為罪人。其於事也,見吉神為婚姻、乞索,見凶神為爭鬥、產難。
戌:五行は土に屬し、象を取れば空堂・牢獄・墳墓・寺廟道觀・山岡丘嶺・廁所與死屍。物類上は驢與狗を主ります。人物上は僧道・善人・孤苦貧寒之人・獄吏與屠夫を主ります。事情上は、吉神と同宮なれば僧道の事を主り、凶神と同宮なれば虚詐不實を主り、随之て走失・争鬥與牢獄の災來たり。亥:五行は水に屬し、象を取れば牢獄・官府廳堂・污水坑・寺院・江河湖泊・樓台與倉房。人物上は盗賊・小兒・乞丐・趕猪人與罪犯を主ります。事情上は、吉神と同宮なれば婚姻與乞求索取を主り、凶神と同宮なれば争鬥與難産を主ります。
兵事分主客
宮為主,星門為客。客生星門利客,星門生宮利主。宮剋星門利主,星門克宮利客。兩相比和,主客勢均,一克一生主客互傷。
主客の強弱を判斷する規矩はこうです。地盤の宮は「主」(守方)を代表し、天盤の星と門は「客」(攻方)を代表します。もし外來の氣が星門を生助すれば、客方に利あり。もし星門が反つて宮を生助すれば、主方に利あり。もし宮が星門を剋すれば、主方が優を占め、もし星門が宮を剋すれば、客方が優を占めます。兩者の五行が相同じく彼此比和なれば、主客勢力均しく敵します。一邊相剋・一邊相生交錯して現われれば、主客ともに損を受けます。
出兵方
奇門會合之方可以出兵。若無奇門,陽時宜從天盤值符下出兵;陰時宜從地盤值符下出兵。又陽時地盤生門合天盤三奇,陰時天盤生門合地盤三奇,皆可出兵。
およそ三奇と吉門が会合する方位はすべて出兵できます。もし当時奇門用うべきものがなければ、陽時は天盤値符の在る宮の下より出兵すべく、陰時は地盤値符の在る宮の下より出兵すべきです。さらに別に一法あり。陽時にもし地盤の生門が天盤の三奇と相合すれば、陰時にもし天盤の生門が地盤の三奇と相合すれば、この二つの情形もまたいずれも出兵できます。
背撃
凡戰,宜背生擊死,背孤擊虛,背雄擊雌,背德擊刑,背亭亭擊白*,宜坐三勝宮,宜避五不擊天,宜趨三避五,背天目擊地耳,又宜背游都、太歲、大將軍、太陰、月建、河魁,避地丙,急則從天馬方出。
およそ作戦は、すべて吉方を背にし凶方を攻撃すべきです。生門を背にして死門を攻め、「孤」の位を背にして「虚」の位を攻め、「雄」の位を背にして「雌」の位を攻め、「徳」の位を背にして「刑」の位を攻め、「亭亭」の方を背にして「白*」の方を攻めるのです。「三勝」の宮に坐すべく、「五不撃」の地を避け、「三に趨り五を避く」の原則を遵守し、「天目」を背にして「地耳」を攻めます。このほかまた游都・太歳・大将軍・太陰・月建・河魁のこれらの方位を背にし、「地丙」を避けるべきです。情勢が緊急の時は、「天馬」の方より突き破りて出ます。
又甲乙日不西攻,壬癸日不攻四維,丙丁日不北攻,庚辛日不南攻,戊己日不東攻。又不可以囚攻相,以死攻生。
さらにまた日干に拠って定まる禁忌があります。甲日・乙日は木に属し、西(金位)に向かって進攻すべからず。壬日・癸日は水に属し、四維(辰戌丑未の土位)を攻むべからず。丙日・丁日は火に属し、北(水位)に向かって進攻すべからず。庚日・辛日は金に属し、南(火位)に向かって進攻すべからず。戊日・己日は土に属し、東(木位)に向かって進攻すべからず――いずれも我を剋する方を避けるのです。また一条の通則があります。「囚」の地に処る弱势の気を以て「相」の地に処る強勢の気を攻むべからず、また「死」の気を以て「生」の気を攻むべからず。
孤虚
年月日時俱以前一位空亡為孤,孤沖為虛。如子年亥為孤,巳為虛。萬人以上用年孤,千人以上用月孤,五百人以上用旬孤,百人以上用日孤,數十人以上用時孤。
年・月・日・時はいずれも本支の前一位の空亡の處を以て「孤」とし、孤位の対衝の處を以て「虚」とします。たとえば子年ならば、亥がすなわち孤、巳がすなわち虚です。用兵の時は兵力の多少に按って異なる層級の孤虚を選用します。一万人以上は年孤を用い、一千人以上は月孤を用い、五百人以上は旬孤を用い、一百人以上は日孤を用い、几十人ならば時孤を用います。孤を背にして虚を撃つのは、実を以て虚を撃つの意です。
雄雌
春寅夏巳秋申冬亥為雄,對沖為雌。亭亭白*:以月將加正時,視神后所臨為亭亭方;功曹、勝光、天置所臨為白*方。二神常合於巳亥,格於寅申。合時宜戰,格時宜守。餘時背亭亭擊白*。游都魯都:甲己日丑,乙庚日子,丙辛日寅,丁壬日巳,戊癸日申,為游都。對沖為魯都。
「雄」の位は四季に拠って定めます。春は寅に在り、夏は巳に在り、秋は申に在り、冬は亥に在ります。それらの対衝の位がすなわち「雌」です。「亭亭」と「白*」の求める法は、月将を用いて当下の正時に加えて盤を轉じ、六壬十二神の中の「神后」(子)がどの方に落ちるかを看れば、それが亭亭方です。「功曹」(寅)・「勝光」(午)・「天罡」(辰、本書は天置と作す)がどの方に落ちるかを看れば、それが白*方です。この二組の神はつねに巳・亥の二支の上にて會合し、寅・申の二支の上にて相格します。會合の時は出戰に宜しく、相格の時は堅守に宜しく、その余の時は亭亭を背にして白*を攻めます。「游都」は日干に拠って定めます。甲己日は丑に在り、乙庚日は子に在り、丙辛日は寅に在り、丁壬日は巳に在り、戊癸日は申に在ります。游都の対衝の位がすなわち「魯都」です。
三勝地
值符九天生門也。五不擊:值符值使九天九地生門五營也。趨三:值使到震宜向之。避五:值使到巽宮宜去之。天馬方:以月孤加正時數到卯位上是。
「三勝地」とは値符・九天・生門のこの三處を指し、この三處に坐して兵を發すればもっとも勝を取ること能くします。「五不撃」とは値符・値使・九天・九地・生門のこの五處の在る營壘を指し、敵人もしこの五處に據り守れば、攻めに行くべからず。「趨三」とは値使が震三宮に落ちる時、この方向に向かって行くべきを言います。「避五」とは値使が巽四宮に落ちる時(一説に中五宮)、この方向を避くべきを言います。「天馬方」の求める法は、月孤を用いて当下の正時に加え、順に數えて卯位の落ちる所がそれです。
旺相休囚
春木相火旺水廢金囚土休,夏火相土旺木廢水囚金休,秋金相水旺土廢火囚木休,冬水相木旺金廢土囚火休。
これは本書が四時五行の強弱を判定する口径です(通行の説法の名目とやや出入りあり、必ず本書の例に依るべし)。春:木は相、火は旺、水は廢、金は囚、土は休。夏:火は相、土は旺、木は廢、水は囚、金は休。秋:金は相、水は旺、土は廢、火は囚、木は休。冬:水は相、木は旺、金は廢、土は囚、火は休。およそ星・門・奇儀の宮に落ちるは、すべてまずこの表に按ってその當令するや否やを看て、後に吉凶輕重を論じます。
天目
甲子旬庚午,甲戌旬庚辰,甲申旬庚寅,甲午旬庚子,甲辰旬庚戌,甲寅旬庚申。地耳:甲子旬戊辰,甲戌旬戊寅,甲申旬戊子,甲午旬戊戌,甲辰旬戊申,甲寅旬戊午。
「天目」は旬に拠って定めます。甲子旬は庚午を取り、甲戌旬は庚辰を取り、甲申旬は庚寅を取り、甲午旬は庚子を取り、甲辰旬は庚戌を取り、甲寅旬は庚申を取ります。「地耳」もまた旬に拠って定めます。甲子旬は戊辰を取り、甲戌旬は戊寅を取り、甲申旬は戊子を取り、甲午旬は戊戌を取り、甲辰旬は戊申を取り、甲寅旬は戊午を取ります。作戦の時に「天目を背にし、地耳を撃つ」を講ずるとは、すなわち天目の在る方を背にし、地耳の在る方に向かって進攻するのです。
太歳
地盤歲支之宮。月建:一名地寶,一名小時紅日,能知地寶,萬事無殆,故宜背之。太陰:八神太陰宮也,一雲玉女方。大將軍:寅卯辰年巳,巳午未年卯,申酉戌年午,亥子丑年酉。時中將星:申子辰日卯時,巳酉丑日子時,亥卯未日午時,寅午戌日酉時。
「太歳」は地盤上の当年年支の落ちるその一宮を指します。「月建」はまた「地寶」と呼ばれ、また「小時紅日」とも呼ばれます。地寶の在る所を知ること能わば、萬事は危險あらざるを得、ゆえに行軍はそれを背にすべきです。「太陰」は八神の中の太陰の在る宮を指し、別の説は「玉女方」と呼びます。「大將軍」は年支三合に拠って位を定めます。寅卯辰年は巳に在り、巳午未年は卯に在り、申酉戌年は午に在り、亥子丑年は酉に在ります。「時中將星」は日支三合に拠って位を定めます。申子辰日は卯時、巳酉丑日は子時、亥卯未日は午時、寅午戌日は酉時です。この幾處はいずれも行軍に方を擇ぶ時必ず先に查明すべき方位神です。
天罡時
以月將加用事之時,視上盤天罡之方,為斗星方。一百二十位凶神惡煞,行兵破陣必勝,凡用皆吉。
「天罡時」を求める辦法はこうです。當月の月將を用事するその時辰に加えて盤を轉じ、上盤の「天罡」(辰)がどの方に落ちるかを看れば、それが「鬥星方」です。この方位は一百二十位の凶神惡煞を鎮壓しえ、行軍して陣を破れば必ず勝ち、以て何事を為すも吉利です。
破軍加時法
以戌時加月建,順行十二位數到所用之時加破軍。隨破軍所臨之時,行九宮,順飛八方,如得貪武輔三吉入中宮,號為聖人登殿,能壓一切凶煞,凡事大吉。
「破軍」を求める辦法はこうです。戌時を當月の月建に加え、十二地支に順い數え下り、用うるその時辰に數え至れば、そこに破軍星を安じます。再び破軍の臨む時辰に依って起算し、九星を九宮に送り、八方に順飛せしめます。もし排し下りて貪狼・武曲・左輔のこの三顆の吉星が中宮に入るを得ば、「聖人登殿」と呼び、一切の凶煞を鎮壓しえ、何事を為すも大吉です。
天營
吉天上太歲所臨下不可犯。四神:凡出陣日,勿令魁罡蛇虎明神臨於將軍年命,日辰亦須避。四神所在,尤忌出入。占風:急臨敵時,後有風漸急,則須速乘其勢。若有風從左右來,或前來,即宜勒兵,向風來之處,必有伏兵。
「天營」は吉方ですが、天盤太歳の臨む宮の下は冒犯すべからず。「四神」とは、およそ出兵列陣の日、河魁・天罡・螣蛇・白虎のこの幾位の凶神をして主將の本命年に臨ましめず、日辰の上にも回避すべし。四神の在る方位は、とくに出入を忌諱します。「占風」とは、敵に臨むの際、もし背後より風起こりしかも愈々刮り急なれば、すみやかに風勢に借りて進撃すべし。もし風が左右両側または正前方より吹き來れば、兵馬を勒して貿然と前進すべからず――風の來るその方向には必ず敵軍が埋伏しています。
旬中地丙日
甲子旬寅日,甲戌旬子日,甲申旬戌日,甲午旬申日,甲辰旬午日,甲寅旬辰日。將兵者不可用,犯之上將死於陣。
「地丙日」は旬に按って推定します。甲子旬は寅日を取り、甲戌旬は子日を取り、甲申旬は戌日を取り、甲午旬は申日を取り、甲辰旬は午日を取り、甲寅旬は辰日を取ります。兵を帯ぶる人は決してこれらの日を以て出戰すべからず。それを犯觸せば、主將は陣上に死します。
五將方
寅午戌日東方,亥卯未日南方,申子辰日西方,巳酉丑日北方,為五將方。凡遇敵必審五將方所在,避之大吉,犯之必敗。敵若從此方來,當軍擇利,使擊之則勝。
「五將方」は日支三合に按って推定します。寅午戌日は東方、亥卯未日は南方、申子辰日は西方、巳酉丑日は北方です。およそ敵と遭遇せば、必ず先に五將方のどこに在るかを查明すべし。それを避ければ大吉、それを冒犯すれば必ず敗れます。もし敵人がこの方向より過ぎ來れば、勢いに因って利を擇び、機に乘じて出撃すべし。さらば勝つことを得ます。
下營法
《三元經》曰:法以六甲為首,十時一易,取六甲旬首而推布之。大將居青龍甲也,旗鼓居蓬星乙也,士卒居明堂丙也,伏兵居太陰丁也,判斷居天庭辛也,囚繫糧儲居天牢壬也,所藏居天藏癸也。
《三元經》に言う。安營布陣の法は六甲を首とし、十時辰ごとに一度更換し、六甲旬首を取りて營位を推布します。主將は「青龍」の位に駐し、すなわち六甲の在る所です。旗鼓は「蓬星」の位に設け、すなわち六乙の在る所です。士卒は「明堂」の位に屯し、すなわち六丙の在る所です。伏兵は「太陰」の位に藏れ、すなわち六丁の在る所です。軍法審斷は「天庭」の位に設け、すなわち六辛の在る所です。俘虜を關押し糧草を囤積するは「天牢」の位に設け、すなわち六壬の在る所です。秘密貯藏の處は「天藏」の位に設け、すなわち六癸の在る所です。
迷路法
黃石公曰:出軍道逢三*,未知何道得通,以月將加時,視天罡。加孟,左路通;加季,右路通;加仲,中道通。
黃石公が言う。行軍の途中で三岔路の口に遇い、どの条が通じるかを知らぬ時は、月将を用いて時に加えて盤を轉じ、「天罡」(辰)がどの位置に落ちるかを看ます。寅・申・巳・亥の四孟の位に落ちれば、左邊の路が通じます。辰・戌・丑・未の四季の位に落ちれば、右邊の路が通じます。子・午・卯・酉の四仲の位に落ちれば、中間の路が通じます。
涉險法
《三元經》曰:若涉險危中之中,山崖水澗之際,兵不得移動,敵從利方上來,即視天時。陽時即令士卒袒前左肩,引聲大呼,鳴鑼擊鼓,先舉而擊之;陰時即令士卒含枚摘鈴,靜以待之。敵人若四面圍合,當分軍為三部,一居月建上,一居月德,一居生門,大將居亭亭上,引兵擊之大勝。
《三元經》に言う。もし部隊が極險の地に陷り、正しく山崖水澗の間に處り、兵馬は移動することが能わず、しかも敵人がまた有利の方位より壓し來る。この時は当時が陽時か陰時かを看るべし。もし陽時ならば、士卒に命じて左肩を袒露せしめ、聲を齊えて大呼し、鑼を鳴らし鼓を擊ち、先んじて攻撃を發動せしめよ。もし陰時ならば、士卒に命じて口に枚を銜ませ、馬鈴を摘去せしめ、靜かに敵人の來攻を待て。もし敵人が四面合圍すれば、部隊を三部分に分かつべし。一部は月建の位に駐し、一部は月徳の位に駐し、一部は生門の位に駐し、主將本人は「亭亭」の位に坐鎭し、然る後に兵を領して衝擊すれば、必ず大勝を獲ます。
出入山中法
任公曰:凡入山,以天輔時奇門合處入出山,以明堂奇門合處出大吉。
任公が言う。およそ山に入らんとするは、天輔星の當値する時を選び、奇門の會合する處より入るべし。山を出でんとするは、「明堂」と奇門の會合する處より出でよ。さらばもっとも吉利なり。
逃避法
子胥對吳王曰:凡有急難之中逃避,便入家起一圖,從青龍上起足,過明堂上,出天門入地戶,向太陰到華蓋上,出軍戰鬥大勝,出行不逢盜賊。又曰:昔避楚王之難,困於王宮,不得出,乃在宮地畫一子午卯酉十二宮圖,從青龍發足而走,楚兵不見。
伍子胥が吳王に答えて言う。およそ急難に遇い逃脫せんとするは、屋に入りて地に九宮圖を画き、「青龍」の位より歩を起こし、「明堂」の位を經て、「天門」を出でて「地戶」に入り、「太陰」の方向に向かって「華蓋」の位の上に走る。これに照らして行進せば、出兵作戰は必ず大勝を獲、出門遠行も盜賊に撞上することなし。また彼が言う。當年われ楚王の追捕を避け、王宮の裏に困せられて出でること能わざりし時、宮中の地に子午卯酉十二宮圖を画き、青龍位より歩を起こして走り出でたれば、楚兵はついにわれを見ること能わざりき。
太陽臨時法
四孟月甲申丙壬時,四仲月乾坤艮巽時,四季月癸乙丁辛時,此四煞藏沒之時,用之大吉,須看太陰過宮。
「太陽臨時」の取る法はこうです。寅申巳亥の四孟の月は、甲・申・丙・壬のこの幾つかの時を取ります。子午卯酉の四仲の月は、乾・坤・艮・巽の四維方位の對應する時を取ります。辰戌丑未の四季の月は、癸・乙・丁・辛のこの幾つかの時を取ります。これらはいずれも四方の凶煞の潛藏隱沒する時刻で、以て事を行えば大吉です。ただし還た太陰がこの時どの宮に過ぐるかを查看し、一幷に參酌すべし。
九星吉凶歌
天蓬平穩宜堅固,天芮須憂士卒亡。天輔遠凶近則吉,天柱軍馬近遠傷。天英兵將何從擊,亦應危難見惶惶。天沖揚威萬里行,天禽雄猛敵軍顧。天心密計他須敗,天任何憂不大贏。
この歌は九星を兵事に用うる吉凶を幾句かに概括します。天蓬星に逢えば、局面は平穩、堅守固壘に宜し。天芮星に逢えば、士卒の傷亡を擔憂すべし。天輔星に逢えば、遠攻は凶にして近戰は吉。天柱星に逢えば、遠近を論ぜず、軍馬は損を受く。天英星に逢えば、兵將は擊つべき處なく、また危難に遭遇して惶恐不安なり。天衝星に逢えば、威を萬里に揚げ、長驅直入すべし。天禽星に逢えば、我軍は雄猛、敵軍はただ回頭顧望するのみ。天心星に逢えば、密計を用ゐれば彼方を失敗せしめうる。天任星に逢えば、なお大勝全勝せざるを愁えんや。
甲癸丁己
玉璋曰:九天之上六甲子,九地之下六癸酉,三奇之下六丁卯,六合之下六己巳。六甲為值符,即九天也。六癸,即九地,謂之癸酉者,從甲子而言也。六丁為三奇之靈,六己為六合之位,皆舉甲子二旬而言也。
玉璋が言う。九天の上は六甲の中の甲子に對應し、九地の下は六癸の中の癸酉に對應し、三奇の下は六丁の中の丁卯に對應し、六合の下は六己の中の己巳に對應します。原注は解釋して言う。六甲はすなわち値符、すなわち九天。六癸はすなわち九地。特に「癸酉」と言う所以は、それが甲子のこの旬より順に數え下るものなるが故なり。六丁は三奇の中もっとも靈驗の一位、六己は六合の在る位。ここに甲子・甲戌の兩旬の干支を擧げて例と為す。其の余の各旬はこれに照らして類推せよ。
行兵雜摘
天乙飛宮,不宜進兵,後應則吉。白入熒利主,熒入白利客。龍逃走、雀投江,不利客宜叛應。蛇妖矯、虎猖狂,不利主宜先舉。大格、刑格必敗。值符是庚又宜避丙丁之宮,此是格勃,非回首也。陽時要天盤強,陰時要地盤強。反吟有吉格,亦宜進兵,當乘亂破殺;伏吟宜藏兵暗地,使敵入我伏中,要擇九天開門值符下出兵吉。
「天乙飛宮」に遇えば、主動して兵を進むるに宜しからず。後れて發して敵に應ずればかへつて吉利なり。「白入熒」を得れば主方に利あり、「熒入白」を得れば客方に利あり。「青龍逃走」「朱雀投江」に遇えば、客方に利あらず。兵を按じて動かず、彼方の先に動くを待ちて後反撃すべし。「螣蛇妖矯」「白虎猖狂」に遇えば、主方に利あらず。先んじて發動すべし。「大格」「刑格」に遇えば、出兵必ず敗る。もし値符本身が六庚なれば、還た丙・丁の在る宮を避くべし――これを「格悖」と呼ぶ。「青龍回首」と誤認することなかれ。陽時は天盤の強しやを看るべく、陰時は地盤の強しやを看るべし。反吟に逢うて而其中にまた吉格あらば、同じく兵を進めうる。亂に趁て衝殺すべし。伏吟に逢へば兵を暗處に藏め、敵人をして我が埋伏に鑽り入らしめんに宜し。出兵は九天・開門・値符の在る宮の下を選びて乃ち吉なり。
回首、跌穴、三詐、九遁之類,最忌下克上。時干剋日干,主下犯上,主勝客。奇儀相合安營最利。立寨須看六庚與玄武所臨之宮,主有劫營之賊,所遇無非*細。陽時陰神者,遇兩重玄武,賊必來偷劫。乙加辛賊來偷劫敗,自敗而返。若乙得旺氣,此一路必有伏兵。
「青龍回首」「飛鳥跌穴」「三詐」「九遁」この類の美格は、もっとも地盤の天盤を剋する(下が上を剋する)を忌諱とす。時干が日干を剋すれば、下屬の上級を冒犯するを主り、占戰は主方勝ち客方敗る。三奇と六儀が相合する方位は、もっとも安營に適す。寨を紮する前に必ず六庚と玄武がどの宮に落ちるかを查看すべし――そこは前に來りて營を劫する敵兵あるを主り、遇う所の人は多分に奸細なり。陽時にもし陰神の位にも玄武現われ、兩重玄武を形成せば、敵人は必ず來りて偷襲劫寨せん。乙奇が辛の上に加臨すれば(青龍逃走)、敵人は來りて偷劫せんとすれども、卻つて自ら敗を取りて退回せん。もしこの時乙奇また旺氣を得れば、然らばこの條の路上に必ず別に伏兵あらん。
虎猖狂若不會合驚開二門,不甚為客;龍回首主兵大利客亦不凶。丙加壬亦有文書奇纏遺失。六儀擊刑最凶,雖使六儀為值符,亦不可用。三奇入墓百無一成。刑格大格小格遇此者,車破馬倒,慎勿追趕,反格其咎。
「白虎猖狂」もし驚門・開門のこの二つの金門と會合せずば、客方に對してもあまり厲害ならず。「青龍回首」は主方に對して大いに利あり、客方に對しても凶と算せず。丙奇が壬の上に加臨すれば、文書の糾纏・奇物の遺失の類の事あらん。「六儀擊刑」はもっとも凶、たとえ當時六儀が値符を充當すとも、照樣用うる能わず。「三奇入墓」は百事一成する能わざるなり。およそ「刑格」「大格」「小格」に遇上せば、出兵すれば車毁れ馬翻らん。切に敵人を追擊することなかれ、さもなくば格局の凶咎はかへつて自己の頭上に落ちん。
天乙飛宮切勿進兵,天乙伏宮須移幔丙丁方避之。飛宮則將軍當隨天上值符而飛;伏宮則將軍當隨值符而伏。妖矯不可對敵,宜移帳到戊己方。六合臨主敵有人降,事必成。交戰最利傷門,景門勝而不久,休門止宜堅守。
「天乙飛宮」に遇えば、千萬に兵を進めるなかれ。「天乙伏宮」に遇えば、必ず營帳を丙・丁の在る方に移して躲避すべし。飛宮の時は主將は天盤値符に跟隨してともに「飛び」走るべし。伏宮の時は主將は値符に跟隨してともに潛み「伏す」べし。「螣蛇妖矯」に遇えば敵と正面交鋒すべからず。中軍帳を戊・己の兩個の土宮に移すに宜し。六合が主方に臨めば、敵方より人來りて投降することを主り、謀る所の事は必ず成らん。交戰は傷門を用うるがもっとも利なり。景門を用ゐれば勝ち得る能くすれども勝勢は持久し能わず。休門を用ゐればただ堅守に宜し。
白入熒賊來偷營,即伏兵於北方迎戰;熒入白,凡遇賊兵即時發兵,少遲則讓賊為客,及宜避之。置陣之法,用本日日干之五行,甲乙為直陣,丙丁為銳陣,戊己為方陣,庚辛為圓陣,壬癸為曲陣。
「白入熒」に遇えば、敵人は來りて營寨を偷襲せん。北方に兵馬を埋伏して迎戰すべし。「熒入白」に遇えば、敵兵に碰上すれば直ちに兵を發すべし。稍々遲疑すればすなわち「客」の位を敵人に讓るに等しく、彼の時かへつて躲避すべきとなる。陣を布く方法は當日日干の五行に按って定む。甲・乙は木に屬し、直陣を擺す。丙・丁は火に屬し、銳陣を擺す。戊・己は土に屬し、方陣を擺す。庚・辛は金に屬し、圓陣を擺す。壬・癸は水に屬し、曲陣を擺す。
奇門演卦
奇門演卦,其法不一。有以值符與值使合而成卦者,有以八門共八方合而成卦者。兩者所用不同,其符使所成之卦可用之。以克靜應期時候軍兵對壘,即用之以定主客雌雄、陣勢得失,或邦國治居,以之卜地土安危、謁訪出行,以之占去向、通塞。
奇門盤を轉じて六爻卦と為し以て推斷するに、方法は一種のみならず。あるは値符と値使の兩宮を用ゐて一卦に配し、あるは八門の各々の臨む八方を用ゐて八卦に配す。兩者の用途は相同じからず。値符値使の成す卦は、以て靜態事情の應期時候を推算しうる。兩軍對壘の時は、以て主客強弱・陣勢得失を判定す。邦國治亂・居處安危に涉及する時は、以て地方土宇の平安なりや否やを占卜す。謁見拜訪・出門遠行の時は、以て去向の通達するや否やを占卜す。
至於捕捉、逃亡、行人、失物,俱可用此而推之焉。其門方所成之卦,可以克路應、察來意,又可以卜自己日內之吉凶,並可以決他人未來之禍福。至於鴉鵲噪、什物響鳴一切異兆,皆可用是而預卜其休咎矣。
緝捕・逃亡・出門人の消息・失物の下落に至るまで、またいずれも値符値使の卦を以て推しうる。八門に八方を配して成す卦に至りては、以て路途上の徵兆を克應し・來人の意圖を體察しうる。また自己近日の吉凶を占し、還た別人將來の禍福を斷ずることをも得。烏鴉喜鵲の喧噪・器物の故なく響くこの類の異常先兆の如きは、すべて以て吉凶を預卜しうる。
値符値使演卦例
其法以地盤值符所在之宮為內卦,天盤值使所在之宮為外卦。假如陽遁一局甲戌旬辛巳時,地下值符在坤二宮,天上值使在離九宮,即演成火地晉卦也。餘類推。
具體の方法はこうです。地盤値符の在る宮を以て內卦(下卦)と作し、天盤値使の在る宮を以て外卦(上卦)と作す。例を擧げて言えば、陽遁一局甲戌旬の辛巳時、地盤値符は坤二宮に落ち(坤は地)、天盤値使は離九宮に落ち(離は火)、上離下坤、すなわち「火地晉」卦に演成せり。其の余の各時はこれに依って類推せよ。
門方演卦例
其法以八方定位為外卦,所臨之八門為內卦。假如陽遁一局丁卯時,此時休門值使到巽宮,則東南即為水風井卦;死門到乾六宮,則西北即為地天泰卦;傷門到兌七宮,則正西即為雷澤歸妹卦;杜門到艮八宮,則東北即為風山漸卦;開門到離九宮,則正南即為天火同人卦;驚門到坎一宮,則正北即為澤水困卦;生門到坤二宮,則西南即為山地剝卦;景門到震三宮,則正東即為火雷噬嗑卦。餘例推。
この一法は八方の固定卦位を以て外卦(上卦)と作し、その方に落ちる八門の屬する卦を以て內卦(下卦)と作す。例を擧げて言えば、陽遁一局丁卯時:値使休門(坎水)は巽宮に轉じ、東南方はすなわち「水風井」卦と成る。死門(坤地)は乾六宮に轉じ、西北方はすなわち「地天泰」卦と成る。傷門(震雷)は兌七宮に轉じ、正西方はすなわち「雷澤歸妹」卦と成る。杜門(巽風)は艮八宮に轉じ、東北方はすなわち「風山漸」卦と成る。開門(乾天)は離九宮に轉じ、正南方はすなわち「天火同人」卦と成る。驚門(兌澤)は坎一宮に轉じ、正北方はすなわち「澤水困」卦と成る。生門(艮山)は坤二宮に轉じ、西南方はすなわち「山地剝」卦と成る。景門(離火)は震三宮に轉じ、正東方はすなわち「火雷噬嗑」卦と成る。其の余の時辰はこれに依って類推せよ。
一時有八卦,而所用止一卦。如克路應,只看所去方上之卦。卜來人善惡,只看其來方之卦。卜來人災福,只看其所坐方位之卦。卜自己吉凶,須看何方響動,即看其方之卦。卜鴉鳴鵲噪並一切怪異,即其所在方位之卦也。
一時辰は八個の卦を排するも、實際取り用ゐるはただ一箇なり。譬えば路上の應驗を推さんと欲すれば、ただ自己の往くその方位上の卦を看るのみ。來人の善なりや惡なりやを斷ぜんと欲すれば、ただ彼の來るその方位の卦を看るのみ。來人の災福を斷ぜんと欲すれば、ただ彼の坐する方位の卦を看るのみ。自己の吉凶を占せんと欲すれば、どの方向に動靜あるかを聽きて、その方位の卦を取る。烏鴉喜鵲の鳴叫および一切の怪異の事を占せんと欲すれば、すなわちそれらの在る方位の卦を取る。
主客雌雄
世為客,應為主。世克應,應生世,利為客,宜先動。應克世,世生應,利為主,宜後動。世空客兵不進,應空主兵不前。世衰應旺,客弱主強;世旺應衰,客勇主怯。世應比和,戰亦不分勝負。若世應俱受月日之傷克,多敗。
卦成りて後、世爻を以て客方を代表し、應爻を以て主方を代表す。世爻が應爻を剋し、または應爻が世爻を生ずれば、いずれも客方に利あり、先んじて發動するに宜し。應爻が世爻を剋し、または世爻が應爻を生ずれば、いずれも主方に利あり、後れて發して人を制するに宜し。世爻が空亡に落ちれば、客兵は推進せず。應爻が空亡に落ちれば、主兵は出動せず。世衰れて應旺なれば、是れ客弱く主強し。世旺にして應衰うれば、是れ客勇にして主怯なり。世應兩爻の五行比和なれば、交戰しても勝負を分かつ能わず。もし世應兩爻ともに月建・日辰の刑傷克制を受くれば、それ多くは敗仗を打たんとするなり。
陣勢得失
我為客,則以應為彼,世為我;我為主,則以世為彼,應為我。我克彼宜戰,彼克我宜守。我生彼而傍爻並月日傷彼者,宜用奇兵以勝彼。彼生我而傍爻並月日傷我者,宜防賊兵來侵我。彼城火,我乘水,利於水戰;彼乘金,我乘火,利於火攻。
もし我方が客なれば、應爻を以て對方を代表し世爻を以て我方を代表す。もし我方が主なれば、世爻を以て對方を代表し應爻を以て我方を代表す。我が對方を剋すれば、出戰に宜し。對方が我を剋すれば、堅守に宜し。我が對方を生ずれども、旁爻が連なり月建日辰とともに皆對方を損傷すれば、この時奇兵を出して勝を取るに宜し。對方が我を生ずれども、旁爻が連なり月建日辰とともに皆我方を損傷すれば、この時敵兵の來犯を堤防すべし。もし對方の城池が火に屬して我方が水に乘れば、水戰を打つに利あり。もし對方が金に乘りて我方が火に乘れば、火攻を用ゐるに利あり。
又我金彼水,宜排圓陣用白旗、金命人前出,可以制勝。我火彼金,宜排尖陣用紅旗火命人前出,可以決勝。我土彼水,宜排方陣,用黃旗土命人前出,可以大勝。彼土我木,宜排長陣用青綠旗木命人前出,可以全勝。如克彼之爻居離,宜從南擊北;居兌宜從西擊東;居坎宜從北擊南。月日助我則吉,助彼則凶。
再び五行に依って陣形と旗色を配す。我方が金に屬して對方が水に屬すれば、圓陣を擺し白旗を用ゐ、金命の人を派して頭陣を打たしめ、以て制勝しうる。我方が火に屬して對方が金に屬すれば、尖陣を擺し紅旗を用ゐ、火命の人を派して頭陣を打たしめ、以て決勝しうる。我方が土に屬して對方が水に屬すれば、方陣を擺し黃旗を用ゐ、土命の人を派して頭陣を打たしめ、以て大勝しうる。對方が土に屬して我方が木に屬すれば、長陣を擺し青綠旗を用ゐ、木命の人を派して頭陣を打たしめ、以て全勝しうる。進攻方向に至つては、對方を剋制するその一爻がどの卦位に落ちるかを看る。離宮に落ちれば南より北に向かつて打ち、兌宮に落ちれば西より東に向かつて打ち、坎宮に落ちれば北より南に向かつて打つ。月建日辰が我方を助ければ吉、對方を助ければ凶。
節候
萬物之成在於何時,則其敗壞之期即定於其成之時也。物之敗壞,當在世爻破空絕之時。而理碑記文書則須看何時提出,世卜所伏之父母爻及何旬空去,其世爻是其期也。又須合內外兩卦之數,以定其年分日子之多少。
萬物がいつ成就するか、その敗壞の日期は成就のその一刻に實はすでに定まつてゐる。物件の損毁は、應ずるに世爻の破に逢ひ空に逢ひ絕に逢ふ時にあり。整理碑記文書の類の事に至つては、則ち它が何時提起されるかを看るべし――世爻の下に伏する父母爻を查し、および它がどの旬に空に落ちるかを看れば、世爻の事に應ずる時がすなわちその日期なり。このほか還た內卦と外卦の兩組の數字を合算して、以て年分・日子の多少を定め出すべし。
假如陽遁一局乙未時,演成雷地豫卦,世爻未土敗子,所絕於巳,破於辰,受克於寅卯,空於甲申旬。凡此甲申旬,皆寅卯巳酉年月合破也。若定開折文書、發掘碑記,當在甲申旬中,子午年月日時也。蓋以子水文書所伏在世爻,乙未之下賴子來提起,午來沖起,而用甲申中又能空去飛爻未土故也。
例を擧げて言ふ。陽遁一局の乙未時は「雷地豫」卦に演成す。世爻は未土、它は子に敗れ、巳に絕し、辰に破れ、寅卯に受克し、空亡は甲申旬に在り。およそ甲申旬の中に於て、寅・卯・巳・酉のこれらの年月は皆合破を構成す。もし開啓折閱文書・發掘碑記の時間を斷ぜんと欲せば、應に甲申旬の裏の子年・午年或は子日・午時に定むべし。原因は、文書を代表する子水は世爻の下に伏し、乙未の下は子水を靠れて提起し午火を靠れて衝起せられ、しかも甲申旬の中に恰も飛爻の未土を空しうるを以て、伏神は乃ち顯現することを得るなり。
六親克應
財:為婦女,為飲食,為錢財。官:為官員,為公人,為病人,為惡。父:為老人,為縫人,為畫師,為吏人,為丈人,為書吏,為布帛。兄:為親戚,為朋友,為貧子。子:為小兒,為禽獸,為醫生,為僧道。
卦中の六親は各々應ずる所の人事あり。妻財爻は婦女を主り、飲食を主り、錢財を主る。官鬼爻は官員を主り、公門の中の人を主り、病人を主り、また惡事をも主る。父母爻は老人・裁縫・畫師・吏員・岳父・書吏を主り、物類上は布帛を主る。兄弟爻は親戚・朋友を主り、また窮困の人をも主る。子孫爻は小兒・禽獸・醫生與僧道を主る。事を占する時動爻がどの親に屬するかを看れば、應ずる所がどの類の人かを知ることを得。
六神克應
青龍:為儒者,為僧道,為醫生,為書客,為轎傘,為魚,為樹枝。為喜慶事,如嫁娶、祝壽、饋送等事。朱雀:為文人,為書吏,為口舌,為呼喚,為牙,行人,為哭啼,為哭語,為飛禽,為紅色物。勾陳:為流作,為農人,為跎子,為牽牛羊人,為捕捉,為公門人,為拗子,為提攜,為跌,為阻塞,為爭鬥。
青龍の應ずる所:讀書人・僧道・醫生・書客。器物上は轎子雨傘・魚・樹枝を主る。事情上は喜慶を主り、嫁娶・祝壽・饋贈の類の如し。朱雀の應ずる所:文人・書吏。事情上は口舌争執・呼喚召請を主る。人物上は牙行經紀與行路人を主る。情狀上は啼哭與哭訴を主る。物類上は飛鳥與紅色之物を主る。勾陳の應ずる所:流動して工を作る人・農夫・駝背の人・牛を牽き羊を趕る人・緝捕の人・公門の中の人・性情執拗の人。事情上は提携・跌倒・阻塞與争鬥を主る。
騰蛇:為婦女,為賣婆,為朵花,為罵詈,為奇聞,異見為蛇,為繩索,為汙穢,為臭氣。白虎:為惡人,為屠人,為病人,為孝服人,為血光,為斗打,為行喪,為石匠,為刀斧,為鼓聲,為庖人。玄武:為賣魚人,為賣鹽人,為乞丐,為*,為賊人,為酒醉人,為雨傘,為木匠,為水夫,為魚鹽油酒。
螣蛇の應ずる所:婦女・女商販。物類上は花朵を主る。事情上は辱罵・奇聞怪事を主る。異象上は蛇・繩索・汙穢之物與臭氣を主る。白虎の應ずる所:凶惡の人・屠戶・病人・身に孝服を穿つ人。事情上は血光・鬥毆・送葬を主る。人物上は還た石匠・廚子を主る。器物上は刀斧を主る。聲音上は鼓聲を主る。玄武の應ずる所:賣魚人・賣鹽人・乞丐・娼妓・盜賊・醉漢。器物上は雨傘を主る。人物上は木匠・挑水夫を主る。物類上は魚・鹽・油・酒を主る。
八卦克應
乾:為官長,為老人,為病人,為僧,為公門人,為孝服人,為馬。坎:為漁人,為水夫,為乞丐,為豬,為魚,為鹽,為油,為水。艮:為童子,為山人,為貓,為犬,為磚石。震:為龍,為雷,為轎,為鼓聲,為術士,為商人,為舟子,為木匠,為筆客。
乾卦の應ずる所:長官・老人・病人・僧人・公門の中の人・孝服を穿つ人、動物上は馬を主る。坎卦の應ずる所:漁夫・挑水夫・乞丐、動物上は猪與魚を主り、物類上は鹽・油與水を主る。艮卦の應ずる所:童子・山の中の人、動物上は猫與狗を主り、物類上は磚石を主る。震卦の應ずる所:龍・雷、器物上は轎子を主り、聲音上は鼓聲を主る。人物上は術士・商人・船夫・木匠與賣筆之人を主る。
巽:為風,為女人,為雞鴨鵝,為道士,為秀才,為柴薪,為竹器,為花木。離:為婦女,為爐人,為患目人,為紅衣。坤:為老婦,為農夫,為裁縫,為樂人,為戲子,為醫生,為牛,為布帛,為食物,為藥餌。兌:為少女,為尼姑,為羊,為響聲,為歌唱,為口舌。
巽卦の應ずる所:風・女人、禽類上は鷄鴨鵝を主る。人物上は道士與秀才を主る。物類上は柴薪・竹器與花木を主る。離卦の應ずる所:婦女・爐を守り冶鑄する人・眼睛に病ある人、衣着上は紅衣を主る。坤卦の應ずる所:老婦・農夫・裁縫・樂工・戲子・醫生、動物上は牛を主り、物類上は布帛・食物與藥餌を主る。兌卦の應ずる所:少女・尼姑、動物上は羊を主る。事情上は響聲・歌唱與口舌是非を主る。
地支克應
子:為婦女,為小兒,為漁人,為舟子,為染匠。乘勾為蛇、跎子;乘玄為盜賊,為水;乘蛇為輕狂婦女,為菜,為青菱,為菜油,為螺蜆;乘龍為筆。丑:為耆老,為故舊,為庭書,為耕牛,為尼姑,為禿頭人,為大腹人。寅:為官員,為公吏,為儒者,為祝子,為書客,為鬍鬚人。卯:為童稚,為舟子,乘朱為牙行人。
子の應ずる所:婦女・小兒・漁夫・船夫・染匠。もし勾陳を配せば、蛇與駝背之人を主る。玄武を配せば、盜賊與水を主る。螣蛇を配せば、輕佻婦人を主り、物類上は蔬菜・青菱・菜油與螺蜆を主る。青龍を配せば、筆を主る。丑の應ずる所:年高の人・故交舊友・庭の中の文書・耕牛・尼姑・秃頭の人・大腹便便の人。寅の應ずる所:官員・衙門吏員・讀書人・祝禱の人・書客・鬍鬚ある人。卯の應ずる所:幼童・船夫。もし朱雀を配せば、牙行經紀の人を主る。
辰:為兇徒,為牙伶,為獵人。乘虎為徒人,為玄,為網罟,為乾,為魚;乘勾為缸。巳:為畫師,為匠工,為遠客,為庖人,為二女,為師姑,為爐冶人,為扇子,為花朵。乘朱為印,乘虎為弓弩。午:為馬伕,乘龍為官員;乘蛇為婦女,為旌旗;乘勾為武官;乘虎為患目人。未:為農夫,為樂人,為戲子,為裁縫,為寡婦,為媒婆,為師巫。乘勾為牽羊人,為柳;乘龍為醫生;乘朱為橘。
辰の應ずる所:凶徒・伶人牙儈・獵人。もし白虎を配せば、服役の人・黑色之物・漁網・乾燥之物與魚を主る。勾陳を配せば、水缸を主る。巳の應ずる所:畫師・工匠・遠來之客・廚子・兩個女子・女道士・爐冶鑄造之人、器物上は扇子與花朵を主る。もし朱雀を配せば、印信を主る。白虎を配せば、弓弩を主る。午の應ずる所:馬夫。青龍を配せば、官員を主る。螣蛇を配せば、婦女與旌旗を主る。勾陳を配せば、武官を主る。白虎を配せば、眼睛に病ある人を主る。未の應ずる所:農夫・樂工・戲子・裁縫・寡婦・媒婆・巫師。もし勾陳を配せば、羊を牽く人與柳樹を主る。青龍を配せば、醫生を主る。朱雀を配せば、橘子を主る。
申:為貴人,為銅錫匠,為剃頭人。乘龍為僧人,為銅錢;乘勾為緝捕人;乘虎為獵人,為箭,為棉絮。酉:為婦女,為銀匠,為佛婆。乘玄為**,為酒保;乘虎為孝服人,為鑼聲;乘朱為雞為鵝鴨。戌:為犬,為獵人,為獄吏,為軍卒,為僧人,為聚眾。乘蛇為菊花;乘虎為鐵器;乘玄為螺。亥:為賣魚人,為挑水人。乘虎為屠宰人,為梅花;乘玄為雨傘,為蓑笠;乘蛇為繩索,為豬穢;乘龍為圖畫,為幼孩;乘朱為豬;乘玄蛇為乞丐;乘玄蛇龍為魚;乘朱虎蛇為哭泣;乘勾虎蛇為鏈鎖。
申の應ずる所:貴人・銅錫匠・剃頭匠。もし青龍を配せば、僧人與銅錢を主る。勾陳を配せば、緝捕の人を主る。白虎を配せば、獵人・箭矢與棉絮を主る。酉の應ずる所:婦女・銀匠・佛婆。もし玄武を配せば、娼妓與酒保を主る。白虎を配せば、孝服を穿つ人與鑼聲を主る。朱雀を配せば、鷄與鵝鴨を主る。戌の應ずる所:狗・獵人・獄吏・兵卒・僧人、事情上は聚衆を主る。もし螣蛇を配せば、菊花を主る。白虎を配せば、鐵器を主る。玄武を配せば、螺を主る。亥の應ずる所:賣魚人・挑水人。もし白虎を配せば、屠戶與梅花を主る。玄武を配せば、雨傘與蓑衣斗笠を主る。螣蛇を配せば、繩索與猪圈穢物を主る。青龍を配せば、圖畫與幼兒を主る。朱雀を配せば、猪を主る。玄武與螣蛇同見すれば、乞丐を主る。玄武・螣蛇・青龍の三者同見すれば、魚を主る。朱雀・白虎・螣蛇同見すれば、哭泣を主る。勾陳・白虎・螣蛇同見すれば、鎖鏈を主る。
奇門遁甲統宗卷之四~九(略)
奇門遁甲統宗卷之十
玄機賦(上)
六合之軍畏死,我軍雄勇可使。若有降順當留,令之遠調別處。六合之將,和合之神也。其神所臨之地,兵將膽怯,未發兵先思和。此時我兵可以乘勢決戰,雄勇莫當。若有賊兵來降,是真心歸附,竟當受之。但宜遠調他方,不可留在本營。恐其穿合線索,勾引我兵歸還舊巢也。
賦文に言う。六合の臨むその一路の敵軍は死を怕れ、我軍は正しく雄勇の氣に乘じて部衆を驅使して進撃すべし。もし敵人來り降るあらば、收留すべきも、ただそれらを遠處に調往すべし。注解して言う。六合の將は和合を主る神、それが臨む地は、兵將の膽氣怯弱にして、未だ兵を出さざるに先に講和を想ふ。この時我軍は勢に乘じて決戰し、その勇猛は人の當つ能くするなし。もし敵兵前に來りて投降あらば、是れ真心の歸附、盡く接受すべし。ただ應にそれらを遠方に調往し、本營に留むべからず。怕るるは彼らの暗中に線を牽き橋を搭げ、我方の士兵を勾引してともに敵營に逃歸らんことを。
白虎之軍性猛,久遲必退成空。若欲盡力攻取,此將有始無終。若不及時招撫,將來日復興戎。白虎為兇悍之神,其性暴戾,猛烈難當,乘勢進戰,可以獲勝。若遲久則成退縮,有始無終。不如及時招撫,必來歸降。若不招降,必成大禍。
賦文に言う。白虎の臨むその一路の軍隊は性情凶猛、されど拖延久しければ必ず退縮落空す。もし傾力して攻取せんと欲せば、この員の將領は始有りて終無からん。もし時に招降安撫せざれば、將來還た再度興兵せん。注解して言う。白虎は凶悍の神、性情暴戾、來勢猛烈にして當たり難し。我方は勢に乘じて迎戰すれば勝を取ることを得。もし遷延して日久しければ、它自ら退縮し、虎頭蛇尾ならん。硬拼するよりも、時に招撫するに如かず。對方必ず來り降らん。もし招降せざれば、日後必ず大禍を釀成せん。
玄武之軍多變,機關莫測通神。惟以求榮為美,其心畏死貪生。玄武為盜賊、小人,其心多詭詐反覆,故其軍多變亂反覆,機械變詐,不可測識。然中心退縮,畏死貪生,不顧忠義,不惜廉恥。秦強歸秦,楚強歸楚,惟以強弱為從衛。欣羨榮華,招之即至。
賦文に言う。玄武の臨むその一路の軍隊は變化多端、機謀詭詐にして神鬼も測る能わず。されど彼らは一心にただ榮華富貴を圖り、骨子裏は死を怕れ生を貪る。注解して言う。玄武は盜賊與小人を象徵し、心思詭詐反復、ゆえにこの一路の軍隊もまた多變亂反復、機巧詐僞、人をして揣測する能わざらしむ。然るに彼らは內心退縮し、死を怕れ生を貪り、忠義を顧みず、廉恥を惜しまず――秦國強なれば秦國に歸附し、楚國強なれば楚國に歸附し、ただ強弱に按りて誰に跟ふかを決む。榮華を羨慕する以上、一招すれば卽ち來らん。
九地多陰謀,來兵有異伏。逢之莫急進,用之必敗覆。九地為陰晦之神,將來多陰謀密計,來軍多設伏乘虛。遇此時,當相幾而動,不可進戰,進必全軍敗亡。只可嚴營固守,待時而動。
賦文に言う。九地の臨む處は多く陰謀あり、來犯の兵は別に伏兵あり。它に碰上して急いで推進するなかれ、硬く兵を用ゐれば必ず覆敗を遭はん。注解して言う。九地は陰晦の神、それが主る敵將は多く陰謀密計を用ゐ、來軍は多分に埋伏を設け虚に乘じて入る。こゝに遇はば、應に時機を察看して後に行動し、貿然と進戰すべからず――一進すれば必定全軍覆沒なり。ただ營壘を嚴守し堅壁固守し、時機を待ちて後に動くべし。
九天之氣多剛暴,轉變更遷難測料。遇此兵鋒宜避之,可將氣神來相較。九天為剛暴之神,其性善動更番轉變,難以測料。遇此敵鋒當堅守,以避之。宜細查門上之陰神及門氣之旺衰,而考校其吉中猶有凶,凶中尚有吉,以定其災禍也。
賦文に言う。九天の氣は剛強暴烈、轉換變遷して豫料し難し。かかる兵鋒に遇上せば應に避讓し、神氣の旺衰を以て比較權衡すべし。注解して言う。九天は剛暴の神、性情動を好み、反復變換して人をして豫料し難からしむ。かかる敵鋒に遇はば、應に堅守して以てその鋒を避くべし。此時門上に臨む陰神および門氣の旺衰を細查し、其中の吉裏藏凶・凶裏含吉の關節を考核し、據りて災禍の輕重を判定するに宜し。
值符休門天晴朗,坤維兵伏宜防早。主將虛驚利坐中,客逃西南馬車倒。捕捉乾宮丑日擒,出軍道路知安好。值符會休門,主天時晴朗,三四月有風,六月有雷,十月有雪。出兵道路平坦,至晚有人窺伺。西南方有伏兵,宜防備。有一蜀中大漢,同婦人來降,主將有虛驚,宜安坐申營。遇子日子時方吉。客將車破馬倒,逃奔坤方,不可擒捉。如捕捉賊,伏西北方老婦人甲,至丑日方可擒捉。
賦文に言う。値符と休門相會すれば、天色晴朗。西南坤方に伏兵あり、早めに提防を要す。主將は一場の虛驚を受けん、中營を坐守するを宜とす。客將は西南に走り逃ぐる時車翻り馬倒れん。緝捕の事は乾宮に在り、丑日に至りて擒獲すべし。出兵の道路は一路平安なり。注解して言う。値符が休門に會すれば、天氣を占へば晴朗を主る――三四月の間は風あり、六月は雷あり、十月は雪あり。出兵の時道路は平坦、傍晚に至りて人の窺探あらん。西南方に敵兵埋伏す、防備を加ふるを須ゐ。一名の蜀地の大漢が一個の婦人を帯びて來り投降せん。主將は虛驚を受けん、申方の營の中に安坐するを宜とし、子日子時を待ちて乃ち吉利ならん。客方主將は車毁れ馬翻らん、坤方に向かつて走り逃げ、追ふも及ばず捉ふるも能はず。もし盜賊を緝捕せば、この人は西北方の一戸の老婦人の家中に藏る、丑日に至りて乃ち擒獲しうる。
值符生門雷兼雨,未時方晴北風舉。兵利南方不利乾,主將功成午未許。客軍丑命來防破,捕在婦人草屋裡。值符會生門,天時主大雷雨,未時方止。風自北方來,三日住止。行兵利南方,不宜西北方。山岡下有人,別路有楚中兄弟二人來降,貪酒色,不宜收。主將有大功,當於午未時出兵大利,不可遲。客將亦有利,丑命人來防破之,旌旗數易。捕盜捉賊,有婦人引至草屋下擒之。
賦文に言う。値符と生門相會すれば、雷ありまた雨あり、未時に至りて始めて晴れ北風刮り起こる。用兵は南方に利あり、西北乾方に利あらず。主將は功を建つるに午未の時に在り。客軍の中に丑に屬する命の人來りて破壞せん、防ぐを須ゐ。緝捕の事は婦人の草屋の裏に在り。注解して言う。値符が生門に會すれば、天氣を占へば大雷雨あるを主り、未時に至りて始めて止む。風は北方より來り、三天刮りて乃ち止む。行軍は南方に利あり、西北方に宜しからず。山岡の下に人あり、別の一條の路上に兩名の楚地の兄弟來りて投降せんとす、されど彼らは酒色を貪戀す、收留に宜しからず。主將は大功を立つべし、午時・未時に出兵し、大いに利あり、延誤すべからず。客方主將もまた利あり、されど丑に屬する命の人來りて彼を破壞せん、軍中の旗號は屢次更換せん。盜賊を緝捕する時、婦人の引路あり、草屋の下に到りて人を把ひ擒へん。
值符傷門日象陰,無邊風雨不曾停。兵行逆地攻兵速,路遠山高不利徵。主將急宜防刺客,客逃中矢捕休論。值符會傷門,主太陽有虧,有不測風雨至。行兵遇逆地,當速攻打。三山五嶺地勢險兀,只宜屯營,不利前進。有敗兵來降,宜收之。主將當急移營寨,防有內變。三馬並行吉,否則,有刺客。客將中流矢而逃奔,速追可擒。捕捉盜賊,已去,不可得,追之三五日可見面。
賦文に言う。値符と傷門相會すれば、日色陰晦、風雨連綿として停まず。行軍もし逆地に進入すれば即ち速攻すべし、路遠く山高ければ遠征に利あらず。主將は趕緊に刺客を提防すべし。客將は箭に中りて走り逃げ、緝捕の事は談ずるに足らず。注解して言う。値符が傷門に會すれば、天氣を占へば太陽色を失ふを主り、意外の風雨の到來あらん。行軍もし形勢順ならざるの地に遇はば、應に迅速に攻打すべし。三山五嶺の地勢險峻突兀、ただ就地に營を紮るに宜しく、繼續前進に利あらず。戰敗の士兵來り投降すること有り、應に接納すべし。主將は趕緊に營寨を移動し、內部の生變を提防すべし。出行の時三騎幷行するを吉とし、さもなくば刺客に遇はん。客方主將は流矢に中りて逃奔し、快く追へば擒獲しうる。盜賊を緝捕すれば則ち人は已に遠く去り、捉ふる能はず。三五天を追上して面を見ることを得ん。
值符杜門天大晴,兵遇重關礙不行。上下不諧降可受,將軍勞瘁不宜徵。客軍厭戰將和解,捕捉逃亡難獲尋。值符會杜門,天時大晴,無霜無雨。出兵行過石門重關,往來皆不利。子丑二時有得。有一人貪酒,有二人貪色,上下不和,來將可受。主將勞疲不可征。客將亦不願戰。宜用說客和解。捕捉難獲。
賦文に言う。値符と杜門相會すれば、天氣大晴。行軍は重重の關隘に遇ひ、阻滯して行くこと難し。敵方は上下不和、來降する者は接受すべし。主將は勞累困頓、出征に宜しからず。客軍は戰を厭ひ、雙方は將に講和せんとす。逃亡の人を追捕するは尋獲し難し。注解して言う。値符が杜門に會すれば、天氣を占へば大晴を主り、霜なくまた雨なし。出兵は石門重關を經過し、來往いずれも順ならず。ただ子時・丑時の兩個の時辰のみ收獲あるべし。敵方に一人の酒を貪る者・兩人の色を貪る者あり、上下和睦せず、前に來りて投降する將領は接納すべし。我方主將は疲勞、出征すべからず。客方主將もまた開戰を願はず。此時説客を派して居中調停講和するに宜し。緝捕の事は結果あること難し。
符景雲收並雨散,丑日雨霖為軍患。進前必敗有輿尸,主沐君恩受封拜。客將爭傷主則強,捕捉之時在離宮。值符會景門,天上雲收雨散,至丑日有雨。行兵難以前進,進則必敗。長子率師,弟子輿尸。君子用事,又使小人參之,安得不敗。主將得功,大君有命,開國成家,小人勿用。客將馬虎爭沖,客傷主勝。捕逃三人執繩可縛,在正南方。
賦文に言う。値符と景門相會すれば、雲收まり雨散ず。丑日に至りてまた雨あり、軍中の隱患と成らん。貿然と前進すれば必ず敗れ、屍を載せて歸るの禍あるべし。主方の將領はかへつて君恩を蒙受し封賞を得ん。客將は相争ひ傷を受け、主方は因りて強盛ならん。緝捕の事は離宮(正南)に應ずべし。注解して言う。値符が景門に會すれば、天氣を占へば雲散じ雨收まるを主り、丑日に至りてまた雨あり。行軍は前進し難く、硬く進めば必ず敗れん――正しく《易經・師卦》の言ふ所の「長子師を率ゐ、弟子屍を輿す」:君子に主事せしめ、卻つてまた小人をして摻和せしむ、何ぞ敗れざるの理あらん。主方將領は功を立つることを得、君王の命あり、「國を開き家を承くるに、小人用ゐるなかれ」。客方主將は大意にして冒進し、争ひて衝殺し、結果客方傷を受け主方勝を獲ん。逃犯を緝捕するに三人あり、繩索を用ゐて捆ることを得、卽ち正南方に在り。
符死陰雨坤風晴,若在秋時雷震聲。行軍車陷城難拔,主將宜畋不利徵。三日客擒五日敗,小人可捉君子貞。值符會死門,主天時連日雨,必待西南風始晴。二八月有雷聲,從地起。行兵有陷車之險,城郭完固不破。有正人自吳中來,用之大利於國。主將只宜田獵,出征防小災。客將三日就擒,五日亡兵散,主降。捕捉小人可獲,君子不可捉。
賦文に言う。値符と死門相會すれば、天は陰にして雨多し、西南風の起こるを待ちて乃ち晴れん。もし秋に在れば則ち雷聲の震響あり。行軍は車を陷らしめん、敵城は堅固にして攻拔し難し。主將は田獵に宜しく出征に宜しからず。三天の内に客方擒はれ、五天の内に客方潰敗せん。小人を緝捕すれば捉ふることを得、正人君子は捉ふることを得ず。注解して言う。値符が死門に會すれば、天氣を占へば連日雨の降るを主り、必ず西南風の起こるを待ちて乃ち轉晴せん。二月・八月には雷聲の地面より響き起こるあらん。行軍は陷車の險あり、敵方の城郭は完固にして攻め破る能はず。一人の正直の士吳地より前に來るあり、之を任用すれば國家に對して大いに利あり。主將はただ田獵に適合するのみ、出征すれば則ち小災を防ぐを要す。客方主將は三天の内に擒はれ、五天の内に兵敗れ人散じ、主動して降を請はん。緝捕の方面は、小人は捉ふることを得、君子は捉ふることを得ず。
符驚多雨遇辰晴,地險兵亡禍立侵。若合奇門方有吉,將旗折喜遇天英。客軍我往人當敗,捕捉惟宜術士臨。值符會驚門,主天多雨,至辰巳日方晴。出軍地陰有陷軍之危,過山涉水,凶禍莫救。遇奇得門庶獲安全。有間諜者,即因問可知敵情。主將有折旗之事,無咎,得合天英星方吉。客將此往彼必亡,得奇不可亡。捕捉可獲,乃術士也。
賦文に言う。値符と驚門相會すれば、雨多く、辰日に至りて乃ち晴れん。地形は險惡、兵は傷亡あり、禍事は立刻に逼近せん。ただ三奇吉門を會合して乃ち轉吉せん。軍旗折斷は本是凶兆なり、もし天英星に遇はばかへつて喜事と成らん。客軍もし我方の主動して前往に由れば、敵人應に敗るべし。緝捕の事はただ術士に出面せしむるに宜し。注解して言う。値符が驚門に會すれば、天氣を占へば雨多きを主り、辰日・巳日に至りて乃ち放晴せん。出兵の地は陰濕にして、軍隊を陷沒するの危險あり、山を翻し水を渉るも皆挽救し能はざる凶禍を招かん。唯だ三奇に遇ひ吉門を得て、始めて平安を保ちうる。軍中にもし間諜あらば、機に趁りて盤問すれば卽ち敵情を知ることを得。主將は旗杆を折斷するの事に遇はん、されど並びに災咎なし、もし天英星を會合し得ればかへつて轉吉せん。客方主將もし此に由りて前に往けば、對方は必ず亡びん。もし三奇の相助を得れば敗亡に至らず。緝捕は成功しうる、捉ふる所の人は一個の術士なり。
符開遇丙必可晴,無丙當霖四十日。敵國空言不見人,行兵宜水不宜陸。有奇則勝無奇退,客敗逃亡難捕捉。值符會開門遇丙奇,主天時晴。無丙奇主四十日雨。行兵宜舟不宜陸。敵國相約未見來人,只見信至,其人性剛直,難調和。主將有奇,百戰百勝;無奇不可出兵。客將不利,士卒宜用背值符擊對沖之法。捕捉見影不見形,遲則可得。
賦文に言う。値符と開門相會すれば、もし丙奇に遇はば必定放晴せん、丙奇なくば則ち四十天雨を連下せん。敵國はただ口頭約定して卻つて人の來るを見ず。行軍は水路を走るに宜しく陸路を走るに宜しからず。三奇あれば則ち勝ち、三奇なくば卽ち退け。客方敗逃し、緝捕し難し。注解して言う。値符が開門に會してまた丙奇に遇はば、天氣を占へば晴を主る。丙奇なくば則ち四十天の連綿陰雨を主る。行軍は船に乘るに宜しく陸路を走るに宜しからず。敵國と會面を約定すれども卻つて人の來るを見ず、ただ書信の送到するを見るのみ、書を寫す人は性情剛直にして調和し難し。主將もし三奇を得ば、百戰百勝せん。三奇なくば出兵すべからず。客方主將は不利、士卒は應に値符を背にしその對衝の宮を攻擊する打法を採用すべし。緝捕の事はただ人影を見てその形を見ず、一段時間を拖して乃ち拿獲することを得。
蛇合休,多雨陰,丙日晴明雷電生。老將行兵乾有伏,逢奇可進得秦人。主軍訓練方能勝,客將逢災捕不擒。騰蛇會休門,主天多陰雨,至丙日辰日方天晴。丙日有雷電,行兵須老將。用兵埋伏在西北方,有奇可進。得一近視眼,是陝西人,有不能可用。主將宜練士卒,出則敵勝。客將渡水有難,若天英在宮下可擊。捕捉只宜謹防,不宜捉獲。
賦文に言う。螣蛇と休門相會すれば、天陰にして雨多く、丙日に至りて乃ち放晴してまた雷電を起こさん。老成の將領を用ゐて行軍せば、西北乾方に伏兵あり。もし三奇に逢はば兵を進めうる、秦地の人を得ることを得ん。主方の軍隊は須く先に操練して乃ち勝を取るべし。客方の將領は災に遇はん、緝捕の事は人を捉ふる能はず。注解して言う。螣蛇が休門に會すれば、天氣を占へば陰雨連綿を主り、丙日或は辰日に至りて乃ち轉晴し、丙日は還た雷電あり。行軍は須く老將を用ゐべし。敵軍は西北方に埋伏す、もし三奇を得ば便ち兵を進めうる。一個の近視眼の人を得ん、陝西の人なり、些少欠缺あれども仍ほ任用しうる。主將は應に抓緊に士卒を操練すべし、貿然と出戰すれば則ち敵人の取勝せん。客方主將は水を渡るに危難あらん。もし天英星がその宮の下に落ちば、便ち他を攻擊しうる。緝捕の事はただ嚴に防範を加ふるに宜しく、眞に往きて捉拿するに宜しからず。
蛇合生,風雨行,風停雨細巳時止。主客亦合勿討尋,遇奇得將賢人至。主將宜攻守不成,客從乾破捕陰人。騰蛇會生門,主天時風動雨生,風止雨細,己時晴。晴行兵進則傷主將,宜講和。窮寇莫追,可得一大將,遇奇更得多賢。主兵利戰不利守,客將於十三日後可從西北方破之。捕捉在織機房,婦人隱匿。
賦文に言う。螣蛇と生門相會すれば、風雨同行し、風停まりて後細雨綿綿、巳時に至りて乃ち止む。主客雙方とも和解に宜しく、相互に尋釁するなかれ。もし三奇に逢はば、良將賢人の到來あらん。主將は攻むるに宜しく守るに宜しからず、客方は乾方より往きて敵を破るを要す、緝捕の對象は女子なり。注解して言う。螣蛇が生門に會すれば、天氣を占へば風を起こし雨を生ずるを主り、風停まりて後細雨に轉じ、巳時に至りて放晴せん。天晴れて後行軍もし貿然と推進せば、主將を傷ることを及ぼさん、應に講和すべし。窮寇は追趕するなかれ。此時一員の大將を得ることを得、もし三奇に逢はば還た更に多くの賢才を得ることを得ん。主方は出戰に利あり固守に利あらず。客方主將は十三天以後西北方より對手を攻破しうる。緝捕の事は、人は織布作坊の裏に藏れ、一名の婦人に由りて窩藏せらる。
蛇合傷,風雨狂,若逢大霧見陽光。兵宜結寨在平洋,遇奇山谷逢君子。主將刑傷奇不妨,客勝難擊捕林藏。騰蛇會傷門,主天有雨,若大霧無雨。行兵宜結寨在平洋,如遇奇可進山谷,有君子進、小人退之事。主將防兵及之傷,有奇可救。客將大勝,不可擊。捕捉則藏在竹木林中,宜緩捕之。
賦文に言う。螣蛇と傷門相會すれば、風雨狂驟。もし大霧を起こさばかへつて陽光を見ん。行軍は平曠の地に寨を紮るに宜し。もし三奇に逢はば、山谷に進入して君子に遇はん。主將は刑傷の危あり、三奇あれば便ち妨げなし。客方大勝、硬攻すべからず。緝捕の對象は林中に藏る。注解して言う。螣蛇が傷門に會すれば、天氣を占へば雨あるを主る。もし大霧を起こさば則ちかへつて雨降らず。行軍は應に平坦開闊の處に寨を結ぶべし。もし三奇に遇はば、山谷に進入しうる。此時の局面は君子の進を得小人の退避するなり。主將は兵刃の傷を提防すべし、三奇あれば以て化解しうる。客方主將は大勝全勝を獲ん、之と硬拼すべからず。緝捕の事は、その人は竹木林の中に藏る、緩緩として之を圖るに宜し。
蛇合杜,密雲布,若遇輔星三日雨。行兵設伏在小路,男女來投切莫用。主將英星稱大武,客兵奔敗逃難捕。騰蛇會杜門,主天時密雲不雨,若遇天輔星有三日雨。行兵有山有河,可以伏兵。有夫婦二人來投,不宜重用。主將得英星大利,不然僅可守舊。客將亦不利,宜退不宜進,進則失輜重。捕捉賊已去,不可追。
賦文に言う。螣蛇と杜門相會すれば、密雲滿布。もし天輔星に遇はば則ち三天の雨あらん。行軍は小路上に伏を設けうる。男女の前に來りて投奔するあり、切に任用するなかれ。主將もし天英星を得ば大有の武功と稱しうる。客兵は奔逃潰敗し、追捕し難し。注解して言う。螣蛇が杜門に會すれば、天氣を占へば密雲雨ならざるを主る。もし天輔星に遇はば、則ち三天の雨あらん。行軍の地は山有り河あり、兵馬を埋伏しうる。夫婦兩人の前に來りて投奔するあり、重用に宜しからず。主將もし天英星を得ば大いに利あり、さもなくばただ現狀を守住するのみ。客方主將もまた不利、退くに宜しく進むに宜しからず、進めば則ち輜重を丟失せん。緝捕の方面は、賊人は已に離去せり、再び追ふに及ばず。
蛇合景,天晴光,三日兌上有火起。兵進山前鋒莫當,主將有災得邑免。客軍行動將身凶,捕捉坎地剿無妨。騰蛇會景門,主天大晴,三日有火起於西方。行兵有前邊兩大山,後邊一小山,此處即可進兵。有一矮子從西方來,可用。主將有無咎之災,得三邑可免。客將行有凶,無攸利。捕捉在北方,可進剿。
賦文に言う。螣蛇と景門相會すれば、天色晴朗。三天の内に西方兌位に火を起こさん。行軍山前に到れば、鋒銳は人の當つ能くするなし。主將は災あり、されど城邑を得ば便ち免除しうる。客軍一動すれば、主將本身に凶あり。緝捕は北方坎位に在り、進剿して妨げなし。注解して言う。螣蛇が景門に會すれば、天氣を占へば大晴を主り、三天の内に西方に火災を起こさん。行軍の在る所は前に兩座の大山・後に一座の小山あり、かかる地形なれば便ち兵を進めうる。一個の矮個子西方より來るあり、任用しうる。主將は災ありと雖も終に過咎なし、三處の封邑を得ば便ち化解しうる。客方主將は行動ある所あれば卽ち凶に遇はん、甚だ好處なし。緝捕の事は北方に在り、兵を進めて剿捕しうる。
蛇合死,晴光麗,奇雲掩斗三日雨。兵進遇火逢文士,主將舉動咸得宜。客軍覆敗應子午,捕喜無奇擒即至。騰蛇會死門,無奇大晴,有奇雲掩鬥口二日得雨。行兵則進,須防火來攻。有天蓬星至,得一文士,得術士,是賢人,否則無賢人。主將上下相合,舉動皆利,進退不難。客將有覆軍殺將之災,應在子午日。捕捉則遇丙奇可逃,無奇可擒。
賦文に言う。螣蛇と死門相會すれば、天光明麗。もし奇雲の斗口を遮住するあらば、三天の内に雨を降らさん。進兵は火に遇ひ、また文士に遇ふことをも得ん。主將は一擧一動皆大いに得宜なり。客軍覆敗の期は子日・午日に應ずべし。緝捕の方面は、喜ぶべきは三奇なくてかへつて立刻に擒へうるなり。注解して言う。螣蛇が死門に會し、もし三奇なくば則ち天は大晴、もし三奇ありて雲氣が北斗斗口を遮住せば、兩天後便ち雨を降らさん。行軍は推進しうる、されど須く敵人の火攻を用ゐるを堤防すべし。もし天蓬星の到臨あらば、一位の文士を得、また一位の術士をも得ん、皆賢人なり。さもなくば則ち賢才の得べきなし。主將は上下同心、擧動皆利あり、進退皆困難ならず。客方主將は全軍覆沒・將領被殺の災あり、應期は子日・午日に在り。緝捕の方面は、もし丙奇に遇はば對方は逃脫しうる、三奇なくばかへつて擒獲しうる。
蛇會驚,氣濛茸,丑日艮風雲霧散。行兵山格路難通,主副將兵沖可進。客貪財帛敗無蹤,捕在江湖水裡逢。騰蛇會驚門,主天有雲霧相連,欲雨不欲,丑日遇東北風方晴。行兵則左山右水阻隔,不可進兵,平洋可進。有丙子荷兵器來,可用之。主將有水災,惟利用副將,可進,遇天沖星可大進。客將多貪財帛,若賄之可破。捕捉則其人隱在江湖中,為水客,通醫獸者可擒。
賦文に言う。螣蛇と驚門相會すれば、雲氣迷濛。丑日に至りて東北艮方の風刮り起こり、雲霧乃ち散ず。行軍は山勢に阻隔せられ、道路通じ難し。主將・副將もし天衝星を得ば便ち兵を進めうる。客方は財帛を貪圖し、終に敗れて蹤影無からん。緝捕の事は江河湖泊の水上に遇ふを要す。注解して言う。螣蛇が驚門に會すれば、天氣を占へば雲霧連綿・將に降らんとして降らざるを主り、丑日に至りて東北風を刮りて乃ち放晴せん。行軍の時左は山・右は水、阻隔して行き難し、兵を進むべからず、唯だ平曠の地のみ進みうる。一個の丙子年生・兵器を扛ぐ人の前に來るあり、任用しうる。主將は水患の災あり、ただ副將を起用して乃ち利あり、推進しうる。もし天衝星に遇はば更に大擧前進しうる。客方主將は財貨を貪圖す、財物を用ゐて賄賂すれば卽ち彼を擊破しうる。緝捕の方面は、その人は江湖の上に隱匿し、水上營生を做す、牲畜を醫治することを懂る人は彼を把ひ擒へることを得。
蛇合開,風雨從,神壇社廟防有伏。不利行兵遇老翁,主將出征獲匪丑。客來焚死敗無蹤,捕防格鬥有刑沖。騰蛇會開門,主天久雨無晴。行兵則神壇社廟內有伏兵,不宜進。有一老年人至,談神仙事,可用之。主將出征有嘉折首,獲非其丑。客將來則焚去則死,應三九日見。捕捉則不利,防格鬥,且有傷。
賦文に言う。螣蛇と開門相會すれば、風雨相隨す。神壇社廟の一帶は埋伏あるを防ぐを要す。行軍は利あらず、途中に老翁に遇はん。主將は出征して首惡を斬獲しうるも脅從を濫殺せず。客方は來れば則ち焚かれ、去れば則ち身死し、敗れて蹤影無からん。緝捕は搏鬥を堤防すべし、刑傷衝撞あらん。注解して言う。螣蛇が開門に會すれば、天氣を占へば久雨晴れざるを主る。行軍の時神壇・社廟の裏面に伏兵を藏す、貿然と進入に宜しからず。一位の老年人前に來るあり、神仙の事を談論す、此人は任用しうる。主將の出征の情形は正しく《易經・離卦》の言ふが如く「嘉に首を折り、獲ること其の醜に匪ず」――ただ首と為る元凶を擒斬し、その余の脅從の衆に牽連せず。客方來り犯さば則ち焚かれ、退去すれば則ち一死を免れず、應期は三天或は九天の内に見えん。緝捕の事は利あらず、對方と搏鬥するを堤防すべし、しかも傷損あらん。
太陰值休門,天時常遇陰。蓬星有雨半月望,兵無橋渡不能行。有文士,善陰謀,主將病侵休浪戰。客軍已渡宜堅守,捕捉東南難到手。太陰會休門,天時常陰。遇蓬星有雨,二八日應。行兵則前有河水,無橋可渡,不宜進兵。有文士通家來見,善陰謀。主將有疾,不能督兵。客將雞鳴渡關城,宜守不宜戰。捕捉則或東或西,難捉摸。
賦文に言う。太陰が休門に臨めば、天氣常に陰。もし天蓬星に遇はば、半月十五の前後に雨あらん。軍の前に橋なく渡る能わず、行進する能わず。一位の文士の陰謀を出すに善きあり。主將は病に染まり、浪戰するなかれ。客軍は已に河を渡れり、我方は堅守に宜し。緝捕の事は東南に在り、手に到り難し。注解して言う。太陰が休門に會すれば、天氣を占へば常に陰を主る。もし天蓬星に遇はば則ち雨あり、初二・初八の類の日子に應ずべし。行軍の時前に河水の阻隔あり、また渡るべき橋なし、兵を進むるに宜しからず。一位の世交の文士前に來りて相見るあり、隱祕の計を謀劃するに善し。主將は病に染まり、兵馬を督率するに力なし。客方主將は雞鳴の時分に關城を渡る、我方は守るに宜しく戰ふに宜しからず。緝捕の事は、その人は忽ち東忽ち西、行蹤捉摸し難し。
太陰值生門,丙丁晴乙雨。兵至鵲巢賊有伏,速宜退步勿前舉。醫巽來,知賊衷,主將天沖能破敵。客軍敗北泣如雨,捕捉本家丑日遇。太陰會生門,主天時有雨,丁奇天晴多東南風,有乙奇有雨,無奇驟雨至。出兵則前有鵲巢,乃伏兵之所,宜退不宜進。有醫士從東南方來,知敵人消息。主將得天沖星,破敵國如摧柯。客將專聽小人之計,用兵必敗。捕捉則隱伏在本人家,丑日可擒。
賦文に言う。太陰が生門に臨めば、丙・丁に逢へば則ち晴、乙に逢へば則ち雨。兵行きて鵲巢あるの地方に到れば、そこに必ず敵人の埋伏あり、應に趕緊に後退して前進するなかれ。醫者の東南巽方より來るあり、敵情の底細を知る。主將もし天衝星を得ば卽ち敵を破ることを得ん。客軍敗北し、哭聲雨の如し。緝捕の事はその本人の家中に在り、丑日に遇ふことを得ん。注解して言う。太陰が生門に會すれば、天氣を占へば雨あるを主る。もし丁奇を得ば則ち天晴れて且つ東南風多し、もし乙奇を得ば則ち雨あり、もし三奇なくば則ち驟雨を降らさん。出兵の時前方に鵲巢あり、是れ敵人の伏を設くる處、退くに宜しく進むに宜しからず。一位の醫士東南方より來るあり、敵人の消息を知る。主將もし天衝星を得ば、敵を破ること樹枝を折るが如く容易ならん。客方主將は一味に小人の計策を聽信す、兵を用ゐれば必ず敗れん。緝捕の方面は、その人は卽ち自己の家裏に藏る、丑日に擒獲しうる。
太陰值傷門,艮風晴輔雨。異人指示賊巢窩,整兵進戰賊無旅。大將怯,士卒勇,主似焚巢無穴棲。客軍前喜後還輸,捕捉無功空此舉。太陰會傷門,主天晴明,有東北風自巳時起,至申時止,次日晴。若遇輔星,主有雨。進兵則有異人指示賊巢穴。大將有退志,士卒退而不退,終得勝。主將懦弱,如鳥焚巢無穴可棲。客將先勝後敗,先喜後悲。捕捉則是遠方人,無家,難定其所,不可捉。
賦文に言う。太陰が傷門に臨めば、東北艮風を刮らば則ち晴、天輔星に遇はば則ち雨。異人の敵人の巢穴の在所を指點するあらん。兵馬を整頓して進戰せば、敵軍は將に潰不成軍ならん。主方の大將は怯懦にして士卒は勇敢、主將は巢を燒かれたる鳥の如く、棲身する處なし。客軍は先に喜び後に輸す。緝捕は徒勞にして功なし。注解して言う。太陰が傷門に會すれば、天氣を占へば晴明を主り、東北風の巳時より刮り起こり申時に至りて停まるあり、第二天轉晴せん。もし天輔星に遇はば則ち雨あるを主る。進兵の時異人の敵人の巢穴を指點するあらん。大將は退却の意ありと雖も、士卒は卻つて退きて眞に退かず、最終に仍ほ勝を取ることを得ん。主將は懦弱、譬えば鳥の焚巢せられ穴なく棲む能はざるが如し。客方主將は先に勝ち後に敗れ、先に喜び後に悲しまん。緝捕の方面は、それは外鄕人、居に定所なく、彼のどこに在るかを確定し難く、捉ふる能はず。
太陰值杜門,丙丁都邑焚。行兵阻水前難渡,固守前津功必成。安心腹,帛與金,主防刺客來床下。客將無能當速侵,捕捉須迅急可擒。
賦文に言う。太陰が杜門に臨めば、丙・丁の日に逢へば城邑は火災を遭はん。行軍は水に阻隔せられ、前方は渡り難し、渡口を堅守すればかへつて必定成功せん。心腹の人を安撫し、布帛金銀を以て賞するを要す。主將は須く刺客の床下に潛到するを堤防すべし。客方主將は無能、應に迅速に進擊すべし。緝捕の事は必ず抓緊を須ゐ、動作快ければ卽ち擒獲しうる。この一條の注解は傳本の中に已に殘缺せり。
太陰會死門,主天時本日有雨,來日晴,有西風方晴。出兵則城西南有伏兵,可守不可攻,必候奇到方可破。有高才人可合諸侯連說客,但不可使敵人。主將利西南,不利東北方。客將有三日大利,兩日不利,可於坎宮徐擊之勝。捕捉則本人在東方進飯後即行,宜速圖之可獲。
この一條はただ注解を存し、賦文は已に缺く。注解して言う。太陰が死門に會すれば、天氣を占へば當天雨あり、第二天轉晴し、須く西風を起こして乃ち放晴せんを主る。出兵の時城の西南方に伏兵あり、據守しうるも強攻すべからず、必ず三奇の到臨を待ちて乃ち攻破しうる。此時一位の高才の士あり、諸侯を聯絡し說客を串連しうるも、彼を派して敵國に出使せしむる能わず。主將は西南方に利あり、東北方に利あらず。客方主將は三天大いに利あり・兩天利あらず、坎一宮方向に於て緩緩進擊して以て勝を取るべし。緝捕の方面は、その人は東方に在り、飯を喫ふれば卽ち身を動かさんとす、應に趕緊に下手して乃ち拿獲しうる。
太陰值驚門,甘霖養萬物。震險利我不利彼,進兵征伐破可必。有賊降,不誠實,主將三日可全勝。客將降人賊敗北,大將匿離擒難獲。太陰會驚門,主天霖雨時降萬物滋生。行兵則東方多險,我利彼不利,可破之。有人來降,有名無實,不可信他。主將命在沖星,有小災,或三日出師,可以全勝。客將得降人智力,賊可破,有奇不可破。捕捉則是大將避在離宮,可和不可捉。和則有大功,捉則有大禍。
賦文に言う。太陰が驚門に臨めば、及時の雨は萬物を滋養す。東方震位は險なりと雖も、卻つて我に利あり敵に利あらず、進兵征伐すれば必ず敵を破ることを得ん。敵人の來り降るあり、されど誠實ならず。主方は三天の内に全勝を獲るべし。客方は降人の力を靠れて敵をして敗北せしむ。敵方の大將は離宮に躲れ、擒獲し難し。注解して言う。太陰が驚門に會すれば、天氣を占へば時雨の降下・萬物滋生を主る。行軍の時東方は險阻多し、形勢は我に利あり敵に利あらず、攻破しうる。人の前に來りて投降するあり、卻つて名ありて實なし、輕信すべからず。主將の本命もし天衝星に係れば、小災あらん。或は三天後に兵を出せば、全勝しうる。客方主將は降人の智謀を借助し、敵を破ることを得ん。されど對方もし三奇を得ば、就中破る能わず。緝捕の方面は、敵方の大將は離九宮に躲避す、ただ講和すべく強捉すべからず――講和すれば便ち大功あり、硬く捉へば則ち大禍を招かん。
太陰值開門,丑日見陽光。兵行路坦宜前進,退則遭殃軍敗亡。母子來,用不藏,主兵大利東風起。客諜花言智莫與,捕捉陰人男已颺。太陰會開門,主天時雨已極,即當日晴,至丑日大晴。行兵則路空亡,可進不可退,退則我軍敗亡。有人母子同來,子弱母強,不中閉。主將有奇,東風起用火攻,無東風只可固守。客將用間諜來善言。捕捉則女人可獲,男子棄逃不可獲。
賦文に言う。太陰が開門に臨めば、丑日に至りて乃ち陽光を見ん。行軍の道路は平坦、前進に宜しく、後退すればかへつて殃を遭ひ軍隊敗亡せん。母子二人の來り投ずるあり、用ゐうるも藏し掖することを須ゐず。主方の兵勢は大いに利あり、尤も東風の起こる時に然り。客方は間諜を派して花言巧語せしめん、彼と多く談ずるなかれ。緝捕はただ女子を捉ふることを得、男子は已に逃走せり。注解して言う。太陰が開門に會すれば、天氣を占へば雨の極處に降りて當天卽ち轉晴するを主り、丑日に至れば則ち大晴ならん。行軍の路は空亡に落ち、進むべく退くべからず、退けば則ち我軍敗亡せん。母子二人の同じく來るあり、兒子は弱く母親は強し、門を關じて理せざるに宜しからず。主將もし三奇を得ば、東風の一たび起こるを待ちて卽ち火攻を用ゐよ。もし東風なくば、ただ固守するのみ。客方主將は間諜を派して前に來り花言巧語せしめん。緝捕の方面は、女子は捉ふることを得、男子は已に家を棄てて逃走せり、捉ふる能はず。
六合休兮奇至晴,無奇申刻北風生。行兵水阻賢人至,主將謀為多不成。客軍得助渾難伐,捕問陰人卯未擒。六合會休門,主天時有乙奇即時晴,無奇則申刻起北風。行兵則水道不通,有小人接引。有賢人從震方來,無日後至。主將有謀不成,有為不遂,宜堅守吉。客將得天人力有救,不可伐。捕捉則有女人知音信,在水邊,卯日未日可擒。
賦文に言う。六合が休門に會すれば、三奇の到るあらば放晴し、三奇なくば則ち申時に北風を起こさん。行軍は水に阻隔せられ、賢人の到來あらん。主將の謀る所の事は多分に成らず。客軍は援助を得、討伐し難し。緝捕は女子に向かって打聽するを要し、卯日・未日に擒へうる。注解して言う。六合が休門に會すれば、天氣を占へばもし乙奇あらば則ち當卽轉晴し、三奇なくば則ち申時に北風を刮り起こさん。行軍の時水路通ぜず、小人の前に來りて接應引路するあらん。賢人の震三宮方向より來るあり、もし當天到らずば、日後もまた到らん。主將は事を謀りて成らず作為遂げず、堅守して乃ち吉なるに宜し。客方主將は天時と人力の救助を得、討伐すべからず。緝捕の方面は、一個の女人の消息を知るあり、人は水邊に在り、卯日或は未日に擒獲しうる。
六合生兮雷無雨,得蓬星兮雷雨注。行兵宜在西南利,主將守攻咸稱意。客軍可破陰謀計,捕在僧房捉可遇。六合會生門,主天時有雷無雨,如得蓬星則午時有大雷雨。行兵則進入險難惡事消散,利西南。主將進可戰,退可守,大吉。客將其士卒不練,多陰謀詭計,可以計破之。捕捉則在唸佛人家,可獲。
賦文に言う。六合が生門に會すれば、雷ありて雨なし。もし天蓬星を得ば則ち雷雨傾注せん。行軍は西南方を以て利とす。主將は攻守を論ぜず稱心如意なり。客軍は陰謀詭計多しと雖も、仍ほ攻破しうる。緝捕は僧房の中に於て遇ふことを得ん。注解して言う。六合が生門に會すれば、天氣を占へば雷ありて雨なきを主る。もし天蓬星を得れば、則ち午時に大雷雨あらん。行軍は險境に進入すと雖も、凶險の事もまた消散せん、西南方を以て利とす。主將は進めば攻め退けば守るべし、大吉。客方主將の士卒は訓練に缺乏し、ただ陰謀詭計を多く用ゐるのみ、計策を以て彼を攻破しうる。緝捕の方面は、人は念佛の人家に在り、拿獲しうる。
六合傷兮風雨厲,有兵變兮西南起。行兵奇主乾方利,主防火發卯與戌。客貪酒色兵離異,捕在西方土木民。六合會傷門,主天時得心星風雨兼至,主西南有兵變,應往吳越。行兵則逢高峻之山,有奇至,兵從西北方可進。有一術士願投,可信之。主將防火災,應在卯戌日。客將貪酒色失士卒心,宜協心齊內,作急進兵。捕捉則屬土音姓人,在西方木音姓人家可捉。
賦文に言う。六合が傷門に會すれば、風雨猛烈。西南方に兵變發生せん。行軍もし三奇あらば、乾方を以て利とす。主方は卯日・戌日に火災發生するを堤防するを要す。客方は酒色を貪戀し、軍心離散す。緝捕の對象は西方土音姓の百姓なり。注解して言う。六合が傷門に會すれば、天氣を占へばもし天心星を得ば則ち風雨齊しく來らんを主る。西南方に兵變あるを主り、吳越一帶に應驗せん。行軍は高峻の山嶺に遇ふ、もし三奇の到臨あらば、軍隊は西北方より推進しうる。一位の術士の來り投ぜんと願ふあり、信任しうる。主將は火災を堤防するを要し、應期は卯日・戌日に在り。客方主將は酒色を貪戀し、士卒の心を失ふ、我方は應に上下心を齊くし、抓緊に兵を進むべし。緝捕の方面は、その人は土音の姓、西方の一戸の木音姓の人家に藏る、捉ふることを得。
六合杜兮久雨頻,地陰窄兮敵備輕。出兵九天伏九地,主將家難三九臨。客必損將並折兵,捕匿酒房速去尋。六合會杜門,主天時陰陽失和,四時失序,時風時雨,四十日方晴。行兵則雖有險途,無埋伏,可進兵。兵出九天方,人伏九地方,士卒可和。主將家有隱憂,三九日有信至。客將折兵,不利。捕捉則藏在酒鋪中宿,即時捕之可獲。
賦文に言う。六合が杜門に會すれば、久雨斷えず。地勢は陰濕狹窄、敵人の防備は鬆懈す。出兵は九天の方より出づるを要し、埋伏は九地の方に在るを要す。主將の家中に難あり、三日或は九日に應ずべし。客方は必定兵を損し將を折らん。緝捕の對象は酒館の裏に藏る、趕緊に往きて找ふを要す。注解して言う。六合が杜門に會すれば、天氣を占へば陰陽失調・四時失序・時に風時に雨にして、四十天にして乃ち放晴するを主る。行軍は險路あれども、卻つて埋伏なし、兵を進めうる。兵は九天方より出擊し・人は九地方に埋伏すれば、士卒は卽ち同心ならん。主將の家中に隱憂あり、三天或は九天後に信の來るあらん。客方主將は兵馬を折損し、形勢利あらず。緝捕の方面は、その人は酒鋪の中に藏れて夜を過す、立刻に往きて捉へれば卽ち拿獲しうる。
六合景兮不時雷,坤兵變兮酉辰推。出兵我利賊就縛,主將遭霖車馬虧。客得天心兵不敗,捕捉*家西半隅。六合會景門,主天有不時之雷。西北方有兵變,辰酉日起。行兵則我利彼不利,其來可破,三人同心,賊人就擒。主將有車馬之厄,出陣遇雷雨。客將天時不順,人心尚固結不可破。可捕捉,則在*家飲酒,西方可捉。
賦文に言う。六合が景門に會すれば、時令に合はざる雷あらん。坤方に兵變發生し、應期は酉日・辰日に推す。出兵は我に利あり、敵人は將に擒縛せられん。主將は連綿の大雨に遇上し、車馬損を受けん。客方もし天心星を得ば則ち兵は敗に至らず。緝捕は西邊半隅の娼家に在り。注解して言う。六合が景門に會すれば、天氣を占へば時令に合はざる雷あるを主る。西北方に兵變あり、辰日・酉日より發生せん。行軍の形勢は我に利あり敵に利あらず、敵人來り犯せば卽ち擊破しうる。ただ三人同心あれば、賊人は便ち網に落ちん。主將は車馬の厄あり、陣を出づる時雷雨に遇はん。客方主將は天時順ならず、されど人心は仍ほ團結し、暫時攻め破る能わず。緝捕は行ふべし、その人は正しく娼家に於て酒を飲む、西方に往けば捉ふることを得。
六合死兮無奇晴,路逢陷兮龍虎爭。婦作間諜言難信,主軍進退事皆亨。客有飛符兵亦精,敵誘我軍捕難尋。六合會死門,主天時有雷電,無奇主大晴。行兵則一蛇當道,二虎爭沖,途中有傷。有婦人來行間在帳下,不可信從。主將天時順利,人事亨通,無往不利。客將有主意,有飛符至,多順少逆。捕捉則是一軍為敵所誘在西北方,不可獲。
賦文に言う。六合が死門に會すれば、三奇なくば則ち天晴れん。路上に陷阱に遇ひ、龍虎相争ふが如し。婦人の間諜を充當するあり、言ふ所は相信し難し。主方の軍隊は進退皆亨通す。客方は飛符傳令・兵馬精銳あり。敵人は我軍を誘走し、緝捕は尋ね難し。注解して言う。六合が死門に會すれば、天氣を占へば雷電あるを主る。もし三奇なくば、則ち天は大晴ならん。行軍の途中にもし一蛇の道に當たり兩虎の争衝するあらば、路上に傷損あらん。婦人の間諜身份を以て帳下に混在するあり、聽信すべからず。主將は天時順利・人事亨通、往く所利ならざるなし。客方主將は胸に主意あり、また飛符の傳報あり、順多く逆少なし。緝捕の方面は、我方の一支の部隊の敵人に引誘せられて西北方に到りしを、找り回すことを得ず。
六合驚兮天大旱,城中空兮伏兵悍。偏將奇謀可即從,主防婢害午來看。客軍將進須防探,捕有虛言終不見。六合會驚門,主天時大晴無雨,有丁奇至大旱。行兵則三里之城有伏兵,城中皆虛設。有偏將獻劫寨之策,可從。主將有一小婢謀害,午未時防之。客將有渡關河之志,宜防備。捕捉則雖有人說信,皆虛詐,軍兵為敵所誘,不可捉獲。
賦文に言う。六合が驚門に會すれば、天時大旱。城中は空虚にして伏兵は剽悍。偏將の獻上する奇謀は立即に採納すべし。主方は婢女の加害を防ぐを要し、午時前後に留意せよ。客軍は將に推進せんとす、須く敵人の探子を防ぐべし。緝捕は傳言あれども、終に人を見ず。注解して言う。六合が驚門に會すれば、天氣を占へば大晴雨なきを主る。もし丁奇の到臨あらば、則ち大旱ならん。行軍の時その周長三里の城中に敵兵埋伏す、城內は實は皆虚設の空營なり。偏將の劫寨の計を獻上するあり、採納しうる。主將は一名の小婢に謀害せられん、午時・未時は須く防範を加ふべし。客方主將は關を渡り河を越ゆの打算あり、應に防備すべし。緝捕の方面は、人の來りて信を報ずるあれども、皆虚詐の言、我方の兵士は敵人に引誘せられ、人を捉ふる能はず。
六合開兮雷電驚,兵宜守險計謀傾。客自吳來謀可用,主防副將奪權爭。客宜固守犯天嗔,捕捉賊勇反遭擒。六合會開門,主天時寒露節,多有雷聲。若在春時,雷起。行兵則百人守險,萬夫難敵。宜用計以破之。有客從吳中來,多出奇計宜重用之。主將有副將爭權謀害,不宜進兵。客將天地不交,四時不順,可守不可攻。捕捉則其人甚勇,捕之反受傷。
賦文に言う。六合が開門に會すれば、雷電人を驚かす。用兵は險に據り固守し、計謀を靠れて勝を取るに宜し。客人の吳地より來るあり、その謀略は用ゐうる。主將は副將の權を奪ひ相争ふを防ぐを要す。客方は固守に宜しく、妄動すれば則ち天怒に觸犯せん。緝捕の時賊人は勇悍、かへつて捕役を制住せん。注解して言う。六合が開門に會すれば、天氣を占へばもし寒露節に在れば雷聲多く、もし春天に在れば、則ち春雷を起こさん。行軍の時百人險要を守住せば、萬人も攻め破り難し、ただ計謀を用ゐて往きて攻取するに宜し。客人の吳地より前に來るあり、奇計を出すに善し、應に重用すべし。主將は副將の權を争ひ謀害するあり、兵を進むるに宜しからず。客方主將は天地交はらず四時順ならず、ただ守るべく攻むべからず。緝捕の方面は、その人は非常に勇悍、往きて彼を捉へればかへつて傷を受けん。
白虎加休天即晴,行兵前路有虛驚。切莫縱兵防中計,百人奮勇敢先登。主將謀為皆不遂,客軍利戰莫安營。捕捉*家不可擒。白虎會休門,主天時有雨,一日即晴。行兵則有虛驚,若縱兵擄掠,則中敵計,宜慎之。營盤中有百人奮勇敢前效死,宜從。主將謀不成,求不遂;客將利戰不利守。捕捉則有一草頭姓人,在*家飲酒,不利,不可捉。
賦文に言う。白虎が休門に加はれば、天は快く轉晴せん。行軍の途中に虚驚一場あり。切に士兵を放縱するなかれ、謹んで敵計に中るを防げ。營中に百人の奮勇争先あり。主將の謀る所は皆願の如くならず。客軍は交戰に利あり安營するなかれ。緝捕の對象は娼家に在り、捉ふる能はず。注解して言う。白虎が休門に會すれば、天氣を占へば雨あるを主り、一天後に轉晴せん。行軍は虚驚に遇はん。もし士兵を放縱して四處劫掠せしめば、卽ち敵人の圈套に中らん、應に謹愼すべし。營中に一百名の奮勇争先・敢て死を效する士卒あり、彼らの請戰に聽從しうる。主將は事を謀りて成らず求むる所遂げず。客方主將は交戰に利あり固守に利あらず。緝捕の方面は、その人は草字頭の姓、正しく娼家に於て酒を飲む、形勢利あらず、往きて捉ふべからず。
白虎加生天即霽,午後巽風三日已。行兵險阻破東方,處士談玄心莫喜。主將貴謀休浪戰,客軍防燒輜糧地。捕捉火攻大得利。白虎會生門,主天時晴,午後有東南風起,三日方止。行兵則有險阻峻小,可從東方破之。有處士著青衣至,談修玄門事,不可用。主將謀在之我,成之在天,不可強求。客將東南方有火星起,防燒糧食之焚。捕捉則有一將守水道,可用火攻之。
賦文に言う。白虎が生門に加はれば、天は快く放晴せん。午後に東南巽風を刮り、三天にして乃ち停まらん。行軍は險阻あれども、東方より攻破しうる。處士は玄理を高談す、心裏以て喜ぶべしと為すなかれ。主將は謀を用ゐるを貴とし、浪戰するなかれ。客軍は屯糧の地の燒かるるを防ぐを要す。緝捕は火攻を用ゐて大いに利あり。注解して言う。白虎が生門に會すれば、天氣を占へば晴を主り、午後に東南風を起こし、三天を刮りて乃ち止まん。行軍の地は險阻あれども、地勢は高峻と算せず、東方より攻破しうる。一位の青衣を穿つ處士の前に來るあり、修道玄門の事を談論す、此人は任用すべからず。主將は事を謀るは人に在り事を成すは天に在り、強求すべからず。客方の東南方に火星の升起あり、糧草の焚かるるを提防するを要す。緝捕の方面は、一員の將領の水道を把守するあり、火攻を以て彼に對付しうる。
虎傷若得丁奇會,坎主風雷奇不晦。出兵顛險勢堪贏,敵將真降情不說。主宜嚴厲不宜寬,客將驕盈事機退。捕捉急迫翻有悔。白虎會傷門,主天時有丁奇加坎宮,定有風雨雷電,無奇天晴。行兵則前有虎山龍嶺,皆兵馬出入之所,可破。有敵將來降,是真情,宜收之。主將宜威嚴用殺戮,不宜放釋罪人,放釋即禍生肘腋。客將好勝,謀將事多不成。捕捉則待其人再回可獲,急則反去不獲。
賦文に言う。白虎が傷門に會すれば、もし丁奇の相會を得て坎宮に落ちば、則ち風雷あらん。三奇なくば天はかへつて陰晦せず。出兵は顚簸險阻を經ると雖も、形勢は仍ほ勝を取るべし。敵將は眞心に來り降るも明言せず。主方は嚴厲に宜しく寬縱に宜しからず。客方主將は驕傲自滿、事機は因りて退敗せん。緝捕は逼めて急なればかへつて後悔せん。注解して言う。白虎が傷門に會すれば、天氣を占へばもし丁奇の坎一宮に加はるあらば、必定風雨雷電あらん。三奇なくば則ち天晴れん。行軍の前方に虎山龍嶺あり、皆是れ兵馬出入の要道、攻破しうる。敵將の前に來りて投降するあり、是れ眞心より出づ、應に接納すべし。主將は應に威嚴を以て殺伐を行ふべく、罪人を釋放に宜しからず――一放すれば卽ち禍は肘腋に起こらん。客方主將は勝を好み、謀劃の事は多分に成らず。緝捕の方面は、その人の再び回るを待てば卽ち拿獲しうる。逼めて急なれば、彼はかへつて跑掉して捉ふる能はず。
白虎加杜霧大惡,黴收風起陽光作。行兵守險勿輕狂,敵有文書稱主客。主將屯兵防陣亡,客軍鼠斗牛翻卻。捕捉艮出小橋獲。白虎會杜門,主天時有大霧,多黴風,起則晴。行兵則有人固守隘口,不可輕進。有使客將文書至,得佳音。主帥出師陣亡,宜守不宜進。客將牛鼠相鬥,牛傷鼠無恙,午未日有信。不足則災東北方,山下有小橋處逃避,可獲。
賦文に言う。白虎が杜門に加はれば、大霧彌漫・天氣惡劣。黴氣收斂し・風一たび起これば卽ち太陽を出さん。行軍は應に險に據り固守し、輕擧妄動するなかれ。敵方に文書の往來あり、主客名分を分說す。主將は兵を屯するに陣亡を防ぐを要す。客軍は鼠の牛を鬥ふが如く、かへつて掀翻せられん。緝捕は東北艮方に出づる小橋の處に於て拿獲しうる。注解して言う。白虎が杜門に會すれば、天氣を占へば大霧を起こし黴濕の風多きを主り、風起こりて後轉晴せん。行軍の時人の隘口を據守するあり、輕易に推進すべからず。使者の文書を帯びて前に來るあり、好消息を帯來す。主帥もし貿然と兵を出せば陣亡せん、守るに宜しく進むに宜しからず。客方の形勢は牛鼠相鬥の如く、牛は傷を受け鼠は恙なし、午日・未日に消息あらん。もし兵力足らざれば則ち災は東北方に在り、山下の小橋の處に到りて躲避しうる、緝捕もまたそこに於て手を得うる。
白虎加景天心合,時雨時晴三日歇。行兵拿伏宜往北,營中心膂生反覆。主將色迷用怒激,客將利亥子丑殺。捕捉自來何用縛。白虎會景門,得天心星至,時雨時晴,三日後方大晴。行兵則中途有弩來埋伏,宜往北方而進。本營中有腹心人,反覆不可同事,宜防之。主將被女色迷戀,不肯出征,以怒激之方行。客將亥子丑出兵利,丑日旺。捕捉則三日後,其人自來降,不必去捉。
賦文に言う。白虎が景門に加はりて天心星と相合すれば、時に雨時に晴にして三天にして乃ち停まらん。行軍もし伏兵を拿下せんと欲せば、北に向かって進むに宜し。營中の心腹の人は反復を生ぜん。主將は女色に迷はされ、激將法を用ゐるを要す。客方は亥・子・丑の日に出兵して利あり。緝捕の對象は自ら來らん、何ぞ彼を往きて捆らんや。注解して言う。白虎が景門に會し、もし天心星の到臨を得ば、則ち時に雨時に晴にして、三天後に乃ち大晴ならん。行軍の途中に弓弩の埋伏あり、北方に向かって推進するに宜し。本營の中に一個の心腹の人反復無常あり、彼と事を共にすべからず、應に防備すべし。主將は女色に迷戀せられ、出征を肯んぜず、言語を以て彼を激怒せしめて乃ち行動を肯んぜしむるを要す。客方主將は亥・子・丑の三日に出兵して利あり、その中丑日がもっとも旺なり。緝捕の方面は、三天以後その人は自ら來りて投降せん、往きて捉ふるに及ばず。
白虎加死黃雲乾,五日雨至災星纏。行兵橋斷渡河擊,中途謀叛豈真然。主患偷營防襲寨。捕人只在火房邊。白虎會死門,主天時西北方有黃雲起,五日後有雨,有小災。行兵則有水無橋,被敵所折。渡河擊之可勝。行至中途,有人謀致不可信也。主將於丑未日有劫營之殃,宜防之;客將地利人和,可戰可守,不宜襲人營寨。捕捉則在火房潛藏,宜急捉可獲。
賦文に言う。白虎が死門に加はれば、西北乾方に黃雲起こらん。五天後に雨あり、還た災星の身に纏はん。行軍は橋の已に斷えたるに遇ひ、ただ河を渡りて進擊するのみ。途中に人の來りて謀反投誠を言ふあり、どこにか眞ならん。主方は敵人の營を偷むを擔心し、その寨を襲ふを防ぐを要す。緝捕の人は卽ち竈房の旁に在り。注解して言う。白虎が死門に會すれば、天氣を占へば西北方に黃雲の升起するを主り、五天後に雨を降らし、還た一點の小災を帯ぶ。行軍の時水ありて橋なし、橋は已に敵人に拆毀せられ、ただ河を渡りて進擊して乃ち勝を取ることを得。半路に走り至りて、人の前に來りて策を獻じ降を勸むるあり、この話は輕信すべからず。主將は丑日・未日に營を劫せらるるの禍あり、應に防備すべし。客方は地利人和を占め、戰ふべく守るべし、されど人の營寨を襲擊に往くに宜しからず。緝捕の方面は、その人は竈房の裏に潛藏す、趕緊に往きて捉へれば卽ち拿獲しうる。
白虎加驚有異云,三日狂風發屋驚。行兵有險不可進,君差良將丑未臨。主不勞兵得土地,客軍好戰將自傾。捕惟獲信縱難尋。白虎會驚門,主天時午後有異雲鋪頂,三日後有狂風壞人房屋。行兵則前有凶險,不可輕進。朝中差委善將至,在午未日時應。主將可不勞兵刃,破人城池,得人土地。客將甘戰不甘守,追逐之自敗。捕捉則有三五人同謀,在東南方火燒山下,難捉,三日見信。
賦文に言う。白虎が驚門に加はれば、天上に異樣の雲氣あり。三天後に狂風屋を掀き、人をして驚駭せしむ。行軍の前に險阻ありて推進すべからず。朝廷は良將を派して來らしめん、丑日・未日に應ずべし。主方は兵刃を勞せずして土地を取得しうる。客軍は戰を好み、將に自ら傾覆を取らんとす。緝捕はただ消息を得るのみ、人は卻つて尋ね難し。注解して言う。白虎が驚門に會すれば、天氣を占へば午後に異樣の雲の天頂に滿鋪するを主り、三天後に狂風を刮り起こし・房屋を毀壞せん。行軍の前方に凶險あり、輕進すべからず。朝廷は一位の良將を派遣して前に來らしめん、應期は午日・未日に在り。主將は刀兵を動かさずして敵城を攻破し土地を取得しうる。客方主將はただ打つを肯んじ守るを肯んぜず、彼を追擊すれば自ら潰敗せん。緝捕の方面は、三五人の同謀あり、東南方の火燒山の下に藏れ、捉ふること難し、三天後に消息あらん。
白虎加開奇至晴,若無奇合雨相因。行兵宜步休乘馬,刺客還防在我營。主軍出入兵皆利,客有助扶戰即贏。捕在營中可就擒。白虎會開門,主天時有奇即晴,無奇即雨。行兵則車馬難進,步兵可進。有刺客在小軍營中,宜查察防備。主將出入無往不利,客將一朋友帶兵助戰,主將宜防之。捕捉則本營中隱藏,即營中獲之。
賦文に言う。白虎が開門に加はれば、三奇の到るあれば卽ち晴、三奇なくば則ち接連して雨あらん。行軍は步兵を用ゐるに宜しく馬に騎るに宜しからず。還た刺客の我が軍營の中に混在するを防ぐを要す。主方の軍隊は出入皆順利なり。客方は人の相助あり、一戰すれば卽ち贏たん。緝捕の對象は卽ち營中に在り、就地に於て擒獲しうる。注解して言う。白虎が開門に會すれば、天氣を占へばもし三奇あらば則ち晴、三奇なくば卽ち雨を降らさん。行軍の時車馬行き難く、步兵は推進しうる。刺客の小營の中に潛伏するあり、應に仔細に查察防備すべし。主將は出入往く所利あらざるなし。客方主將は一位の朋友の兵を帯びて來りて戰を助くるあり、主將は應に防範を加ふべし。緝捕の方面は、その人は卽ち本營の裏に藏る、營中に於て卽ち拿獲しうる。
玄武兮休門,白雲兮天晴,黃雲兮雨生。行兵鹿走前途伏,遠客人來謀可聽。主將有奇方可進,客軍堅守戰休輕。捕往他方不可擒。玄武會休門,主天時白雲蓋頂即晴,發雹即大雨,三日後方晴。行兵則有鹿走下有伏兵,僅百餘人可進。有朋友果妨,是遠方人,見之無妨。主將謀事不成,宜守不宜進,有奇可進,亦無大勝。客將君子道長,小人道消,人心堅固不可破。捕捉則已往他方不可捉。
賦文に言う。玄武が休門に會すれば、白雲を出さば則ち天晴れ、黃雲を出さば則ち雨を生ぜん。行軍は鹿の奔走するを見れば、前面に就中埋伏あり。遠方來客の謀策は聽取しうる。主將は三奇あらばのみ推進すべし。客軍は堅守に應ずべく、輕易に開戰するなかれ。緝捕の對象は已に別處に去り、捉ふる能はず。注解して言う。玄武が休門に會すれば、天氣を占へばもし白雲の頂を蓋へば卽ち轉晴し、もし冰雹を降らさば卽ち大雨、三天後に乃ち放晴せん。行軍の時鹿の奔走する地方の下に伏兵を藏す、ただ百余人の小隊のみ通過しうる。朋友の前に來るあり、看れば妨げあるに似たるも、實は遠方の人、見ること並びに妨げなし。主將は事を謀りて成らず、守るに宜しく進むに宜しからず。たとえ三奇ありて推進しうるとも、大勝ある能はず。客方は君子の道漸く長じ小人の道漸く消ゆるの局面、人心は堅固、攻め破る能はず。緝捕の方面は、その人は已に別處に往きぬ、捉ふる能はず。
玄武兮生門,微雨兮不久,午戌兮應有。巽僧引前險可進,遊子告信賊情丑。主將平安稱無咎,客軍不睦起兵寇。捕捉東方竹林口。玄武會生門,主天時微雨不久,應午戌日。行兵則東南方有一僧人接引,入賊營地,雖險可進。有遊食人道賊情來,亦可信。主將無咎反利,客將多不和,有越兵為害。捕捉則在東方竹林內人家可獲。
賦文に言う。玄武が生門に會すれば、細雨降ること長久ならず、午日・戌日に應ずべし。東南巽方に僧人の引路あり、險なりと雖も進むべし。游方の人前に來りて敵情の醜惡を通報す。主將は平安にして過錯なし。客軍は內部不和、兵寇を招來せん。緝捕は東方の竹林口に在り。注解して言う。玄武が生門に會すれば、天氣を占へば細雨にして且つ下ること久しからざるを主り、應期は午日・戌日に在り。行軍の時東南方に一位の僧人の接應引路あり、敵營の地界に進入しうる、凶險なりと雖も仍ほ推進しうる。一個の四處游食の人前に來りて敵情を講述す、また相信しうる。主將は災咎なきのみならず、かへつて利を得。客方主將の部下は多く不和睦、還た越地の兵馬の為害あるを主る。緝捕の方面は、東方の竹林の裏の人家に於て拿獲しうる。
玄武兮傷門,霖雨兮濟旱,戌日兮方斷。行兵伏遇草頭人,商賈人來報逆叛。主將須防忽中風,客軍利涉休登岸。賊人久向潢池散。玄武會傷門,主天時有霖雨,可以濟大旱,到戌日方晴。行兵則有草頭姓人埋伏在山中,舉火為號,不可輕進。有商人知賊消息而來,宜敬重之。主將有中風之疾,於子午日防之。客將利涉大川,不利山谷。捕捉則賊人久去,不可捉。
賦文に言う。玄武が傷門に會すれば、連綿の大雨は旱情を解除しうる、戌日に至りて乃ち停まらん。行軍は草字頭姓氏の人の埋伏に遇はん。商人の前に來りて叛亂の消息を報告するあり。主將は須く突然の中風を防ぐべし。客軍は水を渡るに利あり、岸に登るなかれ。賊人は早已湖澤の間に散入せり。注解して言う。玄武が傷門に會すれば、天氣を占へば連綿の大雨あるを主り、大旱を緩解しうる、戌日に至りて乃ち放晴せん。行軍の時草字頭姓氏の人の山中に埋伏するあり、火を擧ぐるを以て暗號とす、輕進すべからず。商人の敵情を知りて前に來り相告ぐるあり、應に彼を敬重すべし。主將は中風の病患あり、子日・午日に於て防範を加ふるを要す。客方主將は大河を渡越するに利あり、山谷に進入するに利あらず。緝捕の方面は、賊人は早已に遠く去りぬ、捉ふる能はず。
玄武兮杜門,風雷兮電掃,甲寅兮晴好。行兵臨渡須防賊,預探方能免折耗。主軍謀勝戰成功,客好營中防火燎。賊已遠去人難找。玄武會杜門,主天時風雷至,甲寅日方止,有太陽光見。行兵則渡河時謹防賊於河中設計候渡,勿中其計。主將善謀略,出兵大勝,必成偉功。客軍當有火災焚燒軍營。捕捉則其人早已遠去,不可尋捉。
賦文に言う。玄武が杜門に會すれば、風雷交作・電光橫掃し、甲寅日に至りて乃ち轉晴せん。行軍は渡口に臨みて須く敵人を防ぐべし、豫め偵察して乃ち折損を免れん。主方は謀略を以て勝を取り・作戰成功せん。客方は營中の失火を堤防するを要す。賊人は已に遠く去り、人は找へ難し。注解して言う。玄武が杜門に會すれば、天氣を占へば風雷大作を主り、甲寅日に至りて乃ち停まり、然る後に陽光を見ん。行軍して河を渡る時は謹んで敵人の河中に埋伏を設けて我軍の水を渡るを待つを防ぐべし、切に計に中るなかれ。主將は謀略を善用し、出兵すれば必ず大勝を獲、偉大の功業を立つることを得ん。客方の軍營は火災焚燒を遭はん。緝捕の方面は、その人は早已に遠く走り、尋捉するに從なし。
玄武兮景門,半月兮陽光,過望兮雨狂。行兵路坦無埋伏,抵掌談人用不妨。主軍有疾終無咎,客將收兵宜善藏。捕捉東方五日亡。玄武會景門,主天時有半月晴,遇望兮而雨。行兵則無險,可進兵,更無埋伏、*偽之情。有人至善言談,談必可用,用不誤事。主將有疾病,無大咎。客將利涉大川,不利出師。捕捉則賊在東方,五日可捉。
賦文に言う。玄武が景門に會すれば、半個月は皆晴天、月望を過ぐれば卽ち大雨を降らさん。行軍の道路は平坦、埋伏なし。人の手を拍ちて暢談するあり、彼を任用して妨げなし。主方は疾病あれども終に害なし。客方は兵を收むるに隱蔽を善くするを應ずべし。緝捕は東方に在り、五天の内に以て了結しうる。注解して言う。玄武が景門に會すれば、天氣を占へば半個月の晴天あるを主り、十五望日に至れば卽ち雨を降らさん。行軍は險阻なく、推進しうる、また埋伏と虚詐の情形なし。人の前に來りて言談に長ずるあり、彼の話は必定用ゐうる、用ゐても事を誤らず。主將は疾病あるも、大の妨礙なし。客方主將は大河を渡越するに利あり、師を興して出征するに利あらず。緝捕の方面は、賊は東方に在り、五天に捉ふることを得。
玄武兮死門,蓬會兮雨霖,三日兮不晴。行兵坤地通微徑,獻策雙雙一是真。主軍利動防車倒,客遇*謀事不成。賊人捕匿在僧庭。玄武會死門,主天時得蓬星當大雨,三日不晴。行兵則前有大溪,進退俱不可,西南方有小路可進。有二人同來,一人獻策,一人圖利。主將出師利於舉動,但有車折之咎。客將有小軍,用女樂獻媚,其計不成,無咎。捕捉則在燃火之處藏躲,多是僧道。
賦文に言う。玄武が死門に會すれば、もし天蓬星と相會せば則ち大雨連綿、三天晴れず。行軍は西南坤地に小路の通ずるあり。兩人の一同に策を獻ずるあり、その中ただ一個のみ是れ眞心。主方は行動に利あり、されど車の翻るを防ぐを要す。客方は邪謀に遇上し、事情成らず。賊人は僧院に躲る、そこに到りて往きて捉へうる。注解して言う。玄武が死門に會すれば、天氣を占へばもし天蓬星を得ば卽ち大雨あり、三天放晴せず。行軍の時前面に一條の大溪あり、進退皆行ならず、ただ西南方の一條の小路のみ通じうる。兩人の同じく來るあり、一人は來りて計を獻ずる者、一人は來りて利を圖る者。主將は出兵して行動に利あり、されど車輛の折損の過失あらん。客方に一支の小部隊あり、女樂を以て獻媚討好す、この計策は得逞すること能はず、また大害を造成するに至らず。緝捕の方面は、その人は炊火あるの地方に躲る、多分に僧人道人の流なり。
玄武兮驚門,乍雨兮乍晴,晴後兮復傾。行兵有險休輕進,僧道偏能薦貴人。主軍利水乘舟楫,客將將亡木姓擒。賊已離巢不必尋。玄武會驚門,主天時有丁奇到,自辰時至午時晴,自午時至未時雨,雨後復轉晴。行兵則前有險阻不可進,進則有傷。有僧道引攀龍之客來。主將吉利,登舟楫而行。客將不吉,當敗於陸,見擒於木姓人。捕捉則賊知我音信,已離巢穴,不可捉。
賦文に言う。玄武が驚門に會すれば、忽ち雨忽ち晴、晴れて後にまた降り起こさん。行軍は險阻あり、輕進するなかれ。僧道は偏に貴人を引薦しうる。主方は水路を走り・船に乘りて行くに利あり。客方の將領は將に亡びなんとす、木姓の人に擒獲せられん。賊は已に巢を離れ、往きて找ふに及ばず。注解して言う。玄武が驚門に會すれば、天氣を占へばもし丁奇の到臨あらば、辰時より午時に到れば晴、午時より未時に到れば雨を降らし、雨後にまた轉晴せん。行軍の前方に險阻ありて推進すべからず、硬く進めば傷損あらん。僧道の一位の權貴に攀附せんと想ふ客人を引いて前に來るあり。主將は吉利、船に乘りて行くに宜し。客方主將は不吉、陸上に於て失敗し、木姓の人に擒獲せられん。緝捕の方面は、賊人は已に我方の動靜を知り、巢穴を離れぬ、捉ふる能はず。
玄武兮開門,庚午兮艮風,風起兮日紅。行兵鳥道險難攻,刺客來營信可從。主將有災無大咎,客宜堅壁固潛蹤。賊人已在震之東。玄武會開門,主天時庚午日未時有東北風起即無雨。行兵則有鳥道羊腸之險,可守不可攻。有劍客至,宜重用之。主將有災,亦無大害。客將亦不宜進兵。捕捉則不在原處,當在東方尋之。
賦文に言う。玄武が開門に會すれば、庚午日に東北艮風を刮り、風起こりて後紅日高照せん。行軍は鳥道天險に遇上し、進攻し難し。刺客の營に來るあり、彼の話は聽信しうる。主將は災あれども大害なし。客方は堅壁固守・行蹤を潛藏するに宜し。賊人は已に東方震位に跑り去りぬ。注解して言う。玄武が開門に會すれば、天氣を占へば庚午日未時に東北風を刮り起こし、隨後に卽ち再び雨降らざるを主る。行軍は鳥道羊腸の如き險要に遇はん、ただ據守すべく強攻すべからず。一位の劍客の前に來るあり、應に彼を重用すべし。主將は災あれども、また大の妨害なし。客方主將も同じく兵を進むるに宜しからず。緝捕の方面は、その人は已に原處に在らず、應に東方に到りて找ふべし。
九地會休門,問雨卻偏晴,若遇蓬星風雨順。行兵有地山名火,險極當從西北行。主將升遷在日兮,客軍多智莫相輕。捕捉難,何處尋?九地會休門,求晴反雨,求雨反晴。如得蓬星,有大風雨。行兵則前有地名火山,甚險。當從西北方而進,不日有天使至。主將目下有升擢,客將有機械,不可輕敵。捕捉難獲。
賦文に言う。九地が休門に會すれば、雨を問へば偏に放晴せん。もし天蓬星に遇はば則ち風雨調順せん。行軍の前方に「火山」と呼ぶの地方あり、極めて險要、應に西北方より繞行すべし。主將は日ならずして卽ち升遷あらん。客軍は智謀多く、輕視すべからず。緝捕は困難、どこに到りて找ふべきかを知らず。注解して言う。九地が休門に會すれば、晴を求むればかへつて雨を降らし、雨を求むればかへつて放晴せん。もし天蓬星を得れば、卽ち大風雨あらん。行軍の時前面に地名火山と呼ぶの地方あり、非常に險要、應に西北方より推進すべし、久しからずして朝廷の使者の到來あらん。主將は眼下に卽ち升遷提拔あらん。客方主將は機巧にして謀多し、敵を輕んずべからず。緝捕は結果あること難し。
九地會生門,霖霪久不停。大水瀑淹軍營兵。軍發宜進退休輕,朝頒恩詔顯光榮。主人震怒量非宏,客得坤人助我嬴。捕捉近在問津。
賦文に言う。九地が生門に會すれば、陰雨連綿として久久停まらず、大水暴漲して軍營士卒を淹沒せん。兵を發して後は穩妥に推進するに宜しく、輕易に後撤するなかれ。朝廷は恩詔を頒下し、顯揚榮耀せん。主方の人は震怒し易く、氣量は宏大ならず。客方は坤方の人の相助を得て以て勝を取る。緝捕の對象は卽ち附近の渡口の一帶に在り。この一條の注解は傳本の中に已に殘缺せり。
九地會杜門,主天時多云,有北風無雨。行兵則陸路可進,水路不可進。有一人騎馬至,報敵人消息,甚真。主將三六九日見凶災,客將利西方,不利東南方,有從巽方發兵擊之可破。捕捉則在公吏人家,藏匿西北方上。
この一條はただ注解を存し、賦文は已に缺く。注解して言う。九地が杜門に會すれば、天氣を占へば雲多きを主り、北風を刮りて雨降らず。行軍は陸路を走るべく、水路を走るべからず。一人の馬に騎りて前に來りて敵情を報告するあり、消息は十分に可靠なり。主將は第三天・第六天或は第九天に凶災に遇上せん。客方主將は西方に利あり、東南方に利あらず。もし巽四宮方向より兵を發して攻擊せば、卽ち彼を擊破しうる。緝捕の方面は、その人は衙門吏員の家裏に藏れ、西北方向に躲る。
九地會景門,無奇必成雨,奇至巳午晴可許。出兵舟裡遇敵糧,文士引兒來見語。主將功成名大遂,客軍乃是倭夷侶。捕捉尚在巢窩裡。九地會景門,主天時久雨,有奇至巳午日見太陽,必久晴,無奇必雨。出兵則從舟中去,獲賊輜重貨物,大利。有一文士引一兒來見。主將所求必得,所欲必遂,有大功。客將是外國人得勝。捕捉則其人還在,急去可捉。
賦文に言う。九地が景門に會すれば、三奇なくば必定雨を降らさん、三奇あれば則ち巳日・午日に放晴を望むべし。出兵は船上に於て敵人の糧草に遇はん。文士の一個の孩子を帯びて前に來りて說話するあり。主將は功成名遂せん。客軍は竟に外邦の同夥なり。緝捕の對象は還た巢穴の裏に在り。注解して言う。九地が景門に會すれば、天氣を占へば久雨を主る。もし三奇の到臨あらば、巳日・午日に卽ち太陽を見ることを得、この後必ず長晴ならん。三奇なくば則ち必定雨を降らさん。出兵して船上より走れば、敵人の輜重貨物を繳獲しうる、大いに利あり。一位の文士の一個の小孩を帯びて前に來りて見を求むるあり。主將は求むる所必ず得欲する所必ず遂げ、大功を立てん。客方主將は外國人、勝を取ることを得ん。緝捕の方面は、その人は還た原處に在り、趕緊に往けば卽ち捉ふることを得。
九地會死門,天時必大晴,日逢翼軫微雨經。行兵地險雄如虎,奇到賢人來助兵。主將力弱不從心,客軍大利士卒精。捕匿在艮巳亥擒。九地會死門,主天時大晴,過翼軫星值日有雨,亦不大。行兵則猛虎當道,大旱屏跡。有賢人來謁,有奇到則來助。主將心雖欲戰,力不從心,得水姓人來助。客軍車馬士卒皆利,宜先發制人,獨不利於主。捕捉則在東北潛藏,巳亥日可捉。
賦文に言う。九地が死門に會すれば、天氣必定大晴ならん。翼宿・軫宿の値日に遇へば則ち細雨の經過あらん。行軍の地は險要、氣勢は虎の如く雄猛なり。三奇の到臨あれば則ち賢人の來りて陣を助くるあらん。主將は心ありと雖も力足らず。客軍は大いに利あり、士卒精銳なり。緝捕の對象は東北艮方に藏れ、巳日・亥日に擒へうる。注解して言う。九地が死門に會すれば、天氣を占へば大晴を主る。翼宿・軫宿の値日を過ぐれば雨あらん、また降るも大ならず。行軍は猛虎の道に當たるが如く、大旱の下に人跡は屏絕す。賢人の前に來りて拜謁するあらん。もし三奇の到臨あらば、彼は卽ち來りて相助せん。主將は心裏戰を開かんと想ふと雖も、力は心に及ばず、須く水音姓氏の人の相助を得るを要す。客方の車馬士卒は皆利あり、先發制人に宜し。唯だ主方に對して利あらず。緝捕の方面は、その人は東北方に潛藏す、巳日・亥日に捉ふることを得。
九地會驚門,巳午時多風,雲上於天雨不逢。行兵險勝平洋否,官道來臨福曜從。主將變化如飛龍,客將多疑事不通。賊已投人捕捉空。九地會驚門,主天時巳午時有風,密雲不雨。行兵則居險地勝,平地交鋒不勝。有官人同道士來,是吉星相臨。主將如飛龍變化,目下飛騰進退皆利。客將多疑無決斷,不敢進兵,有奇至,得太陰相助戰,必勝。捕捉則賊已向西北方投降,人去不可捉。
賦文に言う。九地が驚門に會すれば、巳午時は風多く、雲は天に上ると雖も卻つて雨降らず。行軍は險地を占據して勝を能くす、平曠の地に在りては則ち未だ必ずしも。官家大道の上に福星の隨行して來るあり。主將は變化すること飛龍の天に在るが如し。客方主將は疑多く、事情通ぜず。賊人は已に別人に投靠せり、緝捕は落空せん。注解して言う。九地が驚門に會すれば、天氣を占へば巳時・午時に風あるを主り、密雲雨ならず。行軍は險要の地を占據して勝を能くす、平地に於て交鋒すれば則ち勝つ能わず。官員の道士と同じく前に來るあり、是れ吉星の門に臨むなり。主將は飛龍の如く變化騰躍しうる、眼下は進退を論ぜず皆利あり。客方主將は疑多くして決斷に缺乏し、兵を進むるを敢てせず。もし三奇の到臨あり、また太陰の相助を得ば、それ卽ち必勝ならん。緝捕の方面は、賊人は已に西北方に向かって投降しに去りぬ、人は走りて捉ふる能はず。
九地會開門,太陽正當空,有雨驟來意外逢。行兵守吉進則凶,三人交合百謀通。主將轉退進成功,客雖小災亦利攻。捕捉賊盜即報功。九地會開門,主天時太陽當空無雨,若有雨必驟。行兵則君子進有厄退有利,有三人交合百事皆成。主將有天功,退兵三舍,宜速進。客將亦利,有小災。捕捉則盜賊難逃,三日可得。
賦文に言う。九地が開門に會すれば、太陽空に當たる。もし雨あればまた驟然として至り、人の意表に出づ。行軍は守れば則ち吉・進めば則ち凶。三人心を齊くせば、百般の謀劃皆行き通ることを得。主將は退より進に轉じて成功せん。客方は小災あれども、仍ほ進攻に利あり。緝捕盜賊は快く卽ち功を報ぜん。注解して言う。九地が開門に會すれば、天氣を占へば太陽空に當たり雨なきを主る。もし雨降らば、必ず驟雨なり。行軍の時君子は進めば則ち厄あり・退けば則ち利あり。もし三人同心あらば、百事皆成功しうる。主將は上天の賜與する功業あり、先に三舍を退避し、然る後應に迅速に兵を進むべし。客方もまた利あり、ただ一點の小災を帯ぶるのみ。緝捕の方面は、盜賊は逃脫し難く、三天の内に卽ち拿獲しうる。
九天休門兮,雨散雲收兮,午未之日大晴兮。出兵越境而守兮,虎馬命*人詐降兮。主將褒封敕書至兮,客軍不利北面受縛兮。捕得缺唇報信可捉兮。九天會休門,主天時雲收雨散必晴,至午未日時方大晴。出兵則越境而守,有憂。有虎馬命人來是*人詐降。主將先宜出境,有褒封,敕書至。客將不利,必北面受縛,有奇至可免。捕捉則必得破唇人報信,捕之可捉。
賦文に言う。九天が休門に會すれば、雨散じ雲收まり、午日・未日に大晴せん。出兵は邊境を越えて駐守す。屬虎・屬馬の命の奸人の前に來りて詐降するあり。主將は褒獎封賞の敕書を收到せん。客軍は不利、必ず北に面して就縛せん。緝捕は一個の缺唇の人の報信を靠れて乃ち捉ふることを得。注解して言う。九天が休門に會すれば、天氣を占へば雲收まり雨散じて必定轉晴するを主り、午日・未日に至りて乃ち大晴ならん。出兵して境を越えて駐守すれば憂患あらん。屬虎・屬馬の命の人の前に來るあり、是れ奸細の假意投降なり。主將は宜しく先に境を出で、隨後に卽ち褒獎あり、敕書送到せん。客方主將は不利、必定北に面して俘せられ就縛せん。もし三奇の到臨あらば以て禍を免れん。緝捕の方面は、必定一個の豁唇の人の來りて信を報ずるを要し、これに據りて往きて捉へて乃ち拿獲しうる。
九天生門兮,遇雲連雨兮,嚴冬之日大雪兮。行兵險阻可擊兮,草頭姓人知兵兮。主將休徵副將坐營兮,客將輔車鄰人助勝兮。捕在西方謀事難捉兮。九天會生門,主天時得天任星至有連日雨,冬時即連日下雪,欲晴不晴。行兵則有險阻處可擊,平易處不可擊,擊之有災。有草頭姓人見來,知兵法,可用。主將不宜出兵,宜副將坐營中。客將有輔車之勢,得鄰人助陣勝。捕捉則在西方最高之所居住,欲謀大事,不可輕捉。
賦文に言う。九天が生門に會すれば、雲聚まり雨連ならん。寒冬に在れば則ち大雪紛飛せん。行軍は險阻の處に於て出擊しうる。草字頭姓氏の人は兵法を懂得す。主將は出征を停止するに宜しく、副將に營中を坐鎮せしめよ。客方は唇齒相依の勢あり、鄰近の人の助陣を得て勝を取る。緝捕は西方に在り、その人は正しく大事を謀劃す、易々と捉拿すべからず。注解して言う。九天が生門に會すれば、天氣を占へばもし天任星の到臨を得ば則ち連日雨を降らし、冬天に在れば則ち連日雪を降らし、將に晴れんとして晴れざらん。行軍は險阻の地方に於て攻擊しうる、平坦の地方に於ては攻擊すべからず、攻めば則ち災あり。草字頭姓氏の人の前に來りて見を求むるあり、此人は兵法を通曉し、任用しうる。主將は自ら兵を出すに宜しからず、副將に由りて營中を坐鎮せしむるに宜し。客方は車と輔の相依するが如き形勢あり、鄰近の人の助陣を得て勝を取ることを得ん。緝捕の方面は、その人は西方のもっとも高き地方に住み、正しく大事を圖謀す、輕易に往きて捉ふべからず。
九天傷門兮,天時大晴兮,旱乾之災三月兮。行兵峻嶺夏破兮,外親接見大利兮。主將乘雲遇榮兮,客軍管鮑莫擊其沖兮。捕捉在東知交藏匿兮。九天會傷門,主天時大晴,有三月旱災。行兵則有高山峻嶺,六月可破。有外人接引至親來見,大利。主將步步登雲,進退榮顯。客將有管鮑之交來,不可擊其衡。捕捉則在東方相識人家躲避。
賦文に言う。九天が傷門に會すれば、天氣大晴、三個月の旱災あらん。行軍は峻嶺に遇ひ、夏天に至りて乃ち攻破しうる。遠親を接見すれば大いに利あり。主將は平步青雲・榮顯に遇上せん。客方は管仲鮑叔の一般の至交あり、その正面を攻むべからず。緝捕の對象は東方の熟人の家裏に藏る。注解して言う。九天が傷門に會すれば、天氣を占へば大晴を主り、三個月の旱災あらん。行軍は高山峻嶺に遇ひ、六月に至りて乃ち攻破しうる。外人の線を牽きて至親を引いて前に來りて相見るあり、大いに利あり。主將は歩々高升し、進退皆榮耀顯達せん。客方は管鮑の交はりの朋友の前に來りて相助するあり、彼の正面を攻擊すべからず。緝捕の方面は、その人は東方の一戸の相識する人家の裏に躲避す。
九天杜門兮,此日乍晴兮,黃雲次朝午後雨兮。兵渡大江風起巽兮,兩人解糧來婦兮。主將遲疑戰將吉兮,客軍遂意亦受顯榮兮。捕在乾方術精遠揚兮。九天會杜門,主天時一日晴,如未時有黃雲蓋頂,次日午後有雨。行兵則利登舟渡大江,有東南風起,有兩人解糧革來,又一女人至。主將疑兵有行有戰將出兵吉,客將凡事遂意,有榮顯至兆。捕捉則是賊在西北方水邊住,通術數,不可捉。
賦文に言う。九天が杜門に會すれば、當天忽然として放晴せん。もし黃雲を見ば、第二天午後に雨あらん。兵の大江を渡る時東南巽風正しく起こらん。兩人の糧草を押送し・また婦人の前に來るあり。主將は遲疑すと雖も、戰將を派して兵を出さば則ち吉。客方は事事稱心し、また榮顯を得ることをも得ん。緝捕の對象は西北乾方に在り、術數精深・名聲遠揚なり。注解して言う。九天が杜門に會すれば、天氣を占へば晴一天を主る。もし未時に黃雲の頂を蓋ふを見ば、第二天午後に卽ち雨あらん。行軍は船に乘りて大江を渡るに利あり、此時東南風を起こさん。兩人の糧革を押運して前に來るあり、また一名の女子の到來あらん。主將は疑兵の慮あれども、ただ戰將を派出しさへすれば、出兵は卽ち吉利なり。客方主將は凡事稱心し、榮顯の到來の徵兆あり。緝捕の方面は、その賊は西北方の水邊に住み、術數を精通す、捉ふる能はず。
九天景門兮,雨後東風兮,三日之期雨止兮。行兵水阻利西兮,敵信蜀人來知兮。主將成功褒封至兮,客貪師出用法可制兮。捕捉水邊頃刻可擒兮。九天會景門,主天時有二三日雨,遇午日東風起,方有雨。行兵則東北方有水阻,不可進兵,利進南方。有一朋友從川中來,知敵消息。主將可安,主收功,不日有褒封至。客將損下益上,師利出師,宜用法之制。捕捉則酒醉在河邊人家,即刻可擒。
賦文に言う。九天が景門に會すれば、雨後に東風を刮り、三天の内に雨停まらん。行軍は水に阻隔せられ、西方を以て利とす。敵情は蜀地に來る人を頼みて乃ち知ることを得。主將は功成り、褒封到來せん。客方は功を貪りて師を出す、法度を以て彼を節制しうる。緝捕は水邊に在り、頃刻に擒へうる。注解して言う。九天が景門に會すれば、天氣を占へば兩三天雨を降らすを主り、午日に至りて東風一たび起これば、乃ちまた雨あらん。行軍の時東北方に水の阻隔あり、兵を進むべからず、南に向かって推進に利あり。一位の朋友の四川より來るあり、敵人の消息を知る。主將は安坐して以て功を收むべく、久しからずして卽ち褒獎封賞の送到あらん。客方主將は下を損じて上を益す、師を出すに利あり、されど應に法度を以て節制を加ふべし。緝捕の方面は、その人は酒に醉りて河邊の人家に躺る、立刻に擒獲しうる。
九天死門兮,陰晦生風兮。嚴冬無雨雪飄兮。行兵開山破敵兮,營中忌刻賢去兮。主將利水不宜步兮,客將乖違急攻可破兮,捕捉潛移再來可獲兮。九天會死門,主天時五更有大風起,即無雨,但陰晦無日。冬時有雪。行兵則執柯,開小破林可破敵人。營中如虎見兔不能容,賢人有去志。主將不利水戰,不宜步騎,有奇至亦可用。客將上下各一心,可破之。捕捉則其人已移居,必然捕捉,再來可獲。
賦文に言う。九天が死門に會すれば、天色陰晦にして風を起こさん。嚴冬は雨なくして卻つて雪を飄らさん。行軍は山を開き敵を破ることを得。營中は彼此忌刻し、賢者は將に離去せんとす。主將は水戰に利あり歩戰に宜しからず。客方は上下乖違し、急攻すれば破るべし。緝捕の對象は已に暗中に搬走せり、彼の再び來るを待ちて乃ち拿獲しうる。注解して言う。九天が死門に會すれば、天氣を占へば五更の時に大風を起こし、隨後に雨降らず、ただ陰沈にして日光なきを主る。冬天に在れば則ち雪を降らさん。行軍は手に斧柯を執りて砍伐するが如く、小道を開闢し・林障を破除して以て敵人を擊破しうる。營中の氣氛は虎の兎を見るが如く人を容るる能はず、賢能の士は已に去意あり。主將は水戰に利あらず、また歩騎を用ゐるに宜しからず、もし三奇の到臨あれば仍ほ取用しうる。客方は上下各々異心を懷き、攻破しうる。緝捕の方面は、その人は已に遷走せり、もし必ず捉へんと欲せば、彼の再び回り來るを待てば卽ち拿獲しうる。
九天驚門兮,寅巳日晴兮,午未雨丑子雷兮。行兵危險緩進兮,武夫持戈助吉兮。主將褒封五日至兮,客善謀斷賢人輔助兮。捕捉西兌據山難獲兮。九天會驚門,主天時寅巳日晴,午未日雨,丑子日雷。行兵則如履虎尾,如履薄冰,危險可畏,不可輕進。有武夫持戈相助為吉。主將五日後有褒封為吉,客將多謀斷,更有賢人輔助。捕捉則在西方峻山下紮營,不可輕進,殊難捉獲。
賦文に言う。九天が驚門に會すれば、寅日・巳日は晴、午日・未日は雨、丑日・子日は雷を打たん。行軍の處境は危險、應に緩緩として推進すべし。武士の戈を持して來り助くるは吉なり。主將は五日後に褒封を收到せん。客方は謀斷を善くし、また賢人の輔佐あり。緝捕の對象は西方兌位の山上に據守し、拿獲し難し。注解して言う。九天が驚門に會すれば、天氣を占へば寅日・巳日は晴、午日・未日は雨、丑日・子日に雷あるを主る。行軍の處境は虎の尾を踏み・薄冰の上を走るが如く、危險畏るべし、輕進すべからず。武夫の戈を持して前に來りて相助するは、是れ吉兆なり。主將は五天後に褒獎封賞あらん、是れ吉なり。客方主將は謀多くして斷を善くし、更に賢人の輔佐あらん。緝捕の方面は、その人は西方の高峻の山下に營を紮る、輕進すべからず、極めて捉めて捉獲し難し。
九天開門兮,午未大風兮,冬時久雪不晴兮。行兵水火利乾兮,夫婦同至交通兮。主將發火慎防災兮,客勇宜避亥子相進兮。捕捉動移他往難獲兮。九天會開門,主天時無雨多晴,午未日有大風起,冬時亥子日有雪,久不得晴。行兵則前有大火,後有大水,進兵利西北。有夫婦同來,上下交通吉。主將軍中火災起宜防之無害。客將步步得進宜退避不宜交鋒,亥子丑日進兵得利。捕捉則已往他方難獲。
賦文に言う。九天が開門に會すれば、午日・未日に大風を刮らん。冬天は雪久しく晴れず。行軍は前に火あり・後に水あり、西北乾方を以て利とす。夫妻二人の同じく來るあり、上下の溝通は順暢なり。主將は謹んで軍中の失火を防ぐを要す。客方は勇なりと雖も、その鋒を避くるに宜しく、亥・子の日に於て推進せよ。緝捕の對象は已に他處に遷往せり、拿獲し難し。注解して言う。九天が開門に會すれば、天氣を占へば雨なく晴多きを主り、午日・未日に大風あり、冬天は亥日・子日に雪を降らし、久久放晴を得ず。行軍の時前面に大火あり・後面に大水あり、兵を進むるに西北方を以て利とす。一對の夫妻の同じく來るあり、上下の溝通は融洽して、是れ吉なり。主將は軍中の火災を起こるを防ぐを要し、防ぎ住まば卽ち害なし。客方主將は歩々推進を得、我方は退避するに宜しく正面交鋒に宜しからず。亥日・子日・丑日に於て兵を進めて乃ち利あり。緝捕の方面は、その人は已に別處に往きぬ、拿獲し難し。
八將會門是值使門會八將也,收用天盤不用地盤。假如陽二局乙庚日戊寅時,甲戌值符加二宮,傷門值使加七宮,上臨騰蛇,是騰蛇會傷門。占天時主有雨,若大霧,無雨;行兵則宜結寨在平洋,如遇奇可進山谷,繫丁加癸凶格不可進也。主將防兵刀之傷,如有奇可救,繫凶格無救,客將大勝不可擊。捕捉則在竹木林中,宜緩捕之。餘仿此。
以上所謂「八將會門」とは、値使の門と八神と相會することを指し、取用するにただ天盤を看て、地盤を看ず。例を擧げて言う。陽遁二局、乙日或は庚日の戊寅時、旬首甲戌を値符と作して坤二宮に加へ、値使傷門は兌七宮に加へ、而して兌七宮の上に臨む神は螣蛇、これすなわち「螣蛇傷門に會す」なり。こゝに於て本條に照らして斷ず。天氣を占へば雨あるを主り、もし大霧を起こさば則ち雨降らず。行軍は平曠の地に於て寨を結ぶに宜しく、もし三奇に遇はば山谷に進入しうる――但し此の局は「丁癸に加はる」の凶格に係るを以て、ゆえに進む能わず。主將は兵刃の傷を防ぐを要し、もし三奇あらば以て化解しうる、此の局は既に凶格なれば便ち化解するに從なし。客方は大勝全勝を獲ん、往きて彼を攻むべからず。緝捕の方面は、人は竹木林の中に藏る、緩緩として之を圖るに宜し。其の余の各條は皆この辦法に照らして推す。
奇門遁甲統宗卷之十一
玄機賦(中)
門氣休兮機巧藏,生門豈可即相當。遇休門,將兵當隱伏埋藏,毋出輕戰。遇生門可以出戰,坐生擊死,一敵萬人,若坐死擊生必敗。
賦文に言う。門氣が休門に逢へば、機謀巧計は皆收藏せらるべきなり。生門は豈に直ちに迎戰すべきならんや。注解して言う。休門に遇へば、兵を帯ぶる人は應に隱蔽埋伏し、輕易に出戰するなかれ。生門に遇へば則ち出戰しうる、辦法は生門の位に坐して死門の位を攻擊するに在り、さらば一人以て萬人を抵擋しうる。反つてもし死門の位に坐して生門の位を攻擊せば、必定失敗せん。
傷乘金克不安和,杜發生機半是訛。遇傷門兵馬損傷,若加乾兌宮,或合天心、天柱,是金能克木,必然敗北。遇杜門,宜閉塞固守不可出營門,雖欲出兵,實係虛誕。
賦文に言う。傷門もし金に剋せられば安寧を得ず。杜門は生機を發動せんと想ふも多分に虚妄なり。注解して言う。傷門に遇へば、兵馬は損傷あらん。もし傷門が乾六・兌七の兩個の金宮に加臨し、或は天心・天柱の兩顆の金星と相會すれば、それ卽ち金の木を剋する(傷門は木に屬す)、必定敗北せん。杜門に遇へば、應に門戸を閉塞し營壘を堅守し、營を出づべからず、たとえ兵を出さんと欲するも、その念頭は虚妄不實なり。
景氣忽聞如霹靂,死中退步是謀生。遇景門兵威大震,鋒不可擋。遇死門兵馬瘟疫死亡,戰必敗沒,惟有退兵固守,始得免禍,敵兵挑戰切勿應之。
賦文に言う。景門の氣は驟然として發作し、霹靂一聲の如し。死門の中は一歩退くがかへつて生を求むるの道なり。注解して言う。景門に遇へば、軍威大いに振るひ、鋒芒は人の當つ能くするなし。死門に遇へば、兵馬は瘟疫死亡を遭ひ、作戰すれば必定潰敗覆沒せん、唯だ兵を退き固守して乃ち禍を免れん。敵兵の前に來りて挑戰するは、千萬に應戰するなかれ。
驚門氣促不為美,開氣施威任縱橫。遇驚門營中怪異虛驚,兵馬不久退敗。遇開門行兵無礙,四通八達,縱橫自如,莫敢阻擋,兵威大震。
賦文に言う。驚門の氣は局促、好事にあらず。開門の氣は威力を施展し・意のままに縱橫しうる。注解して言う。驚門に遇へば、營中に怪異の事・虚驚一場を現出し、兵馬は久しからずして將に退敗せん。開門に遇へば、行軍は毫も阻礙なく、四通八達、縱橫自如、阻當を敢てするものなし、軍威大いに振るふ。
細評諸氣之宗,亦可曲盡形容。仔細決之,調度運之,處處成功。以上細推八門所到之吉凶,各有不同,宜仔細詳審,然後可以調度兵馬。遇吉則動,遇凶則止。戰必勝,攻必取,無不成功。
賦文に言う。細細として各門の氣の根本を評斷すれば、卽ち種種の情形を描摹し盡すことを得。仔細に決斷し・妥善に調度すれば、處處皆成功しうる。注解して言う。以上是八門の到る處の吉凶を細推するなり、各々相同じからず、應に仔細に審察し、然る後に乃ち兵馬を調度するを好しとす。吉に遇へば卽ち行動し、凶に遇へば卽ち停止す、さくのみ戰へば必ず勝ち・攻めれば必ず取り、往くところ成らざるなし。
天乙飛宮莫急進,乘之生合可逃生。值符加庚為天乙飛宮,甲受庚克,不宜進兵,後應則吉。若乘生門及六儀相合,則可免災。如六甲加己,六庚加乙,六辛加丙,六壬加丁,六戊加癸是也。
賦文に言う。「天乙飛宮」に遇へば急いで推進するなかれ、もし相生相合の關係に乘じ得ば還た以て身を脫しうる。注解して言う。天盤値符が地盤六庚の上に加はれば、卽ち「天乙飛宮」と呼ぶ、此時甲は庚金の克制を受く、主動して兵を進むるに宜しからず、後れて發して敵に應ずればかへつて吉利なり。もし同時に生門に乘じ、或は天地兩干が恰も六合を成せば、以て災を免れうる――所謂六合とは、六甲が己に加はる(甲己合)・六庚が乙に加はる(乙庚合)・六辛が丙に加はる(丙辛合)・六壬が丁に加はる(丁壬合)・六戊が癸に加はる(戊癸合)の這幾種の情形を指す。
丙加庚位他不欣,我軍急急進前程。六丙加庚為熒入白,庚受丙克,賊兵必來,必主敗北。我軍當急進兵,應之必得勝,利主不利客。
賦文に言う。丙が庚位の上に加はれば、對方は高興する能はざらん、我軍は應に趕緊に向前推進すべし。注解して言う。天盤六丙が地盤六庚の上に加はれば、「熒入白」と呼ぶ、此時庚金は丙火に剋せられ、敵兵は必ず來ると雖も、卻つて必定敗仗を喫せん。我軍は應に迅速に兵を進めて迎擊し、必ず勝利を獲ん。この格局は主方に利あり、客方に利あらず。
白臨熒位君須避,六乙加辛豈長銳。六辛加乙鋒難當,此刻三軍真可畏。六庚加丙為白入熒,此時賊兵必來。營中當整頓兵馬防備以應之,不宜先出兵。六乙加辛為青龍逃走,客兵不利,亦不宜先出兵以攻討,必主大敗。六辛加乙為白虎猖狂,客兵利,宜先出兵,百戰百勝,聞風披靡,不利為主,兵甲無存。
賦文に言う。白(庚)が熒(丙)の位に臨めば汝は必ず回避を須ゐ。六乙が辛に加はれば何處にか還た銳氣の長久あらん。六辛が乙に加はれば則ち鋒芒當り難し、此時三軍の氣勢は眞に人をして畏懼せしむ。注解して言う。天盤六庚が地盤六丙の上に加はれば、「白入熒」と呼ぶ、此時敵兵は必定來犯せん、營中は應に兵馬を整頓し嚴に防備を加えて以て待つべく、先んじて兵を出すに宜しからず。天盤六乙が地盤六辛の上に加はれば、「青龍逃走」と呼ぶ、客方に對して利あらず、同じく先んじて兵を出して討伐するに宜しからず、さもなくば必ず大敗を致さん。天盤六辛が地盤六乙の上に加はれば、「白虎猖狂」と呼ぶ、客方に對して利あり、先んじて兵を出すに宜しく、百戰百勝、敵人は風を聞きて潰散せん。されど主方に對しては利あらず、兵甲存することなからん。
庚癸相加難對敵,加己為刑常遭失。六庚加癸為大格,癸為天網,行兵阻格,難與對敵。六庚加己為刑格,為地戶,行兵傷殘,必遭敗北。
賦文に言う。庚と癸と相加する時は敵に對し難し。庚が己に加はれば刑格を成し、常常に損失あるならん。注解して言う。天盤六庚が地盤六癸の上に加はれば、「大格」と呼ぶ、癸は「天網」、行軍は阻格を受け、敵と交鋒するに難し。天盤六庚が地盤六己の上に加はれば、「刑格」と呼ぶ、己は「地戶」、行軍は傷殘あらん、必定敗北せん。
我軍值符是六庚,我軍須避是丙丁。切莫移軍加景門,庚符所畏火來爭。再臨六丙是飛勃,切莫錯認龍回首。如占此時有此格,退則須兮進則逆。我軍以六庚為值符,則兵馬出入征討,不可犯著丙丁二奇。並不可移軍到景門上,值符所畏者火也。若庚符臨於丙上,名為飛勃,亦為格勃,切勿認為青龍回首。若行兵遇此時,當速退兵回營,謹守營門,可以免禍。若欲進兵大戰,必致殺傷流血。
賦文に言う。我軍の値符もし是れ六庚ならば、就中丙・丁を避くるを須ゐ。切に軍隊を景門の上に移すなかれ、庚符はもっとも火の來りて相争ふを怕るるが故なり。庚が再び六丙の上に臨めば卽ち「飛悖」、切に「青龍回首」と錯認するなかれ。かかる格局を占へば、退くのみ合宜、進めば卽ち悖逆なり。注解して言う。我軍が六庚を以て値符と作す時、兵馬の出入征討は皆丙・丁兩奇を冒犯すべからず、また隊伍を景門(火に屬す)の上に移すも可ならず――値符の怕るる所は正しく是れ火なり。もし庚符が丙の上に臨めば、「飛悖」と呼ぶ、また「格悖」とも呼ぶ、切にそれを青龍回首と誤認するなかれ。行軍かかる時に遇へば、應に迅速に兵を退き營に回り、謹んで營門を守れば、卽ち以て禍を免れん。もし硬く兵を進め大戰せんと欲せば、必ず殺傷流血を致さん。
陽用下強非真強,陰用上弱非真弱。陰陽強弱仔細分,主客動靜須斟酌。進退吉凶要分明,疆場成敗要揣度。吉則行兮凶則逃,但取三勝可逍遙。甲乙丙丁戊為陽時,己庚辛壬癸為陰時。陽時則神居天上,故當用天盤奇儀星門強盛得地旺相相生,若地盤強,天盤弱,而陽時用之,為無益。陰時則神居地下,故當用地盤奇儀星門強盛得地旺相相生。若天盤強地盤弱,而陰時用之,亦無益。
賦文に言う。陽時もし下盤のみ強ければ、それは眞強にあらず。陰時もし上盤のみ弱ければ、それもまた眞弱にあらず。陰陽強弱は仔細に分辨を要し、主客動靜は必ず斟酌を須ゐ、進退吉凶は弄明白にするを要し、戰場勝負は豫め揣度するを要す。吉なれば卽ち行動し、凶なれば卽ち避走し、ただ「三勝」の地を占住すれば卽ち從容自如たることを得。注解して言う。甲・乙・丙・丁・戊は陽時、己・庚・辛・壬・癸は陰時。陽時は神氣天盤に居るを以て、ゆえに天盤の奇儀星門の強盛なるや否や・得地旺相にしてまた相生するや否やを看るを要す。もし地盤強くして天盤弱ければ、陽時に取用するに益處なし。陰時は神氣地盤に居るを以て、ゆえに地盤の奇儀星門の強盛なるや否や・得地旺相相生するや否やを看るを要す。もし天盤強くして地盤弱ければ、陰時に取用するに同じく益處なし。
陽時利為客,宜先動,用上強;陰時利為主,宜後應,用下強。為客,利先動,則先進者勝;為主,利後應,則後動者勝。疆場戰鬥成敗在於頃刻,必預先審度,使之成局在胸,然後可以出戰,非冒昧而行。既戰,求勝,可以僥倖成功者也。吉則行,凶則避。若值符不利,不宜妄動。設或賊兵壓境,不能待時,則當取三勝之地以出戰。三勝者,一值符,二九天,三生門。坐此三勝之地而擊其沖,無有不勝。
陽時は客方を為すに利あり、先んじて發動するに宜しく、天盤の強を取る。陰時は主方を為すに利あり、後れて發して敵に應ずるに宜しく、地盤の強を取る。客方を為すは既に先に動くに利あれば、則ち先に進攻する一方の取勝せん。主方を為すは既に後に應ずるに利あれば、則ち後に動く一方の取勝せん。戰場上の成敗は頃刻の間に決す、必ず豫め形勢を審度し、整個の局面を胸中に裝して、然る後に乃ち以て出戰すべく、冒失に行事する能わず。打ち起こして乃ち勝を求め僥倖成功を指望せんと想ふは、靠るべからざるなり。吉なれば卽ち行動し、凶なれば卽ち回避す。もし値符利あらざれば、妄動に宜しからず。假如敵兵境に壓し來り吉時を等候に及ばざれば、則ち「三勝」の地を取りて出戰せよ――三勝は卽ち値符・九天・生門の這三處。三勝の地に坐してその對衝の宮を攻擊すれば、勝たざるなし。
若遇三奇多入墓,求之美格亦為禍。譬如鬼遁用伏藏,此為用格正相當。凡局中得三奇者,固吉無不利,然乙木到坤、丙丁火到乾,皆為入墓,雖值美亦不為吉,用之有凶禍。譬如丁奇與開門休合,上臨九地,為鬼遁,利於伏藏、偷劫,此謂用格之法。若在艮宮,為丁奇入墓,用之必主敗亡。須在他宮則吉。
賦文に言う。もし三奇が多分に墓庫に落入すれば、然らば再び好い美格を求め來るも亦是れ禍なり。譬えば「鬼遁」は伏藏に宜しく、こゝを乃ち格を用ゐて其の宜しきを得たりと呼ぶ。注解して言う。局中に三奇を得るは、本是吉にして利あらざるなし。但し乙木が坤二宮に落ち・丙丁火が乾六宮に落つれば、皆入墓と算へ、たとえ美格に碰上すとも吉と為さず、用ゐれば凶禍あらん。譬えば丁奇と開門・休門と相會し、上にまた九地に臨めば、これ卽ち「鬼遁」、隱伏埋藏・偷襲劫掠に宜しく、こゝを乃ち格局に合する用法なり。但しもしそれが艮八宮に落ちば、それ卽ち丁奇入墓、用ゐれば必定敗亡せん。須く別の宮に落ちて乃ち吉たるべし。
自刑伏宮禍自起,請入凶地而擊之。自刑者,甲午到離,甲辰到巽及伏吟是也。自刑之地,則禍從中起,變從中生。當急速整頓兵士,砍破營寨,以劫掠之。亦須擇其門克宮,克主之凶地,沖破而砍擊之,必大勝。
賦文に言う。自刑と伏宮に遇上すれば、禍患は內部より生起し、此時妨げず凶地に闖進して之を攻擊すべし。注解して言う。所謂「自刑」は、甲午(辛)が離九宮に落ち・甲辰(壬)が巽四宮に落ち、および伏吟の這幾種の情形を指す。自刑の地に落ちば、禍患は卽ち內部より生起し變故は內部より萌發す。此時應に迅速に士卒を整頓し、營寨を砍破し勢に乘じて劫掠すべし。同時に還た敵方のかの門が宮を剋し主位に剋到する凶地を選び、之を衝破し砍殺し過ぎて、必ず大勝を獲ん。
反吟格須求之進,吉凶反掌非為幸。反吟事多反覆,不利出兵,主中途顛蹶。若得甲加丙、丙加甲、門克宮、吉格,則當立刻進兵。轉凶為吉,在於此時,如反掌之易。
賦文に言う。反吟格に遇上するも亦た進取を設法すべし、吉凶の變化は掌を反すが如く易く、併びに僥倖を靠るにあらず。注解して言う。反吟は事情の反復無常を主り、出兵に利あらず、多分に中途に於て受挫跌倒せん。但しもし同時に甲の丙に加はる(青龍回首)・丙の甲に加はる(飛鳥跌穴)・門が宮を剋するの類の吉格を得ば、則ち應に立刻に兵を進むべし。凶を轉じて吉と為すは卽ちこの一刻、容易なること手掌を一たび翻すが如し。
反吟之時利亂之,擊刑之時利誘之。反吟之時,主反覆顛倒,可以擾亂賊營,乘亂砍殺以取勝。擊刑之時,或設伏要路,或藏兵暗地,於是示利以誘之,佯北以引之,使敵入我伏中,起而攻擊,無有不勝。
賦文に言う。反吟の時に逢へば對方を擾亂するに宜しく、擊刑の時に逢へば對方を誘騙するに宜し。注解して言う。反吟の時は局面反復顛倒、正しく以て敵營を攪亂し、亂に趁て衝殺して勝を取るべし。擊刑の時は、或は要道上に埋伏を設下し、或は兵を暗處に藏め、然る後好處を拿して敵人を引誘し・假裝敗退して彼を引き來らしめ、彼が我が埋伏圈に鑽り入るを待ちて、再び兵を起こして攻擊すれば、勝たざるなし。
伏吟雖靜亦為動,開門九天值符宮。劫寨安民行軍得,奇門全在相合同。伏吟格,天地兩盤奇儀星門皆同和,雖主安靜、伏藏,不利動作,然亦有利。動之時要擇九天伏吟之宮、值符伏吟之宮、開門伏吟之宮,此三伏吟皆大利。一利偷營劫寨,一利恤眾安民,一利行軍渡險,三者最利用伏吟天地兩盤相合同。遇吉重吉,遇凶重凶,為主為客兩者皆利。
賦文に言う。伏吟は静を主ると雖も、其中にもまた動あるべし、關鍵は開門・九天・値符の這三宮に在り。劫寨・安民・行軍は皆其の中より取ることを得、奇門の妙處は全く天地兩盤の相合に在り。注解して言う。伏吟格は天地兩盤の奇儀星門の完全相同重合するなり、安靜伏藏を主り擧動に利あらざれども、卻つてもまた用ひうるの處あり。動かんとする時は、卽ち九天伏吟の宮・値符伏吟の宮・開門伏吟の宮を選ぶ――這三處の伏吟は皆大いに利あり。一は偷營劫寨に利あり、一は部衆を撫恤し百姓を安定するに利あり、一は行軍渡險に利あり。三者はもっとも伏吟天地兩盤相合の長處を發揮しうる。伏吟の特點は吉に遇へば則ち吉上に吉を加へ、凶に遇へば則ち凶上に凶を加ふるに在り、主方客方に對して皆同樣に適用す。
美格占之忌重克,天地兩盤與時日。甲日逢庚丙遇壬,地克天兮時剋日。美格者,如龍回首、鳥跌穴、三詐五假、九遁之類,最忌相剋。行兵尤忌下克上,或星相剋,或儀相剋,或門相剋。一克其凶猶緩,兩克其凶為重。又逢時干剋日干,如甲時逢庚時、乙日逢辛時、丙日逢壬時、丁日逢癸時,皆是時干剋日干,主下犯上,主勝客。行兵者,不可不知之。
賦文に言う。美格を占むるにもっとも重重相克を忌む――天地兩盤の間は看るを要し、時干與日干の間も亦た看るを要す。甲日に庚に遇ひ・丙日に壬に遇ふは、皆是れ地盤の天盤を剋し・時干の日干を剋するなり。注解して言う。所謂美格は、卽ち青龍回首・飛鳥跌穴・三詐五假・九遁の這一類、それらはもっとも相克を忌む。行軍は殊に地盤の天盤を剋する(下が上を剋する)を忌諱とす。或は星と星と相克し、或は儀と儀と相克し、或は門と門と相克す。ただ一重の剋のみならば、凶は還た緩やか。兩重の剋あれば、凶は就中重し。再加へて時干の日干を剋すれば、譬えば甲日に庚時に遇ひ・乙日に辛時に遇ひ・丙日に壬時に遇ひ・丁日に癸時に遇ふは、皆時干の日干を剋するに屬し、下の上を犯すを主り、戰を占へば則ち主方勝ち客方勝たれん。兵を帯ぶる人はこの一點を知らざるべからず。
三奇要用須符使,乙奇逢己奇旺處。更得休門生氣助,莫使驚開來相遇。三奇最吉,若要用之,須合值符值使兩宮,然後得力。如乙奇逢甲戌己為木克土,又要乙奇到震宮旺地始得力,又要合休門水來相生,助之尤妙。若合驚開二門,乙受金克,雖在旺地,為力減半。地下六己雖受乙克,而驚開之金為己之子,子能報仇。乙木自救且不暇,安能害人?故主軍亦不為災。
賦文に言う。三奇を用ゐるには必ず値符値使を配合するを須ゐ。乙奇は己(旬首甲戌)の上に落ちかつ旺地に處るを要す。再び休門の生氣の相助を得れば最好なり。驚門・開門をして來りてそれに碰へしむるなかれ。注解して言う。三奇はもっとも吉、但し之を用ゐれば、必ず値符・値使の兩宮と相合せば、始めて眞に力を得。比如乙奇が甲戌己の上に加臨すれば、是れ木の土を剋する(乙奇得使)、還た乙奇が震三宮の如き旺地に落ちて乃ち力量あり、再び休門の水に屬するを配して以て相生せば、則ち更に妙なり。もし驚門・開門の這兩個の金門を配せば、乙木は金に剋せられ、たとえ旺地に在るとも、力量は一半を減ずるを要せん。地盤の六己は乙木に剋せらるると雖も、但し驚・開の二門の金は己土の生ずる所の子、兒子は能く母親のために仇を報ず――此時乙木は自ら救ふ尚ほ及ばず、何ぞ還た人を害せんや。ゆえに主方軍隊に對して來説するに、亦た災禍を構成せず。
丙奇最喜子逢臨,雖得傷門也是欣。若得景門為此助,休門雖吉亦相侵。丙奇屬火,臨於甲子戊上,甲木生丙火,丙火生戊土,此宮最吉。雖合傷門亦傷害,是木來生火,火能助丙,亦主勝捷。若得合景門,火以助火,行軍大勝。倘使休門來合,雖是吉門,而水能克火,反主凶禍,避之為吉。
賦文に言う。丙奇はもっとも甲子(戊)の上に加臨するを喜ぶ。たとえ傷門を配するとも亦是れ可喜なり。もし景門を配せば更に是れ助力なり。休門は吉門に屬すと雖も、丙奇に對してはかへつて是れ侵剋なり。注解して言う。丙奇は火に屬し、甲子戊の上に加臨すれば、甲木は丙火を生じ丙火は戊土を生ず、この一宮はもっとも吉利なり。便い傷門を配するとも、傷門は傷害を主ると雖も、但しそれは木に屬し木は來りて火を生ず、火は木の助を得、亦た取勝奏捷を主る。もし景門を配せば、是れ火の火を助くる、行軍は必ず大勝を獲ん。倘若休門を配せば、休門は吉門なりと雖も、可なりそれは水に屬し水は能く火を剋す、かへつて凶禍を主る、還た是れ避くるを好しとす。
下在壬兮相合同,但逢傷杜不為榮。遁逃之時若得此,生門吉助足成功。六丁加六壬為丁壬相合,若會傷門、杜門,雖曰相生,一防閉塞,一防傷害,皆不可用。若逃亡絕跡者,逢之最利,但要生門相會以助之,定得吉。逃者不得,追者不見。
賦文に言う。丁が壬の上に落つるは是れ天干相合。但しもし傷門・杜門に碰上せば卽ち光彩と算えず。逃遁の時もしこの格局を得ば、再び生門の相助あれば卽ち以て成功するに足る。注解して言う。天盤六丁が地盤六壬の上に加はれば、是れ丁壬相合。もし傷門或は杜門に會せば、雖説木は能く火を生ず相生と算ふるも、可なり一は閉塞不通を防ぐを要し・一は傷害を防ぐを要し、皆用ゐる能わず。但し逃亡藏匿・蹤跡を斷絕せんとする人に對しては、かかる格局に遇ふがもっとも有利。ただ須く生門の相會して相助するあらば、乃ち一定に吉を得せん。彼の時逃ぐる人は把へ難く、追ふ人も見えざらん。
用奇用合舉兵時,下寨安營但取之。乙在庚兮丁在壬,丙臨丁上是同心。奇儀相合兩家乘,遇敵應之可罷兵。交合即為和合格,相宜主客議和成。用奇門,得奇儀相合,則安營下寨最為吉利,定無凶。天乙在庚上,為乙庚相合;丁庇壬上,為丁壬相合;丙庇辛上,為丙辛相合;戊在癸上,為戊癸相合;甲在己上,為甲己相合。兩儀相合,天地和同。主客對壘當議和,罷兵不戰而息兵休戈矣。
賦文に言う。三奇を用ゐ・天干相合の時辰を用ゐて兵を起こし、寨を紮り營を安んずれば卽ちかかる時候を取れ。乙が庚の上に落ち・丁が壬の上に落ち、丙が辛の上に臨むは皆同心相合の象なり。奇と儀と兩兩相合し、雙方は共に其の利に乘じ、敵人に遇上しても亦た應對して兵を收むべし。かかる交合を卽ち「和合格」と呼ぶ、もっとも主客雙方の講和に適合す。注解して言う。奇門を用ゐる時もし奇儀相合を得ば、安營紮寨はもっとも吉利、一定に凶險なし。天盤乙が地盤庚の上に落つるは、是れ乙庚相合。丁が壬の上に落つるは、是れ丁壬相合。丙が辛の上に落つるは、是れ丙辛相合。戊が癸の上に落つるは、是れ戊癸相合。甲が己の上に落つるは、是れ甲己相合。天地兩儀相合し、上下和同なり。此時主客對壘は應に議和し、開戰せずして兵を罷め戈を休めうる。
安營須用未時占,庚與玄武仔細看。若在山兮樵夫遇,水邊漁人更相參。若從大道行商賈,探聽軍情也是*。須得拘留無走漏,園林村壑索其潛。安營立寨,須用未時推占。日有六庚與玄武,二者所臨之宮,主有賊兵來偷營劫寨,所遇皆是*細。若在山上,樵夫便是*細;若在水中,漁父亦是*細。至於商賈、僧道、術士、乞丐等,皆係探聽我軍之*細,一切概當拘留,毋得走漏。密遣兵將於村落林木之中搜索伏匿,必有潛躲之賊。
賦文に言う。安營は應に未時を用ゐて推占し、仔細に六庚と玄武の在所を察看するを要す。もし山中に在れば、遇ふ所の樵夫は可疑なり。水邊に在れば、遇ふ所の漁人も亦た一幷に留意すべし。もし大路上に行走する商販あらば、同じく是れ軍情を探聽し來る奸細なり。必ず彼らを拘留し住め、消息を走漏せしむるなかれ。還た園林・村落・山谷の中に到りて潛藏の人を搜索するを要す。注解して言う。安營紮寨は須く未時を用ゐて局を起こし推占すべし。當日六庚と玄武の臨む所のその兩宮は、敵兵の前に來りて營を偷み寨を劫するあるを主る、そこに於て遇ふ所の人は皆是れ奸細なり。山上に在れば、樵夫は卽ち奸細。水中に在れば、漁翁も亦是れ奸細。商人・僧道・術士・乞丐等に至るまで、統統是れ我軍を刺探し來る奸細、一概に應に拘留し、風聲を走漏するを許さず。同時に秘密に兵將を派して村落林木の中に搜查せしめば、必定潛藏の賊人を搜出しうる。
玄武重重內帶格,乙在辛上豈利客。備嚴來劫賊自驚,生旺收此客情伏。陽將陰神兩重玄武,俱在時干之上,又六乙加辛為龍逃走,是辛金克乙木,不利客兵。此時宜整兵嚴備,必有賊來偷劫,自敗而還。若六乙得旺氣,即當向此一路搜捉前去。
賦文に言う。玄武が重重に出現して局中また凶格を帶び、乙が辛の上に落つれば、何處にか還た客方に利あらん。嚴に戒備を加えて彼の來り劫するを待てば、賊人自ら慌てん。もし乙が生旺の氣を得ば、卽ち應に勢に順て客方の情形を收拾伏定すべし。注解して言う。陽將と陰神の兩重玄武が皆時干の上に壓し、また六乙の辛に加はり「青龍逃走」を成すに逢へば、是れ辛金の乙木を剋する、客方に對して利あらず。此時應に兵馬を整頓し・嚴に防備を加ふべし――必定賊の來りて偷襲劫寨するあり、彼自ら敗退して回らん。もし六乙が旺氣を得ば、卽ち應にこの一路に順て搜索追捕し過ぐべし。
辛加乙上利來客,此際占之亦是迫。若無開驚動神位,雖得凶兮無可畏。六辛加乙為虎猖狂,是辛金克乙木,上克下,客兵大勝,主軍破敗。若六辛不會合開驚二門,則陰金無力,雖得猖狂,不甚為害。若會休門,則乙奇得助,辛金洩氣。主客若交鋒,勝敗兩平分。
賦文に言う。辛が乙の上に加はれば來犯の客方に利あり、此時占し來るも亦た算へば一種の「迫」なり。もし開門・驚門の來りて神位を觸動するなくば、凶格なりと雖も卻つて畏懼に足らず。注解して言う。天盤六辛が地盤六乙の上に加はれば、「白虎猖狂」と呼ぶ、是れ辛金の乙木を剋し・上が下を剋する、客方大勝し主方潰敗せん。但しもし六辛が開門・驚門の這兩個の金門と會合せざれば、陰金は力なく、名は猖狂と曰ふと雖も、其實為害大ならず。もし休門(水に屬す)に會せば、乙奇はかへつて生助を得、辛金は氣を泄ぐるに因りて力を減ず、此時主客交鋒すれば、勝負各半なり。
年月日格及兼悖,庚丙之氣為相逆。倘或日格月悖之,紀綱法令終須失。甲申六庚丙戌時,此為遇悖遭時格。年月日時干逢庚為格,庚復加丙為格勃,諸事皆勃亂阻格,顛倒難成。年干為父,月干為兄弟,日干為己身,時干為子孫,或以生我之干為父母,我生之干為子孫,比和之干為兄弟,天上時干為己身。各看其所格者,分類以推占之。若天上干逢格,地下干逢勃,為格勃,主綱常倒置,法度廢壞。如甲申庚值符逢丙戌時,為時格符勃。此遇格勃,先逢阻格,而後遭勃亂,諸事無成。
賦文に言う。年格・月格・日格に再加へて悖あれば、庚と丙の氣は相互に逆衝す。倘若日上に格に逢ひ月上に悖に逢はば、綱紀法令は終に敗壞せん。甲申旬の六庚が丙戌時に碰上せば、これ卽ち又悖に遇ひまた時格に遭ふなり。注解して言う。年干・月干・日干・時干の上に庚に遇へば卽ち「格」、庚が再び丙の上に加はれば卽ち「格悖」、諸事皆悖亂阻塞・顛倒難成ならん。人事を斷ずる時、年干は父輩を代表し、月干は兄弟を代表し、日干は自身を代表し、時干は子孫を代表す。また我を生ずる干を父母・我が生ずる干を子孫・我と同類の干を兄弟・天盤時干を自身と按じて以て分かつことも得。是れ哪の一位の格に遇ふかを看て、卽ち類別に按りて推斷す。もし天盤の干が格に逢ひ・地盤の干が悖に逢へば、合して卽ち「格悖」、綱常倒置・法度廢弛を主る。譬如甲申旬が庚を以て値符と為して丙戌時に碰上せば、卽ち時格に符悖を加ふるなり――先に阻格を遭ひ、後に悖亂に遇ふ、諸事成ることなし。
天遁生門六丙丁,乘之施令及登程。丙丁氣旺生門助,此為用格實精明。天上六丙合生門,下臨六丁宮為天遁,其方可以發號施令。出兵行營,要丙丁乘旺氣又得生門助之,可以興王定伯,威振天下,從用美格之法也。
賦文に言う。天遁は生門が六丙を帶びて丁の上に落つるなり、之に乘じて號令を發し啓程出行せよ。丙丁の氣旺にしてまた生門の相助あれば、こゝを乃ち格を用ゐて精明なるを得たりと為す。注解して言う。天盤六丙が生門と相合し、下に六丁の宮に臨めば、卽ち「天遁」。この方位は以て號令を發しうる。出兵行軍紮營の時は、丙・丁が旺氣に乘り、再び生門の相助を得れば、卽ち王霸の業を成就し・威を天下に震はん。是れ美格を取用するの正法なり。
地遁開門六乙己,乙奇得使不為否。設伏安營及埋藏,萬用萬靈不可比。天上六乙合開門,下臨六己宮為地遁,又為乙奇得使。其方可以設伏安營埋藏兵馬,萬舉萬全。
賦文に言う。地遁は開門が六乙を帶びて己の上に落つるなり、此時乙奇はまた恰好「得使」、落空することなし。以て伏を設け・營を安んじ・埋藏するに、萬用萬靈、比擬すること可ならず。注解して言う。天盤六乙が開門と相合し、下に六己の宮に臨めば、卽ち「地遁」、同時にまた「乙奇得使」を構成す。この方位は以て伏兵を設置し・營寨を安紮し・兵馬を埋藏するに用ゐうる、萬擧萬全なり。
人遁休門共太陰,原來此處可逃形。陰神更兼六合氣,用事逢之真為利。天上六丁合休門,上臨太陰為人遁,其方可以藏形隱跡。若陰神更逢六合臨之,可以擇勇將選賢士,說敵人和仇讎。舉兵列陣、招兵買馬、設伏埋藏大利。
賦文に言う。人遁は休門と太陰と同處、こ個の方位は原本卽ち以て形跡を隱匿しうる。もし陰神の上に再び六合の氣を帶ばば、事を用ゐて之に遇ふは眞に是れ大利なり。注解して言う。天盤六丁が休門と相合し、上に太陰に臨めば、卽ち「人遁」、この方位は以て形を藏し跡を隱すに用ゐうる。もし陰神の位に再び六合の之に臨むに逢へば、卽ち以て此に於て勇將を挑選し・賢士を延攬し、また人を派して敵人を游說し・仇怨を化解せしめうる。兵を擧げ陣を列ね・兵を招き馬を買ひ・伏を設け埋藏するに、皆大いに利あり。
青龍回首真美時,值符在丙相輔之。值符貴神為大將,丙氣銷金性勿遲。甲丙丙甲一同看,總是六庚相畏之。值符六甲加六丙,為青龍回首,木來生火,主兵大利,客亦不凶,出師掠地大振威名。值符為貴神,行兵專主大將。丙火為甲木之子,火能消金,性剛烈,遇庚金即克之,不留餘地。六丙加六甲為飛鳥跌穴,下生上,客兵大利,主亦無災,出兵戰鬥大利。若會合生門相助,則坐生擊死,一戰百勝。如丙臨六庚,則客軍大利,所向披靡。惟六庚值符則俱不可用。
賦文に言う。青龍回首は眞に是れ好時候、値符が丙の上に落ちて輔助を得。値符は是れ貴神、主將を代表す。丙火は能く金氣を銷熔し、性烈にして遲疑せず。甲の丙に加はると丙の甲に加はると要して合せて看るべし、總じて皆是れ六庚の畏懼する所なり。注解して言う。値符六甲が六丙の上に加はれば、卽ち「青龍回首」、木は來りて火を生ず、主方に對して大いに利あり、客方に對しても亦た凶ならず、師を出し地を掠めて大いに威名を振ふことを得。値符は是れ貴神、行軍の中は專ら主將を指す。丙火は甲木の生ずる所の子、火は能く金屬を消熔し、性情剛烈、一たび庚金に遇へば卽ち之を剋し、餘地を留めず。六丙が六甲の上に加はれば、卽ち「飛鳥跌穴」、下は上を生じ、客方に對して大いに利あり、主方に對しても亦た災なし、出兵作戰すれば大利。もし再び生門の相助に會合せば、卽ち以て生に坐し死を擊ち、一戰百勝せん。もし丙が六庚の上に臨めば、客方は大利、向く所披靡せん。唯だ六庚本身が値符を充當する時、これらの格局は一概に用ゐる能わず。
吉門合丙臨壬地,雀入江兮實非利。時干六丙加於六壬之上,俱為朱雀投江,雖有三吉門與丙奇會合,亦不能救。主兵得力,客軍敗亡,更有文書牽纏,水火之災。
賦文に言う。たとえ吉門と丙奇と會合すとも、ただ丙が壬地に落ちさへすれば、卽ち「朱雀投江」と成り、實に好處なし。注解して言う。時干六丙が六壬の上に加はれば、皆「朱雀投江」と算ふ。此時たとえ休・生・開の三吉門と丙奇と會合すとも、救ひ回る能わず。此格は主方兵力得力し、客方敗亡せん。此の外また文書の糾纏不清と、水火方面の災害あらん。
六儀擊刑真是凶,值符天乙遇亦窮。六儀非值終無吉,吉凶輕重義相同。此際切宜遁取吉,勿於此地想成功。子三戌二寅刑四,申八辰四午離中。戌刑在未寅在巽,巽有巳兮申緩從。六儀擊刑,此時極凶,不可舉動。行兵敗亡,諸將損傷,終受刑戮,只宜固守逃亡絕跡。雖使六儀為值使,遇之亦不可用。若其方位有刑,犯之不吉。即當避之,另擇他方之吉利處行事為妙。甲子到三宮,甲戌到二宮,甲寅到四宮,甲申到八宮,甲辰到四宮,甲午到九宮,皆為擊刑。
賦文に言う。六儀擊刑は眞に凶險、値符天乙すらも之に遇上すれば計施すべきなし。六儀はたとえ當値せざるとも終竟吉と言ふべきなし、吉凶輕重の道理は是れ一樣なり。此時務めて別に他方に遁れて吉を取るを須ゐ、こゝに於て成功せんことを指望するなかれ。其の位置の口訣は、甲子は三宮に到り、甲戌は二宮に到り、甲寅は四宮に到り、甲申は八宮に到り、甲辰は四宮に到り、甲午は離九宮に到る。戌の刑は未に在り、寅の刑は巳に在り(巳位は巽に屬す)、申の刑位は則ち緩く看るを要す。注解して言う。六儀擊刑の時は極めて凶、何らの擧動あるべからず。行軍は敗亡を招致し、衆將は傷を受け、最終に刑戮を免れ難し、ただ固守或は逃亡して蹤跡を絕つに宜し。便い六儀本身が値使を充當すとも、擊刑に遇上せば亦た用ゐる能わず。もし往かんとする方位が正しく此の刑を犯せば、之を冒犯すれば卽ち不吉、應に立即に回避し、別に別處の吉利の方位を選びて事を行ふを妙とす。具體に言へば、甲子は震三宮に落ち・甲戌は坤二宮に落ち・甲寅は巽四宮に落ち・甲申は艮八宮に落ち・甲辰は巽四宮に落ち・甲午は離九宮に落つるは、皆擊刑に屬す。
入墓丁艮乙丙乾,所謀吉事一無成。三奇入墓,閉塞不通,闇昧不振,諸事皆凶。乙陰木長生在午墓於戌,丙火長生在寅墓於戌,故乙丙到乾為墓。丁陰火長生在酉墓於丑,故丁到艮為墓。是謂三奇入墓,所謀諸事百無一成。
賦文に言う。丁奇入墓は艮に在り、乙奇・丙奇入墓は乾に在り、此に逢へば謀る所の吉事は一件も成る能わず。注解して言う。三奇入墓は、氣機閉塞不通・晦暗不振、諸事皆凶なり。乙は陰木に屬し、長生は午に在りて墓は戌に在り。丙は火に屬し、長生は寅に在りて墓もまた戌に在り――ゆえに乙・丙が乾六宮(戌亥の位)に落つれば卽ち入墓なり。丁は陰火に屬し、長生は酉に在りて墓は丑に在り――ゆえに丁が艮八宮(丑寅の位)に落つれば卽ち入墓なり。これを卽ち三奇入墓と呼ぶ、謀る所の事は百に一成もなし。
刑格之占義實真,庚臨己位是凶神。庚癸之格非為鬼,甲寅之將遁從之。本義甲寅在虎上,庚加六癸大格時。庚加壬兮為上格,庚加甲辰非是敵。只因辰丙巳居之,巳本刑申非是吉。六儀擊刑在宮位,三格相逢天地施。甲申遇巳壬癸上,此方用事實難支。六庚加己為刑格,加癸為大格,加壬為上格又為小格。三格相逢,出兵車破馬倒,中途而止,士卒逃亡,慎勿追趕,反招其咎。賊來沖擊,彼亦自受刑傷。
賦文に言う。刑格の占斷の道理は確かに可靠――庚が己位の上に臨めば卽ち是れ凶神。庚が癸に加はるの大格は倒れても甚だ鬼祟ならず、甲寅の將はただ之に隨つて隱遁するのみ。本來甲寅は白虎の上に寄在し、庚が六癸に加はれば卽ち大格の時なり。庚が壬に加はれば上格と呼び、庚が甲辰に加はれば眞正の對頭と算ふべからず、ただ辰位に丙・巳の同居あるが因、而して巳は本來申を刑すれば、ゆえに亦た不吉なり。六儀擊刑は關鍵に落宮を看よ、三種の格局の相逢するは卽ち天地の共同に凶咎を施加するなり。甲申が巳と壬癸の位に遇上せば、この方位に於て事を用ゐるは實に支撑し難し。注解して言う。天盤六庚が地盤六己に加はれば是れ「刑格」、癸に加はれば是れ「大格」、壬に加はれば是れ「上格」また「小格」とも呼ぶ。三格相逢すれば、出兵すれば車毁れ馬翻り・半途にして止まり・士卒逃散せん。此時切に敵人を追趕するなかれ、さもなくばかへつて自ら凶咎を招かん。敵人もし來りて衝擊せば、彼自らも亦た照樣に刑傷を受けん。
值符加庚天乙飛,賊行遇此莫進窺。若至前途必有伏,定然此地帶傷歸。值符加庚為天乙飛宮格,賊來當固守以避之,切勿進兵。前途必有賊伏要害以伺候,我軍雖強,欲進兵必受敗傷而歸。
賦文に言う。値符が庚の上に加はれば卽ち「天乙飛宮」、敵人の來る時この格に遇へば貿然と窺探前進するなかれ。もし一直線に前に往けば、前面に必ず埋伏あり、一定そこに於て傷を帶びて回らん。注解して言う。値符が六庚の上に加はれば、卽ち「天乙飛宮格」。敵人の來犯する時は應に固守回避し、切に主動して兵を進むるなかれ。前方は必定敵人の要害處に埋伏して待つあり、我軍は強盛なりと雖も、一たび推進すれば亦た必定受挫し傷を帶びて歸らん。
倘居天乙伏宮中,速去丙丁備來攻。若是安居甲地上,庚凶難抵客成功。六庚加地下值符宮,為天乙伏宮格,必有賊兵來攻劫我營,將軍當速移帳房到天上丙丁方避之。丙丁火能克金,故將軍移營此地,賊來必能敗退之。而別調精銳於值符方,以防禦。賊至,若安居於值符之宮,則必受賊之傷殘,反使賊得成功。
賦文に言う。倘若「天乙伏宮」の中に落ちば、就中趕緊に丙丁方に移到し、來攻の敵を迎擊するを準備せよ。もし還た甲位の上に安坐して動かざれば、庚の凶性は抵擋し難く、かへつて客方をして成功せしめん。注解して言う。六庚が地盤値符の在る宮に加はれば、卽ち「天乙伏宮格」、必定敵兵の前に來りて我營を攻劫するあらん。主將は應に迅速に中軍帳を天盤丙・丁の在る方位に移して躲避すべし――丙丁は火に屬し能く金を剋すれば、ゆえに將軍が營を移してそこに至れば、敵人の來れば必定擊退せられん。同時に別に精銳を調して値符の方に布置して以て防禦と為す。敵人の到來の時、もし還た値符の宮に安坐して動かざれば、必定敵人の傷害を遭受し、かへつて敵人をして得手ならしめん。
飛格俱從天乙飛,伏宮皆從天乙伏。遇飛宮格,則將軍當隨天上值符而飛;遇伏宮格,則將軍當隨天上方符而伏兵。飛則遠避,勿得進攻;伏則隱伏,勿得舉動,庶免災厄。
賦文に言う。およそ「飛」に屬する格局は皆天乙に跟隨してともに飛び、およそ「伏」に屬する格局は皆天乙に跟隨してともに伏す。注解して言う。飛宮格に遇へば、主將は應に天盤値符に跟隨して一同に飛び走るべし。伏宮格に遇へば、主將は應に天盤値符の在る方に跟隨して一同に兵馬を潛伏すべし。「飛」は卽ち遠々しく避開し、進攻すべからず。「伏」は卽ち隱蔽潛藏し、擧動あるべからず。さくのみ以て災厄を免れん。
玄不遇時時剋日,小人作事多利益。更兼玄武相得氣,此際占之賊勢利。時干剋日干,為五不遇時,是下犯上,*妨貴,主小人得利,君子道消。若遇玄武主賊勢猖狂,門宮得氣則不可抵禦。
賦文に言う。五不遇時は時干の日干を剋するなり、此時小人の事を辦するはかへつて便宜を多得ん。もし再加へて玄武の氣を得れば、占し來れば卽ち賊勢の利を得るなり。注解して言う。時干が日干を克制すれば、卽ち「五不遇時」、下の上を犯し・邪の貴を妨ぐるの格局に屬し、小人の利を得・君子の道の消退するを主る。もしまた玄武に遇上せば、賊勢の猖狂を主る。もし門と宮と皆氣を得ば、則ち更に抵擋し不住せん。
丁臨六癸雀入江,為主兵兮喜飛揚。為客強行終取敗,定然將士帶刑傷。六丁加癸為朱雀投江,下克上。遇交戰,主勝客敗。若欲先發兵攻人,則為客,必主大敗,將士刑傷。
賦文に言う。丁が六癸の上に臨めば卽ち「朱雀投江」、主方を為す一邊は可喜可賀・意氣飛揚せん。客方を為して硬く出擊せんとすれば、最終に敗を取り、將士必定傷を帶びん。注解して言う。天盤六丁が地盤六癸の上に加はれば、「朱雀投江」と呼ぶ、是れ下が上を剋するなり。交戰に遇上せば、主方勝ち客方敗れん。もし先んじて兵を發して人を攻打せんと想へば、則ち客方と成り、必定大敗し、將士は刑傷を遭受せん。
六癸加丁蛇妖矯,主兵冒守莫自驕。倘然遇敵終遭害,急遷戊己可逍遙。六癸加丁為騰蛇妖矯,上克下,主軍宜固守。倘有賊來攻我,切勿對敵。若交戰必敗。將軍急宜遷移帳房到甲子戊甲戌己兩土宮,以土能制癸水,賊來不能為害。
賦文に言う。六癸が丁に加はれば卽ち「螣蛇妖矯」、主方は寧ろ險を冒して固守すべく自驕するなかれ。倘若敵と交鋒せば終竟喫虧せん、趕緊に戊・己兩宮に移到せば卽ち以て從容として身を脫しうる。注解して言う。天盤六癸が地盤六丁の上に加はれば、「螣蛇妖矯」と呼ぶ、是れ上が下を剋する、主方軍隊は應に固守すべし。倘若敵人の來りて我を攻むるあらば、千萬に迎戰するなかれ、交戰すれば必ず敗れん。主將は應に趕緊に中軍帳を甲子戊・甲戌己の這兩個の土宮に移到すべし――土は能く癸水を制服す、敵人の來るも亦た為害するに法なし。
三奇入墓並時日,倘或得一去乘之。所為動作皆無吉,疊疊相逢當避之。丙戌之日莫臨乾,艮中丁丑一同看。壬辰巽上須知避,乙未應知坤不安。坤方本為甲之墓,乙未木墓日相連。日墓之方奇入墓,縱有鐵騎也徒然。三奇入墓者,乙未到坤,丙奇到乾,丁奇到艮,又值日時入墓。如乙未丙戌丁丑是也。陰陽各有所為墓,倘遇奇即為凶。若層層疊疊,逢之即當急避。若交鋒,必主打敗,片甲無存。
賦文に言う。三奇入墓に再加へて日・時もまた入墓なれば、倘若その一を占めるのみならば還た勉强乘ずべし。一旦それに沾上すれば、所有の擧動皆不吉。もし層層疊加すれば、就中回避を須ゐ。丙戌の日は乾宮に落つるなかれ、丁丑の日が艮宮に落つるは要して一同に看よ。壬辰の日は須く巽宮を避くるを知るべし、乙未の日は坤宮の安穩ならざるを知るを要す――坤方は本來甲の墓地、乙未はまた正しく木庫の日、兩者は相連なり。日墓の方位に再び奇入墓に碰上せば、縱ち鐵騎ありとも亦是れ白費なり。注解して言う。所謂三奇入墓は、乙奇が坤二宮に落ち・丙奇が乾六宮に落ち・丁奇が艮八宮に落ち、而して當日・當時の干支がまた恰好入墓するを、譬えば乙未・丙戌・丁丑の這幾組の如し。陰干陽干は各々其の墓庫あり、一旦三奇と相遇すれば便ち凶を成す。もし層層疊疊として碰上せば、就中應に趕緊に回避すべし。もし此の時に交鋒せば、必定大敗し、片甲も存せざらん。
三勝生門及九天,值符天乙最當權。值符更得生門助,萬舉萬全無差誤。三勝地,看生門、九天、值符三宮也,最為吉慶。行兵交戰,坐而擊其沖,士卒一可當百,萬舉萬全,敵兵大敗。
賦文に言う。三勝の地は卽ち生門・九天、加ふるにもっとも權を當つる値符天乙。値符もし再び生門の相助を得ば、則ち萬擧萬全・絲毫の差錯あらざらん。注解して言う。所謂三勝の地は、卽ち生門・九天・値符の這三宮を看る、もっとも吉慶なり。行軍交戰の時この三處に坐し、往きてその對衝の宮を攻擊すれば、士卒は一個を以て百個を當てうる、萬擧萬全、敵兵は必定大敗せん。
丙加值符真為利,客軍得用為生氣。甲加丙上主生之,此時為主真得地。丙加甲,利為客,宜高旗擊鼓,吶喊前徵,必得大勝。甲加丙,利為主,宜銜枚暗渡,設伏埋藏,後出應敵,必主大勝。
賦文に言う。丙が値符の上に加はれば眞に是れ利あり、客軍は之を用ゐて便ち生發の氣を得。甲が丙の上に加はれば則ち是れ主方の生を得、此時主方を為して始めて眞に地利を占む。注解して言う。丙が甲に加はれば(飛鳥跌穴)客方に利あり、旗幟を高擧し・鼓を擂り喊し・正面進擊するに宜しく、必ず大勝を獲ん。甲が丙に加はれば(青龍回首)主方に利あり、口に枚を銜へ・悄悄として渡り、埋伏を設下し、敵人の來るを待ちて再び出擊應戰するに宜しく、亦た必ず大勝を獲ん。
本宮陽將及門儀,陰神餘氣細求之。眼前見凶有陰餘,陰餘有喜終見喜。倘若搜索俱為凶,此際遁逃不為否。凡做事行兵出行之木宮,看值符之陽將及使上之陰神,與天盤門儀上之餘氣,細細推詳。若逢凶格、凶門或門宮迫制,或奇儀克墓凶禍相臨,須查陰神。得吉將餘氣復旺相相生,則雖有凶不過眼前一時之災,終久得勝。若搜索陰神,又無餘氣又休囚無一善狀,則兵敗如山崩,不可抵止,宜急移營待吉時再舉。
賦文に言う。本宮の陽將は門と儀と連なり、還た細細として陰神と餘氣を往きて求むるを要す。眼前は凶象を見ると雖も、ただ陰神餘氣に喜あらば、最終に仍ほ喜を見ん。倘若陰神餘氣を搜遍して皆是れ凶ならば、此の時逃遁避走するも亦た壞事と算えず。注解して言う。およそ事を辦し・行軍・出行の在る所の本宮は、皆値符の帶ぶる陽將・値使の上に臨む陰神、および天盤門と儀の上の餘氣を看て、一一細細に推詳するを要す。もし凶格・凶門に遇上し、或は門宮相迫相制し、或は奇儀の剋せられ入墓して凶禍の頭に臨まば、就中必ず再び陰神を查するを要す。もし陰神が吉將を得・餘氣また轉じて旺相相生と爲れば、然らば凶險ありと雖も亦不過是れ眼前一時の災、最終に仍ほ勝を取ることを得。もし陰神を搜查して既に餘氣の依るべきなく・また休囚に落ちて毫も善狀なければ、則ち兵敗れて山崩るるが如く、抵擋するに法なし、應に趕緊に營を移し、吉時を待ちて再び擧げよ。
陰餘所喜值符臨,兼併六合及生門。但逢吉門必可行,取用傷門及九天。莫逢白虎見傷殘,杜門必須藏匿順。死中有救可逃遷,景門雖喜不為綿。驚飛逢憂必是憂,休門堅守不為愁。凡作出行行兵之本營,陰神餘氣,最喜遇者,值符臨之為吉利,行兵必能轉禍為福。其次喜六合來臨,主將軍中有人來求和或求降,事必成就。又要合生門以助之,兵必大勝。但逢吉門,便可出兵。若交戰,最利傷門合陰神之上之九天,則戰必勝,攻必取。
賦文に言う。陰神と餘氣はもっとも値符の臨照を喜び、其次は六合と生門なり。ただ吉門に碰上さへすれば卽ち一定に行ふべし。交戰すれば則ち傷門と九天を取れ。白虎に碰上するなかれ、それは傷殘を見るを要す。杜門に碰上せば就中勢に順て藏匿するを須ゐ。死門に碰上すれば死中に在ると雖も救あり、營を移して逃走しうる。景門に碰上すれば可喜なりと雖も持久すること能わず。驚門に碰上すれば則ち憂の上に憂を加ふ。休門に碰上すれば就中堅守し、亦た愁ふるを須ゐず。注解して言う。およそ出行・行軍の在る所の本營、陰神と餘氣の中にもっとも遇ふを喜ぶは値符の臨照、これ最も吉利、行軍必ず禍を轉じて福と爲すことを得。其次は六合の來臨を喜ぶ、軍中に人の前に來りて和を求め或は投降するあるを主る、事は必ず成就しうる。もし再び生門の相助を配上せば、兵を用ゐて必ず大勝を獲ん。ただ吉門に碰上さへすれば、卽ち以て出兵しうる。もし是れ交戰ならば、もっとも利あるは傷門に陰神の位の九天を配上すれば、則ち戰へば必ず勝ち・攻めれば必ず取らん。
若陰神得白虎,則兵將皆有敗釁傷殘。得杜門,則伏藏兵馬以暗計取勝。得死門則不利行兵,當移營逃遁,避賊凶鋒。得景門火性燥烈,雖可出戰以取勝,只不耐久,勝後即當收兵自固。若再追便防敗釁。得驚門不可出兵,出必遇賊,驚惶自亂。得休門,則宜堅守,安靜休兵養銳,各隨所合之門,以知兵之勝負也。
もし陰神の位が白虎を得ば、兵將は皆敗露と傷殘あらん。杜門を得れば、就中兵馬を隱蔽し、暗中の計謀を用ゐて勝を取れ。死門を得れば則ち行軍に利あらず、應に營を移して逃遁し、敵人の鋒芒を避開すべし。景門を得れば、火性燥烈、出戰して勝を取るべくすれども、持久する能わず、一勝すれば卽ち兵を收め自守すべし。もし再び追擊せば、就中敗露の隙を防ぐを要す。驚門を得れば兵を出すべからず、一たび出れば必定敵人に撞上し、自己先に驚慌して自ら亂れん。休門を得れば則ち堅守に宜しく、安靜休整し・精を養ひ銳を蓄へよ。總じて各々配する所の門の性情に隨へば、卽ち用兵の勝負を知ることを得。
翻變陰神暗餘氣,陰神八將起於使。餘氣天盤宮必是,旺相休囚門宮視。龍從此處得其真,展翅飛騰萬法生。陰餘即是翻與暗,借神搜索真無算。陽將陰神者,八將也。陽將者,以八將值符加於天上,本將六甲,旬頭而行。陰神者,以八將值符加於天上值使之宮而行。時干為陽,故乾上之將為陽將。時支為陰,故門上之將為陰神。同一人門也,一加於乾上,一加於支上,兩遷相合而翻出吉凶。吉能變凶,凶能變吉,故曰翻變。如干上之將吉,又要門上之將吉。若干上之將凶,得支上之將吉,則其凶可酒。若干上之將凶,而支上之將又不吉,則其凶敗不可救矣。
賦文に言う。所謂「翻變」とは、指すは陰神。所謂「暗」とは、指すは餘氣。陰神は卽ち八將、値使の宮より起こりて排す。餘氣は則ち一定要して天盤の在る宮を看て、門と宮の旺相休囚に按りて以て判定す。眞龍の妙用はこゝより始めて求め得られ、此に由りて翅を展げて飛騰し、萬般の法門皆其の中より生出す。「陰餘」は卽ち翻變と暗藏の兩層の意思、神を借りて搜索の下の變化は眞に無窮なり。注解して言う。所謂陽將・陰神は、皆是れ八將。陽將は八將の中の値符を把して天盤に加ふる、本將は六甲旬首に隨て行く。陰神は八將の中の値符を把して天盤値使の在る宮に加へて再び排し下る。時干は陽に屬すを以て、ゆえに干上の得る所の將を陽將と呼ぶ。時支は陰に屬すを以て、ゆえに門上の得る所の將を陰神と呼ぶ。同じく一位の神將、一は干上に加はり、一は支上に加はり、兩次の遷移は相互配合し、就中吉凶を翻出す。吉は凶に變じうる、凶は吉に變じうる、ゆえに「翻變」と呼ぶ。もし干上の將吉ならば、還た門上の將もまた吉を要して乃ち好し。もし干上の將凶にして支上の將吉ならば、其の凶は還た以て化解しうる。もし干上の將凶にして支上の將も亦た吉ならざれば、其の凶敗は挽救するに法なし。
餘氣者,以天上八門之五行,權四時之氣候。當時者為旺,我生者為相,我克者為休,克我者為囚,生我者為廢。假如休門屬水,旺於亥子月,相於寅卯月,休於巳午月,囚於辰戌丑未月,廢於申酉月。餘仿此。此餘氣,得旺相相生之氣者愈吉,如逢囚死之氣,則雖得吉門無所用之。氣之旺相休囚各隨四時而定,無有行跡,故曰暗餘氣。
所謂「餘氣」は、天盤八門の五行を拿して四時の氣候を權衡するに取るなり(本書の名目は通行説法と同じからず、須く此の例に依るべし)。當令するを旺と呼び、我が生ずる所を相と呼び、我が剋する所を休と呼び、我を剋するを囚と呼び、我を生ずるを廢と呼ぶ。譬如休門は水に屬す。亥月・子月は旺、寅月・卯月は相、巳月・午月は休、辰戌丑未月は囚、申月・酉月は廢。其の余の各門はこれに依りて類推せよ。かかる餘氣は、旺相相生の氣を得れば更に吉。もし囚死の氣に碰上せば、然らばたとえ吉門を得とも用に派する能わず。氣の旺相休囚は各々四季に隨て定まり、見えず摸へらるる能はず、ゆえに「暗餘氣」と呼ぶ。
是故,星儀門將遇凶,未可竟言凶,遇吉未可竟言吉。必查值使之陰神與八門之餘氣,然後可以定之。若陰神餘氣合得奇,始為吉全。凡行兵出陣,進退無阻,縱橫自如,展翅飛騰,隨我所向,無不勝捷。此乃借神借時令以搜索其吉凶,靈應無比也。
ゆえに言う、星・儀・門・將が凶象に遇上しても、還た一口に咬み定めて卽ち凶と爲す能わず。吉象に遇上しても、亦た一口に咬み定めて卽ち吉と爲す能わず。必ず再び値使の陰神と八門の餘氣を查して、然る後に乃ち斷定すべし。もし陰神と餘氣がまた恰好三奇を會合せば、其れ乃ち算へば吉の完全を得たり。さくのみ行軍出陣すれば、進退に阻礙なく、縱橫自如、翅を展げて飛騰するが如く、往かんと欲する所に往き、勝たざるなし。是れ即ち神將を借り・時令を借りて以て吉凶を搜尋する辦法、靈驗比なし。
旺相休囚即從門,吉凶反掌此處論。旺相之義非時候,生不生兮死不死。吉凶全憑餘氣救,生則生兮死不死。若論八門氣何所,開則通兮杜則阻。景門小喜不久長,休為藏聚不飛揚。傷能轉運捕捉獲,驚是憂惶豈得昌。天上八門當審其旺相之氣,此氣即所謂餘氣也。八門之旺相休囚,旺相值時候則吉凶至易如反掌之易。假如休門為吉門,值冬月到坎宮得旺時,居旺地則吉者愈吉。又如驚門為凶門,值夏月到離宮,得囚時居囚地,則凶者不能為凶。
賦文に言う。旺相休囚は就中門の上より看よ、吉凶變化の掌を反すが如く易きは卽ちこゝに於て論定す。所謂旺相は併びに單に節候を指すにあらず。當令せざる時は、生門も生ぜず死門も死せず。吉凶は全く餘氣に靠りて來り救ふ――餘氣得力あれば、生門は始めて眞に生じ・死門は乃ち眞に死せず。もし八門の氣の各々主る所を問はば。開門は四通八達を主り、杜門は閉塞阻滯を主る。景門は小喜にして但し長久ならず、休門は收藏聚集を主りて張揚用兵に宜しからず。傷門は能く運轉輸送し・捕捉に擅長す、驚門はただ憂惶不安のみ、何處にか昌盛を談ずることを得ん。注解して言う。天盤八門は皆その旺相の氣を審察するを要す、こ個の氣卽ち所謂餘氣なり。八門の旺相休囚は一旦時令と相合せば、吉凶は變じて極めて判断し易し、掌を反すの間のみ。譬如休門本是吉門、冬月に逢ひてまた坎一宮に落ちば、正しく旺の時に當たりまた旺地に居れば、則ち吉上に吉を加ふ。又如驚門本是凶門、夏月に逢ひて離九宮に落ちば、正しく囚の時に當たりまた囚地に居れば、然らば凶も亦た凶なり起こる能はず。
若八門不能得生旺之氣,則生門不生,死門真死。若餘有救,則生門得生,死門不得死。餘門皆然。開則四通八達,杜則閉塞阻滯,景門發揚振作得喜而不久長,休門休息聚會而勿揚兵,傷門只可運糧而並捕捉,驚門驚惶憂懼而多一怪異。若未合時候者,吉凶未可遽定。
もし八門が生旺の氣を得ざれば、然らば生門は生發し起こる能わず、死門は卽ち眞死なり。もし餘氣に救あれば、然らば生門は乃ち眞に能く生じ、死門も亦た死を成さず。其の余の各門は皆是れこの道理なり。開門は四通八達を主り、杜門は閉塞阻滯を主る。景門は發揚振作を主り、喜を得て長久ならず。休門は休息聚會を主り、張揚用兵に宜しからず。傷門はただ以て糧を運び・緝捕するに用ゐうるのみ。驚門は驚惶憂懼を主り、還た幾分の怪異を添ふ。およそ門と時令と還た相合せざるのは、吉凶は卽ち匆忙に斷定する能わず。
奇門遁甲統宗卷之十二
玄機賦(下)
天地定位,風雨無差。吉凶自呈,何用易經。天地能變,風雨無算。六甲無主,門氣難處。疆場之氣最為靈,須自知之即有神。若是占之宜謹慎,何如生克化其真。進退吉凶從此斷,門儀神將細搜尋。九星八卦加八門,決此天機真骨髓。天高地下乾坤定位,則風雨應期無有差忒。而奇門之天地兩盤,亦如天地之安靜定位,則風雨自有常期,吉凶自有定準。不必揲蓍求卦,搜尋爻象也。若天地兩盤各有生克,八門休旺各隨時候,俱難定準,必於盤中參考之。
賦文に言う。天地は各々定位あり、風雨は則ち期を失せず、吉凶は自然に顯現す、何ぞ必ずしも再び往きて《易》を求め卦を占せんや。可なり天地一旦變動せば、風雨は卽ち計算するに從なし。六甲は主宰を失へば、門氣も亦た安頓し難し。戰場上の氣機はもっとも靈驗、ただ自己心裏明白あれば卽ち神助あるが如し。占問の時は應に謹愼、生剋の中より化し出づる眞機に如かず。進退吉凶は皆此に由りて判斷し、門・儀・神・將は皆細細に搜尋するを要す。九星・八卦に再加へて八門、こ個の裏頭乃ち是れ天機を決斷するの眞骨髓なり。注解して言う。天は上に在地は下に在り、乾坤位を定め、風雨は卽ち時に依りて至りて差錯せず。奇門の天地兩盤もまた天地の如く安靜にして位を定むれば、然らば風雨は自ら常期あり・吉凶は自ら準則あり、必ずしも再び往きて蓍を揲い卦を求め・爻象を搜尋するを須ゐず。但しもし天地兩盤の間各々生剋あらば、八門の休旺はまた各々時令に隨て變化し、則ち皆定準あること難し、必ず盤中に回りて參詳するを須ゐ。
至於疆場爭戰之事,查看局中勝敗存亡,友為足驗。但須占者知之,自以運用神妙之術,要謹慎隱秘,視其生克變化之真機與夫進退吉凶之玄奧。皆從八門、三奇六儀、陽將陰神餘氣搜尋占斷以知之,不可徒事口耳,洩漏玄機也。
戰場争鬥の事に至つては、局中の勝敗存亡を查看し、もっとも能くこの門の學問を驗證す。但しこれは占者の自ら體會するを靠り、其の中の神妙の方法を運用し、務めて謹愼隱祕し、往きて生剋變化の眞機および進退吉凶の玄奧を審視するを須ゐ。此の一切は皆八門・三奇六儀・陽將陰神と餘氣の中より搜尋推斷し出づるを須ゐ、ただ口耳の間の談資と作し、玄機を隨便に泄漏し出す可ならず。
法在天兮用在人,占物之應莫搜奇。壬先射覆奇克應,恍惚之中用使時。忽然午未難分別,或言辰巳是和非。此乃軒轅定時法,靜中察物辨其宜。奇門之法玄妙難知,如天之高而不窮。天地間事事物物,悉在其中。吉可趨凶可避,造化可以挽回。隨問隨答,不假思索,順乎天而不雜以人,自然吉凶之驗,如響應聲無不靈。切勿以私心搜索玄奇,以涉於偽妄。
賦文に言う。法度は天に在り、運用は人に在り。物を占するの應驗は必ずしも刻意に奇巧を搜求するを須ゐず。六壬は「射覆」を以て先と爲し、奇門は則ち「克應」を以て妙と爲す。恍惚の間に在りて卽ち當下の時辰を取用す。或る時は午時未時を一時に分け辨へ難く、或る人は之を辰時巳時と説く、究竟是れ非か――これ本是軒轅黃帝の時を定めるの法、ただ心を靜めて物象を觀察すれば、自然に合宜の答案を辨へ出すことを得。注解して言う。奇門の法は玄妙にして測り難く、天の如く高遠無窮、天地間の事事物物は全く其の裏面に包含せらる。之を憑れて以て吉に趨り凶を避け、甚至つて造化を挽回しうる。それは問ふに隨ひ答ふ、思索を假らず、天機に順應して人意を攙雜せず、吉凶の應驗は自然に囘聲の聲音に應和するが如く、靈驗ならざるなし。切に私心を懷きて玄奇を搜求するなかれ、さくれば卽ち虚僞妄誕に落入せん。
六壬以射覆為先鋒,奇門以克應為微妙。觸機即發,物來順應。凡有所遇,恍惚之中或用當下正時,或隨便撮取一時佈局推占。雲翳雨蒙,皆用此法,不必搜求時刻,只要靜心理會,無有不驗。
六壬のこ門の術數は「射覆」(覆はれたる物を猜測する)を以て先鋒と爲し、奇門は則ち「克應」を以て精微の處と爲す。それは一たび機兆に觸れれば卽ち發動し、事物の來れば卽ち勢に順て應對す。およそ遇ふ所あり、恍惚の間に在りて、或は就中當下の正時を用ゐ、或は手に隨て一個の時辰を取りて局を布き推占す。雲の日を遮るも細雨蒙蒙なるもを論ぜず、皆こ個の辦法を用ゐ、精確時刻を核對するに費力するを須ゐず、ただ心を靜下して體會せば、應驗せざるなし。
甲乙自然體象木,丙丁火性定無移。戊己中央必是土,庚辛壬癸金水儀。直木方土金主圓,水形彎曲火形尖。木藍土黃金色白,火為紫赤水為玄。長勝他兮即木體,偏斜炎削火形占。形兼方正土為主,金末砂塵也是圓。多紋多曲皆為水,五行分屬並無偏。此以三奇六儀推占克應之法。甲乙屬木,體長色青藍;丙丁屬火,體偏斜炎削色紫赤;戊己屬土,體方正色黃;庚辛屬金,體圓砂碎色白;壬癸屬水,體多紋彎曲色蒼黑。
賦文に言う。甲乙は自然に木の象を取り、丙丁の火性は絕えて移易せず、戊己は中に居りて必定土に屬し、庚辛は金に屬し・壬癸は水に屬す。形狀上は、木は直を主り・土は方を主り・金は圓を主り、水形は彎曲・火形は尖銳なり。顏色上は、木は青藍・土は黃・金は白、火は紫赤・水は玄黑なり。およそ形體の別のより長きは卽ち是れ木。偏斜にして火焰の如く削尖するは火に屬す。形狀方正のは土を以て主と爲す。金末砂塵の類も亦た圓と算ふ。紋路多く・彎曲多きは皆水に屬す。五行の歸類は併びに偏差なし。注解して言う。是れ是れ三奇六儀を用ゐて克應を推占する方法なり。甲・乙は木に屬し、物體は細長、顏色は青藍。丙・丁は火に屬し、物體は偏斜尖削、顏色は紫赤。戊・己は土に屬し、物體は方正、顏色は黃。庚・辛は金に屬し、物體は圓整或は砂碎狀を呈し、顏色は白。壬・癸は水に屬し、物體は紋路多くして彎曲、顏色は蒼黑。
蓬星為白芮星黑,沖是碧兮輔是綠。中央禽將色為黃,心星色白柱星赤。任星白兮亦兼黃,英星紫兮尤兼赤。追體之時有生克,總然消長搜其實。此以九星推占克應之法。天蓬水星其色為白,天芮土星其色為黑,天沖木星其色為碧,天輔木星其色為綠,天禽土星其色為黃,天心金星其色為白,天柱金星其色為赤,天任土星其色為白,天英火星其色為紫。而其物之方圓曲直,亦如奇門之法推之。其物之多少、新舊、全缺、生死,皆以生克衰旺推之。
賦文に言う。天蓬星の色は白、天芮星の色は黑、天衝星の色は碧、天輔星の色は綠。中宮天禽星の色は黃。天心星の色は白、天柱星の色は赤。天任星の色は白にして兼ねて黃、天英星の色は紫にして尤も赤を帶ぶ。物體を追究する時は還た生剋關係を看るを要し、總じて消長の中より實情を求め出づるを須ゐ。注解して言う。是れ是れ九星を用ゐて克應を推占する方法なり。天蓬是れ水星、色を取るに白と爲す。天芮是れ土星、色を取るに黑と爲す。天衝是れ木星、色を取るに碧と爲す。天輔是れ木星、色を取るに綠と爲す。天禽是れ土星、色を取るに黃と爲す。天心是れ金星、色を取るに白と爲す。天柱是れ金星、色を取るに赤と爲す。天任是れ土星、色を取るに白と爲す。天英是れ火星、色を取るに紫と爲す。物體の方圓曲直に至りては、亦た三奇六儀の那一套の辦法に照らして往きて推せ。物體の多少・新舊・完缺・生死は、則ち一律に生剋衰旺に按りて推斷す。
值符貴物及錢財,體是青龍木屬排。騰蛇非丑多形怪,假作空虛異處裁。太陰雕琢文書事,又兼飛物並羽毛。六合原來是布帛,果實相連上下交。白虎物烈多傷損,鐵石相兼破及危。玄武通靈不測物,水族胎形字跡隨。九地之司光不佳,深藏舊物及神祗。九天利器及盤旋,更得有聲與有足。
賦文に言う。値符の主る所は是れ貴重之物と錢財、其の本體は是れ青龍、木の屬性に按りて排列す。螣蛇の主る所は丑陋ならざれば卽ち怪形、還た虚假・空虚の類ありて別に裁斷を作すを要す。太陰の主る所は是れ雕琢の器と文書の事、兼ねて能く飛ぶの物と羽毛を帶ぶ。六合の主る所は原本是れ布帛、還た果實および上下兩體相連の物あり。白虎の主る所の物品は剛烈、多く傷損あり、兼ねて鐵石および破裂危損の象を帶ぶ。玄武の主る所は是れ通靈測り難き物、隨て而來るは水族・胎形と字迹なり。九地の掌管する東西は光澤佳ならず、多是れ深藏の舊物と神像。九天の主る所は是れ鋒利器械と能く盤旋する物、還た聲音ある・脚あるの東西を包含す。
此以八將推占克應之法。值符屬六甲,為青龍,是貴神,主尊貴之物及金錢財帛;騰蛇主醜陋、怪異、空虛、花假之物;太陰主雕琢、刻鏤及文書字跡或羽毛飛動之物;六合是布帛、果實、二體交連之物;白虎是燥裂損傷之物或鐵石之類,其體或有破壞兼有鋒芒;玄武是水中魚蛇蛹蛋、字跡、屈曲、多紋之物;九地是故舊、神像、糊塗、闇昧不明之物;九天是刀恤旋、活動、有聲、有足、光亮玲瓏之物。
注解して言う。是れ是れ八將を用ゐて克應を推占する方法なり。値符は六甲に屬し、卽ち青龍、是れ貴神、尊貴の物と金錢財帛とを主る。螣蛇は丑陋・怪異・空虚・虚假の物を主る。太陰は雕琢刻鏤の器、および文書字迹或は羽毛飛動の物を主る。六合は布帛・果實、および兩體交連合成の物件を主る。白虎は干裂損傷の物或は鐵石の類を主り、形體上或は破損ありてまた鋒芒を帶ぶ。玄武は水中の魚・蛇・蛹・蛋、および字迹・屈曲・多紋の物を主る。九地は陳舊の物・神像、および糊塗暗昧不明の物を主る。九天は刀劍の類の鋒利の器、および能く旋轉し・能く活動し・聲響ある・脚ある・光亮玲瓏の物を主る。
甲乙之氣是青龍,木體蒼然直瘦同。更有絲麻兼布帛,總然花果屬相從。丙丁之物朱雀是,彩體華形狀如尖。更有文書兼字跡,羽毛飛舞屬相連。戊己之屬是騰蛇,形若盤旋有口斜。物屬土形方且厚,沙與磁器真不謬。庚辛白虎屬是金,體潔身堅若有聲。陽氣在時真鐵石,陰強必定是金銀。壬癸之屬玄武是,兩體相成形假如。鱗甲水中一切物,更兼水曲及珍珠。
賦文に言う。甲乙の氣は青龍に對應し、木質蒼青、形體直にして瘦す。此の外また絲麻布帛あり、花果の類も亦たそれに歸して統轄せらる。丙丁の物は朱雀に對應し、色彩華麗・形狀尖銳なり。還た文書字迹、および羽毛飛舞の物之と相連なり。戊己の物は螣蛇に對應し、形狀盤旋にして斜口を帶ぶ。土に屬する物は則ち方正厚重、沙土と瓷器とは皆この一類に屬し、絕えて錯らず。庚辛は白虎に對應し、五行は金に屬し、物體潔淨堅硬・敲けば聲あり。陽宮に在る時は是れ眞正の鐵石、陰宮に在る時は必定是れ金銀。壬癸は玄武に對應し、往往にして兩體合して一物を成す。水中に鱗甲を帶ぶる一切の東西は皆算へ、還た彎曲の水紋と珍珠を包含す。
此以時干推占克應之法。甲乙屬木,故其物花卉、直瘦或絲麻、布帛、花果之類;丙丁屬火,故其物華彩、偏斜、尖角、文字、飛動、羽毛之類;戊己屬土,故其物盤旋有口、方厚、瓷器、磚瓦之類;庚辛屬金,故其物堅實、潔淨、有聲之物,在陽宮是鐵石,在陰宮是金銀;壬癸屬水,故其物多紋、彎曲、鱗甲、珍珠、水族之物,或其形狀皆兩體合成一物。
注解して言う。是れ是れ時干を用ゐて克應を推占する方法なり。甲・乙は木に屬すを以て、ゆえに其の主る所の東西は花卉・細長瘦削の物、或は絲麻・布帛・花果の類。丙・丁は火に屬すを以て、ゆえに其の主る所の東西は華彩奪目・形體偏斜にして尖角を帶び、還た文字・能く飛動する物と羽毛の類。戊・己は土に屬すを以て、ゆえに其の主る所の東西は盤旋にして口あり・方正厚重、瓷器・磚瓦の類の如し。庚・辛は金に屬すを以て、ゆえに其の主る所の東西は堅實・潔淨・敲けば聲あり。陽宮に落つれば是れ鐵石、陰宮に落つれば是れ金銀。壬・癸は水に屬すを以て、ゆえに其の主る所の東西は紋路多く・形體彎曲、鱗甲・珍珠・水族の物の如く、或は形狀上皆是れ兩體合して一件を成す。
休為坎坑象,包裹亦相同。生是初成物,身如山體隆。傷為轉動者,其氣附青龍。杜有難通利,乍成無有終。景氣必奢華,光芒體似霞。死中無活動,體廢定無差。驚氣多損傷,有口及歪斜。開門通利物,剛健動相加。
賦文に言う。休門は坎陷坑窪の象を取り、外面に包裹の物あるも亦たそれに歸す。生門は剛剛形成の物を主り、形體高大にして山巒の隆起するが如し。傷門は能く轉動する物を主り、其の氣は青龍に依附す。杜門は通行し難き物を主り、或は剛に半ば做成し・始ありて終なき物。景門の氣は必定奢華、光芒閃爍して雲霞の如し。死門の中は活物なし、形體廢棄殘缺、絕えて差錯なし。驚門の氣は多く損傷を帶び、物件は缺口あるか或は歪斜不正。開門は圓轉通利の物を主り、剛健にして能く活動す。
此以八門推占克應之法。休門屬水,故其物有坑坎缺陷,外有包裹;生門屬土,是新成之物,其身高大如山之有峰巒;傷門屬木,故其物能震動有響聲;杜門屬木,故其物閉塞不通、尚未成就者;景門屬火,其物華彩有光芒,皎潔可愛;死門屬土,其物死而不活且廢缺不全;驚門屬金,其物傷損缺口,歪斜不正;開門屬金,其物圓轉通利,剛健能動,是官貴家所存者。
注解して言う。是れ是れ八門を用ゐて克應を推占する方法なり。休門は水に屬すを以て、ゆえに其の主る所の東西は坑坎缺陷あり、外面に還た包裹を帶ぶ。生門は土に屬し、主る所は新たに做成したる東西、形體高大にして山の峰巒あるが如し。傷門は木に屬し、主る所の東西は能く震動し・響聲あり。杜門は木に屬し、主る所の東西は閉塞不通、或は未だ做成せず。景門は火に屬し、主る所の東西は華彩にして光芒あり、明淨にして可愛なり。死門は土に屬し、主る所の東西は死して活せず、而も殘缺不全。驚門は金に屬し、主る所の東西は傷損缺口あり・歪斜不正。開門は金に屬し、主る所の東西は圓轉通利・剛健にして能く動く、多分に是れ官宦貴家の收藏する物品なり。
諸物形體有分屬,將神主管各歸宗。上衣下裳成六合,絲麻布帛是青龍。石為白虎金同主,九天金主石難同。玄武騰蛇俱轉變,再觀利器九天重。值符常為首領物,玄武多來下物看。太陰六合交合物,有聲飛舞入九天。歪異騰蛇傷是虎,玄武乘之有穢汙。
賦文に言う。各種物件の形體は各々歸屬あり、八將神に由りて各々主管し・各々其の宗に歸す。上衣と下裳と配して一套を成すは、六合に屬す。絲麻布帛は青龍に屬す。石頭は白虎に歸し、金屬も亦たそれに由りて同主す。九天は雖も亦た金を主るも、卻つて石頭と同類ならず。玄武と螣蛇とは皆轉移變動の物を主る。再び鋒利器械を看れば、其れ要して九天を以て重と爲す。値符は常に頭上の物を主り、玄武は多く下身の物を主る。太陰と六合とは兩體交合の物を主り、聲響あり・能く飛舞するは則ち九天に歸す。歪斜怪異は螣蛇に歸し、傷損は白虎に歸す。玄武の乘ずる所は則ち污穢を帶ぶ。
此以陽將陰神推占克應之法。諸物之形體,六合為上衣下裳相和而成物;青龍即值符,為絲麻、布帛之物;白虎為金石之物;九天為金鐵之物;玄武騰蛇相合,其物能轉移變動者;白虎九天相合,為利器刀槍;值符是首上之物;玄武是下體之物;太陰、六合是兩體相合文彩之物;九天是飛揚有聲之物;白虎為傷殘之物;騰蛇是歪斜怪異之物;玄武是穢汙不潔之物。
注解して言う。是れ是れ陽將陰神を用ゐて克應を推占する方法なり。物件の形體に就きて言へば。六合は上衣下裳相配して成る整套の物を主る。青龍卽ち是れ値符、絲麻布帛の物を主る。白虎は金石の物を主る。九天は金鐵の物を主る。玄武と螣蛇と相配するは、主る所は能く轉移變動する物。白虎と九天と相配するは、主る所は刀槍の類の鋒利兵器。値符は頭頂上の東西を主り、玄武は下半身の東西を主る。太陰と六合とは兩體相合して文彩ある東西を主る。九天は飛揚して聲ある東西を主る。白虎は傷殘の物を主る。螣蛇は歪斜怪異の物を主る。玄武は污穢不潔の物を主る。
擊刑之物必無餘,定為身傷體不堅。更為刑格占同類,不缺身軀少半邊。入墓之物不遇時,更兼美物不揚之。天乙飛宮將欲損,動之破敗真有準。伏宮之格埋藏物,此物當藏不當露。玉女守門物喜食,隱私和合喜盈溢。青龍逃走受損傷,本物身形將有失。白虎猖狂口大開,一般美物忽然衰。
賦文に言う。六儀擊刑に逢へば、占む所の物は必定殘缺不全、一定是れ身に損傷あり・質地堅ならず。刑格の占む所も亦是れ同類、身軀を缺くならざれば卽ち半邊を少なくす。奇儀入墓に逢へば、占む所の物は時令に合せず、再び美なる東西も光彩を顯出せず。天乙飛宮に逢へば、東西は將に壞れんとして未だ壞れず、一たび動けば眞に破敗す、こ一條は甚だ準なり。伏宮の格に逢へば、占む所は埋藏の物、こ個の東西は藏くべくして顯露すべからざるなり。玉女守門に逢へば、占む所の物は飲食と關あり、隱私和合の事は喜氣洋溢す。青龍逃走に逢へば、物件は損傷を受け、本身の形體は缺失あらん。白虎猖狂に逢へば、物件は大張の口子あり、本來美好の東西は忽然として衰敗に變ず。
白入熒兮因火成,熒入白兮因火敗。丁合重重何所主,兼之飲食婦人依。青龍回首錢財進,旺相休囚是總機。飛鳥跌穴文書至,門神氣內合其宜。五行為主多全備,一一挨排仔細推。合體合形合其的,總然靈應要相隨。取其配合各相當,多生多喜多光輝。多死多傷多破敗,陰陽變化依次推。
「白入熒」に逢へば、占む所の物は是れ火に靠りて鍛煉して成れるなり。「熒入白」に逢へば、則ち是れ火に燒毀されて敗壞せるなり。丁と丁と重重相合するは何を主るや。飲食の事を主り、還た婦人の來り歸依するあり。「青龍回首」に逢へば錢財進益を主る、不過旺相休囚乃ち是れ總的の關鍵なり。「飛鳥跌穴」に逢へば文書到來を主る、門と神の氣と其の中に於て相合して始めて得宜と算ふ。總じて五行を以て主と爲し、務めて周全完備を求め、一項一項挨んで仔細に推排す。體・形・的(要害)の三者は皆合上するを要し、靈驗は自然に之に隨て而來ん。其の彼此配合の恰當を取る。相生多ければ則ち多く喜慶・多く光輝。相死多ければ則ち多く傷損・多く破敗。陰陽の種種の變化は皆依次に此に照らして推演す。
此以諸格推占克應之法。擊刑、刑格主刑傷破敗,故其物必主傷殘破缺。奇儀入墓,必非應時之物,闇昧無光彩。天乙飛宮,將損未損,動之方破敗。太乙伏宮,其物隱藏不露,無人見者。玉女守其門,物從飲宴中來,陰私和合之物。龍逃走,其物受傷,身形破缺。虎猖狂,其物有口而張開,美物忽變為醜惡。
注解して言う。是れ是れ各種格局を用ゐて克應を推占する方法なり。擊刑と刑格とは刑傷破敗を主るを以て、ゆえに占む所の物は必定傷殘破缺なり。奇儀入墓は、占む所の物は必定時宜に合せず、晦暗にして光なし。天乙飛宮は、東西は將に壞れんとして未だ壞れず、一たび動きて乃ち眞に破敗す。天乙伏宮は、占む所の物は隱藏して露はれず、人の見たるあるなし。玉女守門は、占む所の物は飲宴の中より來り、陰私和合の類に屬す。青龍逃走は、物件は傷を受け、形體殘缺す。白虎猖狂は、物件は張開せる口子を帶び、本來美好の東西は忽然として丑恶に變ず。
白入熒,是火中鍛鍊而成者;熒入白,是為火燒燬而敗者。上下丙丁相合,玉女重重,當有酒食歡迎,婦人歸依者。龍回首,錢財進益;鳥跌穴,文書到家。總以八門陰神餘氣休囚旺相推斷之。天地兩盤推排無差,自無不驗。其奇儀星門多生,則多喜有光輝;多死,則多傷有破敗。
「白入熒」の占む所の物は、是れ火の中に在りて鍛煉して成れるなり。「熒入白」の占む所の物は、是れ火に燒毀されて敗壞せるなり。天地兩盤の丙・丁が上下相合し、玉女重重に出現せば、則ち應に酒食款待了くべく、或は婦人の來り歸依するあらん。「青龍回首」は錢財進益を主る。「飛鳥跌穴」は文書の家中に送到するを主る。總じて説來ば、皆八門・陰神・餘氣の休囚旺相を拿して以て推斷するを要す。ただ天地兩盤の推排に差錯なくば、自然に應驗せざるなし。局中の奇・儀・星・門の相生多きは、則ち多く喜慶・光彩あり。相死多きは、則ち多く傷損・多く破敗す。
人取年干為命,主時之局為定。便取本命為題,次看九星何宜。推人命運,以本人生時奇門之局為主,然後於局中搜尋本人生干支局,即其為人之本命。取其本命之局,以推其一生之窮通、壽夭、吉凶、禍福、妻財子祿,俱可知也。
賦文に言う。人の命を推すには、年干を取りて命元と爲し、出生時辰の屬する局を以て準と爲す。先ず本命を立てて題目と爲し、再び九星の何を宜しくするかを看よ。注解して言う。一個の人の命運を推算するは、彼の出生時辰の奇門局を以て主と爲し、然る後局中に於て彼の生辰干支の落つる所を找出し、其れ卽ちこの人の「本命」。本命の在る格局を取れば、卽ち以て彼の一生の窮通・壽夭・吉凶・禍福、および妻子・財帛・子女・祿位等々を推出しうる、全く皆知ることを得。
正時推占重時位,符為我兮使為配。此不知本命而以正時推占之命運也。天上值符宮之星儀門將為本身,值符下地盤之星儀門將為住宅、為子孫。值使之門為立業、為妻妾、為官職、為客旅,值使下地盤之星儀八門為地頭、為任所、為子女。
賦文に言う。當下正時を用ゐて推占するには、時辰の落つる位に重きを置き、値符を以て自己を代表し・値使を以て配偶を代表す。注解して言う。是れ是れ對方の本命を知らざる情況の下に、當下正時を用ゐて命運を推占する辦法なり。天盤値符宮の星・儀・門・將は本人を代表す。値符の下地盤の星・儀・門・將は住宅と子孫とを代表す。値使の門は立業・妻妾・官職と客旅とを代表す。値使の下地盤の星・儀・八門は則ち在る所の地方・任職の所と子女とを代表す。
生我之干為父母,我生之干為子孫。比肩即是兄弟,克我官祿兼疾。我克妻位及財,陰陽分別宜忌。十干之氣本流通,命數相逢有吉凶。合用奇儀評消長,九宮休旺視門中。
賦文に言う。我を生ずる天干は父母を代表し、我の生ずる所の天干は子孫を代表す。我と同類のは是れ兄弟。我を剋するは官祿を主り、同時にまた疾病を主る。我の剋する所は妻位と財帛とを主る。これらは還た陰陽に按りて各々の宜忌を分出するを要す。十干の氣は本來流通不息、命數は彼此相逢すれば便ち吉凶を生出す。要して奇と儀とを配合して以て消長を評判し、九宮の休旺は則ち要して八門の上より看るを須ゐ。
推人年命,以局內年干為主。以正時推占,則以局內天上時干為主。查看各宮,凡奇儀之生我干者為父母,我干所生之奇儀為子息,與我干相比肩之奇儀為兄弟,奇儀之克我干者為官、為疾厄,我干所克之奇儀為妻妾、財祿、為奴僕。皆以奇儀之陰陽分男女貴*,以八門之生克休旺丁各屬之吉凶。
注解して言う。一個の人の年命を推算するは、局中の年干を以て主と爲す。もし當下正時を用ゐて推占せば、卽ち局中天盤の時干を以て主と爲す。然る後各宮を查看す。およそ我が干を生ずるの奇儀は、卽ち是れ父母。我が干の生ずる所の奇儀は、卽ち是れ子息。我が干と同類の奇儀は、卽ち是れ兄弟。我が干を剋するの奇儀は、官祿を主り、亦た疾病災厄を主る。我が干の剋する所の奇儀は、妻妾・財祿と奴僕とを主る。これらは皆要して奇儀の陰陽に按りて以て男女貴賤を分かち、再び八門の生剋休旺に按りて以て各々の吉凶を定む。
父母休兮親更切,兄弟愛敬心誠竭。子孫不宜聚與藏,官祿安穩病難滅。妻妾當為重似珍,財帛豐隆永不絕。休門主休養安和。父母逢休,父慈子孝和氣藹人。兄弟逢休,真心愛敬無分彼我。子孫逢休,少有和合各守家園。官祿逢休,功名妥手職位安穩。疾病逢休,隱虛暗疾延拖難愈。妻妾逢休,幽閒貞靜和偕得助。財帛逢休,錢財進益滔滔不絕。
賦文に言う。父母宮が休門に逢へば、親情は更加に深切。兄弟宮が休門に逢へば、彼此敬愛し・誠心竭力す。子孫宮が休門に逢へば、聚居と藏納とに利あらず。官祿宮が休門に逢へば則ち職位安穩、但し疾病は根を斷ち難し。妻妾宮が休門に逢へば、當に寶の如く珍重すべし。財帛宮が休門に逢へば、豐厚にして永く斷絕せず。注解して言う。休門は休養和順を主る。父母宮が休門に逢へば、父は慈しみ子は孝し、一家和氣にして親しむべし。兄弟宮が休門に逢へば、眞心敬愛し、彼此を分かたず。子孫宮が休門に逢へば、聚まり合ふ時少なく、各々自家の門戶を守る。官祿宮が休門に逢へば、功名手に到り、職位安穩。疾病宮が休門に逢へば、是れ隱伏の虚證暗疾、拖延して愈へ難し。妻妾宮が休門に逢へば、妻子は幽嫻貞靜、和睦にして能く內助を得。財帛宮が休門に逢へば、錢財の進項は滔滔として絕えず。
父母生兮先最重,兄弟和順自多情。子嗣興旺及忠誠,官祿榮華無疾生。妻妾和同誠且貞,生平財物自嘉亨。生門主發生安閒。父母逢生,財祿旺相安福尊榮。兄弟逢生,和順愛敬情誼深切。子孫逢生,家道興隆義高得厚。官祿逢生,官職高升榮華赫奕。疾厄逢生,身軀強壯無災無病。妻妾逢生,和順貞潔。財帛逢生,積聚富厚。
賦文に言う。父母宮が生門に逢へば、先人はもっとも尊重を受く。兄弟宮が生門に逢へば、和順にして情誼深厚。子孫宮が生門に逢へば、後嗣興旺にして忠誠。官祿宮が生門に逢へば、榮華顯達にして疾病を生ぜず。妻妾宮が生門に逢へば、夫妻和同・誠實貞潔。財帛宮が生門に逢へば、一生財物嘉美亨通せん。注解して言う。生門は生發と安閒とを主る。父母宮が生門に逢へば、財祿旺盛、安く福分と尊榮とを享く。兄弟宮が生門に逢へば、和順敬愛、情誼深切。子孫宮が生門に逢へば、家道興隆、德義高厚。官祿宮が生門に逢へば、官職高昇、榮華顯赫。疾厄宮が生門に逢へば、身體强壯、災なく病なし。妻妾宮が生門に逢へば、妻子は和順貞潔。財帛宮が生門に逢へば、積聚豐厚なり。
父母傷兮半似萍,兄弟交誼淡無情。子嗣氣美多振發,官祿頗佳疾不成。妻妾才德調內治,欲多財帛用辛勤。傷門主振動傷殘。父母逢傷,殘忍寡愛性若浮萍。兄弟逢傷,一生不和無情無義。子孫逢傷,後嗣美麗振作英發。官祿逢傷,顯赫威權亦多掣時。疾病逢傷,手足拘攣骨節疼痛。妻妾逢傷,才德俱全內治有力。財帛逢傷,謀遠奔走辛勤成家。
賦文に言う。父母宮が傷門に逢へば、親情は漂泊して浮萍の如し。兄弟宮が傷門に逢へば、交情淡薄にして無情。子孫宮が傷門に逢へば、後代は氣象美好・多く振作す。官祿宮が傷門に逢へば頗る不錯、疾病も亦た大患を成すに至らず。妻妾宮が傷門に逢へば、妻子は才德あり、善く家を治む。財帛宮が傷門に逢へば、多く錢財を得んと想はば則ち辛勤勞作するを須ゐ。注解して言う。傷門は震動と傷殘とを主る。父母宮が傷門に逢へば、性情殘忍にして慈愛少なく、飄忽として浮萍の如し。兄弟宮が傷門に逢へば、一生不和、無情無義。子孫宮が傷門に逢へば、後嗣は容貌俊美、奮發有爲。官祿宮が傷門に逢へば、顯赫威權ありと雖も、亦た常に牽制を受く。疾病宮が傷門に逢へば、手足拘挛・骨節疼痛を主る。妻妾宮が傷門に逢へば、妻子は才德兼備、家を治むるに力あり。財帛宮が傷門に逢へば、須く遠方を謀劃し・奔走辛勤して乃ち成家立業しうる。
父母杜兮難逢,兄弟不堪交接。子嗣欲得陰功,官祿難兮病息。妻妾性難調和,晚年方許財帛。杜門主閉塞無為。父母逢杜,一生蹇滯牢守家園。兄弟逢杜,彼此睽違情同陌路。子孫逢杜,難生少育須藉陰功。官祿逢杜,仕途閉塞難得職位。疾厄逢杜,少病少災風病宜防。妻妾逢杜,心性閉澀難以調和。財帛逢杜,少年貧窘晚來方裕。
賦文に言う。父母宮が杜門に逢へば、相聚まること難し。兄弟宮が杜門に逢へば、往來に堪へず。子孫宮が杜門に逢へば、須く陰德を積むに靠りて乃ち後あり。官祿宮が杜門に逢へば、仕途艱難、疾病は倒れて多からず。妻妾宮が杜門に逢へば、性情は調和し難し。財帛宮が杜門に逢へば、晚年に到りて乃ち錢財あらん。注解して言う。杜門は閉塞にして作爲する所なきを主る。父母宮が杜門に逢へば、一生困頓滯礙、ただ家園を守るのみ。兄弟宮が杜門に逢へば、彼此背離し、情は陌路に同じ。子孫宮が杜門に逢へば、生じ難く養ひ難し、須く陰德を積累するに靠る。官祿宮が杜門に逢へば、仕途閉塞、職位を得難し。疾厄宮が杜門に逢へば、病少なく災少なし、ただ風病を防ぐを要す。妻妾宮が杜門に逢へば、妻子は心性閉澁、調和し難し。財帛宮が杜門に逢へば、少年貧窘、晚年に乃ち富裕に起來る。
父母景兮假愛,兄弟面目相待。子嗣生多實少,官祿疾病年少。妻妾初和後怨,財物虛花實算。景門主張大虛華之事,事無實濟。父母逢景,浮躁虛假狂風疾雨。兄弟逢景,無情少義面上虛文。子孫逢景,生產難有從養螟蛉。官祿逢景,少年早發忽升忽降。疾病逢景,風火暴疾易作易止。妻妾逢景,聰明智慧心性乖舛。財帛逢景,以無為有虛張實少。
賦文に言う。父母宮が景門に逢へば、是れ虚假の疼愛。兄弟宮が景門に逢へば、ただ是れ表面應酬。子孫宮が景門に逢へば、生むる多くして實際存活少なし。官祿宮が景門に逢へば、年少にして卽ち官職あり亦た疾病あり。妻妾宮が景門に逢へば、起初は和睦して後來怨を生ず。財帛宮が景門に逢へば、看るに熱鬧なるも其實是れ虛帳。注解して言う。景門は張揚虚華の事を主り、事を辦するに實際の效果なし。父母宮が景門に逢へば、性情浮躁虚假、狂風驟雨の如く忽起忽歇す。兄弟宮が景門に逢へば、無情少義、表面上文章を做做するのみ。子孫宮が景門に逢へば、生育し難く、多分に他人の子を過繼するを要す。官祿宮が景門に逢へば、少年早發、卻つて忽升忽降す。疾病宮が景門に逢へば、風火の類の急症を主り、來ること速く去ることも亦た速し。妻妾宮が景門に逢へば、妻子は聰明にして智慧あり、但し心性乖張。財帛宮が景門に逢へば、無を以て有に充て、虚張聲勢して實惠甚だ少なし。
父母死兮難濟,兄弟莫伸仁義。子嗣雖有若無,官祿疾厄無氣。妻妾見克方存,財帛耗傷聊聚。死門主死亡敗絕,凡百無成。父母逢死,病不離床死亡相繼。兄弟逢死,無情少義刑剋傷亡。子孫逢死,刑傷忤逆雖有若無。官祿逢死,功名不遂南畝終身。疾病逢死,有病難療終致殘生。妻妾逢死,必有死亡繼室方安。財帛逢死,虛耗傷敗聚散不常。
賦文に言う。父母宮が死門に逢へば、周濟し難し。兄弟宮が死門に逢へば、仁義を談ずるに足らず。子孫宮が死門に逢へば、雖有も亦た無きに等し。官祿宮と疾厄宮とが死門に逢へば、皆生氣なし。妻妾宮が死門に逢へば、須く剋傷を經過して乃ち留め住めうる。財帛宮が死門に逢へば、耗損傷敗、勉强に一點を聚む。注解して言う。死門は死亡敗絕を主り、百事成ることなし。父母宮が死門に逢へば、病みて牀榻に臥し、死亡相繼ぐ。兄弟宮が死門に逢へば、無情少義、刑剋傷亡。子孫宮が死門に逢へば、刑傷忤逆、有ること無きが同じ。官祿宮が死門に逢へば、功名遂げず、終身田を耕して業と爲す。疾病宮が死門に逢へば、病あれば治し難く、終に殘廢に至る。妻妾宮が死門に逢へば、必ず妻を喪ふの事あり、續絃以後に乃ち安定す。財帛宮が死門に逢へば、虚耗傷敗、聚散常なし。
父母驚兮難穩,兄弟兩兩存心。子息才多少德,官祿閒職疾危。妻妾口舌不和,財帛雖有若無。驚門主驚惶不安。父母逢驚,生平多怨父子不和。兄弟逢驚,乖戾欺妒各使神通。子孫逢驚,恃財矜誇刻薄少情。官祿逢驚,凶險地面散職閒員。疾厄逢驚,卒暴驚險危篤傍惶。妻妾逢驚,詭詐口舌夫婦不和。財帛逢驚,寡少難聚入不償出。
賦文に言う。父母宮が驚門に逢へば、家中安穩し難し。兄弟宮が驚門に逢へば、各々心機を存す。子孫宮が驚門に逢へば、才ありて德少なし。官祿宮が驚門に逢へば、ただ是れ閒職、疾厄は則ち危重。妻妾宮が驚門に逢へば、口角不和。財帛宮が驚門に逢へば、雖有も亦た無きに等し。注解して言う。驚門は驚惶不安を主る。父母宮が驚門に逢へば、一生多く怨言あり、父子不和。兄弟宮が驚門に逢へば、乖戾嫉妒、各々本事を顯して互相に算計す。子孫宮が驚門に逢へば、錢財を倚仗して自ら誇り、刻薄にして情少なし。官祿宮が驚門に逢へば、任職の地は凶險、且つ是れ散職閒員。疾厄宮が驚門に逢へば、突發急症・驚險危重を主り、家人惶惶として安からず。妻妾宮が驚門に逢へば、妻子は詭詐にして口舌多く、夫妻不和。財帛宮が驚門に逢へば、錢財稀少にして聚め難く、入りは出に敷かず。
父母開兮性似萍,兄弟疏淡半為情。子孫在此多聰俊,官祿豐隆疾不侵。妻妾多能及多德,資材易聚亦易分。開門主豁達開暢。父母逢開,性不真切浮泛相待。兄弟逢開,意不相聯似親非親。子孫逢開,聰明俊秀科甲貴顯。官祿逢開,功名顯達職位高遷。疾厄逢開,一生少病強健安和。妻妾逢開,正直果決內助賢能。財帛逢開,資材難聚聚亦易散。
賦文に言う。父母宮が開門に逢へば、性情浮泛にして萍の如し。兄弟宮が開門に逢へば、情分疏淡。子孫宮が開門に逢へば、多く聰明俊秀の才。官祿宮が開門に逢へば、祿位豐厚にして疾病侵さず。妻妾宮が開門に逢へば、妻子は多才多德。財帛宮が開門に逢へば、錢財は聚め易く亦た散じ易し。注解して言う。開門は豁達開朗を主る。父母宮が開門に逢へば、性情は眞切に足らず、人を待つに浮泛。兄弟宮が開門に逢へば、心意は相連屬せず、親しきに似て親しからず。子孫宮が開門に逢へば、後代は聰明俊秀、科擧に得中して顯貴。官祿宮が開門に逢へば、功名顯達、職位高昇。疾厄宮が開門に逢へば、一生病少なく、身强體健。妻妾宮が開門に逢へば、妻子は正直果決、是れ賢能の內助。財帛宮が開門に逢へば、錢財は聚め難く、聚め起こるも亦た散じ易し。
值符天乙為多吉,騰蛇古怪半虛花。太陰謀算非全美,六合多權豈是偽。白虎傷殘多破損,玄武心靈詭詐準。九地闇昧少繁華,九天無情面是假。此以八將推占年命之法。值符為貴神,加本命非貴即富,正直端方,人皆尊敬,生平有吉無凶。騰蛇加本命,做人必古怪難交,言語欺誑,作事虛花,有名無實。太陰加本命,一生善於計算,陰謀詭詐,終無良策。六合加本命,心性和同,恩仇一類,善惡無分,同流合汙。
賦文に言う。値符天乙の本命に加臨すれば多吉。螣蛇の加臨すれば則ち性情古怪、行事は半ば是れ虚花。太陰の加臨すれば善く謀算するも、卻つて完美と算えず。六合の加臨すれば手腕多變、難道皆是れ虚僞ならんや。白虎の加臨すれば傷殘破損を主る。玄武の加臨すれば心思靈巧にして詭詐。九地の加臨すれば晦暗にして繁華少なし。九天の加臨すれば表面剛正にして情義少なし。注解して言う。是れ是れ八將を用ゐて年命を推占する方法なり。値符是れ貴神、本命に加臨する人は貴ならざれば卽ち富、人と爲り正直端方、衆人尊敬し、一生吉ありて凶なし。螣蛇が本命に加臨すれば、人と爲り必定古怪にして相處し難く、言語欺誑し、事を辦するに虚浮、名ありて實なし。太陰が本命に加臨すれば、一生算計に長じ、善く陰謀詭詐を用ゐ、終竟甚だ高明的良策なし。六合が本命に加臨すれば、心性隨和、恩人仇人を一概に同等看待し、善惡を分かたず、容易に同流合污す。
白虎加年命,做人殘刻無情,所遇傷損,一生破敗。玄武加本命,不是穿窬就是劫盜,立心陰險,做事惡毒。九地加本命。陰晦暗滯,昏迷度日,毫無光彩之色。九天加本命,虛張聲勢,假裝門面,實少情義,不可依仗。
白虎が年命に加臨する人は、人と爲り殘忍刻薄・情面を講ぜず、遇ふ所の事は多く傷損を帶び、一生破敗す。玄武が本命に加臨する人は、墻を鑽りて偷竊する徒ならざれば卽ち搶劫する强盜、居心陰險、事を作すに惡毒。九地が本命に加臨する人は、陰晦滯澁、渾渾噩噩として日子を過し、毫も光彩なし。九天が本命に加臨する人は、虚張聲勢・門面を裝ふを好み、實際上は情少なく義少なく、倚靠すべからず。
探取格局命宮占,星吉儀安生氣全。若得將神為我用,格高元內占為天。若尋子午卯酉位,臨一合一定無偏。五行全備為生氣,上下循環為轉旋。此乃占之為尊格,五行迫逆莫交連。旺氣最喜陽生陰,不堪陰氣迫相兼。占問性氣何所來,旺相休囚將性看。
賦文に言う。格局を探求するには要して命宮より占起す――星は要して吉、儀は要して安、生氣乃ち算へば完備す。もし八將の神も亦た能く我の用と爲さば、則ち是れ高格、元氣の中に於て「天」の位置を占めうる。もし命宮が子午卯酉四正の位に落ちば、一臨一合皆偏斜せず。五行齊全すれば卽ち是れ生氣、上下循環すれば便ち轉旋を成す。こゝ乃ち是れ占斷中の尊貴の格。反つて、五行の相迫相逆すれば則ち彼らをして交連せしむるなかれ。旺氣はもっとも陽の來りて陰を生ずるを喜び、もっとも陰氣の來りて相迫夾攻するに堪へず。一個の人の性情氣質の何處より來るかを問はば、就中八將九星の旺相休囚を看よ。
此以年命格局推占之法。凡人本命之宮,要奇儀無克,九星不投墓庫、擊刑之鄉,不合凶格;宮門相生,陽將陰神逢值符、太陰、六合、九天扶助,又落在子午卯酉四正宮,又屬陽時陰星生旺,此為最尊貴之高格局。主其人才學出眾,安富尊榮,科甲進登,官居極品,出將入相,封先蔭後貴極之命。而其氣性,即於八將九星儀奇八門之旺相休囚定矣。
注解して言う。是れ是れ年命格局を用ゐて推占する方法なり。およそ一個の人の本命の宮は、奇と儀と皆剋を受けず、九星は墓庫と擊刑の地に落ちず、亦た凶格を構成せざるを求む。宮と門と相生し、陽將陰神また値符・太陰・六合・九天の來り扶助するに逢ひ、命宮は還た子午卯酉の四個の正位の上に落ち、併且是れ陽時にして陰星は生旺に處る――卽ち是れもっとも尊貴の高格局。此の人の才學出衆・安く富貴尊榮を享け、科擧高中し、官は極品に至り、出づれば將と爲り入れば相と爲り、先人を封贈し・後代を蔭庇し、是れ貴極人臣の命を主る。其の氣質性情に至りては、就中八將・九星・奇儀・八門の旺相休囚の上より判定す。
坐命青龍,滿面仁風,更和美格,多始多終。騰蛇之性,虛戲無誠,成之敗之,多疑多驚。太陰之性,多謀多為,剛柔其性,廉潔其德。六合多情,心性如萍,男無慳吝,女多妖淫。白虎金神,性急無情,女則多傷,男則多刑。玄武詭譎,穿窬盜賊,性多*詐,暗地籌劃。九地濛濛,其質多恭,幽隱暗計,為毒為凶。九天鏘鏘,其氣揚揚,無私無曲,為暴為剛。
賦文に言う。命宮に青龍を坐する人は、滿面仁厚の風、もし再び美格を配上せば、事を作すに始ありて終あり。螣蛇の性情は虚浮戲謔にして誠信なし、事は成るも亦是れそれ・敗るるも亦是れそれ、多疑多驚。太陰の性情は多謀略・多作爲、能く剛にして能く柔、品德廉潔。六合の人は多情、心性は浮萍の如く定まらず。男子は吝嗇ならず、女子は則ち多く淫佚。白虎は金神に屬し、性急にして無情。女子は多く傷、男子は多く刑。玄武は詭詐狡黠、墻を鑽りて盜竊する徒を主り、性多く奸詐、暗中に籌劃するに慣れり。九地は昏昏蒙蒙、稟性恭謹、卻つて善く幽隱暗算し、能く狠毒にして凶を行ふ。九天は鏗鏘として聲あり、氣象昂揚、私なく曲なし、ただ暴烈剛强に失す。
此又以八將推占人性情之法。六甲值符屬青龍,其人仁厚溫和,若得美格更妙,做事有始有終。騰蛇之性虛花不實,無有誠信,多疑猜善呻吟,有成有敗。太陰多謀多為,能剛能柔,性則廉潔。六合面上有情,心無專主,不生慳吝,女命逢之淫亂汙穢。
注解して言う。是れ又は八將を用ゐて人の性情を推占する方法なり。六甲値符は青龍に屬し、かかる人は仁厚溫和。もし再び美格を配上せば更に妙、事を作すに始ありて終あり。螣蛇の性情は虚浮不實、誠信なく、猜疑心重く・唉聲嘆氣を愛し、事は成敗あり。太陰の人は多謀略・多作爲、能く剛にして能く柔、性情廉潔。六合の人は表面上情を重んずるも、心裏は卻つて一定の主張なく、倒れても亦た吝嗇ならず。女命之に遇へば、則ち淫亂污穢を主る。
白虎性剛激烈,逼迫無情,有殺伐之心,遭刀兵之慘,在女人則有傷損。玄武性多*詐,不是穿窬便是盜賊,暗地謀人,人難防避。九地心性昏蒙,稟質重厚,能陰謀善籌劃,做事能下毒手。九天性氣發揚,浮躁剛暴,英氣逼人,令人難當,然心無私曲,掣日月而行,不為闇昧事。
白虎の人は性情剛烈激切、人を逼りて情面を講ぜず、心に殺伐の氣を存し、容易に刀兵の禍に遭遇す。女子に在りては則ち身體に傷損あるを主る。玄武の人は生性奸詐、墻を鑽りて偷竊するならざれば卽ち家を打ち舍を劫し、暗中に別人を算計し、人をして防備し難からしむ。九地の人は心性昏昧蒙昧、稟性厚重、卻つて能く陰謀を設け・籌劃に善く、事を作し起こせば毒手を下し得。九天の人は氣性張揚、浮躁剛暴、英氣人を逼めて人をして招架し難からしむ。不過彼の心裏は併びに私曲なく、事を行ふこと日月の空に當たるが如く、暗昧の事を作さず。
十干迫制不堪當,甲乙金宮怕性剛。丙丁坎內宜無吉,戊己原來懼杜傷。庚辛離上為仇敵,壬癸俱愁生死方。此以十干迫制推占年命之法。甲乙屬木,加於乾兌兩金宮,木被金克,金旺木衰則主折傷之禍,木旺金衰則木無恙。丙丁屬火加於坎宮,火被水克,水旺火衰則主有滅亡之禍,火旺水衰則火無害。戊己屬土加於震巽兩宮,土被木克,木旺土衰則主有癰疽瘡毒之症,土旺木衰則土無傷。
賦文に言う。十干もし迫制せられば卽ち承受し住めず――甲乙が金宮に落つれば、もっとも金性の剛强を怕る。丙丁が坎宮に落つれば、宜きは宜しと雖も、卻つて吉と言ふべきなし。戊己は原本就中杜門・傷門(木に屬す)を害怕す。庚辛が離宮に落つれば卽ち仇敵に遇上す。壬癸は則ち生門・死門(土に屬す)の方に落つるを愁ふ。注解して言う。是れ是れ十干の迫制せらるるを用ゐて年命を推占する方法なり。甲・乙は木に屬し、もし乾六・兌七の兩個の金宮に加はれば、木は金に剋せらる。金旺木衰なれば則ち折傷の禍を主り、木旺金衰なれば則ち木は礙なし。丙・丁は火に屬し、坎一宮に加はれば、火は水に剋せらる。水旺火衰なれば則ち滅亡の禍あるを主り、火旺水衰なれば則ち火は害なし。戊・己は土に屬し、震三・巽四の兩宮に加はれば、土は木に剋せらる。木旺土衰なれば則ち癰疽瘡毒の症を生ずるを主り、土旺木衰なれば則ち土は傷なし。
庚辛屬金加於離宮,金被火克,火旺金衰則主有痰火嗽癆之症,金旺火衰則金無咎。壬癸屬水加於坤艮二土宮,水被土克,土旺水衰則主有下元虛耗之災,水旺土衰則水平安。凡門宮奇儀同宮相剋犯,亦如此法占之。
庚・辛は金に屬し、離九宮に加はれば、金は火に剋せらる。火旺金衰なれば則ち痰火咳嗽・癆瘵の症あるを主り、金旺火衰なれば則ち金も亦た妨げなし。壬・癸は水に屬し、坤二・艮八の兩個の土宮に加はれば、水は土に剋せらる。土旺水衰なれば則ち下元虚耗の災(腎氣虧損)を主り、水旺土衰なれば則ち水は安然として事なし。およそ門・宮・奇・儀の一宮に同處して彼此相克衝犯するは、亦た皆この辦法に照らして占斷せよ。
九宮最喜是天乙,騰蛇白虎有疾厄。太陰諸宮俱加之,六合不堪女淫佚。玄武最喜疾並財,九地藏財為大吉。九天剛烈何所宜,官祿命宮真有益。此以八將推占年命之法。八將之中最喜是值符貴神,命宮及父母、兄弟、子孫宮遇之,必主富貴榮華。騰蛇白虎加之,必主有疾病。太陰吉神不拘何宮,加之皆吉。六合之宮百事和諧,惟妻妾宮忌之,有此必主淫佚無恥、丑聲遠播。
賦文に言う。九宮の中はもっとも天乙(値符)に遇ふを喜ぶ。螣蛇・白虎は則ち疾病災厄を帶び來る。太陰は論ずるところ哪の一宮に加はるとも皆好し。六合は唯だ獨り妻妾宮に加はるを受け堪へず、女子の淫佚を主る。玄武はもっとも疾厄宮と財帛宮とに加はるに宜し。九地はもし財を藏し得れば便ち是れ大吉。九天は性情剛烈、別處は宜しからず、唯だ官祿宮・命宮に加はるのみ眞に益處あり。注解して言う。是れ是れ八將を用ゐて年命を推占する方法なり。八將の中にもっとも喜ぶは値符貴神、命宮および父母・兄弟・子孫宮が之に遇へば、必ず富貴榮華を主る。螣蛇・白虎の加臨すれば、必ず疾病あるを主る。太陰是れ吉神、哪の一宮に加はるとも管せず皆吉。六合の在る所の宮は百事和諧、唯だ獨り妻妾宮はそれを忌諱す――此あれば必ず淫佚無恥・丑名遠揚を主る。
玄武各宮俱不宜,惟疾厄宮加之則終身必少病,財帛宮加之則喜聚金錢必成富翁。九地幽暗閉藏,諸宮俱不喜,疾厄宮遇之尤不喜,必至死亡;惟財帛宮逢之則吉,金銀滿室,盜賊不能偷劫。九天性烈,他宮不宜,惟官祿宮逢之則主功高顯達,職位超遷,並本命宮遇之尤為喜慶。
玄武は各宮に加はる皆合適ならず、唯だ獨り疾厄宮に加はれば、終身病少なきを主る。財帛宮に加はれば、則ち善く金錢を聚斂し、必ず富翁を成さん。九地は幽暗閉藏を主り、各宮皆それを喜ばず。疾厄宮が之に遇ふは尤其に好からず、必ず死亡に至る。唯だ獨り財帛宮が之に遇へば則ち吉、金銀屋に滿ちて盜賊も偷み去る能わず。九天は性情剛烈、別の宮は皆宜しからず。唯だ獨り官祿宮が之に遇へば、功勳卓著・顯達超遷を主る。もし本命宮も亦た之に遇へば、則ち更に是れ喜慶の兆なり。
宮中合格有忌宜,三遁不宜為中吉。甲丙丙甲諸位尊,疾厄不堪逢此格。金臨火位財有耗,火臨金位為疾病。騰蛇妖矯俱為凶,朱雀投江厄內厄。小格大格併入墓,天網擊刑傷且禍。諸凶最喜疾厄宮,又有相同及不同。騰蛇妖矯生怪異,不堪疾厄最為凶。諸般美格俱喜之,此是疾厄當避時。
賦文に言う。宮中の合する所の格局は宜あり忌あり――天地人の三遁は命宮に在りてかへつて宜しからず、ただ中等の吉と算ふるのみ。甲の丙に加はる・丙の甲に加はるは各宮に於て皆尊貴、唯だ獨り疾厄宮はこの格を受け堪へず。金の火位に臨むは破財を主り、火の金位に臨むは生病を主る。螣蛇妖矯は一概に凶と爲し、朱雀投江は更に是れ災上に災を加ふ。小格・大格に連ねて入墓、および天網・擊刑は、皆傷損と禍患とを帶ぶ。種種の凶格は反つてもっとも疾厄宮に落つるを喜ぶ、其の中また相同と不同とあり。螣蛇妖矯は怪異の事を生出し、疾厄宮に落つればもっとも凶險。各種の美格は疾厄宮皆歡迎す、唯だ獨りこ一個の格は疾厄宮の必ず回避するを須する所なり。
此以所合格局推占年命之法。諸格中有宜有忌。如天地人三遁是吉格,而本命宮中得之則不吉,只可安守家園,不能顯達。惟甲加丙、丙加甲,各宮皆利,而疾厄宮得之,則主一生疾病纏綿。太白入熒惑,作事受虧,一世貧窮;熒惑入太白,火旺克金,嗽咳喘急。六癸加丁,昏迷惑亂,事事傷嗟;六丁加癸,憂愁恐驚,自投刑獄。
注解して言う。是れ是れ合する所の格局を用ゐて年命を推占する方法なり。各種格局は宜あり忌あり。比如天遁・地遁・人遁は本是吉格、可なり本命宮が之を得ればかへつて不吉、ただ家園を安守しうるのみ、顯達する能わず。唯だ甲の丙に加はる・丙の甲に加はるの這兩格、各宮に落ちて皆利あり。但しもし疾厄宮に落ちば、則ち一生疾病纏綿を主る。「太白入熒惑」は、事を作せば總じて喫虧し、一輩子貧窮す。「熒惑入太白」は、火旺にして金を剋し、咳嗽氣喘を主る。六癸の丁に加はるは、神志昏迷惑亂を主り、事事人をして嘆息せしむ。六丁の癸に加はるは、憂愁驚恐を主り、自ら牢獄に撞進す。
庚加癸為大格,庚加壬為小格,庚加己為刑格,奇儀入墓,天網四張,擊刑、自刑諸凶格逢之,俱有刑傷阻格,惟疾厄宮逢之則無災無疾。若逢關格、反吟、伏吟,則主反胃痞塞。騰蛇妖矯、白虎猖狂,不利疾厄宮,逢之必主久病淹纏,怪異癲狂之病,有性命之憂。其餘諸美格疾厄宮中皆喜之也。
庚の癸に加はるは是れ「大格」、庚の壬に加はるは是れ「小格」、庚の己に加はるは是れ「刑格」。此の外また奇儀入墓・天網四張・擊刑・自刑等の凶格あり――およそこれらに遇上すれば、皆刑傷と阻滯とを帶ぶ。唯だ獨り疾厄宮が彼らに遇ふは、かへつて災なく病なし。もし關格・反吟・伏吟に遇上せば、則ち反胃・胸腹痞塞を主る。螣蛇妖矯・白虎猖狂は疾厄宮に對して利あらず、遇上せば必ず久病纏綿を主り、或は怪異癲狂の疾を生じ、甚至つて性命の憂あり。其の余の各種美格は、疾厄宮は皆是れ歡迎す。
值符九星透羲易,臨宮配卦占凶吉。更有門宮配卦法,陰陽動靜互相質。爻中納甲配宗親,窮通壽夭六位陳。世是命兮身是應,若居吉位顯尊榮。大限陽升陰即降,便從命上起初終。小限升沉反於此,周而復始出身中。再查貴神與祿馬,刑沖破煞及三凶。此以值符、值使所到之宮,配合重卦以推占人年命之法。值符之九星為上卦,地下之宮為下卦,合之成重卦,占男子、占在家及本身之吉凶;值使之門為上卦,地下之宮為下卦,合之成重卦,此以占妻妾、占婦人、占出外經營仕途之吉凶。
賦文に言う。値符の帶ぶる九星は以て伏羲の《易》に通じ、其の加臨の宮を把して卦を配成して吉凶を占ふべし。此の外また八門を配宮して卦を成す辦法あり、陰陽動靜を用ゐて彼此對照印證す。卦爻上は甲を納め・六親を配し、窮通壽夭は皆六爻の中に陳列す。世爻は「命」を代表し、應爻は「身」を代表す、もし吉位に落ちば則ち尊榮顯達を主る。大限の推法は陽爻は上昇し・陰爻は下降し、命宮爻位の上より首尾を起こす。小限の升降は正好く相反し、周して復た始まり、本身の爻より推出す。此の外還た貴神と祿馬の何爻に落つるかを查し、刑・冲・破・煞と三凶とまた甚麼の位置に在るかを要す。注解して言う。是れ是れ値符・値使の到る所の宮を用ゐて重卦を配成して以て人の年命を推占する方法なり。値符の九星を以て上卦と爲し・地盤の宮を以て下卦と爲し、合して重卦を成し、以て男子を占し・居家を占しおよび本人の吉凶を占す。値使の門を以て上卦と爲し・地盤の宮を以て下卦と爲し、合して重卦を成し、以て妻妾を占し・婦人を占しおよび出外經營と仕途の吉凶を占す。
既成卦象,配納甲取其生克,加以六親,世爻為命,應爻為身,大運以軌數取之。視世爻之策若干,分陰陽老少之數,再加納甲干支先天之數,共得若干,以卦爻六數去之,用餘數為初限,倍餘數去六數為中限,倍中限去六數為末限。每爻十年,周而復始,此大運也。
卦象排定の後、納甲を配上して其の生剋關係を取り、再加へて六親を加へ、世爻を以て「命」を代表し・應爻を以て「身」を代表す。大運は「軌數」を用ゐて推す。先ず世爻の策數の多少を看、老陽・少陽・老陰・少陰の數を分出し、再加へて納甲干支の先天の數を加へ、合して一個の總數を成す。卦爻の六數を用ゐて除して、得る所の餘數を初限と作し、餘數を加倍して再び六を減じて中限と作し、中限を加倍して再び六を減じて末限と作す。每一爻は十年を管く、周して復た始まる、卽ち是れ大運の算法なり。
大限自世爻起,陽爻自下而上,陰爻自上而降,五年一爻周而復始。小限亦從世爻起,陽爻自上而降,陰爻自下而升,周而復始。再查貴神、祿馬到何爻,刑沖破煞在何位,則窮通壽夭、貧富、貴*皆可預知,詳具別卷。
大限は世爻より起算す。陽爻は下より上に往き、陰爻は上より下に往き、五年に一爻を過ぎ、周して復た始まる。小限も亦た世爻より起算す、但し方向相反。陽爻は上より下に降り、陰爻は下より上に升り、同じく周して復た始まる。再び貴神・祿馬の哪の一爻に落つるかを查し、刑・冲・破・煞はまた甚麼の位置に在るか、然らば一個の人の窮通・壽夭・貧富・貴賤は卽ち皆豫め知ることを得。詳細辦法は別に別卷に見えたり。
擇日須知兼所忌,本命行年宜畏避。三奇要識五行全,六神隨運看興替。莫將次第說盛衰,泊宮本位君須記。數重刑害數重喪,幾處凶神幾禍至。純陽不利純陽龍,純陰不利純陰地。自刑一遇便遭凶,造命荒唐豈為功。龍虎二符遇三奇,若得吉地偏多喜。陰陽對照百神藏,勝於九宮數尊帝。此是通玄經內文,句句真諦須細味。
賦文に言う。日を擇ぶには必ず同時に忌む所を知るを須ゐ、本命と流年と更に應に敬畏し回避すべし。三奇を用ゐれば五行の齊全するや否やを認淸するを須ゐ、六神を看れば則ち運勢に隨て興衰を判斷するを須ゐ。次序に照らして機械に盛衰を説くなかれ、各神の泊る所の宮の本位は一定要して記淸するを須ゐ。幾重の刑害あれば卽ち幾重の喪事あり、幾處の凶神あれば卽ち幾樣の禍端あり。純陽の命は純陽の龍(山向)に利あらず、純陰の命は純陰の地に利あらず。一旦自刑に碰上せば要して凶を遭はん、憑空に一個の命局を造り出すは更に荒唐、何處にか功效を談ずることを得ん。青龍・白虎兩符もし三奇に遇上し、再び吉地を得ば格外に多く喜あり。陰陽彼此對照すれば、百神皆潛藏す、これは單に九宮の數を論ずるよりも還た尊貴なり。是れ《通玄經》の裏の文字、句句皆是れ眞諦、須く細細に體味すべし。
此是選擇吉日法也。凡本命行年,不可遇刑沖破害,待使要得吉星方吉。若遇凶門凶星,必遭殃禍,自刑之日尤不可用。至於通書中選擇,必造成一命局尤屬不通。甲辰、壬申、寅癸,一為天網,一為地網,俱不可用。然得三奇相合,反能召吉。一切起造營藏,總得太陽對照,百凶皆避,不可為殃。
注解して言う。こ一どの段は吉日を選擇する方法を講ず。およそ本命と流年とは、皆刑・冲・破・害に遇上すべからず。用ゐる所の値使は還た吉星を得て乃ち吉と算ふるを要す。もし凶門凶星に遇へば、必ず禍殃を遭はん。自刑の日は尤其に使用すべからず。通書裏の擇日に至りては、非ずして一個の「命局」を湊り出さんとすれば、則ち更に説き通らず。甲辰・壬申・寅と癸は、一は天網に屬し・一は地網に屬し、皆用ゐるべからず。不過もし能く三奇の相合を得ば、反つて能く吉慶を招來しうる。およそ動工營造・下葬安藏は、總じて太陽をして對照せしむるを要す、然らば百凶皆避け、禍殃と爲さざらん。
陰陽二遁分三元,逆順諸宮自具陳。第一隨年求太歲,次看月建打頭輪。月建輪流分善惡,分明更檢九宮因。乾坎艮離為吉宿,坤兌震巽是四賓。中宮土宿非良曜,九座惟茲要殺人。超神接氣能久悟,擇日臨方是此真。年、月、日、時俱分三元,年、月俱用一四七。陰局則日冬至後用陽局一七四,夏至後用陰局九三六,陽順行陰逆行。第一要查太歲在何宮,次查月建在何宮,即將年月干支所到宮之星,由入中宮順飛九宮,以查生克吉凶。
賦文に言う。陰遁陽遁は各々三元を分かち、逆行順行は各宮の上に自ら條理あり。第一歩は年份に隨て太歲の在所を求め、第二歩は月建の何處より起こり輪るかを看る。月建輪轉の中は善惡を分出し、還た淸淸楚楚に九宮の緣由を核查するを須ゐ。乾・坎・艮・離は是れ吉宿、坤・兌・震・巽は算へば四位の客賓。中宮の土宿は好星にあらず、九座の中唯だ獨りそれは人を害するを要す。超神接氣の法はただ長久に揣摩すれば卽ち領悟しうる、擇日選方の眞諦は卽ちこゝに在り。注解して言う。年・月・日・時は皆三元を分かつを要し、年家・月家は皆一・四・七の這三個の局を用ゐ。日家は則ち冬至後は陽局一・七・四を用ゐ、夏至後は陰局九・三・六を用ゐ、陽遁順行・陰遁逆行す。第一に太歲の哪の一宮に在るかを查し、第二に月建の哪の一宮に在るかを查し、然る後年・月干支の到る所の宮の星を把して中宮に送入して順に九宮を飛ばし、之に據りて生剋吉凶を查考す。
假如陽一局,以一宮起甲子,二宮乙丑,三宮丙寅,四宮丁卯。如丁卯年月,即以四綠入中宮,五黃飛在乾,六白在兌。九星所到各有吉凶,惟五黃最凶,到處犯之,無有不傷人口,選擇宜慎之。
例を擧げて言う。陽遁一局、坎一宮より甲子を起こし、坤二宮是れ乙丑、震三宮是れ丙寅、巽四宮是れ丁卯。もし推する所が丁卯年或は丁卯月ならば、則ち四綠を把して中宮に送入し、於是乎五黃は乾六宮に飛到し、六白は兌七宮に飛到す。九星の到る所は各々吉凶あり、其の中唯だ獨り五黃もっとも凶――どこに飛到するとも論ぜず、之を冒犯すれば人口を傷せざるなし。擇日選方の時それに對して務めて謹愼せよ。
隨日既能神妙用,再從月建覓游神。從建求來起太歲,只將太歲避凶神。喪門歲前二宮是,官符歲後八宮分。此是三神遊地下,犯之立見禍相侵。太歲原為地下君,犯之飛禍入門庭。受禍無非是家長,一家淪落不由人。喪門命要收魂魄,犯之喪禍便臨門。死者就中多少壯,常聞哭泣聒比鄰。
賦文に言う。日家既に能く神妙の用處あり、再び月建の上より游行の神煞を找へ。月建より推求して太歲を起こし、ただ太歲と諸凶神とを一幷に避開すれば卽ち是れ。喪門は太歲の前の第二宮に在り、官符は太歲の後の第八宮に在り。こ三位の神は地盤の上に游行し、冒犯せば立刻に禍を見ん。太歲本是地上の君主、之を冒犯すれば橫禍便ち門庭に飛入す。禍を受くるは多分に是れ一家の長、全家淪落して奈何することなし。喪門は專ら人の魂魄を收るを管く、之を冒犯すれば喪事馬上に門に臨む。死するは還た往往にして是れ壯年の人、常に哭聲の吵やかにして四鄰安からざるを聞く。
官符自來招官訟,犯者紛紛起鬥爭。枷鎖獄中無計免,他時流淚不由人。歲破之星憂宅母,白虎喪訟小兒凶。病符災疾憂家長,弔客死符喪禍重。惟有太陽與福德,添丁生子制諸凶。太陰除病家生女,龍德能消瘟疫空。此是仙人真秘訣,凡夫莫與論其蹤。
官符は向來官司を招惹す、之を冒犯すれば紛紛として争鬪を起こす。枷鎖身に加はり・身は囹圄に陷りて免脱するに法なし、其の時に到りて淚を流さざらんと想ふも亦た行はれず。歲破の星は主母をして擔憂せしむ。白虎は喪事訴訟を主り、小兒に對して尤其に凶。病符は災病を主り、家長をして憂心せしむ。弔客と死符との帶ぶる喪禍はもっとも重し。唯だ太陽と福德の兩位のみ是れ好し、能く丁を添へ子を生じ・衆凶を鎮制す。太陰は能く病を除き・家中に女を生せしむ。龍德は能く瘟疫を消散し・訟事を化解す。是れ仙人の眞祕訣、隨便に凡俗の人と其の來歷を談ずるなかれ。
此論擇日以十二支方取太歲定吉凶也。以地盤歲支位上起,一太歲,二太陽,三喪門,四太陰,五官符,六死符,七歲破,八龍德,九白虎,十福德,十一吊客,十二病符,順行十二宮。
注解して言う。こ一どの段は日を擇ぶ時十二地支方位に按りて太歲を取りて以て吉凶を定むるの辦法を講ず。地盤上の當年年支の在る位より起算し、依次に順行して十二宮に及ぶ。第一位太歲、第二位太陽、第三位喪門、第四位太陰、第五位官符、第六位死符、第七位歲破、第八位龍德、第九位白虎、第十位福德、第十一位弔客、第十二位病符。
犯太歲防宅長大凶。修太陽能制諸煞,移床此方必生子。犯喪門主死喪哭泣。修太陰主生女,散病患。犯官符主口舌官訟。犯死符主災病死亡。犯歲破殺宅母。修龍德散瘟疫訟。犯白虎主哭泣死亡殺小兒。修福德添丁生子。犯弔客主喪服。犯病符主疾病。
各位の宜忌は以下の如し。太歲方を冒犯すれば、一家の長の大凶を遭ふを防ぐを要す。太陽方に於て動工修造すれば能く各種凶煞を鎮制し、牀をこ一方に移せば必定子を生さん。喪門方を冒犯すれば、死喪哭泣を主る。太陰方に於て修造すれば女兒を生ずるを主り、還た病患を驅散しうる。官符方を冒犯すれば、口舌官司を主る。死符方を冒犯すれば、災病死亡を主る。歲破方を冒犯すれば、主母を傷及せん。龍德方に於て修造すれば能く瘟疫と訟事とを消散す。白虎方を冒犯すれば、哭泣死亡を主り、尤其に小兒を傷す。福德方に於て修造すれば能く丁を添へ子を生ず。弔客方を冒犯すれば、家中に喪服の事あるを主る。病符方を冒犯すれば、疾病を生ずるを主る。
極究機中玄奧,凡占俱備無空。觀之宮內何主,次搜消息吉凶。洩盡天機玄妙,當為聖主圖功。雖得千金勿授,妄傳小輩興戎。若將此法輕言,罪犯天誅不宥。謹藏金匱玉函,更應三緘其口。
賦文の最後に言う。奇門機要の中の玄奧を推究して極處に至らば、およそ占問は齊備して遺漏なし。先ず宮內の主る所を看、再び其の中の消息を搜尋して以て吉凶を定めよ。この部の賦は已に天機玄妙を説き盡し、本應は以て聖明の主のために功業を建立せん。たとえ人の千金を拿して來り求むるあらばとも、傳授するなかれ。胡亂に不肖の輩に傳へば、卽ち兵戎の禍を挑起せん。もしこ套の方法を輕易に説き出さば、犯す所の罪は上天も亦た寬赦せざらん。請う、之を謹愼に金匱玉函の中に收め、更に要して其の口を三緘せよ。
此賦發盡奇門玄奧,諸事皆備。先觀符使兩宮是何格局,有無生克,是否刑墓,然後搜尋其吉凶而詳斷之。得其要妙之法,可以占卜百事,可以趨吉避凶,可以營造驅遣。戰必勝,攻必取,興王定霸,建功立業,宰制六合,傳名千古,真濟世之寶也。若妄傳匪類,使得真法,興兵造亂,屠毒生靈,為害不小,慎之重之。
注解して言う。こ篇の賦は奇門の玄奧を全く發揮し出し、各類の事情は齊備せざるなし。占斷の時先ず値符・値使兩宮の甚麼の格局を構成するかを看、彼此生剋あるや否や、刑地墓地に落入するや否や、然る後再び其の中の吉凶を搜尋し詳細に判斷す。其の中の要妙の法を掌握すれば、卽ち以て百事を占卜し、吉に趨り凶を避け、營造と調度差遣とを指導しうる。軍事に用ゐれば則ち戰へば必ず勝ち・攻めれば必ず取り、以て王を興し霸を定め・功業を建立し、天下を統御し・名を千古に留め、實に是れ世を濟ふの至寶なり。但しもし胡亂に品行不端の人に傳へ、彼らをして眞法を得せしめ、兵を興し亂を作し・生靈を荼毒せば、爲害すれば卽ち小ならず。こ一點は務めて慎重に慎重を重ねよ。
