周易尚占
一、以銭代蓍法(揲蓍法は心鑑に見え)
易経易学典籍
術数への応用を目指すなら、まず六十四卦の卦爻辞と《説卦伝》の取象に親しむ。義理を目指すなら《繋辞伝》から入るのがよい。
周易尚占・題名
周易尚占。瑩蟾子李清庵著。元大德丁未年版。
《周易尚占》、螢蟾子李清庵撰。李清庵とは元代の全真道士李道純のことで、号を螢蟾子と称し、内丹と易理とを互いに発明し合わせた。この本は元の大德丁未年(1307年)の刻本に拠る。
周易尚占序(洛陽保八)
周易尚占者,卜筮之捷法也。其旨切,而近其辭。筮而當誠,有補於初進者,旨趣與市肆間卜筮之書大同小異。且如鬼谷辨爻占法,以上爻為至高,殊不知上為至遠位之地。作是見者,非深造玄理者也?若此者眾。或問曰:尚占有道乎?曰:不可謂之有,不可謂之無。若謂有,泥於卜筮而無窮;若謂無,易有聖人之道四,尚占居其一焉。
《周易尚占》という書は、卜筮の早道である。その趣旨は懇切で、措辞は平易である。占筮にあたって誠敬の心を抱きさえすれば、入門したばかりの人に大いに役立つ。その筋立ては市面の書肆で売られている卜筮の書とほぼ同じで、細かい点で異なるだけである。例えば鬼谷子に仮託した辨爻の占法は、上爻を最も尊く高い位と見なしているが、上爻が実は最も遠く外の地であることを知らない。このような見解を持つ者は、玄妙な易理を深く究めた人ではないのではないか。この種の例はまだ多い。ある人が問うた。「尚占」にもそれ自体の道があるのか。答えて曰く、あるとは言えず、ないとも言えない。あると言えば、卜筮に拘泥して窮まりがなくなり、ないと言えば、《周易・繫辞》に明らかに「易に聖人の道四つあり」とあり、「尚占」はその一つを占めているからである。
所要者,必先明本,次當明體,變通明用。知體而不知用,則不備;知用而不知體,則不精。占變相需,易理盡矣。故尚占者,學易之樞機也。其緒在於寂然,應動之效;發端在於決疑,疑情頓釋。惟變是通,皆由理正辭達而已;臨疑取證,不滯膠擾楊墨之間。今瑩蟾子李清庵下一片工夫,分析爻辭,深得易理之趣,言雖樸素,不事浮華。若非閒中日月,靜裡乾坤,孰能臻此聯篇鋟梓,以廣其傳,貴無隱爾。大德丁未五月望日,洛陽後學保八序。
尚占を学ぶにあたり最も肝要なのは、まず根本を明らかにし、次に卦体を明らかにし、さらに変通によって卦の功用を明らかにすることである。卦体を知って応用を知らなければ学問は備わらず、応用を知って卦体を知らなければ判断が精微でない。占断と変化とは互いに依り頼み、《周易》の理はここに尽きる。だから「尚占」は《易》を学ぶ枢機である。その端緒は心が寂然として動かず、物の動きに応感する効験にあり、その入手は疑难を決断して疑惑をたちまち氷解させるところにある。ただ変に随って通ずるのみで、これらはみな義理が端正で言辞が通達するに過ぎない。事に臨んで証を求めれば、楊朱・墨翟のような偏執し絡み合う争論に陥ることはない。今、螢蟾子李清庵が一つの苦功を積み、爻辞を一つ一つ分析して、深く易理の趣を得た。措辞は素朴であるが浮華を求めない。閑居の歳月、静中の天地がなければ、誰がこの境地に至れようか。彼は全書を連ねて版に刻して印行し、広く伝えた。その貴ぶべきところは、まさに隠すところがない点にある。大德丁未年(1307年)五月十五日、洛陽の後学保八が序を作る。
周易尚占総目
周易尚占總目。卷上。圖局部第一(凡十章):一、無極而太極圖;二、太極生兩儀圖;三、兩儀生四象圖;四、四象生八卦圖;五、八卦方位圖;六、乾坤生六子圖;七、天干納甲圖;八、地支納音圖;九、支干納音圖;十、五子歸元圖。旁通部第二(凡十章):一、六位例;二、月建六神例;三、日建六神例;四、八卦取象例;五、八卦法用例;六、八節休旺例;七、逐月吉凶神殺例;八、逐日吉凶神殺例;九、合刑殺例;十、四時吉凶神殺例。
以下は《周易尚占》全書の総目である。巻上は四部に分かれる。第一「図局部」は十章で、図式によって宇宙生成と納甲の理を説く。一は「無極而太極図」、二は「太極生両儀図」、三は「両儀生四象図」、四は「四象生八卦図」、五は「八卦方位図」、六は「乾坤生六子図」、七は「天干納甲図」、八は「地支納音図」、九は「支干納音図」、十は「五子帰元図」。第二「旁通部」も十章で、占断に用いる各種の既成の定例を列挙する。一は「六位例」で、六爻がそれぞれどの種類の人事を主るかを説く。二は「月建六神例」、三は「日建六神例」、四は「八卦取象例」、五は「八卦法用例」、六は「八節休旺例」、七は「逐月吉凶神殺例」、八は「逐日吉凶神殺例」、九は「合刑殺例」、十は「四時吉凶神殺例」である。
發端部第三(凡十二章):一、以錢代蓍例;二、合卦例;三、上手法;四、重卦例;五、變卦例;六、起世應;七、飛伏例;八、身命例;九、定卦主;十、定六親;十一、定六神;十二、論四直。決斷部第四(凡六章):一、六親斷例;二、六神斷例;三、天符斷例;四、直符斷例;五、傳符斷例;六、神殺斷例。
第三「発端部」は十二章で、卦を立てることから卦を装うまでの一連の手続きを説く。一は「以銭代蓍例」で、三枚の銅銭をもって蓍草に代えて卦を成す。二は「合卦例」、三は「上手法」、四は「重卦例」、五は「変卦例」、六は「起世応」、七は「飛伏例」、八は「身命例」、九は「定卦主」、十は「定六親」、十一は「定六神」、十二は「論四直」、すなわち年建・月建・日建・時辰という四重の時令の神を論ずる。第四「決断部」は六章で、各種の既成の断辞を説く。一は「六親断例」、二は「六神断例」、三は「天符断例」、四は「直符断例」、五は「伝符断例」、六は「神殺断例」である。
卷中。三材部第五(凡五章):一、陰晴雨晦章;二、禾苗田地章;三、住居宅地章;四、移徙章;五、墳塚章。人事部第六(凡四章):一、身命章;二、六親章;三、婚姻章;四、胎孕章。三教部第七(凡四章):一、僧道章;二、儒業章;三、蒙童章;四、教授章。營生部第八(凡四章):一、求財買賣章;二、六畜血財章;三、蠶桑章;四、行人章。疾厄部第九(凡五章):一、疾病章;二、醫藥章;三、盜賊章;四、捕盜章;五、公訟章。
巻中は事類に従って部を分け、門ごとに事を断ずる歌訣を列挙する。第五「三材部」は五章で、占うのは天時と地利である。一は「陰晴雨晦章」、二は「禾苗田地章」、三は「住居宅地章」、四は「移徙章」で転居を説き、五は「墳塚章」で葬地を説く。第六「人事部」は四章。一は「身命章」、二は「六親章」、三は「婚姻章」、四は「胎孕章」。第七「三教部」は四章で、占うのは道を修め書を読むことである。一は「僧道章」、二は「儒業章」、三は「蒙童章」、四は「教授章」で塾師を迎え請うことを説く。第八「営生部」は四章で、占うのは生計を立てることである。一は「求財売買章」、二は「六畜血財章」、三は「蚕桑章」、四は「行人章」。第九「疾厄部」は五章で、占うのは病災・訴訟・盗難である。一は「疾病章」、二は「医薬章」、三は「盗賊章」、四は「捕盗章」、五は「公訟章」。
卷下。乾部第十(凡二章):一、乾宮八卦立成章;二、八卦斷例章。坎部第十一(凡二章):一、坎宮八卦立成章;二、八卦斷例章。艮部第十二(凡二章):一、艮宮八卦立成章;二、八卦斷例章。震部第十三(凡二章):一、震宮八卦立成章;二、八卦斷例章。巽部第十四(凡二章):一、巽宮八卦立成章;二、八卦斷例章。離部第十五(凡二章):一、離宮八卦立成章;二、八卦斷例章。坤部第十六(凡二章):一、坤宮八卦立成章;二、八卦斷例章。兌部第十七(凡二章):一、兌宮八卦立成章;二、八卦斷例章。
巻下は京房の八宮の次序に従って六十四卦を配列し、各宮を一部として立て、それぞれ二章に分ける。第十「乾部」は二章。前の章「乾宮八卦立成章」は、乾宮に属する八卦の納甲干支・六親・世爻・身爻・応爻・飛神・伏神および配する月分を、一つ一つ既成の表に並べ、占う者が一見して得られるようにする。後の章「八卦断例章」は、卦ごとに四句の象辞と八句の断語を繋ぐ。第十一「坎部」、第十二「艮部」、第十三「震部」、第十四「巽部」、第十五「離部」、第十六「坤部」、第十七「兌部」は、体例が乾部と全く同じで、やはりそれぞれ本宮の「八卦立成章」と「八卦断例章」の二章に分かれる。前者は表を列し、後者は辞を繋ぐ。八宮がそれぞれ八卦を統べ、合わせてちょうど六十四卦となる。これが全書で卦を断ずる既成の依拠であり、まさに巻中の各章の歌訣が最終的に落ち着くところである。
通變部第十八(凡六章):一、極變章;二、單卦變通章;三、重卦變通章;四、六十四卦變通章;五、時變章;六、事變章。附:一、皇恩大赦;二、大殺;三、天喜;四、天德方;五、三殺方;六、煞轉;七、九空地;八、及腳敗;九、起十隔;十、渾天甲子裝卦用。周易尚占目錄畢。
第十八「通変部」は六章で、卦爻の変化を総論する。一は「極変章」で、伏羲が太極を体して卦を画くことを説く。二は「単卦変通章」で、三画の卦が八変して本に返ることを説く。三は「重卦変通章」で、六画の卦が十六変して本に返ることを説く。四は「六十四卦変通章」で、一卦ごとに六十四の変があり、合わせて四千九十六卦の数となることを説く。五は「時変章」で、十二消息卦に月・日・時辰を配する。六は「事変章」で、爻を観て変を察し、吉に趨り凶を避けることを説く。書の末に別途十条の雑例を附す。一は「皇恩大赦」、二は「大殺」、三は「天喜」、四は「天徳方」、五は「三殺方」、六は「煞転」、七は「九空地」、八は「及脚敗」、九は「起十隔」、十は「渾天甲子装卦用」。この十条は今の伝本では目だけが残り正文がない。《周易尚占》の総目はここで終わる。
巻上
図局部第一
一、無極而太極
無者,虛無自然之謂也。始於無始,窮於無窮,不可極而極者也。聖人強名曰無,字之曰太極。周子曰:“無極而太極,太極動而生陽,靜而生陰,一陰一陽互為其根,兩儀立焉。”即《易》所謂“易有太極,是生兩儀”,言太極之變也。
いわゆる「無」とは、虚空寂寥として本来自然であるあの本体を指す。それは始まりのないところに始まり、窮尽することのできない境に窮まる。本来は「極」という一字で限定することができないのに、やむを得ず「極」の字を立ててそれを指称する。聖人は止むを得ず、強いてそれに「無」と名づけ、また「太極」と字した。周敦頤が《太極図説》で言うには、無極にして太極、太極は一動すれば陽を生じ、一静すれば陰を生ずる。一陰一陽が互いに相手の根柢となり、両儀はここに立つ。これすなわち《周易・繫辞》のいう「易に太極あり、これ両儀を生ず」で、語るところはまさに太極自身の変化である。
二、太極生両儀
▅▅▅▅▅者,陽也;▅▅ ▅▅者,陰也。老子云:“道生一”,即無極而太極也。又云:“一生二”,即太極生兩儀也。邵子所謂“一分為二”者是也。所謂二者,一陰一陽也。陽動也,陰靜也。動極復靜,靜極復動,互為互靜而生四象。《易·繫》云:“兩儀生四象”。邵子云:“二分為四”。言兩儀之變也。
一画で断れない「▅▅▅▅▅」は陽爻、中が断れた「▅▅ ▅▅」は陰爻である。《老子》のいう「道は一を生ず」とは、無極より太極を生ずることを語る。さらにいう「一は二を生ず」とは、太極より両儀を生ずることを語る。邵雍のいわゆる「一が分かれて二となる」とは、まさにこの事である。ここにいう「二」とは一陰一陽である。陽の性情は動を主とし、陰の性情は静を主とする。動は極まれば転じて静に返り、静は極まれば転じて動に返る。一動一静が互いにその根となり、ここに四象を生ずる。《周易・繫辞》のいう「両儀は四象を生ず」、邵雍のいう「二が分かれて四となる」とは、まさに両儀自身の変化を語る。
三、両儀生四象
老陽:▅▅▅▅▅/▅▅▅▅▅。老陽者,動之極也,是謂老陽。少陰:▅▅ ▅▅/▅▅▅▅▅。少陰者,動極而靜也,是謂少陰。少陽:▅▅▅▅▅/▅▅ ▅▅。少陽者,靜極而動也,是謂少陽。老陰:▅▅ ▅▅/▅▅ ▅▅。老陰者,靜之極也,是謂老陰。
四象はみな上下二画から成り、見るときは下より上へ向かう。上下二画とも陽画なるものを「老陽」といい、動の極点の状態なので老陽と名づける。上画が陰で下画が陽なるものを「少陰」といい、動極まって静に転ずるので少陰と名づける。上画が陽で下画が陰なるものを「少陽」といい、静極まって動に転ずるので少陽と名づける。上下二画とも陰画なるものを「老陰」といい、静の極点の状態なので老陰と名づける。
四象分位而五行具矣,四象各有動靜,機緘不已,八卦分焉。周子云:“五性感動吉凶分,而萬事出矣”。《易·繫》云:“四象生八卦”。言四象之變也。
四象はそれぞれ一方の位を占め、金・木・水・火・土の五行もこれに随って具わる。四象自身にもそれぞれ動あり静あり、この一重の運転の機括は歇まることがなく、八卦はここから分化して出る。周敦頤はいう。五つの性情が感動すれば、吉と凶とが分かれ判じられ、万事もこれに随って生ずる。《周易・繫辞》のいう「四象は八卦を生ず」とは、まさに四象自身の変化を語る。
四、四象生八卦
乾一:☰。☰者,老陽動也,是謂乾一。兌二:☱。☱者,老陽靜也,是謂兌二。離三:☲。☲者,少陰動也,是謂離三。震四:☳。☳者,少陰靜也,是謂震四。巽五:☴。☴者,少陽動也,是謂巽五。坎六:☵。☵者,少陽靜也,是謂坎六。艮七:☶。☶者,老陰動也,是謂艮七。坤八:☷。☷者,老陰靜也,是謂坤八。
四象の上にさらに動静を分かてば八卦となる。卦ごとに一つの定数がある。乾は第一に居り、卦画は☰を作す。老陽の上にさらに動を取って成るので「乾一」と称す。兌は第二に居り、卦画は☱を作す。老陽の上に静を取って成るので「兌二」と称す。離は第三に居り、卦画は☲を作す。少陰の上に動を取って成るので「離三」と称す。震は第四に居り、卦画は☳を作す。少陰の上に静を取って成るので「震四」と称す。巽は第五に居り、卦画は☴を作す。少陽の上に動を取って成るので「巽五」と称す。坎は第六に居り、卦画は☵を作す。少陽の上に静を取って成るので「坎六」と称す。艮は第七に居り、卦画は☶を作す。老陰の上に動を取って成るので「艮七」と称す。坤は第八に居り、卦画は☷を作す。老陰の上に静を取って成るので「坤八」と称す。この一連の次序が邵雍の伝えた先天八卦の序である。
五、八卦方位図
東北:為立春,物之始也,艮止以之。東:為春分,萬物出也,震動以之。東南:為立夏,萬物潔齊,巽順以之。南:為夏至,萬物相見,離麗以之。西南:為立秋,萬物致養,坤厚以之。西:為秋分,萬物成也,兌說以之。西北:為立冬,萬物遂也,乾健以之。北:為冬至,萬物藏也,坎陷以之。《易·繫》云:八卦成列,易行乎其中矣。
八卦はそれぞれ一方・一節に配する。東北の方は立春に配し、万物が萌動し始める時で、艮卦が「止」の徳性をもってこれを主る。正東の方は春分に配し、万物はここから生じ出て、震卦が「動」の徳性をもってこれを主る。東南の方は立夏に配し、万物が斉しく潔くなり、巽卦が「順」の徳性をもってこれを主る。正南の方は夏至に配し、万物が互いに見え合い、離卦が「麗」すなわち附麗光明の徳性をもってこれを主る。西南の方は立秋に配し、万物が長養を得、坤卦が「厚」の徳性をもってこれを主る。正西の方は秋分に配し、万物が成熟し、兌卦が「説」すなわち和悦の徳性をもってこれを主る。西北の方は立冬に配し、万物が各々その性を遂げ、乾卦が「健」の徳性をもってこれを主る。正北の方は冬至に配し、万物が収斂潜蔵し、坎卦が「陥」の徳性をもってこれを主る。《周易・繫辞》にいう。八卦が序列を成せば、易の道はその中に行われる。
六、乾坤生六子図
乾為父,坤為母,乾坤交而生六子。乾初爻交坤成震,震為長男。坤初爻交乾成巽,巽為長女。乾中爻交坤成坎,坎為中男。坤中爻交乾成離,離為中女。乾上爻交坤成艮,艮為少男。坤上爻交乾成兌,兌為少女。三男三女,陰陽相推,生生化化而無窮也。善觀易者,反窮諸己,自得之矣。
乾卦は父、坤卦は母で、乾坤の二卦が交感して六つの子女の卦を生ずる。乾の初爻が坤の中に交わり入って震卦となり、震はすなわち長男である。坤の初爻が乾の中に交わり入って巽卦となり、巽はすなわち長女である。乾の中爻が坤の中に交わり入って坎卦となり、坎はすなわち中男である。坤の中爻が乾の中に交わり入って離卦となり、離はすなわち中女である。乾の上爻が坤の中に交わり入って艮卦となり、艮はすなわち少男である。坤の上爻が乾の中に交わり入って兌卦となり、兌はすなわち少女である。三男三女、陰と陽とが互いに推移し、生々息まず変化窮まらない。《易》の道を観玩するに善い者は、向きを返して自己の身心の上にこの理を窮めれば、自ずから得るところがある。
七、天干納甲図
數書云:“乾坤定位於甲乙,山澤通氣於丙丁,水火相建於戊己,雷風相薄於庚辛”。是故,乾納甲也,坤納乙也,艮納丙也,兌納丁也,坎納戊也,離納己也,震納庚也,巽納辛也,乾又納壬也,坤又納癸也。甲乙壬癸,十干之始終,乾坤納甲乙壬癸,表覆載之,功廣大也。
術数の書にいう。乾坤の二卦は甲・乙に定位し、艮の山と兌の沢は丙・丁に通気し、坎の水と離の火は戊・己に相建し、震の雷と巽の風は庚・辛に相薄する。このゆえに乾卦は「甲」を納め、坤卦は「乙」を納め、艮卦は「丙」を納め、兌卦は「丁」を納め、坎卦は「戊」を納め、離卦は「己」を納め、震卦は「庚」を納め、巽卦は「辛」を納める。乾卦はまた兼ねて「壬」を納め、坤卦はまた兼ねて「癸」を納める。甲・乙は十干の始めで、壬・癸は十干の終わりである。乾坤の両卦が甲乙壬癸の四つの干を独占するのは、まさに天が覆い地が載せるあの広大な功用を表すためである。
八、地支納甲図
震為長男,巽為長女,故配之以子丑。坎為中男,離為中女,故配之以寅卯。艮為少男,兌為少女,故配之以辰巳。外卦之配,對宮取之。假如震巽納子丑,外卦自然納午未。餘仿此。乾納子午,坤納丑未,先未後丑。何也?陽順陰逆也。逆順相須,造化成焉。
震は長男、巽は長女なので、内卦に地支の子と丑を配する。坎は中男、離は中女なので、寅と卯を配する。艮は少男、兌は少女なので、辰と巳を配する。外卦に配する地支は、相対する宮を取って定める。例えば震・巽の内卦が子・丑を納めれば、外卦は自ずからこれと相冲する午・未を納める。残りの各卦もこれに類推する。乾卦は子と午を納め、坤卦は丑と未を納めるが、坤卦は先に未を納め後に丑を納める。これは何の故かというに、陽の干支は順行し、陰の干支は逆行するからである。逆行と順行とが互いに依り待ち、造化はこれによって成る。
九、支干納音図
一者,中央黃靈之氣,故納音屬土。三者,南方丹靈之氣,故納音屬火。五者,北方玄靈之氣,故納音屬水。七者,西方皓靈之氣,故納音屬金。九者,東方青靈之氣,故納音屬木。或於中央十二氣者,字相連粘之誤也。中央土,一氣也,達者味之。
納音は数をもって五行を定める。数が一なるものは中央の黄霊の気なので、納音は土に属す。数が三なるものは南方の丹霊の気なので、納音は火に属す。数が五なるものは北方の玄霊の気なので、納音は水に属す。数が七なるものは西方の皓霊の気なので、納音は金に属す。数が九なるものは東方の青霊の気なので、納音は木に属す。ある本は「中央」の下に「十二気」と作すが、それは刻本の文字が前後に連粘して生じた誤りである。中央の土はただ「一気」に過ぎない。通達する者は自ずからその中の分別を細かく味わうであろう。
十、五子帰元図
外卦對取,六甲備矣。納音五子歸元圖:兌,丁巳;艮,丙辰;離,己卯;坎,戊寅;巽,辛丑;震,庚子。土:□。火:乙、甲、丁、丙、己、戊。水:癸、壬、乙、甲、丁、丙。金:辛、庚、癸、壬、乙、甲。木:己、戊、辛、庚、癸、壬。
外卦は相対する宮に従って取れば、六十甲子が備わり揃う。これが「納音五子帰元図」の内容である。図の左半は六卦の起こる納甲を列す。兌卦は丁巳に起こり、艮卦は丙辰に起こり、離卦は己卯に起こり、坎卦は戊寅に起こり、巽卦は辛丑に起こり、震卦は庚子に起こる。図の右半は納音の五行をもって行に分かち、子・丑に配する天干を列す。土に属する行は原図が空阙で干名を列さない(例に依れば丁・丙・己・戊・辛・庚と作すべきである)。火に属する行は乙・甲・丁・丙・己・戊、水に属する行は癸・壬・乙・甲・丁・丙、金に属する行は辛・庚・癸・壬・乙・甲、木に属する行は己・戊・辛・庚・癸・壬である。各行ごとに二位ずつ差があり、循環して相い推す。これが「五子帰元」で納音を取る方法である。
震為長男,納甲起庚子;巽為長女,納甲起辛丑;以庚辛為母,以子丑為子。壬至庚,癸至辛,皆九數,故壬子癸丑納音屬木。甲至庚,乙至辛,皆七數,故甲子乙丑納音屬金。丙至庚,丁至辛,皆五數,故丙子丁丑納音屬水。戊至庚,己至辛,皆三數,故戊子己丑納音數火。庚辛一數,故庚子辛丑納音屬土。餘仿此。圖局已具。
震は長男で納甲は庚子より起こり、巽は長女で納甲は辛丑より起こる。これは庚・辛の二つの天干を母とし、子・丑の二つの地支を子とすることである。壬より庚まで数え、癸より辛まで数えると、いずれも九数隔たるので、壬子と癸丑の一組の納音は木に属す。甲より庚まで数え、乙より辛まで数えると、いずれも七数隔たるので、甲子と乙丑の一組の納音は金に属す。丙より庚まで数え、丁より辛まで数えると、いずれも五数隔たるので、丙子と丁丑の一組の納音は水に属す。戊より庚まで数え、己より辛まで数えると、いずれも三数隔たるので、戊子と己丑の一組の納音は火に属す(原刻は「数火」と作す、すなわち火に属す)。庚と辛は自身一数隔たるのみなので、庚子と辛丑の一組の納音は土に属す。残りの各組はみなこの方法に照らして推す。図局部十章はここに備わり完了した。
旁通部第二
一、六位例
橫看:六爻、五爻、四爻、三爻、二爻、初爻。定位:陰、陽、義、仁、柔、剛。三材:空、天、官、人、山、地。占雨:空、雨、雲、風、電、雷。占晴:大空、日月、霞虹、風氣、煙靄、霧露。地理:山、林、木、草、地、水。田土:山崗、林麓、高田、平原、低田、湖塘。居處:山林、京都、坊鎮、市井、州縣、鄉。田禾:成熟、田主、禾穗、秧苗、種子、田地。僧道:祖師、師父、檀越、法眷、己身、徒弟。仕宦:隱逸、王公、諸侯、大夫、士人、庶民。身命:首、心、腹、股、腓、足。六親:祖、父母、伯叔、兄弟、己身妻、子孫。
この節は六爻がそれぞれ何人何事を主るかの定例である。表頭の「横看」は上より下への六つの爻位を標出し、順に六爻(すなわち上爻)・五爻・四爻・三爻・二爻・初爻で、以下の各行はみなこの順序に照応する。爻位自体の定位について言えば、上爻は陰に属し、五爻は陽に属し、四爻は義を主り、三爻は仁を主り、二爻は柔を主り、初爻は剛を主る。天地人の三才に配すれば、上爻は空、五爻は天、四爻は官、三爻は人、二爻は山、初爻は地である。雨を占う。上爻は空、五爻は雨、四爻は雲、三爻は風、二爻は電、初爻は雷。晴を占う。上爻は大空、五爻は日月、四爻は霞虹、三爻は風気、二爻は煙靄、初爻は霧露。地理を占う。上爻は山、五爻は林、四爻は木、三爻は草、二爻は地、初爻は水。田土を占う。上爻は山岡、五爻は林麓、四爻は高田、三爻は平原、二爻は低田、初爻は湖塘。居処を占う。上爻は山林、五爻は京都、四爻は坊鎮、三爻は市井、二爻は州県、初爻は郷村。田禾を占う。上爻は成熟の期、五爻は田主、四爻は禾穂、三爻は秧苗、二爻は種子、初爻は田地。僧道を占う。上爻は祖師、五爻は師父、四爻は檀越すなわち施主、三爻は法眷すなわち同門、二爻は自身、初爻は徒弟。仕宦を占う。上爻は隠逸の士、五爻は王公、四爻は諸侯、三爻は大夫、二爻は士人、初爻は庶民。身命を占う。上爻は頭、五爻は心、四爻は腹、三爻は大腿、二爻は小腿、初爻は足。六親を占う。上爻は祖、五爻は父母、四爻は伯叔、三爻は兄弟、二爻は自身と妻、初爻は子孫。
行人:地頭、道路、門、戶、身、足。屋宇:棟、梁、枋、柱、人身、基址。住居:門戶、廳堂、廊廡、倉庫、房屋、井灶。舟船:帆幔、桅纜、櫓棹、身倉、舟主、艄船。家畜:駝象、牛馬、驢騾、豕羊、貓犬、雞鵝。野獸:鷹、鴻鵠、雞雉、虎豹、豺狼、狐兔。水族:蛟蜃、鷗鷺、鴛鴦、龜鱉、鮒鱔、蝦魚。占事:國事、心事、官事、家事、身事、人事。占蠶:簇、主、桑、筐、蠶、種。興販:寶貝、主人、金玉、疋帛、財本、物貨。商:店宇、客人、行貨、牙郎、己身、財本。賈:宜利、買主、發賣、停塌、己身、財本。
以下もやはり上爻より初爻への順序で分配する。出行の人を占う。上爻は目的地、五爻は道路、四爻は門、三爻は戸、二爻はその身、初爻はその足。屋宇を占う。上爻は棟、五爻は梁、四爻は枋、三爻は柱、二爻は住人、初爻は地基。住居を占う。上爻は門戸、五爻は庁堂、四爻は廊廡、三爻は倉庫、二爻は房屋、初爻は水井と炉竃。舟船を占う。上爻は帆幔、五爻は桅纜、四爻は艪櫂、三爻は船身と貨艙、二爻は船主、初爻は艄公。家畜を占う。上爻は駱駝・大象、五爻は牛馬、四爻は驢騾、三爻は猪羊、二爻は猫犬、初爻は鶏鵞。野獣を占う。上爻は鷹、五爻は鴻鵠、四爻は野鶏、三爻は虎豹、二爻は豺狼、初爻は狐兎。水族を占う。上爻は蛟蜃、五爻は鴎鷺、四爻は鴛鴦、三爻は亀鳖、二爻は鮒魚と黄鱔、初爻は蝦魚。事情を占う。上爻は国事、五爻は心事、四爻は官事、三爻は家事、二爻は身事、初爻は人事。蚕を占う。上爻は蚕簇、五爻は蚕主、四爻は桑葉、三爻は蚕筐、二爻は蚕、初爻は蚕種。販運を占う。上爻は宝貝、五爻は主人、四爻は金玉、三爻は絹帛、二爻は本銭、初爻は貨物。行商を占う。上爻は店舗、五爻は客人、四爻は販ぐ貨、三爻は牙郎すなわち仲介、二爻は自身、初爻は本銭。坐賈を占う。上爻は得るべき利、五爻は買主、四爻は発売、三爻は囤積、二爻は自身、初爻は本銭。
疾病:頭面、心胸、腸胃、腰腎、身體、手足。鬼神:星辰、社廟、神佛、家先、祭主、土地。願心:口願、心願、善願、拜願、己身、香願。婚姻:祖宗、公姑、外氏、保親、夫妻、媒人。六甲:化婆、父、母、看生、子、胎息。轉官:任所、宣命、差遣、保舉、己身、解由。公訟:決斷、官府、對頭、詞狀、己身、見人。墳墓:朝向、祭主、風水、羅堂、亡身、穴道。擇葬:朝向、亡人、風水、羅堂、基址、穴道。牛馬:水草、主人、鞍轡、欄廄、牛馬、人力。尋人:閒人、貴人、外人、親人、己身、婦人。捕賊:遠方、本路、本處、近處、捕盜、家人。
以下の各類もやはり上爻より初爻まで数える。疾病を占う。上爻は頭面、五爻は心胸、四爻は腸胃、三爻は腰腎、二爻は身体、初爻は手足。鬼神を占う。上爻は星辰、五爻は社廟、四爻は神仏、三爻は亡き家中の先人、二爻は主祭の人、初爻は土地神。許願・還願を占う。上爻は口頭の願、五爻は心中の願、四爻は行善の願、三爻は礼拝の願、二爻は許願者自身、初爻は焚香の願。婚姻を占う。上爻は祖宗、五爻は舅姑、四爻は外家、三爻は保を作す人、二爻は夫妻、初爻は媒人。懐孕・生産を占う。上爻は産を取り上げる老婦、五爻は父、四爻は母、三爻は生を看る人、二爻は胎児、初爻は胎息。調官・遷転を占う。上爻は赴任の所、五爻は朝廷の任命、四爻は差遣、三爻は薦挙の人、二爻は自身、初爻は解由文書。官司・詞訟を占う。上爻は最終の判決、五爻は官府、四爻は対頭、三爻は状紙、二爻は自身、初爻は証人。墳墓を占う。上爻は朝向、五爻は主祭の人、四爻は風水、三爻は羅堂、二爻は亡者の身、初爻は穴道。地を擇んで下葬するを占う。上爻は朝向、五爻は亡人、四爻は風水、三爻は羅堂、二爻は基址、初爻は穴道。牛馬を占う。上爻は水草、五爻は主人、四爻は鞍轡、三爻は欄厩、二爻は牛馬自身、初爻は使う人力。人を尋ねるを占う。上爻は関わりなき閑人、五爻は貴人、四爻は外人、三爻は親人、二爻は自身、初爻は婦人。賊を捕らえるを占う。上爻は遠方、五爻は本路、四爻は本処、三爻は近処、二爻は盗を捕らえる差役、初爻は自家の人。
二、月建六神例
六神:正月、二月、三月、四月、五月、六月、七月、八月、九月、十月、十一、十二。青龍:寅、卯、辰、巳、午、未、申、酉、戌、亥、子、丑。白虎:申、酉、戌、亥、子、丑、寅、卯、辰、巳、午、未。朱雀:巳、午、未、申、酉、戌、亥、子、丑、寅、卯、辰。玄武:亥、子、丑、寅、卯、辰、巳、午、未、申、酉、戌。勾陳:丑、寅、卯、辰、巳、午、未、申、酉、戌、亥、子。騰蛇:辰、卯、寅、丑、子、亥、戌、酉、申、未、午、巳。
これは月建によって六神を安ずる定例である。表は正月から十二月までを縦列とし、六神がそれぞれ一行を占め、行内に列する地支がその神の当月に臨む爻位である。「青龍」は正月に寅より起こり、月ごとに順行する。正月は寅、二月は卯、三月は辰、四月は巳、五月は午、六月は未、七月は申、八月は酉、九月は戌、十月は亥、十一月は子、十二月は丑。「白虎」は青龍と相冲し、正月に申より起こり、やはり順行して一周し、十二月に未に落ちる。「朱雀」は青龍の前三位にあり、正月に巳より起こり、順行して十二月の辰に至る。「玄武」は青龍の後三位にあり、正月に亥より起こり、順行して十二月の戌に至る。「勾陳」は青龍の後一位にあり、正月に丑より起こり、順行して十二月の子に至る。ただ「騰蛇」のみ逆行で、正月に辰より起こり、二月は卯に退き、三月は寅に退き、月ごとに倒推して、十二月に巳に落ちる。
三、日建六神例
日天干:上爻、五爻、四爻、三爻、二爻、初爻。甲乙日:玄武、白虎、騰蛇、勾陳、朱雀、青龍。丙丁日:青龍、玄武、白虎、騰蛇、勾陳、朱雀。戊己日:朱雀、青龍、玄武、白虎、騰蛇、勾陳。庚辛日:騰蛇、勾陳、朱雀、青龍、玄武、白虎。壬癸日:白虎、騰蛇、勾陳、朱雀、青龍、玄武。
これは卦を占う当日の天干によって六爻の上に六神を安ずる定例である。表頭は上爻・五爻・四爻・三爻・二爻・初爻の六位を列する。甲日・乙日に逢えば、上爻は玄武、五爻は白虎、四爻は騰蛇、三爻は勾陳、二爻は朱雀、初爻は青龍。丙日・丁日に逢えば、上爻は青龍、五爻は玄武、四爻は白虎、三爻は騰蛇、二爻は勾陳、初爻は朱雀。戊日・己日に逢えば、上爻は朱雀、五爻は青龍、四爻は玄武、三爻は白虎、二爻は騰蛇、初爻は勾陳。庚日・辛日に逢えば、上爻は騰蛇、五爻は勾陳、四爻は朱雀、三爻は青龍、二爻は玄武、初爻は白虎。壬日・癸日に逢えば、上爻は白虎、五爻は騰蛇、四爻は勾陳、三爻は朱雀、二爻は青龍、初爻は玄武。六神の排列の次序は常に青龍・朱雀・勾陳・騰蛇・白虎・玄武で、初爻より上へ順に安ずる。ただ起頭の一位が日干に随って移るだけである。
四、八卦取象例
乾、坤、震、巽、坎、離、艮、兌。在天成象:天、雲、雷、風、月、日、氣、雨。在地成形:金、土、木、竹、水、火、山、河。近取諸身:首、腹、足、手、耳、目、鼻、口。遠取諸物:馬、牛、龍、雞、豕、雉、狗、羊。卦體:圓、方、大、長、實、虛、小、短。卦材:健、順、動、入、陷、麗、止、說。
これは八卦の取象の定例である。表頭は八卦を横に列し、次序は乾・坤・震・巽・坎・離・艮・兌で、以下の各行はみなこの次序に照らして一一対応する。天に在って象を成す。乾は天、坤は雲、震は雷、巽は風、坎は月、離は日、艮は気、兌は雨。地に在って形を成す。乾は金、坤は土、震は木、巽は竹、坎は水、離は火、艮は山、兌は河。近くは諸身に取る。乾は頭、坤は腹、震は足、巽は手、坎は耳、離は目、艮は鼻、兌は口。遠くは諸物に取る。乾は馬、坤は牛、震は龍、巽は鶏、坎は猪、離は野雉、艮は狗、兌は羊。卦体の形状について言えば、乾は円、坤は方、震は大、巽は長、坎は実、離は虚、艮は小、兌は短。卦材の徳性について言えば、乾は健、坤は順、震は動、巽は入、坎は陥、離は麗、艮は止、兌は説。
人體:端正、雄壯、俊銳、潔淨、清奇、秀麗、短小、柔美。人材:精勤、拙訥、伎巧、活落、通疎、知慧、慵懶、捷辨。德性:誠恪、敦篤、決烈、謙遜、淳樸、靈變、鎮重、溫潤。情偽:武勇、悋嗇、燥暴、進退、隱伏、虛詐、偏執、誣妄。命基:心、身、肝、胃、腎、膽、脾、肺。性本:神、形、魂、志、精、氣、意、魄。
以下の六行もやはり乾・坤・震・巽・坎・離・艮・兌の次序に照らし、もっぱら人を論ずる。人の体貌。乾は端正を主り、坤は雄壮を主り、震は俊鋭を主り、巽は潔浄を主り、坎は清奇を主り、離は秀麗を主り、艮は矮小を主り、兌は柔美を主る。人の材質。乾は精勤、坤は笨拙にして訥言、震は技巧に富み、巽は灵活にして伶俐、坎は通達にして疏放、離は聡明智慧、艮は慵懒、兌は口が捷く辨に敏い。人の徳性。乾は誠懇恭謹、坤は敦厚篤実、震は決断剛烈、巽は謙遜、坎は淳朴、離は機転にして善変、艮は穏重、兌は温潤。人情の虚偽の面。乾は流れて勇を逞しゅうし闘を好み、坤は流れて吝嗇、震は流れて急躁暴烈、巽は流れて進退定まらず、坎は流れて隠伏蔵匿、離は流れて虚詐、艮は流れて偏執、兌は流れて誣妄。性命の根基は臓腑に在る。乾は心、坤は身、震は肝、巽は胃、坎は腎、離は胆、艮は脾、兌は肺。性の本原は神魂に在る。乾は神、坤は形、震は魂、巽は志、坎は精、離は気、艮は意、兌は魄。
五、八卦法用例
乾、坤、震、巽、坎、離、艮、兌。父子:父、母、長男、長女、中男、中女、少男、少女。君臣:王公、宰相、諸侯、大夫、公吏、士人、庶民、伶倫。人事:官事、家事、身事、公事、憂事、心事、閒事、喜事。各業:士、農、工、商、武、文、醫、卜。尋訪:貴人、主人、客人、行人、吏人、士人、商人、匠人。轉官:朝廷、任所、差遣、宣命、印綬、保明、復任、解田。安厝:朝向、羅堂、林麓、行木、風水、香火、主山、陂塘。居處:屋宇、產業、動用、簾幃、池井、爐灶、門屏、窗牖。營運:車輿、舟船、器械、繩直、弓輪、甲冑、閽寺、剛滷。交易:寶玉、布帛、財本、行貨、酒食、夥伴、店舍、牙郎。
これは八卦を各種の事柄の上で取り用いる定例で、表頭はやはり乾・坤・震・巽・坎・離・艮・兌を横に列する。父子を論ず。乾は父、坤は母、震は長男、巽は長女、坎は中男、離は中女、艮は少男、兌は少女。君臣を論ず。乾は王公、坤は宰相、震は諸侯、巽は大夫、坎は衙門の公吏、離は士人、艮は庶民、兌は伶人・楽工。人事を論ず。乾は官事を主り、坤は家事を主り、震は自身の事を主り、巽は公事を主り、坎は憂愁の事を主り、離は心中の事を主り、艮は閑雑の事を主り、兌は喜慶の事を主る。各業各業を論ず。乾は士、坤は農、震は工匠、巽は商賈、坎は武人、離は文人、艮は医者、兌は卜者。尋ね訪ねる対象を論ず。乾は貴人、坤は主人、震は客人、巽は出行して外に在る人、坎は吏人、離は士人、艮は商人、兌は匠人。調官・遷転を論ず。乾は朝廷、坤は赴任の所、震は差遣、巽は宣命、坎は印綬、離は保明の文書、艮は復任、兌は解由。安葬を論ず。乾は朝向、坤は羅堂、震は林麓、巽は行木、坎は風水、離は香火、艮は主山、兌は陂塘。居処を論ず。乾は屋宇、坤は産業、震は日常動用の器物、巽は帘幃、坎は池井、離は炉竈、艮は門屏、兌は窗牖。営運の器具を論ず。乾は車輿、坤は舟船、震は器械、巽は縄墨、坎は弓輪、離は甲胄、艮は門を守る人、兌は塩鹵・剛硬の地。交易を論ず。乾は宝玉、坤は布帛、震は本銭、巽は販運の貨物、坎は酒食、離は合伙の人、艮は店舎、兌は居中して說合する牙郎。
六、八卦(八節)休旺例
旺、相、胎、沒、死、囚、休、廢。立春:艮、震、巽、離、坤、兌、乾、坎。春分:震、巽、離、坤、兌、乾、坎、艮。立夏:巽、離、坤、兌、乾、坎、艮、震。夏至:離、坤、兌、乾、坎、艮、震、巽。立秋:坤、兌、乾、坎、艮、震、巽、離。秋分:兌、乾、坎、艮、震、巽、離、坤。立冬:乾、坎、艮、震、巽、離、坤、兌。冬至:坎、艮、震、巽、離、坤、兌、乾。
これは八つの節気によって八卦の気数を推す定例である。表頭は旺・相・胎・没・死・囚・休・廃の八等の気数を横に列し、節気ごとに一行を占め、行内の八卦は順にこの八つの格に填め込む。立春。艮は旺、震は相、巽は胎、離は没、坤は死、兌は囚、乾は休、坎は廃。春分。震は旺、巽は相、離は胎、坤は没、兌は死、乾は囚、坎は休、艮は廃。立夏。巽は旺、離は相、坤は胎、兌は没、乾は死、坎は囚、艮は休、震は廃。夏至。離は旺、坤は相、兌は胎、乾は没、坎は死、艮は囚、震は休、巽は廃。立秋。坤は旺、兌は相、乾は胎、坎は没、艮は死、震は囚、巽は休、離は廃。秋分。兌は旺、乾は相、坎は胎、艮は没、震は死、巽は囚、離は休、坤は廃。立冬。乾は旺、坎は相、艮は胎、震は没、巽は死、離は囚、坤は休、兌は廃。冬至。坎は旺、艮は相、震は胎、巽は没、離は死、坤は囚、兌は休、乾は廃。八卦は後天の方位に依り節気に随って次々と遷移する。当令の一卦を旺とし、それに続く一卦を相とし、残りは順に逓降して最末の廃に至る。
七、逐月吉凶神殺例
正月、二月、三月、四月、五月、六月、七月、八月、九月、十月、十一、十二。天喜:戌、亥、子、丑、寅、卯、辰、巳、午、未、申、酉。天解:申、申、酉、酉、戌、戌、亥、亥、午、午、未、未。天醫:卯、亥、丑、未、巳、卯、亥、丑、未、巳、卯、亥。飛廉:申、未、午、巳、辰、卯、寅、丑、子、亥、戌、酉;主人卒亡。血忌:丑、未、寅、申、卯、酉、辰、戌、巳、亥、午、子;不宜針灸。雷火:寅、丑、子、亥、戌、酉、申、未、午、巳、辰、卯。
これは月ごとに吉凶の神殺を起こす定例である。表頭は正月より十二月まで排し、神殺ごとに一行を占め、行内の地支はその神の当月に臨む位である。「天喜」。正月は戌、以後月ごとに順行し、二月は亥、三月は子、四月は丑、五月は寅、六月は卯、七月は辰、八月は巳、九月は午、十月は未、十一月は申、十二月は酉。「天解」。二月ごとに一移し、正月と二月は申、三月と四月は酉、五月と六月は戌、七月と八月は亥、九月と十月は午、十一月と十二月は未。「天医」。正月は卯、二月は亥、三月は丑、四月は未、五月は巳、六月は卯。七月以下は前六ヶ月の次序を繰り返し、順に亥・丑・未・巳・卯・亥。「飛廉」。正月は申に在り、月ごとに逆退して未・午・巳・辰・卯・寅・丑・子・亥・戌・酉。この殺は家中の人の暴死を主る。「血忌」。正月は丑、二月は未、三月は寅、四月は申、五月は卯、六月は酉、七月は辰、八月は戌、九月は巳、十月は亥、十一月は午、十二月は子。これを犯せば針灸すべからず。「雷火」。正月は寅に在り、月ごとに逆退して丑・子・亥・戌・酉・申・未・午・巳・辰・卯。
往亡:寅、巳、申、亥、卯、午、酉、子、辰、未、戌、丑;出行主死。負結:亥、亥、丑、丑、卯、卯、巳、巳、未、未、酉、酉;負鬼神食。生氣:子、丑、寅、卯、辰、巳、午、未、申、酉、戌、亥。死氣:午、未、申、酉、戌、亥、子、丑、寅、卯、辰、巳。吉殺:丑、寅、卯、辰、巳、午、未、申、酉、戌、亥、子。天德:亥、子、丑、寅、卯、辰、巳、午、未、申、酉、戌。月德:未、申、酉、戌、亥、子、丑、寅、卯、辰、巳、午。
「往亡」。正月は寅、二月は巳、三月は申、四月は亥、五月は卯、六月は午、七月は酉、八月は子、九月は辰、十月は未、十一月は戌、十二月は丑。この日に出行すれば死傷の厄を主る。「負結」。これも二月ごとに一移し、正月と二月は亥、三月と四月は丑、五月と六月は卯、七月と八月は巳、九月と十月は未、十一月と十二月は酉。鬼神の祭食を欠負することを主る。「生気」。正月は子に在り、月ごとに順行して十二月に亥に落ちる。「死気」は生気と相冲し、正月は午に在り、月ごとに順行して十二月に巳に落ちる。「吉殺」。正月は丑に在り、月ごとに順行して十二月に子に落ちる。「天徳」。正月は亥に在り、月ごとに順行して十二月に戌に落ちる。「月徳」。正月は未に在り、月ごとに順行して十二月に午に落ちる。およそ吉神が世爻・身爻に臨めば万事順調であり、凶殺がこれに臨めば防ぎ備えなければならない。
八、逐日吉凶神殺例
日干:甲、乙、丙、丁、戊、己、庚、辛、壬、癸。祿元:寅、卯、巳、午、巳、午、申、酉、亥、子。貴人:丑、子、亥、酉、未、申、午、寅、卯、巳。大殺:亥、亥、未、未、戌、戌、寅、寅、巳、巳。
これは卦を占う当日の天干によって神殺を起こす定例で、表頭は甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸の十干を横に列する。「禄元」すなわち建禄の位。甲日は寅、乙日は卯、丙日は巳、丁日は午、戊日は巳、己日は午、庚日は申、辛日は酉、壬日は亥、癸日は子。「貴人」すなわち天乙貴人。甲日は丑、乙日は子、丙日は亥、丁日は酉、戊日は未、己日は申、庚日は午、辛日は寅、壬日は卯、癸日は巳。「大殺」は両干が一位を共にする。甲日と乙日は亥、丙日と丁日は未、戊日と己日は戌、庚日と辛日は寅、壬日と癸日は巳。禄元・貴人が世に臨み身に臨めば吉であり、大殺が世に臨み身に臨めば忌む。
九、合刑殺例
支神:子、丑、寅、卯、辰、巳、午、未、申、酉、戌、亥。六合:丑、子、亥、戌、酉、申、未、午、巳、辰、卯、寅。三合:申辰、巳酉、午戌、亥未、申子、酉丑、寅戌、亥卯、子辰、巳丑、寅午、卯未。三刑:卯、戌、巳、子、辰、申、午、丑、寅、酉、未、亥。驛馬:寅、亥、申、巳、寅、亥、申、巳、寅、亥、申、巳。劫殺:巳、寅、亥、申、巳、寅、亥、申、巳、寅、亥、申。亡神:亥、申、巳、寅、亥、申、巳、寅、亥、申、巳、寅。咸池:酉、午、卯、子、酉、午、卯、子、酉、午、卯、子。
これは十二地支の合・刑と各種の殺の定例である。表頭は子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥の十二支神を横に列し、以下の各行はこれと一一相対する。「六合」。子は丑と合し、丑は子と合し、寅は亥と合し、卯は戌と合し、辰は酉と合し、巳は申と合し、午は未と合し、未は午と合し、申は巳と合し、酉は辰と合し、戌は卯と合し、亥は寅と合す。「三合」。子は申・辰と会し、丑は巳・酉と会し、寅は午・戌と会し、卯は亥・未と会し、辰は申・子と会し、巳は酉・丑と会し、午は寅・戌と会し、未は亥・卯と会し、申は子・辰と会し、酉は巳・丑と会し、戌は寅・午と会し、亥は卯・未と会す。すなわち水・木・火・金の四局がそれぞれ三支を聚める。「三刑」。子は卯を刑し、丑は戌を刑し、寅は巳を刑し、卯は子を刑し、辰は自刑、巳は申を刑し、午は自刑、未は丑を刑し、申は寅を刑し、酉は自刑、戌は未を刑し、亥は自刑。「驛馬」は四支一循環。子・辰・申の三支の馬は寅に在り、丑・巳・酉の三支の馬は亥に在り、寅・午・戌の三支の馬は申に在り、卯・未・亥の三支の馬は巳に在る。「劫殺」。子・辰・申は巳、丑・巳・酉は寅、寅・午・戌は亥、卯・未・亥は申。「亡神」。子・辰・申は亥、丑・巳・酉は申、寅・午・戌は巳、卯・未・亥は寅。「咸池」すなわち桃花。子・辰・申は酉、丑・巳・酉は午、寅・午・戌は卯、卯・未・亥は子。
十、四時吉凶神殺例
四季:春、夏、秋、冬。五墓:未、戌、丑、辰;占病忌之,發動持凶。浴盆:辰、未、戌、丑;占病忌之,臨水神水爻並凶。三丘:丑、辰、未、戌;占病忌之,發動兄鬼主死。
これは四季によって三種の凶殺を起こす定例で、表頭は春・夏・秋・冬を横に列する。「五墓」。春は未、夏は戌、秋は丑、冬は辰に在る。疾病を占うに最もこれを忌み、この爻がもし発動するか、あるいは世身を持せば、いずれも凶を主る。「浴盆」。春は辰、夏は未、秋は戌、冬は丑に在る。疾病を占うにもまたこれを忌み、もし水神に臨むか、あるいは水爻と同じく並べば、殊に凶険である。「三丘」。春は丑、夏は辰、秋は未、冬は戌に在る。疾病を占うにこれを忌み、この爻が一たび発動し、また兄弟爻・官鬼爻と同じく並べば、病人の死亡を主る。
発端部第三
一、以銭代蓍法(揲蓍法は心鑑に見え)
以錢三文,熏於爐上,而祝心事,呵銜至至敬而祝,祝曰:「天何言哉,扣之即應,神之靈矣,感而遂通。今有某事,罔知休咎,罔釋決疑,克神克靈,惟蓍而龜,禱於爾神,亮垂報知。若可若否,尚明告之。」祝畢,擲錢於盤中。一背為單畫▅▅▅▅▅,二背為拆畫▅▅ ▅▅,三背為重畫0,純字為交畫╳。自下而上,三擲內卦成。再將錢爐上熏過,復求外卦,圓成一卦,而斷吉凶。至敬至誠,無不感應。
銅銭三枚を取り、香炉の上で薫し、心の中に占い問おうとする事を黙想し、気を含んでこれに呵し、極めて恭敬の心をもって祝告する。祝辞にいう。天はかつて何を言ったであろうか。これを叩き問えば必ず応えがある。神明はこのように霊験があり、一たび感通すれば応じないことはない。今ある一事があって、吉か凶かわからず、心の疑惑を解くことができない。ただ神こそ最も霊あり最も通ずるもの、ただ蓍草と亀甲のみが憑信できる。謹んであなたに祈り、懇請して明白に示し給わらんことを。行うべきか行うべからざるか、明らかに私に告げ給え。祝告し終えて、三枚の銭を盤の中に擲つ。一つが背面を上にするのを「単」といい、▅▅▅▅▅と画き、陽爻である。二つが背面を上にするのを「拆」といい、▅▅ ▅▅と画き、陰爻である。三つとも背面なのを「重」といい、0と記して老陽の動爻である。三つとも字面なのを「交」といい、╳と記して老陰の動爻である。下より上へ排列して、擲ち満ちて三回なれば、内卦が成る。さらに銭を炉の上で薫し、同様にして外卦を求め、一つの完全な六爻の卦に揃え、これによって吉凶を判断する。ただ極めて恭敬、極めて誠心であれば、感応しないことはない。
二、合卦例
純陽乾為天,陽中坎水連,陽上艮山止,陽下震雷焉;下陰巽風起,中陰離火燃,純陰坤地厚,陰上兌金堅。
これは八卦の卦画を記える歌訣である。三画ともに陽なるものは乾で、天を象る。一陽が中位に居り上下両画ともに陰なるものは坎で、水が流れ連なるを象る。一陽が上位に居り下の両画ともに陰なるものは艮で、山の静止を象る。一陽が下位に居り上の両画ともに陰なるものは震で、雷の奮動を象る。一陰が下位に居り上の両画ともに陽なるものは巽で、風の興起を象る。一陰が中位に居り上下両画ともに陽なるものは離で、火の燃焼を象る。三画ともに陰なるものは坤で、地の厚く載するを象る。一陰が上位に居り下の両画ともに陽なるものは兌で、金の堅剛を象る。
三、上手法(下より上へ)
單單單乾為天,拆單拆坎為水,拆拆單艮為山,單拆拆震為雷。拆單單巽為風,單拆單離為火,拆拆拆坤為地,單單拆兌為澤。重為單陽變陰,交亦拆陰變陽。
これは銭を擲てた後に下より上へ卦を定める口訣である。三回とも「単」すなわち陽爻を擲てば乾卦を成し、天となる。下より上へ順に拆・単・拆なれば坎卦を成し、水となる。順に拆・拆・単なれば艮卦を成し、山となる。順に単・拆・拆なれば震卦を成し、雷となる。順に拆・単・単なれば巽卦を成し、風となる。順に単・拆・単なれば離卦を成し、火となる。三回とも「拆」すなわち陰爻を擲てば坤卦を成し、地となる。順に単・単・拆なれば兌卦を成し、沢となる。「重」について言えば、もとは陽爻にして将に陰に変わらんとす。「交」は、もとは陰爻にして将に陽に変わらんとす。この両者はみな動爻で、卦が成った後に別に変卦を出さなければならない。
四、重卦例
乾宮(金兆):乾為天(八純、上世)、天風姤(一世)、天山遁(二世)、天地否(三世)、風地觀(四世)、山地剝(五世)、火地晉(游魂、四世)、火天大有(歸魂、三世)。坎宮(水兆):坎為水(八純、上世)、水澤節(一世)、水雷屯(二世)、水火既濟(三世)、澤火革(四世)、雷火豐(五世)、地火明夷(游魂、四世)、地水師(歸魂、三世)。
六十四卦は八宮に分かれ隷し、宮ごとに八卦、ここに宮を逐って開列する。乾宮の五行は金に属すので「金兆」と呼ぶ。所轄の八卦は順に、乾為天、六爻純陽で本宮の首卦、八純卦と称し、世爻は上爻に在る。天風姤、一世卦で世は初爻に在る。天山遯、二世卦。天地否、三世卦。風地観、四世卦。山地剥、五世卦。火地晋、遊魂卦で世は四爻に回る。火天大有、帰魂卦で世は三爻に在る。坎宮の五行は水に属すので「水兆」と呼ぶ。所轄の八卦は順に、坎為水、八純卦で世は上爻に在る。水沢節、一世卦。水雷屯、二世卦。水火既済、三世卦。沢火革、四世卦。雷火豊、五世卦。地火明夷、遊魂卦で世は四爻に在る。地水師、帰魂卦で世は三爻に在る。
艮宮(土兆):艮為山(八純、上世)、山火賁(一世)、山天大畜(二世)、山澤損(三世)、火澤睽(四世)、天澤履(五世)、風澤中孚(游魂、四世),風山漸(歸魂、三世)。震宮(木兆):震為雷(八純、上世)、雷地豫(一世)、雷水解(二世)、雷風恆(三世)、地風升(四世)、水風井(五世)、澤風大過(游魂、四世),澤雷隨(歸魂、三世)。
艮宮の五行は土に属すので「土兆」と呼ぶ。所轄の八卦は順に、艮為山、八純卦で世は上爻に在る。山火賁、一世卦。山天大畜、二世卦。山沢損、三世卦。火沢睽、四世卦。天沢履、五世卦。風沢中孚、遊魂卦で世は四爻に在る。風山漸、帰魂卦で世は三爻に在る。震宮の五行は木に属すので「木兆」と呼ぶ。所轄の八卦は順に、震為雷、八純卦で世は上爻に在る。雷地豫、一世卦。雷水解、二世卦。雷風恒、三世卦。地風升、四世卦。水風井、五世卦。沢風大過、遊魂卦で世は四爻に在る。沢雷随、帰魂卦で世は三爻に在る。
巽宮(木兆):巽為風(八純、上世)、風天小畜(一世)、風火家人(二世)、風雷益(三世)、天雷無妄(四世),火雷噬嗑(五世),山雷頤(游魂、四世),山風蠱(歸魂、三世)。離宮(火兆):離為火(八純、上世),火山旅(一世),火風鼎(二世),火水未濟(三世),山水蒙(四世),風水渙(五世),天水訟(游魂、四世)、天火同人(歸魂、三世)。
巽宮の五行も木に属し、同じく「木兆」と呼ぶ。所轄の八卦は順に、巽為風、八純卦で世は上爻に在る。風天小畜、一世卦。風火家人、二世卦。風雷益、三世卦。天雷无妄、四世卦。火雷噬嗑、五世卦。山雷頤、遊魂卦で世は四爻に在る。山風蠱、帰魂卦で世は三爻に在る。離宮の五行は火に属すので「火兆」と呼ぶ。所轄の八卦は順に、離為火、八純卦で世は上爻に在る。火山旅、一世卦。火風鼎、二世卦。火水未済、三世卦。山水蒙、四世卦。風水渙、五世卦。天水訟、遊魂卦で世は四爻に在る。天火同人、帰魂卦で世は三爻に在る。
坤官(土兆):坤為地(八純、上世),地雷復(一世),地澤臨(二世),地天泰(三世),雷天大壯(四世)、澤天夬(五世),水天需(游魂、四世),水地比(歸魂、三世)。兌宮(金兆):兌為澤(八純、上世),澤水困(一世),澤地萃(二世),澤山咸(三世),水山蹇(四世),地山謙(五世),雷山小過(游魂、四世),雷澤歸妹(歸魂、三世)。
坤宮の五行は土に属し、同じく「土兆」と呼ぶ(原刻の「坤官」は「坤宮」の誤り)。所轄の八卦は順に、坤為地、八純卦で世は上爻に在る。地雷復、一世卦。地沢臨、二世卦。地天泰、三世卦。雷天大壮、四世卦。沢天夬、五世卦。水天需、遊魂卦で世は四爻に在る。水地比、帰魂卦で世は三爻に在る。兌宮の五行は金に属し、同じく「金兆」と呼ぶ。所轄の八卦は順に、兌為沢、八純卦で世は上爻に在る。沢水困、一世卦。沢地萃、二世卦。沢山咸、三世卦。水山蹇、四世卦。地山謙、五世卦。雷山小過、遊魂卦で世は四爻に在る。雷沢帰妹、帰魂卦で世は三爻に在る。八宮がそれぞれ八卦を統べ、合わせて六十四卦を成す。
五、変卦例
乾為天,自下一爻變起,初變陰,天風姤;二變陰,天山遁;三變陰,天地否;四變陰,風地觀;五變陰,山地剝;上爻為主,不動。再變四為陽,火地晉;再將內卦三爻,全部變為陽爻,火天大有。餘見後通變部。
乾為天卦を例として、最も下の一爻より順に変化する。初爻が陰に変われば天風姤を成す。第二爻が陰に変われば天山遯を成す。第三爻が陰に変われば天地否を成す。第四爻が陰に変われば風地観を成す。第五爻が陰に変われば山地剥を成す。上爻は一卦の主で、始終変わらない。五世に至った後、向きを返して第四爻を陽に変え戻せば火地晋を成し、これが遊魂卦である。さらに内卦の三爻を一斉に陽爻に変え戻せば火天大有を成し、これが帰魂卦である。残りの各宮の変法は、詳しくは後の「通変部」に見える。
六、起世応
八純卦,世上;初爻變,一世卦;二爻變,二世卦;三爻變,三世卦;四爻變,四世卦;五爻變,五世卦。復卦四爻變,游魂卦;再總變下三爻,歸魂卦。一世卦,應在四;二世卦,應在五;三世卦,應在上;四世卦,應在初;五世卦,應在二;八純卦,應在三;游魂卦,應在初;歸魂卦,應在上。彼為應,世為我。應為晦,世為貞。
世爻を安ずる法則。八純卦の世爻は上爻に在る。初爻の変ずるは一世卦で、世は初爻に在る。第二爻の変ずるは二世卦で、世は二爻に在る。第三爻の変ずるは三世卦で、世は三爻に在る。第四爻の変ずるは四世卦で、世は四爻に在る。第五爻の変ずるは五世卦で、世は五爻に在る。五世に至った後、さらに第四爻を変え戻せばすなわち遊魂卦で、世はなお四爻に在る。さらに下の三爻を一括して変え転じればすなわち帰魂卦で、世は三爻に在る。応爻を安ずる法則。応爻は世爻と常に三位を隔つ。一世卦は応が四爻に在り、二世卦は応が五爻に在り、三世卦は応が上爻に在り、四世卦は応が初爻に在り、五世卦は応が二爻に在り、八純卦は応が三爻に在り、遊魂卦は応が初爻に在り、帰魂卦は応が上爻に在る。応爻は相手方を代表し、世爻はこちら方を代表する。応爻が外に在るを「晦」とし、世爻が内に在るを「貞」とする。
七、飛伏例
持世納甲為飛神,本宮納甲為伏神。八純與歸魂,以本宮持世為飛神,相配卦持世為伏神。乾與坤,坎與離,震與巽,艮與兌,皆相配也。假如乾卦上爻壬戌持世,是飛神;坤卦上爻癸酉持世,即癸酉是乾家伏神也。餘仿此。
世を持つあの爻の納する干支を「飛神」と呼ぶ。本宮首卦の同一の爻位の納する干支を「伏神」と呼ぶ。八純卦と帰魂卦については、本宮の持世の爻をもって飛神とし、これと相配する卦の持世の爻をもって伏神とする。相配の関係は、乾は坤と相配し、坎は離と相配し、震は巽と相配し、艮は兌と相配する。例えば乾卦の上爻は壬戌土が世を持ち、壬戌がすなわち飛神である。坤卦の上爻は癸酉金が世を持ち、癸酉がすなわち乾宮の伏神である。残りの各卦はみなこの方法に照らして推す。
八、身命例
子午持世初為身,丑未持世二為身,寅申持世三為身,卯酉持世四為身,辰戌持世五為身,巳亥持世上為身。占卦人本肖屬為命。
身爻を安ずる法則は、世を持つあの爻の納する地支を見なければならない。世爻が子を納めまたは午を納める者は、身爻は初爻に在る。丑を納めまたは未を納める者は身は二爻に在り、寅を納めまたは申を納める者は身は三爻に在り、卯を納めまたは酉を納める者は身は四爻に在り、辰を納めまたは戌を納める者は身は五爻に在り、巳を納めまたは亥を納める者は身は上爻に在る。「命」については、卦を占う本人の生肖の属するあの一つの地支を取り、卦中でこの支を納めた爻がすなわち命爻である。
九、定卦主
靜以世為主,應為應。一爻動,以本卦動爻為主,變卦動爻為應。二爻動,以上動爻為主,後動爻為應。三爻動,以動爻為主,不動為應。四爻動,以下爻為主,仍看之卦不變爻。五爻動,以靜爻為主,變卦靜爻為應。六爻俱動,以本卦世為主,變卦世為應。凡三爻以上爻動,主事不一,謂之亂動。若亂動時,只以所占爻為主,占財以財為主是也。
卦主を定める法則は次の通り。六爻がいずれも動かない者は、世爻をもって主とし、応爻をもって応とする。ただ一爻のみ発動する者は、本卦の動爻をもって主とし、変卦中の相対するあの一爻をもって応とする。両爻が発動する者は、上に在るあの動爻をもって主とし、後に動く一爻をもって応とする。三爻が発動する者は、動爻をもって主とし、動かない爻をもって応とする。四爻が発動する者は、最も下の動爻をもって主とし、同時にやはり変卦中の変わらないあの一爻を参看する。五爻が発動する者は、あの一つの静爻をもって主とし、変卦中の相対する静爻をもって応とする。六爻がすべて動く者は、本卦の世爻をもって主とし、変卦の世爻をもって応とする。およそ三爻以上が発動すれば、主となる事が専一でなく、「乱動」と呼ぶ。乱動に遇えば、ただ占う事の用神爻を取って主とする。例えば銭財を占えば妻財爻をもって主とする。
十、定六親
生我為父母,我生為子孫,克我為官鬼,我克為妻財,比和為兄弟。常以本宮所屬為我,納甲所屬為彼。假如姤卦初爻,納甲辛丑土,本宮屬金,土生金,為父母也。餘依此。
六親を定めるにはもっぱら五行の生克に憑る。我を生ずるを父母爻と定め、我の生ずるを子孫爻と定め、我を克するを官鬼爻と定め、我の克するを妻財爻と定め、我と同類なるを兄弟爻と定める。ここにいう「我」は、一律に本宮の属する五行を指し、「彼」は、その爻の納甲干支の属する五行を指す。例えば天風姤卦の初爻は辛丑土を納め、姤卦は乾宮に隷属し乾宮は金に属す。土は金を生ずるから、まさに「我を生ず」であり、ゆえにこの一爻を父母と定める。残りの各爻はみなこの方法に照らして定める。
十一、定六神
青龍木神,朱雀火神,勾陳土神,白虎金神,玄武水神。甲乙日起青龍,丙丁日起朱雀,戊日起勾陳,己日起騰蛇,庚辛日起白虎,壬癸日起玄武。假如甲乙日起青龍初爻,第二爻朱雀,三爻勾陳,四爻騰蛇,五爻白虎,上爻玄武。持身世及動者。餘依此。
六神はそれぞれ五行がある。青龍は木に属し、朱雀は火に属し、勾陳は土に属し、白虎は金に属し、玄武は水に属し、騰蛇もまた土に属して勾陳と同類である。六神を安ずるにはまず卦を占う当日の天干を見る。甲日・乙日は青龍より起こし、丙日・丁日は朱雀より起こし、戊日は勾陳より起こし、己日は騰蛇より起こし、庚日・辛日は白虎より起こし、壬日・癸日は玄武より起こし、いずれも初爻より上へ順に排布する。例えば甲日・乙日に占えば、初爻に青龍を起こし、第二爻は朱雀、第三爻は勾陳、第四爻は騰蛇、第五爻は白虎、上爻は玄武である。卦を断ずるときは、六神の中のどの一位が身爻・世爻に臨んでいるか、およびどの一位が発動の爻に臨んでいるかを緊要に見る。残りの日干はみなこの方法に照らして安ずる。前の「日建六神例」の一表は戊・己の両日を併せて勾陳を起こす例としたが、ここの己日が騰蛇を起こすのとやや出入りがあるので、こちらをもって正とすべきである。
十二、論四直
年建天符太歲居,月建青龍為直符,日建傳符宜發動,時辰直事次傳符。假如子年,子爻動,青龍臨子爻,是持水神也。又如正月,寅爻動,為月建青龍也。又如子日,子爻動,朱雀臨之,是傳符持火神也。又如午時,午爻動,臨白虎,是直事持金神也。
「四直」とは年・月・日・時の四重の時令の神を指す。年建を「天符」と呼び、太歳はこの位に居る。月建を「直符」と呼び、青龍をもってこれに当たる。日建を「伝符」と呼び、最も緊要なのはその発動である。時辰を「直事」と呼び、分量は伝符に次ぐ。例を挙げて言えば、子年に占い、卦中の子爻が発動し、青龍がまたこの一つの子爻の上に臨めば、これは天符が水神に臨んだのである。また正月に占い、卦中の寅爻が発動すれば、これはすなわち月建の青龍である。また子日に占い、卦中の子爻が発動し、朱雀がその上に臨めば、これは伝符が火神に臨んだのである。また午時に占い、卦中の午爻が発動し、白虎がその上に臨めば、これは直事が金神に臨んだのである。
決断部第四
一、六親断例
父母持世及身宮,旺相文書喜信通,田宅禾苗皆遂意,占身問病卻成凶。父母化父母,文書定相許,化子進人丁,化鬼身遷舉,化財宅長憂,兄弟本身取。子孫持世為福神,事成憂散穀財榮,占胎問病重重吉,謁貴求官反不亨。子孫化子孫,人情兩稱情,化父田蠶旺,化財加倍榮,化鬼憂產病,兄弟必相爭。
父母爻が世爻または身爻を持つ。もし父母爻が旺相なら、文書が順遂し喜報が通達することを主り、田宅を占い禾苗を占うにもみな意にかなう。ただ自身を占い疾病を問うときはかえって凶象となる。父母爻が子孫という福神を克するからである。父母爻が発動して父母爻を変出すれば、求める文書は必ず許される。子孫爻を変出すれば、家中に丁を添え口を入れる。官鬼爻を変出すれば、自身に遷升・薦挙の喜がある。妻財爻を変出すれば、家長に憂いがある。兄弟爻を変出すれば、事は自己の身に応ずる。子孫爻が世を持つ。この一爻はまさに「福神」で、事の成り憂いの散ずること、穀物・銭財の栄盛を主る。胎孕を占い疾病を問えばいずれも重々の吉兆である。ただ貴人に謁見し官職を謀るときはかえって通じない。子孫が官鬼を克して官運を克し去ってしまうからである。子孫爻が発動して子孫爻を変出すれば、互いの人情が両方意にかなう。父母爻を変出すれば、田禾・蚕桑が興旺する。妻財爻を変出すれば、銭財が倍加して栄盛する。官鬼爻を変出すれば、生産と疾病とに憂いがある。兄弟爻を変出すれば、必ず争奪を起こす。
官鬼持世必得官,文書印信兩相看,占婚問病俱凶犯,破宅傷財身不榮。官化官為祿,求官宜疾速,化財占病凶,化父文書逐,化子必傷官,化兄家不睦。陰為妻妾陽為財,持世持身總稱懷,財穀田蠶收百倍,若占病產鬼為胎。妻財化妻財,錢龍入宅來,化官憂戚戚,化子笑哈哈,化父宜家宅,化兄當破財。
官鬼爻が世を持てば、官を求めて必ず官を得る。さらに父母爻の主る文書と印信とを併せて参看しなければならない。しかし婚姻を占い疾病を問えばいずれも凶兆を犯し、宅舎を破敗し銭財を損傷することを主り、自身も顕栄しない。官鬼爻が発動して官鬼爻を変出すれば、禄位の象で、官を求めるに速やかなるべきである。妻財爻を変出すれば、病を占うに凶。父母爻を変出すれば、文書は手に到るべし。子孫爻を変出すれば、必ず官運を傷つける。兄弟爻を変出すれば、家中は和睦しない。妻財爻の陰に属するは妻妾を主り、陽に属するは銭財を主る。世を持つにしても身を持つにしても、総じて意にかなう。銭穀・田禾・蚕桑を占えば百倍の利を収むべし。もし疾病と生産を占えば、官鬼爻を病根と胎気と見做さなければならない。妻財爻が発動して妻財爻を変出すれば、銭龍が宅に入るがごとし。官鬼爻を変出すれば、憂愁戚戚たり。子孫爻を変出すれば、笑いが顔に開く。父母爻を変出すれば、家宅に宜しい。兄弟爻を変出すれば、必ず財を破る。
陽為兄弟陰姊妹,所問所謀皆退悔,縱使福神同位臨,到頭不遂空勞費。兄弟化兄弟,凡占無所利,化父父憂驚,化財財未遂,化官身有災,化子卻如意。
兄弟爻の陽に属するは兄弟を主り、陰に属するは姉妹を主る。およそ問うところ謀るところあれば、いずれも退縮と後悔を主る。たとえ子孫という福神が同じ位に臨むとも、終わってみればやはり願いの如くならず、徒に一番の辛労を費やす。兄弟爻が発動して兄弟爻を変出すれば、何を占うにも利の見込みなし。父母爻を変出すれば、父母に驚憂あり。妻財爻を変出すれば、銭財は求めても遂わず。官鬼爻を変出すれば、自身に災いあり。子孫爻を変出すれば、かえって事事意の如し。
二、六神断例
發動青龍萬事通,進財進祿福無窮,臨凶遇殺都無礙,惟忌臨金與落空。朱雀交重文印旺,殺神相併謾勞功,是非口舌皆因此,持水臨空卻利公。勾陳發動憂田土,累歲迍邅為殺逢,持木落空方脫灑,縱然安靜也迷濛。
青龍の一爻が発動すれば、万事亨通し、財を進め禄を進め、福気は窮まらない。たとえ凶爻に臨み凶殺に遇うとも、みな妨げない。忌むべきものはただ二件。一は青龍が木に属して金爻に臨み、金に克されること。二は空亡に落ち入ること。朱雀が動爻となれば、文書・印信の興旺を主る。もし凶殺と同じく並べば、すなわち徒らに労碌の一場である。人間の是非・口舌は多く朱雀より惹き起こされる。しかし朱雀がもし水爻を持ち、あるいは空亡に臨めば、かえって官司を打つに利あり。勾陳が発動すれば、田土の事のために愁えることを主る。さらに凶殺に遇えば、連ねて数年困頓して順わない。ただ勾陳が木爻を持つか(木は土を克し得る)、あるいは空亡に落ち入るかしてこそ、脱然として身を脱し得る。さもなくば、たとえそれが安静に動かずとも、事は依依旧として迷蒙にして明らかならず。
騰蛇發動憂榮碎,怪夢陰魔暗裡逢,持木落空方始吉,交重旺相必然凶。白虎交重驚怪事,求官臨鬼反豐隆,持金世殺妨人口,遇火加空卻不同。玄武動搖多闇昧,若臨旺相賊交攻,上爻相併邪無犯,帶殺依然咎在躬。
騰蛇が発動すれば、零碎に煩擾する事のために心を憂えることを主り、暗中につねに怪夢と陰邪の擾れに遇う。ただ木爻を持つか空亡に落ち入るかしてこそ、転じて吉となる。もし騰蛇が動爻となりかつ旺相なれば、必ず凶を主る。白虎が動爻となれば、驚怪の事あるを主る。しかし官を求める人に白虎が官鬼爻に臨めば、官運はかえって豊隆である。白虎が金爻を持ち、また世爻の上の凶殺と同じく並べば、家中の人口を妨害する。もしそれが火爻に遇い(火は金を克し得る)また空亡に落ちれば、情形はまた別に論ずべきである。玄武が揺動すれば、多く暧昧にして明らかならざる事を主る。玄武がもし旺相なれば、盗賊が交い来り攻めあるを主る。玄武がもし上爻に在って別爻と相并すれば、邪祟も侵犯できない。しかし凶殺を帯びるや否や、災咎は依依旧として自己の身に落ちる。
三、天符断例
年建為天符。子年子爻動方斷。假如子年子爻動,臨青龍木神也。天符青龍木,發動加官祿,在外盜資財,內搖憂眷屬。天符朱雀火,文書非小可,殺並是非生,內搖家事瑣。天符勾陳土,田蠶十分許,殺並事勾連,騰蛇同類取。天符白虎金,經營必稱心,殺神如並者,禍患定來侵。天符玄武水,陰私並賊鬼,若與吉人交,變憂而成喜。
年建を「天符」と呼ぶ。必ず本年の地支の在るあの一爻が発動して、はじめてこれによって論断すべきである。例えば子年に占い、卦中の子爻が発動し、青龍がまたこの一爻の上に臨めば、これは天符が木神に臨んだのである。天符がもし青龍で木に属すれば、発動は官を加え禄を進めることを主る。外卦に動けば、外に在って盗まれ財を損ずることを主る。内卦に動けば、すなわち家中の眷属に憂いあり。天符がもし朱雀で火に属すれば、文書の事の小ならざるを主る。凶殺と同じく並べば、是非はここより生ずる。内卦に動けば、家中の瑣事が紛紜する。天符がもし勾陳で土に属すれば、田禾・蚕桑は十分に望みあり。凶殺と同じく並べば、事はすなわち糾纏して勾連する。騰蛇と勾陳は同じく土に属し、断法はこれと同じ。天符がもし白虎で金に属すれば、経営・売買は必ず意にかなう。一旦凶殺と同じく並べば、禍患は必ず来り侵す。天符がもし玄武で水に属すれば、陰私の事を主り、兼ねて盗賊・鬼祟あり。しかし吉神と交わり会すれば、すなわち憂いを転じて喜びと為す。
四、直符断例
月建為直符。月建為青龍,動則不雷同,內搖人口旺,外動祿財豐。前三為朱雀,文書不待約,吉助有升遷,殺交遭繫縛。後三為玄武,所謀皆不許,在外損錢財,在家憂宅主。對宮為白虎,凡占當忌取,外動有憂驚,休囚禍更深。後一為勾陳,連速碎事侵,旺相尤為咎,休囚禍更深。騰蛇正起辰,逐月逆流行,內外皆為咎,空亡卻稱情。
月建を「直符」と呼ぶ。月建のあの一支はすなわち青龍の居るところで、それが一たび発動すれば、効験は尋常と同じからず。内卦に動けば、家中の人口の興旺を主る。外卦に動けば、俸禄・銭財の豊厚を主る。青龍の前三位は朱雀。文書が期を約せずして到るを主る。吉神の幇扶あれば、すなわち昇遷を得る。もし凶殺と交わり並べば、すなわち牢獄に係繋する災いあり。青龍の後三位は玄武。謀る事はみな許されず、外に在って銭財を損失し、家に在っては宅主に憂いあり。青龍と相対する宮は白虎。およそ何事を占うにもこれを忌むべきで、外卦に動けば驚憂あるを主り、もしまた休囚して気なければ、禍患はいよいよ深い。青龍の後一位は勾陳。接続して絶えざる瑣碎の事が来り侵すを主り、旺相の時は殊に咎を成し、休囚の時は禍患いよいよ深い。騰蛇はすなわち正月より辰位に起こり、月ごとに逆行する。内卦に動くとも外卦に動くとも咎害を成し、ただ空亡に落ち入ればかえって意にかなう。
五、伝符断例
日建為傳符。子日子爻動方斷。日建加青龍,財祿喜重重,朱雀宜施用,勾陳事未通,騰蛇多怪異,白虎破財凶,玄武陰私撓,應在日辰中。
日建を「伝符」と呼ぶ。同じく本日の地支の在るあの一爻が発動して、はじめてこれによって論断すべきである。日建の上にもし青龍を加え臨めば、財禄・喜慶が重々なる。朱雀を加え臨めば、作為を施展するに宜しい。勾陳を加え臨めば、事はいまだ通達せず。騰蛇を加え臨めば、多く怪異の事あり。白虎を加え臨めば、財を破るを主り、凶と為す。玄武を加え臨めば、陰私の事に攪擾される。およそこれらの事の応験する時は、みな日辰と相応するあの日に落ちる。
六、神殺断例
問喜宜天喜,消憂天解星,大殺休施用,咸池莫問婚。病遇天醫瘥,囚因血忌刑,求雨占雷殺,占身吉殺寧。往亡休出入,負結好饒人,三丘並五墓,飛廉及浴盆。四般休問病,占孕亦憂驚,公訟忌刑害,亡劫事難伸。
喜慶の事を問うに、最も「天喜」を見るに宜しい。憂愁を消解せんとすれば、「天解」というあの星を見よ。「大殺」に遇えば、挙動あるべからず。「咸池」に遇えば、婚姻を問うなかれ。疾病を占うに「天医」に遇えば、病は愈えるべし。牢獄に囚繋せられるに遭うは、多く「血忌」の刑を加うるに因る。雨を求めるには「雷殺」を見よ。自身を占うに「吉殺」に遇えば、すなわち平安にして寧泰。「往亡」に逢えば出入・遠行に宜しからず。「負結」に逢えば寛厚にして人を饒かすが最もよし。「三丘」と「五墓」、「飛廉」と「浴盆」、この四種の凶殺は、疾病を占うに一概に問うなかれ、胎孕を占うにも憂驚を主る。官司を打つに最も刑と害を忌み、「亡神」「劫殺」に遇えば、事は伸雪し難い。
遇死憂凶事,逢生吉慶生,三合與六合,內外總光亨。天德與月德,萬事得圓成,吉凶隨例斷,慎勿順人情。凶處忌有氣,吉處忌凶神,子旬無戌亥,六甲細推輪。
卦爻が「死気」に遇えば、凶事を憂慮すべし。「生気」に逢えば、吉慶は自ずから生ずる。三合・六合の相い扶けるを得れば、内卦外卦を問わず光明にして亨通する。「天徳」「月徳」を見れば、万事みな円満に成し得る。要するに吉と凶とはみな定例に依って断ずべく、断じて占い求める人の心意に順って好いことを言ってはならない。凶のところは最もそれが気を得て勢いあるを忌み、吉のところは最も凶神に冲犯されるを忌む。例えば卦を起こして甲子旬に逢えば、戌・亥の二支はすなわち空亡である。六十甲子の各旬の旬空は、みなこのように照らして細かく推排しなければならない。
巻中
三材部第五
一、陰晴雨晦章
乾為天象震雷龍,坎兌為陰巽起風,坤艮往來無雨順,火山爻動日和融。乍雨乍晴離坎並,半陰半晦兌離重,殺臨未濟終須濟,既濟雖陰雨不充。巽入坎來風後雨,凡臨坤位細濛濛,畜過密雲終不雨,隨臨有雨歲時豐。天地不交膏不降,陰陽方並謝天工,八純火動游魂木,火傘炎張日大空。地火明夷天色晦,火雷噬嗑電光紅,離爻帶殺晴明斷,朱雀飛揚事一同。
陰晴・雨雪を占うには、まず卦体を見る。卦に乾を見れば、晴明の天象である。卦に震を見れば、雷電と雲龍の気を主る。坎と兌は陰雲を主り、巽は風の起るを主る。坤と艮とが往来交錯すれば、雨なくして天気は和順である。離火と艮山の爻が発動すれば、日色は温和にして融暖である。離と坎の二卦が並び見えれば、一時雨が降り一時放晴れる。兌と離の二卦が重なれば、半ば陰天半ば昏晦である。凶殺が《未済》に臨めば、終にまた既済に転じて放晴れる。《既済》を得れば、陰天なりといえども雨量は足らない。巽卦が入りて坎卦が続き来れば、先に風が起こり後に雨が落つ。およそ坤位に臨めば、ただ細雨濛濛たるのみ。大畜・小畜の卦を得れば、まさに卦辞の「密雲雨ならず」のごとく、終に降り下さない。《随》卦を得れば雨があり、当年の年成は豊足である。天地が相交わらざるは、あれは《否》卦の象で、甘霖は降らない。陰陽二気が剛に交わり并ぼうとすれば、まさに天工造化に謝すべきである。八純卦にして火爻が発動し、遊魂卦にして木爻が発動すれば、いずれも赤日が傘のごとく炎威が大いに張り、長空一片空明を主る。《地火明夷》を得れば、天色は昏晦。《火雷噬嗑》を得れば、電光は通紅。離爻が凶殺を帯びれば、晴明と断ず。朱雀が飛揚して発動すれば、効験はこれと同じ。
大有不重天朗朗,同人安靜日烘烘,晉有龍爻終雨少,純無雷殺只雲濃。龍動澤山咸大吉,虎交天水訟無功,勾陳帶土來持世,縱有陰雲不濟農。玄武水爻霖復作,青龍木德澤無窮,坎宮雷殺交重並,大雨傾盆霹靂攻。最喜子辰來坎位,卻嫌戌午到離宮,陽重陰現陰須準,陰變陽爻陽不從。壬丙電光禾穀潤,乙庚雷雨歲興隆,應身白虎成虛設,競世勾陳更不終。玄武克身收稻穀,火神傷世損田公,純陽安靜多應旱,雖動游魂理不容。
《火天大有》を得て爻が重ねて動かざれば、天色は朗朗たり。《天火同人》を得て六爻が安静なれば、日頭は烘々たり。《晋》卦を得て卦中に青龍の爻あれば、終に雨水は稀少。八純卦にして雷殺なければ、ただ濃雲が日を蔽うのみである。青龍が発動してまた《沢山咸》に逢えば、大吉。白虎が交動してまた《天水訟》に逢えば、雨を求めて徒らに功なし。勾陳が土爻を帯びて来り世を持てば、たとえ天に陰雲満つとも、農事に補なし。玄武が水爻に臨めば、久雨はさらにまた来る。青龍が木の徳を具えれば、恩沢窮まることなし。坎宮の中に雷殺と動爻とが交わり并べば、大雨傾盆、霹靂交い攻めるを主る。最も喜ぶは子・辰の二支が坎位に来ること、最も嫌うは戌・午の二支が離宮に落ちること。陽爻が重ねて動きて陰爻が顕れれば、主るところの陰雨は必ず応ず。陰爻が反って陽爻に変ずれば、晴陽の応はかえって来らず。天干に壬・丙を見れば、電光が閃耀して禾穀の潤いを得るを主る。乙・庚を見れば、雷雨が時に応じて年成が興隆することを主る。白虎が応爻・身爻の上に臨めば、虚設に等しい。勾陳が世爻と相い争えば、事も終に結果なし。玄武が身爻を克すれば、稻谷は収められ。火神が世爻を傷つければ、かえって田家を損なう。六爻が純陽にしてまた安静なれば、多く旱に応ず。たとえ発動の爻ありとも、遊魂の卦であれば、理において雨を容れない。
內外相生奇合偶,霧密大作物亨通,雷殺水神雙入坎,不憂無雨卻憂洪。火神變水龍加虎,東畔才陰西見虹,不動龍爻玄武水,徒勞舉目望蒼穹。欲占雨信期何日,水旺龍生身對沖,龍水身雷俱不動,九江四瀆被天封。艮火相交可決晴,水宮大旺日光明,占晴但看庚交甲,止雨休教甲變庚。庚甲互交龍虎助,連連大雨及車轟,火神雷殺加離位,一聲霹靂赤天晴。
内卦と外卦とが互いに資生し、奇数の爻と偶数の爻とが相配すれば、濃霧大いに起こりて万物亨通を主る。雷殺と水神とが双々坎宮に落ち入れば、雨なきを愁えるに及ばず、かえって大水の発るを愁うべし。火神が変じて水となり、青龍の上にまた白虎を加えれば、東辺纔かに陰りて、西辺すなわち虹霓を見るを主る。青龍の爻動かず、玄武の水もまた動かざれば、それはただ徒らに頭を挙げて天を望むのみである。雨信のどの日に落ちるかを占わんとすれば、応期は水爻の旺相の日、青龍の生を得る日、身爻の冲に遇う日である。もし青龍・水爻・身爻・雷殺がことごとく動かざれば、九江四瀆は天に封ぜられたがごとく、滴雨も落ちない。艮と火とが相交われば、放晴れると断じ得る。水宮が大いに旺なれば、かえって日光の明朗を主る。晴を占うには、ただ庚金が交動して甲木と変ずるを見よ。雨を止めんとすれば、甲木をして庚金に変ぜしむるなかれ。庚・甲が互いに交変し、また青龍・白虎の助けあれば、連続の大雨、雷聲が車輪のごとく轟鳴するを主る。火神と雷殺とが離位に加え臨めば、すなわち一声の霹靂過ぎて後、赤日が空に当たり、天は放晴れる。
二、禾苗田地章
應為種子世為田,世應相生獲十全,種子克田猶小吉,世來克應儉時年。財爻旺相禾豐足,發動子孫為大福,更得青龍天喜重,高低遠近皆成熟。子孫發動合天符,財與龍爻出現扶,無殺無沖倉廩實,若逢三耗卻成虛。交重官鬼應難斷,金鬼蝗蟲火鬼旱,大殺同宮總不收,發同喜神猶減半。
禾苗の収成を占うには、応爻をもって種子と為し、世爻をもって田地と為す。世と応とが互いに資生すれば、十成の収穫を得べし。種子の爻が田地の爻を克するは、なお小吉と算す。世爻が反って応爻を克すれば、すなわち歉収の年頭である。妻財爻が旺相なれば、禾稼は豊足。子孫爻が発動すれば、大福の象。さらに青龍と天喜とが重々相い加われば、高田低田・遠処近処ともに成熟し得る。子孫爻が発動して年建・天符と相合し、妻財爻と青龍の爻とがまた現れ出て扶助すれば、ただ凶殺なく冲破なければ、倉廩は必ず充実する。もし「三耗」の神に遇えば、一場の収成は空に帰す。官鬼爻が交動すれば、収成はすなわち判断し難い。金鬼は蝗虫を主り、火鬼は天旱を主る。大殺が鬼と同宮に在れば、帰結するに顆粒の収穫なし。たとえ発動の時に同じく喜神あるとも、収成は半分を減ぜん。
鬼爻扶鬼水來傷,土木同宮卻不妨,鬼落為財宜晚種,財交父母兩重祥。官爻旺相渾無望,鬼化空亡事反常,財在外重遲下種,龍來內發早移秧。六爻安靜禾平善,亂動青苗必受殃,妻財二耗同時同,雖熟應知半入倉。內外相生無殺害,七分成熟莫商量,財來金舍收千倍,財入空亡便莫望。
鬼爻がまた去りて別の鬼爻を扶け起こし、さらに水爻の来りて克傷するあれば、為害はいよいよ重し。もし土鬼・木鬼が同じ一宮に在れば、かえって妨げない。鬼爻が落ちて妻財爻に変ずれば、種を下すに晚きに宜しい。妻財爻が交動して父母爻を化出せば、双重の吉祥である。官鬼爻が旺相なれば、収成は全く望みなし。鬼爻が空亡に変ずれば、事はかえって翻転する。妻財爻が外卦に重畳なれば、種を下すに遅からん。青龍が内卦に発動すれば、秧を挿すに早からん。六爻が安静なれば、禾稼は平順にして良善。六爻が乱動すれば、青苗は必ず殃に遭う。妻財爻と「二耗」の神とが同時に并見せば、たとえ成熟するとも、半分のみ倉に入り得る。内外二卦が相生し、また凶殺の為害なければ、七分の成熟は商量を用いない。妻財爻が金に属する位に落ちれば、千倍の利を収むべし。妻財爻が一たび空亡に入れば、さらに望みを措くなかれ。
龍與子孫同類取,克身持世穀無疆,若逢朱雀交重惡,白虎當頭總不良。玄武更加官鬼並,雖收一半屬官糧,火天大有都成熟,地火明夷盡地荒。天地不交休指望,陰陽和合好收藏,吉凶悔吝分明斷,立位旁通更審詳。
青龍と子孫爻とは同一類として取り用い得る。それらが身爻を克するかあるいは世爻を持てば、穀物の収成窮まらざるを主る。もし朱雀の交動に逢えば、それは凶悪の兆。白虎が頭に当たれば、帰結するに好いことなし。玄武がさらに官鬼と同じく并べば、たとえ半分を収得するとも、みな官家の税糧となる。《火天大有》を得れば、庄稼はみな成熟す。《地火明夷》を得れば、満地荒蕪す。天地交わらざる《否》卦の象に遇えば、望みを措くなかれ。陰陽が和合すれば、まさに收割して倉に入るべし。吉・凶・悔・吝はみな断じて分明とすべく、また前の「六位例」の旁通の法に按して、位を逐い審察し詳細に推すべし。
三、住居宅地章
住宅休占火澤睽,鬼臨人口定分離,龍交大壯人財旺,虎並同人宅舍衰。二畜見龍財帛進,殺交兩過棟樑摧,貴持震巽生財本,喜入風雷立福基。離坎交重宜謹慎,艮坤安靜莫遷移,戶無徭役占逢貴,家有餘糧卜得頤。田宅豐隆因大有,血財傷損為明夷,乾坤旺相增人口,澤地生成聚寶資。
住宅を占うに、最も《火沢睽》を得るを忌む。官鬼爻が主人口の爻位に臨めば、一家人は必ず離散す。青龍が交動して《雷天大壮》を得れば、人丁・銭財ともに旺んず。白虎が《天火同人》と同じく并べば、宅舎はすなわち衰敗す。大畜・小畜の二卦を得てまた青龍を見れば、財帛は門に入る。凶殺が交動して大過・小過の二卦に逢えば、棟梁は摧折す。貴人が震・巽の爻に臨めば、本銭を生じ得。天喜が巽風・震雷の中に落ち入れば、福業の根基を立て得。離・坎の両卦が交動して重畳すれば、行事は謹慎すべし。艮・坤の両卦が安静なれば、遷移するなかれ。門戸の差役を占うに、卦中に貴人に逢えば戸下に徭役なし。《頤》卦を卜して得れば、家中に余糧あり。田宅が豊厚にして興隆するは、《火天大有》を得たるに因る。牲畜・血財が損を受けるは、《地火明夷》を得たるに因る。乾・坤の二卦が旺相なれば、家中に丁を添え口を増す。《沢地萃》の成す象を得れば、財宝の資を聚積するを主る。
革鼎長男能幹事,晉升宅長有操持,妻財內旺為財斷,官鬼爻興作怪推。木鬼壽棺停有日,金官硬物藏多時,休囚銅鐵皆先定,旺相金銀盡預知。水鬼井池中出現,土官牆壁內偷窺,火官內動無他事,古器多年再發輝。克世克身都不用,生身生世始堪為,水財內旺宜穿井,內發土財堪作池。
《革》《鼎》の二卦を得れば、家中の長男は事を幹し得。《晋》《升》の二卦を得れば、一家の長は操持あり。妻財爻が内卦に旺相なれば、家中に財貨ありと断ず。官鬼爻が興起すれば、すなわち宅内に怪異ありと推す。木に属する鬼爻は、寿材の停放すでに日あるを主る。金に属する鬼爻は、硬物の埋藏せられて時多きを主る。金鬼が休囚なれば、蔵する所は銅鉄の類に過ぎず、先行して断定すべし。金鬼が旺相なれば、蔵する所はすなわち金銀で、また預め知り得。水に属する鬼爻は、怪異の井池の中より出るを主る。土に属する鬼爻は、物の墙壁の裏より窺うを主る。火に属する鬼爻が内卦に発動するは、別の事あるにあらず、ただ多年の古器が重ねて光を発するのみ。およそこれらの爻がもし世爻を克し身爻を克せば、みな取用すべからず。身爻を生じ世爻を生ずるを要してこそ、有為たり得。水に属する妻財爻が内卦に旺相なれば、水井を開鑿するに宜しい。内卦に発動するがもし土に属する妻財爻なれば、池塘を開辟すべし。
金旺妻財金玉進,火財內發火光飛,木財到底宜營造,若犯空亡總是非。子孫空亡家絕後,父母空亡宅必危,父母身子都旺相,人財資益莫猜疑。更兼天喜青龍助,富貴康寧天賜伊。
金に属する妻財爻が旺相なれば、金玉の門に入るを主る。火に属する妻財爻が内卦に発動すれば、火光の飛騰する異あるを主る。木に属する妻財爻は、根を帰し底を究めれば屋宇を営造するに宜しい。以上これらがもし空亡を犯せば、すなわちことごとく是非に変ず。子孫爻が空亡に落ちれば、家中はおそらく後を絶たん。父母爻が空亡に落ちれば、宅舎は必ず危敗す。父母爻・身爻と子孫爻とがことごとく旺相なれば、人丁と財貨とは日に増益し見ゆる。これは猜疑を用いざるところである。さらに天喜と青龍とが相い助けば、すなわちあれは天が彼に富貴康寧を賜うたのである。
四、移徙章
遷居先以動爻求,動爻旺相決無憂,初爻旺相鄉村吉,二爻旺相好居州。三爻市井四坊鎮,五近京師事最優,上爻好向山林住,龍扶子動獲祥休。白虎當頭休妄動,騰蛇纏足莫彺謀,朱雀交重防口舌,玄武遷移被賊偷。朱雀又臨官鬼位,官司口舌有來由,那更克身無主世,身遭重厄訟遭囚。
遷居を占うには、まず動爻の上に求めなければならない。動爻が旺相なれば、転居は決然として憂いなし。初爻が旺相なれば、郷村に住むに宜しい。二爻が旺相なれば、州城に住むに宜しい。三爻は市井を主り、四爻は坊鎮を主る。五爻は京師に近く、最も上等。上爻はすなわち山林の中に向かい安居するに宜しい。青龍の相い扶けるあり、子孫爻が発動すれば、吉祥安好を獲得し得。白虎が頭に当たれば、軽挙妄動すべからず。騰蛇が足位すなわち初爻に纏い付けば、妄りに図謀するなかれ。朱雀が交動すれば、口舌を防ぐべし。玄武は搬遷の途中に賊に盗まれるを主る。朱雀がまた官鬼の爻位に臨めば、官司・口舌に来由がある。いわんやそれがまた身爻を克し、世爻がまた主る所なければ、すなわち身に重厄を遭い、訟により獄に繋がれん。
六爻安靜休搬動,亂動移居又不休,外克內兮應克世,舊宅不如新宅利。內克外兮世克應,到底只宜居舊地,世應相生內外和,守舊遷居總如意。若教動處落空亡,不利遷移利守常,五世游魂搬則利,內爻旺相住無妨。忽然內外俱衰敗,守則災危搬受殃,鬼化子孫移富貴,財爻化鬼住安康。
六爻が安静なれば、搬り動くなかれ。六爻が乱動すれば、遷居の事は起頭するや歇まり得ない。外卦が内卦を克し、応爻が世爻を克すれば、旧宅は新宅の利に如かず。内卦が外卦を克し、世爻が応爻を克すれば、終にただ旧地を守るに宜しいのみ。世応が相生し、内外が和洽なれば、旧を守るも遷居するも、帰するところ意にかなう。もし発動のあの一爻が空亡に落ち入れば、すなわち遷移に利あらず、ただ常処を安守するに利あり。五世卦・遊魂卦を得れば、搬遷に利あり。内卦の爻が旺相なれば、住んで動かざるも妨げなし。もし内外二卦が忽然として一斉に衰敗せば、守れば災危あり、搬り去っても殃を受く。官鬼爻が子孫爻を変出すれば、一たび遷べば即ち富貴を得。妻財爻が官鬼爻を変出すれば、安じて住してこそ康寧を得ん。
五、墳塚章
若占墳塚靜為強,發動之時便反常,初世出官為大吉,二爻持世次為良。三爻主世平平穩,四爻半吉保安康,五與上爻俱永好,游魂後代必為商。歸魂猶自三分好,若值八純全有妨,為甚乾坤無忌諱,高低無物不包藏。未葬之先亡在外,既葬須知內是亡,內外相生為大吉,比和決定福難量。
墳地を占うには、六爻の安静をもって強めと為す。一旦爻の発動あれば、事はすなわち常に反せんとす。世爻が初爻に在れば、後人の出仕して官と為るを主り、これ大吉。世爻が二爻に在れば、次一等の好し。世爻が三爻に在れば、平平穏々。四爻に在れば、半吉で安康を保し得。五爻と上爻に在れば、いずれも長久の好地である。遊魂卦を得れば、後代は必ず商業を営む。帰魂卦を得れば、また三分の好処あり。もし八純卦に碰えば、すなわち全く妨げあり。何をもって乾・坤の両卦だけが忌諱なきか。乾坤は高下広大にして、一物としてその包容蔵納せざるなきがゆえである。いまだ下葬せざる前は、亡者は外に在り、外卦をもって亡人と為す。すでに下葬したれば、内卦こそ亡者なるを知るべし。内外二卦が相生すれば、大吉。内外が比和すれば、福気はさらに量計し難し。
殺交內外還相剋,損宅破財災幾場,青龍旺相來持世,管取存亡獲吉祥。乾坤不動墳安穩,龍喜交重家道昌,五墓劫神傷子息,三丘陰殺損妻房。世旺生身官入墓,子孫代代入朝堂,殺臨父母憂家長,劫犯陰爻宅母當。鬼爻不動亡人吉,身位無交祭主康,破家只為財為鬼,發福多因陰及陽。沖破臨身終有礙,合神持世卻無妨。
凶殺が交動し、内外二卦がまた互いに克害すれば、宅を損じ財を破り、災禍は一场に止まらざるを主る。青龍が旺相にして来り世を持てば、生者死者ともに吉祥を獲ることを管保す。乾・坤の爻動かざれば、墳塋は安穏。青龍と天喜とが交動重畳すれば、家道は昌隆す。「五墓」と劫殺とが子孫爻を傷及せば、子嗣を損ずるを主る。「三丘」と陰殺とが為害せば、妻室を損傷するを主る。世爻が旺相にして身爻を生じ、官鬼爻がまた墓に入れば、子孫は代々朝堂に登るべし。凶殺が父母爻に臨めば、家長に憂いあり。劫殺が陰爻を犯せば、主婦の身に応ず。鬼爻動かざれば、亡人は吉を得。身爻の位に交動なければ、主祭の人は安康。家を敗るはただ妻財爻と官鬼爻とが祟るに因り、福を発するは多く陰陽両爻の相い済ますに由る。冲破の神が身爻に臨めば、終に碍あり。六合の神が世を持てば、かえって妨げなし。
陰交為穴要先知,初與二爻宜葬基,三爻與四平平地,五六高原信可宜。穴是金爻宜土白,火爻土赤更無疑,土穴畢竟知黃土,若是水穴黑淄泥。木穴土青須有準,木神旺相有拫梯,水爻旺相須逢水,土旺應知石是奇。旺在火炎須有器,金爻旺相物光輝,福德青龍兼併者,斷然嘉瑞應臨期。
陰爻の交動する処がすなわち穴位で、この一層はまず弄清らかにすべし。穴が初爻と二爻に在れば、葬基と作るに宜しい。三爻と四爻に在れば、平平の地である。五爻・上爻に在れば、すなわち高原の地は確かに相宜。穴がもし金爻ならば、土色は白きに宜しい。火爻ならば、土色は必ず赤し、さらに疑問なし。土爻ならば、畢竟黄土なるを知る。もし水爻ならば、すなわち烏黑の淤泥である。木爻ならば、土色は青を発し、また大いに准あり。木神が旺相なれば、穴中に樹根の盤結して梯のごときあり。水爻が旺相なれば、穴中に必ず水に遇う。土爻が旺相なれば、内に奇石あるを知るべし。火爻に旺たれば、穴中に必ず器物あり。金爻が旺相なれば、蔵する物は光輝燦然たり。もし子孫福徳の爻と青龍とが両者兼并せば、すなわち断じて美好の祥瑞が期に依りて応験あり。
青龍持世地曲屈,前有木橋兼水池;朱雀持世鳳凰勢,近路周圍有樹依;勾陳持世地拱揖,四畔有山前後圍;騰蛇持世彎弓勢,左右伏山低又齊;白虎持世南流水,玄武尖峰朝地基。卦無父母墳荒廢,卦無官鬼不宜官,……卻是尋常平穩地。卦無丑未少羊牛,卦無戌酉雞犬亡。十二爻神依此例,窮通休旺細消詳。
さらに六神の世を持つをもって地形を見る。青龍が世を持てば、地勢は曲折にして回環し、前面に木橋ありまた水池あり。朱雀が世を持てば、地形は鳳凰の翅を展ぐるがごとく、道路に近づき、四囲に樹木の依傍あり。勾陳が世を持てば、地勢は両手の拱揖するがごとく、四辺に山が前後環遶す。騰蛇が世を持てば、地形は一张の弯弓のごとく、左右に伏臥の小山また低くして斉し。白虎が世を持てば、南面に流水あるを主る。玄武が世を持てば、尖峰のこの地基に朝するを主る。卦中に父母爻なければ、墳塋は荒廃す。官鬼爻なければ、後人は官と為るに宜しからず(此の下原刻疑わしくは一句脱去せり)、もただ一塊の尋常平穏の地のみ。卦中に丑・未の二支なければ、牛羊稀少。戌・酉の二支なければ、鶏犬は旺ならず。十二支の爻はみなこの例に照らして推し、その間の窮通と休旺とは、さらに細かく消詳すべし。
人事部第六
一、身命章
凡占身世要先知,神殺交重次第推,身旺龍池多吉慶,身衰虎並定猶疑。子孫持世明時喜,兄弟臨身悔且危,切忌勾陳連鬼旺,卻宜天喜與財依。妻財陽位財豐厚,陰位妻財妻子宜,祿馬貴人三合併,臨身妙義福根基。子孫發動添人口,父母交重官可期,卦內為身外為命,身命比和任意為。
およそ一人の身世を占うには、まず大綱を弄清らかにし、さらに各種の吉神・凶殺の交會発動を、次第に按じて逐一推排する。身爻が旺相にして青龍の類の吉神に臨めば、多く吉慶あり。身爻が衰弱にして白虎と同じく并べば、事はすなわち遅疑にして定まり難し。子孫爻が世を持てば、清平の世の喜兆である。兄弟爻が身爻に臨めば、すなわち悔を招きまた危を致す。最も忌むは勾陳が官鬼に連なり一同に旺相なること、最も宜しいは天喜と妻財爻とが相依ること。妻財爻が陽位に居れば、銭財の豊厚を主る。陰位に居れば、すなわち妻室・児女に相宜。禄神・驛馬・貴人がさらに三合と同じく并り、身爻の上に臨めば、その義は最も妙にして、まさに福気の根基である。子孫爻が発動すれば、家中に人口を添う。父母爻が交動すれば、官職は指望し得べし。卦の内三爻を身と算し、外三爻を命と算す。身と命とが比和すれば、何を為すも随意にして順遂なり。
世為身兮應為命,世應相生更是奇,世命應身刑又克,不傷自己即傷妻。妻財不現財無聚,卦沒子孫難立兒,更將八卦推心屬,內坎機圓心事足。內兌柔和有主張,內乾果斷無私曲,離明坤厚性融通,巽順艮卑謙自牧。身命但能依此推,青龍天喜皆為福。
もう一つの取法は、世爻をもって身と為し、応爻をもって命と為す。世応が相生すればさらに奇好の象である。もし世爻を命と作り応爻を身と作して、両者がまた刑しまた克せば、すなわち自己を傷かざれば、すなわち妻子を傷く。妻財爻が出現せざれば、銭財は聚まらず。卦中に子孫爻なければ、児を立て女を育て難し。さらに一歩進めて、また八卦を用いてこの人の心性を推す。内卦が坎なれば、心機は円活にして心事は満足す。内卦が兌なれば、柔和にして主張あり。内卦が乾なれば、果決剛断にして私曲なし。内卦が離なれば、明白通達す。内卦が坤なれば、敦厚にして性情融通す。内卦が巽なれば、和順。内卦が艮なれば、謙卑にして自守す。身命を占うにはただこの法子に照らして推せばよく、青龍と天喜とが爻に臨めば、みな福と算す。
二、六親章
立本先推父母鄉,青龍同位最為祥,騰蛇白虎憂尊長,玄武勾陳宅母當。父母休囚離祖早,兩重父母過親房,殺神朱雀同時並,重病如何得離床。子孫持世為全吉,若值青龍子異常,子值勾陳多樸實,子交朱雀主文章。騰蛇犯子愚而濁,白虎持孫勇且強,玄武子孫同位發,男為盜賊女猖狂。
六親を論ずるには、まず父母爻のこの一処より本を立つ。青龍と父母爻とが同じ一位に在れば、最も吉祥。騰蛇・白虎がこれに臨めば、尊長に憂いあり。玄武・勾陳がこれに臨めば、家中の主婦の身に応ず。父母爻が休囚にして気なければ、早年に祖上を離るるを主る。卦中に両重の父母爻現れれば、親房の別支に過継ぐを主る。もし凶殺と朱雀とが同時に并臨せば、すなわちそれは重病身に纏い、いかんぞ病床を離れ得んや。子孫爻が世を持てば、全然吉なり。もしまた青龍に値えば、この子は生まれて出衆不凡なり。子孫爻が勾陳に遇えば、人と為りて多く朴実。朱雀と交會すれば、文才あるを主る。騰蛇が子孫爻を冲犯すれば、すなわち愚鈍渾濁。白虎が子孫爻を持てば、すなわち勇猛強健。玄武が子孫爻と同位に発動すれば、男は盗賊を為し、女は放蕩に流る。
子孫若值游魂卦,此子生來好遠方,陽化陰爻端正女,陰交陽體秀才郎。妻財發動青龍助,因妻致富妙難量,財臨朱雀妻賢惠,財犯勾陳妻病殃。騰蛇共位妻應拙,白虎同行妻命剛,妻臨玄武多臨暗,心意瞞人必不良。兩位妻財俱旺相,一妻一妾美容光,卦若無妻常獨自,妻子安靜保安康。
子孫爻がもし遊魂の卦に逢えば、この子は生まれてより他郷に遠走するを好む。陽爻が陰爻に変ずれば、生むるは端正の女児。陰爻が陽体に変ずれば、生むるは書を読み得る男児。妻財爻が発動して青龍の相助あれば、妻子によりて富に致り、その妙処は量計し難し。妻財爻が朱雀に臨めば、妻子は賢恵。妻財爻が勾陳を犯せば、妻子は病災多し。騰蛇と妻財爻とが同位なれば、妻子は笨拙。白虎と妻財爻とが同行せば、妻子の性情は剛強。妻財爻が玄武に臨めば、多く暧昧の事あり、心裏の念頭は人に瞞し、必ず良からず。両位の妻財爻がことごとく旺相なれば、一妻一妾・容貌俱に美なるの象。卦中にもし妻財爻なければ、常に孤身独处を主る。妻財爻が安静にして動かざれば、すなわち妻子の平安康泰を保し得。
妻財合世夫妻順,妻位生身家道昌,官鬼青龍同一位,家榮子貴壽延長。朱雀並官多訟事,勾陳帶鬼損田莊,騰蛇犯鬼多縈繫,白虎交官身有傷。玄武當官奸與盜,兩重官鬼必憂喪,若占官府反為吉,福厚官高名譽揚。兄弟加龍猶且且,若同朱雀必相妨,騰蛇白虎皆凶兆,玄武勾陳總不祥。吉處只宜常旺相,凶交卻怪落空亡。
妻財爻と世爻とが相合せば、夫妻は和順。妻財爻の位が身爻を生扶せば、家道は昌盛す。官鬼爻と青龍とが同じ一位に処れば、門庭の栄顕・子弟の貴盛・寿命の綿長を主る。朱雀と官鬼爻とが并臨せば、多く詞訟あり。勾陳が鬼爻を帯びれば、田荘を損傷す。騰蛇が鬼爻を冲犯すれば、多く牽纏係累あり。白虎と官鬼とが交動すれば、自身に傷あり。玄武が官鬼の位に当たれば、奸邪と盗賊とあるを主る。卦に両重の官鬼爻を見れば、必ず丧事の憂いあり。ただしもし官府の事を占問せば、これらはかえって吉と為り、福沢の深厚・官位の高顕・声名の遠揚を主る。兄弟爻が青龍を加え臨めば、なお強いて過ぎ得と算す。もし朱雀と同じく并れば、必ず彼此相い妨ぐ。騰蛇・白虎が兄弟爻に臨めば、みな凶兆。玄武・勾陳がこれに臨むも、また帰して不祥。要するに吉のところはただ常に旺相なるを宜とし、凶爻の交動する時は、かえってそれが空亡に落ち入るを喜ぶ。
三、婚姻章
內身陽鬼丈夫持,外應財陰總是妻,世應相生婚大吉,比和世應配相宜。青龍六合扶為美,三合子孫臨□□,應動三刑刑莫問,外交六害害無疑。三爻並偶生成少,立位純陽生育稀,男女和同咸泰益,夫妻反目革睽離。夫宮陽壯妻難保,姤卦陰強家不齊,不有其躬蒙裡斷,夫征不復漸中推。
婚姻を占うには、内卦・身爻・陽爻と官鬼爻とをもって丈夫を代表し、外卦・応爻・妻財爻と陰爻とをもって妻子を代表する。世応が相生すれば、婚事は大吉。世応が比和すれば、また相配して宜し。青龍・六合の来り扶けるあれば、最も美満。さらに三合を得て子孫爻がこれに臨めば、さらに好し(原刻此の処二字漫漶して清らかならず)。応爻が発動して三刑を帯びれば、この親事は問うに及ばず。外卦が交動して六害を帯びれば、為害は疑いなし。第三爻が并び出でて偶数の陰なれば、生育の少なきを主る。六爻の立位が純陽なれば、子息もまた稀なり。《咸》《泰》《益》の類の卦を得れば、男女は和合して同心。《革》《睽》《離》の類の卦を得れば、夫妻は反目す。丈夫の一宮に陽気太く壮んなれば、妻子は保ち難し。《姤》卦のごとき一陰が五陽に敵すを得れば、陰気過強にして家道は斉わず。《蒙》卦の六三にいう「女を取るを用いるなかれ、金夫を見て躬を有せず」、これによって女子のすでに身を失うを断ず。《漸》卦の九三にいう「夫征して復らず」、これによって丈夫の一たび去りて回らざるを推す。
一奇一偶成親順,雙鬼雙財配匹違,殺在妻財妻子厄,殺臨官鬼丈夫衰。妻財官鬼青龍助,富貴男兒福德妻,官鬼兩重相剋應,女人曾許兩家期。白虎臨財莫問婚,勾加官位剋夫身,殺臨兄弟多爭競,朱雀臨身公訟陳。勾陳陰殺休求女,玄武值財休問親,龍並子孫全吉兆,喜重父母福相因。
一奇一偶、すなわち一陽一陰が各々その位を得れば、成親は順利。両つの官鬼爻・両つの妻財爻が并び出れば、配偶にすなわち違碍あり。凶殺が妻財爻の上に落ちれば、妻子に厄あり。凶殺が官鬼爻の上に臨めば、丈夫は衰弱す。妻財爻と官鬼爻とがともに青龍の相助を得れば、それは富貴の男児が福徳ある妻子に配るなり。官鬼爻が両重にしてまた互いに応爻を克せば、この女子かつて両家に許したりしを主る。白虎が妻財爻に臨めば、婚を問うなかれ。勾陳が官鬼の爻位に加われば、丈夫を克傷せん。凶殺が兄弟爻に臨めば、多く争競あり。朱雀が身爻に臨めば、官司を惹き出さん。勾陳と陰殺とが同じく臨めば、女家を求むるなかれ。玄武が正に妻財爻に値えば、親事を問うなかれ。青龍と子孫爻とが并見せば、全然の吉兆。天喜が父母爻の上に重畳せば、福気もまた相い因りて至る。
坤變坎宮男破體,乾來離位女非真,欲知女子如何性,坎主心聰艮沉靜。兌心和柔巽必恭,坤爻寬厚乾剛正,文明女子為逢離,智慧男兒因見震。乾宮面部天而寬,坤主魁肥莫小看,艮卦決然身體小,坎爻定是臉團圞。兌家女子瑩而白,震位妻兒奇且端,巽體容顏如瑞雪,離宮和潤可人觀。有亡有劫都無用,無子無財總不堪。
坤卦が変じて坎宮に入れば、男子のすでに身を破るを主る。乾卦が来りて離位に到れば、女子の処子にあらざるを主る。女子の性情を知らんと欲せば、坎は心思の聡敏を主り、艮は沉默安静を主り、兌は心地の和柔を主り、巽は必ず恭謹、坤爻は寛厚を主り、乾は剛強端正を主る。離卦に逢えば、文雅明慧の女子。震卦を見れば、聡明有智の男児。さらに形貌を見る。乾宮は面龐の方闊にして寛きを主る。坤は魁梧肥壮を主り、小看すべからず。艮卦は断じて身材矮小。坎爻は必ず一张の円臉。兌家の女子は肌膚の瑩潔白浄。震位の妻室は相貌奇特にして端正。巽体の容顔は潔白して雪のごとし。離宮のは和潤可愛にして、甚だ見るに堪えたり。もし卦中に亡神あり、劫殺あれば、これらはみな数を作さず。子孫爻なし、妻財爻なければ、終に匹配に堪えず。
四、胎孕章
占產先須看子孫,子孫旺相吉堪論,母宮無殺為祥兆,子上加龍是善根。易產好占離與兌,難生休卜艮和坤,坎乾龍動身無慮,震兌勾陳命不存。父母莫教臨白虎,若臨其上必亡魂,騰蛇持世憂陰殺,玄武臨身忌浴盆。最忌土爻理本位,更嫌刑殺克兒孫,子孫發動忌空亡,白虎勾陳並不祥。
生産を占うには、まず子孫爻を見るべし。子孫爻が旺相なれば、吉と断じ得。母親の一宮に凶殺なければ、祥瑞の兆。子孫爻の上にさらに青龍を加えれば、さらに好根基。《離》《兌》の二卦を得れば、生産し易し。《艮》《坤》の二卦を得れば、難産を主り、さらに卜するに及ばず。坎・乾を得て青龍が発動すれば、産婦自身は憂いなし。震・兌を得て勾陳がこれに臨めば、性命は保ち難し。父母爻は切に白虎に臨むべからず、一旦臨み上げれば、必ず亡魂の厄あり。騰蛇が世を持てば、陰殺の祟るを憂うべし。玄武が身に臨めば、「浴盆」というあの凶殺を忌むべし。最も忌むは土爻が本位に居ること、さらに嫌うは刑殺の去りて子孫爻を克する。子孫爻が発動して空亡に落ち入り、および白虎・勾陳の同じく并るは、みな吉祥ならず。
子變為官胎裡死,官爻為子產而亡,母重子動俱難保,母靜子安皆吉祥。子母兩爻都旺相,有龍有喜便安康,陰宮陽現奇男子,陽變陰爻好女娘。子與母爻雖發動,青龍持世亦無妨,子孫重見龍交喜,決定齊生子一雙。欲扣孩兒分娩日,胎神沖破子生方。
子孫爻が官鬼爻に変ずれば、胎児は腹中に死す。官鬼爻が反って子孫の位を占めれば、すなわち臨産に母子に亡きあり。母爻が重畳にして子爻がまた動けば、母子ともに保全し難し。母爻が安静にして子爻が安穏なれば、母子ともに吉祥。子爻・母爻の両者がともに旺相にして、また青龍あり、また天喜あれば、すなわち安康を得。陰宮の中に陽爻出現せば、生むるは奇偉の男孩。陽爻が陰爻に変作れば、生むるは好女儿。子爻と母爻とが発動すといえども、ただ青龍が世を持てば、すなわち妨げなし。子孫爻が重畳して出現し、青龍がまた天喜と交會せば、一定に同産一双なり。孩児の分娩の日を推算せんと欲せば、すなわち胎神の冲破せらるるあの日を取り、まさに孩子の出生の時なり。
三教部第七
一、僧道章
道士緇流來問卜,身安世靜最為先,身爻克世堪諶用,世應比和樂自然。世若克身當退守,財來克世好求緣,六爻不動為清福,一位交重事變遷。財扶世上能施利,鬼交偏好謁官員,世臨白虎官司撓,身遇勾陳心事纏。父母克身師接引,青龍持世貴周全,勾陳帶殺多魔障,官鬼臨財被戝冤。
道士と僧人とが来りて卜を問うに、最も緊要なはまず身爻が安穏にして世爻が安静なること。身爻が世爻を克せば、この卦は信用すべし。世応が比和すれば、自然安楽。世爻がもし反って身爻を克せば、すなわち退步して自守すべし。妻財爻が来りて世爻を克せば、ちょうど外に出て募化して縁を求むるに宜しい。六爻がいずれも動かざれば、清浄の福。ただ一爻の交動あれば、事はすなわち変遷せんとす。妻財爻が世爻を扶助すれば、布施して利を得ること能し。官鬼爻が交動すれば、偏に官員に謁見するに宜しい。世爻が白虎に臨めば、官司の攪擾あり。身爻が勾陳に遇えば、心事纏繞して開かず。父母爻が身爻を克せば、師長の接引あるべし。青龍が世を持てば、貴人の周全成就を得。勾陳が凶殺を帯びれば、多く魔障あり。官鬼爻が妻財爻に臨めば、賊人に欺かれんとす。
兄弟勾陳同位動,謹防法眷外勾連,貴交父母師通聖,龍並子孫徒弟賢。父母重重身受克,斷然身被俗家牽,財空註疏徒勞力,鬼旺營謀枉費錢。亂動切須休入寶,八純卻好去參玄,艮坤只好棲巖谷,離巽偏宜隱市廛。龍虎交馳宜訪道,坎離輻輳好安禪,游魂帶殺休云水,一世休囚莫置田。
兄弟爻と勾陳とが同位に発動すれば、同門・法眷が外に在りて勾結牽連するを謹防すべし。貴人と父母爻とが交會すれば、師父の聖道に通達するを主る。青龍と子孫爻とが同じく并れば、徒弟の賢良を主る。父母爻が重々疊々として出でて身爻がまた克を受ければ、断じてこの人は終に俗家に牽累せらる。妻財爻が空に落ちれば、経を注し疏を作るもまた気力を白費す。官鬼爻が旺相なれば、四處に營謀するもまた銭財を枉費す。六爻が乱動すれば、切に山に入りて宝を尋ぬべからず。八純卦を得れば、ちょうど往きて玄理を参究するに宜しい。艮・坤の二卦を得れば、ただ岩谷に棲息するに宜し。離・巽の二卦を得れば、偏に市井に隠るるに宜し。青龍・白虎が交い馳驟せば、外に出でて道を訪ぬるに宜し。坎離の二気が輻輳交會せば、安坐して禅を参ずるに宜し。遊魂卦を得てまた凶殺を帯びれば、雲遊行脚を為すなかれ。一世卦を得て休囚にして気なければ、田産を置買するなかれ。
子動妻交還俗漢,世空身旺地行仙,身空不動頭頭道,應旺無魔處處禪。應偶世持生又合,神清身靜壽綿綿,忽然負結財身動,未免填還俗債冤。世應不和身妄動,了身達命待驢年,本身太歲臨身命,即日逢神得正傳。太歲火神加父母,天邊恩命定來宣,問予末後天機事,拈起筆來畫個圈。
子孫爻が発動し、妻財爻が交動すれば、これは還俗せんとする人。世爻が空に落ちて身爻が旺相なれば、これは地行の神仙。身爻が空にして動かざれば、すなわち處處みな道。応爻が旺相にして魔障なければ、すなわち處處みな禅。応爻が偶数の陰にして、世爻がまた来りて相生相合せば、すなわち神清く身静かにして寿命綿長。忽然として「負結」というあの凶殺が妻財爻・身爻と一斉に発動せば、俗世の債冤を償還するを免れず。世応が和せずして身爻が妄りに動けば、この身を了却し性命を通達せんと欲するも、ただ驢年馬月を待たんのみ。本人の生年の太歳が身爻・命爻の上に臨めば、当の日有道の人に遇い、正法の真伝を得べし。太歳の火に属する神がまた父母爻に加え臨めば、天辺の恩命は必ず宣示して下るべし。我が最末後のあの一層の天機を問わんか——我はただ筆を提起して、一箇の圓圈を画くのみ。
二、儒業章
凡占儒業究諸身,身世相生藝必精,父母生身文可立,子孫克世學無成。父爻旺相加朱雀,雄辯高言大有聲,兄動妻交身不旺,卻因聰慧誤前程。陰陽互旺宜參請,內外比和足講明,子旺身空窮措大,財因世廢困書生。兄弟若犯騰蛇上,縱有文章不顯名,玄武克身休合伴,勾陳傷世莫親朋。青龍持世功名大,天喜同官道業亨,朱雀並財宜作館,勾陳同鬼莫遊行。
およそ讀書・挙業を占うには、みな自身の上に考究すべし。身爻と世爻とが相生すれば、学藝は必ず精進す。父母爻が身爻を生扶せば、文章学問は成立すべし。子孫爻が世爻を克せば、学業は成り難し。子孫が官鬼を克して功名を克し去るをもっての故。父母爻が旺相にしてまた朱雀を加えれば、雄辯高論を主り、甚だ声名あり。兄弟爻が発動し、妻財爻が交動して身爻が旺ならざれば、かえって自ら聡慧を恃みて前程を誤る。陰爻・陽爻が交互に旺相なれば、師に参じ業を請うに宜し。内卦・外卦が比和すれば、講論明白に足る。子孫爻が旺にして身爻が空に落ちれば、これは窮酸秀才。妻財爻が世爻に因りて衰廃すれば、これは困頓書生。兄弟爻がもし騰蛇の上に犯せば、たとえ好文章あるも顕名すること能わず。玄武が身爻を克せば、人と合伙して同行するなかれ。勾陳が世爻を傷つけば、朋輩に過分に親近するなかれ。青龍が世を持てば、功名は遠大。天喜と官鬼爻とが同じく臨めば、道業は亨通す。朱雀と妻財爻とが并見すれば、館を設けて徒を授くるに宜し。勾陳と官鬼爻とが同じく処れば、外に出でて遊学するなかれ。
世應既和身又旺,上書獻策必圖成,日辰龍德俱生旺,縣宰州官力主盟。祿馬貴人臨月建,公侯任責職非輕,天符值土應非阻,月建持金必有驚。父母最宜逢六合,世身切忌犯三刑,刑殺克身兼克世,陷身取辱誤平生。朝君不可逢屯蹇,面聖偏宜見晉升,那更天符持木德,高遷重任祿光榮。
世応がすでに和洽にして身爻がまた旺なれば、書を上り策を献じて必ず事を成し得。日辰と龍徳とがともに生旺を得れば、県令・州官が力を出してあなたのために主を為さん。禄神・驛馬・貴人が月建に臨めば、担う所は公侯の任で、職分は軽からず。天符が正に土爻に値えば、事に応じて阻まるに至らず。月建が金爻を持てば、必ず一场の虚驚あり。父母爻は最も六合に遇うに宜しく、世爻・身爻は切に三刑を犯すを忌む。刑殺がすでに身爻を克しまた世爻を克せば、身を陥れ辱を受け、一生を誤らん。君王に朝見せんとすれば、《屯》《蹇》の類の艱難の卦に逢うべからず。聖に面して情を陳せんとすれば、偏に《晋》《升》の類の上進の卦を見るに宜し。いわんや天符がまた木徳の神を持てば、それはさらに高升重任・禄位光栄なり。
三、蒙童章
蒙童幼學子先推,子會青龍為上奇,朱雀克身多智慧,勾陳持土大愚痴。卦無父母難垂訓,身犯亡神爭禁持,朱雀空亡無學問,青龍旺相有鎡基。龍生身世攻書子,馬旺游魂逃學兒,父母喜神同位動,斷然博學廣文知。
蒙童の発蒙して学に就くを占うには、まず子孫爻を推す。子孫爻と青龍とが相會すれば、上々の奇兆。朱雀が身爻を克せば、この子は多く智慧あり。勾陳が土爻を持てば、すなわち大いに愚鈍。卦中に父母爻なければ、訓を垂れ教導する人なし。身爻が亡神を犯せば、いかようにも管束し得ず。朱雀が空亡に落ち入れば、学問は成り難し。青龍が旺相なれば、はじめて些か根基ありと算す。青龍が身爻・世爻を生扶すれば、これは肯んじて功を用い書を読む孩子。驛馬が旺相にしてまた遊魂卦に逢えば、これは学を逃るる孩子。父母爻と天喜とが同位に発動すれば、断じて後日博学多聞にして、文名をもって人に見知られん。
兩重父母多移學,亂動無常不守規,朱雀入離能寫字,青龍入兌會吟詩。坤官變動能修德,乾上交重會滑稽,乾震交重成事早,艮坤安靜立身遲。姤屯蹇困災須準,漸晉需升吉可推,地水火風能主事,前程定作貴人師。
卦に両重の父母爻を見れば、屡屡学塾を轉換するを主る。六爻が乱動して常なければ、この子の規矩を守らざるを主る。朱雀が離卦に入れば、一筆の好字を写す。青龍が兌卦に入れば、詩篇を吟詠し得。坤宮が変動すれば、徳行を修養し得。乾の上爻が交動すれば、詼諧滑稽に善し。乾・震が交動すれば、事を成すこと較早し。艮・坤が安静なれば、身を立ること較遲し。《姤》《屯》《蹇》《困》の諸卦を得れば、災禍あり、准として作すべし。《漸》《晋》《需》《升》の諸卦を得れば、推して吉と為すべし。もし地・水・火・風の類の卦象を得て事を主ること能わば、すなわち前程は必ず貴人の師と為る。
四、教授章
欲求教授訓童兒,情性先將八卦推,離體中虛明且智,坎宮內實信而威。震雷主動常遊學,巽順無常鎮改移,兌澤和柔能講習,艮山沉靜好謙卑。乾元剛果多嚴厲,坤土包容足禮儀,父子空亡都莫用,世身衰敗總休推。
一人の塾師を延請して童子を教えんとすれば、まず八卦を用いてその性情を推す。離卦の体は中間虚にして、その人は明白にして智慧あり。坎卦の一宮は中間実にして、その人は誠信にして威厳あり。震は雷にして性は動を主り、常に遊学して外に在り。巽は性は和順にして常なく、往往途を改め遷移す。兌は沢にして和柔にして講習に善し。艮は山にして沉静にして謙卑に甘んず。乾は天にして元気は剛強果決にして、人を教えるに多く厳厲。坤は地にして土徳は包容し、礼数周備。もし父母爻と子孫爻とがともに空亡に落ちれば、これらの人はみな聘用すべからず。世爻・身爻が衰敗にして気なければ、すなわちさらに推するに及ばず。
営生部第八
一、求財売買章
求財交易財為主,發動臨身財必取,卦若無財反落空,一世營謀不堪許。財爻持世或克世,一買一賣利百倍,克身又得青龍扶,積玉堆金何算計。財爻外動較艱難,財在內興人送至,外生內兮應生世,假使財輕也容易。應克世兮世克身,有財到底難成遂,世應比和身又安,資財平穩無憂滯。
財を求め交易するは、みな妻財爻をもって主と為す。妻財爻が発動して身爻に臨めば、財は一定に手に到る。卦中にもし妻財爻なければ、かえって空に落ち、一辈子の経営は称許に足らず。妻財爻が世を持ち、あるいは来りて世爻を克せば、一買一売に百倍の利を獲べし。それがもし身爻を克し、また青龍の相い扶けるを得れば、それはさらに金を堆積し玉を積み、計算するよりなし。妻財爻が外卦に発動すれば、財を求むること較びて艱難。妻財爻が内卦に興起すれば、自ずから人の財を送りて門に到る者あり。外卦が内卦を生じ、応爻が世爻を生じれば、たとえ財数輕微なるも、手に到り易し。応爻が世爻を克し世爻がまた身爻を克せば、たとえ財ありとも、到底成就し難し。世応が比和にして身爻がまた安穏なれば、資財は平穏にして、愁え滞る碍るところなし。
財生庫旺聚錢財,子動龍爻應稱意,財爻若值廢休囚,貨賤如塵宜措置。財爻旺相貴如金,有貨必須聞早棄,財爻不動財平安,遇殺逢空終破費。外鬼牽將玄武來,官災盜賊重重晦,劫殺臨財兼克身,闇昧小人切須忌。財交驛馬鬼神扶,買賣交成必遇貴。
妻財爻が生を得て庫位がまた旺なれば、銭財を聚積すること能し。子孫爻が発動し、青龍の爻が力を得れば、事は自ずから意にかなわん。妻財爻がもし正に休囚廢絶に値えば、貨は塵土のごとく賤し、正に勢に乗じて收購し置辦すべし。妻財爻が旺相なれば、貨は金のごとく貴し、手中に貨あれば早めに脱手すべし。妻財爻が安静にして動かざれば、財数は平安。一旦凶殺に遇い空亡に落ち入れば、終に破費せん。外卦の官鬼爻がまた玄武を牽帯して同じく来れば、官災と盗賊とが重々晦氣。劫殺が妻財爻に臨みまた身爻を克せば、それら暗中に祟る小人は、切に提防すべし。妻財爻と驛馬とが交會し、また吉神の扶助あれば、売買成交して必ず貴人に遇わん。
兄弟同人是悔神,財憂財失身憂否,莫教朱雀又當頭,官司口舌相連累。白虎臨財雖有財,切須忌落入圈圚,折本傷財為什麼,只為妻財化兄弟,子孫化財宜利多,財化子孫更非細,卻又青龍水上來,摘山運海多饒利。勾陳交鬼必淹留,行貨臨官被戝偷,忽爾妻財化官鬼,雖然獲利被官收。
兄弟爻と同人とが相并するは、一顆の「悔神」なり。財を論ずれば財を破り財を失うを憂え、身を論ずれば身に不測あるを憂う。さらに朱雀をしてまた頭に当らしむるなかれ、すなわち官司・口舌に牽累せられん。白虎が妻財爻に臨めば、財ありといえども、切に圏套に落ち入るを提防すべし。何をもって本を折り財を傷くや。ただ妻財爻が兄弟爻に変ずるがためにのみ。子孫爻が妻財爻を変出すれば、利を得ること甚だ多し。妻財爻が子孫爻を変出すれば、さらに小可ならず。もしさらに青龍の水上より来るあれば、すなわちそれは山を采り海を運ぶがごとく、處處饒利あり。勾陳と官鬼とが交動すれば、事は必ず拖延す。販運の貨物が官爻に臨めば、賊人に偷去せられん。忽然として妻財爻が官鬼爻に変ずれば、たとえ利を獲るとも、官府に收去せられん。
行商坐賈營財賦,切忌官爻臨本庫,不是官司送禍來,斷然被戝偷將去。地頭克身事未周,陰爻必是女人留,滿船載寶榮歸者,蓋為身爻克地頭。欲問錢財何日得,應在身財生旺日,假令乾用木為財,亥卯日辰為準則。
行商であれ坐賈であれ、およそ財賦を経営するには、最も官鬼爻が本命の庫位の上に臨むを忌む。官司が禍を門に送り届けるか、さもなくば断じて賊に偷去せられる。目的地のあの一爻がもし身爻を克せば、事は周全ならず。もしあの一爻が陰爻なれば、必ず女人に留められる。船いっぱいに宝を載せて栄えて帰ること能きは、まさに身爻が目的地のあの一爻を克し住むがゆえである。銭財のいつの日か手に到るかを問わんとすれば、身爻と妻財爻とが生旺の日に応ず。例えば乾宮は金に属し、木をもって妻財と為す。すなわち亥日・卯日が応験の準則である。亥・卯・未の三支が合して木局を成すがゆえである。
二、六畜血財章
凡占六畜畜為身,假使占牛丑是真,喜見子孫並父母,怕逢劫殺忌亡神。卦內若無所肖者,卻將八卦象來輪,乾馬坤牛艮狗當,巽雞離雉兌為羊。震龍艮馬一般斷,坎豕為烏細審詳,巽兌白兮離又赤,乾玄震翠艮坤黃。更有旁通推本位,次推所屬身宮義,本身旺相保無虞,若值死囚災立至。
およそ六畜を占うには、占うあの種の牲畜をそのまま「身」と作す。例えば牛を占えば、卦中の丑爻こそ正主である。喜ぶは子孫爻と父母爻とを見ること、怕れるは劫殺に逢うこと、忌むは亡神に碰うこと。卦中にもし占う生肖のあの一支なければ、八卦の象に改めて輪取する。乾は馬、坤は牛、艮は狗と作し、巽は鶏、離は野雉、兌は羊。震もまた龍と作し得、艮もまた馬と作し得て、同じく断ず。坎は猪、また烏と為し、みな細かく審詳すべし。毛色を論ずれば、巽と兌は白を主り、離は赤を主り、乾は黑を主り、震は青翠を主り、艮と坤は黄を主る。これに加えてさらに「六位例」の旁通の法に照らしてその本位を推し、次いでさらにその属する身宮の意義を推す。本身の爻が旺相なれば、虞なきを保し得。もし正に死地・囚地に落ちれば、災禍は即刻に到る。
本身發動子孫推,正是生財長育時,更得青龍相助吉,殺神相併及傾危。本肖空亡分外愁,交重白虎血財憂,午爻帶殺當憂馬,未慮羊兒丑慮牛。更須推本究宮卦,坤旺牛兮乾旺馬,遇子加龍旺主人,見武同宮防盜者。死絕休囚本位持,牛不耕兮馬不騎,更遇殺來應病死,十占八九定無疑。
本身の爻が発動すれば、さらに子孫爻を推す。これは正に財を生じ長育する時である。さらに青龍の相助を得れば、吉。もし凶殺と同じく并れば、すなわち傾危せん。占う生肖の爻が空亡に落ちれば、格別に愁えしむ。白虎が交動すれば、血財に憂いあり。午爻が殺を帯びれば、すなわち馬のために憂うべし。未爻が殺を帯びれば慮は羊に在り、丑爻が殺を帯びれば慮は牛に在る。さらに本宮の卦を推究すべし。坤が旺なればすなわち牛が旺し、乾が旺なればすなわち馬が旺し。子孫爻に遇いまた青龍を加えれば、主人家はこれに因りて興旺す。玄武がこれと同宮に在るを見れば、すなわち盗賊を防備すべし。本位の爻が死絶休囚の地に処すれば、牛は耕せず、馬もまた騎り得ず。さらに凶殺の来りて克するに遇えば、病死を主るべく、十に占えば八九、断じて疑いなし。
青龍旺相生財厚,六爻安靜無殃咎,若逢羊刃及三刑,決定遭他屠子手。財值青龍化子孫,驢騾牛馬保興生,牛強馬壯無他事,外旺乾剛內旺坤。父母重重化父母,一畜經年三換主,大殺來傷本肖爻,今朝換主明朝止。困頤噬嗑及明夷,鬼殺交重定剝皮,忽見青龍來救助,決無生育只尫羸。
青龍が旺相なれば、孳生・長育の財利は豊厚。六爻が安静なれば、災殃・過咎なし。もし羊刃と三刑とに逢えば、この牲口は決定して屠夫の手に喪わん。妻財爻が正に青龍に値えてまた子孫爻を変出せば、驢・騾・牛・馬はみな興旺の生養を保ち得。牛強く馬壮んにして別に他事なき卦象は、外卦の乾金が旺盛にして内卦の坤土もまた旺なるがごとき。父母爻が重々疊々として出でてまた父母爻を化出せば、一頭の牲口は一年の内に三箇の主人を換えん。大殺が来りて占う生肖の爻を傷つけば、今日主人を換え、明日すなわち終わりなり。《困》《頤》《噬嗑》および《明夷》の諸卦を得て、鬼爻と凶殺とが交動重畳せば、必ず皮を剥ぎ宰殺せらるるに遭う。忽然として青龍の来りて救助するを見るも、もただ生育すること能わず、瘦弱にして堪えざるのみ。
三、蚕桑章
應為蠶子世為人,世應相生福德臻,財是蠶官身是主,身財和合獲珠珍。主若生蠶多遂意,蠶兒受克枉勞辛,六爻安靜蠶平穩,一位交重險六親。有子有財全克兆,見兄見鬼大凶陳,交重父母平平斷,旺相休囚逐位輪。財爻若也持身世,管取絲綿千萬斤,更得青龍同位助,獲財百倍大光榮。
蚕を養うを占うには、応爻をもって蚕と為し、世爻をもって蚕を養う人と為す。世応が相生すれば、福徳は自ずから至る。妻財爻は蚕の官星で、身爻は蚕の主人である。身爻と妻財爻とが和合すれば、珠璣の利を獲べし。主人の一爻がもし蚕爻を生扶せば、多く意に遂うこと能し。蚕爻が反って克制を受ければ、徒らに一场の辛労を費やす。六爻が安静なれば、蚕事は平穏。ただ一爻の交動あれば、すなわち六親に危うし。卦中に子孫爻ありまた妻財爻あれば、十全の好兆である(原刻の「克兆」は「吉兆」と作るべし)。兄弟爻を見、官鬼爻を見れば、すなわち大凶の象を陈列す。父母爻が交動すれば、ただ平平と判断を作す。旺相と休囚とに至っては、爻位に按じて逐一輪推すべし。妻財爻がもしまた身爻・世爻を持てば、糸綿千万斤を収得することを管保す。さらに青龍の同位に相助を得れば、百倍の利を獲て大いに光采なり。
本宮見子為生氣,財世逢官是耗神,鬼旺初爻苗不出,二爻蠶子有災迍。三四鬼旺無桑葉,最上官興繭不成,金爻是鬼二眠亡,木鬼三眠定受殃。水鬼定是遭風雨,土鬼多應病尰黃,鬼落空亡番作吉,鬼爻休廢反為良。鬼化子孫財帛厚,鬼化妻財大吉昌,鬼化兄弟收一半,鬼化父母晚絲強。
本宮の中に子孫爻を見るは、生気である。妻財爻と世爻の上に官鬼爻に遇うは、あれは耗神である。官鬼爻が初爻に旺たれば、蚕苗は出ず。二爻に旺たれば、蚕子に災難あり。官鬼爻が三爻・四爻に旺たれば、采るべき桑葉なし。最上の一爻に旺たれば、蚕繭は結成せず。金爻が鬼と作れば、蚕は第二眠の時に死亡す。木爻が鬼と作れば、第三眠の時に定めて殃に遭う。水爻が鬼と作れば、必ず風雨に遇う。土爻が鬼と作れば、多く蚕に浮腫發黄の病の生ずるを主る。鬼爻がもし空亡に落ち入れば、かえって吉に転ず。鬼爻が休廃にして気なければ、かえって好き事なり。鬼爻が子孫爻を変出せば、財帛は豊厚。鬼爻が妻財爻を変出せば、大いに吉昌。鬼爻が兄弟爻を変出せば、ただ半分のみ収得す。鬼爻が父母爻を変出せば、晩蚕の糸はかえって好し。
青龍發動絲綿廣,白虎交重蠶白殭,玄武克蠶憂水厄,勾陳帶殺為蠶傷。水財到底無多利,金土為財些少償,木財旺相財無數,太旺財爻更被傷。天喜青龍財子合,生身生世獲嘉祥。
青龍が発動すれば、糸綿は広く多く産す。白虎が交動重畳すれば、蚕は白僵の病を得ん。玄武が蚕爻を克すれば、水厄を憂うべし。勾陳が凶殺を帯びれば、蚕は傷を受けん。水に属する妻財爻は、根を帰し底を究めれば利は多からず。金に属し土に属する妻財爻は、ただ些少の補償あるのみ。木に属する妻財爻が旺相なれば、財利は数なし。ただし妻財爻が太く旺じて頭を過ぐれば、かえってまた傷を受けん。天喜・青龍と妻財爻・子孫爻とが相合し、また来りて身爻・世爻を生扶せば、すなわち美好の吉祥を獲得し得。
四、行人章
凡卜行人先看身,身爻發動是行人,子孫外動克身世,決定前途獲寶珍。出去當頭憂白虎,歸來足下忌勾陳,內克世兮世克應,臨行有阻去無因。外克內兮應克世,打疊行裝在即辰,身宮見鬼因官事,若不因官定有迍。父母克身父母留,兄弟克身兄弟憂,青龍子孫克身位,一路無虞到地頭。
およそ外に出て門に在る人を占うには、まず身爻を見る。身爻が発動するは、すなわちあの路を行く人である。子孫爻が外卦に発動して身爻・世爻を克せば、断じて彼は路上にて財宝を得べし。門を出る時は最も白虎の頭に当たるを怕れ、帰来の時は最も勾陳の足下すなわち初爻に在るを忌む。内卦が世爻を克し、世爻がまた応爻を克せば、行に臨みて阻礙あり、去りても去り成らず。外卦が内卦を克し、応爻が世爻を克せば、すなわち即刻に行装を打点して身を動かすべし。身爻の一宮に官鬼爻を見るは、官事のために門を出るなり。もし官事のためならざれば、また必ず困頓あり。父母爻が身爻を克せば、父母に留められたるなり。兄弟爻が身爻を克せば、兄弟のために憂うるなり。青龍と子孫爻とが身爻の位を克せば、一路平安にして、目的地に至るまで直なり。
乾宮旺相乘肥馬,坎卦克身乘巨舟,震卦克身身便動,坤卦克身徒步遊。艮卦克身行必正,巽卦克身去又休,白虎克身行有厄,青龍克身為大吉。朱雀克身文字催,玄武克身路遭賊,若見勾陳來克世,事緒拘留行未得。欲卜行人何日回,父克子孫為定期,初爻發動足下動,二爻身動定無疑。
乾宮が旺相なれば、肥馬を騎りて行くなり。坎卦が身爻を克せば、大船に乗りて行くなり。震卦が身爻を克せば、人は即刻に身を動かさん。坤卦が身爻を克せば、徒歩にして行くなり。艮卦が身爻を克せば、走るは必ず正路なり。巽卦が身爻を克せば、すなわち去らんと欲してまた歇まる。白虎が身爻を克せば、路上に災厄あり。青龍が身爻を克せば、これ大吉。朱雀が身爻を克せば、文書の来りて催促するあり。玄武が身爻を克せば、途中に賊に遭わん。もし勾陳の来りて世爻を克するを見れば、すなわち事に牽絆して拘留せられ、去り成らず。門を出る人のいつの日か回るかを卜せんとすれば、父母爻の子孫爻を克する日をもって定期と為す。初爻が発動すれば、脚下すでに身を動かせり。二爻・身爻が発動すれば、身を動かすことさらに疑いなし。
三四發動臨門戶,五爻在路較遲遲,上爻身動身猶住,安靜行人定未歸。雖動動臨玄武方,中途定有小人傷,交重白虎多驚恐,發動青龍多吉昌。朱雀爻交先有信,子孫發動喜非常,鬼兄併發多應病,官化為官更不祥。子落空亡身入墓,行人準定不回鄉。
三爻・四爻が発動すれば、人はすでに門戸の処に到り、家に到ること近し。五爻が発動すれば、なお路上に在り、帰期は較びて遲し。上爻の身爻が発動すれば、人はなお停住して行かず。六爻が安静なれば、すなわち門を出る人は一定にいまだ身を動かして回らざるなり。爻の発動ありといえども、玄武のあの一方に動かば、中途にて必ず小人に傷つけられん。白虎が交動重畳せば、多く驚恐あり。青龍が発動すれば、多く吉昌を主る。朱雀の爻が交動すれば、先に書信の到るあり。子孫爻が発動すれば、喜事非常なり。官鬼爻と兄弟爻とが一同に発動すれば、多くは生病に応ず。官鬼爻がまた官鬼爻を変出せば、さらに不祥。子孫爻が空亡に落ち入りて身爻がまた墓に入れば、門を出る人は准定して故郷に回らざるなり。
疾厄部第九
一、疾病章
疾病先將身命看,逢龍見子放心寬,妻財入命多沉重,官鬼臨身更不堪。身犯勾陳凶有準,命加玄武瘥應難,騰蛇白虎憂喪事,身命空亡定入棺。金鬼值身傷骨節,身中水鬼血膿鑽,貼身火鬼瘡痍惱,木鬼身宮有骨酸。土鬼在身身腫脹,殺刑加命命摧殘,水為腰腎金屬肺,火主心胸木主肝。
疾病を占うには、まず身爻と命爻とを見る。青龍に逢い、子孫爻を見れば、放心すべし。妻財爻が命爻に進入すれば、病勢は多く沈重。官鬼爻が身爻に臨めば、さらに堪えず。身爻が勾陳を犯せば、凶険は准あり。命爻に玄武を加えれば、病は痊愈し難し。騰蛇・白虎がこれに臨めば、丧事を憂うべし。身爻・命爻が一斉に空亡に落ちれば、すなわち定めて棺に入らん。金に属する鬼爻が身爻に値えば、傷は骨節に在り。水に属する鬼爻が身に在れば、血膿の鑽痛を主る。身爻に緊貼する火鬼は、瘡瘍に悩まさる。木に属する鬼爻が身宮に在れば、骨節の酸疼を主る。土に属する鬼爻が身に在れば、身体の腫脹を主る。凶殺と刑とが并びて命爻の上に加われば、性命はすなわち摧折せん。さらに五行をもって部位を分かつ。水は腰と腎を主り、金は肺に属し、火は心胸を主り、木は肝を主る。
土爻脾位休逢殺,發動交重仔細觀,虎鬼同興應哭泣,龍孫並旺保平安。乾為首兮坤為腹,巽為手兮震為足,兌為口兮艮為鼻,坎主耳兮離主目。一宮殺旺一般災,子動龍興保平復,豐兼蠱困及明夷,夬與同人一例推。
土爻は脾の部位で、それをして凶殺に逢わしむるなかれ。およそ爻の発動交重あれば、みな仔細に観察すべし。白虎と鬼爻とが一同に興起せば、家中に哭泣の事あるべし。青龍と子孫爻とが一并に旺相なれば、平安を保し得。さらに八卦をもって身体に分配す。乾は頭、坤は腹、巽は手、震は足、兌は口、艮は鼻、坎は耳を主り、離は目を主る。どの一宮の凶殺が旺盛なれば、どの一処に病災あり。子孫爻が発動し、青龍が興起せば、病体の平復を保し得。《豊》を得、兼ねて《蠱》《困》および《明夷》を得、また《夬》と《同人》とあれば、みな同一の例に照らして推断し、病勢の軽からざるを主る。
冬旅春需都困重,夏觀秋剝並傾危,六爻安靜猶難瘥,殺鬼交重便莫醫。財旺身空身必喪,官生命死命應衰,兩重官鬼因勞復,鬼化為兄病不宜。官化為財凶有定,鬼爻化子瘥無疑。
冬に《旅》卦を得、春に《需》卦を得れば、病はみな沈重にして支え難し。夏に《観》卦を得、秋に《剥》卦を得れば、一并に傾危す。六爻が安静なれば、病はなお癒え難し。凶殺と鬼爻とが交動重畳せば、それは医るに及ばず。妻財爻が旺にして身爻が空に落ちれば、病人は必ず喪亡す。官鬼爻が生を得て命爻が死地に落ちれば、性命は当に衰敗すべし。卦に両重の官鬼爻を見るは、労累に因りて病情が反復するなり。鬼爻が兄弟爻に変ずれば、病情は利あらず。官鬼爻が妻財爻に変ずれば、凶は定局なり。鬼爻が子孫爻を変出せば、痊愈は疑いなし。
二、医薬章
子孫出現是醫人,生世生身藥必靈,兩個子孫齊發動,換醫困厄即時平。子囚醫拙無功效,子旺醫明有準繩,無子病人難服藥,子空患者便歸程。子孫值土宜丸散,值火須當火艾蒸,值木吺咀方應病,值金針刺保亨貞。
子孫爻が出現すれば、すなわち医生を代表す。それが世爻を生じ身爻を生ずれば、薬を用うるに必ず霊験あり。両つの子孫爻が一斉に発動すれば、一人の医生を換え、困厄は立ちどころに平復す。子孫爻が囚地に落ちれば、医生は笨拙にして医治に功効なし。子孫爻が旺相なれば、医生は高明にして薬を下すに準縄あり。卦中に子孫爻なければ、病人は服薬し難し。子孫爻が空に落ちれば、患者はおそらく帰途に上らんとす。子孫爻が土に値えば、丸薬・散剤を用うるに宜し。火に値えば、艾灸・火蒸を用いるべし。木に値えば、㕮咀の煎剤を用うるに宜しく、ちょうど症に対す。金に値えば、針刺を用うるに宜しく、安好を保し得。
子孫值水宜湯藥,天喜扶持妙莫評,青龍獨發最為良,持世生身便離床。那更子孫同位發,不須服藥保安康,鬼財安貼無憂慮,身世比和大吉昌。欲問病人何日瘥,鬼衰生旺世生方。
子孫爻が水に値えば、湯薬を服するに宜し。さらに天喜の扶持あれば、その妙処は評説し難し。青龍が単独に発動すれば、最も良善。それが世爻を持ち、また身爻を生ずれば、病人はすなわち床を下るべし。いわんや子孫爻がまたそれと同位に発動すれば、それは服薬せずとも安康を保つ。官鬼爻と妻財爻とが安帖にして動かざれば、憂慮なし。身爻・世爻が比和すれば、大吉大昌。病人のいつの日か痊愈するかを問わんとすれば、すなわち鬼爻が衰敗し、世爻が生旺を得るあの日に在り。
三、盗賊章
占盜先推財鬼鄉,財爻安靜便無妨,內搖不離無安處,外動多應出遠方。鬼化為財須有望,財爻化鬼莫思量,妻財入墓無蹤跡,財犯勾陳在土藏。捉賊提防亡劫害,尋財切慮刃刑傷,子孫旺相終尋見,官鬼休囚必捉將。玄武鬼爻家裡動,原來家賊最難防,兩重官鬼勾連至,鬼落空亡自失忘。
失盗を占うには、まず妻財爻と官鬼爻との在る位置を推す。妻財爻が安静なれば、財物はすなわち妨げなし。鬼爻が内卦に揺動すれば、賊は遠く去らず、ただ安身の処を尋ね得ざるのみ。外卦に発動すれば、多くはすでに遠方に逃往せり。鬼爻が妻財爻に変ずれば、失物はなお指望あり。妻財爻が鬼爻に変ずれば、すなわちさらに思うに及ばず。妻財爻が墓に入れば、財物は蹤跡なし。妻財爻が勾陳を犯せば、物は土中に蔵せり。賊を捉うるには亡神・劫殺の為害を提防し、財を尋ぬるには最も羊刃・三刑の相い傷るを慮る。子孫爻が旺相なれば、終に尋ね見るべし。官鬼爻が休囚にして気なければ、必ず賊を捉え得。玄武と鬼爻とが内卦に発動すれば、もとは家賊で、これが最も提防し難し。卦に両重の官鬼爻を見れば、人の勾結して同じく来りて作案するなり。鬼爻が空亡に落ち入れば、贓物はおそらく自己の遺失せしなり。
一世二世親鄰盜,三世四世不離鄉,五世六世他方鬼,鬼若生身必見贓。木鬼東方人是賊,金西水北細消詳,火光本是南方鬼,土鬼原來只在房。欲問賊人藏物處,鬼家父母處消詳,譬如火鬼木為父,竹木堆中及樹傍。不懼五行無準則,只愁財物落空亡。
一世卦・二世卦を得れば、親戚・鄰里の盗みたるなり。三世卦・四世卦を得れば、賊はなお本郷を離れず。五世卦・六世卦を得れば、すなわち他郷外來の賊なり。鬼爻がもし来りて身爻を生ぜば、必ず贓物を見るべし。木に属する鬼爻は、賊は東方の人。金鬼は西方を主り、水鬼は北方を主る。みな細かに消詳すべし。火光の鬼はもと南方人。土に属する鬼爻は、もとより自家の房中に在り。賊人が物をどこに蔵したかを問わんと欲せば、すなわち鬼爻の父母爻の上より消詳せよ。例えばこれ火鬼ならば、火は木をもって父母と為す。すなわち竹木の堆の中に、あるいは樹の旁に蔵せり。五行に準則の依るべきなきを怕れず、ただ財物の空亡に落ち入るを愁う。
貴人持鬼官人賊,驛馬持官永健郎,玄武臨官僧取去,勾陳是鬼道偷將。陰爻胎鬼陰入盜,陽貴休囚官不良,陽鬼廢囚巫術輩,鬼爻旺相是豪強。
貴人が鬼爻を持てば、賊は官を為す人。驛馬が官爻を持てば、賊は身強く脚捷き壮漢。玄武が官爻に臨めば、僧人の取り去りしなり。勾陳が鬼爻と作れば、道士の偷み走りしなり。陰爻の上の胎鬼は、婦人の室に入りて窃み行くなり。陽爻の貴人にして休囚にして気なければ、不良の公門の中人なり。陽鬼が廢・囚の地に落ちれば、巫見・術士の一流なり。鬼爻が旺相なれば、それはすなわち豪強の輩なり。
四、捕盗章
捕盜先推飛伏神,飛伏相生賊不真,飛克賊神須捉住,伏傷飛者反傷身。伏神帶殺休追趕,伏入勾陳賊自陳,內外世身依此例,內還克外定無因。應爻又是偷財者,若來克世曲難伸,欲知捕獲當何日,鬼敗財生定日辰。卜筮遺忘皆準此,身衰財廢不尤人。
盗賊を捕捉するには、まず飛神と伏神とを推す。飛伏の両者が相生すれば、疑う所は真の賊にあらず。飛神が賊神を克せば、一定に捉え得。伏神が反って飛神を傷つけば、賊を捕らう人は反って賊に傷つけられん。伏神が凶殺を帯びれば、すなわち追い趕するなかれ。伏神が勾陳に落ち入れば、賊は自ら招認せん。内卦・外卦、世爻・身爻は、みなこの例に照らして推す。内卦が反って外卦を克せば、賊を捉うるに着落なし。応爻はすなわち財を偷したあの人で、それがもし来りて世爻を克せば、冤曲は申訴し難し。いつの日か捕獲するかを知らんと欲せば、すなわち鬼爻が敗絶し、妻財爻が生を得るあの日辰に定めよ。およそ遺失の財物を卜するは、みなこれをもって准と為す。もし身爻が衰え妻財爻が廢せば、それは旁人を怨むに及ばず。
五、公訟章
公訟先推身殺鬼,身克殺爻應有理,劫殺克身理不明,身旺殺空憂散矣。論人切要殺扶身,被訴卻憂身克世,身旺殺空訴者輸,身衰殺旺身遭棰。殺身俱旺事遷延,身殺俱空公事止,劫殺臨官官事興,財加劫殺因財起。三刑持世莫興詞,六害臨身休後悔,父母臨身是劫並,決定爭差田屋契。
官司を打つには、まず身爻・凶殺と官鬼爻とを推す。身爻が凶殺の爻を克し住むこと得れば、自己は当に理あるべし。劫殺が反って身爻を克せば、道理は説き明らかにし難し。身爻が旺にして凶殺が空に落ちれば、憂愁は自然に消散す。もし人を告るの一方なれば、最も緊要なは凶殺が反って身爻を扶助するを来ること。もし被告るの一方なれば、身爻の去りて世爻を克するを怕る。身が旺にして殺が空なれば、起訴する人は輸せん。身が衰えて殺が旺なれば、自身は杖打を挨がん。凶殺と身爻とがともに旺なれば、事はすなわち拖延せん。身爻と凶殺とがともに空に落ちれば、公事は自然に停止す。劫殺が官爻に臨めば、官司は興起す。妻財爻の上に劫殺を加えれば、訟事は財に因りて起こる。三刑が世を持てば、状紙を遞するなかれ。六害が身に臨めば、後日の追悔を免れん。父母爻が身爻に臨みてまた劫殺の同じく并るあれば、必ず田地・屋契の争執のために官司を打つなり。
外來克內被渠傷,內克外因渠不是,弟兄化鬼卒難休,鬼化弟兄多闇昧。玄武臨官防小人,騰蛇犯鬼多淹滯,青龍入鬼遇貴人,白虎臨官受刑制。鬼共勾陳牢獄災,鬼臨朱雀文書累,太歲克官赦解由,月建沖官官又罪。日辰克鬼脫應難,鬼剋日辰猶不易,身世克刑目下和,相併相沖還又至。
外卦が来りて内卦を克せば、対方に傷つけられたるなり。内卦が外卦を克せば、対方の理に虧くるなり。兄弟爻が鬼爻に変ずれば、事は終に了し難し。鬼爻が兄弟爻に変ずれば、その中に多く暗昧あり。玄武が官爻に臨めば、小人を提防すべし。騰蛇が鬼爻を冲犯すれば、多く拖延滞留あり。青龍が鬼爻に入れば、貴人に遇うべし。白虎が官爻に臨めば、刑罰の制裁を受けん。鬼爻と勾陳とが同じく処れば、牢獄の災いあり。鬼爻が朱雀に臨めば、文書に拖累せらる。太歳が官爻を克せば、赦免・開釋を望み得。月建が官爻を冲せば、あの案を問う官員は自らもまた罪を獲ん。日辰が鬼爻を克せば、身を脱さんと欲すもなお難し。鬼爻が反って日辰を克せば、事も同じく易からず。身爻・世爻は互いに克刑すといえども、眼下はかえって相い安し。一旦相并相冲の時に到れば、麻煩はまた来らん。
噬嗑明夷被杖笞,屯蒙大壯遭囚繫,雖云渙解保無由,也要世身爻有氣。天喜貴人要生身,大殺亡神莫持世,世應相生內外和,決定兩頭都沒事。劫殺官爻是禍根,空亡卻是相和義,妻財持世喜神扶,卻把托個人調治。青龍子孫是解星,生世生身謝天地,世旺身生命合神,是日官司當脫離。
《噬嗑》《明夷》を得れば、杖責・笞打を挨がん。《屯》《蒙》《大壮》を得れば、囚禁・繋押に遭わん。《渙》《解》を得れば事なきを保し得といえども、また世爻・身爻に気あるを須う。天喜・貴人は来りて身爻を生扶するを要し、大殺・亡神は切に世を持すべからず。世応が相生し、内外が和洽なれば、断じて両造ともに事なし。劫殺と官鬼爻とは禍根で、それらが一たび空亡に落ちれば、かえって和解の義と成る。妻財爻が世を持ちて喜神の扶助あれば、すなわち一人に托して中より調停せしむべし。青龍と子孫爻とは厄を解く星で、それらが世爻を生じ身爻を生ずれば、すなわち天に謝し地に謝すべし。世爻が旺相、身爻が生を得、命爻がまた合神に逢えば、この日官司は身を脱すべし。
更有常贏決勝方,訴人被訴都當記,訟心克己最為頭,挫銳解紛為第二。贏盡世間多少人,省財又不傷和氣。
この外にさらに一箇の常勝決赢の方子あり。人を告るにも人に告られるにも、みな記えてしかるべし。あの好訟の心をまず克治して下せよ。これ第一等の工夫。自己の鋒芒・鋭気を挫き去り、紛争を化解せよ。これ第二等の工夫。この両条に憑れば、世上の幾多の人に赢ち越え、銭財を省き且つ彼此の和気を傷つけず。
巻下
乾部第十
一、乾宮八卦立成章
屬陽、金兆。立冬旺、秋分相。卦名:上爻、五爻、四爻、三爻、二爻、初爻,世爻飛伏。乾為天:壬戌土、壬申金、壬午火、甲辰土、甲寅木、甲子水,飛壬戌土;世、身、應,四月卦;父母、兄弟、官鬼、父母、妻財、子孫,伏癸酉金。天風姤:壬戌土、壬申金、壬午火、辛酉金、辛亥水、辛丑土,飛辛丑土;應、身、世,五月卦;父母、兄弟、官鬼、兄弟、子孫、父母,伏甲子水。天山遁:壬戌土、壬申金、壬午火、丙申金、丙午火、丙辰土,飛丙午火;應、世、身,六月卦;父母、兄弟、官鬼、兄弟、官鬼、父母,伏甲寅木。天地否:壬戌土、壬申金、壬午火、乙卯木、乙巳火、乙未土,飛乙卯木;應、身、世,七月卦;父母、兄弟、官鬼、妻財、官鬼、父母,伏甲辰土。
乾宮は陽に属し、金兆と為り、立冬の時に旺し、秋分の時に相たり。下の表は卦を逐い上爻・五爻・四爻・三爻・二爻・初爻の納甲と六親を横に列し、末の一欄は世爻の飛神・伏神である。乾為天。上爻は壬戌土(父母、世を持つ)、五爻は壬申金(兄弟、身爻)、四爻は壬午火(官鬼)、三爻は甲辰土(父母、応爻)、二爻は甲寅木(妻財)、初爻は甲子水(子孫)。飛神は壬戌土、伏神は癸酉金、四月の卦と為す。天風姤。上爻は壬戌土(父母)、五爻は壬申金(兄弟)、四爻は壬午火(官鬼、応爻)、三爻は辛酉金(兄弟)、二爻は辛亥水(子孫、身爻)、初爻は辛丑土(父母、世を持つ)。飛神は辛丑土、伏神は甲子水、五月の卦と為す。天山遯。上爻は壬戌土(父母)、五爻は壬申金(兄弟、応爻)、四爻は壬午火(官鬼)、三爻は丙申金(兄弟)、二爻は丙午火(官鬼、世を持つ)、初爻は丙辰土(父母、身爻)。飛神は丙午火、伏神は甲寅木、六月の卦と為す。天地否。上爻は壬戌土(父母、応爻)、五爻は壬申金(兄弟)、四爻は壬午火(官鬼、身爻)、三爻は乙卯木(妻財、世を持つ)、二爻は乙巳火(官鬼)、初爻は乙未土(父母)。飛神は乙卯木、伏神は甲辰土、七月の卦と為す。
風地觀:辛卯木、辛巳火、辛未土、乙卯木、乙巳火、乙未土,飛辛未土;世、身、應,八月卦;妻財、官鬼、父母、妻財、官鬼、父母,伏壬午火。山地剝:丙寅木、丙子水、丙戌土、乙卯木、乙巳火、乙未土,飛丙子水;世、應、身,九月卦;妻財、子孫、父母、妻財、官鬼、父母,伏壬午火。火地晉:己巳火、己未土、己酉金、乙卯木、乙巳火、乙未土,飛己酉金;世、身、應,十月卦;官鬼、父母、兄弟、妻財、官鬼、父母,伏壬午火。火天大有:己巳火、乙未土、己酉金、甲辰土、甲寅木、甲子水,飛甲辰土;應、身、世,正月卦;官鬼、父母、兄弟、父母、妻財、子孫,伏乙卯木。
風地観。上爻は辛卯木(妻財)、五爻は辛巳火(官鬼)、四爻は辛未土(父母、世を持つ)、三爻は乙卯木(妻財)、二爻は乙巳火(官鬼、身爻)、初爻は乙未土(父母、応爻)。飛神は辛未土、伏神は壬午火、八月の卦と為す。山地剥。上爻は丙寅木(妻財)、五爻は丙子水(子孫、世を持つ)、四爻は丙戌土(父母)、三爻は乙卯木(妻財)、二爻は乙巳火(官鬼、応爻)、初爻は乙未土(父母、身爻)。飛神は丙子水、伏神は壬午火、九月の卦と為す。火地晋。上爻は己巳火(官鬼)、五爻は己未土(父母)、四爻は己酉金(兄弟、世爻と身爻とともにこの位に在り)、三爻は乙卯木(妻財)、二爻は乙巳火(官鬼)、初爻は乙未土(父母、応爻)。飛神は己酉金、伏神は壬午火、十月の卦と為し、本宮の遊魂卦なり。火天大有。上爻は己巳火(官鬼、応爻)、五爻は乙未土(父母、身爻。原刻の「乙」は「己」と作るべし)、四爻は己酉金(兄弟)、三爻は甲辰土(父母、世を持つ)、二爻は甲寅木(妻財)、初爻は甲子水(子孫)。飛神は甲辰土、伏神は乙卯木、正月の卦と為し、本宮の帰魂卦なり。
二、八卦断例章
乾象:六陽純一天行健,風虎雲龍聚會時,剛健身持恆不息,功名榮顯決無疑。斷:乾者健也,事宜專一,人口安康,田蠶進益,問病獲安,占官轉職,所謀必成,所求皆得。姤象:天下有風陰媾陽,勿疑娶女女非良,順時消息行中道,品物咸亨大吉祥。斷:媾者遇也,謀必有遇,求官官榮,求財財遂,病者難安,婚姻休娶,卜筮行人,端的在路。遁象:天下有山為遁象,埋光鏟彩以修身,順時達變賢君子,不惡而嚴遠小人。斷:遁者退也,凡事宜退,公訟而和,行人阻滯,問婚不成,求財無利,病者遷延,田蠶微細。否象:天地不交物不生,達人晦德避時屯,不居榮祿安常分,傾否之時福自臻。斷:否者塞也,凡事閉塞,切慮官司,提防盜賊,家宅平安,田蠶少得,守分安常,災消集福。
《乾》の卦象。六爻純陽にして渾然として独一、まさに「天行健」の気象なり。風は虎よりし雲は龍よりし、英雄際会の時なり。剛健の徳をもって自身を持守し、恒久にして止息せず。功名は栄顕にして決然として疑いなし。断語。乾はすなわち「健」。事を為すに専一に宜しく、家中の人口は安康、田禾・蚕桑は増益し、病を問えば平安を獲べく、官職を占えば遷転を得、謀る所は必ず成り、求むる所はみな手に到る。《姤》の卦象。天の下に風あり、陰と陽とが相遇し媾合するの象なり。この女子を娶るべきや否やを遅疑するなかれ、この女はもとより良配にあらず。時勢に順い消息盈虚して中道を行けば、万物はことごとく亨通して大いに吉祥なり。断語。媾はすなわち「遇」。事を謀れば必ず際遇あり、官を求めれば官運は栄顕し、財を求めれば財は称遂し得。病人は安んじ難く、婚事は娶るなかれ。門を出る人を卜問すれば、確かにまだ路上に在り。《遯》の卦象。天の下に山あり、退避の象なり。光彩を收斂し鋒芒を蔵起して自身を修養す。時に順い通変するは、まさに賢明の君子なり。疾言・厲色を須いずして自ずから威厳あり、小人をして遠避せしむべし。断語。遯はすなわち「退」。およそ事は退譲に宜しい。官司は和解し得、門を出る人は受阻して滞留し、婚を問えば成らず、財を求めれば利なく、病人は拖延し、田蚕の収成は微薄なり。《否》の卦象。天地は交わらず、万物は生ぜず。通達の人は徳を隠して時艱を躲かる。栄華・禄位に居るを貪らず、平常の本分を安守す。傾否して泰に転ずる時を待てば、福気は自然に到来す。断語。否はすなわち「塞」。およそ事は閉塞して通ぜず。切に官司を憂慮し、盗賊を提防すべし。家宅はなお平安を算し、田蚕の得る所は甚だ少なし。ただ分を守り常に安んずれば、災は消えて福は集まらん。
觀象:風行地上順而安,莫作尋常一例看,一切營謀無不遂,生財旺相已遷官。斷:觀者望也,凡事有望,田蠶進益,家宅興旺,占婚最宜,求官為上,財聚病痊,獲福無量。剝象:艮山扶地邪傷正,厚下安居反得輿,小人剝極不知變,陷身取辱剝其廬。斷:剝者落也,剝落之義,動則有傷,靜則無悔,退則獲安,進則不利,藏器待時,剝極復治。晉象:日出於地晉文明,輝光普照德非輕,田蠶進益家興旺,職位高遷身顯榮。斷:晉者進也,進必有升,進身必遂,進事有成,行人未至,公訟不明,病者難瘥,財平稍平。大有象:火在天上為大有,順天休命育群生,光明普照無私曲,上下相通道大亨。斷:盛大豐育,所求必至,田宅昌榮,生財吉利,訟散病痊,孕生婚遂,除卻出行,般般稱意。
《観》の卦象。風が大地の上を行く、和順にして安寧なり。尋常の卦例として一概に看るべからず。一切の経営・計謀は遂わざるなし。財を生じ旺相にして、しかもすでに官を遷すの兆あり。断語。観はすなわち「望」、およそ事にみな指望あり。田蚕は増益し、家宅は興旺し、婚を占うに最も相宜、官を求むるは上々の選、財は聚攏し得、病は痊愈し得、獲る所の福は限量すべからず。《剥》の卦象。艮山は地に附着す。邪気は正気を傷る。下を厚遇しその位に安居すること能けば、かえって「大輿」の承載を得。小人の剥落は極処に到りてなお変通を知らず、終に身を陥れ辱を受け、自己の廬舎まで剥がれ去るに至る。断語。剥はすなわち「落」、剥落の義を取る。一たび動けばすなわち傷損あり、安静なれば悔恨なし。退譲すれば平安を得べく、前進すれば利あらず。当に才器を収蔵して時機を待つべく、剥の極処は自ずから治平に復帰せん。《晋》の卦象。太陽は地の上に出づ。進みて文明の象なり。光輝は普く照らし、徳沢は軽からず。田蚕は増益し、家道は興旺す。職位は高く升り、自身は顕栄す。断語。晋はすなわち「進」、進めば必ず升あり。身を進めば必然に称遂し、事を進めば必ず成ること能し。ただ門を出る人はいまだ到らず、官司は明白ならず、病人は痊愈し難く、銭財はただ平平なり。《大有》の卦象。火は天の上に在り、大有の象なり。天道に順応し、その命を美善として衆生を化育す。光明は普く照らして、偏私・曲弊なし。上下相い通じ、その道は大いに亨る。断語。大有は盛大豊育の義。求むる所は必ず手に到り、田宅は昌栄し、財を生ずるは吉利、訟事は消散し、疾病は痊愈し、胎孕は生し得、婚事は称遂す。出行の一項を除くの外、様様意にかなう。
坎部第十一
一、坎宮八卦立成章
屬陽、水兆。冬至旺、立冬相。卦名:上爻、五爻、四爻、三爻、二爻、初爻,世爻飛伏。坎為水:戊子水、戊戌土、戊申金、戊午火、戊辰土、戊寅木,飛戊子水;世、應、身,十月卦;兄弟、官鬼、父母、妻財、官鬼、子孫,伏己巳火。水澤節:戊子水、戊戌土、戊申金、丁丑土、丁卯木、丁巳火,飛丁巳火;身、應、世,十一月卦;兄弟、官鬼、父母、官鬼、子孫、妻財,伏戊寅木。水雷屯:戊子水、戊戌土、戊申金、庚辰土、庚寅木、庚子水,飛庚寅木;應、身、世,六月卦;兄弟、官鬼、父母、官鬼、子孫、兄弟,伏戊辰土。水火既濟:戊子水、戊戌土、戊申金、己亥水、己丑土、己卯木,飛己亥水;應、身、世,正月卦;兄弟、官鬼、父母、兄弟、官鬼、子孫,伏戊午火。
坎宮は陽に属し、水兆と為り、冬至の時に旺し、立冬の時に相たり。下の表は卦を逐い上爻より初爻に至る納甲と六親を横に列し、末欄は世爻の飛神・伏神である。坎為水。上爻は戊子水(兄弟、世を持つ)、五爻は戊戌土(官鬼)、四爻は戊申金(父母)、三爻は戊午火(妻財、応爻)、二爻は戊辰土(官鬼)、初爻は戊寅木(子孫、身爻)。飛神は戊子水、伏神は己巳火、十月の卦と為す。水沢節。上爻は戊子水(兄弟、身爻)、五爻は戊戌土(官鬼)、四爻は戊申金(父母、応爻)、三爻は丁丑土(官鬼)、二爻は丁卯木(子孫)、初爻は丁巳火(妻財、世を持つ)。飛神は丁巳火、伏神は戊寅木、十一月の卦と為す。水雷屯。上爻は戊子水(兄弟)、五爻は戊戌土(官鬼、応爻)、四爻は戊申金(父母)、三爻は庚辰土(官鬼、身爻)、二爻は庚寅木(子孫、世を持つ)、初爻は庚子水(兄弟)。飛神は庚寅木、伏神は戊辰土、六月の卦と為す。水火既済。上爻は戊子水(兄弟、応爻と身爻とともにこの位に在り)、五爻は戊戌土(官鬼)、四爻は戊申金(父母)、三爻は己亥水(兄弟、世を持つ)、二爻は己丑土(官鬼)、初爻は己卯木(子孫)。飛神は己亥水、伏神は戊午火、正月の卦と為す。
澤火革:丁未土、丁酉金、丁亥水、己亥水、己丑土、己卯木,飛丁亥水;身、世、應,二月卦;官鬼、父母、兄弟、兄弟、官鬼、子孫,伏戊申金。雷火豐:庚戌土、庚申金、庚午火、己亥水、己丑土、己卯木,飛庚申金;世、身、應,九月卦;官鬼、父母、妻財、兄弟、官鬼、子孫,伏戊戌土。地火明夷:癸酉金、癸亥水、癸丑土、己亥水、己丑土、己卯木,飛癸丑土;世、身、應,八月卦;父母、兄弟、官鬼、兄弟、官鬼、子孫,伏戊申金。地水師:癸酉金、癸亥水、癸丑土、戊午火、戊辰土、戊寅木,飛戊午火;應、世、身,七月卦;父母、兄弟、官鬼、妻財、官鬼、子孫,伏己亥水。
沢火革。上爻は丁未土(官鬼、身爻)、五爻は丁酉金(父母)、四爻は丁亥水(兄弟、世を持つ)、三爻は己亥水(兄弟)、二爻は己丑土(官鬼)、初爻は己卯木(子孫、応爻)。飛神は丁亥水、伏神は戊申金、二月の卦と為す。雷火豊。上爻は庚戌土(官鬼)、五爻は庚申金(父母、世を持つ)、四爻は庚午火(妻財)、三爻は己亥水(兄弟、身爻)、二爻は己丑土(官鬼、応爻)、初爻は己卯木(子孫)。飛神は庚申金、伏神は戊戌土、九月の卦と為す。地火明夷。上爻は癸酉金(父母)、五爻は癸亥水(兄弟)、四爻は癸丑土(官鬼、世を持つ)、三爻は己亥水(兄弟)、二爻は己丑土(官鬼、身爻)、初爻は己卯木(子孫、応爻)。飛神は癸丑土、伏神は戊申金、八月の卦と為し、本宮の遊魂卦なり。地水師。上爻は癸酉金(父母、応爻)、五爻は癸亥水(兄弟)、四爻は癸丑土(官鬼)、三爻は戊午火(妻財、世を持つ)、二爻は戊辰土(官鬼)、初爻は戊寅木(子孫、身爻)。飛神は戊午火、伏神は己亥水、七月の卦と為し、本宮の帰魂卦なり。
二、八卦断例章
坎象:二水重重為習坎,險中之險未能通,久恆其德存中正,不失孚誠動有功。斷:坎者陷也,凡事不通,田蠶不利,孕病皆凶,營財逢盜,行船遇風,惟誠惟信,出險成功。節象:澤中有水名為節,苦節從來不可貞,不出戶庭無大咎,順時消息道元亨。斷:節者節也,妄動無成,求謀有阻,公訟休爭,婚姻和合,身命不寧,占財少得,卜孕虛驚。屯象:雲雷屯卦無攸利,君子經綸惟利貞,藏器待時資輔助,自然屯散道光亨。斷:屯者難也,元有亨義,目下未伸,到頭必遂,一切經營,悉皆遲滯,見貴求官,先難後易。既濟:水火相因為既濟,原來有始卻無終,防微杜漸無憂患,大者雖窮小者通。斷:既濟濟也,舟行無滯,病者安康,訟者解釋,婚姻早成,生財遲得,出入無虞,營謀有益。
《坎》の卦象。両つの水卦が重々相い畳み、これを「習坎」と呼ぶ。険の中にまた険あり、一時はまだ通行し得ず。長く徳を恒守し、中正の心を存し、誠信を失わざれば、一たび動けばすなわち功効あり。断語。坎はすなわち「陥」。およそ事は通ぜず、田蚕は利なく、胎孕と疾病とはみな凶、銭財を経営すれば盗賊に撞上し、船を行けば大風に遇う。ただ一箇の誠の字、一箇の信の字あるのみ、乃ち険を出でて成功し得。《節》の卦象。沢の中に水あり、名づけて「節」と曰う。一味に節制を苦守するは、従来固執すべからず。戸庭を出ざれば、すなわち大きな過失なし。時序の消長盈虚に順えば、その道は大いに亨る。断語。節はすなわち「節制」。妄動すれば事を成さず、求謀に阻礙あり、官司は争いに行くなかれ。婚姻は和合し、身命は安寧ならず、財を占えば得る所は少なく、胎孕を卜せばもただ一场の虚驚に過ぎず。《屯》の卦象。雲と雷とが相交じて屯と成り、往く所なくして利あり。君子はこれに当たり、ただ綱紀を経営し、正を守るを利と為すに宜し。才器を収蔵して時機を待ち、旁人の輔助を借重す。自然に屯難は消散し、その道は光明にして亨通す。断語。屯はすなわち「難」なれども、それはもとより亨通の義を含む。眼下に伸るを得ずといえども、到頭には必ず称遂す。一切の経営はみな遲滞して前せず。貴に謁し官を求むれば、先には難しく後には易し。《既済》の卦象。水と火とが相い因り相い済す。ゆえに既済と呼ぶ。もとは始めあれど終わりなし。微を防ぎ漸を杜ぐること能けば、すなわち憂患なし。大きな事はすでに窮まりたれども、小さな事はなお通行し得。断語。既済はすなわち「済」。船を行くに阻なく、病人は安康、訟事は化解し、婚姻は早く成り、財を生ずるは遲く得、出入に意外なく、経営・計謀は益あり。
革象:澤中有火革之亨,二女同居志不貞,改故從新趨世變,煥然文彩十分明。斷:革者變也,事宜改更,身宜謀用,宅利修營,遷移進益,出入光亨,孕病皆吉,禍滅福生。豐象:雷電相應豐成時,盛衰消息要先知,守常安分方為吉,中則安時妄則危。斷:豐者大也,利官利貴,婚姻有成,行人必至,孕生女子,病人沉滯,凡占家宅,半明半晦。明夷:傷明之象號明夷,鍾彩埋光始得宜,柔順克謙卑自牧,樂天知命待明時。斷:明夷傷也,凡事不順,婚姻無成,公訟有競,占孕母憂,占家父病,一切施為,切宜謹慎。師象:地中有水為師象,畜眾容民用儉行,至正至中無過失,喜生憂散大光明。斷:師者眾也,不利占身,求官雖吉,見貴遭嗔,休占財帛,莫問行人,病人遲瘥,家宅災迍。
《革》の卦象。沢の中に火あり、これ革道の亨通なり。両つの女子が一処に同住するも、心志は一致すること能わず。旧きを改め去りて新しきに依り従い、時世の変に趨応す。焕然として新たにして、文彩は十分に明麗なり。断語。革はすなわち「変」。事は改更に宜しく、自身は任用を謀るに宜しく、宅舎は修葺・営造に利あり、遷移に増益あり、出入は光明にして亨通し、胎孕と疾病とはみな吉、禍事は消滅して福気が生ぜん。《豊》の卦象。雷と電とが互いに応和す。正に豊盛成就の時なり。盛と衰との消長は先に知るべし。常を守り分に安んずるこそ吉なれ、中を持せばすなわち安し、妄動すればすなわち危うし。断語。豊はすなわち「大」。官職に利あり、貴人に利あり。婚姻は成り得、門を出る人は必ず到る。胎孕は女を生じ、病人は沈重にして遲滞す。およそ家宅を占えば、半明半暗の象なり。《明夷》の卦象。光明の傷つくの象、これを明夷と称す。光彩を收攏し光芒を埋藏するこそ、宜に合うを算す。柔順にして謙退し、卑下を自守す。天を楽しみ命を知り、静かに清明の時を待つ。断語。明夷はすなわち「傷」。およそ事は順わず、婚姻は成らず、官司に争いあり。胎孕を占えばすなわち母に憂いあり、家宅を占えばすなわち父に病あり。一切の挙措は、みな格別に謹慎すべし。《師》の卦象。地の中に水あり、師衆の象なり。衆を蓄養し百姓を容納し、用度を節儉して行う。至正至中にして、過失なし。喜事は生じて憂愁は散ぜん。大いに光明なり。断語。師はすなわち「衆」。自身を占うに利あらず。官を求むるは吉なるも、貴人に謁見すれば一頓の斥責に遭わん。財帛を占うなかれ、門を出て外に在る人を問うなかれ。病人の痊愈は遲緩にして、家宅に災困あり。
艮部第十二
一、艮宮八卦立成章
屬陽、土兆。立春旺、冬至相。卦名:上爻、五爻、四爻、三爻、二爻、初爻,世爻飛伏。艮為山:丙寅木、丙子水、丙戌土、丙申金、丙午火、丙辰土,飛丙寅木;世、應、身,十月卦;官鬼、妻財、兄弟、子孫、父母、兄弟,伏丁未土。山火賁:丙寅木、丙子水、丙戌土、己亥水、己丑土、己卯木,飛己卯木;應、身、世,十一月卦;官鬼、妻財、兄弟、妻財、兄弟、官鬼,伏丙辰土。山天大畜:丙寅木、丙子水、丙戌土、甲辰土、甲寅木、甲子水,飛甲寅木;應、身、世,十二月卦;官鬼、妻財、兄弟、兄弟、官鬼、父母,伏丙午火。山澤損:丙寅木、丙子水、丙戌土、丁丑土、丁卯木、丁巳火,飛丁丑土;應、世、身,七月卦;官鬼、妻財、兄弟、兄弟、官鬼、父母,伏丙申金。
艮宮は陽に属し、土兆と為り、立春の時に旺し、冬至の時に相たり。下の表は卦を逐い上爻より初爻に至る納甲と六親を横に列し、末欄は世爻の飛神・伏神である。艮為山。上爻は丙寅木(官鬼、世を持つ)、五爻は丙子水(妻財)、四爻は丙戌土(兄弟)、三爻は丙申金(子孫、応爻と身爻とともにこの位に在り)、二爻は丙午火(父母)、初爻は丙辰土(兄弟)。飛神は丙寅木、伏神は丁未土、十月の卦と為す。山火賁。上爻は丙寅木(官鬼)、五爻は丙子水(妻財)、四爻は丙戌土(兄弟、応爻と身爻とともにこの位に在り)、三爻は己亥水(妻財)、二爻は己丑土(兄弟)、初爻は己卯木(官鬼、世を持つ)。飛神は己卯木、伏神は丙辰土、十一月の卦と為す。山天大畜。上爻は丙寅木(官鬼)、五爻は丙子水(妻財、応爻)、四爻は丙戌土(兄弟)、三爻は甲辰土(兄弟、身爻)、二爻は甲寅木(官鬼、世を持つ)、初爻は甲子水(父母)。飛神は甲寅木、伏神は丙午火、十二月の卦と為す。山沢損。上爻は丙寅木(官鬼、応爻)、五爻は丙子水(妻財)、四爻は丙戌土(兄弟)、三爻は丁丑土(兄弟、世を持つ)、二爻は丁卯木(官鬼、身爻)、初爻は丁巳火(父母)。飛神は丁丑土、伏神は丙申金、七月の卦と為す。
火澤睽:己巳火、己未土、己酉金、丁丑土、丁卯木、丁巳火,飛己酉金;世、身、應,二月卦;父母、兄弟、子孫、兄弟、官鬼、父母,伏丙戌土。天澤履:壬戌土、壬申金、壬午火、丁丑土、丁卯木、丁巳火,飛壬申金;世、身、應,三月卦;兄弟、子孫、父母、兄弟、官鬼、父母,伏丙子水。風澤中孚:辛卯木、辛巳火、辛未土、丁丑土、丁卯木、丁巳火,飛辛未土;世、身、應,八月卦;官鬼、父母、兄弟、兄弟、官鬼、父母,伏丙戌土。風山漸:辛卯木、辛巳火、辛未土、丙申金、丙午火、丙辰土,飛丙申金;應、世、身,正月卦;官鬼、父母、兄弟、子孫、父母、兄弟,伏丁丑土。
火沢睽。上爻は己巳火(父母)、五爻は己未土(兄弟)、四爻は己酉金(子孫、世爻と身爻とともにこの位に在り)、三爻は丁丑土(兄弟)、二爻は丁卯木(官鬼)、初爻は丁巳火(父母、応爻)。飛神は己酉金、伏神は丙戌土、二月の卦と為す。天沢履。上爻は壬戌土(兄弟)、五爻は壬申金(子孫、世を持つ)、四爻は壬午火(父母)、三爻は丁丑土(兄弟、身爻)、二爻は丁卯木(官鬼、応爻)、初爻は丁巳火(父母)。飛神は壬申金、伏神は丙子水、三月の卦と為す。風沢中孚。上爻は辛卯木(官鬼)、五爻は辛巳火(父母)、四爻は辛未土(兄弟、世を持つ)、三爻は丁丑土(兄弟)、二爻は丁卯木(官鬼、身爻)、初爻は丁巳火(父母、応爻)。飛神は辛未土、伏神は丙戌土、八月の卦と為し、本宮の遊魂卦なり。風山漸。上爻は辛卯木(官鬼、応爻)、五爻は辛巳火(父母)、四爻は辛未土(兄弟)、三爻は丙申金(子孫、世爻と身爻とともにこの位に在り)、二爻は丙午火(父母)、初爻は丙辰土(兄弟)。飛神は丙申金、伏神は丁丑土、正月の卦と為し、本宮の帰魂卦なり。
二、八卦断例章
艮象:兼山為艮當知止,正好潛身以俟時,君子思安無過咎,小人妄動必傾危。斷:艮者止也,凡事無成,只宜安靜,不利經營,時止則止,時行則行,思安所處,其道光明。賁象:山火相因光賁象,內明外止自然亨,觀時察變隨宜用,凡有求謀必稱情。斷:賁者飾也,公私並利,財祿雙榮,田蠶收熟,訟散孕生,病安婚遂,凡有施為,稱心滿意。大畜:天上山中有大畜,濟危拔險順天時,行藏動土皆如意,雲路亨通任所為。斷:畜者聚也,人財利益,進喜散憂,加官轉職,田熟蠶收,婚成病脫,事事亨通,般般大吉。損象:山靜澤清曰損象,故當損己益他人,損之又損功勳大,災患清除福德臻。斷:損者損也,身宅平平,婚成病瘥,官旺財興,人口進益,家宅利貞,弗宜公訟,不利出行。
《艮》の卦象。両つの山が相い重なるを艮と為す。この時当に歩を止むべきを知るべし。ちょうどその身を潜蔵して時機を待つに宜し。君子は安処を思慮すれば、すなわち過失なし。小人が妄りに躁動すれば、必ず傾危す。断語。艮はすなわち「止」。およそ事は成らず、ただ安静にのみ宜しく、経営に利あらず。止むべき時に止まり、行うべき時に行い、自己の処する安穏の地を思慮すれば、その道は自然に光明なり。《賁》の卦象。山と火とが相い因り、文彩・光華の賁象と成る。内に光明にして外に止むこと能けば、自然に亨通す。時勢を観察し変化を審察し、宜に随いて取用す。およそ求め謀る所あれば、必ず心に称う。断語。賁はすなわち「文飾」。公事・私事は一并に利あり、銭財と禄位とは両ながら栄顕し、田蚕の収成は熟し、訟事は消散し、胎孕は生し得、病は愈え婚は成る。およそ作為あるは、心に称い意に満つ。《大畜》の卦象。天は山の中に在り、大畜の象なり。危を救い険を抜き、天時に順応すること能し。出行するも隠蔵するも動土するも、みな意のごとくにし得。青雲の路は亨通して、施為に任す。断語。畜はすなわち「聚」。人丁と財貨とがともに益を得、喜事は進みて憂愁は散ぜん。官を加え職を遷し、田稼は熟して蚕糸を収得し、婚事は成り得て病は体を脱し得。事事亨通して、様様大吉なり。《損》の卦象。山は静かにして沢は清し、これを損象と呼ぶ。これに因りて当に自己を減損して他人を増益すべし。減りてまた減れば、功勲はかえってさらに大なり。災患は清除して、福徳は到来す。断語。損はすなわち「減損」。自身と家宅とはみな平平にして、婚は成り病は愈え、官運は旺にして財は興り、人口は増益し、家宅は正を守るに利あり。官司を打つに宜しからず、また出行にも利あらず。
睽象:火澤相因是謂睽,同居二女患相違,還占小事為中吉,若問行人定不歸。斷:睽者異也,三體相違,問病有驚,求財不宜,婚姻不相,行人不歸,小事雖吉,也應遲遲。履象:一個陰爻履五陽,雖行至險卻無殃,迴光返照前□事,素履原來最吉祥。斷:履者禮也,以柔履剛,危中有救,險處無妨,弗占疾病,莫問官方,一切謀運,謹始營昌。中孚:澤上有風曰中孚,順而和悅並無憂,推忠存信相推用,一切營謀百倍收。斷:中孚信也,二相中實,虛實相通,動罔不吉,官貴升遷,田蠶進益,憂散喜生,災消福集。漸象:風山為漸徐徐進,進得其宜往有功,進事進身咸得正,漸高漸大漸亨通。斷:漸者進也,田蠶進益,求官漸升,求財漸得,病疾漸安,公訟漸釋,一切所占,漸則大吉。
《睽》の卦象。火と沢とが相い因れば、すなわちこれを睽と呼ぶ。両つの女子が同住して心志は相い背き、正に禍患の在る所なり。もしただ小事を占えば、なお中等の吉を算す。もし門を出る人を問えば、一定に回らず。断語。睽はすなわち「異」。三方の形体は互いに違背す。病を問えば驚きあり、財を求むるは宜しからず、婚姻は相配せず、門を出る人は帰らず。小事は吉なるも、また遲遲として応ず。《履》の卦象。一箇の陰爻が五箇の陽爻の間を踩む。極険の処に走り到るといえども、災殃なし。頭を回らし従前の事を照察せば(原刻にここ一字缺く)、素朴にして行えば、もとより最も吉祥なり。断語。履はすなわち「礼」。柔順をもって剛強を践履すれば、危難の中に救いあり、険要の処は妨げなし。疾病を占うなかれ、官府の事を問うなかれ。一切の計謀・営運は、ただ開頭に謹慎すれば、すなわち昌盛し得。《中孚》の卦象。沢の上に風あり、これを中孚と呼ぶ。和順にして喜悅し、憂慮なし。忠厚を推行し信実を存守し、彼此相い推して用と為す。一切の経営・計謀は、百倍の利を収め得。断語。中孚はすなわち「信」。上下の二体は中間充実し、虚と実とが互いに貫通し、一たび動けば吉ならざるなし。官貴は升遷し、田蚕は増益し、憂愁は消散して喜事が生じ、災は消えて福は集まらん。《漸》の卦象。風は山上を行くを漸と為し、慢慢として前進するの象なり。進むこと宜に合えば、前に往けば功あり。事を進むるも身を進むるも、みなその正を得。漸漸に高く、漸漸に大きく、漸漸に亨通す。断語。漸はすなわち「進」。田蚕は増益し、官を求むれば漸漸に升遷し、財を求むれば漸漸に手に到り、疾病は漸漸に平安にし、官司は漸漸に化解す。一切の占う所の事は、ただ序に循い漸進すれば大吉なり。
震部第十三
一、震宮八卦立成章
屬陽、木兆。立春旺、春分相。卦名:上爻、五爻、四爻、三爻、二爻、初爻,世爻飛伏。震為雷:庚戌土、庚申金、庚午火、庚辰土、庚寅木、庚子水,飛庚戌土;世、身、應,十月卦;妻財、官鬼、子孫、妻財、兄弟、父母,伏辛卯木。雷地豫:庚戌土、庚申金、庚午火、乙卯木、乙巳火、乙未土,飛乙未土;應、身、世,五月卦;妻財、官鬼、子孫、兄弟、子孫、妻財,伏庚子水。雷水解:庚戌土、庚申金、庚午火、戊午火、戊辰土、戊寅木,飛戊辰土;應、身、世,十二月卦;妻財、官鬼、子孫、子孫、妻財、兄弟,伏庚寅木。雷風恆:庚戌土、庚申金、庚午火、辛酉金、辛亥水、辛丑土,飛辛酉金;應、身、世,正月卦;妻財、官鬼、子孫、官鬼、父母、妻財,伏庚辰土。
震宮は陽に属し、木兆と為り、立春の時に旺し、春分の時に相たり。下の表は卦を逐い上爻より初爻に至る納甲と六親を横に列し、末欄は世爻の飛神・伏神である。震為雷。上爻は庚戌土(妻財、世を持つ)、五爻は庚申金(官鬼、身爻)、四爻は庚午火(子孫)、三爻は庚辰土(妻財、応爻)、二爻は庚寅木(兄弟)、初爻は庚子水(父母)。飛神は庚戌土、伏神は辛卯木、十月の卦と為す。雷地豫。上爻は庚戌土(妻財)、五爻は庚申金(官鬼)、四爻は庚午火(子孫、応爻)、三爻は乙卯木(兄弟)、二爻は乙巳火(子孫、身爻)、初爻は乙未土(妻財、世を持つ)。飛神は乙未土、伏神は庚子水、五月の卦と為す。雷水解。上爻は庚戌土(妻財)、五爻は庚申金(官鬼、応爻と身爻とともにこの位に在り)、四爻は庚午火(子孫)、三爻は戊午火(子孫)、二爻は戊辰土(妻財、世を持つ)、初爻は戊寅木(兄弟)。飛神は戊辰土、伏神は庚寅木、十二月の卦と為す。雷風恒。上爻は庚戌土(妻財、応爻)、五爻は庚申金(官鬼)、四爻は庚午火(子孫、身爻)、三爻は辛酉金(官鬼、世を持つ)、二爻は辛亥水(父母)、初爻は辛丑土(妻財)。飛神は辛酉金、伏神は庚辰土、正月の卦と為す。
地風升:癸酉金、癸亥水、癸丑土、辛酉金、辛亥水、辛丑土,飛癸丑土;世、身、應,八月卦;官鬼、父母、妻財、官鬼、父母、妻財,伏庚午火。水風井:戊子水、戊戌土、戊申金、辛酉金、辛亥水、辛丑土,飛戊戌土;世、身、應,三月卦;父母、妻財、官鬼、官鬼、父母、妻財,伏庚申金。澤風大過:丁未土、丁酉金、丁亥水、辛酉金、辛亥水、辛丑土,飛丁亥水;身、世、應,二月卦;妻財、官鬼、父母、官鬼、父母、妻財,伏庚午火。澤雷隨:丁未土、丁酉金、丁亥水、庚辰土、庚寅木、庚子水,飛庚辰土;應、身、世,七月卦;妻財、官鬼、父母、妻財、兄弟、父母,伏辛酉金。
地風升。上爻は癸酉金(官鬼)、五爻は癸亥水(父母)、四爻は癸丑土(妻財、世を持つ)、三爻は辛酉金(官鬼)、二爻は辛亥水(父母、身爻)、初爻は辛丑土(妻財、応爻)。飛神は癸丑土、伏神は庚午火、八月の卦と為す。水風井。上爻は戊子水(父母)、五爻は戊戌土(妻財、世爻と身爻とともにこの位に在り)、四爻は戊申金(官鬼)、三爻は辛酉金(官鬼)、二爻は辛亥水(父母、応爻)、初爻は辛丑土(妻財)。飛神は戊戌土、伏神は庚申金、三月の卦と為す。沢風大過。上爻は丁未土(妻財、身爻)、五爻は丁酉金(官鬼)、四爻は丁亥水(父母、世を持つ)、三爻は辛酉金(官鬼)、二爻は辛亥水(父母)、初爻は辛丑土(妻財、応爻)。飛神は丁亥水、伏神は庚午火、二月の卦と為し、本宮の遊魂卦なり。沢雷随。上爻は丁未土(妻財、応爻)、五爻は丁酉金(官鬼、身爻)、四爻は丁亥水(父母)、三爻は庚辰土(妻財、世を持つ)、二爻は庚寅木(兄弟)、初爻は庚子水(父母)。飛神は庚辰土、伏神は辛酉金、七月の卦と為し、本宮の帰魂卦なり。
二、八卦断例章
震象:遊雷為震必憂驚,省過修身固反常,虩虩不安存警畏,到頭反禍卻為祥。斷:震者動也,震動驚惶,不宜妄動,惟利守常,公訟失理,婚姻不良,求財少得,謀事多妨。豫象:雷出地中為豫象,豫而順動應天時,施為必得朋相助,官旺財榮事事宜。斷:豫者悅也,動以順豫,貴喜官榮,身安財聚,病者獲安,行人在路,一切施為,賢朋相助。解象:震坎相交雷雨解,憂疑解散喜相逢,西南大得朋相助,濟險扶危往有功。斷:解者散也,憂散喜生,田蠶進益,婚姻不成,久囚得赦,病者安寧,孕生貴子,公訟和平。恆象:雷風相遇恆常也,巽動相須事有成,日月得天而久照,人能應變道常亨。斷:恆者久也,久常之義,身宅雙榮,公私兩利,訟宜早和,病須疾治,守舊安和,出行無殢。
《震》の卦象。遊動の雷すなわち震なり。必ず憂懼・驚恐を主る。この時ちょうど過失を反省し自身を修養するに宜しく、反常に属すといえども堅守すべし。心中虩虩として安からずは、まさに警惕敬畏を存するなり。到頭には禍事はかえって吉祥に転ぜん。断語。震はすなわち「動」。震動して驚惶す。妄動に宜しからず、ただ常道を安守するに利あるのみ。官司は理に虧き、婚姻は不良、財を求むれば得る所は甚だ少なく、事を謀れば多く妨礙あり。《豫》の卦象。雷は地の中より出づ。豫悦の象なり。和悦に因りて時に順いて以て動くは、正に天時に応ず。作為する所あれば、必ず朋友の相助を得。官運は旺にして財禄は栄え、事事相宜。断語。豫はすなわち「悦」。順応の心をもって動けば、貴人に喜びあり官位は栄顕し、自身は安穏にして銭財は聚攏す。病人は平安を得べく、門を出る人はまだ路上に在り。一切の作為は、みな賢良の朋友の相助あり。《解》の卦象。震と坎とが相交じ、雷雨作して険難は解く。憂愁・疑慮は消散し、喜事相い逢う。西南の方に往けば、大いに朋友の助を得。険を済し危を扶けば、往きて功あり。断語。解はすなわち「散」。憂は散じて喜び生じ、田蚕は増益す。婚姻は成らず。久しく囚われし人は赦免を得、病人は安寧し、胎孕は貴子を生じ、官司は和平に了結す。《恒》の卦象。雷と風とが相遇うは、恒常の道なり。震動と巽入とが互いに依待すれば、事はすなわち成就し得。日月は天の道を得てよく久しく照臨し得。人もし時に随い変に応ずること能けば、その道はすなわち常に亨る。断語。恒はすなわち「久」、長久にして常あるの義を取る。自身と家宅とは両ながら栄顕し、公事・私事は両ながら利あり。訟事は早く和解するに宜しく、疾病は急いで医治を要す。旧きを守ればすなわち安和して、出行もまた滞留せざらん。
升象:地中生木升為象,集小成高往有功,用見大人無不利,身榮名顯道亨動。斷:升者進也,小集大成,見貴得貴,求名得名,婚姻和合,公訟和平,求謀運用,最利南征。井象:水升木上而為井,養物無窮靜所宜,動則無窮妄井德,達人藏器待天時。斷:井者靜也,不宜妄為,求官謁貴,問病稽遲,田蠶半得,行人未歸,占婚阻滯,藏器待時。大過:澤滅木時為大過,棟樑將撓急扶持,雖然本末俱柔弱,巽悅而行住得宜。斷:過者過也,剛過乎中,行船見阻,涉險無功,求官不達,問信難通,安常守分,庶免災凶。隨象:澤中雷動象曰隨,陽動陰隨相得宜,君子有孚存信吉,施為動用不違時。斷:隨者從也,陰必從陽,官貴隨順,財祿榮昌,婚姻和睦,疾病安康,凡占身命,福壽無疆。
《升》の卦象。地の中に樹木を生ずは、上升の象なり。微小を積聚して高大を成就し、往きて功あり。この道をもって大人に謁見すれば、利あらざるなし。自身は栄顕し名声は彰著にして、その道は亨通して行動する所あり得。断語。升はすなわち「進」。小さき積聚より大きな功業と成る。貴人を見ればすなわち貴人の助を得、名を求めればすなわち名を得。婚姻は和合し、官司は和平す。およそ求謀・運用あれば、南方に往くを最も利と為す。《井》の卦象。水は木の上より升り起こりて、井と成る。万物を養うに窮尽なく、静をもって宜と為す。一たび動けばすなわち井のあの無窮の徳性を破壊せん。通達の人は応に才器を収蔵し、天時を待つべし。断語。井はすなわち「静」。妄りに作為あるに宜しからず。官を求め貴に謁し、病を問えば、みな拖延せん。田蚕は半ばを得るのみ。門を出る人はいまだ回らず、婚を占えば阻滯す。ただ才器を懐蔵し、静かに時機を待つにのみ宜し。《大過》の卦象。沢水が樹木を淹没すれば、すなわち大過の時なり。棟梁はまさに弯折せんとす。急いで扶持するを須う。本末の両端は柔弱なりといえども、ただ巽順・和悦をもって行えば、進退・去留みな宜を得べし。断語。過はすなわち「過」、剛強が中道を過ぐるなり。船を行けば阻に遇い、険を渉れば功なく、官を求めて通達する能わず、消息を問えば通信し難し。ただ常に安んじ分を守るのみ、乃ち災凶を免るを望み得。《随》の卦象。沢の中に雷動あり、その象を随と呼ぶ。陽は先に動きて陰は随従し、両相もって宜を得。君子は心に誠信を存せば、すなわち吉。一切の作為・挙動は、みな時宜に違わず。断語。随はすなわち「従」、陰は必ず陽に順従す。官貴は随順し、財禄は栄昌し、婚姻は和睦し、疾病は安に転ず。およそ身命を占えば、福寿は辺なし。
巽部第十四
一、巽宮八卦立成章
屬陰、木兆。立夏旺、春分相。卦名:上爻、五爻、四爻、三爻、二爻、初爻,四爻飛伏。巽為風:辛卯木、辛巳火、辛未土、辛酉金、辛亥水、辛丑土,飛辛卯木;世、身、應,四月卦;兄弟、子孫、妻財、官鬼、父母、妻財,伏庚戌土。風天小畜:辛卯木、辛巳火、辛未土、甲辰土、甲寅木、甲子水,飛甲子水;應、世、身,十一月卦;兄弟、子孫、妻財、妻財、兄弟、父母,伏辛丑土。風火家人:辛卯木、辛巳火、辛未土、己亥水、己丑土、己卯木,飛己丑土;應、世、身,六月卦;兄弟、子孫、妻財、父母、妻財、兄弟,伏辛亥水。風雷益:辛卯木、辛巳火、辛未土、庚辰土、庚寅木、庚子水,飛庚辰土;應、身、世,七月卦;兄弟、子孫、妻財、妻財、兄弟、父母,伏辛酉金。
巽宮は陰に属し、木兆と為り、立夏の時に旺し、春分の時に相たり。下の表は卦を逐い上爻より初爻に至る納甲と六親を横に列し、末欄は世爻の飛神・伏神である(原刻の表頭は「四爻飛伏」と作るも、当に「世爻飛伏」の誤りなるべし)。巽為風。上爻は辛卯木(兄弟、世を持つ)、五爻は辛巳火(子孫)、四爻は辛未土(妻財、身爻)、三爻は辛酉金(官鬼、応爻)、二爻は辛亥水(父母)、初爻は辛丑土(妻財)。飛神は辛卯木、伏神は庚戌土、四月の卦と為す。風天小畜。上爻は辛卯木(兄弟)、五爻は辛巳火(子孫)、四爻は辛未土(妻財、応爻)、三爻は甲辰土(妻財)、二爻は甲寅木(兄弟)、初爻は甲子水(父母、世爻と身爻とともにこの位に在り)。飛神は甲子水、伏神は辛丑土、十一月の卦と為す。風火家人。上爻は辛卯木(兄弟)、五爻は辛巳火(子孫、応爻)、四爻は辛未土(妻財)、三爻は己亥水(父母)、二爻は己丑土(妻財、世爻と身爻とともにこの位に在り)、初爻は己卯木(兄弟)。飛神は己丑土、伏神は辛亥水、六月の卦と為す。風雷益。上爻は辛卯木(兄弟、応爻)、五爻は辛巳火(子孫、身爻)、四爻は辛未土(妻財)、三爻は庚辰土(妻財、世を持つ)、二爻は庚寅木(兄弟)、初爻は庚子水(父母)。飛神は庚辰土、伏神は辛酉金、七月の卦と為す。
天雷無妄:壬戌土、壬申金、壬午火、庚辰土、庚寅木、庚子水,飛壬午火;世、應、身,二月卦;妻財、官鬼、子孫、妻財、兄弟、父母,伏辛未土。火雷噬嗑:己巳火、己未土、己酉金、庚辰土、庚寅木、庚子水,飛己未土;世、應、身,九月卦;子孫、妻財、官鬼、妻財、兄弟、父母,伏辛巳火。山雷頤:丙寅木、丙子水、丙戌土、庚辰土、庚寅木、庚子水,飛丙戌土;身、世、應,八月卦;兄弟、父母、妻財、妻財、兄弟、父母,伏辛未土。山風蠱:丙寅木、丙子水、丙戌土、辛酉金、辛亥水、辛丑土,飛辛酉金;應、身、世,正月卦;兄弟、父母、妻財、官鬼、父母、妻財,伏庚辰土。
天雷无妄。上爻は壬戌土(妻財)、五爻は壬申金(官鬼)、四爻は壬午火(子孫、世を持つ)、三爻は庚辰土(妻財)、二爻は庚寅木(兄弟)、初爻は庚子水(父母、応爻と身爻とともにこの位に在り)。飛神は壬午火、伏神は辛未土、二月の卦と為す。火雷噬嗑。上爻は己巳火(子孫)、五爻は己未土(妻財、世を持つ)、四爻は己酉金(官鬼)、三爻は庚辰土(妻財)、二爻は庚寅木(兄弟、応爻と身爻とともにこの位に在り)、初爻は庚子水(父母)。飛神は己未土、伏神は辛巳火、九月の卦と為す。山雷頤。上爻は丙寅木(兄弟)、五爻は丙子水(父母、身爻)、四爻は丙戌土(妻財、世を持つ)、三爻は庚辰土(妻財)、二爻は庚寅木(兄弟)、初爻は庚子水(父母、応爻)。飛神は丙戌土、伏神は辛未土、八月の卦と為し、本宮の遊魂卦なり。山風蠱。上爻は丙寅木(兄弟、応爻)、五爻は丙子水(父母)、四爻は丙戌土(妻財、身爻)、三爻は辛酉金(官鬼、世を持つ)、二爻は辛亥水(父母)、初爻は辛丑土(妻財)。飛神は辛酉金、伏神は庚辰土、正月の卦と為し、本宮の帰魂卦なり。
二、八卦断例章
巽象:陰交陽下隨風巽,究竟先庚與後庚,利見大人行正事,始雖難阻後亨通。斷:巽者順也,順時行事,利財利婚,利官利貴,身泰訟和,田收蠶遂,惟占病人,金神為崇。小畜:風行天上為小畜,陰止陽剛志未行,君子順行修懿德,身雖艱阻道光亨。斷:小畜止也,陽受陰畜,求望宜遲,經營勿速,失物莫尋,婚姻不睦,宅舍小憂,田蠶半熟。家人:風從火出曰家人,外象柔和內象明,明順相因家道正,人財增益宅安寧。斷:風火家人,成家之象,婚姻和合,人財興旺,病訟無憂,田蠶有望,謁貴求官,獲福無量。益象:風雷相舉終成益,凡有施為眾所從,損己益人人益己,功成名遂喜重重。斷:益者益也,凡事有益,利合婚姻,宜占身宅,詞病俱平,生財大吉,宜己益人,乾坤合德。
《巽》の卦象。陰爻が陽爻の下に交わるは、風に随いて入るの巽なり。その根本を究めれば、正に卦辞の曰う所の「先庚三日、後庚三日」、変革は前後に審慎を要す。大人に謁見し、正当の事を為すに利あり。初めは艱難・阻礙あるも、後には終に亨通す。断語。巽はすなわち「順」。時勢に順いて事を辦す。財を求むるに利あり、婚を成すに利あり、官職に利あり、貴人に利あり。自身は安泰し、訟事は和解し、田稼に収あり、蚕事は称遂す。ただ病人を占う一項のみ好からず、金神の作祟を主る。《小畜》の卦象。風は天上を行く、小畜なり。陰爻が陽剛を止住せば、心志は一時に施行を得ず。君子はこれに当たり、勢に順いて行い、美しき徳行を修養す。自身は艱阻あるも、その道はなお光明にして亨通す。断語。小畜はすなわち「止」、陽は陰に畜止せらるるなり。求め望む所は放緩するに宜しく、経営は速きを求むべからず。失物は尋ぬるに及ばず、婚姻は不睦、宅舎に小憂あり、田蚕は半ばのみ熟す。《家人》の卦象。風は火の中より生ず。これを家人と呼ぶ。外卦は柔和にして、内卦は光明なり。明と順とが互いに依因すれば、家道はすなわち端正なり。人丁・財貨は増益し、宅舎は安寧す。断語。風火家人は、家を成し業を立るの象なり。婚姻は和合し、人財は興旺し、疾病と訟事とはみな憂いなく、田蚕に指望あり、貴に謁し官を求むれば獲る所の福は限量すべからず。《益》の卦象。風と雷とが互いに激揚し、終に増益を成す。およそ作為あれば、衆人はみな随従を楽しむ。自己を減損して別人を増益せば、別人もまた来りて自己を増益す。功は成り名は就き、喜事は重々なり。断語。益はすなわち「増益」、およそ事に益あり。婚姻の和合に利あり、自身と家宅とを占うに宜しく、詞訟と疾病とはみな平順にして、財を生ずるは大吉。ただ己を損じて人を益すること肯んずれば、すなわち乾坤生生の徳に合す。
無妄:天下雷行無妄卦,不宜謀用利艱貞,安常守分宜忠正,無妄功成道大亨。斷:無妄實也,凡事從實,動有災眚,守舊元吉,病瘥訟和,田收財積,官貴文書,重重進益。噬嗑:雷電相因名噬嗑,頤中有物未能亨,明威並用除奸究,隔礙潛通事有成。斷:噬者齧也,嗑者合也,謀望卑安,求財且且,病重訟凶,孕憂婚寡,去礙除奸,惟道有者。頤象:山下有雷頤養也,謹言節飲養其身,養民養物皆從正,動止安和福祿臻。斷:頤者養也,養宜從正,謀望周全,婚姻吉慶,訟吉病安,財榮祿盛,公事清平,門庭安靜。蠱象:山下有風應有事,巽時止蠱事無爭,濟危拔險宜先甲,復治依元大吉亨。斷:蠱者亂也,亂必有治,家宅擾攘,身體闇昧,公訟遷延,文書純滯,孕吉病凶,婚成財利。
《无妄》の卦象。天の下に雷の運行あり、《无妄》卦と成る。心ある計謀・取用に宜しからず、ただ艱難の中に正を守るに利あり。常道に安んじ本分を恪守し、当に忠厚端正なるべし。虚妄の念を存せずして功業は自ずから成り、その道は大いに亨通す。断語。无妄はすなわち「実」、およそ事はみな実よりすべし。一たび動けばすなわち災禍あり、旧きを守るを最も吉と為す。病は好くこと能く、訟は和すること能く、田に収成あり財は積聚し得、官職・貴人と文書の事とは重々増益す。《噬嗑》の卦象。雷と電とが互いに依因す。名づけて噬嗑と曰う。口の中に物を含めば、ゆえにまだ亨通し得ず。光明と威厳とを併用し、奸悪を去除して追究すること底に及べば、隔礙の処に暗中に打通して、事はすなわち成ること能有り。断語。噬は「咬」、嗑は「合」。謀望は謙卑なるを要して乃ち安穏、財を求むるはただ勉強。病は重く、訟は凶、胎孕に憂いあり、婚事は寡合。ただ阻礙を除去し奸邪を剪除するのみ、乃ち正道を得たりと算す。《頤》の卦象。山の下に雷あり、頤養の象なり。言語を謹慎し飲食を節制して以てその身を養う。民を養い物を養うにみな正道に依従すべし。一動一靜みな安和にして、福禄は自ずから来る。断語。頤はすなわち「養」、養うに正道に依従すべし。謀望は周全、婚姻は吉慶、訟事は吉にして疾病は安し、財貨は栄盛にして禄位は豊隆、公事は清平、門庭は安静なり。《蠱》の卦象。山の下に風あり、応に事あるの時なり。時に順いて蠱乱を止めば、事はすなわち争端なし。危を救い険を抜くには、甲日より先立てて三日計画するに宜し。重新して整治して本原に復帰すれば、大吉大亨なり。断語。蠱はすなわち「乱」、乱るれば必ず整治あるを要す。家宅は擾攘にして寧からず、身体は暗昧にして爽ならず、官司は遷延し、文書は滞塞す。胎孕は吉にして疾病は凶、婚事は成り得て財利は得べし。
離部第十五
一、離宮八卦立成章
屬陰、火兆。夏至旺、立夏相。卦名:上爻、五爻、四爻、三爻、二爻、初爻,世爻飛伏。離為火:己巳火、己未土、己酉金、己亥水、己丑土、己卯木,飛己巳火;世、身、應,四月卦;兄弟、子孫、妻財、官鬼、子孫、父母,伏戊子水。火山旅:己巳火、己未土、己酉金、丙申金、丙午火、丙辰土,飛丙辰土;身、應、世,五月卦;兄弟、子孫、妻財、妻財、兄弟、子孫,伏己卯木。火風鼎:己巳火、己未土、己酉金、辛酉金、辛亥水、辛丑土,飛辛亥水;身、應、世,十二月卦;兄弟、子孫、妻財、妻財、官鬼、子孫,伏己丑土。火水未濟:己巳火、己未土、己酉金、戊午火、戊辰土、戊寅木,飛戊午火;應、世、身,七月卦;兄弟、子孫、妻財、兄弟、子孫、父母,伏己亥水。
離宮は陰に属し、火兆と為り、夏至の時に旺し、立夏の時に相たり。下の表は卦を逐い上爻より初爻に至る納甲と六親を横に列し、末欄は世爻の飛神・伏神である。離為火。上爻は己巳火(兄弟、世爻と身爻とともにこの位に在り)、五爻は己未土(子孫)、四爻は己酉金(妻財)、三爻は己亥水(官鬼、応爻)、二爻は己丑土(子孫)、初爻は己卯木(父母)。飛神は己巳火、伏神は戊子水、四月の卦と為す。火山旅。上爻は己巳火(兄弟)、五爻は己未土(子孫、身爻)、四爻は己酉金(妻財、応爻)、三爻は丙申金(妻財)、二爻は丙午火(兄弟)、初爻は丙辰土(子孫、世を持つ)。飛神は丙辰土、伏神は己卯木、五月の卦と為す。火風鼎。上爻は己巳火(兄弟、身爻)、五爻は己未土(子孫、応爻)、四爻は己酉金(妻財)、三爻は辛酉金(妻財)、二爻は辛亥水(官鬼、世を持つ)、初爻は辛丑土(子孫)。飛神は辛亥水、伏神は己丑土、十二月の卦と為す。火水未済。上爻は己巳火(兄弟、応爻)、五爻は己未土(子孫)、四爻は己酉金(妻財)、三爻は戊午火(兄弟、世を持つ)、二爻は戊辰土(子孫)、初爻は戊寅木(父母、身爻)。飛神は戊午火、伏神は己亥水、七月の卦と為す。
山水蒙:丙寅木、丙子水、丙戌土、戊午火、戊辰土、戊寅木,飛丙戌土;身、世、應,八月卦;父母、官鬼、子孫、兄弟、子孫、父母,伏己酉金。風水渙:辛卯木、辛巳火、辛未土、戊午火、戊辰土、戊寅木,飛辛巳火;身、世、應,三月卦;父母、兄弟、子孫、兄弟、子孫、父母,伏己未土。天水訟:壬戌土、壬申金、壬午火、戊午火、戊辰土、戊寅木,飛壬午火;世、應、身,二月卦;子孫、妻財、兄弟、兄弟、子孫、父母,伏己酉金。天火同人:壬戌土、壬申金、壬午火、己亥水、己丑土、己卯木,飛己亥水;應、身、世,正月卦;子孫、妻財、兄弟、官鬼、子孫、父母,伏戊午火。
山水蒙。上爻は丙寅木(父母)、五爻は丙子水(官鬼、身爻)、四爻は丙戌土(子孫、世を持つ)、三爻は戊午火(兄弟)、二爻は戊辰土(子孫)、初爻は戊寅木(父母、応爻)。飛神は丙戌土、伏神は己酉金、八月の卦と為す。風水渙。上爻は辛卯木(父母、身爻)、五爻は辛巳火(兄弟、世を持つ)、四爻は辛未土(子孫)、三爻は戊午火(兄弟)、二爻は戊辰土(子孫、応爻)、初爻は戊寅木(父母)。飛神は辛巳火、伏神は己未土、三月の卦と為す。天水訟。上爻は壬戌土(子孫)、五爻は壬申金(妻財)、四爻は壬午火(兄弟、世を持つ)、三爻は戊午火(兄弟)、二爻は戊辰土(子孫)、初爻は戊寅木(父母、応爻と身爻とともにこの位に在り)。飛神は壬午火、伏神は己酉金、二月の卦と為し、本宮の遊魂卦なり。天火同人。上爻は壬戌土(子孫、応爻と身爻とともにこの位に在り)、五爻は壬申金(妻財)、四爻は壬午火(兄弟)、三爻は己亥水(官鬼、世を持つ)、二爻は己丑土(子孫)、初爻は己卯木(父母)。飛神は己亥水、伏神は戊午火、正月の卦と為し、本宮の帰魂卦なり。
二、八卦断例章
離象:明明相繼離之象,日月當天照四方,文德養成忘物我,人情和合得輝光。斷:離者麗也,凡事分明,不宜占宅,婚訟九成,孕雙蠶半,病重財輕,官貴有喜,最利行人。旅象:山上火炎其象旅,事機宜早不宜遲,如占動用平平斷,若問行人未見歸。斷:旅者羈也,在旅之象,不利守常,運謀為上,訟散婚成,孕生獄放,病者禱禳,行人休望。鼎象:火木相因鼎得名,變更為熟舊更新,功名貴在調和得,疑慮冰消喜氣臨。斷:鼎者器也,烹飪之器,求官十全,生財百倍,身吉宅榮,婚成病利,求事託人,卻宜仔細。未濟:坎離未濟相違象,凡事先難後易成,未濟雖然終必濟,也須誠敬托神明。斷:未濟必濟,先難後易,凡事晚成,所謀遲遂,件件稱心,般般如意,交易未成,行人未至。
《離》の卦象。光明と光明とが相い継ぎ絶えざるは、すなわち離なり。日月は空に当たり、四方を照徹す。文明の徳は養成せられたるの後、物と我との界限もまた忘る。人情は和洽にして、因りて光輝を得。断語。離はすなわち「麗」、附麗して明なり。およそ事はみな分明なり。家宅を占うに宜しからず。婚事と訟事とは十に九成じ、胎孕は双胎を生じ、蚕事は半ばを得るのみ。病は重く財は薄し。官貴に喜びあり、最も門を出て外に在る人に利あり。《旅》の卦象。山上に火焰騰燒す。その象は旅なり。事機は早きに宜しく遲きに宜しからず。もし日常の動用を占えば、ただ平平の判断を作す。もし門を出る人を問えば、一時はまだ回るを見ず。断語。旅はすなわち「羈旅」、正に客居して外に在るの象なり。常規を死守するに利あらず、運籌・計謀するこそ上策なれ。訟事は消散し、婚事は成り得、胎孕は生し得、牢獄は釈を得。病人は神に禱り解禳するに宜しく、門を出る人は回るを指望するに及ばず。《鼎》の卦象。火と木とが相い因り、因りて「鼎」の名を得。生なるを熟せしめ、旧きを更新す。功名の貴き所は、正に調和の当を得るに在り。疑慮は氷のごとく消解し、喜気は来臨す。断語。鼎は一件の器物にして、烹飪の器具なり。官を求むるは十全、財を生ずるは百倍、自身は吉利にして家宅は栄顕し、婚事は成り得て病情は利あり。ただ人を求めて事を辦し人情に托する時は、なお仔細を須う。《未済》の卦象。坎と離とが両相違背す。未済の象なり。およそ事は先には難しく後には易く成る。未済は未成なるも、終に必ず成済し得。ただしまた誠心敬意を須い、仰いで神明に托すべし。断語。未済は終に必ず済を得。先には難しく後には易く、およそ事は晩成して、謀る所は遲く遂げ。到頭には件件心に称い般般意のごとし。ただ交易は一時に成らず、門を出る人は一時にいまだ到らざるのみ。
蒙象:艮山之下出泉蒙,見險須知止有功,進退艱難謀未遂,仗人接引必亨通。斷:蒙者昧也,蒙以養正,未可營謀,卻宜占病,失物異尋,婚姻無分,一切求謀,仗人引進。渙象:巽坎相因風水渙,憂疑消散必亨通,涉艱濟險應須慮,捍厄扶衰獲有功。斷:渙者散也,萬慮消融,孕生災脫,訟散財空,求謀遲滯,出入亨通,乘舟濟險,必獲全功。訟象:天與水連成訟象,訟中雖吉訟終凶,大凡作事先謀始,循理安常塞自通。斷:訟者辨也,與物相競,凡事爭差,營謀不定,公訟辱身,禁囚傷命,安分守常,斯為福慶。同人:象曰天與火同人,契義相和利斷金,凡有運謀無不利,也須克正絕私心。斷:同人同也,同心同意,婚孕皆成,貴官俱遂,田獲十分,財收百倍,出入行藏,所求皆至。
《蒙》の卦象。艮山の下に泉水涌き出づは、蒙昧の象なり。険難を見れば、歩を止むべきを知るに功あるを須う。進退ともに艱難にして、謀る所は一時に遂げず。別人の接引に靠れば、こそ必ず亨通す。断語。蒙はすなわち「昧」、蒙昧の時は以て正道を培養すべし。心ある経営・計謀すべからず、かえって疾病を占うに宜し。失物は異処に往きて尋ぬるを要し、婚姻に縁分なし。一切の求謀は、みな人の引進に靠るべし。《渙》の卦象。巽と坎とが相い因り、風水渙と成る。憂愁・疑慮は消散し、必ず亨通す。難を渉り険を済すも、なお一份の戒慮を存するを須う。災厄を抵御し衰敗を扶助すれば、往きて功あり。断語。渙はすなわち「散」、万般の憂慮はみな消融せり。胎孕は生し得、災禍は身を脱し、訟事は消散すれど、銭財は落空す。求謀は遲滞、出入は亨通す。船に乗りて険を済せば、必ず全功を獲。《訟》の卦象。天と水とが相い連なり、訟象と成る。訟事の中に縦い吉あるも、訟すること最後に到れば終に凶と帰す。大凡事を為すにみな先にその開端を計謀すべし。理に循い行い常道を安守せば、閉塞は自然に通ぜん。断語。訟はすなわち「争辯」、人と相い争うなり。およそ事にみな争差あり、経営・計謀は定まらず。官司を打てば身を辱め、囚禁せらればすなわち命を傷る。ただ分に安んじ常を守るのみ、これ福慶なり。《同人》の卦象。《象伝》に曰く、天と火とを同人と為すと。情は投じ意は合い、その利は金を断つべし。およそ運籌・計謀あれば、利あらざるなし。ただしまた己を克し正に帰り、私心を断絶するを須う。断語。同人はすなわち「同」、心を同じくし意を同じくす。婚事と胎孕とはみな成り、貴人と官職とはみな遂げ。田里は十分の収穫、財貨は百倍に収進す。出入・進退に、求むる所はみな手に到り得。
坤部第十六
一、坤宮八卦立成章
屬陰、土兆。立秋旺、夏至相。卦名:上爻、五爻、四爻、三爻、二爻、初爻,世爻飛伏。坤為地:癸酉金、癸亥水、癸丑土、乙卯木、乙巳火、乙未土,飛癸酉金;世、身、應,十月卦;子孫、妻財、兄弟、官鬼、父母、兄弟,伏壬戌土。地雷復:癸酉金、癸亥水、癸丑土、庚辰土、庚寅木、庚子水,飛庚子水;應、世、身,十一月卦;子孫、妻財、兄弟、兄弟、官鬼、妻財,伏乙未土。地澤臨:癸酉金、癸亥水、癸丑土、丁丑土、丁卯木、丁巳火,飛丁卯木;應、身、世,十二月卦;子孫、妻財、兄弟、兄弟、官鬼、父母,伏乙巳火。地天泰:癸酉金、癸亥水、癸丑土、甲辰土、甲寅木、甲子水,飛甲辰土;應、身、世,正月卦;子孫、妻財、兄弟、兄弟、官鬼、妻財,伏乙卯木。
坤宮は陰に属し、土兆と為り、立秋の時に旺し、夏至の時に相たり。下の表は卦を逐い上爻より初爻に至る納甲と六親を横に列し、末欄は世爻の飛神・伏神である。坤為地。上爻は癸酉金(子孫、世を持つ)、五爻は癸亥水(妻財)、四爻は癸丑土(兄弟、身爻)、三爻は乙卯木(官鬼、応爻)、二爻は乙巳火(父母)、初爻は乙未土(兄弟)。飛神は癸酉金、伏神は壬戌土、十月の卦と為す。地雷復。上爻は癸酉金(子孫)、五爻は癸亥水(妻財)、四爻は癸丑土(兄弟、応爻)、三爻は庚辰土(兄弟)、二爻は庚寅木(官鬼)、初爻は庚子水(妻財、世爻と身爻とともにこの位に在り)。飛神は庚子水、伏神は乙未土、十一月の卦と為す。地沢臨。上爻は癸酉金(子孫)、五爻は癸亥水(妻財、応爻)、四爻は癸丑土(兄弟、身爻)、三爻は丁丑土(兄弟)、二爻は丁卯木(官鬼、世を持つ)、初爻は丁巳火(父母)。飛神は丁卯木、伏神は乙巳火、十二月の卦と為す。地天泰。上爻は癸酉金(子孫、応爻)、五爻は癸亥水(妻財、身爻)、四爻は癸丑土(兄弟)、三爻は甲辰土(兄弟、世を持つ)、二爻は甲寅木(官鬼)、初爻は甲子水(妻財)。飛神は甲辰土、伏神は乙卯木、正月の卦と為す。
雷天大壯:庚戌土、庚申金、庚午火、甲辰土、甲寅木、甲子水,飛庚午火;世、應、身,二月卦;兄弟、子孫、父母、兄弟、官鬼、妻財,伏癸丑土。澤天夬:丁未土、丁酉金、丁亥水、甲辰土、甲寅木、甲子水,飛丁酉金;世、身、應,三月卦;兄弟、子孫、妻財、兄弟、官鬼、妻財,伏癸亥水。水天需:戊子水、戊戌土、戊申金、甲辰土、甲寅木、甲子水,飛戊申金;世、身、應,八月卦;妻財、兄弟、子孫、兄弟、官鬼、妻財,伏癸丑土。水地比:戊子水、戊戌土、戊申金、乙卯木、乙巳火、乙未土,飛乙卯木;應、身、世,七月卦;妻財、兄弟、子孫、官鬼、父母、兄弟,伏甲辰土。
雷天大壯。上爻は庚戌土(兄弟)、五爻は庚申金(子孫)、四爻は庚午火(父母、世を持つ)、三爻は甲辰土(兄弟)、二爻は甲寅木(官鬼)、初爻は甲子水(妻財、応爻と身爻とともにこの位に在り)。飛神は庚午火、伏神は癸丑土、二月の卦と為す。沢天夬。上爻は丁未土(兄弟)、五爻は丁酉金(子孫、世を持つ)、四爻は丁亥水(妻財、身爻)、三爻は甲辰土(兄弟)、二爻は甲寅木(官鬼、応爻)、初爻は甲子水(妻財)。飛神は丁酉金、伏神は癸亥水、三月の卦と為す。水天需。上爻は戊子水(妻財)、五爻は戊戌土(兄弟)、四爻は戊申金(子孫、世を持つ)、三爻は甲辰土(兄弟、身爻)、二爻は甲寅木(官鬼)、初爻は甲子水(妻財、応爻)。飛神は戊申金、伏神は癸丑土、八月の卦と為し、本宮の遊魂卦なり。水地比。上爻は戊子水(妻財、応爻)、五爻は戊戌土(兄弟)、四爻は戊申金(子孫、身爻)、三爻は乙卯木(官鬼、世を持つ)、二爻は乙巳火(父母)、初爻は乙未土(兄弟)。飛神は乙卯木、伏神は甲辰土、七月の卦と為し、本宮の帰魂卦なり。
二、八卦断例章
坤象:六位純陰地勢坤,先迷後得永安貞,包容廣納無私曲,應地無疆道大亨。斷:坤者地也,厚載無疆,家宅俱順,婚孕乃良,田蠶半吉,財帛榮昌,功名特遠,其道乃光。復象:雷在地中陽自復,靜而後動又無災,朋來無咎財增益,遇事還教往復來。斷:復者反也,七日來復,財帛榮昌,田禾大熟,失去歸還,公訟和睦,利貴利官,宜蠶忌畜。臨象:地澤相因名曰臨,臨時臨事利和親,所謀陰貴相扶助,雖吉提防八月侵。斷:臨者大也,克己臨人,宜占家宅,利問婚姻,財官並吉,謀望同倫,孕生男子,病犯崇侵。泰象:天地交泰物亨通,陽長陰消理莫窮,健順相須為日用,小求大得備全功。斷:泰者通也,事事亨通,田蠶婚孕,喜慶重重,公訟利順,家道興隆,孕生貴子,改換門風。
《坤》の卦象。六爻純陰にして、地勢の坤なり。先に方向に迷いて後に得る所あり、永久に正を守るに安んず。包容広納して、偏私・曲弊なし。大地の無疆に順応し、その道は大いに亨る。断語。坤はすなわち「地」、万物を厚載して辺際なし。家宅は一概に和順し、婚事と胎孕とはみな良善。田蚕は半吉、財帛は栄昌す。功名は遙遠なるも、その道は終に光明なり。《復》の卦象。雷は地の中に蔵し、一陽は自然に回復す。静極まりて後に動く。因りて災なし。朋友が前来するは、過錯なく、銭財はこれに随いて増益す。事に遇えば、またそれをして往きて復り返らしめん。断語。復はすなわち「返」、七日にして来り復す。財帛は栄昌し、田禾は大熟し、失いし物はなお回り得、官司は和睦して了結す。貴人に利あり、官職に利あり。蚕を養うに宜しく、畜牧を忌む。《臨》の卦象。地と沢とが相い因り、名づけて「臨」と曰う。事に臨み時に臨むに、みな和睦・親近に利あり。謀る所の事に陰柔の貴人の相扶助あり。吉利なるといえども、また卦辞の曰う所の「八月に至りて凶あらん」を提防すべし。断語。臨は「大」の義、先に己を克して後に人に臨む。家宅を占うに宜しく、婚姻を問うに利あり、財と官とがともに吉、謀望は同輩と相合し、胎孕は男を生ず。ただ疾病の一項のみは、邪祟の侵擾を犯せるなり。《泰》の卦象。天地交わりて泰と為り、万物は亨通す。陽気は生長し陰気は消退し、その理は窮りなし。剛健と柔順とが互いに依待して、日常の用と成る。求むるは少なく得るは多く、全功を備うべし。断語。泰はすなわち「通」、事事亨通す。田蚕・婚姻・胎孕は、喜慶重々。官司は順利にして家道は興隆す。胎孕は貴子を生じ、門風を改換すべし。
大壯:雷上於天為大壯,凡占不可恃其剛,攸行用壯應傷己,退守謙和反吉祥。斷:大壯壯也,四陽壯盛,用壯災生,用罔吉應,宜問婚姻,休占訟病,動則不中,守則為正。夬象:夬卦群陽夬一陰,遲疑進退禍相侵,決然一定無憂慮,凡有施為必稱心。斷:夬者決也,有決定志,交易稱心,生財如意,婚孕吉昌,貴官成遂,病訟遲延,文書遲滯。需象:水上於天需待也,健而行險事艱危,報言卜者休輕進,克己存誠且俟時。斷:需者待也,不宜輕舉,所謀不成,出入險阻,婚姻宜男,六甲生女,藏器待時,事無不取。比象:水地相因名曰比,五陰和順一陽剛,因時從眾須乘勢,稍有稽遲反致殃。斷:比者輔也,陰來輔陽,官貴旺相,身宅安康,訟病解散,婚姻吉祥,一切謀運,和順乃光。
《大壮》の卦象。雷は天の上に在り、大壮なり。およそこの卦を占うれば、自己の剛強を倚仗すべからず。一味に強を用いて行えば、かえって自己を傷つけん。一歩退いて謙和を守れば、かえって吉祥なり。断語。大壮はすなわち「壮」、四箇の陽爻は壮盛なり。強を用ればすなわち災禍生じ、強を用いざればかえって吉応を得。婚姻を問うに宜しく、訟事と疾病とを占うなかれ。動けばすなわち中道を失い、守るこそ正路なれ。《夬》の卦象。夬卦は衆陽が一陰を決去す。もし遅疑して定まらず進退両難なれば、禍患は来りて相い侵さん。決断が一たび定まれば、すなわち憂慮なし。およそ作為あれば、必ず心に称わん。断語。夬はすなわち「決」、心志の定める所有り。交易は心に称い、財を生ずるは意のごとく、婚孕は吉昌し、貴人・官職はみな成遂し得。ただ疾病と官司とは拖延を要し、文書もまた遲滞す。《需》の卦象。水は天の上に在り、等待の義なり。剛健の質をもって険中に行けば、事は艱危なり。占卜する人に奉告す、軽々しく前進するなかれ。自己を克制し誠心を存し、姑く時機を待て。断語。需はすなわち「待」、軽挙妄動に宜しからず。謀る所は成らず、出入に険阻あり。婚姻は男家に宜しく、六甲を懐れば女を生ず。ただ才器を収蔵して時機を待てば、辦じ成らざるの事なし。《比》の卦象。水と地とが相い因り、名づけて「比」と曰う。五箇の陰爻が和順に一箇の剛陽に依附す。時勢に順応し衆人に随従するは、必ず勢いに乗じて行くべし。些かに遅疑・耽擱あれば、かえって災殃を招来せん。断語。比はすなわち「輔」、陰は来りて陽を輔助す。官貴は旺相し、自身と家宅とは安康し、訟事と疾病とはみな消解し、婚姻は吉祥なり。一切の計謀・運作は、和順をもって光明の道と為す。
兌部第十七
一、兌宮八卦立成章
屬陰、金兆。秋分旺、立秋相。卦名:上爻、五爻、四爻、三爻、二爻、初爻,世爻飛伏。兌為澤:丁未土、丁酉金、丁亥水、丁丑土、丁卯木、丁巳火,飛丁未土;世、應、身,十月卦;父母、兄弟、子孫、父母、妻財、官鬼,伏丙寅木。澤水困:丁未土、丁酉金、丁亥水、戊午火、戊辰土、戊寅木,飛戊寅木;應、身、世,五月卦;父母、兄弟、子孫、官鬼、父母、妻財,伏丁巳火。澤地萃:丁未土、丁酉金、丁亥水、乙卯木、乙巳火、乙未土,飛乙巳火;身、應、世,六月卦;父母、兄弟、子孫、妻財、官鬼、父母,伏丁卯木。澤山咸:丁未土、丁酉金、丁亥水、丙申金、丙午火、丙辰土,飛丙申金;應、世、身,七月卦;父母、兄弟、子孫、兄弟、官鬼、父母,伏丁丑土。
兌宮は陰に属し、金兆と為り、秋分の時に旺し、立秋の時に相たり。下の表は卦を逐い上爻より初爻に至る納甲と六親を横に列し、末欄は世爻の飛神・伏神である。兌為沢。上爻は丁未土(父母、世を持つ)、五爻は丁酉金(兄弟)、四爻は丁亥水(子孫)、三爻は丁丑土(父母、応爻)、二爻は丁卯木(妻財、身爻)、初爻は丁巳火(官鬼)。飛神は丁未土、伏神は丙寅木、十月の卦と為す。沢水困。上爻は丁未土(父母)、五爻は丁酉金(兄弟)、四爻は丁亥水(子孫、応爻)、三爻は戊午火(官鬼、身爻)、二爻は戊辰土(父母)、初爻は戊寅木(妻財、世を持つ)。飛神は戊寅木、伏神は丁巳火、五月の卦と為す。沢地萃。上爻は丁未土(父母、身爻)、五爻は丁酉金(兄弟、応爻)、四爻は丁亥水(子孫)、三爻は乙卯木(妻財)、二爻は乙巳火(官鬼、世を持つ)、初爻は乙未土(父母)。飛神は乙巳火、伏神は丁卯木、六月の卦と為す。沢山咸。上爻は丁未土(父母、応爻)、五爻は丁酉金(兄弟)、四爻は丁亥水(子孫)、三爻は丙申金(兄弟、世爻と身爻とともにこの位に在り)、二爻は丙午火(官鬼)、初爻は丙辰土(父母)。飛神は丙申金、伏神は丁丑土、七月の卦と為す。
水山蹇:戊子水、戊戌土、戊申金、丙申金、丙午火、丙辰土,飛戊申金;世、身、應,八月卦;子孫、父母、兄弟、兄弟、官鬼、父母,伏丁亥水。地山謙:癸酉金、癸亥水、癸丑土、丙申金、丙午火、丙辰土,飛癸亥水;身、世、應,九月卦;兄弟、子孫、父母、兄弟、官鬼、父母,伏丁酉金。雷山小過:庚戌土、庚申金、庚午火、丙申金、丙午火、丙辰土,飛庚午火;世、應、身,二月卦;父母、兄弟、官鬼、兄弟、官鬼、父母,伏丁亥水。雷澤歸妹:庚戌土、庚申金、庚午火、丁丑土、丁卯木、丁巳火,飛丁丑土;應、世、身,七月卦;父母、兄弟、官鬼、父母、妻財、官鬼,伏丙申金。
水山蹇。上爻は戊子水(子孫)、五爻は戊戌土(父母)、四爻は戊申金(兄弟、世を持つ)、三爻は丙申金(兄弟、身爻)、二爻は丙午火(官鬼)、初爻は丙辰土(父母、応爻)。飛神は戊申金、伏神は丁亥水、八月の卦と為す。地山謙。上爻は癸酉金(兄弟、身爻)、五爻は癸亥水(子孫、世を持つ)、四爻は癸丑土(父母)、三爻は丙申金(兄弟)、二爻は丙午火(官鬼、応爻)、初爻は丙辰土(父母)。飛神は癸亥水、伏神は丁酉金、九月の卦と為す。雷山小過。上爻は庚戌土(父母)、五爻は庚申金(兄弟)、四爻は庚午火(官鬼、世を持つ)、三爻は丙申金(兄弟)、二爻は丙午火(官鬼)、初爻は丙辰土(父母、応爻と身爻とともにこの位に在り)。飛神は庚午火、伏神は丁亥水、二月の卦と為し、本宮の遊魂卦なり。雷沢帰妹。上爻は庚戌土(父母、応爻)、五爻は庚申金(兄弟)、四爻は庚午火(官鬼)、三爻は丁丑土(父母、世を持つ)、二爻は丁卯木(妻財、身爻)、初爻は丁巳火(官鬼)。飛神は丁丑土、伏神は丙申金、七月の卦と為し、本宮の帰魂卦なり。
二、八卦断例章
兌象:麗澤相因名曰兌,友朋講習貴孚誠,互相浸潤推誠敬,和悅交通事有成。斷:兌者悅也,凡事和會,病瘥婚成,孕生災退,身宅平安,行人立至,六畜生財,獲利百倍。困象:澤中無水困之名,陰掩陽爻理不明,誠以自持堅固守,身雖處困道常亨。斷:困者厄也,陰以掩陽,宅身孕病,件件遭傷,生財利少,公訟多妨,報言占者,安分守常。萃象:兌悅坤柔為萃卦,存誠致敬感神明,中心守正無遷變,福集災消大吉亨。斷:萃者聚也,物惟誠身,身財兩吉,福祿雙榮,婚姻和合,六畜孳生,病訟終吉,田蠶晚成。咸象:兌澤艮山咸感也,有感方通理大常,上下和同雖吉兆,虛中受物更為良。斷:咸者感也,有感必應,官鬼周全,宅身喜慶,宜孕宜婚,利訟利病,咸道雖通,更宜貞正。
《兌》の卦象。両つの沢が相い連なり相い潤す。名づけて兌と曰う。朋友の間に講論・研習し、貴きは彼此に誠信あること。互いに浸潤し、誠敬を推行す。和悦にして交通せば、事はすなわち成就し得。断語。兌はすなわち「悦」、およそ事はみな和洽して会合し得。病は愈え婚は成り、胎孕は生し得て災禍は退去し、自身と家宅とは平安、門を出る人は即刻に到り、六畜は孳生して財を成し、百倍の利を獲ん。《困》の卦象。沢の中に水なし。ゆえに困と呼ぶ。陰爻が陽爻を掩えば、道理は講じ明らかにし難し。ただ誠をもって自守し、堅固にして移らざるのみ。身は困境に処すといえども、その道はなお常に亨通す。断語。困はすなわち「厄」、陰気が陽気を掩蔽す。家宅・自身・胎孕・疾病は、件件みな傷を受けん。財を生じ利を得るは甚だ少なく、官司は多く妨礙あり。占卜する人に奉告す、ただ分に安んじ常を守るにのみ宜し。《萃》の卦象。兌の和悦と坤の柔順とが合して萃卦と成る。心に誠意を存し恭敬を竭くせば、神明に感格すべし。心中に正道を守住し、遷らず変ぜず。福気は聚集し、災禍は消除して、大吉大亨なり。断語。萃はすなわち「聚」、物と相接するはただその身を誠にするに在り。自身と銭財とは両吉、福と禄とは双栄す。婚姻は和合し、六畜は孳生し、疾病と訟事とは最終に皆吉、田蚕は晩くともまた成ること能有り。《咸》の卦象。兌沢と艮山とが相合すれば、すなわち感応なり。感応あってこそ相い通ずるを得、これは極めて平常の道理なり。上下は和同し、吉兆なるといえども、その中を虚にして外物を容受すること能けば、さらに良善なり。断語。咸はすなわち「感」、感あれば必ず応あり。官鬼は一路周全、家宅・自身にみな喜慶あり。胎孕に宜しく、婚姻に宜しく、訟事に利あり、疾病に利あり。咸道は通達するといえども、なお貞正を守るに宜し。
蹇象:險前險後當為蹇,進則多迍退則宜,大蹇朋來由個甚,剛中知止善趨時。斷:蹇者難也,凡事蹇鈍,官貴艱難,出行休問,莫卜身財,休占婚孕,出險如何,守常安分。謙象:地下有山謙遜也,以謙自牧契真常,勞而不伐真君子,身愈卑而道愈光。斷:謙者遜也,柔謙知止,弗利婚姻,休問移徙,財帛休求,公訟且已,身吉病瘥,行人至矣。小過:山恥有雷曰小過,卻如飛鳥以遺音,情知所過不甚遠,舍大從微咎不侵。斷:小過過也,所過不遠,身宅微災,交易財鮮,官阻病憂,孕驚婚免,凡百所占,悉皆俴俴。歸妹:震雷兌澤為歸妹,少女從陽正合宜,凡事問占宜守靜,擬行必在得其時。斷:歸妹歸也,女歸之象,公訟不明,貴官休問,身宅少憂,婚姻為上,守之則宜,動之弗當。
《蹇》の卦象。前は険にして後もまた険。ゆえに蹇と呼ぶ。前進すればすなわち多く困頓し、退避するこそ相宜なれ。卦辞に「大蹇朋来」と曰うは、何を憑くか。憑く所は剛にして中を得、止むべきを知り止み、善く時宜に趨合するなり。断語。蹇はすなわち「難」、およそ事は遲鈍にして行き難し。官貴を求むるは艱難、出行は問うに及ばず、自身と銭財とを卜するなかれ、婚姻・胎孕を占うなかれ。いかにすれば険を出づるかを問わんと欲せば、答えはただ常を守り分に安んずるのみ。《謙》の卦象。地の下に山あり、謙遜の象なり。謙徳をもって自我を修養し、真常の道に契合す。功労あれど自ら誇らざるは、これ真の君子なり。身姿はいよいよ卑下すれば、その道はいよいよ光明なり。断語。謙はすなわち「遜」、柔順・謙退にして止むべき所を知る。婚姻に利あらず、遷移を問うなかれ、財帛は強いて求むるなかれ、官司は姑く罷めよ。自身は吉利、疾病は好くこと能く、門を出る人は到ること近し。《小過》の卦象。山の上に雷あり、これを小過と呼ぶ。飛鳥の掠め過ぎて鳴声を遺すがごとし。心の中に明らかに知る、過ぐる所は並びて遠からざるを。大なるを捨てて小なるに従い就けば、災咎は身に侵さず。断語。小過はすなわち「過」、過ぐるは遠からず。自身と家宅とに小災あり、交易して財を得るは少なく、官事は受阻し疾病は憂うべく、胎孕に驚きあり婚事は談ずるを免れ。およそ百の占う所は、もただ浅薄微小の象のみ。《帰妹》の卦象。震雷と兌沢とが合して帰妹と為る。少女が陽剛に随従するは、正にその宜に合す。およそ事を問い占えば、静を守るに宜し。行動せんと打算すれば、必ず合適の時機に到るを待つべし。断語。帰妹はすなわち「帰」、女子の出嫁の象なり。官司は明白ならず、貴人・官職は問うなかれ。自身と家宅とはただ小憂あるのみ、ただ婚姻が最上なり。守ればすなわち相宜、妄動すればすなわち当たらず。
通変部第十八
一、極変章
伏羲體太極而畫卦。始畫一畫以象極變,上畫一畫象天,下畫一畫象地,三畫象三才,其卦乾,其體健。兩乾成☷,畫象六合,其卦坤,其性順。乾坤變動而生六子,六子者,乾坤之互體也。例見前圖。
伏羲は太極の道理を体察して卦を画いた。最初に一画を画き下し、以て太極の変を象徴す。その上にさらに一画を画けば、天を象り、その下にさらに一画を画けば、地を象る。三画を合すれば、すなわち天・地・人の三才を象る。この一卦がすなわち乾で、その体性は剛健なり。両つの乾が相い重なり、画き成して☷と為す(原刻かくのごとし)。その画は上下四方の六合を象徴し、この一卦がすなわち坤で、その性情は柔順なり。乾坤の二卦が交互に変動して六箇の子女卦を生出す。謂う所の六子は、すなわち乾坤の両卦が互いに体と為りて生成せるなり。例はすでに前の「乾坤生六子図」に見ゆ。
二、単卦変通章
乾為父,坤為母,坎震艮為男,巽離兌為女,是謂八卦。每卦三爻,自下而升,三升二降,再二升一降,八變反本。一卦變八卦,八卦變六十四卦。假令☰,乾也。第一變初爻為陰☴,之巽,姤也。第二變中爻為陰☶,之艮,遁也。第三變上爻為陰☷,之坤,否也。第四復變中為陽☵,之坎,訟也。第五復變初為陽☱,之兌,履也。第六再變中為陰☳,之震,無妄也。第七再變上為陽☲,之離,同人也。第八再變中為陽☰,之乾,反本也。餘仿此。
乾は父、坤は母、坎・震・艮は三箇の男卦、巽・離・兌は三箇の女卦、合して八卦と呼ぶ。卦ごとに三爻、下より上へ依次に変動す。先に三次上升し両次下降し、再び両次上升し一次下降して、八次変じて満れば本卦に回る。一卦は八卦を変出し得、八卦が相い重なれば六十四卦を変出す。ただ☰乾卦を取りて例と作す。第一変、初爻が変じて陰と為り、☴巽と成る。配して重卦と為せばすなわち《姤》。第二変、中爻が変じて陰と為り、☶艮と成り、すなわち《遯》。第三変、上爻が変じて陰と為り、☷坤と成り、すなわち《否》。第四変、頭を回らし中爻を変じて陽に回し、☵坎と成り、すなわち《訟》。第五変、さらに初爻を変じて陽に回し、☱兌と成り、すなわち《履》。第六変、また中爻を変じて陰と為し、☳震と成り、すなわち《无妄》。第七変、上爻を変じて陽に回し、☲離と成り、すなわち《同人》。第八変、中爻を変じて陽に回し、☰乾と成り、本卦に返帰す。その余の七卦はみなこの辦法に照らして推す。
三、重卦変通章
重卦,每卦六爻,自下而升至五,上爻不變。五升四降,再四升三降,共九升七降,十六變反本。假令乾宮為例:乾也。第一變初爻為陰,天風姤,一世卦。第二變二爻為陰,天山遁,二世卦。第三變三爻為陰,天地否,三世卦。第四變四爻為陰,風地觀,四世卦。第五變五爻為陰,山地剝,五世卦。第六復變四爻為陽,火地晉,游魂卦。第七復變第三爻為陽,火山旅,伏藏。第八復變第二爻為陽,火風鼎,伏藏。第九復變初爻為陽,火天大有,歸魂卦。自第一爻升,復降至第一爻,五升四降也。
重卦は卦ごとに六爻、下より上へ一直に第五爻まで変じ、上爻は始終動かず。その法は五次上升し四次下降し、再び四次上升し三次下降して、共に計りて九升七降、十六次変じて満れば本卦に返回す。ただ乾宮を取りて例と作す。本卦は乾なり。第一変、初爻が変じて陰と為り、天風姤と成り、一世卦なり。第二変、第二爻が変じて陰と為り、天山遯と成り、二世卦なり。第三変、第三爻が変じて陰と為り、天地否と成り、三世卦なり。第四変、第四爻が変じて陰と為り、風地観と成り、四世卦なり。第五変、第五爻が変じて陰と為り、山地剥と成り、五世卦なり。第六変、頭を回らし第四爻を変じて陽に回し、火地晋と成り、遊魂卦なり。第七変、さらに第三爻を変じて陽に回し、火山旅と成り、伏蔵の卦に属す。第八変、さらに第二爻を変じて陽に回し、火風鼎と成り、また伏蔵に属す。第九変、さらに初爻を変じて陽に回し、火天大有と成り、帰魂卦なり。これはすなわち第一爻より升り往きて、また第一爻に降り回る、謂う所の「五升四降」なり。
再變第二爻為陰,離卦。再變第三爻為陰,噬嗑卦。再變第四爻為陰,頤卦。再變第五爻為陽,益卦。再變第四爻為陽,無妄卦。再變第三爻為陽,同人卦。再變第二爻,四升三降也。尚占只用八卦,自一世至五世,游魂便到歸魂也。亡回變全用十六卦,今以乾為例,餘可類推。
接いでさらに変ず。第二爻が変じて陰と為り、《離》卦と成る。再び第三爻を変じて陰と為し、《噬嗑》卦と成る。再び第四爻を変じて陰と為し、《頤》卦と成る。再び第五爻を変じて陽と為し、《益》卦と成る。再び第四爻を変じて陽と為し、《无妄》卦と成る。再び第三爻を変じて陽と為し、《同人》卦と成る。再び第二爻を変ず。この一段はすなわち謂う所の「四升三降」なり。ただし「尚占」のこの一門はただ八卦を取る。一世卦より依次に五世卦まで排し、再び遊魂卦より直ちに帰魂卦に接続するをもって止めり。もし回りて全く変ぜんと欲せば、すなわち十六卦を満たすを用うべし。ここはただ乾宮を以て例と為し、その余の各宮はみな類推し得。
四、六十四卦変通章
八卦升降變六十四卦,每卦各有六十四變,計四千九十六卦。假令以乾為例,餘可數推。乾也。一爻變之六卦:姤、同人、履、小畜、大有、夬。二爻變之十五卦:遁、無妄、訟、巽、家人、中孚、鼎、離、睽、大過、革、兌、大畜、大壯、需。三爻變之二十卦:否、泰、益、漸、渙、旅、噬嗑、未濟、咸、隨、困、蠱、賁、損、恆、豐、歸妹、井、既濟、節。四爻變之十五卦:晉、艮、頤、蒙、小過、震、解、蹇、屯、坎、升、明夷、臨、萃、觀。五爻變之六卦:剝、比、豫、謙、師、復。六爻變之一卦:坤。
八卦が升降して相い重なりて変じて六十四卦と為り、しかも毎一卦はまた各々六十四の変あり。合計して四千零九十六卦なり。ただ乾卦を以て例と為し、その余の各卦はみな数に依りて類推し得。本卦は乾なり。ただ一爻を変ずれば、六卦を得べし。姤・同人・履・小畜・大有・夬。両爻を変ずれば、十五卦を得べし。遯・无妄・訟・巽・家人・中孚・鼎・離・睽・大過・革・兌・大畜・大壮・需。三爻を変ずれば、二十卦を得べし。否・泰・益・漸・渙・旅・噬嗑・未済・咸・随・困・蠱・賁・損・恒・豊・帰妹・井・既済・節。四爻を変ずれば、十五卦を得べし。晋・艮・頤・蒙・小過・震・解・蹇・屯・坎・升・明夷・臨・萃・観。五爻を変ずれば、六卦を得べし。剥・比・豫・謙・師・復。六爻全く変ずれば、ただ一卦を得、すなわち坤なり。六に十五を加え二十を加え十五を加え六を加え一を加えれば、正に六十三変に合し、本卦を連ねて共に六十四。
舉此一卦,六十四卦同。乾變止於坤,坎變止於離,艮變止於兌,坤變止於乾,巽變止於震,離變止於坎,兌變止於艮。是謂六爻俱變之極也。善觀變者,可以進則進,可以退則退,可止則止。苟進退與止,皆不可在乎委順。尚變之要,無出此一章,達者味之。
乾のこの一卦を挙げて例と作せば、六十四卦の変法はみな相同じ。乾は変じて極処に至ればすなわち坤に止まり、坎は変じて極処に至れば離に止まり、艮は変じて極処に至れば兌に止まり、坤は変じて極処に至れば乾に止まり、巽は変じて極処に至れば震に止まり、離は変じて極処に至れば坎に止まり、兌は変じて極処に至れば艮に止まる。これを六爻全変の極致と呼ぶ。善く変化を観察する人は、進むべければすなわち進み、退くべければすなわち退き、止むべければすなわち止む。仮使進・退・止の三者がみな通ぜざれば、すなわちただ自然に隨順し時に身を委するに在るのみ。変通を崇尚するの要領は、この一章の外に出でず。通達の人は自ずから細かに体味すべし。
五、時変章
乾坤易之門,復姤乾坤門。復:十一月,初一日、初二日、初三日,子,一陽潛龍勿用。臨:十二月,初四、初五,丑,二陽見龍在田。泰:正月,初六、初七、初八,寅,三陽終日乾乾。大壯:二月,初九、初十,卯,四陽或躍在淵。夬:三月,十一、十二、十三,辰,五陽飛龍在天。乾:四月,十四、十五,巳,六陽亢龍有悔。姤:五月,十六、十七、十八,午,一陰履霜堅冰。遁:六月,十九、二十,未,二陰直方大。否:七月,二十一、二十二、二十三,申,三陰含章可貞。觀:八月,二十四、二十五,酉,四陰括囊無咎。剝:九月,二十六、二十七、二十八,戌,五陰黃裳元吉。坤:十月,二十九、三十,亥,六陰龍戰于野。
乾坤の両卦は《易》の門戸で、《復》《姤》の両卦はまた乾坤の門戸なり。この一章は十二消息卦に月份・日期・時辰および乾坤両卦の爻辞を配す。《復》。十一月に配し、毎月の初一・初二・初三日に配し、子時に配す。一陽始めて生ず。乾卦の初九「潜龍勿用」に当たる。《臨》。十二月に配し、初四・初五日、丑時。二陽、九二「見龍在田」に当たる。《泰》。正月に配し、初六・初七・初八日、寅時。三陽、九三「終日乾乾」に当たる。《大壮》。二月に配し、初九・初十日、卯時。四陽、九四「或躍在淵」に当たる。《夬》。三月に配し、十一・十二・十三日、辰時。五陽、九五「飛龍在天」に当たる。《乾》。四月に配し、十四・十五日、巳時。六陽、上九「亢龍有悔」に当たる。《姤》。五月に配し、十六・十七・十八日、午時。一陰始めて生ず。坤卦の初六「履霜堅氷至」に当たる。《遯》。六月に配し、十九・二十日、未時。二陰、六二「直方大」に当たる。《否》。七月に配し、二十一・二十二・二十三日、申時。三陰、六三「含章可貞」に当たる。《観》。八月に配し、二十四・二十五日、酉時。四陰、六四「括囊」に当たる。すなわち口袋を扎えて一言も發せざれば、すなわち過錯なからん。《剥》。九月に配し、二十六・二十七・二十八日、戌時。五陰、六五「黄裳元吉」に当たる。《坤》。十月に配し、二十九・三十日、亥時。六陰、上六「龍戦于野」に当たる。
六、事変章
卦者,事也。爻者,事之時也。卦變事變也,爻者時變也。觀爻察變,則能趨時獲利,觀象玩占,則能趨吉避凶。察變之要,貴在潛神入虛,寂則能見事之幾微,知幾則能隨時變易,以從道也。周易尚占卷下畢。
謂う所の卦は、すなわち事なり。謂う所の爻は、すなわちこの事の処する時なり。卦が一たび変ずれば、事情もまた変ず。爻の標示する所は、まさに時の変化なり。爻位を観察し変動を審察すれば、すなわち時機に順応して利を獲べし。卦象を観玩し占辞を玩味すれば、すなわち吉に趨りて凶を避くべし。変化を審察するの要訣の貴き所は、心神を虚靜の中に沈潜せしむるに在り。心が一たび寂靜すれば、すなわち事の最も細微なる端倪を見るべし。端倪を見ること能けば、すなわち時に随い変易して、以て大道に合すべし。《周易尚占》巻下、これにて畢わりぬ。
