Libo

周易音义

唐 · 陆德明

作盤ガイド: 大衍筮法, 六爻納甲の立卦

周易略例(しゅうえきりゃくれい)

易経易学典籍

術数への応用を目指すなら、まず六十四卦の卦爻辞と《説卦伝》の取象に親しむ。義理を目指すなら《繋辞伝》から入るのがよい。

巻首題名

經典釋文卷第二。周易音義。唐國子博士兼太子中允贈齊州刺史吳縣開國男陸德明撰。周(代名也,周至也,遍也,備也,今名書義取周普)。易(盈只反,此經名也,虞翻注參同契云字從日下月)。

これは《経典釈文》の第二巻で、《周易音義》と題する。撰者は陸徳明、唐代の人で、名は元朗、字で世に行われ、官は国子博士に至り、太子中允を兼ね、没後に斉州刺史を追贈され、呉県開国男に封じられた。「周」の字は王朝の名であるとともに、周至・周遍・完備の諸義を持つ。この書を《周易》と名づけたのは「周普」の義を取ったもので、その道に包まれないものはないという意である。「易」には「盈只反」と注する。これは反切注音で、「盈」の声母と「只」の韻母・声調とを合わせて読み、yì と読む。これは経書の名である。三国呉の虞翻は《周易参同契》の注で、「易」の字の形は上が「日」で下が「月」であると説く。

上経乾伝第一(篇題)

上經(上者對下立名經者常也,法也,徑也,由也)。乾(卦名)。傳(直戀反,以傳述為義謂夫子十翼也,解見發題)。第一(亦作弟)。王弼注(本亦作王輔嗣注音張具反今本或無注字師無者非)。

「上経」の「上」は「下経」に対して立てられた名目であり、「経」は常道・法則・門径・依循の幾層かの意味を兼ねる。「干」はすなわち「乾」で、卦名である。「伝」には「直恋反」と注する。反切注音で zhuàn と読み、伝述の義を取り、孔子の作った《十翼》を指す。詳しい解説は巻首の《発題》を見よ。「第一」の「第」は「弟」とも書く。「王弼注」の句は、ある本では「王輔嗣注」と作り、輔嗣は王弼の字である。「注」には「張具反」と注し、zhù と読む。今本には「注」の字がないものもあるが、師説では「注」の字を脱したのは誤りとする。

乾(けん)

乾(竭然反,依字作乾下乙干從旦於㫃音偃卦云乾健也,此八純卦象天)。元亨(許庚反,卦德也,訓通也,餘放此)。濳(捷鹽反)。龍(喻陽氣及聖人)。見龍(賢遍反,示也,注及下見龍皆同)。利見(如字下皆同)。大人(王肅云聖人在位之目)。離隱(力智反)。處於(昌呂反,眾經不音者放此)。德施(始豉反,與也)。不偏(音篇)。則過(古臥反,諸經內皆同)。夕惕(他曆反,怵惕也,鄭云懼也,廣雅同)。若厲(力世反,危也)。無(音無易內皆作此字文云竒字無也,通於無者虛無道也,玉述天屈西北為無)。

「干」はすなわち「乾」で、「竭然反」と注する。反切注音であり、「竭」の声母と「然」の韻母・声調とを合わせて qián と読む。字形からは本来「乾」と作るべきで、右旁は「乙」に従い、左旁の「倝」は「旦」と「㫃」とから成る。「㫃」は yǎn と読む。卦辞は乾を剛健と説き、この卦は八純卦で上下同体、天を象とする。「元亨」の「亨」には「許庚反」と注し、hēng と読む。乾卦の卦徳で、通達と訓する。以下同類の字はすべてこの例に倣う。「濳」はすなわち「潜」で、「捷塩反」で qián と読む。「龍」はここで陽気を喩え、また聖人を喩える。「見龍」の「見」は「賢遍反」で xiàn と読み、顕現の義であり、王弼の注文および下の「見龍」もすべてこの読みとする。「利見」の「見」は如字で、すなわち本来の音義のまま読み破読しない。以下すべて同じ。「大人」は、魏の王粛によれば聖人が君位に居る者の称である。「離隠」の「離」は「力智反」で lì と読む。「処于」の「処」は「昌呂反」で chǔ と読み、諸経で別に注を出さないものはすべてこの例に倣う。「徳施」の「施」は「始豉反」で shì と読み、与える義である。「不偏」の「偏」は「篇」の音で piān と読む。「則過」の「過」は「古臥反」で guò と読み、諸経の中ですべて同じである。「夕惕」の「惕」は「他歴反」で tì と読み、すなわち怵惕である。鄭玄は恐懼と訓し、《広雅》の解釈も同じである。「若厲」の「厲」は「力世反」で lì と読み、危険の義である。「无」は「无」の音で、《周易》全書にこの字形を用いる。《説文解字》は「无」は「無」の奇字であるとし、「無」と通じる「无」は虚無の道を指す。字書はまた「天の西北に屈するを无と為す」と説く。

咎(其久反,易內同)。重剛(直龍反,下同)。竭知(音智)。或躍(羊灼反,廣雅云上也,上音時掌反)。所處(一本作可處)。近乎(附近之近)。猶(以救反)。與(音預)。不謬(靡幼反,本或作繆音同)。夫位(音符下皆同)。亢(苦浪反,子夏傳云極也,廣雅云髙也)。則佞(乃定反)。邪(字又作耶似嗟反)。(吐亂反,斷也,斷音都亂反)。資始(鄭云資取也)。乃統(鄭云統本也)。

「咎」には「其久反」と注する。反切注音で jiù と読み、《周易》全書これに同じ。「重剛」の「重」は「直龍反」で chóng と読み、以下同じ。「竭知」の「知」は「智」の音で zhì と読む。「或躍」の「躍」は「羊灼反」で yuè と読む。《広雅》は「躍」を「上」と訓し、この「上」は「時掌反」の音で shǎng と読む。「所処」は別の本では「可処」と作る。「近乎」の「近」は「附近」の「近」の読みで、すなわち去声の jìn である。「猶」には「以救反」と注し yòu と読む。「与」は「預」の音で yù と読む。「不謬」の「謬」は「靡幼反」で miù と読む。ある本では「繆」と作り、読みは同じ。「夫位」の「夫」は「符」の音で fú と読み、句頭の発語詞であり、以下すべて同じ。「亢」には「苦浪反」と注し kàng と読む。《子夏易伝》は極と訓し、《広雅》は高と訓する。「則佞」の「佞」は「乃定反」で nìng と読む。「邪」の字はまた「耶」と書き、「似嗟反」で xié と読む。次の条の頭字はすでに脱け、「吐乱反」と注し tuàn と読む。すなわち《彖》で、「断」と訓し、「断」は「都乱反」の音で duàn と読む。「資始」について、鄭玄は「資」は取ることであると説く。「乃統」について、鄭玄は「統」は本であると説く。

雲行(如字)。雨施(始豉反,卦內皆同)。之累(劣偽反)。者邪(或作耶同餘嗟反後協句辭皆放此)。象(翔丈反,精象擬象也)。自強(其良反)。反覆(芳服反,注同,本亦作覆)。大人造(鄭徂早反為也,王肅七到反就也,至也,劉歆父子作聚)。文言(文飾卦下之言也,夫子之十翼梁武帝云文言是文王所制)。之長(張丈反)。之幹(古旦反)。體仁(如字京房荀爽董遇本作體信)。利物(孟喜京荀陸績作利之)。不成名(一本作不成乎名)。遯世(徒頓反)。

「雲行」の「行」は如字で、本来の音のまま読む。「雨施」の「施」は「始豉反」で shì と読み、本卦の中ではすべて同じ。「之累」の「累」は「劣偽反」で lèi と読む。「者邪」の「邪」は、ある本では「耶」と作り、「余嗟反」で yé と読む。以下、協句のために順読して用いる語助詞はすべてこの例に倣う。「象」には「翔丈反」と注し xiàng と読み、精微の象と摹擬の象とを指す。「自強」の「強」は「其良反」で qiáng と読む。「反復」の「復」は「芳服反」で fù と読み、王弼の注文も同じ。ある本では「覆」と作る。「大人造」の「造」は、鄭玄は「徂早反」に読み zào で「作為」と訓し、王粛は「七到反」に読み、今も zào と読み「就」「至」と訓する。劉向・劉歆父子の本では「聚」と作る。「文言」は卦の下の辞を文飾するという意で、孔子の《十翼》の一つに属する。梁武帝は《文言》は周文王の作だと説いた。「之長」の「長」は「張丈反」で zhǎng と読む。「之干」の「干」は「古旦反」で gàn と読み、すなわち「幹」である。「体仁」の「体」は如字である。京房・荀爽・董遇の本では「体信」と作る。「利物」は、孟喜・京房・荀爽・陸績の本では「利之」と作る。「不成名」は別の本では「不成乎名」と作る。「遯世」の「遯」は「徒頓反」で dùn と読む。

無悶(門遜反)。樂則(音洛)。確乎(苦學反,鄭云堅髙之貌文云髙至)。可拔(蒲八反,鄭云移也,廣雅云出也)。庸行(下孟反)。閒邪(似嗟反,下同)。幾(旣依反,注同理初始微名幾)。能全(一本作能令)。尟克(今亦作鮮同仙善反少也)。怵(律反)。解怠(佳賣反)。上下(並如字王肅上音時掌反)。非離(力智反)。相應(應對之應易內不出者並同)。流溼(申入反)。就燥(蘇早先皂二反)。聖人作(如字鄭云起也,馬融作起)。

「无悶」の「悶」は「門遜反」で反切注音、mèn と読む。「楽則」の「楽」は「洛」の音で lè と読む。「確乎」の「確」は「苦学反」で què と読む。鄭玄は堅固にして高峻の貌だと説き、《説文解字》は「高至」と訓する。「可抜」の「抜」は「蒲八反」で bá と読む。鄭玄は移動と訓し、《広雅》は出と訓する。「庸行」の「行」は「下孟反」で xìng と読み、徳行を指す。「閑邪」の「邪」は「似嗟反」で xié と読み、以下同じ。「幾」には「既依反」と注し jī と読む。王弼の注文も同じで、事理が初めて起こる微細な兆しを指すので「幾」と名づける。「能全」は別の本では「能令」と作る。「尟克」の「尟」は今は「鮮」とも書き、「仙善反」で xiǎn と読み、少ない意である。「怵」には「律反」と注し、反切の上字はすでに脱けており、字は chù と読む。「解怠」はすなわち「懈怠」で、「解」には「佳売反」と注し xiè と読む。「上下」の二字はともに如字で読む。王粛は「上」を「時掌反」に読み、すなわち shǎng である。「非離」の「離」は「力智反」で lì と読む。「相応」の「応」は「応対」の「応」の読みで、すなわち去声の yìng である。《周易》の中で別に注を出さないものはすべて同じ。「流湿」の「湿」は「申入反」で shī と読む。「就燥」の「燥」は二読あり、「蘇早反」で sǎo、「先皁反」で zào と読む。「聖人作」の「作」は如字である。鄭玄は起と訓し、馬融の本はそのまま「起」と作る。

而當(都浪反,易內皆同有異者別出)。故盡(津忍反)。當其(如字)。上治(直吏反,下及注同)。放逺(於萬反)。見而(賢遍反)。粹(雖遂反)。揮(音輝廣雅云動也,王肅云散也,本亦作輝義取光輝)。為行(下孟反,下之行行而皆同)。日可(人實反)。未見(賢遍反)。以辯(如字徐扶免反)。重剛(直龍反,下同)。夫大人(音符發端之字皆放此)。先天(悉薦反)。後天(胡豆反)。知喪(息浪反)。其唯聖人乎(王肅本作愚人後結始作聖人)。

「而当」の「当」は「都浪反」で反切注音、dàng と読む。《周易》の中ではすべて同じで、異読がある場合は別途注を出す。「故尽」の「尽」は「津忍反」で jǐn と読む。「当其」の「当」は如字である。「上治」の「治」は「直吏反」で zhì と読み、以下および注文も同じ。「放逺」の「逺」はすなわち「遠」で、「于万反」に読み yuàn、遠ざかる義である。「見而」の「見」は「賢遍反」で xiàn と読む。「粋」には「雖遂反」と注し suì と読む。「揮」は「輝」の音で huī と読む。《広雅》は動と訓し、王粛は散と訓する。ある本ではそのまま「輝」と作り、光輝の義を取る。「為行」の「行」は「下孟反」で xìng と読み、以下「之行」「行而」の「行」もすべてこの読みとする。「日可」の「日」は「人実反」で rì と読む。「未見」の「見」は「賢遍反」で xiàn と読む。「以辯」の「辯」は如字である。徐邈は「扶免反」に読み、すなわち biàn である。「重剛」の「重」は「直龍反」で chóng と読み、以下同じ。「夫大人」の「夫」は「符」の音で fú と読み、句頭の発語の「夫」の字はすべてこの例に倣う。「先天」の「先」は「悉薦反」で xiàn と読む。「後天」の「後」は「胡豆反」で hòu と読む。「知喪」の「喪」は「息浪反」で sàng と読む。「其唯聖人乎」の句は、王粛の本では「愚人」と作り、後ろの収結のところで初めて「聖人」と作る。

坤(こん)

坤(本又作巛巛今字也,同困魂反卦云順也,八純卦象地)。利牝(頻忍反,徐邈扶忍反又扶死反)。有攸(音由所也)。喪朋(息浪反,馬云失也,下及注並同)。必離(力智反)。無疆(或作壃同居良反下及注同)。必爭(爭之爭)。履霜(如字鄭讀履為禮)。積著(張慮反,眾經不音者皆同)。始凝(魚冰反)。馴(似遵反,向秀云從也,徐音訓此依鄭義)。任其(而鴆反,眾經皆同)。知光(音智注同)。不擅(善戰反,專也)。括(古活反,結也,方言云閉也,廣雅云塞也)。囊(乃剛反)。無譽(音餘又音預)。不造(七到反,又曹早反)。

「坤」の字はまた「巛」と書き、「巛」は今字で、同じく「困魂反」と読む。反切注音で、「困」の声母と「魂」の韻母・声調とを合わせて kūn と読む。卦辞は坤を柔順と説き、この卦は八純卦で、地を象とする。「利牝」の「牝」は「頻忍反」で pìn と読む。徐邈は「扶忍反」に読み、また「扶死反」に読む。「有攸」の「攸」は「由」の音で、「所」の意である。「喪朋」の「喪」は「息浪反」で sàng と読む。馬融は失と訓し、以下および注文も同じ。「必離」の「離」は「力智反」で lì と読む。「无疆」の「疆」は、ある本では「壃」と作り、同じく「居良反」に読み jiāng とし、以下および注文も同じ。「必争」の「争」は「争闘」の「争」の読み。「履霜」の「履」は如字である。鄭玄は「履」を「礼」と読む。「積着」の「着」は「張慮反」で zhù と読み、諸経で別に注を出さないものはすべて同じ。「始凝」の「凝」は「魚氷反」で níng と読む。「馴」には「似遵反」と注し xún と読む。向秀は順従と訓し、徐邈は「訓」の音とし、ここでは鄭玄の義に従う。「任其」の「任」は「而鴆反」で rèn と読み、諸経ともに同じ。「知光」の「知」は「智」の音で zhì と読み、注文も同じ。「不擅」の「擅」は「善戦反」で shàn と読み、専擅の義である。「括」には「古活反」と注し kuò と読み、結び締める義である。《方言》は閉と訓し、《広雅》は塞と訓する。「囊」には「乃剛反」と注し náng と読む。「无誉」の「誉」は「余」の音、また「預」の音である。「不造」の「造」は「七到反」、また「曹早反」で、今はいずれも zào と読む。

否(皮鄙反)。閉(心計反,字林方結反云闔也)。施愼(並如字愼謹也,象詞同,本或作順非)。之飾(申職反,本或作餝俗字)。坤至柔(本或有文言曰者)。為邪(似嗟反)。餘殃(於良反,鄭云禍惡也,文云凶也)。臣弒(式志反,本或作殺音同下同)。由辯(如字馬云別也,荀作變)。言順(如字)。直方大不習無不利則不疑其所行(張璠本此上有易曰眾家皆無)。木蕃(伐反)。而暢(勑亮反)。陰疑(如字荀虞姚信蜀才本作凝)。為其(於偽反,注為其同)。嫌(戸謙反,注同鄭作謙荀虞陸董作嗛)。未離(力智反)。

「否」には「皮鄙反」と注する。反切注音で pǐ と読む。「閉」には「心計反」と注し bì と読む。《字林》は「方結反」に読み、闔と訓する。「施愼」の二字はともに如字で読み、「愼」は謹の意である。《象伝》の文辞も同じ。ある本では「順」と作るが、それは誤りである。「之飾」の「飾」は「申職反」で shì と読む。ある本では「餝」と作るが、俗体字である。「坤至柔」の句は、ある本では前に「文言曰」の三字がある。「為邪」の「邪」は「似嗟反」で xié と読む。「余殃」の「殃」は「于良反」で yāng と読む。鄭玄は禍悪と訓し、《説文解字》は凶と訓する。「臣弑」の「弑」は「式志反」で shì と読む。ある本では「殺」と作り、読みは同じで、以下もまた然り。「由辯」の「辯」は如字である。馬融は分別と訓し、荀爽の本では「変」と作る。「言順」の「順」は如字である。「直方大、不習无不利、則不疑其所行」の句は、張璠の本ではこの句の上に「易曰」の二字があり、他の各家にはない。「木蕃」の「蕃」には「伐反」と注し、反切の上字が脱けており、字は fán と読む。「而暢」の「暢」は「勑亮反」で chàng と読む。「陰疑」の「疑」は如字である。荀爽・虞翻・姚信・蜀才の本では「凝」と作る。「為其」の「為」は「于偽反」で wèi と読み、注文中の「為其」も同じ。「嫌」には「戸謙反」と注し xián と読み、注文も同じ。鄭玄の本では「謙」と作り、荀爽・虞翻・陸績・董遇の本では「嗛」と作る。「未離」の「離」は「力智反」で lì と読む。

屯(ちゅん)

屯(張倫反,難也,盈也,坎宮二世卦)。則否(備鄙反)。得主則定(本亦作則寧)。而難(乃旦反,卦內除六二注難可餘並同賈逵注周語云畏憚也)。天造(徂早反,注同)。草昧(音妹廣雅云草造也,董云草昧微物)。而不寧(而辭也,鄭讀而曰能能猶安也)。經論(音倫鄭如字謂論撰書禮樂施政事黃穎云經論匡濟也,本亦作綸)。

「屯」には「張倫反」と注する。反切注音で、「張」の声母と「倫」の韻母・声調とを合わせて zhūn と読み、艱難と訓し、また盈満と訓する。この卦は坎宮二世卦である。「則否」の「否」は「備鄙反」で pǐ と読む。「得主則定」は、ある本では「則寧」と作る。「而難」の「難」は「乃旦反」で nàn と読む。本卦の中では六二の注の「難可」の一か所を除き、残りはすべてこの読みとする。賈逵は《国語・周語》の注で「難」は畏懼であると説く。「天造」の「造」は「徂早反」で zào と読み、注文も同じ。「草昧」の「昧」は「妹」の音で mèi と読む。《広雅》は「草」は創造の義であると説き、董遇は「草昧」は微小な物を指すと説く。「而不寧」の「而」は語助詞である。鄭玄は「而」を「能」と読み、「能」はすなわち安の意である。「経論」の「論」は「倫」の音である。鄭玄は如字に読み、典章・礼楽・政事を論撰することだと説く。黄穎は「経論」はすなわち天下を匡済することだと説く。ある本では「綸」と作る。

盤(本亦作盤又作盤歩乾反)。桓(馬云盤旋也)。晏安(本又作宴各依字晏一諫反宴一見反)。下賤(遐嫁反)。屯如(子夏傳云如辭也)。邅如(張連反,馬云難行不進之貌)。乗馬(繩證反,四馬曰乗下及注並同鄭云馬牝牡曰乗子夏傳音繩)。班如(如字子夏傳云相牽不進貌鄭本作般)。媾(古後反,馬云重㛰本作冓鄭云猶會,本或作構者非)。相近(附近之近下近五同又如字)。即鹿(王肅作麓云山足)。君子幾(徐音祈辭也,注同又音機近也,速也,鄭作機云弩牙也)。

「盤」の字はある本では「盘」と作り、また「槃」と作り、いずれも「歩干反」と読む。反切注音で pán と読む。「桓」の字は、馬融は「盤桓」は盘旋して進まない貌であると説く。「晏安」の「晏」は、ある本では「宴」と作り、それぞれ本字の音に従う。「晏」は「一諫反」に読み yàn、「宴」は「一見反」に読み yàn である。「下賤」の「下」は「遐嫁反」で xià と読む。「屯如」の「如」は、《子夏易伝》では語助詞だと説く。「邅如」の「邅」は「張連反」で zhān と読む。馬融は難行して進まない貌であると説く。「乗馬」の「乗」は「縄証反」で shèng と読み、馬四匹を一乗といい、以下および注文も同じ。鄭玄は馬に牝牡がそろって「乗」というと説く。《子夏易伝》は「縄」の音とする。「班如」の「班」は如字である。《子夏易伝》は相い牽かれて前に進まない貌だと説き、鄭玄の本では「般」と作る。「媾」には「古后反」と注し gòu と読む。馬融は重婚と説き、本字は「冓」と作り、鄭玄は会合と同じ意だと説く。ある本では「構」と作るが、それは誤りである。「相近」の「近」は「附近」の「近」の読みで、下の「近五」の「近」も同じく、また如字に読んでもよい。「即鹿」の「鹿」は、王粛の本では「麓」と作り、山の麓を指すと説く。「君子幾」の「幾」は、徐邈は「祈」の音とし語辞だと説き、注文も同じ。また「機」の音とし、近・速と訓する。鄭玄の本では「機」と作り、弩牙(弩の引金)を指すと説く。

如舎(式夜反,止也,注下同徐音舍)。往吝(力刃反,又力愼反馬云恨也)。雖比(毗志反,下皆同)。之易(以豉反)。不揆(葵癸反)。以從(如字鄭黃於用反)。合好(呼報反,下同)。恢弘(苦回反,大也)。博施(式豉反,及下文皆同)。拯(拯救之拯)。亨於(許庚反)。他閒(閒廁之閒)。漣如(音連文云泣下也)。應援(於眷反,又音)。闉(音因塞也,春秋傳云當陳隧者井堙木刋是也)。厄(於革反,又於賣反)。委仰(如字又魚亮反)。長也(直良反)。

「如舎」の「舎」は「式夜反」で反切注音、shè と読み、止と訓し、注文および以下同じ。徐邈は「舍」の音とする。「往吝」の「吝」は「力刃反」で lìn と読み、また「力愼反」とも読む。馬融は悔恨と訓する。「虽比」の「比」は「毗志反」で bì と読み、以下すべて同じ。「之易」の「易」は「以豉反」で yì と読む。「不揆」の「揆」は「葵癸反」で kuí と読む。「以従」の「従」は如字である。鄭玄・黄穎は「于用反」に読む。「合好」の「好」は「呼報反」で hào と読み、以下同じ。「恢弘」の「恢」は「苦回反」で huī と読み、大と訓する。「博施」の「施」は「式豉反」で shì と読み、以下すべて同じ。「拯」は「拯救」の「拯」の読み、すなわち zhěng である。「亨于」の「亨」は「許庚反」で hēng と読む。「他閑」の「閑」は「閑厠」の「閑」の読み。「漣如」の「漣」は「連」の音である。《説文解字》は泣き涙が流れ落ちる貌であると説く。「應援」の「援」は「于眷反」で yuàn と読み、また一音があるがその文は脱けている。「闉」は「因」の音で、塞と訓する。《春秋左伝》に「陳の隧に当たる者は井を堙ぎ木を刋る」とあるのがこの義である。「厄」には「于革反」と注し è と読み、また「于売反」とも読む。「委仰」の「仰」は如字で、また「魚亮反」に読み yàng とする。「長也」の「長」は「直良反」で cháng と読む。

蒙(もう)

蒙(莫公反,濛濛也,稚也,稽覽圖云無以敎天下曰蒙方言云蒙萌也,離宮四世卦)。童(如字字書作僮鄭云未冠之稱廣雅云痴也)。筮(市制反,決也,鄭云問)。告(古毒反,示也,語也)。再三(息暫反,又如字)。瀆(音獨亂也,鄭云䙝也)。則復(扶又反)。能斷(丁亂反)。夫疑(音扶六五注同)。閡山(五代反)。時中(張仲反,注時中決中同又如字和也)。童蒙求我(一本作來求我)。不諮(本亦作諮又作資並通)。果行(下孟反,注及六三注象同)。

「蒙」には「莫公反」と注する。反切注音で méng と読み、蒙昧と訓し、また幼稚と訓する。《稽覧図》は「天下を教えることなきを蒙と曰う」と説き、《方言》は「蒙」はすなわち萌であると説く。この卦は離宮四世卦である。「童」は如字である。字書は「僮」と書き、鄭玄はまだ冠礼を行わない者の称であると説き、《広雅》は痴と訓する。「筮」には「市制反」と注し shì と読み、決断と訓する。鄭玄は問と訓する。「告」には「古毒反」と注し gù と読み、示・語と訓する。「再三」の「三」は「息暫反」で sàn と読み、また如字に読んでもよい。「涜」は「独」の音で、乱と訓する。鄭玄は褻慢と訓する。「則復」の「復」は「扶又反」で fù と読む。「能断」の「断」は「丁乱反」で duàn と読む。「夫疑」の「夫」は「扶」の音で fú と読み、六五の注文も同じ。「閡山」の「閡」は「五代反」で ài と読む。「時中」の「中」は「張仲反」で zhòng と読み、注文の「時中」「決中」も同じ。また如字に読んで和と訓してもよい。「童蒙求我」は別の本では「来求我」と作る。「不諮」の「諮」は、ある本では「咨」と作り、また「資」と作り、いずれも通用する。「果行」の「行」は「下孟反」で xìng と読み、注文および六三の注、《象伝》も同じ。

用(吐活反,注同徐又音稅)。桎(音質)。梏(古毒反,在足曰桎在手曰梏小爾雅云杻謂之梏械謂之桎杻音丑)。所惡(烏路反)。包蒙(如字鄭云苞當作彪彪文也)。用取(七住反,本又作娶下及注同)。獨逺(於萬反,下文同)。能比(毗志反)。以巽(音遜鄭云當作遜)。擊蒙(經歷反,王肅云治也,馬鄭作繫)。擊去(起呂反,下同)。為之(於偽反,又如字)。扞(胡旦反)。御(魚呂反,本又作衛)。

「用」の字は上の頭字が脱けており、「吐活反」と注する。反切注音で tuō と読み、すなわち「説」は「脱」に通じ、注文も同じ。徐邈はまた「税」の音とする。「桎」は「質」の音で zhì と読む。「梏」には「古毒反」と注し gù と読む。械が足にあるものを桎といい、手にあるものを梏という。《小爾雅》は「杻」を梏といい「械」を桎というとし、「杻」は「丑」の音である。「所悪」の「悪」は「烏路反」で wù と読む。「包蒙」の「包」は如字である。鄭玄は「苞」は「彪」と作るべきで、「彪」は文采であると説く。「用取」の「取」は「七住反」で qǔ と読み、ある本では「娶」と作り、以下および注文も同じ。「独逺」の「逺」はすなわち「遠」で、「于万反」に読み yuàn、以下同じ。「能比」の「比」は「毗志反」で bì と読む。「以巽」の「巽」は「遜」の音で xùn と読む。鄭玄は「遜」と作るべきだと説く。「撃蒙」の「撃」は「経歴反」で jī と読む。王粛は治と訓し、馬融・鄭玄の本では「系」と作る。「撃去」の「去」は「起呂反」で qù と読み、以下同じ。「為之」の「為」は「于偽反」で wèi と読み、また如字に読んでもよい。「扞」には「胡旦反」と注し hàn と読む。「御」には「魚呂反」と注し yù と読む。ある本では「衛」と作る。

需(じゅ)

需(音須字從兩重而者非飲食之道也,訓養鄭讀為秀解云陽氣秀而不直前者畏上坎也,坤宮游魂卦)。有孚(徐音敷信也,又作旉)。光(師讀絶句)。亨貞吉(一句馬鄭揔為一句)。不陷(陷沒之陷)。位乎(如字鄭音蒞)。雲上(時掌反,干寶云升也)。於天(王肅本作雲在天上)。宴(烏練反,徐烏殄反安也,下同鄭云享宴也,李烏衍反)。樂(音洛注同)。

「需」は「須」の音で xū と読む。字形は「雨」と「而」とに従い、二重に「而」と書くのは誤りである。この卦は飲食の道を説き、「養」と訓する。鄭玄は「秀」に読み、陽気が秀出してあえて直進しないのは上卦の坎険を畏れるためだと解説する。この卦は坤宮遊魂卦である。「有孚」の「孚」は、徐邈は「敷」の音とし、信と訓する。「孚」はまた「旉」と書く。「光」の字は、師説ではここで句を切る。「亨貞吉」の三字を一句とする。馬融・鄭玄は「光亨貞吉」を総じて一句とする。「不陥」の「陥」は「陥没」の「陥」の読み。「位乎」の「位」は如字である。鄭玄は「莅」の音とする。「雲上」の「上」は「時掌反」で shǎng と読む。干宝は升と訓する。「于天」の句は、王粛の本では「雲在天上」と作る。「宴」には「烏練反」と注し yàn と読む。徐邈は「烏殄反」に読み、安と訓し、以下同じ。鄭玄は享宴と説く。李軌は「烏衍反」に読む。「楽」は「洛」の音で lè と読み、注文も同じ。

最逺(萬反,下逺險同)。於難(乃旦反,下及文皆同)。利用恆未失常也(本亦有無咎者)。於沙(如字鄭作沚)。轉近(附近之近)。後時(胡豆反)。衍在(以善反,徐怡戰反)。致寇(如字鄭王肅本作戎)。則闢(音避下同)。己得(音紀又音巳)。所復(扶又反)。不速(如字馬云召也,釋詁云疾也,釋言云征也,召也)。

「最逺」の「逺」はすなわち「遠」で、「万反」と注し、反切の上字はすでに脱け、字は yuàn と読む。以下「逺險」の「逺」も同じ。「于難」の「難」は「乃旦反」で反切注音、nàn と読み、以下および《彖》《象》の文辞もすべて同じ。「利用恒、未失常也」の句は、ある本には「无咎」の二字もある。「于沙」の「沙」は如字である。鄭玄の本では「沚」と作る。「転近」の「近」は「附近」の「近」の読み。「後時」の「後」は「胡豆反」で hòu と読む。「衍在」の「衍」は「以善反」で yǎn と読む。徐邈は「怡戦反」に読む。「致寇」の「寇」は如字である。鄭玄・王粛の本では「戎」と作る。「則辟」の「辟」は「避」の音で bì と読み、以下同じ。「己得」の「己」は「紀」の音、また「巳」の音。「所復」の「復」は「扶又反」で fù と読む。「不速」の「速」は如字である。馬融は召と訓し、《爾雅・釈詁》は疾と訓し、《爾雅・釈言》は征・召と訓する。

訟(しょう)

訟(才用反,爭也,言之於公也,鄭云辯則曰訟離宮游魂卦)。窒(張栗反,徐得悉反又得失反馬作咥云讀為躓猶止也,鄭云咥覺悔貌)。惕(湯歷反,王注或在惕字上或在下皆通在中吉下者非)。中(如字馬丁仲反)。吉(有孚窒一句惕中吉一句)。渉難(乃旦反)。猶復(扶又反,下同)。不枉(紆往反)。而令(力呈反)。正夫(音符下注同)。斷不(丁亂反,下注並同)。契之(苦計反,下同)。其分(符問反)。相濫(力暫反)。爭何(爭之爭)。陰和(胡臥反)。而逋(補吳反,徐方吳反)。

「訟」には「才用反」と注する。反切注音で、「才」の声母と「用」の韻母・声調とを合わせて sòng と読み、争と訓し、争いごとを官府に訴えることを指す。鄭玄は争い弁めることを訟というと説く。この卦は離宮遊魂卦である。「窒」には「張栗反」と注し zhì と読む。徐邈は「得悉反」に読み、また「得失反」に読む。馬融の本では「咥」と作り、「躓」と読むべきで、すなわち止の意だと説く。鄭玄は驚き覚めて悔い悟る貌であると説く。「惕」には「湯歴反」と注し tì と読む。王弼の注文はある本では「惕」の字の上に置き、ある本ではその下に置き、いずれも通じるが、「中吉」の下に置くのは誤りである。「中」は如字である。馬融は「丁仲反」に読み、すなわち zhòng である。「吉」の字で句を切り、「有孚窒」を一句、「惕中吉」を一句とする。「渉難」の「難」は「乃旦反」で nàn と読む。「猶復」の「復」は「扶又反」で fù と読み、以下同じ。「不枉」の「枉」は「紆往反」で wǎng と読む。「而令」の「令」は「力呈反」で líng と読む。「正夫」の「夫」は「符」の音で fú と読み、以下の注の中も同じ。「断不」の「断」は「丁乱反」で duàn と読み、以下の注の中ですべて同じ。「契之」の「契」は「苦計反」で qì と読み、以下同じ。「其分」の「分」は「符問反」で fèn と読む。「相濫」の「濫」は「力暫反」で làn と読む。「争何」の「争」は「争闘」の「争」の読み。「陰和」の「和」は「胡臥反」で hè と読む。「而逋」の「逋」は「補呉反」で bū と読む。徐邈は「方呉反」に読む。

眚(生領反,子夏傳云妖祥曰眚馬云災也,鄭云過也)。下物(遐嫁反)。竄(七亂反,徐又七外反逃也)。掇(徐都活反文云拾取也,鄭本作惙陟劣反憂也)。忤也(五故反)。復即(音服後同者更不音)。渝(以朱反,變也,馬同鄭云然也)。不邪(似嗟反)。錫(星曆反,又星自反賜也)。鞶(歩乾反,馬云大也,徐云王肅作盤)。(音帶亦作帶)。終朝(馬云旦至食時為終朝)。三(息暫反,注同或如字)。褫(徐敕紙反又直是反,本又作音同王肅云解也,鄭本作拕徒可反)。

「眚」には「生領反」と注する。反切注音で shěng と読む。《子夏易伝》は妖祥を眚といい、馬融は災と訓し、鄭玄は過失と訓する。「下物」の「下」は「遐嫁反」で xià と読む。「竄」には「七乱反」と注し cuàn と読む。徐邈はまた「七外反」に読み、逃と訓する。「掇」の字は、徐邈は「都活反」に読み、すなわち duō である。《説文解字》は拾取と訓する。鄭玄の本では「惙」と作り、「陟劣反」に読み chuò、憂と訓する。「忤也」の「忤」は「五故反」で wù と読む。「復即」の「復」は「服」の音で fù と読み、後文でこれに同じものはもう注を出さない。「渝」には「以朱反」と注し yú と読み、変と訓する。馬融も同じで、鄭玄は「然」と訓する。「不邪」の「邪」は「似嗟反」で xié と読む。「錫」には「星歴反」と注し xī と読み、また「星自反」とも読み、賜と訓する。「鞶」には「歩干反」と注し pán と読む。馬融は大と訓する。徐邈は王粛の本では「盘」と作ると説く。次の条の頭字はすでに脱け、「音帯」と注し、字も「帯」と作り、dài と読む。「終朝」は、馬融は夜明けから朝餉の時までを終朝というと説く。「三」には「息暫反」と注し sàn と読み、注文も同じで、また如字に読んでもよい。「褫」の字は、徐邈は「勑紙反」に読み chǐ、また「直是反」に読む。ある本では別体と作り、読みは同じ。王粛は解と訓し、鄭玄の本では「拕」と作り、「徒可反」に読み tuǒ とする。

師(し)

師(云眾也,馬云二千五百人為師坎宮歸魂卦)。貞丈人(絶句丈人嚴莊之稱鄭云能以法度長於人)。之稱(尺證反)。以王(如字物歸往也,徐又往況反)。毒(徒篤反,役也,馬云治也)。畜眾(敕六反,聚也,王肅許六反養也)。否(音鄙惡也,注同馬鄭王肅方有反)。臧(作郎反,善也)。三錫(星曆反,徐音賜鄭本作賜)。天寵(如字鄭云光耀也,王肅作龍云寵也)。背髙(音佩)。有禽(徐本作擒)。長子(丁丈反,注及下同)。軍帥(色類反)。

「師」は、卦辞に衆と説く。馬融は二千五百人を一師というと説く。この卦は坎宮帰魂卦である。「貞丈人」はここで句を切る。「丈人」は厳正にして荘重な者の称で、鄭玄は法度をもって衆を統率できる人だと説く。「之称」の「称」は「尺証反」で反切注音、chèng と読む。「以王」の「王」は如字で、万物が帰往する義を取る。徐邈はまた「往況反」に読み、すなわち wàng である。「毒」には「徒篤反」と注し dú と読み、役使と訓する。馬融は治と訓する。「畜衆」の「畜」は「勑六反」で chù と読み、聚と訓する。王粛は「許六反」に読み xù、養と訓する。「否」は「鄙」の音で、悪と訓し、注文も同じ。馬融・鄭玄・王粛は「方有反」に読み、すなわち fǒu である。「臧」には「作郎反」と注し zāng と読み、善と訓する。「三錫」の「錫」は「星歴反」で xī と読む。徐邈は「賜」の音とし、鄭玄の本はそのまま「賜」と作る。「天寵」の「寵」は如字である。鄭玄は光耀と訓し、王粛の本では「龍」と作り、「龍」はすなわち寵であると説く。「背髙」の「背」は「佩」の音で bèi と読む。「有禽」の「禽」は、徐邈の本では「擒」と作る。「長子」の「長」は「丁丈反」で zhǎng と読み、注文および以下同じ。「軍帥」の「帥」は「色類反」で shuài と読む。

比(ひ)

比(毗志反,卦內並同云輔也,序卦云比比也,子夏傳云地得水而柔水得地而流故曰比徐又補履反坤宮歸魂卦)。凶邪(似嗟反)。求有(本亦作求得)。其炎(於廉反)。缶(方有反,瓦器也,鄭云汲器也,爾雅云盎謂之缶)。有它(敕多反,本亦作他)。匪人(非反,馬云匪非也,王肅本作匪人凶)。三驅(匡愚反,徐云鄭作驅馬云三驅者一曰乾豆二曰賓客三曰君庖)。狹矣(戶夾反)。則舎(音赦又音舍)。背己(音佩)。則射(食亦反)。惡而(烏路反)。舎逆(音舍)。

「比」には「毗志反」と注する。反切注音で、「毗」の声母と「志」の韻母・声調とを合わせて bì と読み、卦内ではすべてこの読みとし、卦辞は輔助と訓する。《序卦伝》は「比」はすなわち親比であると説く。《子夏易伝》は地は水を得て柔潤となり、水は地を得て流行するので「比」というと説く。徐邈はまた「補履反」に読む。この卦は坤宮帰魂卦である。「凶邪」の「邪」は「似嗟反」で xié と読む。「求有」の句は、ある本では「求得」と作る。「其炎」の「炎」は「于廉反」で yán と読む。「缶」には「方有反」と注し fǒu と読み、瓦器である。鄭玄は水を汲む器だと説く。《爾雅》は「盎」を缶というと説く。「有它」の「它」は「勑多反」で tā と読む。ある本では「他」と作る。「匪人」の「匪」には「非反」と注し、反切の上字が脱けている。馬融は「匪」はすなわち非であると説き、王粛の本では「匪人凶」と作る。「三駆」の「駆」は「匡愚反」で qū と読む。徐邈は鄭玄の本では「駆」と作ると説く。馬融は三駆の用途は、一は乾豆の祭、二は賓客の宴享、三は君の庖厨に充てることだと説く。「狭矣」の「狭」は「戸夾反」で xiá と読む。「則舎」の「舎」は「赦」の音、また「舍」の音である。「背己」の「背」は「佩」の音で bèi と読む。「則射」の「射」は「食亦反」で shè と読む。「悪而」の「悪」は「烏路反」で wù と読む。「舎逆」の「舎」は「舍」の音である。

小畜(しょうちく)

小畜(本又作蓄同敕六反積也,聚也,卦內皆同鄭許六反養也,巽宮一世卦)。施未(始豉反,注皆同)。陽上(時掌反)。蒸(職膺反)。車說(吐活反,下文並注並同文云解也)。輻也(音福)。雖復(扶又反,上九注同)。輿(音餘)。輻(音福,本亦作輹音服馬云車下縛也,鄭云伏菟)。陰長(丁丈反,下同)。血(如字馬云當作恤憂也)。去(起呂反,注同)。亦惡(烏路反,履卦同)。攣(力專反,馬云連也,徐又力轉反子夏傳作戀云思也)。幾(徐音祈又音機注同子夏傳作近)。唯泰也則然(一本作然則讀即以也,字絶句)。有難(乃旦反)。可盡(津忍反)。

「小畜」の「畜」は、ある本では「蓄」と作り、同じく「勑六反」と読む。反切注音で chù と読み、積・聚と訓し、卦内ではすべて同じ。鄭玄は「許六反」に読み xù、養と訓する。この卦は巽宮一世卦である。「施未」の「施」は「始豉反」で shì と読み、注文はすべて同じ。「陽上」の「上」は「時掌反」で shǎng と読む。「蒸」には「職膺反」と注し zhēng と読む。「車説」の「説」は「吐活反」で tuō と読み、すなわち「脱」に通じ、以下および注文もすべて同じで、《説文解字》は解と訓する。「輻也」の「輻」は「福」の音で fú と読む。「虽復」の「復」は「扶又反」で fù と読み、上九の注文も同じ。「輿」は「余」の音で yú と読む。「輻」は「福」の音である。ある本では「輹」と作り、「服」の音とし、馬融は車の下の縛木だと説き、鄭玄は伏兎だと説く。「陰長」の「長」は「丁丈反」で zhǎng と読み、以下同じ。「血」は如字である。馬融は「恤」と作るべきで、憂と訓する。「去」には「起呂反」と注し qù と読み、注文も同じ。「亦悪」の「悪」は「烏路反」で wù と読み、履卦も同じ。「攣」には「力専反」と注し luán と読む。馬融は連と訓し、徐邈はまた「力転反」に読む。《子夏易伝》は「恋」と作り、思と訓する。「幾」は、徐邈は「祈」の音、また「機」の音とし、注文も同じ。《子夏易伝》は「近」と作る。「唯泰也則然」の句は、別の本では「然則」と作り、読むときは「也」の字で句を切る。「有難」の「難」は「乃旦反」で nàn と読む。「可尽」の「尽」は「津忍反」で jǐn と読む。

履(り)

履(利恥反,禮也,艮宮五世卦)。咥(直結反,齧也,馬云齕)。而(音恱注及後同)。行夫(音符下同)。佞邪(似嗟反)。疚(久又反,馬云病也,陸本作疾)。坦坦(吐但反,文云安也,廣雅云平也,明也,蒼頡篇云著也)。不憙(虛備反,又音喜)。險厄(於革反,又作戹)。眇(妙小反,字書云盲也,文云小目)。跛(波我反,足跛也,依字作破)。不修(本又作循)。行未(下孟反)。愬愬(山革反,子夏傳云恐懼貌何休注公羊傳云驚愕也,馬本作虩虩音許逆反云恐懼也,文同廣雅云懼也)。逼近(附近之近)。夬(古快反)。考祥(本亦作詳)。

「履」には「利恥反」と注する。反切注音で lǚ と読み、礼と訓する。この卦は艮宮五世卦である。「咥」には「直結反」と注し dié と読み、啮と訓する。馬融は齧咬と訓する。次の条の頭字はすでに脱け、「音恱」と注し yuè と読み、注文および後文も同じ。「行夫」の「夫」は「符」の音で fú と読み、以下同じ。「佞邪」の「邪」は「似嗟反」で xié と読む。「疚」には「久又反」と注し jiù と読む。馬融は病と訓し、陸績の本では「疾」と作る。「坦坦」の「坦」は「吐但反」で tǎn と読む。《説文解字》は安と訓し、《広雅》は平・明と訓し、《蒼頡篇》は着と訓する。「不憙」の「憙」は「虚備反」で xì と読み、また「喜」の音である。「険厄」の「厄」は「于革反」で è と読み、また「戹」とも書く。「眇」には「妙小反」と注し miǎo と読む。字書は盲と訓し、《説文解字》は小目であると説く。「跛」には「波我反」と注し bǒ と読み、足の跛である。字形からは「破」と作るべきである。「不修」の「修」は、ある本では「循」と作る。「行未」の「行」は「下孟反」で xìng と読む。「愬愬」の「愬」は「山革反」で sù と読む。《子夏易伝》は恐懼の貌であると説き、何休は《公羊伝》の注で驚愕であると説く。馬融の本では「虩虩」と作り、「許逆反」の音で xì、恐懼であると説き、《説文解字》も同じで、《広雅》は懼と訓する。「逼近」の「近」は「附近」の「近」の読み。「夬」には「古快反」と注し guài と読む。「考祥」の「祥」は、ある本では「詳」と作る。

泰(たい)

周易上經泰傳第二泰(如字大通也,鄭云通也,馬云大也,坤宮三世卦)。道長(丁丈反)。財成(音才徐才載反荀作裁)。輔相(息亮反,注同)。以左(音佐注同)。右民(音佑注同左右助也)。拔(蒲八反)。茅(卯交反,鄭音苗)。茹(汝據反,牽引也,鄒湛同王肅音如)。彚(音胃類也,李於反傅氏注云彚古偉字美也,古文作董作夤出也,鄭云勤也)。包(本又作苞必交反下卦同音薄交反)。荒(本亦作㐬音同鄭注禮云穢也,文水廣也,又大也,鄭讀為康云虛也)。

この段は巻題「周易上経泰伝第二」から始まる。「泰」は如字に読み、大通と訓する。鄭玄は通と訓し、馬融は大と訓する。この卦は坤宮三世卦である。「道長」の「長」は「丁丈反」で反切注音、zhǎng と読む。「財成」の「財」は「才」の音である。徐邈は「才載反」に読み、すなわち zài。荀爽の本では「裁」と作る。「輔相」の「相」は「息亮反」で xiàng と読み、注文も同じ。「以左」の「左」は「佐」の音で zuǒ と読み、注文も同じ。「右民」の「右」は「佑」の音で yòu と読み、注文も同じ。「左」「右」はともに輔助の意である。「抜」には「蒲八反」と注し bá と読む。「茅」には「卯交反」と注し máo と読む。鄭玄は「苗」の音とする。「茹」には「汝拠反」と注し rù と読み、牽引と訓する。鄒湛は読み同じく、王粛は「如」の音とする。「彚」はすなわち「彙」で、「胃」の音、類と訓する。李軌は別に一読があるがその反切に脱文がある。傅氏の注は「彚」は古い「偉」の字で、美と訓すると説く。古文は別に他の形を作り、董遇は「夤」と作り、出と訓し、鄭玄は勤と訓する。「包」はある本では「苞」と作り、「必交反」で bāo と読み、下卦も同じで、また「薄交反」の音で páo である。「荒」はある本では「㐬」と作り、読みは同じ。鄭玄は《礼記》の注で穢と訓し、《説文解字》は水面が広大であると説き、また大と訓する。鄭玄はまた「康」に読み、虚と訓する。

用馮(音憑注同)。荒穢(於廢反)。不陂(彼偽反,徐甫反傾也,注同又破河反偏也)。象曰無平不陂(一本作無往不復)。篇篇(如字子夏傳作翩翩向本同云輕舉貌古文作偏偏)。以祉(音恥一音勑子反又音止)。女處(本亦作爻處)。盡夫(音符後皆放此以意求之)。隍(音皇城塹也,子夏作堭姚作皇)。所應(如字舊音應對之應)。上承(時掌反)。下施(始豉反)。否道(備鄙反)。

「用馮」の「馮」は「凭」の音で píng と読み、注文も同じ。「荒穢」の「穢」は「于廃反」で反切注音、huì と読む。「不陂」の「陂」には「彼偽反」と注し bì と読む。徐邈は別に一読があるが反切に脱文があり、傾側と訓し、注文も同じ。また「破河反」に読み pō、偏と訓する。「象曰:无平不陂」の句は、別の本では「无往不复」と作る。「篇篇」は如字に読む。《子夏易伝》は「翩翩」と作り、向秀の本も同じで、軽く挙がる貌であると説く。古文は「偏偏」と作る。「以祉」の「祉」は「恥」の音で chǐ と読み、一音「勑子反」、また「止」の音である。「女処」は、ある本では「爻処」と作る。「尽夫」の「夫」は「符」の音で fú と読み、後文はすべてこの例に倣い、文意に随って分別する。「隍」は「皇」の音で huáng と読み、城下の濠溝を指す。《子夏易伝》は「堭」と作り、姚信は「皇」と作る。「所応」は如字に読む。旧音は「応対」の「応」に読み、すなわち yìng である。「上承」の「上」は「時掌反」で shǎng と読む。「下施」の「施」は「始豉反」で shì と読む。「否道」の「否」は「備鄙反」で pǐ と読む。

否(ひ)

否(備鄙反,卦內同閉也,塞也,乾宮三世卦)。道長(丁丈反)。闢難(上音避下乃旦反)。入邪(似嗟反)。不諂(勑檢反)。否亨(許庚反)。疇(直留反,鄭作古字)。休否(虛虯反,美也,又許求反息也,注同)。

「否」には「備鄙反」と注する。反切注音で、「備」の声母と「鄙」の韻母・声調とを合わせて pǐ と読み、卦内ではすべてこの読みとし、閉・塞と訓する。この卦は乾宮三世卦である。「道長」の「長」は「丁丈反」で zhǎng と読む。「辟難」の二字は、上の字「辟」は「避」の音で bì、下の字「難」は「乃旦反」に読み nàn である。「入邪」の「邪」は「似嗟反」で xié と読む。「不諂」の「諂」は「勑検反」で chǎn と読む。「否亨」の「亨」は「許庚反」で hēng と読む。「疇」には「直留反」と注し chóu と読む。鄭玄の本では古い字を用いる。「休否」の「休」は「虚虯反」で xiū と読み、美と訓する。また「許求反」に読み、息と訓し、注文も同じ。

同人(どうじん)

同人(和同也,離宮歸魂卦)。以邪(似嗟反)。炎上(時掌反)。辯物(如字王肅免反)。繫吝(繫或作繫本作黨繫)。則否(方有反,又備鄙反)。褊(必淺反)。狹(戸夾反)。於莽(莫蕩反,王肅冥黨反鄭云叢木也)。物黨(物或作朋)。所比(毗志反)。所當(如字)。量斯(音良又音亮)。其墉(徐音容鄭作庸)。而效(下敎反)。不克則反反則得吉也(一本作反則得得則吉也)。號(戶羔反)。咷(道刀反,號咷啼呼也)。而逺(萬反)。內爭(爭之爭)。異災(一本作它災)。

「同人」は和同の義を取る。この卦は離宮帰魂卦である。「以邪」の「邪」は「似嗟反」で反切注音、xié と読む。「炎上」の「上」は「時掌反」で shǎng と読む。「辯物」の「辯」は如字である。王粛は別に一読があり、反切の上字はすでに脱け、字は biàn と読む。「系吝」の「系」は、ある本では別体に書き、本来は「党系」と作る。「則否」の「否」は「方有反」で fǒu と読み、また「備鄙反」に読み pǐ とする。「褊」には「必浅反」と注し biǎn と読む。「狭」には「戸夾反」と注し xiá と読む。「于莽」の「莽」は「莫蕩反」で mǎng と読む。王粛は「冥党反」に読む。鄭玄は叢生する樹木であると説く。「物党」の「物」は、ある本では「朋」と作る。「所比」の「比」は「毗志反」で bì と読む。「所当」は如字に読む。「量斯」の「量」は「良」の音、また「亮」の音である。「其墉」の「墉」は、徐邈は「容」の音で yōng と読む。鄭玄の本では「庸」と作る。「而效」の「效」は「下敎反」で xiào と読む。「不克則反、反則得吉也」の句は、別の本では「反則得、得則吉也」と作る。「号」には「戸羔反」と注し háo と読む。「咷」には「道刀反」と注し táo と読む。「号咷」とはすなわち啼いて哭き呼ぶことである。「而逺」の「逺」はすなわち「遠」で、「万反」と注し、反切の上字はすでに脱け、字は yuàn と読む。「内争」の「争」は「争闘」の「争」の読み。「異災」は別の本では「它災」と作る。

大有(だいゆう)

大有(包容豐富之象乾宮歸魂卦)。遏(於葛反,止也,徐又音謁)。休命(虛虯反,美也,徐又許求反)。大車(王肅剛除反蜀才作輿)。不泥(乃計反)。用亨(許庚反,通也,下同眾家並香兩反京云獻也,乾云享宴也,姚云享祀也)。其彭(歩郎反,子夏作旁乾云彭亨驕滿貌王肅云壯也,虞作尪姚云彭旁徐音同)。上近(如字亦附近之近)。下比(毗志反)。至知(音智)。可舎(音舍)。斯數(色助反)。晢(章舌反,王廙作晣同音徐李之世反又作哲字鄭本作遰云讀如明星晢晢陸本作逝虞作折)。何難(依象冝如字一音乃旦反)。易而(以豉反)。佑之(音又)。不累(劣偽反,下同)。盡夫(津忍反)。繫辭(音繫)。

「大有」は包容して豊かな象を取る。この卦は乾宮帰魂卦である。「遏」には「于葛反」と注する。反切注音で è と読み、止と訓する。徐邈はまた「謁」の音とする。「休命」の「休」は「虚虯反」で xiū と読み、美と訓する。徐邈はまた「許求反」に読む。「大車」の「車」は、王粛は「剛除反」に読み、すなわち jū。蜀才の本では「輿」と作る。「不泥」の「泥」は「乃計反」で nì と読む。「用亨」の「亨」は「許庚反」で hēng と読み、通と訓し、以下同じ。諸家はみな「香両反」に読み xiǎng、京房は献と訓し、干宝は享宴であると説き、姚信は享祀であると説く。「其彭」の「彭」は「歩郎反」で páng と読む。《子夏易伝》は「旁」と作る。干宝は「彭亨」は驕き満ち足りた貌であると説き、王粛は壮と訓し、虞翻の本では「尪」と作り、姚信は「彭」はすなわち「旁」であると説き、徐邈は読み同じである。「上近」の「近」は如字で、また「附近」の「近」に読んでもよい。「下比」の「比」は「毗志反」で bì と読む。「至知」の「知」は「智」の音で zhì と読む。「可舎」の「舎」は「舍」の音である。「斯数」の「数」は「色助反」で shù と読む。「晢」には「章舌反」と注し zhé と読む。王廙の本では「晣」と作り、読みは同じ。徐邈・李軌は「之世反」に読む。また「哲」とも書く。鄭玄の本では「遰」と作り、「明星晢晢」の「晢」のごとく読むと説く。陸績の本では「逝」と作り、虞翻は「折」と作る。「何難」の「難」は《象伝》の文意に依り如字に読むべきで、一音「乃旦反」すなわち nàn である。「易而」の「易」は「以豉反」で yì と読む。「佑之」の「佑」は「又」の音で yòu と読む。「不累」の「累」は「劣偽反」で lèi と読み、以下同じ。「尽夫」の「尽」は「津忍反」で jǐn と読む。「系辞」の「系」は「系」の音で xì と読む。

謙(けん)

謙(卑退為義屈己下物也,兊宮五世卦子夏作嗛云嗛謙也)。下濟(節細反)。而上(時掌反,下注上承上行同)。虧盈(馬木作毀盈)。而福(京本作而富)。惡盈(烏路反,卦末注同)。而好(呼報反)。裒(蒲侯反,鄭荀董蜀才作捊云取也,字書作掊廣雅云掊減)。稱物(尺證反)。平施(始豉反,注同)。大難(乃旦反)。自牧(牧養之牧徐音目一音茂)。名者聲名聞之謂也(一讀名者聲絶句聞音問)。匪解(佳賣反)。撝(毀皮反,指撝也,義與麾同書云右秉白旄以麾是也,馬云撝猶離也,鄭讀為宣)。下下(上遐嫁反下如字下句同)。用侵(王廙作寢)。徵國(本或作征邑國者非)。不與(音預)。為爭(爭之爭)。

「謙」は卑退を義とし、自らを屈し抑えて礼をもって他人に下ることをいう。この卦は兌宮五世卦である。《子夏易伝》は「嗛」と作り、「嗛」はすなわち謙であると説く。「下済」の「済」は「節細反」で反切注音、jì と読む。「而上」の「上」は「時掌反」で shǎng と読み、以下の注中の「上承」「上行」も同じ。「虧盈」は、馬融の本では「毁盈」と作る。「而福」は、京房の本では「而富」と作る。「悪盈」の「悪」は「烏路反」で wù と読み、卦末の注文も同じ。「而好」の「好」は「呼報反」で hào と読む。「裒」には「蒲侯反」と注し póu と読む。鄭玄・荀爽・董遇・蜀才の本では「捊」と作り、取と訓する。字書は「掊」と書き、《広雅》は「掊」は減損であると説く。「称物」の「称」は「尺証反」で chèng と読む。「平施」の「施」は「始豉反」で shì と読み、注文も同じ。「大難」の「難」は「乃旦反」で nàn と読む。「自牧」の「牧」は「牧養」の「牧」の読み。徐邈は「目」の音、一音「茂」である。「名者、声名声聞之謂也」の句は、別の読みでは「名者声」のところで句を切り、「聞」は「問」の音とする。「匪解」の「解」は「佳売反」で xiè と読み、すなわち懈怠の「懈」である。「撝」には「毁皮反」と注し huī と読み、指揮の義で「麾」と同じ。《尚書》に「右に白旄を秉りて以て麾く」とあるのがこの義である。馬融は「撝」はすなわち離をいうと説き、鄭玄は「宣」に読む。「下下」の二字は、上の字は「遐嫁反」に読み xià、下の字は如字で、下の句も同じ。「用侵」は、王廙の本では「寝」と作る。「征国」は、ある本では「征邑国」と作るが、それは誤りである。「不与」の「与」は「預」の音で yù と読む。「為争」の「争」は「争闘」の「争」の読み。

豫(よ)

豫(餘慮反,恱豫也,備豫也,馬云豫樂震宮一世卦)。不忒(他得反,鄭云差也,京作貸)。地奮(方問反)。殷(於勤反,馬云盛也,文云作樂之盛稱殷京作隱)。薦(將電反,本又作同,本或作獸名耳非)。介於(音界纎介古文作砎鄭古八反云謂磨砎也,馬作扴云觸小石聲)。苟(音恱)。盱(香於反,睢盱也,向云睢盱小人喜恱之貌王肅云盱大也,鄭云誇也,文云張目也,字林火反又火於反子夏作紆京作汙姚作旴云日始出引詩旴日始旦)。

「豫」には「余慮反」と注する。反切注音で、「余」の声母と「慮」の韻母・声調とを合わせて yù と読み、悦豫と訓し、また預備と訓する。馬融は「豫」は安楽であると説く。この卦は震宮一世卦である。「不忒」の「忒」は「他得反」で tè と読む。鄭玄は差失と訓し、京房の本では「貸」と作る。「地奮」の「奮」は「方問反」で fèn と読む。「殷」には「于勤反」と注し yīn と読む。馬融は盛と訓し、《説文解字》は楽を奏することの盛んなことを「殷」というと説き、京房の本では「隠」と作る。「薦」には「将電反」と注し jiàn と読む。ある本では別体と作り、読みは同じ。ある本ではこれを獣の名と解するが、それは誤りである。「介于」の「介」は「界」の音で、繊細の介を指す。古文は「砎」と作り、鄭玄は「古八反」に読み、磨砎であると説く。馬融の本では「扴」と作り、小石に触れる音であると説く。「苟」には「音恱」と注し yuè と読む。「盱」には「香于反」と注し xū と読み、すなわち「睢盱」である。向秀は「睢盱」は小人が喜び楽しむ貌であると説き、王粛は「盱」を大と訓し、鄭玄は夸と訓し、《説文解字》は目を張ることであると説く。《字林》の二読は反切の上字がいずれも「火」に従い、一読はまた「火于反」と作る。《子夏易伝》は「紆」と作り、京房は「污」と作り、姚信は「旴」と作り、太陽が初めて出ることであると説き、並びに《詩経》の「旴日始旦」を引いて証とする。

睢(香維反,文云仰目也,字林火佳反)。由豫(由從也,鄭云用也,馬作猶云猶豫疑也)。盍(胡臘反,合也)。簪(徐側林反子夏傳同疾也,鄭云速也,埤蒼同王肅又祖感反古文作貸京作撍馬作臧荀作宗虞作戠戠叢合也,蜀才本依京義從鄭)。冥(覓經反,馬云冥昧耽於樂也,王廙云深也,又亡定反鄭讀為鳴)。有渝(羊朱反)。盡(津忍反)。樂(音洛)。

「睢」には「香維反」と注する。反切注音で suī と読む。《説文解字》は仰ぐ目であると説き、《字林》は「火佳反」に読む。「由豫」の「由」は従と訓する。鄭玄は用と訓する。馬融の本では「猶」と作り、「猶豫」は迟疑して決しないことであると説く。「盍」には「胡腊反」と注し hé と読み、合と訓する。「簪」の字は、徐邈は「側林反」に読み、すなわち zān、《子夏易伝》も同じで、疾と訓する。鄭玄は速と訓し、《埤蒼》も同じ。王粛はまた「祖感反」に読む。古文は「貸」と作り、京房は「撍」と作り、馬融は「臧」と作り、荀爽は「宗」と作り、虞翻は「戠」と作り、「戠」は聚合であると説く。蜀才の本は京房に依り、釈義は鄭玄に従う。「冥」には「覓経反」と注し míng と読む。馬融は昏昧にして逸楽に耽ることであると説き、王廙は深と訓する。また「亡定反」に読み mìng、鄭玄は「鳴」に読む。「有渝」の「渝」は「羊朱反」で yú と読む。「尽」には「津忍反」と注し jǐn と読む。「楽」は「洛」の音で lè と読む。

随(ずい)

隨(從也,震宮歸魂卦)。而下(遐嫁反,注下柔同)。而(音恱注下皆同)。大亨貞(本又作大亨利貞)。而天下隨時(王肅本作隨之)。隨時之義(王肅本作隨之時義)。而令(力呈反)。否之(備鄙反)。以向(本又作向許亮反王肅本作郷音同)。入宴(徐烏練反王肅烏顯反)。官有(蜀才作館有)。故舎(音舍下文同)。以擅(市戰反)。盡隨(津忍反,盡卷末同)。位正中也(一本作中正)。拘(句於反)。用亨(許庚反,通也,陸許兩反云祭也)。之濵(音賓)。

「随」は従と訓する。この卦は震宮帰魂卦である。「而下」の「下」は「遐嫁反」で反切注音、xià と読み、注文の「下柔」も同じ。次の条の頭字はすでに脱け、「音恱」と注し yuè と読み、注文および以下すべて同じ。「大亨貞」の句は、ある本では「大亨利貞」と作る。「而天下随時」は、王粛の本では「随之」と作る。「随時之義」は、王粛の本では「随之时義」と作る。「而令」の「令」は「力呈反」で líng と読む。「否之」の「否」は「備鄙反」で pǐ と読む。「以向」の「向」は、ある本では別体と作り、「許亮反」に読み xiàng。王粛の本では「郷」と作り、読みは同じ。「入宴」の「宴」は、徐邈は「烏練反」に読み yàn、王粛は「烏顕反」に読む。「官有」は、蜀才の本では「館有」と作る。「故舎」の「舎」は「舍」の音で、以下同じ。「以擅」の「擅」は「市戦反」で shàn と読む。「尽随」の「尽」は「津忍反」で jǐn と読み、巻末までの「尽」の字はすべて同じ。「位正中也」は別の本では「中正」と作る。「拘」には「句于反」と注し jū と読む。「用亨」の「亨」は「許庚反」で hēng と読み、通と訓する。陸績は「許両反」に読み xiǎng、祭祀であると説く。「之濵」の「濵」は「賓」の音で bīn と読む。

蠱(こ)

蠱(音古事也,惑也,亂也,左傳云於文皿蟲為蠱又云女惑男風落山謂之蠱徐又姬祖反一音故巽宮歸魂卦)。先甲(息薦反,並注同)。後甲(胡豆反,並注同)。以斷(丁亂反)。施令(力政反,下同)。競爭(爭之爭)。治也(直吏反,注同)。隨(音恱)。創制(初亮反,此俗字也,依字作剏)。復始(扶又反)。以振(舊之愼反濟也,師讀音眞振振仁厚也)。育德(王肅作毓古育字)。有子考無咎(絶句周依馬王肅以考絶句)。當事(丁堂反)。盡承(津忍反,下皆同)。裕父(羊樹反,馬云寛也)。不累(劣偽反)。

「蠱」は「古」の音で gǔ と読み、事と訓し、また惑・乱と訓する。《左伝》は字形に就いていえば皿の中に虫あるを蠱とし、また女子が男子を惑わし、風が山木を吹き落とすを蠱というと説く。徐邈はまた「姫祖反」に読み、一音「故」である。この卦は巽宮帰魂卦である。「先甲」の「先」は「息薦反」で反切注音、xiàn と読み、注文を連ねて同じ。「后甲」の「后」は「胡豆反」で hòu と読み、注文を連ねて同じ。「以断」の「断」は「丁乱反」で duàn と読む。「施令」の「令」は「力政反」で lìng と読み、以下同じ。「競争」の「争」は「争闘」の「争」の読み。「治也」の「治」は「直吏反」で zhì と読み、注文も同じ。「随」には「音恱」と注し yuè と読む。「創制」の「創」は「初亮反」で chuàng と読む。「創」は俗字で、字形に依れば「剏」と作るべきである。「復始」の「復」は「扶又反」で fù と読む。「以振」の「振」は、旧読「之愼反」すなわち zhèn で、救済と訓する。師読は「眞」の音すなわち zhēn で、「振振」は仁厚の貌である。「育徳」の「育」は、王粛の本では「毓」と作り、古い「育」の字である。「有子考无咎」の句はここで句を切る。周弘正は馬融・王粛に依り、「考」の字で句を切る。「当事」の「当」は「丁堂反」で dāng と読む。「尽承」の「尽」は「津忍反」で jǐn と読み、以下すべて同じ。「裕父」の「裕」は「羊樹反」で yù と読む。馬融は寛と訓する。「不累」の「累」は「劣偽反」で lèi と読む。

臨(りん)

臨(如字序卦云大也,坤宮二世卦)。剛浸(子鴆反)。而長(丁丈反,除六三注末及象咎不長皆同一音此治良反)。而(音恱下同)。敎思(息吏反,注同)。無疆(居良反,注同)。剛勝(升證反,下同)。佞邪(似嗟反,下同)。媚(密備反)。位當也(本或作當位實非也)。知臨(音智注同又如字)。

「臨」は如字に読む。《序卦伝》は大と訓する。この卦は坤宮二世卦である。「剛浸」の「浸」は「子鴆反」で反切注音、jìn と読む。「而長」の「長」は「丁丈反」で zhǎng と読む。六三の注末および《象伝》の「咎不長」を除いてはすべてこの読みで、別の一音は「治良反」に読み cháng である。次の条の頭字はすでに脱け、「音恱」と注し yuè と読み、以下同じ。「敎思」の「思」は「息吏反」で sì と読む。「无疆」の「疆」は「居良反」で jiāng と読み、注文も同じ。「剛勝」の「勝」は「升証反」で shèng と読み、以下同じ。「佞邪」の「邪」は「似嗟反」で xié と読み、以下同じ。「媚」には「密備反」と注し mèi と読む。「位当也」は、ある本では「当位」と作るが、それは誤りである。「知臨」の「知」は「智」の音で zhì と読み、注文も同じで、如字に読んでもよい。

観(かん)

觀(官喚反,示也,乾宮四世卦)。盥(音管)。而不薦(王又作同箋練反王肅本作而觀薦)。顒(魚恭反)。足復(扶又反)。旣灌(官喚反)。不忒(吐得反)。神道設敎(一本作以神道設敎)。省方(悉井反)。童觀(馬云童猶獨也,鄭云稚也)。最逺(萬反)。朝美(直遙反)。所鑑(古暫反,下同)。趣(促裕反)。窺(苦規反,本亦作窺)。者狹(戶夾反)。象曰窺觀女貞(一本有利字)。

「観」には「官喚反」と注する。反切注音で、「官」の声母と「喚」の韻母・声調とを合わせて guàn と読み、示と訓する。この卦は乾宮四世卦である。「盥」は「管」の音で guàn と読む。「而不薦」の「薦」は、王弼の本ではまた別体と作り、「牋練反」に読み jiàn。王粛の本では「而観薦」と作る。「顒」には「魚恭反」と注し yóng と読む。「足復」の「復」は「扶又反」で fù と読む。「旣灌」の「灌」は「官喚反」で guàn と読む。「不忒」の「忒」は「吐得反」で tè と読む。「神道設敎」は、別の本では「以神道設敎」と作る。「省方」の「省」は「悉井反」で xǐng と読む。「童観」の「童」は、馬融はなお独の意だと説き、鄭玄は幼稚と訓する。「最逺」の「逺」はすなわち「遠」で、「万反」と注し、反切の上字はすでに脱け、字は yuàn と読む。「朝美」の「朝」は「直遥反」で cháo と読む。「所鑑」の「鑑」は「古暫反」で jiàn と読み、以下同じ。「趣」には「促裕反」と注し qù と読む。「窺」には「苦規反」と注し kuī と読み、ある本では別体と作る。「者狭」の「狭」は「戸夾反」で xiá と読む。「象曰:窺観、女貞」の句は、別の本には「利」の字がある。

不比(毗志反)。觀國之光(如字或音官喚反)。最近(附近之近)。居近(如字)。德見(賢遍反)。平易(以豉反)。盡夫觀盛故觀至大觀在上(王肅音官)。以觀天下(徐唯此一字作官音)。觀盥而不薦觀之為道而以觀感風行地上觀處於觀時君子處大觀之時處大觀之時大觀廣鑑(亦音官)。居觀之時為觀之主觀之盛也(從盡夫觀以下並官喚反餘不出者並音官)。

「不比」の「比」は「毗志反」で反切注音、bì と読む。「観国之光」の「観」は如字に読み、あるいは「官喚反」の音すなわち guàn とする。「最近」の「近」は「附近」の「近」の読み。「居近」の「近」は如字である。「徳見」の「見」は「賢遍反」で xiàn と読む。「平易」の「易」は「以豉反」で yì と読む。以下に王弼注文中の「観」の字の読みを辨す。「尽夫観盛」「故観至大」「観在上」の諸句は、王粛は平声「官」に読み、すなわち guān である。「以観天下」の句は、徐邈はこの一か所だけを平声 guān と読む。「観盥而不薦」「観之為道」「而以観感」「風行地上観」「処于観時」「君子処大観之時」「処大観之時」「大観広鑑」の諸句も、平声 guān と読む。「居観之時」「為観之主」「観之盛也」の諸句も同じ例である。要するに、「尽夫観」の条以下に挙げた各所は、陸氏本人はすべて「官喚反」すなわち去声 guàn と読み、列挙されなかったその余の「観」の字はすべて平声 guān と読む。

噬嗑(ぜいこう)

周易上經噬嗑傳第三噬(市制反,齧也)。嗑(胡臘反,合也,巽宮五世卦)。齧(研節反)。有閒(如字下同又音間廁之閒)。與過(一本作有過)。頤(以之反)。不合(本又作而合)。不溷(胡困反,濁也,雜也,亂也,韋昭云汙辱也)。上行(時掌反,注同)。勑法(恥力反,此俗字也,字林作勅鄭云勑猶理也,一云整也)。屨(紀具反)。校(爻敎反,注及下同馬音敎)。滅止(本亦作趾趾足也)。桎(章實反)。足懲(直冰反)。木絞(交卯反)。械(口戒反)。

この段は巻題「周易上経噬嗑伝第三」から始まる。「噬」には「市制反」と注する。反切注音で shì と読み、齧咬と訓する。「嗑」には「胡腊反」と注し hé と読み、合と訓する。この卦は巽宮五世卦である。「齧」には「研節反」と注し niè と読む。「有閑」の「閑」は如字で、以下同じ。また「間廁」の「閑」に読み、すなわち jiàn である。「与過」は別の本では「有過」と作る。「頤」には「以之反」と注し yí と読む。「不合」は、ある本では「而合」と作る。「不溷」の「溷」は「胡困反」で hùn と読み、濁・雑・乱と訓する。韋昭は汚辱であると説く。「上行」の「上」は「時掌反」で shǎng と読み、注文も同じ。「勑法」の「勑」は「耻力反」で chì と読む。「勑」は俗字で、《字林》は「勅」と作る。鄭玄は「勑」はなお理の意だと説き、一説は整飭である。「屨」には「紀具反」と注し jù と読む。「校」には「爻敎反」と注し jiào と読み、注文および以下同じ。馬融は「敎」の音とする。「滅止」の「止」は、ある本では「趾」と作り、「趾」はすなわち足である。「桎」には「章実反」と注し zhì と読む。「足懲」の「懲」は「直氷反」で chéng と読む。「木絞」の「絞」は「交卯反」で jiǎo と読む。「械」には「口戒反」と注し xiè と読む。

不行也(或本作止不行也)。噬膚(方於反,馬云柔脃肥美曰膚)。未盡(津忍反,下同)。其分(扶問反)。脃(七歳反)。臘肉(音昔馬云晞於陽而煬於火曰臘肉鄭注周禮小物全乾曰臘)。乾(音乾)。胏(緇美反,馬云有骨謂之肺鄭云簀也,字林云含食所遺也,一曰脯也,子夏作脯徐音甫荀董同)。未光大也(本亦無大字)。何校(何可反,又音何,本亦作荷音同下同王肅云荷擔)。聦不明也(馬云耳無所聞鄭云目不明耳不聦王肅云言其聦之不明)。可解(佳買反)。

「不行也」の句は、ある本では「止不行也」と作る。「噬膚」の「膚」は「方于反」で反切注音、fū と読む。馬融は柔らかく脆く肥えた肉を膚というと説く。「未尽」の「尽」は「津忍反」で jǐn と読み、以下同じ。「其分」の「分」は「扶問反」で fèn と読む。「脃」には「七歳反」と注し cuì と読み、すなわち「脆」である。「腊肉」の「腊」は「昔」の音で xī と読む。馬融は陽光に晒しまた火に焙るを腊肉というと説き、鄭玄の《周礼》注は小物を整只のまま干すを腊というと説く。「干」は「干」の音で gān と読む。「胏」には「緇美反」と注し zǐ と読む。馬融は骨つきのものを胏というと説き、鄭玄は竹席であると説き、《字林》は口中に遺した食物であると説き、一説は干肉である。《子夏易伝》は「脯」と作り、徐邈は「甫」の音、荀爽・董遇も同じ。「未光大也」の句は、ある本には「大」の字がない。「何校」の「何」は「何可反」で hè と読み、また「何」の音である。ある本では「荷」と作り、読みは同じで、以下同じ。王粛は荷担する負荷であると説く。「聦不明也」の句は、馬融は耳に聞こえるものがないことだと説き、鄭玄は目が明らかでなく耳が聡くないことだと説き、王粛はその聞き見が明らかでないと言うのだと説く。「可解」の「解」は「佳買反」で jiě と読む。

賁(ひ)

賁(彼偽反,徐甫反李府瓫反傅氏云賁古字文章貌鄭云變也,文飾之貌王肅符文反云有文飾黃白色艮宮一世卦)。剛上(時掌反,注剛上皆同)。解天(音蟹下同)。以明(蜀才本作命)。折(之舌反,注同鄭云斷也,斷音丁亂反)。其趾(一本作止鄭云趾足)。舎(音舍下及注同)。車(音居鄭張本作輿從漢時始有居音)。安夫(音符)。其須(如字字從彡水邊作非)。而比(毗志反,下同)。上附(時掌反)。循(似遵反)。

「賁」には「彼偽反」と注する。反切注音で bì と読む。徐邈は別に一読があり、反切に脱文がある。李軌は「府瓫反」に読む。傅氏は「賁」は古字で、文采の貌であると説く。鄭玄は変と訓し、文飾の貌であると説く。王粛は「符文反」に読み fén、文飾があり色が黄白を呈すると説く。この卦は艮宮一世卦である。「剛上」の「上」は「時掌反」で shǎng と読み、注文中の「剛上」はすべて同じ。「解天」の「解」は「蟹」の音で xiè と読み、以下同じ。「以明」は、蜀才の本では「命」と作る。「折」には「之舌反」と注し zhé と読み、注文も同じ。鄭玄は断と訓し、「断」は「丁乱反」の音すなわち duàn である。「其趾」は別の本では「止」と作る。鄭玄は「趾」はすなわち足であると説く。「舎」は「舍」の音で、以下および注文も同じ。「車」は「居」の音で jū と読む。鄭玄・張氏の本では「輿」と作る。「車」を「居」の音に読むのは漢代になって初めてある。「安夫」の「夫」は「符」の音で fú と読む。「其須」は如字に読む。この字は「彡」に従い、「水」旁に書くのは誤りである。「而比」の「比」は「毗志反」で bì と読み、以下同じ。「上附」の「上」は「時掌反」で shǎng と読む。「循」には「似遵反」と注し xún と読む。

濡(如㬰反)。皤(白波反,文云老人貌董音盤云馬作足橫行曰皤鄭陸作燔音煩荀作波)。翰(尸旦反,董黃雲馬舉頭髙卬也,馬荀云髙也,鄭云白也,亦作寒案反)。媾(古豆反)。而閡(五戴反)。寇難(乃旦反,下同)。賁于丘園(黃本賁作丗)。束帛(子夏傳云五匹為束三二纁象隂陽)。戔戔(在千反,馬云委積貌薛虞云禮之多也,又音箋黃雲猥積貌一云顯見貌子夏傳作殘殘)。有喜(如字徐許意反無妄大畜卦放此)。

「濡」には「如㬰反」と注する。反切注音で rú と読む。「皤」には「白波反」と注し pó と読む。《説文解字》は老人の貌であると説く。董遇は「盘」の音とし、馬の足が横行することを皤というと説く。鄭玄・陸績の本では「燔」と作り、「煩」の音。荀爽は「波」と作る。「翰」には「尸旦反」と注し hàn と読む。董遇・黄穎は馬が首を昂く挙げることだと説き、馬融・荀爽は高と訓し、鄭玄は白と訓する。「寒案反」に読むのもある。「媾」には「古豆反」と注し gòu と読む。「而閡」の「閡」は「五戴反」で ài と読む。「寇難」の「難」は「乃旦反」で nàn と読み、以下同じ。「賁于丘園」は、黄穎の本では「賁」を「丗」と作る。「束帛」は、《子夏易伝》は五匹を一束とし、そのうち三匹に玄を用い、二匹に纁を用いて、陰陽を象ると説く。「戔戔」には「在千反」と注し jiān と読む。馬融は委積の貌であると説き、薛虞は礼数の多さであると説く。また「牋」の音である。黄穎は猥積の貌であると説き、一説は顕見の貌である。《子夏易伝》は「残残」と作る。「有喜」の「喜」は如字である。徐邈は「許意反」に読み xì。无妄・大畜の二卦はこの例に倣う。

剥(はく)

剝(邦角反,云剝剝也,馬云落也,文云裂也,乾宮五世卦)。人長(丁丈反,下注皆同)。激(經歷反)。拂(附弗反)。觸忤(五故反)。以殞(于敏反)。失處(昌呂反,又昌預反)。蔑(莫結反,猶削也,楚俗有削蔑之言馬云無也,鄭云輕慢荀作滅)。猶削(相略反,或作消此從荀本也,下皆然)。辨(徐音辦具之辦足上也,馬鄭同黃雲床簀也,薛虞膝下也,鄭符勉反王肅否勉反)。

「剥」には「邦角反」と注する。反切注音で、「邦」の声母と「角」の韻母・声調とを合わせて bō と読む。卦辞は「剥」はすなわち剥落であると説き、馬融は落と訓し、《説文解字》は裂と訓する。この卦は乾宮五世卦である。「人長」の「長」は「丁丈反」で zhǎng と読み、以下の注中すべて同じ。「激」には「経歴反」と注し jī と読む。「拂」には「附弗反」と注し fú と読む。「触忤」の「忤」は「五故反」で wù と読む。「以殞」の「殞」は「于敏反」で yǔn と読む。「失処」の「処」は「昌呂反」で chǔ と読み、また「昌預反」に読み chù とする。「蔑」には「莫結反」と注し miè と読み、なお削の意である。楚地方言に「削蔑」の説がある。馬融は无と訓し、鄭玄は軽慢と訓し、荀爽の本では「滅」と作る。「猶削」の「削」は「相略反」で xuē と読む。ある本では「消」と作り、ここでは荀爽の本に依り、以下すべて同じ。「辨」の字は、徐邈は「办具」の「办」に読み、足の上部であると説き、馬融・鄭玄も同じ。黄穎は床席であると説き、薛虞は膝の下部であると説く。鄭玄は「符勉反」に読み、王粛は「否勉反」に読む。

道浸(子鴆反,下同)。稍近(附近之近)。六三剝無咎(一本作剝之無咎非)。以膚(方於反,京作簠謂祭器)。切近(如字徐巨靳反鄭云切急也)。貫魚(古亂反,徐音官穿也)。駢頭(薄田反)。得輿(音餘京作德輿董作德車)。廬(力居反)。覆䕃(於鴆反)。所芘(本又作庇必利反又悲備反)。

「道浸」の「浸」は「子鴆反」で反切注音、jìn と読み、以下同じ。「稍近」の「近」は「附近」の「近」の読み。「六三剥无咎」の句は、別の本では「剥之无咎」と作るが、それは誤りである。「以膚」の「膚」は「方于反」で fū と読む。京房の本では「簠」と作り、祭器であると説く。「切近」は如字に読む。徐邈は「巨靳反」に読む。鄭玄は「切」は急迫であると説く。「貫魚」の「貫」は「古乱反」で guàn と読む。徐邈は「官」の音とし、穿と訓する。「駢頭」の「駢」は「薄田反」で pián と読む。「得輿」の「輿」は「余」の音で yú と読む。京房の本では「徳輿」と作り、董遇は「徳車」と作る。「廬」には「力居反」と注し lú と読む。「覆䕃」の「䕃」は「于鴆反」で yìn と読む。「所芘」の「芘」は、ある本では「庇」と作り、「必利反」に読み bì、また「悲備反」に読む。

復(ふく)

復(音服,反也,還也,坤宮一世卦)。朋來(如字京作萠)。反覆(芳福反,劉本同,本又作覆並注反覆皆同)。剛反(絶句)。剛長(丁丈反,下文注皆同)。心見(賢遍反)。具存(本亦作其存)。商旅(鄭云資貨而行曰商旅客也)。無祗(音支辭也,馬同音之是反韓伯祁支反云大也,鄭云病也,王肅作禔時支反陸云禔安也,九家本作㩼字音支)。幾悔(音機下同又音祈)。患難(乃旦反)。逺矣(萬反)。錯之(七故反)。

「復」は「服」の音で fù と読み、反と訓し、また還と訓する。この卦は坤宮一世卦である。「朋来」の「朋」は如字である。京房の本では「萠」と作る。「反復」の「復」は「芳福反」で反切注音、fù と読み、劉瓛の本も同じ。また、ある本では「覆」と作り、注文中の「反復」に連ねてすべて同じ。「剛反」はここで句を切る。「剛長」の「長」は「丁丈反」で zhǎng と読み、以下および注中すべて同じ。「心見」の「見」は「賢遍反」で xiàn と読む。「具存」は、ある本では「其存」と作る。「商旅」は、鄭玄は貨物を携えて行商する者を商といい、旅は行旅の客であると説く。「无祗」の「祗」は「支」の音で、語助詞である。馬融も同じで、「之是反」の音とする。韓康伯は「祁支反」に読み、大と訓する。鄭玄は病と訓する。王粛の本では「禔」と作り、「時支反」に読む。陸績は「禔」は安であると説く。九家本は「㩼」の字と作り、「支」の音である。「幾悔」の「幾」は「機」の音で、以下同じ、また「祈」の音である。「患難」の「難」は「乃旦反」で nàn と読む。「逺矣」の「逺」はすなわち「遠」で、「万反」と注し、反切の上字はすでに脱け、字は yuàn と読む。「錯之」の「錯」は「七故反」で cuò と読む。

休復(虛虯反)。最比(毗志反)。仁行(下孟反)。下仁(遐嫁反)。以下仁也(如字王肅云下附於仁徐戸嫁反)。頻復(如字,本又作嚬嚬眉也,鄭作顰音同馬云憂頻也)。頻戚(乾寂反,下同憂也,又子六反)。自考也(鄭云考成也,向云察也)。有災(本又作災鄭作烖案文烖正字也,災或字也,災籕文也)。眚(生領反,下卦同子夏傳云傷害曰災妖祥曰眚鄭云異自內生曰眚自外曰祥害物曰災)。量斯(音良)。雖復(扶又反)。

「休復」の「休」は「虚虯反」で反切注音、xiū と読む。「最比」の「比」は「毗志反」で bì と読む。「仁行」の「行」は「下孟反」で xìng と読む。「下仁」の「下」は「遐嫁反」で xià と読む。「以下仁也」の「下」は如字に読む。王粛は自らを屈し下げて仁に附くことだと説く。徐邈は「戸嫁反」に読み xià とする。「頻復」の「頻」は如字である。ある本では「嚬」と作り、眉を顰める義である。鄭玄は「顰」と作り、読みは同じ。馬融は憂愁して頻蹙することであると説く。「頻戚」の「戚」は「干寂反」で jì と読み、以下同じで、憂と訓する。また「子六反」に読み cù とする。「自考也」は、鄭玄は「考」を成と訓し、向秀は察と訓する。「有災」の「災」は、ある本では別体に書き、鄭玄は「烖」と作る。《説文解字》に按ずるに、「烖」は正字、「災」は或体、「灾」は籀文である。「眚」には「生領反」と注し shěng と読み、下卦も同じ。《子夏易伝》は傷害するを災といい、妖祥を眚というと説く。鄭玄は怪異が内より生ずるを眞といい、外より来るを祥といい、万物を損害するを災というと説く。「量斯」の「量」は「良」の音である。「虽復」の「復」は「扶又反」で fù と読む。

无妄(むもう)

無妄(亡亮反,無妄無虛妄也,文云妄亂也,馬鄭王肅皆云妄猶望謂無所希望也,巽宮四世卦)。柔邪(似嗟反)。不佑(音又鄭云助也,本又作佑馬作右謂天不右行)。茂對時(茂盛也,馬云茂勉也,對配也)。下賤(遐嫁反)。不耕穫(黃郭反,或依注作不耕而獲非下句亦然)。不葘(側其反,馬云田一歳也,董云反草也)。畬(音餘馬曰田三歳也,董云悉耨曰畬文云二歳治田也,字林弋恕反)。不擅(市戰反)。行違(下孟反,下之行同)。稼(音嫁)。穡(音色)。為獲(如字或作獲非)。比(毗志反)。近(附近之近)。可試(試驗一云用也)。

「无妄」の「妄」は「亡亮反」で反切注音、「亡」の声母と「亮」の韻母・声調とを合わせて wàng と読む。《无妄》は卦名で、虚妄なきを謂う。《説文解字》は「妄」を乱と訓する。馬融・鄭玄・王粛はみな「妄」はなお「望」の意で、心に望むところなきを謂うと説く。この卦は巽宮四世卦である。「柔邪」の「邪」は「似嗟反」で xié と読む。「不佑」の「佑」は「又」の音で yòu と読む。鄭玄は助と訓する。ある本では「佑」と作り、馬融は「右」と作り、上天がその行を佑助しないと説く。「茂対時」は、「茂」は盛で、馬融は「茂」を勉と訓し、「対」は配である。「下賤」の「下」は「遐嫁反」で xià と読む。「不耕不耕獲」の「獲」は「黄郭反」で huò と読む。ある人が注文に依って「不耕而獲」と改めたのは誤りで、次の句も同じ。「不葘」の「葘」は「側其反」で zī と読む。馬融は耕して一年の田だと説き、董遇は草根を翻掘することだと説く。「畬」は「余」の音である。馬融は耕して三年の田だと説き、董遇は鋤治が周遍するを畬というと説き、《説文解字》は治田二年だと説き、《字林》は「弋恕反」に読む。「不擅」の「擅」は「市戦反」で shàn と読む。「行違」の「行」は「下孟反」で xìng と読む。「稼」は「嫁」の音で jià と読む。「穡」は「色」の音で sè と読む。「為獲」は如字である。ある本では別体と作るが、それは誤りである。「比」には「毗志反」と注し bì と読む。「近」は「附近」の「近」の読み。「可試」の「試」は試験で、一説は用と訓する。

大畜(だいちく)

大畜(本又作蓄勑六反義與小畜同艮宮二世卦)。大畜剛健(絶句)。篤實輝(音輝)。光(絶句)。日新其德(鄭以日新絶句其德連下句)。厭而(於豔反)。夫能(音符發句皆然下非夫同)。令賢(力呈反,下同)。險難(乃旦反,下遇難同)。多識(如字又音試劉作志)。往行(下孟反)。利巳(夷止反,下及注巳則能己同或音紀姚同)。輿(音餘下同,本或作轝音同)。(吐活反,注及下同馬云解也)。輹(音服又音福蜀才本同或作輻一云車旁作複音服車下縛也,作畐者音福老子所云三十輻共一轂是也,釋名云輹似人屐又曰伏菟在軸上似之又曰輹伏於軸上)。馮河(皮冰反)。

「大畜」の「畜」は、ある本では「蓄」と作り、「勑六反」で反切注音、chù と読み、義は小畜卦と同じ。この卦は艮宮二世卦である。「大畜剛健」はここで句を切る。「篤実輝」の「輝」は「輝」の音で huī と読む。「光」の字はここで句を切る。「日新其徳」の句は、鄭玄は「日新」のところで句を切り、「其徳」を下句に連ねて読む。「厭而」の「厭」は「于艶反」で yàn と読む。「夫能」の「夫」は「符」の音で fú と読み、およそ句首発語の「夫」はみなこのようであり、以下「非夫」の「夫」も同じ。「令賢」の「令」は「力呈反」で líng と読み、以下同じ。「険難」の「難」は「乃旦反」で nàn と読み、以下「遇難」も同じ。「多識」は如字である。また「試」の音である。劉瓛の本では「志」と作る。「往行」の「行」は「下孟反」で xìng と読む。「利巳」の「巳」は「夷止反」で yǐ と読み、以下および注中の「巳則能己」も同じ。「紀」の音のものもあり、姚信も同じ。「輿」は「余」の音で yú と読み、以下同じ。ある本では「轝」と作り、読みは同じ。次の条の頭字はすでに脱け、「吐活反」と注し tuō と読み、注文および以下同じ。馬融は解と訓する。「輹」は「服」の音、また「福」の音で、蜀才の本も同じ。ある本では「輻」と作る。一説は、車旁に「复」に従うは「服」と読み、車下の縛木であるとし、「畐」に従うは「福」と読み、《老子》のいう「三十輻共一轂」の輻である。《釈名》は「輹」は人が穿く木屐に似ると説き、また伏兎が車軸の上にあってそれに似ると説き、また「輹」は軸上に伏する部件であると説く。「馮河」の「馮」は「皮氷反」で píng と読む。

良馬逐(如字鄭本作逐逐云兩馬走也,姚云逐逐疾並驅之貌一音胄)。曰(音越劉云曰猶言也,鄭人實反云日習車徒)。閒(如字閡也,馬鄭云習)。險阨(於革反,本亦作厄)。童牛(無角牛也,廣蒼作犝劉云童妾也)。牿(古毒反,劉云牿之言角也,陸云牿當作角九家作告文同云牛觸角著橫木所以告人)。抑銳(於力反,下同,本又作挫災臥反)。強(其良反)。爭(爭之爭)。豶(符云反,劉云豕去勢曰豶)。之牙(徐五加反鄭讀為互)。剛暴(一本作剛突)。禁暴(音金)。何天(音河梁武帝音賀)。衢(其俱反,馬云四達謂之衢)。亨(許庚反)。

「良馬逐」の「逐」は如字である。鄭玄の本では「逐逐」と作り、両馬が並び馳せることだと説く。姚信は「逐逐」は急速に並び駆ける貌であると説く。一音「胄」である。「曰」は「越」の音である。劉瓛は「曰」はなお「言」の意だと説く。鄭玄は「人実反」に読み rì、毎日車徒を操練することだと説く。「閑」は如字で、阻隔と訓する。馬融・鄭玄は習と訓する。「険阨」の「阨」は「于革反」で反切注音、è と読む。ある本では「厄」と作る。「童牛」は角なき牛を指す。《広蒼》は「犝」と作る。劉瓛は「童」は童僕であると説く。「牿」には「古毒反」と注し gù と読む。劉瓛は「牿」はすなわち角であると説き、陸績は「牿」は「角」と作るべきだと説き、九家本は「告」と作り、《説文解字》も同じで、牛が角をもって抵触するゆえに、横木を加えて人に告げ戒めると説く。「抑鋭」の「抑」は「于力反」で yì と読み、以下同じ。ある本では「挫」と作り、「災臥反」に読み zuò とする。「強」には「其良反」と注し qiáng と読む。「争」は「争闘」の「争」の読み。「豮」には「符雲反」と注し fén と読む。劉瓛は猪を去勢するを豮というと説く。「之牙」の「牙」は、徐邈は「五加反」に読み yá。鄭玄は「互」に読む。「剛暴」は別の本では「剛突」と作る。「禁暴」の「禁」は「金」の音で jīn と読む。「何天」の「何」は「河」の音で hé と読む。梁武帝は「賀」の音、すなわち hè とする。「衢」には「其俱反」と注し qú と読む。馬融は四方八方に達する道を衢というと説く。「亨」には「許庚反」と注し hēng と読む。

頤(い)

頤(以之反,養也,此文字也,巽宮游魂卦)。舎爾(音舍注同)。朶(多果反,動也,鄭同京作椯)。嚼(詳略反)。令物(力呈反)。離其(力智反)。而窺(苦規反)。顚頤(丁田反)。拂(符弗反,違也,薛同注下皆同一音敷弗反子夏傳作弗云輔弼也)。此行(下孟反,下立行同)。悖也(布內反,逆也)。虎視(徐市土反又常止反)。眈眈(丁南反,威而不猛也,馬云虎下視貌一音大南反)。逐逐(如字敦實也,薛云速也,子夏傳作攸攸志林云攸當為逐蘇林音迪荀作悠悠劉作跾云逺也,文跾音式六反)。施賢(始豉反,下文同又如字)。而比(毗志反)。得頤(一本作得順)。難未(乃旦反)。厲吉(厲嚴厲也,馬王肅云危)。

「頤」には「以之反」と注する。反切注音で yí と読み、養と訓する。この字形は《説文解字》に見える。この卦は巽宮遊魂卦である。「舎尓」の「舎」は「舍」の音で、注文も同じ。「朶」には「多果反」と注し duǒ と読み、動と訓する。鄭玄も同じで、京房の本では「椯」と作る。「嚼」には「詳略反」と注し jué と読む。「令物」の「令」は「力呈反」で líng と読む。「離其」の「離」は「力智反」で lì と読む。「而窺」の「窺」は「苦規反」で kuī と読む。「顚頤」の「顚」は「丁田反」で diān と読む。「拂」には「符弗反」と注し fú と読み、違背と訓し、薛虞も同じで、注文および以下すべて同じ。一音「敷弗反」である。《子夏易伝》は「弗」と作り、輔弼であると説く。「此行」の「行」は「下孟反」で xìng と読み、以下「立行」も同じ。「悖也」の「悖」は「布内反」で bèi と読み、逆と訓する。「虎視」の「視」は、徐邈は「市土反」に読み、また「常止反」に読む。「耽耽」には「丁南反」と注し dān と読み、威ありて猛からざるを謂う。馬融は虎が俯視する貌であると説く。一音「大南反」である。「逐逐」は如字で、敦厚篤実と訓する。薛虞は速と訓する。《子夏易伝》は「攸攸」と作り、《志林》は「攸」は「逐」と作るべきだと説き、蘇林は「迪」の音とする。荀爽は「悠悠」と作る。劉瓛は「跾」と作り、遠と訓し、《説文解字》の「跾」は「式六反」の音である。「施賢」の「施」は「始豉反」で shì と読み、以下同じで、如字に読んでもよい。「而比」の「比」は「毗志反」で bì と読む。「得頤」は別の本では「得順」と作る。「難未」の「難」は「乃旦反」で nàn と読む。「厲吉」の「厲」は厳厲である。馬融・王粛は危と訓する。

大過(たいか)

大過(徐古臥反罪過也,超過也,王肅音戈震宮游魂卦)。相過之過(並古臥反)。棟(徐丁貢反)。橈(乃敎反,曲折也,下同)。拯(拯救之拯)。弱(本亦作溺並依字讀下救其弱拯弱皆同)。而(音恱注同)。救難難乃(並乃旦反上六注同)。遯(本又作遁同徒遜反)。藉(在夜反,下同馬云在下曰藉)。唯愼(辰震反)。枯楊(如字鄭音姑謂無姑山榆榆羊朱反)。

「大過」の「過」は、徐邈は「古臥反」に読み guò、罪過と訓し、また超過と訓する。王粛は「戈」の音とする。この卦は震宮遊魂卦である。「相過之過」の二つの「過」の字はみな「古臥反」に読む。「棟」の字は、徐邈は「丁貢反」に読み dòng。「橈」には「乃敎反」と注し、反切注音で náo と読み、曲折と訓し、以下同じ。「拯」は「拯救」の「拯」の読み、すなわち zhěng である。「弱」はある本では「溺」と作り、いずれも本字の読みに依る。以下「救其弱」「拯弱」はすべて同じ。次の条の頭字はすでに脱け、「音恱」と注し yuè と読み、注文も同じ。「救難」「難乃」の「難」はみな「乃旦反」に読み nàn、上六の注文も同じ。「遯」はある本では「遁」と作り、いずれも「徒遜反」に読み dùn である。「藉」には「在夜反」と注し jiè と読み、以下同じ。馬融は下に敷くを藉というと説く。「唯愼」の「愼」は「辰震反」で shèn と読む。「枯楊」の「楊」は如字である。鄭玄は「姑」の音とし、「无姑」すなわち山榆であると説き、「榆」は「羊朱反」に読む。

稊(徒稽反,楊之秀也,鄭作荑荑木更生音夷謂山榆之實)。老夫(如字下同)。特吝(特或作持)。能令(力主反)。得少(詩照反,下同)。則稺(直吏反)。者長(丁丈反)。淹溺(乃歷反)。生華(如字徐音花)。無譽(音預又音餘)。滅頂(徐都冷反)。習(便習也,重也,劉云水流行不休故曰習)。

「稊」には「徒稽反」と注し、反切注音で tí と読み、楊柳が抽き出す新条を指す。鄭玄は「荑」と作り、「荑」は草木の再生であると説き、「夷」の音で、山榆の果実を指す。「老夫」は如字で、以下同じ。「特吝」の「特」は、ある本では「持」と作る。「能令」の「令」は「力主反」と注するが、この反切の下字は誤りかと疑われる。「得少」の「少」は「詩照反」で shào と読み、以下同じ。「則稺」の「稺」はすなわち「稚」で、「直吏反」で zhì と読む。「者長」の「長」は「丁丈反」で zhǎng と読む。「淹溺」の「溺」は「乃歴反」で nì と読む。「生華」は如字である。徐邈は「花」の音とする。「无誉」の「誉」は「預」の音、また「余」の音である。「滅頂」の「頂」は、徐邈は「都冷反」に読み dǐng。「習」は熟習の義で、また重畳と訓する。劉瓛は水が流行して止まらないゆえに「習」というと説く。

坎(かん)

坎(徐苦感反,本亦作埳京劉作欿險也,陷也,八純卦象水)。險陷(陷沒之陷)。謂便(婢面反,下同)。重險(直龍反,注下並同)。陗(七妙反)。洊(在薦反,徐在悶反舊又才本反爾雅云再也,劉云仍也,京作臻乾作薦)。德行(下孟反,注同)。險難(乃旦反,下險難同)。則夫(音符)。窞(徒坎反,文云坎中更有坎王肅又作徒感反云窞坎底也,字林云坎中小坎一曰旁入)。處欿(亦作坎字)。而復(扶又反,下雖復同)。險且(如字古文及鄭向本作檢鄭云木在手曰檢)。枕(徐針鴆反王肅針甚反鄭云木在首曰枕陸云閑礙險害之貌九家作玷古文作沈沈直林反)。

「坎」の字は、徐邈は「苦感反」に読み、反切注音で kǎn とする。ある本では「埳」と作り、京房・劉瓛は「欿」と作る。険と訓し、また陥と訓する。この卦は八純卦で、水に象を取る。「険陥」の「陥」は「陥没」の「陥」の読み。「謂便」の「便」は「婢面反」で biàn と読み、以下同じ。「重険」の「重」は「直竜反」で chóng と読み、注文および以下すべて同じ。「陗」には「七妙反」と注し qiào と読む。「洊」には「在薦反」と注し jiàn と読む。徐邈は「在悶反」に読み、旧はまた「才本反」に読む。《爾雅》は再と訓し、劉瓛は仍と訓する。京房の本では「臻」と作り、干宝は「薦」と作る。「徳行」の「行」は「下孟反」で xìng と読み、注文も同じ。「険難」の「難」は「乃旦反」で nàn と読み、以下「険難」も同じ。「則夫」の「夫」は「符」の音で fú と読む。「窞」には「徒坎反」と注し dàn と読む。《説文解字》は坎の中にまた坎あることだと説く。王粛はまた「徒感反」に読み、「窞」は坎の底であると説く。《字林》は坎の中の小坎であると説き、一説は旁より陥入することである。「処欿」の「欿」も「坎」の字に書く。「而復」の「復」は「扶又反」で fù と読み、以下「虽復」も同じ。「険且」は如字である。古文および鄭玄・向秀の本では「檢」と作り、鄭玄は木械を手に加えるを檢というと説く。「枕」の字は、徐邈は「針鴆反」に読み zhèn、王粛は「針甚反」に読む。鄭玄は木械を頭に加えるを枕というと説く。陸績は険害を阻碍する貌であると説く。九家本は「玷」と作り、古文は「沈」と作り、「沈」は「直林反」に読む。

出則之坎(一本作出則亦坎誤)。樽酒(音尊絶句)。簋貳(音絶句)。用缶(方有反,絶句舊讀樽酒簋絶句貳用缶一句)。自牖(音酉陸作誘)。承比(毗志反,下同)。之食(音嗣飯也)。象曰樽酒簋(一本更有貳字)。祇(音支又祁支反鄭云當為坻小丘也,京作禔文同音支又上支反安也)。盡平(津忍反)。徽(許韋反)。纆(音墨劉云三股曰徽兩股曰纆皆索名)。寘(之豉反,置也,注同劉作示言眾議於九之下也,子夏傳作湜姚作寔寔置也,張作置)。叢(才公反)。法峻(荀潤反)。

「出則之坎」の句は、別の本では「出則亦坎」と作るが、それは誤りである。「樽酒」の「樽」は「尊」の音で zūn と読み、ここで句を切る。「簋貳」の「簋」は、その注音の字がすでに脱けており、ここで句を切る。「用缶」の「缶」は「方有反」で反切注音、fǒu と読み、ここで句を切る。旧読では「樽酒簋」のところで句を切り、「貳用缶」を一句とする。「自牖」の「牖」は「酉」の音で yǒu と読む。陸績の本では「誘」と作る。「承比」の「比」は「毗志反」で bì と読み、以下同じ。「之食」の「食」は「嗣」の音で sì と読み、飯と訓する。「象曰:樽酒簋」の句は、別の本には「貳」の字もある。「祇」は「支」の音、また「祁支反」に読む。鄭玄は「坻」と作るべきで、小丘であると説く。京房の本では「禔」と作り、《説文解字》も同じで、「支」の音、また「上支反」に読み、安と訓する。「尽平」の「尽」は「津忍反」で jǐn と読む。「徽」には「許韋反」と注し huī と読む。「纆」は「墨」の音で mò と読む。劉瓛は三股で成すを徽といい、両股で成すを纆といい、いずれも繩索の名であると説く。「寘」には「之豉反」と注し zhì と読み、置と訓し、注文も同じ。劉瓛の本では「示」と作り、衆人の議を九棘の下に陳べることだと説く。《子夏易伝》は「湜」と作り、姚信は「寔」と作り、「寔」はすなわち置であると説き、張氏は「置」と作る。「叢」には「才公反」と注し cóng と読む。「法峻」の「峻」は「荀潤反」で jùn と読む。

離(り)

離(列池反,麗也,麗著也,八純卦象日象火)。畜(許六反,注同)。牝(頻忍反,徐又扶死反)。外強(其良反)。猶著(直畧反,卦內同)。草木麗(如字文作䕻)。乎土(王肅本作地)。重明(直龍反)。明兩作(鄭云作起也,荀云用也)。明照相繼(一本無明照二字)。履錯(鄭徐七各反馬七路反)。警(京領反)。闢其(音避象同)。日(王嗣宗本作仄音同)。鼓(鄭本作擊)。大耊(田節反,馬云七十曰耊王肅又他結反云八十曰耊京作絰蜀才作咥)。之嗟(如字王肅又遭哥反荀作差下嗟若亦爾)。

「離」には「列池反」と注する。反切注音で lí と読み、麗と訓し、「麗」はすなわち附着である。この卦は八純卦で、日に象を取り、火に象を取る。「畜」には「許六反」と注し xù と読み、注文も同じ。「牝」には「頻忍反」と注し pìn と読む。徐邈はまた「扶死反」に読む。「外強」の「強」は「其良反」で qiáng と読む。「猶着」の「着」は「直畧反」で zhuó と読み、卦内は同じ。「草木麗」は如字である。《説文解字》は「䕻」と作る。「乎土」は、王粛の本では「地」と作る。「重明」の「重」は「直竜反」で chóng と読む。「明両作」の「作」は、鄭玄は起と訓し、荀爽は用と訓する。「明照相継」の句は、別の本には「明照」の二字がない。「履履錯」の「錯」は、鄭玄・徐邈は「七各反」に読み cuò、馬融は「七路反」に読む。「警」には「京領反」と注し jǐng と読む。「辟其」の「辟」は「避」の音で bì と読み、《象伝》も同じ。「日」の条は、王嗣宗の本では「仄」と作り、読みは同じ。「鼓」の字は、鄭玄の本では「撃」と作る。「大耊」の「耊」は「田節反」で dié と読む。馬融は七十歳を耊というと説き、王粛はまた「他結反」に読み、八十歳を耊というと説く。京房の本では「絰」と作り、蜀才は「咥」と作る。「之嗟」の「嗟」は如字である。王粛はまた「遭哥反」に読む。荀爽は「差」と作る。以下「嗟若」の「嗟」も同じ。

凶(古文及鄭無凶字)。突(徒忽反,王肅唐屑反舊又湯骨反字林同云暫出)。逼近(附近之近)。出(如字徐尺遂反王嗣宗勑類反)。涕(徐他米反又音弟)。沱(徒河反,荀作池,一本作沲)。若(古文若皆如此)。戚(乾寂反,子夏傳作嘁嘁子六反諮慚也)。不勝(音升)。逆首(本又作逆道兩得)。離王公也(音麗鄭作麗王肅云麗王者之後為公梁武力智反王嗣宗同)。折首(徐之舌反注同)。以去(羗呂反)。王用出征以正邦也(王肅本此下更有獲匪其醜大有功也)。

「凶」の字は、古文本および鄭玄本にはない。「突」には「徒忽反」と注し、反切注音で tū と読む。王粛は「唐屑反」に読み、旧はまた「湯骨反」に読み、《字林》も同じで、暫く出ることだと説く。「逼近」の「近」は「附近」の「近」の読み。「出」は如字である。徐邈は「尺遂反」に読み、王嗣宗は「勑類反」に読む。「涕」の字は、徐邈は「他米反」に読み tì、また「弟」の音である。「沱」には「徒河反」と注し tuó と読む。荀爽は「池」と作り、別の本では「沲」と作る。「若」の字は、古文中の「若」はみなこの形体と作る。「戚」には「干寂反」と注する。《子夏易伝》は「嘁嘁」と作り、「子六反」に読み、咨嗟して慚愧すると訓する。「不勝」の「勝」は「升」の音で shēng と読む。「逆首」は、ある本では「逆道」と作り、両説とも通じる。「離王公也」の「離」は「麗」の音である。鄭玄は「麗」と作る。王粛は王者の後に依附して公と為ることだと説く。梁武帝は「力智反」に読み lì、王嗣宗も同じ。「折首」の「折」は、徐邈は「之舌反」に読み zhé、注文も同じ。「以去」の「去」は「羗呂反」で qù と読む。「王用出征、以正邦也」の句は、王粛の本ではこの下にさらに「獲匪其丑、大有功也」がある。

咸(かん)

周易下經咸傳第四咸(如字云感也,兊宮三世卦)。取(七具反,本亦作娶音同)。相與(如字鄭云與猶親也)。而(音恱)。男下(遐嫁反,下注必下同)。見於(賢遍反)。各亢(口浪反,本或作有)。拇(後反,馬鄭薛云足大指也,子夏作荀作母云陰位之尊)。腓(房非反,鄭云膞腸也,膞音市臠反王廙云腓腓腸也,荀作肥云謂五也,尊盛故稱肥)。離拇(力智反)。動躁(早報反)。

この段は巻題「周易下経咸伝第四」から始まる。「咸」は如字で、卦辞は感と訓する。この卦は兌宮三世卦である。「取」には「七具反」と注し、反切注音で qǔ と読む。ある本では「娶」と作り、読みは同じ。「相与」は如字である。鄭玄は「与」はなお親の意だと説く。次の条の頭字はすでに脱け、「音恱」と注し yuè と読む。「男下」の「下」は「遐嫁反」で xià と読み、以下の注中の「必下」も同じ。「見于」の「見」は「賢遍反」で xiàn と読む。「各亢」の「亢」は「口浪反」で kàng と読む。ある本では「有」と作る。「拇」は反切の上字がすでに脱け、「后反」だけが残る。馬融・鄭玄・薛虞は足の大指であると説く。《子夏易伝》は別体と作り、荀爽は「母」と作り、陰位の尊であると説く。「腓」には「房非反」と注し féi と読む。鄭玄は小腿肚であると説き、「膞」は「市臠反」の音である。王廙は「腓」はすなわち腓腸であると説く。荀爽は「肥」と作り、九五を指し、尊盛なるがゆえに肥と称すると説く。「離拇」の「離」は「力智反」で lì と読む。「動躁」の「躁」は「早報反」で zào と読む。

股(音古)。憧憧(昌容反,馬雲行貌王肅云往來不絶貌廣雅云往來也,劉云意未定也,徐又音童又音鍾京作字林云遲也,丈冢反)。脢(武杯反,又音每心之上口之下也,鄭云背脊肉也,文同王肅又音廣雅云胂謂之脢胂音以人反)。輔(如字馬云上頷也,虞作䩉云耳目之間)。頰(兼葉反,孟作俠)。滕(徒登反,達也,九家作乗虞作媵鄭云送也)。口(如字注同徐音脫又始銳反)。

「股」は「古」の音で gǔ と読む。「憧憧」には「昌容反」と注し、反切注音で chōng と読む。馬融は行く貌であると説き、王粛は往来絶えざる貌であると説き、《広雅》は往来と訓し、劉瓛は心意の未定なることだと説く。徐邈はまた「童」の音、また「鍾」の音とする。京房の本では別体と作り、《字林》は遅と訓し、「丈冢反」に読む。「脢」には「武杯反」と注し méi と読み、また「每」の音で、心の上・口の下の部位を指す。鄭玄は背脊の肉であると説き、《説文解字》も同じ。王粛は別に一音があるがその字は脱けている。《広雅》は「胂」を脢というと説き、「胂」は「以人反」に読む。「輔」は如字である。馬融は上頷であると説き、虞翻は「䩉」と作り、耳目の間であると説く。「頬」には「兼葉反」と注し jiá と読む。孟喜の本では「侠」と作る。「滕」には「徒登反」と注し téng と読み、達と訓する。九家本は「乗」と作り、虞翻は「媵」と作り、鄭玄は送と訓する。「口」は如字で、注文も同じ。徐邈は「脱」の音とし、また「始鋭反」に読む。

恒(こう)

恆(如字久也,震宮三世卦)。長陽長陰(並丁丈反大象注同)。媲(普計反,配也)。復始(扶又反)。見於(賢遍反)。浚(荀潤反,深也,鄭作浚)。令物(力呈反)。餘縕(紆粉反,廣雅云積也)。或承(或有也,一云常也,鄭本作咸承)。德行(下孟反)。詰(去吉反)。而分(扶運反)。振恆(之刃反,馬云動也,鄭云搖落也,張作震)。

「恒」は如字で、久と訓する。この卦は震宮三世卦である。「長陽」「長陰」の「長」はともに「丁丈反」に読み、反切注音で zhǎng とし、大象の注文も同じ。「媲」には「普計反」と注し pì と読み、配と訓する。「復始」の「復」は「扶又反」で fù と読む。「見于」の「見」は「賢遍反」で xiàn と読む。「浚」には「荀潤反」と注し jùn と読み、深と訓する。鄭玄の本では「浚」と作る。「令物」の「令」は「力呈反」で líng と読む。「余縕」の「縕」は「紆粉反」で yùn と読む。《広雅》は積と訓する。「或承」の「或」は有と訓し、一説は常と訓する。鄭玄の本では「咸承」と作る。「徳行」の「行」は「下孟反」で xìng と読む。「詰」には「去吉反」と注し jié と読む。「而分」の「分」は「扶運反」で fèn と読む。「振恒」の「振」は「之刃反」で zhèn と読む。馬融は動と訓し、鄭玄は揺落であると説き、張氏の本では「震」と作る。

遯(とん)

遯(徒巽反,字又作又作遁同隱退也,匿跡避時奉身退隱之謂也,鄭云逃去之名序卦云遯者退也,乾宮二世卦)。夫靜(音扶)。非否(備鄙反,下同)。亢(苦浪反)。浸(子鴆反,注同)。而長(丁丈反,卦內同或如字)。以逺(萬反,注並同)。闢內(音避)。難可(乃旦反)。何災(音河褚河可反今不用)。勝(升證反,又音升注同)。(王肅如字解也,師同徐吐活反又始銳反)。

「遯」には「徒巽反」と注する。反切注音で dùn と読む。この字はまた別体に書き、また「遁」と作り、いずれも同音で、隠退と訓し、行迹を匿し、時勢を避け、己が身を奉じて退き隠れることを指す。鄭玄は逃げ去る名目であると説く。《序卦伝》は「遯」はすなわち退であると説く。この卦は乾宮二世卦である。「夫静」の「夫」は「扶」の音で fú と読む。「非否」の「否」は「備鄙反」で pǐ と読み、以下同じ。「亢」には「苦浪反」と注し kàng と読む。「浸」には「子鴆反」と注し jìn と読み、注文も同じ。「而長」の「長」は「丁丈反」で zhǎng と読み、卦内は同じで、如字に読むのもある。「以逺」の「逺」はすなわち「遠」で、「万反」と注し、反切の上字はすでに脱け、字は yuàn と読み、注文はすべて同じ。「辟内」の「辟」は「避」の音で bì と読む。「難可」の「難」は「乃旦反」で nàn と読む。「何災」の「何」は「河」の音である。褚氏は「河可反」に読むが、ここでは採らない。「勝」には「升証反」と注し shèng と読み、また「升」の音で、注文も同じ。次の条の頭字はすでに脱け、王粛は如字に読み、解と訓する。師説も同じ。徐邈は「吐活反」に読み tuō、また「始鋭反」に読む。

遯巳(音以或音紀)。係遯(古詣文,本或作繫)。近二(附近之近)。憊(蒲拜反,鄭云困也,廣雅云極也,王肅作斃荀作備)。好遯(呼報反,注下同)。小人否(音鄙注下同惡也,徐方有反鄭王肅備鄙反云塞也)。能舎(音舍)。肥遯(如字子夏傳云肥饒裕)。能累(劣偽反)。繒(則能反)。繳(章畧反)。

「遯巳」の「巳」は「以」の音、あるいは「紀」の音である。「系遯」の「系」は「古詣」と注するが、反切の下字が残損して誤っている。ある本では「系」の別の字形と作る。「近二」の「近」は「附近」の「近」の読み。「憊」には「蒲拝反」と注し、反切注音で bèi と読む。鄭玄は困と訓し、《広雅》は極と訓する。王粛の本では「斃」と作り、荀爽は「備」と作る。「好遯」の「好」は「呼報反」で hào と読み、注文および以下同じ。「小人否」の「否」は「鄙」の音で pǐ と読み、注文および以下同じで、悪と訓する。徐邈は「方有反」に読み fǒu。鄭玄・王粛は「備鄙反」に読み、塞と訓する。「能舎」の「舎」は「舍」の音である。「肥遯」は如字である。《子夏易伝》は「肥」は豊饒寛裕であると説く。「能累」の「累」は「劣偽反」で lèi と読む。「繒」には「則能反」と注し zēng と読む。「繳」には「章畧反」と注し zhuó と読む。

大壮(たいそう)

大壯(莊亮反,威盛強猛之名鄭雲氣力浸強之名王肅云壯盛也,廣雅云健也,馬云傷也,郭璞云今淮南人呼壯為傷坤宮四世卦)。而愼禮也(愼或作順義亦通)。用罔(罔羅也,馬王肅云無)。羝羊(音低張云羖羊也,廣雅云吳羊曰羝)。觸(徐處六反)。藩(方反,徐甫言反下同馬云籬落也)。羸(律悲反,又力追反下同馬云大索也,徐力皮反王肅作縲音螺鄭虞作累蜀才作累張作虆)。

「大壮」の「壮」は「庄亮反」で反切注音、「庄」の声母と「亮」の韻母・声調とを合わせて zhuàng と読み、威盛強猛の名目である。鄭玄は気力が漸く強まる名目であると説き、王粛は「壮」はすなわち盛であると説き、《広雅》は健と訓する。馬融は傷と訓し、郭璞はいま淮南人は「壮」を「傷」というと説く。この卦は坤宮四世卦である。「而愼礼也」の「愼」は、ある本では「順」と作り、義においても通じる。「用罔」の「罔」は網羅である。馬融・王粛は无と訓する。「羝羊」の「羝」は「低」の音で dī と読む。張氏は黒色の雄羊であると説き、《広雅》は呉地の羊を羝というと説く。「触」の字は、徐邈は「処六反」に読み chù。「藩」は反切の下字がすでに脱け、「方」の字だけが上字として残る。徐邈は「甫言反」に読み fān、以下同じ。馬融は「藩」は籬落であると説く。「羸」には「律悲反」と注し léi と読み、また「力追反」に読み、以下同じ。馬融は大繩索であると説く。徐邈は「力皮反」に読む。王粛の本では「縲」と作り、「螺」の音。鄭玄・虞翻は「累」と作り、蜀才は「累」と作り、張氏は「虆」と作る。

雖復(扶又反)。藩決(音穴注下同)。大輿(音餘)。之輹(音福,本又作輻)。行不(下孟反)。能(吐活反)。喪羊(息浪反,注下同)。於易(以豉反,注下同鄭音亦謂狡易也,陸作埸謂壃埸也)。險難(如字亦乃旦反)。則難(乃旦反)。剛長(丁丈反,下剛長同)。猶與(音預,一本作預)。其分(扶問反)。不詳(詳審也,鄭王肅作祥善也)。

「虽復」の「復」は「扶又反」で反切注音、fù と読む。「藩决」の「决」は「穴」の音で xué と読み、注文および以下同じ。「大輿」の「輿」は「余」の音で yú と読む。「之輹」の「輹」は「福」の音で fù と読む。ある本では「輻」と作る。「行不」の「行」は「下孟反」で xìng と読む。次の条の頭字はすでに脱け、「吐活反」と注し tuō と読む。「喪羊」の「喪」は「息浪反」で sàng と読み、注文および以下同じ。「于易」の「易」は「以豉反」で yì と読み、注文および以下同じ。鄭玄は「亦」の音とし、狡獪軽易であると説く。陸績の本では「埸」と作り、疆埸であると説く。「険難」の「難」は如字で、「乃旦反」に読んでもよい。「則難」の「難」は「乃旦反」で nàn と読む。「剛長」の「長」は「丁丈反」で zhǎng と読み、以下「剛長」も同じ。「猶与」の「与」は「預」の音で yù と読む。別の本ではそのまま「預」と作る。「其分」の「分」は「扶問反」で fèn と読む。「不詳」の「詳」は審慎である。鄭玄・王粛の本では「祥」と作り、善と訓する。

晋(しん)

晉(云進也,孟作齊齊子西反義同乾宮游魂卦)。康(美之名也,馬云安也,鄭云尊也,廣也,陸云安也,樂也)。蕃(音煩多也,鄭發反)。庶(如字眾也,鄭止奢反謂蕃遮禽也)。晝日(竹又反)。三(徐息慚反下及注同)。接(如字鄭音捷勝也)。上行(時掌反,凡上行並同)。以著(直畧反,下著明同)。三褫(勑紙反,又直紙反)。

「晋」は、卦辞は進と訓する。孟喜の本では「斉」と作り、「斉」は「子西反」に読み、義は「晋」と同じ。この卦は乾宮遊魂卦である。「康」は美好の名目である。馬融は安と訓し、鄭玄は尊・広と訓し、陸績は安・楽と訓する。「蕃」は「煩」の音で fán と読み、多と訓する。鄭玄は別に一読があり、その反切の上字はすでに脱け、下字は「發」と作る。「庶」は如字で、衆と訓する。鄭玄は「止奢反」に読み、禽獣を遮蔽することだと説く。「昼日」の「昼」は「竹又反」で反切注音、zhòu と読む。「三」の字は、徐邈は「息慙反」に読み sān、以下および注中同じ。「接」は如字である。鄭玄は「捷」の音とし、勝と訓する。「上行」の「上」は「時掌反」で shǎng と読み、およそ「上行」はすべて同じ。「以着」の「着」は「直畧反」で zhuó と読み、以下「着明」も同じ。「三褫」の「褫」は「勑紙反」で chǐ と読み、また「直紙反」に読む。

摧如(罪雷反,退也,鄭讀如南山崔崔之崔)。未著(張慮反)。自喪(息浪反)。愁(狀由反,鄭子小反云變色貌)。介(音戒大也,馬同)。聞乎(聞亦作文又作交義並通)。和之(胡臥反)。鼫(音石子夏傳作碩鼠鼫鼠五技鼠也,本草螻蛄一名鼫鼠)。失得(如字孟馬鄭虞至肅本作矢馬王云離為矢虞云矢古誓字)。失夫(音符)。

「摧如」の「摧」は「罪雷反」で反切注音、cuī と読み、退と訓する。鄭玄は《詩経》の「南山崔崔」の「崔」のごとく読む。「未着」の「着」は「張慮反」で zhù と読む。「自喪」の「喪」は「息浪反」で sàng と読む。「愁」には「状由反」と注し chóu と読む。鄭玄は「子小反」に読み、変色の貌であると説く。「介」は「戒」の音で jiè と読み、大と訓する。馬融も同じ。「聞乎」の「聞」も「文」と書き、また「交」と作り、義においていずれも通じる。「和之」の「和」は「胡臥反」で hè と読む。「鼫」は「石」の音で shí と読む。《子夏易伝》は「碩鼠」と作る。「鼫鼠」とは五種の技能ある鼠である。《本草》は螻蛄はまた鼫鼠と名づくと説く。「失得」は如字である。孟喜・馬融・鄭玄・虞翻・王粛の本では「矢」と作り、馬融・王粛は離卦は矢であると説き、虞翻は「矢」は古い「誓」の字であると説く。「失夫」の「夫」は「符」の音で fú と読む。

明夷(めいい)

明夷(夷傷也,坎宮游魂卦)。以蒙大難(乃旦反,卦內同鄭云蒙猶遭也,一云蒙冒也)。文王以之(王肅云唯文王能用之鄭荀向作似之下亦然)。蒞(履二反,又律秘反)。蔽偽(本或作弊偽)。所辟(音避下同)。最逺(萬反,下逺難同)。逺遁(徒遜反)。匿形(女力反)。不遑(音皇)。夷於(如字子夏作睇鄭陸同云旁視曰睇亦作眱)。左股(音古馬王肅作般云旋也,日隨天左旋也,姚作右盤云自辰右旋入丑)。

「明夷」の「夷」は傷と訓する。この卦は坎宮遊魂卦である。「以蒙大難」の「難」は「乃旦反」で反切注音、nàn と読み、卦内は同じ。鄭玄は「蒙」はなお遭の意だと説き、一説は「蒙」は冒して承けることである。「文王以之」の句は、王粛はただ文王のみこの道を用うと説く。鄭玄・荀爽・向秀の本では「似之」と作り、以下も同じ。「莅」には「履二反」と注し lì と読み、また「律秘反」に読む。「蔽偽」は、ある本では「弊偽」と作る。「所辟」の「辟」は「避」の音で bì と読み、以下同じ。「最逺」の「逺」はすなわち「遠」で、「万反」と注し、反切の上字はすでに脱け、字は yuàn と読み、以下「逺難」も同じ。「逺遁」の「遁」は「徒遜反」で dùn と読む。「匿形」の「匿」は「女力反」で nì と読む。「不遑」の「遑」は「皇」の音で huáng と読む。「夷于」は如字である。《子夏易伝》は「睇」と作り、鄭玄・陸績も同じで、斜視するを睇というと説く。「眱」とも書く。「左股」の「股」は「古」の音で gǔ と読む。馬融・王粛の本では「般」と作り、旋転であると説き、日は天体に随って左旋するを謂う。姚信は「右盘」と作り、辰位より右旋して丑位に入ると説く。

用拯(拯救之拯注同文云舉也,鄭云承也,子夏作抍字林云抍上舉音承)。示行(示或作亦)。近難(附近之近下最近同)。疑憚(但旦反)。然後而免也(一本作然後乃獲免也)。南狩(手又反,本亦作守同)。去闇(羌呂反)。逆忤(五故反)。箕子之明夷(蜀才箕作其劉向云今易箕子作荄滋鄒湛云訓箕為荄詁子為滋漫衍無經不可致詰以譏荀爽)。為比(毗志反)。

「用拯」の「拯」は「拯救」の「拯」の読みで、注文も同じ。《説文解字》は挙と訓し、鄭玄は承と訓する。《子夏易伝》は「抍」と作り、《字林》は「抍」は上に挙げることで、「承」の音であると説く。「示行」の「示」は、ある本では「亦」と作る。「近難」の「近」は「附近」の「近」の読み、以下「最近」も同じ。「疑憚」の「憚」は「但旦反」で反切注音、dàn と読む。「然后而免也」の句は、別の本では「然后乃獲免也」と作る。「南狩」の「狩」は「手又反」で shòu と読む。ある本では「守」と作り、読みは同じ。「去闇」の「去」は「羗呂反」で qù と読む。「逆忤」の「忤」は「五故反」で wù と読む。「箕子之明夷」は、蜀才の本では「箕」を「其」と作る。劉向はいまの本の《周易》の「箕子」を「荄滋」と作ると説く。鄒湛は「箕」を「荄」と訓し、「子」を「滋」と詁するのは、漫として準則なく追究するところなしとし、これは荀爽の説を譏評するものである。「為比」の「比」は「毗志反」で bì と読む。

家人(かじん)

家人(文家居也,案人所居稱家爾雅室內謂之家是也,巽宮二世卦)。熾也(尺志反)。而行(下孟反,注皆同)。閒(馬云闌也,防也,鄭云習也)。中饋(巨愧反,食也)。嗃嗃(呼落反,又呼學反馬云恱樂自得貌鄭云苦之意荀作確確劉作熇熇)。嘻嘻(喜悲反,馬云聲鄭云驕佚喜之意張作嬉嬉陸作喜喜)。之長(丁丈反)。以近(附近之近)。王假(更白反,注同至也,鄭云登也,徐古雅反馬云大也)。

「家人」は、《説文解字》は居家であると説く。按ずるに人の居住する所を家と称し、《爾雅》は室の内を家というと説き、すなわちこの義である。この卦は巽宮二世卦である。「熾也」の「熾」は「尺志反」で反切注音、chì と読む。「而行」の「行」は「下孟反」で xìng と読み、注文はすべて同じ。「閑」は、馬融は欄闌・防范と訓し、鄭玄は習と訓する。「中饋」の「饋」は「巨愧反」で kuì と読み、飲食と訓する。「嗃嗃」には「呼落反」と注し hè と読み、また「呼学反」に読む。馬融は喜びて自得の貌であると説き、鄭玄は痛苦の意を含むと説く。荀爽は「確確」と作り、劉瓛は「熇熇」と作る。「嘻嘻」には「喜悲反」と注し xī と読む。馬融は笑声であると説き、鄭玄は驕縦にして喜楽する意であると説く。張氏は「嬉嬉」と作り、陸績は「喜喜」と作る。「之長」の「長」は「丁丈反」で zhǎng と読む。「以近」の「近」は「附近」の「近」の読み。「王假」の「假」は「更白反」で gé と読み、注文も同じで、至と訓する。鄭玄は登と訓する。徐邈は「古雅反」に読み jiǎ、馬融は大と訓する。

睽(けい)

睽(苦圭反,馬鄭王肅徐呂忱並音圭序卦云乖也,雜卦云外也,文云目不相視也,艮宮四世卦)。而上(時掌反,下上行同)。同行(如字王肅遐孟反)。而(音恱)。喪馬(息浪反,注同)。自復(音服注同)。必顯(一本作必類下相顯亦然)。可援(於眷反,下得援同又音)。以闢(音避)。於巷(戸絳反,文云裡中道也,廣雅云居也,字書作衖)。曳(以制反)。掣(昌逝反,鄭作㸷云牛角皆踴曰㸷徐市制反文作觢之世反云角一俯一仰子夏作傳云一角仰也,荀作觭劉本從文解依鄭)。

「睽」には「苦圭反」と注する。反切注音で kuí と読む。馬融・鄭玄・王粛・徐邈・呂忱はみな「圭」の音とする。《序卦伝》は乖違と訓し、《雑卦伝》は外と訓し、《説文解字》は両目が相視ること能わざることだと説く。この卦は艮宮四世卦である。「而上」の「上」は「時掌反」で shǎng と読み、以下「上行」も同じ。「同行」は如字である。王粛は「遐孟反」に読む。次の条の頭字はすでに脱け、「音恱」と注し yuè と読む。「喪馬」の「喪」は「息浪反」で sàng と読み、注文も同じ。「自復」の「復」は「服」の音で fù と読み、注文も同じ。「必顕」は別の本では「必類」と作り、以下「相顕」も同じ。「可援」の「援」は「于眷反」で yuàn と読み、以下「得援」も同じで、さらに一音あるがその字はすでに脱けた。「以辟」の「辟」は「避」の音で bì と読む。「于巷」の「巷」は「戸絳反」で xiàng と読む。《説文解字》は里中の道であると説き、《広雅》は居と訓し、字書は「衖」と作る。「曳」には「以制反」と注し yè と読む。「掣」には「昌逝反」と注し chè と読む。鄭玄は「㸷」と作り、牛の両角がともに上に聳えるを㸷というと説く。徐邈は「市制反」に読む。《説文解字》は「觢」と作り、「之世反」に読み、一角が俯き一角が仰ぐことだと説く。《子夏易伝》は別体と作り、その伝は一角が上に仰ぐことだと説く。荀爽は「觭」と作る。劉瓛の本は《説文》に従い、釈義は鄭玄に依る。

其人天(天剠也,馬云剠鑿其額曰天)。劓(魚器反,截鼻也,王肅作臲臲魚一反)。相比(毗志反,下同)。元夫(如字)。噬(市制反)。之弧(音胡弓也)。後(吐活反,注同一音始銳反)。之弧(本亦作壺京馬鄭王肅翟子作壺)。媾(古豆反)。恢(苦回反,大也)。詭(女委反,異也,戾也)。譎(古穴反,本亦作決詐也,乖也)。籲可(況於反)。四剠(其京反,文或作黥字)。

「其人天」の「天」は黥刑である。馬融はその額を鑿刻するを「天」というと説く。「劓」には「魚器反」と注し、反切注音で yì と読み、鼻を割き去ることを指す。王粛は「臲」と作り、「臲」は「魚一反」に読む。「相比」の「比」は「毗志反」で bì と読み、以下同じ。「元夫」は如字に読む。「噬」には「市制反」と注し shì と読む。「之弧」の「弧」は「胡」の音で hú と読み、弓と訓する。「后」の次の字はすでに脱け、「吐活反」と注し tuō と読み、注文も同じ、一音「始鋭反」である。「之弧」は、ある本では「壺」と作る。京房・馬融・鄭玄・王粛・翟氏の諸家の本では「壺」と作る。「媾」には「古豆反」と注し gòu と読む。「恢」には「苦回反」と注し huī と読み、大と訓する。「詭」には「女委反」と注するが、反切の上字は誤りかと疑われ、字は guǐ と読み、異・乖戻と訓する。「譎」には「古穴反」と注し jué と読む。ある本では「决」と作る。詐・乖と訓する。「吁可」の「吁」は「况于反」で xū と読む。「四剠」の「剠」は「其京反」で qíng と読む。《説文解字》には「黥」の字と作るのもある。

蹇(けん)

蹇(紀免反,及序卦皆云難也,王肅徐紀偃反兊宮四世卦)。以難(乃旦反,卦內及解卦皆同)。難解(音蟹上六注同)。未否(備鄙反)。知矣(音智初六注同)。得中(如字鄭云和也,又張仲反王肅云中適也,解卦同)。正邦(荀陸本作正國為漢朝諱)。冝待也(張本作冝時也,鄭本冝待時也)。逺害(萬反)。內喜(如字徐許意反猶好也)。來連(力善反,馬云亦難也,鄭如字遲久之意)。之長(直良反)。長難(丁丈反)。

「蹇」には「紀免反」と注する。反切注音で jiǎn と読む。卦辞と《序卦伝》はともに難と訓する。王粛・徐邈は「紀偃反」に読む。この卦は兌宮四世卦である。「以難」の「難」は「乃旦反」で nàn と読み、卦内および解卦はすべて同じ。「難解」の「解」は「蟹」の音で xiè と読み、上六の注文も同じ。「未否」の「否」は「備鄙反」で pǐ と読む。「知矣」の「知」は「智」の音で zhì と読み、初六の注文も同じ。「得中」は如字である。鄭玄は和と訓し、また「張仲反」に読み zhòng。王粛は「中」は適宜であると説く。解卦も同じ。「正邦」は、荀爽・陸績の本では「正国」と作り、漢朝の名諱を避けたのである。「冝待也」は、張氏の本では「冝時也」と作り、鄭玄の本では「冝待時也」と作る。「逺害」の「逺」はすなわち「遠」で、「万反」と注し、反切の上字はすでに脱け、字は yuàn と読む。「内喜」は如字である。徐邈は「許意反」に読み xì、なお喜好の意である。「来連」の「連」は「力善反」で liǎn と読む。馬融はも難と訓すると説く。鄭玄は如字に読み、遅久の意を取る。「之長」の「長」は「直良反」で cháng と読む。「長難」の「長」は「丁丈反」で zhǎng と読む。

解(かい)

解(音蟹序卦云緩也,震宮二世卦)。解之為義(音蟹下以解來復同)。濟厄(厄或作危)。曰解(音蟹自此盡初六注皆同)。坼(勑宅反,文云裂也,廣雅云分也,馬陸作宅云根也)。否結(備鄙反)。者亨(許庚反)。宥罪(音又京作尤)。盤結(歩丹反)。或有遇(遇或作過)。咎非其理也(一本無此八字)。所任(而鴆反)。斯解(佳買反)。之稱(尺證反)。失枉(紆往反)。

「解」は「蟹」の音で xiè と読む。《序卦伝》は緩と訓する。この卦は震宮二世卦である。「解之為義」の「解」は「蟹」の音で、以下「以解来復」も同じ。「済厄」の「厄」は、ある本では「危」と作る。「曰解」の「解」は「蟹」の音で、ここから初六の注文まですべて同じ。「坼」には「勑宅反」と注し、反切注音で chè と読む。《説文解字》は裂と訓し、《広雅》は分と訓する。馬融・陸績は「宅」と作り、根と訓する。「否結」の「否」は「備鄙反」で pǐ と読む。「者亨」の「亨」は「許庚反」で hēng と読む。「宥罪」の「宥」は「又」の音で yòu と読む。京房の本では「尤」と作る。「盤結」の「盤」は「歩丹反」で pán と読む。「或有遇」の「遇」は、ある本では「過」と作る。「咎非其理也」の句は、別の本にはこの八字がない。「所任」の「任」は「而鴆反」で rèn と読む。「斯解」の「解」は「佳買反」で jiě と読む。「之称」の「称」は「尺証反」で chèng と読む。「失枉」の「枉」は「紆往反」で wǎng と読む。

且乗(如字王肅繩證反)。柔邪(似嗟反)。自我致戎(本又作致寇)。解而(佳買反,注同)。拇(茂後反,陸云足大指王肅云手大指荀作母)。而比(毗志反)。維有解(音蟹注有解及象並下注為解之極同)。解難(佳買反)。用射(食亦反,下注同)。隼(荀尹反,毛詩草木鳥獸䟽云鷂)。髙墉(音容馬云城也)。將解(隹買反)。荒悖(布內反,象同)。以解(佳買反)。

「且乗」の「乗」は如字である。王粛は「縄証反」に読み shèng。「柔邪」の「邪」は「似嗟反」で反切注音、xié と読む。「自我致戎」は、ある本では「致寇」と作る。「解而」の「解」は「佳買反」で jiě と読み、注文も同じ。「拇」には「茂后反」と注し mǔ と読む。陸績は足の大指であると説き、王粛は手の大指であると説く。荀爽は「母」と作る。「而比」の「比」は「毗志反」で bì と読む。「維有解」の「解」は「蟹」の音で xiè と読み、注文の「有解」および《象伝》ならびに以下の注中の「為解之極」もすべてこの読み。「解難」の「解」は「佳買反」で jiě と読む。「用射」の「射」は「食亦反」で shè と読む。「隼」には「荀尹反」と注し sǔn と読む。《毛詩草木鳥獣虫魚疏》はすなわち鷂であると説く。「髙墉」の「墉」は「容」の音で yōng と読む。馬融は城と訓する。「将解」の「解」は「隹買反」で jiě と読む。「荒悖」の「悖」は「布内反」で bèi と読み、《象伝》も同じ。「以解」の「解」は「佳買反」で jiě と読む。

損(そん)

損(孫本反,虧減之義也,又訓失序卦云緩必有所失是也,艮宮三世卦)。曷(何葛反)。二簋(蜀才作軌)。用享(香兩反,下同蜀才許庚反)。上行(時掌反,凡上行皆同)。陰(音恱)。非長(丁丈反,下德長遂長同)。為邪(似嗟反)。能拯(拯救之拯)。大難(乃旦反)。二簋應(師如字舊應對之應)。偕行(音皆)。其分(扶問反)。徵(直升反,止也,鄭云猶淸也,劉作懲云淸也,蜀才作澄)。

「損」には「孫本反」と注する。反切注音で sǔn と読み、虧減の義を取り、また失と訓する。《序卦伝》の「緩は必ず失する所有り」はすなわちこの義である。この卦は艮宮三世卦である。「曷」には「何葛反」と注し hé と読む。「二簋」の「簋」は、蜀才の本では「軌」と作る。「用享」の「享」は「香両反」で xiǎng と読み、以下同じ。蜀才は「許庚反」に読み hēng。「上行」の「上」は「時掌反」で shǎng と読み、およそ「上行」はすべて同じ。「陰」の次の字はすでに脱け、「音恱」と注し yuè と読む。「非長」の「長」は「丁丈反」で zhǎng と読み、以下「徳長」「遂長」も同じ。「為邪」の「邪」は「似嗟反」で xié と読む。「能拯」の「拯」は「拯救」の「拯」の読み。「大難」の「難」は「乃旦反」で nàn と読む。「二簋応」の「応」は、師説は如字に読み、旧読は「応対」の「応」とする。「偕行」の「偕」は「皆」の音で jiē と読む。「其分」の「分」は「扶問反」で fèn と読む。「征」には「直升反」と注し chéng と読み、止と訓する。鄭玄はなお清の意だと説き、劉瓛は「懲」と作り、清と訓し、蜀才は「澄」と作る。

忿(芳粉反)。窒(珍栗反,徐得悉反鄭劉作懫懫止也,孟作恎陸作)。欲(如字孟作浴)。巳事(音以,本亦作以虞作祀)。遄(市專反,速也,荀作顓)。復自(扶又反,九二注同)。以上(時掌反)。化淳(尚春反)。以離(力智反)。知者(音智)。以盡(津忍反)。上佑(音又,本亦作佑)。不制(一本作下制)。遂長(丁丈反)。尚夫(音符)。

「忿」には「芳粉反」と注し、反切注音で fèn と読む。「窒」には「珍栗反」と注し zhì と読む。徐邈は「得悉反」に読む。鄭玄・劉瓛は「懫」と作り、「懫」は止と訓する。孟喜は「恎」と作り、陸績は別体と作る。「欲」は如字である。孟喜の本では「浴」と作る。「巳事」の「巳」は「以」の音である。ある本では「以」と作り、虞翻は「祀」と作る。「遄」には「市専反」と注し chuán と読み、速と訓する。荀爽は「顓」と作る。「復自」の「復」は「扶又反」で fù と読み、九二の注文も同じ。「以上」の「上」は「時掌反」で shǎng と読む。「化淳」の「淳」は「尚春反」で chún と読む。「以離」の「離」は「力智反」で lì と読む。「知者」の「知」は「智」の音で zhì と読む。「以尽」の「尽」は「津忍反」で jǐn と読む。「上佑」の「佑」は「又」の音で yòu と読む。ある本では「佑」と作る。「不制」は別の本では「下制」と作る。「遂長」の「長」は「丁丈反」で zhǎng と読む。「尚夫」の「夫」は「符」の音で fú と読む。

益(えき)

益(増長之名又以弘裕為義繫辭云益長裕而不設是也,巽宮三世卦)。民(音恱)。無疆(居良反,下同)。下下(上遐嫁反下如字注同)。渉難(乃旦反,下同)。天施(始豉反)。之處(昌預反,下其處同)。用享(香兩反,注同王廙許庚反)。用圭(王肅作用桓圭)。不為(於偽反)。不處(本或作不屆)。用費(芳貴反)。盡物(津忍反)。無厭(於鹽反)。莫和(胡臥反)。惡盈(烏路反)。偏辭(音篇孟作徧云周匝也)。

「益」は増長の名目で、また宏大寛裕を義とする。《系辞伝》の「益は長裕にして設けず」はすなわちこの義である。この卦は巽宮三世卦である。「民」の次の字はすでに脱け、「音恱」と注し yuè と読む。「无疆」の「疆」は「居良反」で反切注音、jiāng と読み、以下同じ。「下下」の二字は、上の字は「遐嫁反」に読み xià、下の字は如字で、注文も同じ。「渉難」の「難」は「乃旦反」で nàn と読み、以下同じ。「天施」の「施」は「始豉反」で shì と読む。「之処」の「処」は「昌預反」で chù と読み、以下「其処」も同じ。「用享」の「享」は「香両反」で xiǎng と読み、注文も同じ。王廙は「許庚反」に読み hēng。「用圭」は、王粛の本では「用桓圭」と作る。「不為」の「為」は「于偽反」で wèi と読む。「不処」は、ある本では「不届」と作る。「用費」の「費」は「芳貴反」で fèi と読む。「尽物」の「尽」は「津忍反」で jǐn と読む。「无厭」の「厭」は「于塩反」で yān と読む。「莫和」の「和」は「胡臥反」で hè と読む。「悪盈」の「悪」は「烏路反」で wù と読む。「偏辞」の「偏」は「篇」の音で piān と読む。孟喜は「徧」と作り、周遍囲匝であると説く。

夬(かい)

周易下經夬傳第五夬(古快反,決也,坤宮五世卦)。剛幾(音祈)。坦然(他但反)。夬決(徐古穴反)。而(音恱注皆同)。齊長(丁丈反,除上六象並同)。則邪(似嗟反,下同)。斷制(丁亂反,注同)。澤上(時掌反,注同)。以施(始豉反,注同)。壯於(側亮反)。前趾(荀作止)。惕(勑歷反,荀翟作錫云賜也)。號(戶羔反,注及下同鄭王廙音號)。莫夜(音暮注同鄭如字云無也,無夜非一夜)。號呼(火故反)。頄(求反,顴也,又音求又丘倫反翟云面顴頰閒骨也,鄭作頯頯夾面也,王肅音江氏音琴威反蜀才作仇)。若濡(而朱反)。有慍(紆運反,恨也,舊於問反)。

この段は巻題「周易下経夬伝第五」から始まる。「夬」には「古快反」と注する。反切注音で guài と読み、决と訓する。この卦は坤宮五世卦である。「剛幾」の「幾」は「祈」の音で qí と読む。「坦然」の「坦」は「他但反」で tǎn と読む。「夬决」の「决」は、徐邈は「古穴反」に読み jué。次の条の頭字はすでに脱け、「音恱」と注し yuè と読み、注文はすべて同じ。「斉長」の「長」は「丁丈反」で zhǎng と読み、上六《象伝》を除いてはすべて同じ。「則邪」の「邪」は「似嗟反」で xié と読み、以下同じ。「断制」の「断」は「丁乱反」で duàn と読み、注文も同じ。「沢上」の「上」は「時掌反」で shǎng と読み、注文も同じ。「以施」の「施」は「始豉反」で shì と読み、注文も同じ。「壮于」の「壮」は「側亮反」で zhuàng と読む。「前趾」の「趾」は、荀爽は「止」と作る。「惕」には「勑歴反」と注し tì と読む。荀爽・翟氏は「錫」と作り、賜と訓する。「号」には「戸羔反」と注し háo と読み、注文および以下同じ。鄭玄・王廙は「号」の音とする。「莫夜」の「莫」は「暮」の音で mù と読み、すなわち夕暮れで、注文も同じ。鄭玄は如字に読み、「无」と訓し、一夜ならずしてこうなることを謂い、もっぱらある一夜を指すのではないとする。「号呼」の「呼」は「火故反」で hù と読む。「頄」には「求反」と注するが、反切の上字はすでに脱け、顴と訓し、また「求」の音、また「丘倫反」に読む。翟氏は面部の顴頬の間の骨であると説く。鄭玄は「頯」と作り、「頯」は面を夾む所であると説く。王粛は別に一音があるがその字は脱けている。江氏は「琴威反」に読む。蜀才は「仇」と作る。「若濡」の「濡」は「而朱反」で rú と読む。「有慍」の「慍」は「紆運反」で yùn と読み、恨と訓する。旧読は「于問反」。

面權(如字字書作觀)。棄夫(本亦作去羌呂反)。情累(劣偽反)。臀(徐徒敦反)。次(本亦作趑或作文及鄭作趀同七私反注下同馬云郄行不前也,文倉卒也,下卦放此)。且(本亦作趄或作跙同七餘反注及下同馬云語助也,王肅云趑趄行止之礙也,下卦放此)。牽羊(苦年反,子夏作掔)。抵(丁禮反,本又作抵音同或作羝丁啼反)。很(胡懇反)。莧(閒辯反,三家音胡練反,一本作莞華板反)。陸(如字馬鄭云莧陸商陸也,宋衷云莧莧菜也,陸商陸也,虞云莧蕢也,陸商也,蜀才作睦睦親也,通也)。柔脆(七歳反)。至易(以豉反)。最比(毗志反)。號咷(徒刀反)。

「面権」は如字である。字書は別の形体に書く。「棄夫」の「棄」は、ある本では「去」と作り、「羗呂反」に読み qù。「情累」の「累」は「劣偽反」で反切注音、lèi と読む。「臀」の字は、徐邈は「徒敦反」に読み tún。「次」はある本では「趑」と作り、あるいは別体と作り、《説文解字》と鄭玄は「趀」と作り、いずれも「七私反」に読み zī、注文および以下同じ。馬融は歩を却えて前ならざることだと説き、《説文解字》は倉卒と訓する。下卦はこの例に倣う。「且」はある本では「趄」と作り、あるいは「跙」と作り、いずれも「七余反」に読み jū、注文および以下同じ。馬融は語助詞であると説き、王粛は「趑趄」は行き止まり阻まれることだと説く。下卦はこの例に倣う。「牽羊」の「牽」は「苦年反」で qiān と読む。《子夏易伝》は「掔」と作る。「抵」には「丁礼反」と注し dǐ と読む。ある本では「抵」と作り、読みは同じ。あるいは「羝」と作り、「丁啼反」に読む。「很」には「胡懇反」と注し hěn と読む。「莧」には「閑辯反」と注し xiàn と読む。三家は「胡練反」に読む。別の本では「莞」と作り、「華板反」に読む。「陸」は如字である。馬融・鄭玄は「莧陸」はすなわち商陸であると説く。宋衷は「莧」は莧菜、「陸」は商陸であると説く。虞翻は「莧」は蕢菜、「陸」は商草であると説く。蜀才は「睦」と作り、親・通と訓する。「柔脆」の「脆」は「七歳反」で cuì と読む。「至易」の「易」は「以豉反」で yì と読む。「最比」の「比」は「毗志反」で bì と読む。「号咷」の「咷」は「徒刀反」で táo と読む。

姤(こう)

姤(古豆反,薛云古文作遘鄭同序卦及皆云遇也,乾宮一世卦)。用娶(七喻反,本亦作取音同注及下同)。正乃(如字正亦作匹)。誥四方(李古報反鄭作詰起一反止也,王肅同)。柅(徐乃履反又女紀反廣雅云止也,文作檷云絡絲趺也,讀若暱字林音乃米反王肅作抳從手子夏作鑈蜀才作尼止也)。羸豕(劣隨反,王肅同鄭力追反陸讀為累)。蹢(直㦸反,徐治益反,一本作躑古文作)。

「姤」には「古豆反」と注する。反切注音で gòu と読む。薛虞は古文は「遘」と作ると説き、鄭玄も同じ。《序卦伝》と《雑卦伝》はともに遇と訓する。この卦は乾宮一世卦である。「用娶」の「娶」は「七喻反」で qǔ と読む。ある本では「取」と作り、読みは同じで、注文および以下同じ。「正乃」の「正」は如字である。「正」はまた「匹」と書く。「誥四方」の「誥」は、李軌は「古報反」に読み gào。鄭玄は「詰」と作り、「起一反」に読み、止と訓し、王粛も同じ。「柅」の字は、徐邈は「乃履反」に読み nǐ、また「女紀反」に読む。《広雅》は止と訓する。《説文解字》は「檷」と作り、糸を繞く架であると説き、「昵」に読み若ぶ。《字林》は「乃米反」の音。王粛は「手」旁の「抳」と作り、《子夏易伝》は「鑈」と作り、蜀才は「尼」と作り、止と訓する。「羸豕」の「羸」は「劣随反」で léi と読み、王粛も同じ。鄭玄は「力追反」に読む。陸績は「累」に読む。「蹢」には「直㦸反」と注し zhí と読む。徐邈は「治益反」に読む。別の本では「躑」と作り、古文はまた別の字形である。

躅(直録反,本亦作䠱蹢躅不靜也,古文作)。牝(頻忍反)。豭(音家)。包有(本亦作庖同白交反下同鄭百交反虞云白茅苞之荀作胞)。利賓(如字)。擅人(市戰反)。逺民(萬反)。以(音起張云苟馬云大木也,鄭云柳也,薛云柳柔韌木也,並同)。包瓜(白交反,子夏作苞馬鄭百交反音工花反)。不舎(音舍下同)。所復(扶又反)。物爭(爭之爭下卦同)。

「躅」には「直録反」と注し、反切注音で zhú と読む。ある本では「䠱」と作る。「蹢躅」は徘徊して安からざること。古文はまた別の字形である。「牝」には「頻忍反」と注し pìn と読む。「豭」は「家」の音で jiā と読む。「包有」の「包」は、ある本では「庖」と作り、同じく「白交反」に読み bāo、以下同じ。鄭玄は「百交反」に読む。虞翻は白茅をもって包むことだと説く。荀爽は「胞」と作る。「利賓」は如字に読む。「擅人」の「擅」は「市戦反」で shàn と読む。「逺民」の「逺」はすなわち「遠」で、「万反」と注し、反切の上字はすでに脱け、字は yuàn と読む。「以」の次の字はすでに脱け、「音起」と注し qǐ と読む。張氏は「苟」であると説き、馬融は大樹であると説き、鄭玄は柳であると説き、薛虞は柳のごとき柔韌の木であると説き、諸説相通ず。「包瓜」の「包」は「白交反」で bāo と読む。《子夏易伝》は「苞」と作る。馬融・鄭玄は「百交反」に読む。「瓜」は「工花反」の音である。「不舎」の「舎」は「舍」の音で、以下同じ。「所復」の「復」は「扶又反」で fù と読む。「物争」の「争」は「争闘」の「争」の読み、下卦も同じ。

萃(すい)

萃(在李反,及序卦皆云聚也,兊宮二世卦)。亨(王肅本同馬鄭陸虞等並無此字)。王假(更白反)。以(音恱下注皆同)。則邪(似嗟反)。孝享(香兩反)。聚以正(荀作取以正)。澤上(時掌反)。除戎器(如字,本亦作儲又作治王肅姚陸云除猶修治師同鄭云除去也,蜀才云除去戎器修行文德也,荀作慮)。若號(絶句戸報反馬鄭王肅王廙戶羔反)。一握(烏學反,氏作渥鄭云握當讀為夫三為屋之屋蜀才同)。

「萃」には「在李反」と注する。反切注音で cuì と読む。卦辞と《序卦伝》はともに聚と訓する。この卦は兌宮二世卦である。「亨」の字は、王粛の本にあり、馬融・鄭玄・陸績・虞翻の諸家の本にはこの字がない。「王假」の「假」は「更白反」で gé と読む。次の条の頭字はすでに脱け、「音恱」と注し yuè と読み、以下の注中はすべて同じ。「則邪」の「邪」は「似嗟反」で xié と読む。「孝享」の「享」は「香両反」で xiǎng と読む。「聚以正」は、荀爽の本では「取以正」と作る。「沢上」の「上」は「時掌反」で shǎng と読む。「除戎器」の「除」は如字である。ある本では「储」と作り、また「治」と作る。王粛・姚信・陸績は「除」はなお修治の意だと説き、師説も同じ。鄭玄は除去と訓する。蜀才は兵器を除去して文徳を修行することだと説く。荀爽は「慮」と作る。「若号」はここで句を切り、「号」は「戸報反」に読み hào。馬融・鄭玄・王粛・王廙は「戸羔反」に読み háo。「一握」の「握」は「烏學反」で wò と読む。某氏の本では「渥」と作る。鄭玄は「握」は「夫三為屋」の「屋」に読むべきだと説き、蜀才も同じ。

至好(呼報反)。愞(乃亂反)。正(本亦作匹)。妃(音配)。禴(羊略反,殷春祭名馬王肅同鄭云夏祭名蜀才作躍劉作)。多僻(匹亦反)。以逺(萬反)。之省(生領反,下同)。以比(毗志反)。未光也(一本作志未光也)。齎(徐將池反王肅將啼反)。諮(音諮又將利反齎諮嗟嘆之辭也,鄭同馬云悲聲怨聲)。涕(徐音體)。洟(他麗反,又音夷鄭云自目曰涕自鼻曰洟)。

「至好」の「好」は「呼報反」で反切注音、hào と読む。「愞」には「乃乱反」と注し nuò と読む。「正」の次の字は、ある本では「匹」と作る。「妃」は「配」の音で pèi と読む。「禴」には「羊略反」と注し yuè と読み、殷代の春祭の名で、馬融・王粛も同じ。鄭玄は夏祭の名であると説く。蜀才は「跃」と作り、劉瓛は別体と作る。「多僻」の「僻」は「匹亦反」で pì と読む。「以逺」の「逺」はすなわち「遠」で、「万反」と注し、反切の上字はすでに脱け、字は yuàn と読む。「之省」の「省」は「生領反」で shěng と読み、以下同じ。「以比」の「比」は「毗志反」で bì と読む。「未光也」は別の本では「志未光也」と作る。「賚」の字は、徐邈は「将池反」に読み jī、王粛は「将啼反」に読む。「咨」は「諮」の音、また「将利反」に読む。「賚咨」は嗟嘆の辞で、鄭玄も同じ。馬融は悲声・怨声であると説く。「涕」の字は、徐邈は「体」の音で tì と読む。

升(しょう)

升(式陵反,序卦云上也,上音時掌反鄭本作升馬云髙也,震宮四世卦)。用見大人(本或作利見)。以順德(如字王肅同,本又作愼師同姚本德作得)。以髙大(本或作以成髙大)。允當(如字下同)。閒邪(似嗟反)。升虛(如字空也,徐去餘反馬云丘也)。用亨(許庚反,通也,馬鄭陸王肅許兩反馬云祭也,鄭云獻也)。岐山(其冝反,或祁支反)。攘來(如羊反)。冥(覓經反,闇昧之義也,注同又云日冥也)。則喪(息浪反)。

「升」には「式陵反」と注する。反切注音で shēng と読む。《序卦伝》は上と訓し、「上」は「時掌反」の音すなわち shǎng。鄭玄の本では「升」と作り、馬融は高と訓する。この卦は震宮四世卦である。「用見大人」は、ある本では「利見」と作る。「以順徳」は如字で、王粛も同じ。ある本では「愼」と作り、師説も同じ。姚信の本は「徳」を「得」と作る。「以髙大」は、ある本では「以成髙大」と作る。「允当」は如字で、以下同じ。「閑邪」の「邪」は「似嗟反」で xié と読む。「升虚」の「虚」は如字で、空と訓する。徐邈は「去余反」に読み qū、馬融は丘と訓する。「用亨」の「亨」は「許庚反」で hēng と読み、通と訓する。馬融・鄭玄・陸績・王粛は「許両反」に読み xiǎng、馬融は祭と訓し、鄭玄は献と訓する。「岐山」の「岐」は「其冝反」で qí と読み、あるいは「祁支反」に読む。「攘来」の「攘」は「如羊反」で rǎng と読む。「冥」には「覓経反」と注し míng と読み、昏昧の義を取り、注文も同じ。また一説は日暮と訓する。「則喪」の「喪」は「息浪反」で sàng と読む。

困(こん)

困(窮也,窮悴掩蔽之義故云剛掩也,廣雅云困悴也,兊宮一世卦)。剛揜(本又作掩於撿反李於範反虞作弇)。以(音恱卦內同)。固窮(如字或作困窮非)。臀(徒敦反)。株木(張愚反)。幽谷(徐古木反)。不覿(大曆反,見也,注同)。獲拯(拯救之拯)。隱遯(徒困反)。數歳(色柱反,本亦作三歳)。困解(音蟹)。朱紱(音弗下同)。享祀(許兩反,注同)。難之(乃旦反)。不勝(音升)。豐衍(延善反)。蒺(音疾)。蔾(音棃蒺蔾茨草)。上比(毗志反)。焉得(於䖍反)。來徐徐(徐徐疑懼貌馬云安行貌子夏作荼荼翟同荼音圖云內不定之意王肅作余余)。

「困」は窮と訓し、困窮憔悴・人に掩蔽される義を取り、ゆえに《彖伝》は「剛揜」という。《広雅》は「困」は憔悴であると説く。この卦は兌宮一世卦である。「剛揜」の「揜」は、ある本では「掩」と作り、「于撿反」で反切注音、yǎn と読む。李軌は「于范反」に読む。虞翻は「弇」と作る。次の条の頭字はすでに脱け、「音恱」と注し yuè と読み、卦内は同じ。「固窮」は如字である。ある本では「困窮」と作るが、それは誤りである。「臀」には「徒敦反」と注し tún と読む。「株木」の「株」は「張愚反」で zhū と読む。「幽谷」の「谷」は、徐邈は「古木反」に読み gǔ。「不覿」の「覿」は「大歴反」で dí と読み、見と訓し、注文も同じ。「獲拯」の「拯」は「拯救」の「拯」の読み。「隠遯」の「遯」は「徒困反」で dùn と読む。「数歳」の「数」は「色柱反」で shǔ と読む。ある本では「三歳」と作る。「困解」の「解」は「蟹」の音で xiè と読む。「朱紱」の「紱」は「弗」の音で fú と読み、以下同じ。「享祀」の「享」は「許両反」で xiǎng と読み、注文も同じ。「難之」の「難」は「乃旦反」で nàn と読む。「不勝」の「勝」は「升」の音で shēng と読む。「豊衍」の「衍」は「延善反」で yǎn と読む。「蒺」は「疾」の音で jí と読む。「蔾」は「棃」の音で lí と読む。「蒺蔾」は刺ある草の一種である。「上比」の「比」は「毗志反」で bì と読む。「焉得」の「焉」は「于䖍反」で yān と読む。「来徐徐」の「徐徐」は疑惧の貌である。馬融は安く歩いて行く貌であると説く。《子夏易伝》は「荼荼」と作り、翟氏も同じで、「荼」は「図」の音で、内心の定まらざる意であると説く。王粛は「余余」と作る。

金車(本亦作金輿)。劓(徐魚器反)。刖(徐五刮反又音月荀王肅本劓刖作臲云不安貌陸同鄭云劓刖當為倪㐳京作劓劊案文劊斷也)。祭祀(本亦作享祀)。遐逺(本或作遐邇)。藟(力軌反,似葛之草,本又作虆毛詩草木䟽云一名巨荒似蘡薁連蔓而生幽州人謂之蓷虆)。臲(五結反,王肅妍喆反文作㓷牛列反薛同)。卼(五骨反,又音月文作云不安也,薛又作杌字同)。曰動悔(音越向云言其無不然)。令生(力呈反)。

「金車」は、ある本では「金輿」と作る。「劓」の字は、徐邈は「魚器反」に読み yì。「刖」の字は、徐邈は「五刮反」に読み、また「月」の音で yuè と読む。荀爽・王粛の本では「劓刖」を「臲卼」と書き、不安の貌であると説き、陸績も同じ。鄭玄は「劓刖」は「倪㐳」と作るべきだと説く。京房は「劓劊」と作り、《説文解字》に按ずるに「劊」は断截である。「祭祀」は、ある本では「享祀」と作る。「遐逺」は、ある本では「遐迩」と作る。「藟」には「力軌反」と注し、反切注音で lěi と読み、葛に似た蔓草の一種である。ある本では「虆」と作る。《毛詩草木疏》はまた巨荒と名づき、蘡薁のごとく蔓を連ねて生じ、幽州人は蓷虆と呼ぶと説く。「臲」には「五結反」と注し niè と読む。王粛は「妍喆反」に読む。《説文解字》は「㓷」と作り、「牛列反」に読み、薛虞も同じ。「卼」には「五骨反」と注し wù と読み、また「月」の音である。《説文解字》は別体と作り、不安と訓する。薛虞はまた「杌」と作り、同じ一字である。「曰動悔」の「曰」は「越」の音である。向秀はこれ一か所ならずしてこのようであると謂うと説く。「令生」の「令」は「力呈反」で líng と読む。

井(せい)

井(精領反,雜卦云通也,云養而不窮周書云黃帝穿井世本云化益作井宋衷云化益伯益也,堯臣廣雅云井深也,鄭云井法也,字林作井子挺反周云井以不變更為義師井以淸絜為義震宮五世卦)。無喪(息浪反)。汔(徐許訖反注同幾也,王肅音其乞反)。繘(音橘徐又居密反鄭云綆也,方言云關西謂綆為繘郭璞云汲水索也,又其律反又音述)。羸(律悲反,徐力追反下同蜀才作累鄭讀曰虆)。瓶(白經反)。幾至(音祈或音機)。而覆(芳福反)。而上水(時掌反,注及下注上水皆同)。

「井」には「精領反」と注する。反切注音で jǐng と読む。《雑卦伝》は通と訓し、卦辞は人を養いて窮まざるをいう。《周書》は黄帝が初めて井を鑿ったと説き、《世本》は化益が井を造ったと説き、宋衷は化益はすなわち伯益で帝堯の臣であると説く。《広雅》は「井」は深であると説き、鄭玄は「井」は法であると説く。《字林》は別に一形を作り、「子挺反」に読む。周弘正は「井」は変更せざる義を取ると説き、師説は「井」は清潔の義を取る。この卦は震宮五世卦である。「无喪」の「喪」は「息浪反」で sàng と読む。「汔」の字は、徐邈は「許訖反」に読み qì、注文も同じで、幾近と訓する。王粛は「其乞反」の音とする。「繘」は「橘」の音で jú と読む。徐邈はまた「居密反」に読む。鄭玄は井繩であると説き、《方言》は関西は井繩を繘というと説き、郭璞は水を汲む繩索であると説く。また「其律反」に読み、また「述」の音である。「羸」には「律悲反」と注し léi と読む。徐邈は「力追反」に読み、以下同じ。蜀才は「累」と作り、鄭玄は「虆」に読む。「瓶」には「白経反」と注し píng と読む。「幾至」の「幾」は「祈」の音、あるいは「機」の音である。「而覆」の「覆」は「芳福反」で fù と読む。「而上水」の「上」は「時掌反」で shǎng と読み、注文および以下の注中の「上水」はすべて同じ。

井養(如字徐以上反)。木上(如字師又時掌反)。以勞(力報反,注同)。勸相(息亮反,注同王肅如字)。井泥(乃計反,注及下同)。滓穢(側裡反)。不向(許亮反)。棄舎(音舍下文同)。井谷(古木反,又音浴)。射(食亦反,注同徐食夜反鄭玉肅皆音亦云厭也,荀作)。鮒(音附魚名也,子夏傳謂蝦蟇)。甕(屋送反,李於鍾反鄭作甕云停水器也,文作甕汲缾也)。敝(婢世反,王肅徐扶滅反)。溪谷(口啼反)。注下(章喻反,下同)。

「井養」は如字である。徐邈は「以上反」に読む。「木上」は如字である。師説はまた「時掌反」に読み shǎng。「以労」の「労」は「力報反」で反切注音、lào と読み、注文も同じ。「勧相」の「相」は「息亮反」で xiàng と読み、注文も同じ。王粛は如字に読む。「井泥」の「泥」は「乃計反」で nì と読み、注文および以下同じ。「滓穢」の「滓」は「側里反」で zǐ と読む。「不向」の「向」は「許亮反」で xiàng と読む。「棄舎」の「舎」は「舍」の音で、以下同じ。「井谷」の「谷」は「古木反」で gǔ と読み、また「浴」の音である。「射」には「食亦反」と注し shè と読み、注文も同じ。徐邈は「食夜反」に読む。鄭玄・王粛はともに「亦」の音とし、厭と訓する。荀爽は別体と作る。「鮒」は「附」の音で fù と読み、魚の名である。《子夏易伝》は蛤蟆であると説く。「瓮」には「屋送反」と注し wèng と読む。李軌は「于鍾反」に読む。鄭玄は「瓮」と作り、水を盛る器であると説く。《説文解字》は「瓮」と作り、水を汲る瓶であると説く。「敝」には「婢世反」と注し bì と読む。王粛・徐邈は「扶滅反」に読む。「渓谷」の「渓」は「口啼反」で xī と読む。「注下」の「注」は「章喻反」で zhù と読み、以下同じ。

而復(扶又反)。無與之也(一本作則莫之與也)。渫(息列反,徐又食列反黃雲治也)。心惻(初力反,文云痛也)。汲(音急)。停汙(音烏)。其行(下孟反,象並注皆同)。甃(側舊反,馬云為瓦裹下達上也,子夏傳云修治也,乾云以壘井曰甃字林云井壁也)。洌(音列絜也,文云水淸也,王肅音例)。不橈(乃孝反)。不食(如字又音嗣)。井收(徐詩救反又如字馬云汲也,陸云井乾也,荀作甃)。勿幕(音莫覆也,乾本勿作網)。

「而復」の「復」は「扶又反」で反切注音、fù と読む。「无与之也」は別の本では「則莫之与也」と作る。「渫」には「息列反」と注し xiè と読む。徐邈はまた「食列反」に読む。黄穎は治と訓する。「心惻」の「惻」は「初力反」で cè と読む。《説文解字》は痛と訓する。「汲」は「急」の音で jí と読む。「停污」の「污」は「烏」の音で wū と読む。「其行」の「行」は「下孟反」で xìng と読み、《象伝》に連ねて注文もすべて同じ。「甃」には「側旧反」と注し zhòu と読む。馬融は瓦を砌げて下より上に達するをいうと説き、《子夏易伝》は修治と訓し、干宝は磚石をもって井を垒くを甃というと説き、《字林》は井の壁であると説く。「洌」は「列」の音で liè と読み、潔と訓する。《説文解字》は水の清きをいうと説く。王粛は「例」の音とする。「不橈」の「橈」は「乃孝反」で náo と読む。「不食」は如字で、また「嗣」の音である。「井収」の「収」は、徐邈は「詩救反」に読み shòu、如字に読んでもよい。馬融は汲と訓し、陸績は井上の欄干であると説き、荀爽は「甃」と作る。「勿幕」の「幕」は「莫」の音で mù と読み、覆蓋と訓する。干宝の本では「勿」を「网」と作る。

革(かく)

革(馬鄭云改也,坎宮四世卦)。樂成(音洛上六注同)。相息(如字馬云滅也,李斐注漢書同文作熄)。欲上(時掌反)。革而信之(一本無之字)。以(音恱注同)。鞏(九勇反,固也,馬同)。堅韌(仁震反)。行有(如字又下孟反)。相比(毗志反)。文炳(兵領反)。文蔚(音尉又紆弗反廣雅云茂也,敷也,文作斐)。

「革」は、馬融・鄭玄は改と訓する。この卦は坎宮四世卦である。「楽成」の「楽」は「洛」の音で lè と読み、上六の注文も同じ。「相息」は如字である。馬融は滅と訓し、李斐の《漢書》注も同じ。《説文解字》は「熄」と作る。「欲上」の「上」は「時掌反」で反切注音、shǎng と読む。「革而信之」は別の本には「之」の字がない。次の条の頭字はすでに脱け、「音恱」と注し yuè と読み、注文も同じ。「鞏」には「九勇反」と注し gǒng と読み、固と訓する。馬融も同じ。「堅韌」の「韌」は「仁震反」で rèn と読む。「行有」は如字で、また「下孟反」に読み xìng。「相比」の「比」は「毗志反」で bì と読む。「文炳」の「炳」は「兵領反」で bǐng と読む。「文蔚」の「蔚」は「尉」の音で wèi と読み、また「紆弗反」に読む。《広雅》は茂・敷と訓し、《説文解字》は「斐」と作る。

鼎(てい)

鼎(丁冷反,法象也,即鼎器也,離宮二世卦)。革去(羌呂反,下皆同)。賢愚別(彼列反)。尊卑序(本亦作有別有序)。以木巽火亨(本又作亯同普庚反煑也,下及注聖人亨大亨亨飪亨者並同)。飪(入甚反,熟也,徐而鴆反)。以享(香兩反,注享上帝)。上行(時掌反)。凝(魚承反,嚴貌鄭云成也,翟作擬云度也)。顚(丁田反,倒也)。趾(音止)。利出(徐尺遂反或如字注及下同)。否(悲巳反,惡也,注及下同)。是覆(芳目反,下皆同)。趾倒(丁老反,下同)。

「鼎」には「丁冷反」と注する。反切注音で dǐng と読み、取法の象で、すなわち鼎という器物である。この卦は離宮二世卦である。「革去」の「去」は「羗呂反」で qù と読み、以下すべて同じ。「賢愚別」の「別」は「彼列反」で bié と読む。「尊卑序」は、ある本では「有別有序」と作る。「以木巽火亨」の「亨」は、ある本では「亯」と作り、同じく「普庚反」に読み pēng、烹煮と訓する。以下および注中の「聖人亨」「大亨」「亨飪」「亨者」の「亨」はすべてこの読み。「飪」には「入甚反」と注し rèn と読み、熟と訓する。徐邈は「而鴆反」に読む。「以享」の「享」は「香両反」で xiǎng と読み、注文の「享上帝」も同じ。「上行」の「上」は「時掌反」で shǎng と読む。「凝」には「魚承反」と注し níng と読み、荘厳の貌である。鄭玄は成と訓する。翟氏は「擬」と作り、度量と訓する。「顚」には「丁田反」と注し diān と読み、倒と訓する。「趾」は「止」の音で zhǐ と読む。「利出」の「出」は、徐邈は「尺遂反」に読み、如字に読んでもよく、注文および以下同じ。「否」には「悲巳反」と注し pǐ と読み、悪と訓し、注文および以下同じ。「是覆」の「覆」は「芳目反」で fù と読み、以下すべて同じ。「趾倒」の「倒」は「丁老反」で dǎo と読み、以下同じ。

以為(於偽反,下體為同)。未悖(必內反,逆也)。我仇(音求匹也,鄭云怨耦曰仇)。可復(扶又反,下同)。其行(下孟反,注同)。塞(悉則反)。雉膏(如字鄭云雉膏食之美者)。折足(之舌反,注同)。餗(送鹿反,虞云八珍之具也,馬云䭈也,䭈音之然反鄭云菜也)。形渥(於角反,沾也,鄭作剭音屋)。且施(始豉反)。所盛(音成)。知小(音智)。金鉉(典反,徐又古反又古冥反一音古螢反馬云鉉扛鼎而舉之也)。用勁(古政反)。

「以為」の「為」は「于偽反」で反切注音、wèi と読み、以下「体為」も同じ。「未悖」の「悖」は「必内反」で bèi と読み、逆と訓する。「我仇」の「仇」は「求」の音で qiú と読み、匹配と訓する。鄭玄は怨を結ぶ配偶を仇というと説く。「可復」の「復」は「扶又反」で fù と読み、以下同じ。「其行」の「行」は「下孟反」で xìng と読み、注文も同じ。「塞」には「悉則反」と注し sè と読む。「雉膏」は如字である。鄭玄は雉膏は食物中の美味であると説く。「折足」の「折」は「之舌反」で zhé と読み、注文も同じ。「餗」には「送鹿反」と注し sù と読む。虞翻は八珍の具であると説き、馬融は「䭈」であると説き、「䭈」は「之然反」の音である。鄭玄は菜肴であると説く。「形渥」の「渥」は「于角反」で wò と読み、沾濡と訓する。鄭玄は「剭」と作り、「屋」の音である。「且施」の「施」は「始豉反」で shì と読む。「所盛」の「盛」は「成」の音で chéng と読む。「知小」の「知」は「智」の音で zhì と読む。「金鉉」の「鉉」は、その反切の上字はすでに脱け、「典反」だけが残り、字は xuàn と読む。徐邈は別に二読があり、その一は反切の下字がすでに脱け、また「古冥反」に読み、一音「古螢反」である。馬融は「鉉」は鼎を扛げて挙げる具であると説く。「用勁」の「勁」は「古政反」で jìng と読む。

震(しん)

震(止愼反,動也,入純卦象雷)。以成(成亦作盛)。虩(許逆反,馬云恐懼貌鄭同荀作愬愬)。言(言亦作語下同)。啞啞(烏客反,馬云聲鄭云樂也)。怠(本又作殆)。惰(徒臥反,下同)。解慢(佳賣反,下同)。恐致(曲勇反,下文注皆同)。不喪(息浪反,卦內並同)。匕(必以反)。鬯(勑亮反,香酒)。堪長(丁丈反)。已出(音紀)。洊(在薦反,徐又在悶反)。億(本又作噫同於其反辭也,六五同鄭於力反云十萬曰億)。

「震」には「止愼反」と注する。反切注音で zhèn と読み、動と訓する。この卦は八純卦で、雷に象を取る。「以成」の「成」も「盛」と書く。「虩」には「許逆反」と注し xì と読む。馬融は恐懼の貌であると説き、鄭玄も同じ。荀爽は「愬愬」と作る。「言」の条は、「言」も「語」と書き、以下同じ。「啞啞」には「烏客反」と注し è と読む。馬融は笑声であると説き、鄭玄は楽と訓する。「怠」はある本では「殆」と作る。「惰」には「徒臥反」と注し duò と読み、以下同じ。「解慢」の「解」は「佳売反」で xiè と読み、すなわち懈怠で、以下同じ。「恐致」の「恐」は「曲勇反」で kǒng と読み、以下および注中すべて同じ。「不喪」の「喪」は「息浪反」で sàng と読み、卦内はすべて同じ。「匕」には「必以反」と注し bǐ と読む。「鬯」には「勑亮反」と注し chàng と読み、祭祀に用いる香酒である。「堪長」の「長」は「丁丈反」で zhǎng と読む。「已出」の「已」は「紀」の音である。「洊」には「在薦反」と注し jiàn と読む。徐邈はまた「在悶反」に読む。「億」はある本では「噫」と作り、同じく「于其反」に読み、語助詞で、六五も同じ。鄭玄は「于力反」に読み、十万を億というと説く。

喪(息浪反,注同荀如字)。貝(如字荀音敗)。躋(本又作隮子西反升也)。雖復(扶又反,上六注同)。蘇蘇(疑懼貌王肅云躁動貌鄭云不安也,馬云尸祿素餐貌)。無眚(生領反)。遂泥(乃計反,下同荀本遂作隊泥音乃低反)。困難(乃旦反)。索索(桑洛反,注及下同懼也,馬云內不安貌鄭云猶縮縮足不正也)。視(如字徐市至反)。矍矍(俱縛反,徐許縛反馬云中未得之貌鄭云目不正)。㛰媾(古豆反)。彼動故懼(故或作而)。

「喪」には「息浪反」と注し、反切注音で sàng と読み、注文も同じ。荀爽は如字に読む。「貝」は如字である。荀爽は「敗」の音とする。「躋」はある本では「隮」と作り、「子西反」に読み jī、升と訓する。「虽復」の「復」は「扶又反」で fù と読み、上六の注文も同じ。「蘇蘇」は疑惧の貌である。王粛は躁動の貌であると説き、鄭玄は不安と訓し、馬融は功なく禄を受け尸位素餐する貌であると説く。「无眚」の「眚」は「生領反」で shěng と読む。「遂泥」の「泥」は「乃計反」で nì と読み、以下同じ。荀爽の本は「遂」を「隊」と作り、「泥」は「乃低反」の音である。「困難」の「難」は「乃旦反」で nàn と読む。「索索」には「桑洛反」と注し suǒ と読み、注文および以下同じで、惧と訓する。馬融は内心の安からざる貌であると説き、鄭玄はなお縮縮然として足を挙ぐるに正からざるがごとしと説く。「視」は如字である。徐邈は「市至反」に読む。「矍矍」には「俱縛反」と注し jué と読む。徐邈は「許縛反」に読む。馬融は心中いまだ得るところあらざる貌であると説き、鄭玄は目光の正からざることだと説く。「㛰媾」の「媾」は「古豆反」で gòu と読む。「彼動故惧」の「故」は、ある本では「而」と作る。

艮(ごん)

艮(根恨反,止也,鄭云艮之言很也,八純卦象山)。其背(必內反,徐甫載反)。相背(音佩下相背同)。否之(備鄙反)。令物(力呈反)。而強(其兩反)。姧邪(似嗟反)。敵應(應對之應又音膺)。其趾(如字荀作止)。腓(符非反,本又作肥義與咸卦同)。不承(音拯救之拯馬云舉也)。不快(苦夬反)。其限(馬云限要也,鄭荀虞同)。夤(引眞反,馬云夾脊也,鄭本作徐又音胤荀作腎云互體有坎坎為腎)。薫(許云反,荀作動云互體有震震為動)。器喪(息浪反)。

「艮」には「根恨反」と注する。反切注音で gèn と読み、止と訓する。鄭玄は「艮」はすなわち很戾であると説く。この卦は八純卦で、山に象を取る。「其背」の「背」は「必内反」で bèi と読む。徐邈は「甫載反」に読む。「相背」の「背」は「佩」の音で bèi と読み、以下「相背」も同じ。「否之」の「否」は「備鄙反」で pǐ と読む。「令物」の「令」は「力呈反」で líng と読む。「而強」の「強」は「其両反」で qiǎng と読む。「姦邪」の「邪」は「似嗟反」で xié と読む。「敵応」の「応」は「応対」の「応」の読み、また「膺」の音である。「其趾」は如字である。荀爽は「止」と作る。「腓」には「符非反」と注し féi と読む。ある本では「肥」と作り、義は咸卦と同じ。「不承」の「承」は「拯救」の「拯」の読み。馬融は挙と訓する。「不快」の「快」は「苦夬反」で kuài と読む。「其限」は、馬融は「限」は腰であると説き、鄭玄・荀爽・虞翻も同じ。「夤」には「引眞反」と注し yín と読む。馬融は脊を夾む肉であると説く。鄭玄の本では別体と作る。徐邈はまた「胤」の音とする。荀爽は「腎」と作り、互体に坎あり、坎は腎と為ると説く。「薫」には「許雲反」と注し xūn と読む。荀爽は「動」と作り、互体に震あり、震は動と為ると説く。「器喪」の「喪」は「息浪反」で sàng と読む。

漸(ぜん)

漸(捷撿反,以之前為義即階漸之道艮宮歸魂卦)。女歸吉也(王肅本還作女歸吉利貞)。善俗(王肅本作善風俗)。於乾(如字鄭云乾水傍故停水處陸云水畔稱乾毛傳詩云涯也,又云澗也,荀王肅云山間澗水也,翟云涯也)。則困於小子(本又作則困讒於小子)。於謗(博浪反)。讒諛(音㬰)。盤(畔乾反,山石之安也,馬云山中盤紆)。衎衎(苦旦反,馬云饒衍)。祿養(羊尚反)。

「漸」には「捷撿反」と注する。反切注音で jiàn と読み、循序にして前進するを義とし、すなわち階梯漸進の道である。この卦は艮宮帰魂卦である。「女帰吉也」は、王粛の本ではなお「女帰吉、利貞」と作る。「善俗」は、王粛の本では「善風俗」と作る。「于干」は如字である。鄭玄は「干」は水の旁に停まる所であると説き、陸績は水の畔を干というと説き、毛亨の《詩伝》は涯と訓し、また澗と訓し、荀爽・王粛は山間の澗水であると説き、翟氏は涯と訓する。「則困于小子」は、ある本では「則困讒于小子」と作る。「于謗」の「謗」は「博浪反」で bàng と読む。「讒諛」の「諛」は「㬰」の音で yú と読む。「盘」には「畔干反」と注し pán と読み、山石の安穏なる所を指す。馬融は山中の盤曲紆回の地であると説く。「衎衎」には「苦旦反」と注し kàn と読む。馬融は寛饒充裕であると説く。「禄養」の「養」は「羊尚反」で yàng と読む。

歡樂(音洛)。於陸(陸髙之頂也,馬云山上髙平曰陸)。孕(以證反,文云懷子曰孕弋甑反鄭云猶娠也,荀作乗)。復反(扶又反)。邪配(似嗟反)。合好(呼報反)。能間(間廁之間)。離群(力智反,鄭云猶去也)。桷(音角翟云方曰桷桷椽也,馬陸云桷榱也,文云秦曰榱周謂之椽齊魯謂之桷)。安棲(音西字亦作棲)。不累(劣偽反)。峩峩(五何反)。

「歓楽」の「楽」は「洛」の音で lè と読む。「于陸」の「陸」は高き所の頂きである。馬融は山上にして高く平なるを陸というと説く。「孕」には「以証反」と注し yùn と読む。《説文解字》は子を懐くを孕というと説き、「弋甑反」に読む。鄭玄はなお身孕の意だと説く。荀爽は「乗」と作る。「復反」の「復」は「扶又反」で反切注音、fù と読む。「邪配」の「邪」は「似嗟反」で xié と読む。「合好」の「好」は「呼報反」で hào と読む。「能間」の「間」は「間廁」の「間」の読み。「離羣」の「離」は「力智反」で lì と読む。鄭玄はなお離去の意だと説く。「桷」は「角」の音で jué と読む。翟氏は方なるを桷といい、桷はすなわち椽であると説く。馬融・陸績は桷はすなわち榱であると説く。《説文解字》は秦地は榮といい、周地は椽といい、斉魯は桷というと説く。「安栖」の「栖」は「西」の音で xī と読み、字はまた「栖」と書く。「不累」の「累」は「劣偽反」で lèi と読む。「峩峩」には「五何反」と注し é と読む。

帰妹(きまい)

歸妹(婦人謂嫁曰歸妹者少女之稱兊宮歸魂卦)。少女(詩照反,下皆同)。之稱(尺證反,下同)。為長(丁丈反,下皆同)。以(音恱後並同)。所歸妹也(本或作所以歸妹)。不樂(音洛)。妖邪(似嗟反)。知弊(婢世反)。以娣(大計反)。跛(波我反)。娣從(才用反,又如字)。眇(彌小反)。以須(如字待也,鄭云有才智之稱荀陸作嬬陸云妾也)。愆期(起䖍反,馬云過也)。遲(雉夷反,晚也,緩也,陸云待也,一音直兾反)。不正不應(本亦作無應)。有待而行也(一本待作時)。之袂(彌世反)。月幾(音機又音祈荀作旣)。承匡(曲亡反,鄭作筐)。刲(苦圭反,馬云刺也,一音工惠反)。

「帰妹」は、婦人が嫁ぐを「帰」といい、「妹」は少女の称である。この卦は兌宮帰魂卦である。「少女」の「少」は「詩照反」で反切注音、shào と読み、以下すべて同じ。「之称」の「称」は「尺証反」で chèng と読み、以下同じ。「為長」の「長」は「丁丈反」で zhǎng と読み、以下すべて同じ。次の条の頭字はすでに脱け、「音恱」と注し yuè と読み、後文はすべて同じ。「所帰妹也」は、ある本では「所以帰妹」と作る。「不楽」の「楽」は「洛」の音で lè と読む。「妖邪」の「邪」は「似嗟反」で xié と読む。「知弊」の「弊」は「婢世反」で bì と読む。「以娣」の「娣」は「大計反」で dì と読む。「跛」には「波我反」と注し bǒ と読む。「娣従」の「従」は「才用反」で zòng と読み、如字に読んでもよい。「眇」には「弥小反」と注し miǎo と読む。「以須」は如字で、待と訓する。鄭玄は才智ある者の称であると説く。荀爽・陸績は「嬬」と作り、陸績は妾であると説く。「愆期」の「愆」は「起䖍反」で qiān と読む。馬融は過と訓する。「遅」には「雉夷反」と注し chí と読み、晩・緩と訓する。陸績は待と訓する。一音「直兾反」である。「不正不応」は、ある本では「无応」と作る。「有待而行也」は、別の本では「待」を「時」と作る。「之袂」の「袂」は「弥世反」で mèi と読む。「月幾」の「幾」は「機」の音、また「祈」の音である。荀爽は「旣」と作る。「承匡」の「匡」は「曲亡反」で kuāng と読む。鄭玄は「筐」と作る。「刲」には「苦圭反」と注し kuī と読む。馬融は刺と訓する。一音「工惠反」である。

豊(ほう)

周易下經豐傳第六豐(芳忠反,字林匹忠反依字作豐今並三直畫猶是變體若曲下作豆禮字耳非也,世人亂之久矣及序卦皆云大也,案豐是腆厚光大之義鄭云豐之言倎充滿意也,坎宮五世卦)。王假(庚白反,至也,下同馬古雅反大也)。闡(昌善反)。而令(力呈反)。以徧(音遍)。則昊(如字孟作稷)。則食(如字或作蝕非)。則溢(本或作則方溢者非)。以折(之舌反,斷也,下及注同)。其配(如字鄭作妃云嘉耦曰妃)。雖旬(如字均也,王肅尚純反或音唇荀作均劉昞作鈞)。則爭(爭鬥之爭下皆同)。

この段は巻題「周易下経豊伝第六」から始まる。「豊」には「芳忠反」と注する。反切注音で fēng と読む。《字林》は「匹忠反」に読む。字形に依れば「丰」と作るべきで、いま中の並ぶ三画を直画に写してもなお変体に属し、もし下部が曲折して「豆」と作るなら、それは「豊」(礼)字で、正しくない。世の人が混同してすでに久しい。卦辞と《序卦伝》はともに大と訓する。按ずるに「豊」は腆厚光大の義で、鄭玄は「豊」はすなわち充满の意であると説く。この卦は坎宮五世卦である。「王假」の「假」は「庚白反」で gé と読み、至と訓し、以下同じ。馬融は「古雅反」に読み jiǎ、大と訓する。「闡」には「昌善反」と注し chǎn と読む。「而令」の「令」は「力呈反」で líng と読む。「以徧」の「徧」は「遍」の音で biàn と読む。「則昊」は如字である。孟喜の本では「稷」と作る。「則食」は如字である。ある本では「蝕」と作るが、それは誤りである。「則溢」は、ある本では「則方溢」と作るが、それは誤りである。「以折」の「折」は「之舌反」で zhé と読み、断と訓し、以下および注中同じ。「其配」は如字である。鄭玄は「妃」と作り、美しき配偶を妃というと説く。「虽旬」は如字で、均と訓する。王粛は「尚純反」に読み、あるいは「唇」の音である。荀爽は「均」と作り、劉昞は「鈞」と作る。「則争」の「争」は「争闘」の「争」の読み、以下すべて同じ。

蔀(音部王廙同蒲戸反王肅普苟反畧例云大暗之謂蔀馬云蔀小也,鄭薛作菩云小席)。見斗(孟作見主)。曖(音愛)。鄣(音章又止尚反字又作障同)。斗見者(賢遍反,下不見同)。不邪(似嗟反)。沛(本或作旆謂幡幔也,又普貝反姚云滂沛也,王廙豐蓋反又補賴反徐普蓋反子夏作芾傳云小也,鄭乾作韋云祭祀之蔽膝)。沬(徐武蓋反又亡對反微昧之光也,字林作昧亡太反云斗杓後星王肅云音妹鄭作昧服虔云日中而昬也,子夏傳云昧星之小者馬同薛云輔星也)。肱(古弘反,姚作股)。幡(芳反)。

「蔀」は「部」の音で、王廙も同じくすなわち「蒲戸反」で bù と読む。王粛は「普苟反」に読む。王弼の《周易略例》は大暗を蔀というと説く。馬融は「蔀」を小と訓する。鄭玄・薛虞は「菩」と作り、小席であると説く。「見斗」は、孟喜の本では「見主」と作る。「曖」は「愛」の音で ài と読む。「鄣」は「章」の音で zhāng と読み、また「止尚反」に読む。字はまた「障」と作り、同じ。「斗見者」の「見」は「賢遍反」で反切注音、xiàn と読み、以下「不見」も同じ。「不邪」の「邪」は「似嗟反」で xié と読む。「沛」はある本では「旆」と作り、幡幔であると説き、また「普貝反」に読む。姚信は滂沛であると説く。王廙は「豊蓋反」に読み、また「補頼反」に読む。徐邈は「普蓋反」に読む。《子夏易伝》は「芾」と作り、その伝は小と訓する。鄭玄・干宝は「韋」と作り、祭祀の時に用いる蔽膝であると説く。「沬」の字は、徐邈は「武蓋反」に読み、また「亡対反」に読み、微かに暗き光を指す。《字林》は「昧」と作り、「亡太反」に読み、斗柄の後の星であると説く。王粛は「妹」の音であると説く。鄭玄は「昧」と作り、服虔は日中にして昏暗であると説き、《子夏易伝》は昧星の中の小星であると説き、馬融も同じ。薛虞は輔星であると説く。「肱」には「古弘反」と注し gōng と読む。姚信は「股」と作る。「幡」の反切の下字はすでに脱け、「芳」が上字として残るのみで、字は fān と読む。

幔(末半反)。以御(魚呂反)。微昧(音妹)。豐其屋(文作豐云大屋也)。窺(苦規反,李登雲小視)。(苦鵙反,徐苦鶂反一音苦馘反馬鄭云無人貌字林云靜也,姚作䦧孟作窒並通)。覿(徒歷反)。藏(如字)。(於鴆反)。其行(下孟反)。治道(直吏反,下同)。天際(如字鄭云當為瘵瘵病也)。翔(鄭王肅作祥)。翳光(烏細反)。自藏(如字眾家作戕慈羊反馬王肅云殘也,鄭云傷也)。有為(於偽反)。不出戸庭(此引節卦九二爻辭應云門庭作戸誤也,或云門戸通語)。

「幔」には「末半反」と注し、反切注音で màn と読む。「以御」の「御」は「魚呂反」で yù と読む。「微昧」の「昧」は「妹」の音で mèi と読む。「豊其屋」は、《説文解字》では「丰」と作り、大きな屋であると説く。「窺」には「苦規反」と注し kuī と読む。李登は小孔より窺い見ることだと説く。次の条の頭字はすでに脱け、「苦鵙反」と注す。徐邈は「苦鶂反」に読み、一音「苦馘反」。馬融・鄭玄は人なき貌であると説き、《字林》は静と訓する。姚信は「䦧」と作り、孟喜は「窒」と作り、いずれも通ず。「覿」には「徒歴反」と注し dí と読む。「蔵」は如字である。さらに次の条の頭字はすでに脱け、「于鴆反」と注し yìn と読む。「其行」の「行」は「下孟反」で xìng と読む。「治道」の「治」は「直吏反」で zhì と読み、以下同じ。「天際」は如字である。鄭玄は「際」は「瘵」と作るべきで、「瘵」は病であると説く。「翔」の字は、鄭玄・王粛は「祥」と作る。「翳光」の「翳」は「烏細反」で yì と読む。「自蔵」は如字である。諸家は「戕」と作り、「慈羊反」に読み、馬融・王粛は残と訓し、鄭玄は傷と訓する。「有為」の「為」は「于偽反」で wèi と読む。「不出戸庭」の一句は、これは節卦九二の爻辞を引いたもので、本来は「門庭」と作るべきで、「戸庭」と書くは誤りである。また「門」「戸」は通用の語であると説く者もある。

旅(りょ)

旅(力舉反,羇旅也,序卦云旅而無所容雜卦云親寡旅是也,離宮一世卦王肅等以為軍旅)。特重(直用反)。物長(丁丈反)。而復(扶又反,六五注同)。令附(力呈反)。非知(音智)。瑣瑣(悉果反,或作璅字者非也,鄭云瑣瑣小也,馬云疲弊貌王肅云細小貌)。懷其資(本或作懷其資斧非)。喪(息浪反,卦內並下卦同)。為施(始豉反)。與萌(如字又音預)。得其資斧(如字子夏傳及眾家並作齊斧張云齊斧蓋黃鉞斧也,張晏云整齊也,應劭云齊利也,虞喜志林云齊當作齋齋戒入廟而受斧下卦同)。

「旅」には「力挙反」と注する。反切注音で lǚ と読み、羈旅して外にあるを指す。《序卦伝》は旅行して容るる所なしと説き、《雑卦伝》は親疎なればすなわち旅と説くが、すなわちこの義である。この卦は離宮一世卦である。王粛らは則ち軍旅の旅と見做す。「特重」の「重」は「直用反」で zhòng と読む。「物長」の「長」は「丁丈反」で zhǎng と読む。「而復」の「復」は「扶又反」で fù と読み、六五の注文も同じ。「令附」の「令」は「力呈反」で líng と読む。「非知」の「知」は「智」の音で zhì と読む。「瑣瑣」には「悉果反」と注し suǒ と読む。ある書きでは「璅」の字とするが、それは誤りである。鄭玄は「瑣瑣」は小であると説き、馬融は疲弊の貌であると説き、王粛は細小の貌であると説く。「懐其資」は、ある本では「懐其資斧」と作るが、それは誤りである。「喪」には「息浪反」と注し sàng と読み、卦内および下卦はすべて同じ。「為施」の「施」は「始豉反」で shì と読む。「与萌」の「与」は如字で、また「預」の音である。「得其資斧」は如字である。《子夏易伝》および諸家はすべて「斉斧」と作る。張氏は「斉斧」はほぼ黄鉞の斧であると説き、張晏は斉整と訓し、応劭は斉利と訓する。虞喜の《志林》は「斉」は「斎」と作るべきで、斎戒して廟に入りて斧を受くを謂うと説き、下卦も同じ。

不快(苦夬反)。斫(諸若反)。平坦(吐但反)。射雉(食亦反,注同)。而上(時掌反)。上逮(音代一音大計反)。號(戸羔反)。咷(道羔反)。於易(以豉反,注同王肅音亦)。所嫉(音疾字林音自,本亦作疾下同)。其義焚也(馬云義冝也,一本作冝其焚也)。喪牛之凶(本亦作喪牛于易)。

「不快」の「快」は「苦夬反」で反切注音、kuài と読む。「斫」には「諸若反」と注し zhuó と読む。「平坦」の「坦」は「吐但反」で tǎn と読む。「射雉」の「射」は「食亦反」で shè と読み、注文も同じ。「而上」の「上」は「時掌反」で shǎng と読む。「上逮」の「逮」は「代」の音で dài と読み、一音「大計反」である。「号」には「戸羔反」と注し háo と読む。「咷」には「道羔反」と注し táo と読む。「于易」の「易」は「以豉反」で yì と読み、注文も同じ。王粛は「亦」の音とする。「所嫉」の「嫉」は「疾」の音で jí と読む。《字林》は「自」の音とする。ある本では「疾」と作り、以下同じ。「其義焚也」は、馬融は「義」はすなわち宜であると説く。別の本では「冝其焚也」と作る。「喪牛之凶」は、ある本では「喪牛于易」と作る。

巽(そん)

巽(孫問反,入也,廣雅云順也,八純卦象風象木)。巽弟(大計反,本亦作悌)。重巽(直龍反)。齊邪(似嗟反,下並下卦同)。志治(直吏反)。紛(芳云反,廣雅云眾也,喜也,一云盛也)。而復(扶又反,下同)。神祇(祁支反)。頻顣(乾寂反,又子六反此同鄭意)。不樂(音洛)。逺不(萬反)。之庖(歩交反)。先庚(西薦反,注同)。後庚(胡豆反)。卒以(寸忽反,下同)。不(字又作恱同)。先申(音身或作甲字非)。以斷(丁亂反,下同)。

「巽」には「孫問反」と注する。反切注音で xùn と読み、入と訓する。《広雅》は順と訓する。この卦は八純卦で、風に象を取り、木に象を取る。「巽弟」の「弟」は「大計反」で tì と読む。ある本では「悌」と作る。「重巽」の「重」は「直龍反」で chóng と読む。「斉邪」の「邪」は「似嗟反」で xié と読み、以下および下卦はすべて同じ。「志治」の「治」は「直吏反」で zhì と読む。「紛」には「芳雲反」と注し fēn と読む。《広雅》は衆・喜と訓し、一説は盛と訓する。「而復」の「復」は「扶又反」で fù と読み、以下同じ。「神祇」の「祇」は「祁支反」で qí と読む。「頻顣」の「顣」は「干寂反」で、また「子六反」に読み cù、この読みは鄭玄の意と合う。「不楽」の「楽」は「洛」の音で lè と読む。「逺不」の「逺」はすなわち「遠」で、「万反」と注し、反切の上字はすでに脱け、字は yuàn と読む。「之庖」の「庖」は「歩交反」で páo と読む。「先庚」の「先」は「西薦反」で xiàn と読み、注文も同じ。「後庚」の「後」は「胡豆反」で hòu と読む。「卒以」の「卒」は「寸忽反」で cù と読み、以下同じ。次の条の「不」字の下にはすでに一字が脱け、この字はまた「恱」と書き、同じ。「先申」の「申」は「身」の音である。ある書きでは「甲」の字とするが、それは誤りである。「以断」の「断」は「丁乱反」で duàn と読み、以下同じ。

兌(だ)

兊(徒外反,恱也,八純卦象澤)。兊(音恱卦內並同)。以先(西薦反,又如字)。犯難(乃旦反)。麗澤(如字麗連也,鄭作離云猶並也)。黨繫(本亦作繫)。商兊(如字商商量也,鄭云隱度也)。介疾(音界隔也,馬云大也)。將近(附近之近)。比於(毗志反)。道長(丁丈反)。

「兊」はすなわち「兑」で、「徒外反」と注し、反切注音で duì と読み、恱と訓する。この卦は八純卦で、沢に象を取る。別の「兊」の字は「恱」の音で yuè と読み、卦内はすべて同じ。「以先」の「先」は「西薦反」で xiàn と読み、如字に読んでもよい。「犯難」の「難」は「乃旦反」で nàn と読む。「麗沢」は如字で、「麗」は連と訓する。鄭玄は「離」と作り、なお並列の意だと説く。「党系」の「系」は、ある本では別の「系」の字と作る。「商兊」は如字で、「商」は商量である。鄭玄は陰かに忖度することだと説く。「介疾」の「介」は「界」の音で jiè と読み、隔と訓する。馬融は大と訓する。「将近」の「近」は「附近」の「近」の読み。「比于」の「比」は「毗志反」で bì と読む。「道長」の「長」は「丁丈反」で zhǎng と読む。

渙(かん)

渙(呼亂反,散也,序卦云離也,離宮五世卦)。王假(庚白反,下同梁武帝音賈)。而上(如字又時掌反)。之難(乃旦反,卦內同)。之累(劣偽反)。享於(香兩反)。用拯(拯救之拯馬云舉也,伏曼容云濟也,王肅云拔也,子夏作抍抍取也)。以逝(逝又作遊)。厄劇(本又作危處又作厄處)。逃竄(七亂反)。險爭(爭之爭)。機(音幾)。有丘(姚作有近)。匪夷(荀作匪弟)。丘墟(去魚反)。渙汗(下旦反)。以蕩(徒黨反)。險阨(於隔反)。以假(古雅反)。逖(湯歷反)。血去(羌呂反)。最逺(萬反,下於逺象逺害並同)。不近(附近之近)。

「渙」には「呼乱反」と注する。反切注音で huàn と読み、散と訓する。《序卦伝》は離と訓する。この卦は離宮五世卦である。「王假」の「假」は「庚白反」で gé と読み、以下同じ。梁武帝は「賈」の音とする。「而上」は如字で、また「時掌反」に読み shǎng。「之難」の「難」は「乃旦反」で nàn と読み、卦内は同じ。「之累」の「累」は「劣偽反」で lèi と読む。「享于」の「享」は「香両反」で xiǎng と読む。「用拯」の「拯」は「拯救」の「拯」の読み。馬融は挙と訓し、伏曼容は済と訓し、王粛は抜と訓する。《子夏易伝》は「抍」と作り、「抍」は取である。「以逝」の「逝」はまた「游」と作る。「厄劇」は、ある本では「危処」と作り、また「厄処」と作る。「逃竄」の「竄」は「七乱反」で cuàn と読む。「険争」の「争」は「争闘」の「争」の読み。「机」は「幾」の音で jī と読む。「有丘」は、姚信の本では「有近」と作る。「匪夷」は、荀爽の本では「匪弟」と作る。「丘墟」の「墟」は「去魚反」で xū と読む。「渙汗」の「汗」は「下旦反」で hàn と読む。「以蕩」の「蕩」は「徒党反」で dàng と読む。「険阨」の「阨」は「于隔反」で è と読む。「以假」の「假」は「古雅反」で jiǎ と読む。「逖」には「湯歴反」と注し tì と読む。「血去」の「去」は「羗呂反」で qù と読む。「最逺」の「逺」はすなわち「遠」で、「万反」と注し、反切の上字はすでに脱け、字は yuàn と読み、以下「於逺」および《象伝》の「逺害」もすべて同じ。「不近」の「近」は「附近」の「近」の読み。

節(せつ)

節(薦絜反,止也,明禮有制度之名一云分段支節之義坎宮一世卦)。男女別(彼列反)。復正(扶又反)。以(音恱注同)。澤上有水(上或作中今不用)。德行(下孟反,下注同)。故匿(女力反)。所怨(紆萬反,又紆元反)。

「節」には「薦絜反」と注する。反切注音で jié と読み、止と訓し、礼に制度あることを彰明する名目である。一説は分段肢節の義を取る。この卦は坎宮一世卦である。「男女別」の「別」は「彼列反」で bié と読む。「復正」の「復」は「扶又反」で fù と読む。次の条の頭字はすでに脱け、「音恱」と注し yuè と読み、注文も同じ。「沢上有水」の「上」は、ある本では「中」と作るが、いま採用しない。「徳行」の「行」は「下孟反」で xìng と読み、以下の注中も同じ。「故匿」の「匿」は「女力反」で nì と読む。「所怨」の「怨」は「紆万反」で yuàn と読み、また「紆元反」に読む。

中孚(ちゅうふ)

中孚(芳夫反,信也,艮宮游魂卦)。豚(徒尊反,黃作遯)。而(音恱下注皆同)。乖爭(爭之爭)。之行(下孟反)。畜之(許六反,本或作獸)。渉難(乃旦反)。有它(音他)。燕(音燕)。鶴(戸各反)。和之(胡臥反,注及下同)。好爵(如字王肅呼報反孟云好小也)。爾靡(本又作縻同亡池反散也,乾同徐又武反又亡彼反韓詩云共也,孟同埤蒼作縻云散也,陸作䌕京作劘)。

「中孚」の「孚」は「芳夫反」で反切注音、fú と読み、信と訓する。この卦は艮宮游魂卦である。「豚」には「徒尊反」と注し tún と読む。黄穎は「遯」と作る。次の条の頭字はすでに脱け、「音恱」と注し yuè と読み、以下の注中はすべて同じ。「乖争」の「争」は「争闘」の「争」の読み。「之行」の「行」は「下孟反」で xìng と読む。「畜之」の「畜」は「許六反」で xù と読む。ある本では「獣」と作る。「渉難」の「難」は「乃旦反」で nàn と読む。「有它」の「它」は「他」の音で tā と読む。「燕」は「燕」の音で yàn と読む。「鶴」には「戸各反」と注し hè と読む。「和之」の「和」は「胡臥反」で hè と読み、注文および以下同じ。「好爵」は如字である。王粛は「呼報反」に読む。孟喜は「好」は小と訓すると説く。「爾靡」の「靡」は、ある本では「縻」と作り、同じく「亡池反」に読み mí、散と訓し、干宝も同じ。徐邈は別に一読あり、その字はすでに脱け、また「亡彼反」に読む。《韓詩》は共と訓し、孟喜も同じ。《埤蒼》は「縻」と作り、散と訓する。陸績は「䌕」と作り、京房は「劘」と作る。

重陰(直龍反)。不徇(似俊反)。或罷(如字王肅音皮徐扙彼反)。少陰(詩照反)。長陰(丁丈反)。相比(毗志反)。而閡(五代反)。憊(備拜反)。幾望(音禨又音祈京作近荀作旣)。而上(時掌反,象同)。攣(力圎反,廣雅云拲也)。可舎(音舍)。翰(胡旦反,髙飛)。內喪(息浪反)。

「重陰」の「重」は「直龍反」で反切注音、chóng と読む。「不徇」の「徇」は「似俊反」で xùn と読む。「或罷」は如字である。王粛は「皮」の音とする。徐邈は「扙彼反」に読む。「少陰」の「少」は「詩照反」で shào と読む。「長陰」の「長」は「丁丈反」で zhǎng と読む。「相比」の「比」は「毗志反」で bì と読む。「而閡」の「閡」は「五代反」で ài と読む。「憊」には「備拝反」と注し bèi と読む。「幾望」の「幾」は「禨」の音、また「祈」の音である。京房の本では「近」と作り、荀爽は「旣」と作る。「而上」の「上」は「時掌反」で shǎng と読み、《象伝》も同じ。「攣」には「力圎反」と注し luán と読む。《広雅》は手を拱いて相牽くことだと説く。「可舎」の「舎」は「舍」の音である。「翰」には「胡旦反」と注し hàn と読み、高く飛ぶことを指す。「内喪」の「喪」は「息浪反」で sàng と読む。

小過(しょうか)

小過(古臥反,義與大過同王肅云音戈兊宮游魂卦)。遺之(如字)。不冝上(時掌反,注同下及文不冝上上六註上亦同鄭如字謂君也)。而浸(子鴆反)。以行(下孟反)。所錯(本又作措又作厝同七路反)。其妣(必履反)。於(子念反)。盡於(津忍反)。或戕(徐在良反注同)。故令(力呈反,注同)。先過(西薦反)。而復(扶又反,卦末同)。

「小過」の「過」は「古臥反」で反切注音、guò と読み、義は大過卦と同じ。王粛は「戈」の音であると説く。この卦は兌宮游魂卦である。「遺之」は如字に読む。「不冝上」の「上」は「時掌反」で shǎng と読み、注文も同じ、以下および《彖》《象》の文辞中の「不冝上」、上六の注文の「上」も同じ。鄭玄は如字に読み、君上を指すと説く。「而浸」の「浸」は「子鴆反」で jìn と読む。「以行」の「行」は「下孟反」で xìng と読む。「所錯」はある本では「措」と作り、また「厝」と作り、同じく「七路反」に読み cuò。「其妣」の「妣」は「必履反」で bǐ と読む。次の条の「于」の下の字はすでに脱け、「子念反」と注し、字は jiàn と読む。「尽于」の「尽」は「津忍反」で jǐn と読む。「或戕」の「戕」は、徐邈は「在良反」に読み qiāng、注文も同じ。「故令」の「令」は「力呈反」で líng と読み、注文も同じ。「先過」の「先」は「西薦反」で xiàn と読む。「而復」の「復」は「扶又反」で fù と読み、卦末も同じ。

晏安(於諫反,又音宴)。鴆(除䕃反,本亦作酖)。沒怯(去業反)。公弋(餘職反)。則蒸(章勝反,字又作烝或作媵字非)。小畜(本又作蓄同勑六反)。其施(始豉反)。而難(乃旦反)。巳上也(並如字上又時掌反注同鄭作尚云庶幾也)。陽巳上故止也(本又作陽巳上故少陰止少音多少之少)。上六弗遇(王付反,本多誤故詳之)。災眚(生領反)。

「晏安」の「晏」は「于諫反」で反切注音、yàn と読み、また「宴」の音である。「鴆」には「除䕃反」と注し zhèn と読む。ある本では「酖」と作る。「没怯」の「怯」は「去業反」で qiè と読む。「公弋」の「弋」は「余職反」で yì と読む。「則蒸」の「蒸」は「章勝反」で zhēng と読む。字はまた「烝」と作る。ある書きでは「媵」の字とするが、それは誤りである。「小畜」の「畜」は、ある本では「蓄」と作り、同じく「勑六反」に読み chù。「其施」の「施」は「始豉反」で shì と読む。「而難」の「難」は「乃旦反」で nàn と読む。「巳上也」の二字はともに如字に読む。「上」はまた「時掌反」に読み shǎng、注文も同じ。鄭玄は「尚」と作り、庶幾と訓する。「陽巳上故止也」は、ある本では「陽巳上故少陰止」と作り、「少」は「多少」の「少」の読み。「上六弗遇」の「弗」は「王付反」で fú と読む。諸本には訛誤多きがゆえにここに詳しく辨明する。「灾眚」の「眚」は「生領反」で shěng と読む。

既済(きせい)

旣濟(節計反,下卦同鄭云旣巳也,盡也,濟度也,坎宮三世卦)。亨小(絶句以小連利貞者非)。則邪(似嗟反,下同)。曳(以制反)。濡其(音儒注同)。於燥(西早反)。未造(七報反)。易(以豉反)。棄難(乃旦反,卦末並下卦同)。婦喪(息浪反,注皆同)。其茀(方拂反,首飾也,馬同乾云馬髴也,鄭云車蔽也,子夏作髴荀作紱董作髢)。不比(毗志反)。

「旣済」の「済」は「節計反」で反切注音、jì と読み、下卦も同じ。鄭玄は「旣」は已・尽と訓し、「済」は渡と訓すると説く。この卦は坎宮三世卦である。「亨小」はここで句を切る。「小」を「利貞」に連ねて読むは誤りである。「則邪」の「邪」は「似嗟反」で xié と読み、以下同じ。「曳」には「以制反」と注し yè と読む。「濡其」の「濡」は「儒」の音で rú と読み、注文も同じ。「于燥」の「燥」は「西早反」で sào と読む。「未造」の「造」は「七報反」で zào と読む。「易」には「以豉反」と注し yì と読む。「棄難」の「難」は「乃旦反」で nàn と読み、卦末および下卦はすべて同じ。「婦喪」の「喪」は「息浪反」で sàng と読み、注文はすべて同じ。「其茀」の「茀」は「方拂反」で fú と読み、首飾で、馬融も同じ。干宝は馬鬃の飾であると説く。鄭玄は車上の遮蔽であると説く。《子夏易伝》は「髴」と作り、荀爽は「紱」と作り、董遇は「髢」と作る。「不比」の「比」は「毗志反」で bì と読む。

方(蒼頡篇云逺也)。憊(備拜反,鄭云劣弱也,陸作備云當為憊憊困劣也)。繻有(而朱反,鄭王肅云音須子夏作王廙同薛云古文作繻)。衣袽(女居反,絲袽也,王肅音如文作絮云縕也,廣雅云絮塞也,子夏作茹京作絮)。有郄(去逆反)。禴(羊畧反,祭之薄者)。沼(之紹反)。沚(音止)。蘋(音頻)。蘩(音煩)。非馨(呼庭反)。

「方」は、《蒼頡篇》は逺と訓する。「憊」には「備拝反」と注し、反切注音で bèi と読む。鄭玄は劣弱であると説く。陸績は「備」と作り、「憊」と作るべきで、「憊」は困頓衰弱であると説く。「繻有」の「繻」は「而朱反」で rú と読む。鄭玄・王粛は「須」の音とする。《子夏易伝》は別体と作り、王廙も同じ。薛虞は古文は「繻」と作ると説く。「衣袽」の「袽」は「女居反」で rú と読み、破れたる糸絮を指す。王粛は「如」の音とする。《説文解字》は「絮」と作り、乱麻と訓する。《広雅》は絮は漏を塞ぐべしと説く。《子夏易伝》は「茹」と作り、京房は「絮」と作る。「有郄」の「郄」は「去逆反」で xì と読む。「禴」には「羊畧反」と注し yuè と読み、祭品の微薄なる祭である。「沼」には「之紹反」と注し zhǎo と読む。「沚」は「止」の音で zhǐ と読む。「苹」は「頻」の音で píng と読む。「蘩」は「煩」の音で fán と読む。「非馨」の「馨」は「呼庭反」で xīn と読む。

未済(びせい)

未濟(離宮三世卦)。小狐(徐音胡)。汔(許訖反,文云水涸也,鄭云幾也)。令物(力呈反)。各得其所(一本得作當)。經綸(本又作論同音倫又魯門反)。屯(張倫反)。蹇(紀勉反)。循難(似遵反,猶履也)。喪其(息浪反)。已比(上音紀下毗志反)。以近(附近之近)。暉(許歸反,字又作輝)。而耽(丁南反)。於樂(音洛)。

「未済」は、この卦は離宮三世卦である。「小狐」の「狐」は、徐邈は「胡」の音で hú と読む。「汔」には「許訖反」と注し、反切注音で qì と読む。《説文解字》は水の乾涸するをいうと説き、鄭玄は幾近と訓する。「令物」の「令」は「力呈反」で líng と読む。「各得其所」は、別の本では「得」を「当」と作る。「経綸」の「綸」は、ある本では「論」と作り、同じく「倫」の音で lún と読み、また「魯門反」に読む。「屯」には「張倫反」と注し zhūn と読む。「蹇」には「紀勉反」と注し jiǎn と読む。「循難」の「循」は「似遵反」で xún と読み、なお履践の意である。「喪其」の「喪」は「息浪反」で sàng と読む。「已比」の二字は、上の字は「紀」の音、下の字は「毗志反」に読み bì。「以近」の「近」は「附近」の「近」の読み。「暉」には「許帰反」と注し huī と読み、字はまた「輝」と作る。「而耽」の「耽」は「丁南反」で dān と読む。「于楽」の「楽」は「洛」の音で lè と読む。

繋辞上(けいじじょう)

周易繫(徐胡詣反本係也,又音繫續也,字從直作下糹者音口奚反非)。辭(本亦作依字應作詞也,文云詞者意內而言外也,辭不受也,受辛者辭辝籕文辭字也)。上第七(本亦作繫辭上王肅本皆作繫辭上傳訖於雜卦皆有傳字本亦有無上字者)。韓伯注(本亦作韓康伯注案王輔嗣止注六經講者相承用韓注繫辭以下續之)。地卑(如字又音婢,本又作埤同)。其易之門(本亦作其易之門戶)。斷矣(丁亂反)。之分(符問反,章末注同)。著矣(張慮反)。見矣(賢徧反,注同)。縣象(音)。雨施(始䜴反)。

「周易繋」の「繋」は、徐邈は「胡詣反」に読み xì、本来は「繫」の字である。また「系」の音、接続と訓する。もし上が「直」で下が「糸」の字形と書くなら、それは「口奚反」に読むべきで、ここでは合わない。「辞」は、ある本では別体と作る。字形に依れば本来は「詞」と作るべきで、《説文解字》は「詞」は意は内に在りて言は外に在るをいうと説く。「辞」は受けざるの義である。「受」と「辛」とより成るあの字こそ「辞」で、「辝」は籀文の「辞」の字である。「上第七」は、ある本では「繋辞上」と作る。王粛の本ではすべて「繋辞上伝」と作り、《雑卦》の各篇に至るまでみな「伝」の字を帯ぶ。またある本には「上」の字がない。「韓伯注」は、ある本では「韓康伯注」と作る。按ずるに王輔嗣は六十四卦の経文のみ注し、《易》を講ずる者は相承けて韓康伯の注する《繋辞》以下を用いて続けて全書を成す。「地卑」は如字で、また「婢」の音である。ある本では「埤」と作り、同じ。「其易之門」は、ある本では「其易之門戸」と作る。「断矣」の「断」は「丁乱反」で反切注音、duàn と読む。「之分」の「分」は「符問反」で fèn と読み、章末の注文も同じ。「着矣」の「着」は「張慮反」で zhù と読む。「見矣」の「見」は「賢徧反」で xiàn と読み、注文も同じ。「縣象」の「縣」は、その注音の字はすでに脱け、字は xuán と読む。「雨施」の「施」は「始䜴反」で shì と読む。

相摩(本又作磨末何反京云相磑切也,磑音古代反馬云摩切也,鄭注禮記云迫也,迫音百)。相蕩(眾家作蕩王肅音唐黨反馬云除也,桓云動也,唯韓云相推蕩)。鼓之(虞陸董皆云鼓鼓動也)。霆(王肅呂忱音庭徐又徒鼎反又音定京云霆者雷之餘氣挺生萬物也,文同蜀才云凝為電)。運行(姚作違行)。大始(音泰王肅作泰)。坤作(虞姚作坤化姚云化當為作)。易知(以豉反,訖章末同鄭荀董並音亦)。能(如字姚云能當為從)。而成位乎其中(馬王肅作而易成位乎其中)。繫辭(音繫卷內皆同)。

「相摩」の「摩」は、ある本では「磨」と作り、「末何反」で反切注音、mó と読む。京房は互いに磑磨切錯すと説き、「磑」は「古代反」の音である。馬融は摩切と訓する。鄭玄の《礼記》注は迫近と訓し、「迫」は「百」の音である。「相蕩」の「蕩」は、諸家はすべて「蕩」と作る。王粛は「唐党反」の音とする。馬融は除と訓し、桓氏は動と訓する。ただ韓康伯のみ互いに推蕩すと説く。「鼓之」は、虞翻・陸績・董遇はすべて「鼓」はすなわち鼓動であると説く。「霆」は、王粛・呂忱は「庭」の音で tíng と読む。徐邈はまた「徒鼎反」に読み、また「定」の音である。京房は霆は雷の余気で、よく万物を挺生すと説き、《説文解字》も同じ。蜀才は凝聚して電と為ると説く。「運行」は、姚信の本では「違行」と作る。「大始」の「大」は「泰」の音で tài と読む。王粛はそのまま「泰」と作る。「坤作」は、虞翻・姚信は「坤化」と作り、姚信は「化」は「作」と作るべきだと説く。「易知」の「易」は「以豉反」で yì と読み、章末に至るまで同じ。鄭玄・荀爽・董遇はすべて「亦」の音とする。「能」の次の字は如字である。姚信は「能」は「従」と作るべきだと説く。「而成位乎其中」は、馬融・王粛の本では「而易成位乎其中」と作る。「繋辞」の「繋」は「系」の音で xì と読み、巻内はすべて同じ。

焉而明吉凶(虞本更有悔吝二字)。迭(田節反)。剛柔者晝夜之象(虞作晝夜者剛柔之象)。三極(陸云極至也,馬云三統也,鄭韓云三才也,王肅云陰陽剛柔仁義為三極)。能見(賢遍反)。易之序也(陸云序象也,京云次也,虞本作象)。所樂(音嶽適會也,虞本作所變)。而玩(五亂反,研玩也,馬云貪也,鄭作翫)。佑之(音又後同)。爻者(戸交反,文云交也)。小疵(徐才斯反馬云瑕也)。辯吉凶(如字京云明也,虞董姚顧蜀才並云別也,音彼列反)。見乎(賢遍反)。乎介(音界注同王肅乾韓云纎介也)。

「焉而明吉凶」は、虞翻の本ではここに「悔吝」の二字がある。「迭」には「田節反」と注し、反切注音で dié と読む。「剛柔者昼夜之象」は、虞翻の本では「昼夜者剛柔之象」と作る。「三極」は、陸績は「極」は至と訓し、馬融は三統であると説き、鄭玄・韓康伯は三才であると説き、王粛は陰陽・剛柔・仁義を三極と為すと説く。「能見」の「見」は「賢遍反」で xiàn と読む。「易之序也」は、陸績は「序」はすなわち象であると説き、京房は次第と訓し、虞翻の本では「象」と作る。「所楽」の「楽」は「岳」の音で yuè と読み、適会と訓する。虞翻の本では「所変」と作る。「而玩」の「玩」は「五乱反」で wàn と読み、研玩の義である。馬融は貪と訓する。鄭玄は「翫」と作る。「佑之」の「佑」は「又」の音で yòu と読み、後文も同じ。「爻者」の「爻」は「戸交反」で yáo と読む。《説文解字》は交と訓する。「小疵」の「疵」は、徐邈は「才斯反」に読み cī。馬融は瑕と訓する。「辯吉凶」は如字である。京房は明と訓する。虞翻・董遇・姚信・顧氏・蜀才はすべて別と訓し、「彼列反」の音である。「見乎」の「見」は「賢遍反」で xiàn と読む。「乎介」の「介」は「界」の音で jiè と読み、注文も同じ。王粛・干宝・韓康伯は繊介の細であると説く。

纎(息亷反)。震無咎(馬云震驚也,鄭云懼也,王肅韓云動也,周云救也)。險易(以豉反,注同京云險惡也,易善也)。之否(備鄙反)。天地準(如字京云準等也,鄭云中也,平也)。彌(如字,本又作彌)。綸(音倫京云彌遍綸知也,王肅云綸纒裹也,荀云彌終也,綸跡也)。天下之道(一本作天地)。俯以(音甫)。察於(一本作觀於)。反終(鄭虞作及終)。之(如字宋衷始銳反云舎也)。煙(音因)。熅(紆云反)。盡聚(津忍反,下同)。知周(音智注同)。道濟(如字鄭云道當作導)。

「纎」には「息亷反」と注し、反切注音で xiān と読む。「震无咎」の「震」は、馬融は驚と訓し、鄭玄は惧と訓し、王粛・韓康伯は動と訓し、周弘正は救と訓する。「険易」の「易」は「以豉反」で yì と読み、注文も同じ。京房は「険」は悪、「易」は善であると説く。「之否」の「否」は「備鄙反」で pǐ と読む。「天地準」は如字である。京房は「準」は斉等であると説き、鄭玄は中・平と訓する。「弥」は如字である。ある本では別の字形と作る。「綸」は「倫」の音で lún と読む。京房は「弥」は周遍、「綸」は通知であると説く。王粛は「綸」は纒裹であると説く。荀爽は「弥」は終、「綸」は跡であると説く。「天下之道」は、別の本では「天地」と作る。「俯以」の「俯」は「甫」の音で fǔ と読む。「察于」は、別の本では「観于」と作る。「反終」は、鄭玄・虞翻は「及終」と作る。次の条の「之」の下の字は如字である。宋衷は「始鋭反」に読み、舎止と訓する。「烟」は「因」の音で yīn と読む。「煴」には「紆雲反」と注し yūn と読む。「尽聚」の「尽」は「津忍反」で jǐn と読み、以下同じ。「知周」の「知」は「智」の音で zhì と読み、注文も同じ。「道済」は如字である。鄭玄は「道」は「導」と作るべきだと説く。

不流(如字京作留)。樂天(音洛注同虞作變天)。功贍(渉豔反)。範圍(鄭云範法也,馬王肅張作犯違張云犯違猶裁成也)。而知(如字荀爽荀柔之明僧紹音智)。以上(時掌反)。之稱(尺證反,下章及注同)。知者(音智下之知注知者其知仁知並同)。其分(符問反)。鮮矣(悉淺反,注同師云盡也,鄭作尟馬鄭王肅云少也)。藏諸(才剛反,鄭作臧云善也)。衣(於旣反)。被(皮反)。則有經營之功也(本亦無功字一本功作跡)。成象(蜀才作盛象)。爻法(胡孝反,馬韓如字云放也,蜀才作效)。

「不流」は如字である。京房の本では「留」と作る。「楽天」の「楽」は「洛」の音で lè と読み、注文も同じ。虞翻の本では「変天」と作る。「功贍」の「贍」は「渉艶反」で反切注音、shàn と読む。「範囲」は、鄭玄は「範」は法であると説く。馬融・王粛・張氏は「犯違」と作り、張氏は「犯違」はなお裁成の意だと説く。「而知」は如字である。荀爽・荀柔之・明僧紹は「智」の音とする。「以上」の「上」は「時掌反」で shǎng と読む。「之称」の「称」は「尺証反」で chèng と読み、下の章および注文も同じ。「知者」の「知」は「智」の音で zhì と読み、以下の「之知」、注中の「知者」「其知」「仁知」もすべて同じ。「其分」の「分」は「符問反」で fèn と読む。「鮮矣」の「鮮」は「悉浅反」で xiǎn と読み、注文も同じ。師説は尽と訓する。鄭玄は「尟」と作り、馬融・鄭玄・王粛はすべて少と訓する。「蔵諸」の「蔵」は「才剛反」で cáng と読む。鄭玄は「臧」と作り、善と訓する。「衣」には「于旣反」と注し yì と読む。「被」の反切の下字はすでに脱け、「皮」が上字として残るのみで、字は pī と読む。「則有経営之功也」は、ある本には「功」の字がなく、別の本では「功」を「跡」と作る。「成象」は、蜀才の本では「盛象」と作る。「爻法」の「法」は「胡孝反」で xiào と読む。馬融・韓康伯は如字に読み、仿放と訓する。蜀才は「効」と作る。

形詰(去吉也)。大虛(音泰下大極同)。欻爾(況勿反)。自造(在早反,下同)。稱極(尺徵反)。為稱(尺證反)。不御(魚呂反,禁止也)。乎邇(本又作邇音尒)。也專(如字陸作磚音同)。也翕(虛級反,斂也)。也闢(婢亦反,開也)。易(以豉反)。知崇(音智注同)。禮(蜀才作體)。卑(必彌反,本亦作埤徐音婢下同)。賾(仕責反,下同九家作京作嘖云情也)。典禮(京作等禮姚作典體)。以斷(丁亂反,下注同)。惡也(於嫁反,荀作亞亞次也,又烏路反馬鄭烏洛反亞通)。

「形詰」の「詰」には「去吉」と注し、jié と読む。「大虚」の「大」は「泰」の音で tài と読み、以下「大極」も同じ。「欻爾」の「欻」は「况勿反」で反切注音、xū と読む。「自造」の「造」は「在早反」で zào と読み、以下同じ。「称極」の「称」は「尺征反」で chēng と読む。「為称」の「称」は「尺証反」で chèng と読む。「不御」の「御」は「魚呂反」で yù と読み、禁止と訓する。「乎邇」はある本では「迩」と作り、「尒」の音で ěr と読む。「也専」は如字である。陸績は「塼」と作り、読みは同じ。「也翕」の「翕」は「虚級反」で xī と読み、収斂と訓する。「也辟」の「辟」は「婢亦反」で pì と読み、開と訓する。「易」には「以豉反」と注し yì と読む。「知崇」の「知」は「智」の音で zhì と読み、注文も同じ。「礼」は、蜀才の本では「体」と作る。「卑」には「必弥反」と注し bēi と読む。ある本では「埤」と作り、徐邈は「婢」の音とし、以下同じ。「賾」には「仕責反」と注し zé と読み、以下同じ。九家本は別体と作り、京房は「嘖」と作り、情実と訓する。「典礼」は、京房は「等礼」と作り、姚信は「典体」と作る。「以断」の「断」は「丁乱反」で duàn と読み、以下の注中も同じ。「悪也」の「悪」は「于嫁反」で yà と読む。荀爽は「亜」と作り、「亜」は次と訓する。また「烏路反」に読み、馬融・鄭玄は「烏洛反」に読み、「亜」と相通ず。

言天下之至動而不可亂也(眾家本並然鄭本作至賾云賾當為動九家亦作)。可逺(萬反)。之惡(烏路反)。錯之(七各反)。議之(陸姚荀柔之作儀之)。則盡(津忍反)。子和(胡臥反,注同)。縻之(本又作靡亡池反徐又亡彼反京作劘)。行發(下孟反,下同)。見乎(賢遍反)。樞(尺朱反,王廙云戶樞也,一云門臼)。機(王廙云弩牙也)。先號(戸羔反)。咷(道羔反)。或黙(亡北反,字或作嘿)。利斷(丁亂反,王肅丁管反)。其臭(昌又反)。初六藉(在夜反,下同)。用白茅(卯交反)。

「言天下之至動而不可亂也」の一句は、諸家の本はすべてこのようである。鄭玄の本は「至賾」と作り、「賾」は「動」と作るべきだと説く。九家本も別体と作る。「可逺」の「逺」はすなわち「遠」で、「万反」と注し、反切の上字はすでに脱け、字は yuàn と読む。「之悪」の「悪」は「烏路反」で反切注音、wù と読む。「錯之」の「錯」は「七各反」で cuò と読む。「議之」は、陸績・姚信・荀柔之は「儀之」と作る。「則尽」の「尽」は「津忍反」で jǐn と読む。「子和」の「和」は「胡臥反」で hè と読み、注文も同じ。「縻之」はある本では「靡」と作り、「亡池反」に読み mí。徐邈はまた「亡彼反」に読む。京房は「劘」と作る。「行発」の「行」は「下孟反」で xìng と読み、以下同じ。「見乎」の「見」は「賢遍反」で xiàn と読む。「枢」には「尺朱反」と注し shū と読む。王廙は戸枢であると説き、一説は門臼である。「機」は、王廙は弩牙であると説く。「先号」の「号」は「戸羔反」で háo と読む。「咷」には「道羔反」と注し táo と読む。「或黙」の「黙」は「亡北反」で mò と読み、字はあるいは「嘿」と作る。「利断」の「断」は「丁乱反」で duàn と読む。王粛は「丁管反」に読む。「其臭」の「臭」は「昌又反」で chòu と読む。「初六藉」の「藉」は「在夜反」で jiè と読み、以下同じ。「用白茅」の「茅」は「卯交反」で máo と読む。

無咎(或以此為別章今不用)。苟錯(七故反,本亦作措)。可重(直勇反)。愼斯術也(時震反,鄭乾同,一本作順師用義鄭云術道)。不德(鄭陸蜀才作置鄭云置當為德)。下人(遐嫁反,後同)。為階(姚作機)。為易者(本又云作易者)。乗釁(許覲反)。致寇至(徐或作戎宋衷云戎誤)。乗也者(如字一讀繩證反)。慢藏(才浪反)。誨(如字敎也,虞作悔謂悔恨)。冶容(音也,鄭陸虞姚王肅作野言妖野容儀敎誨淫泆也,王肅云作野音也)。大衍(延善反,又注演同鄭云衍演也,乾云合也,王廙蜀才云廣也)。

「无咎」は、ある人はここを分けて別に一章と為すが、いま採用しない。「苟錯」の「錯」は「七故反」で反切注音、cuò と読む。ある本では「措」と作る。「可重」の「重」は「直勇反」で chóng と読む。「愼斯術也」の「愼」は「時震反」で shèn と読み、鄭玄・干宝も同じ。別の本では「順」と作り、師説はその義を用いる。鄭玄は「術」はすなわち道であると説く。「不徳」は、鄭玄・陸績・蜀才は「置」と作り、鄭玄は「置」は「徳」と作るべきだと説く。「下人」の「下」は「遐嫁反」で xià と読み、後文も同じ。「為階」は、姚信は「機」と作る。「為易者」は、ある本では「作易者」と作る。「乗釁」の「釁」は「許覲反」で xìn と読む。「致寇至」は、徐邈はある本では「戎」と作ると説き、宋衷は「戎」と作るは誤りであると説く。「乗也者」は如字である。一種の読みは「縄証反」に読み shèng。「慢蔵」の「蔵」は「才浪反」で zàng と読む。「誨」は如字で、教と訓する。虞翻は「悔」と作り、悔恨を指す。「冶容」の「冶」は「也」の音で yě と読む。鄭玄・陸績・虞翻・姚信・王粛は「野」と作り、妖冶野艶の容儀は淫泆を教唆すると説く。王粛は「野」と作る時は「也」の音であると説く。「大衍」の「衍」は「延善反」で yǎn と読み、注中の「演」の字も同じ。鄭玄は「衍」はすなわち演であると説き、干宝は合と訓し、王廙・蜀才は広と訓する。

大極(音泰)。掛一(卦買反,別也,王肅音卦)。揲(時設反,案揲猶數也,文云閱持也,一音思頰反徐音息列反鄭云取也)。歸竒(紀冝反,注下同)。於扐(郎得反,下同馬云指間也,荀柔之云別也)。後掛(京作卦云再扐而後布卦)。之䇿(初革反,字亦作筴)。當(如字下同)。期(本又作朞音基同)。而伸(本又作信音身)。而長(丁丈反)。德行(下孟反)。酬(市由反,徐又音疇)。酢(在洛反,京作醋)。與佑(音又助也,馬云配也,荀作侑)。聖人之道(明僧紹作君子之道)。

「大極」の「大」は「泰」の音で tài と読む。「掛一」の「掛」は「卦買反」で反切注音、guà と読み、分別と訓する。王粛は「卦」の音とする。「揲」には「時設反」と注し shé と読む。按ずるに「揲」はなお計数の意で、《説文解字》は数を点じて持つをいうと説く。一音「思頬反」、徐邈は「息列反」の音とする。鄭玄は取と訓する。「帰竒」の「竒」は「紀冝反」で jī と読み、注文および以下同じ。「于扐」の「扐」は「郎得反」で lè と読み、以下同じ。馬融は指の縫の間であると説く。荀柔之は別と訓する。「後掛」は、京房は「卦」と作り、再び扐して後に卦を布くと説く。「之䇿」の「䇿」は「初革反」で cè と読み、字はまた「筴」と書く。「当」は如字で、以下同じ。「期」はある本では「朞」と作り、「基」の音で jī と読む。「而伸」はある本では「信」と作り、「身」の音で shēn と読む。「而長」の「長」は「丁丈反」で zhǎng と読む。「徳行」の「行」は「下孟反」で xìng と読む。「酬」には「市由反」と注し chóu と読む。徐邈はまた「疇」の音とする。「酢」には「在洛反」と注し zuò と読む。京房は「醋」と作る。「与佑」の「佑」は「又」の音で yòu と読み、助と訓する。馬融は配と訓する。荀爽は「侑」と作る。「聖人之道」は、明僧紹の本では「君子之道」と作る。

以言者(下三句無以字一本四句皆有)。如向(許兩反,又作響)。能與(音預下及注同)。參伍(七南反)。錯(七各反)。綜(宗統反)。天地之文(一本作天下虞陸本作之爻)。無籌(直周反)。研(蜀才作揅)。幾也(如字,本或作機鄭云機當作几几微也)。夫易開(王肅作闓音同)。物成務(一本無夫易二字)。冒天(莫報反,注同覆也)。以斷(丁亂反,下二章同)。蓍(音尸)。圎而(本又作貟音同)。方以知(音智注同下知以叡知注神知皆同)。有分(符問反)。易以(以豉反,韓音亦謂變易)。

「以言者」の一句は、以下の三句にはすべて「以」の字がない。別の本は四句すべてにある。「如向」の「向」は「許両反」で反切注音、xiàng と読み、また「响」と書く。「能与」の「与」は「預」の音で yù と読み、以下および注中同じ。「参伍」の「参」は「七南反」で cān と読む。「錯」には「七各反」と注し cuò と読む。「綜」には「宗統反」と注し zòng と読む。「天地之文」は、別の本では「天下」と作る。虞翻・陸績の本では「之爻」と作る。「无籌」の「籌」は「直周反」で chóu と読む。「研」は、蜀才の本では「揅」と作る。「幾也」は如字である。ある本では「機」と作り、鄭玄は「機」は「幾」と作るべきで、「幾」は幾微であると説く。「夫易開」の「開」は、王粛は「闓」と作り、読みは同じ。「物成務」は、別の本には「夫易」の二字がない。「冒天」の「冒」は「莫報反」で mào と読み、注文も同じで、覆蓋と訓する。「以断」の「断」は「丁乱反」で duàn と読み、以下の二章も同じ。「蓍」は「尸」の音で shī と読む。「圎而」の「圎」はある本では「贠」と作り、読みは同じで yuán と読む。「方以知」の「知」は「智」の音で zhì と読み、注文も同じ、以下「知以叡知」、注中の「神知」もすべて同じ。「有分」の「分」は「符問反」で fèn と読む。「易以」の「易」は「以豉反」で yì と読む。韓康伯は「亦」の音とし、変易であると説く。

貢(如字告也,京陸虞作工荀作功)。洗心(劉瓛悉殄反盡也,王肅韓悉禮反京荀虞董張蜀才作先石經同)。洗濯(直角反)。藏往(如字劉作臧善也)。能與(音預)。不殺(馬鄭王肅乾所戒反師同徐所例反陸韓如字)。者夫(音符如字)。齊戒(側皆反,注同)。以神明其德夫(荀虞顧絶句眾皆以夫字為下句一本無夫字)。闔戸(胡臘反)。闢戶(婢亦反,王肅甫亦反)。施生(始豉反)。見乃(賢遍反)。是故易有大極(大音泰注同大極無也,馬云北辰也,王肅云此章首獨言是故者揔眾章之意)。

「貢」は如字で、告と訓する。京房・陸績・虞翻は「工」と作り、荀爽は「功」と作る。「洗心」の「洗」は、劉瓛は「悉殄反」に読み、尽と訓する。王粛・韓康伯は「悉礼反」に読む。京房・荀爽・虞翻・董遇・張氏・蜀才は「先」と作り、熹平石経も同じ。「洗濯」の「濯」は「直角反」で反切注音、zhuó と読む。「蔵往」は如字である。劉瓛は「臧」と作り、善と訓する。「能与」の「与」は「預」の音で yù と読む。「不殺」の「殺」は、馬融・鄭玄・王粛・干宝は「所戒反」に読み shài、師説も同じ。徐邈は「所例反」に読む。陸績・韓康伯は如字に読む。「者夫」の「夫」は「符」の音で、如字に読んでもよい。「斉戒」の「斉」は「側皆反」で zhāi と読み、注文も同じ。「以神明其徳夫」は、荀爽・虞翻・顧氏はここで句を切る。諸家はみな「夫」の字を下句に属す。別の本には「夫」の字がない。「闔戸」の「闔」は「胡腊反」で hé と読む。「辟戸」の「辟」は「婢亦反」で pì と読む。王粛は「甫亦反」に読む。「施生」の「施」は「始豉反」で shì と読む。「見乃」の「見」は「賢遍反」で xiàn と読む。「是故易有大極」の「大」は「泰」の音で tài と読み、注文も同じ。「大極」は无を指す。馬融は北辰であると説く。王粛はこの章の冒頭に独り「是故」の二字を用いるは、各章の意を総括せんと欲するためであると説く。

無稱之稱(並尺證反)。縣象(音)。探(吐南反)。賾(九家作)。索隱(色白反)。亹亹(亡偉反)。莫善乎蓍(本亦作莫大)。見吉(賢遍反)。河出(如字又尺遂反下同)。洛出(王肅作雒漢家以火德王故從各佳)。又以尚賢也(鄭本作有以)。子曰書不盡(如字又津忍反下同)。之縕(紆粉反,徐於憤反王肅又於問反)。之奧(烏報反)。而上(時掌反)。而錯(七故反,注同,本又作措)。之賾(本亦作之至賾)。而裁(音才,本又作財)。黙而成(本或作黙而成之)。德行(下孟反)。

「无称之称」の二つの「称」はともに「尺証反」に読み、すなわち chèng。「縣象」の「縣」は、その注音の字はすでに脱け、字は xuán と読む。「探」には「吐南反」と注し、反切注音で tān と読む。「賾」は、九家本は別体と作る。「索隠」の「索」は「色白反」で suǒ と読む。「亹亹」には「亡偉反」と注し wěi と読む。「莫善乎蓍」は、ある本では「莫大」と作る。「見吉」の「見」は「賢遍反」で xiàn と読む。「河出」は如字で、また「尺遂反」に読み、以下同じ。「洛出」は、王粛の本では「雒」と作る。漢朝は火徳をもって王と称し水を忌んだので、字形は水を去りて「隹」に従う。「又以尚賢也」は、鄭玄の本では「有以」と作る。「子曰書不尽」の「尽」は如字で、また「津忍反」に読み jǐn、以下同じ。「之縕」の「縕」は「紆粉反」で yùn と読む。徐邈は「于憤反」に読む。王粛はまた「于問反」に読む。「之奥」の「奥」は「烏報反」で ào と読む。「而上」の「上」は「時掌反」で shǎng と読む。「而錯」の「錯」は「七故反」で cuò と読み、注文も同じ。ある本では「措」と作る。「之賾」は、ある本では「之至賾」と作る。「而裁」の「裁」は「才」の音で cái と読む。ある本では「財」と作る。「黙而成」は、ある本では「黙而成之」と作る。「徳行」の「行」は「下孟反」で xìng と読む。

繋辞下(けいじか)

周易繫辭下第八而重(直龍反,注同)。明治(直吏反)。繫辭(音繫卷內皆同)。而命(孟作明)。或否(備鄙反)。而斷(丁亂反)。則見(賢遍反,下及注皆同)。趣時(七樹反)。貞勝(姚本作貞稱)。乎累(劣偽反)。殉吉(辭俊反,後同)。未離(力智反)。盡會(津忍反,下同)。貞觀(官換反,又音官)。貞夫(音符)。確然(苦角反,馬韓云剛貌文云髙至)。人易(以豉反,下注同)。隤然(大回反,馬韓云柔貌也,孟作退陸董姚作妥)。像此(音象)。施生(始豉反)。大寶(孟作保)。

この段は巻題「周易繋辞下第八」から始まる。「而重」の「重」は「直龍反」で反切注音、chóng と読み、注文も同じ。「明治」の「治」は「直吏反」で zhì と読む。「繋辞」の「繋」は「系」の音で xì と読み、巻内はすべて同じ。「而命」は、孟喜の本では「明」と作る。「或否」の「否」は「備鄙反」で pǐ と読む。「而断」の「断」は「丁乱反」で duàn と読む。「則見」の「見」は「賢遍反」で xiàn と読み、以下および注中はすべて同じ。「趣時」の「趣」は「七樹反」で qù と読む。「貞勝」は、姚信の本では「貞称」と作る。「乎累」の「累」は「劣偽反」で lèi と読む。「殉吉」の「殉」は「辞俊反」で xùn と読み、後文も同じ。「未離」の「離」は「力智反」で lì と読む。「尽会」の「尽」は「津忍反」で jǐn と読み、以下同じ。「貞観」の「観」は「官換反」で guàn と読み、また「官」の音である。「貞夫」の「夫」は「符」の音で fú と読む。「確然」の「確」は「苦角反」で què と読む。馬融・韓康伯は剛健の貌であると説き、《説文解字》は高至と訓する。「人易」の「易」は「以豉反」で yì と読む。「隤然」の「隤」は「大回反」で tuí と読む。馬融・韓康伯は柔順の貌であると説く。孟喜は「退」と作り、陸績・董遇・姚信は「妥」と作る。「像此」の「像」は「象」の音で xiàng と読む。「施生」の「施」は「始豉反」で shì と読む。「大宝」は、孟喜は「保」と作る。

曰人(王肅伯玊桓明僧紹作仁)。禁民(音金又金鴆反)。包(本又作庖白交反鄭云取也,孟京作伏)。犧(許冝反,字又作羲鄭云鳥獸全具曰犧孟京作戲云伏服也,戲化也)。氏(包犧氏大皥三皇之最先)。之王(於況反)。不究(九又反)。為(音古馬姚云猶網也,黃本作為網云取獸曰網取魚曰)。以佃(音田,本亦作田)。以漁(音魚,本亦作魚又言庶反馬云取獸曰佃取魚曰魚)。斲木(陟角反)。為耜(音似京云耒下耓也,陸云廣五寸耓音勑丁反)。為耒(力對反,京云耜上句木也,文云耜曲木垂所作字林同力佳反徐力猥反垂造作也,本或揉木為之耒耨非)。

「曰人」は、王粛・伯玊・桓氏・明僧紹の本では「仁」と作る。「禁民」の「禁」は「金」の音で jīn と読み、また「金鴆反」に読む。「包」はある本では「庖」と作り、「白交反」で反切注音、bāo と読む。鄭玄は取と訓する。孟喜・京房は「伏」と作る。「犠」には「許冝反」と注し xī と読み、字はまた「羲」と作る。鄭玄は鳥獣の躯体の完具するを犠というと説く。孟喜・京房は「戯」と作り、「伏」は服、「戯」は化であると説く。「氏」は、包犠氏はすなわち太皥で、三皇の中で最も早い一人である。「之王」の「王」は「于况反」で wàng と読む。「不究」の「究」は「九又反」で jiù と読む。次の条の「爲」の下の字は「古」の音である。馬融・姚信はなお网罟の意だと説く。黄穎の本では「爲网」と作り、獣を捕るを网、魚を捕るを罟というと説く。「以佃」の「佃」は「田」の音で tián と読む。ある本では「田」と作る。「以漁」の「漁」は「魚」の音で yú と読む。ある本では「魚」と作り、また「言庶反」に読む。馬融は獣を取るを佃、魚を取るを魚というと説く。「斲木」の「斲」は「陟角反」で zhuó と読む。「為耜」の「耜」は「似」の音で sì と読む。京房は耒の下の犁頭であると説き、陸績は広さ五寸であると説き、「耓」は「勑丁反」の音である。「為耒」の「耒」は「力対反」で lěi と読む。京房は耜の上の曲がる木柄であると説く。《説文解字》は耜の曲木は垂の作る所であると説き、《字林》も同じで、「力佳反」に読み、徐邈は「力猥反」に読み、垂はこの物を造った人である。ある本では「揉木為之耒耨」と作るが、それは誤りである。

耒耨之利(奴豆反,馬云鉏也,孟云耘除草)。為市(世本云祝融為市宋乾云顓頊臣也,文云市時止反)。噬(市制反)。嗑(胡臘反)。不解(佳賣反)。易窮則變變則通通則久(一本作易窮則變通則久)。佑之(音又,本亦作佑)。下治(直吏反,章末同)。以別(彼列反,一本作辯)。挎(本又作刳口反徐又口溝反)。掞(以冉反,本亦作剡)。楫(本又作檝將輙反下同徐音集又子入反方言云楫謂之橈或謂之棹文云楫舟棹也)。

「耒耨之利」の「耨」は「奴豆反」で反切注音、nòu と読む。馬融は鋤と訓し、孟喜は田を耘り草を除くことだと説く。「為市」は、《世本》は祝融が初めて集市を創めたと説き、宋衷は祝融は顓頊の臣であると説く。《説文解字》は「市」は「時止反」に読むと説く。「噬」には「市制反」と注し shì と読む。「嗑」には「胡腊反」と注し hé と読む。「不解」の「解」は「佳売反」で xiè と読む。「易窮則変、変則通、通則久」の一句は、別の本では「易窮則変、通則久」と作る。「佑之」の「佑」は「又」の音で yòu と読む。ある本では「佑」と作る。「下治」の「治」は「直吏反」で zhì と読み、章末も同じ。「以別」の「別」は「彼列反」で bié と読む。別の本では「辯」と作る。「挎」はある本では「刳」と作り、反切の下字はすでに脱け、「口」が上字として残るのみである。徐邈はまた「口溝反」に読み、字は kū と読む。「掞」には「以冉反」と注し yǎn と読む。ある本では「剡」と作る。「楫」はある本では「檝」と作り、「将輙反」に読み jí、以下同じ。徐邈は「集」の音とし、また「子入反」に読む。《方言》は「楫」を橈という、あるいは棹というと説く。《説文解字》は「楫」は舟を行かしめる棹であると説く。

致逺以利天下(一本無此句)。諸渙(音喚)。以利天下蓋取諸隨(一本無以利天下一句)。重門(直龍反)。柝(他洛反,馬云兩木相擊以行夜文作字林他各反同)。暴客(白報反,鄭作虣)。斷木(丁緩反,又徒緩反斷斷絶)。為杵(昌呂反)。掘地(其月反,又其勿反)。為臼(求酉反)。為弧(音胡文云木弓)。剡木(以冉反,字林云銳也,因冉反)。諸睽(苦圭反,又音圭)。則爭(爭之爭下同)。厚衣(於旣反)。喪期(並如字)。無數(色具反)。棺槨(上音官下音郭)。而治(直吏反,下同)。

「致逺以利天下」の一句は、別の本にはない。「諸渙」の「渙」は「喚」の音で huàn と読む。「以利天下、蓋取諸随」は、別の本には「以利天下」の一句がない。「重門」の「重」は「直龍反」で反切注音、chóng と読む。「柝」には「他洛反」と注し tuò と読む。馬融は二木を相撃ちて夜を巡らすをいうと説く。《説文解字》は別体と作り、《字林》は「他各反」に読み、同じ。「暴客」の「暴」は「白報反」で bào と読む。鄭玄は「虣」と作る。「断木」の「断」は「丁緩反」で duàn と読み、また「徒緩反」に読む。「断」は断絶である。「為杵」の「杵」は「昌呂反」で chǔ と読む。「掘地」の「掘」は「其月反」で jué と読み、また「其勿反」に読む。「為臼」の「臼」は「求酉反」で jiù と読む。「為弧」の「弧」は「胡」の音で hú と読む。《説文解字》は木弓であると説く。「剡木」の「剡」は「以冉反」で yǎn と読む。《字林》は鋭と訓し、「因冉反」に読む。「諸睽」の「睽」は「苦圭反」で kuí と読み、また「圭」の音である。「則争」の「争」は「争闘」の「争」の読み、以下同じ。「厚衣」の「衣」は「于旣反」で yì と読む。「喪期」の二字はともに如字に読む。「无数」の「数」は「色具反」で shù と読む。「棺椁」の二字は、上の字は「官」の音、下の字は「郭」の音である。「而治」の「治」は「直吏反」で zhì と読み、以下同じ。

書契(苦計反)。決斷(都亂反)。象也者像也(眾本並云像擬也,孟京虞董姚還作象)。卦竒(紀冝反,注同)。德行(下孟反,下同)。畫竒(音獲下同)。憧憧(本又作昌容反)。以貫(古亂反)。屈也(丘勿反,下同)。信也(本又作伸同音申下同韋昭漢書音義云古伸字)。尺蠖(紆縛反,蟲名也,徐又烏郭反)。龍虵(本文作蛇同)。之蟄(直立反)。全身(本亦作存身)。思慮(息吏反)。而累(劣偽反)。蒺(音疾)。藜(音棃)。死其(其亦作期)。射(食亦反,下注同)。

「書契」の「契」は「苦計反」で反切注音、qì と読む。「决断」の「断」は「都乱反」で duàn と読む。「象也者、像也」は、諸本はすべて「像」は摹擬であると説く。孟喜・京房・虞翻・董遇・姚信はなお「象」と作る。「卦竒」の「竒」は「紀冝反」で jī と読み、注文も同じ。「徳行」の「行」は「下孟反」で xìng と読み、以下同じ。「画竒」の「画」は「獲」の音で huà と読み、以下同じ。「憧憧」はある本では別体と作り、「昌容反」に読み chōng。「以貫」の「貫」は「古乱反」で guàn と読む。「屈也」の「屈」は「丘勿反」で qū と読み、以下同じ。「信也」の「信」はある本では「伸」と作り、同じく「申」の音で shēn と読み、以下同じ。韋昭の《漢書音義》はこれは古い「伸」の字であると説く。「尺蠖」の「蠖」は「紆縛反」で huò と読み、虫の名である。徐邈はまた「烏郭反」に読む。「龍虵」の「虵」は、《説文解字》は「蛇」と作り、同じ。「之蟄」の「蟄」は「直立反」で zhé と読む。「全身」は、ある本では「存身」と作る。「思慮」の「思」は「息吏反」で sì と読む。「而累」の「累」は「劣偽反」で lèi と読む。「蒺」は「疾」の音で jí と読む。「藜」は「棃」の音で lí と読む。「死其」の「其」も「期」と書く。「射」には「食亦反」と注し shè と読み、以下の注中も同じ。

隼(恤允反)。髙墉(音容)。不括(古活反,結也)。結閡(五代反)。不懲(直升反)。屨(俱遇反)。校(胡孝反,下同)。滅止(本亦作趾)。弗去(羌呂反)。何校(河可反,又音河)。其治(直吏反,下同)。知小(音智)。尟不(本亦作鮮仙善反少也)。折足(之設反)。覆公(芳六反)。餗(音速馬作粥)。形渥(於角反)。不勝(音升)。而上(時掌反)。未離(力智反)。先見(賢遍反)。介於(徐音戒眾家作介徐云王廙古黠反)。斷可(丁亂反,注同)。復行(扶又反,注復行同)。造形(七報反)。

「隼」には「恤允反」と注し、反切注音で sǔn と読む。「髙墉」の「墉」は「容」の音で yōng と読む。「不括」の「括」は「古活反」で kuò と読み、結と訓する。「結閡」の「閡」は「五代反」で ài と読む。「不懲」の「懲」は「直升反」で chéng と読む。「屨」には「俱遇反」と注し jù と読む。「校」には「胡孝反」と注し jiào と読み、以下同じ。「滅止」の「止」は、ある本では「趾」と作る。「弗去」の「去」は「羗呂反」で qù と読む。「何校」の「何」は「河可反」で hè と読み、また「河」の音である。「其治」の「治」は「直吏反」で zhì と読み、以下同じ。「知小」の「知」は「智」の音で zhì と読む。「尟不」の「尟」は、ある本では「鮮」と作り、「仙善反」に読み xiǎn、少と訓する。「折足」の「折」は「之設反」で zhé と読む。「覆公」の「覆」は「芳六反」で fù と読む。「餗」は「速」の音で sù と読む。馬融は「粥」と作る。「形渥」の「渥」は「于角反」で wò と読む。「不勝」の「勝」は「升」の音で shēng と読む。「而上」の「上」は「時掌反」で shǎng と読む。「未離」の「離」は「力智反」で lì と読む。「先見」の「見」は「賢遍反」で xiàn と読む。「介于」の「介」は、徐邈は「戒」の音とする。諸家はすべて「介」と作る。徐邈は王廙は「古黠反」に読むと説く。「断可」の「断」は「丁乱反」で duàn と読み、注文も同じ。「復行」の「復」は「扶又反」で fù と読み、注中の「復行」も同じ。「造形」の「造」は「七報反」で zào と読む。

之分(符問反)。無祇(韓音祁支反注同王廙輔嗣音支)。舎凶(音舍)。絪(本又作氤同音因)。縕(本又作氳紆云反)。化醇(音淳)。易其(以豉反)。不迕(五路反,字亦作忤)。其易之門邪(本又作門戸邪)。之撰(仕勉反,下章同數也,廣雅云定也,王肅士眷反)。數也(色柱反)。爻繇(直救反,下同服䖍云抽也,抽出吉凶也,韋昭云由也,吉凶所由而出也)。於稽(古兮反,考也)。闡幽(昌善反,明也)。辯物(如字徐扶勉反別也)。斷辭(丁亂反,注同)。辭文(如字一音問)。

「之分」の「分」は「符問反」で反切注音、fèn と読む。「无祇」の「祇」は、韓康伯は「祁支反」の音とし、注文も同じ。王廙・王輔嗣は「支」の音とする。「舎凶」の「舎」は「舍」の音である。「絪」はある本では「氤」と作り、同じく「因」の音で yīn と読む。「縕」はある本では「氳」と作り、「紆雲反」に読み yūn。「化醇」の「醇」は「淳」の音で chún と読む。「易其」の「易」は「以豉反」で yì と読む。「不迕」の「迕」は「五路反」で wù と読み、字はまた「忤」と書く。「其易之門邪」は、ある本では「門戸邪」と作る。「之撰」の「撰」は「仕勉反」で zhuàn と読み、下の章も同じで、数と訓する。《広雅》は定と訓する。王粛は「士眷反」に読む。「数也」の「数」は「色柱反」で shǔ と読む。「爻繇」の「繇」は「直救反」で zhòu と読み、以下同じ。服虔は抽と訓し、吉凶を抽繹し出すを謂う。韋昭是由と訓し、吉凶はここより出づるを謂う。「于稽」の「稽」は「古兮反」で jī と読み、考と訓する。「闡幽」の「闡」は「昌善反」で chǎn と読み、明と訓する。「辯物」は如字である。徐邈は「扶勉反」に読み、分別と訓する。「断辞」の「断」は「丁乱反」で duàn と読み、注文も同じ。「辞文」は如字で、一音「問」である。

而中(丁仲反,注同)。因貳(音二鄭云當為弍)。民行(下孟反,注同)。所蹈(徒報反)。之柄(兵病反)。之修(如字鄭云治也,馬作循)。之辯(如字王肅免反)。不厭(於豔反,注同)。後易(以豉反,注同)。長裕(丁丈反,注同)。其施(始豉反,下同)。巽稱(尺證反,又尺升反)。和行(下孟反)。以逺(於萬反,注同)。不濫(力暫反)。可逺(馬王肅韓萬反注皆同師讀如字)。上下(時掌反,章末同)。趣舎(音舍)。處昧(音妹)。而揆(葵癸反,度也)。其方(馬云方道)。

「而中」の「中」は「丁仲反」で反切注音、zhòng と読み、注文も同じ。「因貳」の「貳」は「二」の音で èr と読む。鄭玄は「弍」と作るべきだと説く。「民行」の「行」は「下孟反」で xìng と読み、注文も同じ。「所蹈」の「蹈」は「徒報反」で dào と読む。「之柄」の「柄」は「兵病反」で bǐng と読む。「之修」は如字である。鄭玄は治と訓する。馬融は「循」と作る。「之辯」は如字である。王粛は別に一読あり、その反切の上字はすでに脱け、下字は「免」と作る。「不厭」の「厭」は「于艶反」で yàn と読み、注文も同じ。「後易」の「易」は「以豉反」で yì と読み、注文も同じ。「長裕」の「長」は「丁丈反」で zhǎng と読み、注文も同じ。「其施」の「施」は「始豉反」で shì と読み、以下同じ。「巽称」の「称」は「尺証反」で chèng と読み、また「尺升反」に読む。「和行」の「行」は「下孟反」で xìng と読む。「以逺」の「逺」はすなわち「遠」で、「于万反」に読み yuàn、注文も同じ。「不濫」の「濫」は「力暫反」で làn と読む。「可逺」の「逺」は、馬融・王粛・韓康伯は「万反」に読み、注文はすべて同じ。師説は如字に読む。「上下」の「上」は「時掌反」で shǎng と読み、章末も同じ。「趣舎」の「舎」は「舍」の音である。「処昧」の「昧」は「妹」の音で mèi と読む。「而揆」の「揆」は「葵癸反」で kuí と読み、度量と訓する。「其方」は、馬融は「方」はすなわち道であると説く。

能循(似倫反)。以度(待洛反)。以要(一遙反,下又要終同)。其要(於妙反)。易知(以豉反)。撰德(鄭作算云數也)。噫(於其反,王肅於力反辭也,馬同)。亦要(一妙反,絶句又一遙反則句至吉凶)。則居(馬如字處也,師音同鄭王肅音基辭)。知者(音智)。辭(吐貫反,馬云辭卦辭也,鄭云爻辭也,周同王肅云舉象之要也,師通謂爻卦之辭也,一云即夫子辭)。則思(息吏反)。貫之(古亂反)。轉近(附近之近下章以近同)。而上(時掌反)。須援(於眷反)。剛勝(升證反,一音升)。

「能循」の「循」は「似倫反」で反切注音、xún と読む。「以度」の「度」は「待洛反」で duó と読む。「以要」の「要」は「一遥反」で yāo と読み、以下「要終」も同じ。「其要」の「要」は「于妙反」で yào と読む。「易知」の「易」は「以豉反」で yì と読む。「撰徳」は、鄭玄は「算」と作り、数と訓する。「噫」には「于其反」と注し yī と読む。王粛は「于力反」に読み、語助詞であると説き、馬融も同じ。「亦要」の「要」は「一妙反」で、ここで句を切る。また「一遥反」に読めば、「吉凶」まで読んで一句と為す。「則居」は、馬融は如字に読み、処と訓する。師説は読みは同じ。鄭玄・王粛は「基」の音とし、語助詞と為す。「知者」の「知」は「智」の音で zhì と読む。「辞」の次の字には「吐貫反」と注し tuàn と読む。馬融は卦辞を指すと説き、鄭玄は爻辞を指すと説き、周弘正も同じ。王粛は卦象の要を挙げることをいうと説く。師説は卦爻の辞を通じて指す。一説はすなわち孔子の作れる辞である。「則思」の「思」は「息吏反」で sì と読む。「貫之」の「貫」は「古乱反」で guàn と読む。「転近」の「近」は「附近」の「近」の読み、下の章の「以近」も同じ。「而上」の「上」は「時掌反」で shǎng と読む。「須援」の「援」は「于眷反」で yuàn と読む。「剛勝」の「勝」は「升証反」で shèng と読み、一音「升」である。

勝其(音升)。閒邪(似嗟反)。其當(如字下當文王同)。紂(直又反)。蒙難(乃旦反)。能亨(許庚反)。易者(以豉反,注同)。其治(直吏反)。德行(下孟反,下德行同)。易以(以䜴反,下注險易同)。知阻(莊呂反)。能(音恱注同)。亹亹(亡偉反,鄭云汲汲也,王肅云勉也)。役思(息吏反)。探(吐南反)。射(食亦反)。不厭(於豔反)。以盡(津忍反,下同)。愛惡(烏路反,注同鄭烏洛反)。泯然(亡忍反)。比爻(毗志反)。辭枝(音支)。誣善(音無)。

「勝其」の「勝」は「升」の音で shēng と読む。「閑邪」の「邪」は「似嗟反」で反切注音、xié と読む。「其当」は如字で、以下「当文王」も同じ。「紂」には「直又反」と注し zhòu と読む。「蒙難」の「難」は「乃旦反」で nàn と読む。「能亨」の「亨」は「許庚反」で hēng と読む。「易者」の「易」は「以豉反」で yì と読み、注文も同じ。「其治」の「治」は「直吏反」で zhì と読む。「徳行」の「行」は「下孟反」で xìng と読み、以下「徳行」も同じ。「易以」の「易」は「以䜴反」で yì と読み、以下の注中の「険易」も同じ。「知阻」の「阻」は「荘呂反」で zǔ と読む。次の条の「能」の下の字には「音恱」と注し yuè と読み、注文も同じ。「亹亹」には「亡偉反」と注し wěi と読む。鄭玄は汲汲として倦まざると訓し、王粛は勉と訓する。「役思」の「思」は「息吏反」で sì と読む。「探」には「吐南反」と注し tān と読む。「射」には「食亦反」と注し shè と読む。「不厭」の「厭」は「于艶反」で yàn と読む。「以尽」の「尽」は「津忍反」で jǐn と読み、以下同じ。「愛悪」の「悪」は「烏路反」で wù と読み、注文も同じ。鄭玄は「烏洛反」に読む。「泯然」の「泯」は「亡忍反」で mǐn と読む。「比爻」の「比」は「毗志反」で bì と読む。「辞枝」の「枝」は「支」の音で zhī と読む。「誣善」の「誣」は「无」の音で wú と読む。

説卦(せっか)

周易卦第九幽贊(本或作讃子旦反幽深也,贊明也)。蓍(音尸文云蒿屬生千歳三百莖易以為數天子九尺諸侯七尺大夫五尺士三尺毛詩草木䟽云似藾蕭靑色科生鴻範五行傳云蓍百年一本生百莖論衡云七十歳生一莖七百歳生十莖神靈之物故生遲也,史記云生滿百莖者其下必有神守之其上常有雲氣覆之淮南子云上有叢蓍下有伏)。如向(香兩反,本又作響)。參(七南反,又如字音三)。天(或作夫者非)。而(於綺反,馬云依也,王肅其綺反云立也,虞同蜀才作竒通)。數(色具反)。

この段は巻題「周易卦第九」から始まり、すなわち《説卦》の篇題で、「説」の字はすでに脱けている。「幽賛」の「賛」は、ある本では「讃」と作り、「子旦反」に読み zàn。「幽」は深と訓し、「賛」は明と訓する。「蓍」は「尸」の音で shī と読む。《説文解字》は蒿の類で、生長千年にして三百茎あり、《周易》はこれを用いて数を起こすと説く。占者の用いる蓍策は、天子は九尺、諸侯は七尺、大夫は五尺、士は三尺である。《毛詩草木疏》は蓍は藾蕭に似て、青色に叢生すると説く。《洪範五行傳》は蓍は百年に一本で百茎を生ずると説く。《論衡》は七十年に一茎を生じ、七百年に十茎を生ずる神霊の物で、ゆえに生長が遅いと説く。《史記》は凡そ百茎に満つるものは、その下に必ず神霊が守り、その上に常に雲気が罩めると説く。《淮南子》は上に叢蓍あり、下に伏蔵の物ありと説き、末字はすでに脱けている。「如向」の「向」は「香両反」で xiàng と読む。ある本では「响」と作る。「参」には「七南反」と注し cān と読み、また如字に読んで「三」の音とする。「天」の字は、ある本では「夫」と作るがそれは誤りである。次の条の「而」の下の字は「於綺反」と注して yǐ と読む。馬融は依と訓し、王粛は「其綺反」に読み立と訓し、虞翻も同じ。蜀才は「竒」と作り、義は通ずる。「数」には「色具反」と注し shù と読む。

參竒(紀冝反)。觀變(一本作觀變化)。發揮(音輝鄭云揚也,王廙韓云散也)。盡性(津忍反)。要其(一遙反)。迭用(田節反)。六位而成章(本又作六畫)。相薄(旁各反,陸云相附薄也,馬鄭顧云薄入也)。相射(食亦反,虞陸董姚王肅音亦云厭也)。數往(色具反,又色主反)。而數(色主反,下文同)。晅(況晚反,京云乾也,本又作暅徐古鄧反又一音香元反)。以(音恱後皆同)。嚮明(許亮反)。而治(直吏反)。妙萬物(如字王肅作眇音妙董云眇成也)。

「参竒」の「竒」は「紀冝反」で反切注音、jī と読む。「観変」は、別の本では「観変化」と作る。「発揮」の「揮」は「輝」の音で huī と読む。鄭玄は揚と訓し、王廙・韓康伯は散と訓する。「尽性」の「尽」は「津忍反」で jǐn と読む。「要其」の「要」は「一遥反」で yāo と読む。「迭用」の「迭」は「田節反」で dié と読む。「六位而成章」は、ある本では「六画」と作る。「相薄」の「薄」は「旁各反」で bó と読む。陸績は互いに附着し迫ることだと説き、馬融・鄭玄・顧氏は「薄」を入と訓する。「相射」の「射」は「食亦反」で shè と読む。虞翻・陸績・董遇・姚信・王粛は「亦」の音とし、厭と訓する。「数往」の「数」は「色具反」で shù と読み、また「色主反」に読む。「而数」の「数」は「色主反」で shǔ と読み、下文も同じ。「晅」には「況晩反」と注し xuǎn と読む。京房は乾と訓する。ある本では「暅」と作り、徐邈は「古鄧反」に読み、また一音「香元反」。次の条の頭字はすでに脱け、「音恱」と注して yuè と読み、後文はすべて同じ。「向明」の「向」は「許亮反」で xiàng と読む。「而治」の「治」は「直吏反」で zhì と読む。「妙万物」は如字である。王粛は「眇」と作り、「妙」の音とする。董遇は「眇」は成就だと説く。

橈(徐乃飽反王肅乃敎反又呼勞反)。熯(王肅云呼但反火氣也,徐本作暵音漢云暵也,文同)。莫盛(是政反,鄭音成云裹也)。水火不相逮(音代一音大計反鄭宋陸王肅王廙無不字)。悖(必內反,逆也)。為豕(京作)。為狗(音苟)。一索(色白反,下同馬云數也,王肅云求也)。長男(丁丈反,下長女長子皆同)。中男(丁仲反,下同)。少男(詩照反,下少女皆同)。為圜(音圎)。瘠(在亦反,下同王廙云健之甚者為多骨也,京荀作柴云多筋乾)。駁(邦角反)。

「橈」の字は、徐邈は「乃飽反」に読み náo。王粛は「乃敎反」に読み、また「呼労反」に読む。「熯」は、王粛は「呼但反」に読み hàn、火気を指すと説く。徐邈の本では「暵」と作り、「漢」の音で暵熱と訓し、《説文解字》も同じ。「莫盛」の「盛」は「是政反」で反切注音、shèng と読む。鄭玄は「成」の音とし、包み盛ると訓する。「水火不相逮」の「逮」は「代」の音で dài と読み、一音「大計反」。鄭玄・宋衷・陸績・王粛・王廙の本には「不」の字がない。「悖」には「必内反」と注し bèi と読み、逆と訓する。「為豕」の「豕」は、京房は別体と作る。「為狗」の「狗」は「苟」の音で gǒu と読む。「一索」の「索」は「色白反」で suǒ と読み、下文も同じ。馬融は数と訓し、王粛は求と訓する。「長男」の「長」は「丁丈反」で zhǎng と読み、下文の「長女」「長子」はすべて同じ。「中男」の「中」は「丁仲反」で zhòng と読み、下文も同じ。「少男」の「少」は「詩照反」で shào と読み、下文の「少女」もすべて同じ。「為圜」の「圜」は「圎」の音で yuán と読む。「瘠」には「在亦反」と注し jí と読み、下文も同じ。王廙は健やかなること極まれる馬は骨多しと説く。京房・荀爽は「柴」と作り、筋骨多しと説く。「駁」には「邦角反」と注し bó と読む。

為釡(房甫反)。為吝(京作遴)。嗇(音色)。為柄(彼病反)。為龍(如字虞乾作駹虞云倉色乾云雜色)。為旉(王肅音孚乾云花之通名鋪為花貌謂之,本又作專如字虞同姚云專一也,鄭市戀反)。蒼筤(音郎或作琅通)。萑(音九廣雅云藡也,藡音狄)。葦(韋反,蘆)。馵(主樹反,京作朱荀同陽在下)。的(丁歷反,文作馰)。顙(桑黨反,的顙白顚)。反生(麻豆之屬反生戴莩甲而出也,虞作阪云陵坂也,陸云阪當為反)。蕃(音煩)。鮮(息連反)。為臭(昌又反,王肅作為香臭)。

「為釡」の「釡」は「房甫反」で反切注音、fǔ と読む。「為吝」は、京房は「遴」と作る。「嗇」は「色」の音で sè と読む。「為柄」の「柄」は「彼病反」で bǐng と読む。「為龍」は如字である。虞翻・干宝は「駹」と作り、虞翻は倉青の色だと説き、干宝は雑色だと説く。「為旉」の「旉」は、王粛は「孚」の音で fū と読む。干宝は花の通名で、布き開いて花の貌を呈するをこれと呼ぶと説き、末字はすでに脱けている。ある本では「専」と作り、如字に読み、虞翻も同じ。姚信は専一と訓する。鄭玄は「市恋反」に読む。「蒼筤」の「筤」は「郎」の音で láng と読む。ある本では「琅」と作り、通ずる。「萑」には「音九」と注す。《広雅》はすなわち「藡」であると説き、「藡」は「狄」の音。「葦」には「韋反」と注し、反切の下字はすでに脱け、芦と訓する。「馵」には「主樹反」と注し zhù と読む。京房は「朱」と作り、荀爽も同じ。陽爻の下にあるを指す。「的」には「丁暦反」と注し dì と読む。《説文解字》は「馰」と作る。「顙」には「桑党反」と注し sǎng と読む。「的顙」は白額を指す。「反生」は、麻豆の類が逆向きに生長し、莢殻を頂いて出づるを指す。虞翻は「阪」と作り、陵坂と訓する。陸績は「阪」は「反」と作るべきだと説く。「蕃」は「煩」の音で fán と読む。「鮮」には「息連反」と注し xiān と読む。「為臭」の「臭」は「昌又反」で chòu と読む。王粛は「為香臭」と作る。

寡髮(如字,本又作宣黒白雜為宣髮)。為廣(如字鄭作黃)。為近(附近之近)。三倍(歩罪反)。其究(九又反)。矯(紀表反,一本作撟同)。輮(如九反,王肅奴又反又女九反又如又反馬鄭陸王肅本作此宋衷王廙作揉宋云使曲者直直者曲為揉京作柔荀作橈)。弓輪(姚作倫)。美脊(精亦反)。為亟(紀力反,王肅去記反荀作極云中也)。為薄(旁博反)。蹄(徒低反)。為曳(以制反)。眚(生領反,王廙云病也)。甲冑(直又反)。乾卦(古丹反,鄭云乾當為乾陽在外能幹正也,董作乾)。

「寡髪」は如字である。ある本では「宣」と作り、黒白相まじる髪を宣髪と呼ぶ。「為広」は如字である。鄭玄は「黄」と作る。「為近」の「近」は「附近」の「近」と読む。「三倍」の「倍」は「歩罪反」で反切注音、bèi と読む。「其究」の「究」は「九又反」で jiù と読む。「矯」には「紀表反」と注し jiǎo と読む。別の本では「撟」と作り、同じ。「輮」には「如九反」と注し róu と読む。王粛は「奴又反」に読み、また「女九反」、また「如又反」に読む。馬融・鄭玄・陸績・王粛の本はこの字と作り、宋衷・王廙は「揉」と作る。宋衷は曲なるを直にし直なるを曲にするを揉と呼ぶと説く。京房は「柔」と作り、荀爽は「橈」と作る。「弓輪」は、姚信は「倫」と作る。「美脊」の「脊」は「精亦反」で jí と読む。「為亟」の「亟」は「紀力反」で jí と読む。王粛は「去記反」に読む。荀爽は「極」と作り、中と訓する。「為薄」の「薄」は「旁博反」で bó と読む。「蹄」には「徒低反」と注し tí と読む。「為曳」の「曳」は「以制反」で yè と読む。「眚」には「生領反」と注し shěng と読む。王廙は病と訓する。「甲冑」の「冑」は「直又反」で zhòu と読む。「干卦」の「干」は「古丹反」で gān と読む。鄭玄は「干」は「干」と作るべきで、陽が外にあって能く正たるを謂うと説く。董遇は「干」と作る。

鱉(卑列反,本又作鱉同)。蟹(戸賣反)。蠃(力禾反,京作螺姚作蠡)。蚌(歩項反,本又作蜯同)。科(苦禾反,空也,虞作折)。槁(苦老反,鄭作槀乾作熇)。為徑(古定反)。果蓏(力火反,馬云果桃李之屬蓏之屬應劭云木實曰果草實曰蓏文云在木曰果在地曰蓏張晏云有核曰果無核曰蓏京本作果墮之字)。(音昬)。寺(如字徐音侍亦作䦙字)。黔(其亷反,徐音禽王肅其嚴反鄭作黚謂虎豹之屬貪冒之類)。喙(況廢反,徐丁遘反)。

「鼈」には「卑列反」と注し、反切注音で biē と読む。ある本では「鱉」と作り、同じ。「蟹」には「戸売反」と注し xiè と読む。「蠃」には「力禾反」と注し luó と読む。京房は「螺」と作り、姚信は「蠡」と作る。「蚌」には「歩項反」と注し bàng と読む。ある本では「蜯」と作り、同じ。「科」には「苦禾反」と注し kē と読み、空と訓する。虞翻は「折」と作る。「槁」には「苦老反」と注し gǎo と読む。鄭玄は「槀」と作り、干宝は「熇」と作る。「為径」の「径」は「古定反」で jìng と読む。「果蓏」の「蓏」は「力火反」で luǒ と読む。馬融は「果」は桃李の類、「蓏」は瓜瓠の類だと説き、その字はすでに脱けている。応劭は木に結ぶを果、草に結ぶを蓏と呼ぶと説く。《説文解字》は木に在るを果、地に在るを蓏と呼ぶと説く。張晏は核あるを果、核なきを蓏と呼ぶと説く。京房の本は「果堕」の「堕」の字と作る。次の条の頭字はすでに脱け、「音昬」と注して hūn と読む。「寺」は如字である。徐邈は「侍」の音とし、また「䦙」の字とも書く。「黔」には「其亷反」と注し qián と読む。徐邈は「禽」の音とし、王粛は「其厳反」に読む。鄭玄は「黚」と作り、虎豹の類の貪婪なる獣を指すと説く。「喙」には「況廃反」と注し huì と読む。徐邈は「丁遘反」に読む。

為堅多節(一本無堅字)。為巫(亡符反)。附決(如字徐音穴)。剛滷(力杜反,咸土也)。為羊(虞作羔此六子依求索而為次第也,本亦有以三男居前三女後從乾健也,章至此韓無注或有注者非也,荀爽九家集解本乾後更有四為龍為直為衣為言巛後有八為牝為迷為方為囊為裳為黃為帛為漿震後有三為王為鵠為鼓巽後有二為楊為鸛坎後有八為宮為律為可為棟為叢為狐為蒺蔾為桎梏離後有一為牝牛艮後有三為鼻為虎為狐兊後有二為常為輔頰注云常西方神也,不同故記之於此)。

「為堅多節」は、別の本には「堅」の字がない。「為巫」の「巫」は「亡符反」で反切注音、wū と読む。「附決」は如字である。徐邈は「穴」の音とする。「剛鹵」の「鹵」は「力杜反」で lǔ と読み、塩鹼を含む土を指す。「為羊」は、虞翻は「羔」と作る。六子卦は「求索」の次第に依って排列される。ある本では三男を前に、三女を後に排し、「乾、健也」の下に接ぐ。この章はここまで韓康伯の注がなく、ある本に注があるのは誤りである。荀爽《九家集解》本は乾卦の後に別に四項あり:為龍・為直・為衣・為言。坤卦の後に別に八項あり:為牝・為迷・為方・為嚢・為裳・為黄・為帛・為漿。震卦の後に別に三項あり:為王・為鵠・為鼓。巽卦の後に別に二項あり:為楊・為鸛。坎卦の後に別に八項あり:為宮・為律・為可・為棟・為叢・為狐・為蒺藜・為桎梏。離卦の後に別に一項あり:為牝牛。艮卦の後に別に三項あり:為鼻・為虎・為狐。兌卦の後に別に二項あり:為常・為輔頰、その注は「常」は西方の神であると説く。通行本と異なるゆえ、ここに記録する。

序卦(じょか)

周易序卦第十之稺(直吏反,本或作稚)。爭興(爭之爭下同)。所比(毗志反,下注同)。所畜(敕六反,本亦作蓄下及雜卦同)。以否(備鄙反,下同)。以觀(官喚反)。亨則(許庚反,鄭許兩反徐音向同)。實喪(息浪反)。所錯(七各反,注同徐七路反)。之縕(紆粉反,本又作蘊)。逺小人(萬反)。有難(乃旦反,下同)。以解(音蟹下同)。決邪(似嗟反)。而上(時掌反)。去故(起呂反,下同)。以和(胡臥反,又如字)。齊(才細反,又如字)。若長(丁丈反)。(音恱下及注同)。行過(下孟反)。

この段は巻題「周易序卦第十」から始まる。「之稺」の「稺」はすなわち「稚」で、「直吏反」は反切注音、zhì と読む。ある本では「稚」と作る。「争興」の「争」は「争闘」の「争」と読み、下文も同じ。「所比」の「比」は「毗志反」で bì と読み、下文の注中も同じ。「所畜」の「畜」は「敕六反」で chù と読む。ある本では「蓄」と作り、下文および《雑卦》も同じ。「以否」の「否」は「備鄙反」で pǐ と読み、下文も同じ。「以観」の「観」は「官喚反」で guàn と読む。「亨則」の「亨」は「許庚反」で hēng と読む。鄭玄は「許両反」に読み xiǎng、徐邈は「向」の音で、鄭読と同じ。「実喪」の「喪」は「息浪反」で sàng と読む。「所錯」の「錯」は「七各反」で cuò と読み、注文も同じ。徐邈は「七路反」に読む。「之縕」の「縕」は「紆粉反」で yùn と読む。ある本では「藴」と作る。「逺小人」の「逺」はすなわち「遠」で、「万反」と注し、反切の上字はすでに脱け、字は yuàn と読む。「有難」の「難」は「乃旦反」で nàn と読み、下文も同じ。「以解」の「解」は「蟹」の音で xiè と読み、下文も同じ。「決邪」の「邪」は「似嗟反」で xié と読む。「而上」の「上」は「時掌反」で shǎng と読む。「去故」の「去」は「起呂反」で qù と読み、下文も同じ。「以和」の「和」は「胡卧反」で hè と読み、また如字に読める。「斉」には「才細反」と注し jì と読み、また如字に読める。「若長」の「長」は「丁丈反」で zhǎng と読む。次の条の頭字はすでに脱け、「音恱」と注して yuè と読み、下文および注中も同じ。「行過」の「行」は「下孟反」で xìng と読む。

雑卦(ざっか)

周易雜卦(韓云雜糅眾卦也,孟云雜亂也)。第十一雜糅(如又反)。比(毗志反,下同)。樂(音洛注同)。臨觀(古亂反)。屯見(賢遍反,注及下皆同鄭如字)。經綸(本又作論音倫又力門反)。上升(時掌反,下文離上並注同)。豫怠(如字姚同京作治虞作怡)。則飭(音敕注同整治也,鄭本王肅作飾)。剝爛(老旦反)。晝也(竹又反)。誅也(荀云誅滅也,陸韓云傷也)。解(音蟹)。難也(乃旦反)。眾(荀作終)。去故(起呂反)。豐多故(眾家以此絶句)。親寡旅也(荀本豐多故親絶句寡旅也,別為句)。道長(丁丈反)。

「周易雑卦」は、韓康伯は衆卦を雑糅するをいうと説き、孟喜は雑乱で次なしと説く。「第十一」の下の「雑糅」の「糅」は「如又反」で反切注音、róu と読む。「比」には「毗志反」と注し bì と読み、下文も同じ。「楽」は「洛」の音で lè と読み、注文も同じ。「臨観」の「観」は「古乱反」で guàn と読む。「屯見」の「見」は「賢遍反」で xiàn と読み、注文および下文はすべて同じ。鄭玄は如字に読む。「経綸」の「綸」は、ある本では「論」と作り、「倫」の音で lún と読み、また「力門反」に読む。「上升」の「上」は「時掌反」で shǎng と読み、下文の「離上」は注文に連なって同じ。「豫怠」は如字で、姚信も同じ。京房は「治」と作り、虞翻は「怡」と作る。「則飭」の「飭」は「敕」の音で chì と読み、注文も同じ、整治と訓する。鄭玄本・王粛本は「飾」と作る。「剥爛」の「爛」は「老旦反」で làn と読む。「昼也」の「昼」は「竹又反」で zhòu と読む。「誅也」は、荀爽は「誅」は誅滅だと説き、陸績・韓康伯は傷と訓する。「解」は「蟹」の音で xiè と読む。「難也」の「難」は「乃旦反」で nàn と読む。「衆」は、荀爽は「終」と作る。「去故」の「去」は「起呂反」で qù と読む。「豊多故」は、諸家はみなここで句を切る。「親寡旅也」は、荀爽本は「豊多故親」で句を切り、「寡旅也」を別に一句と作る。「道長」の「長」は「丁丈反」で zhǎng と読む。

周易略例(しゅうえきりゃくれい)

周易畧例(此是輔嗣所作旣釋經文故相承講之今亦隨世音焉或有題為第十者後人輒加之耳)。明動不能制動(一本作天地不能制動)。貞夫(音符後皆同)。琁(悉全反,又作旋)。璣(音機,本又作機或作幾)。輻(音福)。湊(乾豆反)。則思(息吏反)。可逺(於萬反)。能渝(羊朱反)。至賾(仕責反)。能與(音預)。觀喙以斯(一本作以觀之)。明爻通變好靜(呼報反)。度量(音亮)。朝(直遙反)。廷(音定)。必比(毗志反)。隆墀(本又作坻直其反坻蟻冢)。逺壑(火各反)。而濟(一本作而載)。能(音恱)。善邇(善又作繕)。愛惡(烏路反,次章同)。語成而後有格(舊本如此一本格作括)。

「周易畧例」は、これは王輔嗣の撰で、経文を解釈するがゆえに、代々《易》を講ずる者は相承けて講習し、今も俗に随ってこれに注音する。ある本は「第十」と題するが、それは後人が擅に加えたものである。「明動不能制動」は、別の本では「天地不能制動」と作る。「貞夫」の「夫」は「符」の音で fú と読み、後文はすべて同じ。「琁」には「悉全反」と注し、反切注音で xuán と読む。また「旋」とも書く。「璣」は「机」の音で jī と読む。ある本では「机」、あるいは「几」と作る。「輻」は「福」の音で fú と読む。「湊」には「干豆反」と注し、字は còu と読む。「則思」の「思」は「息吏反」で sì と読む。「可逺」の「逺」はすなわち「遠」で、「于万反」に読み yuàn。「能渝」の「渝」は「羊朱反」で yú と読む。「至賾」の「賾」は「仕責反」で zé と読む。「能与」の「与」は「預」の音で yù と読む。「観喙以斯」は、別の本では「以観之」と作る。「明爻通変好静」の「好」は「呼報反」で hào と読む。「度量」の「量」は「亮」の音で liàng と読む。「朝」には「直遥反」と注し cháo と読む。「廷」は「定」の音で tíng と読む。「必比」の「比」は「毗志反」で bì と読む。「隆墀」の「墀」は、ある本では「坻」と作り、「直其反」に読み chí、「坻」は蟻塚である。「逺壑」の「壑」は「火各反」で hè と読む。「而済」は、別の本では「而載」と作る。次の条の「能」の下の字は「音恱」と注して yuè と読む。「善邇」の「善」はまた「繕」と作る。「愛悪」の「悪」は「烏路反」で wù と読み、次の章も同じ。「語成而后有格」は、旧本このようである。別の本は「格」を「括」と作る。

能與(音豫)。明卦適變通爻(本又作明卦通變適爻又一本直云適變通爻)。否泰(備鄙反)。險易(以豉反,章內同)。於斷(丁亂反)。要其(一遙反)。闢險(音避,本亦作避後章同)。比復(毗志反)。好先(呼報反)。侮妻(亡甫反)。故當(如字)。其介(音界,本又作分符問反)。明象觀意(本亦作見意)。猶蹄(音啼)。在兔(他故反,字又作菟)。筌者(七全反,筌蹄事見莊子)。重畫(直龍反,下胡麥反下同)。應健(音鷹)。滋漫(末半反)。縱復(扶又反)。辯位繫辭(戸計反,下同)。位分(扶問反,下同)。去初(羌呂反)。無六爻(無亦作損)。

「能与」の「与」は「豫」の音で yù と読む。「明卦適変通爻」は、ある本では「明卦通変適爻」と作り、また一本はそのまま「適変通爻」と作る。「否泰」の「否」は「備鄙反」で反切注音、pǐ と読む。「険易」の「易」は「以豉反」で yì と読み、章内は同じ。「于断」の「断」は「丁乱反」で duàn と読む。「要其」の「要」は「一遥反」で yāo と読む。「辟険」の「辟」は「避」の音で bì と読む。ある本ではそのまま「避」と作り、後章も同じ。「比復」の「比」は「毗志反」で bì と読む。「好先」の「好」は「呼報反」で hào と読む。「侮妻」の「侮」は「亡甫反」で wǔ と読む。「故当」は如字である。「其介」の「介」は「界」の音で jiè と読む。ある本では「分」と作り、「符問反」に読み fèn。「明象観意」は、ある本では「見意」と作る。「猶蹄」の「蹄」は「啼」の音で tí と読む。「在兔」の「兔」は「他故反」で tù と読み、字はまた「菟」と作る。「筌者」の「筌」は「七全反」で quán と読む。筌蹄の説は《荘子》に見える。「重画」の「重」は「直龍反」で chóng と読む。下の「画」の字は「胡麦反」に読み huà、下文も同じ。「応健」の「応」は「鷹」の音で yīng と読む。「滋漫」の「漫」は「末半反」で màn と読む。「縦復」の「復」は「扶又反」で fù と読む。「辯位繋辞」の「繋」は「戸計反」で xì と読み、下文も同じ。「位分」の「分」は「扶問反」で fèn と読み、下文も同じ。「去初」の「去」は「羌呂反」で qù と読む。「无六爻」の「无」はまた「損」とも書く。

略例下(りゃくれいか)

畧例下(舊本如此本或無下字)。率(音類又音律又所律反)。相比(毗志反)。險易(以豉反)。之行(下孟反)。去六(羌呂反)。見咥(直結反)。所怨(紆萬反,又紆元反)。

「畧例下」は、旧本このようである。ある本には「下」の字がない。「率」は「類」の音で、また「律」の音、また「所律反」に読む。「相比」の「比」は「毗志反」で反切注音、bì と読む。「険易」の「易」は「以豉反」で yì と読む。「之行」の「行」は「下孟反」で xìng と読む。「去六」の「去」は「羌呂反」で qù と読む。「見咥」の「咥」は「直結反」で dié と読む。「所怨」の「怨」は「紆万反」で yuàn と読み、また「紆元反」に読む。

卦略(かりゃく)

卦畧(凡十一卦)。屯難(乃旦反,遯明夷卦同)。所馮(皮冰反,本亦作憑)。蒙陰昧(音妹)。不諮(本亦作資)。四逺(萬反,觀明夷卦同)。初比(毗志反)。履不處(謂陽爻不處其位為美)。履者禮也(今雜卦無此句韓注有或傳寫者誤)。臨剛長(丁丈反,遯卦同)。觀(古亂反)。以所見(一本所作知)。以近(附近之近明夷卦同)。大過棟橈(乃孝反)。拯弱(拯救之拯)。同好(呼報反)。所贍(常豔反)。

「卦畧」の一篇は、総じて十一卦を講ずる。「屯難」の「難」は「乃旦反」で反切注音、nàn と読み、遯卦・明夷卦も同じ。「所馮」の「馮」は「皮氷反」で píng と読む。ある本では「憑」と作る。「蒙陰昧」の「昧」は「妹」の音で mèi と読む。「不諮」の「諮」は、ある本では「資」と作る。「四逺」の「逺」はすなわち「遠」で、「万反」と注し、反切の上字はすでに脱け、字は yuàn と読み、観卦・明夷卦も同じ。「初比」の「比」は「毗志反」で bì と読む。「履不処」は、陽爻がその位に居らぬをもって美と為すをいう。「履者礼也」の一句は、今の《雑卦傳》にはなく、韓康伯の注中にあり、おそらく伝写者の誤りであろう。「臨剛長」の「長」は「丁丈反」で zhǎng と読み、遯卦も同じ。「観」には「古乱反」と注し guàn と読む。「以所見」は、別の本は「所」を「知」と作る。「以近」の「近」は「附近」の「近」と読み、明夷卦も同じ。「大過棟橈」の「橈」は「乃孝反」で náo と読む。「拯弱」の「拯」は「拯救」の「拯」と読む。「同好」の「好」は「呼報反」で hào と読む。「所贍」の「贍」は「常艶反」で shàn と読む。

褊矣(必淺反)。遯浸(子鴆反)。長(張丈反)。難在(乃旦反)。亨在(許庚反)。大壯觸(昌録反)。蕃(扶反)。明夷最逺(於萬反)。最近(附近之近)。而難(乃旦反)。能溺(寧歷反)。睽最見(賢遍反,豐卦同)。洽乃(咸夾反,本又作合)。豐惡闇(烏路反)。之沛(歩貝反,又普貝反)。之蔀(歩口反)。明昧(音妹,本亦作妹又作沬皆末貝反下文同)。無與(如字又音預)。折其(之舌反)。

「褊矣」の「褊」は「必浅反」で反切注音、biǎn と読む。「遯浸」の「浸」は「子鴆反」で jìn と読む。「長」には「張丈反」と注し zhǎng と読む。「難在」の「難」は「乃旦反」で nàn と読む。「亨在」の「亨」は「許庚反」で hēng と読む。「大壮触」の「触」は「昌録反」で chù と読む。「蕃」には「扶反」と注し、反切の下字はすでに脱け、字は fán と読む。「明夷最逺」の「逺」はすなわち「遠」で、「于万反」に読み yuàn。「最近」の「近」は「附近」の「近」と読む。「而難」の「難」は「乃旦反」で nàn と読む。「能溺」の「溺」は「寧暦反」で nì と読む。「睽最見」の「見」は「賢遍反」で xiàn と読み、豊卦も同じ。「洽乃」の「洽」は「咸夾反」で qià と読む。ある本では「合」と作る。「豊悪闇」の「悪」は「烏路反」で wù と読む。「之沛」の「沛」は「歩貝反」で pèi と読み、また「普貝反」に読む。「之蔀」の「蔀」は「歩口反」で bù と読む。「明昧」の「昧」は「妹」の音で mèi と読む。ある本では「妹」と作り、また「沬」と作り、いずれも「末貝反」に読み、下文も同じ。「无与」の「与」は如字で、また「預」の音。「折其」の「折」は「之舌反」で zhé と読む。

巻末題記(かんまつだいき)

經典釋文卷第二(經四千二百一十九字注一萬七千七百四十字)。後學成德挍訂。

《経典釈文》第二巻はここに終わる。巻末の統計は、本巻の注音する所の《周易》経文は四千二百十九字、注文は一万七千七百四十字という。末の一行「后学成徳挍訂」は、後にこの巻を校訂した者の署名である。

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