周易参同契 · 第2巻
○道窮則反。歸乎坤元。恆順地理。承天布宣。
道は窮まれば返回し、坤元に帰ります。永く地理に順い、天を承けて布宣します。
○玄幽遠渺。隔閡相連。應度育種。陰陽之元。寥廓恍惚。莫知其端。先迷失軌。後為主君。無平不陂。道之自然。變易更盛。消息相因。終坤始復。始循連環。帝王承御。千載常存。
玄幽は遠渺で、隔閡しながらも相連なります。度数に応合して種を育むのは、陰陽の元です。寥廓・恍惚で、誰もその端倪を知りません。先ず軌轍を迷い、のちに主君を為します。平で陂なきものはなく、これが道の自然です。変易は更迭して盛衰し、消息は互いに因依します。坤に終わり復に始まり、環連に循い始めます。帝王は駕御を承受し、千載長く存します。
○將欲養性。延命卻期。審思後末。當慮其先。人所稟軀。體本一無。元精雲布。因氣托初。
将に性を養い命を延ばして死期を推さんと欲せば、後来の末を仔細に思い、まずその本を慮るべきです。人が禀受する身軀は、本体はもとより一無です。元精は雲のように布散し、気に借りて初始に寄托します。
○陰陽為度。魂魄所居。陽神日魂。陰神月魄。魂之與魄。互為室宅。性主處內。立置鄞鄂。情主營外。築垣城郭。城郭完全。人物乃安。爰斯之時。情合乾坤。幹動而直。氣布精流。坤靜而翕。為道舍廬。剛施而退。柔化以滋。九還七返。八歸六居。男白女赤。金火相拘。則水定火。五行之初。上善若水。清而無瑕。道之形象。真一難圖。變而分佈。各自獨居。
陰陽を法度とするは、魂魄の居る所です。陽神は日魂、陰神は月魄で、魂と魄は互いに相手の室宅を為します。性は内に処するを主り、輪郭を建立します。情は外を経営するを主り、垣牆・城郭を修築します。城郭が完全なれば、人物は安寧します。この時に当たりて、情は乾坤と相合します。乾は動きて直で、気は布散し精は流注します。坤は静かにして翕し、道の房舎を為します。剛は施与して後退し、柔は変化して滋生します。九還・七返、八帰・六居です。男は白で女は赤、金と火は互いに拘管し、ここにおいて水が来て火を安定する——これが五行の初始です。上善は水のごとく、清らかで瑕ありません。道の形象は、真一は図絵しがたい。変化して分布し、それぞれ独居します。
○類如雞子。白黑相符。縱廣一寸。以為始初。四肢五臟。筋骨乃俱。彌歷十月。脫出其胞。骨弱可卷。肉滑若鉛。
様子は鶏蛋のようで、白と黒が相符合します。縦広一寸で、始めを為します。四肢・五臓・筋骨はこれに始めて斉備します。経歴して十月に満ち、その胞衣を脱します。骨は軟らかく巻くべく、肌肉は滑らかで鉛のごとしです。
○陽燧以取火。非日不生光。方諸非星月。安能得水漿。二氣玄且遠。感化尚相通。何況近存身。切在於心胸。陰陽配日月。水火為效徵。
陽燧は以て火を取るも、日なくしては光を生じえません。方諸は星月に対せざれば、どうして水漿を得られましょうか。二気は玄にして遠いも、感化はなお相通じます。いわんや身に近く、心胸に切なるをや。陰陽は日月に配し、水火は効験の徴を為します。
○耳目口三寶。固塞勿發揚。真人潛深淵。浮游守規中。旋曲以視聽。開闔皆合同。為己之樞轄。動靜不竭窮。離氣內營衛。坎乃不用聰。兌合不以談。希言順鴻蒙。三者既關楗。緩體處空房。委志歸虛無。無念以為常。證難以推移。心專不縱橫。寢寐神相抱。覺悟候存亡。顏容浸以潤。骨節益堅強。排卻眾陰邪。然後立正陽。修之不輟休。庶氣雲雨行。淫淫若春澤。液液象解冰。從頭流達足。究竟復上升。往來洞無極。怫怫被容中。反者道之驗。弱者德之柄。耘鋤宿汙穢。細微得調暢。濁者清之路。昏久則昭明。
耳・目・口は三宝で、牢固に塞いで発揚するなかれ。真人は深淵に潜み、浮游して規中に守ります。旋転して視聴し、開闔はすべて合同します。自己の枢轄を為し、動静は窮竭しません。離気は内に経営して衛護し、坎は聡聴を用いず、兌は合して談話に用いず、少なく言って鴻蒙に順います。三者はすでに関楗なれば、身を放松して空房に処し、心志を虚無に托付し、無念を以て常と為します。証験は推移しがたく、心は専一にして縦横せず。寝寐には神が相抱持し、覚悟のときは存亡を守候します。顔容は漸く潤沢し、骨節はいよいよ堅強です。衆の陰邪を排除し、然るのち正陽を立てます。修持は停止せず、庶幾く気は雲雨の流行のごとく、淫淫として春日の潤沢のごとく、液液として氷の消解のごとく、頭より脚に流れ、底に至ってまた上昇し、往来は洞達して終極なく、怫怫として容貌のなかを覆います。反は道の効験、弱は徳の柄です。旧日の汚穢を耘鋤し、細微の処に調暢を得ます。濁は清に通ずる路で、昏暗は久しければ昭明します。
○世人好小術。不審道淺深。棄正從邪徑。欲速閼不通。猶盲不任杖。聾者聽宮商。沒水捕雉兔。登山索魚龍。植麥欲獲黍。運規以求方。竭力勞精神。終年無見功。欲知服食法。事約而不繁。
世の人は小術を好み、道の浅深を審察しません。正路を棄てて邪径に従い、速成を求めてかえって梗塞して通ぜず。たとえば盲人が杖を肯んじ用いず、聾子が宮商を聴くようなもので、水に没って雉兎を捕え、山に登って魚竜を尋ね、麦を種して黍を穫らんと欲し、円規を運転して方形を求めます。力を竭し精神を労損して、終年効を見ず。服食の法を知らんと欲するなら、事は要約にして繁瑣でない。
○太陽流珠。常欲去人。卒得金華。轉而相因。化為白液。凝而至堅。金華先唱。有頃之間。解化為水。馬齒闌干。陽乃往和。情性自然。迫促時陰。拘畜禁門。慈母育養。孝子報恩。嚴父施令。教敕子孫。五行錯王。相據以生。火性銷金。金伐木榮。三五與一。天地至精。可以口訣。難以書傳。
太陽・流珠は常に人を離れんと欲します。終に金華を得て、転じて互いに因依し、白液に化して、至堅に凝結します。金華は先んじて口を開き唱え、頃刻のあいだに、消解して水と化し、馬歯のように闌干に交錯します。陽は往きて応和し、情性は自然より出ます。時節の陰を逼促し、禁門に拘禁して畜養します。慈母は育養し、孝子は恩に報い、厳父は令を施し、子孫を教敕します。五行は交錯して王と称し、互いに依拠して生成します。火の性は金を銷熔し、金は伐って木を栄発させます。三五と一は、天地の至精です。口诀を以てすべし。
○子當右轉。午乃東旋。卯酉界隔。主定二名。龍呼於虎。虎吸龍精。兩相飲食。俱相貪便。遂相銜咽。咀嚼相吞。熒惑守西。太平經天。殺氣所臨。何有不傾。狸犬守鼠。鳥雀畏鸇。各得其功。何敢有聲。
子は右転すべく、午は東旋します。卯酉は界限を為し、二つの名を確定を主ります。竜は虎に呼び、虎は竜の精を吸います。両下は互いに飲食し、みな互いに便利を貪求し、ここにおいて互いに銜咽し、咀嚼して互いに吞みます。熒惑は西方に守り、太白は天を経ます。殺気の至る所、何ぞ覆らざらん。狸犬は老鼠を守り、鳥雀は鸇鷹を畏れます。各々その功用を得て、どうして敢えて声を出さん。
○不得其理。難以妄言。竭殫家產。妻子飢貧。自古及今。好者億人。訖不諧遇。希有能成。廣求名藥。與道乖殊。如審遭逢。睹其端緒。以類相況。揆物終始。
その中の理を得ざれば、妄言しがたい。家産を耗尽し、妻子は飢貧します。古より今に至り、愛好する者は上億人あるも、終始契合に遇わず、成就する者は甚だ少ない。広く名薬を求めて、道に乖離します。もし確かに遭逢して端緒を見れば、同類をもって比況し、事物の終始を揆度すべし。
○五行相剋。更為父母。母含滋液。父主稟與。凝精流形。金石不朽。審專不洩。得為成道。立竿見影。呼谷傳響。豈不靈哉。天地至象。若以野葛一寸。巴豆一兩。入喉輒僵。不得俛仰。當此之時。雖周文揲蓍。孔子占象。扁鵲操針。巫咸扣鼓。安能令蘇。復起馳走。
五行は相克して、更迭に彼此の父母を為します。母は滋液を含み、父は禀授を主ります。精を凝して形に流れれば、金石は不朽します。審慎に専一にして泄漏せざれば、道を成就し得ます。竿を立てれば影を見、山谷に対して呼べば回响を伝える——あに霊験ならざらんや。これは天地の至象です。仮に野葛一寸・巴豆一両をもって、喉に入れば僵直して、俯仰しえません。この時に当たり、たとい周文王が蓍を揲し、孔子が象を占い、扁鵲が針を操り、巫咸が鼓を撃つとも、またどうしてこれを蘇醒させ、再び起きて奔走せしめ得ましょうか。
○河上奼女。靈而最神。得火則飛。不見埃塵。鬼隱龍匿。莫知所存。將欲制之。黃芽為根。
河上の姹女は、霊にして最も神なり。いったん火を得れば飛び去り、埃塵を見せません。鬼のごとく隠れ竜のごとく匿れ、誰もその在る所を知りません。将にこれを制伏せんとすれば、黄芽がこそ根なり。
○物無陰陽。違天背無。牝雞自卵。其雛不全。夫何故乎。配合未運。三五不交。剛柔離分。施化之精。天地自然。猶火動而炎上。水流而潤下。非有師道。使其然也。資始統政。不可復改。觀夫雌雄。交媾之時。剛柔相結。而不可解。得其節符。非有工巧。以制御之。若男生而伏。女偃其軀。稟乎胞胎。受氣元初。非徒生時。著而見之。及其死也。亦復效之。此非父母。教令其然。本在交媾。定置始先。
物に陰陽なくば、すなわち天に背き無に離れます。母鶏が自ら下した卵は、雛鳥は完全でありません。何となれば。配合は未だ運転せず、三五は相交わらず、剛柔は分離したるがゆえです。施化の精は、天地の自然です。たとえば火が動けば向上して焼き、水が流れれば向下して潤す——師の教導あってこれを為すのではありません。始を資して政を統べ、改められません。あの雌雄の交媾するときを見よ、剛柔は互いに結住して解けず、節符を得て、工巧の制御あることなし。男の生まれて俯卧し、女の身を仰けるがごとく、胞胎に禀受し、元初に気を受けたるなり。生きているとき明らかに見えるのみならず、死するに及んでもなおこのごとし。これは父母が教令してかくならしめたのではなく、根本は交媾に在り、一始に定置されていたのです。
○坎男為月。離女為日。日以施德。月以舒光。月受日化。體不虧傷。陽失其契。陰侵其明。晦朔薄蝕。掩冒相傾。陽消其形。陰凌災生。男女相須。含吐以滋。雌雄錯雜。以類相求。
坎男は月で、離女は日です。日は以て徳を施し、月は以て光明を舒放します。月は日の化を受け、本体は亏损しません。陽が契約を失えば、陰はその明を侵奪します。晦朔に薄蝕が発生すれば、掩冒して互いに傾軋します。陽は形を消損し、陰は凌逼して災いを生じます。男女は互いに相須り、含吐して滋生します。雌雄は錯雑し、類に按じて互いに求取します。
○金化為水。水性周章。火化為土。水不得行。故男動外施。女靜內藏。溢度過節。為女所拘。魄以鈐魂。不得淫奢。不寒不暑。進退合時。各得其和。俱吐證符。
金は化して水となり、水の性は周流して定まりません。火は化して土となり、水は通行を得ず。だから男は動きて外に施与し、女は静かにして内に含蔵します。溢度して節度を過ぐれば、女に拘管されます。魄は以て魂を鈐制し、淫奢を得ず。寒ならず暑ならず、進退は時に合し、各々中和を得て、ともに証験の符を吐きます。
○丹砂木精。得金乃並。金水合處。木火為侶。四者混沌。列為龍虎。龍陽數奇。虎陰數偶。肝青為父。肺白為母。腎黑為子。脾黃為祖。子五行始。三物一家。都歸戊己。
丹砂は木の精で、金を得てこそ合併します。金と水の合う所は、木と火は伴侶を為します。四者は混沌として、列べて龍虎を為します。竜は陽に属し数は奇で、虎は陰に属し数は偶です。肝の青は父、肺の白は母、腎の黒は子、脾の黄は祖です。子は五行の始め、三物は一家を成して、みな戊己に帰ります。
○剛柔迭興。更歷分部。龍西虎東。建緯卯酉。刑德並會。相見歡喜。刑主伏殺。德主生起。二月榆落。魁臨於卯。八月麥生。天綱據酉。子南午北。互為綱紀。一九之數。終而復始。含元虛危。播精於子。
剛柔は更迭に興り、輪流して分部を経歴します。竜は西に虎は東にあり、建緯は卯酉に在ります。刑と徳はともに会合し、相見れば歓喜します。刑は伏殺を主り、徳は生起を主ります。二月に楡葉落ち、魁星は卯に臨みます。八月に麦子生じ、天綱は酉を占拠します。子は南に午は北にあり、互いに綱紀を為します。一九の数は、終わってまた始まります。元を虚危に含み、精を子に播撒します。
○關關雎鳩。在河之洲。窈窕淑女。君子好逑。雄不獨處。雌不孤居。玄武龜蛇。蟠蚪相扶。以明牝牡。竟當相須。假使二女共室。顏色甚姝。令蘇秦通言。張儀結媒。發辯利舌。奮舒美辭。推心調諧。合為夫妻。弊發腐齒。終不相知。若藥物非種。名類不同。分刻參差。失其紀綱。雖黃帝臨爐。太一執火。八公搗煉。淮南調合。立宇崇壇。玉為階陛。麟脯鳳臘。把籍長跪。禱祝神祇。請哀諸鬼。沐浴齋戒。冀有所望。亦猶和膠補釜。以*塗瘡。去冷加冰。除熱用湯。飛龜舞蛇。愈見乖張。
関関たる雎鳩、河の洲に在り。窈窕たる淑女、君子の好逑なり。雄は単独に処せず、雌は孤零零として居らず。玄武の亀蛇は、蟠蚪して互いに扶持し、以て牝牡は終に相須るべきことを表明します。仮に二つの女子が一室に共に処し、顔色甚だ美しく、蘇秦に通言させ張儀に媒を為させ、利弁の舌を発し美麗の辞を舒展し、心を推して調諧し、夫妻に合成するも、頭髪が敝壊し歯齒が腐爛するまで、終始相相知りません。薬物が同類でなければ、名類は同じからず、分刻は参差不斉で、紀綱を失い、たとい黄帝が炉前に親臨し、太一が火を執り、八公が搗錬し、淮南が調合し、屋宇を立て高壇を垒り、玉を以て階を為し、麟脯・鳳腊を備え、籍冊を捧げて長跪し、神祇を祷祝し衆鬼に哀求し、沐浴して斎戒して獲る所を指望するも——なお膠を以て鍋を補い、(底本この字は残欠)を以て瘡を塗り、冷やさんと欲して氷を加え、熱を除かんとして湯を用いるに似ん。飛亀・舞蛇は、いよいよ乖張を顯すのみです。
○惟昔聖賢。懷玄抱真。服煉九鼎。化跡隱淪。含精養神。通德三光。津液腠理。筋骨致堅。眾邪辟除。正氣常存。累積長久。變形而仙。憂憫後生。好道之倫。隨傍風采。指畫古文。著為圖籍。開示後昆。露見枝條。隱藏本根。托號諸石。覆謬眾文。學者得之。韞櫝終身。子繼父業。孫踵祖先。傳世迷惑。竟無見聞。遂使宦者不仕。農夫失耘。商人棄貨。志士家貧。吾甚傷之。定錄此文。字約易思。事省不繁。披列其條。核實可觀。分兩有數。因而相循。故為亂辭。孔竅其門。智者審思。用意參焉。
従前の聖賢は、玄を懐き真を抱き、九鼎を服錬し、跡を化して隠淪しました。精を含み神を養い、三光と徳を通じ、津液は腠理に至り、筋骨は堅固となりました。衆邪は辟除し、正気は常に存し、累積すること長久にして、形を変じて仙と成りました。彼らは後来の人・道を好む類を憂憫し、風采に依傍し古文を指画して、図籍を写し成し、後輩に開示しました。枝條を露し、本根を隠蔵し、諸鉱石の名号を仮托して、衆文のなかに錯謬を覆いました。学者はこれを得て、韞櫃して終身し、子は父業を継承し、孫は祖先に従い、世代相伝えても迷惑して、終に見聞なし。ここにおいて宦者をして官に就かせず、農夫は耕耘を荒し、商人は貨物を失い、志士は家に貧しき。私はこの事を甚だ哀れみ、ここにこの文字を写定しました。字は約にして想い易く、事は省にして繁らず、その条目共を披列し、核実すれば観覧可、分両に定数あって、因りて互いに循環します。だから乱辞を成して、その門に孔竅を開く——智者よ仔細に思考し、用意を以て参詳せよ。
○法象莫大乎天地兮。玄溝數萬裡。河鼓臨星紀兮。人民皆驚駭。晷影妄前卻兮。九年被兇咎。皇上覽視之兮。王者退自改。關楗有低昂兮。害氣遂奔走。江淮之枯竭兮。水流注於海。天地之雌雄兮。徘徊子與午。寅申陰陽祖兮。出入復終始。循鬥而招搖兮。執衡定元紀。
法象は天地より大きいものなきかな、玄溝は数万里。河鼓は星紀に臨近するかな、人民は皆驚駭す。晷影は妄りに前進・後退するかな、九年凶咎を被る。皇上はこれを覧視するかな、王者は退いて自ら改正す。関楗に低昂あるかな、害気は奔走す。江淮は枯竭するかな、水は海に流入す。天地の雌雄かな、子と午に徘徊す。寅申は陰陽の祖なるかな、出入してまた終わり復始す。北斗に循いて招揺するかな、衡器を執掌して元紀を定む。
○升熬於甑山兮。炎火張設下。白虎唱導前兮。蒼液和於後。朱雀翱翔虧兮。飛揚色五彩。遭遇羅網施兮。壓之不得舉。嗷嗷聲甚悲兮。嬰兒之慕母。顛倒就湯鑊兮。摧折傷毛羽。漏刻未過半兮。魚鱗狎鬣起。五色象炫耀兮。變化無常主。潏潏鼎沸馳兮。暴勇不休止。接連重迭累兮。犬牙相錯距。形如仲冬冰兮。闌干吐鍾乳。崔巍而雜廁兮。交積相支柱。
升って甑山に熬るかな、炎火は下に張設す。白虎は前に唱導するかな、蒼液は後に応和す。朱雀は翱翔して亏缺するかな、飛揚して五彩す。羅網に遭遇して施下されるかな、これを圧して挙げられず。嗷嗷の声甚だ悲しかな、嬰児の母を思慕するがごとし。顛倒して湯鑊に投じられるかな、毛羽を摧折し損傷す。漏刻未だ半ば過ぎざるかな、魚鱗・狎鬣はすでに竪つ。五色の象は炫耀するかな、変化に常主なし。潏潏として鼎沸・奔馳するかな、暴勇にして休止せず。接続・重畳・累積するかな、犬牙相錯距す。形状は仲冬の氷のごとくかな、闌干として鐘乳を吐く。崔巍として夾雑するかな、交積して互いに支撐す。
○陰陽得其配兮。淡泊而相守。青龍處房六兮。春華震東卯。白虎在昴七兮。秋芒兌西酉。朱雀在張二兮。正陽離南午。三者俱來朝兮。家屬為親侶。本之但二物兮。末而為三五。三五並與一兮。都集歸二所。治之如上科兮。日數亦取甫。
陰陽は匹配を得るかな、淡泊にして互いに相守す。青竜は房宿六度に処るかな、春華は震に属し東方は卯。白虎は昴宿七度に在るかな、秋芒は兌に属し西方は酉。朱雀は張宿二度に在るかな、正陽は離に属し南方は午。三者は皆来りて朝見するかな、家屬は親侶を為す。根本はただ二物なるかな、末梢は三五を為す。三五は合併して一となるかな、皆匯集して両処に帰す。これを治むるは上科の言うがごときかな、日数もまた甫定の数を取る。
○先白而後黃兮。食黑達表裡。名曰第一鼎兮。食如大黍米。自然之所為兮。非有邪偽道。若山澤氣相蒸兮。興雲而為雨。泥竭遂成塵兮。火滅化為土。若櫱染為黃兮。似藍成綠組。皮革煮成膠兮。麴櫱化為酒。同類易施功兮。非種難為巧。惟斯之妙術兮。審諦不誑語。傳於億世後兮。昭然自可考。煥若星經漢兮。炳如水宗海。思之務令熟兮。反覆視上下。千周燦彬彬兮。萬遍將可睹。神明或告人兮。心靈乍自悟。探端索其緒兮。必得其門戶。天道無適莫兮。常傳與賢者。
先に白にして後に黄なるかな、黒を食すれば表裏に通達す。名づけて第一鼎と曰うかな、食すれば大黍米のごとし。これは自然の為す所なるかな、邪偽の道あることなし。たとえば山沢の気の相蒸するがごときかな、雲を興して雨を為す。泥は干竭して塵を為るかな、火は滅して土を化す。蘖の黄に染まるがごときかな、藍草の緑組を織るがごとし。皮革は煮て膠を為るかな、酒曲は化して酒を為す。同類は功を施し易きかな、同種にあらざれば巧みを為し難し。惟この妙術のみあるかな、審諦にして誑語を説かず。億世の後に伝うるかな、昭然として自ら考う可し。焕然として星の天漢を経るがごときかな、炳然として水の海に帰宗するがごとし。思量は務めて熟ならしむべきかな、反復して上下面を看よ。千周・燦然・彬彬たるかな、万遍すれば将に見ることを得んとす。神明あるいは人に告げんかな、心霊は忽然として自ら覚悟す。その端を探りその緒を索むるかな、必ずその門戸を得ん。天道は偏私なきかな、常に賢者に伝う。
○參同契者。敷陳梗概。不能純一。氾濫而說。纖微未備。闊略彷彿。今更撰錄。補塞遺脫。潤色幽深。鉤援相逮。旨意等齊。所趣不悖。故復作此。命五相類。則大易之情性盡矣。
いわゆる《参同契》は、梗概を鋪陳したもので、純一にすることができず、説くところは寛泛で、繊微の処は備えられておらず、闊略にして彷彿です。今さらに撰録して、遺脱を補塞し、幽深を潤色し、鉤援して互いに逮及させ、旨意を斉等にし、旨趣を悖らせません。だからまたこの篇を作り、名づけて五相類と曰い、そうすれば大易の情性は尽きます。
○大易情性。各如其度。黃老用究。較而可御。爐火之事。真有所據。三道由一。俱出徑路。
大易の情性は、それぞれその法度のごとし。黄老は以て窮究し、比較ののち駕御すべし。炉火の事は、確かに依拠する所有り——一説にこの句は外丹の炉火をも承認するとしますが、正文はなお身中の錬養を第一義とします。三道は一つを出で、みなこの径路より出ます。
○枝莖華葉。果實垂布。正在根株。不失其素。誠心所言。審而不誤。
枝・茎・花・葉は、果実を垂れ布き、関鍵はまさに根株に在り、その素を失いません。誠心の説くところの言は、審慎にして失誤なし。
○象彼仲冬節。竹木皆摧傷。佐陽詰賈旅。人君深自藏。象時順節令。閉口不用談。天道甚浩廣。太玄無形容。虛寂不可睹。匡郭以消亡。謬誤失事緒。言還自敗傷。別序斯四象。以曉後生盲。
象をあの仲冬の節候に取り、竹木はみな摧傷す。陽を佐助して商旅を詰責し、人君は深々と自ら蔵す。象を時に取りて節令に順い、口を閉じて談話を用いず。天道は甚だ浩広で、太玄に形容なく、虚寂にして見るべからず、匡郭はこれによりて消亡す。謬誤すれば事緒を失い、言を出せばかえって自ら敗傷す。別にこの四象を叙述し、以て後生の盲昧に暁諭す。
○會稽鄙夫。幽谷朽生。挾懷樸素。不樂歡榮。棲遲僻陋。忽略利名。執守恬淡。希時安平。宴然閒居。乃撰斯文。歌敘大易。三聖遺言。察其旨趣。一統共倫。
会稽の鄙夫は、幽谷に朽生す。懐に樸(加工されていない原木——人為的に雕琢されていない本真の状態を喩える)素を挟み、歓栄を好まず。僻陋に栖遅し、利名を忽略し、恬淡を執守して、時世の安平を盼る。宴然として閑居し、始めてこの文字を撰成し、大易・三聖の遺言を歌叙し、その旨趣を察して、一つの共有の倫に統一す。
○務在順理。宣耀精神。神化流通。四海和平。表以為歷。萬世可循。序以御政。行之不繁。引內養性。黃老自然。含德之厚。歸根返元。近在我心。不離己身。抱一毋舍。可以長存。配以服食。雄雌設陳。挺除武都。八石棄捐。
務めて理に順い、精神を宣耀すべし。神化は流通し、四海は和平す。表し出でて暦法と為せば、万世これに循う可し。序次して以て政を御し、これを行えば繁瑣ならず。引きて内に入れて性を養うは、黄老の自然なり。徳を含んで深厚にして、根に帰り元に返る。近く我が心に在り、自己の身を離れず。一を抱いて舎せざれば、長く存すべし。服食に配し、雄雌を陳設す。武都の雄黄を挺除し、八石をみな抛棄す。
○審用成物。世俗所珍。羅列三條。枝莖相連。同出異名。皆由一門。非徒累句。諧偶斯文。殆有其真。礫硌可觀。使予敷偽。卻被贅愆。命參同契。微覽其端。辭寡意大。後嗣宜遵。委時去害。依託丘山。循遊寥廓。與鬼為鄰。化形而仙。淪寂無聲。百世一下。遨遊人間。陳敷羽翮。東西南傾。湯遭厄際。水旱隔並。柯葉萎黃。失其華榮。吉人相乘負。安穩可長生。
審慎に運用して物を成就するは、世俗の珍視する所です。三条を羅列し、枝茎は相連なり、同じく一つの源頭を出でて名称は同じからず、みな一門によります。ただ句子を堆砌してこの文を諧偶に写すのみならず、概ね真にその真有り、礫硌として観るべし。もし我に虚仮を鋪陳せしめれば、かえって贅余の愆過を加えられん。名づけて《参同契》と曰い、略かにその端倪を覧見します。辞は少なく意は大なり、後嗣は遵循すべし。時世を委棄し禍害を除去し、丘山に依托し、寥廓に循游し、鬼と隣を為し、形を化して仙と成り、寂静に淪んで声なし。百世下来りて一趟し、人間に遨游す。羽翮を陳布し、東西南みな傾斜す。湯が困厄に遭うの際、水旱は隔絶して並行し、枝葉は萎黄して華栄を失う。吉人は互いに乗負し、安穏にして長生すべし。
【鼎器歌】圓三五。寸一分。口四八。兩寸唇。長尺二。厚薄勻。腹齊三。坐垂溫。陰在上。陽下奔。首尾武。中間文。始七十。終三旬。二百六。善調勻。陰火白。黃芽鉛。兩七聚。輔翼人。贍理腦。定升玄。子處中。得安存。來去遊。不出門。漸成大。情性純。卻歸一。還本原。善愛敬。如君臣。至一週。甚辛勤。密防護。莫迷昏。途路遠。復幽玄。若達此。會乾坤。刀圭沾。靜魄魂。得長生。居仙村。樂道者。尋其根。審五行。定銖分。諦思之。不須論。深藏守。莫傳文。御白鶴兮。駕龍鱗。遊太虛兮。謁仙君。錄天圖兮。號真人。
【鼎器歌】円の径は三五、厚さは一寸一分。口は四八、嘴唇は両寸。長さ一尺二、厚薄は均斉。腹は三に斉しく、坐して温を垂る。陰は上頭に在り、陽は下に奔る。首尾は武火を用い、中間は文火を用いる。始め七十、終わり三十、共に二百六、善く調均すべし。陰火は白、黄芽は鉛。両七は聚合し、人に輔翼す。脳を贍養・料理し、安定して玄に升る。子は中間に処り、安存を得。来去・游走すれど、門を出でず。漸く長大し、情性は純一、却って一に帰り、本原に還る。善く愛敬し、君臣のごとく。一周に至るまで、甚だ辛勤。厳密に防護し、迷昏するなかれ。途路は遥遠にして、また復た幽玄。もしこのに達すれば、すなわち乾坤に通ぜん。刀圭一たび沾えば、魄魂はすなわち静まり、長生を得て、仙村に住す。道を楽しむ人は、その根を尋ねよ。五行を審察し、銖分を定準せよ。仔細に思量し、必ずしも空談するなかれ。深く蔵守し、文を写して外伝するなかれ。白鶴を駕馭するかな、竜鱗を駕る。太虚に游ぶかな、仙君に謁見す。天図を録すかな、真人と号す。
【贊序】參同契者。辭隱而道大。言微而旨深。列五帝以建業。配三皇而立政。若君臣差殊。上下無準。序以為政。不至太平。服食奇法。未能長生。學以養性。又不延年。至於剖析陰陽。合其銖兩。日月弦望。八卦成象。男女施化。剛柔動靜。米鹽分判。以經為證。用意健矣。故為立法。以傳後賢。推曉大象。必得長生。為吾道者。重加意焉。
【賛序】所谓《参同契》とは、辞は隠れて道は大、言は微にして旨は深し。五帝を陳列して功業を建立し、三皇を配合して政事を立定す。もし君臣が差殊し、上下に準縄なければ、これを以て為政を序次すれば太平に至らず、これを服食の奇法に当てれば長生しえず、これを学んで性を養えばまた延年しえず。陰陽を剖析し、銖両を合準し、日月の弦望、八卦の成象、男女の施化、剛柔の動静に至っては、米塩のごとく分判し、経を以て証明と為し、用意は剛健なり。だからこれがために法を立て、以て後来の賢者に伝う。大きな法象を推暁し、必ず長生を得ん。我がこの道を奉行する人は、倍に留意すべきかな。
