火珠林
47.起造・遷移を占う 附:陽宅
六爻納甲典籍
まず体例書で装卦の手順を握り、それから卦例集へ進む。取用神は断法全体の要となる一手であり、書ごとの処理の違いを対照する価値がある。
火珠林 麻衣道者著と題す
1.易中の明義
四營成易,八卦為體;三才變化,六爻為義。
「四営」とは《周易・繫辞》にいう分二・掛一・揲四・帰奇という四つの手続きで、一営ごとに一変し、四営を経て一爻が成る。成卦の法がここから立つので「四営成易」という。八卦はすべての卦象の骨格で、六十四卦はいずれも八卦を二つ重ねて成るので「八卦為体」という。天・地・人「三才」の気機が卦中を往来して変化し、具体的な推断に落とすには、すべて一卦六爻の爻位と爻象によって現れるので「六爻為義」という。この四句は全書の総綱である。成卦の根拠は四営と八卦にあり、占断の着眼点は六爻にある。
注云:書有三而異用,卦皆八以為經。一曰《連山》,二曰《歸藏》,三曰《周易》。自秦焚書坑儒,《連山》、《歸藏》不傳於世矣。又云:一曰治天下,二曰論長生,三曰卜吉凶。夫三才者,天干為上,能占九天之外,日月星辰,風雷雲雨明晴之事;地支為中,能占九地之上,山川草木,人倫吉凶,否泰存亡之事;納四象,四象生八卦,所謂四營成易也。
原注にいう。古来の易の書は三部あり、用途はそれぞれ異なるが、いずれも八卦を経緯の骨格とする。第一部を《連山》、第二部を《帰蔵》、第三部を《周易》という。秦代に焚書坑儒があって以来、《連山》《帰蔵》の二部は世に伝わらず、残ったのは《周易》のみである。原注はまたいう。三書の功用は、一つは天下を治めるため、二つは長生養錬を論ずるため、三つは吉凶を卜問するためである。いわゆる「三才」は、納甲の法においてそれぞれ分担がある。「天干」は上位に居り、九天の外の事、たとえば日月星辰の運行や風雷雲雨・陰晴の変化を占うことができる。「地支」は中位に居り、九地の上の事、たとえば山川草木、人倫の吉凶、時運の通塞や家国の存亡を占うことができる。干支が相配して卦爻に納められ、老陽・老陰・少陽・少陰という「四象」を生じ、四象がさらに八卦を生ず。これが上文にいう「四営成易」である。
又問:納音為下,能占九泉、六道、四生、虛無等事?答曰:六十甲子生成,變化而行鬼神,是故天干管天文,地支管人事,納音管地理。如乾卦初爻甲子動,占天文主風;占人事主子孫,六畜、花木、酒饌、憂喜等事;占地理,六穴中有石之類。
また問うていう。「納音」は最も下位に居るが、九泉の下、六道輪廻、胎卵湿化の「四生」および虚無渺茫の類の事を占うことができるのか。答えていう。六十甲子は干支が相配して生成し、納音はこの生成の数から変化して出るので、鬼神の情状に通ずる。ゆえに三層の分担は、天干は天文を司り、地支は人事を司り、納音は地理を司る。たとえば乾卦の初爻は甲子を納め、この爻が発動するとき、天時を占えば甲子は水に属し風を主る。人事を占えば甲子は乾宮において「子孫」爻で、子孫・六畜・花木・酒食・憂喜の類の事を主る。地理を占えば甲子の納音は海中金で、金が土の下に伏しているので、穴の中に石があるという類の情形を主る。
如占葬地,得姤之鼎卦,掘地五尺土中有石,其色大赤,離穴四十步,西南近柳樹,當有伏尸,葬出刀傷之人,並主火災。問曰:如何斷之?答曰:世持辛丑,土伏甲子金,世下伏金,是土中有石也。巽下伏乾,是乾為大赤也,第五爻壬申化己未火,火克本宮為鬼,是伏尸鬼,申化未是西南方也。
たとえば葬地を占って、天風姤卦が火風鼎卦に変ずるを得たとする。断語にいう。下へ五尺掘れば土中に石があり、石の色は深紅。墓穴より四十歩、西南方で柳の木に近い処に、主なき「伏尸」一体があるはず。葬った後、家に刀刃に傷つけられる人が出て、また火災を主る。人が問うていう。これらはどう断じたのか。答えていう。姤卦の二爻は辛丑土が世を持ち、世爻の下に本宮乾金の甲子が伏している。土爻の下に金を蔵するので土中に石ありと断ず。姤卦の下体は巽で、巽の下に伏する本宮卦は乾、乾は《説卦》にて大赤の色なので、石色が深紅と断ず。第五爻の壬申金が発動して己未火を変出し、火が来たって乾金の本宮を剋するはまさに「官鬼」で、しかもこの鬼は蔵伏して露われないので伏尸ありと断ず。申は未に変じ、未はまさに西南に当たるので方位を西南と断ず。
掘下五尺見石者,土類五也。離穴四十步有伏尸者,壬申金,重數四,加丑未土類五,二五成十,並申金四是四十步也。出刀傷人者,壬申乃劍鋒金也;主火災者,已未化火,未克辛丑世也。樹旁者,己未火鬼,與壬午木合住,壬午乃楊柳木也。
五尺掘って石に当たるというのは、五行類数における「土」の類数が五であるを取った。穴より四十歩に伏尸ありというのは、こう合わせたものである。壬申は金に属し金の類数は四。辛丑と己未はいずれも土に属し土の類数は五、二つの五を合わせて十。さらに申金の四を乗ずれば四十歩となる。刀傷の人が出るというのは、壬申の納音が剣鋒金で、剣鋒は刀刃の傷を主るからである。火災を主るというのは、己未の納音が火に化し、未がまた返って世を持つ辛丑を剋し、火気が自家の身に逼るからである。木の傍らにあるというのは、己未という火鬼が壬午と合して牽かれ、壬午の納音がまさに楊柳木なので柳を指すからである。
又請占祟例為式,籤曰:如遁之姤卦,此卦是子孫鬼,一男一女為釵釧等事物來沉滯,男兒赤,性燥,女兒潔白,性剛;其墳墓現在西北,恐有動犯,告之則吉。
さらに占祟――いかなる鬼神が祟りをなすかを問う――の例を挙げて推断の格式とする。断辞にいう。天山遯卦が天風姤卦に変ずるを得た。この卦が犯したのは「子孫鬼」で、男一人・女一人の二つの亡魂が、釵釧の類の装身具の事で纏い去らず、事を沈滞難行に引きずっている。男は面色赤く性は急ぎ、女は肌白く性は剛い。彼らの墳墓はいま西北方にあり、恐らく土を動かした時に冲犯したのであろう。事由を禀明して祭告すれば、吉に転ずることができる。
問曰:何以知之?曰:二爻丙午火是鬼,化辛亥水是子孫,丙午納音屬水,化辛亥又屬水,如二乾宮子孫,故曰子孫鬼也;一男丙午,一女辛亥也;火主赤,金主白,火燥金剛,皆以五行之性言之也;為釵釧者,辛亥乃釵釧金也;言墳墓在西北者,水墓在戌,又火絕在亥,亥,西北也;墓有犯者,艮屬土,化巽為木,木去克土山。
人が問うていう。これらはまたどこから知ったのか。答えていう。遯卦の第二爻は丙午火で、乾宮にて「官鬼」。この爻が姤卦の辛亥水を変出し、乾宮にて「子孫」。丙午の納音は水に属し、変じた辛亥もここでは水として論じ、両爻とも乾宮の子孫の一路に帰するので「子孫鬼」という。丙午は陽に属するがあの男で、辛亥は陰に属するがあの女である。火の色は赤、金の色は白、ゆえに男は赤く女は白いという。火の性は燥急、金の性は剛硬、いずれも五行の性情によって人の性情を推したものである。釵釧の事というのは、辛亥の納音がまさに釵釧金だからである。墳墓が西北にあるというのは、水の墓庫は戌にあり、火の絶地は亥にあり、亥の位がまさに西北に当たるからである。墳墓が冲犯を受けたというのは、遯卦の下体はもと艮で、艮は土・山、変じて姤卦の巽、巽は木、木が来て土を剋する、すなわち山土を動かして墳墓を冲犯したのである。
2.六親の根源
卦定根源,六親為主;又究旁通,五行而取。
卦を起こした後、まず「根源」を定める。すなわちこの卦が八宮のうちどの宮に隷属するか、本宮の五行は何かを先に認め定める。本宮が定まれば、六爻それぞれに父母・兄弟・妻財・子孫・官鬼の「六親」を配し、占断は六親を主脳とする。次いでさらに「旁通」を推究する。すなわち卦面に現れた「飛神」と本宮が下に蔵する「伏神」がどう上下に相配するかである。六親が定め得る所以も、飛伏が断ぜ得る所以も、帰するところはすべて金木水火土の生剋に拠る。
注云:根源者,八卦之宮主也。而原有六親旁通者,六爻之飛象也,而上下相乘。五行者,金水木火土也。而定四時六親者,主宮也。六爻,父、子、兄弟、妻財、官鬼,定一宮管八卦,七卦皆從一宮出。旁通者,上下宮飛象六五也。蓋本宮在下為伏之六親,旁宮在上為飛之六親,如六壬課有天盤、地盤。先看六親之下,後看六親之上,所乘得何爻,而辨吉凶存亡也。
原注にいう。いわゆる「根源」とは八宮の宮主、すなわち本卦が属するその宮である。本宮にはもとより六親が配定されている。いわゆる「旁通」とは、六爻の面に現れた「飛象」を指し、飛象と下の伏神とが上下に相乗配する。五行とは金・水・木・火・土である。四時の旺衰をもって六親を定めるが、その拠り処は依然として本宮である。六爻に配する六親は父母・子孫・兄弟・妻財・官鬼。一宮は八卦を統管し、本宮の首卦以外の七卦はみなこの一宮から変出するので、六親を取るには一律に本宮の五行を準とする。いわゆる「旁通」とは、上下二宮の飛象の交錯相配である。本宮の六親が下に蔵するを「伏神」といい、旁宮の六親が上に顕れるを「飛神」という。たとえば六壬課に天盤・地盤があって上下に加わるがごとし。占断にはまず六親の下に何が伏するかを見、次に六親の上に何が飛ぶかを見、それがどの爻に乗ったかを見て、ここから吉凶存亡を分弁する。
或問:六親為主,父母、兄弟、妻財、子孫、官鬼,只有五件,而曰六親何也?答曰:卦身當一親。問曰:如何為卦身?曰:陽世則從子月起,陰世還當午月生,此即卦身也。而《元龜》以月卦言之,所以吉凶不應。問:卦身亦主甚吉凶?曰:如本卦世空,卻去看身,豈為無用?
人が問うていう。六親を主とするというが、父母・兄弟・妻財・子孫・官鬼は五つしかないのに、なぜ「六親」というのか。答えていう。「卦身」を一親と算えれば、ちょうど六つに足る。また問うていう。卦身はどう定めるのか。答えていう。口訣に「陽世ならば則ち子月より起こり、陰世ならば還って午月に生ずるに当たる」――世爻が陽爻なら子月から数え起こし、世爻が陰爻なら午月から数え起こし、世爻の居する爻位に順数して上り、数え当たったその月建が卦身である。《卜筮元亀》は月卦のみをもって卦身を講じたので、断じ出す吉凶は往々にして応えない。また問うていう。卦身はいかなる吉凶を主るのか。答えていう。たとえば本卦の世爻が空に落ちて事に拠りどころがない時、転じて卦身を見る。どうして用なしといえよう。
又問:何謂旁通?曰:本宮之六親在飛象之下,為之親王,為之伏神。旁宮之飛象加伏神之上,為飛象,親爻世下之爻為伏。知飛伏二爻之來歷,然後可與言八卦、六親矣。
また問うていう。何を「旁通」というのか。答えていう。本宮の六親が飛象の下に蔵する、これを「親爻」といい、また「伏神」ともいう。旁宮の飛象が伏神の上に圧する、これを「飛神」という。本宮の親爻のうち、世爻の下に伏するその一爻が最も緊要で、これがこの卦の真の伏神である。飛・伏二爻それぞれの来歴をすべて明らかにしてから、はじめて八卦を講じ六親を講ずるに足る。
3.財官の輔助
財官異路,可辨五鄉;用有輔助,類可忖量。
「妻財」と「官鬼」は異なる二つの路数である。私事を占うには財爻を取り、公事を占うには官爻を取り、用途はそれぞれ別である。この二つを凭りて父母・兄弟・妻財・子孫・官鬼の「五郷」を分弁すれば、主次・軽重は明らかとなる。用神の外にまた輔助の神がなければならない。官鬼を用いる時は父母を輔とし、妻財を用いる時は子孫を輔とする。用神と輔神を一類に帰して併せ衡量すれば、事の成敗・深淺を斟酌して得ることができる。
注云:財者,妻財;官者,官鬼。是故至柔者財,至剛者鬼。而有輔體,輔體者,用官鬼以父母輔之,用妻財以子孫輔之;值旺相為有氣,休囚為無氣,得生扶為吉,克破為凶。
原注にいう。「財」は妻財爻を指し、「官」は官鬼爻を指す。財は陰柔に属し最も柔順の一路で、鬼は陽剛に属し最も剛硬の一路である。用神の外に別に「輔体」がある。官鬼を取って用とする者は父母爻をもって輔佐し、妻財を取って用とする者は子孫爻をもって輔佐する。用神と輔神はいずれも月令四時をもって衡量する。旺に逢い相に逢えば「有気」で、休に逢い囚に逢えば「無気」。さらに別爻の生扶を得れば吉、剋せられ冲せられ破せられれば凶である。
春,寅卯木旺,巳午火相,亥子水休,申酉金囚,辰戌丑未土死。 夏,巳午火旺,辰戌丑未土相,寅卯木休,亥子水囚,申酉金死。 秋,申酉金旺,亥子水相,辰戌丑未土休,巳午火囚,寅卯木死。 冬,亥子水旺,寅卯木相,申酉金休,辰戌丑未土囚,巳午火死。
四時五行の旺衰の次第は以下のごとし。春は木をもって令に当たる。寅卯木を「旺」、巳午火は木の生ずるを得て「相」、亥子水は木を生じて自ら泄気するを「休」、申酉金はかえって旺木に侮られるを「囚」、辰戌丑未土は木に剋せられるを「死」とする。夏は火をもって令に当たる。巳午火を旺、辰戌丑未土を相、寅卯木を休、亥子水を囚、申酉金を死とする。秋は金をもって令に当たる。申酉金を旺、亥子水を相、辰戌丑未土を休、巳午火を囚、寅卯木を死とする。冬は水をもって令に当たる。亥子水を旺、寅卯木を相、申酉金を休、辰戌丑未土を囚、巳午火を死とする。総括の規律は、令に当たる者は旺、我の生ずる者は相、我を生ずる者は休、我を剋する者は囚、我が剋する者は死である。用神・輔神の有気か無気かを判断するには、すべてこの表に照らして推す。
4.独発と乱動
獨發易取,亂動難尋;先看世應,後審淺深。
一卦のうちただ一爻のみ発動するを「独発」といい、事意は専一にして用神は一望して知れ、最も取断しやすい。六爻が紛紛として俱に動くを「乱動」といい、頭緒は雑乱にして用神はかえって尋ね難い。乱動の卦に遇うたら、まず世爻と応爻を見る。世は我が方、応は他方である。まず両方の強弱・向背を定め、それから逐爻に生剋・冲合の軽重・浅深を審察し、一層一層剥いで入るべし。劈頭に或る動爻を掴んで即断してはならない。
注云:亂動之法,思之最難。一看世上旁爻生財旺相,忌應爻克世;二看世下親爻財官喜靜;三看何爻最旺為用神,如發動,動要生世;四看獨發之爻,旺相最急,休囚事慢。
原注にいう。乱動の断法は最も思量を費やし、四歩に分けて行うべし。第一歩、世爻の上に乗る旁爻が財爻を生じ得るか、財爻が旺相か否かを見、同時に最も忌むは応爻が返って世を剋すること。第二歩、世爻の下に伏する本宮の親爻を見、その処の財爻・官爻は静を宜しとし擾されるを宜しとしない。第三歩、六爻のうちどの爻が最も旺かを見、最も旺なるを取って用神とする。この爻がまさに発動しているなら、さらにそれが動して世を生ずるを要してはじめて力を得たとす。第四歩、あの独発の爻を見、それが旺相なら事は急に来たり、休囚なら事は遅く来たる。
官用,官鬼為主。伏旺動生世者出現發動,看變得何爻。父母為輔,喜生現發動者。 私用,妻財為主。伏旺動生世者,忌伏鬼下,並出現發動。子孫為輔,喜旺相發動者。 凡財官乘旺相,俱動,公私兩用皆可成。
公家の事を占うを「官用」といい、官鬼爻を主とする。官鬼は伏すれども旺にして動して世を生ずるが最上。もし官鬼がすでに卦面に出現してまた発動するなら、それが何の爻を変出するかを見て吉凶を定めるべし。官用は父母爻を輔とし、父母が出現発動して官を生ずるを喜ぶ。私家の事を占うを「私用」といい、妻財爻を主とする。妻財は伏すれども旺にして動して世を生ずるが最上。最も忌むは財爻が官鬼の下に伏することで、またそれが出現した後に乱動するをも忌む。私用は子孫爻を輔とし、子孫が旺相発動して財を生ずるを喜ぶ。およそ財爻と官鬼がともに旺相の気に乗りまたともに発動する者は、公事・私事ともに両頭で成し遂げられる。
或問:世上旁爻生財旺相,下面注云忌應動克世,不知克世上何爻?又問:忽有亂動卦,世上與財官持世,如何斷?答曰:豈不見又言二看世下親爻,財官喜靜,蓋旁爻無財,官便去搜尋伏神之財官。
人が問うていう。原注に「世上の旁爻が財を生じて旺相」といい、下にはまた応爻の発動して世を剋するを忌むというが、いったい世の上のどの爻を剋するのか。また問うていう。忽然として乱動の卦を得て、世爻の上にちょうど財爻か官爻が世を持っている場合、これをどう断ずべきか。答えていう。原注の第二歩にいう「世下の親爻を見よ、財官は静を喜ぶ」を見なかったのか。世の上の旁爻に財・官の用いるべきがなければ、世爻の下に向かって本宮の伏神のうちの財爻・官爻を捜索し、改めて伏神をもって用とすべし。
又問:既言世上財官是伏藏者,本靜,何故言喜靜?曰:汝看誤矣!世下親爻本靜,或有沖剋,即非靜,故曰喜靜,蓋不欲亂動之爻去沖剋之也。
また問うていう。世爻の上の財官は伏蔵しているというが、伏蔵はもとより動かないのに、なぜさらに「静を喜ぶ」というのか。答えていう。汝は見誤っている。世下の親爻は自身は固より動かないが、いったん他の動爻に冲せられ剋せられれば、それはもう静ではない。ゆえに「静を喜ぶ」というのは、あの乱動の爻どもが駆け来たってそれを冲剋することを望まない意である。
又問:三看何爻最旺為用神,而注云發動要生世,何為用神?何為發動?曰:亂動之卦只取旺爻,旺爻即用神也。生克吉凶皆在此爻。若伏藏安靜要旺相,若發動,卻要生世之爻為用神,又不專泥旺相爻也。
また問うていう。第三歩に「何の爻が最も旺かを見て用神とせよ」というのに、原注はまた発動は世を生ずるを要すという。いったいどれを用神とし、どれを発動とするのか。答えていう。乱動の卦はただ最も旺なる一爻を取るのみ。最も旺なるが用神で、全卦の生剋・吉凶はすべてこの一爻に係る。それが伏蔵して動かなければ、旺相さえすればよい。それがまさに発動していれば、すなわちあの動して世を生ずる爻を取って用神とすべし、「旺相」の二字に死守して放さずしてはならない。
又問:何謂伏旺生世者?曰:用此已發明,人自不察耳。伏爻要旺相、動爻要生世、官用取官、私用取私,如上篇卻要輔助之爻發動,時人並作一句讀之,所以失其義也。
また問うていう。何を「伏旺生世」というのか。答えていう。この一層の意は上文ですでに講じ明らかにした。ただ人が細察しないだけである。伏神は旺相を要し、動爻は世を生ずるを要す。公事を占うは官鬼を取り、私事を占うは妻財を取る。さらに前章にいうごとく、また輔助の爻が発動して扶け助けるを要す。これはもと分かれて説かれた数句であるが、今人は連ねて一句として読むので、本意を読み失ったのである。
5.世応の相剋
旁爻持世,旺相得地;應與動爻,不克方是。
「旁爻」とは本宮以外で卦面に顕れる爻を指す。旁爻が世を持つとき、自身が旺相有気にして得地の位に居るを要してはじめて事を支えるに足る。ただ自身が有気あるのみでは足らず、さらに応爻と卦中の動爻とがともに来たってそれを剋しないを要す。これをもってはじめて真に合格という。応爻か動爻が一たび剋すれば、世位はさらに旺なるも割引となる。
占財,子孫旺相,妻財持世; 占官,父母旺相,官鬼持世。 以上皆可許,忌應爻、動爻克之。世爻乃我家情由,應爻為彼之事理。
財を求めるを占うには子孫爻の旺相を要す。子孫は財を生ずる源である。同時に妻財爻が世を持ってはじめて財は我が掌握に帰す。官を求めるを占うには父母爻の旺相を要す。父母は文書・官印である。同時に官鬼爻が世を持ってはじめて官職は我が身に落ちる。このごとき卦局はみなその成事を許すことができる。ただ応爻か動爻が来たってこれらの関鍵の爻を剋するを忌む。記すべし。世爻は我が方の情由を代表し、応爻は相手方の事理を代表す。両方の向背はすべて世応の上に分弁する。
或問:應與動爻不克方是,競不知克什爻?答曰:汝道不知克什爻?不克輔爻耳。
人が問うていう。「応爻と動爻が来たって剋せずしてはじめて合格」というが、いったいどの爻を剋することを許さないのか。答えていう。汝はどの爻を剋するか知らないというのか。あの輔助の爻を剋することを許さないのである。財を占うは子孫を輔とし、官を占うは父母を輔とす。輔爻が一たび剋せられれば、用神は扶けを失う。
又問:忌動爻應艾墓克之如何?曰:占財要財爻持世,占官要官爻持世,若應又是世之墓,動又是世之墓,皆不中矣。墓是自墓,克是自克。
また問うていう。動爻・応爻が世爻の墓庫となってそれを困るを防ぐべしというが、これはどういう事か。答えていう。財を占うは財爻の持世を要し、官を占うは官爻の持世を要す。しかるにもし応爻がちょうど世爻の墓庫で、動爻がまたちょうど世爻の墓庫ならば、みな用をなさない。ここにいう「墓」は世爻が自ら墓に入るで、いう「剋」は世爻が自身剋せられるをいう。禍はみな自家の身に落ちて他処に在らず。
6.公私の用事
陰陽男女,次策推排;官用取官,私用取財。
卦に陰陽あり、人に男女分かる。事を占うには爻位の陰陽の次第に依って一々に排布し、問う所の人・問う所の事がどの爻に落ち、陽に属し陰に属するかを見て、それから用神を定める。用神を定める大原則はただ二条のみ。およそ公門・官府の一路に属する事は「官鬼」を取って用とし、およそ私家・営謀の一路に属する事は「妻財」を取って用とする。
占病鬼祟,占失看賊,占求官事,占官詞訟,占婚問夫,以上皆看官爻。占買賣財,占家事,占婚婢事,占求財事,占婚姻事,以上皆看財爻。
疾病を占うはいかなる鬼祟かを問い、失物を占うは賊は何人かを問い、官職を謀求するを占い、官府の詞訟を占い、婚姻を占って女家が夫婿を問う――以上の数類はみな官鬼爻を見る。売買・求利を占い、家宅の事を占い、婚事と婢僕の事を占い、求財の事を占い、男家の妻を娶る事を占う――以上の数類はみな妻財爻を見る。
或問:言公私用事,只言財官,而不及父子兄弟,何也?答曰:天下之事,散而言之,紛若物色;總而言之,不出財官二字。占官必用父母,占財必用子孫。兄弟是破財之人,不為主、不為輔,何必看也?
人が問うていう。公私の用事を講ずるに、ただ財と官を説いて父母・子孫・兄弟を提げないのはなぜか。答えていう。天下の事を散じて講ずれば、五花八門にして万物の色のごとく紛雑である。総括して講ずれば「財」「官」の二字を出ず。何况や官を占うは必ず父母を用いるを要し、財を占うは必ず子孫を用いるを要す。父母と子孫はすでに財官の輔助の中に含まれている。兄弟に至っては財を劫し財を破る人で、主用と為すこと能わず、また輔助と為すこと能わず。なんぞ必ずしもそれを見んや。
凡卜筮者,但用心於財官,則括天下之理,此法簡而最捷,若分支劈脈、瑣碎求之,則萬物紛然,無以折衷,用心多,功力少,《元龜》“六神”之類是也。故吾捷法,惟以財官伏五鄉而定吉凶,自然神妙。
およそ卜筮する人は、ただ心思を財・官二爻の上に用いれば、天下の理をすべて籠括し尽くす。この法門は最も簡省にして最も快捷である。もし一支一脉に分かれて瑣瑣碎碎に求めれば、万物は紛然として涌き来たり、かえって折衷して取断する准なく、心を用うるほど多くして功効はほど少ない――《卜筮元亀》が「六神」の一路を講ずるはまさにこのごとし。ゆえに我がこの捷法は、ただ財・官二者が五郷の中に伏するを凭りて吉凶を定め、自然に神妙にして験あり。
7.出現と伏蔵
出現旺相,為久為遠;伏藏有氣,只利暫時。
用神が卦面の六爻の中に顕現するを「出現」という。出現してまた旺相ならば、事は長久綿遠にして長遠の打算をなし得る。用神が卦面に在らず飛爻の下に蔵するを「伏蔵」という。伏蔵の爻はたとえ有気あるも、眼前の一時に利あるのみで、長久の局を成すこと能わず。
現為重迭,為再用,為兩事,財官兩事出現旺相,可宜久遠,若持世忌動。伏藏旺相,更看日辰透出,或伏世下,可取,雖成只利暫時,不能久遠也。
用神が卦面に出現するは、往々にして重複畳出を主り、一事を再做一遍することを主り、手上に同時に二件事を持つを主る。財爻・官爻の両様がともに出現してしかも旺相の者は、事は長久に做し得る。もしそれがまたちょうど世を持つならば、それの発動を忌む。一たび動けばかえって変故を生ず。用神が伏蔵して旺相の者は、さらに日辰がそれを透し出すか否か、あるいはそれがまさに世爻の下に伏しているか否かを見るを要す。この二種の情形のみ取用すべし。ただしたとえ成し弁するも、一時に利あるのみで長久はし難い。
或問:出現為重迭,為再用、為兩事,何也?答曰:且如乾卦為主,後七卦皆從乾坤中來,其出現財是伏藏中而又出現也,豈不是重迭乎?故取占事為再用、為兩事。
人が問うていう。出現は「重畳」を主り「再用」を主り「両事」を主るというが、これは何の理か。答えていう。たとえば乾卦を本宮の主とすれば、乾宮の後の七卦はみな乾・坤両体から変化して来たる。本宮の財爻はもとすでに下に伏蔵しているのに、いま卦面にまた一重の財を現ずるは、これまさに重複畳出にあらずや。ゆえにこの種の卦に遇うて事を占うは、再做一次すべしと断じ、あるいは手上に同時に二件事ありと断ず。
又問:伏藏有氣,只利暫時?答曰:本宮財官伏世下,方可取,不伏世下,則不取也。旁爻財官非也,必要細看,不可忽□。
また問うていう。伏蔵の有気は一時に利あるのみというが、これは何の故か。答えていう。必ず本宮の財爻・官爻が世爻の下に伏するを要して、はじめて取用すべし。世爻の下に伏せざるは取らず。旁宮の飛爻の上の財官に至っては、あれは本宮の物にあらず、真に当たること能わず。ここは必ず細看すべし、軽忽すべからず――底本ここに一字を缺き、ただ「□」と作すのみ。臆して補うこと敢えてせず。
8.財の鬼に伏するを占う
財伏鬼鄉,買賣遭傷;日辰福德,方始榮昌。
妻財爻が官鬼爻の下に伏するを「財の鬼郷に伏す」という。財は去って鬼を生じ、自身泄気す。売買を占うは必ず折損する。ただ日辰の上に「福徳」――すなわち子孫爻――が透し出るを待ち、来たって官鬼を剋去し妻財を生起してはじめて、売買は転じて興旺となる。
財爻伏官鬼之下,乃財爻洩鬼無氣,須是子孫旺相,透出日辰,或持世上方有,蓋子孫能克官鬼也。
妻財爻が官鬼爻の下に伏すれば、財は去って鬼を生ずるを要し、自身泄気して力なく用いるべからず。この時必ず子孫爻が旺相か、あるいは日辰の上に子孫が透し出るか、あるいは子孫が世爻の上に持するかを要して、はじめて求むべき財ありと算す。子孫は能く官鬼を剋制し、鬼が一たび制を受ければ、財はもはや泄されないからである。
或問:兄弟能克財,官鬼不傷財,官鬼克兄弟,何故買賣遭傷?答曰:不曉其理,則斷卦不靈。財伏鬼鄉,財則去生官,財又洩氣,況用財以子孫為輔,官鬼生你,父去克子,財爻內外受傷,故買賣不能獲利,反能傷財。若日辰是子孫,子能生財,克去官鬼;日辰是財,財能克父,使得出現,亦有財也。
人が問うていう。能く財を剋するは兄弟で、官鬼は財を傷めず、官鬼はかえって兄弟を剋するのに、なぜ財が鬼下に伏すれば売買が損を受けるのか。答えていう。その中の道理を明白にせずんば、卦を断ずるも霊験なし。財が鬼郷に伏すれば、財は去って官を生ずるを要し、自身まず気を泄らす。何况や財を用いるはもと子孫をもって輔とするに、官鬼は財の滋生を得て愈々強旺し、転じて来たって父母を生起し、父母はまた去って子孫を剋し、輔神もまた傷められる――このごとく財爻は裏外両頭で損を受く。ゆえに売買は利を獲る能わざるのみならず、かえって本を折る。もし日辰がちょうど子孫ならば、子孫は能く財を生じ能く官鬼を剋去す。もし日辰がちょうど妻財ならば、財は能く父母を剋住して子孫をして圧制を受けずして出頭するを得しむ。この二種の情形もまたなお得べき財あり。
9.財の兄に伏するを占う
用財伏兄,口舌相侵;若在世下,旺相可成。
妻財を取って用神とするに、財爻が兄弟爻の下に伏するを「用財の兄に伏す」という。兄弟は財を劫する神で、財が兄弟に圧せられれば、財を求めるはまず口舌の争競を招来する。しかるにもしこの伏財がちょうど世爻の下に伏し、しかも旺相有気ならば、事は依然として成し得る。
財伏兄弟之下,本無氣無財,卻喜財爻旺相,貼世下透出,值日辰方有。
財爻が兄弟爻の下に伏するは、もと無気無財の象である。喜ぶべきはこの財爻が自身旺相にして、また世爻の下に緊貼し、さらに日辰に逢うてそれを透し出し、まさに日を値うに当たる。これをもってはじめて真に財ありと算す。
或問:用財伏兄,口舌相侵矣,緣何在世下又旺相可成?答曰:財伏在兄弟爻下,是財被他人把住,故生口舌。若伏世下,世持兄弟,我去克財,財又旺相,豈得不成乎?
人が問うていう。「用財の兄に伏す」は口舌の相侵を主るというのに、なぜ世爻の下に伏してまた旺相はかえって成り得るのか。答えていう。財が別処の兄弟爻の下に伏するは、財が外人に把持せられたので、口舌の争奪を生ず。もし世爻の下に伏すれば、世爻自身の持つはまさに兄弟、すなわち我自己が去ってこの財を剋する。財は我に由りて掌握せられ、財はまた旺相、どうして成らざることがあらんや。
10.財の父・子に伏する
財伏父母,旺相得半;財伏子孫,有氣必滿。
妻財爻が父母爻の下に伏するは、たとえ旺相するも財を求むるは半分を得るのみ。父母は専ら子孫を剋し、財を生ずる源頭が截断せられるからである。妻財爻が子孫爻の下に伏するは、ただ財爻に気あらば、子孫が源々として絶えず財を生ずれば、財を求むるは必ず満円にして願のごとくなる。
財爻旺相,伏父母爻下,求財有一半。財伏子孫之下,世應不克,終是有財。若子孫旺相,父母爻持世應,亦不能克子孫,求財亦有。
財爻が自身旺相にして父母爻の下に伏するは、財を求むるは半分を得るのみ。財爻が子孫爻の下に伏するは、ただ世爻・応爻が来たってそれを剋せざらば、終帰して財あるなり。たとえ子孫爻の旺相の時に父母爻が世を持ちあるいは応を持つとも、父母もこの旺相の子孫を剋し動かすこと能わず、財を求むるも一様に落着あり。
或問:財伏父母旺相得半,不審何故?答曰:用財須子能輔財,財伏父下,則子不能生財矣。只有本等財,故曰一半。
人が問うていう。財の父母に伏するは旺相なりとも半分を得るのみというが、その故を明白にせざるは何か。答えていう。財を用いるは必ず子孫が旁より輔助して財を生ずるを得るを要す。いま財が父母の下に伏すれば、父母は専ら子孫を剋し、子孫は財を生じ出すこと能わず。このごとくただ財爻自身のあの一点の本分の財のみ残り、さらに進益なし。ゆえに半分を得るのみという。
又問:財伏子孫、世應不克,久必有財,是不克何爻?曰:不克子孫爻也。故下云,若子孫旺相,縱父母持世應,亦不能克子孫,求財亦有也。
また問うていう。財の子孫に伏し世応剋せざれば終久財ありというが、この「剋せず」はいったいどの爻を剋せざるか。答えていう。子孫爻を剋せざるである。ゆえに下文は続けていう。もし子孫が旺相ならば、たとえ父母が世爻にあれ応爻の上に持するも、それを剋し動かすこと能わず、財を求むるも照様に得ることあり。
11.鬼の兄に伏するを占う
用鬼伏兄,同類欺凌;若不虛詐,人不一心。
官鬼を取って用神とするに、官鬼が兄弟爻の下に伏するを「用鬼の兄に伏す」という。兄弟は同類で、同輩・同僚の欺凌・排擠を主る。このような卦はたとえ虚詐欺哄に遇わずとも、事に与る人が各々心思を懐きて一条心ならざるを主る。
官鬼伏兄之下,為同類欺凌、不忠。若官鬼旺相,喜持也,透出日辰吉。
官鬼が兄弟爻の下に伏するは、同輩・同類の欺凌を受け、身辺の人が忠実ならざるを主る。もしこの官鬼が自身旺相にして、またそれが世爻の上に持するを喜び、さらに日辰がそれを透し出せば、転じて吉となる。
或問:用鬼伏兄?答曰:兄為虛詐,為口舌,又與同類為劫財。占官事而鬼伏兄,主同類欺凌,官府多詐、吏貼賺錢,所謀之事,到底脫空。若旁多官鬼旺相,持世、日辰是官鬼,方可用,蓋官鬼能克兄也。
人が問うていう。「用鬼の兄に伏す」とはどう講ずべきか。答えていう。兄弟の一爻は虚詐を主り口舌を主り、また同類と合伙して来たって銭財を劫奪す。官府の事を占うに官鬼が兄弟の下に伏するは、同僚・同輩の欺凌を受けるを主り、官府のうちに詐偽多く、胥吏・差役が機に乗じて銭を索め、謀る所の事は到頭終に一場の空となる。ただ旁爻の上に官鬼が多くして旺相か、あるいは官鬼が世を持つか、あるいは日辰がまさに官鬼か、これをもってはじめて取用すべし。官鬼は能く兄弟を剋制し、あの劫財欺凌の神を圧し伏せるからである。
12.鬼の財に伏するを占う
鬼伏財鄉,因財有傷;官吏阻節,獨發乖張。
官鬼が妻財爻の下に伏するを「鬼の財郷に伏す」という。財は固より官を生ずる能くするも、これ一たび然れば官人はまず銭を要り、事は便ち銭財に因りて損を受く。手を経る官吏もまた中より留難阻隔す。この爻がなおも独り発動するならば、事はさらに枝節を横に生じ乖違して常に反す。
鬼伏財下,因財不吉,官吏阻節,須是官鬼旺相,伏世下,或與父爻俱透出,直日辰方許,又忌獨發。
官鬼が財爻の下に伏するは、事は銭財に因りて不吉を要し、手を経る官吏は中より阻隔留難す。必ず官鬼が自身旺相にして、また世爻の下に伏するか、あるいは官鬼と父母爻とが一同に日辰の上に透し出てまさに日を値うに当たるを要して、はじめてその成事を許すべし。同時にまたこの一爻の独り発動するを忌む。
或問:財能生官,何故因財有傷?答曰:財固生官,但用官為主,必有輔之。父母為文書,官伏財下,財去克了文書,主官人要錢,文書有阻。
人が問うていう。財はもと能く官を生ずるのに、なぜかえって財に因りて傷を受くというのか。答えていう。財は固より官を生ずるも、既に官をもって主用とせば、必ず輔助の神あるを要す。父母は文書・官凭を代表す。いま官が財の下に伏せば、財が一たび動けば文書を剋掉す。ゆえに官人が汝に銭を索めるを主り、文書・公凭はかえって阻滯を受く。
若官爻伏財,是世下,或父母透出,直日辰,如此可用。若父母持世獨發,則重迭艱辛,事不濟矣。
もし官爻が財の下に伏して、伏する所がまさに世爻の下に在るか、あるいは父母爻が日辰の上に透し出てまさに日を値うに当たるならば、このごときは便ち取用すべし。倘若し父母が世を持ちてまた独り発動するならば、それは文書の重重畳畳、弁するの万分の艱辛を主り、事は終究成らず。
13.官の父母に伏する
鬼伏父母,舉狀經官;若財世上,求之不難。
官鬼が父母爻の下に伏するを「鬼の父母に伏す」といい、官が文書を帯びる象で、状紙を呈遞し官府を経由して事を弁ずるに宜しい。もしこの時妻財がまた世爻の上にあれば、財は能く関節を打通し文書の阻を解き、求めてこの事を弁ずるは難からざるなり。
鬼伏父下為官化文書,要貼世,或官鬼旺相,或文書直日,利經官下狀及補名目之事。
官鬼が父母の下に伏するは、官が化して文書となる象である。それが世爻に緊貼するを要し、あるいは官鬼が自身旺相か、あるいは文書爻がまさに日を値うに当たるを要す。このごときは便ち官府を経由して状紙を呈遞し、および名額を趲補し職名を謀取する類の事に利あり。
或問:鬼伏父母如何處用?答曰:鬼伏父母,若在世下,方利下狀趲補名目事;若在他處,則亦艱辛矣,蓋父母為重迭神也。
人が問うていう。鬼の父母に伏するはどこに往きて用いるべきか。答えていう。鬼の父母に伏するは、ただ世爻の下に落つるのみ、状紙を遞し名額を趲補する事に利あり。もし別の爻の下に伏せば、弁ずるも一様に艱難なり。父母は重複畳出を主る神なれば、事は一遍また一遍と折騰しやすきが故なり。
14.官の子孫に伏する
鬼伏子孫,去路無門;官乘旺相,透出可分。
官鬼が子孫爻の下に伏するは、子孫はまさに官を剋する神で、官は下に圧せられ、官を謀り名を求むるに行く路なし。ただ官鬼が自身旺相の気に乗り、再び日辰に由りてそれを透し出さるるを得て、はじめて一線の門路を分け出し得、事はなお為すことあり。
鬼伏子孫,只宜散憂,若用宮,須是官鬼旺相,透出直日辰方可。若子孫旺相,占看夫病即死。
官鬼が子孫の下に伏する、このような卦はただ憂愁を散解するに用いるに宜しいのみ――子孫はもとより解憂の神なればなり。もし必ず官鬼を取って用とするならば、すなわち必ず官鬼の旺相にして、しかも日辰の上に透し出てまさに日を値うに当たるを要す。反ってこれを言えば、もし子孫が旺相にして官鬼を圧し伏せるとき、妻子が丈夫の病を占えば、丈夫の死を主る。夫は官鬼をもって用とし、官鬼が子孫に剋し尽くされるが故なり。
或問:官伏子孫去路無門?答曰:羝羊觸藩,不能進退,若官爻旺相在世下,世上旁爻子孫無氣落空,則不如此斷。徜子孫旺相,官爻無氣落空,亦不如此看,可斷有人關節,或官吏阻滯而已。
人が問うていう。「官の子孫に伏す」は去路に門なしというが、どう講ずべきか。答えていう。《周易・大壮》にいうごとく、公羊が角をもって籬笆を頂き、角は籬の中に卡して、進めど進むこと能わず退けど退くこと能わざるがごとし。ただしもし官爻が旺相にしてまた世爻の下に在り、世上の旁爻の子孫が無気落空ならば、則ちこのごとく断ぜず。倘若し子孫が旺相にして官爻が無気落空ならば、またこのごとく看ず、ただ人の中より関節を打通するありと断じ、あるいは不過官吏の中より拖延阻滯するのみと断ずべし。
15.官鬼の官に伏する
官鬼伏官,小人作難;若親見貴,方許開顏。
本宮の親爻の官鬼が旁爻の官鬼の下に伏するを「官鬼の官に伏す」という。真に事を管する貴人が小吏に外に挡かれ、ゆえに小人の中より作梗するを主る。ただ自ら往きてあの貴人に見えて、はじめて事は顔を開きて順に転ずる能し。
若官伏鬼下,乃關隔之象,又主小人作難,若得旺相相扶,親見貴人可就。
もし官鬼がもう一重の官鬼の下に伏するは、これ関卡の阻隔の象で、また小人の中より作難するを主る。もし旺相の気を得て来たって扶助し、さらに自ら往きて貴人に見ゆれば、事は弁じ成すこと能し。
或問:鬼伏官下乃關隔之象,主小人作難,何也?答曰:親爻官鬼是貴人也,旁爻官鬼是吏貼也,官人被吏貼遮蔽,不能出現,此所以小人作難也。
人が問うていう。鬼の官下に伏するは関隔の象で小人の作難を主るとは、これ何の理ぞ。答えていう。本宮の親爻の官鬼は貴人を代表し、旁爻の官鬼は衙門のうちの吏胥・差役を代表す。いま貴人は吏胥に遮蔽せられて顕露し出ず。これ則ちいわゆる小人の作難なり。
又問:若親見貴人,如何又得開顏?曰:凡用官伏官,皆被旁艾所隔,若用官伏官之卦,但世爻動化官鬼父母。故宜動身親去見官,官則用爻之神,父則輔助之物,於官有益,不至相傷,所以開顏也。
また問うていう。なぜ自ら往きて貴人に見ゆれば顔を開く能しや。答えていう。およそ官を用いるに官がまた官の下に伏するは、みな旁爻に隔てられたなり。この種の卦のうちの転機は、すべて世爻の発動して官鬼か父母を変出するに在り。官鬼は所用の神、父母は輔助の物、両様とも官を求むるに益ありて相い傷害せず。世爻の動は即ち本人の動身せんとする象なれば、ゆえに応に自ら動身して親しく官に見ゆべし。事はこれに由りてはじめて転じて開顔となる。
16.出現の重畳
出現重迭,還須旺相;若乘土艾,更看勾現。
用神が卦面の上に重複して出現するは、さらにそれが旺相か否かを見るを要し、旺相にしてはじめて用に頂く。倘若しそれが乗ずるは辰・戌・丑・未の四つの土爻ならば、すなわちまたさらにそれが能く何の局を「勾合」し出すかを見るを要す――この四土は三合局の墓庫で、能く三合の中の別の二支を勾き来たりて局を成し、局の成りし後に化する所の五行こそ、真に作用を起こす物なり。
世爻出現,乘父母官鬼,子孫妻財旺相可取,休囚不可取。若乘辰戌丑未,更看勾合何爻也。假令大有卦,甲辰父母持世,為雜氣,能勾申子辰化水局,子孫不宜官用。
世爻が卦面の上に出現して、乗ずる所が父母なれ官鬼なれあるいは子孫・妻財なれ、旺相ならば便ち取用すべく、休囚ならば便ち取るべからず。もし乗ずる所が辰・戌・丑・未ならば、すなわちまたそれが能くどの幾爻を勾合するかを見るを要す。譬えば火天大有卦、甲辰の父母が世を持ち、辰は水土の雑気の庫で、能く申・子・辰を勾して水局を成す。乾宮は金に属し、水局が一たび成れば便ち子孫を化出し、子孫は専ら官鬼を剋す。ゆえにこの一卦は官を占い官を用いるに宜しからず。
問:更看勾象,如何看?答曰:如火天大有,能勾申子辰水局,傷官者,以甲辰土父墓持世也。若不乘土爻,便不看勾象矣。
人が問うていう。さらに勾象を看るを要すというが、いったいどう看るか。答えていう。火天大有卦のごときは、能く申子辰の水局を勾出して、水局は子孫を化して官爻を傷る。その根子は甲辰というこの土爻、すなわち父母の墓が世を持つに在り。もし世爻の乗ずる所が土爻にあらずんば、すなわち根本より勾象を看るに及ばず。
又如隨卦,世持庚辰,能勾申子辰合水局,利幹文書之事。
また沢雷随卦のごときは、世爻が庚辰を持ち、同じく能く申・子・辰を勾して水局を成す。随卦は震宮に属し、震宮は木に属し、水は能く木を生ず。この水局が震宮に化出する所はまさに父母・文書の一路なれば、ゆえにこの一卦は文書の事を干求するに利あり。
若中孚卦,世持辛末官墓,不能勾亥卯未官局,以艮宮親爻寅木是官,卯木非官也。
風沢中孚卦に至っては、世爻が辛未を持ち、未は木の墓庫で、理に照らして亥卯未の木局を勾出すべき筈なり。しかるに中孚は艮宮に属し、艮宮は土に属し、木は土を剋して官鬼となるも、艮宮の本宮の親爻のうちは寅木のみぞ官鬼と算え、卯木は旁爻にして官と作らず論ぜず。ゆえにこの一卦は真の官局を勾成す能わず。
17.子孫の独発
子孫獨發,為退為散;若乘旺相,亦可求財。
一卦のうちただ子孫爻のみ発動するを「子孫の独発」という。子孫は官を剋する神で、官事これに逢えば退き、憂疑これに逢えば散ず。ゆえに「退を為し散を為す」という。それが旺相の気に乗ずれば、子孫はまた財を生ずる源頭なれば、もって財を求むるに取ることも可なり。
子孫為傷官之神,發動利脫事,若乘旺相,亦可求財,出現更看變爻。子孫又為九流、中貴、福德、醫藥、蠶禽。乾和尚,震道士,兌尼姑,巽道姑,坎醫藥,離小士,艮法術,坤師巫。
子孫は官鬼を傷剋する神で、それが一たび発動すれば、糾纏を脱却し事端を了結するに利あり。もし旺相の気に乗ずれば、もって財を求むるにも用い得。もしそれがすでに卦面に出現したるは、さらにそれが動して何の爻を変出するかを看るを要す。子孫はまた九流の術士、宮中の中貴人、福徳の神、医薬、および蚕桑・禽畜を代表す。子孫の落つる宮の同じからざるに随い、指す所の人も同じからず。乾宮に在れば和尚を指し、震宮に在れば道士を指し、兌宮に在れば尼姑を指し、巽宮に在れば道姑を指し、坎宮に在れば医薬を主り、離宮に在れば読書の小士人を指し、艮宮に在れば法術を行う人を指し、坤宮に在れば師婆・巫覡を指す。
或問:乾和尚等如何說?曰:乾為圓、為首、和尚圓頂象天也。
人が問うていう。子孫が乾宮に在るに何をもってか和尚という。答えていう。乾の卦象は円を為し首を為す。和尚は髪を剃りて頭頂は渾円にして、まさに乾の天を為し円首を為すの象に合す。ゆえに和尚を取る。
又問:子為和尚?曰:子孫在乾宮,其類神,乃為和尚也,餘以類推之。
また問うていう。子孫はすなわち必ず和尚なるか。答えていう。これは子孫爻が乾宮に落つる時、それが帰する所のあの一類の神こそ和尚と作して看るをいう。其余の各宮は、みなこの办法に照らして類に按じて推す。
18.兄弟の独発
兄弟獨發,為詐為虛;若乘旺相,財破嗟吁。
一卦のうちただ兄弟爻のみ発動するを「兄弟の独発」という。兄弟は虚詐不実を主り口舌の争奪を主る。ゆえに「詐を為し虚を為す」という。それが旺相の気に乗ずれば、財を劫する力はさらに大にして、銭財は必ず破損し、ただ徒らに嘆息するを得るのみ。
兄弟為劫財之神,大忌隱伏。動發主虛詐不實之事,凶不凶、吉不吉,若旺相,主口舌憂疑破財,如出現發動,更看變得何如,大怕化鬼爻,凶。
兄弟は銭財を劫奪する神で、最も忌むはそれが世爻の下に隠伏すること。それが一たび発動すれば、虚詐不実の事を生じ出すを主り、吉も吉と透らず凶も凶と尽きず、両頭とも落実せず。それが旺相ならば、口舌・是非、憂慮・疑惑にしてしかも財を破るを主る。もしそれがすでに卦面に出現してまた発動するは、さらにそれが何を変出するかを看るを要す。最も怕るるは官鬼爻と変成するで、あれは便ち凶なり。
或問:兄弟為劫財之神,大忌隱伏發動,何也?答曰:隱伏看兄弟伏在世爻下也,不伏世爻下,非為隱伏。動發者,兄弟獨發也。
人が問うていう。兄弟は財を劫する神で、最も隠伏を忌み発動を忌むというは、これ何を為すぞ。答えていう。いわゆる「隠伏」は、専ら兄弟が世爻の下に伏するこの一種を指す。世爻の下に伏せざるは、便ち隠伏と算えず。いわゆる「動発」は、指す所は兄弟の独発のこの一種の情形なり。
19.父母の独発
父母獨發,重迭艱辛;若乘旺相,文書可成。
一卦のうちただ父母爻のみ発動するを「父母の独発」という。父母は重複畳出の神で、一たび動けば便ち事の反復折騰して弁ずるに艱難辛苦を主る。ただしそれが旺相の気に乗ずれば、父母はまさに文書の神なれば、文書・契券の類の事を求取するはかえって弁じ成す能し。
父母為重迭之神,大忌出現發動。若趲補名缺,求書札、取契,得旺相動發可成;若坐休囚,不可憑準矣。
父母は重複畳出を主る神で、最も忌むはそれが卦面に出現してまた発動すること。但しもし空缺の名額を趲補し、書信・函札を求取し、契約・文券を弁理するこの一類の事ならば、それが旺相にして動発するを得て、かえって成る能し。もしそれが休囚の地に坐すれば、便ち靠るに足らず。
或問:父母為重迭之神,何故為重迭?答曰:凡六親只有一重,惟父母有兩重,如祖父母、父母也,故父母發動,重迭艱辛。又問:如坐休囚,不可憑準?曰:父母發動,旺相尚自重迭艱辛,若休囚豈可憑乎?
人が問うていう。父母は重畳の神というが、なぜ偏にそれが重畳を主るのか。答えていう。六親のうち別のは皆ただ一重のみ、唯独自父母は两重あり。上に祖父母あり、下に父母あり。ゆえに父母が一たび発動すれば、事は便ち重重畳畳、辛苦して了し難し。また問うていう。それが休囚に坐すれば憑信するに足らずというは、どう講ずる。答えていう。父母の発動は、旺相の時ですら尚且重畳艱辛を要す。何况や休囚無気、どこにか憑り住むを得んや。
附:動止の章
凡占官上馬,看文書爻入墓絕日去,墓,藏也;絕,止也。占自身,或占父在外慾回家,看世又絕墓日動身。又看世持什爻,待日辰沖便歸。如卦中化出爻來生合世爻,或去刑剋沖害世爻,便是此事搭住,如財又是婦人類。
およそ官員の上任起程を占うは、文書爻の墓に入り絶に入るあの日に動身するを看る。墓は収蔵の意、絶は停止の意で、文書が一たび収め起こされば、人は便ち走るべし。自己の出門を占い、あるいは父親の外に在りて家に帰らんと欲するを占うも、同じく世爻の絶に逢い墓に逢う日子に動身するを看る。さらに世爻の持つ所は何の爻かを看て、日辰の来たってそれを冲するを待ちて、人は便ち帰来す。假如し卦中に一爻を変出して世爻を生合し、あるいは去りて世爻を刑し剋し冲し害するあらば、それは便ち事ありて人を絆住したなり。比方変出したるが財爻ならば、彼を絆住したるは多半は婦人の類なり。
20.官鬼の独発
官鬼獨發,為欺為盜;若臨吉神,功名可望。
一卦のうちただ官鬼爻のみ発動するを「官鬼の独発」という。官鬼は悪い一面において欺瞞を主り盗賊を主る。しかるにそれが吉神に臨めば、便ち正経の官星にして、功名は指望あるなり。
官鬼為官史,若求名遇吉神,必主立身清高,若臨囚神,必主興訟,賊盜弄魅害人之事。
官鬼は官府の吏員を代表す。もし功名を求むるに官鬼が吉神に遇上するは、必ず立身清高にして名位は期すべきを主る。もしそれが囚死の神に臨むは、すなわち必ず詞訟を興起し、あるいは盗賊に遭遇し妖邪魅惑の人を害する事に撞うを主る。
21.妻財の独発
妻財獨發,生鬼傷父;問病難瘳,占親無路。
一卦のうちただ妻財爻のみ発動するを「妻財の独発」という。財は能く官鬼を生じ、また能く父母を剋す。ゆえに財が一たび動けば便ち「鬼を生じ父を傷る」なり。疾病を占うは、官鬼はまさに病根にして、財動して鬼を生ずれば、病は便ち好し難し。父母双親を占うは、父母はちょうど財に剋せらるるを、ゆえに親を占うに路なしという。
大抵財動克父,亦能生鬼;然財爻宜旺,不宜空;宜靜、不宜動。惟占脫貨,要財爻發動。如占婚姻,財動必克翁姑;占訟,主克文書,若財鬼俱動者,父有元神而翁姑不克,文書有成。
大略に言えば、財爻が一たび動けば、父母を剋するのみならず、また能く官鬼を滋生す。ゆえに財爻は旺を宜しとして落空を宜しとせず、静を宜しとして妄動を宜しとせず。ただ貨物を脱手するを占うこの一事のみ、財爻の発動を要し、動きてはじめて手を出るを得。譬えば婚姻を占うは、財動は必ず公婆を剋す。詞訟を占うは、財動は文書を剋掉するを主る。ただしもし財と鬼とが一同に発動すれば、鬼は財の生ずるを得て転じて来たって父母を生じ、父母は元神を有して、公婆は便ち剋を受けず、文書も弁じ成る能し。
以上專論五鄉公私兩用,為卜易者提綱捷訣也。
以上の各章は専ら父母・兄弟・妻財・子孫・官鬼の「五郷」が公用・私用の両途における取捨・軽重を講ずる、易を卜する人の綱を挙げ領を挈るる一套の捷訣なり。
22.身命を占う
世爻為命,月卦為身;得則富貴,失則賤貧。
一人の身家性命を占うは、世爻をもって「命」を代表し、月卦――すなわち卦身――をもって「身」を代表す。身・命のこの両処がもし皆時を得地を得て生扶に力あらば、便ち富貴の命なり。もし時を失い地を失いて剋を受け制を受くるは、便ち貧賎の命なり。
人之身命,冬至後占得陽卦陽爻為吉。假如正月占得二月卦為進,更加旺相祿馬,有子有財,居於有德之位,誠為有福貴人,如冬至後占得陰卦陰爻不吉。正月占得十二月卦為退,兼以相刑相剋、休囚又無財無子坐於不吉之爻,則為貧賤下命,俱以得時為吉,失時為凶也。
人の身命を推するに、冬至以後は陽気漸く生ず。陽卦・陽爻を占い得るを吉とす。譬えば正月に卦を占いて得たる卦身が二月ならば、正月より後へ向かって一歩を走る、これを「進」という。さらに加うるに爻位の旺相、禄神・駅馬を帯び、卦中に子孫あり妻財あり、世爻がまた徳ある位に坐すれば、あれは真に福ある貴人なり。反って、冬至以後に陰卦・陰爻を占い得るは便ち不吉。正月に卦を占いて得たる卦身が十二月ならば、正月より回りて一歩を退く、これを「退」という。さらに兼ねて刑冲剋害あり、爻もまた休囚、卦裏に財なくまた子なく、世爻が不吉の位に坐すれば、あれは便ち貧賎の下等の命なり。総じて一句、時令を得たるは吉を為し、時令を失いたるは凶を為す。
23.形性を占う
外卦為形,內卦為性;若占其人,以用而定。
人の形貌と性情を占うは、外卦をもって形体・相貌を看、内卦をもって内心・性情を看る。外卦は上に在り表に在れば、ゆえに形を主り、内卦は下に在り裏に在れば、ゆえに性を主る。もし或る特定の人に替わりて占うは、便ち専ら内外卦を看ず、而もこの人を代表する用神がどの爻に落ち何の五行に属するかを看て、用神に依りて定む。
以外卦為形貌,內卦為性情。
一卦の外三爻はこの人の形貌・長相を主り、内三爻はこの人の性情・心地を主る。
乾在外,頭大面圓,逢克則破相;在內,心寬量大。 兌在外,則和悅多言;在內則心小膽大。 離在外,文彩;在內聰明。 震在外,身長有須;在內心暴不定。 巽在外,身長有須;在內心毒而忍,安身不穩。 坎在外,形黑活動;在內心險多智。 艮在外,其頭上尖下大;在內心志固執。 坤在外,厚重;在內主靜,逢凶則魯鈍。
乾卦が外にあれば、その人は頭が大きく顔が円い。もし剋に逢えば顔に破相がある。乾が内にあれば、心胸は開闊にして気量は宏大。兌が外にあれば、人を待つこと和悦にして話多し。兌が内にあれば、心思は細密にして胆は大きい。離が外にあれば、容貌に文采ありて挙止は光鮮。離が内にあれば、人と為りて聡明。震が外にあれば、身材は高長にして鬚あり。震が内にあれば、性は暴躁にして安定せず。巽が外にあれば、これも身長にして鬚あり。巽が内にあれば、心思は狠にして能く隠忍し、坐すも臥すも安穏を得ず。坎が外にあれば、肤色は黒に偏りて行動は活発。坎が内にあれば、心機は深険にして智謀多し。艮が外にあれば、頭の形は上尖り下大きい。艮が内にあれば、心志は固執にして回頭を肯ぜず。坤が外にあれば、体格は厚重。坤が内にあれば、性情は静を主り、もし凶神に逢えば鈍鈍愚魯に流る。
再以五行隨卦之金木水火土通論: 金為人潔白貞廉、骨細肉膩,聲音響亮。為性不受激觸,處事多能,好學,好酒,好歌唱,如帶煞重乃武夫,或多武藝。 木主人物修長,聲音暢快、鬚髮美、眉目秀,坐立身多攲側,為事窒塞,無通變之謀。如死絕則人物瘦小,發黃眉結,柔語細聲,不能自立人也。
さらに卦爻に配する金・木・水・火・土に按じて通盤に人を論ず。金に属する人は肤色は潔白にして身を持すること貞正廉潔、骨骼は細く肌肉は腻滑、言う声は響き亮やか。性情の上では激触を受くること能わず、事を弁ずるに多才多能、書を読むを好み酒を飲むを好み歌唱を好む。もし帯びる所の凶煞重ければ、便ち武夫、あるいは身に武芸多し。木に属する人は身材は修長、声は爽快、鬚髪は秀美、眉目は清秀、坐すも立つも身は多く偏側して正ならず。事を弁ずるに拘泥閉塞にして、通権達変の謀略を缺く。もし木爻が死地・絶地に落つれば、則ち人物は瘦小、頭髪は枯黄し眉毛は糾結し、話すこと柔細にして力なく、身を立て起こす能わず。
水為人背小團面,色或焦,行動搖擺。為性大寬小急,處事無定見,喜淫、好酒,少誠實。若帶吉神貴福者,乃志量廣大,包含宇宙之才也。 火人面貌上尖下闊、印堂窄、鼻露竅、精神閃爍、語言急速。性躁、聲焦,其色赤或青不定。坐須搖膝,立不移時,臨事敏速,旺乃聰明文章之士。
水に属する人は背は薄く顔は円く、顔色は時に暗く発し、歩き行くに揺揺擺擺たり。性情は大処に寛和にして小処に急躁、事を弁ずるに定見なく、色を好み酒を好み、誠実少なし。但しもし吉神と貴人・福徳を帯びれば、則ち志量は広大にして、天地を包容するの才具なり。火に属する人は面貌は上尖り下闊く、印堂は狭窄、鼻孔は外露、眼神は閃爍して定まらず、話すこと急促。性は焦躁、声は干焦、顔色は忽ち赤く忽ち青し。坐する時は膝が停まらず抖し、立つこと久しからず、事に臨むに反応敏捷迅速。火がもし旺相ならば、便ち聡明にして文章能くする士人なり。
土人頭圓、面方、背方、腹闊。為性持重,處事沉詳,語言簡默,動止不輕。如遇墓絕,乃塊然一物,無智無謀無能之愚人也。
土に属する人は頭は円く顔は方く背も方正にして肚腹は寛闊。性情は持重、事を弁ずるは沈穏周詳、言語は簡省にして話多からず、挙動は軽浮ならず。もし土爻が墓地・絶地に遇うは、則ち一塊の土疙瘩のごとく呆板にして、智なく謀なく能なし、愚鈍の人なり。
論女人性形: 金財端正德貞潔,美貌團圓似明月,心性聰明針指高,肌膚一片陽春雪。 木財妖態勝仙娃,能梳雲鬃似堆鴉,身體修長眉眼秀,金蓮慢把翠臺遮。 水性為人多變更,未有風來浪自生,若加玄武咸池並,巧似楊紀體態輕。 火財為人心性急,未有事時言便出,鬃髮焦黃骨肉枯,夫婦和諧難兩立。 土財不短亦不長,絕美人才面色黃,若逢吉曜生佳子,性慢言慳福壽昌。
以下は財爻の五行に按じて女子の形貌と性情を論ず。財爻の金に属する女子は、挙止は端正にして徳あり貞潔、容貌は団団円円として明月のごとく、心性は聡明、針線・女紅は衆に秀で、肌肤は陽春の積雪のごとく白し。財爻の木に属する女子は、姿態は妖娆にして仙童玉女に勝り、能く一頭の烏雲のごとき高鬢を梳し、身材は修長にして眉眼は清秀、行く時は裙裾緩緩として三寸の金蓮を遮る。財爻の水に属する女子は、人と為りて善変、風未だ起こらざるに彼女自ら先だって波浪を掀す。もしさらに玄武・咸池のこの二つの桃花の星が同臨すれば、便ち体态は軽盈にして巧媚なることあの楊氏の美人のごとし。財爻の火に属する女子は、心性は急躁、事未だ至らざるに話はすでに先だって口を出ず、鬢髪は焦黄、骨は瘦せ肉は枯れ、丈夫と和谐に相処すること得難し。財爻の土に属する女子は、身量は高からず矮からず、容貌は極めて美なれど面色は黄に偏る。もし吉星の照臨に逢えば、能く好児女を生み、性は慢にして言語少なく、福寿昌盛の相なり。
24.運限を占う
大小二限,從初世起;陽順陰逆,六位周流。
大限・小限を推するは、みな世爻の在る所のあの一爻より起算す。世爻が陽爻のは順行して上り、世爻が陰爻のは逆行して下り、六つの爻位の上に循環周流し、走り尽くせば再び頭より過ぎ来る。
卦之大限,以陽世為順,陰世為逆。陽順則自世而上,陰逆則自世而下。每一爻管五年,周而復始。逢生令則吉,遇刑傷則凶。
一卦の大限は、世爻が陽に属せば便ち順行し、世爻が陰に属せば便ち逆行す。順行は世爻のこの一位より上に向かって数え、逆行は世爻のこの一位より下に向かって数える。毎一爻は五年を管し、六爻は合わせて三十年、走り尽くせば再び頭より周りて始める。行き到るあの一爻がもし生扶に逢い月令の助けを得れば便ち吉、もし刑冲剋傷に遇えば便ち凶。
其小限一年一位周流而已。
小限に至っては、則ち一年に一つの爻位を走り、同じく六爻の上を周流して息まず、ただ行度が大限より快なること甚だしきのみ。
假如丁酉年七月甲午已巳時,占得大壯,自一歲在世上,至六歲與十歲在六五,至十一歲在上六,至十六在初九,二十一在九二,二十六在九三,甲辰比肩但二十七歲小限在上六,故曰大小二限並兄弟,必先傷妻而後破財,餘仿此。
譬えば丁酉年七月甲午日己巳時に雷天大壮卦を占い得たり。大壮は坤宮に属し、世は九四の庚午に在りて陽爻なれば、ゆえに順行す。一歳は世位の九四に起こり、六歳より十歳は六五を行き、十一歳より十五歳は上六を行き、十六歳は初九を行き、二十一歳は九二を行き、二十六歳は九三を行く。九三は甲辰を納め、坤宮は土に属し、辰土は本宮と同類にして兄弟「比肩」の爻なり。而るに二十七歳のあの年、小限がまた恰好上六に走り到る。これを大限・小限が一斉に並びて兄弟爻の上に到るという。兄弟は既に妻を剋しまた財を劫すれば、ゆえに彼が必ず先ず妻子を剋傷し、然る後に銭財を破耗するを断ず。其余の各卦はみなこの办法に照らして推す。
又有以本體為初,互體為中,化體為末者。
別に一種の推法あり。本卦を把って一生の初段と看、互卦を把って中段と看、変卦を把って末段と看て、三截に分けて一生の運程を論ず。
又有以本卦管三十年,每爻五年,以之卦管三十年,每爻五年,學者亦可參之。
また一種の推法あり。本卦は前三十年を管し毎爻五年、変出する所の之卦は後三十年を管し、これも毎爻五年、合わせてまさに六十年一甲子なり。学する者は妨げず一併に参看せよ。
25.婚姻を占う
喜合婚姻,世應宜靜;財官旺相,婚姻可成。
婚姻を占うに最も喜ぶは世応の相生相合。世は男家を為し応は女家を為す。両辺ともに安静不動を宜しとし、一たび動けば便ち人ありて反悔して卦を変ず。さらに用神を看る。男家は妻財を看、女家は官鬼を看、財・官が旺相有気ならば、この門の親事は成り得るなり。
世應有動便不成,男家娶妻看財爻,代占同。女家嫁夫用鬼爻。忌動出現,怕沖,若旺相可成,世應相剋不久。世夫應婦。又看何人占之,占夫忌子孫發動,子孫持世不成,占妻忌兄弟發動,兄弟持世不成。間爻為媒,父母為三堂,子孫為嗣,宜靜。卦無子孫不歡喜。
世応は但凡一辺の発動あらば、この門の親事は成る能わず。男家が妻を娶るは妻財爻を看、人に替わりて代占するも此に照らして看る。女家が女を嫁すは則ち官鬼爻を用いる。用神は出現した後に発動するを忌諱し、また日辰に冲散せらるるを怕る。ただそれが旺相すれば、婚事は便ち成る能し。世応両辺の相剋する者は、たとえ成るも長久はし難し。通常は世をもって夫と為し応をもって婦と為す。さらに看るべし、これはどの一方が来たりて占うかを。女家が夫を占うは子孫の発動を忌む、子孫は官を剋すれば、もし子孫が世を持てば婚事は成らず。男家が妻を占うは兄弟の発動を忌む、兄弟は財を劫すれば、もし兄弟が世を持てば婚事もまた成らず。世応の間の間爻は媒人を代表し、父母は「三堂」を代表し、子孫は将来の子嗣を代表し、この幾爻はみな安静を宜しとす。卦中にもし一つの子孫も連ならざれば、両家の日後もまた歓喜せざらん。
或問:世應有動便不成何也?答曰:世動男家進退,應動女家不肯,世應有空亦然。 問:忌二字動,忌何爻動也?曰:財官二字。 何為三堂?父母、兄弟、子孫也。
人が問うていう。なぜ世応が一たび動けば親事は成らざるか。答えていう。世爻の動は、男家が自ら主意を拿り定めず進退反復するなり。応爻の動は、女家が答応を肯ぜざるなり。世爻あるいは応爻の落空するも、情形は一様なり。また問うていう。「二字」の発動を忌むという、忌むはどの両爻ぞ。答えていう。すなわち妻財・官鬼のこの両字なり。また問うていう。何を「三堂」という。答えていう。父母・兄弟・子孫のこの三重の家人を指す。
凡財爻與兄弟合,此婦不廉;五爻持鬼,此婦貌醜;財伏墓下,主生離死別;財伏鬼下,主婦人帶疾,兄伏鬼亦然。財伏兄下,主婦人淫蕩;鬼伏兄下,主男子賭博;身爻值鬼,主帶暗疾,此又不傳之妙。
およそ財爻と兄弟爻と相合する者は、この婦人は廉潔に自守する能わず。第五爻が官鬼を持するは、この婦人は相貌丑陋。財爻が墓庫の下に伏するは、夫妻の生離死別を主る。財爻が官鬼の下に伏するは、婦人の身上に病あるを主り、兄弟爻が鬼下に伏するも一様なり。財爻が兄弟の下に伏するは、婦人の淫蕩を主る。官鬼が兄弟の下に伏するは、この男子の賭博を好むを主る。卦身がまさに官鬼の上に落つるは、此人は明言し難き暗疾を帯ぶを主る。この数条はみな軽々しく外に伝えざる訣竅なり。
占妻看財爻,宜靜;占夫看官爻,宜靜。陽宮端正、陰宮醜陋,在飛上應頭面四肢,在飛下應拙不穩。男占得震巽主再婚;女占得坎離主再嫁。妻在間爻,女有親為主婚;夫在間爻、男有親為主婚,但得時旺相,皆許成。
妻子を占うは妻財爻を看、この爻は静を宜しとして動を宜しとせず。丈夫を占うは官鬼爻を看、これも静を宜しとして動を宜しとせず。用神が陽宮に落つるは、その人は容貌端正。陰宮に落つるは、その人は容貌丑陋。用神が飛神の上に居るは、応ずる所は頭面・四肢のこれら外露の部位。飛神の下に居るは、応ずる所は体态の笨拙・挙止の不穏なり。男子が婚を占いて震卦・巽卦を得るは、主として再び一度娶るを要す。女子が婚を占いて坎卦・離卦を得るは、主として再び一度嫁ぐを要す。妻財が世応の間の間爻の上に落つるは、女方に親属ありて出面して婚を主るなり。官鬼が間爻の上に落つるは、男方に親属ありて出面して婚を主るなり。ただ用神が時令を得て旺相せば、この幾種の情形はみなその成事を許し得べし。
出現忌日沖,世動,男不肯,應動,女生疑。用神如發動,成也見分離。間動有阻隔,或是媒人作鬼,如占女人妍醜。
用神が卦面に出現すれば、便ち日辰の来たってそれを冲するを忌む。世爻の発動は、男家の肯ぜざるなり。応爻の発動は、女家が疑心を起こしたるなり。用神がもし自ら発動せば、たとえ一時議成するも、日後終に分離せん。間爻の発動は、中間に阻隔あるか、あるいは媒人が中より捣鬼するなり。以下さらに女子の容貌美醜を占う看法を講ず。
第五爻為面部,如財福旺相持之,絕色。父母次之,兄弟持之,貌醜陋不妍。上六爻為頭髮,如火坐之,主鬢髮焦黃色。看大腳小腳,專看初爻,初爻是陽,主大腳,初爻是陰,主小腳,重化拆半紮腳。交化單先纏後放。
第五爻は面部を主る。もし妻財・子孫が旺相してこの一爻に持するは、絶色の美人と主る。父母がこれを持つは次の一等。兄弟がこの一爻に持するは、則ち容貌丑陋にして看るに堪えず。上六爻は頭髪を主る。もし火爻がこの一爻に坐するは、鬢髪の枯焦泛黃を主る。彼女が天足か纏足かを看るを要するは、専ら初爻を看る。初爻が陽爻なら大足を主り、初爻が陰爻なら小足を主る。初爻がもし重(老陽)にして拆(少陰)に変ずれば、半扎脚を主る。もし交(老陰)にして単(少陽)に変ずれば、先に纏め後に放すを主る。
附:婢妾を占う
專以財爻為主象,財爻旺相便吉,若動出官來,主生病招訟,動出兄來,主口舌;若兄爻財爻合住,主有外情不良。如有爻象與財爻三刑六害,必主因此成訟;財化子性善;財化官帶疾;財化兄主淫蕩不良;財化父老成;財化子,性遲緩不管事。
婢を買い妾を納るるを占うは、専ら妻財爻をもって主象と為す。財爻が旺相すれば便ち吉。もし財爻が動して官鬼を変出するは、彼女が病を生じ官司を招惹するを主る。動して兄弟を変出するは、口舌・是非を主る。もし兄弟爻が財爻と相合してそれを牽住するは、彼女が外に別に不正当の情事あるを主る。倘若し卦中に別の爻ありて財爻と三刑あるいは六害を構成するは、必ずこれが為に詞訟を鬧し出すを主る。財爻が子孫を変出するは、性情善良。官鬼を変出するは、身上に病を帯ぶ。兄弟を変出するは、淫蕩不良を主る。父母を変出するは、人と為りて老成持重。財爻が子孫を変出するは、また性の遅緩にして事を管するを肯ぜざるを主る。
定婦人、女子,看財福二爻,生身世無沖剋是女子,財福生官兄,或官兄旺動是婦人。
占う所が已嫁の婦人か未嫁の女子かを分弁するを要するは、妻財・子孫のこの両爻を看る。それらが卦身と世爻とを生扶してしかも冲剋を受けざるは、未だ閣を出ざる女子なり。財・福がかえって官鬼と兄弟とを生じ、あるいは官鬼・兄弟が旺にして発動するは、すでに人に嫁いだる婦人なり。
凡占僱取僕從亦用財爻為主象。財不可太過,又不可無財並空亡,若如此,慵懶不向前。子化財,為人純善;鬼化財、帶疾;兄化財不誠實,多說謊瞞騙人家;父化財,性重作事穩,財化兄,多淫蕩難托財。又看身爻,身是鬼主有疾;身是父,主識字;身是兄,多說謊,身是子,主慈善。身是財最好。如化出鬼,主生病、招口舌;化出兄,主口舌不穩。
およそ僕役・随従を雇用するを占うも、また財爻をもって主象と為す。財爻は過ぐるに太旺を可とせず、また無財あるいは財の空亡に落つるも可とせず。もし無財・落空ならば、この僕人は必ず慵懒にして偷惰し、前に向かって事を為すを肯ぜず。子孫が財爻を変出するは、人と為りて純厚善良。官鬼が財爻を変出するは、身上に病あり。兄弟が財爻を変出するは、誠実ならず、説謊して人を騙すを好む。父母が財爻を変出するは、性情穏重にして事を弁ずるに牢靠。財爻が兄弟を変出するは、多半淫蕩にして、銭財は彼に托付すべからず。さらに卦身のどの爻に落つるかを看るを要す。卦身が官鬼ならば、此人に病あるを主る。父母ならば、字を識るを主る。兄弟ならば、説謊を好むを主る。子孫ならば、心地の慈善を主る。卦身が妻財ならば最上。もし卦身が官鬼を変出し来たるは、病を生じ口舌を招くを主る。兄弟を変出し来たるは、口舌断えず心性の安分ならざるを主る。
26.孕産を占う
孕看財爻,胎加龍喜;旺相為男,休囚是女。
懐孕・生産を占うは、妻財爻を看る。婦人は財をもって用と為すが故なり。さらに「胎爻」を尋ね出す。胎爻の上にもし青龍・天喜のこの二つの吉神が加われば、孕事は便ち順遂なり。用神が旺相のは男を生み、休囚無気のは女を生む。
產孕須尋龍喜胎神。白虎臨於妻財旺相,為男;休囚女。
生産・懐孕を占うは、必ずまず青龍・天喜と胎神のこの幾処を尋ね出すを要す。白虎が妻財爻の上に臨みて妻財がまた旺相のは、男を生む。妻財が休囚のは、女を生む。
乾兌坎離在下卦,主順生;震巽艮坤在下卦,主逆產。蓋乾首、兌口、坎耳、離目在下為順,以震足、巽股、艮手、坤腹在下為逆也。
乾・兌・坎・離のこの四卦が下卦と作るは、順産を主る。震・巽・艮・坤のこの四卦が下卦と作るは、逆産を主る。これは《説卦》に按じて象を取れば、乾は首を為し、兌は口を為し、坎は耳を為し、離は目を為して、みな頭上の部位にして、頭が下に在るがまさに順産なればなり。而るに震は足を為し、巽は股を為し、艮は手を為し、坤は腹を為して、みな身子以下の部位にして、これらが下に落つれば、便ち脚の先だって出る逆産となるが故なり。
假令乾宮子孫以水長生在申,到午為胎爻,三合寅午戌三日內生也。
譬えば乾宮の子孫爻は水に属し、水の長生は申に在り。申より長生を起こし順数す。酉は沐浴、戌は冠帯、亥は臨官、子は帝旺、丑は衰、寅は病、卯は死、辰は墓、巳は絶、数えて午に至りてまさに「胎」なり、午爻便ち是れ胎爻なり。さらに午の三合局の寅午戌を取れば、すなわちあの寅日・午日・戌日のこの三天の内に分娩す。
要知男女,胎爻屬陽生男,胎爻屬陰生女,坤卦六爻安靜生男,此乃陰極動而生陽,又不可專泥也。
男を生むか女を生むかを知るを要するは、胎爻が陽に属するは男を生み、胎爻が陰に属するは女を生む。もし純坤卦を得て六爻安静ならば、かえって男を生むを主る。これは陰が極処に到れば便ち動して陽を生ずるの道理なり。ただしこの一条もまた死守して放すべからず。
凡占老孃看間爻,持財子老孃手段高,持父兄官手段低。占奶子,看財爻旺相有乳食,財爻地氣或空,乳少。
およそ接生の穏婆を占うは、世応の間の間爻を看る。間爻が妻財あるいは子孫を持するは、穏婆の手段は高明。父母・兄弟・官鬼を持するは、手段は低劣。奶妈を占うは、妻財爻を看る。財爻が旺相のは奶水充足にして孩子を食わすに足る。財爻が衰敗の地気の上に落ちあるいは落空するは、奶水便ち少なし。
27.科挙を占う
科舉功名,於求進職;皆取官多,旺相必得。
科挙の功名を占い、および升遷・進職を謀求するは、みな官鬼爻を取って用神と作す。卦中に官爻多くしてしかも旺相有気の者は、功名は必ず手に到る。
凡占赴試、謁貴、面君、參官、到部謀幹事,看世上有無文書。若父母旺相,可許。但官爻旺相,便吉。忌子孫持世,不中。占赴任,子孫持世或獨發,必不滿任也。
およそ赴考・貴人を拜謁し・君王に面見し・上官に参見し・部裏に到りて事を弁ずるを占うは、みなまず世爻の上に文書爻あるか無きかを看る。もし父母が旺相ならば、便ちもってその成事を許し得。ただ官爻もまた旺相なれば、便ち吉兆なり。最も忌むは子孫の世を持するにして、子孫は専ら官鬼を剋し、考え中らざるを主る。任に赴き官を為すを占うに、もし子孫が世を持ちあるいは子孫が独発すれば、必ず一任を満つる能わずして職を去らん。
或問:看世上有無文書,何也?答曰:此專用官為主,用爻為輔,所以要父母在世上也。以文書為主,要文書持世無刑剋太歲貼身,必作狀元。
人が問うていう。なぜ世爻の上に文書あるか無きかを看るを要するか。答えていう。この一門は専ら官鬼をもって主用と為し、輔爻を以て帮衬と作すれば、ゆえに父母・文書が世爻の上に落つるを要して乃ち好し。もし改めて文書をもって主用と為さば、則ち文書の世を持ちて刑剋を受けざるを要し、さらに加うるに太歳がその身に緊貼すれば、必ず状元に高中せん。
凡占試,以鬼為主,看伏在何爻下,要日辰生扶合出。且如春占剝卦,官在文書爻下,有氣,日辰合出,主試中試。求職請判,宜官鬼出現,忌動發,在任宜鬼靜,鬼發有動,子動有替。
およそ応試を占うは、官鬼をもって主と為し、それがどの一爻の下に伏するかを看て、日辰の来たってそれを生扶し、合してそれを出さしむるを要して乃ち好し。譬えば春に山地剥卦を占い得るに、官鬼がまさに文書爻の下に伏して気あり、また日辰に合せ出さるれば、便ち応試の中るを主る。もし職を求め判文を請求するは、官鬼が卦面に出現するを宜しとして、それの発動を忌む。すでに任に在る者は、官鬼の安静を宜しとし、官鬼が一たび発動すれば調動あり、子孫が一たび発動すれば人来たりて頂替せん。
若六爻中只有一爻動最吉。兄動,事不實,難成。若現有氣,可速成,怕落空。易云:動爻急如火。次或出現文書與貴人。但卦中原無或不入卦,或落空,其事難。官與文書俱旺相,亦要持世方可成。應又不克,事體分明。乾兌坎宮,謀事不一,見官用動,其人多出,見亦生嗔。
六爻のうちただ一爻のみ発動するが最も吉。もし動くが兄弟爻ならば、事は実在せず弁じ成すこと難し。用神がもし已に出現してまた気あらば、事は速かに成るべく、ただそれの落空を怕るのみ。易家に一句の話あり、動爻の急なること烈火のごとしと。其次は卦中に文書爻と貴人とが出現するを要す。倘若し卦中にもとよりこの両様なく、あるいはそれらが卦に上らず、あるいは空に落つれば、事は便ち弁じ難し。官爻と文書とが皆旺相は固より好し、またさらにそれが世を持つを要して乃ち成り得べし。応爻がまた来たって剋せざれば、事体は便ち分明にして期すべし。もし乾宮・兌宮・坎宮の卦を得れば、事を謀るに往々にして一度に弁じ妥めず。官を見に往く時に用神がまさに発動すれば、あの官人は多半門外に出で在り、たとえ見着けるもまた嗔を生じ怒を発せん。
28.貴を謁するを占う
官鬼為主,世我應彼;世應相生,得遇和喜。
貴人を拜謁するを占うは、官鬼爻をもって主用と為す。貴人は即ち官星なればなり。世爻は我がこの一方、応爻は相手のあの一方。世応両辺が相生相合すれば、便ち面の見着くを主り、しかも相処すること和悦歓喜なり。
凡占謁貴,以外卦取,外陽爻可見,外陰爻不見。陰鬼陽世再見,陽鬼陰世已外出。
およそ貴人を拜謁するを占うは、外卦の上より断を取る。外卦は相手方を代表すればなり。外卦が陽爻のは、見着くべし。外卦が陰爻のは、見着かず。もし官鬼が陰に属して世爻が陽に属するは、須く再び一たび往きてはじめて見るを得るを主る。もし官鬼が陽に属して世爻が陰に属するは、あの貴人は已に門外に出で在り。
出現在家,忌外卦獨發。伏藏應動,皆不見。看財爻旺相出現,忌動用官,看官爻,忌世應坐鬼,又須問見何人,看用爻為主。
官鬼が卦面に出現するは、人は家に在り。但し外卦の独り発動するを忌む、一たび動けば人は走り去る。官鬼が伏蔵して露われざる、あるいは応爻の発動するは、皆見着かず。財爻を看るはそれの旺相にして出現するを要す。ただしこの一門は既に官をもって用と為せば、便ち財爻の乱動して文書を傷るを忌む。官爻を看る時は、世爻・応爻の鬼の上に坐するを忌む。この外さらに見んと欲するは何人なるかを問い清め、あの人に按じて用神を取り、一切は用神をもって主と為すを要す。
謁見,用支出現旺相不動,在家;若空、沖、散,不在。世應相生合則吉,相剋必凶。
前に往きて謁見するに、用神の臨む所の地支が卦面に出現して、旺相にしてまた動かざるは、人は家に在り。用神が落空し、冲せられ、冲散せらるるは、人は在らず。世応の相生相合は便ち吉、世応の相剋は必ず凶。
世克應,或克用爻、皆致怨之象。當俯仰小心。應克世、或用爻克世,皆願見,亦憂刑。應用相剋不及相生也。卦有身,相見更看用爻,用爻生身尤好;卦無身又無用爻,或用爻空亡,終不見。
世爻が応爻を剋し、あるいは世爻が用爻を剋するは、みな人の怨恨を招くの象、此の往くは応に俯仰進退し格外小心すべし。応爻が世を剋し、あるいは用爻が世を剋するは、あの貴人は倒に願って汝に見えんとす、ただ是れ汝自己もまた責を受くるの憂慮を担うを要す。総じて応爻・用爻と世爻との相剋は、終に相生の来たるがごとき好きには如かず。卦中にもし卦身あらば、面見する能くするや否やはさらに用神を看るを要し、用神が卦身を生扶するは最上。卦中に卦身無くかつ用神無く、あるいは用神が空亡に落つれば、則ち終帰して見着かず。
29.売買を占う
財福出現,買賣必利;世應相生,交易可成。
売買を占うは、ただ妻財爻と子孫・福徳爻とが皆卦面に出現すれば、この筆の売買は必ず利を獲る――財は本利の在る所、福徳は財を生ずるの源なり。さらに世応を看る。世応相生のは、交易は做し成る能し。
卦占買賣,惟要財福出現,如無不利。若是兄宮發動於上爻,必知地頭不吉。凶殺泊四五,途路坎坷多。
売買の卦を占うは、唯独自財爻と福徳爻とが卦面に出現するを要す。この両様がもし卦に上らざれば、便ち利あらず。もし兄弟爻が上爻に発動するは、便ち貨物の往く所のあの地頭が吉利ならざるを知るべし。凶煞が第四・第五爻の上に停まるは、一路に坎坷多し。
財支持世克身得利,發動克身亦利。外克內,應克世,易得財;內克外,世克應難得利。
財爻が世を持ちて来たって卦身を剋するのは利を得、財爻が発動して卦身を剋するも利を得――財の来たって我を剋するは、まさに財の我が手に帰するの象なり。外卦が内卦を剋し応爻が世爻を剋するは、財を得やすし。反って内卦が外卦を剋し世爻が応爻を剋するは、便ち利を得難し。
內旺相,外無氣,其物先貴後賤。 財旺相,主貴、宜賣;財休囚主賤,宜買。
内卦が旺相にして外卦が無気のは、この宗の貨物は先に貴く後に賎し、早めに脱手するに宜し。財爻が旺相のは、物価の高きを主り売出するに適宜。財爻が休囚のは、物価の低きを主り買進するに適宜。
兄財不利,鬼動賤發,月建臨財則吉,官鬼臨庫,公財吉,私財凶。
兄弟と財爻と同じく現るるは不利の象、兄弟は財を劫すればなり。官鬼の発動するは則ち貨価低賎にして発脱しやすし。月建が財爻の上に臨めば便ち吉。官鬼が庫位に臨むは、官家の売買を做すに吉利、私家の売買を做すに凶険。
卦有二身三身者,財當與人分共,本宮鬼化財可求,本宮財化鬼防失。
一卦のうちに两重の卦身、三重の卦身を現出するは、この筆の財は別人と分攤して共に得るを要す。本宮の官鬼が財爻を変出し来たるは、財は求め得べし。本宮の財爻が官鬼を変出し来たるは、便ち銭財の損失を提防するを要す。
30.財を求むるを占う
財來扶世,求之不難;財空鬼旺,千水萬山。
財爻が来たって世爻を生扶するは、財が自ら門に尋ね来たるにして、求むるも並ならず難からず。もし財爻が落空して官鬼が当旺ならば、それは千重の水・万重の山を隔つるがごとく、気力を費し尽くすも手に拿到らず。
合吉神並世應,而六位有財可得。白虎臨財已先嗔、臨應也先嗔,比和則無關,鬼動則必經營也。應生世,雖無財亦可求,外生內、應生世,或比和不落空者,雖未有,尚有還財。子爻動彼自不還。死氣財必長生日得。外克內卦宜出財、內克外卦宜入財。
卦中の吉神が世応と相合し、六爻の内にまた財爻あれば、この財は便ち得べし。白虎が財爻の上に臨むは、相手方は先ず怒を発するを要す。応爻の上に臨むも、また相手方が先に怒を発すなり。世応の比和するは、両下とも妨げなし。官鬼の発動するは、この財は必ず経営張羅してはじめて有り。応爻が世を生ずるは、卦中にたとえ財無くもまた往きて求め得べし。外卦が内卦を生じ応爻が世爻を生じ、あるいは彼此比和にしてまた落空せざるは、眼下未だ有らずと雖も、日後なお我に帰还するの財あり。子孫爻の発動するは、相手方は自ら便ち还さず。死気の上に落つる財爻は、それが長生の日を俟ちてはじめて得べし。外卦が内卦を剋するは銭を出し帳を付くるに宜しく、内卦が外卦を剋するは銭を進め款を収むるに宜し。
將本求利,須要財爻持世,應旺相,有氣,乃大吉。財爻無氣,雖有亦無多。財爻空亡,其財決無,尤防破失。財爻生旺可倍加,休囚減半。逢沖,將入手有阻。
本銭を拿りて利を求むるは、必ず財爻が世を持ち、応爻が旺相有気、これ乃ち大吉なり。財爻が無気のは、たとえ財ありも多からざらん。財爻が空亡に落つるは、この財は一定に無し、さらにかえって破耗損失を受くるを提防するを要す。財爻が生旺のは、得る所は加倍すべし。財爻が休囚のは、一半を減ずるを要す。財爻が冲に逢うは、眼看手に到らんとすれどまた阻碍を生じ出す。
空手求財,雖有財爻,卻要鬼旺方為全吉。如財爻旺相,卦中無鬼,雖財可求,實無可得。若有鬼無財,雖有高術,亦不得財。二者必用二全,方為大吉。父母化財,先難後易,財化父母,先易後難。財化兄弟,先聚後散,兄弟化財,先散後聚。
空手にして財を求めに往くは、卦中に財爻ありと雖も、またさらに官鬼の旺相を要してはじめて十全の吉と算す――鬼無くんば則ち財に主管無く、着落する所無し。假如し財爻が旺相にして卦中に鬼無くんば、財は求め得べしと雖も実際には手に得ず。假如し鬼ありて財無くんば、たとえ再高き高明の手段ありも、財を求め出す能わず。この両様は必ず斉全するを要して、乃ち大吉なり。父母が財爻を変出するは、先に難く後に易し。財爻が父母を変出するは、先に易く後に難し。財爻が兄弟を変出するは、先に聚め後に散ず。兄弟が財爻を変出するは、先に散じ後に聚まる。
前卦有財,後卦無財,速謀有得,遲則無。前卦無財,後卦有財,遲取方有,目下未值。財之多寡,須憑爻之衰旺決之。
本卦に財ありて変出の後卦に財無きは、急いで往きて謀ればなお得る所あり、遅れ拖れば便ち無し。本卦に財無くて後卦に財あれば、遅き時候に往きて取るを要してはじめて有り、眼下は時候未だ到らず。財の多きと少なきに至っては、須く財爻の衰旺に凭りて決断すべし。
子孫為財之源,若加青龍發動,不問財爻衰旺,決可求謀,乃大吉之兆。父母動則子受傷,不能生財。財源已絕,若遇白虎同登,凶。縱其財旺生合世爻,只許一度,不可再圖。
子孫は財を生ずる源頭なり。もし子孫が青龍を加えてまた発動すれば、則ちさらに財爻の衰か旺かを問うに及ばず、必ず求謀して手に得べし、大吉の兆なり。反って父母が一たび動けば、子孫は傷を受け、就中再び財を生じ出す能わず、財源は便ち断たる。この時もしまた白虎が一同に臨み上らば、さらに凶なり。たとえあの財爻が旺相にして来たって世爻を生合すとも、ただ此の一次を得るを許すのみ、再び第二回を図るべからず。
世為我,若財來生我,克我皆吉,乃易得之象;若我克財爻,謂之克退,財靜猶可,若動,如入下逐高,不能及也。若世安靜,財爻發動,生我、克我,此財來逐我之象,決主易求。
世爻は我自己を代表す。財爻の来たって我を生じ、あるいは来たって我を剋するは、みな吉にして、みな財の手に到りやすき象なり。もし是れ我が去りてあの財爻を剋すれば、これを「剋退」という。財爻が安静の時は還って罷むも、財爻がもしまた発動せば、低き処に立ちて高きの物を追うがごとく、怎んども追い上ぐる能わず。もし世爻が安静不動にして、財爻が発動して来たって我を生じ我を剋するは、これ財の自ら我に追いて跑るの象にして、一定に求め得やすし。
看得財日,須與日辰合方得入手。若旺相之財,墓日可得;無氣之財,生旺日乃得也。
財を得る日子を推するを要するは、須く日辰が財爻と相合するを俟ちて、財乃ち手に入るを得。もし是れ旺相の財ならば、それが墓に入るあの一日に逢うて得べし。もし是れ無気の財ならば、それが長生・帝旺のあの一日を俟ちてはじめて得べし。
31.博戯を占う
博戲斗禽,福旺物真;財為利息,鬼動不贏。
賭博の游戯と闘鶏・闘虫とを占うに、子孫・福徳爻の旺相の者は、闘う所の物こそ真に強健なり。妻財爻は贏り来たる彩頭・利息を代表す。官鬼が一たび発動すれば、便ち贏る能わず。
世應見鬼爻皆敗,乃彼我不得地,世旺克應,我勝;應旺克也,彼勝。子孫妻財喜扶世,我勝。子孫旺相喜動。
世爻・応爻の上に官鬼を見るは、両辺ともに敗るるを要す。これは彼我双方ともに地を得ざればなり。世爻が旺にして応爻を剋するは、我は勝つ。応爻が旺にして世爻を剋するは、相手方は勝つ。子孫・妻財は最もそれらの来たって世爻を生扶するを喜ぶ。世を扶ければ則ち我は勝つ。子孫の旺相の時、またそれの発動するを喜ぶ。
或問:妻為我物,鬼為彼蟲,如何取用?答曰:此言斗禽蟲也。若轉變之事,則不一同專,要子孫持世旺相,或獨發便贏,若鬼兄財爻動便輸。要知當日,俱以時辰取福德言之。
人が問うていう。妻財は我が方の物、官鬼は相手方の虫、この両様はいったいどう取用するか。答えていう。これは専ら闘禽・闘虫のこの一類に就きて説くなり。もし是れ局面の輾転変化する賭法ならば、便ち一概に此に照らして専取する能わず。ただ子孫が世を持ちて旺相するか、あるいは子孫の独発するは、便ち贏つ。もし官鬼・兄弟・財爻の発動するは、便ち輸す。当曰の輸贏を断ずるを要するは、みな時辰の上の福徳の神を拿りて推す。
32.出行を占う
遠行出入,財旺大吉;鬼旺多凶,持身最吉。
遠行・出入を占うは、妻財爻の旺相は大吉なり。財が旺なれば則ち行李・盤纏は斉備して一路順遂。官鬼が旺相なれば則ち凶険多し。もし財爻あるいは子孫が卦身を持するは、最も吉利なり。
財為行李,子為喜悅。凡鬼又持世,兄弟獨發,鬼爻旺相,鬼墓貼身。游魂八純,皆不可出行。
出行の卦は、妻財は行李・盤纏を代表し、子孫は一路の喜悦・平安を代表す。およそ官鬼の持世、兄弟の独発、官鬼の旺相、鬼の墓庫が卦身に緊貼する、および游魂卦・八純卦を揺得たるは、みな出行すべからず。
或問:游魂、八純皆不可出行,如何?答曰:游魂主忘返,八純主賓不和,故不利出入也。
人が問うていう。游魂卦・八純卦は何を為すぞ皆出行すべからざる。答えていう。游魂は人の外頭に在りて流連して返るを忘るるを主り、八純は主客の彼此和せざるを主る。ゆえに皆出門往来に利せざるなり。
動官行。世應俱動,宜速行,旁爻動,利行遲,八純,不宜遠行。世墓方大忌。 要看第五爻持世為緊,但宜財爻、子孫持世,或旺相動便好。
官爻が一たび動けば、便ち動身起行するを得。世爻・応爻が皆動くは、急いで走るに宜し。旁爻の発動するは、緩行に利あり。八純卦は遠路を走るに宜しからず。世爻の臨む所の墓庫の方は、最も忌避するを要す。此の外緊要なるは第五爻を看るに在り――第五爻は道路の位なり――さらに世爻の持つ所は何かを看る。ただ財爻・子孫の持世を宜しとし、あるいはこの両様が旺相にして発動すれば、あれは乃ち好し。
只怕鬼兄動。世爻化入墓,化出兄鬼,主有口舌,或主病。世空去不成,或動爻沖剋世爻,便斷此人傷我。如鬼爻,鬼賊官事。兄爻,口舌是非。父爻,船事不便,或文書等事。財爻動,當有財物之喜,子孫動,或化子孫,去有財喜。
出行はただ官鬼・兄弟の発動を怕る。世爻が変じて墓に入り、あるいは兄弟・官鬼を変出し来たるは、路上に口舌あるを主り、あるいは病を生ずるを主る。世爻の落空するは、此の趟は走り成らず。もし動爻ありて来たって世爻を冲剋するは、便ちこの人の我を傷害せんとするを断ず。来たるがもし官鬼爻ならば、盗賊と官司の災なり。兄弟爻ならば、口舌・是非なり。父母爻ならば、船只の不便か、あるいは文書の一類の事の牽絆なり。財爻の発動するは、路上に財物の喜あるべし。子孫の発動しあるいは子孫を変出するは、此の往くは財あり喜あり。
33.行人を占う
行人用財,鬼動必災;應爻坐鬼,無透不來。
外出して未だ帰らざる行人を占うは、妻財爻をもって用神と為す。官鬼が一たび発動すれば、行人は必ず災に遭う。もし応爻の上に官鬼が坐すれば、則ち日辰が用神を透し出すに非ざれば、人は帰り来る能わず。
以財為用,親爻為行人,旁爻為音信,持世立至,遠三日,近、當日。財又出現,旺相來速,休囚來遲。財爻伏藏,旺相,直日便至;旺相不值日未來。財爻出現,旺相宜墓月分方歸。大忌應爻坐鬼,兄弟須是日,日辰透出安靜,以財生旺日到,亂動以父母生旺日到。
行人を占うは財爻をもって用神と為す。本宮の親爻は行人本身を代表し、旁爻は書信・音訊を代表す。用神が世を持するは、人は馬上に到る。遠ければ三日、近ければ当日なり。財爻がまた卦面に出現するは、旺相なれば便ち来ること快く、休囚なれば便ち来ること遅し。財爻が伏蔵にして旺相のは、それが日を値うに逢えば到る。旺相にして日を値わざるは、未だ来らず。財爻が出現して旺相のは、それが墓に入るあの月分を俟ちてはじめて帰る。最も忌むは応爻の上に官鬼の坐するなり。もし用神が兄弟爻ならば、必ずそれが日を値うを俟つを要す。日辰が用神を透し出して卦がまた安静のは、財爻の生旺の日に按じて到る。卦がもし乱動すれば、便ち父母爻の生旺の日に按じて到る。
初爻為足,二爻為身,身足俱動來速,第三爻動,難得來。父母為信。
初爻は脚を代表し、二爻は身子を代表す。身・足のこの両爻がともに発動するは、人は来ること快し。第三爻の発動するは、人は帰り来ること得難し。父母爻は則ち書信を代表す。
或問:親爻為行人,何為親爻?答曰:財爻也,乃本宮之財,非旁爻財也。旁爻之財,但為信,而本宮之財為行人。
人が問うていう。親爻は行人を代表すというが、何を親爻という。答えていう。すなわち財爻なり。しかも必ず本宮の財爻なるを要し、旁爻の上の財に非ず。旁爻の財はただ書信と当たりて看るのみ、本宮の財こそ行人本身を代表す。
又問:三爻動如何難得便來?答曰:第三爻化出財爻,乘旺相動,便到;世空,行人便至;應空未有歸期。
また問うていう。第三爻の動くは何を為すぞ便ち来ることを得難きや。答えていう。第三爻がもし財爻を変出し、また旺相に乗じて動かば、人は便ち到る。世爻の落空するは、行人は馬上に便ち到る。応爻の落空するは、帰期は未だ着落なし。
占家親,在外以墓為歸,若爻神出現,無日辰刑剋,行人對待,若在遠路,看用爻值月何建,以審行人,應空,過一旬,歸魂卦世動,不來,或去別處。
自家の親人の外に在るを占うは、用神の墓に入るの時をもって帰期と為す。もし爻神が卦面に出現して、また日辰の来たって刑剋する無くんば、行人は便ち家中と両相対待して、遅かれ早かれ帰るを要するなり。もし人が遠路に在れば、便ち用神の値う所はどの月建なるかを看て、此に拠りて彼の行程を審断す。応爻の落空するは、十天を過ぎてはじめて帰るを要す。帰魂卦を揺得て世爻の発動するは、人は帰らず、あるいは転じて別処に往き了れり。
凡占,必用爻三合日歸,如子爻為用神,取辰日回,如不回,申日回,申子辰三合也。遇空不取。
およそ行人を占うは、一定に用神の三合の日に按じて帰来す。譬えば子爻が用神ならば、便ち辰日を取りて回る。辰日に回らずんば、便ち申日に回る。申・子・辰の三者が合して一局を成すが故なり。もし用神が空に落つれば、この法子は便ち取らず。
若用入世墓,亦主回。應空有阻未至;世空便到。應持鬼去遠。子孫、財爻持世,遠三日、近二日便回。第五爻動出財爻或子孫爻,行人已在路上。
もし用神が世爻の墓に入るも、また人の帰るべきを主る。応爻の落空するは、路上に阻碍ありて未だ到らず。世爻の落空するは、人は立刻に到る。応爻が官鬼を持するは、人は走ること遠し。子孫爻あるいは財爻が世を持するは、遠ければ三日、近ければ両日にして便ち回る。第五爻が発動して財爻か子孫爻を変出するは、行人は已に路上に在り。
應動,行人發身了,亦看動出何爻。官鬼主有病;兄弟主口舌,或無盤費;父母動船中有事,主有信;財動便至;鬼爻旺相官事擔任。
応爻の発動は、行人が已に身を起こしたるを説明す。さらにそれが動して何の爻を変出するかを看るを要す。官鬼を変出するは、彼に病あるを主る。兄弟を変出するは、路上に口舌ありあるいは盤纏足らざるを主る。父母の発動するは、船上に事あるを主り、また先に書信の到るを主る。財爻の発動するは、人は立刻に便ち到る。官鬼爻の旺相するは、官司・差事ありて身上に担いて脱け開く能わざるなり。
34.逃亡を占う
逃亡看世,失物看財;財動物出,世動難來。
人の逃亡を占うは世爻を看、失物を占うは財爻を看る。財爻が一たび発動すれば、物は已に流れ出で去れり。世爻が一たび発動すれば、逃走した人は帰り来ること得難し。
凡占人逃去,歸魂自歸,八純卦在親友家。一二三世易尋,四五世難尋。內動近,外動遠。
およそ人の逃走あるを占う。帰魂卦を揚得したるは、人は自ら帰り来る。八純卦を揚得したるは、人は親友の家中に躲る。一世・二世・三世卦を得るは尋ね得やすく、四世・五世卦を得るは尋ね難し。内卦に爻の発動あるは、人は近処に在り。外卦に爻の発動あるは、人は遠処に在り。
占六畜、小兒,看子孫;失物,看財。應不動、財不動,兄不動,財不空。鬼不發或伏藏,可見之象。以上雖可尋,若卜得坤艮宮,財在大路,亦不能尋矣。
走失したる六畜と小孩を占うは子孫爻を看、失物を占うは妻財爻を看る。応爻動かず、財爻動かず、兄弟動かず、財爻また落空せず、官鬼発動せずあるいは伏蔵して露われず――これ便ち尋ね得て帰るの象なり。以上の諸条は尋ね得べしと説くと雖も、しかるにもし坤宮・艮宮の卦を卜得せば、財は已に大路上に流落して、あれは便ち尋ね着かざるなり。
更問失何物,若失文書牌號,當以父母爻取。
さらに丟失したるはいったい何の物なるかを問い清むるを要す。もし丟う所が文書・牌号の一類ならば、便ち応に改めて父母爻を以て用神を取るを要す。
或問:世爻動如何難來?卜八純卦何故在親友家?答曰:外卦是六親出現也。
人が問うていう。世爻の発動は何を為すぞ人は帰り難きや。八純卦を卜得するは何を為すぞ彼を親友の家に断ずるや。答えていう。八純卦は内外両体相同じく、外卦の上に現出するはまさに本宮の六親、六親が外頭に顕る。ゆえに彼を親友の家裏に躲ると断ず。
又問:一二三世易尋,何也?曰:—二三世,下爻去沖應,又外卦出現,故曰易尋也。
また問うていう。一世・二世・三世卦は何を為すぞ尋ね得やすきや。答えていう。この三種の卦は世は皆下体に在り、下爻は去りて応爻を冲し、而も外卦の上にまた六親の出現あり、行跡は外に顕露す。ゆえに尋ね易しという。
又問:世在五六爻難尋者?曰:外卦伏藏也,游魂主去遠,歸魂主自歸。
また問うていう。世爻が第五爻・第六爻に在るは何を為すぞ尋ね難きや。答えていう。あれは外卦が伏蔵して露われざるの縁故なり。此の外さらに分別するを要す。游魂卦は人の走ること遠きを主り、帰魂卦は人の自ら帰来るを主る。
35.逃亡の方位を占う
世宮為方,應宮為所;歸魂八純,互換宮取。
逃亡の人の方位を占う。世爻の属する所の宮は、彼の去りて往く方向を定む。応爻の属する所の宮は、彼の身を蔵する処所を定む。もし帰魂卦あるいは八純卦を揚得せば、便ち卦宮を互相に対換し来たりて方位を取るを要す。
世爻之宮為方,一爻獨發方可取方。歸魂八純以換卦宮取,乾互坤,坎互離,艮互兌。乾艮宮在山,坎近水,兌奴婢家。大怕鬼爻持世,應變出現鬼爻,乘旺相凶。
世爻の在る所のあの一宮、すなわちこれ逃亡の人の去りて往く方向なり。ただ卦中に一爻の独発する時のみ、乃ちそれに拠りて方位を取るべし。帰魂卦と八純卦は卦宮を換え過ぎ来たりて取るを要す。乾と坤と対換し、坎と離と対換し、艮と兌と対換す。乾宮・艮宮は人の山裏に在るを主り、坎宮は水辺に近きを主り、兌宮は奴婢の人家に在るを主る。最も怕るるは官鬼の持世、あるいは応爻が官鬼を変出し来たるなり。官鬼がさらに旺相の気に乗ずれば、あれは便ち凶なり。
或問:世宮為方,何也?曰:如天風姤卦辛丑持世,巽宮乃東南方也。
人が問うていう。世爻の宮を方向と為すというは、どう講ずる。答えていう。譬えば天風姤卦、初爻の辛丑が世を持ち、辛丑は下体の巽卦に属し、巽は後天八卦に東南に居る。ゆえに人の東南方に往き了れりを断ず。
又問:應宮為所,何如?曰:天風姤卦,應在壬午,宮在東南巽方,官人家也。
また問うていう。応爻の宮を処所と為すというは、またどう講ずる。答えていう。仍ほど天風姤卦を看る。応爻は四爻の壬午の上に落つ。この卦の宮は東南の巽方に在り、而も午火は乾宮において官鬼なり。ゆえに彼の身を蔵むるは官人の家中に在りと断ず。
又問:歸魂八純,互換宮取,如何互換?曰:如占得純乾去,看空,逃亡人在西南坤方也。又如兌卦,往東北艮方尋,艮卦往西方尋,此互換宮方取。
また問うていう。帰魂卦・八純卦は卦宮を互換して取るを要すというが、いったいどう換ゆるか。答えていう。譬えば純乾卦を占い得れば、乾と坤と対換し、さらにどの一爻が落空するかを看て、便ち逃亡の人は西南の坤方に在りと断ず。また兌卦を得るがごときは、兌は艮と換ゆ、東北の艮方に往きて尋ねよ。艮卦を得るは、艮は兌と換ゆ、西方に往きて尋ねよ。これすなわち卦宮を互換して方位を取るの办法なり。
又問:震巽離出外必無歸?答曰:震、巽屬木,離屬火,皆非藏之處者。下文乾坤艮兌而不及震、巽、離者,此也震,蘆葦中或舟船中;巽,匠人處竹木中處;離,窯冶處,古廟裡。
また問うていう。震・巽・離の三卦を得るは、人は一たび出で去れば必定に帰らざるか否や。答えていう。震・巽は木に属し、離は火に属し、皆久しく蔵れ身を安んずべき処に非ず。上文はただ乾・坤・艮・兌を講じて震・巽・離を講ぜざるは、まさにこの縁故なり。真に尋ねに往かば、震は蘆葦の叢中あるいは船上に在り。巽は匠人の作坊・竹木堆積の処に在り。離は窯場・冶鋪あるいは古廟の中に在り。
世與內動在近,應與外動在遠。用神出現,以旺為方;用神夥藏,以生為方。丑東北,辰東南,未西南,戌西北。
世爻の発動しあるいは内卦の発動するは、人は近処に在り。応爻の発動しあるいは外卦の発動するは、人は遠処に在り。用神が卦面に出現するは、それの旺相なるあの一方を取りて所在の方と為す。用神が伏蔵して露われざるは、それを生ずるあの一方を取りて所在の方と為す。四墓の方に至っては、丑は東北に在り、辰は東南に在り、未は西南に在り、戌は西北に在り。
又斷應與用同,應是兄弟,本貫相識之家;應是官鬼。有勾引入出去,或官司去處;應是父母,投親戚家,或入手藝人家;應是妻財,奴婢、妓、弟人家;應是子孫,在寺觀廟宇裡。
別に一種の断法ありて、是れ応爻と用神とを合わせて看るなり。応爻が兄弟ならば、人は本郷の熟識の人家に在り。応爻が官鬼ならば、是れ人に勾引して帯び出されたるか、あるいは已に官司・衙門のあの一類の地方に落ちたり。応爻が父母ならば、是れ親戚の家に投奔したるか、あるいは手芸の人家に進み入れり。応爻が妻財ならば、奴婢・娼妓・下人のこの一類の人家に在り。応爻が子孫ならば、寺観・廟宇の裏に在り。
36.失物・鬼祟を占う
陽鬼為男,陰鬼為女;若是伏藏,返對而取。
失物を占い鬼祟を占うは、皆官鬼爻をもって用神と為す。官鬼の陽に属するは男なり、陰に属するは女なり。もしこの官鬼が伏蔵して露われざれば、便ち反対に取るを要す――陽のを陰に当たりて看、陰のを陽に当たりて看る。
占賊占祟,以鬼陰陽為用,占主女男看得何官。如占賊,陽宮鬼出現,主男鬼;伏藏主女。陰宮鬼出現,主女鬼,伏藏主男。占祟,鬼無正形,但以支干取之。鬼動以單為少陽,拆為少陰,重為太陽,交為太陰。如分老少何人,但看應爻最切。
賊を占い祟を占うは、皆官鬼の陰陽を拿りて用を定む。是れ男か女かを断ずるを要するは、まずこの鬼のどの宮に落つるかを看る。もし是れ賊を占うならば、陽宮の鬼が卦面に出現するは、男賊と主る。陽宮の鬼が伏蔵するは、女賊と主る。陰宮の鬼が出現するは、女賊と主る。陰宮の鬼が伏蔵するは、男賊と主る。もし是れ祟を占うならば、鬼は一定の形状無く、ただその干支に凭りて象を取るのみ能し。鬼爻の発動する時は爻象に按じて分つ。単は少陽、拆は少陰、重は太陽、交は太陰。是れ老か少か、いったい何人なるかを分弁するを要するは、応爻を看るが最も切要なり。
或問:若是伏藏,返對而取,何謂返對?答曰:用返對顛倒也。陽取陰,陰取陽之義。
人が問うていう。「もし伏蔵ならば、返対して取る」というが、何を「返対」という。答えていう。すなわち反対に顛倒して用いるなり。陽のを取りて陰と作し、陰のを取りて陽と作す。まさにこの意なり。
又問:返卦時,何以知賊之巢?曰:但向鬼生方尋之。問:何以知鬼生方?曰:但看財爻伏何爻之下,如姤卦,財伏子孫下,在西北方,僧道小兒處也。
また問うていう。反対に卦を看る時、どうして賊窩のどこに在るかを知る。答えていう。ただこの官鬼を生ずるあの一方に往生して尋ねよ。また問うていう。どうして鬼を生ずる方のどこに在るかを知る。答えていう。ただ財爻がどの一爻の下に伏するかを看るのみ。譬えば天風姤卦、財爻は子孫爻の下に伏し、子孫は乾に属して乾は西北に居れば、則ち西北方の僧道の人家、あるいは小児の出没する地方に往きて尋ねよ。
又問:何以定獲賊之日?曰:看子孫旺日是也。
また問うていう。どうして賊を捉住する日子を定むるか。答えていう。子孫爻の旺相なるあの一日を看る乃ち是れなり。子孫はまさに捕捉の神なればなり。
37.賊盗を占う
若有兩爻,可別單拆;忽有獨發,鄰中可測。
一卦のうちにもし両爻とも官鬼あらば、便ち「単」「拆」の両種の爻象を以て分別す。単は陽を為し是れ男、拆は陰を為し是れ女。もし忽然としてただ一爻のみ独発すれば、あの賊は便ち左隣右舎の中に在り、此に拠りて推測し出す可し。
卦有兩爻鬼者,以單拆分取之。六爻中一爻獨發,亦可取父母為老,子孫為幼,兄弟為男,妻財為女,官鬼橫惡,占賊過犯人。
卦中に両爻官鬼あるは、単・拆を用いて分別して取断す。六爻裏にただ一爻のみ独発あるも、またそれに拠りて象を取る可し。父母は年老の人を代表し、子孫は年幼の人を代表し、兄弟は男子を代表し、妻財は女子を代表し、官鬼は凶横にして悪を作す人を代表す――賊を占う時は、指すは前科ある犯人なり。
或問:若有兩爻,可別單拆,如何別之?曰:一卦兩爻鬼,以單為陽人,拆為陰人。如俱為拆,只是陰人,鬼化鬼,乃過犯人也。
人が問うていう。両爻の鬼ありて単・拆を以て分別すべしというが、いったいどう分つるか。答えていう。一卦裏に両爻鬼あるは、単は陽人、拆は陰人なり。もし両爻皆拆ならば、あれは便ち純に女人の為す所なり。鬼がまた鬼を変出し来たるは、便ち犯過の前科ある人なり。
以應爻為主,財為財,鬼為鬼,出現最急,旁爻為次。凡財出現於五爻之下,不動可見。 非鬼為賊,獨發爻亦可取,若有鬼為賊,更取日干為主,分辨老少。
賊を断ずるは応爻をもって主と為し、財爻は便ち失物と作りて看、鬼爻は便ち賊人と作りて看る。この両様が卦面に出現するが最も緊要、旁爻の上のは次の一等なり。およそ財爻が第五爻以下に出現してまた動かざるは、物は尋ね見るべし。もし卦中に併せて鬼なくして賊と作すべきなければ、則ち独発の爻を取りて推す。もし鬼ありて賊と作すべきあらば、便ち再び日干を取りて主と為し、此に拠りて賊の是れ老か少かを分弁す。
凡占六畜,只以子孫為用,父母動則休矣。 凡失物專看財爻,本象要旺相不空不動,可見;如財爻空了、動了,是出屋也。更無氣決不可見。
およそ走失の六畜を占うは、ただ子孫爻を以て用神と為す。父母爻が一たび発動すれば、子孫は剋を受け、便ち指望なし。およそ失物を占うは、専ら財爻を看る。この一爻の本象は旺相にして、落空せず、発動せざるを要して、物乃ち尋ね見るべし。もし財爻が空に落ち、また動を発したれば、物は已に屋子を出でたり。もしさらに加うるに無気ならば、あれは便ち断然として尋ね帰る能わず。
官鬼為賊,子孫為捕捉,兄弟為眾,父母為衣服、文書,財為失物。 如子孫旺相,其賊必獲:子孫無氣或空,難獲。鬼爻空,決尋不見。 六爻無鬼安靜,非賊偷去,乃自失也。
各爻の分工は、官鬼は賊人を代表し、子孫は緝捕の差役を代表し、兄弟は同伙の衆人を代表し、父母は衣物と文書とを代表し、妻財は所失の財物を代表す。子孫爻の旺相のは、この賊は必ず捉え得べし。子孫が無気あるいは落空のは、捉え難し。官鬼爻の落空のは、物は一定に尋ね見えず。もし六爻のうち根本より官鬼無く全卦また安静ならば、あれは則ち賊に偷り去られたるに非ずして、自己の遺失したるなり。
財在內卦安靜,旺相,物不失,必在家中;內外俱有鬼,偷與外人;鬼克世爻,主驀然揞見賊贓;鬼刑世,主賊再來,必有所損,宜防之。財化鬼,婦人為賊;子化鬼,小兒或出家(人)偷盜;鬼化鬼,過犯人拿;父化鬼,掌文書或老人為盜;兄化鬼,相識昆仲為盜,有多伴。
財爻が内卦に安静にしてまた旺相のは、物は併せて丟せず、必ずなお家中に在り。内卦・外卦ともに官鬼あるは、是れ家裏の人が外人と勾結して偷り去り了れり。官鬼の来たって世爻を剋するは、汝が突然に賊賍に撞見せんを主る。官鬼が世爻を刑するは、賊はなお再び来るを主り、必ずなお損失あるべし、応に預め提防すべし。財爻が官鬼を変出するは、是れ婦人の賊を為すなり。子孫が官鬼を変出するは、是れ小孩子あるいは出家人の偷みしなり。官鬼がまた官鬼を変出するは、是れ前科ある人の手を下したるなり。父母が官鬼を変出するは、是れ文書を掌管する人あるいは老年人の賊を為すなり。兄弟が官鬼を変出するは、是れ相識の兄弟輩の賊を為すにして、しかも同伙は一人に止まらず。
38.鬼神を占う
休囚為鬼,旺相為神;本象家親,他宮外人。
鬼神の作祟を占うに、同じ一爻でも、休囚無気なれば便ち「鬼」と当たりて看、旺相有気なれば便ち「神」と当たりて看る。本宮の爻象の上に現出するは、自家の先亡の親属。別宮の飛爻の上に現出するは、外姓・外人の鬼神なり。
(1)六爻定體: 六爻 公婆 家親 佛道 五爻 父母 口願 土神 四爻 叔伯 土神 半天 三爻 兄弟 門戶 境神 二爻 夫妻 土地 家神 初爻 小口 灶君 司命
第一、六つの爻位に按じて犯する者の本体を定む。上六爻は公婆・家中の先亡の親人・仏道の神を主る。第五爻は父母・許し下して未だ還さざる口願・土神を主る。第四爻は叔伯・土神・半天の神を主る。第三爻は兄弟・門戸の神・一方の境主を主る。第二爻は夫妻・土地の神・家宅の神を主る。初爻は家中の幼小・竈君・司命の神を主る。官鬼がどの一爻の上に現るやに照らして、この欄に就きて犯する所の対象を取る。
(2)五行鬼: 金木,橫死;土,時疫;火,勞血;水,落水。
第二、官鬼の五行に按じて死法を分つ。鬼が金に属し木に属するは、横死の鬼を主る。土に属するは、時疫・瘟病にして死したるを主る。火に属するは、労瘵・血を吐きて死したるを主る。水に属するは、水に落ちて淹れ死したるを主る。
(3)八純卦: 艮,五聖;震,天神;巽,木神;離,火神;乾,功德;坤,家將;坎,落水;兌,口願。
第三、八純卦に按じて奉ずる所の神を分つ。艮卦は五聖を主り、震卦は天神を主り、巽卦は木神を主り、離卦は火神を主り、乾卦は功徳を主り、坤卦は家将を主り、坎卦は落水の鬼を主り、兌卦は許し下したる口願を主る。
(4)五鄉獨發,剋日克世取之,各有兩義: 父母家先,子孫小兒,妻財婦婢,兄弟陽人,官鬼橫惡,以上隨爻。
第四、父母・子孫・妻財・兄弟・官鬼のこの五郷の中のどの一爻が独発するかを看る。しかもこの一爻は能く日辰を剋し世爻を剋するを要して、乃ち取りて祟を断ず。毎一様は各々两重の意思を含む。父母は先亡の家長を主り、子孫は夭折の小児を主り、妻財は婦人と婢女とを主り、兄弟は同輩の陽人を主り、官鬼は凶横にして悪を作す鬼を主る。以上の各条は、みなあの独発の爻に随いて取る。
或問:本象家先,他官外人,何也?答曰:本象鬼動是家親,旁爻鬼動是外人。假如乾卦壬午鬼動是家親;大有卦己巳鬼動,是外人也。
人が問うていう。本象は家中の先亡、他宮は外人というは、これどう講ずるか。答えていう。本宮の鬼爻の発動は、自家の親人の鬼なり。旁爻の鬼の発動は、外姓・外人の鬼なり。譬えば乾卦中に壬午の官鬼が発動すれば、壬午はもと乾宮の親爻、あれは便ち家親なり。而も火天大有卦中に己巳の官鬼が発動すれば、己巳は離体の上の旁爻、あれは便ち外人なり。
問:土鬼何也?曰:此乃當處靈驗之鬼,俗謂之神者也,旺相為神,休囚為鬼,動爻克世剋日,亦可取祟。
人が問うていう。何を「土鬼」という。答えていう。これは当地の霊験ある鬼で、俗人は便ちそれを称して神と作す。それが旺相の時は即ち神で、休囚の時は即ち鬼なり。ただ動爻が世爻を剋し日辰を剋せば、またそれを取りて祟を断ずる可し。
《易林》云:察禍推其鬼處,還將身配六親,相剋招生,便見禍之端的。
《易林》にいう。禍事を察明せんと要するは、まず鬼のどの処に落つるかを推尋し、再び卦身を把りて六親と配して一同に看る。相剋と相生の処より眼を著ければ、禍事の確実なる来路は便ち看り出し得べし。
附:六神
青龍:善惡、經文、蘸祀、廟香。無氣帶刑,自縊死。 朱雀:花幡、口願、符命、灶神。無氣帶刑,勞死鬼。 勾陳:天曹、勅士。無氣帶刑,黃病路死鬼。 螣蛇:夜夢、驚恐、上許下保福。無氣帶刑,夜夢見鬼。 白虎:金劉神、作犯白虎、刀傷鬼。無氣帶刑,刀傷鬼。 玄武:上真、北陰神。無氣帶刑,落水陰鬼。
青龍の主る所は善悪の因果・経文・醮祀と廟中の香火。青龍が無気にしてまた刑を帯びるは、自縊して身を亡ぼすの鬼を主る。朱雀の主る所は花幡・許し下したる口願・符籙・敕命と竈神。無気にして刑を帯びるは、労瘵にして死するの鬼を主る。勾陳の主る所は天曹と敕封の神吏。無気にして刑を帯びるは、黄病を害して路上に死する鬼を主る。螣蛇の主る所は夜間の夢魘・驚恐・上に向かって願を許し下に向かって福を保するの事。無気にして刑を帯びるは、夜裏夢中に鬼を見るを主る。白虎の主る所は金劉の神・白虎を冲犯する・刀傷の鬼。無気にして刑を帯びるも、これも刀傷の鬼なり。玄武の主る所は上真の神と北方の陰神。無気にして刑を帯びるは、水に落ちて死したる陰鬼を主る。
凡祭賽有三,如祀上帝,即取藏爻中鬼神祗,當用月建;神堂家廟,當用日辰。皆要生合卦身,不宜刑沖,亦不要動爻克害刑沖。如合生,福利而吉;若帶刑沖,反招禍。卦爻中鬼自化入墓,必有不了再牽之患。
およそ祭祀して神に酬ゆるに三等の分別あり。もし祭るが上帝の一類の至尊ならば、便ち蔵爻の中の鬼神祇を取り、応に月建を以て看るべし。もし是れ家中の神堂・宗廟の祭祀ならば、応に日辰を以て看るべし。どの一等なるを問わず、みな月建あるいは日辰が卦身を生合するを要し、刑冲を宜しとせず、また動爻の来たって剋し害し刑し冲するを許さず。もし相合相生する能くば、祭祀は便ち福利を得て吉。もし刑冲を帯びれば、かえって禍事を招来す。卦爻中の鬼が自ら変化して墓庫に入るは、必定にまだ了結せず、日後再び来たって牽纏する禍患あるなり。
39.詞訟を占う
舉訟興詞,要官有氣;若是被論,休囚卻利。
主動に状を告げて訟を興すは、官鬼爻に気あるを要し、官が旺にして乃ち相手方を圧し得。もし是れ人に告げられ被論の地位に処するは、官鬼はかえって休囚無気を以て有利と為し、官が弱ければ則ち自己の罪責は軽し。
凡下狀論人,官爻旺相出現,必贏;若占被論,官爻休囚,鬼爻持應,世爻克應,子孫持世,反得理,吉。若代占人坐獄,忌世下坐鬼,鬼墓持世,凶。但鬼爻動,便不可與人爭,財動折理,亦不可訟。
およそ自己が状紙を遞して人を告ぐるは、官爻が旺相にして卦面に出現すれば、必定に打ち贏つ。もし自己の人に告げられたるを占うは、則ち官爻の休囚を要し、官鬼が応爻の上に持ち、世爻が去りて応爻を剋し、子孫が世を持つ――このごとくはかえって理に占め住むを得、是れ吉なり。もし人に替わりて牢に坐する事を占うは、世爻の下に官鬼が坐するを忌み、また鬼の墓庫が世を持するをも忌む。この両様は皆凶なり。総じてただ鬼爻の発動すれば、便ち人と争訟すべからず。財爻の発動は自己の理に亏るを主り、また訟を興すべからず。
或問:代人占坐獄,忌世下坐鬼,代占看應,何故反看世也? 答曰:此理最微,人所不測,宜,於是疑,唯世下坐鬼便去沖應合應,故主離脫,汝若不信,請以六十四卦取之。
人が問うていう。人に替わりて牢に坐するを占うに、世爻の下に鬼が坐するを忌むという。しかるに人に替わりて占うは本当に応爻を看るべきに、なぜかえって世爻を看るに往くか。答えていう。この道理は最も精微にして、一般人の揣摩し到るに非ず、汝のここに疑を生ずるも怪しむに足らず。ただ世爻の下に一旦鬼が坐すれば、この鬼は便ち去りて応を冲し応を合す。一冲一合の間に人は便ち身を脱するが故に、かえって牢獄を脱離するを主る。汝もし信ぜずんば、請う六十四卦を逐一に取り来たりて験看せよ。
又問:如何財動折理?曰:財為理,財動便主理虧,蓋財能傷文書,文書既被傷,安得有理?
また問うていう。なぜ財爻が一たび動けば便ち理に亏るを主るか。答えていう。ここは財爻を以て「理」を代表す。しかるに財が一たび動けばかえって理に亏るを主る。財は能く父母・文書を剋傷し、状紙・公文は既に傷を受けたれば、どこにかなお理に立ち住むを得んや。
又問:財化財如何?曰:雖有理而不勝。 問:官化官如何?曰:推移主有詐偽事在後。 問:父化父如何?曰:事重迭,遲遲未決。 問:子化子如何?曰:主幹連小口。 問:兄化兄如何?曰:主對頭爭執。
また問うていう。財爻が財爻を変出するはどうか。答えていう。道理ありと雖も打ち贏つ能わず。また問うていう。官鬼が官鬼を変出するはどうか。答えていう。案子は幾経て推移し、後頭になお詐偽の事あり。また問うていう。父母が父母を変出するはどうか。答えていう。事は重重畳畳にして遅遅として判じ下らず。また問うていう。子孫が子孫を変出するはどうか。答えていう。家中の小孩に牽連するを主る。また問うていう。兄弟が兄弟を変出するはどうか。答えていう。対頭と当面して争執して休まざるを主る。
凡外有客鬼持世,主必遭虧,更有罪名;父動克世,因勾惹之事,世空自散宜和解,應空詞訟沒期程。
およそ外卦の上に客鬼ありて世を持するは、本人は必定に亏を喫し、さらに罪名を落さん。父母爻が発動して来たって世を剋するは、是れ人に勾連して牽惹せられて訟に渉るに因る。世爻の落空するは、事は自ら散去せん、和解に宜し。応爻の落空するは、此の場の官司は了結するの期限なし。
見世持鬼、鬼動入墓,卦中無財,必在獄中死。 凡卦爻變鬼,刑沖家身世,主徒流之罪。
もし世爻が官鬼を持するを見るに、この鬼が一たび動きてまた墓庫に入り、卦中に偏にまた財爻なくして救応なければ、此人は必定に獄中に死せん。およそ卦爻が官鬼を変出し来たりて、本家の卦身と世爻とを刑冲するは、主として徒刑・流放の罪を判ぜらるべし。
如金又是鬼,刑剋身世,化死墓絕,必主死罪官事。不宜官鬼動,動則看來生合沖剋世應,以定彼此吉凶。
如果し変出の鬼がまた金に属し、来たって卦身と世爻とを刑剋し、しかも死・墓・絶の地に変入するは、あれは必定に死罪を判ずるの重案なり。官鬼は総じて動かざるを以て宜しと為す。一旦動けば、便ちそれが是れ来たって生合するか是れ来たって冲剋するか世爻・応爻を看て、此に拠りて我が方と相手方との是れ吉か是れ凶かを判定す。
40.脱事・散憂を占う
脫事散憂,子孫旺相;世動自消,不成凶象。
身に纏む事を脱け開き、心頭の憂を散ずるを要するは、全く子孫爻の旺相に仗り恃む。子孫はまさに解憂の神なればなり。世爻が自ら発動するも、事はまた自ら消解して、凶象を成さず。
凡占脫事散憂,要子孫旺相出現,或子孫獨發,世爻動亦自散。忌應爻克世,鬼爻旺相,獨發凶。
およそ事端を摆脱し憂愁を消散するを占うは、子孫が旺相にして卦面に出現するを要し、あるいは子孫の独発するを要す。世爻の発動するも、事はまた自ら散け開かん。応爻の来たって世を剋するを忌み、また官鬼の旺相をも忌む。官鬼がもしなお独り発動するは、あれは便ち凶なり。
或問:世動自消,不成凶象,何也?答曰:只是世動,我可脫,如財動,利乾貨之義。
人が問うていう。世爻が一たび動けば事は自ら消えて凶象を成さずというは、これ何の道理ぞ。答えていう。ただ世爻が動けば、我自己は便ち身を脱する能し。まさに財爻が一たび動けば便ち貨物を脱手するに利するがごとく、動きて乃ち走り開くを得るなり。
又問:世動出官鬼,如何?曰:世動只是遲滯難脫,主亦無事,若占論何日出禁?須要得日辰沖散六害,方出。如世爻持未,得丑爻動,或日辰是丑,當是丑日出獄也。身爻世爻被太歲沖、生、合,有赦也。
また問うていう。世爻が発動して却って官鬼を変出し来たるは、またどうか。答えていう。あれは不過遅滯して脱し難きのみ、終究もまた大事なし。もしどの一日に出獄開釋するを占わんと要すれば、須く日辰が六害を冲散するを俟ちて、人乃ち出で来るを得。譬えば世爻が未を持ちて、丑爻の発動を得、あるいは日辰がまさに丑ならば、丑未は相冲すれば、応に丑日に出獄するに当たるべし。もし卦身・世爻が太歳に冲せられ生ぜられ合せらるるは、あれは大赦に逢うの象なり。
假令有人占推役與人,要世空,子托獨發,旺相,又要官鬼空,或官入墓絕,應持鬼好。若世生官凶,難脫破財,官鬼動化出,同。
譬えば人ありて差役を別人に推して当たらしめんことを占うに、世爻の落空を要し、子孫の独発にしてしかも旺相を要し、さらに官鬼の落空するを要し、あるいは官鬼が墓地・絶地に落ち入るを要す。応爻の上に鬼を持するは最上――差事は皆相手方に帰す。もし世爻がかえって去りて官を生ずれば、あれは便ち凶にして、差役は脱け得ずさらに財を破らん。官鬼が発動して別の爻を変出するも、情形は一様なり。
且如疑一人阻我事,要占是他否?專看應爻持財,子父並安靜,不是,空亦然;應是官鬼,或化出兄弟,是此人也。
再び比べるに、或る人の中より我が事を阻撓するを疑心して、いったい是れ彼なるか否かを占わんと要するは、専ら応爻を看る。応爻が財爻を持ちて、而も子孫・父母が皆安静ならば、あれは便ち彼に非ず。応爻の落空するもまた彼に非ず。もし応爻が官鬼なり、あるいは兄弟を変出し来たるは、あれは便ちまさにこの人なり。
41.疾病を占う
凡占疾病,應藥世身;若坐墓鬼,病主昏沉。
およそ疾病を占うは、応爻を以て服する所の薬を代表し、世爻を以て病人自身を代表す。もし世爻が墓庫の上に坐し、また官鬼の上に坐すれば、病人は便ち神志昏沉にして人事を省らず。
封有三墓:宮基、鬼墓,以世為身,忌生鬼爻。本宮墓鬼得之者,主自身合災,暴病未可,久病必死。
一卦のうちに三種の墓あり。ここには先ず本宮の墓と鬼墓の両様を挙ぐ(なお一種の財墓あり、下文に見ゆ)。病を占うは世爻を以て病人本身を代表し、それが去りて官鬼爻を生ずるを忌む。もし世爻が恰恰として本宮の墓に坐し、また鬼に坐すれば、あれは便ち本人の災に当たる合当を主る。突然に得たる急病は一時好し難く、拖り久しき旧病は必定に死せん。
以應為藥,忌坐鬼爻,旺相凶。本宮墓鬼得之,主無藥,服藥不效,大怕申酉爻持世,占病重大忌,木爻獨發,鬼爻旺相、伏世下,旺又動克世。
応爻を以て薬を代表し、応爻が鬼の上に坐するを忌む。鬼がさらに旺相なれば便ち凶なり。世爻がもし得たるが本宮の墓鬼なれば、症に対する薬なきを主り、薬を喫するも効あらず。病を占うに最も怕るるは申爻・酉爻の世を持するなり。これは重大の忌諱なり。また木爻の独発をも忌み、また官鬼の旺相にして世爻の下に伏し、あるいは官鬼が既に旺にしてまた発動して来たって世を剋するをも忌む。
或問:卦有三墓,何謂三墓?答曰:如天風姤卦,旁爻丑持世,乾宮屬金墓在丑,此是宮墓。如中孚封,世持辛未,艮官屬土,以寅木為鬼,木墓在未,此是鬼墓。如泰卦,甲辰持世,坤宮屬土,以亥水為財,水墓在辰,此是財墓。
人が問うていう。卦に三墓ありというが、いったいどの三墓ぞ。答えていう。譬えば天風姤卦、旁爻の辛丑が世を持ち、姤卦は乾宮に属し、乾宮の五行は金に属し、金の墓庫は丑に在り。これすなわち「宮墓」なり。また風沢中孚卦のごときは、世爻が辛未を持ち、中孚は艮宮に属し、艮宮の五行は土に属し、土を剋する寅木は便ち官鬼にして、木の墓庫は未に在り。これすなわち「鬼墓」なり。再び地天泰卦のごときは、甲辰が世を持ち、泰卦は坤宮に属し、坤宮は土に属し、土の剋する所の亥水は便ち妻財にして、水の墓庫は辰に在り。これすなわち「財墓」なり。
問:何謂得之?曰:得之者,世爻上逢之也。世為我身也,凡墓爻故主自身合災也。暴病未可者,墓滯也,故未可。久病必死者,病久氣衰,而又入墓,豈得不死?
また問うていう。何を「之を得る」という。答えていう。いわゆる之を得るは、世爻の上にまさにこの墓に逢うを指す。世爻はすなわち我が自身、世の上に一たび墓爻に坐すれば、ゆえに本人の災に当たる合当を主る。急病は一時好し難しというは、墓は停滞を主り、気機が一たび滞れば便ち驟かに愈ゆる能わざればなり。久病は必定に死せんというは、病の得たること久しければ元気はもと已に衰敗し、いままた墓庫に入れば、怎むぞ死せざるを得んや。
又問:何不言財墓?曰:財墓吉兆,故以財言之,若占婦人,逢此須大忌。
また問うていう。なぜ単に財墓を説かざるか。答えていう。財墓はもとは吉兆なれば、ゆえにただ財のこの一面に就きてそれを講ずるのみ。ただしもし占う所が婦人の病ならば、婦人は財を以て用神と為し、財墓に逢えば必ず大いに忌諱するを要す。
又問:鬼爻旺相伏世下何也?曰:世為我身,鬼伏世下,是病隨我,所以忌之。
また問うていう。なぜ官鬼の旺相にして世爻の下に伏するを忌むか。答えていう。世爻はすなわち我が自身、鬼が世爻の下に伏するは、病の我が身に緊く跟いて走るに等し。ゆえにそれを忌むを要す。
看鬼伏何爻下,於金木水火土分辨之,伏父母,憂心得,或動土得,或往修造處得。鬼伏兄弟動,失飢傷飽得,或因口舌氣上得。鬼伏子孫動,因牽惹得,或欲事太過得。鬼伏財,飲食得,或買物件得。官鬼出現,驚恐怪異,或寺觀宙宇中得。
この病が怎生に得たるかを推するを要するは、官鬼がどの一爻の下に伏するかを看て、さらに金木水火土に按じて分弁す。鬼が父母の下に伏するは、是れ憂思労心して得たるか、あるいは土木を動かして得たるか、あるいは修造の工地の上に到りて得たるなり。鬼が兄弟の下に伏して兄弟が発動するは、是れ飢えたり飽いたりして脾胃を傷りて得たるか、あるいは口角に因りて気を生じて得たるなり。鬼が子孫の下に伏して子孫が発動するは、是れ人に牽連して惹き被けたるか、あるいは房事の太過に得たるなり。鬼が妻財の下に伏するは、是れ飲食の上に得たるか、あるいは物を買いて帯び帰りたるなり。官鬼が直接に卦面に出現するは、是れ驚恐を受け怪异に撞うて得たるか、あるいは寺観・廟宇の中に於いて得たるなり。
土下伏土,瘡腫;火下火,手足;金見金,悶亂;木下木,寒熱;水下水,冷疾;金下火,喘滿;陽宮財動主吐;陰宮財動主瀉。鬼爻現外,金鬼爻伏裡,主心腹病。鬼在內地,下受病。鬼在外動,上受病。用爻同。
さらに飛伏両爻の五行の相配を看る。土爻の下に土が伏するは、瘡瘍腫毒を主る。火の下に火が伏するは、病は手足に在り。金の下に金を見るは、胸中の煩悶昏乱を主る。木の下に木が伏するは、忽ち寒く忽ち熱するを主る。水の下に水が伏するは、寒冷の疾を主る。金の下に火が伏するは、気喘脹満を主る。陽宮の財爻の発動するは、嘔吐を主る。陰宮の財爻の発動するは、泄瀉を主る。官鬼が外卦に現れて金鬼が内卦に伏するは、心腹の病を主る。鬼が内卦に在れば、病は下部より起こる。鬼が外卦に発動すれば、病は上部より起こる。用神の在る所の位置も、またこのごとく照らして推す。
土動主瀉,木動發寒,金動四肢或滿悶,火動發熱。木主足,金主頭、土主胸腹,火主手目,水主耳腎。飛伏俱旺相,飛為化因,以伏為受病。又世為動爻,在內下受病,應為動爻,在外上受病,間爻動,主胸膈病症。
さらに動爻の五行に按じて症候を看る。土爻の動は泄瀉を主り、木爻の動は寒を発するを主り、金爻の動は四肢の不適あるいは胸中の満悶を主り、火爻の動は熱を発するを主る。部位に按じて分かつれば、木は両足を主り、金は頭部を主り、土は胸腹を主り、火は手と眼目とを主り、水は耳と腎とを主る。飛爻・伏爻ともに旺相のは、飛爻は病を致すの外縁にして、伏爻こそ真に病を受けし処なり。この外、世爻がもし動爻ならば、病は内に在り下部に在り。応爻がもし動爻ならば、病は外に在り上部に在り。間爻の発動するは、胸膈の間の病症を主る。
《易鏡》云:且如長男受病,宜純震之不搖,小女染病,則兌卦之不動。大忌申酉持世,木爻獨發者,申為喪車,酉為喪服,木為棺槨耳。
《易鏡》にいう。譬えば長男が病を得るに、純震卦を得て六爻搖らざるを宜しとす。少女が病に染まるは、則ち兌卦を得て安静不動を宜しとす――震は長男を為し、兌は少女を為し、本命の卦が安静なれば、病は変を生ずるに至らず。病を占うに最も忌むは申爻・酉爻が世を持ちて木爻が独発するなり。申は是れ喪車、酉は是れ喪服、木は是れ棺槨、三様が湊り斉うは、まさに死亡の象なればなり。
42.病の官鬼を忌む
以財為祿,以鬼為祟;鬼爻旺相,獨發大忌。
病を占う時は、妻財爻を以て飲食・禄養を代表し、官鬼爻を以て祟を作すの病邪を代表す。官鬼の旺相はもと已に好からず、それがもしなお独り発動するは、あれはさらに大忌なり。
凡占婦人病,喜子孫旺相,持世,安靜;忌財伏鬼下,兄弟持世,兄弟獨發。世克應,內克外,主吐;應克世,外克內,主瀉。
およそ婦人の病を占うは、子孫爻の旺相にして世を持ちしかも安静なるを喜ぶ。子孫は能く官鬼を剋制すればなり。財爻の鬼下に伏するを忌み、兄弟の持世を忌み、兄弟の独発を忌む。世爻が応爻を剋し内卦が外卦を剋するは、嘔吐を主る。応爻が世爻を剋し外卦が内卦を剋するは、泄瀉を主る。
或問:婦人病占喜子孫旺相、世安何也?答曰:此即用財以子孫輔之義。忌財伏鬼、兄弟持世,即用財伏兄之義。
人が問うていう。婦人の病を占うに、なぜ子孫の旺相・世爻の安静を喜ぶか。答えていう。婦人は財を以て用神と為す。これまさに前面に説ける「妻財を用いるは子孫を以て之を輔く」の道理なり。財の鬼下に伏するを忌み兄弟の持世を忌むに至っては、あれはまさに「用財の兄に伏す」一章の道理なり。
又問:內克外何故主吐?曰:內為腹、外為口也,外克內主瀉。
また問うていう。内卦が外卦を剋するはなぜ嘔吐を主るか。答えていう。内卦は是れ腹、外卦は是れ口、腹中の気が上に冲して口に至るがゆえに吐く。反って外卦が内卦を剋するは、気は自ら上より下に向かって圧すがゆえに泄瀉を主る。
43.病の父・兄を忌む
主爻伏鬼,或伏兄弟;或伏父母,旺相大忌。
病を占う時は、病人を代表する主爻がもし官鬼の下に伏し、あるいは兄弟の下に伏し、あるいは父母の下に伏する、この三様は皆好からず。それを圧するあの一爻がもしなお旺相なれば、さらに大忌なり。
亂動之卦,只取主爻,大抵休囚、伏兄弟、父母、官鬼之下,克世者死。蓋兄無食,父母無藥,官鬼真病。凡得八純、游魂卦,病者決主沉重,占小兒主死。
六爻の乱動の卦は、ただ病人を代表する主爻を取りて断ず。大抵主爻が休囚にして、また兄弟・父母・官鬼の三者の下に伏し、而もこの幾爻がなお来たって世を剋するは、病人は死せん。伏するに兄弟の下なれば便ち飯を喫し進む能わず、父母の下なれば便ち医すべき薬なく、官鬼の下なれば則ちあの病邪の本身がまさに真の病なればなり。およそ八純卦・游魂卦を揚得するは、病人は一定に沈重。小児の病を占うは、死を主る。
或問:主爻伏鬼,伏兄、伏父之下?曰:此即財伏兄,財伏父母,官伏兄之義,舉一隅,則三隅反矣。
人が問うていう。主爻が鬼下に伏し兄下に伏し父下に伏するは、どう講ずべきか。答えていう。これまさに前面の「財の兄に伏す」「財の父母に伏す」「官の兄に伏す」の幾章の道理なり。一角を挙げ出せば、其余の三角は応に反推し出すべし、別に新説を立つるに及ばず。
又問:八純、游魂、歸魂卦,占病沉重,占小兒主死,何也?曰:此三卦,世持父母,官鬼,兄弟,或子孫伏父母下,占大人病重,占小兒病死。
また問うていう。八純・游魂・帰魂のこの三種の卦は、病を占うに沈重を主り小児を占うに死を主るは、何の縁故ぞ。答えていう。この三種の卦裏は、世爻は多半に父母・官鬼あるいは兄弟を持ち、あるいは子孫がまさに父母の下に伏す。このごときは大人を占えば便ち病重く、小児を占えば便ち病死す。
44.医薬を占う
以應為醫,以子為藥;鬼爻旺相,大忌獨發。
医薬を占うは、応爻を以て医生を代表し、子孫爻を以て薬物を代表す――子孫は鬼を剋するの神にして、まさに薬の能く病を治するの義に合す。官鬼の旺相は便ち凶、それがもしなお独り発動するは、あれは大忌なり。
夫卦之疾病,以用為主,以鬼為病。
およそ卦中に疾病を占うは、皆用神を以て主体と為し、官鬼を以て病邪と為す。
金鬼,肺腑疾、喘嗽、氣急、虛怯、瘦瘠、或瘡疥、血光,或筋骨病。 木鬼,四肢不遂。肝膽主病、右瘓左癱、口眼歪斜。 水鬼,沉塞、痼冷、腰痛、腎氣淋瀝、遺精、白濁、吐瀉。 火鬼,頭痛發熱、心胸焦渴、加朱雀狂言譫語、陽症、傷寒、嗝逆。 土鬼,脾胃發脹;黃腫虛浮、瘟疫時氣。
官鬼が金に属するは、肺腑の疾・気喘咳嗽・呼吸急促・身体虚怯・形容瘦瘠を主り、あるいは瘡疥・血光、あるいは筋骨の毛病を主る。官鬼が木に属するは、四肢の行動する能わざるを主り、病は肝胆に在り、右辺癱瘓して左辺偏枯し、口眼は歪斜す。官鬼が水に属するは、気機の沈塞・久寒痼冷・腰痛・腎気の淋瀝にして暢ならず・遺精・白濁・上吐下瀉を主る。官鬼が火に属するは、頭痛・発熱・心胸の焦渇を主る。さらに加うるに朱雀あれば、便ち狂言・譫語あり、陽症・傷寒・呃逆の一路に属す。官鬼が土に属するは、脾胃の脹満・面目の黄腫虚浮・瘟疫時気を主る。
凡占病,必察用爻,占父母,必要父母有氣。縱遇凶卦,但主沉重,不致喪亡,若用爻空亡及不上卦,更逢凶殺,決主不起。用爻無氣,若得旁爻動來生扶,此同生旺,決無咎處。若凶殺臨父母,或父母空,便可言雙親有病,諸爻皆然。
およそ病を占うは、必ず用神を審察するを要す。父母の病を占うは、必ず父母爻に気あるを要す。このごときはたとえ凶卦に遇上するも、不過病勢の沈重なるのみ、命を喪うに至らず。もし用神が空亡に落ちあるいは根本より卦に上らず、また凶煞に逢えば、あれは必定に床を起く能わず。用神は無気なりと雖も、ただ旁爻の発動して来たってそれを生扶するを得能くば、便ち自身の生旺と一様にして、決して妨げなし。もし凶煞が父母爻の上に臨み、あるいは父母爻が落空すれば、便ち双親に病あるを断ずべし。其余の各爻の代表する所の人は、皆この办法に照らして推す。
鬼爻持世,沉重,絕日輕可。鬼化鬼,其病進退,或有變病,或舊病再發,或症候駁雜,一卦二鬼亦然。鬼爻持世,病難除根,鬼帶殺持世,為瘵病難脫體,乃養老病矣。
官鬼が世を持するは、病勢は沈重にして、鬼爻が絶に入るの日を待ちて乃ち軽しと見る。官鬼が官鬼を変出するは、病情は時に進み時に退き、あるいは転じて別の病と為し、あるいは旧病が復発し、あるいは幾種の症候が夾雑して清からず。一卦のうちに两重の官鬼が出現するも、情形は一様なり。官鬼が世を持するは、病は根を除き難し。官鬼が凶煞を帯びて世を持するは、あれは労瘵の一類の身を脱し得ざる病にして、ただ終身将養するの痼疾と作して看るのみ。
青龍臨用爻或福德爻,其病雖重終可療。青龍空亡卦無吉解,病凶。 白虎臨父母當損,若值財上妻遭傷。子孫際遇終成否,兄弟逢之亦不昌。更並官爻臨世上,自身須忌有災殃。
青龍が用神あるいは福徳・子孫爻の上に臨むは、病は沈重なりと雖も、終究医し好し得。青龍が空亡に落ち、卦中また別の吉神なくして解救なければ、病は便ち兇険なり。白虎が父母爻の上に臨むは、双親は応に損傷有るべし。もし財爻の上に臨めば、妻子は傷害を遭わんと要す。子孫爻の上にそれに遇うは、孩子は終帰順ならず。兄弟爻の上にそれに遇うは、兄弟もまた昌吉ならず。白虎がもしさらに官爻と一同に臨みて世爻の上に到れば、自身は便ち災殃あらんを隄防するを要す。
金鬼不宜針,木鬼不宜草木,水鬼不宜湯飲湯洗之類,火鬼不宜灸熨,土鬼不宜服丸藥。 金鬼可炙,木鬼藥方,火鬼帶服鬼劑,水鬼宜服熱劑,土鬼宜服木藥。 金鬼利南方,木鬼利西方,水鬼利土值,火鬼利北方,土鬼利東方求請醫者。
官鬼の五行に按じて治法の忌と宜とを定む。金鬼は針を用いるに宜しからず、木鬼は草木の剤を用いるに宜しからず、水鬼は湯飲・湯洗の一類を用いるに宜しからず、火鬼は艾灸・火熨を用いるに宜しからず、土鬼は丸薬を服するに宜しからず。反って説けば、金鬼は灸を用いる可し、木鬼は薬方・湯剤に宜しく、火鬼は火を剋するの剤を帯服するに宜しく、水鬼は温熱の剤を服するに宜しく、土鬼は木類の薬を服するに宜し。医生を請うの方位もまた各々利する所有り。金鬼は南方に往きて請うに利し、木鬼は西方に往きて請うに利し、水鬼は土に属するの方位に往きて請うに利し、火鬼は北方に往きて請うに利し、土鬼は東方に往きて請うに利し。
又,丑鬼不可(食)牛肉,未子孫當食羊。 鬼爻在內,病自內生,鬼又在外,災自外至。火鬼必在南方;金鬼必在西方,道路生災,又為主胸,金鬼則病在肺家,逢火作膿,見木生風,遇蛇虛悶。
另外、鬼爻が丑なるは牛肉を喫する可からず、丑は牛に属すればなり。子孫爻が未なるは便ち応に羊肉を喫すべし、未は羊に属し、子孫は福神にして、その属する所の物に宜しければなり。鬼爻が内卦に在るは、病は体内より自ら生ず。鬼爻が外卦に在るは、災は外面より招来す。火鬼の応ずる所は必ず南方。金鬼の応ずる所は必ず西方にして、道路上に災を招くを主り、また胸部を主る。金鬼の病は肺家に在り、火の来たって剋するに逢えば便ち膿を化し、木を見れば便ち風気を生じ、螣蛇に遇えば便ち胸中虚悶す。
45.家宅を占う
家宅吉占,專用財福;財旺子空,豈無嗣續。
家宅の吉凶を占うは、専ら妻財と子孫・福徳の両爻を取る。財は家業を主り、福は後代を主る。もし財爻が旺相にして子孫爻が落空すれば、家業は厚しと雖も、後嗣のこの一頭は却って缺口と成る――この一句の反問はまさに人に提醒するなり。一家の人家、怎むぞ香火を承継するの人なからんや。
卦之家宅,專用財福,上卦如無財福,便是平常之宅。無刑沖剋制,有青龍龍德臨宅,乃是大吉之家。以內三爻為家,逢乾強盛,遇坎則陷,逢艮則止,遇震則動,逢巽則搖,遇離則麗,逢坤則靜,遇兌則說。若陽長則吉,陰長則消。
家宅の卦を占うは、専ら財爻と福徳爻とを用ゆ。もし卦面の上に財・福の両様を見ずば、これ便ち一所の平常の宅子なり。宅上に刑冲・剋制なく、また青龍・竜徳ありて宅爻の上に臨めば、あれは便ち大吉の家なり。内三爻を以て家宅本身と為し、それの成す所がどの一卦なるかを看る。乾に逢えば則ち宅気は強盛し、坎に遇えば則ち陥落あり、艮に逢えば則ち止まりて進まず、震に遇えば則ち動盪して寧からず、巽に逢えば則ち搖擺して定まらず、離に遇えば則ち明麗にして光彩あり、坤に逢えば則ち安静し、兌に遇えば則ち和悦す。総じて説けば、陽気の生長するは便ち吉にして、陰気の生長するは便ち消退衰敗す。
以印綬為堂屋,妻財為廚灶,子孫為廊廟,官鬼為前廳,合亦為門,沖乃為路,五為梁拄,上為棟牆。旺相為新,休因為舊,青龍為左,白虎為右,朱雀論前,玄武為後,螣蛇為論中。
家宅の各処の取象は、印綬すなわち父母爻は堂屋を為し、妻財は厨房・竈頭を為し、子孫は廊廡を為し、官鬼は前庁を為す。卦身と相合する爻は門を為し、卦身を冲する爻は道路を為す。第五爻は梁柱を為し、上爻は棟梁・牆垣を為す。爻の旺相なるは是れ新造、爻の休囚なるは是れ旧屋。方位の上は、青龍は左に在り、白虎は右に在り、朱雀は前を主り、玄武は後を主り、螣蛇は中央を主る。
水爻有水,木爻有木,遇艮有山,逢震有路,父母為橋道墳墓,子孫為寺觀廟宇。官鬼旺,則訟庭官族;休囚,則軍匠客墓;妻帶財吉,則富室豪門;伏官則贅夫招婿之家。逢吉生合身世則吉,逢凶刑剋身世則凶。
卦中に水爻あれば、宅辺に水あり。木爻あれば、宅辺に樹木あり。艮卦に遇えば、附近に山あり。震卦に逢えば、附近に路あり。父母爻は橋梁・道路と墳墓とを主り、子孫爻は寺観・廟宇を主る。官鬼の旺相なるは、この家は常に官司を打つ門戸に非ずんば、便ち官を做す人家なり。官鬼の休囚なるは、是れ軍戸・匠戸、あるいは外郷人の墳地なり。妻爻が財を帯びて吉なるは、是れ富室・豪門なり。官鬼が伏して現れざるは、是れ婿養子を招く人家なり。以上のこれらの爻は、吉神に逢いて来たって卦身と世爻とを生合すれば便ち吉、凶神に逢いて来たって卦身と世爻とを刑剋すれば便ち凶。
父母持世承祖居;父母化財,必出贅;財爻空或動,難享現成;父母空或身動,難招遺業。
父母爻が世を持するは、祖上の旧居を承継す。父母爻が財爻を変出するは、此人は必定に出で行きて上門女婿を做さん。財爻が落空あるいは発動するは、現成の家業に享け着かず。父母爻が落空しあるいは卦身が発動するは、祖上の遺留する産業を接ぎ下らんことが能わず。
46.人口を占う
福應生世,為我後裔;兄動財空。斷不可繼。
子孫・福徳爻が応位の上に在りて来たって世爻を生ずるは、是れ我が自家の後代の子孫なり。もし兄弟爻が発動して財爻がまた落空すれば、あれは便ち家業の後に継ぐ人なしと断ず。
卦之人口,陽多則男多、陰多則女多。以父母為家主,以官鬼為丈夫,以妻財為婦人,以子孫為小口,以兄弟為同氣。財動傷尊,父動子憂,子動官傷,官動兄弟愁苦,兄弟獨發又為克妻之兆。
一家の人口を占うは、陽爻の多きは男丁多く、陰爻の多きは女口多し。取象は、父母は一家の主を為し、官鬼は丈夫を為し、妻財は婦人を為し、子孫は小孩を為し、兄弟は同輩の手足を為す。財爻の発動は尊長を傷り、父母の発動は子孫が憂を受け、子孫の発動は官鬼が傷を受け、官鬼の発動は兄弟が愁苦す。兄弟がもし独り発動すれば、また是れ妻を剋するの兆なり。
妻在內則住近,卦有二財,必主兄弟。子在外招遲,爻屬水當主數一。
妻財爻が内卦に在るは、娶るは近処の人家の女子なり。一卦のうちに两重の財爻あるは、家中に必定に兄弟あり。子孫爻が外卦に在るは、子を得ること較べて遅し。爻が水に属するは、水の類数に按じて応に一個を主るべし。
卦無父母,占人壽命弗延,爻無妻財,兄伯貧窮是準,有子孫龍喜而無父母者,具家有遊子,白虎臨,而出僧道巫覡。有財而無官者,錢財必耗散,朱雀臨,而習呼唱賭博。有鬼無子,多怪夢而絕嗣,有鬼無財,主疾病以多端。父祖有官,必逢祿馬貴人;本身有藝,定是親神全木。
卦中に父母爻なきは、人の寿命を占うに長からず。爻中に妻財なきは、兄弟・伯叔の一輩は准定貧窮せん。子孫ありてまた青龍・天喜を帯びて父母なきは、家裏に在外に游蕩して帰らざるの人あり。もし白虎が臨み上れば、この家は僧人・道士あるいは男女の巫覡を出さん。財ありて官鬼なきは、銭財は必定に耗散せん。もし朱雀が臨み上れば、家人は曲を唱え賭博するに慣れたり。鬼ありて子孫なきは、多く怪夢を做ししかも後を絶たんと要す。鬼ありて財なきは、疾病多端を主る。父輩・祖輩の官を做し過ぎたるは、卦中に必ず禄神・駅馬と貴人とに逢う。本人が手藝を身に懐くるは、一定是れ親爻と神煞とが皆木に聚まるなり。木が工巧を主るの故なり。
47.起造・遷移を占う 附:陽宅
起造遷移,財靜人安;鬼發招禍,遷動俱難。
房屋を起造し住処を遷移するを占うは、財爻の安静なるを要し、一家人乃ち安寧ならん。官鬼が一たび発動すれば便ち禍を招き、あの時は動土・興造するも搬遷するも、辦じ成り得難し。
起造移屋,要子孫,財爻旺相,出現持世,忌官鬼、父母、妻、子、兄弟獨發,凶。父母為尊長,兄弟為六親,妻財為妻奴,子孫為鬼女,官鬼為凶殃,以上獨發,論之看克何爻取之。如占住屋居第二爻動,住不久遠。若脫屋求財,利二爻動,官在第二五動,必可脫也,不動難得脫也。
房屋を起造し住処を遷移するは、子孫爻と財爻との旺相を要し、卦面に出現してしかも世を持するを要す。官鬼・父母・妻財・子孫・兄弟の中のどの一様か独り発動するを忌む。独発は皆凶なり。取象は、父母は家中の尊長を為し、兄弟は六親を為し、妻財は妻子・奴僕を為し、子孫は児女を為し、官鬼は凶殃・禍患を為す。以上の諸爻はもし独発せば、便ちそれの剋する所がどの一爻なるかを看て、此に拠りて断を取る。譬えば現住の房子を占うに、第二爻の発動するは、住すること長久ならず。もし房子を脱手して銭に換えんと要すれば、かえって第二爻の発動に利あり。官鬼が第二爻あるいは第五爻に発動するは、房子は必定に脱し出すを得。この両爻動かざれば、便ち脱手し難し。
或問:財靜人安,則動便不安,何也?答曰:蓋父母為宅,財動便克父母,所以不安也。
人が問うていう。財爻が安静なれば人は安しという。然らば則ち財が一たび動けば便ち安ならずとは、これ為んが為ぞ。答えていう。父母爻が宅舍を代表するが故に、財が一たび動けば便ち父母を剋し、宅舍が剋を受ければ、人は自ずから安寧を得ず。
又問:第二爻動,住不久遠,何也?曰:第二爻為宅,宜靜不宜動也。
また問うていう。第二爻が発動すれば住すること長久ならずとは、何の道理ぞ。答えていう。第二爻はまさに宅爻にして、宅爻は静を宜しとし動を宜しとせず。一たび動けば房子は便ち留め住めず。
附:陽宅
鬼墓方為聖堂,子墓方為牲畜,財墓方為倉庫,絕為廁,兄墓得直方水生旺處為井,應為屋,鬼為廳,福為廊,財為房屋櫥櫃,兄為門。身持兄得,五事俱全,不可空,無刑沖剋,上等屋也。內有一爻被沖剋,主有損壞,得空為妙。
官鬼の墓庫の所在の方は是れ聖堂・神位、子孫の墓庫の方は是れ牲畜の欄圈、妻財の墓庫の方は是れ倉庫、絶地の方は是れ廁所。兄弟の墓庫はもし当値の方を得てしかも水の生旺の処に落つれば、あそこは是れ水井なり。この外、応爻は整所の屋子を代表し、官鬼は庁堂を代表し、福徳は廊廡を代表し、妻財は房屋・櫥櫃を代表し、兄弟は門戸を代表す。卦身が兄弟の上に持して位を得、上述の五様がまた斉全にして、皆落空せず刑冲・剋害を受けざるは、便ち上等の房屋なり。その中にもし一爻の冲剋せられたるあれば、あの一処に損壊あるを主る。この一爻はかえって落空を以て妙と為す。空なれば則ち壊る可き物なし。
如父在初爻,一層屋,二三爻闊遠,四五爻樓闊遠,上爻者,深遠,重迭屋也。如他爻變出父,屋分兩處,父空二地;地變鬼或伏鬼下,非公吏舍必是官房,不然有病人,有此象當招口舌,或招官司。父在上,未住,在下,現住。
父母爻が初爻に在るは、ただ一層の屋のみ。二爻・三爻に在るは、屋宇は寛闊にして進深較べて遠し。四爻・五爻に在るは、楼房ありてしかも寛闊深遠。上爻に在るは、屋子は極めて深遠にして、是れ重重畳畳の多進の房屋なり。もし別の爻が父母を変出し来たれば、房屋は両処に分かる。父母爻の落空するは、是れ两塊の空地なり。宅地が官鬼を変出し、あるいは宅爻が鬼の下に伏するは、この屋は公門・吏役の住所に非ずんば、便ち官家の房子なり。さらに然らざれば屋裏に病人あり。この種の卦象を見るに、便ち口舌を招くに当たり、あるいは官司に惹き被けん。父母爻が上卦に在るは、人はまだ搬り入りて住まず。下卦に在るは、眼下まさに住み在り。
凡卦身或空,未住;身並,現住。身值鬼,屋下有伏尸。將屋脫錢,要財旺身衰,喜父空,要沖克財合身為妙。不喜化出財爻,克害為凶。
およそ卦身の落空するは、まだ住み入らず。卦身と宅爻とが一処に併ぶは、眼下まさに住み在り。卦身がまさに官鬼に値するは、屋子の底下に伏尸あり。房子を脱手して銭に換えんと要するは、須く財爻が旺にして卦身が衰え、また父母爻の落空するを喜ぶべし――父母は便ち是れ宅、宅が空にして乃ち売り掉るを得。さらに爻ありて来たって財爻を冲剋して卦身と相合するを要し、これ乃ち最も妙なり。卦身が財爻を変出し来たるを喜ばず、変出の財がもし反って来たって卦身を剋害せば、あれは便ち凶なり。
內卦二爻為宅,看動:金動公事至,木動風水惡,土動生瘟氣,水動傍河不吉,火動於鬧路中,口舌,靜吉。
内卦の第二爻は是れ宅爻、専らそれの動くと動かざるとを看る。金爻の動は、公事の門に上るあり。木爻の動は、風水好からず。土爻の動は、瘟疫の気を生ず。水爻の動は、宅子は河に傍って立ち、不吉。火爻の動は、宅は喧鬧の路口に在り、口舌を主る。宅爻の安静なるは便ち吉なり。
外卦六爻看動:兄動夫婦不團圓。父動上人多憂,陰小六畜,子功爻旺喜事重重。官動災禍難言,財動難為大人,女人不正。
外卦の上六爻もまたそれの動くと動かざるとを看る。兄弟の動は、夫婦は団圓する能わず。父母の動は、長輩は多く憂え、また家中の婦孺と六畜との安ならざるを主る。子孫のこの一爻が旺にして発動するは、喜事は重重なり。官鬼の動は、災禍は言説し難し。財爻の動は、家中の大人に於いて利あらず、また女人の行為の端ならざるを主る。
48.耕種を占う
父衰財旺,收成有望;又值福鄉,花利千倉。
耕種を占うに、父母爻が衰えて妻財爻が旺なるは、收成に望みあり――父母は労苦・耗費を主り、妻財は収獲の所得を主ればなり。もし財爻がまた子孫・福徳の一路上に落ちれば、福は能く財を生じ、あれは便ち花利満倉の大豊の象なり。
卦之耕種,專要財福上卦,最忌鬼值五位,收成不利。世克應,倉廩實;外克內,倉廩虛。又,初爻為田,鬼克,田瘦薄,難植作。二又為種,鬼克主再種。三爻為生長,鬼克主不茂。四又為秀實,鬼旺多草費功夫。五爻為收成,鬼克主不利。以上推土鬼克不妨。六爻為農夫,鬼克主有疾病。
耕種の卦を占うは、最も要緊なるは財爻と福徳爻とが皆卦に上るなり。最も忌むは官鬼が第五爻に落つるは、あの年の收成は利あらず。世爻が応爻を剋するは、倉廩は充実す。外卦が内卦を剋するは、倉廩は空虚なり。この外、六爻は各々分工あり。初爻は是れ田地、鬼に剋されれば則ち田土は瘠薄にして、下種・耕作し難し。第二爻は是れ種子、鬼に剋されれば須く補種一次を主るべし。第三爻は是れ禾苗の生長、鬼に剋されれば長勢の茂ならざるを主る。第四爻は是れ抽穂・結實、鬼が旺なれば則ち雑草は叢生し工夫を白費す。第五爻は是れ收成、鬼に剋されれば收成の利あらざるを主る。以上の各条を推し下るに、もしそれを剋するが土鬼なれば、かえって妨げなし。第六爻は是れ農夫、鬼に剋されれば人の病を生ずるを主る。
金鬼旱蝗,火鬼大旱,水鬼水災,木鬼耗損。一卦兩鬼,兩家合種。年豐必須官鬼空亡,大抵財爻宜旺,不宜落空則吉。金財旺相,早禾倍收。土財旺相,晚禾豐稔。金土二爻雖不臨財,但遇吉神,亦準可論吉。
官鬼が金に属するは、旱災と蝗災とを主る。火に属するは、大旱を主る。水に属するは、水災を主る。木に属するは、耗損を主る。一卦のうちに两重の官鬼あるは、是れ两家が伙して耕種するなり。年成の豊稔ならんを要するは、必ず官鬼の空亡に落つるを須とす。大抵財爻は旺を宜しとし落空を宜しとせず、落空せざれば便ち吉なり。財爻が金に属して旺相なるは、早稻は加倍に収す。財爻が土に属して旺相なるは、晩稻は豊熟す。金・土のこの両爻はたとい財に臨むなくとも、ただ吉神に遇上せば、一様に吉と断作する可し。
49.蚕桑を占う
財旺福興,占蠶大吉;爻鬼交重,不賽終失。
養蚕を占うに、財爻が旺にして福徳が興るは、是れ大吉の象なり。もし爻上に官鬼が交を作し重を作して発動すれば、あれは是れ願を還し神に酬ゆるなく、蚕事は終帰損失あらんと要す。
卦占蠶事,先看定值。鬼爻持世不吉,有財有子為佳。鬼動當遠賽,兄動則有損,子孫木火大吉,亥子溼死,金上白福,土乃半收。安靜則吉,發動不利。
蚕事の卦を占うは、先ず当値するがどの一爻なるかを看る。官鬼が世を持するは不吉、財ありまた子孫あるを要して乃ち好し。官鬼の発動するは、応に遠遠に去りて願を還し神に酬ゆべし。兄弟の発動するは、則ち損耗あり。子孫が木に属し火に属するは大吉。子孫が亥・子の水の上に落つるは、蚕は湿死せんと要す。子孫が金の上に落つるは、白茧に福あり。子孫が土に属するは、ただ一半の收成あるのみ。総じて卦爻の安静なるは便ち吉、発動するは便ち利あらず。
50.畜養を占う
旺財相福,牲畜有益;虎動鬼興;必防損失。
牲口を畜養するを占うに、妻財が旺にして福徳が相なれば、牲畜は便ち長進して益を得。もし白虎が発動し官鬼が興旺せば、一定に牲口に損失あらんを隄防するを要す。
卦之畜養,須論定體。端要財福上卦,如無不利。鬼持初爻,雞鴨不吉,官坐五爻,牛馬難安,參合六神論斷。
畜養の卦を占うは、先ず須く養う所がいったいどの一種の牲畜なるかを論定すべし。要緊なるは財爻・福徳爻が皆卦に上るなり。この両様はもし卦に上らずば便ち利あらず。官鬼が初爻に持するは、鶏鴨は吉ならず。官鬼が第五爻に坐するは、牛馬は安し難し。さらに青龍・白虎等の六神を参合して一同に論断す。
諸爻最忌兄弟、官鬼。如鬼值上爻或曰五爻為主:金鬼牛極瘦,木鬼腳疼或腹風,水鬼散,火鬼觸熱,土鬼發癢瘟黃。
各爻のうち最も忌むは兄弟と官鬼と。譬えば官鬼が上爻に値し、あるいは第五爻を以て主と為して看るに、金鬼は牛の極めて瘦弱するを主り、木鬼は牲口の脚が疼くあるいは腹中に気が脹るを主り、水鬼は走散を主り、火鬼は中暑・発熱を主り、土鬼は発痒して瘟黄の病を生ずるを主る。
逢所屬本命爻臨財福,無傷則吉。且如兄鬼臨三爻,本為不佳,卻有亥爻本命臨財福,吉,亦不為害,餘仿此推。
もし養う所の牲畜の本命の属するあの一爻がまさに財爻あるいは福徳爻に臨み、しかも傷剋を受けざれば、便ち吉なり。譬えば兄弟・官鬼が第三爻に臨むは、本来好からざるも、しかるにこの家の養う牲畜の本命が亥に属して、而も亥爻が恰恰として財福に臨めば、あれは便ち吉にして、兄鬼もまたそれを害する能わず。其余の各種の情形は皆この類に照らして推す。
51.漁獵を占う
福興財旺,前程可望;財鬼虛臨,山枯海曠。
魚を打ち猟を行うを占うに、子孫・福徳が興旺にして妻財がまた旺相なるは、此の行の前程は望みあり、収獲は必ず豊なり。もし財爻・鬼爻がただ虚虚として臨みて并びに実気なければ、あれは便ち山中に獣なく海上に魚なく、白く一趨を跑るのみ。
卦之漁獵,以世為主,以財為物,財子俱見旺相大吉。財值四爻,兔豕堪遇,鬼臨六爻,虎豹須防。震棒、器弓、離網、艮犬,克財者宜用之。若財艾值斷,如巽雞、艮豹、震兔、坎狐、野豕、兌羊、乾虎、離雉、坤羊之類。
漁獵の卦を占うは、世爻を以て猟人自身と為し、財爻を以て猟する所の物と為し、財と子孫とが皆旺相なれば便ち大吉。財爻が第四爻に値するは、兔子・野猪に遇上する可し。官鬼が第六爻に臨むは、須く虎豹を隄防すべし。器具の取象は、震は棍棒を為し、此処の「器」は応に兌字の誤に当たるべく、兌は弓弩を為し、離は網罟を為し、艮は猟犬を為す。どの一様が能く財爻を剋住するやに照らして、便ちどの一様を用いて捕るべし。財爻の値する所がいったい何の禽獣なるかに至っては、八卦に照らして分断す。巽は鶏を為し、艮は豹を為し、震は兔を為し、坎は狐と野猪とを為し、兌は羊を為し、乾は虎を為し、離は野雉を為し、坤は羊を為し、皆この一類に属す。
內克外,內旺相,世克應,得青龍財爻動,不空亡,物可得。惡殺臨財旺相,發動、克世,主有獸傷,凶。
内卦が外卦を剋し内卦が旺相し世爻が応爻を剋し、また青龍が財爻の上に臨みて財爻が発動し并びに空亡に落ちざるを得るは、獵物は得る可し。もし悪煞ありて財爻の上に臨みて財爻が旺相し発動してまた来たって世を剋すれば、あれは便ち人の野獣に傷られんことを主り、凶なり。
52.墳墓を占う
安墳立陵,福旺家興;鬼旺宜火,葬防後人。
安葬して墳を立つるに、子孫・福徳の旺相なるは、家道は興旺せん。官鬼の旺相なるは、火化に宜しくして土葬に宜しからず。もし勉強して下葬せば、禍の後代の子孫に及ばんを隄防するを要す。
以鬼為尸,要無氣;父母為墳,皆宜靜。以財為祿,以子為祀,要旺相、出現、持世。世為風水,應為棺槨,皆宜靜。
官鬼を以て尸身を代表し、それの無気なるを要して乃ち好し。父母を以て墳塋を代表し、この両様は皆安静を宜しとす。妻財を以て禄養を代表し、子孫を以て香火・祭祀を代表し、この両様は旺相にして卦面に出現ししかも世を持するを要す。世爻を以て風水・地気を代表し、応爻を以て棺槨を代表し、この両様もまた皆安静を宜しとす。
或問:旺相宜火之說?曰:鬼旺只是不利,故宜火化,不宜葬也。陰宅先論墓地,次論卦身,要有財福世應,有氣相生為妙。未葬時,外亡內塚,相剋吉。不要官鬼旺。已葬後,內亡外塚,相生,鬼旺亡人安。
人が問うていう。官鬼が旺相なれば便ち火化に宜しというは、これどう講ずるか。答えていう。鬼が旺なるはただ安葬に利あらざるのみ、ゆえに寧ろ火化して、土に入るるに宜しからず。陰宅を占うは、先ず墓地本身を論じ、其次に卦身を論じ、総じて卦中に財あり福あり世応に気ありてしかも彼此相生するを要して乃ち妙なり。まだ下葬せざるの時は、外卦を以て亡人と為し内卦を以て墳塋と為し、両辺が相剋するはかえって吉にして、この時は官鬼の旺なるを要せず。已に下葬したる以後は、改めて内卦を以て亡人と為し外卦を以て墳塋と為し、両辺は相生するを要して乃ち好し。この時は官鬼が旺なれば、亡人はかえって安穏なり。
鬼為亡身、為塚,若定塚穴高低,如卦身在初二爻,葬在低處;在三、四爻;葬在平處,在五六爻,葬在高處。若地位方向,以卦宮長生定之。如坎宮地在北方,坎水長生居申,其穴宜在申上,餘仿此。
官鬼は既に亡人の身を代表し、また墳冢を代表す。墓穴の高低を定めんと要するは、便ち卦身を看る。卦身が初爻・二爻に在るは、低処に葬る。三爻・四爻に在るは、平地に葬る。五爻・六爻に在るは、高処に葬る。地塊の方向に至っては、卦宮の五行の長生の位を用いて定む。譬えば坎宮、地は北方に在り、坎は水に属して水の長生は申に在れば、然らば則ち穴位は応に申の方位の上に取るに宜し。其余の各宮はこの類に照らして推す。
占葬年,如身在卯,酉年占,卯數至酉成七年,不七年,或卯酉二七十四年,或用月數,如變爻沖卯爻,必地既狹窄,無氣同。
安葬の年分を推すに、譬えば卦身が卯に在りて、而も酉年に在りて占うに、卯より順に数えて酉に到るに共に七位、便ち七年の後と断ず。もし七年に応ぜずば、便ち卯・酉が各々七を合して十四年と為すを取る。あるいは改めて月数を用いて推す。倘若変爻が反って来たってあの卯爻を冲せば、あれは必定に地方狭窄なり。変爻の無気なるも、また狭窄に照らして断ず。
53.朝国を占う
世應相得,君臣用心;六位無克,萬國咸寧。
国家の大事を占うに、世爻は是れ君、応爻は是れ臣。世応の両辺が相得相合するは、便ち君臣同心一意なり。六つの爻位が彼此相克傷せざるは、便ち万国の安寧する太平の象なり。
世為帝王,應為功臣,本宮為都。內外比和、旺相,天生聖主,剛柔動靜有常,地出奇材,最宜吉神,切忌大殺。
世爻は帝王を代表し、応爻は功臣を代表し、本宮は国都を代表す。内外の両卦が比和にしてまた旺相なるは、是れ上天が聖明の主を生出するの象。卦中の剛柔・動静に皆常度あるは、是れ大地が奇才・異能の士を産出するの象。この一門は最も卦中に吉神あるを宜しとし、最も大煞あるを忌む。
金為兵戈忌動,土為城壘宜安,水為氾濫,火為炎晴,木爻風惡,吉神為瑞。震離坎兌為四方,艮坤二卦為中土。
五行は国事の上に各々取象あり。金は是れ兵戈にして、それの発動を忌む。土は是れ城壘にして、それの安穏を宜しとす。水は泛濫して災を成すを主る。火は炎熱・亢旱を主る。木爻は大風の為害するを主る。吉神は則ち祥瑞を主る。方位の上は、震・離・坎・兌の四卦は分かちて東・南・北・西の四方を主り、艮・坤の両卦は合して中土と為す。
五爻為至尊,加吉神太歲,仁慈之主也。帶殺白虎,暴虐之君也。與吉神生合,必親賢任能,遠佞去奸。
第五爻は是れ至尊の位。この一爻に吉神と太歳とを加うるは、是れ仁慈の主。凶煞と白虎とを帯ぶは、是れ暴虐の君。第五爻が吉神と相生相合するは、この君主は必定に賢人に親しみ能者を任用し、諂佞を疏逖し奸邪を除去せん。
初爻安靜,吉神持世或生世,萬民悅服。 本象二爻為侍臣,帶吉神左右必得賢人,加凶殺者,多奸邪便佞。 四爻會吉神克世生世,必上忠君,下安黎庶。
初爻は是れ黎民の位、それが安静にしてしかも吉神ありて世を持しあるいは世を生ずるは、万民は心悦誠服せん。本宮卦の第二爻は是れ侍從・近臣の位、この一爻が吉神を帯ぶは、君王の左右は必ず賢人を得。凶煞を加うるは、身辺は多く奸邪・諂媚の徒なり。第四爻は是れ大臣の位、それが吉神を会合して来たって世を剋しあるいは世を生ずるは、これらの大臣は必定に上は君王に忠なる能く、下は百姓を安撫する能し。
子孫為儲君郡主,宜旺相不空,若大殺動刑沖剋,恐有廢立之患。子孫在初爻動克三爻或世者,士庶民有上書直言利害;在二爻動,必有才德舌辨之臣入上封事;在三爻動,有賢能諸侯謂門直諫;在四艾動,左右近臣必盡忠死諍也。
子孫爻は儲君と郡主とを代表し、それの旺相にして落空せざるを宜しとす。もし大煞ありて発動して来たってそれを刑冲剋せば、恐らくは太子を廢立するの禍患あらん。子孫が初爻に発動して第三爻を剋しあるいは世爻を剋するは、是れ士人・百姓が書を上りて直言して利害を陳ぶ。第二爻に発動するは、必ず才徳兼備・能言善辯の臣子ありて密かに封事を上らん。第三爻に発動するは、賢能の諸侯ありて廷に当りて直諫せん。第四爻に発動するは、君王の左右の近臣は必定に忠を盡して死を以て相争わん。
54.征戦を占う
出兵交戰,鬼賊財糧;鬼旺彼勝,子旺我強。
兵を出して交戦するは、官鬼を以て敵軍・賊寇を代表し、妻財を以て糧草・輜重を代表す。官鬼が旺相なれば則ち相手方が勝を取り、子孫が旺相なれば則ち我が軍は強盛なり――子孫はまさに我方の兵将なり。
以鬼為彼賊,以子為我軍,子孫旺相,必獲全勝,出現宜先,伏藏宜後,內凡鬼父旺相或是獨發,或持世身,大敗之兆。若六爻安靜世旺克應,必勝。
官鬼を以て相手方の賊寇と為し、子孫を以て我方の軍隊と為す。子孫が旺相なれば、必ず全勝を獲る。子孫が卦面に出現するは、先発して人を制するに宜しく、伏蔵して露われざるは、後発して人を制するに宜し。もし内卦中に官鬼・父母が旺相なり、あるいはそれらが独り発動し、あるいは世爻・卦身を持するは、あれは大敗の兆なり。もし六爻が安静にして世爻が旺相にしてまた能く応を剋すれば、必定に勝を得。
父母、城池、壕寨、雄旗;子孫為兵將軍馬;兄弟為轅門驚恐伏兵;官鬼為敵兵刀劍。
各爻の軍事上の取象は、父母は城池・壕溝・営寨と旗幟とを代表し、子孫は兵将と軍馬とを代表し、兄弟は轅門の驚擾と埋伏の兵とを代表し、官鬼は敵兵と刀剣とを代表す。
世應空亡,主和;世空我軍弱;應空徵兵退;世爻被鬼沖剋,我軍不利;兄弟獨發凶。 鬼去爻中,兄弟化出官鬼來合世爻身,主有奸人在軍中,世下伏鬼亦然。
世応の両辺が皆空亡に落つるは、两下の議和を主る。世爻の落空するは、我が軍は力弱し。応爻の落空するは、相手方は兵を退く。世爻が官鬼に冲剋せらるるは、我が軍は利あらず。兄弟の独発するは、凶なり。官鬼が爻中に蔵れて、而も兄弟がまた官鬼を変出して世爻あるいは卦身を合住するは、軍中に奸細あるを主る。世爻の底下に鬼が伏するも、これも一様なり。
凡變爻沖剋子孫,主損名將。沖剋財爻,並財持世落空,主糧受困。刑剋父母,主戰船城寨有失,指揮號令大不宜。沖剋官爻,彼賊必敗。
およそ変爻が子孫を冲剋するは、名将の折損を主る。財爻を冲剋し、あるいは財爻が世を持ちてまた落空するは、糧草の困せらるるを主る。父母を刑剋するは、戦船と城寨とに失あるを主り、指揮・号令もまた大いに利あらず。反って、官爻を冲剋するは、敵軍は必ず敗る。
凡卦中動火刑父母、克父母,必然火燒宮室,火沖剋財,主火焚糧草。又,財有倉庫,如近子近我軍,近父近壕塹,近鬼近賊所。又父母塞位方,如坤宮西南方也。
およそ卦中に火爻ありて発動して去りて父母を刑し父母を剋するは、必定に火の宮室・営房を焼毀するあり。火爻が財爻を冲剋するは、糧草の火に焚かるるを主る。この外、財爻は倉庫を代表し、それがどの一爻に靠近するかを看るべし。子孫に靠近するは、倉庫は便ち我が軍の近処に在り。父母に靠近するは、壕塹の一帯に在り。官鬼に靠近するは、敵方のあの辺に在り。さらに父母の守る所の関塞の方位は、便ち本宮の方位に照らして定む。譬えば坤宮は便ち西南方に在り。
55.天時を占う
若問天時,須詳內外;互換干合,方明定體。
天時の陰晴を問わんと要するは、須く内卦・外卦を皆仔細に審め過ぐる一遍すべし。再び卦の納する所の天干と日干とが能く互相化合するや否やを看る。化合したる後の成す所の五行にして、乃ちこの一卦の「定体」を定め下し得、晴雨は是に於いて明白なり。
仰觀天象者,幹;俯察地理者,支。先看內卦有合無合,次看外卦定體。甲己化土,陰雲;丁壬化木,生風;乙庚化金,作雨;丙辛化水,必雨;戊癸化火,主晴。內外無合,次明定體。定體者,看外卦取,獨發論變。乾日月星,坤沙石霧,震雷霆電,巽風、離晴、坎雨、艮陰、兌甘澤。
頭を抬げて天上の気象を観察するは、天干に仗る。頭を低めて地上の形勢を考察するは、地支に仗る。天時を占うは、先ず内卦と日干とに相合する有無を看て、其次に外卦を看て定体を取る。天干の五合の化する所は下のごとし。甲と己と合して土に化するは、陰雲を主る。丁と壬と合して木に化するは、風を起こすを主る。乙と庚と合して金に化するは、雨を下すを主る。丙と辛と合して水に化するは、必定に雨を下す。戊と癸と合して火に化するは、晴を主る。もし内外の卦が皆日干と相合せずば、あれは便ち転じて明らかに定体を取る。いわゆる定体は、外卦の卦象を取りて断ずるなり。卦中にもし独発の爻あれば、便ちそれの変出する爻に按じて論ず。八卦の主る所の天象は、乾は日月・星辰を為し、坤は沙石・霧気を為し、震は雷霆・閃電を為し、巽は風を為し、離は晴を為し、坎は雨を為し、艮は陰を為し、兌は甘霖・雨沢を為す。
或問:互換干合,如何互換?答曰:甲日占得離卦,甲己合,則主阻雲也;壬日占得兌卦,丁壬作合木,木世主生風,此化氣也。若內外卦不與日干合,看外卦以十干求之,以日干落在何宮,假如己末日占得大有卦,日干落在離宮,主晴,己日占得既晴,則日干無所落,便可斷陰雲矣。
人が問うていう。「互いに換えて干合す」というが、いったいどう換ゆるか。答えていう。甲日に離卦を占得れば、離は己土を納し、甲己は相合して土に化し、便ち陰雲の日を蔽うを主る。壬日に兌卦を占得れば、兌は丁を納し、丁壬は相合して木に化し、木は風を生ずるを主るがゆえに、起風と断ず――これを化気と謂う。もし内外の卦が皆日干と合い上らずば、便ち外卦を看て、十天干を把りて求め、日干がどの一宮に落つるかを看る。譬えば己未日に火天大有卦を占得れば、日干の己は離宮に落ち、離は晴を主れば、便ち晴と断ず。もし己日の占する所の卦に日干の安落する処なければ、あれは便ち陰雲と断作する可し。
56.天道の晴雨を占う
每日之事,十干要精;壬癸動雨,丙丁管晴。
毎一天の陰晴は、全く十天干を推るに精熟するに仗る。壬・癸は水に属し、それらが一たび発動すれば便ち雨を下す。丙・丁は火に属し、それらが令に当たれば便ち晴を管す。
庚辛雨後晴,或次日便晴;壬癸連雨難晴,有風方止;甲乙作雨不妨;丙丁日月晴明;戊己陰雲不定。辰丑動雨、末戌動晴。內動速,主晝,外動遲,主夜。
十干は各々主る所有り。庚・辛は雨後に晴に転ずるを主り、あるいは第二天便ち晴る。壬・癸は連日の陰雨晴れ難きを主り、風の起こるを待ちて乃ち止まるを要す。甲・乙は雨を下すを主るも、事を妨げず。丙・丁は日月の晴明を主る。戊・己は陰雲の定まらざるを主る。地支の上は、辰・丑の発動は雨を主り、未・戌の発動は晴を主る。内卦の発動は応ずること速く、白昼を主る。外卦の発動は応ずること遅く、夜間を主る。
或問:十干動,陰晴如何看?答曰:如火火既濟,己亥持世,便斷陰晴不定。財為晴,午火財卻伏在己亥水下,水旺則主雨。火旺或支辰透出午,則便斷晴。但要機變,取時言之。配以六親,百發百中,若不精熟,則不能通應矣。
人が問うていう。十天干が発動するに、陰晴は応にどう看るべきか。答えていう。譬えば既済卦を占得て、己亥が世を持すれば、便ち陰晴定まらずと断ず。財爻は晴を主るも、此の卦の午火の財は却って己亥の水の底下に伏す。水が旺なれば便ち雨を主り、火が旺なり、あるいは地支の上に午を透し出せば、便ち晴と断ず。総じて機に随い変に応じ、時辰に按じて断を取るを要す。さらに六親を配して一同に推せば、百発百中する可し。もし推ること精熟せずば、便ち応験の上に通ずる能わず。
又問:如何取時日?曰:假如乙日占震卦,則遇辰巳時方晴,乙庚化金作雨,卻緣戌土財持世,又庚辛雨後晴,緣辰巳時天干見庚辛,此兩個時,不能雨止,過辰巳時,主午時方晴。如丙日占震卦,雖庚戌持世,不能作雨,緣日干丙字克去庚,不能生水也。
また問うていう。どう応験の時辰と日子とを取るか。答えていう。譬えば乙日に震卦を占得れば、辰時・巳時以後に到りて乃ち晴るを要す。乙と庚と合して金に化し、金は能く水を生じ、本來雨を下すを主る。しかるに卦中の戌土の財が世を持ち、財は晴を主る。また庚・辛が雨後に晴に転ずるを主るに因り、而も辰・巳の両箇の時辰の天干は正に庚・辛を見れば、ゆえにこの両箇の時辰は雨はなお止み住めず、辰巳を過ぎて午時に到りて乃ち放晴す。再びごとく丙日に震卦を占得れば、庚戌が世を持すと雖も、却って雨を下し成らず。日干の丙火が庚金を剋住し、金は水を生ずる能わざるの縁故なり。
又問:辰丑動雨,未戌動晴?曰:辰是水庫,丑中有癸,故此二字動,值戊己不為陰雲,而必陰雨。未戌動晴者,未中有丁,戌是火庫,故此二字動,值戊已,不為陰雲而化晴矣。又問:內動主晝,外動主夜?曰:內為陽,外為陰,晝夜之道也。
また問うていう。なぜ辰・丑の発動は雨を主り、未・戌の発動は晴を主るか。答えていう。辰は是れ水の庫、丑中は癸水を蔵すれば、ゆえにこの両字は一たび動けば、たとい戊・己に遇上するも、陰雲に止まらず、必定に陰雨を下さん。未・戌の発動が晴を主るは、未中は丁火を蔵し、戌はまた火の庫なれば、ゆえにこの両字は一たび動けば、戊・己に遇うて、便ち陰雲を作さずして化して晴と為す。また問うていう。なぜ内卦の発動は白昼を主り、外卦の発動は夜間を主るか。答えていう。内は陽を為し外は陰を為し、陽は昼に属し陰は夜に属す。これすなわち昼夜の道なり。
又問:未戌動主晴,而癸日占得坎宮地水師,如何入雨?曰:未戌動晴,以其中有丁火也,今戊戌化癸亥,癸字克了丁火,日後又逢是癸,並去傷了,豈得不雨?
また問うていう。未・戌の発動は晴を主るというに、しかるに癸日に坎宮の地水師卦を占得れば、怎生にかえって雨を下し起こすか。答えていう。未・戌の晴を主る所以は、それらの裏頭に丁火を蔵するを以てなり。いま師卦の戊戌は癸亥に変成し、癸水は丁火を剋し去り、加うるに占する所の日は本身また癸にして、两重の癸水は一併に丁火を傷り尽せば、怎むぞ雨を下さざるを得んや。
又問:癸亥日占得坎之蒙,亦是癸日,如何卻晴?曰:未戌動晴,以其有火也,今戊戌化丙子,是戊之火已透出來,日辰癸亥與上戊寅合住,不能傷丙,所以晴也。
また問うていう。癸亥日に坎卦を占得て山水蒙に変ずるは、同じく癸日にして、怎生にかえって放晴するか。答えていう。未・戌の晴を主るはその中に火を含むを以てなり。いま戊戌は丙子を変出し、戊土の裏の火は已に透成して丙火顕露し出でたり。日辰の癸はまた上の戊と相合して牽住せられ、身を抽き出して丙火を傷るに及ばず。ゆえになお晴なり。
又問:壬癸動雨要言剋日定時取驗,何如?曰:如六月甲辰日占雨得乾之大壯,當日申時雷雨驟至,此壬癸剋日定時,何以知之?乾為天,震為雷,外卦震,內卦乾,豈得無雨?第五爻申親艾動,日值甲辰,夜半生甲子,脯時壬申透出本宮動爻,故應在申時也。
また問うていう。壬癸の発動は雨を主るというに、なお日辰を剋するを靠りて応験の時辰を定むるを要すとは、これ怎生に事ぞ。答えていう。譬えば六月の甲辰日に雨を占うに、乾卦を揚得て雷天大壮に変じ、当天の申時に雷雨が驟然として至る。これすなわち壬癸が日を剋して時を定むるなり。怎生に知り得たるか。乾は天を為し震は雷を為し、外卦は変成して震と為り内卦は仍お乾なれば、天上に雷を打つ、怎むぞ雨なからんや。第五爻の申金のこの本宮の親爻はまさに発動し、この一天は甲辰にして、甲日は夜半の子時より排して起こすは甲子にして、順に数え下れば、日昳の申時は恰も壬申にして、卦中の発動する本宮爻と相透すれば、ゆえに申時に応ず。
又問:丙申日占得乾卦,壬戌持世,如何壬癸不得雨?曰:戊申有火,透出丙字,如何得雨? 又問:丁酉日占陰晴,得坤卦,此癸酉持世,如何亦不得雨?曰:本主雨,卻緣日辰丁酉,貴人在酉,故丁日見世爻五癸,世在酉,是敗財之內,癸水退讓於丁火,豈得不晴?
また問うていう。丙申日に乾卦を占得て、壬戌が世を持するに、なぜ壬癸が当値して雨を下さざるか。答えていう。申中はもと火を蔵し、日干はまた一箇の丙を透し出し、火気はこのごとく重ければ、どこにか雨を下し成るを得んや。また問うていう。丁酉日に陰晴を占い坤卦を得て、癸酉が世を持するに、なぜもまた雨を下さざるか。答えていう。此の卦は本来雨を主るも、ただ日辰が丁酉なるに因り、而も丁日の天乙貴人は正に酉の上に在り。丁日はまた世爻の上の癸を見、世は酉に坐して、恰も敗地・散財の中に落ち、癸水はただ丁火に退譲するを得るのみ、怎むぞ晴れざらんや。
鬼動雨,變出子孫,晴。應落空,晴不久。應克世財,晴。父母生世雨,又動克子,亦有雨。 財為晴,父為雨,兄為風,子為雲霧,在冬為雪,官鬼為雷,冬春為雪,夏為熱。專看本象要旺,持世本宮。
官鬼の発動は雨を主る。官鬼がもし子孫を変出し来たれば、かえって晴に転ず。応爻の落空するは、晴るること久しからず。応爻が世を剋して世上が財なるは、晴を主る。父母爻が世を生ずるは雨を主る。父母がまた発動して去りて子孫を剋するも、また雨あり。総の取象は、妻財は晴を主り、父母は雨を主り、兄弟は風を主り、子孫は雲霧を主る――冬天に到れば則ち雪を主る。官鬼は雷を主り、冬春に在りては雪を主り、夏天に在りては暑熱を主る。これらは皆専ら本象の是れ旺相なるや否や、是れ世を持するや否や、是れ本宮に属するや否やを看る。
要知何日雨?曰:父母長生日,帝旺或值日便有雨。何日雨止?絕日空便止,餘仿此。 要知何日風?假如兄屬寅為東北風,亦要看當時日辰天干為緊,外卦有動,看變出者,若是水爻出現,便有雨。
どの一天に雨を下すかを知らんと要するか。答えていう。父母爻の長生するあの天、帝旺するあの天、あるいはそれが正に値日に当たるあの天に、便ち雨あり。どの一天に雨止まるか。父母爻が絶に入り落空するあの天に便ち止まる。其余の各項は皆この办法に照らして推す。どの一天に風起こるかを知らんと要するか。譬えば兄弟爻が寅に属すれば、寅は東北に在れば、便ち東北の風を刮るを主る。同時にさらに当時の日辰の天干を緊く看るを要す。外卦にもし爻の発動あれば、便ちそれの何を変出し来たるかを看る。もし変出するが水爻顕現なれば、あれは便ち雨あり。
57.射覆を占う
覆射萬物,表裡各異;以財為體,以鬼為類。
射覆は物を蓋い覆いて人に猜せしむるなり。卦中の万物は皆表・裏の両面に分かれ、各々不同あり。妻財爻を以てこの件の東西の形体・外表を代表し、官鬼爻を以てそれの種類・内質を代表す。
財為表,鬼為裡,財鬼出現,表裡皆有,有表無裡,外實內虛;有裡無表,外虛內實,財鬼俱藏,輕虛之物。
財爻は外表を主り、鬼爻は内裏を主る。財・鬼が皆卦面に出現するは、表裏の両様俱全なり。表ありて裏なきは、外面は結実して裏面は空虚。裏ありて表なきは、外面は空虚にして裏面は結実。財・鬼の両様が皆蔵れて露われざるは、是れ軽飄虚薄の物なり。
或問:表裡各異,何也?答曰:以財為表,以鬼為裡,有表裡皆有者,有裡無表者,此所謂異也。
人が問うていう。「表裏各異」というは何の意思ぞ。答えていう。財を以て表と為し、鬼を以て裏と為す。表裏俱全する有り、裏ありて表なき有り、各卦同ならず。これすなわち「異」と謂う所なり。
又問:方圓、長短,新舊如何定之?曰:陽卦主圓,陰卦主方,應旺主新,應衰主舊,世應被克空虛,世應相合圓物,世應比合和長物,世應相生方物,相刑剋尖物,相剋沖損物。
また問うていう。物の方円・長短・新旧は怎生に定むるか。答えていう。陽卦は円を主り、陰卦は方を主る。応爻の旺相なるは是れ新物、応爻の衰弱なるは是れ旧物。世応の剋を受くるは、物は是れ空虚なり。世応の相合するは是れ円形の物、世応の比和するは是れ長形の物、世応の相生するは是れ方形の物、彼此の相刑相克するは是れ尖形の物、相克してまた相冲するは是れ破損あるの物なり。
鬼が八卦に値す
官鬼在兌乾,金、玉;在震巽,竹、木;在坤艮,土、石;在坎,魚、綿水貨;在離,絲綿綃;在坤離,又為文書、布帛、專數之物。
官鬼が兌・乾の両宮に落つるは、是れ金玉の一類。震・巽に落つるは、是れ竹木の一類。坤・艮に落つるは、是れ土石の一類。坎に落つるは、是れ魚類・絲綿と水中の貨物。離に落つるは、是れ絲綿・生綃の一類。坤・離に落つるは、また文書・布帛および成套にして数う可きの東西を主る。
58.覆射の物色(節録)
以官為物,為色為形;若居四土,可分輕重。
射覆して物色するは、官鬼爻を以て覆する所の物を代表し、既にそれに憑りて顔色を定め、またそれに憑りて形状を定む。もし官鬼が辰・戌・丑・未のこの四箇の土位の上に落つれば、なおそれに拠りて以て物の軽重を分弁する可し。
以官為色,出現正色,伏藏旁色。伏財能食,伏子能用。伏父能蓋載,伏兄不中,更以金木水火土分之,動亦可取。
官鬼を以て顔色を定む。官鬼が卦面に出現するは、是れ正色。伏蔵して露われざるは、是れ旁色・雑色。官鬼の底下に財爻が伏するは、この東西は喫す可し。子孫が伏するは、用いる可し。父母が伏するは、能く覆い載承す。兄弟が伏するは、用に中らず。さらに金木水火土に按じて分別して取象す。官鬼の発動するも、またそれの動象に拠りて取る可し。
或問:以官為色,出現正色,伏藏旁色,如何?答曰:即官鬼出現是男、伏藏是女,反對取之。官鬼為正物,隨五行取之。應為表,為皮毛;世為裡,為形狀。陽為天,主圓,陰為地,主方,應在外主長,應在內主短。應旺相主新,應休囚主舊。
人が問うていう。官を以て色と為し、出現は正色・伏蔵は旁色というは、これ応にどう講ずべきか。答えていう。これは前面に官鬼の出現は男・伏蔵は女と講じたると同一箇の道理にして、皆反って対し向いて取るを要す。官鬼はこの件の正物を代表し、それの五行に按じて取象す。応爻は是れ外表にして皮毛を主り、世爻は是れ内裏にして形状を主る。陽は天を為し円を主り、陰は地を為し方を主る。応爻が外卦に在るは、物形は長し。内卦に在るは、物形は短し。応爻の旺相なるは是れ新物、応爻の休囚なるは是れ旧物なり。
子孫動,物有足,兄動有皮,財動物可食,父動物有生氣,官動不中。五鄉一鄉不入,亦可取物色。
子孫の発動するは、この東西は脚あり。兄弟の発動するは、皮殻あり。財爻の発動するは、喫すること以てす。父母の発動するは、是れ生気あるの活物。官鬼の発動するは、用に中らず。五郷のうちたとい一郷欠けて卦に上らずとも、照様に物の顔色と形状とを断じ取る可し。
合則圓,扶則長,生則方,克則損,刑則失。 以內卦為地,外卦為天。青龍論左,白虎論右,朱雀觀前,玄武看後,勾陳世爻管中。
さらに爻と爻との関係を用いて形を定む。相合するは円形を成し、相扶するは長形を成し、相生するは方形を成し、相克するは残損あり、相刑するは缺失あり。方位の上は、内卦を以て地と為し外卦を以て天と為す。青龍は左を主り、白虎は右を主り、朱雀は前を看、玄武は後を看、勾陳と世爻とは中央を管す。
覆射者,須定服色事理。如金爻動在乾者內赤外白面方圓之類。此乃究五行動爻身世之法,定克應未來之理,可研窮而報究,不可謬意取用。
射覆する人は、必ず先ず物の顔色と事理とを定め下すを要す。譬えば金爻が発動して乾宮に落つるは、便ち内は赤く外は白く形状は方中に円を帯ぶるの一類なり。これは五行・動爻と卦身・世爻とを窮究するの方法にして、用いて将来の克応の理を推定するは、細細に钻研し反覆して推究する可く、しかして空に憑りて乱猜し随意に取用する可からず。
六爻安靜,先看世應,有無生合刑沖害,又要觀發動之爻,次究伏爻在何位下,後審卦身有無吉囚,然後定休咎。法曰:彼來生合我者,順也,我去生合彼者;逆也。此為吉凶之源,是故生生之謂易,通變之謂事也。
もし六爻が安静なれば、便ち先ず世応の間に生・合・刑・冲・害の有無を看て、再び発動の爻の有無を看、其次に伏爻がどの一位の下に伏するかを推究し、最後に卦身に吉神あるいは囚死の気の有無を審察し、然る後に乃ち吉凶を定む。法訣にいう。相手方が来たって我を生じ我を合するは、之を「順」と謂う。我が去りて他を生じ他を合するは、之を「逆」と謂う。これすなわち吉凶の源頭なり。ゆえにいう、生々して息まざるを「易」と謂い、権に通じ変に達するを「事」と謂うと。
59.来情を占う
思慮未起,鬼神莫知;不由乎我,更由乎誰?
一念の思慮はまだ生起せざるの時、鬼神に連ねても知るに由なし。念頭の一たび動くを俟て、卦象は之に随いて応ず。この機括は別処に在らず、全く占者自己の心上に在り――我に由らずんば、なお誰に由らんや。
夫易本無八卦,只有乾坤,本無乾坤,只有太易(太極),太易者,在天為日月,在地為水火,在人為耳目。煉其耳而耳自聰,修其目而目自明。易曰:聖人以此洗心,退藏於密。
根本に追り到りて説けば、《易》は本来并びに八卦なく、ただ乾坤の両体あるのみ。さらに上に推せば、乾坤にも連ねてなく、ただ一箇の「太易」あり、すなわちこれ太極なり。この太易は、天上に在りては日と月とに表現し、地上に在りては水と火とに表現し、人身に在りては耳と目とに表現す。耳を把りて純に煉れば、耳は自ずから聴くこと聡し。目を把りて明に修めれば、目は自ずから看ること明し。《周易・繫辭》にいう。聖人はこの道理を用いて自己の心を洗滌し、事情を辦じ畢れば便ち退きて隠密の中に蔵ると。
60.人事を達す
先達人事,後敷卦爻;人事亨通,卦爻自曉。
占断するの前に、先ず人情・事理を把りて通透せざる可からず、然る後に再び去りて卦爻を鋪排す。人事上の道理はもし通達せば、卦爻の意思は自ずから明白なり――卦象は不過人事の影子なり。人事を明らめずして爻象を死看するは、終究に断じ准ぜず。
真喜合宅母,必問孕事。 隔角克青龍,無氣動是死事。 鬼伏臨酉沖宅長本命,主官非牢獄公事。 玄武臨門勾陳動,是失脫事。 世應合五爻、水土動,風水事。 卦內克鬼、沖全生財,犯刀砧六畜事。
真禄と天喜とが宅母爻の上に合到するは、来人は必定に懐孕の事を問わん。隔角煞が青龍を剋住し、青龍がまた無気にして発動するは、是れ喪亡の事を問うなり。官鬼が伏蔵して酉に臨み、去りて一家の長の本命爻を冲するは、官非・牢獄の一類の公事を問うを主る。玄武が門爻の上に臨みて勾陳が発動するは、是れ失窃・走脱の事を問うなり。世応が第五爻に合到し、而も水爻・土爻が発動するは、是れ風水の事を問うなり。卦内に爻ありて官鬼を剋し、冲処がまた皆生財の上に落つるは、是れ刀砧煞を冲犯し六畜を損傷するの事を問うなり。
天財帶天火,必占失火事。 怪合見月鬼,為驚恐怪異事。 喪車臨怪動,人口死不明事。 鬼克沖基,為宅不安事。 鬼克沖基或合太歲,為起造事。 祿馬合月鬼動,占謀望事。
天財星が天火煞を帯ぶるは、来人は必定に失火の事を占わん。怪神が月建の鬼と相合して現るるは、是れ驚恐・怪異の事を問うなり。喪車煞が怪神の上に臨みてまた発動するは、是れ家中に人ありて死すること不明不白の事を問うなり。官鬼が宅基を剋冲するは、是れ住宅の安ならざるの事を問うなり。官鬼が宅基を剋冲してまた太歳と相合するは、是れ興工・起造の事を問うなり。禄神・駅馬が月建の鬼と相合して発動するは、是れ謀望・求成の事を占うなり。
卦內驛馬旺克門,問出門事。 遷移臨旺沖動,問移居事。 月鬼陰喜動,為婦人妊怪事。 世應和合、祿馬帶財,問代某謀事。 文書乘朱動五爻重隔角,為代名告狀事。 時鬼動沖人口,問住宅不安事。
卦中の駅馬が旺相にして門爻に剋到するは、是れ門を出でて遠行するの事を問うなり。遷移煞が旺に臨みて冲动せらるるは、是れ家を搬き居を移すの事を問うなり。月建の鬼と陰喜の神とが一同に発動するは、是れ婦人の懐孕および胎中の異常の事を問うなり。世応の両辺が和合して、禄馬がまた財を帯ぶるは、是れ或る人に替わりて事を謀るを問うなり。文書爻が朱雀を乗りて発動し、また第五爻の上に隔角煞を重畳するは、是れ人に代わりて名を具して状を告ぐるの事を問うなり。当時の官鬼が発動して人口爻に冲到するは、是れ住宅の安ならざるの事を問うなり。
來意俱不上封,憑變斷之,重主過去,交主未來。
もし来人の本意が卦上に一點も顕し出でずば、便ち変爻に憑りて去りて断ず。「重」は是れ老陽の将に変ぜんとするにして、已に過去したるの事を主る。「交」は是れ老陰の将に変ぜんとするにして、未だ到来せざるの事を主る。
附1 五行生剋の訣
假如木旺能克土,若遇休囚火便生,旺相能生禍與福,休囚受制不能行。
譬えば木が旺に当たるの時は能く土を剋するも、しかるに木がもし休囚に遇上すれば、かえってただ去りて火を生じて自らその気を泄すのみ。総じて之を言えば、五行は旺相の時にして乃ち禍福を生じ出すを得、休囚の時は人に制せられて、何をも施展し開く能わず。
附2 五行の類数
金四九,木三八,水一六,火二七,土五十。 酉四申九,寅三卯八,子一亥六,巳二午七,辰戌五,丑未十。
五行は各々生成の数を配す。金は四と九とを配し、木は三と八とを配し、水は一と六とを配し、火は二と七とを配し、土は五と十とを配す。分かちて十二地支に到れば便ち、酉は四を為し申は九を為し、寅は三を為し卯は八を為し、子は一を為し亥は六を為し、巳は二を為し午は七を為し、辰と戌とは皆五、丑と未とは皆十なり。占断中に件数・歩数・尺寸を論ずるの時は、便ちこれらの類数を取りて推算す。
61.姓字を占う
以日配用,四象誰勝?若無象用,姓字何證?
人の姓氏を占うは、占日の干支を把りて用爻と相配し、再び内卦・外卦・互卦・変卦のこの幾重の象裏のどの一象が最も旺にして最も上風を占むるかを看て、便ちあの一象を取りて主と為す。倘若卦中に根本より取る可き象なく、また用神なければ、姓氏は便ち験証するに由なし。
卦之克字,以日配用爻,兼內外互卦,正化體象,取勝為主,然後合成字象。
卦を用いて字を推するの办法は、日辰を把りて用爻に配し、兼ねて内卦・外卦と互卦と、および本卦と変卦との体象を看て、その中の上風を占むる一象を取りて主と為し、然る後に幾重の象を把りて合せて湊りて字形を成す。
如甲乙日占賊姓得純艮卦土爻體見寅,寅屬木,木鬼配甲乙日,亦屬木,三體相兼,為林字姓也。他仿此。
譬えば甲乙日に賊人の姓を占うに、純艮卦を揚得て、艮宮は土に属し、而も爻体の上に寅を見るに、寅は木に属し、まさに是れ土宮の官鬼。この木鬼はまた甲乙日と相配して、甲乙もまた木に属す。三重の体象を合して一と為せば、両箇の木字が並列して、便ち「林」字のこの姓なり。其余の各例はこの類に照らして推す。
但以干配姓,以支配合,以納音配字,取象度量,盡其妙理,當慎思之。
総じて之、天干を以て姓に配し、地支を以て合して成す所の部件に配し、納音を以て字形に配す。取象するの時は分寸あり斟酌あるを要し、その中の妙理を把りて尽処に推し、応に仔細に思量して而る後に断を下すべし。
乾為圓象、為點、為馬、為金、玉、言旁、為頭。 坎為雨頭、為點水,為水目,為小,弓旁為內實外虛屈曲之象。 艮為橫畫、為口、手,為門、人,為己、田,為山、水。易旁,上尖下大,上實下虛。 震為木象,為二七、為竹、木,為立畫。偏拔、上大下尖、下虛上實。
乾は円の形象を取り、點を取り、馬を取り、金・玉を取り、言字の旁を取り、頭部の形を取る。坎は雨字の頭を取り、三點の水を取り、水字と目字とを取り、小字を取り、弓字の旁を取る。字形の上は内実外虚・屈曲して盤繞するの象なり。艮は横畫を取り、口字・手字を取り、門字・人字を取り、己字・田字を取り、山字・水字を取り、易字の旁を取る。字形の上は上尖下大・上実下虚なり。震は木の形象を取り、二と七の数を取り、竹字・木字を取り、直立するの筆畫と偏旁の撇捺とを取る。字形の上は上大下尖・下虚上実なり。
巽為甘頭、為揵服、為長舉,為絞絲,上長下短,為下點。 離為日旁,外實內虛、為中、為戈、為日、為心、為火。 坤為橫畫、為土、為方、為木旁。 兌為金、為日、為鉤、為八字、為巫、為微細。
巽は甘字の頭を取り、揵・服の一類の字形を取り、長くして上に挙がるの筆畫を取り、絞絲の旁を取る。字形の上は上長下短にして、下は點を帯ぶ。離は日字の旁を取り、字形は外実内虚にして、中字・戈字・日字・心字・火字を取る。坤は横畫を取り、土字を取り、方正の形を取り、木字の旁を取る。兌は金字を取り、日字を取り、鉤筆を取り、八字を取り、巫字を取り、細小の象を取る。
天干の類
甲為木、為田、為日、為方圓、為有腳、為果頭。 乙為草頭、為反文、為弓、為曲。 丙為火、為撇、為捺、上尖下大。 丁為一、為鉤、為未出頭字。 戊為土、為戈、為中開之類。
甲は木字・田字・日字を取り、方中に円を帯ぶるの形を取り、脚を帯ぶるの字を取り、果字の頭を取る。乙は草字の頭を取り、反文の旁を取り、弓字を取り、彎曲の筆を取る。丙は火字を取り、撇畫・捺畫を取り、字形は上尖下大なり。丁は一畫を取り、鉤筆を取り、筆畫の頭を出さざるの字を取る。戊は土字を取り、戈字を取り、中間に口を開くの一類の字形を取る。
己為挑土、為半口、為巳頭、為曲。 庚為金、為庚。 辛為金旁、為辛。 壬為水、為曲、為壬字。 癸為水、為水旁、為雙頭。
己は提土の旁を取り、半箇の口字を取り、巳字の頭を取り、彎曲の筆を取る。庚は金字を取り、また直に庚字を取る。辛は金字の旁を取り、また直に辛字を取る。壬は水字を取り、彎曲の筆を取り、また直に壬字を取る。癸は水字を取り、三點水の旁を取り、雙頭の並列する字形を取る。
地支の類
子為水旁、子旁、為鼠。 丑為土、為丑、為橫畫、為牛。 寅為木、為山、為宗、為寅字、為虎。 卯為木、為安頭、為卯字、為免。 辰為土、為艮字、為長意、為龍。 巳為火旁、為巳字、為屈曲、為蛇。
子は三點水の旁と子字の旁とを取り、属する所の生肖は鼠なり。丑は土字・丑字と横畫とを取り、属する所の生肖は牛なり。寅は木字・山字・宗字と寅字とを取り、属する所の生肖は虎なり。卯は木字・安字の頭と卯字とを取り、属する所の生肖は兔なり。辰は土字・艮字を取り、長の意思を取り、属する所の生肖は竜なり。巳は火字の旁と巳字とを取り、屈曲の形を取り、属する所の生肖は蛇なり。
午為火、為日、為幹字、為不字、為矢字頭、為馬。 未為土、為來字、為多畫、為木旁、為羊。 申為金、為車旁、為猴。 酉為金、為而旁、為目旁、為堅洞旁、為雞。 戌為土、為戌字、為成字、為犬。 亥為水、為絞絲、為豬。
午は火字・日字・干字・不字と矢字の頭とを取り、属する所の生肖は馬なり。未は土字・来字を取り、筆畫の多きの字を取り、木字の旁を取り、属する所の生肖は羊なり。申は金字と車字の旁とを取り、属する所の生肖は猴なり。酉は金字・而字の旁・目字の旁と豎洞の一類の偏旁とを取り、属する所の生肖は鶏なり。戌は土字・戌字・成字を取り、属する所の生肖は狗なり。亥は水字と絞絲の旁とを取り、属する所の生肖は猪なり。
五行の類
水為點水、為曲、為一六數。 火為火旁、為上尖下闊、為二七數。 木為木旁、為步頭、為竹頭、為人、十字象、為三八數。 金為金旁、為合字、為橫畫,為四九數。 土為土旁、為橫畫,為五十數。
水に属するは三點水を取り、彎曲の筆を取り、数目は一と六なり。火に属するは火字の旁を取り、字形は上尖下闊にして、数目は二と七なり。木に属するは木字の旁を取り、歩字の頭・竹字の頭を取り、人字と十字の形とを取り、数目は三と八なり。金に属するは金字の旁を取り、合字を取り、横畫を取り、数目は四と九なり。土に属するは土字の旁を取り、横畫を取り、数目は五と十なり。
62.占法の卦数(節録)
假如乙丑年辛巳月丁酉日丁未時占得乾之離卦: 正卦乾 變卦離 父母 戌 世 官鬼 巳 青龍 兄弟 ○ 申 父母 未 玄武 官鬼 午 兄弟 酉 白虎 父母 辰 應 子孫 亥 螣蛇 妻財 ○ 寅 父母 丑 勾陳 子孫 子 妻財 卯 朱雀
下面に一箇の完整の例を挙ぐ。乙丑年・辛巳月・丁酉日・丁未時に、乾卦を占得て離卦に変ず。正卦は是れ乾、変卦は是れ離、六爻は自ら上より下に向かって排列して後のごとし。上九の壬戌は、乾宮に在りて父母を為し、世を持ち、離卦の己巳を変出して官鬼を為し、青龍を配す。九五の壬申は兄弟を為し、畫いて重爻を作して発動し、己未を変出して父母を為し、玄武を配す。九四の壬午は官鬼を為し、己酉を変出して兄弟を為し、白虎を配す。九三の甲辰は父母を為し、応位に居り、己亥を変出して子孫を為し、螣蛇を配す。九二の甲寅は妻財を為し、も畫いて重爻を作して発動し、己丑を変出して父母を為し、勾陳を配す。初九の甲子は子孫を為し、己卯を変出して妻財を為し、朱雀を配す。この一卦は以下に分かちて十項を以て断ずるを要す。
(1)占來情 以心易敷於有易封,我觸以幹祿之機甚吉,反施乾之九五“飛龍在天,利見大人”,而下兆有“見龍在田”,統思卦象,乾健化離,“出涕沱若,戚磋若,吉”、“黃離,元吉”,復以六親法,卦中多者取來情,惟此印綬爻多,即知來者占求官也。
第一、来人の問う所が何の事なるかを占う。心易の法を用いて心念を把りて已成の卦の上に敷布す。我の触着する所は干求・禄位の機兆にして、甚だ吉なり。返照するに乾卦の九五「飛竜天に在り、大人を見るに利し」、下面にまた九二「竜を田に見る」の兆あり。通じて卦象を観るに、乾の剛健は変じて離と為り、離卦に「涕を出だすこと沱若たり、戚嗟たり、吉」と「黄離、元吉」との辞あり。さらに六親の法を用い、卦中のどの一類の爻が最も多きかに就きて便ちどの一類を取りて来意を定む。此の卦は独独印綬・父母爻が最も多ければ、便ち来人の官を求めて占うが為なるを知る。
(2)占家宅 卦中兩重父母,及年與時兩重,初夏占,其土絕,當知其屋舊象,可存四重或二重房。其三爻甲辰之屋在內,卻乃日旬空,兼以“君子終日乾乾,夕惕若,厲無咎”,離之九三“日昃之離”,此一重非言壞則火焚。
第二、家宅を占う。卦中に两重の父母爻あり、加うるに年支・時支の上にまた各々一重ありて、合して四重を成す。此の卦は初夏に占して、土はまさに絶地に当たり、これらの屋子が皆已に陳旧なるを知るべく、大いにあと四進あるいは两進の房を残すのみ。その中の第三爻の甲辰のこの一進は内卦に在り、偏にまた日辰の旬空の中に落ち落ちん。さらに乾卦の九三「君子は終日乾乾たり、夕に愓え、厲なるも咎なし」と離卦の九三「日昃の離」との辞意に合すれば、この一進の屋子は坍壊せんと要するに非ずんば、便ち火焚に遭わんと要す。
其上九壬戌之屋,高值青龍修舊之星,可住,奈九二甲寅財動青龍,修中有克,乾之上九“亢龍有悔”離之上九“有嘉折首”,兼以鬼庫在戌,歲君丑刑戌,此屋必因女人或財事破毀。只有年時及化離丑未四屋零屋沖散復成之象,此卦化出已未及占時丁未生扶,易辭又吉,後能復成無妨。
上九の壬戌のあの一進の屋子は地勢は高く、また青龍のこの旧屋を修葺するを主るの星に値して、なお住むを得。无奈ども九二の甲寅の財爻が発動し、青龍は在ると雖も、修葺の中に却って剋傷を帯ぶ。さらに乾卦の上九「亢竜悔あり」と離卦の上九「嘉あれ首を折る」との辞意に合し、加うるに鬼の庫位はまさに戌に在りて、而も太歳の乙丑がまた来たって戌を刑すれば、ゆえにこの所の屋子は必定に女人あるいは銭財の事に因りて破損毀壊せん。ただ年支・時支および変卦の離中の丑・未の主る所のあの幾処の零星の屋舍を残すのみ、是れ先に冲散せられて後に重ねて成就するの象なり。此の卦は己未を変出し、占する所の時もまた丁未にして、両相生扶し、易辞もまた吉なれば、日後はなお復建し起こる能く、事を妨げず。
(3)占夫妻 寅木發動,及申金兄弟爻動,初夏木病金生,主克木,數三當減,則二個吉。 (4)占子 初又甲子水,初夏水絕,主一個吉。 (5)占婚姻 兄動克妻,財動傷翁,不吉。
第三、夫妻を占う。九二の寅木の財爻が発動し、九五の申金の兄弟爻もまた発動す。初夏は木は病地に処りて金は正に生を得、金が旺なれば必ず来たって木を剋し、木の類数は三にして、剋を受ければ応に減ずべく、两箇を残して吉と為す。第四、子嗣を占う。初爻の甲子は水に属し、初夏は水は絶地に在り、水の類数は一なれば、ゆえにただ一箇の儿子を主りて吉と為す。第五、婚姻を占う。兄弟の発動は妻を剋せんと要し、財爻の発動は公婆を傷らんと要すれば、ゆえにこの門の婚事は吉ならず。
(6)占大小限 五歲行一爻,初從世爻起,陽順陰逆,此卦世在上九,五歲至世,青龍持世,為喜中小滯。六歲至十歲行初九,逢福德,吉。十一至十五行九二,甲寅動克世,命在須臾。
第六、大限・小限を占う。毎五歳に一爻を行き、世爻より起算し、世爻が陽に属すれば則ち順行し、陰に属すれば則ち逆行す。此の卦は世は上九に在り、一至五歳は便ち世爻の上に在り、青龍が世を持するは、是れ喜中に畧々滞碍を帯ぶ。六歳から十歳は初九を行き、初九は是れ子孫・福徳爻にして、吉なり。十一歳から十五歳は九二を行き、九二の甲寅の財爻が発動して来たって世爻を剋すれば、性命は便ち須臾の間に在り。
(7)占求官 易辭本吉,但甲寅財動傷文書,壬申兄動有阻,直待午火官,辰土印綬年可求。 (8)占求財 九二財動、求之必有;九五比肩爻動,阻而未得。
第七、官を求めるを占う。乾・離の両卦の爻辞は本来皆吉なるも、ただ九二の甲寅の財爻が発動して文書を傷り、九五の壬申の兄弟爻が発動してまた阻碍を生ず。ただ午火の官星が当値し辰土の印綬が当値するの年分に至るを待ちて、官は乃ち求め得て成らん。第八、財を求めるを占う。九二の財爻が発動すれば、財を求むるは必定にあらん。しかるに九五の比肩・兄弟爻もまた動き在りて、中間に阻せられ、一時はなお手に到らず。
(9)占疾病 壬午火鬼,正值九四爻,火鬼主熱,若占父母,九二木財發動必傷。幸九五金動制之;其病可痊,但牽連末脫。 (10)占行人歸期 本應甲寅日到,因兄動有阻,遇旬方來。
第九、疾病を占う。壬午の火鬼はまさに九四爻に当たり、火鬼は発熱の症を主る。もし占う所が父母の病なれば、九二の木財が発動して必ず来たって父母を傷らん。幸いなるかな九五の申金が発動して能く木を剋し、この財爻を把りて制住するを得れば、ゆえに病はなお治し好し得、ただ牽連は未だ断たず、一時に脱して乾浄ならず。第十、行人の帰期を占う。本当に甲寅日に到るべきに、兄弟爻が発動して阻を生ずるに因り、一旬を過ぐるを要して乃ち来らん。
63.易道の心性
易道逐心,出於混元;大道逐性,出於神仙。
《易》の道は人の心念に随いて感応し、その根源は混沌未分の元気より出づ。大道は則ち人の本性に随いて成就し、その帰宿は神仙の境に在り。
易本逐心,天地合體,陰陽假神,出於混元。一得一失,皆在日月盈虧,一離一合,皆從無而立有,故易本逐心,人靈神輔,顯明在乎信,吉凶在乎人。
《易》は本来便ち心に随いて応ずるなり。天地は合して一体と為り、陰陽は神明に借りて運行し、一切は皆混沌の元気より出づ。人生の一得一失は、皆日月の盈虧・消長の中に在り。一離一合は、皆「無」の裏より「有」を立て起こす。ゆえにいう、《易》は本來心に随う。人の霊性は先に在り、神明は不過是れ輔助なり。卦象の能く顕明するや否やは、全く占者の是れ至誠にして信あるや否やを看る。吉凶の如何なるも、また人の自身の上に係る。
或問:易道逐心何也?答曰:必要至虛至靈,以誠信為主。凡占卜,存心道性,不可一毫私念起於中。取用象在乎果決,不要狐疑,妙處當以心會神頌,有不可言傳者也。如此則神靈輔助,隨吾取舍而用之,自然靈驗矣。故曰易道逐心。
人が問うていう。「易道は心を逐う」とは何の意思ぞ。答えていう。占卜する人は必ず極虚極霊を做し到り、誠信を以て根本と為すを要す。およそ卦を起こして占問するは、心を存して道性を守るを要し、胸中に一絲一毫の私念を起こす可からず。取用・取象は果断にして決絶を要し、猶疑する可からず。その中の妙処は応に心を以て領会し神を以て黙誦すべく、有る些の処は言語の伝え出さざる所なり。能くこのごとく做せば、神霊は自ずから来たって輔助し、我に随い取舍して用い、自ずから霊験ならん。ゆえに「易道は心を逐う」という。
又曰:麻衣六親,各有為主,以世、應、日、月、飛、伏、動、靜,曉此道理,刻期而應。復以克、合、刑、害、墓、旺、空、沖,知此八宗,與神奧通。
また説く。麻衣の伝うる所の六親の法は、毎一親は皆各々それの主を作すの場合あり。さらに世・応・日・月・飛・伏・動・静のこの八項を配して看れば、この道理を把りて通ずれば、便ち能く日期を刻定して応験せん。この外になお剋・合・刑・害・墓・旺・空・冲のこの八様を用いて推すを要す。この八宗を通曉すれば、便ち神明の奥妙と相通ず。
64.邵堯夫の詩
吉凶只在面前決,禍福無勞日後知。從此敢開天地口,老夫非是愛吟詩。
吉凶は便ち眼前に当下に断決し、禍福は必ず日後を待ちて乃ち知るに及ばず。此より我は敢えて天地に替わりて口を開き話さん、老夫は可なり併せて吟詩・作句を貪愛するに非ず。この四句は邵雍が自ら占験の神速と自信とを道うなり。全書は此を以て結びと為す。
