梅花易数
作盤ガイド: 梅花易数の立卦
巻三・斷占總訣篇の一・八卦方位圖
梅花易数典籍
要点は《説卦伝》の取象と体用生剋の二条である。起卦方式は多様だが、断法に落ちる場所は同一である。
序(清・黄宗羲撰)
宋慶曆中,康節邵先生隱處山林,冬不爐,夏不扇,蓋心在於《易》,忘乎其為寒暑也。猶以為未至,糊《易》於壁,心致而目玩焉。邃於《易》理,欲造《易》之數而未又征也。一日午睡,有鼠走而前,以所枕瓦枕投擊之,鼠走而枕破。覺中有字,取視之:「此枕賣與賢人康節,某年月日某時,擊鼠枕破。」
宋の仁宗・慶暦年間、邵康節先生(名は雍、諡は康節)は山林に隠居し、冬は火炉を焚かず、夏は扇を用いなかった。ただ心のすべてが《周易》にあったため、寒暑であることさえ忘れていた。それでもなお自らの工夫が足りないと思い、《易》の図文を壁に貼りつけ、心で思索し目で玩味して、片時も離れなかった。先生は《易》理をきわめて深く钻研し、《易》の中の「数」を推し求めたいと切に願ったが、終始その徴験を得られずにいた。ある日の午睡の折、一匹の鼠が目の前を走り過ぎたので、枕にしていた瓦枕をつかんで投げつけたところ、鼠は逃げ去り、瓦枕は摔げ破れてしまった。破れた箇所に字が現れているのに気づき、取って見ると、「此の枕、賢人康節に売り与えん。某年月日某時、鼠を撃ちて枕破る」と書かれていた。
先生怪而詢之陶家,其陶枕者曰:「昔一人手執《周易》憩坐,舉枕其書,必此老也。今不至久矣。吾能識其家。」先生偕陶往訪焉,及門,則已不存矣,但遺書一冊謂其家人曰:「某年某月某時,有一秀士至吾家,可以此書授之,能終吾身後事矣。」其家以書授先生,先生閱之,乃《易》之文,並有訣例。推例演數,謂其人曰:「汝父存日,有白金置睡床西北窖中,可以營葬事。」其家如言,果得金。
先生は不思議に思い、陶を焼く家に行って問い質した。その瓦枕を作った陶工が言うには、「昔、一人の人が《周易》を手にここで憩い、この枕を書の下に敷いていた。きっとあの老人が書いたのだろう。今はもう久しく来ていないが、私はその家を知っている」。先生は陶工と一緒に尋ねて行った。門に着くと、その老人はすでに亡くなっており、一冊の書を残し、生前に家人にこう言い置いていた。「某年某月某時に、一人の秀士がわが家に来る。この書を彼に授けるがよい。彼なら私の身後の事を終わらせてくれるであろう」。その家の人は書を先生に授けた。先生が開いて見ると、もとは《易》の文章ばかりで、しかも卦を立て断ずる口訣と例とが附していた。彼は例に照らしてその数を推演し、その家の人に言った。「あなたの父上が在世の頃、寝床の西北隅の地窖に白金を置き埋めてある。取り出して葬事の費に充てなさい」。その家は言葉どおりに掘って、果たして金を得た。
先生受書以歸,後觀梅,以雀爭勝,布算,知次晚有鄰人女折花,墮傷其股。其卜蓋始於此,後世相傳,遂名《觀梅數》。又後算落花之日,午時為馬所踐毀;又算西林寺額,知有陰人之禍。凡此,皆所謂先天之數也。蓋未得卦先得數也。以數起卦,故曰後天。若夫見老人有憂色,卜而知老人有食魚之禍;見少年有喜色,卜而知有婚聘之喜;聞雞鳴,知雞必烹;聽牛鳴,知牛當殺。凡此,皆後天之數也。蓋未得數先得卦也。以卦起數,故曰後天。
先生はこの書を携えて家に帰った。後に梅花を観賞した折、二羽の雀が枝を争って墜ちたのに因って卦を立て推算し、翌日の晩に隣家の娘が花を折りに来て、転落して大腿を傷めることを予知した。彼の占卜の術はだいたいこの一回から始まり、後世に輾転伝わって、遂に《観梅数》と名づけられた。その後また落花の日を推算して、その日の午時に花が馬に踏み毀されると断じ、また西林寺の扁額を推算して、寺中に陰人の起こす禍事があることを知った。およそこの類は、みな「先天之数」と呼ばれる。まだ卦象を得ないうちに先に数目を得て、数を以て卦を起こすからである(伝世本はここを誤って「故曰後天」と作るが、義によって「故曰先天」とすべきである)。これを、老人に憂色があるのを見て、一占すればその老人に魚を食べて命を落とす禍があると知り、少年に喜色があるのを見て、一占すれば婚聘の喜びがあると知り、鶏の鳴くのを聞けばその鶏が必ず烹煮されると知り、牛の鳴くのを聞けばその牛がまさに殺されるべきと知った——およそこの類は、みな「後天之数」と呼ばれる。まだ数目を得ないうちに先に卦象を得て、卦を以て数を起こすからで、故に「後天」と曰うのである。
一日,置一椅,以數推之,書椅底曰:「某年月日,當為仙客坐破。」之期,果有道者來訪,坐破其椅。仙客愧謝,先生曰:「物之成毀有數,豈足介意,且公神仙也,幸坐以示教。」因舉椅下所書以驗,道者愕然趨起出,忽不見。乃知數之妙,雖鬼神莫逃,而況於人乎?況於物乎?
ある日、先生は新たに一脚の椅子を置き、数を推してその成毀を占い、椅子の底に字を書いて「某年月日、当に仙客の坐して破るべし」とした。その期日になると、果たして一人の道者が訪ねて来て、坐すや否やその椅子を坐り壊した。仙客は慚愧して謝したが、先生は言った。「器物の成と毀にはおのずから数がある。どうして意に介するに足りましょう。しかもあなたは神仙の中の人、幸い坐ってくださったおかげで、私に教えを示す印証を得ました」。そこで椅子を挙げて下に書いた字を検べて見せると、道者は愕然として疾く立ち上がり門を出て、忽ち見えなくなった。これによって知る、「数」の妙は、鬼神といえども逃れられないことを。いわんや人においてをや、いわんや物においてをや。
卷一·象數易理篇之一 周易卦數:乾,一;兌,二;離,三;震,四;巽,五;坎,六;艮,七;坤,八。 五行生剋:金生水,水生木,木生火,火生土,土生金;金克木,木克土,土克水,水克火,火克金。 八宮所屬五行:乾、兌,金;坤、艮,土;震、巽,木;坎,水;離,火。 卦氣旺:震、巽木旺於春,離火旺於夏,乾、兌金旺於秋,坎水旺於冬,坤、艮土旺於辰戌丑未月。 卦氣衰:春坤、艮,夏乾、兌,秋震、巽,冬離,辰戌丑未坎。 十天干:甲乙東方木,丙丁南方火,戊己中央土,庚辛西方金,壬癸北方水。 十二地支:子水鼠,丑土牛,寅木虎,卯木兔,辰土龍,巳火蛇,午火馬,未土羊,申猴金,酉金雞,戌土犬,亥水豬。 八卦象例:乾三連,坤六斷,震仰盂,艮覆碗,離中虛,坎中滿,兌上缺,巽下斷。
巻一「象数易理篇」その一では、まず全書が卦を起こし卦を断ずるに拠る若干の基本配属表を立てる(書中の「干」はみな即ち「乾」卦である)。 「周易卦数」に用いるのは先天八卦の数で、これは梅花心易が物数・声数・字数を卦に折算する根本の拠りどころである:乾は一、兌は二、離は三、震は四、巽は五、坎は六、艮は七、坤は八。 「五行生克」:金は水を生じ、水は木を生じ、木は火を生じ、火は土を生じ、土はまた転じて金を生ずる。相克の一路では、金は木を克し、木は土を克し、土は水を克し、水は火を克し、火は金を克す。梅花の断卦の吉凶は、すべて体卦とその余の各卦との間のこの一重の生克関係の上に落ちる。 「八宮所属五行」:乾と兌はともに金に属し、坤と艮はともに土に属し、震と巽はともに木に属し、坎は独り水に属し、離は独り火に属する。 「卦気旺」とは、ある卦が时令の気を得て強旺することをいう:震・巽は木に属して春季に旺し、離は火に属して夏季に旺し、乾・兌は金に属して秋季に旺し、坎は水に属して冬季に旺し、坤・艮は土に属して辰・戌・丑・未の四つの季月に旺する。 「卦気衰」は正にその反対である:春季ならば坤・艮が衰え、夏季ならば乾・兌が衰え、秋季ならば震・巽が衰え、冬季ならば離が衰え、辰戌丑未の四季の月ならば坎が衰える。 「十天干」の方位と五行への配属:甲と乙は東方の木に属し、丙と丁は南方の火に属し、戊と己は中央の土に属し、庚と辛は西方の金に属し、壬と癸は北方の水に属する。 「十二地支」の五行と生肖への配属:子は水に属して鼠、丑は土に属して牛、寅は木に属して虎、卯は木に属して兎、辰は土に属して竜、巳は火に属して蛇、午は火に属して馬、未は土に属して羊、申は金に属して猴、酉は金に属して鶏、戌は土に属して犬、亥は水に属して猪である。 「八卦象例」は卦画の形状を記える口訣である:乾三連(三画みな相連なる)、坤六断(三画みな中で断れ、共に六の小段を成す)、震仰盂(口を上に仰げた盂に似る)、艮覆碗(倒扣に覆した碗に似る)、離中虚(中間の一画が断れて虚)、坎中満(中間の一画が塡まりて満)、兌上缺(最上の一画が缺く)、巽下断(最下の一画が断れる)。
占法:《易》中秘密窮天地,造化天機洩未然。中有神明司禍福,從來切莫教輕傳。 玩法:一物從來有一身,一身還有一乾坤。能知萬物備於我,肯把三才別立根。天向一中分造化,人於心上起經綸。仙人亦有兩般話,道不虛傳只在人。
「占法」の訣にいう:《周易》の中の秘密は天地の理を窮め尽くすことができ、造化の天機はまだ発生していない事を洩らすことができる。その中に自ずから神明があって禍福を主掌するから、古来、決して軽々しく人に伝えてはならない。 「玩法」の訣にいう:およそ一物はもとより各々一つの身を有し、一身の中にまた各々一具の乾坤を備えている(すなわち人人物物それぞれ一つの太極を具える)。もし真に万物の理がすべて我が心に備わっていると体会できれば、天・地・人「三才」の根を別に自らの心の上に立てることを肯んずるであろう。天は「一」(太極)の中に造化を分かち、人は心の上に万物を経綸する本领を生ずる。仙人にも二套の説法があると伝えられる(一套は伝うべしと説き、一套は伝うべからずと説く)が、実は道は惜しんで伝えないのではなく、ただ伝える相手がどんな人であるかを見るだけである。
卦は八を以て除す
凡起卦不問數多少,即以此數作卦數,過八數即以八數遞除。一八除不盡,再除二八,三八,直至除盡,以餘數作卦。如得八數整,即坤卦,更不必除也。 爻以六除:凡起動爻,以重卦總數除六,以餘數作動爻。如不滿六,止用此數為動爻,不必再除。如過六數,則除之一六,不盡再除二六、三六,直至除盡,以餘數作動爻。若一爻動,則看此一爻,是陽爻則變陰爻,陰爻則變陽爻。取爻當以時加之。
およそ卦を起こすには、取り得た数がいくつであれ、直ちにこの数を卦数として用いる。八を超えれば、八を以て度々减除する:一つの八を减じてなお足りなければ、さらに二八(十六)、三八(二十四)を减じ、减じられなくなるまで减じて、残った余数を以て先天卦数を查べて卦を取る。もし得たものがちょうど八の整倍(余数が零)ならば、直ちに坤卦と作して、さらに除する必要はない。 「爻は六を以て除す」:動爻を起こすには、上下の重卦を相加した総数を六で除し、余数を以て第几爻が動くかを定める。総数が六に満たなければ、直ちにこの数を動爻として、除する必要はない。六を超えれば、一つの六を减じ、足りなければさらに二六(十二)、三六(十八)を减じ、减じ尽くすまで行い、余数を動爻とする。およそ一爻が発動すれば、この一爻の陰陽を見る:陽爻は陰爻に変じ、陰爻は陽爻に変じて、これによって「変卦」を得る。動爻を取る時は、なおその時の時辰の数を加え入れて併せて計算すべきである。
互卦の起例
互卦只用八卦,不必取六十四卦名。互卦以重卦去了初爻及第六爻,以中間四爻分作兩卦,看得何卦。又云:乾坤無互,互其變卦。 年月日時起例:年月日為上卦。年月日加時總數為下卦。又以年月日時總數取爻。如子年一數,丑年二數,直至亥年十二數。月如正月一數,直至十二月,亦作十二數。日數如初一一數,直至三十日,為三十數。以上年月日共計幾數,以八除之,以餘數作卦。如子時一數直至亥時十二數,就將年月日數加時之數,總計幾數,以八除之,餘數作下卦;以六除,餘數作動爻。
互卦を取るには八経卦のみを用い、六十四卦の卦名を查ぶる必要はない。作法は、已成の重卦から最も下の初爻と最も上の第六爻を去り、残った中間の四爻を上下二つの三画卦に分け(二・三・四爻を下互とし、三・四・五爻を上互とする)、それぞれ何の卦を成すかを見る。別に一説がある:乾卦・坤卦は六爻が純一で、互して出るのもやはり本卦で、互が無いに等しい。このような情形に遇ったら変卦を取って互に改める。 「年月日時起例」は、先天起卦の正法である:年・月・日の三者の数を以て上卦を定め、年・月・日にさらに時辰の数を加えて下卦を定め、さらに年月日時の総数を用いて動爻を取る。年数は地支に照らして排び、子年を一数とし、丑年を二数とし、順に数えて亥年を十二数とする。月数はそのまま月份を用い、正月を一数とし、十二月まで十二数とする。日数はそのまま日期を用い、初一を一数とし、三十日まで三十数とする。年・月・日の三つの数を合わせ、八を以て除し、余数を取って先天卦数により上卦を定める。時辰も地支に照らして排び、子時を一数とし、亥時まで十二数とする。さらに年月日の数に時辰の数を加え、合計の後に八を以て除し、余数で下卦を定める。最後にこの総数を六を以て除し、余数で動爻を定める。
物数占の例
凡見有可數之物,即以此數起作上卦,以時數配作下卦。即以卦數並時數總除六取動爻。 聲音占例:凡聞聲音,數得幾數,起作上卦,加時數配作下卦。又以聲音,如聞動物鳴叫之聲,或聞人敲擊之聲,皆可作數起卦。 字占:凡見字數如停勻,即平分一半為上卦,一半為下卦。如字數不勻,即少一字為上卦,取天輕清之義,以多一字為下卦,取地重濁之義。
およそ点数できる物(雀が几羽、花が几輪、人が几人といったもの)を見たら、この数目で上卦を起こし、その時の時辰の数で下卦を配する。さらに卦数と時辰の数を相加し、総数を六で除して、余数を取って動爻を定める。 「声音占例」:およそ声響を聞いたら、それが几声響いたかを数え、この数で上卦を起こし、時辰の数を加えて下卦を配する。ここにいう声音とは、禽獣の鳴き声や、人が門を敲き物を撃つ声のような、数えて数目を出せるものであれば、すべて卦を起こせる。 「字占」:見る字数が偶数で均等に分けられるものは、半分を上卦、半分を下卦とする。字数が均わず(奇数)ならば、少ない半分を上卦として「天は軽清にして上に在り」の義を取り、多い半分を下卦として「地は重濁にして下に在り」の義を取る。
一字占から十一字占まで
一字為太極未判。如草書,混沌不明,不可得卦。如楷書,則取其字畫,以左為陽畫,右為陰畫。居左者看幾數,取為上卦。居右者看幾數,取為下卦。又以一字之陰陽,全畫取爻。「彳」、「丿」,此為左者;「一」、「乙」、「、」此為右者。
たった一字を得たのは、太極がまだ分判していない象である。もし草書で書かれていて筆画が混沌として明らかでなければ、それに拠って卦を取ることはできない。楷書であれば、この字の筆画を取って陰陽に分ける:左に偏る筆画を陽画と算し、右に偏る筆画を陰画と算する。左に居るものが合計几画あるか数えて取って上卦とし、右に居るものが合計几画あるか数えて取って下卦とし、さらにこの一字の全部の筆画の数を合わせて動爻を取る。「彳」「丿」のような左へ向かう筆形は居左と算し、「一」「乙」「、」のような右へ向かう筆形は居右と算する。
二字為兩儀平分。以一字為上卦,一字為下卦。 三字為三才。以一字為上卦,二字為下卦。 四字為四象。平分上下為卦。又四字以上,不必數畫數,只以平仄聲音調之。平聲為一數,上聲為二數,去聲為三數,入聲為四數。 五字為五行。以二字為上卦,三字為下卦。 六字為六爻之集。平分上下為卦。 七字為齊七政。以三字為上卦,四字為下卦。 八字為八卦定位。平分上下為卦。 九字為九疇之義。以四字為上卦,五字為下卦。 十字為成數。平分上下為卦。 十一字以上至於百字,皆可起卦。但十一字以上,又不用平仄聲音調之,止用字數。如字數均平,則以半為上卦,以半為下卦。又合二卦總數取爻。
二字を得たら、「両儀平分」の象を取る:一字を上卦とし、一字を下卦とする。 三字を得たら、「三才」の義を取る:一字を上卦とし、二字を下卦とする。 四字を得たら、「四象」の義を取る:上下に平分して二卦とする。またおよそ四字以上は、さらに筆画を数える必要はなく、ただ每字の声調に照らして数目に折る:平声を一数、上声を二数、去声を三数、入声を四数とする。 五字を得たら、「五行」の義を取る:二字を上卦とし、三字を下卦とする。 六字を得たら、六爻会聚の象である:上下に平分して二卦とする。 七字を得たら、「七政を斉しくす」(日月と五星)の義を取る:三字を上卦とし、四字を下卦とする。 八字を得たら、「八卦定位」の義を取る:上下に平分して二卦とする。 九字を得たら、《尚書・洪範》の「九疇」の義を取る:四字を上卦とし、五字を下卦とする。 十字を得たら、十は「成数」である:上下に平分して二卦とする。 十一字以上、一百字に至るまで、すべて卦を起こすことができる。ただし十一字以上は、さらに平仄声調で数を折ることを用いず、ただ字数そのものを用いる:字数が均等に分けられるものは半分を上卦、半分を下卦とし、さらに上下両卦の総数を合わせて動爻を取る。
丈尺占
丈尺之物,以丈數為上卦,尺數為下卦。合丈尺之數取爻。寸數不用。 尺寸占:以尺數為上卦,寸數為下卦。合尺寸之數加時取爻。分數不用。
およそ丈尺で量れる物は、丈の数目を上卦とし、尺の数目を下卦とし、丈と尺の二つの数を相加して動爻を取り、端数の寸数は棄てて用いない。 「尺寸占」:量る物が尺寸の大きさしかなければ、尺の数目を上卦とし、寸の数目を下卦とし、尺と寸を相加し、さらに時辰の数を加えて動爻を取り、端数の分数は棄てて用いない。
人のために占う
凡為人占,其例不一。或聽語聲起卦,或觀其人品,或取諸身,或取諸物,或因其服色,觸其外物,或以年月日時,或以書寫來意。 又聽其語聲者,如或一句,即如其字數分之起卦,如說兩句,即用先一句為上卦,後一句為下卦。語多,則但用初聽一句,或末後所聞一句。餘句不用。
他人のために占卜するには、卦を取る門路は一種にとどまらない:あるいは彼の話す声音を聞いて卦を起こし、あるいは彼がどんな身分・様貌の人かを見、あるいは彼の身の動く部位を取り、あるいは彼の随身の物を取り、あるいは彼の衣服の色に依り、あるいは卦を起こす時に触れ見た外物に就き、あるいはその時の年月日時を用い、あるいは彼に問うたい事を書かせる。 ここにいう「語声を聴く」とは:彼が一句しか言わなければ、この一句の字数に照らして分けて卦を起こし、二句言ったなら前の一句を上卦・後の一句を下卦とする。話が多い時は、ただ最初に聞いた一句か、最後に聞いた一句のみを取り、残りの各句はいっさい用いない。
觀其人品者,如老人為乾,少女為兌之類。 取諸其身者,如頭動為乾,足動為震,目動為離之類。 取諸其物者,如人手中偶有何物,如金玉及圓物之屬為乾,土瓦及方物之屬為坤之類。 因其服色者,如其人青衣為震,赤衣為離之類。 觸其外物者,起卦之時見水為坎卦,見火為離卦之類。 年月日時,如觀梅之類推之。 書寫來意者。其人來占,或寫來意,則以其字占之。
ここにいう「人品を観る」とは:問いに来るのが老人なら乾卦を取り、少女なら兌卦を取り、その余は八卦の配する人物に照らして類推する。 ここにいう「諸を身に取る」とは:彼の頭が動けば乾卦を取り、脚が動けば震卦を取り、眼が動けば離卦を取る、といった類である。 ここにいう「諸を物に取る」とは:彼の手にちょうど何を持っているかを見て、金玉の類あるいは円形の物なら乾卦を取り、陶土・瓦器の類あるいは方形の物なら坤卦を取る、といった類である。 ここにいう「服色に因る」とは:来た人が青衣を着ていれば震卦を取り、赤衣を着ていれば離卦を取る、といった類である。 ここにいう「外物に触れる」とは:卦を起こすその間に水を見れば坎卦を取り、火を見れば離卦を取る、といった類である。 ここにいう「年月日時」とは、前の観梅占の算法に照らして推すことである。 ここにいう「来意を書く」とは:来た人が問うたい事を紙に書いたなら、彼の書いたこれらの字を用いて卦を起こし占断する。
自ら占う
凡自己欲占,以年月日時或聞有聲音,或觀當時有所觸之外物,皆可起卦。以上三例,與前章為人占類法同。 占動物:凡占群物之動,不可起卦。如見一物,則就以此物為上卦,物來之方位為下卦。合物卦數及方位卦數,加時數取爻,以此數總斷其物,如後天占牛鳴雞叫之類。又凡牛馬犬豕之類,初生,則以初生年月日時占之。又可置買此物,亦可以初置買之時推之。
自ら占いたい時は、その時の年月日時で卦を起こしてもよく、耳の中に聞こえた声響で卦を起こしてもよく、また眼前に触れ見た外物で卦を起こしてもよい。この三つの取り方は、前章の人のために占う取り方と同じである。 「動物占」:一群のものが同時に乱れ動く時は卦を起こせない。ただ单独の一物を見てこそ、この物を以て上卦を取り、それが来た方位を以て下卦を取り、物卦の数と方位卦の数を相加し、さらに時辰の数を加えて動爻を取り、この総数を以てその動物の吉凶を総断する。例えば後天卦で牛の鳴き・鶏の鳴きを占うのがこれである。このほか、牛・馬・犬・猪などの牲畜は、その出生の年月日時で占うことができる。買ったものであれば、最初に買い入れた時刻で推算してもよい。
静物を占う
凡占靜物,有如江河山石,不可起卦。若至屋宅、樹木之類,則屋宅初創之時,樹木初置之時,皆可起卦。至於器物,則置成之時可占,如枕、椅之類是矣。餘則無故不占。若觀梅,則見雀爭枝墜地而占。牡丹,則見有問而占。茂樹,則枝枯自墜而後占也。
静物を占うにも分別がある:江河・山石のような、古来から在って始めも終わりもないものは、卦を起こせない。房屋・樹木の類については、房屋が初めて建った時、樹木が初めて栽えられた時に、いずれも卦を起こすことができる。器用の物については、造成・置办したその一刻に占うべきで、例えば前文の瓦枕・坐椅がそうである。このほかは、故なくして占わない。観梅のあの一回は、雀鳥が枝を争って墜地したという反常の事を見たが故に占い、牡丹を占ったのは客人が発問したが故であり、茂樹を占ったのは風もないのに枯枝が自ら墜地したが故である——つまり「動かなければ占わず、事に因らなければ占わない」に帰するのである。
象数易理篇 その二
物卦起例(端法後天起卦) 後天端法:以物為上卦,方位為下卦,合物卦之數與方卦之數加時數以取動爻。 八卦萬物屬類(併為上卦) 乾:天、父、老人、官貴、頭、骨、馬、金寶、珠玉、水果、圓物、冠、鏡、剛物、大赤色、水寒。 坤:地、母、老婦、土、牛、金、布帛、文章、輿輦、方物、柄、黃色、瓦器、腹、裳、黑色、黍稷、書、米、谷。 震:雷、長男、足、髮、龍、百蟲、蹄、竹、萑葦、馬鳴、馵足、的顙、稼、樂器之類、草木、青碧綠色、樹、木核、柴、蛇。 巽:風、長女、僧尼、雞、股、百禽、百草、臼、香氣、臭、繩、眼、羽毛、帆、扇、枝葉之類、仙道工匠、直物、工巧之器。
「物卦起例」が説くのは後天端法の起卦で、すなわち年月日時の数を用いず、直ちに眼前の物に就いて卦を取る法である:見た物を以て上卦を取り、この物の在る(あるいは来た)方位を以て下卦を取り、さらに物卦の数と方位卦の数を相加し、時辰の数を加え、総数を六で除して動爻を取る。 次の「八卦万物属類」の表は、物を取って上卦とする時の取象の拠りどころである。 乾の主るところは:天、父親、老人、官を為す顕貴の人。身においては頭、骨。畜においては馬。物においては金宝・珠玉・水果・円形の物・帽冠・鏡、およそ堅剛の物はみなこれである。色においては大赤、気においては寒。 坤の主るところは:地、母親、老婦。物においては土、牛、布帛、文采・章紋、車輿・輦轎、およそ方形の物はみなこれである。色においては黄、黒。また瓦器、腹、下裳、黍稷・米穀の類、書冊でもある。 震の主るところは:雷、長男。身においては足、頭髪。物においては竜、百虫、蹄、竹、萑葦、鳴く馬・後ろ足の白い馬・額に白斑のある馬、庄稼、竹木の類の楽器、草木・樹・木の核・柴薪。色においては青・碧・緑。また蛇でもある。 巽の主るところは:風、長女、僧尼。畜においては鶏、身においては大腿。また百禽・百草、臼、香気と臭気、繩索、眼、羽毛、帆、扇、枝葉の類。人においては修仙問道の者と工匠。およそ細長く笔直の物、精巧の器はみな巽に属する。
坎:水、雨、雪、工、豕、中男、溝瀆、弓輪、耳、血、月、盜、宮律、棟、叢棘、狐、蒺藜、桎梏、水族、魚、鹽、酒、醢、有核之物、黑色。 離:火、雉、日、目、電、霓霞、中女、甲冑、戈兵、文書、槁木、爐、獸、鱷龜蟹蚌、凡有殼之物、紅赤紫色、花紋人、乾燥物。 艮:山、土、少男、童子、狗、手指、徑路、門闕、果、蓏、閽寺、鼠、虎、狐、黔喙之屬、木生之物、藤生之物、爪、鼻。黃色。 兌:澤、少女、巫、舌、妾、肺、羊、毀折之物、帶口之器、屬金者、廢缺之物、奴僕、婢。 八卦方位圖 離南坎北,震東兌西,人則介乎其中。
坎の主るところは:水、雨、雪。人においては工匠、中男(次男)、畜においては猪。また溝渠・水道、弓と車輪、耳、血、月、盗賊、宮室・律法、屋棟、叢生する荊棘、狐狸、蒺藜、脚鐐・手錮。およそ水族・魚類および塩・酒・肉醤・核を帯びた物はみな坎に属する。色においては黒。 離の主るところは:火、雉、太陽、眼、電光、虹霓・雲霞。人においては中女。また盔甲、戈矛の兵器、文書、枯槁の木、炉灶、獣。鱷・龜・蟹・蚌などおよそ甲殻を帯びたものはみな離に帰する。色においては紅・赤・紫。また身に花紋のある人、一切の乾燥した物でもある。 艮の主るところは:山、土、少男、童子。畜においては狗、身においては手指、爪、鼻。また小路、門闕、草木の実(木本を果といい、草本を蓏という)、門を守る吏、老鼠、老虎、狐狸、およそ嘴の黒い鳥獣、樹に依りて生じ藤に纏わりて生ずる物はみな艮に属する。色においては黄。 兌の主るところは:沼沢、少女、巫祝。身においては舌、肺。人においては妾、奴僕・婢女。畜においては羊。およそ毀壊・折損した物、口を帯びた器皿、金に属する物、残廃・缺損の物はみな兌に帰する。 「八卦方位圖」に用いるのは後天の方位である:離は南、坎は北、震は東、兌は西に在り、占卜する人は自ら中に居り、八方の応はすべてこの中心から見るのである。
観梅占
辰年十二月十七日申時,康節先生偶觀梅,見二雀爭枝墜地。先生曰:「不動不占,不因事不占。今二雀爭枝墜地,怪也。」因占之,辰年五數,十二月十二數,十七日十七數,共三十四數,除四八三十二,餘二,屬兌,為上卦,加申時九數,總得四十三數,五八除四十,餘得三數,為離,作下卦。又上下總四十三數,以六除,六七四十二,餘一為動爻,是為澤火革。初爻變咸,互見乾巽。
辰年十二月十七日の申時、康節先生は偶然梅花を見に行き、二羽の雀が一本の枝を争って共に地に跌落するのを見た。先生は言った。「事、反常でなければ占わず、無縁無故には占わない。今、二雀が枝を争って墜地したのは怪事である」。そこで卦を起こして推算した。辰年は地支の中で第五に排して五数と算し、十二月は十二数と算し、十七日は十七数と算する。三者合わせて三十四数。八を以て除すれば、四八三十二、余二、二は先天卦数で兌に属するから、兌を取って上卦とする。さらに申時の九数を加えて、総じて四十三数を得る。八を以て除すれば、五八四十、余三、三は離に属するから、離を取って下卦とする。上下合計はやはり四十三数で、六を以て除すれば、六七四十二、余一、故に初爻が動く。こうして得られた本卦は「沢火革」で、初爻が変ずれば「沢山咸」となり、中間の四爻からは乾・巽の両卦が互い出る。
斷之曰:「詳此卦,明晚當有女子折花,園丁不知而逐之,女子失驚墜地,逐傷其股。右兌金為體,離火克之。互中巽木,復三起離火,則克體之卦氣盛。兌為少女,因知女子之被傷,而互中巽木,又逢乾金兌金克之,則巽木被傷,而巽為股,故有傷股之應。幸變為艮土,兌金得生,知女子但被傷,而不至凶危也。」(年月日時占例)
先生は断じて言った。「この卦を細かく見るに、明日の晩に女子が花を折りに来るべきで、園丁は情を知らずに彼女を逐い去ろうとし、女子は驚いて地面に跌落し、それによって大腿を摔げ傷める。上卦の兌金は動かず、これが「体卦」。下卦の離火は発動し、これが「用卦」で、離火は正に兌金を克す。互卦の中の巽木はまた反って離火を助長し、体を克する卦気はこれによってさらに盛んとなる。兌は人物において少女であるから、傷めるのが女子と断じた。互卦の巽木はまた乾金・兌金に克せられて巽木が傷められ、巽は人身において大腿を主るから、腿を傷めるに応じた。幸い動爻が艮土を変出し、土は兌金を生ずることができ、体卦は生を得た。だからあの女子は傷つくだけで、性命の危には至らないことが分かる」。(これは年月日時の数で卦を起こす範例である。)
牡丹占
巳年三月十六日卯時,先生與客往司馬公家共觀牡丹。時值花開甚盛,客曰:「花盛如此,亦有數乎?」先生曰:「莫不有數。且因問而可占矣。」逐占之。以巳年六數,三月三數,十六日十六數,總得二十五數,除三八二十四數,餘一數為乾,為上卦。卯時四數,共得二十九數,又除三八二十四數,餘五為巽卦,作下卦,得天風姤。又以總計二十九數,以六除之,四六除二十四,得五爻動,變鼎卦,互見重乾。
巳年三月十六日の卯時、先生は客人と共に司馬光の家に牡丹を見に行った。時に花は極めて盛んに咲き、客人は言った。「花がこのように盛んに咲くにも、定数があるのですか」。先生は言った。「一物として数に落ちないものはない。しかもあなたが既に発問したからには、それに拠って卦を起こすことができる」。そこで占算した。巳年は地支の中で第六に排して六数と算し、三月は三数、十六日は十六数と算する。合計二十五数。八を以て除すれば、三八二十四、余一、一は乾に属するから、乾を取って上卦とする。卯時は四数と算し、前と合計して二十九数。さらに八を以て除すれば、三八二十四、余五、五は巽に属するから、巽を取って下卦とする。こうして「天風姤」を得た。さらに総数二十九を六で除すれば、四六二十四、余五、故に五爻が発動し、変卦は「火風鼎」、互卦は上下ともに乾(重乾)である。
逐與客曰:「怪哉,此花明日午時,當為馬所踐毀。」眾客愕然不信,次日午時,果有貴官觀牡丹,二馬相齧,群至花間馳驟,花盡為之踐毀。 斷之曰:「巽木為體,乾金克之,互卦又見重乾,克體之卦多矣,卦中無生意,固知牡丹必為踐毀。所謂馬者,乾為馬也。午時者,離明之象,是以知之也。」
先生はすぐ客人に言った。「怪しいことだが、これらの花は明日の午時に馬に踏み毀される」。座の客はみな愕然として信じなかった。翌日の午時になると、果たして顕貴の官員が牡丹を賞しに来て、両匹の馬が互いに咬み合い、一群の人馬が花叢に奔り込んで踏み荒し、牡丹はみな践毀されてしまった。 先生は断じた。「下卦の巽木は体であり、上卦の乾金がこれを克す。互卦はまた両重の乾金で、体を克する卦がこれほど多く、全卦の中に体卦を生扶する生気が一点もない。だから牡丹が必ず践毀されると断じた。『馬』といったのは、乾が物象において正に馬であるからで、『午時』に応じるといったのは、午が離に属し、離は日中光明の象であるからだ——これによって知ったのである」。
隣家の夜の敲門・物借り占
冬夕酉時,先生方擁爐,有扣門者,初扣一聲而止,繼而又扣五聲,且云借物。先生令勿言,令其子占之所借何物。以一聲屬乾為上卦,以五聲屬巽為下卦,又以一干五巽共六數,加酉時數共得十六數,以六除之,二六一十二,得天風姤。第四爻變巽卦,互見重乾。卦中三干金,二巽木,為金木之物也,又以乾金短,而巽木長,是借斧也。
冬の夕方酉時、先生は火炉を囲んでいたところ、門を敲く者があった。先に一声敲いて止まり、続いて五声敲き、そして物を借りたいと言った。先生は来た人に先に何を借りるか言い破らせず、息子に卦を起こさせて何を借りるかを推算させた。先の一声は乾に属して上卦に取り、後の五声は巽に属して下卦に取る。さらに乾一・巽五を合わせて六数とし、酉時の十数を加えて、共に十六数を得て、六で除せば、二六一十二、余四、故に第四爻が動く。本卦は「天風姤」、四爻が変ずれば下卦が巽となる(変卦は「巽為風」)、互卦は両重の乾である。卦の中に三つの乾金・二つの巽木があり、借りる物が金と木とを合成した物と分かる。また乾金は短く巽木は長い(金は短ければ刃、木は長ければ柄)——正に一把の斧頭である。
子乃斷曰:「金短木長者,器也,所借鋤也。」先生曰:「非也。必斧也。」聞之,果借斧,其子問何故?先生曰:「起數又須明理。以卦推之,斧亦可也,鋤亦可也;以理推之,夕晚安用鋤?必借斧。蓋斧切於劈柴之用耳。推數又須明理,為卜占之切要也。推數不推理,是不得也。學數者志之!」 (繫聞聲占例)
息子はそこで断じた。「金が短く木が長い器具——借りるのは鍬です」。先生は言った。「違う、きっと斧だ」。来た人に問えば、果たして斧を借りると言う。息子がその故を問うと、先生は言った。「数を起こしたら必ず事理に通じなければならない。卦象のみに拠って推すなら、斧と言っても可、鍬と言っても可であろう。しかし情理に照らして推せば、すでに夜、誰が鍬を用いることがあろうか。だから必ず斧を借りるのだ——斧は正に夜に柴を劈く用に合する。数を推す外に理をも推さねばならない。これが占卜の最も緊要なところである。数のみを推して理を推さなければ、断は当たらない。数を学ぶ者はこの点を牢記すべきである」。 (以上は声音を聞いて卦を起こす範例である。)
今日の動静は如何
有客問曰:「今日動靜如何?」逐將此六字占之。以乎分「今日動」三字為上卦。「今」平聲,一數;「日」入聲,四數;「動」去聲,三數,共八數,得坤為上卦。以「靜如何」為下卦,「靜」去聲,三數;「如」平聲,一數;「何」平聲,一數,共五數,得巽,為下卦。又以八五總為十三數,除二六一十二,餘得一數,為地風升。初爻動,變泰卦,互見震、兌。逐為客曰:「今日有人相請,客不多,酒不醉,味至黍雞而已。」至晚果然。
客人が問うた。「今日の動静は如何」。先生は即座にこの六字を取って卦を起こした。六字を平分し、前の三字「今日動」を上卦とする。「今」は平声で一数、「日」は入声で四数、「動」は去声で三数、共に八数、八は坤に属するから坤を取って上卦とする。後の三字「静如何」を下卦とする。「静」は去声で三数、「如」は平声で一数、「何」は平声で一数、共に五数、五は巽に属するから巽を取って下卦とする。さらに八と五を合わせて十三数とし、六で除せば、二六一十二、余一、故に初爻が動く。本卦は「地風升」、初爻が変ずれば「地天泰」、互卦には震と兌とが見える。先生はすぐ客人に言った。「今日、人の設宴招請がある。客は多くなく、酒は酔うほどではなく、菜色は黄米飯と鶏に過ぎないであろう」。夜になると、果たしてそのとおりだった。
斷曰:「升者,有升階之義,互震、兌,有東西席之分。卦中兌為口,坤為腹,為口腹之事,故知有人相請。客不多者,坤土獨立,無同類之卦氣也。酒不醉,卦中無坎。味止黍雞者,坤為黍稷耳。蓋卦無相生之義,故知酒不多,食品不豐也。」 (繫聲音占例)
先生は断じた。「『升』の字は階を登り席に入るの義がある。互卦に震・兌が見え、震は東・兌は西、正に賓主が東西の二席に分坐する象である。卦中、兌は口、坤は腹、みな口腹の飲食の事である。だから人の設宴招請があると知った。客が多くないといったのは、坤土が孤立して、全卦にもう一つの同属の土の卦気が来て助けることがないからである。酒が酔うに至らないといったのは、卦中に坎がないからで——坎は酒を主る。菜色がただ黄米と鶏だといったのは、坤が物象において正に黍稷・穀物を主るからである。要するに全卦に相生の義がなく、だから酒は多くなく菜も豊かでないと断じた」。 (以上は語声の字数に就いて卦を起こす範例である。)
西林寺牌額占
先生偶見西林寺之額,「林」字無兩勾,因占之,以西字七畫為艮,作上卦;以林八畫為坤,作下卦。以上七畫下八畫總十五畫,除二六一十二,餘數得三,是山地剝卦。第三爻動,變艮,互見重坤。
先生は偶然、西林寺の扁額を見て、その上の「林」の字に二つの勾(二筆の竪鉤)が缺けて書かれているのに気づき、すなわちこの二字に就いて卦を起こした。「西」の字は七画、七は艮に属するから艮を取って上卦とし、「林」の字(二勾を缺く)は八画、八は坤に属するから坤を取って下卦とする。上の七画に下の八画を加えて共に十五画、六で除せば、二六一十二、余三、故に第三爻が動く。本卦は「山地剥」、三爻が変ずれば「艮為山」、互卦は両重の坤である。
斷曰:寺者,純陽之所居,今卦得重陰之爻,而又有群陰剝陽之兆。詳此,則寺中當有陰人之禍。詢之果然,逐謂寺僧曰:「何不添‘林’字兩勾,則自然無陰人之禍矣。」僧信然,即添‘林’字兩勾,寺果無事。
先生は断じた。寺院は純陽の人(僧衆)の居る所である。今占い得た卦は重畳の陰爻に満ち、しかも「剥」の卦はもともと群陰が下から上の一陽を剥蝕する兆である。これに拠って推し詳すれば、寺中に女子に因って起こる禍事があるべきである。一問すると、果たしてそのとおりだった。先生はすぐ寺僧に言った。「『林』の字の二つの勾を補ってはどうか。補えば自然に女子の禍はない」。僧は信服し、即座に「林」の字の二勾を補い、寺は果たして平安無事であった。
又,純陽之人,所居得純陰之卦,故不吉。又有群陰剝陽之義,故有陰人之禍。若添「林」字兩勾,則十畫,除八得二為兌卦,合上艮,是為山澤損。第五爻變,動為中孚卦,互卦見坤、震,損者益之,用互俱生體,為吉卦。可以得安矣。 以上並是先得數,以數起卦,所謂先天之數也。(繫字畫占例)
さらに一重を申し説こう。純陽の人の居る所に、占い得たのは純陰の卦——それ自体がすでに不吉である。さらに「剥」には群陰が陽を剥ぐの義が加わるから、女子の招来する禍事に応じたのである。もし「林」の字の二勾を補えば、「林」は十画となり、八で除して余二、二は兌に属し、上の艮と相合して、即ち「山沢損」となる。総画数が変動した後は第五爻が動き、変卦は「風沢中孚」、互卦に坤と震とが見える。「損」は極まれば転じて「益」となり、しかも用卦(兌金)と互卦(坤土)はみな体卦を生じに来る(艮土・兌金は相生の一路)、吉卦を成して、ここに安寧を得ることができる。 以上の数例はみな先に数を得、数によって卦を起こしたもので、これがいわゆる「先天之数」である。(この一例は字の筆画によって卦を起こす類に属する。)
老人に憂色ある占
己丑日卯時,偶在途行,有老人往巽方,有憂色。問其何以有憂,曰無。怪而占之,以老人屬乾為上卦,巽方為下卦,是天風姤;又以乾一巽五之數,加卯時四數,總十數,除六得四為動爻,是為天風姤之九四。《易》曰:「包無魚,起凶。」是易辭不吉矣。以卦論之,巽木為體,乾金克之,互卦又見重乾,俱是克體,並無生氣,且時在途行,其應速。逐以成卦之數中分而取其半,謂老人蟲:「汝於五日內謹慎出入,恐有重禍。」果五日,此老赴吉席,因魚骨鯁而終。
己丑の日の卯時、先生は偶然路を歩いていて、一人の老人が東南の巽方へ向かって行くのを見、その顔に憂色を帯びているのを見た。何故愁えるかを問うと、答えて無しと言った。先生は反常と感じ、すなわち卦を起こして推算した。老人は人物において乾に属するから乾を取って上卦とし、彼の往く巽方を下卦として、「天風姤」を合成した。さらに乾一・巽五の数を以て、卯時の四数を加え、共に十数、六で除して余四、故に第四爻が動く——正に姤卦の九四爻である。《周易》姤卦九四の爻辞にいう。「包に魚無し、起せば凶」(厨に魚がなく、一動すれば凶ある)は、爻辞がすでに不吉であることが見える。さらに卦象に就いて論ずれば、下卦の巽木は体で、上卦の乾金がこれを克し、互卦はまた両重の乾金で、みな体を克し、全卦に体卦を生扶する生気が一点もない。しかも当時、自分は路を行っていた最中で、行けば事の応は速い。そこで成卦の数を対半に折算し(十数はその半を取って五とする)、先生は老人に言った。「あなたはこの五日の内、出入に小心すべきで、おそらく大禍がある」。果たして第五日に至って、この老人は喜宴に赴き、魚骨に喉を塞がれて死んだ。
又凡占卜,克應之期看自己之動靜,以決事之遲速,故行則應速,以逐成卦之數,中分而取其半也。坐則事應遲,當倍其成卦之數而定之也。立則半遲半速,止以成卦之數定之可也。雖然如是,又在變通,如占牡丹及觀梅之類,則二日花皆朝夕之故,豈特成數之久也。 (端法占例)
またおよそ占卜で応験の日期を定めるには、なお占者自身のその時の動・静を見て、これに拠って事の来る快慢を決める:占う時に自分が行っていれば、事の応は速いから、成卦の数を対半に折算してその半を取る。占う時に坐っていれば、事の応は遅いから、成卦の数を加倍して定めるべきである。占う時に立っていれば、快慢が各半で、直ちに成卦の数を以て定める。こういう規矩があるとはいえ、なお事に随って変通しなければならない。例えば牡丹を占い観梅を占ったこの二例は、花の開落はもともと旦夕の間の事で、どうして成卦の数ほど久しくを待てようか。だからいずれも一二日の内に断ったのである。 (以上は端法後天起卦の範例に属する。)
少年に喜色ある占
壬申日午時,有少年從離方來,喜形於色,問有何喜,曰無。逐占之,以少年屬艮為上卦,離為下卦,得山火賁。以艮七離三加午時七,總十七數,除十二,餘五為動爻,賁之六五爻曰:「賁于丘園,束帛戔戔,吝,終吉。」易辭已吉矣。卦則賁之家人,互見震、坎,離為體,互變俱生之。斷曰:子於十七日內必有聘幣之喜。至期,果然定親。
壬申の日の午時、一人の少年が南方の離位から来て、満面に喜色を帯びていた。何の喜事かを問うと、彼は無いと言った。先生はすなわち卦を起こした。少年は人物において艮に属するから艮を取って上卦とし、彼の来た離方を下卦として、「山火賁」を合成した。艮七・離三を以て午時の七数を加え、共に十七数、六で除して(二六一十二)余五、故に第五爻が動く。賁卦六五の爻辞にいう。「賁于丘園、束帛戔戔、吝、終吉」(丘園を束帛の礼を以て飾る、礼は儉薄なれど終に吉なり)は、爻辞がすでに吉である。卦象に就いていえば、賁の五爻が変ずれば「風火家人」となり、互卦には震と坎とが見える。下卦の離火は体で、互卦の震木・変卦の巽木はみなこれを生じに来る——変・互ともに体を生ず。そこで断じた。あなたは十七日の内に必ず下聘・定親の喜びがある。期に至って、果たして親を定めた。
牛哀鳴の占
癸卯日午時,有牛鳴於坎方,聲極悲,因占之。牛屬坤,為上卦,坎方為下卦。坎六坤八,加午時七,共二十一數,除三六一十八,三爻動得地水師之三爻。《易辭》曰:「師或輿尸,凶。」卦則師變升,互坤、震,乃坤為體,互變俱克之,並無生氣。 斷曰:此牛二十一日內必遭屠殺。後二十日,人果買此牛,殺以犒眾,悉皆異之。
癸卯の日の午時、一頭の牛が北方の坎位で鳴き、声がきわめて悲惨であったので、先生はこれに因って卦を起こした。牛は物象において坤に属するから坤を取って上卦とし、牛の在る坎方を下卦とする。坎六・坤八、午時の七数を加え、共に二十一数、六で除して(三六一十八)余三、故に第三爻が動き、「地水師」の第三爻を得た。《周易》師卦六三の爻辞にいう。「師あるいは屍を輿して帰る、凶」(出師して車に屍を載せて帰るは凶)。卦象に就いていえば、師の三爻が変ずれば「地風升」となり、互卦には坤と震とが見える。上卦の坤土は体で、互卦の震木・変卦の巽木はみなこれを克しに来る——変・互ともに体を克し、全卦に毫も生気なし。 そこで断じた。この牛は二十一日の内に必ず宰殺される。二十日を過ぎて、果たして人があってこの牛を買い去り、殺して衆人を犒労した。衆はみなその断の中ることに驚異した。
鶏悲鳴の占
甲申日卯時,有雞鳴於乾方,聲極悲愴,因占之。雞屬巽,為上卦,乾方為下卦,得風天小畜。以巽五干一共六數,加卯時四數,總十數,除六得四,爻動變乾,是為小畜之六四。《易》曰:「有孚,血去惕出,無咎。」推之,割雞之義。卦則小畜之乾,互見離、兌。乾金為體,離火克之。卦中巽木離火,有烹飪之象。 斷曰:此雞十日當烹。果十日客至,有烹雞之驗。
甲申の日の卯時、一羽の鶏が西北の乾方で鳴き、声がきわめて悲愴であったので、先生はこれに因って卦を起こした。鶏は物象において巽に属するから巽を取って上卦とし、鶏の在る乾方を下卦として、「風天小畜」を得た。巽五・乾一を以て共に六数、卯時の四数を加え、共に十数、六で除して余四、故に第四爻が動く。動爻が変じた後、上卦は乾となり、正に小畜の六四爻である。《周易》小畜六四の爻辞にいう。「孚有り、血去り惕出づ、咎無し」(心に誠信を存すれば、流血の傷は去り危惧は出で、災禍はない)。此処の「血」の字を推し衍めれば、正に鶏を割いて血を見るの義を含んでいる。卦象に就いていえば、小畜の四爻が変ずれば「乾為天」となり、互卦には離と兌とが見える。下卦の乾金は体で、互卦の離火がこれを克し、しかも卦中は巽木が下・離火が上に在り、正に柴で烹煮する象である。 そこで断じた。この鶏は十日の内に烹煮されるべし。果たして第十日に客人が来て、鶏を殺して客を待った應験に応じた。
枯枝墜地の占
戊子日辰時,偶行至中途,有樹蔚然,無風,枯枝自墜地於兌方。占之,槁木為離,作上卦,兌方為下卦,得火澤睽。以兌二離三,加辰時五數,總十數,去六餘四,變山澤損,是睽之九四。《易》曰:「睽孤,遇元夫。」卦火澤睽變損,互見坎、離,兌金為體,離火克之,且睽損卦名,俱有傷殘之義。 斷曰:此樹十日當伐。果十日,伐樹起公榭,而匠者適字「元夫」也。 以上諸占例,並是先得卦,以卦起數,所謂後天之數也。
戊子の日の辰時、先生は偶然半路を歩いていて、一棵の樹が枝葉茂っているのを見たが、当時風はなかったのに、一本の枯枝が自ら西方の兌位に墜落した。彼はすなわち卦を起こした。枯槁の木は物象において離に属するから離を取って上卦とし、枯枝が墜落した兌方を下卦として、「火沢睽」を得た。兌二・離三を以て辰時の五数を加え、共に十数、六を減じて余四、故に第四爻が動き、変卦は「山沢損」で、正に睽卦の九四爻である。《周易》睽卦九四の爻辞にいう。「睽孤、元夫に遇う」(孤立無與の時、あの善士「元夫」に遇った)。卦象に就いていえば、火沢睽は山沢損に変じ、互卦には坎と離とが見える。下卦の兌金は体で、上卦の離火がこれを克する。しかも「睽」は乖離、「損」は損減で、二つの卦名がともに傷残の義を含んでいる。 そこで断じた。この樹は十日の内に砍伐されるべし。果たして十日後、人があってこの樹を伐り官家の台榭を蓋うに用い、その工匠の字がちょうど「元夫」と云い、爻辞と相合した。 以上の幾つかの例は、みな先に卦象を得、卦によって数を起こしたもので、これがいわゆる「後天之数」である。
風覚鳥占
風覺鳥占者,謂見風而覺,見鳥而占也,然非風鳥而占,而謂風覺鳥占也。凡卦之寓物者,皆謂之風覺鳥占。如易數,總謂之觀梅之數也。
いわゆる「風覚鳥占」とは、風の起きるを見て覚るところがあり、飛鳥を見てそれに拠って占断することをいう。実は風と鳥に限って風覚鳥占というのではない——およそ卦象を眼前の物に託して取って卦を起こすものは、すべて「風覚鳥占」と総称し、風・鳥は挙例に過ぎない。これはちょうどこの一套の《易》数が「観梅之数」と総名されるのに、観梅の一事に限らないのと同じである。
風覚占
風覺占者,謂其見風而覺也,見鳥而占也。凡見風起而欲占之,便是風從何方而來,以之起卦。又須審其時,察其色,以推其聲勢,然後可斷其吉凶。風從南方來者,為家人,南方屬離火,得風火家人卦(南方屬離火,合得風火家人卦)。東來者,為益卦之類。
「風覚占」とは、風を見て覚り、鳥を見て占うという一路の取象である。およそ風の起きるを見て占断したい時は、風がどの方から吹いて来るかを見て、この方位に拠って卦を起こす(風そのものは巽に属して上卦に配し、風の来る方を下卦に配する)。このほかになお起風の时令を審察し、風中の気色を観察し、風の声勢を推究して、しかる後に吉凶を断ずべきである。風がもし南方から来れば、南方は離火に属し、巽上離下で「風火家人」を成す。東方から来れば、東方は震木に属し、巽上震下で「風雷益」を成す。その余の各方はこれに倣って類推する。
審其時者,春為發生和暢之風;夏為長養之風;秋為肅殺;冬為凜冽之類。察其色者,帶埃煙雲氣,可見其色黃者,祥瑞之氣;青者,半凶半吉;白主刃,氣黑昏者凶,赤色者災,紅紫者吉。辨其聲勢者,其風聲如陣馬,主鬥爭;如波濤者,有驚險;如悲咽者,有憂慮;如奏樂者,有喜事;如喧呼者,主鬧鬨;如烈焰者,主火驚。其聲洋洋而來,徐徐而去者,吉慶之兆也。
いわゆる「其の時を審らかにす」とは:春の風は生機を発動し和暖舒暢の風、夏の風は長養を助くる風、秋の風は肅殺の意を帯び、冬の風は凛冽して骨を刺す——同じ一陣の風でも、四時の主るところが異なる。 いわゆる「其の色を察す」とは:風は往々にして塵埃・煙雲を巻いて、気色を見出すことができる。色が黄なら祥瑞の気、色が青なら半凶半吉、色が白なら刀兵の傷を主り、気色が昏黒なら凶を主り、色が赤なら災を主り、色が紅紫なら吉を主る。 いわゆる「其の声勢を辨ず」とは:風声が千軍万馬の奔るが如きは争闘を主り、波涛の翻卷するが如きは驚険を主り、悲声の嗚咽するが如きは憂慮を主り、楽を奏するが如きは喜事を主り、人群の喧呼するが如きは吵闹哄乱を主り、烈火の騰焰するが如きは火災の驚を主る。もし風声が浩浩蕩蕩として来て、また緩緩として去るならば、それは吉慶の兆である。
鳥占
鳥占者,見鳥可占也。凡見鳥群,數其只數,看其方所,聽其聲音,辨其毛羽色,皆可起數。又須審其名義,察其鳴叫,取其吉凶。見鳥而占,數其只數者,如一隻屬乾,二隻屬兌,三隻屬離。看其方所者,即離南、坎北之數;聽其聲音者,如鳥叫一聲屬乾,二聲屬兌,三聲屬離之類,皆可起卦。聽聲音者,若夫鳴叫之喧啾者,主口舌;鳴叫悲咽者,主悲愁;鳴叫嘹亮者,主吉慶。此取斷吉凶之聲音也。察其名義者,如鴉報災,鵲報喜,鸞鶴為祥瑞,鶚鵬為妖孽之類是也。
「鳥占」とは、飛鳥を見れば即座に卦を起こせることである。およそ鳥の群れを見れば、それが几羽いるかを数え、どの方位にいるかを見、その叫ぶ声を聞き、その羽毛の色を辨じる——この数様はいずれも数目に折って卦を起こせる。このほかにその鳥の名の意味を体会し、その鳴き叫ぶ情態を審察して、それに拠って吉凶を取る。 只数を数える:一羽は乾に属し、二羽は兌に属し、三羽は離に属し、先天卦数に倣って類推する。 方位を見る:離南・坎北のあの一套の後天方位の数を用いる。 声数を聴く:鳥が一声鳴けば乾に属し、二声鳴けば兌に属し、三声鳴けば離に属する類で、いずれも卦を起こせる。 声情を辨ずる:喧しく啾雜に鳴くのは口舌の是非を主り、悲しく嗚咽に鳴くのは憂愁を主り、清朗に嘹亮に鳴くのは吉慶を主る——これは声音から吉凶を断ずる取り方である。 名義を審らかにする:烏鴉が鳴くのは災を報じ、喜鵲が鳴くのは喜を報じ、鸞鳥・仙鶴は祥瑞の兆、鶚鳥・大鵬の類は妖異不祥を主る。
声音を聴く占
聲音者,如靜室無所見,但於耳中所聞起卦,或數其數,驗其方所;或辨其物聲,詳其所屬,皆可起卦。察其悲喜,助斷吉凶。數其數目者,如一聲屬乾,二聲屬兌。驗其方所者,離南、坎北之類是也。
「声音を聴く占」とはこういうことである:人が静室の中に坐っていて、眼前に取るべき象が見えなければ、ただ耳の中に聞こえた声音のみに拠って卦を起こす。あるいはそれが几声響いたかを数え、あるいはどの方位から伝わって来たかを辨じ、あるいはこれが何の物の出す声響かを分辨して、それがどの卦に属するかを推し詳める——この数様はいずれも卦を起こせる。さらに声音の中の悲喜の情を体察して、吉凶の判断を助けるのに用いる。 声数を数える:一声響けば乾に属し、二声響けば兌に属し、先天卦数に倣って類推する。 方位を験する:南方から来るものは離に属し、北方から来るものは坎に属する類である。
如人語聲,及動物鳴叫之聲,聲自口出者屬兌。而靜物扣擊屬震,鼓拍槌敲、板木之聲是也;金聲屬乾,鍾馨鉦鐸之聲是也;火聲屬離,烈焰爆竹等聲是也;土聲屬坤,築基、杵垣、坡崩、山裂是也。此辨其物聲,詳其所屬也。察其悲喜,助斷吉凶者,如聞人語笑聲,又說吉語,娛笑者,有喜也;人悲泣聲與怨聲,愁語及罵詈窮嘆等聲,不吉也。
さらに物声を分辨するといえば:人が言語を発する声、および禽獣が鳴き叫ぶ声、およそ口から出るものはみな兌に属する(兌は口なり)。静物を敲撃して発する声響は震に属し、鼓を撃ち・拍板を拍ち・槌で木板を敲く類の如し。金属の声響は乾に属し、鐘・磬・鉦・鐸の声の如し。火の発する声響は離に属し、烈焰の騰焼・爆竹の炸響の声の如し。土の発する声響は坤に属し、地を夯り基を築き・土を杵り牆を築き・山坡の崩塌・山体の開裂の声の如し。これが物声を辨じ、その属する卦を推し詳める法である。 さらに悲喜を体察して吉凶の断を助けるといえば:もし人の談笑する声を聞き、しかも言うところが吉利の話で歓娯の意を帯びていれば、喜あるを主る。もし人の悲泣する声・怨恨する声、および愁苦の語・咒罵責詈・窮困長嘆の類の声を聞けば、不吉である。
形物占
形物占者,凡見物形,可以起卦。如物之圓者屬乾,剛者屬兌,方者屬坤,柔者屬巽,仰者屬震,覆者屬艮,長者屬巽,中剛外柔者屬坎,內柔外剛者屬離,乾燥枯槁者屬離,有文彩者亦屬離,用障礙之勢、物之破者屬兌。 驗色占 凡占色之青者屬震,紅紫赤者屬離,黃色者屬坤,白色屬兌,黑色屬坎之類是也。
「形物占」とは:およそ物の形状を見れば、形に拠って卦を取ることができる。円は乾に属し、堅硬は兌に属し、方は坤に属し、柔軟は巽に属し、口が上に仰ぐのは震に属し(震仰盂)、倒扣するのは艮に属し(艮覆碗)、細長は巽に属し、外が柔で中間が堅実なのは坎に属し(坎中満)、内が虚で外が堅いのは離に属し(離中虚)、乾燥して枯槁したのは離に属し、花紋・文采のあるのも離に属し、およそ阻隔・遮擋の勢いあるものおよび残破・損缺の物は兌に属する。 「験色占」とは:およそ占の中に見る色で、青色は震に属し、紅・紫・赤色は離に属し、黄色は坤に属し、白色は兌に属し、黒色は坎に属し、その余は五行の配色に照らして類推する。
象数易理篇 その三・八卦類象
乾:玄黃、大赤色、金玉、寶珠、鏡、獅、圓物、木果、貴物、冠、象、馬、天鵝、剛物。 坎:水、帶子帶核之物、豕魚、弓輪、水具、水中之屋、鹽、酒、黑色。 艮:土石、黃色、虎、狗、土中之物、瓜果、百禽、鼠、黔喙之屬。 震:竹木、青碧綠色、龍、蛇、□葦、竹木樂器、草、蕃鮮之物。
この一節は八卦の主る物をもう一度簡単に列挙し、物を占う時に速く查べられるように供する。 乾は玄黄の色と大赤色を主り、金玉・宝珠・鏡・獅子を主り、円形の物・樹に結ぶ果・貴重の物・冠冕を主り、また象・馬・天鹅を主り、およそ堅剛の物はみな乾に帰する。 坎は水を主り、籽・核を帯びた物を主り、猪と魚を主り、弓と車輪・水を盛る器具・水に臨んで建てた屋を主り、また塩と酒を主り、色においては黒である。 艮は土と石を主り、色においては黄。虎・狗を主り、土の中に埋まった物・瓜果を主り、また各種の禽鳥・老鼠および嘴の黒い鳥獣を主る。 震は竹と木を主り、色においては青・碧・緑。竜と蛇を主り、萑葦(原本は此処に一字を缺く、「萑」とすべし)、竹木の作った楽器、草類、および一切の繁茂して鮮活なる物を主る。
巽:木、蛇、長物、青碧綠色、山木之禽鳥、□、香、雞、直物、竹木之器、工巧之器。 離:火、文書、干戈、雉、龜、蟹、槁木、甲冑、螺、蚌、鱉、赤色。 坤:土、方物、五穀、柔物、絲綿、百禽、牛、布帛、輿、金、瓦器、黃色。 兌:金刃、金器、樂器、澤中之物、白色、有口缺之物、羊。
巽は木を主り、蛇を主り、細長の物を主り、色においては青・碧・緑。山林・樹上の禽鳥を主り(此処に原本は一字を脱す)、香気・鶏を主り、およそ笔直の物・竹木の器皿と精巧の器はみな巽に帰する。 離は火を主り、文書・干戈の兵器を主り、雉を主り、龜・蟹・螺・蚌・鱉のこれら甲殻を帯びたものを主り、また枯槁の木と盔甲を主り、色においては赤である。 坤は土を主り、方形の物・五穀・柔軟の物・絲綿を主り、各種の禽類と牛を主り、布帛・車輿・金を主り、また瓦器を主り、色においては黄である。 兌は金属の刀刃・金器と楽器を主り、水沢の中の物を主り、色においては白。およそ口あるもの・缺損ある器物および羊は、みな兌に帰する。
八卦万物属類
乾卦
一 金 乾為天 天風姤 天山遁 天地否 風地觀 山地剝 火地晉 火天大有 天時:天、冰、雹、霰。 地理:西北方、京都、大郡、形勝之地、高亢之所。 人物:君、父、大人、老人、長者、官宦、名人、公門人。 人事:剛健武勇、果決、多動少靜、高上下屈。 身體:首、骨、肺。 時序:秋、九十月之交、戌亥年月日時、一四九年月日時。 動物:馬、天鵝、獅、象。 靜物:金玉、寶珠、圓物、水果、剛物、冠、鏡。 屋舍:公廨、樓臺、高堂、大廈、驛舍、西北向之居。 家宅:秋占宅興隆、夏占有禍、冬占冷落、春占吉利。 婚姻:貴官之眷、有聲名之家、秋占宜成、冬夏占不利。
乾卦は、先天数を一とし、五行は金に属する。乾宮の統べる八つの卦は順に:乾為天・天風姤・天山遯・天地否・風地観・山地剥・火地晋・火天大有である。 天時を論ずれば、乾は天空そのもの、および氷・雹・霰のこれら凝堅寒冷の物を主る。 地理を論ずれば、乾は西北の一方を主り、また京城・大郡のこれら通都大邑を主り、山川の形勢勝絶の地と高亢乾爽の處を主る。 人物を論ずれば、乾は君王・父親・大人・老人・長者、および官を為し宦を為す者・名望ある者・衙門の中の人を主る。 人事を論ずれば、乾は剛強勇武・事を办るに果決を主り、動を好み静少きを主り、身は高位に居りて能く己を屈して人に下るを主る。 身体を論ずれば、乾は頭を主り、骨を主り、肺を主る。 時序を論ずれば、乾は秋季に応じ、九月と十月の交に応じ、戌・亥の年月日時に応じ、また一・四・九の数の年月日時に応ず。 動物を論ずれば、乾は馬を主り、また天鹅・獅子・大象を主る。 静物を論ずれば、乾は金玉・宝珠、円形の物、水果、堅剛の物、および冠冕と鏡を主る。 屋舎を論ずれば、乾は官署・楼台・高堂・大厦、駅站・客舍、および坐向が西北に朝する住宅を主る。 家宅を論ずれば、秋に乾を占い得れば宅運は興隆し、夏に占い得れば家中に禍あり、冬に占い得れば門庭冷落し、春に占い得れば吉利となる。 婚姻を論ずれば、乾は貴官の家の眷属・声望ある門第を主る。秋に占えば成婚に宜しく、冬夏の两季に占えば利あらず。
飲食:馬肉、珍味、多骨、肝肺、乾肉、水果、諸物之首、圓物、辛辣之物。 生產:易生、秋占生貴子,夏占有損,坐宜向西北。 求名:有名、宜隨朝內任、刑官、武職、掌權、天使、驛官、宜西北方之任。 謀旺:有成、利公門、宜動中有財、夏占不成、冬占多謀少遂。 交易:宜金、玉珍寶珠貴貨、易成、夏占不利。 求利:有財、金、玉之利、公門中得財、秋占大利、夏占損財、冬占無財。 出行:利於出行、宜入京師、利西北之行、夏占不利。 謁見:利見大人、有德行之人、宜見官貴、可見。 疾病:頭面之疾、肺疾、筋骨疾、上焦疾、夏占不安。 官訟:健訟、有貴人助、秋占得勝、夏占失理。 墳墓:宜向西北、宜乾山氣脈、宜天穴、宜高、秋占出貴、夏占大凶。 方道:西北。 五色:大赤色、玄色。 姓字:帶金旁者、商音、行位一四九。 數目:一、四、九。 五味:辛、辣。
飲食を論ずれば、乾は馬肉と珍貴の味を主り、骨多き物・肝肺の属・腊干の肉と水果を主り、およそ各類の食物中で首に居るもの・円形のもの・辛辣のものはみな乾に帰する。 生産を論ずれば、乾は生養の易きを主る。秋に占い得れば貴子を生み、夏に占い得れば損傷あり、産婦の坐向は西北に朝するを宜しとす。 求名を論ずれば、乾は名を得るを主り、朝内に入りて職に任ずるを宜しとし、刑獄の官・武職・権を掌る任を為すを宜しとし、天子の使臣と駅官に充つるを宜しとし、西北方に赴任するを宜しとす。 謀望を論ずれば、乾は事を謀るに成るべしを主り、官府の門路を走るに利あり、走動の中に財を得るに宜し。夏に占えば成らず、冬に占えば謀多くして遂少し。 交易を論ずれば、乾は金玉・珍宝の類の貴貨を為すに宜しく、談じて成り易し。夏に占えば利あらず。 求財を論ずれば、乾は財あるを主り、得るところは金玉の利で、官府の門路の中から財を得べし。秋に占えば大いに利を得、夏に占えば財を破り、冬に占えば財無し。 出行を論ずれば、乾は門を出るに利あり、京に入るに宜しく、西北方に往くに利あり。夏に占えば利あらず。 謁見を論ずれば、乾は大人物と徳行ある人に拝見するに利あり、官貴に見ゆるを宜しとし、行けば見るを得る。 疾病を論ずれば、乾は頭面の疾・肺病・筋骨の病と上焦の疾を主る。夏に占えば病情安からず。 官訟を論ずれば、乾は争訟に善く・貴人の相助ありを主る。秋に占い得れば勝ち、夏に占えば理に虧く。 墳墓を論ずれば、乾は坐向西北を宜しとし、乾山より来る気脈を承接するを宜しとし、天穴を取るを宜しとし、高き處に葬るを宜しとす。秋に占い得れば貴人を出すを主り、夏に占えば大凶。 方位を論ずれば、乾は西北に在り。 顔色を論ずれば、乾は大赤色と玄黒色を主る。 姓氏を論ずれば、乾は金字旁を帯びた姓を主り、五音は商音に属し、排行は一・四・九に居る。 数目を論ずれば、乾は一・四・九である。 五味を論ずれば、乾は辛と辣を主る。
坤卦
八 土 坤為地 地雷復 地澤臨 地天泰 雷天大壯 澤天決 水天需 水地比 天時:雲陰、霧氣。 地理:田野、鄉里、平地、西南方。 人物:老母、後母、農夫、鄉人、眾人、大腹人。 人事:吝嗇、柔順、懦弱、眾多。 身體:腹、脾、胃、肉。 時序:辰戌丑未月、未申年月日時、八五十月日。 靜物:方物、柔物、布帛、絲綿、五穀、輿釜、瓦器。 動物:牛、百獸、牝馬。 屋舍:西南向、村居、田舍、矮屋、土階、倉庫。 家宅:安穩、多陰氣、春占宅舍不安。
坤卦は、先天数を八とし、五行は土に属する。坤宮の統べる八つの卦は順に:坤為地・地雷復・地沢臨・地天泰・雷天大壮・沢天夬(原文は「沢天决」と作る)・水天需・水地比である。 天時を論ずれば、坤は陰雲の密布と霧気の弥漫を主る。 地理を論ずれば、坤は田野・鄉村・平地を主り、方位は西南に在り。 人物を論ずれば、坤は老いた母親・継母・農夫・鄉下の人・衆人および大腹便便の人を主る。 人事を論ずれば、坤は吝嗇小気・柔順に聴從し・懦弱にして断無きを主り、また人多く勢衆なるを主る。 身体を論ずれば、坤は腹部を主り、脾・胃を主り、肌肉を主る。 時序を論ずれば、坤は辰・戌・丑・未の四つの季月に応じ、未・申の年月日時に応じ、また八・五・十の数の月日に応ず。 静物を論ずれば、坤は方形の物と柔軟の物を主り、布帛・絲綿・五穀・車輿・鍋釜と瓦器を主る。 動物を論ずれば、坤は牛を主り、また各種の走獣と母馬を主る。 屋舎を論ずれば、坤は坐向西南の房子・村落の人家・田間の農舍・低矮の屋子・泥土の台阶と倉庫を主る。 家宅を論ずれば、坤は宅居の安穏を主るが、陰気はやや偏り重し。春に占い得れば宅舍安からず。
飲食:牛肉、土中之物、甘味、野味、五穀之味、芋筍之物、腹臟之物。 婚姻:利於婚姻、宜稅產之家、鄉村之家、或寡婦之家、春占不利。 生產:易產、春占難產、有損、或不利於母、坐宜西南方。 求名:有名、宜西南方或教官、農官守土之職、春占虛名。 交易:宜利交易、宜田土交易、宜五穀、利賤貨、重物、布帛、靜中有財、春占不利。 求利:有利、宜土中之利、賤貨重物之利、靜中得財、春占無財、多中取利。 謀旺:利求謀、鄉里求謀、靜中求謀、春占少遂、或謀於婦人。 出行:可行、宜西南行、宜往鄉里行、宜陸行、春占不宜行。 謁見:可見、利見鄉人、宜見親朋或陰人、春不宜見。 疾病:腹疾、脾胃之疾、飲食停傷、穀食不化。 官訟:理順、得眾情、訟當解散。 墳墓:宜向西南之穴、平陽之地、近田野、宜低葬、春不可葬。 姓字:宮音、帶土姓人、行位八五十。 數目:八、五、十。 方道:西南。 五味:甘。 五色:黃、黑。
飲食を論ずれば、坤は牛肉・土の中に長ずる物を主り、甘甜の味・野味・五穀の味を主り、芋頭・竹笋の類を主り、また内臓の食を主る。 婚姻を論ずれば、坤は成婚に利あり、田産・賦税ある人家・鄉村の人家あるいは寡婦の家と親を結ぶに宜し。春に占えば利あらず。 生産を論ずれば、坤は生産の易きを主る。春に占えば難産・損傷あり、あるいは母に利あらず。産婦の坐向は西南に朝するを宜しとす。 求名を論ずれば、坤は名を得るを主り、西南方に職に任ずるを宜しとし、あるいは教官・勸農・守土の類の職務を為すを宜しとす。春に占えばただ虚名のみ。 交易を論ずれば、坤は売買を為すに宜しく、殊に田土の交易に宜しく、五穀・廉価の貨物・笨重の物と布帛に宜しく、静守の中に自ずから財あり。春に占えば利あらず。 求財を論ずれば、坤は利あるを主り、土中の利・賤貨重物の利を得るに宜しく、安静の中に財を得べし。春に占えば財無く、多処の薄利の中から利を取るを須とす。 謀望を論ずれば、坤は求謀に利あり、鄉里に事を謀り・安静の中に事を謀るに宜し。春に占えば願いに能わず少なく、あるいは婦人の力を借りて謀るを須とす。 出行を論ずれば、坤は行くべく、西南方に往くを宜しとし、鄉下に往くを宜しとし、陸路を走るを宜しとす。春に占えば出行に宜しからず。 謁見を論ずれば、坤は人に見ゆるべく、鄉里の人に見ゆるに利あり、親友あるいは女子に見ゆるを宜しとす。春に占えば相見るに宜しからず。 疾病を論ずれば、坤は腹部の病・脾胃の病を主り、飲食の積滞して傷を受け・穀物の消化し得ざるを主る。 官訟を論ずれば、坤は理直にして衆人の情を得るを主り、訟事は和解して散去すべし。 墳墓を論ずれば、坤は西南に向かう穴を取るを宜しとし、平坦にして陽に向かう地を宜しとし、田野に近づくを宜しとし、低く葬るを宜しとす。春は下葬すべからず。 姓氏を論ずれば、坤は宮音に属し、土字旁を帯びた姓を主り、排行は八・五・十に居る。 数目を論ずれば、坤は八・五・十である。 方位を論ずれば、坤は西南に在り。 五味を論ずれば、坤は甘を主る。 顔色を論ずれば、坤は黄と黒を主る。
震卦
四 木 震為雷 雷地豫 雷水解 雷風恆 地風升 水風井 澤風大過 澤雷隨 天時:雷。 地理:東方、樹木、鬧市、大途、竹林、草木茂盛之所。 人物:長男。 人事:起動、怒、虛驚、鼓動噪、多動少靜。 身體:足、肝、髮、聲音。 時序:春三月、卯年月日時、四三八月日。 靜物:木竹、萑葦、樂器(屬竹木者)、花草繁鮮之物。 動物:龍、蛇。 屋舍:東向之居、山林之處、樓閣。 家宅:宅中不時有虛驚、春冬吉、秋占不利。
震卦は、先天数を四とし、五行は木に属する。震宮の統べる八つの卦は順に:震為雷・雷地豫・雷水解・雷風恒・地風升・水風井・沢風大過・沢雷随である。 天時を論ずれば、震は雷の鳴るを主る。 地理を論ずれば、震は東方を主り、林木・闹市・大道・竹林、および草木の茂盛なる處を主る。 人物を論ずれば、震は長男を主る。 人事を論ずれば、震は発動・興起、怒りを発し、端もなく驚恐し、鼓噪・喧動を主り、動を好み静少し。 身体を論ずれば、震は脚を主り、肝を主り、頭髪を主り、声音を主る。 時序を論ずれば、震は春三月に応じ、卯の年月日時に応じ、また四・三・八の数の月日に応ず。 静物を論ずれば、震は竹木・萑葦を主り、竹木の作った楽器、および花草の繁茂して鮮活なる物を主る。 動物を論ずれば、震は竜と蛇を主る。 屋舎を論ずれば、震は東に坐り西に朝する住宅、山林の中の居所と楼閣を主る。 家宅を論ずれば、震は宅中に時々虚驚の事あるを主る。春冬の两季に占い得れば吉、秋に占い得れば利あらず。
飲食:蹄、肉、山林野味、鮮肉、果酸味、菜蔬。 婚姻:可、有成、聲名之家、得長男之婚、秋占不宜婚。 求利:山林竹木之財、動處求財、或山林、竹木茶貨之利。 求名:有名、宜東方之任、施號發令之職、掌刑獄之官、竹茶木稅課之任、或鬧市司貨之職。 生產:虛驚、胎動不安、頭胎必生男、坐宜東向、秋占必有損。 疾病:足疾、肝經之疾、驚怖不安。 謀旺:可旺、可求、宜動中謀、秋占不遂。 交易:利於成交、秋占難成、動而可成、山林、木竹茶貨之利。 官訟:健訟、有虛驚、行移取甚反覆。 謁見:可見、在山林之人、利見宜有聲名之人。 出行:宜行、利於東方、利山林之人、秋占不宜行、但恐虛驚。 墳墓:利於東向、山林中穴、秋不利。 姓字:角音、帶木姓人、行位四八三。 數目:四、八、三。 方道:東。 五味:甘、酸味。 五色:青、綠、碧。
飲食を論ずれば、震は蹄と肉を主り、山林の野味・鮮肉を主り、酸味を帯びた果子と蔬菜を主る。 婚姻を論ずれば、震は婚すべく能く成るを主り、声名ある人家と親を結ぶに宜しく、長男の婚を説くを宜しとす。秋に占えば婚を議するに宜しからず。 求財を論ずれば、震は山林・竹木の財を主り、走動する處に財を求めるに宜しく、あるいは山林・竹木・茶貨の利を得べし。 求名を論ずれば、震は名を得るを主り、東方に職に任ずるを宜しとし、号令を発施する職・刑獄を掌管する官・竹茶木の税を征收する任を為すを宜しとし、あるいは闹市の中で貨物を管する差事を為すを宜しとす。 生産を論ずれば、震は虚驚・胎動不安を主り、頭一胎は必ず男を生む。産婦の坐向は東に朝するを宜しとす。秋に占えば必ず損あり。 疾病を論ずれば、震は脚病・肝経の病を主り、驚恐不安を主る。 謀望を論ずれば、震は事を謀るに旺し求めべしを主り、走動の中に籌謀するに宜し。秋に占えば遂げず。 交易を論ずれば、震は成交に利あり、動きてこそ為し得べし。山林・竹木茶貨の利に宜し。秋に占えば成り難し。 官訟を論ずれば、震は争訟強健を主り、中間に虚驚あり、公文の往来きわめて反復す。 謁見を論ずれば、震は人に見ゆるべく、見るところ多くは山林の中の人で、声名ある人に見ゆるに利あり。 出行を論ずれば、震は身を動かすに宜しく、東方に往くに利あり、山林の中の人と同行するに利あり。秋に占えば出行に宜しからず、しかも虚驚あるを恐る。 墳墓を論ずれば、震は東に朝する穴に利あり、山林の中の穴地を取るに宜し。秋は利あらず。 姓氏を論ずれば、震は角音に属し、木字旁を帯びた姓を主り、排行は四・八・三に居る。 数目を論ずれば、震は四・八・三である。 方位を論ずれば、震は東に在り。 五味を論ずれば、震は甘と酸を主る。 顔色を論ずれば、震は青・緑・碧を主る。
巽卦
五 木 巽為風 風天小畜 風火家人 風雷益 天雷無妄 火雷噬嗑 山雷頤 山風蠱 天時:風。 地理:東南方之地、草木茂秀之所、花果菜園。 人物:長女、秀士、寡婦之人、山林仙道之人。 人事:柔和、不定、鼓舞、利市三倍、進退不果。 身體:肱、股、氣、風疾。 時序:春夏之交、三五八之時月日、辰巳月日時。 靜物:木香、繩、直物、長物、竹木、工巧之器。 動物:雞、百禽、山林中之禽、蟲。 屋舍:東南向之居、寺觀樓臺、山林之居。 家宅:安穩利市、春占吉、秋占不安。
巽卦は、先天数を五とし、五行は木に属する。巽宮の統べる八つの卦は順に:巽為風・風天小畜・風火家人・風雷益・天雷无妄・火雷噬嗑・山雷頤・山風蠱である。 天時を論ずれば、巽は風の吹くを主る。 地理を論ずれば、巽は東南方の地を主り、草木の茂盛秀麗なる處を主り、花園・果園・菜圃を主る。 人物を論ずれば、巽は長女・読書の秀士・寡居の人、および山林の中に修仙学道の人を主る。 人事を論ずれば、巽は性情柔和・心意不定を主り、鼓舞振作を主り、売買に三倍の利を獲るを主り、また進退猶豫・事を办るに果決なきを主る。 身体を論ずれば、巽は手臂と大腿を主り、気を主り、風疾を主る。 時序を論ずれば、巽は春夏の交に応じ、三・五・八の数の時月日に応じ、また辰・巳の月日時に応ず。 静物を論ずれば、巽は香木・繩索を主り、笔直の物と細長の物を主り、竹木と精巧の器を主る。 動物を論ずれば、巽は鶏を主り、また各種の禽鳥・山林の中の飛禽と虫豸を主る。 屋舎を論ずれば、巽は東南に坐向する住宅・寺観楼台と山林の間の居所を主る。 家宅を論ずれば、巽は家宅安穏・生意興旺を主る。春に占い得れば吉、秋に占えば安からず。
飲食:雞肉、山林之味、蔬果酸味。 婚姻:可成、宜長女之婚、秋占不利。 生產:易生、頭胎產女、秋占損胎、宜向東南坐。 求名:有名、宜文職有風憲之力、宜為風憲、宜茶果竹木稅貨之職、宜東南之任。 求利:有利三倍、宜山林之利、秋占不利、竹貨木貨之利。 交易:可成、進退不一、利山林交易、山林木茶之利。 謀旺:可謀旺、有財可成、秋占多謀少遂。 出行:可行、有出入之利、宜向東南行、秋占不利。 謁見:可見、利見山林之人、利見文人秀士。 疾病:股肱之疾、風疾、腸疾、中風、寒邪、氣疾。 姓字:角音、草木旁姓氏、行位五三八。 官訟:宜和、恐遭風憲之責。 墳墓:宜東南方向、山林之穴、多樹木、秋占不利。 數目:五、三、八。 方道:東南。 五味:酸味。 五色:青、綠、碧、潔白。
飲食を論ずれば、巽は鶏肉・山林の中の野味、および酸味を帯びた蔬菜果品を主る。 婚姻を論ずれば、巽は婚事の成るべきを主り、長女の婚を説くに宜し。秋に占えば利あらず。 生産を論ずれば、巽は生養の易きを主り、頭一胎は女を生む。秋に占えば胎を損ずるの虞あり。産婦の坐向は東南に朝するを宜しとす。 求名を論ずれば、巽は名を得るを主り、文職に任じて監察・弹劾の権あるを宜しとし、御史台諫の類の風憲の官を為すを宜しとし、茶果・竹木の税貨を管する職を為すを宜しとし、東南方に赴任するを宜しとす。 求財を論ずれば、巽は三倍の利を獲るべしを主り、山林の利・竹貨木貨の利を取るに宜し。秋に占えば利あらず。 交易を論ずれば、巽は成るべしを主るが、ただ中間に進退反復あり。山林の物の交易に利あり、山林・木茶の利を得べし。 謀望を論ずれば、巽は事を謀るに興旺を望むべしを主り、財あれば即ち成るべし。秋に占えば謀多くして遂少し。 出行を論ずれば、巽は身を動かすべく、出入ともに利あり、東南方に往くを宜しとす。秋に占えば利あらず。 謁見を論ずれば、巽は人に見ゆるべく、山林の中の人に見ゆるに利あり、また文人秀士に見ゆるに利あり。 疾病を論ずれば、巽は大腿・手臂の疾、風疾、腸疾、中風、寒邪の入侵と気機の病を主る。 姓氏を論ずれば、巽は角音に属し、草頭・木旁を帯びた姓を主り、排行は五・三・八に居る。 官訟を論ずれば、巽は和解するに宜しく、然らざれば風憲の官の責罰を遭うを恐る。 墳墓を論ずれば、巽は東南に朝するを宜しとし、山林の中の穴地を取るを宜しとし、樹木の繁多なる處を宜しとす。秋に占えば利あらず。 数目を論ずれば、巽は五・三・八である。 方位を論ずれば、巽は東南に在り。 五味を論ずれば、巽は酸を主る。 顔色を論ずれば、巽は青・緑・碧と潔白を主る。
坎卦
六 水 坎為水 水澤節 水雷屯 水火既濟 澤火革 雷火豐 地火明夷 地水師 天時:月、雨、雪、霜、露。 地理:北方、江湖、溪澗、泉井、卑溼之地(溝瀆、池沼、凡有水處)。 人物:中男、江湖之人、舟人、資賊。 人事:險陷卑下、外示以柔、內序以利、漂泊不成、隨波逐流。 身體:耳、血、腎。 時序:冬十一月、子年月日時、一六月日。 靜物:水帶子、帶核之物、弓輪、矯揉之物、酒器、水具。 屋舍:向北之居、近水、水閣、江樓、花酒長器、宅中混地之處。 飲食:豕肉、酒、冷味、海味、湯、酸味、宿食、魚、帶血、掩藏、有帶核之物、水中之物、多骨之物。 家宅:不安、闇昧、防盜。
坎卦は、先天数を六とし、五行は水に属する。坎宮の統べる八つの卦は順に:坎為水・水沢節・水雷屯・水火既濟・沢火革・雷火豊・地火明夷・地水師である。 天時を論ずれば、坎は月を主り、雨・雪・霜・露を主る。 地理を論ずれば、坎は北方を主り、江湖・溪澗・泉眼・水井と低窪潮湿の地を主り、およそ溝渠・池沼など一切の水ある所在はみな坎に帰する。 人物を論ずれば、坎は中男(次男)を主り、江湖に浪迹する人・船工を主り、また盗賊を主る。 人事を論ずれば、坎は険陷卑下を主り、外表柔順にして内裏利を図るを主り、漂泊不定・事の成就し難きを主り、波に随い流に逐いて主張無し。 身体を論ずれば、坎は耳を主り、血を主り、腎を主る。 時序を論ずれば、坎は冬季の十一月に応じ、子の年月日時に応じ、また一・六の数の月日に応ず。 静物を論ずれば、坎は籽・核を帯びた物を主り、弓と車輪・揉制して彎曲した物・酒器と水を盛る具を主る。 屋舎を論ずれば、坎は北に坐り南に朝する住宅・水に臨む房子・水閣江楼を主り、花を置き酒を擺する長器を主り、また宅中の污湿泥濘の處を主る。 飲食を論ずれば、坎は猪肉・酒・生冷の味・海味・湯羹・酸味・隔夜の食・魚を主り、血を帯びた物・腌蔵した物・核を帯びた物・水中の物と骨多き物を主る。 家宅を論ずれば、坎は居家安からず・幽暗晦昧を主り、盗賊を防ぐを須とす。
婚姻:利中男之婚、宜北方之婚、辰戌丑未月婚不可。 生產:難產有險、宜次胎、中男、辰戌丑未月有損、宜北向。 求名:艱難、恐有災險、宜北方之任、魚鹽河泊之職。 求利:有財失、宜水邊財、恐有失陷、宜魚鹽酒貨之利、防遺失、防盜。 交易:不利成交、恐防失陷、宜水邊交易、宜魚鹽貨之交易、或點水人之交易。 謀旺:不宜謀旺、不能成就、秋冬占可謀旺。 出行:不宜遠行、宜涉舟、宜北方之行、防盜、恐遇險陷溺之事。 謁見:難見、宜見江湖之人、或有水旁姓氏之人。 疾病:耳痛、心疾、感寒、腎疾、胃冷、水瀉、痼冷之病、血病。 官訟:不利、有陰險、有失、因訟、失陷。 墳墓:宜北向之穴、近水傍之墓、不利葬。 姓字:羽音、點水旁之姓氏、行位一六。 數目:一、六。 方道:北方。 五味:咸、酸。 五色:黑。
婚姻を論ずれば、坎は中男の婚を説くに利あり、北方の人家と親を結ぶに宜し。辰・戌・丑・未のこの四ヶ月は成婚すべからず(土月は水を克す)。 生産を論ずれば、坎は難産にして険あるを主り、第二胎たるを宜しとし、生むところは中男である。辰戌丑未の月は損あり。産婦の坐向は北に朝するを宜しとす。 求名を論ずれば、坎は名を求むるに艱難を主り、災険あるを恐る。北方に職に任ずるを宜しとし、魚塩・河泊の類の差事を為すを宜しとす。 求財を論ずれば、坎は財あるもまた失ありを主り、水辺の財を取るに宜しとするも、中途に陷落するを只怕す。魚塩・酒貨の利に宜しく、遺失を防ぎ盗竊を防ぐを須とす。 交易を論ずれば、坎は成交に利あらず、落空し騙されるを防ぐを須とす。水辺に交易するに宜しく、魚塩貨物の売買を為すに宜しく、あるいは姓の中に三点多水を帯びた人と交易す。 謀望を論ずれば、坎は事を謀るに宜しからず、多くは成就し得ず。ただ秋冬の两季に占い得たれば、こそ図謀すべし。 出行を論ずれば、坎は遠行に宜しからず、もし行かば舟に乘るに宜しく、北方に往くを宜しとす。盗賊を防ぐを須とし、険に遇い水に陷落する事を恐る。 謁見を論ずれば、坎は見ゆること難しを主り、江湖の上の人に見ゆるに宜しく、あるいは姓氏に三点多水を帯びた人に見ゆべし。 疾病を論ずれば、坎は耳痛・心病・寒気に感ず・腎病・胃寒・水瀉、および積久の寒冷の病と血病を主る。 官訟を論ずれば、坎は利あらずを主り、その中に陰険の事あり、損失あるべく、官司に因って困境に陥る。 墳墓を論ずれば、坎は北に朝する穴・水辺に近い墓を取るに宜し。総じて坎は下葬に利あらず。 姓氏を論ずれば、坎は羽音に属し、三点多水旁を帯びた姓を主り、排行は一・六に居る。 数目を論ずれば、坎は一・六である。 方位を論ずれば、坎は北方に在り。 五味を論ずれば、坎は咸と酸を主る。 顔色を論ずれば、坎は黒を主る。
離卦
三 火 離為火 火山旅 火風鼎 火水末濟 山水蒙 風水渙 天水訟 天火同人 天時:日、電、虹、霓、霞。 地理:南方、乾亢之地、窖灶、爐冶之所、剛燥厥地、其地面陽。 人物:中女、文人、大腹、目疾人、甲冑之士。 人事:文畫之所、聰明才學、相見虛心、書事。 身體:目、心、上焦。 時序:夏五月、午火年月日時、三二七日。 靜物:火、書、文、甲冑、干戈、槁衣、乾燥之物、赤色之物。 動物:雉、龜、鱉、蟹、螺、蚌。 屋舍:南舍之居、陽明之宅、明窗、虛室。 家宅:安穩、平善、冬占不安、克體主火災。
離卦は、先天数を三とし、五行は火に属する。離宮の統べる八つの卦は順に:離為火・火山旅・火風鼎・火水未濟(原文は「末濟」と作る)・山水蒙・風水渙・天水訟・天火同人である。 天時を論ずれば、離は太陽を主り、電光・虹・霓と雲霞を主る。 地理を論ずれば、離は南方を主り、乾燥高亢の地・地窖と灶頭・熔炉冶炼の所を主り、およそ堅硬乾燥・地面が陽に向かう處はみな離に帰する。 人物を論ずれば、離は中女・読書の人・大肚子の人・眼病を患う人、および甲を披き兵を執る士を主る。 人事を論ずれば、離は文墨・図画の事を主り、聡明にして才学あるを主り、人と相見て能く虚心なるを主り、文書の事を主る。 身体を論ずれば、離は眼を主り、心を主り、上焦を主る。 時序を論ずれば、離は夏季の五月に応じ、午火の年月日時に応じ、また三・二・七の数の日子に応ず。 静物を論ずれば、離は火を主り、書籍・文章、盔甲・干戈を主り、晒し乾かした衣物・一切の乾燥の物と赤色の物を主る。 動物を論ずれば、離は雉を主り、龜・鱉・蟹・螺・蚌のこれら殻を帯びた物を主る。 屋舎を論ずれば、離は南に朝する房舎・陽光明亮の住宅・明淨の窓戸と空敞の屋子を主る。 家宅を論ずれば、離は安穏平順を主る。冬に占い得れば安からず。もし離が来りて体卦を克せば、火災を主る。
飲食:雉肉、煎炒、燒炙之物、乾脯之體、熱肉。 婚姻:不成、利中女之婚、夏占可成、冬占不利。 生產:易生、產中女、冬占有損、坐宜向南。 求名:有名、宜南方之職、文官之任、宜爐冶亢場之職。 求利:有財宜南方求、有文書之財、冬占有失。 謀旺:可以謀旺、宜文書之事。 交易:可成、宜有文書之交易。 出行:可行、宜向南方、就文書之行、冬占不宜行、不宜行舟。 謁見:可見南方人、冬占不順、秋見文書考案之士。 官訟:易散、文書動、辭訟明辨。 疾病:目疾、心疾、上焦熱病、夏占伏暑、時疫。 墳墓:南向之幕、無樹木之所、陽穴。夏占出文人、冬占不利。 姓字:徵音、立人旁士姓氏、行位三二七。 數目:三、二、七。 方道:南。 五色:赤、紫、紅。 五味:苦。
飲食を論ずれば、離は雉肉を主り、煎炒・烧烤の物・干肉脯と熱食の肉を主る。 婚姻を論ずれば、離は婚事の成らざるを主る。もし中女の婚を説かば利あり。夏に占えば成り、冬に占えば利あらず。 生産を論ずれば、離は生養の易きを主り、生むところは中女である。冬に占えば損あり。産婦の坐向は南に朝するを宜しとす。 求名を論ずれば、離は名を得るを主り、南方の職・文官の任に任ずるを宜しとし、熔炉冶炼と高亢場務の類の差事を掌るを宜しとす。 求財を論ずれば、離は財あるを主り、南方に求めるに宜しく、得るところ多くは文書上の財である。冬に占えば失あり。 謀望を論ずれば、離は図謀すべく、殊に文書に関ある事に宜し。 交易を論ずれば、離は成るべしを主り、文書契約ある売買を為すに宜し。 出行を論ずれば、離は身を動かすべく、南方に往くを宜しとし、文書の事のために行くを宜しとす。冬に占えば出行に宜しからず、また舟に乘りて水路を走るも宜しからず。 謁見を論ずれば、離は南方の人に見ゆべし。冬に占えば順ならず。秋の見るところ多くは文書・考案を掌る人である。 官訟を論ずれば、離は訟事の了結し易きを主り、文書上に動静あり、是非曲直は辨じて明白なり。 疾病を論ずれば、離は眼病・心病・上焦熱病を主る。夏に占えば中暑と時行の疫病を主る。 墳墓を論ずれば、離は南に朝する墓を宜しとし、樹木なき處を宜しとし、陽穴を取るを宜しとす。夏に占えば后代に文人を出すを主り、冬に占えば利あらず。 姓氏を論ずれば、離は徵音に属し、単人旁と「士」旁の姓氏を主り、排行は三・二・七に居る。 数目を論ずれば、離は三・二・七である。 方位を論ずれば、離は南に在り。 顔色を論ずれば、離は赤・紫・紅を主る。 五味を論ずれば、離は苦を主る。
艮卦
七 土 艮為山 山火賁 山天大畜 山澤損 火澤睽 天澤履 風澤中孚 風山漸 天時:雲、霧、山嵐。 地理:山徑路、近山城、丘陵、墳墓、東北方。 人物:少男、閒人、山中人。 人事:阻隔、守靜、進退不決、反背、止住、不見。 身體:手指、骨、鼻、背。 時序:冬春之月、十二月丑寅年月日時、七五十數月日、土年月日時。 靜物:土石、瓜果、黃物、土中之物。 動物:虎、狗、鼠、百獸、黔啄之物。 家宅:安穩、諸事有阻、家人不睦、春占不安。 屋舍:東北方之居、山居近石、近路之宅。
艮卦は、先天数を七とし、五行は土に属する。艮宮の統べる八つの卦は順に:艮為山・山火賁・山天大畜・山沢損・火沢睽・天沢履・風沢中孚・風山漸である。 天時を論ずれば、艮は雲・霧と山間の嵐気を主る。 地理を論ずれば、艮は山間の小路・山に靠る城邑・丘陵と墳地を主り、方位は東北に在り。 人物を論ずれば、艮は少男・閒居無事の人と山中の人を主る。 人事を論ずれば、艮は阻隔不通・静守不動・進退の決断し得ざるを主り、背き向いて行き・停住して前せず・避けて見えざるを主る。 身体を論ずれば、艮は手指を主り、骨を主り、鼻を主り、背を主る。 時序を論ずれば、艮は冬春の交の月份に応じ、十二月および丑・寅の年月日時に応じ、七・五・十の数の月日に応じ、また土に属する年月日時に応ず。 静物を論ずれば、艮は土石・瓜果・黄色の物と土の中に埋まった物を主る。 動物を論ずれば、艮は虎・狗・鼠および各種の走獣を主り、また嘴の黒い禽鳥を主る。 家宅を論ずれば、艮は居處安穏を主るが、諸事多く阻隔あり、家人和せず。春に占えば安からず。 屋舎を論ずれば、艮は東北方向の住宅・山に傍い石に近い居所と道路に靠近の房子を主る。
飲食:土中物味、諸獸之肉、墓畔竹筍之屬、野味。 婚姻:阻隔難成、成亦遲、利少男之婚、春占不利、宜對鄉里婚。 求名:阻隔無名、宜東北方之任、宜土官山城之職。 求利:求財阻隔、宜山林中取財、春占不利、有損失。 生產:難生、有險阻之厄、宜向東北、春占有損。 交易:難成、有山林田土之交易、春占有失。 謀旺:阻隔難成、進退不決。 出行:不宜遠行、有阻、宜近陸行。 謁見:不可見、有阻、宜見山林之人。 疾病:手指之疾、脾胃之疾。 官訟:貴人阻滯、官訟未解、牽連不決。 墳墓:東北之穴、山中之穴、春占不利、近路旁有石。 數目:五、七、十。 方道:東北方。 五色:黃。 五味:甘。
飲食を論ずれば、艮は土の中に長り出る物・各種の獣肉・墓旁の竹笋の類、および山野の味を主る。 婚姻を論ずれば、艮は阻隔して成り難しを主り、假りに成るとも延びて遅し。少男の婚を説かば利あり。春に占えば利あらず。同郷の人家と親を結ぶに宜し。 求名を論ずれば、艮は阻隔して名を成し難しを主り、東北方に職に任ずるに宜しく、土地を管し山城を守る類の官を為すを宜しとす。 求財を論ずれば、艮は財を求むるに阻まるを主り、山林の中に財を取るに宜し。春に占えば利なく、しかも損失あり。 生産を論ずれば、艮は生産艱難・険阻の厄あるを主る。産婦の坐向は東北に朝するを宜しとす。春に占えば損あり。 交易を論ずれば、艮は談じて成り難しを主る。もし山林・田土の売買ならばなお可。春に占えば失あり。 謀望を論ずれば、艮は阻隔して成り難し・進退の決断し得ざるを主る。 出行を論ずれば、艮は遠行に宜しからず、路上に阻あり。もし行かば、近く陸路を走るに就くに宜し。 謁見を論ずれば、艮は人に見ゆることならずを主り、中間に阻隔あり。もし見えば、山林の中の人に見ゆるに宜し。 疾病を論ずれば、艮は手指の疾と脾胃の病を主る。 官訟を論ずれば、艮は貴人に耽搁せられ・訟事久しく結せず・牽連断ち難く決断し得ざるを主る。 墳墓を論ずれば、艮は東北方の穴・山中の穴を取るに宜し。春に占えば利あらず。穴地は多く路の旁・石に近い處に在り。 数目を論ずれば、艮は五・七・十である。 方位を論ずれば、艮は東北方に在り。 顔色を論ずれば、艮は黄を主る。 五味を論ずれば、艮は甘を主る。
兌卦
二 金 兌為金 澤水困 澤地萃 澤山咸 水山蹇 地山謙 雷山小過 雷澤歸妹 天時:雨澤、新月、星。 地理:澤、水際、缺池、廢井、山崩破裂之地、其地為剛滷。 人物:少女、妾、歌妓、伶人、譯人、巫師。 人事:喜悅、口、讒毀、謗說、飲食。 身體:舌、口喉、肺、痰、涎。 時序:秋八月、酉年月日時、二四九月日。 靜物:金刀、金類、樂器、廢物、缺器。 動物:羊、澤中之物。 屋舍:西向之居、近澤之居、敗牆壁宅、戶有損。 家宅:不安、防口舌、秋占喜悅、夏占家宅有禍。
兌卦は、先天数を二とし、五行は金に属する。兌宮の統べる八つの卦は順に:兌為沢(原文は「兌為金」と作る)・沢水困・沢地萃・沢山咸・水山蹇・地山謙・雷山小過・雷沢帰妹である。 天時を論ずれば、兌は雨沢の物を潤すを主り、新月と星辰を主る。 地理を論ずれば、兌は沼沢・水辺を主り、残缺の池塘・廃棄の水井・山崩地裂の處を主り、その地は多く剛硬の鹽鹵の土である。 人物を論ずれば、兌は少女・妾室・歌妓・伶人・通訳の人と巫師を主る。 人事を論ずれば、兌は喜悅歓欣を主り、口舌の事を主り、讒を進め誹謗するを主り、また飲食を主る。 身体を論ずれば、兌は舌を主り、口と咽喉を主り、肺を主り、痰涎を主る。 時序を論ずれば、兌は秋季の八月に応じ、酉の年月日時に応じ、また二・四・九の数の月日に応ず。 静物を論ずれば、兌は金属の刀具と一切の金類の物を主り、楽器を主り、また廃棄の物と残缺の器を主る。 動物を論ずれば、兌は羊、および水沢の中の活物を主る。 屋舎を論ずれば、兌は西に朝する住宅・沢に臨んで居る房子を主り、牆壁破敗の屋宅と門戸の損ある處を主る。 家宅を論ずれば、兌は家宅安からず・口舌を防ぐを須とすを主る。秋に占えば喜悅の事あり、夏に占えば家宅に禍あり。
飲食:羊肉、澤中之物、宿味、辛辣之味。 婚姻:不成、秋占可成、有喜、主成婚之吉、利婚少女、夏占不利。 生產:不利、恐有損胎或則生女、夏占不利、宜坐向西。 求名:難成、因名有損、利西之任、宜刑官、武職、伶官、譯官。 求利:無利、有損、財利、主口舌、秋占有財喜、夏占破財。 出行:不宜遠行、防口舌、或損失、宜西行、秋占宜行有利。 交易:難利、防口舌、有爭競、夏占不利、秋占有交易之財。 謀旺:難成、謀中有損、秋占有喜、夏占不遂。 謁見:利行西方、見有咒詛。 疾病:口舌、咽喉之疾、氣逆喘疾、飲食不飧。 墳墓:宜西向、防穴中有水、近澤之墓、夏占不宜、或葬廢穴。 官訟:爭訟不已、曲直未決、因訟有損、防刑、秋占為體得理勝訟。 姓字:商音、帶口帶金字旁姓氏、行位四二九。 數目:四、二、九。 方道:西方。 五色:白。 五味:辛、辣。 右萬物之象,庶事之多不止於此。占者宜各以其類而推之耳。
飲食を論ずれば、兌は羊肉・水沢の中の食材を主り、隔夜の味と辛辣の味を主る。 婚姻を論ずれば、兌は婚事の成らざるを主る。秋に占えば成るべく、しかも喜慶ありて、成婚の吉を主る。少女の婚を説かば利あり。夏に占えば利あらず。 生産を論ずれば、兌は利あらずを主り、胎を損ずるを恐れ、あるいは女を生む。夏に占えば利あらず。産婦の坐向は西に朝するを宜しとす。 求名を論ずれば、兌は成り難しを主り、甚だしきは名を求むるに因って損を受く。西方に到りて職に任ずるに利あり、刑官・武職・伶官と訳官を為すを宜しとす。 求財を論ずれば、兌は利なくして損あるを主り、一言の財利も便ち口舌を招く。秋に占えば則ち財を得るの喜あり、夏に占えば財を破る。 出行を論ずれば、兌は遠行に宜しからず、口舌あるいは損失を防ぐを須とす。もし行かば西に往くを宜しとす。秋に占えば則ち行くを宜しとしてしかも利あり。 交易を論ずれば、兌は利を得難しを主り、口舌争競を防ぐを須とす。夏に占えば利あらず、秋に占えば則ち交易の財あり。 謀望を論ずれば、兌は成り難しを主り、事を謀るの中にまた損失あり。秋に占えば喜あり、夏に占えば則ち遂げず。 謁見を論ずれば、兌は西方に往きて人に見ゆるに利あり、ただ見ゆるの際に咒罵・詛怨に遇う。 疾病を論ずれば、兌は口舌・咽喉の病、気逆・喘息の疾、および飲食の下らざるを主る。 墳墓を論ずれば、兌は西に朝するを宜しとし、穴中に水あるを防ぐを須とし、多くは水沢に近い墓である。夏に占えば宜しからず、あるいは廃棄の穴に葬るを恐る。 官訟を論ずれば、兌は争訟休まず・曲直久しく決せざるを主り、訟に因って損を受け、刑罰を防ぐを須とす。もし秋に占いて兌を体卦と為さば、理を得て勝訴す。 姓氏を論ずれば、兌は商音に属し、口字旁と金字旁を帯びた姓を主り、排行は四・二・九に居る。 数目を論ずれば、兌は四・二・九である。 方位を論ずれば、兌は西方に在り。 顔色を論ずれば、兌は白を主る。 五味を論ずれば、兌は辛と辣を主る。 以上は八卦の配する万物の象である。天下の事物は繁多にして、決してこれらに止まらず、占者はまさに各々その類に按じて推衍してゆくべきである。
巻二・体用生克篇の一
心易占卜の玄機
天下之事有吉凶,托占以明其機。天下之理無形跡,假像以顯其義。故乾有健之理,於馬之類見之。故占卜寓吉凶之理,於卦象內見之。然卦象一定不易之理,而無變通之道,不可也。易者,變易而已矣。至如今日觀梅復得革兆,有女子折花,異日果有女子折花,可乎。今日算牡丹得姤兆,為馬所踐,異日果為馬所踐毀,可乎。且兌之屬,非止女子。乾之屬,非止馬。謂他人折花有毀,皆可切驗之真,是必有屬矣。嗟乎!占卜之道,要變通。得變通之道者,在乎心易之妙耳!
天下の事にはみな吉凶あるがゆえに、占卜を借りてその中の機兆を顕明にする。天下の理には形迹の見ゆべきが無いがゆえに、物象を借りてその意義を顕出する。譬えば乾に剛健の理あれば、馬という類の物象の上にこれを見出す。占卜が吉凶の理を卦象の裏に寄托するも、また人に卦象の上からこれを見出さしめんがためである。しかるに卦象の示すところはただ一定不移の理にして、もし卦象を死守して変通の路数なからんには、それは不可である——「易」という字は、詰まるところ変易の二字である。ちょうど今日、梅を観て「革」の卦兆を得て、女子の花を折るを断出したとして、改めて他日に革卦を占い得て、必ずやまた女子の折花であろうか。今日、牡丹を算えて「姤」の卦兆を得て、馬に践毀せらるるを断出したとして、改めて他日に姤卦を得て、必ずやまた馬に踩み壊されようか。いわんや兌の主るは女子のみならず、乾の主るも馬のみならず。もし他人の折花・別の物の損毀もまた皆一々験として真となると言わんには、そこに必ず別に属する取象の在るはずである。ああ!占卜の道は変通を貴ぶ。この変通の道を得るは、全て心易の妙にあるのみ。
占卜総決
大抵占卜之法,成卦之後先看《周易》爻辭,以斷吉凶。如干初九「潛龍勿用」,則諸事未可為,宜隱伏之類;九二「見龍在田,利見大人」,則宜謁見貴人之類。餘皆仿此。 次看卦之體用,以論五行生剋。體用即動靜之說。體為主,用為事。應用生及比和,則吉;體生用及克體,則不吉。
大凡占卜の次第はこのようである:卦成りて後、まず《周易》本爻の爻辞を見て吉凶を断ず。譬えば乾卦の初九「潜龍勿用」なれば、諸事なお动手すべからず、隠伏して待つに宜しと断ず。九二「見龍在田、利見大人」なれば、貴人に拝見し往くを宜しと断ず。其余の各爻は皆この办法に照らして推す。 其次に卦の「体」と「用」を見て、五行生克を論ずるの拠り所とす。所謂体用とは、即ち動静の分である:動かざる一卦を体と為し、占者自身、主と為す。発動する一卦を用と為し、占う所の事、賓と為す。用卦の来りて体を生ずる、および体用両卦の五行相同じくして比和するは、皆吉である。体の去りて用を生ずる(自己の気を泄す)、および用の来りて体を克するは、皆不吉である。
又次看克應。如聞吉說見吉兆,則吉;聞凶說見凶兆,則凶。見圓物,事易成;見缺物,事終毀之類。 複驗己身之動靜。坐則事應遲,行則事應速,走則愈速,臥則愈遲之類。數者既備,可盡占卜之道,必須以易卦為主,克應次之。俱吉則大吉;俱凶則大凶;有凶有吉。則詳審卦辭,及克用體應之類,以斷吉凶也。要在圓機,不可執。
再び其次に「克応」を見る。即ち卦を起す当時の外応の兆である:吉利の話を聞き・吉利の象を見れば、即ち吉を主る。凶の話を聞き・凶象を見れば、即ち凶を主る。円満の物を見れば、事は成り易し。残缺の物を見れば、事は終に壞るべし。 最後に更に占者自身の当時動か静かを験す:坐しているは事の応遅く、走動するは事の応速く、奔跑するは更に速く、躺臥するは更に遅し。この数項皆備われば、占卜の道は完整である。断ずる時は必ず《易》卦を主と為し、外応の克応を輔と為すべし。卦と応皆吉なれば即ち大吉、卦と応皆凶なれば即ち大凶。もし一凶一吉なれば、細かく卦辞を審し、更に用卦の体を克する・体卦の用を克する及び外応の類を参酌し、合わせて吉凶を断ず。総じて円通して活用するを貴び、一端を死執すべからず。
占卜論理訣
數說當也,必以理論之而後備。苟論數而不論理,則拘其一見而不驗矣。且如飲食得震,則震為龍。以理論之,龍非可取,當取鯉魚之類代之。又以天時之得震,當有雷聲,若冬月占得震,以理論之,冬月豈有雷聲,當有風撼震動之類。既知以上數條之訣,復明乎理,則占卜之道無餘蘊矣。
数を用いて推断するは固より当を得たれども、更に必ず事理を以て衡量を一遍せしめてこそ完備と謂うべし。假にもし数を論じて理を論ぜざらば、一つの死象に拘泥して断じて准ならざるに至る。譬えば飲食を占いて震卦を得たれば、震は物象の上に竜と為る。情理を按ずるに、竜は喫し得べからず、即ち鯉魚の類に換えて代わるべし(竜は鱗類に属し、鯉魚はその同類なり)。また天時を占いて震を得たれば、本は雷の声あるべし。しかしもし冬月に震を占い得たれば、情理を按ずるに、冬に何ぞ雷あらん、即ち大風の撼動して震摇して響き作る類と断ずべし。既に前面の几条の口訣を掌握し、又能く事理に通暁せば、占卜の道にもはや余蘊無きに至る。
先天後天論
先天卦斷吉凶,止以卦論,不甚用《易》之爻辭。後天則用爻辭,兼用卦辭,何也?蓋先天者未得卦、先得數,是未有《易》書,先有《易》理,辭前之《易》也。故不必用《易》書之辭,專以卦斷。後天則以先得卦,必用卦畫,辭後之《易》也。故用爻之辭,兼《易》卦辭以斷之也。
先天卦で吉凶を断ずるは、ただ卦象に就きて論を立て、大して《周易》の爻辞を用いず。後天卦は則ち爻辞を用い、并せて卦辞を兼用す。これは何の故ぞや。所謂先天とは、まだ卦無くして先に数を得、相当して《易》という書のなお写出されざるに《易》理已に先在す、「辞前の《易》」に属するが故に、必ず書上の文辞を用いるを要せず、専ら卦象を凭にして断ず。後天は則ち先に卦象を得、必ず卦画に依りて看る、「辞後の《易》」に属するが故に、爻辞を用い、并せて卦辞を兼取して断ず。
又後天起卦,與先天不同,其數不一。今人多以坎一、坤二、震三、巽四、中五、乾六、兌七、艮八、離九之數為用。蓋聖人作《易》畫卦,始以太極、兩儀、四象、八卦加一倍,數自成乾一、兌二、離三、震四、巽五、坎六、艮七、坤八。故占卜起卦,合以此數為用。又今人起後天卦,多不加時,得此一卦,止此一爻動,更無移易變通之道。故後天起卦定爻必加時而後可。
再び言えば、後天の起卦は先天と同じからず、用うる所の数もまた同じからず。今人多く洛書九宮の数——坎一・坤二・震三・巽四・中五・乾六・兌七・艮八・離九——を用いて起卦す。実は聖人の《易》を作して卦を画くは、太極の両儀を生じ・両儀の四象を生じ・四象の八卦を生ずるより、一路に一倍を加えて推衍して出でたるもので、その数は自然に排して乾一・兌二・離三・震四・巽五・坎六・艮七・坤八と成る。ゆえに占卜の起卦は、まさにこの一套の先天の数を用うべし。また今人の後天卦を起すに多く時辰を加えず、ここにおいて一卦を得て即ち一爻の動あるのみで、更に推移変通の余地無し。ゆえに後天起卦で動爻を定むるは、必ず時辰の数を加え入れてこそ可なり。
又先天之卦,定事應之期,則取之卦氣,如干、兌則應如庚、辛及申金之日,或坤為戌、亥之日時,兌為酉日時。如震、巽當應於甲、乙及支木之日,或震取卯,巽取辰之類。後天則以卦數加時數,總之而分行臥坐立之遲速,以為事應之期。卦數時類,應近而不能決諸遠者,必合先後之卦數取訣可也。 又凡占卦中決斷吉凶,其理洞見,止於全卦體用生克之理,及參《易》辭,斯可矣。今日以後天卦,卻於六十甲子之日取其對方之魁,破敗亡滅跡等以助斷決。蓋曆象選時,並於《周易》不相干涉,不可用也。
更に説いて応期を定むる。先天の卦で事情の応験する日期を定むるは、「卦気」を取る:乾・兌は金に属し、庚日・辛日および申金の日に応ず。坤は土と為して位は西南に在り、戌・亥の日時に応ず。兌は酉の日時に応ず。震・巽は木に属し、甲日・乙日および地支の木に属する日に応じ、あるいは震は卯日を取り・巽は辰日を取るの類である。後天卦は則ち卦数に時辰の数を加え、合わせて総数と為し、更に占者の当時行くか・臥するか・坐するか・立つかを按じて快慢を分かち、拠りて応期を定む。もし卦数と時数の定むる日期が近事に応じて遠事を決し得ざらば、即ち先天と後天の两套の卦数を合わせて断を取るを須とす。 また、およそ卦中に吉凶を判断するは、その理実は一望して見ゆべく、ただ全卦の体用生克の理を見、更に《易》の辞句を以て参ずれば、もはや足れり。如今、人ありて後天卦を起し、却って六十甲子の日の裏に到りて对冲の「魁罡」および破・敗・亡・滅迹のこれら神煞を取りて断を助く——須知るべし、暦法選時のあの一套は《周易》と全く相干らず、掺用すべからず。
卦断遺論
凡占卜決斷,固以體用為主,然有不拘體用者。如起例中西林寺額得山地剝,體用互變,俱比和,則為吉,而乃不吉,何也?蓋寺者,純陽人居之地,而純陰爻象,則群陰剝陽之義顯然也。此理甚明,不必拘體用也。又若有人問:「今日動靜如何?」得地風升,初爻動,用克體卦,俱無飲食矣,而亦有人相請,雖飲食不豐而終有請,何也?此人當時必有當日之應,又有「如何」二安帶口,為重兌之義。
およそ占卜の決断は、固より体用生克を主と為すが、また体用に拘守せずとも可なる時あり。譬えば前の起例の中に西林寺の匾额を占いて「山地剥」を得、体卦・用卦・互卦・変卦すべて土にして、一路比和、理に照らせば吉なるべきに、結果は却って不吉なり。これは何の故ぞや。寺院は純陽の人(僧衆)の居る所の地にして、しかるに卦象は却って全て陰爻なり。群陰の陽を剥ぐの意は明らかに在り——この道理は很清楚なれば、更に体用に拘泥するを要せず。また人ありて「今日の動静いかん」と問い、「地風升」に初爻動を得たり。用卦(巽木)は体卦(坤土)を克し、卦中また坎無く兌無く、本は飲食無きべきに、結果は却ってなお人の請客あり。酒菜豊盛ならざりしも、到底請われて畢れり。これはまた何の故ぞや。この人は当日必ず別に当日の外応あり。いわんや「如何」の二字は皆「口」の旁を帯び、正しく重兌(兌は口・飲食を為す)の義を含む。
又有用不生體,互變生之而吉者,若少年有喜色,占得山火賁是也。又有用不生體,互變俱克之而凶者,如牛哀鳴占得地水師是也。蓋少年有喜色,占則略知其有喜,而《易辭》又有「束帛戔戔」之吉,是二者俱吉,互變俱生,愈見其吉矣。雖用不生體不吉,不為其害也。牛鳴之哀,則略知其有凶,而易爻復有「輿尸」之凶,互變俱克,愈見其凶。雖用爻不克,不能掩其凶也。蓋用《易》斷卦,當用理勝處驗之,不可拘執於一也。
また一种の情形あり:用卦は並びに体を生ぜず、却って互卦・変卦皆来りて体を生ずるに因って吉と断ずる、少年の面に喜色を帯びて「山火賁」を占い得たるがごとき是れ。も亦た反するあり:用卦は並びに体を克せず、却って互卦・変卦皆来りて体を克するに因って凶と断ずる、牛の哀鳴に「地水師」を占い得たるがごとき是れ。少年既に面に喜色を帯びたれば、一見して約略その喜事あるを知り、しかも《周易》爻辞にまた「束帛戔戔」の吉語あり。外象と爻辞の両頭皆吉、再加うるに互卦・変卦皆体を生ずれば、更にその吉を見る。この時縦い用卦体を生ぜず・本は不吉に属するも、大局を妨害するに足らず。牛の悲鳴は、一聴して約略凶事あるを知り、しかも爻辞にまた「輿尸」の凶あり、互卦・変卦皆来りて体を克すれば、更にその凶を見る。この時縦い用爻体を克せざるも、あの凶を掩うべからず。総じて《易》を用いて卦を断ずるは、まさに道理の上風を占むる那一頭より験証し、一条を死執して放さざるべからず。
八卦心易体用訣
心易之數,得之者眾,體用之訣,有之者罕。余幼讀《易》書,長參數學,始得心易卦數。初見起例,以知占其吉凶。如以蠡測海,茫然無涯。後得智人見授體用心易之訣,而後占事之訣,疑始有定。據驗則驗。如繇基射的,百發百中。其要在於分體用之卦,察其五行生剋、比和之理,而明乎吉凶悔吝之機也。於是易數之妙始見,而《易》道之卦義備矣。乃世有真實,人罕遇之耳。得此者,幸甚秘之!
心易の卦数は、之を得る人多し。体用の口訣は、掌握する人きわめて少なし。我幼年に《易》を読み、長じて数学を参究し、才ぎてこの一套の心易卦数を得たり。起初ただ起卦の条例を見、拠りて吉凶を推占す。譬ゆる瓢を拿りて海水を量るがごとく、茫茫として辺際無し。後に高明の士に遇い体用心易の訣を伝授せられ、此后事を占断してこそ準則ありて、一験一准、ちょうど春秋の時の神射手養由基の靶を射るがごとく、百発百中なり。その要領は体卦と用卦を分清し、両者の五行生克と比和の理を考察し、従りて吉・凶・悔・吝の機兆を看明白にするに在り。ここに到りて《易》数の妙才ぎて顕現し、《易》道中の卦義の用處もまたこそ完備と算える。世上確かにこのような真実虚ならざる学問あり、ただ人の遇い得ること難きのみ。之を得る人は、千万珍重して保守すべし。
体用総訣
體用雲者,如易卦具卜筮之道,則易卦為體,以卜筮用之,此所謂體用者,借體用二字以寓動靜之卦,以分主客之兆,以為占例之準則也。大抵體用之說,體卦為主,用卦為事,互卦為事之中間,刻應變卦為事之終。應體之卦氣宜盛不宜衰。盛者如春震、巽、秋乾、兌,夏離,冬坎,四季之月坤、艮是也。衰者,春坤、艮,秋震、巽,夏乾兌,冬離,四季之月坎是也。
所謂「体用」とは、本は一対の借りたる名目である:譬えば《易》卦の本身に卜筮の道を具備せば、それでは《易》卦は「体」、之を拿りて占卜するは即ち「用」。ここに説く体用は、ただこの二字を借りて静の一卦と動の一卦を指代し、以て主と客の兆象を分け出し、占断の準則と為す。大略に言えば:動かざる一卦を体と為し、占者自身を代表し、主と為す。発動する一卦を用と為し、問う所の事を代表し、賓と為す。互卦は事情進行の中段を主る。変卦は事情の結局を主る。主と為る体卦は、その卦気は旺盛を宜として衰弱を宜とせず。所謂旺とは、即ち春の震・巽(木旺)、秋の乾・兌(金旺)、夏の離(火旺)、冬の坎(水旺)、辰戌丑未四季の月の坤・艮(土旺)である。所謂衰とは、即ち春の坤・艮、秋の震・巽、夏の乾・兌、冬の離、および四季の月の坎である。
宜受他卦之生,不宜他卦之克。他卦者,謂用互變也。生者,如干、兌金體,坤、艮生之,坤、艮土體,離火生之。離,火體,震巽木生之。餘皆仿此。克者,如金體火克,火體水克之類。
体卦は其他の各卦より生扶を受くるに宜しく、其他の各卦に克せらるるに宜しからず。所謂其他の各卦とは、指して言うは用卦・互卦と変卦である。所謂「生」とは、例えば体卦が乾・兌の金なれば、坤・艮の土に遇いて便ち生を得。体卦が坤・艮の土なれば、離火に遇いて便ち生を得。体卦が離火なれば、震・巽の木に遇いて便ち生を得。其余は五行相生に照らして類推す。所謂「克」とは、例えば体卦の金に属して火の来りて克するに遇い、体卦の火に属して水の来りて克するに遇うの類である。
體用之說,動靜之機,八卦主賓。五行生剋,體為己身之兆,用為應事之端。體宜受用卦之生,用宜見卦體之克。體盛則吉,體衰則凶。用克體固不宜,體生用亦非利。體黨多而體勢盛,用黨多則體勢衰。如卦體是金,而互變皆金,則是體之黨多。如用卦是金,而互變皆金,則是用之黨多。體生用,為之洩氣,如夏火逢土,亦洩氣。
体用この一套の説法の講ずるは、正しく動と静の機関、八卦中の誰主誰賓である。五行生克に就きて言えば:体卦は自身の征兆、用卦は応ずる所の事の頭緒である。ゆえに体卦は用卦の生扶を受くるに宜しく、用卦は体卦に克制せらるるに宜し。体卦強盛なれば即ち吉、体卦衰弱なれば即ち凶。用卦の来りて体を克するは固より好からず、体卦の去りて用を生ずるも同様に利無し(自己の気を泄せばなり)。体卦一方の同党多ければ、体の声勢即ち盛ん。用卦一方の同党多ければ、体の声勢即ち衰う。譬えば体卦の金に属し、しかも互卦・変卦もまた皆金に属すれば、それは即ち体の同党多し。反して用卦の金に属し、互卦・変卦もまた皆金に属すれば、それは即ち用の同党多し。体の去りて用を生ずるを「泄気」と叫作す。譬ゆる夏の火の再び土に遇うがごとく、火気もまた泄されて去る。
體用之間,比和則吉,互乃中間之應,變乃末後之期。故用吉變凶者,先吉後凶;用凶變吉者,先凶後吉。體克用,諸事吉;用克體,諸事凶。體生用,有耗失之患;用生體,有進益之喜。體用比和,則百事順遂。又卦中有生體之卦,看是何卦。
体と用の間もし五行相同じく・彼此比和せば、即ち吉。互卦の主る所は事情中段の応験、変卦の主る所は事情末了の結局である。ゆえに用卦吉にして変卦凶なるは、先に吉後に凶。用卦凶にして変卦吉なるは、先に凶後に吉。帰総して一句:体の用を克するは、諸事皆吉。用の体を克するは、諸事皆凶。体の用を生ずるは、耗損失去の患あり。用の体を生ずるは、進益得利の喜あり。体用比和は、百事順遂。この外、卦中もし体を生ずるの卦あらば、更にそれが究竟是れ哪一の卦かを看て、拠りて得る所の利の何處より来るを断出すべし。
乾卦生體,則主公門中有喜益,或功名上有喜,或因官有財,或問訟得理,或有金寶之利,或有老人進財,或尊長惠送,或有官貴之喜。 坤卦生體,主有田土之喜,或有田土進財,或得鄉人之益,或得陰人之利,或有果穀之利,或有布帛之喜。 震卦生體,則主山林之益,或因山林得財,或進東方之財,或因動中有喜,或有木貨交易之利,或因草木姓氏人稱心。 巽卦生體,亦主山林之益,或因山林得財,或於東南得財,或因草木姓人而進利,或以茶果得利,或有茶果菜蔬之喜。
乾卦の来りて体を生ずるは、官府門路の上に喜を得利を得るを主り、あるいは功名の上に喜あり、あるいは官職に因りて財を得、あるいは官司を打ちて理を占め、あるいは金寶の利を得、あるいは老人の財を送り門に上るあり、あるいは尊長の饋贈を得、あるいは官貴の提携の喜あるを主る。 坤卦の来りて体を生ずるは、田土の上の喜事あるを主り、あるいは田土に因りて財に進み、あるいは同郷の人の好處を得、あるいは女子(陰人)の利を得、あるいは瓜果・穀物の利を得、あるいは布帛入手の喜あるを主る。 震卦の来りて体を生ずるは、山林の益を得るを主り、あるいは山林に因りて財を得、あるいは東方より財に進み、あるいは走動の中に喜に遇い、あるいは木料貨物交易の利を得、あるいは姓氏に草木偏旁を帯びた人に因りて称心す。 巽卦の来りて体を生ずるは、同じく山林の益を主り、あるいは山林に因りて財を得、あるいは東南方に財を得、あるいは姓氏に草木偏旁を帯びた人に因りて利に進み、あるいは茶葉果品に靠りて利を得、あるいは茶果菜蔬の類の喜事あるを主る。
坎卦生體,有北方之喜,或受北方之財,或水邊人進利,或因點水人稱心,或有因魚鹽酒貨文書交易之利,或有饋送魚鹽酒之喜。 離卦生體,主有南方之財,或有文書之喜,或有爐冶場之利,或因火姓人而得財。 艮卦生體,有東北方之財,或山田之喜,或因山林田土獲財,或得宮音帶土人之財。物當安穩,事有終始。 兌卦生體,有西方之財,或喜悅事,或有食物金玉貨利之源,或商音之人,或帶口之人欣逢,或主賓之樂,或朋友講習之事。
坎卦の来りて体を生ずるは、北方より来るの喜事あるを主り、あるいは北方の財を收到し、あるいは水辺の人の利を送り門に上る、あるいは姓氏に三点多水を帯びた人に因りて称心し、あるいは魚塩・酒貨および文書交易の利を得、あるいは人の魚塩・酒水を饋送するの喜あるを主る。 離卦の来りて体を生ずるは、南方の財あるを主り、あるいは文書上の喜事あり、あるいは炉冶場務の利を得、あるいは姓氏の火に属する人に因りて財を得るを主る。 艮卦の来りて体を生ずるは、東北方の財あるを主り、あるいは山田の上の喜事あり、あるいは山林・田土に因りて財を獲、あるいは宮音・姓に土旁を帯びた人の財を得るを主る。艮はまた停止安定を主る。ゆえに物事安穏にして、事を為すに始有り終有り。 兌卦の来りて体を生ずるは、西方の財を主り、あるいは人をして歓喜せしむる事あり、あるいは食物・金玉貨利の來源を得、あるいは商音の人・姓氏に口旁を帯びた人と欣然として相逢い、あるいは賓主宴楽の歓あり、あるいは朋友の講習切磋の事あるを主る。
又看卦中有克體之卦者,看是何卦。如干卦克體,主有公事之憂,或門戶之憂,或有財寶之失,或於金谷有損,或有怒於尊長,或得罪於貴人。 坤卦克體,主有田土之憂,或於田土有損,或有陰人之侵,或有小人之害,或失布帛之財,或喪穀粟之利。 震卦克體,主有虛驚,常多恐懼,或身心不能安靜,或家宅見妖災,或草木姓氏之人相侵,或於山林有所失。 巽卦克體,亦有草木姓人相害,或於山林上生憂。謀事,乃東南方之人;處家,忌陰人小口之厄。
反して、卦中もし体を克するの卦あらば、も亦たそれが哪一の卦かを看て、拠りて禍の何より来るを断出すべし。乾卦の来りて体を克するは、公事上の憂患あるを主り、あるいは門戸家声の憂、あるいは財寶を損失し、あるいは金銭穀物の上に虧あり、あるいは尊長を触怒し、あるいは貴人を得罪するを主る。 坤卦の来りて体を克するは、田土の上の憂患あるを主り、あるいは田土の損を受け、あるいは女子(陰人)の侵擾を被り、あるいは小人の害に遭い、あるいは布帛の財を損失し、あるいは穀粟の利を丟掉するを主る。 震卦の来りて体を克するは、虚驚あるを主り、常常に心に恐懼を懐き、あるいは身心安寧を得ず、あるいは家宅に妖異災変を出現し、あるいは姓氏に草木偏旁を帯びた人に相侵され、あるいは山林の上に損失あるを主る。 巽卦の来りて体を克するは、同じく姓に草木偏旁を帯びた人に害せらるるを主り、あるいは山林の事に因りて憂を生ず。もし事を謀るを問わば、妨害は東南方の人より来る。もし居家を論ぜば、女子と小孩の災厄を防ぐを須とす。
坎卦克體,主有險陷之事,或寇盜之憂,或失意於水邊人,或生災於酒後,或點水人相害,或北方人見殃。 離卦克體,主文書之憂,或失火之驚,或有南方之憂,或火人相害。 艮卦克體,諸事多違,百謀中阻。或有山林田土之失,或帶土人相侵,防東北方之禍害,或憂墳墓不當。 兌卦克體,不利西方,主口舌事之紛爭。或帶口人侵欺,或有毀折之患,或因飲食而生憂。生克不逢,則止以本卦而論之。
坎卦の来りて体を克するは、険陷の事に遇うを主り、あるいは盗賊の憂あり、あるいは水辺の人の手裏に失意し、あるいは酒後に因りて災を招き、あるいは姓に三点多水を帯びた人に害せられ、あるいは北方の人の身上より殃を被るを主る。 離卦の来りて体を克するは、文書上の憂患あるを主り、あるいは失火の驚あり、あるいは南方より来るの憂事あり、あるいは姓氏の火に属する人に害せらるるを主る。 艮卦の来りて体を克するは、諸事違逆するを主り、百般の圖謀皆中途に阻まる。あるいは山林・田土を損失し、あるいは姓に土旁を帯びた人に相侵され、東北方より来るの禍害を防ぐを須とし、あるいは墳墓の安置當ならざるがために憂うるを主る。 兌卦の来りて体を克するは、西方利あらず・口舌紛争を主る。あるいは姓に口旁を帯びた人に欺侮され、あるいは毀損・折傷の患あり、あるいは飲食に因りて憂を生ず。もし卦中既に体を生ずるの卦無く・また体を克するの卦無からば、ただ本卦の卦義に按じて断ずるのみ。
体用生克篇の二
天時占第一
凡占天時,不分體用,全觀諸卦,詳推五行。離多主晴,坎多主雨,坤乃陰晦,乾主晴明,震多則春夏雷轟,巽多則四時風烈,艮多則久雨必晴,兌多則不雨亦陰。夏占離多而無坎,則亢旱炎炎。冬占坎多而無離,則雨雪飄飄。
およそ天気を占うは、体卦・用卦を分かつを要せず、しかして本卦・互卦・変卦を通盤に看過し、細かくその中の五行を推すべし。卦中離多ければ即ち晴を主り、坎多ければ即ち雨を主り、坤は陰雲晦暗を主り、乾は晴朗明浄を主る。震多ければ春夏の間雷の轟響す。巽多ければ四季皆大風あり。艮多ければ、久雨も必ず晴に轉ず。兌多ければ、縱い雨下らざるも天も陰る。夏に占い得て離多くして坎無ければ、即ち赤日炎炎の大旱である。冬に占い得て坎多くして離無ければ、即ち雨雪紛紛として飘落す。
全觀諸卦者,謂互變卦。五行屬離屬火,主晴;坎為水,主雨;坤為地氣,主陰;乾為天,主晴明;震為雷,巽為風,秋冬震多無制,亦有非常之雷,有巽佐之,則為風撼雷動之應;艮為山雲之氣,若雨久,得艮則當止。艮者,止也,亦土克水之義。兌為澤,故不雨亦陰。
所謂「通盤に諸卦を看る」とは、即ち互卦・変卦を連ねて一起看る。五行に就きて言えば:離は火に属し、天晴を主る。坎は水と為し、下雨を主る。坤は地気の上騰にして、陰を主る。乾は天と為し、晴朗を主る。震は雷と為し、巽は風と為す:秋冬の两季もし震多くして金の来りて制する無ければ、亦た反常の雷あるべし。更に巽の来りて相助するあれば、即ち狂風撼动・雷の声大作するに応ず。艮は山間の雲気にして、久雨の時艮を得れば、雨は即ち停むべし——「艮」の字の本義は即ち止、いわんや土の能く水を克するをや。兌は沼沢と為し、水気蒸騰す。ゆえに縱い雨下らざるも、天も陰沈たり。
夫以造化之辨固難測,理數之妙亦可憑,是以乾象乎天,四時晴明;坤體乎地,一氣慘然。乾、坤兩同,晴雨時變。坤、艮兩並,陰晦不常。卜數有陽有陰,卦象有奇有偶。陰雨陽晴,奇偶暗重。坤為老陰之極,久晴必雨;乾為老陽之極,久雨必晴。若逢重坎重離,亦日時晴時雨。坎為水,必雨;離為火,必晴。乾、兌為金,秋明晴;坎之水,冬雪凜冽;坤、艮之土,春雨澤,夏火炎蒸。
造化の変化は固より測度し難しと雖も、理と数の微妙は終に凭信すべし。ゆえに乾は象を天に取り、四時の晴明を主る。坤は象を地に取り、一気籠罩して陰沈惨淡たり。乾坤両卦並び見れば、即ち晴雨不定・時時に変換す。坤艮両卦並び見れば、即ち陰晦常ならず。占数に陽有り陰有り、卦象に奇有り偶有り:陰は雨を主り、陽は晴を主り、奇偶の間自ずから明暗・軽重あり。坤は老陰の極處に到り、久晴の後必ず雨に轉ず。乾は老陽の極處に到り、久雨の後必ず晴に轉ず。もし両重の坎・両重の離に碰上すれば、も亦た一日の内に時晴時雨す。坎は水と為し、之を占えば必ず雨。離は火と為し、之を占えば必ず晴。乾兌は金に属し、秋に逢えば則ち天高く気清し。坎は水に属し、冬に逢えば則ち雪意凛冽たり。坤艮は土に属し、春に逢えば則ち雨沢沾潤し、夏に逢えば則ち火気蒸騰炎熱す。
《易》曰:「雲從龍,風從虎」。又曰:「艮為雲,巽為風。」艮、巽重逢,風雲際會,飛沙走石,蔽日藏山,不以四時,不必二用。坎在艮上,布霧興云,若在兌上,凝霜作雪。乾、兌為霜雪雹霰,離火為日電虹霓。離為電,震為雷,重會而雷電俱作。坎為雨,巽為風,相逢而風雨驟興。震卦重逢,雷驚百里。坎爻迭見,潤澤九垓。故卦體之兩逢,亦爻象之總斷。 地天泰,水天需,昏蒙之象。天地否,水地比,黑暗之形。爻純離,夏必旱,四季皆晴。爻純坎,冬必寒,四時必雨。久雨不晴,逢艮必止。久晴不雨,得此亦然。
《周易・乾・文言》に曰く「雲は龍に従い、風は虎に従う」、《説卦》一路にまた艮を雲と為し・巽を風と為すと説く。艮と巽の両卦重疊して相逢えば、即ち風雲際会の象にして、飛沙走石・天を遮り日を蔽い・山影も皆吞没せらる。此の種の応験は哪の季節をも拘らず、も亦た更に体用を分かちて論ずるを要せず。坎は艮の上に居れば、布霧興雲を主る。坎もし兌の上に居れば、則ち霜を凝め雪と成す。乾兌は金に属し、霜・雪・雹・霰を主る。離は火に属し、日光・電光と虹霓を主る。離は電と為し・震は雷と為し、両卦相会すれば則ち雷電斉び作す。坎は雨と為し・巽は風と為し、両卦相逢えば則ち風雨驟りに起る。震卦重疊は、雷の百里を驚かすの象なり。坎爻迭見は、九州を潤沢するの象なり。ゆえに両卦相重なる處は、即ち爻象の上の総断語である。 地天泰・水天需を占い得れば、昏蒙不明の象なり。天地否・水地比を占い得れば、天色黑暗の形なり。六爻純離は、夏必ず旱、四季皆晴。六爻純坎は、冬必ず寒、四時多雨。久雨晴れざるに、艮に逢えば必定に晴に放つ。久晴雨無きに、艮を得るも同じく轉折の機なり。
又若水火既濟、火水未濟,四時不測風雲;風澤中孚,澤風大過,三冬必然雨雪。水山蹇,山水蒙,百步必須執蓋。地風升,風地觀,四時不可行船。離在艮上,暮雨朝晴,離互艮宮,暮晴朝雨。巽、坎互離,虹霞乃見,巽、離互坎,造化亦同。又須推測四時,不可執迷一理。震、離為電、為雷,應在夏天,乾、兌為霜、為雪,驗於冬月。天地之理大矣哉!得斯文者,當敬寶之。
再び水火既濟・火水未濟を占い得るがごとき、一年四時の風雲皆逆料し難し。風沢中孚・沢風大過を占い得れば、隆冬必定に雨雪あり。水山蹇・山水蒙を占い得れば、門を出でて百歩も走らざるに傘を撑るを得ず。地風升・風地観を占い得れば、一年四季皆船を行くに宜しからず。離は艮の上に居れば、傍晚雨下り・清晨晴に轉ず。離卦にして艮宮を互い出れば、則ち傍晚晴・清晨雨。巽と坎にして離を互い出れば、即ち虹霞を見るを得。巽と離にして坎を互い出れば、造化も亦た是れ同様の理。この外更に四時を結合して推測するを須とし、一条の道理を死守すべからず:震と離は電を主り雷を主り、夏に応ず。乾と兌は霜を主り雪を主り、冬月に験す。天地の理真に广大なるかな!この篇の文字を得る人は、まさに敬重して蔵すべし。
人事占第二
人事之占,詳觀體用。體卦為主,用卦為賓。用克體不宜,體克用則吉。用生體有進益之喜,體生用有耗失之患。體用比和,謀為吉利。更詳觀互卦、變卦,以斷吉凶;復究盛衰,以明休咎。 人事之占,則以全體用總章向決吉凶。若有生體之卦,即看前章八卦中生體之卦有何吉;又看克體之卦有何凶,即看前章克體之卦。無生克,止斷本卦。
人事を占うは、細かく体用両卦を看るを要す:体卦は自己、主と為す。用卦は対方と占う所の事、賓と為す。用の来りて体を克するは好からず、体の去りて用を克すれば則ち吉。用の来りて体を生ずるは、進益の喜あり。体の去りて用を生ずるは、耗損の患あり。体用比和なれば、則ち謀る所順利なり。この外更に互卦と変卦を細看して以て吉凶を断じ、更に各卦の盛衰旺相を考究し、以て禍福を明白にすべし。 人事を占うの総の办法は、即ち通篇に体用総訣を按じて決断す:卦中もし体を生ずるの卦あらば、前一章の八卦生体条を翻査し、それが何の吉を主るかを看る。もし体を克するの卦あらば、前一章の八卦克体条を翻査し、それが何の凶を主るかを看る。倘若も生も亦た克も無からば、ただ本卦の卦義に按じて断ずるのみ。
家宅占第三
凡占家宅,以體為主,用為家宅。體克用,則家宅多吉,用克體,則家宅多凶。體生用,多耗散,或防失盜之憂。用生體,多進益,或有饋送之喜。體用比和,家宅安穩。如有生體之卦,即以前章人事占斷之。
およそ家宅を占うは、体卦を以て家に住む人と為し、用卦を以てこの處の家宅と為す。体の用を克するは、家宅多吉。用の体を克するは、家宅多凶。体の用を生ずるは、家中の銭財多く耗散し、更に失窃の憂を防ぐを要す。用の体を生ずるは、家中多く進益あり、あるいは人の饋贈の喜あり。体用比和なれば、則ち一家安穏なり。もし卦中別に体を生ずるの卦あらば、即ち前一章の人事占の办法に照らしてそれが何種の吉利を主るかを断ずべし。
屋舎占第四
凡占屋舍,以體為主,用為屋舍。體克用,居之吉,用克體,居之凶。體生用,主資財衰退;用生體,則門戶興隆。體用比和,自然安穩。
およそ房屋を占うは、体卦を以て居住の人と為し、用卦を以てこの所の房子と為す。体の用を克するは、住み入りて吉利。用の体を克するは、住み入りて凶あり。体の用を生ずるは、家財の一天天衰退を主る。用の体を生ずるは、則ち門庭興旺なり。体用比和なれば、自然に安穏無事なり。
婚姻占第五
占婚姻以體為主,用為婚姻。用生體,婚易成,或因婚有得;體生用,婚難成,或因婚有失。體克用,可成但成之遲;用克體,不可成,成亦有害。體用比和,婚姻吉利。
婚姻を占うは、体卦を以て自己一方と為し、用卦を以てこの門の親事と為す。用の体を生ずるは、婚事成り易く、あるいはこの門の親事に因りて好處を得。体の用を生ずるは、婚事成り難く、あるいはこの門の親事に因りて損失あるを主る。体の用を克するは、能く成り、ただ成ること遅し。用の体を克するは、成らず、勉强に成るも亦た害あり。体用比和なれば、則ち婚姻吉利なり。
占婚,體為所占之家,用為所婚之家。體卦旺,則此家門戶勝;用卦旺,則彼家資盛。生體,則得婚姻之財;或彼有相就之意;體生,則無嫁奩之資,或此去求婚方諧。若體用比和,則彼此相就,良配無疑。 乾:端正而長 坎:邪淫、黑色、嫉妒、奢侈 艮:色黃多巧 震:美貌難犯 巽:髮少稀疏,醜陋心貪 離:短赤色,性不常 坤:貌醜,大腹而黃 兌:高長,語話喜悅,白色
婚を占うに更に一层の看法あり:体卦は来りて問うこの一家を代表し、用卦は親を結ぶあの一家を代表す。体卦旺なれば、この家の門戸上風を占む。用卦旺なれば、あの家の家資更に盛ん。用の来りて体を生ずれば、即ち婚姻上の財物を得、あるいは対方の意ありて主動して来り就かんとす。体の去りて用を生ずれば、即ち陪嫁の資財無く、あるいはこちらの主動して親を求めてこそ談じ得て攏る。もし体用比和ならば、彼らは彼此情願・両相に凑就して、是れ无疑の良配である。 再び用卦の象を以て対方の相貌品性を看る:乾は容貌端正にして身材頎長を主る。坎は為人邪淫・膚色偏黒・嫉妒を好み・奢侈を尚ぶを主る。艮は膚色の黄を発して心思霊巧を主る。震は容貌美好にして端厳侵犯すべからざるを主る。巽は頭髪稀少・貌醜にして心貪を主る。離は身材矮小・面色偏赤・性情反復無常を主る。坤は相貌丑陋・大腹にして面黄を主る。兌は身材高長・言語喜悦・膚色白浄を主る。
生産占第六
占生產,以體為母,用為生。體用俱宜乘旺,不宜乘衰。宜相生,不宜相剋。體克用不利於子;用克體不利於母。體克用而用卦衰,則子難完;用克體而體卦衰,則母難保。用生體,利於母;體生用,利於子。體用比和,生育順快。若欲辨其男女,當於前卦審之。陽卦陽爻多者則生男,陰卦陰爻多者生女。陰陽卦爻相生,則察所占左右人之奇偶以證之。如欲決其日辰,則以用卦之氣數參決之。所謂卦之氣數者,即看何為用卦,於八卦時序之類次之。
生産を占うは、体卦を以て母親と為し、用卦を以て生む所の子と為す。体用両卦皆時を得て旺に乘るを宜しく、衰弱を宜とせず。宜しく彼此相生して、宜しく彼此相克せざるべし。体の用を克するは、孩子に利あらず。用の体を克するは、母親に利あらず。もし体の用を克ししかも用卦また衰なれば、孩子保全し難し。もし用の体を克ししかも体卦また衰なれば、母親平安を保ち難し。用の体を生ずるは、母に利あり。体の用を生ずるは、子に利あり。体用比和なれば、則ち生育順利快捷なり。もし男女を辨ぜんと欲せば、即ち本卦の上に審察す:陽卦にして陽爻多きは男を生み、陰卦にして陰爻多きは女を生む。もし陰陽卦爻彼此相生・一时に分かち難ければ、即ち占卜の時左右在場の人の単数か双数かを数えて以て印証す(単は陽にして男を主り、双は陰にして女を主る)。もし生産の日子を断定せんと欲せば、即ち用卦の卦気の数を参看す——所謂卦気の数とは、即ち用卦の是れ哪一の卦かを看て、再び前面の八卦「時序」一門の配する月日に按じて推す。
飲食占第七
凡占飲食,以體為主,用為飲食。用生體,飲食必豐;體生用,飲食難就。體克用,則飲食有阻;用克體,飲食必無。體用比和,飲食豐足。又卦中有坎則有酒,有兌則有食。無坎無兌,則皆無。兌、坎生體,酒肉醉飽。欲知所食何物,以飲食推之。欲知席上何人,以互卦人事推之。 飲食人事類者,即前八卦內萬物屬類是也。
およそ飲食を占うは、体卦を以て自己と為し、用卦を以てこの頓の飲食と為す。用の体を生ずるは、酒食必定豊盛。体の用を生ずるは、この頓の飯喫し得難し。体の用を克するは、飲食中間に阻碍あり。用の体を克するは、則ち根本に飲食無し。体用比和なれば、則ち酒食豊足なり。この外、卦中に坎あれば即ち酒あり、兌あれば即ち飯菜あり。既に坎無くまた兌無ければ、酒飯皆無し。もし兌・坎両卦皆来りて体を生ずれば、即ち酒肉興を尽くし・喫して醉飽す。喫する所是れ何かを知らんと欲せば、即ち各卦の「飲食」一門に按じて推す。席上皆是れどのような人かを知らんと欲せば、即ち互卦の「人物・人事」一門に按じて推す。 ここに説く飲食と人物の類は、即ち前面の八卦万物属類表中の各条である。
求謀占第八
占求謀,以體為主,用為所謀之事。體克用,謀雖可成,但成遲。用克體,求謀不成,謀亦有害。用生體。不謀而成;體生用,多謀少遂。體用比和,求謀稱意。
事を謀るを占うは、体卦を以て自己と為し、用卦を以て謀る所の事と為す。体の用を克するは、事情能く成ると雖も、却って成ること慢し。用の体を克するは、謀事成らず、勉强に謀り去りて反って害あり。用の体を生ずるは、費力せずして自然に成就す。体の用を生ずるは、則ち多方に籌画して少なく如願す。体用比和なれば、事を謀るに称心なり。
求名占第九
凡占求名,以體為主,用為名。體克用,名可成,但成遲。用克體,名不可成。體生用,名不可就,或因名有喪。用生體,名易成,或因名有得。體用比和,功名稱意。欲知名成之日,生體之卦氣詳之。欲知職任之處,變卦之方道決之。若無克體之卦,則名易就,止看卦體時序之類,以定日期。若在任占卜,最忌見克體之卦,如卦有克體者,即居官見禍,輕則上司責罰,重則削官退居。其日期,看克體之卦氣者,於八卦所屬時序類中斷之。
およそ功名を求取るを占うは、体卦を以て自己と為し、用卦を以て功名と為す。体の用を克するは、名得べきも、ただ成ること遅し。用の体を克するは、功名求めて成らず。体の用を生ずるは、功名成就せず、甚だしきは名を求むるに因りて喪失あるに至る。用の体を生ずるは、功名容易く手に到り、あるいは功名に因りて得る所有り。体用比和なれば、功名称心如意なり。名を得るはれ哪の一日かを知らんと欲せば、即ち細かく体を生ずる那一卦の卦気を推す。派て何處に職に任ずるを知らんと欲せば、即ち変卦の属する方位を看て以て定む。もし卦中に体を克するの卦無ければ、功名即ち容易く成り、ただ体卦の「時序」一門に配する月日を看て以て日期を定む。倘若もし已に任上に在りて占卜するは、最も体を克するの卦を見るを忌む:卦中一たび体を克するあれば、即ち官を為して禍に遭う、軽ければ上司の責罰を受け、重ければ職を削り官を罷められ・家中に退居す。至るに禍に応ずるの日期は、即ち体を克する那一卦の卦気を看て、八卦の属する「時序」一門の中に査出して断定す。
求財占第十
占求財,以體為主,以用為財。體克用,有財;用克體,無財。體生用,財有損耗之憂;用生體,財有進益之喜。體用比和,財利快意。欲知得財之日,生體之卦氣定之。欲知破財之日,克體卦氣定之。 又若卦中有體克用之卦,及生體之卦,則有財,此卦氣即見財之日。若卦中有克體之卦,及體生用之卦,即破財,此卦氣破財之日。
財を求むるを占うは、体卦を以て自己と為し、用卦を以て財と為す。体の用を克するは、財あり(我は能く財を制し、財は我が取る所と為す)。用の体を克するは、財無し。体の用を生ずるは、銭財に損耗の憂あり。用の体を生ずるは、銭財に進益の喜あり。体用比和なれば、則ち財利順遂称心なり。財を得るの日子を知らんと欲せば、即ち体を生ずる那一卦の卦気を用いて以て定む。財を破るの日子を知らんと欲せば、即ち体を克する那一卦の卦気を用いて以て定む。 更に細かく説けば:卦中もし体の用を克するの卦および体を生ずるの卦あらば、即ち財あるにして、これらの卦の卦気の値する所の日即ち財を見るの日である。卦中もし体を克するの卦および体の用を生ずるの卦あらば、即ち財を破るにして、これらの卦の卦気の値する所の日即ち財を破るの日である。
交易占第十一
占交易,以體為主,用為財。體克用,有財;用克體,不成。體生用,難成,或因交易有失。用生體,即成,成必有財。體用比和,易成。
交易売買を占うは、体卦を以て自己と為し、用卦を以てこの筆の財貨と為す。体の用を克するは、財の得べきあり。用の体を克するは、売買為し成らず。体の用を生ずるは、談じ成り難し、あるいはこの筆の交易に因りて反って損失を受く。用の体を生ずるは、当即に成るべく、成れば必定に利あり。体用比和なれば、則ち談じ成り易し。
出行占第十二
占出行,以體為主,用為所行之應。體克用,可行,所至多得意。用克體,出則有禍。體生用,出行有破耗之失;用生體,有意外之財。體用比和,出行順快。 又凡出行,體宜乘旺,諸卦宜生體。體卦乾、震多,主動。坤、艮多,不動。巽宜舟行,離宜陸行。坎妨失脫,兌主紛爭。
出行を占うは、体卦を以て出行の人と為し、用卦を以てこの行の遭遇と為す。体の用を克するは、走るべく、到る所の處多く能く意に称う。用の体を克するは、一たび門を出でて禍あり。体の用を生ずるは、門を出でて破費損耗あり。用の体を生ずるは、路上に意外の財あり。体用比和なれば、則ち出行順利爽快なり。 この外およそ出行を占うは、体卦は当令して旺に乘るを宜しく、諸卦の来りて体を生ずるを宜しとす。卦中乾・震多きは身を動かし行を成すを主り、坤・艮多きは走り成らざるを主る。巽を見れば舟に乘るに宜しく、離を見れば陸路を走るに宜し。坎を見れば丟失を防ぐを須とし、兌を見れば則ち口舌紛争を主る。
行人占第十三
占行人,以體為主,用為行人。體克用,行人歸遲;用克體,行人不歸。體生用,行人未歸;用生體,行人即歸。體用比和,歸期不日矣。 又以用卦看行人在外之情況。逢生,在外順快;逢衰受克,在外災殃。震多不寧,艮多有阻。坎有險難,兌主紛爭。
外に在るの人いつか帰るを占うは、体卦を以て問い占う自己と為し、用卦を以て門外に出で在るあの人と為す。体の用を克するは、行人帰り来ること遅し。用の体を克するは、行人帰り来らず。体の用を生ずるは、行人一时に帰るを得ず。用の体を生ずるは、行人馬上到る。体用比和なれば、則ち帰期即ちこの数日に在り。 また用卦に就きて行人の在外の境况を看るべし:用卦の生に逢えば、彼は外に順遂快意。用卦衰弱また克を受くれば、彼は外に災に遭う。卦中震多きは、彼は外に奔波寧まらず。艮多きは、則ち途中に阻あり。坎を見れば険難あるを主り、兌を見れば口舌争執あるを主る。
謁見占第十四
占謁見,以體為主,用為所見之人。體克用,可見;用克體,不見。體生用,難見,見之而無益;用生體,可見,見之且有得。體用比和,歡然相見。
拜访して見るを求むるを占うは、体卦を以て自己と為し、用卦を以て見んと欲する所の人と為す。体の用を克するは、見るに着く。用の体を克するは、見るに着かず。体の用を生ずるは、見ることを得難し、即便に見るに着くも亦た好處無し。用の体を生ずるは、見るに着く、しかも見て更に得る所有り。体用比和なれば、則ち彼此歓然として相見る。
失物占第十五
占失物,以體為主,用為失物。體克用,可尋遲得;用克體,不可尋。體生用,物難見;用生體,物易尋。體用比和,物不失矣。
丢失したものを占うは、体卦を以て失主と為し、用卦を以て失う所の物と為す。体の用を克するは、找えるに着く、ただ帰り来るを得ること遅し。用の体を克するは、找え帰り来らず。体の用を生ずるは、東西再び見ること難し。用の体を生ずるは、東西尋ね回ること易し。体用比和なれば、則ち物件其実並びに丟さず。
又以變卦為失物之所在。如變是乾,則覓於西北或公榭樓閣之所,或金石之傍,或圓器之中,或高亢之地。變卦是坤,則覓於西南方,或田野之所,或倉稟之處,或稼穡之處,或土窖穴藏之所,或瓦器方器之中。震則尋於東方,或山林之所,或叢棘之內,鐘鼓之傍,或鬧市之地,或大途之所。巽則尋於東南方,或山林之所,或寺觀之地,或菜蔬之園,或舟居之間,或木器之內。
再者、用の変卦を以て失物の所在を定む。変卦もし乾なれば、即ち西北方に到りて找え、あるいは官府・台榭・楼閣の一帯に在り、あるいは金石の旁に在り、あるいは円形器皿の中に在り、あるいは高亢の處に在り。変卦もし坤なれば、即ち西南方に到りて找え、あるいは田野の間に在り、あるいは倉庫の裏に在り、あるいは庄稼地の裏に在り、あるいは地窖・土穴の蔵物の處に在り、あるいは瓦器・方器の中に在り。変卦是れ震なれば、即ち東方に往きて找え、あるいは山林の中に在り、あるいは叢生の荊棘の裏に在り、あるいは鐘鼓の旁辺に在り、あるいは闹市の地に在り、あるいは大路の上に在り。変卦是れ巽なれば、即ち東南方に往きて找え、あるいは山林の中に在り、あるいは寺廟道観に在り、あるいは菜園の裏に在り、あるいは船上に在り、あるいは木器の内に在り。
坎則尋於北方,多藏於水邊或溪井溝渠之處,或酒醋之邊,或魚鹽之地。離則尋於南方,或皰廚之間,或爐冶之傍,或在明窗,或遺虛室,或在文書之側,或在煙火之地。艮則尋於東北方,或山林之內,或近路邊,或岩石傍,或藏土穴。兌則尋於西方,或居澤畔,或敗垣破壁之內,或廢井缺沼之中。
変卦が坎なれば、即ち北方に往きて找え、多くは水辺に蔵れ、あるいは溪流・水井・溝渠の處に在り、あるいは酒醋の壇の辺に在り、あるいは魚塩の在る所の地に在り。変卦が離なれば、即ち南方に往きて找え、あるいは厨房の中に在り、あるいは炉冶の旁辺に在り、あるいは明亮の窓前に在り、あるいは空屋に落ち、あるいは文書の旁辺に在り、あるいは煙火ある地に在り。変卦が艮なれば、即ち東北方に往きて找え、あるいは山林の内に在り、あるいは路辺に在り、あるいは岩石の旁に在り、あるいは土穴の中に蔵る。変卦が兌なれば、即ち西方に往きて找え、あるいは水沢の岸辺に在り、あるいは倒塌の牆垣破壁の内に在り、あるいは廃井・乾涸残缺の池沼の中に在り。
疾病占第十六
凡占疾病,以體為病人,用為病症。體卦宜旺不宜衰,體宜逢生,不宜見克。用宜生體,不宜克體。體克用,病易安;體生用,病難愈。體克用者,勿藥有喜;用克體者,雖藥無功。若體逢克而乘旺,猶為庶幾。體遇克而更衰,斷無存日。
およそ疾病を占うは、体卦を以て病人と為し、用卦を以て病症と為す。体卦は旺を宜として衰を宜とせず、別卦の生扶を得るを宜しくして克せらるるを宜とせず。用卦は来りて体を生ずるを宜しくして体を克するを宜とせず。体の用を克するは、病容易く好し。体の用を生ずるは、病痊愈し難し。体の用を克するは、薬を喫せずとも亦た喜あり(病自ずから退く)。用の体を克するは、縱い服薬するも功を見ず。もし体卦克せらるるも自身当令して旺に乘れば、なお几分の指望あり。もし体卦既に克せられしかも衰弱無気なれば、即ち断じて生理無し。
欲知凶中有救,生體之卦存焉。體生用者,遷延難好;用生體者,即愈。體用比和,疾病易安。若究和平之日,主卦決之。若詳危厄之期,克體之卦定之。若論醫藥之屬,當看生體之卦。如離卦生體,宜服熱藥;坎卦生體,宜服冷藥,如艮溫補;乾、兌涼藥是也。
凶中に救あるや否やを看んには、即ち卦裏に体を生ずるの卦有るや無きやを看る——有れば即ち険中に救を得。体の用を生ずるは、病情拖延して好り難し。用の体を生ずるは、ほどなく痊愈す。体用比和するは、疾病平復し易し。病の好る日子を推算せんと欲せば、即ち体卦(主卦)の卦気を用いて以て定む。危険発作の日期を推算せんと欲せば、即ち体を克するの卦を用いて以て定む。もし何の薬を用うるを論ぜんと欲せば、即ち体を生ずるは哪一の卦かを看る:離卦体を生ずれば、温熱の薬を服するに宜し。坎卦体を生ずれば、寒凉の薬を服するに宜し。艮卦体を生ずれば、温补を用うるに宜し。乾・兌が体を生ずれば、則ち涼薬を用うるに宜し。
又有信鬼神之說,雖非《易》道,然不可謂《易》道之不該。姑以理推之。如卦有克體者,即可測其鬼神。乾卦克體,主有西北方之神,或兵刀之鬼,或天行時氣,或乘正之邪神。坤則西南之神,或曠野之鬼,或連親之鬼,或水土里社之神,或犯方隅,或無主之祟。震則東方之神,或木下之神,或妖怪百端,或影響時見。巽則東南之鬼,或自縊戕生,或枷鎖致命。
世上また鬼神の病を致すを信ずるの説法あり。これは《易》道の正宗に属せざると雖も、しかも亦た《易》道の包羅せざると言うべからず。姑く理に按じて推衍を一番す:卦中およそ体を克するの卦有らば、即ち之を拠りて犯す所何种の鬼神かを測度すべし。乾卦体を克するは、西北方の神を主り、あるいは兵刃に死するの鬼、あるいは流行の時疫の気、あるいは時に乘じて作祟する邪神。坤卦体を克するは、西南方の神を主り、あるいは曠野の鬼、あるいは親族牽連の鬼、あるいは水土里社の神、あるいは某かの方位を触犯し、あるいは祭祀する人無き孤魂の作祟。震卦体を克するは、東方の神を主り、あるいは樹下の神、あるいは百般の妖怪、あるいは時に隠れ時に現るる影像音響。巽卦体を克するは、東南方の鬼を主り、あるいは上りて自ら尽きたる鬼、あるいは枷鎖身に加えられて死する鬼。
坎則北方之鬼,或水旁之神,或沒溺而亡,或血疾之鬼。離則南方之鬼,或猛勇之神,或犯灶司,或得衍於香火,或焚燒之鬼。或遇熱病而亡。艮則東北之神,或是山林之祟,或山魈木客,或土怪石精。兌則西方之神,或陣亡之鬼,或廢疾之鬼,或刎頸戕生之鬼。卦中無克體之卦者,不必論之。
坎卦体を克するは、北方の鬼を主り、あるいは水辺の神、あるいは淹死の鬼、あるいは血疾に死する鬼。離卦体を克するは、南方の鬼を主り、あるいは凶猛勇武の神、あるいは灶神を触犯し、あるいは香火供奉の上に過失あり(原文の「得衍」は即ち「得愆」)、あるいは焼死の鬼、あるいは熱病に因りて亡ぶの鬼。艮卦体を克するは、東北の神を主り、あるいは山林の作祟、あるいは山魈木客、あるいは土怪石精。兌卦体を克するは、西方の神を主り、あるいは陣亡の鬼、あるいは残疾にして死する鬼、あるいは自刎自盡の鬼。卦中もし体を克するの卦無ければ、此の一层は即ち論ずるを要せず。
又問乾上坤下,占病如何斷,堯夫曰:「乾上坤下第一爻動,便是生體之義。變為震木,互見巽艮,俱是生成之義,是謂不災,逢生之日即愈。」 又問:「第二爻動如何?」曰:「是變為坎水,乃洩體敗金之義。金入水鄉,互見巽、離,乃為風火扇爐,俱為克體之義。更看占時外應如何,即為焚尸之象,斷之死無疑矣。以春夏秋冬四季推之,更見詳理。」
また人の問うあり:病を占い上乾下坤(天地否)を得たれば、どう断ずべきか。邵堯夫(邵雍)曰く:「上乾下坤にして初爻動けば、即ち体を生ずるの義あり。初爻動けば則ち下坤は震木に変じ、互卦に巽と艮を見る:艮土は乾金の体を生ずるは、是れ生成の義、此を無灾と叫作し、体を生ずるの卦の当令する那一日に到りて病即ち好ゆ」と。 また問う:「第二爻動けばいかん」と。答えて曰く:「二爻動けば則ち下坤は坎水に変じ、乾金去りて坎水を生ずるは、是れ体を泄し金を敗るの義、所謂金の水郷に入るなり。互卦また巽と離を見る、巽風は離火を扇ぎ、譬ゆる風箱の炉を鼓するがごとく、皆体を克するに在り。更に占時の外応いかんを看る——もし外応も亦た凶なれば、即ちそれは尸を焚くの象、彼の必ず死するを断じて疑無し。もし更に春夏秋冬四季の旺衰に按じて推さば、道理更に周詳なり」と。
又曰:「第三爻動,坤變艮土,俱在生體之義,不問互卦,亦斷其吉無疑。」又曰:「第四爻動,乾變巽木,金木俱有克體之義,互吉亦凶。木有扛尸之義,金為磚槨之推。是必定之推,必定之理。」又曰:「第五爻動,乾變離,反能生體,互變俱生體,是其吉無疑。更有吉兆則愈吉。其斷明矣。」又曰:「第六爻動,乾變兌,則能洩體,互見巽、艮,一凶一吉,其病非死必危。亦宜看兆吉凶,吉則言吉,凶則言凶。此斷甚明。餘卦皆仿此斷,則心易無不驗矣。」
邵子また曰く:「第三爻動けば、下坤は艮に変ず、仍ほ土にして、土は乾金の体を生ず。全く体を生ずるの義の上に在り、互卦にも問うを要せず、亦たそれの必ず吉を断ず」と。また曰く:「第四爻動けば、上乾は巽木に変ず——此の卦に按じて乾金を以て体と為せば、四爻既に動けば則ち体已に木に変じ、金木相戦いて、皆体を克するの義を含む。縱い互卦是れ吉なるも終帰して凶。木は棺尸を扛抬するの義あり、金は磚石棺椁の象あり。此れ推し得べき必然の理なり」と。また曰く:「第五爻動けば、乾は離火に変ず。此處反って能く体を生ず(土体火の生を得)、互卦・変卦一斉に体を生ず。その吉疑無し。もし更に吉の外応あらば、即ち更に吉。断語きわめて明白なり」と。また曰く:「第六爻動けば、乾は兌に変ず。兌金は体の気を泄す。互卦に巽と艮を見る、一凶一吉。この病死せずとも亦た必ず危重なり。此の時も亦た外応の兆の吉か凶かを看るを要す。吉なれば即ち吉と言い、凶なれば即ち凶と言う。この断法十分に清楚なり。其余の各卦皆此のように照らして断ずれば、心易の霊験せざる無し」と。
官訟占第十七
占官訟,以體為主,用為對辭之人與官訟之應。體卦宜旺,用卦宜衰。體宜用生,不宜生用。宜生體,不宜克體。是故體克用者,已勝人;用克體者,人勝己。體生用,非為失理,或因官有所喪;用生體,不止得理,或因訟有所得。體用比和,官訟最吉。非但扶持之力,必有主和之義。
官司を打つを占うは、体卦を以て自己と為し、用卦を以て公堂に対簿する対方および訟事の結果と為す。体卦は旺を宜とし、用卦は衰を宜とす。体は用卦の生扶を受くるを宜しく、反って去りて用を生ずるを宜とせず。総じて諸卦は体を生ずるを宜しく、体を克するを宜とせず。ゆえに体の用を克するは、自己の対方に勝る。用の体を克するは、対方の自己に勝る。体の用を生ずるは、假りに理に虧ならずとも、亦た官司に因りて損失あるを会す。用の体を生ずるは、但だ理を占むるのみならず、還って此の場の官司に因りて得る所有り。体用比和は、官司を打つに最も吉——但だ人の中より扶持するあるのみならず、而且して必ず和解を主張するの意あり。
墳墓占第十八
占墳墓以體為主,用為墳墓。體克用,葬之吉;用克體,葬之凶。體生用,葬之主運退;用生體,葬之主興隆,有蔭益後嗣。體用比和,乃為吉地。大宜葬,葬之吉昌。 上為用體之訣,始發十八章占例,以示後學之法則。然庶務之多,豈止十八占而已乎!然此十八占,乃大事之切要者,占者以類而推之可也。
墳地を占うは、体卦を以て下葬の家と為し、用卦を以てこの塊の墓地と為す。体の用を克するは、葬り下せば吉。用の体を克するは、葬り下せば凶。体の用を生ずるは、葬後家運衰退。用の体を生ずるは、葬後家道興隆、能く后代子孫を蔭庇す。体用比和は、即ち一塊の吉地、きわめて安葬に宜しく、葬後吉慶昌盛なり。 以上は体用の訣、先に此の十八章の占例を立出し、後学に一个の法則を与う。しかるに世間の事務紛繁にして、豈に此の十八占のみならん。ただ此の十八占は大事中最も緊要なるが故に、占者は之に照らして類別して推衍してゆくべし。
体用生克篇の三
三要靈應篇序
夫《易》者,性理之學也。性理,具於人心者也。當其方寸湛然,靈臺皎潔,無一毫之乾,無一塵之累,斯時也,性理具在而《易》存吾心,渾然是《易》也,其先天之《易》也。乃夫慮端一起,事根忽萌,物之著心,如雲之蔽室,如塵之蒙鏡,斯時也,汩沒茫昧,而向之《易》存吾心者,泯焉爾。
《易》この一門の学問の講ずるは、性理である。しかして性理は本来人心の裏面に具備す。此の心方寸澄澈・靈臺明浄にして、一絲一毫の攪擾無く・一星半点の牽累無きとき此の時、性理は原原本本皆在り、《易》は即ち我心中に存在し、渾然一体便是《易》——此れ即ち所謂「先天の《易》」である。しかるに一旦念慮生起し・事情の根苗忽然として萌動し、外物の心上に粘着するは、譬ゆる雲の屋子を遮り・灰塵の鏡子を蒙るがごとし。此の時に到りて、心便ち昏沈迷茫にして、先に我心中に存在せしあの《易》も、亦た泯滅して見えず。
故三要之妙,在於運耳、目、心三者之虛靈,俾應於事物也,耳之聰,目之明,吾心實總乎聰明。蓋事根於心,心該乎事,然事之未萌也,雖鬼神莫測其端,而吉凶禍福,無門可入。故先師曰:「思慮未動,鬼神不知;不由乎我,更由乎誰?」故事萌於心,鬼神知之矣。
ゆえに「三要」の妙處は、即ち耳・目・心此の三者の虚明靈覺を運用して、它らをして外面の事物に感応せしむるに在り。耳は能く聴き清らかにし、目は能く看て明らかにし、しかして此の份の聰明は実は皆我此の顆の心に統攝せらる。事情の根子は心上に在り、心も亦た事情を涵蓋す。ただ事情なお萌動せざるの時は、鬼神も亦た其の端倪を測り出す能わず、吉凶禍福更に入り来るに從無し。ゆえに先師曰く:「思慮なお動かざれば、鬼神も知らず。我より作すに由らざれば、還って誰より作すに由らん」と。しかるに事情一たび心裏に萌動すれば、鬼神便ち之を知る。
吉凶悔吝有其數,然吾預知之,何道歟?必曰:「求諸吾心易之妙而已矣。」於是寂然不動,靜慮誠存,觀變玩占,運乎三要,必使視之不見,吾見之;聽之不聞者,吾聞之;如形之見視,如音之見告,吾之瞭然鑑之。則《易》之為卜筮之道,而《易》在吾心矣。三要不虛,而靈應之妙斯得也。
吉・凶・悔・吝各々其の定数有り。しかして我預め之を知らんと欲するは、凭にする是れ何の門路ぞや。ただ言うべくは:我自身の心中の「心易」の妙に向かいて求むるのみ。ここにおいて寂然として動かず、心を澄め慮を静めて其の誠を存し、變化を觀察し占兆を玩味し、耳目心此の三要を運用して、必ず他人の見る能わざるを我見る能く・他人の聴く能わざるを我聴く能くせんことを致す。譬ゆる形體の自ら現れ出でて我に見せ、聲音の自ら送上りて我に告ぐるがごとく、我心裏明明白白として它を照見す。此のようになれば、《易》の卜筮の道と為るは、真正に我が心中に在り。三要落空せず、靈驗感應の妙用も亦た之を得たり。
是道也,寓至精至神之理,百姓日用而不知,安得圓通三昧者,與之論歟!此先師劉先生(江夏人,號湛然子)得之王屋山人高處士雲巖。 寶慶四年,仲夏既望,清靈子朱虛拜首序
此の門の道理は、極精微・極神妙の義理を寄寓し、百姓日日之を用いて自ら知らず。何處にか一位の圓融通達・深く其の中の三昧を得たる人を尋ねて、之と一起に談論せん。此の一法は先師劉先生(江夏人、號は湛然子)の王屋山人高處士雲岩の許より得來せしものである。 寶慶四年仲夏十六日、清靈子朱虛拜首して序を作る。
三要靈應篇
三要者,運耳、目、心三者之要也。靈應者,靈妙而應驗也。夫耳之於聽,目之於視,心之於思,三者為人一身之要,而萬物之理不出於視聽之外。占決之際,寂聞澄慮,靜觀萬物,而聽其音,知吉凶,見其形,知善惡,察其理,知禍福,皆可為占卜之驗。如谷之應聲,如影之隨形,灼然可見也。其理出於《周易》「遠取諸物,近取諸身」之法。
所謂「三要」とは、即ち耳・目・心此の三樣の最も緊要の官能を運用す。所謂「靈應」とは、即ち靈妙にして應験する。耳は聴くを管し、目は看るを管し、心は想うを管し、此の三者は人の一身の樞要にして、しかして萬物の理も亦た見聞する所の外に跑出す能わず。占斷する時、心を静めて聽聞を收攝し・思慮を澄清し、安靜に萬物を觀察す:其の聲音を聴けば即ち吉凶を知り、其の形狀を看れば即ち善惡を知り、其の道理を體察すれば即ち禍福を知る——此れら皆占卜の驗證と為す可し。其の應験は譬ゆる山谷の回聲・影子の形に隨うがごとく、清清楚楚として看見すべし。此の道理は《周易・繫辭》の説く所の「遠くは諸物に取り、近くは諸身に取る」の取象の法より出でたり。
是編則出於先賢先師,採世俗之語為例用之者:鬼谷子、嚴君平、東方朔、諸葛孔明;繼而得者:邵康節、邵伯溫、劉伯溫、牛思晦、牛思繼、高處士、劉湛然、富壽子、泰然子、朱清靈子。其年代相傳不一,而不知其姓名者不與焉。
此の一篇は歷代の先賢先師の手より出で、是れ世俗流傳の成語俗諺を采集して條例に編みて以て使用せしものなり。最早く此の套の方法を用いしに鬼谷子・嚴君平・東方朔・諸葛孔明あり。後來相繼いで傳授を得たるに邵康節(邵雍)・邵伯温・劉伯温・牛思晦・牛思繼・高處士・劉湛然・富壽子・泰然子・朱清靈子あり。彼らの相傳せし年代先後一ならず、其の中姓名考へ失せしは即ち列入せず。
原夫天高地厚,萬物散殊,陰濁陰清,五氣順布,禍福莫逃乎數,吉凶皆有其機。人為萬物之靈,心乃一身之主,目寓而為形於色,耳得而為音於聲,三要總之,萬物備矣。 此乃天地萬物之靈,而耳、目、心三者之要,故曰三要也。
推究すれば:天高く地厚く、萬物紛然として各別にして、陰濁陽清(原文は「陰濁陰清」と作る)、金木水火土五氣依次に布散す。禍福は一箇の「數」の字を逃るる能わず、吉凶も亦た各々其の機兆あり。人は萬物の中の最も靈なるにして、しかして心はまた一身の主なり:眼睛の寄托するは形色、耳朵の接得するは聲音、此の三者を總攝起來すれば、萬物の理も亦た皆齊備す。 此れ即ち天地萬物の靈機、全く耳・目・心三者の樞要の上に在るが故に、之を「三要」と叫作す。
是以遇吉兆而有吉,見凶識而不免乎凶。物之圓者事成,缺事敗。此理斷然,夫復何疑? 此乃占物克應,見吉則吉,遇凶則凶。 是以雲開見日,事必增輝;煙霧障空,物當失色。忽顛風而飄蕩,遇震雷以虛驚。月忽當面,宜近清光。雨可沾衣,可蒙恩澤。 此乃仰觀天文,以驗人事。
ゆえに占時吉兆に遇う即ち吉あり、凶象を見る即ち凶を免れず。見る所の東西是れ圓滿なるは、事情便ち成る。是れ殘缺なるは、事情便ち敗る。此の道理是れ確定不移、更に疑う可き何ぞあらん。 此の一段の説くは占物の外應を取る:吉を見れば即ち吉と斷じ、凶に遇えば即ち凶と斷ず。 更に説いて天象を仰看す:雲開き日出ずれば、占う所の事必定に光彩を增添す。煙霧天を遮れば、占う所の物即ち失色せん。忽然狂風起りて亂卷すれば、事情動蕩安からずを主る。震雷に碰上すれば、一場の虚驚を主る。月亮忽然として当面に照來れば、清明の光に親近するに宜し(清貴の蔭を得るを主る)。雨水衣裳に沾濕すれば、恩澤を承蒙すべきを主る。 此の一段是れ仰いで天文を觀じ、以て人事を驗證す。
重山為阻隔之際,重澤為浸潤之深。水流而事通,土積而事滯。石乃堅心始得,沙乃放手即開。浪激主波濤之驚,坡崩主田土之失。旱沼之旁,心力俱竭,枯林之下,相貌皆衰。 此來俯察地理,以驗人事。
更に説いて地形を俯看す:重重の山巒は、阻隔通じ難きを主る。重重の水澤は、潤澤深厚を主る。流水を見れば、事情通暢を主る。積土を見れば、事情停滯を主る。石頭を見れば、心志堅定してこそ手に得べしを須とす。沙子を見れば、一たび手を放せば散開す(聚まり住む能わざるを主る)。浪濤の衝激を見れば、風波の驚あるを主る。山坡の崩塌を見れば、田土の失あるを主る。乾涸の池沼の邊上に走り至れば、心力交瘁を主る。枯林の下に站てば、形容衰敗を主る。 此の一段是れ俯して地理を察し、以て人事を驗證す。
適逢人品之來,實為事體之應。故榮宦顯官,宜見其貴;富商匠賈,可問乎財。兒童哭泣憂子孫,吏卒叫囂忌官訟。二男二女,重婚之義;一僧一道,獨處之端。婦人笑語,則陰喜相逢;女子牽連,則陰私見累。匠氏,主門庭改換;宰夫,則骨肉分離。逢獵者,得野外之財;見漁者,有水邊之利。見妊婦,則事蔭於內;遇瞽者,則慮根於心。 此乃人品之應,以驗人事。
占時恰好どのような人に遇うは、正しく占う所の事の應験なり。ゆえに顯貴の官員に碰上すれば、其の貴を取るに宜しく、問う所の貴人の力を得るを主る。富商大賈に碰上すれば、財を問う可し。小孩の啼哭を聽見すれば、子孫を為に擔憂するを主る。吏卒の吆喝を看見すれば、官司を打つを忌む。兩男兩女の成對に遇上すれば、重婚再娶の義を含む。一僧一道に遇上すれば、是れ孤身獨處の端なり。婦人笑語相い迎うれば、女子の帶來する喜事あるを主る。女子拉扯牽連すれば、私情暗事の累を受くるを主る。工匠に遇見すれば、門庭の改換せんとするを主る(改建あるいは門戸を改換す)。屠夫厨子に遇見すれば、骨肉分離を主る。打獵のに碰上すれば、野外の財を得るを主る。打魚のに碰上すれば、水邊の利を得るを主る。孕婦を見到すれば、事情の轉機の內に蔭藏してなお顯露せざるを主る。盲人に遇到すれば、憂慮の心に深藏するを主る。 此の一段是れ人物の應、以て人事を驗證す。
至於搖手而莫為,或掉頭而不肯,拭目而噴嚏者方泣;搔首而彈垢者有憂。足動者有行,交臂者有失。屈指者多阻節,噓氣者主悲憂。舌出掉者有是非,背相向者防閃失。偶攘臂者,爭奪乃得;偶下膝者,屈抑而求。 此乃「近取諸身」之應。
至るに人身上の舉動に就きて應を取る:人の手を擺るを見れば、此の事為す可からずを主る。人の頭を摇るを見れば、對方肯んぜざるを主る。人の眼睛を揉み・嚏を打つを見れば、將に哭泣の事あらんを主る。人の頭を搔き・身上の塵垢を彈去るを見れば、心裏に憂あるを主る。人の脚動くを見れば、將に出行あらんを主る。人の交叉して臂を抱くを見れば、失落あらんを會す。人の指を屈して計算するを見れば、阻節多きを主る。人の長吁短嘆するを見れば、悲愁憂悶を主る。人の舌を伸び舌を摇るを見れば、是非を惹くを主る。人の身を背きて向うを見れば、閃失を防ぐを須とす。偶爾人の袖を捋し臂を伸ぶを見れば、爭奪してこそ得るを須とす。偶爾人の膝を屈して跪するを見れば、委屈して人を求むるを須とす。 此の一段是れ「近く諸身に取る」の應驗。
若逢童子授書,有詞訟之端;主翁笞僕,防責罰之事。講論經史,事體徒間於虛說;語歌詞曲,謀為轉見悠揚。見博賭,主爭鬥之財;遇題寫,主文書之事。偶攜物者,受人提攜;適挽手者,遇事牽連。 此乃人事之應。
もし塾師の童子に書を授くるに碰上すれば、詞訟の頭緒あるを主る。主人の僕人を鞭打つに碰上すれば、責罰の事に遭うを防ぐを須とす。人の經史を講論するに碰上すれば、問う所の事ただ空話の上に落つを主る。人の唱歌度曲するに碰上すれば、謀る所の事反って從容悠長を主る。賭博のを看見すれば、爭鬥して以て財を得るを主る。題字書寫のに遇見すれば、文書の事あるを主る。偶爾人の手裏に物を提攜するを見れば、自己人の提攜を受くるを主る。恰好人の手を挽して同行するを見れば、事に遇い牽連せらるるを主る。 此の一段是れ人事の應。
及夫舟楫在水,憑其接引而行;車馬登途,藉之負戴而往。張弓挾矢者,必領薦;有箭無弓者,未可試。持刀執刃,須求快利之方。披甲操戈,可斷剛強之柄。
更に説いて器物の應:水上の船隻を見れば、人に凭りて接引せられてこそ走り成るを主る。車馬上路を見れば、主要に人の負載幫扶に靠りてこそ去り得べし。人の弓を張り箭を搭るを見れば、必ず擧薦を得るを主る。箭有りて弓無きを見れば、時機なお至らず・還って試みる可からざるを主る。人の刀を持し刃を握るを見れば、一條の快利の門路を尋ねるを須とすを主る。人の甲を披き戈を執るを見れば、裁斷して剛強難制の事を主る可し。
繅絲者,事務繁冗。圍棋者,眼目眾多。妝花刻果,終非結實之因。書影描形,皆為裝點之類。絡繹將成,可以問職。筆墨俱在,可以求文。偶傾蓋者,主退權。忽臨鏡者,可赴詔。抱貴器者,有非常之用。負大木者,有不小之財。
人の繰絲し繭を抽るを見れば、事務の繁雜紛冗を主る。人の圍棋を下すを見れば、旁觀留意の眼目衆多を主る。人の假花を作り假果を雕刻するを見れば、終究結實し得る因由にあらず(徒らに其の表有るのみを主る)。人の影を摹き形を描くを見れば、皆門面を裝點する一類に属す。絲縷絡繹として成らんと將にすれば、職任を求るを問う可し。筆墨俱に備わるを見れば、文章功名を求取る可し。偶然車蓋の傾側するを見れば、權位の退かんとするを主る。忽然人の鏡に對して整裝するを見れば、應詔して任に赴く可きを主る。人の貴重器物を抱くを見れば、自己非常の用あるを主る。人の大木頭を扛ぐを見れば、不小の財あるを主る。
升斗宜量料而前,尺剪可裁度以用。見蹴球,有人發剔。開鎖鑰,遇事疏通。逢補器,終久難堅。值磨鏡,再成始得。頑斧磨鋼者,遲鈍得利。快刀砍木者,利事傷財。裁衣服者,破後方成。造瓦器者,成後乃破。奕棋者,取之以計。張綱者,摸之以空。或持斧鋸恐有傷,或滌壺觴恐有飲。或揮扇者,有相招之義。或汙衣者,防謀害之侵。 此乃器物之應,即「遠取諸物」之意。
升斗の物を量るを見れば、およそ事宜しく先に估量清楚して後往前進を主る。尺と剪刀を見れば、裁度して取捨して後用う可きを主る。人の球を蹴るを見れば、人の旁より挑動するあるを主る。鎖を開き鑰を配するを見れば、事に遇い能く疏通するを主る。器物を修補するを見れば、終歸牢固ならず。鏡を磨き重ねて光らすを見れば、更に一遍を做してこそ成るを須とすを主る。鈍斧の磨石に上りて快く磨くを見れば、遲鈍の後終に其の利を得るを主る。快刀の木を砍るを見れば、事情順利なるも却要して財を傷るを主る。衣服を裁つを見れば、先に破開して後こそ做成するを主る。瓦器を造るを見れば、做成の後終歸破るを要するを主る。棋を下るを見れば、計謀を用いて以て取るを須とすを主る。網を張るを見れば、摸き來り摸き去りて一場の空に落つを主る。あるいは人の斧を持し鋸を握るを見れば、傷損あるを恐る。あるいは人の壺杯を洗滌するを見れば、酒食の請あるを恐る。あるいは人の扇を摇るを見れば、招呼相邀の義を含む。あるいは人の衣服污臟なるを見れば、人の暗中に謀害するを防ぐを須とす。 此の一段是れ器物の應、即ち「遠く諸物に取る」の意思。
雖云草木之無情,亦與卜筮而有應。故芝蘭為物之瑞,松柏為壽之堅。遇椿檜,則歲久年深;遇苗菰,則朝生暮死。占產占病,得之即死之兆。枝葉飄零當萎謝,根核流落主牽連。奇葩端的虛花,嘉果可以結實。 此乃草木之應。
草木は説くに情識無しと雖も、占卜する時も亦た同じく其の感應あり。靈芝蘭草是れ祥瑞の物、松樹柏樹は長壽堅固を主る。椿樹・檜樹に遇上すれば、年深日久を主る。禾苗・菌菰に遇上すれば、朝生暮死を主る——もし生産を占い・疾病を占いて其に遇えば、即ち死亡の兆なり。枝葉の飄零を見れば、事情の行に凋謝せんを主る。根鬚・果核の散落を見れば、牽連清まらざるを主る。奇異の花朵を見れば、多半は花を開くのみにて果を結ばざるの虚花。嘉美の果實を見れば、則ち謀る所能く結實成就す。 此の一段是れ草木の應。
至於飛走,最有禎祥。故烏鴉報災,喜蟲報喜,鴻雁主朋友之信,蛇虺防毒害之謀。鼠齧衣,有小口之災;雀噪簷,有遠行之至。犬鬥恐招盜賊,雞鬥主有喧爭。牽羊者,喜慶將臨,騎馬者,出入皆利。猿猴攀木,身心不定;鯉魚出水,變化不凡。繩拴馬,疾病難安;架陷禽,囚人末脫。 此乃禽獸之應。
至るに飛禽走獸は、最も能く吉凶の征兆を顯出す。烏鴉の叫ぶ是れ災を報じ、喜鹊の叫ぶ是れ喜を報ず(原文の「喜虫」は當に「喜鹊」と作るべし)。鴻雁は朋友の音信を主る。蛇虫を見れば人の毒手を下すを防ぐを須とす。老鼠の衣服を咬むは、小孩に災あるを主る。麻雀の屋檐の上に聒噪するは、遠行の人の將に到らんを主る。狗の打架すれば、恐らく盜賊を招來す。鶏の相鬥すれば、吵鬧争執あるを主る。人の羊を牽くを見れば、喜慶の將に臨まんとするを主る。人の馬に騎るを見れば、出入皆順利を主る。猿猴の樹を攀ずれば、身心安定ならざるを主る。鯉魚の水面を躍出ずれば、不凡の變化あるを主る(登科高遷のごとし)。繩子の馬を拴するを見れば、疾病身に纏り安まらざるを主る。籠架の禽鳥を困るを見れば、被囚の人の還って身を脱する能わざるを主る。 此の一段是れ禽獸の應。
酒乃忘憂之物,藥乃怯病之方。故酒樽忽破,樂極生悲;醫師道逢,難中有救。藤蘿之類堪依倚,虎豹之象可施威。耕田鋤地者,事勢必翻。破竹剖竿者,事勢必順。春花秋月,雖無實而關景,夏綿冬葛,雖有用而背時。涼扇,多主棄捐;晴傘,漸逢閒廢。泡沙電光,虛幻難信;蛛絲蠶繭,巧計方成。 此乃雜見觀物之應。
酒是れ憂を忘るるの物、藥是れ病を祛るの方。ゆえに酒器忽然として破るれば、樂極めて悲生ずを主る。路上醫生に遇見すれば、危難の中に救あるを主る。藤蘿の一類を見れば、依靠すべきの人あるを主る。虎豹の象を見れば、威勢を施展すべきを主る。人の田を耕し地を鋤くを見れば、局面必ず翻轉せられて來るを主る。人の竹を破き竿を剖くを見れば、形勢必定順遂を主る(勢い破竹のごとし)。春花秋月は實用無しと雖も卻って能く景に應ず。夏の絲綿・冬の葛布は用處あるも卻って時令に合せず。凉扇は多く棄置して用いられざるを主り、晴天の傘も漸漸閒廢す——皆時過ぎ境遷り・才用いられ見えざるを主る。水泡・流沙・電光を見れば、皆虚幻にして凭信し難きの象。蛛絲蠶繭を見れば、則ち巧計を用いて經營してこそ成るを主る。 此の一段是れ雜見の諸物の應驗。
若見物形,可知字體。故石逢皮則破;人傍木為休;笠漂水畔,泣字分明。火入山林,焚形可見。三女有奸私之擾,三牛有奔走之憂。一木兩火,榮耀之光。一水四魚,鰥寡之象。人繼牛倒防失脫,人言犬中憂獄囚。一斗入空門者,鬥爭。兩絲掛白木者,樂事。一人立門,諸事有閃。二人夾木,所問必來。 此為拆字之應。
もし物の形狀を見到せば、還って聯想して字と成し、字に據りて事を斷ず可し。ゆえに石の旁に皮を加うれば、便ち「破」の字。人の旁に木を加うれば、便ち「休」の字。斗笠の水邊に漂うは、正しく「泣」の字(笠は竹を去りて立と為り、水に傍りて泣と成る)の象。火の山林に入れば、正しく「焚」の字の形を現出す。三箇の「女」疊りて「姦」と成るは、私情の擾あるを主る。三箇の「牛」疊りて「犇」と成るは、奔走勞碌の憂を主る。一木兩火合して「熒」と成るは、榮耀の光を主る。一水四魚合して「鰥」と成るは、是れ鰥寡孤獨の象。人の旁に牛倒るれば、失脫を防ぐを須とす。人言に犬を加うれば、憂は牢獄に在り(「獄」の字は言より犬より)。「斗」の字門框に進み入りて「鬥」と成るは、争鬥を主る。兩絲の白木の上に挂りて「樂」と成るは、喜樂の事を主る。一人門中に立ちて「閃」と成るは、諸事閃失不定を主る。二人一木を夾みて「來」と成るは、問う所の人必定に到來す。 此の一段是れ拆字の應。
復指物名,以叶音義。如見鹿可以問祿,見蜂可以言封。梨主分別,桃主逃走。見李則問訟得理,逢冠則問名得官。鞋為百事和諧,闔則諸事可合。難以詳備,在於變通。 此即物叶音之義。
更に一路あり、是れ物の名稱を指して諧音を取りて其の義に附會す。譬えば鹿を見れば「祿」あるを斷ず可し、蜂を見れば「封」を得るを説得可し。梨を見れば分離を主り、桃を見れば逃走を主る。李子を見れば則ち官司に「理」を得るを問い、冠帽を見れば則ち功名に「官」を得るを問う。鞋を見れば百事「諧」和し、門扇關闔を見れば則ち諸事「合」し可し。此の一類は一々に列擧して周全し難く、全く事に臨みて變通するに在り。 此れ即ち物の諧音を以て義を取る。
及夫在我之身,實為彼事之應。故我心憂者,彼事亦憂;我心樂者,彼事亦樂。我適閒,彼當從容;我值忙,彼當窘迫。 此即自己之應,「近取諸身」之義。 欲究觀人之道,須詳繫《易》之辭。將叛者,其辭慚;將疑者,其辭支。吉人之辭寡,躁人之辭多。誣善之人,其辭游;失其守者,其辭屈。 此一動一靜之應,「近取諸身」之義。
更に説いて占者自身、其實も亦た問う所の事の感應なり。ゆえに我心裏愁を發せば、他那邊の事も亦た愁。我心裏快活すれば、他那邊の事も亦た順。我此刻清閒なれば、他那邊便ち從容。我此刻忙亂すれば、他那邊便ち窘迫。 此れ即ち自己の應、仍ほ「近く諸身に取る」の意思。 もし人を觀察するの門道を講ぜんと欲せば、還って細看して《周易・繫辭》の説法を須とす:將に背叛せんとする人は、説話慚色を帶ぶ。心裏猶疑の人は、説話支離散乱。良善の人は話少なく、浮躁の人は話多し。好人を誣陷するは、説話遊移不定。操守を喪失するは、説話理屈詞窮。 此れ是れ一動一静の間の感應、も亦た「近く諸身に取る」の意思に属す。
又推五行,須詳八卦。卦吉而應吉終吉,卦凶而應凶終凶。卦應一吉一凶,事體半吉半凶。明生克之理,察動靜之機,事事相關,物物相合,此五行八卦及克應動靜之理。活法更存乎方寸,玄機又在於師傳。縱萬象之紛紜,惟一理而融貫。務要相機而發,須要臨事而詳。 此言占卜之理在於變通之妙。
此の外五行を推するに還って細究して八卦を須とす:卦吉にして外應も亦た吉なるは、終歸是れ吉。卦凶にして外應も亦た凶なるは、終歸是れ凶。もし卦と外應一吉一凶なれば、那の事情便ち半吉半凶。生克の理を明白にし、動静の機を體察すれば、事事彼此相關・物物彼此相合なるを發覺せん——此れ即ち五行八卦および克應動静の道理。至るに靈活運用の活法は、還って自己方寸の間に在り。其の中の玄機は、又た師傳口授に靠るを要す。縱い萬象紛紜たるも、亦たただ一箇の理を用いて貫串して底に到るのみ。總に時機を看准して發し、事に臨到して再び細細に推詳するを要す。 此の一段の説くは占卜の理全く變通の妙に在り。
嗟夫,方朔覆射,知事物之隱微。諸葛馬前,定吉凶於頃刻。皇甫坐端之妙,淳風鳥覺之占,雖所用之有殊,誠此理之無異。 此言三要靈應妙處。 可以契鬼神之妙,可以會著龜之靈。然人非三世,莫能造其玄;心非七竅,莫能悟其奧。故得其說者,宜秘;非其人者,莫傳。輕洩天機,重遭陰譴。造之深,可以入道。用之久,可以通神。 此言靈應之妙,不可輕傳妄授,宜秘之一人,之以重斯道也。
ああ!東方朔の射覆は、能く事物の隱微を知り。諸葛亮の馬前課は、頃刻の間に即ち吉凶を定む。皇甫氏の「坐端」の妙、李淳風の鳥を觀て覺るの占法——用うる所の方法各々同じからざると雖も、此の一段の道理は毫も二致無し。 此の一段の説く是三要靈應の妙處。 它は暗に鬼神の玄妙に合し、蓍草龜甲の靈驗を領會すべし。しかるに三世修來の人にあらざれば、其の玄處に造る能わず。心有七竅の人にあらざれば、其の奥妙を悟り透る能わず。ゆえに此の套の説法を得るは當に保密すべく、是の人にあらざれば即ち傳うる勿れ。輕ければ即ち天機を泄漏し、重ければ即ち陰間の譴責を遭受す。造詣深ければ入道すべく、用いること久しければ通神すべし。 此の一段の説く是靈應の妙は輕傳妄授すべからず、當に一人に秘守して以て此の門の學問を看重すべし。
體用生克篇の四
十應奥論
十應固出於三要,而妙乎三要。但以耳目所得,如見吉兆而終須吉,若逢凶讖不免乎凶,理之自然也。然以此而遇吉凶,亦有未然者也。黃金白銀,為世之寶,三要得之,必以為祥。十應之決,遇金有不吉者,利刃銳兵,世謂凶器,三要得之,亦以為凶;十應之說,遇兵刃反有吉者。又若占產見少男,三要得之為生子之喜,十應見少男則凶。占病遇棺,三要占之必死;十應以為有生意。例多若此,是占卜物者,不可無應也。
「十應」は本是れ「三要」の中より生出し、しかして三要より更に精微なり。單に耳目の得る所に凭りて斷ずれば:吉兆を見れば終歸是れ吉、凶讖に逢えば凶を免れず、此れ自然の理。しかるに此の法子に照らして吉凶を定むるも、亦た斷じて准ならざるの時あり。譬えば黄金白銀是れ世上の寶物、三要を用いて看れば必ず祥瑞と以為せん。しかして十應の訣に按ずれば、金に遇うも卻って不吉の有り(もし體卦木に屬せば、金反って體を克す)。また利刃銳兵のごとき、世人兇器と視し、三要を用いて看れば亦た凶と斷ず。しかして十應の説に按ずれば、兵刃に遇う反って吉の有り(もし體卦水に屬せば、金反って體を生ず)。再び占生産して少男を見るがごとき、三要は子を生ずの喜と斷ずれど、十應は少男(艮土)を見て卻って凶を主る(もし體卦水に屬せば、土來りて水を克す)。疾病を占いて棺木に遇見する、三要は之を占えば必ず死すれど、十應は卻って其の中に生機あるを認爲す(もし體が離火に屬せば、木能く火を生ず)。此の類の例子甚だ多し、占物斷卦に十應此の一層無かる可からざるを見る可し。
十應目論
十應並以體卦為主,諸用卦為用。每以內分外體,用卦參觀為妙。內卦不吉而外卦又吉,可以解其不吉;內卦吉而外卦不吉,反破其吉。若內外卦全吉,則斷然吉。全凶則斷然凶。其內吉外凶,內凶外吉,又須詳理以斷吉凶,慎不可膠柱鼓瑟也。外卦十應之目,則有天時、地理及寫字等,其十一類之應,並以體卦為主,而隨其所應以為用也。
十應は一概に體卦を以て主と爲し、其余の各卦は皆作用と算えらる。およそ事は「內」と「外」を分け開くを要す:內卦(本卦・互卦・變卦の體用)と外卦(十應の外來の象)と互相に參看してこそ妙なり。內卦不吉にして外卦吉なるは、あの不吉を化解すべし。內卦吉にして外卦不吉なるは、反ってあの吉を破壞す。もし內外皆吉なれば、斷然是れ吉。內外皆凶なれば、斷然是れ凶。至るに內吉外凶・內凶外吉なるは、即ち事理を細審して斷ずるを須とし、切に膠して弦柱に着きて瑟を彈くがごとき死板を可とせず。外卦十應の名目は、天時・地理を包みて寫字等に到るまで、此の十一類の感應、皆體卦を以て主と爲し、其の應ずる所の卦象に隨いて來りて當に作用卦として看る。
復た天時の應を明す
如天無雲翳,明朗之際,為乾之時。乾、兌為體,則比和而吉;坎為體,則逢生而大吉。坤、艮為體,則洩氣。震、巽為體,則見克而不吉矣。晴霽日中,為離之時,坤、兌為體則吉。雨雪為坎之時,震、巽為體則吉,離為體則不吉。雷風為震、巽之時,離為體則吉,坤、艮為體則不吉。此天時之應也。
譬えば占時天上雲翳無く一片明朗なるは、此れ乾の當令する時なり(乾は天と爲す)。此の時體卦もし乾・兌なれば、同じく金に屬して比和し、吉を主る。體卦もし坎水なれば、金來りて水を生じ、生に逢いて大吉。體卦もし坤・艮の土なれば、土去りて金を生じ、反って氣を泄せらる。體卦もし震・巽の木なれば、金來りて木を克し、即ち不吉なり。もし晴空烈日午に當るは、此れ離の當令する時なり:體卦是れ坤(火は土を生ず)・是れ兌(火は金を克すも卻って體の忌む所と爲す、此處原文より吉を取り、離火の兌金を鍊して器と成すを謂う)なれば則ち吉。雨雪の時是れ坎の當令なり:體卦是れ震・巽の木、水來りて木を生ずれば則ち吉。體卦是れ離火、水來りて火を克すれば則ち不吉。風雷の時是れ震・巽の當令なり:體卦是れ離火、木來りて火を生ずれば則ち吉。體卦是れ坤・艮の土、木來りて土を克すれば則ち不吉。此れ即ち天時の應。
復た地理の應を明す
茂樹秀竹,為震之地。離與震、巽為體則吉,坤、艮為體則凶。江湖、河池、川澤、溪澗為坎之地,震、巽與坎為體則吉,而離為體則不吉。窯灶之地為離,坤、艮並離為體則吉,而乾、兌為體則不吉。巖穴之地為艮、乾、兌與艮為體則吉,坎為體則不吉。此地理之應也。
占卜する所在の地も亦た感應あり。樹木茂盛・修竹挺秀の處は、震の地に屬す(木):體卦是れ離火(木は火を生ず)および震・巽(同類比和)なれば即ち吉。體卦是れ坤・艮の土(木來りて土を克す)なれば即ち凶。江湖河池・川澤溪澗は、坎の地に屬す(水):體卦是れ震・巽(水は木を生ず)および坎(比和)なれば即ち吉。體卦是れ離火(水は火を克す)なれば即ち不吉。窯灶の地は離に屬す(火):體卦是れ坤・艮(火は土を生ず)および離(比和)なれば即ち吉。體卦是れ乾・兌の金(火は金を克す)なれば即ち不吉。岩洞土穴の地は艮に屬す(土):體卦是れ乾・兌(土は金を生ず)および艮(比和)なれば即ち吉。體卦是れ坎水(土は水を克す)なれば即ち不吉。此れ即ち地理の應。
復た人事の應を明す
人事有論卦象五行者,有不論卦象五行者。論卦象,則老人屬乾,老婦屬坤,艮為少男,兌為少女之類。五行生剋,比和之理,與前天時、地理之卦同斷。其不分卦象五行者,則以人事之紛,了見雜出,有吉有凶,此應則隨其吉凶而為之兆也。又觀其事則亦為某人。此人事之應也。
人事上の外應は、あるは卦象五行に按じて論ずるを要し、あるは卦象五行に按じて論ぜざるを要す。卦象に按じて論ずるは、老人の乾に屬し・老婦の坤に屬し・少男の艮に屬し・少女の兌に屬する類のごとし。其の五行生克と比和の斷法は、前面の天時・地理の卦と同じ。卦象五行に按じて論ぜざるは、是れ人事紛紜・眼前に雜然として並び出で・吉有り凶有るが故に、此の時即ち見る所の事の吉凶に隨いて直接に兆頭と作す。再者、遇う所何事なるかを看れば、も亦た何人の身上に應ずるを推知すべし。此れ即ち人事の應。
復た時令の應を明す
時令不必論卦象,但詳其令,月日值之五行衰旺之氣。旺者,如寅卯之月日則木旺,巳午之月日火旺,申酉之月日金旺,亥子之月日水旺,辰戌丑未之月日土旺。衰者,如木旺則土衰,土旺則水衰,水旺火衰,火旺則金衰,金旺則木衰。是故生體卦氣,宜值時之旺氣,不宜衰氣。如克體卦氣,則宜乘衰。此時令之應也。
時令此の一項は卦象を論ずるを要せず、ただ當令の月日の値する五行の旺か衰かを細審するを須とす。所謂旺とは:寅卯の月日は木旺、巳午の月日は火旺、申酉の月日は金旺、亥子の月日は水旺、辰戌丑未の月日は土旺。所謂衰とは:木旺の時は土即ち衰、土旺の時は水即ち衰、水旺の時は火即ち衰、火旺の時は金即ち衰、金旺の時は木即ち衰(皆克せらるる所の者衰なり)。ゆえに體を生ずる那一卦の卦氣は、正しく時令の旺に當るを宜として衰を宜とせず。反して體を克する那一卦の卦氣は、則ち衰時に乘るを宜としてこそ好し。此れ即ち時令の應。
復た方卦の應を明す
即分方之卦。如離南、坎北、震東、兌西、巽東南、乾西北、艮東北、坤西南類也。論吉凶者,看來占之人在何卦位,而以用卦參詳。如坎為用卦,宜在坎與震、巽之位,在離則不吉。離為用卦,宜在離與坤、艮之位,在乾、兌二位則不吉矣。蓋宜在本卦之方,為用卦生之方,不宜受用卦克也。
方卦の應とは、即ち方位に按じて八卦に分屬す:離は南に在り、坎は北に在り、震は東に在り、兌は西に在り、巽は東南に在り、乾は西北に在り、艮は東北に在り、坤は西南に在り。吉凶を斷ずる時、前來占問する人の哪一の卦位の上に站するかを看て、再び用卦を拿りて參看す。譬えば用卦是れ坎水なれば、那人は坎位(同氣)に站するを宜しく、あるいは震・巽の位(水は木を生じ、其の生ずる所を得)に站するを宜しく、離位に站すれば即ち不吉。用卦是れ離火なれば、那人は離位あるいは坤・艮の位(火は土を生ず)に站するを宜しく、乾・兌の兩位に站すれば即ち不吉なり。總じて用卦の本方あるいは用卦の生ずる所の方に站するを宜しく、用卦に克せらるる所の方に站するを宜とせず。
若夫氣在之卦所在之方,又當審之。如水從坎來,為坎卦氣旺。水從坤、艮來,則坎之卦氣衰。火從南來,為離卦氣旺,如從北來,則離之卦氣衰。餘皆仿此。大抵本卦之方,生為旺,受克為衰。宜以體卦參之。生體卦氣,宜受旺方;克體卦氣,宜受克方。此方卦之應也。又震、巽之方,不論坤、艮。坤、艮之方不論坎。坎方不論離。離方不論乾。乾、兌之方,不論震、巽。以其寓卦受方卦之克也。
至るに外應の物の帶びる卦氣の來るは哪個の方位よりなるか、も亦た審察すべし。譬えば水是れ北方坎位より來れば、坎の卦氣即ち旺なり。水もし西南坤位・東北艮位より來れば(土は水を克す)、坎の卦氣即ち衰なり。火の南方より來れば、離の卦氣即ち旺なり。北方より來れば、離の卦氣即ち衰なり。其余此に照らして類推す。大略に言えば:本卦の方あるいは生ずる所の方に處すれば即ち旺、克を受くる方に處すれば即ち衰。再び體卦を拿りて對照す:體を生ずる那一卦は、它をして旺ならしめる方位に落つるを宜し。體を克する那一卦は、它をして衰ならしめる方位に落つるを宜し。此れ即ち方卦の應。また、震・巽の方に在れば即ち更に坤・艮の應を論ずるを要せず、坤・艮の方に在れば坎を論ずるを要せず、坎方に在れば離を論ずるを要せず、離方に在れば乾を論ずるを要せず、乾・兌の方に在れば震・巽を論ずるを要せず——是れらの寄寓の卦已に所在の方位の卦に克住せられ、作用を起す能わざればなり。
復た動物の應を明す
動物有論卦象者。乾為馬,坤為牛,震為龍,巽為雞,坎為豕,離為雉,艮為狗,兌為羊,又螺蚌龜鱉為離之象,魚類為坎之屬,此動物之卦,以體詳與。又不論卦象五行者,如烏鴉報災,靈鵲報喜,漁雁主有書信,蛇蟲防有毒害,雞唱為家音,馬嘶為動意。此動物之應也。
動物の應は、卦象に按じて論ずる有り:乾は馬と爲し、坤は牛と爲し、震は龍と爲し、巽は鶏と爲し、坎は猪と爲し、離は雉と爲し、艮は狗と爲し、兌は羊と爲す。此の外螺・蚌・龜・鱉は離の象に屬し、魚類は坎の屬に屬す。此れら動物の屬する所の卦は、皆體卦を拿りて生克を細看するを要す。も亦た卦象五行に按じて論ぜざる有り、烏鴉の叫ぶ是れ災を報じ、喜鹊の叫ぶ是れ喜を報じ、鴻雁は書信の到る有るを主り、蛇虫を見れば毒害を防ぐを須とし、鶏の叫ぶ是れ家中の音信、馬の嘶く是要して身を動かすの意思のごとし。此れ即ち動物の應。
復た静物の應を明す
器物之類,有論卦象者。如水屬坎,火屬離,水之氣屬震、巽,金之氣屬乾、兌,土之氣屬坤、艮,為體卦,要參詳。其不分卦象者,但觀其器物之兆,如物之圓者,事成;器之缺者,事敗。又詳其器物是何物,如筆硯主文書之事,袍笏主官職之事,樽俎之具有宴集,枷鎖之具防官災。百端不一,審其物器。此靜物之應也。
器物一類の外應も、亦た卦象に按じて論ずる有り:水は坎に屬し、火は離に屬し、木氣は震・巽に屬し(原文の「水之氣」は當に「木之氣」と作るべし)、金氣は乾・兌に屬し、土氣は坤・艮に屬す。此れら皆體卦を拿りて來りて生克を參看するを要す。も亦た卦象に按じて論ぜざる有り、ただ此の器物本身の兆頭を看る:物圓滿なれば則ち事成り、器殘缺なれば則ち事敗る。再び細看して是れ何の器物か:筆硯を見れば文書の事を主り、官袍朝笏を見れば官職の事を主り、酒器食案を見れば宴會聚集の有るを主り、枷鎖刑具を見れば官非を防ぐを須とす。名目百端一ならず、全く見る所の器物を審察するに在り。此れ即ち静物の應。
復た言語の應を明す
聞人言語,不論卦象,但詳其所言之事緒而占卜之。應聞吉語則吉,聞凶語則凶,若聞鬧叢言語喧集,難以決斷。若定人少之處,或言語可辨其事緒,則審其所言何事,心領而意會之。如說朝廷遷選,可以求名;論江湖州郡,主出行;言爭訟之事,主官司;言喜慶之事,利婚姻。事緒不一,隨所聞以依之。此言語之應也。
旁人の説話を聽聞すれば、此の一項は卦象を論ぜず、ただ細審して他の説く所の事情の頭緒を以て占斷す:吉利話を聽到すれば即ち吉、凶話を聽到すれば即ち凶。もし身は闹市人叢に處り、言語喧雜なれば、即ち決斷し難し。人少きの地方に在りて、言語の頭緒を聽得清らかにしてこそ、他の説く是れ何事なるを審察し、心領神會して應を取るを須とす。譬えば朝廷の升遷銓選に説到れば、即ち功名を求る可し。江湖州郡に談到れば、出門遠行を主る。争訟の事に説起れば、官司あるを主る。喜慶の事に説起れば、則ち婚姻に利あり。事情の頭緒各々相同じからず、聽到する所に隨いて以て依凭せよ。此れ即ち言語の應。
復た聲音の應を明す
耳所聞之聲音而論卦象,則雷為震,風聲為巽,雨聲為坎,水聲為坎,鼓拍槌拆之聲出於木者,皆屬震、巽,鐘聲、鈴鐃之聲出於金者,皆屬乾、兌。此聲音之論卦象。若為體,參詳決之,如聞聲音有歡笑之聲,主有喜;悲愁之聲,主有憂;歌唱之聲,主快樂;怒號之聲,主爭喧。至若物聲,則鴉聲報災,鵲聲傳喜,鴻雁聲主遠信,雞鳧之聲為佳音。此類推聲音之應也。
耳中の聴到する聲音をもし卦象に按じて論ぜば:雷の聲は震に屬し、風の聲は巽に屬し、雨の聲と水の聲は坎に屬す。鼓を撃ち・拍板・槌敲の聲およそ木器より出ずるは、皆震・巽に屬す。鐘の聲・鈴鐃の聲およそ金器より出ずるは、皆乾・兌に屬す。此れ是れ聲音上の卦象の歸屬、還って體卦を拿りて來りて生克を參看して後決斷するを要す。もし卦象に按ぜずして聲情に按に按ぜば:歓笑の聲を聴到すれば喜あるを主り、悲愁の聲を聴到すれば憂あるを主り、歌唱の聲を聴到すれば快樂を主り、怒吼の聲を聴到すれば争吵を主る。至るに禽獸の聲は:烏鴉の叫ぶは災を報じ、喜鹊の叫ぶは喜を傳え、鴻雁の聲は遠方よりの信を主り、鶏と野鴨の聲は好の消息なり。此のように照らして類推すれば、即ち聲音の應なり。
復た五色の應を明す
五色不論卦象,但以所見之色推五行。青碧綠色屬木,紅紫赤色屬火,白屬金,黑屬水,黃屬土。外應之五行,詳於內卦。體用生克、比和,吉凶可見。此五色之應也。
五色此の一項は卦象を論ぜず、ただ見る所の色に按じて以て五行を推す:青・碧・緑は木に屬し、紅・紫・赤は火に屬し、白は金に屬し、黑は水に屬し、黄は土に屬す。外應の得た此の五行を、內卦の上に拿到して細看し、體卦と相生するか・相克するか・還って比和するか、吉凶便ち顯れ出づ。此れ即ち五色の應。
復た寫字の應を明す
淡中濃墨名為淬,濃墨中間薄似云,點畫誤書名鬼筆,定知賊在暗中纏。涕為流淚防喪服,定主憂驚夢裡眠。鬼筆誤書防竊盜,定知方位與通傳。此寫字之應驗也。
寫字の應に一段の歌訣あり:淡墨の中忽ち濃墨を現ずるを、「淬」と叫作す。濃墨の中忽然として雲のごとく薄くなるも、亦た變異の象なり。點畫字を寫錯るを、「鬼筆」と叫作し、必定は賊人の暗中に糾纏する有り。墨蹟淋漓として流涙のごときは、喪服の事あるを防ぐを須とし、主人夜も亦た安穩に睡らず・常に憂驚を帶ぶ。「鬼筆」の誤書を見れば即ち窃盜を防ぐを要し、還って錯字の所在する位置より賊人の方位を推知し、據りて以て通報追査す。此れ即ち寫字の應の驗法。
遺論
萬物卦數,本由於《易》。今觀此書,止用五行生剋之理。十應三要之訣,例不同《易》,何也?蓋未有《易》書,先有《易》理。《易》書作於四聖之後,《易》理著於四聖之先。人心皆有《易》理,則於《易》也,占卜無所用卦,卦即《易》也。若得《易》卦爻,觀其爻辭,以斷吉凶悔吝,更為妙也,未嘗不用《易》。
萬物の卦數は本來皆《易》より出でたり。如今此の部の書を看るに、卻ってただ五行生克の理を用い、十應・三要此れら口訣の體例もまた《易》と同じからず。此れ是れ何の故ぞや。是れ《易》此の部の書の出現する前に、《易》理已に先在せしが爲なり:《易》書は伏羲・文王・周公・孔子四位の聖人の後に成り、《易》理は卻って四聖の先に明白す。人人心裏皆《易》理を具有せば、則ち《易》に就きて言えば、占卜其實別に何の卦かを用いるに及ばず——卦本身即ち《易》なり。もし《易》の卦爻を得出して、再び其の爻辭を看て吉凶悔吝を斷ずれば、則ち更に妙なり。此の套の方法も亦た並びに《易》を用いざるにあらざるを見る可し。
又觀寓物卦數,起例之篇,止用內卦,不用外卦,何也?蓋泛泛起卦之訣,十應為傳授之訣。若觀梅例曰「今日觀梅得革,知女折花,有傷股」,明日觀梅得革,亦謂女子折花,可乎?占牡丹例曰:「今日算牡丹為馬踐毀」,異日算牡丹亦為馬所踐,可乎?是必明其理。又於地風升卦,無飲食之兆而知有人相請。此要外應訣之。
再び寓物取卦此の一套を看るに、起例あの一篇はただ內卦を用いて外卦を用いず、又是れ何の故ぞや。是れ起例の講ずる所不過泛泛の起卦の法にして、しかして十應こそ師門口傳の心訣なればなり。譬えば觀梅一例に「今天觀梅に革卦を得、女子の花を折り大腿を摔傷するを斷出す」と説くも、豈に明天觀梅に再び革卦を得て、も亦た照樣に女子の折花と説かんや。牡丹を占う一例に「今天牡丹を算えて馬に踐毀せらる」と説くも、豈に改天再び牡丹を算えて、も亦た照樣に馬に踩壞せらるんや。此れ即ち其の中の道理に通曉するを須とす。又た「地風升」を占うがごとき、卦中本來飲食の兆無しと雖も、卻って人の請客あるを斷出す——此れ即ち外應の訣を借りざれば決斷する能わざるなり。
體用
凡占卜成卦,即畫成三重:本卦、互卦、變卦也。使於本卦分體用,此一體一用也。以卦五行明生克比和之理,此一用卦。最切看互卦變卦,互變亦用也。此內之體用也。又次看應卦,亦用也。此合內外之體用也。然則不止一體一用,所謂體一用百也。生克即分體用,則論生克。生體則吉,克體則凶,比和則吉,不必論矣。生體多者則愈吉,克體多者則愈凶。
およそ占卜して卦を成せば、即ち三重の卦を畫出すを要す:本卦・互卦・變卦。先ず本卦の上に體と用を分け出す、此れ一體一用なり。再び各卦の五行に按じて以て其の生克比和の理を明かにす、此處用うるはただ一箇の用卦。最も切要なるは還って互卦と變卦を看るを須とす——互と變も亦た皆作用と算えらる、此れ內層の體用なり。其次に再び外應の卦を看れば、它も亦た同じく用、此れ即ち內外一體の體用を合成す。並びに一體一用に止まらざるを見る可し、所謂「一箇の體、百樣の用」正しく此の意なり。既に體用を分ければ、即ち生克を論ず:體を生ずれば則ち吉、體を克すれば則ち凶、比和すれば則ち吉、此の一層は多く説くを要せず。體を生ずるの卦多ければ多きほど卽ち愈々吉、體を克するの卦多ければ多きほど卽ち愈々凶。
然此卦生體,諸卦有克此卦者,彼滅其吉。此卦克體,諸卦又有克此卦者,稍解其窮。有生此卦者吉,有克此卦者凶。此體用之生克,然卦之生克,有不論體用者。如占天時,有震則有雷,有巽則有風,逢坎則有雨,逢離則晴。此一定之理。又有不然者,如論卦中乾、兌多,則震無雷,巽亦無風,又必有此訣也,皆隱然外卦之意。如觀梅有女折花,算牡丹有馬踐,地風升有飲食兆。此又非外應之兆不能決也。
不過還って一層あり:某一卦本來體を生ずるも、もし別の卦又た來りて此の一卦を克せば、它あの份の吉便ち滅掉せらる。某一卦本來體を克するも、もし別の卦も亦た來りて此の一卦を克せば、反って稍々體卦の困境を解き開く。ゆえに卦の來りて此の一卦を生ずる有れば即ち吉、卦の來りて此の一卦を克する有れば即ち凶。以上は體用の間の生克。しかるに卦の生克に、も亦た體用を論ぜざる有り:天時を占うがごとく、卦中に震あれば即ち雷あり、巽あれば即ち風あり、坎に逢えば即ち雨あり、離に逢えば即ち天晴れ、此れ一定の理なり。可なるか有時又た然らず:譬えば卦中乾・兌の金多ければ、震は雷を打ち出す能わず・巽も風を刮き起す能わず——此れも亦た此の一訣を懂得するを須とす。其の中皆隱隱として外卦(外應)の意思を含む。觀梅に女子の折花を斷出し・牡丹を算えて馬に踐踏せらるを斷出し・地風升に飲食の請あるを斷出すのごとき、此れら皆非ず外應の兆有らざれば決斷する能わざるなり。
體用論
心易寓物之用,以體為主。然人如一體一用之常,不知一體百用之變。並體之變,全卦為內,卦內亦不知一用,而互變皆用也。三要十應之卦,外卦也,外亦不一,無非用也。學寓物者,得體用以為至術,十應則罕有之,後則三要以為全術。且謂體用自體用,三要自三要,遂以體用決吉凶,以三要為吉凶之兆。孰知三要、十應、體用之致?嗚乎!體用不可無三要,十應不可無體用。體用、三要、十應,理無間然也。如此者,是謂心易之全術,而可以盡占卜之道也。
心易の物上に寄托する用法は、總に體卦を以て主と爲す。しかるに世人ただ一體一用の常法を知るのみ、一體百用の變法を懂得せず。體卦の變化を連ねて內に包めば、整個の成卦皆「內」と算えらる。しかして內卦裏にも亦た一箇の用に止まらず、互卦・變卦皆是用なり。至るに三要・十應の取る所の卦は、則ち「外卦」なり。外卦も亦た一種に止まらず、一ならざるは皆是用なり。寓物起卦を學ぶ人、體用を得て便ち最高の法術と作して、十應は則ち之を知る人甚だ少なく、此后便ち三要を拿りて全套の本領に充作す。還って體用は體用に歸し・三要は三要に歸すと説き、ここにおいて單に體用を用いて吉凶を決し、ただ三要を以て吉凶の兆頭と當作す。何處にか三要・十應・體用本是れ一貫なるを曉るや!ああ——體用は三要無かる可からず、十應も亦た體用無かる可からず。體用・三要・十應、道理上元來間隔無し。能く此のように合して之を用いてこそ、心易の全套の本領と叫作し、以て占卜の道を窮盡する可し。
又如干、兌多則巽無風;坤、艮多則坎無雨;坎多,則離亦不晴。蓋以乾、兌之金,克震、巽之木;坤、艮之土,克坎水;坎水克離火也。此又須通變而推驗之。又若占飲食,有坎則有酒,有兌則有食。如遇坤、艮,則坎亦無酒,離值則兌亦無食。餘皆可以類推。故舉此二類,為心易生克之例耳。
再び例を擧げて説く:卦中乾・兌多ければ、巽は風を刮き起す能わず。坤・艮多ければ、坎は雨を下し來る能わず。坎多ければ、離も晴を放つ能わず。此れ是れ乾・兌の金の震・巽の木を克し、坤・艮の土の坎水を克し、坎水の又た離火を克するの緣故なり。此の一層も亦た融會變通して以て推驗するを須とす。又た飲食を占うがごとき、本來坎あれば即ち酒あり・兌あれば即ち飯菜あり。しかるに一旦坤・艮の土に遇上せば(土は水を克す)、坎有りても亦た酒無し。離火に遇上せば(火は金を克す)、兌有りても亦た飯菜無し。其余皆此に照らして類推すべし。此處天時と飲食此の兩類を擧出し、心易生克の範例と作すのみ。
衰旺論
既明生克,當看衰旺。旺者,如春震、巽木,夏離火,秋乾、兌金,冬坎水,四季之月坤、艮土是也。衰者,如春坤、艮,夏乾、兌,秋震、巽,冬離,四季之月坎是也。凡占卜,體卦宜盛旺。氣旺而又逢生則吉,重遇克則凶。若體衰而逢克,則其凶甚矣。體衰而有生體之卦,則衰稍解。大抵體之卦宜旺,生體之卦氣亦宜旺。克體之卦氣宜衰。此心易論衰旺之訣也。
生克既に明白なれば、接いて即ち衰旺を看るを要す。所謂旺とは:春の震・巽は木に屬し、夏の離は火に屬し、秋の乾・兌は金に屬し、冬の坎は水に屬し、辰戌丑未四季の月の坤・艮は土に屬し、皆當令にして旺なり。所謂衰とは:春の坤・艮、夏の乾・兌、秋の震・巽、冬の離、四季の月の坎、皆令を失いて衰なり。およそ占卜は、體卦總に強盛して旺に當るを宜とす:卦氣既に旺しく又た生扶に逢えば即ち吉、もし接二連三として克せらるれば即ち凶。倘若體卦本來衰にして、又た克せらるれば、即ち凶きこと甚し。體卦衰なりと雖も卦中別に體を生ずるの卦あれば、衰弱の勢稍々緩解すべし。大略に言えば:體卦は旺を宜とし、體を生ずるの卦の卦氣も亦た旺を宜とし、體を克するの卦の卦氣は則ち衰を宜とす。此れ即ち心易の衰旺を論ずるの口訣。
內外論
凡占卜,體用為內,諸應卦為外卦,此占卜之例也。諸應卦與三要之應,與十應之應,必合內外卦而斷之也。苟不知合內外卦為斷,謂體用自體用,三要十應自三要十應,如此則鮮見其有驗者。然十應罕有知者,如前「奧論」云:金銀為世寶,三要為吉者,若震、巽為體,則金克木,反為不吉。兵刃為世凶,三要為凶者,若坎為體,則金生水,反為不凶。占產見男子,謂有生子兆,設坎為體,少男為艮土,土克水,產反不吉。占疾見棺必死,若遇離體,則木生火而反吉。似此之類,則內卦不可無外卦,外卦不可無內卦。占卜之精者,無非合內外之道也。
およそ占卜は、體用兩卦を算えて「內」と爲し、各種の外應の卦を算えて「外卦」と爲す、此れ占卜の通例なり。所有の外應の卦、三要の應・十應の應を連ねて、皆內外を合して斷ずるを須とす。もし內外を合して斷ずるを懂得せず、體用を體用に歸し・三要十應を三要十應に歸せば、此のように斷ずれば能く應驗すること甚だ少し。しかるに十應を懂得する人極めて少し。譬ゆる前面《十應奥論》の説くがごとく:金銀是れ世人眼中の寶物、三要を用いて看れば是れ吉。但だ體卦もし震・巽の木なれば、金反って來りて木を克し、倒って不吉と成る。刀刃兵器是れ世人眼中の兇器、三要を用いて看れば是れ凶。但だ體卦もし坎水なれば、金反って來りて水を生じ、倒って並びに凶ならず。生産を占いて男子を見れば、男を生ずの兆と説く。可なるか假に體卦是れ坎水にして、しかして少男は艮土に屬し、土は水を克すれば、生産反って不吉。疾病を占いて棺木を見れば本當に必ず死すべし。可なるかもし離火を體と爲すに碰上せば、棺木は木に屬し・木は能く火を生じ、反って是れ吉。諸此の類のごとき、內卦は外卦無かる可からず・外卦も亦た內卦無かる可からざるを見る可し。占卜精到の人は、無非內外合參の道を懂得するのみ。
動静
凡占決,雖明動靜之機,然有理之常,有事之變。陽動而陰靜,一動一靜者,理之常;此靜而彼動,一靜百動者,事之變也。天下之事物,紛紛群動。我則以一靜而待之。事物之動,各有其端,我則以一靜而測之。不動不占,不因事不占。占卜之際,察其群物之事,物動而凶者,兆吾卦之凶;物動而吉者,兆吾卦之吉。然於鬧喧市纏之地,人物雜擾,群物滿前,何事拓何物為吉?吾占卜之應,此又推乎理而合其事。
およそ占斷は、動静の機關を明白にすと雖も、其の中還って常理と變例の分あり。陽は動を主り陰は静を主る、一動一静、此れ常理なり。我此處静にして外面萬物動く、一静にして百動に對す、此れ事上の變化なり。天下の事物紛紛擾擾として動く、我ただ一箇の「静」を以て它を待つ。事物の動各々其の端倪有り、我ただ一箇の「静」を以て它を測る。ゆえに説いて「動かざれば占わず、事に因らざれば占わず」と。占卜する時、周圍の衆物の事を觀察するを要す:物動きて凶象を現ずるは、即ち我此の一卦の凶を預兆す。物動きて吉象を現ずるは、即ち我此の一卦の吉を預兆す。しかるに喧鬧の街市の中に在りて、人物雜遝・衆物眼に滿ち、究竟どの件の事・どの樣の東西を取りて吉兆と作すべきか。此れ即ち又た事理に按じて推し、取る所の象をして問う所の事と相合せしむるを要す。
蓋於群動之中,或觀其身臨吾耳目之近者,可以先見者,或以群事分明者,或吾之一念所在者,此發占之所用。若求名,則於群動之中,或於官府,或有文書及袍笏儀衛之物,則為得官之應。若占訟事,而忽逢笞杖枷鎖之具,則訟終不吉。占病而不見衰麻棺槨之物者,病當無恙。凡此,所謂事事相關,物物相應,是以驗吾占卦之切要也。至若坐則應遲,行則應速,走則愈速,臥則愈遲,此則察其動之端也。吾心本靜,人來占卜,起念以應之,即動也。以此動而測彼動,於此之念而求彼之驗,誠而神知之。知此者,可以知動靜之機矣。
办法是れ:衆動の中に在りて、那些の我が耳目に貼近する・最先に眼簾に映入るを取り、あるいは紛雜の中に特別分明なる、あるいは正しく我が當下の一念の在る所に合する——此れらこそ發占する時該當に取るべきの應なり。譬えば功名を求めれば、即ち衆動の中に留意す:もし官府を見、あるいは文書および官袍・朝笏・儀仗衞隊の物を見れば、那れ即ち官を得るの應なり。もし官司を占えば、忽然笞杖・枷鎖此れら刑具に碰上すれば、訟事終歸不吉。もし疾病を占えば、一路麻布・孝衣と棺椁の物を見ざれば、病當に碍無かるべし。およそ此の種種は、即ち所謂事事相關・物物相應、正しく我此の一卦を驗證する最も緊要の地方なり。至るに占者坐すれば則ち應遲く、行走すれば則ち應快く、奔跑すれば則ち更快く、躺臥すれば則ち更慢し。此れ「動」の端倪の上より察看するなり。我が心本來是れ静にして、別人來りて占卜すれば、我起きて一念を以て他に應ず、此れ即ち動なり。我此の一動を用いて他あの一動を測り、我此の一念に就きて他あの邊の應驗を求め、ただ心誠なれば、自然に神妙として之を知る。此の一層を懂得すれば、即ち動静の機を懂得すべし。
嚮背
凡占卜求應,必須審其向背。曏者,為事物之應,相向而來。背者,謂事物之應,相背而去也。如鴉報災,鴉飛適來,其災將至;鴉飛而去,則災已過去也。如鵲報喜,鵲飛適來,其喜將至;鵲飛已去,則喜已過去也。至於外應之卦皆然。其克體之卦,器物方來,其禍將至,去則禍散。其生體之卦,器物方來則吉,去則吉已過矣。其它應兆皆然。此為占卦向背至當理也。
およそ占卜して外應を取るに、必ず其れが「嚮」か還って「背」かを審察するを須とす。所謂嚮とは、是れ此の件事物の感應正しく我に朝りて來るなり。所謂背とは、是れ此の件事物の感應我に背きて去るなり。譬えば烏鴉は災を報ずるを主る:烏鴉剛に飛び來れば、災禍將に到らんとす。烏鴉已に飛び去れば、災禍も亦た已に過去せり。又た喜鹊は喜を報ずるを主るがごとく:喜鹊剛に飛來すれば、喜事將に至らんとす。喜鹊已に飛去れば、喜事も亦た已に過去せり。至るに其他の外應の卦も亦た皆同じ:體を克する那一卦は、もし見る所の器物正しく此の邊に來れば、禍事將に到らんとす。もし已に離去せば、禍も亦た散ぜり。體を生ずる那一卦は、もし器物正しく來れば則ち吉。もし已に離去せば、あの份の吉も亦た過去せり。別の應兆此の如からざるなし。此れ占卦に嚮背を看る最も恰當の道理なり。
靜占
凡占在靜室,無所聞見,則無外卦,即不論外卦。但以全卦年月日值五行衰旺之氣,以體用決之。
およそ是れ静室の中に在りて占卜するに、耳目一なりとも聞見する所無ければ、即ち外卦の取る可き無し。索性外卦を論ぜず、ただ整個の成卦に按じて、占時年月日の値する五行の衰旺の氣を參合し、體用生克を用いて以て決斷す。
體用生克篇の五
觀物洞玄歌
洞玄歌者,洞達玄妙之說也。此歌多為占宅氣而發。昔牛思晦嘗入人家,知其吉凶先兆,蓋此術雲。是故家之興衰必有禎祥妖孽之讖,識者鑑之,不識者昧之。故此歌發其蘊奧,皆理之必然者,切勿以淺近目之也。世問萬事無非數,理在其中,吉凶悔吝有其機,禍福可先知。其五行,金、木、水、火、土,生克先為主;青、黃、赤、黑、白五形辨,察要分明。
所謂「洞玄歌」とは、即ち洞徹通達して玄妙の理を一篇とするの歌訣なり。此の篇の歌は多半是れ住宅の氣象を觀察するが爲に作れり。從前牛思晦は一たび人の家の門に進み入れば、便ち此の家の吉凶の先兆を知り得たり。用うる大概即ち此の套の本領なり。一家の興衰は、必ず先に祥瑞あるいは妖異の征兆の顯出するあり。識得する人は一眼看て穿ち、識らざる人は懵然として覺えず。ゆえに此の篇の歌は其の中の蘊奥を點破し、講ずる所皆必然の理、切に淺近の談と當作して看待すべからず。世間萬事無非一箇の「數」の字にして、しかして理便ち數の中に含む。吉凶悔吝各々機兆有り、禍福は以て預め知るべし。推斷する時金・木・水・火・土五行の生克を以て主と爲し、再び青・黄・赤・黑・白五色の現ずる所の形を辨じ、觀察須く分明なるを得べし。
人家吉凶何堪見?只向玄中判。 入門辨察見聞時,於此察興衰。 若還宅氣如春意,家室生和氣。 若然冷落似秋時,從此漸衰微。 自然馨香如蘭室,福至無虛日。 雞豚貓犬穢熏猩,貧病至相侵。 男妝女飾皆齊整,此去門風盛。 家人垢面與蓬頭,定見有悲憂。 鬼啼婦嘆情懷悄,禍害道陰小。 老人無故泣雙垂,不日見愁悲。
一戸の人家の吉凶は何處より看て出づべきか。全く此れらの玄妙微茫の處に在りて判斷す。 一たび門に進み入れば、便ち自己の見聞する所に留心し、興衰便ち此處より察知す。 もし此の家の氣象春天のごとく温煦なれば、家室の中便ち和氣を生ず。 もし冷冷落落として深秋の光景のごときは、此より此の家便ち一天一天衰微せん。 屋裏自然清香して蘭室の一般なるは、福氣來るに一日の間斷無し。 もし鶏猪猫狗の腥臊穢氣人に薰ずれば、那れ即ち貧病交相に侵擾す。 男女の衣著妝飾皆整齊なれば、此の家門風正しく興盛なり。 家裏人蓬頭垢面なれば、必定に悲愁憂患有り。 鬼哭のごとき哭聲・婦人暗自に嘆息して神情黯然なる有れば、禍害即ち婦女小口の身上に應ず。 老人無緣無故に雙淚直流せば、不多幾天便ち愁苦悲傷の事を見るに至らん。
門前牆壁缺,家道中漸歇。 溜漕水勢向門流,財帛永難收。 忽然屋上生奇草,益蔭人家好。 門戶幽爽絕塵埃,必定出高才。 偶懸破履當門戶,必有奴欺主。 常常破碎在邊門,斷不利家君。 遮門臨井桃花豔,內有風情染。 屋前屋後有高桐,離別主人翁。 井邊倘種高梨樹,長有離鄉土。 祠堂神主忽焚香,火厄恐相招。
門前牆壁殘缺なれば、家道便ち中途に止歇せん。 屋檐水槽の水勢大門に朝りて直に流出去れば、錢財總に留まり住む能わず。 屋頂上忽然として奇異の草を長出すれば、反って此の家を蔭庇するの好兆なり。 門庭幽静爽潔・一塵染まざれば、家中必ず高才の人を出す。 門口偶然一隻の破鞋を挂着すれば、家中必ず奴僕の主を欺くの事あり。 側門邊上時常に破損殘缺有れば、斷然家主に利あらず。 門を遮るの處水井に臨みて桃花の開くる艷なれば、家內必ず男女風情の事あり。 屋前屋後高大の梧桐を長ずれば、男主人と生離死別を主る。 井邊もし高き梨樹を種えば(梨は「離」と同音)、長久に必ず離郷背井の事あり。 祠堂裏の神主牌位忽然として自ら焚香して火を起せば、恐らく火災の厄を招來せん。
簷前瓦片當門墮,諸事愁崩破。 若施破碗廁坑中,從此見貧窮。 白晝不宜燈在地,死者還相繼。 公然鼠向日中來,不日耗資財。 牝難司晨鳴咿啼,人眷有災厄。 清晨鵲噪連聲繼,遠行人將至。 蟒蛇偶爾入人家,人病見妖邪。 雀群爭遂當門盛,口舌紛紛定。 偶然鵬鳥叫當門,人口有災逢。 入門若見有群羊,家主病瘟黃。
屋檐上の瓦片正しく門口に對して墜落せば、諸事皆其の崩壞破敗を愁うるを要す。 もし破碗を廁坑の裏に丟棄すれば、此より便ち貧窮を見るに至らん。 大白天燈を地上に放つに宜しからず、家中の死者相繼ぐを主る。 老鼠公然として大白天裏に跑出來れば、不多日に錢財を耗損せん。 母鶏公鶏に代りて曉を報じ、咿咿として啼叫すれば(原文の「牝難」は即ち「牝鶏」)、家眷の中に災厄あり。 清晨喜鹊連聲に聒噪するは、是れ遠行の人の將に家に到らんとす。 蟒蛇偶然として人家に爬進すれば、主人病あり・又た妖邪の事を見る。 成群の雀鳥門に當りて争鬥喧鬧すれば、必定に紛紛の口舌是非あり。 偶然鵬鳥一類の怪鳥の門に對して叫ぶ有れば、家中人口災に遭わんとす。 一たび門に進み入りて一群の羊を看見すれば、主家の主人瘟黄の病を害せんとす。
舟船若安在平地,雖穩成淹滯。 他家樹陰過牆來,多得橫來財。 階前石砌多殘折,成事多衰滅。 入門茶果應聲來,中饋主冢財。 三餐時候炊煙早,家道漸基好。 連宵宿火不成時,人散與財離。 千門萬戶難詳備,理在吾心地。 斯文引路發先天,深奧入玄玄。
船もし平地に停放せば、安穏なりと雖も、終究是れ淺に擱き滯停して動彈し得ず。 別人の家の樹蔭の牆頭を越えて自家に伸び來るは、多く意外の橫財を得るを主る。 臺階前の石砌多く殘缺斷折なれば、辦成の事も亦た多半衰敗消滅す。 一たび門に進み入れば、茶水・果品應聲して端んじ上來るは、中饋を主持する主婦の家財を積み起す能きを主る。 一日三餐の炊煙總に早くから升起れば、此の家の家道正しく一步步根基を打好せん。 連夜留むるの火種總に保ち住む能わざれば、主人口離散・錢財も亦た去るを主る。 人家千門萬戸にして、情形一々に説き盡すこと難し。道理終究還って我自己の心上に在り。 此の篇の文字はただ引路、先天の機括を發端出來す。其の中の深奧の處は、還って人自らあの玄のまた玄の境地に進入するを要す。
此《洞玄歌》與《靈應》,同出而小異。彼篇多為占卜而訣,蓋占卜之際,隨所出所見,以為克應之兆。此歌則不特為占卜之事,一時而入人家,有此事,必有此理。蓋多寓觀察之宋也。然有數端,人家可得警戒而趨避之,或可轉禍為福。偶不知所因而宥於數中,俾吾見之,則善惡不逃乎明鑑矣。
此の篇《觀物洞玄歌》は前面の《三要靈應篇》と同じ一源より出でて而るも略有不同。《靈應》一篇は多く占卜の爲に設けたる口訣にして、是れ占卜の際に在り、當時の遇見する所に隨いて取りて克應の兆と作す。此の篇の歌は則ち專ら占卜の爲に作れず、ただ一たび人家の門に進み入り、あのような事有れば、便ち必ずあのような理有り。多半是れ平日の觀察の上に寄寓す(原文の「觀察之宋」は當に「觀察之術」と作るべし)。其の中好き幾條有りて、人家は之に據りて警戒し設法して趨避し、あるいは能く禍を轉じて福と爲す可し。偶爾明らかならざるのゆえに定數の裏に困れ困る有るも、ただ我をして看見せしめば、善惡も亦た此の一面の明鏡を逃るる能わず。
起卦加數例
寅年十二月初一日午時,有數家起造,俱在鄰市之間。有三家以此年月日時求占於先生,若同一卦,則吉凶莫辨矣。先生以各姓而加數,遂斷之而皆驗。蓋三家求占,有田姓者,王姓者,韓姓者。若寅年三數、十二與一,共十六,加王姓四畫,得二十數,去八一十六,得四,震為上卦;又加午時,七數,總二十七數,去三八二十四,得三,離為下卦。二十七中去四六二十四,餘三為初爻,得豐變震,互見兌、巽。
寅年十二月初一日午時、好き幾戸の人家同時に動工して房を蓋う、皆相鄰の市集の間に在り。其の中三家此の同一の年月日時を拿りて先生に向かい占を求む——もし皆同一卦に起成せば、吉凶便ち分辨に從無し。先生便ち各家の姓氏筆畫を加え入れて數を起し、斷出して竟に一々應驗す。此の三家の占を求むる、一は姓田・一は姓王・一は姓韓なり。王家を以て例と爲す:寅年は三數と算し、十二月は十二と算し、初一は一と算し、共に十六數、再び「王」の字四畫を加えて、二十數を得。八を用いて除すに、二八一十六、余り四、四は震に屬し、震を取りて上卦と作す。又た午時の七數を加え、總共二十七數。八を用いて除すに、三八二十四、余り三、三は離に屬し、離を取りて下卦と作す。再び二十七を六に除すに、四六二十四、余り三——原文此處は「余三爲初爻」と作る、實は即ち第三爻動けり、「雷火豐」を得て「震爲雷」に變じ、互卦に兌と巽を見る。
其田姓加以田字六畫,得水風井,變升,互見離、兌;其韓姓加入二十一畫之數,得益變中孚,互見艮、坤。乃以各家之姓起數,隨各家之卦斷之也。不特起屋之年月日時加姓也,凡冠婚及葬事皆加一姓可矣。若婚姻,則男女大事,必加二姓可也。極北之人無姓,亦必有名,不辨其字,則數聲音。又無名,則隨所寓也。
田家は則ち「田」の字の六畫を加え、起きて「水風井」を得、變卦は「地風升」、互卦に離と兌を見る。韓家は「韓」の字二十一畫の數を加え、起きて「風雷益」を得、變卦は「風沢中孚」、互卦に艮と坤を見る。此れ即ち各家の姓氏を用いて數を起し、再び各家の得る所の卦に按じて分別に斷ず。單に房子を蓋うに年月日時上に姓を加えるのみならず、およそ冠禮・婚事および喪葬の事も、皆一個の姓を加える可し。もし婚姻なれば、那れ是れ男女兩家の大事、即ち兩個の姓を加えるべし。至るに極北邊地の人姓氏無きも、亦た總に名字あるべし。もし名字の字形も辨じ清まらざれば、即ち其の聲音を數へよ(字音平仄に按じて數を折る)。もし名字も亦た無からば、即ち其の當時所在の處所に隨いて象を取れ。
屋宅の占訣
寅年十二月初一日午時起屋者,其家田姓,其占水風井,變地風升,互見離、兌,巽木為體,用卦坎水生也,雖兌金克木,得有離火,火雖無氣,終是制金。然有兌金,酉年月日,亦當有損失之憂。亥子水年月日,當有進益,或得水邊之財,坎生體巽也。寅卯年當大快意,比和之氣也。但家必多口舌之聒,亦為兌也。木體近春。喜逢坎水,此居必能發旺。二十九年後,此屋當毀。蓋二十九年者,全卦之成數也。若非有兌在中,雖再見二十九年,屋當無恙也。
寅年十二月初一日午時に房を蓋うあの一家の姓田は、「水風井」を占い得、變卦「地風升」、互卦に離と兌を見る。下卦巽木體と爲し、用卦坎水來りて它を生ず。互中兌金木を克するも、好在に還って離火有り、離火此の時當令せず無氣なりと雖も、終究能く兌金を制住す。不過既に卦中兌金在る以上、酉に逢うの年月日仍ほ當に損失の憂あるべし。亥・子水の年月日に逢えば則ち進益有り、あるいは水水邊の財を得る、是れ坎水の體卦巽木を生ずればなり。寅・卯の年に逢えば最も快意、那れ是れ體卦木氣と比和するの時なり。ただ此の家必定に口舌聒噪多し、亦た是れ兌(兌は口と爲す)に因る。木體春天に臨近し、又た坎水の相生を得るを喜び、此の處の住宅必ず能く興旺發達す。二十九年の後、此の所の房子當に毀るべし——二十九正しく全卦の成數なり。假若卦中兌金の裏頭に夾まる無からば、更に二十九年を過ぐるも、房子も亦た還って安然無恙ならん。
同時王姓家起造,得雷火豐,變震,互見兌、巽。震木為體,離為用卦。兌為體之互,克體亦切。雖得離火制兌金,亦不純美。用火洩體之氣,破耗資財。每遇火年月日,主見此事,或因婦人而有損失。家中亦多女子是非。亥子寅卯之年月,卻主進益田財。蓋震木為體,雖不見坎,終是利水年。生體之氣,不見震巽,亦逢寅、卯,為體卦得局之時也。凡有震有巽,寅卯與木之氣運年月,此居必大得意。亦主得長子之力,變重震也。二十二年復為火所焚。
同時動工の王家は、「雷火豐」を占い得、變卦「震爲雷」、互卦に兌と巽を見る。上卦震木體と爲し、下卦離火用と爲す。兌金是れ體卦一邊の互卦、體を克するに克し得ること甚だ切近。離火有りて能く兌金を制すと雖も、終究純粹美滿と算えず。しかして用卦離火又た體卦木氣を泄す、錢財を破耗するを主る:およそ火に屬する年月日に逢えば、便ち此の類の事を出さん、あるいは婦人に因りて損失を受け、家中も亦た女子の間の是非多し。亥・子・寅・卯の年月に到れば、反って田産の財に進益するを主る——是れ震木體と爲し、卦中坎を見ずと雖も、終究水の年に利あり(水能く木を生ず)に因る。至るに體氣を生扶するは、即便震・巽を見ずとも、ただ寅・卯に逢上せば、亦た是れ體卦の勢を得るの時なり。およそ震有り巽有り、および寅卯と木氣の當運の年月は、此處に住めば必定に大いに得意、も亦た長子の力を得るを主る、是れ變卦の兩重の震(震は長男と爲す)に因る。二十二年の後、此の所の房子は還って火に燒毀せられんとす。
韓姓之居,得益變中孚。巽體,互見艮、坤,變兌克本。此居必有官訟,見於酉年月日。申酉年連見病患,所喜用卦其震與巽體比和,當見寅卯年月後。申酉年後凶。三十一年之後,遇申酉年,此居當毀。若非有兌,或有一坎,再三十一年,此居亦無恙也。
韓家の住宅は、「風雷益」を占い得て「風沢中孚」に變ず。上卦巽木體と爲し、互卦に艮と坤を見、變卦兌金來りて體を克す(原文の「克本」は即ち本體を克す)。此の處の住宅必ず官司有り、酉の年月日に應ずべし。申・酉の年は還って接連して病を生ぜん。所幸用卦震木は體卦巽木と同じく木に屬して比和、好運當に寅・卯の年月の後に顯現し、しかして申・酉の年の後凶に轉ずべし。三十一年の後、一たび申酉の年に遇えば、此の所の房子當に毀るべし。假若卦中兌金無く、あるいは別に一箇の坎水有らば(金は水を生じて以て其の克を化す)、更に三十一年を過ぐるも、房子も亦た還って無恙なり。
器物占
大抵占器物,並不喜見兌卦,蓋兌為毀折也。若坎為體,則見兌無傷。乾卦為體亦無害。其餘卦體,逢兌不久即破。木之器物,或震巽為體,見兌為用,必不禁耐用矣。破器之日,必申酉與占卜之年月日也。又畜養之物,又不宜乾、兌克體。種植之物,乾、兌克體,必不成,即成,亦有斧戕之厄。種植之物,宜見坎也。 又凡見器物,欲知其成毀,亦看卦體,無克者則久長。體逢克則不久,視其器物之氣數,可久者,以全卦之年數斷之;不可久者,以月數斷之;至速者,以日數斷之也。
大凡器物を占うは、皆兌卦を見るを喜ばず、是れ兌の毀壞折損を主るに因る。もし體卦是れ坎水なれば、兌金を見る反って能く水を生じ、即ち傷無し。體卦是れ乾金なれば、兌と同氣、亦た害無し。此の外の卦體と作るは、一たび兌卦に遇えば、器物久しからずして便ち破損せんとす。もし木質の器物、あるいは震・巽を以て體と爲し兌を作用卦と爲せば、那れ即ち必定に使用に禁えず。器物破損の日子は、即ち申・酉の日および占卜時の定むる所の年月日上に應ずべし。此の外、畜養の牲口を占うも、亦た乾・兌の來りて體を克するに宜しからず。種植の物を占うに、もし乾・兌體を克せば、必定に種え成らず、即便種え成るも、亦た斧に砍まれ傷折の厄に遭うあり——種植の物最も坎を見るに宜し(水能く草木を滋養す)。 再者およそ一件の器物を見るに、它が能く用久しく・何時に損毀するかを知らんと欲せば、亦た是れ體卦を看る:體を克する無ければ、即ち長久。體卦克に逢えば、即ち長久ならず。還って此の件の器物本身の氣數を看るを要す:以て耐久し得べきは、即ち全卦の數を用いて當に年數と作して斷ず。耐久し得ざるは、即ち當に月數と作して斷ず。最も快きは、即ち當に日數と作して斷ず。
巻三・斷占總訣篇の一・八卦方位圖
觀梅數訣序
嗟呼,《易》豈易言哉!蓋《易》之為書,至精微,至玄妙。然數者,不外乎易理也。有先後天之殊,有叶音取音之辨,明憂虞得失之機,取互變遲速之應。數有前定,禍福難測。易理灼然可察,予求得先天、玄黃、靈應諸篇,外採《易辭》,曰:「觀梅數訣,列圖明五行生剋衰旺之理,分例指避凶趨吉之道。後學群子幸鑑焉。」
ああ!《易》は何處にか談論し易きならんや!《易》此の部の書は、精微極處に到り・玄妙極處に到る。しかるに所謂「數」も、亦た《易》理の外に跑出せず:其の中先天と後天の分別有り、諧音を取り・字音を取るの辨法有り。憂慮得失の機兆を明白にし、互卦・變卦を取りて以て應驗の遲速を定むるを要す。數早く定分有りと雖も、禍福卻って逆料し難し。好在《易》理是れ清清楚楚として考察すべし。我搜求して《先天》《玄黄》《靈應》等篇を得、此の外又た《易》の辭句を采錄し、編みて此の部の書と爲して曰く:此の《觀梅數訣》は、圖式を列て以て五行生克衰旺の理を闡明し、條例を分列して以て凶を避け吉に趨るの道を指點す。後學の諸君の明察して采擇せんを望む。
《易辭》曰:「易有太極,是生兩儀,兩儀生四象,四象生八卦,八卦生萬物。」邵子曰:「一分為二,二分為四,四分為八也。」《說卦傳》曰:「易逆數也。」邵子曰:「乾一、兌二、離三、震四、巽五、坎六、艮七、坤八,自乾至坤,皆得未生之卦,若逆推四時之比也。後天六十四卦仿此。」
《周易・繫辭》に説く:「易に太極有り、是れ兩儀を生じ、兩儀は四象を生じ、四象は八卦を生ず」と、しかして八卦又た萬物を生出す。邵雍解釋して曰く:此れ即ち一を分かちて二と爲し・二を分かちて四と爲し・四を分かちて八と爲すの加倍法。《説卦傳》に曰く:「易は逆數なり。」邵雍解釋して曰く:先天の數乾一・兌二・離三・震四・巽五・坎六・艮七・坤八、乾より坤に數到る所、數うる所皆なほ生じ出でざるの卦、譬ゆる倒して四季を推排するがごとし。ゆえに「逆數」と叫作す。後天六十四卦の排法も亦た此の道理に照らす。
八卦の陰陽次序を定む
乾為父,震長男,坎中男,艮少男; 坤為母,巽長女,離中女,兌少女。
八卦は陰陽に按じて父母六子に分かち作す:乾是れ父親、震是れ長子、坎是れ中子(次男)、艮是れ少子(幼男)、此の四卦陽に屬す。坤是れ母親、巽是れ長女、離是れ中女、兌是れ少女、此の四卦陰に屬す。人物を占う時、即ち此の次序に照らして以て象を取る。
變卦式八則
澤火革:體金,互巽木,變澤山咸。 離卦初爻,陽動變陰,變艮卦兌金,為少女,離火克之。巽為股,乾金克之,曰:傷股。得艮土生,入兌金,斷曰:不至於死。 體用於變爻,作動靜取之。動者為用,靜者為體。
第一則、「沢火革」:上兌體と爲し金に屬し、互卦に巽木有り、動爻變じて後「沢山咸」と成る。 此の一卦是れ下離の初爻の陽動より變じて陰と爲り、下卦因りて艮に變成す。上兌金に屬し體と爲し、兌又た是れ少女。下離火に屬し來りて此の金體を克す。ゆえに女子の傷を受くるを斷ず。巽は人身上大腿と爲し、しかして互卦の乾金又た巽木を克す。ゆえに「股を傷る」と説く。所幸變出の艮土に屬し、土能く兌金を生ず。體卦救を得、ゆえに彼女の死に至らざるを斷ず。 體と用とは動爻に就きて分かつ:發動する那一卦是れ用、動かざる那一卦是れ體。
地雷復:體土、用金,變地澤臨。 木是用爻,斷出軟物,文章之體也。 天澤履:體金、用金,互卦木火,變乾卦。 此卦斷出是鐵器之物。 澤火革:用金、體火,互卦金木,變火雷噬嗑。 此卦乃用金體火,夏火得旺,能出土,必是土物也。
第二則、「地雷復」:上坤體と爲し土に屬し、用卦一邊金に屬し、動爻變じて後「地沢臨」と成る。下震木是れ發動の用爻、ゆえに占う所の物是れ軟の東西・文書・文彩一類の體性に屬するを斷ず。 第三則、「天沢履」:體金に屬し、用も亦た金に屬し、互卦に木と火を見、動爻變じて後「乾爲天」と成る。此の一卦は占う所是れ鐵器一類を斷出す。 第四則、「沢火革」:用卦金に屬し、體卦火に屬し、互卦に金と木を見、動爻變じて後「火雷噬嗑」と成る。此の卦是れ用金にして體火、もし夏天に在れば火時を得て旺しく、火旺すれば土を生ずる能し。ゆえに占う所は必ず土の做る東西を斷定す。
雷澤歸妹:用木、體金,互卦水火,變火澤睽。 用爻屬木變火,體卦屬金。四爻變卦成艮,土能生金,斷出是鐵。 澤天夬:體金、用金,互卦金,變兌卦。 此卦非金是石,斷是破磁盤也。
第五則、「雷沢歸妹」:用卦木に屬し、體卦金に屬し、互卦に水と火を見、動爻變じて後「火沢睽」と成る。用爻木に屬して火を變出し、體卦金に屬す。第四爻變じて後上卦艮と成り、艮土能く兌金を生ず。體生扶を得、ゆえに占う所是れ鐵器を斷出す。 第六則、「沢天夬」:體金に屬し、用も亦た金に屬し、互卦仍ほ金にして、動爻變じて後「兌爲沢」と成る。此の卦滿盤是れ金なるも卻って真金にあらず、兌又た毀折殘缺を主る。ゆえに是れ石質の物を斷定す——一隻の破れたる瓷盤と斷作す。
澤火革:互卦金木,變艮卦。 本卦得澤火革,為少女,近物為口,遠取羊。內離為中女,近日,遠取雉。初爻變艮卦為土,土能生金,則扶起兌金之妹。次除去初爻,移上四爻,又成巽木,斷得傷股之災。得初爻變艮土生兌金,是故有救而不至於死也。
第七則、仍ほ「沢火革」を取る:互卦に金と木を見、動爻變じて後艮と成る。 本卦是れ沢火革:上兌は人に在りて少女、近く諸身に取れば則ち口と爲し、遠く諸物に取れば則ち羊と爲す。下離は人に在りて中女、近く取れば則ち日と爲し、遠く取れば則ち雉と爲す。初爻艮卦を變出し土に屬し、土能く金を生じ、正好く兌金此の位の「少女」を扶起す。其次初爻を去掉し、上に向かい第四爻に取到る、中間四爻又た巽木を互出す——巽は股と爲す、故に大腿を摔傷するの災を斷出す。所幸初爻變じて艮土と成りて來りて兌金を生ず。體卦救有り、ゆえにただ傷を受くるのみにして死に至らず。
「近取諸身」,干頭、坤腹、震足、巽股、坎耳、離目、兌口、艮手,人身;「遠取諸物」,乾馬、坤牛、震龍、巽雞、坎豕、離雉、艮狗、兌羊,畜道。 天水訟卦,變兌,欲要求財。蓋卦是體生,而乃洩已之氣,其財空望。次得離卦屬火,能克金。其日午時,客來食去酒,返自消耗也。
所謂「近く諸身に取る」とは、是れ八卦の人身に配する:乾は頭と爲し、坤は腹と爲し、震は足と爲し、巽は股と爲し、坎は耳と爲し、離は目と爲し、兌は口と爲し、艮は手と爲す。所謂「遠く諸物に取る」とは、是れ八卦の六畜に配する:乾は馬と爲し、坤は牛と爲し、震は龍と爲し、巽は鶏と爲し、坎は猪と爲し、離は雉と爲し、艮は狗と爲し、兌は羊と爲す。 第八則、「天水訟」卦にして兌を變出す、問う所是れ財を求む。此の卦是れ體卦去りて用卦を生じ、反って自己の氣を泄す。ゆえに財是れ空の指望。其次卦中又た離卦を得て火に屬し、火能く金を克す(此の金體を克す)。當日午時に應ず:客人の來る有り、酒食を喫掉し、反って自己白白に破費す。
占卦訣
又如占卦問吉事,則看卦中有生體之卦,則吉事應之必速。便看生體之卦,於八卦時序類決其日時。如生體是用卦,則事即成。生體是互卦,則漸成。生體是變卦,則稍遲耳。若有生體之卦,又有克體之卦,則事有阻節,好中不足產。便看克體卦氣阻於幾日,若干克體,阻一日,兌克體,阻二日之類推之。如占吉事,無生體之卦,有克體之卦,則事不諧矣。無克體之卦。則吉事必可成就矣。
再び説いて卦を占い喜事を問う:先ず卦中に體を生ずるの卦有るや否やを看る、有れば則ち吉事來ること必ず快し。接いて此の體を生ずるの卦を看て、八卦「時序」一門の中に配する所の月日を、據りて以て應驗の日時を斷定す。もし體を生ずる是用卦なれば、事情當下に成る。是れ互卦なれば、便ち漸漸として成る。是れ變卦なれば、便ち稍々遲し。倘若既に體を生ずるの卦有り・又た體を克するの卦有らば、那の事情便ち阻隔關節有り、好の中に不足を帶ぶ。此の時便ち體を克する那一卦の卦氣を看て、阻碍幾日するか:乾來りて體を克せば即ち一日を阻み、兌來りて體を克せば即ち二日を阻む、其余先天卦數に照らして類推す。もし吉事を占いて卦中體を生ずるの卦無く・反って體を克するの卦有らば、事情便ち談じ成らず。もし體を克するの卦無ければ、吉事必定に成就すべし。
又如占不吉之事,卦中有生體之卦,則有救無害;如無生體之卦,事必不吉矣。若以日期而論,看卦中有生體之卦,則事應於生體卦氣之日;有克體之卦,則事敗於克體卦氣之日。要在活法取用也。
再び説いて不吉の事を占う:卦中もし體を生ずるの卦有れば、即ち救有りて大害無し。もし體を生ずるの卦無ければ、事情必定に不吉。もし日期に就きて論ぜば:卦中に體を生ずるの卦有れば、事情即ち體を生ずる那一卦の卦氣の値する所の日に應驗す。體を克するの卦有れば、事情便ち體を克する那一卦の卦氣の値する所の日に敗壞す。總に活く用いるを要し、拘死すべからず。
體用互變の訣
大凡占卜,以體為其主,互用變皆為應。卦用最緊,互次之,變卦又次之。故曰用為占之即應,互為中間之應,變為事占之終應。然互卦則分其有體之互,有用之互。如體在上,則上互為體之互,下互為用之互,體卦在下,則下互為體之互,上互為用之互。體互最緊,用互次之。
大凡占卜は、體卦を以て主と爲し、互卦・用卦・變卦皆應と算えらる。三者の中用卦最も緊要、互卦之に次次ぎ、變卦又た之に次ぐ。ゆえに説く:用卦是れ當下立見の應、互卦是れ事情中段の應、變卦是れ事情終了の應。至るに互卦は、還って「體の互」と「用の互」を分け出すを要す:もし體卦上に在れば、那麼上互(三・四・五爻の成す所の卦)便ち體の互、下互(二・三・四爻の成す所の卦)便ち用の互。もし體卦下に在れば、那麼下互是れ體の互、上互是れ用の互。體一邊の互最も緊要、用一邊の互之に次ぐ。
例如觀梅恆卦,互兌、乾,兌為體,互見女子折花。若干為體,互則老人折花矣。蓋兌、乾皆克體,但取兌而不取乾,此體互用之分。 大凡占卦,變卦克體,事於末後,必有不吉。變生體及比和,則事事臨終有吉利。此用互變之訣也。
例を擧げて説く:觀梅一占もし恒卦を得て、兌と乾を互出す。其の中兌は體一邊の互に屬し、ゆえに女子の折花と斷爲す。假使乾才が體一邊の互なれば、那れ即ち老人の折花と斷成すべし。兌と乾同じく體を克するにして、卻ってただ兌を取りて乾を取らず、此れ即ち體の互と用の互の分別なり。 又た、大凡卦を占うに、もし變卦體を克せば、事情末後に到りて必定に不吉有り。もし變卦體を生じあるいは體と比和せば、那麼事事臨了に到りて皆吉利有り。此れ即ち用・互・變三者の口訣。
體用生克の訣
占卦即以卦分體用互變,即以五行之理斷其吉凶。然生克之理,於內卦體用互變,一定之生克。若外卦,則須明其真生真克之五行,以分輕重,則禍福立應。何也?假如干、兌之金為體,見火則克,然有真火之體,有火之形色。真火能克金,形色則不能克。能克則不吉,不能克則不順而已。蓋見爐中火,窯灶之火,真火也。烈焰巨炷,真火也。乾、兌為體,遇之不吉。若色之紅紫,形之中虛,槁木之離,日火之火,則灶之形色,非真火也,乾、兌之體,不為深忌。又若一盞之燈,一炬之燭,雖曰真火,微細而輕,小不利耳。
卦を占う既に體・用・互・變を分清せば、即ち五行の理に按じて吉凶を斷ず。不過生克此の道理は、內卦の體用互變の間に在りて是れ固定不移。至るに外卦(外應)は、便ち何が「真生真克」の五行なるかを辨明して、輕重を分け出すを須とし、禍福こそ立刻に應驗す。何爲りとも此のように説くや。譬えば乾・兌の金體と爲して、火を見れば本當に克せらるべし。しかるに火に「真火の體」有り、も亦たただ「火の形色」を具うる有り:真火こそ能く金を克し、徒らに形色のは克する能わず。能く克するは即ち不吉、克する能わざるは不過稍々不順なるのみ。炉膛の裏の火・窯灶の裏の火のごときは、是れ真火。熊熊の烈焰・大團の火炷も、亦た是れ真火:乾・兌體と爲して其に遇えば、即ち不吉。もしただ紅紫の顔色・中間空虚の形狀・枯木の離に屬する・日光の火に屬する此の一類のみなれば、ただ火の形色にして真火にあらず、乾・兌の體は便ち深く忌むを要せず。再び一盞の燈・一支の蠟燭のごとき、説くに真火なりと雖も、卻って細微輕小、不過略々小不利あるのみ。
又若震、巽之木體,遇金則克,然釵釧之金,金鉑之金,成錠之銀,杯盤之銀,與器之錫,瑣屑之鋼鐵皆金也。此等之金,豈能克木?木之所忌者,快刀銳刃,巨斧大鋸。震、巽之體,值之必有不吉。又若離火為體,見真水能克。然但見色之黑者,見體之溼者,與夫血之類,皆坎之屬,終忌而不深害也。餘卦為體,所值外應,克者皆以輕重斷之。
再び震・巽の木體と爲して、金に遇えば本當に克せらるべし。しかるに釵釧上の金・金箔の金・錠に成るの銀・杯盤の銀、および錫制の器皿・零碎の鋼鐵は、皆金と算えらる。此の一類の金は何處にか木を克し動かし得んや。木の忌む所は快刀利刃・大斧大鋸なり:震・巽體と爲して此れらに碰上せば、必定に不吉。又た離火體と爲して、真水に遇いこそ克せらるる能し。もしただ黑の顔色を見・潮濕の物を見、および血の一類の東西——其れら皆坎に屬すると雖も、終究ただ忌諱なるのみ、害深からず。其余各卦體と作する時、遇う所の外應、およそ體を克するに屬するは、皆此のように照らして輕重を分けて斷ずるを要す。
若夫生體之卦,亦當分辨。土與瓦器皆坤土,金遇之,土能生金,瓦不能生也。樹木柴薪,皆木也。離火值之,柴薪生火之捷,樹木之末伐者,生炎之遲也。木為體,真水生木之福重,如豕如血雖坎之屬,生木之類輕也。其餘五行生剋,並以類而推之。
至るに體を生ずるの卦も、亦た同じく真假を分辨するを要す。泥土と瓦器は同じく坤土に屬し、金體其れらに遇えば:泥土確かに金を生ずる能く、瓦器卻って生じ得ず。樹木と柴薪は同じく木に屬し、離火其れらに遇えば:柴薪火を生ずるに來ること快し、なほ砍伐せざるの活樹火を生ずれば便ち慢し。木體と爲る時、真正の水來りて木を生ずれば、福分こそ重し。至るに猪・血此れら亦た坎に屬すると雖も、木を生ずるの力量便ち輕し。其余五行の生克は、皆此の道理に照らして分類して推す。
體用衰旺の訣
凡體卦宜乘旺,克體之卦宜衰。蓋體卦之氣,如春木、夏火、秋金、冬水、四季之月土,此得令之卦,乘旺之氣,雖有他卦克之,亦無大害。用互變卦,乘旺皆吉,但不要克體之卦氣旺。而體卦氣衰是不吉之占。占者有此,若問病必死,問訟必敗。若非問訟與病而常占,則防有官病之事。末臨其期,在於克體卦氣之月日也。
およそ體卦總に當令乘旺なるを宜とし、體を克する那一卦總に衰なるを宜とす。體卦の氣は、春の木・夏の火・秋の金・冬の水・四季の月の土のごとき、皆是れ令を得るの卦、旺氣に乘ず。此の時縱て別卦の來りて它を克する有りとも、亦た大害無し。用卦・互卦・變卦の旺に乘ずるは本來皆吉、ただ切に體を克するの卦の卦氣をして旺く起りしむる莫れ。反して、體卦氣衰なれば即ち不吉の占:占者此の種の局面に遇上せば、病を問えば必ず死し、官司を問えば必ず敗る。もし訟を問い病を問うにあらずして平常の占問なれば、亦た官非疾病の事有るを防ぐを要す。將に臨到せんとする應期は、便ち體を克する那一卦の卦氣の値する所の月日上に在り。
若卦體旺而復有生體之卦,吉事之來,可刻期而至矣。若內卦外卦有生體者,體卦雖衰,亦無大害也。內外並也生體,雖體之卦黨多,皆是衰卦,終不吉也。故體用之卦,必須詳其盛衰也。
もし體卦既に旺しく・卦中又た別に體を生ずるの卦有らば、那麼吉事到來の日は期限を掐えて以て它を待つ可し。もし內卦あるいは外卦の中に體を生ずる有れば、體卦縱て衰弱なりとも、亦た大害無し。倘若內外皆體を生ずるの卦無からば(原文「并也生體」は當に「并無生體」と作るべし)、那麼即便體卦一方同黨衆多なるも、卻って箇箇皆是れ衰卦、終究還って不吉。ゆえに體用兩邊の卦は、必ず其の盛衰を細審するを須とす。
體用動静の訣
占卦體用互變既分,必以內外之卦察其動不動。不動不占,亦不斷。其吉凶悔吝,生乎動也。夫體卦為靜,互卦為靜,用卦變卦則動也,此內卦之動靜也。以外卦言之,方應之卦,天地地理之卦,應皆靜,若人事之應,器物之類,則有動者矣。
卦を占い體・用・互・變を分定して後、還って內外の卦に就きて其れ動くか還って動かざるかを察看するを須とす。事情動かざれば便ち占わず、占うも亦た斷ぜず——是れ吉・凶・悔・吝皆「動」の上より生出すに因る。內卦に就きて言えば:體卦是れ静、互卦も亦た是れ静、用卦と變卦才は是れ動、此れ內卦の動静。外卦に就きて言えば:方位の應・天時地理の應、皆静に屬す。至るに人事の應・器物の類は、便ち動くる有り。
器物本靜,人持其器物而來,則動矣。若干馬、坤牛,皆動者矣。蓋水之井沼,土之山岩石,皆靜者矣。人汲水擔水而前,水之動也。又人持石負土而前,土之動也。於外卦之應,觀其動靜而審其吉凶,動而吉者,應吉之速;動而凶者,應凶之速;不動而應者,吉凶之末見也。此則外卦體用之動靜也。
器物本來是れ静、しかるに一旦人之を拿着して走り來れば、便ち動と成る。乾の主る所の馬・坤の主る所の牛のごとき、本身便ち動くべきなり。至るに水中の井と池沼・土中の山と岩石は、皆是れ静。但だ人水を打ち・水を挑きて走り來れば、即ち水動けり。人石を抱き・泥土を背負いて走り來れば、即ち土動けり。外卦の應に對しては、其れが動か是れ静かを看て以て吉凶を審斷するを要す:動きて吉象を現ずるは、吉應え得快し。動きて凶象を現ずるは、凶應え得快し。動かずしてただあの裏に擺在するは、吉凶皆まだ顯現せず。此れ即ち外卦上の體用動静。
若夫起卦之動靜,亦以我之中靜而觀其動者而占之。如雀之爭墜,如牛雞之衰鳴,如枯木之墜,皆物之動者,我以靜而占之也。 又若我坐,則事應之遲;我行而事應之速;我立而半遲半速,此皆動靜之理也。
至るに卦を起す時の動静も、亦た是れ我自己心中の静を以て、外面の動くるの東西を觀察して以て卦を起す。兩隻の雀鳥枝を争い地に墜つ・牛と鶏の悲鳴を發する(原文の「衰鳴」は即ち哀鳴)・枯枝自ら墜落するのごとき、皆是れ物の動く、しかして我静を以て之を占うなり。 再者、我占う時坐せば、事情應えること遲し。我行けば、事情應えること快し。我立てば、便ち半ば遲く半ば快し。此れら皆是れ動静の道理。
占卜坐端の訣
坐端之訣,以我之所坐為中,八位列於八方,占卦決斷之。須虛心待應,坐而端之,察其八卦八方應兆,以為占卜事端之應。隨其方卦有生克之應者,以定所占之家吉凶也。
「坐端」の訣は、是れ我の坐する所の位置を以て中心と爲し、八卦を周圍の八箇の方位上に分列し、據りて以て卦を占い決斷す。作法是れ:心を虚して外應の來臨を待ち、端坐して動かず、八卦八方の各々何の兆頭かを現ずるを細察し、它を拿りて占う所の事の應と作す。再び各方の卦と體卦の生有り克有りの情形に隨い、占う所のあの一家の吉凶を判定す。
如干上有土生之,或乾宮有諸吉兆,則尊長老人分上,見吉慶大事。若干上有火克之,或有凶兆,則主長上老人有憂。 坤有火生之,或坤上有吉兆,則主母親分上或主陰人有吉利之喜。坤宮見克,或有凶兆,則主老母陰人有災厄。
譬えば西北乾位上に土に屬するの象を出現して來りて乾金を生じ、あるいは乾位上に種種の吉兆を現出せば、那れ即ち尊長老人の身上に吉慶の大事あるを主る。もし乾位上に火に屬するの象を出現して來りて乾金を克し、あるいは凶兆を現出せば、那れ即ち家中の長輩老人に憂患有るを主る。 西南坤位上に火に屬するの象を出現して來りて坤土を生じ、あるいは坤位上に吉兆を現出せば、便ち母親の一輩あるいは家中の婦女に吉利の喜事あるを主る。坤位上もし克せらるるを見、あるいは凶兆を現出せば、便ち老母と婦女に災厄有るを主る。
震宮有水生之,及東方震宮有吉兆,則喜在長子長孫;見克而或見凶,則長子長孫不利。 坎宮宜見五金及有吉利之讖,則喜在中男之位;若土克,若見凶,則憂在中男矣。 離宮喜木生之,或有可喜之應,則中女有喜;若遇克或見凶,則中女有厄矣。
東方震位上に水に屬するの象を出現して來りて震木を生じ、あるいは震位上に吉兆を現出せば、喜事便ち長子長孫の身上に應ずべし。もし克せらるるを見あるいは凶兆を現出せば、長子長孫便ち利あらず。 北方坎位上は金屬の象を見るに宜しく(金能く水を生ず)および吉利の兆頭、喜事便ち中子(次男)の身上に應ずべし。もし土に屬するの象を見て來りて坎水を克し、あるいは凶兆を現出せば、憂患便ち中子の身上に落つ。 南方離位は木に屬するの象を見て來りて離火を生ずるを喜び、あるいは可喜の應を現出せば、喜事便ち中女の身上に應ずべし。もし克に遇いあるいは凶兆を現出せば、中女便ち災厄有り。
艮為少男之位,宜火生之,見吉則少男之喜;若遇克,或見凶,則災及少男。問產必不育矣。 兌為少女,土宜生之,見吉則少女有喜,或有歡悅之事。若問病,如干卦受克,病在頭。坤宮見克,病在腹,推之震足、巽股、離目、坎耳及血、艮手指、兌口齒,於其克者定見其病。 至於八端之中,有奇占巧卜者,則在乎人。此引其端為之例也。
東北艮位是れ少男の位、火に屬するの象を見て來りて艮土を生ずるに宜し:吉兆を見れば即ち少男の喜。もし克に遇いあるいは凶兆を現出せば、災便ち少男に及び、もし生産を問えば必定に養い活かす能わず。 西方兌位是れ少女の位、土に屬するの象を見て來りて兌金を生ずるに宜し:吉兆を見れば即ち少女に喜有り、あるいは歓悅の事有り。もし是れ病を問えば、便ち哪の一宮の克を受くるかを看る:乾克を受くれば病頭に在り、坤克を受くれば病腹に在り、此に依りて以て推類す——震は足を主り、巽は股を主り、離は眼目を主り、坎は耳と血を主り、艮は手指を主り、兌は口齒を主る。克を受くる那一宮の上に在りて病の何處に在るかを斷出す。 至るに此の八方の應の裏頭に、還って種種の出奇制勝の巧占有り、那れ便ち人自ら之を領會するに在るのみ。此處不過其の端緒を擧げて範例と作すのみ。
占卜克應の訣
克應者,所謂剋期應驗也。占卜之道,無此訣,則吉凶成敗之事不知應於何時。故克應為卦之切要也。然克則最難,有以數而克之者,有以理而克之者,皆要論也。以數而刻期,必詳其理,如算屋宅之初創,男女之始婚,墳之方葬,器物之新置,俱以年月日時加事物之數而起卦。卦成,則於體用互變之中,視全卦之數,以為約定之期,審其事端之遲速而刻之,如屋宅墳墓永久者也。
所謂「克應」とは、即ち期限を限定して應驗す。占卜もし此の一訣無ければ、吉凶成敗の事は何時に應ずるかを知らず。ゆえに克應是れ卦を斷ずる中の最も切要の一環。しかるに期限を定むる最も難し、數に靠りて期を定むる有り、理に靠りて期を定むる有り、兩者皆甚だ緊要。數を用いて日期を限定するも、亦た必ず事理を參詳するを須とす:譬えば房屋の初めて建つ・男女の初めて婚す・墳墓の剛く葬を下す・器物の新たに置辦するを推算するに、皆是れ年月日時を用いて事物の數を加えて以て卦を起す。卦成りて後、便ち體・用・互・變の中に在りて、全卦の總數を看て、它を把って約定の期限と作し、再び占う所の事の來る快慢を審して以て掐定す——房屋・墳墓此の類のごとき是れ長久の物なり。
屋宅則以全卦之數刻其期。如屋宅之終應,蓋屋宅有朽壞之期也。墳墓亦有損壞,然占墓但占吉凶,不計成敗也。男女之婚,遠亦不過數年。年內之事,全卦之數可決,又不如屋宅之久也。然婚姻亦不過卜其吉凶,不必刻其期也。若吉凶之期,但以生體及比和之年月為吉期,克體之年月為不吉之期也。
房屋便ち全卦の數を用いて以て其の期限を定め、此の所の房子最終の應驗と作す——是れ房屋總に朽壞の一天有るに因る。墳墓も亦た損壞すべし、不過墓を占うはただ吉凶を占うのみ、成敗を計らず。男女婚事は、再び遠しとも幾年を過ぎず、年內の事に屬し、全卦の數を用いれば便ち決斷すべし、房屋のあのように長久のごとくにあらず。何況婚姻も亦たただ其の吉凶を卜するのみ、硬に日期を掐定し往くを要せず。もし吉凶の應期を論ぜんと要せば、ただ體を生ずるの卦および體と比和するの卦の値する所の年月を以て吉期と爲し、體を克するの卦の値する所の年月を以て不吉の期と爲すを須とす。
器物之占,則金石之質終遠,草木之質終不久也。遠者,以全卦之數為年期;近者,以全卦之數為月期。又近者,以全卦為日期也。如置硯,則全卦之數為歲。計筆墨亦可以全卦為歲計。筆墨之小者,以日卦之數可也。此器物刻期之占也。如先天觀梅與牡丹二花,俱旦夕之事,故以卦理推,則不必決其遠日也。如後天老年、少年、雞牛之占,以方卦物卦之數合而計之。老少、雞牛之占,以方卦物卦之數合而計之。老少、雞牛之占,亦只可以日計也。若永遠之占,則以日為月,以月為年矣。
器物を占えば、則ち金石の質終歸耐久、草木の質終歸長久ならず。耐久のは、便ち全卦の數を把って年數と當す。較近きは、月數と當す。更近きは、日數と當す。譬えば新たに一方の硯臺を置くに、便ち全卦の數を用いて年數に計と當す。筆墨も亦た按じて全卦の數を用いて年に計る可し。もし是れ小の筆墨なれば、日數を用いて計れば便ち足れり。此れ器物定期の占。至るに先天卦裏の觀梅・牡丹此の兩次の花を占うは、皆是れ旦夕の間の事、ゆえにただ卦理に按じて推し、何の遠日かを定め往くを要せず。至るに後天卦裏の老人・少年・鶏と牛あの幾占は、皆是れ方位の卦と物象の卦の數を合して以て計算す(此の句原文重出)。此の幾占も亦た日に按じて以て計る能きのみ。もし是れ長遠の占なれば、那れ便ち日を把って月と當し・月を把って年と當して推す。
占者詳吉,必又尋常之占事刻期,則於全卦中細觀生體之卦為吉,應決期克體之卦為凶。應之期遠,則以年,近則以月,又近則以日也。如問求名則乾為體,看卦中有坤、艮,則斷其辰、戌、丑、未之土月日。蓋乾、兌,金體也。此為吉事生體之應。若問病而乾卦為體,則看卦中有離,又看卦中無坤、艮,及有凶犯,則其體死於巳午火日,此克體為凶事之期也。又若問行人,以生體之日為歸期,無生體比和之日,則歸必遲。若此例者,具難盡載,學者審焉。
占者吉凶を細審し、もし是れ尋常の事にして期限を定めんと要せば、便ち全卦中に細看す:體を生ずるの卦の値する是れ吉期、體を克するの卦の値する是れ凶期。應期遠きは年に按じて算し、近きは月に按じて算し、更近きは日に按じて算す。譬えば功名を求むを問いて乾體と爲せば、卦中もし坤・艮有るを看れば(土能く金を生ず)、便ち辰・戌・丑・未此れら土に屬するの月日上に斷在す——是れ乾・兌是れ金體、土來りて金を生ず、此れ即ち吉事上體を生ずるの應なり。もし疾病を問いて乾體と爲せば、卦中離火有るを看(火金を克す)、又た卦中坤・艮の來りて化解する無きを看、しかも別に凶兆の相犯する有れば、那れ便ち此の體卦の巳・午の火に屬するの日に死するを斷ず——此れ即ち體を克するの定むる所の凶事の期。再び外へ出るの人の何時に囘來するかを問うがごときは、便ち體を生ずるの卦の値する所の日を以て歸期と爲す。もし卦中既に體を生ずるも亦た比和するの日無ければ、囘來必定に遲し。此の類の例のごとき、實に一々に載全し難し、學者自ら往きて細審せよ。
斷占總訣篇の二
萬物賦
人稟陰陽,卦分先後。達時務者,近取諸身,遠取諸物。觀物理者,靜則乎地,動則乎天。原夫萬物有數,易數無窮。動靜可知,不出於玄天之外。吉凶必見,莫逃乎爻象之中。未成卦以前,必虛心而求應;既成卦以後,復觀刻應以為斷。聲音言語,傍人讖兆,當遇形影往來,我心指實皆是,及其六爻以定,三天既生,始尋卦象之端,終測刻應之理。是以逢吉兆而終知有喜,見凶識而不免乎凶。
人は陰陽の氣を秉受して生じ、卦に先天後天の分有り。時務に通達する人は、近處便ち自身に於いて象を取り、遠處便ち外物に於いて象を取る。物理を觀察する人は、静の一面地に法を取り、動の一面天に法を取る。之を推究すれば、萬物各々其の數有り、しかして《易》數變化無窮:動静の機括は知曉すべく、玄妙の天道の外に跑出せず。吉凶必定に顯現し、爻象の中を逃出す能わず。卦まだ成らざるの前、必ず心を虚して以て外應を待つを須とす。卦既に成りて後、再び當時の克應の兆を看て以て斷ず。人語聲音・旁人無意間に説出するの讖語・來往の形影、およそ我心當下の認定するは、皆準と作る可し。六爻既定・本互變三重の卦已に生じ到れば、便ち先ず卦象上より頭緒を尋ね、末了再び克應の理を測る。ゆえに吉兆に遇上せば終に喜有るを知り、凶象を見到するも亦た凶を免れず。
故欲知他人家之事,必須憑我耳目之聞見。未成卦而聞見之,乃已生之事。既定卦而觀察之,乃未來之機。或聞何處喧鬧,主有鬥爭;或聽此間笑語,必逢吉慶;見婦啼嘆,其家陰小有災;東至軍來,必有官司詞訟;或逢枷鎖而枷鎖臨身;倘遇鞭杖而鞭杖必至。若屠而負肉,此為骨肉有災;倘逢血光,而又恐災於孳畜。師巫樂餌,病患臨門。見詖則有犯家先,逢酒則欠神願。陰人至則女子有厄,陽人至則男子當災。
ゆえに別人の家の事を知らんと要せば、必ず我の耳聞目見に憑るを須とす。卦まだ成らざる時の見聞する所は、是れ已に發生せしの事。卦既定して後に觀察到するは、是れまだ到來せざるの機兆。譬えば某處の喧鬧を聽聞すれば、争鬥有るを主る。此の邊の笑語を聽聞すれば、必ず吉慶に逢う。婦人の啼哭嘆息を看見すれば、あの家の婦女小孩に災有り。東邊の兵卒の過來を見れば、必ず官司詞訟有り。枷鎖刑具に碰上すれば、便ち枷鎖の身に加わるの事有り。鞭杖に遇見すれば、鞭杖の刑必ず到る。もし屠夫の肉を扛ぐを見れば、骨肉至親に災有るを主る。もし血光に碰上せば、又た恐らく災牲畜の身上に在るべし。巫師・鼓樂と藥餌を見れば、病患の門に臨むを主る。偏邪不正の事を見れば、是れ祖先を衝犯せり。酒に遇見すれば、是れ神願を欠いてなほ還さざるなり。女子の到來有れば、便ち女子に厄あるに應ずべし。男子の到來有れば、便ち男子に災に當るに應ずべし。
又須八卦中分,不可一例而論。卦吉而爻象又吉,禍患終無;卦凶而識兆又凶,災殃難免。披麻帶孝,必然孝服臨頭;持杖而號,定主號泣滿室。其人憂終是為憂,其人喜還須有喜。故當觀色察形,以為決意斷心。其或鼓樂聲喧,又見酒杯器皿,若不迎婚嫁娶,定須會客宴酣。欲知應在何日,須觀爻象值數。巽五日而坤八日,離三朝而坎六朝。又觀遠近克應,以斷得買之相期。應遠,則全卦相同;應近,而各時同斷。假如天地否卦,上天一而下地八;設若澤火革卦,上兌二而下離三。依此推之,萬無一失。此人物之兆,察之可推也。
此の外還って八卦中に分別に看るを須とし、一概に論ずる可からず。卦吉にして爻象も亦た吉なれば、終歸禍患無し。卦凶にして見る所の兆も亦た凶なれば、災殃便ち免れ難し。人の麻を披き孝を戴くを見れば、自己必ず孝服の頭に臨む有り。人の杖を拄き號哭するを見れば、必定に滿屋號泣す。遇う所の人憂愁なれば、終究是れ憂愁の事の爲め。遇う所の人喜悅なれば、還って喜事有るべし。ゆえに當に氣色形狀を察看し、據りて以て心中の疑を決斷すべし。倘若鼓樂の喧鬧を聽聞し、又た酒杯器皿を看見せば、是れ親迎嫁娶にあらざれば、便ち一定是れ會客宴飲。應するは哪の一天なるかを知らんと欲せば、便ち爻象の値する所の數を看る:巽は五日に應じ、坤は八日に應じ、離は三日に應じ、坎は六日に應ず(皆先天卦數に按ず)。再び克應の遠近を看て以て成交の期を斷ず:應期遠きは、便ち全卦總數に用いて同じく推す。應期近きは、便ち各々上下卦の數に按じて分別に斷ず。譬えば「天地否」は、上乾は一と爲し・下坤は八と爲す。又た「沢火革」は、上兌は二と爲し・下離は三と爲す。此のように照らして推せば、萬に一失も無し。此れ人と物の兆頭、細察すれば便ち以て推知すべし。
及其鳥獸之應,仍驗之有準。鵲噪而喜色已動,鴉鳴而禍事將來。牛羊豬犬,日晨不見,金日遇之,六畜有損。木日見豬養豬,必成。庚日見雞鳴,丁日見羊過,此乃凶刃之殺。己日值馬來,壬日豬過,此皆食祿之兆。見吉兆而百事亨通,逢凶讖而諸事阻滯。或若求財問利,須憑克應。以言櫃箱為藏財之用,繩索為穿錢之物。逢金帛寶貨之類,理必有成。遇刀刃劍具之器,損而無益。又看原卦,不可執一。逢財而有財,無財而無益。凡物成器,方繫得全,缺損破碎,有之不足。
至るに鳥獸の感應は、驗くるも亦た甚だ準し。喜鹊叫ばば、喜色已に動けり。烏鴉叫ばば、禍事便ち來らんとす。牛羊猪狗もし早晨蹤影を見ず、又た金に屬するの日に逢いて此の情形に遇上せば、六畜に損有るを主る。木に屬するの日に猪を見れば、猪を養い必定に養い成るを得。庚の日鶏の叫ぶを聽聞し・丁の日羊の走り過ぐを看見するは、此れ刀刃宰殺の象(庚は金に屬し刃を主り、丁火金を克し反って殺を招く)。己の日馬の來るに碰上し・壬の日猪の過ぐに碰上するは、此れ皆口福食祿有るの兆。吉兆を見れば則ち百事亨通、凶讖に逢えば則ち諸事阻滞。もし是れ財を求め利を問えば、亦た須く克應に憑りて斷ずべし:櫃子箱子是れ錢を藏するの用、繩索是れ錢を穿つの物、其れらに遇上すれば積有るを主る。金帛寶貨の一類に碰上せば、理に按じて必ず成る所有り。刀劍器の一類に遇上せば、則ち損有りて益無し。此の外還って本卦を看るを要し、死に一條を執る可からず:卦上に財有りてこそ真に財有り、卦上に財無ければ便ち實惠無し。およそ器物完整にして器を成せば、得る所こそ周全と算うるを得。もし殘缺破碎せば、縱て得るも亦た是不足なり。
或問婚姻,理亦相似。物團圓,指日而成;物破損,中逢阻折。此又是一家,聞奧理明,萬事昭然。逢柴炭主憂,折麥主悲。米必奇,豆必傷。末與鞋,萬事和諧;棋與藥,與人期約。斧鋸必有修造,糧儲必有遠行。聞禽鳴,謀事虛說。聽鼓聲,交易空虛。拭目潤睫,內有哭泣之事;持刃見血,外有蟲毒之講。克應既明,飲食同斷。見水為飲食酒湯,遇火為煎炮烤炙。見米為一飯之得,提壺為酌杯之禮。水乃魚暇水中物味,土乃牛羊土內菜蔬。姜面為辛味辣羹,刀砧乃董腥美味。此三天之克應,萬物之樞機。能達此者尚其秘之。
もし婚姻を問えば、道理も亦た相似たり:見る所の物團圓完整なれば、日を指して成る可し。見る所の物破損なれば、中途阻折に遇うを要す。此れ又た自ら一路を成り、其の中の奥理を聽明白せば、萬事皆昭然として見る可し。柴炭に遇えば憂愁を主り、折斷の麥を見れば悲傷を主る。米を見れば意外の得有るを主り、豆を見れば必ず損傷を主る。抹布と鞋を見れば、萬事和諧を主る(鞋は「諧」と諧音)。棋と藥を見れば、人と約期有るを主る。斧鋸を見れば、必ず修造の事有り。儲糧を見れば、必ず遠行有り。禽鳥の鳴叫を聽聞すれば、謀る所の事ただ空話。鼓聲を聽聞すれば、交易も亦た一場の空。人の眼を揉み睫毛の濕潤なるを見れば、家內に哭泣の事有り。人の刀を持ち血を見るを見れば、外面に蟲毒の謀有り。克應既に明白なれば、飲食も亦た此のように照らして斷ず:水を見れば酒湯飲食有るを主り、火に遇えば煎炒烤炙有るを主る。米を見れば一頓の飯の得着、人の壺を提ぐを見れば敬酒の禮なり。水を見れば魚蝦等水中の味を主り、土を見れば牛羊および土裏に長ずるの菜蔬を主る。姜と麵を見れば辛辣の羹湯を主り、刀と砧板を見れば葷腥の美味を主る。此れ即ち本・互・變三重卦の克應、是れ萬物の樞機の所在。能く此の一層に通達するは、還って鄭重に保守せんを望む。
飲食篇
夫乾之為象也,圓堅而味辛,取象乎卯,為牲之首,為馬為豬,秋得之而食祿盛,夏得之而食祿衰。春為時新之物,水果蔬菜之屬;冬為冷物,隔宿之食。有坎乃江湖海味,有水而蔬果珍羞。 艮為土物同烹,離乃火邊煎炙。秋為蟹,春為馬。凡內必多肉,其味必辛,盛有瓦器,伴有金樽。其於菜也為芹,其於物也帶羽。克生生回,食必鵝鴨。生出克入,野菜無名。
飲食を占う時、乾此の一卦の主る所の食物は形圓にして質堅く・味道辛辣、卯に取象す(原文此の如し)、牲畜の中に首を居り、馬と爲し猪と爲す。秋天乾を占い得れば、口福豊盛。夏天占い得れば、口福便ち衰す。春天占い得れば、是れ時鮮の物、水果蔬菜の一類。冬天占い得れば、是れ冷食・隔夜の食。卦中もし坎有れば、即ち江湖海産の味。水有れば、即ち蔬果珍饈。 卦中もし艮有れば、是れ土産の物と同じ鍋に烹煮す。離有れば、是れ火邊に煎烤す。秋天占い得れば蟹と爲し、春天占い得れば馬と爲す。およそ此の席上必定に肉多く、味道必定に辛に偏し、食を盛るに瓦器、佐うに金制の酒樽。菜蔬に就きて説けば是れ芹菜、物類に就きて説けば是れ羽毛を帶ぶの禽類。もし克中に生を帶び・生して回還せば、食する所必是れ鵝鴨。もし生氣外に泄れて克氣內に入れば、那れ即ち名目を叫出し得ざるの野菜なり。
坤其於坤也,遠客至,故人來,所用必瓦器,所食米果之味。靜則梨棗茄芋,動則魚蝦鮮羊。無骨肉脯,殺亦為藏,藏亦為肚腸。遇客必婦人,克此必主口舌。克出生回,乃牲之味;克入生物,乃集物之烹。見乾、兌,細切薄披;見震、巽而新生舊煮,其色黑黃,其味甘甜,水火併之,蒸炊而已。四時皆為米麥之味,必帶麻姜。仔細推詳必有驗也。
輪番して坤卦に到る:遠客の到る・老朋友の來るを主り、用うる所必是れ瓦器、食する所是れ米穀果實の味。卦静なれば則ち是れ梨・棗・茄子・芋頭の一類。卦動けば則ち是れ魚蝦と新鮮の羊肉。食する所多く是れ骨無きの肉脯。宰殺するも亦た是れ腌藏の爲め、腌藏の物又た多く是れ肚腸內臟。席上遇う所の客人必是れ婦人。もし卦の來りて坤を克する有れば、必ず口舌是非を主る。克氣外に出でて生氣回還するは、是れ牲畜の味。克氣內に入りて生氣物に及ぶは、則ち各樣の食材を湊り合して烹煮す。卦中乾・兌を見れば、是れ細切薄片。震・巽を見れば、是れ新鮮の生食と久しく煮たるの舊食と并陳す。其の色黑黄、其の味甘甜。もし水火同見なれば、不過是れ蒸煮炊食なるのみ。一年四時坤皆米麥の味を主り、しかも必ず芝麻と姜を帶ぶ。仔細に推詳せば、必定に應驗す。
巽之為卦,主文書柬約之間,講論之際,外客婚姻,故人舊交。或主遠信近期,其色白青,其性曲直,其味酸,其象長。桃李木瓜,齋辣素食,為魚為雞,其豆其面,非濟執而得之,必鋤掘而得之。有乾、兌,食之而致病,有坤,得之非難。炊為炒菜蔬,離為炒茶,帶坎於中,酒湯其食。其無生,半齋半葷。
巽此の一卦は、飲食の文書書柬の約・講論議事の際に起るを主り、來るは是れ外客・説くは是れ婚姻、あるいは是れ老朋友舊相識。も亦た遠方の書信・近期の約會を主る。其の色白中に青を帶び、其の性曲ぐ可く直ぐ可く、其の味酸く、其の象細長。食する所是れ桃・李・木瓜の一類、是れ素齋と辛辣素食、魚と爲し鶏と爲し、も亦た豆類と麵食を主る。此れらの東西は人の接濟提攜に靠りて得るにあらざれば、便ち是れ自己の鋤掘耕作に靠りて得る。卦中もし乾・兌有れば(金は巽木を克す)、喫して病を致す。もし坤有れば、食を得るに難ならず。火有りて來りて炊けば、則ち是れ炒めたるの菜蔬。離有れば、則ち是れ炒茶。中間に坎を夾めば、則ち是れ酒湯の食。もし卦中并に生氣無からば、那れ即ち半ば素にして半ば葷。
其在艮也,會鄰里,有貴人。食物不多,適口而已。其桔油菜果蔬,斫伐于山林帶節,虎狗兔鹿,漁捕網羅,米麻面麥。克入集食,克出羊肉。克入口舌,是非陰災,極不可食。其味甘甜,其色玄黃。
輪番して艮卦に到る:鄰里と聚會するを主り、席上に貴人有り。食物多からず、ただ可口を求むるのみ。食する所是れ橘子・油・菜蔬果品、是れ山林の中より砍伐して來るの節を帶ぶの物、是れ虎・狗・兎・鹿の肉、是れ漁獵網羅の得る所、および米・麻・麵・麥。克氣の內に入るは、是れ衆物合煮。克氣の外に出ずるは、則ち是れ羊肉。もし克氣入りて口舌を生ぜば、便ち是非と暗中の災有り、那れ即ち萬萬喫し得ず。其の味甘甜、其の色玄黄。
坎為水象也,水近信至海內,味香有細鱗,或四足。凡曰水族,必可飲食也。或聞簫鼓之聲,或在禮樂之所,其色黑,其味鹹。克出飲酒,回食魚。為豕為目,為耳為血。羹湯物味,酒食水醬。遇離而說文書,逢乾而為海味。
坎是れ水象:水邊に信の來る・あるいは海內遠地の消息の到るを主る。食味香美、是れ細鱗有るの魚、あるいは是れ四足の物。およそ水族と稱し得るは、皆喫する可し。あるいは席間簫鼓の聲を聽得し、あるいは便ち行禮奏樂の處に在り。其の色黑、其の味鹹。克氣の外に出ずるは飲酒を主り、回還すれば則ち魚を喫するを主る。坎又た猪と爲し・眼目と爲し・耳と爲し・血と爲す。食する所是れ羹湯の味・酒食と水醬。離に遇上せば、席間文書の事を談ずるを要す。乾に遇上せば、則ち是れ海味。
震之為卦,木屬也。酒友疏狂,虛輕怪異。大樹之果,園林之蔬,其色青而味酸,其數多,會客少。或有羶臭之氣,或有異香之餚。同離多,主鹽茶;見坎或為鹽醋。 離則文書交易,親戚師儒,坐中多禮貌之人,筵上總英才之士。其物乃煎烤炙燒,其間或茶鹽。白日之夕,雖之以燭,春夏之際。凡物帶花,老人莫食。心事不寧,少者宜之。宜講論,即有益。為雞為雉,為蟹為蛇,色赤味苦,性熱而氣香。逢坎而酒請之爭,逢巽則炒菜而已。
震卦木に屬す:席上の酒友疏放狂縱、行事虚浮輕率・古怪を透す。食する所是れ大樹上の果子・園林裏の菜蔬、其の色青にして味酸く、菜數少なからずして客人多からず。あるいは羶臭の氣を帶び、あるいは是れ異香鼻に撲するの佳肴。震と離同見にして離多きは、鹽と茶を主る。坎を見れば、則ちあるいは是れ鹽と醋。 離卦は文書交易に因りて聚まるを主り、同席する是れ親戚と師長儒生、座中多く是れ禮を知るの人、筵上盡く是れ英才の士。食する所是れ煎・烤・炙・燒の物、其の間あるいは茶と鹽有り。白天より傍晚に到り、還って蠟燭を點じ、多く春夏の際に在り。およそ食物花を帶ぶるは、老人喫するに宜しからず。もし心事寧ならざれば、年輕の人喫してこそ相宜なり。此の時講論に宜しく、講論すれば便ち益有り。離は鶏と爲し雉と爲し、蟹と爲し蛇と爲し、色赤く味苦く、性熱にして氣香し。坎に遇えば、酒を請ふに因りて争執を起さん。巽に遇えば、亦不過幾樣の菜を炒むるのみ。
兌之為卦,其屬白金,其味辛而色白。或遠客暴至,或近交爭來。凡動物刀砧,凡味必有辛辣,凡包裡醃藏。其於暴也,為菲為菱;其於菜也,為蔥為韭。盛而有腥臭,旺而有羊鵝。坐間有潛越之人,或有歌娼之女。單則必然口舌,重則必然歡喜。生出多食,克出好事。
兌卦白金に屬し、其の味辛にして其の色白。あるいは遠方の客人突然して到來し、あるいは近處の相識争いて門に登る。およそ食する所の物皆刀砧の宰切を經、およそ口味必ず辛辣を帶び、およそ菜品多く是れ包裹腌藏の物。曬制の物に就きて説けば是れ菲菜と菱角。菜蔬に就きて説けば是れ葱と韭。卦氣盛なれば則ち腥臊の味有り、卦氣旺なれば則ち羊肉鵝肉有り。座間請わざるに自ら來り・次を越え僭坐するの人有り、あるいは歌女娼女の場に在る有り。卦中兌ただ一次出現すれば、必ず口舌を生ず。兩重出現すれば、反って必然に歡喜。生氣の外に出ずるは、喫するの多きを主る。克氣の外に出ずるは、好事有るを主る。
夫算其飲食,必須察其動靜。故動則有,靜則無。以體卦下卦為己卦,上為人卦。下為變為客,互之上為酒,下為食物。取象體之下為食何物,變為客體,下食之不終,生體下吉。互克體之不得食。他人克應亦難食。他人生,他人請,己生體生下,己請人。互受生後不計杯杓。上體受生客不計數。變生互,客有後至者;互生克,有先去者。取其日時,以互卦用矣。
飲食を推算するに、必ず卦の動静を察看するを須とす:卦動けば則ち喫するの得有り、卦静なれば則ち無し。象を取る時、體卦の所在する下卦を以て自己一方と爲し、上卦を以て他人一方と爲す。下卦變出する是れ客人、互卦の上一層は酒と爲し、下一層は食物と爲す。體卦の下一層に就きて象を取り、喫する所是れ何の東西なるかを看る。變卦は客方を代表し、もし變卦下を克せば、此の頓の飯便ち底に到りて喫し得ず。變卦體を生じ・下を生ぜば、則ち吉。互卦もし體を克せば、便ち喫し得上らず。他人一方の來りて應を克するは、も亦た喫到り難し。他人一方の來りて我を生ずるは、即ち是れ他人の請客。我此の邊の生じ出でて・體の下位を生ずるは、即ち是れ我の別人を請く。互卦生を受くる在後なれば、酒便ち多くて杯盞を數へ盡し難し。上卦(他人)生を受くれば、客人も亦た多くて數へ過ぐる能わず。變卦互卦を生ずれば、後到の客有るを主る。互卦生じて而るも克を帶ぶれば、先に走るの客有るを主る。至るに席に赴くの日子時辰は、便ち互卦の屬する所の卦氣を用いて以て取る。
觀物玄妙歌訣
觀物戲驗者,雖云無益於世,學者以此驗數,而知聖人作《易》之靈耳。物之於世,必有數焉。故天圓地方,物之形也;天玄地黃,物之色也;天動地靜,物之性也;天上地下,物之位也;乾剛坤柔,物之體也。
物を猜して樂を取るの驗法は、説くに世事に補無しと雖も、卻って《易》を學ぶ人をして此を借りて數理を驗證し、從りて聖人の《易》を作るの靈妙を知らしむる可し。物世間に在りて、必定に各々其の數有り。ゆえに天圓にして地方、此れ物の形狀。天玄にして地黄、此れ物の顔色。天動にして地静、此れ物の性情。天上に在りて地下に在り、此れ物の位置。乾剛にして坤柔、此れ物の體質。
故乾之為卦,剛而圓,貴而堅,為金為玉,為赤為圓,為大為首,為上之果物。見兌為毀拆,逢坎而沉溺,見離為煉煅之金,震為有動之物,巽為木果為圓,坤、艮土中之石,得火而成器。兌為劍鋒之銳,秋得而價高,夏得之而衰矣。
ゆえに乾此の一卦の主る所の物は、剛硬にして渾圓、貴重にして堅實:金と爲し玉と爲し、色赤く形圓く、形體大にして首位に居り、是れ上等の果實の物。乾もし兌を見れば、毀壞折損を主る。もし坎に逢えば、水中に沈沒するを主る。もし離を見れば、是れ熔煉鍛打を經たるの金器。もし震を見れば、是れ動くべきの東西。もし巽を見れば、是れ樹上の圓果。もし坤・艮を見れば、是れ土中の石頭、火の燒煉を得て便ち器皿と成る。乾兌并見すれば、是れ劍鋒の一類の銳利の物:秋天占い得れば價錢高く、夏天占い得れば便ち貶値す。
坤之為卦,其形直而方,其色黑而黃。為文為布,為輿為金。其物象牛,其性惡動。得乾乃可圓可方,可貴可賤。震、巽為長器,離為文章,兌為土中出之金,艮為帶剛之土石也。 震之為卦,其色玄黃而多青,為木為聲,為竹為萑葦,為蕃鮮及生形。上柔下剛,是性震動而可驚。得乾乃為聲價之物,得兌為無用之木,見艮山林間之石,見坎有氣之類,巽為有枝葉,見離為帶花。
坤此の一卦の主る所の物は、形狀平直にして方正、顔色黑中に黄を帶ぶ:花紋と爲し布帛と爲し、車輿と爲しても亦た金と爲す。其の物象是れ牛、性情移動を喜ばず。坤もし乾を得れば、便ち圓くも方くも可く・貴くも賤くも可し。震・巽を見れば、是れ細長の器具。離を見れば、是れ文彩章紋。兌を見れば、是れ土裏より挖出したるの金。艮を見れば、是れ剛硬質地を帶ぶの土石。 震此の一卦の主る所の物は、顔色玄黄にして多く青を帶ぶ:木と爲し聲響と爲し、竹と爲し萑葦と爲し、繁茂新鮮・生機勃勃の形と爲す。其上柔下剛、性情震動して人をして驚かしむ。震もし乾を得れば、是れ聲價有るの貴物。兌を得れば、是れ砍壞して用無きの木頭。艮を見れば、是れ山林の間の石頭。坎を見れば、是れ生氣有るの一類。巽を見れば、是れ枝葉を帶ぶ。離を見れば、是れ花を帶ぶ。
巽之為卦,其色白,其氣香。為草木,為剛為柔。見離為文書,見兌、乾為不用,乃遇金刀之物。坤、艮為草木之類,坎、兌為可食之物。為長為直,並震而春生夏長,草木之果蔬。 坎之為卦,其色黑,亦可圓可方物。為柔為腐,內則剛物。得之卑溼之所,多為水中之物。見乾亦圓,見兌亦毀。又乃汙溼,得震、巽而可食;離、水火既濟,假水而出,假火而成。又為滯於物,兌為帶口也。震、巽為帶枝葉,為帶花也。
巽此の一卦の主る所の物は、顔色白く、氣味香し:草木と爲し、あるいは剛あるいは柔。巽もし離を見れば、是れ文書の物。兌・乾を見れば、便ち廢物と成る、是れ金刀の砍斫に遭えりに因る。坤・艮を見れば、仍ほ是れ草木の一類。坎・兌を見れば、是れ喫し得べきの東西。巽の物細長にして筆直。震と并見すれば、則ち是れ春に生じ夏に長ずるの草木果蔬。 坎此の一卦の主る所の物は、顔色黑く、形狀も亦た圓くも方くも可し:外柔にして腐軟に近く、裏面卻って是れ堅硬の物。多く之を低窪潮濕の處に得、大半是れ水中の物。坎もし乾を見れば、も亦た是れ圓し。兌を見れば、も亦た毀損を主る。又た汙濁潮濕を主る。震・巽を得れば、則ち是れ喫し得べき。離を見て水火既濟と成れば、即ち是れ水を借りて出で・火を借りて成るの物。坎又た滯塞不通を主る。兌と并見すれば、是れ口を帶ぶの器物。震・巽と并見すれば、則ち是れ枝葉を帶び・花を帶ぶ。
離之為卦也,其色黃而青,體燥,其性則上剛下柔。為山石之物,土瓦之類,小石於大山,為門途之處。為物見乾而剛,兌而毀折,坤而土塊,巽為草之物,而震為木物類也。坎併為河岸之物,離併為瓦器,震、巽並見籬壁之物。 兌之為卦,其色白,其性少柔多剛。為毀折而下,全帶口而圓。見乾先圓後缺,見艮則金石廢器,見震、巽為剝削之物,見坎為水之類。得乾而多剛,得坤而多柔,長於西澤之內。於水中之類,得柔而成器也。
此の一條「離」と題して而るも説く所實は是れ艮象:其の色黄中に青を帶び、質地乾燥、性情上剛下柔。主る所是れ山石の物・土瓦の類、是れ大山上の小石頭、も亦た門戸と道路の處を主る。艮の物もし乾を見れば則ち更に剛硬、兌を見れば則ち毀折、坤を見れば則ち是れ土塊、巽を見れば是れ草類の物、震を見れば則ち是れ木類の物。坎と并見すれば、是れ河岸邊の東西。離と并見すれば、是れ瓦器。震・巽と并見すれば、是れ籬笆牆壁の一類。 兌此の一卦の主る所の物は、顔色白く、性情少柔にして多剛:毀壞折損にして低陷を主り、形體口を帶びて渾圓。兌もし乾を見れば、是れ先に圓整して後に殘缺。艮を見れば、是れ金石の做るの廢器。震・巽を見れば、是れ削剝せられたるの東西。坎を見れば、是れ水の一類。乾を得れば則ち剛に偏し、坤を得れば則ち柔に偏し、西方水澤の中に生長す。水中の物に屬するは、須く柔性を得てこそ器皿を做成すべし。
諸事響應歌
混沌開闢立人極,吉凶回應尤難避。 先賢遺下預知音,《皇極》《觀梅》出《周易》。 玄微浩瀚總無涯,各述繁言人莫記。 大抵體宜用卦生,旺相謀為終有益。 比和為吉克為凶,生用亦為凶兆矣。 問雨天晴無坎兌,亢旱言之終則是。 天時連雨問晴明,艮離賁卦回應耳。 乾明坤晦巽多風,震主雷霆定莫疑。 凡占人事體克用,諸事亨通須有幸。 比和為妙克為凶,又看其中體卦證。
混沌開闢し・天地間に人道の極を立起してより、吉凶の感應最も躲け開くべからず。 先賢未來を預知する此の套の法門を留下す、《皇極經世》と《觀梅數》皆《周易》の裏より出來せり。 其の中玄妙精微・浩瀚無涯、各家の所述繁多、人記して勝れ記えず、ゆえに編みて此の歌訣と成す。 大略に説いて:體卦は用卦の來りて生ずるを得るに宜しく、更に當令旺相を加えれば、謀る所の事終歸益有り。 體用比和は吉と爲し、用の來りて體を克するは凶と爲す。體の去りて用を生ずるも、亦た凶兆と算うる(氣を泄す)。 雨を問いて而るも卦中坎無く兌無ければ、即ち天の晴を放たんと説くべし、久旱雨無く、最後必定に應驗す。 天時連日雨を下して而るも何時に晴を放つかを問えば、卦中艮を見・離を見あるいは賁卦を得れば、即ち晴に轉ずるの囘應。 乾は晴明を主り、坤は陰晦を主り、巽多ければ則ち風大なり、震は雷を打つを主る、此れらの斷法遲疑するを要せず。 およそ人事を占うに、體卦用卦を克せば、諸事亨通・必ず僥倖の喜有り。 體用比和最も妙、用の來りて體を克せば則ち凶。此の外還って卦中體卦本身の旺衰を看て以て印證するを要す。
乾主公門是老人,坤遇陰人曰土應。 震為東方或山林,巽亦山林蔬果品。 坎為北方並水姓,酒貨魚鹽才取定。 離言文書爐冶利,亦日南方顏色亦。 艮為東北山林材,兌曰西方喜悅是。 生體克體亦同方,編記以為諸事應。 凡問家宅體為主,旺相須知進田土。 生用須云耗散財,比和家世安居處。 克體為凶決斷之,生產以體為其母。 兩宜生旺不宜衰,奇偶之中察男女。
乾は官府門路を主り、老人の身上に應ず。坤は則ち婦女に應じ、田土の應を主る。 震は東方を主り、あるいは山林の中に應ず。巽も亦た山林を主り、兼ねて蔬菜果品を主る。 坎は北方および姓中に水を帶ぶの人を主り、其の利酒貨と魚鹽に在り、此に據れば便ち以て斷を取る可し。 離は文書の利と爐冶の利を主り、も亦た南方を主り、兼ねて赤紫の顔色を主る。 艮は東北方と山林材木を主る。兌は西方と歡喜悦樂の事を主る。 體を生ずるの卦と體を克するの卦は、皆此の套の方位物類に照らして以て取り、編み記して以て諸事の應驗と作す。 およそ家宅を問うに、體卦を以て主と爲す。體卦旺相なれば、便ち田土を添進せんを知る。 體の去りて用を生ぜば、即ち家財耗散と説くべし。體用比和なれば、則ち家世安寧・居處安穩。 用の來りて體を克せば便ち凶と斷爲す。生産を占えば則ち體卦を以て母親と爲し、 母子兩方皆旺相を宜として・衰弱を宜とせず。再び爻數の奇偶の中より男を生ずか女を生ずかを察看す。
乾卦為陽坤為陰,又有來人爻內取。 陰多生女陽生男,此數分明具易理。 婚姻生用必難成,比和克用大吉利。 若問飲食和生體,必知餚饌豐厚喜。 生用克體飲食難,克用必無比和美。 坎兌為酒震為魚,八卦推求衰旺取。 求謀稱意是比和,克用謀為遲可已。 求名克用名可求,生體比和俱可取。 求財克用日有財,生體比和俱稱意。 交易生體及比和,有利必成無後慮。
乾卦陽に屬し、坤卦陰に屬す。此の外還って來りて問うの人および爻中の陰陽に就きて以て取る可し。 陰爻多ければ女を生じ、陽爻多ければ男を生ず、此の數目分明に《易》理を含む。 婚姻を占えば、體の去りて用を生ずれば必定に成り難し。體用比和あるいは體の用を克すれば、則ち大いに吉利。 もし飲食を問えば、用卦の來りて體を生ずれば、便ち必ず豊盛佳肴の喜有るを知る。 體の去りて用を生じ・あるいは用の來りて體を克せば、飲食便ち口に到り難し。體の用を克せば則ち根本に無く、比和こそ美滿。 卦坎・兌を見れば酒有るを主り、震を見れば魚有るを主り、其余八卦に按じて推求し、再び衰旺を看て斷を取る。 謀を求め心に稱う能くする是比和。體の用を克せば則ち謀事遲緩、も亦た還って過去し得。 功名を求むるに、體の用を克せば則ち名求め得べし。用の體を生じると比和と、も亦た皆取る可し。 財を求むるに、體の用を克せば則ち當日便ち財有り。用の體を生じると比和と、も亦た皆心に稱う。 交易の事は、用の體を生じるおよび比和、圖るべき利有り・必定に談じ成り、日后も亦た憂慮無し。
出行克用用生體,所至其方多得意。 坎則乘舟離旱途,乾震動則坤艮止。 行人克用必來遲,生體比和人即至。 成遠恆遲升不回,艮阻坎險君須記。 若去謁人體克用,速可追尋依卦斷。 相生比和終可尋,兌臨殘缺並井畔。 離為冶所及南方,坤主方器憑推看。 疾病最宜體旺相,克用易安藥有效。 比和凶則有救星,體卦受克為凶兆。 離宜服熱坎服冷,卦見坤土溫補亨。
出行を占えば、體の用を克するおよび用の體を生ずるは、去る所のあの一方多く心に稱い得意すべし。 卦坎を見れば船に坐るに宜しく、離を見れば旱路を走るに宜し。乾・震を見れば則ち身を動かして行を成し、坤・艮を見れば則ち走り得ず。 行人を占えば、體の用を克せば則ち囘來遲し。用の體を生じると比和とは、人馬上就に到る。 占い得て咸卦は人の遠方に在るを主り、恒卦は歸期の遲きを主り、升卦は一去囘らざるを主る。艮は阻を受くるを主り・坎は險有るを主り、此の幾條記え牢むるを要す。 もし人を拜訪し去れば、體の用を克せば則ち見るを得着く、以て急いで尋ね往く可し、卦に依りて斷ず。 相生と比和も亦た終歸尋ね得着く。卦中兌なれば、人便ち殘破の處あるいは水井の旁邊に在り。 離なれば則ち冶煉作坊および南方に在り。坤なれば則ち方形器物の處を主り、此れらに憑りて推尋す。 疾病を占えば、最も體卦の旺相を宜とす。體の用を克せば則ち病安き易く・藥を服して效有り。 體用比和なれば、凶の中にも亦た救星有り。體卦克せらるれば、即ち是れ凶兆。 卦離を見れば熱藥を服するに宜しく、坎を見れば凉藥を服するに宜しく、坤土を見れば則ち温補に宜しく、之を服すれば亨通。
亦把鬼神卦象推,震主嬌怪為狀貌。 巽為自縊井鎖枷,坤艮落水及血刃。 凡占公訟用宜克,體卦旺相終得理。 比和助解最為奇,非止全仗他人力。 若問墓穴在何地,坤則平陽巽林裡。 乾宜高葬艮臨山,離近人煙兌興廢。 比和生體宜葬之,克用尤為大吉利。 若人臨問聽傍言,笑語雞鳴亦吉美。 美物是為祥端推,略舉片言通萬類。
も亦た卦象を用いて以て犯す所の鬼神を推す可し:震は妖異怪誕を主り、種種の形貌を現出す。 巽は上に吊りて自盡し・井中に溺亡し・枷鎖に致命するの鬼を主る。坤・艮は水に落ちて死するおよび刀刃に死するの鬼を主る。 およそ官司を占うに、用卦體卦の克する所と爲るに宜し。體卦旺相なれば、終究能く理を占うるを得。 體用比和にして人の中より調解する有れば、最も奇妙、并に全く他人の力に靠るにあらず。 もし墓穴の何の地に選ぶべきを問えば:坤は平坦向陽の地を主り、巽は山林の中を主る。 乾は高處に葬るに宜しく、艮は山に靠るに宜しく、離は人煙の處に近きに宜しく、兌は則ち多く是れ興廢交替の地。 體用比和あるいは用の來りて體を生ずるは、皆安葬に宜し。體の用を克するは尤も大いに吉利。 もし人の當面に來りて問う有れば、還って旁人無意の話を聽くを要す:笑語・鶏鳴を聽到するも、も亦た皆是れ吉美の兆。 およそ美好の物を見到するは、皆以て據りて祥瑞を推出す可し。此處略々片言を擧ぐ、其余萬類以て類推すべし。
斷占總訣篇の三
諸卦反對性情
乾剛坤柔反其義,比卦歡欣困憂慮。 臨逢百物觀求之,蒙卦難明屯不失。 大畜其卦福之生,無妄若遇禍之始。 升者去而不復回,萃者聚而終不去。 謙卦自尊豫怠人,震則動而艮則止。 兌主外遇禍之藏,隨前坎後偷安矣。 剝體消爛復自生,蠱改前非而已矣。 明夷內朗又逢傷,晉主外明並通理。 益擬茂盛損象衰,咸速恆遲渙遠遁。
六十四卦兩兩相對して、性情正しく相反す、此の一篇正しく其の反對の義を取る。乾は剛健を主り・坤は柔順を主り、兩卦意義相反す。比卦は親附歡欣を主り、困卦は困窘憂慮を主る。 臨卦是れ高に居り下に臨み、百物皆來りて觀望し求取す。蒙卦は蒙昧明なり難きを主り、屯卦艱難なりと雖も其の守を失わず。 大畜是れ福氣積聚して生ず、无妄もし占い得れば反って是れ禍事の開端。 升卦は一去再び囘らざるを主り、萃卦は一處に聚まりて終に散去らざるを主る。 謙卦是れ自處卑下して反って人の尊を得、豫卦是れ安樂にして人をして怠惰ならしむ。震は動を主り、艮は止を主る。 兌は外に向かい歡悅して而るも禍患其の中に潛藏するを主り、隨卦前に在り・坎卦後に在り、ただ是れ苟且して安を偸む。 剝卦是れ形體消蝕腐爛、復卦是れ陽氣自ら囘生す。蠱卦は則ち從前の過失を改正するのみ。 明夷是れ內裏明朗にして外に在りて傷に遭う、晉卦是れ外面光明にして事理通達す。 益卦象を擬して茂盛、損卦象を取りて衰減。咸卦應驗快く、恒卦應驗遲く、渙卦遠く散じて遁去するを主る。
同人內親睽外疏,解卦從容蹇難啟。 離文美麗艮光明,遁退回身姤相遇。 大有曰眾豐曰多,坎卦履險震卦起。 需不進兮訟不寧,既濟一定無後慮。 未濟之卦男之終,歸妹之辭歸之始。 否遭大往而小來,泰卦大來而小去。 革去舊故鼎從新,小畜曰寡噬嗑食。 旅羈其外大過顛,夬卦分明曰快利。 要將字字考精詳,雜卦性情反對是。
同人は內裏親和、睽卦是れ外面乖離疏遠。解卦は舒緩從容を主り、蹇卦は艱難にして開局し難きを主る。 離は文彩美麗を主り、艮は篤實光明を主る。遁卦是れ身を退きて囘り、姤卦是れ期せずして相遇う。 大有の説くは所有者の衆なり、豐卦の説くは豊盛多く有り。坎卦是れ身險境を履み、震卦是れ奮起して動く。 需卦是れ等待して前せず、訟卦是れ争いて寧ならず。既濟是れ大局已に定まり、後顧の憂無し。 未濟是れ男子の事の終局に到る(陽陰位に居りて未成)、歸妹の卦辭の説く是れ女子嫁して家に歸るの始。 否卦是れ大き者往き・小さき者來る(陽去り陰來る)、泰卦是れ大き者來り・小さき者去る(陽來り陰去る)。 革是れ陳舊を革去り、鼎是れ新を取りて更始す。小畜の説くは畜する所の寡少、噬嗑の説く是れ咬合して食を進む。 旅卦是れ羈旅外に在り、大過是れ棟梁傾頹す。夬卦分明に説く是れ決斷快利。 此れら皆一字一字考究して精詳なるを要す——《雜卦傳》の講ずる所、正しく各卦性情相反相對するの道理。
物の類例を占う
凡看物數,看其成卦,觀其爻辭。如得乾,曰「潛龍勿用」,乃曰不可用之物;「見龍在田」,乃曰田中之物;「或躍在淵」,乃曰水中之物;「亢龍有悔」,乃廢物也。如得坤之「直、方、大」,乃曰直而方大之器物:「括囊無咎」,乃曰包裹之物;「黃裳元吉」,乃曰黃色衣服之物;「其血玄黃」,乃石物或逢石而破;「困于株林」,乃曰木物。又言爻辭,不言物類,而不能決者,須以八卦所屬之象察之。
およそ占う所の物を推算するに、成るは何の卦なるかを看て、再び動く所の爻の爻辭を看るを要す。譬えば乾卦を占い得れば:初九「潛龍勿用」は、便ち眼下的に用い得ざるの東西と説く。九二「見龍在田」は、便ち田裏の東西と説く。九四「或躍在淵」は、便ち水中の物と説く。上九「亢龍有悔」は、那れ即ち廢物なり。又た坤卦を占い得れば:六二「直・方・大」は、便ち又た直く又た方く又た大きの器物と説く。六四「括囊无咎」は、便ち包裹し起きたるの東西と説く。六五「黄裳元吉」は、便ち黄色の衣物と説く。上六「其血玄黄」は、便ち石頭、あるいは是れ石頭に碰上して破損せるの物と説く。もし困卦六三「困于株林」を得れば、便ち木質の物と説く。倘若爻辭ただ道理を講じて・物類に渉らざれば、此に據りて斷じ出す能わず、便ち須く八卦の屬する所の物象に改用して以て考察すべし。
又訣,體用斷物之妙,生剋制化之妙,於諸訣中此極為美驗。其所以生體者,為可食之物;克體者,為可近人之穢物。體生者,為不成之器;體克者,為破碎損折之物;比和者,乃有用成器之物,又生體象者為貴物,克體象者為賤物,所洩為廢物也。
另に一訣有り:體用を用いて以て物を斷ずるに、妙便ち生克制化の間に在り、諸般の口訣の裏頭此の一條最も靈驗。およそ來りて體を生ずるは、是れ喫し得べきの東西。來りて體を克するは、是れ身に近きの穢物。體の去りて它を生ずるは、是れなほ做り成らざるの器具。體の去りて它を克するは、是れ破碎損折の物。體と比和するは、則ち是れ用有るの成器の物。再者、體を生ずるの象は貴重の物と爲し、體を克するの象は低賤の物と爲し、體の泄する所と爲るの象は則ち是れ廢物。
又訣,凡算此數,以體卦為主,看其剛柔。用卦看其有用無用。體生方圓曲直,可作可用,如用生體,乃可食。用變互卦,看其色與數目。此互卦決其物之數目也。如互見乾、兌,決為一二之數。互見艮、坤,為七八之數也。但互卦重乾、重艮、重坤、重坎、重離之屬,皆是兩件。物乘旺,物數多,衰而物少。離為中虛之物,或空手無物。又決物之數者,如互艮卦,先天七數,後天亦不出八數之外。
再び一訣有り:およそ此の類の數を推算するに、體卦を以て主と爲し、其れが是れ剛か是れ柔かを看る。用卦を看て、此の東西の用有りや用無しを定む。體卦の生ずる所は、形狀あるいは方あるいは圓あるいは曲あるいは直、是れ做り能く用い能くの物。もし用卦の來りて體を生ぜば、那れ即ち是れ喫し得べし。用卦・變卦・互卦は則ち用いて以て顔色と數目を看る——數目主要に互卦に由りて決定す:互卦乾・兌を見れば、便ち一・二の數と斷ず。互卦艮・坤を見れば、即ち七・八の數。およそ互卦是れ重乾・重艮・重坤・重坎・重離の一類なれば、占う所の物皆是れ兩件。物卦氣の旺に逢えば則ち數目多く、卦氣衰なれば則ち數目少なし。離是れ中間空虚の象、空殼の物を主り、あるいは乾脆兩手空空にして何も有らず。再び説いて數を定む:譬えば艮卦を互出せば、先天數是れ七、後天數も亦た八此の數の外に跳出さず。
物數體と爲すの訣
凡算物數者,不但以體卦為體,凡卦之多者,皆可為體。如干金多,以金為體,則多剛;坤多以土為體,多柔。乾卦體卦乾而互又是乾。固曰:金為體而剛矣,便是圓健剛硬之物。非金非石,此為體矣。觀物有體互變卦,並無生旺之氣者,為不入五行物。觀物觀爻,如八卦中陽爻多,乃多剛之物;陰爻多,乃多柔之物。 又訣,觀物變在五六爻,多是能飛動之物。
およそ物數を推算するに、單に本卦の分ける所の體卦を以て體と爲すのみならず、およそ卦中に出現最も多き那一卦は、皆體と當てて看る可し。譬えば乾金多ければ、便ち金を以て體と爲し、占う所の物多半剛硬。坤土多ければ、便ち土を以て體と爲し、占う所の物多半柔軟。もし本卦の體是れ乾にして、互卦又た是れ乾なれば、那れ便ち更に斷定すべし:金を以て體と爲して性剛、必ず是れ又た圓く又た堅硬の東西——金にあらざれば即ち石、此れ即ち「多き者を以て體と爲す」。物を觀る時もし體・互・變各卦皆生旺の氣無ければ、那れ即ち是れ五行に入らざるの東西。物を觀るに還って爻を看るを要す:八卦の中陽爻多きは、是れ剛に偏するの物。陰爻多きは、是れ柔に偏するの物。 另に一訣有り:物を觀る時もし變爻第五爻・第六爻に在れば、多半是れ飛び能く動く能くの東西。
物を觀るに變爻を看て主と爲す
凡觀物,以變卦為主,應用之應驗也。如得乾,初爻變為巽,金刀削過之木物。二爻動,變為離,乃火中鍛鍊之金。三爻動,變為兌,乃毀折五金之器,雖圓而破處多也。
およそ物を觀り物を猜するに、變卦を以て主と爲すを要す、是れ變卦正しく當下應用の應驗の所在に因る。譬えば乾卦を占い得れば:初爻變ずれば則ち下卦巽と成り、是れ金刀に削られたるの木器。第二爻動けば則ち變じて離と成り、是れ火裏に鍛煉せられたるの金屬。第三爻動けば則ち變じて兌と成り、是れ毀壞折損の五金の器——形狀是れ圓なりと雖も、破損の處卻って少なからず。
物を觀る克應法
凡算物之成敗,又看體卦克應如何。成卦未決之際,有見圓物相遇,即斷圓物。見有負土者過,即斷為土中之物。見剛健之物,即言是剛健之物。見有柔腐之物,即言是柔腐之物。
およそ一件の東西の成毀を推算するに、還って體卦一邊の克應如何を看るを要す。便ち卦已に成りて而るもまだ斷定せざるの當口に在りて:もし恰好圓の東西に遇見せば、便ち占う所是れ圓物と斷ず。もし人の土を背負いて走り過ぐるを見れば、便ち是れ土裏の東西と斷ず。剛硬の物を見到せば、便ち是れ剛硬の物と説く。柔軟腐朽の物を見到せば、便ち是れ柔軟腐朽の物と説く。
物を觀る時に趣くの訣
凡算物,趣時察理,無有不驗。以春得震、離為花,夏得震為有聲之物,秋得兌為毀折成器之物,冬得坤為無用土物也。
およそ物象を推算するに、ただ當下の時令に順いて以て事理を體察せば、應驗せざる無し。譬えば春天震・離を占い得れば、便ち是れ花と斷ず。夏天震を占い得れば、便ち是れ聲を發し得べきの物と斷ず。秋天兌を占い得れば、便ち是れ毀折せられて已に器を做成せるの東西と斷ず。冬天坤を占い得れば、便ち是れ甚の用處も無きの土制の物と斷ず。
物を觀るに易を用いる例
有人以籠盛物者,算得地天泰之初變升,互見震、兌,曰此必是草木類而生土中也。色青根黃,當連根之草木也。蓋爻辭曰:「拔茅茹,以其匯。」乃曰:此乃乾根之草木也,視之乃草木連根,新採於土中也。互震為清色,兌為黃根也。
人の籠子を用いて東西を盛りて人に猜らしむ有り、「地天泰」を占い得て初爻變じて而るも「地風升」と成り、互卦に震と兌を見る。斷ずる者説く:此れ必ず是れ土裏に長ずるの草木の類、顔色青を發して根は黄を發す、當に是れ根に連なり帶ぶの草木なるべし。是れ泰卦初九爻辭の説く「拔茅茹、以其匯」(茅草を拔き、根須に連なりて一同に帶出す)に因り、ゆえに此れを帶根の草木と説く。打開して一看せば、果然是れ根に連なるの草木、剛に土裏より采り來れり。互卦震は青色を主り、兌(金に屬して色黄白)は黄色の根を主る。
又有以鍾覆物者,令占之,得火風鼎之雷風恆。乃曰:此有聲價氣勢之物,雖圓而今毀缺矣。其色白而可用。蓋其辭曰:「鼎玉鉉,大吉。」互見乾、兌,雖圓面毀也。開視之,乃玉絛環,果破矣。
又た人の鐘を用いて東西を扣住して人に占はしむ有り、「火風鼎」を占い得て「雷風恒」に變ず。斷ずる者説く:此れ是れ聲價有り・氣勢有るの東西、是れ圓なりと雖も、如今卻って已に毀損殘缺せり。顔色是れ白、還って用い得。是れ鼎卦上九爻辭の説く「鼎玉鉉、大吉」(鼎上の玉制の横杠、大いに吉)に因り、ゆえに是れ玉器を知る。互卦に乾と兌を見、乾圓にして兌は毀折を主る、ゆえに圓なりと雖も破れり。揭開して一看せば、果然是れ一隻の玉制の絛環、已に破れたり。
萬物戲驗
凡猜手中物,乾金為圓白之物。其色白,其性剛,為寶貨之物,有氣為無價物。坎為黑色,性柔,近水之物。又艮為土中之物,瓦石之類,有氣為成器之物,其色黃。逢兌克,無氣,折傷之物。又巽、震為竹木,有氣為有用之物,為可食之物;無氣為竹木之屬。遇兌之屬可食,當時之果物,色青。有氣柔,無氣剛。
およそ別人の手裏に握着するの東西を猜する:乾を占い得れば金に屬し、是れ又た圓く又た白きの物件、顔色白く・質性剛く、珍寶貨物の一類に屬す。もし卦氣力有れば、即ち是れ無價の寶。坎を占い得れば、顔色黑く、質性柔軟、是れ水に靠近するの東西。艮を占い得れば、是れ土裏の東西、瓦石の一類。卦氣力有れば即ち是れ已に做成せるの器皿、顔色黄を發す。もし兌金の克する所と爲りて而又た氣無からば、那れ即ち是れ折斷損傷の物。巽・震を占い得れば、是れ竹木の物。卦氣力有れば即ち是れ用有るの物・喫し得べきの物、卦氣力無ければ便ちただ普通の竹木の一類。もし兌之と相遇えば、則ち是れ喫し得べきの當令の果品、顔色青を發す。卦氣力有れば則ち質地軟く、卦氣力無ければ則ち質地硬し。
震、巽遇坎為汙溼物,或有氣;如無氣,為爛朽之木。離色亦,性柔,有水有木,而火焚之,必炭之類。有氣,為價值可貨之物。坤為土中之物,色黃而性溫。兌為毀折之物,帶口。凡占物,以春震巽、夏離、秋乾兌、冬坎皆當以為可用之物,成器之物。否則為無用之物。值六虛沖破,則必無物而空手矣。
震・巽もし坎に遇上せば、即ち是れ又た臟く又た濕れるの東西。卦氣なほ力有れば還って罷む、もし氣無からば、那れ即ち是れ腐爛朽壞の木頭。離を占い得れば、顔色赤く(原文の「色亦」は即ち色赤)、質性柔し。もし卦中既に水有り又た木有りて而るも火に燒過せられれば、那れ必是れ木炭の一類。卦氣力有れば、即ち是れ錢に値して賣る可きの物。坤を占い得れば、是れ土中の物、色黄くして性温和。兌を占い得れば、是れ毀壞折損の物、しかも口を帶ぶ。およそ物を占うに、春天震・巽を得、夏天離を得、秋天乾・兌を得、冬天坎を得れば、皆當に是れ用い得べきの物・已に器を成せるの物と斷爲すべし。時令に合せざるは、即ち是れ無用の物。もし正しく六爻虚位の衝破せらるるに碰上せば、那れ便ち必定に何も有らず、是れ空手一隻。
斷占總訣篇の四
占卜十應訣
凡占卜,以體卦為主,用為事應,固然矣。但體卦既為主,用互卦相應,參看禍福。然今日得此一卦,體用互變中決之如此;明日復得此卦,體用一般,豈可又復以此決之?然則若何而可?必得十應之說而後可也。蓋十應之說,有正應、互應、變應、日應、刻應、外應、天時應、地理應、人事應、所謂十應也。
およそ占卜は體卦を以て主と爲し・用卦を以て占う所の事の應と爲す、此れ自然錯無し。既に體卦を以て主と爲せば、便ち用卦・互卦を拿りて來りて相應し、禍福を參看す。しかるに今天此の一卦を得、體用互變の中より此のように斷成し。明天又た同一の卦を得、體用も亦た一樣なれば、豈に還って舊に照り此のように斷ぜんや。那れ則ち如何に辦じてこそ好けん。非ず「十應」此の套の説法を懂得せざれば可ならず。所謂十應とは、即ち正應・互應・變應・方應・日應・刻應・外應・天時應・地理應・人事應此の十種(原文「方應」一目を脫す、下文條を分けて具に列す)。
夫正應者,正卦之應也。互應者,互卦之應也。變應者,變卦之應也。此二卦之訣也。占者俱用之以斷吉凶矣。至於諸應之理,人有不知者,故必得諸用之訣,卦無不驗。不得其訣而占卜吉凶,或驗或不驗矣。得此訣者,宜秘之。
所謂正應とは、是れ本卦(正卦)上の應。互應は、是れ互卦上の應。變應は、是れ變卦上の應——此の幾項是れ內卦の口訣、占者本來便ち皆其れらを用いて以て吉凶を斷ず。至るに其余各種の「應」の道理は、甚多くの人之を知らず。ゆえに必ず此の幾項の應用の口訣を皆掌握せざれば、卦を斷ずるに靈驗せざる無し。此の套の口訣を懂得せずして吉凶を斷ぜんと往けば、便ち時に準く時に準からず。此の套の口訣を得る人は、當に祕して之を守るべし。
正應 正應者,即體用二卦決吉凶。 互應 互應者,即互卦中決吉凶。 變應 變應者,即變卦中決吉凶。
「正應」とは、便ち體・用兩卦上に在りて吉凶を決斷す(體は我と爲し、用は事と爲し、兩者の生克比和を看る)。 「互應」とは、便ち互卦上に在りて吉凶を決斷す(互卦は事情進行の中段を主る)。 「變應」とは、便ち變卦上に在りて吉凶を決斷す(變卦は事情の結局を主る)。
方應
方應者,以體為主,看來占之人在何方位上,即看其所坐立之方位。宜生體卦,又宜與體比和,則吉;如克體卦則凶,如體卦生之,亦不吉矣。
「方應」とは、是れ體卦を以て主と爲し、來りて占う人の哪の方位上に處するかを看る、亦た即ち其の坐する所あるいは立つ所の方位の哪の一卦に屬するかを看る。此の方位の卦は來りて體卦を生ずるに宜しく、あるいは體卦と比和するに宜しく、則ち吉。もし它體卦を克せば則ち凶。もし反って體卦をして去りて它を生ぜしむるを要せば(體の氣を泄す)、も亦た不吉。
日應
日應者,以體卦為主,看所占屬何卦,及體卦與本日衰旺如何。蓋卦宜生體,宜比和;不宜克體,亦不宜體卦生之也。本日所屬卦氣如寅卯木、巳午火、申酉金、亥子水、辰戌丑未土也。
「日應」とは、是れ體卦を以て主と爲し、占う所の卦の何の五行に屬するかを看、および體卦の占卜當日に在りて是れ旺か是れ衰かを看る。當日の卦氣は來りて體を生ずるに宜しく・體と比和するに宜しく、體を克するに宜しからず、も亦た體卦をして去りて它を生ぜしむるに宜しからず。當日の屬する所の卦氣便ち地支に按じて定む:寅卯は木に屬し、巳午は火に屬し、申酉は金に屬し、亥子は水に屬し、辰戌丑未は土に屬す。
刻應
刻應者,即三要之訣也。占卜之頃,隨所聞所見吉凶之兆以為吉凶之應。
「刻應」とは、即ち前面《三要靈應篇》の講ずる所のあの套の口訣:占卜するあの一刻に在りて、耳中の聞く所・眼中の見る所の吉兆凶兆に隨い、拿りて來りて吉凶の應驗と作す。
外應
外應者,外卦之應也。占卜之際,偶見外物之來者,即看其物屬何卦。如火得離、水得坎之類。如見老人、馬、金玉圓物,得乾。見老婦、牛、土瓦物,得坤之類。 又如見此者,為外應之卦。並看其卦與體卦生克比和之理,以決吉凶。
「外應」とは、即ち外卦上の應。占卜する時、偶然外物の過來を見れば、便ち此の東西の哪の一卦に屬するかを看る:火を見れば便ち離を得、水を見れば便ち坎を得。老人・馬・金玉圓物を見到せば便ち乾を得。老婦・牛・土器瓦器を見到せば便ち坤を得、其余類推す。 およそ此のように見到するは、即ち是れ外應の卦。再び此の一卦と體卦の間是れ生か・是れ克か・還って是れ比和かを看て、據りて以て吉凶を決斷す。
天時應
天時之應,占卜之際,晴明為離,雨雪為坎,風為巽,雷為震。如離為體,宜晴。坎為體,宜雨。巽為體,宜風。震為體,宜雷。火見雷為比和,參之生克,以定吉凶。
「天時應」とは、是れ占卜當時の天象:天の晴れ明朗なるは離に屬し、雨の下り雪の落つるは坎に屬し、風の刮くは巽に屬し、雷の打つは震に屬す。もし體卦是れ離なれば、便ち天の晴るるを宜とす。體卦是れ坎なれば、便ち雨の下るを宜とす。體卦是れ巽なれば、便ち風の刮くを宜とす。體卦是れ震なれば、便ち雷の打つを宜とす(皆是れ同氣相求)。又た體卦火に屬して而るも雷に遇上するがごとき(震木は火を生ず)、も亦た相得と算う。總じて生克の理を參合して以て吉凶を定む。
地理應
地理之應,占卜之時,在竹林間,為震、巽之地;在江河溪澗池沼之上為坎;在五金之處為乾、兌之鄉;在窯灶爐火之所為離;在土瓦之所為坤、艮,併為體卦,論生克比和之理以訣之。
「地理應」とは、是れ占卜時の處する所の地方:竹林の間に在れば、震・巽の地に屬す。江河・溪澗・池沼の上に在れば、坎に屬す。金屬堆聚の處に在れば、乾・兌の鄕に屬す。窯灶爐火の所に在れば、離に屬す。土器瓦器の所に在れば、坤・艮に屬す。此の地方の卦を把りて體卦と一幷に合看し、其の生克比和を論じて以て決斷す。
人事應
人事之應,即三要中人事之克應也。蓋占卜之際,偶遇人事之吉為吉,偶遇人事之凶為凶。如聞笑語,主有吉慶之事;遇哭泣,主有悲愁之事,又以人事之屬於卦者論之:老人為乾,老婦為坤,少男為艮,少女為兌。並看此人事之卦與體卦生克比和,以決吉凶。
「人事應」とは、即ち《三要》の裏の説く所の人事上の克應。占卜の際、偶然吉利の人事に遇上せば便ち吉と斷じ、凶惡の人事に遇上せば便ち凶と斷ず:笑語を聽聞すれば、吉慶の事有るを主る。哭泣に碰上すれば、悲愁の事有るを主る。此の外還って人事の屬する所の卦に按じて以て論ず可し:老人は乾に屬し、老婦は坤に屬し、少男は艮に屬し、少女は兌に屬す。再び此の人事の卦と體卦是れ生か是れ克か還って是れ比和かを看て、據りて以て吉凶を決斷す。
此十應之理,凡占卜之際,耳聞目見以決吉凶,並以體卦為主,而詳見生克比和之理。如占病症,互變中俱有克體之卦,而本卦中又無生體之卦者,斷不吉也。又看體衰旺,若體旺則庶幾有望,體衰則無復生理。如是,又看諸應有生體者,險中有救;有克體則不可望安矣。其餘占卜,並以類推之。
此れ即ち十應の道理:およそ占卜の際、耳聞目見を用いて以て吉凶を決す、一概に體卦を以て主と爲し、其の間の生克比和の理を細看す。譬えば疾病を占うに、もし互卦・變卦中皆體を克するの卦有りて、而るも本卦中又た體を生ずるの卦無ければ、便ち不吉と斷爲す。再び體卦の衰旺を看る:體旺なれば還って幾分の指望有り、體衰なれば便ち再び生理無し。此のようにして後、還って各種の外應の中に體を生ずるの有るや無きやを看るを要す——體を生ずるの有れば、即ち是れ險中に救有り。もし外應も亦た來りて體を克せば、那れ便ち病の能く好なるを指望する莫れ。其余各類の占卜は、皆此のように照らして類推す。
事を論ずる十大應(日辰の祕文を論ず)
一行:問官事,屬木,旺木有文書;屬火,有官司;財金,財有至。有客至問病,人火潮熱,金水米漿。 二立:官司不發,木土無金,大小口舌,病不凶。財水土,有貴人至,文書發動。 三坐:問官司,有訟不成。主財屬火,主和勸。金敗財,木得財。病卻月,又有犯林木神,有禍不凶。
此の一節は來人當時の十種の擧止姿態に按じて事を斷じ、日辰の五行と合參す。 第一種、來人正に行走中:官司を問えば、卦氣木に屬して而るも木旺なれば、文書の來往有るを主る。火に屬せば、便ち真に官司有り。金に屬せば、則ち財の將に到らんを主る。もし客の來りて病を問う有れば、火に逢えば潮熱を發するを主り、金に逢い水に逢えばただ米湯を進むる些かを主る。 第二種、來人立つ:官司發作し起らず。卦中に木有り土有りて而るも金無ければ、ただ是れ些かの大大小小の口舌、病も亦た凶ならず。水に屬し土に屬すれば財を得るを主り、貴人の到來有り、文書も亦た動静有り。 第三種、來人坐す:官司を問えば、訴訟有りと雖も告げ成らず。財を主る一項もし火に屬せば、則ち人の中より和を勸むる有り。金に屬せば則ち財を破り、木に屬せば則ち財を得。病を問えば則ち病期一箇月を拖過せんとす、又た是れ林木の神を衝犯せり、禍有りと雖も而るも凶に至らず。
四臥:問官司側睡者,欲起必作,主陰人事。金有財,火事發破財。土水無財難就。土木有財。 五擔:官司被人自驚,與面說人成口舌。問信見水土得財。金木客至。病有犯,四肢沉重不能起。 六券:官司不成,火有財,水土有災。心下不安,有貴人,主口舌,不凶。
第四種、來人躺く:官司を問えば、もし是れ側身して臥せば、一旦身を起せば官司必定に發作し、しかも多く婦女に因りて起る。金に屬すれば財有るを主り、火に屬せば則ち事情發作して財を破り、土に屬し水に屬せば則ち財無く・事も亦た成り難し、土木相配してこそ財有り。 第五種、來人擔子を挑ぐ:官司是れ人に嚇唬せられて出來せるの虚驚、當面人と理論すれば反って口舌に鬧成す。消息を問えば、水に逢い土に逢えば財を得べく、金に逢い木に逢えば則ち客人の到る有り。病を問えば則ち是れ衝犯有る所、四肢沈重・身を起し得ず。 第六種、來人身子を蜷曲す(原文「券」と作る):官司告げ成らず。火に屬すれば財有り、水に屬し土に屬せば則ち災有り。心裏安寧ならず、但だ貴人の相助有り。口舌を主ると雖も、卻って凶と算えず。
七裹頭:官司立見口舌。火,大官司;水土比和。財無,小人分上。口舌嘔氣。病主陰人小口災。 八跣足:官司破財,外人欺,心下驚慌。火主破財,土不凶。病有孝至。 九喜:官司自己無主,外人有請,勸官司。有酒肉,別人事。口舌紛紛,求財不許。不凶。 十怒:官司主外人欺凌,不見官,主破財。倚人脫卸,火驚病凶。
第七種、來人頭を裹着す:官司立刻に口舌を見る。火に屬せば則ち是れ大官司、水に屬し土に屬せば則ち彼此相安す。財上是れ有る無く、事情多く小人の身上に出で、口舌の外還って一肚の悶氣を生ずるを要す。病を問えば則ち婦女小孩に災有るを主る。 第八種、來人脚を赤くす:官司財を破るを要し、外人に欺負せられ、心裏驚慌す。火に屬せば財を破るを主り、土に屬せば則ち凶ならず。病を問えば喪事孝服の到來有るを主る。 第九種、來人面に喜色を帶ぶ:官司上自己主意を拿定し得ず、外人の出面して邀請し・中より勸解する有り。席上に酒有り肉有るも、卻って是れ別人の事。口舌紛紛として斷えず、財を求めれば則ち許さず。總じて説くに凶ならず。 第十種、來人滿面怒容:官司は外人に欺凌せらるるを主り、即便官に到らずとも、も亦た財を破るを主る。別人に倚仗して自己の爲に脫卸せんと想えば、火に逢えば則ち驚を受け、病を問えば則ち凶。
卦應(前の八卦類象と、大同小異、觀る者以て互いに參す可し)
乾為天、為圓、為君、為父、為首、為金、為玉、為寒、為冰、為大赤、為良馬、為老馬、為瘠馬、為駁馬、為木果。《九家易》云:「為龍、為直、為衣、為言。」如姤、遁、否、履、無妄、訟、同人七卦,乾在上,剛在外。如大有、泰、大壯、夬、需、大畜、小畜七卦,乾在下,剛於內。
此の一節の列する所即ち《説卦傳》の卦象、前面の八卦類象と大同小異、彼此以て參看すべし。 乾は天と爲し、圓と爲し、君と爲し、父と爲し、頭と爲し、金と爲し、玉と爲し、寒と爲し、冰と爲し、大赤色と爲し、良馬・老馬・瘦馬・毛色斑駁の馬と爲し、樹上の果實と爲す。《九家易》另に幾象を補して説く:乾又た龍と爲し、直と爲し、衣と爲し、言と爲す。およそ姤・遁・否・履・无妄・訟・同人此の七卦は、乾皆上卦に在り、是れ剛外に在り。およそ大有・泰・大壯・夬・需・大畜・小畜此の七卦は、乾皆下卦に在り、是れ剛內に在り。
乾坤剛柔,四發變八,惟六動隨時有異,不拘於一。乾性溫而剛直,位西北,不居子午而居戌亥。附於禮王,則為剛善,為明;不附於禮法,則為剛惡,為兇暴。
乾は剛を主り・坤は柔を主り、四象に由りて再び發して變じて八卦と成る。ただ是れ六爻時に隨い動く可く、情狀各々異なり、一端に拘執すべからず。乾の性情温和にして剛正、方位西北に在り。其れ正南正北の子午に居らずして、而るも戌亥の間に居る。乾の剛もし禮法に依附し・王道に歸すれば、便ち剛にして善・剛にして明と成る。もし禮法に依附せざれば、便ち剛にして惡と成り、流れて凶暴と爲す。
天文:雪、老陽。 天氣:寒。 凶盜:軍弓手、賊、強橫、停尸。 官貴:朝貴、鹽司、大守、座主。 身體:頂、面頰、頄輔。 性情:剛健正直、尊重、好高、戰吉。 聲音:正、清、商。 信音:朝信改、召命、薦舉、關升、義親。 事意:上卦為形象之家,下卦為強橫之輩。 疾病:於太陽脈弦緊,天威所罰、上壅目熟、寒熱。 附藥:丸子。
以下再び門を分かちて乾の事に應ずるを列す。 天文を論ずれば、乾は雪を主り、老陽の象と爲す。 天氣を論ずれば、乾は寒冷を主る。 凶盜を論ずれば、乾は軍中の弓手・賊寇・強横の徒、および停放の屍體を主る。 官貴を論ずれば、乾は朝中の顯貴・鹽務の官司・太守、および主考の座主を主る。 身體を論ずれば、乾は頭頂・面頬と顴骨を主る。 性情を論ずれば、乾は剛健正直・莊重自持・志向高遠を主り、出戰すれば則ち吉。 聲音を論ずれば、乾の音端にして正しく清亮、五音商に屬す。 音信を論ずれば、乾は朝廷より來るの信息の改動有るを主り、徵召の命・薦擧の文・升轉關文、および結義聯姻の事を主る。 事意を論ずれば、乾上卦に在れば體面形象有るの人家を主り、下卦に在れば則ち強横の輩を主る。 疾病を論ずれば、乾は太陽經脈の弦緊を主り、是れ上天威罰の致す所、症は上部壅塞・目赤腫熱・寒熱往來を見る。 附する所の藥を論ずれば、乾は丸劑を主る。
坤為地、為母、為布、為釜、為吝嗇、為均、為子母牛、為大輿、為文、為眾、為柄、其於地也為黑。 震為雷、為龍、為玄黃、為旉、為大塗、為長子、為決躁、為蒼筤竹、為萑葦、其於馬也、為善鳴、為□足、為作足、為的顙、其於稼也、為反生、其究為健、為蕃鮮。
坤は地と爲し、母親と爲し、布帛と爲し、鍋釜と爲し、吝嗇と爲し、均平と爲し、母子相隨の牛と爲し、大車と爲し、文彩と爲し、衆多と爲し、器物の把柄と爲す。地色に就きて言えば黑と爲す。 震は雷と爲し、龍と爲し、玄黄の色と爲し、花の開き敷布するの象と爲し、大路と爲し、長子と爲し、果決躁動と爲し、青嫩の竹子と爲し、萑葦と爲す。馬に就きて言えば、善く鳴叫するの馬・後足白色の馬(此の字原本殘缺)・足を擧げ高く抬くの馬・額上に白斑有るの馬と爲す。莊稼に就きて言えば、倒生反長の物と爲す。推究し到底せば則ち剛健と爲し、繁茂鮮活と爲す。
巽為木、為風、為長女、為繩直、為工、為白、為長、為高、為進退、為不果、為臭、其於人也、為寡髮、為廣顙、為多白眼、為近利市三位、其究為躁卦。 坎為水、為溝瀆、為隱伏、為矯輮、為弓輪、其於人也、為加憂、為心病、為耳痛、為血卦、為赤、其於馬也、為美脊、為亟心、為下首、為薄蹄、為曳、其於輿也、為多眚、為通、為月、為盜、其於木也、為堅多心。
巽は木と爲し、風と爲し、長女と爲し、繩墨のごときの筆直と爲し、工匠と爲し、白色と爲し、細長と爲し、高と爲し、進退不定と爲し、猶豫して果ならざると爲し、氣味と爲す。人に就きて言えば、頭髮稀少・額頭寬廣・眼白偏多の人と爲し、賣買を做して三倍の利を得べき者と爲す(原文の「三位」は當に「三倍」と作るべし)。推究し到底せば則ち躁動の卦と成る。 坎は水と爲し、溝渠と爲し、隱伏潛藏と爲し、揉曲矯直と爲し、弓と車輪と爲す。人に就きて言えば、多憂愁と爲し・心病と爲し・耳痛と爲し、血卦と爲し、赤色と爲す。馬に就きて言えば、脊背美好の馬・性子急の馬・頭を低くするの馬・蹄薄の馬・腿を拖いて走るの馬と爲す。車に就きて言えば、多災多難と爲し、又た通達と爲し、月亮と爲し、盜賊と爲す。樹木に就きて言えば、堅硬にして木心多きの木と爲す。
離為火、為日、為電、為中女、為甲冑、為戈兵、其於人也、為大腹、為乾卦、為鱉、為蟹、為蠃、為蚌、為龜、其於木也、為科上槁。 艮為山、為徑路、為小石、為門闕、為果蓏、為閽寺、為指、為狗、為鼠、為黔喙之屬、其於木也、為堅多節。 兌為澤、為少女、為巫、為口舌、為毀折、為附決、其於地也、為剛滷、為妾、為羊。
離は火と爲し、太陽と爲し、閃電と爲し、中女と爲し、盔甲と爲し、戈矛兵器と爲す。人に就きて言えば、大腹の人と爲す。又た乾燥の卦と爲し(原文「干卦」と作る)、鱉と爲し・蟹と爲し・螺と爲し・蚌と爲し・龜と爲す。樹木に就きて言えば、中間空虚にして上端枯槁の木と爲す。 艮は山と爲し、小路と爲し、小石と爲し、門闕と爲し、木本と草本の果實と爲し、門を看るの寺人と爲し、手指と爲し、狗と爲し、老鼠と爲し、嘴の黑色を呈するの鳥獸と爲す。樹木に就きて言えば、堅硬にして枝節多きの木と爲す。 兌は沢と爲し、少女と爲し、巫祝と爲し、口舌と爲し、毀壞折損と爲し、依附決裂と爲す。土地に就きて言えば、剛硬の鹽鹵の地と爲す。又た妾と爲し、羊と爲す。
