易冒
本書は新安(今の安徽歙県)の人程良玉の撰著で、彼は五歳の時天然痘を患って失明したため、自ら「瞽目」と署した。銭唐(今の浙江杭州)の人胡介・号…
六爻納甲典籍
まず体例書で装卦の手順を握り、それから卦例集へ進む。取用神は断法全体の要となる一手であり、書ごとの処理の違いを対照する価値がある。
新安瞽目程良玉著,錢唐旅堂胡介定。
本書は新安(今の安徽歙県)の人程良玉の撰著で、彼は五歳の時天然痘を患って失明したため、自ら「瞽目」と署した。銭唐(今の浙江杭州)の人胡介・号は旅堂なる者が点定して付梓した。「定」とは删削点校の意である。
易冒王序
餘在長安時,即聞程君元如賢,後十年而始得訪君於家,元如辭以疾,餘因鬍子旅堂為介紹,過從者再,元如始出。聆其言論,蓋君平公時之流也。自時厥後,餘數過其家,元如雖臥病,必強起為餘坐談弗倦。一日謂余曰:吾五歲而瞽於痘,不能習舉子業,學醫不成,始學易;初從星元先師遊,晚遇枯匏老人,互相質證,有所悟,命人筆記,歷年成書,而但慮辭多煩冗,意或重複,因托旅堂為餘商訂,書成公其為我序之。
私が京城に任職していた頃、程元如先生が賢能であると聞いていた。十年の後、やっとその家に訪ねることができた。元如は初め病をもって辞したが、私が胡旅堂先生の紹介を得て二度往き来すると、元如はやっと出て会ってくれた。その談論を聞いて、彼が漢代の厳君平の流の隠者であることを知った。それ以後私はたびたび門に登り、元如は病床に臥しながらも、必ず無理に起きて私と長談して倦むことを知らなかった。ある日彼は私に言った。私は五歳で天然痘を患い両目を失明し、常人のように科挙の業を習うことができず、医を学んでまた成らず、ここに転じて《易》を学んだ。初めは星元先師に随いて游學し、晩年に枯匏老人に遇い、彼此に質疑し印证して悟るところがあり、人に代筆させて記録し、年を積み月を累ねてこの書を成した。ただ文辞が繁冗に過ぎ、意あるいは重複するを慮り、ゆえに胡旅堂に托して我のために去取を商定せしめた。書成りて世に公にせんとするに、どうか序を作ってほしい。
餘應諾。未幾旅堂歿,余竊慮無有贊助此書於成者矣。元如益傷悼痛哭,病日深,餘往問疾,不能出,然猶異其必起也。無何而元如亦下世矣,嗚呼痛哉!甫浹旬,有人衣縗絰衣,面深墨,持易冒一書,長跪而涕泣曰:吾父易簀時,執手叮嚀,謂所著書為我也,序者必楚中王先生,我是以恪遵遺命,來求先生,先生幸勿辭。餘聞其言而悲,又何忍辭。
私は承諾した。まもなく胡旅堂が世を去り、私は密かに憂えた。もう彼のためにこの書を成し得る者がいないと。元如はこれにますます悲痛に哭泣し、病勢は日ごとに重くなった。私は見舞いに赴いたが、彼はもう屋を出て会うこともできず、私はなお彼が必ず愈えると望んでいた。まもなく元如もまた世を去り、実に痛惜すべきことであった。ちょうど十日を過ぎた頃、粗麻の喪服を身に纏い、面色黎黒の者が、一編の《易冒》を捧げて長跪し涙を流して言った。我が父は終の際(「易簀」は曽子が終に席を換えた故事を用う)、私の手を握りて重ねて叮嚀し、この書は我のために作られたもので、序を作る者は必ず楚の王先生を請えと言い残した。私はゆえに遺命を恪遵し、前に来りて先生に懇請する、どうか決して辞さないでほしいと。私はこの言葉を聞いて甚だ悲愴で、どうして辞するに忍びよう。
余竊嘆易學至今日,不絕於不學易,而絕於學易者,恆多矣。夫學易宜未絕也,絕於不易,其易而竊異端之術以為易,其為絕也,孰甚焉。程子傳易,本之王弼,弼則出之費直,朱子本義,本之呂伯恭,古易則本之田何,未嘗以非易言易也。
私は窃かに嘆息する。易学が今日に至るまで、決して《易》を学ばぬ者の手で断送されたのではなく、却って常に《易》を学ぶ者の手で断送されてきた。《易》を学ぶは本来易学を断絶せしむべきではないのに、悪いのは学ぶ所が《易》にあらざること——異端の方術をもって《易》に冒充する、この断絶はこれより甚だしきがあろうか。宋代の程頤は《易》を伝え、魏人王弼に取法した。王弼の学はまた漢人費直に出づ。朱熹は《周易本義》を作り、呂祖謙(字は伯恭)に取法したが、呂氏の定めた古本《易》は、また漢初に《易》を伝えた田何に本づく。歴代の大儒は未だかつて《易》ならざるものをもって《易》を講じたことがない。
元如之學易也,謂其辭有盡而其象無窮,每占一卦,觀其爻象貞悔陰陽動靜,而人之終身吉凶悔吝洞若觀火,以是聲名藉甚,甚有越千里以來求一言而去者。而元如益不敢自多也,日惟觀象玩占以自體驗。
元如の《易》を研治するは、卦爻辞は有限にして卦象の変化は無窮なりと主張した。彼が一卦を占うごとに、ただ爻象の「貞」(内卦・本卦)と「悔」(外卦・変卦)を看、その陰陽・動静を審らかにすれば、一人の一生の吉凶悔吝は火を観るがごとく明白であった。ゆえにその名声は極めて大きく、千里を遠行してただ彼の一句の断語を求めて去る者すらあった。而るに元如は却っていよいよ自満せず、毎日ただ卦象を観察し占例を玩味して、もって自ら学ぶ所を印证した。
嗟乎,吾黨有人致身通顯,侈然以名士自居,人有舉其所治經大義以問,而尚不能默數其章句者,況能悉意義之精微乎?元如之所以不可及也。且今日之患,學士大夫以通經學古為迂,而好馳騖於詞章聲華,以鳴得意。即學易者不泥於數,則拘於理,未有得於意,言象數之外者。夫儒者不能傳其易,而使傳易者乃在一肓廢之人,是尤可悲也。
嗚呼、我々の輩のうち、ある者は高官顕位に至りて、大様に名士を以て自ら任じ、他人がその本経の大義をもって問えば、章句すら誦することができず、いわんやその精微の義理を領会せむや。これまさに元如の旁人に高出る所なり。当今の病は、士大夫が経を通じ古を学ぶを迂腐と看なし、却って辞章声名を追逐して自ら鳴るを得とするに在り。《易》を学ぶ者に至っても、象数に死抠するか、義理に拘泥するかで、真にその意を得て象数の外に一言を出す者なし。儒者自ら《易》を伝え得ず、却って両目失明の廃疾の人をして《易》を伝えしむとは、これ更に悲しむべきなり。
已書將成,旅堂與元如相繼殂謝,人以為奧義密理,不能為天地秘藏,或其洩機已甚。余謂學易寡過,思慮所及,通於鬼神,未聞天道禁人之覺酣於義理也。書將成而溘然長逝,亦朝聞夕可之義也哉,不然元如之終也,語不及私,拳拳以此書為念,豈好名哉?其平日心力之所至,竊恐後世不得其傳,故不自為慮,而為人慮也。然則元如諄切屬餘之意於是乎,慰矣。康熙三年仲秋楚江安史氏王澤弘撰。
書まさに成らんとするに及んで、旅堂と元如は相継いで世を去った。ある人はこれを、書中の奥義密理はもともと天地の秘蔵を容れず、あるいは天機を洩らすこと過ぎたるによると思う。私は思うに、《易》を学ぶは過ちを減ぜんがためであり、思慮の及ぶ所は鬼神に通ず。天道が人の義理に沈酣するを禁ずとは未だかつて聞かざるなり。書まさに成らんとして溘然として逝くは、正に孔子の「朝に道を聞かば夕に死すとも可なり」の意に合うのであろう。さもなくば、元如が終の時、私事を一句も言わず、念々忘れざるはただこの書のみとは、名を好むがためであろうか。彼は平生の心力の在る所が後世に流伝を得ざるを惧れたのであり、ゆえに自らのために計らず、ただ人のために計らったのだ。このように観れば、元如が私に序を作らむことを懇切に托した心は、ここに至ってまた慰められる。康熙三年(公元一六六四年)仲秋、楚江安史氏王沢弘撰。
易冒顧序
嘗閱史至管公明善易者,不論易之說,謂是答何鄧之邙訑言耳,今觀程子著書而始信。夫程子垂簾虎林市上,辨吉凶論悔吝無非易也,而易冒一書,則不盡論易,無非易者理從易出,易之外無理。不盡論易者,易從數顯,數之用非易,然則何云易冒哉?悉是書者,可以善易,書蓋為易而說也。
私はかつて史書を読み、三国の管輅(字は公明)が《易》に精しくして《易》説を談らざるに至り、人は彼が何晏・鄧颺に答えた語をただ夸誕の辞に過ぎぬと言っていた。今程元如の著書を見て、初めて管輅が実にこのような人であったことを信じる。程先生は杭州(虎林)の市上に垂簾して肆を設け、吉凶を辨え悔吝を論じて、《易》ならざるものなし。而るに《易冒》という書は、全て《易》を談ずるにあらず。それを《易》ならざるものなしと言うは、義理が《易》の中より生じ、《易》の外に別に義理なきがゆえ。それを全て《易》を談ぜずと言うは、《易》は「数」をもって顕れ、数の運用はまた《易》に等しからざるがゆえ。このように然らば、なぜ書の名を「易冒」と曰うか。この書を読み透せば《易》を善く用いることができ、この書はもともと《易》のために作られたものと見うべし。
若夫生生之謂,易通變無方,而引伸觸類以窮神達化。聖人原不使人枯槁於彖辭爻象間,而遂謂之易也,故繫辭曰:冒,天下之道,冒,覆也。天覆乎上,而七曜五行春秋寒暑人物化育散見於中,皆不謂之天,而莫非天之事。易統其綱,而甲子六神變互反伏與諸星世應九十一之旨,皆未始耑言易,而莫非易之事。是程子之書不論易,而精於言易者也。
いわゆる「生生生之を易と謂う」は、《易》の通変に定まる方所なく、引申推衍・触類旁通を俟ちて、乃ち神妙を窮め造化に通ずることを言う。聖人はもともと人をして枯乾に彖辞・爻象の間に困守せしめんことを欲せず、之を《易》と曰いたり。ゆえに《繋辞》に曰く「《易》は天下の道を冒す」と。「冒」は覆うなり。天は上に覆い、日月五星(七曜)・五行・春秋寒暑・人物化育は皆天の下に散布し、これらは皆「天」と曰わざるも、天の事ならざるなし。《易》はその綱領を統攝し、本書の講ずる所の「甲子」「六神」「変互」「反伏」および「諸星」「世応」の九十一章の旨趣は、皆《易》を専らに講ぜず、《易》の事ならざるなし。ゆえに程先生のこの書は表面《易》を論ぜず、実は最も《易》を講ずるに精しいと言うなり。
今人不察,每得焦氏諸人之書,秘諸帳中,遂謂道在是矣,烏知此中奧衍有若是哉。程子為當今管郭,有勿占,占則應,如鄉戶外趾相錯,日既昳,有不及叩而返者,如是二十餘年以為嘗。至四十時抱痾鍵戶,忽忽機動於中,遂得數見兆,因而發憤著書,窮極要妙,自謂能補前聖之所未備,極深研幾,蓋三年而書始成。書成,程子即謝世去。
今の人は分辨せず、いったん焦延寿《易林》の一流の書を得れば、帳中に秘蔵して道は尽く此に在りと思い、どこで《易》学の深奥広博がこのような境地に至るを知らむや。程先生は当今の管輅・郭璞なり。占わざれば則ち已み、一占すれば必ず応ず。占を求むる者は門外に満ち、脚尖相接し、太陽は西に偏して門を叩くに及ばずして帰る者もあり、このようにして二十余年、以て常となす。四十歳に至り、彼は病を抱き門を閉ざし、心中忽然として触るる所あり、ここに兆象を予見すること能く、因而発憤して書を著し、その中の要妙を窮究し、自ら前代聖人の未備を補い得べしとし、極精微に至るまで鑽研し、三年を用いて書成る。書一成れば、程先生は即座に世を謝した。
然則占墨視拆,程子雖欲秘之,有所不能秘。昔郭參軍有青囊書九卷,門人趙載竊去,未及讀而火焚之。似乎獨得之秘,為造物所忌,程子不死於未著書之前,適死於方成書之日,苟非天以此道絕續之,會令程子繼往哲,開來學,惡觀其有傳書乎?餘友文翎高子於程最稱服膺,餘因得盡讀其所著書,且以嘆程子之善易,而又天縱之以論易也,則視易冒一編,雖謂程子未嘗死亦可矣。康熙甲辰秋七月既望錢塘且巷顧豹文撰。
このように観れば、「占墨」「視拆」の類の兆を観て事を断ずる独門の本事は、程先生は秘したくともついに秘し得ざるなり。昔晋人の郭璞(参軍を歴任)に《青嚢書》九巻あり、門人の趙載が之を窃み去り、未だ読むに及ばず火に焼かれた。ここに独得の秘は造物の忌恨を受くべきを見る。程先生は未だ書を著さざる前に死せず、偏偏として書成りて日なきに死せり。もし上天がこの門の学問をして断じて復た続がしめ、程先生をして上は往哲を継ぎ下は来学を開かしめむと欲せずんば、どうして彼に書の世に伝わるを見せむや。我が友高文翎は程先生に最も佩服し、私は之に因りて彼の著す所の書を遍く読み得て、因而程先生は《易》を善く用いるのみならず、また上天が特に彼をして《易》を講せしめたと感嘆す。このようにして《易冒》の一編を視れば、程先生は未だ死せずと曰うもまた可なり。康熙甲辰年(公元一六六四年)秋七月十六日、銭塘且巷顧豹文撰。
易冒陸序
餘總角時聞新安有元如程先生者善卜,隱居吾杭城西今,車馬闐駢如市,日既晡,不得下簾休息。餘友旅堂鬍子亟稱其人,嘗從而竊窺之,其狀貌魁梧,言談若河注,心知其非日者卜筮之流矣。此元如徙郭外與餘比閭居,交益密,時時過從聞其緒論,雖老生宿儒不能及,私念京焦管郭精易數,有聲著述,元如以瞽目博洽若此,非夙有神解,何以至是?
私がまだ総角の少年の頃、新安に程元如先生という占に善い者ありて、我が杭州城西に隠居し、門前の車馬は市集のごとく擁挤し、太陽は西に偏しても簾を下ろして休むに遑あらずと聞いた。我が友胡旅堂はこの人を極口に称賛し、私はかつて随いて窃かに見た。相貌魁偉、談吐は江河の奔注するがごとく、心中に彼が尋常に卜筮をもって生を謀る者にあらざるを明白に知った。後に元如は城外に遷り、我と隣居を為し、交はいよいよ密に、常に過訪してその議論を聞くに、老成宿儒も及ばざるなり。私は暗に思う。京房・焦延寿・管輅・郭璞は易数に精しく、皆著述の世に伝わるあり。元如は一人の盲人をもって博洽この地步に至るとは、素より神悟あらずんば、どうして能くせむや。
餘攻舉子業,所習僅易書訓詁,每觀元如卜,其稱引繇詞與本義無殊旨,靡不奇中。人曰:元如精於數,秘而不洩,特廋其辭於常談耳。元如笑應曰:聖人窮理數,為理用,後賢極數理,以數彰,理數豈有二哉?考亭謂孔子以義理說易,是象數已明,不須要說,今人不知象數而妄言易理,亦復何當?
私は科挙の業を攻読し、学ぶ所はただ《易》の書本訓詁に過ぎぬ。元如の占を見るごとに、彼の称引する繇辞は《周易本義》の意旨と両様ならざるも、奇中せざるなし。ある人曰く、元如は易数に精通し秘して宣せず、ただ要訣を尋常の談論の裏に蔵するのみと。元如は笑いて答えて曰く、聖人は義理と象数を窮究して「数」をして「理」が用う所と為し、後世の賢者は象数と義理を推極して「理」をして「数」に由りて彰ると為す。理と数は豈に両回事ならむや。朱熹(考亭)は孔子が義理をもって《易》を講ずと曰うは、象数既に明白にして言うに及ばざるがゆえ。今の人は根本より象数を知らずして妄りに易理を談ず、またどうして対せんや。
然人知理之示人者顯,數之告人者微,不知數之微者,其變有定,而理之顯者,其應無窮;吾幼遭廢疾,不獲探索聖人窮理之原,以極數之委,幸遇星元師及枯匏老人,深究聖賢書數而尋諸理,庶幾幽明,死生進退存亡之道,其亦可坐而照也。餘知元如殆得道之士,雖季主君平未必能過。
人はただ「理」が人に示す啓発は明らかなり、「数」が人に告ぐる消息は幽微なりと知るのみ。幽微の「数」はその変化に定則あり、明らかなる「理」はその感応に窮尽なきを知らず。私は幼年にして残疾に遭い、聖人の理を窮むる本原・象数を推極する委曲を探索するに由なし。幸いに星元先師と枯匏老人に遇い、聖賢の書中の象数を深入研究して再び回りて義理を尋求せば、さすればあるいは幽明の際・死生進退存亡の理も、皆安坐して洞照すべし。私は之に由りて元如はおそらく道を得たる士なりと知る。漢代の司馬季主・厳君平も未だ必ずしも彼を超えず。
辛丑夏元如夢青衣吏二人,以樶召之去,元如曰:去無難,第卜筮之道,沿習糟粕,而未窮其奧,餘得師傳,欲立言以問世,操是心幾二十年,而卒未就,奈何?吏人曰:吾為君請之,足了君事。比覺,遂發憤著書,越三年而書成,屬旅堂點次,點次甫定而旅堂逝,以其書授之梓,梓成而元如亦逝。
辛丑年年(公元一六六一年)の夏、元如は夢に二人の青衣の吏人を見、捕牒を持ちて彼を帯ち去らむとした。元如曰く、汝らに随い行くは難しからず、ただ卜筮の学は世人の沿襲する所皆糟粕にして、未だその奥義を窮究する者なし。我は師伝を得て書を著し説を立て以て世に問はむと欲し、この念を存することほぼ二十年、ついに成らず、どうせむやと。吏人曰く、我が汝のために寛限を請わむ、汝の事を办するに足らむと。覚めての後、彼は発憤して書を著し、三年を過ぎて書成り、胡旅堂に托して点校編次せしめた。剛く点定すれば旅堂世を去り、書を刻版に付せば版成りて元如もまた世を去った。
嗚呼,立言傳世,其功在人,元如抱斯志垂二十年,蓋成之,若斯之難也。朝聞夕死,不可謂非天為之,其書傳,其人不死矣?餘因是益嘆數之有定,而聖人作易以前民用者,不可誣也。若元如者,其為得道之士,而非日者卜筮之流,讀易冒者,自有會心知,非餘一人交深而私許之矣。康熙甲辰仲秋西冷陸進藎思父拜撰。
嗚呼、書を著し説を立て後世に伝うるは、功德は人に恵むに在り。元如はこの志を抱くことほぼ二十年にして成し得たり、その難きを見るべし。いわゆる「朝に道を聞かば夕に死すとも可なり」は、上天の安排にあらずと曰うべからず。書伝われば、人もまた死せざるなり。私は之に因りてますます「数」の定則あるを感嘆し、聖人が《易》を作りて以て百姓の日用を指導すとは、誣妄すべからざる言なり。元如のごとき人は、道を得たる士にして、卜筮をもって糊口する一流にあらず。《易冒》を読む者は自ら心領神会あらむ。我一人が交情深きに因りて私に称許するにあらざるなり。康熙甲辰年(公元一六六四年)仲秋、西泠陸進・字は荩思、拝撰。
易冒自序
予世家新安之蟾谿,父映源公,業賈吳興;母謝氏,生予多蹇,五歲而瞽於痘,先君謂予母曰:是兒早慧,今得廢疾,不能受書學舉子業,莫若令習醫。遂授醫書,耳聽心受,手訓點畫,到十歲,予告父母曰:為醫之要在望聞問切,既不能望,術能神乎?乃棄而學卜,從日者家五六人,粗得其概。
我が家は代々新安の蟾渓に住み、父は映源公で呉興にて商い、母は謝氏なり。私は生まれながら命途多舛にして、五歳にして天然痘を患い両目を失明す。先父は我が母に対して曰く、この子は早慧なれど、今残疾を得て書を読み科挙に応ずること能わず、医を学ばしめむに如かずと。ここに医書を我に教う。私は耳をもって聴き心をもって記え、更に人に我が手を握らせて筆画を教はる。十歳の年に至り、父母に告げて曰く、行医の要領は「望・聞・問・切」に在り、我は既に「望」能わず、医術なお高明たり得むやと。ここに医を棄てて卜筮を学ぶことに改め、前後して五六位の卜者に随い、粗略して大概を得たり。
最後從星元先師遊,獨盡其傳,朝夕問訊,記憶控討,相隨五載,猶若茫然。乃漸遷心音律奕棋之戲,將墮厥,業師戒予曰:夫學易之道,專則純,純則業,精乃入神,分則雜亂,雜亂則疏,疏乃不入;今汝學,分而不專,其能達耶?
最後に星元先師に随いて游學し、独り彼の全部の伝授を得、朝夕請教し、記憶に凭りて推究討論し、相随五年、心は依然として茫然たり。ここに漸々心思を音律・囲碁の類に移し、学業まさに荒廃せんとす。先師は我に誡めて曰く、《易》を学ぶ路数は、専一なれば純粋にして、純粋なれば乃ち学業を成就し、精熟なれば乃ち神妙に入る。心を分かてば雑乱にして、雑乱なれば浅疏にして、浅疏なれば門に入ること能わず。今汝の学ぶは心を分かちて専一ならず、なお通達し得むやと。
於是益發憤研求,屏絕外嗜,竭思廢寢,以為天下之事億兆紛紜,何以得一理貫通其吉凶,而後不惑?年登十八,始悟用爻是此是彼,隨大隨細,惟一用爻而求,諸吉凶乃得其柄。如所謂老奴占幼主,必用父母,少君占衰僕,必用妻財,此以分不以年也;詞訟憑官而後世應,以勝負決於聽訟也;壽命憑用而後父母,以其享年也;科目先文而後官,廷試先官而後文,各有所重。由此引申,則左之右之,無不宜之矣。
ここに私はいよいよ発憤して鑽研し、他の嗜好を断絶し、精を殫し慮を竭し寝食を廃して、心に思う。天下の事は千頭万緒なり、どうすれば一条の吉凶を貫く理を得て、此より迷わざらむやと。十八歳の年に至り、始めて「用爻」は占う所の事に随いて定まるを悟る。あるいは此の爻を取り、あるいは彼の爻を取り、事の大小一ならず、ただこの一つの「用爻」を把りて求めば、一切の吉凶始めて把柄あり。たとえば老僕が年幼の主人を占えば必ず「父母」爻を用い、年少の主人が衰老の僕人を占えば必ず「妻財」爻を用う。これ名分に按じて取用するので、年紀に按じて取用するにあらず。詞訟を占うは先ず「官鬼」に凭りて而る後「世応」を看るは、勝負は官府の聴訟に取决するがゆえ。寿命を占うは先ず用神に凭りて而る後「父母」を看るは、父母は人の享年を主るがゆえ。科挙は先ず文書(父母)を看て而る後官を看、殿試は則ち先ず官を看て而る後文書を看、各々偏重する所有り。この原則に由りて引申すれば、左右源に逢い、適用せざるなし。
於是集舊聞,秉師說,本以心得,參以占驗,纂述成書,為筮類五十篇,而內詳三百七十有七問;復考聖人立法之所由,參研三載未得。己卯之冬,偶遇楚來枯匏老人,聚首三月,請益焉,乃曰:聖人不妄立法以教人,皆必有本,而具陳於百家之書,汝未能遍考,我一一授之子,子其秘之。
ここに我は旧日の見聞を彙集し、師説を秉承し、自ら心得たる所を本と為し、更に実際の占験に参照して、編纂して書と為す。「筮類」五十篇に分かち、その中に詳しく三百七十七の問目を列す。此の後また聖人の立法の来由を考究せんと欲し、参研三年にして得る能わず。己卯年(公元一六三九年)の冬、偶然に楚より来たる枯匏老人に遇い、相聚まること三箇月、彼に請教す。彼曰く、聖人は随意に一法を立てて人に教うるあらず、一法ごとに必ずその本原あり、しかも皆諸子百家の書に陳述す。ただ汝が遍く考索する能わざりしのみと。我は一々汝に伝授せむ、汝之を保守すべしと。
予曰:聖人立法,將以開後世之蒙,受而復秘,獨得之亦何益耶?枯匏曰:是心可以為人師矣!前言探子爾;立言傳世,功孰大焉。於是復究先賢闡易之書數十種,立法四十一篇,計九十一章,卷分有十,列成卦成爻之由,立世立應之法,諸星何事而名,六神何事而司;隨墓助傷,本凶而有弗凶也,絕生本吉,而亦有弗吉也;空破絕散,有真偽之分,飛伏互變,有輕重之取,豈執一義而盡之與?
我曰く、聖人の立法は、本より後世の蒙昧を開かんと欲するなり。我は受けて而も秘し、独り占有せんは、また何の益あらむと。枯匏老人曰く、この存心あれば、以て人の師たるべし。さっきの言はただ汝を試みしのみ。書を著し説を立て後世に伝うる、これより大なる功德あらむやと。ここに我はまた先賢の《易》理を闡発する書数十種を研究し、立法四十一篇、合計九十一章、十巻に分かつ。成卦・成爻の由来を列し、「世」「応」の方法を確立し、「諸星」が何事に因りて名を得たか、「六神」が何の事を司るかを説く。「随墓」「助傷」は本より凶を主るも、また凶ならざる時あり。「絶処逢生」は本より吉を主るも、また吉ならざる時あり。「空・破・絶・散」に真假の別あり、「飛伏」「互変」に軽重の取りあり——豈に一条の義例を死守して即ち講じ尽くし得むや。
故黃金策言用化用則有用無用,其云化去是神忒也,伏吟之故爾,若化進神,安得無用乎?復曰太過者損之斯成,非雲吉凶,斷事之成合時也。若曰用爻太過為不吉,則生扶拱合之語非矣。卜易闡幽雲伏藏不論旬空,可以言輕重,豈言不空耶?亦長於彼而短於此也。卜筮元龜晴雨以世為地,應為天,京房以父母為天地,亦是於此而非於彼也。
ゆえに《黄金策》に曰く「用神用神を化出すれば、則ち用ある者有り用なき者有り」と。それが講ずる「化去」は実は神明の失あるなり、これは「伏吟」の致す所なり。もし化出する所が「進神」ならば、どうして用なからむや。又曰く「太過する者は之を損して斯く成る」と。これは吉凶を論ずるにあらず、事を断ずるは合時に成るを要すを説くなり。もし用爻の太過は不吉と曰わば、「生・扶・拱・合」の一流の話は説き通さざるなり。《卜易闡幽》に曰く「伏蔵は旬空を論ぜず」と。ただ軽重の別あると説くべきのみ、豈に伏神は則ち空を算せずと曰い得むや。これまた此に長じて彼に短し。《卜筮元亀》は晴雨を占うに「世」を以て地と為し「応」を以て天と為し、京房は則ち「父母」爻を以て天地と為す。同じく是れ此に於いて説きて対り彼に於いて説きて対らず。
補遺飛伏其七世皆伏本宮,而京房獨以游魂飛伏不相侔合,如晉外伏艮而內伏乾,己酉世爻以丙戌為飛伏;如需外伏兌而內伏坤,戊申世爻以丁亥為飛伏,占之屢驗。然先師成書時,未得此學也。即搜決鬼神多載,湖下之聖,六合之內,有土風名俗之相異,百世而下再成之神,但能以義理相揆,豈可實指其姓字乎?先師每謂予曰:生平之學,補遺缺是二端甚矣,著書之難也。
《卜筮全書・補遺》は飛伏を講じ、一宮の中の七つの卦位皆本宮の爻を伏すと曰う。独り京房のみ游魂卦の飛伏は此と合せずと為す。たとえば《晋》卦は、外卦は「艮」を伏し内卦は「乾」を伏し、己酉世爻は丙戌を以て飛伏と為す。又如《需》卦は、外卦は「兌」を伏し内卦は「坤」を伏し、戊申世爻は丁亥を以て飛伏と為す。この弁法に照らして占断すれば屢々応験す。しかるに先師が書を成す時、未だこの門の学問を得ず。又如鬼神を占問するは、我は多年搜求判断せり。江湖郷野の奉ずる神祇は、天地の間、各地風土名号互いに相同じからず、百代の後また不断に新立の神あり。ただ義理に凭りて揣度するのみ、どうしてその姓名を指実し得むや。先師は常に我に対して曰く、我が一生の学問は、補缺と存疑の二事に難き在り——著書は実に難しとなす。
予荒陋管窺,敢言能備與惟所知者載之,不知者以待高賢之教我也。予常終日凝思,久而不悟,春秋相繼而未得。逍遙子謂予曰:致虛守靜,以觀其復,靈明生焉。密雲禪師謂予曰:但會取本有。吾於二師有默契,雲古之人有以風占鳥占諺占,言語卜威儀卜政事卜是無卜,筮而知吉凶也,況著草金錢木丸之占,而必執同異相非乎?愚以為易者,象也,象也者,像也,其辭則異,其象則符,但告於著則以著占,告於五行則以五行占,告於焦氏則以焦氏占可也,其成卦成爻一也。
我は学識荒陋・見識は管中より豹を窺うがごとき、どうして能く備わるを敢えて曰わむや。ただ知る所を記し、知らざる所は高明の士に留めて我に教えむを待つのみ。我常に終日神を凝らし思索するも、久しく開悟する能わず、年を経ても得る所なし。逍遥子は我に対して曰く、「虚を致すこと極め、静を守ること篤くして、以て万物の復を観る」を要すと、霊明自然に生ず。密雲禅師は我に対して曰く、ただ本来有るものを領会せよと。我はこの二師の言に心の默契あり。知るべし、古人に風占・鳥占・諺占を用うる者有り、また言語に凭りて卜る者・威儀に凭りて卜る者・政事に凭りて卜る者有り。これらは皆蓍筮を用いずして吉凶を知る。いわんや蓍草を用い・金銭を用い・木丸を用いて占うるは、豈に異同を執著し彼此非難せむを要せむや。我は為すに、「易」は即ち「象」にして、「象」は即ち「像」なり。辞句は各々相同じからざれど、卦象は彼此相合す。神明が蓍草の上に告示すれば則ち蓍を用いて占い、五行の上に告示すれば則ち五行を用いて占い、焦延寿《易林》の上に告示すれば則ち焦氏を用いて占う。皆な可なり——それらの成卦・成爻の理は一なり。
久思著書問世,以造門之問,日晐不遑。年四十而疽發於背,始得杜門謝客,而草創之,歷三年之久而撰藁粗成,就正於故人旅堂先生,先生與其同學見而亟稱之,乃下榻草堂,重加刪定為梓以行世。嗟乎,苟有小補於世,則安敢逃於妄述之罪哉。康熙甲辰歲仲夏朔旦新安瞽目程良玉敘。
我は早くより書を著して世に問はむと欲すれど、ただ門に上る占を求むる者の多きに因り、終日忙しく空閑なし。四十歳に至り背部に毒瘡を生じ、始めて門を閉ざし客を謝絶し、手を動かし草を起こし、三年を歴て稿は大致成る。持ちて老友胡旅堂先生に就きて指正を請えば、先生とその同学は見て力めて称賛し、ここに我が草堂に住み、重ねて删削点定を加え、刻版に付して世に行はしむ。嗚呼、世人に対して稍や補益あらば、我またどうして「妄述」の罪名を担ぐを怕れて避けむや。康熙甲辰年(公元一六六四年)仲夏初一日、新安瞽目程良玉叙。
易冒巻之一
甲子章第一
天干有十,地支有十二。(幹猶本也,象天生物,故曰天干;支猶枝也,象地成物,故曰地支。干有十:甲乙丙丁戊己庚辛壬癸;支有十二:子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥。)用甲乘子,取乙駕丑,干支終始而循環,天地之數六十而盡矣。(甲子之法,以天干順佈於地支之上,始自甲子至癸酉,幹終而始甲戌,支終而始丙子,若枝本之不離,並盡於癸亥,計有六十也。)
天干は十あり、地支は十二あり。(注:「干」は樹の幹のごとく、天が物を生ずるに取象す、ゆえに「天干」と曰う。「支」は枝條のごとく、地が物を成ずるに取象す、ゆえに「地支」と曰う。天干十は甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸。地支十二は子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥。)甲をもって子に配し、乙を取りて丑に配し、干と支は各々循環し首尾相接し、天地の数は六十に至りて即ち窮尽す。(注:甲子を排する法は、天干を順次地支の上に布く。甲子より癸酉に排し、十干用い尽くせば甲戌より重ねて起こる。十二支用い尽くせば、丙子より重ねて起こる。干支は樹枝と樹幹のごとく相分離せず、最後に同時に癸亥に終結し、共に六十組を計す。)
天分五運,地分六氣,以造化萬物於其中,乃作甲子以記歲時,使日月四時之有經也。(五運謂東南西北中,十干動運乎上;六氣,謂十二支六陰六陽之氣,司寒暑春秋升消長之權,靜成乎下,而吉凶禍福,由是以兆。)自漢武從寅,則無復四同之甲子,迨婁景補韻,則始傳分象之五行。(周正建子,則以甲子年起甲子月,甲子日起甲子時;夏正建寅,漢武帝述之,退三位而取丙寅,所以無復有四甲子也。古納音但有甲子乙丑屬金,丙寅丁卯屬火之法,及婁景先生推五行之理作歌,始有海中金爐中火之說。)
天は「五運」に分かれ、地は「六気」に分かれ、万物はその中に在りて造化を受け生成す。ここに聖人は甲子を制作して歳月時令を記し、日月の運行・四時の更替に常軌あらしむ。(注:「五運」は東・南・西・北・中の五方を指し、十の天干は上に於いて運行して息まず。「六気」は十二地支の六陰六陽の気を指し、寒暑春秋・升降消長の権柄を主管し、下に於いて静かに万物を成就し、吉凶禍福は此に由りて征兆を顕す。)漢武帝より夏正建寅に改用してより、再び年・月・日・時の四者同じく甲子たるの情形なし。婁景先生の歌韻を補作するを及びて、始めて象に按じて分属する五行納音を流伝す。(注:周暦は子月を以て歳首と為す、ゆえに甲子年は甲子月より起こり甲子日は甲子時より起こる。夏暦は寅月を以て歳首と為し、漢武帝は之を採用して月建を三位後退して丙寅を取る、ゆえに再び四柱皆甲子たるの情形なし。古代の納音はただ「甲子乙丑は金に属し丙寅丁卯は火に属す」のごとき説法あるのみ。婁景先生が五行の理を推究して歌訣に編成するに至り、始めて「海中金」「炉中火」の類の名目あり。)
納音之法,以干支之數,合大衍之用四十有九,去其本數復考其零,以五行相生而納諸屬也。(納音所屬之法,大衍之數五十,其用四十有九,考其干支所屬之數幾何,於四十九數內,去其干支本數,而所零者以五除之,其餘復以水一、火二、木三、金四、土五,數至四十有九,得水則納音是木,得土則納音是金也。)
納音の方法は、干支各自の定数を取り、大衍の数の用数四十九に合し、干支本身の数を減じ、再び余る所の零数を考察し、五行相生の関係に按じて納する所の属を定む。(注:納音の所属を定むる弁法は、大衍の数は五十にして、実際に用うる所は四十九なり。先ず占う所の干支各自の定数の共有多少を算し、四十九の中よりこの本数を減ず。余る所の数を再以て五を以て除し、除後の余数は「水一・火二・木三・金四・土五」に按じて配し、数は四十九に満ずるを以て止とす。水を得れば、則ち納音は木に属す。土を得れば、則ち納音は金に属す——皆五行相生の義を取る。)
(法曰,六旬甲子妙尤元,七七中除地與天,五減零求生數立,納音得此幾人傳。夫干支之數,謂甲己子午九、乙庚丑未八、丙辛寅申七、丁壬卯酉六、戊癸辰戌五、巳亥四為則,此干支定數也,以萬物闢子而合申,故甲己子午,自子至申得九,乙庚丑未,自丑至申得八,如甲乃九數,子亦九數,乙乃八數,丑亦八數,計三十有國,於四十九內除之,其餘十五,復減其十,所零五數,五為土,土生金是也,餘仿此。)
(注:口訣に曰く「六旬甲子妙尤元、七七中除地与天、五減零求生数立、納音得此幾人伝」。いわゆる干支の数は、甲・己・子・午は九と為し、乙・庚・丑・未は八と為し、丙・辛・寅・申は七と為し、丁・壬・卯・酉は六と為し、戊・癸・辰・戌は五と為し、巳・亥は四と為す。これ即ち干支の定数なり。その来歴は万物が子に於いて開闢し申に於いて会合するに在り。ゆえに甲己子午は、子より数えて申に至り九を得。乙庚丑未は、丑より数えて申に至り八を得。例を挙げて曰わば、甲は九数にして子もまた九数、乙は八数にして丑もまた八数、甲子乙丑の四者は合計三十四(原文は「三十有国」と作る、「国」は「四」字の誤りに当たる)。四十九の中より之を減ぜば、余は十五。再び十を減ぜば、零る所は五。五は土に属し、土は金を生ず、ゆえに甲子乙丑の納音は金に属す。其余は此に依りて類推す。)
復引申其用,渾甲同此而作,三式由此而成。(渾甲,以六十甲子納八卦之下也,三式,謂太乙統宗,天之數也,奇門遁甲,地之數也,大六壬神,人之數也。)幹乃天,虛而無形,故不專禍福,支乃地,實而有象,則有旺衰生死進退消長破沖刑害,以曲成萬物之能。(天無形,故干神之用,專於五化,謂甲己化土,乙庚化金之類;地有象,則成能萬物,吉凶以昭,故支神之用,有當生者旺,所生者相,四生四死,進神退神,升降消長,三刑六害之類。)
再び一歩を進めてその用途を引申すれば、「渾甲」の法は此に拠りて作られ、「三式」もまた此に由りて成る。(注:「渾甲」は、六十甲子を八卦の下に納配するなり。「三式」は《太乙統宗》を指し、講ずる所は天の数なり。「奇門遁甲」は、講ずる所は地の数なり。「大六壬神課」は、講ずる所は人の数なり。)天干は天に属し、虚にして形無し、ゆえに禍福を専らに主らず。地支は地に属し、実にして象有り、ここに旺衰・生死・進退・消長および破・冲・刑・害の種種の変化あり、以て万物成就の能を曲尽す。(注:天に形体無し、ゆえに干神の作用は専ら「五合化」に在り、甲己合化土・乙庚合化金の類のごとし。地に形象有り、万物を成就し吉凶を昭示すること能く、ゆえに支神の作用は、当令する者を「旺」と為し我が生ずる者を「相」と為し、四生四死の地有り、「進神」「退神」有り、升降消長有り、三刑六害の類有り。)
是以位之四方,納之八卦,立星煞之神,生生不已,新新不停,咸備五行之用,通書所謂三大三小,諺語所謂無水無金、上古天皇地皇人皇,皆資是始,萬化之用,豈能外此哉。(以干支列於四方,謂壬子癸、丑艮寅、甲卯乙、辰巽巳、丙午丁、未坤申、庚酉辛、戌乾亥是也;以干支納於八卦之下,義見後篇。立吉星凶煞之神,吉凶咸備。他如通書所謂六甲下納大金小金大火小火大水小水之法,諺語謂甲子甲午旬中全無水,甲申甲寅旬中不見金之說,即上古天王君起甲子,地王君起甲申,人王君起甲寅,莫不造端於此,故曰甲子不立,則五行不神,五行不神,則吉凶不著矣,是以著易,必首明甲子。)
此に因りて干支を四方に布き、八卦の下に納配し、拠りて種種の吉星凶煞を確立し、生生已まず日新停まらず、五行の功用は全て具備す。通書の説く所の「三大三小」・諺語の説く所の「无水無金」および上古天皇・地皇・人皇の紀年のごとき、皆此を以て発端と為す。天地万化の運用、どうして之を離れ得むや。(注:干支を四方に排列するは、即ち壬子癸・丑艮寅・甲卯乙・辰巽巳・丙午丁・未坤申・庚酉辛・戌乾亥のこの一圈の方位なり。干支を八卦の下に納配するは、その義は後の《納甲章》に見る。吉星と凶煞を確立すれば、吉凶は皆な備わる。其他通書の説く六甲の下に「大金・小金・大火・小火・大水・小水」を納する弁法、諺語の説く「甲子・甲午の両旬中全く水無く、甲申・甲寅の両旬中金を見ず」の説法、および上古天皇君は甲子に起こり地皇君は甲申に起こり人皇君は甲寅に起こる、発端せざるなし此に。ゆえに曰く、甲子立たざれば、五行は神ならず。五行神ならざれば、吉凶は明らかならず。此に因りて《易》を著す書は、必ず先ず甲子を講明す。)
成爻章第二
以錢代蓍,但求奇偶。(上古以蓍揲而成爻,後因揲蓍之煩,故以錢代蓍,不必分二掛一,揲四歸奇,但求奇偶,所謂舍四營而減為一擲者也。)奇者陽也,像天之覆,偶者陰也,像地之載,觀覆載而奇偶得矣。(錢分奇偶,以形測之,錢覆者如天之覆懸於上,故屬陽而為奇,錢仰者如地之仰載於下,故屬陰而為偶。)
銅銭を以て蓍草に代え、ただ奇と偶を分かつを求む。(注:上古は蓍草を用いて分揲して爻を成す。後に揲蓍の手続き繁瑣なるに因り、則ち銅銭を用いて代替し、再び「分二・掛一・揲四・帰奇」を必ずせず、ただ奇偶を得出すを求むるのみ。これ即ちいわゆる「四営」を舎去して一擲に簡化するなり。)奇は陽に属し、天の覆うに取象す。偶は陰に属し、地の載するに取象す。覆と載を観察すれば、奇偶は即ち定まる。(注:銅銭の奇偶を分かつは、形状に凭りて判断す。背面が上に向く(覆)者は、天が覆い上に懸かるに象る、ゆえに陽に属して奇と為す。字有る眉面が上に向く(仰)者は、地が下に載するに象る、ゆえに陰に属して偶と為す。)
得‥奇則曰單,謂之少陽,得-偶則曰拆,謂之少陰,三覆曰重,謂之老陽,三仰曰交,謂之老陰,重乃三奇,交乃三偶,陰陽老少既成,而八卦由此生也。(奇圓圖三,偶方圖四,三用其全,四用其半,故得一奇二偶是七,而為少陽,得一偶二奇是八,而為少陰,三覆是三奇而為九,乃老陽也,三仰是三偶而為六,乃老陰也,九名重,六名交,七為單,八為拆。)
一奇を得る(「‥」と記す)を「単」と曰い、即ち少陽なり。一偶を得る(「-」と記す)を「拆」と曰い、即ち少陰なり。三枚の銭全て覆なるを「重」と曰い、即ち老陽なり。三枚の銭全て仰なるを「交」と曰い、即ち老陰なり。「重」は三奇、「交」は三偶。陰陽老少既に定出すれば、八卦は此に由りて生ず。(注:奇は円に属し、円の図数は三なり。偶は方に属し、方の図数は四なり。三はその全数三を取り、四はその半数二を取る。ゆえに一奇二偶は三加二加二して七を得、少陽と為す。一偶二奇は二加三加三して八を得、少陰と為す。三枚全て覆は三奇、三つの三は九を得、老陽と為す。三枚全て仰は三偶、三つの二は六を得、老陰と為す。九は「重」と曰い、六は「交」と曰い、七は「単」と曰い、八は「拆」と曰う。)
法云:向上言眉,向下言背,亦謂如乾坤之形耳。(法曰:兩背由來拆,雙眉本是單,渾眉交定位,總背是重看,謂乾形覆背在上,坤形仰眉在上是也。近俗有以笤辯陰陽者則異是,以竹中剖,其心向上為陽,向下為陰,錢以體成,其形覆為陽,仰為陰,各有取義也。)
占法の上に曰く、「向上」を講ずるは眉面が上に向くを指し、「向下」を講ずるは背面が上に向くを指す。説く所は即ち乾・坤両卦の形象のみなり。(注:口訣に曰く「両背由来拆、双眉本是単、渾眉交定位、総背是重看」。意思是し、一眉二背を「拆」と為し、二眉一背を「単」と為し、三枚全て眉面を「交」と為し、三枚全て背面を「重」と為す。乾の形は背覆して上に在り、坤の形は眉仰して上に在り。近来民間にも竹箒を用いて陰陽を辨うる者有り、此と同じからず。竹片は中より剖開し、剖面が上に向くを陽と為し下に向くを陰と為す。銅銭は則ち整体に就きて形を成し、覆を陽と為し仰を陰と為す——両者各々その取義有り。)
成卦章第三
既成三象,始有二老。(一畫而分陰陽,二畫而分太少,三畫而備三才,三才備而二老交,二老交而六子立矣。)純陽曰乾,純陰曰坤,剛柔交而得一陽曰震,乾坤蕩而得一陰曰巽,再磨而成坎,復媾而為離,三索奇偶而生艮兌,六子備而八卦立矣。(八卦從二老而生六子,三單純陽為乾父,三拆純陰為坤母,二老始交,陰獲陽為震,陽得陰為巽,再索之坤中爻獲陽為坎,乾中爻得陰為離,三索之坤上爻獲陰為艮,乾上爻得陰為兌,於是乾兌離震之順,巽坎艮坤之逆,首尾交接而成圓圈,先天八卦備矣。)
三画の象既に成立して、始めて乾坤の「二老」有り。(注:一画を画きて即ち陰陽を分かち、両画を画きて即ち太陰太陽と少陰少陽を分かち、三画を画きて即ち天地人三才を具備す。三才具備すれば則ち二老相交わり、二老相交われば則ち震・巽・坎・離・艮・兌の「六子」確立す。)三画純陽なるを「乾」と曰い、純陰なるを「坤」と曰う。剛柔相交わりて一陽を得るを「震」と曰い、乾坤激盪して一陰を得るを「巽」と曰う。再び一番交感して「坎」を成し、再び一番交媾して「離」と為す。第三次に奇偶を求索して「艮」「兌」を生出す。六子斉備すれば、八卦は即ち確立す。(注:八卦は二老に由りて六子を生出す。三画皆単・純陽なるは乾父、三画皆拆・純陰なるは坤母。二老初めて交われば、坤は乾の陽を得て震を成し、乾は坤の陰を得て巽を成す。再び索むれば、坤の中爻は陽を得て坎を成し、乾の中爻は陰を得て離を成す。三たび索むれば、坤の上爻は陽を得て艮を成し(原文は「獲陰」と作る、「獲陽」の誤りに当たる)、乾の上爻は陰を得て兌を成す。ここに乾・兌・離・震は順行し、巽・坎・艮・坤は逆行し、首尾相接して一圈を囲み、先天八卦は即ち斉備す。)
因而重之,坤始震而至純乾,左旋之三十二象也,乾配巽而至純坤,右轉之三十二象也,是故聖人以象義而名卦,以變次而成章焉。(八卦之上,重加八卦,以坤獲一陽之初,而坤加於震,從此始左逆行,以坤艮坎巽震離兌乾配於震上,次而離,次而兌,次而乾,此左旋三十二卦也;以乾得一陰之初,而乾加於巽,從此始右順行,以乾兌離震巽坎艮坤配於巽上,次而坎,次而艮,次而坤,此右轉三十二卦也。)
八卦を両両相重ね、坤の中より初めて一陽を得る震より起こり、一路排して純陽の乾に至る。これ左旋の三十二卦象なり。乾の中より初めて一陰を得る巽より起こり、一路排して純陰の坤に至る。これ右転の三十二卦象なり。ゆえに聖人は卦象・卦義に依りて卦に命名し、変化の次第に依りて篇章を編成す。(注:八卦の上に八卦を重加す。坤が最初に一陽を得て震を成すに因り、則ち坤を震の上に加え、此より左に向かい逆行して、坤・艮・坎・巽・震・離・兌・乾を順次震の上に配す。震宮排し終わりて離宮を排し、再び兌宮を排し、再び乾宮を排す。これ即ち左旋の三十二卦なり。乾が最初に一陰を得て巽を成すに因り、則ち乾を巽の上に加え、此より右に向かい順行して、乾・兌・離・震・巽・坎・艮・坤を順次巽の上に配す。巽宮排し終わりて坎宮を排し、再び艮宮を排し、再び坤宮を排す。これ即ち右転の三十二卦なり。)
(易卦次由十六變而成,謂乾一變姤,二變遁,三變否,四變觀,五變剝,上爻天也,故不變,而復下變四爻為晉,易章成有七焉,三變旅,遊入離宮,故聖人以火地晉為游魂,二變鼎,一變大有,不序他卦,還入本宮,易章始成八卦,故聖人以大有為歸魂也。蓋凡九變,萬物歸還,理數以極,自然之象,復二變為離,三變噬嗑,四變頤,五變益,復四變無妄,三變同人,二變仍乾,乃十六變也。後天八宮易章之成如此,此卦變非動爻變也。)
(注:八宮卦の次序は「十六変」に由りて排出す。乾宮を以て例と為す。乾の初爻が一変して《姤》を成し、二変して《遯》を成し、三変して《否》を成し、四変して《観》を成し、五変して《剥》を成す。上爻は天に属し変わらず、ここに回頭して再び第四爻を変じて《晋》を成し、一宮は已に七卦を成す。もし再び第三爻を変じて《旅》を成さば、則ち游びて離宮に入り去る。ゆえに聖人は火地《晋》を「游魂」卦と定めたり。此の後二変して《鼎》を成し、一変して《大有》を成し、再び他宮に排入せずして本宮に帰り、一宮八卦は此に至りて排し全うす。ゆえに聖人は《大有》を「帰魂」卦と定めたり。合計九変にして万物は本位に復帰し、理数は此に至りて窮極す。これ自然の象なり。再び下れば、二変して《離》を成し、三変して《噬嗑》を成し、四変して《頤》を成し、五変して《益》を成す。また第四爻を変じて《无妄》と為し、第三爻を変じて《同人》と為し、第二爻を変じて旧に依り《乾》に帰る——合わせて正に十六変なり。後天八宮の篇次はこのように排せられて成れり。注意すべし、ここに言う所の「卦変」は宮を排する次序の変にして、占卦の時動爻の変ずる所にあらず。)
夫大衍之數,成一為奇,成二為偶,周奇而後周偶,四營為一,三扐為爻,老少乃得,然則經文卦序,不由象而由義也。(此言爻與卦殊也,如大衍之數,單奇雙偶,先有奇而後有偶,四營為一變,一變為一扐,三扐為一爻,始見老少皆從奇偶而成,若經之名卦序卦,皆以義起也。)
再び大衍揲蓍の数を見るに、「一」を成すを奇と為し「二」を成すを偶と為し、先ず奇数を周遍して而る後偶数を周遍す。「四営」は一変と算し、三たびの「扐」にして乃ち一爻を成し、老陽老陰・少陽少陰は此に由りて得出す。このように観れば、《易経》経文の卦名と卦序は、卦象に依りて排するにあらず、卦義に依りて排するなり。(注:これは「爻」と「卦」の成立の方式の同じからざるを説くなり。大衍の数のごとき、単を奇と為し双を偶と為し、先ず奇有りて而る後偶有り。「四営」は即ち分二・掛一・揲四・帰奇にして、一変と算し、一変して一扐を得、三扐して一爻を成す。老少四象の皆奇偶より推出せらるるを見るべし。経文の卦を命名し卦を排序するに至りては、皆な義理に依りて起こるなり。)
若一生二,二生四,四生八,八生十六,十六生易,此易之窮於象也。(象與義雖異而不相離,故一畫陰陽為二儀,則生二畫之四象,二畫老少為四象,則生三畫之八卦,八卦再重而十六,十六四重而成天地雷風水火山澤之易,則易之道,從象而終也。)
一生二・二生四・四生八・八生十六・十六にして全部の易卦を生出するに至りては、これ《易》の「象」上の窮尽なり。(注:象と義は同じからざれども、相分離せず。ゆえに一画の陰陽を「両儀」と為し、両儀は二画の「四象」を生出す。二画の老少は四象にして、四象は三画の「八卦」を生出す。八卦は再び重叠して十六を成し、十六は再び四重して天・地・雷・風・水・火・山・沢の交錯する全部の卦象を成す。《易》の道は「象」上に収結するを見るべし。)
一與九,二與八,三與七,四與六,五與十,此圖之終於數也。(此言單拆交重之數,盡於河圖中也。)蓋以數以象以義而成易,則數象義相乘,而吉凶出矣。(此言象不離數,義不離象,以成卦斷吉凶也。)
一と九・二と八・三と七・四と六・五と十の両両相配するは、これ《河図》の「数」上の収結なり。(注:これは「単・拆・交・重」の四象の数が皆な《河図》の中に尽くるを説くなり。)総じて言えば、「数」に凭り「象」に凭り「義」に凭りて《易》を成就し、数・象・義の三者は相乗じ互いに発して、吉凶は即ち顕現す。(注:これは象は数を離るべからず、義は象を離るべからず、此に拠りて卦を成して吉凶を断ずを説くなり。)
納甲章第四
乾坤為天地,生萬物於中,由是三才備而六子立,故十干之所納,乾陽也,納陽干之首尾,下甲而上壬,坤陰也,納陰干之首尾,內乙而外癸。(蓋萬物六子,皆從天地而有,故陽干納陽卦,陰干納陰卦,乾坤納天干首尾,而中包六子也。夫甲陽乙陰,天干之首,壬陽癸陰,天干之尾,庚辛戊己丙丁,所謂中包而六子納之也。)
乾坤は即ち天地にして、万物は天地の中に於いて生成す。此に因りて三才具備して六子確立す。ゆえに十天干の納配は、乾は陽に属し陽干の首と尾を納す——下卦(内三爻)は甲を納し上卦(外三爻)は壬を納す。坤は陰に属し陰干の首と尾を納す——内卦は乙を納し外卦は癸を納す。(注:万物と六子は皆天地より有る、ゆえに陽干は陽卦を納し陰干は陰卦を納す。乾坤は天干の首尾両端を納し、中間は六子をもって包む。甲は陽にして乙は陰、天干の首なり。壬は陽にして癸は陰、天干の尾なり。余る庚・辛・戊・己・丙・丁の六つは、即ち首尾の包む所にして六子に帰して納するなり。)
震巽以長而納位乎上,坎離以次而納位乎中,艮兌以少而納位乎下,位與爻異,蓋爻以數成,而位以序別也。(丙丁納庚辛,上位也;坎離納戊己,中位也;艮兌納丙丁,下位也。夫天干納位,地支納爻,不相同者,以爻從六七八九之數而成,而位以長幼為序也。)
震・巽は長男長女にして、納する所の干は上位に居る。坎・離は中男中女にして、納する所の干は中位に居る。艮・兌は少男少女にして、納する所の干は下位に居る。「位」と「爻」は同じからず。爻は六・七・八・九の数に由りて生成し、位は則ち長幼の次序に按じて分別す。(注:震・巽は庚辛を納し、これ上位なり(原文は「丙丁納庚辛」と作る、「丙丁」は「震巽」に当たる)。坎・離は戊己を納し、これ中位なり。艮・兌は丙丁を納し、これ下位なり。天干の納する所は「位」にして、地支の納する所は「爻」なり。両者同じからず、正に爻は六七八九の数に随いて成り、位は則ち長幼に按じて排するがゆえ。)
二老時遷,三少不變,則干支六十,可得而具焉。(夫一卦納六爻,則干支止於四十有八,六十甲子,何能備納,故二老所納隨時遷移,冬至後下納甲乙,上納壬癸,夏至後下納壬癸,上納甲乙,而後交互變化,甲子咸備。)
乾坤二老の納する所の干は時節に随いて遷移し、六子中の三少は固定して変わらず、さるをもって六十甲子は乃ち全数納入し得。(注:一卦は六爻を納し、八卦は共に四十八爻、干支はただ四十八組を配出すのみ、六十甲子どうして納め全うし得むや。ゆえに二老の納する所は時に随いて遷移す。冬至以後は、下卦は甲・乙を納し上卦は壬・癸を納す。夏至以後は倒れて、下卦は壬・癸を納し上卦は甲・乙を納す。このように交互変化して、六十甲子は皆な具備す。)
十二支所納,陽順陰逆,故乾起子而及戌,長子襲之,中男襲其中爻,三男襲其上爻也,陰則不然。蓋子以從父,妻以從夫,人倫之常也。(蓋地支以陽順陰逆而納,如乾納子寅辰午申戌,而長子襲之,中男襲中爻,則納寅辰午申戌子,三男襲三爻,則納辰午申戌子寅也,陰卦異是。)
十二地支の納配は、陽卦は順行し陰卦は逆行す。ゆえに乾は子より起こり順に数えて戌に至る。長男の震は乾の初爻に承襲して起こり、中男の坎は乾の第二爻に承襲して起こり、少男の艮は乾の第三爻に承襲して起こる。陰卦は則ち然らず。これは兒子は父に随い妻子は夫に随う、本より人倫の常理なるがゆえ。(注:地支は陽順陰逆に按じて納す。乾は子・寅・辰・午・申・戌を納すがごとし。長男の震は之に承襲して仍お子より起こる。中男の坎はその中爻に承襲して、則ち寅・辰・午・申・戌・子を納す。少男の艮はその第三爻に承襲して、則ち辰・午・申・戌・子・寅を納す。陰卦の排法は此と同じからず。)
夫天地氤氳,上下交媾,陰陽磨蕩,故坤建未而盡酉,以互合於乾,此二老之所以能變化也,少則不然。蓋老變少不變,天道之常也。(氤氳交媾磨蕩,皆指順逆變化好合而言,故坤納未巳卯丑亥酉者,以其下坤合配上乾,上坤合配下乾,所謂相互而合,相交而好,相磨蕩而成變化也。故曰兩儀不磨,則萬物不成,二老不蕩,則六子不立矣,三少陰異是。)
天地の気は氤氲として交融し、上下交媾し、陰陽は互いに磨蕩す。ゆえに坤は自ら未に起こり逆に数えて酉に至り、乾と交互配合す。これ正に二老の能く変化を生ずる所以にして、三少は則ち然らず。老は変じて少は変ぜず、本より天道の常規なり。(注:「氤氲」「交媾」「磨蕩」は皆な順逆変化・陰陽好合に就きて言うなり。坤が未・巳・卯・丑・亥・酉を納するは、坤の下卦が乾の上卦と相配し、坤の上卦が乾の下卦と相配せんとすればに因る——これ即ちいわゆる相互に合し相交わりて好み、相磨蕩して変化を生ずるなり。ゆえに曰く、両儀相磨れざれば、万物は生成すること能わず。二老相蕩れざれば、六子は立つに由なし。三つの少陰の卦の排法は此と同じからず。)
夫巽以丑從子,離以卯從寅,兌以巳從辰,女隨男,陰從陽,交錯逆行,周旋無間,故曰渾天甲子,觀其陰陽進退變化反覆,而知幾其神乎。(巽納丑亥酉未巳卯,以其內巽陰丑,隨震陽子,外巽陰未,隨震陽午;離納卯丑亥酉未巳,以其內離陰卯,隨坎陽寅,外離陰酉,從坎陽申;兌納巳卯丑亥酉未,內兌陰巳,隨艮陽辰,外兌陰亥,從艮陽戌。此所謂夫婦隨從,周旋無間,而交錯逆行也。)
巽は丑を以て震の子に随い、離は卯を以て坎の寅に随い、兌は巳を以て艮の辰に随う。女は男に随い陰は陽に従い、交錯して逆行し、周旋往復して間断なし。ゆえに之を「渾天甲子」と曰う。その中の陰陽の進退・変化・反復を観察すれば、能く「幾を知りて神なり」に至り得。(注:巽は丑・亥・酉・未・巳・卯を納す。内巽の陰支丑が内震の陽支子に随い、外巽の陰支未が外震の陽支午に随うがゆえ。離は卯・丑・亥・酉・未・巳を納す。内離の陰支卯が内坎の陽支寅に随い、外離の陰支酉が外坎の陽支申に随うがゆえ。兌は巳・卯・丑・亥・酉・未を納す。内兌の陰支巳が内艮の陽支辰に随い、外兌の陰支亥が外艮の陽支戌に随うがゆえ。これ即ちいわゆる夫婦相随い周旋間なくして交錯逆行するなり。)
五行章第五
五行者,五類也;五類者,象而類之也;夫象有五,曰令、曰位、曰色、曰形、曰性。(五類,金木水火土也;令,時也;位,方也;色,氣也;形,狀也;性,屬也;因是而象,則知其類。)
いわゆる「五行」は、即ち五つの大類にして、いわゆる五類は取象に依りて帰類するなり。取象に五つの角度あり。一は「令」、二は「位」、三は「色」、四は「形」、五は「性」なり。(注:五類は即ち金・木・水・火・土なり。「令」は時令を指し、「位」は方位を指し、「色」は気色を指し、「形」は形状を指し、「性」は性質の所属を指す。この五者に依りて取象すれば、即ちそのいずれの類に属するかを判定し得。)
一陽之生,令司冬至,子之半也;位列北方,坎之體也;色黑,形溼,其性乃寒,水之象也。陰陽相半,令司春分,卯之正也;位居東方,震之用也;色蒼形潤,其性乃溫,木屬故也。(此言象而類之,則知坎子北方應屬水,震卯東方應屬木也。)
一陽初生の時は、時令は冬至に当たり正に子の中点に在り。方位は北方に在り、坎の本体なり。色は黒、形は湿、性は寒——これ即ち水の象なり。陰陽各々半を占むる時は、時令は春分に当たり正に卯の中点に在り。方位は東方に在り、震の功用なり。色は青、形は潤、性は温——それ木に属するがゆえ。(注:これは取象帰類の弁法を用いれば、即ち坎と子・北方は当に水に属すべく、震と卯・東方は当に木に属すべきを知るを説くなり。)
一陰之生,令司夏至,午之半也;位列南方,離之體也;色赤,形燥,其性乃熱,火之屬也。天地相收,令司秋分,酉之中也;位居西方,兌之用也;色白,形稿,其性乃涼,金屬故也。(此言離午南方,應屬火也,兌酉西方,應屬金也。)
一陰初生の時は、時令は夏至に当たり正に午の中点に在り。方位は南方に在り、離の本体なり。色は赤、形は燥、性は熱——それ火に属す。天地の気収斂する時は、時令は秋分に当たり正に酉の中点に在り。方位は西方に在り、兌の功用なり。色は白、形は枯槁、性は涼——それ金に属するがゆえ。(注:これは離と午・南方は当に火に属すべく、兌と酉・西方は当に金に属すべきを説くなり。)
四方四時,則類其所親,五行五旺,則分其所居。(春木夏火秋金冬水,相親而類之,然必以子午卯酉為君宰,以五行旺於是爾。)故亥水寅木巳火申金,類從其屬;辰戌丑未,則出類分屬,是以令季,色黃,形安,性平,位中央而寄四維,土為萬物之本也。(亥近子,故屬水,寅近卯,故屬木,巳近午,故屬火,申近酉,故屬金,然辰戌丑未屬土者,不親其類,反分四季,蓋萬物之根,不可一無土也。)
四方と四時は、彼此親近の関係に按じて帰類す。五行の五種の旺相は、則ち各自の居る所の位に按じて画分す。(注:春は木に属し夏は火に属し秋は金に属し冬は水に属すは、皆な親近に就きて帰類するなり。但し必ず子・午・卯・酉の四正を以て主宰と為さざるべからず、五行正にこの四位の上に旺するがゆえ。)ゆえに亥は水に属し寅は木に属し巳は火に属し申は金に属すは、皆な隣近の正位に随いて帰類す。辰・戌・丑・未に至りては、則ちこの帰類を跳出して別に一属を立つ。時令は四季の末に在り、色は黄、形は安定、性は平和、位は中央に在りて四隅に寄旺す——土は万物の根本なり。(注:亥は子に近づく、ゆえに水に属す。寅は卯に近づく、ゆえに木に属す。巳は午に近づく、ゆえに火に属す。申は酉に近づく、ゆえに金に属す。而るに辰・戌・丑・未は土に属して隣位に随い帰類せず、却って分かちて四季の末に居るは、これ万物の根が一刻も土を離るべからざるがゆえ。)
干神應支,從類而化,猶地生物而天應之。(地支所屬,天干應之,如寅司木,寅中有甲,而甲亦木矣;如卯屬木,卯中有乙,而乙亦木矣;如辰屬土,辰中有戊亦土矣之類。蓋劍氣燭天,芝光照地,理也。)
天干の神は地支に呼応し、地支の所属する類に随いて変化す。地上に万物を生出し天は上に於いて之に応ずるがごとし。(注:地支が何に属するか、天干は即ち随いて何に応ず。たとえば寅は木を主り、寅中に甲を蔵し、甲も即ち木なり。卯は木に属し、卯中に乙を蔵し、乙も即ち木なり。辰は土に属し、辰中に戊を蔵し、戊も即ち土なり——皆なこの類なり。正に宝剣の精気の上に天を烛り、霊芝の光華の下に地を照らすがごとく、本より自然の理なり。)
其八卦之屬,位之象之,推而五兆七耀之分,亦近取諸身,遠取諸物之所自起也。(乾兌位西屬金,震巽位東屬木,此以位言之;坎水離火艮山坤地,此以象言之;五兆,謂雨霽蒙馹克,即水火木金土;七耀,謂喜善威文弱燥怒,即日月金木水火土也。)
八卦の五行帰属に至りては、あるいは方位に凭りて定めあるいは卦象に凭りて定む。「五兆」「七耀」の画分に推し広むるも、皆な聖人の「近くは諸を身に取り遠くは諸を物に取る」に由りて来るなり。(注:乾・兌は位は西方に在りて金に属し、震・巽は位は東方に在りて木に属すは、これ方位に就きて言うなり。坎は水と為し離は火と為し艮は山と為し坤は地と為すは、これ卦象に就きて言うなり。「五兆」は雨・霽・蒙・馹・克を指し、即ち水・火・木・金・土なり。「七耀」は喜・善・威・文・弱・燥・怒を指し、即ち日・月・金・木・水・火・土なり。)
六親章第六
吾聞立人之道,必先五倫,此六親所自始也。(六親之法,義仿五倫。)卦成則以我為本,有我,則生我者為父母,曰慈,曰天,曰地,曰城池,曰文章、器皿、衣冠,凡以庇其身也。克我者為官鬼,曰刑,曰雷電,曰品級,曰亂臣賊子,曰疾病、制爻,凡以束其體也。(凡卦成六爻內飛伏互變之中,年月日時之上,凡生我者謂之父母,主庇益,克我者,謂之官鬼,主制縛。)
我聞く、人を立つるの道は必ず先ず五倫を講明す。「六親」の取法は即ち此より来る。(注:六親の法則は、五倫に仿うて義を取るなり。)卦一たび排成すれば、即ち卦中の「我」(本宮の五行)を以て根本と為す。「我」有れば、凡そ我を生ずるは便ち「父母」爻なり。慈愛・天・地・城池を象征すべく、また文書・器皿・衣冠を象征すべし——凡そ身を庇護するに用うるは皆な之に帰す。凡そ我を剋するは便ち「官鬼」爻なり。刑罰・雷電・官品等級・乱臣賊子を象征すべく、また疾病と我を制する爻を象征すべし——凡そ身を約束するに用うるは皆な之に帰す。(注:卦成りて六爻の後、飛神・伏神・互卦・変卦の中に在ると、年・月・日・時の上に在るとを論ぜず、凡そ我を生ずるは皆な「父母」と曰いて庇護増益を主り、凡そ我を剋するは皆な「官鬼」と曰いて制約束縛を主る。)
比和者為兄弟,而於貴則相凌,利則相攘,政則相干,得則相取。(兄弟本為比和,但吾之所好,彼亦好之,故嫌攘奪,又為阻滯。)我生者為子,則能制我之仇讐;我克者為財,則能給我之驅使。子孫為福德,而忠良、醫藥、高尚、逍遙之象見焉;妻財為僕妾,而貨貝、倉庫、飲食、淫樂、荒殆之象見焉。(子為福神,兼能克鬼;財為僕妾,兼主貨財,溺則淫樂荒殆也。)
我と同類相比和するは「兄弟」爻なり。爵位の上に於いて互いに欺凌し、財利の上に於いて互いに争奪し、政事の上に於いて互いに干犯し、一たび得る所有れば互いに攫取す。(注:兄弟は本より同類相和すれど、我の好む所の物を彼もまた好む、ゆえにその奪取を嫌い、また阻滞を主る。)我の生ずる所は「子孫」爻にして、能く我が仇敵を制伏す。我の剋する所は「妻財」爻にして、能く我に駆使せらるを供す。子孫は福徳の神にして、忠良の人・医薬・清高・逍遥自在を象征すべし。妻財は僕妾の象にして、財貨・倉庫・飲食を象征すべく、また沈溺淫楽・荒廃懈怠を象征すべし。(注:子孫は福神にして、また官鬼を剋し得。妻財は僕妾にしてまた財貨を主り、一たび沈溺すれば即ち淫楽荒廃と為る。)
推之人事,寵祿盈而兆亂,財動生鬼也;慈惠著而眾歸,父動生兄也;困而後榮,生而後富,官動生父,子動生財也;比肩協力,而國士以至,兄動生子也。此六親之生象也。(此言用神不動,而元神動者,亦為吉占。相生之理,推之人事而無不合也。)
之を人事に推して見るに、恩寵俸禄の盛なるは却って禍乱の兆なり。これは「妻財」発動して「官鬼」を生ずるなり。仁慈恩惠の昭著にして衆人帰附するは、これは「父母」発動して「兄弟」を生ずるなり。先ず困頓して而る後栄顕し、先ず生機有りて而る後富に致るは、これは「官鬼」発動して「父母」を生じ「子孫」発動して「妻財」を生ずるなり。同輩協力して国士来り投ずるは、これは「兄弟」発動して「子孫」を生ずるなり。これら即ち六親相生の象なり。(注:これは用神動かざれども、元神発動すれば同じく吉占と算すを説くなり。相生の道理を人事に推せば、吻合せざるなし。)
長能率幼,父動克子也;邪不勝正,子動克官也;多財損文章之譽,威刑弭狙詐之心,財動克父,官動克兄也;利則起爭,爭則損利,兄動克財也。此六親之克象也。(此言忌神被克而吉,用神被克而凶。相剋之理,推之人事而合也。)以五行之象而分六親,以生克之理而籌庶務,事無遁情矣。(六親推自五行,萬事推之六親,各有所用也。)
長輩は能く晩輩を統率す。これは「父母」発動して「子孫」を剋するなり。邪は正に勝たず。これは「子孫」発動して「官鬼」を剋するなり。銭財多きは文名を折損し、威刑は能く奸詐の心を消弭す。これは「妻財」発動して「父母」を剋し「官鬼」発動して「兄弟」を剋するなり。利あれば即ち争奪を起こし、争奪はまた反って利を損ず。これは「兄弟」発動して「妻財」を剋するなり。これら即ち六親相剋の象なり。(注:これは忌神剋されれば則ち吉、用神剋されれば則ち凶を説くなり。相剋の道理を人事に推して同じく吻合す。)五行の象を用いて六親を画分し、生剋の理を用いて種種の事務を籌画すれば、事は遁形するに由なし。(注:六親は五行より推し出す所にして、万事はまた六親に由りて推すを要す。各々その用あり。)
六神章第七
獸乃將之名,神乃帝之佐也。(古以鳥獸名官,不言將而言神,以其妙用無窮也。)蓋有司月司日之將,亦有司時司貴之神,權有重輕,而司日月者為要。(司日,即甲乙起青龍,丙丁起朱雀,戊日起勾陳,己日起騰蛇,庚辛起白虎,壬癸起元武;司月,即龍在寅方虎在申,正從丑上起勾陳,朱雀巳宮元武亥,惟有騰蛇辰逆行;)
「獣」は武将の名号にして、「神」は帝王の輔佐なり。(注:古人は鳥獣を以て官職に命名す。ここに「将」と称せずして「神」と称するは、その妙用の窮まりなきがゆえ。)六神の裏に月建を主管し日建を主管する「将」あり、また時辰を主管し貴人を主管する「神」あり。権柄に軽有り重有り、而して日・月を主管するを以て最も緊要と為す。(注:いわゆる「司日」は、甲乙日は青竜より起こり、丙丁日は朱雀より起こり、戊日は勾陳より起こり、己日は騰蛇より起こり、庚辛日は白虎より起こり、壬癸日は元武より起こる。いわゆる「司月」は、口訣に「竜は寅方に在り虎は申に在り、正は丑上より勾陳を起こし、朱雀は巳宮元武は亥、惟だ騰蛇は辰に逆行す」——青竜は寅に起こり白虎は申に起こり勾陳は丑に起こり朱雀は巳に起こり元武は亥に起こり、ただ騰蛇のみ辰の上より逆行す。)
(司時,即時建六神,以五子遁法,時遇甲乙即起青龍,時遇庚辛即起白虎,設如甲子日寅時占,而五子遁法,時當丙寅,即初爻起朱雀是也;司貴,即隨貴人之六神,其法起貴人、騰蛇、朱雀、六合,勾陳、青龍、空亡、白虎、太常、元武、太陰、天后,蓋陽貴順行,陰貴逆行也,設如辛未日辰時占,則寅上起貴人,未乃青龍,酉乃白虎。此四者名同而用異,卜筮必以日月六神為重。)
(注:いわゆる「司時」は、時辰の干支に按じて六神を起こし、「五鼠遁」を用いて時干を推出す。時干に甲・乙に遇えば即ち青竜を起こし、庚・辛に遇えば即ち白虎を起こす。たとえば甲子日寅時に占卦すれば、五鼠遁に按じて時柱を丙寅と推出すれば、則ち初爻より朱雀を起こす。いわゆる「司貴」は、貴人に随いて排する一套の神煞にして、順序は貴人・騰蛇・朱雀・六合・勾陳・青竜・空亡・白虎・太常・元武・太陰・天后なり。陽貴人は順行し陰貴人は逆行す。たとえば辛未日辰時に占卦すれば、寅の上に貴人を起こし、然らば未の上は即ち青竜・酉の上は即ち白虎なり。この四套の神は名目同じくして用法各々異なり。卜筮の時必ず日・月の起こす所の六神を以て重と為す。)
勾陳之象,實名麒麟,位居中央,權司戊日,蓋仁獸而以土德為治也。(勾陳實乃吉神,麟趾不踐生草,不履生蟲,其行多遲,配土德,敦信而為用也。)騰蛇之將,職附勾陳,遊巡於前,權司己日,蓋火神而配土德以行也。(騰蛇之官,遊巡帝前,屬火而性多不測,情尚虛浮,位在戊下司己,故復屬土,使臣也。)
勾陳の象は本名は麒麟にして、位は中央に居り、戊日を主管す。一種の仁獣にして、土徳を以て施治を施す。(注:勾陳は実は吉神なり。麒麟は歩きて脚は活草を踏まず活虫を蹈まず、歩態多く遅緩す。土徳に配属して敦厚守信の義を取る。)騰蛇のこの一位は、職は勾陳の下に属し、帝の前に於いて巡游し、己日を主管す。本より火神にして土徳を配して行事す。(注:騰蛇の官は帝の前に巡游し、本身は火に属し、性情は変じて測り難く、情態は虚浮に偏す。それ位は戊の下に在りて己日を主管するに因り、ゆえにまた土に帰属し、差遣に供する臣属なり。)
青龍之神,左居東方,權司甲乙,而主文事,以木德為化;白虎之煞,右居西文,權司庚辛,而制武備,以金德為刑。(青龍位帝之左,文臣也;白虎位帝之右,武臣也。)朱雀舞端門,南方司丙丁,而主封章彈諫文學,以火為德;元武從帝座,北方司壬癸,而主計謀籌畫機巧,以水為德。(朱雀位帝之前,諫臣也;元武位帝之後,謀臣也,蓋子為帝座,午為端門。)
青竜のこの神は、左方・東方に居り、甲乙日を主管し、文事を掌り、木徳を以て教化を施行す。白虎のこの煞は、右方・西方に居り(原文は「西文」と作る、「文」は「方」の誤りに当たる)、庚辛日を主管し、武備を掌り、金徳を以て刑殺を施行す。(注:青竜は位は帝王の左に在り、文臣なり。白虎は位は帝王の右に在り、武臣なり。)朱雀は端門に飛舞し、南方に在りて丙丁日を主管し、章奏・弾劾諫諍と文学の事を掌り、火を以て徳と為す。元武は帝座に侍従し、北方に在りて壬癸日を主管し、計謀・籌画と機巧の事を掌り、水を以て徳と為す。(注:朱雀は位は帝王の前に在り、諫臣なり。元武は位は帝王の後に在り、謀臣なり。子位は帝座にして、午位は端門なり。)
六神之設,各有攸司,吉凶善惡,以有而遷。(言所司各吉凶,凡雀司言,武司計,龍司生,虎司殺,勾司實,蛇司虛。)夫萬物之情,與類相親,親其所同恤也,非其類則不親,不親其所相惡也。以仁為體,不處殘刃之鄉,故龍避金爻也;以殺為威,當親禮讓之地,虎伏火爻也;明智則勝人之爭,水以制雀也;篤信則化物之狡,土以制武也。(青龍為仁,金克木則吉而不吉,白虎為殺,火克金則凶而不凶,元武為水智,能勝朱雀之爭,勾陳為土信,能制元武之狡,此復以物情推之而合也。)
六神を設立し、各々その職司あり。吉凶善悪は、臨む所の爻の情形に随いて転移す。(注:これは各神の主る所の吉凶を説くなり。朱雀は口舌言語を主り、元武は謀計を主り、青竜は生発を主り、白虎は殺伐を主り、勾陳は真実を主り、騰蛇は虚妄を主る。)万物の情は、常に同類相亲し、相亲するは彼此相恤むに因る。同類にあらざれば則ち相亲せず、相亲せざるは彼此相悪むに因る。青竜は仁を以て体と為し、刀兵残殺の郷に在るを肯ぜず、ゆえに青竜は金爻を回避す。白虎は殺を以て威と為し、却って礼譲の地に親むべし、ゆえに白虎は火爻に伏す。明智は能く他人の争訟に勝ち、ゆえに水は能く朱雀を制す。篤信は能く他人の奸狡を化解し、ゆえに土は能く元武を制す。(注:青竜は木に属し仁を主る、金来りて木を剋せば、本吉なるもまた吉ならず。白虎は金に属し殺を主る、火来りて金を剋せば、本凶なるもまた凶ならず。元武は水に属し智を主る、能く朱雀の争訟を圧倒す。勾陳は土に属し信を主る、能く元武の奸狡を制す。これまた物情を用いて推求して彼此吻合するなり。)
故六神吉者,喜生、喜助、喜動、喜持世,六神凶者,宜制、宜化、宜散、宜逢空,復加於六親好惡而悔吝自昭。(以六神參於六親,則吉凶悔吝,昭然不爽。)其大六神將,以周正為法,而先天分位之龍起子,虎起午,朱雀以卯,出自離門,元武以酉,出自坎座,勾陳督文事而順遊,騰蛇由武備而分狩。(大六神法,因周正建子,以先天位分之,故青龍從先天坤位,則自子上順行,白虎從先天乾位,則自午上順行,朱雀從先天離位,則自卯上順行,玄武從先天坎位,則自酉上順行,勾陳黃帝之命,六神之宰,從亥順行,督從青龍而巡,騰蛇為游神,自白虎午上相分逆行以狩四方也。)
ゆえに吉に属する六神は、生ぜられ扶けられ発動し世を持するを好む。凶に属する六神は、制伏せられ化泄せられ冲散せられ空亡を落ちるを宜しとす。再び六神と六親の好悪を合わせて看れば、悔吝は自然に顕明す。(注:六神を六親に参合すれば、吉凶悔吝は清清楚楚にして差錯あらず。)「大六神将」に至りては、周暦建子に依りて法と為し、先天卦位に按じて分布す。青竜は子に起こり、白虎は午に起こり、朱雀は卯に起こり離門より出づ、元武は酉に起こり坎座より出づ。勾陳は文事を督察して順行巡游し、騰蛇は武備に属して道を分かちて巡狩す。(注:大六神の法は、周暦建子に因りて則ち先天方位に按じて分かつ。青竜は先天坤位に属す、ゆえに子の上より順行す。白虎は先天乾位に属す、ゆえに午の上より順行す。朱雀は先天離位に属す、ゆえに卯の上より順行す。玄武は先天坎位に属す、ゆえに酉の上より順行す。勾陳は黄帝の命を受く、六神の長にして、亥の上より順行し、青竜に督随して巡る。騰蛇は游動の神にして、白虎の在る所の午の上より道を分かちて逆行し、以て四方を巡狩す。)
司日之將,法天五運,司月之神,行地六氣。(日建六神,皆起天干,月建六神,皆起地支。)猶有司時六神,其則如日,司貴六神,其則如星,凡星宿之光,不及於日月,時辰之力,不敵於春秋,故曰日月六神為要也。(時神亦起天干,貴人亦從貴人星而起。星宿之光不大,時辰之權不永,安能如日月六神乎?)
日建を主管する将は、天の「五運」に取法す。月建を主管する神は、地の「六気」に運行す。(注:日建六神は皆な天干より起こり、月建六神は皆な地支より起こる。)此の外また時辰を主管する六神あり、規則は日建と相同じ。貴人を主管する六神は、規則は則ち星宿に依りて定む。星宿の光は日月に比ぶに及ばず、時辰の力は一季の春秋に抵らず。ゆえに日・月両套の六神を最も緊要と曰う。(注:時辰の神もまた天干より起こり、貴人は則ち貴人星より起こる。星宿の光は大ならずと算し、時辰の権柄は長久ならず、どうして日月六神に比し得むや。)
世応章第八
剛柔磨而卦立,上下蕩而易成,易章成而世應出矣。(易章謂乾為天,至雷澤歸妹之章。)蓋世應出於三才始備之際,非易成而後有也,然成易而有名焉。(世應事物之主宰,三畫始備三才,以四象生成八卦之時,則第三畫即三才始備之爻,因名之應;復以八生十六成八純之際,則第三畫乃純之第六畫,亦三才始備之爻,因名之世,然世六而應三者,以三成才而六成體也。以體言象,以世言法,故從世爻上下循環,則世應出於成卦之時,非有於易章之後也。)
剛柔相磨れて卦体成立し、上下激蕩して《易》道形成す。八宮の篇次一たび排定すれば、「世」「応」は即ち出づ。(注:いわゆる「易章」は、乾為天より一直に雷沢帰妹に排するまでのあの套の卦序篇次を指す。)「世」「応」は三才剛く具備する時に已に産生し、《易》成りて後に有るにあらず。ただ《易》成りて後にそれらに名を定めたるのみ。(注:世と応は事物の主宰なり。三画恰好に三才を具備し、四象八卦を生出する時、第三画は正に三才初めて備わる爻にして、此に因りて「応」と曰う。再び八卦に由りて重ねて十六を成し八純卦を排出する時、第三画は即ち純卦の第六画と成り、同じく三才初めて備わる爻にして、此に因りて「世」と曰う。世は第六爻に在りて応は第三爻に在るは、三画は「才」を成し六画は「体」を成すに因る。体に就きて言えば「象」にして、世に就きて言えば「法」なり。ゆえに世爻の上下に従いて循環推排するを要す——世応は成卦の時に産生し、八宮篇次排定の後に有るにあらざるを見るべし。)
故八純六世,八生十六之因也;三應,四生八之由也。重之為六,故世居六;不重則三,故應居三,世猶身,應猶物也。(六者體象既成,專言之而為身,三者卦爻未備,概言之而為物也。)
ゆえに八純卦は第六爻を以て世と為すは、八卦重ねて十六卦を成すの故なり。第三爻を以て応と為すは、四象が八卦を生成するの故なり。重卦の後は六画有り、ゆえに世は第六爻に居る。重卦せざれば三画あるのみ、ゆえに応は第三爻に居る。世は自身に比し、応は外物に比す。(注:六画の時は卦体卦象已に完成し、専らその一を指して「身」と称すべし。三画の時は卦爻未だ完備せず、ただ笼统に「物」と称するのみ。)
順而行之,推而廣之,以易章而次北之,循環已終,逆順反止。(自乾六世,姤一世,遁二世,否三世,觀四世,剝五世,乃謂順行推廣,次第循環,至五而終;終而始,順而逆,故晉四世,大有三世,乃復還三才始備之爻,所以世應從此而止。)
順いに往下に推排し、拡げて広め、八宮の篇次に依りて卦を逐い排比し、循環して尽頭に至れば、即ち順より転じて逆として止住す。(注:乾は六世卦、姤は一世、遯は二世、否は三世、観は四世、剥は五世。これを順行推広・依次循環と曰い、第五爻に至りて止と為す。尽頭に至りてまた回頭し、順より転じて逆と為す。ゆえに晋は四世卦、大有は三世卦——大有の世位はまた三才初めて備わる爻に回り、世応の排法は此に至りて停止す。)
至歸魂而變化之道復,及游魂而上下之理遷,皆非人力所能為也。(自八純六世三應,及歸魂三世六應,變化之道,於此以極,順逆之理,於此以終;自五世剝至四世晉,逆而不順,下而不上,恆常之理,於此以遷,皆有自然之道,故占者遇游魂主變,遇歸魂主復也。)
帰魂卦に至れば、変化の道は即ち本位に復帰す。游魂卦に至れば、上下の理は即ち遷移を発生す——これら皆な人力の安排し得る所にあらず。(注:八純卦の六爻持世・三爻為応より、帰魂卦の三爻持世・六爻為応に至るは、変化の道は此に至りて窮極し、順逆の理は此に至りて終結す。五世の《剥》より四世の《晋》に転ずるは、逆行して順行せず下降して上昇せず、恒常の理は此に至りて遷移を発生す——これら皆な自然の道その中に在り。ゆえに占卦は游魂に遇えば変動を主り、帰魂に遇えば回復を主る。)
五星降位,乾六世而起鎮星,土,萬物之母也;一世繼於太白,二世繼於太陰,太陰繼歲星,歲星繼熒惑,熒惑復繼鎮,而生生相續以循震坎艮坤巽離兌歸妹,而歲星終焉。(乾卦壬戌持世,坤卦癸酉持世,皆納干支之法,然五星二十八宿之持世,卜筮未考。漢京房以土鎮星降次於純乾六爻,土乃萬物之母,因以土星為始;)
五星を降りて爻位に配す。乾卦は第六爻を以て世と為し、「鎮星」(土星)を起こす、土は万物の母なるがゆえ。一世卦は「太白」(金星)を以て接ぎ、二世卦は「太陰」(水星)を以て接ぎ、太陰の後は「歳星」(木星)を接ぎ、歳星の後は「熒惑」(火星)を接ぎ、熒惑の後は再び鎮星を接ぐ。このように生生相続いで、震・坎・艮・坤・巽・離・兌の各宮に循いで一路排し下りて、帰妹に至りて歳星を以て收尾と為す。(注:乾卦は壬戌持世・坤卦は癸酉持世、これら皆な納甲干支の法なり。五星・二十八宿の如何に持世するかに至りては、卜筮の書は並びに考訂したることなし。漢代の京房は土星(鎮星)を降りて純乾の第六爻の上に配し、土は万物の母なり、ゆえに土星より起頭す。)
(土生金,則姤卦辛丑,降次太白;金生水,則遁卦丙午,降次太陰;水生木,則否卦乙卯,降次歲星;木生火,則觀之辛未,降次熒惑;火生土,則剝之丙子,復降次鎮星;土生金,則晉己酉,復降次太白;金生水,則大有甲辰,復降次太陰;水生木,則震之庚戌,降次歲星,生生不息。震宮生坎宮,坎宮生艮宮,艮宮生坤宮,坤宮生巽宮,巽宮生離宮,離宮生兌宮,及歸妹丁丑而歲星終焉。)
(注:土は金を生ず、ゆえに《姤》卦は辛丑持世にして太白金星を降配す。金は水を生ず、ゆえに《遯》卦は丙午持世にして太陰水星を降配す。水は木を生ず、ゆえに《否》卦は乙卯持世にして歳星木星を降配す。木は火を生ず、ゆえに《観》卦は辛未持世にして熒惑火星を降配す。火は土を生ず、ゆえに《剥》卦は丙子持世にしてまた鎮星土星を降配す。土は金を生ず、ゆえに《晋》卦は己酉持世にしてまた太白を降配す。金は水を生ず、ゆえに《大有》は甲辰持世にしてまた太陰を降配す。水は木を生ず、ゆえに《震》卦は庚戌持世にして歳星を降配す——このように生生して息まず。再び下れば、震宮は坎宮を生じ、坎宮は艮宮を生じ、艮宮は坤宮を生じ、坤宮は巽宮を生じ、巽宮は離宮を生じ、離宮は兌宮を生じ、帰妹の丁丑持世に至りて歳星を以て收尾と為す。五星は五行相生の次序に按じて、各宮の世爻に随いて依次降配し下るを見るべし。)
蓋不言水而言太陰者,太陰,水之精也;不言太陽,而言熒惑者,太陽,則日辰之權也,京子之傳,豈有謬乎?然五星災祥之現,現於特變者也。(日為君主,故不同列,而以熒惑代之,其吉凶之應,必以獨發,然後配事為驗。)
なぜ「水星」と曰わずして「太陰」と曰うか。太陰は水の精華なるがゆえ。なぜ「太陽」と曰わずして「熒惑」と曰うか。太陽の主る所は日辰の権柄にして、衆星と同列すべからざるがゆえ。京房先生の伝授、豈に錯誤あらむや。ただ五星の災祥を顕示するは、「特変」の処——即ち単独発動する爻の上——に在りてのみ応験を見る。(注:太陽は君主なり、ゆえに諸星と並列せず、而して熒惑を用いて之に代う。五星吉凶の応験は、必ず独発の爻の上に落ち、再び占う所の事に配合して乃ち霊なり。)
鎮星主安,則司城郭屋室土地泰康之事,而不可以越為;太白主兵,則司於戈矛威武刑殺絕滅憂喪之事,而不可以居,且其色光芒,其性鋒利。(土星特現,凡事皆吉,但只宜守信,不可妄為;金星特現,主兵喪,若值白虎官鬼有凶,臨青龍子孫無咎。)
鎮星(土星)は安定を主り、城郭・房屋・土地の平安康泰の事を掌る。但し分を越えて妄為すべからず。太白(金星)は兵戈を主り、干戈矛戟・威武・刑殺・絶滅・憂喪の事を掌る。その位に久しく居るに宜しからず、而もその色は芒を帯び性質は鋒利なり。(注:土星単独出現すれば、凡事皆吉なれど、ただ信を守り分を守るに宜しく、妄りに作為有るべからず。金星単独出現すれば、兵災喪事を主る。もしまた白虎・官鬼に値えば便ち凶険有り。もし青竜・子孫に臨めば則ち過錯あらず。)
熒惑火星,伏 不測,亦司文章之事,而他遇者凶,若見太陽,其光熄矣;太陰主慈慧,配聖母之德,惟司赦宥之事,若臨咸池,其德敗矣;歲星則主萬物,遇吉則吉,遇凶則凶。(火星唯司文章,餘皆凶,若遇日辰克之則無患,占宅與火鬼同發者,主回祿;水星特現,凡事消釋,咸池臨之,則主淫樂致凶也。)
熒惑火星は、隠伏して測り難し(此処の原文に一字残缺あり)。また文章の事を主る。文事を除くの外、別の事は之に遇えば皆な凶を主る。それ若し太陽に遇えば、光芒は即ち熄滅す。太陰(水星)は慈愛智慧を主り、聖母の徳に配し、専ら赦免寛宥の事を主る。もし「咸池」桃花に臨めば、この徳性は即ち敗壊す。歳星(木星)は則ち総じて万物を主り、吉に遇えば則ち吉、凶に遇えば則ち凶。(注:火星はただ文章を主り、其余は皆な凶を主る。もし日辰に剋されれば、妨害なし。家宅を占う時、火星と火性の官鬼と同時に発動すれば、火災を主る。水星単独出現すれば、凡事皆な消解し得。もし咸池之に臨めば、則ち淫楽に因りて凶に致るを主る。)
經星聚世,參宿起乾,實沈晉地,乃乾之方,男從父,女從母,而例之,蓋天星各有所司也。(參星在實沈之分,晉地為中原之西北,故參星降起乾卦六爻,以乾震坎艮坤巽離兌為次,順布六十四卦之世爻,此京夫子之傳也。)
二十八宿(経星)もまた世爻の上に聚配す。参宿は乾卦より起こる、参宿は「実沈」星次に属し晋地に対応し、正に乾位西北の方に在るがゆえ。其余は則ち陽卦は父卦に随い陰卦は母卦に随い、此に依りて類推す——天上の星宿は各々主る所有るを見るべし。(注:参星は実沈の分野に在り、晋地は中原の西北に在り、ゆえに参星を降りて乾卦第六爻に配して起頭と為し、再び乾・震・坎・艮・坤・巽・離・兌の次序に按じて、順次六十四卦の世爻に布き満たす。これは京房夫子の伝授なり。)
有以乾巽角、坎離斗、艮坤奎、震兌井、八純閏歸魂之宿,先世應,而自外以布至內,則三百八十四爻,各有一星司之矣,然禍福之兆,入於主象而兆也。(以乾世爻起角星,應爻是亢星,五爻氐星,初爻房星,四爻心星,二爻尾星,此乃先世應而後自外以布至內也;其姤卦世爻起亢星,應爻是氐星,二爻房星,六爻心星,三爻尾星,五爻箕星之法是也;)
別に一種の排法あり。乾宮・巽宮は角宿に起こり、坎宮・離宮は斗宿に起こり、艮宮・坤宮は奎宿に起こり、震宮・兌宮は井宿に起こる。八純卦と帰魂卦の値する所の宿は相重なる(「閏」は即ち重複の意)。排列の時は先ず世爻・応爻を安んじ、然る後外卦より内卦に向い布き下る。このようにして六十四卦三百八十四爻、一爻ごとに一宿の主管あり。ただ禍福の征兆は、仍お用神主象の上に落ちて乃ち兆と為る。(注:乾卦は世爻より角宿を起こし、応爻は亢宿、五爻は氐宿、初爻は房宿、四爻は心宿、二爻は尾宿——これ即ち先ず世応を安んじ再び外より内に向い布列するなり。又如姤卦は世爻より亢宿を起こし、応爻は氐宿、二爻は房宿、六爻は心宿、三爻は尾宿、五爻は箕宿。用うる所は即ちこの弁法なり。)
(大有世爻起斗星,坎卦世爻亦起斗星,歸妹世爻起角星,乾卦世爻亦起角星,此乃八純閏歸魂之宿也;然歸妹三爻角星,六爻亢星,初爻氐星,五爻房星,二爻心星,四爻尾星。蓋世應之星,八純歸魂相同,而餘星則異,此黃金策劉夫子之傳也。)
(注:《大有》は世爻より斗宿を起こし、《坎》卦は世爻よりもまた斗宿を起こす。《帰妹》は世爻より角宿を起こし、《乾》卦は世爻よりもまた角宿を起こす——これ即ち八純卦と帰魂卦の値する星宿の相重なるの意なり。ただ《帰妹》の一卦は三爻は角宿、六爻は亢宿、初爻は氐宿、五爻は房宿、二爻は心宿、四爻は尾宿なり。世応両爻の値する所の星は、八純卦と帰魂卦は相同じく、其余の各爻の値する所は則ち同じからざるを見るべし。これは《黄金策》の作者劉伯温先生の伝授なり。)
昏中為吉,旦中為凶,日纏其垣則善,月麗其次則祥,然曲盡傍通,存乎人爾。(昏中則星光故吉,旦中則星晦故凶,如今正月昏中乃胃星,二月中乃畢星,三井、四柳、五翌、六軫、七氐、八尾、九斗、十女、十一室、十二奎,遇此則吉,若日月臨之,用神復值於其上,則盡善矣。蓋堯時日短星昴,太陽出虛,今日短星畢,太陽出箕,天行日行有歲差,故今古不同,因略言之,然後世當隨時而定。)
黄昏の時に正に南中に当たる星宿は吉を主り、清晨の時に正に南中に当たる星宿は凶を主る。太陽の行経する所の星垣は善と為し、月亮の依附する所の星次は祥と為す。如何に変を曲尽し用を旁通するかに至りては、則ち人の運用に在り。(注:黄昏正中の時は星光正に盛ん、ゆえに吉を主る。清晨正中の時は星光已に晦む、ゆえに凶を主る。今日の暦法に照らせば、正月の昏中は胃宿、二月は畢宿、三月は井宿、四月は柳宿、五月は翼宿、六月は軫宿、七月は氐宿、八月は尾宿、九月は斗宿、十月は女宿、十一月は室宿、十二月は奎宿。これらに遇えば即ち吉なり。もし更に日月之に臨み用神また正にその上に値えば、則ち尽善なり。上古唐尭の時、冬至日短の時の中星は昴にして、太陽は虚宿より出づ。今日短の時の中星は畢にして、太陽は箕宿より出づ——天体の運行と太陽の行度に歳差あり、ゆえに古今相同じからず。ここにただ略挙するのみ、後世はまた時に随いて推定すべし。)
是故隨官入墓、助鬼傷身、合處逢沖,此占世之凶徵也。(此三法皆從世爻而設,五星經星,又其次爾。)我求我得不可世空,彼有彼來豈宜應陷,破散有敗亡之象,動沖為更變之端,變進神,少而成多,化退神,厚而反薄,三合無而生有,三刑強而自敝。(進神如物之長,退神如物之消,世如空者,日月動爻,三合拱而扶之,則過旬而有,世如動者,日月變爻,三會而刑之,則終及於敝。)
ゆえに「随官入墓」「助鬼傷身」「合處逢冲」のこの三样は、自身を占問する時の凶兆なり。(注:この三法は皆な世爻を囲繞して設立す。五星・経星はなおその次なり。)自ら往きて求め自ら要りて得んとすれば、世爻は即ち落空すべからず。対方に物有り対方来らむと欲すれば、応爻豈に陥落せんや。世応は破に逢い散に逢えば、敗亡の象なり。動爻に冲击せられれば、変更の端なり。「進神」を変出すれば、少より変じて多と為り、「退神」を化成すれば、厚より転じて薄と為る。三合は能く無中に生有せしめ、三刑は却って強者をして自敗せしむ。(注:進神は事物の生長するに象り、退神は事物の消減するに象る。世爻もし空に逢えば、ただ日・月・動爻が三合を以て之を拱扶せば、この一旬を出でば無より有となる。世爻もし発動し日・月・変爻もし三会して之を刑すれば、終に敗壊に帰す。)
若夫二勢相勝,二事相交,二意相疑,則重於生克。傳曰,一卦中間,主宰幕非乎世應,容可忽與?(彼我之勢,不宜應克世,而宜世克應,彼我之交,不宜世生應,而宜應生世。凡值人己之占,最重生克之勢。)
両方の勢力が勝を争い、両桩の事情が交渉し、両下の心意が猜疑するに至りては、則ち世応の間の生剋を著重して看るを要す。前人の伝え下す話に曰く、一卦の中、全局を主宰するは世応両爻に過ぎず、どうして忽視し得むや。(注:彼我の強弱を論ずるは、応爻の世爻を剋するを宜しとせず、世爻の応爻を剋するを宜しとす。彼我の交往を論ずるは、世爻の応爻を生ずるを宜しとせず、応爻の世爻を生ずるを宜しとす。凡そ人我両方に渉る占問は、世応生剋の態勢を最も重んず。)
身法章第九
身法有二:由卦而立,謂之卦身,曰月卦;由世而立,謂之世身,曰身居何爻;世身之法,必備於爻,卦身之法,或闕於卦。(其法始於復姤,謂一陽一陰之世,則為子午月卦,二陽二陰之世,則為丑未月卦,三陽三陰之世,則為寅申月卦,四陽四陰之世,則為卯酉月卦,五陽五陰之世,則為辰戌月卦,六陽六陰之世,則為巳亥月卦,即卦身是也;如乾六陽之世,卦身在巳,坤六陰之世,卦身在亥之法。子午之世,謂一陽一陰,則世身在初爻,丑未之世,謂二陽二陰,則世身在二爻,餘以類推;如小畜子爻為世,故世身在初,大畜寅爻為世,故世身在三之類。)
「身」の取法に二種あり。卦本身に由りて立つるを「卦身」と曰い、また「月卦」とも曰う。世爻に由りて立つるを「世身」と曰い、即ち「身」が第几爻に落つるを問うなり。世身の法は必ず六爻の中に尋ね得べく、卦身の法は却って時に卦裏に尋ね出す能わず。(注:この法は《復》《姤》の二卦に起こる。世爻が一陽あるいは一陰に属するは、卦身は子月卦あるいは午月卦と為す。二陽二陰は、丑月卦あるいは未月卦と為す。三陽三陰は、寅月卦あるいは申月卦と為す。四陽四陰は、卯月卦あるいは酉月卦と為す。五陽五陰は、辰月卦あるいは戌月卦と為す。六陽六陰は、巳月卦あるいは亥月卦と為す——これ即ち卦身なり。たとえば乾卦は六陽の世にして卦身は巳に在り、坤卦は六陰の世にして卦身は亥に在り。世身に至りては、子午の世は即ち一陽一陰にして世身は初爻に在り、丑未の世は即ち二陽二陰にして世身は二爻に在り、其余は此に依りて類推す。たとえば《小畜》は子爻を以て世を持し、世身は即ち初爻に在り、《大畜》は寅爻を以て世を持し、世身は即ち三爻に在り。)
蓋卦身者,卦之體也,則象人心之用焉,靜則坦懷,合則適意,故見於卦,若體有所依,失其位,如心無所主。卦身者,事之主也,則兼彼己之用焉,己用則七,彼用亦三,故行人遇合當歸,謀望遇合可就。(卦身為卦根事主,合有得見得成之象。)
卦身は一卦の本体にして、人心の作用を象征す。安静なれば則ち心懐坦然とし、合に逢えば則ち称心如意す。ゆえに卦身の卦中に現出するは、身体に依托有るがごとく、一たび位を失えば、心中に主張なきがごとし。卦身はまた占う所の事の主宰にして、兼ねて彼我両方の作用を含む。自己に属するは七分を占め、対方に属するもまた三分を占む。ゆえに行人を占えば、卦身が合に逢えば則ち人当に帰来すべし。謀望を占えば、卦身が合に逢えば則ち事成就すべし。(注:卦身は一卦の根本・一事の主宰にして、合に逢えば即ち見る能く成す能きの象有り。)
空破主猶豫進退之端,動沖應變更惶惑之義,不宜重見,則兩從之念生,最忌沖亡,則千慮之知失。(卦身若遇空破發動暗沖,主身心二三,一卦兩身有二心之象,動逢沖散有恍惚之嫌。)若夫世身之用,空主疑,動主亂,破主敗,沖主變,散主失也。(世身唯避此五者,然可參看,不當泥也,若世爻旺相,此何傷乎?)
卦身が空に逢い破に逢えば、猶豫不決・進退失拠を主る。卦身が発動しあるいは冲せられれば、変更不定了・惶惑主無きを主る。卦身は重複出現を宜しとせず、二つ出現すれば則ち両属の心を生出す。最も冲せられて亡ぶを忌み、さらば深慮熟考の見識もまた丟失す。(注:卦身もし空・破・発動・暗冲に遇えば、身心不定を主る。一卦に二つの卦身出現するは、二心を懐くの象なり。卦身発動してまた冲散に遇えば、即ち精神恍惚の嫌いあり。)世身の用法に至りては、空に逢えば疑慮を主り、発動すれば紛乱を主り、破に逢えば敗壊を主り、冲に逢えば変動を主り、散に逢えば失落を主る。(注:世身はただこの五样を避くれば便ち好し。ただそれは参看すべきのみ、拘泥すべからず——もし世爻本身旺相なれば、これらまた何の妨害あらむや。)
凡看二身,先宜無病,然後以六親六神星殺詳之,功名仕宦,喜文書官鬼青龍朱雀貴人臨之,而子孫勾陳為忌;財利經營,喜子孫妻財青龍天地財臨之,而鬼兄白虎為忌;獄訟喜坐子孫,而鬼侵為忌;憂患惡臨官鬼,而身空反安。(先賢身上臨官不見官,疑未當,凡憂疑損害,則反以身空為吉。)大抵吉凶之應,世身之吉凶不若卦身之重也,卦身之吉凶不若世爻之重也,學者辨之。(吉凶徵應,當以世爻先之,卦身次之,世身又次之。)
凡そ卦身・世身のこの両「身」を看るは、先ずそれ本身に毛病なきを要し、然る後に六親・六神・星煞を用いて詳審す。功名仕宦を占うは、文書爻・官鬼・青竜・朱雀・貴人の身に臨むを喜び、而して子孫・勾陳を以て忌と為す。財利経営を占うは、子孫・妻財・青竜・天財地財の身に臨むを喜び、而して官鬼・兄弟・白虎を以て忌と為す。獄訟を占うは身の子孫に坐するを喜び、而して官鬼の来り侵むを以て忌と為す。憂患を占うは最も官鬼の身に臨むを悪み、この時身爻が落空すれば却って安穏なり。(注:前人に「身上官に臨みて官を見ず」の説法あり、おそらく妥ならず。凡そ憂疑損害に属する占は、却って身爻の落空するを以て吉と為す。)大体に言えば、吉凶応験を論ずるに、世身の吉凶は卦身の緊要に如かず、卦身の吉凶はまた世爻の緊要に如かず。学者は分辨明白すべし。(注:吉凶征応を断ずるは、当に世爻を以て先と為し、卦身これに次ぎ、世身またこれに次ぐべし。)
間爻章第十
間乃中間,複名離間,是世應內之中爻,間離賓主者也。(如乾四五為間,復姤二三為間。蓋世為主,應為賓,為此兩爻相隔也。)時而為忌,於舉動為阻滯,謀望為結礙,通問為斷絕,交與為離間,從事為誹謗,征戰為忽突,進取為擯隔,凡為我忌,宜靜不宜動也。(法曰:世應當中兩間爻,發動所求多阻隔是也,唯動則應焉。)
「間」は即ち中間の爻にして、また「離間爻」と曰い、世爻と応爻の間に挟まるあの両爻を指し、主と賓を隔開するは即ちそれなり。(注:乾卦は世は六爻に在り応は三爻に在り、四・五両爻は便ち間爻なり。《復》《姤》は世は初爻に在り応は四爻に在り、二・三两爻は便ち間爻なり。世は主と為し応は賓と為し、正にこの両爻に隔開せらる。)間爻は時に忌神なり。行動の上に於いては阻滞にして、謀望の上に於いては梗阻にして、消息を通ずる上に於いては断絶にして、交往の上に於いては挑撥離間にして、事を办する上に於いては誹謗を遭い、征戦の上に於いては突襲に遇い、進取の上に於いては排擠せらる。凡そ我に不利なるは、間爻は静を宜しとして動を宜しとせず。(注:口訣に曰く「世応当中両間爻、発動して求む所は多く阻隔」と、正にこの意なり——ただそれが発動して乃ち応験す。)
時而為用,如婚姻為媒妁,詞訟為中證,造作為匠工,家宅為窗牖,館席為從學,舟車為附載,胎產為收保,凡為我用,宜生助而不宜空破也。(生助有力,空破無功,近彼近我,占其所向。)然間值鬼爻,則憂生內地,如病居心腹,鬼犯明堂,修行而擾塵緣,處事而慍群小,值則已形,動則又甚。(間爻不宜臨鬼又動也。)
間爻は時にまた用いるべきの神なり。婚姻を占えばそれは媒人、詞訟を占えばそれは中人証人、営造を占えばそれは工匠、家宅を占えばそれは門窓、坐館授徒を占えばそれは従学の学生、舟車を占えばそれは同行搭載の人、胎産を占えばそれは接生看護の人なり。凡そ我の用うる所と為るは、間爻は生扶を得るを宜しとし、落空し破を受くるを宜しとせず。(注:生扶を得れば即ち力有り、落空し破を受くれば即ち功なし。間爻が応爻に近づくかなお世爻に近づくか、以てそれがいずれの一方に偏向するかを看るべし。)ただ間爻もし官鬼に値えば、憂患は即ち内部に生ず。病の心腹に在るに比し、鬼祟の明堂を侵犯するに比す。修行の人は塵縁に攪擾せられ、処事の人は小人の怨恨を招く。間爻ただ鬼に値えば、事已に形を露わす。再び一たび発動すれば、害を為すこと更に甚し。(注:間爻は最も官鬼に臨みてまた発動するを宜しとせず。)
夫身世前後之爻,而云未來已往,初四之爻而云左右為鄰,二五雲君臣之象,初上雲天地之分,三四雲門戶之司,重交雲隱現之事,諸爻有用,況間爻之處中乎。(如六爻身世,初為前而五為後,初爻身世,二為前而六為後,以其進為將來,退為已往也。四爻為左鄰前鄰,初爻為右鄰後鄰,蓋左與前同,右與後同也。五乃在上居中之爻,故曰君,二乃在下居中之爻,故曰臣,天地之大,不可以數拘,故有初上之名,而無一六六九之稱也。三四乃內外出入交接之爻,故曰門戶,交重乃陰陽之象,事已萌者為現,未萌者為隱,陽現而陰隱也。易雲占事知來,卦書重主已往之說,亦言已萌,而未言已過也。諸爻俱因象為用,況間爻備事物之象,其可遺乎?)
身爻・世爻の前後の爻は、将来と過去を説くに用いる。初爻と四爻は、左隣と右隣を説くに用いる。二爻と五爻は、臣と君の象なり。初爻と上爻は、地と天の分なり。三爻と四爻は、門と戸を主る。老陽の「重」と老陰の「交」は、事情の顕と隠を主る。各爻皆な各自の用あるを以て、いわんや正中に処る間爻をや。(注:たとえば身世が六爻に在れば、然らば初爻は「前」と算し五爻は「後」と算す。身世が初爻に在れば、然らば二爻は「前」と算し六爻は「後」と算す——向前して進むは将来にして、向後して退くは已往なるがゆえ。四爻は左隣にしてまた前隣、初爻は右隣にしてまた後隣、左と前は同義にして右と後は同義なり。五爻は上に在りて中に居る、ゆえに「君」と称す。二爻は下に在りて中に居る、ゆえに「臣」と称す。天地の大は数目を以て拘限すべからず、ゆえにただ「初」「上」の名有りて、「一」「六」「九」と称せず。三・四两爻は内外出入交接の処にして、ゆえに「門戸」と曰う。「交」「重」は陰陽の象にして、事情已に萌動するを「現」と為し、未だ萌動せざるを「隠」と為す。陽は現を主り陰は隠を主る。《易》に曰く「事を占いて来るを知る」と、卦書中の「重」は已往を主るの説法も、ただ事已に萌動したるを説くのみ、已に過去したるを説くにあらず。各爻皆なその象に因りて各々その用有り、いわんや間爻は兼ねて事物の象を備うるをや、どうして遺漏し得むや。)
易冒巻之二
変互章第十一
老陰之為少陽曰變,老陽之為少陰曰化。蓋變者如物消而長,退而進,夜而晝也;化者猶物成而敗,上而下,中而晐也,變變化化之以名焉。(交為老陰,變而成單,六變七也;重為老陽,化而成拆,九化八也。)以七八九六言之,則有消長成敗進退晝夜之象;以喜忌言之,則有生克往來日月破敗之分也。(易以奇偶老少著象,卜則專以用神察變爻而定吉凶。)
老陰が転じて少陽を成すを「変」と曰い、老陽が転じて少陰を成すを「化」と曰う。「変」は事物の消より転じて長と為り退より転じて進と為り夜より転じて昼と為るに比し、「化」は事物の成より転じて敗と為り上より転じて下と為り盛より転じて衰と為るに比す——「変」と「化」の名目はこのように定めたり。(注:「交」は老陰にして、変じて「単」を成すは、即ち六変じて七と為る。「重」は老陽にして、化して「拆」を成すは、即ち九化して八と為る。)七・八・九・六のこの四つの数の上より言えば、即ち消長・成敗・進退・昼夜の象あり。喜忌の上より言えば、即ち生剋・往来・日月冲破成敗の分別あり。(注:《易》は奇偶老少を用いて卦象を顕示す。卜筮は則ち専ら用神を以て変爻を審察し、拠りて吉凶を断定す。)
上下皆少,勿以暗動而言變,內外有老,勿以宗廟天爻而不之。(易云:老變而少不變,爻非六九,皆不變也。易有用九用六,則爻爻可變,豈以宗廟天爻而不變乎?俗傳暗動亦變,上爻雖動不變,皆誤也,特為正之。)
上下六爻皆な少陰少陽の時は、「暗動」有るに因りて則ち変と曰うべからず。内外卦中もし老陰老陽あれば、また上爻は宗廟天位に属するに因りて変わらずと曰うべからず。(注:《易》は老は変じて少は変ぜずと曰う、凡そ爻は六・九ならざるは皆な変ぜず。《易》に「用九」「用六」有り、爻爻皆な変ずべきを見る、どうして上爻は宗廟天位に属するに因りて即ち変ぜざらむや。世俗相伝えて「暗動もまた変と算す」「上爻は動くと雖も変ぜず」と曰うは、皆な錯なり。ここに特に訂正を為す。)
夫占先求用神,用神衰旺,初觀動爻之喜忌,動爻衰旺,再觀變爻之喜忌。(若用爻衰,即觀動爻,來生則喜,來克則忌,動爻之衰旺,再觀其所變,如午建壬戌日占財,得困之坎,木死於午,亥子元神衰弱,本不為吉,不知亥化長生,元神反為有力,後果得利。)
占卦は先ず用神を找出すを要す。用神の衰か旺かは、先ず動爻のそれに対する喜か忌かを看る。動爻の衰か旺かは、再び変爻の動爻に対する喜か忌かを看る。(注:もし用爻衰弱なれば、則ち動爻を看る。来りてそれを生ずれば便ち喜、来りてそれを剋すれば便ち忌。動爻の衰旺は、またそれが何を変出するかを看るを要す。たとえば午月壬戌日に求財を占い、《困》卦を得て《坎》卦に変ず。木は午に死し、亥・子水の元神は衰弱し、本より吉と算せず。知らず、亥水は長生の地を化出し、元神は却って力有り、後に果たして利を得たり。)
再觀他動爻之喜忌,再觀他動變爻之喜忌。(他動爻與他動變爻,是我喜者,喜其生旺,是我忌者,喜其衰囚,如未建壬申日占兄弟病,得同人之旅,卯爻元神生用,本無傷害,然申爻克我卯爻元神,後至酉月丁亥日,其病不治,此他動爻之喜忌也。如戌建庚戌日占官,得剝之漸,子動生卯,卯動生巳火官星,宜應升遷,誰知子化巳絕,不能生卯,卯化申絕,不能生巳,巳官入墓,後逢亥令解組,此他動變爻之喜忌也。)
然る後再び其他の動爻の用神に対する喜忌を看、再び其他の動爻の変ずる所の爻の喜忌を看る。(注:別の動爻とそれらの変爻は、凡そ我の喜ぶ所は、則ちそれの生旺を盼む。凡そ我の忌む所は、則ちそれの衰弱囚死を盼む。たとえば未月壬申日に兄弟の病を占い、《同人》を得て《旅》に変ず。卯木の元神は用神を生じ、本より害なし。しかるに申金は我が卯木元神を剋し、後に酉月丁亥日に至り、病は即ち治らず——これ別の動爻の帯び来る喜忌なり。又如戌月庚戌日に官職を占い、《剥》を得て《漸》に変ず。子水は動きて卯木を生じ、卯木は動きて巳火官星を生ず。理に照らせば当に升遷に応ずべし。誰知らむ、子水は巳火を化出して絶に臨み、卯を生ずる能わず。卯木は申金を化出して絶に臨み、巳を生ずる能わず。巳火官星また墓に入り、後に亥月に至りて即ち去職せり——これ別の動爻の変ずる所の爻の帯び来る喜忌なり。)
生生剋剋,當明中有破散而生不相續者,中有制伏而克不相繼者,中有暗動爻以綿其生者,故雖諸爻亂動,以用神求之,則一貫矣。(如申建酉日用財,而遇豐之萃,申亥卯動,生生於午矣,中有卯被酉散,不續其生,反親其克是也,酉月破卯亦然;設如寅建未日用官,遇臨之蠱,巳日酉動,生生來克於卯矣,中有丑被未散,而酉反被巳制,不續其克,反得其用是也,酉爻破散亦然;如戌建辰日用兄弟,而得乾之家人,寅午忌仇皆動,併力來克,中有戌爻暗動而綿其生也。)
層層相生・層層相剋を講ずるは、その中の三種の情形を明白なるを要す。あるいは中間の一環が冲破冲散せられて、相生の鏈条接がる能わず。あるいは中間の一環が制伏せられて、相剋の鏈条接ぎ下る能わず。あるいは別に暗動の爻あって中間に於いて接続し、生気をして綿延断たざらしむ。ゆえに衆爻乱動すると雖も、ただ用神を把りて推せば、全卦は即ち貫通す。(注:たとえば申月酉日に妻財を以て用と為し、《豊》を得て《萃》に変ず。申・亥・卯の三爻発動し、本より層層相生して午火に至るべし。但し中間の卯木は酉金に冲散せられ、この生路に接がる能わず、却ってそれを剋する一方と相亲す——もし酉月に於いて卯木を冲破せば、道理相同じ。又如寅月未日に官鬼を以て用と為し、《臨》を得て《蠱》に変ず。巳日・酉爻発動し、本より層層相生して来りて卯木を剋すべし。但し中間の丑土は未土に冲散せられ、酉金また反って巳火に制せられ、この剋路に接ぎ下る能わず、用神は却って用を得——もし酉爻が破に遇い散に遇えば、道理相同じ。又如戌月辰日に兄弟を以て用と為し、《乾》を得て《家人》に変ず。寅・午の忌神仇神皆な動き、力を合わせて来りて剋す。中間に却って戌爻の暗動あり、生気を接続し下る。)
用神變生而吉,變克而凶,易見之理也。用神絕而適逢動生,生爻又變,不可不察也。六爻皆動,則六爻皆察其變,變爻之力,豈不參於日月乎?(爻爻有變,爻爻當察,一以用忌元仇及洩氣參之。)
用神が我を生ずる爻を変出すれば則ち吉、我を剋する爻を変出すれば則ち凶。これは顕而易見の道理なり。用神本より絶地に処り、恰好動爻に遇い来りて我を生ず。而してこの我を生ずる動爻はまた別の爻を変出せば、即ち細察せざるべからず。もし六爻皆な動けば、則ち六爻皆な各自の変爻を察看するを要す。変爻の力量、豈に日・月と並び参す能わざらむや。(注:一爻ごとに皆な変爻有り、一爻ごとに皆な察看すべく、一律に用神・忌神・元神・仇神および泄気の神に按じて参断す。)
雖然惟日月能制變爻,變爻未能制日月也,然日月克我,變爻來生,猶絕處逢生也,而變爻不能避於旬空月破,故變爻弗及日月也;動爻不能避於化沖變絕,故動爻弗及變爻也。卜筮之道,日月為重,動變次焉。(如亥日月用世爻,遇遁之乾,是日月克我,變寅生我,謂之絕處逢生,或在申月,或當辰旬,則所變寅木遭月破旬空,不能生矣。)
話は然りと雖も、ただ日・月のみ能く変爻を制服し、変爻は日・月を制服すること能わず。ただ日月来りて我を剋するに、もし変爻あって来りて我を生ぜば、それもまた「絶處逢生」と算す。ただ変爻は旬空・月破を躲開する能わず、ゆえに変爻の力量は日月に比ぶに及ばず。動爻は化冲・変絶を躲開する能わず、ゆえに動爻の力量はまた変爻に比ぶに及ばず。卜筮の道は、日・月を以て重と為し、動爻変爻はなおその次なり。(注:たとえば亥を日建月建と為し世爻を以て用と為し、《遯》を得て《乾》に変ずるは、これ日月来りて我を剋し、而して寅木を変出して我を生ずるは、「絶處逢生」と曰う。しかるに若し正に申月に当たりあるいは正に甲辰旬に当たれば、然らば変出の寅木は月破あるいは旬空に遭遇し、即ち生成り能わず。)
雖然有爻變,有卦變,六合之卦,謀事必成,若化六沖,則無終也。伏吟反吟,生克墓絕,皆卦變也,容可忽乎?(義例俱詳後章。)夫卦變之中,且有互焉,互,交互也,中四爻之扭也,有變先以之成內,正成外,無變則以悔成內,貞成外者,何也?筮得其動,則易之情現乎動,故先之,不動則易之情,備在貞悔,故從之。(有變爻,即以變卦二三四爻為內卦,以本卦三四五爻為外卦;無變爻,即以二三四爻為內,扭悔一爻而成貞,以三四五爻為外,扭貞一爻而成悔。)
此の外また「爻変」と「卦変」を分かつを要す。本卦は六合卦なれば、事を謀れば必ず成る。もし六冲卦に化成れば、始有りて終無し。「伏吟」「反吟」および全卦の生・剋・墓・絶は、皆な卦変に属す。どうして忽略し得むや。(注:これらの義例は皆な後の各章に詳見す。)卦変の中にまた「互卦」あり。「互」は即ち交互にして、中間の四爻を取りて扭結して成る。変爻有る時は、先ず変卦の中間四爻を用いて内卦を組成し、本卦の中間四爻を用いて外卦を組成す。変爻無き時は、即ち外卦の爻を扭り下して内卦を成し、内卦の爻を扭り上して外卦を成す。なぜこのように分かつか。占い得て動爻あれば、《易》の情態は即ち動の上に顕現す、ゆえに先ず変卦を取る。動爻無ければ、《易》の情態は即ち本卦の貞悔の中に全備す、ゆえに則ち本卦に依る。(注:変爻有れば、即ち変卦の二・三・四爻を以て内卦と為し、本卦の三・四・五爻を以て外卦と為す。変爻無ければ、即ち二・三・四爻を以て内卦と為す——外卦の一爻を扭り下して配して内卦を成す。三・四・五爻を以て外卦と為す——内卦の一爻を扭り上して配して外卦を成す。)
互之為法,因飛伏變卦之內無用神而後求也,取其二體配之六親,究生克於日月動爻之中,而吉凶見焉。(戊申日占子病得晉之剝,飛伏變象皆無用神,互比外見坎水為子,動爻生之,後至亥令而痊,若五月占坎子當破,甲寅旬占坎子當空,雖互見無用也。)故互象雖輕,理之所有,別傳所列對卦、交卦、反卦、倒卦之例者,均無取焉。(如天風姤與地雷復為對,如巽卦與睽卦為交,如屯卦與蒙卦為反,如訟卦與需卦為倒,此無當於義理也,皆刪之。)
互卦を用うる弁法は、飛神・伏神・変卦の裏に皆な用神を尋ね得ざる時に乃ち往きて求むるなり。互卦の上下両体を取りて六親を配し、再び日・月・動爻の中に於いて生剋を考究すれば、吉凶は即ち顕出す。(注:戊申日に兒子の病を占い、《晋》を得て《剥》に変ず。飛象・伏象・変象の裏に皆な用神無し。互卦の外体は坎水を現出し、以て子孫用神と作るべく、また動爻ありて来りて之を生ず。後に亥月に至りて病は即ち痊愈せり。但し假如五月に来りて占えば、坎水子孫は正に月破に当たる。甲寅旬に来りて占えば、坎水子孫は正に旬空に当たる——然らば互卦の裏に用神を現出すと雖も、また用なきなり。)ゆえに互象は分量軽しと雖も、畢竟理の応に有るべき一法なり。別家の伝うる所の「対卦」「交卦」「反卦」「倒卦」の諸例に至りては、一概に取らず。(注:天風《姤》と地雷《復》の相対し、《巽》卦と《睽》卦の相交わり、《屯》卦と《蒙》卦の相反り、《訟》卦と《需》卦の相倒れるがごとき——これら皆な義理に関せず、ゆえに全部删去す。)
飛伏章第十二
飛伏之法,意在用爻,筮而無用則求之,筮而有用亦察之。(飛伏,謂飛象無用神,而求伏象用神,然或飛象有用神而衰絕,亦察之伏中,如子建戊寅日占官得困之兌,飛象午官臨身為用,當子月無用矣,誰知世下巳官,伏神長生,孟春反應遷級也。)
飛伏の法は、着眼の処は用爻に在り。占い出す卦の裏に用神無ければ、則ち伏神の中に到りて之を找す。卦裏に用神有ると雖も、また伏神を察看するを要す。(注:いわゆる飛伏は、飛象——即ち本卦六爻——の中に用神無ければ、則ち往きて伏象裏の用神を求む。ただ時に飛象に用神有ると雖も衰弱臨絶するは、また伏神の裏に到りて察看するを要す。たとえば子月戊寅日に官職を占い、《困》を得て《兌》に変ず。飛象の上の午火官鬼は身に臨みて用と為すれど、正に子月に当たり、午火は冲を受け已に用に堪えず。誰知らむ、世爻の下に巳火官鬼伏す、伏神は正に長生に当たり、孟春寅月に至りて却って升遷に応じたり。)
當先究飛上之用神有病無病,而後求伏下之用神有用無有,何謂之飛,變而遊於上下,何謂之伏,從而互於陰陽。(自十六變章循環遊於上下,游魂四世而出,歸魂三世而返,陰陽相互,前後相從,故天地雷風水火山澤互為飛伏,如乾伏坤,坤伏乾是也;由一世及五世,相從相包,故皆以本宮為伏,如姤遁否觀剝伏乾是也;)
当に先ず飛爻の上の用神に病有るか無きかを考究し、然る後に伏爻の下の用神に用有るか無きかを看るべし。何をか「飛」と曰う。即ち卦変に随いて上下に游行する顕爻なり。何をか「伏」と曰う。即ち本宮に随い相従い陰陽と相交互して下に蔵する爻なり。(注:「十六変」の一節より知るべし、卦は上下に循環游行するなり。游魂は四世卦に由りて変出し、帰魂は三世卦に由りて返回す。陰陽互いに配し、前後相従う。ゆえに天地・雷風・水火・山沢は両両互いに飛伏と為り、乾は坤を伏し坤は乾を伏すがごとし。一世より五世に至る各卦に至りては、皆な相従い相包む、ゆえに一律に本宮卦を以て伏と為し、《姤》《遯》《否》《観》《剥》は皆な《乾》を伏すがごとし。)
(游魂游出他宮,變自五世,故外伏五世之外卦,從也,內伏兩儀之內卦,互也,如火地晉伏山天大畜,外從艮,內互乾之義。歸妹(魂?)歸入本宮,故內以兩儀之伏,外以本宮之伏,如火天大有伏天地否,內互伏坤,外從伏乾之義,他卦仿此。)
(注:游魂卦は本宮を游出するは、五世卦に由りて変来するなり。ゆえに外卦は五世卦の外卦を伏す、これを「従」と曰う。内卦は本卦の内卦と相対するあの一体を伏す、これを「互」と曰う。たとえば火地《晋》は山天《大畜》を伏す。外卦の離は五世《剥》卦の艮に従い、内卦の坤はその対体乾を互す。帰魂卦は則ち本宮に帰るなり(原文は「帰妹」と作る、下文に拠りて当に「帰魂」に作るべし)。ゆえに内卦は両儀相対の伏を取り、外卦は本宮の伏を取る。たとえば火天《大有》は天地《否》を伏す。内卦の乾はその対体坤を互し、外卦の離は本宮の乾に従う。其余の各卦は此に依りて類推す。)
其所謂專主者,乃世下爻也,動下爻也。動下伏爻,力不及世下伏爻之半矣;靜下伏爻,力又不及動下伏爻之半矣。(法云:六爻皆有飛伏神,惟有世下一爻為最要。蓋飛猶動也,吉凶悔吝生乎動,是以動下伏神亦有取爾。)
伏神の中に専らその事を主るは、世爻の下の伏する所の爻にして、其の次は動爻の下の伏する所の爻なり。動爻下の伏神は、力量は世爻下の伏神の一半に及ばず。静爻下の伏神は、力量はまた動爻下の伏神の一半に及ばず。(注:占法の上に曰く、六爻各々飛神伏神有り、惟だ世爻の下のあの一爻は最も緊要なり。飛は即ち動に相当す、吉凶悔吝は動に生ず、ゆえに動爻下の伏神もまた取るべきの処有り。)
是以定吉凶者在乎時,分輕重者存乎力,有伏而出,有伏而不出,當研之也。(時謂日月也,力謂得日月生扶也。)所謂飛生之伏、飛助之伏、飛空之伏,及伏克飛,四者謂之出也。(飛來生伏,謂飛生之伏;飛伏比和,謂飛助之伏;飛值旬空,伏爻易出,謂飛空之伏,倘飛爻旬空而遇日沖,全實者不露,不全實者少露也;伏克飛爻,不拘飛破死墓,此四伏能出也。)
ゆえに吉凶を断定するは「時」を看るを要し、軽重を分別するは「力」を看るを要す。伏神は出る能き者有り出づる能わざる者有り、当に細かに研究を加うべし。(注:「時」は日建・月建を指し、「力」は日月の生扶を得るか否かを指す。)いわゆる「飛生之伏」「飛助之伏」「飛空之伏」および「伏剋飛」、この四種を能く出ずと曰う。(注:飛爻来りて伏爻を生ずるを「飛生之伏」と曰う。飛伏の五行比和するを「飛助之伏」と曰う。飛爻正に旬空に値い伏爻容易に透出するを「飛空之伏」と曰う——倘若飛爻旬空してまた日辰の来りて冲するに遇えば、冲して完全に填実するは即ち露われず、填実せざるは即ち略々露わる。伏爻反って飛爻を剋すれば、則ち飛爻の破か死か墓かを論ぜず皆な出る能し。この四種の伏神は皆な出づる能し。)
其有飛克之伏、飛破之伏、飛散之伏,及伏絕飛,四者謂之不出也,此皆以靜爻言也。(飛來克伏,謂飛克之伏;飛爻月破,謂飛破之伏;飛爻休沖為靜散,謂飛散之伏;伏爻絕於飛爻,雖飛生伏,伏克飛者,亦謂之伏絕飛,此四伏不能出也。)
別に「飛剋之伏」「飛破之伏」「飛散之伏」および「伏絶飛」あり、この四種を出る能わずと曰う。これら皆な静爻に就きて言うなり。(注:飛爻来りて伏爻を剋するを「飛剋之伏」と曰う。飛爻月破に遭うを「飛破之伏」と曰う。飛爻休囚してまた冲せられて静散を成すを「飛散之伏」と曰う。伏爻が飛爻の上に於いて正に絶地に逢えば、然らば飛が来りて伏を生ずと雖もあるいは伏の能く飛を剋すと雖も、同じく「伏絶飛」と算す。この四種の伏神は皆な出づる能わず。)
若世與動爻之下者,惟飛克伏、伏絕飛二端不出,餘皆得出也。獨伏生飛,動爻世下者出之半,靜則不出也;尚有伏爻空破,雖能出而實不出,如伏爻日月雖不出而同出也。(此言伏出之全半,伏爻自遇空破,猶物已敝,縱值莫起,若旺相空亡,過旬復出,若伏爻臨於日月,雖處四等不能出之伏,而日月高懸,勢同出也。)
もし世爻と動爻の下に伏するは、則ちただ「飛剋伏」「伏絶飛」のこの両種のみ出づる能わず、其余は皆な出る能し。独り「伏生飛」の一項のみ、動爻・世爻の下に伏するはただ半のみ出る能く、静爻の下に伏するは即ち出づる能わず。此の外伏爻自身もし空に逢い破に逢えば、説くと雖も能く出ずと、其の実出ざるに等し。而して伏爻もし日建・月建に臨めば、出る能わざるの列に在ると雖も、実際は已に出たるに等し。(注:これは伏神の出と出ざるの全と半を講ずるなり。伏爻本身は空に遇い破に遇えば、東西已に破損するに比し、縱り値に逢うと雖も起きる能わず。ただもし旺相にして空亡なれば、この一旬を出でてなお再び出る能し。もし伏爻正に日月に臨めば、あの四種の出る能わざる情形の裏に処ると雖も、日月高く懸りて権を当つ、その勢い出たると同じなり。)
是故其一世下伏,其二動下伏,其三靜下伏,各有強弱,用既出矣,則所應災祥悔吝與飛神類焉。然而用伏不及飛,用日月懸虛,不及伏實也,學者辨之。
ゆえに伏神の軽重を論ずるに三等あり。第一は世爻の下の伏する所、第二は動爻の下の伏する所、第三は静爻の下の伏する所、各々強弱有り。伏神一たび透出して作用を発揮すれば、それが応験する所の災祥悔吝は即ち飛神と同じ。ただ伏神を用うるは終に飛神を用うるに如かず来得直接なり。而して高く懸りて外に在り虚にして実ならざる日月を取りて用神と当つるは、また卦中に実有する伏神を用うるに如かず。学者は当に分辨明白なるべし。
反伏章第十三
沖擊悖違,謂之反吟,神忒氣分,謂之伏吟,蓋六九之貞悔則是,七八之貞悔則非,唯動則變,變則反伏兆焉。(化沖曰反吟,化去曰伏吟,皆以卦有交重而成,彼靜配反伏者誤也。)
本爻と変爻とが互いに冲击し彼此乖違するを、「反吟」と曰う。変出の爻が本爻と同位にして神気涣散するを、「伏吟」と曰う。これはただ老陰(六)・老陽(九)の成す所の本卦と変卦の間に於いて乃ち数に算す。少陽(七)・少陰(八)の成す所の貞悔の間は則ち算せず。惟だ爻動ありて乃ち変有り、変有りて乃ち反吟・伏吟の兆を見る。(注:相冲の爻を化出するを「反吟」と曰い、化去して神気涣散するを「伏吟」と曰う。両者は皆な必ず卦中に「交」「重」の老爻有りて乃ち構成し得。ある人は動かざる卦を拿りて反吟伏吟を配するは、あれは錯なり。)
反吟視伏較重,然有卦反爻反之別,真偽輕重之分。(用地祿訣:戌亥乾,沖辰巳巽,未申坤,沖丑寅艮,卯震酉兌,子坎午離相沖也,如乾化巽,巽變乾,坎化離,離變坎,謙之剝,剝之謙,歸妹之隨,隨之歸妹,同人之渙,渙之同人,師之賁,賁之師,此內外反吟也,餘卦仿此;如大有之鼎,此內反吟也;如大過之恆,此外反吟也,餘卦仿此。)
反吟は伏吟に比して分量更に重し。ただ「卦反吟」と「爻反吟」を分かつを要し、また真偽軽重を分かつを要す。(注:「地禄」口訣を用いて方位を定む。乾は戌亥に居り、辰巳に居る巽と相冲す。坤は未申に居り、丑寅に居る艮と相冲す。震は卯に居り兌は酉に居りて相冲す。坎は子に居り離は午に居りて相冲す。ゆえに乾は巽に化し巽は乾に変じ、坎は離に化し離は坎に変じ、《謙》は《剥》に変じ《剥》は《謙》に変じ、《帰妹》は《随》に変じ《随》は《帰妹》に変じ、《同人》は《渙》に変じ《渙》は《同人》に変じ、《師》は《賁》に変じ《賁》は《師》に変ず。これら皆な内外両体の全反吟にして、其余の各卦は此に依りて類推す。又如《大有》は《鼎》に変ずるは内卦反吟にして、《大過》は《恒》に変ずるは外卦反吟なり。其余は此に依りて類推す。)
日月從往,空破從來則非。(凡所得卦屬,或臨日月,所變卦屬,或值空破,是日月乃從所往,空破乃從所來,亦非真反吟也,如戌建或亥日,遇乾之巽,此日月從往,午建或甲寅旬遇離之坎,此空破從來之類是也。)
日月は「往」の一辺に随い、空破は「来」の一辺に随えば、則ち真の反吟にあらず。(注:凡そ本卦の所属する方位正に日建・月建に臨み、而して変ずる所の卦正に旬空・月破に値うは、これを日月は已往の一辺に在り空破は新来の一辺に在りと曰い、皆な真の反吟と算せず。たとえば戌月あるいは亥日に《乾》を占い得て《巽》に変ずる——乾正に戌亥に居る、これは「日月往に従う」なり。又如午月あるいは甲寅旬に《離》を占い得て《坎》に変ずる——坎は子に居り、午月は子を冲し甲寅旬は子丑空なり、これは「空破来より従う」なり。皆なこの類に属す。)
空破從往,日月從來則重。(凡卦值空破,而化反吟,卦變日月則凶,以先自壞復被沖也,如兌之震,遇卯日月,及在甲戌旬之類是也。)半從往半從來則輕,此所謂卦反也。(有一半值空破,一半值日月,則半凶而輕也,如未建坤之艮,或甲戌旬艮之坤類是也。)
反って言えば、空破は已往の一辺に在り日月は新来の一辺に在れば、分量は即ち重し。(注:凡そ本卦正に空破に値いて反吟を化成し、変ずる所の卦また正に日月に臨めば、即ち凶を主る。本身先に已に破損し、また再び冲を遭うがゆえ。たとえば《兌》は《震》に変じて卯に遇い日建月建と為す、あるいは甲戌旬中に占う(兌は酉に居り、甲戌旬は申酉空)は、即ちこの類に属す。)もし一半は往に在り一半は来に在れば、分量は即ち軽し。以上の講ずる所は皆な「卦反吟」なり。(注:内外両体の中、一体は空破に値し一体は日月に値すれば、ただ凶の一半のみにして分量軽し。たとえば未月に《坤》を占い得て《艮》に変ずる、あるいは甲戌旬に《艮》を占い得て《坤》に変ずるは、即ちこの類に属す。)
爻反者,日月在動,空破在變則非。(此言爻神反吟,凡日月在動爻,或空破在變爻,非真反也,如巳化亥爻為反吟,倘遇甲子旬,及遇巳日月則非也。)空破在動,日月在變則重。(先空破而化日月則凶,如卯化酉爻,倘遇甲辰旬,及遇酉日月則凶是也,蓋日月如天,諸爻莫敢當,空破如病,諸爻莫能支爾。)
「爻反吟」に至りては、日月が動爻の上に落ち空破が変爻の上に落つれば、則ち真の反吟にあらず。(注:これは爻神の反吟を講ずるなり。凡そ日建月建が動爻に在り、あるいは旬空月破が変爻に在れば、皆な真の反と算せず。たとえば巳爻が亥爻を化出するは本より反吟なれど、倘若正に甲子旬(戌亥空)に遇いあるいは巳を日月と為せば、則ち算せず。)反って言えば、空破が動爻に落ち日月が変爻に落つれば、分量は即ち重し。(注:本爻先に已に空破して日月の爻を化出せば、即ち凶を主る。たとえば卯爻が酉爻を化出し、倘若正に甲辰旬(寅卯空)に遇いあるいは酉を日月と為せば、即ち凶を主る。日月は天のごとく、衆爻敢えて抵当する者なし。空破は病のごとく、衆爻支撐し得る者なきがゆえ。)
動爻沖散,雖變空休亦重,此所謂爻反也。(若動爻與卦內動爻自相沖散,雖化旬空休囚之反吟,亦凶而無用也,如寅建甲子日占母病,得坤之巽,卦中巳父先與亥財沖散,化亥反吟,縱空而亦不救也,後驗,況休囚之爻乎。)
動爻もし先に已に冲散せられていれば、然らば変出の反吟の爻正に旬空・休囚に逢うと雖も、分量は同じく重し。以上の講ずる所は「爻反吟」なり。(注:もし動爻が卦中の別の動爻と自相冲散すれば、然らば化出の反吟の爻旬空あるいは休囚の地に落つると雖も、仍旧として凶を主りて用に堪えず。たとえば寅月甲子日に母親の病を占い、《坤》を得て《巽》に変ず。卦中の巳火父母は先に亥水妻財に冲散せられ、また亥水を化出して反吟を成す。甲子旬は戌亥正に空なり、縱り化する所の亥落空すると雖も、また救い回る能わず——後に果たして応験せり。いわんや本身はなお休囚の爻なるをや。)
邦畿國祚,內反吟而社稷搖,外反吟而人民亂;出師征伐,內忌而外喜也;卜舊住,內卦現而有非常;遷居,外卦興而生不測;入宅,反吟在內,則居宅不寧,反吟在外,則諸人失利;與人斗者,內反而我受傷,外反而彼遭辱;緝捕,以內為亡,遇則我生事絆,以外為逃,逢則彼觸網羅;疾病,而主屬恰逢反吟者大凶。
国家邦畿国運を占うに、内卦反吟なれば則ち社稷動揺し、外卦反吟なれば則ち百姓騒乱す。出師征伐を占うに、内卦反吟は忌と為し、外卦反吟は却って喜ぶべし。旧居を占うに、内卦に反吟を現出せば、家中に非常の事を出さむとす。遷居を占うに、外卦に反吟を起こせば、途中に不測を生ぜむとす。入宅を占うに、反吟は内卦に在れば、住み下して安寧を得ず。反吟は外卦に在れば、一家人皆な利を得ず。人と争闘するを占うに、内卦反吟なれば我方は傷を受け、外卦反吟なれば対方は辱を受く。緝捕を占うに、内卦は失主のこの一方を代表し、内卦反吟なれば則ち我が辺に事端牽絆を生出す。外卦は逃亡のあの一方を代表し、外卦反吟なれば則ち対方は自ら羅網に投ず。疾病を占うに、病人の本属を代表するあの一卦もし恰も反吟に逢えば、即ち大凶なり。
(主屬即乾父坤母,震長男,巽長女,坎中男,離中女,艮少男,兌女是也。如寅建癸酉日,占長子病,遇震之兌,子遇長生,本主無事,兌乃反吟,後仲夥而卒,不論其用也;如坤艮皆土應相助,然寅申丑未相沖,有不利少男老母之象,不論其助也。大凡爻之反吟,用神遇之而凶,卦之反吟,有忌不忌。)
(注:いわゆる「主属」は、即ち乾を父と為し坤を母と為し震を長男と為し巽を長女と為し坎を中男と為し離を中女と為し艮を少男と為し兌を少女と為すなり。たとえば寅月癸酉日に長子の病を占い、《震》を得て《兌》に変ず。子孫爻正に長生に遇い、本より事無かるべし。但し震変じて兌は正に反吟にして、後に仲月に至りて人即ち死せり——この時は再び用神の如何を論ずるを必とせざるを見るべし。又如《坤》と《艮》は皆な土に属し、理に照らせば当に互いに扶助すべし。しかるに寅申相冲・丑未相冲して、少男と老母に不利の象有り——この時もまた再びそれらの相助を論ずるを必とせざるを見るべし。大凡爻の反吟は、用神之に碰上すれば即ち凶。卦の反吟は、則ちあるいは忌みあるいは忌まず。)
伏吟之法,止以乾震交互而名也。夫以八卦言,則乾克震,以主屬言,則長男伏吟,以木言,則養戌生亥,各有輕重之戒。日月在卯,則震往不成咎,日月戌亥,則乾往不羅凶,亦有真偽之分也。(乾之所納,子寅辰午申戌,震納甲亦同,故謂之伏,然無卦爻之別,日月不可搖易,故分忒縱伏,弗成凶咎。)
伏吟の法は、ただ乾と震の互変に就きて名を立つ。八卦の上より言えば、乾金は震木を剋するなり。主属の上より言えば、長男は伏吟に遭うなり。五行の上より言えば、木は戌に養い亥に長生し、而して乾正に戌亥に居る——各々軽重不同の戒忌有り。もし日月正に卯に在れば(震の本位)、震往き乾来るも災咎を成さず。もし日月正に戌亥に在れば(乾の本位)、乾往き震来るもまた凶に罹るに至らず。伏吟同じく真偽の分有るを見るべし。(注:乾の納する所の地支は子・寅・辰・午・申・戌にして、震の納甲もまたこの六支なり、ゆえに之を「伏」と曰う。伏吟は反吟のごとくまた卦反爻反を分かつに似ず。日月の権勢は動揺すべからず、ゆえに縱り神気涣散して伏吟を成すと雖も、また凶咎を構成せず。)
筮長男身命,得豫之否而後為君戮,以震受乾克也;筮老父疾病,得乾之震隨亡,以乾化神忒也。此外唯國事、征伐、住基三者忌之,俗傳八純為伏吟,未濟既濟為反吟者,豈通人之論哉。(吉凶生於動,動則變,而後反伏以分,古有化反吟伏吟,無配反吟伏吟也。)
長男の身命を占い、《豫》を得て《否》に変ず、後にこの人君王に誅殺せらる。これ震木の乾金に剋せらるるなり。老父の疾病を占い、《乾》を得て《震》に変ず、即ち随いて身を亡ぶ。これ乾化して震となり神気離散するなり。此を除くの外、ただ国事を占い・征伐を占い・宅基を占うこの三样のみ伏吟を忌む。世俗相伝えて八純卦を以て伏吟と当て、《未済》《既済》を以て反吟と当つるは、あれどこで通人の論と称し得むや。(注:吉凶は動に生じ、動きて乃ち変有り、変有るの後に乃ち反吟伏吟を分かち出す。古法はただ「化出」の反吟伏吟有り、両卦を拿りて相配し即ち反吟伏吟と曰うなし。)
帰游章第十四
自他宮而入曰歸魂,自親宮而出曰游魂,是往返之卦也,吉凶大旨,不繫於斯,惟世為用者則參觀焉。(魂猶神也,歸遊之本,從世而來,因變以立。)我止欲久,游魂則不久,我行欲出,歸魂則不出,彼留可常,游魂則不常,彼往可必,歸魂則難必也。夫游魂之為象也,變遷而不恆,惶惑而不定;歸魂之為象也,忐忑而不正,拘泥而不行焉。(故先賢曰歸魂不出疆,游魂心不定。)
別宮より本宮に回入するを「帰魂」と曰い、本宮より游出するを「游魂」と曰う。これ一往一返の両類の卦なり。吉凶の大旨は並びにそれに取决せず、ただ世爻を以て用神と為す時のみ参看するを要す。(注:「魂」は即ち神に相当す。帰魂・游魂の根拠は皆な世爻より来る、卦変に因りて確立せらるるなり。)我想う久しく住まむと、游魂に遇えば即ち住むこと久しからず。我要う門を出むと、帰魂に遇えば即ち出で行く能わず。対方想う長く留まらむと、游魂に遇えば即ち留まること長からず。対方曰う必ず来らむと、帰魂に遇えば即ち説きて准ならざるを得難し。游魂の象は変遷恒ならず惶惑主無し。帰魂の象は心神忐忑正ならず拘泥して行動を肯ぜず。(注:ゆえに前賢曰く「帰魂は疆を出でず、游魂は心定まらず」と。)
於墳墓曰亡,於身形曰心,於疾病曰神,於神像曰靈;游魂主動而歸魂主靜,亦隨卦爻之喜忌而斷之,不可執也。(占墳墓,游魂則亡者未安,歸魂則亡者入室,京夫子所謂游魂歸魂為鬼易是也。)
この「魂」は、墳墓の上に於いて講ずれば亡者の魂にして、身形の上に於いて講ずれば人の心神にして、疾病の上に於いて講ずれば精神にして、神像の上に於いて講ずれば霊験なり。游魂は動を主り、帰魂は静を主る。ただ仍お卦爻の喜忌に随いて判断するを要し、死執すべからず。(注:墳墓を占い、游魂を得れば則ち亡者未だ安頓せず、帰魂を得れば則ち亡者已に宅室に入る。京房夫子の説く所の「游魂・帰魂は鬼易と為す」は、指す所は即ちこれなり。)
昇降章第十五
升,猶生也,長也,進也,來也;降,猶死也,消也,退也,往也。天地之間,惟陰陽之消長,六合之內,惟六氣之往來也。是故一陽升則六陰降,從復左旋於乾也;一陰長則六陽消,從姤右旋於坤也。(自震而履離兌以至於乾為左旋,自巽而履坎艮以至於坤為右旋,則乾兌離震巽坎艮坤為次而易立焉,詳見成卦篇。)
「昇」とは即ち生・長・進・来のこと、「降」とは即ち死・消・退・往のことである。天地の間に在るのは陰陽の消長のみ、六合の内に在るのは六気の往来のみである。ゆえに一陽上昇すれば六陽は下降し、これ《復》卦より左旋して《乾》に至るなり。一陰生長すれば六陽は消退し、これ《姤》より右旋して《坤》に至るなり。(注:震より離・兌を経て乾に至るを左旋とし、巽より坎・艮を経て坤に至るを右旋とする。かくて乾・兌・離・震・巽・坎・艮・坤は順次排列して《易》道成立す。詳しくは《成卦章》を見よ。)
三才由此而備,萬物自斯而成,無不由乎四象六爻,上下往來之中,以復言之,其初為升爻,其上為降爻,若二月占之,則四爻陽為升,三爻陰是降也。蓋升降務以占時言,毋以卦體言也。(卦體升降,如復一陽升六陰降則是矣,然升降之法,取用占時,設如春分後占,乃四陽升,三陰降之時也,即以所占之卦,凡逢四爻為升爻,三爻為降爻,但四爻若屬陽爻,則為真升,三爻若屬陰爻,則為真降,反之則非。復卦可玩,餘皆仿此。)
三才これにより具わり、万物これにより生成し、四象六爻の上下往来の中に出でざるなし。《復》卦をもって言えば、その初爻は昇爻にして上爻は降爻なり。しかれどももし二月に占来れば、当に第四爻の陽をもって昇とし第三爻の陰をもって降とすべし。昇降は必ず占時の節令に依りて定め、卦体のみによりて定むべからざるなり。(注:卦体により昇降を講ずるは、《復》卦一陽昇り六陰降るがごとく、固よりなからんや。しかれども昇降の法は占時に取るべし。譬えば春分の後に占来れば、正に四陽上昇・三陰下降の時に当たるがゆえ、則ち何の卦を占するを論せず、一わい第四爻をもって昇爻とし第三爻をもって降爻とす。ただし第四爻は自ら陽爻なるを要して始めて「真昇」となし、第三爻は自ら陰爻なるを要して始めて「真降」となし、反するは算ぜず。《復》卦をもって細々と玩味すれば明らかならん、余はこれに準じて類推せよ。)
期日卦爻,以謂冬至法頤六四者,而震兌坎離,弗能均布其中,因莫於升降之外也。(其法以冬至日起山雷頤之六四,一日行一爻,一月行五卦,一年共六十卦,而震兌坎離,加於二至二分之時,弗能自然,故莫於升降之外,獨河洛變數理貴之,凡正月小過蒙益漸泰,二月需隨晉解大壯,三月豫訟蠱革夬,四月履師比小畜乾,五月大有家人井咸姤,六月鼎豐渙旅遁,七月同人節恆損否,八月巽萃大畜賁觀,九月歸妹無妄明夷困剝,十月艮既濟噬嗑大過坤,十一月未濟蹇頤中孚復,十二月屯謙睽升臨,如此序爾。)
卦爻をもって応期を推定するに、一説に冬至日より《頤》卦の六四爻より起算すとす。しかれども震・兌・坎・離の四正卦は其の中に均匀に分布する能はず、ゆえに此の套法は終に昇降の理を跳出する能はず。(注:此の法は冬至日に山雷《頤》卦の六四爻より起算し、一日に一爻を行じ、一月に五卦を行じ、一年に共に六十卦を行ず。而して震・兌・坎・離の四卦は二至二分の日に加うるを要し、排するに自然ならず。ゆえに其の昇降の外を出づる能はずと言うなり。《河図》《洛書》の変数を講ずる一派のみ之を重視す。其の月卦の次序は、正月は小過・蒙・益・漸・泰、二月は需・随・晋・解・大壮、三月は豫・訟・蠱・革・夬、四月は履・師・比・小畜・乾、五月は大有・家人・井・咸・姤、六月は鼎・豊・渙・旅・遯、七月は同人・節・恒・損・否、八月は巽・萃・大畜・賁・観、九月は帰妹・无妄・明夷・困・剥、十月は艮・既済・噬嗑・大過・坤、十一月は未済・蹇・頤・中孚・復、十二月は屯・謙・睽・升・臨——次序かくの如し。)
蓋用神居升,則日大而月新,用神居降則日消而月削也。是故升降之法,兼參用神衰旺,亦未可執一而論也。(升降不及進退之力,又必參看用神旺相,升而更吉,用神休囚,降而更凶,不可執升降以定旺衰也。)
およそ用神昇爻に落つれば、所占の事は日々に壮大し月々に更新す。用神降爻に落つれば、日々に消減し月々に削弱す。ゆえに昇降の法を運用するに、また兼ねて用神の衰旺を視て、一端に拘執して論ずべからず。(注:昇降の力量は進神・退神に比ぶに及ばず。且つ必ず用神の旺相なるや否やを参看すべし。用神旺相にして又昇爻に居れば更に吉、用神休囚にして又降爻に居れば更に凶なり。単に昇降を憑じて旺衰を断ずべからず。)
進退章第十六
吾聞天道一日一周,而黃道日不及天之一度,順輪而前者謂之進神,逆輪而後者謂之退神,是以亥變子而前進,未變辰而退後也。(進神右順行西,退神左逆行東。)同行之化,則有進退,異行之變,則惟生克。是以申變未而為生,丑變卯而為死,豈以進退言哉。(同行,五行同類論進退,不同類論生克。)
聞くに、天道は一日に一周を運行すれども、太陽の行く黄道は毎日天体よりも一度少走ると。天輪に随いて順行して向前するを「進神」と呼び、天輪に逆らいて退後するを「退神」と呼ぶ。ゆえに亥の子に変ずるは向前進にして、未の辰に変ずるは向後退なり。(注:進神は右旋順行して西に向かい、退神は左旋逆行して東に向かう。)同一五行の間の変化においてのみ始めて進退を談ずべく、五行同じからざる間の変化にあっては只生剋を論ずるのみ。ゆえに申金の未土に変ずるは土の来たりて金を生ずるなり、丑土の卯木に変ずるは木の来たりて土を剋するなり、何ぞ又進退を談ずるに及ばんや。(注:いわゆる「同行」は、同類五行の間に進退を論じ、同類ならざるは生剋を論ずるを謂う。)
夫進神之法有三:一曰大進,二曰不進,三曰不能進。蓋動旺相而變日月,乘勢得位,謂之大進;動日月而變空破,無階無路,謂之不進;動破散而變日月,我位既失,何以得前,謂之不能進。(如午建甲戌日用官,得革之同人,未變戌者是大進,未已旺相,戌乃日建,此動相而變日也;卯建庚申日用父,得豐之革,申變酉者是不進,申乃日辰,酉已月破,此動日而變破也;申建癸卯日用子,得屯之節,寅變卯者是不能進,寅已月破,卯雖日辰,此動破而變日也。)
進神の情形に三つあり。一に曰く「大進」、二に曰く「不進」、三に曰く「不能進」。動爻自身旺相にして変出せるは日月の爻、勢を乗じて又位を得る、これを「大進」と曰う。動爻自身正しく日月に臨むも変出せるは空破の爻、前路に階なく梯なし、これを「不進」と曰う。動爻自身已に破散に遭い変出せるは日月の爻、己の位先に已に失う、何をもって向前せん、これを「不能進」と曰う。(注:例えば午月甲戌日に官鬼を用として《革》を得《同人》に変ずるは、未土の戌土に変ずるは即ち大進なり——未は午月に旺相にして戌は又日建なり、これ動爻旺相にして日建を変ず。又卯月庚申日に父母を用として《豊》を得《革》に変ずるは、申金の酉金に変ずるは即ち不進なり——申は日辰にして酉は卯月に冲砕せらる、これ動爻日に臨みて月破を変ず。又申月癸卯日に子孫を用として《屯》を得《節》に変ずるは、寅木の卯木に変ずるは即ち不能進なり——寅は已に申月に冲砕せられ、卯は日辰なりといえども事に済なし、これ動爻先に破れて日建を変ず。)
退神之法,亦有三:一曰實退,二曰不退,三曰不及退。蓋動休囚而變休囚,是乃從流忘返,謂之實退;動日月而變空破,我德克備,謂之不退;動破散而變日月,潰敗難收,諮嗟何及,安能退哉,謂之不及退。(如午建辛巳日用財,得兌之隨,卯爻休囚,化寅又休囚,是休囚而變休囚,乃為實退;寅建丙戌日用父,得乾之夬,戌乃日辰,物無可傷,雖化未空,亦不退也;申建癸卯日用兄弟,得兌之豐,酉已沖散,物不能扶,雖變申為月建,亦不及退也。)
退神の情形にも亦三つあり。一に曰く「実退」、二に曰く「不退」、三に曰く「不及退」。動爻自身休囚にして変出せるも亦休囚の爻、波に随い流れに逐いて一たび去りて返らず、これを「実退」と曰う。動爻自身正しく日月に臨み変出せるは空破の爻、自身の徳力完備す、これを「不退」と曰う。動爻自身已に破散に遭い変出せるは日月の爻、潰敗して収拾難く、嗟嘆も及ばず、何ぞ退き得んや、これを「不及退」と曰う。(注:例えば午月辛巳日に妻財を用として《兌》を得《随》に変ずるは、卯木休囚にして化出せる寅木も亦休囚なり、これ休囚の休囚に変ずるは即ち実退なり。又寅月丙戌日に父母を用として《乾》を得《夬》に変ずるは、戌は日辰にして自身損傷する可きなし、化出せる未土の落空すといえども、亦不退と算す。又申月癸卯日に兄弟を用として《兌》を得《豊》に変ずるは、酉金已に卯日に冲散せられ扶く可き物なし、変出せる申金正しく月建たるといえども、亦退くに及ばず。)
凡進以成得,退以敗失,用神成敗,吉凶分焉;元忌旺衰,災祥見焉。化進有日昌之勢,乃功名得志,身命榮昌,嫁娶財求,往而遂意,若忌神遇之,則憂方大爾;化退有道消之嫌,然災禍漸弭,訟衰病退,寇賊無侵,若用神遇之,則未易得志也。(用神元神欲其進,忌神仇神欲其退。)故進而得日月生扶,其力愈盛,退而得日月制服,其氣愈衰,盛衰以時,從舍以類,而吉凶盡矣。(既審進退,兼參日月,而旺衰益見。)
およそ「進」は成就と獲得とを主り、「退」は敗壊と失落とを主る。用神の成敗一定せば吉凶分明にし、元神・忌神の旺衰一定せば災祥顕現す。化進神は日々に昌盛の勢あり。功名を占えば得志し、身命を占えば榮昌し、婚嫁・求財を占えば往きて必ず如意なり。しかるを忌神の化進ならば、憂患反りて大なり。化退神は道消の嫌あり。しかれども災禍は漸々平息し、訟事衰え病勢退き寇賊来侵せず。しかるを用神の化退ならば、得志易からず。(注:用神・元神は其の進まんことを望み、忌神・仇神は其の退かんことを望む。)ゆえに化進して又日月の生扶を得れば力量更に盛んに、化退して又日月に制服せられれば気勢更に衰う。盛衰は時令に依りて定まり、取舍は類別に按じて分かるるは、吉凶講じ尽くせるなり。(注:既に進退を審明し、再び日月を参合すれば、旺衰更に顕豁なり。)
有無章第十七
易法之要,其在用爻,然當辨本無而有,本有而無之義,始為無惑。(俗學但以用爻上卦為有,不上卦為無,豈能通微刻驗。)本無而有者,其法有三:六爻無用而用藏伏爻,遇生扶於世動之下者,一也;伏受空破,或遭制克,而察日月臨用神之上者,二也;日月飛伏總無,而互卦變爻之間,用神一逢生旺,三也。(一飛無而伏有,一飛無而日月有,一飛伏日月無而互變有,飛重於伏,伏重於日月,變重於互也。)
《易》占の法の要領は全く用爻に在るも、必ず「本より無くして算ずる有」「本より有りて算ずる無」の二層の意を辨明せばこそ、迷惑に至らざらん。(注:俗師は只用爻の上卦なるをもって「有」と算し、上卦せざるをもって「無」と算す、それ何ぞ微細に通達し期を刻して応験せんや。)「本無而有」の情形に三つあり。一は六爻の中に用神見えずして、用神は伏爻の裡に蔵れ、又恰好伏して世爻或いは動爻の下に在りて生扶を得。二は伏神空破に遭う或いは制剋せらるるも、日建・月建正しく用神の上に臨む。三は日月・飛神・伏神の裡に通通無くして、互卦・変爻の間に用神一たび現われ且つ生旺に逢うなり。(注:第一は飛象無くして伏象有り、第二は飛象無くして日月有り、第三は飛伏日月皆無くして互卦変爻有るなり。軽重を論ずれば、飛は伏より重く、伏は日月より重く、変は互より重し。)
本有而無者,其法亦三:用雖上卦,正值月破,一也;死絕無救,衰遇旬空,二也;發動交傷,日月互克,三也。(此皆用神受傷也,然當權其淺深輕重。)自無而有者,來事喜之,去事畏之;自有而無者,退事宜之,進事惡之。(專分用忌為好惡,各以類推得之。)
「本有而無」の情形も亦三つあり。一は用神上卦するといえども、正しく月破に逢う。二は用神死地絶地に落ちて救なく、衰弱の中に又旬空に遇う。三は用神発動して両面傷を受け、日建月建交々に来たりて剋す。(注:これらは皆用神の傷受くるなり、然る要は傷の深淺軽重を権衡すべし。)無より変じて有となるは、其の来たらんを盼む事凡そ可喜とし、其の去らんを盼む事凡そ可怕とす。有より変じて無となるは、退かんと欲する事凡そ合適とし、進まんと欲する事凡そ可悪とす。(注:要は孰れか用神孰れか忌神を分けるに在り、好悪各々類に按ず。)
自無而有者,功名榮祿,意外遭逢,財利子嗣,晚年忽遇,而官非災盜,亦起無端;自有而無者,反此推之。凡推用神,雖遇動現獨發,若不逢旺相及有制無救,均為無氣之占,學者審之。(本有而無,本無而有,皆非常占。蓋人事之變,鬼神之不測兩有之,非深思曲晰,未易得趨避之正也。)
無より変じて有となるは、功名榮祿は意想の外に遇い、財利と子嗣とは晚年に忽ち得ん。之に反して、官司・災禍・盗賊も亦端無くして起る。有より変じて無となるは、相反の理に照らして推すべし。凡そ用神を推断するに、其の発動顕現し且つ正しく独発なるといえども、旺相に逢せざるか、或いは制せられて救なければ、皆「無気」の占と算す、学者は審察して明らかにすべし。(注:本有而無・本無而有は、皆反常の占に属す。人事の変化と鬼神の不測と両様有り、若し深く思い細かく辨えざれば、趨吉避凶の正解を求むること易からず。)
墓絶章第十八章
爻有生旺墓絕,卦亦有之,卦之為用,反勝於爻,蓋卦包爻外,大象既凶,而不及小吉也。(此專言卦體墓絕也。)卦莫凶於墓絕,或墓沖絕破,或值空亡,則非真矣;或本卦臨日月,亦非墓絕,如離變乾為墓絕,若午日月或甲子旬,是偽非真,若逢日月填實其乾,則為凶象矣。又有墓而不絕,絕而不墓,均非真也。(此辯墓絕真偽也,如墓絕遇空破非真,日月填實則真,墓絕一缺非是。)
爻に長生・帝旺・入墓・臨絶あり、卦体も亦同じくこれあり。而して卦体の作用は反りて単爻に勝る。卦は爻の外に包むがゆえに、大象既に凶なれば、小処の吉を顾みるに暇あらざるなり。(注:此の段は専ら卦体の墓絶を講ず。)卦象は墓絶より凶なるはなし。しかれどももし墓を作る処沖せられ、絶を作る処破られ、或いは正しく空亡に当たるならば、真の墓絶にあらず。本卦若し正しく日月に臨むならば、亦墓絶と算ぜず。例えば《離》の《乾》に変ずるは墓絶の象なり——火は戌に墓し亥に絶し、而して乾は正しく戌亥に居る——若し午を日月に逢うか、或いは甲子旬の中に占すれば(戌亥空なり)、則ち是れ偽にして真にあらず。若し日月正しく乾の居る戌亥を填実すれば、始めて凶象を成す。此の外に又墓に入るのみにして絶に臨まず、絶に臨むのみにして墓に入らざるあり、亦皆真の墓絶と算ぜず。(注:これは墓絶の真偽を辨ずるなり。墓絶空破に遇えば真にあらず、日月の填実するは真なり。墓・絶二者一を缺けば、数に算ぜず。)
墓絕之用,唯國事、出師、身命、住基、疾病五者之忌也。國占豈曰靈長,師占我軍或潰,身命疾病,主屬而凶,守不利內,遷不利外也。(卦化墓絕,諸占不宜,而五者尤凶。)墓絕之外,空破當參,內卦空破,不利舊居,外卦空破,豈宜新宅,空謂之多虛,破謂之少氣,國事出師,皆非宜也。(空破稍輕於墓絕,唯疾病不忌。)
墓絶の用法は、只国事・出師・身命・宅基・疾病の五様を占するに最も忌む。国運を占するに、何ぞ久長を談ずるに及ばん。出師を占するに、我が軍潰敗せんか。身命・疾病を占するに、本人を代表する其の一卦墓絶に逢えば凶なり。旧を守れば内卦墓絶不利にして、遷徙すれば外卦墓絶不利なり。(注:卦の墓絶に化するは、諸種の占問皆相宜ならず、而して此の五様尤も凶なり。)墓絶を除くの外、また空と破とを参看すべし。内卦空破は旧居に不利にして、外卦空破は何ぞ新宅に宜しからん。空は虚多くして実ならず、破は気力足らず、国事・出師を占するに皆相宜ならず。(注:空破は墓絶より稍々軽し、只疾病を占する時に忌まず。)
是以八卦之化惟五,五行之化乃十二,是故坎化坤為克,水則養生,震化坎為生,木則言敗,此八卦五行之分者,類此推之。(唯五,金木水火土也;十二,長生沐浴冠帶臨官帝旺衰病死墓絕胎養也。)
ゆえに八卦の間の変化は只五種の生剋を論じ、而して五行自身の変化は卻て十二種の長生あり。ゆえに《坎》の《坤》に変ずるは、八卦より見れば土の来たりて水を剋するなり。しかれども五行長生より見れば、水は坤の居る申位に在りて反りて長生にして、未位に在りては養地なり。《震》の《坎》に変ずるは、八卦より見れば水の来たりて木を生ずるなり。しかれども長生より見れば、木は坎の居る子位に在りて卻て沐浴敗地なり。これ八卦と五行との両套の看法の分別なり、余はこれに照らして類推せよ。(注:いわゆる「五」は、即ち金・木・水・火・土の生剋なり。いわゆる「十二」は、即ち長生・沐浴・冠帯・臨官・帝旺・衰・病・死・墓・絶・胎・養なり。)
卦候章第十九
夫五行以旺相休囚死之分,復有長生沐浴冠帶臨官帝旺衰病死墓絕胎養之義,而八卦豈無旺相胎沒死囚休廢之用哉,然以月令言毋以日時言也。(八卦旺相休廢之法,訣云:立春歸艮土,春分震木齊,立夏時當巽,夏至本尋離,立秋坤土主,秋分兌澤奇,立冬乾旺處,冬至坎方宜,當權八卦臨八節,逐卦循環細細推。)
五行既に旺・相・休・囚・死の分別あり、又長生・沐浴・冠帯・臨官・帝旺・衰・病・死・墓・絶・胎・養の義例あり、八卦豈に旺・相・胎・没・死・囚・休・廃の用法なからんや。只八卦の旺衰は月令に按じて講ずるを要し、日・時に按じて講ずべからず。(注:八卦旺相休廃の法、口訣に曰く「立春は艮土に帰し、春分は震木斉しく、立夏の時は巽に当たり、夏至は本より離に尋ね、立秋は坤土主り、秋分は兌沢奇なり、立冬は乾旺の処、冬至は坎方宜し、権に当たる八卦は八節に臨み、逐卦循環して細々と推せ」と。)
陽之生也,氣有十二,陰之生也,亦氣有十二,陽之候三十有六,陰之候亦三十有六,是以歲有七十二候也。(陽生候十二氣,如冬至小寒大寒立春雨水驚蟄春分清明穀雨立夏小滿芒種,陰生候十二氣,夏至小暑大暑立秋處暑白露秋分寒露霜降立冬小雪大雪,一氣三候,陰陽各三十有六,合得七十二候為歲。)
陽気生発の半年に十二節気あり、陰気生発の半年にも亦十二節気あり。陽の候数三十六にして、陰の候数も亦三十六、ゆえに一年共に七十二候あり。(注:陽生の十二気は冬至・小寒・大寒・立春・雨水・驚蟄・春分・清明・穀雨・立夏・小満・芒種なり。陰生の十二気は夏至・小暑・大暑・立秋・処暑・白露・秋分・寒露・霜降・立冬・小雪・大雪なり。一気は三候に分かれ、陰陽各々三十六候、合して七十二候をもって一年とす。)
冬至坎旺而艮相,春分震旺而巽相,夏至離旺而坤相,秋分兌旺而乾相,卦旺三氣,亦有一候之餘旺,支司六候,亦有一候之先司。(如立春艮旺,至春分後艮尚旺五日,未即廢也。支神主一月之權,如巳司六候,而未及巳五日,其巳已得氣,蓋餘寒兆暑之義。)
冬至の時は坎卦旺に当たりて艮卦は相と為り、春分の時は震卦旺に当たりて巽卦は相と為り、夏至の時は離卦旺に当たりて坤卦は相と為り、秋分の時は兌卦旺に当たりて乾卦は相と為る。一卦旺に当たりて三箇の節気を主管す、此の外に又一候の余旺あり。一箇の地支は六候を主管す、此の外に又一候を提前して先行当令す。(注:例えば立春の後は艮卦旺に当たり、春分の後に到るも艮は尚更に五日旺らん、即ちに廃せず。地支の神は一箇月の権柄を主る、例えば巳は六候を主る、しかれども尚五日差して巳月に交わらざるに、巳気已に先得令す——これ即ち残寒未だ尽きずして暑気先に兆すの理なり。)
夫一陰一陽,生子午之半者,南極北極之道,窮而復返也。(日行南極,冬至而還北,日行北極,夏至而還南;還北,則日輪之行舒,而日加長,還南,則日輪之行疾,而日漸短,惟二分日行赤道,乃得其中,故以冬至方旺於坎,夏至方旺於離,蓋震兌得東西之經,坎離得窮返之理,自然之妙也。)
一陰一陽は分別して子の正中と午の正中とに生ず、これ太陽の南極・北極に行きて窮極復返するの理なり。(注:太陽最南に行き至れば、冬至以後北返す。最北に行き至れば、夏至以後南返す。北返すれば日輪の行き舒緩にして白晝漸長く、南返すれば日輪の行き急促にして白晝漸短し。唯春分・秋分は太陽赤道上に行きて、恰も其の中を得たり。ゆえに冬至に始めて坎に旺し、夏至に始めて離に旺す。震・兌は東西の常経を得、坎・離は窮極復返の理を得るは、これ自然の奥妙なり。)
故冬至始起於坎,而旺相胎沒死囚休廢,終止乎乾,則坎艮旺相三氣,謂旬空而弗空也,震巽胎沒三氣,謂囚而不囚也。(如冬至後坎旺艮相,丑建甲寅旬筮坎,則過旬弗空,復如丑建得震巽,則言胎沒之卦,而弗為克我者囚也。)
ゆえに冬至より坎卦に起り、旺・相・胎・没・死・囚・休・廃の次序に按じて排して下り、乾卦に終止す。かくて冬至以後、坎・艮の両卦は旺相の位に処り、各々三箇の節気を管し、旬空に遇うといえども亦空ならざるに等し。震・巽の両卦は胎・没の位に処り、亦各々三箇の節気を管し、剋せらるといえども真の囚と算ぜず。(注:例えば冬至以後坎旺艮相なれば、若し丑月甲寅旬に坎卦を占得すれば、此の一旬を出れば空と算ぜず。同じく丑月に震卦・巽卦を得れば、是れ胎・没の位に処る卦なれば、剋する之神の有るがゆえに囚と算せず。)
蓋旺相胎沒,或當日之沖而不云沖,死囚休廢,或當日之建而不云建,此卦候不與爻神同也,然其所用獨以邦畿住宅為先要焉。(若震值旺,遇酉日而不為日破,仍論其旺相,坎值死,遇子日而不為日建,仍論其死囚,以卦候司四十五日,所概遠也。)
ゆえに旺・相・胎・没の位に処る卦は、正しく日辰の来たりて沖するに当たるといえども沖せらると算せず。死・囚・休・廃の位に処る卦は、正しく日建に当たるといえども日建の力を得たりと算せず。これ卦候と爻神との同からざる処なり。しかれども卦候の用処は、主として国家疆域と住宅とを占するに最も緊要なり。(注:譬えば震卦正しく旺に当たれば、酉日に遇うといえども日破と算せず、仍旧其の旺相を論ず。坎卦正しく死に当たれば、子日に遇うといえども日建と算せず、仍旧其の死囚を論ず。一卦の候の主管するは四十五天なり、其の籠罩する時段は一日より遥かに長ければなり。)
干化章第二十
天干曰五運,地支曰六氣,是以能成四時而造萬物也。五運施之,六氣成之,運,施未形,氣,分有跡,是以渾天甲子,配才官父兄子於地支,而不及天干也。(幹以氣化,支以形化,卜重地支,亦有參用天干者。)
天干を「五運」と呼び、地支を「六気」と呼ぶ、二者合せて始めて四時を成就し万物を造化す。五運は上に在りて施布し、六気は下に在りて成就す。「運」の施す所は未だ形跡なく、「気」の分かつ所は已に跡尋ぬ可し。ゆえに渾天納甲の法は、只妻財・官鬼・父母・兄弟・子孫の五類を地支に配して、天干に配せず。(注:天干は気によりて化し、地支は形によりて化す。卜筮は地支を重しとすれども、亦兼ねて天干を用る時あり。)
然則天干無所用乎?聖人納甲,支干同納,幹以幹取,支以支求,卦無用爻,而遇動象上之天干,與日月之天干,亦合化而為用,但化用而逢日月動變生扶則有,克破則無。(如辛卯年丙申月丙子日,占子存亡,得觀之萃,以為子孫不現,乃應凶象,而不知丙辛化水,後及亥月甲辰日,乃申子辰會成水局,亥月值於所變之亥,子孫反得平安而歸,則五化之驗如此。)
然れば則ち天干に用処なからんや。聖人の納甲は、干と支とは一同に納入せり。干を論ずれば干の上より取り、支を論ずれば支の上より求む。若し卦中に用爻を尋ね得ずして、動爻の納する天干と日・月の天干と恰好合化して五行を出ずるならば、亦之をもって用神と為す可し。しかれども此の「化出の用神」は、日月・動爻・変爻の生扶に遇いて有と算し、剋に遇い破に遇えば無と算す。(注:例えば辛卯年丙申月丙子日に児子の存亡を占し、《観》を得て《萃》に変ずるに、見れば子孫爻現われず、凶に応ずべき似たり。而して丙と辛と合化して水を為すを知らず。後に亥月甲辰日に到りて、申・子・辰は水局を会成し、亥月又正しく所変の亥爻に値う、児子反りて平安に帰来せり。天干合化の応験はかくの如し。)
化用之吉,求名求利,意外可成,捕逃不獲而自見,索負失望而復全,避患化官,恐遭不測之殃,慮訟化鬼,倘犯無端之驚,此其象也。(幹化吉凶,俱當得之意外。)五化之法,亦有由來,五蟲之變化者,莫變化於龍,故經云逢龍則化也;五遁甲子,甲己化戊而成土也,乙庚化庚而成金也,丙辛化壬而成水也,丁壬化甲而成木也,戊癸化丙而成火也,龍陽物,五化皆陽也,故天干以運化成物,地支以氣變應事,干支豈可失一哉。(逢辰則化,如甲己遁丙寅,戊辰乃龍,因化土也,乙庚遁戊寅,庚辰乃龍,後仿此。)
干化をもって用と為して吉を得るは、名を求め利を求むるに意外に成し、逃犯を捉拿するに本より已に望なくして対方自ら現身し、欠債を追討するに本より失望せしも全数收回す。之に反して、禍を避け難を避くるに官鬼を化出するは、不測の殃を遭わんか。訟事を憂慮して官鬼を化出するは、无端の驚嚇を受けんか。これ干化の象なり。(注:天干合化の主る吉凶は、皆意料の外に得るなり。)五合化の弁法にも亦来歴あり。五類の生物の中に最も変化に善なるは龍なり、ゆえに経に「逢龍則化」と曰う。五鼠遁をもって時辰を排すれば、甲己の日は戊辰に遁る、ゆえに合化して土を為す。乙庚の日は庚辰に遁る、ゆえに合化して金を為す。丙辛の日は壬辰に遁る、ゆえに合化して水を為す。丁壬の日は甲辰に遁る、ゆえに合化して木を為す。戊癸の日は丙辰に遁る、ゆえに合化して火を為す。龍は陽物なれば、ゆえに五種の合化の取る所は皆陽干なり。ゆえに天干は「運」をもって万物を化育し、地支は「気」をもって人事に変応す、干と支と何ぞ一様を缺かんや。(注:辰位に逢えば化す。例えば甲己日は丙寅時より起り、戊辰に数え至れば、辰は即ち龍なり、ゆえに土に化す。乙庚日は戊寅時より起り、庚辰に数え至れば、辰は龍なり、ゆえに金に化す。以下これに準じて類推せよ。)
一動為法,再動次之,日干為法,月干次之,六氣用常,五運用特。(特,獨發也,獨發與日干化合為要,然必因飛伏無用爻,而後求此法也,兩動,偶一用之,不可恃也。)
干化を用るに、唯一爻発動するをもって正法と為し、両爻発動すれば次一等なり。日の天干をもって正法と為し、月の天干は次一等なり。地支の六気は尋常の占に用い、天干の五運は特殊の占に用う。(注:いわゆる「特」は、即ち独発なり。独発の爻と日干との相合化するは、最も緊要なり。然るに必ず飛神・伏神の裡に用爻を尋ね得ざる時にして、始めて此の弁法を求む。両爻発動の情形は、偶々一用するは可なるも、之に倚仗する能はず。)
易冒巻之三
歳君章第二十一
夫蘊周天之用,司六氣之柄,繼寒暑,分春秋,惟太歲主之,有君道焉?(周天,謂黃道傳次十二神,繼三百六十五度二十四分二十五秒之數。六氣,陰陽六氣。)其權則大而久,靜而尊,若以定悔吝吉凶,則有其位而未親其司也。(其吉凶之應,生克沖合,皆不及日月,謂其尊而不親,高而難仰也。)
一周天の運化を包蘊し六気の権柄を掌握し、寒暑を接続し春秋を划分す、これら皆「太歳」の主管する所、其中に君主の道を含む。(注:いわゆる「周天」は、黄道上に依次相伝する十二神を指し、三百六十五度二十四分二十五秒の天度の数を接続す。いわゆる「六気」は、即ち陰陽の六種の気なり。)太歳の権力は大にして久しく、安静にして尊貴なり。しかれども若し之をもって悔吝吉凶を断定するに至らば、只空しく其の尊位を有して親ら具体の事務を理せざるなり。(注:太歳の吉凶応験に在る生・剋・沖・合の力は、皆日建・月建に及ばず、ゆえに其の尊貴にして親切ならず、高遠にして攀仰し難しと曰うなり。)
是故與爻神沖,謂歲破而不破,與爻神合,謂歲援而不援,生而不即生,傷而不即傷,空則可空,破則可破。(太歲與爻神相沖,但名歲破,若克爻神,但名歲克,值鬼但名歲鬼,未即為凶,故太歲在旬空則空之,在月破則破之。)
ゆえに太歳の爻神と相冲するは、只「歳破」と呼ぶも真に破らず。爻神と相合するは、只「歳援」と呼ぶも真に来たりて援助せず。其の生ずると曰うも、直ちに生ぜず。其の傷つくと曰うも、亦直ちに傷つかず。太歳自ら旬空に落つれば、照旧空と算し、月破に落つれば、照旧破と算す。(注:太歳の爻神と相冲するは只「歳破」と呼び、太歳の爻神を剋するは只「歳剋」と呼び、太歳の官鬼に臨むは只「歳鬼」と呼ぶ——皆直ちに凶を成さず。ゆえに太歳若し旬空に逢えば之を空に当て、若し月破に逢えば之を破に当つ。)
國占而現,喜靜旺,忌破絕,無現則專論五爻,歲時降鬼而為海內殃,降福而為天下康。(太歲現為君象,不現,則但以五爻為朝廷,太歲值鬼,九州災厄,太歲值福,四海泰康。)
国事を占する時、太歳若し卦中に出現すれば、其の安静旺相なるを喜び、其の破に逢い絶に逢うを忌む。若し出現せざれば、専ら第五爻を視る。太歳官鬼を降せば、即ち四海之内の災殃なり。太歳子孫福神を降せば、即ち天下の康泰なり。(注:太歳出現するは、君主の象なり。出現せざれば、只第五爻をもって朝廷を代表す。太歳官鬼に値すれば、九州に災厄あり。太歳子孫に値すれば、四海安康を得たり。)
身命福持而生平安樂,家宅鬼會而歲月迍邅,仕宦則職崇臺閣,詞訟則事瀆憲司,事干朝廷,喜生合世爻,忌沖剋身象。(凡上疏面聖請封等事,皆喜太歲生合世爻,則上合君心,太歲沖身象,則憂嚴譴。)
身命を占するに、太歳子孫福神に臨み世を持てば、一生平安快楽なり。家宅を占するに、太歳官鬼と相会すれば、歳月即ち困頓順ならず。仕宦を占するに、職位台閣に高居を主り。詞訟を占するに、事情憲司の一級衙門に驚動を主る。凡そ事情朝廷に牽渉するは、太歳の世爻を生合するを喜び、太歳の身爻を沖剋するを忌む。(注:凡そ上疏・面聖・請封の類の事は、皆太歳の世爻を生合するを喜ぶ、是れ上に君心に合うなり。太歳若し身爻を沖せば、厳しい譴責を遭わんを患うべし。)
月将章第二十二
夫天地變化,陰陽消長,往來寒暑,各有其時,謂之曰令,則五行萬物,皆從令而生殺,月將得無權乎?(記曰:月建乃萬卜之提綱;補遺曰:月將出令於三旬,往來咸服。蓋能令則為權,故令於水則寒,令於火則暑,令於春則生,令於秋則殺。)
天地の変化・陰陽の消長・寒暑の往来は、各々其の時節あり、これを「令」と曰う。五行万物は皆時令に随いて生じ、随いて殺す、月建(月将)何ぞ権柄なからんや。(注:《記》に「月建は万般卜筮の提綱なり」と曰い、《卜筮全書・補遺》に「月将は一月三旬の中に号令を発し、往来の物服せざるなし」と曰う。号令を発し得るは即ち権あるなり。令水に行えば寒冷し、令火に行えば炎熱し、令春に行えば生発し、令秋に行えば粛殺す。)
凡爻神值此,破而不破,傷而不傷,卦中無而若有,爻內絕而不絕,動逢沖而不散,旬逢空而不陷,用神遇此而吉,忌神遇此而凶。(凡爻神若值月將,縱遇變沖動沖日沖歲沖,皆不為破,或動爻變(爻)日辰克之不為傷;倘卦中飛伏如無用神,而月建值用則有。忌神若動於卦內,則逾月而方斃,元神若動於卦內,則當月而呈祥。)
凡そ爻神正しく月建に値すれば、破せらるといえども破と算せず、傷せらるといえども傷と算せず。卦中に之なきといえども、亦あるに等し。爻絶地に居るも、絶と算せず。発動して沖に逢うも、沖散せず。旬中空に逢うも、陥落せず。用神月建に遇上れば吉にして、忌神月建に遇上れば凶なり。(注:凡そ爻神正しく月建に値すれば、縦え変爻沖・動爻沖・日辰沖・太歳沖に遇うとも、皆破と算せず。動爻・変爻・日辰の剋する所と為るも、亦傷と算せず。倘若卦中飛神伏神皆用神無くして、月建恰好即用神たるならば、則ち「有」と算す。忌神若し卦中に発動すれば、本月を過ぎて始めて発作す。元神若し卦中に発動すれば、当月に吉祥を呈す。)
惟日辰能以相勝,後時能以相敵,蓋物窮則變,器滿則傾之義。(日月之力相較,若月剋日生,吉得十之八,日克月生,吉得十之七,日散月破而不相救也。夫用占後時,以後來得事之月為憑,如亥建丙寅日占考秩得萃,官臨月破,本不為吉,而在次年孟夏方考,反為月建官爻,得上上卷。)其為力也,能裁制旺相發動及變伏互之神,其為權也,歲君亦弗奪之。
只日辰のみ能く月建と相勝ち、而して後来の時令能く之と相抗す。これ即ち物極まれば必ず反し、器満つれば則ち傾くの理なり。(注:日と月との力量を把りて比較すれば、若し月来たりて剋し日来たりて生ずれば、吉は十分の八を得べし。若し日来たりて剋し月来たりて生ずれば、吉は十分の七を得べし。日辰沖散して月建又破るれば、救援すること無し。「後時」をもって断ずるは、将来事情落実する其の月份をもって憑とす。例えば亥月丙寅日に官階の考核を占し、《萃》卦を得。官星正しく月破に逢う、本より不吉なり。然る要は第二年の孟夏に到りて始めて考す、その時官爻反りて月建と為り、結果上上等を考得せり。)月建の力量は、旺相の爻・発動の爻および変爻・伏神・互卦の神を裁制す可し。其の権柄を論ずれば、太歳も亦之を奪う能はず。
日主章第二十三
夫周天包四時之成,立二至二分之節,蕩磨六氣之消長,非獨赤道如是焉,蓋日行黃道,晝夜之內,亦一周天,日主得無權歟?(赤道即天度也,天無形,以經星為形,陰陽寒暑,雖周天所包,而一晝夜之間,天一周,經星亦一周而縮,日行一周而又縮,日與月會,計二萬九千五百三十零五十九秒三微之數,以月猶不及日十三度七之一,所以日主之權,得中道而無所不賴也。)
一周天は四時の成就を包含し、二至二分の節点を確立し、六気の消長を磨蕩す。これ単に赤道かくの如しのみならず。太陽黄道に行きて、一晝夜の内にも亦一周天を走る、日辰(日主)何ぞ権柄なからんや。(注:赤道は即ち天の度数なり。天本より形なく、恒星に依りて形を顕す。陰陽寒暑は皆一周天に包まるるといえども、一晝夜の間、天は一周を転じ、恒星も亦一周を転じて稍々後れ、太陽は一周を行きて後るること更に多し。日と月と一度相会するは、二万九千五百三十日零五十九秒三微の数を合す、月亮は毎日尚太陽より十三又七分の一度少走るがゆえなり。ゆえに日辰の権柄は中道に居り、万事之に依頼せざるなし。)
故日主所臨,莫能破之,莫能空之,莫能散之,如金如剛,孰之能傷,用神遇之,謂之盡善,忌動何憂,仇動何慮,惟月將則敵其所司,他時則奪其所持,屈伸之義如此。(用臨日主出現卦中,忌神仇神發動,皆不為害,月將亦不能克,惟日主為元神生用,若月將為忌克用,則奪其權十分之二;若得事他日,即以他日為主,如辰建甲寅日占會得師,午財生寅當得,而在癸亥日搖會,火絕於亥反不得也,此屈伸之義。)
ゆえに日辰の臨む所の爻は、之を破り之を空し之を沖散する能きなし、金石の如く堅し、誰か之を傷つけ得ん。用神日辰に遇上れば、尽く善と謂うべし。忌神発動する何の憂う可き、仇神発動する何の慮う可き。只月建のみ能く之と分庭抗礼し、別の日子到来する時能く其の把持する権勢を奪去す——一屈一伸の道理即ちかくの如し。(注:用神正しく日辰に臨みて卦中に出現すれば、忌神仇神発動すといえども害と為さず、月建も亦之を剋動す可からず。然るに若し日辰は用神を生ずる元神にして、月建は用神を剋する忌神ならば、則ち十分の二の権勢を奪去せらん。若し事情別の日子に落実すれば、則ち其の一天をもって主とす。例えば辰月甲寅日に摇会を占し、《師》卦を得。午火妻財は寅木を生ず、本より会を得べし。然るに摇会は癸亥日に在り、火は亥に絶す、反りて得ず——これ即ち屈伸の義なり。)
故與日月配爻象,月將則先從五法而後從十二法,日主則專務長生沐浴之法,是以日惟散,月惟破,日重絕,月重克,日有隨墓,月無助傷,占者寧不以日主為先也?(若以日月配爻象,用神投月將,則先論旺相休囚死,後論長生沐浴冠帶臨官帝旺衰病死墓絕胎養之法,如土爻用神,遇於巳月應相,其絕則輕,雖不可謂無絕,相與絕較,得相猶十之七,如遇申月其土則休,以生較休,得生猶十之七也。若日辰之生絕則獨重,金遇巳而生者十之九,土遇巳而絕者十之九,唯以長生十二法而定衰旺。)
ゆえに日・月をもって爻象に配すれば、月建は先用旺・相・休・囚・死の五法を用い、然後始めて十二長生の法を用う。日辰は則ち専ら長生・沐浴の一套十二法を用う。ゆえに日辰は「散」を主り、月建は「破」を主り。日辰は「絶」に重んじ、月建は「剋」に重んず。日辰に「随墓」の説あり、月建に「助傷」の説なし。卦を占する者何ぞ日辰を先と為さざらんや。(注:日月を把りて爻象に配すれば、用神月建に投向すれば、先ず旺・相・休・囚・死を論じ、後に長生・沐浴・冠帯・臨官・帝旺・衰・病・死・墓・絶・胎・養を論ず。例えば土爻を用神と為して巳月に遇えば、五法に按じて「相」に当たり、十二長生に按ずれば則ち土は巳に絶す。其の絶せざると言う能はざるといえども、「相」と「絶」と相比すれば、「相」を得る分量は十分の七を占む。又如申月に遇えば、土は「休」に当たり、而して土は申に在りて長生なり。「生」と「休」と相比すれば、「生」を得る分量は十分の七を占む。日辰の生と絶とに至りては、分量は格外重し。金は巳日に遇いて長生にして、十分の九を得。土は巳日に遇いて絶にして、亦十分の九を占む——日辰は専ら十二長生の法を用いて衰旺を定むるなり。)
時辰章第二十四
時,由四時之相推而成年也,辰,猶五星之次編周天也,以晝夜效寒暑,以朝暮譬春秋,按六氣成八刻,而呼吸之內,皆時辰所司也。(十二時為一日,三十日為一月,十二月為一年,三十年為一世,十二世為一運,三十運為一會,十二會為一元,計十二萬九千六百之數也。但時刻改於須臾,遷於呼吸,其權司只在一日之內爾。)
「時」とは四季の迭々推移によりて一年を成し、「辰」とは譬えば五星の周天に依次編排するが如し。晝夜をもって寒暑に傚らせ、晩早をもって春秋に比擬す。六気に按じて分配すれば、一箇の時辰は八刻を合し、一呼一吸の間に連ねて、皆時辰の管する所に帰す。(注:十二時辰を一日と為し、三十日を一月と為し、十二月を一年と為し、三十年を一世と為し、十二世を一運と為し、三十運を一会と為し、十二会を一元と為し、合計十二万九千六百年の数なり。然るに時刻は須臾の間に改換し呼吸の間に遷移し、其の権柄は只一天の内に限るのみ。)
其要唯推長生十二法以應用神,然爻神與時沖合,則但有沖合之名,而無深中,能應日內之吉凶,弗應日外之休咎也。(如午建己巳日占臨產,得姤之鼎,胎空身動,理應當日申時可育,誰知亥子絕於巳日,且實其空,至次日申時方產,可見先求日而後求時也。)是故其為力曰近、曰輕、曰小、曰速,其為象曰卑幼,故傳曰:時辰司頃刻之權也。
時辰を用るの要領は、只十二長生の法に按じて用神に対応するに在り。爻神の時辰と相冲相合するは、亦只冲合の名目を挂くるのみ、深深命中する能はず。其の一天之内の吉凶には応験すれども、一天之外の休咎には応験す可からず。(注:例えば午月己巳日に臨産を占し、《姤》を得て《鼎》に変ず。胎爻落空して身爻発動す、理に照らせば当日申時に当に分娩すべし。誰が知らんや、亥・子の水は巳日に絶し、且つ巳日は恰好其の空を填実せり、第二天申時に至りて始めて生下せり。見る可くは先ず日辰を求め後に時辰を求むべし。)ゆえに時辰の力量は、特に近く、軽く、小さく、速し。其の取る所の人象は卑幼の輩なり。ゆえに前人の伝えたる言に曰く、時辰の主管するは頃刻の間の権柄なりと。
月破章第二十五
物以時而消息,則五行之衰旺亦然。夫建為六氣之正,破為六氣之反,以用處正,名為月建,猶乘時而駕也;以用處反,名為月破,猶違時而戾也。(陽正陰反,陰正陽反,如巳月巳為六陽之正,則亥為六陰之反,於巳則得時,於亥則失時也。夫人生五行之中,不可違時,違時則困,是故君子審進退盈虛之理,兆如悔吝,寧守其困,卜如否臧,寧守其常,求如少遂,莫若待時,所謂居易以俟命也。若背而馳焉,躁而求焉,寧有幸乎?君子審於建破吉凶之象,而困亨之道得矣。)
万物は時令に随いて消長し、五行の衰旺も亦かくの如し。「建」は六気の在る正位にして、「破」は六気の在る反位なり。用神正位に落つるを「月建」と曰う、譬えば時に乗じて駕するが如し。用神反位に落つるを「月破」と曰う、譬えば時に違いて背くが如し。(注:陽位を正と為せば相対の陰位を反と為し、陰位を正と為せば陽位を反と為す。例えば巳月、巳は六陽の正位にして、亥は即ち六陰の反位なり。巳に在れば時を得、亥に在れば時を失う。人は五行の中に生活し、時令に違逆する可からず、時に違えば困頓す。ゆえに君子は進退盈虚の道理を審察す。卦兆若し悔吝を顕せば、寧ろ困境に安守し、卜問若し不善を見れば、寧ろ其の常度を守り、求むる所若し願いに遂われ難ければ、時機を待つに如かず——これ即ち《中庸》の謂う所の「居易以俟命」なり。若し偏えに道に背きて行き、躁急に強求せば、何ぞ僥倖あらん。君子月建・月破の吉凶の象を審明せば、困にして後亨るの道理を得たるなり。)
是以生之不長,扶之不起,實如虛,有如無,為我援而無賴,為我忌而弗傷,在伏則不露,在變則不權,名之曰破,而無所施用也。(爻神若逢月破,縱日辰動象變爻生之,亦不能昌,縱在變爻,不能生克動爻,主在伏象,不能現為卦象,乃失時無為之物也。)
ゆえに月破の爻は、之を生ずといえども長ずる能はず、之を扶くといえども扶け起す能はず。見れば実在するが如く、其の実空虚なり。見れば有るが如く、其の実無きに等し。其の我が援手を為すは靠む可からず、其の我が忌神を為すも亦我を傷つく能はず。下に伏して透出す可からず、変爻に落ちて権勢なし。之を「破」と称するは、即ち其の用場に派せざるを言うなり。(注:爻神若し月破に逢えば、縦え日辰・動爻・変爻の生ずる有るとも、昌盛する能はず。縦え其れ自ら変爻の上に在るとも、動爻を生剋する能はず。若し其れ伏神を作せば、透出して卦象と為る能はず。要之失時にして作為する所なきの物なり。)
唯值日則能實其破,後時則能補其過,若與鬼動,吉而不吉,凶而愈凶,以白虎殺神加臨爾。(大白虎為凶神,合官鬼動者,妄為肆暴,豈非殃乎?值日,如五月子日則謂實其破而不破,後來日辰遇子,亦謂實其破而不破,後來月建遇子,亦謂補其失而不破也。)
只日辰に正しく値して能く其の破を填実し、或いは後来の時令を待ちて能く此の亏欠を補回すのみ。若し月破の爻又官鬼と同動すれば、則ち吉なるも亦吉ならず、凶なるは更に凶なり、尚白虎の凶煞其の上に加臨する有ればなり。(注:白虎は大凶の神にして、官鬼と合して発動し、妄为して暴を肆う、何ぞ災殃ならざらん。いわゆる「値日」は、例えば五月に占来して子日に逢えば、則ち其の破を填実して破と算せずと曰う。後来の日辰子に遇うも、亦其の破を填実して破と算せずと曰う。後来の月建子に遇えば、則ち失う所を補回して破と算せずと曰うなり。)
旬空章第二十六
空亡之法,輕重有別,或年空,或月空,或日空,或時空,未可概用,惟旬中空為重焉。(年月時空存其名,獨日辰旬空為真。年旬空偶一考之,如己亥生人,自筮壽命,於己未年寅建癸亥日得大畜,當推其七十戊申,乃甲辰旬空寅卯之類是也。)
空亡を論ずるに軽重の別あり。年空・月空・日空・時空あり、一概に論ず可からず、唯日辰の在る其の一旬の空亡のみ最も重し。(注:年空・月空・時空は只徒らに其の名有るのみ、唯だ日辰の旬空のみが是れ真空なり。年の旬空は偶々一考す可し。例えば己亥年生の人自ら寿命を占し、己未年寅月癸亥日に《大畜》卦を得れば、当に其の七十歳の年を戊申年と推算すべし——戊申は甲辰旬に属し、此の旬の空亡は寅卯に在り、即ち此の一類なり。)
旬空之法,當審建空、動空、填空、旺空、相空之義,半空、援空、安空之法。(月建值空,謂建空,猶不空,反有用也;動爻值空,謂動空,不惟不空,反為動也,若日辰來沖,又不為散,反為全動,以其空逢沖實而復動焉;)
旬空の法を運用するに、「建空」「動空」「填空」「旺空」「相空」の義理、および「半空」「援空」「安空」の用法を審明するを要す。(注:月建正しく空亡に値するを「建空」と曰う、空ならざるに等しく、反りて用あり。動爻正しく空亡に値するを「動空」と曰う、但だ空ならざるのみならず、反りて真動と算す——若し更に日辰の来たりて沖する有るも、亦沖散と算せず、反りて全動を成す、空爻沖に逢えば便ち填実して重新に起動すればなり。)
(空爻遇沖為填空,若有旺相生扶,乃為填實,若遇休囚傷克,乃謂不全填實也;旺相之爻值空,為旺相空,必以日辰參之,若日辰亦生扶,乃謂真旺相空,若日辰克之,即為克空,若日辰洩其氣,即為半空,此皆空而有用也。半空即上文所言;動爻日辰來生空爻,乃謂援空;日月動爻皆不來克空爻,乃謂安空,此皆空而不死也。)
(注:空爻沖に遇うを「填空」と曰う。若し又旺相の気の生扶有れば、「填実」と算す。若し正しく休囚に逢い又傷剋せられれば、則ち填えども実ならずと曰う。旺相の爻落空するを「旺相空」と曰う、必ず日辰を参看するを要す。日辰も亦生扶せば、始めて真の旺相空と算す。日辰若し之を剋せば、則ち「剋空」を成す。日辰若し其の気を泄せば、則ち「半空」を成す——此の幾種は皆空にして仍お用有るなり。「半空」は即ち上に説く其の一種なり。動爻或いは日辰の来たりて空爻を生ずるを「援空」と曰う。日・月・動爻皆来たりて空爻を剋せざるを「安空」と曰う——此の幾種は皆空にして死せざるなり。)
破空、絕空、真空、克空、傷空之戒,凡十有三法,此旬空之秘也,然後分好惡輕重而考其吉凶焉。(月破值空,謂破空;絕於月為絕空;春土夏金秋是木,三冬知火是真空,若辰戌丑未月,又以水為真空,蓋月建來克,便為真空。)
別に「破空」「絶空」「真空」「剋空」「傷空」の此の幾様の戒忌あり。前を合して共に十三法を計す、これ即ち旬空の秘要なり。明白の後、再び喜忌の軽重を分辨して吉凶を考察す。(注:月破にして又落空するを「破空」と曰う。月令の上に絶地に処りて落空するを「絶空」と曰う。口訣に曰く「春土・夏金・秋は木、三冬に火は是れ真空と知れ」——春の土爻・夏の金爻・秋の木爻・冬の火爻の落空するは、皆真空と算す。若し辰・戌・丑・未の四箇の土月に在れば、則ち水爻の落空をもって真空と為す。要之月建の剋する所と為りて又落空すれば、即ち真空なり。)
(所以破絕真空,皆繫於月建之上,得一日辰或動爻來生,即成克空,輕於此也;如日辰動爻或一來克,即謂傷空,重於此也,是皆所戒之空爾。大抵旬空秘要,在日月動三象考求,日月為最,動爻次之,克倍生扶則重,生扶倍克則輕也。)
(注:破空・絶空・真空は皆月建の上に係るを見る可し。若し日辰或いは動爻其の一の生ずるを得れば、則ち「剋空」に転じ、真空より稍々軽し。若し日辰或いは動爻其の一の剋するならば、則ち「傷空」と曰い、真空より更に重し。これら皆戒忌すべきの空なり。大体に言えば、旬空の秘要は、日建・月建・動爻の三様の上に考求するを要す。日月は最も重く、動爻は之に次ぐ。剋の力量生扶を超過すれば重く、生扶の力量剋を超過すれば軽し。)
是以空於忌則吉,空於用則凶,故求事之成,財之得者,不可遇之;欲其來,求其有者,不可遇之;占久不可空,占在不可亡,此六者乃空於用也。(如謀望,世空,我求不遂,應空,彼意不偕之類。)凡事之將避焉,將棄焉,將脫焉,將絕焉,將欲其不在焉,此六者乃空於忌也。(如占避禍,鬼空則可避;如占脫役,鬼空則可脫之類。)
ゆえに空の忌神の上に落つれば吉にして、空の用神の上に落つれば凶なり。ゆえに事の成りんことを想い財の手に到らんことを想うは、用神落空す可からず。人の来たらんを想い物の在らんを想うは、用神落空す可からず。長久の事を占するに空す可からず、人物の尚在りや否やを占するも亦空す可からず——此の幾様は皆「空于用」に属す。(注:例えば謀望を占し、世爻落空すれば則ち我の求は遂われず。応爻落空すれば則ち対方は配合する意なし。)凡そ避けんと欲する・丢開せんと欲する・脱却せんと欲する・断絶せんと欲する・其を存在せざらしめんと欲する、此の幾様は皆「空于忌」に属し、落空は反りて好し。(注:例えば禍を避くるを占し、官鬼落空すれば則ち避け開くを得たり。差役を脱するを占し、官鬼落空すれば則ち身を脱するを得たり。)
蓋空居變爻則無司,空在伏爻則不現。(變爻若空,不能生克動爻,故曰無司;伏神若空,不能透露卦象,故曰不現。)空居六親稱其用,空臨六神較其事。(六親謂財官父兄子,補遺曰:財空富而厚,官空貴而不榮,子空兒女必伶仃,父空屋室還衰敗,兄空則弟兄少力。法曰:青龍空亡懷虛喜,朱雀空亡訟自已,勾陳空亡田甚蕪,騰蛇空亡妖不起,白虎空亡喪服橐,元武空亡盜賊弭。)
空若し変爻の上に落つれば、則ち作用を起さず。空若し伏爻の上に落つれば、則ち透出す能はず。(注:変爻落空すれば、動爻を生剋する能はず、ゆえに「無司」と曰う。伏神落空すれば、卦象の上に透露する能はず、ゆえに「不現」と曰う。)空の六親に落つるは、所占の事に按じて其の用処を称量するを要す。空の六神に臨むは、事に就きて事を論じて比較するを要す。(注:六親は即ち妻財・官鬼・父母・兄弟・子孫なり。《補遺》に曰く「財空は富にして厚く、官空は貴にして榮えず、子空は児女必ず伶仃、父空は屋室還て衰敗、兄空は則ち弟兄少力なり」と。占法又曰く「青龍空亡は虚喜を懐き、朱雀空亡は訟自ら已み、勾陳空亡は田甚だ蕪れ、騰蛇空亡は妖起らず、白虎空亡は喪服橐なり、元武空亡は盗賊弭まる」と。)
世應空而分彼我之求,內外空而分新舊之基,間身空而分人己,陰陽空而分男女,出現伏藏空而分遠近,五行旬空之則,是學易之模範也。(中人強弱忌間空,禍己有無喜身空,男人陽空則弗出,女人陰空則防疾,非謂男女空而弗分陰陽也。近事忌出現空,遠事忌伏藏空,非謂出現空而伏藏不空也。)
世爻・応爻の落空は、我が求か他の求かを分辨するに用い、内卦・外卦の落空は、旧基か新基かを分辨するに用い、間爻と身爻との落空は、別人か自己かを分辨するに用い、陽爻・陰爻の落空は、是れ男か是れ女かを分辨するに用い、出現の爻と伏蔵の爻との落空は、事の近に在るか遠に在るかを分辨するに用う。此の一套の五行旬空の法則は、正に《易》占を学ぶの準縄なり。(注:中間人の得力不得力を視んと欲せば、則ち間爻の落空を忌む。禍事の自己の身に落到するや否やを視んと欲せば、則ち身爻の落空を喜ぶ。男人は陽に属し、陽爻落空すれば則ち出でて行く能はず。女人は陰に属し、陰爻落空すれば則ち疾病を防ぐべし——並びに凡そ男女を占して落空すれば則ち陰陽を分たざるを謂うにあらず。近期の事は出現の爻の落空を忌み、遠期の事は伏蔵の爻の落空を忌む——亦出現の爻空しく、伏蔵の爻は則ち空と算せざるを謂うにあらず。)
日沖章第二十七
日沖安旺之爻為暗動,日沖靜衰之爻謂暗破,空爻遇沖謂之實,動爻遇沖謂之散,凡有四法,此日沖之要理也。(如辰建卯日,坤酉子孫,謂之暗動,即半動矣;如午建酉日,離卯父爻,謂之暗破,即半碎矣;如午建戊辰日,乾戌世空,謂之全實;亥建戊子日,艮午父空,謂之半實也。如動爻遇日辰相沖,苟非月建,則謂之散,及動化沖亦散,或他爻發動來沖,若彼強我弱皆散。夫散,猶空也,則全無矣,縱有生扶,不可救藥。)
日辰の安静にして旺相の爻を沖するを「暗動」と曰い、日辰の安静にして衰弱の爻を沖するを「暗破」と曰い、空爻沖に遇うを「填実」と曰い、動爻沖に遇うを「沖散」と曰う。共に此の四法あり、是れ日沖の要理なり。(注:例えば辰月卯日、《坤》卦の酉金子孫は卯の沖する所と為る、此を暗動と曰い、一半動くに等し。又如午月酉日、《離》卦の卯木父母は酉の沖する所と為る、此を暗破と曰い、一半砕くるに等し。又如午月戊辰日、《乾》卦の戌土世爻は落空して辰に沖せらる、「全実」と曰う。亥月戊子日、《艮》卦の午火父母は落空して子に沖せらる、「半実」と曰う。動爻の日辰と相冲するに至りては、只其れ自身月建ならざれば、則ち「散」と曰う。動じて沖爻を化出するも亦散と算し、或いは別の爻発動して来たりて沖するも、只対方強く我方弱ければ、亦皆散と算す。「散」は則ち空と同じく、全く無きに等しく、縦え生扶有るとも藥救す可きなし。)
其為墓沖、胎沖、克沖、絕沖,亦有四法,此日沖之分稱也。(辰戌丑未為墓沖,不論旺相休囚,靜遇為暗動,空遇為填實。子午卯酉為胎沖,旺相則靜為暗動,休囚則靜為半散,空為半實也。如子酉之日,來沖午卯,雖旺相亦為克沖,其吉但得十之七矣。寅申巳亥為絕沖,縱旺相,靜不能為暗動,空不能為全實,蓋絕沖與克沖同也。克沖有三,子酉之日為克沖少輕;申亥之日克沖,絕而又克,故重也;寅巳之日絕沖,又重於胎克沖爾。)
日沖の下に又「墓沖」「胎沖」「剋沖」「絶沖」の四法を分かつ、これ日沖の分類の名称なり。(注:辰・戌・丑・未の四墓の相冲するを墓沖と曰い、旺相休囚を論せず、静爻之に遇えば暗動と為り、空爻之に遇えば填実と為る。子・午・卯・酉の四正の相冲するを胎沖と曰う。爻若し旺相なれば、静にて遇えば暗動と為り。爻若し休囚なれば、静にて遇えば只半散と算し、空にて遇えば只半実と算す。又如子日・酉日の来たりて午・卯を沖するは、便ち爻自身旺相なるといえども、「剋沖」と算するを要し、吉は只十分の七を剩す。寅・申・巳・亥の四生の相冲するを絶沖と曰う。縦え旺相なるとも、静爻も亦暗動を成す能はず、空爻も亦全く填実する能はず、絶沖は剋沖と性質相同なればなり。剋沖に三等あり。子日・酉日の剋沖は最も軽し。申日・亥日の剋沖は、既に絶にして又剋す、ゆえに重し。寅日・巳日の絶沖は、又胎沖・剋沖より更に重し。)
其暗動,或臨於元神,或臨於忌神,或臨於用神,各隨其處而用之,若仇忌兩發,而元神值暗動,猶得綿續生生也。然為吉凶之力則半,遲速之報則緩,災祥之應則暗,如萌如窟,若啟若擊,用而喜之,忌而惡之,其機如此。(暗動之力,不及動爻之力。)歲時之沖則不然,蓋年用遠而不言沖,時用近而不言破,是以日月之沖,非遠近之比爾。
暗動の爻は、或いは元神に臨み、或いは忌神に臨み、或いは用神に臨み、各々其の在る所の位置に随いて取用す。若し仇神・忌神の両爻斉しく発して、元神恰好暗動すれば、尚生气を接続し下らんを得たり。然るに暗動は吉凶の上に只一半の力量有るのみ、報応の遅速は慢く、災祥の応験も亦比較的隠晦なり——萌芽の将に出でんとするが如く、洞中に蔵るるが如く、開くに似て未だ開かず、撃つに似て未だ撃たず。用神の暗動は可喜にして、忌神の暗動は可悪なり、其の中の機窍は即ちかくの如し。(注:暗動の力量は真の動爻の力量に比ぶに及ばず。)太歳と時辰との沖は則ち同じからず。年の用法は太だ遠し、ゆえに「沖」を講ぜず。時の用法は太だ近し、ゆえに「破」を講ぜず。日・月の沖は、年・時の或いは遠く或いは近きの比ぶ可きにあらざるを見る可し。
遇時章第二十八
吾聞用神得令則吉,失令則凶,理之常也,然有當時後時之用,豈可執一而論哉。(得令失令,言其常也,事在後期,則勿執時令。)故占於此月之得,此日之得,則用神當時為吉;若彼月之得,彼日之得,則用神當於彼時之令吉焉。蓋夏月出而冬月入,水用為嘉,亥日問而巳日求,火用為善。(補遺曰:冬藏夏貨,宜巳午之財爻;秋放春收,喜卯寅之妻位。如寅建辛亥日占丁巳搖會,得節之中孚,巳財絕於亥日,兄動奪之,理不應得,然丁巳財當以丁巳日求之,而甲寅旬子兄值空,是日果應得會,可見遇時為卜筮之要。)
聞くに、用神時令を得れば則ち吉、時令を失えば則ち凶、これ常理なり。しかれども事に当時に応ずる有り、亦後時に応ずる有り、何ぞ一端を死執して論ぜんや。(注:得令失令は常理に就きて言うなり。事の日後に落つるは、占卦当時の時令を死守する要らず。)ゆえに若し求むる所即ち本月に得本日に得れば、則ち用神の当時得令をもって吉と為す。若し別の月に得別の日に得せんと要せば、当に用神の其の時令の上に得令するや否やを視るべし。譬えば夏に貨を出し冬に貨を進むれば、則ち水爻をもって佳と為す。亥日に来たりて問いて巳日に往きて求めんと要せば、則ち火爻をもって善と為す。(注:《補遺》に曰く「冬蔵夏貨は、巳午の財爻に宜しく、秋放春収は、卯寅の妻位を喜ぶ」と。例えば寅月辛亥日に丁巳日の摇会を占し、《節》を得て《中孚》に変ず。巳火妻財は亥日に絶し、又兄弟発動して来たりて奪う有り、理に照らせば得べからず。然るに丁巳の財は則ち丁巳の其の天に往きて求むべく、而して丁巳は甲寅旬に属し、子水兄弟は正しく旬空に値う、其の天果然として会を得たり。「遇時」は卜筮の要訣たるを見る可し。)
夫用神得於此時之令,則失於彼時之司,得於彼時之司,則失於此時之令,吉凶相勝,可不深辯乎?若隨常之問,恆遠之求,即當以占時用神得令失令而定災祥,以其無時之可據也。
用神此の時令の上に得令すれば、往々にして即ち彼の時令の上に失令す。彼の時令の上に当権すれば、往々にして即ち此の時令の上に失令す。吉と凶と互いに勝負あり、何ぞ深く加えて辨别せざらんや。若し只是れ随口の一問の尋常の事、或いは長遠にして定期なきの所求なれば、則ち仍お占卦当時の用神の得令失令に按じて災祥を断定す、再び別の時点に依拠す可きなければなり。
独発章第二十九
吉凶之應,鬼神之情,必兆以動而告我也,是以卜筮之道,求用象為樞機,而察動爻為情狀。惟一爻動而五爻之不動者,五爻動而一爻之不動者,事應之來,不驗於用神,而驗於卦象也。是以一爻獨發,其占九六,一爻獨靜,其占七八,則由志動而鬼神知,鬼神知而吉凶生,吉凶之生由於動,所以重於動而輕於用也。(大吉大凶,雖不繫於獨發獨靜之爻,然鬼神之情,常顯機於此。)
吉凶の応験・鬼神の情態は、必ず「動」を借りて兆象を顕出して我に告げんことを要す。ゆえに卜筮の道は、用神を求むるは樞紐機関にして、動爻を察するは其の情状を視るなり。唯だ一爻動きて其余の五爻動かず、或いは五爻皆動きて只有一爻動かざるの此の両種の情形は、事の応験は往々用神の上に験せずして、卦象の上に験す。ゆえに一爻独発せば、則ち其の九・六(老陽老陰)を占し、一爻独静なれば、則ち其の七・八(少陽少陰)を占す。人の心志一たび動けば、鬼神之を知る。鬼神之を知れば、吉凶生じて出づ。吉凶既に「動」に生ず、ゆえに此の時動爻を看重して用神を看軽す。(注:大吉大凶は独発独静の其の一爻に係らざるといえども、鬼神の情態は常に即ち此処に機兆を顕す。)
夫占事之法,不可舍用神而求動爻,間有事驗於動爻者,如占行人得甲子爻動而甲子日至,占病人得丙子爻發而丙子日亡,避火,遇甲午官興而是日遭回祿,求名,遇丙戌父動而是歲反登科。
事を占するの通法は、用神を丢開して単に動爻を求む可からず。然るに其の間に確かに事の動爻の上に応ずる有り。例えば行人を占し、甲子の其の一爻発動を得れば、行人は即ち甲子日に到る。病人を占し、丙子の其の一爻発動を得れば、病人は即ち丙子日に亡ぶ。防火を占し、甲午官鬼の発動に遇えば、当日即ち火災に遭う。功名を占し、丙戌父母の発動に遇えば、其の一年反りて科に登る。
(酉建甲子日卜子歸期,得夬之大過,月建子孫,是月應至,卯沖酉子,宜在丁卯日到,而當日甲子即歸。午建己巳日卜妻病,得大畜之小畜,月破妻爻化絕,應在當日即亡,後待丙子日而死。未建戊午日占家宅,得乾之小畜,本應火災,庚午壬午不應,至甲午日而回祿,以夏至後先壬而後甲也明。壬午年巳建甲戌日占功名得剝之晉,常法以子午卯酉鄉舉,後因鼎革,改丙戌而發鄉科。以上皆驗於獨發,故雖不離用爻,而亦不執用爻也。)
(注:酉月甲子日に児子の帰期を占し、《夬》を得て《大過》に変ず。子孫爻正しく月建に当たり、本月即ち到るべし。卯来たりて酉金子孫を沖す、本より丁卯日に到るに宜し——結果当日甲子日に即ち帰来せり。午月己巳日に妻子の病を占し、《大畜》を得て《小畜》に変ず。妻財爻は月破にして又絶に化す、本より当日即ち死すべし、後に卻て丙子日に拖到して始めて死せり。未月戊午日に家宅を占し、《乾》を得て《小畜》に変ず、本より火災応ずべし、然るに庚午・壬午の両日皆応ぜず、甲午日に到りて始めて失火せり——これ夏至以後先に壬後に甲のゆえなり、道理甚だ明白なり。壬午年巳月甲戌日に功名を占し、《剥》を得て《晋》に変ず。常法に照れば子・午・卯・酉の年中に郷挙に応ずべし、後に朝代更替に因り、改めて丙戌年にして始めて郷科に中る。以上皆独発の爻の上に応験せるの例なり、ゆえに既に用爻を離れず、亦用爻を死執せずと曰う。)
如求財遇否之臨而占八,乙卯日而得財。訪友遇遁之節而占七,壬申日而會友。尚有己巳之靜而應於他卯日者,亦或驗之也。靜而獨發,以值以合,動而獨靜,以值以沖,然必雜取用神忌神而當其爻象者則信無失矣。獨動獨靜之法,則猶古昔之占驗雲。(如寅建己亥日占求財,得否之臨,卯財長生,兄破不克妻爻,主應有財,不得於癸卯而得於乙卯者,日值干支財也;未建丙午日占訪友,得遁之節,應爻在壬申,是以壬申日遇;巳建乙丑日占子歸,得睽之咸,而應丁卯日至。蓋一爻之靜,不惟驗於相值,亦驗相沖;一爻之動,不惟應於相值,尤應相合,決日之秘,仍看用爻。)
又如財を求めて《否》を得て《臨》に変じて其の「八」(少陰の爻)を占するは、乙卯日に到りて財を得たり。友を訪して《遯》を得て《節》に変じて其の「七」(少陽の爻)を占するは、壬申日に到りて朋友に会着せり。又本より己巳日に応ずべきの静爻にして、卻て別の卯日に応ずる有り、有時に亦応験する能きなり。全卦皆静にして只有一爻独発せれば、則ち其の一爻の値日或いは合日をもって期を定む。全卦皆動きて只有一爻独静なれば、則ち其の一爻の値日或いは沖日をもって期を定む。然るに必ず兼ねて用神・忌神を取り、其の一爻の爻象と相合せばこそ、信じて失なからんを得べし。独動独静の此の套の弁法は、仍お古人の占験の法を沿用す。(注:例えば寅月己亥日に財を求むるを占し、《否》を得て《臨》に変ず。卯木妻財は亥日に長生し、兄弟爻は月破にして妻財を剋動する能はず、財得べき有りを主る。癸卯日に応ぜずして乙卯日に応ずるは、乙卯の此の一天の干支正しく財と相値すればなり。又如未月丙午日に友を訪するを占し、《遯》を得て《節》に変ず。応爻は壬申を納す、ゆえに壬申日に遇着せり。又如巳月乙丑日に児子の帰来を占し、《睽》を得て《咸》に変ず、丁卯日に到るに応ずべし。一爻若し静なれば、但だ相値の日に験するのみならず、亦相冲の日に験す。一爻若し動けば、但だ相値の日に応ずるのみならず、尤も相合の日に応ず。応期を決定するの秘訣は、仍お用爻を視るを要す。)
或曰,獨發獨靜,止為吉凶告兆也。如求財遇財旺而有財,求官遇官旺而有官,行人遇用神生克而定其遲速,病人遇用神衰旺而決其死生,然後以獨發獨靜之爻定其時,則每有驗,此為論之中也。(獨發獨靜可以定時日、察事應,若遂以定吉凶,則須審用爻,不可執也。)
或る人曰く、独発・独静は只吉凶の兆を告知するに用うるのみ。財を求めて財爻旺相に遇えば即ち財有り、官を求めて官爻旺相に遇えば即ち官有り、行人を占して用神の生剋に憑じて遅速を断じ、病人を占して用神の衰旺に憑じて生死を決す。然後再び独発・独静の其の一爻を用いて応期を定めば、往々霊験すと。此の説は持平の論と算して可なり。(注:独発・独静は時日を定め事情の応験を察する可し。若し此に就きて把りて吉凶を断定するは、仍お用爻を審察するを要し、拘執す可からず。)
両現章第三十
夫用神之兩現,將何主焉?必以其有傷無傷而定取舍也,舍其有傷,取其無傷,則可得一其主也。法所謂用得其用則吉,不得其用則凶,是故舍其無用而取其有用也,若兩求之,則吉凶不定矣。(傷謂旬空月破沖散克傷之類。)
用神卦中に両箇出現すれば、孰れをもって主と為すべきか。必ず其の傷有りや傷なきやに按じて取舍を定むるを要す。傷受けたるを舍てて、其の傷受けざるを取れば、則ち一主に帰する能きなり。占法の謂う所の「用神其の用を得れば則ち吉、其の用を得ざれば則ち凶」、ゆえに無用のを舍てて有用のを取るを要す。若し両箇皆要せば、吉凶に定準なからん。(注:いわゆる「傷」は、旬空・月破・沖散・剋傷の此の一類を指す。)
然一動一靜之用,猶有別焉,舍靜取動,以動為事之兆也。不能得用神于飛爻,而求用神於伏象者,舍飛從伏,必以日月動爻之扶挈用之。(飛用被傷,當索伏用,日月動與配,相生而從,相剋而舍。)
若し両現の中一動一静なれば、還て分別あり。当に静を舍てて動を取るべし、「動」こそ是れ事の兆象なればなり。若し飛爻の上に堪用の用神を尋ね得ざれば、伏象の中に転じて之を求め、則ち飛を舍てて伏に従う、然るに必ず日・月・動爻の扶持提携に憑じて始めて之を用るを得たり。(注:飛爻の上の用神傷受くれば、当に伏神の中の用神を捜求すべし。再び日・月・動爻を把りて配す。之と相生すれば則ち依従し、之と相剋すれば則ち舍弃す。)
後時生旺死絕,亦以不傷之神為論,是故未丑為用,而丑空未實,而敗於丑月者,謂未實而丑破之也。(後來日期,取配無傷用神,不可並索,如亥建戊午日占脫貨,得大過,遇子月價貴,遇丑月價賤,是論丑破未,而不論建丑也。)
後来の時令を用いて生旺死絶を論ずるも、亦只其の傷受けざるの用神を把りて論ずるのみ。ゆえに未土・丑土の両現を用と為すに、若し丑落空して未是れ実なるならば、丑月に到りて反りて事を敗す、其の因る所は未の実にして、而して丑月正しく来たりて未を沖破すればなり。(注:後来の日期を推算するに、彼の傷受けざる用神に配するを要し、両箇を一并にして求む可からず。例えば亥月戊午日に貨物を脱手するを占し、《大過》卦を得。子月に到りて価貴く、丑月に到りて価賤し——これは丑の来たりて未を沖破するに就きて論ずるなり、丑の月建に当たるに就きて論ずるにあらず。)
夫鬼神之於蓍不妄動、不徒現,必有所告也,是以卜男婚而兩官者,競相求也,卜女婚而兩財者,交相與也;詞訟兩官,則非一獄之事,失脫兩鬼,則是三同之偷;仕路兩官而再加署敕,考場兩父而複試文章。官主也,父頭也,營謀重之而繫兩頭兩主;妻財也,子福也,身命逢之而多福多財;憂害二鬼而戒內外之驚,理財二妻而得往來之息;子孫兩現而占嗣者,膝下有真假之嗣,弟兄兩現而占交者,座前有名實之友。(卦中用爻兩現,推之人事,必有其象,用則喜而忌宜稱也。)
鬼神は蓍卦を借りて人に示す、端無くして動かず、白白現出せず、必ず告示する所有り。ゆえに男子の婚事を占して両官鬼并現するは、人の彼と競いて求娶する有るなり。女子の婚事を占して両妻財并現するは、両処同時に応許する有るなり。詞訟を占して両官鬼は、則ち只一樁の官司ならず。失物を占して両官鬼は、即ち同伙三人の合偷なり。仕途を占して両官爻は、更に一道の任命を加う。考場を占して両父母爻は、一場の復試有らん。官鬼は事の主にして、父母は事の頭なり、営謀の占は両者を重しと為す、両現は則ち両頭両主を牽くるを意味す。妻財は財にして子孫は福なり、身命を占して両現に遇上れば、即ち多福多財なり。憂患の占に両官鬼は、内外両重の驚擾を戒備するを要す。理財の占に両妻財は、往来両筆の利息を得る能きなり。子嗣を占して子孫両現は、膝下に真假両箇の後嗣有らん。交游を占して兄弟両現は、座前に名実両等の朋友有り。(注:卦中用爻両現は、人事の上に推せば必ず相応の象有り。是れ用神なれば則ち可喜とし、是れ忌神なれば則ち忌神に按じて称量するを得たり。)
卜居官遇乃二氏之同居,營葬鬼遇乃二亡之合葬也;所以戒文書者,父重而有交章之論也,憂官鬼者,鬼重而有連綿之禍也,惡兄弟者,兄重而有繁興之費也;鬼伏鬼為新舊之病,官化官為起倒之詞。(兩現之象,最不易明,故詳列於此,因事求之。)
住居を占して両官并現するは、両姓の人家同じ処に同住するなり。営葬を占して両鬼并現するは、両位の亡者一穴に合葬するなり。ゆえに文書両現を戒忌するは、父母爻重畳して交相上章の事有らんとするなり。官鬼両現を擔憂するは、官鬼重するは、官鬼重畳して禍事接続して断えざるなり。兄弟両現を厭悪するは、兄弟重畳して開銷層出して窮まらざるなり。官鬼の下に又官鬼を伏するは、新病旧病の并発なり。官鬼官鬼を化出するは、訟事の一起一落、反復して已まざるなり。(注:両現の象は最も看明白し易からず、ゆえに詳細に此処に列挙す、事に遇えば類に按じて求めよ。)
蓋兩現於飛伏者,則取較之,兩現於變互者,則勿取較也。其升觀二分之卦,八純二土之象,皆有成格,故無煩別論,亦以兩現之法為用云爾。(二分八純,卦有一定,及得於變互者,皆不同兩現之論。)
およそ飛神・伏神の間に両現するは、両者を把りて比較取舍するを要す。変卦・互卦の間に両現するは、則ち比較するを必せず。《升》《観》の此の類の内外両体各々一半を分かつの卦、および八純卦の中の上下両重の土爻の象に至りては、皆自ら成格有り、別に議論を作すを必せず、只両現の法に按じて用うる即ち是れなり。(注:「二分」の卦と八純卦とは、卦式本より定格有り。変卦・互卦の裡より得来の両現に至りては、皆正例の両現の論と同じからず。)
易冒巻之四
長生章第三十一
天地萬物,始於無明,絕後而胎也。(無明,即釋氏所謂無明緣行,行緣識,識緣名色,十二因緣之類也;絕則無物,猶無明也;胎則有形,猶緣名色也。)三位而生,七位而旺,十位而死,十二位而終始焉。(法不以胎為始,而以長生為始者,以其未現形象也。長生法:金生巳,木生亥,火生寅,水土生申,以掌上順數可曉。)
天地万物は皆「無明」に始まり、「絶」の後にして始めて「胎」を結ぶ。(注:「無明」は即ち仏家の説く所の「無明縁行・行縁識・識縁名色」の彼の一套十二因縁なり。「絶」は一无所有、正しく無明の如し。「胎」は已に成形、正しく縁生名色の如し。)胎位より数え起せば、第三位は長生にして、第七位は帝旺にして、第十位は死にして、第十二位に到りて終りて復始まる。(注:此の套の法は「胎」を起点と為さずして「長生」を起点と為す、胎の時に未だ形象を顕出せざればなり。長生の定法は、金は巳に長生し、木は亥に長生し、火は寅に長生し、水と土とは申に長生す、手掌の上に順数すれば明白なり。)
其所取用者,莫重於生絕,故金遇巳而不克,土遇巳而不生。(十二位取用,最重生絕二端,即五行生剋,不及生絕,故金遇巳而得生,土遇巳而言絕也。)
十二位の中に、取用の最も重きは「長生」と「絶」との此の両位なり。ゆえに金巳に遇えば、則ち火の金を剋するに按じて論ぜず。土巳に遇えば、亦火の土を生ずるに按じて論ぜず。(注:十二位の中の取用は、最も長生と絶との此の両端を重んず。五行生剋の分量は長生と絶とに比ぶに及ばず、ゆえに金巳に遇えば只其の長生を得たりと曰い、土巳に遇えば只其の絶に臨むと曰う。)
臨官帝旺,用神乃昌,是故臨官則食祿,天元祿之所授也;帝旺則位中,將星之所立也。長生曰日辰,帝旺曰正旺,二者孰能勝之。(天元祿法:四位臨官,即為祿位,如甲木生於亥,順行四位,臨官在寅,是甲祿在寅 矣;乙木生於午,逆行四位,臨官在卯,是乙祿在卯矣;丙戊生寅,順行臨巳,是丙戊祿巳矣,餘仿此。將星之法,以中神為主,子午卯酉,正中位也,申子辰,子為將星,餘仿此。)
用神臨官・帝旺に到れば、始めて昌盛と算す。臨官は食禄の地にして、「天元禄」の授くる所と為る。帝旺は四正の中に居りて、「将星」の立つる所の位なり。長生若し又日辰に逢い、帝旺又正旺と称せば、此の両様に勝つる者還た誰ぞ。(注:天元禄の算法は、長生より第四位に数え至れば則ち臨官なり、亦すなわち禄位なり。例えば甲木は亥に長生し、順数して四位臨官は寅に在り、ゆえに甲禄は寅に在り。乙木は午に長生し、逆数して四位臨官は卯に在り、ゆえに乙禄は卯に在り。丙・戊は寅に長生し、順数して臨官は巳に在り、ゆえに丙・戊禄は巳に在り、其余これに依りて類推せよ。将星の算法は三合局の中神を主と為す。子・午・卯・酉は四正の位なり、例えば申子辰局は子をもって将星と為し、其余これに依りて類推せよ。)
若沐浴冠帶衰病胎養,則不勝五行之生克,病漸及於不神,養將需於有力,蓋見生吉而見克凶,是故水敗於酉為假敗,火胎於子為偽胎,木胎在酉,論克不論胎,金衰在戌,論生不論衰也。(此言十二位,唯長生臨官帝旺為重,餘位稍輕,還以五行生剋為斷。)
沐浴・冠帯・衰・病・胎・養の此の幾位に至りては、分量は則ち五行の生剋を圧する能はず。「病」の位に処れば則ち漸々霊ならず、「養」の位に処れば還て外力の扶助を待たんことを要す。要之仍お生を見るを吉と為し剋を見るを凶と為す。ゆえに水は酉に在りて沐浴敗地なれども、酉金は水を生ず、是れ假敗なり。火は子に在りて胎なれども、子水は火を剋す、是れ偽胎なり。木は酉に在りて胎なれども、只酉金の木を剋するを論じて其の胎たるを論ぜず。金は戌に在りて衰なれども、只戌土の金を生ずるを論じて其の衰たるを論ぜず。(注:これは十二位の中唯だ長生・臨官・帝旺の三位のみを重しと為し、其余の各位稍々軽しと言うなり、仍お五行生剋に按じて断ずるを要す。)
死墓之法,臨死無救,則鄰死矣,臨死又克,則過死矣。絕亦如之。墓而有刑,如擊如發,墓而無沖,為匿為藏。(爻神投死日月變爻之上,或日月變爻內有一生之,則死而未死,絕而未絕也;既死又克,則為己死;無生無克,準克之半。凡用入墓,喜刑喜沖。)
「死」「墓」を論ずるの弁法は、爻死地に臨みて救なければ、死に近し。死地に臨みて又剋せられれば、則ち死透せり。「絶」に臨むも亦一様なり。墓に入りて又刑に逢えば、敲撃せられ啓発せらるるが如く、還て出で来るを得たり。墓に入りて沖なければ、一味隠匿して深蔵す。(注:爻神日・月・変爻の死地に落つるに、若し日・月・変爻の中一処の来たりて之を生ずる有れば、即ち死にて未だ死せず絶にて未だ絶せず。既に死地に処りて又剋せられれば、則ち已に死せり。既に生なく亦剋なければ、剋せらるの一半に按じて算す。凡そ用神墓に入るは、刑有るを喜び沖有るを喜ぶ。)
蓋用爻生絕於日辰之上者特重,生絕於月建之上者有分,夫月令也,日天也,輕重緩急不侔矣。(生絕月建,須兼論當生、所生、生我、克我、我克之法,日重而月輕也。)
用爻日辰の上に長生を得或いは絶に臨むは、分量特別に重し。月建の上に長生を得或いは絶に臨むは、則ち折扣を打たんを要す。月建の管するは一季の時令にして、日辰の応ずるは当下の天時なり、両者の軽重緩急は並び一様ならざればなり。(注:月建の上の生と絶とを論ずるに、必ず兼ねて当令にして旺・我の生ずる・我を生ずる・我を剋する・我の剋するの此の幾層の関係を視るを要す。要之日重くして月軽し。)
伏爻生絕於飛,動爻生絕於變,其法猶類日也,然有真偽之辯焉。本卦動爻,難言生絕,故巳動傷金而生土,亥發火熄而木榮,有同體之觀焉。(動爻化出之變爻,伏神本位之飛爻,如空如破,則非生非絕矣,故曰真偽。卦爻一本專論生克,不當參以長生十二法也,故曰同體。)
伏爻は飛爻の上に長生或いは絶を取り、動爻は変爻の上に長生或いは絶を取る、用法は日辰の彼の一套に類似す、然るに同じく真偽を辨ずるを要す。本卦の内の動爻と動爻との間に至りては、則ち長生と絶とを講ずること好からず。ゆえに巳火発動すれば、只其の金を傷つけ土を生ずると曰い、亥水発動すれば、只其の火を熄し木を榮やかすと曰う——同じく一卦の体の内に在りて、只生剋に按じて視る。(注:動爻の化出する変爻・伏神の居る所の飛爻は、若し正しく空に逢い破に逢えば、則ち既に生と算せず亦絶と算せず、ゆえに真偽を辨ずるを要す。同一卦体の内の爻は只生剋を論じて、更に十二長生の法を摻入すべからず、ゆえに「同体」と曰う。)
卜筮之道,歸重支神,不分陰陽,同其生死,此其準也。若五行之家,析干支,分陰陽,則陽生陰死,陰死陽生,而長生亦異,蓋五行陰陽,皆投胎於母而後養焉。(丙為日,丁為月,皆投胎於子,自天開於子,而日月昭焉。日月即人物之仰依也,故先以火胎於子為法,養丑而生寅也。日出而作,日入而息,丙既生寅,人亦生寅也。陰陽不可同立,男女不可無別,丁寄生於酉,故下言祖母族撫之。蓋陽干有十二位之用,陰干惟重死生,必欲分求,但以陽順陰逆為法。)
卜筮の道は地支を重しと為し、陰陽を分かたず、陽干陰干同じく一套の生死を用う、これ其の準則なり。命理五行の一家に至りては、則ち干と支とを分かち陰と陽とを分かち、於是陽干長生の処は正しく陰干死絶の処にして、陰干死絶の処は正しく陽干長生の処、長生の位置も亦同じからず。これは五行陰陽皆先ず母に投胎して後に受養するを要すればなり。(注:丙を太陽と為し丁を月亮と為し、皆子に投胎す、天は子に開きて後に日月昭明すればなり。日月は人と万物との仰頼する所なり、ゆえに先ず火胎を子に立つの法あり。養は丑に在り、長生は寅に在り。日出でて作し日入りて息う、丙既に寅に長生すれば、人も亦寅に長生す。然るに陰陽は并立する能はず男女は分かたざる可からず、ゆえに丁火は酉に寄生す、下文にして始めて「祖母一族の撫養」と曰う。大抵陽干は十二位皆用るを得、陰干は則ち只死と生とを重んず。若し必ず分かちて求めんと要せば、則ち陽順行・陰逆行を法と為す。)
既分男女,男順而長生,女逆而寄生,以至臨官食祿之地,乃見其功。(蓋陰陽干支,至臨官而成功。丙臨官於巳,巳既有丙也,丁臨官在午,午即有丁也。)男既長大,應合婚姻,惟寅丙遠贅子辛之妻而養戊己者,戊之長生於寅,己之寄生於酉,皆曰祖母撫之,獨此附其姑,然五行或同位、或相間,窮理反經而道盡矣。
既に男女を分かてば、則ち男(陽干)は順行して長生を取り、女(陰干)は逆行して寄生を取り、臨官食禄の地に至りて、始めて功用を見出す。(注:陰陽の干支は臨官に到りて始めて成就と算す。丙は巳に臨官し、巳の中に則ち丙を蔵す。丁は午に臨官し、午の中に則ち丁を蔵す。)男既に長成して人となれば、当に婚配すべし。只寅位の上の丙火は遥かに子位の辛金の女の処に入贅するを要す。而して寅の中に還て戊土を養う。戊土は寅に長生し、己土は酉に寄生し、皆祖母一族の撫養に由ると曰い、唯だ己土のみ姑母に附するなり。要之五行或いは同居一位し、或いは彼此相間し、此の諸般の道理を窮究し尽くして再び常法に帰れば、其の中の道も亦講じ尽くせるなり。
(丙既生寅而長大,理合擇配,丙合於辛,宜配辛女,當卯無辛,遠逆寄生於子之辛女,贅為夫婦,天之造物,非定有常。火生土而土胎子也,養於丑,故戊土生於寅,己土寄生於父娣丁長酉之姑,而各自成也。
(注:丙火既に寅に長生して長大せば、理に照らせば配偶を擇ぶべし。丙は辛と相合す、当に辛金の女を娶るべし。然るに卯位の上に辛なく、只遥かに逆行して子位の上に寄生する彼の辛女の処に入贅して夫婦を成す——見る可くは天の造物は一成不変の常規なきなり。火は土を生じ、土は子に胎し丑に養う、ゆえに戊土は寅に長生す。己土は則ち酉に寄生し、即ち父輩の妹たる丁火の酉に長生する処に寄り、姑母に託庇して、各々成立す。
戊既長大,宜合癸配,卯中癸水娶之。土生金而金胎於卯也,養於辰,庚金長生於巳,辛金寄生於子,則祖母之族而撫焉。庚既長大,合午乙為妻,金生水而水胎於午也,養於未,壬水長生於申,癸水寄生於卯。壬既長大,合酉丁為妻,水生林而木胎於酉也,養於戌,甲木長生於亥,乙木寄生於午。甲既長大,合子己為妻,木生火而火胎於子也,亥天地之終,子天地之始,己辛之女,皆是子而嫁贅,蓋男女皆自天生,五行或同位、或相間,窮其理而返諸常,可曲盡陰陽之道。
戊土長大すれば、当に癸水と相配すべし、則ち卯の中に蔵する癸水を娶る。土は金を生じ、金は卯に胎し辰に養う、ゆえに庚金は巳に長生し辛金は子に寄生す、是れ祖母一族の撫養に由るなり。庚金長大すれば、午の中の乙木を娶りて妻と為す。金は水を生じ、水は午に胎し未に養う、ゆえに壬水は申に長生し癸水は卯に寄生す。壬水長大すれば、酉の中の丁火を娶りて妻と為す。水は木を生ず(原文は「林」と作る、「木」の字の誤りに当たる)、木は酉に胎し戌に養う、ゆえに甲木は亥に長生し乙木は午に寄生す。甲木長大すれば、子の中の己土を娶りて妻と為す。木は火を生じ、火又子に胎す。亥は天地の終にして、子は天地の始なり。己土・辛金の此の両位の女子は皆子位の上に出嫁して贅を招く——見る可くは男女皆天の生ずる所に由るなり。五行或いは同居一位し、或いは彼此相間し、其の中の道理を窮究し透彻して再び常法に帰れば、則ち能く陰陽の道を曲尽せん。
法曰:子中癸己更加辛,丑中己癸復陰金,寅品甲木兼丙戊,卯中乙木癸水臨,辰中戊土藏乙癸,巳中丙火戊加庚,午中丁火連乙己,未中己土亦逢丁,申內庚金坤壬水,酉內辛金丁己尋,戌中戊土辛丁位,亥中壬水甲木生,地支內有天干伏,天地人元仔細分。)
下面此の一首の口訣は逐一に十二地支の蔵する天干を列出す。子の中は癸水・己土を蔵し、再加辛金。丑の中は己土・癸水を蔵し、別に陰金の辛あり。寅の中は甲木を主と為し、兼ねて丙火・戊土を蔵す。卯の中は乙木を蔵し、又癸水の来臨あり。辰の中は戊土を主と為し、内に乙木・癸水を蔵す。巳の中は丙火を主と為し、戊土・庚金を加う。午の中は丁火を主と為し、乙木・己土を連帯す。未の中は己土を主と為し、亦丁火を蔵す。申の中は庚金と壬水と同居し、申又坤位に属して土を含む。酉の中は辛金を主と為し、再び丁火・己土を尋ぬ。戌の中は戊土を主と為し、別に辛金・丁火あり。亥の中は壬水を主と為し、甲木此処に於て長生す。見る可くは每一の地支の内に皆天干を伏蔵し、所蔵の干還て天元・地元・人元の三層を分かつを要し、須く仔細に辨别すべし。)
唯土之長生不一者,以地王起甲申,申中有坤,故土生於申,若分陰陽,則戊生於寅,己生於酉,而金木水火之內,皆不可以無土,始知土德之用,接續五行,分寄而旺,無往而不生者哉。(土神之生,不一其所,土神之位,相雜而處,所以五行不可無土也。)
只土の長生の説のみ一様ならず。上古地皇君甲申に起りて、而して申位は坤に属す、ゆえに土は申に長生すと曰う。若し陰陽を分かちて按ずれば、則ち戊土は寅に長生し己土は酉に長生す。而して金・木・水・火各々其の方位の中に、亦皆土なかる可からず。此によりて土徳の作用を知る可し、是れ五行を接続し起して、四季に分寄して各々旺に当たり、何れの処に走到するを論ぜず皆能く万物を生養す。(注:土神長生の処所は一箇に止まらず、土神の居る位置は又其他の五行と相雑りて処る、ゆえに五行土なかる可からずと曰う。)
無鬼章第三十二
或曰陽為官,陰為鬼,復曰旺為官,衰為鬼,又曰官鬼為繫(擊?)爻,為制爻,大凡喜之為官,惡之為鬼,用之陽則官,用之陰則鬼,名異而用同也,卦不應無,亦不宜動。(官鬼不必以旺衰陰陽分,但用則為官,忌則為鬼,然官亦可凶,鬼亦可吉。)
或る人は陽爻を「官」として陰爻を「鬼」と為すと曰い、或る人は旺相のを官として衰弱のを鬼と為すと曰い、還て或る人は官鬼は「系爻」(旧本の旁注に「撃爻」と作るべきを疑う)にして「制爻」なりと曰う。大体に言えば、之を喜ぶ時は則ち「官」と呼び、之を悪む時は則ち「鬼」と呼ぶ。其の陽面を取れば則ち官にして、其の陰面を取れば則ち鬼なり——名目同じからずして実は一物を為す。此の一爻は卦中無かるべからざるも、亦発動するに宜からず。(注:官鬼は必ず旺衰・陰陽に按じて分かつを要せず、只取る時は官と呼び之を忌む時は鬼と呼ぶのみ。然るに官も亦凶を帯ぶる可く、鬼も亦吉を帯ぶる可し。)
動而逢沖,動而有制,動而無助,猶不動也。有而空,沖而散,化而沖,猶不有也。卦中雖無而伏於世爻動爻之下,變而臨於日建月建之上,則無猶不無也。(此辯其虛實強弱之分也。)空而動者,謂之半空,動而破者,謂之全凶。有云吉則不吉,凶則更凶,則以大白虎所臨也。(破本無為,因大白虎煞臨之,其凶愈甚。)
官鬼動くといえども沖に逢い、動くといえども制せられ、動くといえども外助なければ、則ち動かざるに等し。之あるといえども落空し、沖せられて散じ、或いは沖爻を化出せば、則ち無きに等し。卦面上に之を見ずといえども、世爻或いは動爻の下に伏し、或いは変爻正しく日建月建の上に臨まば、則ち是れ無きと为るも亦有るに等し。(注:これは其の虚実強弱の分別を辨ずるなり。)落空して又発動するを「半空」と曰う。発動して又破に逢えば、則ち全然是れ凶なり。或る人は「吉なるも亦不吉、凶なるは更に凶」と曰う、其の因る所は大白虎の凶煞上に臨む有ればなり。(注:月破は本より作為する所なし、然るに大白虎煞の之に臨むに因り、兇険更に甚し。)
其象在天為鬼神、為雷霆,在地為廟宇、社稷、廳衙、尸骨、妖邪、蟲蟻,在身為主張、權柄、魂魄、識見、疾病,在家為香火、主宰、宗祖、魘倒,在國為仇敵、亂臣,在任為爵級,在事為訟非、為祈禱、為夫媚、為阻滯束縛。(六親惟鬼爻為象最多,所謂體物不遺也。)故身命無鬼,謀望失主,處世無恆;功名無鬼,進取無成,升遷未遂;家宅無鬼,主無君德,耗散多端;謀望無鬼,事無主斷,關說徒勞也。(此言用鬼,鬼不宜無也。)
官鬼の取る所の象は、天に在りては鬼神・雷霆と為し、地に在りては廟宇・社稷・官衙・屍骨・妖邪・虫蟻と為し、人身に在りては主見・権柄・魂魄・識見・疾病と為し、家に在りては香火・家主・祖宗・夢魘と為し、国に在りては仇敵・乱臣と為し、官場に在りては爵位品級と為し、事情の上に在りては訴訟是非・祈祷・丈夫・阻滞束縛と為す。(注:六親の中唯だ鬼爻のみ取象最も多し、いわゆる「体物不遺」なり。)ゆえに身命を占して官鬼なければ、事を謀るに主心骨なく、世に処るに常度なし。功名を占して官鬼なければ、進取成らず升遷遂げ難し。家宅を占して官鬼なければ、家主威徳なく破耗多端なり。謀望を占して官鬼なければ、事情に主断する人なく、居間説合するも亦徒労なり。(注:これは官鬼を用神と為す時、官鬼は無かるに宜からざるを講ずるなり。)
疾病無鬼,須看用爻,用傷則祈禱無靈,用強則不禳而愈;婚姻無鬼,須分男女,女佔有少寡之嫌,男占則我非其匹;求財無鬼,須分主客,同本而權落他人,空拳而我無遭遇也;自逃則易以潛身,捕逃則難於覓跡,失物則勿以誣人,禱祀而神不降,請託而言不從,事以類推也。(此言無鬼,各有吉凶之辯也。)
疾病を占して官鬼なければ、用神を視るを要す。用神傷受くれば、祈祷するも亦霊ならず。用神強健なれば、禳解せずとも亦痊愈する能きなり。婚姻を占して官鬼なければ、男女を分かつを要す。女方来たりて占せば、年少寡を守るの嫌あり。男方来たりて占せば、則ち我彼女に配う足らざるなり。財を求むるを占して官鬼なければ、主客を分かつを要す。本を合して経営せば則ち大権別人の手裡に落ち、空手にして人を求めば則ち我機会に碰上せず。此の外、自己逃亡は鬼なければ便ち藏身し易く、逃犯を捉拿するは鬼なければ便ち蹤跡を覓め難く、失物は鬼なければ、則ち旁人を誣頼するに往く勿れ、祈祷は鬼なければ、神明降りず、請託は鬼なければ、話説くるも聴く人なし。其余類に按じて推求せよ。(注:これは官鬼なきの時、各々其の吉凶の分辨有るを講ずるなり。)
故官鬼者,事之主也,禍之端也,出入行藏,貴乎靜而勿動,興詞構難,畏其動而即成。蓋凡防害及身,喜其無鬼,求事益己,利在有官,學者辯之。
ゆえに官鬼は既に事情の主宰にして、亦禍患の開端なり。凡そ出入行止の類は、其の安静不動なるを貴しと為す。凡そ訟を興し怨を構うの類は、則ち其の一たび動けば事情即ち坐実するを怕る。要之、凡そ禍害の身に臨まんを防がんと要するは、卦中鬼なきを喜び、凡そ事の己に益あるを求むるは、則ち官有るを利と為す。学者は当に分辨して清楚ならしむべし。
絶生章第三十三
用爻屬木,申日占而絕,水爻動而生,因名絕生,猶窮地而遇援也。蓋絕生之法有五:用神受日月之克,遇動爻之生,一也;受動爻之克,遇變爻之生,一也;受變爻之克,遇動爻之生,一也;伏用受日月之克,遇飛爻動爻之生,一也;伏用受飛爻動爻之克,遇日月之生,一也。此五者皆謂之絕處逢生也。
用爻木に属し、申日に占して木は申に絶す、恰好卦中水爻発動して来たりて木を生ず、これを「絶生」と曰い、譬えば絶境に走到して卻て援手に遇上るが如し。絶処逢生は共に五種の情形あり。一は用神日月の剋する所と為るも、動爻有りて来たりて生ず。二は動爻の剋する所と為るも、変爻有りて来たりて生ず。三は変爻の剋する所と為るも、動爻有りて来たりて生ず。四は伏神用爻日月の剋する所と為るも、飛爻或いは動爻有りて来たりて生ず。五は伏神用爻飛爻・動爻の剋する所と為るも、日月有りて来たりて生ず。此の五種は皆「絶処逢生」と曰う。
其不能生者有三:用神自受破散,不能生者一;飛爻動爻生我者受破散,不能生者二;變爻生我者受破絕,不能生者三。忌神亦以此參之。身命世絕而逢生,雖困必亨,雖夭必壽;文科重父,武試重官,遇之者幾落孫山,終登龍虎;男婚用財,女姻用鬼,遇之者後成泰晉,始則參辰。
生じ起す能はざるの情形に三つあり。一は用神自身已に破に遭い散に遭いて、救活す能はず。二は来たりて我を生ずるの飛爻或いは動爻自身破に遭い散に遭いて、生動する能はず。三は来たりて我を生ずるの変爻自身破に遭い絶に遭いて、生成する能はず。忌神も亦此の弁法に照らして参看す。身命を占するに、世爻絶地に処りて生に逢えば、眼下困頓するといえども終に必ず亨通し、夭折するに似たるも終に長寿を得たり。文科は父母爻を重んじ、武試は官鬼爻を重んず。用神絶処逢生せるは、眼看名を孫山に落さんとするも、最終に卻て龍虎榜に登る。男子婚を占するは妻財を用と為し、女子姻を占するは官鬼を用と為す。絶処逢生に遇上るは、起初は参商の二星の永く相見えざるに似たるも、後来終に秦晋の好を成す。
鬼為我病,病退復進,用乃病身,危而得安;訟而又訟,官鬼遇日月之生,憂而不憂,子孫逢動變之助;出行世遇者安,行人應遇者還;占仁宦因眾罰而增秩,占貨財將虧折而居贏;捕逃而應逢,如魚脫網,修道而世值,如龍飛天。(名,謂官爻遇之;利,謂財爻遇之。)
官鬼は我が病根なり、官鬼絶処逢生すれば、病退きて還て再び犯さん。用神は即ち病人自身なり、用神絶処逢生すれば、危険の中能く安に転ず。訟事の一場又一場接するは、是れ官鬼日月の来たりて生ずるを得るなり。本より発愁するも必ず愁う要らざるは、是れ子孫動爻変爻の相助を得るなり。出行を占し、世爻絶処逢生すれば則ち平安なり。行人を占し、応爻絶処逢生すれば則ち帰来す。官を為るを占するは、衆人に因りて罰を受けて自己反りて品級を升る有らん。貨財を占するは、眼看本を亏かんとするも卻て反りて利を羸る。逃犯を捕捉するを占し、応爻絶処逢生すれば、是れ魚の網を脱するなり。道を修むるを占し、世爻絶処逢生すれば、是れ龍の天に飛ぶなり。(注:「名」を講ずるは、官爻の絶処逢生に就きて言うなり。「利」を講ずるは、財爻の絶処逢生に就きて言うなり。)
內卦遇之,家宅衰而將旺,外卦遇之,人口減而復增。內為邦畿,外為政事,蓋國猶家占。其為吉也,猶旱遇雨;其為凶也,如火復炎。然唯日月之絕為真絕,日月之生為真生,又不可不知也。
内卦絶処逢生すれば、家宅衰より転じて旺に、外卦絶処逢生すれば、人口減じて又添ゆ。国事を占する時、内卦は疆域を代表し、外卦は政事を代表す、国を占するも家を占するも道理相同なり。絶処逢生若し吉の一面に落つれば、譬えば久旱雨に逢うが如し。若し凶の一面に落つれば、譬えば火熄みて又焼き起るが如し。然るに唯だ日・月の造成する絶のみ始めて真の絶にして、日・月の与うる生のみ始めて真の生なり、此の一点も亦知らざる可からず。
合沖章第三十四
聞之和則合,擊則沖,合主事之成,沖主事之敗,吉則宜合,凶則宜沖。筮得六沖,其名卦沖,無往而不散也,言多亂,事多變,行多違,謀多阻也。筮化六沖,其名變沖,占事主無後也,約婚而不終,結義而不信,營求而不遂也。卦沖謂之前沖,變沖謂之後沖,倘前六合而後六沖,又其甚已。(卦沖有三:正卦沖,之卦沖,合處逢沖也。)
聞くに、相和するを「合」とし、相撃するを「沖」とすと。合は事情の成就を主り、沖は事情の敗壊を主る。所占吉事なれば則ち合に宜しく、凶事なれば則ち沖に宜し。六沖卦を占得するを「卦沖」と曰う、何事を論ぜず皆渙散せんを要す。話説多く乱れ、事情多く変じ、行動多く違逆し、謀劃多く阻碍す。本卦の六沖に化成するを占得するを「変沖」と曰い、占事は下文なきを主る。婚を訂して終に成る能はず、義を結びて彼此信を守らず、営求して願いの如くならず。本卦六沖を「前沖」と曰い、変卦六沖を「後沖」と曰う。倘若前は六合にして後に六沖に化成せば、則ち更に厳重なり。(注:卦沖に三種あり。本卦六沖・変卦六沖、および合処逢沖なり。)
前合後沖,始繁華而終憔悴;前沖後合,初更張而卒和調;前合後合,夥伴契而訟獄纏,始終結而不解;前沖後沖,謀望難而官非散,親疏背而不從。爻沖有五:日沖則動,空沖則實,動沖則散,化沖則失,自沖則敗也。爻合有四:靜合為起,動合為絆,化合為援,自合為好也。(化沖,巳動化亥也;自沖,卦中子午兩動也,亦論強弱。化合自合,反是而推。)
前合後沖は、起初繁華にして終帰憔悴す。前沖後合は、起初更張して終于和洽す。前合後合は、合伙投契するも亦官司身に纏わり、始終糾結して解け開く能はず。前沖後沖は、謀望成り難くして官司自ら散じ、親疏の人背離して聴従せんと肯ぜず。爻の沖に五種あり。日辰来たりて沖せば則ち静爻暗動し、空爻沖せられれば則ち填実し、動爻沖せられれば則ち沖散し、動じて沖爻を化出せば則ち失い、卦中両爻自ら相冲すれば則ち敗す。爻の合に四種あり。静爻合に遇えば則ち起きて用有り、動爻合に遇えば則ち絆住せられ、動じて合爻を化出せば則ち援を得、卦中両爻自ら相合すれば則ち相好す。(注:いわゆる「化沖」は、巳爻発動して亥爻を化出するが如し。いわゆる「自沖」は、卦中子・午の両爻俱に動きて相冲するが如し、還て両者の強弱を論ずるを要す。化合・自合は相反の道理に照らして推すべし。)
獨夫六合遇日辰沖害於世應之上者,其名合沖,猶功之幾成而敗,財之既得而失,婚之幾從而違,謀之幾就而變,不可居也。不言沖合者,既敗不可成,既解不可交,既失不可得也,即得之亦他應也。(如午建丙子日,占婚得兌之節,卦雖六沖,其日月合世應,變成六合,以為始悖而終就,及後二家皆得偕,此占不成,故不貴也。)且有爻之合處逢沖者,財鬼沖害忌婚姻,父官沖害忌功名,子妻沖害忌謀生,然而視世應沖害者則稍輕矣,故合處逢沖,前賢專主世應也。
唯だ六合の卦にして日辰又來たりて世応の両爻を沖害するを、之を「合処逢沖」と呼ぶ、譬えば功業将に成らんとして敗れ、財物手に到りて又失い、婚事将に允さんとして変卦し、謀劃将に就かんとして生変するが如し、是れ安居す可からざるの象なり。何を以てか「沖処逢合」と曰わざる。既に已に敗壊すれば則ち再び成る能はず、既に已に解散すれば則ち再び合する能はず、既に已に失去すれば則ち復た得る能はざればなり。便ち得るとも、是れ亦別処に応ずるなり。(注:例えば午月丙子日に婚事を占し、《兌》を得て《節》に変ず。本卦は六沖なるといえども、日月は世応と相合し変卦又六合を成す、本より先違後合と為すべし。後来両家各自別に人家を配り、此の一占は並びに応成せず、ゆえに此の種の断法は取るに足らず。)此の外又単爻の合処逢沖あり。妻財・官鬼沖害せられれば、婚姻を忌む。父母・官鬼沖害せられれば、功名を忌む。子孫・妻財沖害せられれば、生を謀るを忌む。然るに此の等は世応両爻の沖害せらるるに比べて稍々軽し、ゆえに合処逢沖を講ずるに、前賢は専ら世応を主と為す。
随墓章第三十五
夫隨墓有五:一曰命墓,二曰世墓,三曰化爻墓,四曰卦身墓,五曰世身墓,此五者有輕重之分也。(本命臨鬼而墓於日為命墓,世爻臨鬼而墓於日為世墓,或命世、及卦身世身臨鬼而化入墓爻為化爻墓,卦身臨鬼墓於日,世身臨鬼墓於日為身墓也。)
「随鬼入墓」に五種あり。一は本命入墓、二は世爻入墓、三は化爻入墓、四は卦身入墓、五は世身入墓、此の五種軽重同じからず。(注:求測人の本命地支官鬼に臨みて日辰に墓するを「命墓」と曰う。世爻官鬼に臨みて日辰に墓するを「世墓」と曰う。本命・世爻および卦身・世身官鬼に臨みて墓爻を化出するを「化爻墓」と曰う。卦身官鬼に臨みて日辰に墓し、世身官鬼に臨みて日辰に墓するを、皆「身墓」と曰う。)
命之隨鬼入墓,乃為大凶,謂鬼命並現也,若現於日月變伏之位而非矣。(命墓必命乘鬼同現一爻始真,若臨日月變伏,皆非也。)世之隨鬼入墓,自占者凶,代占者忌,視命墓少間爾。(世墓自占代占皆忌,如巳建癸未日占寅命妻病,得大畜之蒙,乃妻命墓而世亦隨墓,後五月妻亡,夫亦繼亡,所謂代占者忌爾。)
本命随鬼入墓は、是れ大凶にして、官鬼と本命と同一爻に現るを指す。若し只日・月・変爻・伏神の位置に出現するは、則ち算ぜず。(注:命墓は必ず本命官鬼に乗じて一爻に同現せばこそ真と算す。若し日月・変爻・伏神に臨まば、皆算ぜず。)世爻随鬼入墓は、自己占するは凶にして、人に替わりて占するも亦忌むを要し、只命墓より稍々軽きのみ。(注:世墓は自占・代占を論ぜず皆忌むを要す。例えば巳月癸未日に寅の命に属する妻子の病を占し、《大畜》を得て《蒙》に変ず。妻子の本命墓に入り、世爻も亦跟随して墓に入る。後来五月に妻子亡故し、丈夫も亦接続して去世せり——これ即ち代占も亦忌むのゆえんなり。)
化爻隨鬼入墓,與命墓世墓無差等,而有真偽,火官戌墓,辰日沖而成偽,戌月實而作真,戌空自偽,戌破非真。(化爻墓須分真偽。)卦身之墓,現於卦者是,世身之墓,空於世者非,此二者惟占訟詞、獄禁、疾病、憂疑、戶役、動作、潛逃、投充、齋戒之事忌之,然遇鬼旺則凶,官衰則減,視世墓化墓則輕爾。(卦身因卦而成,故有身則是,世身因世而起,故世空則非,蓋大小身墓,有忌有不忌也。)
化爻随鬼入墓は、命墓・世墓と軽重相当す、然るに真偽を分かつを要す。火性の官鬼は戌をもって墓と為し、若し辰日戌を沖するに逢えば、則ち偽墓を成す。若し正しく戌月に当たれば、戌実を得て真墓を成す。戌若し落空すれば、自然是れ偽なり。戌若し月破せば、亦真と算ぜず。(注:化爻墓は必ず真偽を分清するを要す。)卦身の墓は、卦身卦中に現ずるを要して始めて算す。世身の墓は、若し世爻落空すれば則ち算ぜず。此の両種は只詞訟・牢獄・疾病・憂疑・戸役差事・興工動作・潜逃・投軍充役・持斎守戒の此の等の事の上にのみ忌む。而して官鬼旺なれば則ち凶にして、官鬼衰なれば則ち減軽し、世墓・化墓に比べて總て要して稍々軽し。(注:卦身は卦に依りて成る、ゆえに卦中に身を現ぜばこそ算す。世身は世に依りて起る、ゆえに世爻落空すれば則ち算ぜず。大身小身の墓は、忌むべき有り亦忌むべからざる有るを見る可し。)
且夫月破旬空之鬼,而臨本命世爻之墓,官非災病,見空破而垂斃,斃而又墓,故為凶占;若避患、憂害、防非,見空破而禍消,禍消而隨墓何凶也。(事已及身,空破隨墓最忌;事未及身而先事憂防,則空破隨墓非忌。)
再び言わん、月破或いは旬空の官鬼本命・世爻の墓地に臨まば、若し占する所は官司・災禍・疾病なれば、則ち空破を見る已に奄奄一息、垂斃の余に又墓に入る、ゆえに是れ凶占なり。若し占する所は禍患を躲避し・憂慮損害し・是非を防備するなれば、則ち空破を見る正しく禍事の消解にして、禍既に消解せば、再び鬼に随いて墓に入る何の凶か有らん。(注:禍事已に身に臨めるは、最も空破にして又随墓するを忌む。禍事未だ身に臨まず只預め憂慮防備するは、空破随墓は則ち忌と算ぜず。)
夫身命逢之,一世應多災疾;婚姻遇此,中途定見刑傷,占分男女命墓也。(不論世鬼,不拘空破,女命墓戒娶,男命墓戒嫁。)求官履仕途而不反,出行登平道而遭屯,行人病於他鄉,產婦厄於暗室,公役有桎梏之辱,興造有妨犯之凶,偷關逾險而蹈網羅,出族謀差而受羈紲。(隨墓統忌,若興造偷逾,空破稍可。)
身命を占して随鬼入墓に遇えば、一輩子多く災あり多く病あり。婚姻を占して之に遇上れば、中途必ず刑傷を見ん——此処要は男方本命入墓か女方本命入墓かを分清するに在り。(注:世爻鬼に臨むや否やを論ぜず、亦空破か否かを管せず。女方本命入墓なれば則ち娶を戒むべく、男方本命入墓なれば則ち嫁を戒むべし。)官を求むるを占し、一たび仕途に入れば便ち帰来る能はず。出行を占し、平路を走るも亦険に遇わん。行人を占し、他郷に病まん。産婦を占し、産房に困厄せん。公役に充たれば、枷を加え鎖を帯ぶの辱あり。土木を興せば、凶煞を触犯するの災あり。関卡を偸越し山を翻りて険を冒せば、自ら羅網に投ぜん。本族を離れ外に出でて差事を謀れば、拘繋の苦を受けん。(注:随墓は此の等の事の上に一概に忌むを要す。若し是れ興造・偸越の類なれば、空破に逢えば倒れて還て稍々通融す可し。)
求財被溺於狹邪之地,占穴或犯夫古塚之尸。(二者只言世墓。)蓋凡以官鬼為忌神者,遇之不祥,空破稍輕;以身命為先務者,遇之亦不祥,而空破反重。此皆以日辰化爻之墓為法,他不同論雲。
財を求むるを占すれば、烟花柳巷の地に沉溺して財を破らん。墓穴を占すれば、古墳中の旧屍を触犯する可し。(注:此の両条は只世爻入墓に就きて言うなり。)要之、凡そ官鬼を忌神と為るの占問は、随鬼入墓に遇えば則ち吉利ならず、空破に逢えば還て稍々軽し。凡そ身命を首要と為るの占問は、之に遇上るも同様に吉利ならず、而して空破に逢うは反りて更に重し。以上皆日辰・化爻の成す所の墓をもって準と為し、其他の情形は一概に論ずる能はず。
助傷章第三十六
助鬼傷身,以世爻受鬼克,而鬼長生於日,是為引禍以自害。世亦稱身,實世而非身也。夫世爻,卦之宰也,占之主也,問者之身也,故曰傷身。然官鬼遇空破者弗能傷,世爻逢旺相者弗能傷。
いわゆる「助鬼傷身」は、世爻官鬼の剋する所と為る、而して此の官鬼又日辰の上に長生を得る、自己より禍患を引きて自己を傷害するに等し。此処の「身」は亦すなわち世爻にして、実は世爻を指して卦身・世身にあらず。世爻は一卦の主宰・一占の主体・求問者本人なり、ゆえに「傷身」と曰う。然るに官鬼若し空に逢い破に逢えば、則ち人を傷つく能はず。世爻若し本身旺相なれば、亦傷動する能はず。
雖曰長生,臨於歲月動變之位者則非;雖長生於日,而巳日之巽,申日之革則非;雖曰助鬼,而午日之坎,酉日之離則非。是以前賢舉申日之離,寅日之咸,亥日之泰者為法。(五行大生謂之真生,巽鬼革鬼非大生,坎鬼離鬼非長生,所以有間。)
説は長生なりといえども、若し只太歳・月建・動爻・変爻の位置に臨まば、則ち算ぜず。説は日辰に長生すといえども、巳日に《巽》卦の鬼を得、申日に《革》卦の鬼を得るは、亦算ぜず。説は鬼を助くといえども、午日に《坎》卦を得、酉日に《離》卦を得るは、同じく算ぜず。ゆえに前賢は申日に《離》を得、寅日に《咸》を得、亥日に《泰》を得るの此の幾例を挙げて準式と為す。(注:五行正例の長生のみ始めて真生と呼ぶ。《巽》《革》両卦の官鬼は正例長生にあらず、《坎》《離》両卦の官鬼も亦長生と算すに足らず、ゆえに彼此別有り。)
占身命者認禍為福,比匪為良,因財喪身,貪色亡命,妻妾不賢而歸夫咎,奴僕肆逆而累主殃。(以財為利,以鬼為害,天下之害皆伏於利,理固然也。)國占為奸臣聚斂,為宦官專恣;師占為將病防刺,及自兵之叛;占家者主人貪利忘害,求益遭損,鬼臨雀起非,臨武被劫,臨虎見喪,臨蛇而驚;娶婦則主婦不賢;收僕則主僕懷叛。若女占夫而官星為用者,遇之反吉也;占官驟升,占武即發。(大抵用官吉而用財凶,世爻尤凶也。)
身命を占して助鬼傷身に遇えば、禍事を把りて福気と為し、匪人を当てて良友と為し、財を貪りて身を喪い、色を貪りて命を亡ぼす。妻妾賢ならずして丈夫に連累して咎を獲、奴僕放肆悖逆して主人に拖累して殃を遭わしむ。(注:妻財は利にして、官鬼は害なり。天下の禍害は皆利益の裡に埋伏す、本より常理なり。)国事を占せば、姦臣聚斂・宦官専権を主る。軍事を占せば、将領患病・行刺を防ぐを須う、および自家士兵の叛変を主る。家宅を占せば、家主利を貪りて害を忘れ・益を求めて反りて損を受くるを主る。官鬼若し朱雀に臨まば便ち是非起り、元武に臨まば便ち搶劫に遭い、白虎に臨まば便ち喪事を見、騰蛇に臨まば便ち驚嚇を受く。妻を娶れば婦人の賢ならざるを主り、僕を収れば僕人の反心を懐くを主る。然るに若し是れ女子丈夫を占し官星を用神と為せば、之に遇上る反りて吉なり。官職を占せば驟然升遷し、武職を占せば立刻発迹せん。(注:大体に言えば、官を用と為せば則ち吉、財を用と為せば則ち凶、尤も世爻に傷到るは最も凶なり。)
占訟有重責之憂,占失有再偷之慮;投軍脫役,魚為餌鉤,昧事修方,步遭荊棘;求財有妄求之害,出行有行險之虞;離塵修戒,障業未除,公役參房,杖笞難免;占監獄囹圄之災未滿,占疾病枕蓆之患未離;奉神神怒,安靈靈哭,占怪怪真,占夢夢實;避禍禍必臨,防害害必至。總之以鬼為忌者,助傷固凶,即以官為用者,亦嫌其克世,靜遲動速,旺大衰小,惟空破散則吉也。
詞訟を占せば、重責せらるるの憂患有り。失物を占せば、再び倫窃に遭うの慮あり。軍に投じ或いは差役を脱免するは、魚の釣餌を咬上するが如し。良心を昧かして事を行い、擅りに方位修造を動かせば、歩を挙げれば則ち荆棘に遇う。財を求むるに妄求の害あり、出行に険を渉るの虞あり。家を出でて戒を修むるに、業障未だ除尽する能はず。公役を充当し衙に入りて参見すれば、杖責笞刑を免る可からず。監獄を占せば、牢獄の災未だ満たず。疾病を占せば、臥牀の患未だ離れず。神を奉れば神怒発し、霊を安んずれば霊哭泣す。怪異を占せば、怪異是れ真なり。夢を占せば、夢是れ応験のなり。禍を避けんと想えば、禍必ず頭に臨み、害を防がんと想えば、害必ず到来す。要之、凡そ官鬼を忌神と為るは、助鬼傷身固然として凶なり。便ち官を用神と為るとも、亦其の世爻を剋するを嫌う。官鬼静なれば則ち応ずること慢く、動けば則ち応ずること速し。旺なれば則ち事大にして、衰なれば則ち事小なり。唯だ空に逢い破に逢い散に逢うのみ吉なり。
局会章第三十七
何謂之局?物有始終,故謂之局也;何謂之會?物必有麗,故謂之會也。(生乃物之始,藏乃物之終,既成始終,故謂之局,如卯木生亥墓未,為木局是也,若亥卯未而會,物必有麗也。)夫局會有成不成之分,當明化不化之義,然後得局會之秘也。中神主也,失其主則不能會,傷其中則不能局。是以火神局會,以午為要,午不失傷,即寅戌失一而亦局會也。傷其始者,局會之力小,傷其終者,局會之力存,終始不傷。局會之力大矣。(始失長生故力小,終失墓藏故力猶存,得三位皆全,其力更大。午會為火,寅戌雖會,而土木本質,則不隨火變也。)
何をか「局」と謂う。事物始有り終有り、ゆえに局と曰う。何をか「会」と謂う。事物必ず依附有り、ゆえに会と曰う。(注:長生は物の開始にして、入墓は物の終結なり。既に始有り終有り、ゆえに「局」と曰う。譬えば卯木は亥に長生し未に墓に入る、亥卯未は便ち木局なり。亥・卯・未の三支聚会するは、正しく物の依附する所有るなり。)三合局に成ると成らざるとの分別あり、「化与不化」の道理を明白せば、始めて局会の秘要を得着し得たりと算す。三合の中の中神は主なり。主を失えば則ち会を成す能はず、中神を傷つけば則ち局を成す能はず。ゆえに火局は午をもって緊要と為し、只午の位を失わず傷を受けざれば、便ち寅・戌其の一を缺くとも、亦仍お局会と算す。起頭の彼の長生の神を傷つけば、局会の力量則ち小なり。末尾の彼の墓庫の神を傷つけば、局会の力量還て在り。首尾皆傷つかざれば、局会の力量則ち大なり。(注:長生を缺くがゆえに力小なり、墓蔵を缺くがゆえに力尚お存す。三位斉備すれば、力量更に大なり。午会して火を成すに、寅と戌と参会するといえども、其の本質は木・是れ土にして、並びに火に随いて改変せず。)
局會有三:一曰動會,二曰變會,三曰伏會,則必由日月而懸之也。動會者,周流六虛而皆會也;變會者,交重一爻而相會也;伏會者,發動飛爻而相挈也。(凡局必得日月有一在局,始成動會,如寅建戊戌日,用官得乾之既濟是也;變會如戌建甲寅日,用官得遁之乾是也;伏會如卯建戊寅日,用父得大畜之離是也。)
局会に三種あり。一は「動会」、二は「変会」、三は「伏会」、而して皆必ず日建或いは月建其の中に懸る有りて始めて成立す。動会は、本卦六爻の間彼此相会するなり。変会は、或る交重の爻の化出する変爻本卦と相会するなり。伏会は、飛爻発動して下面の伏神を把りて提挈して相会するなり。(注:凡そ三合局は必ず日・月の中一箇の亦局内に在る有りて、始めて動会の成立と算す。例えば寅月戊戌日に官鬼を用として《乾》を得て《既済》に変ず。変会は戌月甲寅日に官鬼を用として《遯》を得て《乾》に変ずるが如し。伏会は卯月戊寅日に父母を用として《大畜》を得て《離》に変ずるが如し。)
變失始者其局假,伏得生者其局真。是故子變辰者非,午伏寅者是也。日月懸之,懸始吉而懸終凶也。是故申月懸子則是,戌月懸午則非也。(如戌建己酉日,用官得謙之泰,以戌月午變寅爻當成火局,然寅值空,乃失其始,戌月懸午,是墓非生,則此火局休囚,不成會矣。如申建甲辰日,用財得履之睽,子伏申下,財乃長生,申為月建,謂之懸始,則水局旺相,故成會爾,餘仿此。)蓋局會之道雖紛,而生克之理若一,故失中乃失主,失始乃失生,失終乃失墓,則輕重昭矣。
変会若し起頭の長生の神を缺けば、此の局は則ち是れ假なり。伏会若し伏神正しく長生を得れば、此の局は則ち是れ真なり。ゆえに子爻只辰爻を化出して申を缺くは、局を成すと算ぜず。午爻寅(火の長生)の下に伏するは、始めて局を成すと算す。日月局中に懸る、長生の位に懸れば則ち吉、墓庫の位に懸れば則ち凶。ゆえに申月にして水局申の上に懸れば則ち対にして、戌月にして火局戌の上に懸れば則ち対ならず。(注:例えば戌月己酉日に官鬼を用として《謙》を得て《泰》に変ず。戌月、午爻は寅爻を化出す、本より火局を合成すべし。然るに寅正しく旬空に値う、則ち起頭の長生を失い、而して戌月の懸る所は又火墓にして火生にあらず、此の火局便ち休囚して会を成さず。又如申月甲辰日に妻財を用として《履》を得て《睽》に変ず。子水は申金の下に伏し、水財正しく長生を得、申又是れ月建なり、これを「懸始」と曰う、水局便ち旺相して会を成す。其余これに依りて類推せよ。)要之、局会の説法は紛繁なるといえども、生剋の理は却て終始如一なり。中神を失えば則ち主を失い、長生を失えば則ち生を失い、墓庫を失えば則ち蔵を失う——軽重も亦分明なり。
刑害章第三十八
擬議之三而後刑,故曰三刑,非實有三也。夫刑同殺,故曰西曹,由西而始也。三刑之法,以金局之神,而巡西方之位,所謂巳酉丑而乘申酉戌也。金木水火,五行之順也,西北東南,四方之次也,以金木火水之正,而刑西北東南之邪,則亥卯未而乘亥子丑,申子辰而乘寅卯辰,寅午戌而乘巳午未矣。乘則刑之,上下相對,循環相加,此三刑之立法也。
反復して擬議する第三に至りて始めて刑を動かす、ゆえに「三刑」と曰う、並びに真に三箇有るにあらず。「刑」は「殺」と同類なり、ゆえに又「西曹」と称す、刑罰西方の粛殺の気より始まればなり。三刑の排法は、三合金局の三支を把りて巡ねて西方三位の上に加う、即ち巳・酉・丑分別して申・酉・戌の上に乗ずるなり。金・木・水・火は五行の相順なる次第にして、西・北・東・南は四方の相次なる方位なり。金局・木局・火局・水局の此の四正の局を用いて、西・北・東・南の邪を刑し、於是亥卯未は亥・子・丑の上に乗じ、申子辰は寅・卯・辰の上に乗じ、寅午戌は巳・午・未の上に乗ず。凡そ乗ずれば則ち刑を成し、上下相対し、循環して相加う——これ即ち三刑の立法なり。
孟黨孟刑,仲黨仲刑,季黨季刑,以故有寅巳申、丑戌未、卯子、子卯、辰午酉亥之名也。於是乎,有金剛火強,自刑其方,水局刑木,木局刑水之議。苟曰必三始刑,則卯子子卯之無禮刑,辰午酉亥之自刑,豈必三也?是故三刑之名,不可以三泥也。(孟黨寅巳申亥,仲黨卯午酉子,季黨辰未戌丑。)
孟位の一類は孟位を刑し、仲位の一類は仲位を刑し、季位の一類は季位を刑す、ゆえに寅巳申・丑戌未・卯刑子・子刑卯、および辰・午・酉・亥各自自刑するの此の等の名目あり。此によりて又「金剛火強にして自ら其の本方を刑す」「水局は木を刑し木局は水を刑す」の等の説法を生出す。假如必ず三支を凑満して始めて刑と曰うと要せば、然らば則ち卯子・子卯の「無礼の刑」、辰・午・酉・亥の「自刑」は、豈に亦必ず三支あらざれば可ならざらんや。ゆえに「三刑」の此の名称は、「三」の字に拘泥す可からず。(注:孟位は寅・巳・申・亥、仲位は卯・午・酉・子、季位は辰・未・戌・丑なり。)
三刑之法,墓亦賴之,刑則墓開,刑而兼沖,其力更大。(夫墓得刑沖,猶鎖得鑰,故曰墓開,然不及沖,故刑而不沖者輕,刑而兼沖者重,酉建庚申日,用財得困之兌是謂真刑。)夫刑之為象,於物若斃,於心若憂,於事若漓,猶退神之例,而不及旬空月破之凶也。身命遇之,恐骨肉之相殘;婚姻遇之,懼門第之相壓;宦憂內喪,病防帶疾;官克世而問訟,五克世而問疏,若世刑而大凶也。(身命,謂世及用爻遇之,男娶謂財、女嫁謂官遇之。)
三刑の法は、墓に入るの爻も亦之に靠るを要す。一たび刑せば、墓門即ち開く。若し刑して又兼ねて沖せば、力量更に大なり。(注:墓に入るの爻刑を得沖を得るは、譬えば鎖鑰匙を配上するが如し、ゆえに「墓開」と曰う。然るに刑の力量は沖に如かず、ゆえに只刑して沖せざるは軽く、刑して兼ねて沖するは重し。酉月庚申日に妻財を用として《困》を得て《兌》に変ず、これを真刑と曰う。)刑の取象は、物の上に在りては凋敝せんとするに似て、心の上に在りては憂愁なるに似て、事の上に在りては澆薄なるに似たり、「退神」の例子と相仿し、還て旬空・月破の如くの凶に及ばず。身命を占して刑に遇えば、骨肉の相残を恐れ、婚姻を占して刑に遇えば、両家門第の相傾軋を怕る。官を為るは家中に喪有るを憂い、病人は残疾を落すを防ぐを須う。官鬼世を剋して訟事を問い、第五爻世を剋して上疏を問う、此の時世爻若し又刑に逢えば、是れ大凶なり。(注:いわゆる身命刑に遇うは、世爻及び用爻の刑に逢うを指す。男子妻を娶れば則ち妻財の刑に逢うを指し、女子出嫁すれば則ち官鬼の刑に逢うを指す。)
夫害者,奪吾之好為害也,上下四方曰六,故名六害,舉天地之內而言也。相合曰好,相沖曰奪,相惡曰害,是故沖吾之合,則猶奪吾之好,吾故惡之,而與相害也。故子合丑而未沖,所以子未為害爾,六合則有六沖,六沖則有六害,此六害之立法也。(古亦稱穿心六害。)
いわゆる「害」は、即ち我の喜好する所の物を奪去するなり。上下四方を加えて合せて「六」と称す、ゆえに「六害」と曰う、是れ天地の内に就きて言うなり。相合するを「好」と曰い、相冲するを「奪」と曰い、相悪するを「害」と曰う。凡そ我が合神を沖掉するは、我が所好を奪去するに等し、我此に因りて之を悪み、之と相害す。ゆえに子は丑と相合す、而して未来たりて丑を沖す、子は未と便ち害を成す。六合有れば則ち六沖有り、六沖有れば則ち六害有り——これ即ち六害の立法なり。(注:古時も亦「穿心六害」と称作せり。)
然有生害、有克害,其為象也,心惡而面好,外悅而內仇,此相生之害也。我克彼者,我強而彼弱,志相惡爾;彼克我者,彼剛而我柔,力被制爾。然亦不及六沖之甚也,然亦必兼合沖生克而考之。三刑六害,當別用爻,非以卦象云爾。(大抵六害重克害,克害重用爻世爻,及應克世,若姤恆小畜益卦,雖存六害之名,當察其用而權之。)
害又「生害」と「剋害」とを分かつ。所取の象は、心悪みて面上友好、外表喜説して内裡仇視す——これ相生の害なり。若し是我対方を剋せば、是れ我強く彼弱く、只意志の上に互相悪む。若し是れ対方我を剋せば、是れ彼剛く我柔く、力量の上に彼に制住せらる。然るに害の分量は仍お六沖の利害に及ばず、而して必ず兼ねて合・沖・生・剋を一幷に考察するを要す。三刑と六害とは、何れの用爻の上に落つるを分辨するを要し、就きて整箇の卦象に説くにあらず。(注:大体に言えば、六害の中は剋害を重しと為す。剋害の中は又以て用爻・世爻の上に落つるおよび応爻の世爻を剋するを重しと為す。《姤》《恒》《小畜》《益》の此の等の卦の如きは、六害の名有るといえども、仍お用神を察看して斟酌を加うべし。)
諸星章第三十九
神宿之法,災祥非一,吉凶之驗,別演乃殊。有以天象列星而入易者,有以人事占星而入易者,然要無不出乎干支陰陽生克衰旺之情,或年或季或月或日或時或局之例,以辯其有用無用,輕力重力焉。其有星之名,而無所本者不敢列也。(天象,如角亢房,二十八經星也,如木火土金水,五緯星也,如貪狼巨門,九曜星也;人事,如天喜天醫天廚天獄之類是也。雖星煞雜陳,各有所本,否則俗傳無驗也。)
神煞星宿の此の一套は、主る所の災祥は一端に止まらず、吉凶の応験も亦各家の推演の同じからざるに因りて異あり。天上実有の星宿を把りて《易》占に引入する有り、亦人事の立つる所の占星の名を把りて《易》占に引入する有り。然るに根を帰し底を結べば、皆干支陰陽の生剋衰旺の情を出でず。其れ或いは年に按じて起り、或いは季に按じて起り、或いは月に按じて起り、或いは日に按じて起り、或いは時に按じて起り、或いは三合局に按じて起る、此に拠りて孰れか有用孰れか無用、孰れか力重く孰れか力軽きを分辨す。凡そ只有星名にして来歴を查出し得ざるは、本書敢えて収列せず。(注:天象の一類は、角・亢・房等の二十八宿の如く、木・火・土・金・水の五緯星の如く、貪狼・巨門等の九曜星の如し。人事の一類は、天喜・天医・天厨・天獄の類の如し。星煞雑陳するといえども、各々皆来歴有り。来歴なきは、即ち俗伝にして霊験せざるなり。)
如經星入易,乾之上九降參,又降鎮星,唯歲時身命之占用之;九曜之立,曰貪狼,曰巨門,曰祿存,曰文昌,曰廉貞,曰武曲,曰破軍,曰左輔,曰右弼是也,唯婚姻才貌墳塋屋宅之占用之。(法曰:月月常加戌,時時起破軍,破軍前兩位,世俗少知聞。兩位,即左輔右弼也,斗柄即破軍。如寅建午時占,以戌加寅起至午時在戌,以戌上為破軍,亥是左輔,子是右弼也。)紫微垣以危室之分起子也,天市垣以尾箕之分起寅也,太微垣以翼軫之分起巳也,唯造化之占用之,此天象立星之略也。(三垣皆以正月起順行。)
譬えば二十八宿を把りて《易》占に引入せば、乾卦上九は参宿に降配し、又鎮星に降配す、只占歳運・占身命の時にのみ用う。九曜は貪狼・巨門・禄存・文昌・廉貞・武曲・破軍・左輔・右弼なり、只占婚姻・才貌・墳塋・屋宅の時にのみ用う。(注:口訣に曰く「月月常に戌に加え、時時破軍に起り、破軍前の両位、世俗知聞少なし」と。いわゆる両位は即ち左輔・右弼なり。北斗の斗柄は即ち破軍なり。例えば寅月午時に来たりて占せば、戌を把りて寅の上に加え順数して午時に至り、恰好戌に落つ、則ち戌位をもって破軍と為し、亥を左輔と為し、子を右弼と為す。)紫微垣は危・室の分野に按じて子より起り、天市垣は尾・箕の分野に按じて寅より起り、太微垣は翼・軫の分野に按じて巳より起る、只占造化の時にのみ用う。以上是れ天象立星の大略なり。(注:三垣は皆正月より起りて順行す。)
天德之星,正月起亥而順行,蓋天之德澤,從天門而降,亥為天門,因以名之。天干天德寅建在丁,卯建在申,蓋人事天功,陰陽相助也。(天德正月起亥順行,干德法曰:正丁二申宮,三壬四辛同,五亥六甲上,七癸八寅從,九丙十居乙,子巳丑庚逢。)
天徳の此の星は、正月亥より起りて順行す、上天の徳沢は天門より降るに因り、亥は即ち天門なり、ゆえに此の名を取る。天干の天徳に至りては、寅月は丁に在り、卯月は申に在り——これ人事の天功の助を得、陰陽彼此扶持するなり。(注:天徳は正月亥より起りて順行す。干徳の口訣は「正丁二申宮、三壬四辛同、五亥六甲上、七癸八寅從、九丙十居乙、子巳丑庚逢」なり。)
(天德即天道,陰陽兩互,撫祐八荒,孟季保生墓之人元,四正用陽貴之協力。故寅內人元丙,天與丁助之,卯內人元癸,天與陽貴坤中壬水助之,辰內人元癸,天與壬助之,巳內庚,天與辛,午內乙,天與陽貴乾中甲木助之,未內乙,天與甲也,餘六位仿此。歷日所載,坤乾艮巽,即申亥寅巳爾,其土德周遍,故不列天德也,此法用天干,如寅建丁亥子孫發動,以丁為天德也,利用防非。)
(注:天徳は即ち天道にして、陰陽両相配合し、八方を護祐す。孟位・季位は其の一支の蔵する人元の長生と墓庫とを取りて配し、四正の位は則ち陽貴人の力量を借りて協助す。ゆえに寅中の人元は丙にして、上天は丁をもって之を助く。卯中の人元は癸にして、上天は陽貴人の在る坤位の壬水をもって之を助く。辰中の人元は癸にして、上天は壬をもって之を助く。巳中の人元は庚にして、上天は辛をもって助く。午中の人元は乙にして、上天は陽貴人の在る乾位の甲木をもって助く。未中の人元は乙にして、上天は甲をもって助く。其余の六位これに依りて類推せよ。暦書の記する所の坤・乾・艮・巽は、其の実即ち申・亥・寅・巳の四位なり。土徳は四方に周遍す、ゆえに別に天徳を列せず。此の法の用るは天干なり。例えば寅月丁亥日に子孫爻発動すれば、則ち丁をもって天徳と為し、之を用いて是非を防備するに宜し。)
月德自未而順行,未為廣寒宮,太陰之府,是以始之。天干月德寅午戌建而舉丙,亥卯未建而舉甲,巳酉丑月德在庚,申子辰月德在壬,太陰之德,亦其助也,蓋以午丁而丙助,卯乙而甲扶焉。(古法以子為帝座,午為端門,卯為雷門,酉為佛境,亥為天門,巳為地戶,申為神門,寅為鬼路,辰為天羅,戌為地網,丑為黃泉殺,未為廣寒宮也,四德俱主福廕,能逃刑免難。)
月徳は未位より起りて順行す、未は是れ広寒宮・太陰月亮の府第なれば、ゆえに此によりて起頭す。天干の月徳は、寅午戌月は丙を取り、亥卯未月は甲を取り、巳酉丑月の月徳は庚に在り、申子辰月の月徳は壬に在り。是れ亦太陰の徳の来たりて相助するなり。午中の人元は丁なれば、則ち丙をもって助き、卯中の人元は乙なれば、則ち甲をもって扶く。(注:古法は子をもって帝座と為し、午を端門と為し、卯を雷門と為し、酉を仏境と為し、亥を天門と為し、巳を地戸と為し、申を神門と為し、寅を鬼路と為し、辰を天羅と為し、戌を地網と為し、丑を黄泉煞と為し、未を広寒宮と為す。天徳・月徳等の四徳は皆福蔭を主り、能く刑を逃れ難を避く。)
天乙貴人,有陰陽之別,陽貴始自天王立甲子而順求之,陰貴始自地王起甲申而逆求之。貴人之用,不犯對於君王,貴人之行,不踐入於羅網。甲合己而在子,己以子為陽貴;乙合庚而在丑,庚以丑為陽貴;丙合辛而在寅,辛以寅為陽貴;丁合壬而在卯,壬以卯為陽貴;辰為天羅,逾而不入;戊合癸而在巳,癸以巳為陽貴;午為端門,越而弗對;己合甲而在未,甲以未為陽貴;庚合乙而在申,乙以申為陽貴;辛合丙而在酉,丙以酉為陽貴;配為地網弗履;壬合丁而在亥,丁以亥為陽貴;子為帝座弗犯;癸合戊而在丑,戊以丑為陽貴,陰貴亦然。
天乙貴人は陰・陽の两套に分かつ。陽貴は上古天皇君甲子を立つるより起りて順行して推求し、陰貴は地皇君甲申より起りて逆行して推求す。貴人を用るに両条の禁例あり。正しく君王の位を対する可からず、天羅地網の地に踏み進む可からず。推法は、甲は己と相合して甲子位に居る、ゆえに己は子をもって陽貴と為す。乙は庚と相合して乙丑位に居る、ゆえに庚は丑をもって陽貴と為す。丙は辛と相合して丙寅位に居る、ゆえに辛は寅をもって陽貴と為す。丁は壬と相合して丁卯位に居る、ゆえに壬は卯をもって陽貴と為す。辰は是れ天羅なれば、越え過ぎて入らず。戊は癸と相合して戊巳位に居る、ゆえに癸は巳をもって陽貴と為す。午は是れ端門なれば、越え過ぎて正対せず。己は甲と相合して己未位に居る、ゆえに甲は未をもって陽貴と為す。庚は乙と相合して庚申位に居る、ゆえに乙は申をもって陽貴と為す。辛は丙と相合して辛酉位に居る、ゆえに丙は酉をもって陽貴と為す。戌は是れ地網なれば(原文は「配」と作る、当に「戌」の字の誤りに当たる)、往きて之を踏まず。壬は丁と相合して壬亥位に居る、ゆえに丁は亥をもって陽貴と為す。子是れ帝座なれば、往きて冒犯せず。癸は戊と相合して癸丑位に居る、ゆえに戊は丑をもって陽貴と為す。陰貴の推法も亦此に照らして類推せよ。
(法曰:甲羊戊庚牛,乙猴巳鼠頭,丙雞丁豬走,壬兔癸蛇游,六辛騎猛虎,陽貴用斯求。甲牛戊庚羊,乙鼠巳猴鄉,丙雞丁豬位,壬蛇癸兔藏,六辛乘駿馬,陰貴用心詳。六壬數,巳至戌用陽,亥至辰用陰,未當。當以子至巳用陽,午至亥用陰,易筮不分陰陽。)
(注:陽貴の口訣は「甲羊戊庚牛、乙猴巳鼠頭、丙鶏丁猪走、壬兎癸蛇游、六辛騎猛虎、陽貴用斯求」——甲貴は未に在り、戊・庚貴は丑に在り、乙貴は申に在り、己貴は子に在り、丙貴は酉に在り、丁貴は亥に在り、壬貴は卯に在り、癸貴は巳に在り、辛貴は寅に在り。陰貴の口訣は「甲牛戊庚羊、乙鼠巳猴郷、丙鶏丁猪位、壬蛇癸兎蔵、六辛乘駿馬、陰貴用心詳」なり。大六壬の一派は巳時より戌時に至るを陽貴を用い、亥時より辰時に至るを陰貴を用ると為す、是れ妥当ならず。当に子時より巳時に至るを陽貴を用い、午時より亥時に至るを陰貴を用るべし。《易》筮に至りては、則ち陰陽を分かたず、通用して一套とす。)
福星貴人,即食神星也。甲之五遁,丙為食神,故寅為福;乙之五遁,丁為食神,丑亥為福星也。(法曰:甲虎乙豬牛,丙同犬鼠遊,丁雞戊猴走,己羊庚馬頭,辛蛇癸逐兔,壬日占龍樓。)天廚貴人,祿上生祿,是為天廚。甲之五遁,祿於丙寅,寅上之丙,復祿於巳,故甲以巳為天廚;癸之五遁,祿於壬子,子上之壬,復祿於亥,故癸以亥為天廚也。(法曰:甲丁蛇位號天廚,丙鼠壬雞癸伴豬,乙戊辛干皆向馬,己猴庚虎福神殊。右二星主祿食。)
福星貴人は即ち食神星なり。甲は五鼠遁を用いて、丙は是れ甲の食神にして丙は寅に在り、ゆえに甲は寅をもって福星と為す。乙は五鼠遁を用いて、丁は是れ乙の食神にして、丑・亥に落つ、ゆえに乙は丑・亥をもって福星と為す。(注:口訣に曰く「甲虎乙猪牛、丙同犬鼠游、丁鶏戊猴走、己羊庚馬頭、辛蛇癸逐兎、壬日占龍樓」——甲福星は寅に在り、乙は亥と丑に在り、丙は戌と子に在り、丁は酉に在り、戊は申に在り、己は未に在り、庚は午に在り、辛は巳に在り、癸は卯に在り、壬は辰に在り。)天厨貴人は「禄上再生禄」の義を取る。甲は五鼠遁を用いて、禄は丙寅に在り。寅の上の遁する所の丙は、其の禄又巳に在り、ゆえに甲は巳をもって天厨と為す。癸は五鼠遁を用いて、禄は壬子に在り。子の上の遁する所の壬は、其の禄又亥に在り、ゆえに癸は亥をもって天厨と為す。(注:口訣に曰く「甲丁蛇位号天厨、丙鼠壬鶏癸伴猪、乙戊辛干皆向馬、己猴庚虎福神殊」——甲・丁の天厨は巳に在り、丙は子に在り、壬は酉に在り、癸は亥に在り、乙・戊・辛は午に在り、己は申に在り、庚は寅に在り。以上の両星は皆俸禄飲食を主る。)
天元祿者,臨官則食祿。甲木生亥,臨官於寅,乙木生午,臨官於卯,丙戊生於寅,臨官於巳,丁己生於酉,臨官在午,陰陽順逆,各以類推。(天元祿法:從臨官而得,四位臨官,即名祿位,如甲木生亥,順行四位,臨官在寅,故甲祿在寅;如乙木生午,逆行四位,臨官在卯,故乙祿在卯之類。)
「天元禄」は即ち十二長生の中の臨官の位にして、臨官に到れば便ち禄を食す。甲木は亥に長生し、臨官は寅に在り。乙木は午に長生し、臨官は卯に在り。丙・戊は寅に長生し、臨官は巳に在り。丁・己は酉に長生し、臨官は午に在り。陽干は順行し陰干は逆行す、其余これに依りて類推せよ。(注:天元禄は臨官より得る。長生より第四位に数え至れば則ち臨官なり、亦すなわち禄位なり。例えば甲木は亥に長生し、順数して四位臨官は寅に在り、ゆえに甲禄は寅に在り。乙木は午に長生し、逆数して四位臨官は卯に在り、ゆえに乙禄は卯に在り、其余同例なり。)
天地財,遁甲以戊己為五馬六財,而戊己坐辰巳之上,故正月以辰為天財,巳為地財,順而終之,乃天地財也。(馬,即財也,法曰:正七起龍蛇,二八馬羊家,三九循申酉,四十犬豕牙,子午鼠牛索,丑未寅卯查,遁甲因戊己,問利自當沙。)
天財・地財は、奇門遁甲は戊・己の両儀をもって「五馬六財」と為し、而して戊・己は正しく辰・巳の上に坐す、ゆえに正月は辰をもって天財と為し巳をもって地財と為し、以後逐月順行して底に至る、これ即ち天地財なり。(注:此処の「馬」は即ち財なり。口訣に曰く「正七起龍蛇、二八馬羊家、三九循申酉、四十犬豕牙、子午鼠牛索、丑未寅卯查」——正月・七月は辰巳に在り、二月・八月は午未に在り、三月・九月は申酉に在り、四月・十月は戌亥に在り、五月・十一月は子丑に在り、六月・十二月は寅卯に在り。其の奇門遁甲の戊・己より来るに由り、財利を問うに当たりて之を査すべし。)
文章德業,必臨官設政,三歲後而吾道始昌,因曰文昌。甲祿在寅,逾三位而巳是也。辛則不然,逾三位而當子,子為帝座,弗敢犯之,物不可盈,藏於文庫,是以辛以戌為文昌也。(法曰:甲蛇乙馬號文昌,丁己尋雞辛犬方,庚豬癸兔壬從虎,丙戊揚猴最吉祥。蓋火墓在戌,離為文明,故曰文庫;金墓於丑,金為兵革,故曰武庫也。)
文章徳業は、必ず先ず任に到りて政を理するを得て、三年の後自家の主張始めて通行す、ゆえに「文昌」と曰う。甲禄は寅に在り、三位を越えて巳に到る、即ち甲の文昌なり。辛は卻て然らず。辛の禄より三位を越えて正しく子位に当たる、而して子是れ帝座なれば、冒犯するを敢てせず。又物の太だ盈満す可からざるに因りて、則ち文庫に蔵れ進む、ゆえに辛は戌をもって文昌と為す。(注:口訣に曰く「甲蛇乙馬号文昌、丁己尋鶏辛犬方、庚猪癸兎壬從虎、丙戊揚猴最吉祥」——甲文昌は巳に在り、乙は午に在り、丁・己は酉に在り、辛は戌に在り、庚は亥に在り、癸は卯に在り、壬は寅に在り、丙・戊は申に在り。火は戌に墓して離は文明と為す、ゆえに戌を「文庫」と称す。金は丑に墓して金は兵革を主る、ゆえに丑を「武庫」と称す。)
位中居尊,謂之將星,故亥卯未,將星在卯,而攀辰鞍,駕巳馬,馬前六害,以警蹕也,害前華蓋,備旌幡也,將後七神,甲士後勁也,而劫煞災煞天煞地煞年煞月煞亡人煞,以名焉。是以華蓋為首星,劫煞為尾星,而將衛在中也。(將星法起中神,子午卯酉,正中位也,故亥卯未,將星在卯,辰為攀鞍,巳為駕馬,馬前為六害午也,害前為華蓋未也,將後為七煞,自申至寅七位是也。)
三合中位に居りて最も尊きを「将星」と曰う、ゆえに亥卯未局の将星は卯に在り。卯の下一位の辰は「攀鞍」と為り、再び下一位の巳は「駅馬」と為る。馬の前一位は「六害」にして、警蹕清道の義を取る。害の前一位は「華蓋」にして、旌旗幡蓋の義を取る。将星の後七位は七煞にして、譬えば甲士の殿後するが如く、分別して劫煞・災煞・天煞・地煞・年煞・月煞・亡神煞と曰う。ゆえに華盖は是れ此の一串の首星にして、劫煞は尾星にして、而して将星と護衛とは中に居る。(注:将星は三合の中神より起る。子・午・卯・酉は四正中位なり、ゆえに亥卯未局の将星は卯に在り、辰は攀鞍と為り、巳は駅馬と為り、馬前一位の午は六害と為り、害前一位の未は華蓋と為る。将星の後は自ら申より数えて寅に至る共に七位、即ち七煞なり。)
天馬,即乾馬也,正月午始,循環行之,此星惟利升遷之卜。驛馬亦從將星而推也,如寅午戌,將星在午,則以未為攀鞍,申為駕馬矣,行人要星也。(正月用乾四爻為天馬,二月五爻申,循環用之。法曰:正七還騎馬,二八向猴申,三九須從犬,四十鼠相侵,五十一當寅上,六十二定歸辰。天馬文人用上,喪病者嗔,蓋病者馬向天遊,是上喪服也。驛馬法曰:寅午戌馬居申,亥卯未馬在巳,申子辰成居寅,巳酉丑馬在亥。)
「天馬」は即ち乾卦の馬にして、正月午より起り、逐月循環して推行す。此の星は只升遷を占するに利あるのみ。「駅馬」は則ち将星より推排す。例えば寅午戌局の将星は午に在れば、然らば則ち未は攀鞍と為り申は駅馬と為る——其れは行人を占するの緊要の星なり。(注:正月は乾卦第四爻の午を取りて天馬と為し、二月は第五爻の申を取り、かくの如く循環して取用す。口訣に曰く「正七還騎馬、二八向猴申、三九須從犬、四十鼠相侵、五十一当寅上、六十二定帰辰」——正月七月は午に在り、二月八月は申に在り、三月九月は戌に在り、四月十月は子に在り、五月十一月は寅に在り、六月十二月は辰に在り。天馬は文人に利あり、喪事・疾病を占するは卻て之を嫌う。病人馬に遇うは「向天而游」にして、是れ孝服を穿たんとするの兆頭なればなり。駅馬の口訣に曰く「寅午戌馬居申、亥卯未馬在巳、申子辰馬居寅、巳酉丑馬在亥」と。)
且天喜之為星也,孟春建寅,則喜在戌,仲春建卯,則喜在亥,季春建辰,則喜在子,蓋以成為喜也。喜神之用,遁甲所專。遁甲者,拒庚而藏甲也。惟丙丁制之,故甲己五遁得丙寅,則喜神在寅也,乙庚五遁得丙戌,則喜神在戌矣。(成喜之法,寅到戌而成,卯至亥而成,辰至子而成也,餘可類推。法曰:春戌夏丑為天喜,秋辰冬未三三指。喜神法曰:甲己東北乙庚乾,丙辛獨位向坤言,丁壬二日離宮上,戊癸東南喜事連。若喜神位值子孫動者,出行順利,其他動止亦宜向之也。)
再び「天喜」此の星を曰わん。孟春寅月の天喜は戌に在り、仲春卯月の天喜は亥に在り、季春辰月の天喜は子に在り——「事成るを喜と為す」の義を取る。「喜神」の用法に至りては、奇門遁甲より出づ。いわゆる遁甲は、庚金を躲けて甲を蔵るなり、唯だ丙・丁のみ能く庚を制す。ゆえに甲・己日は五鼠遁にて丙寅を得、喜神は即ち寅に在り。乙・庚日は五鼠遁にて丙戌を得、喜神は即ち戌に在り。(注:「成喜」の算法は、寅より戌に数え至るを成と為し、卯より亥に数え至るを成と為し、辰より子に数え至るを成と為し、其余類推せよ。口訣に曰く「春戌夏丑為天喜、秋辰冬未三三指」と。喜神の口訣に曰く「甲己東北乙庚乾、丙辛独位向坤言、丁壬二日離宮上、戊癸東南喜事連」と。若し喜神の在る所の位正しく子孫爻発動せば、出行順利なり。其他の起居行止も亦其の方位に向かうに宜し。)
天赦,與人更新也。作歷之初,首於冬至 甲子,故冬至甲子為天赦;春首戊寅,夏至甲午,秋首戊申,刑罪之占,得逢解網也。天解春以寅,夏以巳,秋以申,冬以亥。蓋水絕於申,寅能破之,是為天解。(先王以二至及春秋首日,大赦天下,故後世以是日為天赦。天解,凡以絕為我難,沖則天去我難也。)
「天赦」は、人に一箇の改過更新の機会を与うるなり。暦を造るの初め冬至甲子をもって起首と為す、ゆえに冬至甲子に逢うを天赦と為す。此の外立春後の戊寅・夏至の甲午・立秋後の戊申も亦算す。刑罰罪責を占して之に遇上れば、譬えば法網の解を得るが如し。「天解」は則ち春は寅に在り夏は巳に在り秋は申に在り冬は亥に在り。水は申に絶し、而して寅は能く申を沖破す、ゆえに寅をもって春天の天解と為す。(注:先王は冬至・夏至および立春・立秋の日に天下を大赦す、ゆえに後世此の幾日を把りて天赦に定む。天解の道理は、凡そ「絶」は即ち我が難処にして、沖を用いて之を破掉するは、即ち上天の我に代わりて難を解くなり。)
月解,太陰也,自戌而輝,行南周天之半,以照北極,故九十月在午,正二月在申也。剪刈根萌,則息非宜。喝散,春木根萌在亥,巳能刈之,是為喝散。(月解法,九十月午,子丑月未,正二月申,三四月酉,五六月戌,七八月亥。兩月一位,謂上施下仰,九十月午者,午施子仰也。午自亥極,施仰乃見。沖斷生根為喝散,夏火生寅,用申沖寅,秋多生巳,用亥沖巳。法曰:春巳夏居申,秋豬冬到寅是也。)
「月解」は太陰月亮に取象す。月は戌位より放光し、周天の南半を行過して北極を照臨す、ゆえに九月・十月の月解は午に在り、正月・二月は申に在り。草木の根芽を剪除するに至りては、則ち生息に不利なり。いわゆる「喝散」は、春は木の根芽亥に在りて(木は亥に長生す)、巳能く之を沖断す、これを喝散と曰う。(注:月解の排法は九月・十月は午に在り、十一月・十二月は未に在り、正月・二月は申に在り、三月・四月は酉に在り、五月・六月は戌に在り、七月・八月は亥に在り。両箇月一位を占め、上施下受の義を取る。九・十月は午に在りと説くは、午は上に在りて施し子は下に在りて受くるなり。午は亥位より極処に走り至り、施と受と始めて見出すを得たり。長生の根を沖断するを則ち喝散と曰う。夏火は寅に長生すれば、則ち申を用いて寅を沖し、秋金は巳に長生すれば、則ち亥を用いて巳を沖す。口訣に曰く「春巳夏居申、秋猪冬到寅」と。)
天醫,上帝之司,救療之神也。本在遁甲,相丙而御庚,即丁神也。好生為心,故不踐於寂滅之地,乃更位焉。週歲而復命,始歲而復化。活曜,上帝命司生之神也,因隨帝而出於震焉,為胎育子息之占。(以五虎遁,正月甲遁覓丁神,得丁卯丁丑,故正月以丁卯為天醫,餘丁丑;二月乙遁得丁亥,三月丙遁得丁酉,乃弗居而易丑,故三月則以丁丑為天醫。夫酉為佛境,乃寂滅日沉之地,故弗居;四月丁遁得丁未,五月戊遁得丁巳,六月己遁復得丁卯,餘丁丑,七月庚遁復得丁亥,八月辛遁復得丁酉,違酉從丑,九月壬遁復得丁未,十月癸遁復得丁巳,十一月甲遁復得丁卯,十二月乙遁復得丁亥終焉,還命上帝,歲復如是也。
「天医」は上帝の所属・救治を主管するの神なり。其の本より奇門遁甲に出づ。丙火を輔佐して庚金を抵御するは即ち丁神なり。天医は好生を心と為す、ゆえに寂滅の地に落脚せんと肯ぜず、遇えば則ち位置を改換す。一年一周を走り尽くせば便ち帰りて復命し、来年重新に変化す。「活曜」は上帝之を命じて生育を主管せしむるの神にして、「帝出乎震」に随いて出づ、胎孕子息を占するに用う。(注:五虎遁を用いて排す。正月は甲の上に起りて遁して丁神を尋ぬ、丁卯・丁丑を得、ゆえに正月は丁卯をもって天医と為し、別に丁丑あり。二月は乙の上に起りて遁して丁亥を得。三月は丙の上に起りて遁して丁酉を得、酉に居るを肯ぜざるに因りて改めて丑を用う、ゆえに三月は丁丑をもって天医と為す——酉は是れ仏境にして、寂滅日沈の地なり、ゆえに居らず。四月は丁の上に起りて遁して丁未を得、五月は戊の上に起りて遁して丁巳を得、六月は己の上に起りて遁して又丁卯を得(別に丁丑あり)、七月は庚の上に起りて遁して又丁亥を得、八月は辛の上に起りて遁して又丁酉を得、酉を避けて丑に従う、九月は壬の上に起りて遁して丁未を得、十月は癸の上に起りて遁して丁巳を得、十一月は甲の上に起りて遁して丁卯を得、十二月は乙の上に起りて遁して丁亥を得て終り、然後帰りて上帝に復命し、来年照様再び一遍を走る。
發微通書,以天喜為天醫誤矣。法曰:天醫正卯二豬臨,三月隨牛四未尋,五蛇六兔七居亥,八丑九羊十巳存,十一再來尋卯上,十二亥上作醫人。活曜法,正月從卯順行。)
《発微通書》は天喜を把りて天医と為す、是れ錯りなり。口訣に曰く「天医正卯二猪臨、三月随牛四未尋、五蛇六兎七居亥、八丑九羊十巳存、十一再来尋卯上、十二亥上作医人」と。即ち正月は卯に在り、二月は亥に在り、三月は丑に在り、四月は未に在り、五月は巳に在り、六月は卯に在り、七月は亥に在り、八月は丑に在り、九月は未に在り、十月は巳に在り、十一月は卯に在り、十二月は亥に在り。活曜の排法は、正月卯より起りて順行す。)
雷火之煞,大利功名,蓋雷能動物,即長生也。寅午戌月起於寅,申子辰月起於申,是以立之,震為旌旗煞,故起卯,逆征四圉是謂旌旗。(草木萌生,雷霆動驚,蓋震之德,能普化萬物也。其法正寅二亥,三申四巳,循環三復是焉。然網羅同之。上天之為心,惟惟以生道殺物,是名網羅萬物也,獨捕叛用之。旌旗春卯夏子秋酉冬子。)
「雷火煞」は功名に大いに利あり、雷は能く万物を震動す、即ち長生の義なればなり。其の排法は、寅午戌月は寅より起り、申子辰月は申より起る。「旌旗煞」は震に取象す、ゆえに卯より起り、逆行して四方辺陲を征伐す、ゆえに旌旗と名づく。(注:草木萌生し雷霆震動す、これ震の徳性にして、能く万物を普遍に化育す。排法は正月は寅に在り二月は亥に在り三月は申に在り四月は巳に在り、一年三遍循環す。「網羅煞」の排法は之と相同なり。上天の用心は、只是れ生生の道をもって物を殺すなり、ゆえに「網羅万物」と曰い、専ら叛逆を捕捉するを占するに用う。旌旗煞は春は卯に在り、夏は子に在り、秋は酉に在り、冬は子に在り。)
天耳天目,以子坎為耳垂,以午離為目眥,目視上,故始天門,從亥申巳寅為次。耳聽下,故始地戶,從巳寅亥申為次。耳目司視聽,故動而音信當至。耳目本吉宿,以用則將迎而成,故逆行焉。(以四季行四位,春巳夏寅秋亥冬申天耳也,春亥夏申秋巳冬寅天目也。)
「天耳」「天目」の両星は、子位坎卦をもって耳垂と為し、午位離卦をもって眼角と為す。眼は向上して看る、ゆえに天目は天門亥より起り、亥・申・巳・寅に依りて序と為す。耳は向下して聴く、ゆえに天耳は地戸巳より起り、巳・寅・亥・申に依りて序と為す。耳目は視聴を主管す、ゆえに其の一たび動けば、音信当に到るべし。耳目本より是れ吉宿にして、取用する時迎接成事の意あり、ゆえに排列して逆行と作す。(注:四季に按じて四箇の位置を行く。天耳は春は巳に在り夏は寅に在り秋は亥に在り冬は申に在り。天目は春は亥に在り夏は申に在り秋は巳に在り冬は寅に在り。)
天罡煞,寅卯辰巳之謂也,因生求生,謂生作而得生息,亦漁獵之吉神也。天犬吉而順戌,犬獵益宜之。天豬天鼠天牛,凶而逆亥子丑,牧養忌之。(以寅午戌月為火局,火生於寅,是謂生而起也,二卯三辰四巳,巳酉丑為金局金生於巳,是得生而已也,復寅而三重之,則周一歲矣。天犬正月從戌順行,豬鼠牛正月從亥子丑逆行也,豬忌畜豕,鼠忌養蠶,牛忌牧犢,嫌值鬼同發。)
「天罡煞」は寅・卯・辰・巳の此の幾位を指し、「生に因りて生を求む」の義を取る、即ち営作する所有りて生息を得、同時に其れ亦漁猟の吉神なり。「天犬」は是れ吉にして、戌より起りて順行す、猟を打つに最も之を用るに宜し。「天猪」「天鼠」「天牛」は是れ凶にして、分別して亥・子・丑より起りて逆行す、畜牧養殖は之を忌む。(注:寅午戌は火局にして、火は寅に長生す、これは長生より起頭す。接続して二月卯・三月辰・四月巳にして、而して巳酉丑は金局にして金は巳に長生す、亦長生に到りて止む。此の後再び寅に帰り、一年の中三遍重複して、正好周遍す。天犬は正月戌より起りて順行す。猪・鼠・牛の三煞は正月分別して亥・子・丑より起りて逆行す——天猪は猪を養うを忌み、天鼠は蚕を養うを忌み、天牛は牛犢を牧するを忌み、尤も其の官鬼と同爻発動するを嫌う。)
大騰蛇之別號曰勾陳煞,以其將相沖中王也。暗金以每季藏金局,故巳酉丑為暗金。破碎謂金庫在丑,以金局自悖逆而出之,四輪複數之,則失藏聚,是名破碎,為家國之多耗也。(正月自辰起逆行,專務驚滯暗金以巳酉丑,自正月四輪複數是也,亦名紅紗,產婦之忌。破碎以丑酉巳,自丑月起四輪復靈乃破碎也。丑為金庫,故始之。法曰:辰戌丑未月在丑,寅申巳亥月在酉,子午卯酉月在蛇,逆破如何財順有。)
大騰蛇は又「勾陳煞」と呼ぶ、其の兵を帯びて中に居る君王を沖犯すればなり。「暗金煞」は毎一季皆金局を蔵するに因りて、ゆえに巳・酉・丑を取りて暗金と為す。「破碎煞」は、金庫丑に在りて、金局を把りて倒転して逆推して出で、四位一輪反復して数え下れば、則ち收藏聚集の義を失う、ゆえに破碎と曰い、家と国と多く耗散するを主る。(注:大騰蛇は正月辰より起りて逆行し、専ら驚恐停滞を主る。暗金は巳酉丑を取り、正月より起りて四位一輪反復して数う、又名「紅紗」、産婦最も之を忌む。破碎は丑・酉・巳を取り、丑月より起りて四位一輪反復して推得す。丑は是れ金庫なれば、ゆえに之より起頭す。口訣に曰く「辰戌丑未月在丑、寅申巳亥月在酉、子午卯酉月在蛇」——「蛇」は即ち巳なり。破碎は逆推を取り、財は則ち順行して得る。)
月破曰耗,大耗而小耗隨之,季廢為荒蕪,月廢為月空,空衰為月煞。(正月起申順行為大耗,起未順行為小耗,荒蕪之法,春巳酉丑,夏辰申子,秋卯未亥,冬寅午戌。月空之法,寅午戌月壬廢為月空。月煞之法,壬水衰於丑,故丑為月煞,亥卯未月庚廢戌煞,申子辰月丙廢未煞,巳酉丑月甲廢辰煞,歷日可考。)
月破は又「耗」と曰い、大耗あり、小耗其の後に跟随す。一季の中の廃する所の位を「荒蕪」と曰い、一月の中の廃する所の干を「月空」と曰い、月空の干の衰する所の位を「月煞」と曰う。(注:正月申より起りて順行するは大耗にして、未より起りて順行するは小耗なり。荒蕪の排法は、春は巳酉丑に在り、夏は辰申子に在り、秋は卯未亥に在り、冬は寅午戌に在り。月空の排法は、寅午戌月は壬水廃と為す、ゆえに壬を月空と為す。月煞の排法は、壬水は丑に衰す、ゆえに丑を月煞と為す。亥卯未月は庚金廃して戌を月煞と為し、申子辰月は丙火廃して未を月煞と為し、巳酉丑月は甲木廃して辰を月煞と為す。此の等暦書の上皆査考す可し。)
物滿而破,破而後開,天賊之義也;隨賊而吠,天狗也,其義欲除之、執之、收之。春之天賊,辰滿酉破寅開也,秋之天賊,戌滿卯破申開也。未坤之府,丑能擊之,故地賊出丑而逆行焉。巳為雙女宮,本熒惑之神也,天燭由此而順行焉。天火即火所胎也,蓋火神順鑑四域,歲三復焉。(法曰:正龍二雞三虎鄉,四羊五鼠六蛇藏,七犬八兔九猴位,十牛子馬丑豬忙,是天賊也。天狗隨之沖擊也。地賊,謂穿窬之輩也。法曰:天燭正月起蛇宮,蕩蕩順行數至龍,主火災也。天火,以寅午戌月火局胎於子。四域,子午卯酉四正也,五九月又起子,故一歲三復。)
物盈満すれば則ち破るを要し、破れて然後始めて開く、これ「天賊」の取義なり。賊に跟いて叫ぶは即ち「天狗」にして、之を除掉し之を捉住し之を收拾するの義を取る。春天の天賊は、辰を満と為し酉を破と為し寅を開と為す。秋天の天賊は、戌を満と為し卯を破と為し申を開と為す。未は是れ坤の府第にして、丑能く之を衝撃す、ゆえに「地賊」は丑より起りて逆行す。巳は是れ双女宮にして、本より熒惑火星の神に属す、ゆえに「天燭」は巳より起りて順行す。「天火」は即ち火の胎する所の位にして、火神順次に四正の域を照臨し、一年周して復た始まること三遍なり。(注:口訣に曰く「正龍二鶏三虎郷、四羊五鼠六蛇蔵、七犬八兎九猴位、十牛子馬丑猪忙」——正月は辰に在り二月は酉に在り三月は寅に在り四月は未に在り五月は子に在り六月は巳に在り七月は戌に在り八月は卯に在り九月は申に在り十月は丑に在り十一月は午に在り十二月は亥に在り、これ即ち天賊なり。天狗は之に跟いて往きて衝撃す。いわゆる地賊は、墻を穿ち壁を翻る窃賊を指す。又曰く「天燭正月起蛇宮、蕩蕩順行数至龍」、火災を主る。天火は寅午戌火局の子に胎するを取る。いわゆる四域は、即ち子・午・卯・酉の四正なり。五月・九月又子より起る、ゆえに一年三遍なり。)
天官符即臨官之位也,以年局臨官於中宮起寅巳申亥,進三位而復退起中宮,順行九宮,若與鬼動,則成詞訟之凶。陽生曰生氣,陰生曰死氣,以陽主生而陰主殺也。五子遁七位之庚午,上庚克甲為官符,是以從午起官符,隨死氣順行為死氣官符也。春寅歲之始也,法艮卦寅官持世,乃為錘門官符,下而反覆是也。
「天官符」は即ち臨官の位なり。当年三合局の臨官の支に按じて中宮に入りて起算し、寅・巳・申・亥の四位より起り、三位を進みて再び中宮に退回し、然後順行して九宮す。其れ若し官鬼と同動すれば、則ち詞訟の凶と成る。陽気の生ずる所を「生気」と曰い、陰気の生ずる所を「死気」と曰う、陽は生を主り陰は殺を主ればなり。五鼠遁を用いて第七位に数え至れば是れ庚午にして、庚金は甲木を剋す、ゆえに官符と曰う。ゆえに午より官符を起り、死気に随いて順行するは即ち「死気官符」なり。春天寅月は一年の始にして、艮卦寅木官鬼持世の象を取る、即ち「錘門官符」なり、上より下に向かいて反復推排す。
(以相指一節起坎宮一白,二節坤宮二黑,三節震宮三碧,四節巽宮四綠,君指四節為中宮五黃,無名指四節為乾宮六白,三節兌宮七赤,二節艮宮八白,一節離宮九紫,乃外九宮也。
(注:手掌の上の節位を用いて九宮を排す。食指の第一節は坎宮一白を起り、第二節は坤宮二黒、第三節は震宮三碧、第四節は巽宮四緑。中指の第四節は中宮五黄と為す。無名指の第四節は乾宮六白と為り、第三節は兌宮七赤、第二節は艮宮八白、第一節は離宮九紫——これ即ち外九宮の排法なり。
如子年乃水局臨官於亥入中宮,即十月在中宮順行,即十一月在乾,十二月在兌,進三復退,即是本年,正月入中宮,二月乾,三月兌,四月艮,五月離,六坎,七坤,八震,九巽,乃終。設如七月占,若鬼動坤宮,為天官符也,此從年起,生氣正月從子順行,死氣及官符從午順行,歲始若蘇未起,有錘門之意。用艮卦自上而下,法曰:正七慮行村,二八鼠當門,三九居戌位,四十弄猴猻,五十一騎馬走,六十二跳龍門。)
例えば子年、水局の臨官は亥に在れば、則ち亥を把りて中宮に納入す、即ち十月は中宮に在り、此の後順行す。十一月は乾宮に在り、十二月は兌宮に在り。三位を進みて再び退き帰れば、即ち本年の排法なり——正月は中宮に入り、二月は乾宮、三月は兌宮、四月は艮宮、五月は離宮、六月は坎宮、七月は坤宮、八月は震宮、九月は巽宮にして終る。假如七月に来たりて占せば、若し官鬼坤宮に在りて発動すれば、則ち是れ天官符なり。此の一套は太歳年の上より起る。生気は正月子より起りて順行し、死気と官符とは午より起りて順行す。一年の始は譬えば万物の将に甦らんとして未だ甦らざるが如し、ゆえに「錘門」の意あり、艮卦を取りて上より下に向かいて推排す。口訣に曰く「正七慮行村、二八鼠当門、三九居戌位、四十弄猴猻、五十一騎馬走、六十二跳龍門」と。)
絕止足履,則憂禁怕天獄,寅午戌月絕於亥,巳酉丑月絕於寅,是為天獄。逆踐於地網,為地獄煞也。坎為血卦,丑為刃庫,血因刃上,故正三五七九鼠月,以丑寅卯辰巳午為血刃,刃相對,偶襲奇,複名血忌,血因忌上,故二四六八十臘月,以未申酉戌亥子為血忌。羊刃縱前之利器,勢同荷戈,祿前一位,妻奴所畏。
「絶」は歩を停住せしむ、ゆえに禁錮を擔心し牢獄を害怕する人は「天獄」に遇わんことを怕る。寅午戌月は火は亥に絶し、巳酉丑月は金は寅に絶す、これ即ち天獄なり。反りて地網の位に踏み進めば、即ち「地獄煞」なり。坎は是れ血卦にして、丑は是れ刀刃の庫なり、血は刃に因りて出づ、ゆえに正・三・五・七・九および十一月の此の幾箇の陽月は、依次丑・寅・卯・辰・巳・午をもって「血刃」と為す。刃と刃と相対し、偶月奇月に承接せば、則ち別に「血忌」と名づく。血は忌に因りて出づ、ゆえに二・四・六・八・十および臘月の此の幾箇の陰月は、依次未・申・酉・戌・亥・子をもって「血忌」と為す。「羊刃」は禄前に縦放せる利器にして、気勢戈を荷い戟を持するが如く、即ち禄の前一位に在り、妻子と奴僕と皆之を怕る。
(絕為天獄,如申子辰水局絕巳之類,法曰:正月逢亥二月申,三月隨蛇四月寅,五月循環絕於亥,周而復始定其神。戌為地網,故地獄自正月起戌逆行,法曰:正牛二未三寅虎,四猴五兔六雞災,七辰八戌九月巳,十豬子馬丑鼠來。
(注:「絶」は即ち天獄なり、例えば申子辰水局の巳に絶するの類の如し。口訣に曰く「正月逢亥二月申、三月随蛇四月寅、五月循環絶于亥、周而复始定其神」と。戌は是れ地網なれば、ゆえに地獄煞は正月より戌を起りて逆行す、口訣に曰く「正牛二未三寅虎、四猴五兎六鶏災、七辰八戌九月巳、十猪子馬丑鼠来」と。
血忌之星同血刃。針炙占之定不偕,祿前一位為羊刃,如甲祿在寅,則右順卯為羊刃,乙祿到卯,則左逆寅為羊刃,丙戊祿巳,則右順午為羊刃,丁己祿午,則左逆巳為羊刃。法曰:乙逢寅動當為刃,辛見申搖豈不凶,丁己忌巳癸憂亥,兄弟相加偶必重。近世不分陰陽順逆,概以祿前一位為刃,至有誤認乙祿到卯,辰為羊刃之說,特為正之。)
血忌の此の星は血刃と同類にして、針灸を占して之に遇上れば必ず順ならず。禄の前一位は即ち羊刃なり。甲禄は寅に在り、右に向かいて順数せば、卯は羊刃と為る。乙禄は卯に在り、左に向かいて逆数せば、寅は羊刃と為る。丙・戊禄は巳に在り、右に向かいて順数せば、午は羊刃と為る。丁・己禄は午に在り、左に向かいて逆数せば、巳は羊刃と為る。口訣に曰く「乙逢寅動当為刃、辛見申摇豈不凶、丁己忌巳癸憂亥、兄弟相加偶必重」と。近世の人は陰陽順逆を分かたず、一概に禄の前一位をもって刃と為し、甚至りて誤りて乙禄は卯に在り辰は羊刃と認む——此処特に為に訂正す。)
陽陷於陰曰陰煞,正月起坎之初爻,循環上下,是避害之要也。死而折之,名曰折煞,故寅午戌以酉為折,申子辰以卯為折也。方養未幾,即受暴折,春木養戌,而辰折之,是名浴盆煞。咸池煞者,別名桃花,蓋以沐浴為桃花,沐浴敗垢,淫汙敗德,因以名之。
陽の陰に陷害せらるるを「陰煞」と曰い、正月坎卦の初爻より起り、上下循環して推排す、これ害を避くるの要点なり。已に死地に在りて又摧折を加うるを「折煞」と曰い、ゆえに寅午戌火局は酉をもって折と為し、申子辰水局は卯をもって折と為す。剛く「養」の位に到りて久しからざるに便ち摧折に遭う、例えば春は木は戌に養う而して辰来たりて之を折る、これを「浴盆煞」と曰う。「咸池煞」は別名「桃花」、其の十二長生の中の沐浴の位を取ればなり。沐浴は垢汚を洗去する処にして、淫汚敗徳を主る、ゆえに此の名を取る。
(君子為小人之陷曰陰煞,若帶鬼動,當防害也。法以正七寅、二八辰、三九午、四十申、五十一戌、六十二子,即習重坎之象也。以火局死於酉,水局死於卯,如二六十月午為折煞,巳酉丑月子為看煞,如火養在丑,為未暴折是也。法曰:春辰夏未秋逢戌,冬季推來在丑神,蓋以摧尸煞同,亦暴折之義也,小兒忌之。
(注:君子の小人に陷害せらるるを即ち陰煞と曰う。其れ若し官鬼を帯びて発動すれば、則ち損害を防備するを要す。排法は正月・七月は寅に在り、二月・八月は辰に在り、三月・九月は午に在り、四月・十月は申に在り、五月・十一月は戌に在り、六月・十二月は子に在り、正しく重坎の象なり。折煞は火局の酉に死し水局の卯に死するを取る。例えば二・六・十月は午をもって折煞と為し、巳酉丑月は子をもって折煞と為す。又如火は丑に養う、未来たりて丑を沖すは即ち暴折なり。浴盆煞の口訣に曰く「春辰夏未秋逢戌、冬季推来在丑神」と。其れ「摧屍煞」と相同にして、亦是れ暴折の義なり、小児最も之を忌む。
咸池煞以寅午戌月火局沐浴於卯,亥卯未月木局沐浴於子,求曰:寅午戌,兔從卯裡出,亥卯未,鼠子當頭忌,申子辰,雞叫亂人偷,巳酉丑,躍馬南方來。)
咸池煞は三合局の沐浴の位を取る。寅午戌火局の沐浴は卯に在り、亥卯未木局の沐浴は子に在り。口訣に曰く「寅午戌、兎従卯裡出、亥卯未、鼠子当頭忌、申子辰、鶏叫乱人偸、巳酉丑、躍馬南方来」——即ち寅午戌月の咸池は卯に在り、亥卯未月は子に在り、申子辰月は酉に在り、巳酉丑月は午に在り。)
衰而憔悴,反覆悲泣,是名天哭,當墓曰喪門,扣墓曰弔客喪車,以絕位為亡人,所乘者,乃喪車也。蓋冬水以巳絕,乘午為喪車。五墓者,即墓神也,故春木墓未,夏火墓戌。三坵者,疊土墓上,故春以丑為坵,取第三位之土,故曰三;五者,五行墓也。(憔悴謂衰也,寅午戌月,火局衰在未,巳酉丑月,金局衰在戌,三復悲泣,故正未二申三酉四戌,五復未而再三,因名天哭。以寅午戌月墓戌,亥卯未月墓未,申子辰月墓辰,巳酉丑月墓丑,如正月戌為喪門,則辰為弔客。沖象扣也,法曰:喪車春雞夏鼠來,秋卯冬午好安排,二法皆忌疾病。以土沖土曰疊,自未戌數丑日第三,法曰:丑辰未戌三坵煞,羊犬牛龍五墓尋。)
衰敗憔悴し反復して悲泣するを、「天哭」と曰う。正しく墓位に当たるを「喪門」と曰い、墓位を衝撃するを「弔客」と曰う。「喪車」に至りては、絶位をもって亡人と為し、亡人の乗る所は即ち喪車なり——冬は水は巳に絶し、午の上に乗るは即ち喪車なり。「五墓」は即ち墓神なり、ゆえに春は木は未に墓し夏は火は戌に墓す。「三坵」は墓の上に再び一重の土を曇るにして、ゆえに春は丑をもって坵と為し、墓位より第三位の土に数え至る、ゆえに「三」と称す。「五」は則ち五行の墓を指す。(注:憔悴は即ち衰なり。寅午戌月の火局は未に衰え、巳酉丑月の金局は戌に衰う。悲泣は反復して三遍するを要す、ゆえに正月は未に在り二月は申に在り三月は酉に在り四月は戌に在り、五月又未に帰る、かくの如く三輪、此に因りて天哭と曰う。喪門は三合墓位を取る。寅午戌月の墓は戌に在り、亥卯未月の墓は未に在り、申子辰月の墓は辰に在り、巳酉丑月の墓は丑に在り。例えば正月は戌をもって喪門と為せば、然らば則ち辰は便ち弔客なり——「扣」は即ち沖の意なり。喪車の口訣に曰く「喪車春鶏夏鼠来、秋卯冬午好安排」と。喪門弔客と喪車との此の両法は皆疾病を占するを忌む。土をもって土を沖するを「曇」と曰い、未・戌より丑に数え至る正しく第三位なり、ゆえに口訣に曰く「丑辰未戌三坵煞、羊犬牛龍五墓尋」と。)
近前曰孤,近後曰寡,而孤寡之煞以傳,寅卯辰月,巳孤丑寡也。前阻曰關,後絕曰鎖,而關鎖之法以立,申酉戌月,亥關鎖也。(失聚失類,如無依倚,巳丑,前後非類也。法曰:寅卯辰,巳孤丑寡,巳午未,申孤辰寡,申酉戌,亥孤未寡,亥子丑,寅孤戌寡,若男前女後之意。阻絕其前後曰關鎖,法曰:春關牛與蛇,夏鎖龍猴嗟,秋忌羊豬位,冬犬虎交加。)
前面に靠近するを「孤」と曰い、後面に靠近するを「寡」と曰い、孤寡煞は即ちかくの如く伝わる。寅卯辰の三箇月は、巳を孤と為し丑を寡と為す。前面阻せらるるを「関」と曰い、後面絶せらるるを「鎖」と曰い、関鎖の法も亦かくの如く立つ。申酉戌の三箇月は、亥をもって関鎖と為す。(注:同類の聚会を失い傍依する所なければ、則ち孤寡を成す。巳と丑とは一前一後にして、皆寅卯辰と同類ならず。口訣に曰く「寅卯辰、巳孤丑寡、巳午未、申孤辰寡、申酉戌、亥孤未寡、亥子丑、寅孤戌寡」、男は前に在り女は後に在るの意を含む。前後皆阻絶せらるるを関鎖と曰い、口訣に曰く「春関牛与蛇、夏鎖龍猴嗟、秋忌羊猪位、冬犬虎交加」と。)
自春建而妄行,不由徑,不從道,遊行四方,往必敗矣,故名往亡。夫寅而卯,徑也,不從而巳,非道也;自卯而辰,自辰而巳,徑也,不從而午,而未,非道也,行者之戒也。以子丑寅,而歸孟仲季,非時也。非時而歸,所以忌也,故歸忌名之。絕路空,遇水則路絕,甲己五遁,壬癸加申酉,故申酉為絕路。震仰孟像舟,木絕於申為覆舟煞,舟絕則覆,故自申起而順為覆舟,沖舟為浪,故自寅起而順為白浪。
春天の月建より起りて即ち胡乱に行走し、小路を走らず大道を循らず、四処に游荡し、一たび去れば必ず敗す、ゆえに「往亡」と曰う。譬えば寅より卯に至るは本より小路なり、走らずして卻て巳に直奔すれば、則ち正道にあらず。卯より辰に至り辰より巳に至るは本より小路なり、走らずして卻て午に直奔し未に奔れば、亦是れ正道にあらず——これ出行の人の戒忌なり。子・丑・寅の三月を用いて孟・仲・季の位に帰するに至りては、是れ時令に合せざるなり。時令に合せずして家に帰る、ゆえに忌むを要し、此に因りて「帰忌」と曰う。「絶路空亡」は、水に遇えば則ち道路断絶すを説くなり。甲・己日は五鼠遁を用いて、壬・癸恰好申・酉の上に加わる、ゆえに申・酉を絶路と為す。震卦仰盂の象は譬えば船の如く、木は申に絶す、ゆえに「覆舟煞」と曰う。船絶地に到れば則ち翻るを要し、此に因りて申より起りて順行して覆舟と為す。船を沖するは波浪なり、ゆえに寅より起りて順行して「白浪」と為す。
(正月起寅順行,則二月當行於卯,乃越徑妄行,直遊巳申亥而返卯,復不由徑,直遊午酉子而返辰,復不由徑,直遊未戌丑而窮焉。往亡法曰:正寅二巳三申位,四豬五兔六馬悲,七雞八鼠九辰忌,十羊子犬丑牛危。
(注:正月は寅より起りて順行し、二月は本より卯に行き至るべし。卻て小路を越えて胡乱に走り、一直に巳・申・亥に游り至りて再び卯に折回す。又正路を走らず、直ちに午・酉・子に游りて再び辰に折回す。再び正路を走らず、直ちに未・戌・丑に游りて窮尽に至る。往亡の口訣に曰く「正寅二巳三申位、四猪五兎六馬悲、七鶏八鼠九辰忌、十羊子犬丑牛危」——正月は寅に在り、二月は巳に在り、三月は申に在り、四月は亥に在り、五月は卯に在り、六月は午に在り、七月は酉に在り、八月は子に在り、九月は辰に在り、十月は未に在り、十一月は戌に在り、十二月は丑に在り。
子丑寅,是天地人三才,蓋子月當子而反孟寅,丑月當丑而反仲子,寅月當寅而反季丑,為非時歸忌,後三巡亦然。法曰:寅申巳亥牛相犯,子午卯酉虎相攻,辰戌丑未須防鼠,爻逢歸忌路途凶。絕路空法曰:甲己申酉最為愁,乙庚午未不須籌,丙辛辰巳何勞問,丁壬寅卯一場憂,戊癸子丑高堂坐,如犯空亡莫遠遊。木絕申為覆舟,正月從申順行,寅沖申為白浪,正月從寅順行。)
子・丑・寅は天・地・人の三才を代表す。子月は本より子に在るべし、卻て反りて孟位の寅に帰す。丑月は本より丑に在るべし、卻て反りて仲位の子に帰す。寅月は本より寅に在るべし、卻て反りて季位の丑に帰す——これ即ち時令に合せざるの「帰忌」なり、其の後毎三箇月一巡も亦此に照らして類推せよ。口訣に曰く「寅申巳亥牛相犯、子午卯酉虎相攻、辰戌丑未須防鼠、爻逢帰忌路途凶」——寅申巳亥月の帰忌は丑に在り、子午卯酉月は寅に在り、辰戌丑未月は子に在り。絶路空亡の口訣に曰く「甲己申酉最為愁、乙庚午未不須籌、丙辛辰巳何労問、丁壬寅卯一場憂、戊癸子丑高堂坐、如犯空亡莫遠游」と。木は申に絶して覆舟と為り、正月申より起りて順行す。寅は申を沖して白浪と為り、正月寅より起りて順行す。)
鶴神自天而降,始踐於艮,奇門甲子坎局,巳酉艮局,因從巳酉下地,循環八方,四維六日而更,四正五日而遷,第四十五日上天而居於房北,復五日而入房中,合衍母之數也;復二日遷南,先陰後陽,合少陰之數也;復三日而遷西,合少陽之數也;復一日而遷東,合太陽之數也;復四日而遷中宮,合太陰之數也;戊申居中,然後甲子周矣,若鬼搖是宮出行是戒。(鶴神,即游神也。)
「鶴神」は天より降りて来たり、先ず艮位に落つ。奇門の法に按じて、甲子は坎局に属し、巳・酉は艮局に属す、ゆえに鶴神は巳・酉より地上に下りて、八方に循環して巡行す。乾・坤・艮・巽の四維は各々六天停りて位を換え、子・午・卯・酉の四正は各々五天停りて遷移す。第四十五天に到りて天に升りて房宿の北に居り、再び五日を過ぎて房宿の中に進入す、正しく大衍母数五十に合す。再び二日を過ぎて南方に遷り、先に陰後に陽、少陰の数二に合す。再び三日を過ぎて西方に遷り、少陽の数三に合す。再び一日を過ぎて東方に遷り、太陽の数一に合す。再び四日を過ぎて中宮に遷入り、太陰の数四に合す。戊申日に到りて中宮に居り、然後一箇の甲子即ち走完す。若し官鬼正しく鶴神の在る所の其の一宮に発動せば、出行則ち戒忌するを要す。(注:鶴神は即ち游神なり。)
五符者,即天符也,設政而受天符,天符之前十一神,天曹地符風伯雷公雨師風雲堂符國印天關地匣天賊也。(以陰陽祿起五符,陽順陰逆,周行十二位,蓋以甲祿在寅為法,寅乃五符,墓前陳部曲,部曲即天曹也。未及三位,而復錫符焉,故天符為金輿,地符為玉輦,風伯乃巽位,雷雨雲神驄驅之。未九位而錫大命,乃堂符國印也。亥為天關,子為地匣,置武庫以徵不仁,故終天賊,又名陀羅星,弗誤於滿破開之天賊也。此從日起。)
「五符」は即ち天符なり。命を受けて政を理し天符を領受す。天符の前共に十一神あり、依次是れ天曹・地符・風伯・雷公・雨師・風雲・堂符・国印・天関・地匣・天賊なり。(注:陰陽の禄を用いて五符を起る、陽干は順行し陰干は逆行し、周行して十二位す。甲禄寅に在るを例と為せば、寅は即ち五符なり。墓の前に部曲を陳列す、「部曲」は即ち天曹なり。三位に到らざるに再び符命を賜う、ゆえに天符は金輿にして地符は玉輦なり。風伯は巽位に在り、雷・雨・雲の諸神其の間に駆馳す。九位に到らざるに大命を頒下す、則ち是れ堂符・国印なり。亥は天関と為し子は地匣と為す。武庫を設置して不仁を征討す、ゆえに末位は是れ天賊なり——其れ又名陀羅星、前面の「満・破・開」の彼の一套の天賊と混淆する勿れ。此の一套は日辰より起る。)
罡魁之將有十二,體辰戌而用巳亥,天罡太乙勝光小吉傳送從魁河魁登明神后大吉功曹太沖也。罡魁臨鬼動,禍患暴作,罡主訟而魁主盜也。(天罡正月起巳順行,河魁正月起亥順行,餘十將不司卦內吉凶,故不詳註。)
「天罡」「河魁」の此の一系は共に十二将あり。本体は辰・戌に在り、起用するは則ち巳・亥に在り、依次是れ天罡・太乙・勝光・小吉・伝送・従魁・河魁・登明・神后・大吉・功曹・太沖なり。天罡・河魁若し官鬼に臨みて発動せば、禍患即ち驟然発作す。天罡は訴訟を主り、河魁は盗賊を主る。(注:天罡は正月巳より起りて順行し、河魁は正月亥より起りて順行す。其余の十将は卦内の吉凶を管せず、ゆえに詳しく注解を加えず。)
太歲之神,始作甲子,陰陽相扶,吉星居焉,偏黨好惡凶星立焉。寅為鬼路,故十二年喪門以寅為始。申為神門,故十二年白虎以申為始焉,飛廉附之。蓋克我者為官鬼,子受辰克,故十二年以辰起官符,且居五位,五鬼附之。歲之沖曰歲破,欄杆附之。戌亦克子,三合喪門,故名弔客,天狗附之。巳為六陽之終,亥為六陰之極,故巳始死符,亥始病符也。陰之扶陽,天之造物,故三元四利,十二年以丑起太陽,卯起太陰,未起龍德,酉起福德,順行為法也。
太歳の神は甲子を制作するより起り、陰陽互相扶助し、吉星即ち其の位に居る。偏袒して好悪し、凶星即ち此に由りて立つ。寅是れ鬼路なれば、ゆえに十二年一輪の「喪門」は寅より起る。申是れ神門なれば、ゆえに十二年一輪の「白虎」は申より起り、「飛廉」は白虎の上に附す。我を剋するは是れ官鬼にして、子水は辰土の剋する所を受く、ゆえに十二年一輪の「官符」は辰より起り、而して其の此の一串の第五位に排す、「五鬼」は官符の上に附す。太歳と相冲するを「歳破」と曰い、「欄杆」は歳破の上に附す。戌土も亦子水を剋し、又喪門と三合す、ゆえに「弔客」と曰い、「天狗」は弔客の上に附す。巳は是れ六陽の終にして、亥は是れ六陰の極なり、ゆえに「死符」は巳より起り「病符」は亥より起る。陰来たりて陽を扶くるは、上天造物の用意なり、ゆえに「三元四利」の此の一套は、十二年一輪にして丑より太陽を起り、卯より太陰を起り、未より龍徳を起り、酉より福徳を起り、皆順行に按じて推排す。
(四利三元法:一太歲,二太陽,三喪門,四太陰,五官符,六死符,七歲破,八龍德,九白虎,十福德,十一吊客,十二病符,此從年起也。三元謂上元中元下元也。四利謂四吉星,太陽、太陰、龍德、福德也。巳亥宮無吉宿,以陽終陰極也,其附四凶,非在三元舊序。又有月上飛廉,正月從申逆行,月上五鬼,正月從寅逆行之法,飛廉因白虎亦起申,五鬼因鬼路亦起寅。)
(注:四利三元の次序は、一太歳・二太陽・三喪門・四太陰・五官符・六死符・七歳破・八龍徳・九白虎・十福徳・十一弔客・十二病符、此の一套は太歳年の上より起る。「三元」は上元・中元・下元を指し、「四利」は四顆の吉星を指す、即ち太陽・太陰・龍徳・福徳なり。巳・亥の両宮は吉宿なし、一は是れ陽の終にして一は是れ陰の極なればなり。其の上に附する四凶は、並びに三元の旧次序の内に在らず。此の外又「月上飛廉」あり、正月申より起りて逆行す。「月上五鬼」あり、正月寅より起りて逆行す——飛廉は白虎に随うに因りて、ゆえに亦申より起る。五鬼は鬼路に随うに因りて、ゆえに亦寅より起る。)
古人名星之始,或因事而著,或依義而成,或像象而立,必有所本,其無本而妄傳者,于吉凶無驗,雖多不述也。大凡吉星之行多順,凶星之行多逆,地支之星以月為憑,天干之星以日為主,年星雖列,遠而較輕,時星間陳,叟而易逝,唯日月之用尊焉。占星之法,多視其類,非類則弗親也,各伺其動,不動則不伺也。然必以用神為主而星輔之,吉以益其吉,凶以甚其凶,而後無偏泥之誚焉,學者辨之。
古人当初星に命名するに、或いは某事に因りて顕れ、或いは某義に依りて成り、或いは某象を取りて立つ、必ず各々拠る所有り。其の拠る所なきにして胡乱に伝流するは、吉凶に対し並びに応験せず、名目繁多なるといえども、本書亦叙述せず。大体に言えば、吉星は多く順行し、凶星は多く逆行す。地支を用いて起るの星は月建をもって憑と為し、天干を用いて起るの星は日辰をもって主と為す。年を用いて起るの星は亦列出するといえども、離るること遠く分量軽し。時辰を用いて起るの星は偶々陳列し、来ること速く去ることも亦速し。唯だ日・月の両者の用法のみ最も尊要なり。星を占するの法は、多く其の所占の事と同類なるや否やを視るを要し、同類ならざれば則ち相亲まず。又各々其の発動を待ち、動かざれば則ち伺察しに往くを必せず。要之必ず用神を主と為して星煞を輔と為すべし。吉星は吉事を更に吉ならしめ、凶星は凶事を更に凶ならしむ、かくの如くして始めて偏執拘泥の譏評を招かざるに至らん。学者は当に分辨して清楚ならしむべし。
卦験章第四十
以爻而取占應者,謂之用神;以卦而取占應者,謂之卦驗,卦驗專於卦而不專於爻也。(以卦名而斷吉凶,昔賢所譏,然古又有以卦義斷而驗者,不可違也。)婚姻忌三沖,則不索用神之衰旺;邦畿征伐忌內反伏吟,而不憑子官;遷居忌外反伏吟,而不憑鬼靜;占病主屬化墓絕者,雖用旺而凶,此皆先卦而後爻也。(五者尤為專忌,卜者常泥於用神而失之。)
爻に憑じて応験を取るを「用神」と曰い、卦に憑じて応験を取るを「卦験」と曰う——卦験は専ら卦を看て専ら爻を看ず。(注:単に卦名に憑じて吉凶を断ずるは、前賢の譏諷する所なり。然るに古来も亦確かに卦義に按じて断じて応験せる有り、此の一点違背す可からず。)婚姻を占して六沖の卦を忌み、一たび六沖に遇えば則ち用神の衰旺を再査するを必せず。国家疆域と征伐とを占して内卦の反吟・伏吟を忌み、一たび之に遇上れば則ち子孫・官鬼に再憑するを必せず。遷居を占して外卦の反吟・伏吟を忌み、一たび之に遇上れば則ち官鬼の安静なるや否やに再憑するを必せず。疾病を占して、病人の本属を代表する其の一卦若し墓絶に化成せば、便ち用神旺相なるとも亦凶を主る。此の等皆是れ先ず卦を看て後に爻を看るなり。(注:此の五様は尤も専門の忌諱なり、卦を占する人は常に用神に拘泥して失察す。)
是故筮晴雨者,得乾離則晴,得坎兌則雨;非此,然後察父母子孫以為晦霽也。筮墳塋者,遇巽風坎水,乃為大凶,以其犯風水而沖也;獨秋後占地得坤,春前占山得艮,反為吉兆;蠱有蟲蟻,井有水泉,明夷有伏尸;非此,然後索世爻福神以為凶吉也。(風水最忌六沖,若卜平地,秋後三氣得坤卦,卜山地,春前一氣得艮卦,反吉,弗論六沖。)
ゆえに晴雨を占して、《乾》《離》を得れば則ち晴にして、《坎》《兌》を得れば則ち雨なり。是れ此の幾卦ならざれば、始めて父母爻・子孫爻を看て以て陰晴を判断す。墳塋を占して、《巽》に遇うは風と為り《坎》に遇うは水と為る、即ち大凶なり、風吹水沖を犯せばなり。唯だ立秋以後平地を占して《坤》を得、立春以前山地を占して《艮》を得るは、反りて吉兆なり。此の外《蠱》は虫蟻有るを主り、《井》は水泉有るを主り、《明夷》は伏屍有るを主る。是れ此の幾卦ならざれば、始めて世爻と子孫福神とを捜求して吉凶を定む。(注:風水の占は最も六沖を忌む。然るに若し平地を占し、立秋後三箇の節気の内に《坤》卦を得、山地を占し、立春前一箇の節気の内に《艮》卦を得れば、反りて吉にして、六沖を再論するを必せず。)
出師征伐,遇明夷有覆軍之敗,遇坎蹇困防汔地之囿,若此者,不復論子官也;求財遇萃曰虧本;出行遇節艮坎明夷曰不吉;獄訟遇大壯與夬曰得理,遇坎蹇明夷曰有囹圄;筮病,遇明夷既濟豐節而土鬼獨發曰死。(推之京房萃為缺數,餘卦皆昔賢所驗。)
出師征伐は、《明夷》に遇えば全軍覆没の敗あり、《坎》《蹇》《困》に遇えば水涸の地に陥りて囲困せらるるを防ぐを要す。此の種の情形は則ち子孫・官鬼を再論するを必せず。財を求めて《萃》に遇えば本を亏くを主る。出行に《節》《艮》《坎》《明夷》に遇えば不吉を主る。官司を打つに《大壮》《夬》に遇えば自己理有るを主り、《坎》《蹇》《明夷》に遇えば牢獄の災有るを主る。病を占して《明夷》《既済》《豊》《節》に遇いて土性の官鬼独発すれば、死を主る。(注:《萃》の本を亏くを主るは京房の「萃為缺数」より推して来るなり、其余の各卦は皆前賢の験証せる所なり。)
筮婚姻咸恆節泰者吉,變沖不吉,睽革解離者凶,化合亦凶。後嗣有無,昔筮大畜而得子,筮蒙而得子,筮渙而得孕,曰腹內懷人也,筮大有同人,及乾與剝而有雙胎,曰丙戊兩胎於子也。(昔商瞿將如齊,四十未嗣,夫子蓍之,得大畜九三,後有五丈夫子;周易蒙訓為童蒙,補遺雲渙腹中懷人。以上諸卦,皆憑卦斷而不及爻用,前賢往有成驗。)
婚姻を占して、《咸》《恒》《節》《泰》を得るを吉と為す、然るに六沖に化成せば則ち不吉なり。《睽》《革》《解》《離》を得るを凶と為す、便ち六合に化成するも亦仍お凶なり。後嗣の有無を占すれば、従前《大畜》を占得して子を得たる有り、《蒙》を占得して子を得たる有り、《渙》を占得して孕有る有り、説に「腹内人を懐く」と曰う。《大有》《同人》および《乾》《剥》を占得して双胎を懐く有り、説に丙・戊の両干同じく子位に胎すと曰う。(注:従前商瞿斉国に行かんと将にして、四十歳にして未だ子嗣なく、孔子彼に替わりて蓍を起し、《大畜》の九三を得、後来五箇の児子を生めり。《周易》の《蒙》卦は童蒙と訓し、《補遺》に《渙》は腹中の人を懐くを主ると曰う。以上の此の等の例は皆卦に憑じて断じて爻の用神に渉及せず、前賢確かに曽て屡屡験証せり。)
且有因卦象而取義,因卦義而利用者。如筮國得否泰,則君子小人可知,得損益,則豐荒可見;筮道業,得艮復咸無妄而成心學;筮儒業,得賁旅坤離而煥文章;筮科第,得乾震而魁黃甲;上疏,豈宜屯蹇,面聖,最喜晉升。(夫子自筮得旅,筮賁而憂文勝,坤離為文章,震乾得第,皆舊傳也。)
還て卦象に因りて義を取り、卦義に因りて用を取る有り。例えば国事を占して、《否》《泰》を得れば即ち是れ君子道長か小人道長かを知り、《損》《益》を得れば則ち年成の豊歉を看出す能きなり。修道の業を占して、《艮》《復》《咸》《无妄》を得れば心性の学を成就す可し。儒業を占して、《賁》《旅》《坤》《離》を得れば文章煥発す。科第を占して、《乾》《震》を得れば能く榜首に高中す。疏を上り言を進むるに、何ぞ《屯》《蹇》に宜しからん。天子に朝見するに、最も《晋》《升》を喜ぶ。(注:孔子自ら筮を起して《旅》を得、《賁》を占得して文の質に勝たんを憂慮せり。《坤》《離》は文章を主り、《震》《乾》は中第を主る——此の等皆是れ旧日相伝の説法なり。)
如噬嗑之日中為市,而宜於賈肆,渙之木在水上,而利於江河;離以佃魚,隨以駕馬,益以農田,睽以鋤亂;如艮離咸蠱,占蠶而有收,噬嗑鼎頤,占畜而主烹;占起造以大壯為吉,占父母病以大過為凶;防火得離,防盜得坎,防非得噬嗑與訟,防害得明夷小過與損,皆卦忌所列也。(右卦亦舊傳所載,時有徵驗,然兼察用象更確。)
又如《噬嗑》は「日中為市」の象を取り、店を開き商を経するに宜し。《渙》は木水上に行くの象を取り、江河に船を行ずるに利あり。《離》は田猟捕魚に宜しく、《随》は車を駕し馬に服するに宜しく、《益》は農田耕作に宜しく、《睽》は禍乱を鋤除するに宜し。《艮》《離》《咸》《蠱》の如きは、蚕を養うを占して収成有るを主る。《噬嗑》《鼎》《頤》は、畜養を占して宰烹せらるるを主る。興造を占するは《大壮》をもって吉と為し、父母の病を占するは《大過》をもって凶と為す。火を防ぐに《離》を得、盗を防ぐに《坎》を得、是非を防ぐに《噬嗑》《訟》を得、損害を防ぐに《明夷》《小過》《損》を得——此の等皆卦忌の中に列す。(注:以上の此の等の卦例も亦旧伝の載する所なり、時に徴験あり。然るに再び兼ねて用神の象を看れば更に確切なり。)
且有古史所記占驗者,如觀之否,而媯育嗣於姜,歸妹之睽,而晉依秦婚而復國。(陳敬仲奔齊,後大為田氏,晉公女為秦穆夫人,後依秦而復晉。)困之大過而夫隕,不利室家;出師遇復而射目,不利應敵。(陳文子言夫從風,風隕,不利娶婦;崔氏後敗,射目,晉伐楚也。)
還て古代史書の記する所の占験の例あり。《観》の《否》に変ずるが如きは、陳国妫氏の一族斉国に生根繁衍せり。《帰妹》の《睽》に変ずるは、晋国秦国と聨姻するに靠りて復国せり。(注:陳敬仲奔りて斉国に出で、後代大興して田氏と為る。晋国の公女秦穆公に嫁して夫人と為り、晋公子後来秦国に依頼して復国せり。)《困》の《大過》に変ずるは丈夫殞命を主り、家を成すに利あらず。出師して《復》を得て「眼に射中る」の象有り、敵に迎うに利あらず。(注:陳文子の説に丈夫は風の如く、風一たび墜落すれば則ち殞命す、婦を娶るに利あらず、後来崔氏果然として敗亡せり。「射目」の事は、晋の楚を伐つの役を指すなり。)
屯之比而得名,屯之豫而得國,遇蠱而敵敗,遇泰而謀成。(畢萬筮仕於晉,得屯之比,見左傳。晉公子重耳,筮適秦而得屯之豫,秦伯伐晉得蠱,晉公子復國得泰,右卦聊述舊聞,然與金錢筮義,斷亦少殊,不宜執一而斷也。)
《屯》の《比》に変じて功名を得、《屯》の《豫》に変じて国を得、《蠱》に遇いて敵人敗亡し、《泰》に遇いて事を謀る成功す。(注:畢万晋国に在りて仕に出づるを占問し、《屯》を得て《比》に変ず、事《左伝》に見ゆ。晋公子重耳秦国に往かんを占問し、《屯》を得て《豫》に変ず。秦伯晋を伐ちて《蠱》を得。晋公子復国して《泰》を得。以上の此の等の卦例は姑く旧聞を記述す。然るに其の金銭卦の筮法義例と畢竟稍々不同なり、一端を死執して断ずるに宜からず。)
又有以德以位,配蓍而昌,失德逆天,得吉而亡者。子儀應乾五之大人,晦庵守天山之肥遁(?),宋祖筮離而違方,明宗得乾而復國,南蒯得坤之六五而反敗,志逆天也;穆姜筮艮之八二而兆凶,戒失德也。(古人亦有筮吉得凶之事,德不足以配蓍也。先師星元,於出妻者得泰而言凶,勸之終合;瞽於健訟者得豫,戒勿終訟,不聽而凶,泰豫本吉,而筮者志凶,則吉凶反應,此亦足為占者之戒也。)
還て一種の情形あり。徳行に憑じ地位に憑じて蓍卦に配う足るは則ち昌盛し、徳を失い天に逆らうは、便ち吉卦を占得するも亦終に敗亡に帰す。郭子儀は《乾》の九五「利見大人」の象に応え、朱熹は天山《遯》卦の「肥遯」の義を守れり(此処旧本の旁に疑問の記号あり)。宋太祖は《離》を占得するも卻て方位に違背し、後唐明宗は《乾》を得て復国せり。南蒯は《坤》の六五を占得す、本より是れ吉爻、反りて失敗せり、其の心志天に逆らえばなり。穆姜は《艮》の八二を占得して兆象凶を為す、是れ其の失徳を戒むるなり。(注:古人も亦吉卦を占到して凶事に遇う有り、是れ徳行の蓍卦に配う足らざるなり。先師星元妻を休せんと要する人に遇いて《泰》を占得す、卻て凶と断じ、其の終に復合せんを勧む。我自己好んで官司を打つ人に遇いて《豫》を占得す、其に訟事を底まで打つ勿れと告誡す、其れ聴かずして果然として凶に遭う。《泰》《豫》は本より吉卦なれども、占卦の人の心志是れ凶なれば、吉凶則ち反転して応験す——是れ亦占者の戒鑑と為すに足るなり。)
易冒巻之五
類総章第四十一
卜筮之道,因象以見吉凶;吉凶之見,因事以兆趨避;趨避之兆,乃係用神;用神所繫,殊途而同歸,萬變而一致。辨之不詳,而吉凶趨避,不得其正矣。(此言卜筮大法,以用神為本。)用神之法,或以卦,或以爻,或以內外,或以世應,或以五行六親而考,或以八卦六神而占,然後以年月日時經之,飛伏互變緯之,旺相建生空破散絕進退刑害消息之,大抵舍靜求動,舍衰求旺,舍病而求不病,而吉凶之輕重遲速應矣。(此言用神不一,止執六親者不廣也。)
卜筮の道は、卦象に憑じて吉凶を顕示す。吉凶既に顕れ、又具体の事に憑じて趨避を兆示す。趨避の兆象は、全て用神の上に係る。用神取法同じからざるといえども、卻て殊途同帰して万変して一致に帰す。若し辨别するに細ならざれば、吉凶趨避は正解を求め得ざらん。(注:これは卜筮の大法を講ずるなり、用神をもって根本と為す。)用神を取るの弁法は、整卦より取る有り、単爻より取る有り、内外卦より取る有り、世応より取る有り、五行六親に按じて考察する有り、八卦六神に按じて占する有り。然後年・月・日・時を用いて経線と作し、飛・伏・互・変を用いて緯線と作し、再び旺相・日建・長生・旬空・月破・沖散・臨絶・進神・退神・刑・害等々をもって消長を権衡す。大体の原則は、静を舍てて動を取り、衰を舍てて旺を取り、病有るを舍てて病なきを取る。かくの如くして吉凶の軽重遅速は則ち皆対上す。(注:これは用神を取るの途徑一条に止まらざるを説くなり、只死守して六親の一法する人は之を狭隘に失す。)
其法先辨卦後辨爻,卦有卦用,爻有爻用。卦用有八:一內外,二沖合,三反伏,四墓絕,五歸遊,六卦候,七卦義,八卦驗。何謂內外?如占家而內為人,外為宅,內宜守,外宜遷也。何謂沖合?如三沖之卦,天人不交,始終不協,六合之卦,賢親夾輔,人事順成也。
取用の次第は先ず卦を辨じ後に爻を辨ず。卦に卦の用法あり、爻に爻の用法あり。卦用に八項あり。一は内外、二は沖合、三は反吟伏吟、四は墓絶、五は帰魂游魂、六は卦候、七は卦義、八は卦験なり。何をか内外と謂う。例えば家宅を占して、内卦は人を代表し外卦は宅を代表す。内卦力有れば旧を守るに宜しく、外卦力有れば遷移に宜し。何をか沖合と謂う。例えば六沖の卦は、天と人と相交接せず、始終協調する能はず。六合の卦は、賢者親者左右に夾輔し、人事順遂成就す。
何謂反伏?反吟而心反事悖,伏吟而神忒氣分,唯國占師占人宅之忌也。何謂墓絕?如震化坤,木墓未而絕申,離化乾,火墓戌而絕亥,唯國占師占身命住基疾病之凶也。何謂歸遊?歸魂主不出,游魂主無定也。何謂卦候?候逢旺相,不以日沖為破,卦值死囚,不以日建而興,唯邦畿人宅之占也。
何をか反吟伏吟と謂う。反吟に逢えば則ち人心背離し事情乖違し、伏吟に逢えば則ち神気失有り精気渙散す——これ只国事・用兵・人口と住宅とを占する時にのみ忌む。何をか墓絶と謂う。例えば《震》の《坤》に化するは、木は未に墓し申に絶す。《離》の《乾》に化するは、火は戌に墓し亥に絶す——これ只国事・用兵・身命・宅基・疾病を占する時にのみ凶と算す。何をか帰魂游魂と謂う。帰魂は人門を出でざるを主り、游魂は心定準なきを主る。何をか卦候と謂う。卦正しく旺相の候に当たれば、則ち日辰の来たりて沖するに因りて破と算せず。卦死囚の候に落つるも、亦日建に因りて振興せず——これ只疆域と人宅とを占するの上に用うるのみ。
何謂卦義?如筮晴雨喜乾離之晴,占墳塋畏風水之卦也。何謂卦驗?如筮渙而言腹內懷人,噬嗑而言日中為市也,此卦用也。故用有取於卦者,先卦而後爻也。(此專重卦體論也。卦候所司者遠,故不以日為興廢,如震當旺相,雖值酉日而震不破,坎當死囚,雖遇子日而坎仍死也。)
何をか卦義と謂う。例えば晴雨を占して、《乾》《離》を得るを喜びて晴を主る。墳塋を占して、風・水の卦を得るを怕る。何をか卦験と謂う。例えば《渙》を占得すれば則ち腹内人を懐くと曰い、《噬嗑》を得れば則ち日中為市と曰う。以上皆是れ卦の用法なり。ゆえに凡そ卦の上より用神を取るは、則ち先ず卦を看て後に爻を看る。(注:此の段は専ら卦体を講ず。卦候の管する所の時段は長遠なり、ゆえに一日の力をもって其の興廃を定めず。例えば震卦正しく旺相に当たれば、縦え酉日に逢うとも破と算せず。坎卦正しく死囚に当たれば、縦え子日に逢うとも仍旧是れ死なり。)
次辯爻,爻用有六:一世應,二兩身,三六親,四六神,五爻位,六變互。何謂世應?世本應末,世主應人,成卦之主宰也。何謂兩身?一卦身,二世身,卦身較重也。何謂六親?財官父兄子,用之各有主也。何謂六神?龍雀勾蛇虎武,忌之各有司也。何謂爻位?如初為地,上為天,五為君,二為臣,因事有屬也。何謂變互?動則觀其變,靜則占其互,因用而求也,此爻用也。故用有取於爻者,舍卦而從爻也。(此專重爻象論也。)
其次は爻を辨ず。爻用に六項あり。一は世応、二は両箇の「身」、三は六親、四は六神、五は爻位、六は変卦互卦なり。何をか世応と謂う。世は本と為り応は末と為り、世は自己を代表し応は他人を代表す、是れ成卦の主宰なり。何をか両身と謂う。一は卦身、二は世身、其の中卦身の分量較重なり。何をか六親と謂う。即ち妻財・官鬼・父母・兄弟・子孫にして、取用する時各々主る所有り。何をか六神と謂う。即ち青龍・朱雀・勾陳・騰蛇・白虎・元武にして、忌諱する時各々司る所有り。何をか爻位と謂う。例えば初爻は地と為り上爻は天と為り五爻は君と為り二爻は臣と為り、所占の事に随いて各々帰属有り。何をか変互と謂う。爻動けば則ち其の変卦を看、爻静なれば則ち其の互卦を占す、取用の需要に随いて求む。以上皆是れ爻の用法なり。ゆえに凡そ爻の上より用神を取るは、則ち卦を舍てて爻に従う。(注:此の段は専ら爻象を講ず。)
然成卦之主,世應為重,其忌亦有十:有空、有破、有絕、有散、有墓、有動、有合沖、有隨墓、有助傷、有升降進退,空則無成,破則多敗,絕則多困,散則全失,墓則難舉,動則多變,合沖則將成而敗,隨墓訟病之惡地,助傷災患之凶徵,進升如火之始燃,退降如木之方落,此其象也。故事須我成必以世,官以官成,文以文成,而世空則不成;事因人得必以應,財以財得,文以文得,而應空則不得。故用有取於世應者,舍卦爻用象而從世應也。(此言世應為卦主,故又詳其所忌。)
然るに成卦の主宰は、仍お世応をもって最も重しと為す、其の忌む所有十項あり。空に逢い・破に逢い・絶に逢い・散に逢い・墓に入り・発動し・合処逢沖・随鬼入墓・助鬼傷身・昇降進退なり。空に逢えば則ち事成らず、破に逢えば則ち多く敗れ、絶に逢えば則ち多く困み、散に逢えば則ち全然落空し、墓に入れば則ち振作し難く、発動すれば則ち多く変故あり、合処逢沖すれば則ち将に成らんとして敗る。随鬼入墓は訟事・疾病の悪地にして、助鬼傷身は災患の凶兆なり。化進神・昇爻に居るは火の剛く点着するが如く、化退神・降爻に居るは樹葉の正しく凋落するが如し——これ即ち其の各々の象なり。ゆえに凡そ事の自己に靠りて成るは、必ず世爻を看る。官を占するは官爻に靠りて成り文を占するは文書爻に靠りて成る、然るに世爻若し落空すれば則ち成る能はず。凡そ事の別人に靠りて始めて得るは、必ず応爻を看る。財は財爻に靠りて得文は文書爻に靠りて得る、然るに応爻若し落空すれば則ち得着せず。ゆえに凡そ世応より取用するは、則ち卦象爻象を舍開して専ら世応に従う。(注:これは世応は一卦の主たるを説くなり、ゆえに又詳しく其の忌諱を列す。)
若萬類之求,六親為用,用不可勝紀也,各以其類求之,有用神則必有忌神,忌則喜靜、喜衰、喜制;有用神必有元神,元則喜動、喜旺、喜生。故六親之中,官鬼多凶,然有無鬼無氣之嫌,父母為勞,然有無父無頭之喻;六親之中,財福為吉,亦為求名之惡客,兄弟無功,亦為子福之元神,此六親用也。故用有取於六親者,亦略世應而從六親也。(此言六親為用主,故須明其元忌。)
万事万物の求に至りては、皆六親をもって用神と為し、用法多くして数え尽くす能はず、各々事情の類別に按じて求む。用神有れば則ち必ず忌神あり、忌神は其の安静なるを喜び其の衰弱なるを喜び其の制せらるるを喜ぶ。用神有れば則ち必ず元神あり、元神は其の発動するを喜び其の旺相なるを喜び其の生を得るを喜ぶ。ゆえに六親の中、官鬼は多く凶を主る、然るに卦中鬼なければ又「無気」の嫌あり。父母は操労を主る、然るに父母なければ又「無頭緒」の喻あり。六親の中、妻財・子孫は本より是れ吉神なれども、功名を求むる人に対しては卻て是れ悪客なり。兄弟は本より功なきも、卻て又是れ子孫福神の元神なり。此の等皆是れ六親の用法なり。ゆえに凡そ六親より取用するは、則ち世応を把りて其次に放ちて専ら六親に従う。(注:これは六親は取用の主たるを説くなり、ゆえに必ず其の元神と忌神とを弄清するを要す。)
是以察鬼神之情,莫親於動變,變能克動象,動不能生變象,動能生本卦之靜爻,變不能克本卦之靜爻。變爻空破死絕,動爻不受其生克矣;動爻空破死絕,變爻生則救而克愈凶矣。唯一爻獨發,尤貴知微。此動變之當察也。(此言用爻之後,動變為重,變爻止與本動爻為生克,近泛及本卦靜爻者非。)
ゆえに鬼神の情態を察知するに、動爻・変爻より更に貼近するはなし。変爻は能く本位の動爻を剋し、動爻は卻て変爻を生ずる能はず。動爻は能く本卦の静爻を生じ、変爻は卻て本卦の静爻を剋する能はず。変爻若し空・破・死・絶に逢えば、動爻は則ち其の生剋を受けず。動爻若し空・破・死・絶に逢えば、変爻来たりて生ずれば便ち是れ救助にして、変爻来たりて剋せば則ち更に凶なり。唯だ一爻独発の時のみ、尤も見微知著を貴しと為す。これ即ち動爻変爻の当に細察すべき処なり。(注:これは用爻を定めたる後、動爻変爻最も緊要たるを説くなり。変爻は只其の本位の動爻と生剋を発生し、近来或る人之を汎及して本卦静爻に至らしむ、是れ錯りなり。)
搜用神之方,莫備于飛伏。伏克飛者出,飛生伏者得,飛克伏者滅,伏生飛者沒,飛伏比和者拔,飛神空者易推,伏神空破死絕者不舉,而出不出分焉。是以伏神滅沒者雖臨日月而不取也,飛神破散,伏神雖生旺而無功也。先用世下伏,次動下伏,次靜下伏,此飛伏之當搜也。(此言用爻之求,飛伏為詳,雖臨日月不取,止用虛懸日月也。此滅沒破散,言其靜也。)
用神を捜求するの門路は、飛伏より更に周備するはなし。伏神飛神を剋せば則ち能く出づ。飛神伏神を生ぜば則ち能く得。飛神伏神を剋せば則ち伏神滅せらる。伏神飛神を生ぜば則ち伏神泄没せらる。飛伏五行比和せば則ち伏神能く提拔せられて出づ。飛神落空せば、伏神容易に透出す。伏神自身空・破・死・絶に逢えば、則ち起き来る能はず——「出」と「不出」との分別は即ち此処に在り。ゆえに伏神已に滅せられ泄没せらるるは、縦え正しく日月に臨むとも取らず。飛神已に破れ已に散ぜるは、伏神縦え生旺なるとも功なし。伏神を取るの次第は、先ず世爻の下の伏神を取り、其次は動爻の下の、再次は静爻の下のなり。これ即ち飛伏の当に捜求すべき処なり。(注:これは用爻を求むるは飛伏の上に求めて詳尽するを要すを説くなり。いわゆる「日月に臨むといえども取らず」は、此の時只虚懸して日月を借用するのみを説くなり。此処の説く滅・没・破・散は、皆静爻に就きて言うなり。)
定旺衰之權,莫專於日月。日月之象,為君主、為將令,爻神孰能忤之,故雖旺動世應之爻,莫不咸服其化。日月克之,動變生之,雲貪生而忘克;動變克之,日月生之,如被溺而得援。日建不受三旬之破,月建不落一旬之空,化克破而無傷,化空退而不礙。故月建以旺相休囚死之法為主,須知金生之內有克,土絕之內有生也;日將以長生十二法參之。月沖破,日沖散,月重克,日重絕,日有隨墓助傷,而月則無也,故日尤親。此日月之當權也。(此言旺衰專憑日月,月重旺相休囚死五法,日重長生帝旺墓絕也。)
旺衰を定むるの権柄は、日・月より更に専断するはなし。日月の象は、譬えば君主・将令の如し、孰れの爻神か敢えて違抗せん。ゆえに便ち旺相発動の世応の爻なるとも、其の化育に服従せざるなし。日月来たりて之を剋して動爻変爻来たりて之を生ずるは、これを「貪生忘剋」と曰う。動爻変爻来たりて之を剋して日月来たりて之を生ずるは、譬えば水に溺れて救援を得るが如し。日建は如何なる一旬の旬空の破をも受けず、月建は一旬の空に落ちず。日月の爻は縦え剋神・破神を化出するも亦傷を受けず、縦え空に化し退に化するも亦妨礙なし。ゆえに月建は旺・相・休・囚・死の此の五法をもって主と為す——然るに金は巳に在りて長生を得るといえども、其の中火の剋を含むを知るを要し、土は巳に在りて絶地に臨むといえども、其の中火の生を含む。日辰は則ち十二長生の法を用いて参看するを要す。月は沖破を主り、日は沖散を主る。月は「剋」に重んじ、日は「絶」に重んず。日辰に「随墓」「助傷」の説あり、月建は則ちなし。ゆえに日辰更に切近を為す。これ即ち日月の当権する処なり。(注:これは旺衰は専ら日月に憑るを説くなり。月は旺相休囚死の五法に重んじ、日は長生・帝旺・墓・絶に重んず。)
於是而辨其合沖,有卦爻之分,卦六沖,始即沖也;合處逢沖,沖其中也;合處變沖,沖其後也。若爻合而沖,成而解也,爻沖而合,戰而和也,動合而絆,靜合而起也。故合法有三:有生合、克合、刑合,蓋生合吉而克合凶,刑次之。
接続して合と沖とを辨ずるを要す、此処に卦と爻との分別あり。整卦六沖は、是れ一開頭に則ち沖す。合処逢沖は、是れ中途に沖す。六合の卦六沖を化出するは、是れ後頭に沖す。単爻に至りては、先ず合して後に沖せらるるは、是れ已に成りて又解散す。先ず沖して後に合を得るは、是れ先ず交戦して後に講和す。動爻合に遇えば絆住せられん、静爻合に遇えば反りて提起せらる。合の方式に三種あり。生合・剋合・刑合——生合は吉と為り、剋合は凶と為り、刑合は中に居る。
沖法有五:相扶而沖者謂之暗動,一也;相絕而沖者謂之散,不及暗動,二也;相胎而沖者,我克為動,克我為散,三也;胎絕之沖,旺相為動,休囚為散,四也;暗沖之散,勝動沖之散,動散無暗散敝,五也。暗動之象,吉凶禍福,隱然而來;暗散之象,吉凶禍福,默然而去也。自沖有三:謂卦內動爻自相沖也,力相敵者皆散,一也;臨日月不散,二也;一旺一衰,則衰散而旺動,三也。此合沖之當分也。(此言合沖輕重,沖法尤詳日沖本篇。)
沖の方式に五種あり。一は彼此相扶きて相冲する、を「暗動」と曰う。二は彼此相絶して相冲する、を「散」と曰う、力量は暗動に及ばず。三は胎位の上に処りて相冲する、我往きて之を剋せば則ち動を成し、其れ来たりて我を剋せば則ち散を成す。四は胎位と絶位との沖、爻旺相なれば則ち動と為り、爻休囚なれば則ち散と為る。五は暗沖の致す所の散、動爻相冲の致す所の散より更に徹底す——動爻の沖散せらるるは還て暗散の如く敗壊せざるなり。暗動の象は、吉凶禍福は暗暗の裡に到来す。暗散の象は、吉凶禍福は默默の裡に離去す。「自沖」に三種の情形あり。卦内の両箇の動爻の自ら相冲するを指す——力量相當するは両敗倶散す、これ一なり。其の中若し日月に臨む有れば則ち散ぜず、これ二なり。一旺一衰なれば、則ち衰のは散じて旺のは動く、これ三なり。此の等即ち合沖の当に分辨すべき処なり。(注:此処は合沖の軽重を講ず。沖の用法は前面の《日沖章》に更に詳細に講ず。)
於是而辨其月破旬空。旬空之法有八:月破而空,謂之壞空,一也;月克而空,謂之全空,二也;月生日克,日生月克,謂之克空,三也;無生無克,謂之安空,四也;日月獨生,謂之半空,五也;日月生扶,謂之旺相空,旬內空而旬外實,六也;日沖則實,動空則實,月建臨之則實,皆謂之填實空,七也;動空而遭破,縱動無功,空沖而遇絕散,雖沖不力,八也。
接続して月破と旬空とを辨ずるを要す。旬空の情形に八種あり。一は月破にして又落空する、を「壊空」と曰う。二は月建の剋する所と為りて落空する、を「全空」と曰う。三は月に生ぜられ日に剋せられ、或いは日に生ぜられ月に剋せらるる、を「剋空」と曰う。四は既に生なく亦剋なき、を「安空」と曰う。五は日・月の中只一箇の来たりて生ずる有る、を「半空」と曰う。六は日月皆来たりて生扶する、を「旺相空」と曰い、本旬の内は是れ空にして、此の一旬を出れば則ち実なり。七は日辰に沖せられれば則ち填実し、空にして発動すれば則ち填実し、月建之に臨むも亦填実す、皆「填実空」と曰う。八は空にして発動するも卻て破に遭う、縦え発動するも亦功なし、空にして沖に遇うも卻て又絶に逢い散に逢う、沖せらるるといえども亦力なし。
若伏藏之空,陰陽之空,旬首旬尾之空,數學所有,然非所深論也。月破之法有三:破臨鬼動而凶,破臨動沖而無,一也;臨日不破,二也;遇時不破,三也。此空破之當分也。(此言空破深淺,遇時月破之爻,及後值月而不破也。)
伏神落空・陰爻陽爻の空・旬首旬尾の空に至りては、数術家皆此の等の名目有るといえども、深論するに値せず。月破の情形に三種あり。一は月破の爻若し官鬼に臨みて発動すれば則ち凶、若し動爻に臨みて又沖せられれば則ち無きに等し。二は其れ若し正しく日辰に臨まば則ち破と算せず。三は合適の時令に遇うも亦破と算せず。此の等即ち空と破との当に分辨すべき処なり。(注:これは空破の深淺を講ず。いわゆる「遇時」は、月破の爻後来に到りて正しく其の当令する彼の月に値えば、則ち破と算せずを指す。)
於是而參之刑害局化。刑害之法,仍權於五行之生克為輕重,子卯之刑,刑輕而生重也;酉戌之害,生深而害淺也。蓋刑為恥辱,害為怨離也。局化之法,局用其中支,化重其日干,故我遇破空絕散,是雲徒合,有寅戌而無午,是名假局。六氣用常,五運用特,爻幹不發,則無運本,日干不合,則無化因。此刑害局化之難執也。(此言刑害局化四法,參用而不可執也。)
接続して刑・害・三合局と天干合化とを参看するを要す。刑と害とは、仍お五行の生剋をもって軽重を権衡するを要す。子は卯を刑す、刑の分量は軽くして水生木の分量は重し。酉は戌を害す、戌土の酉金を生ずる分量は深くして相害の分量は淺し。刑は耻辱を主り、害は怨恨離間を主る。三合局と合化とは、三合局は其の中神を取りて主と為し、天干合化は則ち日干をもって最も重しと為す。ゆえに我が此の一爻若し破・空・絶・散に遇えば、便ち合有るとも也只是れ「徒合」なり。只寅と戌と有りて午を缺けば、則ち「假局」と曰う。地支の六気は尋常の占に用い、天干の五運は特殊の占に用う。爻の上の天干若し発動せざれば、則ち運を起すの根本なし。日干若し之と相合せざれば、則ち合化の縁由なし。此の等即ち刑・害・局・化の四法の死執し難き処なり。(注:これは刑・害・局・化の四法は只参用するのみ拘執す可からざるを説くなり。)
於是而參之六神星煞。六神之用,必以六親為本,子孫駕青龍而稱慶,玄武失官鬼而非偷。星煞吉凶,必以爻神為本,貴人見而官文兩陷,未遂凌雲,子孫空而天喜乍臨,豈皆夢日。此六神星煞之難泥也。(此言六神星煞,參看而不當泥也。)
接続して六神と星煞とを参看するを要す。六神の用法は、必ず六親をもって根本と為す。子孫爻青龍に乗ればこそ称慶す可く、元武若し官鬼に臨まざれば則ち偸盗を主らず。星煞の吉凶も、亦必ず爻神をもって根本と為す。貴人出現するといえども、官爻・文書爻双双に陥落すれば、仍お青雲直上する能はず。子孫爻落空して天喜恰好身に臨むも、亦未だ必ずしも皆夢日の祥に応ずる能はざるなり。此の等即ち六神星煞の拘泥す可からざる処なり。(注:これは六神星煞は只参看するのみ拘泥すべからざるを説くなり。)
合而論之,則用神為獨重,嘗總其吉凶輕重而辨之,蓋十有八法焉:一曰日神,二曰月將,言用臨日月也;三曰旺,日月之扶也;四曰相,日月之生也;五曰生,生言貪生忘克,轉轉來生也;六曰變生,七曰動生,變生親而動生疏也;八曰安,無傷而無洩也;八者用神全吉之象也。
綜合して言えば、用神最も緊要と為す。我曽て用神吉凶の軽重を総括して分辨するに、共に十八法あり。第一を「日神」と曰い、第二を「月将」と曰い、用神正しく日建・月建に臨むを指す。第三を「旺」と曰い、是れ日月同類の扶を得るなり。第四を「相」と曰い、是れ日月の生ずる所を得るなり。第五を「生」と曰い、貪生忘剋・輾転して爻の来たりて生ずる有るを指す。第六を「変生」と曰い、第七を「動生」と曰い、変爻の来たりて生ずるは較親にして動爻の来たりて生ずるは較疏なり。第八を「安」と曰い、既に傷を受けず亦泄せられず。此の八種は、用神全吉の象なり。
九曰有玷,或日克而月生,或月克而日生,吉之半也;十曰旺相空,吉之又半也;十一曰安空,有生無克,求多不得而未至喪也,此用神半吉之象也。
第九を「有玷」と曰い、或いは日辰来たりて剋して月建来たりて生じ、或いは月建来たりて剋して日辰来たりて生ず、吉は只一半を剩す。第十を「旺相空」と曰い、吉は又一半を減ず。第十一を「安空」と曰い、生有りて剋なし、求むる所多く半は得ざるも、卻て亦未だ喪失に至らざるなり。此の三種は、用神半吉の象なり。
十二曰洩氣,謂日月動爻皆洩用神之氣,物不生矣,重於安空,有生僅全,有克乃沒;十三曰死氣,雖不遇空破,而日月動爻或一再克之,而無明暗之生,亦重於安空也;十四曰日破,日月克傷,時令休囚,爻神被沖,破其半矣,又重於死氣也;十五曰月破,破而尚存其質也;十六曰克空,日月動爻克之且空,是無救也;十七曰竟無,謂日月飛伏變互,皆不得其用神,又重於克空矣;十八曰散,謂動逢日神變動之沖而散,雖救之無從,是謂大凶,此用神凶陷之象也。本此而精研之,而後吉凶之輕重無惑矣。(此看用神十八法,最為卜筮之要,唯竟無若當時相,及一象來生,猶勝於死氣。)
第十二を「泄気」と曰い、日・月・動爻皆用神の気を泄するに在るを指し、物は生長する能はず、安空に比べて更に重し——別に生扶有れば還て保全する能く、再び剋せられれば則ち沈没せん。第十三を「死気」と曰い、空破に遇わざるといえども、日・月・動爻の中一両処の来たりて之を剋する有り、又明生暗生なければ、亦安空に比べて更に重し。第十四を「日破」と曰い、日月剋傷し時令休囚して爻神又日辰の沖する所と為る、已に一半破れたり、死気に比べて更に重し。第十五を「月破」と曰い、破るといえども形質尚存す。第十六を「剋空」と曰い、日月動爻の剋する所と為りて又落空す、救う可き藥なし。第十七を「竟無」と曰い、日・月・飛・伏・変・互の中通通用神を尋ね得ざるを指し、剋空に比べて更に重し。第十八を「散」と曰い、動爻日辰或いは変爻の来たりて沖するに遇いて沖散するを指し、救わんと欲するも下手するに従う無し、これ是れ大凶なり。以上の此の等は、用神凶陥の象なり。此の十八法に依りて精研細究せば、吉凶の軽重則ち再び迷惑せざらん。(注:此の套の用神を看るの十八法は、最も是れ卜筮の要訣なり。唯だ「竟無」の一項のみ、若し缺くる所の用神正しく時令の相に当たるか、或いは別に一象の来たりて生ずる有れば、還て「死気」に勝る。)
明於此而吉凶之占,刻期而定矣。刻期之法,卦無用而值日成,爻忌動而填用滅,主象空而沖可獲,用爻旺而墓乃收,絕逢生而出焉,衰遇扶而成矣。(此定日刻期之秘。忌神動而用避之,佳其避也,後用值填實,反宜慎之。)
此の等を明白せば、吉凶の占は則ち能く確切の日期を定出す。期を定むるの法則は、卦中用神を見ざれば、則ち用神日に値する其の天に事成る。忌神発動して用神空を避くれば、則ち用神を填実する其の天に事敗る。用神本より是れ主象にして落空せば、沖空の其の天を待ちて獲得す可し。用爻旺相なれば、則ち入墓の其の天に収成す。用爻絶に臨まば、則ち生に逢う其の天に出頭す。用爻衰弱なれば、則ち扶を得る其の天に事成る。(注:これは日を定め期を刻するの秘訣なり。忌神発動して用神之を避けて落空するは、正好其の躲避を取る。後来用神填実せらるるに至りては、反りて謹慎するを要す。)
明於此而先聖之旨,無遁情矣。先聖之旨,未索其善而先索其不善,未搜其利而先搜其不利。蓋既無其不善,而後索其善而善之,既無其不利,而後搜其利而利之,此卜筮之秘也。瞽以涼德,不幸而盲於目,幸從師友得聞聖賢之遺書,竭神明之通變,敢自惜其一得,而使微言遂成絕學乎?唯後之學易者,毋以小道忽也。(此總看卦爻用象大法也。)
此の等を明白せば、先聖占を立つるの本旨も亦隠蔵する所なし。先聖の本旨は、先ず其の好き一面を尋ねずして、而して先ず其の好からざる一面を尋ぬ。先ず其の有利の処を捜せずして、而して先ず其の不利の処を捜す。不好なきを確認して然後再び其の好きを尋ね之を把りて弁好し、不利なきを確認して然後再び其の有利を捜し之を把りて成做す——此乃ち是れ卜筮の秘要なり。我が此の瞽者は徳浅薄にして、不幸にして双目失明す、幸いに師友より聖賢の遺書を得聞し、心神を竭くして其の変化を通暁す。怎ぞ敢えて自己此の一点の心得を舍不得とし、此の等の精微の言をして此に就きて絶学と為らしめんや。只望む後来《易》を学ぶの人、之を把りて小道と為して軽忽する勿らんことを。(注:これは総論して卦を看・爻を看・用象を取るの大法なり。)
国事章第四十二
(內詳遷都建廟擇後立儲改制享國諸問)為國之要,必以進忠良,為萬民之福,故福爻不可失也;必以退奸宄,去四海之疾,故鬼象不可動也。(凡國占皆喜福臨,而惡鬼動,此其大象也。)是以內為邦畿,外為人民,卦宮安旺而國祚長,爻象合和而宗社久;沖莫見於正之,合莫被於破害,則天下和平,而國家奠安矣。(次觀旺衰動靜合沖。)
(本章は詳しく遷都・建廟・擇后・立儲・改制・享国年数等の問目を列す。)国を治むるの要務は、一は忠良を進用するに在り、是れ万民の福なり、ゆえに子孫福爻缺失す可からず。一は奸邪を斥退するに在り、是れ四海に替わりて病を除くなり、ゆえに官鬼の象発動す可からず。(注:凡そ国事を占するは皆子孫の爻に臨むを喜びて官鬼の発動を悪む、これ是れ大綱なり。)内卦は国家疆域を代表し、外卦は百姓を代表す。卦宮安穩旺相なれば則ち国運久長にして、爻象和合すれば則ち宗廟社稷長存す。沖は四正の位に出現せず、合は破壊と相害とを遭受せざれば、則ち天下太平にして国家安定す。(注:其次は旺衰・動静・合沖を看るを要す。)
皇陛親占,以世爻為主象,宜臨日月生扶;臣下筮國,以九五當尊位,忌隨墓空破。親占而應合世者,後德著於樛木;臣占而二持福者,母儀冠於掖庭。(臣子占五為君,二為後,故云。)
皇帝親ら来たりて占せば、世爻をもって主象と為し、宜しく日建・月建の之に臨む或いは来たりて生扶する有るべし。臣下国事を占問せば、則ち第五爻をもって君位と為し、其の随鬼入墓する或いは空に逢い破に逢うを忌む。皇帝親ら占して応爻世爻と相合すれば、是れ皇后の徳《詩経・樛木》の詠ずる所の如く彰顕するなり。臣下来たりて占して第二爻の上に子孫福神有れば、是れ後宮母儀の徳掖庭に冠絶するなり。(注:臣子国を占するは、五爻をもって君と為し二爻をもって后と為す、ゆえにかくの如く曰うなり。)
推之爻位,初為國本,二為士人,三乃萬方之守牧,四為九州之屏藩,上為宗廟之爻,俱惡鬼而喜福,喜安旺而惡動搖。推之六親,鬼者,國之患也,又為巨寇;福者,國之儲也,又為良臣;財者,國之賦也,又為閽寺;兄弟者,國之聚斂也,又為宗支;父母者,山川城郭也,又為詔令。(觀其所臨所屬,如鬼動乾宮,西北有事,福臨三位,守牧得人之類。)
爻位の上より推せば、初爻は是れ国の根本にして、二爻は是れ士人にして、三爻は是れ各地の守令にして、四爻は是れ九州の藩屏大臣にして、上爻は是れ宗廟の爻なり。此の幾位は皆官鬼を悪みて子孫を喜び、皆安穩旺相を喜びて動揺を悪む。六親の上より推せば、官鬼は是れ国家の禍患にして又大盗を主り、子孫は是れ国家の儲君にして又賢良の臣を主り、妻財は是れ国家の賦税にして又宦官を主り、兄弟は是れ国家の聚斂の政にして又宗室支族を主り、父母は是れ山川城郭にして又詔令文書を主る。(注:其の何れの一宮に臨み何れの一行に属するを視るを要す。例えば官鬼乾宮に在りて発動せば、西北方事有り。子孫第三爻に臨まば、則ち地方長官人を得たり。此の一類皆此に照らして推求せよ。)
是以鬼空內而無內釁,鬼發外而有外攘,近五而防佞(?)臣,附三而戒酷吏,患在二而士橫,患在初而民困。虎官不發於金鄉,則無干戈,武鬼不揚於水地,則無泛潦;如火鬼騰蛇,歲憂火患,土官朱雀,年慮蝗災。(凡鬼發內外、何宮、何位、何屬,皆宜慎之,幹蠱防奸,廟算當豫也。)
ゆえに官鬼内卦に在りて落空すれば、則ち内乱なし。官鬼外卦に在りて発動すれば、則ち外患有り。官鬼第五爻に靠近せば、佞臣を防ぐを要す。第三爻に附せば、酷吏を戒むを要す。禍患第二爻に在れば、則ち士人横行す。禍患初爻に在れば、則ち百姓困苦す。白虎官鬼金位に在りて発動せざれば、則ち兵戈なし。元武官鬼水位に在りて張揚せざれば、則ち水涝なし。若し火性の官鬼騰蛇に臨まば、一年火災を憂うるを要す。土性の官鬼朱雀に臨まば、一年蝗災を慮るを要す。(注:凡そ官鬼発動せば、其の内卦に在るか外卦に在るか・何れの一宮に在るか・何れの一爻位に在るか・何れの一行に属するかを視るを要し、皆当に謹慎して対待すべし。弊政を整頓するは奸邪を防ぐを要し、朝廷の籌劃は早く準備を作すを要す。)
子孫遇木而旺相,歲稔桑麻,妻財遇土而興隆,年豐田野,父母值巳午而見,當啟文明;子在青龍,則文士彬彬,子臨白虎,則武功烈烈;動朱雀,善彈劾之章,搖元武,懿宮闈之德;勾陳得田畯之喜,騰蛇籍使臣之力。(凡福臨五行六親六神,俱是禎應,故福搖元武,亦為後宮之美。)
子孫爻木に属して旺相なれば、此の一年桑麻豊熟す。妻財爻土に属して興隆なれば、此の一年田野豊収す。父母爻巳・午に値して顕現せば、則ち文教昌明す。子孫青龍に臨まば、文士彬彬として礼あり。子孫白虎に臨まば、武功赫赫たり。子孫朱雀に臨みて動けば、則ち章を上りて弾劾するに善し。子孫元武に臨みて動けば、則ち後宮の徳淑美なり。子孫勾陳に臨まば、是れ農官田畯の喜なり。子孫騰蛇に臨まば、是れ使臣の力を借重するなり。(注:凡そ子孫福神の諸種の五行・六親・六神に臨むは、皆祥瑞の感応なり。ゆえに子孫元武を帯びて発動するも、亦後宮の美と算す。)
如問遷都,猶遷居也,當以外旺為憑,鬼興為忌。如問建廟,猶奉靈也,當以三沖六壞鬼動鬼疾鬼克為忌。(遷都建廟,皆忌貞沖、悔沖、合處逢沖之例。六爻太廟所屬,故不可破散,鬼為太靈,故不可鬼動、鬼空、鬼散,及鬼克世也。)
如し遷都を問わば、遷居を占すると同例にして、外卦旺相をもって憑据と為し、官鬼興動をもって忌と為すべし。如し宗廟を興建するを問わば、神霊を奉安するを占すると同例にして、六沖・上爻損傷を受く・官鬼発動・官鬼病有り・官鬼来たりて剋するをもって忌と為すべし。(注:遷都・建廟は皆本卦六沖・変卦六沖・合処逢沖の此の幾種の情形を忌む。上爻は太廟に属す、ゆえに破に逢い散に逢う可からず。官鬼は奉ずる所の神霊を代表す、ゆえに官鬼の発動・官鬼の落空・官鬼の沖散せらるる可からず、亦官鬼の来たりて世爻を剋する可からず。)
擇後猶婚姻也,財在何宮,當應何所。(如財在中爻,當得晉女,財在內卦,當應本鄉。)立儲喜子孫跨於日月,改制憂官鬼發於強梁。若占享國幾何,以歲為紀,有歲則一位一元,再之亦一位一元,然必考其本宮之旺衰、鬼象之動靜,方可推而定也。(歲司年曆國祚,如己亥年,得丁亥太歲,有六元之運,又以內卦參之,鬼動權之,方可推也。)
皇后を擇立するは婚姻を占するに同例にして、妻財爻何れの一宮に在れば、則ち何れの地方に応ずべし。(注:如し妻財中間の爻に在れば、当に晋地の女を得べし。妻財内卦に在れば、則ち本郷に応ずべし。)儲君を立つるは子孫爻の日建・月建に跨臨するを喜ぶ。制度を変更すれば則ち官鬼発動して気勢強横なるを憂う。若し国祚の享年多少を占せば、太歳をもって綱紀と為す。卦中太歳有れば、一位即ち一元と算す。再び一次に遇うも、亦一位一元と算す。然るに還て必ず本宮の旺衰・官鬼の動静を考察して、始めて推定する能きなり。(注:太歳は年暦と国運とを主管す。例えば己亥年に占して卦中丁亥を得て太歳に当たれば、則ち六元の運有り。再び内卦を参合し、官鬼の動静を権衡して、始めて推断す可し。)
聞之先賢曰:以正得國,以德守國者常;以力得國,以暴守國者不常。天命之矣,寧俟筮哉?且天授之學者仁知,人授之學者象數,安能以人授之學,測天命之微?唯述舊聞,以備昭格,占者慎之。
我前賢の説くを聞く、正道に靠りて国家を取得し徳行に靠りて国家を守住するは、国運久長なり。武力に靠りて国家を奪取し暴虐に靠りて国家を維持するは、国運久長する能はず。此れ本より天命の定むる所、何ぞ還て占筮を等たんを用いん。況んや上天の授くる所の学問は仁と智とにして、人の伝授する所の学問は不過是れ象数のみ。怎ぞ能く人の伝授する所の学問を把りて天命の精微を測度せんや。我は只旧日の聞く所を記述して、以て感通を昭示するの用に備うるのみ、占者は当に慎重たるべし。
軍機章第四十三
(內詳立營攻守水陸遲速遣將用計拜將用間問守問戰問款問降時日防守防刺行刺內應火攻因糧討戰沿剿求援求濟救援守城敵來被困等問)國事之大,莫大於用兵,古聖王慎之,蓋盡人力以應天功,亦嘗謀於蓍而作外也。出師之要,先分彼我,形成主客,專以世應為憑。統論安攘,則以福鬼而斷,世為我,應為敵,喜世強而制應;福為兵,鬼為寇,宜於旺而克官,廟算勝負於是見矣。
(本章は詳しく立営・攻守・水戦陸戦・進兵遅速・遣将・用計・拝将・用間諜・問守・問戦・問議和・問受降・擇時日・防守・防行刺・行刺・内応・火攻・就地取粮・討戦・沿途剿滅・求援・求接済・救援・守城・敵軍来犯・被囲困等の問目を列す。)国家の大事は用兵より大なるはなし、古代の聖王此に対し十分に慎重なり。既に人力を竭くして天功に配合し、亦曽て蓍占を借りて対外用兵を謀劃せり。出師の要領は、先ず敵我を分清し主客を定出し、専ら世爻・応爻をもって憑と為す。総論して内を安んじ外を攘うは、則ち子孫・官鬼をもって断ず。世爻は是れ我方にして、応爻是れ敵方なり、世爻強くして能く応爻を制するを喜ぶ。子孫是れ我軍にして、官鬼是れ敵寇なり、宜しく子孫旺相にして能く官鬼を剋すべし。廟堂の上勝負を預判するは、則ち此処より看出す。
(兵占先觀世應,世克應則勝,應克世則負,世應比和則勝歲等;世生應者我怯,應生世者彼讓。復考子孫為我兵,旺相發動則勇往,休囚空破則不摒(?);鬼為彼賊,旺相強梁,休囚披靡。如世壞,雖克應動子孫,亦曵甲而歸;若應壞,雖克世動官鬼,亦奪旗而返。)
(注:兵事を占するは先ず世応を看る。世の応を剋せば則ち我勝ち、応の世を剋せば則ち我負け、世応比和せば則ち勢均力敵す。世の応を生ずれば是れ我方の怯懦にして、応の世を生ずれば是れ対方の退譲なり。再び子孫爻を考察す——子孫是れ我軍にして、旺相発動すれば則ち奮勇して向前し、休囚空破なれば則ち支撑する能はず。官鬼是れ敵寇にして、旺相なれば則ち強横に、休囚なれば則ち潰散す。假如世爻已に壊れん、縦え世応を剋し子孫又発動するも、也只盔甲を拖りて敗帰する能きのみ。假如応爻已に壊れん、縦え応世を剋し官鬼又発動するも、我軍亦能く旗を奪いて還る。)
如問立營下寨,安危憑鬼,而內外毋墓絕反伏空破,犯則麾幕不安;兩象毋沖擊,犯則將士離心,不可次舍。(筮兵次舍,最忌鬼搖,恐為敵人劫掠。最惡內卦犯疾,及六沖,上下乖離。)
如し営を扎し寨を下すを問わば、安危は全く官鬼に憑る。同時に内外卦皆墓・絶・反吟・伏吟・空・破有る可からず、此の等を犯せば、中軍帳の裡即ち安寧を得ざらん。世応の両象も亦相冲相撃す可からず、之を犯せば則ち将士心を離れ、此処に駐扎するに宜からず。(注:軍隊駐扎を占するは最も官鬼の揺動を忌む、敵人の営を劫するを被るを怕ればなり。最も内卦の病有るおよび六沖の卦を悪む、是れ上下乖離の象なり。)
問城攻守,兵行水陸,戰利遲速,及遣將用計,意在必勝,皆以世應占之。若朝廷拜將,及擇人用間者,乃三軍之大任,必仁勇達變,當以賓應辨也。(六占皆論勝負,惟忌世壞及應克世,而隨官入墓、助鬼傷身,主有覆軍之敗。惟用間不同,類於囑託,應爻空破散絕,機謀洩漏;應爻克沖世位,乃反奸之徒。君蓍任將,亦如用間之法。蓋古之用兵,莫大於求將,莫難於用間,或內結骨肉,或誼兼師友,故用賓應也。)
城を攻め城を守る・水路陸路の進兵・開戦の宜しく早きか宜しく遅きかを問い、および将領を遣派し計謀を施用するに、凡そ意の必勝に在るは、皆世応を用いて占す。朝廷の将を拝し・人を挑選して間諜を為らしむるに至りては、是れ三軍の大任にして、仁勇にして権に通じ変に達するの人にあらざれば可ならず、則ち当に賓客を代表する応爻を用いて分辨すべし。(注:前面の六種の占問は皆勝負を論じ、只世爻の壊せらるるおよび応爻の世を剋するを忌む。若し更に随鬼入墓・助鬼傷身有れば、則ち全軍覆没の敗を主る。唯だ間を用るは同じからず、其れは人に託して事を弁せしむるに類似す。応爻空・破・散・絶すれば、機謀漏泄せん。応爻世位を剋沖せば、其の人是れ反間の徒なり。国君将領を任用するを占問するは、弁法も亦間を用ると一様なり。古人の用兵は、将を求むるより重大なるはなく、亦間を用るより難きはなし。間諜或いは内部と骨肉の親を結成し、或いは情谊兼ねて師友の義有り、ゆえに賓客を代表する応爻を用るを要す。)
問守問戰,當以勝負分彼我;問款問降,當以忠奸察應爻。時日利戰,得時而我利,防守無虞,鬼動而來侵。應克世為蠶食也。(得應壞世克應,則成百戰百勝之功,世壞應克世,則忍三戰三怯之恥。敵降於己,己款於敵,皆察應爻真偽,忌應克世。若卜日時之占,如用兵於秋時,則利金爻持世,出師於亥日,則利火爻屬應也。)
守を問い戦を問うは、勝負に按じて彼我を分かつを要す。議和を問い受降を問うは、忠奸に按じて応爻を察するを要す。或る時日の開戦に利ありや否やを占するに、我方時令を得れば則ち利有り。防守の虞なきや否やを占するに、官鬼一たび動けば即ち是れ敵人の来たりて侵犯せんとするなり。応爻世を剋するは、是れ人に一步步蚕食せらるるなり。(注:応爻已に壊れて世又応を剋せば、則ち能く百戦百勝の功を成す。世爻已に壊れて応又世を剋せば、則ち三戦三敗の耻を忍ぶを得たり。敵人我に向かいて投降し・我敵に向かいて和を求むるは、皆応爻の真偽を察看するを要し、皆応爻の世を剋するを忌む。若し是れ日時を卜するの占なれば、例えば秋天に用兵すれば、則ち金爻持世に利あり。亥日に出師せば、則ち応爻火に属するに利あり——亥水正しく之を剋す可し。)
防刺鬼為刺客也,惡其動;行剌應為所剌也,好其疾。(若隨墓助傷,防剌大凶,鬼動鬼克世亦凶,惟空破為吉。行剌應壞敵人數盡,可以得志,或世壞隨墓助傷,敵人雖滅,我亦隨亡,或鬼興而世旺,敵雖剌我,我數未終也。吉內藏凶,凶中有吉,辨之。)
行刺を防備するを占すれば、官鬼即ち是れ刺客にして、最も其の発動するを悪む。自己の往きて行刺するを占すれば、応爻即ち是れ刺せらるるの人にして、最も其の病有るを喜ぶ。(注:若し随鬼入墓・助鬼傷身に逢えば、刺を防ぐの占は則ち大凶なり。官鬼発動・官鬼世を剋するも亦凶にして、唯だ官鬼落空破に逢うのみ則ち吉なり。行刺の占は、応爻敗壊するは是れ敵人気数已に尽く、以て願うが如くす可し。若し世爻も亦壊れ又随墓助傷に逢えば、是れ敵人滅すといえども我亦随いて命を喪うなり。若し官鬼興旺にして世爻も亦旺なれば、是れ敵人我を刺しに来たるといえども我の気数未だ終らざるなり。吉の中凶を蔵し凶の中吉有り、当に仔細に分辨すべし。)
用應如用間,用火如用計,鬼動則謀敗焉。因糧於敵,截餉於途,財旺則計得焉。(內應可任,法如用間,但不可鬼動,則功未成而先敗;用火法如用計,務在勝負,然水火為民害之大者,亦忌鬼動,或謀洩流禍。)
内応を占するは、弁法間を用ると相同なり。火攻を占するは、弁法計を用ると相同なり——官鬼一たび動けば、謀劃即ち敗露せんと要す。地に就きて敵に粮を取り、途中に在りて粮餉を截取するを占すれば、妻財旺相なれば則ち計策成る可し。(注:内応の人の任用す可きや否やは、看法間を用ると相同なり、只是れ官鬼発動す可からず、然らざれば事未だ成らずして先に敗れん。火攻の法は計を用ると相同にして、重は勝負に在り。然るに水火是れ民を害する最大の手段にして、同様に官鬼発動を忌む、然らざれば謀泄れて禍を流す無窮なり。)
蓋或寇有地而用應,寇無地而用鬼。是以兩軍對迎,法世應之克生,四野剿除,度鬼福之強弱也。(若據城郭,成兩軍之勢,則考世應生克虛實以為勝負。如流寇無定,必四向剿滅之,則論福鬼強弱。)
大凡そ敵寇に固定の地盤有るは則ち応爻を用い、敵寇に固定の地盤なきは則ち官鬼を用う。ゆえに両軍対壘するは、世応の相剋相生に取法す。四野に流寇を追剿するは、則ち官鬼と子孫との強弱を衡量す。(注:敵人若し城郭に拠守して両軍対峙の勢を形成せば、則ち世応の生剋虚実を考察して以て勝負を定む。若し是れ流寇行踪不定にして必ず四面剿滅するを要せば、則ち子孫と官鬼との強弱を論ず。)
飛檄求援,應疾則為不援,克世則為不軌。上書求濟,六沖五疑,君象沖剋世爻,則不允濟。同仇相援,則如用師也。(應空破散,則無周急之情;應克世爻,非惟不援,尚有他奸也。五爻空破散絕,謂之五疑,蓋五爻為君,克沖世爻,恐逆耳不允。彼困我救,斷如用師。)
檄文を発して友軍に援を求むるに、応爻病有れば則ち是れ救援に来たらず、応爻世を剋せば則ち是れ対方心に不軌を懐くなり。書を上りて朝廷に接済を請うに、若し六沖に逢うか或いは第五爻可疑なるか或いは君位の爻世爻を沖剋すれば、則ち接済を批准せざらん。同仇敵愾して他人を救援するに往くは、断法出師用兵を占するに一様なり。(注:応爻空・破・散なれば、則ち危急を周済するの情意なし。応爻世を剋せば、但だ援に来たらざるのみならず、還て別に奸謀有り。第五爻空・破・散・絶は、之を「五疑」と叫ぶ。五爻は君主を代表す、其れ若し世爻を剋沖せば、恐らくは奏する所耳に逆らいて批准を獲ざらん。他人困せられて我往きて救援するは、断法出師を占するに相同なり。)
筮城慮破,鬼動鬼克則危。筮敵來期,應克應動則速。筮軍被困,世墓世傷則凶也。(若患破城,不拘父母,反專官鬼,發動克世則危。)故兵法不一,象理非二,凡主帥空而中軍折,賊首空而敵人逃。生我之動爻,喜有援兵,克我之動爻,惡其助敵。猶有彼雖敗而不能勝彼,謂其有生也,己雖傷而不能害己,謂我有扶也。全盛而衰,將靡而起,進退反覆,存乎神爾。(主帥謂世,賊首謂應,全盛而衰,謂動沖,將靡而起,謂絕生。)
城池の攻破せらるるや否やを占するに、官鬼発動・官鬼世を剋せば則ち危険なり。敵軍何時に来たるかを占するに、応爻世を剋し・応爻発動すれば則ち来ること速し。我軍の囲困せらるるを占するに、世爻入墓・世爻受傷すれば則ち凶なり。(注:城池の破せらるるを擔心するは、必ずしも父母爻を拘看する要せず、反りて専ら官鬼を看るを要す。官鬼発動して世を剋せば、城即ち危なし。)ゆえに兵法多端なるといえども、卦象の理は卻て一貫なり。主帥の爻落空すれば則ち中軍折損し、敵首の爻落空すれば則ち敵人逃遁す。我を生ずるの動爻は、其の援兵たるを喜び、我を剋するの動爻は、其の敵を助くるを悪む。還て対方已に敗るといえども我卻て彼に勝つ能はざる有り、是れ彼別に生扶有ればなり。我已に傷を受くるといえども卻て我を害する能はざる有り、是れ我別に扶助有ればなり。本より全盛にして卻て衰に転じ、本より将に敗れんとして卻て又振起し、一進一退反復不定なり、全て神機の妙に在り。(注:主帥は世爻を指し、敵首は応爻を指す。「全盛にして衰う」は是れ動爻の来たりて沖するに遇うなり、「将に靡かんとして起つ」は是れ絶処逢生なり。)
惟鬼不可得時勢,恐其害成,不可遇長生,恐其難滅,不可臨胎養,恐其方興,不可暗動,兼伏鬼克世,恐其謀剌,不可上下克世,恐其內應外通。(上下鬼克世,即內外鬼也。)
唯だ官鬼此の一爻のみ。之をして時を得勢を得しむ可からず、其の害を成すを怕ればなり。之をして長生に遇わしむ可からず、其の剿滅し難きを怕ればなり。之をして胎・養の位に臨ましむ可からず、其の方興未艾なるを怕ればなり。之をして暗動せしむ可からず、亦伏蔵の官鬼の来たりて世を剋する有る可からず、敵人の行刺を図謀するを怕ればなり。更に上下両箇の官鬼一斉に世を剋する可からず、怕る所は是れ内応外通なり。(注:いわゆる上下官鬼世を剋するとは、即ち内卦・外卦各々一箇の官鬼有るなり。)
欲視賊人之布何策,用何兵,進何道,我將何以應之,何以克之,何以取之,俱驗五行八卦消息而已。故鬼動內而防間謀,鬼發外而慮野戰,鬼動乾宮,伏兵於廟,官興巽卦,匿從於林,坤鬼是戒納降,震鬼非當卻叛,艮忌岡陵之困,離憂市井之攻,兌毋信其說口,坎毋聽其誘語也。(此言八卦取象,蓋鬼之所現,即敵之所謀,坤順鬼動,其降非真,震振鬼搖,卻叛必變,兌為口、為悅,則說言必詐,坎為耳、為陷,則卑辭必謀也。其餘類推。)
敵人の布く所何の策か・用る所何の兵か・走る何れの路かを知らんとし、我は当に如何に応対し如何に制勝し如何に彼を取らんとするかは、全く五行八卦の消息に靠りて験証す。ゆえに官鬼内卦に在りて発動せば、間諜の謀を防ぐを要す。外卦に在りて発動せば、野外交戦を慮るを要す。官鬼乾宮に在りて発動せば、敵人宗廟の一帯に伏を設く。官鬼巽卦に在りて興起せば、敵人身を林木の中に蔵す。坤宮鬼有れば、投降を接受するを戒備するを要す。震宮鬼有れば、急ぎて叛軍を撃退しに往く可からず。艮宮は山岡の困を防ぐを要し、離宮は市鎮の攻めらるるを憂うるを要し、兌宮は其の言辞を軽信する勿れ、坎宮は其の誘語を聴信する勿れ。(注:これは八卦の取象を講ず。官鬼現に何れの一宮に在れば、即ち是れ敵人彼処に謀を布くなり。坤は柔順を主り、坤宮鬼動けば、投降是れ真ならず。震は振動を主り、震宮鬼動けば、叛軍退くるも亦還て再び変ず。兌は口と為り悦と為る、則ち言辞必ず詐なり。坎は耳と為り陥と為る、則ち卑辞の下必ず陰謀有り。其余類推せよ。)
火鬼動,非劫寨而謀於縱火,水鬼動,非水淹而計於囊沙;金為流矢之凶,木為膠舟之詐,款為平原之戰;起於離而南來,發於坎而北犯;艮坤敵出於山阜,震巽寇自於豐木;乾以老弱騙吾軍士之心,兌以子女惑吾兵卒之志也。(復言八卦及五行取義,或云木有生兵,土有坑陷。夫敵進退布策,惟深心測度官鬼情形,取象取義,可得之矣。)
火性の官鬼発動すれば、営を劫さんと要するに非ざれば即ち火を縱つのを謀劃す。水性の官鬼発動すれば、水に淹れんと要するに非ざれば即ち囊沙壅水の計を用いんとす。金性の官鬼は流矢の凶を主り、木性の官鬼は舟船を膠合するの詐術を主り、土性は則ち平原の戦を主る。官鬼離宮より起れば、敵南面より来たる。坎宮より発せば、敵北面より犯す。艮・坤の両宮は、敵山岡丘阜より出づ。震・巽の両宮は、寇茂密の林木の中より来たる。乾宮は是老弱の衆を用いて我が軍士の心を騙くなり。兌宮は是れ女色を用いて我が兵卒の志を迷惑するなり。(注:此処は再び八卦と五行との取義を講ず。亦人の説に木は伏兵を主り土は坑陥を主るとあり。要之敵人の進退布置は、只心を用いて官鬼の情形を測度し、其の象を取り其の義を取れば、則ち能く推知す。)
子孫動水,則利於水戰,福神動火,則利於火攻,土以炮石勝,金以弓矢勝,木以舟車勝也。子動坤宮,屯兵相助,福興震卦,壯士來歸,乾為丈人之良謀,艮為少年之秘計,坎當外示其弱,離當內示其虛,兌當餙以卑詞,巽當勇於趨進,皆發子孫,而取勝也。(兵占福臨皆吉,或屬五行,或現何宮,各以象推。)
子孫爻水に属して動けば、水戦に利あり。子孫火に属して動けば、火攻に利あり。土に属するは砲石に靠りて勝を取り、金に属するは弓矢に靠りて勝を取り、木に属するは舟車に靠りて勝を取る。子孫坤宮に在りて発動せば、屯駐の兵の来たりて相助くる有り。子孫震卦に在りて興起せば、壮士の来たりて帰附する有り。乾宮是れ老成長者の良謀にして、艮宮是れ少年人の奇計なり。坎宮は対外に弱を示すに宜しく、離宮は対内に虚を示すに宜しく、兌宮は謙卑の辞を用いて掩飾するに宜しく、巽宮は奮勇進取するに宜し——此の等皆是れ子孫発動して勝を取るの象なり。(注:兵事を占するに、子孫爻に臨むは皆吉なり。其の何れの一五行に属し現に何れの一宮に在るに至りては、各々其の象に按じて推せ。)
然父母為彼我之機關,妻財為彼我之兵甲,弟兄為彼我之埋伏,鬼為賊眾,子為將士,考生克衰旺以分美惡也。(兵占六親之分如此,父母為計策,亦為軍師。)是以鬼臨吉神,縱吉而不吉,福居凶煞,縱凶而不凶。且有子化官者叛,官化子者降,飛伏官而隨減隨起,內外子而屢戰屢捷。陽為正兵,陰為奇兵,子孫官鬼以別其利也。合則結,沖則絕,靜應守,動應攻。常問決策在人,成謀在天。蓋筮蓍之從,鬼神之情,喜直而惡曲,輔仁而伐暴,占者鑑之。
此の外、父母爻是れ彼我双方の機謀樞紐にして、妻財爻是れ彼我双方の兵甲軍資にして、兄弟爻是れ彼我双方の伏兵にして、官鬼是れ敵衆にして、子孫是れ我方の将士なり。其の生剋衰旺を考察せば、則ち好壊を分出す得たり。(注:兵事を占する時の六親の分派は即ち此の如くなり。父母は計策を主り、亦軍師を代表す。)ゆえに官鬼若し吉神に臨まば、縦え是れ吉なるとも亦吉ならず。子孫若し凶煞に居れば、縦え是れ凶なるとも亦凶ならず。還て子孫官鬼を化出するは、我軍叛変を主る。官鬼子孫を化出するは、敵人投降を主る。官鬼飛伏の間に在るは、敵勢時に消え時に起るを主る。内外卦皆子孫有るは、屡戦屡勝を主る。陽爻是れ正兵にして、陰爻是れ奇兵なり、子孫・官鬼を用いて誰が利を得るやを分辨す。合に逢えば則ち結聚し、沖に逢えば則ち断絶す。応爻安静なれば守るに宜しく、応爻発動すれば攻むるに宜し。常の言に曰く、決策は人に在り成謀は天に在りと。蓍卦の順従する所の鬼神の情は、総じて正直を喜びて邪曲を悪み、仁者を輔助して暴虐を討伐す——占者は当に此をもって鑑と為すべし。
天時章第四十四
(內詳占雷占風占霧占雪占水占冰六問)晴雨之占,不可以自試其術而輕瀆鬼神,如亢旱而求雨,霪雨而祈晴,心切民瘼,聖賢來告矣。凡有所占,發宜分請,卜晴者,法以子孫為日月,蓋日月照臨萬寶以成,故取財元也,或當於發動、現於旺相、值於日月,則天將霽矣。(分請謂意在祈晴,意在祈雨,晴以子孫為用,雨以父母為用,則易辯也。)
(本章は詳しく雷を占・風を占・霧を占・雪を占・水を占・氷を占の六箇の問目を列す。)晴雨を占するに、自己の術数を試験せんが為に鬼神を軽慢褻瀆する可からず。大旱に雨を求め久雨に晴を祈るが如きは、一片の心思皆百姓の疾苦の上に在れば、聖賢の霊始めて来たりて告示せん。凡そ卦を起すは、皆問う所を分清楚するを要す。晴を占するは、子孫爻を取りて日月を代表す、日月万物を照臨して始めて成熟を得、而して子孫又妻財の元神なればなり。子孫若し正に発動するか或いは旺相顕現するか或いは正しく日建月建に値せば、天将に晴れ放たんとす。(注:いわゆる「分請」は、心裡畢竟晴を求むるか雨を求むるかを先ず定むるを説くなり。晴を求むるは子孫をもって用神と為し、雨を求むるは父母をもって用神と為す、かくの如くして始めて分辨し易し。)
卜雨者,法以父母為天地,蓋天地閉而日月掩,父動子傷,故取子忌也。父母旺動而雨速,衰動而雨小,沖散將雨復晴,暗動雨將作,月破作而無雨,化克將止,化子孫雨中日月,化兄弟雨後風生,化鬼則雷雨並至,化父則霪霖更作也。(祈晴察子象,亦同此推之,不出旺衰動靜合沖而斷也。)
雨を占するは、父母爻を取りて天地を代表す、天地閉塞すれば則ち日月掩せられん。父母一たび動けば、子孫即ち傷を受く、ゆえに子孫をもって忌神と為す。父母旺相にして動けば、雨来ること速し。衰弱にして動けば、雨下ること小なり。沖散せられれば則ち将に雨ならんとして又晴る。暗動すれば則ち雨将に下らんとす。月破に逢えば則ち雲起りて雨なし。之を剋するの爻を化出せば則ち雨将に停まらんとす。子孫を化出せば則ち雨中に日月を見る。兄弟を化出せば則ち雨後に風起る。官鬼を化出せば則ち雷雨斉しく来たる。父母を化出せば則ち霪雨連綿として再び起る。(注:晴を祈る時子孫の象を察看するも、亦此の弁法に照らして推せ、総じて旺衰・動静・合沖の範囲を出でず。)
古人常以水為雨,火為日,陰為晦,陽為霽,世為地,應為天,未為盡善,必察子父臨水火陰陽世應之位,而後定焉。若執而言之,則夏必多晴,冬必多雨,甲申午空不晴,甲寅子空不雨哉?是以夏火父動而雨霖,冬水子興而日出,不可惑也。(此言父母子孫為重,水火陰陽不能泥也。如午建辛卯日占晴,得睽之未濟,雨至己酉日方霽,則可法矣。)
古人常に水爻をもって雨と為し火爻をもって日と為し、陰爻をもって陰晦と為し陽爻をもって晴霽と為し、世爻をもって地と為し応爻をもって天と為す——此の等の説法は皆完善と算せず、必ず子孫・父母の水火・陰陽・世応此の等の位置の上に臨むや否やを察看して、然後始めて断定する能きなり。若し彼の説法を死執せば、豈に夏天必ず多く晴れ冬天必ず多く雨ならんや。甲申旬午爻空なれば則ち晴る能はず甲寅旬子爻空なれば則ち雨る能はずとならんや。其の実夏天火性の父母発動して照様霪雨し、冬天水性の子孫興起して照様太陽を出づ、彼の説法に迷惑せらる可からず。(注:これは父母・子孫最も緊要にして、水火陰陽拘泥する能はざるを説くなり。例えば午月辛卯日に晴を占し、《睽》を得て《未済》に変ず、雨一直に己酉日まで下りて始めて晴れ放つ、これ則ち以て准式と為す可し。)
雖云父雨子晴,而有卦象合沖之法,則不拘於二者。是故得乾離者,日月照於九天,得坎兌者,滂沱遍於四野,此從卦斷也。夫六合則云迎而雨降,六沖則晦散而日升;先沖後合,晝晴而夜雨,先合後沖,朝晦而午霽,此從合沖斷也。故從合沖斷,則用神為輕,從卦象斷,則合沖又輕,不可不知也。(此言卦象及沖合為重,父母子孫不能執也。如申建甲寅日,占雨得旅,次日大雨,卦雖無父,因六合而乙卯值父故也。)
父母雨を主り子孫晴を主ると説くといえどもいえども、然るに別に卦象に従い・合沖に従いて断ずるの弁法有り、則ち此の両者に拘らず。ゆえに《乾》《離》を得るは、是れ日月九天を照耀す。《坎》《兌》を得るは、是れ大雨四野に遍灑す——これ是れ卦象に従いて断ず。六合の卦は則ち雲聚まりて雨降り、六沖の卦は則ち陰散じて日出づ。先ず沖して後に合すれば、白天晴れて夜裡雨る。先ず合して後に沖すれば、早晨陰りて中午晴れ放つ——これ是れ合沖に従いて断ず。ゆえに一たび合沖に従いて断ぜば、用神則ち軽し。一たび卦象に従いて断ぜば、合沖又軽し。此の一層知らざる可からず。(注:これは卦象と沖合とを重と為して、父母子孫死執する能はざるを説くなり。例えば申月甲寅日に雨を占し、《旅》卦を得、第二天即ち大雨を下す。卦中父母爻なきといえども、卻て六合に因りて次日乙卯正しく父母に値するの故なり。)
天地之鬼神曰雷霆,以官鬼像之;天地之呼吸曰風雲,以兄弟像之;生育我者天地,以父母像之;滋百果草木之生者日月,以子孫像之;收天地之陰晦者虹霓,以妻財像之。(鬼神為雷霆,則雹同推,兄弟為風雲,則沙同推。)
天地間の鬼神は雷霆にして、官鬼を用いて象徴と為す。天地の呼吸は風雲にして、兄弟を用いて象徴と為す。我を生育するは天地にして、父母を用いて象徴と為す。百果草木の生長を滋養するは日月にして、子孫を用いて象徴と為す。天地陰晦の気を収斂するは虹霓にして、妻財を用いて象徴と為す。(注:官鬼既に雷霆を主れば、氷雹も亦之に照らして推せ。兄弟既に風雲を主れば、沙塵も亦之に照らして推せ。)
筮風有無,惟以兄弟之衰旺;筮風順逆,當以比肩之克生。霧以比肩,雪以父母,喜而求諸有,忌而求諸無,兼攝他事,又以義起。(如子建丙申日,客來憂雪,得無妄之否,是日不雪,客至。乃用卜行人,應克世故來也,若以父動為雪則惑。大抵用神在占者意之所重。)
風の有無を占するは、只兄弟爻の衰旺を看る。風の順なるや否やを占するは、兄弟爻の生剋を看るを要す。霧を占するは兄弟爻を用い、雪を占するは父母爻を用う。其の有らんを盼むは其の出現するを求め、其の有らんを怕るは其の現れざるを求む。一卦若し兼ねて別の事を問わば、則ち別に義理に按じて別に用神を立つ。(注:例えば子月丙申日に、客の来たらんとする有りて雪の下るを擔心し、《无妄》を占得して《否》に変ず。其の天雪下らず、客人到れり。これ是れ之を把りて行人を占すると為して用うなり、応爻世を剋すゆえに人来たるなり。若し拘泥して父母発動を把りて雪下ると当てば、則ち糊涂せり。大抵用神は占者の心裡最も看重する其の一件の事の上に取るなり。)
冰與水,駕舟者常占,若父旺動,水平行而長驅;如父破空,冰連結而不進,蓋舟車以父為用也。(冰水無阻,舟車易進,冰水有阻,舟車難前,故反以父母為用。如占久晴害田,久雨害蠶,則財福為用,餘以類推。)
氷と水とは船を駕する人の常に占する所なり。父母爻旺相発動せば、水面平緩にして長駆直下す可し。父母爻破に逢い空に逢えば、則ち河面氷結して前行する能はず——舟車の占は父母をもって用神と為せばなり。(注:氷水通暢すれば則ち舟車行き易く、氷水阻塞すれば則ち舟車進み難し、ゆえに此処反りて父母をもって用神と為す。又如久晴田を傷め久雨蚕を害するを占せば、則ち当に妻財・子孫をもって用神と為すべし、其余類推せよ。)
叩天何日雨者,父母逢生遇沖所值之期也;何日晴者,子孫當見之神也。而占法或以月卜,或以日卜,或以旬卜,或以時卜,不可溷也。如巳爻子孫,巳日晴,而後巳日雨者,故宜分請,問天道者,當如是也。(當見,謂干支皆值也。如庚辰年,瞽初遊武林,黴雨不止,午建甲申日,顧觀察憂民禾,命占晴,得漸之渙,申動子孫,當日不霽,及丙申日子孫當見,而後大晴。然卦內無財,秋成應飢,蓋其屬意占晴,意在秋成,故無財亦驗爾。天道渺茫,晴雨非遍,常有河北霽而河南晦者,是以占所占之地,禱所禱之期,分請之法,宜如是也。)
上天に叩問して何れの一天雨下るかは、則ち父母爻の生に逢い沖に遇う所に値する其の日なり。何れの一天晴れ放つかは、則ち子孫爻の「当見」の時に在り。占法或いは月に按じて問い或いは日に按じて問い或いは旬に按じて問い或いは時辰に按じて問う、混じりて一談と為す可からず。譬えば子孫巳爻なれば、此の巳日晴れたりて、下一箇の巳日卻て又雨る——ゆえに必ず問う所を分清楚するを要す。天道を問うは当に此の如くすべし。(注:いわゆる「当見」は、天干と地支と皆正しく其の時に値するを説くなり。例えば庚辰年、我初めて杭州に到る、梅雨止まず。午月甲申日に、顧観察百姓の庄稼を憂心し、我に晴を占せしむ、《漸》を得て《渙》に変ず。申爻子孫発動せるに、可なり其の天並びに晴れ放たず、丙申日に到りて子孫干支倶に値りて、然後始めて大いに晴る。然るに卦中妻財爻なし、秋収当に歉薄なるべし——彼一心に晴を占す、用意其の実秋収に在り、ゆえに卦中財なきも亦照様応験す。天道渺茫として、晴雨並びに各処に遍及せず、常に黄河以北晴れ放ちて河南陰雨する有り。ゆえに当に問う所の彼の地方を占い、求むる所の彼の段の時期を祷るべし、「分請」の法当に此の如くなるべし。)
歳事章第四十五
(內詳豐荒田蠶兵凶疾疫水旱分野諸事)歲之成熟為豐,時之安平為泰,夫豐所謂天施地育、物阜民饒,故取用以財,蓋萬物以財為象也。是以財有氣而五穀登,財無病而百果結。(占豐歉以財,占治亂以鬼,此歲占大象也。)財實火木,利春夏之耕,財值水金,宜秋冬之樹植。子空則蠶婦徒勞,財陷則農夫失望。(以時以象言之,子為蠶,田為財也。)
(本章は詳しく豊年荒年・農田蚕桑・兵災凶年・疾病瘟疫・水災旱災・州郡分野等の事を列す。)一年収成好きを「豊」と叫び、時世安寧を「泰」と叫ぶ。いわゆる豊は、即ち天施地育して物産豊足にして百姓富饒なり、ゆえに妻財を取りて用神と為す、万物皆妻財をもって取象すればなり。妻財気有れば則ち五穀豊登し、妻財病なければ則ち百果結実す。(注:年成の豊歉を占するは妻財を用い、世道の治乱を占するは官鬼を用う、これ是れ歳事を占するの大綱なり。)妻財火に属し木に属して実を得れば、春夏耕作に利あり。妻財水に値し金に値すれば、秋冬種植に宜し。子孫落空すれば則ち蚕を養うの婦人気力を白費し、妻財陥落すれば則ち農夫失望す。(注:これ是れ時令と卦象とに就きて説くなり。子孫は蚕を代表し、田裡の出産は妻財を代表す。)
夫鬼為時之禍患也,宜靜不宜動,動則四方多難;最不利於金官,恐干戈滿地;亦不宜於土鬼,防瘟疫流行。水為淹沒之災,木為桑麻之難,火為焦枯之患,及炎火之憂也。動兼騰蛇,非妖興閭里,則痘損嬰兒;動兼勾陳,非螟蝗害稼,則土地多荒;動兼白虎,非兵革頓起,則虎豹來遊;動兼青龍,寒曝失時,而花果謝實;動兼朱雀,主流言橫議,而民口難防;動兼元武,主雀耗鼠損,而弭盜無術。是以五行六神,皆不可值鬼動也。(龍本屬吉,鬼擾起凶也。)
官鬼は是れ一年の禍患にして、静を宜として動を宜とせず、一たび動けば則ち四方多難なり。最も不利なるは金性の官鬼にして、恐らくは兵戈遍地ならん。亦土性の官鬼を宜とせず、瘟疫流行を防ぐを要す。水性の官鬼は淹没の災を主り、木性の官鬼は桑麻害を受くるを主り、火性の官鬼は焦枯の患および火災の憂を主る。官鬼動きて兼ねて騰蛇に臨まば、郷里の妖異を闊するに非ざれば即ち痘疹の嬰児を害死するなり。動きて兼ねて勾陳に臨まば、螟虫蝗虫の庄稼を害するに非ざれば即ち土地の大片抛荒するなり。動きて兼ねて白虎に臨まば、兵革の驟起するに非ざれば即ち虎豹の出没するなり。動きて兼ねて青龍に臨まば、則ち寒暖時を失いて花果実を落す。動きて兼ねて朱雀に臨まば、流言横議して衆口防ぎ難きを主る。動きて兼ねて元武に臨まば、雀啄鼠咬して盗賊禁絶する法なきを主る。見る可し五行・六神皆官鬼と同動するを宜とせざるを。(注:青龍本より吉神に属す、官鬼の一たび攪擾せらるるに被りて亦凶を生ずるなり。)
財化鬼者,薄於西成;鬼化財者,難於東作;官化子者,則有致治之政;子化官者,則有兆亂之機。(鬼化財,雖難於東作而有收,不如化鬼之甚也。)若筮天下則豐歉不均,所以動於巳而楚荒,搖於震而東亂也。(乾分冀州,坎分幽州,艮分青州,震分兗州,巽分徐州,離分揚州,坤分荊州,兌分雍州,中為豫州也。蓋中宮附入坤分,如九星天禽,附入天芮之意也。子分齊,丑分吳,寅分燕,卯分宋,辰分鄭,巳分楚,午分周,未分秦,申分晉,酉分趙,戌分魯,亥分魏也。蓋鬼動是分,則是地多難,其所在所臨之官爻,亦有小厄,但靜則不甚爾。)
妻財官鬼を化出せば、秋天の収成則ち薄し。官鬼妻財を化出せば、春天の耕作の耕作則ち難し。官鬼子孫を化出せば、則ち治に致るの良政有り。子孫官鬼を化出せば、則ち乱に致るの先機有り。(注:官鬼の妻財を化するは、春耕難しといえども而して終に収有るに帰し、妻財の官鬼を化するが如く厳重ならざるなり。)若し整箇の天下を占せば、各地の豊歉並びに均等ならず。ゆえに官鬼巳位に在りて動けば則ち楚地荒歉し、震宮に在りて動けば則ち東方乱を作す。(注:分野は乾は冀州に配し、坎は幽州に配し、艮は青州に配し、震は兗州に配し、巽は徐州に配し、離は揚州に配し、坤は荆州に配し、兌は雍州に配し、中央は豫州と為す——中宮坤の分野に附入するは、正しく九星中天禽星の天芮に附入するの意の如し。地支の分野は子は斉に配し、丑は呉に配し、寅は燕に配し、卯は宋に配し、辰は鄭に配し、巳は楚に配し、午は周に配し、未は秦に配し、申は晋に配し、酉は趙に配し、戌は魯に配し、亥は魏に配す。官鬼何れの分野に在りて動けば、其の地方多難なり。其の在所・所臨の官爻の処も亦小災有り、只是れ官鬼安静の時不甚だ厲害なり。)
是以鬼從初而物殺,鬼從二而民瘼,鬼從上而天怒,鬼從三而吏苛,於五君憂,於四臣辱,其法惟以財實為豐穰,鬼動為荒亂,其義如此。(鬼動是位,妖作是處,雖靜不凶,亦有小疾。)
ゆえに官鬼初爻に在れば、万物戕を受く。二爻に在れば、百姓疾苦す。上爻に在れば、上天震怒す。三爻に在れば、官吏苛刻なり。五爻に在れば、君主憂有り。四爻に在れば、大臣辱を受く。総の法則は只是れ、妻財充実すれば即ち是れ豊収にして、官鬼発動すれば即ち是れ荒乱なり——道理即ち此の如くなり。(注:官鬼何れの一爻位に在りて動けば、妖禍即ち其の一処に作る。便ち官鬼安静にして凶と算せずとも、其の一処還て小の災病有り。)
身命章第四十六
(謂我身受命於天也,此宜有專問,則授命如響。內詳壽夭富貴道業妻子趨避大限小限之法)告聖賢曰:我生成敗得失亨困何如,即世爻不可病也。世爻不病,則成而不敗,得而不失,亨而不困矣,故曰:世乃平生之本也。(一生成敗,獨世主張,無休囚傷退,謂之無疾,有空破散絕謂之有病,若父子夫婦弟兄請占,當分用神。)
(「身命」は我が此の身軀天に命を受くるを説くなり。身命を占するは最も専ら一事を問うに宜し、かくの如くして神明の告示始めて回声の如く準確なり。本章は詳しく寿夭・富貴・道業・妻子・趨吉避凶および大限小限の推法を列す。)聖賢に向かいて祷告して曰わく、我一生の成敗・得失・通達と困頓とは如何。関鍵則ち世爻病有る可からざるに在り。世爻病なければ、則ち成りて敗れず得て失わず通達して困頓せず、ゆえに世爻是れ一生の根本と曰うなり。(注:一生の成敗全て世爻に由りて主を為す。世爻休囚せず傷を受けず退神せざるを「無疾」と叫び、空・破・散・絶有るを「有病」と叫ぶ。若し父母・子女・夫婦・兄弟に替わりて占せば、則ち別に用神を分かつを要す。)
隨官入墓、助鬼傷身,常防病患;伏吟反吟,化居墓絕,難免迍邅;正沖悔沖,合處逢沖,終多得失,此平生之概也。若有專筮,則有特告焉。筮曰:壽夭何如,則破散空沖定之夭,日月旺相定之壽。旬空限絕,天剋地沖,是其考終也;推而深之,雖日月可知也。自占憑世,六親憑用,舊專執父母為壽者非也。
世爻若し随鬼入墓・助鬼傷身せば、常に疾病を提防するを要す。若し伏吟・反吟に逢うか或いは墓絶の地に化入せば、則ち困頓坎坷を免れ難し。若し本卦六沖・変卦六沖なるか或いは合処逢沖なれば、一生終に多く得多く失う。これ是れ一生の大概なり。若し別に専門の一問有れば、神明即ち専門の告示有らん。寿命の長短を問うに、世爻破に逢い散に逢い空に逢い沖に逢えば則ち夭と断じ、日建月建旺相を得れば則ち寿と断ず。行年旬空に遇い行限絶に逢い・天干来たりて剋し地支来たりて沖する其の一年に到れば、即ち是れ寿終の時なり。再び深裡に往きて推せば、連れて月份日子も亦知る能きなり。自己占するは世爻を用い、六親に替わりて占すれば則ち各々の用神を用う。旧説専ら父母爻を執りて寿元と為すは、是れ対ならざるなり。
(旬空,謂後來年旬空,限絕,謂後來行絕限。如戊子生人,丁丑寅建辛亥日,占自壽得師,世爻絕亥生寅,其壽未已,及戊子年孟秋令寢,乃甲申旬空午,子歲破午,十年後行午限絕亥,庚申又破寅生,是以終也。餘仿此。)
(注:いわゆる「旬空」は、将来の或る一年旬空の内に落つるを指す。いわゆる「限絶」は、将来臨絶の限位に行き到るを指す。例えば戊子年生の人、丁丑年寅月辛亥日に自身の寿数を占し、《師》卦を得。世爻亥に絶して寅に長生す、寿数未だ尽きず。戊子年の孟秋に到りて病卧して起たず——其の時正しく甲申旬にして、午爻旬空なり。子年又午を沖破す。十年の後午限に行きて亥に絶す。庚申の年又寅此の長生の地を沖破す、ゆえに即ち終れり。其余此に依りて類推せよ。)
筮曰:我能貴乎,官父貴之本也。以學而得名者,必父爻之高明;以功而得名者,必官象之昌隆;以位而卜其祿之尊卑,以會而卜其成之歲月,以八卦為方隅,以五行為司屬,以六神為班列。金為兵刑,水主河海,土主稅賦,火主禮儀,木主考工;乾為西北,巽為東南;三為守牧,五為臺省;龍為文翰,虎為武衛,雀為言路,元為水利,陳為地土,蛇為使節,生旺則得,死墓則失,而官制代更,則隨義而起也。
問う、我富貴を得る能くや。官鬼と父母とは是れ貴の根本なり。学問に靠りて名を成すは、必ず是れ父母爻の高明なり。功労に靠りて名を成すは、必ず是れ官鬼の象の昌隆なり。爻位の高低に凭りて俸禄の尊卑を占する可く、三合会局に凭りて名を成すの年月を占する可し。八卦を用いて方位を定め、五行を用いて職司を定め、六神を用いて班次を定む。金は兵刑を主り、水は河海漕運を主り、土は税賦を主り、火は礼儀を主り、木は考工営繕を主る。乾は西北に在り、巽は東南に在り。第三爻は是れ州県の守令にして、第五爻は是れ台省の要職なり。青龍は文翰を主り、白虎は武衛を主り、朱雀は諫官言路を主り、元武は水利を主り、勾陳は田土を主り、騰蛇は奉使を主る。此の等の爻生旺なれば則ち得、死墓なれば則ち失う。官制の歴代更改するに至りては、則ち其の義理に随いて別に推定す。
(以文章取進,則專用父母,貢舉亦然;以事例擢拔,專用官鬼,從武襲爵亦然。官立四五之位則顯,文臨當現之年則第,官值生旺之歲則拜,五行為司,八宮為方,六神為職,六爻為級。)
(注:文章に靠りて身を進むるは、専ら父母爻を用い、貢挙を考取するも亦一様なり。資歴事功に靠りて提拔せらるるは、専ら官鬼爻を用い、武職襲爵も亦一様なり。官爻第四・第五爻の上に立てば則ち顕達す。文書爻当値顕現の年に臨まば則ち中第す。官爻生旺の年に値せば則ち任命を受く。要之五行職司を定め、八宮方位を定め、六神職務を定め、六爻品級を定む。)
筮曰:我能富乎,財福富之本也。生平之揮霍者財,旺則有餘;生平之安樂者福,強則多慶,惟有財而無福者富而憂,有福而無財者貧而樂,然必以身受之,故世爻不可傷也。(問富貴先看世象生旺,世空無成,世破不享,世散絕則不終也。)
問う、我富む能くや。妻財と子孫とは是れ富の根本なり。一生の用度花銷は妻財に靠る、妻財旺相なれば則ち余裕有り。一生の安楽は子孫福神に靠る、福神強健なれば則ち多く喜慶す。只財有りて福なき は、是れ富みて多く憂う。只福有りて財なきは、是れ貧しくして楽を知る。然るに此の一切皆自身に由りて承受するを得たり、ゆえに世爻傷を受く可からず。(注:富貴を問うは先ず世爻の生旺なるや否やを看る。世爻落空すれば則ち一事成らず、世爻破に逢えば則ち享受着かず、世爻散に逢い絶に逢えば則ち善終を得ず。)
且問道而忌六沖,問妻而忌財陷,皆不可以世空也。問子而忌子虛,旺相則多,休囚則少,空散則刑,克沖則暴,帶吉神而賢良,加凶神而頑劣,跨身世而邁種,登日月而昌榮,占弟兄者亦如之。(若世爻被子孫沖剋,則男女忤逆。凡問父母更有兄弟否,則視兄弟,其他皆卜子孫。)
此の外、修道の業を問うは六沖を忌み、妻室を問うは妻財の陥落を忌む、此の両様同じく皆世爻落空す可からず。子嗣を問うは子孫爻の虚なるを忌む。子孫旺相なれば則ち子多く、休囚なれば則ち子少なく、落空沖散すれば則ち刑剋有り、剋せられ沖せられれば則ち子性暴戻なり。子孫吉神を帯ぶれば則ち子賢良にして、凶神を加えれば則ち子頑劣なり。子孫身爻世爻に跨臨すれば則ち子孫出類拔萃し、日建月建に臨まば則ち子孫昌盛栄顕す。兄弟を占するも亦此の弁法に照らす。(注:若し世爻子孫に沖剋せられば、則ち子女忤逆す。凡そ父母の尚兄弟有るや否やを問うは、則ち兄弟爻を看る。其余後輩を問うは皆子孫爻を占す。)
如問趨避,則福為我所趨,鬼為我所避。官鬼克世者不以貴言也,火鬼克身而憂焚,水官傷世而患溺,帶白虎則避兵凶,加元武則防盜賊,雖青龍亦恐惑於酒色也。所以鬼屬之物不可食,鬼發之宮不可適。丑鬼戒牛,卯鬼戒兔,戌為瘋犬,午為狂驢;鬼發兌而毋妮少婦,鬼發乾而毋老僧,鬼發雀符而防官非之擾,鬼發陳蛇而招輕諾之凶;發於離而目翳,發於震而足跂,於金則病肺,於火則病血;鬼發游魂而莫近於新所,鬼發歸魂而莫還於舊鄉。生合世之方宜往,克沖世之方宜回,生合之人可交,克沖之人宜遠也。(以五行六神八宮諸星及十二支所屬鬼動,近取諸身,遠取諸物,而趨避得矣。)
趨吉避凶を問うに至りては、子孫福神是れ我が当に趨近すべきにして、官鬼是れ我が当に躲避すべきなり。官鬼世を剋する時は、則ち能く之を把りて富貴と当てて講ずる能はず。火性の官鬼身を剋せば、火火災を憂うるを要す。水性の官鬼世を傷めば、溺水を防ぐを要す。官鬼白虎を帯ぶれば、兵災を躲くるを要す。元武を加えれば、盗賊を防ぐを要す。便ち青龍に臨むとも、亦酒色に迷惑せらるるを怕る。ゆえに官鬼の属する所の物食す可からず、官鬼発動する其の一宮の方位往く可からず。丑爻の官鬼は牛を戒め、卯爻の官鬼は兎を戒め、戌は瘋狗を主り、午は狂驢を主る。官鬼兌に発せば、少婦に昵近する勿れ。乾に発せば、老僧に親近する勿れ。官鬼朱雀・天符に臨まば、官司是非の攪擾を防ぐを要す。勾陳・騰蛇に臨まば、軽易許諾の禍を招かん。離に発せば眼病を防ぐを要し、震に発せば足疾を防ぐを要す。金に属すれば則ち病肺に在り、火に属すれば則ち病血に在り。官鬼游魂卦に在りて発動せば、新地方に靠近する勿れ。帰魂卦に在りて発動せば、旧郷に回る勿れ。世爻を生合するの方位は往くに宜しく、世爻を剋沖するの方位は避開するに宜し。我を生合するの人は交わる可く、我を剋沖するの人は当に遠離すべし。(注:五行・六神・八宮・諸星および十二地支の所属に按じて官鬼の何処に動くを看、近きは人身に取象し遠きは外物に取象す、趨避の道即ち得着せり。)
夫艮發子爻,利修身于山谷,乾興福象,宜砥節於朝堂。巽求花果之財,震覓舟航之息,兌以酒食之資,坤以莊田之益。動於木上,應守業於桑麻,搖於水中,宜治生於江海,火向爐煆之肆,金趨玉石之門,而土惟誠信耕耘可也。常謂虎財宜屠,雀財宜優,龍財宜樂,麟財宜技,蛇財宜商,武財宜肆。無財而有官者,技善巫醫,無官而有財者,運宜商賈。(福乃財之源,財乃利之主,故財福所適八宮六神五屬,皆為資生之處、功業之鄉。如子發乾宮,殿折庭諍,亦無禍也,不可以子動傷官為言,若專問仕途,仍復為忌。)
子孫爻艮宮に在りて発動せば、山谷の中に在りて身を修むるに宜し。子孫乾宮に在りて興起せば、朝堂の上に在りて気節を砥礪するに宜し。妻財巽宮に在れば、花果の利を求む。震宮に在れば、舟船運輸の息を求む。兌宮に在れば、酒食生意に靠る。坤宮に在れば、田荘収益に靠る。妻財木爻に在りて動けば、桑麻の業を守るべし。水爻に在りて動けば、江海の上に在りて生を謀るに宜し。火に属すれば則ち炉冶の鋪子に往き、金に属すれば則ち珠玉石器の行に往き、土に属すれば則ち只誠信耕作に宜し。常に説く、妻財白虎に臨まば屠戸を作るに宜しく、朱雀に臨まば優伶を作るに宜しく、青龍に臨まば声楽を作るに宜しく、勾陳(麒麟)に臨まば技芸を作るに宜しく、騰蛇に臨まば行商を作るに宜しく、元武に臨まば店鋪を開くに宜しと。卦中財なくして官有るは、技芸の上巫医を作るに宜しく、官なくして財有るは、命运の上商賈を作るに宜し。(注:子孫是れ妻財の源にして、妻財是れ財利の主なり、ゆえに財・福の在所の八宮・六神・五行の属は、皆是れ養生の処・建功の郷なり。例えば子孫乾宮に在りて発動するは、是れ殿廷の上に在りて折辯諫諍するにして、亦禍有る能はず、一概に子孫動けば則ち官を傷むと説く可からず。若し専ら仕途を問わば、是れ還て忌むを要す。)
世臨子孫者,恬澹寬和,宜僧宜道;世臨官鬼者,英雄勇悍,宜武宜文;世臨父母者,是謂生我於勞;世臨妻財者,是謂溺我以豫;世臨兄弟者,是謂義利相勝也。(父母為勞碌之神,故像操持;妻財為饒豫之像,故戒驕溺;弟兄以義相親,以利相疏,占者義利持中,否則主貧也。)
世爻子孫に臨むは、性情恬淡寛和にして、僧道を作るに宜し。世爻官鬼に臨むは、為人英勇強悍にして、文に宜しく武に宜し。世爻父母に臨むは、是れ労碌に靠りて自己を養活するなり。世爻妻財に臨むは、是れ安逸享楽に沉溺せらるるなり。世爻兄弟に臨むは、是れ義と利と互相較量するなり。(注:父母是れ労碌の神なり、ゆえに操持を象徴す。妻財是れ豊饒安逸の象なり、ゆえに驕縦沉溺を戒むるを要す。兄弟は義をもって相親し利をもって相疏す、占者能く義利の間に在りて中を持せば則ち好し、然らざれば則ち貧窮を主る。)
世折於木者,修仁以植之;世崩於土者,立信以培之;世空而安者,莫若離塵;世空而動者,莫若奮志;動而沖散戒驕盈,動而生扶善結納。(此勉人遷善之法。蓋五行具五常,木仁金義火禮水智土信是也。設如木爻持世,或遇空破散絕,謂於仁有虧,非夭即疾,苟能修仁以植其木,則夭疾可延也。其他類推。)
世爻木に折せらるるは、則ち仁徳を修めて之を培植しに往け。世爻土に崩せらるるは、則ち信義を立てて之を培厚しに往け。世爻落空にして安静なるは、塵を離れ世を出づるに如かず。世爻落空にして発動するは、奮発して志を立つるに如かず。世爻発動して沖散に遇うは、驕満を戒むるを要す。世爻発動して生扶を得るは、広く善縁を結ぶに宜し。(注:これは人を勉めて善に遷らしむるの弁法なり。五行は五常に対応す、木は仁と為り金は義と為り火は礼と為り水は智と為り土は信と為る。譬えば木爻世を持して空・破・散・絶に遇えば、即ち是れ「仁」の上に亏有るにして、夭折するに非ざれば即ち疾病なり。若し能く仁徳を修養して此の木を培植せば、夭病も亦以て延緩す可し。其余類推せよ。)
無父母曰孤而依,無子孫曰獨而繼,無妻財而有子孫者孕於他婦,無父母而有弟兄者胞於異母。官坐世者夫綱整,財坐應者妻德備,卦空破而出寒微,宮旺相而產豪富,官父伏而有氣者,成名於暮年,財福藏而無傷者,起家於晚歲。(無六親,此言其大象,或傷於前,或損於後,不可執也。)
卦中父母爻なきは、是れ孤児にして須らく他人に依附すべし。子孫爻なきは、是れ後なきにして須らく過継すべし。妻財なくして子孫有るは、孩子是れ別の婦人の生む所なり。父母なくして兄弟有るは、是れ同父異母の出ずる所なり。官鬼世爻に坐するは、丈夫を作るに綱紀有り。妻財応爻に坐するは、妻子婦徳有り。整卦空破なれば、出身寒微なり。卦宮旺相なれば、豪富の家に生る。官爻・父爻伏蔵するといえども気有るは、晩年名を成す。財爻・福爻蔵伏するといえども傷なきは、晩年家を興す。(注:「或る一六親なし」と説くは、講ずる所只是れ大略の象なり。或いは先前傷を受け、或いは後来損折す、拘執す可からず。)
兩官者兼御之官,兩父者再試之第,兩身者再立之基,兩財者再婚之約,兩子孫者男女嫡庶,兩弟兄者手足同異也。(其詳備兩現章中。)變官而登日月之上,則是意外之官,變財而入旺相之中,則非望內之財也。動克世而多尤,動生世而多助;進神則禍福愈彰,退神則吉凶漸已;用神遇絕生者,先困後亨,用神遇有無者,始華終悴。(此言吉凶徵勝之道,卦無官鬼,非善求名,若變有日月官爻,當應特遇爵祿;世財逢絕,生平失利,如或長生,則先敗而後成。蓋動生世,好我者多,動克世,惡我者眾。)
両箇の官鬼は、是れ両職を兼摂するの官なり。両箇の父母は、是れ再び一次考えて始めて中るを要す。両箇の身爻は、是れ別に一份の家業を立つるを要す。両箇の妻財は、是れ再び一次婚するを要す。両箇の子孫は、是れ子女嫡有り庶有るなり。両箇の兄弟は、是れ手足同胞有り異母有るなり。(注:詳しくは《両現章》に見よ。)変爻の化出する官鬼若し日建月建の上に登れば、是れ意外に得るの官なり。変爻の化出する妻財若し旺相の地に入れば、是れ意想不到の財なり。動爻世を剋せば則ち多く怨尤を招き、動爻世を生ぜば則ち多く幇助を得。進神を化すれば則ち禍福愈々彰顕し、退神を化すれば則ち吉凶漸々平息す。用神絶処逢生するは、是れ先ず困みて後に通ず。用神有より無に変ずるは、是れ先ず繁華にして終に憔悴す。(注:これ是れ吉凶消長の道を講ず。卦中官鬼なく、本より名を求むるに利あらず。若し変爻正しく日月に当たるの官爻を化出せば、則ち意外に爵禄に遇うに応ずべし。世爻の上の妻財絶に臨まば、一生失利す。若し長生に逢えば、則ち先ず敗れて後に成る。動爻世を生ずれば、我を好むの人多し。動爻世を剋せば、我を厭うの人多し。)
猶有犯六害而手足參商,犯三刑而骨肉仇敵;貴人文昌天喜天祿及諸星有吉,亦必因吉而後求之,羊刃天賊官符天獄及諸星有凶,亦必因凶而後索之。語云:八卦成例,五行先之,六親隨之,六神象之,諸星輔相之。吉凶相稱,扶陽抑陰,遏惡揚善,而後可以筮趨避之驗也。
還て、六害を犯せば則ち兄弟参商して睦まざらん。三刑を犯せば則ち骨肉仇を成さん。貴人・文昌・天喜・天禄および各種の吉星も、亦必ず先ず卦に吉象有るを看出して、然後再び之を求めに往け。羊刃・天賊・官符・天獄および各種の凶星も、亦必ず先ず卦に凶象有るを看出して、然後再び之を尋ねに往け。話に曰く、八卦立ちて体例を成し、五行先に居りて六親之に随い、六神象を取りて衆星輔佐すと。吉凶両相に称量し、陽正を扶助し陰邪を抑制し、悪を遏止して善を表彰し、然後趨避を占して始めて応験有らん。
(此言星煞吉凶,若用神得地,然後以吉星符之,用神失位,然後以凶星象之。如丙戌子建戊申日,戊午生人,占身得小過之艮,世命投墓,本主壽夭,其午上有天賊元武羊刃大白虎之臨,後戊子季秋為賊所殺,可見因其凶而像之也。倘或身命求貴,官臨日月,而同白虎羊刃,則應太阿可握,兵衡可操矣。故曰:六神像之,諸星輔相之,法宜如此。)
(注:これ是れ星煞の吉凶を講ず。用神若し地を得れば、然後始めて吉星を把りて之を印証す。用神若し位を失えば、然後始めて凶星を把りて象を取る。例えば丙戌年子月戊申日に、一位の戊午年生の人身命を占し、《小過》を得て《艮》に変ず。世爻と本命と皆墓中に投入す、本より短寿を主る。而して午爻の上又天賊・元武・羊刃・大白虎の之に臨む有り、後来戊子年の秋末に到りて果然として強盗の殺す所と為る——見る可し凶星は卦已に凶なるに因りて象を取るなり。反りて之に、若し是れ身命を占して貴を求め、官爻正しく日月に臨みて同時に白虎・羊刃を帯ぶれば、則ち当に手に宝剣を握り兵権を執掌するの上に応ずべし。ゆえに「六神象を取り衆星輔佐す」と曰う、用法当に此の如くなるべし。)
大限自貞之初爻,以順巡乎悔之初爻,悔之初爻以順巡至乎伏之初爻,伏之初爻以順巡乎貞之初爻,陰陽之數,九變乃還,故九十復歸貞初,三世再始;無變從互,去閏從時。有言胎元體骨之別,乃謂初生,筮而以告也。
大限は本卦(貞)の初爻より起り、順次巡行して変卦(悔)の初爻に到る。再び変卦初爻より順次巡りて伏卦の初爻に到る。再び伏卦初爻より順次巡り回りて本卦初爻に到る。陰陽の数に按じて、九変して復た本位に帰す、ゆえに九十歳に到りて又本卦初爻に回り、第三箇の輪回重新に開始す。変卦なければ則ち互卦を取る。閏月を算せず、一律に節気に按じて推す。人の「胎元」「体骨」の分別を講ずるは、是れ嬰児初生の時卦を起して告示するに就きて言うなり。
年五十而筮之,則所往成敗利鈍以歷,吉凶何求?易雲占事知來,則必以所筮日時而始推初爻也,其吉凶以空破為危,沖散為戒,遇用為得,會忌為失,生合則順,克沖則逆。五年中加以小限齊之,是筮之日而始發於世爻,順而上下,周而循環,一年一位,其吉凶亦法式於大限。而再以歲齊之,其吉凶以虛而喜實,絕而喜生,無而喜見如此。
如果し五十歳に到りて始めて来たりて占せば、然らば已に過去せる成敗順逆皆已に親暦せり、還て何の吉凶を求めんや。《易》に「占事知来」と曰う、ゆえに必ず卦を起す其の一天の時日より算起して、初爻より開始して下に向かいて推するを要す。推する所の吉凶は、空に逢い破に逢えば危険と為し、沖に逢い散に逢えば当に戒懼と為し、用神に遇えば得と為し、忌神に会えば失と為し、生を得合を得れば則ち順にして、剋せられ沖せられれば則ち逆なり。大限五年一位にして、中間再び小限を用いて核対す。小限は卦を起す其の天より起り世爻より発端し、上下に順い巡行して周而復始し、一年一位にして、其の吉凶も亦大限の其の一套の法式に照らして断ず。再び流年太歳を用いて核対す。断ずる所の吉凶は、虚にして其の填実を喜び、絶にして其の生に逢うを喜び、無にして其の見を得るを喜ぶをもって准と為す。
(法曰:大限五年一位,始自初爻,小限一載一位,起自世爻,彌月嬰兒,筮用此例,其餘少壯,皆以所筮之日時,起大限小限於初爻世爻也。無變用互,從時,以占時節氣為準,如今占驚蟄,則以來年驚蟄為一年也,閏不算。易之所謂占事知來,不占往也。
(注:占法に説く、大限五年一位にして初爻より起り、小限一年一位にして世爻より起ると。満月の嬰児身命を占するは即ち此の例を用う。其余の少年壮年の人は、皆卦を起す当天の時日をもって准と為し、大限を初爻に起り小限を世爻に起る。変卦なければ則ち互卦を用う。いわゆる「従時」は、占卦当時の節気をもって准と為す。譬えば今天驚蟄に在りて占せば、則ち明年の驚蟄に到るをもって一年と算し、閏月計せず。これ即ち《易》の謂う所の「占事知来」にして、已往を占せず。
大限以小限參之,小限以歲月參之,虛宜實,絕宜生,無宜見而已。大小之限,俱忌空破散絕克沖及忌神之地,宜日月旺相生合及元神之鄉。如己丑寅建庚午日,己巳命占貴,得損之剝,卯官發見,當第辛卯,然大限巳文書化未兄弟,小限三年在子,是歲失利;後甲午榜,大限在卯,小限亦在卯,乃元神之鄉,其年中式,餘仿此。蓋大限、小限、流年,必先考流年之用忌,次詳大限之休咎,復索小限之吉凶,其輕重有等級,占者審之。)
大限は小限を用いて参看するを要し、小限は流年月建を用いて参看するを要す、総帰是れ虚なるは填実を宜とし、絶なるは生に逢うを宜とし、無なるは見を得るを宜とす。大限・小限皆空・破・散・絶・剋・沖および忌神の地に落つるを忌み、日月旺相・生合および元神の郷に落つるに宜し。例えば己丑年寅月庚午日に、一位の己巳年生の人功名を占し、《損》を得て《剥》に変ず。卯木官爻発動顕現す、理に照らして当に辛卯年に中第すべし。然るに大限巳に行き到り、文書爻未土兄弟を化出し、小限第三年中に行き到り、其の一年則ち落榜せり。後来甲午年放榜す、大限卯に在り小限も亦卯に在り、正しく是れ元神の郷にして、其の一年則ち式に中れり。其余此に照らして類推せよ。要之大限・小限・流年を推するは、必ず先ず流年の上の用神忌神を考察し、其次詳しく大限の休咎を審し、再び小限の吉凶を求む——三者軽重等級有り、占者は審察して清楚たるを要す。)
蓋其限同也,其占殊也,是以筮上而用於父母,伯叔同焉;筮下而用於子孫,甥侄同焉;筮室家而用於妻財,僕妾同焉;筮手足而用於弟兄,宗娣同焉。丈夫用官,良朋用應,而不可錯審也。用神是定,造化乃分,然筮者無僥倖之心,無固必之意,而後神告之矣。
限度の算法相同なるといえども、占する所の対象は卻て各々異なり。長輩を占するは父母爻を用い、伯父叔父同じく此の爻を用う。晩輩を占するは子孫爻を用い、外甥侄児同じく此の爻を用う。妻室を占するは妻財爻を用い、僕人姫妾同じく此の爻を用う。兄弟を占するは兄弟爻を用い、宗族の中の姉妹同じく此の爻を用う。丈夫を占するは官鬼を用い、好友を占するは応爻を用う——此の等錯る可からず。用神一たび定まれば、造化始めて分清する得たり。然るに占卦の人は須らく僥幸の心なく固執必得の念なくして、然後神明始めて之に告示せん。
年運章第四十七
聖人作易,以前民用,使天下知吉凶,而為趨避也。故雖聖哲,不廢蓍龜,然占者須分遠近,或筮三年,或筮今歲,皆以世爻為本,故世爻旺者身安,鬼爻靜者災息,隨官入墓、助鬼傷身,則訟起而疾作也,反吟伏吟、化居墓絕,大病將至也。此年運之要也。(反吟伏吟墓絕,當察主屬,若身繫長男,伏吟則惡,身屬中女,反吟則凶之類,非是皆不忌也。)
聖人の《易》を作るは、是れ百姓の日用に先んじて教を立て、天下人に吉凶を知らしめて趨避を懂らしめんが為なり。ゆえに便ち聖哲の人なるとも、蓍亀を廃棄せず。然るに占卦の人は須らく遠近を分かつを要す。或いは未来三年を占し、或いは只今年を占す、皆世爻をもって根本と為す。世爻旺相なれば則ち身体安泰にして、官鬼安静なれば則ち災禍止息す。若し随鬼入墓・助鬼傷身せば、則ち訟を興し病を生ずるを要す。若し反吟・伏吟に逢うか或いは墓絶の地に化入せば、大病将に来たらんとす。此の等是れ年運を占するの要点なり。(注:反吟・伏吟・墓絶は、還て本人の所属する之卦を察看するを要す。例えば本人長男に属して伏吟に逢えば則ち悪し、本人中女に属して反吟に逢えば則ち凶なり。此の等の情形に属せざれば、則ち一概に皆忌むを必せず。)
且世空有謀而虛望,世破無故而致災,動則勞,靜則逸,沖為行未舉而先疑,散為事未成而隨敗,旺相則事每順成,休囚則往多淹滯。(年運占法,實係世爻,若日月生扶,旺相安靜則吉,空破散絕,休囚發動則少安也。)
此の外、世爻落空すれば、謀劃有るといえども亦是れ空指望なり。世爻破に逢えば、無縁無故にしても亦災を招かん。世爻発動すれば則ち労碌にして、安静なれば則ち安逸なり。沖せらるるは、是れ事情未だ動身せざるに先ず疑を起すなり。散ぜらるるは、是れ事情未だ做成せざるに跟いて垮掉す。世爻旺相なれば則ち事情往々順利成就し、休囚なれば則ち前往多く耽擱す。(注:年運を占するは実に世爻に係る。世爻日月の生扶を得旺相にして安静なれば則ち吉、空・破・散・絶に逢うか或いは休囚にして発動せば、則ち少有安寧なり。)
猶有得坎艮而忌出行,得屯蹇而忌拜疏,得井而難遷,得遁而不進,得姤而毋耽女色,得無妄而毋事妄求,得小過而毋留怨於小人,得兌而毋縱其口,則占者之戒也,然必因鬼動而推之。(此以卦象趨避,然必兼鬼爻發動,若鬼靜則莫將卦名推禍福也。蓋官鬼為年運之忌神,謂不宜老,世爻為年運之用神,謂不宜病。)
還て、《坎》《艮》を得るは遠門を出るを忌み、《屯》《蹇》を得るは疏を上り言を進むるを忌み、《井》を得れば則ち遷徙し難く、《遯》を得れば則ち進取するに宜からず、《姤》を得るは女色に沉溺する勿れ、《无妄》を得るは妄りに営求する勿れ、《小過》を得るは小人と怨を結ぶ勿れ、《兌》を得るは口舌を放縦する勿れ——此の等皆是れ占者の戒忌なり。然るに必ず官鬼発動を結合して始めて此の如く推す。(注:これ是れ卦象を用いて趨避を定むるなり、然るに必ず兼ねて官鬼発動有るを要す。官鬼若し安静なれば、則ち単に卦名に憑りて禍福を推する勿れ。要之官鬼是れ年運の忌神にして、之をして老健ならしむるに宜からず。世爻是れ年運の用神にして、之をして病有らしむるに宜からず。)
然鬼發之宮,及鬼發之爻,亦有戒也。動於坤,則老母、土田、文章、坵墓、大輿,而緣於禍;動於坎,則江河、叢棘、盜賊、酒食、心病、耳痛,而兆諸殃;動於震,則舟車、旌旗、仙道、長子、尚武、宿怒,而生其咎;乾常應朝庭、寺院、西北、乘馬、折輿之憂;巽常應風姨、悍婦、園林、利賂、雞鵝之病;艮為童稚、墳塚、閽寺、狗齧、虎驚之由;是以目昏、腹大、戈兵、甲冑、南行而受患者,起之離;花柳、輕狂、師尼邪惑、以言而取怨者,起之兌也。伸八卦之象,像萬類之形,而趨避兆矣。(此以廣八卦為禍福趨避之象,餘可引而申之。)
官鬼発動する何れの一宮・何れの一爻に在るかは、各々戒忌有り。坤宮に在りて動けば、禍事則ち老母・田土・文書・墳墓・大車に牽連す。坎宮に在りて動けば、災殃則ち江河・荆棘・盗賊・酒食・心病・耳痛に兆す。震宮に在りて動けば、咎害則ち舟車・旌旗・仙道・長子・武事を崇尚す・旧日の怨怒に生ず。乾宮は常に朝廷・寺院・西北方・騎馬・翻車の憂に応ず。巽宮は常に風災・悍婦・園林・賄賂・難鵝の病に応ず。艮宮は是れ児童・墳塚・門を守るの宦者・狗咬・虎驚の由頭なり。眼花・腹脹・兵戈・甲胄・南行して患に遭うは、離宮より起る。花街柳巷・挙止軽狂・僧尼邪術迷惑・言語に因りて怨を招くは、兌宮より起る。八卦の象を把りて推衍し開き去り、万物の形に取象せば、趨避の兆頭即ち顕出す。(注:これ是れ八卦を推広して禍福趨避の象と為すなり、其余以て引申す可し。)
以六神而分龍喜、虎喪、雀非、武盜、蛇驚、勾滯之別,以六爻而分老長幼之等。蓋鬼動於五,父不安,動於初,子不寧也。(龍曰喜,虎曰喪,雀曰非,武曰盜,騰蛇虛浮,勾陳遲滯也。初子二妻三弟兄,四母五父上祖也。)
六神を用いて事情の性質を分辨す。青龍は喜慶を主り、白虎は喪事を主り、朱雀是是非を主り、元武は盗窃を主り、騰蛇は驚恐を主り、勾陳は遅滞を主る。六爻を用いて長幼尊卑の等次を分辨す。官鬼第五爻に在りて動けば、父親不安なり。初爻に在りて動けば、子女不寧なり。(注:青龍は喜と為り、白虎は喪と為り、朱雀是是非と為り、元武は盗と為り、騰蛇は虚浮不実にして、勾陳は遅滞難行なり。爻位は初爻は子女と為り、二爻は妻と為り、三爻は兄弟と為り、四爻は母と為り、五爻は父と為り、上爻は祖先と為す。)
以六親之化,而分父母、兄弟、妻子之疾,及為我難。蓋弟兄化鬼而鶺鴿飛,鬼化子孫而麟趾戚,鬼化財而牝雞鳴晨,財化鬼而孤雄啼夜也。(子孫化鬼,卑幼兆災,鬼化弟兄,手足召禍,鬼化父母,憂及尊長,父母化鬼,患發文書也。此重獨發。)
六親の変化を用いて、以て是父母か兄弟か妻子の病有るかを分辨し、或いは誰が我に災難を帯来するかを分辨す。兄弟官鬼を化出するは、是れ鶺鴒驚飛して兄弟難に遭うなり。官鬼子孫を化出するは、是れ麟趾戚有りて子孫累を受くるなり。官鬼妻財を化出するは、是れ牝雞司晨して妻室変を生ずるなり。妻財官鬼を化出するは、是れ孤雄夜啼して偶を喪うの象なり。(注:子孫の官鬼を化するは、卑幼の人災有り。官鬼の兄弟を化するは、手足禍を招く。官鬼の父母を化するは、憂患尊長に及ぶ。父母の官鬼を化するは、禍患文書の上に出づ。此の等皆独発の爻に重んず。)
以世應分彼我,以傍間為連勾,以陰陽為現在將來,以旺衰為大小,以星煞為事端,此避凶之道也。(世鬼自己之禍,應鬼他累之禍,傍間鬼勾連之禍,陽現陰隱,旺大衰小,星煞以符其事,如桃花,則婦人之禍,若天賊,則穿窬之害也。他以類詳。)
世応を用いて彼我を分かち、旁爻間爻を用いて牽連せらるるや否やを看、陰陽を用いて眼前と将来とを分かち、旺衰を用いて事情の大小を分かち、星煞を用いて事情の由頭を看る——これ是れ凶を避くるの道なり。(注:官鬼世爻に在るは、是れ自己の招く所の禍なり。応爻に在るは、是れ別人に連累せらるるの禍なり。旁爻間爻に在るは、是れ勾連せられて入るの禍なり。陽爻は顕を主り陰爻は隠を主る。旺なれば則ち事大にして衰なれば則ち事小なり。星煞は用いて事情の性質を印証す。例えば桃花を帯ぶれば、則ち是れ婦人の禍なり。天賊を帯ぶれば、則ち是れ墻を穿ち壁を翻るの賊の禍害なり。其余類に照らして推詳せよ。)
夫官文靜旺,宜以求名,財福生扶,宜以問利,子旺貴人,誕兒跨灶,應財生世,得婦齊眉。蓋爻神得地,鬼象不興,此趨吉之道也。(世既旺矣,鬼既靜矣,然後索卦爻上下,或何象持世應、臨日月、居發動、分生克,以為吉可趨也。)
官爻・文書爻安静にして旺相なれば、功名を求むるに宜し。妻財・子孫生扶を得れば、財利を問うに宜し。子孫旺相にして貴人を帯ぶれば、生むの児子父親に勝過せん。応爻の上の妻財来たりて世爻を生ずれば、能く挙案斉眉の賢妻を娶るを得たり。要之爻神各々其の位を得官鬼の象興動せざれば、これ即ち吉に趨くの道なり。(注:世爻既に旺く官鬼既に静ければ、然後再び上下の六爻を捜検せよ。何れの象か世を持し応を持するか・日 月に臨むや否や・発動するや否や・各々生剋如何を看、此に拠りて何れの一様の吉趨く可きかを判定す。)
大抵年運之占,避凶為先,趨吉為次,故吉欲其自無而有,則必年運之生旺用神也;凶欲其自有而無,則必年運之制伏忌神也。以吉忌推衰旺,以歲月合世爻,巳世逢亥月而遭迍,酉世逢辰年而得濟,乃其法也。審此,而吉凶趨避之道,思過半矣。(如時下乏嗣,年運內逢子生,當歲即孕;時下構訟,年運內逢官鬼墓絕,其詞乃滅;如卦中有元官之發,年運內值歲而方見;如世爻落空,年運少利,後值太歲,是年諸事可圖也。先求避凶,後求趨吉,一動一靜,不可忽也。)
大体説けば、年運を占するは凶を避くるを先と為し吉に趨くを次と為す。吉事をして無より有に変ぜしめんと要せば、則ち其の一年の年運の来たりて用神を生旺するを得るを要す。凶事をして有より無に変ぜしめんと要せば、則ち其の一年の年運の来たりて忌神を制伏するを得るを要す。吉神忌神を用いて衰旺を推し、流年月建を用いて世爻を配合す。巳爻世を持して亥月に遇えば則ち困頓に遭い、酉爻世を持して辰年に遇えば則ち接済を得——これ即ち其の法則なり。此の一層を審察明白せば、吉凶趨避の道も亦大半を領会せり。(注:例えば眼下子嗣なし、若し年運の中子孫生に逢うに遇えば、当年即ち能く懐孕す。眼下正に官司を打つ、若し年運の中官鬼入墓臨絶に遇えば、訟詞即ち消解せん。又如卦中官爻元神発動有れば、年運正しく其の太歳の年に値するを待ちて始めて分暁を見ん。又如世爻落空すれば、年運便ち少なく利有り、後来太歳填実の其の一年を待ちて、諸事則ち皆可図なり。先ず凶を避くるを求め後に吉に趨くを求む、一動一静皆忽略す可からず。)
卜居章第四十八
(內詳新舊居還舊合新共居創造興修年月匠工廟宇道場公署館地蠶室倉棧賈肆等問)日之所作,夜之所息,出入無不由中,當先求其安,後擇其利,故官鬼於居為殃害、為妖孽、為火盜、為官喪,動則有其事也。已住之居卜內卦,未住之居卜外卦,不遇正沖悔沖合沖、反吟伏吟、墓絕空破,而逢旺相胎沒之卦則吉。卦司氣象,氣象旺而家業昌,鬼司禍殃,禍殃作而門戶警。(卜居之法,先察卦臨旺相,後問福財。)
(本章は詳しく新居旧居・旧宅に回る・新宅に合する・人と同住・創建・興修・年月を擇ぶ・工匠を雇う・廟宇・道場・公署・館舍・蚕室・倉桟・店鋪等の問目を列す。)白天此処に在りて労作し、夜裡此処に在りて安息し、出出入入皆此処に由る、ゆえに先ず其の安穩を求めて、然後其の有利を擇ぶ。官鬼住居の占の裡に在りては殃害・妖孽・火災盗賊・官司喪事を代表す、其れ一たび発動すれば、此の等の事即ち来たる。已に住するの房子は内卦を占し、未だ住せざるの房子は外卦を占す。本卦六沖・変卦六沖・合処逢沖に遇わず、反吟伏吟に遇わず、墓・絶・空・破に遇わずして、而して卦体又旺・相・胎・没の候に逢えば、即ち是れ吉なり。卦体は気象を主り、気象旺なれば則ち家業昌盛す。官鬼は禍殃を主り、禍殃一たび作れば則ち門戸不寧なり。(注:住居を占するの弁法は、先ず卦体の旺相なるや否やを看、然後再び子孫・妻財を問う。)
如鬼動於火,天垂熒惑之殃,鬼動於水,地受橫流之害;雀非武盜,蛇怪虎喪。在世則主人少安,在應則宅毋失利。蓋以鬼動何爻,而兆禍之報也。(五行所司,木鬼主風波,土鬼主瘟疫,金鬼主兵喪。六神所司,青龍鬼為喜偽,勾陳鬼為田荒。六爻所司,初井二灶三床蓆,四為門戶,五為路為人,六為棟宇牆壁。鬼若動此,禍則從之。)
官鬼火爻に在りて動けば、是れ天の熒惑の殃を降すにして、当に火患を憂うべし。水爻に在りて動けば、是れ地の洪水横流の害を受くるなり。官鬼朱雀に臨まば是非を主り、元武に臨まば盗賊を主り、騰蛇に臨まば怪異を主り、白虎に臨まば喪事を主る。官鬼世爻に在れば、主人安寧を得ず。応爻に在れば、房宅其の利を得ず。要之官鬼の何れの一爻に在りて動くを看、以て禍事の応報を兆示す。(注:五行の主る所は、木性の官鬼は風波を主り、土性の官鬼は瘟疫を主り、金性の官鬼は兵災喪事を主る。六神の主る所は、青龍官鬼是れ虚假期の喜事にして、勾陳官鬼是れ田地荒蕪なり。六爻の主る所は、初爻は井と為り、二爻は竈と為り、三爻は床席と為り、四爻は門戸と為り、五爻は道路と人口と為り、上爻は棟梁墻壁と為す。官鬼何れの一爻に在りて発動すれば、禍事即ち跟いて来たる。)
卜基之形,父母旺而房屋寬,官鬼實而廳堂整,妻財豐而倉廚盈,子孫破而廊廂損,兄弟陷而牆垣傾,世應空而邨鄉冷。(父母覆庇,屋之象也;官鬼賓客,廳之象也;妻財飲食,廚之象也;子孫卑小,披之象也;兄弟護衛,廝之象也。)
宅基の形制を占すれば、父母爻旺相なれば則ち房屋寛敞にして、官鬼爻充実なれば則ち庁堂斉整にして、妻財爻豊足なれば則ち倉庫厨房充盈し、子孫爻破に逢えば則ち廊廡廂房損壊し、兄弟爻陥落すれば則ち墻垣傾頽し、世応の両爻落空すれば則ち村落冷清なり。(注:父母は覆庇を主り、是れ房屋の象なり。官鬼は賓客を主り、是れ庁堂の象なり。妻財は飲食を主り、是れ厨房の象なり。子孫卑小にして、是れ披屋の象なり。兄弟は護衛を主り、是れ廊厮の象なり。)
舊居久否,三沖及游魂、世動世空而難為長策;新居吉否,三沖鬼動、外卦病傷而未是喬遷。復還舊居,雖未並而占內卦,會合新居,雖已就而卜外爻。(沖則不長,遊則不定,空則不處,動則不留也。外卦病傷,如反伏吟、卦墓絕也。舊居重還,亦占內卦,新居雖得,亦察外卦。)
旧居の久住する能くや否やを占するに、六沖に遇い游魂に遇い、或いは世爻発動・世爻落空するは、皆是れ長久の計にあらず。新居の吉利なるや否やを占するに、六沖に遇い・官鬼発動・外卦病有り傷を受くは、皆未だ喬遷の時に至らず。旧居に回りて住さんと要すれば、便ち未だ搬回せずとも亦内卦を占す。新居に合りて往かんと要すれば、便ち已に談妥するも亦外爻を占す。(注:沖に逢えば則ち住むこと長からず、游魂なれば則ち心定まらず、落空すれば則ち住み下る能はず、発動すれば則ち留め住む能はず。いわゆる外卦病有り傷を受くとは、即ち反吟・伏吟・卦体墓絶の類なり。重ねて旧居に回るも仍お内卦を占し、新居已に手を得たるも亦仍お外卦を察看するを要す。)
與人共居,應空破而不我顧,應沖剋而非我從,貞悔合沖,朝入室而暮操戈之人也。(親人共居,屬在用神,他人共居,屬在應爻。)卜創造,利在安久,亦忌三沖。內衰而鬼動也,卜興修防有妨礙,官克世而犯陰陽,鬼值動而起災咎。選擇年月,鬼動以為忌,克世以為凶。匠工,應壞為拙,克世為詐,六沖則不終也。(造作興修,皆忌鬼發。)
人と合住すれば、応爻空破なれば、対方肯んじて我を照顧せず。応爻沖剋せば、其人肯んじて我と同心せず。本卦六合にして変卦六沖なれば、是れ早上還て一室に同居し晚上則ち戈を操りて相向くの人なり。(注:親人と合住するは、各々の用神を看る。外人と合住するは、応爻を看る。)屋宇を創建するを占するは、安穩長久を貴しと為し、同様に六沖を忌み、亦内卦衰弱にして官鬼発動するを忌む。工を興し修繕するを占するは、妨礙有るを防ぐを要す。官鬼世を剋せば即ち是れ陰陽禁忌を触犯す、官鬼一たび動けば則ち災咎を起さんと要す。年月を選擇するを占するは、官鬼発動をもって忌と為し、官鬼世を剋するをもって凶と為す。工匠を雇請するを占するは、応爻敗壊すれば則ち手芸拙劣にして、応爻世を剋せば則ち為人狡詐にして、六沖に遇えば則ち底まで作る能はず。(注:営造と興修とは皆官鬼発動を忌む。)
卜居廟宇,專忌鬼發;占建道場,專喜福興;占興公署,官旺而爵遷,世空而解仕。卜館地重文書,鬼動不可;占蠶室重子孫,官空是宜;占倉棧、優場、浴室、賈肆者,專務於財,無他求也。是故居求安,事求順,謀求濟,所以鬼發則不安,卦反則不順,用失則不濟,此卜居之法也。(卦反者,如三沖反伏墓絕空破之類。用失者,如心之所求,為財用財,為官用官之類。)
廟宇の裡に住するを占するは、専ら官鬼発動を忌む。道場を興建するを占するは、専ら子孫福神の興旺を喜ぶ。公署を修建するを占するは、官爻旺相なれば則ち升遷し、世爻落空すれば則ち職を去る。館に坐して徒を授くるの地を占するは、文書爻に重んじ、官鬼発動すれば則ち行わず。蚕室を占するは、子孫爻に重んじ、官鬼落空すれば正しく宜に合す。倉桟・戯場・浴室・店鋪を占するは、専ら妻財をもって務と為し、別に他求なし。要之居処は安を求め事情は順を求め謀劃は成を求む。官鬼発動すれば則ち安からず、卦象反逆すれば則ち順ならず、用神位を失えば則ち成らず——これ即ち住居を占するの法則なり。(注:いわゆる「卦反」は、六沖・反吟・伏吟・墓絶・空破の類を指す。いわゆる「用失」は、心裡何を求むれば則ち当に何の爻を用うべきかを説くなり——財を求むれば妻財を用い官を求むれば官鬼を用う、用神位を失えば則ち成らず。)
塋葬章第四十九
(內詳地師覓地定穴壽地停厝安靈合附買地賣地托守修培選日諸問)古之卜地,以安親之遺體,而非有他求,然一體之感,安危亦應後裔,所以子孫為祭祀,而不可衰也,世為主穴,而不可虛也。斯二者,地理之要也。(喜子孫遇日月旺相則喜,逢空破散絕則凶。復以世爻實而不虛,旺而不病,始可言善。蓋空非真,散是風、蟻、沙、水,破為傷損,沖經開鑿 ,臨鬼為古墓也。)
(本章は詳しく風水先生・地穴を尋覓・穴位を点定・生前予め寿地を置く・停柩・安霊・合葬附葬・地を買う・地を売る・人に托して看守せしむ・培土を修補・日子を選択等の問目を列す。)古人墓地を占卜するは、是れ先人の遺体を安放するが為にして、並びに別の企求なし。然るに血脈一体にして相感ず、先人の安危も亦後代の身の上に応験す。ゆえに子孫爻は祭祀を代表し、衰弱す可からず。世爻は穴位を代表し、虚空す可からず。此の两条是れ地理を看るの要点なり。(注:子孫爻の日月旺相を得るを喜び、其の空・破・散・絶に逢うを怕る。再び世爻の実にして虚ならず旺にして病なきを要して、始めて好しと説く可し。落空は是れ穴真ならず、沖散は是れ風有り・蟻有り・沙有り・水有り、逢破は是れ傷損有り、被沖は是れ曽て開挖せられたる有り、官鬼に臨むは是れ原より古墓有るなり。)
是故巽為風,坎為水,乾為石,兌為沙,離為蟻,蠱為蟲,井為泉,明夷為伏尸,此八者,風水之卦忌也,雖世與子孫皆旺,不能為吉。且墳以久為利,墓以安為臧,所以貞悔遇沖,合處逢沖,大則洪泛陵夷,小則遷移更改,隨官入墓,忌有古塚,皆不用也。(以世隨鬼入墓,屬土尤甚,右卦忌、爻忌,雖世實子旺不用也。)
ゆえに《巽》は風と為り《坎》は水と為り《乾》は石と為り《兌》は沙と為り《離》は蟻と為り《蠱》は虫と為り《井》は泉と為り《明夷》は伏屍と為る、此の八様是れ風水の占の卦忌なり。縦え世爻と子孫と皆旺なるとも、亦吉と算する能はず。且つ墳は能く長久するをもって利と為し墓は能く安穩するをもって好と為す、ゆえに本卦変卦沖に逢う或いは合処逢沖すれば、大は則ち洪水泛濫し陵墓夷平し、小も亦遷葬改建するを要す。世爻随鬼入墓せば、則ち彼処原より古墳有るを忌む——此の等皆用う可からず。(注:世爻随鬼入墓するは、官鬼土に属するは尤も厳重なり。以上の此の等の卦忌・爻忌は、縦え世爻充実・子孫旺相なるとも、亦一概に用いず。)
是故卜地之秘,不遇卦忌,不遇三沖,不遇世墓,世爻實而子孫旺者,盡善矣、盡美矣。子孫旺而官文得地者貴,子孫旺而財得地者富,子孫旺而遇帝旺者多男,子孫旺而遇長生者多壽,子孫旺而遇羊刃白虎者出武夫,子孫破者出殘疾,子孫空者出僧道,子孫絕者覆宗嗣,子孫散者主生離,子孫休囚,而帶孤神寡宿者出四煢,子孫休囚,而帶元武咸池者出滛奔,子孫受傷於外卦及游魂者,主暴死他鄉,子孫壞而帶刃虎及金鬼獨發者主戮,壞而及水火獨發者,主水災火厄,壞而帶符獄武賊者主盜訟。(此專察子孫衰旺,定其吉凶。)
ゆえに墓地を占するの秘要は、卦忌を犯さず、六沖に逢わず、世爻入墓に遇わず、世爻充実にして子孫旺相なれば——これ即ち尽善尽美なり。子孫旺にして官爻・文書爻各々其の位を得れば、貴を出すを主る。子孫旺にして妻財位を得れば、富を出すを主る。子孫旺にして帝旺に遇えば、男丁多きを主る。子孫旺にして長生に遇えば、寿考多きを主る。子孫旺にして羊刃・白虎に遇えば、武人を出すを主る。子孫破に逢えば、残疾の人を出す。子孫落空すれば、僧道を出す。子孫絶に臨まば、宗嗣断絶す。子孫沖散せば、骨肉生離を主る。子孫休囚にして孤辰寡宿を帯ぶれば、鰥寡孤独の人を出す。子孫休囚にして元武・咸池を帯ぶれば、淫奔の事を出す。子孫外卦或いは游魂卦の中に在りて傷を受けば、他郷に暴死するを主る。子孫敗壊にして羊刃・白虎および金性官鬼の独発を帯ぶれば、殺戮に遭うを主る。敗壊にして水爻火爻の独発に遇えば、水災火厄を主る。敗壊にして官符・天獄・元武・天賊を帯ぶれば、盗窃と訟事とを主る。(注:此の段は専ら子孫の衰旺を看て以て吉凶を定む。)
卜地之形,青龍空而左凹,白虎動而右凸,元武陷而後虛,朱雀沖而前雜,間爻旺而明堂寬,上爻空而水口缺,勾陳實而來龍端,騰蛇沖而去路裂,應克世而案山高,應值空而印心側。(以六神、六爻、世應分形勢,以旺崇、衰卑、空虛、破碎、散亂、絕傷、沖損、動昂、合和、生世為助、克世為欺、坐鬼為尸。)
墓地の形勢を占するに、青龍落空すれば則ち左辺低凹し、白虎発動すれば則ち右辺突起し、元武陥落すれば則ち後方空虚し、朱雀沖せられれば則ち前方雑乱す。間爻旺相なれば則ち明堂寛闊にして、上爻落空すれば則ち水口缺有り。勾陳充実なれば則ち来龍端正にして、騰蛇沖せられれば則ち去路断裂す。応爻世を剋せば則ち案山高しと為り、応爻落空すれば則ち印心偏側す。(注:六神・六爻・世応を用いて以て形勢を分辨す——旺なれば則ち高く、衰なれば則ち低く、空なれば則ち虚しく、破なれば則ち碎れ、散なれば則ち乱れ、絶なれば則ち傷み、沖なれば則ち損い、動なれば則ち昂起し、合なれば則ち和順す。世を生ずるは有助と為り、世を剋するは欺圧と為り、官鬼に坐すれば則ち地下尸骨有り。)
舊傳二為穴,乃地中爻也,蛇為穴,處穴之物也,此非通訟,故專以世為主穴者,則變而不窮,於是乎。金官持世,穴礙石崗,水官持世,穴入泉渠,木官持世,穴發竹木,火官持世,穴伏蛇蟲,土官持世,穴亂墳塚,必此以子孫失位而云也,旺則不泥,雖臨亦輕。蓋以六獸六爻占其形,世占其穴,子占其福定矣。(二爻為穴,只有寅辰午亥丑巳卯,而十二支不全,巳曰蛇必在初爻,惟其不化,故法以世為穴,以其能變通也。鬼在世為穴病,若子孫日月旺相,則不拘焉,謂其可修補爾。大抵神與爻,考其形勢,世與福,考其真偽。)
旧説は第二爻をもって穴と為す、其れ地位の中爻たるをもってなり。又騰蛇をもって穴と為す、蛇是れ穴中の物たるをもってなり。此の両種の説法は皆通達の論と算せず、ゆえに本書専ら世爻をもって穴の主象と為す——かくの如くして変化始めて無窮なり。是より、金性の官鬼世を持せば、穴中石崗に碍られ。水性の官鬼世を持せば、穴泉渠に陥入す。木性の官鬼世を持せば、穴中竹木を長出す。火性の官鬼世を持せば、穴裡蛇虫を伏す。土性の官鬼世を持せば、穴処雑乱にして旧墳有り。然るに此の等皆是れ子孫位を失するの情形の下に在りて始めて此の如く説く。子孫若し旺なれば、則ち拘泥するを必せず、縦え官鬼の世に臨む有るとも亦軽と算す。要之六神・六爻を用いて其の形勢を占い、世爻を用いて其の穴位を占い、子孫を用いて其の福蔭を占せば、則ち定めるを得下れり。(注:二爻をもって穴と為すは、十二支の中只寅・辰・午・亥・丑・巳・卯の幾箇を出現するのみ、並びに斉全ならず。巳は蛇と為り又必ず初爻に在る、皆是れ固定不変なり。ゆえに本書法を立てて世爻をもって穴と為す、其の能く変通するを取ればなり。官鬼世爻の上に在るは是れ穴毛病有るなり。若し子孫日月旺相を得れば、則ち拘泥するを必せず、是れ還て修補す可しを説くなり。大体に於ては、六神と爻位と以て形勢を考察し、世爻と子孫と以て真偽を考察す。)
卜地師美惡,先重其學,應不可破空,後重其心,應不可克世。父母旺而應爻虛,博覽長而眼力短也。卜得地有無,有父母而有,無父母而無,及世不可空,空則有而不遇也。卜在何方,察所屬之方,火南而水北;在何處,察所居之宮,艮山坤野,巽園坎沼;在何時,父母實而世合之期也。
風水先生の好壊を占するに、先ず其の学問を重んじ、応爻破に逢い空に逢う可からず。後に其の居心を重んじ、応爻世を剋す可からず。若し父母爻旺にして応爻虚なれば、是れ書を読むこと多くして眼力足らざるなり。墓地を尋覓する能くや否やを占するに、卦中父母爻有れば則ち有り、父母爻なければ則ちなし。同時に世爻落空す可からず、落空すれば則ち其の地有るといえども遇上せず。地の何れの方位に在るかを占するに、父母爻の所属する方位を看る——火に属すれば南に在り、水に属すれば北に在り。何の去処に在るかを占するに、其の居する所の卦宮を看る——艮は山と為り、坤は平野と為り、巽は園圃と為り、坎は池沼と為る。何時に得るかを占するに、則ち父母爻填実して世爻と相合する其の時期に在り。
(覓地以世陷父空為戒,何方何所何時皆宜分卜。設或並祝,如瞽丁亥寅建丁未日,為父母覓地得否,世空不遇,及後辛卯五月始得,九月葬於朱村,驗其卯歲實世,未附西南,五月合未得之,建戌葬之,互漸內得艮,未在坤,山足平原之所也。復如癸巳歲戌建癸丑日,筮有地遇大畜,本歲不得,至來春正月,就地於南山,亦午父居艮,實寅世之徵。)
(注:墓地を尋覓するは世爻の陥落・父母爻の落空をもって戒と為す。方位を問い・処所を問い・時間を問うは、最も分かちて来たりて占するに宜し。倘若りし一并に祷問せば、例えば我丁亥年寅月丁未日に父母に替わりて地を覓め、《否》卦を得。世爻落空す、当時遇上せず。辛卯年の五月に至るまで始めて得着し、九月に朱村に葬る。之を卦に験するに、卯年正しく世爻を填実し、未爻西南方に附し、五月未と相合して地を得、戌月に下葬す。互卦《漸》の内体是れ艮にして、未又坤位に在り、正しく山脚平原の地に合す。又如癸巳年戌月癸丑日に地の有るや否やを占し、《大畜》を得。当年得ず、第二年の正月に到りて南山に在りて地を定む——是れ亦午火父母艮宮に居り寅木世爻を填実するの徴験なり。)
占穴上下,當以世爻推之,占穴吉凶,亦以子孫為斷。(世在初二地穴宜下,世在三四人穴宜中,世在五六天穴宜上。)占六親壽地,各以用爻,旺相為吉,而惡鬼動。若占地之臧否,仍以世爻子孫斷之。厝柩於地,寄棺於廟,安靈於家,並靈喜怒,其法一也,惟亡者安而生者樂,則官鬼忌動空破,喜寧靜生合,不可克世,而為吾災害也。助鬼傷身,隨官入墓,及正沖合沖變沖者,則不問官鬼如何,而直言不吉。若合葬傍埋,吉凶取用,同於地理。
穴位の高下を占するは、世爻を用いて推するを要す。穴位の吉凶を占するは、仍お子孫爻をもって断ず。(注:世爻初爻・二爻に在れば地穴に属し、低く葬るに宜し。三爻・四爻に在れば人穴に属し、適中に葬るに宜し。五爻・上爻に在れば天穴に属し、高く葬るに宜し。)六親に替わりて寿地を予置するは、各々各々の用爻に按じ、旺相を吉と為し、而して官鬼発動を忌む。若し此の塊の地の本身の好壊を問わば、還て世爻と子孫とを用いて断ず。霊柩を地上に暫厝し・棺を廟裡に寄せ・霊位を家中に安んずる、および神霊の喜悦するや否やを看るは、弁法皆一様なり。只求む亡者の安・生者の楽なり。ゆえに官鬼発動を忌み空破を忌み、安静にして生合を得るを喜び、尤も世を剋して我が災害と成る可からず。若し助鬼傷身・随鬼入墓および本卦六沖・合処逢沖・化出六沖に遇えば、則ち官鬼如何を再問するを必せず、径直に不吉と断ず。合葬・旁に附葬するに至りては、取用と吉凶を断ずるの弁法は地理を看ると相同なり。
買地同謀望,賣地同脫貨,托守同用人,改作裒益。選擇年月,意在得吉,則世旺子興,意在避凶,則官克鬼動。(買地,遇正沖合沖,及卦無官鬼、空世應者不就。賣地以財為用,托守以應為憑。改作修方,如值助傷隨墓,官克世爻動者毋修。)
地を買うは謀望を占するに同例にして、地を売るは貨物を脱手するを占するに同例にして、人に托して看守せしむるは人を用るを占するに同例にして、改建修葺するは則ち是れ増益か減損かを看る。年月を選択するを占するに、意吉を求むるに在れば、則ち世爻旺・子孫興を看る。意凶を避くるに在れば、則ち官鬼の世を剋するや否や・発動するや否やを看る。(注:地を買うに若し本卦六沖・合処逢沖に遇い、および卦中官鬼なく世応落空せば、皆談成らず。地を売るは妻財をもって用神と為し、人に托して看守せしむるは応爻をもって憑と為す。改建・修方の類は、若し助鬼傷身・随鬼入墓に遇うか或いは官鬼世を剋して発動せば、則ち工を動かす勿れ。)
且夫坤艮之占,隨時而凶吉,用爻之法,隨事而變遷。故常以塋墓為千百年之大事,男女命之相關,卜者以誠,斷者宜慎,若謀人之成穴,破人之吉地,地理得而天心怒,鬼神所不告也。(風水以六沖為戒,然春前占山之艮,秋後占地之坤,不可例言凶也。)
再び《坤》《艮》の両卦の占を説くに、時令に随いて吉凶を分かつを要す。用爻を取るの弁法も、亦占する所の事に随いて変通するを要す。墳塋本より是れ千百年の大事にして、全家の男女の命运に関係す、ゆえに占を求むるの人は誠を要し、判断するの人は慎を要す。若し是れ他人の已成の穴を図謀し・別人の吉地を破壊せば、則ち地理得るといえども而して天心震怒し、鬼神は是れ爾に告示せざらん。(注:風水は六沖をもって戒と為す。然るに立春以前に山地を占して《艮》を得、立秋以後に平地を占して《坤》を得れば、則ち一概に凶と断ず可からず。)
易冒巻之六
家宅章第五十
家宅,一家之趨避也,莫不以安為樂,以順為道,故官鬼戒其動也。夫克我為鬼為難,動則難作,所以象像而為禍也。是以水鬼動而遠河川,土鬼動而莫堵宅,金鬼動而慎刀針,木鬼動而徒種植,火鬼動而防回祿;武鬼發而戒亡財,白虎為喪服之憂,朱雀為訟詞之慮,騰蛇現怪異之端,勾陳起土田之釁。惟青龍利爵級文章,不利胎產,及進丁口也。(青龍吉神,以同鬼發故不利,恐害生於喜爾。)
家宅を占するは、是れ一家人の為に吉に趨き凶を避く、安寧をもって楽と為し順遂をもって道と為さざるなければなり、ゆえに官鬼発動を戒むるを要す。我を剋するは即ち是れ鬼にして即ち是れ難なり、其れ一たび動けば難即ち発作す、是より各々其の象に按じて禍を成す。ゆえに水性の官鬼発動せば、河川を遠離するを要す。土性の官鬼発動せば、墻を築き屋を堵する勿れ。金性の官鬼発動せば、刀針を慎用するを要す。木性の官鬼発動せば、只安分種植するに宜し。火性の官鬼発動せば、火災を防ぐを要す。官鬼元武に臨みて発動せば、財を失うを戒むるを要す。白虎に臨まば、喪服の憂有り。朱雀に臨まば、訟詞の慮有り。騰蛇に臨まば、怪異の端を現す。勾陳に臨まば、田土の争を起す。唯だ青龍に臨むのみ、爵位と文章とに利あり、卻て胎産と添丁とに利あらず。(注:青龍本より是れ吉神、只官鬼と同発するに因りてゆえに反りて利あらず、怕る所は是れ喜の中害を生ずるなり。)
動於坤艮,墳墓有疑,搖於兌乾,天神弗喜,震巽禍育於舟楫,官槨停家,坎離患生於耳目,並灶失所。(此言鬼動八宮之象。震為棺,巽為槨,鬼動是宮,則應停棺寄槨之不安;坎為井,離為灶,鬼動是宮,則應井灶之不利,餘可類推。)
官鬼坤宮・艮宮に在りて動けば、墳墓可疑の処有り。兌宮・乾宮に在りて動けば、天神悦ばず。震宮・巽宮に在りて動けば、禍事舟船の上に出づ、或いは棺椁家裡に停る有り。坎宮・離宮に在りて動けば、禍患耳目に生ず、或いは是れ水井と炉竈との其の所を得ざるなり。(注:これ是れ官鬼八宮に在りて動くの取象を講ず。震は棺と為り、巽は椁と為る、官鬼此の両宮に在りて動けば、則ち棺を停め椁を寄せて安からざるに応ず。坎は井と為り、離は竈と為る、官鬼此の両宮に在りて動けば、則ち井・竈の利あらざるに応ず。其余類推せよ。)
丑喪耕牛,午失良馬,巳酉為蛇雞之怪,人常齒目之災;卯申為喪柩之凶,家主肝肺之病;子為鼫鼠舞庭堂,而家不祥;亥為神漿躭、口腹,而主亡德;雀飛戌上,有狂犬齧足之慮;武入未中,有烹羊亡賂之嘆;寅戒山林,有驚狼虎;辰休動作,恐犯社壇。(此言十二支鬼動之象,申為凶喪,卯為靈柩,鬼動是爻,則喪柩之礙;雀乃是非,武乃失脫,臨鬼動於戌未之爻,則犬羊緣禍也。)
官鬼丑爻に在れば、耕牛を喪失するを主る。午爻に在れば、良馬を失去するを主る。巳・酉の両爻に在れば、蛇・難の怪有り、人常に牙歯・眼目の災有り。卯・申の両爻に在れば、喪柩の凶有り、家主肝・肺の病有り。子爻に在れば、是れ鼫鼠庭堂に乱竄し、家中不祥なり。亥爻に在れば、是れ酒漿口腹に沉溺し、徳行敗壊を主る。朱雀戌爻に飛到すれば、瘋狗の脚を咬むを慮るを要す。元武未爻に入到すれば、羊を殺し礼を送り・財物白丟の嘆有り。寅爻に在れば、山林に進入するを戒むるを要す、恐らくは狼虎に驚遇せん。辰爻に在れば、土を動かし工を興す勿れ、恐らくは社壇を触犯せん。(注:これ是れ十二地支の上官鬼発動の取象を講ず。申は凶喪と為り卯は霊柩と為る、官鬼此の両爻に在りて動けば則ち喪柩の碍有り。朱雀是是非を主り元武は失脱を主る、其れら官鬼に臨みて戌・未の両爻に在りて動けば、則ち狗・羊に由りて禍事を惹出す。)
又有鬼動於二老六子,而定其災也。(乾為父,坤為母,震為長男,巽為長女,坎為中男,離為中女,艮為少男,兌為少女,如鬼動、鬼化及變爻鬼現,在坤為老母之災,在震為長男之疾,變爻如革之咸,丙辰鬼入少男,當病幼子也。)
還て官鬼の乾坤二老・六子の中の何れの一卦に在りて動くに按じて、以て誰が災有るかを断定す可し。(注:乾は父と為り、坤は母と為り、震は長男と為り、巽は長女と為り、坎は中男と為り、離は中女と為り、艮は少男と為り、兌は少女と為す。凡そ官鬼発動・官鬼化出・或いは変爻の上官鬼を現出すれば、坤に在れば即ち老母災有り、震に在れば即ち長男病有り。変爻をもって例と為せば、如し《革》の《咸》に変ずるは、丙辰官鬼少男の艮位に落入す、則ち当に小児子病有るべし。)
又有乾首、坤腹、震足、巽股而定其病所也,有乾馬、坤牛而定其亡畜也。(近取諸身,遠取諸物,鬼動是宮,乃為是厄,坎耳離目、艮手兌口,身之象也;震龍巽雞,豕坎離雉,艮狗兌羊,物之象也,若能引申,亦猶如是。)
還て乾を頭と為し坤を腹と為し震を足と為し巽を股と為すに按じて、病の何れの部位に在るかを断定す可し。乾を馬と為し坤を牛と為すに按じて、何の牲畜の死せるを断定す可し。(注:近きは人身に取象し、遠きは外物に取象す。官鬼何れの一宮に在りて動けば、即ち是れ其の一処厄有り。坎は耳と為り離は目と為り艮は手と為り兌は口と為る、是れ人身の象なり。震は龍と為り巽は難と為り坎は豕と為り離は雉と為り艮は狗と為り兌は羊と為る、是れ物類の象なり。能く此の如く引申せば、其余も亦此に照らして弁理せよ。)
又有離南坎北,而定其凶方也。(鬼動乾宮,莫行西北,官興巽卦,毋往東南,兌鬼凶西,震鬼禍東,坤西南,艮東北之謂,鬼搖是宮,則為是方之咎。)又有上老下幼、五父二妻、四母三弟,而六爻分其不利也。(如上爻鬼,老者不安;初爻鬼,少者不寧;五為父,四為母,動鬼多災;二為妻妾之未康,三為手足之致疾爾。)
還て離を南と為し坎を北と為すに按じて、何れの方位か凶方なるを断定す可し。(注:官鬼乾宮に在りて動けば、西北に往く勿れ。官鬼巽卦に在りて興れば、東南に往く勿れ。兌宮鬼有れば則ち西方凶にして、震宮鬼有れば則ち東方禍有り、坤は西南を主り艮は東北を主る。官鬼何れの一宮に在りて揺動すれば、其の方位即ち咎有り。)還て上爻を老と為し初爻を幼と為し五爻を父と為し二爻を妻と為し四爻を母と為し三爻を兄弟と為すに按じて、六爻を用いて誰が利あらざるを分辨す可し。(注:上爻官鬼有れば、老人安からず。初爻官鬼有れば、小孩寧からず。五爻は父と為り四爻は母と為る、官鬼彼処に在りて動けば則ち多く災あり。二爻は妻妾の安康ならざるを主り、三爻は兄弟の疾病有るを主る。)
又有世五為宅長,應二為宅母,而宣其災祥也。此五行、六神、八宮、十二支及六爻之義也。(世為夫,應為婦,五為宅長,二為宅母,鬼若臨而動之,及空破散絕,則知其災;福若居而搖之,及日月旺相,則知其慶。)
還て世爻と第五爻とを家长を代表し応爻と第二爻とを主婦を代表するに按じて、以て其の災祥を宣示す可し。以上便ち是れ五行・六神・八宮・十二地支および六爻に按じて義を取るの弁法なり。(注:世爻は丈夫と為り、応爻は妻子と為り、五爻は家长と為り、二爻は主婦と為す。官鬼若し其の上に臨みて発動するか、或いは其れら空・破・散・絶に逢えば、則ち災有るを知る。子孫福神若し其の上に居りて発動するか、或いは日月旺相を得れば、則ち喜慶有るを知る。)
隨官入墓、助鬼傷身,謂其主難;伏吟、反吟、墓絕,謂其所屬人之難。何命臨鬼,何命隨墓,何爻空破,何象動散,何命化對,何用傷害,則其為之災。(凡隨墓助傷,皆世爻之病,故曰主人有難;反伏墓絕,巽化反吟,長女之災,乾化伏吟,老父之病,故曰所屬之人有難。臨鬼,如巳鬼蛇命者有難;命墓,如寅卯鬼墓未,則虎兔命者有殃;空破,如五爻空為父病,二爻破為妻厄;動散,如子爻動鼠命不祥,六爻散僕丁不利;化對,如未爻化鬼,羊命者厄,寅鬼沖申,猴命者疾;傷害,如子孫受傷,則卑幼迍邅,父母被害,則尊長憂厄,或斷其何人之咎,而使知趨避。)
随鬼入墓・助鬼傷身に遇えば、是れ家主難有り。伏吟・反吟・墓絶に遇えば、是れ所属の其の一位の家人難有り。誰の本命か官鬼に臨み、誰の本命か随鬼入墓し、何れの一爻か空に逢い破に逢い、何れの一象か発動して散ぜられ、誰の本命か相冲の爻を化出し、何れの一用神か傷を受く——即ち是れ誰が災有るなり。(注:凡そ随墓・助傷は、皆是れ世爻の毛病なり、ゆえに家主難有りと曰う。反吟・伏吟・墓絶は、巽の反吟に化するは是れ長女の災にして、乾の伏吟に化するは是れ老父の病なり、ゆえに所属の人難有りと曰う。「臨鬼」は、如し巳爻是れ官鬼なれば、蛇に属する人難有り。「命墓」は、如し寅卯官鬼未に墓せば、然らば則ち虎に属し兎に属する人殃有り。「空破」は、如し五爻落空するは是れ父親病有り、二爻破に逢うは是れ妻子厄有り。「動散」は、如し子爻動きて散ぜらるれば、鼠に属する人不祥なり、上爻散ぜられれば則ち僕人利あらず。「化対」は、如し未爻官鬼を化出せば、羊に属する人厄有り、寅爻官鬼申を沖せば、猴に属する人病有り。「傷害」は、如し子孫傷を受けば則ち晩輩坎坷し、父母害せられば則ち尊長憂有り。此に拠りて是れ誰が咎有るを断出し、其をして趨避を知らしむ。)
子孫化鬼而卑幼病,妻財化鬼而妻妾災,父母化鬼為長上之憂,弟兄化鬼為手足之忌,自筮而世爻化鬼、代占而應爻化鬼,皆所戒也。豈惟鬼動,化鬼亦戒焉;豈惟鬼化,而鬼入之宮亦戒焉。所以艮鬼由離,而少男抱恙,乾鬼入巽,而長女生殃。
子孫官鬼を化出せば、晩輩病有り。妻財官鬼を化出せば、妻妾災有り。父母官鬼を化出せば、是れ尊長の憂なり。兄弟官鬼を化出せば、是れ手足の忌なり。自己占して世爻鬼を化し・人に替わりて占して応爻鬼を化するは、皆是れ戒むるを要す。見る可し不只だ官鬼発動戒むるを要するのみならず、官鬼を化出するも亦戒むるを要し、不只だ官鬼を化出する戒むるを要するのみならず、官鬼の進入する所の其の一宮も亦戒むるを要す。ゆえに艮宮の官鬼離宮より来たるは、少男則ち病を抱き、乾宮の官鬼巽宮に進入すれば、長女則ち災を生ず。
豈惟鬼入之宮如此,而鬼臨之爻亦戒焉,所以龍樂虎喪、雀非武失、勾田騰怪,及世爻位,雖不鬼動,若鬼臨之,遇生旺時,則其禍亦見,但不及動與持世之力爾。夫六神之為將,雖不鬼臨,若發動持世,遇生旺之時,亦兆吉凶。月建六神力參之。(大小六神,吉凶類應,不惟值鬼,若發動,若持世,後遇生旺之時,乃見其事端。而大六神與相殊者,謂事端應於值月合月之時,兆禍福大而緩,不可執一而失權。如大元武在戌動,當應卯丑之盜。)
不只だ官鬼の入る所の宮此の如くのみならず、官鬼の臨む所の爻も亦戒むるを要す。ゆえに青龍は喜楽を主り白虎は喪事を主り朱雀是是非を主り元武は失脱を主り勾陳は田土を主り騰蛇は怪異を主り、および世爻の所在する位置に在りては、便ち官鬼発動せざるとも、只官鬼其の上に臨むと、一たび其の生旺の時に到れば、禍事も亦顕現す、只是れ力量其の発動する或いは世を持するに如かざるのみ。六神此の等の将官に至りては、便ち官鬼相臨なきとも、只其れら発動する或いは世を持するを、生旺の時に到れば亦照様吉凶を兆示す。月建の起す所の六神は、力量一倂に参看するを要す。(注:大六神と小六神との応ずる所の吉凶同類にして、必ずしも官鬼に値するを要せず。只其れ発動するか或いは世を持すれば、日後生旺の時に遇うに到りて、事端即ち現出す。大六神と小六神と相同ならざるの処は、其の応ずる所の事端値月・合月の時に在りて、兆示するの禍福大にして来ること緩し、一端を死執して権衡を失う可からず。例えば大元玄武の上に在りて発動せば、則ち当に卯月・丑月の盗事に応ずべし。)
豈惟六神,亦稽星煞,天火天燭主火,天賊地賊主盜,官符天獄主訟獄,喪門主喪,天喜主喜,貴人主貴,文昌主文,天廚主祿,咸池主酒色,血刃主血疾,折煞主趺蹼,驛馬主行,怪爻主怪之等。故吉事之星宜其動,宜其持世,宜其附用爻;凶事之星忌其動,忌其持世,忌其臨鬼爻,事見當月,而吉凶可推也。(當月,如酉動天賊,是卯酉之期,法曰:怪爻季是兩頭居,仲月還須二五知,四孟謂當從人起,動為有也靜無之。左傳怪由人興,故孟月始人爻,併發則應。)
不只だ六神此の如くのみならず、還て星煞を考察するを要す。天火・天燭は火災を主り、天賊・地賊は盗窃を主り、官符・天獄は訟事牢獄を主り、喪門は喪事を主り、天喜は喜事を主り、貴人は富貴を主り、文昌は文名を主り、天厨は俸禄を主り、咸池は酒色を主り、血刃は血症を主り、折煞は跌仆を主り、駅馬は出行を主り、怪爻は怪異を主る、等々なり。ゆえに吉事を主るの星は、其の発動するを宜とし其の世を持するを宜とし其の用爻の上に附するを宜とす。凶事を主るの星は、其の発動するを忌み其の世を持するを忌み其の官鬼爻に臨むを忌む。事情其の当値する之月に応ずれば、吉凶即ち推し出す得たり。(注:いわゆる「当月」は、例えば酉爻発動して天賊を帯ぶれば、則ち卯月・酉月に応ず。占法に説く「怪爻季是両頭居、仲月還須二五知、四孟謂当従人起、動為有也静無之」——季月の怪爻は初爻と上爻とに在り、仲月は二爻と五爻とに在り、孟月は則ち人爻より起る。爻動けば則ち怪有り、爻静なれば則ちなし。《左伝》に怪は人に由りて興ると曰う、ゆえに孟月は人爻より起り、両爻同発すれば則ち応験す。)
卦無父母,不免堂上之憂,卦無子孫,不免膝下之戚,卦無妻財,不免臣妾之患,卦無弟兄,不免手足之寒,卦無官鬼,則不免謀事無成,而臨財多耗也。而六親空破散,世應空破散同推爾。(用神無位,猶用神有病也,故與空破散同,即空破散皆謂有病,所以世應有病,則宅父宅母之患。大抵筮家宅者,用為諸人,因其有病而言疾,鬼為諸禍,因其有動而言殃。)
卦中父母爻なければ、堂上の尊長憂有るを免れず。子孫爻なければ、膝下戚有るを免れず。妻財爻なければ、妻妾僕従患有るを免れず。兄弟爻なければ、手足孤寒を免れず。官鬼爻なければ、事を謀る成らざるを免れず、而も財を守るも亦多く破耗す。六親落空・逢破・被散するは、世応落空・逢破・被散するに、皆同一の弁法に照らして推す。(注:用神卦に上らざれば、則ち等しく用神病有るにして、ゆえに空・破・散と同論す。空・破・散皆病有りと算す、此に因りて世応病有れば則ち家长・主婦患有り。大抵家宅を占するは、用神は家中の各人を代表し、其の病有るに因りて誰が疾有るを説き、官鬼は各種の禍事を代表し、其の発動するに因りて何の殃有るを説く。)
有或為功名而筮家宅,當戒世空以索官爻,蓋家宅惡鬼,功名喜官,又參之人事也。故為興作而筮家宅,則以修方占之,為兵寇而筮家宅,則以避兵占之,為妖怪而筮家宅,則以巫祟占之,為盜逃而筮家宅,則以逃亡占之,為遷徒而筮家宅,則以卜居占之,為疾病而筮家宅,則以用神占之,為子而筮,則以子言,為貧而筮,則以財言,為出入而筮,則以出入言,為育植而筮,則以財福言,為不孝而筮,則以孝悌言,事類固紛,頭緒非一,隨其所事而參之。
人の功名を求めんが為に家宅を占する有れば、則ち当に世爻落空を戒め、倂せて官爻を捜求しに往くべし。家宅を占するは官鬼を悪み功名を占するは卻て官爻を喜べばなり、これ則ち再び具体の人事を参合して以て定むるを要す。ゆえに、工を興し営造するが為に家宅を占せば、則ち「修方」に按じて占せ。兵災寇乱の為に家宅を占せば、則ち「避兵」に按じて占せ。妖異怪事の為に家宅を占せば、則ち「巫祟」に按じて占せ。盗賊逃亡の為に家宅を占せば、則ち「逃亡」に按じて占せ。搬遷の為に家宅を占せば、則ち「卜居」に按じて占せ。疾病の為に家宅を占せば、則ち各人の用神に按じて占せ。子嗣の為に占せば、則ち子孫爻を論ぜよ。貧困の為に占せば、則ち妻財爻を論ぜよ。出入の為に占せば、則ち出入の事を論ぜよ。種植畜養の為に占せば、則ち財・福の両爻を論ぜよ。子弟不孝の為に占せば、則ち孝悌の義を論ぜよ。事情門類固然として紛繁にして頭緒一端に止まらず、総じて問う所の事に随いて参断するを要す。
有言家宅,將以陰陽二居,並筮於其中,則以內為宅,外為人,初為基,上為墓,其卦爻戒反伏墓絕空破,及鬼動搖於宮象,然基墓之占,終當專筮也。(鬼爻動內,宅室之災,鬼爻動外,人丁之咎,發初基不安,發六墓不寧也。)
人の説く家宅を占する時、以て陽宅と陰宅との両様を一倂に一卦の裡に占す可しと有れば、則ち内卦をもって宅と為し外卦をもって人と為し、初爻をもって宅基と為し上爻をもって墳墓と為す。卦爻の上当に反吟・伏吟・墓・絶・空・破および官鬼の各宮各象の上に在りて揺動するを戒むべし。然るに宅基と墳墓との占は、終竟当に別に専ら一卦を占すべし。(注:官鬼内卦に在りて発動するは、是れ房屋の災なり。外卦に在りて発動するは、是れ人丁の咎なり。初爻に在りて発動すれば則ち宅基安からず、上爻に在りて発動すれば則ち墳墓寧からず。)
家之所概,井灶、門戶、道路、屋宇、廳堂、倉庫、廂廊、牆廝之屬,空可實之,破可補之,動可改之,沖可合之,此趨避之小也。(父母屋宇,官鬼廳堂,弟兄牆廝,妻財倉庫,子孫廊廂,蓋空可以實其處,破可以補其所,動可以改其方,沖可以連其間,凡人事可挽回者,皆吉凶之小。若夫吉凶之大,丁口、消長,利名、官災、火盜、憂喜、育植,與求等事,皆以子為福,鬼為禍,則順天命之祥休也。)
一家の包括する所は、水井・炉竈・門戸・道路・房屋・庁堂・倉庫・廂廊・墻垣の類なり。落空するは以て之を填実す可く、破損するは以て之を修補す可く、揺動するは以て方位を改換す可く、沖開するは以て之を接合す可し——此の等は小の趨避に属す。(注:父母は房屋を主り、官鬼は庁堂を主り、兄弟は墻垣を主り、妻財は倉庫を主り、子孫は廊廂を主る。落空すれば則ち其の一処を填実し、逢破すれば則ち其の一所を修補し、発動すれば則ち其の方位を改換し、被沖すれば則ち中間を把りて接連す。凡そ人力以て挽回す可きは、皆吉凶の中の小事に属す。吉凶の中の大事に至りては——人口増減・名利・官非・火災盗窃・憂喜・生養種植および求むる所の事——皆子孫をもって福と為し官鬼をもって禍と為す、則ち只能く天命の吉凶を順受するのみ。)
家之所概,內外旺相,而生者興,內外休囚,而克者敗,反伏空破墓絕者滅門,世應日月旺相生合而帶吉神者昌,子孫旺而後裔賢,妻財旺而生業起,官鬼空而香火微,父動勤勞,兄動累比,貞悔合沖及游魂歸魂,而往返之念多,世身動空,而行止之志惑。(人克宅吉,宅克人凶。空,如甲申旬空離是也;破,如夏至月破坎是也。貞悔六沖,合處逢沖,及游魂歸魂五者,心憧憧也。世身空動,懷進退不果也。蓋空主退,動主進爾。)
再び整个の家宅に就きて言えば、内外卦旺相にして相生するは即ち興旺し、内外卦休囚にして相剋するは即ち敗落す。反吟・伏吟・空・破・墓・絶に遇うは滅門せん。世応日月旺相生合を得て而又吉神を帯ぶれば則ち昌盛す。子孫旺なれば則ち後代賢能にして、妻財旺なれば則ち家業興起し、官鬼落空すれば則ち香火冷落す。父母爻発動すれば労碌を主り、兄弟爻発動すれば同輩に拖累せらるるを主る。本卦変卦六沖・合処逢沖および游魂・帰魂は、皆心裡来回去留不定を主る。世爻・身爻発動する或いは落空すれば、則ち行止の主意猶疑不決す。(注:人宅を剋するは吉と為り、宅人を剋するは凶と為す。いわゆる空は、例えば甲申旬中離卦落空す。いわゆる破は、例えば夏至後坎卦月破す。本卦六沖・変卦六沖・合処逢沖および游魂・帰魂此の五様は、皆心神不定を主る。世爻・身爻空にして又動くは、是れ心裡進退を懐きて能く決断せざるなり——落空は退を主り、発動は進を主る。)
木逢鬼虎發,而有寄喪;逢金克世,而有飛訟;雀武交加,而有訟盜踵至;發於兌巽,而婦女生言;勾陳財陷恐退田;騰蛇兄動恐博戲;元武咸池搖陰宮與官鬼持世者,溺妓亡家;青龍天喜父母文昌,與貴人動生世者,崇文華國;福德持世動乾加華蓋者,積善之室;父母旺相帶青龍持世者,堂構之隆也。(木為棺槨,鬼為亡,虎為喪,三者相併而動,故云有柩停家,若鬼虎雀並金而動克世者,亦云凶橫詞訟相干也。)
木爻の上官鬼と白虎と同発すれば、家中寄放の霊柩有り。金爻の上官鬼来たりて世を剋すれば、飛来の官司有り。朱雀と元武と交加して相臨めば、訟事と盗事と踵を接して至る。官鬼兌宮・巽宮に在りて発すれば、婦女の間閒話を生出す。勾陳妻財に臨みて妻財陥落せば、恐らく田産を退去せんと要す。騰蛇兄弟に臨みて兄弟発動せば、恐らく賭博に染上せんと要す。元武・咸池陰卦の上に在りて揺動し而又官鬼の世を持するは、妓館に沉溺して家を敗せん。青龍・天喜・父母・文昌と貴人と同動して世を生ずるは、文教を崇尚し邦国を光耀せん。子孫福徳世を持し乾宮に在りて動き又華蓋を加うるは、是れ積善の家なり。父母爻旺相にして青龍を帯び世を持するは、是れ家業堂構興隆なり。(注:木は棺椁と為り、官鬼は亡人と為り、白虎は喪事と為る、此の三様倂せて一緒に発動す、ゆえに家中霊柩を停ると説く。若し官鬼・白虎・朱雀又倂せて金爻の上に在りて発動して世を剋せば、亦凶横の詞訟来たりて相干犯するを主る。)
財,家之業也,木司織,火司冶,水司漁,土司耕,金司釜也。子孫跨世子孝,克世子逆;妻財駕世妻能,克世妻悍;父母克沖,孝而不豫;弟兄生合,友而且恭;六爻伐世,則臣尊而主卑;一四前後來侵,裡鄰不眭;同白虎來攻,常加暴事,應與兄來擊我,或朋儔之累;應與財來欺我,或戚黨之嫌;內鬼外鬼並起,有開門揖盜之人;暗鬼伏鬼齊彰,有同舟敵國之事;惟卦寧世實,或生世爻發,而有人援天祐也。(四爻為左鄰前鄰,一爻為右鄰後鄰,又有世前爻為前左鄰,世後爻為後右鄰,若來克世,主不悅於己,如同虎鬼克世,主橫逆加身。暗鬼,謂暗動克世;伏鬼,謂鬼伏露克世;世實,謂世逢日月旺相。)
妻財是れ一家の産業なり。木に属するは紡織を主り、火に属するは冶鋳を主り、水に属するは漁業を主り、土に属するは耕種を主り、金に属するは炊爨器用の業を主る。子孫爻世爻の上に跨れば、児子孝順す。子孫世を剋せば、児子忤逆す。妻財世爻の上に駕すれば、妻子能幹なり。妻財世を剋せば、妻子悍強なり。父母爻世を剋し世を沖すれば、孝順なるといえども而して親をして歡ならしむる能はず。兄弟爻世を生じ世を合すれば、既に友愛にして又恭敬なり。上爻来たりて世爻を剋伐するは、是れ臣下尊大にして家主卑弱なり。初爻・四爻前後より侵し来るは、是れ隣里和睦せざるなり。若し再び白虎と同じく一緒に来たりて攻めば、常に暴戻の事身に加わる有り。応爻兄弟と同じく来たりて我を撃つは、是れ朋友連累なり。応爻妻財と同じく来たりて我を欺くは、是れ姻親嫌隙有るなり。内卦外卦の官鬼一斉に興起すれば、家裡門を開きて盗を揖する人有り。暗動の官鬼と伏蔵の官鬼と一斉に顕露すれば、同舟共済にして実に敵国と為るの事有り。唯だ卦体安寧・世爻充実、或いは世を生ずる之爻発動有るのみ、是れ乃ち人の援助有り・天の保祐有るなり。(注:四爻是れ左隣も亦前隣、初爻是れ右隣も亦後隣なり。別に世爻の前一爻を前左隣と為し、世爻の後一爻を後右隣と為す有り。其れら若し来たりて世を剋せば、我に対し不満を主る。若し白虎・官鬼と同じく一緒に世を剋せば、横逆の事身に加わるを主る。いわゆる「暗鬼」は、是れ官鬼暗動して世を剋するなり。いわゆる「伏鬼」は、是れ伏蔵の官鬼透出して世を剋するなり。いわゆる「世実」は、是れ世爻正しく日月旺相に逢うなり。)
世投他外,我附於人,應歸親內,人趨於我。兩官一家二宰,兩父一宅二居,兩財有異業,兩弟有良朋,兩福有成才養子也。虎吼應象而妻黨喪,龍躍傍爻而庶房喜,世財應官為贅妻,世子應鬼為贅婿,應財外現為遠娶,應子內財為他繼。
世爻外卦別宮に投じ去るは、是れ我別人に依附せんと要するなり。応爻内卦本宮に帰り来るは、是れ別人来たりて我に投靠するなり。両箇の官鬼は、是れ一家両箇の当家する者有り。両箇の父母は、是れ一宅分かちて両処に住す。両箇の妻財は、是れ別に一門の産業有り。両箇の兄弟は、是れ別に一位の好友有り。両箇の子孫は、是れ養子も亦能く成才す。白虎応爻の上に在りて咆哮すれば、妻族喪事有り。青龍旁爻の上に在りて騰躍すれば、庶出の房支喜事有り。世爻の上是れ妻財にして応爻の上是れ官鬼なれば、是れ妻を娶りて入贅す。世爻の上是れ子孫にして応爻の上是れ官鬼なれば、是れ女婿を招きて上門す。応爻の上の妻財外卦に現るは、是れ遠地に親を娶るなり。応爻の上是れ子孫にして内卦妻財有るは、是れ別人の孩子を過継するなり。
雞犬豬羊牛馬,鋤犁釜甑舟車,畜宜有氣,物宜無壞。鵝鴨附於雞,猿貓附於犬,魚豬鹿羊,駱牛騾馬也。動而生則增,破而克則減,空則無,遇旺則胎也。巳子利育蠶之室,午財利販馬之家,父母旺而舟車固,木財旺而犁鋤新,金爻克而釜甑破,火爻二而灶非一,水爻塞而瀆未疏,金爻發而聞鐘鼓之聲,木襲(龍?)興而有臺榭之起,土化土而有鑿闢之工,父化父而有經文之典。
家中の難・犬・猪・羊・牛・馬・鋤・犁・鍋・甑・舟・車は、牲畜は気有るを要し、器物は壊れざるを要す。鵝鴨は難の一類に附し、猿猫は犬の一類に附し、魚は猪と同類にして、鹿は羊と同類にして、駱駝は牛と同類にして、騾は馬と同類なり。相応の之爻発動して生を得れば則ち增多し、破に逢い剋を被れば則ち減少し、落空すれば則ちなく、旺に遇えば則ち孕有り。巳爻の子孫は蚕を養うの家に利あり、午爻の妻財は馬を販るの家に利あり。父母爻旺なれば則ち舟車堅固にして、木性の妻財旺なれば則ち犁鋤斬新なり。金爻剋を受けば則ち鍋甑破損し、火爻両箇有れば則ち一箇の竈に止まらず。水爻壅塞すれば則ち溝渠未だ疏通せず、金爻発動すれば則ち鐘鼓の声を聴くを得たり。木爻興起すれば則ち台榭建成有り(此処旧本旁に疑問記号有り)、土土を化すれば則ち開鑿の工有り、父母父母を化すれば則ち経典文書の事有り。
且夫合於財為櫃,合於世應為閂,合於間為窗,沖於父為梯,父化父為樓,居六為園,居三為壙,鬼墓為靈,初爻財墓為藏金,鬼墓為伏尸,水克火而灶基溼,金克木而神座裂,土克水而地窨泥,木克土而牆堵缺也。
再び説く、妻財と相合する之爻是れ櫃子にして、世応と相合する之爻是れ門閂にして、間爻と相合する之爻是れ窓戸にして、父母を沖する之爻是れ梯子なり。父母父母を化するは是れ楼房にして、父母上爻に居るは是れ園圃にして、三爻に居るは是れ墳壙なり。官鬼入墓するは是れ霊位なり。初爻の上妻財入墓するは是れ埋藏の金銀にして、初爻の上官鬼入墓するは是れ地下の伏屍なり。水火を剋せば則ち竈基潮湿にして、金木を剋せば則ち神座開裂し、土水を剋せば則ち地窖泥濘にして、木土を剋せば則ち墻垣缺口有り。
(財為物,合包財之爻者為櫃,如節申爻乃櫃也。世應為主宰若閂,閂鎖合之爻乃為門閂,如大有酉爻乃閂也。間爻之合乃窗,如泰子寅爻為窗也。若日辰沖合本象即是,不必求他,如巳日乾卦,午間申爻為窗之類。凡父爻之沖為梯,如坎寅爻是也。父母所居,六為郊野,乃象園,三為壼,乃象壙,化父乃象樓也。鬼墓,如姤戌爻為靈也。財墓,初爻否之未象是也。鬼墓,升之丑象是也。若未日賁之鬼墓,戌日節之財墓皆然。)大抵家宅之要,務丁口之寧休,官災火盜之情形,氣象消長,利名得失,憂喜育植與求,及男女長幼。日有時行之事,則子福宜近,鬼禍宜遠,此卜筮之大法也,斯為得其旨矣。
(注:妻財は物品を代表す、妻財と相合して能く其れを包住する之彼の一爻即ち是れ櫃なり、例えば《節》卦の申爻即ち是れ櫃なり。世応是れ一家の主宰にして、譬ば門閂の如し。世応と相合して能く其れを鎖住する之彼の一爻即ち是れ門閂なり、例えば《大有》の酉爻即ち是れ閂なり。間爻と相合するは是れ窓なり、例えば《泰》卦の子爻と寅爻と即ち是れ窓なり。若し日辰正しく本卦の象に正沖正合せば、則ち直ちに其れを取りて、別に求むるを必せず。例えば巳日乾卦を得、午間爻申と相合す、申爻即ち是れ窓なり。凡そ父母を沖する之爻即ち是れ梯なり、例えば《坎》卦の寅爻。父母の居する所の位は、上爻は郊野と為り、取象は園と為す。三爻は内室門戸と為り、取象は墳壙と為す。父母父母を化するは、取象は楼と為す。官鬼入墓するは、如し《姤》卦の戌爻即ち是れ霊位なり。妻財入墓するは、如し《否》卦初爻の未土の象。官鬼入墓するは、如し《升》卦の丑土の象。又如未日に《賁》卦を得て官鬼入墓し、戌日に《節》卦を得て妻財入墓するは、皆同一の道理なり。)大体説けば、家宅を占するの要点は、務めて人口の安寧・官非火盗の情形・家道気象の消長・名利の得失・憂喜・生養種植と求むる所の事・および男女長幼各人の休咎に在り。日常総じて弁ず可きの事有り、要之子孫福神は近く宜しく官鬼禍端は遠く宜し——これ即ち卜筮の大法にして、能く此の如くせば則ち其の宗旨を得着するを算す。
婚姻章第五十一
(內詳贅婿配僕倩媒納妾沖喜去留就姻擇地成否聘儀妨害年地雜婚十三問)克我為官,像夫為男子,我克為財,像婦為女人,官男財女,定理也。男占女婚,妻財為要,女占男姻,官鬼為先,雖父母弟兄朋友為之卜,亦以財婦而官夫也。所以官爻旺相,女家之吉占,財象興隆,男子之良配;官空絕,而婦擇夫者多寡,財破散,而夫擇婦者終鰥。
(本章は詳しく女婿を招贅・僕人に婚を配す・媒人を請う・妾を納る・沖喜・去留・婚に就く・地を擇ぶ・成ると成らざる・聘礼・妨害・年份地方・雑婚等の十三箇の問目を列す。)我を剋するは是れ官鬼にして、丈夫・男子を象徴す。我剋するは是れ妻財にして、妻子・女人を象徴す。官は男と為り財は女と為る、これ是れ定理なり。男方婚を占するは、妻財をもって要と為す。女方姻縁を占するは、官鬼をもって先と為す。便ち是父母・兄弟・朋友其れらに替わりて占するも、亦一様に妻財をもって女方と為し官鬼をもって男方と為す。ゆえに官爻旺相なれば、是れ女家の吉占なり。財象興隆なれば、是れ男子の良配なり。官爻落空して絶に臨まば、女子夫を擇び多く寡を守り。財爻破に逢い散ぜられば、男子妻を擇び終に鰥居に帰す。
貞卦逢沖,初已難成;悔沖合沖,後終分拆。三沖之象,離散悖逆,雖財官備而非吉占。隨官入墓,謂之不壽;助鬼傷身,謂之不賢。(如男家占女,女命隨墓,女家占男,男命隨墓是也,其他不論。)若咸恆節泰為吉,惟合沖變沖而不宜,睽革解離為凶,雖用備化合而不吉。(如咸恆節泰,若不遇合沖變沖,雖財官衰陷,隨鬼助傷,皆不為凶,所謂用神未勝於卦驗也。)
本卦六沖に逢えば、一開頭即ち成り難し。変卦六沖或いは合処逢沖なれば、後来に到りて終に分開す。凡そ六沖の象は皆離散悖逆を主り、縦え財爻官爻斉備するも、亦是れ吉占にあらず。随鬼入墓すれば、長寿せざるを主る。助鬼傷身すれば、賢恵ならざるを主る。(注:例えば男家女方を占して女方の本命随鬼入墓し、女家男方を占して男方の本命随鬼入墓すれば、則ち此の種の情形を指し、別のは論ぜず。)《咸》《恒》《節》《泰》を得るは吉と為る、只是れ合処逢沖或いは六沖を化出するに宜からず。《睽》《革》《解》《離》を得るは凶と為る、縦え用神斉備して又六合を化出するも、亦吉ならず。(注:《咸》《恒》《節》《泰》の如きは、只合処逢沖・六沖を化出するに遇わざれば、然らば則ち便ち財官衰弱陥落・甚だしきは随鬼入墓助鬼傷身するも、亦皆凶と算せず——これ即ちいわゆる用神卦験に比する能はざるなり。)
以應定其門閭,以間分其媒妁。(男占則以應為女家,女占則以應為男家,坐青龍積善之室,居貴人遊宦之家;旺相富豪,休囚貧乏,空散有疑惑而無主張,破絕少殷勤而多冷落。陰爻發動,畫斷自於女人,陽象交重,孚信從於男子。生世者親親相悅,克世者彼彼相索也。近世間爻,為我信之媒,近應間爻,為彼信之妁,空散則不得力,破絕則不為情,生助克欺,彼我皆然也。獨發動有變更難易之作爾。)
応爻を用いて対方の門第を判断し、間爻を用いて双方の媒人を分辨す。(注:男方占せば則ち応爻をもって女家と為し、女方占せば則ち応爻をもって男家と為す。応爻青龍に坐すれば、是れ積善の家なり。貴人に坐すれば、是れ仕宦の家なり。応爻旺相なれば則ち富豪にして、休囚なれば則ち貧乏なり。落空沖散すれば則ち対方疑惑して而して主張なく、逢破臨絶すれば則ち対方冷淡にして少なく慇懃なり。陰爻発動するは、是れ女方に由りて来たりて決断を為すなり。陽爻交重するは、是れ男方に憑りて信を守るなり。応爻世を生ずるは、是れ両家親親相悦ぶなり。応爻世を剋するは、是れ対方一味に索取するなり。世爻に靠近する之彼の間爻は、是れ我此辺の信ず可きの媒人なり。応爻に靠近する之彼の間爻は、是れ対方の信ず可きの媒人なり。間爻落空沖散すれば則ち得力せず、逢破臨絶すれば則ち情を尽さず。生扶は相助と為り剋制は欺瞞と為る、両辺皆一様なり。間爻若し独発せば、則ち変更有り・難易反覆の挙動有らん。)
以八卦而推容貌。(男占女,以財所居之卦宮,如財在乾,儀容端正,質性聰明,有丈夫之風,謂配天德也;財在坤,體貌穩重,氣度含洪,有母后之賢,謂符地德也;震雷之性,動而有威,巽風之體,變而好勝;坎多志巧,離多激烈;艮為端篤,工於針鏤,兌為悅柔,善於言語。女占男,以官所居之卦宮,若官居乾,其人從容敬慎,性直而貌壯;用神在坤,其人和悅卑謙,言實而行樸;震好激揚,常抱英雄之志,巽好貪慕,屢專貨利之求;坎之智識藏乎內,官疾者短於忠信,離之聰明現乎外,官實者長於文章;艮有技才,其行戒於轉石,兌有異巧,其言流於懸河。蓋六子之性有短長,二老之德無偏倚,更以用爻衰旺參之,旺從其長,衰見其短也。)
八卦を用いて対方の容貌を推断す。(注:男方女方を占するは、妻財の居する所の卦宮を看る。妻財乾に在れば、儀容端正・資質聡明にして丈夫の気概有り、是れ乃ち天徳に配るなり。妻財坤に在れば、体貌穏重・気度寛宏にして母儀の賢有り、是れ乃ち地徳に合するなり。震に在れば雷の性の如くして、一たび動けば即ち威厳有り。巽に在れば風の体の如くして、善変して而して勝を好む。坎に在れば多く機巧心思、離に在れば多く激烈性情。艮に在れば端方篤実にして針黹雕鏤を擅む。兌に在れば柔順可悦にして言辞を善くす。女方男方を占するは、官鬼の居する所の卦宮を看る。官鬼乾に居れば、其人従容敬慎にして性情正直にして而して相貌壮健なり。用神坤に在れば、其人和悦謙卑にして言語誠実にして行事質朴なり。震に在れば激揚を好み、常に英雄の志を懐く。巽に在れば貪慕を好み、屡屡専ら貨利に意す。坎の智識は裡面に蔵れ、官爻病有るは則ち忠信に短し。離の聡明は外面に顕れ、官爻充実するは則ち文章に長ず。艮は技芸の才有り、行事は轉石の如くの反覆を戒むるを要す。兌は奇巧有り、言語懸河の一般に滔滔たる。要之六子の卦性情各々長短有り、乾坤二老の徳は則ち不偏不倚なり。再び用爻の衰旺を参看せよ。旺なれば則ち其の長処を顕し、衰なれば則ち其の短処を見ん。)
以六神而察才情。(補遺曰:財值青龍,形骸秀麗,蛇臨妻位,情性虛浮,白虎乃悖逆之星,元武是風流之宿,朱雀巧辭饒舌,勾陳持重寡言,此言男占女也。官位青龍,情性文巧,蛇臨鬼象,言行虛訛,白虎乃武勇之夫,元武為奸雄之性,勾陳敦純多技,朱雀辭辨能書,此言女占男也。然亦必考用神為先,而後繫焉。如官旺臨元武,則為傑士,官絕臨玄武,則為奸人,餘仿此。)
六神を用いて対方の才情を考察す。(注:《補遺》に説く、妻財青龍に臨まば、形貌秀麗なり。騰蛇妻財の位に臨まば、性情虚浮なり。白虎是れ悖逆の星にして、元武是れ風流の宿なり。朱雀は能く言い巧みに辯じて而して饒舌にして、勾陳は持重にして寡言なり——これ是れ男方女方を占するなり。官爻青龍に臨まば、性情文雅軽巧なり。騰蛇官鬼の象に臨まば、言行虚假期なり。白虎是れ武勇の夫にして、元武是れ奸雄の性なり。勾陳は敦厚朴実にして多く技芸にして、朱雀は善辯にして能く文書す——これ是れ女方男方を占するなり。然るに仍お須らく先ず用神を考察し、然後再び六神に挂靠すべし。例えば官爻旺にして元武に臨まば、即ち是れ豪傑の士なり。官爻絶にして元武に臨まば、即ち是れ奸邪の人なり。其余類推せよ。)
以五行而觀德行,諸宿而驗行藏,則用象無遺矣。(金偏剛殺,木遂慈祥,水務智勇,火好文章,土持誠信。用神實者,備是五常,用神損者,反是五德也,諸宿亦然。用神登馬,旺相勤趨,休囚遊蕩也;用神隨羊,日月英雄,空破暴橫也;破軍為疾,文昌為美,廉貞為戾,貪狼為巧,武曲為丑,巨門祿存庸,左輔右弼為純,咸池為淫,天觸為癍,天喜為賢,陀羅為悍,蓋皆以用神虛實為言也。大抵嫁娶吉凶,主於財官,男女妍嬌,主於卦象神宿,其用如此。)
五行を用いて対方の徳行を看、各種の星宿を用いて対方の行止を験し、此の如く取象すれば則ち遺漏なし。(注:金に属するは剛烈粛殺に偏し、木に属するは慈祥に順い、水に属するは智勇に務め、火に属するは文章を好み、土に属するは誠信を持守す。用神充実するは、五常の徳皆具備す。用神損を受くるは、五徳皆即ち反す。各種の星宿も亦此の如くなり。用神駅馬を帯ぶれば、旺相なれば則ち勤勉奔走し、休囚なれば則ち游蕩帰なし。用神羊刃を帯ぶれば、日月扶助を得れば則ち是れ英雄にして、空破に逢えば則ち是れ暴横の徒なり。破軍は残疾を主り、文昌は美好を主り、廉貞は乖戻を主り、貪狼は機巧を主り、武曲は容貌醜を主り、巨門・禄存は平庸を主り、左輔・右弼は純厚を主り、咸池は淫佚を主り、天触は斑痕を主り、天喜は賢徳を主り、陀羅は凶悍を主る——此の等も亦皆用神の虚実を看て以て定む。大体説けば、嫁娶の吉凶は財・官の両爻に主り、男女の美醜は卦象と神煞星宿とに主る、用法即ち是れ此の如くなり。)
然父母不可淪也,子孫不可溺也,妻財不可搖也,官鬼不可沒也,世應不可空也,比福不可動也,夫婦不可二也,陰陽不可悖也。(父母為主婚人,男占女無父母,則叔伯主婚,女占男無父母,則禮文澹薄;子孫陷則艱嗣,官鬼空則難成,妻財動公姑參差,男女皆同也。世空我有退心,應空彼無從志,破散動沖亦主變。男占女逢二官,或疑復許;女占男遇二財,或恐再求。財化財,官化官,俱為夫婦有二。男占女,宜世陽應陽,世升應降;女占男,宜世陰應陽,世降應升,反之則為陰陽相背。以上諸義,雖非婚姻吉凶之主,然見此象,亦應人事。)
此の外、父母爻淪没す可からず、子孫爻陥溺す可からず、妻財爻揺動す可からず、官鬼爻埋没す可からず、世応の両爻落空す可からず、兄弟と子孫と発動す可からず、夫婦の之爻両箇出現す可からず、陰陽転倒す可からず。(注:父母是れ主婚人なり。男方女方を占して卦中父母なければ、則ち叔伯に由りて主婚す。女方男方を占して而して父母なければ、則ち礼数簡薄なり。子孫陥落すれば則ち子嗣艱難にして、官鬼落空すれば則ち婚事成り難く、妻財発動すれば則ち公婆と和せず——男女の両方皆一様なり。世爻落空するは是れ我退意有り、応爻落空するは是れ対方意なし。逢破・被散・発動・被沖するも、亦皆変を生ずるを主る。男方女方を占して而して両箇の官鬼に遇えば、或いは是れ対方猶疑の後又答允するなり。女方男方を占して而して両箇の妻財に遇えば、恐らく其れ還て別に求めんと要す。妻財妻財を化し・官鬼官鬼を化するは、皆夫婦両箇有らんと要するを主る。男方占するは、世爻陽に属し世升爻に居り応降爻に居るを宜とす。女方占するは、世爻陰に属し応爻陽に属し世降爻に居り応升爻に居るを宜とす。反えば則ち是れ陰陽相背す。以上此の等は婚姻吉凶の主脳にあらざるといえども、然るに此の等の象を見れば、亦各々人事に応ず。)
夫贅婿,同於斷嗣,則用於子孫,空散非衰老之託,破絕非成立之人,旺實為賢,動沖不定也。配僕,同於取奴,則用於妻財,是以拱合生扶,忠誠效力,散空破絕,偷惰難親,命墓三沖,皆不我助也。倩媒,同於託人,則用於應,而沖不能合,克世則有所私也。(以應爻為所託,故空則不力,破則不專,旺相為我則重,休囚助己則輕,沖世為誤事,克世為存欲,合處逢沖,成而復解。此數者,央媒之戒也。)
女婿を招贅するは、子嗣を接続するを占するに同例にして、子孫爻を用う。子孫落空沖散すれば、則ち衰老の身を托付す可からず。逢破臨絶すれば、則ち是れ能く家を成し業を立つるの人にあらず。旺相充実するは賢能と為り、発動して沖せられれば則ち心思定まらず。僕人に婚を配するは、奴僕を買うを占するに同例にして、妻財爻を用う。拱合生扶を得るは、忠誠にして力を出す。散・空・破・絶に逢うは、偸嬾怠惰にして而して親近し難し。本命入墓・六沖に遇うは、皆肯んじて我を助けず。媒人を請うは、人に托して事を弁ずるを占するに同例にして、応爻を用う。応爻沖せられれば則ち説攏せず、応爻世を剋せば則ち是れ其れ別に私心有り。(注:応爻をもって托する所の人を代表す。落空すれば則ち力を出さず、逢破すれば則ち心を専らにせず。旺相にして我に向かえば、分量則ち重し。休囚にして我を助けば、力量則ち軽し。応爻世を沖するは是れ事を弁壊す、世を剋するは是れ心私欲を存す。合処逢沖するは、是れ説成して又散るを説く。此の几条是れ媒を請うの戒忌なり。)
若納妾,視其所重,重賢用財,重嗣用子。沖喜則兼詳六親,為長用父,為幼用子。或不諧而問去留,生合可留,克世宜去,命隨鬼墓者夭,貞沖合沖者散。(人心去而不留,勢同覆水,留則變生,筮者宜正告也。)
若し是れ妾を納るれば、其の看重する所是れ何なるかを看る。賢恵に重んずれば則ち妻財爻を用い、子嗣に重んずれば則ち子孫爻を用う。婚事を用いて沖喜するは、則ち兼ねて六親を看るを要す。長輩の為に沖喜するは父母爻を用い、小孩の為に沖喜するは子孫爻を用う。若し夫婦不和にして去留を問わば、応爻世を生じ世を合するは留む可く、世を剋するは遣去するに宜し。本命随鬼入墓するは夭亡せん、本卦六沖・合処逢沖するは終に離散に帰す。(注:人心已に去りて而して強て留むは、勢い覆水収め難きが如し。勉强して留下すれば反りて変故を生ず。占卦の人は当に実に拠りて相告ぐべし。)
就婚是家,卦沖應壞,不可相依,克世游魂,豈為久處。擇是地結姻,則同婚姻占,若問安寧,則忌鬼發。婚姻從違猶謀望,不可失財官。禮儀厚薄猶饋資,不可忽財應。(若男占女,無財不成,女占男,無官不就。貞合沖,世應空,謀事所忌也。應旺財旺,其禮則豐,應敝財敝,其儀則菲。)
某の一家に到りて婚を成すに、卦六沖に逢い・応爻敗壊すれば、則ち依靠す可からず。応爻世を剋して又是れ游魂卦なれば、豈に久住せんや。此の塊の地方を挑みて親を結ばば、則ち婚姻を占するの弁法に按ぜよ。若し彼処に在りて安寧なるや否やを問わば、則ち官鬼発動を忌め。婚事の談成する能くや否やは、謀望を占するに同例にして、財爻官爻を失う可からず。聘礼の豊薄は、饋贈資財を占するに同例にして、財爻と応爻とを忽略す可からず。(注:男方女方を占するに、財爻なければ則ち成る能はず。女方男方を占するに、官爻なければ則ち説成らず。本卦六合にして合処逢沖・世応落空するは、皆是れ事を謀るの忌む所なり。応爻旺・財爻旺なれば、礼即ち豊厚にして、応爻弊・財爻弊なれば、礼即ち菲薄なり。)
娶疑妨害,用神旺相,則我人之福,財神空破,則此婦之刑。(占用有二,如娶婦為父母病,疑婦妨害,得父母旺,則父母之福,非其妨也;娶媳為夫妻病,疑媳妨害,得妻財旺,則媳婦之良,非其刑也。)
親を娶りて而して新婦の家人を妨剋せんを疑心すれば、若し用神旺相なれば、是れ我家の人福有るなり。若し妻財爻空破なれば、是れ乃ち此の婦人刑剋有るなり。(注:此処用神を取るは両層有り。例えば父母病有るが為に婦を娶り、新婦妨剋を疑心すれば、若し占して父母爻旺相を得れば、是れ父母福有るにして、並びに新婦の妨剋にあらず。児子夫妻病有るが為に媳を娶り、媳婦妨剋を疑心すれば、若し占して妻財爻旺相を得れば、是れ媳婦賢良にして、並びに其の刑剋有るにあらず。)
何地,男官女財,卦宮為遠近。何年,生合年月為遲速。來求乎,應病則不來。來辭乎,應實則不辭。(用神在內則近,在外則遠,坎北離南,震東兌西,親宮本處,他卦別鄉之類,用神長生帝旺,空填破實之期。若吉凶之大,仍看財官。)
対方の何の処所に在るかを問うに、女方占せば官爻を看、男方占せば財爻を看、其の居する所の卦宮に憑りて遠近を定む。何れの一年婚を成すかを問うに、用神生に逢い合に逢うの年月をもって遅速を定む。対方の来たりて親を求めんや否やを問うに、応爻病有れば則ち来たらず。対方の来たりて婚を辞せんや否やを問うに、応爻充実すれば則ち辞せず。(注:用神内卦に在れば則ち近く、外卦に在れば則ち遠し。坎は北と為り離は南と為り、震は東と為り兌は西と為る。本宮に在るは是れ本地にして、他卦に在るは是れ別郷なり。応期は用神の長生・帝旺の時を取り、或いは落空して而して填実・逢破して而して実を得る之期なり。吉凶の大局に至りては、仍お財・官の両爻を看る。)
娶離婦,謀強婚,婦妓女,雖曰同占,而以害患為憂。欲再適、遂私約,雖曰同占,而以阻攔為戒,俱忌鬼應克世,以及隨、助、動官也。(此同避患,以官鬼為忌。)是故婚姻為人道之始,正家之本,筮者以敬,告者以誠,一言而關吉凶離合,吾嘗慎之。
休せられし婦人を娶り・謀りて強娶し・妓女を娶るは、説く一般の婚占と同例といえども、卻て禍を招き害を受くるをもって憂と為すを要す。女子再嫁せんと想い・私下の約定を遂成せんと想うは、説く亦同例といえども、卻て人の阻攔有るをもって戒と為すを要す。此の几様は皆官鬼・応爻の来たりて世を剋するおよび随鬼入墓・助鬼傷身・官鬼発動を忌む。(注:此の几様は禍を避くるを占するに同例にして、官鬼をもって忌神と為す。)婚姻是れ人倫の始・家を正すの本なり、ゆえに占を求むるの人は恭敬を要し、判断するの人は誠実を要す。一句の話即ち吉凶離合に関係す、我向來此に対し極めて慎重なり。
胎産章第五十二
(內詳虛實胎安母安防墮產期男女穩婆乳母寄乳產地易育求嗣諸問)胎產人道之大,子孫繼世之本,故以子孫為用。筮胎虛實,專重子孫,唯卜母孕,則憑弟兄,其他長幼尊卑,代身而祝者,皆以子孫為用也。未胎而占孕,重青龍天喜之動;間月而占,則獨求子孫,旺相生扶則成胎,空破散絕則非孕。(未間月而筮,如青龍天喜動,雖子孫伏,亦斷有孕;已間月而筮,若子孫空,雖青龍天喜動,亦斷無孕,蓋子孫但以有為喜,神宿必以動為喜。總言未間專重龍喜,已間獨重子孫。)
(本章は詳しく胎の虚実・胎安・母安・小産を防ぐ・産期・男女・穏婆・乳母・乳を寄せる・産地・養い好きや否や・子を求むる等の問目を列す。)胎産是れ人倫の大事にして、子孫是れ世を継ぐの本なり、ゆえに子孫爻をもって用神と為す。胎の虚実を占するは専ら子孫に重んず。只母親懐孕を占する時のみ兄弟爻に憑る。其余論なき長幼尊卑の何れの一位に替わりて占するも、皆子孫をもって用神と為す。未だ胎に坐らざれば則ち孕有るか孕なきかを占し、青龍・天喜の発動するや否やに重んず。月事已に一月を過ぎて再び占せば、則ち専ら子孫爻を求む。旺相にして生扶を得れば則ち是れ胎を成せり。空・破・散・絶に逢えば則ち是れ孕にあらず。(注:月事未だ間断せざれば則ち来たりて占し、若し青龍・天喜発動せば、便ち子孫爻伏蔵するも、亦孕有りと断ず。月事已に間断一月して再び占せば、若し子孫爻落空せば、便ち青龍・天喜発動するも、亦孕なしと断ず。子孫只だ「有る」のみ即ち喜ぶ可けれども而して神煞星宿は必ず「動く」をして乃ち喜ぶ可きをもってなり。要之、未間月は専ら竜喜に重んじ、已間月は独り子孫に重んず。)
或筮胎安,亦重子孫,不空不破則成人,若絕若沖難足月。筮產母身安,鬼動則災生,用傷則病作,臨官入墓,須防抱病猝亡,助鬼傷身,惟恐帶胎同喪。如出遊求身安,用旺鬼靜則喜,求胎安,則忌卦沖胎空虎動也。(胎安重子爻,母安忌鬼發,及用旺為喜。如占母孕,則父母為用,他人代求,則妻財為用,皆忌本命隨官入墓。產母自問,並忌助鬼傷身。出遊,有為身為胎兩義。)
胎の安穩なるや否やを占するも、亦子孫爻に重んず。落空せず破に逢わざれば則ち能く生れ下りて人を成す。若し絶に臨み若し沖せられば、則ち足月し難し。産婦自身の平安なるや否やを占するに、官鬼発動すれば則ち災有り、用神傷を受けば則ち病を生ず。本命随鬼入墓すれば、須らく病を抱きて突然身亡するを防ぐべし。助鬼傷身すれば、只怕くは胎を帯び母と一倂に命を喪わんとす。若し是れ門の外出て在りて而して平安を求むれば、用神旺・官鬼静をもって喜と為す。胎安を求むれば、則ち六沖の卦・胎爻落空・白虎発動を忌む。(注:胎安を占するは子孫爻に重んじ、母安を占するは官鬼発動を忌み、用神旺相をもって喜と為す。若し母親懐孕を占せば、則ち父母爻をもって用と為す。別人代わりて求むれば、則ち妻財爻をもって用と為す。皆本命随鬼入墓を忌む。産婦自己来たりて問うは、還て助鬼傷身を忌むるを要す。門の外出て在るの占は、自身の為と胎児の為との両層の意思有り。)
如問墮胎,合沖、前沖、後沖、胎空、胎破、虎動必犯其厄,然亦察之子象,子孫堅固,雖遇此而不傷,子孫破克,雖不遇此而難保。(卦沖則不締結,胎壞則不堅固,虎動乃為血神,三者有一,當應墮漏,若子孫日月旺相,雖見其兆,終不喪胎,如申建辛亥日,占孕得兌之困,敗血三日後復完胎。故子孫為要。)
若し小産するや否やを問わば、合処逢沖・本卦六沖・変卦六沖・胎爻落空・胎爻逢破・白虎発動すれば、必ず此の一厄を犯さん。然るに還て子孫の象を察看するを要す。子孫堅固なれば、縦え此の等に遇上するも亦胎を傷めず。子孫破せられ剋せられば、縦え此の等に遇わざるも亦保つ能はず。(注:卦六沖に逢えば則ち胎結び牢ならず、胎爻敗壊すれば則ち胎堅固ならず、白虎発動すれば則ち是れ血神当令なり——三者其の一有れば、則ち当に小産漏胎に応ずべし。然るに若し子孫日月旺相を得れば、此の兆を見るといえども、終竟胎を喪うに至らず。例えば申月辛亥日に孕を占し、《兌》を得て《困》に変ず、三日の血を見て、之後胎又保たれたり。ゆえに子孫始めて是れ関鍵なり。)
故占產期遲速,卦沖、胎破、虎搖,日當產矣。胎值旬空之時,世值胎養之日,子遇長生之辰,如子無而遇有,空而遇補,破而遇實,墓而遇沖,較量輕重,以定其期,定時亦然,此概占也。如限期而卜產,則但以卦沖胎沖虎搖者,定其當產。
ゆえに分娩の遅速を占するに、卦六沖に逢い・胎爻破に逢い・白虎揺動すれば、其の一日即ち当に生むべし。此の外、胎爻旬空に値する之時・世爻胎養の日に行到する・子孫長生の辰に遇う、および子孫無より有に変じ・空より補を得・破より実を得・入墓して沖に遇う、此の等の軽重を把りて掂量一番すれば、則ち以て産期を定む可し。時辰を定むるも亦一様なり。これ是れ籠統にして占す。若し是れ某の時段を限定して分娩を占せば、則ち只卦六沖に逢い・胎爻沖せられ・白虎揺動するを憑りて当産の時を断定す。
(或以月分,或以旬分,但卦沖胎疾虎動,則是月是旬當產。復以日時定之,倘概筮何時,則以卦沖胎疾虎動為近,否則為遠;而以世爻胎養、空補、破實、絕生、墓沖、無有之日時定之,及胎值旬空者,否則為遠之考也。如申建丁未日,占產得艮,三日巳酉戌時則育,此世胎養之應也。人占夫占,皆從此論。唯產母自占,則以子孫為重,如午建甲寅日,自筮身孕得大過,後庚午日產,應子孫值日,此以子孫為法也。墓而遇沖,火子戌日,逢辰而誕是焉。或曰產婦以財分,嬰兒以子分,日時以世分,概占如此,若獨筮期,當專用子。)
(注:或いは月分に按じ、或いは旬分に按ず。只卦六沖に逢い・胎爻病有り・白虎発動せば、其の月・其の一旬即ち当に分娩すべし、然後再び日・時を用いて更に細かく定む。倘若りし籠統に何時に生むかを占せば、則ち卦沖・胎疾・虎動をもって近期と為し、然らざれば則ち遠期と為す。再び世爻胎養を行く・落空して補を得・逢破して実を得・臨絶して生に逢う・入墓して沖に遇う・無に由りて有と為る之彼の日時を用いて以て定む、胎爻正しく旬空に値するも亦此に照らして推し、然らざれば則ち遠期の考量と作す。例えば申月丁未日に分娩を占し、《艮》卦を得、三天後の巳日酉時・戌時に即ち生めり、これ是れ世爻の胎養の位に応ずるなり。別人代わりて占し・丈夫来たりて占するも、皆此の弁法に照らす。唯だ産婦自己占するのみ、則ち子孫をもって重と為す。例えば午月甲寅日に自ら身孕を占し、《大過》を得、後来庚午日に分娩し、正しく子孫の日に値するに応ず、これ是れ子孫をもって準と為すなり。いわゆる「入墓遇沖」は、例えば火性の子孫戌日に墓して辰日に逢沖して開かれて分娩するは、即ち是れ此の種の情形なり。亦人の説く有り、産婦は妻財を看、嬰児は子孫を看、日時は世爻を看ると。籠統に占するは是れ此の如し。若し単に産期を占せば、則ち当に専ら子孫を用うべし。)
如定男女,先以卦之陰包陽者為男,陽包陰者為女,坎離自包同焉;其次以動爻陰變陽者為男,陽變陰者為女,子為宰主,爻分等次;其三非包非動而安靜者,則以子孫屬陽為男,屬陰為女,陰陽並現,輕重相持,飛伏皆空,單拆定義。蓋有出外而家內已生者獨舉子孫屬陰陽而定之,不以卦包動變言也。占母以弟兄而言,代身亦舉子孫而決之。
男女を定むるに至りては、第一に卦体を看る——陰爻陽爻を包むは男を生み、陽爻陰爻を包むは女を生む、《坎》《離》の両卦自身即ち是れ陰包陽・陽包陰にして、同例なり。第二に動爻を看る——陰爻陽に変ずるは男を生み、陽爻陰に変ずるは女を生む。其の中子孫爻をもって主宰と為し、各爻還て次序に按じて主次を分かつを要す。第三、卦既に陰包陽陽包陰に属せず、又動爻なくして全静なれば、則ち子孫爻を看る。陽に属すれば男を生み、陰に属すれば女を生む。若し陰陽両箇の子孫並び現れば、則ち軽重を権衡す。若し飛神伏神皆落空すれば、則ち「単」「拆」の象を用いて以て定む。此の外、若し是れ人外地に在りて而して家中其の実已に生めれば、則ち単に子孫爻の陰陽に憑りて断じ、再び卦包と動変とを講ぜず。母親生産を占するは兄弟爻を用い、人に代わりて来たりて占するは仍お子孫爻を用いて決断す。
(欲定男女,其法有三:一曰卦包,二曰動變,三曰子屬,如坎大過小過咸恆,謂之陰包陽,離頤中孚益損,謂之陽包陰,謙豫履小畜升萃無妄大畜則非。卦包之後,則考動爻,變陽為男,變陰為女,若二爻動則主上爻,三爻動則主中爻,四五爻皆動,則主陰陽屬多之爻,六爻動及陰陽等動,則主內卦變爻,或中有子動者,竟取子孫變,以定男女也。
(注:男女を定むるの弁法は三有り。一は曰く卦包、二は曰く動変、三は曰く子孫の所属なり。《坎》《大過》《小過》《咸》《恒》の如きは、之を陰包陽と叫作す。《離》《頤》《中孚》《益》《損》の如きは、之を陽包陰と叫作す。《謙》《豫》《履》《小畜》《升》《萃》《无妄》《大畜》に至りては則ち算せず。卦包を看過して、再び動爻を考察す。陽爻を変出すれば男を生み、陰爻を変出すれば女を生む。若し両爻同動せば、則ち上面の其の一爻をもって主と為す。三爻同動せば、則ち中間の其の一爻をもって主と為す。四爻・五爻皆動けば、則ち陰陽属類の較多き其の一爻をもって主と為す。六爻斉動する或いは陰陽爻数相等しきは、則ち内卦の変爻をもって主と為す。其の中若し子孫爻発動有れば、則ち径直に子孫の変ずる所を取りて以て男女を定む。
動變之後,卦靜則考子孫,陽男陰女定之;如或兩現,舍其疾而用其不疾;如或飛無而伏復空,則以伏神子孫單拆而分男女,不可因空破而他求也。如戌建戊辰日,占男女得歸妹,亥子屬陽值空,後應生男不育。常有兩現子孫,皆屬旺相,及大有乾剝同人,乃應雙胎。海底眼:兩爻旺相喜神扶,必是雙胎天賜與。夫陰陽相包,男女成胎之時也,動變者,磨蕩化育之功也,故先泥子孫者非是。出外而家內已生,專務子孫屬陰陽,蓋物既生成,當考形體,豈以卦包動變而言之哉。)
動変の此の一層を過ぎて、若し卦全静なれば則ち子孫爻を考察し、陽に属すれば男を生み陰に属すれば女を生むをもって定む。若し子孫両現せば、則ち其の病有るを舍てて其の病なきを用いる。若し飛神の裡になくして而して伏神又落空せば、則ち伏神の子孫の是れ「単」か是れ「拆」かを用いて以て男女を分かち、其の空破するに因りて別に他処を求む可からず。例えば戌月戊辰日に男女を占し、《帰妹》を得、亥・子の子孫陽に属して而して正しく旬空に値す、後来果たして男孩を生めり然るに養活せず。也常に両箇の子孫並び現れて而して皆旺相する有り、および《大有》《乾》《剥》《同人》を得れば、則ち双胎に応ず。《海底眼》に説く「両爻旺相して喜神扶えば、必ず是れ双胎天の賜与なり」と。須らく知るべし陰陽相包は、説く所是れ男女胎を成すの時なり。動変は、説く所是れ磨蕩化育の功なり——ゆえに一上來即ち子孫爻を死抠する是れ対ならず。人外地に在りて而して家中已に生めるに至りては、則ち専ら子孫の陰陽を看る、胎児既に成形するをもって、当に其の形体を考察すべく、豈に還て卦包と動変とに談ずるに及ばんや。)
穩婆好惡,察應與財,空破無能,旺生得力,然切戒應爻克子,恐妨我之兒,應爻克財,恐害我之妻,不獨占而帶觀之。夫占近應之間爻,自占近世之間爻,及或五爻,亦不可克妻克子,而空破也。(財為婦人,應為所用之人,蓋收生以護子妻,應爻不宜值父兄也;產內兼問,若間五破空,沖剋財子,則曰化婆有犯。)
接生婆の好壊を占するは、応爻と妻財爻とを看る。落空逢破すれば則ち本事なし、旺相にして生を得れば則ち得力す。但し切に応爻の子孫を剋するを戒忌するを要す、其の我が孩子を妨害せんを怕るればなり。応爻妻財を剋するは、其の我が妻子を傷害せんを怕るればなり——此の一層は単独に卦を起すを必せず、産占の中に在りて一倂に看る可し。若し人に替わりて占せば則ち応爻に靠近するの間爻を看、自己占せば則ち世爻に靠近するの間爻を看、時にも亦第五爻を看る。此の等の爻は同様に妻を剋し子を剋す可からず、亦落空逢破す可からず。(注:妻財は産婦を代表し、応爻は雇う所の人を代表す。接生は是れ母子を保護するが為にして、ゆえに応爻宜しく父母爻或いは兄弟爻たる可からず。産占の中に在りて一倂に問及する時、若し間爻或いは五爻破に逢い空に逢い、又財爻子爻を沖剋せば、則ち穏婆妨害有りと説く。)
乳母好惡,察財與應,空破多病,生旺無殃,最忌合沖卦沖,不能終始其哺,應爻克沖子位,不免妨犯其兒,卦無亥子,後乳將少,而兒缺食也,坤艮宮之無亥子者,尤甚焉。然應克世而有難意,應值鬼而有機謀,應咸池而好酒色,應元武而喜竊偷,然所占若吉,未為大害。寄乳於人,當以子身為重,喜其生扶旺相,不宜空破絕沖,命隨鬼墓,子喪他家,卦遇鬼搖,兒病外室,不可寄乳也。寄乳而問乳母之吉凶,如擇乳母之法。(問乳母則論財應,問寄乳則重子孫,來乳去乳,好惡同義。)
奶妈の好壊を占するは、妻財爻と応爻とを看る。落空逢破すれば則ち多病にして、生を得旺を得れば則ち災なし。最も合処逢沖と本卦六沖とを忌む、然らば其れ能く自始至終に底まで喂る能はず。応爻子孫の位を沖剋すれば、孩子を妨害するを免れず。卦中若し亥・子の水爻なければ、往后奶水少なからん、孩子飽き食う能はず。若し是れ坤宮・艮宮の卦にして而又亥子なければ、則ち更に厳重なり。此の外、応爻世を剋するは、其れ難を為すの意有り。応爻官鬼に値するは、其れ別に心机有り。応爻咸池を帯ぶるは、其れ酒色を好む。応爻元武を帯ぶるは、其れ偸窃を喜ぶ。然るに占する所若し整体是れ吉なれば、此の等も亦大害と算せず。孩子を寄せ出して奶を吃せしむるは、則ち子孫爻をもって重と為す。其の生扶旺相を得るを喜び、落空・逢破・臨絶・被沖するに宜からず。本命随鬼入墓すれば、孩子別人の家に死せん。卦中官鬼揺動すれば、孩子外面に在りて病せん——此の両種則ち乳を寄す可からず。乳を寄せて而して兼ねて奶妈の吉凶を問うは、弁法奶妈を挑選するに相同なり。(注:奶妈を問えば則ち妻財と応爻とを論じ、寄乳を問えば則ち子孫爻に重んず。奶妈を請うて上門せしむると孩子を送り出すとは、好壊の看法是れ一様なり。)
產地安危,最嫌鬼動,財福兩象,不宜一傷。(卜地而產,惟用旺鬼寧為善,命隨鬼墓大忌之。)若生後而問易育,喜子孫旺相,防疾忌官鬼交重,及命隨鬼墓也。(用旺稚子有根,鬼靜則嬰兒無疾。)
生産の地の安全なるや否やを占するは、最も官鬼発動を嫌う。妻財と子孫との此の両象は、一箇も傷を受くる能はず。(注:地方を挑みて生産するは、只用神旺・官鬼安寧をもって善と為す。本命随鬼入墓する是れ大忌なり。)孩子生れ下りて以后好きに養うや否やを問うは、子孫爻旺相を喜ぶ。疾病を防がんと要せば、則ち官鬼交重発動および本命随鬼入墓を忌む。(注:用神旺なれば則ち幼児根基地好し、官鬼静なれば則ち嬰児病なし。)
若乏嗣而求子,獨索子孫,旺相生扶,得之速也,伏藏安靜,得之遲也,空破散絕,未之有焉;然不可世空,乃吾身之不能,問妻應空,問妾財空,是妻妾之身不育也。何年可得子,子孫胎養生時兆萌矣。何婦可生,弟兄所屬命姓,子現於外者,利於外生,子伏於內者,利於內育,子現元武咸池,及非世應之位,應於侍嫘外遇。蓋子嗣有無,雖有定命,惟盛德能立命焉,占者勉之。
若し是れ子嗣なくして而して子を求むれば、則ち専ら子孫爻を找う。旺相にして生扶を得れば、子を得ること速し。伏蔵にして安静なれば、子を得ること遅し。空・破・散・絶に逢えば、則ちなし。然るに世爻も亦落空す可からず、落空するは是れ我自身生育する能はざるなり。妻子を問うて而して応爻落空し・妾を問うて而して妻財落空するは、是れ妻妾生育する能はざるなり。何れの一年に子を得る能くを問えば、則ち子孫爻胎・養・長生を行くの時に在りて萌兆す。何れの一房能生するかを問えば、則ち兄弟爻の所属する生肖姓氏を看る。子孫外卦に現るは、外面に在りて生むに利あり。子孫内卦に伏すは、家中に在りて養うに利あり。子孫元武・咸池を帯びて而又世応の位の上に在らざれば、則ち侍婢或いは外遇の生ずる所に応ずべし。子嗣の有無は定命有るといえども、然るに唯だ厚徳能く其の命を自立す、占する者当に勉力して善を為すべし。
(楚中商人王氏者,四十乏嗣,癸未卯建辛未日,卜嗣得否,言其無子,以陰功勸之,後果輕財好施;及乙酉鼎革,有感力行善事,丁亥仲春甲申日來杭復卜後嗣得萃,子遇長生,許得二子,彼曰:前言無後言有何也?予曰:公必樹德矣,彼頷之而去;及子寅年連生二男,豈非盛德格天之報,如影隨形乎?學易者,當勉人為善,求嗣者,當法之以造命也。)
(注:楚地に位する王姓の商人有り、四十歳にして還て子嗣なし。癸未年卯月辛未日に子嗣を占し、《否》卦を得、我其の児子なきを説き、倂せて其に多く陰徳を積むを勧む。後来其果然として財を軽んじ施を好む。乙酉年改朝换代に到りて、其更に感触有る有りて而して力めて善事を行う。丁亥年仲春甲申日其杭州に到りて再び子嗣を占し、《萃》卦を得。子孫爻長生に遇う、我其能く両箇の児子を得るを許す。其曰く、先前なしと説き、如今有りと説くは、是れ何の為ぞや。我曰く、您必ず是れ徳を積めり。其頷きて去る。子年・寅年に到りて果然として連れて両箇の男孩を生む——此れ豈に厚徳上天を感格するの応報、影の形に随うが如くならざらんや。《易》を学ぶの人当に人の善を行うを勉励すべく、子嗣を求むるの人当に此の様子に照らして去りて其の命を自造すべし。)
撫養章第五十三
(內詳繼養撫養收養投養入繼諸問)撫養有二:我有子而欲繼養於人,最忌三沖,為有初鮮終之象,非長幼之寡恩,是上下之逆德;命隨鬼墓,往必病焉;子孫爻壞,去必喪焉。此三者,不可繼也。(繼是家者,子孫旺為康寧,卦爻合為孝慈。)我無子而欲撫人之子,則以子孫為用,福神之旺,能慎終於華首,子爻生我,善養老於衰顏,三沖則無始終,空散則無成立,命墓則有夭折,此三者不可撫也。僧道受徒,朋友立孤,亦同此義。
(本章は詳しく過継・撫養・収養・投靠して養を受く・他家に入継する等の問目を列す。)撫養は両種を分かつ。一種は是れ我児子有りて而其れを別人に過継せんと想う。最も六沖を忌む、是れ始有りて終なきの象にして、是れ長輩寡恩ならざれば、即ち是れ晩輩徳に逆うなり。本命随鬼入墓すれば、去れば必ず病を生ぜん。子孫爻敗壊すれば、去れば必ず命を喪わん。此の三様有れば則ち過継す可からず。(注:其の一家に過継して去れば、子孫旺相なれば則ち康寧にして、卦爻相合すれば則ち孝慈なり。)另一種は是れ我児子なくして而して別人の孩子を撫養せんと想う。子孫爻をもって用神と為す。子孫福神旺相なれば、能く一直に我を奉養して白頭に至らしむ。子孫爻来たりて世爻を生ずれば、能く好好と我を養いて衰老の年に於かしむ。若し六沖に逢えば、則ち始有りて終なし。落空沖散すれば、則ち成立する能はず。本命入墓すれば、則ち夭折有り。此の三様有れば則ち撫養す可からず。僧道徒弟を収め・朋友人に替わりて孤を撫して後を立つるも、道理亦一様なり。
尚有衰老無倚,弱幼無歸,雌單無養,壯貧無賴,我欲收養者,皆以應克世爻為戒。婦女用財,長上用父,卑幼用子,遠宗近表,亦用於應,皆莫克世,及用遭空破散,是其自濡於溺,而我濟無功也。三沖者,先膠漆而後冰炭,助傷者,朝琴瑟而暮干戈,所以戒也。應動多南北之心,應退多去來之志,歸魂常思舊所,游魂每念新鄉。(應克世,則恩多成怨,用被壞,則勞而無功。)
還て有り、年老依なく・幼弱帰なく・孤身の婦人奉養する人なく・壮年貧窮にして依靠する所なき、我其れらを収養せんと想うに、一概に応爻の世爻を剋するをもって戒と為す。婦女を収養するは妻財爻を用い、長輩を収養するは父母爻を用い、卑幼を収養するは子孫爻を用う。遠房の宗親・近房の表親も亦応爻を用う。此の等の爻皆世を剋す可からず。用神若し空・破・散に遭わば、是れ其れ自身正しく水中に沉溺するを、我去りて救うも亦救成らず。六沖に逢えば、是れ先ず胶漆の如くして而して後に冰炭の如し。助鬼傷身に逢えば、是れ早上還て琴瑟和鳴し晚上則ち干戈を動起す——ゆえに戒むるを要す。応爻発動するは、其れ多く南来北往の心有り。応爻退神するは、其れ多く去りて而して復来るの志有り。帰魂卦は、其れ常に旧居を想念す。游魂卦は、其れ総て新地方を念記す。(注:応爻世を剋するは、恩を施す多く怨を結ぶに変ず。用神壊せられれば、則ち白く力を費して而して功なし。)
夫應克世,而駕鬼動者為甚。武鬼動而揖盜,雀鬼動而戒非,騰蛇生連蔓之憂,白虎兆亡命之禍,天燭以火失事,咸池以淫亂心。因害而避,因利而趨,在生克之間也。(應爻帶鬼克世,其凶尤甚,復視其與何神何宿來克來生,如官文龍貴生世,益我以榮,財福生世,益我以利,克世反視,縱青龍亦以奸昧為。)
応爻世を剋して而而且に官鬼発動を帯ぶるは、害を為すこと尤も厲し。元武官鬼発動するは、是れ狼を引きて室に入るなり。朱雀官鬼発動するは、口舌是非を戒むるを要す。騰蛇は牽連蔓延の憂を生出するを主り、白虎は亡命の禍を兆示す。天燭は火に因りて事を失し、咸池は淫に因りて心を乱す。害に因りて躲避し・利に因りて趨就せんと要するは、全く生剋の間に在りて去りて看る。(注:応爻官鬼を帯びて来たりて世を剋するは、凶险尤も甚し。還て其の何の神・何の星宿を帯びて来たりて剋し来たりて生ずるかを看るを要す。例えば官爻・文書爻青龍・貴人を帯びて来たりて世を生ずるは、是れ我に与えて栄顕を帯来するなり。妻財・子孫来たりて世を生ずるは、是れ我に与えて財利を帯来するなり。若し是れ世を剋するは、則ち反りて来たりて看る、縦え是れ青龍なるとも、亦奸邪曖昧の事と当作す。)
又有我孤貧而筮投養於人者,用神克世,而莫我顧也,三沖無久惜之情,四病有興盡之憎,則不可歸也。(凡言四病,即空破散絕,占投養者,當戒是三也。)又有彼乏嗣,而入繼於人者,有義繼利繼之分。繼義世旺我往而昌,世壞我入而困也;繼利則財壞無得,應空無望也。三沖不睦,游魂不一,鬼動而訟。繼成若謀事,繼爭如奪缺,是以卦沖合沖,世空應空,鬼失財失,不能成也,應爻克世,不勝奪也。
還て我孤苦貧寒にして而して別人に投靠して養を受けんを占する有り。用神世を剋するは、対方則ち我を照顧せざらん。六沖に逢うは、長久の怜恤の情なし。用神「四病」有るは、興致一たび尽きれば則ち厭憎を生ず——これ則ち去りて投靠す可からず。(注:いわゆる四病は、即ち是れ空・破・散・絶なり。投養を占するの人は此の几様を戒むるを要す。)還て対方子嗣なくして而して我他家に入継して去る有り、要するに「継義」と「継利」との両種を分かつを要す。継義のは、世爻旺相なれば、我去れば則ち昌盛す。世爻敗壊すれば、我去れば則ち困頓す。継利のは、財爻敗壊すれば則ち得着せず、応爻落空すれば則ち指望なし。六沖に逢えば則ち彼此不睦にして、游魂に逢えば則ち心志一ならず、官鬼発動すれば則ち訟事を生ず。過継を争取するは事を謀るに相同にして、継承の位を争奪するは官缺を争奪するに相同なり。ゆえに本卦六沖・合処逢沖・世爻落空・応爻落空・官鬼失位・妻財失位するは、皆成る能はず。応爻世を剋するは、則ち人家に争勝る能はず。
痘疹章第五十四
(內詳見痘趨避疏密出期何人大象六問)夫痘疹亦天災也,是名天花,亦名聖瘡,動關童命,敢忽神筮?未花而問,以鬼為信,蓋鬼空根芽未萌,鬼靜氣機未動,鬼散雖流行而不及也。破靜而甲不拆,破動而病或殊,鬼絕則未生花也。(以鬼為病,問痘即痘也。月破非應有痘,鬼動是當有病,乃或癍麻瘡毒,未為正痘,故曰病殊。)
(本章は詳しく是れ否か痘を出す・趨避・痘の疎密・痘を出す時期・何人痘を出す・総体吉凶等の六箇の問目を列す。)痘疹も亦是れ天災にして、名を「天花」と叫び、又「聖瘡」と叫ぶ、動輙小児の性命に関係す、豈に敢えて卦て卦筮を軽忽せんや。未だ痘を出さざるの時来たりて問うは、官鬼爻をもって憑信と為す。官鬼落空するは、是れ病根未だ萌動せざるなり。官鬼安静するは、是れ気機未だ発動せざるなり。官鬼沖散せらるるは、時気流行するといえども亦波及せらるるに及ばず。官鬼月破に逢うて而して安静するは、是れ痘甲綻開せざらん。官鬼破に逢うて而して発動するは、患うる所或いは是れ別の病ならん。官鬼絶に臨まば、則ち還て痘を出さざらん。(注:官鬼をもって病と為し、痘を問う時其れ即ち痘を代表す。月破すれば則ち当に痘有る可からず、官鬼発動すれば則ち当に病有るべし。然るに其れ可能なるは斑疹・麻疹・瘡毒にして、是れ正痘にあらず、ゆえに「病殊」と説く。)
鬼動將見,鬼沖將開,鬼旺將起,當月當日,則是月是日而出也。(官鬼值日月當見,如丑建乙卯日,佔有花得履之同人,當日見標,復一人亦占履之睽,及次年二月始痘,蓋卯鬼發動故應速,卯鬼安靜故應遲。)
官鬼発動すれば、痘則ち現れんと要す。官鬼沖せらるれば、痘則ち開かんと要す。官鬼旺相すれば、痘則ち起らんと要す。其れ正しく某月・某日に当たれば、則ち其の月・其の日に在りて痘を出す。(注:官鬼正しく日建月建に値すれば、痘則ち当に現るべし。例えば丑月乙卯日に是れ否か痘を出すを占し、《履》を得て《同人》に変ず、当天即ち痘標を見る。別に一人有りて亦来たりて占し、《履》を得て《睽》に変ず、卻て第二年の二月に到りて始めて痘を出す——前一卦卯木官鬼発動すればゆえに応ずること速く、後一卦卯木官鬼安静すればゆえに応ずること遅し。)
當歲而索鬼象之得失,有二而考一爻之虛實。(官鬼若值太歲,或遇空破休囚,則言未出,後雖日月會同,亦未可言有,如己亥年辰建辛未日,佔有痘得同人,亥鬼旬空,終歲康寧,則不可以太歲為鬼而當年應痘也。如卦有兩鬼,一空一動,則以其動,一強一弱,則以其強,皆應當出,乃謂考一爻虛實爾。)
当年是れ否か痘を出すを占するは、則ち官鬼の象の得失を捜求す。若し卦中両箇の官鬼有れば、則ち其の中一爻の虚実を考察す。(注:官鬼若し正しく太歳に値して、卻て又空・破・休囚に逢えば、則ち此の一年出さずと説く。後来便ち日月其れと会同するも、亦能有りと説く能はず。例えば己亥年辰月辛未日に是れ否か痘有るを占し、《同人》を得、亥水官鬼正しく旬空に逢う、其の一年始終平安なり——見る可し官鬼正しく太歳たるに因りて則ち当年痘に応ずと断ず可からざるなり。又如卦中両箇の官鬼有りて、一箇空・一箇動けば、則ち其の動くを取る。一強一弱なれば、則ち其の強きを取る、皆当に出すべしと断ず。これ即ちいわゆる一爻の虚実を考察するなり。)
世由己招,應由人召,內為本鄉之行災,外為他處之流禍。往避而得痘,游魂鬼搖,來歸而不得痘,歸魂鬼靜。伏鬼有氣者亦見也。(官鬼動,而天花開矣,在世則為特發,在應則為纏染,在六爻童僕起根,在三爻弟兄繼種,內為本境,外為他鄉,游魂為往,歸魂為來。蓋鬼空於內,本境無事,鬼空於外,他鄉可避;鬼動歸魂,回家有痘,鬼空游魂,往外得免也。大抵鬼爻旺相,雖伏亦萌,鬼爻休囚,雖現亦息。)
官鬼世爻に在るは、是れ自己招きて来るなり。応爻に在るは、是れ別人伝えて来るなり。内卦に在るは、是れ本郷流行の災なり。外卦に在るは、是れ外地流来の禍なり。外出て躲避せんと想いて而して仍お痘を出すは、是れ游魂卦にして而して官鬼揺動するなり。家に帰り来りて反りて痘を出さざるは、是れ帰魂卦にして而して官鬼安静するなり。伏蔵の官鬼若し気有れば、痘も亦照様出るを会す。(注:官鬼一たび動けば、天花則ち開けり。其れ世爻に在るは是れ自身独発して、応爻に在るは是れ人に伝染せらる。上爻に在るは是れ僕童先ず痘を起し、三爻に在るは是れ兄弟接いで出づ。内卦は本地と為り、外卦は他郷と為す。游魂は出去を主り、帰魂は回来を主る。官鬼内卦に在りて落空すれば、本地事なし。外卦に在りて落空すれば、外地に去りて避く可し。官鬼発動して而して卦是れ帰魂なれば、家に帰りて痘を出さん。官鬼落空して而して卦是れ游魂なれば、外に出でれば則ち免るを能くす。大体上官鬼旺相なれば、伏蔵するといえども亦萌発せん。官鬼休囚なれば、顕現するといえども亦平息せん。)
占花疏密,詢鬼旺衰,以八卦而分手足,以六爻而定身形,以五行而著顏色,乾首坤腹,五脢二腓,金白火赤可類也。(蓋鬼為痘,若臨日月旺相生扶,花必綢密,如值空破休囚死絕,痘必疏朗。凡鬼動何宮,則定花叢何處,如不動,審旺何爻,如發艮宮手臂密,如動兌宮口頰多,坎離上身,震巽下身;旺在初爻,先有於足,旺在六爻,始發於面,五爻胸背,二爻腿膝,三四腰股心腹。
痘の出ること稀なるか密なるかを占せば、則ち官鬼の旺衰を問う。八卦を用いて手足の部位を分かち、六爻を用いて身体の部位を定め、五行を用いて痘の顔色を顕す。乾は頭と為り坤は腹と為り、第五爻は背脊と為り第二爻は小腿と為り、金は白色を主り火は赤色を主る、皆以て類推す可し。(注:官鬼は痘を代表す。其れ若し日月に臨み旺相にして生扶を得れば、痘必定稠密なり。若し空・破・休囚・死・絶に逢えば、痘必定稀疏なり。官鬼何れの一宮に在りて動けば、則ち痘の叢生するは何れの部位に在るかを定む。若し動かざれば、則ち其の何れの一爻に在りて旺くかを看る。譬ば艮宮に在りて発すれば、手臂の上密なり。兌宮に在りて動けば、口頬の上多し。坎・離は上身を主り、震・巽は下身を主る。初爻に在りて旺ければ、先ず脚に出づ。上爻に在りて旺ければ、先ず臉に発す。五爻は胸背を主り、二爻は腿膝を主り、三・四爻は腰股と心腹とを主る。
火鬼發其色紅紫,金鬼動其色虛白,水鬼發其色黑陷,木為雜細,土為腫大。然必論用神生死,而後定之吉凶,故水鬼動而主象旺者,痘見黑釘,後復收功。然痘症多變,設遇用象破空,或值何鬼發動,則變此症而喪,如未建甲辰日,占子痘得屯之革,於戊申日乃變脾病而不治,餘仿此。)
火性の官鬼発動すれば、痘色紅紫なり。金性の官鬼発動すれば、痘色虚白なり。水性の官鬼発動すれば、痘色黒にして而して塌陷す。木性の官鬼は痘粒細雑を主り、土性の官鬼は痘粒腫大を主る。然るに必ず須らく先ず用神の生死を論じ、然後始めて吉凶を定む。ゆえに水性の官鬼発動して而して主象旺相するは、痘黒疔を現ずといえども、後来仍お收功する能くあり。但し痘症変化多端にして、倘若りし用神破に逢い空に逢うか、或いは某の官鬼正しく発動に当たれば、則ち別の症候に転成して而して命を喪わん。例えば未月甲辰日に児子の痘を占し、《屯》を得て《革》に変じ、戊申日に到りて脾病に転成して而して治せず。其余類推せよ。)
如問痘見何人,鬼當本命,鬼化卦宮者應之。考六親之化鬼,及鬼化之六親,則痘是人也,然亦必鬼旺動而發焉。(一家之內,以官鬼值何人本命,則曰是人有痘。又鬼動艮宮,則曰少男,鬼化離象,則曰中女,財爻化鬼,則曰奴僕,鬼象化子,則曰孩提,大抵務於鬼爻旺動而言也。)
若し誰が痘を出さんかを問わば、官鬼正しく誰の本命に当たるか、或いは官鬼の化入する所の卦宮誰を代表するか、則ち誰の身の上に応ずべし。再び何れの一位の六親官鬼を化出するか・官鬼何れの一位の六親に化成するかを考察せば、痘を出すは即ち其の人なり。然るに亦必ず官鬼旺相発動するをもって始めて発作す。(注:一家の内、官鬼正しく誰の本命に値せば、則ち其の人痘有りと説く。又如官鬼艮宮に在りて動けば、則ち是れ少男と説く。官鬼離象に化成せば、則ち是れ中女と説く。妻財爻官鬼を化出せば、則ち是れ奴僕と説く。官鬼の象子孫に化成せば、則ち是れ小孩と説く。大体皆官鬼旺相発動の前提の下に在りて始めて此の如く説く。)
如問孩童何時見痘,當官鬼之年月日,及生旺官鬼之年月日則痘也。上下鬼而填其虛,變伏鬼而實其質。(遠近分卜,問何歲則以年計,問何時則以月計,先以填實,次以生旺年月斷之。若卦有兩鬼,或一空一實,反以填補空鬼為期;卦無一官,或伏爻變爻有者,當以變伏之鬼所值為期也。)
若し小孩の何時に痘を出すかを問わば、則ち官鬼当値の年月日および官鬼を生旺する之彼の等の年月日に在りて痘を出す。若し上下両箇の官鬼有れば、則ち其の空を填実する之時を取る。若し官鬼変爻・伏爻に在れば、則ち其の本質を填実する之時を取る。(注:遠期近期は分かちて占するを要す。何れの一年を問えば則ち年に按じて算し、何時を問えば則ち月に按じて算す。先ず填実の期を取り、其次生旺の年月に按じて以て断ず。若し卦中両箇の官鬼有りて、一箇空一箇実なれば、反りて其の空鬼を填補する之時をもって期と為す。若し卦中一箇の官鬼もなければ、而して伏爻・変爻の裡に有れば、則ち変爻・伏爻の官鬼の値する所の時をもって期と為す。)
既痘而筮大象之吉凶,七日之內,三沖是戒,謂花未開而先謝也。卦屬反伏墓絕,與命隨鬼墓,雖用旺難治,四忌之外,再考用神。蓋鬼旺而用旺花叢而根固,乃吉,鬼壞而用壞,花悴而根枯,乃凶。生旺用神之日,為有成時,當沖鬼象之辰,為有變期也。大抵感不感務乎鬼,害不害務乎用,鬼化鬼者痘後痍,交加動者,瘄痘相參也。(此專務用爻而言吉凶,不復論鬼衰旺。若用爻有生扶救助,鬼旺無非花密,鬼爻填實沖動,無非防變,鬼化鬼及用化鬼,無非痘後餘毒,交加鬼發,或別病相乘而已,未至大害也。)
已に痘を出したる之后、総体の吉凶を占す。痘を出して七天の内は最も六沖を戒む、是れ痘未だ開かざるに先ず謝るなり。卦反吟・伏吟・墓・絶に属しおよび本命随鬼入墓するは、便ち用神旺相なるも亦治し難し。此の四様の忌諱を除くの外、再び用神を考察す。官鬼旺にして用神も亦旺くば、是れ痘叢稠密にして根基牢固なり、吉と為す。官鬼敗壊にして用神も亦敗壊すれば、是れ痘花憔悴にして根柢枯竭す、凶と為す。用神を生旺する之彼の一天は、是れ痘能く漿を成し功を収むるの時なり。官鬼の象を沖動する之彼の一天は、是れ病情変せんと要するの日子なり。大体説けば、感染するや否やは官鬼を看るを要し、命を害するや否やは用神を看るを要す。官鬼官鬼を化するは、痘後還て瘡痍を留む。官鬼別爻と交加して発動するは、是れ麻疹と痘疹と夾雑す。(注:此の段は専ら用爻に就きて吉凶を論じ、再び官鬼の衰旺を論ぜず。只用爻生扶救助有れば、然らば則ち官鬼旺は過ぎず痘出ること密なり、官鬼填実沖動は過ぎず変化を防ぐを要するなり、官鬼官鬼を化しおよび用神官鬼を化するは過ぎず痘後余毒なり、官鬼交加発動は過ぎず別に別病相乗有るのみ、皆大害を成すに至らず。)
疾病章第五十五
(內詳症候防疫真假成疾養病避暑六問)夫死生有命,不可禱也,疾病在人,不可忽也,慎於未病,君子之道也。既疾,可不筮其吉凶而調劑之?命隨鬼墓,不治之疾也。(如戌建甲辰日占子病,生年己亥,得同人,卦中子孫旺相,六爻安靜,病應不死,然亥命隨官入墓,法主大凶。後其疾不死,未半年溺水而亡。)
(本章は詳しく症候・防疫・真假期・是れ否か慢病を落下する・養病・避暑等の六箇の問目を列す。)死生自ら天命有り、是れ禱告求めて得らるるにあらず。但し疾病人の身の上に発生するは、卻て軽忽す可からず——未病の先に在りて就きて謹慎するは、始めて是れ君子の道なり。既然已に病めり、豈に吉凶を占問せずして而据りて調治せざるを得んや。本命随鬼入墓するは、是れ治す可からざるの疾なり。(注:例えば戌月甲辰日に児子の病を占し、其れ己亥年に生れ、《同人》卦を得。卦中子孫旺相・六爻安静なり、理に照らせば病死に至らざるべし。但し亥此の本命官鬼に随い入墓す、法に按じて大凶を主る。後来其此の場の病果たして死せず、卻て半年に到らずして溺水して亡なり。)
卦屬反伏墓絕,亦不治也,即能治亦成疾矣。病未久者,三沖而愈,病已久者,三沖而亡,此三者不論用神衰旺也。外此,則專重用神矣,如遇動散、月破、克空、日破、受傷無援、脫氣者危,遇日月動變有一能救者,危而復安。
卦反吟・伏吟・墓・絶に属するも、亦治す可からず。便ち治得住るとも、亦痼疾を落下するを要す。病得ること還て久しからざるは、六沖に遇えば則ち好し。病得ること已に久しきは、六沖に遇えば則ち亡す。以上の三様は、皆用神の衰旺を論ぜず。此の外、則ち専ら用神に重んず。用神若し動に遇いて而して散ぜられ・月破・剋を被りて又落空・日破・傷を受けて而して援救なき・泄脱気せらるるに遇えば、皆危険なり。若し日建・月建・動爻・変爻の中一様有りて能く其れを救えば、則ち危にして而して復安す。
(動散,如卯建丙寅日,占子病得漸之觀是也;月破,如癸卯歲卯建壬子日,占予妻病得離,遂亡本月是也;克空,如酉建丁未日,占父病得未濟是也;日破,如戌建辛酉日,占夫病得漸是也;受傷無援,如子建戊子日,占弟兄得鼎之旅,一占弟兄得離,皆為受傷無援;脫氣,如戌建戊辰日,占己病得萃之訟,乃為脫氣。以上七法繫大凶,得日月動變有一能救者,則反觀之。)
(注:「動散」は、如し卯月丙寅日に児子の病を占し、《漸》を得て《観》に変ず。「月破」は、如し癸卯年卯月壬子日に我が妻子の病を占し、《離》卦を得、当月即ち亡故す。「剋空」は、如し酉月丁未日に父親の病を占し、《未済》を得。「日破」は、如し戌月辛酉日に丈夫の病を占し、《漸》を得。「受傷無援」は、如し子月戊子日に兄弟の病を占し、《鼎》を得て《旅》に変ず。又有一次兄弟を占して《離》を得、皆受傷無援に属す。「脱気」は、如し戌月戊辰日に自己の病を占し、《萃》を得て《訟》に変ずるは、即ち是れ脱気なり。以上の此の几様は皆大凶に属す。若し日・月・動爻・変爻の中一様有りて能く救わば、則ち反りて来たりて看るを要す。)
考之占驗,四滅沒不死,十卦不死,無鬼無財不死,身空命空不死,凶煞不死,則其所以死者,必用神死則死,用神生則生爾。(滅沒,春需蒙,夏觀蠱,秋剝節,冬旅臨是也。十卦,明夷觀賁大畜豐同人蠱夬需臨是也。凶煞,三坵五墓喪車之類。
実際の占験より考究すれば、いわゆる「四滅没」必ずしも死せず、「十卦」必ずしも死せず、卦中官鬼なく妻財なき必ずしも死せず、身爻落空・本命落空必ずしも死せず、凶煞に遇うも亦必ずしも死せず。真正に生死を決定するは只是れ用神なり。用神死せば則ち死し、用神生すれば則ち生く。(注:いわゆる滅没は、是れ春天《需》《蒙》を得・夏天《観》《蠱》を得・秋天《剥》《節》を得・冬天《旅》《臨》を得るなり。いわゆる十卦は、是れ《明夷》《観》《賁》《大畜》《豊》《同人》《蠱》《夬》《需》《臨》なり。いわゆる凶煞は、是れ三坵・五墓・喪車の類なり。
如占父病,六月得觀,何從而死?用居日月,卦無財鬼,何凶?蓋用壞無鬼,雖禱不祐,用旺無鬼,不祈亦康,無財用絕,天祿已終,無財用旺,飲食少進爾。甲子旬空亥,則亥命不可問病,寅月破申,則申命不可占疾乎。故應不為戒,身空,有世爻卦身可憑,本命不現,有變卦伏爻可取。大抵專務用爻,以定生死安危,誠得易旨也。神煞尤輕。)
譬ば父親の病を占し、六月《観》卦を得——何を憑りて則ち其の死を断ぜん。用神正しく日建月建に当たり、卦中妻財・官鬼なきといえども、又凶何れに在らん。須らく知るべし、用神敗壊にして而して卦中鬼なきは、是れ禱告するも亦保祐を得ざるなり。用神旺相にして而して卦中鬼なきは、是れ祈祷せずとも亦自ら康復せん。卦中財なくして而して用神絶に臨まば、是れ天禄已に尽きたるなり。卦中財なくして而して用神旺相なれば、過ぎず飲食進むこと少なきのみ。豈に甲子旬中亥爻落空すれば、亥に属する人則ち病を問う能はざらんや。寅月沖破申爻すれば、申に属する人則ち疾を占する能はざらんや。見る可し此の等皆戒と為すに足らず。身爻落空すれば、還て世爻・卦身憑る可き有り。本命卦に上らざれば、還て変卦・伏爻取る可き有り。要之専ら用爻をもって以て生死安危を定むれば、始めて真正に《易》占の宗旨を得着す。神煞の分量尤も軽し。)
常試土鬼獨發,而禱於疾病者,九死一生,或曰用有氣,則禱土以回生,用無援,則開墓以葬死,良可信也。(天元賦曰:土煞俱興,定作黃泉之客;補遺云:夏論土爻臨鬼動,多凶少吉禍難禳。大抵東南土薄,有犯土忌,禳土得生者,十有六七,西北土厚,不畏土禁,所以祈而無功也。)
我常に試験す、土性の官鬼独発して而して病人の為に祈祷するは、往々九死一生なり。亦人の説く有り、用神若し気有れば、土神を禱謝すれば則ち能く回生す。用神若し救援なければ、則ち等しく墓を開きて以て死人を葬るに若く——此の話確かに信ず可し。(注:《天元賦》に説く「土煞俱に興れば、定めて黄泉の客と作さん」と。《補遺》に説く「夏に土爻鬼に臨みて動くを論ずれば、多く凶少なく吉禍禳め難し」と。大抵東南一帯土層薄く、若し真に動土の忌を犯せば、土神を禳解して而して救を得るは十有六七なり。西北一帯土層厚く、本より動土の禁を怕れず、ゆえに祈禳するも亦効験なし。)
游魂歸魂,保於旅而不保於家,震巽坤艮,危於老而不危於少,女終男窮,非宜壯年之問也。(遊往歸來,病於客旅,道途不忌;震為棺,巽為槨,艮為塚,坤為墓,衰年大忌,有備更凶;未濟歸妹,壯歲非宜。然亦兼用神而參。)
游魂・帰魂の両類の卦は、外に在りて客を作るの人を保つを得て、家裡に在るの人を保つ能はず。《震》《巽》《坤》《艮》の四卦は、老人に対し危険にして而して少年に対し危険ならず。《未済》《帰妹》は女道已に終わり男道已に窮まるを主り、壮年の人の来たりて病を問うに宜からず。(注:游魂は去を主り帰魂は来を主る、病旅途中に在るの人は反りて此の両類の卦を忌まず。震は棺と為り巽は椁と為り艮は墳と為り坤は墓と為る、老年人の大忌なり。若し家中已に棺木を備下せば、則ち更に凶なり。《未済》《帰妹》は壮年に於て宜からず。然るに此の等仍お兼ねて用神を看て以て参断するを要す。)
忌神搖矣,元神動焉,謂之二生也;元神動矣,仇神搖焉,謂之兩病也;忌仇動矣,元神暗搖,生之道也;無忌動矣,用神明壞,死之途也。
忌神揺動して而して元神も亦発動する、此れを「二生」と叫ぶ——元神既に忌神の気を泄し、又用神を生ず、是れ両重の生意なり。元神発動して而して仇神も亦揺動する、此れを「両病」と叫ぶ——元神剋を被り用神援を失う、是れ両重の毛病なり。忌神仇神皆動きて、而して元神暗動して来たりて救うは、是れ乃ち活路なり。忌神発動なくして、而して用神明明白白に敗壊するは、是れ乃ち死路なり。
(如未建丙申日,占母病得同人之噬嗑,申乃忌神,本來克卯,亥乃元神,動洩忌神之氣,而生卯木用爻,是為二生;卯建乙卯日,占妻病得同人之咸,子動生財,本謂元神助我,卯木仇神相剋戌爻,更多一病也;如未建壬寅日,占夫病得同人之既濟,兄子皆動,傷官應篤,寅申沖財,暗發生亥,後病得起;如卯建丙寅日,占子身得坤之損,卦有父兄發動,木來救子,然酉金明受日絕月破,所以不能救也。餘仿此。)
(注:例えば未月丙申日に母親の病を占し、《同人》を得て《噬嗑》に変ず。申金是れ忌神にして、本より卯木の用神を剋す。亥水是れ元神にして、一たび発動すれば既に申金忌神の気を泄し、又卯木の用爻を生ず、これ即ち是れ「二生」なり。又如卯月乙卯日に妻子の病を占し、《同人》を得て《咸》に変ず。子水発動して妻財を生ず、本より是れ元神の来たりて我を助くるなり。可是れ卯木是れ仇神にして、又来たりて戌土を剋す——これ則ち一重の毛病を多くす。又如未月壬寅日に丈夫の病を占し、《同人》を得て《既済》に変ず。兄弟と子孫と皆動きて、官爻を傷め、病当に沈重すべし。但し寅・申相沖して而して妻財暗動して亥水を生ず、後来病則ち好起せり。又如卯月丙寅日に児子の身体を占し、《坤》を得て《損》に変ず。卦中父母・兄弟発動し、本より木の来たりて子孫を救う有り。可是れ酉金明明白白に日上に在りて絶に臨み月上に在りて破せらる、ゆえに救成らず。其余類推せよ。)
飛爻之用神絕,伏爻之用神生,非危也;內卦之用神亡,外卦之用神存,非危也;卦爻之用神無,日月之用神有,非危也。(如寅建丙寅日,占弟兄得乾之需,申飛用爻,日破月破,而不知酉伏戌下,火生土而土生金,故曰非危也;如辰建辛卯日,占子身得未濟,外未雖旬空,內辰當月建,後愈;如午建戊寅日,占妻身得既濟,卦內雖無用爻,月午日寅,元用並現,當月病癒。)
飛爻の上の用神絶に臨みて、而して伏爻の上の用神生を得れば、則ち危険ならず。内卦の用神已に亡びて、而して外卦の用神尚お存すれば、則ち危険ならず。卦爻の裡用神なくして、而して日建月建即ち是れ用神なれば、亦危険ならず。(注:例えば寅月丙寅日に兄弟の病を占し、《乾》を得て《需》に変ず。申金飛爻の用神を作し、既に日破又月破す。卻て知らず酉金戌土の下に伏し、火土を生じ土又金を生ず、ゆえに危険ならずと説く。又如辰月辛卯日に児子の身体を占し、《未済》を得。外卦の未土旬空に逢うといえども、内卦の辰土卻て正しく月建に当たる、後来全愈す。又如午月戊寅日に妻子の身体を占し、《既済》を得。卦内用爻なきといえども、但し月建是れ午・日辰是れ寅にして、元神と用神と皆在り、当月病即ち好けり。)
猶有日月動爻克用,是謂不救,而用爻得化生扶,非危也。日月動爻,與用神不生不克,而用神化克則危矣。故曰用神有一生則生,有一死則死。(此言用神化生化克為最要法,然變爻亦宜無病,乃真有救,如未建甲辰日,占子身得咸之蹇,日月克用大凶,而用化兄弟長生,是乃不死;戌建戊申日,占父身得艮之蠱,用爻獨發當生,以化絕於亥遂不救。)
還て有り、日・月・動爻皆来たりて用神を剋す、本より当に救なきべし、但し用神生扶の之爻を化出せば、則ち危険ならず。反えば、日・月・動爻と用神と既に生せず亦不剋せずして、而して用神卻て其れを剋する之爻を化出せば、則ち危険なり。ゆえに説く、用神只一処の生有れば則ち能く生き、只一処の死有れば則ち死す。(注:これ是れ用神の化生・化剋は最も緊要の一法を説くなり。然るに変爻自身も亦病なきを要して、始めて真有救と算す。例えば未月甲辰日に児子の身体を占し、《咸》を得て《蹇》に変ず。日月皆用神を剋す、本より是れ大凶なり。但し用神兄弟の之爻を化出して而して長生を得、ゆえに死せず。又如戌月戊申日に父親の身体を占し、《艮》を得て《蠱》に変ず。用爻独発すれば本より当に生機有るべし、卻て亥を化出して而して絶に臨み、終に治せず。)
卦無用神,雲謂凶兆,然得元神動則不死,以其趨生也。忌神動而用神伏反吉,以其避克也,雖然,亦必得日月之救焉。(如酉建戊申日,占妻身得睽之損,卦無用爻,本非吉兆,喜得子孫發動,及冬病癒,是謂趨生也;如亥建甲申日,亦占妻身,得姤之升,忌神發動,本是凶兆,喜用神不現,伏於月建之下,後交子月壬辰日,病勢漸解。蓋申子辰會水局,忌神合為元神,是謂避克也。)
卦中用神なきは、通例是れ凶兆と説く。然るに只元神発動すれば、則ち死するに至らず、用神生路の趨く可き有るをもってなり。忌神発動して而して用神恰好伏蔵するは、反りて是れ吉なり、用神剋を躲開するをもってなり。話此の如くといえども、亦仍お須らく日・月の来たりて救う有るをして乃ち行われん。(注:例えば酉月戊申日に妻子の身体を占し、《睽》を得て《損》に変ず。卦中用爻なし、本より是れ吉兆にあらず。幸いなるかな子孫発動し、冬天に到りて病即ち好けり——これ即ち是れ「趨生」なり。又如亥月甲申日も亦妻子の身体を占し、《姤》を得て《升》に変ず。忌神発動す、本より是れ凶兆なり。幸いなるかな用神現れずして而して月建の下に伏す、後来子月壬辰日に交わり、病勢漸く解す——申・子・辰会して水局を成すをもって、忌神反りて元神を合成せり、これ即ち是れ「避剋」なり。)
如問危時,其法有三:當鬼之日月其休乎,占父母則非,一也;忌仇之神躍,用神之爻潛,見用神則休,二也;用神月破,危於是月,用神日破,危於是日,用神失氣,危於是時,用神亡援,危於是期,三也。
若し危険何時に在るかを問わば、弁法三条有り。第一、官鬼当値の日・月最も危険にして、唯だ父母を占するは適用せず。第二、忌神仇神跳動して而して用神潜伏せば、然らば則ち用神一たび頭を露わせば則ち危険なり。第三、用神月破すれば則ち其の月に危く、用神日破すれば則ち其の一天に危く、用神気を失えば則ち其の時辰に危く、用神援助を失えば則ち其の時期に危し。
(凡病遇官鬼所值之日月當凶,惟占父母不論者,蓋以官鬼為元神也。忌神仇神皆動,用神潛伏避克,遇用神值日月之時,出而受仇忌之傷,所以當凶。日破月破,越是月日而解,用神失氣,謂用神受克絕之時,用神亡援,謂元神遭破散之際,皆所以當凶爾。
(注:凡そ病は、官鬼当値の日・月に遇えば則ち凶なり。唯だ独り父母を占する時是れ此の如く論ぜず、父母に対し而して言えば官鬼正しく是れ元神たるをもってなり。忌神・仇神皆動きて、用神潜伏して剋伐を躲避す。一たび用神日に値し月に値するの時に到れば、其れ出で来れば則ち仇忌の傷を受くるを要す、ゆえに其の時則ち凶なり。日破・月破は、其の日・其の月を過ぎて始めて解す。いわゆる「用神失気」は、用神剋を被り絶に臨むの時を指す。いわゆる「用神亡援」は、元神破に遭い散に遭うの際を指す——此の等の時候皆凶なり。
如寅建庚子日,占子病得夬之革,酉金絕寅死子,其疾不療,後壬寅日症變,甲寅日乃絕,謂值獨發甲寅鬼也。巳建戊午日,占子病得小過之大壯,及癸亥日而亡,因亥月破更凶,是謂忌仇動用神潛伏,及亥日出現,則受傷矣,假或申月占此,過亥子日後,所伏用神得月長生,其病可痊。
例えば寅月庚子日に児子の病を占し、《夬》を得て《革》に変ず。酉金の用神寅に於て絶し子に於て死す、此の病治すこと好からず。後来壬寅日症候転変し、甲寅日則ち気を断てり——正しく独発の甲寅官鬼の上に応ず。又如巳月戊午日に児子の病を占し、《小過》を得て《大壮》に変じ、癸亥日に到りて死せり。亥又月破に逢うをもって、ゆえに更に凶なり。これ即ち是れ忌神仇神発動して而して用神潜伏し、亥日用神頭を露わすを待ちて、則ち傷を受けたるなり。假使此の一卦是れ申月に在りて占せるならば、亥日・子日を過ぎたる之后、伏する所の用神月建の長生を得、病則ち能く全愈せん。
子建甲寅日,占父身得乾之同人,忌動當凶,次日節變小寒,丑月土旺,至下歲孟春方絕,木旺土虛,用神失氣爾。子建己未日,占自身得未濟之睽,世遇月破,其病不治,寅動生午似可救,而不知次日庚申,沖散元神,是夕遂卒。大抵破壞元神之日,生助忌神之期皆凶。)
又如子月甲寅日に父親の身体を占し、《乾》を得て《同人》に変ず。忌神発動すれば本より当に凶なるべし、但し第二天小寒節に交わり丑月の土旺に進入し、一直到りて第二年の孟春木旺土虚の時に、用神始めて気を失うて而して絶す。又如子月己未日に自ら身体を占し、《未済》を得て《睽》に変ず。世爻正しく月破に逢う、此の病治すこと好からず。卦中寅木発動して午火を生ず、看れば救う可き似たれども、卻て知らず第二天是れ庚申にして、元神を沖散す、当晚即ち去世せり。大体説けば、元神を破壊するの日子・忌神を生助するの時期は、皆凶を主る。)
如問安日,其法有六:用神困矣,得生而病康;用神空矣,得實而病癒;用神破散,逾日月而可保;墓開而疾退;鬼制而患消;用現而身起也。此六者,病安之辰也。(凡用休囚,病退於生扶之日,用爻空陷,病退於填補之期,用爻破散,病退於逾是破散之時,用爻墓,病退於開墓,用爻潛,病退於現起,子孫值日,疾患漸安,惟占夫占官不論。大抵子孫值日,醫藥效而禱祈靈,官鬼司辰,災患變而神思困也。)
若し何れの一天病能く好くかを問わば、弁法六条有り。用神困弱するは、生扶を得る其の天病則ち好転す。用神落空するは、填実する其の天病則ち痊愈す。用神破散するは、其の日月を過ぐれば則ち保つ可し。用神入墓するは、墓開く其の天病退す。官鬼制せらるる其の天患消ゆ。用神伏に由りて現るる其の天人則ち能く起床す。此の六様皆是れ病愈の期なり。(注:凡そ用神休囚すれば、病生扶を得る之日に退く。用爻空陥すれば、病填補の期に退く。用爻破散すれば、病破散の時を過ぐるに在りて退く。用爻入墓すれば、病墓を開くの時に退く。用爻潜伏すれば、病其の顕現するの時に退く。子孫日に値すれば、病患漸く安し——唯だ丈夫を占し官職を占する時是れ此の如く論ぜず。大抵子孫日に値すれば、薬を用いて効有り祈祷するも亦霊なり。官鬼当値すれば、災患変を生じて而して人の精神困頓す。)
夫筮己疾,世乃用神,隨墓助傷,墓絕反伏,雖旺,而遇一則凶;筮人疾,應乃用神,隨墓反伏墓絕,雖生,而一不可遇也。用神之法,主雖少而用父母,僕雖老而用妻財,宗雖五服而用尊卑,表雖三黨而用賓應,仕雖密而用官,師雖疏而用父。(宗姓雖五服之遠,稱叔用父,稱侄用子也;表姓雖以三黨之近,占必以應為用,惟岳父母、舅父母,則用父爻也;凡占現任雖密,不用應而用官;凡占師傅雖疏,不用應而用父。)
自己の病を占するは、世爻即ち是れ用神なり。随鬼入墓・助鬼傷身・墓・絶・反吟・伏吟に遇えば、便ち世爻旺相なるも、只一様に碰上さえすれば則ち凶なり。別人に替わりて病を占するは、応爻即ち是れ用神なり。随鬼入墓・反吟・伏吟・墓・絶に遇えば、便ち応爻生を得るも、亦一様に皆碰う可からず。用神を取るの原則は、主人年少なるといえども、仍お父母爻を用い。僕人年老いたるといえども、仍お妻財爻を用い。同宗已に五服を出づるといえども、仍お尊卑に按じて父母或いは子孫を取る。親戚三党の近に属するといえども、仍お応爻を用いて賓と為す。現任の官員我と親密なるといえども、仍お官鬼を用い。老師我と疏遠なるといえども、仍お父母を用う。(注:同宗の人便ち遠く五服を出づるも、叔と称すれば則ち父母爻を用い、侄と称すれば則ち子孫爻を用う。表親便ち父族・母族・妻族此の三党の近に属するも、占する時必ず応爻をもって用と為す。只有だ岳父岳母・舅父舅母のみ始めて父母爻を用う。凡そ現任の官員を占するは、便ち交情親密なるも、亦応爻を用いずして而して官鬼を用う。凡そ師傅を占するは、便ち関係疏遠なるも、亦応爻を用いずして而して父母を用う。)
卜婦人者,姑姨姊妹之外,皆推同類,用妻財也;卜同輩者,宗弟兄之外,皆為異本,用應爻也。(凡婦人稱類多,姑姨之親,亦看父母,姊妹之從,同推弟兄,此外皆用財爻;稱弟兄而非宗服者,是不同本,皆用應也。)
婦人を占するは、姑母・姨母・姐妹を除くの外、其余皆同類に按じて推し、妻財爻を用う。同輩を占するは、同宗兄弟を除くの外、其余皆同じく一本源にあらずと算し、応爻を用う。(注:婦人の名目甚だ多し。姑母・姨母の親も亦父母爻を看る。姐妹の一類は同じく兄弟爻に推す。此の外一律に妻財爻を用う。凡そ兄と称し弟と道うて而して宗族服制の内に在らざれば、則ち是れ同本にあらず、一律に応爻を用う。)
臣占其君,用九五,宗人之臣,代君而用也;君占其臣,用應爻,為吾輔也。於閽寺則用財矣,將占其卒用子孫,以制鬼也,於師弟誼用子矣。用神之法,卜筮屢誤,告於聖賢,不可不審也。(凡臣占君,不分貴戚異姓黎庶,皆以九五為用;宗人之官,占其本主,則從朝廷長幼為用,如太子臣占太子,則以朝廷之儲君用子,皇弟兄之臣占皇弟兄,以朝廷枝葉用弟兄,太后臣占太后,以朝廷占用父母也,餘仿此。筮家用神,常有兩惑,致吉凶不驗,故詳之,他用亦推此。)
臣子君主を占するは、第五爻を用う。若し是れ宗室王府の属臣自己の主人を占せば、則ち君主に代わりて而して其の朝廷の中に在るの輩分に按じて取用す。君主臣下を占するは、応爻を用う、臣是れ我が輔佐たるをもってなり。若し宦官を占せば、則ち妻財爻を用う。将領士卒を占するは、子孫爻を用う、子孫能く官鬼を制するをもってなり。師徒の誼も亦子孫爻を用う。用神を取る此の一法は、卜筮の時常常に錯を搞す、聖賢に祷問するに、審慎せざる可からず。(注:凡そ臣子君主を占するは、其れ外戚・異姓・或いは平民なるを論ぜず、一律に第五爻をもって用と為す。宗室王府の属官自己の主人を占するは、則ち其の位の主人の朝廷の中に在るの長幼に按じて取用す。例えば太子の属臣太子を占せば、則ち朝廷储君の身份をもって子孫爻を用い。皇帝兄弟の属臣其の主を占せば、則ち朝廷枝葉の身份をもって兄弟爻を用い。太后の属臣太后を占せば、則ち朝廷尊長の身份をもって父母爻を用う。其余類推せよ。占卦人用神の上に於て常に此の両類の糊塗を犯し、以致りて吉凶験せず、ゆえに此に在りて詳しく説く。其他取用するも亦此に照らして推せ。)
夫鬼者,病之源也,祟之狀也,是以鬼旺而重,鬼衰而輕,鬼動患驟而變,鬼合災染而纏,鬼散而痾將解,鬼空而病未真。日破月破,以分其半成也,在內在外,以分其表裡也,居變居伏,以分其新舊也。(問有,病半成,問無,病半解,內裡外表,變新伏舊之義。)
官鬼是れ疾病の根源・祟禍の形状なり。ゆえに官鬼旺なれば則ち病重く、官鬼衰なれば則ち病軽し。官鬼発動すれば則ち病来ること急にして而して多く変し、官鬼合に逢えば則ち災病纏綿伝染し、官鬼沖散せられれば則ち病将に解せんとし、官鬼落空すれば則ち病還て真ならず。官鬼日破・月破するは、用いて其の一半を成したるを分かつ。官鬼内卦に在り・外卦に在るは、用いて是れ裏証か是れ表証かを分かつ。官鬼変爻に在り・伏爻に在るは、用いて是れ新病か是れ旧病かを分かつ。(注:病の有無を問うは、破に逢えば則ち是れ病一半を成せり。病好きたるか否かを問うは、破に逢えば則ち是れ病一半を解せり。内卦は裏と為り外卦は表と為る。変爻は新を主り伏爻は旧を主る。)
流於六爻,以分其一身也,搖於八宮,以分其四體也,屬於五行,以分其五臟也,現於六神,以分其七情也。(卜筮元龜:鬼在初爻兩足傷,二爻雙腿患非常,三爻腰股常輕軟,四爻心腹及胸堂,五爻臟腑司喉咽,六爻頭上患為算戧(?)。黃金策:乾為頭兮坤為腹,巽為腰兮震為足,兌為口兮艮為背,坎為耳兮離為目。
官鬼六爻に流布するは、用いて身体の上下部位を分かつ。八宮に揺動するは、用いて四肢軀干を分かつ。所属の五行は、用いて五蔵を分かつ。所現の六神は、用いて七情を分かつ。(注:《卜筮元亀》に説く、官鬼初爻に在れば両足傷を受くるを主り、二爻に在れば双腿病有るを主り、三爻に在れば腰股酸軟を主り、四爻に在れば心腹胸膛を主り、五爻に在れば臓腑咽喉を主り、上爻に在れば頭部の患を主る——末句原文存疑の字有り。《黄金策》に説く、乾は頭と為り坤は腹と為り、巽は腰と為り震は足と為り、兌は口と為り艮は背と為り、坎は耳と為り離は目と為る。
海底眼:喉病金兮木四枝,風邪疼痛起黃形,辰戌胃胸生嘔逆,丑為肚腹未為脾,火動熱極三焦咳,血腥眼目及瘡痍,水鬼發寒因冷得,洩瀉虛勞耳腎衰。有為火鬼病於心、小腸命三焦,水鬼病於腎膀胱,金鬼病於肺大腸,木鬼病於肝膽,土鬼病於脾胃也。解云:虎自兵喪哀痛由,龍貪酒色愛風流,憂愁思慮居元武,夾帶懷胎謂值勾,腦(惱)怒焦煩朱雀噪,驚惶恐怖伴蛇游。)
《海底眼》に説く、金は咽喉の病を主り、木は四肢の病を主り、風邪疼痛にして而して面黄色を現ず。辰・戌は胃と胸とを主りて而して嘔逆を生じ、丑は肚腹を主り未は脾臓を主る。火動けば則ち熱極まりて而して三焦咳嗽・血症・眼目と瘡瘍。水性の官鬼発動すれば則ち寒を受け涼に着くに因りて病み、泄瀉・虚労・耳聾・腎衰を主る。亦臓腑に按じて分かつ有り、火性の官鬼は心・小腸と三焦に病み、水性の官鬼は腎と膀胱に病み、金性の官鬼は肺と大腸に病み、木性の官鬼は肝膽に病み、土性の官鬼は脾胃に病む。又口訣有りて六神を解釈す。白虎は兵災喪事・哀痛の致す所を主り、青龍は貪恋酒色・風流の致す所を主る。憂愁思慮は元武に属し、夾帯懐胎は勾陳に属す。悩怒焦煩は是れ朱雀聒噪にして、驚惶恐怖は是れ騰蛇と同游するなり。)
來於世者病由己,來於應者病由人,來於間者中內之病也。鬼伏何神,緣何事而萌病,何神化鬼,因何事而兆疾。蓋父母劬勞也,妻財飲食也,子孫淫樂也,兄弟氣怒也,官鬼邪妖也。初筮之防疾也,用壞病起,鬼發病作。時災之行,專用於鬼,發動疫擾其室,惟修省以俟。何命犯鬼,是天禍也,何神化鬼,是人作也,鬼化何人,是流災也。隨墓助傷,大凶可畏。
官鬼世爻より来るは、病是れ自己の招く所なり。応爻より来るは、病是れ別人の帯来する所なり。間爻より来るは、是れ中間の人の染する所なり。官鬼何れの一神の下に伏すれば、則ち其の件事に因りて病を萌出す。何れの一神官鬼を化出せば、則ち其の件事に因りて病を兆出す。父母は操労を主り、妻財は飲食を主り、子孫は淫楽を主り、兄弟は怒気を主り、官鬼は邪祟を主る。若し是れ未だ病まずして而して預め疾を防ぐを占せば、用神敗壊すれば則ち病を起さんと要し、官鬼発動すれば則ち発作せんと要す。時疫流行するは専ら官鬼を用う。官鬼発動すれば、疫気則ち此の一家を侵擾せんと要す、唯だ身を修め過を省みて以て待つのみ。誰の本命か官鬼を犯すは、是れ天の降すの禍なり。何れの一神か官鬼を化出するは、是れ人為の招き来るなり。官鬼誰を代表する之爻に化成するは、是れ流行伝染して而して其に及ぶなり。若し再び随鬼入墓・助鬼傷身に逢えば、則ち大凶畏る可し。
病從何起,蓋吉凶生乎動者也,鬼從爻動,乃察其鬼,蓋鬼為禍也;鬼爻獨發,乃考其官,蓋獨發有專也。卦象安靜,乃察其外,蓋祟孽由外入也;卦如無鬼,乃考伏鬼之飛爻。(動爻為起病之方,如離卦卯動,病自東來;若鬼同爻動,則以鬼爻為起病之方,如離卦亥卯皆動,病由西北來也。若鬼獨發,索其動於何宮,則是方招禍,如離亥獨發,病自南始。若六爻俱靜,當考外卦,如離象之靜,從南地纏染。惟卦無官鬼,則以伏鬼上飛爻為方,如補遺言:家人西北蒙災之由或卦有官,而動爻多者,先索忌爻之方,無忌則考外卦也。)
病何処より来るかを問うに、吉凶「動」に生ず、ゆえに官鬼若し某爻に随い同動せば、則ち其の官鬼を察看す、官鬼即ち是れ禍源たるをもってなり。官鬼若し独発せば、則ち此の官爻を考究す、独発する者専主有るをもってなり。若し全卦安静なれば、則ち外卦を察看す、祟孽是れ外面より進入するをもってなり。若し卦中官鬼なければ、則ち伏蔵官鬼の上面の飛爻を考察す。(注:動爻の所在即ち是れ病を起すの方位なり。例えば《離》卦卯爻発動すれば、病東辺より来る。若し官鬼別爻と同動せば、則ち官鬼爻をもって病を起す之方と為す。例えば《離》卦亥・卯皆動けば、病西北より来る。若し官鬼独発せば、則ち其の何れの一宮に在りて動くかを找う、其の方位即ち是れ禍を招くの処なり。例えば《離》卦亥爻独発すれば、病南方より始まる。若し六爻皆静なれば、則ち外卦を考察す。例えば《離》象安静なれば、即ち是れ南方の地より染め来るなり。只有だ卦中官鬼なきの時のみ、始めて伏蔵官鬼の上の飛爻をもって方位を定む、如し《補遺》の説く所《家人》西北の災を蒙るの由来を主ると。若し卦中官鬼有りて而して動爻又多ければ、則ち先ず忌神の爻の方位を找う。忌神なければ、則ち外卦を考察す。)
是以乾兌鬼興,而禍因寺廟,艮坤官發,而患繫丘陵;坎離南北,震巽園林;木鬼砍伐之由,金鬼刀兵之恐,土鬼開闢之妨,水為江河,而火為城市也;武因酒色風寒,龍為謳吟歌舞,雀為鬥爭氣怒,虎為哭泣哀喪,蛇自驚來,而勾自跌起也。
ゆえに官鬼乾宮・兌宮に在りて興動すれば、禍事寺廟に出づ。艮宮・坤宮に在りて発動すれば、禍患丘陵墳地に係る。坎宮に在れば北方を主り、離宮に在れば南方を主る。震宮・巽宮に在れば園林を主る。木性の官鬼砍伐に由りて起り、金性の官鬼刀兵の恐を主り、土性の官鬼動土開闢の妨を主り、水性は江河を主り、火性は城市を主る。官鬼元武に臨まば、酒色或いは風寒を受くるに因り。青龍に臨まば、吟唱歌舞に因り。朱雀に臨まば、争闘動怒に因り。白虎に臨まば、哭泣哀喪に因り。騰蛇に臨まば、驚嚇に由りて来る。勾陳に臨まば、跌仆に由りて起る。
(如未建癸卯日,占身病得乾之小畜,世旺日克,但難愈而不死;鬼發乾宮,其人入市謁親不遇,路見僧友聚語,陡值馬觸而踐其股乃病,蓋乾為僧,勾陳為跌,午官為馬,若執於寺院,則未然也。如寅建丁卯日,占己病得節之臨,世遇長生,卯月病癒;武鬼動於坎宮,其人捕魚致疾,若必曰坎為江河,則未然也。
(注:例えば未月癸卯日に自身の病を占し、《乾》を得て《小畜》に変ず。世爻旺相にして而して日辰に剋せらる、ゆえに病好き難くして而して死に至らず。官鬼乾宮に在りて発す——其の人城に進み親に探するも遇上せず、路上僧人を做るの朋友に碰见し聚談し、忽然馬に撞倒せられ大腿を踩傷して而して病めり。乾は僧人と為り、勾陳は跌仆と為り、午火官鬼は馬と為る。若し「乾は寺院と為る」を死抠せば、則ち断着せざらん。又如寅月丁卯日に自己の病を占し、《節》を得て《臨》に変ず。世爻長生に遇い、卯月に到りて病愈す。元武官鬼坎宮に在りて動く——其の人是れ魚を捕えて病を得たり。若し一定に「坎は江河と為る」と説かば、亦就きて断不着せん。
酉建己酉日,占父病得歸妹之解,鬼爻獨發,是父母元神,亥日即愈;而火鬼騰蛇,在館聞火大驚致疾,若必曰火鬼城市,乾兌寺廟,則未然也。是日有占子病,亦得歸妹之師,子爻伏,得日月生,雖危不死,及冬而愈;己午兩鬼皆動,上鬼值青龍咸池,病由酒色而犯,若必曰震巽園林,則亦未然。毋執一,唯理之當,及人心之靈善推爾。)
又如酉月己酉日に父親の病を占し、《帰妹》を得て《解》に変ず。官鬼独発して、而して官鬼正しく是れ父母の元神なり、亥日に到りて則ち好けり。是れ乃ち火性の官鬼騰蛇に臨む——其れ館舍の中に在りて失火を聴聞して而して大驚を受け病を致せり。若し一定に「火鬼城市を主る」「乾兌寺廟を主る」と説かば、亦就きて断不着せん。同一天還て人の児子の病を占する有り、亦《帰妹》を得て《師》に変ず。子孫爻伏蔵して而して日月の来たりて生ずるを得、危なるといえども死せず、冬天に到りて全愈す。卦中巳・午の両箇の官鬼皆動き、上面の其の官鬼青龍・咸池に値す——病是れ酒色に因りて起るなり。若し一定に「震巽園林を主る」と説かば、同様断不着せん。見る可し一端を死執す可からざるを、只在りて理の当たる所に在り、倂せて人心の霊明に憑りて去りて善く推求を加うるのみ。)
有問症發是真,蓋鬼實則是,鬼虛則非也。有筮患其成疾,隨墓助傷,已成疾矣;用神若壞,其疾奚能療乎?卜養病於外者,隨墓助傷,世折鬼動不可也。避暑於此者,亦由是也。(官鬼空破散絕謂之虛,旺相生扶謂之實,用神空破絕散則成疾,旺相生扶則不成疾。)
人の問う所発の症候是れ真病なるや否や、官鬼充実すれば則ち是れ真にして、官鬼虚弱なれば則ち是れ真ならず。人の占する是れ否か痼疾を落下せん、若し随鬼入墓・助鬼傷身に遇えば、則ち已に痼疾と成せり。用神若し再び敗壊せば、此の病還て怎麼に治し好くを得んや。外地に到りて病を養うを占するに、随鬼入墓・助鬼傷身・世爻折を受く・官鬼発動に遇うは、皆去る可からず。某処に到りて暑を避くるは、道理亦一様なり。(注:官鬼空・破・散・絶に逢うを「虚」と叫作し、旺相にして生扶を得るを「実」と叫作す。用神空・破・絶・散に逢えば則ち痼疾を成さんと要し、旺相にして生扶を得れば則ち痼疾を成すに至らず。)
故鬼動為致禍之由,福動為遠災之要,福神可趨,禍神可避。是以發坎則莫貪於酒食,發兌則莫迷於欲色,震忌登舟,巽忌入園,乾不可以好僧室,艮不可以悅山居,坤弗食牛,離因嗜炙也。(若子孫發動於是宮,則此處利福,與前反視。乾利僧堂坤利田,坎宜江海艮宜山,離樂文章兌嗜酒,震喜舟車巽囿園。)
ゆえに官鬼発動する是れ禍を招くの由頭にして、子孫発動する是れ災禍を遠離するの関鍵なり。福神趨く可く、禍神避く可し。此に因りて官鬼坎宮に在りて発せば、則ち酒食を貪る勿れ。兌宮に在りて発せば、則ち女色に迷う勿れ。震宮に在りて発すれば船に上るを忌み、巽宮に在りて発すれば園に入るを忌む。乾宮に在りて発すれば僧舍に去るを愛す可からず、艮宮に在りて発すれば山居を楽しむ可からず。坤宮に在りて発すれば牛肉を吃する勿れ、離宮に在りて発すれば是れ焼烤を嗜食するに因る。(注:若し是れ子孫此の等の宮に在りて発動せば、然らば則ち其の去処反りて福有り、上面の説く所と相反す。乾宮は僧堂に利あり、坤宮は田地に利あり、坎宮は江海に宜しく、艮宮は山林に宜しく、離宮は文章を楽しみ、兌宮は飲酒を嗜好し、震宮は舟車を喜び、巽宮は園囿を喜ぶ。)
猶有占父病而鬼動於坤,其母隨之而疾,占子病而鬼化於巽,其女繼之而災,則爻變之鬼亦然也。所以疾病之章,不離乎用爻鬼象。(何宮鬼動,及鬼變何宮,則言其人亦防災病。如寅建辛酉日,占女身得巽之渙,子遇長生,其女不死;然鬼動化入坎宮,甲寅旬中坎空,中男相繼而病,及甲申旬化午子空,中男反亡;卯建丙辰日,占次女痘,得革之咸,月建子孫,次女無事;然內化艮,丙辰官鬼居少男宮,其後少男亦痘。蓋占疾病,生死憑於用爻,趨避變易救治之門,皆係鬼爻詳察。)
還て有り、父親の病を占して而して官鬼坤宮に在りて動けば、母親跟いて亦病む。児子の病を占して而して官鬼巽宮に化入せば、女児接いで亦災有り——爻の変出する所の官鬼同様此の如し。ゆえに疾病此の一章は、総じて用爻と官鬼の象とを離れず。(注:官鬼何れの一宮に在りて動き・官鬼何れの一宮に化入するか、則ち其の一宮の代表する所の人も亦災病を防ぐを要すと説く。例えば寅月辛酉日に女児の身体を占し、《巽》を得て《渙》に変ず。子孫長生に遇い、女児死せず。但し官鬼発動して而して坎宮に化入し、甲寅旬中坎水落空し、中男接いで病を生ず。甲申旬の化する所の午爻と子爻と落空するに到りては、中男反りて死せり。又如卯月丙辰日に次女の痘を出すを占し、《革》を得て《咸》に変ず。子孫正しく月建に当たり、次女事なし。但し内卦艮に化成し、丙辰官鬼少男の宮に落る、後来小児子も亦痘を出せり。見る可し疾病を占するは、生死は用爻に憑りて以て定め、而して趨避・変化・救治の門径は、則ち全く官鬼爻の上に係る、須らく細かに察看を加うべし。)
医薬章第五十六
(內詳占藥占醫治病用藥往醫行道六問)聞之稱賢曰:達則願為良相,不達則願為良醫。君子以之行志,人子教其須知,吉凶從違,可不慎與?凡占醫藥,以子孫為用,臨日月為上,旺相次之,休囚為下,空破散絕為庸醫也。
(本章は詳しく薬を占し・医生を占し・病を治し・薬を用い・出診行医・道を行う六箇の問目を列す。)我人の賢者を称道するの話を聴くに曰く、志を得れば則ち良相を做るを願い、志を得ざれば則ち良医を做るを願うと。君子医道を借りて以て自己の志向を施行し、人の子と為るも亦医理の点を懂すべし。然らば則ち吉凶従違、怎麼に慎重せざるを得んや。凡そ医薬を占するは、子孫爻をもって用神と為す。子孫日建月建に臨むは上等と為り、旺相は之に次ぎ、休囚は下等と為り、空・破・散・絶に逢えば即ち是れ庸医なり。
無子而藥不良,強官而病不治;子強官弱,烈日銷冰,子弱官強,鉛刀攻玉,財動鬼靜,子動無功也。伏鬼根不除,化鬼病傳(轉?)變,空鬼老醫藥。世鬼興隆,則吾病曲折,應鬼旺相,則彼藥蹺蹊。(當審子官強弱,如鬼值日月,雖子遇生扶,亦未盡善,必較子可服鬼,方是吉占。鬼空避子,藥不中病,故云老也。世鬼病難速愈,應鬼醫詐難信。)
卦中子孫なければ、薬即ち好からず。官鬼強旺なれば、病即ち治し好く能はず。子孫強くして官鬼弱きは、譬ば烈日氷を化するが如し。子孫弱くして官鬼強きは、譬ば鉛刀を拿りて去りて玉を砍るが如し。妻財発動して而して官鬼安静すれば、子孫縦え発動するも亦功なし。官鬼伏蔵すれば、病根除き去る能はず。官鬼官鬼を化出すれば、病变転せんと要す。官鬼落空すれば、是れ薬下ること陳旧にして力なし。世爻の上の官鬼興旺すれば、我が病一波三折せんと要す。応爻の上の官鬼旺相すれば、対方の薬蹊蹺有り。(注:須らく子孫と官鬼との強弱を審すべし。官鬼若し正しく日月に値せば、便ち子孫生扶を得るも、亦尽善と算せず、一定に子孫能く官鬼を制服するに比較到るをして、始めて吉占と算す。官鬼落空して而して子孫を躲開するは、是れ薬症に対せず、ゆえに其れを「老」と説く。世爻鬼に臨まば、病易く速愈せず。応爻鬼に臨まば、医生狡詐にして信じ難し。)
夫應指醫人,非占克效,是故應空不得遇,應破不得專,應散則識見反惑,應克世則好利多詐,世應沖則絕續不終也。占藥水子旺宜湯,土子旺宜丸,火灸、金針、木末、以為像。火鬼喜涼藥,木鬼喜風藥,土脾、金肺、水腎,以為像。占醫也,考子孫之屬,木東金西,乾僧坤婦,以為像。
応爻は医生を代表す、是れ其れを拿りて以て療効を断ずるにあらず。ゆえに応爻落空すれば、其れを請得せず。応爻破に逢えば、其れ専心せず。応爻散ぜられれば、其れ見識反りて糊塗す。応爻世を剋せば、其れ利を貪りて而して多く欺詐す。世応相冲すれば、医治時断時続・始有りて終なし。何の薬を用う可きを占するに、水性の子孫旺なれば湯剤を用うるに宜しく、土性の子孫旺なれば丸剤を用うるに宜しく、火は艾灸を主り金は針刺を主り木は散末を主る——皆類に按じて取象す。火性の官鬼は涼薬を用うるに宜しく、木性の官鬼は祛風薬を用うるに宜しく、土は脾を主り金は肺を主り水は腎を主る、亦類に按じて取象す。医生を占するは、則ち子孫爻の所属を考察す。木に属すれば東に在り金に属すれば西に在り、乾は僧人と為り坤は婦人と為る、皆類に按じて取象す。
(子為藥而鬼為病,卜用何藥,卜是何病,則用此法,若卜是藥吉凶,用子孫衰旺,無執子孫屬土,宜用丸藥。如卯建辛酉日,占醫得離之賁,未土子爻,真空四敗,焉能丸藥有功?卜筮宜用何方何人,則用此法,若獨占則用子孫,設問僧醫,得乾而子空,豈可言吉?)
(注:子孫是れ薬にして、官鬼是れ病なり。何の薬を用う可き・是れ何の病を占するは、則ち上面此の弁法を用う。若し此の剤の薬吉なるや否やを占せば、則ち子孫の衰旺を看る、死に「子孫土に属すれば則ち当に丸薬を用うべし」を抠る勿れ。例えば卯月辛酉日に医生を占し、《離》を得て《賁》に変ず。未土子孫真空にして而又四面敗を受く、丸薬怎麼に効有らんや。何の方子を用い何の人を請う可きを占するは、上面其の弁法を用う。若し単に医生本身を占せば、則ち子孫爻を用う。假设僧人の行医如何を問うに、《乾》卦を得て而して子孫落空せば、何処に説く吉に及ばんや。)
醫問疾可療乎,以應為先務,蓋應為病人,應壞隨墓,其病不治;若占六親,仍以用神為斷。醫問是藥奏功乎,亦以子孫為用,福強鬼弱而奏效也,子虛鬼實而無功。(亦如占藥。)
医生此の病の治し得る能くや否やを問うは、首先応爻を看る、応爻是れ病人を代表するをもってなり。応爻敗壊・随鬼入墓すれば、此の病治すこと好からず。若し医生の占する是れ自己の親属なれば、仍お各々の用神をもって以て断ず。医生此の剤の薬の効を見る能くや否やを問うは、亦子孫爻をもって用と為す。子孫強くして官鬼弱ければ則ち効を見、子孫虚にして官鬼実なれば則ち功なし。(注:薬を占するに相同なり。)
醫問往醫利乎,則以世應而推,應克世者寡情,爻無財者薄贈,空有欺志,破無專心,散、沖無終。醫問道行,財官強而利名遂,故醫藥不精,不足以利物,求醫不慎,不足以療生,己弗誤人,亦弗自誤也。
医生出診好処有るや無しやを問うは、則ち世応を用いて以て推す。応爻世を剋せば、主家寡情なり。卦中妻財なければ、酬金菲薄なり。応爻落空すれば、対方欺瞞の意有り。応爻破に逢えば、対方専心せず。応爻散ぜられ沖せられれば、医治始有りて終なし。医生自己道を行う如何を問うは、妻財・官鬼の両爻強旺なれば、則ち名利双遂す。ゆえに医術精ならざれば、以て人を利するに足らず。医を求むる慎まざれば、以て生を療するに足らず——既に人を誤らず、亦自ら誤らず。
鬼神章第五十七
古之祀祭,非其主不尸,鬼非其類不馨,故無越祭、無瀆祀也。後世乃以有祟而禳福而祈者,而鬼神繁興矣,雖然,吉有神相,凶有鬼憑,史傳所載,非盡誣也。欲知鬼神情狀,則亦以筮而得之。夫天神地祗,則以官鬼而類其象,象而像之,其不外乎二儀、四象、五行、八卦,及六神、諸星以形之,有無以度之,上下以位之。索其鬼神之性,鬼神之司,及鬼神所由成,而可推矣。(性,索其鬼神生前偏好之性;司,索其鬼神上帝命司何事;成,索其以何因緣而成鬼神也。)
古人の祭祀は、自己の当に祭る可きの神にあらざれば則ち尸を立てず、鬼は自己の族類にあらざれば則ち歆享し来たらず、ゆえに越分の祭なく・瀆するの祀なかりき。後世卻て祟有るに因りて禳解し・福を求めば則ち祈祷す、是より鬼神の名目繁多に起れり。話此の如くといえども、吉は神明の相助え有り・凶は鬼祟の凭附有り、史書の上の記載も亦全く是れ誣妄にあらず。鬼神の情状を知らんと欲せば、同様に卦筮を用いて求むるを得たり。天神と地祇とは、皆官鬼爻を用いて以て帰類して取象す。取象の依据不外乎両儀・四象・五行・八卦にして、再び六神と衆星とを用いて来たりて其れに成形を与え、有無を用いて以て衡量し、上下を用いて以て定位す。此に拠りて去りて鬼神の性情・鬼神の職司および此の鬼神怎麼に形成するを捜求せば、則ち以て推断す可し。(注:いわゆる「性」は、是れ其の生前偏好の性情を求むるなり。いわゆる「司」は、是れ上帝其れに何を主管せしむるかを命ずるを求むるなり。いわゆる「成」は、是れ其の何の縁由に因りて而して鬼神と成るを求むるなり。)
夫官鬼之爻屬陽,則陽神也,屬陰,則陰神也。(官鬼屬陰,如王母、大悲、水母、太山、天妃、陳周、聖妃、蠶母、子母、催生、太君、娘娘之屬,亦當因地、因人、因事而考之,此則舉其略爾。蓋有神同而名異,曰因地,如在北為子母娘娘,在南為太君娘娘;男女相別曰因神,為何事曰因事,如問蠶,得陰官乃蠶母也。)屬金,則武神也。(官鬼屬金,如天將、關帝、伍公、嶽王、元壇、總官、七煞、金剛、傷司、喪煞之屬,蓋方隅有稱元帥將軍金甲之神,及威武鬥勇成神者,皆可類推。)
官鬼の之爻陽に属すれば、即ち是れ陽神にして、陰に属すれば、即ち是れ陰神なり。(注:官鬼陰に属するは、如し王母・大悲観音・水母・泰山娘娘・天妃・陳夫人・周夫人・聖妃・蚕母・子母・催生娘娘・太君・娘娘の一類なり。還て地に因り・人に因り・事に因りて去りて考究するを要す、此処只其の大略を挙ぐ。同じく一位の神にして而して各地名称同ならざるは、此れを「因地」と叫ぶ、例えば北方に在りては子母娘娘と叫び南方に在りては太君娘娘と叫ぶ。男神女神を分かつを「因神」と叫ぶ。何の事の為に占するかを「因事」と叫ぶ、例えば蚕を養うを問うて而して陰性の官鬼を得れば、是れ乃ち蚕母なり。)官鬼金に属すれば、即ち是れ武神なり。(注:官鬼金に属するは、如し天将・関帝・伍子胥・岳王・趙元壇・総管・七煞・金剛・傷司・喪煞の一類なり。各地凡そ元帥・将軍・金甲の神と称しおよび威武斗勇に因りて神を成せるは、皆類推す可し。)
屬水,則河海江神也。(官鬼屬水,如普陀、真武、雲臺、北斗、海神、龍王、河神、大王、楊將、施相、天妃、晏公、祠山、周王、汪公、水母、水聖、井神、池神、水傷神之屬,及由水成神可類。蓋九河百川,方隅各有所司之神,黎庶尊稱,各有相別,隨占人之民俗土風,以五行八卦、六神諸星,象而像之,則射的矣。大抵水火之神,靈顯者多,無能細陳,方隅各異,猶若漕河尊大王,東海尊天妃,南河尊周王,洞庭尊湘妃,鄱陽小姑,長江楊四將軍,各有所分也。)
官鬼水に属すれば、即ち是れ江河湖海の神なり。(注:官鬼水に属するは、如し普陀観音・真武・雲台・北斗・海神・龍王・河神・大王・楊将軍・施相公・天妃・晏公・祠山張王・周王・汪公・水母・水聖・井神・池神・水中傷亡の神の一類および凡そ水に因りて神を成せるは、皆此の類に帰す。九河百川、各地皆所主の神有る有り、百姓の尊称も亦各々相同ならず。求占の人の郷土風俗に随い、五行・八卦・六神・衆星を用いて去りて取象するを要して、始めて中るを射るを得たり。大抵水神・火神の霊験顕赫するは最も多く、細かに説くを法なし、而も各地各々異なり。例えば漕河金龍大王を尊奉し、東海天妃を尊奉し、南河周王を尊奉し、洞庭湘妃を尊奉し、鄱陽小姑を尊奉し、長江楊四将軍を尊奉す、各々各々の分野有り。)
屬木,則文神也,及倚草附木之妖也。(官鬼屬木,如東嶽、家堂、山神、樹神、五聖、園神、九良、茶筵、三茅、九天、魯班、花神、三郎、道君、文昌、南木神之屬,及方隅有憑依山木、樹木、器皿成神者,皆可類推。)屬火,則火神也,生育雷電之司也。(官鬼屬火,如離神、電神、南斗、火雷、韋陀、元壇、華光、五神、五赫、三煞、灶神、旗纛 、爐神、炮神、香火、南堂、利市、生育神之屬,及由火成神可類。)
官鬼木に属すれば、即ち是れ文神および草に依り木に附するの精怪なり。(注:官鬼木に属するは、如し東岳・家堂神・山神・樹神・五聖・園神・九良星・茶筵神・三茅真君・九天玄女・魯班・花神・三郎神・道君・文昌・南方木神の一類および各地凡そ山林・樹木・器皿に凭依して神を成せるは、皆類推す可し。)官鬼火に属すれば、即ち是れ火神にして、亦生育と雷電の司とを主る。(注:官鬼火に属するは、如し離神・電神・南斗・火雷の神・韋陀・趙元壇・華光・五神・五赫・三煞・竈神・旗纛の神・炉神・炮神・香火神・南堂神・利市神・生育神の一類および凡そ火に因りて神を成せるは、皆此の類に帰す。)
屬土,則土神也,及山川社稷之司也。(官鬼屬土,如地祗、太歲、城隍、社稷、土神、廟神、宅神、伽藍、皮腸、當境、本家土地之屬,及由地方功勣為神俱是。蓋土部神靈、聖號、曹名非一,有飛遊、作犯、斫伐、墳墓、坑廝、金神、吟神、伏尸、騰蛇、天曹土諸稱,當以八宮、六神、諸星,配合辨別,若白虎土官,乃斷金神七煞。大凡西北土厚,惟知有地祗,東南土薄,故多土曹之號也。所以因人、因地、因事、通變多端爾。)
官鬼土に属すれば、即ち是れ土神にして、亦山川社稷の司を主る。(注:官鬼土に属するは、如し地祇・太歳・城隍・社稷・土神・廟神・宅神・伽藍・皮腸神・当境土地・本家土地の一類および凡そ地方の上に在りて功績有るに因りて神を成せるは、皆是なり。土部の神霊・聖号・曹司の名目不只是一種にして、飛游土・作犯土・斫伐土・墳墓土・坑厮土・金神・吟神・伏屍・騰蛇・天曹土等の称呼有り、当に八宮・六神・衆星を配合して去りて分辨すべし。譬ば白虎土性の官鬼に臨まば、則ち金神七煞と断ず。大凡西北土層厚く、彼処只知る地祇有るのみ。東南土層薄く、ゆえに土曹の名目即ち多し。人に因り・地に因り・事に因りて而して通変するの門路甚だ多し。)
生前好勇之鬼,言其性故屬金,或亡於干戈鋒鏑之下,及病喪於喉、肺、義、利,言其成鬼,故金類之。成鬼而能有善,上帝命其所司,若位於西方,權於秋令,主於兵事,則金象而考也。(此察鬼神所由來。金鬼,其鬼必生前好勇,以性言之,其鬼亡於刀兵;以成鬼神言之,其神所司何事,或水或火或土或金或木;以所司屬言之,如關岳神勇義屬金,七煞喪煞,體金司煞屬金也。遁甲七煞乃庚,是謂體金。)
生前勇を好みしの鬼は、其の性情に就きて言えば金に属す。或いは刀兵箭矢の下に死し・或いは咽喉・肺脏に病死し・或いは義の為・利の為に死するは、其の鬼を成すの縁由に就きて言えば、亦金類に帰入す。鬼を成して之后若し能く善を行えば、上帝即ち其れに職司を与う。若し位西方に在り・秋令に於て権を当たり・兵事を主管せば、則ち金象に按じて去りて考求す。(注:此の段是れ鬼神の来歴を察するなり。金性の官鬼は、性情より説けば、其の鬼生前必定勇を好み。鬼を成すより説けば、其れ刀兵に死す。職司より説けば、其の神の管する所の事或いは水に属し・或いは火に属し・或いは土に属し・或いは金に属し・或いは木に属す。譬ば関帝・岳王は、神勇にして而して義を重んず、金に属す。七煞・喪煞は、本体金に属して而して所司是れ煞なり、亦金に属す——奇門遁甲の中七煞即ち是れ庚金なり、此れを「体金」と叫ぶ。)
生前謀利於水,或亡於江海風波湯滷之中,及病喪於腰、腎、茶、酒,凡司河泊舟楫,則水象而考也。(凡出身顯聖,亦可推之,則變化無窮矣。大慈顯道南海,三官生受龍神,仿此。)生前陶情花鄉,立業桑麻,或亡於笞杖樹木之下,喪於捆縛、瘋癲,凡司栽植砍伐,則木象而考也。(凡兩可不能一見,當審累重,如南木神應水官者,體木司水也。)
生前水に靠りて利を謀り、或いは江海風浪・沸湯滷水の中に死し、或いは腰腎の疾に病死し・茶酒に因りて亡び、および凡そ河泊舟楫を主管するは、則ち水象に按じて去りて考求す。(注:凡そ神明出身顕聖の来歴は、亦可この如く推衍す可し、変化無窮なり。例えば観音大慈南海に於て道を顕し、三官大帝生れて龍神の職を受くるは、皆是れ此の一類なり。)生前花木の郷に情を寄せ・桑麻をもって業と為し、或いは笞杖の下・樹木の下に死し、或いは捆縛・瘋癲に因りて亡び、および凡そ栽植砍伐を主管するは、則ち木象に按じて去りて考求す。(注:凡そ両種の可能有りて而して只一面を取る能はざるは、須らく何れの一頭の分量更重なるかを審察すべし。例えば南方木神卻て水性の官鬼の上に応ずれば、則ち是れ本体木に属して而して所司水に属するなり。)
生為爐煅之事,死於烈焰瘡痍,血衂胎產,凡司鼎釜孕育,則火象而考也。(宜推而廣之,五行六神諸星配之。)生前土技農耕,死於瘟疫脾胃土石之難,凡司動作,則土象而考也。(惟靈顯東南。)
生前炉冶鍛造の事を干り、烈火・瘡傷・失血・鼻衄或いは胎産に死し、および凡そ鼎釜炊爨・孕育の事を主管するは、則ち火象に按じて去りて考求す。(注:此の等還て推広し開き去りて、五行・六神・衆星を配上して看るに応ずべし。)生前泥土工芸或いは農耕に従事し、瘟疫・脾胃の疾或いは土石の難に死し、および凡そ興工動作を主管するは、則ち土象に按じて去りて考求す。(注:此の類の神只在りて東南一帯霊験顕赫す。)
法有以動為鬼,陽男陰女之分,午南子北之來,一動一鬼,三動三鬼,爻以鬼皆動,則以鬼屬之方為方,鬼屬之數為數也。(鬼靜爻動考動爻,鬼動爻動考鬼爻,動與爻計,鬼與數計,如鬼動值土,斷五鬼也。)
別に一法有りて動爻をもって鬼と為す。陽爻は男鬼を主り陰爻は女鬼を主る。午に在りて動けば則ち南方より来り、子に在りて動けば則ち北方より来る。一爻動けば則ち一箇の鬼にして、三爻動けば則ち三箇の鬼なり。若し衆爻官鬼と一斉に皆動けば、則ち官鬼の所属する方位をもって方位と為し官鬼の所属する数目をもって数目と為す。(注:官鬼静にして別爻動けば、則ち動爻を考察す。官鬼動きて別爻も亦動けば、則ち官鬼爻を考察す。鬼の個数は動爻に按じて算し、鬼の数目は官鬼の五行の数に按じて算す。例えば官鬼発動して而して土に属せば、則ち五箇の鬼と断ず。)
鬼爻發動,考之宮也,卦爻俱靜,求之外也,無鬼索伏,考之飛爻,伏鬼若空,務之修德也。(鬼爻獨發,以八宮考鬼,爻與鬼皆靜,以外卦考鬼,鬼爻隱伏,以鬼上飛爻考鬼,鬼伏復空,乃無鬼祟,惟修德而已。此專考鬼,非斷神也。)
官鬼爻発動すれば、則ち其の所在するの卦宮に按じて去りて考求す。六爻皆静なれば、則ち外卦に到りて求む。卦中鬼なければ則ち伏神を捜求し、再び伏神の上面の飛爻を考察す。伏蔵の官鬼若し又落空せば、則ち是れ鬼祟の可言なし、只当に勉力して徳を修むる而已。(注:官鬼独発するは、八宮を用いて鬼を考す。爻と官鬼と皆静なるは、外卦を用いて鬼を考す。官鬼隠伏するは、其の上面の飛爻を用いて鬼を考す。官鬼既に伏し又空なれば、即ち是れ根本鬼祟なし、只有だ徳を修むる而已。此の段は専ら「鬼」を考するを講じ、是れ「神」を断ずるにあらず。)
夫一官鬼而專於五行,二官鬼而專於六神,動官鬼而專八卦,亂官鬼而專諸星,世官鬼而專六爻也。(卦有一官,以五行像之。卦有二官,以六神像之,如下臨白虎,則曰武神,上臨青龍,則曰樹神也。卦有動鬼,以八宮像之,如鬼動乾,則曰天神,如鬼動坤,則曰地祗也。卦爻亂動,或中有官動,以何星臨官像之。此專斷神也。)
卦中只だ一箇の官鬼有れば、則ち専ら五行を用いて取象す。両箇の官鬼有れば、則ち専ら六神を用いて取象す。発動の官鬼有れば、則ち専ら八卦を用いて取象す。衆爻乱動すれば、則ち専ら衆星を用いて取象す。官鬼世爻の上に在れば、則ち専ら六爻の位置を用いて取象す。(注:卦中只だ一箇の官爻は、五行を用いて取象す。卦中両箇の官爻有れば、六神を用いて取象す。例えば下面の其の箇白虎に臨まば、則ち是れ武神と説く。上面の其の箇青龍に臨まば、則ち是れ樹神と説く。卦中発動の官鬼有れば、八宮を用いて取象す。例えば官鬼乾宮に在りて動けば、則ち是れ天神と説く。坤宮に在りて動けば、則ち是れ地祇と説く。若し六爻乱動し或いは其の中官爻発動有れば、則ち何の星か官爻の上に臨むを看て来たりて取象す。此の段は専ら「神」を断ずるを講ず。)
神鬼有殊,考求無二,是故官動乎乾,謂幹天神,謂沖寺廟,父老僧人之鬼,王侯都廈之靈也。動乎坤,謂瀆地祗,謂妨墳墓,母嫗之鬼,后妃之神也。震東方也,九天之神,道之宗,蠶桑舟車之司也,辱身折足之鬼,雷火部之威靈也。巽東南也,其司風波鎮海之神也,花果園林之祟,長婦女之魄也。坎北方也,在天為北斗,在地為北極,百川四海恆河之靈,其廣大也;蓋天下水火之神,確乎其不可易也。離火德也,於星熒惑,於士庶曰香火,於家曰灶,於骨肉曰中女之鬼也。艮為山神,為五嶽,為荒塚,及童兒之鬼也。兌為西方,釋之宗也,咒咀之孽,尸祝之誑,師尼之鬼,酒色之邪也。(言官鬼獨發,卦爻皆靜,以八宮象斷如此。)
神と鬼と分別有るといえども、考求の弁法は卻て是れ一様なり。ゆえに官鬼乾宮に在りて動けば、是れ天神を冒犯し或いは是れ寺廟を沖撞せり。亦可能是れ父輩・老者・僧人の鬼或いは王侯・大宅の霊ならん。坤宮に在りて動けば、是れ地祇を瀆し或いは是れ墳墓を妨害せり。亦可能是れ母輩・老婦の鬼或いは后妃の神ならん。震東方に在り、九天の神・道教の宗を主り、蚕桑と舟車とを主管す。其の鬼是れ辱を受け足を折りて而して死するの人にして、其の神是れ雷火部の威霊なり。巽東南に在り、風波・海を鎮するの神を主管す。其の祟花果園林に出で、其の魂是れ長房の婦女なり。坎北方に在り、天に在りては北斗と為り地に在りては北極と為る、是れ百川・四海・恒河の霊にして、広大辺なし。天下の水神火神最も確凿にして而して移易す可からず。離火徳に属し、星に在りては熒惑と為り、士庶人の家に在りては香火と為り、家中に在りては竈神と為り、骨肉に在りては中女の鬼と為る。艮は山神と為り五岳と為り荒墳と為り、亦童児の鬼を主る。兌西方に在り、是れ仏教の宗なり。其の孽咒詛に出で、其の誑巫祝に出で、其の鬼是れ僧尼にして、其の邪是れ酒色なり。(注:これ是れ官鬼独発して而して六爻皆静の時、八宮の象を用いて来たりて断ずれば、即ち是れ此の如しを説く。)
初爻井祟,井中之鬼,司居之神也;二爻灶祟,灶下之亡,司境邑之神也;三爻家堂之祟,閨壼之鬼,司都郡橋埠之神也;四爻門戶之祟,關隘之神;五爻道路之祟,王侯之神;六爻墳墓之祟,慈悲之尊,奴僕之亡也。世於初者,家神也,世於二者,土神也,世於三,為園神,世於四,為五神,世於上,為山神也。(言卦得一鬼,現在何爻,及世鬼居何象,以六爻象斷如此。)
官鬼初爻に在れば、是れ井上の祟・井中の鬼にして、亦可能是れ居所を主管するの神ならん。二爻に在れば、是れ竈上の祟・竈下の亡魂にして、亦可能是れ一境一邑を主管するの神ならん。三爻に在れば、是れ家堂の祟・内室の鬼にして、亦可能是れ都郡橋埠を主管するの神ならん。四爻に在れば、是れ門戸の祟・関隘の神なり。五爻に在れば、是れ道路の祟・王侯の神なり。上爻に在れば、是れ墳墓の祟・慈悲の尊にして、亦可能是れ奴僕の亡魂ならん。世爻初爻に在れば、是れ家神にして、二爻に在れば是れ土神にして、三爻に在れば是れ園神にして、四爻に在れば是れ五神にして、上爻に在れば是れ山神なり。(注:これ是れ卦中只だ一箇の官鬼有るの時、其の何れの一爻に現るかおよび世爻の上の官鬼何の象に居るかを看て、六爻の象を用いて来たりて断ずれば、即ち是れ此の如しを説く。)
青龍之為象也,司喜慶財利之神,東方聖賢,文班之師相,為桃李之妖,胎產之鬼也。朱雀亦離神也,司詞訟、紏善惡,掌交易,主生育,狩端門,權中鼎,或言語之幹天曹,或囹圄之妄冤鬼也。勾陳一土神也,司禾黍,主社稷,為工巧之亡,折跌之鬼也。騰蛇屬火,黃帝之左右也,為妖邪怪異之擾,飛遊砍伐之神,繩結驚狂之鬼也。白虎為金甲之神,為喪服之祟,兵凶虎橫,稱呼元帥者像焉。北方元武,強梁之神,盜賊之鬼,河井之亡,妓女之魄也。(卦得二鬼,上臨何神,下臨何神,以六神像斷如此。)
青龍の象は、是れ喜慶財利を主管するの神にして、是れ東方聖賢・文班の中の師相なり。其の妖は桃李の精と為り、其の鬼は胎産にて亡ぶ者と為る。朱雀も亦是れ離宮の神にして、詞訟を主管し・善悪を糾察し・交易を掌管し・生育を主り・端門を守衛し・中樞を執掌す。或いは是れ言語に因りて而して天曹の神を触犯するか、或いは是れ獄中に冤死するの枉鬼ならん。勾陳是れ一位の土神にして、禾黍を主管し社稷を主る。其の亡魂是れ工匠巧手にして、其の鬼是れ跌仆して而して死する者なり。騰蛇火に属し、是れ黄帝の左右近侍なり。妖邪怪異の騒擾を主り、是れ飛游・砍伐の神にして、其の鬼是れ縊死と驚狂して而して亡ぶ者なり。白虎是れ金甲の神にして、喪服の祟を主り兵凶虎患を主る。凡そ元帥と称するは皆其れを取りて象と為す。北方元武は、是れ強梁の神・盗賊の鬼にして、是れ河井に溺死する者の亡魂にして、亦是れ妓女の魄なり。(注:これ是れ卦中両箇の官鬼有るの時、上面の其の箇何の神に臨み・下面の其の箇何の神に臨むかを看て、六神を用いて取象して来たりて断ずれば、即ち是れ此の如しを説く。)
父母為祖先,妻財為臣妾,兄弟為手足之纏,子孫為兒女之孽,世是本宗,應是異姓。(六親有動,則以六親像斷如此。惟化鬼及獨發者尤甚。世,本家鬼也,應,他姓亡也。)犯亥子,則天將斗神可禱也;犯巳午,則火德財神可禳也;樹神東嶽,乃寅卯之官,佛氏喪車,乃申酉之象;辰戌為處處之土神,丑未為家家之地鬼。(十二支神值鬼,則以十二支像斷如此。)
父母爻は祖先を代表し、妻財爻は臣妾を代表し、兄弟爻是れ手足の糾纏にして、子孫爻是れ児女の冤孽なり。世爻是れ本宗の鬼にして、応爻是れ異姓の亡なり。(注:六親の中発動する有れば、則ち六親を用いて取象して来たりて断ずれば、即ち是れ此の如し。其の中官鬼を化出するおよび独発する尤も応験す。世爻是れ本家の鬼にして、応爻是れ他姓の亡魂なり。)官鬼亥・子を犯すは、天将・北斗の神に祷告す可し。巳・午を犯すは、火徳・財神に禳謝す可し。樹神と東岳とは、是れ寅・卯の上の官鬼なり。仏家の神と喪車とは、是れ申・酉の象なり。辰・戌是れ各処の土神にして、丑・未是れ各家の地鬼なり。(注:官鬼何れの一地支に値するか、則ち十二支を用いて取象して来たりて断ずれば、即ち是れ此の如し。)
猶有官鬼現於貴人者,冠冕之神也;天喜者,利市吉慶之神也;喪門,喪服神也;天火、火德,天觸、灶司、天賊,強梁劫奪之亡;天獄,笞杖徒流之鬼;官符主訟,羊刃司兵,驛馬為商旅之冤,天河為覺溺之屈;華蓋,僧道也,咸池,娼妓也,暗金,產婦也,血衂,血鬼也;太歲,土德;刀針,斬絞傷也,坵墓,墳塋之咎,喪車,棺槨之殃,折煞,折跌之鬼;飛廉,游神,將星,武神,天醫,醫神,天馬,馬踏;浴盆,嬰童之溺,摧尸,伏尸之禍,孤神,絕嗣之鬼;太陰月德,受福於王母,太陽天德,賴祐於上帝也。(鬼值何宿,則以諸星像斷如此。天河水庫,乃天之浩府,故正自辰逐月順行,刀針金宿,正月當自乾起,故始亥順行也。餘詳諸星章內。)
此の外、官鬼貴人星の上に現るるは、是れ衣冠の神なり。天喜に現るるは、是れ利市吉慶の神なり。喪門に現るるは、是れ喪服の神なり。天火に現るるは、是れ火徳の神なり。天触・竈司・天賊に現るるは、是れ強梁劫奪して而して死するの亡魂なり。天獄に現るるは、是れ笞杖徒流の刑を受くるの鬼なり。官符は訟事を主り、羊刃は兵刃を主り、駅馬是れ商旅客死の冤にして、天河是れ溺水して而して死するの屈なり。華蓋是れ僧道にして、咸池是れ娼妓にして、暗金是れ産婦にして、血衄是れ血光の鬼なり。太歳是れ土徳の神なり。刀針是れ斬絞刀傷にして、坵墓是れ墳塋の咎にして、喪車是れ棺椁の殃にして、折煞是れ跌折して而して死するの鬼なり。飛廉是れ游神にして、将星是れ武神にして、天医是れ医神にして、天馬是れ馬に踏まれて死する者なり。浴盆是れ溺死の嬰童にして、摧屍是れ伏屍の禍にして、孤神是れ絶嗣の鬼なり。太陰・月徳是れ王母に福を受け、太陽・天徳是れ上帝の保祐に頼るなり。(注:官鬼何れの一星宿に値するか、則ち衆星を用いて取象して来たりて断ずれば、即ち是れ此の如し。天河水庫に属し、是れ上天の浩瀚の府なり、ゆえに正月辰より起りて月を逐いて順行す。刀針金宿に属し、正月当に乾位より起るべし、ゆえに亥より自りて順行す。其余詳しくは《諸星章》に見よ。)
夫四穹之內,無處而非鬼神,然有方隅風俗之所尊,地水火風之所司,或顯一鄉,或徵一國,難以繁陳。語謂千古而上,未有之神何所知,千古而下,再成之神何所擬。察鬼神者,但以五行八宮,變化而像之,以為後學之範,雖今古可通也。必實指鬼神而泥之,則誣矣。大抵神多為祐,鬼多為祟,蓋災病之來,多因自孽,若不洗心悔過,以除孽本,徒聚巫陳牲以媚鬼神,鬼神未必享也。況炰殺生命,以祈我之命,是益重其孽也。故曰:祭祀莫善於解禳,解禳莫善於修身,此之謂也。吾於鬼神章,獸三致戒云。
普天の下、処として鬼神ならざるなし。然るに各地風俗の尊奉する所同ならず、地・水・火・風の主る所も亦同ならず、或いは只一郷に於て霊顕し、或いは一国に於て応験す、一一細陳し難し。人の説く有り、千古以前未だ出現せざるの神は、我等怎麼に知らんや。千古以後新たに立つるの神は、我等又怎麼に比擬せんや。ゆえに鬼神を察するの人は、只五行・八宮の変化取象を用い、以て後学の准式と為せば、古今則ち皆通じ過ぐるを得たり。若し一定要して是れ何れの一位の鬼神を指実して而して死抠せば、則ち誣妄に近し。大体説けば、神多く是れ保祐にして、鬼多く是れ作祟す。災病の到来は、多半是れ自己の造る所の孽なり。若し心を洗い過を悔い・孽根を拔除せずして、只一味に巫祝を聚集し牲牢を陳列して去りて鬼神に討好せば、鬼神未だ必ずしも歆享し来たらず。況んや生霊を烹殺して以て自己の性命を祈求するは、其れ更に罪孽を加重す。ゆえに説く、祭祀は解禳に如かず、解禳は修身に如かず——正しく是れ此の意なり。我《鬼神章》の裡に在りて、反復再三此の一戒律を申明す。
易冒巻之七
学業章第五十八
(內詳九流百工何業成業執役業牙丹爐符咒修養九問)君子以習其學,百工以肄其業,學儒者,文爻實而聲名振,世體空而德業迂。從九流者,官鬼備而人慕,妻財旺而利豐,從百工者,以財為用也。(學能庇身,故父母為文書,官鬼為聲譽道望,妻財為利息,財官兩備,其業必豐。)
(本章は詳しく九流・百工・何の業に従事する・業を成す・差役を当たる・牙行を做る・丹を煉る・符咒・修養等の九箇の問目を列す。)君子学問を研習し、百工技芸を修習す。書を読み儒を学ぶは、文書爻充実すれば則ち声名遠揚し、世爻落空すれば則ち徳業迂闊にして行い難し。九流の業に従事するは、官鬼斉備すれば則ち人の仰慕を受け、妻財旺相なれば則ち獲利豊厚なり。百工技芸に従事するは、則ち妻財をもって用神と為す。(注:学問能く自身を庇護す、ゆえに父母をもって文書と為し官鬼をもって声誉徳望と為し妻財をもって利息と為す。財・官の両様斉備すれば、此の份の事業必定興旺せん。)
如百工未業而筮何從,得金財而利金玉之工,水財而利水澤之技,火財為機織裁剪陶鎔,土財為農田泥土砂石,木財為花園樵采桑麻。財發坎而利於豕酒,妻突離而宜於陶爐,震巽為舟車轉運之謀,乾兌為玩好敲槌之事,艮喜樵夫,坤樂農父也。(以財值何屬、財動何宮斷之,玩好為寶貝金玉,敲槌為銅鐵工也。)
若し未だ行業を定めずして而して何に従事す可きを占せば、金性の妻財を得れば、金玉工芸に利あり。水性の妻財は、水沢の技に利あり。火性の妻財は、織造・裁縫・陶冶熔鋳に宜し。土性の妻財は、農田・泥土・砂石の業に宜し。木性の妻財は、花園・樵采・桑麻に宜し。妻財坎宮に在りて発動すれば、猪を養い酒を醸すに利あり。妻財離宮に突起すれば、陶窯炉冶に宜し。震宮・巽宮に在れば、舟車転運の謀に宜し。乾宮・兌宮に在れば、珍玩と錘打の事とに宜し。艮宮に在れば樵夫を作るを喜び、坤宮に在れば農人と為るを楽しむ。(注:妻財の何れの一五行に属し・何れの一宮に在りて動くに按じて断ず。いわゆる「玩好」は珠宝金玉を指し、「敲槌」は銅鉄匠作を指す。)
天醫為醫,驛馬為商,貴人為役,天罡為漁,朱雀為優,白虎為屠,青龍為翰,騰蛇為戲,勾陳為匠,元武為幕,以財旺宜趨,財衰宜避也。(以財值諸星六神符之,役,隸卒也,幕,幕賓也。旺財所值,是業能興,衰財所臨,此業不發,倘卦無財爻,則以子孫為財元神,動離宜陶,並雀宜優也。)
妻財天医を帯ぶれば行医に宜しく、駅馬を帯ぶれば経商に宜しく、貴人を帯ぶれば差役を当たるに宜しく、天罡を帯ぶれば魚を捕るに宜しく、朱雀を帯ぶれば優伶を作るに宜しく、白虎を帯ぶれば屠戸を作るに宜しく、青龍を帯ぶれば文翰を作るに宜しく、騰蛇を帯ぶれば雑戯を作るに宜しく、勾陳を帯ぶれば工匠を作るに宜しく、元武を帯ぶれば幕僚を作るに宜し。妻財旺なれば則ち去りて趨就するに宜しく、妻財衰なれば則ち回避するに当たるべし。(注:妻財の値する所の衆星・六神を用いて来たりて印証す。いわゆる「役」是れ衙門隸卒にして、「幕」是れ幕府賓客なり。旺財の値する所の行業は能く興り、衰財の臨む所の行業は発せず。倘若りし卦中妻財爻なければ、則ち子孫をもって財の元神と為す。子孫離宮に在りて動けば陶冶に宜しく、兼ねて朱雀に臨まば優伶を作るに宜し。)
成業者,世空則無成,卦六沖而有半途之廢。執役者,財官旺則利歸其室,官克世而有樸作之憂。業牙者,財官旺則客集其門,應象空而有張羅之嘆。學丹爐而用財,學符咒而用官,學修養而用世,此則有別,其他百藝,皆以財為用也。(符咒求靈通,故用官,修養求長生,故用世,其他工巧技能,專以資身立家,故執妻財為用。)蓋問業在於趨利,因業之利而辨諸用,則用神隨業而移,吉凶昭焉。
能く一份の事業を成就するや否やを問うに、世爻落空すれば則ち成す能はず、卦六沖に逢えば則ち半途にして廃す。差役を当たるは、財・官両旺なれば則ち利自家に帰し、官鬼世を剋せば則ち責打を受くるの憂有り。牙行を開くは、財・官両旺なれば則ち客商門に盈ち、応爻落空すれば則ち只張羅一場の嘆息を落得るのみ。丹を煉るを学ぶは妻財爻を用い、符咒を学ぶは官鬼爻を用い、修養の道を学ぶは世爻を用う——此の几様各々分別有り。其余各種の技芸は、皆妻財をもって用神と為す。(注:符咒の求むる所是れ霊験通神なり、ゆえに官鬼を用う。修養の求むる所是れ長生なり、ゆえに世爻を用う。其他の工巧技能専ら身を養い家を立つるが為、ゆえに妻財を取りて用と為す。)要之行業を問うは是れ利に趨くが為にして、則ち此行業の利の在る所に按じて去りて用神を辨ず。用神行業に随いて而して転移し、吉凶も亦即ち分明なり。
治経章第五十九
(內詳性經專經著書詩畫參禪明傳演法修譜八問)古人受書,經學尚焉,此義理之源,亦科名之藉,故官文兩旺,而名榮經術,世空而白首無成。概問何經,則以五行分之,金為春秋,以其義也,土為易,以其信也,火為禮,以其文明也,木為詩,以其被樂也,水為書,以其出雒也。雖然,概問不如專筮之明,考其官文旺實,並臨歲月,而遇擢可期。(概筮,以文書屬何爻,旺則宜趨,衰則宜避。專筮,惟官文喜旺,世爻忌空。)
(本章は詳しく何れの一経を治するに适う・専ら一経を治す・書を著す・詩画・禅を参ず・聖賢の伝を闡明す・法術を演習す・家譜を修する等の八箇の問目を列す。)古人業を受け書を読むは、最も経学を重んず。経学既に是れ義理の源頭にして、亦是れ科挙功名の凭藉なり。ゆえに官爻・文書爻両旺なれば、則ち能く経術をもって名を成さん。世爻落空すれば、則ち白頭にして成なし。若し籠統に何れの一経を治すべきを問えば、則ち五行に按じて以て分かつ。金は《春秋》と為り、其の義を重んずるを取る。土は《易》と為り、其の信を重んずるを取る。火は《礼》と為り、其の文明を取る。木は《詩》と為り、其の管弦に被さる可きを取る。水は《書》と為り、其の洛に出ずるを取る。然るに籠統に問うは専ら一経を占するに明白なるに如かず。官爻・文書爻の旺相充実するや否や・倂せて太歳月建に臨むや否やを考察せば、然らば則ち抜抜任用せらるるは以て期待す可し。(注:籠統に占すれば、則ち文書の何れの一爻に属するかを看る。旺なれば則ち趨くに宜しく、衰なれば則ち避くるに宜し。専ら一経を占するは、只官爻・文書爻の旺相を喜び、世爻落空を忌む。)
夫筮改經,猶卜求名,父官旺而名成,世爻空而不遇。治經經成,著書書成,文與世象,不宜一空。筆耕書傭、賣文賣畫,父與財爻,喜其兩得。欲參宗禪之奧,戒六沖而世空。欲述古今之文,明聖賢之傳,忌世空而文陷。欲演天書之秘,亦戒世空六沖,文陷而道偽,官旺而名高。欲修祖宗之譜,父旺而流芳,世空六沖不成也。蓋學而求道,在乎成身,則六沖世空為戒;學而求進,在於成名,則象文爻宜旺。占者審之。
改めて別の経を治するを占するは、功名を求むるを占するに同例なり。父母・官鬼両旺なれば則ち名成り、世爻落空すれば則ち遇わず。経を治する能く成有るや否や・書を著す能く写し成すや否やを占するは、文書爻と世爻と皆一箇も落空す可からず。筆耕・書を抄するをもって生と為し、或いは文を売り画を売れば、則ち父母爻と妻財爻との両様皆得るを喜ぶ。禅宗の奥義を参究せんと想えば、六沖と世爻落空とを戒むるを要す。古今の文を述作し・聖賢の伝を闡明せんと想えば、世爻落空と文書爻陥落とを忌む。天書秘法を演習せんと想えば、同様に世爻落空と六沖とを戒むるを要す。文書陥落すれば則ち伝える所の道是れ偽なり、官爻旺相なれば則ち声名高し。祖宗の家譜を修せんと想えば、父母爻旺なれば則ち後世に芳を流し、世爻落空する或いは六沖に逢えば則ち修成らず。要之、学の為に道を求むるは自身を成就するに重んずれば、則ち六沖・世空をもって戒と為す。学の為に進取を求むるは名声を成就するに重んずれば、則ち文書の之爻旺相するを要す。占する者当に審察清楚すべし。
延師章第六十
(內詳附學相資同坐館安蒙讀寄讀成師邀遊訪遇九問)親師擇友,學業所尚,故以文書為用爻,不宜休囚,休囚有伴食之譏;不宜空破,空破無師資之益;不宜散絕,散絕多作徹之嫌。且三沖來往,難收一歲之功,游魂改移,定有二家之志。
(本章は詳しく附学・彼此資助・同じく一館に坐す・館地是れ否か安穩・蒙童書を読む・寄読・師を拝す是れ否か成る・老師を邀請して同游・師を訪う能く遇上するや否や等の九箇の問目を列す。)老師に親近し・朋友を選択するは、是れ学業の上最も緊要にして、ゆえに文書爻をもって用神と為す。文書休囚するに宜からず、休囚すれば則ち「尸位素餐」の譏有り。落空逢破するに宜からず、空破すれば則ち師に従うの益を得ず。沖散臨絶するに宜からず、散絶すれば則ち多く半途館を撤するの嫌疑有り。若し六沖に逢えば、来来去去して、一年も亦功效を収る能はず。若し游魂卦を得れば、老師挪動せんと要し、必定別に一家其れを招く有り。
是以文書居日月之上,則師嚴而道尊,成人有德。臨旺相生扶,則循循而善誘,名實兼收。動衰變旺,先惰而後勤,動旺變衰,先嚴而後敝。父化退而倦勸,父化進而克振,父化父而殊經,父化財而賈儒也。父化官則有顯貴之交,父化兄則有追隨之友,父化子孫則高閒好道,多物外之心,旺而克世,學問有責成之功,衰而克世,館餐有求全之意。兄弟動多爭主,子孫動多附從,官動高名,財動重利。
ゆえに文書爻日建・月建の上に居れば、即ち是れ師道尊厳にして能く人の徳行を成就す。文書旺相に臨み・生扶を得れば、則ち循循として善く誘い、名実兼ねて収す。文書発動する時衰にして而して旺爻を変出すれば、是れ先ず嬾く後に勤し。発動する時旺にして而して衰爻を変出すれば、是れ先ず厳にして後に弛む。父母退神を化するは、是れ教誨に倦むなり。進神を化するは、是れ能く振作す。父母父母を化するは、是れ治する所の経一種に止まらず。父母妻財を化するは、是れ辺り教え辺り経商するの儒商なり。父母官鬼を化するは、是れ老師顕貴の交游有り。兄弟を化するは、是れ跟随の朋友有り。子孫を化するは、是れ其れ清高閑逸にして道術を愛好し、多く超然物外の心有り。文書旺相にして而して世を剋するは、是れ学問の上督責成就の功有り。文書衰弱にして而して世を剋するは、是れ其れ館中飲食供給の上に在りて求全責備す。兄弟爻発動すれば、多く人の来たりて東家を争う有り。子孫爻発動すれば、多く人の来たりて附読する有り。官鬼爻発動すれば、老師名声高きを主る。妻財爻発動すれば、老師財利を重んずるを主る。
唯父為子而延師,然後以應為西席,以世為東家。應生世者,主賓相成,應克世者,遊從不易,應空其意不留,應動其心不一,應破散其體不寧,而世動世空,則吾心先倦。然進德修業,必係文書,故父母之爻,不可一病,故應爻旺而父爻衰,不受切磋之益。(自占場父為用,父占兼應為詳。蓋應乃師之身體,父乃師之德業也。)
只有だ父親児子に替わりて老師を聘請する時のみ、始めて応爻をもって西席(老師)と為し世爻をもって東家(自己)と為す。応爻世を生ずれば、主賓能く相成るを得たり。応爻世を剋せば、師生相处易からず。応爻落空すれば、其れ久留の意なし。応爻発動すれば、其れ心思定まらず。応爻逢破被散すれば、其れ身体安からず。而して世爻発動・世爻落空すれば、即ち是れ我自己先ず倦怠せり。然るに進徳修業終に文書爻に係るを帰す、ゆえに父母の之爻一点の毛病も有る能はず。若し応爻旺にして父母爻衰なれば、則ち切磋琢磨の益を得ず。(注:学生自己占するは、則ち父母爻をもって用と為す。父親児子に替わりて占するは、則ち兼ねて応爻を看て始めて周詳なり。応爻是れ老師此の人にして、父母爻是れ老師の学問徳業たるをもってなり。)
父母為師,尊其道也,世應主賓,言其體也,賢愚優劣,專察父爻,若百工學藝,技而非道,專憑應象,唯六合及應旺生世為吉。是故應空其技不精,應破散其制作不備,應墓絕其藝不巧也。應克世而多役使需求,三沖而不能久處。(道貴博學專用文,技貴異巧專用應。)
父母をもって老師と為すは、是れ其の伝える所の道を尊崇するなり。世応をもって主賓と為すは、是れ人身に就きて言うなり。老師の賢愚優劣は、専ら父母爻を看る。若し是れ百工技芸を学ばば、其れ技に属して而して道に属せず、則ち専ら応爻に憑り、只六合の卦および応爻旺相世を生ずるをもって吉と為す。ゆえに応爻落空すれば、其れ技芸精ならず。応爻逢破被散すれば、其れ制作斉備せず。応爻入墓臨絶すれば、其れ手芸巧ならず。応爻世を剋せば、其れ多く徒弟を役使し・多く索求有り。六沖に逢えば、則ち能く久しく処る能はず。(注:道を求むるは博学を貴しとす、ゆえに専ら文書爻を用う。技を学ぶは奇巧を貴しとす、ゆえに専ら応爻を用う。)
卜附學者,以學為先,亦看文書,忌三沖父陷;兄動克世,則學友輕狂,應爻克世,則主家重利。卜相資者,友而非師,則看應象,喜六合生身,惡三沖剋世,喜生扶旺相,忌空破散絕。若同坐有功,館地有益,又看文書。館地之安,世爻毋空破散絕,而鬼象莫之交重,則安寧可居,而隨墓助傷,亦有災咎也。
別人の家の館に附読するを占するは、学問をもって先と為し、亦文書爻を看、六沖と父母爻陥落とを忌む。兄弟爻発動して而して世を剋するは、是れ同学軽狂なり。応爻世を剋するは、是れ主家利銭を看重す。同学彼此資助するを占するは、是れ乃ち朋友にして是れ老師にあらず、則ち応爻を看る。六合にして我を生ずるを喜び、六沖にして世を剋するを悪む。其の生扶旺相を得るを喜び、其の空・破・散・絶に逢うを忌む。若し同じく一館に坐する益有るや否や・此の処の館地利有るや否やを問わば、仍お文書爻を看るを要す。館地是れ否か安穩なるは、世爻空・破・散・絶に逢わずして、而して官鬼の象又交重発動せざれば、則ち安寧にして居る可し。若し随鬼入墓・助鬼傷身に遇えば、亦仍お災咎有り。
若蒙讀之安,惟取子孫旺相,而鬼動命墓不宜也。附親遠學,離鄉寄讀,及入學諏吉,皆同此占,兼看文書之旺衰也。延師成否,貞沖合沖,世空應空,及無官而不成。邀師遠遊,父占應壞而不從,子占父壞而師不諾也。訪師遇乎,指其人也,應空六沖,則不得其門也。生我者親,成我者師,可不慎乎?
若し蒙童書を読む平安なるや否やを問わば、只子孫爻旺相を取る。官鬼発動・本命入墓すれば則ち宜からず。親戚に投靠して遠処に到りて学を求め・郷を離れて寄読し、および入学して吉日を擇ぶも、皆此の一套の占法を用い、同時に兼ねて文書爻の旺衰を看る。師を聘する能く成るや否やを占するに、本卦六沖・合処逢沖・世爻落空・応爻落空および卦中官爻なきは、皆成る能はず。老師を邀請して一同遠游するを占するに、父親来たりて占せば、応爻敗壊すれば其れ去らず。学生来たりて占せば、父母爻敗壊すれば老師則ち答允せず。師を訪う能く遇上するや否やを占する——これ是れ其の人を指す。応爻落空する或いは六沖に逢えば、則ち其の門を找着せず。我を生ずるは是れ父母にして、我を成就するは是れ老師なり、怎麼に慎重せざるを得んや。
卜館章第六十一
(內詳何地何時就館開館附學代館辭館薦館攘館選刻卜徒幕館商館十三問)問館有無成否,喜六合生世,惡三沖應空。問館何地,以應為方,在坎兌而近水,在震巽而入林,在坤艮為山野,在離為城市,在乾為大都靈宮也。應居父母,則詩書禮樂之家,應居官鬼,則仕宦史胥之宅,居妻財為商賈,居兄弟為同儕,居子孫則清閒道德之門也。以陰陽而分男女之延,以內外而分遠近之請,以游魂歸魂而分本土他境,以六神分景色,諸星為人事也。問得館何時,實世生世合世,則其期也。
(本章は詳しく何の地に在る・何の時に在る・館に就く・館を開く・附学・館を代わる・館を辞す・館を荐る・館を抢う・文を選び書を刻す・徒を擇ぶ・幕府の館・商家の館等の十三箇の問目を列す。)館に坐すの事の有無・成否を問うは、六合にして世を生ずるを喜び、六沖と応爻落空とを悪む。館何の処所に在るかを問うは、応爻をもって方位を定む。応坎宮・兌宮に在れば則ち水に靠近し、震宮・巽宮に在れば則ち林の中に在り、坤宮・艮宮に在れば是れ山野にして、離宮に在れば是れ城市にして、乾宮に在れば是れ大都会或いは神廟なり。応爻是れ父母なれば、是れ乃ち詩書礼楽の家なり。応爻是れ官鬼なれば、是れ乃ち仕宦或いは吏胥の宅なり。是れ妻財なれば、是れ乃ち商賈の家なり。是れ兄弟なれば、是れ乃ち同輩の家なり。是れ子孫なれば、是れ乃ち清閒有道の門なり。陰陽を用いて請わるる是れ男館か是れ女館かを分かち、内外卦を用いて請うを遠きか近きかを分かち、游魂帰魂を用いて本土に在るか他郷に在るかを分かち、六神を用いて周囲の景色を看、衆星を用いて人事を看る。何時に館を得る能くを問うは、世爻を填実し・世爻を生じ・世爻を合する其の時候、即ち是れ応期なり。
(應帶青龍,其地在長林豐草,元武其家在水畔池傍,朱雀鬧市煙村,白虎荒鄉僻境,勾陳近於田野故塋,騰蛇依於往來工藝舟車也。貴人為宦,驛馬為商,華蓋為僧,天財為賈,天豬為屠,餘以類求。)
(注:応爻青龍を帯ぶれば、其の地方茂林豊草の間に在り。元武を帯ぶれば、其の人家水辺池畔に在り。朱雀を帯ぶれば、閙市或いは炊烟稠密の村落に在り。白虎を帯ぶれば、荒僻の郷野に在り。勾陳を帯ぶれば、田野旧墳に靠近す。騰蛇を帯ぶれば、往来の手芸人家或いは舟車の地に依傍す。応爻貴人を帯ぶるは是れ官宦人家にして、駅馬を帯ぶるは是れ行商にして、華蓋を帯ぶるは是れ僧人にして、天財を帯ぶるは是れ坐賈にして、天猪を帯ぶるは是れ屠戸なり、其余類に按じて去りて求めよ。)
既延而問就館之吉,三沖則硯席難終,財陷則束脩未腆,應空無尊道之志,克世有慢師之嫌,應破散絕有怠學之心,唯六合財旺應生為吉。館已定矣,如我處而身安心定乎,則隨墓助傷,不可犯也,世用空破散絕,不可遇也,官鬼不可動也,動則以五行八宮、六神諸星詳之。游魂不久,三沖不定。
已に聘を受けて而して去りて館に坐すの吉なるや否やを問うに、六沖に逢えば則ち師生の誼善終し難く、妻財陥落すれば則ち束脩菲薄にして、応爻落空すれば、主家師を尊び道を重んずるの志なし。応爻世を剋せば、老師を軽慢するの嫌有り。応爻逢破・被散・臨絶すれば、主家子弟怠学の心有り。唯だ六合の卦・妻財旺相・応爻世を生ずるのみ始めて吉と算す。館既に定まり、再び我彼処に住する身心安穩なるや否やを問うに、随鬼入墓・助鬼傷身は、皆犯る可からず。世爻と用神と空・破・散・絶に逢うは、皆遇う可からず。官鬼更に発動す可からず——一たび動けば則ち五行・八宮・六神・衆星に按じて去りて詳審するを要す。游魂卦を得れば則ち住むこと久からず、六沖に逢えば則ち去留定まらず。
(鬼靜無戒,鬼動有忌,艮由童僕產禍,兌由婦女生言,乾坤防老翁嫗之憎,震巽慎小工技之讒,坎驚盜,離驚火,八宮之約舉也。金喪,火非,土病,水失,木折,咸池淫,天賊盜,官符訟,驛馬遷,五行諸星之約舉也。六神亦然,元武遺亡,朱雀毀謗,龍敗事於嗜酒,虎失利於兵喪,勾陳趄諮遁悶,騰蛇浮燥驚惶。)
(注:官鬼安静なれば則ち戒備するを須いず、官鬼発動して始めて忌諱有り。官鬼艮宮に在れば、禍童僕の身上より起る。兌宮に在れば、閒話婦女の口中より出づ。乾宮・坤宮に在れば、老翁老婦の憎悪を防ぐを要す。震宮・巽宮に在れば、小工匠の谗言を謹慎するを要す。坎宮に在れば盗賊を驚かし、離宮に在れば火災を驚かす——これ是れ八宮の挙要なり。金に属すれば喪事を主り、火に属すれば是非を主り、土に属すれば疾病を主り、水に属すれば失脱を主り、木に属すれば折傷を主る。咸池を帯ぶれば淫を主り、天賊を帯ぶれば盗を主り、官符を帯ぶれば訟を主り、駅馬を帯ぶれば遷動を主る——これ是れ五行と衆星の挙要なり。六神も亦此の如し。元武は遺失を主り、朱雀は毀謗を主り、青龍は酒を嗜むに因りて事を敗り、白虎は兵喪に因りて利を失い、勾陳は進退遅疑・郁悶難行を主り、騰蛇は浮躁驚惶を主る。)
設帳來從乎,應空則負笈無徒,財虛則館榖不盛。問附來者,同於設帳。問代席者,同於成館。若筮辭館,以應為主人,應克世而不從,應空散破絕而不遂;主不從雖六沖不能解,主不遂雖游魂安可辭,惟應實及不克世者,可以去也。筮薦館,類於仗托,貞沖應壞則不力,克世則不忠。筮攘館,猶於奪婚,應破散空,彼謀不遂,克世而為其所奪也。
自己帳を設けて徒を授く、人の来たりて学に従う有るや無しやを問うに、応爻落空すれば則ち書箱を背負いて来るの学生なく、妻財虚弱なれば則ち館穀豊ならず。人の来たりて附読する有るや無しやを問うは、帳を設くるに同例なり。別人に替わりて館を代わるを問うは、館を成すを占するに同例なり。若し館を辞するを占せば、応爻をもって主家を代表す。応爻世を剋せば、主家肯んじて放さず。応爻落空・被散・逢破・臨絶すれば、事情も亦弁成らず。主家肯んじて放さざれば、便ち卦六沖に逢うも亦解開する能はず。事情弁成らざれば、便ち游魂卦を得るも亦怎麼に辞掉するを得んや。唯だ応爻充実にして而又世を剋せざるのみ、始めて以て辞去す可し。人を荐めて館に坐すを占するは、人に托して事を弁ずるを占するに同類なり。本卦六沖・応爻敗壊すれば、其れ則ち力を出さず。応爻世を剋せば、其れ則ち忠実ならず。別人の館を抢うを占するは、婚を争うを占するに同類なり。応爻逢破・被散・落空すれば、対方の図謀成らず。応爻世を剋せば、則ち対方に奪去せらる。
有問選文刻書,其用有二:名用父母,利用妻財。卜徒好惡,其用亦二:三教誼同父子,故用子孫;百工業以求利,故憑應象;然執贄之後,有子孫應象之分,束脩未行,則皆從應象,此三教百工同也;應克世而其人矯罔,應空破散而其人下劣,三沖而無恆心,財空而無禮幣。
人の問う文章を選輯し・書籍を刻印する有り、取用両層有り——名を求むるは父母爻を用い、利を求むるは妻財爻を用う。徒弟の好壊を占するは、取用も亦両層有り。儒・釈・道の三教の師徒情父子に同じ、ゆえに子孫爻を用う。百工技芸是れ利を求むるが為、ゆえに応爻に憑る。然るに此れ須らく師を拝するの礼を行い過ぐる之后に在りて始めて子孫と応爻とを分かつ。束脩未だ送り来らざるの以前は、一律に応爻を看る——三教と百工と皆一様なり。応爻世を剋せば、其人矯飾欺瞞す。応爻落空・逢破・被散すれば、其人品質下劣なり。六沖に逢えば、其れ恒心なし。妻財落空すれば、其れ礼幣を備えず。
若筮館於衙幕,及同業於富豪,財官世應,喜其生合,忌彼空沖。若筮遇於何地,則不以應而財,財生之方,財動之宮,乃可圖也,財屬五行,乃其象也。六神諸星參之。(財動論宮,如財動乾宮,宜趨西北;財靜論生,如財屬金爻,利涉東南;妻財臨水,遇魚鹽之業、江海之濱,妻財臨木,遇花果之行、山林之所,土覓田野,火覓城市,金覓玉石;武水龍木,虎兵雀市,蛇商勾醫;天醫醫使,華蓋僧從,皆以財考也。納人之請,世應為先,服人之事,財利為務。)
若し衙門に到りて幕僚を做る・或いは富豪と合伙して事を共にするを占せば、則ち妻財・官鬼と世応とを看る。其れらの相生相合するを喜び、其れらの落空相冲するを忌む。若し当に何の地方に在りて去りて事を謀るべきを占せば、則ち応爻を看ずして而して妻財を看る。妻財生を得るの方位・妻財発動の卦宮は、始めて是れ図る可きの処なり。妻財何れの一五行に属すれば、則ち何れの一類の象を取る。再び六神と衆星とを参看す。(注:妻財発動すれば則ち其の何れの一宮に在るかを論ず、例えば妻財乾宮に在りて動けば、西北に往くに宜し。妻財安静なれば則ち其の何れの処に在りて生を得るかを論ず、例えば妻財金に属せば、則ち東南に往くに利あり。妻財水に臨まば、魚塩の業・江海の濱に遇う可し。木に臨まば、花果行当・山林の所に遇う可し。土に属すれば則ち田野に往きて找え、火に属すれば則ち城市に往きて找え、金に属すれば則ち玉石行に往きて找え。元武を帯ぶれば水辺に往き、青龍を帯ぶれば林木に往く。白虎を帯ぶれば兵事に近く、朱雀を帯ぶれば閙市に在り。騰蛇を帯ぶれば商旅に随い、勾陳を帯ぶれば医家に近し。天医を帯ぶるは是れ医官差使にして、華蓋を帯ぶるは是れ僧道に随う——此の等皆妻財の上より去りて考求す。要之、人家の来たりて我を聘請するは、世応をもって先と為す。我去りて人に替わりて事を弁ずるは、財利をもって要と為す。)
功名章第六十二
(內詳發年考時發案收試補廩廷試武試封蔭投麾從軍委署草野求名仕途大象升信升時是期升方是地是官筮官補官援例久任身安薦獎開復上書獻策條陳慮參防後大計告養履危揭參交代雜職裁缺公議國務四十問)國家以文章取士,則凡大小試,皆以文書為用,故父母喜日月旺相,惡破散絕空,飛而無助,虛抱經綸,伏而有填,定升廊廟,安鄉遇克,將飛而墜,絕處逢生,已棄復收,象凶而吉者遇其時,象得而失者違其令也。唯文書臨建臨破,不同此例。得名在我,世不可空,主試在公,官不可失。
(本章は詳しく発跡の年・考期・発榜・遺才を収考す・廩生を補す・殿試・武試・封を請い蔭を請う・軍門に投效す・従軍・委署代理・草野の人名を求む・仕途大勢・升遷消息・升遷時間と応期・升遷方向と地点・任ずる所何の官・官職を占す・官缺を補す・例に援りて捐納す・久任・任上平安・荐挙奨叙・原職を開復す・書を上る・策を献ず・条陳・参せらるるを憂慮す・事後患を防ぐ・大計考核・假を告げ親を養う・険を履む・揭参せらる・任事を交代す・雑職・職缺を裁撤す・公議・国務等の四十箇の問目を列す。)国家文章をもって士を取る、ゆえに凡そ大小考試皆文書爻をもって用神と為す。父母爻日月旺相を得るを喜び、破・散・絶・空に逢うを忌む。父母卦に現るるも而して援助なきは、是れ空しく経綸の才を抱くなり。父母伏蔵するも而して後来填実を得れば、必定朝廷に升入せん。父母本位に安処すれども而して剋を受くるは、是れ将に飛ばんとして而して先ず墜つ。父母絶処逢生するは、是れ已に棄てられて而して又収録せらる。卦象凶にして而して結果吉なるは、是れ好时令に遇上せり。卦象好くして而して結果失するは、是れ时令に違背せり。只有だ文書爻正しく月建に臨む或いは正しく月破に逢うのみ、此の一条例を適用せず。功名を取得するは我自己に在り、ゆえに世爻落空す可からず。考試を主持するは是れ公家なり、ゆえに官爻位を失う可からず。
(求名者,以父母為用爻,官備世實則吉。飛而無助,如未建辛日,得漸是也;伏而有填,如午建戊午日,得大畜是也;安鄉受克,如亥建甲寅日,得乾是也;絕處逢生,如申建乙巳日,得震之隨是也;遇其時,如卯建丁亥日,占秋試得大過之井是也;違其令,如寅建辛亥日,占春試得師之坤是也。遇時,謂考期官文值月建,違令,謂考期官文值月破。若文書以象學業,今值月建,後逢月破不壞,今值月破,後值月建不全。)
(注:功名を求むるは父母爻をもって用神と為し、官爻斉備・世爻充実すれば則ち吉なり。「飛びて而して助なし」は、如し未月辛日《漸》卦を得。「伏して而して填有り」は、如し午月戊午日《大畜》を得。「郷に安んじて剋を受く」は、如し亥月甲寅日《乾》卦を得。「絶処逢生」は、如し申月乙巳日《震》を得て《随》に変ず。「其の時に遇う」は、如し卯月丁亥日秋試を占して《大過》を得て《井》に変ず。「其の令に違う」は、如し寅月辛亥日春試を占して《師》を得て《坤》に変ず。いわゆる「遇時」は、是れ考期に到る時官爻・文書爻正しく月建に当たるを説く。いわゆる「違令」は、是れ考期に到る時官爻・文書爻正しく月破に逢うを説く。若し文書爻の代表する是れ学業なれば、眼下正しく月建に値すれば、日後月破に逢うも亦壊るるに至らず。眼下正しく月破に逢えば、日後便ち月建に値するも亦能く十全ならず。)
有謂六沖不吉,曰否,或應阻其考也。有謂合處逢沖不吉,曰否,或臨試而值變也。有謂悔沖不吉,曰否,或慮得名而有事也。有謂隨墓助傷不吉,曰否,或名成而疾病驚惶相纏也。有謂二分不吉,曰否,或求名而兩適兩就也。有謂兄動不吉,無非奪標之嫌,子動傷官,無非囑託之輩,財動克父,無非賄賂之夫,唯在官文兩強,仍可得志。科舉古占,得乾震則吉,乾天震雷,以應元首聲名,然皆憑於父搖官發,化變飛騰,若父失官空,寧辭渝落也。(已以八者,求名雖不宜見,若得官文旺備,或先阻礙,而後成名。)
人の説く六沖に逢えば則ち不吉なりと、其の実然らず、其れ只是れ可能阻まれて而して能く応考せざるのみ。人の説く合処逢沖不吉なりと、其の実然らず、其れ只是れ考に臨みて変故出づるのみ。人の説く変卦六沖不吉なりと、其の実然らず、其れ只是れ慮及りて功名を得たる之后別に事故有るのみ。人の説く随鬼入墓・助鬼傷身不吉なりと、其の実然らず、其れ只是れ功名成るといえども而して疾病・驚惶相纏するのみ。人の説く内外二分の卦不吉なりと、其の実然らず、其れ只是れ名を求むる時両処去る可き有り・両辺皆就くのみ。人の説く兄弟発動不吉なりと、其れ過ぎず人の来たりて標を争う有るのみ。子孫発動して官を傷むは、其れ過ぎず人の来たりて請托する有るのみ。妻財発動して父母を剋するは、其れ過ぎず人の行賄する有るのみ。只官爻・文書爻両強なれば、仍お以て志を得る可し。古法科挙を占するは、《乾》《震》を得れば則ち吉なり。乾は天と為り震は雷と為る、元首の位と声名の響とに応ず。然るに此の等皆父母揺動・官爻発動および化変飛騰の象に憑るを要す。若し父母位を失い官爻落空せば、是れ還て落第を免れず。(注:以上此の八様は、名を求むる時願う見るにあらざるといえども、然るに只官爻・文書爻旺相斉備せば、亦過ぎず先ず阻碍有り・而して後に終竟名を成すのみ。)
是故拔元拔首,父母建於日月,補增補廩,妻財並於豐隆。世居父旺,曾經揣摹之成,應坐父興,當賴風簮(?)之助。動衰變旺,喜後勁之文,動旺變衰,惜強弩之末。進神則上其名,退神則下其等。爻爻相助,文章粲於斗牛,象象來生,姓氏懸如日月。兩官兩父,旺則連登,衰則再試也。猝病懷憂,誠是隨官入墓,越規受恐,寧非助鬼傷身。父壞而帶騰蛇,近憂降辱,財動而臨白虎,遠應丁憂。衰居龍雀,長詩字而短文章,廢坐勾元,隳誦讀而耽酒色。世投月破,恐病阻試期,身犯旬空,忌心慵塵務。有氣有傷,小有瑕庛之戾,無根無倚,大嫌荒謬之篇。
ゆえに第一名を抜取せんと要せば、須らく父母爻正しく日建・月建に当たるを要す。増広生員を補い廩膳生員を補わんと要せば、須らく妻財爻倂せて旺盛の地に於くを要す。父母爻旺にして而して世爻の上に在れば、是れ自己下るに揣摩の功を過ぐせるなり。父母爻興旺にして而して応爻の上に在れば、是れ他人の挙荐の力に靠るを要す。父母発動する時衰にして而して旺を変ずれば、文章後勁十足を喜ぶ。発動する時旺にして而して衰を変ずれば、可惜是れ強弩の末なり。進神を化すれば則ち名次上昇し、退神を化すれば則ち等第下降す。爻爻皆来たりて相助えば、文章光彩斗牛の星の如し。象象皆来たりて生扶すれば、姓名高懸日月の如し。両箇の官爻・両箇の父母爻は、旺相なれば則ち接連登第し、衰弱なれば則ち再び一度考えるを要す。忽然病を生じ・心に憂懼を懐くは、其の確は是れ随鬼入墓なり。規矩を違犯して而して驚恐を受くるは、豈に正しく是れ助鬼傷身ならずや。父母爻敗壊して而して騰蛇を帯ぶるは、近く憂う降等受辱せらるるを。妻財爻発動して而して白虎に臨むは、遠く応ず丁憂守制に。父母衰弱して而して青龍・朱雀に臨むは、詩詞書法に長じて而して時文に短し。父母廃弱して而して勾陳・元武に坐すは、誦読を荒廃して而して酒色に沉溺す。世爻月破に落入るは、恐る病に因りて考期を耽误せん。身爻旬空を犯すは、心思懶散・俗務に纏身せらるるを忌む。父母気有りて而して略々傷を受くるは、只是れ文章小さに瑕疵有るのみ。父母根依なければ、則ち大に荒謬成篇の嫌有り。
如筮發跡何年,官衰補助其官,父衰補助其父,兩現而強其弱,一伏而露其藏,實世而是其時也。(如父旺官衰,以助官之歲為期,官旺父衰,以補文之年為發。官文兩現,若有一衰,則生助所弱之爻,如酉建壬戌日得革,丑年發甲是也。官文一伏,後遇露其藏,如亥建乙卯日得旅,而辛卯發科是也。既問第而復問年,或世空當應實世爻之歲。)
若し何れの一年発跡するかを占せば、官爻衰なれば則ち官爻を補助するの年份を取り、父母爻衰なれば則ち父母を補助するの年份を取る。両爻並現して而して一強一弱なれば、則ち其の弱者を補強するの年份を取る。一爻伏蔵有れば、則ち其の透露し出るの年份を取る。世爻落空すれば、則ち世爻を填実する其の一年を取る。(注:如し父母旺にして官爻衰なれば、則ち官爻を扶助する之年をもって期と為す。官爻旺にして父母衰なれば、則ち文書を補する之年をもって発と為す。官爻・文書両現して而して其の中一箇衰なれば、則ち其の弱爻を生助する之年を取る、例えば酉月壬戌日《革》卦を得、丑年甲科に中りき。官爻或いは文書一箇伏蔵有れば、則ち其の日後透出の年を取る、例えば亥月乙卯日《旅》卦を得、辛卯年に到りて挙に中りき。既に能く第に中るや否やを問い又何れの一年かを問うに、若し世爻落空せば、則ち当に世爻を填実する其の一年に応ずべし。)
筮考何時,維司官鬼,發案何時,兼詳父爻,收試遺生,專依繫象,空散無憐才之心,破絕少廣羅之量,最忌克世,慮有殺刑。(凡按考獨視官,發案掛榜,並視官文。繫象即官爻也,帶病不收,克世即怒。)有糧可補,世空財壞嫌無,允廩可幫,鬼克官亡嫌駁。成乎,同於謀事,攘乎,類於奪物也。(官空破而及克世爻,是文宗不允,指是缺而能成,貞合沖、世應空、財官失,則不就。憂人來攘、頂名寄籍同類,應不克世,無相奪也。)
何時に開考するを占するは、只管官鬼爻を看る。何時に発榜するを占するは、還て兼ねて父母爻を看るを要す。遺才を収考するを占するは、専ら官爻を看る。官爻落空被散すれば、主考憐才の心なし。逢破臨絶すれば、主考広収の量なし。最も忌む其れ世を剋するを、是れ責罰を受くるを擔心するを要す。(注:凡そ按臨考試は只看る官爻を。発案挂榜は、則ち官爻文書爻一倂に看る。いわゆる「系象」即ち是れ官爻なり。官爻病を帯ぶれば則ち録取せず、官爻世を剋すれば則ち是れ主考発怒す。)廩粮名額補う可き有るや無しやを問うに、世爻落空・妻財敗壊すれば、則ち無しを嫌む。准なりや否や廩を補するを問うに、官鬼世を剋し・官爻亡失すれば、則ち駁回せらるるを嫌む。能く補成するや否やを問うは、事を謀るを占するに同例なり。人に抢去せらるるや否やを問うは、物を奪うを占するに同例なり。(注:官爻落空・逢破以至世爻を剋するは、是れ乃ち学政批准せざるなり。若し某の一箇の缺額能く補成するや否やを指定せば、本卦六合にして而して合処逢沖・世応落空・財官失位すれば、則ち補成らず。別人の来たりて抢うを擔心し或いは名を頂き籍を寄するの類は、只応爻世を剋せざれば、則ち人の来たりて奪うなし。)
廷試擢第,專以官鬼旺相為要,日月並見而掄元,時令旺相而高第。世不宜空,文不宜陷,官爻旺而歲五生,利見召對之榮,文鬼壞而隨三墓,憂有不測之辱也。最嫌子動,為卑我品秩,復忌兄搖,為奪吾上第。官伏動扶,疑得位而未任,卦沖世破,恐臨試而不前,官絕遇生,偶逢新例之擢,父衰得助,復有考選之榮。(此以官鬼為甲第,父母為對策,歲五,即歲群五爻,三墓,即命墓世墓身墓也。)
殿試名次を取るは、専ら官鬼旺相をもって要と為す。官爻同時に日建・月建を得れば、則ち能く魁を奪う。正しく时令旺相に当たれば、則ち高第に名列す。世爻落空するに宜からず、文書爻陥落するに宜からず。官爻旺相にして而して太歳と第五爻と皆来たりて其れを生ずれば、召に蒙りて策に対するの榮有り。文書爻・官爻敗壊して而又三墓に随えば、則ち憂慮する不測の辱有るを要す。最も嫌む子孫発動を、是れ我が品級を壓低せん。又忌む兄弟揺動を、是れ我が高第を奪去せん。官爻伏蔵して而して動爻扶助有れば、疑らく是れ位を得たるも而して未だ任に到らず。卦六沖に逢い・世爻逢破すれば、恐らく考に臨みて而して能く場に上る能はず。官爻臨絶して而して生に逢うは、是れ偶然新例に赶上して而して擢用せらるるなり。父母衰弱して而して扶助を得るは、是れ別に考選の榮有り。(注:此処官鬼をもって甲第名次を代表し、父母をもって殿試対策を代表す。いわゆる「歳五」は、即ち是れ太歳と第五爻。いわゆる「三墓」は、即ち是れ本命入墓・世爻入墓・身爻入墓なり。)
武試貴乎官,英雄得錄用也,世不空而父不陷,便利虎閨。請蔭請封,戒五爻之傷世,及官鬼之克身。父乃玉牒,不可破空,世是謀躬,不可虛陷。(如為父母子妻,則世空不忌。)投麾效力,貞沖鬼動則不錄,官爻空破散絕則不用,為名則官旺為佳,為利則財官並重,世不可病,官不可克。入伍從軍,以身命為要,世象強良,冒鋒鏑而成功,官爻旺相,拔行伍而拜爵,官爻克世、助傷隨墓,弗宜見之。署篆委鎮者,筮成類謀差,世應空、貞合沖,及官不可病,筮利同服役,官壞財虛,徒勞馳驟,官來克世,且慮 釁生。
武科考試は官爻を貴しとす、是れ乃ち英雄得るに録用せらるるの象なり。只世爻落空せず・父母爻爻陥落せざれば、則ち武闈に利あり。封を請い蔭を請うは、第五爻世爻を傷めるおよび官鬼身を剋するを戒むるを要す。父母爻は封册玉牒を代表し、逢破落空す可からず。世爻は自身の図謀を代表し、虚陥す可からず。(注:若し是れ父母・子女・妻室に替わりて封を請わば、世爻落空するも亦忌まず。)軍門に投効して力を出すは、本卦六沖にして而して官鬼発動すれば、則ち録用せられず。官爻空・破・散・絶に逢えば、則ち任用せられず。若し名声を図れば、官爻旺相を佳と為す。若し実利を図れば、財・官両爻並重す。世爻病有る可からず、官爻剋せらるる可からず。伍に入り軍に従うは身命をもって要と為す。世爻の象強健良好なれば、則ち能く刀箭を冒して功を立つ。官爻旺相なれば、則ち能く行伍の中より拔擢せられ爵を受く。官爻世を剋しおよび助鬼傷身・随鬼入墓は、皆見るに宜からず。官印を代理し・委を受けて鎮守す。能く成るや否やを占するは、差事を謀るを占するに同類なり——世応落空す可からず、本卦六合にして而して合処逢沖有る可からず、官爻も亦病有る可からず。好処有るや無しやを占するは、差を当たるを占するに同例なり——官爻敗壊・妻財虚弱なれば、即ち是れ白く奔走す。官爻来たりて世を剋せば、還て擔心する事端を生出せんを要す。
匹夫好勇而筮曰:吾生平功名何如?若官旺則有特授之官,世空則成妄想之咎,隨官入墓,助鬼傷身,則戒覆家亡軀之禍,當勉於守正也。(後世用才無方,亦備此占。)
匹夫の勇を好みて而して来たりて占問する有り、我一生の功名如何。若し官爻旺相なれば、則ち特旨官を授くるの機会有り。世爻落空すれば、則ち只是れ妄想而已。若し随鬼入墓・助鬼傷身に遇えば、則ち家を覆し身を亡ぼすの禍を戒備し、当に勉力して正を守るべし。(注:後世人を用いるは一格に拘らず、ゆえに亦此の一占を備下す。)
既食祿於天家,而筮仕途,皆以官為用神,喜居日月,人仰照臨,喜居旺相,物沾時雨,喜值生扶拱合,如倚長城而馳康莊,忌值破空散絕,空則失職,破則敗事,絕則解任,散則削籍矣。子孫動而防公議,別衰旺以定重輕,兄弟發而減傣糧,分喜忌以言凶吉。長生官而知宦境之遠達,帝旺臨官而知仕路之升遷,衰墓死絕,而知官道之否,進神則升爵升階,退神則降祿降級。變墓絕而動生扶,日月克而動變生,皆為安象。洩氣動而元神靜,升信杳然,元神發而用象搖,遷音乃至。
既に已に朝廷に在りて禄を食めば、仕途を占するは一律に官爻をもって用神と為す。官爻日建・月建に居るを喜ぶ、衆人の日月の照臨を仰望するが如し。其れ旺相を喜ぶ、万物の及時の雨を承受するが如し。其の生を得・扶を得・拱を得・合を得るを喜ぶ、長城に倚靠して而して康荘大道を馳行するが如し。其の破・空・散・絶に逢うを忌む。落空すれば則ち職守を失去し、逢破すれば則ち事を弁ずる敗壊し、臨絶すれば則ち職を解かれ、沖散すれば則ち官籍を削去せらる。子孫発動すれば、公議弾劾を防ぐを要し、衰旺に按じて軽重を分かつ。兄弟発動すれば、俸粮を減扣するを要し、喜忌に按じて凶吉を定む。官爻長生に居れば、宦途遠大を知る可し。帝旺・臨官に居れば、仕路升遷を知る可し。衰・墓・死・絶に居れば、官運否塞を知る可し。進神を化すれば則ち爵を升り階を升り、退神を化すれば則ち俸を降り級を降る。官爻墓絶に変入するといえども而して動爻生扶有り、或いは日月に剋せらるるといえども而して動爻変爻の来たりて生ずる有るは、皆安穏の象と算す。官爻の気を泄するの爻発動して而して元神安静なれば、升遷の消息即ち杳として音信なし。元神発動して而して用神も亦揺動すれば、遷転の消息即ち来る。
(子乃官之忌神,動則克官,若官旺子衰,或有小過;或子旺官衰,乃受其禍。兄弟非官鬼所忌,但嫌克官之元神,應見罰傣降級之憂。爻得官鬼獨旺,不用元神,亦當順利升擢。卦中或遇子財皆動,官得三象貪生,反屬大吉。)
(注:子孫是れ官爻の忌神にして、一たび動けば則ち官を剋す。若し官旺にして子孫衰なれば、過ぎず小さの過失有るのみ。若し子孫旺にして官衰なれば、則ち其の禍を受くるを要す。兄弟本は官鬼の忌む所にあらず、只是れ其の官爻の元神妻財を剋したるを嫌み、罰俸降級の憂に応ず。若し官鬼一爻独旺なれば、必ずしも元神に靠らずして亦照様順利升擢す。卦中若し子孫と妻財と皆動けば、官爻反て子の財を生じ財の官を生ずるの層層相生を得て、生を貪りて剋を忘れ、反て是れ大吉なり。)
自占世爻,蓋不可空,空則當升而未遷,有位而無司,在任而居閒,帶罪而立功也,他占則否。隨官入墓,助鬼傷身,仕宦之所忌也,衰旺皆凶。六合六沖,非仕宦之所忌,沖而旺相,三月之淹,合而休囚,五年之滯。猶有晉升為吉,屯蹇為凶,亦不可遺也。(凡占晉升屯蹇四象,值言吉凶,無論官鬼。)
自己占するは、世爻落空す可からず。落空すれば即ち是れ升るべきも而して未だ遷らず・官位有りて而して実職なし・任上に在りて而して清閒無事、或いは是れ罪を帯びて功を立つなり。若し別人に替わりて占せば、則ち忌まず。随鬼入墓・助鬼傷身は、是れ官を做る最も忌む所にして、衰旺を論ぜず皆凶なり。六合・六沖本は官を做るの忌む所にあらず。沖に逢いて而して旺相なれば、過ぎず淹滞三箇月のみ。合に逢いて而して休囚なれば、卻て停滞五年を要す。此の外《晋》《升》を得るを吉と為し《屯》《蹇》を得るを凶と為す、此の一層も亦遺漏す可からず。(注:凡そ仕途を占して《晋》《升》《屯》《蹇》此の四卦に遇えば、則ち径に吉凶を断じ、必ずしも再び官鬼を論ぜず。)
問升遷,卜得日月之官,則超遷也,得旺相之官,則平升也,得休囚之官,則未轉也。旺相而動尤速也,休囚而靜更遲也。遇空失望,遇破阻謀,遇散枉求,遇絕難始,遇世空而弗遂其占也。毋謂官伏,得助亦升,毋謂子動,得日月亦升,毋謂沖合,得交重亦升,毋謂隨助,得旺相亦升。(專考官爻,代占不忌世空。)
升遷を問うに、正しく日建月建に当たるの官爻を占得すれば、即ち是れ級を越えて超遷す。旺相の官爻を得れば、是れ歩歩に按じて平級升なり。休囚の官爻を得れば、則ち還て転成らず。官爻旺相にして而又発動すれば、升ること尤も快し。休囚にして而又安静なれば、則ち更に慢し。官爻空に遇えば則ち失望し、破に遇えば則ち事を謀る受阻し、散に遇えば則ち白く一場を求め、絶に遇えば則ち難く起步し、世爻落空に遇えば則ち此の占遂わず。官爻伏蔵すれば則ち升る能はずと為すを以てせず——扶助を得れば照様升る。子孫発動すれば則ち升る能はずと為すを以てせず——官日月を得れば照様升る。逢沖逢合すれば則ち升る能はずと為すを以てせず——官爻交重発動すれば照様升る。随鬼入墓・助鬼傷身すれば則ち升る能はずと為すを以てせず——官爻旺相なれば照様升る。(注:此の段は専ら官爻を看る。別人に替わりて占せば則ち世爻落空を忌まず。)
其升何時,值月為法,逢生旺而會推,遇扶助而高擢。再筮是期,世實官崇,非復他日也。(如兩官一強一弱,其弱值月則升,如亥建壬戌日,占遷得豐,季冬始升是也。一官必求值月,可以占驗,如長生臨官,得官有氣,亦可升遷,生助之月亦然,而不若值月為最,長生次之。)
何時に升るかを問うに、官爻月に値するをもって准と為す。生旺の月に逢えば則ち会同推挙せられ、扶助の月に遇えば則ち高擢せらる。若し再び某の具体の日期を占せば、只世爻充実・官爻高旺なれば、則ち必ずしも別に別日を等つを要せず。(注:如し卦両箇の官爻一強一弱有れば、其の弱き者月に値する時に升る。例えば亥月壬戌日遷転を占し、《豊》卦を得、冬末に到りて始めて升りき。若し只だ一箇の官爻有れば、則ち一定要して其の月に値するを求めて、始めて准を占得す。官爻若し長生・臨官に居りて而して気有れば、亦以て升遷す可し、其れを生助するの月份も亦一様なり、然るに皆月に値するの最も准なるに如かず、長生其の次に之く。)
其升何方,官屬為法,屬金而當升任於西土,屬木而當治事於東方,屬水而當齊民於北海,屬土而當秉政於中央,屬火而當為化於南隅也。(不拘官爻衰旺,及十二支神,大略以五行分之多驗,如戌建戊申日,占何方得革,以支神言,則以丑官東北,未官西南,後應擢河南中土,其他仿此。)
何の方向に升るかを問うに、官爻所属の五行をもって准と為す。官爻金に属すれば、当に西方に升任すべし。木に属すれば、当に東方に事を治すべし。水に属すれば、当に北方に於て民を治すべし。土に属すれば、当に中央に於て政を秉るべし。火に属すれば、当に南方に於て化を施すべし。(注:必ずしも官爻の衰旺に拘泥らず、亦必ずしも十二地支に拘泥らず、大略五行に按じて以て分かつを最も応験と為す。例えば戌月戊申日何方に升り往くを占して《革》卦を得。若し地支に按じて説けば、丑土官爻当に東北に在り・未土官爻当に西南に在るべし。後来卻て河南に擢升せり——正しく是れ中央の土なり。其余此に照らして類推せよ。)
若獨發離宮,關南柱石,單搖坎卦,塞北屏藩。其在巽也,興教化於東南,其在乾也,立功名於西北。兌當隴蜀,震偏齊魯,艮行遼薊之漠,坤來秦晉之疆也。(凡獨發,則以八宮斷方數,其他則以五行斷地利也,舉天下而言之,弗拘鄉、任。)
若し官爻離宮に独発すれば、則ち関南の柱石の臣を作す。坎卦に独動すれば、則ち塞北の屏藩を作す。巽宮に在れば、則ち東南に到りて教化を興す。乾宮に在れば、則ち西北に到りて功名を立つ。兌宮に在れば当に隴・蜀に往き、震宮に在れば偏に斉・魯に在り、艮宮に在れば遼・薊一帯の辺漠を行くを要し、坤宮に在れば則ち秦・晋の疆に往く。(注:凡そ官爻独発すれば、則ち八宮を用いて方位を断ず。其余の情形は則ち五行を用いて地利を断ず。これ是れ整個の天下に就きて言うにして、本郷或いは現任の地に拘らず。)
一世官則以禽宿為分野,一伏官則以飛神為地方,然占官而不占世也,既仕以官為象,而不執世。(卦中一爻官鬼復居世上,當用演禽二十八宿分屬、何處、祿仕是也,如亥建戊寅日,卜升方得同人,亥官居世,京房降宿危星,後擢齊地分野。卦內無官,當求伏官之上飛神,以為任所是也,如酉建乙巳日,占升方得頤,丙戌世伏己酉官,後擢西北,餘仿此。)
官爻若し正好世爻の上に在れば、則ち二十八宿の分野を用いて以て地方を定む。官爻若し伏蔵すれば、則ち其の上面の飛神を用いて以て地方を定む。然るに此処占する是れ官にして是れ世にあらず。既に已に官を做れば、則ち官爻をもって取象し、必ずしも世爻を死執せず。(注:卦中只だ一箇の官鬼にして而又恰好世爻の上に在れば、則ち当に演禽法の二十八宿分属を用い、何の処に在りて任職し禄を食むべきを看るべし。例えば亥月戊寅日何方に升り往くを占して《同人》を得。亥水官爻世に在り、京房降宿に按じて危星に属し、後来果して斉地の分野に擢升せり。若し卦内官爻なければ、則ち伏蔵官爻上面の飛神を求め、之をもって任所を定む。例えば酉月乙巳日何方に升り往くを占して《頤》卦を得。丙戌世爻の下己酉官爻を伏す、後来西北に擢往せり。其余此に照らして類推せよ。)
歸魂屢復舊任,游魂嘗履新途。六沖伏藏則遠,六合出現則近,內近地而外遠方,初接壤而六邊鄙也。(凡卦中只一官爻,在內為近,在外為遠,初爻近,六爻遠,餘爻類推之。若遇內外兩官,則考其卦,游魂六沖伏藏應遠,歸魂六合出現應近。蓋一官以內外分遠近,兩官以卦象分遐邇。)
帰魂卦を得れば、多半是れ旧職に回任す。游魂卦を得れば、往々にして新途に走上る。六沖に逢い・官爻伏蔵すれば、任所即ち遠し。六合に逢い・官爻出現すれば、任所即ち近し。官爻内卦に在れば是れ近処にして、外卦に在れば是れ遠方なり。初爻に在れば是れ接壤の地にして、上爻に在れば是れ辺遠の郷なり。(注:凡そ卦中只だ一箇の官爻は、内卦に在るを近と為し外卦に在るを遠と為す。初爻最も近く上爻最も遠し、其余各爻類推す。若し内外卦各々一箇の官爻有れば、則ち卦体を考察す。游魂・六沖・官爻伏蔵は、遠方に応ず。帰魂・六合・官爻出現は、近処に応ず。見る可し、一箇の官爻は則ち内外を用いて遠近を分かち、両箇の官爻は則ち卦象を用いて遠近を分かつを。)
有指而筮得是地乎,貞沖合沖、官壞世空,則非食祿之方。有卜考選升調,而筮得是官乎,世實官旺,則為應拜之職。(考職選官,升任調缺,或指是地是官,而筮同此法。)
人の某地を指定して来たりて「是れ此の地方たるや否や」を占する有り。若し本卦六沖・合処逢沖、或いは官爻敗壊・世爻落空すれば、則ち是れ禄を食むの郷にあらず。人の考選升調を占して而して「是れ此の官たるや否や」を問う有り。世爻充実・官爻旺相なれば、則ち是れ当に任を受くべきの職位なり。(注:職を考え・官を選び・任を升り・缺を調す、或いは某地某官を指定して来たりて占するは、皆此の一套の弁法を用う。)
概占當得何官,則專察官爻,以八卦而別其屬之部曹。(乾為天官,古稱冢宰,木天之臣,屬朝廷禁內雜職,及廄馬之司。坎為冬官,古稱司空,總河總漕之務,司臺諫,屬天下之水利者。艮為閽寺,司晨門之吏,防禦備衛之僚,治獄禁,屬礦藏寶庫錢局之類也。震為春官,古稱宗伯,師傅太子東宮,或總試總裁,及司宗廟祭祀禮樂文章之官也。巽為天使,及司上林,奉命申四方者,上差之僚佐也。離為夏官,古稱司馬,專耳目之權、糾彈之事,一為端門之輔,修史之文明也。坤為地官,古稱司徒,司天下農事,有土之官也,疆場社稷之任,母后之內臣爾。兌為秋官,古稱司寇,司言語,職刑罰,通章疏,主上膳之事也。)
籠統に何の官を得べきを占せば、則ち専ら官爻を察し、八卦を用いて以て其の何れの一部曹に属するかを分別す。(注:乾は天官と為り、古称冢宰、即ち吏部にして、是れ禁近の臣にして、亦朝廷宮禁内の雑職および廐馬の司を管す。坎は冬官と為り、古称司空、即ち工部にして、総河・総漕の務を管し、亦台諫を主り、凡そ天下水利の職皆其れに属す。艮は閽寺と為り、是れ晨昏門禁を掌管するの官吏にして、亦是れ防御守衛の僚属にして、刑獄牢禁および鉱蔵・宝庫・銭局の類を管す。震は春官と為り、古称宗伯、即ち礼部にして、是れ太子東宮の師傅、或いは総試・総裁の職および宗廟祭祀・礼楽文章を主管するの官なり。巽は天使と為り、又上林苑を主り、是れ命を奉じて四方に宣達するの人にして、上級差遣の僚佐に属す。離は夏官と為り、古称司馬、即ち兵部にして、専ら耳目の権と糾察弾劾の事とを掌り、亦端門の輔・史を修めるの文明の職を作す可し。坤は地官と為り、古称司徒、即ち戸部にして、天下農事を主管し、是れ土有るの官にして、疆場・社稷の任を擔い、亦母后宮中の内臣を指す可し。兌は秋官と為り、古称司寇、即ち刑部にして、言語を主り・刑罰を掌り・章疏を通進し、亦御膳の事を主る。)
以六爻而辨其位之高卑。(凡官在初爻為散缺,一為本鄉官守。在二爻為縣邑,一為諫議大臣、相國學士。在三爻為守牧,一為三司首領,及大衙門隨從之官。在四爻為司道,一為九卿六曹,及近君之臣也。五乃君象,非臣所居,惟代天巡狩之官,及欽命欽差者當之。六爻為貴戚之鄉,及宗廟功勳之臣、高尚之士、輔相王府之官、四圍之股肱也。武途封職,其義相類。)
六爻を用いて以て官位の高低を分辨す。(注:官爻初爻に在れば是れ閑散の缺にして、亦可是れ本郷の官守ならん。二爻に在れば是れ県邑の職にして、亦可是れ諫議大臣・宰相・学士ならん。三爻に在れば是れ州府守牧にして、亦可是れ三司首領および大衙門の裡の随従属官ならん。四爻に在れば是れ司道の職にして、亦可是れ九卿六部および君に近きの臣ならん。第五爻是れ君位にして、是れ臣子の居る所にあらず、只有だ天に代わりて巡狩するの官および欽命欽差のみ当たるを得たり。上爻是れ貴戚の郷にして、亦是れ宗廟功勲の臣・高尚の士・王府を輔佐するの官および朝廷四囲の股肱なり。武職封授は、義例此と相類す。)
以五行而分其官之職掌。(凡金官必司兵事,或執刑衡。木官必司工務、禮樂苑囿、車輿舟楫,及桑麻、製造之事。水官必司江淮河海,及水利鹽務、稅餉漕儲。火官必司文章、參劾、祭祀,及冶鑄、喉舌之權。土官必司土地農田、社稷邊疆,及陵寢、屯守之柄也。)
五行を用いて以て此の官の職掌を分辨す。(注:金性官爻必ず兵事を主管し、或いは刑罰権衡を執掌す。木性官爻必ず工務・礼楽・苑囿・車輿舟楫および桑麻・製造の事を主管す。水性官爻必ず江淮河海および水利・塩務・税餉・漕運儲備を主管す。火性官爻必ず文章・参劾・祭祀および冶鋳・言を代う喉舌の権を主管す。土性官爻必ず土地農田・社稷辺疆および陵寝・屯守の柄を主管す。)
以六神諸監,而參考其官之政事。(青龍則其政清耀,文章詩賦清花之府也。朱雀則其政剖斷,諫議善惡,折辨是非,言路之官也。勾陳則其政田土,興教勸農,治寇保民,一方之牧也。騰蛇則其政傳宣,往來馳驟,浮沉體察,差遣之利也。白虎則其政威武,掌生殺之權,秉軍旅之事,刑罰之宰也。元武則其政水利,司捕司謀之象也。文昌為翰林,官符為有司,天馬為欽差,天獄為禁吏,斗木獬,巡方之官也,尾火虎,兵權之主也,星日為馬,聖傳之司也,亢金龍,文章之相也。大抵五行六爻八宮為經,六神諸星為緯以參之。)
六神と各種の星煞とを用いて以て此の官の弁ずる所の政事を参考す。(注:官爻青龍を帯ぶれば、其の政務清雅顕耀にして、文章詩賦の清要の府に属す。朱雀を帯ぶれば、其の政務剖断に在り、善悪を諫議し・是非を辨明す、是れ言路の官なり。勾陳を帯ぶれば、其の政務田土に在り、教化を興し・農桑を勧め・盗寇を治め・百姓を保つ、是れ一方の守牧なり。騰蛇を帯ぶれば、其の政務伝宣に在り、往来奔走し・上下体察す、得る所是れ差遣の利なり。白虎を帯ぶれば、其の政務威武に在り、生殺の権を掌り・軍旅の事を秉る、是れ刑罰を執掌するの官なり。元武を帯ぶれば、其の政務水利に在り、亦是れ緝捕・参謀を主管するの象なり。文昌を帯ぶるは是れ翰林にして、官符を帯ぶるは是れ有司にして、天馬を帯ぶるは是れ欽差にして、天獄を帯ぶるは是れ獄吏なり。斗木獬是れ巡方の官にして、尾火虎是れ兵権を主るにして、星日馬是れ聖命を伝達するを掌るにして、亢金龍是れ文章の相なり。大抵五行・六爻・八宮をもって経と為し、六神・衆星をもって緯と為し、交錯して参看す。)
日月以像之,世應以度之,君臣以位之,是故獨發論宮,一爻論位,兩現而求諸屬,俱無而考諸伏與變,伏占飛神,變占八宮,伏變這法,亦可離位屬也。欲知當世之官守,以象求之,雖代有更名,理不遠矣。(凡官臨日月建,若非社稷之臣,定是直節科道之官。官爻持世為正印,臨應為左右之職。五爻為君,非御史而當寵幸之臣;二爻為大臣,為宰相,而為國家之儀表。官爻獨發,但論八宮,官爻一位,但論六爻,官爻兩現,但論所屬,卦無官鬼,則求伏上飛神,以位屬辨之,卦有動象,則求所變官爻,以八宮別之。)
再び日月を用いて以て其れを印証し、世応を用いて以て其れを衡量し、君臣の位を用いて以て其れを安頓す。ゆえに、官爻独発すれば則ち卦宮を論じ、只有だ一箇の官爻あれば則ち爻位を論じ、両爻並現すれば則ち其の所属するの五行を求め、卦中全く無ければ則ち伏神と変爻とを考察す——伏神は則ち其の上面の飛神を占し、変爻は則ち其の化入する所の八宮を占す。伏と変の此の両法も、亦以て爻位と五行の属とを離れて来たりて単看す可し。当今の官職名目を知らんと欲せば、則ち此の等の象を用いて去りて求めよ。歴代官名更改する所有るといえども、道理卻て相去ること遠からず。(注:凡そ官爻日建・月建に臨むは、是れ社稷重臣ならずんば、必定是れ直言敢諫の科道の官なり。官爻世を持するは是れ正印実職にして、応爻に臨むは是れ佐弐の職なり。第五爻は君と為る、是れ御史ならずんば即ち是れ寵幸を受くるの臣なり。第二爻は大臣と為り宰相と為る、是れ国家の儀表なり。官爻独発すれば則ち只八宮を論じ、只有だ一箇の官爻あれば則ち只六爻の位を論じ、官爻両現すれば則ち只所属する五行を論ず。卦中官鬼なければ、則ち伏神上面の飛神を求め、爻位と五行の属とを用いて去りて分辨す。卦中動爻有れば、則ち化出する所の官爻を求め、八宮を用いて去りて分別す。)
補官起服、援例納粟,戒世空而反遁也。圖差代役、選缺參房,問成乎,沖不利謀也,世不利空也,官不利壞也,問財則不利財虛,問辱則不利官克世也。或筮久任乎,三沖游魂則不久,官壞而罷職,世空而解組,官克世而參謫。或筮履任身安乎,隨墓助傷,及任乃病,世破鬼發,臨政抱災也。(久任以官為官,身安以官為病,卜筮用爻,妙在變爾。)
官を補し・服満起復・例に援りて捐納するは、世爻落空して而して反て退縮を致すを戒むるを要す。差事を謀り・人に代わりて役を当たり・缺を選び・衙門に到りて参見す。若し能く成るや否やを問えば、沖に逢うは謀に利ならず、世爻落空に利ならず、官爻敗壊に利ならず。若し銭有るや無しやを問えば、則ち妻財虚弱に利ならず。若し辱を受くるや否やを問えば、則ち官爻世を剋するに利ならず。若し能く久任するや否やを占せば、六沖に逢い・游魂卦を得れば則ち久からず。官爻敗壊すれば則ち職を罷むを要し、世爻落空すれば則ち印を解くを要し、官爻世を剋せば則ち参劾貶謫せらるるを要す。若し任に到るの后身体平安なるや否やを占せば、随鬼入墓・助鬼傷身に遇えば、一たび任に到れば則ち病む。世爻逢破して而して官鬼発動すれば、政に臨むの期間即ち災を抱くを要す。(注:久任を占する時は官爻をもって官職と為し、身安を占する時は官爻をもって病患と為す——卜筮用爻を取るは、妙即ち能く事に随いて変通するに在り。)
求薦獎,而遇官文破壞,恐薦賢之不力,鬼象克世,慮獎餙之非真。世值空亡,求榮不遂,望擢難遷。謫官開復,亦同此推。(民間坊匾、旌表、冠帶、衣巾、鄉賢、鄉飲等事同類。)面聖上書,叩閽獻策,遁不可遇也。見六沖而上下睽隔,受五克而披君逆鱗,五位傷而忠言逆耳。若條陳於將相,喜官興而忌克世也。(五克謂五爻克世,五位,謂五爻空破絕散也。)
人に求めて荐挙奨叙せらるるに、若し官爻・文書爻破壊に遇えば、恐らく賢を荐するの人力を出さざらん。官鬼の象世を剋すれば、則ち擔心する奨賞褒飾是れ真心ならざらんを要す。世爻正しく空亡に値すれば、榮を求めて遂わず・升を盼んで遷り難し。貶せられたるの官原職を開復するを求むるも、亦此に照らして推断す。(注:民間の牌坊・匾額・旌表・冠帯・衣巾・郷賢名分・郷飲酒礼の類を求むるは、皆同一類に属す。)聖に面して書を上り・閽を叩いて策を献ずるに、《遯》卦に遇えば則ち行われず。六沖に逢うは、是れ上下睽隔なり。第五爻に剋せらるるは、是れ君王の逆鱗を触犯す。第五爻傷を受くるは、是れ忠言耳に逆らうなり。若し是れ将相に向かいて条陳建議せば、官爻興旺を喜びて而して其の世を剋するを忌む。(注:いわゆる「五剋」は、是れ第五爻世爻を剋す。いわゆる「五位傷」は、是れ第五爻空・破・絶・散に逢うなり。)
夫在任而防參罰,惡子動而好官興,世空則離任。離任而慮後患,好子動而惡官興,世空則無事。大計之問,求官鬼之無瑕,索世爻之有氣,官臨日月生扶,定膺卓意廉能之選,子孫動而有降職之憂,兄弟搖而有罰傣之議,兼逢官破,致仕還鄉。養親給假,告病休官,若官克世而被惡,官爻破絕空散,誰明高蹈之懷,世象隨墓助傷,反受風塵之縛。任亂地而求身安,隨墓助傷、世窮鬼發非祥,任危邦而求爵顯,官隆世實則吉。(設如治河防決,忌鬼動鬼克,抽稅徵商,忌應空財壞。考卷有瑕用父母,徵徭無用妻財,在占者志此用此,志彼用彼也。)
任上に在りて而して参劾処罰せらるるを防ぐは、子孫発動を悪み官爻興旺を喜ぶ。世爻落空すれば則ち任を離れるを要す。已に任を離れて而して後患を慮及るは、子孫発動を喜び官爻興旺を悪む。世爻落空すれば反て無事なり。大計考核を占するは、官鬼无瑕・世爻有気を要す。官爻日月に臨みて又得生扶すれば、必定卓異廉能の列に入选せん。子孫発動すれば、職を降らるるの憂有り。兄弟揺動すれば、俸を罰するの議有り。若し再び官爻月破に逢えば、則ち仕を致し郷に還るを要す。親を養い假を請い・病を告げ官を辞するを占するに、若し官爻世を剋せば、則ち上司の厭悪を遭うを要す。官爻逢破・臨絶・落空・被散すれば、誰か能く我が高蹈隠退の懐を体諒せんや。世爻若し随鬼入墓・助鬼傷身に逢えば、反て仍お風塵俗務に羈絆せらる。動乱の地に在りて官を為し而して平安を求むるに、随鬼入墓・助鬼傷身・世爻窮困にして而して官鬼発動に遇うは、皆吉祥ならず。危邦に在りて官を為し而して爵位顕達を求むるに、官爻隆盛・世爻充実なれば則ち吉なり。(注:譬ば河を治め決口を防ぐは、官鬼発動・官鬼世を剋するを忌む。税を抽ち商を徴するは、応爻落空・妻財敗壊を忌む。考巻瑕疵有るは父母爻を用い、徭役を征派するに着落なきは妻財爻を用う。要之占者心里何れの一頭に重んずるかは、則ち何れの一頭の用神を用う。)
凡公揭參疏,猶詞訟也,先占上意從違,次考應爻生克。何時交代,官鬼墓絕、子孫生值以為期;何時官來,毋拘士庶僚役,官鬼生旺以為實。覓人代署,應空誰為代之,或從官,或從人,用爻當晰也。(官來,指其爵也,人代,指其人也,用爻微細如此。)
凡そ公開に掲発し・疏を上りて参劾するは、詞訟を占するに相同なり。先ず上司の意思是れ准是れ駁を占し、其次応爻の生剋を考察す。何時に任事を交卸するを問うは、官鬼入墓臨絶・子孫生に逢い日に値するをもって期と為す。新官何時に任に到るを問うは、求占するは士人・平民還是れ同僚差役を論ぜず、一律に官鬼生旺の時をもって実と為す。人を找めて官職を代理せしむるに、応爻落空すれば則ち人の為に代わるを替えんとするなし。此処或いは官爻より取用し・或いは人事より応爻を取る、用神必ず分辨清楚するを要す。(注:「官来」を問うは其の官職を指し、「人代」を問うは其の人を指す——用爻を取るの分寸細密此の地步に到るなり。)
太醫、僧綱、道紀,所喜惟官旺財備,所戒乃鬼克世空,以及隨助也。)(凡占雜職皆同此。)衙門裁革,止察官爻,公議短長,惟求鬼象,國務行止,專從五位也。(官旺則不裁。公議將行之事,鬼破則中止。興革損益,得君命為行止,五爻克世,則不行也。)
太医院・僧綱司・道紀司此の類の職位を占するは、所喜只だ是れ官爻旺相・妻財斉備のみ。所戒是れ官鬼世を剋し・世爻落空および随鬼入墓・助鬼傷身なり。(注:凡そ各種の雑職を占するは皆此に照らして弁理す。)衙門裁革せらるるや否やを占するは、只官爻を察す。公議の是非長短を占するは、只官鬼の象を求む。国家政務是れ行是れ止を占するは、専ら第五爻を看る。(注:官爻旺相なれば則ち裁せられず。公議の中将に施行せんとするの事は、官鬼逢破すれば則ち中止す。利を興し弊を除き・制度を増損するは、君命の行止を決定するを看るを要す。第五爻若し世を剋せば、則ち行い通らず。)
用人章第六十三
古之治國者,莫難於知人,知人善任,而庶事有濟,況於營家治生者乎?任僕以財為用,任人以應為尊,三沖則鮮克有終,克世則中懷不利。任長以父,任幼以子,任士以福,任臣以應,因其任而為用也。以生世為忠良,克世為奸惡,空則無能,或不為我力,散則無心,或不從我用,破不一向,絕不先勞也,縱生世而不得其力。任文以父,任賈以財,任畜牧以子孫,任交遊以兄弟,而應象皆不可病。蓋應為根本,藝為枝葉,應空破,雖父旺而不文。
古代国を治むるは、最も難きは是れ人を知るなり。能く人を知り善く任ずれば、各種の事情始めて弁じ成るを得たり、況んや是れ家業を経営し・生を謀り日を度るの人をや。僕人を任用するは妻財をもって用神と為し、外人を任用するは応爻をもって尊と為す。六沖に逢えば、甚だ少なき能く善終する者。用神世を剋せば、其人心里我に対して利あらず。長輩を任用するは父母爻を用い、晩輩を任用するは子孫爻を用い、士人を任用するは子孫爻を用い、臣属を任用するは応爻を用う——任用する所の身份に按じて去りて用神を取れ。用神世を生ずれば、其人忠良なり。世を剋せば、其人奸悪なり。用神落空すれば、其人無能にして或いは肯んじて我が為に力を出さず。沖散せられれば、其人無心にして或いは我が使喚を聴かず。破に逢えば、其れ心志専ならず。臨絶すれば、其れ肯んじて先に力気を出さず——此の几種便ち世を生ずるも、亦其の実力を得ず。文士を任用するは父母爻を用い、商賈を任用するは妻財爻を用い、畜牧の人を任用するは子孫爻を用い、往来交游の人を任用するは兄弟爻を用う。而して応爻是れ如何なる情形の下に在りても皆病有る可からず。応爻是れ根本にして技芸是れ枝葉たるをもってなり。応爻落空逢破すれば、縦ち父母爻旺相するも、其人も亦文する能はず。
六親之推,父母為才能,弟兄為詭詐,子孫為善良,妻財為術技,官鬼為強梁也。先忠後侫者,子化官,先奸後義者,鬼化財也。(必因生克,而後言吉凶。)六神之推,帶青龍而生,則得彈鋏之賢,隨青龍而克,則惟藏刀之詐。虎生世者,剛而直,虎克世者,勇而暴。雀生世者,辯而忠,雀克世者,侫而奸。武生世者,智而敏,武克世者,巧而賊。騰蛇生克,分損益之虛浮,勾陳克生,分善不善之遲滯也。(若來生世,雖凶亦吉,如來克世,雖吉為凶。)
六親の上より推すに、父母爻は才干有るを主り、兄弟爻は詭詐を主り、子孫爻は善良を主り、妻財爻は技術有るを主り、官鬼爻は強横を主る。先ず忠にして後に奸なるは、是れ子孫官鬼を化出す。先ず奸にして後に義なるは、是れ官鬼妻財を化出す。(注:還て必ず生剋を結合して、然る后好く吉凶を説くを得たり。)六神の上より推すに、用神青龍を帯びて而して来たりて世を生ずれば、則ち馮諼の如く鋏を弾じて自薦するの賢士を得たり。青龍を帯びて而して来たりて世を剋すれば、則ち只是れ笑裡刀を蔵するの奸詐なり。白虎世を生ずれば、其人剛強にして而して正直なり。白虎世を剋せば、其人勇猛にして而して暴戾なり。朱雀世を生ずれば、其人善弁にして而して忠誠なり。朱雀世を剋せば、其人巧言にして而して奸邪なり。元武世を生ずれば、其人機智にして而して敏捷なり。元武世を剋せば、其人機巧にして而して陰賊なり。騰蛇の生と剋とは、得る所是れ益か是れ損か・其人是否虚浮を分かち出す。勾陳の剋と生とは、其人是れ善か是れ不善か・是否遅鈍滞緩を分かち出す。(注:只要だ来たりて世爻を生ずれば、縦ち是れ凶神も亦吉なり。若し来たりて世爻を剋せば、縦ち是れ吉神も亦凶なり。)
動於八宮,則察八宮之情,坐於五行,則推五行之性,星煞詳之,衰旺考之,則人之賢不肖,可藉蓍而得也。(八宮專論獨發,五行六神諸星,惟論用爻所值,如動於乾,生世為剛健,克世為驕恣;發於坤,生世為柔順,克世為阿逢;在震,生世為正直,克世為暴戾;在巽,生世為伶俐,克世為風從;在坎,生世為智巧,克世為奸險;在離,生世為明識,克世為浮燥;在艮,生世為篤實,克世為疑滯;在兌,生世為和悅,克世為諂侫。
用神何れの一宮に在りて動く、則ち其の一宮の情性を察す。何れの一五行に坐す、則ち其の一五行の性質を推す。再び星煞を詳審し・衰旺を考究せば、然らば則ち一箇の人の賢と不肖とは、以て蓍卦に憑りて得知るを可とす。(注:八宮は専ら独発の爻に就きて以て論ず。五行・六神・衆星は則ち只用爻の値する所を論ず。例えば用神乾宮に在りて動けば、世を生ずるは是れ剛健にして、世を剋するは是れ驕縦なり。坤宮に発すれば、世を生ずるは是れ柔順にして、世を剋するは是れ逢迎なり。震宮に在れば、世を生ずるは是れ正直にして、世を剋するは是れ暴戾なり。巽宮に在れば、世を生ずるは是れ伶俐にして、世を剋するは是れ風に随いて倒るるなり。坎宮に在れば、世を生ずるは是れ智巧にして、世を剋するは是れ奸険なり。離宮に在れば、世を生ずるは是れ明識にして、世を剋するは是れ浮躁なり。艮宮に在れば、世を生ずるは是れ篤実にして、世を剋するは是れ多疑遅滞なり。兌宮に在れば、世を生ずるは是れ和悦にして、世を剋するは是れ諂媚なり。
水之為賢曰智,為不肖曰賊;火之為賢曰急,為不肖曰縱;木之為賢曰慈,為不肖曰懦;金之為賢曰剛毅,為不肖曰強橫;土之為賢曰敦信,為不肖曰愚蠢也。驛馬之生也,勤於趨走,克也,數於往來;天財之生也,善於生息,克也,善於貪攘;官符之生也,長於智謀,克也,長於訟斗;咸池之生也,能於工技,克也,溺於酒色。生世,則有益於己而為賢,克世,則有損於己而為不肖。
水に属するは、長処是れ聡明にして、短処是れ陰賊なり。火に属するは、長処是れ敏捷にして、短処是れ放縦なり。木に属するは、長処是れ慈厚にして、短処是れ懦弱なり。金に属するは、長処是れ剛毅にして、短処是れ強横なり。土に属するは、長処是れ敦厚守信にして、短処是れ愚鈍なり。駅馬を帯びて而して世を生ずるは、是れ奔走に勤し。世を剋するは、即ち是れ往来常なし。天財を帯びて而して世を生ずるは、是れ経営生息に善し。世を剋するは、即ち是れ貪婪掠夺なり。官符を帯びて而して世を生ずるは、是れ智謀に長ず。世を剋するは、即ち是れ訟を好み争闘す。咸池を帯びて而して世を生ずるは、是れ能工巧技なり。世を剋するは、即ち是れ酒色に沉溺す。要之世を生ずれば即ち是れ我に於て益有りて而して賢と為し、世を剋すれば即ち是れ我に於て損有りて而して不肖と為す。
測隠章第六十四
(內詳喜怒害助測物)事多蒙昧,跡涉嫌疑,人心之誠偽喜怒,物象之有無完缺,善筮者,亦可以意得之。故筮誠偽者,專察用象,疏則用應,親察六親。用空則不實,用破散則非真,用絕則其習不堅,用動則其操不篤。化於生扶子孫,善而可親,化於克沖官鬼,惡而宜避。測人喜怒,用神沖剋世爻,則怨惡相加,空散破絕,則憂喜無實;居白虎而生世,怒而不遷,居青龍而克世,喜不相及;卦沖而爻生,外怒而內悅,卦合而爻克,先喜而後嗔。喜怒之占,生克為重,沖合為輕。
(本章は詳しく喜怒・是れ害か是れ助か・物を測る等の問目を列す。)事情往々にして暧昧不明にして、行跡嫌疑に渉る。人心の誠偽喜怒・物象の有無完缺は、占筮に善きの人も亦能く卦意に憑りて求むるを得たり。ゆえに人の誠偽を占するは、専ら用爻の象を察す。関係疏远するは応爻を用い、関係親近するは六親に按じて用を取る。用神落空すれば、其れ実在せず。用神逢破被散すれば、其れ真心にあらず。用神臨絶すれば、其れ操守堅ならず。用神発動すれば、其れ持守篤からず。用神生扶子孫の之爻を化出すれば、其人善良にして親しむ可し。剋沖の官鬼の之爻を化出すれば、其人険悪にして避くるに宜し。人の喜怒を測るに、用神世爻を沖剋すれば、即ち是れ怨悪我が身に加わるなり。用神落空・被散・逢破・臨絶すれば、是れ憂喜皆実在せず。用神白虎に居りて而して世を生ずるは、是れ怒を発すれども而して我に怒を遷さず。青龍に居りて而して世を剋するは、是れ喜有れども而して我に輪到せず。卦六沖に逢いて而して爻来たりて我を生ずるは、是れ外面怒を発して而して内心喜悦す。卦六合に逢いて而して爻来たりて我を剋するは、是れ先ず喜びて而して後に怒る。喜怒を占するは、生剋を重と為し、沖合を軽と為す。
筮為我害乎,克世者是,筮為我助乎,生世者是,然逢空破散絕,則損益咸虛。測物有象,父像文書,財像珍寶,鬼像妖孽,子孫像飛走之物,兄弟像工力之事。有無完缺,以用神衰旺、虛實、破散斷之,則物無遁情矣。
某人我を害せんとするや否やを占するに、世爻を剋する者即ち是なり。某人我を助けに来るや否やを占するに、世爻を生ずる者即ち是なり。然るに其れ若し空・破・散・絶に逢えば、然らば則ち我を損うを論ぜず我を益するを論ぜず、皆虚話と成る。物を測るも亦各々取象有り。父母爻は文書を象徴し、妻財爻は珍宝を象徴し、官鬼爻は妖孽怪異を象徴し、子孫爻は飛禽走獣を象徴し、兄弟爻は人工労作の物を象徴す。物の有無・完缺に至りては、則ち用神の衰旺・虚実・破散に按じて去りて断ずれば、然らば則ち物も亦遁形するに由なし。
収雇章第六十五
(內詳僱工倩人去惡防奪防非防病諸問)凡占收僱,三沖不久。收僕備驅役之使,財為用神,是以財神空,身雖從而心不向,財神破散,輕疾病而重喪亡,財神絕衰,不得其用,財神旺而生合世身者,此手足以奉腹心,財神旺而克沖世者,此幹僕而加弱主。故未收而占臧否,止忌三沖財病,雖克不嫌;已收而占去留,亦忌三沖財動,克世當去。(未收之時,財疲生世,吉而不吉,財健克世,凶而不凶。已收之後,如問忠奸去留,克世則負己,生世則盡公,豈能執吉神克世不凶乎?)
(本章は詳しく工を雇い・人を請い・悪僕を辞退し・人に奪わるるを防ぎ・是非を惹くを防ぎ・病を生ずるを防ぐ等の問目を列す。)凡そ収留雇用を占するに、六沖に遇えば則ち用いること久長ならず。僕人を収買して以て使喚に備うるは、妻財をもって用神と為す。妻財落空すれば、人随い来るといえども而して心我に向わず。妻財逢破被散すれば、軽ければ則ち病を生じ重ければ則ち死亡す。妻財臨絶衰弱すれば、則ち派し上用場に到らず。妻財旺相にして而して世爻・身爻を生合すれば、是れ乃ち手足腹心に奉事するの好僕なり。妻財旺相にして而して世爻を沖剋すれば、是れ乃ち能幹の僕人軟弱の主人を欺圧するなり。ゆえに未だ収留せざりて而して好不を占するは、只六沖と妻財病有るとを忌み、便ち其れ世を剋するも亦嫌わず。已に収留して而して去るべき留むべきを占するは、同様に六沖と妻財発動とを忌み、妻財世を剋せば則ち当に辞退すべし。(注:未だ収せざるの時は、妻財疲弱して而して世を生ずれば、看似る吉にして其の実不吉なり。妻財強健にして而して世を剋すれば、看似る凶にして其の実凶ならず。已に収めたる之后は、若し其の忠奸・去るべき留むべきを問えば、世を剋するは即ち是れ我に負け、世を生ずるは即ち是れ心を尽くすなり。此処豈に「吉神世を剋するも亦凶と算せず」の那一套を死守するを得んや。)
察其性情,專於用象,金剛、火強、水智、木仁、土信也。青龍能文,朱雀能言,白虎暴戾而元武奸,勾陳遲鈍而騰蛇浮也。八宮辨之,諸星配之。(用爻獨發而論也,在乾志高,在坤性順,震直巽奸,坎暗離明,艮訥兌侫也。角有蛟志,尾有虎性,奎有狼心,星有驥德也。隨生克衰旺,而言吉凶。)
其の性情を察看するは、専ら用爻の象を看る。金に属すれば剛強にして、火に属すれば強悍にして、水に属すれば機智にして、木に属すれば仁厚にして、土に属すれば守信なり。青龍を帯ぶるは能く文し、朱雀を帯ぶるは能く言し、白虎を帯ぶるは暴戾にして、元武を帯ぶるは奸詐にして、勾陳を帯ぶるは遅鈍にして、騰蛇を帯ぶるは浮躁なり。再び八宮を用いて去りて分辨し、衆星を用いて去りて配合す。(注:これ是れ用爻独発に就きて而して論ず。用爻乾宮に在れば、志向高し。坤宮に在れば、性情柔順なり。震宮に在れば正直にして、巽宮に在れば奸巧なり。坎宮に在れば陰暗にして、離宮に在れば明朗なり。艮宮に在れば木訥にして、兌宮に在れば諂媚なり。角宿を帯ぶるは蛟龍の志有り、尾宿を帯ぶるは虎狼の性有り、奎宿を帯ぶるは狼子の心有り、星宿を帯ぶるは駿馬の徳有り。再び生剋衰旺に随いて以て吉凶を説く。)
游魂用空者,則有逃亡之變,歸魂用破者,則有回贖之嫌。二父二官,事或兩頭之繫,三刑三破,身常四體之災。世空我疑,間動防阻也。(三破,謂歲月日之破。)僱倩人工,則應為用神,應破絕則不能美其終,應空散而不能謀其始,三沖無定,克世無良。倩蠶織之婦,婦女從財,財不可壞,僱倩從應,應不可病。應來克世,恐害吾事,合沖變沖,不可久留,八純六沖,不可暫用也。欲其去,應克世而不去,欲其來,應受阻而弗來。人可信矣,不為奪乎,應克世而被爭;人可用矣,不受非乎,官動官克而被訟;人可用矣,不有病乎,命墓、應壞、鬼動而患病。
游魂卦を得て而して用神落空すれば、僕人逃亡の変有るを会せん。帰魂卦を得て而して用神逢破すれば、原主に贖回せらるるの嫌疑有るを会せん。卦中両箇の父母・両箇の官爻は、事情或いは両頭を牽せん。三刑・三破に逢えば、其人身上常に四肢の災有り。世爻落空すれば是れ我自己疑慮し、間爻発動すれば人の中より阻撓する有るを防ぐを要す。(注:いわゆる「三破」は、是れ太歳・月建・日辰三者の破なり。)工匠人手を雇請するは、則ち応爻をもって用神と為す。応爻逢破臨絶すれば、其れ能く始有り終有る能はず。応爻落空被散すれば、其れ開頭をも謀成らず。六沖に逢えば則ち去留定まらず、応爻世を剋せば則ち其人不良なり。蚕を養い紡織するの婦人を請うに、婦女妻財爻に帰し、妻財敗壞す可からず。而して雇請の事応爻に帰し、応爻病有る可からず。応爻来たりて世を剋せば、恐らく我が事を害せん。合処逢沖・六沖を化出すは、皆留むこと久からず。八純卦・六沖卦を得れば、暫く一用するをも連れて行われず。其れを打発して去らしめんと想えば、応爻世を剋せば其れ則ち去らず。其れを叫び来らしめんと想えば、応爻受阻せば其れ則ち来らず。此の人信ず可しや、人に抢走せらるるを会せんや。応爻世を剋せば則ち人に争奪せらるるを要す。此の人用う可しや、是非を惹くを会せんや。官鬼発動・官鬼世を剋せば則ち官司を喫するを要す。此の人用う可しや、病を生ずるを会せんや。本命入墓・応爻敗壞・官鬼発動すれば、則ち病を生ずるを要す。
易冒巻之八
理財章第六十六
(內詳干謁囤積賈肆托本寄貨公門博戲借貸覓物訂會巫醫優娼工技緣募迎客脫產行險索逋奪報發伏造作脫置諸問)凡趨利之占,皆以妻財為用,因事而求,偶兼他象,是故干謁宜官,財官不可喪氣,商旅忌鬼,官鬼豈宜交重。(行商若財爻旺相,或鬼動不值雀武蛇虎,亦為有利,倘妻財空破,即應訟盜驚災。)
(本章は詳しく干謁・囤積・店を開く・本を托して経営し・貨物を寄売し・公門に利を求め・賭博・借貸・物件を尋覓し・会社を訂立し・巫医・優伶娼妓・工匠技芸・縁を化し募を捐し・客商を迎接し・産業を脱手し・険を行いて財を求め・欠債を追索し・賞報を争奪し・埋藏を開発し・手を假して造作し・貨を脱し貨を置く等の問目を列す。)凡是れ利を求むるの占は、皆妻財をもって用神と為す。再び占する所の事に随い、偶に兼ねて別の爻象を用う。ゆえに権貴に干謁するは官爻を用いるに宜しく、財・官両爻皆気を失う可からず。行商は官鬼を忌み、官鬼何の処に在りて宜しく交重発動すべきや。(注:行商若し妻財旺相なれば、便ち官鬼発動するも而して朱雀・元武・騰蛇・白虎を帯びざれば、亦仍お利有りと算す。倘若りし妻財逢空逢破せば、則ち訟事・盗賊・驚恐・災禍の上に応ずるを要す。)
囤積審脫時衰旺,養育種植類之。脫於春者,宜木象之乘財,售於冬者,惡火爻之為用。(當考所筮之時,亦宜財神有生扶,無破壞,後復遇時,方得厚利,倘占時原屬破散,失救援,縱後遇時,亦利薄也。)財審有蒂,遇時則芳,財神無根,遇時亦常。脫地有定則考時,脫時無定則隨占。(如賈肆之業,止論時下占財衰旺,不可以後來日時為應。)
貨物を囤積するは、手を出す其の時候の旺衰を審するを要す。養殖種植も亦是れ此の一類なり。春天に在りて手を出さんと要するは、妻財木象を乗ずるに宜し。冬天に在りて出售せんと要するは、則ち火爻用神を作るを悪む。(注:当に占卦当時の情形を考察すべし。亦妻財生扶有り・破壊なきを要し、日后時に逢い得て、始めて厚利を得たり。倘若りし占時妻財原本即ち破散無救なれば、縦ち後来時に逢うも、利を得るも亦薄し。)妻財根蔕有れば、時に逢えば則ち芬芳なり。妻財根なければ、時に逢うも亦平常なり。手を出すの地点已に定まれば、則ち時間を考究す。手を出すの時間定まらざれば、則ち占時に随いて以て論ず。(注:店を開き賈に坐する此の類の如きは、只眼下占得の妻財衰旺を論じ、以て以后の日子を拿りて応ずる可からず。)
賈肆之問,亦利久長;托本寄貨之問,又利始終。故三沖有始而無終,應爻破散,先忠而後侫,應爻空絕,先親而後疏,應爻克世,懷叵測而侵沒也。四者有一,縱財無克破,亦弗用之。(凡占業得財神旺相,如無夥伴,雖遇三沖,但不久而亦有利可為,惟托寄遇沖,斷無終始,財雖旺相,不可行也。)
店を開き賈に坐するの占も、亦久長を貴しとす。本を托して経営し・貨物を寄売するの占は、更に始有り終有るを貴しとす。ゆえに六沖に逢えば則ち始有りて終なし。応爻逢破被散すれば、其人先ず忠にして後に奸なり。応爻落空臨絶すれば、先ず親にして後に疏なり。応爻世を剋せば、叵測の心を懐いて而して侵呑せんと要す。此の四様一様有れば、縦ち妻財剋破を受けずも、亦其れを用う可からず。(注:凡そ経営を占して妻財旺相を得れば、若し合伙人を用いず、六沖に逢うも、只是れ做ること久からざるのみ、仍お利の図る可き有り。唯だ本を托し・寄売の占六沖に遇うのみ、断然始有りて終なく、妻財縦ち旺なるも亦行う可からず。)
趨利公門,當控官心喜怒,求財博戲,須詳應象克生。(官鬼空破,乃官不重也,若克世主有刑責,故財雖旺不吉。應爻克世,乃彼勝我也,財雖旺必先贏後輸。)借貸戒應空,是謂虛諾;覓物忌世空,是謂難得也。畋獵如之。(買貨若遇世空,妻財雖有在卦,亦主難買。)復觀所求,當分其用,飛走之靈,不用財而用子孫,衣服舟車之具,不用財而用父母。
官府衙門に到りて去りて利を謀るは、官長の喜怒を掌握するを要す。賭博して財を求むるは、須らく応爻の生剋を詳審すべし。(注:官鬼落空逢破すれば、是れ此の位の官長分量重からず。若し其れ世を剋せば、則ち刑責有るを主る、ゆえに妻財旺なるも亦吉ならず。応爻世を剋するは、是れ対方我に勝つ、妻財旺なるも亦必ず先ず赢えて後に輸す。)借貸の占は応爻落空を戒む、是れ乃ち空口許諾なり。物を尋ぬるの占は世爻落空を忌む、是れ乃ち得ること難し。猟を打つも亦一様なり。(注:貨を買う若し世爻落空に遇えば、妻財縦ち卦に在るも、亦買い手に到ること難きを主る。)再び求むる所何たるを看て、各々其の用神を分かつ。飛禽走獣の類は、妻財を用いずして而して子孫を用う。衣服舟車の具は、妻財を用いずして而して父母を用う。
訂會類於謀事,貞合沖則不聚,世應空則不會,財官陷則不成也,為人說合亦然。若筮得會,財當日月可獲也;若筮有終,三沖應壞克世非良也。(財當日月,如酉建丁酉日,占庚子日搖會,得水地比,果獲之是也。再如寅建乙卯日,占何時得會,遇豐之離,其後午月方獲,是財當月也。餘仿此。)
会社を訂立する(民間輪流して資を集むるの「会」)は、事を謀るを占するに同類なり。本卦六合にして而して合処逢沖すれば則ち聚攏せず、世応落空すれば則ち会成らず、財・官陥落すれば則ち弁成らず。人に替わりて説合するも亦一様なり。若し能く会を得るや否やを占せば、妻財正しく日建月建に当たれば則ち能く得たり。若し能く始有り終有るや否やを占せば、六沖に逢い・応爻敗壊して而して世を剋せば則ち好からず。(注:いわゆる「財日月に当たる」は、例えば酉月丁酉日庚子日会を揺るを占し、水地《比》を得、果して得着りき。又如し寅月乙卯日何時に会を得るを占し、《豊》を得て《離》に変じ、後来午月に到りて始めて得たり——是れ乃ち妻財正しく月建に当たるなり。其余類推せよ。)
巫醫之利也貴名譽,官鬼為專;優娼之利也貴皷舞,亦官鬼為務。工技之於人事也貴情好,忌應克世;僧道之於緣募也貴悅從,惡應爻空。行次迎客,彼空誰來;脫產求交,應空誰與也,交有所指,則同謀事矣。(或兼用官,或兼用應,而財神不可脫也。)
巫医の利は名誉を貴しとし、専ら官鬼を用う。優伶娼妓の利は人心を鼓舞するを貴しとし、亦官鬼をもって務と為す。工匠技芸は人と打ち交わりを相にする、情分相好を貴しとし、応爻世を剋するを忌む。僧道縁を化し募を捐するは、人家喜んで随喜するを貴しとし、応爻落空を悪む。行商途中客人を迎接するは、応爻落空すれば誰か来たらん。産業を脱手して而して成交を求むるは、応爻落空すれば誰か接けん。若し交易する所有明確の対象あれば、則ち事を謀るを占するに相同なり。(注:此の等或いは兼ねて官爻を用い・或いは兼ねて応爻を用う、然るに妻財総じて脱開する能はず。)
若行險求財,此非營生之本,未言其利,行明其害也。動傷隨墓而害大,應克世而途遇強梁,官克世而路遭羅網,鬼爻發動,虎臥當道。欲往何哉,加元武為寇盜之凶,加朱雀為鬥爭之患,勾陳為攔阻之人,騰蛇為風波之駭,白虎為災疾之危,惟青龍可以凶而吉也。(非分之求,凶多吉少,常身家俱殉,故有戒詞。)
鋌りて険を走りて去りて財を求むるに至りては、此れ本是れ生を謀るの正道にあらず。未だ其の利を講ぜざるに、先ず其の害を講明するを要す。動爻身を傷め・随鬼入墓に遇えば、害則ち大なり。応爻世を剋せば、路上強梁に遇うを会せん。官爻世を剋せば、路上法網に遭うを会せん。官鬼爻発動すれば、即ち是れ猛虎道に当たる——還て何の処に往かんや。官鬼元武を加ふれば、是れ寇盗の凶にして、朱雀を加ふれば是れ闘争の患にして、勾陳を加ふれば是れ人の攔阻する有りにして、騰蛇を加ふれば是れ風波の驚にして、白虎を加ふれば是れ災病の危なり。唯だ青龍を加うるのみ、始めて凶中吉に転ずる可能なり。(注:分ならざるの求は、凶多くして吉少なく、往々にして身家倶に毀る、ゆえに此の戒辞を立つ。)
索逋者,應克世為負心,奪報者,兄爻動為攘光。脫者宜動,留者宜靜,發伏藏者宜伏而現,假造作者宜變而建。(發伏,如開礦淘沙取藏之類。假造作,如木匠土工針線機織之類。財臨變爻,復值日月建為吉。)
欠債を追索するは、応爻世を剋するは即ち是れ対方心に負く。賞報を争奪するは、兄弟爻発動するは即ち是れ人に功を抢わるるなり。脱手せんと要するは動くに宜しく、留住せんと要するは静なるに宜し。埋藏の物を開発するは、其の伏より而して現るるに由るに宜し。手を人に假りて造作するは、其の変より而して立つに由るに宜し。(注:いわゆる「発伏」は、如し鉱を開き・沙を淘ぎ・地下埋藏を取るの類なり。いわゆる「假造作」は、如し木匠・泥工・針線・機織の類なり。妻財変爻に臨みて而又正しく日建・月建に値すれば、即ち是れ吉なり。)
財逢合而當遇,財逢沖而當起,貨人宜衰則易買,貨出宜旺則得價,財逢生旺當徵貴,財逢衰病當徵賤也。(此言貨價貴賤,收發之宜。)財爻絕,得生則脫,財爻空,得填則獲,財爻破,得補則復,財爻無,見時而得,財爻旺,墓庫而收,財爻衰,得旺則長也。化進神者日增,化退神者日減,利厚者財化生,利薄者妻化克也。(此言財爻生克補救之法。)
妻財合に逢えば、当に遇上する能くすべし。妻財沖に逢えば、当に起動する能くすべし。貨を進めるは妻財衰に宜し、衰なれば則ち買い到り易し。貨を出すは妻財旺に宜し、旺なれば則ち価に起るを売り得たり。妻財生旺に逢えば、当に貴価を徴収すべし。妻財衰病に逢えば、当に賤価を徴収すべし。(注:これ是れ貨価の貴賤と買進売出の合宜とを講ず。)妻財臨絶すれば、生を得て始めて能く脱手す。妻財落空すれば、填実して始めて能く獲得す。妻財逢破すれば、補を得て始めて能く復原す。卦中妻財なければ、其の時に値するを等たんして始めて得たり。妻財旺相なれば、墓庫に入るに到りて始めて収住し得たり。妻財衰弱なれば、其の旺に転ずるを等たんして始めて増長す。妻財進神を化すれば則ち日日増加し、退神を化すれば則ち日日減少す。利を獲ること厚きは是れ妻財我を生ずる之爻を化出し、利を獲ること薄きは是れ妻財我を剋する之爻を化出す。(注:これ是れ妻財の生剋と補救の法とを講ず。)
游魂財旺宜行,歸魂財衰宜止,六沖宜改圖而得利,六合宜需守而生財。坐世遂本地之求,居應稱他鄉之脫,現於間爻,中途反生息也。(此言脫貨之利。)財衰於內,買宜近鄉,財休於外,置宜遠所。衰而旺,其價先屈而後伸,旺而變衰,其物先金而後土也。卦無財而財且衰,價賤而不得買,卦無財而財且旺,價貴而不能買,惟現而衰,滿心得置,疊而旺,遂意得脫。(此言置貨之宜。)
游魂卦を得て而して妻財旺なれば、出行に宜し。帰魂卦を得て而して妻財衰なれば、停下に宜し。六沖に逢えば図謀を改換して始めて利を得るに宜しく、六合に逢えば守候等待して始めて財を生ずるに宜し。妻財世爻に坐すれば、則ち本地に在りて求得す。応爻に居れば、他郷に到りて手を出すに宜し。間爻に現れば、則ち中途に在りて反て能く生息す。(注:これ是れ貨を脱するの利を講ず。)妻財内卦に在りて衰弱なれば、貨を買うは近処に在るに宜し。外卦に在りて休囚なれば、貨を置くは遠方に在るに宜し。妻財先ず衰にして而して後に旺なれば、価銭先ず低く後に高し。先ず旺にして而して衰を変ずれば、貨物先ず金の如く貴く・後に土の如く賤し。卦中妻財なくて而して財又衰なれば、価賤しといえども卻て買い着けず。卦中妻財なくて而して財卻て旺なれば、価既に貴く又買い起らず。唯だ妻財現出して而して衰なるのみ、始めて称心に買い進め。妻財重畳して而して旺なるのみ、始めて如意に売り出す。(注:これ是れ貨を置くの宜を講ず。)
脫貨何為吉方,財生之處也,獨發求宮,重見求屬。置貨何為吉方,世生之所而已。(此言置脫吉方。)問何貨為善,無是法也,當分類占之,間有筮焉。財旺則以妻財所屬,財病則以子孫所屬,五行六神而考也。類金者玉石像焉,類水者魚鹽像焉,類火者陶冶像焉,類木者百果像焉,類土者五穀像焉。青龍木利,喜慶為用也,白虎金利,喪屠為用也,元武水利,酒食為用也,朱雀火利,市肆為用也,騰蛇土利,出入為用也,勾陳人事之利,農田為用也。有指而求,無自妄也。(問者意屬何類,然後以象像之,萬弗自逞聰明,以妄言語而誤趨避也。)
貨を脱して何の方向に往くか吉なるは、妻財生を得るの処なり。若し妻財独発すれば則ち其の所在するの卦宮を求め、若し妻財両現すれば則ち其の所属するの五行を求む。貨を置いて何の方向に往くか吉なるは、世爻生を得るの処而已。(注:これ是れ貨を脱し・貨を置くの吉方を講ず。)何の貨物を経営するか好きを問うは、本に一定の法なし、当に分門別類して去りて占すべし、其の間も亦偶に占す可き有り。妻財旺相なれば則ち妻財の所属するに按じて以て定め、妻財病有れば則ち子孫の所属するに按じて以て定め、再び五行・六神を用いて去りて考究す。金に属するは玉石を取象し、水に属するは魚塩を取象し、火に属するは陶冶を取象し、木に属するは百果を取象し、土に属するは五穀を取象す。青龍木に属し、喜慶の利を主る。白虎金に属し、喪事屠宰の利を主る。元武水に属し、酒食の利を主る。朱雀火に属し、市肆の利を主る。騰蛇土に属し、出入販運の利を主る。勾陳人事の利を主り、農田を取りて用と為す。明確の所指有るを要して始めて以て去りて求む可し、以て空に憑りて妄説す可からず。(注:先ず求占の人心里何れの一類に属意するを問い、然る后類に按じて取象す。千万に自ら聡明を逞し、妄りに断語を下して而して人家の趨避を誤らすなかれ。)
夫子孫生我財,喜有而有喜無,官鬼耗我財,吉安而不喜搖,兄弟克我財,喜靜而不喜動,父母為辛勞,喜抑而不喜揚。凡益財者宜其動,損財者宜其靜也。(此言六親喜忌。)傳言得萃,而經營折本,當為占者之戒云。(京子傳,以萃數缺無補,因戒占求財,興販尤忌。)
子孫能く我が妻財を生ず、ゆえに其の出現を喜びて而して其の缺を喜ばず。官鬼我が妻財を耗す、ゆえに其の安寧に宜しく而して其の揺動を喜ばず。兄弟我が妻財を剋す、ゆえに其の安静を喜びて而して其の発動を喜ばず。父母労苦を主る、ゆえに其の抑せらるるを喜びて而して其の張揚するを喜ばず。凡そ能く財を增益するは其の発動に宜しく、凡そ能く財を損耗するは其の安静に宜し。(注:これ是れ六親の喜忌を講ず。)相伝え《萃》卦を占得して而して経営本を折るは、当に占者の戒鑑と為すべし。(注:京房の伝える所は、《萃》をもって数有りて缺欠して而して弥補するに由なしと為す、此れに因りて財を求むるの占を告誡し、尤も販運を忌諱す。)
桑田章第六十七
(內詳種植召耕佃田耕牛蠶利葉價諸問)田之用財,言其耕得也,桑之用子,言其育利也,是故占西成之稔,財實則豐,財虛則荒也。所以五穀熟,為財爻之有助,百果成,為妻象之無傷。卦驗得豐,古稱大有。
(本章は詳しく種植・人を招きて耕種せしむ・田を佃す・耕牛・蚕を養うの利・桑葉価銭等の問目を列す。)田を占するは妻財を用う、説く所是れ耕種の所得なり。桑を占するは子孫を用う、説く所是れ蚕を養うの利なり。ゆえに秋収の豊歉を占するに、妻財充実すれば則ち豊収し、妻財空虚なれば則ち歉荒す。五穀成熟するは、是れ妻財爻帮助を得たるなり。百果結実するは、是れ妻財の象傷を受けざるなり。卦験の上より説けば、《豊》卦を得れば、古人之を大有収成と称す。
夫官鬼天殃也,殃不宜作,作則為稼穡之害矣。是故火鬼動,而司亢旱,水鬼發,而司淹沒,土司蟻,金司蝗,木司風,而及萎秕也。初爻田也,二爻種也,三爻為秧,四爻為苗,五為穀子,上為耕夫,鬼發於是,則為是災。鬼發初而田原瘠,鬼發二而種復植,三爻鬼動而荑稗欺,四爻鬼發而蟲蠹疾;風雨阻其結也,五象鬼興,病厄困其力也,六爻鬼作。
官鬼是れ上天降下するの災殃にして、殃発作するに宜からず、一たび発作すれば則ち庄稼の害と成る。ゆえに火性官鬼発動すれば、亢旱を主る。水性官鬼発動すれば、淹没を主る。土性は蟻害を主り、金性は蝗災を主り、木性は大風を主り、以至禾苗萎枯し・穀粒空秕す。初爻是れ田にして、二爻是れ種子にして、三爻是れ秧にして、四爻是れ苗にして、五爻是れ穀穂にして、上爻是れ耕夫なり。官鬼何れの一爻に在りて発動する、則ち其の一処の災と成る。官鬼初爻に在りて動けば、田地本より瘠薄なり。二爻に在りて動けば、種子重ねて補種するを要す。三爻に在りて動けば、稗草禾苗を欺圧す。四爻に在りて動けば、虫蛀災と成る。五爻に在りて動けば、風雨結実を阻碍す。上爻に在りて動けば、病厄人力を困住す。
若夫稻宜早晚,種宜蔬果麻豆,皆察財象逢時。春樹而秋收者,金財之宜,夏植而冬遂者,水財之利也。召人之耕,應為彼,財為息也。應爻空破散絕,則荒吾田,財爻空破散絕,則薄我息,克世則負己,三沖而無恆,惟應生合而財旺相,則得上農之助。若耘人之田,惟以財為利。筮耕牛,五爻、子爻不可病也,鬼爻不可動也,爻屬、生屬不可入鬼也。(病謂破空,生屬即丑爻也,爻屬,五為牛也,值鬼有病。)
稻早稻晩稻を分かつ・種蔬菜・瓜果・麻・豆を分かつに至りては、皆妻財の象其の時に逢い得るや否やを察す。春に種し秋に収するは、金性妻財に宜し。夏に種し冬に成るは、水性妻財に利あり。人を招きて来たりて耕種せしむるに、応爻は其人を代表し、妻財は収成を代表す。応爻空・破・散・絶に逢えば、其れ我が田を種荒するを会せん。妻財空・破・散・絶に逢えば、我が収成即ち薄し。応爻世を剋するは是れ其れ我に負け、六沖に逢うは是れ其れ恒心なし。唯だ応爻世爻を生合して而して妻財旺相なるのみ、始めて上等農夫の帮手を得着す。若し是れ別人に替わりて田を耕せば、則ち只妻財をもって利と為す。耕牛を占するに、第五爻と子孫爻と病有る可からず、官鬼爻発動す可からず、牛の所属するの爻位と所属するの生肖とも亦官鬼に落入る可からず。(注:いわゆる「有病」は落空逢破を指し、いわゆる「生属」即ち是れ丑爻にして、いわゆる「爻属」是れ第五爻牛を代表す——其れら官鬼に値すれば則ち病有りと算す。)
是故蠶以子為用,實則多獲,虛則少成,蓋子孫空破,而憂筐簇之虛,福德生扶,而喜結繅之實。筮坎兌者,雖子旺而徒勞,筮艮離蠱咸者,雖子衰而倍常也。官鬼蠶之病也,病不可發,或現於卦,或現於爻,或現於五屬,或現於六神,因事以趨,隨事以避。是以坤艮之鬼,其室不宜,乾兌之鬼,其釜不利,巽震驚風雷之暴,坎離恐水火之殃也。
蚕を養うは子孫をもって用神と為す。子孫充実すれば則ち収るること多く、空虚なれば則ち収るること少なし。子孫落空逢破すれば、則ち蚕筐蚕簇空空を憂うるを要す。子孫生扶を得れば、則ち繭を結び糸を繰るの豊実を喜ぶ。《坎》《兌》両卦を占得すれば、子孫旺なるも亦是れ徒労なり。《艮》《離》《蠱》《咸》を占得すれば、子孫衰なるも亦能く収成を加倍す。官鬼是れ蚕の病にして、病発動す可からず。其れ或いは卦体に現り・或いは某爻に現り・或いは五行の属に現り・或いは六神に現る、示す所の事に按じて去りて趨き・去りて避くるを要す。ゆえに坤宮・艮宮官鬼有れば、蚕室宜からず。乾宮・兌宮官鬼有れば、繭を煮るの鍋利ならず。巽宮・震宮官鬼有れば、風雷の暴を怕る。坎宮・離宮官鬼有れば、水火の殃を怕る。
初爻之鬼,病在種也,上爻之鬼,病在繭也,二為箱,蠶細之時也,五為筐,蠶大之日也,鬼發於是,豈無變乎?三爻人也,四爻葉,鬼發於是,豈非人困而葉悴乎?(何宮何爻,鬼動益甚。)
初爻の官鬼は、病蚕種に在り。上爻の官鬼は、病蚕繭に在り。二爻是れ蚕箱にして、是れ乃ち蚕還た細小なるの時なり。五爻是れ蚕筐にして、是れ乃ち蚕已に長大なるの日子なり——官鬼此の等の爻の上に発すれば、怎麼に変故を生を生ぜざるを得んや。三爻は人を代表し、四爻は桑葉を代表す——官鬼此の両爻の上に発すれば、豈に是れ人困頓して而して桑葉枯悴せざらんや。(注:官鬼何れの一宮・何れの一爻に在りて動く、害を為す更に重し。)
水傷溼曰青,金傷飢曰白,火傷熱曰焦,木傷風曰折,土傷氣曰黃,鬼發於是,則有是病。(此釋鬼限五行之義,青謂溼青,白謂亮白,焦謂細小,折謂軟死,黃謂痿黃也。)龍不可以聞歌唱,雀不可以見喧譁,虎不可以動悲泣,武不可以觸穢汙,勾陳不可以徒箱筐,騰蛇不可以歷傾覆。(此釋鬼現六神之義,如鬼現支神,則巳有蛇游,子有鼠舞,午為蟻食,酉為雞啄,亦以戒焉。)
水性官鬼蚕を傷むるは、是れ湿を受けて而して青を発す。金性蚕を傷むるは、是れ餓を挨ぎて而して白を発す。火性蚕を傷むるは、是れ熱を受けて而して焦縮す。木性蚕を傷むるは、是れ風に吹かれて而して折損す。土性蚕を傷むるは、是れ気悶して而して黄を発す。官鬼何れの一行の上に在りて発する、則ち其の一種の病を得たり。(注:これ是れ官鬼所属する五行の意義を解釈す。「青」は湿りて而して青を発するを指し、「白」は亮白を指し、「焦」は細小を指し、「折」は軟死を指し、「黄」は萎黄を指す。)官鬼青龍を帯ぶれば、蚕房歌唱を聴見す可からず。朱雀を帯ぶれば、人の喧嘩有る可からず。白虎を帯ぶれば、哭泣有る可からず。元武を帯ぶれば、穢污に触着す可からず。勾陳を帯ぶれば、白く蚕箱蚕筐を空著す可からず。騰蛇を帯ぶれば、傾覆の事を経歴す可からず。(注:これ是れ官鬼現る所の六神の意義を解釈す。如し官鬼地支に現るれば、巳に在れば則ち蛇の游る有り、子に在れば則ち鼠の竄る有り、午に在れば則ち蟻の食う有り、酉に在れば則ち鶏の啄む有り、亦皆戒むるを要す。)
復求得利者,專用妻財,復求同育、更種、買蠶、育所,專用子孫。(蠶財,以財為用,同育、更種、買蠶、育處,皆以子孫為用。)夫桑葉貨物也,是故財爻旺相,其貴如金,財爻休囚,其賤如土。蓋金土之貴賤,亦隨日月時而移也,月以月計,日以日計,時以時計,亦隨其占而考也,財旺於內,貴賣於近,財旺於變,貴於後也。(概占何時貴賤,以財旺之時為貴,財衰之時為賤。若計限時日月而卜,直以財旺為貴,財衰為賤也。遲早貴賤,以財旺之日月為貴,財衰之日月為賤。)
此の外、蚕を養うの利を求むるは、専ら妻財を用う。合伙して共に養い・蚕種を換え・蚕を買い・蚕を養うの処を尋找するを求むるは、専ら子孫を用う。(注:蚕の収益は妻財をもって用と為し、合養・換種・買蚕・養蚕の処は、皆子孫をもって用と為す。)桑葉是れ貨物にして、ゆえに妻財旺相なれば、葉価黄金の如く貴し。妻財休囚なれば、葉価泥土の如く賤し。此の貴賤又年月日時に随いて而して転移す。月に按じて問えば則ち月に按じて算し、日に按じて問えば則ち日に按じて算し、時辰に按じて問えば則ち時辰に按じて算し、亦占する所に随いて以て定む。妻財内卦に在りて旺なれば、則ち近処に在りて貴く売り得たり。妻財変爻に在りて旺なれば、則ち往後に在りて貴く売り得たり。(注:籠統に何時貴賤するを占するは、則ち妻財旺相の時をもって貴と為し衰弱の時をもって賤と為す。若し某時某日某月を限定して来たりて占せば、則ち径に妻財旺をもって貴と為し衰をもって賤と為す。早晚貴賤に至りては、亦妻財旺の日月をもって貴と為し衰の日月をもって賤と為す。)
葉可盡與,子孫旺而葉盡,葉可餘與,妻財豐而葉餘。(問葉可能盡,蓋子旺蠶好,則葉可能食盡。蠶食外尚有葉多乎,財旺則是年桑葉茂盛,故應有餘也。)
桑葉能く全部喂尽するや否やは、子孫旺相なれば、葉子則ち喂尽し得たり。喂尽する之后還て能く余葉有るや否やは、妻財豊盛なれば、葉子則ち富有余有り。(注:葉子能く喂尽するや否やを問う——子孫旺なれば則ち蚕好く、葉子則ち能く喫尽し得たり。蚕喫完する之外還て多余の葉有るや無しやを問う——妻財旺なれば則ち此の一年桑葉茂盛す、ゆえに余有り。)
畜養章第六十八
夫禽獸之物,以子孫為屬者,以其蓄利之源也。或用於財,或用於子,其法有二:蓋求物身命則用子,以物取利則用財。卦屬爻屬生屬,而載於五行者察之,官鬼之神,是為物之災也,白虎之煞,是為物之屠也,畜養之筮忌之。(官鬼為疾,白虎為刀砧,並忌。)
禽獣の類子孫に帰して管す、其れら是れ蓄養し利を生ずるの来源たるをもってなり。取用両種の弁法有り。牲畜本身の性命を求むれば、則ち子孫を用う。牲畜に靠りて以て利を取れば、則ち妻財を用う。此の外還て其の所属するの卦宮・所在するの爻位・所属するの生肖を察するを要し、凡そ五行の内に載るは皆看るを要す。官鬼此の一神是れ牲畜の災病にして、白虎此の一煞是れ牲畜を宰殺するの屠刀なり——畜養を占するは皆其れらを忌む。(注:官鬼是れ疾病にして、白虎是れ刀砧なり、両様皆忌む。)
是故牧馬牧牛,鬼不可動於乾坤之宮,鬼不可入於五六之爻,鬼不可現於丑午之位,然後考子孫之衰旺,而白虎無拘,蓋耕牛廄馬,縱病而弗屠也。雞鴨鳥鵝之屬,則以子孫為物身,旺肥衰瘠,空散則亡,破絕則死也。初爻是其位也,酉是其命也,皆忌鬼犯;虎為其宰,鬼為其疾,皆不可動。(此言畜禽消長肥瘠。若販雞哺鴨,求財當以財神為用。)
ゆえに馬を牧い牛を牧うに、官鬼乾宮・坤宮に在りて動く可からず——乾は馬と為り坤は牛と為る。第五・第六爻に落る可からず。丑・午の位に現る可からず。此の等皆関を過ぎ、再び子孫の衰旺を考す。白虎に至りては則ち必ずしも拘忌せず、耕牛・廐馬縦ち病を生ずるも亦宰殺せられざるをもってなり。鶏・鴨・鳥・鵞此の一類は、則ち子孫をもって其れらの身体と為す。子孫旺なれば則ち肥え、衰なれば則ち痩せ、落空沖散すれば則ち走失し、逢破臨絶すれば則ち死す。初爻是れ其れらの位置にして、酉是れ其れらの本命にして、皆官鬼の来たりて犯すを忌む。白虎是れ其れらを宰殺するにして、官鬼是れ其れらの疾病にして、両様皆発動す可からず。(注:これ是れ家禽の増減肥痩を講ず。若し是れ鶏を販い鴨を孵して以て財を求めば、則ち当に妻財をもって用神と為すべし。)
貓犬彘豕羊鹿者,莫不以鬼依二三四爻、寅午未戌亥之位為凶,發於坎兌艮之宮為不利,而子孫喜旺、白虎喜寧也。(二爻貓犬,三爻彘豕,四爻羊鹿,寅貓午鹿之屬是也。)
猫・狗・猪・羊・鹿此の几様は、皆官鬼第二・三・四爻および寅・午・未・戌・亥此の几箇の位置の上に依在するをもって凶と為し、官鬼坎宮・兌宮・艮宮に発するをもって不利と為す。而して子孫は則ち旺相を喜び、白虎は則ち安寧を喜ぶ。(注:二爻は猫狗を主り、三爻は猪を主り、四爻は羊鹿を主る。寅猫に属し午鹿に属するの類なり。)
夫鬼守於亥者魚必消,困於申者猴死,所以養魚而信以財考,養黃鳥鬥蟲而信以利求,畜牝而今以息問也,當復計其時爾。(不惟以財為用,復當考其獲利之時,如夏畜秋斗則喜金財。)是故卜禽獸之肥瘠死生者,專物之身而言也,務用子孫;若以禽獸之畜養而待趨利者,專人之得而言也,因曰務用妻財。)
官鬼亥位に守るれば、魚必定要死せん。申位に困するれば、猴子要死せん。ゆえに魚を養うは妻財に靠りて来たりて考究するを要し、黄雀を養い・斗虫を養う是れ利を求むるが為にして、母畜を畜養する是れ其の生息を問うが為なり——此の等還て利を獲るの時節を計算するを要す。(注:不僅妻財をもって用神と為し、還て利を獲るの時間を考察するを要す、例えば夏天養い秋天斗せば、則ち金性妻財を喜ぶ。)ゆえに、禽獣本身の肥痩生死を占するは、講ずる所是れ物本身にして、務めて子孫を用う。若し是れ禽獣を畜養して以て利を図れば、講ずる所是れ人の所得にして、則ち務めて妻財を用う。
丁産章第六十九
(內詳寄戶投圖歸甲清漏交納散派違限諸問)立戶成丁,置業歸產,止畏徵科之累也,故官鬼為徭役,不可動、不可克,動煩而克累也;不可隨墓助傷,隨助有飛差突派也。惟鬼靜福興,而安居樂業。
(本章は詳しく名を寄せ戸を立て・図甲に投入し・本甲に帰入し・漏税を清查し・賦税を交納し・攤派・限に違う等の問目を列す。)戸を立て丁を成し・産を置き籍に帰するは、怕る所只だ是れ賦役征派の拖累なり、ゆえに官鬼をもって徭役を代表す。其れ発動す可からず・世を剋す可からず——一たび動けば則ち煩擾し、一たび剋すれば則ち累を受く。亦随鬼入墓・助鬼傷身有る可からず、其の様なれば則ち飛来の差役・突然の攤派有るを会せん。唯だ官鬼安静にして而して子孫興旺なるのみ、始めて能く安居楽業す。
或筮寄戶,或筮投圖,專察應象,應空不容,克世多累,世空無成,三沖不久。並分丁產,收回圖甲,清漏糧賦,皆以助傷隨墓為惡,鬼動克世為凶。交納易乎,官克世而難也,散派難乎,世克應而易也,違限安乎,鬼動官克而危也。
別戸に名を寄す・或いは某の図甲に投入するを占するは、専ら応爻を察す。応爻落空すれば、人家肯んじて収容せず。応爻世を剋せば、日后多く拖累を受く。世爻落空すれば、事情弁成らず。六沖に逢えば、寄すること久長ならず。戸を合し丁を分かち・図甲を收回し・漏欠銭粮を清查するは、皆助鬼傷身・随鬼入墓をもって悪と為し、官鬼発動・官鬼世を剋するをもって凶と為す。賦税を交納する容易なるや否やを問うに、官鬼世を剋せば則ち難し。攤派難しや否やを問うに、世爻応爻を剋せば則ち容易なり。期限を超過する要紧なるや否やを問うに、官鬼発動・官鬼世を剋せば則ち危険なり。
戸役章第七十
(內詳謀差頂役脫役助役卸役訟役避役防患諸問)役有不同,有我求之役,有官派之役,有利之役,有不利之役,皆役於官也。故喜忌皆用官爻,求而有利者以役為利,則財旺官備為吉,以官壞克世為凶。
(本章は詳しく差事を謀り・他人の役を頂替し・差役を脱免し・役を当たるを幇助し・差役を卸し・差役の為に官司を打ち・差役を躲避し・患を防ぐ等の問目を列す。)差役種種不同有り。自己去りて求むるの役有り、官府派下するの役有り、利の図る可き有るの役有り、利無くして害有るの役有り——然るに皆官に受制す。ゆえに喜と忌と皆官爻を用う。自己去りて求めて而して利の図る可き有るは、即ち是れ差役を拿りて利源と当作す。則ち妻財旺相・官爻斉備をもって吉と為し、官爻敗壞して而して世を剋するをもって凶と為す。
凡鹽漕河賦之差,吏胥吏卒之輩,官能榮之,故官不可空也,官能辱之,故官不可克也,官能利之,故財不可無也。隨官入墓,助鬼傷身,為公門之大忌焉。筮謀差之成,貞沖、合沖、世空、官失,為不就也。頂役之成,世空、應空、貞沖、合沖、官失,而不偕也。
凡そ塩務・漕運・河工・賦税此の類の差事および吏胥・差役此の類の人は、官能く其れを榮顯せしむ、ゆえに官爻落空す可からず。官も亦能く其れに辱を受けしむ、ゆえに官爻世を剋す可からず。官還て能く其れに利を得しむ、ゆえに妻財無しとする可からず。随鬼入墓・助鬼傷身に至りては、是れ公門に在りて差を当たるの大忌なり。一份の差事を謀る能く成るや否やを占するに、本卦六沖・合処逢沖・世爻落空・官爻失位すれば、皆弁成らず。他人の役を頂替する能く成るや否やを占するに、世爻落空・応爻落空・本卦六沖・合処逢沖・官爻失位すれば、皆談攏せず。
派而不利者,以役為害,是以問役輕重,官克世而役加,官持日月旺相,役必多、徭必苛也,休囚則少,空散則免也。破分動靜,動有而靜無也;隨墓助傷,亦應大凶,得逢空破,反為得免。脫役除名,官克而不宥,官空破散,嫌釋我無主,官臨旺相,忌制我方疆。故凡官不可克、不可極、不可沒也。(極,謂極旺,沒,謂失沒。補遺云:官鬼克身難脫役,子孫持世易除名。)
派せられて而して利の図る可きなきは、是れ乃ち差役を把りて禍害と当作す。ゆえに差役の軽重を問うに、官爻世を剋せば、役則ち加重す。官爻正しく日建月建に当たりて而して旺相なれば、差役必ず多く・徭賦必ず苛し。官爻休囚なれば則ち役少なく、落空沖散すれば則ち免る可し。官爻逢破するも還て動静を分かつを要す。発動すれば則ち還た有り、安静なれば則ち無し。若し随鬼入墓・助鬼傷身に遇えば、亦大凶に応ずべし。然るに其れ若し同時に逢空逢破すれば、反て能く免れん。差役を脱免し・名籍を除去するを占するに、官爻世を剋せば則ち肯んじて寛宥せず。官爻落空・逢破・被散すれば、又我を開釈するの時作主するの人なきを嫌む。官爻旺相なれば、則ち其の我が此方を壓制するを忌む。ゆえに官爻既に世を剋す可からず、亦太も極旺す可からず、更に全然失没す可からず。(注:いわゆる「極」是れ極旺にして、いわゆる「没」是れ失落无踪なり。《補遺》に説く、「官鬼身を剋すれば役を脱れ難く、子孫世を持すれば名を除き易し」と。)
若求人助役,,須應生世,如應空破散者無助。若覓人卸役,須世克應,如應空官克者無門。若訟官得理,克世非宜,如官空破散者無益。蓋公以官,而私以應也。(私處求應生,公斷戒官克,應空誰相憐,應克孰為力。)卜潛蹤避役乎,鬼旺則役來,鬼克世則捕我矣。卜當役防患乎,官動官克則多累矣,唯卦靜而子動,二占之吉也。(避役防患,皆喜子忌官。)
若し人に求めて我が役を当たるを幇ば、須らく応爻世を生ずるを要す。応爻落空・逢破・被散すれば、則ち幇助を得ず。若し人を找めて我に替わりて差役を卸さば、須らく世爻応爻を剋するを要す。応爻落空・官爻世を剋せば、則ち入る可きの門なし。若し官府に告げて我が理有るを判するを求めば、官爻世を剋するは則ち合宜ならず。官爻落空・逢破・被散すれば、亦益処なし。要之、公家の路子を走るは官爻を看、私人の路子を走るは応爻を看る。(注:私下に人を求むるは、応爻の来たりて生ずるを要す。官府判断するは、官爻世を剋するを戒むるを要す。応爻落空すれば、誰か来たりて我を怜まん。応爻世を剋せば、誰か肯んじて力を出さん。)行跡を隠匿して差役を躲避するを占するに、官鬼旺相なれば、差役則ち門に找上门り来る。官鬼世を剋せば、則ち来たりて我を抓るを要す。已に役を当たりて而して後患を防ぐを占するに、官鬼発動・官鬼世を剋せば則ち多く拖累を受く。唯だ卦静にして而して子孫発動するのみ、此の両占始めて吉なり。(注:役を避くると患を防ぐとは、皆子孫を喜びて而して官鬼を忌む。)
大抵役而趨利好財官,役而免害惡鬼旺,及動官克世。避役而喜失其鬼,謀役脫役,而不喜失其鬼,用神無執一也。(謀役脫役,無鬼難為主焉。)
大体説けば、差役を把りて利に趨くの途と作するは、妻財・官爻両旺を喜ぶ。只求だ害を免れんとするは、官鬼旺相および官鬼発動・世を剋するを悪む。差役を躲避する時は卦中官鬼を失了を喜ぶ。可くして差役を謀求し・差役を脱免する時は又不喜ぶ官鬼を失了を——見る可し、用神を取るは能く一端を死執する能はず。(注:役を謀め・役を脱する時若し卦中官鬼なければ、則ち作主する之人なし。)
合分章第七十一
人事分合,或以義合,或以勢分,已分而欲合,向合而求分。主於自為,皆以世為用,主於為人,則以所主之人為用,旺相生扶則吉,破空散絕無成。以世為主者,忌助傷,以人為主者,忌命墓,此其大象也。(專務用旺。)
人事の分と合とは、或いは情義に因りて合し、或いは情勢に因りて分かつ。已に分開して而して合倂せんと想い、本より合著して而して分開せんと要す。凡そ自己をもって主と為すは、皆世爻を用う。別人をもって主と為すは、則ち其人を代表するの爻を用う。用神旺相生扶を得れば則ち吉にして、破に逢い・落空し・被散し・臨絶すれば則ち弁成らず。世爻をもって主と為すは、助鬼傷身を忌む。別人をもって主と為すは、其の本命入墓を忌む——これ是れ大致の綱領なり。(注:要之専ら用神旺相をもって要と為す。)
是以為己而分合,則世為之主,為手足而分合,則弟兄為之主,為卑幼而分合,則子孫為之主,為臣妾而分合,則妻財為之主,以主象無傷,財福生旺,而為啟家之吉。既分合而占所事之利鈍,則各以用象占之,如居則同宅占,如業則同財占。大抵分事求勝,勝無忌動,合事欲和,和則戒變,所以變於朱雀陰官,而言生中冓,變於元武陽官,而隙開暗欺,故君子宜廣其心也。
ゆえに自己の為に家を分かつ或いは伙を合するは、則ち世爻をもって主と為す。兄弟の為に分合するは、則ち兄弟爻をもって主と為す。晩輩の為に分合するは、則ち子孫爻をもって主と為す。妻妾僕従の為に分合するは、則ち妻財爻をもって主と為す。只だ主象傷を受けず・妻財と子孫と生旺なれば、即ち是れ家業を開創するの吉なり。分合する之后再び具体の事情順利するや否やを占せば、則ち各々各々の用象に按じて去りて占す。住処を問えば則ち家宅を占するの弁法に照らし、産業を問えば則ち銭財を占するの弁法に照らす。大体説けば、家を分かつの事の求むる所是れ上風を占むるにして、上風を占むるを要すれば則ち動爻を忌まず。伙を合するの事の求むる所是れ和睦にして、和睦を求むれば則ち変動を戒むるを要す。ゆえに朱雀の臨む所の陰性官鬼を化出せば、則ち家中閨閫の醜事を生出すと説くを要し、元武の臨む所の陽性官鬼を化出せば、則ち是れ嫌隙一たび開けば而して暗中欺を受くる——ゆえに君子当に心胸を放寛すべし。
出納章第七十二
出納之交,兼參人己,我與人曰出,我受人曰納,問彼棄亦為出,問彼受亦為納也。是以我業當出,卦沖財壞而毋留,我屋當出,卦沖鬼動內壞而非我居,其貨當出,卦沖財旺而及時,當納而反是。
出と納の此の一交易は、人我両方を兼ねて看るを要す。我人に与うるを「出」と叫び、我人のを収るを「納」と叫ぶ。対方肯んじて手を放すや否やを問うも亦出と叫び、対方肯んじて接受するや否やを問うも亦納と叫ぶ。ゆえに我が産業手を出すべきや否やは、卦六沖に逢いて而して妻財敗壞すれば、則ち留め置くを要せず。我が房屋手を出すべきや否やは、卦六沖に逢い・官鬼発動・内卦敗壞すれば、則ち是れ我が住むべきにあらず。我が貨物手を出すべきや否やは、卦六沖に逢いて而して妻財旺相なれば、則ち正しく其の時に当たる。輪到りて当に「納」すべきの時に至れば、則ち反過して来たりて看る。
筮彼屋脫否,應實父完則脫。彼業與貨脫否,應實財完則脫。筮彼納否,貞沖、應動、應壞則不納也。欲納其物而無禍者,類防訟也,欲納其物而無爭者,戒應克也。(隨墓助傷、鬼動官克謂有禍,應克世謂有爭。)
対方の房屋肯んじて手を出すや否やを占するに、応爻充実・父母爻完好なれば、則ち肯んじて手を出す。対方の産業と貨物と肯んじて手を出すや否やを占するに、応爻充実・妻財爻完好なれば、則ち肯んじて手を出す。対方肯んじて収下するや否やを占するに、本卦六沖・応爻発動・応爻敗壞すれば、皆肯んじて収れず。此の件の東西を接下せんと想いて而して禍を惹かざるは、訟を防ぐを占するに同類なり。此の件の東西を接下せんと想いて而して争執を起さざるは、則ち応爻世を剋するを戒むるを要す。(注:随鬼入墓・助鬼傷身・官鬼発動・官鬼世を剋するに遇うは、則ち禍有りと叫ぶ。応爻世を剋するは、則ち争有りと叫ぶ。)
欲脫其產,而圖更置者,世空父壞則不得也,欲脫其貨而財不耗者,財實則不散也。筮送物求納,六沖、應動、應壞則不納也,財化退而不納財貨,子化退而不納牲禽,若應克世者,空破則怒麾,靜實則罄,收而不報也。(父母退不受書文,官鬼退不受圖像,兄弟退不受雙對物也。)大抵出利交重,不嫌用壞,納利用變,卦喜靜生,此出納之分也。
産業を脱手して而して別に新産を置かんと想うは、世爻落空・父母爻敗壞すれば、則ち換成らず。貨物を脱手して而して本を折らざらんと想うは、妻財充実すれば、則ち虧散するに至らず。礼を送りて人に求めて収下せしむるを占するに、六沖に逢い・応爻発動・応爻敗壞すれば、人家皆収れず。妻財退神を化すれば、則ち財貨を収れず。子孫退神を化すれば、則ち牲畜禽鳥を収れず。若し応爻世を剋せば、応爻逢空逢破するは、是れ乃ち怒を発して我を打発して去らしむ。応爻安静充実するは、是れ乃ち東西全く収下したれども而して回報を与えず。(注:父母退を化するは書信文巻を収れず、官鬼退を化するは図像を収れず、兄弟退を化するは成双成対の物を収れず。)大体説けば、手を出して利を求むるは、卦爻交重発動すれば則ち好く、用神敗壞を嫌わず。収納して利を求むれば、則ち用神変化する所有るを要し、卦体安静にして而して生扶有るを喜ぶ。即ち是れ「出」と「納」の分別なり。
取質章第七十三
(內詳劫質存亡還期諸問)有質而取,何用揲筮,事在季世,物情難測,則卜吉而往,先審用爻。人以六親,物隨用象,凡舟車房屋服御之物多用父,凡土田貨貝寶玩之具多用財,凡禽獸生動之類多用子孫。平交取質,應克世而有攘心,貞合沖、世應空而無成事,官虛、用壞豈得全歸。
(本章は詳しく人質を劫持し・人質存亡・帰還日期等の問目を列す。)本より抵押の物有りて去りて取回す、何ぞ占筮を須いん。只だ末世の人情叵測なるに因りて、ゆえに先ず一つの吉を卜して而して后行き、倂せて先ず用爻を審明す。人は六親に按じて用を取り、物は各々の用象に按じて用を取る。凡そ舟車・房屋・衣服器用の物は多く父母爻を用い、凡そ田土・貨幣・宝玩の物は多く妻財爻を用い、凡そ禽獣活物の類は多く子孫爻を用う。平常交往中に質物を取回すに、応爻世を剋せば、対方侵呑の心有り。本卦六合にして而して合処逢沖・世応落空すれば、事則ち弁成らず。官爻虚弱・用神敗壞すれば、怎麼に能く完好に取回さんや。
若驅擄劫質,又異平交,先考用象,安危,後察官應生克。鬼興而難脫虎穴,隨助而或陷泥犁,故人物存亡察用神而可見,來歸時日,用生扶而有期。大抵信質情兼交與,故忌克世,劫質勢比蒙難,最喜官空,此其分也。
若し是れ人に掳去せられ・人質を劫作せらるれば、則ち平常交易と不同なり。先ず用象是れ安か是れ危かを考し、后に官爻と応爻との生剋を察す。官鬼興旺なれば、則ち虎穴を脱れ難し。再び随鬼入墓・助鬼傷身に遇えば、或いは死地に陷入するを要せん。人と物との存亡は、用神を看れば則ち明白なり。何時に能く回り来るかは、則ち用神生扶を得るの期に在り。大体説けば、信義をもって抵押と作すは、情分の上還て交往を帯びるを以て、ゆえに応爻世を剋するを忌む。劫されて質と為るは、形勢蒙難に等同す、最も官爻落空を喜ぶ——即ち是れ両者の分別なり。
備物章第七十四
(內詳井灶床壽具雜物奉公託人諸問)器用之設,成家所需,而備物之大有三:一曰井,二曰灶,三曰床,此飲食居處所關,不可忽也。故筮之者,以爻位為用,以官鬼為災,以三沖為不久。井之位曰初爻,以其穴地也;灶之位曰二爻,以其中饋也;床之位曰三爻,以其人事也。皆不可克世,謂其犯吾,皆不可受傷,謂其失利,皆不可依鬼,謂其生難,皆不可動官,謂其作禍也,井之開閉,灶之修作,床之安造,犯此而凶,值福而吉。
(本章は詳しく井・竈・床・棺木寿具・雑物・公家の為に置弁し・人に托して置弁せしむ等の問目を列す。)器物用具の置弁是れ家を成すの必需なり。而して備える所の物最大の三様有り——一是れ井、二是れ竈、三是れ床なり——これ是れ飲食起居に関係し、軽忽す可からず。此の等を占するは爻位をもって用神と為し、官鬼をもって災と為し、六沖をもって用いること久長ならずと為す。井の位置初爻に在り、其れ是れ地を掘りて而して成るをもってなり。竈の位置二爻に在り、其れ是れ中饋飲食を主るをもってなり。床の位置三爻に在り、其れ是れ人事に関するをもってなり。此の三爻皆世を剋す可からず、世を剋すれば即ち是れ我を犯す。皆傷を受くる可からず、傷を受くれば即ち是れ利を失う。皆官鬼に依附す可からず、鬼に依れば即ち是れ難を生ず。皆官鬼発動有る可からず、官鬼動けば即ち是れ禍を作す。井を開き井を封じ・竈を修め竈を造り・床を安んじ床を造るは、此の等を犯せば則ち凶にして、子孫福神に逢えば則ち吉なり。
若置壽具占喜忌,宜用旺鬼安。占妨犯魘倒,忌鬼克鬼動、隨墓助傷。如筮舟車,喜久喜利喜安,而忌卦沖財壞也。置鋤犁網罟者,惟以利也,專之以財。占戲具者,備美用父,取利用財。置炮矢者,意在傷人,專之以世應。備物置用以物而推,衣餙多用父母,儀像則用官爻。奉公置造,官壞世空,及鬼克世者,不善其功。託人置造,應壞財虛,及應克世者,不得其用也。
若し棺木寿具を置弁して而して喜忌を占せば、用神旺相・官鬼安静に宜し。沖犯して而して夢魘跌仆に遭うや否やを占せば、則ち官鬼世を剋し・官鬼発動および随鬼入墓・助鬼傷身を忌む。舟車を置弁するを占するは、其の耐久・有利・平安を喜び、而して卦六沖に逢い・妻財敗壞を忌む。鋤犁網罟此の等を置弁するは、只だ利を求むるが為にして、専ら妻財を用う。戯具を置弁するを占するは、其の斉備精美を要すれば則ち父母爻を用い、其れに靠りて利を取らんと要すれば則ち妻財爻を用う。火炮弓矢を置弁するは、意人を傷めるに在るを用いれば、則ち専ら世応を看る。要之何の物を置備するかに按じて即ち何の物を以て去りて推せよ。衣服飾物は多く父母爻を用い、神像儀仗は則ち官爻を用う。公家に替わりて置造するは、官爻敗壞・世爻落空および官鬼世を剋するは、皆此の件の差事を弁好せず。別人に托して置造せしむるは、応爻敗壞・妻財虚弱および応爻世を剋するは、皆合用の東西を得ず。
営謀章第七十五
(內附囑託)夫謀事在人,營求不一,皆物交物而成也。故六沖則不交,合而沖,則將交而,應空散,則彼心不附,世空散,則我意先慵,唯世應破絕,猶得其半,官鬼失而謀無主,此五者之忌也。(破絕有形,空散無跡。)故自力可成,莫觀其應,因人成事,莫觀其世。止問成否,但忌空沖,兼問吉凶,並求用旺,謀文用父,謀利用財,釋患用子。(占己謀不論應,占彼謀不論世。問成占謀,問吉凶占用。)
(本章には請託の占を兼ねる。)事を謀るは人に在り、営み求める門類は一ならず、要は両下相交わりて乃ち成り得るを办す。ゆえに六冲に逢えば交わり成らず、先に合して後に冲すれば、まさに交わり成らんとしてまた変を生ず。応爻落空被散すれば、対方の心依附を肯ぜず、世爻落空被散すれば、我みずからまず懶怠す。ただ世応逢破臨絶するも、なお半分を成し得。官爻位を失えば、謀る所主宰なし。この五样皆忌む所なり。(注:逢破・臨絶はなお形迹を看て得、落空・被散は跡を尋ぬるに无り。)ゆえに己が力に凭りて成し得る事は、必ずしも応爻を看ず、別人に頼りて成す事は、必ずしも世爻を看ず。もし成不成のみを問わば、即ちただ落空と相冲とを忌む。もし吉凶を兼ねて問わば、即ちなお用神旺相を要す。文書の事を謀るは父母を用い、財利の事を謀るは妻財を用い、解脱して禍患を求め去るは子孫を用いる。(注:己が謀事を占うは応爻を論ぜず、対方の謀事を占うは世爻を論ぜず。成り得るや否やを問えば即ち謀る所の象を看、吉凶を問えば即ち用神を看る。)
筮囑託者,隨所用神,或用官,或用應,或用六親,皆忌空,空則不力,皆忌破,破則無功,皆忌六沖克世,則疑阻生釁,隨墓助鬼,則不利公廷。旺衰以分其力之大小,合沖以定其情之向背,化進則勇於事,化退則倦於行,五行六神以斷其情性,然勿主吉凶也。(金堅直,木從容,水曲折,火燥烈,土誠信,龍和,虎勇,雀再三,武婉轉,勾端實,蛇纏綿,此五行六神從生旺言也,空破反之。)
人を請託して事を办せしむるを占うは、即ち託する所の事に隨いて用神を取る。あるいは官爻を用い、あるいは応爻を用い、あるいは六親の爻を用い。それら皆落空を忌み、落空すれば即ち力を出さず、皆逢破を忌み、逢破すれば即ち功なく、皆六冲と世を剋するとを忌み、さすれば即ち疑阻叢生し彼此怨を結ぶ。もし鬼に隨って墓に入り・鬼を助けて身を傷るに遇えば、公堂の事に利あらず。旺衰を用いて彼の力を出すの大小を分かち、合冲を用いて彼の情意の向背を定む。進神に化すれば即ち事を任ずるに勇ましく、退神に化すれば即ち行動倦怠す。さらに五行・六神を用いて彼の性情を断ず。ただこれらを拿りて吉凶を断ずるなかれ。(注:金に属するは堅定正直、木に属するは従容、水に属するは曲折、火に属するは燥烈、土に属するは誠信。青竜は温和、白虎は勇猛、朱雀は話を再三に言い、元武は婉転、勾陳は端方篤実、螣蛇は纏綿として了らず。これは五行六神の生旺に処るに就きて言うなり。もし空に逢い破に逢えば、即ち反対に看る。)
蓋凡謀事之來者,法以謀望而並求用神,謀事之去者,法以謀望而不求用神。求於己者世,求於人者應,有交忌沖,無交不忌沖,惟官鬼乃謀之主也,俱不可失焉。蓋凡專問囑託則重體,專問所謀則重用,問囑託而兼求用神者,體用兩全,事無不吉。然囑託體病,雖用得位無成。故本占為得,不可貳也。
およそ謀る所の事は『来』て我が辺に到るを要するは、法は謀望を占うに按じて同時に用神を求む。謀る所の事は『去』るを要するは、法は謀望を占うに按じて必ずしも別に用神を求めず。己に在りて求むれば即ち世爻を看、別人に於いて求むれば即ち応爻を看る。交渉有るは冲に逢うを忌み、交渉無きは即ち冲を忌まず。ただ官鬼のみ謀る所の事の主宰にして、いずれの種なりとも失うべからず。およそ専ら請託を問うは『体』——託を受ける人——を重んじ、専ら謀る所を問うは『用』——求むる所の物——を重んず。もし請託を問いてまた兼ねて用神を求むれば、即ち体用両全、事吉ならざる无し。ただ託を受ける人この『体』もし病有れば、たとえ用神位を得ると雖も成し得ず。ゆえに占卦は専一を好しとし、両頭を兼ね顧みるべからず。
易冒巻之九
出行章第七十六
(內詳同行成行求事利方筮風關隘旅寓諸問)不虞之備,君子所戒,行路之難,自 紀之,是故風波盜賊、疾病訟非之患,皆以官鬼為大忌,鬼爻安靜,利四海之翱翔,官鬼交重,幾半途之顛蹶。武鬼發而憂盜賊,雀鬼發而備訟非;虎鬼動生疾病,蛇鬼動驚風波;勾陳鬼發,而不可刻期,青龍鬼發,而不可溺豫也。車馬之禍者,鬼發乾震也,風波之患者,鬼發巽坎也;艮鬼防患于山間,坤鬼避凶於野外,離鬼戒心於市肆,兌鬼留意於庵祠。
(本章は结伴同行・成行の可否・在外に事を求む・有利方位・占風・関隘・旅店寓所などの問目を詳しく列す。)意外を預防するは、君子の戒慎すべき所なり。行路の難きは、古来早く記載有り(此の処原文一字を欠く)。ゆえに風波・盗賊・疾病・訟事これらの禍患は、皆官鬼を以て大忌とす。官鬼安静なれば、即ち四海を遨游するに利あり。官鬼交重発動すれば、多半半途に跌跤す。元武官鬼発動すれば、盗賊を憂うるを要す。朱雀官鬼発動すれば、訟事是非を防ぐを要す。白虎官鬼発動すれば、疾病を生ぜん。螣蛇官鬼発動すれば、風波に驚かん。勾陳官鬼発動すれば、行程日期を定死すべからず。青竜官鬼発動すれば、安逸享楽に沈溺すべからず。車馬の禍は、官鬼乾宮・震宮に発するなり。風波の患は、官鬼巽宮・坎宮に発するなり。艮宮に鬼有れば、山間の患を防ぐを要す。坤宮に鬼有れば、野外の凶を避くるを要す。離宮に鬼有れば、市鎮の上に在りて留心す。兑宮に鬼有れば、庵観祠廟に對して留意す。
水鬼不宜舟楫,木鬼不宜車輿,土鬼不宜步擔,金不宜兵,火不宜爨。午驢,酉酒,木東,金西也。咸池為婦女之患,劫煞為謔騙之欺,耳目為音信之訛,天賊為竊偷之害也。凡動一鬼,主應一禍,所以出行無鬼,而言永臧也。(鬼動五行,則有五行之忌,鬼動支神,則有方屬之凶。故午官為驢馬之跌,木鬼為舟船之風,鬼動諸星,亦有是戒也,惟無鬼無慮爾。)
水性官鬼は船に乗るに宜しからず、木性官鬼は車に乗るに宜しからず、土性官鬼は歩行して担を挑むに宜しからず、金性は兵器に近づくに宜しからず、火性は炊爨に近づくに宜しからず。官鬼午に在れば驢馬を防ぐを要し、酉に在れば飲酒を防ぐを要す。木に属するは東方を防ぐを要し、金に属するは西方を防ぐを要す。咸池を帯ぶれば婦女の患、劫殺を帯ぶれば人に戯弄欺騙せらる、天耳・天目を帯ぶれば音信の訛伝、天賊を帯ぶれば偷窃せらるるの害なり。およそ官鬼一個動けば、即ち禍事一样に応ず。ゆえに出行の卦は官鬼无きを以て永遠の平安と為す。(注:官鬼いずれの一五行に動けば、即ちその一五行の忌諱有り。いずれの一地支に動けば、即ちその方位に属するの凶有り。ゆえに午爻官鬼は驢馬の跌撞、木性官鬼は舟船風に遇うなり。官鬼各種の星煞を帯ぶるも、また各々この類の戒忌有り。ただ卦中鬼无きのみ、乃ち憂う可き无し。)
於是而察用象,自筮世不可病,卜人用不可傷,空則諸謀無成,破則一身染疾,絕則愆期,散則他適,世墓者不出,化退者不行,靜而沖者,被邀而遊,動而合者,被絆而留,游魂多不定之遊,歸魂難越境之步也。(投墓、化退、靜沖、動合,皆指世爻。游魂行遠,歸魂行近,或以心志言也。)
然る後に用象を察す。自ら占うは、世爻病有るべからず。人に替りて占うは、用神傷を受くべからず。落空すれば即ち諸般の謀劃皆成らず、逢破すれば即ち一身病に染まり、臨絶すれば即ち期を誤り、被散すれば即ち他処に改めて往かん。世爻墓に入れば即ち門を出る能わず、世爻退神に化すれば即ち走り成らず。世爻安静にして冲せらるれば、人に邀請せられて出游するなり。世爻発動して合に逢えば、人に絆住せられて留まるなり。遊魂卦を得れば、多くは漂泊不定の遊、帰魂卦を得れば、越境遠行の歩有り難し。(注:入墓・化退・静にして冲せらる・動きて合に逢うは、皆世爻を指して言う。遊魂は遠行を主り、帰魂は近行を主る。時にまた心志に就きて言う。)
世隨官墓,則阻滯之事生,世持弟兄,則伴侶之朋至,世畜妻財,而有齎糧,世會父母,而有裹囊,世坐子孫,而遠近亨途。昔傳明夷節艮坎四卦,為出行之戒,今列隨墓助傷,二象為傷外之憂,雖用疆鬼靜亦忌焉。(釋六親持世之義,並四卦二象,慎不可犯。)
世爻鬼に隨って墓に入れば、即ち阻滞の事を生ぜんとす。世爻兄弟を持てば、同伴の友有りて一同に前往せん。世爻妻財を帯ぶれば、盤纏口粮有り。世爻父母に会すれば、行囊包裹有り。世爻子孫に坐すれば、則ち遠近皆通途なり。旧伝《明夷》《節》《艮》《坎》この四卦は出行の戒忌なり。今さらに鬼に隨って墓に入り・鬼を助けて身を傷るこの兩象を加えて、在外に傷を受くるの憂と為す。たとえ用神強健・官鬼安静なるも、一样に忌むを要す。(注:これは六親持世の意義を解するなり。あの四卦二象を加えて、皆謹慎して触犯すべからず。)
於是而筮同行之良者,以應為用,來克來沖,不可與同;且空散無顧我之情,破絕有悖謀之惡,同於親屬,則求用象,同而筮安,靗世索鬼。於是而筮我出成否,壞世不出,虛鬼不出,墓退、歸魂不出;筮同行之出成否,貞合沖則不偕,世應病則不偕,官鬼失則不偕。筮行時,則用為出行之身,動則逢生,靜則逢沖,壞則逢補,其期可定也。
然る後に同行の人の好否を占うは、応爻を以て用神と為す。応爻来りて剋し・来りて冲すれば、即ち彼と同行すべからず。応爻落空被散すれば、彼我を照顧するの情分无し。応爻逢破臨絶すれば、彼約束を背棄するの悪念有り。もし同行する者親属なれば、即ち各々の用象を求む。同行して平安なるや否やを占わば、即ち世爻を看・官鬼を搜す。然る後に我自身成り行き得るや否やを占う。世爻敗壞すれば出る能わず、官鬼虚弱なれば出る能わず、世爻入墓・退神に化し・帰魂卦を得れば、皆出る能わず。同行の人共に一路に走るを得るや否やを占う。本卦六合にして合處冲に逢えば即ち同行せず、世応病有れば即ち同行せず、官鬼位を失えば即ち同行せず。いずれの時に身を動かすを占うは、用神を以て出行の身を代表せしめ、用神発動すれば即ち生に逢うの日に在り、安静なれば即ち冲に逢うの日に在り、敗壞すれば即ち補を得るの日に在り——応期即ち定め出づるを得。
於是而筮求事者,亦察用爻,求事於科第,則考諸文書;求事於升遷,則考諸官鬼,而毋世空也;求事於尋訪,考諸用爻;求事於貨利,考諸財象,蓋耑於事而不耑於出行也。於是求事,而筮方隅之利者,則察子孫當生旺之方。出行而筮趨避之時者,則避官鬼當日月之期。
然る後に外に在りて事を办するを占うも、また用爻を察す。科第の事を求むるは文書爻を攷え、升迁の事を求むるは官鬼爻を攷え、かつ世爻落空すべからず。某人を尋訪するの事を求むるは各々の用爻を攷え、貨利の事を求むるは妻財の象を攷う——この時は専らその事に就きて論じ、再び専ら出行に就きて論ぜず。事を办するにいずれの方位に往かば利有るを占わば、即ち子孫爻の生旺に当たる所の方位を察す。出行に趨くべき避くべきの時日を占わば、即ち官鬼の日建月建に当たる所の期を避く。
於是而筮遇風,則察兄弟,克世則逆,生世則順,實而大,強而狂,弱而小,虛而息也;夫日,天也,日生則天順,兄克則風逆。筮有風不戒乎,則察鬼象,動有覆舟之禍,靜無折帆之殃,而世爻生旺者無咎。(順逆務於弟兄而日參之,兄生日克,其風橫順,兄剋日生,其風橫逆。)
然る後に風に遇うや否やを占わば、即ち兄弟爻を察す。兄弟世を剋するは逆風、世を生ずるは順風。兄弟充実なれば則ち風大なり、強旺なれば則ち風狂い、衰弱なれば則ち風小なり、虚耗なれば則ち風止む。日辰は天を代表す。日辰来りて生ずれば即ち天時順なり、兄弟来りて剋すれば即ち風逆なり。風有る時戒備するを要するや否やを占わば、即ち官鬼の象を察す。官鬼発動すれば覆舟の禍有り、官鬼安静なれば折帆の殃无し。世爻もし生旺なれば、即ち咎害无し。(注:順逆は主に兄弟爻を看、さらに日辰を以て參合す。兄弟世を生じて日辰世を剋せば、風横なりと雖も順。兄弟世を剋して日辰世を生ぜば、風横なりと雖も逆。)
於是而筮關隘,亦察鬼爻,應克世者,定多阻隔,官克世者,必犯羈徵;子旺官空,遊行如意,越境販挾,皆同此占。於是而筮旅寓之安,世壞疾生,鬼動寇至;世身生旺,即次之寧,龍福合扶,遭逢之慶。
然る後に関隘を過ぐるを占うも、また官鬼爻を察す。応爻世を剋せば、必ず阻隔多し。官鬼世を剋せば、必ず扣留されて税を徴せらる。子孫旺相にして官鬼落空なれば、通行意の如し。境を越えて販運し・私に貨物を帯ぶるは、皆この一套の占法を用いる。然る後に旅店寓所の安穩なるや否やを占わば、世爻敗壞すれば即ち病を生ぜんとし、官鬼発動すれば即ち盗寇有り。世爻・身爻生旺なれば、住み下りて即ち平安。もし青竜・子孫また来りて相合相扶せば、なお喜慶の事に遇う有り。
行人章第七十七
(內詳旅約途會安危存亡利鈍音信諸問)行者未還,卜筮偕至,親用六親,疏用應象,用爻無病而來歸,用爻克世而速至,此其大象也。若用逢空破散絕,不特歸期杳然,亦主行人災病;若別見無傷之用,則從無傷斷之。(用爻遇此四者,行人必阻,若他爻飛伏之間,別有用神得令,亦可言歸。如戌建癸酉日,占弟兄得夬,三爻兄弟月破,因有阻事,而未爻兄弟無病,後遇丁丑,沖動未爻,其弟乃還。又如子建庚寅日,妻占夫得困之兌,午官空破,應夫未還,然巳官伏寅下長生於日,獨發足爻,是日乃至。故別有用爻在飛伏間,亦可取驗。)
(本章は旅途の約・途中の相会・安危・存亡・順利なるや否や・音信などの問目を詳しく列す。)出門の人未だ帰らざれば、即ち占筮して彼いずれの時にか同じく来るを問う。関係親近なるは六親を用いて用神を取り、関係疏遠なるは応爻を用いる。用爻毛病无ければ即ち帰り来らん、用爻世を剋せば即ち帰ること速し——これ大綱なり。もし用爻空・破・散・絶に逢えば、帰期杳然たるのみならず、なお行人に灾病有るを主す。もし別処に別に一個の傷无き用神を見れば、即ちあの傷无きに按じて断ず。(注:用爻この四样に遇上せば、行人必ず阻まる。ただもし別爻あるいは飛伏の間に別に一個の用神得令有れば、もって彼の帰り来るを断ずべし。例えば戌月癸酉日兄弟を占うて《夬》卦を得たり。三爻の兄弟月破にして、因りて事有りて阻まる。ただ未爻の兄弟病无く、後丁丑日に到りて未爻を冲动し、彼の弟即ち帰り来れり。また例えば子月庚寅日、妻丈夫を占うて《困》の《兑》に変ずるを得たり。午火官爻既に空かつ破、応に丈夫未だ帰らずとすべし。ただ巳火官爻寅木の下に伏して日辰の上に長生を得、しかも初爻まさに独発す。その日丈夫即ち到れり。見るべし、別に用爻飛伏の間に在るも、同じく取りて験と為すべきを。)
故用逢暗動,而鄉心發矣,用值交重,而舟車發矣,動臨日月,是日月當返矣;動化退神,班馬而不進,動化進神,望雲而疾馳;靜逢合有結伴之還,動逢合有攀轅之阻;沖化沖者,心改易於別途,游魂化游魂者,志徘徊於他國也。
ゆえに用爻暗動に逢うは、郷を思うの心已に動けり。用爻交重発動するは、舟車已に啓程せり。用爻発動してまさに日建月建に臨むは、即ちあの日・あの月に返回せん。用爻発動して退神に化するは、馬を勒して徘徊して前進を肯ぜず。発動して進神に化するは、雲を望みて帰を思い・馬を快くして鞭を加う。用爻安静にして合に逢うは、伴を結びて一同に帰来す。発動して合に逢うは、人に挽留せられて阻まる。本卦冲に逢いてまた冲を化出するは、彼主意を改めて別に別路を走るなり。遊魂卦また遊魂卦に化するは、彼心志なお異国に徘徊するなり。
如概筮歸期,先求用象無傷,世克用而未來,用克世而速至,比和雲緩,相生雲遲;用虛以實至,破以補至,絕以生至,無以有至,衰以旺至也。(巳建己酉日,概占僕來何辰,得剝之旅,世生用不能即到,卯財發動,寅財旬空,後及甲寅日乃至,是空以實來也。辰建甲辰日,占弟兄得大有,世生用主來遲,後應乙卯日到,乃靜以沖來也。辰建戊寅日,占弟兄得困,用克世當速,然酉爻旬空,當應申酉日到,然而次日乙卯,沖實用神,是辰乃至,此又以生克辨遲速也。)
もし笼统に帰期を占わば、まず用象の傷を受けざるを求む。世爻用爻を剋せば、人未だ来らず。用爻世爻を剋せば、来ること速し。世応比和すれば即ち来ること稍緩し。兩相生すれば即ち来ることさらに遅し。用爻虚空なるは、填実の日を待ちて到れり。逢破するは、補破の日を待ちて到れり。臨絶するは、逢生の日を待ちて到れり。卦中用无きは、それ出現の日を待ちて到れり。衰弱するは、旺に轉ずるの日を待ちて到れり。(注:巳月己酉日笼统に僕人いずれの時にか帰るを占うて《剝》の《旅》に変ずるを得たり。世用神を生ず、即ち到る能わず。卯木妻財発動し、寅木妻財旬空にして、後甲寅日に到りて乃ち到れり——これ落空にして填実の日を以て来るなり。また例えば辰月甲辰日兄弟を占うて《大有》を得たり。世用神を生ず、来ること遅しを主り、後乙卯日に到るに応えり——これ静爻にして冲动の日を以て来るなり。また例えば辰月戊寅日兄弟を占うて《困》卦を得たり。用爻世を剋して本当に速きべし、酉爻旬空にして、本当に申日・酉日に到るに応ずべし。而るに第二日乙卯用神を冲実す。ゆえに辰日に到りて乃ち到れり——これまた生克を以て遅速を分辨するなり。)
用之動者,三合而來,用之暗興,六合而返,用處靜者,遇沖而旋,用之墓者,得開而晤也。地發,彼方就道,足發,當日乃還,門戶動,此處逢迎也。動速靜遲,古今之大義,沖疏合親,卜筮之常理,游魂出,歸魂入,卦爻之定象也。卦身合月合日,是歡迎之會,卦爻獨發獨靜,亦突見之期。(凡得歸象,先要用爻無病則驗。不拘旅卜家卜,凡歸人則準歸魂,遊人則準游魂。獨發者,如坤之復,未日行人乃至,獨靜者,如巽之噬嗑,卯日行人乃至,若臨用神,更為驗占。)
用爻発動するは、三合の日に帰来す。用爻暗動するは、六合の日に返回す。用爻安静なるは、冲に遇うの日に回轉す。用爻入墓するは、墓開の日を待ちて相見ん。初爻は地位に属し、それ発動すれば彼方に在りて剛に路を上る。二爻は足位に属し、それ発動すれば即ちその日家に到る。三・四爻は門戸の位に属し、それ発動すれば即ち此の処に在りて迎え接せり。動けば即ち快く、静なれば即ち慢し——これ古今の通義。冲すれば即ち疏く、合すれば即ち親し——これ卜筮の常理。遊魂は出を主り、帰魂は入を主る——これ卦爻の定象。卦身月建・日建と相合するは、歡聚相迎の會。卦中に独発あるいは独静の爻有るも、また忽然相見の期。(注:およそ帰来の象を取るは、まず用爻病无きを要して乃ち霊験す。旅途に在りて占うと家裏に在りて占うとを論ぜず、およそ帰人を問えば即ち帰魂を以て準と為し、出游の人を問えば即ち遊魂を以て準と為す。独発の例は、《坤》の《復》に変ずるが如く、未日行人即ち到れり。独静の例は、《巽》の《噬嗑》に変ずるが如く、卯日行人即ち到れり。もしあの一爻まさに用神ならば、占験さらに准なり。)
如限期而筮,或以年,或以月,或以旬,或以日,世克用而遲,世用相生而緩,世應比和、用克世而速也。限期之筮,神告尤親。(限期而占,用神破空散絕則不至,世克用則不至。用神堅固,然後以克世為速,比和次之,半限可至;用生世則次之,世生用又次之,及限方來。)
もし一個の期限を限定して占う——あるいは年に按じ・あるいは月に按じ・あるいは旬に按じ・あるいは日に按ず——ならば、世爻用爻を剋せば即ち遅く、世と用相生すれば即ち緩く、世応比和あるいは用爻世を剋せば即ち速し。限期して占えば、神明の告示ことさら贴切なり。(注:限期して占う。用神逢破・落空・被散・臨絶すれば即ち来らず。世爻用神を剋するも来らず。用神堅固なれば、然る後に乃ちそれ世を剋するを以て最も速しと為し、比和これに次ぎ・半個の期限内に即到る。用神世を生ずるはまたこれに次ぎ、世爻用神を生ずるは最も慢く、期限満ちて乃ち来る。)
行旅之約,應壞而爽信也,惟不空不散、不破不絕,必如期而至。問遲速,則如行人之斷焉。中途之會,六沖而不見也;應空不信,縱信而殊途;世空不待,縱待而背路。如卜日時來,以實應為法,見以實世為法,卦身合時為法。(以六沖世應空為戒,世應不病,則卦身合日相遇,世應病,則實世應之日相遇。)
旅途中の約会:応爻敗壞すれば、彼即ち信を失う。ただ応爻落空せず・被散せず・逢破せず・臨絶せざるのみなれば、必ず期の如く至る。快慢を問わば、即ち行人を占うの辦法に照らして断ず。半途の相会に至りては、六冲に逢えば即ち見うる能わず。応爻落空すれば、彼信を守らず、たとえ信を守るも別の一条の路を走れり。世爻落空すれば、我待つ能わず、たとえ待つも路を錯過せり。もしいずれの日いずれの時辰にか碰上えるを占わば、彼の来るは応爻を填実するの日を以て準と為し、我彼に見うるは世爻を填実するの日を以て準と為し、また卦身と時辰と相合するを以て準と為すべし。(注:六冲・世応落空を以て戒と為す。世応病无ければ、即ち卦身合日に相遇り、世応病有れば、即ち世応を填実するあの一日に相遇る。)
蓋筮行者之來否,則以虛實言,行者之遲速,則以生克言,行者之安危,則以用象言,而官鬼為之眚也。隨鬼反伏墓絕,旅人之凶兆也,各以用象定之。水鬼動者,風浪驚心,金鬼發者,兵戈奪氣,火為飛延之事,木為舟楫之累,土為步擔之欺、濟用之阻也。元武細人也,騰蛇匪朋也,青龍良伴也,白虎為災,勾陳為阻,朱雀為非也。
要するに、行人来るか来ざるかを占うは、即ち用神の虚実に凭り。彼来ることの快慢を占うは、即ち生克に凭り。彼の安危を占うは、即ち用象に凭る——而して官鬼即ち彼の灾眚なり。鬼に隨って墓に入り・反吟・伏吟・墓・絶は、皆旅人の凶兆にして、各々用象に按じて断ず。水性官鬼発動するは、風浪心を驚かすなり。金性官鬼発動するは、兵戈氣を奪うなり。火性は火災蔓延の事を主り、木性は舟船の累を主り、土性は脚夫担担の欺瞞および盤纏接濟上の阻礙を主る。官鬼元武を帯ぶれば小人、螣蛇を帯ぶれば匪類の友、青竜を帯ぶれば反って良伴、白虎を帯ぶれば灾を主り、勾陳を帯ぶれば阻を主り、朱雀を帯ぶれば是非を主る。
用化鬼者,恐涉於非徑,鬼化用者,恐陷於泥途。兌鬼咸池,樂酒色而忘返,坎官驛馬,飄江海而難歸;乾鬼惑於琳宮,巽官耽於逐利,離淹市井,震病舟輿,坤艮阻山野之象也。若筮久客之存亡,專用而不專鬼也。用神存則存,用神亡則亡,存謂有本,亡謂無根,三忌果真,乃作他鄉之鬼。(犯三忌則亡,一曰命墓,二曰反伏墓絕,三曰空破絕散是也。)
用神官鬼を化出するは、恐らく彼邪路の上に走り行けり。官鬼用神を化出するは、恐らく彼泥途の裏に陥れり。兑宮官鬼咸池を帯ぶるは、酒色を貪戀して帰を忘る。坎宮官鬼駅馬を帯ぶるは、江海に漂泊して回り難し。乾宮に鬼有るは、寺観に迷惑せらるるなり。巽宮に官有るは、利を逐うに沈溺するなり。離宮は市井に淹留を主り、震宮は舟車に在りて病するを主り、坤宮・艮宮は山野に阻まるるの象なり。もし久しく外に客たる人の存か亡かを占わば、即ち専ら用神を看て専ら官鬼を看ず。用神在れば即ち活き、用神亡せば即ち死せり——所谓「在」とはそれ根本有るを謂い、所谓「亡」とはそれ根柢无きを謂う。もし三样の忌諱果たして坐実せば、即ち他郷の鬼と作れり。(注:三忌を犯せば死す。一は本命入墓、二は反吟・伏吟・墓・絶、三は空・破・絶・散なり。)
筮行者在是地乎,求用爻之有也,動則他趨,空則別處,散猶空,沖猶動也。行者仕乎,官旺則仕,官空未仕也。行者娶乎,財現則娶,用病未婚也。行者得利乎,喜財神之旺也。行者他適乎,忌用象之囚也,受阻不他如,受病不更往。曾有遇乎,六沖不遂其求,用空不稱其志也。
行人あの地方に在るや否やを占うは、用爻『有』るや否やを求む。用爻発動すれば、彼已に別処に往き去れり。用爻落空すれば、彼別の一処に在り。被散は落空に等同しく、被冲は発動に等同し。彼官を做したるや否やを占うは、官爻旺相なれば即ち官を做せり、官爻落空すれば即ち未だ做さず。彼親を娶りたるや否やを占うは、妻財現出すれば即ち娶れり、用神病有れば即ち未だ婚せず。彼利を得たるや否やを占うは、妻財旺相を喜ぶ。彼別に別処に往かんや否やを占うは、用象囚死を忌む。用象阻を受けば即ち他往せず、用象病有れば即ち再び走らず。彼求むる所の人事に遇上せりや否やを占うは、六冲に逢えば即ち求めて遂げず、用爻落空すれば即ち心に稱わず。
如筮音信,專察父爻,父病無書,旺動將至,受沖被拆,化空乃遺;並於朱雀則速,並於勾陳則遲,並於青龍則吉,並於白虎則凶,騰蛇為泛愕之詞,元武為幽秘之語。占彼寄書乎,先用而後父,用殆不書,父虛無信。書寄有財乎,先用而後財,用空無寄,財空無物也。信之有無,以空以動,書之到日,以合以生。大凡行者之吉凶,疏以應象,親以用象。行者之得失,得以用爻,求以事爻。
音信を占うは、専ら父母爻を察す。父母爻病有れば即ち書信无し。父母爻旺相にして発動すれば、書信即ちまさに到らんとす。父母爻冲せらるれば、信人に拆過せらる。父母爻空に化すれば、信途中に在りて遺失せり。父母爻朱雀に並び臨めば、信来ること速し。勾陳に並び臨めば、来ること慢し。青竜に並び臨めば、吉信なり。白虎に並び臨めば、凶信なり。螣蛇に並び臨めば、浮泛驚愕の辭。元武に並び臨めば、隱秘の語。対方信を寄せ来りたるや否やを占うは、まず用神を看、後に父母爻を看る。用神危殆なれば、彼信を写すに及ばず。父母爻虚弱なれば、即ち音信无し。信裏に銭物を捎帶せりや否やを占うは、まず用神を看、後に妻財を看る。用神落空すれば即ち捎帶无し、妻財落空すれば即ち物无し。信の有无は、それ落空か発動かを看。信の到る日は、逢合と逢生を看る。大凡行人の吉凶を占うは、関係疏遠なるは応爻を看、関係親近なるは用爻を看る。行人の得失を占うは、彼の得る所は用爻を看、彼の求むる所はあの件の事を代表する爻を看る。
舟車章第七十八
(內詳僱覓夫占及舟楫宜忌)舟車致遠,筮有戒心,故欲其有利,先求無患。凡舟車之誤、災疾之擾、盜賊之虞,莫不以鬼動為戒,助傷世病,不宜自身之適,命墓用壞,豈利他人之行。(先忌鬼興,次察用象。)
(本章は舟車を雇請し・夫役を雇う、および行船の宜忌を詳しく列す。)舟車は遠きを致す能うと雖も、卦を占うの時もまた戒惧の心を存するを要す。それ利を求めんと欲せば、まずそれ患无きを求めよ。およそ舟車の事を誤る・灾病の攪扰・盗賊の隱憂は、官鬼発動を以て戒と為さざるは无し。もし鬼を助けて身を傷り・世爻病有るに遇えば、即ち自ら出門するに宜しからず。もし本命入墓・用神敗壞なれば、また別人の出行するに利あらず。(注:まず官鬼興動を忌み、其次用象を察す。)
木鬼交重,弗恃舟車之利,午官發動,無樂驢馬之馳。跌也,折煞並之而興;劫也,賊武因之而動;爭也,朱雀與之而翔;驚也,騰蛇同之而張。惟官鬼安寧,用神旺相,則舟車騾馬,所適而安。(釋鬼動之義,縱鬼動青龍,恐致禍於旅舍,鬼動勾陳,恐遇阻於道途,鬼動白虎,恐受驚於兵革也。)
木性官鬼交重発動すれば、即ち舟車の利を指望するなかれ。午火官鬼発動すれば、即ち驢馬奔馳の樂を指望するなかれ。跌仆の事は、官鬼折煞と同興するなり。搶劫の事は、官鬼天賊・元武と同動するなり。争執の事は、官鬼朱雀と同飛するなり。驚嚇の事は、官鬼螣蛇と同張するなり。ただ官鬼安寧・用神旺相のみ、然らば即ち船に坐し・車に乗り・騾馬に騎りて、走り到る所皆平安なり。(注:これは官鬼発動の含義を解するなり。たとえ官鬼動きて青竜を帯ぶるも、恐らく旅舍の裏に在りて事を出さん。官鬼動きて勾陳を帯ぶるも、恐らく路の上に在りて阻まるを受けん。官鬼動きて白虎を帯ぶるも、恐らく兵灾の驚を受けん。)
故覓舟車,世空父壞則少,覓騾馬,世空子壞則難。舟車完善歟,父壞而敝,騾馬壯健歟,子旺而良。卜舟車之來載,應壞父破則無期,卜騾成之來迎,應動子興而疾至。(舟車屬父,騾馬驢屬子,應為舟子僕伕,旺良衰敝,靜遲動速。)
ゆえに舟車を雇うは、世爻落空・父母爻敗壞すれば、即ち雇う可き少なし。騾馬を雇うは、世爻落空・子孫爻敗壞すれば、即ち雇い難し。舟車完好か完好ならざるか。父母爻敗壞すれば即ち破舊なり。騾馬壮健か壮健ならざるか。子孫爻旺相なれば即ち好牲口なり。舟車来りて裝載するを占うは、応爻敗壞・父母爻逢破すれば、即ち定期无し。騾馬来りて迎接するを占うは、応爻発動・子孫爻興旺なれば、即ち很く速く到る。(注:舟車は父母爻に属し、騾馬驢は子孫爻に属す。応爻は船夫脚夫にして、旺相なれば則ち好く、衰弱なれば則ち差え、安静なれば則ち慢く、発動すれば則ち速し。)
若舟子僕伕之筮,官差用官,私僱用應,最宜生世旺財,豈宜克身應陷。如筮水陸平安,亦唯憑官福動靜。(關津留難,官差搔擾,盜賊竊發,均察鬼爻,衰靜則無事。)大抵所乘之利鈍,考父母與子孫,所歷之安危,察用神與官鬼二者而已。(此宦遊作客,舟子僕伕,所同占也。)
もし船夫脚夫を占わば、官府の派差するは官爻を用い、私人の雇請するは応爻を用いる。最も宜しきはそれ世を生じ・財爻旺相なる、詎ぞそれ身を剋し・応爻陷落せしめんを得んや。もし水路陸路平安なるや否やを占わば、またただ官鬼と子孫の動静に凭るのみ。(注:関卡の刁難・官差の搔扰・盗賊の竊發は、皆官鬼爻を察す。官鬼衰弱安静なれば即ち事无し。)大体來りて言わば、乗る所の工具の好壞は父母と子孫を攷え、經る所の路途の安危は用神と官鬼を察す——ただこの兩條のみ。(注:これは宦游・作客・船夫・脚夫皆一样に適用するの占法なり。)
唯舟楫之用廣,則加詳焉。父母,船體也,兄弟,船之跳篙也,妻財,船之物用也,官鬼,船之魘倒也,子孫,船之輔從也。自初至上,船之段落也。世,船之主也,應,船之宰也,間,船之役也,皆不可並於鬼而動焉,亦不可從於鬼而化焉,犯則征凶。(此言六親、六位、世應、間爻之象,並於鬼動,是何爻神,即為有忌,從於鬼化,是何象位,即為有災。)
ただ船の用處最も廣し。ゆえにさらに詳しく講ずるを要す。父母は船身、兄弟は船を撑ぐの篙と跳板、妻財は船上の器物、官鬼は船上の鬼祟夢魘、子孫は随行の帮手。初爻より上爻に到るは、船身の各段の部位なり。世爻は船主、応爻は掌舵人、間爻は船上の雜役。これらの爻皆官鬼と並びて發動すべからず、また官鬼に跟って化出すべからず——犯せば即ち凶に應ず。(注:これは六親・六爻の位・世応・間爻各自の取象を講ずるなり。それら官鬼と同爻にして動くは、いずれの一爻神なるや、即ちいずれの一處忌有るなり。官鬼に跟って化出するは、いずれの一象いずれの一位なるや、即ちいずれの一處灾有るなり。)
火鬼有紅光之患,水鬼有白浪之殃,金鬼觸崚峋之石,病在釘錨,木鬼犯家堂之神,疾在蓬櫓,土鬼擱壅淺之河,患在灰泥也。(此言五行臨鬼發如此。)朱雀前神也,司之於頭,有詞訟則飛,元武后神也,司之於尾,有盜賊則擺;風從虎,司之於帆,有災禍而後動,雲從龍,司之於舵,有喜慶而後揚;騰蛇繩索,報驚恐之災祥,勾陳房倉,兆遲留之得失。(此言六神臨鬼發如此。)
火性官鬼は火光の患有り、水性官鬼は白浪の殃有り。金性官鬼は嶙峋の礁石に触るるを要し、毛病は鐵釘鐵錨に出づ。木性官鬼は家堂の神を冒犯し、毛病は船篷と槳櫓に出づ。土性官鬼は淤塞の河道に擱淺するを要し、毛病は泥沙に出づ。(注:これは五行官鬼に臨みて發動の情形を講ずるなり。)朱雀は前方の神にして、船頭を主管す。詞訟有ればそれ即ち飛起す。元武は後方の神にして、船尾を主管す。盗賊有ればそれ即ち擺動す。風は虎に從い、白虎は船帆を主管し、災禍有りて然る後に乃ち動く。雲は龍に從い、青竜は船舵を主管し、喜慶有りて然る後に乃ち揚ぐ。螣蛇は繩索を主り、報ずるは驚恐の災祥なり。勾陳は船艙を主り、兆すは遲留の得失なり。(注:これは六神官鬼に臨みて發動の情形を講ずるなり。)
附舟寄貨,以應為用,克世則侵漁多費,六沖有半道之變,應壞無一力之倚,君子避之。(附舟類交與,忌應病克世。)是以買舟而居,猶占宅也,船主用人,猶僱倩也,役夫投船,猶事人也,投麾廕庇,猶公役也,防犯差役,猶避訟也,問何鬼神,猶求祟也。(各推其類斷而斷。)
別人の船に搭して貨物を寄運するは、応爻を以て用神と為す。応爻世を剋せば、即ち侵吞せられ・花費多きを要せん。六冲に逢えば、中途變故を出さん。応爻敗壞すれば、即ち倚靠すべき一分の力量无し——君子まさに避くべし。(注:船に搭するは人と合作するに同類、応爻の病有るを忌み・応爻の世を剋するを忌む。)ゆえに船を買いて居住するは、宅を占うと相同じ。船主人を雇うは、雇請を占うと相同じ。船夫船家に投靠するは、人を事するを占うと相同じ。大船の名下に投じて庇護を求むるは、公役を占うと相同じ。官差の徴用を防備するは、訟を避くるを占うと相同じ。何の鬼神の作祟なるを問うは、祟を求むるを占うと相同じ。(注:各々その類に按じて推斷せよ。)
考魘倒以官鬼當臨之處,求趨避以官鬼當月之期,越江海慎坎艮之戒,而稱利涉矣。(官鬼在六,其魘在頭,官鬼在初,其魘在稍,官鬼在間,其魘在中,三四爻亦中倉也,官鬼當日,安以危戒,子孫當日,險以夷戒,唯艮坎二義,江海大凶。
船上の鬼祟夢魘の處を考究せば、即ち官鬼の臨む所の爻位を看る。趨避の時日を求むれば、即ち官鬼の當たる所の月を看る。江を渡り海を過ぐるは、《坎》《艮》兩卦の戒を謹守するを要し、こうして乃ち『利渉大川』と稱すべし。(注:官鬼上爻に在れば、鬼祟船頭に在り。初爻に在れば、船梢に在り。間爻に在れば、船中に在り——三・四の兩爻もまた中艙と算う。官鬼當値のあの日は、安なりと雖も危を以て戒と為すを要す。子孫當値のあの日は、險なりと雖も平安を保すべし。ただ《艮》《坎》兩卦の義例のみ、江海を走るは大凶なり。)
治築章第七十九
(內詳雜修及差委僱工)橫流之害,古傳所紀,故防河而治築,同於防患, 不泥水象,專察官爻。故鬼旺、鬼克、鬼動、隨墓、助傷,筮水患則未決當泱,已決未息也;筮堤防,則未成難築,已成當潰也。故堤岸之筮,父母為用,旺相則固,空破則傾。經始而何時成功,喜實世實父之期。刻期而筮是時成功,忌六沖世空父壞之象,此其概也。若大官奉勅、小官奉命、吏民奉差,官爻不可病,並沖剋世位。
(本章は各種の修治工程および差委・雇工を詳しく列す。)洪水横流の害は、古書の上に早く記載有り。ゆえに河を防ぎ堤を築くは患を防ぐを占うと同例にして、必ずしも水爻の象に拘泥せず、專ら官鬼爻を察す。ゆえに官鬼旺相・官鬼世を剋し・官鬼發動、および鬼に隨って墓に入り・鬼を助けて身を傷る。水患を占えば、即ち未だ決口せざるはまさに決口せんとし、已に決口せるはなお平息する能わず。堤防を占えば、即ち未だ築成せざるは築成し難く、已に築成せるはまさに潰決せんとす。ゆえに堤岸を占うは父母を以て用神と為す。父母旺相なれば即ち堅固、落空逢破すれば即ち傾塌せんとす。開工の後いずれの時にか完工するを問わば、世爻を填実し・父母爻を填実するの期を喜ぶ。ある日を限定して完工するを得るや否やを占わば、六冲・世爻落空・父母爻敗壞の象を忌む。これ大概なり。至りて大官旨を奉じ・小官命を奉じ・吏民差を奉じて工を督するは、官爻皆病有るべからず、また世位を冲剋すべからず。
若官吏因河工而筮利鈍,則反以官為重,官旺世實則紀錄升薦,官傷世空,及隨墓助傷,則罪戾降責。若民夫苦役而筮吉凶,則以官為忌,旺動克世,勞苦無期,命墓助傷,憂虞不測。故凡修塘、修坪、修閘、修圩,及治路、治水、興營城堡者,皆以父為用爻,世實父旺面成。如憂妨犯,及苦徭役者,皆以鬼為忌象,旺動克世,及隨助而凶。凡筮差委僱工,皆以應為用,應旺實則有成,克世則無良,六沖則難成也。
もし官吏河工に因りて順利なるや否やを占わば、反って官爻を以て重きと為すを要す。官爻旺・世爻實なれば、即ち功を記し升薦せられん。官爻傷を受け・世爻落空、および鬼に隨って墓に入り・鬼を助けて身を傷れば、即ち罪を獲て職を降され責を受けん。もし民夫勞役に苦しみて吉凶を占わば、即ち官爻を以て忌神と為す。官爻旺相發動して世を剋せば、勞苦尽頭无し。本命入墓・鬼を助けて身を傷れば、即ち不測の憂有り。ゆえにおよそ塘を修め・堤坪を修め・水閘を修め・圩田を修め、および路を修め・水を治め・城堡を興築するは、皆父母を以て用神と為し、世爻充實・父母旺相にして乃ち成し得るを办す。もし禁忌に冲犯するを擔心し・あるいは徭役に苦しめば、皆官鬼を以て忌象と為し、官鬼旺動世を剋しおよび鬼に隨って墓に入り・鬼を助けて身を傷れば即ち凶なり。およそ差委・雇工を占うは、皆応爻を以て用神と為す。応爻旺相充實なれば即ち成有り、応爻世を剋せば即ちあの人不良なり、六冲に逢えば即ち成り難し。
捕逃章第八十
(內詳遁地成捕人誘同遊不遺訟逃許覓責人喪節反噬私害將逃逃安存亡為僧求名自歸恩撫十八問)女子小人,古稱難養,若其盜逃,同於叛主,法所難寬也。捕逃之占,唯世克應則易獲,應空則深澗之逃,應克世則負隅之逝,六沖則交臂而失,世空則裹足不前,此四者,未知能獲也。(六沖、世空、應空,及應克世,四者如一不犯,則可擒矣。)
(本章は逃げ往く何地・捕獲するを得るや否や・人に引誘せらるるや・人と同行せしや・失物不失の可否・訟に因りて逃ぐ・人代わりて尋ねんと許諾する有り・他人を責成して尋ねしむ・婦人の失節・反って一口に咬みつく・暗中加害・まさに逃走せんとす・逃げ後平安なるや否や・存亡・出家して僧と為る・外に在りて名を求む・自ら帰り来る・恩を以て撫慰する等十八個の問目を詳しく列す。)古人女子と小人は養い難しと言えり。彼らもし盗竊逃亡せば、あれ即ち主人に背叛するに同じく、法理上寬宥し難し。捕逃を占うに、ただ世爻応爻を剋するのみ乃ち捉え易し。応爻落空すれば、深山澗谷に逃げ往けり。応爻世を剋せば、隅に負りて頑抗して去るなり。六冲に逢えば、肩を擦れ違いて之に交わりを失うなり。世爻落空すれば、我みずから足を裹めて前に進まざるなり。この四样出現せば、即ち捉え得るや否やを知らず。(注:六冲・世爻落空・応爻落空および応爻世を剋す、この四样ただ一样も犯さざれば、即ち捉え得。)
逃人悖內而向外也,故以外卦為所逃之方。坎水為外,則在北方,或江河之側、漁父之家、盜賊之林;離火在外,則在南方,或爐冶之傍、市肆之中,文學藝術之輿。震於樹木舟船車輿砍伐之屬,巽於花園薪草桑麻婦女之類,艮是山嶽岩石樵獵之所依,兌以池沼庵尼酒食之所賴。乾為寺廟都下城垣之近,驢馬驅馳,坤為社稷墳墓郊野田園之邇,耕牧追隨也。
逃亡の人は家内を背棄して外に奔向するなれば、ゆえに外卦を以て彼の逃げ往く方向と為す。外卦坎水なれば、即ち北方に在り、あるいは江河の側・漁家・盗賊の窩裏に在り。外卦離火なれば、即ち南方に在り、あるいは爐冶作坊の旁・市鎮の中・文人藝人聚集の處に在り。震は樹木・舟船・車輿・砍伐の類を主り、巽は花園・柴草・桑麻・婦女の類を主り、艮は山嶽・岩石・樵夫獵戶の依る所を主り、兌は池沼・庵堂尼寺・酒食の仰ぐ所の家を主る。乾は寺廟・都城・城垣の附近に在り、あるいは驢馬に隨いて奔走す。坤は社稷壇・墳墓・郊野・田園の左近に在り、あるいは耕牧の人に跟う。
(此言八卦居外之象,言之所傳者淺,象之所示者深,然因其象而測之,亦難執一也。如子建辛丑日,有占婢逃得節,外坎宜匿水側酒家,而不知已墮於井。如巳建甲辰日,卜子亡得泰,外坤宜藏寡婦之室,而不知相遇於岳家。夫井,水也,岳家,亦外姻也,其可實指乎?然亦不離其象爾。學易者,當以己之靈機,而深研極索也。)
(注:これは外卦八卦の取象を講ずるなり。文字の傳うる所は淺く、卦象の示す所は深し。ただ象に依りて測ると雖も、また一端に死執し難し。例えば子月辛丑日人婢女の逃走を占うて《節》卦を得たり。外卦は坎にして、説を照らせば水邊の酒家に藏るべし。而るに彼女已に井に跳び入れりを知らず。また例えば巳月甲辰日兒子の出走を占うて《泰》卦を得たり。外卦は坤にして、説を照らせば寡婦の家裏に躲るべし。而るに岳父の家に在りて碰见せりを知らず。井もまた水なり、岳父の家もまた外姻なり——豈ぞ指實するを得んや。しかるに終竟もまたあの象を離れず。《易》を學ぶの人は、まさに己が靈機に凭りて深く入りて研求すべし。)
蓋六爻靜而求外卦,一爻動而求獨發,言逃人之心,成謀於是也。故官鬼動而投士宦,子孫動而投僧道,妻財動而投婦女,或傭於商賈,兄弟動而黨間遊,或逐行伍,父母動而棲技藝,或附舟車;青龍跡於良善書禮喜慶之家,朱雀踐於優伶字畫鬧誼之次,騰蛇樂於賭博浮蕩跳梁之場,白虎匿於屠宰哀喪行伍之內,元武迷於盜賊酒食花柳之門,勾陳藏於鄉莊墳墓之間,及修砌穿鑿之群,而進退傍徨、淹留恐懼,卜捕叛,則觸公差也。(此以獨發之爻為方,臨於六親、六神 之象如此。蓋元武之神,利逃不利捕,勾陳之將,利捕不利逃,故曰觸見公差。)
六爻皆静なれば即ち外卦を求め、一爻の獨發有れば即ちあの獨發の爻を求む——これは逃亡者の心思まさにあそこに在りて計謀を定むるを説くなり。ゆえに官鬼發動すれば、彼往きて士人官宦に投奔す。子孫發動すれば、往きて僧道に投奔す。妻財發動すれば、往きて婦女に投奔し、あるいは商賈に雇わる。兄弟發動すれば、閑遊の輩の中に混り、あるいは行伍に投ぜり。父母發動すれば、手藝人の家に栖身し、あるいは舟車に搭せり。青竜を帯ぶれば、足跡良善・讀書守禮・喜慶有るの家に在り。朱雀を帯ぶれば、優伶・字畫・喧鬧の處に落脚す。螣蛇を帯ぶれば、賭博・浮蕩・跳梁の場に樂しみ。白虎を帯ぶれば、屠宰・辦喪・行伍の中に藏る。元武を帯ぶれば、盗賊・酒食・花柳の門に迷う。勾陳を帯ぶれば、鄉村莊院・墳墓の間および牆を砌り土を挖る人堆の裏に藏れ、進退彷徨・滯留恐懼す——もし叛逃を捕拿するを占わば、即ち公差に撞見せんとす。(注:これは獨發の爻を以て方位を定め、さらにそれ臨む六親・六神の取象を看る。元武の神は逃に利有りて捕に利无く、勾陳の將は捕に利有りて逃に利无し。ゆえに『公差に撞見す』と説く。)
蓋亂動而求用爻之在何宮,雜用而求用爻之在何卦,用伏而求飛,用二而求親,伏無而求應也。(自占外卦以下,皆陳逃人之方,設如卦爻亂動,當求用爻居於何宮,在乾以乾斷,在坤以坤斷,若用神雜於爻神亂動,當求用神化入何宮,化坎以坎斷,化離以離斷也。苟或亂動而卦爻無用神,當求所伏用爻之上飛神之方是也,倘或伏無用爻,然後以應象占其所居之宮,在震巽則以震巽斷,在艮兌則以艮兌斷是也。其有用爻兩現,一用動則以其所化之宮,兩用皆動皆靜,則以其出現為親伏藏為疏也,偶皆伏藏,則以外卦之用占方,庶幾乎得有歸一之法。)
もし六爻亂動せば、即ち用爻いずれの一宮に在るを求む。もし用爻亂動の中に混雜せば、即ち用爻いずれの一卦に化入るを求む。用爻伏藏せば即ちそれ上の飛爻を求む。用爻兩現せば即ち親近のあの一個を取る。伏神の裏にも无ければ、即ち応爻を取る。(注:前の『自ら占うは外卦を看る』より以下、講ずる所は皆逃亡者の方位なり。卦爻亂動せばと假設すれば、即ち用爻の居るいずれの一宮を求むべし。乾に在れば即ち乾に按じて斷じ、坤に在れば即ち坤に按じて斷ず。もし用神もまた亂動の爻の裏に混ぜば、即ち用神いずれの一宮に化入るを求むべし。坎に化すれば坎に按じて斷じ、離に化すれば離に按じて斷ず。倘若亂動にして卦中に用神无ければ、伏す所の用爻の上の飛神の方位を求む。倘若伏神の裏にも用爻无ければ、然る後に乃ち応爻の居る所の宮を以て彼の所在を占う。震・巽に在れば即ち震巽に按じて斷じ、艮・兌に在れば即ち艮兌に按じて斷ず。もし用爻兩現にしてその一個發動せば、即ちそれ化する所の宮を取る。兩個皆動あるいは皆静なれば、即ち出現するを以て親と為し伏藏するを以て疎と為す。萬一兩個皆伏藏せば、即ち外卦の象を以て方位を占う——この如くにして大致一個の歸一の法を得るを得。)
世亡應逃,內亡外逃,蓋不可主而可兼也。親人之逃,專之於用,他人之逃,專之於應,故父子兄弟夫婦男女以親合,雖悖親而務用,友朋師徒奴僕鄰交以義合,已背義而務應,不可惑也。(傳云:世為亡兮應為失,外為逃失內為亡。所以宜世克應、內克外也,然亦非主斷,如世克應而應空,其何從而得獲也?常占主僕之訟,用世應而驗,則友朋以下,用應可推。)
世爻は家中の亡失を代表し、応爻は逃走の人を代表す。內卦は亡失を代表し、外卦は逃亡を代表す——これらは主斷を作る能わず、ただ兼ねて看るのみ。親人逃走すれば、專ら各自の用神を用い。外人逃走すれば、專ら応爻を用いる。父子・兄弟・夫婦・男女は親情を以て相合するを以て、彼親を背きて去ると雖も、なお各自の用神を用いるを要す。朋友・師徒・奴僕・鄰里の交は情義を以て相合するを以て、彼已に義を背きて去ると既に、即ち応爻を用いるべし——この一點含糊すべからず。(注:前人の傳説に『世は亡を為し応は失を為し、外は逃失內は亡を為す』と言う。ゆえに世の應を剋し・內の外を剋するを宜しとす。ただこれもまた主斷にあらず。もし世應を剋して應爻落空せば、またいずれの處より去りて人を捉えん。我常に主僕の間の爭訟を占うに、世應を用いて即ち應驗せり。然らば即ち朋友以下の關係は、應爻を用いるもまた類推すべし。)
間有遇諸於途者,六沖是也;間有不意而擒者,六合是也;間有自還者,歸魂是也;間有去久而來者,化合是也;間有來而復去者,化沖是也;遊而歸者心收,歸而遊者志蕩。然亦必其用神不克世、不空亡,而後可也。(用實生世,終有會期,用爻克世,卒無見日。)
ある時は路上に在りて偶然碰见するは、あれは六冲に逢うなり。ある時は意料の外に人を擒住するは、あれは六合に逢うなり。ある時は彼自ら回り來るは、あれは歸魂卦なり。ある時は去りて久しくしてまた回り來るは、あれは合爻を化出するなり。ある時は回り來てまた走り掉するは、あれは冲爻を化出するなり。遊魂歸魂に化するは、彼の心已に收斂せり。歸魂遊魂に化するは、彼の心志また蕩き開けり。ただこれらもまた必ず用神世を剋せず・空亡に落ちざるを須うて、乃ちこの如く斷ずるを得。(注:用神充實にして世を生ずれば、終に相會の期有り。用爻世を剋せば、即ち始終面を見る能わず。)
卜遁此地,專索用爻,用如動沖,則非留於是處,用若空破,則未及於是方,弗往求之。占成捕何時,世生應克之期,若六親之逃而歸,則反以用神生旺而現,世爻旺合而見,卦身合而遇也。蓋我仇,用敗,我親,用旺,不同論也。(為仇惡於己,則俟彼敗之時而可獲,故喜應克;為親於我,則求用神生旺,與世身相合而來也。)
彼あの地に躲るや否やを占うは、專ら用爻を搜す。用爻もし發動あるいは冲せらるれば、即ちこの地方に留まるにあらず。用爻もし落空逢破すれば、即ち未だこの方向に到らず——あそこに往きて尋ぬるに及ばず。いずれの時にか捉え得るを占うは、世爻生を得・應爻剋せらるるの期に在り。もし六親逃走して彼の回り來るを盼がば、即ち反って看る。用神生旺にして顯現の時・世爻旺相にして之と相合の時・卦身相合の時、即ち相遇るを得。見るべし、彼を仇人當たる時は用神敗壞を取り、彼を親人當たる時は用神旺相を取る——兩者論法同じからず。(注:彼もし我と仇を為せば、即ち彼の敗落の時を待ちて乃ち捉え得。ゆえに應爻の剋せらるるを喜ぶ。彼もし我が親人ならば、即ち用神生旺を求め、かつ世爻・身爻と相合して歸來するを求む。)
是人誘與,應克世而被誘也,彼同遊與,應用備而比行也。(即應克世,而空破散絕亦非,應用一病亦非,如卯建丙辰日,占僕與友同行,得否,卯財持世,戌應暗興,後果同行都下。)
彼人に引誘せられて走りしか否かを問うは、應爻世を剋せば、即ち人に引誘せらるるなり。彼人と结伴同行せりや否やを問うは、應爻と用爻兩样齊備すれば、即ち同行なり。(注:たとえ應爻世を剋するも、それまた空・破・散・絶に逢えば、即ち算せず。應爻と用爻の中一個病有れば、即ち算せず。例えば卯月丙辰日僕人の朋友と同行するを占うて《否》卦を得たり。卯木妻財世を持ち、戌土應爻暗動し、後果然として一同に京城に往けり。)
盜逃不遺,財爻失所而不可復有也。訟逃有益,官鬼莫無,蓋空散不為我而遘求,破絕不終事而停息,隨墓助傷,及官克世者,猶抱薪而救火也;非是,然後以捕逃之法斷焉。(詳見詞訟篇內,關犯章斷。)許為我覓,則以應象虛實言之。若責人覓逃,則用捕逃之法。(責成是人尋還逃者,戒世應空、應克世,及六沖也。)
逃奴の盗みし物の失わざるを得るや否やを占うは、妻財爻位を失えば、即ち再び拿り回る能わず。逃亡の事の為に官司を打つに益有るや無いやを占うは、卦中官鬼无かるべからず。官鬼落空被散すれば、官府我に替りて究辦せず。官鬼逢破臨絶すれば、案子底に到りて辦せずして擱下せり。もし鬼に隨って墓に入り・鬼を助けて身を傷りおよび官鬼世を剋するに遇えば、あれ即ち柴を抱きて火を救うに似たり。これら數種の情形にあらざれば、然る後に乃ち捕逃の法に按じて斷ず。(注:詳しくは《詞訟章》の中の『關犯』に關する斷法を見よ。)人我に替りて尋ねんと答應する有れば、即ち應爻の虚實に凭りて論ず。もし某人を責成して逃犯を尋ねしめば、即ち捕逃の法を用いる。(注:某人を責成して逃者を找回來せしむるは、世應落空・應爻世を剋しおよび六冲を戒むるを要す。)
婦逃喪節與,財實未苟也。不群匪黨而反噬與,隨墓助傷、官克鬼動,後必羅其害也。不生私害與,助鬼傷身,及應克世者,卒有犯上弒長之逆也。未逃而筮其將逃與,用克世而萌叛心,用空破而無實事。(專問其將逃,忌用實克世,則逃,用空破不成,若兼問挽留為益,又喜用實。)
逃げ走りし婦人の失節有るや否やを占うは、妻財爻充實すれば、即ち未だ苟且の事无し。彼匪類を結交して反って我を一口咬むや否やを占うは、鬼に隨って墓に入り・鬼を助けて身を傷り・官鬼世を剋しあるいは官鬼發動に遇えば、後必ず彼の害を遭う。彼暗中我に加害するや否やを占うは、鬼を助けて身を傷りおよび應爻世を剋するに遇えば、終に犯上弑長の悖逆の事有らん。未だ逃走せずして彼將來逃げんや否やを占うは、用爻世を剋せば、是れ彼已に叛心を萌せり。用爻落空逢破すれば、即ち實事无し。(注:專ら彼將來逃げるや否やを問わば、即ち用爻充實にして世を剋するを忌む——即ち逃げんとす。用爻落空逢破すれば即ち逃げ成らず。もし彼を挽留するに好處有るや否やを兼ねて問わば、あれまた用爻充實を喜ぶ。)
親人逃而安乎,命墓鬼動,有窮途日墓之憂,用實卦安,有即次無虞之好;卜其存亡,獨以用神生壞而斷也。為僧道乎,用病而無成。求名利乎,用實而有得。不尋自歸者,用壞而忘歸,用克世而終身之叛也。逃歸復留,同於收僱,迴心恩撫,同於用人。(用爻克世,叛恨不歸,用象破空,飄流難返,惟用實生世,終得自來,復留恩撫,忌三沖財壞。)故捕逃者,以世克應為主,以世生應克之期而得。捕盜者,以子克官為法,以子孫當日月之期而獲。蓋逃以應為象,盜以鬼為象,此次辨也。
親人逃走の後平安なるや否やを占うは、本命入墓・官鬼發動すれば、即ち走投无路・日暮途窮の憂有り。用爻充實・卦體安寧なれば、即ち安頓落着・平安無事の好有り。彼の存亡を占うは、ただ用神の生を得るか敗壞するかに凭りて斷ず。彼出家して僧道を做るや否やを占うは、用爻病有れば即ち做り成らず。彼外に在りて名を求め利を求むるを占うは、用爻充實すれば即ち所得有り。彼找ぬるを用いずして自ら回り來るや否やを占うは、用爻敗壞すれば即ち歸を忘れたり。用爻世を剋せば、即ち終身背叛して回らず。逃げ回り來りて後なお彼を留むるや否やは、雇工を收留するを占うと相同じ。彼回心轉意して我恩を以て撫慰するは、人を用うるを占うと相同じ。(注:用爻世を剋するは、怨恨を懷きて歸らざるなり。用象破に逢い空に落つるは、外に漂流して返り難きなり。ただ用爻充實にして世を生ずるのみ、終に自ら回り來らん。至りて彼を留め彼を撫慰するは、則ち六冲と妻財敗壞を忌む。)ゆえに捕逃は世爻の應爻を剋するを以て主と為し、世爻生を得・應爻剋せらるるの期に在りて捉う。捕盗は則ち子孫の官鬼を剋するを以て法と為し、子孫まさに日建月建に當たるの期に在りて捕獲す。逃亡は應爻を以て象を取り、盗賊は官鬼を以て象を取るを以てなり——これ即ち兩者の分別なり。
鬬勝章第八十一
(內詳鬥訟鬥獲奪人擒人來鬥諸問)私鬥角勝,善良所戒,或不得已而應之。彼我之勢,止憑世應,不從六親。(世己應人,勝負察世應強弱而已,事至訟斗,骨肉如仇讐,即六親皆用世應。)應克世而逢敗,彼勝而折,世克應而逢敗,我勝而虧,應生世而人伏,世生應而己降,比和兩釋,出師一理。(敗謂空破散絕及受日月剋制。)
(本章は鬬毆涉訟・鬬毆中の所獲・人を奪う・人を擒う・對方來りて鬬う等の問目を詳しく列す。)私下鬬毆して勝を爭うは、善良の人の戒むる所にして、ある時はまた已むを得ずして應戰す。彼我雙方の形勢は、ただ世應に凭り、六親に按じて取用せず。(注:世爻は我・應爻は人にして、勝負ただ世應の強弱を察す。事爭訟鬬毆に鬧り至れば、骨肉も仇敵の如くなれば、ゆえに六親の間と雖も一律に世應を用いる。)應爻世を剋して應爻自身敗壞すれば、是れ對方勝つと雖もまた折損有り。世爻應を剋して世爻自身敗壞すれば、是れ我勝つと雖もまた喫虧せん。應爻世を生ずれば、是れ對方服軟す。世爻應を生ずれば、是れ我自ら輸を認む。世應比和すれば、即ち兩下罷手す。これは出兵を占うと一個の道理なり。(注:所謂『敗』とは、落空・逢破・被散・臨絶および日建月建の剋制を受くるを指す。)
斗而涉訟乎,鬼爻是司。斗而有獲乎,財爻以辯。斗以奪人,應克難歸。斗以擒人,用現可得。筮彼來鬥乎,應空應破而不前。占何日利斗乎,世生應克而得勝。應發五而要於路,應發三而斗於門。(應動何爻,則從此地相擊,初為鄉黨,六為郊野,二為庭內,四為戶外也。)
鬬毆官司に鬧り到るや否やは、官鬼爻に由りて主管す。鬬毆中に所獲有るや否やは、妻財爻に凭りて分辨す。鬬毆人を奪い回さんとするを為るは、應爻世を剋せば即ち奪歸し難し。鬬毆人を擒住せんとするを為るは、用爻現出すれば即ち擒到るを得。對方來りて鬬うや否やを占うは、應爻落空・應爻逢破すれば、彼來らず。いずれの日に動手して利有るを占うは、世爻生を得・應爻剋せらるるあの日に勝を取る能し。應爻第五爻に發動すれば、即ち路の上に在りて截擊す。第三爻に發動すれば、即ち門口に在りて交手す。(注:應爻いずれの一爻に動けば、即ちあの地方に在りて交手す。初爻は鄉里、上爻は郊野、二爻は庭院の內、四爻は門戸の外なり。)
動坎而斗於澤畔,動離而斗於市井,乾兌寺廟,坤艮山野,震巽林木之下;元武暗剌,朱雀明諍,青龍笑刀之謀,白虎怒戈之取,勾結其怨,蛇連其黨;子孫有少助,父母有老隨,兄以群隊,財以婦女,鬼以法術之詐。兵者,不得已而用,況於鄉鄰之斗乎?筮者慎之。
應爻坎宮に動けば、即ち水澤の邊に在りて打鬬す。離宮に動けば、即ち市井の中に在りて打鬬す。乾宮・兌宮に在れば寺廟、坤宮・艮宮に在れば山野、震宮・巽宮に在れば林木の下なり。元武を帯ぶれば暗中行刺、朱雀を帯ぶれば當面爭辯、青竜を帯ぶれば笑裏蔵刀の謀、白虎を帯ぶれば怒りて刀戈を擧げ來りて奪い、勾陳を帯ぶれば舊怨を糾結し、螣蛇を帯ぶれば黨羽を勾連す。子孫發動すれば、年少の帮手有り。父母發動すれば、年長の跟隨有り。兄弟發動すれば、是れ成群結隊。妻財發動すれば、婦女に牽涉す。官鬼發動すれば、是れ法術を用いて詐を行う。兵器は已むを得ずして乃ち動用するなり、況んや鄉鄰の間の鬬毆をや。卦を占うの人まさに慎重なるべし。
詞訟章第八十二
(內詳審期終訟興詞憂訟訟師用人允駁回關遢訟請卷夤緣禁責離獄息訟雜問五事官問二事)人有窒於中,因忿而訟,訟則受命於上,故以官爻生克為勝負,不以世應強弱分曲折焉。官來生世,易雪我冤,鬼來克世,難伸我屈,不生不克,無辱無榮。然我訟而喜官旺相,忌值破空,彼訟而好鬼破空,惡居旺相,亦以生克參之也。(勝負專察官爻,莫執世應。結訟分彼己,則官爻分喜忌,然生世衰旺俱吉,克世衰旺俱凶。)
(本章は審理日期・結案・遞狀・憂訟・訟師・用人・批准と駁回・回文關提・拖延訟案・請調案卷・夤緣請託・拘禁責罰・出獄・息訟等、另に雜問五事・官員の問二事を詳しく列す。)人心裏鬱結有り、憤懣に因りて訟を興す。既に官司を打てば即ち上に聽命するを要す。ゆえに官爻の生剋を以て勝負を定め、世應の強弱を以て曲直を分かたず。官爻來りて世を生ずれば、我が冤屈昭雪し易し。官鬼來りて世を剋すれば、我が委屈申明し難し。生せず剋せざれば、即ち辱も无く榮も无し。ただ我人を告ぐる時は官爻旺相を喜び、それ逢破落空を忌む。人我を告ぐる時は官鬼逢破落空を喜び、それ旺相を惡む——これもまた生剋に參じて一塊に看るを要す。(注:勝負は專ら官爻を察し、世應に死執するなかれ。結訟は彼此を分かつを要し、官爻の喜忌即ち之に隨いて分かつ。ただ世を生ずる官爻は衰旺を論ぜず皆吉、世を剋する官爻は衰旺を論ぜず皆凶。)
先發者,不憂官之在世,而喜官之在應;後發者,不喜官之在應,而憂官之在世,相生尤吉,相剋愈凶,此世應之辨生克也。(以世應生克分勝負者,此則論之,如世爻值鬼,本不為勝,若克應爻,是官為我而責彼乃吉;應爻坐鬼,理應我贏,倘克世位,是官悅彼而攘己乃凶。總言生克,先官鬼而後世應也。)
先に狀を告ぐる一方は、官爻世爻に在るを怕れず、倒って官爻應爻に在るを喜ぶ。後に應訴する一方は、官爻應爻に在るを喜ばず、倒って官爻世爻に在るを怕る。もし彼此相生すれば即ちさらに吉、相剋すれば即ちさらに凶——これは世應の上に從りて生剋を分辨するなり。(注:世應生剋を用いて勝負を分かつは、即ちこの論に照らす。例えば世爻の上官鬼に坐するは、本來勝と算するに足らず。ただそれ應爻を剋せば、あれ即ち官府我に替りて對方を責罰するにして、反って吉なり。應爻の上官鬼に坐するは、理に照らせば我が贏るべし。ただそれ世爻を剋せば、あれ即ち官府對方を偏袒して我を侵奪するにして、反って凶なり。要するに生剋を講ずるは、まず官鬼を看、後に世應を看る。)
官鬼生應,彼得理也,官鬼克應,彼失利也,官鬼空散,訟不成也,官鬼破絕,詞不終也,官生世應,兩宥之寬,官克世應,兩敗之辱也。(既論官爻生世克世,此言生應克應,勝負明矣。)
官鬼應爻を生ずれば、是れ對方理を得たり。官鬼應爻を剋すれば、是れ對方利を失えり。官鬼落空被散すれば、官司打起こる能わず。官鬼逢破臨絶すれば、狀子底に辦する能わず。官鬼同時に世を生じまた應を生ずれば、是れ兩下皆寛に從りて發落せらる。官鬼同時に世を剋しまた應を剋すれば、是れ兩下皆責を受け辱を受く。(注:前已に官爻の世を生じ・世を剋するを論じたり。此處應を生じ・應を剋するを講ずれば、勝負即ち明白なり。)
鬼位三傳,事幹臺憲,官興二間,情屬牽連。長生為經年之訟,帝旺乃折獄之期。動鬼變鬼,而權案更三,上官下官,而衙門非一。搖於世應,而忿志未休,伏於主賓,而領根不息。化進神者,下而上,小而大也,化退神者,急而緩,重而輕也。
官鬼年・月・日の『三傳』の上に落つれば、事臺諫憲司に牽涉せんとす。官鬼兩個の間爻の上に興動すれば、案情旁人に牽連せんとす。官鬼長生に逢えば、是れ一年に拖くるの訟案。帝旺に逢えば、乃ち案を斷ずるの日期なり。官鬼發動してまた官鬼を化出すれば、是れ案三番五次翻覆せんとす。上に官有り下に官有れば、是れ經手の衙門一處のみならず。官鬼世應の上に搖動すれば、是れ兩造の忿氣未だ消えず。官鬼世爻應爻の下に伏すれば、是れ訟根斷えず。官鬼進神に化すれば、是れ下より上に告げ・小より大に鬧り成らん。退神に化すれば、是れ急より緩に轉じ・重より輕に變ぜん。
(此章專言官鬼,若官在年月日之上,其訟或幹三法及上司;官在間爻發動,恐囚牽連,或傍觀相累。官爻倘遇日月長生,則事必經年屢月,臨官帝旺,即得三尺剖斷,旬空月破,則終兩姓交和。鬼動化鬼,非一官審問,官復見官,是疊舉訟詞。官動應爻,彼有再控之心,官動世爻,我有重告之志。鬼伏世應動爻生扶之下,則訟根未斷,惟滅沒之伏,則無興也。)
(注:本章は專ら官鬼を講ず。官鬼年・月・日の上に在れば、訟事或いは三法司および上級衙門を驚動せん。官鬼間爻に在りて發動すれば、恐らく他人に牽連し、あるいは旁觀者累を受けん。官爻もし日月の長生に逢えば、事必ず一年數月に拖くる。臨官・帝旺に逢えば、即ち法に依りて斷決する能し。旬空・月破に逢えば、最終兩家和解す。官鬼動きて官鬼を化出すれば、是れ一位の官員のみならず審問す。官の上また官を見れば、是れ重疊して狀を遞す。官鬼應爻に動けば、是れ對方なお再告の心有り。官鬼世爻に動けば、是れ我なお重告の志有り。官鬼世應の下に伏して動爻の生扶を得れば、是れ訟根未だ斷えず。ただあの消滅蹤无きの伏神のみ、乃ち再び起こらず。)
大壯為得理,明夷為禁,坎為獄,無問生克,占訟之忌也。六沖曰戰鬥,得官空而冰釋,六合曰處和,見官旺而株牽也。(三卦為訟宜忌。官空六沖,反易散息,官旺六合,反難調停,蓋先官鬼而後沖合也,即合沖變沖同義。)
《大壯》は理を得るを主り、《明夷》は拘禁を主り、《坎》は牢獄を主る——この三卦に遇上せば、生剋を問うに及ばず、皆訟を占うの忌む所なり。六冲は『戰鬬』と叫ばると雖も、ただ官爻落空すれば、反って氷消瓦解す。六合は『和解』と叫ばると雖も、ただ官爻旺相すれば、反って株連牽扯す。(注:この三卦は訟を占うの宜忌なり。官爻落空してまた六冲に逢えば、倒って消散平息し易し。官爻旺相してまた六合に逢えば、倒って調停し難し。見るべし、なおまず官鬼を看・後に冲合を看るを。合處冲に逢い・冲爻を化出するは、皆一個の道理なり。)
隨官入墓為囹圄桎梏之刑,助鬼傷身乃罪罰鞭笞之辱,二者與官鬼克世,凡有幹於公門之役者皆忌也。(不特詞訟,凡事幹衙門官長,悉忌此三者。)骨肉忿爭,主僕構逆,六親之誼已絕,故從應不從親。然既訟於官,亦先論官而後論應。(有云內肉相訟,止占世應,然既訟於官,則勝負又繫於官,不繫於應。)
鬼に隨って墓に入るは、牢獄枷鎖の刑。鬼を助けて身を傷るは、罪罰鞭笞の辱。この兩样官鬼世を剋するに加うるは、およそ公門の差事に關わる占問皆忌むを要す。(注:詞訟のみならず、およそ事衙門官長に牽扯するは、皆この三样を忌む。)骨肉の間忿爭し・主僕の間怨を構うるは、六親の情誼已に絕えり。ゆえに應爻を取りて六親の爻を取らず。ただ官府に告げ到ると既に、またなお先に官爻を論じ・後に應爻を論ず。(注:骨肉相訟はただ世應を占うと説く人有り。ただ官に告げ到ると既に、勝負即ち官爻に繫りて、應爻に繫らず。)
夫子孫為解釋之神,喜其持世,則刑罰何加,羅網自脫,當於交重,罪罰蠲除,當於日月,冤情昭雪,孰比其吉焉。父母為詞狀關提之用,不可壞,壞則不從,不可再,再則不一,不可破,破則無始,不可空,空則無終,我舉宜動,彼舉宜靜。妻財為賄賂之神,喜其持世,則情奪理而居勝,惟動有行賄之費。弟兄為黨證干連之象,獨發而多費,間發而多人,持世則干眾,動應則鼓謀,克世則有私擊之虞,傍搖有公舉之論,是象一無益於訟,不現仍(?)傷。獨官鬼為獄訟之用神也,是非曲直與奪勝負總司之,小大之獄,皆生吉而克凶,不可忽也。是故六神,因官生克而別喜怒,諸星亦因官生克而辨吉凶,皆不可離於是矣。
子孫は灾厄を解除するの神にして、それ世を持つを喜ぶ。然らば即ち刑罰身の上に加え到る能わず、羅網自然に脫開す。それ交重發動すれば、罪罰即ち免除せらる。それまさに日建月建に當たれば、冤情即ち昭雪す——何ぞこれより吉有らん。父母は狀紙と關提文書の用神にして、敗壞すべからず。壞れれば公文依從せられず、兩現すべからず。兩現すれば則ち文書一ならず、逢破すべからず。逢破すれば即ち始有りて端无く、落空すべからず。落空すれば即ち始有りて終无し。我往きて狀を告ぐるは父母發動を宜しとし、別人我を告ぐるは父母安静を宜しとす。妻財は賄賂の神にして、それ世を持つを喜ぶ。然らば即ち人情を以て道理を壓倒して上風を占む。ただそれ一たび發動すれば即ち破費して行賄するを要す。兄弟は同黨・證人・干連の象にして、獨發すれば則ち花錢多く、間爻發動すれば則ち牽連の人多く、世を持てば則ち衆人を牽動し、應爻に動けば則ち對方鼓動謀算し、世を剋すれば則ち人に暗中攻擊せらるるの虞有り、旁邊に搖動すれば則ち衆人公議の論有り——この一象訟事に對して全く益无く、出現せざれば反って傷を受けず。ただ官鬼のみ獄訟の用神にして、是非曲直・與奪勝負全くそれに由りて主管す。大案小案を論ぜず、それ世を生ずれば即ち吉・世を剋すれば即ち凶、輕忽すべからず。ゆえに六神官爻の生剋に因りて喜怒を分かつを要し、各種星煞もまた官爻の生剋に因りて吉凶を辨ずるを要し、皆この一條を離るる能わず。
(此言六親之象,各有所司,大抵子財持世而吉,官鬼獨重。凡六神諸星,非以動為凶也,若臨官鬼發動,然後形其凶吉,其來生世,雖凶弗凶,如白虎騰蛇、天牛地獄皆不為忌;其來克世,則朱雀為申詳,勾陳為囹圄,白虎為杖責,騰蛇為枷鎖,青龍為罰贖之善,元武為詳判之重,天獄為囹圄之厄,驛馬為流徒之愆,羊刃為剌配之屬。)
(注:これは六親の各象各々主る所有るを講ずるなり。大体言わば、子孫・妻財の持世を吉と為し、官鬼を最も要緊と為す。およそ六神と各種の星煞は、一たび發動すれば即ち凶と為すにあらず。それ官鬼に臨みて發動するを要して、乃ち凶吉を顯出せしむ。それもし世を生じ來れば、凶なりと雖も凶ならず、白虎・螣蛇・天牛・地獄の如き皆忌むに及ばず。それもし世を剋し來れば、則ち朱雀は申文詳報を主り、勾陳は牢獄を主り、白虎は杖責を主り、螣蛇は枷鎖を主り、青竜は錢を罰して罪を贖うの類の較輕の處分を主り、元武は判決の從重を主り、天獄は囹圄の厄を主り、驛馬は流放の罪を主り、羊刃は刺字充軍の類を主る。)
是故世應察彼己之情,亦不可寘而弗論也。應空彼不欲諍,或將遁也,世空我不好競,或懷怯也。官克應而應空,如荷弓而射魚,官生世而世空,如操笱而搏狸。應破彼有天殃之降,世破我憂人疾之纏。求衰旺則強弱可稱,考生克則剛柔可較,其為用如此,此其大象也。(官克應當應彼輸,然應空彼避其鋒,官生世當應我贏,然世空我失其機。應若月破,彼必有他禍相報,世如月破,我有別事之累。旺為疆,衰為弱,以力言之,應克世為彼剛,世生應為我柔,惟世克應、應生世是反之,所謂世應為用如此。)
ゆえに世應は彼我の情形を察するを以て、また擱き下げて論ぜざるべからず。應爻落空すれば、對方爭わんと欲せず、あるいは躲開せんとす。世爻落空すれば、我爭うに好からず、あるいは心裏怯えたり。官爻應を剋して應爻また落空すれば、即ち弓を舉げて魚を射るに似たり。官爻世を生じて世爻卻って落空すれば、即ち魚笱を拿りて狸を捉えんに似たり。應爻逢破すれば、對方天の降す殃を遭わん。世爻逢破すれば、我病痛纏身を憂えん。衰旺を求めれば即ち強弱を稱え得、生剋を攷えれば即ち剛柔を比ぶるを得——世應の用處即ちこの如し、これ大略なり。(注:官爻應を剋するは、本當に對方輸とすべし。しかるに應爻落空すれば、彼鋒頭を避け去れり。官爻世を生ずるは、本當に我贏るべし。しかるに世爻落空すれば、我機會を錯失せり。應爻もし月破に逢えば、彼必ず別に禍事の報應來る有り。世爻もし月破に逢えば、我別に別の事拖累する有り。旺は即ち強・衰は即ち弱、これは力量に就きて言うなり。應爻世を剋するは對方剛、世爻應を生ずるは我柔。反って世爻應を剋し・應爻世を生ずれば即ち我剛彼柔なり。所謂世應の用法即ちこの如し。)
何日斷獄,當於日月之官。何時終訟,當於墓絕之鬼。別勝何日,則以世生應克為良,釋免何時,則以子孫填值為宥。(以官長生為訟始,臨官帝旺為審決,死墓絕為散訟時也。凡問見官何日為勝,則以世爻逢生、應爻遇克為勝,世爻遇克、應爻逢生為不勝。欲官釋免,則以子孫填值之日、官鬼制伏之辰,定能赦宥。)
いずれの日に案を斷ずるや。官爻日建月建に當値するの時に在り。いずれの時に訟を結するや。官鬼墓に入り絶に臨むの時に在り。いずれの日に勝を得るを分辨するや。世爻生を得・應爻剋せらるるを以て好しと為す。いずれの時に釋免を得るや。子孫填實値日を以て寬宥と為す。(注:官爻長生を以て訟事の始と為し、臨官・帝旺を以て審斷と為し、死・墓・絶を以て訟の散ずるの時と為す。およそ官に見えていずれの日に勝を得るを問わば、即ち世爻生に逢い・應爻剋に遇うを以て勝と為し、世爻剋に遇い・應爻生に逢うを以て勝たずと為す。官府の釋免を求めんと思わば、即ち子孫填實値日・官鬼制伏せらるるの辰に在りて、定めて赦宥せられん。)
有問興詞勝負吉凶,亦屬於官。興詞準行,喜官動實而惡其破空也,官克世者,控告無門,父爻空破,批行失意。憂訟來侵,占同防戒,惟官不作,及不克世,弗遇隨助,何患相加,縱應克世,有謀亦已也。(問準詞,官爻空破散絕,及克世不准,執行不論文書。若上告批下衙門,父母如遇空破,雖官鬼動實,縱準而不批是衙門也。如告親提,官克世為不從,或有兩官,常有批下僚者。)
人遞狀の勝負吉凶を問う有るも、また官爻の管に屬す。狀子准行し得るや否や。官爻發動して充實なるを喜び、それ逢破落空を惡む。官爻世を剋せば、即ち狀を告ぐるに門无し。父母爻落空逢破すれば、批下の行文我が意に合わず。別人我を告ぐるを擔心するは、占法防戒を占うと相同じ。ただ官鬼發動せず・世を剋せず、また鬼に隨って墓に入り・鬼を助けて身を傷るに遇上せざるのみなれば、何の禍の身に加わるを怕れんや。たとえ應爻世を剋するも、彼謀算有りも自ら罷作せん。(注:狀子准なるか准ならざるかを問うは、官爻落空・逢破・被散・臨絶および世を剋する皆准せず——此處ただ准じて行わるるや否やを問うて、文書を論ぜず。もし上に告げて批して下面の衙門に到れば、父母爻もし空に逢い破に逢えば、たとえ官鬼動きて充實なるも、准せらるると雖もこの衙門に批到せず。もし告ぐる所親提を請求するならば、官爻世を剋するは即ち依從せず。時に卦中兩重の官爻有れば、常に下屬の官員に批給して辦せしむる有り。)
訟師美惡,詢諸父母,日月旺相,善移生死之文,發動生扶,能轉是非之筆;若值破空,安能取勝,隨助官克,乃以自戕。幹證保歇,趨使抱告,皆以應爻為用,克世為忌,破絕不忠,空散不力,六沖生背叛之心,而隨助官傷,反為我害。(訟師用文書,奔走用應,應視其有用,故不可破空,無欺為良,故不可克世,一心為美,故不可六沖,用於公所取勝,故不可隨墓助傷、官克世爾。)
訟師の好か壞かは、父母爻を問う。父母まさに日建月建に當たりて旺相なれば、生死の判を改過すに善し。發動して生扶を得れば、是非の筆を扭轉する能し。もし逢破落空せば、怎んぞ取勝するを得ん。もし鬼に隨って墓に入り・鬼を助けて身を傷り・官爻世を剋するに遇えば、あれ反って己を害せん。干證人・保人・歇家・走腿の・代わりて狀を投ずるは、皆應爻を以て用神と為す。それ世を剋するを忌む。逢破臨絶すれば即ち忠ならず、落空被散すれば即ち力を出さず、六冲に逢えば背叛の心を生ぜん。もしさらに鬼に隨って墓に入り・鬼を助けて身を傷り・官爻世を傷るに遇えば、反って我が禍害と成らん。(注:訟師は我に替りて文書を作るなれば、ゆえに父母を用い。奔走して事を辦するは應爻を用いる。應爻はそれ頂用せんを要す。ゆえに逢破落空すべからず。それ我を欺かざるを要す。ゆえに世を剋すべからず。それ一心一意念するを要す。ゆえに六冲すべからず。それ公門の裏に在りて我に替りて取勝せんを要す。ゆえに鬼に隨って墓に入り・鬼を助けて身を傷り・官爻世を剋すべからず。)
招詳允乎,官病不允,官動不納,六沖上下不信,烏能允乎。招詳能駁乎,官克世而不從駁,破絕則已,空散則消,烏能駁乎。惟官動實,則駁矣,復部允駁,亦猶是也,復疏允駁,易官用五也。(此就筮者之意為斷,復疏,則以五爻為用,如上占法。)住提回關停詞遢訟,喜官之無,而惡官之有也,鬼發則不能停遢,鬼克則不能住回,惟子動而鬼靜,則受無事之福矣。鼠牙復舉,祗緣助鬼傷身,株蔓重牽,端惡隨官入墓,不可不戒也。(大抵以官鬼安靜破空為吉,發動克世為凶。)
招供詳文批准を得るや否や。官爻病有れば即ち准せず、官爻發動すれば即ち受理せず、六冲に逢えば則ち上下互信せず——怎んぞ准じ得ん。招供詳文駁回し得るや否や。官爻世を剋せば、人我が意思に照らして駁るを肯ぜず。官爻逢破臨絶すれば即ち已に罷作せり、落空被散すれば即ち自ら消解せり——怎んぞ駁り成さん。ただ官爻發動して充實なるのみ、乃ち駁り回るを得。再び部裏に報じて准駁を請求するも、またこの如し。もしさらに疏を上して陳奏して准駁を請求せば、即ち五爻を改用して官爻に代えん。(注:これは占者の問意に就きて斷ずるを要す。疏を上して覆奏すれば、即ち五爻を以て用神と為し、其の餘は上の占法に照らす。)關提を停止し・公文を追回し・狀子を停息し・訟案を拖延するは、皆卦中官鬼无きを喜び、卦中官鬼有るを惡む。官鬼發動すれば即ち停め下げず・拖え住む能わず。官鬼世を剋せば即ち止めず・追い回る能わず。ただ子孫發動して官鬼安静なるのみ、乃ち無事の福を享く。鼠牙雀角の爭また重ねて挑起するは、ただ鬼を助けて身を傷るに因りて只なり。枝蔓株連重ねて牽扯するは、全て鬼に隨って墓に入るに壞れたり——戒めざるべからず。(注:大体官鬼安静・逢破落空を以て吉と為し、發動世を剋するを以て凶と為す。)
請卷者,文書為用也。上下請提,破絕不允請,空散不從提,制爻克世,提請俱違。(請提文卷,皆係父母,考其虛實以定吉凶,復以官爻不克世,及無破空,方得順爾請提。)夤緣囑託,意在聽從,六沖則逆其意,而或見嗔,官克則逆其耳,而或有欲,若空若破,無力無功,如旺如生,有情有意。如托私人,應不可壞,不可六沖,克世有損無成,若問官倩,亦同前斷。(問官從否看官象,問人可托看應象,俱忌克世六沖。)
案卷を請調するは、文書即ち父母爻を以て用神と為す。上級あるいは下級に提審調卷を請求するは、父母逢破臨絶すれば、卷を請うに准を獲ず。落空被散すれば、提審從を獲ず。もし剋制の爻有りて世を剋し來れば、請と提皆落空中に落空せん。(注:案卷を請提するの文書皆父母爻に屬し、その虚實を攷えて以て吉凶を定む。さらに官爻世を剋せず・逢破落空せざるを要して、請提乃ち順利ならん。)夤緣請託は、意は人の肯んじて聽從するに在り。六冲に逢えば即ち彼の意思に違逆し、あるいはなお罵を挨ぐ。官爻世を剋せば即ち彼の耳に逆らい、あるいは彼別に圖る所有らん。もし落空逢破すれば、即ち力无く功无し。もし旺相生を得れば、彼即ち情有り意有り。もし託する所私人なれば、應爻敗壞すべからず、六冲すべからず、世を剋すれば則ち損有り成无し。もし官府の人に託して代辦するを問わば、また前に照らして斷ず。(注:官府肯んじて依從するや否やを問うは官爻を看、某人託すべきか否かを問うは應爻を看る。皆世を剋しと六冲とを忌む。)
憂禁憂責,官旺動而克世為難免。離獄息訟,皆忌官爻克世,息訟官不可動,離獄官不可無,求六親離獄,則兼用無傷。(離獄鬼壞鬼空,亦不能出。求六親,兼看六親生旺則出。)遠關人犯,事繫於官,而亦兼捕逃也。(關犯若官克鬼壞,為彼地官吏不我用情,六沖世應空,及應克世,其犯難捕,皆不能來。)
拘禁せられ・責罰せらるるを憂心するは、官爻旺相發動して世を剋せば、即ち免れ難し。出獄を占い・息訟を占うは、皆官爻世を剋するを忌む。息訟の時は官爻發動すべからず、出獄の時は官爻卻って无かるべからず。もし六親に替りて出獄を求めば、即ちなお兼ねてあの位の六親の用神傷を受けざるを看る。(注:出獄の時官鬼敗壞・官鬼落空するも、また出る能わず。六親に替りて求むは、なお兼ねて六親の爻生旺なるを看て、乃ち出來るを得。)遠處に向いて人犯を關提するは、事官爻に繫り、同時に兼ねて捕逃の法を用いる。(注:人犯を關提するに、もし官爻世を剋し・官鬼敗壞すれば、即ちあの邊の官吏我に情面を與うるを肯ぜず。もし六冲・世應落空および應爻世を剋するに逢えば、あの人犯即ち捕え難く、皆來る能わず。)
伸訟奪婚,亦繫於官,而兼防奪婚也。(索婚官克鬼壞,公論不允,應克世為彼奪去,財壞不能歸來,俱莫能成就。)以訟取財,仗官為力,而兼用索逋也。(取財官克鬼壞,官不相為也,即為矣,若財壞亦難求。)力綿扳役,仗官為力,而兼用彼助也。(扳役官克鬼壞,官不聽也,即聽矣,若應克世及應空財壞,則亦莫能助我。)招雪複名,仗官為力,而兼用我得也,所以用爻相兼為法者,有是五也。(復缺,官克鬼克,官不從也,即從矣,如遇世空則莫亦能復。)
官司を打ちて奪われし婚約を爭い回るは、また官爻に繫り、同時に兼ねて人の婚を奪うを防ぐの法を用いる。(注:婚約を索回する時官爻世を剋し・官鬼敗壞すれば、是れ公論准せず。應爻世を剋すれば、是れ對方に奪い去らる。妻財敗壞すれば、是れ人回り來る能わず——皆成らず。)官司を靠りて錢財を取り回すは、官府の力を仗り、同時に兼ねて債を討うの法を用いる。(注:財を取る時官爻世を剋し・官鬼敗壞すれば、是れ官府我に替りて力を出すを肯ぜず。たとえ肯ずると雖も、もし妻財敗壞すれば討い回すことも難し。)己が力量單薄にして別人を攀扯して差役を分擔せしむるは、官府の力を仗り、同時に兼ねて人の相助を求むるの法を用いる。(注:役を攀る時官爻世を剋し・官鬼敗壞すれば、是れ官府聽かず。たとえ聽くと雖も、もし應爻世を剋し・應爻落空・妻財敗壞すれば、あの人また我を助くる能わず。)招認して後昭雪し・原職原名を恢復するは、官府の力を仗り、同時に兼ねて『我所得有り』の法を用いる。兩種の用爻を兼ねて看るを要するは、即ちこの五種の情形なり。(注:職を復し缺を補うに、官爻世を剋し・官鬼剋せらるれば、是れ官府依らず。たとえ依ると雖も、もし世爻落空に遇えば復し成らず。)
大罪不死,在用神之旺相,大害不絕,在主象之生扶。若行險陷人,鬼神所怒,雖鬼靜爻安,當直告其凶。(或有既定重罪,占其生死,刑定不復論官,專看用神,有救無事。六親困獄,防有欲害者,若主象生扶,大數未盡,奚能害哉。或占行險陷人,以官鬼發動克世為戒,倘有卜者,當直言其凶,雖得鬼靜,或天奪其鑑,而故益其疾,必致大禍,占者寧不戒之。)
大罪を犯して死に至らざるは、用神旺相に在り。大害に遭いて絶に至らざるは、主象生扶を得るに在り。もし險を設けて別人を陷害する是れならば、あれ鬼神の怒る所なり。たとえ官鬼安静・六爻平安なるも、また直に彼に告げてこの凶なるを言うべし。(注:有るは重罪已に定まりて生死を占う。刑既に定まれば即ち官爻を再び論ずるに及ばず、專ら用神を看る。救有れば即ち事なし。六親獄中に被困せば、人彼を害せんと想う有るを防ぐを要す。もし主象生扶を得れば、命數未だ盡きず、誰かまた彼を害するを得ん。もし占う所險を設けて人を害するは、即ち官鬼發動世を剋するを以て戒と為す。倘も人來りてこの種の事を卜すれば、まさに直にその凶を說くべし——たとえ官鬼安静の卦を得るも、或いは上天彼の省察の心を奪いて故意に彼の病を加重し、必ず大禍を致さん。占者豈に戒めざるべけんや。)
居官緣事,占官占訟二分,在宦憂議,部覆部議一理,伸訴里甲,私評用應,涉訟用官也。(凡有當仕心懷事累,占法有二:一曰無累官乎,則官旺世實為吉;一曰不累我乎,則官克鬼動為凶。或佔有事及部,問曰部議重輕,則官克鬼動為忌;問曰部議與官無害,則以官旺世實為喜,復疏亦然。斯二者常或相背,當詳其問神之旨,祝云為官,祝云為累,其吉凶乃定矣。伸里甲,一謂其公處,故應克世有曲,應壞無斷,六沖不終;一謂其成訟,故官克鬼動,定幹有司,二者亦隨其占而斷也。)
任に在る官員公事に因りて牽連せらるるは、占法『官を占う』と『訟を占う』の兩種に分かつ。任に在りて部裏の議處を憂うは、『部覆』と『部議』は一個の道理なり。里甲に向いて申訴するは、私下理を評するは應爻を用い、鬧りて官司を打つに到れば即ち官爻を用いる。(注:およそ官を做る人心裏に事累を掛くるは、占法兩種有り。一は『我が官に連累するや否や』を問えば、即ち官爻旺・世爻實を以て吉と為す。一は『我が人に連累するや否や』を問えば、即ち官鬼世を剋し・官鬼發動を以て凶と為す。あるいは事部裏に報到するを占い、『部議の輕重』を問わば、即ち官鬼世を剋し・官鬼發動を以て忌と為す。『部議我が官に妨害有るや否や』を問わば、即ち官爻旺・世爻實を以て喜と為す——疏を上し覆奏するも一樣なり。この兩者常に相反す。まさに卦を問う人の本意を細審すべし。彼祝告の時説く所は官の為か、累を受くるの為か、吉凶乃ち定め下さるを得。里甲に向いて申訴するもまた兩義有り。一は彼らの公斷を求む。ゆえに應爻世を剋せば即ち我が理曲、應爻敗壞すれば即ち斷じ下る能わず、六冲に逢えば即ち始有りて終无し。一は終究訟を成さんとす。ゆえに官鬼世を剋し・官鬼發動すれば、即ち定めて官府に鬧り到らん——この兩者もまた占う所に隨いて斷ず。)
大凡訟內之用爻,莫離於官鬼,官鬼之取舍,則因事而求之。是故行喜動,止喜靜,避喜空,解喜衰,息喜絕也。求為我力,則不可無,憂為我難,則不可有,事事惡其傷己,一一好其生世,以像形事,以事配義,吉凶得矣。然健訟破家,不可長也,易曰不永所事,聖人之戒深矣。(詞訟同用官爻,而有喜忌之分,明於事義,而吉凶不爽矣。然三褫其服,眾訟成師,不祥之氣,由此而長也,占者戒之。)
大凡訟事中の用爻は官鬼を離るる能わず、而して官鬼の取捨は則ち具體の事情に按じて求むるを要す。ゆえに推動せんと要せば即ちそれ發動を喜び、止住せんと要せば即ちそれ安静を喜び、躲避せんと要せば即ち它落空を喜び、化解せんと要せば即ち它衰弱を喜び、平息せんと要せば即ち它臨絶を喜ぶ。它我に替りて力を出さんを求めば、即ち它无かるべからず。它我に難を招くを怕れば、即ち它有るべからず。事事それ我を傷るを惡み、样样それ世を生ずるを喜ぶ。卦象を用いて事情を比擬し、事情を用いて義理を配合せば、吉凶即ち得着せり。然而訟を好むは家を敗し、長く此の下去すべからず。《易》に『その事を永くせず』と説く——聖人の告誡は很く深し。(注:詞訟同じく官爻を用いるも、卻って喜忌の分別有り。事理を弄明白にせば、吉凶即ち錯らず。然而『三その服を褫う』・衆人訟を興すこと師を興すが如くなれば、不祥の氣即ち此に由りて滋長す——占者まさに以て戒と為すべし。)
失物章第八十三
(內詳覆露見獲是彼是我起贓訟盜諸問)失物之占,各以用象,貨物用財,禽獸用子,舟車衣服用父母,儀像用官鬼,此用象當分也。(失物各以用爻像之,或衣服匿珍寶於中,則用財不用父,又當以輕重權之,餘以類推。)筮盜者,則察鬼象,伏鬼為隱賊,動鬼為明賊,陽男陰女,內為內而外為外也,暗動暗人而明出,旺多衰少,完巧而缺拙也,內外鬼而連結,貞悔鬼而交通。(貞悔,指世應也。凡遇世應內外之鬼,有連結交通之謀。)
(本章は失物の隱か露か・尋獲の可否・別人の偷みしか己の遺失しか・起贓・告盜等の問目を詳しく列す。)失物を占うは各々用象に按ず。貨物は妻財を用い、禽獸は子孫を用い、舟車衣服は父母を用い、神像儀仗は官鬼を用い——これは用象の區分なり。(注:失物各々用爻を以て象を取る。もし衣服の裏珍寶を藏めば、即ち妻財を用いて父母を用いず、なお輕重に按じて權衡し、其の餘類推す。)盗賊を占えば即ち官鬼の象を察す。官鬼伏藏するは暗中手を下すの賊、官鬼發動するは明らかに搶うの賊。陽爻は男・陰爻は女。內卦に在れば內賊、外卦に在れば外賊。暗動は暗中の人明るく手を出すなり。官鬼旺相なれば則ち賊多く、衰弱なれば則ち賊少なし。官鬼完好なれば則ち手法巧み、缺損有れば則ち手法拙し。內外皆官鬼有るは內外勾結、世應の上皆官鬼有るは兩下串通なり。(注:『貞悔』は世應を指す。およそ世應內外皆官鬼有れば、即ち勾結串通の謀有り。)
以五行之屬,而度其情形。(金鬼乃穿鑿添(?)撟而入,木鬼乃鋤挖鑽縮而進,火鬼乃飛騰跳躍而來,水鬼乃隱伏闇昧而至,土鬼乃雜酒筵匿池塘而偷也。)以八宮之鬼,而別其方隅。(動於何宮,則以何方來也,暗動亦然。如鬼爻安靜,則水鬼為北,火鬼為南,兩鬼論外,伏鬼論飛方也。鬼生之方,則窩贓之處,財伏何地,是藏物之所。)
官鬼の五行の屬する所に按じて、作案の情形を推度す。(注:金性官鬼は牆を穿ち壁を鑿ち物を搭して入る——原刻此の處一の疑字有り。木性官鬼は锄りて洞を鑽りて進む。火性官鬼は簷を飛び跳躍して來る。水性官鬼は暗處に隱伏して黑に趁りて至る。土性官鬼は酒席の中に混り・池塘の邊に藏れて手を下す。)八宮の屬する所の官鬼に按じて、賊の來る方位を分別す。(注:官鬼いずれの一宮に動けば、即ちいずれの一方より來る、暗動もまた一樣なり。もし官鬼安静なれば、即ち水性官鬼北に在り・火性官鬼南に在り。兩重の官鬼は外卦のあの一個を取り、伏藏の官鬼は飛神の方位を取る。官鬼を生ずるあの一方は、即ち贓を窩する處。妻財いずれの處に伏すかは、即ち物を藏する所。)
以六神之司,而別其狀貌。(青龍為少俊,白虎為狂勇,朱雀為巧辨之夫,元武為計謀之賊,勾陳似端篤而不良,騰蛇竟虛浮而不實,蹤跡莫可測也。)何時覆露,鬼爻敗絕之期。何日見獲,財爻生旺之辰也。物匿何處,審其方也,用伏而察飛爻,用飛而察親宮,用悔而察貞爻,用二而察主爻也。(財伏論飛神之方,財現論本宮之方,變財論動爻之方,兩財論世爻、卦身、世身、內卦為主爻。飛伏變象無財,是無蹤也,何複方其方哉。)
六神各自の主る所に按じて、賊人の相貌を分別す。(注:青竜は少年俊秀、白虎は狂勇の徒、朱雀は巧言善辯の人、元武は計謀を善用するの賊、勾陳は端方篤厚を看似るも其の實不良、螣蛇は則ち輕浮不實——蹤跡皆捉摸し難し。)いずれの時に暗より轉じて明と為るや。官鬼敗絶の期に在り。いずれの日に尋ね見るを得るや。妻財生旺の辰に在り。物いずれの裏に藏るるや。それ方位を審するを要す。用神伏藏すれば即ち飛爻を察し、用神出現すれば即ち本宮を察し、用神變卦に在れば即ち本卦の爻を察し、用神兩現すれば即ち主爻を察す。(注:妻財伏藏すれば即ち飛神の方位を論じ、妻財出現すれば即ち本宮の方位を論じ、變出の妻財は即ち動爻の方位を論ず。兩重の妻財は、即ち世爻・卦身・世身・內卦を以て主爻と為す。もし飛・伏・變象の中皆妻財无ければ、是れ即ち蹤跡无きなり、また何の方位を談ぜんや。)
分其所也,用在初爻地與井,用在上爻墳與野,二索於灶,三索於房。四索於門,五索於道,在應索閨閣之中,在世索近身之器,在內索內,在外索外也。(財爻出現安靜,然後以世應內外及六爻考之。)化父變父,及飛是父者,當覓以篋櫃,是財者,當覓以貨物,是兄者,當覓以牆垣,是鬼者,當覓以香火,是子者,當覓以廊廂庵寺之所也。(此必以用伏之飛、用化之爻、化用之象則論,其他則否也。)
さらにそれ在る所の處所を分かつ。用爻初爻に在れば地下と水井、上爻に在れば墳地と郊野、二爻は竈間を找ね、三爻は臥房を找ね、四爻は門口を找ね、五爻は道路を找る。應爻に在れば內室閨閣を找ね、世爻に在れば己の随身の器物を找る。內卦に在れば屋裏を找ね、外卦に在れば屋外を找る。(注:妻財爻出現して安静なるを要して、然る後に乃ち世應・內外および六爻の位置を用いて考究す。)用爻父母を化出し・變じて父母と作す、あるいは飛神父母たるは、即ち箱篋櫃子の裏に在りて找るべし。妻財なれば、即ち貨物の裏に找る。兄弟なれば、即ち牆垣の邊に找る。官鬼なれば、即ち香火神位の處に找る。子孫なれば、即ち廊屋廂房・庵堂寺院の一帶に找る。(注:これは必ず用神の伏す所の飛爻・用神の化する所の爻・用神を化出するの象に就きて論ずるを要し、其他の情形は即ちこの如く斷ぜず。)
是彼盜與,應克世而是盜。是我遺與,世受衰敗而自遺也。(應不克世,非此人也,世不受損,非干我誤也。)起贓擒盜,子旺有制,鬼動為凶,助傷官克隨墓,則賊橫而反噬也。訟官索物,務用其鬼,生世而理,官病財空官克世,則徒勞而自辱也。大易慢藏有戒,擊柝致嚴,君子貴先事而慎也。(擒盜喜子旺克鬼,訟盜喜官實財旺,反是而凶。)
人に偷まれたるか否か。應爻世を剋せば即ち偷まれたり。己の遺失せしか否か。世爻衰敗の傷を受けば、即ち己が丢せしなり。(注:應爻世を剋せざれば、即ちこの人の幹せしにあらず。世爻損を受けざれば、即ち我が疏忽に干らず。)贓を起し賊を擒う。子孫旺相なれば即ち官鬼を制伏する能し、官鬼發動すれば即ち凶。もし鬼を助けて身を傷り・官爻世を剋し・鬼に隨って墓に入るに遇えば、あれ即ち賊勢橫行して反って我を一口咬まん。官府に告げて失物を索取するは、務めてそれ官鬼を用い、官爻世を生ずれば即ち理有り。もし官爻病有り・妻財落空・官爻世を剋せば、即ち力を白費して自ら辱を取る。《易》に『藏を慢くすれば盜を誨う』の戒有り、また『重門撃柝』の嚴有り——君子は事先に謹慎するを貴ぶ。(注:賊を擒うるは子孫旺にして官鬼を剋するを喜び、賊を告ぐるは官爻充實・妻財旺相を喜ぶ。之に反すれば即ち凶。)
易冒巻之十
神聽章第八十四
(內詳彼報彼詛誓神防蠱諸問)怨毒於人甚矣,不能伸於人,而求伸於神,亦人情之常也。鬼神之告,專用官爻。官克應者,將行罰惡之誅,官克世者,不受不臣之訴,隨官入墓,戢火年焚,助鬼傷身,倒戈自滅,是以神聰不我聰,為空散故,神明不我明,為破絕故,非神聽之或違,多膚訴之不實。
(本章は神に報應を求め・人に咒詛せられ・神に對して誓を發し・人の蠱を下すを防ぐ等の問目を詳しく列す。)人と人の間怨毒深き太り、人間に在りて冤を伸ぶる能わざれば、即ち神明に求めて己に替りて冤を伸べしむるも、また人の常情なり。鬼神に向いて訴告するは、專ら官爻を用いる。官爻應爻を剋せば、是れ神まさに惡を罰するの誅を施行せんとす。官爻世爻を剋せば、是れ神この本分に合わざる訴告を受理せず。鬼に隨って墓に入るに遇えば、是れ收斂の火反って己を燒き焚く。鬼を助けて身を傷るに遇えば、是れ戈矛を倒轉して自ら滅亡を取る。ゆえに神聰なりと雖も我が為に聽かざるは、官爻落空被散するを以てなり。神明なりと雖も我が為に明らめざるは、官爻逢破臨絶するを以てなり。これは神の聽に偏差有るにあらず、多半は己が訴詞の浮淺不實なり。
報之速者,六九也,報之遲者,七八也,報之暗者,沖擊也,報之輕者,休囚也。應受月破,天將亡之,應受旬空,神奪其魄,應受散絕,惡貫之盈,應隨鬼墓,天網之密。(應克破受其罰,鬼臨生旺是其期。)
報應の來ること速きは、老陰老陽『六・九』の動。來ること慢きは、少陽少陰『七・八』の静。報應暗處に在るは、衝擊に靠りて應ず。報應輕きは、休囚力无き。應爻月破に遭うは、上天彼を亡ぼさんとす。應爻旬空に遭うは、神彼の魂魄を奪えり。應爻散絶に遭うは、彼惡貫滿盈せり。應爻鬼に隨って墓に入るは、天網嚴密にして逃るる處无し。(注:應爻剋せられ破せらるれば、即ち彼罰を受く。官鬼生旺の時に臨めば、即ち應報の期なり。)
筮彼咒詛,猶避禍之占也,鬼動神怒,官克害成,隨墓助傷,而天亡我。惟子孫旺而官鬼衰,則直在我,而神鑑之。筮誓廟,鬼靜乃安,官動克世、隨墓助傷,定受背盟之罰。筮防蠱,子世無憂,官動世病、隨墓助傷,應遭埋蠱之毒,鬼禍奸人,神無曲庇,筮者審之。
人我を咒詛するを占うは、禍を避くるを占うと相同じ。官鬼發動するは神の怒、官鬼世を剋するは加害の成眞。もし鬼に隨って墓に入り・鬼を助けて身を傷るに遇えば、あれは天まさに我を亡ぼさんとす。ただ子孫旺にして官鬼衰なるのみ、乃ち理の直なるは我に在りて神明鑒察す。廟裏に到りて誓を立つるを占うは、官鬼安静にして乃ち平安。官鬼發動世を剋し・鬼に隨って墓に入り・鬼を助けて身を傷れば、必ず盟に背くの罰を受けん。人の蠱を下すを防ぐを占うは、子孫持世すれば即ち憂无し。官鬼發動・世爻病有り・鬼に隨って墓に入り・鬼を助けて身を傷れば、即ち蠱を埋めらるるの毒を遭わん。鬼神奸人に禍を降す、神明枉法して庇護せず——占者まさに細審すべし。
侍神章第八十五
(內詳停厝舉殯奉神撤像辨塚辨骸六問)侍神者,謂安神於家,奉先於廟,以安神靈,而庇人宅。奉而安,猶人事之寧休,奉而感應,猶人事之遂求。故侍神之筮,大忌三沖鬼動,主神不安,亦嫌克世,主人不寧,空則無降格之誠,破則有怨恫之慮,散絕則精爽難憑,隨墓助傷,則災害並至。
(本章は棺を停め・出殯・神像を奉安し・神像を撤去し・墳墓を辨認し・骸骨を辨認する等六個の問目を詳しく列す。)所謂『侍神』とは、神位を家中に安め・祖先を祠廟に奉じ、神靈安妥にして人家を庇佑せしめんが為なり。奉ること安ければ、即ち人事の平安無擾の如し。奉りて感應有れば、即ち人事の求むる所皆遂ぐるが如し。ゆえに侍神を占うに最も『三冲』——即ち卦六冲に逢う——と官鬼發動とを忌む。あれ神靈安まらざるを主す。また官鬼世を剋するを嫌う。あれ人口寧ならざるを主す。官鬼落空すれば、即ち神靈降格するの誠意无し。逢破すれば、即ち神靈怨を含むの慮有り。被散・臨絶すれば、神の精爽憑依し難し。もし鬼に隨って墓に入り・鬼を助けて身を傷るに遇えば、災害即ち一幷に來らん。
故鬼爻既安,而後徵祥,福興而人丁盛,財旺而積貯饒,臨祿貴而有官爵之慶。鬼爻不安,即以致戾,白虎動而病喪,騰蛇動而驚擾,雀武動而有訟盜之虞也。世空缺我躬之禮,應空疏人事之虔,內外官,而有人已之聖像,變伏鬼,而有新舊之神儀,游魂自此遷彼,歸魂自彼遷此也。猶有六爻克鬼,僕役慢神,鬼生二爻,神祐妾婦也。欲其神之神者,莫神於克誠,欲其先之安者,莫安於克孝。
官鬼既に安寧せば、然る後に乃ち吉祥の徵を看る。子孫興旺なれば則ち人丁繁盛し、妻財旺相なれば則ち積蓄豐饒し、官鬼祿神貴人に臨めば則ち官爵の慶有り。官鬼安まらざれば、即ち乖戾を招來せん。白虎發動は疾病喪亡を主り、螣蛇發動は驚擾を主り、朱雀・元武發動すれば則ち詞訟・盗賊の虞有り。世爻落空すれば、是れ我自身の禮數缺有り。應爻落空すれば、是れ他人の虔敬足らず。內外卦皆官鬼有るは、別人の聖像と自家の聖像と並列するなり。官鬼變爻有り伏神有るは、新舊兩套の神位儀像有るなり。遊魂卦は此處より彼處に遷り、歸魂卦は彼處より此處に遷る。なお上爻官鬼を剋する有るは、僕役神明を怠慢するなり。官鬼二爻を生ずるは、神明妻妾を保佑するなり。神に顯靈せしめんと欲するは、誠を盡くすより靈なるは莫し。祖先に安寧せしめんと欲するは、孝を盡くすより安なるは莫し。
推之停棺厝柩,必求其亡魄之安,亦以官鬼為用。是以卦象三沖,則死者不寧,而生者不福;鬼動亡魄搖而人心蕩,克世福機息而禍兆萌,空則先靈不欲,破則先靈不悅,散則先靈不集於是也。惟卦合官靜,始為盡善,若隨墓助傷,乃為大凶。
推して棺を停め柩を厝するに至るも、必ず亡者魂魄安寧を求め、また官鬼を以て用神と為す。ゆえに卦象六冲に逢えば、死者寧ならずして生者福を得ず。官鬼發動すれば、亡魂動搖して人心もまた蕩く。官鬼世を剋せば、福機止息して禍兆萌生す。官鬼落空すれば、是れ先靈願わざるなり。逢破すれば、是れ先靈高興ならざるなり。被散すれば、是れ先靈此處に聚まるを肯ぜざるなり。ただ卦六合に逢い官鬼安静なるのみ、乃ち盡善と算すべし。もし鬼に隨って墓に入り・鬼を助けて身を傷るに遇えば、あれ即ち大凶なり。
舉殯何如,不戒沖也,惟以亡靈之悅,故弗宜克世鬼動,年命順利,故弗宜隨墓助傷。故鬼病雖財神福神,動而不吉,鬼安,雖父兄忌象,動而不凶也。故未奉而筮當奉,已奉而筮當撤,亦猶是也。(舉殯出宅,是離其親,故沖不戒,出而安,父兄動不凶,出而不安,財福動不吉。)若迷而筮塚墓骸骨之真偽者,則以六親之用爻辨,不以官鬼辨也。
出殯怎麼看るや。必ずしも六冲を戒めず。ただ亡靈の歡喜を求む。ゆえに官鬼世を剋し・官鬼發動を宜しとせず。ただ亡者の年命順利を求む。ゆえに鬼に隨って墓に入り・鬼を助けて身を傷るを宜しとせず。ゆえに官鬼病有る時は、たとえ妻財・子孫の如き吉神發動するも吉ならず。官鬼安寧の時は、たとえ父母・兄弟の如き忌象發動するも凶ならず。ゆえに未だ奉安せずして奉安すべきか否かを占い、已に奉安して撤去すべきか否かを占うも、また同じ道理なり。(注:出殯宅を離るるは親人と相離るるなれば、ゆえに六冲を戒めず。出殯の後安んずる能えば、父母兄弟發動するも凶ならず。出殯の後安んずる能わざれば、妻財子孫發動するも吉ならず。)もし拿準せずして墳墓・骸骨の眞僞を占わば、則ち六親の用爻を用いて辨し、官鬼を用いて辨ぜず。
師巫章第八十六
(內詳神降卜祟卜鬼求福諸問)凡延高僧懴誦道術禳災,下至巫祝之用,所占無指,則用子象,所占有指,皆察應爻。空破散絕,則浮偽難親,生扶安旺,則真誠可仗;進勤而退怠,動則心多往來。故應臨父母則道高,臨子孫則德備,臨財而具威儀,臨官而格鬼神,臨兄弟而左右助法;臨龍善而虎惡,勾重而蛇輕,雀辨而武訥;上卦為高,下卦為卑,喜其庇身,豈宜克也。
(本章は神靈降臨・何物の作祟かを卜し・鬼か否かを卜し・福を求む等の問目を詳しく列す。)およそ高僧を請じて懺誦せしめ・道士を請じて法を作して災を禳わしめ、下りて巫祝の流を用うるに至るまで。占う所もし指定の人无ければ、即ち子孫の象を用いる。占う所もし指定の人有れば、皆應爻を察す。應爻落空・逢破・被散・臨絶すれば、あの人浮誇虛僞にして親近すべからず。生扶を得て安穩旺相なれば、即ち眞誠にして靠むべし。進神に化すれば則ち勤謹、退神に化すれば則ち怠惰。一たび發動すれば即ち彼心思往來定まらず。ゆえに應爻父母に臨めば、その人道行高し。子孫に臨めば、その人德行完備す。妻財に臨めば、その人威儀齊整す。官鬼に臨めば、その人鬼神に感通する能し。兄弟に臨めば、則ち左右彼を助けて法を行う人有り。青竜を帯ぶれば則ち善、白虎を帯ぶれば則ち惡。勾陳を帯ぶれば持重、螣蛇を帯ぶれば輕浮。朱雀を帯ぶれば言う能し、元武を帯ぶれば訥訥たり。上卦に在るは高人、下卦に在るは卑末の流。要はそれ我が身を庇護せんを、詎ぞそれ世を剋せしめんを得んや。
卜曰明神降乎,鬼空則不降,鬼破則不喜,鬼散則不留,鬼動則鑑,鬼克則罰,隨墓助傷則禍也,惟鬼靜為善。卜其為祟乎,鬼動則是。卜其是是鬼乎,空破散絕則非。求神邀福,子象旺而福來。求神祐病,用爻旺而病去。祈壽祈名,祈財祈子,各以用爻而推。夫卜道行之真繫於應象,察鬼神之應,繫於官爻。淫祀諂神,有道所戒,況妖巫鬼史,妄言禍福哉,君子慎之。
神明降臨するや否やを問う。官鬼落空すれば即ち降らず、逢破すれば即ち歡喜せず、被散すれば即ち留まるを肯ぜず、發動すれば即ち鑒察に來り、世を剋せば即ち罰を降しに來り、鬼に隨って墓に入り・鬼を助けて身を傷るに遇えば即ち禍を降さん——ただ官鬼安静のみ乃ち好し。それ作祟するや否やを問う。官鬼發動すれば即ち是れなり。あの鬼か否かを問う。官鬼落空・逢破・被散・臨絶すれば即ち是れにあらず。神の賜福を求むるは、子孫の象旺相なれば則ち福來る。神病人を保佑するを求むるは、用爻旺相なれば則ち病去る。壽を祈り・功名を祈り・財を祈り・子を祈るは、各々各自の用爻に按じて推す。要するに、法師道行の眞假を卜するは應爻の象に繫り、鬼神の感應を察するは官爻に繫る。濫りに祭祀を行い・鬼神に諂媚するは、有道の士の戒むる所、況んや妖巫神漢妄りに禍福を言うをや。君子まさに謹慎すべし。
機兆章第八十七
(內詳何怪驅置怪息有妖是怪五問)禍福之來,機必先兆,或徵於夢寐,或見於物變,筮之者,莫不以子孫為福,官鬼為禍。然吉凶悔吝生乎動,鬼動而禍隨,若空散則非真,破絕則無害;若動,雖破亦凶,若隨助,雖靜亦凶,若旺相猶動,若克世猶動,而終不及動也。(以隨助、鬼動為首戒,鬼克鬼旺次之,而鬼遇空散絕,或怪或夢,皆不成凶也。)
(本章は何の怪か・驅除する能うや否や・置之不理する能うや否や・いずれの時に怪事平息する・屋裏妖有るや否や等五個の問目を詳しく列す。)禍福まさに來らんとして、先ず必ず徵兆有り。あるいは夢寐の中に應じ、あるいは物象の變に現る。この類の事を占うに、子孫を以て福と為し・官鬼を以て禍と為さざるは无し。然而吉凶悔吝は動に生ず。官鬼發動すれば則ち禍随いて至る。もし官鬼落空被散すれば即ち眞にあらず、逢破臨絶すれば即ち害處无し。ただそれ一たび發動すれば、たとえ逢破するも凶。もし鬼に隨って墓に入り・鬼を助けて身を傷るに遇えば、たとえ安静なるも凶。官鬼旺相なれば即ち發動に如同しく、世を剋するもまた發動に如同し。ただ終竟眞の發動の來るに及ばざるが如し。(注:鬼に隨って墓に入り・鬼を助けて身を傷りと官鬼發動を以て第一の要戒と為し、官鬼世を剋し・官鬼旺相をこれに次ぐ。もし官鬼落空・被散・臨絶に遇えば、然らば即ち怪を出し夢を出すを論ぜず、皆凶を成さず。)
然則動其凶乎,主何應也,青龍為哀樂之計,朱雀為詞訟之牽,白虎為丁口之喪,元武為盜賊之警,勾陳為土田之禍、墳墓之幹,騰蛇為連累之殃、驚憂之恐。木因樹藝而機災,金緣刀斧而生疾,火有焚燒之難,水為波浪之沉,土有瘟疫之眚也。以八宮而分所避之方,以諸星而分所趨之事。
然らば官鬼發動すれば即ち凶。それ何の應驗を主るや。青竜を帯ぶれば哀樂の事の牽累を主り、朱雀を帯ぶれば詞訟牽連を主り、白虎を帯ぶれば人口喪亡を主り、元武を帯ぶれば盗賊の警を主り、勾陳を帯ぶれば田土の禍・墳墓の事を主り、螣蛇を帯ぶれば株連の殃・驚憂の恐を主る。木性官鬼は樹を種え木を栽うるに因りて灾を起し、金性官鬼は刀斧に因りて病を生じ、火性官鬼は焚燒の難有り、水性官鬼は波浪沉溺の患有り、土性官鬼は瘟疫の灾有り。さらに八宮に按じて避くべき方位を分かち、各種の星煞に按じて趨くべき避くべきの事情を分かつ。
(乾兌不可以西行,震巽不可以東去,坎離蒙水火之厄,坤艮招產業之非也。驛成不可以途行,咸池不可以女色,天喜戒遊婚娶之家,喪門忌投縞素之室,天獄鬼動,猝防刑獄之殃,地賊官興,忽犯穿窬之盜,浴盆憂損嬰兒,喪車慮妨骨肉也,其他類推。)
(注:乾・兌は西に往き走るべからず、震・巽は東に往き去るべからず、坎・離は水火の厄を防ぐを要し、坤・艮は產業上の是非を招かんとす。驛馬煞に逢えば路を上るべからず、咸池は女色に近づくべからず、天喜は嫁娶の家に往きて鬧を凑すを戒むるを要し、喪門は喪事有るの家に進るを忌み、天獄官鬼と同動すれば猝然の刑獄の殃を防ぐを要し、地賊官鬼と同興すれば忽ち牆を穿ち洞を鑽るの盗賊に遇うを防ぐを要し、浴盆煞は嬰兒を損傷するを憂い、喪車煞は骨肉を妨害するを慮る。其他類推す。)
以六親而分所屬之迍,是以化父母,而堂上少康,變妻財,而閨中多故,入子孫,而丁幼瘡痍,之兄弟,而門穡瑣括,化官鬼,而災禍相乘也。持世,禍由己召,臨應,患自人招,游魂不可出,歸魂不可入,內為內禍,外為外殃。(八宮諸星六親由鬼動而言。)
さらに六親に按じて屬する所の困厄を分かつ。官鬼父母を化出すれば、堂上尊長安まる少し。妻財を化出すれば、閨中故多し。子孫に化入れば、幼小兒女瘡病有り。兄弟と化作れば、家門收成瑣碎拮据す。官鬼を化出すれば、災禍接連して來る。官鬼世を持てば、禍は己の招く所なり。官鬼應に臨めば、患は別人の惹く所なり。遊魂卦は門を出るべからず、歸魂卦は宅に入るべからず。內卦に在れば家內の禍、外卦に在れば外來の殃。(注:八宮・各種星煞・六親は、皆官鬼發動に就きて講ずるなり。)
其應祥也,父母貴人動,主進文章,子孫青龍動,主進金帛,妻財天喜動,主進臣妾,兄弟六合動,主得良朋也。(若鬼爻靜休,遇有此動,始徵其祥。)獨點何怪,則用鬼爻,陽為物怪,陰為鬼怪。鬼生何方,從斯現也,鬼屬何云,從斯象也,鬼屬何神,從斯物也,鬼化化鬼,從斯類也,而吉凶不屬焉。
吉祥に應ずるに至りては、父母貴人と同動すれば、文書功名を進るを主り。子孫青竜と同動すれば、金帛を進るを主り。妻財天喜と同動すれば、妻妾僕從を進るを主り。兄弟六合と同動すれば、良朋を得るを主る。(注:官鬼安静休囚なるを要し、これらの爻發動に遇えば、乃ち吉祥の徵と算う。)單獨何の怪かを指點すれば、即ち官鬼爻を用いる。陽爻は物怪、陰爻は鬼怪。官鬼いずれの一方より生を得れば、怪即ちあの一方より現る。官鬼何の氣類に屬すれば、怪即ちあの種の象を取る。官鬼何の神煞に臨めば、怪即ちあの類の物なり。官鬼の化する所および官鬼を化出するも、またあの一類に從りて推す——これらはただ類別を辨じて、吉凶と關无し。
(凡問是何怪,此則不占怪爻,當占鬼象,若鬼屬陽,於象有形為物怪,乃精妖也;若鬼屬陰,於象無形為鬼怪,乃障孽也。如金鬼長生在巳,或起東南,或從土出,木鬼或出沒自水,水鬼或搬弄其金,火鬼其怪屬火,或常顯紅光,土鬼其怪屬土,或常飛沙石;鬼居龍蛇,常如龍蛇變化,鬼居朱雀,空虛若有聲,鬼居勾陳,牆垣若有人,白虎血光,元武穢氣也。父母化鬼,先靈不安,鬼化父母,樑棟不吉,子孫變化,兒童之鬼‘禽獸之精,妻財變化,臣妾之亡、寶藏之祟,兄弟為壁堵匿妖,官鬼為香火懷怒也,其吉凶弗繫於此。)
(注:およそ何の怪かを問うは、この時怪爻を占わずして官鬼の象を占うを當たるとす。官鬼陽に屬すれば、象上形有り、是れ物怪、即ち精妖。官鬼陰に屬すれば、象上形无し、是れ鬼怪、即ち業障。例えば金性官鬼巳に長生すれば、怪あるいは東南より起り、あるいは土中より出づ。木性官鬼の怪あるいは水中より出沒す。水性官鬼の怪あるいは金屬器物を搬弄す。火性官鬼その怪火に屬し、あるいは常に紅光を顯す。土性官鬼その怪土に屬し、あるいは常に沙を飛ばし石を走らす。官鬼青竜・螣蛇を帯ぶれば、怪常に龍蛇の如く變化す。朱雀を帯ぶれば、空中人の聲有るに似たり。勾陳を帯ぶれば、牆邊人の影有るに似たり。白虎を帯ぶれば血光を主り、元武を帯ぶれば穢氣を主る。父母官鬼に化するは、先靈安まらざるなり。官鬼父母に化するは、屋梁棟木吉ならざるなり。子孫の變化は、兒童の鬼・禽獸の精なり。妻財の變化は、妻妾僕從の亡魂・寶藏の作祟なり。兄弟は牆壁の中妖を藏す。官鬼は香火神位怒を含む——それらの吉凶は此に繫らず。)
驅之何如,官動鬼旺克世,不可驅也。置之何如,鬼靜無克,置之可也。何時怪息,鬼墓絕之期也。此室有妖乎、有鬼乎,鬼虛則無,鬼實則有,隨墓助傷則害人,官動鬼克則暴厲也,筮是妖是鬼,亦同此占。(所占不一,皆以鬼辨。)吾聞日明星晦,邪不勝正,占者正心修德,而妖孽自消矣,何惑於怪與夢哉。
往きてそれを驅るべきか否か。官鬼發動・官鬼旺相にして世を剋せば、即ち驅る能わず。それを理せざるを得るや否や。官鬼安静にして世を剋せざれば、即ち置きて理せざるべし。いずれの時に怪事平息するや。官鬼墓に入り絶に臨むの期に在り。この屋裏妖有るや否や・鬼有るや否や。官鬼虛なれば即ち无く、官鬼實なれば即ち有り。鬼に隨って墓に入り・鬼を助けて身を傷るに遇えば、それ即ち人を害せんとす。官鬼發動・官鬼世を剋せば、それ即ち凶暴猛厲なり。妖か鬼かを占うも、またこの占法に照らす。(注:問う所一ならざるも、皆官鬼を用いて辨ず。)我聞く、太陽一たび明なれば星光即ち晦暗にして、邪正に勝たずと。卦を占うの人ただ心を正し德を修めば、妖孽自然消散し、何ぞ必ずしも怪異と夢兆に迷惑せられんや。
戒防章第八十八
(內詳防訟防火防盜防疫防毒諸問)吾聞禍福相倚伏者也,先機之戒,君子所慎,故應為人也,鬼為害也。應克鬼克,殃必作焉,隨墓助傷,禍之大者,惟子動而有排難之人,世空而無受禍之地,察其虛實而定之。(以鬼為害,動則害作,旺大衰小,如應克世,及官克世,本為害將切我,若得破空絕散,謂之無實害也,故曰虛實而定。)憂害而有指,則兼應爻,憂害而無指,則專鬼象,出往而憂害,鬼應克世,皆不可往也。(無所指,則不必論應爻,私行苟免,而鬼應俱不可克世也。)
(本章は訟を防ぎ・火を防ぎ・盗を防ぎ・疫を防ぎ・毒を防ぐ等の問目を詳しく列す。)我聞く、禍福は互いに倚伏す。事先の防戒は君子の慎重する所なり。ゆえに應爻は人を代表し、官鬼は害を代表す。應爻世を剋し・官鬼世を剋せば、禍殃必ず發作す。もし鬼に隨って墓に入り・鬼を助けて身を傷るに遇えば、あれは最大の禍なり。ただ子孫發動のみ乃ち難を排し紛を解く人有り、世爻落空のみ乃ち禍を受くるの地无し——その虛實を察して以て定むるを要す。(注:官鬼を以て害と為す。それ一たび動けば害即ち發作し、旺なれば則ち害大、衰なれば則ち害小。もし應爻世を剋しおよび官爻世を剋すれば、本來禍害身に切らんとす。ただもしそれ逢破・落空・臨絶・被散すれば、即ち實害无しと叫ぶ。ゆえに虛實に按じて以て定むと説く。)擔心するの禍害具體の指す所有れば、即ち兼ねて應爻を看る。具體の指す所无ければ、即ち專ら官鬼の象を看る。門を出て外に在りて害を受くるを擔心すれば、官鬼あるいは應爻世を剋するは、皆往くべからず。(注:具體の指す所无ければ、即ち應爻を論ずるに及ばず。私下出行して平安を圖るは、官鬼と應爻皆世を剋すべからず。)
概言防害,以鬼為端。以言語音信而產禍者,朱雀之鬼發也;以婚姻淫樂而兆殃者,青龍之鬼發也;勾陳為工巧之由,騰蛇為虛誣之害,元武為真盜之謀,白虎為假命之連也;木鬼者,戒入深木,地鬼者,防立巖牆;金毋往來於行伍,火毋行坐於窯壙,水毋跳躍於舟船也;坎為水難,毋執弓輪,離為火災,毋食蟹鱉,震有舟車之寇,巽有婦女之奸;乾兌為僧室庵堂,或重寶旨酒而淫心,坤艮為郊野山林,或以老嫗妖童而惑意也。(此專言鬼臨六神、五行、八宮如此。)
概括して防害を言えば、皆官鬼を以て端緒と為す。言語音信に因りて禍を生ずるは、朱雀の臨む所の官鬼發動なり。婚姻淫樂に因りて殃を兆すは、青竜の臨む所の官鬼發動なり。勾陳は營造工巧に因りて起るなり、螣蛇は虛妄誣告の害、元武は眞の盗賊の圖謀、白虎は人に人命を圖賴せられて牽連す。木性官鬼は、深山密林に進るを戒めよ。土性官鬼(原文『地鬼』と作る)は、危牆の下に立つを防げ。金性官鬼は、行伍の間に往來するなかれ。火性官鬼は、窯竈土坑の邊に行坐するなかれ。水性官鬼は、船上に跳躍するなかれ。坎は水難を主り、弓と車輪を手執するなかれ。離は火災を主り、蟹鼈を喫するなかれ。震は舟車寇に遇うの患有り。巽は婦女私通の禍有り。乾・兌は僧房庵堂、あるいは貴重の財寶・美酒に因りて淫心を動かさん。坤・艮は郊野山林、あるいは老婦・妖童に心意を迷惑せられん。(注:此處專ら官鬼六神・五行・八宮に臨むの情形を講ず。)
若夫防訟之占,專務官鬼,或云應克世而有訟心,如官爻空,而無主訟也。鬼克謂之訟侵,鬼動謂之訟起。(應克世為挾怨懷仇,若官不克世,鬼爻安靜,亦無訟也。)
防訟を占うに至りては、專ら官鬼を用いる。人應爻世を剋すれば即ち對方訟を興すの心有りと説く有り。ただ官爻落空すれば、即ち訟事を主持する人无し。官鬼世を剋するを訟事我が身に侵ると叫び、官鬼發動するを訟事已に興起せりと叫ぶ。(注:應爻世を剋するは彼怨を挾み仇を懷くなり。ただ官爻世を剋せず・官鬼安静なれば、また訟を成さず。)
防火、防盜,皆為人之害也,子動則吉,鬼動則凶,然亦必以官鬼為先務也。暗動者,火非天災,而盜非大寇;動而沖者安,破而動者凶,鬼動而克世者,有焦爛網羅之厄也。始自何方,八卦求之,發於何時,生旺考之,息於何時,墓絕司之。(坎北離南,震東兌西之謂。如火鬼,寅午戌月為生旺,如水鬼,辰巳月為墓絕。)
火を防ぎ・盗を防ぐは、皆別人の我に加うるの害なり。子孫發動すれば即ち吉、官鬼發動すれば即ち凶。然而もまた必ず官鬼を以て首要と為す。官鬼暗動するは、火天灾にあらず・盗大寇にあらず。官鬼發動して冲せらるるは反って安し、月破に逢いてまた發動するは乃ち凶。官鬼發動して世を剋せば、即ち火に燒灼せられ・賊に網羅せらるるの厄有り。いずれの方より起るやは、八卦を用いて求む。いずれの時に發するやは、それ生旺を攷う。いずれの時に止息するやは、それ墓絶に由りて主管す。(注:坎は北・離は南・震は東・兌は西の類。譬えば火性官鬼は、寅午戌月を生旺と為す。水性官鬼は、辰巳月を墓絶と為す。)
夫憂災疫之流,世旺鬼安,天災不及。憂藥毒之慮,世實鬼靜,則彼計難行。(若占人毒我虛實,則忌應克世、官克世、隨墓助傷,則彼欲密謀也。)
灾疫流行を憂う。世爻旺相・官鬼安静なれば、天灾我に臨まず。人に藥を下され毒を下せらるるを憂う。世爻充實・官鬼安静なれば、對方の計謀即ち行う能わず。(注:もし別人我を毒するこの事の虛か實かを占わば、即ち應爻世を剋し・官爻世を剋しおよび鬼に隨って墓に入り・鬼を助けて身を傷るを忌む——あれは彼眞に密謀して手を下さんとす。)
潛避章第八十九
(內詳避地兵侵兵來避荒訟避人害兵害謀害諸問)明哲保身,賢者避地,況涉末流,可不審處。大抵福神得位,則隨地桃源,鬼象繁興,則彌天荊棘,隨官入墓,仰干城而罹兔罝,助鬼傷身,輕同舟而逢敵國,鬼空鬼散,王道蕩平,鬼破鬼休,天心厭亂。故鬼旺而能靜,雖崑火已逼,而玉石能全。唯鬼破而動,謂虎煞相隨,而豺狼當道,此大象也。(唯大白虎與月破同位,蓋官鬼為兵,白虎為煞,故雖月破更兆其凶。)
(本章は地を避け・兵禍侵擾・兵いずれの方より來る・荒年を避け・官司を避け・人の加害を避け・兵害を避け・人の謀害を避くる等の問目を詳しく列す。)明哲の士は身を保するに善く、賢者亂世に遇えば地を遷して避く。況んや末世に身を處するを、怎んぞ審愼に去處を選擇せざるを得ん。大體來りて言わば、子孫福神位を得れば、然らば到る處皆桃花源。官鬼の象紛紛興動すれば、即ち滿天荊棘なり。鬼に隨って墓に入るに遇えば、是れ干城の將に仰賴して反って兎を捕るの羅網に落進す。鬼を助けて身を傷るに遇えば、是れ舟を同じくして濟るの人竟に敵國と變ず。官鬼落空被散すれば、是れ王道蕩平。官鬼逢破休囚すれば、是れ天心亂を厭う。ゆえに官鬼旺なりと雖も安静する能えば、たとえ崑岡の火已に逼るも、玉石保全する能し。ただ官鬼逢破してまた發動するのみ、則ち白虎凶煞相随・豺狼道に當たると叫ぶ。これ大略なり。(注:此處指すは大白虎と月破と同じく一個の位に在るを謂う。官鬼を兵と為し、白虎を煞と為す。ゆえにたとえ月破に逢うも、反ってさらにその凶を顯す。)
筮何方趨避,專忌鬼方,喜臨子地。筮是地避兵,唯以鬼靜為良,尤忌世爻化鬼。(忌鬼方,喜子地,如巳午子孫宜南方,申酉官忌西也。世化鬼爻,此地將來恐生不測,若所化之鬼,得空破散絕無事,若卦中無鬼,最為寧靜。)
いずれの方向に往きて趨避するを占う。專ら官鬼の在る所の方を忌み、子孫の在る所の地に臨むを喜ぶ。ある地兵を避くる能うや否やを占う。ただ官鬼安静を以て好しと為し、ことさら世爻官鬼を化出するを忌む。(注:官鬼の方を忌み・子孫の地を喜ぶは、例えば巳午を子孫と為せば即ち南方に往くを宜しとし、申酉を官鬼と為せば即ち西方に往くを忌む。世爻官鬼を化出するは、この地方將來恐らく不測を生ぜん。もし化する所の官鬼落空・逢破・被散・臨絶すれば、即ち事なし。もし卦中根本に官鬼无ければ、最も寧静なり。)
兵來侵乎,無鬼元侵,鬼靜無害,或隨墓,或助傷,或發動克世,如火之燎原,當求早避;若旺相安靜,震鄰之恐,隨助空散,履危而安。兵由是來乎,無鬼無兵,旺多衰少,破或分行,散來復去,動來則速,暗動悄行。(當審其虛實動靜生克而斷之,蓋吉內有凶,凶內有吉,凡筮皆然也。)
兵打ち過ぎ來るや否や。卦中官鬼无ければ本來侵る可き兵无く、官鬼安静なれば即ち害无し。もし鬼に隨って墓に入り、あるいは鬼を助けて身を傷り、あるいは官鬼發動世を剋するに遇えば、則ち野火の原を燎かすが如く、まさに及早に避開すべし。もし官鬼旺相にして安静なれば、ただ隣近震動の驚恐。もし鬼に隨って墓に入り・鬼を助けて身を傷りてそれまた落空被散すれば、あれは危に履みて終に平安を得るなり。兵是れこの方向より來るや否や。官鬼无ければ即ち兵无し。官鬼旺なれば則ち兵多く、衰なれば則ち兵少なし。逢破すれば則ち幾路に分かれて走り、被散すれば則ち來りてまた去り、發動すれば則ち來ること速く、暗動すれば則ち悄然として行く。(注:その虛實・動静・生剋を審して以て斷ずべし。およそ吉の中凶有り・凶の中吉有るは、何を占うも皆この如し。)
如因荒而避,則察財爻,避荒投熟,以財旺則可安生,不以官鬼言也。如因訟而避,因盜而避,因羅網而避,因計陷而避,皆以鬼為禍,而子為福也。空與靜,正離塗炭之危,動而克,反入虎狼之穴,世空我無受禍之地,子發天有降祐之方,唯助傷隨墓者,則莫逃於數也。(鬼忌克世,子喜持世,鬼宜靜,子宜動。)
もし荒年に因りて避くれば、即ち妻財爻を察す。荒處より豐熟の地に投じ往くは、妻財旺相なれば即ち身を安め日を度る能し、官鬼を用いて論ずるを用いず。もし官司に因りて避け・盗賊に因りて避け・羅網に因りて避け・人の設計陷害に因りて避くれば、皆官鬼を以て禍と為し・子孫を以て福と為す。官鬼落空・安静すれば、正に塗炭の危を脫離す。官鬼發動して世を剋せば、反って虎狼の穴に走り進むなり。世爻落空すれば、我禍を受くるの地无し。子孫發動すれば、上天福を降すの方有り。ただ鬼を助けて身を傷り・鬼に隨って墓に入るに遇上するのみ、則ち定數を逃れ出る能わず。(注:官鬼は世を剋するを忌み、子孫は世を持つを喜ぶ。官鬼は静を宜しとし、子孫は動を宜しとす。)
避居此地,有人害否,應克世而起謀心,助傷身而陷不測,鬼動而犯群凶,福搖而多善侶。避從是路,有人害否,亦同此占。(二者卦靜福興,所履而安。)有問兵之為何害也,鬼克以屬,鬼動以化而言之。蓋變父母而毀房屋,變子孫而擄子弟,變妻財而淫婦女,變官鬼而召群凶,變兄弟而斥財貨也。火鬼焚燒,水鬼淹溺,金鬼恣殺戮之慘,木鬼擾桑麻之務,土鬼屯山嶽之毒。(以鬼居五行之屬,化六親之分而推之。)
この地方に避居して、人の加害有るや否や。應爻世を剋せば、是れ人謀害の心を起せり。鬼を助けて身を傷れば、是れ不測に陷入せんとす。官鬼發動すれば、是れ一群の凶人に冲犯せんとす。子孫搖動すれば、是れ善良の伴侶に多く遇う。此の路に沿りて避け走るに、人の加害有るや否や。もまたこの占法に照らす。(注:この兩样皆卦體安静・子孫興旺なるを要し、走り到る所皆平安なり。)人兵禍具體に何の害かを問う有れば、即ち官鬼いずれの一爻を剋し・何の類に屬し、および官鬼何を化出するかを看て講ず。官鬼父母を化出すれば、是れ房屋を毁壞す。子孫を化出すれば、是れ子弟を擄掠す。妻財を化出すれば、是れ婦女を姦淫す。官鬼を化出すれば、是れ群凶を招來す。兄弟を化出すれば、是れ財貨を搶奪す。火性官鬼は焚燒、水性官鬼は淹溺、金性官鬼は恣に殺戮の慘を行い、木性官鬼は農桑の務を擾亂し、土性官鬼は山嶽に屯據して毒を為す。(注:官鬼の居る所の五行の屬・化する所の六親の別に按じて推す。)
有問人之生何謀也,以應察其情,以鬼察其害焉。青龍為舟敵之險,朱雀為文巧之辭,白虎以武勇而怯人,元武以淫邪而誘己,騰蛇以邀結,勾陳以牽累也。鬼內內害,鬼外外害。乾鬼以僧害,坎鬼以盜害,兌鬼以酒害,震鬼以杖害,離鬼以火害,艮狗巽雞,坤將嫗為害也。(應得彼情,鬼察我害,以六神臨應察其奸,以八卦動鬼見其害,鬼居六爻為郊野害,五爻為道路害,三四為門戶害,初二為鄰里害。)
人某人何の圖謀を生じしかを問う有れば、應爻を用いて彼の心情を察し、官鬼を用いて彼の我に與うるの害を察す。青竜を帯ぶれば舟を同じくして處して暗藏の險、朱雀を帯ぶれば文飾巧辯の辭、白虎を帯ぶれば武勇を仗りて人を嚇かす、元武を帯ぶれば淫邪を以て我を引誘し、螣蛇を帯ぶれば拉攏勾結、勾陳を帯ぶれば牽連拖累なり。官鬼內卦に在れば內部の害、外卦に在れば外來の害。乾宮官鬼は僧人の害を為し、坎宮官鬼は盗賊の害を為し、兌宮官鬼は酒の害を為し、震宮官鬼は杖棍の害を為し、離宮官鬼は火の害を為す。艮宮は狗、巽宮は雞、坤宮は老婦の害を為す。(注:應爻を用いて對方の情形を知り、官鬼を用いて我の受くる所の害を察す。六神の應爻に臨むを以て彼の奸詐を察し、八卦の屬する所の動鬼を以て彼の害處を見る。官鬼上爻に在れば郊野の害、五爻に在れば道路の害、三・四爻に在れば門戸の害、初・二爻に在れば鄰里の害。)
道業章第九十
(內詳擇師傳法主持綱紀募緣法會齋戒七問)孔孟之道,以五倫為體,以經世為用,困亨夷險,有各盡之道,何以筮為。若棄家入道,拔俗修真,愛網難除,至人難遇,自是大丈夫事,豈同流俗人之筮?然道有道緣,業有業障,亦常於筮而得之。(割愛離塵,一念萬年,何用筮耶?然所處安危,擇師邪正,亦賴聖賢告我。)
(本章は師を擇び・法を傳え・住持・綱紀・緣を募り・法會・齋戒等七個の問目を詳しく列す。)孔孟の道は五倫を以て體と為し・經世を以て用と為す。困頓亨通・平安險阻を論ぜず、各々その道を盡くすの方有り、何ぞ必ずしも卦を占わん。至りて家を棄てて道に入り・塵俗を超拔して眞を修めるは、情愛の網除き難く・至人遇い難し。本より自ら大丈夫の事にして、豈に流俗人の占問と同じくするを得んや。ただ道道緣有り・業業障有り、これらもまた常に占筮の中より知るを得。(注:恩愛を割捨し・塵世を離るるは、一念萬年に當たるべし、何ぞ占を用いん。然而處する所の安危・師を擇ぶの邪正は、もまた聖賢の我に指示するに仰賴するを要す。)
何名道緣,福神是也。何名業緣,繫爻是也,故子孫持世而道成,官鬼交重而障重。而世不可病也,病於破,多疾多災,修落傍門;病於散絕,自暴自棄,心慵半路;隨墓助傷,則身陷泥犁之地。世生世旺,則心開日月之光,此其大象也。(專忌鬼動,及世爻破、散、絕為三戒,世動亦主不寧。)
何をか道緣と謂う。子孫福神即ち是れなり。何をか業緣と謂う。繫縛の爻即ち是れなり。ゆえに子孫世を持てば則ち道成るべし、官鬼交重すれば則ち業障重し。而して世爻病有るべからず。病逢破に在れば、疾多く灾多く、修行旁門に落入す。病被散・臨絶に在れば、自暴自棄して半路上心懈怠を生ず。もし鬼に隨って墓に入り・鬼を助けて身を傷るに遇えば、則ち身泥犁地獄に陷る。世爻生を得・世爻旺相なれば、心中即ち日月の光を開出す。これ大略なり。(注:專ら官鬼發動、および世爻逢破・被散・臨絶この三戒を忌む。世爻發動するもまた心安寧ならざるを主す。)
然世空有喜惡之辨也,三沖有宜忌之分也,出家而三沖世空,為超然物外,如孤鶴橫空。求道而三沖世空為塵務攖心,如困魚失水。(卜出世,三沖謂解網,世空謂無掛礙,若卜入道,則空無成也。)何年道成,世臨日月之期。何地法隆,世臨生合之地,亂動非清修之象,游魂無戒定之心。(道業成身,專憑世位,世病、亂動、游魂俱忌。)
然而世爻落空は喜有り惡有るの分別有り、『三冲』即ち卦六冲に逢うもまた宜有り忌有るの分別有り。出家を占いて六冲・世爻落空に逢えば、あれは物外に超然として、孤鶴の空を横たぐるが如し。道を求むるを占いて六冲・世爻落空に逢えば、あれは塵務心に纏いて、困魚の水を失うが如し。(注:出世を卜するは、六冲即ち羅網を解開し、世爻落空即ち了として挂礙无し。もし入道修行を卜せば、落空は即ち一事成る无し。)いずれの年に道業成る可きや。世爻日建月建に當値するの期に在り。いずれの處に法門興隆するや。世爻生を得合を得るの地に在り。六爻亂動は清修の象にあらず、遊魂卦は戒定の心无し。(注:道業自身に成るは、專ら世爻の位置に凭る。世爻病有り・六爻亂動・遊魂卦を得るは皆忌むを要す。)
刻期取證,指日還丹,世空則無成,六沖則多阻,世病則九仞井棄,鬼發則一丈魔高。唯世旺福興,而丹成悟徹。(止問求道,世空、世病、六沖、鬼動為四戒。)故擇師,同師占也,父臨日月為名師,世空恐吾不能受教。受徒傳法,同繼嗣也,子逢生旺為法器,命墓恐彼不能傳持。(雲遊同出行,然有訪道求利之別,各兼用象。)
日期を限定して印證を求め・日を指して還丹を要す。世爻落空すれば即ち成らず、六冲に逢えば即ち阻礙多く、世爻病有れば即ち井を掘りて九仞にして棄て、官鬼發動すれば即ち道一尺高く魔一丈高し。ただ世爻旺相・子孫興旺のみ、乃ち丹成りて徹悟す。(注:ただ道を求むるを問うは、世爻落空・世爻病有り・六冲・官鬼發動を以て四戒と為す。)ゆえに師を擇ぶは、師長を占うと相同じ。父母爻まさに日建月建に當たれば即ち名師なり。世爻落空すれば、恐らく是れ我自ら教を受くる能わず。徒を收め法を傳うるは、繼嗣を占うと相同じ。子孫爻生旺に逢えば即ち造就可きの材。彼本命入墓せば、恐らく彼承傳住持する能わず。(注:雲游は出行を占うと相同じ。ただ道を訪うと利を求むとの分別有るのみ。各自兼ねて用象を看る。)
過此以往,應緣倡道,遂多名利之求矣。住持如占宅也,三沖鬼動而當退。綱紀如筮仕也,世空官壞而無成。募緣同求財也,應空財陷而徒往。法會如設館也,應空鬼動而多損。筮持齋戒,專務用神,自占以世為本,用旺鬼靜則始終不渝,三沖用壞,則半途改轍。(若筮開齋破戒,當無吉占,世壞鬼動尤凶,戒之而已。)
此を過ぎて以降、緣に隨いて道を倡すれば、即ち多く名利の求有り。住持を做るは宅を占うに如同し。六冲に逢い・官鬼發動すれば即ち退くべし。綱紀を掌管するは仕途を占うに如同し。世爻落空・官爻敗壞すれば即ち成无し。化緣を募るは財を求むるを占うに如同し。應爻落空・妻財陷落すれば即ち一趟を白走す。法會を開設するは館を設け徒を授くるを占うに如同し。應爻落空・官鬼發動すれば即ち損失多し。齋を持ち戒を守るを占うは、專ら用神に務む。自ら占えば即ち世爻を以て本と為し、用爻旺相・官鬼安静なれば即ち始終改めず。六冲に逢い・用爻敗壞すれば即ち半途轍を改む。(注:もし齋を開き戒を破るを占わば、本來吉占无し。世爻敗壞・官鬼發動はことさら凶——それを戒めれば即ち是れ。)
夫金木,釋道也,升降,成敗也。(西方屬金,乃肅殺之地,故以釋氏像之,況自西來,當屬乾兌申酉,所以金爻及乾兌之宮,福動則吉,鬼動則凶。東方屬木,乃化育之所,故以道宗像之,且行東土,當屬震巽寅卯,故以木爻及震巽之宮,官動為惡,子動為善也。卦有升降之爻,如八月得升,則世是升爻,八月得泰,則世是降爻,秋分後四陰升而三陽降之由也。世居升爻,可以入聖謂之成,世居降爻,不能越凡謂之敗,然無病則吉,有病則凶。)
金と木は、分かちて釋と道を代表す。升爻と降爻は、分かちて成と敗を代表す。(注:西方金に屬し、是れ肅殺の地なれば、ゆえにそれを用いて釋氏を比擬す。況んや佛法自ら西より來れば、乾・兌と申・酉に屬すべし。ゆえに金爻および乾宮・兌宮は、子孫發動すれば即ち吉、官鬼發動すれば即ち凶。東方木に屬し、是れ化育の所なれば、ゆえにそれを用いて道宗を比擬す。しかも道教東土に行わるれば、震・巽と寅・卯に屬すべし。ゆえに木爻および震宮・巽宮は、官鬼發動を惡と為し、子孫發動を善と為す。卦中升爻降爻有り。譬えば八月《升》卦を得れば、世爻即ち升爻なり。八月《泰》卦を得れば、世爻即ち降爻なり——これ秋分の後四陰上升・三陽下降の緣故なり。世爻升爻に居れば、聖に入るべし、成と叫ぶ。世爻降爻に居れば、凡を超する能わず、敗と叫ぶ。ただ病无ければ則ち吉、病有れば則ち凶。)
子官,善惡也,父母搖而得典策之譽,兄弟動而犯貪嗔之戒,妻財發而有縈家之心。(子孫動,夙有善恨,或因緣福德之隆,或高賢徒眾之侍。官鬼動,原有惡孽,或災障之纏,或調達之擾。父母帶吉神動,則我書文後得名譽;帶凶神動,主法嗣多聚散也。弟兄吉動,當遇良朋善友,但道風清苦;凶動,常多貪嗔之累。妻財吉動,道供盈餘;凶動,婦女纏絆。)
子孫と官鬼は、分かちて善と惡を代表す。父母搖動すれば、典籍文章の譽を得る能し。兄弟發動すれば、貪嗔の戒を犯さんとす。妻財發動すれば、即ち家室に牽挂するの心有り。(注:子孫發動するは、宿世善根有り、あるいは因緣福德深厚、あるいは高賢徒衆侍奉有るなり。官鬼發動するは、原來惡業有り、あるいは災障に纏身せられ、あるいは調達の一類の惡人の攪擾を受くるなり。父母吉神を帯びて發動すれば、我が著述文字日後名譽を得る能し。凶神を帯びて發動すれば、法嗣聚散定まらざるを主す。兄弟吉神を帯びて發動すれば、良朋善友に遇上せん、ただ道風清苦なり。凶神を帯びて發動すれば、常に貪嗔の累多し。妻財吉神を帯びて發動すれば、道場供養餘り有り。凶神を帯びて發動すれば、即ち婦女に纏絆せらる。)
騰蛇塵障不除,勾陳夙緣不斷,白虎元武,災盜之由,朱雀青龍,才名之士,蓋必因鬼動而云凶,福動而云吉也。(如朱雀搖鬼為是非,動福為名譽之類。)惟得復咸艮無妄而安寧者,修行之吉占也。孔孟之學,幾成功名之捷徑,自姚江而後,道風妙然,若有豪豪傑之士,起繼絕學明聖道,亦以此章占之。(四易專釋心學,大抵三教必以正心為根,筮修行得此者,不拘福鬼沖合,直言其吉也,然安靜如之變動復非爾。聖學無求道者,故道業止詳二氏,三教道同占同也。)
螣蛇は塵障除かざるなり、勾陳は宿緣斷えざるなり。白虎・元武は災禍盗賊の由來、朱雀・青竜は才有り名有るの士。要は官鬼發動に因りて乃ち凶と説き、子孫發動に因りて乃ち吉と説く。(注:譬えば朱雀官鬼を搖動するは是非、子孫を搖動するは名譽の類。)ただ《復》《咸》《艮》《无妄》を得て卦體安寧なるのみ、是れ修行の吉占なり。孔孟の學幾どに功名を求むるの捷徑と成り、姚江王氏より後、道風寂然たり。倘も豪傑の士起こりて絶學を繼ぎ・聖道を明らめば有らば、またこの一章を用いて占う。(注:この四卦は專ら心學を講ず。大抵三教皆必ず心を正すを以て根本と為す。修行を占いてこの幾卦を得るは、子孫・官鬼と冲合とを拘らず、直にその吉を説く。ただ卦體安静なるを要して乃ちこの如し。變動起これば即ちまた是れにあらず。聖人の學は所謂『道を求む』を並び无し。ゆえに『道業』ただ釋・道二家を詳説す。三教の道相同じければ、占法もまた相同じ。)
易冒十巻
國朝程良玉撰。良玉字元如,歙縣人。是書所論,皆以錢代蓍之法。自序稱五歲喪明,究心卜筮,初作筮類五十篇,康熙己卯適楚,遇枯匏老人得其秘旨,因增定為九十章。然皆術家常論,無他妙旨,至家宅章以六爻兼斷六親榮枯得喪,如兄弟旺則劫財,父母旺則克子,官爻旺則災病,其說謬固難通,所論鬼神諸星兩章,穿鑿支離,尤無理解,婚姻章內不根五行生剋,不究用神衰旺,惟據卦名之美惡而論,則更乖謬矣。
本朝程良玉撰。良玉字は元如、歙縣人。此の書の論ずる所は皆『錢を以て蓍に代う』の法なり。彼自序の中に説く、自ら五歲にして明を失明し、專心卜筮を鑽研し、初め《筮類》五十篇を作れりと。康熙己卯年楚地に到り、枯匏老人に遇見し、その秘旨を得て、因りて增訂して九十章と成せり。然而講ずる所は皆術家の尋常の議論、別に奧妙无し。至りて《家宅章》六爻を用いて兼ねて六親の榮枯得失を斷ずるは、例えば兄弟旺なれば即ち財を劫し・父母旺なれば即ち子を剋し・官爻旺なれば即ち災病有ると、この種の説法荒謬にして通じ難し。論ずる所鬼神と諸星煞の兩章を講ずるは、穿鑿支離、ことさら道理を成さず。《婚姻章》の裏五行生剋に依らず・用神衰旺を究めず、ただ卦名の好壞に凭りて以て論ずるは、則ちさらに乖謬なり。(按:此の一段は四庫館臣の本書の為に作りし提要にして、書末に附す。程氏の原文にあらず。)
