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《星命総括》

辽 · 耶律纯 · 第1巻 / 2

作盤ガイド: 八字作盤

《星命総括》巻上(遼・耶律純撰)

八字命理典籍

初学はまず体例の整った通論の書で枠組みを立て、次に歌賦類、最後に評注と進むのがよい。断語集から入ると、結論は覚えても導出の過程を組み立てられないことが多い。

《欽定四庫全書》子部七・提要

《星命總括》三卷,術數類五,命書相書之屬。臣等謹案:《星命總括》三卷,舊本題遼耶律純撰,有純原序一篇,末署統和二年八月十三日,自稱為翰林學士,奉使髙麗議地界,因得彼國國師傳授星躔之學云云。按統和為遼聖宗年號,《遼史·本紀》其年無遣使髙麗事;其二《國外紀》但稱統和三年,詔東征髙麗以遼澤沮洳罷師,亦無遣使議地界之文。遼代貴仕不出耶律氏、蕭氏二族,而遍檢列傳,獨無純名,殆亦出於依託也。

《星命総括》三巻は、術数類第五門に収められ、「命書・相書」の類に属する。臣等謹んで案ずるに:《星命総括》は全三巻で、旧本には遼人の耶律純の撰と題され、書の前に耶律純自らの序一篇があり、末尾に「統和二年八月十三日」と署し、自ら翰林学士と称して、命を奉じて高麗に出使して地界を議し、よって高麗の国師から「星躔」の学——すなわち日月五星が天上を行度するのを推算する学問——を授かったという。按ずるに:統和は遼聖宗の年号だが、《遼史・本紀》にこの年に使臣を高麗に遣わした記載はない。《遼史》第二部分の《国外紀》はただ統和三年に高麗を東征する詔を下し、遼東の沼沢が泥濘んだため罷兵したと言うのみで、人を遣わして地界を議定した記載はない。遼代に顕貴の官を為した者は耶律・蕭の両大族を出ず、しかし《遼史》列伝を遍く査しても、ただ耶律純の名が無い。この書もおそらく後人の仮託であろう。

《文淵閣書目》載有是書一部,不著冊數;《菉竹堂書目》作五冊,又不著卷數,外間別無傳本。惟《永樂大典》所載始末完具,然計其篇頁,不足五冊之數,或葉盛所記有訛歟?中間論議精到,剖析義理,徃往造微,為術家所宜參考。惟所稱宮有偏正,則立說甚新,而騐之殊多乖忤。蓋天道甚逺,非人所能盡測,故言命者,但當得其大要而止;茍多出竒思曲意,揣度以冀無所不合,反至扵窒塞而不可通矣。術家流弊,往往坐此。讀者取其所長而畧其繁瑣可也。乾隆四十六年九月恭校上。總纂官臣紀昀、臣陸錫熊、臣孫士毅;總校官臣陸費墀。

《文淵閣書目》はこの書一部を著録するが冊数を記さず、葉盛の《菉竹堂書目》は五冊と記してまた巻数を記さず、民間にも別に伝本がない。ただ《永楽大典》に収められたこの一部のみが首尾完整しているが、その篇幅・頁数を計れば五冊の数に足らず、あるいは葉盛の記載が誤ったのかもしれない。書中の議論は精辟で、義理を剖析して往々にして細微の処に探り至り、術数家の参考に値する。ただ十二宮に「正垣」と「偏垣」の分別ありと主張するのは新奇の説で、実際の命例をもって験すれば多く抵牾する。おそらく天道は極めて幽遠で、人力の尽く測度しうる所ではない。故に命を談ずる者はただ大綱の領要を把握すれば足りる。もしひたすら新異を標立て曲意に揣摩して、処処に応験せんことを望むなら、却って死胡同に入って講じ通らない。術数家の通病は、常にまさにここに出る。読者はその長を取り、その煩瑣の処を略せば、それでよい。乾隆四十六年九月に校訂して呈上す。総纂官臣・紀昀、臣・陸錫熊、臣・孫士毅。総校官臣・陸費墀。

原序

大遼統和二年,翰林學士耶律純,以議地界事奉國書使於髙麗。遼東至其國,頗聞國師精於星躔之學,具重幣設威儀求見,屢請不從。一日自請於髙麗國王,曰:“臣奉國書來此,稔聞國師富於道徳星命之學,願借玉音,得遂一見,以請所學何啻昌黎之遇大顛也。”國王遂命一見。

大遼統和二年、翰林学士の耶律純は辺界事務を商議するため、国書を奉じて高麗に出使した。遼東から高麗国に至り、その国の国師が「星躔」の学——すなわち日月五星が二十八宿の間を行度する推算の術——に精通すると聞き、そこで厚礼を備え、使臣の儀仗を整えて見を求めたが、重ねて請うも許されなかった。ある日、彼は直截に高麗国王に請うていう:「臣は国書を奉じて貴国に来り、久しく国師の道徳深く、星命の学に精なるを聞く。国王の金口・玉言の一言を借りて、臣が一面し、彼に学ぶ所を請わしめば、当年の韓愈(昌黎)が大顛禅師に遇いしごとき機縁に亜ならん。」国王は乃ち令を下して彼に一面せしめた。

既見之後,往復數囘,前請曰:“微生跧伏北方,聞國師深於星命之度,今日天幸得瞻毫相,願北面從師,聞以一二,以聳北方之學者,亦是三生夙昔之幸,不知可乎?”國師曰:“何不可之有,但學士平生論學,有何所得?吾與學士從長商□而已,何以師為?”

面会の後、両人は往来して数回合を談じ、耶律純が前に進みて請うていう:「小人は北方に蜷伏し、国師が深く星命度数の学に通ずと聞く。今日僥倖に尊容を瞻仰し、弟子の礼を行い師と拝せんことを願う。たとえ一・二句を聴くのみにしても、以て北方の学人を震動するは、幾世に修めた幸运なり。可や不可や。」国師いう:「何ぞ不可あらん。ただ学士が平生・此の学を講論するに、いずれか心得あるか。我と学士は従容として商讨するのみ、何ぞ師を称せんや。」(末句の「商□」は底本でこの字が残缺し、文義に依れば「商榷」の「榷」に当たる。臆補は敢えてせず。)

曰:“膚學得於生尅制化之外,亦有十條,前有六條□根本,後四條□流年。其一曰:太嵗尊神,加臨管攝。其二曰:無中有曜,弱處髙強。其三曰:得經失次,細辨盈虛。其四曰:身傍母吉,傍鬼者□。其五曰:同宮千里,異宮尺寸。其六曰:黨母福多,藏鬼禍大。其七曰:元守雖詳,流年猶急。其八曰:當生變曜,流年變星。其九曰:限倂諸煞,貴祿不臨。其十曰:流年諸星,無忽柔曜。此十條者各有詳註,未審如何?”

耶律純いう:「我が浅陋の学は、五行の生剋制化の外に、別に十条の心得あり。前の六条は命局の根本を講じ、後の四条は流年を講ず(底本の両処の「□」は残缺字で、「係」の類の字に当たる。臆補は敢えてせず)。第一条:『太歳尊神、加臨管摂』——太歳の至る所が一年の吉凶を統摂すると言う。第二条:『無中有曜、弱処高強』——空にして星曜無きに見える処に実は星力が暗蔵し、衰弱に見える処が却って強旺すると言う。第三条:『得経失次、細辨盈虚』——星曜の行度が常軌に合するか否か、その盈縮を細辨すべしと言う。第四条:『身傍母吉、傍鬼者□』——身宮が我を生ずる星に傍うを吉と為し、我を剋す星に傍えば則ち凶と言う。第五条:『同宮千里、異宮尺寸』——同じ一宮に在りて度数の相遠きは千里を隔つるに等しく、両宮に分属して度数の相接するは実は尺寸の差に過ぎぬと言う。第六条:『党母福多、蔵鬼禍大』。第七条:『元守雖詳、流年猶急』——本命は固より詳推すべきも、流年は更に緊要なりと言う。第八条:『当生変曜、流年変星』。第九条:『限併諸煞、貴禄不臨』。第十条:『流年諸星、無忽柔曜』——流年に星を看るに柔弱の星曜を忽せにすべからずと言う。この十条に各々詳細の注解あり。国師は如何に思われるか、知らず。」

國師曰:“十條之說抑末矣,本之則無。今學士談星,根本以宮主為重耶?度主為重耶?”曰:“得於平昔之講明,以宮度兼論不可用一而廢一也。”國師笑曰:“宮度兼論,吾恐子於星度胷中不能自斷,何以斷人之禍福也。且如命躔丑宮之牛度,宮土度金,限行遇火一生一尅,何以為斷?又如命坐寅宮尾火度木宮,大限行遇水一生一尅,何以為斷?於禍福何慿?”遂再進曰:“願棄所學而從師求教。”

国師いう:「この十条は皆末節を講じ、根本は却って空し。請うて問わん、学士の星を談ずるは、根本に於て『宮主』を重んずるか、それとも『度主』を重んずるか。」耶律純が答えていう:「我が平日に講明するに照らせば、宮と度は兼ねて并論すべく、一頭を用いて他の一頭を廃すべからず。」国師笑いていう:「宮度の兼論か。我只だ恐る、あなたが星度に心中・定見を拿え難く、又た何を以て人の禍福を断ぜんや。譬えば命宮が丑宮の牛宿の度に落ち、丑宮は土に属し牛宿は金に属す。行運が火星に遇えば、火は土を生じて又金を剋す。一生一剋、あなたは如何に断ずる。又譬えば命宮が寅宮の尾火宿に坐し、寅宮は木に属す。行大限が水星に遇えば、水は木を生じて又火を剋す。一生一剋、あなたは如何に断ずる。禍福は何に凭って定まる。」耶律純は乃ち再び前に進みていう:「旧学を拡げ棄て、国師に拝従して教を求めんことを願う。」

師曰:“吾嘗以近世談星者,言宮不知度,言度不知宮,二者胥失矣。吾於海上異人授我,以偏正之垣於二十八宿之中分之,曰一太陽、五太隂、六木、六土、六水、二火、二金之說,學士曾聞之乎?”曰:“未也。”

国師いう:「我常に思うに、近世に星命を談ずる者は、『宮』を講ずる者は『度』を知らず、度を講ずる者は宮を知らず、両頭ともに錯えり。我は海上の一異人より伝授を得て、二十八宿の中に『正垣』と『偏垣』を分ち、『一太陽、五太陰、六木、六土、六水、二火、二金』の説を立つ——即ち二十八宿中、真に太陽に属する正垣はただ一処、太陰に属するは五処、木・土・水に属するは各六処、火・金に属するは各二処。学士は聞きしことあるか。」耶律純が答えていう:「聞きしことなし。」

國師曰:“人生於地,日月五行見於天,其生值此七曜之吉,則一生享福安榮;遇七曜之□則一生廹忙,百不如意。日月五星其為物也,於天地間最大,於天下萬物,日主晝,月主夜,乃天之眼目也。在天有五星,在地有五行,人生在世,五者一日不可缺。觀星談命苟不知此,根本則為徒然徒學。宮度兼論之術,何以決人之禍福?

国師いう:「人は地に生まれ、日月五行は天に顕現す。出生の時にこの『七曜』——太陽、太陰と金木水火土の五星——の吉相に値遇すれば、一生・享福・安栄し、七曜の凶相に遇えば(底本此処に一字を缺き、「□」を作す。「凶」の字に当たるべし)、一生・迫促・忙碌し、百事意の如くならず。日月五星のこれらの物は、天地の間に於て最大なり。天下万物に対して言えば、太陽は白昼を主り、太陰は黑夜を主り、それらは即ち上天の眼睛なり。天に五星あり、地に五行あり、人が世に活くるに、この五様は一日も缺くべからず。星を看て命を談ずるに、若しこの根本を知らざれば、学びても亦た白学なり。彼の宮度兼論・含糊両可の弁法は、何に凭って人の禍福を決断せんや。」

故十二宮有偏正之垣。子宮以虛日□為正垣,□乃子垣之宮神,非正垣而何也。丑宮牛金牛;寅宮尾火虎;卯宮房日兎;辰宮亢金龍;巳宮翼火蛇;午宮星日馬;未宮鬼金羊;申宮觜火猴;酉宮昴日雞;戌宮婁金狗;亥宮室火豬,皆本宮之正垣。此為千古不易之論,此談星之大根本,可不盡知要妙哉。

国師いう:「あなたの十条は人が小児を哺るがごとき家言に過ぎず。諸書の中に皆載せ、人の習熟せる所なり。我が受くる所は安くして以て人に測られんや。只だ明らかに『正垣』『偏垣』を分かつが如き、『度主』『宮主』を分かつが如きは、我が素より得たる獨到の見なり。あなた若し願う所あらば、当にあなたに講ずべし。」耶律純が再拝していう:「弟子、歓喜して願い奉らん。」

所謂一太陽者,太陽君象天無二日,民無二主,惟星日馬乃太陽之正垣。五太隂者,后妃之象,后妃嬪眾多,宜太隂之五也,故以鬼金羊為太隂之正垣,其餘張、心、危、畢月皆偏垣之月也。六木者,寅宮尾火虎,亥宮室火豬為木正垣,其餘斗、奎、井、角皆偏垣之木也。六土者,子宮虛日、丑宮牛金為土正垣,其餘女、氐、胃、栁皆偏垣也。六水者,巳宮翼火、申宮觜火為水之正垣也,其餘箕、壁、參、軫水皆偏垣也。二火者,卯宮房日、戌宮婁金為火之正垣;二金者,辰宮亢金、酉宮昴日為金之正垣。

国師いう:「およそ命を推すに、先ず命宮の定まる処を看る。その宮に属する土・木・金水・火の宿度を看る。身宮は則ち太陰の在る処なり。命は身と同じく、度の主を以て宮の主を兼ねて見るべし。角・斗・奎・井は木度に属し、その星若し木星に値すれば則ち強力なり。亢・牛・婁・鬼は金度に属す。翼・軫はこれらを以て一途に見るべし。木の度中に木強く、金の度中に金強し。あなた若し能くこの道理を解すれば、禍福自ら明らかならん。」

天地之間,水木土隨寓而有,隨所居而可得,木滿山林,土滿寰宇,水滿江河,隨處皆有,至於金火,則不可多得焉。只有二火、二金使金火,如木、水、土之多,則天下嘗有持刄縦火之患耳,豈不為世道憂。

国師いう:「正垣の内は即ち日・月・木・土・水の垣なり。偏垣は即ち火・金の垣なり。太陽の正垣は房宿に居り、太陰の正垣は危宿に居る。太陽は一処のみ、太陰は五処に在り——危・壁・婁・畢の類なり。木の正垣は六処、土の正垣は六処、水の正垣は六処あり。火の正垣は二処、金の正垣は二処のみ。是の如く分かち定むれば、星度の強弱・得失、已にその半を得たり。」

吾有偏正垣七政論,幷日月並明說,計八篇。又有二百字真經、二十五題詳於學士。十條者,學士所舉十條,人常聞常知也;吾之諸論,其金火者人所未聞未知也。今以授子,子欲行之,當誓於天地鬼神,不可輕洩。此天機玄妙,吾得海上異人所傳而未嘗洩,今子得吾之所傳,若不寳而重之,必招譴於天不可逃也。”乃對師焚香設誓,三日後,國師遂以諸論八篇與夫二百字真經二十五題授之,百拜而寳之。大遼統和二年八月十三日耶律純自識。

我が著す所に《偏正垣七政論》および《日月併明説》あり、併せて八篇。別に《二百字真経》と二十五个の論題あり、詳しく学士に講ずべし。あなたの挙げし十条は、人の常に聞き常に知る所。我がこれらの篇の議論、殊に金火正垣の説は、人の未だかつて聞かず想わざりし所なり。今あなたに伝授す。あなた若し施行せんと欲せば、当に天地鬼神に対して誓を立て、軽く泄らすべからず。これ天機・玄妙の事なり。我は海上の異人の処より伝授を得、ずっと外に泄さず。今日あなたが我が伝授を得て、若し珍宝と為して郑重に看せざれば、必ず上天の譴責を招き、逃るも逃れ得ざらん。」耶律純は乃ち国師に対して香を焚き誓を立つ。三天の後、国師は即ち八篇の論著を《二百字真経》・二十五題と併せて彼に伝授し、耶律純は百拝の礼を行い、郑重に收藏す。大遼統和二年八月十三日、耶律純自記。

《星命総括》巻上(遼・耶律純撰)

二十八条断例

四正宮神,互相管攝。四正者,如日之虛、房、星、昴;木之角、斗、井、奎之數,互相管攝。凡□星辰,先看主星落何方?有何生尅制化。若論□吉,合依星辰而斷。同宮千里,異宮寸尺。且如子上立命女、虛、危,雖是同垣,何止千里。若危十一、危十二立命,亥上危十三、十四,有尺寸之隔,此何可以異宮論也。他仿此。

第一条「四正宮神、互相管摂」:いわゆる「四正」とは、子・午・卯・酉の四つの正位を指す。太陽の類に属するは虚・房・星・昴の四宿、木に属するは角・斗・井・奎の四宿で、これらの同類の宿は彼此照応し互いに統摂する。およそ星辰を看るに(底本はこの字残缺で「□」を作す。「看」か「凶」の類の字に当たる)、先ず命主星が何れの方に落つるか、別の星と何の生剋制化の関係あるかを看ねばならず、吉凶を論ぜば、これらの星辰に依拠して判断すべし。第二条「同宮千里、異宮寸尺」:譬えば子宮に命を立てれば、子宮は女・虚・危の三宿を包括す。同じ一垣に属すといえど、度数の相隔たるは何ぞ千里のみならん。而も若し危宿十一度・十二度に命を立てれば、亥宮の彼方は危宿十三・十四度で、両者はただ尺寸の近さを隔つのみ。これをどうして「異宮」に按じて論ぜんや。其余は以て類推すべし。

二母爭權,姑恤大過。如木命見水孛或臨本宮三合,獨見方為福。若同見二母爭權反為禍,餘仿此。一星得地,初無二用。或土宮立命,或命主土星在別處三合見火生土吉,設若三合火見金,火性炎上,便去尅金,卻不能生土,餘仿此。

第三条「二母争権、姑恤大過」:いわゆる「母」とは、我を生ずる星である。譬えば木命が水星あるいは「水孛」——即ち四余中の孛星で、亦た水に属す——を見るに、ただ単独に一つを見、本宮か本宮の三合の位に落ちれば、乃ち福なり。若し二つが同時に出現すれば、两位の「母」が争って権を当にして、却って禍と成る。其余は以て類推すべし。第四条「一星得地、初無二用」:譬えば土に属する宮に命を立て、あるいは命主の土星が別に他処に在り、若し三合の中に火を見て土を生ずれば、是れ吉なり。然れども若しこの三合の裏の火がまた金を見れば、火性は炎上して、先ず去りて金を剋し、却って土を生ずるに及ばず——一顆の星はただ一種の作用を起すのみ、同時に両用を兼ぬべからず。其余は以て類推すべし。

水火相戰,其勢俱敗。如水命火同在命,或三合或十五度之內相照,雖火受水尅,我亦不寧,其勢俱敗,餘仿此。日月爭權,到底無光。如日為命主,夜生本無光,或與月同宮,或見三合;月為命主晝生本無光,與日同宮,或合照,是自爭權無成於福氣。

第五条「水火相戦、其勢倶敗」:譬えば水命にして火星が命と同宮に在り、あるいは三合の位に在り、あるいは十五度以内に相照すれば、火は水に剋されといえど、我が辺も安寧を得ず、両敗倶傷す。其余は以て類推すべし。第六条「日月争権、到底無光」:譬えば太陽を以て命主と為して、却って夜に生まれば、太陽はもとより光無し。再び太陰と同宮し、あるいは三合に相見る。反対に太陰を以て命主と為して白天に生まれば、太陰はもとより光無し。再び太陽と同宮し、あるいは彼此合照す。これらは皆、自家の両つの主星が権を争い、結局は誰も福気を成し得ぬなり。

祿嫌沖破,衣食艱難。如甲生人祿在寅,立命在申,祿當頭為命沖破,終是艱難奔走,限逢之亦然,餘仿此。馬忌空亡,衣食奔波。如己巳生人馬在亥,行限至此,或命身值此,更加以□星守照,畢生受困,餘仿此。

第七条「禄嫌衝破、衣食艱難」:譬えば甲年生まれの人は「禄」が寅に在り、若し命宮を申に立てれば、寅申相冲して、禄星はまさにその頭に当たるも命宮に冲破され、一辈子・奔走・艱難す。行大限がこの位置に走るも同じ。其余は以て類推すべし。第八条「馬忌空亡、衣食奔波」:譬えば己巳年生まれの人は「駅馬」が亥に在り、行大限が亥宮に走り、あるいは命宮・身宮がちょうど此処に落ち、又た凶星を加うるに(底本はこの字残缺で「□」を作す)守照せられば、一生・困を受くるを要す。其余は以て類推すべし。

母主無權者,福氣不大。如命在子土為主,限行遇火,或三合為水孛所傷,其母受尅,子必無力,福氣不大,他仿此。向前得力,令後無功。如命在亥木為主,行子限三合見一水,單行必巳發福,若又行限到辰,再見水孛,必無再發之理。

第九条「母主無権者、福気不大」:譬えば命宮が子に在り、土を以て命主と為せば、土の母は火なり。行限が火星に遇うも、この火がまた三合の位に於て水か孛星に傷られれば、母星は剋を受け、「子」たる土星は必ず力無く、福気は大ならず。其余は以て類推すべし。第十条「向前得力、令後無功」:譬えば命宮が亥に在り、木を以て命主と為せば、子宮の限を行くに三合に一顆の水星を見、水は木を生ず。単独にこの一歩を走れば必ず已に福を発したり。若し続いて行限し辰宮に至り、再び水と孛を見れば、同じ生助は已に用ゐられ、更に一たび発する理なし。

若是無形,終難有力。五星乃有形,餘氣無形,五星相尅,此理甚明,如氣近土孛近火,乃餘氣侵克,其力終緩。或戌上立命,命主火星在子,金水同宮,辰上雖有氣,亦難制水尅火之虐,況子宮水旺之地,其火受尅不淺,以此合言天命,他仿此。

第十一条「若是無形、終難有力」:金木水火土の五星は有形の体で、羅・計・気・孛の「四余」は無形の気なり。五星の彼此相剋は道理明白なり。至るに「気」が土に逼近し、「孛」が火に逼近するは、ただ無形の余気が去りて侵犯するのみで、力量は終に緩慢なり。譬えば戌宮に命を立て、命主の火星が子宮に落ち、而して子宮にまた金・水の同宮あり。この時たとえ辰宮に「気」有りて来り相助くるも、水の火を剋する凶虐を制止し難し。況んや子宮はもとより水旺の地、彼の火星の受剋は浅からず。この道理を以て天命を綜合判断すれば、其余は以て類推すべし。

黨惡則亂,制惡不行。如木命行限,遇金本自受尅,加土計臨三合助威,為殺愈重,若同火羅,則制其金,惡不行矣。獨陽不生,孤隂不生。若男人命,遇太陽居四正,為得地,左右無吉星三合,又無助,為獨陽不生。女命遇太隂居七強,亦得經入廟,三合皆無吉助,為獨隂不生,為事多尅無成。男命□四正,女命□七強。

第十二条「党悪則乱、制悪不行」:譬えば木命の行限が金星に遇えば、木はもとより金に剋せられ、若しさらに土星と「計都」を加えて三合に臨みてその威勢を助長せば、殺気は更に重し。反対に若し火星と「羅睺」有りて同じく来れば、火は能く金を剋して金星を制住し、悪は施展し得ず。第十三条「獨陽不生、孤陰不生」:男命に若し太陽が子午卯酉の四正の位に居れば、もとより地を得たりと算すれど、左右と三合の内に吉星なく輔助する所無ければ、これを「獨陽不生」と謂う。女命に若し太陰がいわゆる「七強」の地に居れば、亦た常度に合し廟旺に入るも、三合の内に全く吉星の相助くる無ければ、これを「獨陰不生」と謂う。この様の命は事を為すに多く剋制を受けて成り難し。男命は最も四正を看重し、女命は最も七強を看重す(底本両処の「□」は残缺字で、「宜」か「忌」の類の字に当たる。臆補は敢えてせず)。

刑囚入□,縦惡難施。如甲生人,命在戌火為主,水化刑本能尅我,三合有土計制之,或入□地彼受制之,不暇豈能施惡於我哉。或土計自□,又恐不能制水。暗耗雖強,逢生反益。如甲生人,命在酉金耗為主限,逢土計不以為耗,又如乙生人命在亥木為主化暗,得宮有水孛生之,其暗反明。

第十四条「刑囚入墓、縦悪難施」(底本三処の「□」は残缺字で、文義に拠れば「墓」に当たる。臆補は敢えてせず):譬えば甲年生まれの人、命宮が戌に在り、火を以て命主と為せば、甲年の水星は化して「刑」煞と為り、もとより我を剋し得るも、三合の中に土星と計都有りて来りこれを制住し、あるいはそれ自身が墓地に落ちて制を受けば、自ら顧みるに暇なく、何ぞ还能く我に悪を施さん。然れども若し土・計も自ら墓に入れば、又た水を制し得ざるを怕る。第十五条「暗耗雖強、逢生反益」:譬えば甲年生まれの人、命宮が酉に在り、金を以て命主と為せば、甲年に金は化して「耗」と為る。行限が土星と計都に逢えば、土は能く金を生ずれば、再び耗神と作して論ぜず。又た乙年生まれの人、命宮が亥に在り、木を以て命主と為せば、乙年に木は化して「暗」と為る。若し本宮に水と孛有りて来り木を生ぜば、この「暗」は却って転じて明と為る。

四正日月,最怕西沉。如子午夘酉四正之地,為日月之垣,獨酉為西沉之地,若日月居其上,終無顯逹。三方祿馬,最宜拱照。如乙生巳酉丑之人,命在未,馬在亥,祿在夘,三合拱照,一生衣祿不少,此論地元祿馬。

第十六条「四正日月、最怕西沉」:子・午・卯・酉は四正の地で、もとより日月の垣位なり。但し独り酉は太陽の西落の処、日月若し酉の上に居れば、終に顕達し得ず。第十七条「三方禄馬、最宜拱照」:譬えば乙年生まれにして又た巳酉丑の一組に属する人、命宮が未に在り、「駅馬」は亥に在り、「禄」は卯に在れば、亥卯未三合成局して、禄と馬が两旁より命宮を拱照す。一生・衣食・俸禄少なからず。此処に講ずるは地支を以て起算する「地元禄馬」なり。

安身傍母,福祿尤佳。如土為命主,火為土母,月火同宮,不以傷身論。又如命在辰金為主,土為母,月與土同行,不以蝕月論,乃富貴格局。奴賊臨身,妻兒必尅。如寅亥木為主,氣為奴星,若氣與月同行或傍,其人必孤。又如子丑土為主,計為奴,若計與月同行或傍,其人必受刑傷,不然夭,餘仿此。

第十八条「安身傍母、福禄尤佳」:譬えば土を以て命主と為せば、火は能く土を生ずれば、火は即ち土の母なり。この時太陰と火が同宮なれば、「傷身」と按じて論ぜず。又如命宮が辰に在り、金を以て命主と為せば、土は能く金を生ずれば、土は即ち母なり。太陰が土と同行すれば、亦た「蝕月」と按じて論ぜず、反対に富貴の格局なり。第十九条「奴賊臨身、妻児必剋」:譬えば寅・亥宮は木を以て命主と為せば、木の剋する所は財と為り、木を剋する者は官と為り、而して「気」という余曜が此処に於て奴星を充当す。若し気と太陰が同行するか緊靠せば、此人は必ず孤独なり。又如子・丑宮は土を以て命主と為し、「計都」は奴星と為る。若し計都と太陰が同行するか緊靠せば、此人は必ず刑傷を受け、不然れば短命なり。其余は以て類推すべし。

主數遇□,有救不□。如木命人,木□於子,或入金宮化刑囚,或值命限到此本受尅,縁三合有水孛,能觧金厄轉□作吉,但未免勞心耳。母若當權,為福莫大。如土命子上立命,以寅夘為隠官之地,若有一火羅獨守在……土計犯月,皆損害六親。朔日蝕,望月蝕,皆在日月度,不夭即盲啞之人。日月同在命宮,其人多貴。巳為陽極,月不宜居;亥為隂極,日不宜居。月巳妨母,日亥妨父。日月拱命、拱二主皆貴;拱田財必內發,拱遷移必外發,拱妻子必得賢妻子力,拱疾厄必少疾病,以類言之,百無一失。日為主躔木度,月為主躔土度,皆失也。

第二十条「主数遇凶、有救不凶」(底本数処の「□」は残缺字で、「凶」「死」の類に当たる。臆補は敢えてせず):譬えば木命の人、木は子地に於て衰敗し、あるいは金宮に入りて化して「刑囚」と為り、あるいは命限がまさに此処に走り、もとより剋を受けんとす。但し三合の中に水と孛有りて、能く金の厄難を化解し、凶を転じて吉と為すを以て、ただ労心・費神を免れざるのみ。第二十一条「母若当権、為福莫大」:譬えば土命にして子宮に命を立て、寅・卯を以て隠伏の官位と為し、若し一顆の火星か羅睺が独自あれに守る——此処の底本に脱文あり。下文は「土計犯月」の条に接し、中間の文字缺失す。臆補は敢えてせず。続いて説かく:土星と計都が太陰を侵犯するは、皆六親を損害す。初一日食・十五月食は、皆日月の度数の上に発生し、この種の時に生まれた人は夭折せずんば盲唖の人なり。日月同じく命宮に在る人は多く顕貴なり。巳は陽気極盛の処にして、太陰は居に宜からず。亥は陰気極盛の処にして、太陽は居に宜からず。太陰が巳に在れば母親を妨げ、太陽が亥に在れば父親を妨ぐ。日月が两旁より命宮を拱夾し、命身二主を拱夾するは皆貴を主り、田宅・財帛宮を拱夾すれば必ず内裏より発家し、遷移宮を拱夾すれば必ず外郷に於て発達し、妻妾・子女宮を拱夾すれば必ず賢妻・賢子の力を得、疾厄宮を拱夾すれば必ず疾病少し。此に依り類推して、百に一の失もなし。若し太陽を以て命主と為して却って木に属する宿度に行き、太陰を以て命主と為して却って土に属する宿度に行けば、皆位を失うと算す。

日月二曜乃君后也,初不為害,於人而闗人之夭夀,何歟?葢日月命身之主受傷故也。若日月為身命之星,當生卻被羅、計於緊闗攔截,掩其光彩,或闗煞來犯,或孛火土化惡,羅計夾輔穿釣,有如此者,非特日月受傷,而吾之身命亦受傷矣。至若太隂為身命中之主,尤其緊切,葢月是身,若是惡星來釣,是攘其所主之主矣。豈不為南柯夢中人也。

太陽・太陰の両曜は君と后に相当し、もとより人を害せず。何ぞ人の寿夭に関係するや。それはそれらが命宮・身宮の主星として傷を受けた故なり。若し日月がまさに身命の主星で、出生の時に却って羅睺・計都に緊要の関口に於て攔截され、それらの光彩を遮掩されたり、あるいは関煞が前来して侵犯し、あるいは孛・火・土が化して悪曜と為り、あるいは羅計が両辺より夾持し穿引・勾釣する——これらの情形が出現すれば、日月が傷を受けるのみならず、我が身宮・命宮も併せて傷を受く。太陰が身命の主を為すに至っては、関係は尤も緊要なり。月は即ち「身」なればなり。若し悪星有りて来り勾釣せば、それは我を主宰する彼の主宰を奪い去るに等し。豈に南柯一夢裏の人と為らざらんや。

太陰論

夫命取太陽安命,以明其體,以太隂為身,以明其用。命則人所可同,身則人所不可同。如命宮諸貴富格,貧賤格,與此身無淺深,皆所不論,必湏與身有干係深重方是。

命を推す時は太陽の所在を以て「命宮」を安立し、以て一人の本体を顕明し、太陰の所在を以て「身宮」を定め、以て一人の作用を顕明す。命宮は許人の相同じうし得る所、身宮は即ち人各々同じからざる所なり。故に命宮裏の彼らの富貴格局・貧賤格局は、若し身宮と深浅の牽連無ければ、一概に論ずるに及ばず。必ず身宮と深重の干係有りて、乃ち数に算す。

太陰九行説

月有九行,以黃道為經緯之主:青道二出黃道東,赤道二出黃道南,白道二出黃道西,黒道二出黃道北。四時更可隨黃道而變遷:春黃道始於東,夏黃道始於南,秋黃道始於西,冬黃道始於北。其日又南陸北陸,又是隨天道而旋也。

月亮の運行には九条の道あり、「黄道」を以て経緯の主干と為す。青道两条は黄道の東に出、赤道两条は黄道の南に出、白道两条は黄道の西に出、黒道两条は黄道の北に出、黄道本身を連ねて共に九道なり。四季の中、黄道の起点はまた時令に随って遷移す。春は黄道は東方より起り、夏は南方より起り、秋は西方より起り、冬は北方より起る。太陽にも「南陸」を走る、「北陸」を走るの分別有り、同じく天道の旋転に随って変化す。

以九道捷法,推之四時太隂所經之度:立春木(黃道)、火(青道)、土(黑道)、金(赤道)、水(白道);立夏火、土、金、水、木;立秋金、水、木、火、土;立冬水、木、火、土、金。(以上五行繫月所經由之地,以此推其黃黒道,如太陽則從月,火冬則從水論。)

「九道捷法」を用いて四季中に太陰の経過する度数を推算するに、配法は:立春以後は、木は黄道に配し、火は青道に配し、土は黒道に配し、金は赤道に配し、水は白道に配す。立夏以後は依次に火・土・金・水・木。立秋以後は依次に金・水・木・火・土。立冬以後は依次に水・木・火・土・金——毎季に五行を序に依って一位を輪転す。原注にいう:以上の五行は月亮の経過する地の属性を指し、これに拠ってその走るは黄道か黒道かを推定す。太陽の推法は月亮に跟着して走り、冬の火は則ち水に依って論ず。

論命以日月為身,所繫考九道晦明。如人身生世而稟賦厚薄,隨形所寓而為吉凶。黃道內得五星之吉為福,氣、計、孛、羅為減力,葢四餘暗道之曜,非黃道所可見也,見則必掩晦。黑道正四餘得志之所,又非五星所可從也。

命を論ずるは日月を以て「身」を定め、考察すべき関鍵は九道の明と暗に在り。人生まれて世に在るに禀赋に厚薄あるがごとく、形体の寄する所に随って吉凶を分出す。黄道の内に於て五星の吉助を得れば即ち福なり。若し気・計・孛・羅の「四余」に遇えば、力量を減去す。四余は暗道に属する星曜で、もとより黄道上に出現すべからず。一たび出現すれば必ず月光を遮掩す。黒道は恰も四余の志を得る地方で、彼処は又た五星の跟従し得る所に非ず。

黃道為人聰明清和粹羙,春風和氣,灑落通變。赤道太陽揚輝之所,為人多權畧,任勢敢為。青白道多清潔有風節廉操,進退以禮。大抵青白道為孤髙之所,若更命局與當生孤刑煞局,無祿貴駕殿者,必孤尅;更空亡刄碎交橫,必是僧道;有吉局亦必是艱難中起。

月が黄道を行く人は聡明・清和にして純粹・美好、人を待つこと春風・和気の如く、洒脱にして通達・変通す。赤道は太陽の威を揚げ光を発する地方で、月が赤道を行く人は多く権謀・韜略有り、敢えて勢に凭って為す。月が青道・白道を行く人は多半・清潔に自守し、風骨・節操有り、進退は礼法に合す。但し青白二道は大抵孤高の地に属し、若し命局にまた出生時の孤辰・刑煞の格局に碰し、而して禄星・貴人・駕星・殿星の来り扶持する無ければ、必ず孤独・刑剋す。再加うるに空亡・羊刃・破碎の交錯・縦横あれば、多半・出家して僧道を為る。たとえ吉格有るも、一定して艱難・困苦の中より起家す。

黃道雖弱,亦可為吉,但怕黃道遇掩晦,是月行於天,而片雲蔽之甚,巳其昏晦也。黑道愚而好自用,賤而好自専,心髙無寔,志大無成之人。大抵専繫於九道之內,次參得何星之用:如妻主內助,而起亦由內親而成功名;田宅主得父母力,財得財官主貴,更參諸局無失矣。

黄道はたとい力弱くとも、なお吉と算し得るも、只怕るは黄道上に遮掩・晦暗に遇う——それは月亮が天空を行走し、一片の雲に厳々と遮住されて、光は昏暗するが如し。月が黒道を行く人は愚昧にして自ら是と為し、卑下にして専断・獨行し、心気高くして実学無く、志向大にして一事成さず。総じて言えば、先ず専ら月が九道中の何れの道に在るかを看て、其次に再び参看して何れの星の輔助・起用を得るかを見る。譬えば妻宮の主星の相助を得れば、内助の力を主り、発迹も内親に由って功名を成就し、田宅宮の主を得れば、父母の力を得るを主り、財帛・官禄の主を得れば、富貴を主る。再び各種の格局を併せて参看すれば、失誤あることなし。

假如太隂度婁,婁金也,當以金星論。如金星得垣占髙強,有夾拱與祿貴駕殿相繫,更見土星之吉,立命在巳人必大貴。如金星失躔,為他星所斷或截其脈,不與祿貴駕殿相繫,卻與羊刄刼煞相干,此又下賤矣。如金星失道,太隂得夾拱,或見黃道所喜之星,祿馬殿駕貴人相渉,亦為吉命。

譬えば太陰が婁宿に行き至れば、婁宿は金に属し、金星に按じて論ずべし。若し金星が本垣を得て強旺の位を占め、又た星曜の夾拱有り、併せて禄星・貴人・駕星・殿星と牽連し、再び土星の金を生ずる吉を見、命宮がまた巳宮に立てば、此人は必ず大貴なり。若し金星の行度が失常にして、別の星に截断されその気脈を切断され、禄貴・駕殿と連ならず、却って羊刃・劫煞と糾纏せば、則ち転じて下賤と為る。若し金星は道を失うも、太陰が夾拱を得、あるいは黄道上の喜ぶ所の星曜を見、禄・馬・殿・駕・貴人と相渉れば、仍ほ吉命と算す。

如金在辰升殿,當官祿或火在申子辰當令,或難值此,不可以身主居官斷之,葢受火之欺,為令所役,為官所驅,何福之有。若更有土與火之脈相貫穿,此又轉凶為吉之道,葢火欲傷金,見土則反火生土,土又生金矣,挽囬一團福氣。

又如金星が辰宮に於て殿に升り、もとより官禄を主るべきも、火星がまた申子辰に於て令に当たり勢を得、あるいは恰好この種の情形に碰せば、「身主が官禄宮に居る」を凭って吉を断ぜしめず。金は火の欺凌を受け、時令に役使せられ、官星に駆迫せられて、何ぞ福の言わんやあらん。若しこの時また土星有りて火と金の気脈を貫穿せば、那れはまた凶を転じて吉と為す路数なり。火はもとより金を傷らんと欲するも、土を見て便ち転じて去りて土を生じ、土は去りて金を生ず——一団の福気は挽回せられたり。

金在土宮卻□土是何宮主,妻得妻力,男則得男力,官則貴,福則富,乃土為持重之星,有培植之功,為人亦有持久之福。若為火所燥,無土挽囘凶熖,為人多受漂忽震盪之禍,得吉猶凶也。

金星が土に属する宮に落ちれば、就要って回頭してこの土が何れの宮の宮主かを看る(底本此処に一字を缺き「□」を作す。文義に拠れば「看」の字に当たる。臆補は敢えてせず):若し妻妾宮の主なれば、妻子の力を得、若し男女宮の主なれば、子女の力を得、若し官禄宮の主なれば則ち貴を主り、若し福徳宮の主なれば則ち富を主る。土は穏重の星にして培植・生養の功有るを以て、故に人と為りても持久の福分を享有す。若しこの土が火に烤げられて焦燥し、又た別の土無くして凶焰を挽回せしめざれば、人と為りて多く飄忽・動蕩の禍に遭い、たとえ吉星を得るも仍ほ凶を帯ぶ。

若金見水卻□水是何宮主,田妻男吉,官福尤髙,是身得此福。若生無用之星,奴僕兄弟無益於我精神氣脈,為彼所竊,平生為人無力,以小失大。如金見木為財,□是何宮主,妻得妻財,奴得奴用之類,活法推之,無不中矣。

若し金星が水を見れば、同じくこの水が何れの宮の宮主かを看る。若し田宅・妻妾・男女の三宮の主なれば皆吉なり。若し官禄・福徳の主なれば、則ち更に高顕にして、これ「身」が福を得たりと謂う。然れども若しその生助する所が一顆の無用の星——譬えば奴僕宮・兄弟宮の主——なれば、我が精神・気脈に毫も益無く、却ってそれらに偷り取られ、一辈子・人と為り事を為して力を使い得ず、小に因りて大を失う。又如金星が木を見れば、木は金に剋されて「財」に属す。亦たこの木が何れの宮の宮主かを看る。妻宮の主なれば便ち妻家の財を得、奴僕宮の主なれば便ち奴僕の用を得、是の如きの類なり。この種の活絡の弁法を以て推せば、応験せざるなし。

太陰引従夾拱

引從夾拱,當辯其孰吉孰□?如月度婁前三十度,內有吉星為引,後三十度內有吉星為從,引以逺者為吉,從以近者為是。前後夾拱勻停,不論何星多寡,皆為引從夾拱,但□葉和爭鬬如何耳。

太陰の「引」「従」「夾」「拱」を講ずるに、当に先ず何れが吉で何れが凶かを辨清すべし(底本二処に字を缺き「□」を作す。前者は「凶」に、後者は「看」の類の字に当たる。臆補は敢えてせず)。譬えば太陰が婁宿に行き至り、それの前面三十度以内に吉星有れば、これを「引」と謂い、後面三十度以内に吉星有れば、これを「従」と謂う。「引」を為す星は離るることやや遠きを以て吉と為し、「従」を為す星は離るることやや近きを以て宜しと為す。前後の夾拱が均匀・停当なれば、何れの幾顆の星か多きか少なきかを論ぜず、皆引従・夾拱と算す。ただなおこれらの星の彼此が協調・和順なるか、互いに争闘するかを看るを要す。

前引後從,又要無求太隂之前不以多少,近前一星以之為主,若前面之星與所主之星與日月有傷,此為下賤;若日與官祿貴殿駕職元□,無非富貴。前後擁從停勻,所主之星與月相得,前面諸星相戰爭,只要不傷月前主星,不礙其為名利。若三合釣來,亦如此論。

前に引有り、後に従有り、还要って勉強を加えず自然に成るを要す。太陰前面の星は多少を論ぜず、皆最も靠近する彼の一顆を以て「主星」と為す。若し前面のこの星およびその主る所の那一宮の星が、日月と損傷有れば、即ち下賤の命なり。若し太陽と官禄宮・貴人・殿星・駕星・職元等と相連なれば(底本一字を缺き「□」を作す)、則ち富貴ならざる無し。前後の擁護・跟従が均匀・停当にして、主星がまた太陰と相得れば、たとい前面の幾顆の星が彼此争闘すとも、月前の那の主星を傷らざる限り、此人の名利を成就するを妨げず。若し三合の位より勾釣して来れば、亦たこの道理に照らして論ず。

但當明剖合道望道之說,在月前為緊,富貴皆獨力為之,不藉他人;合道望道,必因人而成。此二項望衢可成功名,合衢非仰他人則不可。(原注:二句未觧疑有悞字。)貴格亦是□官,拱夾中亦有福,如夾吉則吉,拱凶則凶,又在詳推之也。

但し必ず「合道」と「望道」の分別を分辨し清楚せねばならず。星が月の前に在るを緊要と為す。この種の富貴は皆自己の独力に靠って挣い来るもので、他人の力を借りず。合道・望道の格局に至っては、則ち必ず他人に靠って事を成さざるべからず。この両項の中、「望衢」の一路を走るは功名を成就し得、「合衢」の一路を走るは他人に仰仗せざるべからざるなり。原注にいう:この両句は理解し難く、錯字有るを疑う。貴格もただ官职を得るに過ぎず。拱夾の中に同じく福分有り。吉星を夾得れば即ち吉、凶星を拱到れば即ち凶。还要って仔細に推詳せねばならぬ。

太陰犯殿傷宿

犯殿者,主為下凌,恃權而犯殿。傷宿者,上剛下暴,各恃其力。如太隂度胃,而羅、計占昴、畢二宿,昴畢日月也。天之日月,人之君后,羅計乃黑道旺暴之星,犯其日月,幷前有此□星,安得不凶。

いわゆる「犯殿」とは、主星が下位者に欺凌され、下位者が権勢を倚仗して殿位を冒犯することなり。いわゆる「傷宿」とは、上位が剛強にして下位が暴戻、各々自らの力量を倚仗することなり。譬えば太陰が胃宿に行き至り、而して羅睺・計都が昴宿と畢宿を占住す。昴宿は日に属し畢宿は月に属す。天上の日月は即ち人間の君と后なり。羅睺・計都はまた黒道上の旺盛・暴戻の凶曜で、それらが日月を侵犯し、再加うるに月前にまた是の如き凶星有れば(底本字を缺き「□」を作す。「凶」の字に当たる)、何にして凶ならざらんや。

傷宿者,如太隂在胃,立命在子丑,木星在月前,身命皆繫乎土,木將來傷之,退度尤□,主為人獷狠愚執。更當羊刄、刼煞之類,必是□惡之徒,當受刑法,否則夭折。又有此格而富貴者,乃坐祿馬、貴垣、殿駕、廟旺、日月聫格,有以伏□星之勢,雖犯殿不妨也。推者宜加詳審,不可以一槩論也。

再び「傷宿」を説かく:譬えば太陰が胃宿に在り、命宮を子宮か丑宮に立て、木星がまた月の前に在り。胃宿は土に属し、子丑の二宮も土に属し、身宮・命宮が皆土に繋がり、木が来て土を剋すは、即ち来て我を傷るなり。若し木がまた退行・逆度すれば、更に凶なり。この種の人は多半・粗野・狠戻にして愚昧・固執す。若し再び羊刃・劫煞の類に碰せば、必ず凶悪の徒にして、刑法の制裁を受くべし。不然れば夭折せん。但し亦たこの種の格局を生じて却って富貴なる者有り。それは禄馬・貴垣・殿駕・廟旺の地に坐し、又た日月が連なりて一格を成し、足りて凶星の気勢を圧伏し得るを以て、則ちたとい犯殿すとも妨げ無し。命を推す者は当に細かに審察を加え、一概に論ずべからず。

太陰譲殿之説

讓殿者,如人不臨室而逃別處。所譲之殿,有吉則福,有□則禍。如太隂度昴畢二度之間,諸星在翼、軫之類,獨譲張宿在中;或月度翼,諸星在栁亦是。前為緊,後為緩。當祿貴、殿駕為貴富。中間更有金水各一星在張宿,謂之一星朝後,星之留守□垣,此至吉也。若譲殿有土、計、羅、孛類,不謂朝後,謂譲殿受坎,此□格也。

いわゆる「譲殿」とは、主人が自家の屋に住まず、却って別処に躲れ去るが如し。譲り出された彼の「殿」に、若し吉星の占むる有れば便ち福、凶星の占むる有れば便ち禍なり(底本数処の「□」は残缺字で、「凶」「本」の類に当たる。臆補は敢えてせず)。譬えば太陰が昴・畢の両宿の間に行き、別の星は皆翼宿・軫宿の一帯に在りて、独り中間の張宿を譲り空く。あるいは太陰が翼宿に行き、別の星は皆柳宿に在るも、亦た同様の情形なり。月の前に譲るを緊要と為し、月の後に譲るは較ば緩し。この空位が若し禄星・貴人・殿星・駕星に正しく当たれば、貴にして且つ富を主る。若し中間にまた金星・水星の各一顆有りて張宿を守れば、これを「一星朝后」と謂う——即ち一顆の星が前来して太陰という「后」を朝拜するなり。星曜が留まりて本垣を守護す。これ最も吉なり。若し譲り出された殿の裏に坐するが土・計・羅・孛の類なれば、朝后とは謂わず、而して「譲殿受坎」と謂う。これ凶格なり。

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