李虚中命書 欽定四庫全書子部七 提要
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李虚中命書 欽定四庫全書子部七 提要
八字命理典籍
初学はまず体例の整った通論の書で枠組みを立て、次に歌賦類、最後に評注と進むのがよい。断語集から入ると、結論は覚えても導出の過程を組み立てられないことが多い。
李虛中命書三卷,術數類五,命書相書之屬。
《李虚中命書》は全部で三巻、《四庫全書》では子部術數類の第五門に隸し、「命書相書の屬」に歸入されている。この著錄の仕方は、清代の館臣がこれを人の命の禄貴夭壽を推算する専書と見做し、堪輿・占卜・相術と並列しつつ各々門を分かつたことを示している。
臣等謹案:《李虛中命書》三卷,舊本題鬼谷子撰,唐李虛中注。虛中字常容,魏侍中李沖八世孫,進士及第,元和中官至殿中侍御史。韓愈為作墓誌銘,見於《昌黎文集》。後世傳星命之學者皆以虛中為祖。愈墓誌中所云:「最深五行書,以人之始生年月日所值日辰支干相生勝衰死王相,斟酌推人壽夭貴賤、利不利,輒先處其年時,百不失一二者」是也。然韓但極稱其說之汪洋奧義、萬端千緒,而不言有所著書。
四庫館臣謹んで按ず:《李虚中命書》三巻、舊本には周代の鬼谷子の撰と題し、唐代の李虚中が注を作ったとす。李虚中は字を常容といい、北魏の侍中李冲の第八世孫で、進士に及第し、唐憲宗元和年間に官は殿中侍御史に至った。韓愈はかつて彼のために墓誌銘を撰し、《昌黎先生文集》に收められており、後世「星命の學」を傳習する人はみな李虚中を祖師と奉じた。韓愈の墓誌には、彼が最も五行の書に精通し、人の生まれた年・月・日の値する干支に據り、その間の相生・相勝と「衰」「死」「旺」「相」などの氣勢を推究し、斟酌して人の壽命の長短・地位の貴賤・行事の順不順を推斷して、往々にして先ず應驗する年份時節を指し出し、百回のうち一二度を錯らなかった——まさにこの學を指す、とある。ただ韓愈はただ極力彼の學説が博大精深にして頭緒萬千なるを稱贊したのみで、彼が何の書を著したかは言わなかった。
《唐書·藝文志》亦無是書之名,至《宋志》始有《李虛中命書格局》二卷,鄭樵《藝文略》則作《李虛中命術》一卷、《命書補遺》一卷,晁公武《誦書志》又作《李虛中命書》三卷,焦氏《經籍志》又於命書三卷外別出《命書補遺》一卷,名目卷數皆參錯不合。世間傳本久絕,無以考證其異同,惟《永樂大典》所取其文尚多完具,卷帙前後亦頗有次第,並載有虛中自序一篇,稱司馬季主於壺山之陽遇鬼谷子,出遺文九篇,論幽微之理,虛中為掇拾諸家註釋成集云云。
《新唐書・藝文志》にもこの書の書名はなく、《宋史・藝文志》に至って始めて《李虚中命書格局》二巻が現れる。鄭樵《通志・藝文略》の著錄したのはむしろ《李虚中命術》一巻・《命書補遺》一巻で、晁公武《郡齋讀書志》はまた《李虚中命書》三巻と作り、焦竑《國史經籍志》は命書三巻の外に別に《命書補遺》一巻を列す。書名と卷數とは彼此參差して互いに吻合せず。民間に流傳する本子は久しくすでに斷絶して、これらの異同を核對する由なし。ただ《永樂大典》の收錄したこの書は文字がなお相當に完整で、卷次の前後も頗る條理があり、かつ李虚中の一篇の自序を載せて、司馬季主が壺山の南で鬼谷子に遇い、鬼谷子が遺文九篇を出して幽深微妙の理を講論し、李虚中はここに諸家の注釋を蒐集して集に編した云云をいう。館臣がこの一連の互いに矛盾する著錄を列擧するのは、この書の書名・卷數が宋代以後すでに混亂し、今本の據る底本は實に《永樂大典》の輯錄に出て、唐代舊帙の原貌ではないことを明らかにするためである。
詳勘書中義例,首論六十甲子,不及生人時刻干支,其法頗與韓愈墓誌所言始生年月日者相合;而後半乃多稱「四柱」,其說實起於宋,與前文殊相謬戾。且其他職官稱謂多涉宋代之事,其不盡出虛中手尤為明甚。中間文筆有古奧難解者,似屬唐人所為;又有鄙淺可嗤者,似出後來附益。真偽雜出,莫可究詰。疑唐代本有此書,宋時談星學者以說闡入其間,託名於虛中之注鬼谷,以自神其術耳。今以其議論精切近理,多得星命正旨,與後來之幻測恍惚者不同,故依晁氏原目釐為三卷著之於錄,以存其法,而於其依託之顯然者則各加案語隨文糾正,俾讀者勿為所惑焉。
細かに書中の體例を核對するに:冒頭は六十甲子納音を論じ、出生時辰の干支に涉らず、この算法は韓愈の墓誌のいう「出生年月日を以て推算す」と正しく吻合す。しかるに後半部は屢々「四柱」を講じ、年月日時の四柱の説は實に宋代に興起したもので、前半の文字と大いに相矛盾す。加うるに書中その他の職官の稱呼は多く宋代の制度に牽涉し、これを以てその全てが李虚中の手に出ずるに非ざるを見るべく、この點ことに明らかなり。書中の文筆に古奧にして懂り難きあり、唐人の寫したるに似たり。又有るは粗淺にして笑うべき、後人の添加したるに似たり。眞僞攙雜して、一々追究し明かす能わず。これに據りて推測す:唐代にもとよりかかる一部の書あり、宋代に星命を談ずる人が己が説を闡發して其中に攙入し、假り李虚中が鬼谷子の遺文に注せると託して、以て自家の術法を神化せしめたのみ。如今それが議論精切にして事理に切合し、多く「星命」一門の正宗の要旨を得、後來の恍惚玄虚の臆測と異なるがゆえに、晁公武の元來の目錄に依照して釐定して三巻と為し《四庫全書》に收め、以てこの一家の法を保存す。およそ明らかに假託に出づる處は、各々按語を加え文に随って糾正し、讀者をしてその惑わされざらしめんとす。
乾隆四十六年九月恭校上。總篡官臣紀昀、臣陸錫熊、臣孫士毅,總校官臣陸費墀。
乾隆四十六年九月に校訂畢り、恭しく進呈す。總纂官を擔任するは紀昀・陸錫熊・孫士毅の三臣、總校官を擔任するは陸費墀なり。これは《四庫全書》各書の提要末尾の固定の署銜で、本書の入庫の年月と經手の館臣とを標明す。
原序
昔司馬季主居壺山之陽,一夕雨餘,風輕月朗,有叟踵門,自謂鬼谷子。季主因與談天地之始,論河洛之書,箕子九疇、文王八卦,探跡幽微造化。至曉,出遺文九篇,包括三才,指陳萬物。季主得而明之,每言人之禍福時數,吉凶應如神察,為當時所貴。今餘得其舊文稽考,頗經證效。惟歷世之久,篇目次序似乎乖異,其五行之要尚或備載。餘恐其本術將至湮沒,故掇拾諸家註釋成集,非敢補於缺文,且傳之不朽,高明君子毋我誚焉。
昔、漢代に善く占う司馬季主は壺山の南に住せり。ある夜、雨まさに霽れて、風輕く月明なり。一人の老人あり門を登りて造訪し、自ら鬼谷子と稱す。司馬季主は便ち彼と天地開闢の初めの理を談じ、《河圖》《洛書》を討論し、《尚書・洪範》の記する箕子の九疇・周文王の演じたる八卦に講じ、造化の幽深微妙の蹤迹を探尋す。談じて天明に至り、老人は遺文九篇を拿出し、内容は天・地・人「三才」を囊括し、條分縷析して萬物の理を指陳す。司馬季主はこの九篇の文字を得てかつこれを通曉し、此の後人の禍福と氣數時節とを談ずる毎に、吉凶應驗して神明の洞察のごとく、因りて當時の人に推重せらる。今われ(李虚中)はこの批の舊文を得て考校を加え、頗る驗證の效あり。ただ流傳の年代久遠にして、篇目の次序錯亂あるに似たるも、五行推命の要領はなお大致保存完整なり。われこの本術のまさに湮沒失傳せんことを恐れ、ゆえに諸家の注釋を蒐羅して集に編す——敢えて缺失の文字を補足したとは言わず、ただその流傳不朽せんことを求むるのみ。高明の君子はわれを譏笑することなかれ。
唐元和初載九月十三日殿中侍御史李常容虛中序。案:唐惟天寶、至德稱「載」,此序後元和而亦稱「載」,是即作偽之一證。
落款に曰く:唐憲宗元和初年九月十三日、殿中侍御史李常容(虚中)序を作る、と。四庫館臣の按語に指摘す:唐代はただ天寶・至德の二年號の間「年」を「載」と稱したり。この序はその後の元和年間に作るも、また「載」の字を用ゆ。これまさにこの序の後人の僞託に出づるの一條の證據なり。
李虚中命書
李虚中命書卷上
甲子天官藏,是子旺母衰之金,溺於水下而韜光,須假火革,有旺盛之氣,方可以揚名顯用。(命入貴格,明暗取官。)乙丑祿官承,乃庫墓守財之金,不嫌鬼旺之方,喜見祿財之地,水土砥礪,忽然有氣,亦可以為器成材。(平和貴格,不須祿到。)
六十甲子は各々一つの「納音」五行を配し、甲子・乙丑は同じく海中金に屬す。本書はすなわち年柱の納音を以て一命の本と為し、全部の旺衰生克はみな納音に就いて立論す。これは後世の子平法が日干を主とするの口徑と根本より異なり。讀むに先ず分かち明らかにすべし。「甲子」の一位は名づけて「天官藏」という、子旺にして母衰の金なり。子水はまさに旺に當たり、金を生ずる母氣(土)はすでに衰え、金は水底に沈沒して光芒掩わる。必ず火を借りて煅煉改造し、金氣の重ねて旺盛なるを俟ちて、こそ名を揚げ世に見用せられん。李虚中の注にこの位は貴格に入り、天干に明見し地支に暗藏する「官」(我を克する神)いずれも取用しうるという。「乙丑」の一位は名づけて「禄官承」という、庫墓の中に收藏して財を守る金なり。「鬼」(身を克する神)の旺に當たる方位に行くを怕れず、却って禄地・財地を見るを喜ぶ。水あり土ありて砥礪を加えれば、金氣は忽然として回復し、同じく器を成し材を成しうる。注文にこれは平和の貴格で、必ずしも禄郷に行かざるを要せずという。
丙寅祿地元,是子母相承之火,先煙後焰,抽其明而三進,喜木為助,嫌水陵遲,五行相養,雖在死方,亦可光耿。(命入貴格,不用子祿。)丁卯貴祿奇,乃本旺祿休之火,惟欲陰旺,惡處盛陽,若火木相資,連於艮震之方,必能變鼎味而成享禮也。(欲逢官鬼,始得貴奇。)
「丙寅」の一位は名づけて「禄地元」という、納音は爐中火、子母相承の火に屬す。寅木は丙火を生じ、母子相生して、火起る時は先ず煙を冒し後に焰と成り、光明は一層々抽發して三度進長す。木の來助を喜び、水の來りて欺凌し拖延するを嫌う。ただ五行彼此涵養すれば、たとい火の死地に落つとも、なお能く光明耿耿たる。注にこの位は貴格に入り、「子禄」を借るを必ずしも要せず(底本此處に舊より校語ありて「子」は當に「干」と作るべしと疑う)という。「丁卯」の一位は名づけて「貴禄奇」という、本氣は旺なれど禄氣すでに休せる火なり。ただ陰氣の旺なるを得んことを望み、最も身が陽氣過盛の地に處るを怕る。もし火木の互いに資養するを得、連なりて艮(東北)・震(東)の方に接すれば、必ず鼎中の調味のごとく生を変じて熟と為し、祭享の禮を成就せん——その人の大用を擔當しうるを喻指す。注に「官鬼」(身を克する神)に遇い來りて制せられて、こそ貴にして奇なるを顯すという。
戊辰神頭祿,乃華實兼榮之木,愛乎水土,忌見火金,有所養於金,乃英實之命也。相乘可貴,不畏鬼臨。己巳地奇備,乃氣勝體剛之木,生逢對旺干鬼相加,或木來比助、金伐以成,為棟樑之材,皆得終美。貴無官鬼,須見角音。
「戊辰」の一位は名づけて「神頭禄」という、納音は大林木、花と果と同時に繁榮する木なり。水と土の滋養を喜び、火を見金を見るを忌む。もし金の克制がちょうど宜しきを得てかえって培育と成れば、すなわち開花しまた結實する好命なり。注に彼此相乘じてかえって貴と為しうる、「鬼」(我を克する金)の身に臨むを怕れずという。「己巳」の一位は名づけて「地奇備」という、氣勢が形體に勝ち、質地剛硬の木なり。己と相對する旺方に生まれ、たとい天干の「鬼」が加臨し、あるいは同類の木が來りて幫扶し、また金斧に砍伐加工せらるとも、いずれも棟梁の材と成りうる。結局みな美なり。注にこの一位の貴は官鬼を見ざるに在り、ただ「角音」(五音の木に屬する者)の同類の相助を見るを須とすという。
庚午天祿承,是含輝始育之土,氣數未備,惟喜旺方,得數己完,尚嫌水重,若獨祿會命旺身絕,豈是貴地。祿鬼自處,不假官鬼。辛未祿自藏,乃自本立形之土,有火相助,得木相乘,水輕木重亦可以小康,若敗而乘祿,多方為厚載之福。喜見干連,不畏木重。
「庚午」の一位は名づけて「天禄承」という、納音は路旁土、光輝を含んでまさに孕育せる土なり。氣數いまだ完備せず、ただ旺方に行くを喜ぶ。たとい氣數すでに補足せりとも、なお水の重すぎるを嫌う。ただ孤零零として禄に會するのみにして、命(地支)旺にして身(納音)絕せば、それ何ぞ貴地と算せんや。注にそれ自身すでに兼ねて禄と鬼と有り、さらに外來の官鬼を借るを要せずという。「辛未」の一位は名づけて「禄自藏」という、本氣に依託して形を立つる土なり。火ありて相助け、木ありて相加えば、たとい水輕く木重くとも、小康しうる。もし身が敗地に處りてまた禄氣を乘ずれば、多方培植して厚く萬物を載せるの福と成る。注に天干相連相生を見るを喜び、木多きを怕れずという。
壬申地天祿,乃自仕權制之金,剛而有斷,愛土木而嫌火重,雖居財旺身衰,亦主清華之貴。真假財官,貴之為貴。癸酉貴符印,乃剛銳利用之金,不嫌絕敗,惟畏鬼多,若平易而不相刑,當有自然之材器。庚辛無鬼,不假官貴。
「壬申」の一位は名づけて「地天禄」という、納音は劍鋒金、自ら任事し權を掌りて裁斷ある金なり。性剛にして決斷力あり、土木(土はこれを生じ、木はその財なり)を喜び、火の重すぎるを嫌う。たとい財旺にして身弱の格局に處るとも、清貴顯要の位を主る。注に眞財眞官か假借の財官かを問わず、能く貴なればすなわち貴なりという。「癸酉」の一位は名づけて「貴符印」という、同じく劍鋒金、剛銳にして利用に供すべき金なり。絶地敗地に落つるを怕れず、ただ「鬼」(身を克する火)の多すぎるを怕る。もし命局平順にして刑克なければ、自ずから材を成し器を成す。注に庚辛の金は鬼の來克なくば、すなわちさらに官星を借りて貴を取るを要せずという。
甲戌祿臨官,乃墓成息用之火,不求壯旺,欲物平資,福祿可以高厚。入格可貴,干不必官。乙亥地祿承,為氣散游魂之火,生於木火榮方,上下不逢相制,僅而成達,多助尤崇。真官相制,得貴亦崇。
「甲戌」の一位は名づけて「禄臨官」という、納音は山頭火、墓に入り形を成して止息し用を待つ火なり。壯盛旺極を求めず、ただ外物の平和に資養を供給すれば、福と禄とは高厚ならんことを得。注にただ格に入ればすなわち貴と為しうる、天干は必ずしも官星を見るを要せずという。「乙亥」の一位は名づけて「地禄承」という、氣すでに渙散して遊魂のごとき火なり。木火繁榮の方位に生まれ、上下(干支)ともに克制を遭わずんば、勉めても通達しうる。もし多く幫助を得れば、地位ことに崇高なり。注にもし眞の官星ありて來り制せば、貴を得るも同じく崇顯なりという。
丙子天祿承,乃深沉停會之水,若會源得生,用制於東南,為出常之器。自有真官,佳期祿會。丁丑祿自守,乃漸下欲流之水,得水土相承,經於敗地,源脈不斷,可升而濟物,功德昭著也。丑有癸藏,不明見官。
「丙子」の一位は名づけて「天禄承」という、納音は澗下水、深沉停蓄して匯聚して成れる水なり。もし能く水源に會して生氣を得、また東南木火の方に於て制用を加えれば、すなわち尋常を超する器局なり。注にそれ自身すでに眞官を帶び、最佳の時機は行運が禄地に會するなりという。「丁丑」の一位は名づけて「禄自守」という、漸々下り向いてまさに奔流せんとする水なり。水と土とが互相承接するを得れば、たとい敗地を經るとも、源頭脈絡は斷絶せず、昇騰して雲雨と成りて萬物を潤澤し、功德昭彰たら。注に丑中にもとより癸水を藏し、さらに官星を明見するを宜しからずという。
戊寅地官承,乃生體安和之土,若資之以火土俱盛,金旺之榮,雖多反制,尚可高崇,為不常之用。得官不旺,貴出自然。己卯地官承,為鬼旺體堅之土,生於金重木多,而見財重,乃富貴長遠。得官不旺,貴出自然。
「戊寅」の一位は名づけて「地官承」という、納音は城頭土、生機安和の土なり。もし火を以て資生して火土兩旺たらしめ、また金旺の榮氣あれば、克制の神多きと雖もかえって節制を形成し、なお地位高崇、尋常ならざる用を成就しうる。注に官星を得て官星過旺ならざれば、貴氣は自然より出づという。「己卯」の一位もまた「地官承」と名づく、鬼(我を克する木)旺なれど本體堅實の土なり。金重く木多き處に生まれ、また財星の厚重を見れば、すなわち富貴にしてかつ長久ならん。注に同じく官星は太旺を宜しとせず、かくのごときこそ貴氣は自然より出づという。
庚辰祿暗會,乃顯光之金而未成材,金剛土重,得期相會,無炎火之官,乃大臣之制。不假祿合,祿干剋期。辛巳地官承,為資始之金,身堅而體柔,欲平火之制,若金助土成,則為光大之器。丙官在下,務貴於祿。
「庚辰」の一位は名づけて「禄暗會」という、納音は白蠟金、すでに光澤を現すもいまだ成材せざる金なり。金質剛硬にして土氣厚重なり。もし能く期に按じて會合し、また熾烈の火の官星と為りて煎熬するなければ、すなわち大臣に位居する格局なり。注に禄の會合を借るを必ずしも要せず、天干の禄は自ずから期に按じて克制の力を發揮すという。「辛巳」の一位は名づけて「地官承」という、まさに資生の始を取得せる金なり。身骨堅にして體質柔なり。平和の火ありて鍛煉せんことを望む。もし金の助を得て土また成全せば、光大の器物と成る。注に丙火の官は巳中の下に藏伏し、貴を取るは禄に重んずという。
壬午天官合,乃化薪之木,畏在火強,得水資之,或處生旺而逢土,亦可富貴。若獨見金制在死敗之鄉,非長久之命。丁壬德合,寄任旺官。癸未祿自備,為伐根之木,氣敗而體柔,不嫌金制,喜水之榮,及會元而借生主,乃重器成德之材。癸在巳中,喜逢甲乙。
「壬午」の一位は名づけて「天官合」という、納音は楊柳木、すでに化して柴薪と為れる木なり。最も火勢の強すぎるを怕れ、水を得て滋養するを良しとす。あるいは身が生旺の地に處りてまた土に逢えば、また富貴しうる。ただ金の來克を見て、かつ死敗の郷に落つれば、長壽の命に非ず。注に丁と壬と相合して徳合と為す、旺相の官星を寄托し任用しうるという。「癸未」の一位は名づけて「禄自備」という、根すでに砍伐せられたる木なり。氣衰敗にして體質柔弱なり。金の來りて裁制するを怕れず、水の滋榮を喜ぶ。元氣に會し、生ずる我が主を借るを俟ちて、すなわち重器を成し徳業を成しうるの材なり。注に癸の貴人は巳中に在り、甲乙同類の木に逢うを喜ぶという。
甲申地祿生,乃源泉之水,務有資助流長而無鬼,則為運廣之淵,可享高厚之福。祿始生,要干生旺而無官。乙酉貴還命,乃母旺進趨之水,若資以金、濟用以火,自乾東而震北,亦超卓輔弼之用。干之無官,會合而貴。
「甲申」の一位は名づけて「地禄生」という、納音は井泉水、源頭活泉の水なり。必ず資助ありてその流れ長遠ならしめ、また「鬼」(身を克する土)の來りて阻斷するなきを要す。すなわち水量寬廣の深淵と成りて、高厚の福を享受しうる。注に禄氣まさに發生し、天干が生旺の地に處りて官星を見ざるを須とすという。「乙酉」の一位は名づけて「貴還命」という、母氣まさに旺にして斷えず前に推進する水なり。もし金を以て資生し、火を以て調劑使用すれば、西北乾位より東へ、東方震位より北へ流轉し、また超群卓越の輔弼の才と成りうる。注に天干上に官星を見ず、支干の會合に靠りて貴を取るという。
丙戌祿德合,乃祿資支附堅固、火鍾之土,若資之以木,光耀不群,蓋本重不須旺也。自有卒符,不畏偏貴。丁亥地貴符,乃福壯臨官之土,若潤之以水,麗澤以金,處魁罡坤艮之方,可以顯功遂名。貴守官藏,真鬼德旺。
「丙戌」の一位は名づけて「禄徳合」という、納音は屋上土、禄氣の資助あり、支干依附して堅固にして、火氣を聚集せる土なり。もしさらに木を以て資養すれば、光彩耀眼にして流俗を超出す。本氣すでに厚重なれば、さらに旺極を求むるを要せず。注にそれ自身「卒符」の神を帶び、偏位の貴人を怕れずという。「丁亥」の一位は名づけて「地貴符」という、福氣壯盛にしてまさに臨官に當たる土なり。もし水を以て潤澤し、金を以て彩を添え、また魁罡(辰戌)と坤(西南)・艮(東北)の方に處れば、すなわち功業を建立し名声を成就しうる。注に貴氣は守りて官星は潛藏し、眞の「鬼」はかえって徳氣を旺盛ならしむという。
戊子天祿合,乃神龍之火,利於震巽,不畏水刑,支干得官皆可顯用,水木盛則尤佳。自有癸財,不必會祿。己丑神頭祿,乃餘光不凡之火,惟期體重,不假奇財,若祿有資而命有成,方人康榮之貴局。貴財相會,無祿亦榮。
「戊子」の一位は名づけて「天禄合」という、納音は霹靂火、神龍の火と稱さる。震(東)・巽(東南)の木方に行くに利あり、水の來りて刑克するを怕れず、天干地支はただ官星を得ればいずれも顯達任用しうる。水木旺盛なればさらに良し。注にそれ自身すでに癸水ありて財と為す、さらに禄に會しに行くを要せずという。「己丑」の一位は名づけて「神頭禄」という、餘光不凡の火なり。ただ本體の厚重を求め、奇特の財星を借助するを必ずしも要せず。もし禄に資助あり、命局に成就あれば、安康榮顯の貴格に入る。注に貴人と財星と相會すれば、たとい禄を見ずとも同じく榮顯なりという。
庚寅地奇備,不避刑沖,寧辭衰敗,乃五行堅實之木,若得和柔之氣,德貴相符,必作顯揚大用。祿位生旺,得官鬼成。辛卯貴沖命,自旺經制之木,不畏霜雪,氣節凌雲,可制之以金,損之以火,而逢旺相即成巨室之材。若平易而無金,火生於曲直之會,亦為貴重矣。祿命相擊,不畏官耗。
「庚寅」の一位は名づけて「地奇備」という、納音は松柏木。刑と冲とを躲避せず、また衰と敗とを推辭せず、五行中に質地最も堅實の木なり。もしさらに和順柔潤の氣を得、徳神と貴神と彼此相符せば、必ず顯達揚名して大用を擔當す。注に禄位は生旺に處り、さらに官鬼を得てこれを成就すという。「辛卯」の一位は名づけて「貴冲命」という、自身旺盛にして裁制を經受せる木なり。霜雪を怕れず、氣節は雲霄を凌ぐ。金を以て裁制し、火を以て消損しうる。一旦旺相の運に逢えば、巨室を營建する大材と成る。もし命局平順にして金なく、ただ火が「曲直」(木局)の會合の中に生ずれば、同じく貴重なり。注に禄と命と相冲擊するも妨げず、官星の來りて耗損するを怕れずという。
壬辰祿清潔,乃會貴守成之水,五行不雜,在兌坎之間無物來制,文明清異之資,可享高厚之福。喜於寅亥,見戌亦清。癸巳地帶合,乃流遠澄清之水,若溢之以水,在火木榮方,音中無土,則有濟物惠施之德也。真氣得用,官氣尤清。
「壬辰」の一位は名づけて「禄清潔」という、納音は長流水、貴神に會合して成を守り失わざる水なり。五行純粹にして雜らず、兌(西)・坎(北)の金水の間に處りて別の物の來りて克制するなく、文采光明・清雅出衆の資質なり。高厚の福を享受しうる。注に寅・亥(水木長生の地)を見るを喜び、戌を見るも同じく清貴なりという。「癸巳」の一位は名づけて「地帶合」という、流れ遠くして澄澈せる水なり。もしさらに水ありて增益し、火木繁榮の方に處り、しかも納音の中に土を攙雜せざれば、萬物を濟助し他人に惠を施すの徳を具備す。注に眞氣は實用を得、官星の氣ことに清正なりという。
甲午天符祿,乃沙汰之金,志大而有節操,或零火蓋之而嚴,或旺金集之而剛,不遇丁壬,始可陶熔之寶。祿神敗而食子,欲妻剛而子旺。乙未祿印綬,乃強悍剛礦之金,欲金相用在火盛處,父子相乘,皆為珍寶。德神當位,喜見印官。
「甲午」の一位は名づけて「天符禄」という、納音は沙中金、沙の裡より淘洗して出づる金なり。志向遠大にして節操あり。あるいは零星の火ありて其上を覆い嚴整と顯れ、あるいは旺金ありて其間に聚集して剛強と顯る。ただ丁と壬とに遇わざれば(丁壬は木を化してその氣を泄す)、すなわち熔鑄しうる寶物なり。注に禄神はすでに敗れて食神の子を生ず。ゆえに財(妻)の剛健にして子息の旺盛ならんを望むという。「乙未」の一位は名づけて「禄印綬」という、強悍にして質地粗糙の礦金なり。金が能く火盛の處に取用せられんを望む。父(金)と子(火)とが互相乘承して、いずれも煉成して珍寶と成りうる。注に徳神各々其の位に當たり、印星と官星とを見るを喜ぶという。
丙申地官承,乃無資之火,金木壯旺而有制,得干生即為厚實,若祿盛而無依,即灰飛而不焰矣。官在生方,不須癸壬。丁酉貴自承,乃平易無為之火,得木旺則大炎見,木多則成用,得火助則不清,在火位則常存,人生得此,無不貴豪。丁連丙貴,見合不清。
「丙申」の一位は名づけて「地官承」という、納音は山下火、資養なき火なり。金と木と皆壯旺にして彼此制約あり。もしさらに天干の生扶を得れば厚實にして靠みがたし。ただ禄氣旺盛にして依託する所なければ、灰飛煙滅して焰を燃成さざるがごとし。注に官星は長生の方に在り、すなわちさらに壬癸の水を要せずという。「丁酉」の一位は名づけて「貴自承」という、平易無為の火なり。木氣旺を得れば大いに光焰を放ち、木多ければ大用と成る。もしさらに火を得て來助せばかえって清純ならず。火位の上に處れば能く長久に存留す。人生にこれに逢えば、顯貴豪盛ならざるなし。注に丁と丙と相連なりて貴を取る、ただ合を見ればかえって清ならずという。
戊戌神頭祿,乃不材之木,喜逢水旺乃可資榮,豈厭生成,伐宜金敗,真運自然,不嫌祿鬼,方可高崇。明合暗官,成於旺方。己亥地官承,乃糞水育苗之水,水多土而臨旺,皆有成就,然逢敗絕為殃,亦主富貴榮盛。干支財祿,瞿彼官鬼。
「戊戌」の一位は名づけて「神頭禄」という、納音は平地木、材を成さざる木なり。水旺に逢うを喜びてこそ資養を得て繁榮しうる。何ぞ生成の氣を厭棄せんや。砍伐せらるるに金氣衰敗の時に宜しく、眞運自然にして至る。「禄鬼」(身を克する神)の同現を嫌わず、かくのごときこそ地位高崇ならんことを得。注に明處に合あり暗處に官あり、成就は旺方に在りという。「己亥」の一位は名づけて「地官承」という、納音は平地木の後の一位、糞壤の水を以て禾苗を培育する水なり。水多くして土また旺に臨めば、いずれも成就あるを得。然れども敗地絶地に遇えば災殃と成る。もし配合當を得れば、また富貴榮盛を主る。注に干支上に財あり禄あるを要し、あの身を克する官鬼に對しては須らく警惕すべしという。
庚子天雲日承,乃氣過浮虛之土,得重土相資,水木不剛即享福壽。官鬼不刑,衰絕自保。辛丑祿承庫,乃氣衰就本之土,欲承之以火,制之以木,或重遇木土有刑沖,須假祿元生旺,造化應斯,功名可立。官鬼不加,祿剛則貴。
「庚子」の一位は名づけて「天雲日承」という、納音は壁上土、氣が虚浮に過ぐる土なり。厚重の土を得て資助し、水木また剛強ならざれば、能く福を享け壽を享く。注にただ官鬼の來りて刑克せざれば、たとい衰地衰地絶地に處るとも能く自ら保つという。「辛丑」の一位は名づけて「禄承庫」という、氣すでに衰え、退きて本位に歸する土なり。火ありて承接し木ありて疏理せんことを望む。あるいは重重木土に遇いて刑を帶び冲を帶ぶれば、須らく禄元を借りて生旺の地に處るべし。造化もしこのごとく配合せば、功名は建立しうる。注に官鬼身に加わらず、禄氣剛健なればすなわち貴を取りうるという。
壬寅地會義,乃藏用體柔之金,喜土資之以旺,財官不可太剛,若能應此,富貴始得久遠。艮土包命,祿須貴旺。癸卯貴會源,乃財旺體弱之金,財命相乘,喜身在生旺之方,或得真官真氣,無不配合,貴源莫不易而厚祿也。貴源多會,不在多逢。
「壬寅」の一位は名づけて「地會義」という、納音は金箔金、藏めて用を待ち、質體柔軟の金なり。土の來りて資生して轉旺せしめるを喜び、財と官と皆剛強に過ぐべからず。もし能くこのごとく配合せば、富貴は長久ならんことを得。注に艮方の土は本命を包裹し、禄は須らく貴旺の地に處るべしという。「癸卯」の一位は名づけて「貴會源」という、財旺にして本體薄弱の金なり。財と命とが互相乘承し、身(納音)の生旺の方に落つるを喜ぶ。もしさらに眞官眞氣を得れば、彼此配合せざるなし。貴氣の來源は得難からずして禄もまた豐厚なり。注に貴源の貴は會得の恰當なるに在り、遇の多きに在らずという。
甲辰祿馬承,乃始壯之火,欲多生我,或會本源,卻無炎光之極,自然超卓,水輕而無土,亦可騰達矣。甲丙生寅,明我生氣。乙巳地官承,乃進功之火,欲輔助之不息,不必旺極,得木火相乘,雖死敗而可貴。或同音煞丙,亦生貴。
「甲辰」の一位は名づけて「禄馬承」という、納音は覆燈火、まさに壯盛の火なり。多く生ずる我が木あるか、あるいは本身の源頭に會するを望むも、炎光極點に至らず、かくのごとき自然超群卓越す。水氣輕くしてまた土の來りて掩うを見ざれば、また騰達しうる。注に甲と丙と皆寅に長生し、まさに我が生氣の在る所を顯明すという。「乙巳」の一位は名づけて「地官承」という、功業まさに進取の火なり。輔助の源源として絶えざるを望み、旺の極點に至るを必ずしも要せず。木火の互相乘承を得れば、たとい死地敗地に落つとも能く貴顯す。注にあるいは同納音に遇いて煞と成る丙も、同じく能く貴氣を生ずという。
丙午神頭祿,乃至陰之水,發於陽明,蒸氣氤氳,何所不及,處金木旺而沖刑祿,得炎而財盛,始可貴矣。身同官鬼,不避掩沖。丁未祿文承,乃祿旺育生之水,宜於水火之中,得五行死敗之氣,祿干自旺,財貴會於乾方,乃富貴顯揚之用,惟嫌土在旺鄉,即非長久。喜遇丙丁,畏官當用。
「丙午」の一位は名づけて「神頭禄」という、納音は天河水、至陰の水にして至陽の位に發生す。陽氣蒸騰し水氣氤氳して、到らざる所なし。金木旺盛にしてその禄を冲刑する局面に處り、また炎火を得て財氣を興盛ならしめて、これを貴と算す。注に身(納音水)と官鬼(火)と一位に同居す。ゆえに掩蔽と冲克とを回避するを要せずという。「丁未」の一位は名づけて「禄文承」という、禄氣旺盛にしてまさに生發を孕育する水なり。水火の間に處るを宜とし、五行死敗の氣を得て收斂す。禄の天干は自身旺にして、財と貴とまた西北乾方に會合せば、すなわち富貴顯揚の格局なり。ただ土の旺郷に落ちて堵塞するを嫌う。それすなわち長久ならず。注に丙丁の火に遇うを喜び、怕るるは官星の權を當てて取用するなりという。
戊申地符會,乃柔順發生之土,喜臨四季,得木為榮,獨居水火榮方,未得尊高之著。真官符用,不畏鬼臨。己酉貴承,乃子旺母衰之土,喜火土之榮,慶從革之地,或水輕木柔,亦是滋生之德,倘能應此,軒冤非難。不必正應,要臨辛丙。
「戊申」の一位は名づけて「地符會」という、納音は大驛土、柔順にして能く萬物を發生する土なり。辰戌丑未の四季月に臨むを喜び、木を得て疏導するを榮とす。もし孤零零として水火旺盛の方に處れば、尊貴高顯の名位を得ず。注に眞の官星と符神と用に堪えれば、すなわち「鬼」(身を克する木)の身に臨むを怕れずという。「己酉」の一位は名づけて「貴承」とう、子(金)旺にして母(土)衰の土なり。火土の榮氣を喜び、また「從革」(金)の地に走るを樂しむ。あるいは水輕く木柔なるも、また滋生の徳と算す。もし能くこのごとく配合せば、車に登り冕を服するは困難ならず。注に正位相應を求むるを必ずしも要せず、要は辛と丙とに臨むに在りという。
庚戌祿符源,乃鈍弱成用之金,火輕金重,魁罡相乘,可以休逸,福祿自然,忌木火之極,則命迪蹇。旺逢妻鬼,遇鬼反榮。辛亥地祿印,乃木旺祿休之金,得平火之革,然後制於克伐,或沖擊於金水之中,得以平安守職,富貴優遊。喜於金助,不畏丁鬼。
「庚戌」の一位は名づけて「禄符源」という、納音は釵釧金、質鈍り力弱くして器と成りうる金なり。火輕く金重く、また魁罡(辰戌)の相乘あれば、安閒自在にして福禄自ずから來る。木火の極點に至るを忌む。かくのごときは命途まさに艱難蹇滯せんとす。注に旺時に妻財と鬼煞とに逢い、鬼に遇えばかえって榮顯すという。「辛亥」の一位は名づけて「地禄印」という、木氣旺にして禄氣休の金なり。平和の火を得て鍛煉改造し、然るのちこそ克伐に禁えうる。あるいは金水の中に冲擊を受くるも、能く平安に職位を守住して富貴にして從容たらん。注に金の來助を喜び、丁火の鬼と為るを怕れずという。
壬子神頭祿,乃體柔用剛之木,居旺相而得金,遇貴地而無火,則可以揚名當世。祿旺須官,音盛畏鬼。癸丑祿得源,乃剛柔相濟之木,水土承於旺方,則生育利物,金制於生成,皆可以立功立事,惟恐生旺逢火。祿居北地,畏鬼掩沖。
「壬子」の一位は名づけて「神頭禄」という、納音は桑柘木、體質柔軟にして用處剛強の木なり。旺相の地に處りてまた金を得て裁制し、貴人の地に遇いて火の來りて焚灼するを見ざれば、名を當世に揚げうる。注に禄旺の時は須らく官星ありて節制し、納音の氣過盛なれば鬼の來克を怕るるべしという。「癸丑」の一位は名づけて「禄得源」という、剛柔相濟の木なり。水と土と旺方に承接すれば、能く萬物を生育し物に利益す。金の克制がもし生成の階段に發生せば、いずれも功業を建功しうる。ただ生旺の時にまた火に逢い來りて泄耗するを怕る。注に禄は北方の水地に居り、鬼の來りて掩蔽し冲克するを怕るという。
甲寅神頭祿,乃淵深處靜之水,若資之木旺土衰,則為奇特貴異。庚辛不畏,清在丁壬。乙卯神頭祿,乃死中受氣之水,雖敗無妨,或會源於音地,木有不達之者,此一水皆喜土而清,若水多而無土,則為伏寒之氣。癸馬為官,勝於戊己。
「甲寅」の一位は名づけて「神頭禄」という、納音は大溪水、深潭靜水なり。もし木旺にして土衰なるを得てこれを資助せば、奇特出衆の貴格と成る。注に庚辛の金を怕れず、清貴は丁と壬との配合に在りという。「乙卯」の一位もまた「神頭禄」と名づく、死地に氣を受けて成れる水なり。敗地に落つるも妨げなし。あるいは同納音の地に於て水源に會合すれば、木は通達せざるなし。この一位の水はいずれも土あるを喜びてこそ清純を顯し、もし水多くして土なければ、潛伏の寒滯の氣と成る。注に癸の驛馬を以て官星と為すは、戊己の土を用ゆるに勝れりという。
丙辰祿自裕,乃發施養生之土,喜於火助,不畏掩沖,夫如是者,自然榮貴。水在庫中,無官自裕。丁巳神頭祿,是絕中受氣之土,喜逢土助,不畏死敗,惟能朝命建元,可以文章妙選。上下火乘,鬼無害也。
「丙辰」の一位は名づけて「禄自裕」という、納音は沙中土、能く生機を施布して萬物を養育する土なり。火の來助を喜び、掩蔽冲克せらるるを怕れず。能くかくのごときならば、自ずから榮顯尊貴す。注に水は辰の庫中に收まり、たとい官星なくとも自ずから寬裕なりという。「丁巳」の一位は名づけて「神頭禄」という、絶地に氣を受けて成れる土なり。土に逢い來助するを喜び、死地敗地を怕れず。ただ能く本命を朝拱して元氣を建立せば、文章を以て選拔せらるるを得。注に上下ともに火ありて乘承す、「鬼」もまた為害する由なしという。
戊午天祿備,乃神發離明之火,旺中受絕,喜木助於衰方,忌火乘於己旺,生之應此,必作魁英。真假居壯,水盛不傷。己未神頭祿,乃成功之火,得季夏之炎陽,守小吉之貴地,生自東北之南,有所資附則能享福厚矣。甲巳扶持,不須更旺。
「戊午」の一位は名づけて「天禄備」という、納音は天上火、神氣が離位に發する光明の火なり。旺の極處に至りてかえって絶を受く。木の衰方に於て來助するを喜び、火のまた自身すでに旺の時に乘ずるを忌む。生辰能くこの理に合せば、必ず人中の魁首と成る。注に眞氣假氣皆壯盛の位に居り、水多しと雖もこれを傷る能わずという。「己未」の一位は名づけて「神頭禄」という、すでに成功せる火なり。季夏六月の炎陽の氣を得、「小吉」(未位の六壬神將名)のこの貴地を守りて、東北方より生起して南方に趨向す。もし依附資助する所有れば、厚福を享受しうる。注に甲と己と扶持すれば、すなわちさらに更旺を求むるを要せずという。
庚申神頭祿,乃未堅柔末之木,春相夏旺,金重而得火,土重而得水,則為出常之器。不畏陽官,要官鬼旺。辛酉神頭祿,乃未堅柔末之木,春相夏旺,金重而得火,土重而得水,則為出常之器。不畏陽官,要官鬼旺。
「庚申」の一位は名づけて「神頭禄」という、納音は石榴木、いまだ堅硬ならず、枝梢柔嫩の木なり。春は相、夏は旺と為る。金氣重過ぎて能く火を得て金を制し、土氣重過ぎて能く水を得て土を潤せば、すなわち尋常を超する器局なり。注に陽干の官星を怕れず、かえって官鬼の旺盛を要すという。緊接の一條は底本に「辛酉」と題すれども、文字は「庚申」の條と一字も差わらず、顯に傳抄重出の衍文に係る。下文に別に一條の辛酉あり、これこそ辛酉の正解なり。此處は底本の原樣に依りて收錄し、删改を作さず、また別本に據りて臆補せず。
辛酉神頭祿,乃包秀結英之木,喜於生旺,忌見金多,得土水相乘為物之貴,二者各旺而不得水,亦為奇特之材。不嫌官鬼,厭甲為財。壬戌祿官順,乃杳冥之水,喜於死敗,要土之擊發,則能博施之功及物也。正氣自守,持祿亦榮。
「辛酉」の一位は名づけて「神頭禄」という、苞を含み秀を吐きて花英を結ぶ木なり。生旺の氣を喜び、金の多すぎるを見るを忌む。土と水とが互相承接するを得れば、すなわち物中の貴なり。土水の二者各自當旺にして偏に水の來潤を得ざるも、なお奇特の材なり。注に官鬼を嫌わず、却って甲木を以て財と為すを厭惡すという。「壬戌」の一位は名づけて「禄官順」という、納音は大海水、幽深測り難き水なり。死地敗地に處るを喜び(水は靜にして深し)、土ありて激發せんことを要し、こそ廣施博濟の功用を萬物に及ぼしうる。注に己が正氣を守住すれば、禄を持するも同じく榮顯なりという。
癸亥神頭祿,乃始進成終之水,喜逢貴地,忌在祿鄉,三元相反,福慶自然,蓋其為用也大而廣,故不可以守常為尚,須升而為雨霧,散而為江河,乃為大用也。
「癸亥」の一位は名づけて「神頭禄」という、まさに進氣せるもまた六十甲子の終點に居る水なり。貴人の地に逢うを喜び、禄郷に落つるを忌む。たとい「三元」(干禄・支命・納音身)彼此相反するとも、福慶はなお自ずから至る。この一位の水の功用廣大なれば、固守常規を以て高と為す能わず。必ず昇騰して雲雨煙霧と化し、流散して江河と成りて、こそ大用を發揮したと算す。六十甲子納音ここに至りて一段落し、全部年柱納音を以て說を立つ。これまさに李虚中一系と後來子平法との根本の分界なり。
此六十位五行支干相乘,要分輕重。若金溺水下,火出水上,木不得金之所制,木無成也,如甲子、乙亥是也。金溺水下,火出水上,金不得火之所制,金無成也,如辛亥之金是也。夫如是而推伏現之情,則造化之機自理。鬼谷子以此十二音五行分輕重之用,以推通變之妙者,尚恐人執守方隅,故言稱顯隱可測,造化之說也。
以上六十位は、みな五行が支干に随いて相乘配合して成れるなり。關鍵は各々の輕重を分かち清めるを要す。たとえば金が水下に沈み、火が水上に浮かぶとき、木が金の裁制を得ずんば、木は材を成す能わず。甲子・乙亥の两位はすなわちこの種の情形なり。同じく、金が水下に沈み、火が水上に浮かぶとき、金が火の鍛煉を得ずんば、金もまた器を成す能わず。辛亥のこの一位の金はすなわちこのごとし。能くこのごとく五行の潛伏と顯現との實情を推究せば、造化の機理は自ずから理め清めらる。鬼谷子はこの十二組の納音五行を以て輕重取用を分辨して、從りて通變の奧妙を推演せしも、なお後人が某一方位・某一成規に死守せんことを慮り、ゆえに特に顯と隱と皆測知しうるを說明せり——これまさに彼の造化を談ずるの本意なり。
本家貴人命者,如甲人有戊、有庚、有丑、有未是也,大貴;如甲人得丁丑、辛未,又其次也,蓋甲年丑上遁得丁、未上遁得辛也。更有一種貴人,亦為福甚重,得者必貴:甲戊庚得乙丑、癸未,乙得庚子、戊申,己得丙子、甲申,丙丁得丁酉、乙亥,壬癸得乙卯、癸巳,六辛得丙寅、戊午是也。甲陽木,戊陽土,庚陽金,皆喜土位,而未者土之正位,丑者土之安靜之地,故以牛羊為貴;然細分之,則甲尤喜未,庚尤喜丑,各歸其庫也。
いわゆる「本家貴人」とは、本命年干に對應する天乙貴人を指す。たとえば甲年生の人は、四柱中に戊を見、庚を見、丑を見、未を見れば、すなわち本家貴人で、大貴を主る。もし甲年の人が丁丑・辛未の兩柱を得れば、則ち次一等——甲年は遁月起し遁時起し、丑位の上に丁を遁得し、未位の上に辛を遁得して、干支ちょうど相配するがゆえに。このほかまた一種の貴人ありて、福力もまた極めて重く、之を得る人は必ず顯貴す。甲・戊・庚の三干の人は乙丑と癸未とを得、乙干の人は庚子と戊申とを得、己干の人は丙子と甲申とを得、丙丁の人は丁酉と乙亥とを得、壬癸の人は乙卯と癸巳とを得、辛干の人は丙寅と戊午とを得る。その中の道理は:甲は陽木、戊は陽土、庚は陽金で、いずれも土位を喜び、しかも未は土の正位、丑は土の安靜の處なれば、牛(丑)羊(未)を取りて貴と為す。もしさらに細分せば、甲はことに未を喜び、庚はことに丑を喜び、各々本本氣の庫地に歸入す。
戊子、戊寅、戊午喜丑,丑者火人胎養之鄉;戊辰、戊申、戊戌喜未,未者木人之庫、土人生旺之地也。乙者陰木,己者陰土也,陰土喜生旺,陰木喜陽水,所以鼠猴為貴;然乙尤喜申,申者木之絕鄉也,己尤喜子,子者坤之正位也。丙丁屬火,火墓在戌;壬癸屬水,墓在辰;辰戌為魁罡之地,貴人所不臨,故尋寄火貴於酉亥,寄水貴於卯巳,皆歸靜復之鄉。六辛陰金喜陽火生旺之地,故以馬虎為貴。雖然,宜以納音互換推尋,須皆和則其貴為福;若丙寅火得酉,則火至此焉足為貴哉。廣錄。
戊子・戊寅・戊午の三位は丑を喜ぶ。丑は火命の人の胎養の郷なればなり。戊辰・戊申・戊戌の三位は未を喜ぶ。未は木命の人の墓庫なるのみならず、また土命の人の生旺の地なればなり。乙は陰木、己は陰土なり。陰土は生旺の氣を喜び、陰木は陽水の滋潤を喜ぶ。ゆえに鼠(子)猴(申)を取りて貴と為す。細分して言えば、乙はことに申を喜ぶ。申は木の絶郷(絶處に生に逢う)なればなり。己はことに子を喜ぶ。子は坤土の正位なればなり。丙丁は火に屬し、火の墓は戌に在り。壬癸は水に屬し、水の墓は辰に在り。辰戌は「魁罡」の地で、天乙貴人はここに臨まず。ゆえに火の貴人を酉と亥とに寄せ、水の貴人を卯と巳とに寄す。いずれも安靜復返の郷に歸するなり。辛は陰金にして、陽火生旺の地を喜ぶ。ゆえに馬(午)虎(寅)を取りて貴と為す。然と雖も、なお納音を結びて彼此推求すべく、必ず五行皆調和して、あの貴氣こそ眞に福と成る。たとえば丙寅の納音は爐中火で、もし酉(火の死地)に行けば、火はここに至りて何ぞ貴と稱するに配せんや。この條末は出處を《廣錄》と注明す。
天乙貴人者,三命中最吉之神也。若人遇之,主榮名早達,官錄易進。若更三命皆乘旺氣,終登將相公卿之位。大小運行年至此,亦主遷官進財,一切加臨至此,皆為吉兆。三命指掌。
「天乙貴人」は「三命」(干禄・支命・納音身)の當中に最も吉利の神煞なり。人もし命中にこれに遇わば、聲名早成・官職俸禄の進取し易きを主る。もし三命また皆旺氣に乘ずれば、終に將相公卿の高位に登りうる。大運・小運および流年が貴人の在る處に行至れば、また官職の升遷・財帛の增進を主る。一切の吉神凶煞がこの位置に加臨すれば、皆轉じて吉兆と為る。この條は《三命指掌》に出づ。
論貴神優劣:乙丑文星貴神,乙未華蓋貴神、截路空亡,丁未退神、羊刃貴神(一雲半吉),己未羊刃貴神(一雲半吉),辛未華蓋貴神(一雲空亡大敗),癸未伏神、華蓋貴神。己上甲戊庚人月日時貴神。
以下に各組貴神の優劣を分辨す。およそ甲・戊・庚の三干の人は、天乙貴人は丑と未とに在り。ゆえに月・日・時の三柱中に出現する丑未の干支を以てその等第を論ず。乙丑は「文星貴神」で、文采を主る。乙未は「華蓋貴神」で、ただまた「截路空亡」を犯し、吉中に損を帶ぶ。丁未は「退神」なるのみならずまた「羊刃貴神」で、一説にただ半吉と算すのみ。己未は羊刃貴神で、亦一説にただ半吉と算すのみ。辛未は華蓋貴神で、別の一説にそれは空亡大敗に屬すと為す。癸未は「伏神」にして兼ねて華蓋貴神なり。以上は皆甲・戊・庚の三干の人の月・日・時上に見る所の貴神なり。いわゆる「華蓋」は星名で、孤高藝文を主る。字を拆きて誤解すべからず。
甲子進神貴神,丙子交神貴神,戊子伏神貴神,庚子德合貴神,壬子羊刃貴神,甲申截路空亡貴神(一雲半吉),丙申大敗貴神,戊申伏馬貴神,庚申建祿馬貴神,壬申大敗貴神(一雲半吉)。己上乙巳人月日時貴神。乙酉破祿貴神,丁酉喜神貴神(一雲大敗),己酉進神貴神,辛酉建祿交貴神,癸酉伏神貴神(一雲吉),乙亥天德貴神,丁亥丈星貴神。己上丙丁人月日時貴神。
乙干と己干との人は、天乙貴人は子と申とに在り。ゆえに月日時上に見る子申の干支の分等は以下のごとし。甲子は「進神貴神」、丙子は「交神貴神」、戊子は「伏神貴神」、庚子は「徳合貴神」、壬子は「羊刃貴神」。甲申は「截路空亡貴神」(一説に半吉)、丙申は「大敗貴神」、戊申は「伏馬貴神」、庚申は「建禄馬貴神」(禄と驛馬と俱全りて、最も得力なり)、壬申は「大敗貴神」(一説に半吉)。以上は乙・己の人の月日時上の貴神なり(底本此處「乙巳」は當に「乙己」の訛るべし)。丙丁の兩干の人は、貴人は酉と亥とに在り。乙酉は「破禄貴神」、丁酉は「喜神貴神」(一説に大敗に屬す)、己酉は「進神貴神」、辛酉は「建禄交貴神」、癸酉は「伏神貴神」(一説に吉と為す)、乙亥は「天徳貴神」、丁亥は「丈星貴神」(すなわち文星)。以上は丙・丁の人の月日時上の貴神なり。
甲午進神貴神,丙午交羊刃貴神(一雲半吉),戊午伏羊刃貴神,庚午文星截路貴神(一雲半吉),壬午祿旺氣貴神,甲寅文星建祿貴神,丙寅文星貴神,戊寅伏馬貴神,庚寅破祿馬貴神,壬寅截路貴神。己上六辛人月日時貴神。乙卯天喜貴神,丁卯截路貴神(一雲半吉),己卯進神貴神,辛卯交破祿貴神,癸卯旺祿貴神,乙巳正祿馬貴神,丁巳九天祿庫貴神,己巳九天祿馬庫貴神,辛巳截路貴神(一雲半吉),癸巳伏馬貴神。己上壬癸人月日時貴神。
およそ辛干の人(六つの辛日辛年は通稱「六辛」)は、天乙貴人は午と寅とに在り。甲午は「進神貴神」、丙午は「交羊刃貴神」(一説に半吉)、戊午は「伏羊刃貴神」、庚午は「文星截路貴神」(一説に半吉)、壬午は「禄旺氣貴神」。甲寅は「文星建禄貴神」、丙寅は「文星貴神」、戊寅は「伏馬貴神」、庚寅は「破禄馬貴神」、壬寅は「截路貴神」。以上は辛干の人の月日時上の貴神なり。壬癸の兩干の人は、貴人は卯と巳とに在り。乙卯は「天喜貴神」、丁卯は「截路貴神」(一説に半吉)、己卯は「進神貴神」、辛卯は「交破禄貴神」、癸卯は「旺禄貴神」。乙巳は「正禄馬貴神」、丁巳は「九天禄庫貴神」、己巳は「九天禄馬庫貴神」、辛巳は「截路貴神」(一説に半吉)、癸巳は「伏馬貴神」。以上は壬・癸の人の月日時上の貴神なり。
凡如此己上貴神,若與祿馬同窠,不犯交退伏神,支干相合者,定須官高職清。若無德更值空亡、交退伏神、五行無氣,至死不貴。緊要在月日時支干相合則為吉,不然乃庸常流也。並同金書命訣。
以上の列する所の各種の貴神は、もし「禄」「驛馬」と同一柱に處り、また「交神」「退神」「伏神」を犯さず、しかも支と干と彼此相合すれば、それすなわち一定官位高く職任清要なり。反して言えば、もし徳神なきのみならず、また空亡・交退伏神に碰い、五行なお全く氣勢なければ、その終一生も顯貴せず。要なる處は月・日・時の三柱の干支が必ず相合してこそ吉と算し、然らずんばただ平庸の輩に過ぎず。この條は《金書命訣》の載する所と同じ。
此格有三:干合為上,支合次之,無合又次之。如甲子己未,此為上格,蓋甲己合也。無死絕沖破空亡,更有福神助之,當極一品之貴宰;有死絕為鄙吝殺也,如有死絕沖破空亡之類,只作正郎員郎,然多難無福耳。如戊子己丑,此為次格,若無死絕沖破空亡,須作兩制兩省,少年登科,當居清要華近之選,更有福神相助為兩府矣;有死絕即減作正郎員郎,亦須有職名;若有沖破空亡,只作一多難州縣官,晚年得至朝官極矣。
貴人の成格は三等に分かつ。天干相合するを上等とし、地支相合するを次の一等とし、全く合なきをまた次の一等とす。たとえば甲子に己未を配するは上格に屬す。甲と己と天干相合するがゆえに。もし命中に死地絶地を見ず、冲破空亡を見ず、また福神ありて來りて幫扶せば、一品の宰輔たることを成しうる。もし死絶を帶ぶれば、鄙吝の煞と成る。およそ死絶冲破空亡の類を帶ぶるは、ただ郎中・員外郎一級の官を成しうるのみにして、しかも多災多難・福氣なし。またたとえば戊子に己丑を配するは次格に屬す。もし死絶冲破空亡なければ、兩制(知制誥・翰林學士)・兩省(中書門下)の職に入りうる。少年にして科に登り、清要にして君主に近い位置に居る。さらに福神の相助あれば、兩府(中書・樞密)に入りうる。もし死絶を帶ぶれば、すなわち降じて郎中員外郎と為るも、なお總じて職名あり。もし冲破空亡を帶ぶれば、ただ一個の多災多難の州縣官に過ぎず、晚年に至りて最も多くして朝官を為すのみ。
如辛未庚寅,此為第三等,若無死絕沖破空亡,即作正郎卿監,少達歷清要差遣,更有福神為之助,往往為兩制矣。若有死絕,即作員郎京朝官;更有沖破空亡,平生多難,只作州縣卑冗之官,縱得改官易位,壽不永矣。五命林開。
またたとえば辛未に庚寅を配するは第三等に屬す。もし死絶冲破空亡を帶びざれば、郎中・卿監一級まで成りうる。年少にして通達し、歷任して清要の差遣なり。もしさらに福神の相助あれば、往々にして兩制に升入りうる。もし死絶を帶ぶれば、ただ員外郎あるいは京朝官を為すのみ。もしまた冲破空亡を帶ぶれば、一生多災多難にして、ただ州縣裡の卑微冗散の職務を擔任しうるのみ。たとい僥倖にして官職品位を換うとも、壽命は長からざらん。この條は《五命林開》に出づ。この三等の格局は說明す:同じく貴人成格なりとも、なお死絶冲破空亡と福神との有無を見て實際の高下を決定せんことを。
紫虛局:「貴人交互人多貴,旺氣相乘館殿資,切莫五行傷著主,令人閒地冷清虛。」寸珠尺璧:凡月日時互換見貴,太歲不帶者不貴。
《紫虚局》に一首の歌訣ありていう:命中の貴人彼此交互に出現せば、この人多半顯貴す。加うるに旺氣層層相承せば、館閣殿職を為すの資本あり。千萬に五行をして本命の主を傷らしむるなかれ。然らずんば人をして閒散の地に落ち、冷清として虚しく度らしめん。《寸珠尺璧》は則ち補充していう:およそ月・日・時の三柱彼此交換して貴人を見て、太歲(年柱)は卻って貴人を帶びざれば、依然として貴と算せず——見るべし、本書は始終年柱を以て一命の本と為し、別柱たとい良くとも年上に根あるを要するを。
貴合貴食:有貴合則官位穹崇,所作契合;有貴食則祿豐足,所成造望。如甲戊庚貴在丑未,甲得己丑己未,戊得癸丑癸未,庚得乙丑乙未;乙巳貴在申子,乙得庚子庚申,己得甲子甲申;丙丁貴在亥酉,丙得辛酉辛亥,丁得壬寅壬辰。如此之類,謂之貴合。
さらに「貴合」と「貴食」の兩種の配法を言う。命中に貴合あれば、官位は高峻崇顯にして、為す所作為皆上意に投合しうる。貴食あれば、俸禄は豐厚充足にして、成就する所もまた聲望あり。貴合の起法は:本干の天乙貴人の在る支の上に、さらに遁じ出すは本干と相合する天干なり。たとえば甲・戊・庚の三干は貴人は丑未に在り、甲と己とは合す。ゆえに甲人は己丑・己未を得て貴合と為す。戊と癸とは合す。ゆえに戊人は癸丑・癸未を得る。庚と乙とは合す。ゆえに庚人は乙丑・乙未を得る。乙と己とは貴人は申子に在り、乙と庚とは合す。ゆえに乙人は庚子・庚申を得る。己と甲とは合す。ゆえに己人は甲子・甲申を得る(底本「乙巳」は當に「乙己」と作るべし)。丙丁は貴人は亥酉に在り、丙と辛とは合す。ゆえに丙人は辛酉・辛亥を得る。丁と壬とは合す。ゆえに丁人は壬寅・壬辰を得る。これらの類は、皆貴合と名づく。
甲食丙、乙食丁,丙丁貴在酉亥,甲得丙寅丙辰,乙得丁酉丁亥;庚食壬、辛食癸,壬癸貴在卯巳,庚得壬申壬戌,辛得癸卯癸巳。如此之類,謂之貴食。有貴合則官多稱意,有貴食則祿多稱意,二者兼之,官高祿重,無往不利。閻東叟書。
貴食の起法は:本干の生ずる所の「食神」の干が、ちょうどまた食神自身の貴人位の上に坐するなり。甲は丙を以て食神と為し、乙は丁を以て食神と為す。しかして丙丁の貴人は酉と亥とに在り。ゆえに甲人は丙寅・丙辰を得、乙人は丁酉・丁亥を得る。庚は壬を以て食神と為し、辛は癸を以て食神と為す。しかして壬癸の貴人は卯と巳とに在り。ゆえに庚人は壬申・壬戌を得、辛人は癸卯・癸巳を得る。これらの類は、皆貴食と名づく。命に貴合あれば、官職多く稱心しうる。命に貴食あれば、俸禄多く如意しうる。兩者兼備せば、官高く禄厚くして、何を為すも皆順利なり。この條は閻東叟の書に出づ。
天乙貴神合者,謂天乙在貴神,亦合上是也。甲戊庚在子午,乙己在丑巳,丙丁在寅辰,壬癸在申戌,辛在亥未,皆主大福。遇兩合以上者主貴。三命提舉。
いわゆる「天乙貴神合」とは、天乙貴人が自身またこれと相合する位置の上に坐することを言う。その配法は:甲・戊・庚の三干は子と午とを取り、乙・己は丑と巳とを取り、丙・丁は寅と辰とを取り、壬・癸は申と戌とを取り、辛は亥と未とを取る。およそ命中に見えば、皆大福を主る。もし兩重以上のこのごとき會合に遇えば、顯貴を主る。この條は《三命提舉》に出づ。底本の原文「甲戊庚在子,午乙己在丑,巳丙丁在寅,辰壬癸在申,戌辛在亥未」は斷句錯亂せり。今干支の配對に按じて讀み通ず。文字は一としてその舊に仍る。
