Libo

一個の物有りて渾然として成り、天地の先に已に存在す。

春秋 · 老聃(旧题) · 第4巻 / 20

有物混成,先天地生。

寂静なりや空虚なりや、それ獨立自存して改變せず、

寂兮寥兮,獨立而不改,

周流運行して停歇せず、以て天下万物の母体と算す可し。

周行而不殆,可以為天下母。

我はその名字を知らず、

吾不知其名,

それに字を取りて「道」と謂い、

字之曰道,

強いてそれに名を起して「大」と謂う。

強為之名曰大。

大は即ち流逝不居を意味し、

大曰逝,

流逝は即ち遙遠に走向し、遙遠に走到してまた本原に返回すを意味す。

逝曰遠,遠曰反。

ゆえに道は大、天は大、地は大、王もまた大なり。

故道大,天大,地大,王亦大。

天地の間に四樣の大き有り、

域中有四大,

王はその中の一を占む。

而王居其一焉。

人は地に取法し、地は天に取法し、天は道に取法し、道は則ちそれ自己本來の樣子に取法す。

人法地,地法天,天法道,道法自然。

二十六章

厚重は輕率の根本、静定は躁動の主宰なり。

重為輕根,靜為躁君。

ゆえに聖人は整天路を行くも、皆輜重を載する車子を離れず。

是以聖人終日行不離輜重。

華美の樓觀賞する有ると雖も、彼は安然としてこれに處して外に超脱す。

雖有榮觀,燕處超然。

何を以て万乘之國を擁有する君主が、却って一己の身を以て天下を輕率に對待するや。輕率なれば便ち根本を失い、躁動なれば便ち主宰を失う。

奈何萬乘之主,而以身輕天下?輕則失本,躁則失君。

二十七章

行走に善き者は車轍足迹を留めず、

善行無轍跡,

言談に善き者は指摘す可き瑕疵なく、

善言無瑕讁;

計算に善き者は籌碼を用いず、

善數不用籌策;

關閉に善き者は門閂を用いずして、他人は打開する能わず。捆縛に善き者は繩索を用いずして、他人は解開する能わず。

善閉無關楗而不可開,善結無繩約而不可解。

ゆえに聖人は總是して人を救助するに善く、因りて遺棄せらるる人なく、

是以聖人常善救人,故無棄人;

總是して物を愛惜するに善く、因りて遺棄せらるる物なし——これを明を承襲すと謂う。ゆえに善人は不善之人の老師、

常善救物,故無棄物,是謂襲明。故善人者,不善人之師;

不善之人は善人の憑藉なり。

不善人者,善人之資。

自己の老師を尊重せず、自己の憑藉を愛惜せざれば、縱令自ら聰明と以為すとも、其實は大糊塗なり。

不貴其師,不愛其資,雖智大迷,

これを精要玄妙と謂う。

是謂要妙。

二十八章

何が雄強かを知りて、却って雌柔を安守し、甘く天下の溪澗と作る。甘く天下の溪澗と作れば、恒常の德は離失せず、重ねて嬰兒の狀態に復歸す。

知其雄,守其雌,為天下谿。為天下谿,常德不離,復歸於嬰兒。

何が明白かを知りて、却って暗昧を安守し、甘く天下の準則と作る。

知其白,守其黑,為天下式。

甘く天下の準則と作れば、恒常の德は差失有らず、

為天下式,常德不忒,

重ねて無窮無盡の本原に復歸す。

復歸於無極。

何が榮耀かを知りて、却って卑辱を安守し、甘く天下の山谷と作る。甘く天下の山谷と作れば、恒常の德は乃ち充足と算し、重ねて未だ雕琢せざる原木に復歸す。

知其榮,守其辱,為天下谷,常德乃足,復歸於樸。

原木は一經離散すれば便ち器具と成り、聖人はこの道理に沿用して、便ち百官の長と成る。

樸散則為器,聖人用之,則為官長,

ゆえに最好の裁制は割裂せざるなり。

故大制不割。

二十九章

天下を奪取せんと欲して強行して做す者は、我は彼が目的に達せざるを見る。天下は神妙の器物、

將欲取天下而為之,吾見其不得已。天下神器,

強行作為す可からず。強行作為するは必ず敗れ、執意把持するは必ず失う。

不可為也,為者敗之,執者失之。

ゆえに万物はあるいは前行しあるいは跟隨し、あるいは緩吁しあるいは急吹し、あるいは強健あるいは羸弱、あるいは挫折あるいは毀壞す。此に因りて聖人は極端を去掉し、奢侈を去掉し、過度を去掉す。

故物或行或隨,或歔或吹。或強或羸,或挫或隳。是以聖人去甚,去奢,去泰。

三十章

道を以て君主を輔佐する者は、兵力に靠りて天下に逞強せず。

以道佐人主者,不以兵強天下。

兵を用うるこの事は最も容易く却って己の身上に報應す。

其事好還。

軍隊の駐紮し過ぎた地方は、荆棘便ち生長し起こり、大戰の後は、必ず荒年有り。

師之所處,荊棘生焉。大軍之後,必有凶年。

兵を用うるに善き者はただ目的に達するを求めて算了し、敢えて此を憑りて逞強せず。

善有果而已,不敢以取強。

目的に達して自ら誇らず、目的に達して自ら伐らず、目的に達して驕横せず。

果而勿矜,果而勿伐,果而勿驕。

目的に達するを以て不得已に出づと看為すべく、目的に達して逞強せず。

果而不得已,果而勿強。

事物は壯盛すれば便ち衰老に走向す、これを道に合せずと謂う。道に合せざるは、速く便ち了ぬ。

物壯則老,是謂不道,不道早已。

三十一章

The original text is in the public domain. The Japanese is a machine-assisted translation of this library’s own Chinese paraphrase, checked against a fixed glossary so that technical terms match the definitions used elsewhere on this site. It is a reading aid and does not replace the original.