Libo

天下万物は皆一個の起始有り、これを以て天下の母体と當てす可し。

春秋 · 老聃(旧题) · 第7巻 / 20

天下有始,以為天下母。

すでに母体を得着せば、便ち此を憑りてそれの生める所の子を認識する能く、すでに子を認識せば、再び頭を回りて母体を守住すれば、終身危險有らざらん。

既得其母,以知其子,既知其子,復守其母,沒身不殆。

嗜欲の孔竅を堵住し、嗜欲の門戶を關閉すれば、

塞其兌,閉其門,

終身困擾有らざらん。

終身不勤。

嗜欲の孔竅を打開して、あの事務を成就せんと往けば、終身救藥す可きなし。

開其兌,濟其事,終身不救。

細微處を看見する能くするを乃ち明と謂い、柔弱を守住する能くするを乃ち強と謂う。

見小曰明,守柔曰強。

それ外在の光を運用し、

用其光,

再びそれ內在の明に復歸し、

復歸其明,

自身に禍殃を留下せざれば、これを恒常の道を承襲すと謂う。

無遺身殃,是為習常。

五十三章

假使我に稍許の認識有りて、大道の上に行走せば、唯一戒懼すべきは邪路に走上することなり。

使我介然有知,行於大道,唯施是畏。

大道は非常に平坦なれども、人々は偏偏として小道を走るを喜歡す。

大道甚夷,而民好徑。

朝廷は打掃して非常に整潔なれども、

朝甚除,

田地は却って荒蕪不堪にして、倉庫は空空如也なり。

田甚蕪,倉甚虛;

なお華美の錦繡を穿著し、鋒利の寶劍を佩び、精美の飲食を喫厭き、多余の財貨を占有す——これを強盜頭子と謂う。這何處か道に合せんや。

服文綵,帶利劍,厭飲食,財貨有餘;是為盜誇。非道也哉!

五十四章

建樹に善き者は、別人は拔掉する能わず。

善建者不拔,

抱持に善き者は、別人は奪走する能わず。

善抱者不脫,

この如くすれば子孫の祭祀は世代斷絶せざらん。

子孫以祭祀不輟。

この道理を自身の上に修持すれば、その德は便ち純真に、一家の上に修持すれば、その德は便ち有餘に、

修之於身,其德乃真;修之於家,其德乃餘;

一鄉の上に修持すれば、その德は便ち久長に、一國の上に修持すれば、その德は便ち豐厚に、天下に修持すれば、その德は便ち普遍なり。ゆえに個人より以て個人を觀察し、一家より以て一家を觀察し、一鄉より以て一鄉を觀察し、一國より以て一國を觀察し、

修之於鄉,其德乃長;修之於國,其德乃豐;修之於天下,其德乃普。故以身觀身,以家觀家,以鄉觀鄉,以國觀國,

天下より以て天下を觀察すべし。

以天下觀天下。

我は何を憑りて以て天下の情形のこの如きを知るや。これを憑るのみ。

吾何以知天下然哉?以此。

五十五章

德を含むこと深厚の人は、初生の嬰兒に比作す可し。毒蟲は彼を螫せず、猛獸は彼を撲せず、凶鳥は彼を抓まず。

含德之厚,比於赤子。蜂蠆虺蛇不螫,猛獸不據,攫鳥不搏。

彼は筋骨柔弱なれども、小手は握ること甚だ牢し。

骨弱筋柔而握固。

未だ男女交合の事を懂得せざれども、小生殖器は常常勃起す、

未知牝牡之合而全作,

これは精氣の充足する極點に到れり。彼は整天號哭して嗓子啞えず、

精之至也。終日號而不嗄,

これは元氣の和諧する極點に到れり。和諧を懂得するを便ち常と謂い、

和之至也。知和曰常,

常を認識するを便ち明と謂う。

知常曰明。

一味に生命を增益するは却って吉祥と認作せらるも、其實は災殃なり。

益生曰祥。

心念を以て精氣を驅使して逞強すれば、則ちこれを強暴と謂う。

心使氣曰強。

事物は壯盛すれば便ち衰老に走向す、これを道に合せずと謂う。道に合せざるは、速く便ち了ぬ。

物壯則老,謂之不道,不道早已。

五十六章

真に知る者は多言せず、

知者不言,

談を夸夸する者は真に知るに非ず。

言者不知。

嗜欲の孔竅を堵住し、嗜欲の門戶を關閉し、鋒鋭を挫き、

塞其兌,閉其門,挫其銳,

糾紛を解開し、

解其分,

光芒を調和し、

和其光,

塵世に混同すれば、

同其塵,

これを玄同と謂う。ゆえにこの如き人に對しては、刻意して彼に親近する能わず、また刻意して彼を疏遠する能わず。

是謂玄同。故不可得而親,不可得而疏;

彼に好處を給う能わず、また彼に害を加うる能わず。

不可得而利,不可得而害;

彼をして顯貴せしむる能わず、また彼をして卑賤せしむる能わず。

不可得而貴,不可得而賤。

正に此の如くなるがゆえに、彼は乃ち天下に尊貴せらるる所と為る。

故為天下貴。

五十七章

The original text is in the public domain. The Japanese is a machine-assisted translation of this library’s own Chinese paraphrase, checked against a fixed glossary so that technical terms match the definitions used elsewhere on this site. It is a reading aid and does not replace the original.