国風
酌彼康爵,以奏爾時。
酌彼康爵(しゃくひこうしゃく・彼の康爵に酌む)、以奏爾時(いそうじじ・あなたの時・中時な射を奏・進める)。
賓之初筵,溫溫其恭。其未醉止,威儀反反。曰既醉止,威儀幡幡。
賓之初筵、溫溫其恭(うんうんききょう・溫溫として其れ恭)。其未醉止(きみすいし・其の未だ醉わざる時)、威儀反反(いぎはんぱん・威儀は反反として)。曰既醉止(えつきすいし・既に醉えりと曰うに至れば)、威儀幡幡(いぎはんぱん・幡幡と)。
舍其坐遷,屢舞仙仙。其未醉止,威儀抑抑。曰既醉止,威儀抑抑。
舍其坐遷(しゃきざせん・其の坐を舍てて遷る)、屢舞僊僊(るぶせんせん・屢々舞うこと僊僊)。其未醉止、威儀抑抑(いぎよくよく・抑抑として)。曰既醉止、威儀怭怭(いぎひつひつ・怭怍と・軽佻)。
是曰既醉,不知其秩。
是曰既醉(ぜえつきすい・是を既醉と曰う)、不知其秩(ふちきちつ・其の秩・秩序を知らない)。
賓既醉止,載號載呶。亂我籩豆,屢舞僛僛。是曰既醉,不知其郵。
賓既醉止(ひんきすいし)、載號載呶(さいごうさいどう・號し呶く・叫び騒ぐ)。亂我籩豆(らんがへんとう)、屢舞僛僛(るぶきき・僛僛と傾側する)。是曰既醉、不知其尤(ふちきゆう・其の尤・過失を知らない)。
側弁之俄,屢舞傞傞。既醉而出,並受其福。醉而不出,是謂伐德。
側弁之俄(そくべんしが・弁が側して俄く・傾く)、屢舞傞傞(るぶささ・傞傞と舞い止まない)。既醉而出(きすいにしゅつ・既に醉いて出れば)、並受其福(へいじゅきふく・並び其の福を受く)。醉而不出(すいにふしゅつ・醉いて出なければ)、是謂伐德(ぜいばつとく・是を德を伐つと謂う)。
飲酒孔嘉,維其令儀。
飲酒孔嘉(いんしゅこうか・酒を飲むこと孔嘉い)、維其令儀(いきれいぎ・其の令儀・善い儀容あるに因る)。
凡此飲酒,或醉或否。既立之監,或佐之史。彼醉不臧,不醉反恥。
凡此飲酒(ぼんしいんしゅ・凡そ此の飲酒する者)、或醉或否(かくすいかくひ)。既立之監(きりゅうしかん・既に監を立て)、或佐之史(かくさしし・或いは史を佐す)。彼醉不臧(ひすいふそう・彼の醉える不臧は)、不醉反恥(ふすいはんち・醉わざる者が反って恥とする)。
式勿從謂,無俾大怠。匪言勿言,匪由勿語。由醉之言,俾出童羖。
式勿從謂(しきぶつしょうい・式に従って謂うな・勸酒するな)、無俾大怠(むひたいたい・大いに怠らせるな)。匪言勿言(ひげんぶつげん・言うべからざるを言うな)、匪由勿語(ひゆうぶつご・由なきを語るな)。由醉之言(ゆうすいしげん・醉えりての言に由りて)、使出童羖(ししゅつどうこ・童羖・角なき羖羊を出さしめる)。
三爵不識,矧敢多又。
三爵不識(さんしゃくふしき・三爵をもって識らず・分別を失う)、矧敢多又(しんかんたゆう・況んや敢えて多く又す・勸めるをや)。
魚在在藻,有頒其首。王在在鎬,豈樂飲酒。
魚在在藻(ぎょざいざいそう・魚は藻に在り)、有頒其首(ゆうふんきしゅ・頒として其の首・大きい)。王在在鎬(おうざいざいこう・王は鎬に在り)、豈樂飲酒(かいらくいんしゅ・豈樂して酒を飲む)。
魚在在藻,有莘其尾。王在在鎬,飲酒樂豈。
魚在在藻、有莘其尾(ゆうしんきび・莘として其の尾・長い)。王在在鎬、飲酒樂豈(いんしゅらっかい)。
魚在在藻,依於其蒲。王在在鎬,有那其居。
魚在在藻、依于其蒲(いおうきほ・其の蒲に依る)。王在在鎬、有那其居(ゆうなききょ・那として其の居・安閑)。
采菽采菽,筐之莒之。君子來朝,何錫予之?雖無予之?路車乘馬。又何予之?玄袞及黼。
采菽采菽(さいしゅくさいしゅく・菽を采る)、筐之筥之(きょうしきょし・筐に筥に盛る)。君子來朝(くんしらいちょう)、何錫予之(かしゃくよし・何を以て之に錫予するか)。雖無予之(すいむよし・之に予するものなくとも)、路車乘馬(ろしゃじょうば・路車と乘馬)。又何予之(ゆうかよし・又何を之に予するか)。玄袞及黼(げんこんきゅうふ・玄袞と黼裳)。
觱沸檻泉,言採其芹。君子來朝,言觀其旗。其旗淠淠,鸞聲嘒嘒。載驂載駟,君子所屆。
觱沸檻泉(ひつふつかんせん・觱沸として檻泉・噴出泉)、言采其芹(げんさいききん・其の芹を采る)。君子來朝、言觀其旂(げんかんきき・其の旂を觀る)。其旂淠淠(ききひひ・其の旂は淠淠と動く)、鸞聲嘒嘒(らんせいえいえつ)。載驂載駟(さいさんさいし・三馬にし四馬にし)、君子所屆(くんししょかい・君子の至る所)。
赤芾在股,邪幅在下。彼交匪紓,天子所予。樂只君子,天子命之。樂只君子,福祿申之。
赤芾在股(せきふつざいこ・赤芾は股に在り)、邪幅在下(じゃふくざいか・邪幅は下に・脛に)。彼交匪紓(ひこうひしょ・交・徼求して紓・怠らない)、天子所予(てんししょよ・天子の予する所)。樂只君子(らくしくんし)、天子命之(てんしめいし)。樂只君子、福祿申之(ふくろくしんし・福祿は之に申・重ねる)。
維柞之枝,其葉蓬蓬。樂只君子,殿天子之邦。樂只君子,萬福攸同。平平左右,亦是率從。
維柞之枝(いさくしし・柞の枝)、其葉蓬蓬(きようほうほう)。樂只君子、殿天子之邦(でんてんししほう・天子の邦を殿・鎮める)。樂只君子、萬福攸同(ばんぷくゆうどう)。平平左右(へいへいさゆう・平平たる左右・辨治する左右)、亦是率從(やくぜそつじゅう・亦是に率い従う)。
泛泛楊舟,紼纚維之。樂只君子,天子葵之。樂只君子,福祿膍之。優哉遊哉,亦是戾矣。
汎汎楊舟(はんぱんようしゅう)、紼纚維之(ふつりいし・紼纚・大繩で之を維す)。樂只君子、天子葵之(てんしきし・天子が之を葵・度量する)。樂只君子、福祿膍之(ふくろくびし・膍・厚く賜る)。優哉游哉(ゆうさいゆうさい・優游として)、亦是戾矣(やくぜれいい・亦是に戾・至った)。
騂騂角弓,翩其反矣。兄弟婚姻,無胥遠矣。
騂角弓(せいかくきゅう・騂・調和した角弓)、翩其反矣(へんきはんい・翩として其れ反する・強く張ると反る)。兄弟昏姻(けいていこんいん・兄弟と昏姻)、無胥遠矣(むしょえんい・相い遠ざかるな)。
爾之遠矣,民胥然矣。爾之教矣,民胥效矣。
爾之遠矣(じしえんい・あなたが之を遠ざければ)、民胥然矣(みんしょぜんい・民は胥・皆然となる)。爾之教矣(じしきょうい・あなたが教えれば)、民胥傚矣(みんしょこうい・民は胥に傚う)。
此令兄弟,綽綽有裕。不令兄弟,交相為愈。
此令兄弟(しれいけいてい・此の令・善い兄弟)、綽綽有裕(しゃくしゃくゆうゆう・綽綽として裕あり)。不令兄弟(ふれいけいてい)、交相為瘉(こうそういゆ・交わり相い瘉・害を為す)。
民之無良,相怨一方。受爵不讓,至於已斯亡。
民之無良(みんしむりょう・民の良からざるは)、相怨一方(そうえんいっぽう・相い怨むこと一方)。受爵不讓(じゅしゃくふじょう・爵を受けて讓らない)、至于己斯亡(しおきしぼう・己に至って斯く亡ぶ)。
老馬反為駒,不顧其後。如食宜饇,如酌孔取。
老馬反為駒(ろうばはんいく・老馬が反って駒と為す・駒馬のように扱う)、不顧其後(ふこきこう・其の後を顧みない)。如食宜饇(にょしょくぎおう・食に宜しく饇・飽きるように)、如酌孔取(にょしゃくこうしゅ・酌に孔取・多く取るように)。
毋教猱升木,如塗塗附。君子有徽猷,小人與屬。
毋教猱升木(むきょうのうしょうぼく・猱に木に升るを教えるな)、如塗塗附(にょととふ・塗に塗を附ける如く・泥に泥を塗るように)。君子有徽猷(くんしゆうきゆう・君子に徽猷・美しい謀あれば)、小人與屬(しょうじんよぞく・小人は之に與・屬する)。
雨雪瀌瀌,見晛曰消。莫肯下遺,式居婁驕。
雨雪瀌瀌(うせつひょうひょう)、見晛曰消(けんげんえつしょう・晛・日の気を見れば消えると曰う)。莫肯下遺(ばくこうかい・下に遺るを肯んじない)、式居婁驕(しききょるきょう・式に居して婁・屢々驕れる)。
雨雪浮浮,見晛曰流。如蠻如髦,我是用憂。
雨雪浮浮(うせつふふ)、見晛曰流(けんげんえつりゅう・流れると曰う)。如蠻如髦(にょばんにょぼう・蠻の如く髦の如し・蛮髦のよう)、我是用憂(がぜようゆう・我は是を用いて憂える)。
有菀者柳,不尚息焉。上帝甚蹈,無自暱焉。俾予靖之,後予極焉。
有菀者柳(ゆううつしゃりゅう・菀たる柳)、不尚息焉(ふしょうそくえん・尚に其の下に息することを願わない)。上帝甚蹈(じょうていじんとう・上帝は甚だ蹈・変動する)、無自暱焉(むじじつえん・自ら暱・親しむな)。俾予靖之(ひよせいし・予を靖・安んじさせて)、後予極焉(こうよきょくえん・後に予を極とする・極端に処する)。
有菀者柳,不尚愒焉。上帝甚蹈,無自瘵焉。俾予靖之,後予邁焉。
有菀者柳、不尚愒焉(ふしょうけいえん・愒・憩う)。上帝甚蹈、無自瘵焉(むじさいえん・自ら瘵・病を招くな)。俾予靖之、後予邁焉(こうよばいえん・後に予を邁・遠行させる)。
有鳥高飛,亦傅於天。彼人之心,於何其臻。曷予靖之,居以兇矜。
有鳥高飛(ゆうちょうこうひ)、亦傅于天(やくふうてん・亦た天に傅く)。彼人之心(ひじんししん・彼の人の心)、于何其臻(おかきしん・何に其の臻るか・どこに至るか)。曷予靖之(かつよせいし・どうして予を靖め)、居以凶矜(きょいきょうきょう・凶矜・凶危矜恃に居る)。
彼都人士,狐裘黃黃。其容不改,出言有章。行歸於周,萬民所望。
彼都人士(ひとじんし・彼の都の人士)、狐裘黃黃(こきゅうこうこう・狐裘は黃黃たり)。其容不改(きようふかい・其の容は改まらない)、出言有章(しゅつげんゆうしょう・言を出すに章あり)。行歸于周(こうきおしゅう・周に行き歸る)、萬民所望(ばんみんしょぼう・萬民の望む所)。
彼都人士,臺笠緇撮。彼君子女,綢直如發。我不見兮,我心不說。
彼都人士、臺笠緇撮(たいりゅうしさつ・臺笠に緇撮・緇布冠)。彼君子女(ひくんしじょ・彼の君子の女)、綢直如髮(ちゅうちょくにょはつ・綢直として髮の如し・稠密で直い)。我不見兮(がふけんけい・我は見ない)、我心不說(がしんふせつ・我が心は說ばない・悦ばない)。
彼都人士,充耳琇實。彼君子女,謂之尹吉。我不見兮,我心苑結。
彼都人士、充耳琇實(じゅうじしゅうじつ・充耳は琇・美玉を實・充てる)。彼君子女、謂之尹吉(いしいつきち・之を尹吉と謂う・尹氏姑氏)。我不見兮、我心苑結(がしんうんけつ・苑結する・鬱結する)。
彼都人士,垂帶而厲。彼君子女,捲髮如蠆。我不見兮,言從之邁。
彼都人士、垂帶而厲(すいたいにれい・帶を垂れて厲・飾る)。彼君子女、卷髮如蠆(けんぱつにょたい・卷髮は蠆・蝎の如し)。我不見兮、言從之邁(げんじゅうしばい・之に從って邁・遠く行くと言う)。
匪伊垂之,帶則有餘。匪伊卷之,發則有旟。我不見兮,云何盱矣。
匪伊垂之(ひいすいし・伊・故意に垂れるのではない)、帶則有餘(たいそくゆうよ・帶は則ち餘あり)。匪伊卷之(ひいけんし)、髮則有旟(はつそくゆうよ・髮は則ち旟・上揚あり)。我不見兮、云何盱矣(うんかくい・云何く盱・憂えん)。
終朝采綠,不盈一匊。予發曲局,薄言歸沐。
終朝采綠(しゅうちょうさいりょく・終朝綠・荩草を采る)、不盈一匊(ふえいいっきく・一匊に盈ちない)。予髮曲局(よはつきょくきょく・予が髮は曲局・卷れて)、薄言歸沐(はくげんきぼく・歸りて沐せん)。
終朝採藍,不盈一襜。五日為期,六日不詹。
終朝采藍(しゅうちょうさいらん・藍を采る)、不盈一襜(ふえいいってん・一襜・衣襟に盈ちない)。五日為期(ごじついき・五日を期とする)、六日不詹(ろくじつふてん・六日に詹・見えない)。
之子於狩,言韔其弓。之子於釣,言綸之繩。
之子于狩(ししおしゅ・この子が狩に往く)、言韔其弓(げんちょうききゅう・其の弓を韔・袋に納めん)。之子于釣(ししおちょう・釣に往く)、言綸之繩(げんりんしじょう・其の繩を綸・糸にする)。
其釣維何?維魴及鱮。維魴及鱮,薄言觀者。
其釣維何(きちょういか・其の釣るは何ぞ)。維魴及鱮(いぼうきゅうしょ・魴と鱮)。維魴及鱮、薄言觀者(はくげんかんしゃ・觀る者)。
芃芃黍苗,陰雨膏之。悠悠南行,召伯勞之。
芃芃黍苗、陰雨膏之。悠悠南行(ゆうゆうなんこう・悠悠として南に行く)、召伯勞之(しょうはくろうし・召伯が之を勞う)。
我任我輦,我車我牛。我行既集,蓋雲歸哉。
我任我輦(がにんがれん・我は任・負い我は輦・挽く)、我車我牛(がしゃがぎゅう・我が車し我が牛す)。我行既集(がこうきしゅう・我が行は既に集・成る)、蓋云歸哉(かいうんきさい・蓋し歸らんと云う)。
我徒我御,我師我旅。我行既集,蓋雲歸處。
我徒我御(がとがぎょ・我は徒し我は御する)、我師我旅(がしがりょ・我が師たり我が旅たり)。我行既集、蓋云歸處(かいうんきしょ・歸り處らんと云う)。
肅肅謝功,召伯營之。烈烈徵師,召伯成之。
肅肅謝功(しゅくしゅくしゃこう・肅肅たる謝の功・工事)、召伯營之(しょうはくえいし・召伯が之を營する)。烈烈征師(れつれつせいし・烈烈たる征師)、召伯成之(しょうはくせいし)。
原隰既平,泉流既清。召伯有成,王心則寧。
原隰既平(げんしつきへい・原隰は既に平らぎ)、泉流既清(せんりゅうきせい・泉流は既に清い)。召伯有成(しょうはくゆうせい・召伯に成あり)、王心則寧(おうしんそくねい・王の心は則ち寧んず)。
隰桑有阿,其葉有難。既見君子,其樂如何。
隰桑有阿(しっそうゆうあ・隰桑は阿として柔らかい)、其葉有難(きようゆうなん・其の葉は難・那として盛ん)。既見君子、其樂如何(きらくじょか・其の樂しさ如何)。
隰桑有阿,其葉有沃。既見君子,云何不樂。
隰桑有阿、其葉有沃(きようゆうよく・沃として潤う)。既見君子、云何不樂(うんかふらく・云何か樂しまざらん)。
隰桑有阿,其葉有幽。既見君子,德音孔膠。
隰桑有阿、其葉有幽(きようゆうゆう・幽として黑い)。既見君子、德音孔膠(とくいんこうこう・德音は孔く膠・固い)。
心乎愛矣,遐不謂矣?中心藏之,何日忘之!
心乎愛矣(しんこあいい・心に愛す)、遐不謂矣(かふいい・遐・何ぞ謂わざる・言い出さないか)。中心藏之(ちゅうしんぞうし・中心に之を藏す)、何日忘之(かじつぼうし・何の日か之を忘れん)。
白華菅兮,白茅束兮。之子之遠,俾我獨兮。
白華菅兮(はくかかんけい・白華は菅)、白茅束兮(はくぼうそくけい・白茅に束ねられ)。之子之遠(しししえん・この子の遠ざかる)、俾我獨兮(ひがどくけい・我を獨りせしめる)。
英英白云,露彼菅茅。天步艱難,之子不猶。
英英白雲(えいえいはくうん・英英たる白雲)、露彼菅茅(ろひかんぼう・彼の菅茅に露する)。天步艱難(てんぽかんなん・天の步は艱難・運命が難しい)、之子不猶(ししふゆう・この子は猶・比ばない・及ばない)。
滮池北流,浸彼稻田。嘯歌傷懷,念彼碩人。
滮池北流(ひょうちほくりゅう・滮池は北に流れる)、浸彼稻田(しんぴとうでん・彼の稻田を浸す)。嘯歌傷懷(しょうかしょうかい・嘯き歌いて懷を傷める)、念彼碩人(ねんぴせきじん・彼の碩人を念う)。
樵彼桑薪,卬烘於煁。維彼碩人,實勞我心。
樵彼桑薪(しょうひそうしん・彼の桑薪を樵る)、卬烘于煁(こうこうおしん・烘ること煁・爐に)。維彼碩人(いひせきじん)、實勞我心(じつろうがしん)。
鼓鍾於宮,聲聞於外。念子懆懆,視我邁邁。
鼓鍾于宮(こしょうおきゅう・宮に鍾を鼓する)、聲聞于外(せいぶんおがい・聲は外に聞える)。念子懆懆(ねんしそうそう・子を念うに懆懆として)、視我邁邁(しがばいばい・我を視るに邁邁として・説ばない)。
有鶖在梁,有鶴在林。維彼碩人,實勞我心。
有鶖在梁(ゆうしゅうざいりょう・鶖・禿鶖が梁に在り)、有鶴在林(ゆうかくざいりん)。維彼碩人、實勞我心。
鴛鴦在梁,戢其左翼。之子無良,二三其德。
鴛鴦在梁、戢其左翼。之子無良(ししむりょう・この子は良からず)、二三其德(にさんきとく・其の德を二三す・二心三意)。
有扁斯石,履之卑兮。之子之遠,俾我疧兮。
有扁斯石(ゆうへんしせき・扁として斯の石・扁石あり)、履之卑兮(りしひけい・之を履めば卑い)。之子之遠、俾我疧兮(ひがきけい・我を疧・病ませる)。
綿蠻黃鳥,止於丘阿。道之雲遠,我勞如何。飲之食之,教之誨之。命彼後車,謂之載之。
緜蠻黃鳥(めんばんこうちょう・緜蠻たる黃鳥)、止于丘阿(しおきゅうあ・丘阿に止まる)。道之云遠(どうしうんえん・道の之を云う遠き)、我勞如何(がろうじょか・我が勞れ如何)。飲之食之(いんししょくし・之に飲ませ之に食わせ)、教之誨之(きょうしかいし・之を教え之を誨える)。命彼後車(めいひこうしゃ・彼の後車に命じ)、謂之載之(いしさいし・之に載せよと謂う)。
綿蠻黃鳥,止於丘隅。豈敢憚行,畏不能趨。飲之食之。教之誨之。命彼後車,謂之載之。
緜蠻黃鳥、止于丘隅(しおきゅうぐう・丘隅に止まる)。豈敢憚行(きかんだんこう・敢えて行を憚・憚るか)、畏不能趨(いふのうすう・能く趨・疾く往けないを畏れる)。飲之食之、教之誨之。命彼後車、謂之載之。
綿蠻黃鳥,止於丘側。豈敢憚行,畏不能極。飲之食之,教之誨之。命彼後車,謂之載之。
緜蠻黃鳥、止于丘側(しおきゅうそく)。豈敢憚行、畏不能極(いふのうきょく・極・至れないを畏れる)。飲之食之、教之誨之。命彼後車、謂之載之。
幡幡瓠葉,採之亨之。君子有酒,酌言嘗之。
幡幡瓠葉(はんぱんこうよう・幡幡とした瓠の葉)、采之亨之(さいしこうし・之を采り之を亨る)。君子有酒、酌言嘗之(しゃくげんしょうし・酌んで之を嘗めん)。
有兔斯首,炮之燔之。君子有酒,酌言獻之。
有兔斯首(ゆうとししゅ・兔の斯の首あり)、炮之燔之(ほうしはんし・之を炮き之を燔す)。君子有酒、酌言獻之(しゃくげんけんし・酌んで之を獻ん)。
