日之時卦
八曰論刑害。夫刑害者。敗事不吉之數也。數中逢此。凡百忌之。有與卦數相刑者。有與日辰相刑者。刑剋日辰非與人爭鬥即災患相侵。刑剋卦數非作事不成即悔氣懊惱。刑年一年之事。刑月一月之事。刑日一日之事。如寅日刑巽。巳日刑坤之類。害者六害也。斷法與刑同。
第八条、刑害を論ず。刑と害は敗事不吉之数、数中これに遇えば、百事みな忌諱すべし。卦数と相刑するあり、日辰と相刑するあり。日辰を刑克するは、人と争闘せざれば、すなわち災患侵擾せん。卦数を刑克するは、事を為して成らざれば、すなわち晦気懊悩せん。年を刑するは一年之事を主とし、月を刑するは一月之事を主とし、日を刑するは一日之事を主とす。たとえば寅日の《巽》を刑し・巳日の《坤》を刑するの類。いわゆる害とは、すなわち六害、判断の办法は刑と相同じ。
九曰論生旺墓絕。夫生者長生。旺者帝旺也。數得生旺而逢吉者。有財有喜。數得生旺而逢凶者。雖則有喜不免災悔。年得生旺者一年迪吉。月得生旺者一月迪吉。日得生旺者一日迪吉。非高人見訪即親友相迎。非進財帛即飲食宴會。帶克者名為不靜。十數生旺而帶六虛或耗數者。財必散失。占病吉長生。求官宜帝旺臨官。
第九条、生旺墓絶を論ず。生はすなわち長生、旺はすなわち帝旺。数は生旺を得てまた吉に逢うは、財あり喜あり。数は生旺を得るも凶に逢うは、喜ありといえど、亦た災殃悔吝を免れがたし。年は生旺を得れば、一年順吉。月は生旺を得れば、一月順吉。日は生旺を得れば、一日順吉——高人の来訪せざれば、すなわち親友の相迎えん。財を進め帛を得ざれば、すなわち飲宴聚會せん。もし克を帯ぶれば、すなわち「不静」と言う。十位之数は生旺に逢うも、六虚あるいは耗数を帯ぶれば、銭財は必定散失せん。病を占うは長生を以て吉と為し、官を求むればすなわち帝旺・臨官を宜とす。
墓絕者。天干逢墓絕是也。破耗者卦洩干支之氣也。囚陷者。卦克地支是也。年干墓絕一年不顯。月令墓絕一月晦滯。日干墓絕一日不快。破陷同此而推。如年干氣旺生運或運帶喜生年干。又主進財。克者不吉。
いわゆる墓絶とは、天干の墓・絶之地に落つるなり。いわゆる破耗とは、卦の干支之气を泄するなり。いわゆる囚陷とは、卦の去りて地支を克するなり。年干の墓絶に逢えば、一年顕達を得ず。月令の墓絶に逢えば、一月晦暗滞塞。日干の墓絶に逢えば、一日不痛快。破と陷もまたこのごとく類推す。もし年干の気旺にして来りて運を生ずれば、あるいは運の喜神を帯びて去りて年干を生ずれば、また財を進むを主とす。反って相克すればすなわち不吉。
十曰論虛耗。夫虛者空亡。耗者不用也。此數固為不吉。各有所用。凶事喜之。吉事忌之。惟有僧道遇之反吉。
第十条、虚耗を論ず。虚はすなわち空亡、耗はすなわち不用。こ類の数は固より不吉なれど、却って各々各々の用処あり:凶事を為る時は反ってこれに遇うを喜び、吉事を為る時はすなわちこれを忌諱すべし。ただ僧人道士これに遇うは反って吉と為るのみ。
故甲子旬中乾象憂。甲寅坎艮亦同流。甲辰艮震何須問。甲午巽象不須投。甲申離坤君須記。甲戌坤艮怕當頭。卦中如若來相遇。進用求謀百事休。此空亡之宿也。甲子旬中艮兌宮。甲戌還在三四中。甲申五六為無用。甲午怕見七八逢。甲辰又當九與十。甲寅七八九十同。上為男忌下為女。遇此名為不用星。此耗氣之宿也。
口訣に曰く:甲子旬中は《乾》象を忌み、甲寅旬裏《坎》《艮》も亦た此れなり。甲辰旬《艮》《震》に遇えば必ずしも再び問うを要せず、甲午旬《巽》象を見れば投ずるを用いず。甲申旬《離》《坤》は須く記住し、甲戌旬《坤》《艮》は当頭を怕る。卦中もしこれらに遇えば、進用を謀求するは百事皆休む。これらは空亡の値する星宿なり。また曰く:甲子旬中は《艮》《兌》両宮を忌み、甲戌旬は三・四の両数中に落ち、甲申旬は五・六は无用と為り、甲午旬は七・八を見るを怕れ、甲辰旬はまた九と十に当り、甲寅旬は七・八・九・十同じく忌む。上一句の挙ぐるは男に忌み、下一句の挙ぐるは女に忌む。遇えばすなわち「不用星」と言う。これらは耗気の値する星宿なり。
八卦取象
〖乾〗 三畫皆奇曰乾,乾者健也。於穆而不已,健行而不息,其體剛健而中正,其徳廣大而高明。所以取象於天而不詭隨也。占非正固,則無以保其終而不利矣。卦得時於秋,耗氣於冬,休廢於春,受制於夏,得氣於四季也。
《乾》卦。三画ともに奇画なるを《乾》と言い、乾はすなわち剛健なり。それ深遠にして止息せず、運行して停歇せず。その体は剛健中正、その徳は広大高明。ゆえに天に象を取りて、曲従随人せず。占問する時もし正固を守持する能わざれば、終局を保全して不利に帰する能わず。この卦は秋に時を得、冬に気を耗し、春に休廃し、夏に受制し、四季之末の辰戌丑未月に気を得る。
在下剛於內,在上剛於外,在身體面部方園,威儀翹楚,性情豁達,心地光明,包容萬物,樂善施仁。在人事上為豪勢之象,下為強橫之為,生則大人提攜官貴賜於,克則尊長相陵公門見忌。
《乾》は下卦に居れば剛は内に在り、上卦に居れば剛は外に在り。身体に就いて言えば、面部は方のうちに円を帯び、儀表は出衆、性情は豁達、心地は光明、万物を包容し善を楽しみ施を好む。人事に就いて言えば、上位に在れば豪門権勢の象、下位に在れば強横霸道の為。生に逢えば大人の提携・官貴の賞賜を得、克に逢えば尊長の欺圧・官府の猜忌を受く。
在天文為天凊氣朗,在地理為大郡名邦。在人物為大人、長老、父老,官員。在官職為尚書、天部、上卿、臺閣風憲、法司、牧伯、州縣或宣命朝官。在房屋為樓臺、公廨、寺觀、廟宇。在時序為九、十之交,戍亥月日。在動物為鷹、鵰、鸛、鶴、獅、象、驢、馬。在植物為牡丹、芍藥、龍眼、荔枝、胡桃、松栗、桃、李、梨、梅。在器用為剛圓之物,貴重之器,旺則金銀首飾,寶石、珍珠,衰則鏡、盤、酒盞、鍾、磬、鑼、鐺。在墳墓為西北方金星起頂。
天文の上においては、天清氣朗。地理の上においては、大郡名城。人物の上においては、大人・長老・父老と官員。官職の上においては、尚書・天官之部・上卿・台閣と風憲之職・司法之官・州牧郡守、あるいは奉旨傳命の朝官。房屋の上においては、楼台・官署・寺観・廟宇。時序の上においては、九月と十月之交、すなわち戌・亥の月と日。動物の上においては、鷹・雕・鸛・鶴・獅・象・驢・馬。植物の上においては、牡丹・芍薬・龍眼・荔枝・胡桃・松子栗子、および桃・李・梨・梅。器用の上においては、剛硬円整之物・貴重之器:気旺の時は金銀首飾・寶石珍珠、気衰の時は鏡・盤・酒盞・鐘・磬・鑼・鐺。墳墓の上においては、西北方にして金星起頂の地形。
在五音為商,其聲散以明其和溫以斷,在五則為方、為矩。在五事為言顯從而作,又在五常為義,為事之宜,在五色為白,在五性為魄,在五情為惡,惡為戰鬥。在五聲為悲泣。在五臓為肺。在五臭為腥。在五味為辛。在五氣為涼。在五經為書,又為春秋。在五星為太白。在天干為壬甲。在地支為戍亥。在字形為金旁,蓋頭為方圓之字。在數目為一、四、九,遇壬甲日為天祿,遇戍亥日為地祿。遇丙丁日為天貴。遇巳酉丑日為鞍馬。其策二百一十六,其軌七百六十八。
五音の上においては商に属し、その声は散にして明朗、その和は温にして果斷。五則の上においては方と為し矩と為る。五事の上においては「言」に属し、言語は顕明にして順従、發用は決斷と為る。五常の上においては義と為し、すなわち行事の宜と為る所。五色の上においては白、五性の上においては魄、五情の上においては惡、惡は戦鬥を主とす。五声の上においては悲泣。五臓の上においては肺、五臭の上においては腥、五味の上においては辛、五気の上においては涼。五経の上においては《尚書》、また《春秋》。五星の上においては太白(金星)。天干の上においては壬・甲、地支の上においては戌・亥。字形の上においては金字旁を帯ぶる字、および寶蓋頭・形体方円の字あり。数目の上においては一・四・九。壬日・甲日に遇えば天禄、戌日・亥日に遇えば地禄、丙日・丁日に遇えば天貴、巳・酉・丑日に遇えば鞍馬。その策数は二百一十六、軌数は七百六十八。
〖兌〗 一陰進於二陽之上,為兌,兌者說也。剛中和外,以利貞君子之正道也。非道求說則為邪侫,而有悔矣。其象為澤,君子之正道也,以朋友講習則義理相宜而不窮也。其卦得時休廢同乾,在下說於內,在上說於外,在身身體則容貌白淨,器宇崢嶸,身體短小。受制露形,性情和悅,口快多言,招人讒謗,暗地毀傷。在人事合則喜友迎賓,愛好講習,沖則暗昩,讒謗傷。
《兌》卦。一個の陰爻が両個の陽爻の上に進めばすなわち《兌》、兌はすなわち喜悅なり。それ剛は中に在りて和は外にあり、正を守るを利として君子の正道と為す。もし正道に循わずして喜悅を求取すれば、すなわち邪佞諂媚と成りて悔咎あり。その象は沢と為す。正に君子之道に合す:朋友と互相に講習し、義理彼此相長じて窮尽せず。この卦の時を得・休廃の規律は《乾》と同じくす。下卦に居れば喜悅は内に在り、上卦に居れば喜悅は外に在り。身体に就いて言えば、容貌は白浄、器宇は軒昂、身材は短小。克制を受くる時は形体外露、性情は和悦、口快く話多く、容易に讒言毀謗・暗中中傷を招来す。人事に就いて言えば、合に逢えば歡喜して友に会し賓客を迎迓し、講習を愛好す。冲に逢えば暗昧不明、讒を遭い謗を受く。
在天文為星,為月、雨澤、霧露。在地理為井泉、池沼、崩壞倒塌之處。在人物為兄弟、朋友、少女、童僕、妓妾、巫師、牙灼媒人。在官職為考校儒官、令伊、武職。在房屋,朽壞舍宇,倒塌舊房。在時序為酉年月日時或生旺月日。在動物為鷺()鮮魚、羊、鹿、猿、猴、在植物為胡桃、松、栗、杏、李、梅、梨,在器物為酒瓶、碗、盞,有破缺之物。在墳墓為正西方,金星有缺。在音五五則等類,俱與乾同。在天干為丁,有地支為酉,在字形為金旁口旁,在數目為—、四、九,遇丙為天貴,遇丁為天祿,遇酉日為地祿,其策為一百八十二,其軌七百三十六。
天文の上においては、星・月、雨沢と霧露。地理の上においては、井泉・池沼、および崩塌毀壊の地方。人物の上においては、兄弟・朋友・少女・童僕・歌妓姬妾・巫師、および牙行と媒人。官職の上においては、考校を主管する儒官・県令、および武職。房屋の上においては、朽壊の屋宇・倒塌の旧房。時序の上においては、酉の年月日時、あるいは卦気生旺の月日。動物の上においては、鷺鳥(原文ここに闕文あり)・鮮魚・羊・鹿・猿・猴。植物の上においては、胡桃・松・栗・杏・李・梅・梨。器物の上においては、酒瓶・碗・盞、および破損殘缺あるもの。墳墓の上においては、正西方にして金星有缺の地形。五音・五則等の類に至っては、みな《乾》と相同じ。天干の上においては丁、地支の上においては酉。字形の上においては金字旁・口字旁を帯ぶる字。数目の上においては一・四・九。丙に遇えば天貴、丁に遇えば天禄、酉日に遇えば地禄。その策数は一百八十二、軌数は七百三十六。
〖離〗 一陰居二陽之中為離,離者麗也。其象為火,陰麗於陽中虛,而外實內暗,而外明柔順,以麗於中也。為能處乎正直則亨,而又能柔則無不吉矣。其卦得時於夏,休廢於秋,受制於冬,得氣於春,耗氣於四季也。在下明於內,有上明於外。
《離》卦。一個の陰爻が両個の陽爻の中に居ればすなわち《離》、離はすなわち附麗なり。その象は火と為す:陰は陽に附麗し、中間虚にして外面実、内裏暗にして外面明、柔順之質を以て中位に附麗す。占者もし処身正直なれば亨通す。再び柔を守り得れば往く所吉ならざるなし。この卦は夏に時を得、秋に休廃し、冬に受制し、春に気を得、四季之末に気を耗す。下卦に居れば明は内に在り、上卦に居れば明は外に在り。
在身體容儀秀麗,面赤髮黃,身材五短,腹大頭尖,情懷光霽,好善樂賢,語言辨給,性急無常,心不蔵物,機謀敢當。 在人事志慮憂疑,行事不實。 在天文為日,虹霞電晹曝燠烜。 在地理為正南,窯灶爐冶之處。 在人物為師儒,武弁,中女,吏丞,軍兵,勇土。 在官職為通判,教職,翰院中丞。 在房屋為中堂,虛閣,灶舍,廚房。 在時序為午年月日。 在動物為彩雉。 在植物為櫻,桃,棗,杏,花紅,石榴,葵花,外剛內柔,紅紫之果。 在器用為燈籠,果盒,漆器,托盆,文書,印信,甲肯,乾曵,綱罟,帳幕。 在墳墓為正南乾燥之地。
身体に就いて言えば、容貌儀態は秀麗、面色は紅を發し頭髮は偏黄、身材は短小、腹大にして頭尖。胸懐は開朗光明、善を好み賢を樂しみ、言語は能く辨じ、性子は急躁にして无常、心裏は事を蔵する能わず、機謀ありて敢作敢当す。人事に就いて言えば、思慮は多く憂疑し、事を為すは踏実たらず。天文の上においては、太陽・虹霞・閃電・晴暖・曝曬・炎熱。地理の上においては、正南方、窯・竈・爐・冶の処。人物の上においては、師儒・武官・中女・府吏県丞・兵卒と勇士。官職の上においては、通判・学官・翰林院と中丞。房屋の上においては、中堂・空閣・竈間・厨房。時序の上においては、午の年月日。動物の上においては、彩雉。植物の上においては、櫻・桃・棗・杏・花紅・石榴・葵花、および外剛内柔・紅紫色の果実。器用の上においては、燈籠・果盒・漆器・托盤・文書・印信・盔甲・干戈・網罟・帳幕。墳墓の上においては、正南方乾燥の地形。
在五音為徵,其聲貶,以疾其和柔,以切在五,則為衡,為平。 在五事為視,明見作哲。 在五常為禮,為辭讓。 在五色為紅。 在五性為神。 在五情為喜好。 在五聲為笑樂。 在五臓為為心。 在五臭為焦。 在五味為苦。 在五氣為燥。 在五經為禮。 在五星為熒惑。 在天干為為己。 在地支為午。 在字形為中虛,日傍,火傍。 在數目為三五七,遇己為天祿,遇午日為地祿,辛日為天貴。 其策一百九十二,其軌七百三十六。
五音の上においては徵に属し、その声は急促にして下抑、その和は柔順にして懇切。五則の上においては衡と為し平と為る。五事の上においては「視」に属し、看て明白なればすなわち睿智を生ず。五常の上においては礼と為し、辞譲と為す。五色の上においては紅、五性の上においては神、五情の上においては喜好、五声の上においては笑樂。五臓の上においては心、五臭の上においては焦、五味の上においては苦、五気の上においては燥。五経の上においては《礼》、五星の上においては熒惑(火星)。天干の上においては己、地支の上においては午。字形の上においては中間空虚の字、および日字旁・火字旁を帯ぶる字。数目の上においては三・五・七。己に遇えば天禄、午日に遇えば地禄、辛日に遇えば天貴。その策数は一百九十二、軌数は七百三十六。
〖震〗 一陽生於二陰之下為震,震者動也。當震之來,虩虩恐懼而有不安之狀,君子能恐能修省,則致褔而不失共所矣。其象為雷,得時於春,耗氣於夏,受制於秋,休廢於冬,剋制於四季也。在下動於內,在上動於外。
《震》卦。一個の陽爻が両個の陰爻の下に生ずればすなわち《震》、震はすなわち動なり。震動の到来するに当り、人心は惶惶恐懼して安寧を得ず。君子もし恐懼に因りて修身省察すれば、福気を招来してその居る所を失わざるを得。その象は雷と為す。この卦は春に時を得、夏に気を耗し、秋に受制し、冬に休廃し、四季之末に克制を受く。下卦に居れば動は内に在り、上卦に居れば動は外に在り。
在身體,容儀魁偉,氣宇軒昂,髭髯盛美,身體最大,心情無毐,志大氣剛,多動少靜,喜怒不常。 在人事心地恍惚,舉動憂疑,為事多虛少實。 在天文為雷電,虹霓。 在地理為大塗市宅,樹木繁茂之所。 在人物為將師,長男,豪傑權勢子弟,客商。 在官職監郡守,參戎兵備,或鬧市司貨之官,守關巡邏之職。 在房屋為大塗屋宇市口人家。 在時序為卯年月日時 在動物為蛟龍,蛇蟒,蟬蝶,飛蛾。 在植物為芲莨,萑葦,蕃鮮,竹朩。 在器用為琴,瑟,鼓,笛,舟船,車,橋,耒梠,網罟,筳筐,餙算,腰絰,羅帯。 在墳墓為正東有樹木之地。
身体に就いて言えば、容貌儀表は魁梧、氣宇は軒昂、須髯は濃美、身材は高大、心地は狠毒を存せず、志向は遠大・氣性は剛強、動を好み静少なし、喜怒は无常。人事に就いて言えば、心思は恍惚、挙動は多く憂疑、事を辦するは虚多く実少。天文の上においては、雷電と虹霓。地理の上においては、大道旁の市宅・樹木繁茂の地方。人物の上においては、將帥・長男・豪傑權貴子弟と行商。官職の上においては、監司郡守・參將兵備、あるいは鬧市中貨物を掌管之官・守關巡邏之職。房屋の上においては、大道旁の屋宇・市口の人家。時序の上においては、卯の年月日時。動物の上においては、蛟龍・蛇蟒・蟬蝶・飛蛾。植物の上においては、茭白莨草・蘆葦萑草・繁盛新鮮之物、および竹木。器用の上においては、琴・瑟・鼓・笛、舟船・車・橋、耒耜農具・網罟・筳筐・算籌・腰絰與羅帶。墳墓の上においては、正東方樹木ある地形。
在五音為角,其聲和清以靜。 在五則為規,為圓。 在五事為貌恭敬而作肅。 在五常為仁心,為惻隱,為道德性命,為修己。 在五色為青。 在五聲為呼。 在五臭為羶。 在五性為魂。 在五情為怒。 在五臓為肝。 在五味為酸。 在五氣為溫。 在五經為詩。 在五星為歲星。 在天干為庚。 在地支為卯。 在字形為木旁。 在數目為四、三、八。 神煞:遇庚日為天祿,遇卯為地祿,遇壬癸為天貴。 笨軌:其策一百大十八,其軌七百零四
五音の上においては角に属し、その声は和順清朗にして安静。五則の上においては規と為し円と為る。五事の上においては「貌」に属し、容貌恭敬なればすなわち嚴肅を生ず。五常の上においては仁心と為し、惻隱之情と為し、道德性命之学と為し、自身を修養する為す。五色の上においては青、五声の上においては呼、五臭の上においては膻、五性の上においては魂、五情の上においては怒、五臓の上においては肝、五味の上においては酸、五気の上においては温。五経の上においては《詩》、五星の上においては歳星(木星)。天干の上においては庚、地支の上においては卯。字形の上においては木字旁を帯ぶる字。数目の上においては四・三・八。神煞方面:庚日に遇えば天禄、卯に遇えば地禄、壬・癸に遇えば天貴。策軌方面:策数は一百六十八(原文「一百大十八」は「一百六十八」と作るべし)、軌数は七百零四。
巽卦: 一陰伏於二陽之下為巽,巽者,順也。其象為風,以陰從陽,以柔從剛,上順下而出之,下順上而從之。所從乃得其正矣。其卦相相於春,耗氣於夏,受制於秋,得氣於冬,休廢於四季也。
《巽》卦。一個の陰爻が両個の陽爻の下に潜伏すればすなわち《巽》、巽はすなわち順なり。その象は風と為す:陰を以て陽に順従し、柔を以て剛に順従す。上に在る者は下に在る者に順應して命令を發出し、下に在る者は上に在る者に順應して命令を遵従す。このごときの順従こそその正を得たと算え得。この卦は春に相と為り、夏に気を耗し、秋に受制し、冬に気を得、四季之末に休廃す。
在下順於內,在上順於外。在身體為寡髮,廣顙,身體修長,容貌潔淨,白眼多焉。心性工巧,喜怒不形,謙卑恭遜,和順得中,聰明愽覽,好學多能。
下卦に居れば順は内に在り、上卦に居れば順は外に在り。身体に就いて言えば、頭髮は稀疏、額頭は寬闊、身材は修長、容貌は潔淨、眼白は偏多。心性は靈巧、喜怒は色に形わらず、謙卑恭遜、和順適中、聰明博覽、學を好みて才能多し。
在人事為饋送,薦舉,道術,婚姻。在天風雲霧氣。在地理為蔬圃園林。在人物為文明秀士,道術,醫人,客商,工匠,長女,樂工。在房屋為清幽廣廈,竹舍茅籬。在官職為風憲,決獄,考校,提刑及禮法之官。在時序為三四之交,辰巳之月。在動物為飛禽鳴鳥,鵝鴨雞鳬。在植物篇為牡丹,芍藥,酸桃,澀李,在器用為門扇,棹橙,紙札,書籍,簫管,樂器。在墳墓為東南方園林樹木之所在。五音五則類與震同斷。在天干為辛,在地支為辰巳。在字形為竹頭。在數目為 五三八。遇辛日為天祿,遇辰巳日為地祿,遇王癸日為天貴。其策一百九十二,其軌七百三十六。
人事に就いて言えば、饋贈・薦舉・道術與婚姻。天文の上においては、風・雲・霧氣。地理の上においては、菜圃園林。人物の上においては、斯文秀士・術士・醫生・行商・工匠・長女と樂工。房屋の上においては、清幽の大屋・竹舍茅籬。官職の上においては、風憲之官・斷獄・考校・提刑および禮法を掌る之官。時序の上においては、三月と四月之交、辰・巳之月。動物の上においては、飛禽鳴鳥・鵝鴨鷄鳧。植物の上においては、牡丹・芍薬・酸桃・澀李。器用の上においては、門扇・桌凳・紙張・書籍・簫管一類の樂器。墳墓の上においては、東南方園林樹木の所在の地形。五音・五則等の類は、《震》と同じく判断す。天干の上においては辛、地支の上においては辰・巳。字形の上においては竹字頭を帯ぶる字。数目の上においては五・三・八。辛日に遇えば天禄、辰・巳日に遇えば地禄、壬・癸日に遇えば天貴。その策数は一百九十二、軌数は七百三十六。
坎卦 一陽陷於二陰之中為坎,坎者,陷也。陽陷於中為陰所溺,是為重險之義,能盡其誠則出險而有功矣。其象為水,旺相於冬,耗氣於春,休廢於夏,得氣於秋,受制於四季也。
《坎》卦。一個の陽爻が両個の陰爻の中に陷ればすなわち《坎》、坎はすなわち陷なり。陽は中間に陷りて陰に淹沒さる。ゆえに重重險難の義あり。よく其の誠心を盡くせば、すなわち險境を脫出して功を建つを得。その象は水と為す。この卦は冬に旺相、春に気を耗し、夏に休廃し、秋に気を得、四季之末に受制す。
在下陷於內,在上陷於外,在身體容貌清秀,氣語驕奢,出眾超群,卑以自牧,隨方就圓,心地委曲。在人事為矯柔隱,變詐不常,藏機用妄,柔順多端,在天文為雲雨霜雪。在地理為江河湖海溪澗井泉。在人物為商貨、鹽客、中男、樂工。在官職為屯田、水利、鹽運提舉,管糧管水之官。在房屋為近水之居。在時序為子年月日。在動物為鹿、豕、魚、蚌、蠣、蝦、蟹。在植物為蒺、叢棘、內剛外柔之果,在器用為水晶、鉛、錫、舟車、盆桶、酒筵器具。在墳墓為正北方,穴內有水。
下卦に居れば陷は内に在り、上卦に居れば陷は外に在り。身体に就いて言えば、容貌は清秀、談吐は幾分の驕矜奢華を帯び、才具は出衆超群、而も謙卑自守し得。處事は方に隨い圓に就き、心思は曲折。人事に就いて言えば、矯飾隱藏・變詐无常と為し、心機を暗藏し手段を妄用し、表面柔順にして花樣甚だ多し。天文の上においては、雲・雨・霜・雪。地理の上においては、江河湖海・溪澗井泉。人物の上においては、商販・鹽客・中男與樂工。官職の上においては、屯田・水利・鹽運提舉、および糧を管り水を管る之官。房屋の上においては、水邊に靠近の住處。時序の上においては、子の年月日。動物の上においては、鹿・豬・魚・蚌・蠣・蝦・蟹。植物の上においては、蒺藜・叢棘、および內剛外柔の果實。器用の上においては、水晶・鉛・錫・舟車・盆桶與酒席器具。墳墓の上においては、正北方にして穴中水ある地形。
在五音為羽,其音散,以虛其和斷以散。在五則為權度,在五事為聽聰聞而作謀。在五常為智。為是非,為曲折。在五色為黑。在五聲為悲號。在五臭為臭。在五味為卥。在五性為精。在五情為恐。在五臓為腎,在五氣為寒。在五經為易。在五星為辰星。在天干為戊。在地支為子。在字形為點水、弓旁、月旁。在數目為一、三、六。遇戊日為天祿,遇子日為地祿,遇乙己日為天貴。其策一百六十八,其軌七百零四。
五音の上においては羽に属し、その音は散にして虚、その和は斷にして散。五則の上においては權與度。五事の上においては「聽」に属し、聽きて聰敏なればすなわち謀略を生ず。五常の上においては智と為し、是非を辨別する為し、曲折周密と為す。五色の上においては黑、五声の上においては悲號、五臭の上においては腐臭、五味の上においては鹹、五性の上においては精、五情の上においては恐、五臓の上においては腎、五気の上においては寒。五経の上においては《易》、五星の上においては辰星(水星)。天干の上においては戊、地支の上においては子。字形の上においては三點水・弓字旁・月字旁を帯ぶる字。数目の上においては一・三・六。戊日に遇えば天禄、子日に遇えば地禄、乙・己日に遇えば天貴。その策数は一百六十八、軌数は七百零四。
艮:一陽止於二陰之上為艮,艮者止也。陽動而陰靜,上止而下靜,行止不失其時,其道光明也。若當行而止,當速而久,皆出其位而有咎矣。其象為山,得氣於夏,耗氣於秋,受制於春,休廢於冬,旺相於四季也。在下止於內,在上止於外。
《艮》卦。一個の陽爻が両個の陰爻の上に止まればすなわち《艮》、艮はすなわち止なり。陽は動を主とし陰は静を主とす。上面は止住し下面は安静。行と止ともに其の時を失わざれば、其の道は光明なり。もし行すべきの時に却って停住し、快すべきの時に却って拖延せば、すなわちすべて本分を超出して咎害あり。その象は山と為す。この卦は夏に氣を得、秋に氣を耗し、春に受制し、冬に休廃し、四季之末に旺相す。下卦に居れば止は内に在り、上卦に居れば止は外に在り。
在身體容貌厚重,器宇崢嶸,語言簡單,愛靜性情,行止篤實,作事不輕。在人事為濡滯多疑,進退不果。在天文為陰雲晦霧,煙瘴山嵐。在地理為山溪徑路,城廓、丘陵。在人物為僧道,醫術、童男、幼子。在官職為為門禁佐貳官,山郡管糧之任。在房屋為山莊宅舍或門庭徑路。在時序為丒寅之交,在動物為狗,鼠,黔喙之屬。在植物為茄芋,山藥,王瓜,筍菜。在器用為磁盤,瓦缽,上尖下圓有口之器物。在墳墓為東北古蹟之地,
身体に就いて言えば、容貌は厚重、器宇は軒昂、言語は簡省、性情は靜を喜び、行止は篤實、事を辦するは輕率ならず。人事に就いて言えば、遲滯多疑・進退不果決。天文の上においては、陰雲晦霧・煙瘴山嵐。地理の上においては、山間溪流與小路、城郭與丘陵。人物の上においては、僧人道士・醫生術士・童男與幼子。官職の上においては、門禁を掌管の佐貳官、および山區州郡の糧を管る之職。房屋の上においては、山莊宅舍、あるいは門庭與小徑。時序の上においては、丑月と寅月之交。動物の上においては、狗・鼠、および黑喙一類の鳥獸。植物の上においては、茄子・芋頭・山藥・王瓜與筍菜。器用の上においては、瓷盤・瓦鉢、および上尖下圓にして口ある器物。墳墓の上においては、東北方古跡ある地形。
在五音為宮,其聲洪以舒其和清以柔。在五則為繩直。在五事為思通征而作聖。在五常為信,為誠。在五色為殺褐色。在五經為禮樂。在五情為歌樂。在五聲為吟詠。在五臓為脾。在五臭為香。在五味為甘。在五氣為溼。在五性為意,在五星為鎮星。在天干為丙,在地支為丑寅。在字形為山頭,土傍,橫畫。在數目為七、五、十。遇丙日為天祿,遇丑寅日為地祿,遇甲戊庚日為天貴。遇申子辰日為鞍馬。其策一百六十八,其軌為七百零四。
五音の上においては宮に属し、その聲は洪亮舒緩、その和は清朗柔和。五則の上においては繩墨と為し直と為る。五事の上においては「思」に属し、思慮通達すればすなわち聖德と成る。五常の上においては信と為し誠と為す。五色の上においては黯淡の褐色。五経の上においては《禮》《樂》。五情の上においては歌樂、五聲の上においては吟詠。五臓の上においては脾、五臭の上においては香、五味の上においては甘、五気の上においては濕、五性の上においては意。五星の上においては鎮星(土星)。天干の上においては丙、地支の上においては丑・寅。字形の上においては山字頭・土字旁および橫畫多きの字。数目の上においては七・五・十。丙日に遇えば天祿、丑・寅日に遇えば地祿、甲・戊・庚日に遇えば天貴、申・子・辰日に遇えば鞍馬。その策数は一百六十八、軌数は七百零四。
【坤】 三畫皆偶曰坤,坤者,順也,順以承乎天,厚以載乎物,其體含弘而不耀,其德資財生而不息,為陰之純而順之,至也。故雖重之而名與象,皆不易焉。其占為大亨而利,以順健為順也。其象為地。得時於夏,耗氣於秋,受制於春,休廢於冬,旺相於四季也。
《坤》卦。三画ともに偶画なるを《坤》と言い、坤はすなわち順なり。それ天に順承し、萬物を厚載す。其の体は含容宏大にして炫耀せず、其の德は萬物を資生して停息せず、純陰にして順の極處なる卦なり。ゆえにたといこれを重疊して六畫と為すとも、卦名與卦象は皆改變せず。その占斷は大いに亨通して利あり、剛健に順從するを以て順と為す。その象は地と為す。この卦は夏に時を得、秋に氣を耗し、春に受制し、冬に休廢し、四季之末に旺相す。
【上下內外】在下順止於內,在上止於外。 【在身體】容貌厚重,威儀不苟,性情緩慢,誠實不浮,言不亂發,事不輕為。 【在人事】為慳吝鄙薄,遲緩不決。 【在天文】為霧氣,陰雲。 【在地理】為郊原四野。 【在人物】為老母,陰人,婦女。 【在官職】為守土司農之官,工部教民之職。 【在房屋】為村荘宅舍,近圃垣牆。 【在時序】為六七之交。未申月日。 【在動物】為鴨,雀,蜘蛛,牛,馬,驢。 【在植物】為薯芋,谷,栗,黍,稷,稻,粱,山藥。 【在器用】為與釜瓦器,陶冶之屬。布帛,絲綿,五穀之類。 【在墳墓】為西南郊野之地。
上下內外の方面:下卦に居れば順止は內に在り、上卦に居れば止は外に在り。身体に就いて言えば、容貌は厚重、儀表は莊重不苟、性情は遲緩、誠實にして浮誇せず、亂に話さず、輕率に行事せず。人事に就いて言えば、吝嗇鄙薄・遲緩不決。天文の上においては、霧氣與陰雲。地理の上においては、郊原四野。人物の上においては、老母・陰柔之人與婦女。官職の上においては、守土之官・司農之職、以及工部教民之任。房屋の上においては、村莊宅舍、菜圃與垣牆に靠近す。時序の上においては、六月と七月之交、未・申の月日。動物の上においては、鴨・雀・蜘蛛・牛・馬・驢。植物の上においては、薯芋・穀・栗・黍・稷・稻・粱與山藥。器用の上においては、釜甑瓦器・陶冶一類、および布帛・絲綿・五穀之類。墳墓の上においては、西南方郊野の地形。
【在五音】為宮。 【在五則】與《艮》同 【在五事】與《艮》同。 【在五常】與《艮》同。 【在地支】為未申 【在字形】為山頭,土傍,橫畫。 【在數目】八、五、十。 【吉神】遇乙癸為天祿,遇未申為地祿,遇甲戊庚乙己日為天貴,遇寅午戍日為鞍馬。 【策軌數】其策一百四十四,其軌六百七十二。
五音の上においては宮に属す。五則の上においては《艮》と相同、五事の上においても《艮》と相同、五常の上においても《艮》と相同。地支の上においては未・申。字形の上においては山字頭・土字旁および橫畫多きの字。数目の上においては八・五・十。吉神方面:乙・癸に遇えば天祿、未・申に遇えば地祿、甲・戊・庚・乙・己日に遇えば天貴、寅・午・戌日に遇えば鞍馬。策軌方面:策数は一百四十四、軌数は六百七十二。
八卦變象
乾卦生合得令為剛明正直之事,貴重成器之金。刑剋耗氣為公門非橫之事,銅鐵不貴之器。故乾見乾其物貴重而剛圓。見坎晦光而沉溺。見艮為非礦石即帶土之金。見震鐘鼓有聲之物。見巽刀斧有柄之物。見離乃中虛成器之物。見坤上衣下裳。見兌為銅鐵之器,損壞之物。初爻動變巽乃金刀削過之木。二爻動離,乃火煅過之金。三爻動變兌,乃五金廢壞之器,雖圓而損缺也。
《乾》卦は生に逢い・合に逢いまた當令すれば、剛明正直之事を主とし、指す所の物は貴重にして器を成す金。もし刑克・耗氣に逢えば、すなわち官府是非與橫逆之事を主とし、指す所の物は銅鐵一類の不貴重な器具。ゆえに《乾》は《乾》に遇えば、その物は貴重にして剛硬圓整。《坎》に遇えば、光澤晦暗・水中に沈沒す。《艮》に遇えば、礦石ならざれば土を帶ぶる金。《震》に遇えば、鐘鼓一類の聲ある物。《巽》に遇えば、刀斧一類の柄ある物。《離》に遇えば、中間空虛にして已に器を成すもの。《坤》に遇えば、上衣下裳。《兌》に遇えば、銅鐵器具・損壞之物。初爻動して《巽》に變ずれば、金刀に削られたる木器。二爻動して《離》に變ずれば、火を經て鍛煉されたる金。三爻動して《兌》に變ずれば、五金の廢壞之器、圓整なれど殘缺あり。
《兌》卦生合為歡喜和悅之事。銅鐵成器之物,刑剋耗氣為暗昩讒謗之慮。粗鄙損壞之物。故《兌》見《兌》先損而後益,見《坎》為澤中之物。見《艮》為金石之廢器,見《震》為刀槍,見《巽》為箭簇或琢削之類,見《坤》為土中沈埋之器具,初爻動變坎為酒盅、酒盞。二爻動變《震》為樂器銅鐵釘成之物,三爻動變《乾》乃整舊為新之貴物也。
《兌》卦は生に逢い・合に逢えば、歡喜和悅之事を主とし、指す所の物は銅鐵の製成した器具。もし刑克・耗氣に逢えば、すなわち暗昧不明・人の讒謗を遭うの憂慮を主とし、指す所の物は粗鄙損壞の東西。ゆえに《兌》は《兌》に遇えば、先に損失ありて後に得益す。《坎》に遇えば、水澤中の東西。《艮》に遇えば、金石一類の廢器。《震》に遇えば、刀槍。《巽》に遇えば、箭鏃あるいは雕琢削制を經たる物。《坤》に遇えば、土中に埋めたる器具。初爻動して《坎》に變ずれば、酒盅・酒盞。二爻動して《震》に變ずれば、樂器あるいは銅鐵釘成之物。三爻動して《乾》に變ずれば、すなわち舊物を修整し新品に翻成したる貴重之器。
《離》卦生合得令生合為文書印信之事,中虛華麗之物。刑剋耗氣為憂疑爭鬥之事。為窯灶爐冶之物。《離》見《離》為燈籠火燭之類,見《坤》為瓦碟磁器。見《兌》為煅煉之金。見《乾》為文書詔旨。見《坎》為毀壞或朩火激搏之物。見《艮》為瓦器或夜行之具。見《震》為為甲胃曵。見《巽》為文章書籍。初爻主在地之應,變《艮》硯石,瓦器。中爻主人物之應,變《坎》為水火煅煉。上爻主在天之應,變《震》為旌號長槍之屬。
《離》卦は生に逢い・合に逢いまた當令すれば、文書印信之事を主とし、指す所の物は中間空虛にして華麗なる東西。もし刑克・耗氣に逢えば、すなわち憂疑爭鬥之事を主とし、指す所の物は窯・竈・爐・冶の一類。《離》は《離》に遇えば、燈籠火燭の類。《坤》に遇えば、瓦碟瓷器。《兌》に遇えば、鍛煉を經たる金。《乾》に遇えば、文書詔旨。《坎》に遇えば、毀壞之物、あるいは水火相激相搏之物。《艮》に遇えば、瓦器あるいは夜行之器具。《震》に遇えば、盔甲與干戈。《巽》に遇えば、文章書籍。初爻は地上の應驗を主とし、動して《艮》に變ずれば、硯石・瓦器。中爻は人事の應驗を主とし、動して《坎》に變ずれば、水火鍛煉之物。上爻は天上の應驗を主とし、動して《震》に變ずれば、旌旗名號・長槍一類。
《震》卦生合得令為科名徵召之譽,鮮竹木之具。刑剋耗氣為虛驚憂悶之事,動作不寧之虙。故《震》見《震》為有聲之器,見《巽》為工巧之具,見《離》為紙筆文書之屬。見《坤》為柔楔之類,見《兌》為有聲可擊之物,圓全而無傷,見《坎》為生意,或木火應用之物,見《艮》為俯復之物,初爻動變坤為土中生長之物,二爻動變兌為刀斧有柄之物,三爻動變離,為燈蘢果盒之類。
《震》卦は生に逢い・合に逢いまた當令すれば、科舉功名・朝廷徵召の榮譽を主とし、指す所の物は新鮮の竹木器具。もし刑克・耗氣に逢えば、すなわち虛驚憂悶之事・躁動不安之狀を主とす。ゆえに《震》は《震》に遇えば、聲響ある器物。《巽》に遇えば、工巧の用具。《離》に遇えば、紙筆文書之類。《坤》に遇えば、柔軟の楔子一類。《兌》に遇えば、敲擊發聲し得・圓整にして損傷なき物。《坎》に遇えば、生發之意、あるいは木火合用之物。《艮》に遇えば、俯伏倒覆之物。初爻動して《坤》に變ずれば、土中生長の東西。二爻動して《兌》に變ずれば、刀斧一類の柄ある物。三爻動して《離》に變ずれば、燈籠果盒之類。
《巽》卦生合得令為升遷文書之事,布帛絲綿之類。刑剋耗氣為進退不果交易市利之為,故《巽》見《巽》為工巧竹朩之器,見《離》為文書,龍陷見《坤》為土中生長之物,見《兌》為稱衡或琢削之物;見《乾》為鐘鼓、刀劍;見《坎》為舟楫、弓矢;見《艮》為筆墨之類;見《震》為有聲之物;初爻動變《乾》為金刀削過之木或刀斧柄;二爻變《艮》為木槌,或土上之木器;三爻動變《坎》為蔬菜香覃木耳花果之類。
《巽》卦は生に逢い・合に逢いまた當令すれば、升遷與文書之事を主とし、指す所の物は布帛絲綿之類。もし刑克・耗氣に逢えば、すなわち進退不決・經商圖利之為を主とす。ゆえに《巽》は《巽》に遇えば、工巧の竹木器具。《離》に遇えば、文書(原文「龍陷」二字は疑わしく衍誤)。《坤》に遇えば、土中生長の東西。《兌》に遇えば、秤衡あるいは雕琢削制を經たる物。《乾》に遇えば、鐘鼓・刀劍。《坎》に遇えば、舟楫・弓箭。《艮》に遇えば、筆墨之類。《震》に遇えば、聲ある物。初爻動して《乾》に變ずれば、金刀に削られたる木頭あるいは刀斧之柄。二爻動して《艮》に變ずれば、木槌あるいは土上に放たる木器。三爻動して《坎》に變ずれば、蔬菜・香菇・木耳・花果之類。
《坎》卦生合得令為隱伏之事,魚鹽酒貨之物,刑剋耗氣故《坎》見《坎》為江湖河海流而不息,見《艮》為滋潤之土石,見《震》《巽》為水桶盆或竹朩所生香覃朩耳之類,見《離》為水火交結之物,見《坤》為水土造成之物,見《乾》上為公庭訴訟下為酒筵器具;見《兌》為酒食。初爻變《兌》乃盛水盛酒之具,缺而壞也。二爻變《坤》乃穀粟之類,三爻變巽,大則舟楫,小則瓢勺盆桶之類。
《坎》卦は生に逢い・合に逢いまた當令すれば、隱伏不顯之事を主とし、指す所の物は魚・鹽・酒等の貨物。刑克・耗氣に逢えばすなわちこれと相反。《坎》は《坎》に遇えば、江湖河海流動不息之象。《艮》に遇えば、濕潤の土石。《震》《巽》に遇えば、水桶水盆、あるいは竹木上に長出する香菇木耳之類。《離》に遇えば、水火交結之物。《坤》に遇えば、水土の做成した東西。《乾》に遇えば、上に在っては官府訴訟を主とし、下に在っては酒席器具を主とす。《兌》に遇えば、酒食。初爻動して《兌》に變ずれば、水を盛り酒を盛る器皿、而も殘缺破損あり。二爻動して《坤》に變ずれば、穀粟之類。三爻動して《巽》に變ずれば、大なれば舟楫、小なれば瓢・勺・盆・桶之類。
《艮》卦生合得令,為田園、墳墓、瓦器、磁缸;刑剋耗氣為行事多疑動止不一,又為瓦石器皿;故《艮》見《艮》為剛硬之土石,見《震》為木帯土之物,見《巽》為草朩;見《離》為瓦瓶瓦盒;見《坤》土塊、石塊;見《兌》為缺物;見《乾》為剛硬成器之物;見《坎》為河岸、田埂;初爻動變《離》為火燒成器之物;二爻動變《巽》為鋤頭、耒梠;三爻動變《坤》為田地、山坡。
《艮》卦は生に逢い・合に逢いまた當令すれば、田園・墳墓を主とし、指す所の物は瓦器・瓷缸。もし刑克・耗氣に逢えば、すなわち事を為す多疑・行止不定を主とし、指す所の物は瓦石器皿。ゆえに《艮》は《艮》に遇えば、堅硬の土石。《震》に遇えば、泥土を帶ぶる木。《巽》に遇えば、草木。《離》に遇えば、瓦瓶瓦盒。《坤》に遇えば、土塊石塊。《兌》に遇えば、殘缺之物。《乾》に遇えば、剛硬にして器を成す物。《坎》に遇えば、河岸・田埂。初爻動して《離》に變ずれば、火燒して成る器物。二爻動して《巽》に變ずれば、鋤頭・耒耜。三爻動して《坤》に變ずれば、田地・山坡。
坤》卦生合得令為陰私鄙吝之事;穀粟布帛之物;刑剋耗氣為輿釜瓦器陶冶之具;故《坤》見《坤》為衣、為布;見《兌》為出土之金;見《乾》為方圓之器,可貴可重之物;見《坎》為水土所成之器,見《艮》為堅剛之土石;見《震》《巽》為文書、田契;見《離》為爐冶窯灶;初爻動變《震》為鋤頭、陶冶之器;二爻動變《坎》為水火相併之物;三爻動變《艮》為磚瓦土石之類。
《坤》卦は生に逢い・合に逢いまた當令すれば、陰私鄙吝之事を主とし、指す所の物は穀粟布帛。もし刑克・耗氣に逢えば、指す所の物はすなわち釜甑瓦器・陶冶之具。ゆえに《坤》は《坤》に遇えば、衣と為し布と為る。《兌》に遇えば、出土之金。《乾》に遇えば、方圓之器・可貴可重之物。《坎》に遇えば、水土の做成した器物。《艮》に遇えば、堅硬の土石。《震》《巽》に遇えば、文書・田契。《離》に遇えば、爐冶窯竈。初爻動して《震》に變ずれば、鋤頭與陶冶之器。二爻動して《坎》に變ずれば、水火並用之物。三爻動して《艮》に變ずれば、磚瓦土石之類。
右八卦以靜其主,以動為物,凡卦象生旺逢合可食可用及貴重成器之物,卦象刑剋逢衰為不可食及破碎損壞之物,生體者眾為貴物,克體者眾為賤物,洩體者眾廢壞之物,用卦看其形色,互卦看其數目,先天七數,後天八數,亦不出八數之外也。互變卦中無生旺之氣者,為不入五行之物也。若五六爻動者,是能飛能走之物也。又如全卦中陽卦陽爻多為剛硬之物,陰卦陰爻多為柔軟之物。
以上八卦は、静の一方を以て主体と為し、動の一方を以て所占の物と為す。およそ卦象の生旺してまた合に逢うは、指す所は食べ得用い得および貴重成器之物。卦象の刑克を受けまた衰に逢うは、指す所は食用し得ずおよび破碎損壞之物。體卦を生ずる多きは、貴重之物。體卦を克する多きは、低賤之物。體卦を泄する多きは、廢棄損壞之物。用卦は物の形狀顏色を看、互卦は物の數目を看る:先天は七數を用い、後天は八數を用う。亦た皆八の數の外に出ず。互卦・變卦の中に生旺之氣なきは、あれは五行に入らざる東西。もし第五・第六爻發動せば、あれは飛び得走り得る活物。またたとえば整卦の中陽卦陽爻多きは、剛硬之物。陰卦陰爻多きは、柔軟之物。
補遺:身命篇之一
身命乃一生之主宰,而壽夭窮通攸繫也。凡占身命以體為為主,以闈用為命。二者宜旺不宜衰也。故正互變三卦皆生體,更逢四值有情,動作軒昻,所為如意,若正互變三卦皆克體,又遇四值無情,殊欠精神,所為不宜,用卦生體而互變卦克體者,早年發福,晚歲艱辛。用卦克體而互變卦生體者,早年艱辛,晚年稱意。
身命は人一生の主宰、壽夭窮通は皆その上に係る。およそ身命を占うは、體卦を以て主と為し、用卦を以て命と為す(原文「闈用」は「用」と作るべし)。兩者ともに旺を宜として衰を宜とせず。ゆえに正卦・互卦・變卦の三卦皆體卦を生じ、再び四値(年月日時)有情相助に逢えば、すなわち精神軒昂・為す所の作為は皆心に稱意のごとし。もし正・互・變の三卦皆體卦を克し、また四値無情に遇えば、すなわち精神短少・諸事不宜。用卦體を生じて互卦・變卦體を克するは、早年發達・晚年艱辛。用卦體を克して互卦・變卦體を生ずるは、早年艱辛・晚年順遂。
用逢真氣進二氣生體者,凡事如意,用逢真氣二氣克體者,所求無成。用逢真進二氣入局生體者,日漸顯迏,用逢退氣破陷克體者,日漸傾煩。貫祿有情生體者,發福發財。
用卦が真氣・進氣の両種の氣に逢着して來りて體卦を生ずれば、凡事如意。用卦が真氣・進氣に逢着して却って來りて體卦を克すれば、求む所の事は皆辦成せず。用卦が真氣・進氣に逢い入局して體を生ずれば、日漸顯達。用卦が退氣・破陷に逢いて體を克すれば、日漸傾敗煩擾。貫祿有情にして來りて體を生ずれば、福を發しまた財を發す。
