時は日貴・日禄・日徳なりの章第三 官事を動かすを主る
貴德祿三神者,異名而同體,謂顯有德,享有祿,皆為貴官之象也。若三神帶財,多為官場之財,或托有官人干財。若被刑帶害,傳中有凶將,定入官府爭財。若三傳神上帶吉半,傳中見青龍、六合、太常,為日之三合,不見刑鬼,仕人加官;秀士及第;庶人得之,見官得理,或得上人提挈。若式中見晝夜貴人全者,主兩得衙門。若卦中遙克、反吟,中傳見天馬,即知他處衙門官動也。
本章の「一字訣」は一つの「貴」の字に落ち、しかるに貴・徳・禄の三神は名目不同じく実則一体なり。顕達して外に在るを「徳」と曰い、身に享用するを「禄」と曰う。二者はみな貴官の象徴なるがゆえに、合わせて一門と為す。凡そ占時が正に日干の貴人・日徳あるいは日禄に当たれば、すなわち官府方面の動作有るを主る。若しこの三神が同時にまた財爻を帯びれば、多半は官場裏の財、あるいは官職有るの人を托して財を謀らんとす。若しそれらが刑され害され、三伝の中にまた凶将有れば、あれは必定官府の裏に鬧到りてこの筆の財を争わんとす。若し三伝の各神の上に帯ぶるはみな吉神吉将にして、伝の中にまた青龍・六合・太常を見、しかも日干と三合を結成し、かつ刑冲官鬼を見ざれば、すなわち官を做る人は升遷加職を主り、読書人は科挙中式を主り、平民百姓これを得れば則ち官に見えて理有り、官司を打ちて勝ち、あるいは上位者の提携を得るなり。若し課の中に昼貴人・夜貴人の两位が斉しく現れば、両処の衙門みな用いる力を得るを主る。若し課の中に遥克あるいは反吟を現出し、中伝にまた天馬を見れば、あれはすなわち外地の衙門裏に官事が動き有るなり。
假令癸巳人,丙子日申將酉時。
一例を挙ぐ。占いに来る人の本命は癸巳、日辰は丙子日、申を用いて月将と為し、占時は酉時なり。申将を酉時の上に加えれば、天盤は便ち地盤より退后して一位なり。
龍 勾 合 朱 辰 巳 午 未 后 陰 空 龍 子 甲戌 后 空卯 申蛇 戌 亥 卯 辰 財 酉 貴 ◎ 虎寅 酉貴 亥 子 辰 丙 財 申 蛇 ◎ 丑 子 亥 戌 常 玄 陰 後
盤の中、地盤の巳上に天盤の辰を得、青龍に乗る。午上に巳を得、勾陳に乗る。未上に午を得、六合に乗る。申上に未を得、朱雀に乗る。酉上に申を得、螣蛇に乗る。戌上に酉を得、貴人に乗る。亥上に戌を得、天后に乗る。子上に亥を得、太陰に乗る。丑上に子を得、玄武に乗る。寅上に丑を得、太常に乗る。卯上に寅を得、白虎に乗る。辰上に卯を得、天空に乗る。四課は右より左に、第一課、丙火の寄宮は巳に在り、巳上に辰を得、青龍に乗る。第二課、辰上に卯を得、天空に乗る。第三課、日支の子上に亥を得、太陰に乗る。第四課、亥上に戌を得、天后に乗る。三伝は初戌(甲戌は天后に乗る、戌土は丙火の生ずる所を受け、是れ子孫爻)、中酉、末申(酉・申の二金は丙火の克する所を受け、みな財爻、分かちて貴人と螣蛇に乗る)。丙子日は甲戌一旬に属し、申・酉は正に旬空に落つ、ゆえにこの両伝の遁干は空けて填めず、旁边に「◎」を加えて記と為す。この符号は本書の課盤においてすなわち旬空の標志なり。
三傳戌酉申,天魁臨亥為用,卦名知一,來意本人於家西耕開荒地一段,種麥子,上麥熟時,有帶官人刈麥。曰:“是我之地。”相爭到官,勸和,得麥一半,歸其地。
三伝は戌・酉・申、天魁戌をもって亥宮に臨む者を取って発用と為し、課の名は「知一」と曰く。これに拠りて来人の意を断ずるに、彼は自家の西辺に一段の荒地を開墾し、麦子を種え上げ、麦子の熟する時に到りて、官身を帯びたる一個の人来りて手を動かして麦を割り、口に「この地は本来我がものなり」と称す。両下争執して官府に打至り、人を経て勧和され、最後に彼に半分の麦を分得ると判じ、地は仍お彼に帰還せらる。
何知家西開荒地種麥?時緣日下之貴,又為日下之財,又為日下之合,故言外也。酉既為日下之財,不言金玉而言麥者,人事也。若婦人占當有金玉首飾之物,今以老農五月占此,酉主小麥,既為日下之財,故言麥也。
何を憑りて家の西に荒を開き麦を種えるを知るや。占時の酉は丙日に対して既に貴人の臨む位にして、また丙火の克する財にして、また丙日と相合し、三重の関係はみな日干この一辺を指向す。日干は外を主るがゆえに、断じて門外の事と為す。酉は既に日下の財なれば、何を為に金玉を言わずして麦子を言うや。これはまさに占者の身分と時令を看るを要す。同じく一つの酉に、若し婦人が占いに来れば、まさに金玉首飾の類に断ずべし。如今は一位の老農が五月裏に占問すれば、酉は物象上に正に小麦を主り、五月はまた恰も麦熟の時、酉は既に日下の財、ゆえに断じて麦子と為す。
言家西,謂酉,西方也。何以帶官人爭麥?謂直事門為仲,中傳上見天乙,故為帶官人。
地を「家西」と言うは、財爻が酉上に落つるをもって、酉は正西の位に居る。何を憑りて来りて麦を争うは官身を帯びたる人と知るや。天盤正時の上の直事門は酉に落ち、酉は四仲の一にして、仲位は端正にして体統有るの人を主る。中伝の酉上にまた天乙貴人に乗り、貴人はすなわち官長の象、ゆえに断じて官身を帯びたる人と為す。
何知相爭到官?蓋日上見天罡,為自己怒惡。又時為日貴,中傳又得天乙為動官之象。何知勸和分麥?蓋時為合,外卦得比用,故知和合。申酉時為財,乃日空亡,既落空亡,只得一半矣。
何を憑りて官府に争至るを知るや。日干の寄宮の上に天罡辰を得、天罡は暴怒凶悪を主り、是れ占者が自ら火気を動かしたるなり。占時はまた正に日干の貴人に当たり、中伝に再び天乙を得、両重の貴人はみな官府を驚動するの象なり。何を憑りて人を経て勧和され、麦子を分掉するを知るや。占時の酉は丙日と相合し、外面この一頭に得るは「比用」の課、比用は両々相い比附し彼此就和するを主るがゆえに、断じて勧和と為す。しかるに申・酉の这两位の財爻は恰恰として丙子日の旬空の内に落つ。既に空に落てば、財は全く得る能わず、ただ一半を収得するのみ能くす。
假令癸酉人,丙戌日未將亥時,
再び一例を挙ぐ。占いに来る人の本命は癸酉、日辰は丙戌日、未を用いて月将と為し、占時は亥時なり。未将を亥時の上に加えれば、天盤は地盤より退后して四位なり。
勾 龍 空 虎 丑 寅 卯 辰 龍 玄 貴 勾 財 乙酉 貴 合子 巳常 寅 午 酉 丑 兄 癸巳 常 朱亥 午玄 午 戌 丑 丙 子 己丑 勾 戌 酉 申 未 蛇 貴 后 陰
盤の中、地盤の巳上に天盤の丑を得、勾陳に乗る。午上に寅を得、青龍に乗る。未上に卯を得、天空に乗る。申上に辰を得、白虎に乗る。酉上に巳を得、太常に乗る。戌上に午を得、玄武に乗る。亥上に未を得、太陰に乗る。子上に申を得、天后に乗る。丑上に酉を得、貴人に乗る。寅上に戌を得、螣蛇に乗る。卯上に亥を得、朱雀に乗る。辰上に子を得、六合に乗る。四課は右より左に、第一課、丙火の寄宮は巳に在り、巳上に丑を得、勾陳に乗る。第二課、丑上に酉を得、貴人に乗る。第三課、日支の戌上に午を得、玄武に乗る。第四課、午上に寅を得、青龍に乗る。三伝は初酉(乙酉は貴人に乗る、酉金は丙火の克する所を受け、是れ財爻)、中巳(癸巳は太常に乗る、丙火と同類、是れ兄弟爻)、末丑(己丑は勾陳に乗る、丑土は丙火の生ずる所を受け、是れ子孫爻)。丙戌日は甲申一旬に属し、午・未の两位は旬空に落つ。
日遙克從魁,三傳酉巳丑,天將貴、常、勾,來意事主西北上遠行理會,自己差遣文字,並無難阻,得差遣必是近任,八月內丁酉日還家,當月得俸。本州島太守決是一剛毅正直之人,以劉為姓,主太守美愛而有聚財之慶。
此課は日干が遥かに従魁酉を克して酉を取りて発用と為し、三伝は酉・巳・丑、天将は依次に貴人・太常・勾陳。これに拠りて来人の意を断ずるに、彼は西北方に往きて遠行し一樁の差事を弁ぜんとし、弁ずる所は正に自己の委任文書で、一路上に阻碍なく、得る所の差遣は必ず就近の職任なり。八月の内の丁酉日に家中に回帰し、当月に便ち俸禄を領得すべし。本州の太守は断じて一位の剛毅正直の人にして姓劉。この太守は彼を賞識し愛重せんとし、かつ彼はまた銭財を積聚するの喜慶有り。(底本の「本州島太守」の「島」は伝写の衍る所にして、「本州太守」とすべし、今原文を存す。)
何知西北遠行?蓋時為日下之驛馬,與天馬並,登明為西北下為遠行。登明為日貴,上乘朱雀,主文字貴人,乘馬有文字之象,豈不是自己差遣文字也?
何を憑りて西北に往きて遠行するを知るや。占時の亥は正に丙日の駅馬にして、また天馬と并臨し、両馬相并ばれば、行程は必ず遠し。亥はすなわち登明、方位は西北に在り、かつ亥は地盤の末に居り去る処遥遠なり、ゆえに断じて西北の遠行と為す。登明亥はまた丙日の貴人にして、その上に朱雀に乗り、朱雀は文書辞令を主り、貴人は官長を主る。文書の神が駅馬の上に騎るは、正に委任文書を奉じて門を出るの象、ゆえに彼の弁ずる所はすなわち自己の差遣文書と言う。
何知一路並無難阻?式中無關格故也。何知近任?命上見天恩,日上見官爵,又用傳俱是三合,故知近任。
何を憑りて一路上に阻碍なきを知るや。課の中に并りて「関」の神と「格」の象を現出せざるをもって、関は関卡を主り格は阻隔を主り、両者みな無ければ、路上は自ずから暢通す。何を憑りて得る所は就近の職任なるを知るや。本命の癸酉の上に天恩の神を見、日干の寄宮の上に官爵の象を見、しかも発用と三伝の酉・巳・丑はまた恰好として金局の三合を合成す。三合は聚まりて散ぜざるを主り、事情は便ち近処に在りて成就す、ゆえに断じて近任と為す。
何知八月丁酉日還家?從起從魁,末傳大吉為歸計門,下臨酉,上丁字,故知丁酉日也。眾魁為日之財,故主八月得俸。
何を憑りて八月の丁酉日に家に回るを知るや。発用は従魁酉より起こり、末伝の大吉丑は帰計門にして、結局と応期を管す。丑の下に地盤の酉宮に臨み、酉上に丁の字を遁得し、丁と酉と相配すれば便ち丁酉、ゆえに丁酉日に家に帰るを断ず。従魁酉はまた丙日の財爻にして、酉は正に八月に当たり、財と月建と相合す、ゆえに八月に俸禄を領するを断ず。(底本の「衆魁」は「従魁」とすべく、字形相い近くして訛り、今原字を存す。)
何知太守為剛毅正人?緣癸酉太乙乘酉屬金,主義,故知剛正,酉為金刀,故姓劉。何知太守美受?蓋天乙與日三合。何知有聚財之慶?謂卦體屬金,為日之財也。
何を憑りて太守が剛毅正直の人なるを知るや。来人の本命は癸酉、酉上に天乙貴人に乗り、貴人の乗る所の酉は金に属し、金は五常の中に「義」を主り、義は則ち剛正にして阿らず、ゆえにこの長官を断じて剛毅方正とす。酉は字形上にまた金旁に刀を加うるを取象と為し、「金」「刀」の二字を合わせれば正に一つの「劉」の字、ゆえに彼を断じて姓劉とす。何を憑りて太守が彼を賞識し愛重するを知るや。天乙貴人の臨む所の位が日干と三合を結成するをもって、三合は親附して投縁するを主る。何を憑りて彼に聚財の喜有るを知るや。整個の課体の三伝が合成して金局と為るをもって、金は正に丙火日干の克する財、財局既に成れば、自ずから銭財を積聚するの慶事有り。
時は日干の三合六合なりの章第四
六合者,為月宿合神;三合者,為五行本局之神。以日為陽為尊,主外事。若正時與日干六合三合,定主外事和合。若合中帶財,吉神良將主外財和合事;或妻妾和合事,蓋財亦為妻妾也。
本章の「一字訣」は一つの「合」の字に落ちる。いわゆる「六合」は、十二辰が月宿に拠りて相配して成る両々相合の神にして、子丑合・寅亥合の類のごとし。いわゆる「三合」は、同一五行の成局の三支が相聚まる神にして、申子辰の水局に合し、亥卯未の木局に合する類のごとし。日干は陽に属し地位は尊と為り、管するは門外の事。凡そ占時が日干と六合あるいは三合を構成すれば、断じて門外の事情は和順にして合拍す。若し合の中にまた財爻を帯び、かつ吉神良将に乗れば、あれは便ち外面より財を進め和合成事す。また妻妾の間の和合を主ることを得、六壬の取象の中において財爻は同時にまた妻妾を代表するをもってす。
若見天后、太陰為日與日為鬼,日辰傳重見鬼者,必是因外面陰人和合上致生官事。若見空亡,或天空,是雖敗露,無咎也。若命中帶破,日辰傳中復見必凶。
若し課の中に天后・太陰この两位の女子を代表する天将を見、しかもそれらの乗る所の神がまた日干を克して官鬼と為り、并せて日干・日支・三伝の上に重畳してみな鬼を見れば、あれは必定外に在りて女子と牵扯苟合し、これによりて官司を惹起す。若しこれらの位置上に旬空に遇い、あるいは虚耗を主る天空に乗れば、すなわち事情は張揚敗露するも、終に災禍を醸成するに至らず。若し本命の上に破神を帯び、しかも日干・日支と三伝の中にまた再度破を見れば、すなわち必ず凶にして疑いなし。
假令己未辰將午時。
一例を挙ぐ。己未日、辰を用いて月将と為し、占時は午時なり。辰将を午時の上に加えれば、天盤は地盤より退后して两位なり。
合 勾 龍 空 卯 辰 巳 午 合 龍 合 龍 兄 丑 蛇 ◎ 朱寅 未虎 卯 巳 卯 巳 父 丁巳 龍 蛇丑 申常 巳 未 巳 己 父 丁巳 龍 子 亥 戌 酉 貴 后 陰 玄
盤の中、地盤の巳上に天盤の卯を得、六合に乗る。午上に辰を得、勾陳に乗る。未上に巳を得、青龍に乗る。申上に午を得、天空に乗る。酉上に未を得、白虎に乗る。戌上に申を得、太常に乗る。亥上に酉を得、玄武に乗る。子上に戌を得、太陰に乗る。丑上に亥を得、天后に乗る。寅上に子を得、貴人に乗る。卯上に丑を得、螣蛇に乗る。辰上に寅を得、朱雀に乗る。四課は右より左に、第一課、己土の寄宮は未に在り、未上に巳を得、青龍に乗る。第二課、巳上に卯を得、六合に乗る。第三課、日支の未上に巳を得、青龍に乗る。第四課、巳上に卯を得、六合に乗る。日干の寄宮と日支とは同じく未位を占め、四課はただ両課を出ず、正に「八専」の体なり。三伝は初丑(螣蛇に乗る、己土と同類、是れ兄弟爻)、中末ともに巳(丁巳は青龍に乗る、巳火は己土を生ず、是れ父母爻)。己未日は甲寅一旬に属し、子・丑の两位は旬空に落つ、ゆえに初伝の丑の遁干は空缺して「◎」を標す。
卦得八專,三傳丑巳巳,將蛇、青、青,來意主南面上有屬馬婦人來往事敗,忌一姓孫人,主大驚恐,壞錢十一貫,至庚申日即無事也。
此課に得るは八専、三伝は丑・巳・巳、天将は依次に螣蛇・青龍・青龍。これに拠りて来人の意を断ずるに、彼は南辺に在りて一個の属馬の婦人と往来私通し、事情はすでに敗露せり。まさに一個の姓孫の人を提防すべく、此事は極大の驚恐を帯び来り、また破費して銭財十一貫を要す。庚申日に到れば便ち事なし。
何知南面與婦人來往?蓋午時為日干六合,卦名八專,主淫亂。又午時屬馬,為南方也。何知事敗?緣日上見太乙,得青龍木將上日為鬼故也。
何を憑りて南辺の婦人と往来するを知るや。占時の午と己土の寄宮の未とは正に六合を成し、是れ門外の和合なり。課の名は八専、八専の課は干支同宮にして内外分かたず、本り男女混雑淫乱を主る。午は生肖上に馬に配し、方位上に正南に属す、ゆえに断じて南面の属馬の婦人と為す。何を憑りて事情すでに敗露したるを知るや。日干の寄宮の上に太乙巳を得、巳上に青龍に乗り、青龍は木に属し、木は己土を克し、是れ日干の頭上に圧する官鬼。鬼既に身に臨めば、隠私は自ずから張揚し出づ。
何以忌姓孫人首驚恐?用大吉主姓孫,螣蛇主驚恐。何知壞錢十一貫?緣日上青龍主財帛七數,太乙為四數,共十一數也。
何を為に姓孫の人を提防し、また驚恐有ると言うや。発用の初伝は大吉丑、丑は姓氏の取象上に「孫」の姓を主る。丑上に螣蛇に乗り、螣蛇は驚怖恐懼を主り、両者并び見れば、ゆえに一個の姓孫の人を防ぐべしと言い、かつ此事は人をして大いに惊吓せしむ。何を憑りて財を破ること十一貫と算出すや。日干の上の青龍は財帛を主り、その定数は七。太乙巳の定数は四。七に四を加えて共に十一を得、ゆえに銭を破ること十一貫を断ず。
庚申日無事者,蓋青龍為鬼,至庚申日死絕,又為庚申所克,又申上有天空,故知庚申無事也。
何を為に庚申日に到れば便ち事なきや。禍を為すは青龍の乗る所の木鬼にして、木行は申に至れば便ち死絶の地に入り、気数はすでに尽く。庚と申はまたみな金に属し、金は能く木を克し、鬼は制伏せらる。再び盤の中の申位の上に乗るは天空を見、天空は虚耗落空を主り、鬼が空に落てば更に害を為す力なし。三重の理由は湊りて一処に合し、ゆえに庚申この一天に事情は自ずから平息すと断定す。
假令丁丑人,己卯日申將午時。
再び一例を挙ぐ。占いに来る人の本命は丁丑、日辰は己卯日、申を用いて月将と為し、占時は午時なり。申将を午時の上に加えれば、天盤は地盤より順に两位進む。
龍 勾 合 朱 未 申 酉 戌 龍 虎 蛇 合 財 乙亥 蛇 空午 亥蛇 未 巳 亥 酉 兄 丁丑 后 虎巳 子貴 巳 卯 酉 己 官 己卯 玄 辰 卯 寅 丑 常 玄 陰 後
盤の中、地盤の巳上に天盤の未を得、青龍に乗る。午上に申を得、勾陳に乗る。未上に酉を得、六合に乗る。申上に戌を得、朱雀に乗る。酉上に亥を得、螣蛇に乗る。戌上に子を得、貴人に乗る。亥上に丑を得、天后に乗る。子上に寅を得、太陰に乗る。丑上に卯を得、玄武に乗る。寅上に辰を得、太常に乗る。卯上に巳を得、白虎に乗る。辰上に午を得、天空に乗る。四課は右より左に、第一課、己土の寄宮は未に在り、未上に酉を得、六合に乗る。第二課、酉上に亥を得、螣蛇に乗る。第三課、日支の卯上に巳を得、白虎に乗る。第四課、巳上に未を得、青龍に乗る。三伝は初亥(乙亥は螣蛇に乗る、亥水は己土の克する所を受け、是れ財爻)、中丑(丁丑は天后に乗る、己土と同類、是れ兄弟爻)、末卯(己卯は玄武に乗る、卯木は己土を克す、是れ官鬼爻)。己卯日は甲戌一旬に属し、申・酉の两位は旬空に落つ。
三傳亥丑卯,將蛇、後、玄。來意主外和合中虛詐、不實、邪僻之事。又主財上有驚恐之象。其財卻為一姓牛人夜取其財。又有驢一頭,亦被姓牛人所有,意欲遠行,緣心有所畏,緊速而歸也。
三伝は亥・丑・卯、依次に螣蛇・天后・玄武に乗る。これに拠りて来人の意を断ずるに、彼は外頭に一樁の表面は和合、裏面は虚詐にして実あらず、人に見るべからざる勾当を有す。財物の上に另外一場の惊吓有り。この筆の財は一個の姓牛の人に夜裏に取り去られ、また一頭の驢有りて、またこの姓牛の人の手裏に落つ。彼は本り遠門を出でんと欲せしも、心裏に畏惧する所有るがために、匆匆忙忙として便ち折り返し来れり。
何知外和合中虛詐之象?時為日干六合,主外和合。直事門上見天空,主虛詐。又曰從魁主三交隱匿不明,上得六合,主私門,故言邪僻事。何知財上有驚恐之事?蓋發用有登明為目下之財,上見螣蛇,故主驚恐。
何を憑りて外表は和合、内裏は虚詐なるを知るや。占時の午と己土の寄宮の未とは相合し、是れ門外の和合の象なり。しかるに天盤正時の上の直事門は天空に乗り、天空は専ら虚偽詐欺を主るがゆえに、合の中に詐を蔵す。さらに従魁酉は三交隠匿・曖昧不明を主り、酉上にまた六合を得、六合は私門暗戸を取象と為すがゆえに、断じて邪僻不正の事と為す。何を憑りて財の上に惊恐有るを知るや。発用の初伝は登明亥、亥水は己土の克を受け、正に眼下現成の財にして、その上に却って螣蛇に乗り、螣蛇は驚怖を主るがゆえに、財の上に一場の惊吓を帯ぶ。
何知青衣姓牛人取其財?緣中傳大吉為牛,上見乙字,乙為青色。大吉為取登明為財,故財為牛姓所取。何知其驢亦為姓牛人所取?蓋命上見太沖為末傳,太沖主驢,上見玄武為賊人。蓋卯為大吉之陰,下臨場面位故也。
何を憑りて一個の青衣を穿ち姓牛の人が財を取り去ると言うや。中伝は大吉丑、丑は物象上に正に牛にして、姓氏上にもまた牛姓を主る。丑上に乙の字を遁得し、乙は五色の中に青に属す、ゆえに青衣牛姓の人なり。丑土は能く登明亥この財爻を収摂す、ゆえに財は牛姓の者に取り去られしと言う。何を憑りてあの頭の驢もまた姓牛の人に帰すると言うや。来人の本命丁丑の上に太冲卯を得、卯は正に末伝にして、太冲は物象上に驢を主る。卯上に玄武に乗り、玄武は盗賊を主る。しかも卯はまた大吉丑の陰神にして、丑と同気相通じ、下臨の位はまた相連属す、ゆえにこの頭の驢は仍お旧に牛姓の人の手裏に落つと断ず。
何知來意欲遠行,心有所畏,緊速而歸?蓋先鋒門勝光主道路,用神立卯酉,中傳大吉為天馬,與日刑並,故意欲遠行。緣末傳為人足,太沖為日鬼,上見玄武,為賊人,故心有畏,緊速而歸也。
何を憑りて彼が本り遠行せんと欲するも、心に畏惧を懐きて匆匆として折り返すを知るや。先鋒門の占時は勝光午、午は道路の奔馳を主る。発用と用神とは卯・酉この一対の四仲の門戸の位に立ち、起身出入を主る。中伝の大吉丑はまた天馬にして、かつ日干と相刑を構成し、馬動きて刑を帯ぶ、ゆえに彼は確かに遠行の念頭有り。しかるに末伝の太冲卯は人身の取象上に両足を主り、卯木はまた己土を克する官鬼にして、その上に再び玄武この盗賊の神に乗る——脚下に鬼と賊を踏み、走ること多からざるに心裏便ち怵れを発す、ゆえに匆匆忙忙として家に折り返り来れり。
時は日の三合六合なりの章第五 内の和合事を主る
辰為陰,主內動。時為日支三合六合,主內和合事。若式中見子孫爻乘旺相氣而帶吉神者,添進子孫,或子孫上有和合事。若支神合中帶鬼,上見勾陳、朱雀,卦得亂首、絕嗣,定主眷屬仇讎,為內事爭競。
上一章の「合」の字は日干を看、此一章の「合」の字は日支を看る。日支は六壬の中に「辰」と称し、陰に属し、家門以内の動静を管す。凡そ占時が日支と三合あるいは六合を結成すれば、すなわち家内の事情は和順にして合拍するを主る。若し課の中に子孫爻が旺気あるいは相気に乗るを見、また吉神を帯びれば、あれは家中に丁を添え口を進めるか、あるいは子女輩を囲繞るの喜慶和合の事なり。若し日支の合う所の中に官鬼を夾帯し、その上にまた勾陳・朱雀この两位の争闘口舌を主る凶将を見、課体は再び「乱首」「絶嗣」の類の悪格を得れば、すなわち眷属の間に仇怨を結成し、家内の事のために互相に争鬧すると断ず。
若仕人得之,主同僚不睦,公吏等輩相陷。若支合併貴祿德三神,式中見官鬼,必因內事起官府詞訟。若時與日辰俱合者,為兩動,主內外和合事。若式中八門所主來意為外事,以此故只言外事也。
若し官を做る人がこの樣の課を占えば、同僚の間に不和睦を主り、衙門裏の胥吏同輩は互相に構陥す。若し日支の合がまた貴人・日禄・日徳の三神と一処に并び、しかも課の中に同時に官鬼を現出せば、あれは必定家内の事のために官府に鬧到りて官司を打つ。若し占時が既に日干と相合しまた日支と相合せば、あれを「両動」と叫び、門内門外の事は一斉に和合す。課の中の八門の指す来意が若し外事の一辺に帰せば、すなわち仍お旧にただ外事に拠りて断じ、内事を牽扯するを要せず。
假令壬申日申將辰時。
一例を挙ぐ。壬申日、申を用いて月将と為し、占時は辰時なり。申将を辰時の上に加えれば、天盤は地盤より順に四位進む。
勾 龍 空 虎 酉 戌 亥 子 后 虎 朱 陰 官 辛未 朱 合申 丑常 辰 子 未 卯 兄 亥 空 ◎ 朱未 寅玄 子 申 卯 壬 子 丁卯 陰 午 巳 辰 卯 蛇 貴 后 陰
盤の中、地盤の巳上に天盤の酉を得、勾陳に乗る。午上に戌を得、青龍に乗る。未上に亥を得、天空に乗る。申上に子を得、白虎に乗る。酉上に丑を得、太常に乗る。戌上に寅を得、玄武に乗る。亥上に卯を得、太陰に乗る。子上に辰を得、天后に乗る。丑上に巳を得、貴人に乗る。寅上に午を得、螣蛇に乗る。卯上に未を得、朱雀に乗る。辰上に申を得、六合に乗る。四課は右より左に、第一課、壬水の寄宮は亥に在り、亥上に卯を得、太陰に乗る。第二課、卯上に未を得、朱雀に乗る。第三課、日支の申上に子を得、白虎に乗る。第四課、子上に辰を得、天后に乗る。三伝は初未(辛未は朱雀に乗る、未土は壬水を克す、是れ官鬼爻)、中亥(天空に乗る、壬水と同類、是れ兄弟爻)、末卯(丁卯は太陰に乗る、壬水は卯木を生ず、是れ子孫爻)。亥卯未の三支は聚まりて木局を成し、課体は「曲直」と為す。壬申日は甲子一旬に属し、戌・亥は旬空に落つ、ゆえに中伝の亥の遁干は空缺して「◎」を標す。
三傳未亥卯,將朱、空、陰,來意因家內不和,其妻姓王,剛暴、口舌、爭鬥,因此休棄。後因生子而復還合也。
三伝は未・亥・卯、依次に朱雀・天空・太陰に乗る。これに拠りて来人の意を断ずるに、彼の家裏は不和に鬧り、妻子は姓王、性情は剛烈暴躁にして、口角は断えず動輒争吵し、ここにおいて彼女を門より休出せり。後来児子を生下したるをもって、両人はまた重ねて好に帰す。
何知內事不和?緣時與日支三合帶鬼,主內不和,天后為妻,乘天罡下臨子,故知姓王。天罡主欺詐惡人,故主妻性暴。因口舌相爭罷親者,為門戶上發用,朱雀主口舌,占時與初傳同剋日,自落空亡,不能相爭,故知罷親也。
何を憑りて家内不和を知るや。占時の辰と日支の申とは三合を結成すれども、合の中に却って日を克する官鬼を帯ぶ、ゆえに門内は寧からず。天后は人事上に妻子を代表し、此課は天后が天罡辰に乗りて下に子宮に臨み、辰土の数と子水の数と相配し、土に水一を加え、拼合して一つの「王」の字を成す、ゆえに妻子は姓王と断ず。天罡は本り欺詐凶悪を主り、妻既に天罡に乗れば、性情は自ずから剛暴なり。口舌の争吵を因りて離異するに至っては、発用が門戸の位に起こりて、その上に朱雀に乗り、朱雀は専ら口舌を主るをもってす。占時と初伝はまた一同に日干を克伐し、しかも日干の壬の寄せる所の亥宮は恰も旬空に落ち、空に落てば則ち対抗する力なく、争い下る能わず、只好く散伙す、ゆえに妻を休し親を罷むと断ず。
何知生子復還合?卦得曲直,屬木為今日子孫爻,時為日支合用傳為日干合,內外俱合之象。向之所為占時傳,傳上為鬼,今子孫制之,是因生子還合也。
何を憑りて児子を生みてまた和好するを知るや。課体は「曲直」を得、亥卯未は合成して木局を成し、木は壬水の生ずる所にして、正に今日の子孫爻なり。占時は日支と相合し、三伝はまた日干と相合し、門内門外は一斉に合を成し、是れ復合の象なり。当初の鬧翻は、占時と伝中の未土官鬼に壊れり。如今木局の子孫は旺たり起こり、木は能く土を克し、あの重なる官鬼を制住し、鬼一たび伏せば家便ち安んず、ゆえに児子を生じたるを因りて破鏡重ねて円なると言う。
假令丙子日申將丑時。
再び一例を挙ぐ。丙子日、申を用いて月将と為し、占時は丑時なり。申将を丑時の上に加えれば、天盤は地盤より順に七位進む。
合 勾 龍 空 子 丑 寅 卯 龍 陰 陰 合 官 丙子 合 朱亥 辰虎 寅 未 未 子 子 癸未 陰 蛇戌 巳常 未 子 子 丙 父 戊寅 龍 酉 申 未 午 貴 后 陰 玄
盤の中、地盤の巳上に天盤の子を得、六合に乗る。午上に丑を得、勾陳に乗る。未上に寅を得、青龍に乗る。申上に卯を得、天空に乗る。酉上に辰を得、白虎に乗る。戌上に巳を得、太常に乗る。亥上に午を得、玄武に乗る。子上に未を得、太陰に乗る。丑上に申を得、天后に乗る。寅上に酉を得、貴人に乗る。卯上に戌を得、螣蛇に乗る。辰上に亥を得、朱雀に乗る。四課は右より左に、第一課、丙火の寄宮は巳に在り、巳上に子を得、六合に乗る。第二課、子上に未を得、太陰に乗る。第三課、日支の子上に未を得、太陰に乗る。第四課、未上に寅を得、青龍に乗る。三伝は初子(丙子は六合に乗る、子水は丙火を克す、是れ官鬼爻)、中未(癸未は太陰に乗る、未土は丙火の生ずる所を受け、是れ子孫爻)、末寅(戊寅は青龍に乗る、寅木は丙火を生ず、是れ父母爻)。丙子日は甲戌一旬に属し、申・酉の两位は旬空に落つ。
三傳子未寅,將六、陰、龍,來意事主內外和合,主添妻妾之慶。
三伝は子・未・寅、依次に六合・太陰・青龍に乗る。これに拠りて来人の意を断ずるに、門内門外の両頭の事はみな和順にして合拍し、また家中に妻妾を添置するの喜事を主る。
何以知之?緣日干與時三合,與支六合,故言內外和合事也。日上神后水,時上天后水,主言鬼者,緣直事門大吉上得勾陳土,為今日子孫,死絕之水豈能為鬼也?
これは怎様に断じたるか。占時の丑は日干の丙の寄せる所の巳と三合を成し、また日支の子と六合を成し、一課の中に日干・日支の両頭ともに合に逢う、ゆえに門内門外の事はみな和合すと言う。人有りて問わん、日干の上は神后子水にして、占時の上に乗る天后もまた水に属し、水は丙火を克す、豈に官鬼が頭に当たるにあらずや。須らく知るべし、天盤正時の上の直事門は大吉丑にして、丑上に勾陳に乗り、勾陳と丑とはみな土に属し、土は丙火の生ずる所の子孫にして、正に好く回頭して水を克す。況んや子水は丑月の土旺の時にすでに死絶に入り、一個の既に制せられまた気無きの水は、また何の鬼をか作さんや。
何知妾媵?蓋太陰主妾媵,六合主婚姻和合,青龍主喜慶,此課始末俱吉,豈不是喜合添妾媵之象也?
何を憑りて妾室を添置すると断定すや。太陰は人事上に正に側室・婢妾の一流を主り、六合は婚姻の締結・両姓の和合を主り、青龍は喜慶財禄を主る。この三位の吉将は分かちて三伝に踞り、自ず初めより終りに至るまで一路みな吉なり。喜慶の神と婚合の神と并び見え、また太陰有りて身分を点明し、正に歓歓喜喜として妾を納れ人を添うるの象なり。
