白日に夜時を得るの章第十二 事明らかならざるを主る、病を占えば重し
日之後陽氣伏匿,陰刑盜賊聚於此時也,此課得夜時,多主闇昧不明之事。若卦得三交,即是交加不明之事,占病重大;更得天后、太陰,主蔽匿奸邪之事;式中見玄武,主盜賊不明之事;若關財爻,即是財不明之事。
本章の「一字訣」は一つの「夜」の字に落ちる。白昼に占いに来りて、起こし出すは却って夜時の課なり。太陽西に沈みし後は陽気潜蔵し、陰私・刑獄・盗賊はみなこの時辰に聚まる、ゆえに白日に夜時を得るの課は、多く曖昧不清にして説き明らかにし得ざるの事を主る。若し課体がまた「三交」を得れば、あれはすなわち糾纏交錯して更に理り清むべからざるの事にして、病を占えば則ち病勢沈重なり。再び天后・太陰を見れば、隠匿包庇の奸邪の勾当有るを主り、課の中に玄武を見れば、盗賊一路の不明の事を主り、若し財爻に牽連すれば、あれはすなわち銭財の上に一筆の糊涂の帳有るなり。
夫病症,易明醫者易治,病症難明醫者難治,凡得夜時而卦值得三交,病症難明故重大也:若式中見青龍、天后,多是因婦女得病;若天空、太陰為鬼剋日,為人算得病;見朱雀、勾陳,因官司文字、口舌爭鬥得病;見亥子或潤下,近水落水得病,不然因傷於飲酒而胃虛下痢,腳膝沉重之病,若是婦人定是經水滯澀、赤白帶下之病;
再び疾病を説く。病症は看清明易ければ、医家は便ち医治し易く、病症は看清楚ならざれば、医家は便ち下手し難し。凡そ夜時の課を起こし出してまた三交に値せば、病症は必定明に難く、ゆえに病情沈重なり。次ぎて分かちて神将を看る。課の中に青龍・天后を見れば、多半は女子に因りて病を得るなり。若し天空・太陰が化して官鬼と為りて来りて日干を克せば、あれは人に暗算せらるるによりて致すの病なり。朱雀・勾陳を見れば、官司文書・口角争闘に因りて病を致すなり。亥・子の二水を見、あるいは課体が「潤下」の水局を成せば、水に近づき水に落ちて得るの病にして、然らざればすなわち飲酒過量にして胃気を傷り、瀉痢止まず両腿膝蓋沈重のなり。若し占いに来るが婦人なれば、あれは必定経水淋漓として暢かならず、赤白帯下の疾なり。
見寅卯木神,多是左股虛風之病,若木旺合曲直,定是脾胃虛弱,蓋木旺則土受制也;見申酉,多是右股傷折或膈中之病,若金旺合從革,多是筋骨折傷、肝膽虛弱、筋脈拳搐,蓋金旺則傷木也;
課の中に寅・卯の木神を見れば、多くは左腿風を受け虚弱不仁の病なり。若し木気正に旺にして三伝また合成して「曲直」の木局を成せば、すなわち脾胃の虚弱と断ず、木旺すれば則ち土は克制せられ、脾胃は土に属するをもって、ゆえに先ず傷る。申・酉の金神を見れば、多くは右腿摔折し、あるいは胸膈の間の病なり。若し金気正に旺にして三伝が合成して「従革」の金局を成せば、多く筋骨の折傷・肝胆の虚弱・筋脈の抽搐を主る、金旺すれば則ち木は傷られ、肝胆と筋脈とみな木に属するをもってす。
四土神,多是臟腑蔽塞不明之病,若水日見旺土合稼穡卦定是小腸不通,心腸虛脹,多傳為蠱種之病,婦人經脈滯澀,男子腎臟虛也;若水上得火神,多是下部虛寒瀉痢,上焦虛、熱躁渴而欲飲水,後傳為血痢也;
課の中に辰・戌・丑・未の四土の神を見れば、多くは臓腑壅塞にして病位を説き清め得ざるの病なり。若し水日にまた旺土を見て三伝が合成して「稼穡」の土局を成せば、すなわち小腸不通・心腹虚脹と断じ、久しくすれば転じて蠱脹腫満の症と成り、婦人は則ち経脈滞澁し、男子は則ち腎臓虚虧す。若し水位の上に火神を得れば、多くは下焦虚寒の泄痢にして、上焦空虚にして燥熱煩渇し一味に水を飲まんと要し、日久すれば便ち転じて便血下痢と成る。
若火上得水神,因停飲而血痢也 或心腹疼痛蓋或為心胞絡也;若金上見火者,定是膈上有熱,咽喉舌頰窄悶喘促而有瘡也;若水上見土,下部有積塊;土上見水,脾胃上有冷痰。
若し火位の上に水神を得れば、あれは水が体内に停積して便血下痢を致し、あるいは心腹疼痛するなり、火は人身において心と心包絡に応じ、水来りてそれを克すれば便ち痛むをもってす。若し金位の上に火を見れば、必定胸膈に熱有り、咽喉・舌根・腮頬は窄悶にして暢からず、气喘急促にして瘡を生ず。若し水位の上に土を見れば、下腹に積塊の結する有るを主り、土位の上に水を見れば、脾胃の裏に冷痰の停まる有るを主る。
白虎乘休氣為子孫者,定是子孫病;為妻爻定是妻妾病;若臨本命上或日上,定是己身病也。臨時更於八門課式中取其與日為鬼,為刑,為害,帶何凶殺,位上所得何神將,參以休囚旺相斷之,方能盡妙矣。
白虎が衰退の休気に乗り、若しそれの臨む所が子孫爻なれば、病は子女の身上に在ると断じ、若し臨む所が妻財爻なれば、病は妻妾の身上に在ると断じ、若し本命の上あるいは日干の上に臨めば、あれはすなわち占者が自己病有るなり。臨事の時は、また八門課式の裏に回りて、どちらの一位が日干と官鬼を構成し・刑を構成し・害を構成し、何の凶煞を帯び、あの一位の上にまた何の神何の将を得たるかを看、再び旺・相・休・囚の気数を参合して通盤に断じ、こうしてこそ始めてその中の精妙を全部説き尽くすを得るなり。
假令七月乙巳日巳將亥時,辛酉人占。
一例を挙ぐ。七月裏、乙巳日、巳を用いて月将と為し、占時は亥時、占いに来る人の本命は辛酉なり。巳将を亥時の上に加えれば、月将と占時とは正に相冲し、起こし出すは返吟の課なり。
合 勾 龍 空 亥 子 丑 寅 玄 合 常 朱 子 乙巳 玄 朱戌 卯虎 巳 亥 辰 戌 父 辛亥 合 蛇酉 辰常 亥 巳 戌 乙 子 乙巳 玄 申 未 午 巳 貴 后 陰 玄
盤の中の各宮の上神はみな本宮と相冲す。地盤の巳上に天盤の亥を得、六合に乗る。午上に子を得、勾陳に乗る。未上に丑を得、青龍に乗る。申上に寅を得、天空に乗る。酉上に卯を得、白虎に乗る。戌上に辰を得、太常に乗る。亥上に巳を得、玄武に乗る。子上に午を得、天后に乗る。丑上に未を得、太陰に乗る。寅上に申を得、貴人に乗る。卯上に酉を得、螣蛇に乗る。辰上に戌を得、朱雀に乗る。四課は右より左に、第一課、乙木の寄宮は辰に在り、辰上に戌を得、朱雀に乗る。第二課、戌上に辰を得、太常に乗る。第三課、日支の巳上に亥を得、六合に乗る。第四課、亥上に巳を得、玄武に乗る。三伝は初巳(乙巳は玄武に乗る、乙木は巳火を生ず、是れ子孫爻)、中亥(辛亥は六合に乗る、亥水は乙木を生ず、是れ父母爻)、末はまた巳なり。乙巳日は甲辰一旬に属し、寅・卯の两位は旬空に落つ。
來意家中內屬雞小兒病,心腹疼痛、血痢頻並,脈氣相反,病症反覆,身體羸弱,只得脾胃氣壯,而善進飲食,至九月節病勢反增,至甲子日,脾胃因不能進食不可救也。
これに拠りて来人の意を断ずるに、家裏に一個の属鸡の小孩有りて生病し、心腹疼痛して、便血下痢は一陣に接して一陣起こり、脈象と病情と相い応ぜず、病勢は反反復復にして、身子は瘦弱にして堪えず。幸いなるに脾胃の気は還た壮んにして、飯は還た喫し下せり。しかるに九月節気に到りて、病勢は反って加重し、甲子のあの一天に到りて、脾胃敗壊し飯をも喫し下せざるに至りて、便ち救う可からず。
何知家內屬雞小兒病?蓋時為日支沖剋,主內動,又用起子孫爻死臨絕,故主小兒病,白虎臨酉,故知家內屬雞小兒病也。
何を憑りて家裏の属鸡の小孩の生病を知るや。占時の亥は日支の巳を冲克し、宅位は冲を受く、門内に事有るを主る。発用は子孫爻の巳より起こり、しかも巳火は亥に行き至れば便ち絶地、子孫は死絶の郷に落つ、ゆえに断じて小児に病有ると為す。再び看るに白虎この病神は酉位に臨み、酉は生肖に雞を配す、ゆえに断じて家中の属鸡の小孩と為す。
何知心腹疼痛、血痢頻並?以巳為心胞絡,上得元武水,克於火,故知心腹疼痛也。巳主血應赤色,水主黑色,水火相雜故曰血痢。末傳又得巳,故知血痢頻並。
何を憑りて心腹疼痛・便血頻作するを知るや。巳火は人身において心と心包絡に応ず、その上に却って玄武に乗り、玄武は水に属し、水来りて火を克す、ゆえに心腹作痛す。巳は血を主りその色は赤、水の色は黒、赤黒の両色は一処に攪わり、便ち下痢して血を帯ぶ。末伝はまた一個の巳にして、同象重ねて現る、ゆえに血痢は一陣に接して一陣、反復して止まずと言う。
脈氣相反者,用起火,故脈氣相反也。病症反覆者,卦得返吟也。身體羸困者,以值事門與中傳是亥,亥為幼子見六合為棺財,又用起死氣,故知羸困也。
脈象と病情と相反すと言うは、発用が巳火より起こるをもって、火性は上炎するも病は下痢に在り、脈と症とは背道して馳するをもってす。病勢の反反復復たると言うは、課体に得るは返吟にして、返吟は往来顛倒・去りて復た来るを主るをもってす。身子の羸弱困頓たると言うは、直事門と中伝とみな亥に落ち、亥は人事上に幼小の子を主り、その上に六合に乗り、六合はここに棺椁の象を取るをもってす。発用はまた死気の郷より起こる、ゆえにこの孩子は形容枯槁・困頓にして堪えずと断ず。
得脾胃氣吐壯而進飲食者,緣日上戌土,上得朱雀火,火生土,土主脾胃,故壯而進飲食也。
脾胃の気は尚お壮んにして還た飯を喫し下せるに至っては、日干の乙の寄せる所の辰宮の上に戌土を得、戌上にまた朱雀に乗り、朱雀は火に属し、火は来りて土を生じ、土は人身において脾胃に応ずるをもってす。脾胃は生を得れば便ち力有り、ゆえに飯食は照りて進む。(底本の「気吐壮」の「吐」は伝写の訛にして、「気壮」とすべし、今原字を存す。)
何知九月病勢反覆增,緣中傳亥八月為解神,九月則非解故也。甲子日胃困不能飲食者,緣日上戌土主脾胃,甲子旬空亡而脾敗而無力也。言不可救者,所賴解神與胃氣,今既無解神,又脾胃氣落空亡,故云不可救也。
何を憑りて九月に病勢反って加重するを知るや。中伝の亥は八月裏に解神を充当し、能く病人のために一分を化解す。一たび九月に入れば、亥は便ち再び解神の職に当たらず、救援は断え、病は自ずから転じて重し。甲子日に胃気困頓し飯をも喫し下せざるに至っては、日干の上の戌土が脾胃を主り、しかも甲子この一旬は正に戌・亥の两位を空にするをもって、脾胃の寄せる所の支は空に落ち、脾気は便ち敗壊して力無し。「無可救薬」を説くに、この人の倚仗する所は不過解神と胃気の両様なり。如今解神は既に失效し、脾胃の気はまた空亡の裏に落進み、両様みな断えたり、ゆえに救いなしと言う。
假令四月戊寅日申將酉時。
再び一例を挙ぐ。四月裏、戊寅日、申を用いて月将と為し、占時は酉時なり。申将を酉時の上に加えれば、天盤は地盤より退后して一位なり。白昼に占いに来りて酉時の課を起こし出すは、正に本章の義に合す。
合 朱 蛇 貴 辰 巳 午 未 虎 空 勾 合 財 丙子 虎 勾卯 申后 子 丑 卯 辰 財 乙亥 常 龍寅 酉陰 丑 寅 辰 戊 兄 甲戌 玄 丑 子 亥 戌 空 虎 常 玄
盤の中、地盤の巳上に天盤の辰を得、六合に乗る。午上に巳を得、朱雀に乗る。未上に午を得、螣蛇に乗る。申上に未を得、貴人に乗る。酉上に申を得、天后に乗る。戌上に酉を得、太陰に乗る。亥上に戌を得、玄武に乗る。子上に亥を得、太常に乗る。丑上に子を得、白虎に乗る。寅上に丑を得、天空に乗る。卯上に寅を得、青龍に乗る。辰上に卯を得、勾陳に乗る。四課は右より左に、第一課、戊土の寄宮は巳に在り、巳上に辰を得、六合に乗る。第二課、辰上に卯を得、勾陳に乗る。第三課、日支の寅上に丑を得、天空に乗る。第四課、丑上に子を得、白虎に乗る。三伝は初子(丙子は白虎に乗る)、中亥(乙亥は太常に乗る)、子亥の二水はみな戊土の克を受け、是れ財爻。末戌(甲戌は玄武に乗る、戊土と同類、是れ兄弟爻)。戊寅日は甲戌一旬に属し、申・酉の两位は旬空に落つ。
來意主外望北面陰暗之財,為一王姓人所把,其人怒惡兩分其財也。
これに拠りて来人の意を断ずるに、彼は外に在りて北方に一筆の光を見る得ざる財を弄せんと指望す。しかるにこの筆の財は却って一個の姓王の人に把持せらる。あの人の性情は暴躁凶悪にして、最後に両人は財を分かちて両份と為す。
蓋時上為日干三合,與空亡並又為夜時發用,亥子北面,值事門上見太陰主蒙蔽,神后登明俱為日下之財,又亥子為陰私,故知望北面陰私之財。
占時の酉と戊土の寄宮の巳とは三合を結成し、酉はまた正に本旬の空亡の裏に落ち、かつ白昼に起こし出す夜時の課にして、ここより発用す。亥・子は方位上に正北に属す。直事門の上に太陰に乗り、太陰は遮掩蒙蔽を主る。神后子と登明亥とはみな戊土に克せられ、みな日干の下の財にして、亥・子本身はまた陰私隠晦を主る。幾層の象は湊りて一処に合し、ゆえに彼の指望する所は北方の一筆の人に見る得べからざる暗財と断ず。
何知姓王人所把?緣末傳見天魁屬土,下臨亥屬水,水數一,一土為王字,天魁為奴,上見玄武,天魁亦取亥子為財,故為王姓所把。及本人怒惡,日上見天罡主怒惡,言兩分其財者,戊與戌俱取,二人為財拘也。
何を憑りて姓王の人に把持せらるるを知るや。末伝は天魁戌、戌は土に属し、それの下に地盤の亥に臨み、亥は水に属し水数は一。一横を土の上に加えれば、正に一個の「王」の字を拼成す。天魁は人事上に奴僕を主り、その上にまた玄武この盗竊の神に乗り、しかも天魁は同じく亥・子を把えて自己の財と看做す、ゆえにこの筆の財は姓王の人の手裏に落つ。あの人の性情暴躁凶悪たると言うは、日干の上に天罡辰を得、天罡は本り怒気悪行を主るをもってす。財を分かちて両份と為すと言うは、日干の戊と末伝の戌と両処ともにこの筆の財を取り、両個人は一斉にそれを扣住して放さざるをもって、只好く半分に分くのみ。
假令四月丙辰日申將丑時,丙寅人占。
再び一例を挙ぐ。四月裏、丙辰日、申を用いて月将と為し、占時は丑時、占いに来る人の本命は丙寅なり。申将を丑時の上に加えれば、天盤は地盤より順に七位進む。
合 勾 龍 空 子 丑 寅 卯 玄 朱 陰 合 兄 戊午 玄 朱亥 辰虎 午 亥 未 子 子 丑 勾 ◎ 蛇戌 巳常 亥 辰 子 丙 財 庚申 后 酉 申 未 午 貴 后 陰 玄
盤の中、地盤の巳上に天盤の子を得、六合に乗る。午上に丑を得、勾陳に乗る。未上に寅を得、青龍に乗る。申上に卯を得、天空に乗る。酉上に辰を得、白虎に乗る。戌上に巳を得、太常に乗る。亥上に午を得、玄武に乗る。子上に未を得、太陰に乗る。丑上に申を得、天后に乗る。寅上に酉を得、貴人に乗る。卯上に戌を得、螣蛇に乗る。辰上に亥を得、朱雀に乗る。四課は右より左に、第一課、丙火の寄宮は巳に在り、巳上に子を得、六合に乗る。第二課、子上に未を得、太陰に乗る。第三課、日支の辰上に亥を得、朱雀に乗る。第四課、亥上に午を得、玄武に乗る。三伝は初午(戊午は玄武に乗る、丙火と同類、是れ兄弟爻)、中丑(勾陳に乗る、丑土は丙火の生ずる所を受け、是れ子孫爻)、末申(庚申は天后に乗る、申金は丙火の克を受け、是れ財爻)。丙辰日は甲寅一旬に属し、子・丑は旬空に落つ、ゆえに中伝の丑の遁干は空缺して「◎」を標す。
來意主與鄰右無子婦女暗合事敗,不到官,至戊午日辰時,無事。
これに拠りて来人の意を断ずるに、彼は隣居の一個の生育無きの婦人と私通し、事情はすでに敗露せり。不過官府に鬧到るに至らず。戊午日の辰時に到れば、この樁の事は便ち完全に平息す。
何知鄰右?卦得比用。何知無子婦人暗合?蓋丑時為日干三合,傳送為日干六合,帶天后主厭翳,六合為私門,又用起元武,名泆女卦,豈不是陰暗私通,申為嗣部,上得天后子水為旬空,故知無嗣婦人也。
何を憑りて隣居なるを知るや。課体は「比用」を得、比用は両々相い比して隣り附着するの義を取るがゆえに、断じて左隣右舎と為す。何を憑りて子無きの婦人と私通するを知るや。占時の丑と丙の寄せる所の巳とは三合を結成し、末伝の伝送申はまた丙と六合を成し、両重の合象。申上に天后に乗り、天后は遮蔽掩蔵を主り、一課の起手の巳上にまた六合に乗り、六合は私門暗戸の象を取り、発用の位に再び玄武を見、課の名は「泆女」、専ら淫奔苟合を主る——これは豈に暗地の私通にあらずや。再び看るに申は子嗣を主る宮位にして、その上に天后の属する所の子水を得、しかも子は恰も旬空に落ち、子嗣の位は空に落つ、ゆえにあの婦人は生育無しと断ず。
何知事敗?緣日上神后水為鬼,初傳玄武、末傳天后水,共來剋日,焉得不敗。何知終不到官,日上鬼空,又時空亡也。
何を憑りて事情の敗露を知るや。日干の上は神后子水、水は丙火を克し、正に官鬼が頭に当たる。初伝の午上に玄武に乗り、末伝の申上に天后に乗り、この两位の天将もまたみな水に属し、一斉に来りて日干を克す。三重の水鬼は夾攻し、事情に豈に張揚し出さざるの道理有らんや。何を憑りて終に官府に鬧到らざるを知るや。日干の頭上のあの鬼は正に旬空の内に落ち、占時の丑は同じく空亡の支、鬼虚にして時も虚なれば、状を告げ成らず。
何知戊午日辰時無事?緣值事門與中傳大吉上得勾陳二土克水為今日救神,戊午日戊和勾陳大吉三土俱旺,至辰時水氣絕墓,觀二字加辰故知辰時無咎也。
何を憑りて戊午日の辰時に了結すると断ずや。直事門と中伝とみな大吉丑に落ち、丑上に勾陳に乗り、丑と勾陳とはみな土に属し、土は能く水を克し、正に今日の救神なり。戊午この一天に到れば、天干の戊・勾陳・大吉丑の三重の土は一斉に旺を得、水鬼は便ち圧制し住む能わず。再び辰時に到れば、水行は辰に至りて墓に入り絶に帰し、気数は已に尽く。土旺水絶の両象は辰この一位の上に加わる、ゆえに辰時の後は再び禍患無しと断ず。
時は日刑なりの章第十三
日刑者,謂寅刑巳,巳刑申,申刑寅名無恩刑,丑戌未名恃勢刑,子刑卯,卯刑子,名無禮刑,辰午酉亥名自刑,若壬日得亥時又以日德論,乙日得辰時又以日干之財論,故亥辰不當自刑,午酉子卯無日干相寄,亦無日刑也,
本章の「一字訣」は一つの「刑」の字に落ちる。いわゆる「日刑」は、占時と日干あるいは日干寄宮とが相刑を構成することを謂う。寅は巳を刑し、巳は申を刑し、申は寅を刑す、この一組を「無恩の刑」と叫び、丑・戌・未は互いに刑し、「恃勢の刑」と叫び、子は卯を刑し卯は子を刑す、「無礼の刑」と叫び、辰・午・酉・亥は各自本支を見、「自刑」と曰く。不過また具体の干支を看るを要す。壬日に亥時に遇えば、亥は壬の日徳、すなわち日徳に拠りて論ずべし。乙日に辰時に遇えば、辰は乙木の克する財、すなわち日干の財に拠りて論ずべし。ゆえに亥・辰のこの両個の自刑は壬日・乙日において并せて自刑と作して看ず。午・酉・子・卯の四位に至っては、どの天干の寄宮もその上に在らず、すなわち日刑を談ずるに及ばず。
若甲日得巳時主速動外憂事,蓋刑害兼全也。若丙日得申時,則主外動緊速和合事,為刑中有合也,若庚日得寅時,寅木乘旺氣,主東北上有緊速干財事,蓋刑中帶馬也負財故主財也。其餘諸刑取類言之。
甲日に巳時に遇えば、急速に身を動かし門外に憂有るを主る、甲は寅に寄せ、寅と巳とは既に相刑しまた相害し、刑害の両様みな斉うをもってす。丙日に申時に遇えば、門外に一樁の火急の和合の事有るを主る、丙は巳に寄せ、巳と申とは既に相刑しまた相合し、刑の中に合を帯ぶをもってす。庚日に寅時に遇えば、寅木はまた旺気に乗り、東北方向に一樁の火急の財を謀るの事有るを主る、庚は申に寄せ、申が寅を刑するの中にまた駅馬を帯び、馬は奔走を主り、寅木はまた庚金の克する財、ゆえに財を求むと断ず。その余の各種の刑は、みなこの路子に照らして比類して推求す。
勾 合 朱 蛇 寅 卯 辰 巳 合 貴 朱 后 官 戊午 貴 龍丑 午貴 卯 午 辰 未 財 乙卯 合 空子 未后 午 酉 未 辛 子 子 空 ◎ 亥 戌 酉 申 虎 常 玄 陰
底本はここにただ課盤有るのみにして「假令某日某将某時」の一行を脱去せり、今原樣に照らして存録し、擅りに補写せず。盤面に就きてこれを推すに、四課の日干は辛、日支は酉、天盤は地盤より退后して三位、占時の未は辛の寄せる所の戌と相刑し、正に本章の義に合し、知るべし是れ辛酉日辰将を未時に加えるの課。盤の中、地盤の巳上に天盤の寅を得、勾陳に乗る。午上に卯を得、六合に乗る。未上に辰を得、朱雀に乗る。申上に巳を得、螣蛇に乗る。酉上に午を得、貴人に乗る。戌上に未を得、天后に乗る。亥上に申を得、太陰に乗る。子上に酉を得、玄武に乗る。丑上に戌を得、太常に乗る。寅上に亥を得、白虎に乗る。卯上に子を得、天空に乗る。辰上に丑を得、青龍に乗る。四課は右より左に、第一課、辛金の寄宮は戌に在り、戌上に未を得、天后に乗る。第二課、未上に辰を得、朱雀に乗る。第三課、日支の酉上に午を得、貴人に乗る。第四課、午上に卯を得、六合に乗る。三伝は初午(戊午は貴人に乗る、午火は辛金を克す、是れ官鬼爻)、中卯(乙卯は六合に乗る、卯木は辛金の克を受け、是れ財爻)、末子(天空に乗る、辛金は子水を生ず、是れ子孫爻)。辛酉日は甲寅一旬に属し、子・丑は旬空に落つ、ゆえに末伝の子の遁干は空缺して「◎」を標す。
來意主本人慾往運司理會舊房錢,其外動必速,其中一姓馬人作鬼賊,卻得姓陳人力,至丁亥日見事務定作歸計。
これに拠りて来人の意を断ずるに、彼は転運司の衙門に到りて一筆の旧欠の房賃銭を交涉せんとす。この趟の出門は必定十分に急促なり。中間に一個の姓馬の人有りて鬼の如く中より作梗す。却って一位の姓陳の人を得て力を出して相幇す。丁亥この一天に到りて事情は始めて分暁を見、算是として了結す。
何知往運司理會舊房錢?蓋勝光發用,上見天乙,為三品衙門,中傳太沖主門戶,下臨午四正,為方象,配為房子,卯上得六合,俱為日下之財,故言房錢,既是三品衙門理會房錢,故言運司。
何を憑りて転運司に往きて旧房銭を交涉するを知るや。発用は勝光午、その上に天乙貴人に乗り、貴人は官品上に三品衙門に応ず。中伝の太冲卯は門戸を主り、卯は下に午に臨み、午は四正の一にして、方正の象を取る。門戸に方正の形体を配すれば、正に房屋なり。卯上にまた六合に乗り、卯木と午火とはみな辛金日干の克する財、ゆえに「房銭」と断ず。既に三品衙門に到りて房銭を交涉すれば、あの衙門は便ち財賦を掌り転運するの転運司なり。
何知動速,時為日刑又發用,午為道路,又天乙在酉在門,為勵德,故知外動必速。
何を憑りて行動の急促を知るや。占時の未は日干の寄宮と相刑し、しかもこの一刑の位はまた取って発用と為される。午は物象上に道路奔馳を主る。天乙貴人は酉位に臨み、酉は四仲の門戸の地にして、貴人は門に当たりて立ち、激励催促す、ゆえにこの趟の出門は必定風風火火にして、一刻も擱擔せらるべからずと断ず。
何知姓馬人作鬼賊,蓋初傳勝光為馬,為日鬼也。卻言得姓陳人力者,末傳神后水為曲阜,下臨卯為東字,相配為陳字,神后反克勝光日鬼,故言得姓陳人力。至丁亥是見歸計者,緣甲申旬午鬼落空,丁合壬與亥水克勝光也,不言戊子日者,緣戊為大殺也。
何を憑りて一個の姓馬の人有りて作祟するを知るや。初伝の勝光午は生肖に馬を為し、姓氏上にもまた馬姓を主り、しかも午火は辛金を克し、正に日干の官鬼、ゆえに彼は鬼賊の一般に作梗すと言う。姓陳の人を得て相助けると言うに至っては、末伝の神后子は水に属し、山阜屈曲の形を取りて左辺の耳旁を作し、それの下に地盤の卯位に臨み、卯は方位に東と為り、一個の「東」の字を取り、両半相配して便ち繁体の「陳」の字を成すをもってす。神后の子水はまた回頭して勝光午この日鬼を克制す、ゆえに姓陳の人を得て力を出すと断ず。丁亥日に到りて始めて結局を見ると言うは、甲申のあの一旬に到れば、午この鬼は恰好空亡の裏に落進み、丁と壬とは相合して水に化し、再加えて亥水、一同に去りて勝光午火を克するをもってす。何を為に戊子日を言わざるや。戊はこの一課の裏に大殺に当たり、凶にして用いる宜しからざるをもって、ゆえに避けて取らず。
時は日干の劫煞なりの章第十四 緊速の事を主る
魏陵叟曰:烏窮則攫,獸窮則搏,五行窮則絕,故立劫殺之號,所以攻劫也小人,行攻劫必緊速而來,若劫煞上,帶元武為鬼剋日,傳中更與刑害並者,常人俱主賊盜攻劫之禍,
本章の「一字訣」は一つの「劫」の字に落ちる。魏陵叟の言うには、鳥は絶路に逼まれば則ち爪を用いて人を抓み、獣は絶路に逼まれば則ち扑咬し、五行は窮尽の処に行き至れば便ち絶地に入る。ゆえに術家は「劫殺」この名目を立下し、取るは正に走投無路にして奮起して攻劫するの義なり。攻劫は小人の行徑にして、来勢は必定また急また猛なり。若し劫煞の所在の位に玄武を帯び、しかもこの一位がまた日干を克して官鬼と為り、三伝の中に再び刑・害と并び見れば、すなわち平常の百姓これに遇えば、みな盗賊の門に上りて劫掠するの禍有るを主る。
若日上救神旺,主賊畏我威而不敢發,若劫煞落空,即主賊盜虛驚之象,若劫煞帶吉將與日為合,而式中不見元武,而見日辰合者,主緊速和合事也。
若し日干の上の救神が正に旺なれば、あれは便ち賊人が我が威勢を畏懼して敢えて手を下さざるなり。若し劫煞が旬空の内に落てば、あれは不過一場の虚驚にして、賊は来り成らず。若し劫煞の上に帯ぶるが吉将にして、また日干と相合し、課の中に并せて玄武を見ず、反って日干日支の彼此成合を見れば、すなわち劫奪を主らずして、一樁の急として星火のごとき和合の喜事を主る。
假令六月辛未日午將亥時。
一例を挙ぐ。六月裏、辛未日、午を用いて月将と為し、占時は亥時なり。午将を亥時の上に加えれば、天盤は地盤より退后して五位なり。
朱 蛇 貴 后 子 丑 寅 卯 龍 貴 朱 玄 兄 癸酉 龍 合亥 辰陰 酉 寅 子 巳 父 戊辰 陰 勾戌 巳玄 寅 未 巳 辛 子 亥 合 ◎ 酉 申 未 午 龍 空 虎 常
盤の中、地盤の巳上に天盤の子を得、朱雀に乗る。午上に丑を得、螣蛇に乗る。未上に寅を得、貴人に乗る。申上に卯を得、天后に乗る。酉上に辰を得、太陰に乗る。戌上に巳を得、玄武に乗る。亥上に午を得、太常に乗る。子上に未を得、白虎に乗る。丑上に申を得、天空に乗る。寅上に酉を得、青龍に乗る。卯上に戌を得、勾陳に乗る。辰上に亥を得、六合に乗る。四課は右より左に、第一課、辛金の寄宮は戌に在り、戌上に巳を得、玄武に乗る。第二課、巳上に子を得、朱雀に乗る。第三課、日支の未上に寅を得、貴人に乗る。第四課、寅上に酉を得、青龍に乗る。三伝は初酉(癸酉は青龍に乗る、辛金と同類、是れ兄弟爻)、中辰(戊辰は太陰に乗る、辰土は辛金を生ず、是れ父母爻)、末亥(六合に乗る、辛金は亥水を生ず、是れ子孫爻)。辛未日は甲子一旬に属し、戌・亥は旬空に落つ、ゆえに末伝の亥の遁干は空缺して「◎」を標す。占時の亥は正に辛未日の劫煞に当たり、本章の義はすなわちここに在り。
來意主酒宴間有姓劉人做媒說親,一席便成其新婦,必是亥生也。
これに拠りて来人の意を断ずるに、一場の酒席の間に、一位の姓劉の人有りて出面して媒を做り親を提す。一頓の飯の工夫にこの門の親事は便ち説成せり。将に門を過ぎんとする新婦は、生年は必定属猪なり。
蓋時上見太常,主宴會,值事門見六合,豈不是酒宴,上與子孫說親也。發用從魁為今日等輩,酉為金刀故言姓劉,上見青龍吉將,主婚姻禮儀之慶,
占時の亥上に太常に乗り、太常は本り筵席宴飲を主る。天盤正時の上の直事門は六合に乗り、六合は婚姻和合を主る——両象并び見れば、正に酒宴の上に在りて子女のために親を議するなり。発用は従魁酉、酉は辛と同じく金に属し、日干と同輩の人を代表す。酉は字形上に「金」の旁に「刀」を配するを取り、合成して一個の「劉」の字、ゆえに媒人は姓劉と断ず。酉上にまた青龍この吉将に乗り、青龍は喜慶礼数を主る、ゆえに是れ一樁の礼儀に合乎する婚姻の喜事なり。
時為劫煞,主緊急,又中傳天罡為天馬,故言一席便成其新婦,亥生者,以末傳登明為子孫爻,故知其亥生也。
占時は正に劫煞に当たり、劫煞は事情の来ることまた急また速なるを主る。中伝の天罡辰はまた天馬にして、馬は動を主りて居らず。急煞と走馬と并び見れば、ゆえに一席の酒は還た散散ぜざるに、この門の親事は便ち定まり下ると言う。新婦の亥年に生まると断ずるに至っては、末伝の登明亥は辛金の生ずる所の子孫爻にして、婚を占えば子孫をもって対方の血脈帰属を論じ、亥はまた直に猪年を指すをもって、ゆえに彼女の亥年の所生を知る。
時は日破なりの章第十五 走失を主る
鼎祚聯珠經所載占課有忌時,甲乙日忌申酉時,丙丁日忌亥子時,戊己日忌寅卯時,庚辛日忌巳午時,壬癸日忌辰戌丑未時,為日下正財鬼合破為我祿而與我戰,故主破財走失之事。
本章の「一字訣」は一つの「破」の字に落ちる。李鼎祚の『聯珠経』の裏に記載する占課にいわゆる「忌時」有り。甲日・乙日は申時酉時を忌み、丙日・丁日は亥時子時を忌み、戊日・己日は寅時卯時を忌み、庚日・辛日は巳時午時を忌み、壬日・癸日は辰・戌・丑・未の四時を忌む。これらの時辰が忌と為る所以は、それらは日干に対して言えば本り正財にして、却って反って化して官鬼と為り、合わせて我が禄気を破り、我と敵と為るをもってす。財禄は冲破せられ、ゆえに財を破ると走失の事を主る。
若用神更為日鬼者,名天罡課,占病刑獄得之最為凶象,若中末傳見者其災稍緩,若時為日破上見凶神,式中見元武,所乘神遙制元與日為財,合者雖失物而復見也。
若し発用の神が同時にまた日干の官鬼なれば、これを「天罡課」と叫び、疾病を占し刑獄を占してそれに遇えば、最凶の象なり。若しこの鬼が発用に在らずして中伝・末伝に出現せば、災禍は便ち来ること緩やかにせん。若し占時が正に日破に当たり、その上にまた凶神を見、課の中に同時に玄武を現出し、しかも玄武の乗る所の神が遠処の神に制せられ、また日干と財あるいは合の関係を構成せば、すなわち東西は丟れたりと雖も、最後に還た尋ね回る能くす。
若時見日破上見凶神,式中見元武,所乘神克財爻者主失物難尋也,若傳中見天魁、從魁及太陰天空者,只主奴婢逃亡,若日上神並勾陳,所乘神遙制元武所乘神,受克多主盜賊自敗也。若元武乘神與日為鬼,並刑害者帶旺相,定主盜賊傷人也,若元武制勾陳,主捕人被傷也。
若し占時が日破に逢いて上に凶神を見、課の中にまた玄武を見、かつ玄武の乗る所の神が反って財爻を克伐せば、すなわち失物は尋ね回り難し。若し三伝の中に天魁戌・従魁酉および太陰・天空を見れば、あれは失物にあらず、ただ奴婢の逃走を主るのみ。若し日干の上の神が勾陳と并臨し、しかもこの一位がまた能く遥かに玄武の乗る所の神を制住せば、玄武は克を受け、多く盗賊が自ら敗露して網に落るを主る。若し玄武の乗る所の神が日干に対して正に官鬼にして、また刑・害を兼ね、かつ旺気相気を帯びれば、すなわち盗賊のまさに人を傷らんとするを断ず。若し反って玄武が勾陳を制住せば、勾陳は捕役を主り、あれはすなわち賊を捉える人が反って賊に傷られしなり。
若土為日破,傳得稼穡卦三傳,上見白虎、元武乘天馬,並六丁,主賊人自遠方來,乘騎會敘而行劫也。若水為日破,傳得潤下卦,帶元武者,即主北方乘舟渡水,遇賊損財。若在家,則主賊自北牆水竇中來也。
再び五行に拠りて分かちて説く。若し日破が土の上に落ち、三伝また合成して「稼穡」の土局を成し、上に白虎を見、玄武は再び天馬に乗り、并せて六丁遊神に就けば、すなわち賊人は遠方より来りて、牲口に騎り伙を結び相い約して来りて劫を行うを主る。若し日破が水の上に落ち、三伝は合成して「潤下」の水局を成し、また玄武を帯びれば、すなわち北方に在りて船に乗り水を渡るの途中に賊に遇い財を失うを主る。若し人が家中に在れば、則ち賊は北面の墻下の水溝洞穴の裏より鑽りて入るを主る。
若火為日破,傳得巳午炎上卦,主賊自南方窯冶中持火炬來,且放火燒人屋宇也。若金為日破,傳得申酉從革與元武並而乘旺者,主賊自西方來,持兵仗傷人,不可當也。若日落空亡則不見是事,若在辰上主傷外人,其賊所藏位方備載前經茲不復錄。
若し日破が火の上に落ち、三伝は巳午の合成する「炎上」の火局なれば、すなわち賊は南方の窯場冶坊の一帯より火把を挙げて過り来り、しかも還た火を放ちて人の房屋を焼くを主る。若し日破が金の上に落ち、三伝は申酉の合成する「従革」の金局にして、また玄武と并臨して旺気に乗れば、すなわち賊は西方より来りて、手に兵器を持ちて人を傷り、その勢い凶猛にして抵当し難し。若し日干が旬空に落てば、これらの事は便ちみな発生せず。若し日破が日支の上に落てば、あれは傷るは外人にして自己の家裏人にあらず。賊人の蔵身する具体の方位に至っては、前代の経書の裏にすでに載すること詳備なり、ここでは再び重録せず。
假令壬申日申將未時,癸酉人占。
一例を挙ぐ。壬申日、申を用いて月将と為し、占時は未時、占いに来る人の本命は癸酉なり。申将を未時の上に加えれば、天盤は地盤より順に一位進む。
蛇 朱 合 勾 午 未 申 酉 龍 勾 常 虎 官 乙丑 常 貴巳 戌龍 戌 酉 丑 子 子 丙寅 玄 后辰 亥空 酉 申 子 壬 子 丁卯 陰 卯 寅 丑 子 陰 玄 常 虎
盤の中、地盤の巳上に天盤の午を得、螣蛇に乗る。午上に未を得、朱雀に乗る。未上に申を得、六合に乗る。申上に酉を得、勾陳に乗る。酉上に戌を得、青龍に乗る。戌上に亥を得、天空に乗る。亥上に子を得、白虎に乗る。子上に丑を得、太常に乗る。丑上に寅を得、玄武に乗る。寅上に卯を得、太陰に乗る。卯上に辰を得、天后に乗る。辰上に巳を得、貴人に乗る。四課は右より左に、第一課、壬水の寄宮は亥に在り、亥上に子を得、白虎に乗る。第二課、子上に丑を得、太常に乗る。第三課、日支の申上に酉を得、勾陳に乗る。第四課、酉上に戌を得、青龍に乗る。三伝は初丑(乙丑は太常に乗る、丑土は壬水を克す、是れ官鬼爻)、中寅(丙寅は玄武に乗る)、末卯(丁卯は太陰に乗る)、寅卯木は壬水の生ずる所より出で、みな子孫爻なり。壬申日は甲子一旬に属し、戌・亥の两位は旬空に落つ。占時の未は正に壬日の日破に当たり、本章の義はすなわちここに在り。
來意主在外,因姓王人失了水牛一隻,為眼疾老男子老陰人相逐,牽牛往東北去,其牛終不可得也。
これに拠りて来人の意を断ずるに、事情は外頭に発生し、彼は一個の姓王の人のところより一頭の水牛を丟れたり。牛は一個の眼病を患る老頭と一個の老婦人とに合伙して赶り去られ、彼らは牛を牽きて東北方向に往きて去れり。この頭の牛は最終に尋ね回るべからず。
何知在外失牛?蓋時日三合故知在外,不言和合,而言失物者,丑為日鬼故言在外失物。
何を憑りて外頭に在りて牛を丟れたるを知るや。占時の未と日干の壬の寄せる所の亥・日支の申とは一路に三合を結成し、合は日干この一辺に在り、日干は外を主る、ゆえに断じて門外の事と為す。既に三合なれば、何を為に和合の喜事と断ぜずして、反って失物と断作するや。発用の丑土は壬水を克し、是れ日干の官鬼をもってす。合の中に鬼を帯びれば、合は便ちその吉と為るを成さず、ゆえに断じて外に在りて物を失うと為す。
何知姓王人失牛?發用大吉為日鬼,下臨子水,水一數配土為王字,大吉為牛,中傳功曹乘元武克大吉為賊,豈不是失牛也,言水牛者,月建得壬字故言水也。
何を憑りて姓王の人の丟牛を知るや。発用は大吉丑、丑土は壬水を克し、是れ日干の官鬼。それの下に地盤の子位に臨み、子は水に属し水数は一、一横を土の上に配せば、正に一個の「王」の字を拼成す。大吉丑は物象上に正に牛なり。中伝の功曹寅上に玄武に乗り、寅木は丑土を克し、玄武はまた盗神、賊は来りて牛を克す、豈に正に牛を丟るの象にあらずや。「水牛」と言うは、日干が壬の字を得、壬は水に属すをもって、牛は便ち水性を帯ぶ。
何知患目老男子並老陰人,蓋寅為老翁,元武為眼疾人,卯上見太陰,主老陰人,寅卯相連故言逐也。言東北者下臨丑也。何知終不可見,以占時發用本命俱為日鬼,又日落空亡,故言終不見也。
何を憑りて眼病を害む老頭と一個の老婦を知るや。中伝の寅は人物の取象上に老翁を主り、寅上に玄武に乗り、玄武は病象上に眼疾を主り、合わせて便ち眼病を患る老男子なり。末伝の卯上に太陰に乗り、太陰は年長の婦人を主る。寅・卯の两位は首尾相接する、ゆえに両人は一同に牛を赶きて走ると言う。東北に往くと言うは、寅が下に地盤の丑位に臨み、丑は東北に在るをもってす。何を憑りて牛が終に尋ね回るべからざると断定すや。占時の未・発用の丑と来人の本命癸酉の臨む所の位は、処処みな日を克する官鬼にして、しかも日干の壬の寄せる所の亥はまた正に旬空の内に落つ。自身は既に虚にして、鬼はまた満盤、ゆえにこの頭の牛は終に見ることなからんと言う。
假令七月壬午日巳將戌時。
再び一例を挙ぐ。七月裏、壬午日、巳を用いて月将と為し、占時は戌時なり。巳将を戌時の上に加えれば、天盤は地盤より退后して五位なり。
合 朱 蛇 貴 子 丑 寅 卯 虎 朱 朱 玄 財 壬午 玄 勾亥 辰后 申 丑 丑 午 官 丁丑 朱 龍戌 巳陰 丑 午 午 壬 父 申 虎 ◎ 酉 申 未 午 空 虎 常 玄
盤の中、地盤の巳上に天盤の子を得、六合に乗る。午上に丑を得、朱雀に乗る。未上に寅を得、螣蛇に乗る。申上に卯を得、貴人に乗る。酉上に辰を得、天后に乗る。戌上に巳を得、太陰に乗る。亥上に午を得、玄武に乗る。子上に未を得、太常に乗る。丑上に申を得、白虎に乗る。寅上に酉を得、天空に乗る。卯上に戌を得、青龍に乗る。辰上に亥を得、勾陳に乗る。四課は右より左に、第一課、壬水の寄宮は亥に在り、亥上に午を得、玄武に乗る。第二課、午上に丑を得、朱雀に乗る。第三課、日支の午上に丑を得、朱雀に乗る。第四課、丑上に申を得、白虎に乗る。三伝は初午(壬午は玄武に乗る、午火は壬水の克を受け、是れ財爻)、中丑(丁丑は朱雀に乗る、丑土は壬水を克す、是れ官鬼爻)、末申(白虎に乗る、申金は壬水を生ず、是れ父母爻)。壬午日は甲戌一旬に属し、申・酉は旬空に落つ、ゆえに末伝の申の遁干は空缺して「◎」を標す。占時の戌は正に壬日の日破に当たる。
來意主解失驢西北去十三里外,有一姓賈人所得其驢,至甲午日往牛市得信,自往姓賈處收得,至甲午日果然。
これに拠りて来人の意を断ずるに、彼は一頭の驢を丟れ、驢は西北方向に往きて十三里の外に跑出せり。一個の姓賈の人に拾得せらる。甲午この一天に到りて、彼は牛馬市の上に到りて消息を打聴して得、親みずから姓賈の人の家裏に到りて驢を領回せり。後来甲午日に到りて果然として応験せり。
蓋時為日破上得青龍,發用勝光為日下之財,元武臨之本合失馬,以勝光無氣故言失驢,不言賊而言失者,以財在日上手上不難取也。勝光數九,玄武數四,相併得十三里也。
占時の戌は壬日の日破にして、その上に青龍に乗る。発用の勝光午は壬水の克する所を受け、是れ日干の下の財にして、玄武はそれの上頭に臨む。常例に拠れば午は馬と為し、玄武が馬に臨めば本り馬を丟ると断作すべきに、ただ勝光は此時無気にして力量足らず、一匹の馬の分量に及ばざるをもって、ゆえに一等を退きて驢を丟ると断作す。玄武有るに既りて何を為に賊に偸まれしと言わず、ただ走失を言うや。此個の財爻は便ち日干の頭上に落ち、等しく自己の手辺に在るがごとく、取り回すは并せて難からず、ゆえにただ走失にして失竊にあらず。十三里の路程に至っては、勝光午の定数は九、玄武の定数は四を加え、九に四を加えて十三を得るをもってす。
何知姓賈人收得,末傳歸計門白虎加申,主西字又主貝字,配成賈字。何知牛市得驢信,蓋甲申旬勝光空亡,至甲午旬填實,又午為日財,故言甲午日復見,而喜壬與申相生,故言自往得驢也。
何を憑りて姓賈の人が拾い去るを知るや。末伝は帰計門、白虎は申位に加臨す。申は方位上に西に属し、一個の「西」の字を取り、白虎は金に属し金と玉と相類す、一個の「貝」の字を取り、西と貝と上下相配して、正に一個の「賈」の字なり。何を憑りて牛馬市の上に在りて消息を得しを知るや。甲申のあの一旬に到れば、勝光午は恰も空亡に落ち、音信は通ぜず。再び甲午旬に転じ至れば、午は干支に填実を得、虚なる者は実に変じ、消息は便ち露い出づ。午はまた壬日の財にして、財は復た現ればすなわち物は復た現る、ゆえに甲午日に重ねて見るを断ず。しかも末伝の申金は能く壬水を生じ、両下相生す、ゆえに彼が親みずから一趟去りて便ち驢を領りて回ると言う。
