国風
侵阮徂共。王赫斯怒,爰整其旅,以按徂旅。以篤於周祜,以對於天下。
侵阮徂共(しんげんそきょう・阮を侵して共に徂く)。王赫斯怒(おうかくしど・王は赫然として怒り)、爰整其旅(えんせいきりょ・爰に其の旅を整え)、以按徂旅(いあんそりょ・以って徂旅・莒に往く軍を按・止める)。以篤于周祜(いとくおしゅうこ・以って周祜に篤くし)、以對于天下(いついおてんか・以って天下に對・答える)。
依其在京,侵自阮疆。陟我高岡,無矢我陵。我陵我阿,無飲我泉,
依其在京(いきざいけい・其の京に依り在り)、侵自阮疆(しんじげんきょう・阮疆より侵す)。陟我高岡(ちょくがこうこう・我が高岡に陟り)、無矢我陵(むしがりょう・我が陵に矢・陳べるな)。我陵我阿(がりょうがあ)、無飲我泉(むいんがせん・我が泉を飲むな)。
我泉我池。度其鮮原,居岐之陽,在渭之將。萬邦之方,下民之王。
我泉我池(がせんがち)。度其鮮原(たくきせんげん・其の鮮原を度す)、居岐之陽(きょきしよう・岐の陽に居り)、在渭之將(ざいいししょう・渭の將・傍に在る)。萬邦之方(ばんぽうしほう・萬邦の方・法則)、下民之王(げみんしおう・下民の王)。
帝謂文王:予懷明德,不大聲以色,不長夏以革。不識不知,順帝之則。
帝謂文王、予懷明德(よかいめいとく・予は明德を懷す)。不大聲以色(ふだいせいいしょく・聲を色に大きくせず)、不長夏以革(ふちょうかいかく・夏楚・鞭を以って長せず)。不識不知(ふしきふち・識らず知らず)、順帝之則(じゅんていしそく・帝の則に順う)。
帝謂文王:訽爾仇方,同爾弟兄。以爾鉤援,與爾臨沖,以伐崇墉。
帝謂文王、詢爾仇方(じゅんじきゅうほう・爾の仇方・友邦に詢え)、同爾弟兄(どうじていけい・爾の弟兄を同じくし)。以爾鉤援(いじこうえん・爾の鉤援・鉤梯を以って)、與爾臨衝(よじりんしょう・爾の臨衝・臨車衝車と)、以伐崇墉(いばつすうよう・崇墉を伐つ)。
臨沖閒閒,崇墉言言。執訊連連,攸馘安安。是類是禡,是致是附,
臨衝閑閑(りんしょうかんかん・臨衝は閑閑として從容)、崇墉言言(すうようげんげん・崇墉は言言として高大)。執訊連連(しゅうしんれんれん・訊を執ること連連)、攸馘安安(ゆうかくあんあん・馘・取った左耳は安安として)。是類是禡(ぜるいぜば・是に類し是に禡・軍祭する)、是致是附(ぜちぜふ・致し附せ)。
四方以無侮。臨沖茀茀,崇墉仡仡。是伐是四,是絕是忽。四方以無拂。
四方以無侮(しほういむぶ・四方は以って侮無し)。臨衝茀茀(りんしょうふつふつ・茀茀として強盛)、崇墉仡仡(すうようきつきつ・仡仡として高聳)。是伐是肆(ぜばつぜし・伐ち肆・撃つ・「是四」は「是肆」の誤字)、是絕是忽(ぜぜつぜこつ・絶し忽・滅す)。四方以無拂(しほういむふつ・拂・違逆なし)。
經始靈臺,經之營之。庶民攻之,不日成之。經始勿亟,庶民子來。
經始靈臺(けいしれいだい・靈臺を經始す)、經之營之(けいしえいし・經り營る)。庶民攻之(しょみんこうし・庶民が之を攻・作る)、不日成之(ふじつせいし・日ならずして之を成す)。經始勿亟(けいしぶつきょく・經始するに亟ぐな)、庶民子來(しょみんしらい・庶民は子の如く來る)。
王在靈囿,麀鹿攸伏。麀鹿濯濯,白鳥翯翯。王在靈沼,於牣魚躍。
王在靈囿(おうざいれいゆう・王は靈囿に在り)、麀鹿攸伏(ゆうろくゆうふく・麀鹿は攸く伏す)。麀鹿濯濯(ゆうろくたくたく・濯濯として肥澤)、白鳥翯翯(はくちょうかくかく・白鳥は翯翯として白い)。王在靈沼(おうざいれいしょう)、於牣魚躍(おじんぎょやく・牣・満ちて魚が躍る)。
虡業維樅,賁鼓維鏞。於論鼓鍾,於樂辟雍。
虡業維樅(きょぎょういしょう・虡業・鐘鼓の架は樅・崇牙あり)、賁鼓維鏞(ほんこいよう・賁鼓と鏞・大鐘)。於論鼓鍾(おろんこしょう・論・序次して鼓鍾を打つ)、於樂辟廱(おらくへきよう・辟廱に樂す)。
於論鼓鍾,於樂辟雍。鼉鼓逢逢。矇瞍奏公。
於論鼓鍾、於樂辟廱。鼉鼓逢逢(だこほうほう・鼉鼓は逢逢と鳴る)。矇瞍奏公(もうそうそうこう・矇瞍・盲楽師が公を奏す)。
下武維周,世有哲王。三後在天,王配於京。
下武維周(かぶいしゅう・武を下・継ぐは周)、世有哲王(せいゆうてつおう・世に哲王あり)。三后在天(さんこうざいてん・三后は天に在り)、王配于京(おうはいおけい・王は京に配・副う)。
王配於京,世德作求。永言配命,成王之孚。
王配于京、世德作求(せいとくさくきゅう・世德が求を作す・世の德を追求す)。永言配命、成王之孚(せいおうしふ・王の孚・信を成す)。
成王之孚,下土之式。永言孝思,孝思維則。
成王之孚、下土之式(げどししき・下土の式・法)。永言孝思(えいげんこうし・永く言に孝を思う)、孝思維則(こうしいそく・孝思は維に則)。
媚茲一人,應侯順德。永言孝思,昭哉嗣服。
媚茲一人(びしついちじん・茲の一人に媚び愛す)、應侯順德(おうこうじゅんとく・侯・當に順德に應ず)。永言孝思、昭哉嗣服(しょうさいしふく・昭やかなり服を嗣ぐ・先人の事を嗣ぐ)。
昭茲來許,繩其祖武。於萬斯年,受天之祜。
昭茲來許(しょうしらいきょ・茲に來許・後來を昭かにす)、繩其祖武(じょうきそぶ・其の祖武・祖先の跡を繩・繼ぐ)。於萬斯年(おばんしねん・萬斯の年に於き)、受天之祜(じゅてんしこ)。
受天之祜,四方來賀。於萬斯年,不遐有佐。
受天之祜、四方來賀(しほうらいが・四方が來り賀す)。於萬斯年、不遐有佐(ふかゆうさ・遐・何ぞ佐あらざらん)。
文王有聲,遹駿有聲。遹求厥寧,遹觀厥成。文王烝哉!
文王有聲(ぶんおうゆうせい・文王に聲あり)、遹駿有聲(いつしゅんゆうせい・遹・遂に駿・大いに聲あり)。遹求厥寧(いつきゅうけつねい・厥の寧を求め)、遹觀厥成(いつかんけっせい・厥の成を觀る)。文王烝哉(ぶんおうしょうさい・文王は烝・盛んなり)。
文王受命,有此武功。既伐於崇,作邑於豐。文王烝哉!
文王受命(ぶんおうじゅめい)、有此武功(ゆうしぶこう・此の武功あり)。既伐于崇(きばつおすう・既に崇を伐ち)、作邑于豐(さくゆうおほう・豐に邑を作る)。文王烝哉。
築城伊淢,作豐伊匹。匪棘其欲,遹追來孝。王后烝哉!
築城伊淢(ちくじょういいく・城を築き淢・隍を為す)、作豐伊匹(さくほういひつ・豐を作りて匹・配う)。匪棘其欲(ひきょくきよく・其の欲を棘・急がない)、遹追來孝(いつついらいこう・遹に來孝・先人への孝を追う)。王后烝哉(おうこうしょうさい・王后は烝なり)。
王公伊濯,維豐之垣。四方攸同,王后維翰。王后烝哉!
王公伊濯(おうこういたく・王公は伊濯・顯著)。維豐之垣(いほうしえん・豐の垣)、四方攸同(しほうゆうどう・四方の攸く同ずる所)。王后維翰(おうこういかん・翰・幹)。王后烝哉。
豐水東注,維禹之績。四方攸同,皇王維闢。皇王烝哉!
豐水東注(ほうすいとうちゅう・豐水は東に注ぐ)、維禹之績(いうしせき・禹の績)。四方攸同、皇王維辟(こうおういへき・皇王は維に辟・君)。皇王烝哉。
鎬京辟雍,自西自東,自南自北,無思不服。皇王烝哉!
鎬京辟廱(こうけいへきよう・鎬京に辟廱あり)。自西自東(じせいじとう)、自南自北(じなんじほく)、無思不服(むしふふく・思い來て服せざるなし)。皇王烝哉。
考卜維王,宅是鎬京。維龜正之,武王成之。武王烝哉!
考卜維王(こうぼくいおう・卜を考・問うは王)、宅是鎬京(たくぜこうけい・是の鎬京に宅・居る)。維龜正之(いきせいし・維に龜が之を正・定む)、武王成之(ぶおうせいし・武王が之を成す)。武王烝哉。
豐水有芑,武王豈不仕?詒厥孫謀,以燕翼子。武王烝哉!
豐水有芑(ほうすいゆうき・豐水に芑あり)。武王豈不仕(ぶおうきふし・武王は何ぞ仕・事せざらん)。詒厥孫謀(いけっそんぼう・厥の孫に謀を詒る)、以燕翼子(いえんよくし・燕・安んじ翼・輔けて子を)。武王烝哉。
厥初生民,時維姜嫄。生民如何?克禋克祀,以弗無子。
厥初生民(けっしょせいみん・厥の初めて民を生む)、時維姜嫄(じいきょうげん・時に姜嫄)。生民如何(せいみんじょか・民を生むこと如何)。克禋克祀(こくいんこくし・能く禋し祀る)、以弗無子(いふつむし・無子を弗・祓う)。
履帝武敏歆,攸介攸止,載震載夙。載生載育,時維后稷。
履帝武敏歆(りていぶびんきん・帝の武敏・足跡の拇に履みて歆・動く)、攸介攸止(ゆうかいゆうし・攸く介ぎ攸く止まる)。載震載夙(さいしんさいしゅく・載に震・娠し載に夙・肅まる)。載生載育(さいせいさいいく)、時維后稷(じいこうしょく・時に后稷)。
誕彌厥月,先生如達。不拆不副,無菑無害。以赫厥靈。
誕彌厥月(たんびけつげつ・誕に厥の月を彌・滿す)、先生如達(せんせいにょたつ・先生は達・小羊の如く滑らか)。不坼不副(ふたくふふく・坼・裂けず副・破れず)、無菑無害(むさいむがい・菑害なし)。以赫厥靈(いかくけつれい・以って厥の靈を赫・顯す)。
上帝不寧,不康禋祀,居然生子。
上帝不寧(じょうていふねい・上帝は寧ならず)、不康禋祀(ふこういんし・禋祀を康・樂しまない)、居然生子(きょぜんせいし・居然として子を生む)。
誕寘之隘巷,牛羊腓字之。誕寘之平林,會伐平林。
誕寘之隘巷(たんちしあいこう・誕に之を隘巷に寘く)、牛羊腓字之(ぎゅうようひじし・牛羊が之を腓・庇い字・乳む)。誕寘之平林(たんちしへいりん・平林に寘く)、會伐平林(かいばつへいりん・平林を伐るに會す)。
誕寘之寒冰,鳥覆翼之。鳥乃去矣,后稷呱矣。
誕寘之寒冰(たんちしかんぴょう・寒冰に寘く)、鳥覆翼之(ちょうふくよくし・鳥が翼を以って之を覆う)。鳥乃去矣(ちょうだいきょい・鳥は乃ち去る)、后稷呱矣(こうしょくこい・后稷は呱と泣く)。
實覃實訏,厥聲載路。誕實匍匐,克岐克嶷。以就口食。
實覃實訏(じつたんじつく・實に覃・長く實に訏・大きい)、厥聲載路(けっせいさいろ・厥の聲は路に載・滿つ)。誕實匍匐(たんじつほうふく・誕に實に匍匐・這うことを能くす)、克岐克嶷(こくきこくぎく・岐・物を識り嶷・識別を能くす)。以就口食(いしゅうこうしょく・以って口食に就く)。
蓺之荏菽,荏菽旆旆。禾役穟穟,麻麥幪幪,瓜瓞唪唪。
蓺之荏菽(げいしじんじゅく・荏菽・大豆を蓺る)、荏菽旆旆(じんじゅくはいはい)。禾役穟穟(かえきすいすい・禾役・穂列は穟穟と垂れる)。麻麥幪幪(まばくもうもう)、瓜瓞唪唪(かてつほうほう)。
誕后稷之穡,有相之道。茀厥豐草,種之黃茂。實方實苞,實種實褎。
誕后稷之穡(たんこうしょくししょく・后稷の穡・稼穡)、有相之道(ゆうそうしどう・相・助ける道あり)。茀厥豐草(ふつけつほうそう・厥の豐草を茀・除く)、種之黃茂(しゅうしこうぼう・之に黃茂の嘉穀を種く)。實方實苞(じつほうじつほう・實に方・芽を吐き實に苞・苞む)。
實發實秀,實堅實好。實穎實栗,即有邰家室。
實種實褎(じつしゅじつしゅう・種・苗を出し褎・莖を抽く)、實發實秀(じつはつじつしゅう・發し秀・穂を出す)。實堅實好(じつけんじつこう・堅くし好くす)、實穎實栗(じつえいじつりつ・穎・穗を垂れ栗・衆多)。即有邰家室(そくゆうたいかしつ・即ち邰に家室を有する)。
誕降嘉種,維秬維秠,維穈維芑。恆之秬秠,是獲是畝。
誕降嘉種(たんこうかしゅ・嘉種を降す)、維秬維秠(いきょいひ・秬・黒黍と秠・一稃二米)、維穈維芑(いびいき・穈・赤粱と芑・白粱)。恆之秬秠(こうしきょひ・秬秠を恆・遍く種く)、是獲是畝(ぜかくぜぼう・是に獲り是に畝に積む)。恆之穈芑(こうしびき)。
恆之穈芑,是任是負。以歸肇祀。
是任是負(ぜにんぜふ・是に任げ是に負う)、以歸肇祀(いきちょうし・歸りて肇・始めて祀る)。
誕我祀如何?或舂或揄,或簸或蹂。釋之叟叟,烝之浮浮。
誕我祀如何(たんがしじょか・我が祀ること如何)。或舂或揄(かくしょうかくゆ・或いは舂き或いは揄・舀む)、或簸或蹂(かくはかくじゅう・或いは簸き或いは蹂む)。釋之叟叟(しゃくしそうそう・釋・米を淘ぐこと叟叟と)、烝之浮浮(しょうしふふ・烝・蒸すこと浮浮と)。
載謀載惟。取蕭祭脂,取羝以軷,載燔載烈,以興嗣歲。
載謀載惟(さいぼうさいい・謀り惟れる)。取蕭祭脂(しゅしょうさいし・蕭を取り脂に祭る)、取羝以軷(しゅていいばつ・羝・牡羊を取り以って軷・道神に祭る)。載燔載烈(さいはんさいれつ・燔し烈・炙る)、以興嗣歲(いこうしさい・嗣・繼ぐ歲を興す)。
卬盛於豆,於豆於登。其香始升,上帝居歆。胡臭亶時。
卬盛于豆(こうせいおとう・盛ること豆に)、于豆于登(おとうおとう・豆に登に)。其香始升(きこうししょう・其の香は始めて升る)、上帝居歆(じょうていきょきん・上帝は居て歆・享ける)。胡臭亶時(こしゅうたんじ・胡臭・香りは亶に時・善い)。
后稷肇祀。庶無罪悔,以迄於今。
后稷肇祀(こうしょくちょうし・后稷は肇めて祀る)。庶無罪悔(しょむざいかい・庶幾く罪悔なし)、以迄于今(いきつおこん・以って今に迄る)。
敦彼行葦,牛羊勿踐履。方苞方體,維葉泥泥。
敦彼行葦(とんぴこうい・敦たる行葦・路傍の叢生葦)、牛羊勿踐履(ぎゅうようぶつせんり・牛羊は踐履する勿れ)。方苞方體(ほうほうほうたい・方に苞み方に體・成形す)、維葉泥泥(いようねいねい・其の葉は泥泥として柔らかい)。
慼慼兄弟,莫遠具爾。或四之筵,或授之幾。
戚戚兄弟(せきせきけいてい・戚戚として親しむ兄弟)、莫遠具爾(ばくえんぐじ・遠ざかるなく具に爾・近づけ)。或肆之筵(かくししえん・或いは筵を肆・敷き・「或四之筵」の「四」は「肆」の誤字)、或授之几(かくじゅしき・或いは几を授く)。
四筵設席,授幾有緝御。或獻或酢,洗爵奠斝。
肆筵設席(しえんせっせき・筵を肆し席を設く・「四筵」の「四」は「肆」の誤字)、授几有緝御(じゅきゆうしゅうぎょ・几を授け緝御・相續いて侍する者有り)。或獻或酢(かくけんかくさく・或いは獻じ或いは酢す)、洗爵奠斝(せんしゃくでんか・爵を洗い斝を奠く)。
醓醢以薦,或燔或炙。嘉餚脾臄,或歌或咢。
醓醢以薦(たんかいいせん・醓醢を以って薦ず)、或燔或炙。嘉殽脾臄(かこうひしゃく・嘉殽は脾と臄・口上の肉)、或歌或咢(かくかかくがく・或いは歌い或いは咢・鼓のみで唱う)。
敦弓既堅,四鍭既均,舍矢既均,序賓以賢。
敦弓既堅(とんきゅうきけん・敦・彫弓は既に堅し)、四鍭既鈞(しかくききん・四鍭・金鏃の矢は既に鈞・均一)。舍矢既均(しゃしききん・矢を舍・放つこと既に均)、序賓以賢(じょひんいけん・賓を序するに賢を以って)。
敦弓既句,既挾四鍭。四鍭如樹,序賓以不侮。
敦弓既句(とんきゅうきこう・敦弓は既に句・引滿す)、既挾四鍭(ききょうしかく)。四鍭如樹(しかくにょじゅ・四鍭は樹の如し・的に樹立つ如く)、序賓以不侮(じょひんいふぶ・不侮・侮慢せざるを以って賓を序す)。
曾孫維主,酒醴維醽,酌以大斗,以祈黃耇。
曾孫維主(そうそんいしゅ・曾孫は維に主たり)、酒醴維醹(しゅうれいいじゅ・酒醴は維に醹・厚い)。酌以大斗(しゃくいたいと・大斗を以って酌む)、以祈黃耇(いきこうこう・黃耇を祈る)。
黃耇臺背,以引以翼。壽考維祺,以介景福。
黃耇鮐背(こうこうたいはい・黃耇・鮐背)、以引以翼(いいんいよく・以って引き以って翼・輔く)。壽考維祺(じゅこういき・壽考は維に祺・吉祥)、以介景福。
既醉以酒,既飽以德。君子萬年,介爾景福。
既醉以酒(きすいいしゅ・酒を以って既に醉えり)、既飽以德(きほういとく・德を以って既に飽きたり)。君子萬年、介爾景福(かいじけいふく)。
既醉以酒,爾餚既將。君子萬年,介爾昭明。
既醉以酒、爾殽既將(じこうきしょう・爾の殽は既に將・進む)。君子萬年、介爾昭明(かいじしょうめい・昭明を介す)。
昭明有融,高朗令終,令終有俶。公屍嘉告。
昭明有融(しょうめいゆうゆう・昭明は融・長く有り)、高朗令終(こうろうれいしゅう・高朗として令終・善い終りあり)。令終有俶(れいしゅうゆうしゅく・令終に俶・善い始めあり)、公尸嘉告(こうしかこく・公尸が嘉・善く告ぐ)。
其告維何?籩豆靜嘉。朋友攸攝,攝以威儀。
其告維何(きこくいか・其の告は何ぞ)。籩豆靜嘉(へんとうせいか・籩豆は靜・潔く嘉い)。朋友攸攝(ほうゆうゆうせつ・朋友の攸く攝・佐ける所)、攝以威儀(せついいぎ・威儀を以って攝す)。
威儀孔時,君子有孝子。孝子不匱,永錫爾類。
威儀孔時(いぎこうじ・威儀は孔く時・宜し)、君子有孝子(くんしゆうこうし・君子に孝子あり)。孝子不匱(こうしふき・孝子は匱・乏しまない)、永錫爾類(えいしゃくじるい・永く爾に類・善類を錫う)。
其類維何?室家之壺。君子萬年,永錫祚胤。
其類維何(きるいいか・其の類は何ぞ)。室家之壺(しつかしこん・室家の壺・宮中)。君子萬年、永錫祚胤(えいしゃくそいん・祚胤を錫う)。
其胤維何?天被爾祿。君子萬年,景命有僕。
其胤維何(きいんいか)。天被爾祿(てんひじろく・天は爾に祿を被・覆う)。君子萬年、景命有僕(けいめいゆうぼく・景命に僕・附屬あり)。
其僕維何?釐爾女士。釐爾女士,從以孫子。
其僕維何(きぼくいか)。釐爾女士(りじじょし・爾に女士を釐・賜う)。釐爾女士、從以孫子(じゅういそんし・從いて孫子あり)。
鳧鷖在涇,公屍在燕來寧。爾酒既清,爾餚既馨。公屍燕飲,福祿來成。
鳧鷖在涇(ふえいざいけい・鳧鷖・鴨鷗が涇に在り)、公尸來燕來寧(こうしらいえんらいねい・公尸が來て燕し來て寧んず)。爾酒既清(じしゅきせい)、爾殽既馨(じこうきけい・殽は既に馨・香しい)。公尸燕飲(こうしえんいん)、福祿來成(ふくろくらいせい)。
鳧鷖在沙,公屍來燕來宜。爾酒既多,爾餚既嘉。公屍燕飲,福祿來為。
鳧鷖在沙(ふえいざいさ・沙に在り)、公尸來燕來宜(らいぎ・宜しく來る)。爾酒既多(じしゅきた)、爾殽既嘉(じこうきか)。公尸燕飲、福祿來為(ふくろくらいい・為・助く)。
鳧鷖在渚,公屍來燕來處。爾酒既湑,爾餚伊脯。公屍燕飲,福祿來下。
鳧鷖在渚(ふえいざいしょ)、公尸來燕來處(らいしょ・處る)。爾酒既湑(じしゅきしょ・酒は既に湑・清い)、爾殽伊脯(じこういほ・殽は伊脯・乾肉)。公尸燕飲、福祿來下(ふくろくらいか)。
