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占六壬第二十八(京本は第十七に列す)・四十五首

唐 · 易静 · 第6巻 / 6

作盤ガイド: 暦注(黄暦), 万年暦

看行動,只取京本作「在」日辰推。若在貴人前實是京本作「是實」,三傳同去此辛本、川本作「此去」無京本作「此不須」疑,反此卻難移。 看天馬,辰戌亦同前。京本注:「魁罡也。」若在支干京本作「干支」應空辛本、川本、京本作「定」發,更還加季不京本作「主」留連,人馬鬧京本作「更」喧喧。 占虛實,後六作天空。若在干支虛事定,天空為煞最朦朧,虛妄禍辛本、川本作「更」、京本作「更望更」重重。

軍隊の行止動靜を看るに、ただ「日辰」を取って推算す。若し日辰が「貴人」の前に落つれば、得る所の情形はすなわち眞實なり。三傳皆同一方向に朝いて去れば、この行疑慮する要なし。若しこれと相反なれば、貴人は前に在りて三傳散亂し、軍隊は調動し難し。 「天馬」を看るに、辰・戌兩支の推法は前面と相同じ。京本の注に曰く、辰戌はすなわち「魁罡」なり、と。天馬若し日の干支上に落つれば、就一定要發動す。更に四季の支に加臨しても、滯留せず、人馬喧鬧して將に開拔せん。 事情の虛實を占するに、「天后」の後の第六位を以て「天空」と爲す。天空若し日の干支上に落つれば、事情必ず虛なり。天空は凶煞と爲して最も朦朧不實にして、虛妄の傳言の背後は禍患重々なり。

占主客,勝負蚤須知。甲乙丙丁並戊子辛本、川本作「己」、京本作「字」,陽時出戰主凶危,此事決京本作「定」無疑。 占宿次,今夜定如何。太乙天罡太沖上,支干見者恐奔過京本作「波」,準辛本、川本、京本作「整」備禦兵戈京本作「預防他」。 看歲月,沖破時辛本、川本、京本作「下」推之。上將行年居此位辛本、川本、京本作「下」,師行辛本、京本作「侯」身必有凶危,禳厭始無虧。月將加所得之時,看支乾上見魁罡星者主驚潰。將帥行年上見魁罡者宜禳之。

主客の勝負を占するに、早くより分曉を知るべし。甲・乙・丙・丁と戊己のこれらの日子に逢いて、陽時に出戰すれば凶危を主る。この一點斷然疑いなし。 今夜の宿營の吉凶如何を占するに、若し「太乙」「天罡」「太衝」のここらの神が日の干支の上に落つれば、恐怕奔逃驚擾の事あらん。兵戈を整備して嚴加防禦すべし。 流年と月份とを看るに、衝破の時辰の下に推算すべし。若し主將の行年が正にこの位置に落つれば、出師の時自身に必ず凶危あり、禳厭の法を行して初めて虧損に致らず。舊注に曰く、月將を得たる時辰の上に加え、干支上に若し「魁罡」星を見れば、軍中驚潰するを主る。將帥の行年上に魁罡を見るは、當に禳解すべし、と。

看六害,用將及傳中。若見定知他捷京本作「健」利,更兼惡京本作「月」將定重凶,不卻無凶京本作「為雄」。 後三五,前四將年辰。若被日沖兼被辛本、川本作「破」害,被刑之辛本、川本作「亡」者負於人,好記認為真。 參詳取,太歲頭上京本作「上頭」神。若克貴京本作「能責」人虛詐事,太陰六合辛本、川本作「後」、京本作「神后」偽為京本作「非」真,防備見傷人。

「六害」を看るに、用神・將神と三傳の中に察看すべし。「六害」は彼此相妨げる神なり。若しこれらの幾處に見れば、對方の捷利を斷定し得べし。更に凶惡の將を加えれば、それは凶の上に凶を加うるなり。この時法を設けて退避せざれば、凶禍を免れず。 後三位・後五位と前四位のここらの將神、および行年・日辰、若し日辰に衝せられまた刑害せられば、則ち刑を受くる一方は人に敗るべし。よくこの一條を記え、確實に信ずべし。 參詳の時は太歲の頭上の臨む所の神を取るべし。それが若し「貴人」を克せば、虛假詐僞の事あるを主る。再び「太陰」「六合」に逢えば、則ち更に假を以て眞に亂る。人の傷を受くるあるを防備するを須とす。

聞賊去,大吉是其元。若在乾辛本、川本、京本作「前」時應末去,若臨乾辛本、川本、京本作「賊」後是虛傳,勿聽此狂言。 他軍走京本作「是」,虛實辛本、川本、京本作「的」好參陳。神剋日辰天馬並,傳揚定去必無人,此兆決然真。 經險路,惟是京本作「則」、辛本、川本作「為則」忌天罡。加孟前行喜辛本、川本、京本作「應」不喜,罡臨四仲己中傷,加季後京本作「複」逃亡。

敵人の退走を聽説するに、「大吉」の丑神を以て主要の依據と爲すべし。それが若し前面の時辰に臨めば、敵人は未だ去らざるを説明す。若し後面に臨めば、あの消息はすなわち虛傳にして、この狂言を聽信するなかれ。 敵軍が果して退走するや否や、虛實はよく參詳すべし。若し課中の神が日辰を克し、また「天馬」と並び臨めば、則ち傳揚して出る消息は屬實にして、敵人は必ずすでに空に走り、この兆象は確鑿として信ずべし。 險要の道路を經過するに、最も「天罡」を忌む。天罡が四孟の支に加臨すれば、前行未だ必ずしも喜ばず。天罡が四仲に臨めば、自身將に傷を受けん。四季の支に加臨すれば、則ち後隊の逃亡を主る。

兵行次,四季獄神凶。春卯京本注:「夏午。」順京本注:「四季。」雷京本作「來」居震位,辰年艮京本作「日辰年」上忌相逢,臨著失勛功。 游都將,並殺又重傷。若遇德鄉神並合京本、辛本、川本作「神並合將」,加臨不克又加京本作「有嘉」祥,降虜我軍強。 游都將,剋日至行年。約束京本作「若屬」我軍牢固守,若辛本、川本作「莫」教見陣必遭愆京本作「邅」,不卻為賢。

行軍の途中、四季の「獄神」は凶と爲す。春は卯、夏は午に在り、その餘は依次に類推す。雷は震位に居り、辰年は艮位の上に皆相逢するを忌む。碰上すれば將に功勳を丟失せん。 「游都」この將神は、若し凶殺と並び臨めば、傷害將に加倍せん。若し「德鄉」に遇上してかつ吉神の將と合し、加臨して相克せざれば、かえって吉祥を增添し、敵虜の來降・我軍の強盛を主る。 「游都」の將神が日辰を克しかつ行年の上に克到れば、我軍を約束して牢く固守すべし。若し部隊をして臨陣交鋒せしめば、必ず殃に遭わん。この時退避して初めて賢明と算す。

主年上,須要克游都。克得此宮為大勝,多應擒捉賊京本作「客」酋徒,半虜半降誅。 游都將,玄武與勾陳。白虎年將須穩審辛本、川本作「害」,休囚絕氣不傷人,旺相卻京本作「即」殘身。 玄武將,斷例與前同。無克後三皆大勝,後三來京本作「未」克主皆凶,卻是京本作「試」審其中。

主將行年の上は、能く「游都」を克住すべし。能くこの一宮を克住すればすなわち大勝にして、多くは敵方の酋首を擒獲し得、俘虜一半・招降誅戮一半せん。 「游都」の將神は「玄武」「勾陳」と同類なり。「白虎」と年將ともまた穩妥に審察すべし。これらの凶將若し休囚絕氣の地に處すれば人を傷らず。若し旺相にして氣あれば、かえって自身を殘害せん。 「玄武」この將神は、斷法前面と相同じ。後三位來り相克せざれば皆大勝なり。後三位來り克せば、則ち一概に凶と爲す。この中間に仔細に審辨すべし。

勾陳將,忌克主行年。若克行年多敗死,行年無京本作「多」克見勛全,審細去參詮。勾陳克玄武,主勝。 凶神將,又克主行年。若遇行年克前四,此是交戰京本作「勝」勝當先,喜躍信京本作「作」超辛本、川本作「趨」前。 軍勝負,六害卦中凶。更作惡神並惡將,直須固守候時辛本、川本、京本作「晴」風,懼辛本、川本、京本作「俱」慎莫前衝。

「勾陳」この將神は、最も主將の行年に克到するを忌む。行年に克到すれば、多く敗亡を主る。行年が克を受けざれば、則ち功勳周全なり。細細に參詳詮解すべし。舊注に曰く、勾陳が玄武を克するは、我方の勝を得るを主る、と。 凶神凶將がまた主將の行年に克到するは、もとより利ならず。但し若し行年が反って前四位を克住すれば、則ち交戰して當に先に勝を取る象なり。歡欣鼓舞して奮勇向前し得べし。 軍隊の勝負、若し課中に「六害」あればすなわち凶なり。更に惡神惡將の並び臨を加えれば、ただ堅守し、天時風候の轉好を等候し、謹慎戒懼して向前衝擊するなかれ。

游都將,臨日在如今。辰上見之明日是,支乾不見辛本、川本作「是」用前神,三二是朝迍。 聞賊去,仔細驗天罡。若在孟方猶未去,忽然加仲已商量,加季發他鄉。 三傳將,遙日辛本、川本、京本作「見」覓支干。將見支干休進戰,三神被克我軍京本作「神」安,必獲彼旗旛。

「游都」の將神が日干上に臨めば、應驗はすなわち當日に在り。辰上に臨めば、應驗は明天に在り。干支上に皆見えざれば、前一位の神を取って推し、應期は兩三天の內に困厄あらん。 敵人の退走を聽説するに、「天罡」を仔細に驗看すべし。天罡が四孟の方に在れば、敵人は未だ走らず。忽然四仲に加臨すれば、すでに撤退を商議するを説明す。四季に加臨すれば、則ちすでに開拔して別處に往きたり。 三傳の將神は、日の干支に對して尋覓すべし。將神若し干支の上に見えば、進戰するなかれ。若し三神克せられば、我軍安穩にして、必ず敵方の旗幟を繳獲し得べし。

課中惡,忌見戰雌神。傳送是春登明夏,秋寅冬巳愛傷人,日與喜神親京本作「發動愈重迍」。 行軍京本作「兵」課,惟有伏吟時。兵伏自然軍勿進,預憂中道有儉京本作「陰」奇,審課要知機。 行兵京本作「軍」課,切忌反吟凶。若遇喜神應解退,惡神立敗禍來沖,反複我軍中。

課中の凶惡、最も「戰雌」の神を見るを忌む。春は「傳送」、夏は「登明」、秋は寅・冬は巳に在り。これらは皆人を傷り易し。ただ日辰と喜神とが相親近する時のみ解く可し。 行軍に課を起こすに、若し「伏吟」の時に遇上せば——三傳と四課とが重疊して動かず——兵象は伏して發せず、自然軍隊は前進に宜しからず。また預め途中に陰謀奇變あるを憂慮すべし。課を審する人は能くこの機微を識得し、ただ吉神を看て課體を忽略すべからず。 行軍に課を起こすに、最も「反吟」の凶を忌む——三傳と四課とが彼此相衝して、事情來回顛倒す。若し喜神に遇上せば、還って解退し化開し得べし。若し惡神に逢えば、立刻敗亡して禍患衝來し、我軍の中に必ず反覆動蕩を生ぜん。

熒惑煞,只是丙丁神。加在金方兵已退,亦無征戰不傷人,發動愈重迍京本作「日與喜神親」。 看課內,太白是庚辛。若在東方奸賊至,天罡加孟急京本作「疾」如神,警備要專勤。 課中聖,惟是戰雄並。四季孟神雄將位與戰對沖是也,若居喜將得相生,旺相更為榮。

「熒惑」の煞は、すなわち丙丁の火神なり。それが金方に加臨すれば、敵兵すでに退くを主り、また征戰あらず人を傷るに至らず。但しそれが一旦發動し起これば、困厄は更に深重なり。 課中の「太白」を看るに、すなわち庚辛の金神なり。それが若し東方に落つれば、奸賊將に至らんとするを主る。更に「天罡」が四孟に加臨すれば、來勢の速きこと神の如く、戒備は必ず専一勤謹なるべし。 課中に最も靈驗なるは、ただ「戰雄」の並び臨あり。舊注に曰く、四季と四孟の神の居る所の雄將の位、「戰」と相對沖するはすなわちこれなり、と。それが若し喜將と同居して相生を得、更に旺相を加えれば、更に榮顯なり。

看課上,與下要相生。上克下兮須損失,逢占惡將京本作「要逢虛將」必須驚,喜京本作「吉」將喜無爭。 何煞重,天狗是其殃。無殺福神相次惡,天雷並者是京本作「也」無妨,三殺可商量京本作「參商」。 勾陳將,玄武共相親。帶煞並加為惡煞,若逢相剋不宜軍京本作「君」,有煞便相侵。

課を看るに、上神と下神とが相生すれば好し。上が下を克すれば將に損失あらん。惡將を占得れば必ず驚を受け、喜將に遇上せば、則ち歡喜して爭鬥なし。 どの種の煞が最重きや。「天狗」の禍殃最も重し。凶殺なくしてただ福神の依次に惡に轉ずるは、還って輕し。「天雷」と並び臨むもなお妨げなし。「三殺」に至っては、則ち別に斟酌商量を要す。 「勾陳」と「玄武」の兩將は互相親近す。若し凶煞を帶びて並び加えば、すなわち惡煞と成る。若しまた相克に逢えば、軍隊に利あらず。ただ煞あるごとに、將に來りて相侵せん。

三刑內,最惡是天罡。或是季兮為日上,沖加四煞必相傷,夜即恐驚忙京本作「亡」。魁罡臨日,主大將死,臨辰,主小將死,日辰俱臨,俱死。 課驚怖,日上細尋推。辰巳太沖加日上,若逢蛇雀見凶危,複手也如之。大吉加日,宜急去,不可住,辰上見太沖,夜必有風雨,若神后太乙加日辰,夜有賊盜。旺相必見,無氣則不見。 課驚怖,辰巳卯三辰。無殺相並天馬並,用之發課不宜人,虛殺總相親。

三刑の中、最も凶惡なるは「天罡」なり。若しそれが四季の支に落ちて日に臨み、再び四煞を衝加せば、必ず互相傷害し、夜裏更に恐怕驚亂奔忙せん。舊注に曰く、魁罡が日干に臨めば大將死するを主り、日辰に臨めば小將死するを主る。日と辰と皆臨到せば、則ち大小將俱に死す、と。 課中に驚怖の事を主るは、日の上に細細に推尋すべし。辰・巳と「太衝」とが日に加え、若しまた「螣蛇」「朱雀」に逢えば、すなわち凶危を見、手を覆して課を翻すも亦た同じ。舊注に曰く、「大吉」が日に加えば、迅速に離開するに宜しく、停留すべからず。辰上に「太衝」を見れば、夜裏必ず風雨あり。若し「神後」「太乙」が日辰上に加えば、夜裏に賊盜あり。これらの神は旺相の時に必ず應驗し、氣なければ則ち應ぜず、と。 課中に驚怖を主るは、辰・巳・卯のこの三箇の地支を看るべし。若し凶殺の相併なくしてただ「天馬」と並び臨めば、則ちこの一課を以て發動するは人に對して利ならず、各種の虛煞皆圍攏して來らん。

移伏起,陽日在中傳。陰則未傳君記取,覺知如此見由緣,照處是推源。 欲捕捉,玄武定三傳。相剋三傳皆捉得,相生不克是無緣,好記不虛言。 三傳克,剋日易前擒。抉京本作「決」出疾行方始得,奸人移伏恐軍侵,離日卻難尋。

推移伏藏の事は何處より起こる。陽日は中傳を看、陰日は則ち末傳を看、主上は記住すべし。この點を明白にすれば、事情の由來を看出し得、この處に照らして根源を推尋し得べし。 盜賊逃犯を捕捉せんと欲すれば、「玄武」を以て三傳を定む。三傳相克すれば、皆捉るを得。若し相生して相克せざれば、すなわち捉獲の緣なし。よく記住せよ、これは空話に非ず。 三傳相克し、しかも日干に克到すれば、前面に於て擒獲し易し。必ず果決に迅速に出動して初めて手に得べし。奸人は轉移藏匿し、恐怕軍隊を侵擾せん。一旦日の範圍を離開せば、尋獲し難し。

傳課中京本作「內」,蛇雀與勾陳。蛇主虛驚雀主火,亦兼音信又公文,仔細好推論。 傳白虎,相剋戰傷人。無氣不傷途死損,天空依舊京本作「積」是空陳,旺處是窮貧。 占行路,逐日定占之。有氣青龍並六合,錢財倉庫定無疑,多獲彩縑持。

傳課の中の「螣蛇」「朱雀」と「勾陳」は、螣蛇は虛驚を主り、朱雀は火災を主り、も兼ねて音信と公文の事を主る。仔細によく推論すべし。 三傳中に「白虎」を見るに、若し相克せば、交戰して人を傷るを主る。若し白虎に氣なければ、人を傷らず、ただ途中に死損あるを主る。「天空」は舊の如く空虛陳設の象にして、たとえ旺處に落つるも窮困貧乏を主る。 行路の事を占するに、日を逐いて推占すべし。若し「青龍」に氣ありてかつ「六合」と同じく臨めば、則ち錢財倉庫の利は必ず疑いなく、還って彩繒細絹の一類の財物を多獲し得べし。

將一二,兼持京本作「赤」忌勾陳。若見後三並五六,因為發卦不宜軍,進步必遭迍。 將軍吏,支干審占之。大吉小吉支乾上,天罡加孟以同推,不戰兩無疑。 後五六,即是我軍傷。六帥有人虛詐說,日辰不克也無妨,剋日不宜良。

將神が第一・第二位に在り、同時にまた「勾陳」を忌む。若し更に後三位と第五・第六位とを見て並び臨めば、則ちこうして出る課卦は軍隊に利あらず、前進すれば必ず困厄に遭遇せん。 將軍と軍吏の事を占するに、日の干支を審察すべし。若し「大吉」の丑と「小吉」の未とが干支上に落ち、「天罡」また四孟に加臨すれば、同一の法に照らして推斷し、兩邊皆交戰せず、この一點疑いなし。 後五位・後六位は、則ち我軍の傷を受くるを主る。六位の將帥の中に人ありて虛言詐説す。若し日辰來り相克せざれば、倒って妨げなし。若し日干に克到せば、吉利ならず。

醫方第二十九・十六首

眾軍聚,駐札已經時。多有相蒸人辛本、川本作「多」氣鬱,使軍疫瘴見災危,一一與君知。 如瘴氣,鶻骨火燒將。便去上風焚此物,眾人聞此滅災殃,從此得安康。 轉筋腳,急去使生薑。新水一鍾煎五合,飲之即去總無妨,主將記心腸。

大軍聚集し、駐紮すでに時日些かあり、人多く氣聚まり彼此熏蒸し、鬱結して散らざれば、軍中に疫癘瘴氣を生じて災危に遭わしめん。以下逐條に軍中の常用の應急方劑を列出し、一々主上に講じて知らしめ、營中に預め備辦せしめん。 如果瘴氣に遇上せば、鶻骨を取りて火を以て燒くべし。上風口に到りてこの物を焚燒し、衆人をして皆この煙氣を聞かしめば、災殃便能に消除し、これより安康を得べし。 脚部が筋を轉じ抽搐すれば、急いで生薑を用う。新汲の水一鍾を取り、五合に煎じ、喝下すれば症狀即刻消退して全く妨げなし。主將はこの方子を心に記すべし。

金刃重,速翦馬牛毛。二件一同燒作末,敷之血止自然消,皮血便堅牢。 金傷者,香白芷為靈。細嚼噀敷瘡口上,更將暖酒飲七分辛本作「酒下七分功」,細說與君聽。 金傷者,甚渴急辛本作「即」非常。切忌休將水與飲,飲之必定有乖張,肥膩即無妨。

刀刃の傷重きは、急いで馬毛と牛毛とを剪取し、兩樣一同に燒いて灰末と成し、傷口に敷けば便能に血を止め、腫痛自然消退し、皮肉と血脈と便ち牢固なり。 金刃の傷に、香白芷を用いるが最も靈驗なり。細細に嚼碎したる後に瘡口上に噴敷し、更に七分の暖酒を以て送服す。この方子は細細に主上に講じ聽かす。 金刃に傷つきたる人、口渴急迫の異常なり。この時切に水を與えて飲ましむるを忌み、飲まば必ず亂子を出さん。些か肥膩の物を與うるは倒って妨げなし。

金傷處,傷腦及天蒼辛本作「倉」。臂中脈跳並心內,鳩尾五臟小腹胱。醫者不能當。 金傷者,腦髓出非常。頸咽喉中聲沸者,兩目直視痛難當,血似水流辛本作「泉」塘。似此,皆不治而難醫也。 金瘡法,閒時備急方。五月五日平明節,採其諸草搗成漿,石灰共作湯。

金刃の傷つきたる部位、若し傷が腦部と「天倉」穴に在り、あるいは臂中の動脈跳動の處および心臟の內に傷あり、あるいは鳩尾・五臟と小腹膀胱に傷あれば、これらの地方は醫者皆力及ばず。 金刃に傷つきたる人、若し腦髓流出異常にして、頸咽喉中に沸に沸響の聲を發し、兩眼直視して疼痛忍び難く、血は池塘泉水の如く涌流す。舊注に曰く、このようなのは皆不治の症に屬し、醫救し難し、と。 金瘡を醫治する辦法は、平時に於て應急の藥を備えるを要す。五月初五端午の日天剛に明るくなる時に、各種の藥草を采集して漿に搗り、更に石灰と一同に調して藥湯と成して存えて備用とす。

遭毒箭,更兼馬汗方。大頭(上亡下蟲蟲)蟲端午取,去翅陰乾為末霜,挑破藥敷瘡。次用醋打麵糊紙壓瘡口上,即追出毒氣也。 軍或患,發背及癰疽。人屎糞盤下潤土,碾細篩羅貼敷之,豬膽共調施。 人霍亂,吐瀉有方高。生薑二辛本作「三」兩須炮過,芭蕉一兩去皮熬,五兩大黃燒。大黃炒過為末,蜜為丸,如梧桐子大,每服三丸,以利為度;如不利,以米粥投藥。

毒箭に中り、同時に馬汗の瘡に入るを兼治する方子。端午の日に大頭の虻蟲を捕取し、翅膀を去り陰乾し、霜の如き細末に研成す。瘡口を挑破して、更に藥をその上に敷く。舊注に曰く、随いて醋を以て面糊を調して紙の上に塗りて瘡口を壓えば、便能に毒氣を拔出す、と。 軍中若し人ありて發背と癰疽とを患えば、糞盤の下面の濕潤の泥土を取り、碾細し過篩し、患處に貼敷し、更に猪膽汁を以て調和して施用す。 人が霍亂を患え上吐下瀉するに、高明の方子あり。生薑二兩は炮製したるを須とし、芭蕉一兩は皮を去り熬煮し、大黃五兩は燒過す。舊注に曰く、大黃は炒過して末に研し、蜜を以て梧桐子大の丸藥を作り、每に三丸を服し、通利を以て度とす。若し通利せざれば、米粥を以て送服す、と。

急喉閉,青艾汁須靈。滴下自消血破出,逡巡不救損於人,切記在心勤。 冬月內,無葉艾枝枯。草內急尋蛇床子,燒煙入口自消除,速救免災虞。 軍人眾,涉水冒霜多。手腳面皮皆裂拆,麥葉濃煮汁相過,熱洗即安和。 山瘴氣,嵐谷用恆山。獨頭大蒜烏梅肉,速將酒煮便能痊,謹記此良言。恆山二兩,獨頭蒜一兩,烏梅二十枚,咬咀,用酒二盞,煎至一大盞,分為二服。初一服未發時吃,次一服已發時吃。

急性の喉閉に、青艾汁を用いるが最も靈驗なり。滴下すれば自ずから消解し、瘀血破出して氣道通暢す。若し拖延して救わざれば、將に人の性命を害せん。務めて心に牢記し勤く照料すべし。 冬月の裏艾草葉なく枝幹枯萎する時は、急いで草叢の中に蛇牀子を尋覓し、煙を燒き出して口中に引入せば、喉閉自然消除す。迅速に施救して初めて災患を釀成するを免る。 軍中人多く、常に水を渉り霜を冒す。手脚と面部の皮膚皆開裂皴破す。麥葉を濃く煮て汁を濾取し、熱に乘じて患處を清洗せば、安好を得べし。 山中の瘴氣・嵐谷の毒は、恒山すなわち常山を以て治し、獨頭大蒜と烏梅肉とを配し、急いで酒を以て煮て服下せば痊愈し得。謹んでこの良言を記すべし。舊注に曰く、恒山二兩・獨頭蒜一兩・烏梅二十枚を一併に㕮咀して切碎し、酒兩盞を以て一大盞に煎じ、兩次に分かちて服す。第一服は病未だ發作せざるに喫し、第二服はすでに發作するに喫す、と。

馬藥方第三十・四首

常灌馬,黃柏與黃連。升麻大黃山梔子,胡鹽青黛鬱金仙,等分勿令偏。 相馬法,要試歲年何。鼻上金字十八歲,四字八歲不年多,八字四年過。

平常に馬に藥を灌るに、黃柏と黃連とを用い、更に升麻・大黃・山梔子・胡鹽・青黛・郁金を加え、各藥の分量は均等にして、偏多偏少あることなかれ。 馬を相する法は、その年歲を驗すべし。馬鼻上に「金」の字紋を現ずるは、十八歲なり。「四」の字紋を現ずるは、八歲にして年歲なお大ならず。「八」の字紋を現ずるは、四年餘りなり。

鼻上赤,二十歲無零。馬鼻若青三十歲,公字雖辛本作「須」當念五乘,此象最辛本作「甚」分明。 馬瘟病,急取獺之肝。肚內將來去屎洗,煮汁啖灌便平安,牢記在心間。

馬鼻上に赤色を發するは、整二十歲にして零頭を帶びず。馬鼻若し青色を發すれば、それは三十歲なり。「公」の字紋を現ずるは、當に二十五歲と作して計算すべし。これらの征象は最も分明なり。 馬が瘟病を得れば、急いで水獺の肝を取り、肚腸を連ねて取來し、糞穢を去り洗淨し、汁に煮成して馬に喂灌せば、平安を得べし。牢牢に心間に記すべし。

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