Libo

42.病の官鬼を忌む

宋 · 麻衣道者 · 第6巻 / 8

作盤ガイド: 六爻納甲の立卦, 大衍筮法

以財為祿,以鬼為祟;鬼爻旺相,獨發大忌。

病を占う時は、妻財爻を以て飲食・禄養を代表し、官鬼爻を以て祟を作すの病邪を代表す。官鬼の旺相はもと已に好からず、それがもしなお独り発動するは、あれはさらに大忌なり。

凡占婦人病,喜子孫旺相,持世,安靜;忌財伏鬼下,兄弟持世,兄弟獨發。世克應,內克外,主吐;應克世,外克內,主瀉。

およそ婦人の病を占うは、子孫爻の旺相にして世を持ちしかも安静なるを喜ぶ。子孫は能く官鬼を剋制すればなり。財爻の鬼下に伏するを忌み、兄弟の持世を忌み、兄弟の独発を忌む。世爻が応爻を剋し内卦が外卦を剋するは、嘔吐を主る。応爻が世爻を剋し外卦が内卦を剋するは、泄瀉を主る。

或問:婦人病占喜子孫旺相、世安何也?答曰:此即用財以子孫輔之義。忌財伏鬼、兄弟持世,即用財伏兄之義。

人が問うていう。婦人の病を占うに、なぜ子孫の旺相・世爻の安静を喜ぶか。答えていう。婦人は財を以て用神と為す。これまさに前面に説ける「妻財を用いるは子孫を以て之を輔く」の道理なり。財の鬼下に伏するを忌み兄弟の持世を忌むに至っては、あれはまさに「用財の兄に伏す」一章の道理なり。

又問:內克外何故主吐?曰:內為腹、外為口也,外克內主瀉。

また問うていう。内卦が外卦を剋するはなぜ嘔吐を主るか。答えていう。内卦は是れ腹、外卦は是れ口、腹中の気が上に冲して口に至るがゆえに吐く。反って外卦が内卦を剋するは、気は自ら上より下に向かって圧すがゆえに泄瀉を主る。

43.病の父・兄を忌む

主爻伏鬼,或伏兄弟;或伏父母,旺相大忌。

病を占う時は、病人を代表する主爻がもし官鬼の下に伏し、あるいは兄弟の下に伏し、あるいは父母の下に伏する、この三様は皆好からず。それを圧するあの一爻がもしなお旺相なれば、さらに大忌なり。

亂動之卦,只取主爻,大抵休囚、伏兄弟、父母、官鬼之下,克世者死。蓋兄無食,父母無藥,官鬼真病。凡得八純、游魂卦,病者決主沉重,占小兒主死。

六爻の乱動の卦は、ただ病人を代表する主爻を取りて断ず。大抵主爻が休囚にして、また兄弟・父母・官鬼の三者の下に伏し、而もこの幾爻がなお来たって世を剋するは、病人は死せん。伏するに兄弟の下なれば便ち飯を喫し進む能わず、父母の下なれば便ち医すべき薬なく、官鬼の下なれば則ちあの病邪の本身がまさに真の病なればなり。およそ八純卦・游魂卦を揚得するは、病人は一定に沈重。小児の病を占うは、死を主る。

或問:主爻伏鬼,伏兄、伏父之下?曰:此即財伏兄,財伏父母,官伏兄之義,舉一隅,則三隅反矣。

人が問うていう。主爻が鬼下に伏し兄下に伏し父下に伏するは、どう講ずべきか。答えていう。これまさに前面の「財の兄に伏す」「財の父母に伏す」「官の兄に伏す」の幾章の道理なり。一角を挙げ出せば、其余の三角は応に反推し出すべし、別に新説を立つるに及ばず。

又問:八純、游魂、歸魂卦,占病沉重,占小兒主死,何也?曰:此三卦,世持父母,官鬼,兄弟,或子孫伏父母下,占大人病重,占小兒病死。

また問うていう。八純・游魂・帰魂のこの三種の卦は、病を占うに沈重を主り小児を占うに死を主るは、何の縁故ぞ。答えていう。この三種の卦裏は、世爻は多半に父母・官鬼あるいは兄弟を持ち、あるいは子孫がまさに父母の下に伏す。このごときは大人を占えば便ち病重く、小児を占えば便ち病死す。

44.医薬を占う

以應為醫,以子為藥;鬼爻旺相,大忌獨發。

医薬を占うは、応爻を以て医生を代表し、子孫爻を以て薬物を代表す――子孫は鬼を剋するの神にして、まさに薬の能く病を治するの義に合す。官鬼の旺相は便ち凶、それがもしなお独り発動するは、あれは大忌なり。

夫卦之疾病,以用為主,以鬼為病。

およそ卦中に疾病を占うは、皆用神を以て主体と為し、官鬼を以て病邪と為す。

金鬼,肺腑疾、喘嗽、氣急、虛怯、瘦瘠、或瘡疥、血光,或筋骨病。 木鬼,四肢不遂。肝膽主病、右瘓左癱、口眼歪斜。 水鬼,沉塞、痼冷、腰痛、腎氣淋瀝、遺精、白濁、吐瀉。 火鬼,頭痛發熱、心胸焦渴、加朱雀狂言譫語、陽症、傷寒、嗝逆。 土鬼,脾胃發脹;黃腫虛浮、瘟疫時氣。

官鬼が金に属するは、肺腑の疾・気喘咳嗽・呼吸急促・身体虚怯・形容瘦瘠を主り、あるいは瘡疥・血光、あるいは筋骨の毛病を主る。官鬼が木に属するは、四肢の行動する能わざるを主り、病は肝胆に在り、右辺癱瘓して左辺偏枯し、口眼は歪斜す。官鬼が水に属するは、気機の沈塞・久寒痼冷・腰痛・腎気の淋瀝にして暢ならず・遺精・白濁・上吐下瀉を主る。官鬼が火に属するは、頭痛・発熱・心胸の焦渇を主る。さらに加うるに朱雀あれば、便ち狂言・譫語あり、陽症・傷寒・呃逆の一路に属す。官鬼が土に属するは、脾胃の脹満・面目の黄腫虚浮・瘟疫時気を主る。

凡占病,必察用爻,占父母,必要父母有氣。縱遇凶卦,但主沉重,不致喪亡,若用爻空亡及不上卦,更逢凶殺,決主不起。用爻無氣,若得旁爻動來生扶,此同生旺,決無咎處。若凶殺臨父母,或父母空,便可言雙親有病,諸爻皆然。

およそ病を占うは、必ず用神を審察するを要す。父母の病を占うは、必ず父母爻に気あるを要す。このごときはたとえ凶卦に遇上するも、不過病勢の沈重なるのみ、命を喪うに至らず。もし用神が空亡に落ちあるいは根本より卦に上らず、また凶煞に逢えば、あれは必定に床を起く能わず。用神は無気なりと雖も、ただ旁爻の発動して来たってそれを生扶するを得能くば、便ち自身の生旺と一様にして、決して妨げなし。もし凶煞が父母爻の上に臨み、あるいは父母爻が落空すれば、便ち双親に病あるを断ずべし。其余の各爻の代表する所の人は、皆この办法に照らして推す。

鬼爻持世,沉重,絕日輕可。鬼化鬼,其病進退,或有變病,或舊病再發,或症候駁雜,一卦二鬼亦然。鬼爻持世,病難除根,鬼帶殺持世,為瘵病難脫體,乃養老病矣。

官鬼が世を持するは、病勢は沈重にして、鬼爻が絶に入るの日を待ちて乃ち軽しと見る。官鬼が官鬼を変出するは、病情は時に進み時に退き、あるいは転じて別の病と為し、あるいは旧病が復発し、あるいは幾種の症候が夾雑して清からず。一卦のうちに两重の官鬼が出現するも、情形は一様なり。官鬼が世を持するは、病は根を除き難し。官鬼が凶煞を帯びて世を持するは、あれは労瘵の一類の身を脱し得ざる病にして、ただ終身将養するの痼疾と作して看るのみ。

青龍臨用爻或福德爻,其病雖重終可療。青龍空亡卦無吉解,病凶。 白虎臨父母當損,若值財上妻遭傷。子孫際遇終成否,兄弟逢之亦不昌。更並官爻臨世上,自身須忌有災殃。

青龍が用神あるいは福徳・子孫爻の上に臨むは、病は沈重なりと雖も、終究医し好し得。青龍が空亡に落ち、卦中また別の吉神なくして解救なければ、病は便ち兇険なり。白虎が父母爻の上に臨むは、双親は応に損傷有るべし。もし財爻の上に臨めば、妻子は傷害を遭わんと要す。子孫爻の上にそれに遇うは、孩子は終帰順ならず。兄弟爻の上にそれに遇うは、兄弟もまた昌吉ならず。白虎がもしさらに官爻と一同に臨みて世爻の上に到れば、自身は便ち災殃あらんを隄防するを要す。

金鬼不宜針,木鬼不宜草木,水鬼不宜湯飲湯洗之類,火鬼不宜灸熨,土鬼不宜服丸藥。 金鬼可炙,木鬼藥方,火鬼帶服鬼劑,水鬼宜服熱劑,土鬼宜服木藥。 金鬼利南方,木鬼利西方,水鬼利土值,火鬼利北方,土鬼利東方求請醫者。

官鬼の五行に按じて治法の忌と宜とを定む。金鬼は針を用いるに宜しからず、木鬼は草木の剤を用いるに宜しからず、水鬼は湯飲・湯洗の一類を用いるに宜しからず、火鬼は艾灸・火熨を用いるに宜しからず、土鬼は丸薬を服するに宜しからず。反って説けば、金鬼は灸を用いる可し、木鬼は薬方・湯剤に宜しく、火鬼は火を剋するの剤を帯服するに宜しく、水鬼は温熱の剤を服するに宜しく、土鬼は木類の薬を服するに宜し。医生を請うの方位もまた各々利する所有り。金鬼は南方に往きて請うに利し、木鬼は西方に往きて請うに利し、水鬼は土に属するの方位に往きて請うに利し、火鬼は北方に往きて請うに利し、土鬼は東方に往きて請うに利し。

又,丑鬼不可(食)牛肉,未子孫當食羊。 鬼爻在內,病自內生,鬼又在外,災自外至。火鬼必在南方;金鬼必在西方,道路生災,又為主胸,金鬼則病在肺家,逢火作膿,見木生風,遇蛇虛悶。

另外、鬼爻が丑なるは牛肉を喫する可からず、丑は牛に属すればなり。子孫爻が未なるは便ち応に羊肉を喫すべし、未は羊に属し、子孫は福神にして、その属する所の物に宜しければなり。鬼爻が内卦に在るは、病は体内より自ら生ず。鬼爻が外卦に在るは、災は外面より招来す。火鬼の応ずる所は必ず南方。金鬼の応ずる所は必ず西方にして、道路上に災を招くを主り、また胸部を主る。金鬼の病は肺家に在り、火の来たって剋するに逢えば便ち膿を化し、木を見れば便ち風気を生じ、螣蛇に遇えば便ち胸中虚悶す。

45.家宅を占う

家宅吉占,專用財福;財旺子空,豈無嗣續。

家宅の吉凶を占うは、専ら妻財と子孫・福徳の両爻を取る。財は家業を主り、福は後代を主る。もし財爻が旺相にして子孫爻が落空すれば、家業は厚しと雖も、後嗣のこの一頭は却って缺口と成る――この一句の反問はまさに人に提醒するなり。一家の人家、怎むぞ香火を承継するの人なからんや。

卦之家宅,專用財福,上卦如無財福,便是平常之宅。無刑沖剋制,有青龍龍德臨宅,乃是大吉之家。以內三爻為家,逢乾強盛,遇坎則陷,逢艮則止,遇震則動,逢巽則搖,遇離則麗,逢坤則靜,遇兌則說。若陽長則吉,陰長則消。

家宅の卦を占うは、専ら財爻と福徳爻とを用ゆ。もし卦面の上に財・福の両様を見ずば、これ便ち一所の平常の宅子なり。宅上に刑冲・剋制なく、また青龍・竜徳ありて宅爻の上に臨めば、あれは便ち大吉の家なり。内三爻を以て家宅本身と為し、それの成す所がどの一卦なるかを看る。乾に逢えば則ち宅気は強盛し、坎に遇えば則ち陥落あり、艮に逢えば則ち止まりて進まず、震に遇えば則ち動盪して寧からず、巽に逢えば則ち搖擺して定まらず、離に遇えば則ち明麗にして光彩あり、坤に逢えば則ち安静し、兌に遇えば則ち和悦す。総じて説けば、陽気の生長するは便ち吉にして、陰気の生長するは便ち消退衰敗す。

以印綬為堂屋,妻財為廚灶,子孫為廊廟,官鬼為前廳,合亦為門,沖乃為路,五為梁拄,上為棟牆。旺相為新,休因為舊,青龍為左,白虎為右,朱雀論前,玄武為後,螣蛇為論中。

家宅の各処の取象は、印綬すなわち父母爻は堂屋を為し、妻財は厨房・竈頭を為し、子孫は廊廡を為し、官鬼は前庁を為す。卦身と相合する爻は門を為し、卦身を冲する爻は道路を為す。第五爻は梁柱を為し、上爻は棟梁・牆垣を為す。爻の旺相なるは是れ新造、爻の休囚なるは是れ旧屋。方位の上は、青龍は左に在り、白虎は右に在り、朱雀は前を主り、玄武は後を主り、螣蛇は中央を主る。

水爻有水,木爻有木,遇艮有山,逢震有路,父母為橋道墳墓,子孫為寺觀廟宇。官鬼旺,則訟庭官族;休囚,則軍匠客墓;妻帶財吉,則富室豪門;伏官則贅夫招婿之家。逢吉生合身世則吉,逢凶刑剋身世則凶。

卦中に水爻あれば、宅辺に水あり。木爻あれば、宅辺に樹木あり。艮卦に遇えば、附近に山あり。震卦に逢えば、附近に路あり。父母爻は橋梁・道路と墳墓とを主り、子孫爻は寺観・廟宇を主る。官鬼の旺相なるは、この家は常に官司を打つ門戸に非ずんば、便ち官を做す人家なり。官鬼の休囚なるは、是れ軍戸・匠戸、あるいは外郷人の墳地なり。妻爻が財を帯びて吉なるは、是れ富室・豪門なり。官鬼が伏して現れざるは、是れ婿養子を招く人家なり。以上のこれらの爻は、吉神に逢いて来たって卦身と世爻とを生合すれば便ち吉、凶神に逢いて来たって卦身と世爻とを刑剋すれば便ち凶。

父母持世承祖居;父母化財,必出贅;財爻空或動,難享現成;父母空或身動,難招遺業。

父母爻が世を持するは、祖上の旧居を承継す。父母爻が財爻を変出するは、此人は必定に出で行きて上門女婿を做さん。財爻が落空あるいは発動するは、現成の家業に享け着かず。父母爻が落空しあるいは卦身が発動するは、祖上の遺留する産業を接ぎ下らんことが能わず。

46.人口を占う

福應生世,為我後裔;兄動財空。斷不可繼。

子孫・福徳爻が応位の上に在りて来たって世爻を生ずるは、是れ我が自家の後代の子孫なり。もし兄弟爻が発動して財爻がまた落空すれば、あれは便ち家業の後に継ぐ人なしと断ず。

卦之人口,陽多則男多、陰多則女多。以父母為家主,以官鬼為丈夫,以妻財為婦人,以子孫為小口,以兄弟為同氣。財動傷尊,父動子憂,子動官傷,官動兄弟愁苦,兄弟獨發又為克妻之兆。

一家の人口を占うは、陽爻の多きは男丁多く、陰爻の多きは女口多し。取象は、父母は一家の主を為し、官鬼は丈夫を為し、妻財は婦人を為し、子孫は小孩を為し、兄弟は同輩の手足を為す。財爻の発動は尊長を傷り、父母の発動は子孫が憂を受け、子孫の発動は官鬼が傷を受け、官鬼の発動は兄弟が愁苦す。兄弟がもし独り発動すれば、また是れ妻を剋するの兆なり。

妻在內則住近,卦有二財,必主兄弟。子在外招遲,爻屬水當主數一。

妻財爻が内卦に在るは、娶るは近処の人家の女子なり。一卦のうちに两重の財爻あるは、家中に必定に兄弟あり。子孫爻が外卦に在るは、子を得ること較べて遅し。爻が水に属するは、水の類数に按じて応に一個を主るべし。

卦無父母,占人壽命弗延,爻無妻財,兄伯貧窮是準,有子孫龍喜而無父母者,具家有遊子,白虎臨,而出僧道巫覡。有財而無官者,錢財必耗散,朱雀臨,而習呼唱賭博。有鬼無子,多怪夢而絕嗣,有鬼無財,主疾病以多端。父祖有官,必逢祿馬貴人;本身有藝,定是親神全木。

卦中に父母爻なきは、人の寿命を占うに長からず。爻中に妻財なきは、兄弟・伯叔の一輩は准定貧窮せん。子孫ありてまた青龍・天喜を帯びて父母なきは、家裏に在外に游蕩して帰らざるの人あり。もし白虎が臨み上れば、この家は僧人・道士あるいは男女の巫覡を出さん。財ありて官鬼なきは、銭財は必定に耗散せん。もし朱雀が臨み上れば、家人は曲を唱え賭博するに慣れたり。鬼ありて子孫なきは、多く怪夢を做ししかも後を絶たんと要す。鬼ありて財なきは、疾病多端を主る。父輩・祖輩の官を做し過ぎたるは、卦中に必ず禄神・駅馬と貴人とに逢う。本人が手藝を身に懐くるは、一定是れ親爻と神煞とが皆木に聚まるなり。木が工巧を主るの故なり。

47.起造・遷移を占う 附:陽宅

起造遷移,財靜人安;鬼發招禍,遷動俱難。

房屋を起造し住処を遷移するを占うは、財爻の安静なるを要し、一家人乃ち安寧ならん。官鬼が一たび発動すれば便ち禍を招き、あの時は動土・興造するも搬遷するも、辦じ成り得難し。

起造移屋,要子孫,財爻旺相,出現持世,忌官鬼、父母、妻、子、兄弟獨發,凶。父母為尊長,兄弟為六親,妻財為妻奴,子孫為鬼女,官鬼為凶殃,以上獨發,論之看克何爻取之。如占住屋居第二爻動,住不久遠。若脫屋求財,利二爻動,官在第二五動,必可脫也,不動難得脫也。

房屋を起造し住処を遷移するは、子孫爻と財爻との旺相を要し、卦面に出現してしかも世を持するを要す。官鬼・父母・妻財・子孫・兄弟の中のどの一様か独り発動するを忌む。独発は皆凶なり。取象は、父母は家中の尊長を為し、兄弟は六親を為し、妻財は妻子・奴僕を為し、子孫は児女を為し、官鬼は凶殃・禍患を為す。以上の諸爻はもし独発せば、便ちそれの剋する所がどの一爻なるかを看て、此に拠りて断を取る。譬えば現住の房子を占うに、第二爻の発動するは、住すること長久ならず。もし房子を脱手して銭に換えんと要すれば、かえって第二爻の発動に利あり。官鬼が第二爻あるいは第五爻に発動するは、房子は必定に脱し出すを得。この両爻動かざれば、便ち脱手し難し。

或問:財靜人安,則動便不安,何也?答曰:蓋父母為宅,財動便克父母,所以不安也。

人が問うていう。財爻が安静なれば人は安しという。然らば則ち財が一たび動けば便ち安ならずとは、これ為んが為ぞ。答えていう。父母爻が宅舍を代表するが故に、財が一たび動けば便ち父母を剋し、宅舍が剋を受ければ、人は自ずから安寧を得ず。

又問:第二爻動,住不久遠,何也?曰:第二爻為宅,宜靜不宜動也。

また問うていう。第二爻が発動すれば住すること長久ならずとは、何の道理ぞ。答えていう。第二爻はまさに宅爻にして、宅爻は静を宜しとし動を宜しとせず。一たび動けば房子は便ち留め住めず。

附:陽宅

鬼墓方為聖堂,子墓方為牲畜,財墓方為倉庫,絕為廁,兄墓得直方水生旺處為井,應為屋,鬼為廳,福為廊,財為房屋櫥櫃,兄為門。身持兄得,五事俱全,不可空,無刑沖剋,上等屋也。內有一爻被沖剋,主有損壞,得空為妙。

官鬼の墓庫の所在の方は是れ聖堂・神位、子孫の墓庫の方は是れ牲畜の欄圈、妻財の墓庫の方は是れ倉庫、絶地の方は是れ廁所。兄弟の墓庫はもし当値の方を得てしかも水の生旺の処に落つれば、あそこは是れ水井なり。この外、応爻は整所の屋子を代表し、官鬼は庁堂を代表し、福徳は廊廡を代表し、妻財は房屋・櫥櫃を代表し、兄弟は門戸を代表す。卦身が兄弟の上に持して位を得、上述の五様がまた斉全にして、皆落空せず刑冲・剋害を受けざるは、便ち上等の房屋なり。その中にもし一爻の冲剋せられたるあれば、あの一処に損壊あるを主る。この一爻はかえって落空を以て妙と為す。空なれば則ち壊る可き物なし。

如父在初爻,一層屋,二三爻闊遠,四五爻樓闊遠,上爻者,深遠,重迭屋也。如他爻變出父,屋分兩處,父空二地;地變鬼或伏鬼下,非公吏舍必是官房,不然有病人,有此象當招口舌,或招官司。父在上,未住,在下,現住。

父母爻が初爻に在るは、ただ一層の屋のみ。二爻・三爻に在るは、屋宇は寛闊にして進深較べて遠し。四爻・五爻に在るは、楼房ありてしかも寛闊深遠。上爻に在るは、屋子は極めて深遠にして、是れ重重畳畳の多進の房屋なり。もし別の爻が父母を変出し来たれば、房屋は両処に分かる。父母爻の落空するは、是れ两塊の空地なり。宅地が官鬼を変出し、あるいは宅爻が鬼の下に伏するは、この屋は公門・吏役の住所に非ずんば、便ち官家の房子なり。さらに然らざれば屋裏に病人あり。この種の卦象を見るに、便ち口舌を招くに当たり、あるいは官司に惹き被けん。父母爻が上卦に在るは、人はまだ搬り入りて住まず。下卦に在るは、眼下まさに住み在り。

凡卦身或空,未住;身並,現住。身值鬼,屋下有伏尸。將屋脫錢,要財旺身衰,喜父空,要沖克財合身為妙。不喜化出財爻,克害為凶。

およそ卦身の落空するは、まだ住み入らず。卦身と宅爻とが一処に併ぶは、眼下まさに住み在り。卦身がまさに官鬼に値するは、屋子の底下に伏尸あり。房子を脱手して銭に換えんと要するは、須く財爻が旺にして卦身が衰え、また父母爻の落空するを喜ぶべし――父母は便ち是れ宅、宅が空にして乃ち売り掉るを得。さらに爻ありて来たって財爻を冲剋して卦身と相合するを要し、これ乃ち最も妙なり。卦身が財爻を変出し来たるを喜ばず、変出の財がもし反って来たって卦身を剋害せば、あれは便ち凶なり。

內卦二爻為宅,看動:金動公事至,木動風水惡,土動生瘟氣,水動傍河不吉,火動於鬧路中,口舌,靜吉。

内卦の第二爻は是れ宅爻、専らそれの動くと動かざるとを看る。金爻の動は、公事の門に上るあり。木爻の動は、風水好からず。土爻の動は、瘟疫の気を生ず。水爻の動は、宅子は河に傍って立ち、不吉。火爻の動は、宅は喧鬧の路口に在り、口舌を主る。宅爻の安静なるは便ち吉なり。

外卦六爻看動:兄動夫婦不團圓。父動上人多憂,陰小六畜,子功爻旺喜事重重。官動災禍難言,財動難為大人,女人不正。

外卦の上六爻もまたそれの動くと動かざるとを看る。兄弟の動は、夫婦は団圓する能わず。父母の動は、長輩は多く憂え、また家中の婦孺と六畜との安ならざるを主る。子孫のこの一爻が旺にして発動するは、喜事は重重なり。官鬼の動は、災禍は言説し難し。財爻の動は、家中の大人に於いて利あらず、また女人の行為の端ならざるを主る。

48.耕種を占う

父衰財旺,收成有望;又值福鄉,花利千倉。

耕種を占うに、父母爻が衰えて妻財爻が旺なるは、收成に望みあり――父母は労苦・耗費を主り、妻財は収獲の所得を主ればなり。もし財爻がまた子孫・福徳の一路上に落ちれば、福は能く財を生じ、あれは便ち花利満倉の大豊の象なり。

卦之耕種,專要財福上卦,最忌鬼值五位,收成不利。世克應,倉廩實;外克內,倉廩虛。又,初爻為田,鬼克,田瘦薄,難植作。二又為種,鬼克主再種。三爻為生長,鬼克主不茂。四又為秀實,鬼旺多草費功夫。五爻為收成,鬼克主不利。以上推土鬼克不妨。六爻為農夫,鬼克主有疾病。

耕種の卦を占うは、最も要緊なるは財爻と福徳爻とが皆卦に上るなり。最も忌むは官鬼が第五爻に落つるは、あの年の收成は利あらず。世爻が応爻を剋するは、倉廩は充実す。外卦が内卦を剋するは、倉廩は空虚なり。この外、六爻は各々分工あり。初爻は是れ田地、鬼に剋されれば則ち田土は瘠薄にして、下種・耕作し難し。第二爻は是れ種子、鬼に剋されれば須く補種一次を主るべし。第三爻は是れ禾苗の生長、鬼に剋されれば長勢の茂ならざるを主る。第四爻は是れ抽穂・結實、鬼が旺なれば則ち雑草は叢生し工夫を白費す。第五爻は是れ收成、鬼に剋されれば收成の利あらざるを主る。以上の各条を推し下るに、もしそれを剋するが土鬼なれば、かえって妨げなし。第六爻は是れ農夫、鬼に剋されれば人の病を生ずるを主る。

金鬼旱蝗,火鬼大旱,水鬼水災,木鬼耗損。一卦兩鬼,兩家合種。年豐必須官鬼空亡,大抵財爻宜旺,不宜落空則吉。金財旺相,早禾倍收。土財旺相,晚禾豐稔。金土二爻雖不臨財,但遇吉神,亦準可論吉。

官鬼が金に属するは、旱災と蝗災とを主る。火に属するは、大旱を主る。水に属するは、水災を主る。木に属するは、耗損を主る。一卦のうちに两重の官鬼あるは、是れ两家が伙して耕種するなり。年成の豊稔ならんを要するは、必ず官鬼の空亡に落つるを須とす。大抵財爻は旺を宜しとし落空を宜しとせず、落空せざれば便ち吉なり。財爻が金に属して旺相なるは、早稻は加倍に収す。財爻が土に属して旺相なるは、晩稻は豊熟す。金・土のこの両爻はたとい財に臨むなくとも、ただ吉神に遇上せば、一様に吉と断作する可し。

49.蚕桑を占う

財旺福興,占蠶大吉;爻鬼交重,不賽終失。

養蚕を占うに、財爻が旺にして福徳が興るは、是れ大吉の象なり。もし爻上に官鬼が交を作し重を作して発動すれば、あれは是れ願を還し神に酬ゆるなく、蚕事は終帰損失あらんと要す。

卦占蠶事,先看定值。鬼爻持世不吉,有財有子為佳。鬼動當遠賽,兄動則有損,子孫木火大吉,亥子溼死,金上白福,土乃半收。安靜則吉,發動不利。

蚕事の卦を占うは、先ず当値するがどの一爻なるかを看る。官鬼が世を持するは不吉、財ありまた子孫あるを要して乃ち好し。官鬼の発動するは、応に遠遠に去りて願を還し神に酬ゆべし。兄弟の発動するは、則ち損耗あり。子孫が木に属し火に属するは大吉。子孫が亥・子の水の上に落つるは、蚕は湿死せんと要す。子孫が金の上に落つるは、白茧に福あり。子孫が土に属するは、ただ一半の收成あるのみ。総じて卦爻の安静なるは便ち吉、発動するは便ち利あらず。

50.畜養を占う

旺財相福,牲畜有益;虎動鬼興;必防損失。

牲口を畜養するを占うに、妻財が旺にして福徳が相なれば、牲畜は便ち長進して益を得。もし白虎が発動し官鬼が興旺せば、一定に牲口に損失あらんを隄防するを要す。

卦之畜養,須論定體。端要財福上卦,如無不利。鬼持初爻,雞鴨不吉,官坐五爻,牛馬難安,參合六神論斷。

畜養の卦を占うは、先ず須く養う所がいったいどの一種の牲畜なるかを論定すべし。要緊なるは財爻・福徳爻が皆卦に上るなり。この両様はもし卦に上らずば便ち利あらず。官鬼が初爻に持するは、鶏鴨は吉ならず。官鬼が第五爻に坐するは、牛馬は安し難し。さらに青龍・白虎等の六神を参合して一同に論断す。

諸爻最忌兄弟、官鬼。如鬼值上爻或曰五爻為主:金鬼牛極瘦,木鬼腳疼或腹風,水鬼散,火鬼觸熱,土鬼發癢瘟黃。

各爻のうち最も忌むは兄弟と官鬼と。譬えば官鬼が上爻に値し、あるいは第五爻を以て主と為して看るに、金鬼は牛の極めて瘦弱するを主り、木鬼は牲口の脚が疼くあるいは腹中に気が脹るを主り、水鬼は走散を主り、火鬼は中暑・発熱を主り、土鬼は発痒して瘟黄の病を生ずるを主る。

逢所屬本命爻臨財福,無傷則吉。且如兄鬼臨三爻,本為不佳,卻有亥爻本命臨財福,吉,亦不為害,餘仿此推。

もし養う所の牲畜の本命の属するあの一爻がまさに財爻あるいは福徳爻に臨み、しかも傷剋を受けざれば、便ち吉なり。譬えば兄弟・官鬼が第三爻に臨むは、本来好からざるも、しかるにこの家の養う牲畜の本命が亥に属して、而も亥爻が恰恰として財福に臨めば、あれは便ち吉にして、兄鬼もまたそれを害する能わず。其余の各種の情形は皆この類に照らして推す。

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