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59.来情を占う

宋 · 麻衣道者 · 第8巻 / 8

作盤ガイド: 六爻納甲の立卦, 大衍筮法

思慮未起,鬼神莫知;不由乎我,更由乎誰?

一念の思慮はまだ生起せざるの時、鬼神に連ねても知るに由なし。念頭の一たび動くを俟て、卦象は之に随いて応ず。この機括は別処に在らず、全く占者自己の心上に在り――我に由らずんば、なお誰に由らんや。

夫易本無八卦,只有乾坤,本無乾坤,只有太易(太極),太易者,在天為日月,在地為水火,在人為耳目。煉其耳而耳自聰,修其目而目自明。易曰:聖人以此洗心,退藏於密。

根本に追り到りて説けば、《易》は本来并びに八卦なく、ただ乾坤の両体あるのみ。さらに上に推せば、乾坤にも連ねてなく、ただ一箇の「太易」あり、すなわちこれ太極なり。この太易は、天上に在りては日と月とに表現し、地上に在りては水と火とに表現し、人身に在りては耳と目とに表現す。耳を把りて純に煉れば、耳は自ずから聴くこと聡し。目を把りて明に修めれば、目は自ずから看ること明し。《周易・繫辭》にいう。聖人はこの道理を用いて自己の心を洗滌し、事情を辦じ畢れば便ち退きて隠密の中に蔵ると。

60.人事を達す

先達人事,後敷卦爻;人事亨通,卦爻自曉。

占断するの前に、先ず人情・事理を把りて通透せざる可からず、然る後に再び去りて卦爻を鋪排す。人事上の道理はもし通達せば、卦爻の意思は自ずから明白なり――卦象は不過人事の影子なり。人事を明らめずして爻象を死看するは、終究に断じ准ぜず。

真喜合宅母,必問孕事。 隔角克青龍,無氣動是死事。 鬼伏臨酉沖宅長本命,主官非牢獄公事。 玄武臨門勾陳動,是失脫事。 世應合五爻、水土動,風水事。 卦內克鬼、沖全生財,犯刀砧六畜事。

真禄と天喜とが宅母爻の上に合到するは、来人は必定に懐孕の事を問わん。隔角煞が青龍を剋住し、青龍がまた無気にして発動するは、是れ喪亡の事を問うなり。官鬼が伏蔵して酉に臨み、去りて一家の長の本命爻を冲するは、官非・牢獄の一類の公事を問うを主る。玄武が門爻の上に臨みて勾陳が発動するは、是れ失窃・走脱の事を問うなり。世応が第五爻に合到し、而も水爻・土爻が発動するは、是れ風水の事を問うなり。卦内に爻ありて官鬼を剋し、冲処がまた皆生財の上に落つるは、是れ刀砧煞を冲犯し六畜を損傷するの事を問うなり。

天財帶天火,必占失火事。 怪合見月鬼,為驚恐怪異事。 喪車臨怪動,人口死不明事。 鬼克沖基,為宅不安事。 鬼克沖基或合太歲,為起造事。 祿馬合月鬼動,占謀望事。

天財星が天火煞を帯ぶるは、来人は必定に失火の事を占わん。怪神が月建の鬼と相合して現るるは、是れ驚恐・怪異の事を問うなり。喪車煞が怪神の上に臨みてまた発動するは、是れ家中に人ありて死すること不明不白の事を問うなり。官鬼が宅基を剋冲するは、是れ住宅の安ならざるの事を問うなり。官鬼が宅基を剋冲してまた太歳と相合するは、是れ興工・起造の事を問うなり。禄神・駅馬が月建の鬼と相合して発動するは、是れ謀望・求成の事を占うなり。

卦內驛馬旺克門,問出門事。 遷移臨旺沖動,問移居事。 月鬼陰喜動,為婦人妊怪事。 世應和合、祿馬帶財,問代某謀事。 文書乘朱動五爻重隔角,為代名告狀事。 時鬼動沖人口,問住宅不安事。

卦中の駅馬が旺相にして門爻に剋到するは、是れ門を出でて遠行するの事を問うなり。遷移煞が旺に臨みて冲动せらるるは、是れ家を搬き居を移すの事を問うなり。月建の鬼と陰喜の神とが一同に発動するは、是れ婦人の懐孕および胎中の異常の事を問うなり。世応の両辺が和合して、禄馬がまた財を帯ぶるは、是れ或る人に替わりて事を謀るを問うなり。文書爻が朱雀を乗りて発動し、また第五爻の上に隔角煞を重畳するは、是れ人に代わりて名を具して状を告ぐるの事を問うなり。当時の官鬼が発動して人口爻に冲到するは、是れ住宅の安ならざるの事を問うなり。

來意俱不上封,憑變斷之,重主過去,交主未來。

もし来人の本意が卦上に一點も顕し出でずば、便ち変爻に憑りて去りて断ず。「重」は是れ老陽の将に変ぜんとするにして、已に過去したるの事を主る。「交」は是れ老陰の将に変ぜんとするにして、未だ到来せざるの事を主る。

附1 五行生剋の訣

假如木旺能克土,若遇休囚火便生,旺相能生禍與福,休囚受制不能行。

譬えば木が旺に当たるの時は能く土を剋するも、しかるに木がもし休囚に遇上すれば、かえってただ去りて火を生じて自らその気を泄すのみ。総じて之を言えば、五行は旺相の時にして乃ち禍福を生じ出すを得、休囚の時は人に制せられて、何をも施展し開く能わず。

附2 五行の類数

金四九,木三八,水一六,火二七,土五十。 酉四申九,寅三卯八,子一亥六,巳二午七,辰戌五,丑未十。

五行は各々生成の数を配す。金は四と九とを配し、木は三と八とを配し、水は一と六とを配し、火は二と七とを配し、土は五と十とを配す。分かちて十二地支に到れば便ち、酉は四を為し申は九を為し、寅は三を為し卯は八を為し、子は一を為し亥は六を為し、巳は二を為し午は七を為し、辰と戌とは皆五、丑と未とは皆十なり。占断中に件数・歩数・尺寸を論ずるの時は、便ちこれらの類数を取りて推算す。

61.姓字を占う

以日配用,四象誰勝?若無象用,姓字何證?

人の姓氏を占うは、占日の干支を把りて用爻と相配し、再び内卦・外卦・互卦・変卦のこの幾重の象裏のどの一象が最も旺にして最も上風を占むるかを看て、便ちあの一象を取りて主と為す。倘若卦中に根本より取る可き象なく、また用神なければ、姓氏は便ち験証するに由なし。

卦之克字,以日配用爻,兼內外互卦,正化體象,取勝為主,然後合成字象。

卦を用いて字を推するの办法は、日辰を把りて用爻に配し、兼ねて内卦・外卦と互卦と、および本卦と変卦との体象を看て、その中の上風を占むる一象を取りて主と為し、然る後に幾重の象を把りて合せて湊りて字形を成す。

如甲乙日占賊姓得純艮卦土爻體見寅,寅屬木,木鬼配甲乙日,亦屬木,三體相兼,為林字姓也。他仿此。

譬えば甲乙日に賊人の姓を占うに、純艮卦を揚得て、艮宮は土に属し、而も爻体の上に寅を見るに、寅は木に属し、まさに是れ土宮の官鬼。この木鬼はまた甲乙日と相配して、甲乙もまた木に属す。三重の体象を合して一と為せば、両箇の木字が並列して、便ち「林」字のこの姓なり。其余の各例はこの類に照らして推す。

但以干配姓,以支配合,以納音配字,取象度量,盡其妙理,當慎思之。

総じて之、天干を以て姓に配し、地支を以て合して成す所の部件に配し、納音を以て字形に配す。取象するの時は分寸あり斟酌あるを要し、その中の妙理を把りて尽処に推し、応に仔細に思量して而る後に断を下すべし。

乾為圓象、為點、為馬、為金、玉、言旁、為頭。 坎為雨頭、為點水,為水目,為小,弓旁為內實外虛屈曲之象。 艮為橫畫、為口、手,為門、人,為己、田,為山、水。易旁,上尖下大,上實下虛。 震為木象,為二七、為竹、木,為立畫。偏拔、上大下尖、下虛上實。

乾は円の形象を取り、點を取り、馬を取り、金・玉を取り、言字の旁を取り、頭部の形を取る。坎は雨字の頭を取り、三點の水を取り、水字と目字とを取り、小字を取り、弓字の旁を取る。字形の上は内実外虚・屈曲して盤繞するの象なり。艮は横畫を取り、口字・手字を取り、門字・人字を取り、己字・田字を取り、山字・水字を取り、易字の旁を取る。字形の上は上尖下大・上実下虚なり。震は木の形象を取り、二と七の数を取り、竹字・木字を取り、直立するの筆畫と偏旁の撇捺とを取る。字形の上は上大下尖・下虚上実なり。

巽為甘頭、為揵服、為長舉,為絞絲,上長下短,為下點。 離為日旁,外實內虛、為中、為戈、為日、為心、為火。 坤為橫畫、為土、為方、為木旁。 兌為金、為日、為鉤、為八字、為巫、為微細。

巽は甘字の頭を取り、揵・服の一類の字形を取り、長くして上に挙がるの筆畫を取り、絞絲の旁を取る。字形の上は上長下短にして、下は點を帯ぶ。離は日字の旁を取り、字形は外実内虚にして、中字・戈字・日字・心字・火字を取る。坤は横畫を取り、土字を取り、方正の形を取り、木字の旁を取る。兌は金字を取り、日字を取り、鉤筆を取り、八字を取り、巫字を取り、細小の象を取る。

天干の類

甲為木、為田、為日、為方圓、為有腳、為果頭。 乙為草頭、為反文、為弓、為曲。 丙為火、為撇、為捺、上尖下大。 丁為一、為鉤、為未出頭字。 戊為土、為戈、為中開之類。

甲は木字・田字・日字を取り、方中に円を帯ぶるの形を取り、脚を帯ぶるの字を取り、果字の頭を取る。乙は草字の頭を取り、反文の旁を取り、弓字を取り、彎曲の筆を取る。丙は火字を取り、撇畫・捺畫を取り、字形は上尖下大なり。丁は一畫を取り、鉤筆を取り、筆畫の頭を出さざるの字を取る。戊は土字を取り、戈字を取り、中間に口を開くの一類の字形を取る。

己為挑土、為半口、為巳頭、為曲。 庚為金、為庚。 辛為金旁、為辛。 壬為水、為曲、為壬字。 癸為水、為水旁、為雙頭。

己は提土の旁を取り、半箇の口字を取り、巳字の頭を取り、彎曲の筆を取る。庚は金字を取り、また直に庚字を取る。辛は金字の旁を取り、また直に辛字を取る。壬は水字を取り、彎曲の筆を取り、また直に壬字を取る。癸は水字を取り、三點水の旁を取り、雙頭の並列する字形を取る。

地支の類

子為水旁、子旁、為鼠。 丑為土、為丑、為橫畫、為牛。 寅為木、為山、為宗、為寅字、為虎。 卯為木、為安頭、為卯字、為免。 辰為土、為艮字、為長意、為龍。 巳為火旁、為巳字、為屈曲、為蛇。

子は三點水の旁と子字の旁とを取り、属する所の生肖は鼠なり。丑は土字・丑字と横畫とを取り、属する所の生肖は牛なり。寅は木字・山字・宗字と寅字とを取り、属する所の生肖は虎なり。卯は木字・安字の頭と卯字とを取り、属する所の生肖は兔なり。辰は土字・艮字を取り、長の意思を取り、属する所の生肖は竜なり。巳は火字の旁と巳字とを取り、屈曲の形を取り、属する所の生肖は蛇なり。

午為火、為日、為幹字、為不字、為矢字頭、為馬。 未為土、為來字、為多畫、為木旁、為羊。 申為金、為車旁、為猴。 酉為金、為而旁、為目旁、為堅洞旁、為雞。 戌為土、為戌字、為成字、為犬。 亥為水、為絞絲、為豬。

午は火字・日字・干字・不字と矢字の頭とを取り、属する所の生肖は馬なり。未は土字・来字を取り、筆畫の多きの字を取り、木字の旁を取り、属する所の生肖は羊なり。申は金字と車字の旁とを取り、属する所の生肖は猴なり。酉は金字・而字の旁・目字の旁と豎洞の一類の偏旁とを取り、属する所の生肖は鶏なり。戌は土字・戌字・成字を取り、属する所の生肖は狗なり。亥は水字と絞絲の旁とを取り、属する所の生肖は猪なり。

五行の類

水為點水、為曲、為一六數。 火為火旁、為上尖下闊、為二七數。 木為木旁、為步頭、為竹頭、為人、十字象、為三八數。 金為金旁、為合字、為橫畫,為四九數。 土為土旁、為橫畫,為五十數。

水に属するは三點水を取り、彎曲の筆を取り、数目は一と六なり。火に属するは火字の旁を取り、字形は上尖下闊にして、数目は二と七なり。木に属するは木字の旁を取り、歩字の頭・竹字の頭を取り、人字と十字の形とを取り、数目は三と八なり。金に属するは金字の旁を取り、合字を取り、横畫を取り、数目は四と九なり。土に属するは土字の旁を取り、横畫を取り、数目は五と十なり。

62.占法の卦数(節録)

假如乙丑年辛巳月丁酉日丁未時占得乾之離卦: 正卦乾 變卦離 父母 戌 世 官鬼 巳 青龍 兄弟 ○ 申 父母 未 玄武 官鬼 午 兄弟 酉 白虎 父母 辰 應 子孫 亥 螣蛇 妻財 ○ 寅 父母 丑 勾陳 子孫 子 妻財 卯 朱雀

下面に一箇の完整の例を挙ぐ。乙丑年・辛巳月・丁酉日・丁未時に、乾卦を占得て離卦に変ず。正卦は是れ乾、変卦は是れ離、六爻は自ら上より下に向かって排列して後のごとし。上九の壬戌は、乾宮に在りて父母を為し、世を持ち、離卦の己巳を変出して官鬼を為し、青龍を配す。九五の壬申は兄弟を為し、畫いて重爻を作して発動し、己未を変出して父母を為し、玄武を配す。九四の壬午は官鬼を為し、己酉を変出して兄弟を為し、白虎を配す。九三の甲辰は父母を為し、応位に居り、己亥を変出して子孫を為し、螣蛇を配す。九二の甲寅は妻財を為し、も畫いて重爻を作して発動し、己丑を変出して父母を為し、勾陳を配す。初九の甲子は子孫を為し、己卯を変出して妻財を為し、朱雀を配す。この一卦は以下に分かちて十項を以て断ずるを要す。

(1)占來情 以心易敷於有易封,我觸以幹祿之機甚吉,反施乾之九五“飛龍在天,利見大人”,而下兆有“見龍在田”,統思卦象,乾健化離,“出涕沱若,戚磋若,吉”、“黃離,元吉”,復以六親法,卦中多者取來情,惟此印綬爻多,即知來者占求官也。

第一、来人の問う所が何の事なるかを占う。心易の法を用いて心念を把りて已成の卦の上に敷布す。我の触着する所は干求・禄位の機兆にして、甚だ吉なり。返照するに乾卦の九五「飛竜天に在り、大人を見るに利し」、下面にまた九二「竜を田に見る」の兆あり。通じて卦象を観るに、乾の剛健は変じて離と為り、離卦に「涕を出だすこと沱若たり、戚嗟たり、吉」と「黄離、元吉」との辞あり。さらに六親の法を用い、卦中のどの一類の爻が最も多きかに就きて便ちどの一類を取りて来意を定む。此の卦は独独印綬・父母爻が最も多ければ、便ち来人の官を求めて占うが為なるを知る。

(2)占家宅 卦中兩重父母,及年與時兩重,初夏占,其土絕,當知其屋舊象,可存四重或二重房。其三爻甲辰之屋在內,卻乃日旬空,兼以“君子終日乾乾,夕惕若,厲無咎”,離之九三“日昃之離”,此一重非言壞則火焚。

第二、家宅を占う。卦中に两重の父母爻あり、加うるに年支・時支の上にまた各々一重ありて、合して四重を成す。此の卦は初夏に占して、土はまさに絶地に当たり、これらの屋子が皆已に陳旧なるを知るべく、大いにあと四進あるいは两進の房を残すのみ。その中の第三爻の甲辰のこの一進は内卦に在り、偏にまた日辰の旬空の中に落ち落ちん。さらに乾卦の九三「君子は終日乾乾たり、夕に愓え、厲なるも咎なし」と離卦の九三「日昃の離」との辞意に合すれば、この一進の屋子は坍壊せんと要するに非ずんば、便ち火焚に遭わんと要す。

其上九壬戌之屋,高值青龍修舊之星,可住,奈九二甲寅財動青龍,修中有克,乾之上九“亢龍有悔”離之上九“有嘉折首”,兼以鬼庫在戌,歲君丑刑戌,此屋必因女人或財事破毀。只有年時及化離丑未四屋零屋沖散復成之象,此卦化出已未及占時丁未生扶,易辭又吉,後能復成無妨。

上九の壬戌のあの一進の屋子は地勢は高く、また青龍のこの旧屋を修葺するを主るの星に値して、なお住むを得。无奈ども九二の甲寅の財爻が発動し、青龍は在ると雖も、修葺の中に却って剋傷を帯ぶ。さらに乾卦の上九「亢竜悔あり」と離卦の上九「嘉あれ首を折る」との辞意に合し、加うるに鬼の庫位はまさに戌に在りて、而も太歳の乙丑がまた来たって戌を刑すれば、ゆえにこの所の屋子は必定に女人あるいは銭財の事に因りて破損毀壊せん。ただ年支・時支および変卦の離中の丑・未の主る所のあの幾処の零星の屋舍を残すのみ、是れ先に冲散せられて後に重ねて成就するの象なり。此の卦は己未を変出し、占する所の時もまた丁未にして、両相生扶し、易辞もまた吉なれば、日後はなお復建し起こる能く、事を妨げず。

(3)占夫妻 寅木發動,及申金兄弟爻動,初夏木病金生,主克木,數三當減,則二個吉。 (4)占子 初又甲子水,初夏水絕,主一個吉。 (5)占婚姻 兄動克妻,財動傷翁,不吉。

第三、夫妻を占う。九二の寅木の財爻が発動し、九五の申金の兄弟爻もまた発動す。初夏は木は病地に処りて金は正に生を得、金が旺なれば必ず来たって木を剋し、木の類数は三にして、剋を受ければ応に減ずべく、两箇を残して吉と為す。第四、子嗣を占う。初爻の甲子は水に属し、初夏は水は絶地に在り、水の類数は一なれば、ゆえにただ一箇の儿子を主りて吉と為す。第五、婚姻を占う。兄弟の発動は妻を剋せんと要し、財爻の発動は公婆を傷らんと要すれば、ゆえにこの門の婚事は吉ならず。

(6)占大小限 五歲行一爻,初從世爻起,陽順陰逆,此卦世在上九,五歲至世,青龍持世,為喜中小滯。六歲至十歲行初九,逢福德,吉。十一至十五行九二,甲寅動克世,命在須臾。

第六、大限・小限を占う。毎五歳に一爻を行き、世爻より起算し、世爻が陽に属すれば則ち順行し、陰に属すれば則ち逆行す。此の卦は世は上九に在り、一至五歳は便ち世爻の上に在り、青龍が世を持するは、是れ喜中に畧々滞碍を帯ぶ。六歳から十歳は初九を行き、初九は是れ子孫・福徳爻にして、吉なり。十一歳から十五歳は九二を行き、九二の甲寅の財爻が発動して来たって世爻を剋すれば、性命は便ち須臾の間に在り。

(7)占求官 易辭本吉,但甲寅財動傷文書,壬申兄動有阻,直待午火官,辰土印綬年可求。 (8)占求財 九二財動、求之必有;九五比肩爻動,阻而未得。

第七、官を求めるを占う。乾・離の両卦の爻辞は本来皆吉なるも、ただ九二の甲寅の財爻が発動して文書を傷り、九五の壬申の兄弟爻が発動してまた阻碍を生ず。ただ午火の官星が当値し辰土の印綬が当値するの年分に至るを待ちて、官は乃ち求め得て成らん。第八、財を求めるを占う。九二の財爻が発動すれば、財を求むるは必定にあらん。しかるに九五の比肩・兄弟爻もまた動き在りて、中間に阻せられ、一時はなお手に到らず。

(9)占疾病 壬午火鬼,正值九四爻,火鬼主熱,若占父母,九二木財發動必傷。幸九五金動制之;其病可痊,但牽連末脫。 (10)占行人歸期 本應甲寅日到,因兄動有阻,遇旬方來。

第九、疾病を占う。壬午の火鬼はまさに九四爻に当たり、火鬼は発熱の症を主る。もし占う所が父母の病なれば、九二の木財が発動して必ず来たって父母を傷らん。幸いなるかな九五の申金が発動して能く木を剋し、この財爻を把りて制住するを得れば、ゆえに病はなお治し好し得、ただ牽連は未だ断たず、一時に脱して乾浄ならず。第十、行人の帰期を占う。本当に甲寅日に到るべきに、兄弟爻が発動して阻を生ずるに因り、一旬を過ぐるを要して乃ち来らん。

63.易道の心性

易道逐心,出於混元;大道逐性,出於神仙。

《易》の道は人の心念に随いて感応し、その根源は混沌未分の元気より出づ。大道は則ち人の本性に随いて成就し、その帰宿は神仙の境に在り。

易本逐心,天地合體,陰陽假神,出於混元。一得一失,皆在日月盈虧,一離一合,皆從無而立有,故易本逐心,人靈神輔,顯明在乎信,吉凶在乎人。

《易》は本来便ち心に随いて応ずるなり。天地は合して一体と為り、陰陽は神明に借りて運行し、一切は皆混沌の元気より出づ。人生の一得一失は、皆日月の盈虧・消長の中に在り。一離一合は、皆「無」の裏より「有」を立て起こす。ゆえにいう、《易》は本來心に随う。人の霊性は先に在り、神明は不過是れ輔助なり。卦象の能く顕明するや否やは、全く占者の是れ至誠にして信あるや否やを看る。吉凶の如何なるも、また人の自身の上に係る。

或問:易道逐心何也?答曰:必要至虛至靈,以誠信為主。凡占卜,存心道性,不可一毫私念起於中。取用象在乎果決,不要狐疑,妙處當以心會神頌,有不可言傳者也。如此則神靈輔助,隨吾取舍而用之,自然靈驗矣。故曰易道逐心。

人が問うていう。「易道は心を逐う」とは何の意思ぞ。答えていう。占卜する人は必ず極虚極霊を做し到り、誠信を以て根本と為すを要す。およそ卦を起こして占問するは、心を存して道性を守るを要し、胸中に一絲一毫の私念を起こす可からず。取用・取象は果断にして決絶を要し、猶疑する可からず。その中の妙処は応に心を以て領会し神を以て黙誦すべく、有る些の処は言語の伝え出さざる所なり。能くこのごとく做せば、神霊は自ずから来たって輔助し、我に随い取舍して用い、自ずから霊験ならん。ゆえに「易道は心を逐う」という。

又曰:麻衣六親,各有為主,以世、應、日、月、飛、伏、動、靜,曉此道理,刻期而應。復以克、合、刑、害、墓、旺、空、沖,知此八宗,與神奧通。

また説く。麻衣の伝うる所の六親の法は、毎一親は皆各々それの主を作すの場合あり。さらに世・応・日・月・飛・伏・動・静のこの八項を配して看れば、この道理を把りて通ずれば、便ち能く日期を刻定して応験せん。この外になお剋・合・刑・害・墓・旺・空・冲のこの八様を用いて推すを要す。この八宗を通曉すれば、便ち神明の奥妙と相通ず。

64.邵堯夫の詩

吉凶只在面前決,禍福無勞日後知。從此敢開天地口,老夫非是愛吟詩。

吉凶は便ち眼前に当下に断決し、禍福は必ず日後を待ちて乃ち知るに及ばず。此より我は敢えて天地に替わりて口を開き話さん、老夫は可なり併せて吟詩・作句を貪愛するに非ず。この四句は邵雍が自ら占験の神速と自信とを道うなり。全書は此を以て結びと為す。

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