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51.漁獵を占う

宋 · 麻衣道者 · 第7巻 / 8

作盤ガイド: 六爻納甲の立卦, 大衍筮法

福興財旺,前程可望;財鬼虛臨,山枯海曠。

魚を打ち猟を行うを占うに、子孫・福徳が興旺にして妻財がまた旺相なるは、此の行の前程は望みあり、収獲は必ず豊なり。もし財爻・鬼爻がただ虚虚として臨みて并びに実気なければ、あれは便ち山中に獣なく海上に魚なく、白く一趨を跑るのみ。

卦之漁獵,以世為主,以財為物,財子俱見旺相大吉。財值四爻,兔豕堪遇,鬼臨六爻,虎豹須防。震棒、器弓、離網、艮犬,克財者宜用之。若財艾值斷,如巽雞、艮豹、震兔、坎狐、野豕、兌羊、乾虎、離雉、坤羊之類。

漁獵の卦を占うは、世爻を以て猟人自身と為し、財爻を以て猟する所の物と為し、財と子孫とが皆旺相なれば便ち大吉。財爻が第四爻に値するは、兔子・野猪に遇上する可し。官鬼が第六爻に臨むは、須く虎豹を隄防すべし。器具の取象は、震は棍棒を為し、此処の「器」は応に兌字の誤に当たるべく、兌は弓弩を為し、離は網罟を為し、艮は猟犬を為す。どの一様が能く財爻を剋住するやに照らして、便ちどの一様を用いて捕るべし。財爻の値する所がいったい何の禽獣なるかに至っては、八卦に照らして分断す。巽は鶏を為し、艮は豹を為し、震は兔を為し、坎は狐と野猪とを為し、兌は羊を為し、乾は虎を為し、離は野雉を為し、坤は羊を為し、皆この一類に属す。

內克外,內旺相,世克應,得青龍財爻動,不空亡,物可得。惡殺臨財旺相,發動、克世,主有獸傷,凶。

内卦が外卦を剋し内卦が旺相し世爻が応爻を剋し、また青龍が財爻の上に臨みて財爻が発動し并びに空亡に落ちざるを得るは、獵物は得る可し。もし悪煞ありて財爻の上に臨みて財爻が旺相し発動してまた来たって世を剋すれば、あれは便ち人の野獣に傷られんことを主り、凶なり。

52.墳墓を占う

安墳立陵,福旺家興;鬼旺宜火,葬防後人。

安葬して墳を立つるに、子孫・福徳の旺相なるは、家道は興旺せん。官鬼の旺相なるは、火化に宜しくして土葬に宜しからず。もし勉強して下葬せば、禍の後代の子孫に及ばんを隄防するを要す。

以鬼為尸,要無氣;父母為墳,皆宜靜。以財為祿,以子為祀,要旺相、出現、持世。世為風水,應為棺槨,皆宜靜。

官鬼を以て尸身を代表し、それの無気なるを要して乃ち好し。父母を以て墳塋を代表し、この両様は皆安静を宜しとす。妻財を以て禄養を代表し、子孫を以て香火・祭祀を代表し、この両様は旺相にして卦面に出現ししかも世を持するを要す。世爻を以て風水・地気を代表し、応爻を以て棺槨を代表し、この両様もまた皆安静を宜しとす。

或問:旺相宜火之說?曰:鬼旺只是不利,故宜火化,不宜葬也。陰宅先論墓地,次論卦身,要有財福世應,有氣相生為妙。未葬時,外亡內塚,相剋吉。不要官鬼旺。已葬後,內亡外塚,相生,鬼旺亡人安。

人が問うていう。官鬼が旺相なれば便ち火化に宜しというは、これどう講ずるか。答えていう。鬼が旺なるはただ安葬に利あらざるのみ、ゆえに寧ろ火化して、土に入るるに宜しからず。陰宅を占うは、先ず墓地本身を論じ、其次に卦身を論じ、総じて卦中に財あり福あり世応に気ありてしかも彼此相生するを要して乃ち妙なり。まだ下葬せざるの時は、外卦を以て亡人と為し内卦を以て墳塋と為し、両辺が相剋するはかえって吉にして、この時は官鬼の旺なるを要せず。已に下葬したる以後は、改めて内卦を以て亡人と為し外卦を以て墳塋と為し、両辺は相生するを要して乃ち好し。この時は官鬼が旺なれば、亡人はかえって安穏なり。

鬼為亡身、為塚,若定塚穴高低,如卦身在初二爻,葬在低處;在三、四爻;葬在平處,在五六爻,葬在高處。若地位方向,以卦宮長生定之。如坎宮地在北方,坎水長生居申,其穴宜在申上,餘仿此。

官鬼は既に亡人の身を代表し、また墳冢を代表す。墓穴の高低を定めんと要するは、便ち卦身を看る。卦身が初爻・二爻に在るは、低処に葬る。三爻・四爻に在るは、平地に葬る。五爻・六爻に在るは、高処に葬る。地塊の方向に至っては、卦宮の五行の長生の位を用いて定む。譬えば坎宮、地は北方に在り、坎は水に属して水の長生は申に在れば、然らば則ち穴位は応に申の方位の上に取るに宜し。其余の各宮はこの類に照らして推す。

占葬年,如身在卯,酉年占,卯數至酉成七年,不七年,或卯酉二七十四年,或用月數,如變爻沖卯爻,必地既狹窄,無氣同。

安葬の年分を推すに、譬えば卦身が卯に在りて、而も酉年に在りて占うに、卯より順に数えて酉に到るに共に七位、便ち七年の後と断ず。もし七年に応ぜずば、便ち卯・酉が各々七を合して十四年と為すを取る。あるいは改めて月数を用いて推す。倘若変爻が反って来たってあの卯爻を冲せば、あれは必定に地方狭窄なり。変爻の無気なるも、また狭窄に照らして断ず。

53.朝国を占う

世應相得,君臣用心;六位無克,萬國咸寧。

国家の大事を占うに、世爻は是れ君、応爻は是れ臣。世応の両辺が相得相合するは、便ち君臣同心一意なり。六つの爻位が彼此相克傷せざるは、便ち万国の安寧する太平の象なり。

世為帝王,應為功臣,本宮為都。內外比和、旺相,天生聖主,剛柔動靜有常,地出奇材,最宜吉神,切忌大殺。

世爻は帝王を代表し、応爻は功臣を代表し、本宮は国都を代表す。内外の両卦が比和にしてまた旺相なるは、是れ上天が聖明の主を生出するの象。卦中の剛柔・動静に皆常度あるは、是れ大地が奇才・異能の士を産出するの象。この一門は最も卦中に吉神あるを宜しとし、最も大煞あるを忌む。

金為兵戈忌動,土為城壘宜安,水為氾濫,火為炎晴,木爻風惡,吉神為瑞。震離坎兌為四方,艮坤二卦為中土。

五行は国事の上に各々取象あり。金は是れ兵戈にして、それの発動を忌む。土は是れ城壘にして、それの安穏を宜しとす。水は泛濫して災を成すを主る。火は炎熱・亢旱を主る。木爻は大風の為害するを主る。吉神は則ち祥瑞を主る。方位の上は、震・離・坎・兌の四卦は分かちて東・南・北・西の四方を主り、艮・坤の両卦は合して中土と為す。

五爻為至尊,加吉神太歲,仁慈之主也。帶殺白虎,暴虐之君也。與吉神生合,必親賢任能,遠佞去奸。

第五爻は是れ至尊の位。この一爻に吉神と太歳とを加うるは、是れ仁慈の主。凶煞と白虎とを帯ぶは、是れ暴虐の君。第五爻が吉神と相生相合するは、この君主は必定に賢人に親しみ能者を任用し、諂佞を疏逖し奸邪を除去せん。

初爻安靜,吉神持世或生世,萬民悅服。 本象二爻為侍臣,帶吉神左右必得賢人,加凶殺者,多奸邪便佞。 四爻會吉神克世生世,必上忠君,下安黎庶。

初爻は是れ黎民の位、それが安静にしてしかも吉神ありて世を持しあるいは世を生ずるは、万民は心悦誠服せん。本宮卦の第二爻は是れ侍從・近臣の位、この一爻が吉神を帯ぶは、君王の左右は必ず賢人を得。凶煞を加うるは、身辺は多く奸邪・諂媚の徒なり。第四爻は是れ大臣の位、それが吉神を会合して来たって世を剋しあるいは世を生ずるは、これらの大臣は必定に上は君王に忠なる能く、下は百姓を安撫する能し。

子孫為儲君郡主,宜旺相不空,若大殺動刑沖剋,恐有廢立之患。子孫在初爻動克三爻或世者,士庶民有上書直言利害;在二爻動,必有才德舌辨之臣入上封事;在三爻動,有賢能諸侯謂門直諫;在四艾動,左右近臣必盡忠死諍也。

子孫爻は儲君と郡主とを代表し、それの旺相にして落空せざるを宜しとす。もし大煞ありて発動して来たってそれを刑冲剋せば、恐らくは太子を廢立するの禍患あらん。子孫が初爻に発動して第三爻を剋しあるいは世爻を剋するは、是れ士人・百姓が書を上りて直言して利害を陳ぶ。第二爻に発動するは、必ず才徳兼備・能言善辯の臣子ありて密かに封事を上らん。第三爻に発動するは、賢能の諸侯ありて廷に当りて直諫せん。第四爻に発動するは、君王の左右の近臣は必定に忠を盡して死を以て相争わん。

54.征戦を占う

出兵交戰,鬼賊財糧;鬼旺彼勝,子旺我強。

兵を出して交戦するは、官鬼を以て敵軍・賊寇を代表し、妻財を以て糧草・輜重を代表す。官鬼が旺相なれば則ち相手方が勝を取り、子孫が旺相なれば則ち我が軍は強盛なり――子孫はまさに我方の兵将なり。

以鬼為彼賊,以子為我軍,子孫旺相,必獲全勝,出現宜先,伏藏宜後,內凡鬼父旺相或是獨發,或持世身,大敗之兆。若六爻安靜世旺克應,必勝。

官鬼を以て相手方の賊寇と為し、子孫を以て我方の軍隊と為す。子孫が旺相なれば、必ず全勝を獲る。子孫が卦面に出現するは、先発して人を制するに宜しく、伏蔵して露われざるは、後発して人を制するに宜し。もし内卦中に官鬼・父母が旺相なり、あるいはそれらが独り発動し、あるいは世爻・卦身を持するは、あれは大敗の兆なり。もし六爻が安静にして世爻が旺相にしてまた能く応を剋すれば、必定に勝を得。

父母、城池、壕寨、雄旗;子孫為兵將軍馬;兄弟為轅門驚恐伏兵;官鬼為敵兵刀劍。

各爻の軍事上の取象は、父母は城池・壕溝・営寨と旗幟とを代表し、子孫は兵将と軍馬とを代表し、兄弟は轅門の驚擾と埋伏の兵とを代表し、官鬼は敵兵と刀剣とを代表す。

世應空亡,主和;世空我軍弱;應空徵兵退;世爻被鬼沖剋,我軍不利;兄弟獨發凶。 鬼去爻中,兄弟化出官鬼來合世爻身,主有奸人在軍中,世下伏鬼亦然。

世応の両辺が皆空亡に落つるは、两下の議和を主る。世爻の落空するは、我が軍は力弱し。応爻の落空するは、相手方は兵を退く。世爻が官鬼に冲剋せらるるは、我が軍は利あらず。兄弟の独発するは、凶なり。官鬼が爻中に蔵れて、而も兄弟がまた官鬼を変出して世爻あるいは卦身を合住するは、軍中に奸細あるを主る。世爻の底下に鬼が伏するも、これも一様なり。

凡變爻沖剋子孫,主損名將。沖剋財爻,並財持世落空,主糧受困。刑剋父母,主戰船城寨有失,指揮號令大不宜。沖剋官爻,彼賊必敗。

およそ変爻が子孫を冲剋するは、名将の折損を主る。財爻を冲剋し、あるいは財爻が世を持ちてまた落空するは、糧草の困せらるるを主る。父母を刑剋するは、戦船と城寨とに失あるを主り、指揮・号令もまた大いに利あらず。反って、官爻を冲剋するは、敵軍は必ず敗る。

凡卦中動火刑父母、克父母,必然火燒宮室,火沖剋財,主火焚糧草。又,財有倉庫,如近子近我軍,近父近壕塹,近鬼近賊所。又父母塞位方,如坤宮西南方也。

およそ卦中に火爻ありて発動して去りて父母を刑し父母を剋するは、必定に火の宮室・営房を焼毀するあり。火爻が財爻を冲剋するは、糧草の火に焚かるるを主る。この外、財爻は倉庫を代表し、それがどの一爻に靠近するかを看るべし。子孫に靠近するは、倉庫は便ち我が軍の近処に在り。父母に靠近するは、壕塹の一帯に在り。官鬼に靠近するは、敵方のあの辺に在り。さらに父母の守る所の関塞の方位は、便ち本宮の方位に照らして定む。譬えば坤宮は便ち西南方に在り。

55.天時を占う

若問天時,須詳內外;互換干合,方明定體。

天時の陰晴を問わんと要するは、須く内卦・外卦を皆仔細に審め過ぐる一遍すべし。再び卦の納する所の天干と日干とが能く互相化合するや否やを看る。化合したる後の成す所の五行にして、乃ちこの一卦の「定体」を定め下し得、晴雨は是に於いて明白なり。

仰觀天象者,幹;俯察地理者,支。先看內卦有合無合,次看外卦定體。甲己化土,陰雲;丁壬化木,生風;乙庚化金,作雨;丙辛化水,必雨;戊癸化火,主晴。內外無合,次明定體。定體者,看外卦取,獨發論變。乾日月星,坤沙石霧,震雷霆電,巽風、離晴、坎雨、艮陰、兌甘澤。

頭を抬げて天上の気象を観察するは、天干に仗る。頭を低めて地上の形勢を考察するは、地支に仗る。天時を占うは、先ず内卦と日干とに相合する有無を看て、其次に外卦を看て定体を取る。天干の五合の化する所は下のごとし。甲と己と合して土に化するは、陰雲を主る。丁と壬と合して木に化するは、風を起こすを主る。乙と庚と合して金に化するは、雨を下すを主る。丙と辛と合して水に化するは、必定に雨を下す。戊と癸と合して火に化するは、晴を主る。もし内外の卦が皆日干と相合せずば、あれは便ち転じて明らかに定体を取る。いわゆる定体は、外卦の卦象を取りて断ずるなり。卦中にもし独発の爻あれば、便ちそれの変出する爻に按じて論ず。八卦の主る所の天象は、乾は日月・星辰を為し、坤は沙石・霧気を為し、震は雷霆・閃電を為し、巽は風を為し、離は晴を為し、坎は雨を為し、艮は陰を為し、兌は甘霖・雨沢を為す。

或問:互換干合,如何互換?答曰:甲日占得離卦,甲己合,則主阻雲也;壬日占得兌卦,丁壬作合木,木世主生風,此化氣也。若內外卦不與日干合,看外卦以十干求之,以日干落在何宮,假如己末日占得大有卦,日干落在離宮,主晴,己日占得既晴,則日干無所落,便可斷陰雲矣。

人が問うていう。「互いに換えて干合す」というが、いったいどう換ゆるか。答えていう。甲日に離卦を占得れば、離は己土を納し、甲己は相合して土に化し、便ち陰雲の日を蔽うを主る。壬日に兌卦を占得れば、兌は丁を納し、丁壬は相合して木に化し、木は風を生ずるを主るがゆえに、起風と断ず――これを化気と謂う。もし内外の卦が皆日干と合い上らずば、便ち外卦を看て、十天干を把りて求め、日干がどの一宮に落つるかを看る。譬えば己未日に火天大有卦を占得れば、日干の己は離宮に落ち、離は晴を主れば、便ち晴と断ず。もし己日の占する所の卦に日干の安落する処なければ、あれは便ち陰雲と断作する可し。

56.天道の晴雨を占う

每日之事,十干要精;壬癸動雨,丙丁管晴。

毎一天の陰晴は、全く十天干を推るに精熟するに仗る。壬・癸は水に属し、それらが一たび発動すれば便ち雨を下す。丙・丁は火に属し、それらが令に当たれば便ち晴を管す。

庚辛雨後晴,或次日便晴;壬癸連雨難晴,有風方止;甲乙作雨不妨;丙丁日月晴明;戊己陰雲不定。辰丑動雨、末戌動晴。內動速,主晝,外動遲,主夜。

十干は各々主る所有り。庚・辛は雨後に晴に転ずるを主り、あるいは第二天便ち晴る。壬・癸は連日の陰雨晴れ難きを主り、風の起こるを待ちて乃ち止まるを要す。甲・乙は雨を下すを主るも、事を妨げず。丙・丁は日月の晴明を主る。戊・己は陰雲の定まらざるを主る。地支の上は、辰・丑の発動は雨を主り、未・戌の発動は晴を主る。内卦の発動は応ずること速く、白昼を主る。外卦の発動は応ずること遅く、夜間を主る。

或問:十干動,陰晴如何看?答曰:如火火既濟,己亥持世,便斷陰晴不定。財為晴,午火財卻伏在己亥水下,水旺則主雨。火旺或支辰透出午,則便斷晴。但要機變,取時言之。配以六親,百發百中,若不精熟,則不能通應矣。

人が問うていう。十天干が発動するに、陰晴は応にどう看るべきか。答えていう。譬えば既済卦を占得て、己亥が世を持すれば、便ち陰晴定まらずと断ず。財爻は晴を主るも、此の卦の午火の財は却って己亥の水の底下に伏す。水が旺なれば便ち雨を主り、火が旺なり、あるいは地支の上に午を透し出せば、便ち晴と断ず。総じて機に随い変に応じ、時辰に按じて断を取るを要す。さらに六親を配して一同に推せば、百発百中する可し。もし推ること精熟せずば、便ち応験の上に通ずる能わず。

又問:如何取時日?曰:假如乙日占震卦,則遇辰巳時方晴,乙庚化金作雨,卻緣戌土財持世,又庚辛雨後晴,緣辰巳時天干見庚辛,此兩個時,不能雨止,過辰巳時,主午時方晴。如丙日占震卦,雖庚戌持世,不能作雨,緣日干丙字克去庚,不能生水也。

また問うていう。どう応験の時辰と日子とを取るか。答えていう。譬えば乙日に震卦を占得れば、辰時・巳時以後に到りて乃ち晴るを要す。乙と庚と合して金に化し、金は能く水を生じ、本來雨を下すを主る。しかるに卦中の戌土の財が世を持ち、財は晴を主る。また庚・辛が雨後に晴に転ずるを主るに因り、而も辰・巳の両箇の時辰の天干は正に庚・辛を見れば、ゆえにこの両箇の時辰は雨はなお止み住めず、辰巳を過ぎて午時に到りて乃ち放晴す。再びごとく丙日に震卦を占得れば、庚戌が世を持すと雖も、却って雨を下し成らず。日干の丙火が庚金を剋住し、金は水を生ずる能わざるの縁故なり。

又問:辰丑動雨,未戌動晴?曰:辰是水庫,丑中有癸,故此二字動,值戊己不為陰雲,而必陰雨。未戌動晴者,未中有丁,戌是火庫,故此二字動,值戊已,不為陰雲而化晴矣。又問:內動主晝,外動主夜?曰:內為陽,外為陰,晝夜之道也。

また問うていう。なぜ辰・丑の発動は雨を主り、未・戌の発動は晴を主るか。答えていう。辰は是れ水の庫、丑中は癸水を蔵すれば、ゆえにこの両字は一たび動けば、たとい戊・己に遇上するも、陰雲に止まらず、必定に陰雨を下さん。未・戌の発動が晴を主るは、未中は丁火を蔵し、戌はまた火の庫なれば、ゆえにこの両字は一たび動けば、戊・己に遇うて、便ち陰雲を作さずして化して晴と為す。また問うていう。なぜ内卦の発動は白昼を主り、外卦の発動は夜間を主るか。答えていう。内は陽を為し外は陰を為し、陽は昼に属し陰は夜に属す。これすなわち昼夜の道なり。

又問:未戌動主晴,而癸日占得坎宮地水師,如何入雨?曰:未戌動晴,以其中有丁火也,今戊戌化癸亥,癸字克了丁火,日後又逢是癸,並去傷了,豈得不雨?

また問うていう。未・戌の発動は晴を主るというに、しかるに癸日に坎宮の地水師卦を占得れば、怎生にかえって雨を下し起こすか。答えていう。未・戌の晴を主る所以は、それらの裏頭に丁火を蔵するを以てなり。いま師卦の戊戌は癸亥に変成し、癸水は丁火を剋し去り、加うるに占する所の日は本身また癸にして、两重の癸水は一併に丁火を傷り尽せば、怎むぞ雨を下さざるを得んや。

又問:癸亥日占得坎之蒙,亦是癸日,如何卻晴?曰:未戌動晴,以其有火也,今戊戌化丙子,是戊之火已透出來,日辰癸亥與上戊寅合住,不能傷丙,所以晴也。

また問うていう。癸亥日に坎卦を占得て山水蒙に変ずるは、同じく癸日にして、怎生にかえって放晴するか。答えていう。未・戌の晴を主るはその中に火を含むを以てなり。いま戊戌は丙子を変出し、戊土の裏の火は已に透成して丙火顕露し出でたり。日辰の癸はまた上の戊と相合して牽住せられ、身を抽き出して丙火を傷るに及ばず。ゆえになお晴なり。

又問:壬癸動雨要言剋日定時取驗,何如?曰:如六月甲辰日占雨得乾之大壯,當日申時雷雨驟至,此壬癸剋日定時,何以知之?乾為天,震為雷,外卦震,內卦乾,豈得無雨?第五爻申親艾動,日值甲辰,夜半生甲子,脯時壬申透出本宮動爻,故應在申時也。

また問うていう。壬癸の発動は雨を主るというに、なお日辰を剋するを靠りて応験の時辰を定むるを要すとは、これ怎生に事ぞ。答えていう。譬えば六月の甲辰日に雨を占うに、乾卦を揚得て雷天大壮に変じ、当天の申時に雷雨が驟然として至る。これすなわち壬癸が日を剋して時を定むるなり。怎生に知り得たるか。乾は天を為し震は雷を為し、外卦は変成して震と為り内卦は仍お乾なれば、天上に雷を打つ、怎むぞ雨なからんや。第五爻の申金のこの本宮の親爻はまさに発動し、この一天は甲辰にして、甲日は夜半の子時より排して起こすは甲子にして、順に数え下れば、日昳の申時は恰も壬申にして、卦中の発動する本宮爻と相透すれば、ゆえに申時に応ず。

又問:丙申日占得乾卦,壬戌持世,如何壬癸不得雨?曰:戊申有火,透出丙字,如何得雨? 又問:丁酉日占陰晴,得坤卦,此癸酉持世,如何亦不得雨?曰:本主雨,卻緣日辰丁酉,貴人在酉,故丁日見世爻五癸,世在酉,是敗財之內,癸水退讓於丁火,豈得不晴?

また問うていう。丙申日に乾卦を占得て、壬戌が世を持するに、なぜ壬癸が当値して雨を下さざるか。答えていう。申中はもと火を蔵し、日干はまた一箇の丙を透し出し、火気はこのごとく重ければ、どこにか雨を下し成るを得んや。また問うていう。丁酉日に陰晴を占い坤卦を得て、癸酉が世を持するに、なぜもまた雨を下さざるか。答えていう。此の卦は本来雨を主るも、ただ日辰が丁酉なるに因り、而も丁日の天乙貴人は正に酉の上に在り。丁日はまた世爻の上の癸を見、世は酉に坐して、恰も敗地・散財の中に落ち、癸水はただ丁火に退譲するを得るのみ、怎むぞ晴れざらんや。

鬼動雨,變出子孫,晴。應落空,晴不久。應克世財,晴。父母生世雨,又動克子,亦有雨。 財為晴,父為雨,兄為風,子為雲霧,在冬為雪,官鬼為雷,冬春為雪,夏為熱。專看本象要旺,持世本宮。

官鬼の発動は雨を主る。官鬼がもし子孫を変出し来たれば、かえって晴に転ず。応爻の落空するは、晴るること久しからず。応爻が世を剋して世上が財なるは、晴を主る。父母爻が世を生ずるは雨を主る。父母がまた発動して去りて子孫を剋するも、また雨あり。総の取象は、妻財は晴を主り、父母は雨を主り、兄弟は風を主り、子孫は雲霧を主る――冬天に到れば則ち雪を主る。官鬼は雷を主り、冬春に在りては雪を主り、夏天に在りては暑熱を主る。これらは皆専ら本象の是れ旺相なるや否や、是れ世を持するや否や、是れ本宮に属するや否やを看る。

要知何日雨?曰:父母長生日,帝旺或值日便有雨。何日雨止?絕日空便止,餘仿此。 要知何日風?假如兄屬寅為東北風,亦要看當時日辰天干為緊,外卦有動,看變出者,若是水爻出現,便有雨。

どの一天に雨を下すかを知らんと要するか。答えていう。父母爻の長生するあの天、帝旺するあの天、あるいはそれが正に値日に当たるあの天に、便ち雨あり。どの一天に雨止まるか。父母爻が絶に入り落空するあの天に便ち止まる。其余の各項は皆この办法に照らして推す。どの一天に風起こるかを知らんと要するか。譬えば兄弟爻が寅に属すれば、寅は東北に在れば、便ち東北の風を刮るを主る。同時にさらに当時の日辰の天干を緊く看るを要す。外卦にもし爻の発動あれば、便ちそれの何を変出し来たるかを看る。もし変出するが水爻顕現なれば、あれは便ち雨あり。

57.射覆を占う

覆射萬物,表裡各異;以財為體,以鬼為類。

射覆は物を蓋い覆いて人に猜せしむるなり。卦中の万物は皆表・裏の両面に分かれ、各々不同あり。妻財爻を以てこの件の東西の形体・外表を代表し、官鬼爻を以てそれの種類・内質を代表す。

財為表,鬼為裡,財鬼出現,表裡皆有,有表無裡,外實內虛;有裡無表,外虛內實,財鬼俱藏,輕虛之物。

財爻は外表を主り、鬼爻は内裏を主る。財・鬼が皆卦面に出現するは、表裏の両様俱全なり。表ありて裏なきは、外面は結実して裏面は空虚。裏ありて表なきは、外面は空虚にして裏面は結実。財・鬼の両様が皆蔵れて露われざるは、是れ軽飄虚薄の物なり。

或問:表裡各異,何也?答曰:以財為表,以鬼為裡,有表裡皆有者,有裡無表者,此所謂異也。

人が問うていう。「表裏各異」というは何の意思ぞ。答えていう。財を以て表と為し、鬼を以て裏と為す。表裏俱全する有り、裏ありて表なき有り、各卦同ならず。これすなわち「異」と謂う所なり。

又問:方圓、長短,新舊如何定之?曰:陽卦主圓,陰卦主方,應旺主新,應衰主舊,世應被克空虛,世應相合圓物,世應比合和長物,世應相生方物,相刑剋尖物,相剋沖損物。

また問うていう。物の方円・長短・新旧は怎生に定むるか。答えていう。陽卦は円を主り、陰卦は方を主る。応爻の旺相なるは是れ新物、応爻の衰弱なるは是れ旧物。世応の剋を受くるは、物は是れ空虚なり。世応の相合するは是れ円形の物、世応の比和するは是れ長形の物、世応の相生するは是れ方形の物、彼此の相刑相克するは是れ尖形の物、相克してまた相冲するは是れ破損あるの物なり。

鬼が八卦に値す

官鬼在兌乾,金、玉;在震巽,竹、木;在坤艮,土、石;在坎,魚、綿水貨;在離,絲綿綃;在坤離,又為文書、布帛、專數之物。

官鬼が兌・乾の両宮に落つるは、是れ金玉の一類。震・巽に落つるは、是れ竹木の一類。坤・艮に落つるは、是れ土石の一類。坎に落つるは、是れ魚類・絲綿と水中の貨物。離に落つるは、是れ絲綿・生綃の一類。坤・離に落つるは、また文書・布帛および成套にして数う可きの東西を主る。

58.覆射の物色(節録)

以官為物,為色為形;若居四土,可分輕重。

射覆して物色するは、官鬼爻を以て覆する所の物を代表し、既にそれに憑りて顔色を定め、またそれに憑りて形状を定む。もし官鬼が辰・戌・丑・未のこの四箇の土位の上に落つれば、なおそれに拠りて以て物の軽重を分弁する可し。

以官為色,出現正色,伏藏旁色。伏財能食,伏子能用。伏父能蓋載,伏兄不中,更以金木水火土分之,動亦可取。

官鬼を以て顔色を定む。官鬼が卦面に出現するは、是れ正色。伏蔵して露われざるは、是れ旁色・雑色。官鬼の底下に財爻が伏するは、この東西は喫す可し。子孫が伏するは、用いる可し。父母が伏するは、能く覆い載承す。兄弟が伏するは、用に中らず。さらに金木水火土に按じて分別して取象す。官鬼の発動するも、またそれの動象に拠りて取る可し。

或問:以官為色,出現正色,伏藏旁色,如何?答曰:即官鬼出現是男、伏藏是女,反對取之。官鬼為正物,隨五行取之。應為表,為皮毛;世為裡,為形狀。陽為天,主圓,陰為地,主方,應在外主長,應在內主短。應旺相主新,應休囚主舊。

人が問うていう。官を以て色と為し、出現は正色・伏蔵は旁色というは、これ応にどう講ずべきか。答えていう。これは前面に官鬼の出現は男・伏蔵は女と講じたると同一箇の道理にして、皆反って対し向いて取るを要す。官鬼はこの件の正物を代表し、それの五行に按じて取象す。応爻は是れ外表にして皮毛を主り、世爻は是れ内裏にして形状を主る。陽は天を為し円を主り、陰は地を為し方を主る。応爻が外卦に在るは、物形は長し。内卦に在るは、物形は短し。応爻の旺相なるは是れ新物、応爻の休囚なるは是れ旧物なり。

子孫動,物有足,兄動有皮,財動物可食,父動物有生氣,官動不中。五鄉一鄉不入,亦可取物色。

子孫の発動するは、この東西は脚あり。兄弟の発動するは、皮殻あり。財爻の発動するは、喫すること以てす。父母の発動するは、是れ生気あるの活物。官鬼の発動するは、用に中らず。五郷のうちたとい一郷欠けて卦に上らずとも、照様に物の顔色と形状とを断じ取る可し。

合則圓,扶則長,生則方,克則損,刑則失。 以內卦為地,外卦為天。青龍論左,白虎論右,朱雀觀前,玄武看後,勾陳世爻管中。

さらに爻と爻との関係を用いて形を定む。相合するは円形を成し、相扶するは長形を成し、相生するは方形を成し、相克するは残損あり、相刑するは缺失あり。方位の上は、内卦を以て地と為し外卦を以て天と為す。青龍は左を主り、白虎は右を主り、朱雀は前を看、玄武は後を看、勾陳と世爻とは中央を管す。

覆射者,須定服色事理。如金爻動在乾者內赤外白面方圓之類。此乃究五行動爻身世之法,定克應未來之理,可研窮而報究,不可謬意取用。

射覆する人は、必ず先ず物の顔色と事理とを定め下すを要す。譬えば金爻が発動して乾宮に落つるは、便ち内は赤く外は白く形状は方中に円を帯ぶるの一類なり。これは五行・動爻と卦身・世爻とを窮究するの方法にして、用いて将来の克応の理を推定するは、細細に钻研し反覆して推究する可く、しかして空に憑りて乱猜し随意に取用する可からず。

六爻安靜,先看世應,有無生合刑沖害,又要觀發動之爻,次究伏爻在何位下,後審卦身有無吉囚,然後定休咎。法曰:彼來生合我者,順也,我去生合彼者;逆也。此為吉凶之源,是故生生之謂易,通變之謂事也。

もし六爻が安静なれば、便ち先ず世応の間に生・合・刑・冲・害の有無を看て、再び発動の爻の有無を看、其次に伏爻がどの一位の下に伏するかを推究し、最後に卦身に吉神あるいは囚死の気の有無を審察し、然る後に乃ち吉凶を定む。法訣にいう。相手方が来たって我を生じ我を合するは、之を「順」と謂う。我が去りて他を生じ他を合するは、之を「逆」と謂う。これすなわち吉凶の源頭なり。ゆえにいう、生々して息まざるを「易」と謂い、権に通じ変に達するを「事」と謂うと。

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