Libo

人事占第二

宋 · 邵雍 · 第3巻 / 6

作盤ガイド: 梅花易数の立卦

人事之占,詳觀體用。體卦為主,用卦為賓。用克體不宜,體克用則吉。用生體有進益之喜,體生用有耗失之患。體用比和,謀為吉利。更詳觀互卦、變卦,以斷吉凶;復究盛衰,以明休咎。 人事之占,則以全體用總章向決吉凶。若有生體之卦,即看前章八卦中生體之卦有何吉;又看克體之卦有何凶,即看前章克體之卦。無生克,止斷本卦。

人事を占うは、細かく体用両卦を看るを要す:体卦は自己、主と為す。用卦は対方と占う所の事、賓と為す。用の来りて体を克するは好からず、体の去りて用を克すれば則ち吉。用の来りて体を生ずるは、進益の喜あり。体の去りて用を生ずるは、耗損の患あり。体用比和なれば、則ち謀る所順利なり。この外更に互卦と変卦を細看して以て吉凶を断じ、更に各卦の盛衰旺相を考究し、以て禍福を明白にすべし。 人事を占うの総の办法は、即ち通篇に体用総訣を按じて決断す:卦中もし体を生ずるの卦あらば、前一章の八卦生体条を翻査し、それが何の吉を主るかを看る。もし体を克するの卦あらば、前一章の八卦克体条を翻査し、それが何の凶を主るかを看る。倘若も生も亦た克も無からば、ただ本卦の卦義に按じて断ずるのみ。

家宅占第三

凡占家宅,以體為主,用為家宅。體克用,則家宅多吉,用克體,則家宅多凶。體生用,多耗散,或防失盜之憂。用生體,多進益,或有饋送之喜。體用比和,家宅安穩。如有生體之卦,即以前章人事占斷之。

およそ家宅を占うは、体卦を以て家に住む人と為し、用卦を以てこの處の家宅と為す。体の用を克するは、家宅多吉。用の体を克するは、家宅多凶。体の用を生ずるは、家中の銭財多く耗散し、更に失窃の憂を防ぐを要す。用の体を生ずるは、家中多く進益あり、あるいは人の饋贈の喜あり。体用比和なれば、則ち一家安穏なり。もし卦中別に体を生ずるの卦あらば、即ち前一章の人事占の办法に照らしてそれが何種の吉利を主るかを断ずべし。

屋舎占第四

凡占屋舍,以體為主,用為屋舍。體克用,居之吉,用克體,居之凶。體生用,主資財衰退;用生體,則門戶興隆。體用比和,自然安穩。

およそ房屋を占うは、体卦を以て居住の人と為し、用卦を以てこの所の房子と為す。体の用を克するは、住み入りて吉利。用の体を克するは、住み入りて凶あり。体の用を生ずるは、家財の一天天衰退を主る。用の体を生ずるは、則ち門庭興旺なり。体用比和なれば、自然に安穏無事なり。

婚姻占第五

占婚姻以體為主,用為婚姻。用生體,婚易成,或因婚有得;體生用,婚難成,或因婚有失。體克用,可成但成之遲;用克體,不可成,成亦有害。體用比和,婚姻吉利。

婚姻を占うは、体卦を以て自己一方と為し、用卦を以てこの門の親事と為す。用の体を生ずるは、婚事成り易く、あるいはこの門の親事に因りて好處を得。体の用を生ずるは、婚事成り難く、あるいはこの門の親事に因りて損失あるを主る。体の用を克するは、能く成り、ただ成ること遅し。用の体を克するは、成らず、勉强に成るも亦た害あり。体用比和なれば、則ち婚姻吉利なり。

占婚,體為所占之家,用為所婚之家。體卦旺,則此家門戶勝;用卦旺,則彼家資盛。生體,則得婚姻之財;或彼有相就之意;體生,則無嫁奩之資,或此去求婚方諧。若體用比和,則彼此相就,良配無疑。 乾:端正而長 坎:邪淫、黑色、嫉妒、奢侈 艮:色黃多巧 震:美貌難犯 巽:髮少稀疏,醜陋心貪 離:短赤色,性不常 坤:貌醜,大腹而黃 兌:高長,語話喜悅,白色

婚を占うに更に一层の看法あり:体卦は来りて問うこの一家を代表し、用卦は親を結ぶあの一家を代表す。体卦旺なれば、この家の門戸上風を占む。用卦旺なれば、あの家の家資更に盛ん。用の来りて体を生ずれば、即ち婚姻上の財物を得、あるいは対方の意ありて主動して来り就かんとす。体の去りて用を生ずれば、即ち陪嫁の資財無く、あるいはこちらの主動して親を求めてこそ談じ得て攏る。もし体用比和ならば、彼らは彼此情願・両相に凑就して、是れ无疑の良配である。 再び用卦の象を以て対方の相貌品性を看る:乾は容貌端正にして身材頎長を主る。坎は為人邪淫・膚色偏黒・嫉妒を好み・奢侈を尚ぶを主る。艮は膚色の黄を発して心思霊巧を主る。震は容貌美好にして端厳侵犯すべからざるを主る。巽は頭髪稀少・貌醜にして心貪を主る。離は身材矮小・面色偏赤・性情反復無常を主る。坤は相貌丑陋・大腹にして面黄を主る。兌は身材高長・言語喜悦・膚色白浄を主る。

生産占第六

占生產,以體為母,用為生。體用俱宜乘旺,不宜乘衰。宜相生,不宜相剋。體克用不利於子;用克體不利於母。體克用而用卦衰,則子難完;用克體而體卦衰,則母難保。用生體,利於母;體生用,利於子。體用比和,生育順快。若欲辨其男女,當於前卦審之。陽卦陽爻多者則生男,陰卦陰爻多者生女。陰陽卦爻相生,則察所占左右人之奇偶以證之。如欲決其日辰,則以用卦之氣數參決之。所謂卦之氣數者,即看何為用卦,於八卦時序之類次之。

生産を占うは、体卦を以て母親と為し、用卦を以て生む所の子と為す。体用両卦皆時を得て旺に乘るを宜しく、衰弱を宜とせず。宜しく彼此相生して、宜しく彼此相克せざるべし。体の用を克するは、孩子に利あらず。用の体を克するは、母親に利あらず。もし体の用を克ししかも用卦また衰なれば、孩子保全し難し。もし用の体を克ししかも体卦また衰なれば、母親平安を保ち難し。用の体を生ずるは、母に利あり。体の用を生ずるは、子に利あり。体用比和なれば、則ち生育順利快捷なり。もし男女を辨ぜんと欲せば、即ち本卦の上に審察す:陽卦にして陽爻多きは男を生み、陰卦にして陰爻多きは女を生む。もし陰陽卦爻彼此相生・一时に分かち難ければ、即ち占卜の時左右在場の人の単数か双数かを数えて以て印証す(単は陽にして男を主り、双は陰にして女を主る)。もし生産の日子を断定せんと欲せば、即ち用卦の卦気の数を参看す——所謂卦気の数とは、即ち用卦の是れ哪一の卦かを看て、再び前面の八卦「時序」一門の配する月日に按じて推す。

飲食占第七

凡占飲食,以體為主,用為飲食。用生體,飲食必豐;體生用,飲食難就。體克用,則飲食有阻;用克體,飲食必無。體用比和,飲食豐足。又卦中有坎則有酒,有兌則有食。無坎無兌,則皆無。兌、坎生體,酒肉醉飽。欲知所食何物,以飲食推之。欲知席上何人,以互卦人事推之。 飲食人事類者,即前八卦內萬物屬類是也。

およそ飲食を占うは、体卦を以て自己と為し、用卦を以てこの頓の飲食と為す。用の体を生ずるは、酒食必定豊盛。体の用を生ずるは、この頓の飯喫し得難し。体の用を克するは、飲食中間に阻碍あり。用の体を克するは、則ち根本に飲食無し。体用比和なれば、則ち酒食豊足なり。この外、卦中に坎あれば即ち酒あり、兌あれば即ち飯菜あり。既に坎無くまた兌無ければ、酒飯皆無し。もし兌・坎両卦皆来りて体を生ずれば、即ち酒肉興を尽くし・喫して醉飽す。喫する所是れ何かを知らんと欲せば、即ち各卦の「飲食」一門に按じて推す。席上皆是れどのような人かを知らんと欲せば、即ち互卦の「人物・人事」一門に按じて推す。 ここに説く飲食と人物の類は、即ち前面の八卦万物属類表中の各条である。

求謀占第八

占求謀,以體為主,用為所謀之事。體克用,謀雖可成,但成遲。用克體,求謀不成,謀亦有害。用生體。不謀而成;體生用,多謀少遂。體用比和,求謀稱意。

事を謀るを占うは、体卦を以て自己と為し、用卦を以て謀る所の事と為す。体の用を克するは、事情能く成ると雖も、却って成ること慢し。用の体を克するは、謀事成らず、勉强に謀り去りて反って害あり。用の体を生ずるは、費力せずして自然に成就す。体の用を生ずるは、則ち多方に籌画して少なく如願す。体用比和なれば、事を謀るに称心なり。

求名占第九

凡占求名,以體為主,用為名。體克用,名可成,但成遲。用克體,名不可成。體生用,名不可就,或因名有喪。用生體,名易成,或因名有得。體用比和,功名稱意。欲知名成之日,生體之卦氣詳之。欲知職任之處,變卦之方道決之。若無克體之卦,則名易就,止看卦體時序之類,以定日期。若在任占卜,最忌見克體之卦,如卦有克體者,即居官見禍,輕則上司責罰,重則削官退居。其日期,看克體之卦氣者,於八卦所屬時序類中斷之。

およそ功名を求取るを占うは、体卦を以て自己と為し、用卦を以て功名と為す。体の用を克するは、名得べきも、ただ成ること遅し。用の体を克するは、功名求めて成らず。体の用を生ずるは、功名成就せず、甚だしきは名を求むるに因りて喪失あるに至る。用の体を生ずるは、功名容易く手に到り、あるいは功名に因りて得る所有り。体用比和なれば、功名称心如意なり。名を得るはれ哪の一日かを知らんと欲せば、即ち細かく体を生ずる那一卦の卦気を推す。派て何處に職に任ずるを知らんと欲せば、即ち変卦の属する方位を看て以て定む。もし卦中に体を克するの卦無ければ、功名即ち容易く成り、ただ体卦の「時序」一門に配する月日を看て以て日期を定む。倘若もし已に任上に在りて占卜するは、最も体を克するの卦を見るを忌む:卦中一たび体を克するあれば、即ち官を為して禍に遭う、軽ければ上司の責罰を受け、重ければ職を削り官を罷められ・家中に退居す。至るに禍に応ずるの日期は、即ち体を克する那一卦の卦気を看て、八卦の属する「時序」一門の中に査出して断定す。

求財占第十

占求財,以體為主,以用為財。體克用,有財;用克體,無財。體生用,財有損耗之憂;用生體,財有進益之喜。體用比和,財利快意。欲知得財之日,生體之卦氣定之。欲知破財之日,克體卦氣定之。 又若卦中有體克用之卦,及生體之卦,則有財,此卦氣即見財之日。若卦中有克體之卦,及體生用之卦,即破財,此卦氣破財之日。

財を求むるを占うは、体卦を以て自己と為し、用卦を以て財と為す。体の用を克するは、財あり(我は能く財を制し、財は我が取る所と為す)。用の体を克するは、財無し。体の用を生ずるは、銭財に損耗の憂あり。用の体を生ずるは、銭財に進益の喜あり。体用比和なれば、則ち財利順遂称心なり。財を得るの日子を知らんと欲せば、即ち体を生ずる那一卦の卦気を用いて以て定む。財を破るの日子を知らんと欲せば、即ち体を克する那一卦の卦気を用いて以て定む。 更に細かく説けば:卦中もし体の用を克するの卦および体を生ずるの卦あらば、即ち財あるにして、これらの卦の卦気の値する所の日即ち財を見るの日である。卦中もし体を克するの卦および体の用を生ずるの卦あらば、即ち財を破るにして、これらの卦の卦気の値する所の日即ち財を破るの日である。

交易占第十一

占交易,以體為主,用為財。體克用,有財;用克體,不成。體生用,難成,或因交易有失。用生體,即成,成必有財。體用比和,易成。

交易売買を占うは、体卦を以て自己と為し、用卦を以てこの筆の財貨と為す。体の用を克するは、財の得べきあり。用の体を克するは、売買為し成らず。体の用を生ずるは、談じ成り難し、あるいはこの筆の交易に因りて反って損失を受く。用の体を生ずるは、当即に成るべく、成れば必定に利あり。体用比和なれば、則ち談じ成り易し。

出行占第十二

占出行,以體為主,用為所行之應。體克用,可行,所至多得意。用克體,出則有禍。體生用,出行有破耗之失;用生體,有意外之財。體用比和,出行順快。 又凡出行,體宜乘旺,諸卦宜生體。體卦乾、震多,主動。坤、艮多,不動。巽宜舟行,離宜陸行。坎妨失脫,兌主紛爭。

出行を占うは、体卦を以て出行の人と為し、用卦を以てこの行の遭遇と為す。体の用を克するは、走るべく、到る所の處多く能く意に称う。用の体を克するは、一たび門を出でて禍あり。体の用を生ずるは、門を出でて破費損耗あり。用の体を生ずるは、路上に意外の財あり。体用比和なれば、則ち出行順利爽快なり。 この外およそ出行を占うは、体卦は当令して旺に乘るを宜しく、諸卦の来りて体を生ずるを宜しとす。卦中乾・震多きは身を動かし行を成すを主り、坤・艮多きは走り成らざるを主る。巽を見れば舟に乘るに宜しく、離を見れば陸路を走るに宜し。坎を見れば丟失を防ぐを須とし、兌を見れば則ち口舌紛争を主る。

行人占第十三

占行人,以體為主,用為行人。體克用,行人歸遲;用克體,行人不歸。體生用,行人未歸;用生體,行人即歸。體用比和,歸期不日矣。 又以用卦看行人在外之情況。逢生,在外順快;逢衰受克,在外災殃。震多不寧,艮多有阻。坎有險難,兌主紛爭。

外に在るの人いつか帰るを占うは、体卦を以て問い占う自己と為し、用卦を以て門外に出で在るあの人と為す。体の用を克するは、行人帰り来ること遅し。用の体を克するは、行人帰り来らず。体の用を生ずるは、行人一时に帰るを得ず。用の体を生ずるは、行人馬上到る。体用比和なれば、則ち帰期即ちこの数日に在り。 また用卦に就きて行人の在外の境况を看るべし:用卦の生に逢えば、彼は外に順遂快意。用卦衰弱また克を受くれば、彼は外に災に遭う。卦中震多きは、彼は外に奔波寧まらず。艮多きは、則ち途中に阻あり。坎を見れば険難あるを主り、兌を見れば口舌争執あるを主る。

謁見占第十四

占謁見,以體為主,用為所見之人。體克用,可見;用克體,不見。體生用,難見,見之而無益;用生體,可見,見之且有得。體用比和,歡然相見。

拜访して見るを求むるを占うは、体卦を以て自己と為し、用卦を以て見んと欲する所の人と為す。体の用を克するは、見るに着く。用の体を克するは、見るに着かず。体の用を生ずるは、見ることを得難し、即便に見るに着くも亦た好處無し。用の体を生ずるは、見るに着く、しかも見て更に得る所有り。体用比和なれば、則ち彼此歓然として相見る。

失物占第十五

占失物,以體為主,用為失物。體克用,可尋遲得;用克體,不可尋。體生用,物難見;用生體,物易尋。體用比和,物不失矣。

丢失したものを占うは、体卦を以て失主と為し、用卦を以て失う所の物と為す。体の用を克するは、找えるに着く、ただ帰り来るを得ること遅し。用の体を克するは、找え帰り来らず。体の用を生ずるは、東西再び見ること難し。用の体を生ずるは、東西尋ね回ること易し。体用比和なれば、則ち物件其実並びに丟さず。

又以變卦為失物之所在。如變是乾,則覓於西北或公榭樓閣之所,或金石之傍,或圓器之中,或高亢之地。變卦是坤,則覓於西南方,或田野之所,或倉稟之處,或稼穡之處,或土窖穴藏之所,或瓦器方器之中。震則尋於東方,或山林之所,或叢棘之內,鐘鼓之傍,或鬧市之地,或大途之所。巽則尋於東南方,或山林之所,或寺觀之地,或菜蔬之園,或舟居之間,或木器之內。

再者、用の変卦を以て失物の所在を定む。変卦もし乾なれば、即ち西北方に到りて找え、あるいは官府・台榭・楼閣の一帯に在り、あるいは金石の旁に在り、あるいは円形器皿の中に在り、あるいは高亢の處に在り。変卦もし坤なれば、即ち西南方に到りて找え、あるいは田野の間に在り、あるいは倉庫の裏に在り、あるいは庄稼地の裏に在り、あるいは地窖・土穴の蔵物の處に在り、あるいは瓦器・方器の中に在り。変卦是れ震なれば、即ち東方に往きて找え、あるいは山林の中に在り、あるいは叢生の荊棘の裏に在り、あるいは鐘鼓の旁辺に在り、あるいは闹市の地に在り、あるいは大路の上に在り。変卦是れ巽なれば、即ち東南方に往きて找え、あるいは山林の中に在り、あるいは寺廟道観に在り、あるいは菜園の裏に在り、あるいは船上に在り、あるいは木器の内に在り。

坎則尋於北方,多藏於水邊或溪井溝渠之處,或酒醋之邊,或魚鹽之地。離則尋於南方,或皰廚之間,或爐冶之傍,或在明窗,或遺虛室,或在文書之側,或在煙火之地。艮則尋於東北方,或山林之內,或近路邊,或岩石傍,或藏土穴。兌則尋於西方,或居澤畔,或敗垣破壁之內,或廢井缺沼之中。

変卦が坎なれば、即ち北方に往きて找え、多くは水辺に蔵れ、あるいは溪流・水井・溝渠の處に在り、あるいは酒醋の壇の辺に在り、あるいは魚塩の在る所の地に在り。変卦が離なれば、即ち南方に往きて找え、あるいは厨房の中に在り、あるいは炉冶の旁辺に在り、あるいは明亮の窓前に在り、あるいは空屋に落ち、あるいは文書の旁辺に在り、あるいは煙火ある地に在り。変卦が艮なれば、即ち東北方に往きて找え、あるいは山林の内に在り、あるいは路辺に在り、あるいは岩石の旁に在り、あるいは土穴の中に蔵る。変卦が兌なれば、即ち西方に往きて找え、あるいは水沢の岸辺に在り、あるいは倒塌の牆垣破壁の内に在り、あるいは廃井・乾涸残缺の池沼の中に在り。

疾病占第十六

凡占疾病,以體為病人,用為病症。體卦宜旺不宜衰,體宜逢生,不宜見克。用宜生體,不宜克體。體克用,病易安;體生用,病難愈。體克用者,勿藥有喜;用克體者,雖藥無功。若體逢克而乘旺,猶為庶幾。體遇克而更衰,斷無存日。

およそ疾病を占うは、体卦を以て病人と為し、用卦を以て病症と為す。体卦は旺を宜として衰を宜とせず、別卦の生扶を得るを宜しくして克せらるるを宜とせず。用卦は来りて体を生ずるを宜しくして体を克するを宜とせず。体の用を克するは、病容易く好し。体の用を生ずるは、病痊愈し難し。体の用を克するは、薬を喫せずとも亦た喜あり(病自ずから退く)。用の体を克するは、縱い服薬するも功を見ず。もし体卦克せらるるも自身当令して旺に乘れば、なお几分の指望あり。もし体卦既に克せられしかも衰弱無気なれば、即ち断じて生理無し。

欲知凶中有救,生體之卦存焉。體生用者,遷延難好;用生體者,即愈。體用比和,疾病易安。若究和平之日,主卦決之。若詳危厄之期,克體之卦定之。若論醫藥之屬,當看生體之卦。如離卦生體,宜服熱藥;坎卦生體,宜服冷藥,如艮溫補;乾、兌涼藥是也。

凶中に救あるや否やを看んには、即ち卦裏に体を生ずるの卦有るや無きやを看る——有れば即ち険中に救を得。体の用を生ずるは、病情拖延して好り難し。用の体を生ずるは、ほどなく痊愈す。体用比和するは、疾病平復し易し。病の好る日子を推算せんと欲せば、即ち体卦(主卦)の卦気を用いて以て定む。危険発作の日期を推算せんと欲せば、即ち体を克するの卦を用いて以て定む。もし何の薬を用うるを論ぜんと欲せば、即ち体を生ずるは哪一の卦かを看る:離卦体を生ずれば、温熱の薬を服するに宜し。坎卦体を生ずれば、寒凉の薬を服するに宜し。艮卦体を生ずれば、温补を用うるに宜し。乾・兌が体を生ずれば、則ち涼薬を用うるに宜し。

又有信鬼神之說,雖非《易》道,然不可謂《易》道之不該。姑以理推之。如卦有克體者,即可測其鬼神。乾卦克體,主有西北方之神,或兵刀之鬼,或天行時氣,或乘正之邪神。坤則西南之神,或曠野之鬼,或連親之鬼,或水土里社之神,或犯方隅,或無主之祟。震則東方之神,或木下之神,或妖怪百端,或影響時見。巽則東南之鬼,或自縊戕生,或枷鎖致命。

世上また鬼神の病を致すを信ずるの説法あり。これは《易》道の正宗に属せざると雖も、しかも亦た《易》道の包羅せざると言うべからず。姑く理に按じて推衍を一番す:卦中およそ体を克するの卦有らば、即ち之を拠りて犯す所何种の鬼神かを測度すべし。乾卦体を克するは、西北方の神を主り、あるいは兵刃に死するの鬼、あるいは流行の時疫の気、あるいは時に乘じて作祟する邪神。坤卦体を克するは、西南方の神を主り、あるいは曠野の鬼、あるいは親族牽連の鬼、あるいは水土里社の神、あるいは某かの方位を触犯し、あるいは祭祀する人無き孤魂の作祟。震卦体を克するは、東方の神を主り、あるいは樹下の神、あるいは百般の妖怪、あるいは時に隠れ時に現るる影像音響。巽卦体を克するは、東南方の鬼を主り、あるいは上りて自ら尽きたる鬼、あるいは枷鎖身に加えられて死する鬼。

坎則北方之鬼,或水旁之神,或沒溺而亡,或血疾之鬼。離則南方之鬼,或猛勇之神,或犯灶司,或得衍於香火,或焚燒之鬼。或遇熱病而亡。艮則東北之神,或是山林之祟,或山魈木客,或土怪石精。兌則西方之神,或陣亡之鬼,或廢疾之鬼,或刎頸戕生之鬼。卦中無克體之卦者,不必論之。

坎卦体を克するは、北方の鬼を主り、あるいは水辺の神、あるいは淹死の鬼、あるいは血疾に死する鬼。離卦体を克するは、南方の鬼を主り、あるいは凶猛勇武の神、あるいは灶神を触犯し、あるいは香火供奉の上に過失あり(原文の「得衍」は即ち「得愆」)、あるいは焼死の鬼、あるいは熱病に因りて亡ぶの鬼。艮卦体を克するは、東北の神を主り、あるいは山林の作祟、あるいは山魈木客、あるいは土怪石精。兌卦体を克するは、西方の神を主り、あるいは陣亡の鬼、あるいは残疾にして死する鬼、あるいは自刎自盡の鬼。卦中もし体を克するの卦無ければ、此の一层は即ち論ずるを要せず。

又問乾上坤下,占病如何斷,堯夫曰:「乾上坤下第一爻動,便是生體之義。變為震木,互見巽艮,俱是生成之義,是謂不災,逢生之日即愈。」 又問:「第二爻動如何?」曰:「是變為坎水,乃洩體敗金之義。金入水鄉,互見巽、離,乃為風火扇爐,俱為克體之義。更看占時外應如何,即為焚尸之象,斷之死無疑矣。以春夏秋冬四季推之,更見詳理。」

また人の問うあり:病を占い上乾下坤(天地否)を得たれば、どう断ずべきか。邵堯夫(邵雍)曰く:「上乾下坤にして初爻動けば、即ち体を生ずるの義あり。初爻動けば則ち下坤は震木に変じ、互卦に巽と艮を見る:艮土は乾金の体を生ずるは、是れ生成の義、此を無灾と叫作し、体を生ずるの卦の当令する那一日に到りて病即ち好ゆ」と。 また問う:「第二爻動けばいかん」と。答えて曰く:「二爻動けば則ち下坤は坎水に変じ、乾金去りて坎水を生ずるは、是れ体を泄し金を敗るの義、所謂金の水郷に入るなり。互卦また巽と離を見る、巽風は離火を扇ぎ、譬ゆる風箱の炉を鼓するがごとく、皆体を克するに在り。更に占時の外応いかんを看る——もし外応も亦た凶なれば、即ちそれは尸を焚くの象、彼の必ず死するを断じて疑無し。もし更に春夏秋冬四季の旺衰に按じて推さば、道理更に周詳なり」と。

又曰:「第三爻動,坤變艮土,俱在生體之義,不問互卦,亦斷其吉無疑。」又曰:「第四爻動,乾變巽木,金木俱有克體之義,互吉亦凶。木有扛尸之義,金為磚槨之推。是必定之推,必定之理。」又曰:「第五爻動,乾變離,反能生體,互變俱生體,是其吉無疑。更有吉兆則愈吉。其斷明矣。」又曰:「第六爻動,乾變兌,則能洩體,互見巽、艮,一凶一吉,其病非死必危。亦宜看兆吉凶,吉則言吉,凶則言凶。此斷甚明。餘卦皆仿此斷,則心易無不驗矣。」

邵子また曰く:「第三爻動けば、下坤は艮に変ず、仍ほ土にして、土は乾金の体を生ず。全く体を生ずるの義の上に在り、互卦にも問うを要せず、亦たそれの必ず吉を断ず」と。また曰く:「第四爻動けば、上乾は巽木に変ず——此の卦に按じて乾金を以て体と為せば、四爻既に動けば則ち体已に木に変じ、金木相戦いて、皆体を克するの義を含む。縱い互卦是れ吉なるも終帰して凶。木は棺尸を扛抬するの義あり、金は磚石棺椁の象あり。此れ推し得べき必然の理なり」と。また曰く:「第五爻動けば、乾は離火に変ず。此處反って能く体を生ず(土体火の生を得)、互卦・変卦一斉に体を生ず。その吉疑無し。もし更に吉の外応あらば、即ち更に吉。断語きわめて明白なり」と。また曰く:「第六爻動けば、乾は兌に変ず。兌金は体の気を泄す。互卦に巽と艮を見る、一凶一吉。この病死せずとも亦た必ず危重なり。此の時も亦た外応の兆の吉か凶かを看るを要す。吉なれば即ち吉と言い、凶なれば即ち凶と言う。この断法十分に清楚なり。其余の各卦皆此のように照らして断ずれば、心易の霊験せざる無し」と。

官訟占第十七

占官訟,以體為主,用為對辭之人與官訟之應。體卦宜旺,用卦宜衰。體宜用生,不宜生用。宜生體,不宜克體。是故體克用者,已勝人;用克體者,人勝己。體生用,非為失理,或因官有所喪;用生體,不止得理,或因訟有所得。體用比和,官訟最吉。非但扶持之力,必有主和之義。

官司を打つを占うは、体卦を以て自己と為し、用卦を以て公堂に対簿する対方および訟事の結果と為す。体卦は旺を宜とし、用卦は衰を宜とす。体は用卦の生扶を受くるを宜しく、反って去りて用を生ずるを宜とせず。総じて諸卦は体を生ずるを宜しく、体を克するを宜とせず。ゆえに体の用を克するは、自己の対方に勝る。用の体を克するは、対方の自己に勝る。体の用を生ずるは、假りに理に虧ならずとも、亦た官司に因りて損失あるを会す。用の体を生ずるは、但だ理を占むるのみならず、還って此の場の官司に因りて得る所有り。体用比和は、官司を打つに最も吉——但だ人の中より扶持するあるのみならず、而且して必ず和解を主張するの意あり。

墳墓占第十八

占墳墓以體為主,用為墳墓。體克用,葬之吉;用克體,葬之凶。體生用,葬之主運退;用生體,葬之主興隆,有蔭益後嗣。體用比和,乃為吉地。大宜葬,葬之吉昌。 上為用體之訣,始發十八章占例,以示後學之法則。然庶務之多,豈止十八占而已乎!然此十八占,乃大事之切要者,占者以類而推之可也。

墳地を占うは、体卦を以て下葬の家と為し、用卦を以てこの塊の墓地と為す。体の用を克するは、葬り下せば吉。用の体を克するは、葬り下せば凶。体の用を生ずるは、葬後家運衰退。用の体を生ずるは、葬後家道興隆、能く后代子孫を蔭庇す。体用比和は、即ち一塊の吉地、きわめて安葬に宜しく、葬後吉慶昌盛なり。 以上は体用の訣、先に此の十八章の占例を立出し、後学に一个の法則を与う。しかるに世間の事務紛繁にして、豈に此の十八占のみならん。ただ此の十八占は大事中最も緊要なるが故に、占者は之に照らして類別して推衍してゆくべし。

体用生克篇の三

三要靈應篇序

夫《易》者,性理之學也。性理,具於人心者也。當其方寸湛然,靈臺皎潔,無一毫之乾,無一塵之累,斯時也,性理具在而《易》存吾心,渾然是《易》也,其先天之《易》也。乃夫慮端一起,事根忽萌,物之著心,如雲之蔽室,如塵之蒙鏡,斯時也,汩沒茫昧,而向之《易》存吾心者,泯焉爾。

《易》この一門の学問の講ずるは、性理である。しかして性理は本来人心の裏面に具備す。此の心方寸澄澈・靈臺明浄にして、一絲一毫の攪擾無く・一星半点の牽累無きとき此の時、性理は原原本本皆在り、《易》は即ち我心中に存在し、渾然一体便是《易》——此れ即ち所謂「先天の《易》」である。しかるに一旦念慮生起し・事情の根苗忽然として萌動し、外物の心上に粘着するは、譬ゆる雲の屋子を遮り・灰塵の鏡子を蒙るがごとし。此の時に到りて、心便ち昏沈迷茫にして、先に我心中に存在せしあの《易》も、亦た泯滅して見えず。

故三要之妙,在於運耳、目、心三者之虛靈,俾應於事物也,耳之聰,目之明,吾心實總乎聰明。蓋事根於心,心該乎事,然事之未萌也,雖鬼神莫測其端,而吉凶禍福,無門可入。故先師曰:「思慮未動,鬼神不知;不由乎我,更由乎誰?」故事萌於心,鬼神知之矣。

ゆえに「三要」の妙處は、即ち耳・目・心此の三者の虚明靈覺を運用して、它らをして外面の事物に感応せしむるに在り。耳は能く聴き清らかにし、目は能く看て明らかにし、しかして此の份の聰明は実は皆我此の顆の心に統攝せらる。事情の根子は心上に在り、心も亦た事情を涵蓋す。ただ事情なお萌動せざるの時は、鬼神も亦た其の端倪を測り出す能わず、吉凶禍福更に入り来るに從無し。ゆえに先師曰く:「思慮なお動かざれば、鬼神も知らず。我より作すに由らざれば、還って誰より作すに由らん」と。しかるに事情一たび心裏に萌動すれば、鬼神便ち之を知る。

吉凶悔吝有其數,然吾預知之,何道歟?必曰:「求諸吾心易之妙而已矣。」於是寂然不動,靜慮誠存,觀變玩占,運乎三要,必使視之不見,吾見之;聽之不聞者,吾聞之;如形之見視,如音之見告,吾之瞭然鑑之。則《易》之為卜筮之道,而《易》在吾心矣。三要不虛,而靈應之妙斯得也。

吉・凶・悔・吝各々其の定数有り。しかして我預め之を知らんと欲するは、凭にする是れ何の門路ぞや。ただ言うべくは:我自身の心中の「心易」の妙に向かいて求むるのみ。ここにおいて寂然として動かず、心を澄め慮を静めて其の誠を存し、變化を觀察し占兆を玩味し、耳目心此の三要を運用して、必ず他人の見る能わざるを我見る能く・他人の聴く能わざるを我聴く能くせんことを致す。譬ゆる形體の自ら現れ出でて我に見せ、聲音の自ら送上りて我に告ぐるがごとく、我心裏明明白白として它を照見す。此のようになれば、《易》の卜筮の道と為るは、真正に我が心中に在り。三要落空せず、靈驗感應の妙用も亦た之を得たり。

是道也,寓至精至神之理,百姓日用而不知,安得圓通三昧者,與之論歟!此先師劉先生(江夏人,號湛然子)得之王屋山人高處士雲巖。 寶慶四年,仲夏既望,清靈子朱虛拜首序

此の門の道理は、極精微・極神妙の義理を寄寓し、百姓日日之を用いて自ら知らず。何處にか一位の圓融通達・深く其の中の三昧を得たる人を尋ねて、之と一起に談論せん。此の一法は先師劉先生(江夏人、號は湛然子)の王屋山人高處士雲岩の許より得來せしものである。 寶慶四年仲夏十六日、清靈子朱虛拜首して序を作る。

三要靈應篇

三要者,運耳、目、心三者之要也。靈應者,靈妙而應驗也。夫耳之於聽,目之於視,心之於思,三者為人一身之要,而萬物之理不出於視聽之外。占決之際,寂聞澄慮,靜觀萬物,而聽其音,知吉凶,見其形,知善惡,察其理,知禍福,皆可為占卜之驗。如谷之應聲,如影之隨形,灼然可見也。其理出於《周易》「遠取諸物,近取諸身」之法。

所謂「三要」とは、即ち耳・目・心此の三樣の最も緊要の官能を運用す。所謂「靈應」とは、即ち靈妙にして應験する。耳は聴くを管し、目は看るを管し、心は想うを管し、此の三者は人の一身の樞要にして、しかして萬物の理も亦た見聞する所の外に跑出す能わず。占斷する時、心を静めて聽聞を收攝し・思慮を澄清し、安靜に萬物を觀察す:其の聲音を聴けば即ち吉凶を知り、其の形狀を看れば即ち善惡を知り、其の道理を體察すれば即ち禍福を知る——此れら皆占卜の驗證と為す可し。其の應験は譬ゆる山谷の回聲・影子の形に隨うがごとく、清清楚楚として看見すべし。此の道理は《周易・繫辭》の説く所の「遠くは諸物に取り、近くは諸身に取る」の取象の法より出でたり。

是編則出於先賢先師,採世俗之語為例用之者:鬼谷子、嚴君平、東方朔、諸葛孔明;繼而得者:邵康節、邵伯溫、劉伯溫、牛思晦、牛思繼、高處士、劉湛然、富壽子、泰然子、朱清靈子。其年代相傳不一,而不知其姓名者不與焉。

此の一篇は歷代の先賢先師の手より出で、是れ世俗流傳の成語俗諺を采集して條例に編みて以て使用せしものなり。最早く此の套の方法を用いしに鬼谷子・嚴君平・東方朔・諸葛孔明あり。後來相繼いで傳授を得たるに邵康節(邵雍)・邵伯温・劉伯温・牛思晦・牛思繼・高處士・劉湛然・富壽子・泰然子・朱清靈子あり。彼らの相傳せし年代先後一ならず、其の中姓名考へ失せしは即ち列入せず。

原夫天高地厚,萬物散殊,陰濁陰清,五氣順布,禍福莫逃乎數,吉凶皆有其機。人為萬物之靈,心乃一身之主,目寓而為形於色,耳得而為音於聲,三要總之,萬物備矣。 此乃天地萬物之靈,而耳、目、心三者之要,故曰三要也。

推究すれば:天高く地厚く、萬物紛然として各別にして、陰濁陽清(原文は「陰濁陰清」と作る)、金木水火土五氣依次に布散す。禍福は一箇の「數」の字を逃るる能わず、吉凶も亦た各々其の機兆あり。人は萬物の中の最も靈なるにして、しかして心はまた一身の主なり:眼睛の寄托するは形色、耳朵の接得するは聲音、此の三者を總攝起來すれば、萬物の理も亦た皆齊備す。 此れ即ち天地萬物の靈機、全く耳・目・心三者の樞要の上に在るが故に、之を「三要」と叫作す。

是以遇吉兆而有吉,見凶識而不免乎凶。物之圓者事成,缺事敗。此理斷然,夫復何疑? 此乃占物克應,見吉則吉,遇凶則凶。 是以雲開見日,事必增輝;煙霧障空,物當失色。忽顛風而飄蕩,遇震雷以虛驚。月忽當面,宜近清光。雨可沾衣,可蒙恩澤。 此乃仰觀天文,以驗人事。

ゆえに占時吉兆に遇う即ち吉あり、凶象を見る即ち凶を免れず。見る所の東西是れ圓滿なるは、事情便ち成る。是れ殘缺なるは、事情便ち敗る。此の道理是れ確定不移、更に疑う可き何ぞあらん。 此の一段の説くは占物の外應を取る:吉を見れば即ち吉と斷じ、凶に遇えば即ち凶と斷ず。 更に説いて天象を仰看す:雲開き日出ずれば、占う所の事必定に光彩を增添す。煙霧天を遮れば、占う所の物即ち失色せん。忽然狂風起りて亂卷すれば、事情動蕩安からずを主る。震雷に碰上すれば、一場の虚驚を主る。月亮忽然として当面に照來れば、清明の光に親近するに宜し(清貴の蔭を得るを主る)。雨水衣裳に沾濕すれば、恩澤を承蒙すべきを主る。 此の一段是れ仰いで天文を觀じ、以て人事を驗證す。

重山為阻隔之際,重澤為浸潤之深。水流而事通,土積而事滯。石乃堅心始得,沙乃放手即開。浪激主波濤之驚,坡崩主田土之失。旱沼之旁,心力俱竭,枯林之下,相貌皆衰。 此來俯察地理,以驗人事。

更に説いて地形を俯看す:重重の山巒は、阻隔通じ難きを主る。重重の水澤は、潤澤深厚を主る。流水を見れば、事情通暢を主る。積土を見れば、事情停滯を主る。石頭を見れば、心志堅定してこそ手に得べしを須とす。沙子を見れば、一たび手を放せば散開す(聚まり住む能わざるを主る)。浪濤の衝激を見れば、風波の驚あるを主る。山坡の崩塌を見れば、田土の失あるを主る。乾涸の池沼の邊上に走り至れば、心力交瘁を主る。枯林の下に站てば、形容衰敗を主る。 此の一段是れ俯して地理を察し、以て人事を驗證す。

適逢人品之來,實為事體之應。故榮宦顯官,宜見其貴;富商匠賈,可問乎財。兒童哭泣憂子孫,吏卒叫囂忌官訟。二男二女,重婚之義;一僧一道,獨處之端。婦人笑語,則陰喜相逢;女子牽連,則陰私見累。匠氏,主門庭改換;宰夫,則骨肉分離。逢獵者,得野外之財;見漁者,有水邊之利。見妊婦,則事蔭於內;遇瞽者,則慮根於心。 此乃人品之應,以驗人事。

占時恰好どのような人に遇うは、正しく占う所の事の應験なり。ゆえに顯貴の官員に碰上すれば、其の貴を取るに宜しく、問う所の貴人の力を得るを主る。富商大賈に碰上すれば、財を問う可し。小孩の啼哭を聽見すれば、子孫を為に擔憂するを主る。吏卒の吆喝を看見すれば、官司を打つを忌む。兩男兩女の成對に遇上すれば、重婚再娶の義を含む。一僧一道に遇上すれば、是れ孤身獨處の端なり。婦人笑語相い迎うれば、女子の帶來する喜事あるを主る。女子拉扯牽連すれば、私情暗事の累を受くるを主る。工匠に遇見すれば、門庭の改換せんとするを主る(改建あるいは門戸を改換す)。屠夫厨子に遇見すれば、骨肉分離を主る。打獵のに碰上すれば、野外の財を得るを主る。打魚のに碰上すれば、水邊の利を得るを主る。孕婦を見到すれば、事情の轉機の內に蔭藏してなお顯露せざるを主る。盲人に遇到すれば、憂慮の心に深藏するを主る。 此の一段是れ人物の應、以て人事を驗證す。

至於搖手而莫為,或掉頭而不肯,拭目而噴嚏者方泣;搔首而彈垢者有憂。足動者有行,交臂者有失。屈指者多阻節,噓氣者主悲憂。舌出掉者有是非,背相向者防閃失。偶攘臂者,爭奪乃得;偶下膝者,屈抑而求。 此乃「近取諸身」之應。

至るに人身上の舉動に就きて應を取る:人の手を擺るを見れば、此の事為す可からずを主る。人の頭を摇るを見れば、對方肯んぜざるを主る。人の眼睛を揉み・嚏を打つを見れば、將に哭泣の事あらんを主る。人の頭を搔き・身上の塵垢を彈去るを見れば、心裏に憂あるを主る。人の脚動くを見れば、將に出行あらんを主る。人の交叉して臂を抱くを見れば、失落あらんを會す。人の指を屈して計算するを見れば、阻節多きを主る。人の長吁短嘆するを見れば、悲愁憂悶を主る。人の舌を伸び舌を摇るを見れば、是非を惹くを主る。人の身を背きて向うを見れば、閃失を防ぐを須とす。偶爾人の袖を捋し臂を伸ぶを見れば、爭奪してこそ得るを須とす。偶爾人の膝を屈して跪するを見れば、委屈して人を求むるを須とす。 此の一段是れ「近く諸身に取る」の應驗。

若逢童子授書,有詞訟之端;主翁笞僕,防責罰之事。講論經史,事體徒間於虛說;語歌詞曲,謀為轉見悠揚。見博賭,主爭鬥之財;遇題寫,主文書之事。偶攜物者,受人提攜;適挽手者,遇事牽連。 此乃人事之應。

もし塾師の童子に書を授くるに碰上すれば、詞訟の頭緒あるを主る。主人の僕人を鞭打つに碰上すれば、責罰の事に遭うを防ぐを須とす。人の經史を講論するに碰上すれば、問う所の事ただ空話の上に落つを主る。人の唱歌度曲するに碰上すれば、謀る所の事反って從容悠長を主る。賭博のを看見すれば、爭鬥して以て財を得るを主る。題字書寫のに遇見すれば、文書の事あるを主る。偶爾人の手裏に物を提攜するを見れば、自己人の提攜を受くるを主る。恰好人の手を挽して同行するを見れば、事に遇い牽連せらるるを主る。 此の一段是れ人事の應。

及夫舟楫在水,憑其接引而行;車馬登途,藉之負戴而往。張弓挾矢者,必領薦;有箭無弓者,未可試。持刀執刃,須求快利之方。披甲操戈,可斷剛強之柄。

更に説いて器物の應:水上の船隻を見れば、人に凭りて接引せられてこそ走り成るを主る。車馬上路を見れば、主要に人の負載幫扶に靠りてこそ去り得べし。人の弓を張り箭を搭るを見れば、必ず擧薦を得るを主る。箭有りて弓無きを見れば、時機なお至らず・還って試みる可からざるを主る。人の刀を持し刃を握るを見れば、一條の快利の門路を尋ねるを須とすを主る。人の甲を披き戈を執るを見れば、裁斷して剛強難制の事を主る可し。

繅絲者,事務繁冗。圍棋者,眼目眾多。妝花刻果,終非結實之因。書影描形,皆為裝點之類。絡繹將成,可以問職。筆墨俱在,可以求文。偶傾蓋者,主退權。忽臨鏡者,可赴詔。抱貴器者,有非常之用。負大木者,有不小之財。

人の繰絲し繭を抽るを見れば、事務の繁雜紛冗を主る。人の圍棋を下すを見れば、旁觀留意の眼目衆多を主る。人の假花を作り假果を雕刻するを見れば、終究結實し得る因由にあらず(徒らに其の表有るのみを主る)。人の影を摹き形を描くを見れば、皆門面を裝點する一類に属す。絲縷絡繹として成らんと將にすれば、職任を求るを問う可し。筆墨俱に備わるを見れば、文章功名を求取る可し。偶然車蓋の傾側するを見れば、權位の退かんとするを主る。忽然人の鏡に對して整裝するを見れば、應詔して任に赴く可きを主る。人の貴重器物を抱くを見れば、自己非常の用あるを主る。人の大木頭を扛ぐを見れば、不小の財あるを主る。

升斗宜量料而前,尺剪可裁度以用。見蹴球,有人發剔。開鎖鑰,遇事疏通。逢補器,終久難堅。值磨鏡,再成始得。頑斧磨鋼者,遲鈍得利。快刀砍木者,利事傷財。裁衣服者,破後方成。造瓦器者,成後乃破。奕棋者,取之以計。張綱者,摸之以空。或持斧鋸恐有傷,或滌壺觴恐有飲。或揮扇者,有相招之義。或汙衣者,防謀害之侵。 此乃器物之應,即「遠取諸物」之意。

升斗の物を量るを見れば、およそ事宜しく先に估量清楚して後往前進を主る。尺と剪刀を見れば、裁度して取捨して後用う可きを主る。人の球を蹴るを見れば、人の旁より挑動するあるを主る。鎖を開き鑰を配するを見れば、事に遇い能く疏通するを主る。器物を修補するを見れば、終歸牢固ならず。鏡を磨き重ねて光らすを見れば、更に一遍を做してこそ成るを須とすを主る。鈍斧の磨石に上りて快く磨くを見れば、遲鈍の後終に其の利を得るを主る。快刀の木を砍るを見れば、事情順利なるも却要して財を傷るを主る。衣服を裁つを見れば、先に破開して後こそ做成するを主る。瓦器を造るを見れば、做成の後終歸破るを要するを主る。棋を下るを見れば、計謀を用いて以て取るを須とすを主る。網を張るを見れば、摸き來り摸き去りて一場の空に落つを主る。あるいは人の斧を持し鋸を握るを見れば、傷損あるを恐る。あるいは人の壺杯を洗滌するを見れば、酒食の請あるを恐る。あるいは人の扇を摇るを見れば、招呼相邀の義を含む。あるいは人の衣服污臟なるを見れば、人の暗中に謀害するを防ぐを須とす。 此の一段是れ器物の應、即ち「遠く諸物に取る」の意思。

雖云草木之無情,亦與卜筮而有應。故芝蘭為物之瑞,松柏為壽之堅。遇椿檜,則歲久年深;遇苗菰,則朝生暮死。占產占病,得之即死之兆。枝葉飄零當萎謝,根核流落主牽連。奇葩端的虛花,嘉果可以結實。 此乃草木之應。

草木は説くに情識無しと雖も、占卜する時も亦た同じく其の感應あり。靈芝蘭草是れ祥瑞の物、松樹柏樹は長壽堅固を主る。椿樹・檜樹に遇上すれば、年深日久を主る。禾苗・菌菰に遇上すれば、朝生暮死を主る——もし生産を占い・疾病を占いて其に遇えば、即ち死亡の兆なり。枝葉の飄零を見れば、事情の行に凋謝せんを主る。根鬚・果核の散落を見れば、牽連清まらざるを主る。奇異の花朵を見れば、多半は花を開くのみにて果を結ばざるの虚花。嘉美の果實を見れば、則ち謀る所能く結實成就す。 此の一段是れ草木の應。

至於飛走,最有禎祥。故烏鴉報災,喜蟲報喜,鴻雁主朋友之信,蛇虺防毒害之謀。鼠齧衣,有小口之災;雀噪簷,有遠行之至。犬鬥恐招盜賊,雞鬥主有喧爭。牽羊者,喜慶將臨,騎馬者,出入皆利。猿猴攀木,身心不定;鯉魚出水,變化不凡。繩拴馬,疾病難安;架陷禽,囚人末脫。 此乃禽獸之應。

至るに飛禽走獸は、最も能く吉凶の征兆を顯出す。烏鴉の叫ぶ是れ災を報じ、喜鹊の叫ぶ是れ喜を報ず(原文の「喜虫」は當に「喜鹊」と作るべし)。鴻雁は朋友の音信を主る。蛇虫を見れば人の毒手を下すを防ぐを須とす。老鼠の衣服を咬むは、小孩に災あるを主る。麻雀の屋檐の上に聒噪するは、遠行の人の將に到らんを主る。狗の打架すれば、恐らく盜賊を招來す。鶏の相鬥すれば、吵鬧争執あるを主る。人の羊を牽くを見れば、喜慶の將に臨まんとするを主る。人の馬に騎るを見れば、出入皆順利を主る。猿猴の樹を攀ずれば、身心安定ならざるを主る。鯉魚の水面を躍出ずれば、不凡の變化あるを主る(登科高遷のごとし)。繩子の馬を拴するを見れば、疾病身に纏り安まらざるを主る。籠架の禽鳥を困るを見れば、被囚の人の還って身を脱する能わざるを主る。 此の一段是れ禽獸の應。

酒乃忘憂之物,藥乃怯病之方。故酒樽忽破,樂極生悲;醫師道逢,難中有救。藤蘿之類堪依倚,虎豹之象可施威。耕田鋤地者,事勢必翻。破竹剖竿者,事勢必順。春花秋月,雖無實而關景,夏綿冬葛,雖有用而背時。涼扇,多主棄捐;晴傘,漸逢閒廢。泡沙電光,虛幻難信;蛛絲蠶繭,巧計方成。 此乃雜見觀物之應。

酒是れ憂を忘るるの物、藥是れ病を祛るの方。ゆえに酒器忽然として破るれば、樂極めて悲生ずを主る。路上醫生に遇見すれば、危難の中に救あるを主る。藤蘿の一類を見れば、依靠すべきの人あるを主る。虎豹の象を見れば、威勢を施展すべきを主る。人の田を耕し地を鋤くを見れば、局面必ず翻轉せられて來るを主る。人の竹を破き竿を剖くを見れば、形勢必定順遂を主る(勢い破竹のごとし)。春花秋月は實用無しと雖も卻って能く景に應ず。夏の絲綿・冬の葛布は用處あるも卻って時令に合せず。凉扇は多く棄置して用いられざるを主り、晴天の傘も漸漸閒廢す——皆時過ぎ境遷り・才用いられ見えざるを主る。水泡・流沙・電光を見れば、皆虚幻にして凭信し難きの象。蛛絲蠶繭を見れば、則ち巧計を用いて經營してこそ成るを主る。 此の一段是れ雜見の諸物の應驗。

若見物形,可知字體。故石逢皮則破;人傍木為休;笠漂水畔,泣字分明。火入山林,焚形可見。三女有奸私之擾,三牛有奔走之憂。一木兩火,榮耀之光。一水四魚,鰥寡之象。人繼牛倒防失脫,人言犬中憂獄囚。一斗入空門者,鬥爭。兩絲掛白木者,樂事。一人立門,諸事有閃。二人夾木,所問必來。 此為拆字之應。

もし物の形狀を見到せば、還って聯想して字と成し、字に據りて事を斷ず可し。ゆえに石の旁に皮を加うれば、便ち「破」の字。人の旁に木を加うれば、便ち「休」の字。斗笠の水邊に漂うは、正しく「泣」の字(笠は竹を去りて立と為り、水に傍りて泣と成る)の象。火の山林に入れば、正しく「焚」の字の形を現出す。三箇の「女」疊りて「姦」と成るは、私情の擾あるを主る。三箇の「牛」疊りて「犇」と成るは、奔走勞碌の憂を主る。一木兩火合して「熒」と成るは、榮耀の光を主る。一水四魚合して「鰥」と成るは、是れ鰥寡孤獨の象。人の旁に牛倒るれば、失脫を防ぐを須とす。人言に犬を加うれば、憂は牢獄に在り(「獄」の字は言より犬より)。「斗」の字門框に進み入りて「鬥」と成るは、争鬥を主る。兩絲の白木の上に挂りて「樂」と成るは、喜樂の事を主る。一人門中に立ちて「閃」と成るは、諸事閃失不定を主る。二人一木を夾みて「來」と成るは、問う所の人必定に到來す。 此の一段是れ拆字の應。

復指物名,以叶音義。如見鹿可以問祿,見蜂可以言封。梨主分別,桃主逃走。見李則問訟得理,逢冠則問名得官。鞋為百事和諧,闔則諸事可合。難以詳備,在於變通。 此即物叶音之義。

更に一路あり、是れ物の名稱を指して諧音を取りて其の義に附會す。譬えば鹿を見れば「祿」あるを斷ず可し、蜂を見れば「封」を得るを説得可し。梨を見れば分離を主り、桃を見れば逃走を主る。李子を見れば則ち官司に「理」を得るを問い、冠帽を見れば則ち功名に「官」を得るを問う。鞋を見れば百事「諧」和し、門扇關闔を見れば則ち諸事「合」し可し。此の一類は一々に列擧して周全し難く、全く事に臨みて變通するに在り。 此れ即ち物の諧音を以て義を取る。

及夫在我之身,實為彼事之應。故我心憂者,彼事亦憂;我心樂者,彼事亦樂。我適閒,彼當從容;我值忙,彼當窘迫。 此即自己之應,「近取諸身」之義。 欲究觀人之道,須詳繫《易》之辭。將叛者,其辭慚;將疑者,其辭支。吉人之辭寡,躁人之辭多。誣善之人,其辭游;失其守者,其辭屈。 此一動一靜之應,「近取諸身」之義。

更に説いて占者自身、其實も亦た問う所の事の感應なり。ゆえに我心裏愁を發せば、他那邊の事も亦た愁。我心裏快活すれば、他那邊の事も亦た順。我此刻清閒なれば、他那邊便ち從容。我此刻忙亂すれば、他那邊便ち窘迫。 此れ即ち自己の應、仍ほ「近く諸身に取る」の意思。 もし人を觀察するの門道を講ぜんと欲せば、還って細看して《周易・繫辭》の説法を須とす:將に背叛せんとする人は、説話慚色を帶ぶ。心裏猶疑の人は、説話支離散乱。良善の人は話少なく、浮躁の人は話多し。好人を誣陷するは、説話遊移不定。操守を喪失するは、説話理屈詞窮。 此れ是れ一動一静の間の感應、も亦た「近く諸身に取る」の意思に属す。

又推五行,須詳八卦。卦吉而應吉終吉,卦凶而應凶終凶。卦應一吉一凶,事體半吉半凶。明生克之理,察動靜之機,事事相關,物物相合,此五行八卦及克應動靜之理。活法更存乎方寸,玄機又在於師傳。縱萬象之紛紜,惟一理而融貫。務要相機而發,須要臨事而詳。 此言占卜之理在於變通之妙。

此の外五行を推するに還って細究して八卦を須とす:卦吉にして外應も亦た吉なるは、終歸是れ吉。卦凶にして外應も亦た凶なるは、終歸是れ凶。もし卦と外應一吉一凶なれば、那の事情便ち半吉半凶。生克の理を明白にし、動静の機を體察すれば、事事彼此相關・物物彼此相合なるを發覺せん——此れ即ち五行八卦および克應動静の道理。至るに靈活運用の活法は、還って自己方寸の間に在り。其の中の玄機は、又た師傳口授に靠るを要す。縱い萬象紛紜たるも、亦たただ一箇の理を用いて貫串して底に到るのみ。總に時機を看准して發し、事に臨到して再び細細に推詳するを要す。 此の一段の説くは占卜の理全く變通の妙に在り。

嗟夫,方朔覆射,知事物之隱微。諸葛馬前,定吉凶於頃刻。皇甫坐端之妙,淳風鳥覺之占,雖所用之有殊,誠此理之無異。 此言三要靈應妙處。 可以契鬼神之妙,可以會著龜之靈。然人非三世,莫能造其玄;心非七竅,莫能悟其奧。故得其說者,宜秘;非其人者,莫傳。輕洩天機,重遭陰譴。造之深,可以入道。用之久,可以通神。 此言靈應之妙,不可輕傳妄授,宜秘之一人,之以重斯道也。

ああ!東方朔の射覆は、能く事物の隱微を知り。諸葛亮の馬前課は、頃刻の間に即ち吉凶を定む。皇甫氏の「坐端」の妙、李淳風の鳥を觀て覺るの占法——用うる所の方法各々同じからざると雖も、此の一段の道理は毫も二致無し。 此の一段の説く是三要靈應の妙處。 它は暗に鬼神の玄妙に合し、蓍草龜甲の靈驗を領會すべし。しかるに三世修來の人にあらざれば、其の玄處に造る能わず。心有七竅の人にあらざれば、其の奥妙を悟り透る能わず。ゆえに此の套の説法を得るは當に保密すべく、是の人にあらざれば即ち傳うる勿れ。輕ければ即ち天機を泄漏し、重ければ即ち陰間の譴責を遭受す。造詣深ければ入道すべく、用いること久しければ通神すべし。 此の一段の説く是靈應の妙は輕傳妄授すべからず、當に一人に秘守して以て此の門の學問を看重すべし。

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