序(清・黄宗羲撰)
作盤ガイド: 梅花易数の立卦
巻三・斷占總訣篇の一・八卦方位圖
梅花易数典籍
要点は《説卦伝》の取象と体用生剋の二条である。起卦方式は多様だが、断法に落ちる場所は同一である。
宋慶曆中,康節邵先生隱處山林,冬不爐,夏不扇,蓋心在於《易》,忘乎其為寒暑也。猶以為未至,糊《易》於壁,心致而目玩焉。邃於《易》理,欲造《易》之數而未又征也。一日午睡,有鼠走而前,以所枕瓦枕投擊之,鼠走而枕破。覺中有字,取視之:「此枕賣與賢人康節,某年月日某時,擊鼠枕破。」
宋の仁宗・慶暦年間、邵康節先生(名は雍、諡は康節)は山林に隠居し、冬は火炉を焚かず、夏は扇を用いなかった。ただ心のすべてが《周易》にあったため、寒暑であることさえ忘れていた。それでもなお自らの工夫が足りないと思い、《易》の図文を壁に貼りつけ、心で思索し目で玩味して、片時も離れなかった。先生は《易》理をきわめて深く钻研し、《易》の中の「数」を推し求めたいと切に願ったが、終始その徴験を得られずにいた。ある日の午睡の折、一匹の鼠が目の前を走り過ぎたので、枕にしていた瓦枕をつかんで投げつけたところ、鼠は逃げ去り、瓦枕は摔げ破れてしまった。破れた箇所に字が現れているのに気づき、取って見ると、「此の枕、賢人康節に売り与えん。某年月日某時、鼠を撃ちて枕破る」と書かれていた。
先生怪而詢之陶家,其陶枕者曰:「昔一人手執《周易》憩坐,舉枕其書,必此老也。今不至久矣。吾能識其家。」先生偕陶往訪焉,及門,則已不存矣,但遺書一冊謂其家人曰:「某年某月某時,有一秀士至吾家,可以此書授之,能終吾身後事矣。」其家以書授先生,先生閱之,乃《易》之文,並有訣例。推例演數,謂其人曰:「汝父存日,有白金置睡床西北窖中,可以營葬事。」其家如言,果得金。
先生は不思議に思い、陶を焼く家に行って問い質した。その瓦枕を作った陶工が言うには、「昔、一人の人が《周易》を手にここで憩い、この枕を書の下に敷いていた。きっとあの老人が書いたのだろう。今はもう久しく来ていないが、私はその家を知っている」。先生は陶工と一緒に尋ねて行った。門に着くと、その老人はすでに亡くなっており、一冊の書を残し、生前に家人にこう言い置いていた。「某年某月某時に、一人の秀士がわが家に来る。この書を彼に授けるがよい。彼なら私の身後の事を終わらせてくれるであろう」。その家の人は書を先生に授けた。先生が開いて見ると、もとは《易》の文章ばかりで、しかも卦を立て断ずる口訣と例とが附していた。彼は例に照らしてその数を推演し、その家の人に言った。「あなたの父上が在世の頃、寝床の西北隅の地窖に白金を置き埋めてある。取り出して葬事の費に充てなさい」。その家は言葉どおりに掘って、果たして金を得た。
先生受書以歸,後觀梅,以雀爭勝,布算,知次晚有鄰人女折花,墮傷其股。其卜蓋始於此,後世相傳,遂名《觀梅數》。又後算落花之日,午時為馬所踐毀;又算西林寺額,知有陰人之禍。凡此,皆所謂先天之數也。蓋未得卦先得數也。以數起卦,故曰後天。若夫見老人有憂色,卜而知老人有食魚之禍;見少年有喜色,卜而知有婚聘之喜;聞雞鳴,知雞必烹;聽牛鳴,知牛當殺。凡此,皆後天之數也。蓋未得數先得卦也。以卦起數,故曰後天。
先生はこの書を携えて家に帰った。後に梅花を観賞した折、二羽の雀が枝を争って墜ちたのに因って卦を立て推算し、翌日の晩に隣家の娘が花を折りに来て、転落して大腿を傷めることを予知した。彼の占卜の術はだいたいこの一回から始まり、後世に輾転伝わって、遂に《観梅数》と名づけられた。その後また落花の日を推算して、その日の午時に花が馬に踏み毀されると断じ、また西林寺の扁額を推算して、寺中に陰人の起こす禍事があることを知った。およそこの類は、みな「先天之数」と呼ばれる。まだ卦象を得ないうちに先に数目を得て、数を以て卦を起こすからである(伝世本はここを誤って「故曰後天」と作るが、義によって「故曰先天」とすべきである)。これを、老人に憂色があるのを見て、一占すればその老人に魚を食べて命を落とす禍があると知り、少年に喜色があるのを見て、一占すれば婚聘の喜びがあると知り、鶏の鳴くのを聞けばその鶏が必ず烹煮されると知り、牛の鳴くのを聞けばその牛がまさに殺されるべきと知った——およそこの類は、みな「後天之数」と呼ばれる。まだ数目を得ないうちに先に卦象を得て、卦を以て数を起こすからで、故に「後天」と曰うのである。
一日,置一椅,以數推之,書椅底曰:「某年月日,當為仙客坐破。」之期,果有道者來訪,坐破其椅。仙客愧謝,先生曰:「物之成毀有數,豈足介意,且公神仙也,幸坐以示教。」因舉椅下所書以驗,道者愕然趨起出,忽不見。乃知數之妙,雖鬼神莫逃,而況於人乎?況於物乎?
ある日、先生は新たに一脚の椅子を置き、数を推してその成毀を占い、椅子の底に字を書いて「某年月日、当に仙客の坐して破るべし」とした。その期日になると、果たして一人の道者が訪ねて来て、坐すや否やその椅子を坐り壊した。仙客は慚愧して謝したが、先生は言った。「器物の成と毀にはおのずから数がある。どうして意に介するに足りましょう。しかもあなたは神仙の中の人、幸い坐ってくださったおかげで、私に教えを示す印証を得ました」。そこで椅子を挙げて下に書いた字を検べて見せると、道者は愕然として疾く立ち上がり門を出て、忽ち見えなくなった。これによって知る、「数」の妙は、鬼神といえども逃れられないことを。いわんや人においてをや、いわんや物においてをや。
卷一·象數易理篇之一 周易卦數:乾,一;兌,二;離,三;震,四;巽,五;坎,六;艮,七;坤,八。 五行生剋:金生水,水生木,木生火,火生土,土生金;金克木,木克土,土克水,水克火,火克金。 八宮所屬五行:乾、兌,金;坤、艮,土;震、巽,木;坎,水;離,火。 卦氣旺:震、巽木旺於春,離火旺於夏,乾、兌金旺於秋,坎水旺於冬,坤、艮土旺於辰戌丑未月。 卦氣衰:春坤、艮,夏乾、兌,秋震、巽,冬離,辰戌丑未坎。 十天干:甲乙東方木,丙丁南方火,戊己中央土,庚辛西方金,壬癸北方水。 十二地支:子水鼠,丑土牛,寅木虎,卯木兔,辰土龍,巳火蛇,午火馬,未土羊,申猴金,酉金雞,戌土犬,亥水豬。 八卦象例:乾三連,坤六斷,震仰盂,艮覆碗,離中虛,坎中滿,兌上缺,巽下斷。
巻一「象数易理篇」その一では、まず全書が卦を起こし卦を断ずるに拠る若干の基本配属表を立てる(書中の「干」はみな即ち「乾」卦である)。 「周易卦数」に用いるのは先天八卦の数で、これは梅花心易が物数・声数・字数を卦に折算する根本の拠りどころである:乾は一、兌は二、離は三、震は四、巽は五、坎は六、艮は七、坤は八。 「五行生克」:金は水を生じ、水は木を生じ、木は火を生じ、火は土を生じ、土はまた転じて金を生ずる。相克の一路では、金は木を克し、木は土を克し、土は水を克し、水は火を克し、火は金を克す。梅花の断卦の吉凶は、すべて体卦とその余の各卦との間のこの一重の生克関係の上に落ちる。 「八宮所属五行」:乾と兌はともに金に属し、坤と艮はともに土に属し、震と巽はともに木に属し、坎は独り水に属し、離は独り火に属する。 「卦気旺」とは、ある卦が时令の気を得て強旺することをいう:震・巽は木に属して春季に旺し、離は火に属して夏季に旺し、乾・兌は金に属して秋季に旺し、坎は水に属して冬季に旺し、坤・艮は土に属して辰・戌・丑・未の四つの季月に旺する。 「卦気衰」は正にその反対である:春季ならば坤・艮が衰え、夏季ならば乾・兌が衰え、秋季ならば震・巽が衰え、冬季ならば離が衰え、辰戌丑未の四季の月ならば坎が衰える。 「十天干」の方位と五行への配属:甲と乙は東方の木に属し、丙と丁は南方の火に属し、戊と己は中央の土に属し、庚と辛は西方の金に属し、壬と癸は北方の水に属する。 「十二地支」の五行と生肖への配属:子は水に属して鼠、丑は土に属して牛、寅は木に属して虎、卯は木に属して兎、辰は土に属して竜、巳は火に属して蛇、午は火に属して馬、未は土に属して羊、申は金に属して猴、酉は金に属して鶏、戌は土に属して犬、亥は水に属して猪である。 「八卦象例」は卦画の形状を記える口訣である:乾三連(三画みな相連なる)、坤六断(三画みな中で断れ、共に六の小段を成す)、震仰盂(口を上に仰げた盂に似る)、艮覆碗(倒扣に覆した碗に似る)、離中虚(中間の一画が断れて虚)、坎中満(中間の一画が塡まりて満)、兌上缺(最上の一画が缺く)、巽下断(最下の一画が断れる)。
占法:《易》中秘密窮天地,造化天機洩未然。中有神明司禍福,從來切莫教輕傳。 玩法:一物從來有一身,一身還有一乾坤。能知萬物備於我,肯把三才別立根。天向一中分造化,人於心上起經綸。仙人亦有兩般話,道不虛傳只在人。
「占法」の訣にいう:《周易》の中の秘密は天地の理を窮め尽くすことができ、造化の天機はまだ発生していない事を洩らすことができる。その中に自ずから神明があって禍福を主掌するから、古来、決して軽々しく人に伝えてはならない。 「玩法」の訣にいう:およそ一物はもとより各々一つの身を有し、一身の中にまた各々一具の乾坤を備えている(すなわち人人物物それぞれ一つの太極を具える)。もし真に万物の理がすべて我が心に備わっていると体会できれば、天・地・人「三才」の根を別に自らの心の上に立てることを肯んずるであろう。天は「一」(太極)の中に造化を分かち、人は心の上に万物を経綸する本领を生ずる。仙人にも二套の説法があると伝えられる(一套は伝うべしと説き、一套は伝うべからずと説く)が、実は道は惜しんで伝えないのではなく、ただ伝える相手がどんな人であるかを見るだけである。
卦は八を以て除す
凡起卦不問數多少,即以此數作卦數,過八數即以八數遞除。一八除不盡,再除二八,三八,直至除盡,以餘數作卦。如得八數整,即坤卦,更不必除也。 爻以六除:凡起動爻,以重卦總數除六,以餘數作動爻。如不滿六,止用此數為動爻,不必再除。如過六數,則除之一六,不盡再除二六、三六,直至除盡,以餘數作動爻。若一爻動,則看此一爻,是陽爻則變陰爻,陰爻則變陽爻。取爻當以時加之。
およそ卦を起こすには、取り得た数がいくつであれ、直ちにこの数を卦数として用いる。八を超えれば、八を以て度々减除する:一つの八を减じてなお足りなければ、さらに二八(十六)、三八(二十四)を减じ、减じられなくなるまで减じて、残った余数を以て先天卦数を查べて卦を取る。もし得たものがちょうど八の整倍(余数が零)ならば、直ちに坤卦と作して、さらに除する必要はない。 「爻は六を以て除す」:動爻を起こすには、上下の重卦を相加した総数を六で除し、余数を以て第几爻が動くかを定める。総数が六に満たなければ、直ちにこの数を動爻として、除する必要はない。六を超えれば、一つの六を减じ、足りなければさらに二六(十二)、三六(十八)を减じ、减じ尽くすまで行い、余数を動爻とする。およそ一爻が発動すれば、この一爻の陰陽を見る:陽爻は陰爻に変じ、陰爻は陽爻に変じて、これによって「変卦」を得る。動爻を取る時は、なおその時の時辰の数を加え入れて併せて計算すべきである。
互卦の起例
互卦只用八卦,不必取六十四卦名。互卦以重卦去了初爻及第六爻,以中間四爻分作兩卦,看得何卦。又云:乾坤無互,互其變卦。 年月日時起例:年月日為上卦。年月日加時總數為下卦。又以年月日時總數取爻。如子年一數,丑年二數,直至亥年十二數。月如正月一數,直至十二月,亦作十二數。日數如初一一數,直至三十日,為三十數。以上年月日共計幾數,以八除之,以餘數作卦。如子時一數直至亥時十二數,就將年月日數加時之數,總計幾數,以八除之,餘數作下卦;以六除,餘數作動爻。
互卦を取るには八経卦のみを用い、六十四卦の卦名を查ぶる必要はない。作法は、已成の重卦から最も下の初爻と最も上の第六爻を去り、残った中間の四爻を上下二つの三画卦に分け(二・三・四爻を下互とし、三・四・五爻を上互とする)、それぞれ何の卦を成すかを見る。別に一説がある:乾卦・坤卦は六爻が純一で、互して出るのもやはり本卦で、互が無いに等しい。このような情形に遇ったら変卦を取って互に改める。 「年月日時起例」は、先天起卦の正法である:年・月・日の三者の数を以て上卦を定め、年・月・日にさらに時辰の数を加えて下卦を定め、さらに年月日時の総数を用いて動爻を取る。年数は地支に照らして排び、子年を一数とし、丑年を二数とし、順に数えて亥年を十二数とする。月数はそのまま月份を用い、正月を一数とし、十二月まで十二数とする。日数はそのまま日期を用い、初一を一数とし、三十日まで三十数とする。年・月・日の三つの数を合わせ、八を以て除し、余数を取って先天卦数により上卦を定める。時辰も地支に照らして排び、子時を一数とし、亥時まで十二数とする。さらに年月日の数に時辰の数を加え、合計の後に八を以て除し、余数で下卦を定める。最後にこの総数を六を以て除し、余数で動爻を定める。
物数占の例
凡見有可數之物,即以此數起作上卦,以時數配作下卦。即以卦數並時數總除六取動爻。 聲音占例:凡聞聲音,數得幾數,起作上卦,加時數配作下卦。又以聲音,如聞動物鳴叫之聲,或聞人敲擊之聲,皆可作數起卦。 字占:凡見字數如停勻,即平分一半為上卦,一半為下卦。如字數不勻,即少一字為上卦,取天輕清之義,以多一字為下卦,取地重濁之義。
およそ点数できる物(雀が几羽、花が几輪、人が几人といったもの)を見たら、この数目で上卦を起こし、その時の時辰の数で下卦を配する。さらに卦数と時辰の数を相加し、総数を六で除して、余数を取って動爻を定める。 「声音占例」:およそ声響を聞いたら、それが几声響いたかを数え、この数で上卦を起こし、時辰の数を加えて下卦を配する。ここにいう声音とは、禽獣の鳴き声や、人が門を敲き物を撃つ声のような、数えて数目を出せるものであれば、すべて卦を起こせる。 「字占」:見る字数が偶数で均等に分けられるものは、半分を上卦、半分を下卦とする。字数が均わず(奇数)ならば、少ない半分を上卦として「天は軽清にして上に在り」の義を取り、多い半分を下卦として「地は重濁にして下に在り」の義を取る。
一字占から十一字占まで
一字為太極未判。如草書,混沌不明,不可得卦。如楷書,則取其字畫,以左為陽畫,右為陰畫。居左者看幾數,取為上卦。居右者看幾數,取為下卦。又以一字之陰陽,全畫取爻。「彳」、「丿」,此為左者;「一」、「乙」、「、」此為右者。
たった一字を得たのは、太極がまだ分判していない象である。もし草書で書かれていて筆画が混沌として明らかでなければ、それに拠って卦を取ることはできない。楷書であれば、この字の筆画を取って陰陽に分ける:左に偏る筆画を陽画と算し、右に偏る筆画を陰画と算する。左に居るものが合計几画あるか数えて取って上卦とし、右に居るものが合計几画あるか数えて取って下卦とし、さらにこの一字の全部の筆画の数を合わせて動爻を取る。「彳」「丿」のような左へ向かう筆形は居左と算し、「一」「乙」「、」のような右へ向かう筆形は居右と算する。
二字為兩儀平分。以一字為上卦,一字為下卦。 三字為三才。以一字為上卦,二字為下卦。 四字為四象。平分上下為卦。又四字以上,不必數畫數,只以平仄聲音調之。平聲為一數,上聲為二數,去聲為三數,入聲為四數。 五字為五行。以二字為上卦,三字為下卦。 六字為六爻之集。平分上下為卦。 七字為齊七政。以三字為上卦,四字為下卦。 八字為八卦定位。平分上下為卦。 九字為九疇之義。以四字為上卦,五字為下卦。 十字為成數。平分上下為卦。 十一字以上至於百字,皆可起卦。但十一字以上,又不用平仄聲音調之,止用字數。如字數均平,則以半為上卦,以半為下卦。又合二卦總數取爻。
二字を得たら、「両儀平分」の象を取る:一字を上卦とし、一字を下卦とする。 三字を得たら、「三才」の義を取る:一字を上卦とし、二字を下卦とする。 四字を得たら、「四象」の義を取る:上下に平分して二卦とする。またおよそ四字以上は、さらに筆画を数える必要はなく、ただ每字の声調に照らして数目に折る:平声を一数、上声を二数、去声を三数、入声を四数とする。 五字を得たら、「五行」の義を取る:二字を上卦とし、三字を下卦とする。 六字を得たら、六爻会聚の象である:上下に平分して二卦とする。 七字を得たら、「七政を斉しくす」(日月と五星)の義を取る:三字を上卦とし、四字を下卦とする。 八字を得たら、「八卦定位」の義を取る:上下に平分して二卦とする。 九字を得たら、《尚書・洪範》の「九疇」の義を取る:四字を上卦とし、五字を下卦とする。 十字を得たら、十は「成数」である:上下に平分して二卦とする。 十一字以上、一百字に至るまで、すべて卦を起こすことができる。ただし十一字以上は、さらに平仄声調で数を折ることを用いず、ただ字数そのものを用いる:字数が均等に分けられるものは半分を上卦、半分を下卦とし、さらに上下両卦の総数を合わせて動爻を取る。
丈尺占
丈尺之物,以丈數為上卦,尺數為下卦。合丈尺之數取爻。寸數不用。 尺寸占:以尺數為上卦,寸數為下卦。合尺寸之數加時取爻。分數不用。
およそ丈尺で量れる物は、丈の数目を上卦とし、尺の数目を下卦とし、丈と尺の二つの数を相加して動爻を取り、端数の寸数は棄てて用いない。 「尺寸占」:量る物が尺寸の大きさしかなければ、尺の数目を上卦とし、寸の数目を下卦とし、尺と寸を相加し、さらに時辰の数を加えて動爻を取り、端数の分数は棄てて用いない。
人のために占う
凡為人占,其例不一。或聽語聲起卦,或觀其人品,或取諸身,或取諸物,或因其服色,觸其外物,或以年月日時,或以書寫來意。 又聽其語聲者,如或一句,即如其字數分之起卦,如說兩句,即用先一句為上卦,後一句為下卦。語多,則但用初聽一句,或末後所聞一句。餘句不用。
他人のために占卜するには、卦を取る門路は一種にとどまらない:あるいは彼の話す声音を聞いて卦を起こし、あるいは彼がどんな身分・様貌の人かを見、あるいは彼の身の動く部位を取り、あるいは彼の随身の物を取り、あるいは彼の衣服の色に依り、あるいは卦を起こす時に触れ見た外物に就き、あるいはその時の年月日時を用い、あるいは彼に問うたい事を書かせる。 ここにいう「語声を聴く」とは:彼が一句しか言わなければ、この一句の字数に照らして分けて卦を起こし、二句言ったなら前の一句を上卦・後の一句を下卦とする。話が多い時は、ただ最初に聞いた一句か、最後に聞いた一句のみを取り、残りの各句はいっさい用いない。
觀其人品者,如老人為乾,少女為兌之類。 取諸其身者,如頭動為乾,足動為震,目動為離之類。 取諸其物者,如人手中偶有何物,如金玉及圓物之屬為乾,土瓦及方物之屬為坤之類。 因其服色者,如其人青衣為震,赤衣為離之類。 觸其外物者,起卦之時見水為坎卦,見火為離卦之類。 年月日時,如觀梅之類推之。 書寫來意者。其人來占,或寫來意,則以其字占之。
ここにいう「人品を観る」とは:問いに来るのが老人なら乾卦を取り、少女なら兌卦を取り、その余は八卦の配する人物に照らして類推する。 ここにいう「諸を身に取る」とは:彼の頭が動けば乾卦を取り、脚が動けば震卦を取り、眼が動けば離卦を取る、といった類である。 ここにいう「諸を物に取る」とは:彼の手にちょうど何を持っているかを見て、金玉の類あるいは円形の物なら乾卦を取り、陶土・瓦器の類あるいは方形の物なら坤卦を取る、といった類である。 ここにいう「服色に因る」とは:来た人が青衣を着ていれば震卦を取り、赤衣を着ていれば離卦を取る、といった類である。 ここにいう「外物に触れる」とは:卦を起こすその間に水を見れば坎卦を取り、火を見れば離卦を取る、といった類である。 ここにいう「年月日時」とは、前の観梅占の算法に照らして推すことである。 ここにいう「来意を書く」とは:来た人が問うたい事を紙に書いたなら、彼の書いたこれらの字を用いて卦を起こし占断する。
自ら占う
凡自己欲占,以年月日時或聞有聲音,或觀當時有所觸之外物,皆可起卦。以上三例,與前章為人占類法同。 占動物:凡占群物之動,不可起卦。如見一物,則就以此物為上卦,物來之方位為下卦。合物卦數及方位卦數,加時數取爻,以此數總斷其物,如後天占牛鳴雞叫之類。又凡牛馬犬豕之類,初生,則以初生年月日時占之。又可置買此物,亦可以初置買之時推之。
自ら占いたい時は、その時の年月日時で卦を起こしてもよく、耳の中に聞こえた声響で卦を起こしてもよく、また眼前に触れ見た外物で卦を起こしてもよい。この三つの取り方は、前章の人のために占う取り方と同じである。 「動物占」:一群のものが同時に乱れ動く時は卦を起こせない。ただ单独の一物を見てこそ、この物を以て上卦を取り、それが来た方位を以て下卦を取り、物卦の数と方位卦の数を相加し、さらに時辰の数を加えて動爻を取り、この総数を以てその動物の吉凶を総断する。例えば後天卦で牛の鳴き・鶏の鳴きを占うのがこれである。このほか、牛・馬・犬・猪などの牲畜は、その出生の年月日時で占うことができる。買ったものであれば、最初に買い入れた時刻で推算してもよい。
静物を占う
凡占靜物,有如江河山石,不可起卦。若至屋宅、樹木之類,則屋宅初創之時,樹木初置之時,皆可起卦。至於器物,則置成之時可占,如枕、椅之類是矣。餘則無故不占。若觀梅,則見雀爭枝墜地而占。牡丹,則見有問而占。茂樹,則枝枯自墜而後占也。
静物を占うにも分別がある:江河・山石のような、古来から在って始めも終わりもないものは、卦を起こせない。房屋・樹木の類については、房屋が初めて建った時、樹木が初めて栽えられた時に、いずれも卦を起こすことができる。器用の物については、造成・置办したその一刻に占うべきで、例えば前文の瓦枕・坐椅がそうである。このほかは、故なくして占わない。観梅のあの一回は、雀鳥が枝を争って墜地したという反常の事を見たが故に占い、牡丹を占ったのは客人が発問したが故であり、茂樹を占ったのは風もないのに枯枝が自ら墜地したが故である——つまり「動かなければ占わず、事に因らなければ占わない」に帰するのである。
象数易理篇 その二
物卦起例(端法後天起卦) 後天端法:以物為上卦,方位為下卦,合物卦之數與方卦之數加時數以取動爻。 八卦萬物屬類(併為上卦) 乾:天、父、老人、官貴、頭、骨、馬、金寶、珠玉、水果、圓物、冠、鏡、剛物、大赤色、水寒。 坤:地、母、老婦、土、牛、金、布帛、文章、輿輦、方物、柄、黃色、瓦器、腹、裳、黑色、黍稷、書、米、谷。 震:雷、長男、足、髮、龍、百蟲、蹄、竹、萑葦、馬鳴、馵足、的顙、稼、樂器之類、草木、青碧綠色、樹、木核、柴、蛇。 巽:風、長女、僧尼、雞、股、百禽、百草、臼、香氣、臭、繩、眼、羽毛、帆、扇、枝葉之類、仙道工匠、直物、工巧之器。
「物卦起例」が説くのは後天端法の起卦で、すなわち年月日時の数を用いず、直ちに眼前の物に就いて卦を取る法である:見た物を以て上卦を取り、この物の在る(あるいは来た)方位を以て下卦を取り、さらに物卦の数と方位卦の数を相加し、時辰の数を加え、総数を六で除して動爻を取る。 次の「八卦万物属類」の表は、物を取って上卦とする時の取象の拠りどころである。 乾の主るところは:天、父親、老人、官を為す顕貴の人。身においては頭、骨。畜においては馬。物においては金宝・珠玉・水果・円形の物・帽冠・鏡、およそ堅剛の物はみなこれである。色においては大赤、気においては寒。 坤の主るところは:地、母親、老婦。物においては土、牛、布帛、文采・章紋、車輿・輦轎、およそ方形の物はみなこれである。色においては黄、黒。また瓦器、腹、下裳、黍稷・米穀の類、書冊でもある。 震の主るところは:雷、長男。身においては足、頭髪。物においては竜、百虫、蹄、竹、萑葦、鳴く馬・後ろ足の白い馬・額に白斑のある馬、庄稼、竹木の類の楽器、草木・樹・木の核・柴薪。色においては青・碧・緑。また蛇でもある。 巽の主るところは:風、長女、僧尼。畜においては鶏、身においては大腿。また百禽・百草、臼、香気と臭気、繩索、眼、羽毛、帆、扇、枝葉の類。人においては修仙問道の者と工匠。およそ細長く笔直の物、精巧の器はみな巽に属する。
坎:水、雨、雪、工、豕、中男、溝瀆、弓輪、耳、血、月、盜、宮律、棟、叢棘、狐、蒺藜、桎梏、水族、魚、鹽、酒、醢、有核之物、黑色。 離:火、雉、日、目、電、霓霞、中女、甲冑、戈兵、文書、槁木、爐、獸、鱷龜蟹蚌、凡有殼之物、紅赤紫色、花紋人、乾燥物。 艮:山、土、少男、童子、狗、手指、徑路、門闕、果、蓏、閽寺、鼠、虎、狐、黔喙之屬、木生之物、藤生之物、爪、鼻。黃色。 兌:澤、少女、巫、舌、妾、肺、羊、毀折之物、帶口之器、屬金者、廢缺之物、奴僕、婢。 八卦方位圖 離南坎北,震東兌西,人則介乎其中。
坎の主るところは:水、雨、雪。人においては工匠、中男(次男)、畜においては猪。また溝渠・水道、弓と車輪、耳、血、月、盗賊、宮室・律法、屋棟、叢生する荊棘、狐狸、蒺藜、脚鐐・手錮。およそ水族・魚類および塩・酒・肉醤・核を帯びた物はみな坎に属する。色においては黒。 離の主るところは:火、雉、太陽、眼、電光、虹霓・雲霞。人においては中女。また盔甲、戈矛の兵器、文書、枯槁の木、炉灶、獣。鱷・龜・蟹・蚌などおよそ甲殻を帯びたものはみな離に帰する。色においては紅・赤・紫。また身に花紋のある人、一切の乾燥した物でもある。 艮の主るところは:山、土、少男、童子。畜においては狗、身においては手指、爪、鼻。また小路、門闕、草木の実(木本を果といい、草本を蓏という)、門を守る吏、老鼠、老虎、狐狸、およそ嘴の黒い鳥獣、樹に依りて生じ藤に纏わりて生ずる物はみな艮に属する。色においては黄。 兌の主るところは:沼沢、少女、巫祝。身においては舌、肺。人においては妾、奴僕・婢女。畜においては羊。およそ毀壊・折損した物、口を帯びた器皿、金に属する物、残廃・缺損の物はみな兌に帰する。 「八卦方位圖」に用いるのは後天の方位である:離は南、坎は北、震は東、兌は西に在り、占卜する人は自ら中に居り、八方の応はすべてこの中心から見るのである。
観梅占
辰年十二月十七日申時,康節先生偶觀梅,見二雀爭枝墜地。先生曰:「不動不占,不因事不占。今二雀爭枝墜地,怪也。」因占之,辰年五數,十二月十二數,十七日十七數,共三十四數,除四八三十二,餘二,屬兌,為上卦,加申時九數,總得四十三數,五八除四十,餘得三數,為離,作下卦。又上下總四十三數,以六除,六七四十二,餘一為動爻,是為澤火革。初爻變咸,互見乾巽。
辰年十二月十七日の申時、康節先生は偶然梅花を見に行き、二羽の雀が一本の枝を争って共に地に跌落するのを見た。先生は言った。「事、反常でなければ占わず、無縁無故には占わない。今、二雀が枝を争って墜地したのは怪事である」。そこで卦を起こして推算した。辰年は地支の中で第五に排して五数と算し、十二月は十二数と算し、十七日は十七数と算する。三者合わせて三十四数。八を以て除すれば、四八三十二、余二、二は先天卦数で兌に属するから、兌を取って上卦とする。さらに申時の九数を加えて、総じて四十三数を得る。八を以て除すれば、五八四十、余三、三は離に属するから、離を取って下卦とする。上下合計はやはり四十三数で、六を以て除すれば、六七四十二、余一、故に初爻が動く。こうして得られた本卦は「沢火革」で、初爻が変ずれば「沢山咸」となり、中間の四爻からは乾・巽の両卦が互い出る。
斷之曰:「詳此卦,明晚當有女子折花,園丁不知而逐之,女子失驚墜地,逐傷其股。右兌金為體,離火克之。互中巽木,復三起離火,則克體之卦氣盛。兌為少女,因知女子之被傷,而互中巽木,又逢乾金兌金克之,則巽木被傷,而巽為股,故有傷股之應。幸變為艮土,兌金得生,知女子但被傷,而不至凶危也。」(年月日時占例)
先生は断じて言った。「この卦を細かく見るに、明日の晩に女子が花を折りに来るべきで、園丁は情を知らずに彼女を逐い去ろうとし、女子は驚いて地面に跌落し、それによって大腿を摔げ傷める。上卦の兌金は動かず、これが「体卦」。下卦の離火は発動し、これが「用卦」で、離火は正に兌金を克す。互卦の中の巽木はまた反って離火を助長し、体を克する卦気はこれによってさらに盛んとなる。兌は人物において少女であるから、傷めるのが女子と断じた。互卦の巽木はまた乾金・兌金に克せられて巽木が傷められ、巽は人身において大腿を主るから、腿を傷めるに応じた。幸い動爻が艮土を変出し、土は兌金を生ずることができ、体卦は生を得た。だからあの女子は傷つくだけで、性命の危には至らないことが分かる」。(これは年月日時の数で卦を起こす範例である。)
牡丹占
巳年三月十六日卯時,先生與客往司馬公家共觀牡丹。時值花開甚盛,客曰:「花盛如此,亦有數乎?」先生曰:「莫不有數。且因問而可占矣。」逐占之。以巳年六數,三月三數,十六日十六數,總得二十五數,除三八二十四數,餘一數為乾,為上卦。卯時四數,共得二十九數,又除三八二十四數,餘五為巽卦,作下卦,得天風姤。又以總計二十九數,以六除之,四六除二十四,得五爻動,變鼎卦,互見重乾。
巳年三月十六日の卯時、先生は客人と共に司馬光の家に牡丹を見に行った。時に花は極めて盛んに咲き、客人は言った。「花がこのように盛んに咲くにも、定数があるのですか」。先生は言った。「一物として数に落ちないものはない。しかもあなたが既に発問したからには、それに拠って卦を起こすことができる」。そこで占算した。巳年は地支の中で第六に排して六数と算し、三月は三数、十六日は十六数と算する。合計二十五数。八を以て除すれば、三八二十四、余一、一は乾に属するから、乾を取って上卦とする。卯時は四数と算し、前と合計して二十九数。さらに八を以て除すれば、三八二十四、余五、五は巽に属するから、巽を取って下卦とする。こうして「天風姤」を得た。さらに総数二十九を六で除すれば、四六二十四、余五、故に五爻が発動し、変卦は「火風鼎」、互卦は上下ともに乾(重乾)である。
逐與客曰:「怪哉,此花明日午時,當為馬所踐毀。」眾客愕然不信,次日午時,果有貴官觀牡丹,二馬相齧,群至花間馳驟,花盡為之踐毀。 斷之曰:「巽木為體,乾金克之,互卦又見重乾,克體之卦多矣,卦中無生意,固知牡丹必為踐毀。所謂馬者,乾為馬也。午時者,離明之象,是以知之也。」
先生はすぐ客人に言った。「怪しいことだが、これらの花は明日の午時に馬に踏み毀される」。座の客はみな愕然として信じなかった。翌日の午時になると、果たして顕貴の官員が牡丹を賞しに来て、両匹の馬が互いに咬み合い、一群の人馬が花叢に奔り込んで踏み荒し、牡丹はみな践毀されてしまった。 先生は断じた。「下卦の巽木は体であり、上卦の乾金がこれを克す。互卦はまた両重の乾金で、体を克する卦がこれほど多く、全卦の中に体卦を生扶する生気が一点もない。だから牡丹が必ず践毀されると断じた。『馬』といったのは、乾が物象において正に馬であるからで、『午時』に応じるといったのは、午が離に属し、離は日中光明の象であるからだ——これによって知ったのである」。
隣家の夜の敲門・物借り占
冬夕酉時,先生方擁爐,有扣門者,初扣一聲而止,繼而又扣五聲,且云借物。先生令勿言,令其子占之所借何物。以一聲屬乾為上卦,以五聲屬巽為下卦,又以一干五巽共六數,加酉時數共得十六數,以六除之,二六一十二,得天風姤。第四爻變巽卦,互見重乾。卦中三干金,二巽木,為金木之物也,又以乾金短,而巽木長,是借斧也。
冬の夕方酉時、先生は火炉を囲んでいたところ、門を敲く者があった。先に一声敲いて止まり、続いて五声敲き、そして物を借りたいと言った。先生は来た人に先に何を借りるか言い破らせず、息子に卦を起こさせて何を借りるかを推算させた。先の一声は乾に属して上卦に取り、後の五声は巽に属して下卦に取る。さらに乾一・巽五を合わせて六数とし、酉時の十数を加えて、共に十六数を得て、六で除せば、二六一十二、余四、故に第四爻が動く。本卦は「天風姤」、四爻が変ずれば下卦が巽となる(変卦は「巽為風」)、互卦は両重の乾である。卦の中に三つの乾金・二つの巽木があり、借りる物が金と木とを合成した物と分かる。また乾金は短く巽木は長い(金は短ければ刃、木は長ければ柄)——正に一把の斧頭である。
子乃斷曰:「金短木長者,器也,所借鋤也。」先生曰:「非也。必斧也。」聞之,果借斧,其子問何故?先生曰:「起數又須明理。以卦推之,斧亦可也,鋤亦可也;以理推之,夕晚安用鋤?必借斧。蓋斧切於劈柴之用耳。推數又須明理,為卜占之切要也。推數不推理,是不得也。學數者志之!」 (繫聞聲占例)
息子はそこで断じた。「金が短く木が長い器具——借りるのは鍬です」。先生は言った。「違う、きっと斧だ」。来た人に問えば、果たして斧を借りると言う。息子がその故を問うと、先生は言った。「数を起こしたら必ず事理に通じなければならない。卦象のみに拠って推すなら、斧と言っても可、鍬と言っても可であろう。しかし情理に照らして推せば、すでに夜、誰が鍬を用いることがあろうか。だから必ず斧を借りるのだ——斧は正に夜に柴を劈く用に合する。数を推す外に理をも推さねばならない。これが占卜の最も緊要なところである。数のみを推して理を推さなければ、断は当たらない。数を学ぶ者はこの点を牢記すべきである」。 (以上は声音を聞いて卦を起こす範例である。)
今日の動静は如何
有客問曰:「今日動靜如何?」逐將此六字占之。以乎分「今日動」三字為上卦。「今」平聲,一數;「日」入聲,四數;「動」去聲,三數,共八數,得坤為上卦。以「靜如何」為下卦,「靜」去聲,三數;「如」平聲,一數;「何」平聲,一數,共五數,得巽,為下卦。又以八五總為十三數,除二六一十二,餘得一數,為地風升。初爻動,變泰卦,互見震、兌。逐為客曰:「今日有人相請,客不多,酒不醉,味至黍雞而已。」至晚果然。
客人が問うた。「今日の動静は如何」。先生は即座にこの六字を取って卦を起こした。六字を平分し、前の三字「今日動」を上卦とする。「今」は平声で一数、「日」は入声で四数、「動」は去声で三数、共に八数、八は坤に属するから坤を取って上卦とする。後の三字「静如何」を下卦とする。「静」は去声で三数、「如」は平声で一数、「何」は平声で一数、共に五数、五は巽に属するから巽を取って下卦とする。さらに八と五を合わせて十三数とし、六で除せば、二六一十二、余一、故に初爻が動く。本卦は「地風升」、初爻が変ずれば「地天泰」、互卦には震と兌とが見える。先生はすぐ客人に言った。「今日、人の設宴招請がある。客は多くなく、酒は酔うほどではなく、菜色は黄米飯と鶏に過ぎないであろう」。夜になると、果たしてそのとおりだった。
斷曰:「升者,有升階之義,互震、兌,有東西席之分。卦中兌為口,坤為腹,為口腹之事,故知有人相請。客不多者,坤土獨立,無同類之卦氣也。酒不醉,卦中無坎。味止黍雞者,坤為黍稷耳。蓋卦無相生之義,故知酒不多,食品不豐也。」 (繫聲音占例)
先生は断じた。「『升』の字は階を登り席に入るの義がある。互卦に震・兌が見え、震は東・兌は西、正に賓主が東西の二席に分坐する象である。卦中、兌は口、坤は腹、みな口腹の飲食の事である。だから人の設宴招請があると知った。客が多くないといったのは、坤土が孤立して、全卦にもう一つの同属の土の卦気が来て助けることがないからである。酒が酔うに至らないといったのは、卦中に坎がないからで——坎は酒を主る。菜色がただ黄米と鶏だといったのは、坤が物象において正に黍稷・穀物を主るからである。要するに全卦に相生の義がなく、だから酒は多くなく菜も豊かでないと断じた」。 (以上は語声の字数に就いて卦を起こす範例である。)
西林寺牌額占
先生偶見西林寺之額,「林」字無兩勾,因占之,以西字七畫為艮,作上卦;以林八畫為坤,作下卦。以上七畫下八畫總十五畫,除二六一十二,餘數得三,是山地剝卦。第三爻動,變艮,互見重坤。
先生は偶然、西林寺の扁額を見て、その上の「林」の字に二つの勾(二筆の竪鉤)が缺けて書かれているのに気づき、すなわちこの二字に就いて卦を起こした。「西」の字は七画、七は艮に属するから艮を取って上卦とし、「林」の字(二勾を缺く)は八画、八は坤に属するから坤を取って下卦とする。上の七画に下の八画を加えて共に十五画、六で除せば、二六一十二、余三、故に第三爻が動く。本卦は「山地剥」、三爻が変ずれば「艮為山」、互卦は両重の坤である。
斷曰:寺者,純陽之所居,今卦得重陰之爻,而又有群陰剝陽之兆。詳此,則寺中當有陰人之禍。詢之果然,逐謂寺僧曰:「何不添‘林’字兩勾,則自然無陰人之禍矣。」僧信然,即添‘林’字兩勾,寺果無事。
先生は断じた。寺院は純陽の人(僧衆)の居る所である。今占い得た卦は重畳の陰爻に満ち、しかも「剥」の卦はもともと群陰が下から上の一陽を剥蝕する兆である。これに拠って推し詳すれば、寺中に女子に因って起こる禍事があるべきである。一問すると、果たしてそのとおりだった。先生はすぐ寺僧に言った。「『林』の字の二つの勾を補ってはどうか。補えば自然に女子の禍はない」。僧は信服し、即座に「林」の字の二勾を補い、寺は果たして平安無事であった。
又,純陽之人,所居得純陰之卦,故不吉。又有群陰剝陽之義,故有陰人之禍。若添「林」字兩勾,則十畫,除八得二為兌卦,合上艮,是為山澤損。第五爻變,動為中孚卦,互卦見坤、震,損者益之,用互俱生體,為吉卦。可以得安矣。 以上並是先得數,以數起卦,所謂先天之數也。(繫字畫占例)
さらに一重を申し説こう。純陽の人の居る所に、占い得たのは純陰の卦——それ自体がすでに不吉である。さらに「剥」には群陰が陽を剥ぐの義が加わるから、女子の招来する禍事に応じたのである。もし「林」の字の二勾を補えば、「林」は十画となり、八で除して余二、二は兌に属し、上の艮と相合して、即ち「山沢損」となる。総画数が変動した後は第五爻が動き、変卦は「風沢中孚」、互卦に坤と震とが見える。「損」は極まれば転じて「益」となり、しかも用卦(兌金)と互卦(坤土)はみな体卦を生じに来る(艮土・兌金は相生の一路)、吉卦を成して、ここに安寧を得ることができる。 以上の数例はみな先に数を得、数によって卦を起こしたもので、これがいわゆる「先天之数」である。(この一例は字の筆画によって卦を起こす類に属する。)
老人に憂色ある占
己丑日卯時,偶在途行,有老人往巽方,有憂色。問其何以有憂,曰無。怪而占之,以老人屬乾為上卦,巽方為下卦,是天風姤;又以乾一巽五之數,加卯時四數,總十數,除六得四為動爻,是為天風姤之九四。《易》曰:「包無魚,起凶。」是易辭不吉矣。以卦論之,巽木為體,乾金克之,互卦又見重乾,俱是克體,並無生氣,且時在途行,其應速。逐以成卦之數中分而取其半,謂老人蟲:「汝於五日內謹慎出入,恐有重禍。」果五日,此老赴吉席,因魚骨鯁而終。
己丑の日の卯時、先生は偶然路を歩いていて、一人の老人が東南の巽方へ向かって行くのを見、その顔に憂色を帯びているのを見た。何故愁えるかを問うと、答えて無しと言った。先生は反常と感じ、すなわち卦を起こして推算した。老人は人物において乾に属するから乾を取って上卦とし、彼の往く巽方を下卦として、「天風姤」を合成した。さらに乾一・巽五の数を以て、卯時の四数を加え、共に十数、六で除して余四、故に第四爻が動く——正に姤卦の九四爻である。《周易》姤卦九四の爻辞にいう。「包に魚無し、起せば凶」(厨に魚がなく、一動すれば凶ある)は、爻辞がすでに不吉であることが見える。さらに卦象に就いて論ずれば、下卦の巽木は体で、上卦の乾金がこれを克し、互卦はまた両重の乾金で、みな体を克し、全卦に体卦を生扶する生気が一点もない。しかも当時、自分は路を行っていた最中で、行けば事の応は速い。そこで成卦の数を対半に折算し(十数はその半を取って五とする)、先生は老人に言った。「あなたはこの五日の内、出入に小心すべきで、おそらく大禍がある」。果たして第五日に至って、この老人は喜宴に赴き、魚骨に喉を塞がれて死んだ。
又凡占卜,克應之期看自己之動靜,以決事之遲速,故行則應速,以逐成卦之數,中分而取其半也。坐則事應遲,當倍其成卦之數而定之也。立則半遲半速,止以成卦之數定之可也。雖然如是,又在變通,如占牡丹及觀梅之類,則二日花皆朝夕之故,豈特成數之久也。 (端法占例)
またおよそ占卜で応験の日期を定めるには、なお占者自身のその時の動・静を見て、これに拠って事の来る快慢を決める:占う時に自分が行っていれば、事の応は速いから、成卦の数を対半に折算してその半を取る。占う時に坐っていれば、事の応は遅いから、成卦の数を加倍して定めるべきである。占う時に立っていれば、快慢が各半で、直ちに成卦の数を以て定める。こういう規矩があるとはいえ、なお事に随って変通しなければならない。例えば牡丹を占い観梅を占ったこの二例は、花の開落はもともと旦夕の間の事で、どうして成卦の数ほど久しくを待てようか。だからいずれも一二日の内に断ったのである。 (以上は端法後天起卦の範例に属する。)
少年に喜色ある占
壬申日午時,有少年從離方來,喜形於色,問有何喜,曰無。逐占之,以少年屬艮為上卦,離為下卦,得山火賁。以艮七離三加午時七,總十七數,除十二,餘五為動爻,賁之六五爻曰:「賁于丘園,束帛戔戔,吝,終吉。」易辭已吉矣。卦則賁之家人,互見震、坎,離為體,互變俱生之。斷曰:子於十七日內必有聘幣之喜。至期,果然定親。
壬申の日の午時、一人の少年が南方の離位から来て、満面に喜色を帯びていた。何の喜事かを問うと、彼は無いと言った。先生はすなわち卦を起こした。少年は人物において艮に属するから艮を取って上卦とし、彼の来た離方を下卦として、「山火賁」を合成した。艮七・離三を以て午時の七数を加え、共に十七数、六で除して(二六一十二)余五、故に第五爻が動く。賁卦六五の爻辞にいう。「賁于丘園、束帛戔戔、吝、終吉」(丘園を束帛の礼を以て飾る、礼は儉薄なれど終に吉なり)は、爻辞がすでに吉である。卦象に就いていえば、賁の五爻が変ずれば「風火家人」となり、互卦には震と坎とが見える。下卦の離火は体で、互卦の震木・変卦の巽木はみなこれを生じに来る——変・互ともに体を生ず。そこで断じた。あなたは十七日の内に必ず下聘・定親の喜びがある。期に至って、果たして親を定めた。
牛哀鳴の占
癸卯日午時,有牛鳴於坎方,聲極悲,因占之。牛屬坤,為上卦,坎方為下卦。坎六坤八,加午時七,共二十一數,除三六一十八,三爻動得地水師之三爻。《易辭》曰:「師或輿尸,凶。」卦則師變升,互坤、震,乃坤為體,互變俱克之,並無生氣。 斷曰:此牛二十一日內必遭屠殺。後二十日,人果買此牛,殺以犒眾,悉皆異之。
癸卯の日の午時、一頭の牛が北方の坎位で鳴き、声がきわめて悲惨であったので、先生はこれに因って卦を起こした。牛は物象において坤に属するから坤を取って上卦とし、牛の在る坎方を下卦とする。坎六・坤八、午時の七数を加え、共に二十一数、六で除して(三六一十八)余三、故に第三爻が動き、「地水師」の第三爻を得た。《周易》師卦六三の爻辞にいう。「師あるいは屍を輿して帰る、凶」(出師して車に屍を載せて帰るは凶)。卦象に就いていえば、師の三爻が変ずれば「地風升」となり、互卦には坤と震とが見える。上卦の坤土は体で、互卦の震木・変卦の巽木はみなこれを克しに来る——変・互ともに体を克し、全卦に毫も生気なし。 そこで断じた。この牛は二十一日の内に必ず宰殺される。二十日を過ぎて、果たして人があってこの牛を買い去り、殺して衆人を犒労した。衆はみなその断の中ることに驚異した。
鶏悲鳴の占
甲申日卯時,有雞鳴於乾方,聲極悲愴,因占之。雞屬巽,為上卦,乾方為下卦,得風天小畜。以巽五干一共六數,加卯時四數,總十數,除六得四,爻動變乾,是為小畜之六四。《易》曰:「有孚,血去惕出,無咎。」推之,割雞之義。卦則小畜之乾,互見離、兌。乾金為體,離火克之。卦中巽木離火,有烹飪之象。 斷曰:此雞十日當烹。果十日客至,有烹雞之驗。
甲申の日の卯時、一羽の鶏が西北の乾方で鳴き、声がきわめて悲愴であったので、先生はこれに因って卦を起こした。鶏は物象において巽に属するから巽を取って上卦とし、鶏の在る乾方を下卦として、「風天小畜」を得た。巽五・乾一を以て共に六数、卯時の四数を加え、共に十数、六で除して余四、故に第四爻が動く。動爻が変じた後、上卦は乾となり、正に小畜の六四爻である。《周易》小畜六四の爻辞にいう。「孚有り、血去り惕出づ、咎無し」(心に誠信を存すれば、流血の傷は去り危惧は出で、災禍はない)。此処の「血」の字を推し衍めれば、正に鶏を割いて血を見るの義を含んでいる。卦象に就いていえば、小畜の四爻が変ずれば「乾為天」となり、互卦には離と兌とが見える。下卦の乾金は体で、互卦の離火がこれを克し、しかも卦中は巽木が下・離火が上に在り、正に柴で烹煮する象である。 そこで断じた。この鶏は十日の内に烹煮されるべし。果たして第十日に客人が来て、鶏を殺して客を待った應験に応じた。
枯枝墜地の占
戊子日辰時,偶行至中途,有樹蔚然,無風,枯枝自墜地於兌方。占之,槁木為離,作上卦,兌方為下卦,得火澤睽。以兌二離三,加辰時五數,總十數,去六餘四,變山澤損,是睽之九四。《易》曰:「睽孤,遇元夫。」卦火澤睽變損,互見坎、離,兌金為體,離火克之,且睽損卦名,俱有傷殘之義。 斷曰:此樹十日當伐。果十日,伐樹起公榭,而匠者適字「元夫」也。 以上諸占例,並是先得卦,以卦起數,所謂後天之數也。
戊子の日の辰時、先生は偶然半路を歩いていて、一棵の樹が枝葉茂っているのを見たが、当時風はなかったのに、一本の枯枝が自ら西方の兌位に墜落した。彼はすなわち卦を起こした。枯槁の木は物象において離に属するから離を取って上卦とし、枯枝が墜落した兌方を下卦として、「火沢睽」を得た。兌二・離三を以て辰時の五数を加え、共に十数、六を減じて余四、故に第四爻が動き、変卦は「山沢損」で、正に睽卦の九四爻である。《周易》睽卦九四の爻辞にいう。「睽孤、元夫に遇う」(孤立無與の時、あの善士「元夫」に遇った)。卦象に就いていえば、火沢睽は山沢損に変じ、互卦には坎と離とが見える。下卦の兌金は体で、上卦の離火がこれを克する。しかも「睽」は乖離、「損」は損減で、二つの卦名がともに傷残の義を含んでいる。 そこで断じた。この樹は十日の内に砍伐されるべし。果たして十日後、人があってこの樹を伐り官家の台榭を蓋うに用い、その工匠の字がちょうど「元夫」と云い、爻辞と相合した。 以上の幾つかの例は、みな先に卦象を得、卦によって数を起こしたもので、これがいわゆる「後天之数」である。
風覚鳥占
風覺鳥占者,謂見風而覺,見鳥而占也,然非風鳥而占,而謂風覺鳥占也。凡卦之寓物者,皆謂之風覺鳥占。如易數,總謂之觀梅之數也。
いわゆる「風覚鳥占」とは、風の起きるを見て覚るところがあり、飛鳥を見てそれに拠って占断することをいう。実は風と鳥に限って風覚鳥占というのではない——およそ卦象を眼前の物に託して取って卦を起こすものは、すべて「風覚鳥占」と総称し、風・鳥は挙例に過ぎない。これはちょうどこの一套の《易》数が「観梅之数」と総名されるのに、観梅の一事に限らないのと同じである。
風覚占
風覺占者,謂其見風而覺也,見鳥而占也。凡見風起而欲占之,便是風從何方而來,以之起卦。又須審其時,察其色,以推其聲勢,然後可斷其吉凶。風從南方來者,為家人,南方屬離火,得風火家人卦(南方屬離火,合得風火家人卦)。東來者,為益卦之類。
「風覚占」とは、風を見て覚り、鳥を見て占うという一路の取象である。およそ風の起きるを見て占断したい時は、風がどの方から吹いて来るかを見て、この方位に拠って卦を起こす(風そのものは巽に属して上卦に配し、風の来る方を下卦に配する)。このほかになお起風の时令を審察し、風中の気色を観察し、風の声勢を推究して、しかる後に吉凶を断ずべきである。風がもし南方から来れば、南方は離火に属し、巽上離下で「風火家人」を成す。東方から来れば、東方は震木に属し、巽上震下で「風雷益」を成す。その余の各方はこれに倣って類推する。
審其時者,春為發生和暢之風;夏為長養之風;秋為肅殺;冬為凜冽之類。察其色者,帶埃煙雲氣,可見其色黃者,祥瑞之氣;青者,半凶半吉;白主刃,氣黑昏者凶,赤色者災,紅紫者吉。辨其聲勢者,其風聲如陣馬,主鬥爭;如波濤者,有驚險;如悲咽者,有憂慮;如奏樂者,有喜事;如喧呼者,主鬧鬨;如烈焰者,主火驚。其聲洋洋而來,徐徐而去者,吉慶之兆也。
いわゆる「其の時を審らかにす」とは:春の風は生機を発動し和暖舒暢の風、夏の風は長養を助くる風、秋の風は肅殺の意を帯び、冬の風は凛冽して骨を刺す——同じ一陣の風でも、四時の主るところが異なる。 いわゆる「其の色を察す」とは:風は往々にして塵埃・煙雲を巻いて、気色を見出すことができる。色が黄なら祥瑞の気、色が青なら半凶半吉、色が白なら刀兵の傷を主り、気色が昏黒なら凶を主り、色が赤なら災を主り、色が紅紫なら吉を主る。 いわゆる「其の声勢を辨ず」とは:風声が千軍万馬の奔るが如きは争闘を主り、波涛の翻卷するが如きは驚険を主り、悲声の嗚咽するが如きは憂慮を主り、楽を奏するが如きは喜事を主り、人群の喧呼するが如きは吵闹哄乱を主り、烈火の騰焰するが如きは火災の驚を主る。もし風声が浩浩蕩蕩として来て、また緩緩として去るならば、それは吉慶の兆である。
鳥占
鳥占者,見鳥可占也。凡見鳥群,數其只數,看其方所,聽其聲音,辨其毛羽色,皆可起數。又須審其名義,察其鳴叫,取其吉凶。見鳥而占,數其只數者,如一隻屬乾,二隻屬兌,三隻屬離。看其方所者,即離南、坎北之數;聽其聲音者,如鳥叫一聲屬乾,二聲屬兌,三聲屬離之類,皆可起卦。聽聲音者,若夫鳴叫之喧啾者,主口舌;鳴叫悲咽者,主悲愁;鳴叫嘹亮者,主吉慶。此取斷吉凶之聲音也。察其名義者,如鴉報災,鵲報喜,鸞鶴為祥瑞,鶚鵬為妖孽之類是也。
「鳥占」とは、飛鳥を見れば即座に卦を起こせることである。およそ鳥の群れを見れば、それが几羽いるかを数え、どの方位にいるかを見、その叫ぶ声を聞き、その羽毛の色を辨じる——この数様はいずれも数目に折って卦を起こせる。このほかにその鳥の名の意味を体会し、その鳴き叫ぶ情態を審察して、それに拠って吉凶を取る。 只数を数える:一羽は乾に属し、二羽は兌に属し、三羽は離に属し、先天卦数に倣って類推する。 方位を見る:離南・坎北のあの一套の後天方位の数を用いる。 声数を聴く:鳥が一声鳴けば乾に属し、二声鳴けば兌に属し、三声鳴けば離に属する類で、いずれも卦を起こせる。 声情を辨ずる:喧しく啾雜に鳴くのは口舌の是非を主り、悲しく嗚咽に鳴くのは憂愁を主り、清朗に嘹亮に鳴くのは吉慶を主る——これは声音から吉凶を断ずる取り方である。 名義を審らかにする:烏鴉が鳴くのは災を報じ、喜鵲が鳴くのは喜を報じ、鸞鳥・仙鶴は祥瑞の兆、鶚鳥・大鵬の類は妖異不祥を主る。
声音を聴く占
聲音者,如靜室無所見,但於耳中所聞起卦,或數其數,驗其方所;或辨其物聲,詳其所屬,皆可起卦。察其悲喜,助斷吉凶。數其數目者,如一聲屬乾,二聲屬兌。驗其方所者,離南、坎北之類是也。
「声音を聴く占」とはこういうことである:人が静室の中に坐っていて、眼前に取るべき象が見えなければ、ただ耳の中に聞こえた声音のみに拠って卦を起こす。あるいはそれが几声響いたかを数え、あるいはどの方位から伝わって来たかを辨じ、あるいはこれが何の物の出す声響かを分辨して、それがどの卦に属するかを推し詳める——この数様はいずれも卦を起こせる。さらに声音の中の悲喜の情を体察して、吉凶の判断を助けるのに用いる。 声数を数える:一声響けば乾に属し、二声響けば兌に属し、先天卦数に倣って類推する。 方位を験する:南方から来るものは離に属し、北方から来るものは坎に属する類である。
如人語聲,及動物鳴叫之聲,聲自口出者屬兌。而靜物扣擊屬震,鼓拍槌敲、板木之聲是也;金聲屬乾,鍾馨鉦鐸之聲是也;火聲屬離,烈焰爆竹等聲是也;土聲屬坤,築基、杵垣、坡崩、山裂是也。此辨其物聲,詳其所屬也。察其悲喜,助斷吉凶者,如聞人語笑聲,又說吉語,娛笑者,有喜也;人悲泣聲與怨聲,愁語及罵詈窮嘆等聲,不吉也。
さらに物声を分辨するといえば:人が言語を発する声、および禽獣が鳴き叫ぶ声、およそ口から出るものはみな兌に属する(兌は口なり)。静物を敲撃して発する声響は震に属し、鼓を撃ち・拍板を拍ち・槌で木板を敲く類の如し。金属の声響は乾に属し、鐘・磬・鉦・鐸の声の如し。火の発する声響は離に属し、烈焰の騰焼・爆竹の炸響の声の如し。土の発する声響は坤に属し、地を夯り基を築き・土を杵り牆を築き・山坡の崩塌・山体の開裂の声の如し。これが物声を辨じ、その属する卦を推し詳める法である。 さらに悲喜を体察して吉凶の断を助けるといえば:もし人の談笑する声を聞き、しかも言うところが吉利の話で歓娯の意を帯びていれば、喜あるを主る。もし人の悲泣する声・怨恨する声、および愁苦の語・咒罵責詈・窮困長嘆の類の声を聞けば、不吉である。
