形物占
作盤ガイド: 梅花易数の立卦
形物占者,凡見物形,可以起卦。如物之圓者屬乾,剛者屬兌,方者屬坤,柔者屬巽,仰者屬震,覆者屬艮,長者屬巽,中剛外柔者屬坎,內柔外剛者屬離,乾燥枯槁者屬離,有文彩者亦屬離,用障礙之勢、物之破者屬兌。 驗色占 凡占色之青者屬震,紅紫赤者屬離,黃色者屬坤,白色屬兌,黑色屬坎之類是也。
「形物占」とは:およそ物の形状を見れば、形に拠って卦を取ることができる。円は乾に属し、堅硬は兌に属し、方は坤に属し、柔軟は巽に属し、口が上に仰ぐのは震に属し(震仰盂)、倒扣するのは艮に属し(艮覆碗)、細長は巽に属し、外が柔で中間が堅実なのは坎に属し(坎中満)、内が虚で外が堅いのは離に属し(離中虚)、乾燥して枯槁したのは離に属し、花紋・文采のあるのも離に属し、およそ阻隔・遮擋の勢いあるものおよび残破・損缺の物は兌に属する。 「験色占」とは:およそ占の中に見る色で、青色は震に属し、紅・紫・赤色は離に属し、黄色は坤に属し、白色は兌に属し、黒色は坎に属し、その余は五行の配色に照らして類推する。
象数易理篇 その三・八卦類象
乾:玄黃、大赤色、金玉、寶珠、鏡、獅、圓物、木果、貴物、冠、象、馬、天鵝、剛物。 坎:水、帶子帶核之物、豕魚、弓輪、水具、水中之屋、鹽、酒、黑色。 艮:土石、黃色、虎、狗、土中之物、瓜果、百禽、鼠、黔喙之屬。 震:竹木、青碧綠色、龍、蛇、□葦、竹木樂器、草、蕃鮮之物。
この一節は八卦の主る物をもう一度簡単に列挙し、物を占う時に速く查べられるように供する。 乾は玄黄の色と大赤色を主り、金玉・宝珠・鏡・獅子を主り、円形の物・樹に結ぶ果・貴重の物・冠冕を主り、また象・馬・天鹅を主り、およそ堅剛の物はみな乾に帰する。 坎は水を主り、籽・核を帯びた物を主り、猪と魚を主り、弓と車輪・水を盛る器具・水に臨んで建てた屋を主り、また塩と酒を主り、色においては黒である。 艮は土と石を主り、色においては黄。虎・狗を主り、土の中に埋まった物・瓜果を主り、また各種の禽鳥・老鼠および嘴の黒い鳥獣を主る。 震は竹と木を主り、色においては青・碧・緑。竜と蛇を主り、萑葦(原本は此処に一字を缺く、「萑」とすべし)、竹木の作った楽器、草類、および一切の繁茂して鮮活なる物を主る。
巽:木、蛇、長物、青碧綠色、山木之禽鳥、□、香、雞、直物、竹木之器、工巧之器。 離:火、文書、干戈、雉、龜、蟹、槁木、甲冑、螺、蚌、鱉、赤色。 坤:土、方物、五穀、柔物、絲綿、百禽、牛、布帛、輿、金、瓦器、黃色。 兌:金刃、金器、樂器、澤中之物、白色、有口缺之物、羊。
巽は木を主り、蛇を主り、細長の物を主り、色においては青・碧・緑。山林・樹上の禽鳥を主り(此処に原本は一字を脱す)、香気・鶏を主り、およそ笔直の物・竹木の器皿と精巧の器はみな巽に帰する。 離は火を主り、文書・干戈の兵器を主り、雉を主り、龜・蟹・螺・蚌・鱉のこれら甲殻を帯びたものを主り、また枯槁の木と盔甲を主り、色においては赤である。 坤は土を主り、方形の物・五穀・柔軟の物・絲綿を主り、各種の禽類と牛を主り、布帛・車輿・金を主り、また瓦器を主り、色においては黄である。 兌は金属の刀刃・金器と楽器を主り、水沢の中の物を主り、色においては白。およそ口あるもの・缺損ある器物および羊は、みな兌に帰する。
八卦万物属類
乾卦
一 金 乾為天 天風姤 天山遁 天地否 風地觀 山地剝 火地晉 火天大有 天時:天、冰、雹、霰。 地理:西北方、京都、大郡、形勝之地、高亢之所。 人物:君、父、大人、老人、長者、官宦、名人、公門人。 人事:剛健武勇、果決、多動少靜、高上下屈。 身體:首、骨、肺。 時序:秋、九十月之交、戌亥年月日時、一四九年月日時。 動物:馬、天鵝、獅、象。 靜物:金玉、寶珠、圓物、水果、剛物、冠、鏡。 屋舍:公廨、樓臺、高堂、大廈、驛舍、西北向之居。 家宅:秋占宅興隆、夏占有禍、冬占冷落、春占吉利。 婚姻:貴官之眷、有聲名之家、秋占宜成、冬夏占不利。
乾卦は、先天数を一とし、五行は金に属する。乾宮の統べる八つの卦は順に:乾為天・天風姤・天山遯・天地否・風地観・山地剥・火地晋・火天大有である。 天時を論ずれば、乾は天空そのもの、および氷・雹・霰のこれら凝堅寒冷の物を主る。 地理を論ずれば、乾は西北の一方を主り、また京城・大郡のこれら通都大邑を主り、山川の形勢勝絶の地と高亢乾爽の處を主る。 人物を論ずれば、乾は君王・父親・大人・老人・長者、および官を為し宦を為す者・名望ある者・衙門の中の人を主る。 人事を論ずれば、乾は剛強勇武・事を办るに果決を主り、動を好み静少きを主り、身は高位に居りて能く己を屈して人に下るを主る。 身体を論ずれば、乾は頭を主り、骨を主り、肺を主る。 時序を論ずれば、乾は秋季に応じ、九月と十月の交に応じ、戌・亥の年月日時に応じ、また一・四・九の数の年月日時に応ず。 動物を論ずれば、乾は馬を主り、また天鹅・獅子・大象を主る。 静物を論ずれば、乾は金玉・宝珠、円形の物、水果、堅剛の物、および冠冕と鏡を主る。 屋舎を論ずれば、乾は官署・楼台・高堂・大厦、駅站・客舍、および坐向が西北に朝する住宅を主る。 家宅を論ずれば、秋に乾を占い得れば宅運は興隆し、夏に占い得れば家中に禍あり、冬に占い得れば門庭冷落し、春に占い得れば吉利となる。 婚姻を論ずれば、乾は貴官の家の眷属・声望ある門第を主る。秋に占えば成婚に宜しく、冬夏の两季に占えば利あらず。
飲食:馬肉、珍味、多骨、肝肺、乾肉、水果、諸物之首、圓物、辛辣之物。 生產:易生、秋占生貴子,夏占有損,坐宜向西北。 求名:有名、宜隨朝內任、刑官、武職、掌權、天使、驛官、宜西北方之任。 謀旺:有成、利公門、宜動中有財、夏占不成、冬占多謀少遂。 交易:宜金、玉珍寶珠貴貨、易成、夏占不利。 求利:有財、金、玉之利、公門中得財、秋占大利、夏占損財、冬占無財。 出行:利於出行、宜入京師、利西北之行、夏占不利。 謁見:利見大人、有德行之人、宜見官貴、可見。 疾病:頭面之疾、肺疾、筋骨疾、上焦疾、夏占不安。 官訟:健訟、有貴人助、秋占得勝、夏占失理。 墳墓:宜向西北、宜乾山氣脈、宜天穴、宜高、秋占出貴、夏占大凶。 方道:西北。 五色:大赤色、玄色。 姓字:帶金旁者、商音、行位一四九。 數目:一、四、九。 五味:辛、辣。
飲食を論ずれば、乾は馬肉と珍貴の味を主り、骨多き物・肝肺の属・腊干の肉と水果を主り、およそ各類の食物中で首に居るもの・円形のもの・辛辣のものはみな乾に帰する。 生産を論ずれば、乾は生養の易きを主る。秋に占い得れば貴子を生み、夏に占い得れば損傷あり、産婦の坐向は西北に朝するを宜しとす。 求名を論ずれば、乾は名を得るを主り、朝内に入りて職に任ずるを宜しとし、刑獄の官・武職・権を掌る任を為すを宜しとし、天子の使臣と駅官に充つるを宜しとし、西北方に赴任するを宜しとす。 謀望を論ずれば、乾は事を謀るに成るべしを主り、官府の門路を走るに利あり、走動の中に財を得るに宜し。夏に占えば成らず、冬に占えば謀多くして遂少し。 交易を論ずれば、乾は金玉・珍宝の類の貴貨を為すに宜しく、談じて成り易し。夏に占えば利あらず。 求財を論ずれば、乾は財あるを主り、得るところは金玉の利で、官府の門路の中から財を得べし。秋に占えば大いに利を得、夏に占えば財を破り、冬に占えば財無し。 出行を論ずれば、乾は門を出るに利あり、京に入るに宜しく、西北方に往くに利あり。夏に占えば利あらず。 謁見を論ずれば、乾は大人物と徳行ある人に拝見するに利あり、官貴に見ゆるを宜しとし、行けば見るを得る。 疾病を論ずれば、乾は頭面の疾・肺病・筋骨の病と上焦の疾を主る。夏に占えば病情安からず。 官訟を論ずれば、乾は争訟に善く・貴人の相助ありを主る。秋に占い得れば勝ち、夏に占えば理に虧く。 墳墓を論ずれば、乾は坐向西北を宜しとし、乾山より来る気脈を承接するを宜しとし、天穴を取るを宜しとし、高き處に葬るを宜しとす。秋に占い得れば貴人を出すを主り、夏に占えば大凶。 方位を論ずれば、乾は西北に在り。 顔色を論ずれば、乾は大赤色と玄黒色を主る。 姓氏を論ずれば、乾は金字旁を帯びた姓を主り、五音は商音に属し、排行は一・四・九に居る。 数目を論ずれば、乾は一・四・九である。 五味を論ずれば、乾は辛と辣を主る。
坤卦
八 土 坤為地 地雷復 地澤臨 地天泰 雷天大壯 澤天決 水天需 水地比 天時:雲陰、霧氣。 地理:田野、鄉里、平地、西南方。 人物:老母、後母、農夫、鄉人、眾人、大腹人。 人事:吝嗇、柔順、懦弱、眾多。 身體:腹、脾、胃、肉。 時序:辰戌丑未月、未申年月日時、八五十月日。 靜物:方物、柔物、布帛、絲綿、五穀、輿釜、瓦器。 動物:牛、百獸、牝馬。 屋舍:西南向、村居、田舍、矮屋、土階、倉庫。 家宅:安穩、多陰氣、春占宅舍不安。
坤卦は、先天数を八とし、五行は土に属する。坤宮の統べる八つの卦は順に:坤為地・地雷復・地沢臨・地天泰・雷天大壮・沢天夬(原文は「沢天决」と作る)・水天需・水地比である。 天時を論ずれば、坤は陰雲の密布と霧気の弥漫を主る。 地理を論ずれば、坤は田野・鄉村・平地を主り、方位は西南に在り。 人物を論ずれば、坤は老いた母親・継母・農夫・鄉下の人・衆人および大腹便便の人を主る。 人事を論ずれば、坤は吝嗇小気・柔順に聴從し・懦弱にして断無きを主り、また人多く勢衆なるを主る。 身体を論ずれば、坤は腹部を主り、脾・胃を主り、肌肉を主る。 時序を論ずれば、坤は辰・戌・丑・未の四つの季月に応じ、未・申の年月日時に応じ、また八・五・十の数の月日に応ず。 静物を論ずれば、坤は方形の物と柔軟の物を主り、布帛・絲綿・五穀・車輿・鍋釜と瓦器を主る。 動物を論ずれば、坤は牛を主り、また各種の走獣と母馬を主る。 屋舎を論ずれば、坤は坐向西南の房子・村落の人家・田間の農舍・低矮の屋子・泥土の台阶と倉庫を主る。 家宅を論ずれば、坤は宅居の安穏を主るが、陰気はやや偏り重し。春に占い得れば宅舍安からず。
飲食:牛肉、土中之物、甘味、野味、五穀之味、芋筍之物、腹臟之物。 婚姻:利於婚姻、宜稅產之家、鄉村之家、或寡婦之家、春占不利。 生產:易產、春占難產、有損、或不利於母、坐宜西南方。 求名:有名、宜西南方或教官、農官守土之職、春占虛名。 交易:宜利交易、宜田土交易、宜五穀、利賤貨、重物、布帛、靜中有財、春占不利。 求利:有利、宜土中之利、賤貨重物之利、靜中得財、春占無財、多中取利。 謀旺:利求謀、鄉里求謀、靜中求謀、春占少遂、或謀於婦人。 出行:可行、宜西南行、宜往鄉里行、宜陸行、春占不宜行。 謁見:可見、利見鄉人、宜見親朋或陰人、春不宜見。 疾病:腹疾、脾胃之疾、飲食停傷、穀食不化。 官訟:理順、得眾情、訟當解散。 墳墓:宜向西南之穴、平陽之地、近田野、宜低葬、春不可葬。 姓字:宮音、帶土姓人、行位八五十。 數目:八、五、十。 方道:西南。 五味:甘。 五色:黃、黑。
飲食を論ずれば、坤は牛肉・土の中に長ずる物を主り、甘甜の味・野味・五穀の味を主り、芋頭・竹笋の類を主り、また内臓の食を主る。 婚姻を論ずれば、坤は成婚に利あり、田産・賦税ある人家・鄉村の人家あるいは寡婦の家と親を結ぶに宜し。春に占えば利あらず。 生産を論ずれば、坤は生産の易きを主る。春に占えば難産・損傷あり、あるいは母に利あらず。産婦の坐向は西南に朝するを宜しとす。 求名を論ずれば、坤は名を得るを主り、西南方に職に任ずるを宜しとし、あるいは教官・勸農・守土の類の職務を為すを宜しとす。春に占えばただ虚名のみ。 交易を論ずれば、坤は売買を為すに宜しく、殊に田土の交易に宜しく、五穀・廉価の貨物・笨重の物と布帛に宜しく、静守の中に自ずから財あり。春に占えば利あらず。 求財を論ずれば、坤は利あるを主り、土中の利・賤貨重物の利を得るに宜しく、安静の中に財を得べし。春に占えば財無く、多処の薄利の中から利を取るを須とす。 謀望を論ずれば、坤は求謀に利あり、鄉里に事を謀り・安静の中に事を謀るに宜し。春に占えば願いに能わず少なく、あるいは婦人の力を借りて謀るを須とす。 出行を論ずれば、坤は行くべく、西南方に往くを宜しとし、鄉下に往くを宜しとし、陸路を走るを宜しとす。春に占えば出行に宜しからず。 謁見を論ずれば、坤は人に見ゆるべく、鄉里の人に見ゆるに利あり、親友あるいは女子に見ゆるを宜しとす。春に占えば相見るに宜しからず。 疾病を論ずれば、坤は腹部の病・脾胃の病を主り、飲食の積滞して傷を受け・穀物の消化し得ざるを主る。 官訟を論ずれば、坤は理直にして衆人の情を得るを主り、訟事は和解して散去すべし。 墳墓を論ずれば、坤は西南に向かう穴を取るを宜しとし、平坦にして陽に向かう地を宜しとし、田野に近づくを宜しとし、低く葬るを宜しとす。春は下葬すべからず。 姓氏を論ずれば、坤は宮音に属し、土字旁を帯びた姓を主り、排行は八・五・十に居る。 数目を論ずれば、坤は八・五・十である。 方位を論ずれば、坤は西南に在り。 五味を論ずれば、坤は甘を主る。 顔色を論ずれば、坤は黄と黒を主る。
震卦
四 木 震為雷 雷地豫 雷水解 雷風恆 地風升 水風井 澤風大過 澤雷隨 天時:雷。 地理:東方、樹木、鬧市、大途、竹林、草木茂盛之所。 人物:長男。 人事:起動、怒、虛驚、鼓動噪、多動少靜。 身體:足、肝、髮、聲音。 時序:春三月、卯年月日時、四三八月日。 靜物:木竹、萑葦、樂器(屬竹木者)、花草繁鮮之物。 動物:龍、蛇。 屋舍:東向之居、山林之處、樓閣。 家宅:宅中不時有虛驚、春冬吉、秋占不利。
震卦は、先天数を四とし、五行は木に属する。震宮の統べる八つの卦は順に:震為雷・雷地豫・雷水解・雷風恒・地風升・水風井・沢風大過・沢雷随である。 天時を論ずれば、震は雷の鳴るを主る。 地理を論ずれば、震は東方を主り、林木・闹市・大道・竹林、および草木の茂盛なる處を主る。 人物を論ずれば、震は長男を主る。 人事を論ずれば、震は発動・興起、怒りを発し、端もなく驚恐し、鼓噪・喧動を主り、動を好み静少し。 身体を論ずれば、震は脚を主り、肝を主り、頭髪を主り、声音を主る。 時序を論ずれば、震は春三月に応じ、卯の年月日時に応じ、また四・三・八の数の月日に応ず。 静物を論ずれば、震は竹木・萑葦を主り、竹木の作った楽器、および花草の繁茂して鮮活なる物を主る。 動物を論ずれば、震は竜と蛇を主る。 屋舎を論ずれば、震は東に坐り西に朝する住宅、山林の中の居所と楼閣を主る。 家宅を論ずれば、震は宅中に時々虚驚の事あるを主る。春冬の两季に占い得れば吉、秋に占い得れば利あらず。
飲食:蹄、肉、山林野味、鮮肉、果酸味、菜蔬。 婚姻:可、有成、聲名之家、得長男之婚、秋占不宜婚。 求利:山林竹木之財、動處求財、或山林、竹木茶貨之利。 求名:有名、宜東方之任、施號發令之職、掌刑獄之官、竹茶木稅課之任、或鬧市司貨之職。 生產:虛驚、胎動不安、頭胎必生男、坐宜東向、秋占必有損。 疾病:足疾、肝經之疾、驚怖不安。 謀旺:可旺、可求、宜動中謀、秋占不遂。 交易:利於成交、秋占難成、動而可成、山林、木竹茶貨之利。 官訟:健訟、有虛驚、行移取甚反覆。 謁見:可見、在山林之人、利見宜有聲名之人。 出行:宜行、利於東方、利山林之人、秋占不宜行、但恐虛驚。 墳墓:利於東向、山林中穴、秋不利。 姓字:角音、帶木姓人、行位四八三。 數目:四、八、三。 方道:東。 五味:甘、酸味。 五色:青、綠、碧。
飲食を論ずれば、震は蹄と肉を主り、山林の野味・鮮肉を主り、酸味を帯びた果子と蔬菜を主る。 婚姻を論ずれば、震は婚すべく能く成るを主り、声名ある人家と親を結ぶに宜しく、長男の婚を説くを宜しとす。秋に占えば婚を議するに宜しからず。 求財を論ずれば、震は山林・竹木の財を主り、走動する處に財を求めるに宜しく、あるいは山林・竹木・茶貨の利を得べし。 求名を論ずれば、震は名を得るを主り、東方に職に任ずるを宜しとし、号令を発施する職・刑獄を掌管する官・竹茶木の税を征收する任を為すを宜しとし、あるいは闹市の中で貨物を管する差事を為すを宜しとす。 生産を論ずれば、震は虚驚・胎動不安を主り、頭一胎は必ず男を生む。産婦の坐向は東に朝するを宜しとす。秋に占えば必ず損あり。 疾病を論ずれば、震は脚病・肝経の病を主り、驚恐不安を主る。 謀望を論ずれば、震は事を謀るに旺し求めべしを主り、走動の中に籌謀するに宜し。秋に占えば遂げず。 交易を論ずれば、震は成交に利あり、動きてこそ為し得べし。山林・竹木茶貨の利に宜し。秋に占えば成り難し。 官訟を論ずれば、震は争訟強健を主り、中間に虚驚あり、公文の往来きわめて反復す。 謁見を論ずれば、震は人に見ゆるべく、見るところ多くは山林の中の人で、声名ある人に見ゆるに利あり。 出行を論ずれば、震は身を動かすに宜しく、東方に往くに利あり、山林の中の人と同行するに利あり。秋に占えば出行に宜しからず、しかも虚驚あるを恐る。 墳墓を論ずれば、震は東に朝する穴に利あり、山林の中の穴地を取るに宜し。秋は利あらず。 姓氏を論ずれば、震は角音に属し、木字旁を帯びた姓を主り、排行は四・八・三に居る。 数目を論ずれば、震は四・八・三である。 方位を論ずれば、震は東に在り。 五味を論ずれば、震は甘と酸を主る。 顔色を論ずれば、震は青・緑・碧を主る。
巽卦
五 木 巽為風 風天小畜 風火家人 風雷益 天雷無妄 火雷噬嗑 山雷頤 山風蠱 天時:風。 地理:東南方之地、草木茂秀之所、花果菜園。 人物:長女、秀士、寡婦之人、山林仙道之人。 人事:柔和、不定、鼓舞、利市三倍、進退不果。 身體:肱、股、氣、風疾。 時序:春夏之交、三五八之時月日、辰巳月日時。 靜物:木香、繩、直物、長物、竹木、工巧之器。 動物:雞、百禽、山林中之禽、蟲。 屋舍:東南向之居、寺觀樓臺、山林之居。 家宅:安穩利市、春占吉、秋占不安。
巽卦は、先天数を五とし、五行は木に属する。巽宮の統べる八つの卦は順に:巽為風・風天小畜・風火家人・風雷益・天雷无妄・火雷噬嗑・山雷頤・山風蠱である。 天時を論ずれば、巽は風の吹くを主る。 地理を論ずれば、巽は東南方の地を主り、草木の茂盛秀麗なる處を主り、花園・果園・菜圃を主る。 人物を論ずれば、巽は長女・読書の秀士・寡居の人、および山林の中に修仙学道の人を主る。 人事を論ずれば、巽は性情柔和・心意不定を主り、鼓舞振作を主り、売買に三倍の利を獲るを主り、また進退猶豫・事を办るに果決なきを主る。 身体を論ずれば、巽は手臂と大腿を主り、気を主り、風疾を主る。 時序を論ずれば、巽は春夏の交に応じ、三・五・八の数の時月日に応じ、また辰・巳の月日時に応ず。 静物を論ずれば、巽は香木・繩索を主り、笔直の物と細長の物を主り、竹木と精巧の器を主る。 動物を論ずれば、巽は鶏を主り、また各種の禽鳥・山林の中の飛禽と虫豸を主る。 屋舎を論ずれば、巽は東南に坐向する住宅・寺観楼台と山林の間の居所を主る。 家宅を論ずれば、巽は家宅安穏・生意興旺を主る。春に占い得れば吉、秋に占えば安からず。
飲食:雞肉、山林之味、蔬果酸味。 婚姻:可成、宜長女之婚、秋占不利。 生產:易生、頭胎產女、秋占損胎、宜向東南坐。 求名:有名、宜文職有風憲之力、宜為風憲、宜茶果竹木稅貨之職、宜東南之任。 求利:有利三倍、宜山林之利、秋占不利、竹貨木貨之利。 交易:可成、進退不一、利山林交易、山林木茶之利。 謀旺:可謀旺、有財可成、秋占多謀少遂。 出行:可行、有出入之利、宜向東南行、秋占不利。 謁見:可見、利見山林之人、利見文人秀士。 疾病:股肱之疾、風疾、腸疾、中風、寒邪、氣疾。 姓字:角音、草木旁姓氏、行位五三八。 官訟:宜和、恐遭風憲之責。 墳墓:宜東南方向、山林之穴、多樹木、秋占不利。 數目:五、三、八。 方道:東南。 五味:酸味。 五色:青、綠、碧、潔白。
飲食を論ずれば、巽は鶏肉・山林の中の野味、および酸味を帯びた蔬菜果品を主る。 婚姻を論ずれば、巽は婚事の成るべきを主り、長女の婚を説くに宜し。秋に占えば利あらず。 生産を論ずれば、巽は生養の易きを主り、頭一胎は女を生む。秋に占えば胎を損ずるの虞あり。産婦の坐向は東南に朝するを宜しとす。 求名を論ずれば、巽は名を得るを主り、文職に任じて監察・弹劾の権あるを宜しとし、御史台諫の類の風憲の官を為すを宜しとし、茶果・竹木の税貨を管する職を為すを宜しとし、東南方に赴任するを宜しとす。 求財を論ずれば、巽は三倍の利を獲るべしを主り、山林の利・竹貨木貨の利を取るに宜し。秋に占えば利あらず。 交易を論ずれば、巽は成るべしを主るが、ただ中間に進退反復あり。山林の物の交易に利あり、山林・木茶の利を得べし。 謀望を論ずれば、巽は事を謀るに興旺を望むべしを主り、財あれば即ち成るべし。秋に占えば謀多くして遂少し。 出行を論ずれば、巽は身を動かすべく、出入ともに利あり、東南方に往くを宜しとす。秋に占えば利あらず。 謁見を論ずれば、巽は人に見ゆるべく、山林の中の人に見ゆるに利あり、また文人秀士に見ゆるに利あり。 疾病を論ずれば、巽は大腿・手臂の疾、風疾、腸疾、中風、寒邪の入侵と気機の病を主る。 姓氏を論ずれば、巽は角音に属し、草頭・木旁を帯びた姓を主り、排行は五・三・八に居る。 官訟を論ずれば、巽は和解するに宜しく、然らざれば風憲の官の責罰を遭うを恐る。 墳墓を論ずれば、巽は東南に朝するを宜しとし、山林の中の穴地を取るを宜しとし、樹木の繁多なる處を宜しとす。秋に占えば利あらず。 数目を論ずれば、巽は五・三・八である。 方位を論ずれば、巽は東南に在り。 五味を論ずれば、巽は酸を主る。 顔色を論ずれば、巽は青・緑・碧と潔白を主る。
坎卦
六 水 坎為水 水澤節 水雷屯 水火既濟 澤火革 雷火豐 地火明夷 地水師 天時:月、雨、雪、霜、露。 地理:北方、江湖、溪澗、泉井、卑溼之地(溝瀆、池沼、凡有水處)。 人物:中男、江湖之人、舟人、資賊。 人事:險陷卑下、外示以柔、內序以利、漂泊不成、隨波逐流。 身體:耳、血、腎。 時序:冬十一月、子年月日時、一六月日。 靜物:水帶子、帶核之物、弓輪、矯揉之物、酒器、水具。 屋舍:向北之居、近水、水閣、江樓、花酒長器、宅中混地之處。 飲食:豕肉、酒、冷味、海味、湯、酸味、宿食、魚、帶血、掩藏、有帶核之物、水中之物、多骨之物。 家宅:不安、闇昧、防盜。
坎卦は、先天数を六とし、五行は水に属する。坎宮の統べる八つの卦は順に:坎為水・水沢節・水雷屯・水火既濟・沢火革・雷火豊・地火明夷・地水師である。 天時を論ずれば、坎は月を主り、雨・雪・霜・露を主る。 地理を論ずれば、坎は北方を主り、江湖・溪澗・泉眼・水井と低窪潮湿の地を主り、およそ溝渠・池沼など一切の水ある所在はみな坎に帰する。 人物を論ずれば、坎は中男(次男)を主り、江湖に浪迹する人・船工を主り、また盗賊を主る。 人事を論ずれば、坎は険陷卑下を主り、外表柔順にして内裏利を図るを主り、漂泊不定・事の成就し難きを主り、波に随い流に逐いて主張無し。 身体を論ずれば、坎は耳を主り、血を主り、腎を主る。 時序を論ずれば、坎は冬季の十一月に応じ、子の年月日時に応じ、また一・六の数の月日に応ず。 静物を論ずれば、坎は籽・核を帯びた物を主り、弓と車輪・揉制して彎曲した物・酒器と水を盛る具を主る。 屋舎を論ずれば、坎は北に坐り南に朝する住宅・水に臨む房子・水閣江楼を主り、花を置き酒を擺する長器を主り、また宅中の污湿泥濘の處を主る。 飲食を論ずれば、坎は猪肉・酒・生冷の味・海味・湯羹・酸味・隔夜の食・魚を主り、血を帯びた物・腌蔵した物・核を帯びた物・水中の物と骨多き物を主る。 家宅を論ずれば、坎は居家安からず・幽暗晦昧を主り、盗賊を防ぐを須とす。
婚姻:利中男之婚、宜北方之婚、辰戌丑未月婚不可。 生產:難產有險、宜次胎、中男、辰戌丑未月有損、宜北向。 求名:艱難、恐有災險、宜北方之任、魚鹽河泊之職。 求利:有財失、宜水邊財、恐有失陷、宜魚鹽酒貨之利、防遺失、防盜。 交易:不利成交、恐防失陷、宜水邊交易、宜魚鹽貨之交易、或點水人之交易。 謀旺:不宜謀旺、不能成就、秋冬占可謀旺。 出行:不宜遠行、宜涉舟、宜北方之行、防盜、恐遇險陷溺之事。 謁見:難見、宜見江湖之人、或有水旁姓氏之人。 疾病:耳痛、心疾、感寒、腎疾、胃冷、水瀉、痼冷之病、血病。 官訟:不利、有陰險、有失、因訟、失陷。 墳墓:宜北向之穴、近水傍之墓、不利葬。 姓字:羽音、點水旁之姓氏、行位一六。 數目:一、六。 方道:北方。 五味:咸、酸。 五色:黑。
婚姻を論ずれば、坎は中男の婚を説くに利あり、北方の人家と親を結ぶに宜し。辰・戌・丑・未のこの四ヶ月は成婚すべからず(土月は水を克す)。 生産を論ずれば、坎は難産にして険あるを主り、第二胎たるを宜しとし、生むところは中男である。辰戌丑未の月は損あり。産婦の坐向は北に朝するを宜しとす。 求名を論ずれば、坎は名を求むるに艱難を主り、災険あるを恐る。北方に職に任ずるを宜しとし、魚塩・河泊の類の差事を為すを宜しとす。 求財を論ずれば、坎は財あるもまた失ありを主り、水辺の財を取るに宜しとするも、中途に陷落するを只怕す。魚塩・酒貨の利に宜しく、遺失を防ぎ盗竊を防ぐを須とす。 交易を論ずれば、坎は成交に利あらず、落空し騙されるを防ぐを須とす。水辺に交易するに宜しく、魚塩貨物の売買を為すに宜しく、あるいは姓の中に三点多水を帯びた人と交易す。 謀望を論ずれば、坎は事を謀るに宜しからず、多くは成就し得ず。ただ秋冬の两季に占い得たれば、こそ図謀すべし。 出行を論ずれば、坎は遠行に宜しからず、もし行かば舟に乘るに宜しく、北方に往くを宜しとす。盗賊を防ぐを須とし、険に遇い水に陷落する事を恐る。 謁見を論ずれば、坎は見ゆること難しを主り、江湖の上の人に見ゆるに宜しく、あるいは姓氏に三点多水を帯びた人に見ゆべし。 疾病を論ずれば、坎は耳痛・心病・寒気に感ず・腎病・胃寒・水瀉、および積久の寒冷の病と血病を主る。 官訟を論ずれば、坎は利あらずを主り、その中に陰険の事あり、損失あるべく、官司に因って困境に陥る。 墳墓を論ずれば、坎は北に朝する穴・水辺に近い墓を取るに宜し。総じて坎は下葬に利あらず。 姓氏を論ずれば、坎は羽音に属し、三点多水旁を帯びた姓を主り、排行は一・六に居る。 数目を論ずれば、坎は一・六である。 方位を論ずれば、坎は北方に在り。 五味を論ずれば、坎は咸と酸を主る。 顔色を論ずれば、坎は黒を主る。
離卦
三 火 離為火 火山旅 火風鼎 火水末濟 山水蒙 風水渙 天水訟 天火同人 天時:日、電、虹、霓、霞。 地理:南方、乾亢之地、窖灶、爐冶之所、剛燥厥地、其地面陽。 人物:中女、文人、大腹、目疾人、甲冑之士。 人事:文畫之所、聰明才學、相見虛心、書事。 身體:目、心、上焦。 時序:夏五月、午火年月日時、三二七日。 靜物:火、書、文、甲冑、干戈、槁衣、乾燥之物、赤色之物。 動物:雉、龜、鱉、蟹、螺、蚌。 屋舍:南舍之居、陽明之宅、明窗、虛室。 家宅:安穩、平善、冬占不安、克體主火災。
離卦は、先天数を三とし、五行は火に属する。離宮の統べる八つの卦は順に:離為火・火山旅・火風鼎・火水未濟(原文は「末濟」と作る)・山水蒙・風水渙・天水訟・天火同人である。 天時を論ずれば、離は太陽を主り、電光・虹・霓と雲霞を主る。 地理を論ずれば、離は南方を主り、乾燥高亢の地・地窖と灶頭・熔炉冶炼の所を主り、およそ堅硬乾燥・地面が陽に向かう處はみな離に帰する。 人物を論ずれば、離は中女・読書の人・大肚子の人・眼病を患う人、および甲を披き兵を執る士を主る。 人事を論ずれば、離は文墨・図画の事を主り、聡明にして才学あるを主り、人と相見て能く虚心なるを主り、文書の事を主る。 身体を論ずれば、離は眼を主り、心を主り、上焦を主る。 時序を論ずれば、離は夏季の五月に応じ、午火の年月日時に応じ、また三・二・七の数の日子に応ず。 静物を論ずれば、離は火を主り、書籍・文章、盔甲・干戈を主り、晒し乾かした衣物・一切の乾燥の物と赤色の物を主る。 動物を論ずれば、離は雉を主り、龜・鱉・蟹・螺・蚌のこれら殻を帯びた物を主る。 屋舎を論ずれば、離は南に朝する房舎・陽光明亮の住宅・明淨の窓戸と空敞の屋子を主る。 家宅を論ずれば、離は安穏平順を主る。冬に占い得れば安からず。もし離が来りて体卦を克せば、火災を主る。
飲食:雉肉、煎炒、燒炙之物、乾脯之體、熱肉。 婚姻:不成、利中女之婚、夏占可成、冬占不利。 生產:易生、產中女、冬占有損、坐宜向南。 求名:有名、宜南方之職、文官之任、宜爐冶亢場之職。 求利:有財宜南方求、有文書之財、冬占有失。 謀旺:可以謀旺、宜文書之事。 交易:可成、宜有文書之交易。 出行:可行、宜向南方、就文書之行、冬占不宜行、不宜行舟。 謁見:可見南方人、冬占不順、秋見文書考案之士。 官訟:易散、文書動、辭訟明辨。 疾病:目疾、心疾、上焦熱病、夏占伏暑、時疫。 墳墓:南向之幕、無樹木之所、陽穴。夏占出文人、冬占不利。 姓字:徵音、立人旁士姓氏、行位三二七。 數目:三、二、七。 方道:南。 五色:赤、紫、紅。 五味:苦。
飲食を論ずれば、離は雉肉を主り、煎炒・烧烤の物・干肉脯と熱食の肉を主る。 婚姻を論ずれば、離は婚事の成らざるを主る。もし中女の婚を説かば利あり。夏に占えば成り、冬に占えば利あらず。 生産を論ずれば、離は生養の易きを主り、生むところは中女である。冬に占えば損あり。産婦の坐向は南に朝するを宜しとす。 求名を論ずれば、離は名を得るを主り、南方の職・文官の任に任ずるを宜しとし、熔炉冶炼と高亢場務の類の差事を掌るを宜しとす。 求財を論ずれば、離は財あるを主り、南方に求めるに宜しく、得るところ多くは文書上の財である。冬に占えば失あり。 謀望を論ずれば、離は図謀すべく、殊に文書に関ある事に宜し。 交易を論ずれば、離は成るべしを主り、文書契約ある売買を為すに宜し。 出行を論ずれば、離は身を動かすべく、南方に往くを宜しとし、文書の事のために行くを宜しとす。冬に占えば出行に宜しからず、また舟に乘りて水路を走るも宜しからず。 謁見を論ずれば、離は南方の人に見ゆべし。冬に占えば順ならず。秋の見るところ多くは文書・考案を掌る人である。 官訟を論ずれば、離は訟事の了結し易きを主り、文書上に動静あり、是非曲直は辨じて明白なり。 疾病を論ずれば、離は眼病・心病・上焦熱病を主る。夏に占えば中暑と時行の疫病を主る。 墳墓を論ずれば、離は南に朝する墓を宜しとし、樹木なき處を宜しとし、陽穴を取るを宜しとす。夏に占えば后代に文人を出すを主り、冬に占えば利あらず。 姓氏を論ずれば、離は徵音に属し、単人旁と「士」旁の姓氏を主り、排行は三・二・七に居る。 数目を論ずれば、離は三・二・七である。 方位を論ずれば、離は南に在り。 顔色を論ずれば、離は赤・紫・紅を主る。 五味を論ずれば、離は苦を主る。
艮卦
七 土 艮為山 山火賁 山天大畜 山澤損 火澤睽 天澤履 風澤中孚 風山漸 天時:雲、霧、山嵐。 地理:山徑路、近山城、丘陵、墳墓、東北方。 人物:少男、閒人、山中人。 人事:阻隔、守靜、進退不決、反背、止住、不見。 身體:手指、骨、鼻、背。 時序:冬春之月、十二月丑寅年月日時、七五十數月日、土年月日時。 靜物:土石、瓜果、黃物、土中之物。 動物:虎、狗、鼠、百獸、黔啄之物。 家宅:安穩、諸事有阻、家人不睦、春占不安。 屋舍:東北方之居、山居近石、近路之宅。
艮卦は、先天数を七とし、五行は土に属する。艮宮の統べる八つの卦は順に:艮為山・山火賁・山天大畜・山沢損・火沢睽・天沢履・風沢中孚・風山漸である。 天時を論ずれば、艮は雲・霧と山間の嵐気を主る。 地理を論ずれば、艮は山間の小路・山に靠る城邑・丘陵と墳地を主り、方位は東北に在り。 人物を論ずれば、艮は少男・閒居無事の人と山中の人を主る。 人事を論ずれば、艮は阻隔不通・静守不動・進退の決断し得ざるを主り、背き向いて行き・停住して前せず・避けて見えざるを主る。 身体を論ずれば、艮は手指を主り、骨を主り、鼻を主り、背を主る。 時序を論ずれば、艮は冬春の交の月份に応じ、十二月および丑・寅の年月日時に応じ、七・五・十の数の月日に応じ、また土に属する年月日時に応ず。 静物を論ずれば、艮は土石・瓜果・黄色の物と土の中に埋まった物を主る。 動物を論ずれば、艮は虎・狗・鼠および各種の走獣を主り、また嘴の黒い禽鳥を主る。 家宅を論ずれば、艮は居處安穏を主るが、諸事多く阻隔あり、家人和せず。春に占えば安からず。 屋舎を論ずれば、艮は東北方向の住宅・山に傍い石に近い居所と道路に靠近の房子を主る。
飲食:土中物味、諸獸之肉、墓畔竹筍之屬、野味。 婚姻:阻隔難成、成亦遲、利少男之婚、春占不利、宜對鄉里婚。 求名:阻隔無名、宜東北方之任、宜土官山城之職。 求利:求財阻隔、宜山林中取財、春占不利、有損失。 生產:難生、有險阻之厄、宜向東北、春占有損。 交易:難成、有山林田土之交易、春占有失。 謀旺:阻隔難成、進退不決。 出行:不宜遠行、有阻、宜近陸行。 謁見:不可見、有阻、宜見山林之人。 疾病:手指之疾、脾胃之疾。 官訟:貴人阻滯、官訟未解、牽連不決。 墳墓:東北之穴、山中之穴、春占不利、近路旁有石。 數目:五、七、十。 方道:東北方。 五色:黃。 五味:甘。
飲食を論ずれば、艮は土の中に長り出る物・各種の獣肉・墓旁の竹笋の類、および山野の味を主る。 婚姻を論ずれば、艮は阻隔して成り難しを主り、假りに成るとも延びて遅し。少男の婚を説かば利あり。春に占えば利あらず。同郷の人家と親を結ぶに宜し。 求名を論ずれば、艮は阻隔して名を成し難しを主り、東北方に職に任ずるに宜しく、土地を管し山城を守る類の官を為すを宜しとす。 求財を論ずれば、艮は財を求むるに阻まるを主り、山林の中に財を取るに宜し。春に占えば利なく、しかも損失あり。 生産を論ずれば、艮は生産艱難・険阻の厄あるを主る。産婦の坐向は東北に朝するを宜しとす。春に占えば損あり。 交易を論ずれば、艮は談じて成り難しを主る。もし山林・田土の売買ならばなお可。春に占えば失あり。 謀望を論ずれば、艮は阻隔して成り難し・進退の決断し得ざるを主る。 出行を論ずれば、艮は遠行に宜しからず、路上に阻あり。もし行かば、近く陸路を走るに就くに宜し。 謁見を論ずれば、艮は人に見ゆることならずを主り、中間に阻隔あり。もし見えば、山林の中の人に見ゆるに宜し。 疾病を論ずれば、艮は手指の疾と脾胃の病を主る。 官訟を論ずれば、艮は貴人に耽搁せられ・訟事久しく結せず・牽連断ち難く決断し得ざるを主る。 墳墓を論ずれば、艮は東北方の穴・山中の穴を取るに宜し。春に占えば利あらず。穴地は多く路の旁・石に近い處に在り。 数目を論ずれば、艮は五・七・十である。 方位を論ずれば、艮は東北方に在り。 顔色を論ずれば、艮は黄を主る。 五味を論ずれば、艮は甘を主る。
兌卦
二 金 兌為金 澤水困 澤地萃 澤山咸 水山蹇 地山謙 雷山小過 雷澤歸妹 天時:雨澤、新月、星。 地理:澤、水際、缺池、廢井、山崩破裂之地、其地為剛滷。 人物:少女、妾、歌妓、伶人、譯人、巫師。 人事:喜悅、口、讒毀、謗說、飲食。 身體:舌、口喉、肺、痰、涎。 時序:秋八月、酉年月日時、二四九月日。 靜物:金刀、金類、樂器、廢物、缺器。 動物:羊、澤中之物。 屋舍:西向之居、近澤之居、敗牆壁宅、戶有損。 家宅:不安、防口舌、秋占喜悅、夏占家宅有禍。
兌卦は、先天数を二とし、五行は金に属する。兌宮の統べる八つの卦は順に:兌為沢(原文は「兌為金」と作る)・沢水困・沢地萃・沢山咸・水山蹇・地山謙・雷山小過・雷沢帰妹である。 天時を論ずれば、兌は雨沢の物を潤すを主り、新月と星辰を主る。 地理を論ずれば、兌は沼沢・水辺を主り、残缺の池塘・廃棄の水井・山崩地裂の處を主り、その地は多く剛硬の鹽鹵の土である。 人物を論ずれば、兌は少女・妾室・歌妓・伶人・通訳の人と巫師を主る。 人事を論ずれば、兌は喜悅歓欣を主り、口舌の事を主り、讒を進め誹謗するを主り、また飲食を主る。 身体を論ずれば、兌は舌を主り、口と咽喉を主り、肺を主り、痰涎を主る。 時序を論ずれば、兌は秋季の八月に応じ、酉の年月日時に応じ、また二・四・九の数の月日に応ず。 静物を論ずれば、兌は金属の刀具と一切の金類の物を主り、楽器を主り、また廃棄の物と残缺の器を主る。 動物を論ずれば、兌は羊、および水沢の中の活物を主る。 屋舎を論ずれば、兌は西に朝する住宅・沢に臨んで居る房子を主り、牆壁破敗の屋宅と門戸の損ある處を主る。 家宅を論ずれば、兌は家宅安からず・口舌を防ぐを須とすを主る。秋に占えば喜悅の事あり、夏に占えば家宅に禍あり。
飲食:羊肉、澤中之物、宿味、辛辣之味。 婚姻:不成、秋占可成、有喜、主成婚之吉、利婚少女、夏占不利。 生產:不利、恐有損胎或則生女、夏占不利、宜坐向西。 求名:難成、因名有損、利西之任、宜刑官、武職、伶官、譯官。 求利:無利、有損、財利、主口舌、秋占有財喜、夏占破財。 出行:不宜遠行、防口舌、或損失、宜西行、秋占宜行有利。 交易:難利、防口舌、有爭競、夏占不利、秋占有交易之財。 謀旺:難成、謀中有損、秋占有喜、夏占不遂。 謁見:利行西方、見有咒詛。 疾病:口舌、咽喉之疾、氣逆喘疾、飲食不飧。 墳墓:宜西向、防穴中有水、近澤之墓、夏占不宜、或葬廢穴。 官訟:爭訟不已、曲直未決、因訟有損、防刑、秋占為體得理勝訟。 姓字:商音、帶口帶金字旁姓氏、行位四二九。 數目:四、二、九。 方道:西方。 五色:白。 五味:辛、辣。 右萬物之象,庶事之多不止於此。占者宜各以其類而推之耳。
飲食を論ずれば、兌は羊肉・水沢の中の食材を主り、隔夜の味と辛辣の味を主る。 婚姻を論ずれば、兌は婚事の成らざるを主る。秋に占えば成るべく、しかも喜慶ありて、成婚の吉を主る。少女の婚を説かば利あり。夏に占えば利あらず。 生産を論ずれば、兌は利あらずを主り、胎を損ずるを恐れ、あるいは女を生む。夏に占えば利あらず。産婦の坐向は西に朝するを宜しとす。 求名を論ずれば、兌は成り難しを主り、甚だしきは名を求むるに因って損を受く。西方に到りて職に任ずるに利あり、刑官・武職・伶官と訳官を為すを宜しとす。 求財を論ずれば、兌は利なくして損あるを主り、一言の財利も便ち口舌を招く。秋に占えば則ち財を得るの喜あり、夏に占えば財を破る。 出行を論ずれば、兌は遠行に宜しからず、口舌あるいは損失を防ぐを須とす。もし行かば西に往くを宜しとす。秋に占えば則ち行くを宜しとしてしかも利あり。 交易を論ずれば、兌は利を得難しを主り、口舌争競を防ぐを須とす。夏に占えば利あらず、秋に占えば則ち交易の財あり。 謀望を論ずれば、兌は成り難しを主り、事を謀るの中にまた損失あり。秋に占えば喜あり、夏に占えば則ち遂げず。 謁見を論ずれば、兌は西方に往きて人に見ゆるに利あり、ただ見ゆるの際に咒罵・詛怨に遇う。 疾病を論ずれば、兌は口舌・咽喉の病、気逆・喘息の疾、および飲食の下らざるを主る。 墳墓を論ずれば、兌は西に朝するを宜しとし、穴中に水あるを防ぐを須とし、多くは水沢に近い墓である。夏に占えば宜しからず、あるいは廃棄の穴に葬るを恐る。 官訟を論ずれば、兌は争訟休まず・曲直久しく決せざるを主り、訟に因って損を受け、刑罰を防ぐを須とす。もし秋に占いて兌を体卦と為さば、理を得て勝訴す。 姓氏を論ずれば、兌は商音に属し、口字旁と金字旁を帯びた姓を主り、排行は四・二・九に居る。 数目を論ずれば、兌は四・二・九である。 方位を論ずれば、兌は西方に在り。 顔色を論ずれば、兌は白を主る。 五味を論ずれば、兌は辛と辣を主る。 以上は八卦の配する万物の象である。天下の事物は繁多にして、決してこれらに止まらず、占者はまさに各々その類に按じて推衍してゆくべきである。
巻二・体用生克篇の一
心易占卜の玄機
天下之事有吉凶,托占以明其機。天下之理無形跡,假像以顯其義。故乾有健之理,於馬之類見之。故占卜寓吉凶之理,於卦象內見之。然卦象一定不易之理,而無變通之道,不可也。易者,變易而已矣。至如今日觀梅復得革兆,有女子折花,異日果有女子折花,可乎。今日算牡丹得姤兆,為馬所踐,異日果為馬所踐毀,可乎。且兌之屬,非止女子。乾之屬,非止馬。謂他人折花有毀,皆可切驗之真,是必有屬矣。嗟乎!占卜之道,要變通。得變通之道者,在乎心易之妙耳!
天下の事にはみな吉凶あるがゆえに、占卜を借りてその中の機兆を顕明にする。天下の理には形迹の見ゆべきが無いがゆえに、物象を借りてその意義を顕出する。譬えば乾に剛健の理あれば、馬という類の物象の上にこれを見出す。占卜が吉凶の理を卦象の裏に寄托するも、また人に卦象の上からこれを見出さしめんがためである。しかるに卦象の示すところはただ一定不移の理にして、もし卦象を死守して変通の路数なからんには、それは不可である——「易」という字は、詰まるところ変易の二字である。ちょうど今日、梅を観て「革」の卦兆を得て、女子の花を折るを断出したとして、改めて他日に革卦を占い得て、必ずやまた女子の折花であろうか。今日、牡丹を算えて「姤」の卦兆を得て、馬に践毀せらるるを断出したとして、改めて他日に姤卦を得て、必ずやまた馬に踩み壊されようか。いわんや兌の主るは女子のみならず、乾の主るも馬のみならず。もし他人の折花・別の物の損毀もまた皆一々験として真となると言わんには、そこに必ず別に属する取象の在るはずである。ああ!占卜の道は変通を貴ぶ。この変通の道を得るは、全て心易の妙にあるのみ。
占卜総決
大抵占卜之法,成卦之後先看《周易》爻辭,以斷吉凶。如干初九「潛龍勿用」,則諸事未可為,宜隱伏之類;九二「見龍在田,利見大人」,則宜謁見貴人之類。餘皆仿此。 次看卦之體用,以論五行生剋。體用即動靜之說。體為主,用為事。應用生及比和,則吉;體生用及克體,則不吉。
大凡占卜の次第はこのようである:卦成りて後、まず《周易》本爻の爻辞を見て吉凶を断ず。譬えば乾卦の初九「潜龍勿用」なれば、諸事なお动手すべからず、隠伏して待つに宜しと断ず。九二「見龍在田、利見大人」なれば、貴人に拝見し往くを宜しと断ず。其余の各爻は皆この办法に照らして推す。 其次に卦の「体」と「用」を見て、五行生克を論ずるの拠り所とす。所謂体用とは、即ち動静の分である:動かざる一卦を体と為し、占者自身、主と為す。発動する一卦を用と為し、占う所の事、賓と為す。用卦の来りて体を生ずる、および体用両卦の五行相同じくして比和するは、皆吉である。体の去りて用を生ずる(自己の気を泄す)、および用の来りて体を克するは、皆不吉である。
又次看克應。如聞吉說見吉兆,則吉;聞凶說見凶兆,則凶。見圓物,事易成;見缺物,事終毀之類。 複驗己身之動靜。坐則事應遲,行則事應速,走則愈速,臥則愈遲之類。數者既備,可盡占卜之道,必須以易卦為主,克應次之。俱吉則大吉;俱凶則大凶;有凶有吉。則詳審卦辭,及克用體應之類,以斷吉凶也。要在圓機,不可執。
再び其次に「克応」を見る。即ち卦を起す当時の外応の兆である:吉利の話を聞き・吉利の象を見れば、即ち吉を主る。凶の話を聞き・凶象を見れば、即ち凶を主る。円満の物を見れば、事は成り易し。残缺の物を見れば、事は終に壞るべし。 最後に更に占者自身の当時動か静かを験す:坐しているは事の応遅く、走動するは事の応速く、奔跑するは更に速く、躺臥するは更に遅し。この数項皆備われば、占卜の道は完整である。断ずる時は必ず《易》卦を主と為し、外応の克応を輔と為すべし。卦と応皆吉なれば即ち大吉、卦と応皆凶なれば即ち大凶。もし一凶一吉なれば、細かく卦辞を審し、更に用卦の体を克する・体卦の用を克する及び外応の類を参酌し、合わせて吉凶を断ず。総じて円通して活用するを貴び、一端を死執すべからず。
占卜論理訣
數說當也,必以理論之而後備。苟論數而不論理,則拘其一見而不驗矣。且如飲食得震,則震為龍。以理論之,龍非可取,當取鯉魚之類代之。又以天時之得震,當有雷聲,若冬月占得震,以理論之,冬月豈有雷聲,當有風撼震動之類。既知以上數條之訣,復明乎理,則占卜之道無餘蘊矣。
数を用いて推断するは固より当を得たれども、更に必ず事理を以て衡量を一遍せしめてこそ完備と謂うべし。假にもし数を論じて理を論ぜざらば、一つの死象に拘泥して断じて准ならざるに至る。譬えば飲食を占いて震卦を得たれば、震は物象の上に竜と為る。情理を按ずるに、竜は喫し得べからず、即ち鯉魚の類に換えて代わるべし(竜は鱗類に属し、鯉魚はその同類なり)。また天時を占いて震を得たれば、本は雷の声あるべし。しかしもし冬月に震を占い得たれば、情理を按ずるに、冬に何ぞ雷あらん、即ち大風の撼動して震摇して響き作る類と断ずべし。既に前面の几条の口訣を掌握し、又能く事理に通暁せば、占卜の道にもはや余蘊無きに至る。
先天後天論
先天卦斷吉凶,止以卦論,不甚用《易》之爻辭。後天則用爻辭,兼用卦辭,何也?蓋先天者未得卦、先得數,是未有《易》書,先有《易》理,辭前之《易》也。故不必用《易》書之辭,專以卦斷。後天則以先得卦,必用卦畫,辭後之《易》也。故用爻之辭,兼《易》卦辭以斷之也。
先天卦で吉凶を断ずるは、ただ卦象に就きて論を立て、大して《周易》の爻辞を用いず。後天卦は則ち爻辞を用い、并せて卦辞を兼用す。これは何の故ぞや。所謂先天とは、まだ卦無くして先に数を得、相当して《易》という書のなお写出されざるに《易》理已に先在す、「辞前の《易》」に属するが故に、必ず書上の文辞を用いるを要せず、専ら卦象を凭にして断ず。後天は則ち先に卦象を得、必ず卦画に依りて看る、「辞後の《易》」に属するが故に、爻辞を用い、并せて卦辞を兼取して断ず。
又後天起卦,與先天不同,其數不一。今人多以坎一、坤二、震三、巽四、中五、乾六、兌七、艮八、離九之數為用。蓋聖人作《易》畫卦,始以太極、兩儀、四象、八卦加一倍,數自成乾一、兌二、離三、震四、巽五、坎六、艮七、坤八。故占卜起卦,合以此數為用。又今人起後天卦,多不加時,得此一卦,止此一爻動,更無移易變通之道。故後天起卦定爻必加時而後可。
再び言えば、後天の起卦は先天と同じからず、用うる所の数もまた同じからず。今人多く洛書九宮の数——坎一・坤二・震三・巽四・中五・乾六・兌七・艮八・離九——を用いて起卦す。実は聖人の《易》を作して卦を画くは、太極の両儀を生じ・両儀の四象を生じ・四象の八卦を生ずるより、一路に一倍を加えて推衍して出でたるもので、その数は自然に排して乾一・兌二・離三・震四・巽五・坎六・艮七・坤八と成る。ゆえに占卜の起卦は、まさにこの一套の先天の数を用うべし。また今人の後天卦を起すに多く時辰を加えず、ここにおいて一卦を得て即ち一爻の動あるのみで、更に推移変通の余地無し。ゆえに後天起卦で動爻を定むるは、必ず時辰の数を加え入れてこそ可なり。
又先天之卦,定事應之期,則取之卦氣,如干、兌則應如庚、辛及申金之日,或坤為戌、亥之日時,兌為酉日時。如震、巽當應於甲、乙及支木之日,或震取卯,巽取辰之類。後天則以卦數加時數,總之而分行臥坐立之遲速,以為事應之期。卦數時類,應近而不能決諸遠者,必合先後之卦數取訣可也。 又凡占卦中決斷吉凶,其理洞見,止於全卦體用生克之理,及參《易》辭,斯可矣。今日以後天卦,卻於六十甲子之日取其對方之魁,破敗亡滅跡等以助斷決。蓋曆象選時,並於《周易》不相干涉,不可用也。
更に説いて応期を定むる。先天の卦で事情の応験する日期を定むるは、「卦気」を取る:乾・兌は金に属し、庚日・辛日および申金の日に応ず。坤は土と為して位は西南に在り、戌・亥の日時に応ず。兌は酉の日時に応ず。震・巽は木に属し、甲日・乙日および地支の木に属する日に応じ、あるいは震は卯日を取り・巽は辰日を取るの類である。後天卦は則ち卦数に時辰の数を加え、合わせて総数と為し、更に占者の当時行くか・臥するか・坐するか・立つかを按じて快慢を分かち、拠りて応期を定む。もし卦数と時数の定むる日期が近事に応じて遠事を決し得ざらば、即ち先天と後天の两套の卦数を合わせて断を取るを須とす。 また、およそ卦中に吉凶を判断するは、その理実は一望して見ゆべく、ただ全卦の体用生克の理を見、更に《易》の辞句を以て参ずれば、もはや足れり。如今、人ありて後天卦を起し、却って六十甲子の日の裏に到りて对冲の「魁罡」および破・敗・亡・滅迹のこれら神煞を取りて断を助く——須知るべし、暦法選時のあの一套は《周易》と全く相干らず、掺用すべからず。
卦断遺論
凡占卜決斷,固以體用為主,然有不拘體用者。如起例中西林寺額得山地剝,體用互變,俱比和,則為吉,而乃不吉,何也?蓋寺者,純陽人居之地,而純陰爻象,則群陰剝陽之義顯然也。此理甚明,不必拘體用也。又若有人問:「今日動靜如何?」得地風升,初爻動,用克體卦,俱無飲食矣,而亦有人相請,雖飲食不豐而終有請,何也?此人當時必有當日之應,又有「如何」二安帶口,為重兌之義。
およそ占卜の決断は、固より体用生克を主と為すが、また体用に拘守せずとも可なる時あり。譬えば前の起例の中に西林寺の匾额を占いて「山地剥」を得、体卦・用卦・互卦・変卦すべて土にして、一路比和、理に照らせば吉なるべきに、結果は却って不吉なり。これは何の故ぞや。寺院は純陽の人(僧衆)の居る所の地にして、しかるに卦象は却って全て陰爻なり。群陰の陽を剥ぐの意は明らかに在り——この道理は很清楚なれば、更に体用に拘泥するを要せず。また人ありて「今日の動静いかん」と問い、「地風升」に初爻動を得たり。用卦(巽木)は体卦(坤土)を克し、卦中また坎無く兌無く、本は飲食無きべきに、結果は却ってなお人の請客あり。酒菜豊盛ならざりしも、到底請われて畢れり。これはまた何の故ぞや。この人は当日必ず別に当日の外応あり。いわんや「如何」の二字は皆「口」の旁を帯び、正しく重兌(兌は口・飲食を為す)の義を含む。
又有用不生體,互變生之而吉者,若少年有喜色,占得山火賁是也。又有用不生體,互變俱克之而凶者,如牛哀鳴占得地水師是也。蓋少年有喜色,占則略知其有喜,而《易辭》又有「束帛戔戔」之吉,是二者俱吉,互變俱生,愈見其吉矣。雖用不生體不吉,不為其害也。牛鳴之哀,則略知其有凶,而易爻復有「輿尸」之凶,互變俱克,愈見其凶。雖用爻不克,不能掩其凶也。蓋用《易》斷卦,當用理勝處驗之,不可拘執於一也。
また一种の情形あり:用卦は並びに体を生ぜず、却って互卦・変卦皆来りて体を生ずるに因って吉と断ずる、少年の面に喜色を帯びて「山火賁」を占い得たるがごとき是れ。も亦た反するあり:用卦は並びに体を克せず、却って互卦・変卦皆来りて体を克するに因って凶と断ずる、牛の哀鳴に「地水師」を占い得たるがごとき是れ。少年既に面に喜色を帯びたれば、一見して約略その喜事あるを知り、しかも《周易》爻辞にまた「束帛戔戔」の吉語あり。外象と爻辞の両頭皆吉、再加うるに互卦・変卦皆体を生ずれば、更にその吉を見る。この時縦い用卦体を生ぜず・本は不吉に属するも、大局を妨害するに足らず。牛の悲鳴は、一聴して約略凶事あるを知り、しかも爻辞にまた「輿尸」の凶あり、互卦・変卦皆来りて体を克すれば、更にその凶を見る。この時縦い用爻体を克せざるも、あの凶を掩うべからず。総じて《易》を用いて卦を断ずるは、まさに道理の上風を占むる那一頭より験証し、一条を死執して放さざるべからず。
八卦心易体用訣
心易之數,得之者眾,體用之訣,有之者罕。余幼讀《易》書,長參數學,始得心易卦數。初見起例,以知占其吉凶。如以蠡測海,茫然無涯。後得智人見授體用心易之訣,而後占事之訣,疑始有定。據驗則驗。如繇基射的,百發百中。其要在於分體用之卦,察其五行生剋、比和之理,而明乎吉凶悔吝之機也。於是易數之妙始見,而《易》道之卦義備矣。乃世有真實,人罕遇之耳。得此者,幸甚秘之!
心易の卦数は、之を得る人多し。体用の口訣は、掌握する人きわめて少なし。我幼年に《易》を読み、長じて数学を参究し、才ぎてこの一套の心易卦数を得たり。起初ただ起卦の条例を見、拠りて吉凶を推占す。譬ゆる瓢を拿りて海水を量るがごとく、茫茫として辺際無し。後に高明の士に遇い体用心易の訣を伝授せられ、此后事を占断してこそ準則ありて、一験一准、ちょうど春秋の時の神射手養由基の靶を射るがごとく、百発百中なり。その要領は体卦と用卦を分清し、両者の五行生克と比和の理を考察し、従りて吉・凶・悔・吝の機兆を看明白にするに在り。ここに到りて《易》数の妙才ぎて顕現し、《易》道中の卦義の用處もまたこそ完備と算える。世上確かにこのような真実虚ならざる学問あり、ただ人の遇い得ること難きのみ。之を得る人は、千万珍重して保守すべし。
体用総訣
體用雲者,如易卦具卜筮之道,則易卦為體,以卜筮用之,此所謂體用者,借體用二字以寓動靜之卦,以分主客之兆,以為占例之準則也。大抵體用之說,體卦為主,用卦為事,互卦為事之中間,刻應變卦為事之終。應體之卦氣宜盛不宜衰。盛者如春震、巽、秋乾、兌,夏離,冬坎,四季之月坤、艮是也。衰者,春坤、艮,秋震、巽,夏乾兌,冬離,四季之月坎是也。
所謂「体用」とは、本は一対の借りたる名目である:譬えば《易》卦の本身に卜筮の道を具備せば、それでは《易》卦は「体」、之を拿りて占卜するは即ち「用」。ここに説く体用は、ただこの二字を借りて静の一卦と動の一卦を指代し、以て主と客の兆象を分け出し、占断の準則と為す。大略に言えば:動かざる一卦を体と為し、占者自身を代表し、主と為す。発動する一卦を用と為し、問う所の事を代表し、賓と為す。互卦は事情進行の中段を主る。変卦は事情の結局を主る。主と為る体卦は、その卦気は旺盛を宜として衰弱を宜とせず。所謂旺とは、即ち春の震・巽(木旺)、秋の乾・兌(金旺)、夏の離(火旺)、冬の坎(水旺)、辰戌丑未四季の月の坤・艮(土旺)である。所謂衰とは、即ち春の坤・艮、秋の震・巽、夏の乾・兌、冬の離、および四季の月の坎である。
宜受他卦之生,不宜他卦之克。他卦者,謂用互變也。生者,如干、兌金體,坤、艮生之,坤、艮土體,離火生之。離,火體,震巽木生之。餘皆仿此。克者,如金體火克,火體水克之類。
体卦は其他の各卦より生扶を受くるに宜しく、其他の各卦に克せらるるに宜しからず。所謂其他の各卦とは、指して言うは用卦・互卦と変卦である。所謂「生」とは、例えば体卦が乾・兌の金なれば、坤・艮の土に遇いて便ち生を得。体卦が坤・艮の土なれば、離火に遇いて便ち生を得。体卦が離火なれば、震・巽の木に遇いて便ち生を得。其余は五行相生に照らして類推す。所謂「克」とは、例えば体卦の金に属して火の来りて克するに遇い、体卦の火に属して水の来りて克するに遇うの類である。
體用之說,動靜之機,八卦主賓。五行生剋,體為己身之兆,用為應事之端。體宜受用卦之生,用宜見卦體之克。體盛則吉,體衰則凶。用克體固不宜,體生用亦非利。體黨多而體勢盛,用黨多則體勢衰。如卦體是金,而互變皆金,則是體之黨多。如用卦是金,而互變皆金,則是用之黨多。體生用,為之洩氣,如夏火逢土,亦洩氣。
体用この一套の説法の講ずるは、正しく動と静の機関、八卦中の誰主誰賓である。五行生克に就きて言えば:体卦は自身の征兆、用卦は応ずる所の事の頭緒である。ゆえに体卦は用卦の生扶を受くるに宜しく、用卦は体卦に克制せらるるに宜し。体卦強盛なれば即ち吉、体卦衰弱なれば即ち凶。用卦の来りて体を克するは固より好からず、体卦の去りて用を生ずるも同様に利無し(自己の気を泄せばなり)。体卦一方の同党多ければ、体の声勢即ち盛ん。用卦一方の同党多ければ、体の声勢即ち衰う。譬えば体卦の金に属し、しかも互卦・変卦もまた皆金に属すれば、それは即ち体の同党多し。反して用卦の金に属し、互卦・変卦もまた皆金に属すれば、それは即ち用の同党多し。体の去りて用を生ずるを「泄気」と叫作す。譬ゆる夏の火の再び土に遇うがごとく、火気もまた泄されて去る。
體用之間,比和則吉,互乃中間之應,變乃末後之期。故用吉變凶者,先吉後凶;用凶變吉者,先凶後吉。體克用,諸事吉;用克體,諸事凶。體生用,有耗失之患;用生體,有進益之喜。體用比和,則百事順遂。又卦中有生體之卦,看是何卦。
体と用の間もし五行相同じく・彼此比和せば、即ち吉。互卦の主る所は事情中段の応験、変卦の主る所は事情末了の結局である。ゆえに用卦吉にして変卦凶なるは、先に吉後に凶。用卦凶にして変卦吉なるは、先に凶後に吉。帰総して一句:体の用を克するは、諸事皆吉。用の体を克するは、諸事皆凶。体の用を生ずるは、耗損失去の患あり。用の体を生ずるは、進益得利の喜あり。体用比和は、百事順遂。この外、卦中もし体を生ずるの卦あらば、更にそれが究竟是れ哪一の卦かを看て、拠りて得る所の利の何處より来るを断出すべし。
乾卦生體,則主公門中有喜益,或功名上有喜,或因官有財,或問訟得理,或有金寶之利,或有老人進財,或尊長惠送,或有官貴之喜。 坤卦生體,主有田土之喜,或有田土進財,或得鄉人之益,或得陰人之利,或有果穀之利,或有布帛之喜。 震卦生體,則主山林之益,或因山林得財,或進東方之財,或因動中有喜,或有木貨交易之利,或因草木姓氏人稱心。 巽卦生體,亦主山林之益,或因山林得財,或於東南得財,或因草木姓人而進利,或以茶果得利,或有茶果菜蔬之喜。
乾卦の来りて体を生ずるは、官府門路の上に喜を得利を得るを主り、あるいは功名の上に喜あり、あるいは官職に因りて財を得、あるいは官司を打ちて理を占め、あるいは金寶の利を得、あるいは老人の財を送り門に上るあり、あるいは尊長の饋贈を得、あるいは官貴の提携の喜あるを主る。 坤卦の来りて体を生ずるは、田土の上の喜事あるを主り、あるいは田土に因りて財に進み、あるいは同郷の人の好處を得、あるいは女子(陰人)の利を得、あるいは瓜果・穀物の利を得、あるいは布帛入手の喜あるを主る。 震卦の来りて体を生ずるは、山林の益を得るを主り、あるいは山林に因りて財を得、あるいは東方より財に進み、あるいは走動の中に喜に遇い、あるいは木料貨物交易の利を得、あるいは姓氏に草木偏旁を帯びた人に因りて称心す。 巽卦の来りて体を生ずるは、同じく山林の益を主り、あるいは山林に因りて財を得、あるいは東南方に財を得、あるいは姓氏に草木偏旁を帯びた人に因りて利に進み、あるいは茶葉果品に靠りて利を得、あるいは茶果菜蔬の類の喜事あるを主る。
坎卦生體,有北方之喜,或受北方之財,或水邊人進利,或因點水人稱心,或有因魚鹽酒貨文書交易之利,或有饋送魚鹽酒之喜。 離卦生體,主有南方之財,或有文書之喜,或有爐冶場之利,或因火姓人而得財。 艮卦生體,有東北方之財,或山田之喜,或因山林田土獲財,或得宮音帶土人之財。物當安穩,事有終始。 兌卦生體,有西方之財,或喜悅事,或有食物金玉貨利之源,或商音之人,或帶口之人欣逢,或主賓之樂,或朋友講習之事。
坎卦の来りて体を生ずるは、北方より来るの喜事あるを主り、あるいは北方の財を收到し、あるいは水辺の人の利を送り門に上る、あるいは姓氏に三点多水を帯びた人に因りて称心し、あるいは魚塩・酒貨および文書交易の利を得、あるいは人の魚塩・酒水を饋送するの喜あるを主る。 離卦の来りて体を生ずるは、南方の財あるを主り、あるいは文書上の喜事あり、あるいは炉冶場務の利を得、あるいは姓氏の火に属する人に因りて財を得るを主る。 艮卦の来りて体を生ずるは、東北方の財あるを主り、あるいは山田の上の喜事あり、あるいは山林・田土に因りて財を獲、あるいは宮音・姓に土旁を帯びた人の財を得るを主る。艮はまた停止安定を主る。ゆえに物事安穏にして、事を為すに始有り終有り。 兌卦の来りて体を生ずるは、西方の財を主り、あるいは人をして歓喜せしむる事あり、あるいは食物・金玉貨利の來源を得、あるいは商音の人・姓氏に口旁を帯びた人と欣然として相逢い、あるいは賓主宴楽の歓あり、あるいは朋友の講習切磋の事あるを主る。
又看卦中有克體之卦者,看是何卦。如干卦克體,主有公事之憂,或門戶之憂,或有財寶之失,或於金谷有損,或有怒於尊長,或得罪於貴人。 坤卦克體,主有田土之憂,或於田土有損,或有陰人之侵,或有小人之害,或失布帛之財,或喪穀粟之利。 震卦克體,主有虛驚,常多恐懼,或身心不能安靜,或家宅見妖災,或草木姓氏之人相侵,或於山林有所失。 巽卦克體,亦有草木姓人相害,或於山林上生憂。謀事,乃東南方之人;處家,忌陰人小口之厄。
反して、卦中もし体を克するの卦あらば、も亦たそれが哪一の卦かを看て、拠りて禍の何より来るを断出すべし。乾卦の来りて体を克するは、公事上の憂患あるを主り、あるいは門戸家声の憂、あるいは財寶を損失し、あるいは金銭穀物の上に虧あり、あるいは尊長を触怒し、あるいは貴人を得罪するを主る。 坤卦の来りて体を克するは、田土の上の憂患あるを主り、あるいは田土の損を受け、あるいは女子(陰人)の侵擾を被り、あるいは小人の害に遭い、あるいは布帛の財を損失し、あるいは穀粟の利を丟掉するを主る。 震卦の来りて体を克するは、虚驚あるを主り、常常に心に恐懼を懐き、あるいは身心安寧を得ず、あるいは家宅に妖異災変を出現し、あるいは姓氏に草木偏旁を帯びた人に相侵され、あるいは山林の上に損失あるを主る。 巽卦の来りて体を克するは、同じく姓に草木偏旁を帯びた人に害せらるるを主り、あるいは山林の事に因りて憂を生ず。もし事を謀るを問わば、妨害は東南方の人より来る。もし居家を論ぜば、女子と小孩の災厄を防ぐを須とす。
坎卦克體,主有險陷之事,或寇盜之憂,或失意於水邊人,或生災於酒後,或點水人相害,或北方人見殃。 離卦克體,主文書之憂,或失火之驚,或有南方之憂,或火人相害。 艮卦克體,諸事多違,百謀中阻。或有山林田土之失,或帶土人相侵,防東北方之禍害,或憂墳墓不當。 兌卦克體,不利西方,主口舌事之紛爭。或帶口人侵欺,或有毀折之患,或因飲食而生憂。生克不逢,則止以本卦而論之。
坎卦の来りて体を克するは、険陷の事に遇うを主り、あるいは盗賊の憂あり、あるいは水辺の人の手裏に失意し、あるいは酒後に因りて災を招き、あるいは姓に三点多水を帯びた人に害せられ、あるいは北方の人の身上より殃を被るを主る。 離卦の来りて体を克するは、文書上の憂患あるを主り、あるいは失火の驚あり、あるいは南方より来るの憂事あり、あるいは姓氏の火に属する人に害せらるるを主る。 艮卦の来りて体を克するは、諸事違逆するを主り、百般の圖謀皆中途に阻まる。あるいは山林・田土を損失し、あるいは姓に土旁を帯びた人に相侵され、東北方より来るの禍害を防ぐを須とし、あるいは墳墓の安置當ならざるがために憂うるを主る。 兌卦の来りて体を克するは、西方利あらず・口舌紛争を主る。あるいは姓に口旁を帯びた人に欺侮され、あるいは毀損・折傷の患あり、あるいは飲食に因りて憂を生ず。もし卦中既に体を生ずるの卦無く・また体を克するの卦無からば、ただ本卦の卦義に按じて断ずるのみ。
体用生克篇の二
天時占第一
凡占天時,不分體用,全觀諸卦,詳推五行。離多主晴,坎多主雨,坤乃陰晦,乾主晴明,震多則春夏雷轟,巽多則四時風烈,艮多則久雨必晴,兌多則不雨亦陰。夏占離多而無坎,則亢旱炎炎。冬占坎多而無離,則雨雪飄飄。
およそ天気を占うは、体卦・用卦を分かつを要せず、しかして本卦・互卦・変卦を通盤に看過し、細かくその中の五行を推すべし。卦中離多ければ即ち晴を主り、坎多ければ即ち雨を主り、坤は陰雲晦暗を主り、乾は晴朗明浄を主る。震多ければ春夏の間雷の轟響す。巽多ければ四季皆大風あり。艮多ければ、久雨も必ず晴に轉ず。兌多ければ、縱い雨下らざるも天も陰る。夏に占い得て離多くして坎無ければ、即ち赤日炎炎の大旱である。冬に占い得て坎多くして離無ければ、即ち雨雪紛紛として飘落す。
全觀諸卦者,謂互變卦。五行屬離屬火,主晴;坎為水,主雨;坤為地氣,主陰;乾為天,主晴明;震為雷,巽為風,秋冬震多無制,亦有非常之雷,有巽佐之,則為風撼雷動之應;艮為山雲之氣,若雨久,得艮則當止。艮者,止也,亦土克水之義。兌為澤,故不雨亦陰。
所謂「通盤に諸卦を看る」とは、即ち互卦・変卦を連ねて一起看る。五行に就きて言えば:離は火に属し、天晴を主る。坎は水と為し、下雨を主る。坤は地気の上騰にして、陰を主る。乾は天と為し、晴朗を主る。震は雷と為し、巽は風と為す:秋冬の两季もし震多くして金の来りて制する無ければ、亦た反常の雷あるべし。更に巽の来りて相助するあれば、即ち狂風撼动・雷の声大作するに応ず。艮は山間の雲気にして、久雨の時艮を得れば、雨は即ち停むべし——「艮」の字の本義は即ち止、いわんや土の能く水を克するをや。兌は沼沢と為し、水気蒸騰す。ゆえに縱い雨下らざるも、天も陰沈たり。
夫以造化之辨固難測,理數之妙亦可憑,是以乾象乎天,四時晴明;坤體乎地,一氣慘然。乾、坤兩同,晴雨時變。坤、艮兩並,陰晦不常。卜數有陽有陰,卦象有奇有偶。陰雨陽晴,奇偶暗重。坤為老陰之極,久晴必雨;乾為老陽之極,久雨必晴。若逢重坎重離,亦日時晴時雨。坎為水,必雨;離為火,必晴。乾、兌為金,秋明晴;坎之水,冬雪凜冽;坤、艮之土,春雨澤,夏火炎蒸。
造化の変化は固より測度し難しと雖も、理と数の微妙は終に凭信すべし。ゆえに乾は象を天に取り、四時の晴明を主る。坤は象を地に取り、一気籠罩して陰沈惨淡たり。乾坤両卦並び見れば、即ち晴雨不定・時時に変換す。坤艮両卦並び見れば、即ち陰晦常ならず。占数に陽有り陰有り、卦象に奇有り偶有り:陰は雨を主り、陽は晴を主り、奇偶の間自ずから明暗・軽重あり。坤は老陰の極處に到り、久晴の後必ず雨に轉ず。乾は老陽の極處に到り、久雨の後必ず晴に轉ず。もし両重の坎・両重の離に碰上すれば、も亦た一日の内に時晴時雨す。坎は水と為し、之を占えば必ず雨。離は火と為し、之を占えば必ず晴。乾兌は金に属し、秋に逢えば則ち天高く気清し。坎は水に属し、冬に逢えば則ち雪意凛冽たり。坤艮は土に属し、春に逢えば則ち雨沢沾潤し、夏に逢えば則ち火気蒸騰炎熱す。
《易》曰:「雲從龍,風從虎」。又曰:「艮為雲,巽為風。」艮、巽重逢,風雲際會,飛沙走石,蔽日藏山,不以四時,不必二用。坎在艮上,布霧興云,若在兌上,凝霜作雪。乾、兌為霜雪雹霰,離火為日電虹霓。離為電,震為雷,重會而雷電俱作。坎為雨,巽為風,相逢而風雨驟興。震卦重逢,雷驚百里。坎爻迭見,潤澤九垓。故卦體之兩逢,亦爻象之總斷。 地天泰,水天需,昏蒙之象。天地否,水地比,黑暗之形。爻純離,夏必旱,四季皆晴。爻純坎,冬必寒,四時必雨。久雨不晴,逢艮必止。久晴不雨,得此亦然。
《周易・乾・文言》に曰く「雲は龍に従い、風は虎に従う」、《説卦》一路にまた艮を雲と為し・巽を風と為すと説く。艮と巽の両卦重疊して相逢えば、即ち風雲際会の象にして、飛沙走石・天を遮り日を蔽い・山影も皆吞没せらる。此の種の応験は哪の季節をも拘らず、も亦た更に体用を分かちて論ずるを要せず。坎は艮の上に居れば、布霧興雲を主る。坎もし兌の上に居れば、則ち霜を凝め雪と成す。乾兌は金に属し、霜・雪・雹・霰を主る。離は火に属し、日光・電光と虹霓を主る。離は電と為し・震は雷と為し、両卦相会すれば則ち雷電斉び作す。坎は雨と為し・巽は風と為し、両卦相逢えば則ち風雨驟りに起る。震卦重疊は、雷の百里を驚かすの象なり。坎爻迭見は、九州を潤沢するの象なり。ゆえに両卦相重なる處は、即ち爻象の上の総断語である。 地天泰・水天需を占い得れば、昏蒙不明の象なり。天地否・水地比を占い得れば、天色黑暗の形なり。六爻純離は、夏必ず旱、四季皆晴。六爻純坎は、冬必ず寒、四時多雨。久雨晴れざるに、艮に逢えば必定に晴に放つ。久晴雨無きに、艮を得るも同じく轉折の機なり。
又若水火既濟、火水未濟,四時不測風雲;風澤中孚,澤風大過,三冬必然雨雪。水山蹇,山水蒙,百步必須執蓋。地風升,風地觀,四時不可行船。離在艮上,暮雨朝晴,離互艮宮,暮晴朝雨。巽、坎互離,虹霞乃見,巽、離互坎,造化亦同。又須推測四時,不可執迷一理。震、離為電、為雷,應在夏天,乾、兌為霜、為雪,驗於冬月。天地之理大矣哉!得斯文者,當敬寶之。
再び水火既濟・火水未濟を占い得るがごとき、一年四時の風雲皆逆料し難し。風沢中孚・沢風大過を占い得れば、隆冬必定に雨雪あり。水山蹇・山水蒙を占い得れば、門を出でて百歩も走らざるに傘を撑るを得ず。地風升・風地観を占い得れば、一年四季皆船を行くに宜しからず。離は艮の上に居れば、傍晚雨下り・清晨晴に轉ず。離卦にして艮宮を互い出れば、則ち傍晚晴・清晨雨。巽と坎にして離を互い出れば、即ち虹霞を見るを得。巽と離にして坎を互い出れば、造化も亦た是れ同様の理。この外更に四時を結合して推測するを須とし、一条の道理を死守すべからず:震と離は電を主り雷を主り、夏に応ず。乾と兌は霜を主り雪を主り、冬月に験す。天地の理真に广大なるかな!この篇の文字を得る人は、まさに敬重して蔵すべし。
