Libo

占賊來否

清 · 许松如 · 第8巻 / 8

作盤ガイド: 奇門遁甲作盤

此時天上奇儀星門克宮,賊得猖狂;如地盤坐於旺祿得令之宮,賊雖來而我以計勝。若我居失令,逢其相剋,謹防所失;如我克他,賊雖見而無害;若上下諸星比和,干支相生,主不進不退,恐賊暗來,宜埋伏之。

賊の會して來るや來らざるやを占ふは、占ふ所の時若し天盤の奇儀と星門と去りて宮を剋すれば、賊勢猖狂す。若し我方の地盤が旺氣祿位・當令得時の宮に坐在すれば、那麼賊は雖も來了するも、我も亦た能く計を用ゐて取勝せん。若し我方が失令の地に處し、又た對方の相克を遭へば、就要して謹防して損失あるを須ゐ。若是れ我の去りて他を剋するは、賊は雖も出現すれども卻て我を害する能はざらん。若し上下の各星が彼此比和し・干支又た相生すれば、雙方の不進不退を主り、此時恐らく賊の暗中に摸來せんを、宜しく預め埋伏を設くべし。

又法以月將加正時,看天罡所在孟仲季,則知其來否。月將即正月雨水後登明亥將之類是也。

別に一法あり。月將を用ゐて正時に加臨して盤を起こし、看る天罡(辰)の四孟・四仲還た是れ四季の位に落つるを、據此便ち賊の來るや來らざるやを知る。此處の説く所の月將、就中是れ每月中氣の後に用ゐる所の那一位の將神、例へば正月雨水の後は登明亥將を用ゐ、其の余の各月は依次に類推す。

臨孟 臨仲 臨季 來不來 不來 半路半來 全來 去不去 尚在 半去 全去 出不去 不出 半出 全出 戰不戰 來戰 已戰 欲戰 罷不罷 已罷 欲罷 未罷 利不利 主利 兩傷 利客 何道近 左道 中道 右道 兵被圍 可待 相撞 急去 行不行 未行 欲行 已行

是れ一張の天罡の臨する所の位に按りて兵事を斷ずるの對照表。全表は「臨孟」「臨仲」「臨季」の三欄を以て縱列と爲し、每行は先ず一個の問ふ所の事項を列し、其の後は依次是れ天罡臨孟・臨仲・臨季の三種の情形下の答語、讀法是先ず問ふ所の事を找し、再び看る天罡の哪の一類の支位に落つるを、同一行の對應するの那一格を取る。表の中の列するは如く下。賊の來るや來らざるやを問ふ、臨孟を不來と爲し、臨仲を半路上・來ること一半と爲し、臨季を全來と爲す。去るや去らざるやを問ふ、臨孟を還在と爲し、臨仲を去ること一半と爲し、臨季を全去と爲す。出得去出不去を問ふ、臨孟を不出と爲し、臨仲を出去一半と爲し、臨季を全出と爲す。戰ふや戰はざるやを問ふ、臨孟を要來戰と爲し、臨仲を已經交戰と爲し、臨季を正想開戰と爲す。兵を罷むや罷めざるやを問ふ、臨孟を已經罷兵と爲し、臨仲を將要罷兵と爲し、臨季を還未罷兵と爲す。利と不利とを問ふ、臨孟を主方有利と爲し、臨仲を兩敗俱傷と爲し、臨季を客方有利と爲す。哪の條路の近きを問ふ、臨孟は左道を走り、臨仲は中道を走り、臨季は右道を走る。圍せらるるの兵の如何處置を問ふ、臨孟は以て等待すべく、臨仲は須く正面相撞突圍すべく、臨季は應に趕緊撤走すべし。行軍するや否やを問ふ、臨孟を還没走と爲し、臨仲を將要走と爲し、臨季を已經走了と爲す。

占賊情虚實

凡占兩家對敵,當定主客。以值符為主,以六庚為客,以所落之宮生克論虛實。如賊人會戰和降等情未知虛實,看主客所落之宮。如庚落宮克值符落宮,則其情虛詐;如相生、相比,定是實情,來意不敢為惡。如伏吟,則以六庚本宮與值符本宮生克看之;如返吟,則來意反覆不定。

およそ兩軍對壘を占ふは、先要して主客を定めんことを須ゐ。値符を以て主と爲し、我方を代表す。六庚を以て客と爲し、敵方を代表す。再び兩者の落つる所の宮の生克に按りて敵情の虚是れ實を判斷す。譬如敵人が會戰を提出し或は降を請ふ、眞是れ假を知らず、就看る主客兩宮を。若し庚落宮が去りて値符落宮を剋すれば、那是れ虚張聲勢・詐あり。若し兩宮相生し或は相比和すれば、那便ち是れ實情、來意は敢て惡を爲さず。若し「伏吟」に遇ふ、天地盤同位不動、就中改用して六庚本宮と値符本宮の生克とを以て看る。若し「返吟」に遇ふ、天地盤相冲、則ち敵方の來意は反覆不定、説了も亦た算數と爲さず。

占伏兵有無

凡占伏兵,當以干支、值符、值使,用巳申子卯決之。先看值使在何宮分之,又以月將加本時看值使上有子卯巳申,定有伏兵;再看旺相帶刑,必有大戰。如空亡、休廢,雖來不戰。如申巳子卯不在值使宮上,必定無伏兵。如值使宮有子卯申巳一字(一雲值符,未知孰是,存疑)加在本時之干,賊在前;加在本時之支,賊在後。以月將加本時支干,相覆賊當在路之險處邀戰。

およそ伏兵の有無を占ふは、要して干支・値符・値使の三者を用ゐ、巳・申・子・卯のこ四個の支を取りて決斷せんことを須ゐ。先看る値使の哪の一宮に落つるを、再び月將を用ゐて本時に加臨して盤を起こし、看る値使の上に子・卯・巳・申あるや無きやを。有れば、就一定伏兵あり。再び看る它の旺相の氣に乘じて又た刑を帶ぶるや否やを、若是れば、必ず一場の大戰あらん。若し空亡或は休廢の氣に落つれば、則ち伏兵は雖有も亦た會して來りて戰はざらん。若し申・巳・子・卯のこ四個字皆値使宮の上に在らざれば、那就中一定伏兵無し。再び伏兵の方位を斷ず。値使宮の上に若し子・卯・申・巳の中の一個字あれば(別の一説は値符を看るを主張す、哪の一説の對なるを知らず、姑且疑を存す)、本時の天干の上に加はれば、賊は前方に埋伏す。本時の地支の上に加はれば、賊は後方に埋伏す。月將を用ゐて本時に加はるの干支彼此相覆せば、賊の會して路上險要の處に於て我軍を邀撃せんを知るべし。

假如大暑中元陰一局戊癸日戊午時,天禽為值符,死門為值使,俱加一宮,巳申子卯不在符宮上,定無伏兵。

一個の例子を擧ぐ。大暑中元は陰遁一局を用ゐ、戊癸日の戊午時、天禽星が値符を作り、死門が値使を作り、兩者皆坎一宮に加はる。査れば値符宮の上に併びに巳・申・子・卯のこ四個字無し、ゆえに伏兵無しと斷定す。こ一例は正しく前條の「四個字値使宮の上に在らざれば則ち伏兵無し」の用法を説明す。

占賊臨境城可居否

以干支分主客。 以值符加時干為動為客,以值使加時支為靜為主。如值符落宮克時支宮,再乘六庚、玄武,此地不可居;或值使落宮下克上,亦主不可居(即被本宮地盤克是也)。或值符宮與值使宮相生比和,可居;或相刑剋(值符宮受克),敵來不能取勝,亦可居。或值使宮神相生、比和者,可居;犯門迫者不可居。

敵兵の逼近する時にこ座の城は還た能く人を住しむるや否やを占ふは、干支を用ゐて主客を分かつ。値符が時干の上に加はれば、動を主り、來犯の客方を代表す。値使が時支の上に加はれば、靜を主り、城を守るの主方を代表す。斷法はれ、値符落宮が去りて時支の宮を剋し、又た六庚と玄武とに乘ずれば、こ個の地方就中可ならず再び住む。或は値使落宮が下面の地盤に剋せられ、卽ち下が上を剋する、亦た住むべからざるを主る。反對に、値符宮と値使宮と相生し或は比和すれば、住むべし。即便兩者相刑相克すれども、只要剋を受くるは値符宮なれば、敵人の來るも亦た勝を取るを得ざるを説明し、同樣に住むべし。若し値使宮の神と之と相生し或は比和すれば、住むべし。但し若し門迫を犯せば、就中住むべからず。

占攻城

以六庚主之,太白兵象也,主攻者,天禽在中為受攻者。 看六庚乘旺相,得開門加中五宮,其城可克;又看地盤天禽所落之宮,得旺相吉門者,其將守可擒得;休囚廢沒及凶門者,其守必死。

城を攻むるを占ふは、六庚を以て主用神と爲す、是れ庚就中是れ太白星、是れ兵を用ゐるの象徴、城を攻むるの一方を代表す。天禽星は中五宮に居り、攻せらるるの城を守るの一方を代表す。斷法はれ、六庚が旺相の氣に乘じ、又た開門を得て中五宮に加臨せば、こ座の城就中攻得下せん。再び看る地盤天禽の落つる所の宮を。旺相の氣と吉門とを得れば、城を守るの將は以て生擒すべし。休囚廢没の氣に落ち又た凶門に配せば、那守將は必定戰死せん。

占守城

以天禽為守,天蓬乘六庚為攻者。 看天禽落宮,得生、休、景三門,得旺相又有六丙,其城可守。如無吉門旺相,並再犯天蓬,六庚加中宮,城不可守。

城を守るを占ふは、天禽星を以て守方を代表し、天蓬星が六庚に乘ずるを以て攻方を代表す。斷法はれ、看る天禽の哪の一宮に落つるを、若し生門・休門・景門のこ三門の一を得、又た旺相の氣に乘じ、還た六丙の相助あれば、こ座の城就中守得住せん。反對に、若し既に吉門無く又た旺相の氣無く、再び天蓬星に犯上し、而して六庚又た中五宮に加臨して直に守方に逼れば、那こ座の城就中守不住ならん。

占援兵

以生我克彼論之。 凡被攻日久,以六庚開門為敵人,以六丙景門為守者,必天禽、六丙合生門,或在守者左右之宮,必有援兵,近而且速。若離禽宮遠則遲。如六丙景門休囚受剋制,援兵不至(亦無力援我)。如天蓬乘六庚敗氣,攻者不克,守者可守(以兵威在天禽故也)。

援兵を占ふは、能く我を生じ・能く敵を剋する者を以て論ず。およそ圍攻せられて久しき、六庚が開門に配するを以て敵人を代表し、六丙が景門に配するを以て守方を代表す。斷法はれ、若し天禽星と六丙と生門に合上し、或は守方の左右鄰近の宮に落つれば、必定援兵あり、而且來ること又近く又速し。若し天禽の宮より遠ければ、援兵就中來ること遲し。若し六丙と景門と休囚の氣に落ち又た克制を受ければ、援兵は會して來らざらん、即使來るも亦た力無く援救せん。若し天蓬星が六庚に乘じて敗氣の中に處すれば、攻方は攻不下して、守方就中守得住せん――是れ兵威全在天禽に在り、天禽不敗なれば則ち守勢不倒なればなり。

假如清明上元陽四局乙庚日丙子時,天禽值符加丙在坤,天英作援兵加離生禽,則火生土。六庚在乾六宮,受天英之克,必援兵大張聲勢,有整兵慎戰之意。攻者有緩攻畏敵之意,可守無虞。

一個の例子を擧ぐ。清明上元は陽遁四局を用ゐ、乙庚日の丙子時、天禽が値符を作りて丙を加へて坤二宮に落ち、天英星が援兵を充當して離九宮に加はりて來りて天禽を生ず――離火は坤土を生じ、援兵有力なり。六庚は乾六宮に落ち、火は金を剋し、正しく天英の剋を受く。此に由りて援兵の會して大に聲勢を張し而來る・軍馬を整頓し・慎重に戰を接ぐるの意あるを斷定す。攻方は則ち攻勢遲緩・我軍を畏懼するの心思あり、ゆえに城を守るに憂無し。

占勝敗

占陣以景驚二門主之,曰景宜破陣,又曰亂之,要法視驚門。 以值符落宮為主,以六庚落宮為客。如值符宮克庚宮,主勝;庚克值符宮,客勝。又旺相則勝,休囚則敗。如值符宮得景門、驚門或二門與值符宮相生,主勝;庚宮得景驚二門,或二門與庚宮相生,客勝。如值符與主客相生,必來講和;如值符與庚主客俱乘旺相,景門反相刑剋,其勢相等,兩相恐懼,不戰而退。若六庚為值符,即為主客同宮,不分勝敗。又日干加庚,主勝;庚加日干,客勝。

兩軍の勝敗を占ひ、兼ねて陣を布くを占ふは、景門と驚門の兩門を以て主と爲す。景門は敵陣を衝破するに宜しく、亦た用ゐて敵軍を攪亂すべし。關鍵の法は看る驚門に在り。用神是れ、値符落宮は主方を代表し、六庚落宮は客方を代表す。斷法はれ、値符宮が庚宮を剋すれば、主方勝す。庚が値符宮を剋すれば、客方勝す。此外旺相に乘ずる者は勝ち、休囚に落つる者は敗す。若し値符宮が景門・驚門を得、或はこ兩門と値符宮と相生すれば、主方勝す。若し庚宮がこ兩門を得、或は兩門と庚宮と相生すれば、則ち客方勝す。若し値符と主客雙方と皆相生すれば、雙方は必ず來りて和を講ぜん。若し値符と庚・主と客と皆旺相の氣に乘じ、而して景門が反對に來りて刑克すれば、雙方は勢均力敵・彼此忌憚し、就中會して戰はずして各々退去せん。若し六庚の本身就中値符なれば、那便ち是れ主客同じく一宮に在り、勝負分かれず。別に一條の簡法あり。日干が庚の上に加はれば、主方勝す。庚が日干の上に加はれば、客方勝す。庚が日干に加はるは正是れ前文の説く所の「伏干」の格、客の來りて我を犯すを主る、ゆえに客勝と斷ず。日干が庚に加はれば則ち反對に、是れ我方の敵人を壓制す、ゆえに主勝と斷ず。

占聞報虚實

當以時干決其真偽。 看甲乙壬癸四時,聞事皆虛,憂喜俱無;逢戊丙二時,聞憂則虛,聞喜則實;逢丁時,則憂無大憂,喜無大喜;逢己庚二時,聞喜則無,聞憂則實;逢六辛時,憂喜平二。

軍情報告の眞假を占ふは、應當に時干を用ゐて決斷す。報する所の消息の甲・乙・壬・癸のこ四個の時辰に於て聽くは、皆是れ虚、所謂憂無く亦た所謂喜無し。戊・丙の兩個の時辰に於て聽くは、憂事是れ假・喜事是れ眞。丁時に於て聽くは、憂は大憂を成さず・喜も亦た大喜を成さず。己・庚の兩個の時辰に於て聽くは、喜事は落空し・憂事は卻て是れ眞。辛時に於て聽くは、憂喜皆平平、輕からず重からず。

六壬以月將加時,看日辰與上神之生克。如相生為實信,相剋主虛信。如朱雀、天空臨時臨辰尤不可信。

此處再び六壬の一種の驗法を附す。月將を用ゐて本時に加臨して盤を起こし、看る日辰と它の上面の臨する所の神との生克關係を。兩者相生すれば、報する所是れ實信。相克すれば、則ち是れ虚信。若し朱雀或は天空のこ兩位の口舌と虚詐とを主るの神が時の上或は辰の上に臨めば、那消息は尤其軽信すべからず。奇門と六壬の兩法幷用すれば、判斷は更に穩妥なり。

占來人善惡

六壬以月將加時,神后落處斷之。寅申巳亥良人,子午卯酉商客,辰戌丑未□惡細作。

來人の善是れ惡を占ふは、此處も亦た六壬の法を借用す。月將を以て本時に加臨して盤を起こし、看る神后(子)の甚麼の位置に落つるを以て斷ず。神后が寅・申・巳・亥の四孟の位に落つれば、來る所是れ良善の人。子・午・卯・酉の四正の位に落つれば、來る所是れ行商客旅。辰・戌・丑・未の四季の位に落つれば、來る所是れ惡の姦細(此處底本に脫字あり)。軍中に來人を盤査するに、據此以て先ず一個の大致の判斷あるべし。

占使人探偵

兩家對壘,久無動靜,使人探其消息,既分主客,又當以值使決之。如值使落宮生主宮,去則得力;克主宮生客宮,去必向彼;若克客宮,必探得的實。主生值符宮,雖洩主氣亦吉;客生值使宮,克值使宮,雖洩客氣亦主彼吉。值使宮自相剋制,必不敢去,或途路有阻,旺則稍可,休囚大凶。

兩軍の對峙已に久しくして毫も動靜無く、人を派して消息を打探せしむるは、既要して主客を分清し、還た要して値使を用ゐて決斷せんことを須ゐ、是れ値使は派出する所の人を代表すればなり。斷法はれ、値使落宮が來りて主方の宮を生ずれば、此人は去れば能く得力せん。若し它が主方の宮を剋して去りて客方の宮を生ずれば、此人は去れば必定對方に投靠せん。若し它が去りて客方の宮を剋すれば、那就中一定能く確實の情報を探得せん。主方が去りて値符の宮を生ずれば、雖も主方の氣を泄すも、仍ほ吉と算す。客方が去りて値使の宮を生じ、或は去りて値使の宮を剋すれば、雖も客方の氣を泄すも、亦た對方の吉を得るを主る。若し値使の宮の自身が克制を受ければ、此人は必定敢て去らざらん、或は路上受阻せん。此時値使が旺氣に乘ずれば還た稍か勉强すべく、休囚の氣に落つれば便ち是れ大凶。

占行間其地

兩國兵爭,或應間謀行不以法占之,以值使為彼國,丙為自己,庚為所間之人。以月將加本時,看丙與值使所得何支相沖,則動;不沖,則不動。既已沖動,又看庚值使之乘星。庚旺間人無益;庚星克值使之星者,無益;相生者,無益。必值使乘星克庚乘星者,其術得行也。

兩國交兵して、反間の計を施行せんと要し、能く奏效するや否やは、可にこ一法を用ゐて占ふべし。値使を以て敵國を代表し、丙を以て自己を代表し、庚を以て所要策反するのあ個人を代表す。先ず月將を用ゐて本時に加臨して盤を起こし、看る丙と値使の得る所の地支の相冲するや否やを。相冲すれば則ち事情能く發動し、不冲なれば就中動く能はず。既に衝動せば、再び看る庚と値使と各々乘ずる所の星を。庚若し旺氣に乘ずれば、那人は我の擺布を受けず、反間は益無し。庚の乘ずる所の星が去りて値使の乘ずる所の星を剋すれば、亦た益無し。兩者相生すれば、同樣に益無し。必ず値使の乘ずる所の星の能く庚の乘ずる所の星を剋住せんことを須ゐ、こ條の反間の計乃ち行得通らん。

占詐誘彼墮計中否

敵國相攻,兵不厭詐,以六丙為己,以六庚為敵,朱雀為謠言。必朱雀為落宮旺相為地,又要六丙落宮克六庚,或丙生六庚,其詐得行。如庚雖被丙克在旺相之鄉,或生六丙不在休囚廢沒之地,主半疑半信。丙被庚克,或生六庚而不旺相者,其術能行。

兩國交兵して、兵を用ゐるは其の詐を厭はず。敵人の會して我の詐計に中るや否やを占ふは、六丙を以て自己を代表し、六庚を以て敵人を代表し、朱雀を以て散布し出すの謠言を代表す。必ず朱雀落宮の旺相の氣に乘じて地を得、同時に六丙落宮の能く六庚を剋住し、或は丙の去りて庚を生じて以て親近を示さんことを須ゐ、こ條の詐計乃ち行得通らん。若し庚は雖も丙に剋せらるるも、卻て正しく旺相の鄕に落ち、或は它は雖も去りて丙を生ずれども、又た休囚廢没の地に在らず――こ兩種の情形は敵人は只だ會して半信半疑せん。若し丙が反對に庚に剋せられ、或は丙が去りて庚を生じて自身旺相ならざれば、此術は仍ほ可に施行すべし、只だ是要して格外小心せんことを須ゐ。

如常人爭訟私鬥類,亦欲行詐誘之法者,日為自己,年為長輩,月為類,時為晚幼,其占法同。

尋常百姓の官司を打ち・私下に爭鬥するの一類の事は、若し亦た詐誘の法を用ゐんと想はば、用神を取る略異なり。日を以て自己を代表し、年は長輩を代表し、月は同輩を代表し、時は晚輩卑幼を代表す。生克旺衰の判法に至りては、上面の兵事を占ふの辦法と完全に一樣。可見此法は兩國交兵に限らず、およそ對手あるの處は皆用ゐべし。

占出兵領餉

出軍討賊,以天輔為餉司,天沖為將領,青龍為餉神。若天輔落宮克天沖宮,有餉不發;天沖剋天輔,亦不吉。必兩相生比者,發。又看青龍旺相,比、生天沖者,其餉必多;落休囚廢沒,其餉不足。

兵を出して賊を討ちて軍餉を領するは、天輔星を以て餉を管するの衙門を代表し、天衝星を以て兵を帶ぶるの將領を代表し、青龍を以て軍餉の本身を代表す。斷法はれ、天輔落宮が去りて天衝の宮を剋すれば、餉あるも卻て發下せざらん。天衝が反對に去りて天輔を剋するも、亦た不吉。必ず兩者相生し或は比和せんことを須ゐ、餉乃ち發得下せん。再び看る青龍を。青龍が旺相の氣に乘じ、又た天衝と比和し或は來りて天衝を生ずれば、軍餉は必定豐足せん。若し青龍が休囚廢没の氣の上に落つれば、軍餉就中足りざるを用ゐる。

占行兵無水

欲知何處有水,以休門下定之。見申為江河,小吉為井,太沖為池塘(六壬以月將加時)。

行軍の途中に水を斷ち、何處に水あるかを知るを要せば、就看る休門の下の臨する所の支を以て定む。申を見れば、那里是れ江河。小吉卽ち未を見れば、那里是れ水井。太衝卽ち卯を見れば、那里是れ池塘。こ幾個の支神の取法は六壬に出づ、須く月將を用ゐて本時に加臨して盤を起こすの後再び看るを須ゐ。此條は前面の「占登舟」の載する所の水を看るの法と相同じ、以て互參すべし。

占行兵迷路

凡行兵遇深山大林,暮夜迷路,以三定其去向。因三有生然,又為破軍、天馬之象,故云:之三避五,八方無阻。或以天罡所落處行百步外自遇大路。

およそ行軍して深山大林に進入し、天黑くして路を迷ふは、三宮を用ゐて行進の方向を定む。是れ三宮は生發の氣あり、又た破軍星と天馬の象あり、ゆえに句の口訣ありて説く「三宮に往きて去り・五宮を避くれば、八方皆阻礙無し」と。別に一法あり。天罡の落つる所の方位に朝して走れば、百步以外に走出して、自然會して大路に碰上せん。

天罡加孟在左,加季向右,加仲中行,自得大路。六壬以月將加時。

天罡の具體の用法是れ、天罡が寅申巳亥の四孟の位に加はれば、就往きて左に走る。辰戌丑未の四季の位に加はれば、就往きて右に走る。子午卯酉の四仲の位に加はれば、就中直に照りて中間に往きて走る――かく樣にして自然能く大路に走上せん。天罡の臨する所の位は仍ほ六壬の辦法に按り、月將を用ゐて本時に加臨して盤を起こして以て求む。

釋之三避五

假令冬至上元陽一局甲己日夜半為甲子時,至平旦為丙寅時,得此三時為生氣,和百事,故曰之三;至食時為戊辰時,此五時為害氣,故凶宜避。

こ一節は上文の「之三避五」の四個字の來歷を解釋す。例を擧げて説く。冬至上元は陽遁一局を用ゐ、甲己日の夜半是れ甲子時、天亮の時分に到れば是れ丙寅時、甲子より丙寅に數到すれば正好是れ第三個の時辰、こ一時は生氣を得、百事に對して皆和順す、ゆえに「之三」と叫ぶ、卽ち往きて第三處に去るの義を取る。再び下に數到して早飯を喫するの時は是れ戊辰時、是れ第五個の時辰、害氣に屬し、ゆえに凶と爲り、應當に避くべし、就中是れ「避五」。

甲日丙辰時,丙火乃甲子孫,是日生時干,為生氣,又合吉格,大利主;至戊辰時,甲木克戊土,而甲木主為戊土為官克於時,為死氣,右上干克下干,門克宮,故大利客兵。

再び五行生克の上より一遍講ず。甲日の丙辰時、丙火是れ甲木の生ずる所、如同甲の子孫、是れ日干の去りて時干を生ず、生氣に屬す。若し再び吉格に配上すれば、主方に對して大いに利あり。戊辰時に到れば、甲木は戊土を剋す。甲木は本是れ主方、戊土は此處に於て是れ官鬼、主は反對に時干の剋を受く、こ就中死氣を成す。此時上層天干が下層天干を剋し、門又た去りて宮を剋す、ゆえに反對に客方の兵馬に對して大いに利あり。可見「之三」「避五」は併びに非ず數字を死記する、其實理は生克順逆の間に在り。

五符造天關

斷鴉鵲鳴方吉凶,看此十二神將所主。 凡出軍、行道、住宅聞鴉鳴鵲噪者,看其從何方來,就占其吉凶而趨避之。

こ一節は「五符造天關」を講ず、用ゐて烏鴉と喜鵲と哪の方位に於て鳴叫するの吉凶を判斷す、辦法是れ看る下列の十二位の神將の各々主る是れ何事を。およそ出兵行軍・路を趕き道を走り、或は家中に在りて烏鴉の叫び・喜鵲の噪ぐを聽く、皆要して看る叫聲の哪の方位より傳來するを、就中那一方の値する所の神に按りて其の吉凶を占ひ、然る後に趨向するか還た避開するかを決定す。

遇五符星方噪酉上癸:主人送信,諸事吉又宜駐兵動眾、晉謁、求財。 遇天曹星方噪戌上甲:主行征往來出入吉一說外出平平,若戰鬥主氣力弱。 遇地符星方噪亥上甲:主出征有神助,女人報信吉又主驚虛,三軍憂失不宜,征戰並罡魁煞入弔客。

第一位の五符星、酉位と癸とに配し、こ一方に於て鳴叫すれば、人の來りて信を送るあるを主り、諸事皆吉、亦た兵を駐し・人馬を調動し・上官を拜謁しと財を求むるとに宜し。第二位の天曹星、戌位と甲とに配し、こ一方に於て鳴叫すれば、出征往來・出入皆吉を主る。別の一説は外出は只だ平平・若し戰鬥に用ゐれば則ち氣力不足を主ると認む。第三位の地符星、亥位と甲とに配し、こ一方に於て鳴叫すれば、出征に神明の相助あるを主り、女子の來りて信を報ずるを吉と爲す。但し亦た一説ありて虚驚を主り、全軍は會して憂愁損失あらん、出戰に宜しからず、尤其忌諱する天罡・河魁の二煞と吊客と同時侵入す。

遇風伯星方噪子上甲:宜出舊、遠出、行兵必中虛詐又主出入憂惶,大風虛驚、闇昧、失物。 遇雷公星方噪丑上乙:不宜興兵遠出,必有二人報信又必有風雨、陰私、計謀、怪夢、驚憂。 遇雨師星方噪寅上丙戊:宜守,水戰大吉又路逢陰雨或狂風驟雨。

第四位の風伯星、子位と甲とに配し、こ一方に於て鳴叫すれば、外出遠行に宜し。但し兵を行ふは必定敵人の虚詐の計に中らん、別に出入憂懼惶恐・大風虚驚・事情曖昧不明および財物を丢失するを主る。第五位の雷公星、丑位と乙とに配し、こ一方に於て鳴叫すれば、兵を興して遠出するに宜しからず、會して兩個の人の來りて信を報ずるあらん。別に風雨・陰私・詭計・怪夢と驚憂の事あるを主る。第六位の雨師星、寅位と丙戊とに配し、こ一方に於て鳴叫すれば、堅守に宜しく、水上作戰は大吉。別に路上に於て陰雨に遇ふか、或は狂風驟雨あらんを主る。

遇風雲星方噪卯上丙戊:主有錢財、吉慶,不宜先動兵又宜喚客迎賓,心不定。 遇唐符星方噪辰上丁己:主人送財伏兵大吉。又人馬大勝,一可勝十,凡所營求無不吉利。 遇國印星方噪巳上丁己:主文書報信,出兵大勝又主有遷進、改除之事,無不吉。

第七位の風雲星、卯位と丙戊とに配し、こ一方に於て鳴叫すれば、錢財と吉慶の事あるを主る、但し先を搶ひて兵を出すに宜しからず。別に賓客を招喚し・來人を迎接するに宜しく、只だ心緒不定なり。第八位の唐符星、辰位と丁己とに配し、こ一方に於て鳴叫すれば、人の財を送りて門に上るを主り、伏兵を設くれば大吉。別に人馬の大に全勝を獲し・一を以て十に敵し、およそ營謀する所あれば吉ならざる無しを主る。第九位の國印星、巳位と丁己とに配し、こ一方に於て鳴叫すれば、文書の來りて信を報ずるあるを主り、兵を出せば大勝す。別に升遷・改任の事あるを主り、吉ならざる無し。

遇天關星方噪午上丁己:主門戰,行兵大凶又路逢阻滯,因訟遺物,門訟征行凶。 遇地軸星方噪未上壬:主陰人惱亂殺之事又主人馬不勝,值囚錢穀散失。 遇天賊星方噪申上壬:主口舌爭競,官司告事凶又路逢盜賊,暴風來處是賊方位。

第十位の天關星、午位と丁己とに配し、こ一方に於て鳴叫すれば、門前に戰事あるを主り、兵を行ふは大凶。別に路上の受阻滯・官司を打つに因りて財物を遺失し、およそ門戶詞訟と出征遠行と皆凶を主るを主る。第十一位の地軸星、未位と壬とに配し、こ一方に於て鳴叫すれば、婦人の惱怒して亂を生じて人命の事を出すに因るを主る。別に人馬の能く取勝せず・若し囚氣に値すれば則ち錢糧散失するを主る。第十二位の天賊星、申位と壬とに配し、こ一方に於て鳴叫すれば、口舌爭執・官司訴訟を主り、皆是れ凶事。別に路上に於て盜賊に遇ひ、而して暴風の吹來するの那一邊、就中是れ賊人の在る所の方位。

每日定三門,遇五符、唐符、國印三位大吉,或出入等事不避凶殺,但得三位者,無不吉利,於祿上起五符、二天曹、三地符,照上式順排至天賊止。

每天要して「三門」を定出して用ゐるを須ゐ。十二神將の中、五符・唐符・國印のこ三位は最も大吉と爲る。およそ出入行事、即便凶煞を回避せずとも、只要こ三位の一を占得すれば、就中吉利ならざる無し。排法是れ、當日日干の祿位の上より第一位の五符を起こし、第二位は天曹、第三位は地符、前面の列する所の次序に照らして順に排して下り、一直に第十二位の天賊に排到するを以て止と爲す。

如甲祿在寅,乙卯,丙戊巳(一雲戊祿辰),丁己午(一雲己祿戌),庚祿申,辛酉,壬亥,癸子。天曹、地符宜守,風伯消息凶,雷公大凶,雨師憂賊至,天關宜追捕,天賊必占賊,遇地軸多逃遁,風雲宜避。

各日干の祿位是れ、甲の祿は寅に在り、乙の祿は卯に在り、丙と戊の祿は巳に在り(別の一説は戊の祿は辰に在り)、丁と己の祿は午に在り(別の一説は己の祿は戌に在り)、庚の祿は申に在り、辛の祿は酉に在り、壬の祿は亥に在り、癸の祿は子に在り。こ個の祿位より起こりて十二神將を排すれば卽ち可なり。最後に再び總括する各神の用法を。天曹・地符に遇へば堅守に宜し。風伯に遇へば、得る所の消息は凶と爲る。雷公に遇へば、大凶。雨師に遇へば、須く賊兵の到來を憂慮すべし。天關に遇へば、追捕に宜し。天賊に遇へば、一定要して賊盜を占防せんことを須ゐ。地軸に遇へば、多く人の逃亡遁走あり。風雲に遇へば、則ち回避に宜し。全書は此に至りて結束す。

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