九星吉凶歌
作盤ガイド: 奇門遁甲作盤
天蓬平穩宜堅固,天芮須憂士卒亡。天輔遠凶近則吉,天柱軍馬近遠傷。天英兵將何從擊,亦應危難見惶惶。天沖揚威萬里行,天禽雄猛敵軍顧。天心密計他須敗,天任何憂不大贏。
この歌は九星を兵事に用うる吉凶を幾句かに概括します。天蓬星に逢えば、局面は平穩、堅守固壘に宜し。天芮星に逢えば、士卒の傷亡を擔憂すべし。天輔星に逢えば、遠攻は凶にして近戰は吉。天柱星に逢えば、遠近を論ぜず、軍馬は損を受く。天英星に逢えば、兵將は擊つべき處なく、また危難に遭遇して惶恐不安なり。天衝星に逢えば、威を萬里に揚げ、長驅直入すべし。天禽星に逢えば、我軍は雄猛、敵軍はただ回頭顧望するのみ。天心星に逢えば、密計を用ゐれば彼方を失敗せしめうる。天任星に逢えば、なお大勝全勝せざるを愁えんや。
甲癸丁己
玉璋曰:九天之上六甲子,九地之下六癸酉,三奇之下六丁卯,六合之下六己巳。六甲為值符,即九天也。六癸,即九地,謂之癸酉者,從甲子而言也。六丁為三奇之靈,六己為六合之位,皆舉甲子二旬而言也。
玉璋が言う。九天の上は六甲の中の甲子に對應し、九地の下は六癸の中の癸酉に對應し、三奇の下は六丁の中の丁卯に對應し、六合の下は六己の中の己巳に對應します。原注は解釋して言う。六甲はすなわち値符、すなわち九天。六癸はすなわち九地。特に「癸酉」と言う所以は、それが甲子のこの旬より順に數え下るものなるが故なり。六丁は三奇の中もっとも靈驗の一位、六己は六合の在る位。ここに甲子・甲戌の兩旬の干支を擧げて例と為す。其の余の各旬はこれに照らして類推せよ。
行兵雜摘
天乙飛宮,不宜進兵,後應則吉。白入熒利主,熒入白利客。龍逃走、雀投江,不利客宜叛應。蛇妖矯、虎猖狂,不利主宜先舉。大格、刑格必敗。值符是庚又宜避丙丁之宮,此是格勃,非回首也。陽時要天盤強,陰時要地盤強。反吟有吉格,亦宜進兵,當乘亂破殺;伏吟宜藏兵暗地,使敵入我伏中,要擇九天開門值符下出兵吉。
「天乙飛宮」に遇えば、主動して兵を進むるに宜しからず。後れて發して敵に應ずればかへつて吉利なり。「白入熒」を得れば主方に利あり、「熒入白」を得れば客方に利あり。「青龍逃走」「朱雀投江」に遇えば、客方に利あらず。兵を按じて動かず、彼方の先に動くを待ちて後反撃すべし。「螣蛇妖矯」「白虎猖狂」に遇えば、主方に利あらず。先んじて發動すべし。「大格」「刑格」に遇えば、出兵必ず敗る。もし値符本身が六庚なれば、還た丙・丁の在る宮を避くべし――これを「格悖」と呼ぶ。「青龍回首」と誤認することなかれ。陽時は天盤の強しやを看るべく、陰時は地盤の強しやを看るべし。反吟に逢うて而其中にまた吉格あらば、同じく兵を進めうる。亂に趁て衝殺すべし。伏吟に逢へば兵を暗處に藏め、敵人をして我が埋伏に鑽り入らしめんに宜し。出兵は九天・開門・値符の在る宮の下を選びて乃ち吉なり。
回首、跌穴、三詐、九遁之類,最忌下克上。時干剋日干,主下犯上,主勝客。奇儀相合安營最利。立寨須看六庚與玄武所臨之宮,主有劫營之賊,所遇無非*細。陽時陰神者,遇兩重玄武,賊必來偷劫。乙加辛賊來偷劫敗,自敗而返。若乙得旺氣,此一路必有伏兵。
「青龍回首」「飛鳥跌穴」「三詐」「九遁」この類の美格は、もっとも地盤の天盤を剋する(下が上を剋する)を忌諱とす。時干が日干を剋すれば、下屬の上級を冒犯するを主り、占戰は主方勝ち客方敗る。三奇と六儀が相合する方位は、もっとも安營に適す。寨を紮する前に必ず六庚と玄武がどの宮に落ちるかを查看すべし――そこは前に來りて營を劫する敵兵あるを主り、遇う所の人は多分に奸細なり。陽時にもし陰神の位にも玄武現われ、兩重玄武を形成せば、敵人は必ず來りて偷襲劫寨せん。乙奇が辛の上に加臨すれば(青龍逃走)、敵人は來りて偷劫せんとすれども、卻つて自ら敗を取りて退回せん。もしこの時乙奇また旺氣を得れば、然らばこの條の路上に必ず別に伏兵あらん。
虎猖狂若不會合驚開二門,不甚為客;龍回首主兵大利客亦不凶。丙加壬亦有文書奇纏遺失。六儀擊刑最凶,雖使六儀為值符,亦不可用。三奇入墓百無一成。刑格大格小格遇此者,車破馬倒,慎勿追趕,反格其咎。
「白虎猖狂」もし驚門・開門のこの二つの金門と會合せずば、客方に對してもあまり厲害ならず。「青龍回首」は主方に對して大いに利あり、客方に對しても凶と算せず。丙奇が壬の上に加臨すれば、文書の糾纏・奇物の遺失の類の事あらん。「六儀擊刑」はもっとも凶、たとえ當時六儀が値符を充當すとも、照樣用うる能わず。「三奇入墓」は百事一成する能わざるなり。およそ「刑格」「大格」「小格」に遇上せば、出兵すれば車毁れ馬翻らん。切に敵人を追擊することなかれ、さもなくば格局の凶咎はかへつて自己の頭上に落ちん。
天乙飛宮切勿進兵,天乙伏宮須移幔丙丁方避之。飛宮則將軍當隨天上值符而飛;伏宮則將軍當隨值符而伏。妖矯不可對敵,宜移帳到戊己方。六合臨主敵有人降,事必成。交戰最利傷門,景門勝而不久,休門止宜堅守。
「天乙飛宮」に遇えば、千萬に兵を進めるなかれ。「天乙伏宮」に遇えば、必ず營帳を丙・丁の在る方に移して躲避すべし。飛宮の時は主將は天盤値符に跟隨してともに「飛び」走るべし。伏宮の時は主將は値符に跟隨してともに潛み「伏す」べし。「螣蛇妖矯」に遇えば敵と正面交鋒すべからず。中軍帳を戊・己の兩個の土宮に移すに宜し。六合が主方に臨めば、敵方より人來りて投降することを主り、謀る所の事は必ず成らん。交戰は傷門を用うるがもっとも利なり。景門を用ゐれば勝ち得る能くすれども勝勢は持久し能わず。休門を用ゐればただ堅守に宜し。
白入熒賊來偷營,即伏兵於北方迎戰;熒入白,凡遇賊兵即時發兵,少遲則讓賊為客,及宜避之。置陣之法,用本日日干之五行,甲乙為直陣,丙丁為銳陣,戊己為方陣,庚辛為圓陣,壬癸為曲陣。
「白入熒」に遇えば、敵人は來りて營寨を偷襲せん。北方に兵馬を埋伏して迎戰すべし。「熒入白」に遇えば、敵兵に碰上すれば直ちに兵を發すべし。稍々遲疑すればすなわち「客」の位を敵人に讓るに等しく、彼の時かへつて躲避すべきとなる。陣を布く方法は當日日干の五行に按って定む。甲・乙は木に屬し、直陣を擺す。丙・丁は火に屬し、銳陣を擺す。戊・己は土に屬し、方陣を擺す。庚・辛は金に屬し、圓陣を擺す。壬・癸は水に屬し、曲陣を擺す。
奇門演卦
奇門演卦,其法不一。有以值符與值使合而成卦者,有以八門共八方合而成卦者。兩者所用不同,其符使所成之卦可用之。以克靜應期時候軍兵對壘,即用之以定主客雌雄、陣勢得失,或邦國治居,以之卜地土安危、謁訪出行,以之占去向、通塞。
奇門盤を轉じて六爻卦と為し以て推斷するに、方法は一種のみならず。あるは値符と値使の兩宮を用ゐて一卦に配し、あるは八門の各々の臨む八方を用ゐて八卦に配す。兩者の用途は相同じからず。値符値使の成す卦は、以て靜態事情の應期時候を推算しうる。兩軍對壘の時は、以て主客強弱・陣勢得失を判定す。邦國治亂・居處安危に涉及する時は、以て地方土宇の平安なりや否やを占卜す。謁見拜訪・出門遠行の時は、以て去向の通達するや否やを占卜す。
至於捕捉、逃亡、行人、失物,俱可用此而推之焉。其門方所成之卦,可以克路應、察來意,又可以卜自己日內之吉凶,並可以決他人未來之禍福。至於鴉鵲噪、什物響鳴一切異兆,皆可用是而預卜其休咎矣。
緝捕・逃亡・出門人の消息・失物の下落に至るまで、またいずれも値符値使の卦を以て推しうる。八門に八方を配して成す卦に至りては、以て路途上の徵兆を克應し・來人の意圖を體察しうる。また自己近日の吉凶を占し、還た別人將來の禍福を斷ずることをも得。烏鴉喜鵲の喧噪・器物の故なく響くこの類の異常先兆の如きは、すべて以て吉凶を預卜しうる。
値符値使演卦例
其法以地盤值符所在之宮為內卦,天盤值使所在之宮為外卦。假如陽遁一局甲戌旬辛巳時,地下值符在坤二宮,天上值使在離九宮,即演成火地晉卦也。餘類推。
具體の方法はこうです。地盤値符の在る宮を以て內卦(下卦)と作し、天盤値使の在る宮を以て外卦(上卦)と作す。例を擧げて言えば、陽遁一局甲戌旬の辛巳時、地盤値符は坤二宮に落ち(坤は地)、天盤値使は離九宮に落ち(離は火)、上離下坤、すなわち「火地晉」卦に演成せり。其の余の各時はこれに依って類推せよ。
門方演卦例
其法以八方定位為外卦,所臨之八門為內卦。假如陽遁一局丁卯時,此時休門值使到巽宮,則東南即為水風井卦;死門到乾六宮,則西北即為地天泰卦;傷門到兌七宮,則正西即為雷澤歸妹卦;杜門到艮八宮,則東北即為風山漸卦;開門到離九宮,則正南即為天火同人卦;驚門到坎一宮,則正北即為澤水困卦;生門到坤二宮,則西南即為山地剝卦;景門到震三宮,則正東即為火雷噬嗑卦。餘例推。
この一法は八方の固定卦位を以て外卦(上卦)と作し、その方に落ちる八門の屬する卦を以て內卦(下卦)と作す。例を擧げて言えば、陽遁一局丁卯時:値使休門(坎水)は巽宮に轉じ、東南方はすなわち「水風井」卦と成る。死門(坤地)は乾六宮に轉じ、西北方はすなわち「地天泰」卦と成る。傷門(震雷)は兌七宮に轉じ、正西方はすなわち「雷澤歸妹」卦と成る。杜門(巽風)は艮八宮に轉じ、東北方はすなわち「風山漸」卦と成る。開門(乾天)は離九宮に轉じ、正南方はすなわち「天火同人」卦と成る。驚門(兌澤)は坎一宮に轉じ、正北方はすなわち「澤水困」卦と成る。生門(艮山)は坤二宮に轉じ、西南方はすなわち「山地剝」卦と成る。景門(離火)は震三宮に轉じ、正東方はすなわち「火雷噬嗑」卦と成る。其の余の時辰はこれに依って類推せよ。
一時有八卦,而所用止一卦。如克路應,只看所去方上之卦。卜來人善惡,只看其來方之卦。卜來人災福,只看其所坐方位之卦。卜自己吉凶,須看何方響動,即看其方之卦。卜鴉鳴鵲噪並一切怪異,即其所在方位之卦也。
一時辰は八個の卦を排するも、實際取り用ゐるはただ一箇なり。譬えば路上の應驗を推さんと欲すれば、ただ自己の往くその方位上の卦を看るのみ。來人の善なりや惡なりやを斷ぜんと欲すれば、ただ彼の來るその方位の卦を看るのみ。來人の災福を斷ぜんと欲すれば、ただ彼の坐する方位の卦を看るのみ。自己の吉凶を占せんと欲すれば、どの方向に動靜あるかを聽きて、その方位の卦を取る。烏鴉喜鵲の鳴叫および一切の怪異の事を占せんと欲すれば、すなわちそれらの在る方位の卦を取る。
主客雌雄
世為客,應為主。世克應,應生世,利為客,宜先動。應克世,世生應,利為主,宜後動。世空客兵不進,應空主兵不前。世衰應旺,客弱主強;世旺應衰,客勇主怯。世應比和,戰亦不分勝負。若世應俱受月日之傷克,多敗。
卦成りて後、世爻を以て客方を代表し、應爻を以て主方を代表す。世爻が應爻を剋し、または應爻が世爻を生ずれば、いずれも客方に利あり、先んじて發動するに宜し。應爻が世爻を剋し、または世爻が應爻を生ずれば、いずれも主方に利あり、後れて發して人を制するに宜し。世爻が空亡に落ちれば、客兵は推進せず。應爻が空亡に落ちれば、主兵は出動せず。世衰れて應旺なれば、是れ客弱く主強し。世旺にして應衰うれば、是れ客勇にして主怯なり。世應兩爻の五行比和なれば、交戰しても勝負を分かつ能わず。もし世應兩爻ともに月建・日辰の刑傷克制を受くれば、それ多くは敗仗を打たんとするなり。
陣勢得失
我為客,則以應為彼,世為我;我為主,則以世為彼,應為我。我克彼宜戰,彼克我宜守。我生彼而傍爻並月日傷彼者,宜用奇兵以勝彼。彼生我而傍爻並月日傷我者,宜防賊兵來侵我。彼城火,我乘水,利於水戰;彼乘金,我乘火,利於火攻。
もし我方が客なれば、應爻を以て對方を代表し世爻を以て我方を代表す。もし我方が主なれば、世爻を以て對方を代表し應爻を以て我方を代表す。我が對方を剋すれば、出戰に宜し。對方が我を剋すれば、堅守に宜し。我が對方を生ずれども、旁爻が連なり月建日辰とともに皆對方を損傷すれば、この時奇兵を出して勝を取るに宜し。對方が我を生ずれども、旁爻が連なり月建日辰とともに皆我方を損傷すれば、この時敵兵の來犯を堤防すべし。もし對方の城池が火に屬して我方が水に乘れば、水戰を打つに利あり。もし對方が金に乘りて我方が火に乘れば、火攻を用ゐるに利あり。
又我金彼水,宜排圓陣用白旗、金命人前出,可以制勝。我火彼金,宜排尖陣用紅旗火命人前出,可以決勝。我土彼水,宜排方陣,用黃旗土命人前出,可以大勝。彼土我木,宜排長陣用青綠旗木命人前出,可以全勝。如克彼之爻居離,宜從南擊北;居兌宜從西擊東;居坎宜從北擊南。月日助我則吉,助彼則凶。
再び五行に依って陣形と旗色を配す。我方が金に屬して對方が水に屬すれば、圓陣を擺し白旗を用ゐ、金命の人を派して頭陣を打たしめ、以て制勝しうる。我方が火に屬して對方が金に屬すれば、尖陣を擺し紅旗を用ゐ、火命の人を派して頭陣を打たしめ、以て決勝しうる。我方が土に屬して對方が水に屬すれば、方陣を擺し黃旗を用ゐ、土命の人を派して頭陣を打たしめ、以て大勝しうる。對方が土に屬して我方が木に屬すれば、長陣を擺し青綠旗を用ゐ、木命の人を派して頭陣を打たしめ、以て全勝しうる。進攻方向に至つては、對方を剋制するその一爻がどの卦位に落ちるかを看る。離宮に落ちれば南より北に向かつて打ち、兌宮に落ちれば西より東に向かつて打ち、坎宮に落ちれば北より南に向かつて打つ。月建日辰が我方を助ければ吉、對方を助ければ凶。
節候
萬物之成在於何時,則其敗壞之期即定於其成之時也。物之敗壞,當在世爻破空絕之時。而理碑記文書則須看何時提出,世卜所伏之父母爻及何旬空去,其世爻是其期也。又須合內外兩卦之數,以定其年分日子之多少。
萬物がいつ成就するか、その敗壞の日期は成就のその一刻に實はすでに定まつてゐる。物件の損毁は、應ずるに世爻の破に逢ひ空に逢ひ絕に逢ふ時にあり。整理碑記文書の類の事に至つては、則ち它が何時提起されるかを看るべし――世爻の下に伏する父母爻を查し、および它がどの旬に空に落ちるかを看れば、世爻の事に應ずる時がすなわちその日期なり。このほか還た內卦と外卦の兩組の數字を合算して、以て年分・日子の多少を定め出すべし。
假如陽遁一局乙未時,演成雷地豫卦,世爻未土敗子,所絕於巳,破於辰,受克於寅卯,空於甲申旬。凡此甲申旬,皆寅卯巳酉年月合破也。若定開折文書、發掘碑記,當在甲申旬中,子午年月日時也。蓋以子水文書所伏在世爻,乙未之下賴子來提起,午來沖起,而用甲申中又能空去飛爻未土故也。
例を擧げて言ふ。陽遁一局の乙未時は「雷地豫」卦に演成す。世爻は未土、它は子に敗れ、巳に絕し、辰に破れ、寅卯に受克し、空亡は甲申旬に在り。およそ甲申旬の中に於て、寅・卯・巳・酉のこれらの年月は皆合破を構成す。もし開啓折閱文書・發掘碑記の時間を斷ぜんと欲せば、應に甲申旬の裏の子年・午年或は子日・午時に定むべし。原因は、文書を代表する子水は世爻の下に伏し、乙未の下は子水を靠れて提起し午火を靠れて衝起せられ、しかも甲申旬の中に恰も飛爻の未土を空しうるを以て、伏神は乃ち顯現することを得るなり。
六親克應
財:為婦女,為飲食,為錢財。官:為官員,為公人,為病人,為惡。父:為老人,為縫人,為畫師,為吏人,為丈人,為書吏,為布帛。兄:為親戚,為朋友,為貧子。子:為小兒,為禽獸,為醫生,為僧道。
卦中の六親は各々應ずる所の人事あり。妻財爻は婦女を主り、飲食を主り、錢財を主る。官鬼爻は官員を主り、公門の中の人を主り、病人を主り、また惡事をも主る。父母爻は老人・裁縫・畫師・吏員・岳父・書吏を主り、物類上は布帛を主る。兄弟爻は親戚・朋友を主り、また窮困の人をも主る。子孫爻は小兒・禽獸・醫生與僧道を主る。事を占する時動爻がどの親に屬するかを看れば、應ずる所がどの類の人かを知ることを得。
六神克應
青龍:為儒者,為僧道,為醫生,為書客,為轎傘,為魚,為樹枝。為喜慶事,如嫁娶、祝壽、饋送等事。朱雀:為文人,為書吏,為口舌,為呼喚,為牙,行人,為哭啼,為哭語,為飛禽,為紅色物。勾陳:為流作,為農人,為跎子,為牽牛羊人,為捕捉,為公門人,為拗子,為提攜,為跌,為阻塞,為爭鬥。
青龍の應ずる所:讀書人・僧道・醫生・書客。器物上は轎子雨傘・魚・樹枝を主る。事情上は喜慶を主り、嫁娶・祝壽・饋贈の類の如し。朱雀の應ずる所:文人・書吏。事情上は口舌争執・呼喚召請を主る。人物上は牙行經紀與行路人を主る。情狀上は啼哭與哭訴を主る。物類上は飛鳥與紅色之物を主る。勾陳の應ずる所:流動して工を作る人・農夫・駝背の人・牛を牽き羊を趕る人・緝捕の人・公門の中の人・性情執拗の人。事情上は提携・跌倒・阻塞與争鬥を主る。
騰蛇:為婦女,為賣婆,為朵花,為罵詈,為奇聞,異見為蛇,為繩索,為汙穢,為臭氣。白虎:為惡人,為屠人,為病人,為孝服人,為血光,為斗打,為行喪,為石匠,為刀斧,為鼓聲,為庖人。玄武:為賣魚人,為賣鹽人,為乞丐,為*,為賊人,為酒醉人,為雨傘,為木匠,為水夫,為魚鹽油酒。
螣蛇の應ずる所:婦女・女商販。物類上は花朵を主る。事情上は辱罵・奇聞怪事を主る。異象上は蛇・繩索・汙穢之物與臭氣を主る。白虎の應ずる所:凶惡の人・屠戶・病人・身に孝服を穿つ人。事情上は血光・鬥毆・送葬を主る。人物上は還た石匠・廚子を主る。器物上は刀斧を主る。聲音上は鼓聲を主る。玄武の應ずる所:賣魚人・賣鹽人・乞丐・娼妓・盜賊・醉漢。器物上は雨傘を主る。人物上は木匠・挑水夫を主る。物類上は魚・鹽・油・酒を主る。
八卦克應
乾:為官長,為老人,為病人,為僧,為公門人,為孝服人,為馬。坎:為漁人,為水夫,為乞丐,為豬,為魚,為鹽,為油,為水。艮:為童子,為山人,為貓,為犬,為磚石。震:為龍,為雷,為轎,為鼓聲,為術士,為商人,為舟子,為木匠,為筆客。
乾卦の應ずる所:長官・老人・病人・僧人・公門の中の人・孝服を穿つ人、動物上は馬を主る。坎卦の應ずる所:漁夫・挑水夫・乞丐、動物上は猪與魚を主り、物類上は鹽・油與水を主る。艮卦の應ずる所:童子・山の中の人、動物上は猫與狗を主り、物類上は磚石を主る。震卦の應ずる所:龍・雷、器物上は轎子を主り、聲音上は鼓聲を主る。人物上は術士・商人・船夫・木匠與賣筆之人を主る。
巽:為風,為女人,為雞鴨鵝,為道士,為秀才,為柴薪,為竹器,為花木。離:為婦女,為爐人,為患目人,為紅衣。坤:為老婦,為農夫,為裁縫,為樂人,為戲子,為醫生,為牛,為布帛,為食物,為藥餌。兌:為少女,為尼姑,為羊,為響聲,為歌唱,為口舌。
巽卦の應ずる所:風・女人、禽類上は鷄鴨鵝を主る。人物上は道士與秀才を主る。物類上は柴薪・竹器與花木を主る。離卦の應ずる所:婦女・爐を守り冶鑄する人・眼睛に病ある人、衣着上は紅衣を主る。坤卦の應ずる所:老婦・農夫・裁縫・樂工・戲子・醫生、動物上は牛を主り、物類上は布帛・食物與藥餌を主る。兌卦の應ずる所:少女・尼姑、動物上は羊を主る。事情上は響聲・歌唱與口舌是非を主る。
地支克應
子:為婦女,為小兒,為漁人,為舟子,為染匠。乘勾為蛇、跎子;乘玄為盜賊,為水;乘蛇為輕狂婦女,為菜,為青菱,為菜油,為螺蜆;乘龍為筆。丑:為耆老,為故舊,為庭書,為耕牛,為尼姑,為禿頭人,為大腹人。寅:為官員,為公吏,為儒者,為祝子,為書客,為鬍鬚人。卯:為童稚,為舟子,乘朱為牙行人。
子の應ずる所:婦女・小兒・漁夫・船夫・染匠。もし勾陳を配せば、蛇與駝背之人を主る。玄武を配せば、盜賊與水を主る。螣蛇を配せば、輕佻婦人を主り、物類上は蔬菜・青菱・菜油與螺蜆を主る。青龍を配せば、筆を主る。丑の應ずる所:年高の人・故交舊友・庭の中の文書・耕牛・尼姑・秃頭の人・大腹便便の人。寅の應ずる所:官員・衙門吏員・讀書人・祝禱の人・書客・鬍鬚ある人。卯の應ずる所:幼童・船夫。もし朱雀を配せば、牙行經紀の人を主る。
辰:為兇徒,為牙伶,為獵人。乘虎為徒人,為玄,為網罟,為乾,為魚;乘勾為缸。巳:為畫師,為匠工,為遠客,為庖人,為二女,為師姑,為爐冶人,為扇子,為花朵。乘朱為印,乘虎為弓弩。午:為馬伕,乘龍為官員;乘蛇為婦女,為旌旗;乘勾為武官;乘虎為患目人。未:為農夫,為樂人,為戲子,為裁縫,為寡婦,為媒婆,為師巫。乘勾為牽羊人,為柳;乘龍為醫生;乘朱為橘。
辰の應ずる所:凶徒・伶人牙儈・獵人。もし白虎を配せば、服役の人・黑色之物・漁網・乾燥之物與魚を主る。勾陳を配せば、水缸を主る。巳の應ずる所:畫師・工匠・遠來之客・廚子・兩個女子・女道士・爐冶鑄造之人、器物上は扇子與花朵を主る。もし朱雀を配せば、印信を主る。白虎を配せば、弓弩を主る。午の應ずる所:馬夫。青龍を配せば、官員を主る。螣蛇を配せば、婦女與旌旗を主る。勾陳を配せば、武官を主る。白虎を配せば、眼睛に病ある人を主る。未の應ずる所:農夫・樂工・戲子・裁縫・寡婦・媒婆・巫師。もし勾陳を配せば、羊を牽く人與柳樹を主る。青龍を配せば、醫生を主る。朱雀を配せば、橘子を主る。
申:為貴人,為銅錫匠,為剃頭人。乘龍為僧人,為銅錢;乘勾為緝捕人;乘虎為獵人,為箭,為棉絮。酉:為婦女,為銀匠,為佛婆。乘玄為**,為酒保;乘虎為孝服人,為鑼聲;乘朱為雞為鵝鴨。戌:為犬,為獵人,為獄吏,為軍卒,為僧人,為聚眾。乘蛇為菊花;乘虎為鐵器;乘玄為螺。亥:為賣魚人,為挑水人。乘虎為屠宰人,為梅花;乘玄為雨傘,為蓑笠;乘蛇為繩索,為豬穢;乘龍為圖畫,為幼孩;乘朱為豬;乘玄蛇為乞丐;乘玄蛇龍為魚;乘朱虎蛇為哭泣;乘勾虎蛇為鏈鎖。
申の應ずる所:貴人・銅錫匠・剃頭匠。もし青龍を配せば、僧人與銅錢を主る。勾陳を配せば、緝捕の人を主る。白虎を配せば、獵人・箭矢與棉絮を主る。酉の應ずる所:婦女・銀匠・佛婆。もし玄武を配せば、娼妓與酒保を主る。白虎を配せば、孝服を穿つ人與鑼聲を主る。朱雀を配せば、鷄與鵝鴨を主る。戌の應ずる所:狗・獵人・獄吏・兵卒・僧人、事情上は聚衆を主る。もし螣蛇を配せば、菊花を主る。白虎を配せば、鐵器を主る。玄武を配せば、螺を主る。亥の應ずる所:賣魚人・挑水人。もし白虎を配せば、屠戶與梅花を主る。玄武を配せば、雨傘與蓑衣斗笠を主る。螣蛇を配せば、繩索與猪圈穢物を主る。青龍を配せば、圖畫與幼兒を主る。朱雀を配せば、猪を主る。玄武與螣蛇同見すれば、乞丐を主る。玄武・螣蛇・青龍の三者同見すれば、魚を主る。朱雀・白虎・螣蛇同見すれば、哭泣を主る。勾陳・白虎・螣蛇同見すれば、鎖鏈を主る。
奇門遁甲統宗卷之四~九(略)
奇門遁甲統宗卷之十
玄機賦(上)
六合之軍畏死,我軍雄勇可使。若有降順當留,令之遠調別處。六合之將,和合之神也。其神所臨之地,兵將膽怯,未發兵先思和。此時我兵可以乘勢決戰,雄勇莫當。若有賊兵來降,是真心歸附,竟當受之。但宜遠調他方,不可留在本營。恐其穿合線索,勾引我兵歸還舊巢也。
賦文に言う。六合の臨むその一路の敵軍は死を怕れ、我軍は正しく雄勇の氣に乘じて部衆を驅使して進撃すべし。もし敵人來り降るあらば、收留すべきも、ただそれらを遠處に調往すべし。注解して言う。六合の將は和合を主る神、それが臨む地は、兵將の膽氣怯弱にして、未だ兵を出さざるに先に講和を想ふ。この時我軍は勢に乘じて決戰し、その勇猛は人の當つ能くするなし。もし敵兵前に來りて投降あらば、是れ真心の歸附、盡く接受すべし。ただ應にそれらを遠方に調往し、本營に留むべからず。怕るるは彼らの暗中に線を牽き橋を搭げ、我方の士兵を勾引してともに敵營に逃歸らんことを。
白虎之軍性猛,久遲必退成空。若欲盡力攻取,此將有始無終。若不及時招撫,將來日復興戎。白虎為兇悍之神,其性暴戾,猛烈難當,乘勢進戰,可以獲勝。若遲久則成退縮,有始無終。不如及時招撫,必來歸降。若不招降,必成大禍。
賦文に言う。白虎の臨むその一路の軍隊は性情凶猛、されど拖延久しければ必ず退縮落空す。もし傾力して攻取せんと欲せば、この員の將領は始有りて終無からん。もし時に招降安撫せざれば、將來還た再度興兵せん。注解して言う。白虎は凶悍の神、性情暴戾、來勢猛烈にして當たり難し。我方は勢に乘じて迎戰すれば勝を取ることを得。もし遷延して日久しければ、它自ら退縮し、虎頭蛇尾ならん。硬拼するよりも、時に招撫するに如かず。對方必ず來り降らん。もし招降せざれば、日後必ず大禍を釀成せん。
玄武之軍多變,機關莫測通神。惟以求榮為美,其心畏死貪生。玄武為盜賊、小人,其心多詭詐反覆,故其軍多變亂反覆,機械變詐,不可測識。然中心退縮,畏死貪生,不顧忠義,不惜廉恥。秦強歸秦,楚強歸楚,惟以強弱為從衛。欣羨榮華,招之即至。
賦文に言う。玄武の臨むその一路の軍隊は變化多端、機謀詭詐にして神鬼も測る能わず。されど彼らは一心にただ榮華富貴を圖り、骨子裏は死を怕れ生を貪る。注解して言う。玄武は盜賊與小人を象徵し、心思詭詐反復、ゆえにこの一路の軍隊もまた多變亂反復、機巧詐僞、人をして揣測する能わざらしむ。然るに彼らは內心退縮し、死を怕れ生を貪り、忠義を顧みず、廉恥を惜しまず――秦國強なれば秦國に歸附し、楚國強なれば楚國に歸附し、ただ強弱に按りて誰に跟ふかを決む。榮華を羨慕する以上、一招すれば卽ち來らん。
九地多陰謀,來兵有異伏。逢之莫急進,用之必敗覆。九地為陰晦之神,將來多陰謀密計,來軍多設伏乘虛。遇此時,當相幾而動,不可進戰,進必全軍敗亡。只可嚴營固守,待時而動。
賦文に言う。九地の臨む處は多く陰謀あり、來犯の兵は別に伏兵あり。它に碰上して急いで推進するなかれ、硬く兵を用ゐれば必ず覆敗を遭はん。注解して言う。九地は陰晦の神、それが主る敵將は多く陰謀密計を用ゐ、來軍は多分に埋伏を設け虚に乘じて入る。こゝに遇はば、應に時機を察看して後に行動し、貿然と進戰すべからず――一進すれば必定全軍覆沒なり。ただ營壘を嚴守し堅壁固守し、時機を待ちて後に動くべし。
九天之氣多剛暴,轉變更遷難測料。遇此兵鋒宜避之,可將氣神來相較。九天為剛暴之神,其性善動更番轉變,難以測料。遇此敵鋒當堅守,以避之。宜細查門上之陰神及門氣之旺衰,而考校其吉中猶有凶,凶中尚有吉,以定其災禍也。
賦文に言う。九天の氣は剛強暴烈、轉換變遷して豫料し難し。かかる兵鋒に遇上せば應に避讓し、神氣の旺衰を以て比較權衡すべし。注解して言う。九天は剛暴の神、性情動を好み、反復變換して人をして豫料し難からしむ。かかる敵鋒に遇はば、應に堅守して以てその鋒を避くべし。此時門上に臨む陰神および門氣の旺衰を細查し、其中の吉裏藏凶・凶裏含吉の關節を考核し、據りて災禍の輕重を判定するに宜し。
值符休門天晴朗,坤維兵伏宜防早。主將虛驚利坐中,客逃西南馬車倒。捕捉乾宮丑日擒,出軍道路知安好。值符會休門,主天時晴朗,三四月有風,六月有雷,十月有雪。出兵道路平坦,至晚有人窺伺。西南方有伏兵,宜防備。有一蜀中大漢,同婦人來降,主將有虛驚,宜安坐申營。遇子日子時方吉。客將車破馬倒,逃奔坤方,不可擒捉。如捕捉賊,伏西北方老婦人甲,至丑日方可擒捉。
賦文に言う。値符と休門相會すれば、天色晴朗。西南坤方に伏兵あり、早めに提防を要す。主將は一場の虛驚を受けん、中營を坐守するを宜とす。客將は西南に走り逃ぐる時車翻り馬倒れん。緝捕の事は乾宮に在り、丑日に至りて擒獲すべし。出兵の道路は一路平安なり。注解して言う。値符が休門に會すれば、天氣を占へば晴朗を主る――三四月の間は風あり、六月は雷あり、十月は雪あり。出兵の時道路は平坦、傍晚に至りて人の窺探あらん。西南方に敵兵埋伏す、防備を加ふるを須ゐ。一名の蜀地の大漢が一個の婦人を帯びて來り投降せん。主將は虛驚を受けん、申方の營の中に安坐するを宜とし、子日子時を待ちて乃ち吉利ならん。客方主將は車毁れ馬翻らん、坤方に向かつて走り逃げ、追ふも及ばず捉ふるも能はず。もし盜賊を緝捕せば、この人は西北方の一戸の老婦人の家中に藏る、丑日に至りて乃ち擒獲しうる。
值符生門雷兼雨,未時方晴北風舉。兵利南方不利乾,主將功成午未許。客軍丑命來防破,捕在婦人草屋裡。值符會生門,天時主大雷雨,未時方止。風自北方來,三日住止。行兵利南方,不宜西北方。山岡下有人,別路有楚中兄弟二人來降,貪酒色,不宜收。主將有大功,當於午未時出兵大利,不可遲。客將亦有利,丑命人來防破之,旌旗數易。捕盜捉賊,有婦人引至草屋下擒之。
賦文に言う。値符と生門相會すれば、雷ありまた雨あり、未時に至りて始めて晴れ北風刮り起こる。用兵は南方に利あり、西北乾方に利あらず。主將は功を建つるに午未の時に在り。客軍の中に丑に屬する命の人來りて破壞せん、防ぐを須ゐ。緝捕の事は婦人の草屋の裏に在り。注解して言う。値符が生門に會すれば、天氣を占へば大雷雨あるを主り、未時に至りて始めて止む。風は北方より來り、三天刮りて乃ち止む。行軍は南方に利あり、西北方に宜しからず。山岡の下に人あり、別の一條の路上に兩名の楚地の兄弟來りて投降せんとす、されど彼らは酒色を貪戀す、收留に宜しからず。主將は大功を立つべし、午時・未時に出兵し、大いに利あり、延誤すべからず。客方主將もまた利あり、されど丑に屬する命の人來りて彼を破壞せん、軍中の旗號は屢次更換せん。盜賊を緝捕する時、婦人の引路あり、草屋の下に到りて人を把ひ擒へん。
值符傷門日象陰,無邊風雨不曾停。兵行逆地攻兵速,路遠山高不利徵。主將急宜防刺客,客逃中矢捕休論。值符會傷門,主太陽有虧,有不測風雨至。行兵遇逆地,當速攻打。三山五嶺地勢險兀,只宜屯營,不利前進。有敗兵來降,宜收之。主將當急移營寨,防有內變。三馬並行吉,否則,有刺客。客將中流矢而逃奔,速追可擒。捕捉盜賊,已去,不可得,追之三五日可見面。
賦文に言う。値符と傷門相會すれば、日色陰晦、風雨連綿として停まず。行軍もし逆地に進入すれば即ち速攻すべし、路遠く山高ければ遠征に利あらず。主將は趕緊に刺客を提防すべし。客將は箭に中りて走り逃げ、緝捕の事は談ずるに足らず。注解して言う。値符が傷門に會すれば、天氣を占へば太陽色を失ふを主り、意外の風雨の到來あらん。行軍もし形勢順ならざるの地に遇はば、應に迅速に攻打すべし。三山五嶺の地勢險峻突兀、ただ就地に營を紮るに宜しく、繼續前進に利あらず。戰敗の士兵來り投降すること有り、應に接納すべし。主將は趕緊に營寨を移動し、內部の生變を提防すべし。出行の時三騎幷行するを吉とし、さもなくば刺客に遇はん。客方主將は流矢に中りて逃奔し、快く追へば擒獲しうる。盜賊を緝捕すれば則ち人は已に遠く去り、捉ふる能はず。三五天を追上して面を見ることを得ん。
值符杜門天大晴,兵遇重關礙不行。上下不諧降可受,將軍勞瘁不宜徵。客軍厭戰將和解,捕捉逃亡難獲尋。值符會杜門,天時大晴,無霜無雨。出兵行過石門重關,往來皆不利。子丑二時有得。有一人貪酒,有二人貪色,上下不和,來將可受。主將勞疲不可征。客將亦不願戰。宜用說客和解。捕捉難獲。
賦文に言う。値符と杜門相會すれば、天氣大晴。行軍は重重の關隘に遇ひ、阻滯して行くこと難し。敵方は上下不和、來降する者は接受すべし。主將は勞累困頓、出征に宜しからず。客軍は戰を厭ひ、雙方は將に講和せんとす。逃亡の人を追捕するは尋獲し難し。注解して言う。値符が杜門に會すれば、天氣を占へば大晴を主り、霜なくまた雨なし。出兵は石門重關を經過し、來往いずれも順ならず。ただ子時・丑時の兩個の時辰のみ收獲あるべし。敵方に一人の酒を貪る者・兩人の色を貪る者あり、上下和睦せず、前に來りて投降する將領は接納すべし。我方主將は疲勞、出征すべからず。客方主將もまた開戰を願はず。此時説客を派して居中調停講和するに宜し。緝捕の事は結果あること難し。
符景雲收並雨散,丑日雨霖為軍患。進前必敗有輿尸,主沐君恩受封拜。客將爭傷主則強,捕捉之時在離宮。值符會景門,天上雲收雨散,至丑日有雨。行兵難以前進,進則必敗。長子率師,弟子輿尸。君子用事,又使小人參之,安得不敗。主將得功,大君有命,開國成家,小人勿用。客將馬虎爭沖,客傷主勝。捕逃三人執繩可縛,在正南方。
賦文に言う。値符と景門相會すれば、雲收まり雨散ず。丑日に至りてまた雨あり、軍中の隱患と成らん。貿然と前進すれば必ず敗れ、屍を載せて歸るの禍あるべし。主方の將領はかへつて君恩を蒙受し封賞を得ん。客將は相争ひ傷を受け、主方は因りて強盛ならん。緝捕の事は離宮(正南)に應ずべし。注解して言う。値符が景門に會すれば、天氣を占へば雲散じ雨收まるを主り、丑日に至りてまた雨あり。行軍は前進し難く、硬く進めば必ず敗れん――正しく《易經・師卦》の言ふ所の「長子師を率ゐ、弟子屍を輿す」:君子に主事せしめ、卻つてまた小人をして摻和せしむ、何ぞ敗れざるの理あらん。主方將領は功を立つることを得、君王の命あり、「國を開き家を承くるに、小人用ゐるなかれ」。客方主將は大意にして冒進し、争ひて衝殺し、結果客方傷を受け主方勝を獲ん。逃犯を緝捕するに三人あり、繩索を用ゐて捆ることを得、卽ち正南方に在り。
符死陰雨坤風晴,若在秋時雷震聲。行軍車陷城難拔,主將宜畋不利徵。三日客擒五日敗,小人可捉君子貞。值符會死門,主天時連日雨,必待西南風始晴。二八月有雷聲,從地起。行兵有陷車之險,城郭完固不破。有正人自吳中來,用之大利於國。主將只宜田獵,出征防小災。客將三日就擒,五日亡兵散,主降。捕捉小人可獲,君子不可捉。
賦文に言う。値符と死門相會すれば、天は陰にして雨多し、西南風の起こるを待ちて乃ち晴れん。もし秋に在れば則ち雷聲の震響あり。行軍は車を陷らしめん、敵城は堅固にして攻拔し難し。主將は田獵に宜しく出征に宜しからず。三天の内に客方擒はれ、五天の内に客方潰敗せん。小人を緝捕すれば捉ふることを得、正人君子は捉ふることを得ず。注解して言う。値符が死門に會すれば、天氣を占へば連日雨の降るを主り、必ず西南風の起こるを待ちて乃ち轉晴せん。二月・八月には雷聲の地面より響き起こるあらん。行軍は陷車の險あり、敵方の城郭は完固にして攻め破る能はず。一人の正直の士吳地より前に來るあり、之を任用すれば國家に對して大いに利あり。主將はただ田獵に適合するのみ、出征すれば則ち小災を防ぐを要す。客方主將は三天の内に擒はれ、五天の内に兵敗れ人散じ、主動して降を請はん。緝捕の方面は、小人は捉ふることを得、君子は捉ふることを得ず。
符驚多雨遇辰晴,地險兵亡禍立侵。若合奇門方有吉,將旗折喜遇天英。客軍我往人當敗,捕捉惟宜術士臨。值符會驚門,主天多雨,至辰巳日方晴。出軍地陰有陷軍之危,過山涉水,凶禍莫救。遇奇得門庶獲安全。有間諜者,即因問可知敵情。主將有折旗之事,無咎,得合天英星方吉。客將此往彼必亡,得奇不可亡。捕捉可獲,乃術士也。
賦文に言う。値符と驚門相會すれば、雨多く、辰日に至りて乃ち晴れん。地形は險惡、兵は傷亡あり、禍事は立刻に逼近せん。ただ三奇吉門を會合して乃ち轉吉せん。軍旗折斷は本是凶兆なり、もし天英星に遇はばかへつて喜事と成らん。客軍もし我方の主動して前往に由れば、敵人應に敗るべし。緝捕の事はただ術士に出面せしむるに宜し。注解して言う。値符が驚門に會すれば、天氣を占へば雨多きを主り、辰日・巳日に至りて乃ち放晴せん。出兵の地は陰濕にして、軍隊を陷沒するの危險あり、山を翻し水を渉るも皆挽救し能はざる凶禍を招かん。唯だ三奇に遇ひ吉門を得て、始めて平安を保ちうる。軍中にもし間諜あらば、機に趁りて盤問すれば卽ち敵情を知ることを得。主將は旗杆を折斷するの事に遇はん、されど並びに災咎なし、もし天英星を會合し得ればかへつて轉吉せん。客方主將もし此に由りて前に往けば、對方は必ず亡びん。もし三奇の相助を得れば敗亡に至らず。緝捕は成功しうる、捉ふる所の人は一個の術士なり。
符開遇丙必可晴,無丙當霖四十日。敵國空言不見人,行兵宜水不宜陸。有奇則勝無奇退,客敗逃亡難捕捉。值符會開門遇丙奇,主天時晴。無丙奇主四十日雨。行兵宜舟不宜陸。敵國相約未見來人,只見信至,其人性剛直,難調和。主將有奇,百戰百勝;無奇不可出兵。客將不利,士卒宜用背值符擊對沖之法。捕捉見影不見形,遲則可得。
賦文に言う。値符と開門相會すれば、もし丙奇に遇はば必定放晴せん、丙奇なくば則ち四十天雨を連下せん。敵國はただ口頭約定して卻つて人の來るを見ず。行軍は水路を走るに宜しく陸路を走るに宜しからず。三奇あれば則ち勝ち、三奇なくば卽ち退け。客方敗逃し、緝捕し難し。注解して言う。値符が開門に會してまた丙奇に遇はば、天氣を占へば晴を主る。丙奇なくば則ち四十天の連綿陰雨を主る。行軍は船に乘るに宜しく陸路を走るに宜しからず。敵國と會面を約定すれども卻つて人の來るを見ず、ただ書信の送到するを見るのみ、書を寫す人は性情剛直にして調和し難し。主將もし三奇を得ば、百戰百勝せん。三奇なくば出兵すべからず。客方主將は不利、士卒は應に値符を背にしその對衝の宮を攻擊する打法を採用すべし。緝捕の事はただ人影を見てその形を見ず、一段時間を拖して乃ち拿獲することを得。
蛇合休,多雨陰,丙日晴明雷電生。老將行兵乾有伏,逢奇可進得秦人。主軍訓練方能勝,客將逢災捕不擒。騰蛇會休門,主天多陰雨,至丙日辰日方天晴。丙日有雷電,行兵須老將。用兵埋伏在西北方,有奇可進。得一近視眼,是陝西人,有不能可用。主將宜練士卒,出則敵勝。客將渡水有難,若天英在宮下可擊。捕捉只宜謹防,不宜捉獲。
賦文に言う。螣蛇と休門相會すれば、天陰にして雨多く、丙日に至りて乃ち放晴してまた雷電を起こさん。老成の將領を用ゐて行軍せば、西北乾方に伏兵あり。もし三奇に逢はば兵を進めうる、秦地の人を得ることを得ん。主方の軍隊は須く先に操練して乃ち勝を取るべし。客方の將領は災に遇はん、緝捕の事は人を捉ふる能はず。注解して言う。螣蛇が休門に會すれば、天氣を占へば陰雨連綿を主り、丙日或は辰日に至りて乃ち轉晴し、丙日は還た雷電あり。行軍は須く老將を用ゐべし。敵軍は西北方に埋伏す、もし三奇を得ば便ち兵を進めうる。一個の近視眼の人を得ん、陝西の人なり、些少欠缺あれども仍ほ任用しうる。主將は應に抓緊に士卒を操練すべし、貿然と出戰すれば則ち敵人の取勝せん。客方主將は水を渡るに危難あらん。もし天英星がその宮の下に落ちば、便ち他を攻擊しうる。緝捕の事はただ嚴に防範を加ふるに宜しく、眞に往きて捉拿するに宜しからず。
蛇合生,風雨行,風停雨細巳時止。主客亦合勿討尋,遇奇得將賢人至。主將宜攻守不成,客從乾破捕陰人。騰蛇會生門,主天時風動雨生,風止雨細,己時晴。晴行兵進則傷主將,宜講和。窮寇莫追,可得一大將,遇奇更得多賢。主兵利戰不利守,客將於十三日後可從西北方破之。捕捉在織機房,婦人隱匿。
賦文に言う。螣蛇と生門相會すれば、風雨同行し、風停まりて後細雨綿綿、巳時に至りて乃ち止む。主客雙方とも和解に宜しく、相互に尋釁するなかれ。もし三奇に逢はば、良將賢人の到來あらん。主將は攻むるに宜しく守るに宜しからず、客方は乾方より往きて敵を破るを要す、緝捕の對象は女子なり。注解して言う。螣蛇が生門に會すれば、天氣を占へば風を起こし雨を生ずるを主り、風停まりて後細雨に轉じ、巳時に至りて放晴せん。天晴れて後行軍もし貿然と推進せば、主將を傷ることを及ぼさん、應に講和すべし。窮寇は追趕するなかれ。此時一員の大將を得ることを得、もし三奇に逢はば還た更に多くの賢才を得ることを得ん。主方は出戰に利あり固守に利あらず。客方主將は十三天以後西北方より對手を攻破しうる。緝捕の事は、人は織布作坊の裏に藏れ、一名の婦人に由りて窩藏せらる。
蛇合傷,風雨狂,若逢大霧見陽光。兵宜結寨在平洋,遇奇山谷逢君子。主將刑傷奇不妨,客勝難擊捕林藏。騰蛇會傷門,主天有雨,若大霧無雨。行兵宜結寨在平洋,如遇奇可進山谷,有君子進、小人退之事。主將防兵及之傷,有奇可救。客將大勝,不可擊。捕捉則藏在竹木林中,宜緩捕之。
賦文に言う。螣蛇と傷門相會すれば、風雨狂驟。もし大霧を起こさばかへつて陽光を見ん。行軍は平曠の地に寨を紮るに宜し。もし三奇に逢はば、山谷に進入して君子に遇はん。主將は刑傷の危あり、三奇あれば便ち妨げなし。客方大勝、硬攻すべからず。緝捕の對象は林中に藏る。注解して言う。螣蛇が傷門に會すれば、天氣を占へば雨あるを主る。もし大霧を起こさば則ちかへつて雨降らず。行軍は應に平坦開闊の處に寨を結ぶべし。もし三奇に遇はば、山谷に進入しうる。此時の局面は君子の進を得小人の退避するなり。主將は兵刃の傷を提防すべし、三奇あれば以て化解しうる。客方主將は大勝全勝を獲ん、之と硬拼すべからず。緝捕の事は、その人は竹木林の中に藏る、緩緩として之を圖るに宜し。
蛇合杜,密雲布,若遇輔星三日雨。行兵設伏在小路,男女來投切莫用。主將英星稱大武,客兵奔敗逃難捕。騰蛇會杜門,主天時密雲不雨,若遇天輔星有三日雨。行兵有山有河,可以伏兵。有夫婦二人來投,不宜重用。主將得英星大利,不然僅可守舊。客將亦不利,宜退不宜進,進則失輜重。捕捉賊已去,不可追。
賦文に言う。螣蛇と杜門相會すれば、密雲滿布。もし天輔星に遇はば則ち三天の雨あらん。行軍は小路上に伏を設けうる。男女の前に來りて投奔するあり、切に任用するなかれ。主將もし天英星を得ば大有の武功と稱しうる。客兵は奔逃潰敗し、追捕し難し。注解して言う。螣蛇が杜門に會すれば、天氣を占へば密雲雨ならざるを主る。もし天輔星に遇はば、則ち三天の雨あらん。行軍の地は山有り河あり、兵馬を埋伏しうる。夫婦兩人の前に來りて投奔するあり、重用に宜しからず。主將もし天英星を得ば大いに利あり、さもなくばただ現狀を守住するのみ。客方主將もまた不利、退くに宜しく進むに宜しからず、進めば則ち輜重を丟失せん。緝捕の方面は、賊人は已に離去せり、再び追ふに及ばず。
蛇合景,天晴光,三日兌上有火起。兵進山前鋒莫當,主將有災得邑免。客軍行動將身凶,捕捉坎地剿無妨。騰蛇會景門,主天大晴,三日有火起於西方。行兵有前邊兩大山,後邊一小山,此處即可進兵。有一矮子從西方來,可用。主將有無咎之災,得三邑可免。客將行有凶,無攸利。捕捉在北方,可進剿。
賦文に言う。螣蛇と景門相會すれば、天色晴朗。三天の内に西方兌位に火を起こさん。行軍山前に到れば、鋒銳は人の當つ能くするなし。主將は災あり、されど城邑を得ば便ち免除しうる。客軍一動すれば、主將本身に凶あり。緝捕は北方坎位に在り、進剿して妨げなし。注解して言う。螣蛇が景門に會すれば、天氣を占へば大晴を主り、三天の内に西方に火災を起こさん。行軍の在る所は前に兩座の大山・後に一座の小山あり、かかる地形なれば便ち兵を進めうる。一個の矮個子西方より來るあり、任用しうる。主將は災ありと雖も終に過咎なし、三處の封邑を得ば便ち化解しうる。客方主將は行動ある所あれば卽ち凶に遇はん、甚だ好處なし。緝捕の事は北方に在り、兵を進めて剿捕しうる。
蛇合死,晴光麗,奇雲掩斗三日雨。兵進遇火逢文士,主將舉動咸得宜。客軍覆敗應子午,捕喜無奇擒即至。騰蛇會死門,無奇大晴,有奇雲掩鬥口二日得雨。行兵則進,須防火來攻。有天蓬星至,得一文士,得術士,是賢人,否則無賢人。主將上下相合,舉動皆利,進退不難。客將有覆軍殺將之災,應在子午日。捕捉則遇丙奇可逃,無奇可擒。
賦文に言う。螣蛇と死門相會すれば、天光明麗。もし奇雲の斗口を遮住するあらば、三天の内に雨を降らさん。進兵は火に遇ひ、また文士に遇ふことをも得ん。主將は一擧一動皆大いに得宜なり。客軍覆敗の期は子日・午日に應ずべし。緝捕の方面は、喜ぶべきは三奇なくてかへつて立刻に擒へうるなり。注解して言う。螣蛇が死門に會し、もし三奇なくば則ち天は大晴、もし三奇ありて雲氣が北斗斗口を遮住せば、兩天後便ち雨を降らさん。行軍は推進しうる、されど須く敵人の火攻を用ゐるを堤防すべし。もし天蓬星の到臨あらば、一位の文士を得、また一位の術士をも得ん、皆賢人なり。さもなくば則ち賢才の得べきなし。主將は上下同心、擧動皆利あり、進退皆困難ならず。客方主將は全軍覆沒・將領被殺の災あり、應期は子日・午日に在り。緝捕の方面は、もし丙奇に遇はば對方は逃脫しうる、三奇なくばかへつて擒獲しうる。
蛇會驚,氣濛茸,丑日艮風雲霧散。行兵山格路難通,主副將兵沖可進。客貪財帛敗無蹤,捕在江湖水裡逢。騰蛇會驚門,主天有雲霧相連,欲雨不欲,丑日遇東北風方晴。行兵則左山右水阻隔,不可進兵,平洋可進。有丙子荷兵器來,可用之。主將有水災,惟利用副將,可進,遇天沖星可大進。客將多貪財帛,若賄之可破。捕捉則其人隱在江湖中,為水客,通醫獸者可擒。
賦文に言う。螣蛇と驚門相會すれば、雲氣迷濛。丑日に至りて東北艮方の風刮り起こり、雲霧乃ち散ず。行軍は山勢に阻隔せられ、道路通じ難し。主將・副將もし天衝星を得ば便ち兵を進めうる。客方は財帛を貪圖し、終に敗れて蹤影無からん。緝捕の事は江河湖泊の水上に遇ふを要す。注解して言う。螣蛇が驚門に會すれば、天氣を占へば雲霧連綿・將に降らんとして降らざるを主り、丑日に至りて東北風を刮りて乃ち放晴せん。行軍の時左は山・右は水、阻隔して行き難し、兵を進むべからず、唯だ平曠の地のみ進みうる。一個の丙子年生・兵器を扛ぐ人の前に來るあり、任用しうる。主將は水患の災あり、ただ副將を起用して乃ち利あり、推進しうる。もし天衝星に遇はば更に大擧前進しうる。客方主將は財貨を貪圖す、財物を用ゐて賄賂すれば卽ち彼を擊破しうる。緝捕の方面は、その人は江湖の上に隱匿し、水上營生を做す、牲畜を醫治することを懂る人は彼を把ひ擒へることを得。
蛇合開,風雨從,神壇社廟防有伏。不利行兵遇老翁,主將出征獲匪丑。客來焚死敗無蹤,捕防格鬥有刑沖。騰蛇會開門,主天久雨無晴。行兵則神壇社廟內有伏兵,不宜進。有一老年人至,談神仙事,可用之。主將出征有嘉折首,獲非其丑。客將來則焚去則死,應三九日見。捕捉則不利,防格鬥,且有傷。
賦文に言う。螣蛇と開門相會すれば、風雨相隨す。神壇社廟の一帶は埋伏あるを防ぐを要す。行軍は利あらず、途中に老翁に遇はん。主將は出征して首惡を斬獲しうるも脅從を濫殺せず。客方は來れば則ち焚かれ、去れば則ち身死し、敗れて蹤影無からん。緝捕は搏鬥を堤防すべし、刑傷衝撞あらん。注解して言う。螣蛇が開門に會すれば、天氣を占へば久雨晴れざるを主る。行軍の時神壇・社廟の裏面に伏兵を藏す、貿然と進入に宜しからず。一位の老年人前に來るあり、神仙の事を談論す、此人は任用しうる。主將の出征の情形は正しく《易經・離卦》の言ふが如く「嘉に首を折り、獲ること其の醜に匪ず」――ただ首と為る元凶を擒斬し、その余の脅從の衆に牽連せず。客方來り犯さば則ち焚かれ、退去すれば則ち一死を免れず、應期は三天或は九天の内に見えん。緝捕の事は利あらず、對方と搏鬥するを堤防すべし、しかも傷損あらん。
太陰值休門,天時常遇陰。蓬星有雨半月望,兵無橋渡不能行。有文士,善陰謀,主將病侵休浪戰。客軍已渡宜堅守,捕捉東南難到手。太陰會休門,天時常陰。遇蓬星有雨,二八日應。行兵則前有河水,無橋可渡,不宜進兵。有文士通家來見,善陰謀。主將有疾,不能督兵。客將雞鳴渡關城,宜守不宜戰。捕捉則或東或西,難捉摸。
賦文に言う。太陰が休門に臨めば、天氣常に陰。もし天蓬星に遇はば、半月十五の前後に雨あらん。軍の前に橋なく渡る能わず、行進する能わず。一位の文士の陰謀を出すに善きあり。主將は病に染まり、浪戰するなかれ。客軍は已に河を渡れり、我方は堅守に宜し。緝捕の事は東南に在り、手に到り難し。注解して言う。太陰が休門に會すれば、天氣を占へば常に陰を主る。もし天蓬星に遇はば則ち雨あり、初二・初八の類の日子に應ずべし。行軍の時前に河水の阻隔あり、また渡るべき橋なし、兵を進むるに宜しからず。一位の世交の文士前に來りて相見るあり、隱祕の計を謀劃するに善し。主將は病に染まり、兵馬を督率するに力なし。客方主將は雞鳴の時分に關城を渡る、我方は守るに宜しく戰ふに宜しからず。緝捕の事は、その人は忽ち東忽ち西、行蹤捉摸し難し。
太陰值生門,丙丁晴乙雨。兵至鵲巢賊有伏,速宜退步勿前舉。醫巽來,知賊衷,主將天沖能破敵。客軍敗北泣如雨,捕捉本家丑日遇。太陰會生門,主天時有雨,丁奇天晴多東南風,有乙奇有雨,無奇驟雨至。出兵則前有鵲巢,乃伏兵之所,宜退不宜進。有醫士從東南方來,知敵人消息。主將得天沖星,破敵國如摧柯。客將專聽小人之計,用兵必敗。捕捉則隱伏在本人家,丑日可擒。
賦文に言う。太陰が生門に臨めば、丙・丁に逢へば則ち晴、乙に逢へば則ち雨。兵行きて鵲巢あるの地方に到れば、そこに必ず敵人の埋伏あり、應に趕緊に後退して前進するなかれ。醫者の東南巽方より來るあり、敵情の底細を知る。主將もし天衝星を得ば卽ち敵を破ることを得ん。客軍敗北し、哭聲雨の如し。緝捕の事はその本人の家中に在り、丑日に遇ふことを得ん。注解して言う。太陰が生門に會すれば、天氣を占へば雨あるを主る。もし丁奇を得ば則ち天晴れて且つ東南風多し、もし乙奇を得ば則ち雨あり、もし三奇なくば則ち驟雨を降らさん。出兵の時前方に鵲巢あり、是れ敵人の伏を設くる處、退くに宜しく進むに宜しからず。一位の醫士東南方より來るあり、敵人の消息を知る。主將もし天衝星を得ば、敵を破ること樹枝を折るが如く容易ならん。客方主將は一味に小人の計策を聽信す、兵を用ゐれば必ず敗れん。緝捕の方面は、その人は卽ち自己の家裏に藏る、丑日に擒獲しうる。
太陰值傷門,艮風晴輔雨。異人指示賊巢窩,整兵進戰賊無旅。大將怯,士卒勇,主似焚巢無穴棲。客軍前喜後還輸,捕捉無功空此舉。太陰會傷門,主天晴明,有東北風自巳時起,至申時止,次日晴。若遇輔星,主有雨。進兵則有異人指示賊巢穴。大將有退志,士卒退而不退,終得勝。主將懦弱,如鳥焚巢無穴可棲。客將先勝後敗,先喜後悲。捕捉則是遠方人,無家,難定其所,不可捉。
賦文に言う。太陰が傷門に臨めば、東北艮風を刮らば則ち晴、天輔星に遇はば則ち雨。異人の敵人の巢穴の在所を指點するあらん。兵馬を整頓して進戰せば、敵軍は將に潰不成軍ならん。主方の大將は怯懦にして士卒は勇敢、主將は巢を燒かれたる鳥の如く、棲身する處なし。客軍は先に喜び後に輸す。緝捕は徒勞にして功なし。注解して言う。太陰が傷門に會すれば、天氣を占へば晴明を主り、東北風の巳時より刮り起こり申時に至りて停まるあり、第二天轉晴せん。もし天輔星に遇はば則ち雨あるを主る。進兵の時異人の敵人の巢穴を指點するあらん。大將は退却の意ありと雖も、士卒は卻つて退きて眞に退かず、最終に仍ほ勝を取ることを得ん。主將は懦弱、譬えば鳥の焚巢せられ穴なく棲む能はざるが如し。客方主將は先に勝ち後に敗れ、先に喜び後に悲しまん。緝捕の方面は、それは外鄕人、居に定所なく、彼のどこに在るかを確定し難く、捉ふる能はず。
太陰值杜門,丙丁都邑焚。行兵阻水前難渡,固守前津功必成。安心腹,帛與金,主防刺客來床下。客將無能當速侵,捕捉須迅急可擒。
賦文に言う。太陰が杜門に臨めば、丙・丁の日に逢へば城邑は火災を遭はん。行軍は水に阻隔せられ、前方は渡り難し、渡口を堅守すればかへつて必定成功せん。心腹の人を安撫し、布帛金銀を以て賞するを要す。主將は須く刺客の床下に潛到するを堤防すべし。客方主將は無能、應に迅速に進擊すべし。緝捕の事は必ず抓緊を須ゐ、動作快ければ卽ち擒獲しうる。この一條の注解は傳本の中に已に殘缺せり。
太陰會死門,主天時本日有雨,來日晴,有西風方晴。出兵則城西南有伏兵,可守不可攻,必候奇到方可破。有高才人可合諸侯連說客,但不可使敵人。主將利西南,不利東北方。客將有三日大利,兩日不利,可於坎宮徐擊之勝。捕捉則本人在東方進飯後即行,宜速圖之可獲。
この一條はただ注解を存し、賦文は已に缺く。注解して言う。太陰が死門に會すれば、天氣を占へば當天雨あり、第二天轉晴し、須く西風を起こして乃ち放晴せんを主る。出兵の時城の西南方に伏兵あり、據守しうるも強攻すべからず、必ず三奇の到臨を待ちて乃ち攻破しうる。此時一位の高才の士あり、諸侯を聯絡し說客を串連しうるも、彼を派して敵國に出使せしむる能わず。主將は西南方に利あり、東北方に利あらず。客方主將は三天大いに利あり・兩天利あらず、坎一宮方向に於て緩緩進擊して以て勝を取るべし。緝捕の方面は、その人は東方に在り、飯を喫ふれば卽ち身を動かさんとす、應に趕緊に下手して乃ち拿獲しうる。
太陰值驚門,甘霖養萬物。震險利我不利彼,進兵征伐破可必。有賊降,不誠實,主將三日可全勝。客將降人賊敗北,大將匿離擒難獲。太陰會驚門,主天霖雨時降萬物滋生。行兵則東方多險,我利彼不利,可破之。有人來降,有名無實,不可信他。主將命在沖星,有小災,或三日出師,可以全勝。客將得降人智力,賊可破,有奇不可破。捕捉則是大將避在離宮,可和不可捉。和則有大功,捉則有大禍。
賦文に言う。太陰が驚門に臨めば、及時の雨は萬物を滋養す。東方震位は險なりと雖も、卻つて我に利あり敵に利あらず、進兵征伐すれば必ず敵を破ることを得ん。敵人の來り降るあり、されど誠實ならず。主方は三天の内に全勝を獲るべし。客方は降人の力を靠れて敵をして敗北せしむ。敵方の大將は離宮に躲れ、擒獲し難し。注解して言う。太陰が驚門に會すれば、天氣を占へば時雨の降下・萬物滋生を主る。行軍の時東方は險阻多し、形勢は我に利あり敵に利あらず、攻破しうる。人の前に來りて投降するあり、卻つて名ありて實なし、輕信すべからず。主將の本命もし天衝星に係れば、小災あらん。或は三天後に兵を出せば、全勝しうる。客方主將は降人の智謀を借助し、敵を破ることを得ん。されど對方もし三奇を得ば、就中破る能わず。緝捕の方面は、敵方の大將は離九宮に躲避す、ただ講和すべく強捉すべからず――講和すれば便ち大功あり、硬く捉へば則ち大禍を招かん。
太陰值開門,丑日見陽光。兵行路坦宜前進,退則遭殃軍敗亡。母子來,用不藏,主兵大利東風起。客諜花言智莫與,捕捉陰人男已颺。太陰會開門,主天時雨已極,即當日晴,至丑日大晴。行兵則路空亡,可進不可退,退則我軍敗亡。有人母子同來,子弱母強,不中閉。主將有奇,東風起用火攻,無東風只可固守。客將用間諜來善言。捕捉則女人可獲,男子棄逃不可獲。
賦文に言う。太陰が開門に臨めば、丑日に至りて乃ち陽光を見ん。行軍の道路は平坦、前進に宜しく、後退すればかへつて殃を遭ひ軍隊敗亡せん。母子二人の來り投ずるあり、用ゐうるも藏し掖することを須ゐず。主方の兵勢は大いに利あり、尤も東風の起こる時に然り。客方は間諜を派して花言巧語せしめん、彼と多く談ずるなかれ。緝捕はただ女子を捉ふることを得、男子は已に逃走せり。注解して言う。太陰が開門に會すれば、天氣を占へば雨の極處に降りて當天卽ち轉晴するを主り、丑日に至れば則ち大晴ならん。行軍の路は空亡に落ち、進むべく退くべからず、退けば則ち我軍敗亡せん。母子二人の同じく來るあり、兒子は弱く母親は強し、門を關じて理せざるに宜しからず。主將もし三奇を得ば、東風の一たび起こるを待ちて卽ち火攻を用ゐよ。もし東風なくば、ただ固守するのみ。客方主將は間諜を派して前に來り花言巧語せしめん。緝捕の方面は、女子は捉ふることを得、男子は已に家を棄てて逃走せり、捉ふる能はず。
六合休兮奇至晴,無奇申刻北風生。行兵水阻賢人至,主將謀為多不成。客軍得助渾難伐,捕問陰人卯未擒。六合會休門,主天時有乙奇即時晴,無奇則申刻起北風。行兵則水道不通,有小人接引。有賢人從震方來,無日後至。主將有謀不成,有為不遂,宜堅守吉。客將得天人力有救,不可伐。捕捉則有女人知音信,在水邊,卯日未日可擒。
賦文に言う。六合が休門に會すれば、三奇の到るあらば放晴し、三奇なくば則ち申時に北風を起こさん。行軍は水に阻隔せられ、賢人の到來あらん。主將の謀る所の事は多分に成らず。客軍は援助を得、討伐し難し。緝捕は女子に向かって打聽するを要し、卯日・未日に擒へうる。注解して言う。六合が休門に會すれば、天氣を占へばもし乙奇あらば則ち當卽轉晴し、三奇なくば則ち申時に北風を刮り起こさん。行軍の時水路通ぜず、小人の前に來りて接應引路するあらん。賢人の震三宮方向より來るあり、もし當天到らずば、日後もまた到らん。主將は事を謀りて成らず作為遂げず、堅守して乃ち吉なるに宜し。客方主將は天時と人力の救助を得、討伐すべからず。緝捕の方面は、一個の女人の消息を知るあり、人は水邊に在り、卯日或は未日に擒獲しうる。
六合生兮雷無雨,得蓬星兮雷雨注。行兵宜在西南利,主將守攻咸稱意。客軍可破陰謀計,捕在僧房捉可遇。六合會生門,主天時有雷無雨,如得蓬星則午時有大雷雨。行兵則進入險難惡事消散,利西南。主將進可戰,退可守,大吉。客將其士卒不練,多陰謀詭計,可以計破之。捕捉則在唸佛人家,可獲。
賦文に言う。六合が生門に會すれば、雷ありて雨なし。もし天蓬星を得ば則ち雷雨傾注せん。行軍は西南方を以て利とす。主將は攻守を論ぜず稱心如意なり。客軍は陰謀詭計多しと雖も、仍ほ攻破しうる。緝捕は僧房の中に於て遇ふことを得ん。注解して言う。六合が生門に會すれば、天氣を占へば雷ありて雨なきを主る。もし天蓬星を得れば、則ち午時に大雷雨あらん。行軍は險境に進入すと雖も、凶險の事もまた消散せん、西南方を以て利とす。主將は進めば攻め退けば守るべし、大吉。客方主將の士卒は訓練に缺乏し、ただ陰謀詭計を多く用ゐるのみ、計策を以て彼を攻破しうる。緝捕の方面は、人は念佛の人家に在り、拿獲しうる。
六合傷兮風雨厲,有兵變兮西南起。行兵奇主乾方利,主防火發卯與戌。客貪酒色兵離異,捕在西方土木民。六合會傷門,主天時得心星風雨兼至,主西南有兵變,應往吳越。行兵則逢高峻之山,有奇至,兵從西北方可進。有一術士願投,可信之。主將防火災,應在卯戌日。客將貪酒色失士卒心,宜協心齊內,作急進兵。捕捉則屬土音姓人,在西方木音姓人家可捉。
賦文に言う。六合が傷門に會すれば、風雨猛烈。西南方に兵變發生せん。行軍もし三奇あらば、乾方を以て利とす。主方は卯日・戌日に火災發生するを堤防するを要す。客方は酒色を貪戀し、軍心離散す。緝捕の對象は西方土音姓の百姓なり。注解して言う。六合が傷門に會すれば、天氣を占へばもし天心星を得ば則ち風雨齊しく來らんを主る。西南方に兵變あるを主り、吳越一帶に應驗せん。行軍は高峻の山嶺に遇ふ、もし三奇の到臨あらば、軍隊は西北方より推進しうる。一位の術士の來り投ぜんと願ふあり、信任しうる。主將は火災を堤防するを要し、應期は卯日・戌日に在り。客方主將は酒色を貪戀し、士卒の心を失ふ、我方は應に上下心を齊くし、抓緊に兵を進むべし。緝捕の方面は、その人は土音の姓、西方の一戸の木音姓の人家に藏る、捉ふることを得。
六合杜兮久雨頻,地陰窄兮敵備輕。出兵九天伏九地,主將家難三九臨。客必損將並折兵,捕匿酒房速去尋。六合會杜門,主天時陰陽失和,四時失序,時風時雨,四十日方晴。行兵則雖有險途,無埋伏,可進兵。兵出九天方,人伏九地方,士卒可和。主將家有隱憂,三九日有信至。客將折兵,不利。捕捉則藏在酒鋪中宿,即時捕之可獲。
賦文に言う。六合が杜門に會すれば、久雨斷えず。地勢は陰濕狹窄、敵人の防備は鬆懈す。出兵は九天の方より出づるを要し、埋伏は九地の方に在るを要す。主將の家中に難あり、三日或は九日に應ずべし。客方は必定兵を損し將を折らん。緝捕の對象は酒館の裏に藏る、趕緊に往きて找ふを要す。注解して言う。六合が杜門に會すれば、天氣を占へば陰陽失調・四時失序・時に風時に雨にして、四十天にして乃ち放晴するを主る。行軍は險路あれども、卻つて埋伏なし、兵を進めうる。兵は九天方より出擊し・人は九地方に埋伏すれば、士卒は卽ち同心ならん。主將の家中に隱憂あり、三天或は九天後に信の來るあらん。客方主將は兵馬を折損し、形勢利あらず。緝捕の方面は、その人は酒鋪の中に藏れて夜を過す、立刻に往きて捉へれば卽ち拿獲しうる。
六合景兮不時雷,坤兵變兮酉辰推。出兵我利賊就縛,主將遭霖車馬虧。客得天心兵不敗,捕捉*家西半隅。六合會景門,主天有不時之雷。西北方有兵變,辰酉日起。行兵則我利彼不利,其來可破,三人同心,賊人就擒。主將有車馬之厄,出陣遇雷雨。客將天時不順,人心尚固結不可破。可捕捉,則在*家飲酒,西方可捉。
賦文に言う。六合が景門に會すれば、時令に合はざる雷あらん。坤方に兵變發生し、應期は酉日・辰日に推す。出兵は我に利あり、敵人は將に擒縛せられん。主將は連綿の大雨に遇上し、車馬損を受けん。客方もし天心星を得ば則ち兵は敗に至らず。緝捕は西邊半隅の娼家に在り。注解して言う。六合が景門に會すれば、天氣を占へば時令に合はざる雷あるを主る。西北方に兵變あり、辰日・酉日より發生せん。行軍の形勢は我に利あり敵に利あらず、敵人來り犯せば卽ち擊破しうる。ただ三人同心あれば、賊人は便ち網に落ちん。主將は車馬の厄あり、陣を出づる時雷雨に遇はん。客方主將は天時順ならず、されど人心は仍ほ團結し、暫時攻め破る能わず。緝捕は行ふべし、その人は正しく娼家に於て酒を飲む、西方に往けば捉ふることを得。
六合死兮無奇晴,路逢陷兮龍虎爭。婦作間諜言難信,主軍進退事皆亨。客有飛符兵亦精,敵誘我軍捕難尋。六合會死門,主天時有雷電,無奇主大晴。行兵則一蛇當道,二虎爭沖,途中有傷。有婦人來行間在帳下,不可信從。主將天時順利,人事亨通,無往不利。客將有主意,有飛符至,多順少逆。捕捉則是一軍為敵所誘在西北方,不可獲。
賦文に言う。六合が死門に會すれば、三奇なくば則ち天晴れん。路上に陷阱に遇ひ、龍虎相争ふが如し。婦人の間諜を充當するあり、言ふ所は相信し難し。主方の軍隊は進退皆亨通す。客方は飛符傳令・兵馬精銳あり。敵人は我軍を誘走し、緝捕は尋ね難し。注解して言う。六合が死門に會すれば、天氣を占へば雷電あるを主る。もし三奇なくば、則ち天は大晴ならん。行軍の途中にもし一蛇の道に當たり兩虎の争衝するあらば、路上に傷損あらん。婦人の間諜身份を以て帳下に混在するあり、聽信すべからず。主將は天時順利・人事亨通、往く所利ならざるなし。客方主將は胸に主意あり、また飛符の傳報あり、順多く逆少なし。緝捕の方面は、我方の一支の部隊の敵人に引誘せられて西北方に到りしを、找り回すことを得ず。
六合驚兮天大旱,城中空兮伏兵悍。偏將奇謀可即從,主防婢害午來看。客軍將進須防探,捕有虛言終不見。六合會驚門,主天時大晴無雨,有丁奇至大旱。行兵則三里之城有伏兵,城中皆虛設。有偏將獻劫寨之策,可從。主將有一小婢謀害,午未時防之。客將有渡關河之志,宜防備。捕捉則雖有人說信,皆虛詐,軍兵為敵所誘,不可捉獲。
賦文に言う。六合が驚門に會すれば、天時大旱。城中は空虚にして伏兵は剽悍。偏將の獻上する奇謀は立即に採納すべし。主方は婢女の加害を防ぐを要し、午時前後に留意せよ。客軍は將に推進せんとす、須く敵人の探子を防ぐべし。緝捕は傳言あれども、終に人を見ず。注解して言う。六合が驚門に會すれば、天氣を占へば大晴雨なきを主る。もし丁奇の到臨あらば、則ち大旱ならん。行軍の時その周長三里の城中に敵兵埋伏す、城內は實は皆虚設の空營なり。偏將の劫寨の計を獻上するあり、採納しうる。主將は一名の小婢に謀害せられん、午時・未時は須く防範を加ふべし。客方主將は關を渡り河を越ゆの打算あり、應に防備すべし。緝捕の方面は、人の來りて信を報ずるあれども、皆虚詐の言、我方の兵士は敵人に引誘せられ、人を捉ふる能はず。
