Libo

周書 旅獒第七

先秦 · 佚名 · 第6巻 / 10

西旅獻獒,太保作《旅獒》。

西旅は獒犬を進献し、太保は《旅獒》を作った。

惟克商,遂通道於九夷八蠻。西旅厎貢厥獒,太保乃作《旅獒》,用訓於王。

商に戦勝した後、ここに九夷八蠻の道路を開通した。西旅は彼らの獒を貢來し、太保はここに《旅獒》を作り、もって王を訓誡した。

曰:“嗚呼!明王慎德,西夷咸賓。無有遠邇,畢獻方物,惟服食器用。王乃昭德之致於異姓之邦,無替厥服;分寶玉於伯叔之國,時庸展親。人不易物,惟德其物!德盛不狎侮。狎侮君子,罔以盡人心;狎侮小人,罔以盡其力。不役耳目,百度惟貞。玩人喪德,玩物喪志。志以道寧,言以道接。不作無益害有益,功乃成;不貴異物賤用物,民乃足。犬馬非其土性不畜,珍禽奇獸不育於國,不寶遠物,則遠人格;所寶惟賢,則邇人安。嗚呼!夙夜罔或不勤,不矜細行,終累大德。為山九仞,功虧一簣。允迪茲,生民保厥居,惟乃世王。”

言うには、「ああ、明王は謹慎して徳を修め、西夷はみな賓服す。遠近を論ぜず、みな地方の物産を進献するは、ただ衣服・飲食・器具のみ。王はここに徳の招致する所を異姓の邦に分与し、彼らの職事を廢棄するなかれ。寶玉を伯叔の国に分与するは、これはもって親情を展敘す。人はあの物を改変するにあらず、ただ徳があの物を貴しとせしむるなり。徳盛んなれば軽慢侮弄せず。君子を軽慢侮弄すれば、人心を尽くすこと能わず。小人を軽慢侮弄すれば、その力を尽くすこと能わず。耳目に役使せざれば、諸々の法度はみな正す。人を玩弄すれば徳を喪失し、物を玩弄すれば志を喪失す。志は道により安寧し、言は道により交接す。無益の事を為して有益の事を害するなかれ、功はこそ成らん。奇異の物を看重して日用の物を看輕するなかれ、人民はこそ充足せん。犬馬はあの地方の土性にあらざれば畜養せず、珍禽奇獸は国中に養育せず、遠方の物を寶とせざれば、遠人は來らん。寶とする所はただ賢人のみ、近処の人は安定せん。ああ、晝夜一時として勤ならざるなし。細行を謹慎せざれば、終に大徳を連累せん。山を堆むこと九仞、ただ一筐の土を差して功を虧す。確かにこれらを踐行せば、人民は居所を保住し、汝は世世王を為るを得ん。」

〖旅巢命〗巢伯來朝,芮伯作《旅巢命》。

〖旅巢命〗巢伯は朝見に來たり、芮伯は《旅巢命》を作った。

周書 金滕第八

武王有疾,周公作《金滕》。

武王に病あり、周公は《金滕》を作った。

既克商二年,王有疾,弗豫。二公曰:“我其為王穆卜。”周公曰:“未可以戚我先王?”公乃自以為功,為三壇同墠。為壇於南方,北面,周公立焉。

商に戦勝した後二年、王に病あり、不豫であった。二公は言った。「わらは王のために敬慎に問卜せん。」周公は言った。「いまだこれをもってわが先王を憂動すべからざるか。」公はここに自身をもって抵押とし、三座の壇を同一の平整の祭場に築いた。南方に壇を築き、北に面向し、周公はあそこに立った。

植璧秉珪,乃告太王、王季、文王。

璧を安放し、珪を持し、ここに太王・王季・文王に禀告した。

史乃冊,祝曰:“惟爾元孫某,遘厲虐疾。若爾三王是有丕子之責於天,以旦代某之身。予仁若考能,多材多藝,能事鬼神。乃元孫不若旦多材多藝,不能事鬼神。乃命於帝庭,敷佑四方,用能定爾子孫於下地。四方之民罔不祗畏。嗚呼!無墜天之降寶命,我先王亦永有依歸。今我即命於元龜,爾之許我,我其以璧與珪歸俟爾命;爾不許我,我乃屏璧與珪。”

史官はここに冊書を寫し、祝告して言った。「あなたがたの元孫某人は、凶惡の暴疾に遭遇した。もしあなたがた三王が天上に確かに元子の侍奉を需要する責任あらば、旦をして某人の身に代えしめよ。私は仁厚にしてまた巧能(一説に『仁厚にして先考のごとく能干』)、多材多藝で、能く鬼神に事奉す。あなたがたの元孫は旦のごとく多材多藝にあらず、鬼神に事奉すること能わず。彼は上帝の庭にて命を受け、普く四方を保佑し、よってあなたがたの子孫を下地に安定しうる。四方の人民は敬畏せざるなし。ああ、天の降した寶命を坠落するなかれ、わが先王もまた永遠に依歸あらん。今、私はすなわち大亀に命ず。あなたがたがもし私を許せば、私はすなわち璧と珪を帶いて歸りてあなたがたの命を等待せん。あなたがたがもし私を許さざれば、私はすなわち璧と珪を收藏せん。」

乃卜三龜,一習吉。啟籥見書,乃並是吉。公曰:“體!王其罔害。予小子新命於三王,惟永終是圖;茲攸俟,能念予一人。”

ここに三只の亀を卜したが、みな重複して吉を顯した。鎖鑰を打開して兆書を看れば、またみな吉なり。公は言った。「この兆體を看よ。王は大概害なからん。我が小子は新たに三王より命を接受し、ただ長久の終結を謀求す。ここに等待すれば、先王は能くわが一人を思念せん。」

公歸,乃納冊於金滕之匱中。王翼日乃瘳。

公は歸り、ここに冊書を金滕の匣に納めた。王は明日にすなわち痊愈した。

武王既喪,管叔及其群弟乃流言於國,曰:“公將不利於孺子。”周公乃告二公曰:“我之弗闢,我無以告我先王。”周公居東二年,則罪人斯得。於後,公乃為詩以貽王,名之曰《鴟鴞》。王亦未敢誚公。

武王はすでに去世し、管叔とその群弟はここに国中に流言を散布して言った。「公はまさに孺子に不利せん。」周公はここに二公に告げて言った。「私がもし攝政せざれば(「辟」は一説に避と読み、位を避けるを指す)、私は言うべき言なく先王に禀告せん。」周公は東に居ること二年、罪人はここに抓獲された。後、公は詩を作して王に送り、名は《鴟鴞》という。王もまた敢えて公を責備せず。

秋,大熟,未獲,天大雷電以風,禾盡偃,大木斯拔,邦人大恐。王與大夫盡弁以啟金滕之書,乃得周公所自以為功代武王之說。二公及王乃問諸史與百執事。對曰:“信。噫!公命我勿敢言。”

秋、莊稼は大熟したが、いまだ收割せず、天は大雷電また風を颳り、禾は全部倒伏し、大樹はここに拔起された。邦人は非常に恐懼した。王と大夫はみな爵弁の禮服を穿上し、金滕の書を打開し、ここに周公が自らを抵押として武王に代わった祝辞を得た。二公および王はここに史官と百執事を問うた。回答して曰く、「確かにそうだ。ああ、公はわらに敢えて言うなかれと命令した。」

王執書以泣,曰:“其勿穆卜!昔公勤勞王家,惟予沖人弗及知。今天動威以彰周公之德,惟朕小子其新逆,我國家禮亦宜之。”王出郊,天乃雨,反風,禾則盡起。二公命邦人凡大木所偃,盡起而築之。歲則大熟。

王は書を持ちて哭泣し、言った。「もはや敬慎に問卜するを要せず。昔、公は王家に勤勞したが、ただ我が年輕人は及ばず知らなかった。今、天は威を動して周公の徳を彰明す。我が小子は新たに彼を迎接せん。わが国家の禮もまたこのようであるべきだ。」王は郊外に出で、天はここに雨を降し、風は反向に吹き、禾はすなわち全部立起した。二公は邦人に命令し、およそ大樹に壓倒された者は全部扶起して培土せしめた。この年はここに大熟した。

周書 大誥第九

武王崩,三監及淮夷叛,周公相成王,將黜殷,作《大誥》。

武王が崩じ、三監および淮夷が叛乱し、周公は成王を輔佐し、まさに殷を廢黜せんとして、《大誥》を作った。

王若曰:“猷大誥爾多邦越爾御事,弗吊天降割於我家,不少延。洪惟我幼沖人,嗣無疆大曆服。弗造哲,迪民康,矧曰其有能格知天命!已!予惟小子,若涉淵水,予惟往求朕攸濟。敷賁敷前人受命,茲不忘大功。

王はこのように言った。「大いに汝ら多邦と汝ら治事の人に誥告せんと謀画す。不善の天は災害をわが家に降し、一点も延緩せず。私は深く自らが幼年人なるを想到し、あの無疆の大曆服(巨大にして久遠の祿位)を継承す。明智の人に遇わず、人民を安康に引導せん。いわんや能く感通し天命を知るを言わんや。ああ、私はただ小子なり。深淵の水を趟むがごとく、私はただわが賴りて渡る所を求めん。亀卜を陳列し、前人の接受した命を陳列し、ここに大功を忘れざらん。

予不敢於閉。

(成王が続けて言うには、)私は敢えて閉藏せず。

天降威,用寧王遺我大寶龜,紹天明。即命曰:‘有大艱於西土,西土人亦不靜,越茲蠢。殷小腆誕敢紀其敘。天降威,知我國有疵,民不康,曰:予復!反鄙我周邦,今蠢今翼。日,民獻有十夫予翼,以於敉寧、武圖功。我有大事,休?’朕卜並吉。”

(成王が続けて言うには、)天は威罰を降下し、寧王(すなわち文王)の留下する大寶亀を我に与え、もって天の明命を紹述せしむ。すなわち亀に命じて曰く、『西土に大艱難あり、西土の人もまた安靜せず、ここに蠢動す。殷の小厚國は膽敢として彼らの緒統を整理せんとす。天は威罰を降下し、彼らはわが国に毛病あり、人民が不安康なるを知り、曰く、我は恢復せんと。反ってわが周邦を邊鄙として、今蠢動し、今協助す』と。あの日、民賢十人ありて私を輔翼し、往きて文王・武王の謀画する功業を撫定せん。私に大事あれば、美ならんか。わが卜はみな吉なり。」

肆予告我友邦君越尹氏、庶士、御事、曰:‘予得吉卜,予惟以爾庶邦於伐殷逋播臣。’爾庶邦君越庶士、御事罔不反曰:‘艱大,民不靜,亦惟在王宮邦君室。越予小子考,翼不可徵,王害不違卜?’肆予沖人永思艱,曰:嗚呼!允蠢,鰥寡哀哉!予造天役,遺大投艱於朕身,越予沖人,不卬自恤。義爾邦君越爾多士、尹氏、御事綏予曰:‘無毖於恤,不可不成乃寧考圖功!’已!予惟小子,不敢替上帝命。天休於寧王,興我小邦周,寧王惟卜用,克綏受茲命。今天其相民,矧亦惟卜用。嗚呼!天明畏,弼我丕丕基!”王曰:“爾惟舊人,爾丕克遠省,爾知寧王若勤哉!天閟毖我成功所,予不敢不極卒寧王圖事。肆予大化誘我友邦君,天棐忱辭,其考我民,予曷其不於前寧人圖功攸終?天亦惟用勤毖我民,若有疾,予曷敢不於前寧人攸受休畢!”王曰:“若昔朕其逝,朕言艱日思。若考作室,既底法,厥子乃弗肯堂,矧肯構?厥父菑,厥子乃弗肯播,矧肯獲?厥考翼其肯曰:予有後弗棄基?肆予曷敢不越卬敉寧王大命?若兄考,乃有友伐厥子,民養其勸弗救?”王曰:“嗚呼!肆哉爾庶邦君越爾御事。爽邦由哲,亦惟十人迪知上帝命越天棐忱,爾時罔敢易法,矧今天降戾於周邦?惟大艱人誕鄰胥伐於厥室,爾亦不知天命不易?予永唸曰:天惟喪殷,若穡夫,予曷敢不終朕畝?天亦惟休於前寧人,予曷其極卜?敢弗於從率寧人有指疆土?矧今卜並吉?肆朕誕以爾東征。天命不僣,卜陳惟若茲。”

(成王が続けて言うには、)ゆえに私はわが友邦の君と尹氏・庶士・治事の人に告げて曰く、『我は吉卜を得た。私はただ汝ら衆邦を用いて殷の逃亡播遷の臣を討伐せんと欲す』と。汝ら衆邦の君と庶士・治事の人は、反って問わざるなし、『艱難は大きく、人民は安靜せず。またただ王宮と邦君の室に在るがためのみ。わが小子が考察するに、大概征討すべからず。王はなぜ卜に違背せざるか』と。ゆえに我が年輕人は長久に艱難を思考して曰く、ああ、確かに蠢動し、鰥寡は哀むべきかな。私は天の役使する所で、大艱難を我が身に投じ、我が年輕人は自らを體恤する暇なし。理に按れば、汝ら邦君と汝ら多士・尹氏・治事の人は私を安慰して曰うべきなり、『過度に畏懼憂恤するなかれ、汝の寧考の謀画する功を成就すべからざるなし』と。ああ、私はただ小子なり。敢えて上帝の命を廢棄せず。天は寧王を嘉美し、わが小邦周を興起し、寧王はただ卜を信用し、能くこの命を安定して接受した。今、天は大概人民を輔助し、いわんやまた卜を信用すべきや。ああ、天の明威は、わが大大の基業を輔弼す。」王は言った。「汝らは旧人で、汝らはきわめて遠く省察しうる。汝らは寧王がどのように勤勞したかを知る。天は秘密謹慎に我に成功の處所を指示す。私は敢えて寧王の謀画する事を完成するに力を盡さざらんや。ゆえに私はわが友邦の君を大いに勸導す。天は誠信の言をもって輔助し、大概わが民を考核す。私はなぜ前前寧人の謀画する功を做完せざるを得ん。天もまたただ勤勞謹慎にわが民を對待し、疾病あるがごとし。私はどうして敢えて前寧人の所受の美賜を完成せざるを得ん。」王は言った。「昔、私がまさに往かんとするがごとく、わが言は艱難の日子に思念す。父が房子を造るに、すでに法度を定下したるに、子は卻って堂基を為るを肯ぜず、いわんや屋を蓋うを肯ずや。父が田を開墾したるに、子は卻って播種を肯ぜず、いわんや收獲を肯ずや。あの父は大概肯んじて曰かん、我に後代ありて基業を拋棄せざるやと。ゆえに私はどうして敢えて自ら寧王の大命を撫定せざるを得ん。兄が死したるに、卻って朋友ありてその子を攻打せば、民人は彼らを養い彼らを勸めて救わざらんや。」王は言った。「ああ、努力せよ汝ら衆邦の君と汝ら治事の人よ。邦を清明せしむるは明智の人に要し、またただこの十人が上帝の命と天の輔助の誠信を知る。その時汝らは法度を改易せず。いわんや今、天は罪戻を周邦に降下せんや。あの發難する者は大大に鄰人と自らの家にて互いに攻伐す。汝らはなお天命の容易ならざるを知らざるか。私は長久に思念して曰く、天はただ殷を滅亡せんと欲するがごとく、農夫のごとし。私はどうして敢えてわが田畝を結束せざるを得ん。天もまた前寧人を嘉美す。私はなぜ再卜を窮盡せん。敢えて遵從せず寧人の所有するこの疆域に循らざらんや。いわんや今、卜はみな吉なるや。ゆえに私は大いに汝らを用いて東征す。天命に差錯なく、卜の陳列する所はこのようだ。」

周書 微子之命第十

成王既黜殷命,殺武庚,命微子啟代殷後,作《微子之命》。

成王はすでに殷命を廢黜し、武庚を殺し、微子啓に命令して殷の後嗣に代えしめ、《微子之命》を作った。

王若曰:“猷!殷王元子。惟稽古,崇德象賢。統承先王,修其禮物,作賓於王家,與國鹹休,永世無窮。嗚呼!乃祖成湯克齊聖廣淵,皇天眷佑,誕受厥命。撫民以寬,除其邪虐,功加於時,德垂後裔。爾惟踐修厥猷,舊有令聞,恪慎克孝,肅恭神人。予嘉乃德,曰篤不忘。上帝時歆,下民祗協,庸建爾於上公,尹茲東夏。欽哉,往敷乃訓,慎乃服命,率由典常,以蕃王室。弘乃烈祖,律乃有民,永綏厥位,毗予一人。世世享德,萬邦作式,俾我有周無斁。嗚呼!往哉惟休,無替朕命。”

王はこのように言った。「謀、殷王の長子よ。太古を考察するに、徳を尊崇し賢人を效法す。統緒は上に先王を承え、あの禮と物を修治し、王家の賓客を為り、国とともに美を享け、永世に窮盡なし。ああ、汝の祖先成湯は能く齊聖・廣大・深遠にして、皇天は眷顧保佑し、あの命を大受した。寛をもって民を撫し、邪虐を除去し、功は當時に加わり、徳は後裔に留めた。汝はあの道を踐行修治し、旧來美名あり。恭敬謹慎にして能く孝、嚴肅恭敬して神と人に對す。私は汝の徳を嘉許し、篤厚にして忘れべからずと言う。上帝は時に歆享し、下方の人民は敬慎和協し、よって汝を上公に立て、この東夏を治理せしむ。敬慎せよ。往きて汝の訓誡を頒布し、汝の服命を謹慎し、典常に遵循し、もって王室を藩衛せよ。汝の烈祖を光大し、汝の有する民を約束し、永遠に位子を安定し、わが一人を輔佐せよ。世世徳を享受し、万邦は法式として、わが周に厭倦なからしめよ。ああ、行け。ただ美善なるのみ。わが命を廢棄するなかれ。」

〖歸禾〗唐叔得禾,異畝同穎,獻諸天子。王命唐叔歸周公於東,作《歸禾》。

〖歸禾〗唐叔は禾を得た。田畝を異にするも穗子は同生した。天子に進献した。王は唐叔に命令して禾を東土の周公に送らしめ、《歸禾》を作った。

〖嘉禾〗周公既得命禾,旅天子之命,作《嘉禾》。

〖嘉禾〗周公はすでに禾を賜う命を得て、天子の命を陳説し、《嘉禾》を作った。

周書 康誥第十一

成王既伐管叔、蔡叔,以殷餘民封康叔,作《康誥》、《酒誥》、《梓材》。

成王はすでに管叔・蔡叔を討伐し、殷の其餘の民を康叔に封じ、《康誥》《酒誥》《梓材》を作った。

惟三月哉生魄,周公初基作新大邑於東國洛,四方民大和會。侯、甸、男邦、採、衛百工、播民,和見士於周。周公鹹勤,乃洪大誥治。

三月哉生魄(月亮大半無光の後)、周公は初めて經營し、東方の洛にて新たな大邑を作り、四方の人民は大大に會合した。侯・甸・男邦・采・衛の百官と播遷の民は、和協して周に從事した。周公はみな慰勞を加え、ここに治理の道を大いに誥告した。

王若曰:“孟侯,朕其弟,小子封。惟乃丕顯考文王,克明德慎罰;不敢侮鰥寡,庸庸,祗祗,威威,顯民,用肇造我區夏,越我一、二邦以修我西土。惟時怙冒,聞於上帝,帝休,天乃大命文王。殪戎殷,誕受厥命越厥邦民,惟時敘,乃寡兄勖。肆汝小子封在茲東土。

王はこのように言った。「孟侯、わが弟弟、小子封よ。汝のきわめて顯赫の先考文王は、能く徳を彰明し刑罰を謹慎し、鰥寡を輕侮せず、當に用いるべきを用い、當に敬すべきを敬し、當に威すべきを威し、人民に向かって彰明し、よって初めて我が華夏區域を造就し、わが一二邦とともにわが西土を修治した。この時、彼の勤勉に依仗し、上帝に上聞し、帝は喜悅し、天はここに文王を大命し、大殷を滅し、あの命とあの邦あの民を大受し、この時次序を有す。これは我が寡徳の兄の努力なり。ゆえに汝小子封はこの東土に在り。

王曰:“嗚呼!封,汝念哉!今民將在祗遹乃文考,紹聞衣德言。往敷求於殷先哲王用保乂民,汝丕遠惟商耇成人,宅心知訓。別求聞由古先哲王用康保民。

王は言った。「ああ、封よ、汝は思念せよ。今、人民はまさに汝が敬慎に汝の文考に循い、繼續して德の言を聽聞服膺するを觀察せん。往きて殷代の先哲王がもって人民を保養治理する辦法を廣く求取せよ。汝は遠く商の年高成人を思念し、心に置いて訓誡を知れ。また古先哲王より聽聞する來る、もって人民を安康保護する辦法を求取せよ。

宏於天,若德,裕乃身不廢在王命!”王曰:“嗚呼!小子封,恫瘝乃身,敬哉!天畏棐忱;民情大可見,小人難保。往盡乃心,無康好逸豫,乃其乂民。我聞曰:‘怨不在大,亦不在小;惠不惠,懋不懋。’已!汝惟小子,乃服惟弘王應保殷民,亦惟助王宅天命,作新民。”

(王が続けて言うには、)廣大なること天のごとく、德に順從し、汝の自身を寬裕にし、王命の中に廢棄するなかれ。」王は言った。「ああ、小子封よ、人民の痛苦を自らの身上の病痛と為し、敬慎せよ。天の威嚴は誠信を輔助し、民情は大略看見しうるも、小人は保有しがたし。往きて汝の心を尽くし、逸樂を喜好に安んずるなかれ、こそ人民を治理しうる。私は聞く、『怨は大に在らず、また小に在らず。當に順從すべきは順從し、當に努力すべきは努力せよ』と。ああ、汝はただ小子なり。汝の職事はただ王の應保する殷民を廣大し、またただ王を幫助して天命を安定し、新民を造就す。

王曰:“嗚呼!封,敬明乃罰。人有小罪,非眚,乃惟終自作不典;式爾,有厥罪小,乃不可不殺。乃有大罪,非終,乃惟眚災:適爾,既道極厥辜,時乃不可殺。”

王は言った。「ああ、封よ、汝の刑罰を敬慎彰明せよ。人に小罪あり、過失にあらざるも、卻って始終自ら不法の事を為す。もしこのようであれば、彼の罪は小と雖も、殺すべからざるなし。もし大罪あり、始終このようにあらず、ただ過失により災害を成す。恰好このようであれば、すでにあの罪過を盡頭まで說えば、この時すなわち殺すべからず。」

王曰:“嗚呼!封,有敘時,乃大明服,惟民其敕懋和。若有疾,惟民其畢棄咎。若保赤子,惟民其康乂。非汝封刑人殺人,無或刑人殺人。非汝封又曰劓刵人,無或劓刵人。”

王は言った。「ああ、封よ、能くこのような次序あれば、すなわち大大に彰明して人民を心服せしめ、人民は互いに告誡勉力和協せん。疾病を對待するがごとく、人民はすなわち全部罪過を拋棄せん。初生の嬰兒を保護するがごとく、人民はすなわち安康に治理を得ん。汝封に在らずして人を刑し人を殺す、人に擅自に人を刑し人を殺さしめるなかれ。汝封に在らずしてまた人を劓刖せんと曰う、人に擅自に人を劓刖せしめるなかれ。」

王曰:“外事,汝陳時臬司師,茲殷罰有倫。”又曰:“要囚,服念五、六日至於旬時,丕蔽要囚。”

王は言った。「外部の事、汝はこれらの法度を司法の官に陳列せよ。この殷の刑罰は條理あり。」また言った。「囚犯を審查するに、反復して五六日より旬日まで思念し、こそ囚犯を大いに判斷せよ。」

王曰:“汝陳時臬事罰。蔽殷彝,用其義刑義殺,勿庸以次汝封。乃汝盡遜曰時敘,惟曰未有遜事。

王は言った。「汝はこれらの法度を陳列して刑罰を施行せよ。判斷は殷の常法を用い、あの合理の刑・合理の殺を用い、汝封の自己の心意に按るなかれ。汝がもし完全に順從して曰くすでに次序ありとせば、ただ能くいまだ順從の事なしと言うのみ。

已!汝惟小子,未其有若汝封之心。朕心朕德,惟乃知。

(王が続けて言うには、)ああ、汝はただ小子なり。いまだ汝封のごとき心有らず。わが心・わが徳は、ただ汝のみが知る。

凡民自得罪:寇攘奸宄,殺越人於貨,暋不畏死,罔弗憝。

(王が続けて言うには、)およそ人民が自ら罪を犯す:寇盜攘竊・内外の奸惡、人を殺して貨を越え、強橫にして死を怕れず。憎惡せざる人なし。

王曰:“封,元惡大憝,矧惟不孝不友。子弗祗服厥父事,大傷厥考心;於父不能字厥子,乃疾厥子。於弟弗念天顯,乃弗克恭厥兄;兄亦不念鞠子哀,大不友于弟。惟吊茲,不於我政人得罪,天惟與我民彝大泯亂,曰:乃其速由文王作罰,刑茲無赦。

王は言った。「封よ、首惡大奸、いわんやまた不孝不友あらんや。子は恭敬して父の事に從事せず、大いにその父の心を傷る。父を為るも能くその子を愛せず、反って子を厭惡す。弟を為るも天の顯明の道理を思念せず、すなわち能くその兄を恭敬せず。兄もまた幼子の哀苦を思念せず、弟に對してきわめて不友愛なり。この地步に至れば、もしわが執政の人に至りて罪を得ざれば、上天がわが人民に賜与する常法は大大に混亂す。曰く、すなわち迅速に文王の作する罰に依照して、これらを懲罰して赦免するなかれ。

不率大戛,矧惟外庶子、訓人惟厥正人越小臣、諸節。乃別播敷,造民大譽,弗念弗庸,瘝厥君,時乃引惡,惟朕憝。已!汝乃其速由茲義率殺。亦惟君惟長,不能厥家人越厥小臣、外正;惟威惟虐,大放王命;乃非德用乂。汝亦罔不克敬典,乃由裕民,惟文王之敬忌;乃裕民曰:‘我惟有及。’則予一人以懌。”

(王が続けて言うには、)大法に遵循せず、いわんやまた外の庶子・訓人およびあの正人・小臣・諸有符節の人あらんや。また頒布施行して、人民の中に大いに聲譽を造成し、思念せず任用せず、君主を憂病せしむ。これはすなわち惡を長する、わが憎惡する所なり。ああ、汝はすなわち迅速にこの義に依照して率行誅殺せよ。また君を為し長を為して、その家人とその小臣・外正を治理すること能わざる者あり。ただ威、ただ虐のみ、大大に王命を放弃す。ここにすなわち徳をもって治理するにあらず。汝もまた敬守常法せざる能わず、ここにもって人民を寬裕し、ただ文王の敬と忌のみ。ここに人民を寬裕して曰く、『私はただ文王に趕上するを求む』と。ここにわが一人はすなわち喜悅せん。」

王曰:“封,爽惟民迪吉康,我時其惟殷先哲王德,用康乂民作求。矧今民罔迪,不適;不迪,則罔政在厥邦。”

王は言った。「封よ、人民が引導せられれば吉康なるを明思し、我はこの時ただ殷の先哲王の徳を思念し、もって人民を安康治理して匹配を為す。いわんや今、人民に引導なく、すなわち順わず。引導せざれば、邦国に政なし。」

王曰:“封,予惟不可不監,告汝德之說於罰之行。今惟民不靜,未戾厥心,迪屢未同,爽惟天其罰殛我,我其不怨。惟厥罪無在大,亦無在多,矧曰其尚顯聞於天。”

王は言った。「封よ、我は監察すべからざるなし。徳の道理を汝に告げ、刑罰の施行に關す。今、人民は安靜せず、心はいまだ定まらず、屢々引導してもいまだ會同せず。明思すれば、天は大概我を懲罰誅責せん。我は怨まざらん。あの罪は大に在らず、また多に在らず。いわんやそれがなお天に上聞するをや。」

王曰:“嗚呼!封,敬哉!無作怨,勿用非謀非彝蔽時忱。丕則敏德,用康乃心,顧乃德,遠乃猷,裕乃以;民寧,不汝瑕殄。”

王は言った。「ああ、封よ、敬慎せよ。怨恨を製造するなかれ、不當の謀画・不當の常法をもってこの時の誠信を遮蔽するなかれ。大法はすなわち徳を勉力修養し、もって汝の心を安康し、汝の徳を回顧し、汝の謀画を深遠にし、汝の用度を寬裕にし、人民安寧なれば、すなわち汝を挑剔滅絶せざらん。」

王曰:“嗚呼!肆汝小子封。惟命不於常,汝念哉!無我殄享,明乃服命,高乃聽,用康乂民。”

王は言った。「ああ、ゆえに汝小子封よ。命は恒常にあらず、汝は思念せよ。わが享祀を斷絕するなかれ、汝の服命を彰明し、汝の聽聞を提高し、もって人民を安康治理せよ。」

王若曰:“往哉!封,勿替敬,典聽朕告,汝乃以殷民世享。”

王はこのように言った。「行け、封よ、敬を廢棄するなかれ、常にわが告誡を聽け。汝はこそ殷民をもって世世代代享受しうる。」

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