Libo

四庫全書提要

明 · 池本理 · 第1巻 / 6

作盤ガイド: 六爻納甲の立卦, 大衍筮法

演禽賦・日禽夜禽・暗曜・伏断と空亡

占卜類典籍

一つの主体系に慣れてから読み流すのが向いている。同種の問題に対する占法ごとの処理の差を対照する材料になる。

臣等謹案《禽星易見》一卷,明池本理撰。本理贛州人,《明義·藝文志》載所著有《禽遁大全》四卷,《禽星易見》四卷。此本僅作一卷,蓋傳抄者所合併也。禽星之用不一,此專取七元甲子局用翻禽倒將之法,推時日吉凶,以利於用。

臣ら謹んで考訂す:《禽星易見》一巻、明代の池本理の撰。池本理是れ江西贛州の人。《明義・芸文志》(「明義」は当に「明史」の訛なるべし)に著録する其の著作《禽遁大全》四巻・《禽星易見》四巻有り;今天伝わる此の本子は只だ一巻のみ——大概是れ後世伝抄する人四巻を合併して一巻と為せしなり。演禽の術の用法止まる一種に非ず、此の部の書は専ら「七元甲子局」此の一路を取り、「翻禽」「倒将」の法を用い、日・時より吉凶を推し出だす——以て実際取用せんが為す。謂う所の「七元」は、六十甲子を分かちて七輪と作し、每輪六十日各々一顆の値日の宿領頭す;「翻禽」の推す所是れ自己の一方の禽星、「倒将」の推す所是れ対方の禽星。

或以為其法始於張良,本風后神樞鬼藏之旨為兵家秘傳。蓋好事者附會之說,其實於一切人事得失趨避,無所不占。

人此の法は漢初の張良に出で、黄帝の臣風后の伝うる《神枢》《鬼蔵》の宗旨に本る——是れ兵家世代密授の学と為す有り。此れ其の実是れ好事の者の附会の説。実用に就きて論ずれば、此の法一切の人事の得失・進退取捨・趨吉避凶に於て、一様とて占い能わざる無し——并に専ら兵家に属せず。

凡條營立寨吉時特問一及之而已,所論禽官性情喜好、吞啖、進退取化之理,較他書為簡明,而以時日禽為彼我公用之禽,專用翻禽為我,倒將為彼,乃其獨得之解,尤為可採。

扎営立寨当に什麼の吉時を選ぶべきに至りては、書中只だ順帯に一句を提到するのみ。其の講ずる所の各禽星の職司・性情好悪・彼此吞食及び進退変化の理は、其の他の演禽書に比べて皆な簡明なり。其れ日禽・時禽を以て彼我双方共用の禽星と看做し、専ら「翻禽」を以て我方を代表し、「倒将」(即ち「到将」)を以て対方を代表す——此れ是れ其れ自ら獨到の見解、尤も采録するの値うる所あらん。

惟不載制曜,較異於他書。至以斗木為□,故其性最弱靜而安閒,非□豸之□,亦足訂星家之訛異,存之與壬遁諸書參覽,由不失為古之遺法也。

只だ是れ書中「制曜」の一法を載せず、其の他の演禽書と稍有りて同じからず。其れ「斗木」の一宿の禽を□と定むるに至りては(底本此の字缺く、本書下文「乃ち水禽、即ち螃□なり」に拠りて、当に「蟹」と作るべし)、故に此の禽性情最も弱く安静閑適、而して□豸之□に非ずと説く(底本二字缺く、当に「獬豸之獬」と作るべし——即ち古書の説く所能く邪に触れ曲直を辨ずるの独角神獸)——此の一点も亦た星命家の沿袭して已に久しきの訛誤を訂正するに足る。此の書を保存するは、六壬・遁甲の一類の書と対照して参看するに、なお失わず是れ古人の留下せし一種の旧法。

乾隆四十六年十月恭校上 總纂官 臣 紀昀 臣 陸錫熊 臣 孫士毅 總校官 臣 陸費墀

乾隆四十六年(公元一七八一年)十月、恭敬して校訂し完えて進呈し御覧に供す。総纂官は紀昀・陸錫熊・孫士毅の三位の臣工、総校官は陸費墀。已上是れ《四庫全書》館臣の書を校し進呈するの時の年月と署銜。

演禽賦

課以象推,事因星驗。 凡占人事吉凶,以二十八宿於掌演之,觀彼我之禽何者得地?於是以禽變爻象推之,以□成敗。

課体は星象を靠りて推演し、人事は禽星を憑りて応験す。原書自ら注す:凡そ人事の吉凶を占問すれば、皆な二十八宿を手掌の上に排して推演し、彼方と我方の禽星何れか「地を得」るを看る——謂う所の得地は、是れ其の本性と相宜なるの宫位に落つるを指す;然る後に再び禽星の変じ出だす所の爻象に按じて往きて推し、以て成敗を分辨す。(「□」は底本の缺字と為す、文義に拠りて当に「辨」と作るべし。)

推十二位之迭興,虛、奎、畢、鬼、翌、氐、箕是申子辰日上星,危、婁、觜、柳、軫、房、斗是巳酉丑上星,室、胃、參、星、角、心、牛是寅午戌日上星,壁、昴、井、張、亢、尾、女是亥卯未日上星。

十二地支の位の上に輪流して当直するの禽星を推算す。其の分配是れ——「虚」「奎」「畢」「鬼」「翌」「氐」「箕」の七宿は、申・子・辰の三日に配す;「危」「婁」「觜」「柳」「軫」「房」「斗」の七宿は、巳・酉・丑の三日に配す;「室」「胃」「参」「星」「角」「心」「牛」の七宿は、寅・午・戌の三日に配す;「壁」「昴」「井」「張」「亢」「尾」「女」の七宿は、亥・卯・未の三日に配す。二十八宿は四組の三合局に按じて各々七宿を分かつ;占算する時は先ず占する所の日の地支が何れの一組の三合に属するを看て、便ち彼の一組の七宿の中に到りて当直の星を找む。

演四七禽之行用。 二十八宿之禽,各所有司,如角木蛟、亢金龍之類,各有所屬。凡於十二宮演之,以占人事禍福。

此の四七二十八顆の禽星の具体の用法を推演す。原書自ら注す:二十八宿の禽各々自己の主管するの事有り、例えば「角木蛟」(角宿、五行は木に属し、其の禽は蛟)・「亢金龍」(亢宿、五行は金に属し、其の禽は龍)の類——每一の宿皆な各々属する所の五行と禽形有り。占算する時は彼らを十二宮裏に放ち入れて推演し、以て人事の禍福を預測す。

角軫周天,佈列丑寅之分; 自角及軫一周天也。角始寅,軫始丑。

「角」宿より「軫」宿に数え到れば正好く天を一周り繞る、二十八宿の掌上に分布するの起点は丑・寅の两位に落つ。原書自ら注す:角宿より起こり、軫宿に到りて止まる、便ち是れ周天の一圈。掌図の上に宿を排する時、角宿は寅位より起算し、軫宿は丑位より起算す——此れ即ち二十八宿定位の両個の基準点。

蚓蛇直日,飛嗚春夏之時。 蛇遇春夏則飛躍,蚓到秋冬則鳴吟。

「軫水蚓」(軫宿、五行は水に属し、其の禽は蚯蚓)と「翌火蛇」(翌宿、五行は火に属し、其の禽は蛇)の当直するの日は、正に彼らの春夏に騰躍し秋冬に鳴吟するの時節に逢う(「呜」は当に「鳴」と作るべし)。原書自ら注す:蛇は一たび春夏に到れば便ち飛躍活躍し、蚯蚓は一たび秋冬に到れば便ち地に伏して鳴吟す。禽星に得時と失時の別有るを見るべし——吉凶を断ずるに先ず値する所の禽が当令の節候に合するや否やを看るを要す。

演禽賦・七元甲子と将星の進退

方其推七元甲子之旬,定四時進將之位。 凡七元起例,皆甲子所值之宿為『將頭』。如一元,又以虛、張、室、軫之類為『氣將』。凡七元禽星,各以甲子直宿為『首將』。

接続して七元甲子の各旬を推算し、四季の中に進将の居する所の位置を定め出だす。原書自ら注す:凡そ七元の起例は、皆な本元甲子日の値する彼の一宿を以て「将頭」と作す。例えば第一元は、便ち「虚」「張」「室」「軫」此の一類の宿を用いて輪流して「気将」を充当す。七元の禽星は、各々本元甲子日の直する所の宿を以て「首将」と作す。換言すれば、禽を推すに先ず占する所の日が七元の何れの一元に落つるを知るを要し、再び此の一元の将頭是れ誰なるを定め出だす。

先於子午卯酉之上,但分甲己以順求,凡七元二十八將。皆以甲子、己卯、甲午、己酉直宿為『氣將』。

先ず子・午・卯・酉の四個の位置の上に於て起算し、只だ甲・己の両個の天干に按じて順次に往きて求む——七元合して起これば共に二十八位の将星を得。原書自ら注す:皆な甲子・己卯・甲午・己酉の此の四日の直する所の宿を以て「気将」を充当す。即ち説く所は、六十日を一元と為し、元内の甲子・己卯・甲午・己酉の四日各々十五天を領し、四位の将星恰好六十日を分かち尽くす。

又於虛奎畢鬼翌氐箕而循次。 凡七元皆以甲子直宿為『進神將頭』,且如一元虛、二元奎、三元畢、四元鬼,五元翌、六元氐、七元箕,各元皆以其首將為例,每一元有四個將星,所以七元共二十八將。

再び「虚」「奎」「畢」「鬼」「翌」「氐」「箕」の次序に依りて循環輪転す。原書自ら注す:七元は皆な本元甲子日の直する所の宿を以て「進神将頭」と作す。具体に説けば——一元の将頭是れ虚宿、二元是れ奎宿、三元是れ畢宿、四元是れ鬼宿、五元是れ翌宿、六元是れ氐宿、七元是れ箕宿。各元は皆な自己の首将以て準と為す;一元の内に四位の将星有り、故に七元共に二十八位の将星——恰も二十八宿の数と相合す。

星有進有退,所以知□弱之機; 進者,以將星之前十五星為進星。如一元虛宿為將,則自虛宿逆數至星宿十五星為進星;其退者,則自虛宿下危宿起,順數到柳宿十三星為退星,其次氣將又從前之將星下先退者數起,至先進第二星為進星。危宿先是退星,今以危順數至張十五星為進星,則星張二星是先進者,今又為進,是進中之進也。凡占人事得此,其吉可勝言哉!循環常見十五星進,十三星退,才無遺失。

禽星に進星有り、退星有り——進退の別の上より便ち強弱の関鍵を看出し得(「□」は底本の缺字と為す、文義に拠りて当に「強」と作るべし;全書凡そ彼我強弱の「強」と作す処底本多く缺く、以下此と同じ)。原書自ら注す:謂う所の「進星」は、将星の前の十五宿を取る。例えば一元は虚宿を以て将と為せば、便ち虚宿より逆らい数えて回り、十五宿数え満ちて星宿に到りて止まる——此の十五宿皆な進星と算す。謂う所の「退星」は、則ち虚宿下面の危宿より起こり、順い数えて柳宿に到る——共に十三宿、皆な退星と算す。下一位の気将に輪るに到れば、また上一位の将星の底下の原先退星と算したる彼の一宿より数え起こし、原先進星と算したるの第二宿に数え到るまで——以て新たの進星と為す。危宿本来是れ退星、如今危宿より順数して張宿に到るの十五宿皆な進星と成る——那麼星・張の両宿は原先已に進星、現在又是れ進星——此れを「進中之進」と叫ぶ。凡そ人事を占して此の種の格局を得れば、吉利説き尽くす能わず。此の様に照らし循環して推し下れば、永逺に十五宿を以て進と為し十三宿を以て退と為す——始めて遺漏差錯有ること能わざらん。

又如七元第二將,以卯位井宿為將星,則自井宿逆數至斗宿十五星為進星,自鬼宿順數至箕宿十三星為退星。其退星許入未申酉戌亥子,進星位為退中進。占病得退中進者,則主病尚未退。如進星入午巳辰卯寅丑,退星位為進中退,占求財、謀望得進中退,今雖許,後來反悔不成,由是□弱已分,而勝負可□矣。

再び一例を擧ぐ:第七元の第二位の将星は、是れ卯位に坐するの井宿。那れば井宿より逆数して十五宿斗宿に到る——此の十五宿是れ進星;鬼宿より順数して十三宿箕宿に到る——此の十三宿是れ退星。退星若し未・申・酉・戌・亥・子の此れら本当に進星に属すべきの位置に落ち入れば、「退中進」と叫ばる;病を占して「退中進」に碰上れば、病未だ退かざるを主る。反対に、進星若し午・巳・辰・卯・寅・丑の此れら本当に退星に属すべきの位置に落ち入れば、「進中退」と叫ばる;財を求め事を謀るを占して「進中退」に碰上れば、眼下承応し下ると雖も、後来仍お反悔して弁じ成さざるを要す。此の様にして一層強弱已に分明——勝負も亦た以て判定すべし(末の二「□」底本缺字、文義に拠りて前者は当に「強」と作り、後者は当に「見」と作るべし)。

演禽賦・飛伏進退と諸禽の泊宮

禽或伏或飛,於此□吉凶之事。 上擒下曰『飛』,番禽也。下擒上曰『伏』,到將也。入本官曰『進』,背本宮曰『退』。對本宮曰『□』,合本宮曰『合』,在本官曰『廟』。故好宮欲得飛,惡宮欲得伏,不犯本宮曰『利』。又曰:不飛、不伏、不進、不退、不□、不合曰『逆』。

禽星に有る「伏」有る「飛」——飛伏の間より便ち吉凶の事を分辨し得(「□」底本缺字、当に「辨」と作るべし)。原書自ら注す:上位下位を擒制するを「飛」と叫ぶ——指す所是れ翻禽、即ち我方の禽;下位上位を擒制するを「伏」と叫ぶ——指す所是れ到将、即ち対方の禽。禽星自己の本宮に進み入るを「進」と叫ぶ、本宮に背离するを「退」と叫ぶ;本宮と相対し六位を隔てて相冲するを「□」と曰う(当に「冲」と作るべし)、本宮と相合するを「合」と叫ぶ、正に本宮の上に坐するを「廟」と叫ぶ。故に吉利の宮に落つる時は其の「飛」せんを望み、凶悪の宮に落つる時は其の「伏」せんを望む;本宮を冲犯せざるを「利」と叫ぶ。又曰く:飛ばずまた伏せず、進まずまた退まず、冲せずまた合せず——此の種の毫も着落無きの状態を「逆」と叫ぶ。

觀其亢在亥井,亥子,江湖蛟龍所樂之鄉,水禽興旺之地,故曰亢泊亥格,取困龍出井。

再び「亢金龍」の亥位に落つるの彼の一格を看る:亥・子の両位是れ江湖大水——正に是れ蛟龍の棲止するを楽しむの郷土、亦是れ水禽の興旺するの地方、故に亢宿の亥に泊まる此の一格は、象を取りて「困龍井を出ず」と為す——久しく困せるの龍枯井を脱し出でて大水を得——主困境転じて通じ屈する者伸を得る。

尾逢卯林。 寅卯,山林虎豹得地之宮,山禽所樂之位,謂尾泊於卯格,取猛虎出林,乃雲龍風虎之象。

「尾火虎」(尾宿、五行は火に属し、其の禽は虎)卯位の山林に遇上す。原書自ら注す:寅・卯の両位是れ山林——正に是れ虎豹地を得るの宮、亦是れ山禽の喜ぶ所の位、故に尾宿の卯に泊まる此の一格は、象を取りて「猛虎林を出ず」と為す——是れ雲龍に従い風虎に従うの如く気類相い感じ声威大いに盛んなるの象。

寅其心胃之遊好,心泊寅而變虎,故課曰狐假虎威。胃泊寅為天宮,乃變化之地,課曰『斬關』。凡事當以謀勝,不可以力勝。

寅位は則ち「心月狐」(心宿、五行は月に属し、其の禽は狐)と「胃土雉」(胃宿、五行は土に属し、其の禽は野鶏)の遊楽し好む所の地。心宿の寅に泊まるは、狐虎の位を借りて虎と化す——故に課名を「狐假虎威」と叫ぶ。胃宿の寅に泊まるは天宮と為す——正に是れ変化の地、課名を「斬関」と叫ぶ。此の両課を占得すれば、凡事当に謀略を用いて勝を取るべし、硬く力量を拼すべからず。

子乃箕奎之所欣。 箕泊子乃旺地,為喜宮,豹變之象。奎泊子為樂宮,□和萬事,故課曰『鏡掛妝臺』。

子位是れ「箕水豹」(箕宿、五行は水に属し、其の禽は豹)と「奎木狼」(奎宿、五行は木に属し、其の禽は狼)の欣喜する所の位置。原書自ら注す:箕宿の子に泊まるは是れ旺地、喜宮に属す——《易経・革卦》の「君子豹変」の象を取り、人事暗より顕に転ずるを主る。奎宿の子に泊まるは楽宮と為す——万事を諧和する能くし(「□」底本缺字、当に「諧」と作るべし)、故に課名を「鏡妆台に挂く」と叫ぶ——諸事明浄安妥・各々其の宜しきを得るを主る。

觜軫丑,虛翌辰,四時興旺以有象; 觜泊丑課曰『猴在高林』,秋冬得祿,作事平穩。軫泊丑課曰『斷輪』,此禽惟六月占之吉。虛泊辰課曰『遙望有氣』,謀事有成,出行吉。翌泊辰課曰『魚躍龍門』,乃蛇入龍窩之象,此時化龍,百謀如願,利應試。

「觜火猴」(觜宿、五行は火に属し、其の禽は猴)・「軫水蚓」の丑位に落つるは、「虚日鼠」(虚宿、五行は日に属し、其の禽は鼠)・「翌火蛇」の辰位に落つるは、一年四季皆な興旺にして各々取象有り。原書自ら注す:觜宿の丑に泊まるは、課名「猴高林に在り」——秋冬の両季禄を得、事を做すこと平穏なり。軫宿の丑に泊まるは、課名「断輪」——此の禽は只だ六月に占して始めて吉なり。虚宿の辰に泊まるは、課名「遥かに望みて気有り」——事を謀れば成有り、出行吉利なり。翌宿の辰に泊まるは、課名「魚竜門を躍る」——是れ蛇竜窩に進むの象、此の時蛇能く竜と化す——百般の謀劃皆な願の如くなるを得、尤も赴考に利す。

星參午,房危酉,百謀成就而稱心。 星泊午為樂宮,故課曰『三光普照』,又曰『紅光貫日』,凡占得此,作事有光明之象。參泊午為好合之地,課曰『順水行舟』,謀事順,如有神助也。

「星日馬」(星宿、五行は日に属し、其の禽は馬)と「参水猿」(参宿、五行は水に属し、其の禽は猿)の午位に落つるは、「房日兔」(房宿、五行は日に属し、其の禽は兔)と「危月燕」(危宿、五行は月に属し、其の禽は燕)の酉位に落つるは、百般の謀劃皆な成就して心に称うを得。原書自ら注す:星宿の午に泊まるは楽宮と為す——故に課名を「三光普照」と叫び、又「紅光日を貫く」と叫ぶ;凡そ此の課を占得すれば、事を做すこと光明显達の象有り。参宿の午に泊まるは是れ好合の地、課名「水に順い舟を行く」——事を謀れば順遂し、神助有るが如し。

龍居尊位,富貴得所; 亢泊巳為喜宮,泊亥為樂宮,是為落泊得地,故謂富貴得所。

龍尊貴の位に居れば、便ち是れ富貴各々其の所を得。原書自ら注す:「亢金龍」の巳位に落つるは喜宮と為り、亥位に落つるは楽宮と為る——此の両処皆な落脚して地を得ると算す、故に是れ富貴所を得と説く。巳是れ龍蛇本気の郷、亥是れ江湖大水——龍其の中に居りて方に施展し得、事を占すれば地位穏固・求む所順遂を主る。

兔狡狐疑,致事當詳。 房泊酉曰『守株待兔』,占者宜變,不宜守舊,惟秋月吉,餘月不利。心泊午曰『貯疑』,作事猶豫。如演泊天宮化麒麟,能降犴宿,故曰致事當詳。

兔の性狡黠・狐の性多疑——此の両禽に遇上せば、事を弁ずれば当に反覆して審詳すべし。原書自ら注す:「房日兔」の酉位に落つるは、課名「株を守りて兔を待つ」——占する者は変通に宜しく、死守して旧法を守るに宜しからず、只だ秋季三月吉利にして其の余の月份利あらず。「心月狐」の午位に落つるは、課名「疑を貯う」——事を做すこと猶豫決せざるを主る。倘若推演して天宮に落つるに到れば、狐能く麒麟と化し変じ、反って「井木犴」を降伏すべし——故に事を弁ずる当に詳審すべしと説く——同一の禽落つる宮同じからず、吉凶便ち完全に両樣なり。

婁入巳宮,赴任喜遷於貴爵。 婁泊巳為自得長生之地,為喜宮,課曰『鑄印御廚』,占得此數,百事稱心,利科舉、遠行、赴任。

「婁金狗」(婁宿、五行は金に属し、其の禽は狗)巳宮に進み入る——赴任升遷して喜びて貴爵を得るを主る。原書自ら注す:婁宿の巳に泊まるは、是れ其れ自身の長生の地、喜宮に属す——課名「印を鑄て御厨」——印を鑄るは職を受け官を授かるを象徴し、御厨は禄食優厚を象徴す。此の数を占得すれば、百事心に称い、最も科擧応試・遠行と赴任上官に利す。

犴行未廟,刻舟有待於佳音。 井泊未為庫地、為廟,課曰『刻舟傳佳音』。泊亥曰『刻舟求劍』,泊卯曰『孤雁銜蘆』,為天宮、月宮、風位,能吞龍食虎,占者百福亨臻,求官貴顯。

「井木犴」(井宿、五行は木に属し、其の禽は犴——虎に形似たるの猛獸)未位に行き到りて廟に入る——舟を刻し守候して終に佳音を得るが如し。原書自ら注す:井宿の未に泊まるは是れ庫地・是れ廟地——課名「舟を刻して佳音を伝う」。亥に泊まれば則ち「舟を刻して剣を求む」と叫び、卯に泊まれば則ち「孤雁芦を銜む」と叫ぶ;卯位は兼ねて天宮・月宮と風位と為す——井犴此処に於て能く竜を呑み虎を食らう、占する者百福斉しく至り、官を求めれば必ず顕貴を得。

茲蓋龍入鑊湯,豈無鱗甲之損害 凡蛟泊午,龍泊未,皆曰『湯火』。凡於五月、六月占之,未利必有損傷。

此れ即ち譬えば龍の滾湯の大鑊に掉げ入るが如し——鱗甲怎んぞ損傷を受けざるを得んや(句末の「□」底本缺字、文義に拠りて句末の語助と為し、当に「哉」と作るべし)。原書自ら注す:凡そ「角木蛟」の午位に落つる・「亢金龍」の未位に落つるは、皆な「湯火」と叫ぶ。凡そ五月・六月に占して此の種の格局に到れば、不但利あらず、還た一定に損傷有るを要す。巳午は火に属す——是れ龍蛇の最も忌む所の地。

虎遭陷□,未免皮毛之破傷。 箕泊辰為忌宮,故課曰『虎遇陷□』,占者中有小人作難,必致傷財物,肢體有傷。

猛虎陷穽に掉げ入れば、皮毛の破傷を免れず(「□」底本缺字、当に「阱」と作るべし)。原書自ら注す:「箕水豹」の辰位に落つるは是れ忌宮——故に課名を「虎陷阱に遇う」と叫ぶ。占する者の当中に小人の中より梗を作す有るを会せん——必然に財物の損失を招致し、身体肢節も亦た受傷の虞有り。

謀多虛,而猿困寅鄉; 參泊寅為忌宮,課曰『猿狐失伴』,作事如月影波心,捉摸不定。

事を謀れば多半落空す——是れ猿寅郷に困せらるるを以てなり。原書自ら注す:「参水猿」の寅位に落つるは是れ忌宮、課名「猿狐伴を失う」——事を做すこと便ち水面上の月影の如く、捉摸して定まらず把握する所無し。

事難成,而羊行夜路。 鬼泊申為忌宮,課曰『羊行夜路』,言其前進危難,作事虛險。

事成り難し——是れ羊夜路を走るを以てなり。原書自ら注す:「鬼金羊」(鬼宿、五行は金に属し、其の禽は羊)の申位に落つるは是れ忌宮、課名「羊夜路を行く」——説く所是れ前路危険艱難にして、事を做すこと看るに指望有るに似て而して其の実虚浮凶険なり。

犀喪角者,傷嗟耕石之良難; 牛泊戌,而丑刑戌也。故課曰『犀失牛角』,占者得此,必有失脫之患。

犀牛角を失い了る——只だ耕田碎石の苦の承当し難きを悲歎するのみ。原書自ら注す:「牛金牛」(牛宿、五行は金に属し、其の禽は牛)の戌位に落つ、而して丑と戌と相刑す——故に課名を「犀牛角を失う」と叫ぶ。占する者此の一課を得れば、必ず丟失・脱漏の一類の禍患有らん。

鳳折翅乎,感嘆失巢之可懼。 昴泊未宮,乃難為情合之地,課曰『飛鳳失巢』。泊亥曰『鳳凰折翅』,占者防折傷手足之虞。

鳳凰翅膀を折り断ぜられり——人をして巢を失うの畏るべきを感歎せしむ。原書自ら注す:「昴日□」(昴宿、五行は日に属し、其の禽は鶏;「□」は底本の缺字と為す、当に「鶏」と作るべし——全書凡そ昴宿の禽の処底本多く此の字を缺く)の未宮に落つるは、是れ情投意合し難きの地——課名「飛鳳巢を失う」。亥位に落つるを「鳳凰翅を折る」と叫ぶ——占する者は手足折傷の憂を防ぐを要す。

弄波入暗,豈□所宜? 斗泊丑為忌宮,乃出明入暗,課曰『游魚弄波』,謀望得此者,凶□則損身傷命。

水波の裏に嬉遊して明処より暗処に入る——此れ豈に蟹の宜しき所ならんや(「□」底本缺字、本書斗宿条「即ち螃□なり」に拠りて、当に「蟹」と作るべし)。原書自ら注す:「斗木□」(斗宿、五行は木に属し、其の禽は蟹)の丑位に落つるは是れ忌宮——正に是れ明を出で暗に入るの象、課名「遊魚波を弄す」。事を謀りて此の一課を占れば、凶甚しきは便ち身を損じ命を傷けん(「凶□」の「□」底本缺字、当に「甚」と作るべし)。

災失伏歲,非狳所務。 狳泊亥為忌宮,占宅得此,百怪在門,必主勞傷損耗。

災禍蔵伏の歳位を失い了るより来る——此れ是れ水獺の為すべきの事に非ず。原書自ら注す:「壁水貐」(壁宿、五行は水に属し、其の禽は水獺)の亥位に落つるは是れ忌宮。宅舍を占して此の一課を得れば、門庭百怪叢生を主り、必定に勞苦受傷・家業損耗せん。

燕壘南枝,逆風忌朱口之蛇; 危泊巳為朱口,謂燕入翌蛇之穴,必被蛇擒,故課曰『燕壘南枝』。泊丑曰『船下危灘』,原夫泊不得地,乃危險之甚也。觜泊巳為逆宮,課曰『逆風打火』,事若逆行,反為身害。泊酉曰『朱口破石』,為蟲口喃喃,則主是非迭迭。

燕子南枝に巢を築く、風に逆らいて行くに最も朱口の蛇に碰上るを忌む。原書自ら注す:「危月燕」の巳位に落つるは朱口と為す——燕子自ら「翌火蛇」の洞穴に投ずるに等しく、必ず蛇に擒められん——故に課名を「燕南枝に壘る」と叫ぶ。丑位に落つるを「船危灘を下る」と叫ぶ;其の根本を究めれば、是れ落脚して地を得ず、因りて危険極点に到る。「觜火猴」の巳位に落つるは逆宮と為す——課名「風に逆らい火を打つ」、事若し逆らいて做せば、反って自身を傷けん。酉位に落つるを「朱口石を破る」と叫ぶ——是れ虫口喃喃の象、是非口舌接続して断えざるを主る。

室楫囚禁,隔岸射空房之兔。 室泊寅為忌宮,格取『暗室思明』。泊午乃旺甚之地,曰『小舟失掉』。泊戌為囚禁,占者謀望有阻,作事主闇昧不明。房泊丑為畏宮,格取『隔江射兔』。泊巳為『燈照空房』,占者妻妄不利,謀望不成。此二禽不宜用,□則招咎,守舊則安。

船楫囚禁の地に困す、又岸を隔てて空房裏の兔子を射るが如し。原書自ら注す:「室火□」(室宿、五行は火に属し、其の禽は豕——即ち猪;「□」は底本の缺字と為す、当に「豕」と作るべし——全書凡そ室宿の禽の処底本多く此の字を缺く)の寅位に落つるは是れ忌宮——取格「暗室明を思う」。午位に落つるは是れ極旺の地、「小舟棹を失う」と叫ぶ(「掉」は当に「棹」と作るべし——即ち船楫を失う)。戌位に落つるは囚禁と為す——占する者事を謀れば阻有り、事を做すこと暗昧明らかならず。「房日兔」の丑位に落つるは畏宮と為す——取格「江を隔てて兔を射る」。巳位に落つるは「灯空房を照らす」と為す——占する者妻妾不利・事を謀れど成らざるを主る。此の両個の禽皆な取用に宜しからず——妄動すれば則ち咎を招き、旧を守れば則ち平安なり(「□則招咎」の「□」底本缺字、下文「守旧則安」と対挙するに拠りて、当に「動」或いは「妄」と作るべし)。

大底氐虛嫌耗,防失物以喪身;女軫自刑,恐驚心而駭汗。 氐泊申曰『自帶空亡』,謀望破財失脫。虛泊申入觜位曰『鼠被猴擒』,占者錢財耗散,六畜損傷。女泊卯為伏斷之宮,元子宮乃子刑卯,故曰『自刑』。軫泊卯為畏宮,占者事宜斟酌,此數大凶。

大体に説けば、「氐土貉」(氐宿、五行は土に属し、其の禽は貉)と「虚日鼠」は最も耗散を嫌う——財物を丟失し甚だしきは自身に危うきに及ぶを提防すべし;「女土蝠」(女宿、五行は土に属し、其の禽は蝙蝠)と「軫水蚓」は自ら相い刑克す——恐怕心を驚かし胆を動かし、冷汗を吓き出ださんとす。原書自ら注す:氐宿の申位に落つるを「空亡を自ら帯ぶ」と叫ぶ——事を謀れば財を破り失脱す。虚宿の申位に落つれば便ち「觜火猴」の位置に進み入る——「鼠猴に擒めらる」と叫ぶ、占する者銭財耗散・六畜受損す。女宿の卯位に落つるは是れ伏断の宮——其の本元は子宮に在り、而して子卯を刑す——故に「自刑」と叫ぶ。軫宿の卯位に落つるは畏宮と為す——占する者事を弁ずれば必ず再三斟酌せざるべからず、此の一課大凶なり。

異刑露角,立見敗蹤,虎豹宜居山林,蛟龍宜泊湖海,若演于田野,則露形角,為不得地矣。故云『勞碌敗□』。

相刑の位に落ちて形角を暴露すれば、立刻に便ち敗象を見る。虎豹は当に山林に住すべく、蛟龍は当に湖海に棲すべし;若し推演して田野の地に落つるに到れば、形体犄角遮蔽する所無く、便ち得地と算すことを得ず——故に是れ「勞碌敗□」と説く(末字底本缺く、文義に拠りて当に「闕」と作るべし——徒らに奔忙して終に虧損に帰するを指す)。

星入元宮,應難害汝。 元宮者,本宮也。凡蛟龍狼犴虎豹之類,雖云尊而且貴,若泊得地,故助身□,故能降服諸禽。若泊不得地,反為卑禽所制。

禽星自己の元宮に進み入れば、外来の物は便ち你を傷害し難し。原書自ら注す:謂う所の「元宮」、即ち是れ本宮。凡そ蛟・龍・狼・犴・虎・豹の此の一類の高強の禽は、尊貴と説くと雖も、亦た必ず落脚して地を得るを須ち、始めて自身の強勢を助長し得て、従りて其の余の諸禽を降服す;若し落脚して地を得ざれば、反って卑弱の禽に制せられん。尊卑是れ固定したるに非ざるを見るべし——全く泊まる所の宮を看る。

蝠懷陰險以宜夜,蚓畏鋤鍬豈在春? 女軫皆夜禽,皆日藏夜動,占者得此,諸率不宜,防詐。若泊湯火、刀砧,必主目足之患。

蝙蝠心に陰険を懐く——只だ夜間事を行うに宜し;蚯蚓鋤鍬を畏懼す——又豈に止まりて春天に在らんや。原書自ら注す:女宿と軫宿と皆な是れ夜禽、白天蔵伏して夜間活動す。占する者此の両禽を得れば、各様の事皆な相宜ならず——人の欺詐を受くるを防ぐを須す。若し湯火・刀砧の一類の悪宮に落ちれば、必ず眼目と足部の病患を主る。

猴多奸,孤多疑,事猶豫而不□;鹿無心,獐無膽,又欺詐而下卑。 此數禽卑弱不可用事,占事得此,內有小人作難,頻見口舌。

猴子多く奸巧し、狐狸多く猜疑す——事を做すこと猶豫して决断する能わず(「□」底本缺字、当に「决」と作るべし);鹿主心無く、獐膽量無し——又欺詐を愛し而して地位低下す。原書自ら注す:此の幾個の禽皆な卑弱——用いて事を任ずべからず。事を占して彼らを得れば、内部に小人梗を作す有り、口舌是非頻々と出現す。

馬見草則奔,星泊寅為祿庫,故課曰『陸地行車』。泊戌曰『升殿朝元』,占者見機而動。

馬青草を見れば便ち奔馳せんと欲す。「星日馬」の寅位に落つるは是れ禄庫——故に課名を「陸地車を行く」と叫ぶ。戌位に落つるを「殿に升りて元に朝す」と叫ぶ——占する者当に機を見て動き、及時に進取すべし。

兔望蟾而孕。 兔泊酉為喜宮,遇月旬占之吉。

兔子月中の蟾蜍を望めば便ち受孕する能くし。原書自ら注す:「房日兔」の酉位に落つるは是れ喜宮——月建・月旬の当直に遇上して占れば便ち吉利なり。古人以て兔月を望みて孕むと為す——故に酉を取りて西方月出の方と為す、兔此処に於て気を得。

猿喜變通,又主是非之入耳; 此禽作事遲滯,縱泊得地,亦不宜用,占者防詐及是非。

猿の性変通を喜好す、而して又是非の耳中に伝え入るを主る。原書自ら注す:此の禽事を做すこと遅緩拖沓——縱使落脚して地を得るも、亦た取用に適合せず;占する者は騙されるを防ぎ及び口舌是非を防ぐを要す。

烏能反哺,常招口舌以臨身。 此禽能泊得地變化,能服諸禽。泊子課曰『狂鴉啄噪』,泊辰曰『翅遮明月』,泊申曰『靈雀捕蟾』,占者必主田地交爭,死亡之象也。

烏鴉能く其の母に反哺す、而して常に口舌身に加わるを招来す。原書自ら注す:「畢月烏」(畢宿、五行は月に属し、其の禽は烏鴉)如く落脚して地を得て変化を生ぜば、便ち其の他の諸禽を制服する能くし。子位に落つれば課名「狂鴉啄噪し」、辰位に落つれば「翅明月を遮る」と叫び、申位に落つれば「霊雀蟾を捕う」と叫ぶ;占する者必ず田地の争訟を主り、甚だしきは死亡の象有らん。

The original text is in the public domain. The Japanese is a machine-assisted translation of this library’s own Chinese paraphrase, checked against a fixed glossary so that technical terms match the definitions used elsewhere on this site. It is a reading aid and does not replace the original.

Hexagrams in this volume