青龍・詩
前五青龍丞相位,酒食財錢婚禮儀;君子奏官遷遠職,小人財物送鄉耆;旺相相生媒妁吉,死囚刑剋是私通;病者沈熱心腸疾,祟關司命且堪醫。
詩訣にいう:貴人の前五位の青龍は丞相の位にして、酒食・財錢と婚姻禮儀を主る;君子が占得すれば官職を奏請し・遠方に遷調し、小人が占得すれば則ち財物を以て鄉里耆老に饋送す。気が旺相に在りて又日と相生すれば、媒妁の事は吉利;気が死囚に在りて又刑剋すれば、便ち私通苟合と成る。病を占うは沈重發熱・心腸の疾を主り、犯する所の祟は司命の神に關涉し、尚ほ医治すべし。
青龍・類
於人為貴官族、僧道、高人。於祟司命。於病頭、目、心痛、四肢寒熱、癰腫。於五榖草木之精,可食之物。於獸龍、虎、豹、狸、貓之屬,變異文章、羽毛、錢物、脯璽之類,又為棺槨、枷棒之類。色,黃、赤。數,七。
青龍の類象:人物の上では顯貴の官宦門第・僧道と高人なり。祟象の上では司命の神なり。病症の上では頭痛・目疾・心痛・四肢寒熱と癰腫なり。五穀の上では草木の精華と食用すべき物なり。獸類の上では龍・虎・豹・狸・猫の屬;若し變異を見れば、則ち文采花紋・羽毛・錢物・乾脯璽印の類、又棺椁と枷棒の類を主る。その色は黃と赤と為り、成数は七なり。
天空
天空・論
天空在天為司直官,雷部中為黃埃塵霧之神,又為渴雨神,位居後六家,戊戌土旺四季,凶將也。
天空は天上に於て職任は司直の官、雷部の中に於ては黃塵埃霧を主る神にして、又是れ亢旱にして雨を盼ぐ神なり。それは貴人の後の第六位に排せられ、納音は戊戌土に属し、辰戌丑未の四季月に當旺し、是一位の凶將なり。
天空乃陽土之神,燥灰之土,為中央最卑之位。列奴婢之行,為天地之雜氣,作人間之詐神。得地,則當直之吏,非多是少,妄起事謀。失地,則奴辱婢舌,或顯或隱,動無濟物之心,靜有妖氛之氣。愛元、後,畏龍、合、陰、雀,不立四孟。
天空は陽土の神にして、乾燥の灰土に属し、中央の最も卑下の位次に居る。それは奴婢の行列に列し、是れ天地之間の駁雜の氣にして、人間の詐を行う神を充當す。地を得る時は、當値して差を辦する吏胥にして、是非多くして實事少なく、憑空に事端を生じて謀算するを好む;地を失う時は、則ち奴僕の辱を受け・婢女の饒舌、或いは明或いは暗にして、動けば人を済い物を利するの心なく、靜まればまた一股の妖異の氣を帯ぶ。それは玄武・天后と同處するを喜び、青龍・六合・太陰と朱雀を畏懼し、寅申巳亥の四孟の上に立つを肯ぜず。
天空,主奴婢、公吏、市井、小人、財帛、言約、私契。其戾,主奴婢口舌、脫空不實、虛偽巧詐、是非毀敗之事,以其為空亡寂滅之神,即空亡之類也。若在辰戌丑未四宮,謂之天空閉,亦可以成小,不可成大事。其或順理旺氣相生,主財帛喜,奴婢小人同心,更帶財星及天喜者,必因小人獲財也,不然因僧道獲財,或因虛詐有功。
天空の主る所は、奴婢・公門吏胥・市井の人・小人・財帛・口頭約定と私下契券なり。それが乖戾する時は、則ち奴婢口舌・落空不實・虛偽巧詐・是非毀謗敗壞の事を主る——それが本より空亡寂滅の神にして、則ち空亡の類に属するを以てなり。若し辰・戌・丑・未の四宮に落てば、「天空閉」と曰い、還って小事を成就する能くして、大事を成すこと能わず。倘若理に順いて行い・氣が旺相に在りて又日と相生せば、則ち財帛の喜を主り、奴婢小人も亦た能く同心す;若し再び財星と天喜を帯ぶれば、必定に小人に因りて財を得、不然は便ち僧道に因りて財を得、あるいは一番の虛張聲勢に倚りて却って功あるなり。
《花瓶記》曰:天空安居,有言不虛。嘗夏占鑄鍾,天空附火發用,旺相相生,鍾遂成止有小釁。占詞訟,最愛天空發用及終傳,主訟解謀不成。若求財物,又深忌之。一說加臨日干旺相,主作營運行商。占婚,天空發用及臨日辰者,其家必有孤寡之人,不然更徒祖業。
《花瓶記》にいう:天空はその位に安居すれば、説き出す話は却って虛ならず。曾て夏天に鐘を鑄るの事を占い、天空が火神に附着して發用し、氣が旺相に在りて又日と相生せば、鐘は果して鑄成し、ただ一點の小小の裂釁あるのみ。詞訟を占うに、最も天空の發用するか末伝に落つるを喜び、訟事の化解・對方の圖謀成らざるを主る;若し是れ財物を求むるを占えば、就ち深深にそれを忌諱す。一说は天空が日干に加臨して氣が旺相に在れば、經營運貨・行商貿易を主る。婚姻を占うに、天空が發用するか日辰に臨むは、その家中に必ず孤寡の人あり、不然は便ち祖業已に變遷せり。
占奴,河魁婢從魁,皆以天空為主星,要天空乘神與干支生合無克賊,則吉;不然主逃走,更值魁罡,其僕不良。占行動,主道路,卑賤相損。占赴試,奏對亦吉,天空乃奏書之神也。託人謀事,最防虛詐。
奴僕を占うは河魁戌を看、婢女を占うは従魁酉を看る、但し皆天空を以て主星と為す:須らく天空の乗ずる所の神が日干日支と相生相合して剋賊なくんば、はじめて吉と算すべし;否則は則ち逃走を主り、若し再び河魁・天罡に遇上せば、あの僕人の品行は必定に不良なり。出行擧動を占うに、天空は道路を主り、卑賤の人に損累せらるべし。赴考應試と君に面して奏對するを占うに、天空に遇えば却って吉と為す、天空は正に奏書を主る神たるを以てなり。若し人に托して事を辦せば、則ち最も要にその虛言欺詐を提防すべし。
占宅墓,若宅墓上見水神,或門戶上見天空並者,必主水道垣牆壅塞泥淤不便。宅墓者,宮音宅在未,墓在辰;商音宅在酉,墓在丑;角音宅在卯,墓在未;徵音宅在午,墓在戌;羽音宅在子,墓在辰。
住宅墳墓を占うに、若し宅・墓の上に水神を見、あるいは門戸の上にまた天空と併び臨めば、必定に水道と垣墻の壅塞・泥淤して通ぜずして不便を生ずるを主る。所谓宅と墓の定位は:宮音の家は宅は未に在り墓は辰に在り;商音の家は宅は酉に在り墓は丑に在り;角音の家は宅は卯に在り墓は未に在り;徵音の家は宅は午に在り墓は戌に在り;羽音の家は宅は子に在り墓は辰に在り。
惟年將其音相連,如天空戊戌土,乃徵音及商羽音。太常己未土,貴人己丑土,俱商音及角音。勾陳戊辰土,宮羽徵音。凡占得年將,必主大小墓相連也。
唯だ當年の月将がこれらの音属と相連する時のみ應あり:譬えば天空は戊戌土にして、徵音に属し兼ねて商音・羽音;太常は己未土・貴人は己丑土にして、皆商音に属し兼ねて角音;勾陳は戊辰土にして、宮音・羽音に属し兼ねて徵音。凡そ占得する月将がこれと相合せば、必定に大墓小墓の彼此相連するを主る。
天空見淚,哀聲聒耳,六甲旬中居壬癸地,見壬癸也。
「天空見淚」この一格は、哀哭の聲の耳に聒えて絶えざるを主り、指すは六甲旬の中に天空が壬・癸の地に居る、即ち天空が壬癸に遇見するの情形なり。
天空,旺,主貴人欺詐;相,才物欺紿;死,欺詐、死人事;囚,刑獄、欺紿;休,被人欺詐事。
天空の気が旺に在れば、貴人の欺詐を施行するを主る;気が相に在れば、財物上に人に蒙騙せらるるを主る;気が死に在れば、欺詐と亡者の事を主る;気が囚に在れば、刑狱の中に人に蒙騙せらるるを主る;気が休に在れば、則ち人に欺詐せらるるの事を主る。
天空・賦
天空司直,欺情詐弊。伏室在子,患生於婦女。居家在戌,事因於奴婢。侍側在丑,詐尊長之言。趨進在未,起貨財之利。受辱在巳。被制在寅,然自別其是非。識字在午,鼓舌在申,實難分其真偽。凶惡在辰,乘侮在卯,有暴客以欺侵。巧說在酉,誣詞在亥,值奸人之謀計。
賦文にいう:天空は職任司直にして、專ら虛情と詐偽を主る。子に在るを「伏室」と曰い、禍患は婦女より起る;戌に在るを「居家」と曰い、事は奴婢より起る。丑に在るを「侍側」と曰い、是れ尊長の話を假托して騙を行う;未に在るを「趨進」と曰い、能く貨財の利を興起す。巳に在るを「受辱」と曰い、寅に在るを「被制」と曰い、但し是非曲直は終究に自ずから分明ならん。午に在るを「識字」と曰い、申に在るを「鼓舌」と曰い、實にその中の真假を辨じ難し。辰に在るを「凶惡」と曰い、卯に在るを「乘侮」と曰い、強横の客の門に上りて欺凌侵奪すること有らん;酉に在るを「巧説」と曰い、亥に在るを「誣詞」と曰い、皆奸人の圖謀算計に碰上する有らん。
子為房室,故主陰人災。又云:溺水,主小人蹇塞。戌為奴婢本家,故主之。在戌辰丑未,俱名處機,主小事成合。丑為貴人,故曰侍側。未為酒食,以戌刑未,故主誆賺得財,一云:主宿疾。加寅,一名犯牢,主公私口舌。加巳,一云:投絕,若發用,主血痢之疾。
注解にいう:子は房室にして、故に陰人の災禍を主る;亦有りて「溺水」と曰い、小人の困頓阻塞を主ると説く。戌は奴婢の本家にして、故にそれにより奴婢の事を主る。天空が戌・辰・丑・未に在るは、皆「處機」と曰い、小事は成合すべきを主る。丑は貴人の位にして、故に「侍側」と曰う。未は酒食を主り、而して戌は未を刑す、故に哄騙手段を用いて財を得るを主る;一说は积久の宿疾を主る。寅上に加臨するは、一名「犯牢」、公私両面の口舌を主る。巳上に加臨するは、一说は「投絶」と曰い、若しまた發用せば、下血瀉痢の疾を主る。
午為文明,故識字。申為舌辨,故鼓舌情,偽難測。辰為惡殺,卯為門戶,克傷故主暴客。酉為蔽匿,亥為口舌,二者皆主巧言奸誣。一說天空加酉,奴婢走失、姦淫。加亥名濡冠,亦主小利遺失。
午は文明を主る、故に「識字」と曰う。申は口舌辯説を主る、故に「鼓舌」と曰い、その中の實情虛偽は揣測し難し。辰は惡殺にして、卯は門戸、二者剋傷す、故に強横の客の門に上るを主る。酉は遮蔽藏匿を主り、亥は口舌を主る、この两處は皆花言巧語・奸詐誣陷を主る。一说は天空が酉上に加臨すれば、奴婢走失と奸淫の事を主る;亥上に加臨するを「濡冠」と曰い、亦た小利上の遺失を主る。
天空・詩
後六天空司直官,奸謀詭詐事多端;君子遷轉防讒誑,俗輩孤單被欺瞞;比助相扶奴婢喜,刑傷不睦是非攙;疾關氣脹疼胸脅,井灶為殃豈得安。
詩訣にいう:貴人の後六位の天空は司直の官にして、奸謀詭詐・事端百出を主る;君子が遷轉するは讒言誑語を提防すべく、凡俗の輩は則ち孤單無助にして人に欺瞞せらる。日と比和相扶すれば、奴婢は心に稱う;刑を受け傷を受けて不睦なれば、則ち是非を攙雜す。疾病を占うは氣脹・胸脅疼痛を主り、是れ井神・竈神の殃を作す、怎んぞ安寧を得ん。
天空・類
於人丑婦貧人。祟井灶及絕嗣鬼。於病脅腹中氣並下痢。於五榖闕。於獸狼狗之屬,又為印綬、金、鐵、空虛之物。變異為虛臭惡物。色,黃。數,五。
天空の類象:人物の上では醜陋の婦人と貧寒の人なり。祟象の上では井神・竈神および後嗣を絶つ孤魂なり。病症の上では脅腹の間の脹氣併せて下痢なり。五穀の上では原書缺載す。獸類の上では狼・狗の屬、又印綬・金・鐵と中空の物を主る;若し變異を見れば、則ち虛浮腐臭の穢惡の物なり。その色は黃と為り、成数は五なり。
白虎
白虎・論
白虎在天為廷尉卿,雷部者霹靂之神,又為風伯,位居後五家,庚申金旺秋三月,凶將也。虎乃西方白帝金神,四炁陰柔之五女也。剛金專主權煞,九天玄女下執法神也。
白虎は天上に於て職任は廷尉卿、雷部の中に於ては霹靂を主る神にして、又是れ風伯なり。それは貴人の後の第五位に排せられ、納音は庚申金に属し、秋季三箇月に當旺し、是一位の凶將なり。白虎は西方白帝の金神にして、是れ四氣の中の陰柔の一路の第五女なり。それは剛金の性を以て專ら權柄と肅殺を主り、是れ九天玄女の下の執法の神なり。
貌若婦人,多與人為凶器、喪服,能損骨肉,亦為胎孕,多行暗道,好作陰私,浸淫濁濫。與後婦同好暗室,操行不良,職居大將運。得地,則氣雄威猛;失地,則狼狽而凶。冬至雹凍大風,夏主暴雷害物。
その相貌は婦人のごとく、常に人に凶器と喪服を帶來し、能く骨肉至親を損傷し、亦た胎孕を主る;多く暗路を走り、陰私を行うを好み、濁亂を浸染す。それは天后の類の婦人と同じく暗室を喜好し、操行は端ならず、而して職任は却って大將の運に居る。地を得る時は氣勢雄壯威猛にして、地を失う時は便ち狼狽にして凶なり。それは冬至の前後に冰雹嚴寒大風を主り、夏天に在りては則ち暴雷の生物を傷害するを主る。
白虎主道路、信息、兵戈、動眾、威權、財帛、犬馬、金銀、寶物。其戾,主孝服、哭泣、死喪、疾病、怪異、凶惡、殺伐、災害、口舌、獄禁、斗鬧、闇昧、血光、怨仇、驚恐、刑戮之事。披刑帶殺,災禍立至。虎旺相、相生及順理者,亦作財物斷之,不然因鬧處得財。
白虎の主る所は、道路・音信・兵戈・衆人を興動し・威權・財帛・犬馬・金銀と寶物なり。それが乖戾する時は、則ち孝服・哭泣・死喪・疾病・怪異・凶惡・殺伐・災害・口舌・獄禁・鬥毆喧鬧・暗昧・血光・怨仇・驚恐と刑戮の事を主り、若し身に刑を披き・凶殺を帯ぶれば、災禍は立時に到る。白虎の氣が旺相に在り・日と相生して又理に順うは、亦た財物と當て斷ずべく、不然は亦た熱鬧の場中に財を得るを主る。
凡占施大功,作大事,最要虎入課發用,其功立成,虎乃威權之將也。占官爵,亦要白虎,乃為威權。更帶殺尤羙,所謂不刑則不發也。占病,切忌白虎賊日,兼虎帶殺賊日,斗魁作虎克日、克行年。虎陰剋日、辰、年、命,皆凶。最愛虎空,附德神者,吉。有白虎落空亡,或有德與日相生,不損人,惟凶煞重亦不能救。
凡そ大功業を興辦し・大事を干すを占うに、最も要に白虎が課に入り發用するは、功業は當に即に成るべし、白虎は正に威權の將たるを以てなり。官爵を占うにも亦た白虎を要す、取るは正に威權の義なり;若し再び凶殺を帯ぶれば就中好し、これ即ち所谓「刑剋を經ずれば發達能わず」なり。疾病を占うに、最も白虎の日干を賊害するを忌み、更に白虎が殺を帯びて日を賊するを忌み、亦た斗魁上に白虎と作して日干を剋し・行年を剋するを忌む;白虎の陰神が日を剋し・辰を剋し・行年を剋し・本命を剋するは、皆凶なり。最も白虎の空亡に落つるか日徳に附着するを喜ぶは、則ち吉と為す:白虎が空亡に落ち、あるいは日徳ありて日干と相生せば、則ち人を傷らず;ただ凶煞の太重き時は、亦た救い來らず。
占公事,忌蛇虎克日干,以二將皆血光之神也。占墓宅,看白虎臨何方,斷其方有岩石神廟之象。占行人,以虎為準,初傳立至,中傳在途,末傳失約,未來。虎帶喪吊加支,主家喪服或外服入宅。傳中見虎,須干有服人。占天時,虎主大風。
占官府の事に、螣蛇と白虎の日干を剋するを忌む、この両位の將は皆血光の神たるを以てなり。墳墓住宅を占うに、白虎の臨む所の方を看て、則ちあの一方に岩石あるいは神廟の象あるを斷ず。行人を占うは白虎を以て準と為す:白虎が初伝に在れば、人は立刻に到る;中伝に在れば、尚ほ途中に在り;末伝に在れば、則ち約を失して、一時に來らず。白虎が喪車・弔客を帯びて日支に加臨すれば、家中に喪服あるか、外來の孝服が家門に進入するを主る。三伝中に白虎を見れば、日干の一方に必ず喪を服する人あり。天時を占うに、白虎は大風を主る。
虎仰視凶惡之甚,治四孟是也。虎遭擒,免災。太歲類合治,寅午戌是也。
「白虎仰視」は凶惡の極點に到るの格局にして、指すは白虎が寅申巳亥の四孟の位に治するなり。「白虎遭擒」は則ち災を免れ得べく、指すは太歳がそれと類合して治する、即ち寅・午・戌の幾處なり。
虎旺,上主哭泣、遭官事;相,上遠使怨仇相爭事;死,病疾、死喪事;囚,血光、沈淪、獄訟事;休,有疾病。
白虎の気が旺に在れば、哭泣と官司に遭遇するを主る;気が相に在れば、遠方使者の往来と怨仇相争の事を主る;気が死に在れば、疾病と死喪を主る;気が囚に在れば、血光・沈淪と獄訟を主る;気が休に在れば、則ち疾病あるを主る。
白虎・賦
白虎道路、官災、病喪。溺水亥子,望音書不至。焚身巳午,雖災禍反昌。臨門兮卯酉,傷折人口。伏野兮丑未,損失牛羊。登山在寅,掌生殺之柄。落穽在戌,脫桎梏之殃。銜牒在申,立可待其有喜。咥人在辰,終不見其為祥。
賦文にいう:白虎は道路・官災と病喪を主る。亥・子に在るを「溺水」と曰い、盼望の音信書札は到らず;巳・午に在るを「焚身」と曰い、災禍ありと雖も却って昌に轉ず。卯・酉に在るを「臨門」と曰い、家中人口の傷折を主る;丑・未に在るを「伏野」と曰い、牛羊を損失するを主る。寅に在るを「登山」と曰い、能く生殺の權を掌り;戌に在るを「落阱」と曰い、桎梏の殃を脱去すべし。申に在るを「銜牒」と曰い、立時に便ち喜事の待つべきあり;辰に在るを「咥人」と曰い、終究に何の祥瑞あるを見ず。
金到水沈溺,故望信不至,一云:在亥,主有孕婦。巳午火克金,主反禍為福,一云:虎乘魁罡。加巳午主孝服,或干孝人事闕。伏穴難動酉當路,俱老幼疾病。丑未為田野,故損牛羊,又云:丑日直視有求望,一云:防害未,亦名登山,主進用有權,滯中得速。
注解にいう:金は水地に到れば便ち沈溺す、故に信を盼ぐに至らず;一说は白虎が亥に在れば、家中に孕婦あるを主る。巳・午は火に属し、火は金を剋す、禍を轉じて福と為すを主る;一说は白虎が河魁・天罡に乗りて巳・午に加臨すれば、則ち孝服を主り、あるいは喪を服する人の事に牽涉す(原書ここに闕文あり)。白虎が穴中に伏して動け難くして、而して酉に在りて又路口に當るは、皆老幼に疾病あるを主る。丑・未は田野にして、故に牛羊を損失するを主る;又説く丑日に白虎が直視するは、求望する所有りとす;一说は未上の傷害を提防すべし、未は亦た「登山」と曰い、進用して權柄あるを主り、滯礙の中に却って迅速なり。
虎登山,主生財,人口有傷。一云:蛇虎臨寅,梁折屋壞落穽,亦主反禍為福。一云:在戌閉目。戌為白虎兮犬驚,乃正位為銜牒,主道途信通。又云:申酉俱爭訟。辰凶惡,故咥人,主官災刑戮,又名夜行凶。
白虎が登山は財を生ずるを主る、但し家中人口に傷損あり。一说は螣蛇・白虎が寅上に臨めば、梁折れ屋壞るるを主る。白虎「落阱」も亦た禍を轉じて福と為すを主る、一说は戌に在るを「閉目」と曰う;戌上の白虎は犬只の驚吠を主る。申は白虎の正位にして、故に「銜牒」と曰い、道途上の音信通達を主る;亦有りて申・酉は皆争訟を主ると説く。辰は凶惡の地にして、故に「咥人」と曰い、官災と刑戮を主り、又名「夜行」、凶と為す。
白虎・詩
後五白虎廷尉宰,孝服疾病獄囚縈;君子失官流血恐,小人殺傷致身傾;旺相相生惟損失,死囚刑剋慮沈溟;病者目頭癰疽苦,祟犯傷鬼祭乃寧。
詩訣にいう:貴人の後五位の白虎は廷尉の長にして、孝服・疾病と牢狱纏身を主る;君子が占得すれば官を丟うと流血の驚を防ぐべく、小人が占得すれば則ち殺傷を遭いて喪身に致る。気が旺相に在りて又日と相生すれば、ただ些かの損失あるのみ;気が死囚に在りて又刑剋すれば、則ち沈淪して返らざるを憂慮すべし。病を占うは頭目と癰疽の苦を主り、犯する所は刀兵傷亡の鬼にして、須らく祭祀してはじめて安寧ならん。
白虎・類
於人為病人、孝子。於祟兵死、客鬼。於病癰腫、頭目、見血、憂驚。於五榖麥、麻。於獸猿、猴、虎之屬。又為金、銅、鐵之器,變異為剱傷形。色,白。數,七。
白虎の類象:人物の上では病人と居喪の孝子なり。祟象の上では兵刃に死する鬼と他郷に客死する鬼なり。病症の上では癰腫・頭目の疾・出血と憂驚なり。五穀の上では麥と麻なり。獸類の上では猿・猴・虎の屬、又金・銅・鐵製の器物を主る;若し變異を見れば、則ち刀劍に傷せらるるの形なり。その色は白と為り、成数は七なり。
太常
太常・論
太常在天為太常卿,一云:少府。雷部中養物之雨,淑氣之風,位居後四家,己未土旺四季各十八日,吉將也。
太常は天上に於て職任は太常卿(一说は少府)、雷部の中に於ては万物を滋養する雨・和暖清淑の風なり。それは貴人の後の第四位に排せられ、納音は己未土に属し、四季月に各々當旺十八日にして、是一位の吉將なり。
太常己未燥土,為四時之喜神,和八節之嘉會。動遵禮樂,為司察之官職,在禮樂榖帛之權。得地,則為衣物、財帛、田園、寶貨;失地,則退藏、屯剝、牙保、媒人。愛貴、合、後;畏蛇、空。
太常は己未の乾燥の土にして、是れ四時の中の喜神にして、能く八節の嘉美聚會を調和す。それは動止に禮樂に遵循し、職任は司察の官にして、禮樂と穀帛の權柄を握る。地を得る時は衣物・財帛・田園と寶貨を主る;地を失う時は則ち退藏して出でず・困頓剥落、および牙行保人・媒妁の流を主る。それは貴人・六合・天后と同處するを喜び、螣蛇と天空を畏懼す。
太常,主文章、印綬、公裳、服飾、信息、交關、酒食、宴樂、絹帛、田地、五榖之屬。其戾,主乖違、失公私文字、竊盜衣裳、哭泣不羙、公私牢繫。占官,最喜此將,終始見太常,天驛二馬印綬之卦,所求遂意。
太常の主る所は、文章・印綬・公服禮裳・服飾・音信・交涉往來・酒食・宴樂・絹帛・田地と五穀の類なり。それが乖戾する時は、則ち乖違失和・公私文書を遺失し・衣裳を竊せられ・哭泣不美、および公私両面の牢狱繫累を主る。官職を占うに最もこの將を喜ぶ:三伝の首尾に皆太常を見、又天馬・驛馬と印綬の卦に逢えば、求むる所は便ち心に稱い意に如うべし。
如傳見河魁、太常,主兩重印綬,葢河魁為印,太常為綬也。占得太常發用,更臨日辰門戶者,為印綬星動,君子遇之,決主印綬文字之喜。旺相相生,遷官轉職。即小人亦主媒妁婚姻。休囚刑剋,則財帛不安,貨物不足。
若し三伝中に既に河魁を見また太常を見れば、两重印綬あるを主る、河魁は印を主り太常は綬を主るを以てなり。太常の發用を占得し、又日辰あるいは門戸の上に臨めば、便ち印綬星の發動にして、君子はこれに遇上すれば、必定に印綬文書の喜を主る;氣が旺相に在りて又日と相生せば、則ち遷官轉職を主る;即ち小人なりと雖も、亦た媒妁婚姻の事を主る。若し氣が休囚に在りて又刑剋すれば、則ち財帛不安・貨物不足ならん。
太常被剝,百事消爍。春辰、夏酉、秋卯、冬巳是也。
「太常被剥」この一格は、百事消磨銷爍するを主り、指すは春天は辰に在り・夏天は酉に在り・秋天は卯に在り・冬天は巳に在りのこの幾種の情形なり。
太常,旺,主貴人、財物、酒食、婚禮、喜事;相祠祀、衣裳、婚事;死,諡贈財帛;囚,縣官召命;休,有病人、衣服、錢物,披刑帶殺,其事速成。
太常の気が旺に在れば、貴人・財物・酒食・婚禮と喜事を主る;気が相に在れば、祠祀・衣裳と婚事を主る;気が死に在れば、追諡贈賜の財帛を主る;気が囚に在れば、官府の召命を主る;気が休に在れば、病人および衣服錢物の事あるを主る。若し身に刑を披き・凶殺を帯ぶれば、則ち主る所の事は來ること極めて速し。
太常・賦
太常筵宴,酒食相奉。遭枷在子,必值決罰。側目在寅,須遭佞讒。遺冠在卯也,財物損失。逆命在戌也,尊卑起訟。銜杯在申,受爵在丑,必進職而遷官。鑄印在巳,捧觴在未,或徵召與喜慶。午乘軒有改拜之恩,辰佩印有再遷之命。亥為聘詔,上雖善而必慮下憎。酉作券書,始雖順而堤防後競。
賦文にいう:太常は筵席宴會を主り、酒食の相い奉るあり。子に在るを「遭枷」と曰い、必定に刑罰を決斷するに碰上す;寅に在るを「側目」と曰い、讒佞を遭受するを防ぐ須し。卯に在るを「遺冠」と曰い、財物損失を主る;戌に在るを「逆命」と曰い、尊卑の間に訟争を興起するを主る。申に在るを「銜杯」と曰い、丑に在るを「受爵」と曰い、皆進階して遷官するを主る;巳に在るを「鑄印」と曰い、未に在るを「捧觴」と曰い、あるいは徴召を主り、あるいは喜慶を主る。午に在るを「乘軒」と曰い、新職に改任するの恩命あり;辰に在るを「佩印」と曰い、再度遷升するの詔命あり。亥に在るを「聘詔」と曰い、上頭は好しと雖も、然れども下面の憎恨を顧慮すべし;酉に在りて「券書」と作すは、起初は順なりと雖も、亦た日後の争競を提防すべし。
子水旺土囚,故名荷項。因酒食與人決罰,寅木克土,故小人側目加讒。太常為衣冠,卯木克之,故遺失。戌一名入獄,故尊卑不和。申為杯,丑為貴人,故銜杯而受爵。巳為印,未為酒食,故鑄印而捧觴。
注解にいう:子上は水旺にして土囚なり、故に「荷項」と曰い、酒食の事に因りて人に刑罰を決斷せらるるを主る。寅は木に属し、木は土を剋す、故に小人は目を側めて讒言を進ず。太常は衣冠を主り、卯木はそれを剋す、故に衣冠遺失を主る。戌は又名「入獄」、故に尊卑不和を主る。申は酒杯に象り、丑は貴人の位にして、故に「銜杯」して「受爵」す。巳は印を鑄るの地にして、未は酒食を主る、故に「鑄印」して「捧觴」す。
未又名列席,丑亦名列席,俱有資財之喜。午為相地,故乘軒。辰土近巳,故佩印。辰一名枷項。亥乃絳宮,貴人之闕,上人喜。但未土克亥水,故慮下憎。酉為秋分之故券,出後必有競也,主陰人喜,且防後爭。
未は又名「列席」、丑も亦た「列席」と名づく、皆資財の喜あるを主る。午は土の相地にして、故に「乘軒」と曰う。辰土は巳位に緊鄰す、故に「佩印」と曰う;辰は又一名「枷項」。亥は絳宮にして、本より貴人の宮闕、故に上位者は歡喜す;ただ未土は亥水を剋す、故に還って下面の人の憎恨を顧慮すべし。酉は秋分に當り、立つ所の旧券は出手の後に必ず争競あり、故に陰人に喜あるを主る、但し日後の争執を提防すべし。
太常・詩
後四官為太常卿,田園財帛彩鮮明;君子遷官榮爵貴,小人媒嫂酒逢迎;旺相相生婚吉慶,死囚刑剋失財驚;病者四肢頭腹疾,祟緣新鬼可求親。
詩訣にいう:貴人の後四位の官職は太常卿にして、田園財帛を主り、色彩鮮明なり;君子が占得すれば遷官して爵位榮貴し、小人が占得すれば則ち媒を作し親を説き・酒を以て相い迎う。気が旺相に在りて又日と相生すれば、婚姻は吉慶;気が死囚に在りて又刑剋すれば、則ち財を破り驚を受くべし。病を占うは四肢と頭腹の疾を主り、犯する所の祟は新亡の鬼に緣し、親族に向い求禱すべし。
太常・類
於人為貴人、貧婦。於祟司命,又新化鬼。於病四肢、頭腹不寧。於五榖為麻。於獸為雁羊之屬。變異為金石、文華、耳目、毛髮之類。味可食,形圓。色,黃。數,八。
太常の類象:人物の上では貴人と貧寒の婦人なり。祟象の上では司命の神、又是れ新たに亡化し去るの鬼なり。病症の上では四肢と頭腹の不寧なり。五穀の上では麻なり。獸類の上では雁・羊の屬なり。若し變異を見れば、則ち金石・文采華飾・耳目・毛髪の類なり。それは滋味の上では可食の物を主り、形状は圓と為り;顏色は黃、成数は八なり。
玄武
玄武・論
玄武在天為後軍,一云:又將軍。雷部中為苦雨神,位居後三家,癸亥水旺冬三月,凶將也。
玄武は天上に於て職任は後軍(一说は又將軍と称す)、雷部の中に於ては苦雨を主る神なり。それは貴人の後の第三位に排せられ、納音は癸亥水に属し、冬季三箇月に當旺し、是一位の凶將なり。
玄武純陰之水,倚干輔坎,陰極之位,北方至陰之邪氣也。能終萬物,職將軍。得地,則禦侮之官,專耗散之權;失地,則奸盜賊害不祥,抱不正之氣。妖邪六窮之鬼,氣當六甲之窮,位在四時之盡。愛龍、蛇、雀,畏空、勾,惡立魁罡。
玄武は純陰の水にして、乾に倚りて坎を輔け、陰氣至極の位に居り、是れ北方至陰の邪氣なり。それは能く万物を終結し、職任は將軍なり。地を得る時は外侮を抵御する官にして、專ら耗散の權を掌り;地を失う時は便ち奸盗賊害の不祥の物と成り、不正の氣を懐抱す。それは妖邪六窮の鬼にして、氣は正に六甲の窮に當り、位は正に四時の末に在り。それは青龍・螣蛇・朱雀と同處するを喜び、天空と勾陳を畏懼し、河魁・天罡の上に立つを厭惡す。
玄武,主聰明、多智、文章、巧伎、求望財物、干謁貴人。其戾主失脫、盜賊、奸詐、小人、女子、陰私不明、走失、疾病、鬼魅、夢想、離別等事。武主鬼扇,其為事多浮泛難成。武在江湖,則主風雲;在道路,則主雨水。武與財星並,主財聚散,或亡失稽滯,少成多敗。如其旺相相生,則主交易財物,或作牙儈斷之。
玄武の主る所は、聰明・多智・文章・巧藝・財物を求謀し・貴人を干謁するなり。それが乖戾する時は、則ち遺失走脱・盗賊・奸詐・小人・女子・陰私不明・走失・疾病・鬼魅・夢想と離別等の事を主る。玄武は鬼祟扇動を主り、辦する所の事は多半浮泛にして成り難し。玄武は江湖の位に在れば便ち風雲を主り、道路の位に在れば便ち雨水を主る。玄武が財星と併び臨めば、財物の時に聚り時に散ずるを主り、あるいは遺失拖延し、成は少く敗は多し;若し氣が旺相に在りて又日と相生せば、則ち交易財物を主り、亦た牙行經紀に按じて斷ずべし。
凡占盜賊,須責元武之三傳,先以玄武為本傳,次看玄武之陰為第二傳,謂之盜神,而盜神有所生,為藏物潛居之處也。又須看盜神之陰為第三傳,此三處神將相生,上得吉將,其賊難獲。若三傳神將相剋,有凶,當主敗露。又看人年上神,與日剋制玄武者亦獲。
凡そ盗賊を占うは、必ず玄武の一路の三重傳を責問すべし:まず玄武本身を以て第一重と為し、其次に玄武の陰神を看て第二重と為す、これを「盗神」と曰い、盗神の生ずる所の處は便ち贓を蔵し身を潜するの地方なり;再び盗神の陰神を看て第三重と為す。この三處の神將若し彼此相生し、上にまた吉將を得れば、賊人は捕獲し難し;若し三處の神將が彼此相克して凶を帯ぶれば、則ち賊情敗露を主る。このほか再び本人行年上の神を看る、凡そ日干と一同に玄武を剋制し得るは、亦た捉へ得るを主る。
凡卦忌武臨日辰,或日辰作武逆理剋日辰者,俱防盜賊失脫,亦不宜與小人交易,恐有脫賺,不然其宅有陰人乘門戶不利也。如順理旺相相生,不在此限。占走失人物,玄武附德更臨日辰,逃歸獲。玄武臨門戶,更直昴星者,必主失脫官家,當主牢獄走失,若直刑害,罪人自犯。
凡そ課體は最も玄武の日辰に臨むを忌み、あるいは日辰上に玄武と作して理に逆りて日辰を剋傷するは、皆盗賊と遺失走脱を防ぐべく、亦た小人と交易するに宜からず、人に誆騙せらるるを恐る;不然は便ち家宅の中に陰人の門戸を占住して不利に致るあり。若し是れ理に順いて行い・氣が旺相に在りて又相生せば、此の限りに在らず。人物走失を占うに、玄武が日徳に附着して又日辰に臨めば、逃者は自ずから回來するか尋獲せらるべし。玄武が門戸に臨み、又正に昴星課に値えば、必ず失脱を主る;若し官家に在りて占えば、則ち牢狱の中に人の走失あるを主る;若し正に刑害に値えば、則ち罪人の自ずから事を犯すなり。
玄武橫截,盜賊兵傷。順行亥子是也(未明)。又云:武並風伯雨師二神,必有盜賊。
「玄武横截」この一格は、盗賊と兵刃の人を傷るを主り、指すは順行して亥・子に到るの情形なり(此の條は旧説未詳)。又一説あり:玄武が風伯・雨師この両位の神と併び臨めば、必定に盗賊あり。
玄武,旺,主貴人遺失財物事;相,繫官失財事;死,盜賊、死亡事;囚,盜賊、囚繫事;休,亡失病人財物事。
玄武の気が旺に在れば、貴人の財物を遺失するを主る;気が相に在れば、官府に牽連して財を破るを主る;気が死に在れば、盗賊と死亡を主る;気が囚に在れば、盗賊と囚繫を主る;気が休に在れば、則ち病人の財物を丟失するを主る。
