占井溢成流 第十八
井泉忽爾溢成流,湧出波濤怪不休。日上正時論好惡,吉將臨之主拜侯。日上見吉神吉將,主加官生貴子。 民庶常流事不同,井泉溢波何家中,吉神臨日深須記,暴貴榮身出三公。
井泉が忽然として涌溢して流を成し、波涛は止まず、是れ一件の怪事なり:日干と正時とを以てその好悪を論じ、吉将のこれに臨めば、封を受け爵を拝するを主る。原注に曰く日干の上に吉神・吉将を見れば、官を加え爵を進め、貴子を生むを主る。もしこの事が尋常の百姓家に出ずれば、断法もまた一様ならず:須く井水の外溢して出づるが誰が家なるかを記清せよ、吉神が日に臨むは、骤然として顕貴し、身に三公の位を居するを主る。
子未上神與日和,若逢三六合無過。加官得祿封侯邑,喜慶來祥豈奈何?子位上三合六合臨,最吉。假令甲子日巳時是也。
子位・未位の上神が日干と和順し、さらに三合・六合に逢えば、即ちこれより好きはなし:官を加え禄を得、侯に封ぜられ邑を受け、喜慶・祥瑞は連なりて来たる。原注に曰く子位の上に三合・六合の臨むは最も吉、たとえば甲子日に巳時を占得するは便ちこれなり。
占地動 第十九
地動多荒民主飢,災臨分野即流離。從東下來與酉上,不順為祥君主疑。從西向東為順,動災輕;從東往西逆,動災重。
地震は荒歉・飢饉を主り、災の応ずるはいずれの一片の分野か、そこの百姓は就ち流離して所を失う。震波が東辺より過ぎ来るか、あるいは酉位の上に起これば、方向は順ならずして祥瑞ならず、君主もまたこれがために疑懼す。原注に順逆を説明す:西より東に向かうを順と為し、震災は軽し。東より西に往くを逆と為し、震災は重し。
大動有聲憂在主,無聲小動振於民。流亡改易為常忌,來處何方察將神。正時加起處見太歲臨之,主君易位。見青龍六合,主官替。餘皆主在民也。 但看日上及來方,怕見金神向下藏,玄武勾陳白虎合,憂深兵革遠村莊。
大いに震えて声あれば、憂患は君上に応ず。声なきの小震は、ただ百姓を驚動す。人口の流亡・朝局の更易は、みな常に忌むの事で、須く震動の来たるは何方よりか、そこに坐するは何の将神なるかを察すべし。原注に曰く:正時を以て起震の処に加え、太歳のこれに臨むを見れば、君主の位を易うるを主る。「青竜」・「六合」を見れば、官員の更替を主る。其余はみな民間に応ず。これのほかにさらに日干の上と震動の来向とを看、最も怕るるは金神の下に蔵伏するなり。「玄武」・「勾陳」・「白虎」が会合すれば、憂患は深重にして、兵革の禍は遠處の村庄に及ばんと要す。
日上如逢寅卯辰,災生燕宋門中聞。午周巳楚秦為未,申魏酉趙戌魯臨。 亥子丑臨與日上,衛齊吳地起刀兵。出金樓先生納甲。
さらに十二支に按じて分野を配定し、災の出づるはいずれの国なるかを看る:日干の上に寅・卯・辰に逢えば、災は燕・宋の一帯にあり。午は周と為り、巳は楚と為り、未は秦と為り、申は魏と為り、酉は趙と為り、戌は魯と為る。亥・子・丑が日干の上に臨めば、則ち衛・斉・呉の地に刀兵を動かさんと要す。原注に注明すこの一套の分野は金楼先生の納甲の説に出づ。
占天狗下 第二十
天狗如雷下九霄,國亡傷敗降凶妖。 正時日上加殘害,千里兵連勇戰交,日上凶神交戰。 何方落地定災厄,危神災加在正時。月破歲刑大殺下,物荒民叛戶逃移。
天狗星が雷声を帯びて九霄より墜下するは、国亡び兵敗れ、凶妖が世に降るの象なり。正時を以て課を起し、日干の上にもしさらに残害の神を加えれば、千里以内に兵連ね禍結び、悪戦は休まざるを主る——原注に曰く就ち日干の上の凶神の交戦するなり。災厄の落つるはいずれの一方か、それが地に墜つる処を看、さらに正時を以て危神の加わる所を定む。もし「月破」・「歳刑」と「大殺」の下に落ちれば、物産の荒歉・百姓の叛離・戸口の逃亡を主る。
落在喪門歲墓上,大人死喪易侯王。蓬蒿滿地民流役,國破交鋒刃戰傷。喪門,正月在未,逆行十二辰也。 天狗常聞怕落乾,萬民四海內湯煎。假令戌亥臨於日,也共天門落一般。
もし「喪門」と「歳墓」の上に落ちれば、貴人の死喪・侯王の更替を主り、田野には蓬蒿が叢生し、百姓は流亡して役に服し、国土は残破し、兵刃は相接して傷亡多し。原注に曰く喪門は正月は未にあり、逆行して十二辰を歴る。天狗は最も乾方に落つるを怕る、即ち四海の万民は湯火の中に在るがごとし。原注に例を挙ぐ:戌・亥が日干の上に臨めば、天門に落つると同じく凶なり。
占怪 第二十一
起用螣蛇用井釜,正時發用,初傳六合是神祗。 勾陳玄武鼠ΟΟ,朱雀青龍鳥鵲飛。天后太陰雨蟲怪,太常白虎狗貓蠍。 天空用起死之物,天乙門鳴別弗疑。
家中の怪異を占うに、発用の乗ずる天将に按じて怪は何の物に出づるかを分辨す:正時を以て発用し、「騰蛇」を起せば、怪は水井と鍋釜にあり。初伝に「六合」を得れば、是れ神祇の作怪なり。「勾陳」・「玄武」は鼠類の怪を主る(ここ底本に二字脱す)。「朱雀」・「青竜」は鳥雀の飛鳴を主る。「天后」・「太陰」は雨中の虫豸の怪を主る。「太常」・「白虎」は狗・猫と蝎虫とを主る。「天空」が発用すれば、死物の怪と成るを主る。「天乙」は則ち門戸の自ら鳴るで、断じて疑う可きなし。
占野鳥鳴 第二十二
野鳥飛來入國邦,白衣聚會貴人亡。正時歲上克天乙,不去三天有大喪。 不見來時不見聲,殿中樓上現其形。三旬百日須防損,宮寺軍營戒火行。
野鳥が飛びて国都に入るは、素服の聚会・貴人の亡故を主る。正時を以て課を起し、太歳の上神が「天乙」貴人を克すれば、三日を出でずして大いなる喪あり。もし来る時にその飛ぶを見ず、その声をも聞かずして、忽然として殿中・楼上に形を現せば、即ち三旬・百日の内に損傷を防ぎ、宮観・寺院と軍営とはみな火災を戒備すべし。
好聲好息設關Ο,德上飛來去又還。報喜必應逢後食,不然徵召入門闈。 祥異飛禽急惡聲,動頭點尾何人鳴。更看家長行年上,口舌須防入戶庭。
鳥声が柔和にして気息の安祥なる(この句は底本に一字脱す)、徳神のあの一位より飛来りてまた飛び去るは、是れ喜を報じに来たるで、必ず往後の宴食の上に応じ、さもなくば即ち徴召の文書の門に入る有り。反って、飛禽が急促の悪声を発し、頭を揺り尾を点して人に対して叫ぶに就ちては、さらに家長の行年の上に乗ずる神を看て、口舌・是非の門に入るを防げ。
忽聞野鳥舍邊鳴,鳴之之方有事生。大吉功曹多曲令,魁罡太乙便人驚。正時看驚方上何神祗也。 勝光獄訟來相吉,太沖酒食滿盂盈。神后燈明婦女請,從魁傳送道僧迎。
忽然として野鳥の屋辺に鳴くを聴けば、鳴叫するあの一方に就ち事を出さん。所在がもし「大吉」丑・「功曹」寅なれば、多くは委曲の差遣の文書なり。「河魁」戌・「天罡」辰と「太乙」巳なれば、便ち驚恐の事あり。原注に曰く正時を以て驚を受くるあの一方の上に坐するは何の神なるかを看る。「勝光」午なれば、牢獄・詞訟を主り、占えば反って吉なり。「太冲」卯なれば、酒食の盂に満つるを主る。「神后」子なれば、灯下に婦女の相邀うを主る。「従魁」酉・「伝送」申なれば、則ち道士・僧人の門に上る有り。
占夢吉凶 第二十三
夢加正時月將臨,還與日上仔細尋。相生相旺多歡慶,休廢魁罡災害侵。
夢の吉凶を占う:夢を為した時辰に正時と月将を加えて天盤を転出し、さらに日干のあの一位の上より細やかに尋繹せよ。得る所が相生して気旺なれば、多く歓慶を主る。休廃の地に落ち、また「河魁」戌・「天罡」辰を見れば、就ち災害の侵擾あり。
占魚猟得不得 第二十四
日為釣網箭刀分,辰為魚蟲與獸同。日克辰上皆捕得,天罡加季不應空。 日作獵師支非人,時下為禽蟲蓋鱗。時傷日克多應得,營室臨辰盡不存。大得也。
漁猟に収穫あるか無きかを占う:日干は釣竿・漁網と弓箭・刀槍を代表し、日支は魚虫・野獣を代表す。日干が日支の上神を克すれば、みな捕え得。「天罡」辰が四季の上に加われば、空手にして回るに至らず。換言すれば、日干は猟人で、日支は人と作して看ず、占時の下がこれぞ禽獣・鱗介なり。占時が傷を受けて日干が克し能わば、多くは獲あり。「営室」宿が日支の上に臨めば、獲物は一箇も余さず——原注に曰くこれは反って大得なり。
天乙加臨日辰上,出門射獵不空回。當於日上見何物,功曹為豹虎重來。 辰上若逢罡龍位,登明神后事皆同。釣緒才下便應得,不向灘頭苦費功。
「天乙」貴人が日干・日支の上に加臨すれば、門を出でて射猟すれば空手ならず。猟え得るは何ぞやに至りては、就ち日干の上に見るはいずれの一位なるかを看る:「功曹」寅は豹虎の属を主り、屢々遇見す。日支の上にもし「天罡」辰と「青竜」の位に逢うか、あるいは「登明」亥・「神后」子なれば、情形はみな一樣なり:釣糸纔かに水に下れば就ち収穫あり、灘頭に於いて気力を白費するに及ばず。
用起青龍六合神,初傳天后非殺神。釣鉤入水吞其餌,沖破洪波拽錦鱗。 傳送為鉤寅為竿,然因天后合成看。太沖若名舟楫是,上下相生取不難。
発用に「青竜」・「六合」を得、初伝に「天后」を得て殺神を帯びざれば、釣鉤一たび水に入れば魚は就ち餌を呑み、浪を破りて錦鱗を拽起す。取象の上に於いて、「伝送」申は釣鉤と為り、「功曹」寅は釣竿と為る、須く「天后」を合わせて一併に看るべし。「太冲」卯は則ち舟楫なり。これらの几位が上下相生すれば、魚を取るは便ち難からず。
占謁貴人 第二十五
大凡日及上三傳,吉將相生少過愆。參觀投誠皆見喜,高官卦意任精研。
貴人に謁見するに、大凡そ日干と三伝とを看る:乗る所が吉将にして彼此相生すれば、就ち過失あること少なし。参謁・投誠ともに歓喜を得ること能わし。見る所の官の高きは如何なる地步に至るかに至りては、就ち課意に凭りて細やかに推研せよ。
占献物送 第二十六
大凡日上及三傳,吉將須投過必參。天乙尋為獻帝主,青龍嶽牧及封纏。 夫人後女雖神后,邑伯諸侯問太常。
人に向かいて進献・饋送するも、亦た日干の上と三伝とを看る:乗る所が吉将なれば、禮物を投げ上ぐれば必ず接納・参見を得。献ずる所の対象は天将に按じて分つ:「天乙」は帝王に進献し、「青竜」は方岳・州牧と封疆の臣に献じ、「神后」は夫人と後宮の女眷に献じ、「太常」は則ち邑宰と諸侯に献ず。
占屈令人来不来 第二十七
天上辰臨地下日,更看用起何神裁。天罡日上並辰上,千里為期必到來。 假令午地屈於人,自往寅方生降身。 午若臨寅為丑上,天上午臨寅丑上,來人不久叩其門。
他人を屈請するに、来るか来ぬか:天盤の辰を地盤の日位の上に臨ませて看起し、さらに発用の神を取りて裁断す。「天罡」辰が同時に日干と日支の上に圧せば、たとい千里之外に在るとも、期に到りて必ず来たる。原注に例を挙ぐ:午地より人を屈請すれば、自己はまさに寅方に往くべし、寅木は午火を生ずればにして、対方の身を降して来たるを主る。午がもし寅の上あるいは丑の上に臨めば——就ち天盤の午が寅・丑の両位に臨む——来人は久しからずして便ち叩門せん。
天罡若在日辰前,遠近綿來赴會筵。若見天罡居後應,饒隔壁會更無緣。
「天罡」辰がもし日辰の前に落ちれば、遠近を論ぜず、客人はみな連綿として宴に赴き来たる。天罡がもし日辰の後に落ちれば、たとい一堵の牆を隔つるのみとも、終竟は聚まり成らず。
占人家有後無後 第二十八
從魁加孟飼酒酉,加仲出門季欲盡。寅丑魁罡臨其上,撥議才熟香可觀。
一家に後嗣あるか絶嗣なるかを看る:「従魁」酉が四孟寅申巳亥の上に加われば、家中にまだ酒食の供養あるを主り、香火は未だ絶えず。四仲子午卯酉の上に加われば、子孫は外出す。四季辰戌丑未の上に加われば、則ち断絶に近づかんとす。もし「功曹」寅・「大吉」丑と「河魁」戌・「天罡」辰がその上に臨めば、議論は纔かに起こりて香火は観るべきあり、なお承継の望あらん。
占亭部 第二十九
月建常將太乙加,天輪魁罡為亭部。取土泥皂月厭方,盜賊不來又大當。亭部上上土泥皂壁,賊不來也。
亭部を占いて盗を防ぐ:「太乙」巳を月建の上に加えて天盤を転出し、天盤の「河魁」戌・「天罡」辰の落つる処が便ち亭部の所在なり。さらに「月厭」のあの一方より土を取り来たりて牆壁を泥抹せば、盗賊は来たらず、最も穏当なり。原注に曰く:亭部の上頭に土を用いて牆壁を泥好すれば、賊は便ち来たらず。
占孤寡 第三十
鬼門甲下男無婦,正月內甲臨寅,寅上庚臨女損夫。 子在酉命一類似,行年臨日主身孤。 四上克下名無祿,四下克上主孤獨。傳見空亡亦復然,用起寡室亦不堪。
人の孤単・寡居を占う:「鬼門」と甲の下とが相値すれば、男子は妻を娶ることを得ず——原注に曰く正月の裡に甲が寅に臨み、寅の上にまた庚の臨む有れば、女子は就ち夫を克す。子が酉に落ち、命がこの一類に属するは、情形は相似たり。行年が日干の上に臨めば、もまた孤身を主る。四課がみな上神の下神を克するは、これを無禄と作す。四課がみな下神の上神を克するは、孤独を主る。三伝に空亡を見るも亦た同じ。発用の処が正しく「寡宿」の位に落つるも、同じく堪えず。
占来意 第三十一
假令甲日卜人來,甲上之辰以意裁。金將水神當在上,為言父母克情懷。日為人,水為父母,占在父母也。旺主官事相干,死主亡,休主病,囚主禁,各屬六親詳之。
来人の問う所は何事なるかを推す:たとえば甲日に人ありて来たりて占えば、就ち甲の上に臨む所の辰を取りて揣度せよ。もし上にあるが金将・水神なれば、彼れは父母の事のために心懐を牽動せらる——原注に解釈す:日干は来人を代表し、甲木は水を以て父母と為す、故に父母を占うと断ず。さらに旺・死・休・囚を以て事類を分つ:旺は官非の牽連を主り、死は亡故を主り、休は疾病を主り、囚は拘禁を主る。各々属する所の六親に按じて往きて細断せよ。
神光臨日及辰上,怕怯心中事不寧。神后奸邪男女走,從魁夫婦與相爭。 太沖俱Ο賊牽獄,大吉咒詛亥災生。太乙橫是愁ΟΟ。吏食小吉有論情,吏神上下有追呼。吏神,春寅夏丑秋申冬亥臨行年上。
「神光」が日干と日支の上に臨めば、来人は心中に怯怕して、事あれば寧ならず。「神后」子に落つれば、是れ奸私・邪事、男女の逃走。「従魁」酉に落つれば、是れ夫婦の相争。「太冲」卯に落つれば、是れ盗案に牽連して獄に入る(ここ底本に一字脱す)。「大吉」丑に落つれば、是れ呪詛の事。「登明」亥に落つれば、則ち災殃を生ず。「太乙」巳に落つれば、是れ横に生ずるの憂愁(底本に二字脱す)。「小吉」未に落つれば、是れ酒食と人情の官司。「吏神」は上に在るも下に在るも、みな追呼・拘喚の有るを主る。原注に曰く吏神の取法:春は寅、夏は丑、秋は申、冬は亥、行年の上に臨めば便ち是なり。
占酒后有無 第三十二
天罡加孟似江河,仲女季神以盡沽。子未若臨於日上,來之必得恐應多。 從魁相剋恐後酸,加著水神色黑點。金上見之應無白,天臨太上赤多般。
家中に酒あるか無きかを問う:「天罡」辰が四孟寅申巳亥の上に加われば、酒は多きこと江河のごとし。四仲の上に加われば女家に向かいて討らんと要し、四季の上に加われば則ち已に沽り尽くせり。「神后」子・「小吉」未がもし日干の上に臨めば、酒を求めれば必ず得、しかも恐らくはまた多し。さらに酒の成色を看る:「従魁」酉が克を受ければ、酒は久しく放ちて酸を発さんと要す。水神を加着せば、酒色は黒くして点子あらん。金位の上に落ちれば、まさに白酒にあらざるべし。天盤が太陽の上に臨めば、則ち多くは紅色の酒なり。
日上好神及丑未,若往求之必應安。要知室內那邊安,小吉之下是甕端。
日干の上に好神を得、また丑・未の両位を見れば、往きて酒を求むれば必定して順当なり。酒瓮の屋裡のいずれの一辺に放たるるかを知らんと要せば、就ち「小吉」未の下の臨む所の方位を看よ、そこが即ち酒瓮の所在なり。
占飲酒得醉否 第三十二
盛餚筵開承請命,未知醒醉占為定。青龍小吉臨支干,飲酒散歸必酩酊。
人の邀請を受けて宴に赴く、この一場を飲み下すは醒めるか酔えるかを知らず、一課を占いて以て定む:「青竜」と「小吉」未とが日干・日支の上に臨めば、この頓の酒は席を散じて家に帰るに到るまで、必定して酩酊の大醉なり。(本巻に両門ともに「第三十二」と題す有り、是れ底本の編次の重出なり。前の一門は酒の有無を問い、この門は飲酒の酔否を問う。)
占四時忌伐木 第三十四
春防甲乙木摧殘,夏季丙丁類作難。秋復庚辛爐冶動,三冬壬癸四能閒。 春中伐木防須知,月將還將加正時。甲乙若臨防面上,不當持斧割林枝。春甲乙不伐木,夏丙丁不動爐,秋庚辛不鑄冶,冬壬癸不治水。
四時は各々当に忌むべきの日子あり:春天は甲・乙の日を防ぎ、木を伐って草木を摧残すべからず。夏天は丙・丁の日の一類が作難せんと要す。秋天は庚・辛の日に炉を動かし冶錬するに宜しからず。冬季は壬・癸のこの四日もまた手を歇むべし。春天に木を伐らんと要するは殊に留意すべし:月将を正時の上に加えて盤を転じ、甲・乙がもし対する所の面上に臨めば、就ち斧を持して林中の枝干を砍りに行くべからず。原注にこの四条を并せて一処と作す:春は甲乙に於いて木を伐らず、夏は丙丁に於いて炉を動かさず、秋は庚辛に於いて鑄冶せず、冬は壬癸に於いて水を治めず。
占人来意 第三十五
殺上日辰病疾來,殺者,春申夏亥秋寅冬巳,臨日辰上是也,奸在日年淫主亂,奸,春申夏亥秋巳冬寅。日年春喜有釣民,天喜,春戌夏丑秋辰冬未也,吉神吉將不相剋,喜事臨之求必得。
さらに来人の意図を推す:凶殺が日干・日支の上に落ちれば、来たりて問うは疾病なり——原注に曰く殺神は春は申にあり、夏は亥、秋は寅、冬は巳にあり、日辰に臨めば便ち是なり。「奸神」が日干と行年の上に落ちれば、来意は淫乱に渉る——原注に曰く奸神は春は申、夏は亥、秋は巳、冬は寅なり。日干と行年の上に「天喜」に遇えば、則ち喜慶の事有りて来たりて相招くなり——原注に曰く天喜は春は戌、夏は丑、秋は辰、冬は未なり。要するに吉神・吉将にして彼此相克せざれば、喜事は門に臨み、求むる所は必ず得らる。
凶神凶將吾克害,憂疑終始見平平。天乙在陽憂是淺,貴人陰上事應深。從子至辰為陽位,戌酉至巳為陰神。
もし凶神・凶将の来たりて自己を克害するなれば、即ち始終に憂疑して、事情もまた平平として成らず。さらに「天乙」貴人の所在を看る:貴人が陽位に落ちれば、憂患はなお浅し。陰位に落ちれば、事情は就ち深し。原注に陰陽を划出す:子より順に数えて辰に至るを陽位と為し、戌・酉より逆に数えて巳に至るを陰神と為す。
占在路上見蛇虫 第三十六
出行當道見蛇盤,月將加臨日上看。若見凶神相賊害,陰功暗佑如回還。 逆來防盜深須忌,須去行前喜慶連。太乙相生於日下,出逢追待喜歌催。
門を出でて路の当中に蛇の盤踞するを見る:月将を加臨せしめて、日干のあの一位より看る。もし凶神の来たりて賊害するを見れば、就ち陰徳を積みて暗中の庇佑を求め、あるいは索性として折り返すべし。蛇が対面より逆して来れば、深く忌み、盗賊を防ぐを要す。蛇が自己の去路の前方に向かいて走れば、則ち喜慶は連なりて接す。「太乙」巳と日干の下とが相生すれば、門を出でれば迎候の人に遇上り、一路に喜歌の催す相のあり。
自上Ο常吾惡將,延看天乙不相侵。路邊橫道亦無是,到處安和喜滿襟。 宅舍簷旁若見時,何神上下細推尋。倘若水火重臨處,口舌爭論可戒之。
上面にもし「太常」の一類にして悪将にあらざるが坐すれば(この句は底本に一字脱す)、さらに「天乙」貴人を看、もまた来たりて相侵さざれば、即ち蛇が路辺に横たわるもまた算するに足らず、至る所は安和にして順遂、喜気は懐に満つ。もし自家の屋檐の辺に於いて蛇虫を見れば、就ち上下の乗ずるは何の神なるかを細推せよ:倘若水神・火神が重ね重ね相臨めば、口舌・争論を主り、須く戒惧を加えよ。
占野獣在道忽入城郭 第三十七
無端野獸入軍城,易主邦空是戰爭。太歲上神諸惡殺,元戎悲泣不安寧。 野獸悲鳴井邑傍,獄庭凶橫欲成殃。歲行殺破當其上,人類流移出故鄉。即歲殺刑太歲破下。
野獣が故なくして軍営・城郭に闖入するは、主の易わり国の空しく、兵戈のまさに起こらんとするを主る。太歳の上神がもし種種の悪殺を帯ぶれば、主帥すら悲泣して安からず。野獣が市井・村落の辺に悲鳴すれば、牢獄の中に凶横の災と成るを主る。「歳殺」・「歳破」が正しくその上に圧せば、百姓は就ち流離・遷徙して、故郷を離る。原注に曰く就ち歳殺・歳刑が太歳の破する下に落つるなり。
麟獐狐兔道傍逢,折頭看人舉步庸。靈式正時究見處,六合之下喜重重。 半走半驚右道頭,六陰之下問其由。凶神惡將相凌害,前路不通恐有憂。
路傍に麟・獐・狐・兎に遇えば、頭を回らして人を望みて歩子は遅緩なり:式盤を転動し、正時を以て遇見の処を推究す。「六合」の下に落つれば、喜事は重ね重ねあり。もしあの獣が半ば走り半ば驚きて右辺の道頭に窜れば、就ち「六陰」の下に於いてその縁由を問え。もし凶神悪将が相凌ぎ相害すれば、前路は通ぜず、恐らく憂患あらん。
占路見鼠 第三十八
路上忽然逢大鼠,正時靈式動人情。日前用起見玄武,防盜林中恐被驚。正時加日辰前的,終見玄武凶也。 荒草林中出穴類,走來走去似乎人。太乙加日當辰上,例請坡前必有因。正時加日辰見犬主凶,好人休丑。
路上に忽然として大鼠に遇う:正時を以て式盤を転動せば、鼠動いて人心もまた動く。発用が日干の前に落ちて「玄武」を見れば、盗賊を防ぐを要し、林中に恐らく驚嚇あらん——原注に曰く正時を日辰の前に加え、末に玄武を見れば便ち凶。荒草・林中より穴居の物が鑽出し、走来走去して人のごとくす。「太乙」巳が日干に加わりて日支の上に当たれば、例に照らせば坡前に必ず縁故あらん。原注に一句を補す:正時を日辰に加えて犬象を見れば凶を主り、好人もまた累を受く。
宅內盤中忽午鳥,夜聞白晝作其聲。勸君三日須防守,不是傷財Ο必聞不如臨。 床後簷前咬物聲,不聞啾唧到天明。信知靈式通神聖,送喜將來財物盈。不聞聲鳴,只聞咬物之聲。
家裡の盤碗の間に忽然として鼠雀の類あり、夜裡に聴き、白天にも声を作す:人に三日の内に意を加えて防守せよと勧む、破財ならずんば便ち別に聞く所有り(この句は底本に一字脱し、文義全からず)。もし床後・檐前に於いて物を咬啮するの声响を聞くのみにして、天明に至るまで吱吱の鳴叫を聞かざれば、即ち式盤の神明に通ずるを信ずべく、是れ喜を送り来たるで、財物の豊盈を主る。原注に点明す:鳴声を聞かず、ただ物を咬むの声を聞くのみ、初めてこの断を作す。
占野蜂来人家 第三十九
來在殺刑破墓上,舍簷籬畔一團飛。此是家長憂財失,眠睡身邊恐困危。若在太歲刑殺破墓上來,不利也。 不見飛來位何占,但向聚處正時看。刑殺倘若居其位,百事而無或官淹。
野蜂が飛び来たりて人家に至る:もし来たるが殺神・刑神・破神と墓神の所在の位に在りて、団を成して屋檐・籬辺に飛舞すれば、家長の憂愁して財を破るを主り、睡臥の間にすら恐らく困厄あらん。原注に曰く太歳の刑・殺・破・墓の上より飛来るは、みな利あらず。もしそれがいずれの一方より飛来るかを見ざれば、就ち蜂群の聚集する処に対して正時を以て看起せよ:刑殺があの一位に居れば、百事成らず、あるいは官司は拖延す。
日辰向下遇青龍,吉將相生喜氣盈。在位年年添爵祿,居民日日益田豐。 飛來得荷旋簷楹,喜氣和歡日月生。切是莫交傷觸著,田園因此漸發榮。若在日月歲德上來,大吉。
日干・日支の下に「青竜」に遇い、また吉将の相生を得れば、喜気は充盈す:官を為すは年年に爵禄を添え、百姓は則ち田産は日に豊なり。蜂群が檐柱の間に盤旋して散ぜざれば、和楽・喜慶の気が日と俱に生ずるなり。切に往きてそれを傷触することなかれ、田園はこれがために漸々興旺せん。原注に曰く:日徳・月徳・歳徳の上より飛来るは、大吉。
占虹霓下井飲水
虹霓忽降入人家,井中飲水莫疑它。日上相生主富貴,子孫興旺茂榮華。 正時日上見陽神,主宅三年出貴人。吉將共臨課喜慶,宜男四貴擢功勳。
虹霓が忽然として下垂して人家の井裡に飲水す、疑惧するに及ばず:日干の上に相生を得れば、富貴を主り、子孫は興旺して栄華す。正時を以て課を起し、日干の上に陽神を見れば、この宅子は三年の内に貴人を出さん。吉将が一同に来臨すれば、課中は喜慶の象に満ち、男丁を生ずるに宜しく、四方に顕貴し、功勲は擢升を得ることを以てす。
若見陰神臨日上,保待玉女貴難諧。蜀妃曾應奇祥瑞,右法相傳不可裁。 剛日日上柔看辰,切忌破刑惡殺臨。凶將同來加在上,家空財敗在逢迎。
もし日干の上に臨むが陰神なれば、玉女の貴ありといえども、また諧合し難し。相伝えて蜀妃はかつてこのような奇祥に応えりと、上面のこの一套の法子は歴代相承のもので、随意に改動すべからず。占法の上に、剛日は日干を看、柔日は日支を看、切に「破」・「刑」と悪殺の来臨を忌む。凶将が一同にその上に加われば、家宅の空虚・財物の敗散を主り、就ちこの一場の逢迎の間に在り。
