釋詁第一
曰樓。
楼という。
釋器第六
木豆謂之豆,竹豆謂之籩,瓦豆謂之登。
木製の豆を豆といい、竹製の豆を籩といい、陶製の豆を登という。
盎謂之缶,甌瓿謂之瓵,康瓠謂之甈。
盎を缶といい、甌瓿の類を瓵といい、空破の葫蘆を甈という。
斪劚謂之定,斫謂之,謂之疀。
鋤の類を定といい、斫を斸(底本この字は特殊字形)といい、(底本ここに一字を欠く)を疀という。
緵罟謂之九罭,九罭,魚網也。
緵罟を九罭という。九罭とは、魚網。
嫠婦之笱謂之罶。
寡婦が用いる笱を罶という。
罺謂之汕。
罺を汕といい、抄網の類。
篧謂之罩,槮謂之涔。
篧を罩といい、椮を涔といい、いずれも捕魚の器具または方法。
鳥罟謂之羅,兔罟謂之罝,麋罟謂之罞,彘罟謂之羉,魚罟謂之罛。
鳥を捕る網を羅といい、兎を捕る網を罝といい、麋を捕る網を罞といい、猪を捕る網を羉といい、魚を捕る網を罛という。
繴謂之罿。罿,罬也。
繴を罿という。罿とは、罬。
罬謂之罦。罦,覆車也。
罬を罦という。罦とは、覆車で、翻車して鳥を捕る網。
絇謂之救。
絇を救といい、鞋頭の飾り。
律謂之分。
律を分という。この条の義項は主に本書に見える。
大版謂之業。
大版を業という。
繩之,謂之縮之。
繩で束ねることを、縮という。
彝、卣、罍,器也。
彝・卣・罍は、いずれも器皿。
小罍謂之坎。
小さい罍を坎という。
衣裗謂之衤皃,黼領謂之襮,緣謂之純,袕謂之。
衣襟の垂れる部分を裯(底本この字は衣偏に『皃』)といい、斧紋を繍った衣領を襮といい、衣縁を純といい、袕を(底本ここに訓釈の字を欠く)という。
衣{此目}謂之襟,衱謂之裾,衿謂之袸。
衣の交領を襟(底本この字は『此目』の合文)といい、衣の後ろを裾といい、帯を袸という。
佩衿謂之褑。
佩玉の帯を褑という。
執衽謂之袺,扱衽謂之襭,衣蔽前謂之襜。
衣襟を提げるを袺といい、衣襟を腰帯に挿すを襭といい、前を遮蔽する衣を襜という。
婦人之褘謂之縭。縭,緌也。
婦人の袆を縭という。縭とは、垂れ下がる綬帯。
裳削幅謂之。
裙が幅面を裁削したものを、(底本ここに訓釈の字を欠く)という。
輿革,前謂之鞎,後謂之笰;竹,前謂之御,後謂之蔽。
車上の蒙革:前を鞎といい、後ろを笰という。竹を用いるのは:前を御といい、後ろを蔽という。
環謂之捐,鑣謂之钀,載轡謂之轙,轡首謂之革。
環を捐といい、馬銜を钀といい、轡を承ける環を轙といい、轡頭の皮革を革という。
餀謂之餯,食饐謂之餲。
食物が味変わるを餯といい、飯食が饐れるを餲という。
摶者謂之,米者謂之糪,肉謂之敗,魚謂之餒。
団に結ぶを(底本ここに訓釈の字を欠く)といい、米が敗れるを糪といい、肉が敗れるを敗といい、魚が敗れるを餒という。
肉,曰脫之;魚,曰斮之。
肉は脱といい、魚は斮という。骨皮を除き、または切り分けることを指す。
冰,脂也。
冰とは、油脂が凝結すること。
肉謂之羹,魚謂之鮨,肉謂之醢,有骨者謂之臡。
肉羹を羹といい、魚醬を鮨といい、肉醬を醢といい、骨つき肉醬を臡という。
康謂之蠱,澱謂之垽。
糠を蠱といい、沈澱を垽という。
鼎絕大,謂之鼐;圜弇上,謂之鼒;附耳外,謂之釴;款足者,謂之鬲;
鼎の極大を鼐といい、円く口小を鼒といい、耳が外側に附くを𬬩といい、空足を鬲といい、
謂之鬵。鬵,鉹也。
鬵という。鬵とは、鉹。
璲,瑞也。
璲とは、瑞玉。
玉十,謂之區。
玉十件を区という。
羽本,謂之翮。一羽謂之箴,十羽謂之縳,百羽謂之緷。
羽毛の根を翮という。一根の羽毛を箴といい、十根を䌸といい、百根を緷という。
木謂之虡。
鐘磬を懸ける木架を虡という。
旄謂之{艹罷}。
旄牛尾の飾りを罴(底本この字は草冠に『罷』)という。
菜謂之簌。
菜を簌といい、調味の菜を指す。
白蓋謂之苫。
白茅で覆うを苫という。
黃金謂之璗,其美者謂之鏐。
黄金を𬍡といい、その最も美しいを鏐という。
白金謂之銀,其美者謂之鐐。
白金を銀といい、その最も美しいを鐐という。
鉼金謂之鈑,錫謂之鈏。
餅状の金を鈑といい、錫を鈏という。
象謂之鵠,角謂之觷,犀謂之剒,木謂之剫,玉謂之雕,金謂之鏤,
象牙の加工を鵠といい、角の加工を觷といい、犀の加工を剒といい、木の加工を剫といい、玉の加工を雕といい、金の加工を鏤といい、
木謂之刻,骨謂之切,象謂之磋,玉謂之琢,石謂之磨。
木をまた刻といい、骨を切といい、象牙を磋といい、玉を琢といい、石を磨という。
璆琳,玉也。
璆琳とは、玉。
簡,謂之畢;不律,謂之筆;滅,謂之點。
簡札を畢といい、不律を筆といい、字跡を塗滅するを点という。
絕澤謂之銑。
極めて光沢ある金属を銑という。
金鏃翦羽,謂之鍭;骨鏃不翦羽,謂之志。
金属矢頭で羽毛を剪るを𬭤といい、骨矢頭で羽毛を剪らないを志という。
弓有緣者謂之弓,無緣者謂之弭。
弓に縁飾あるを弓といい、縁飾なきを弭という。
以金者謂之銑,以蜃者謂之珧,以玉者謂之珪。
金属で飾るを銑といい、蜃殻で飾るを珧といい、玉で飾るを珪という。
珪大尺二寸,謂之玠;璋大八寸,謂之琡;璧大六寸,謂之宣。
珪の長さ一尺二寸を玠といい、璋の長さ八寸を琡といい、璧の径六寸を宣という。
肉倍好,謂之璧;好倍肉,謂之瑗;肉好若一,謂之環。
辺が孔より一倍大きいを璧といい、孔が辺より一倍大きいを瑗といい、辺と孔が同じ大きさを環という。
繸,綬也。
䍁とは、綬。
一染謂之縓,再染謂之赬,三染謂之纁。
一度染めるを縓といい、二度染めるを赬といい、三度染めるを𫄸という。
青謂之蔥,黑謂之黝。
青色を葱といい、黒色を黝という。
斧謂之黼,邸謂之柢,雕謂之琢,蓐謂之茲,竿謂之箷。
斧紋を黼といい、邸を柢といい、雕を琢といい、草席を茲といい、竿を箷という。
簀謂之笫。
床上の竹席を笫という。
革中絕,謂之辨;革中辨,謂之韏。
皮革を中から断つを辨といい、辨の上で再び分けるを韏という。
鏤,鎪也。
鏤とは、鎪刻。
