釋草第十三
鳥鼠同穴,其鳥為鵌,其鼠為鼵。
鳥と鼠が同じ洞穴に住み、鳥を鵌といい、鼠を鼵という。
鸛鷒,鶝鶔,如鵲短尾,射之銜矢射人。
鸛鷒とは、鶝鶔、鵲に似て尾が短く、これを射ると箭を銜えて人を射る。
鵲醜,其飛也翪。
鵲と𫾏の類は、飛ぶとき翅を収縮する。
鳶烏醜,其飛也翔。
鳶と烏の類は、飛ぶとき盘旋する。
鷹隼醜,其飛也翬。
鷹と隼の類は、飛ぶとき翅を振って疾飛する。
鳧雁醜,其足蹼,其踵企。
鳧と雁の類は、脚に蹼があり、脚のかかとは踮ぐ。
烏鵲醜,其掌縮。
烏と鵲の類は、脚掌を収縮する。
亢,鳥嚨。其粻,嗉。
亢とは、鳥の喉。その食嚢を嗉という。
鶉子鳼。
鶉の幼鳥を鳼という。
鴽子鸋。
鴽の幼鳥を鸋という。
雉之暮子為鷚。
雉が晩く生む幼鳥を鷚という。
鳥之雌雄不可別者,以翼右掩左雄,左掩右雌。
鳥の雌雄が分からぬとき、右翼が左翼を圧するは雄、左翼が右翼を圧するは雌。
鳥少美長醜為鶹鷅。
幼時に美しく長じてかえって醜い鳥を鶹鷅という。
二足而羽謂之禽,四足而毛謂之獸。
二隻の脚に羽毛あるを禽といい、四隻の脚に毛あるを獣という。
鵙,伯勞也。
鵙とは、伯労なり。
倉庚,黧黃也。
倉庚とは、黧黄なり。
釋獸第十八
麋,牡麔,牝麎,其子{鹿夭},其跡躔,絕有力狄。
麋:牡を麔といい、牝を麎といい、幼仔を麑(底本この字は鹿偏に『夭』)といい、足跡を躔といい、特に力強いを狄という。
鹿,牡麚,牝麀,其子麛,其跡速,絕有力{鹿幵}。
鹿:牡を麚といい、牝を麀といい、幼仔を麛といい、足跡を速といい、特に力強いを麙(底本この字は鹿偏に『幵』)という。
麕,牡麌,牝麜,其子{鹿旦},其跡解,絕有力。
麕:牡を麌といい、牝を麜といい、幼仔を麠(底本この字は鹿偏に『旦』)といい、足跡を解といい、特に力強い(底本ここに字を欠く)。
狼,牡貛,牝狼,其子,獥,絕有力,迅。
狼:牡を貛といい、牝を狼といい、幼仔を(底本ここに字を欠く)、また獥といい、特に力強いを迅という。
兔子,嬎,其跡迒,絕有力,欣。
兎子を嬎といい、足跡を迒といい、特に力強いを欣という。
豕子,豬。,。么,幼。奏者。豕生三豵,二師,
猪の幼仔を猪という。(底本ここに両字缺落。)最も小さいを幺といい、幼という。皮膚が皺縮したを奏という。一胎に三只生むを豵といい、二只を師といい、
一特。所寢,橧。四豴皆白,豥。其跡刻,絕有力。牝豝。
一只を特という。猪の巣を橧という。四蹄みな白いを豥という。足跡を刻といい、特に力強い(底本ここに字を欠く)。母猪を豝という。
虎竊毛謂之虦貓。
虎の毛が浅淡なるを虦猫という。
貘,白豹。
貘とは、白豹。
甝,白虎。,黑虎。
甝とは、白虎。(底本ここに一字を欠く)、すなわち黒虎。
,無前足。
(底本この条の詞頭は缺落)、前足なし。
鼳,鼠身長鬚而賊,秦人謂之小驢。
鼳は、鼠の身で長い鬚がありかつ凶残、秦人はこれを小驢という。
熊,虎醜,其子狗,絕有力麙。
熊は虎の類、幼仔を狗といい、特に力強いを麙という。
貍子,。
狸の幼仔を(底本ここに訓釈字を欠く)。
貈子,貆。
貈子とは、貆。
貒子,貗。
貒子とは、貗。
貔,白狐。其子豰。
貔とは、白狐。その幼仔を豰という。
麝父,麕足。
麝父とは、麕足。
豺,狗足。
豺とは、狗足。
貙,似貍。
䝙とは、似狸。
羆,如熊,黃白文。
羆は熊に似て、黄白色の花纹あり。
麢,大羊。
麢とは、大羊。
麠,大麃,牛尾一角。
麠とは、大麃、牛尾で、一只の角。
{鹿旨},大麕,旄毛狗足。
麔(底本この字は鹿偏に『旨』)とは、大麕、長毛で、狗脚。
魋,如小熊,竊毛而黃。
魋は小熊に似て、毛は浅く黄い。
猰貐,類貙,虎爪,食人,迅走。
猰貐は䝙に似て、虎爪で、人を食い、走るのが速い。
狻麑,如虦貓,食虎豹。
狻麑は虦猫に似て、虎豹を食い得る。
驨,如馬,一角,不角者騏。
驨は馬に似て、一只の角あり。角なきを騏という。
羱,如羊。
羱とは、如羊。
麐,麕身牛尾一角。
麐とは、麕身・牛尾・一角。
猶,如麂,善登木。
猶は麂に似て、樹に登るに善い。
貄,脩毫。
貄とは、修毫。
貙,似貍。
䝙とは、似狸。
兕,似牛。
兕とは、似牛。
犀,似豕。
犀とは、似豕。
匯,毛刺。
彙とは、毛刺。
狒狒,如人,被髮,迅走,食人。
狒狒は人に似て、髪を披き、走るのが速く、人を食う。
貍、狐、貒,貈醜。其足蹯,其跡。
狸・狐・貒は、貈の類。脚掌を蹯といい、足跡を(底本ここに字を欠く)。
蒙頌,猱狀。
蒙頌とは、猱状。
猱蝯,善援。
猱蝯とは、善援。
貜父,善顧。
貜父とは、善顧。
威夷,長脊而泥。
威夷とは、長脊にして泥。
麔麚,短脰。
麔麚とは、短脰。
贙,有力。
贙とは、有力。
