Libo

四十九、背陰陽に合す、三道の平高定めざる可からず

明 · 袁珙 · 第3巻 / 10

背陷成坑胸露骨,家無隔宿之糧。大概背欲高,胸欲平,肩欲闊而不聳,凡聳為寒也。廣鑑集云:背有三甲(三甲乃背字也),腹有三壬(三壬用垂字也),衣豐食足富貴榮華。

背脊塌陷して坑を成し・胸前肋骨外露のは、家裡夜を過ぐの口糧すら無し。大體上背は高厚を要し、胸は平滿を要し、肩は寬闊にして聳起せざるを要す――肩一たび聳起すれば則ち「肩寒」と呼ばれ、是れ寒薄の相なり。《廣鑑集》に曰く、背上に「三甲」あり――舊注曰く三甲は即ち背上肌肉隆起して「甲」字形の如し――腹上に「三壬」あり――舊注曰く三壬は即ち腹肉下垂して「壬」字形の如し――此の樣の人衣豐食足にして、富貴榮華なり。

凡胸宜闊,不宜窄小,胸上有毫為忌,軟者遂可心之,深陷為人心事奸邪。背若成坑,至老無糧,水土兩形背宜高,木形背宜平。俗云:好面不如好身胸,背乃一身之主。書云:陽空陰沒亦同途,背為陰,胸為陽,乃陽不可空,陰不可露。

胸膛寬闊に宜しく、窄小に宜しからず。胸上硬毛を長ずるは忌諱なり、毛軟のは還た稱心と算す。胸口深陷のは、人と爲りて心思奸邪なり。背若し塌陷して坑を成せば、老に到るまで糧を缺く。「水形」「土形」の人は背高厚に宜しく、「木形」の人は背平直に宜し。俗話に曰く、面相好は身胸好に如かず、背は一身の主幹なり。相書に曰く、陽位空虛・陰位沉没すれば、結果是れ一樣なり――背は陰に屬し、胸は陽に屬す、陽位(胸)空陷す可からず、陰位(背)骨露る可からず。

五十一、乳は後裔の根苗と爲す、最も宜しく黑大方圓堅硬なり

凡乳不宜小,金木水土四形宜皮土厚,如皮薄,乳必薄,乳頭圓硬子富,乳頭方硬子貴,乳頭破小,子息難成。乳白色不起,難言子息。婦人乳宜黑大為妙,小者子少,大者子多,乳頭方圓子富貴,白小低偏子息難,若黑若堅毫且美,子貴孫榮福壽昌。

乳房小なるに宜しからず。「金形」「木形」「水形」「土形」四種の形局の人は、皮膚皆厚實に宜しく、皮薄の人は乳房必定單薄なり。乳頭圓にして硬のは、兒子富なり。乳頭方にして硬のは、兒子貴なり。乳頭破損細小のは、子息成り難し。乳頭色白にして隆起せざるは、子息を談ずるに足らず。婦人の乳房は色黑にして豐大を以て好と爲す。乳小は子女少く、乳大は子女多し。乳頭方圓端正のは子女富貴、色白・形小・位低或いは偏斜のは子息艱難なり。若し乳頭色黑・質堅・乳邊細毫を生じて形態美好のは、兒子貴顯・孫輩榮耀にして、福壽昌盛す。

五十一、臍腹、內に五臟を包み外に口を開く

太素曰:臍乃百脈之隘,凡臍宜深,腹宜厚,皮宜實,骨宜正。臍近上,主智人,近下,主下愚。深者,主福祿,淺者,主貧窮。寬大者名播千里,臍中黑子腹垂,乃是朝郎。臍小又平,勞苦下賤。

《太素》に曰く、肚臍は是れ全身百脈匯聚の關隘なり。肚臍深きに宜しく、腹部厚きに宜しく、皮膚結實に宜しく、骨骼端正に宜し。臍位偏上のは、是れ智慧あるの人なり。臍位偏下のは、是れ下等の愚人なり。臍深は福祿を主り、臍淺は貧窮を主る。臍口寬大のは名千里に播く。臍中に黑痣を生じて腹肉下垂のは、是れ朝廷の命官なり。臍小にして又平坦にして陷らざるは、一生勞苦下賤なり。

先生曰:腹垂下,臍近上,天然衣祿,腹近上,臍朝下,老主孤窮。凡腹宜上小下大,切忌上大下小。又云:腹乃五臟之外表,最宜寬大,嫌窄小,居上智慧,居下愚,此理人間都不曉。

柳莊先生曰く、腹肉向下に垂れて臍位偏上のは、天生衣祿あり。腹肉上部に聚まりて臍口朝下のは、老來孤苦貧窮を主る。腹形上小下大に宜しく、最も忌むは上大下小なり。又曰く、腹は是れ五臟外に在るの表徵にして、最も宜しく寬厚闊大にして、窄を嫌ひ小を嫌ふ。臍位上に居るは智慧有り、下に居るは愚鈍なり――此の道理世上の人大都懂らず。

凡婦人臍乃子之根,乳乃子之苗,凡妊,子在腹必紅黑,婦在腹中,三四月必凸出,若人九月臍凸又許男,凡婦人不論肥瘦,有一分深得一子,半寸深得五子,臍大方好,小則難問子息,縱生亦不存。臍赤生子,一玉帶黑,生子。金帶內生毫,生子必秀,腹皮寬大,必有五子,凡臍小、腰偏、腹小、皮薄、皮急,難有面相可取,然亦無子之婦也。

婦人の肚臍は是れ子女の根、乳房は是れ子女の苗なり。懷孕の後、胎腹中に在り、臍色必ず紅黑に轉ず。三四箇月上に到れば、肚臍必然凸出す。若し九箇月に到りて臍乃ち凸出せば、或いは男を生ぜむ。婦人胖瘦を論ぜず、臍深一分に一子を得、深半寸に五子を得、臍口大なれば乃ち好し。臍小のは則ち子息を談じ難く、縱令生ずと雖も亦た存活し難し。臍色發赤するは能く子を生ず。臍周一圈の黑色にして玉帶の如きは、亦た能く子を生ず。臍圈(金帶)の內細毫を長ずるは、生ずるの兒子必定俊秀なり。腹皮寬大のは、必ず五個の兒子あり。凡そ臍小・腰偏・腹小・皮薄・皮繃きて緊のは、縱令幾分の好面相取る可き有りと雖も、終歸是れ子無きの婦人なり。

五十二、臀は乃ち後成、興廢を見る可し

少年無臀,凡事無成,田園難守,破祖離宗。老來無臀,困苦辛勞,妻亡子喪,奔波紅塵。瘦人無臀,多學少成,肥人無臀,刮鍋洗盆,無妻無子,孤獨貧賤。故臀宜開宜潤宜寬大,不宜尖嬌。書云:胸凹臀凸父子不和。婦人犯此,為兇惡之婦。

少年時臀部肉無きは、凡事成り難く、田園を守る能わず、祖業を敗掉し・宗族を離る。老年臀部肉無きは、困苦勞辛にして、妻死に子亡び、紅塵の中に奔波す。瘦人臀無きは、學ぶこと多くして成ること少なし。胖人臀無きは、窮すること鍋を刮り盆を洗ふに至り、妻無く子無く、孤獨貧賤なり。故に臀部開闊に宜しく・豐潤に宜しく・寬大に宜しく、尖瘦に宜しからず。相書に曰く、胸口凹陷にして臀部翹凸のは、父子和せず。婦人此の一條を犯すは、是れ凶惡の婦人なり。

附論婦人訣曰:腰小臀尖臍穴深,又為奴婢守孤窮,若是乳頭再如白,一生主孤獨。又云:無臀尖之貴婦。端莊婦人,胸宜寬不宜凸,腰宜圓不宜細,乳宜黑不宜白,臍宜深不宜淺,髮宜黑不宜黃,肉宜細不宜滑,眉宜圓不宜聳,背宜高不宜陷,面宜圓不宜尖,眼宜細不宜圓。此乃總論,如犯一件,即非良人之婦也。

附帶して婦人を相するの口訣を講ず。腰細・臀尖にして臍孔深のは、奴婢に淪落し・孤苦貧窮を守らん。若し乳頭再び白色なれば、一生孤獨を主る。又曰く、曾て臀部尖瘦の貴婦無し。端莊の婦人は、胸は寬闊を要し凸起する要らず、腰は圓渾を要し細弱する要らず、乳頭は色黑を要し色白する要らず、肚臍は深を要し淺する要らず、頭髮は烏黑を要し發黄する要らず、肌肉は細膩を要し油滑する要らず、眉毛は圓潤を要し高聳する要らず、背は高厚を要し塌陷する要らず、臉は圓滿を要し尖削する要らず、眼は細長を要し渾圓する要らず。此れ是れ總の原則にして、只だ一條を犯せば、便ち良家好婦ならず。

五十三、股肱は一身の根本、四肢の規模

腕包腳肚為股肱,乃一身根本,不可無包。書云:股肱無包最是凶,正謂此也。肥瘦大小之人俱有方好。小兒無股,三六而亡,大人無股,貧賤泛常,婦人無股,定是不良,瘦人無股,敗走他鄉,肥人無股,後運難量,凡婦人亦不可無根本也。

上臂の肌肉と小腿肚上の肉と合稱して「股肱」と曰ふ、是れ一身の根本にして、此の一包の肌肉無くして可ならず。相書に「股肱包無きは最も是れ凶」と曰ふは、講ずるは正に此の一點なり。胖瘦大小の人を論ぜず、皆此の包の肉有るを要して乃ち好し。小兒股肱の肉無きは、十八歲(三六)上に夭亡す。成人無きは、一生貧賤平庸なり。婦人無きは、必定品行不良なり。瘦人無きは、敗落して他鄉に流落す。胖人無きは、晚運估量し難し。婦人同じく此の份の根本を缺く可からず。

五十四、手は一身の苗と爲す、萬般の說

相手之法,先看五行,次察八卦。掌有厚薄,指有長短,紋有深淺,色有明滯,務要君臣得位,五行得配,八卦有停,實主相勻,只許主去強實,不可實來強主。凡紋欲細深成形,不欲淺亂枯乾偏削缺陷歪斜。

手を相するの方法は、先づ五行を看、再び八卦を察す。手掌に厚有り薄有り、手指に長有り短有り、掌紋に深有り淺有り、掌色に明有り滯有り。總じて「君臣位を得る」(掌は君と爲し・指は臣と爲す、主従分明)・五行相配・八卦(掌上の乾・坎・艮・震・巽・離・坤・兌の八丘)各おの停勻あり・掌肉の充實と掌形の主體と互相均衡するを要す:只だ主體一方の充實一方に勝るを許し、充實一方の主體を壓倒するを許さず。掌紋細にして深・紋路成形するを要し、淺亂・枯干・偏削・缺陷・歪斜すること要らず。

又云:指甲乃精之餘,指甲厚,主人膽大,指細主人聰明,掌明則財興祿厚,暗黑則家破財空。掌心有肉乃祖父根基,背有肉乃自創根底。掌背之肉以細潤為妙,大抵掌欲軟而長,腹欲明而厚,如骨露、筋浮、肉削、甲薄、指偏,皆非好相也。

又曰く、指甲は是れ精氣の餘留にして、指甲厚の人膽量大、手指細の人聰明なり。掌色明潤なれば則ち財旺祿厚、掌色暗黑なれば則ち家を破り財を敗す。掌心肉有るは、是れ祖父輩の根基を承受す。手背肉有るは、是れ自己創下の家底なり。手掌手背の肉皆細膩潤澤を以て好と爲す。大體上掌は柔軟にして修長を要し、掌腹は明潤にして厚實を要す。若し骨節外露・青筋浮起・掌肉削薄・指甲單薄・手指偏斜は、皆好相ならず。

先生遊於一小巷,見一手傾水於窗外,色瑩如玉,光彩入目,指如春筍,血若珠紅,先生曰:男若此手,當入翰林,女若此手當為國母。後永樂選此婦為妃生正統。

柳莊先生一次一條の小巷を走り過ぎ、一隻の手窓內より外に向ひて水を倒るを見、膚色瑩潤して玉の如く・光彩目を奪ひ・手指纖長して春筍の如く・血色紅潤して珠の如し。先生曰く、男子若し此の樣の一隻の手を生ぜば、當に翰林に入るべし。女子若し此の樣の一隻の手を生ぜば、當に一國の母と爲るべし。後來永樂皇帝果たして此の婦人を選びて宮に入れて妃と爲し、彼女の生下する兒子就ち是れ正統皇帝なり。

凡男女之手宜色潤、指長、紋細,心背有肉為妙。離宮有井紋,當入翰林,乾宮起紋到離宮,為沖天紋,白手起家,掌心紅潤,數年內可起,紋若亂,則名利少成,紋淺,志亦淺,紋深志亦深,紋亂,心多亂,無紋心必幹,有紋為妙。大凡指長、掌厚、紋深、色明、血潤,男為卿相,女為夫人。

男女の手皆膚色潤澤・手指修長・掌紋細密・掌心掌背皆肉有るを以て好と爲す。中指下方の「離宮」に「井」字紋有るは、當に翰林に入るべし。大指根下の「乾宮」より一條の紋直上して離宮に至るを、「衝天紋」と呼び、白手起家を主る。掌心紅潤のは、數年之內に就ち發起する能くす。掌紋若し雜亂なれば、功名利祿皆成り難し。紋淺のは志向も亦た淺く、紋深のは志向も亦た深し。紋亂のは心思も亦た亂る。掌上紋無きは、心地必然干枯無情なり――紋有りて乃ち好し。總じて之れ手指長・手掌厚・掌紋深・掌色明・血色潤なれば、男のは公卿宰相を做る可く、女のは誥命夫人を做る可し。

五十五、足は一身を載す、厚ならざる方ならざる可からず

頭圓象天,足方象地,天欲高,地欲厚,凡足背有肉,安穩福祿,足心有肉,堆金積玉。足背浮筋,何曾得聚半文錢?凡足中指欲長,小兒無足跟,不過一歲春。足背毛欲軟,主聰明,指上生毛,主一生無足疾。大人無足跟,貧賤走紅塵。

頭圓くして天を象り、脚方にして地を象る。天は高きを要し、地は厚きを要す。脚背上肉有るは、一生安穩にして福祿を享く。脚心肉有る(足心空ならず)は、能く金を堆き玉を積む。脚背上青筋浮突のは、何ぞ曾て半文の錢を聚むることを得んや?脚の中趾長きに宜し。小兒脚後跟無きは、一歲を過ぐる能わず。脚背上の汗毛柔軟に宜しく、聰明を主る。脚趾上毛を長ずるは、一生足疾無し。成人脚後跟無きは、貧賤一生・紅塵に奔走す。

五十六、髮は血餘を秉る、乃ち山林草木なり

凡髮乃血之餘,欲潤而秀,細而長,軟而香。不宜枯黃燥結,如山林不秀,非貴人也。惟木形人,髮不宜濃長,宜清,宜潤,不宜枯黃。金水火土四形,俱不宜多髮,髮多財疏,髮生曰月角,主人愚玩,又克親。

頭髮は是れ血氣の餘留にして、潤澤にして清秀・細軟にして修長・柔順にして香氣あるを要す。枯黄干燥・糾結して團を成すに宜しからず。頭髮は山上の林木の如し、山林秀ならざれば、人就ち貴相ならず。唯獨「木形」の人は、頭髮濃密過長に宜しからず、清疏に宜しく・潤澤に宜しく、枯黄に宜しからず。「金形」「水形」「火形」「土形」此の四種の人は皆頭髮過多に宜しからず、髮多ければ則ち財薄し。頭髮一直に額上左右の「日角」「月角」(父母宮)に到るまで長ずるは、主人愚頑貪玩にして、還た父母を克すを要す。

凡女人之髮宜長四尺內外為妙,少年落髮,難言子息,老若頭烏,壽似松。半白半烏,終有壽。少年白髮喪雙親,左邊多妨父,右邊多妨母,不過十五歲,此白髮論人十五歲而生者。

女子の頭髮は長さ約四尺上下を以て好と爲す。少年に就ち頭髮を掉つは、子息說き難し。老來頭髮仍ほ黑のは、壽松柏の如し。半白半黑のは、終歸壽あり。少年白頭のは父母を喪ふを要す。左邊頭髮先に白ずるは多く父を妨げ、右邊先に白ずるは多く母を妨ぐ、應期十五歲を過ぎず――此の一條白髮の說法は、就ち十五歲以前に就ち白髮を生ずる人に對して言ふなり。

五十七、痣若し山峰、高ならざる可からず

凡高者為痣,平者為點,黃者為斑,凡斑點不宜生在面上。書云:面多斑點恐非壽之人。在面為顯痣,在身為暗痣,俱宜有毫,如山林有草木方妙。背主衣冠,胸主智,腹帶黑如墨,赤如珠硬,高者方貴,中平小貴,色明潤為好,色暗不好。

凡そ凸起するを「痣」と呼び、平なるを「點」と呼び、色黄のを「斑」と呼ぶ。斑點皆臉上に長ずるに宜しからず、相書に曰く、滿臉斑點は恐らく是れ長壽の人ならず。臉上に長ずるを「顯痣」と呼び、身上に長ずるを「暗痣」と呼ぶ、皆毫毛を生出するに宜しく、山林上に草木を長ずるが如くして乃ち好し。背上痣を生ずるは衣冠顯達を主り、胸上痣を生ずるは智謀有るを主り、腹上痣を生ずるは色黑きこと墨の如く・色赤きこと珠の如くして質地堅硬なるに宜し。痣は凸起して高くして乃ち貴を主り、平中凸を帶ぶるは小貴を主る。痣色明潤のは好く、色暗のは好からず。

五十八、毛髮各おの別あり、別に分辨あり

粗硬為毛,不拘生何處皆主賤,較細為毫,宜生腿足為奇。臍下股道俱有毛,主一生不招陰病,不畏神鬼。胸上生毫,主人性燥。背上生毫,一生勞苦。乳上生毫(三根者好),必生貴子。若毛如草亂,多者無子之相也。手指生毫亦好,總之,毫宜細軟為妙。

粗硬のを「毛」と呼び、何處に長ずるを論ぜず皆卑賤を主る。細軟のを「毫」と呼び、腿脚上に長ずる最も奇特なり。臍下と肛門(股道)一帶皆毛有るは、一生陰邪の病を招かず、鬼神を怕れず。胸上毫を生ずるは、性情急躁なり。背上毫を生ずるは、一生勞苦なり。乳房上毫を生ずる(三根最も好し)は、必ず貴子を生ず。若し毛長ずること亂草の一般・又多又雜なれば、彼は是れ子無きの相なり。手指上毫を生ずるも亦た好し。總じて之れ、毫は細軟を以て佳と爲す。

五十九、骨は乃ち金石、堅ならざる正ならざる可からず

凡骨欲堅,肉慾實,骨為君,肉為臣,骨多肉少主貧賤,肉多骨少主壽夭,骨肉相勻,方言有壽有子。凡女人骨硬必刑夫,男人骨硬必貧賤。龍骨欲細長,龍骨欲粗正,不欲浮,筋露骨浮肉歪斜,夭相。總言,骨欲正直,肉慾堅實,方福壽之相。書云:骨正神強肉又堅,君臣得配福綿綿,若見肉浮多發氣,四九之刑壽不全。

骨は堅實を要し、肉は充實を要す。骨は君と爲し、肉は臣と爲す。骨多くして肉少のは貧賤を主り、肉多くして骨少のは短壽を主る。骨肉均勻相稱して、乃ち壽有り子有りを談ずるに足る。女人骨骼粗硬のは必ず丈夫を刑克し、男人骨骼粗硬のは必ず貧賤なり。手臂上の「龍骨」(上臂骨)は細長に宜しく、「虎骨」(前臂骨)は粗正に宜しく、皆浮露に宜しからず。青筋外露・骨節浮突・肌肉歪斜のは、是れ夭亡の相なり。總じて之れ骨は端正挺直を要し、肉は堅實を要し、乃ち是れ福壽の相なり。相書に曰く、骨正・神强・肉又堅實なれば、君臣相配して便ち福澤綿綿なり。若し肌肉虛浮にして動くに輙ち氣促なるを見れば、三十六歲(四九)上に便ち刑厄あり、壽命全くし難し。

六十、肉は皮土と爲す、實ならざる盈ならざる可からず

凡皮屬土,土必厚實,方可滋生萬物。肉必盈潤,肉有血氣為榮,一身皮薄,何能榮生?皮急壽短,皮寬壽長,小兒皮急,非長壽也。又云:皮急皮粗最不宜,何曾此輩立家其,下賤愚頑多破耗,四九之前壽必歸。

皮膚は五行の中に土に屬し、土は必ず厚實にして乃ち萬物を滋生する能くす。肌肉は必ず豐盈潤澤を須とし、肉裡血氣流注有りて乃ち榮潤と呼ぶ。一身皮薄の人は、何んぞ榮發滋長せんや?皮膚繃きて緊急のは壽短く、皮膚寬和のは壽長し。小兒皮緊のも亦た長壽ならず。又曰く、皮緊・皮粗最も要らず、此の類の人幾時にか家業を立てむ?彼ら卑下愚頑にして、多く財を破り耗散し、三十六歲(四九)以前壽命就ち頭に到る。

六十一、溝洫又人中と云ふ、最も深長を要す

人中為溝洫,五十一歲主事,最要深長為妙,宜上小下大,為溝洫得通,上大下小,為溝洫阻滯。面上有江河溝,為四瀆,五嶽俱從,故宜深長寬大,最嫌窄小短偏。江耳淮鼻河目溝口,若淺,生子必遲,先生曰:人中平滿,子息難言。人中平滿,四九可延年,然人中一處乃小道也,言雖如此,還宜於周身大處詳之。

人中は相法中に「溝洫」と呼び、流年五十一歲此處に行き到る。人中最も深くして長を要し、形狀上窄下寬に宜しく、此れを「溝洫通を得」と呼ぶ。若し上寬下窄なれば、便ち是れ「溝洫阻滯」なり。面上別に江・河・淮・濟四條の水道あり、合稱して「四瀆」と曰ふ、五岳皆之れと相順するを要す。故に人中は深・長・寬大に宜しく、最も忌むは窄・小・短・偏なり。四瀆の分配は:耳は江と爲し、鼻は濟と爲し、目は河と爲し、口は淮と爲し、人中卽ち口に通ずるの溝なり。人中若し淺ければ、子を生ずる必ず遲し。柳莊先生曰く、人中平滿にして溝無きは、子息說き難し。不過人中平滿の人三十六歲(四九)に到りて還た年を延ぶ能くす。人中終歸只だ一處の小關節、話雖も此の如しと雖も、還た當に周身の大處を合せて併せて詳參すべし。

六十二、丹鬚一面の華表と爲す、乃ち丹田の元氣

上為祿(左右兩邊),下為丹(地閣),人中為髭,承漿為須,有此五名邊地上生,方為鬍髭。只可有祿無官,不可有官無祿。只可有髭無鬚,不可有鬚無髭。五件俱配,方為妙,方為貴人。

鬚髯各部位に專名あり。上邊兩頰(左右兩側)は「祿」と呼び、下頦(地閣)は「丹」と呼び、人中の生ずる所は「髭」と呼び、承漿(下脣下方)の生ずる所は「鬚」と呼び、邊地一帶の生ずる所を連ねて、合して乃ち「胡髭」と呼ぶ。寧ろ「祿」有りて「官」無くとも、「官」有りて「祿」無き可からず。寧ろ「髭」有りて「鬚」無くとも、「鬚」有りて「髭」無き可からず。此の五處彼此相配して、乃ち好相と算し、乃ち貴人なり。

凡須宜黑如漆,宜赤不宜黃,如黑赤黃相雜者,大不好也。金赤有索,首尾一開,為金鬚大發萬金。面如白粉,圓如月,為銀面金鬚,二品之職。疏秀為妙,宜硬不宜軟,宜彎不宜直,宜清不宜濁,如連鬢生鬚與髮,和相為妙。如髮少鬚多,亦不發財,貧賤之相也。

鬍鬚黑亮して漆の如くなるに宜しく、寧ろ赤色を帶ぶとも、發黄す可からず。若し黑・赤・黄三色混雜なれば、則ち甚だ好からず。鬚色金赤にして根根縷を成し・首尾舒張するを「金鬚」と呼び、大發して萬金を主る。臉白きこと粉を敷くが如く・圓潤して滿月の如く、再び一部の金鬚を配するを「銀面金鬚」と呼び、二品の職を主る。鬍鬚疏朗清秀を以て佳と爲し、硬きに宜しく軟きに宜しからず、微彎に宜しく直硬に宜しからず、清朗に宜しく渾濁に宜しからず。若し鬚鬢に連なり頭髮と彼此調和相襯せば、最も好し。若し頭髮少なくして鬍鬚多ければ、亦た財を發せず、是れ貧賤の相なり。

書云:渾濁焦黃最不良,草比燕尾有刑傷,清輕出肉稀秀者,取於皇家作棟樑。凡鬚鬢老來自直者,為羊鬚,尾開為燕尾,老來克子孤獨相也。

相書に曰く、鬚色渾濁焦黄は最も好からず。鬚亂れて草の如く・鬚尾分叉して燕尾の如きは、刑傷を主る。鬚質清輕・肉裡より直出して稀疏清秀のは、皇家に取用せられて棟梁の材と爲る可し。凡そ鬚鬢老に到りて自然直硬に變ずるを「羊鬚」と呼び、鬚尾分岔のを「燕尾」と呼ぶ、皆老來子を克し・孤獨の相なり。

六十三、枕骨福祿壽を全ふす可し、但し雙を喜び單を喜ばず

腦後為枕骨,三八外即生。耳後骨高為枕,又為壽根。凡人慎不可無此,小兒若無,能言而亡。此骨在耳後,旦耳生成即有此,為回紋骨也,此為品字骨。此為連珠骨,凸此為三山骨,以上俱主封侯之貴。北方人頭大一尺外,常有此骨,若有此品,為小品字,主三品職。

後腦彼の塊の骨を「枕骨」と呼び、二十四歲(三八)以後に乃ち長成す。耳後高起の骨就ち是れ枕骨にして、又「壽根」と呼ぶ。人千萬此の塊の骨無くして可ならず、小兒若し無ければ、往往剛く話を會し得て就ち夭亡す。此の塊の骨は耳後に長じ、耳一たび長成すれば則ち同時に有り。枕骨形狀幾種に分つ:回紋形のを「回紋骨」と呼び、三塊品字形に排列するを「品字骨」と呼び、幾塊連なりて一串を成すを「連珠骨」と呼び、凸起して三峰のを「三山骨」と呼ぶ――已上幾種皆侯を封ずるの貴を主る。北方人頭圍一尺開外にして、常に此の塊の骨有り。若し生ずる所は小一號の品字形なれば、「小品字」と呼び、三品官職を主る。

書云:枕骨宜雙不宜單,左右偏生壽不長,若是高高生腦後,何愁家道不榮昌?若枕骨不過主壽,如回紋、仰月、三山品字、雙珠連環,必主大貴。高隆大起,發福綿綿。

相書に曰く、枕骨雙を成すに宜しく單生に宜しからず、左邊或いは右邊に偏生するは壽數長からず。若し高高と後腦正中に長ぜば、何ぞ家道興旺ならざるを愁へんや?尋常の枕骨不過長壽を主るのみ。若し是れ回紋・仰月・三山・品字・雙珠連環此の幾種の形狀なれば、必ず大貴を主る。枕骨高隆大起のは、福澤綿綿として絕えず。

六十四、齒は乃ち骨餘、一生の衣祿を主る

凡齒乃骨之餘,欲整齊厚大,上牙通太陽,為陽經,下牙通腰,為腎經,故齒長主壽,稀疏主夭,齒短主愚,白齊如玉,可食天祿,圓小不齊,貧窮之輩,當門二齒為大門,齊大多忠孝,偏小無信行。女人齒宜黃大為妙,男齒生三十四,主貴,三十二亦主福壽,三十中平,二十八壽少。又名內學堂,最要整齊白大厚者,方有學問。

牙齒は是れ骨骼の餘氣の生ずる所にして、整齊・厚實・寬大を要す。上排牙は太陽經に通じ、陽經に屬す。下排牙は腰腎に通じ、腎經に屬す。故に牙齒長のは壽を主り、稀疏にして縫有るは夭を主り、牙齒短のは愚を主る。牙白く齊整して玉の如きは、朝廷の俸祿を享く可し。牙圓小にして參差不齊のは、是れ貧窮の輩なり。門口兩顆の大牙を「大門」と呼び、整齊寬大のは多く忠孝、偏斜細小のは信義德行無し。女子の牙齒は微黄にして大を以て好と爲す。男子三十四顆の牙を生ずるは貴を主り、三十二顆も亦た福壽を主り、三十顆は中等、二十八顆は壽短なり。牙齒又「內學堂」と呼ばれ、最も整齊・潔白・寬大・厚實を要し、此の樣の人乃ち學問有り。

六十五、聲音雷霆に合す、響くに宜しく清なるに宜し

凡貴人之聲清、長、潤、和、韻,頭大尾小,富貴也。又云:木聲宜高,金聲宜潤,聲韻出丹田,喉寬響又堅,乃為美聲。又云:木聲高唱火聲焦,和潤金聲福自饒。

貴人の聲音は清亮・悠長・潤澤・和緩にして韻味あり、起頭飽滿・收尾收束して、富貴を主る。又曰く、「木形」の人の聲音は高亢に宜しく、「金形」の人の聲音は圓潤に宜し。聲韻丹田裡より發出し、喉嚨寬闊にして聲響堅實なれば、此れ乃ち好嗓音なり。又曰く、木形人の聲音高唱遠揚し、火形人の聲音焦躁す。和緩潤澤の金形の聲は、福分自然豐饒なり。

凡富貴之人,聲自丹田,清長高響,小人之聲,出自舌尖,低而破。又云:身小聲宏,定是豪家富貴之子,聲低身小,須知自是破家兒。婦人之聲宜清,男人之聲宜響,聲如破鑼、吠犬、嗚羊,皆貧賤之相。

富貴の人の聲音は丹田より發出し、清亮悠長にして高響す。小人の聲音は只だ舌尖上より出づ、低沉にして破碎なり。又曰く、身材雖も小なれども聲音洪亮のは、一定是豪門富貴の子なり。聲音低弱にして身材又小のは、彼は是れ家を敗するの子なり。婦人の聲音は清きに宜しく、男人の聲音は響くに宜し。聲音破鑼の如く・狗吠の如く・羊叫の如きは、皆貧賤の相なり。

六十六、陰囊玉莖、乃ち性命の根本

凡囊宜黑,紋宜細,不宜下墜。如火曖,生貴子,如冰冷,主子少。玉莖乃靈龜之說,皇帝為玉莖,常人為龜頭,凡龜宜小,白堅者貴,如大、長、黑、弱為賤,大者招凶,人必賤,小而秀者好賢郎。凡龜小者妻好、子好,大者不好。

陰囊は色黑に宜しく、皺紋細密に宜しく、鬆弛下墜に宜しからず。囊温熱して火の如きは、能く貴子を生ず。冰冷のは、子息少なし。「玉莖」卽ち男根にして、相法上又「靈龜」と呼ぶ。帝王の相は玉莖と稱し、常人は龜頭と稱す。龜頭は小に宜しく、色白にして堅實のは貴を主る。粗大・過長・色黑・軟弱のは賤を主る。過大のは凶を招き、人必ず卑下なり。小にして秀氣のは、能く賢良の好兒子を生ず。總じて之れ龜頭小のは妻子好く・兒子好く、大のは反って好からず。

六十七、股道は乃ち五臟の後關

凡股道宜兩臂夾而不露,如露十分貧賤,且夭。有毛者好,無毛者必賤。尿遲好,快則貧,細長為貴,主武職,偏主文貴。如疊帶,富貴之相。股道無毛老定貧,少年露出必遭刑,要知取用為奇妙,細細深藏是貴人。

「股道」は肛門を指し、兩側の臀肉に夾住せられて外露せざるに宜し。若し外露せば、十分貧賤を主り、而且短壽なり。周圍毛有るは好く、毛無きは必ず賤なり。小便來ること慢のは好く、來ること急のは貧なり。尿線細長のは貴を主り、多く武職を主る。尿線偏斜のは文貴を主る。若し尿折疊の帶子の如く層層として下れば、是れ富貴の相なり。股道毛無きは老來必ず貧なり、少年時股道外露のは必ず刑罰を遭ふ。此の一處取用の奇妙の處を知るを要す:細密にして深藏露れざる乃ち貴人なり。

六十八、腰は乃ち腎命二穴、一身の報本

古人腰闊四尺,今人焉能而得?只取闊直硬為妙。胖人慾闊,瘦人慾圓欲硬。兩腰腿為腎命二穴,有肉皮厚而有壽,腎命穴陷皮枯主死,大概腰偏細薄折削俱是貧夭之相。女人腰大是福,細、偏者少子從賤。書云:腎命皮焦心壽夭,腰生疊肉壽年長。

古人腰圍四尺、今人何處にか做り得ん?只だ腰身寬闊・挺直・結實を取りて好と爲す。胖人の腰は寬闊に宜しく、瘦人の腰は圓渾結實に宜し。兩側腰眼大腿に連なる處は是れ「腎穴」「命穴」にして、此處肉有り・皮厚のは壽あり。腎命二穴凹陷・皮膚枯槁のは死を主る。大體上腰偏・腰細・腰薄・腰折・腰削は、皆貧賤短命の相なり。女人腰身寬大は福なり、腰細腰偏のは子女少なくして身份卑下なり。相書に曰く、腎命二穴皮膚焦枯のは短命、腰上重疊の肌肉を生出するは壽數長し。

六十九、腿膝は乃ち下停、賢愚定む可し

膝大腿小為鶴,膝主下賤,膝小無骨主壽夭,小兒膝小者無壽。膝上生筋,一生奔走勞碌,腿上生毫,一生不犯官刑。毛硬易招險,以軟為妙。一身相俱好,如膝大腿小,主下愚,不為取用。書云:膝大不宜露骨,腿大要膝圓。又云:膝圓如柱,一生不到公庭,腿大膝尖,半世常招官司。

膝蓋大にして小腿細のを「鶴膝」と呼び、身份卑下を主る。膝蓋小にして骨力無きは短壽を主り、小兒膝小のは壽無し。膝上青筋暴起のは、一生奔走勞碌なり。腿上細毫を生ずるは、一生官司刑罰を犯さず――毛硬のは險を招き易く、柔軟を以て好と爲す。縱令一身相貌皆好しと雖も、若し膝大にして腿細なれば、仍ほ愚下を主り、取用に足らず。相書に曰く、膝蓋大にして骨節外露せざるに宜し、大腿粗は膝頭圓に配するを要す。又曰く、膝圓きこと柱の如きは、一生衙門公堂に進まず。腿粗にして膝尖のは、半世常に官司を惹く。

七十、血に滯濁明旺あり、富貴壽年を定む可し

血在皮內,要知滯濁明旺,可看氣色根本,血足方發氣色,血旺氣色方明,隱隱內應,為明灼內有色,為旺。男女血明旺,可斷富貴壽年。色昏暗在內為滯,在外為濁,主貧賤。血白如粉,為色不華,血色不華一世多寒。

血行は皮膚の內に在り。其れが滯か・濁か・明か・旺かを判斷せんと欲せば、就ち氣色の根本を看るを得。血足りて乃ち氣色を發出す能く、血旺して氣色乃ち明亮なり。氣色隱隱として內裡より透應出ずるを「明」と呼ぶ。光澤灼灼にして內裡確かに血色相襯あるを「旺」と呼ぶ。男女血色明旺なれば、就ち彼の富貴と壽數とを斷ず可し。氣色昏暗にして皮內に積むを「滯」と呼び、皮外に浮かぶを「濁」と呼ぶ、皆貧賤を主る。血色白きこと粉を敷くが如きは、彼は是れ「色華ならず」なり。血色華ならざるは、一生多く寒苦なり。

七十一、斑に黑・黄・大・小あり

凡斑點,瘦人不宜,人白斑黑,主人聰明好色,人白斑黃,俱主愚賤。瘦人年少生斑在面上、身上,主壽促。肥人有斑主壽。惟土形人宜斑,金木水火四形,俱不宜斑。老來生斑主壽。大者為斑,小者為點,少年斑點大忌,老來無妨。

斑點瘦人の身上に長ずるは好からず。膚色白にして斑色黑のは、主人聰明にして色を好むを主る。膚色白にして斑色黄のは、皆愚昧卑賤を主る。瘦人年紀輕輕として臉上・身上に斑を生ずるは、壽命短促を主る。胖人斑を生ずるは反って長壽を主る。五行形局の中只だ「土形」の人斑を生ずるに宜しく、「金形」「木形」「水形」「火形」四種の人は皆斑を生ずるに宜しからず。老來斑を生ずるは壽を主る。大のを「斑」と呼び、小のを「點」と呼ぶ。少年時斑點を生ずるは是れ大忌にして、老來則ち妨無し。

七十二、人生を總括し、連ねて滿庭芳を論ず

額廣、耳潤、頭圓、足方,山根明,地閣肥,鼻垂懸膽,項有賒皮,面方背厚,一身福壽之相。先生作一身之相,具眼屢驗之法,周身上下,頭髮、眉眼、耳、鼻、唇曲須頂,腦、背、乳、腹、臍、腰、腿、手足、毫毛、痣、骨、聲、皮血、斑點、陰囊、玉莖、股道、人中、枕骨而總括之.

額頭寬廣・耳朵潤澤・頭形圓滿・雙足方正・山根明亮・地閣豐厚・鼻子豐隆して懸膽の如く・頸項皮肉寬餘・面形方正・背脊厚實――此れ是れ一身福壽俱全の相なり。柳莊先生の作る所の此の套の通身相法は、皆彼の親眼屢試屢驗の門徑なり。頭より脚に至るまで、頭髮・眉眼・耳・鼻・脣・鬚・頭頂・後腦・背・乳・腹・臍・腰・腿・手足・毫毛・痣・骨・聲音・皮膚血色・斑點・陰囊・玉莖・股道・人中・枕骨此れらの部位を一々總括して內に在らしむ。

原有三十六法,止此三十有三,何不及小便、髮、舌得母遇漏乎?袁子聞而答曰,我觀公有四十三年宰相,上佐六皇,下掌百職,恐洩天機,故將小便鬃舌隱而不言也。高公曰:我定相術,已有四十年,豈不知鬢有深淺,舌有紅白,便有粗細?但眼力不如以求子一訣,以審賢愚,而小職任之輕重耳。

人ありて問ふ、相法本來三十六條あり、此處只だ三十三條を列す、何の故ぞ小便・鬢髮・舌頭此の三樣を講ぜざる、莫非是れ遺漏せしかと。袁柳莊聽きて回答して曰く、我は看るに您に四十三年の宰相の運有り、上は六代の皇帝を輔し、下は百官の職司を統す。我怕るらくは天機を泄露せんことを、故に小便・鬢髮・舌頭此の三樣を隱去して說かず。高公曰く、我相術を鑚研する已に四十年、豈に鬢髮に深有り淺有り・舌頭に紅有り白有り・小便に粗有り細有るを知らざらんや?只だ是れ眼力您に及ばず、故に一條子嗣を看るの訣竅を求めんと欲し、用ゐて子弟の賢愚を審察し、および任ずる所の官職の輕重ならんのみ。

袁子曰:鬢乃一面丰采,可定賢愚藏德,舌乃五穀之苗,可知肺腑胸襟。凡舌宜大、宜紅、宜紫,忌小、忌青、忌白、忌尖,犯此乃奸吝之徒。凡髮宜黑、宜清、宜厚、宜齊、宜潤、宜光,忌黃、忌卷、忌亂、忌焦,犯此乃下賤之輩。

袁柳莊曰く、鬢髮は是れ一張の臉の風采の在る所にして、人の賢愚と內藏の德行とを斷定する可し。舌頭は是れ五穀の化する所の苗にして、人の肺腑と胸襟とを看出する可し。舌頭寬大に宜しく・色紅に宜しく・紫を帶ぶに宜しく、短小を忌み・發青を忌み・發白を忌み・尖薄を忌む、此の幾樣を犯すは是れ奸詐吝嗇の徒なり。頭髮黑に宜しく・清に宜しく・厚に宜しく・齊整に宜しく・潤澤に宜しく・光有るに宜しく、發黄を忌み・卷曲を忌み・散亂を忌み・焦枯を忌む、此の幾樣を犯すは是れ下賤の輩なり。

大概君子無焦鬢,小人無大舌,鬢深過命門,主人賢德,惟好色而已。鬢重髮輕,當入公門,髮重鬢輕,一世辛苦。又云:鬢輕眉秀必有留襟,鬢少眉豐何曾始終?凡鬢重有鬚好,不然主娼不好。高公然其論而贊曰:舌尖白小是非徒,鬢髮焦枯學問無,若要有官並有職,除非舌紫鬢如絲。

大體上君子は焦枯の鬢髮有る能わず、小人は寬大の舌頭有る能わず。鬢髮深長して耳前「命門」を蓋過するは、人と爲りて賢德なり、只だ色を好むに失す。鬢髮濃重にして頭髮輕疏のは、當に官府に入りて吏と爲るべし。頭髮濃重にして鬢髮輕疏のは、一世辛苦なり。又曰く、鬢輕くして眉秀のは必ず餘蔭ありて後人に留め。鬢少なくして眉濃のは、何んぞ始有り終有るを得んや?鬢髮濃重にして再び一部の好鬚を配して乃ち好し、否らば流落風塵・不吉を主る。高公此の番の議論を認可し、贊じて曰く、舌頭尖薄色白にして短小のは是れ是非を惹くの徒なり、鬢髮焦枯のは學問無し。若し官を做し職を得んと欲せば、舌色紫を帶び・鬢絲細密して絲の如くなるに非ずんばあらず。

小便如珠官拜三齊之位。凡小便如濺珠者,高學多榮。賦曰:人同天地,相合五行,要分南北東西,要定形容格局,欲知貴賤,先觀眉目,次觀唇,要定榮枯,先察形神,後察色,神發於形,色壯於色,可知富壽,血浮先,色滯於面,是以貧夭而定。

小便珠玉の如く迸濺するは、官三齊の如き高位に拜する可し。凡そ小便濺出して珠の如き人は、學問高く・榮顯多し。賦文有りて曰く、人天地と相應し、相貌五行に合し、須みに南北東西の地域差異を分清し、形貌格局を定準するを要す。貴賤を知らんと欲せば、先づ眉眼を看、再び嘴脣を看る。榮枯を定めんと欲せば、先づ形體神氣を察し、後に氣色を察す。神は形體上より發出し、色は血氣充壯に因りて顯る。此に由りて一個の人富厚長壽なるや否やを知る可し。若し血氣先に外に浮び、氣色又面上に滯暗なれば、貧賤短命も亦た定局なり。

氣來粗大,何須苦去求名?聲音急短,不必窗前努力。骨粗指短,終是愚頑。骨少肉浮,須知壽夭。眼若含星,自有成名之曰。眉稀眼暗,迷遭困苦一生。入洋登科,四學三陽明潤。書難文滯,合庭邊地昏暗。四窮生毫,必然高壽。三尖神露,即貧且夭。名利無成,獨恨天庭一削,暮年出壯,蓋因地閣豐隆。

氣息粗重の人は、何ぞ必ずしも苦苦として功名を求めんや?聲音急促短窄のは、窗下に苦讀するを用ゐず。骨骼粗大にして手指短のは、終歸愚頑なり。骨少なくして肉虛浮のは、是れ短命の相と知るを要す。眼睛明亮して星辰を含むが如きは、自ら名を成すの日有り。眉毛稀疏・眼神晦暗のは、一生困苦迷茫なり。學に入り科に登らんと要すれば、「四學堂」と眼下「三陽」部位明潤なるを看るを得。讀書艱難・文思滯塞のは、是れ印堂(合庭)と額側「邊地」と氣色昏暗の致す所なり。眉・鬚・耳・鼻四處の末梢長毫を生出するは、必然高壽なり。頭・面・下頦三處尖削にして神光外露のは、既に貧且夭なり。一生名利成無きは、只だ恨む額上「天庭」の削陷を。晚年反って强健興旺は、是れ下頦「地閣」豐隆なるに因る。

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