Libo

君子篇第二十四

战国 · 荀况 · 第9巻 / 12

天子無妻,告人無匹也。四海之內無客禮,告無適也。足能行,待相者然後進;口能言,待官人然後詔。不視而見,不聽而聰,不言而信,不慮而知,不動而功,告至備也。天子也者,埶至重,形至佚,心至愈,志無所詘,形無所勞,尊無上矣。詩曰:"普天之下,莫非王土;率土之濱,莫非王臣。"此之謂也。

天子は對等なくして妻を娶るは、匹與する人なきを言うなり。四海の内の客禮無きは、臣禮を以て對待する主人なきを言うなり。口は能く人を噙むも、人は能く彼を噙まずして、當に人に為られざるべからざるを為す。足は能く人を行うも、人は能く彼を行わずして、當に人に為られざるべからざるを為す。臣は君に事えて、下は以て食と為るのみ。

聖王在上,分義行乎下,則士大夫無流淫之行,百吏官人無怠慢之事,眾庶百姓無奸怪之俗,無盜賊之罪,莫敢犯上之大禁,天下曉然皆知夫盜竊之不可以為富也,皆知夫賊害之不可以為壽也,皆知夫犯上之禁不可以為安也。由其道則人得其所好焉,不由其道則必遇其所惡焉。是故刑罰綦省而威行如流,世曉然皆知夫為奸則雖隱竄逃亡之由不足以免也,故莫不服罪而請。書云:"凡人自得罪。"此之謂也。

聖王は上に在りて、分義は下に行われて、則ち士大夫は流湎の行なく、百吏は怠慢の事なく、衆庶は姦怪の俗なく、盜賊の罪なく、此は上の安ぜらるる所なり。

故刑當罪則威,不當罪則侮;爵當賢則貴,不當賢則賤。古者刑不過罪,爵不踰德。故殺其父而臣其子,殺其兄而臣其弟。刑罰不怒罪,爵賞不踰德,分然各以其誠通。是以為善者勸,為不善者沮;刑罰綦省,而威行如流,政令致明,而化易如神。傳曰:"一人有慶,兆民賴之。"此之謂也。

だから刑罰は罪に稱應して、爵禄は賢に稱應す。罪を殺して而して罪に當たらず、賢を爵して而して賢に當たらざるは、治の亂なり。

亂世則不然:刑罰怒罪,爵賞踰德,以族論罪,以世舉賢。故一人有罪,而三族皆夷,德雖如舜,不免刑均,是以族論罪也。先祖當賢,後子孫必顯,行雖如桀紂,列從必尊,此以世舉賢也。以族論罪,以世舉賢,雖欲無亂,得乎哉!詩曰:"百川沸騰,山冢崒崩,高岸為谷,深谷為陵。哀今之人,胡憯莫懲!"此之謂也。論法聖王,則知所貴矣;以義制事,則知所利矣。論知所貴,則知所養矣;事知所利,則動知所出矣。--二者是非之本,得失之原也。故成王之於周公也,無所往而不聽,知所貴也。桓公之於管仲也,國事無所往而不用,知所利也。吳有伍子胥而不能用,國至於亡,倍道失賢也。故尊聖者王,貴賢者霸,敬賢者存,慢賢者亡,古今一也。故尚賢,使能,等貴賤,分親疏,序長幼,此先王之道也。故尚賢使能,則主尊下安;貴賤有等,則令行而不流;親疏有分,則施行而不悖;長幼有序,則事業捷成而有所休。故仁者,仁此者也;義者,分此者也;節者,死生此者也;忠者,惇慎此者也;兼此而能之備矣;備而不矜,一自善也,謂之聖。不矜矣,夫故天下不與爭能,而致善用其功。有而不有也,夫故為天下貴矣。詩曰:"淑人君子,其儀不忒;其儀不忒,正是四國。"此之謂也。

乱世は則ちこれにあらず。刑罰は罪を怒り、爵禄は近習を賜うて、一族を以て罪とし、世を擧げて以て賢と為す。故に雖りたりとも能く免れざらんと欲するも得能わざるなり。

成相篇第二十五

請成相:世之殃,愚闇愚闇墮賢良!人主無賢,如瞽無相,何倀倀!請布基,慎聖人,愚而自專事不治。主忌苟勝,群臣莫諫,必逢災。論臣過,反其施,尊主安國尚賢義。拒諫飾非,愚而上同,國必禍。曷謂"罷"?國多私,比周還主黨與施。遠賢近讒,忠臣蔽塞主埶移。曷謂"賢"?明君臣,上能尊主下愛民。主誠聽之,天下為一海內賓。主之孽,讒人達,賢能遁逃國乃蹙。愚以重愚,闇以重闇,成為桀。世之災,妒賢能,飛廉知政任惡來。卑其志意,大其園圃高其臺。武王怒,師牧野,紂卒易鄉啟乃下。武王善之,封之於宋立其祖。世之衰,讒人歸,比干見刳箕子累。武王誅之,呂尚招麾殷民懷。世之禍,惡賢士,子胥見殺百里徙。穆公任之,強配五伯六卿施。世之愚,惡大儒,逆斥不通孔子拘。展禽三絀,春申道綴,基畢輸。請牧基,賢者思,堯在萬世如見之。讒人罔極,險陂傾側此之疑。基必施,辨賢罷,文武之道同伏戲,由之者治,不由者亂,何疑為?凡成相,辨法方,至治之極復后王。慎墨季惠,百家之說欺不詳。治復一,修之吉,君子執之心如結,眾人貳之,讒夫棄之,形是詰。水至平,端不傾,心術如此象聖人。人而有埶,直而用抴必參天。世無王,窮賢良,暴人芻豢,仁人糟糠;禮樂息滅,聖人隱伏,墨術行。治之經,禮與刑,君子以修百姓寧。明德慎罰,國家既治四海平。治之志,後埶富,君子誠之好以待。處之敦固,有深藏之,能遠思。思乃精,志之榮,好而壹之神以成。精神相反,一而不貳、為聖人。治之道,美不老,君子由之佼以好。下以教誨子弟,上以事祖考。成相竭,辭不蹙,君子道之順以達。宗其賢良,辨其殃孽,□□□。

請う、成相を唱わん――世の殃禍は、愚暗にして善を墮落するの賢良なり。人主は賢能なきは、飛鳥のごとくして亡滅す。――のごとく、のごとく。

請成相,道聖王,堯舜尚賢身辭讓,許由善卷,重義輕利行顯明。堯讓賢,以為民,泛利兼愛德施均。辨治上下,貴賤有等明君臣。堯授能,舜遇時,尚賢推德天下治。雖有聖賢,適不遇世,孰知之?堯不德,舜不辭,妻以二女任以事。大人哉舜,南面而立萬物備。舜授禹,以天下,尚得推賢不失序。外不避仇,內不阿親,賢者予。禹勞心力,堯有德,干戈不用三苗服。舉舜甽畝,任之天下,身休息。得后稷,五穀殖;夔為樂正鳥獸服;契為司徒,民知孝弟尊有德。禹有功,抑下鴻,闢除民害逐共工。北決九河,通十二渚,疏三江。禹傅土,平天下,躬親為民行勞苦。得益、皋陶、橫革、直成、為輔。契玄王,生昭明,居於砥石遷於商,十有四世,乃有天乙是成湯。天乙湯,論舉當,身讓卞隨舉牟光。□□□□,道古賢聖基必張。

請う、成相を唱い、稱説聖王。尭舜は賢を崇尚して自ら辭讓して、許由・善巻は義を看重して利を看輕して行為は顯明なり。尭は位を賢に讓るは、民のためを為して、普遍に利を施して兼ねて愛して徳の施与は均平なり。治理上下を辨別して、貴賤は等次有りて君臣を彰明す。尭は能者に授与して、舜は時運に遇上して、賢を崇尚して徳を推擧して天下は治まり。たとえ賢聖有るとも、恰好世に遇上せざれば、誰か彼を知らん。尭は自ら以て徳有りと為さず、舜は推辭せずして、二女を以て彼に嫁がせ、事を以て彼に委任す。大人なるかな舜、南面して立ちて万物具備せり。舜は禹に授与して、天下を以て彼に授与して、徳を崇尚して賢を推擧して次序を失わず。外は仇人を避開せず、内は親人を偏私せずして、賢者は則ち給与す。禹は心力を労費して、尭は徳有りて、干戈を用いずして三苗は則ち服從す。田畝の中より舜を擧用して、天下を以て彼に委任して、自身は休息す。后稷を得て、五谷は繁殖し。夔は楽正を為して、鳥獸は馴服し。契は司徒を為して、民は孝悌を知りて徳有る人を尊崇す。禹は功有りて、下流の洪水を遏抑して、民害を排除して共工を放逐す。北邊は九河を開決して、十二渚を溝通して、三江を疏通す。禹は土地を分布して、天下を平定して、親ら民のために劳苦の事を為す。益・皋陶・横革・直成を得て、輔佐を為す。契は玄王にして、昭明を生みて、砥石に住在して商に遷りて、十四世を經て、乃ち天乙有りて則ち成湯なり。天乙成湯は、論説擧用して得当して、自身は位を卞隨に讓り、務光を推擧す。(底本ここに四字殘缺。)古代の賢聖を稱説するは根基は一定して張大す。

願陳辭,□□□,世亂惡善不此治。隱過疾賢,長由奸詐鮮無災。患難哉!阪為先,聖知不用愚者謀。前車已覆,後未知更,何覺時?不覺悟,不知苦,迷惑失指易上下。中不上達,蒙揜耳目塞門戶。門戶塞,大迷惑,悖亂昏莫不終極;是非反易,比周欺上惡正直。正直惡,心無度,邪枉闢回失道途。己無郵人,我獨自美,豈獨無故?不知戒,後必有,恨後遂過不肯悔。讒夫多進,反覆言語生詐態。人之態,不如備,爭寵嫉賢利惡忌;妒功毀賢,下斂黨與上蔽匿。上壅蔽,失輔埶,任用讒夫不能制。郭公長父之難,厲王流於彘。周幽厲,所以敗,不聽規諫忠是害。嗟我何人,獨不遇時當亂世!欲衷對,言不從,恐為子胥身離兇;進諫不聽,剄而獨鹿棄之江。觀往事,以自戒,治亂是非亦可識。□□□□,托於成相以喻意。

請う、辭を陳述せん。(底本ここに三字殘缺。)世乱れて善を厭惡して、この道を治せんと欲する人はなし。已に成相を唱じて、以て意を表わす。

請成相,言治方,君論有五約以明。君謹守之,下皆平正,國乃昌。臣下職,莫遊食,務本節用財無極。事業聽上,莫得相使,一民力。守其職,足衣食,厚薄有等明爵服。利往卬上,莫得擅與,孰私得?君法明,論有常,表儀既設民知方。進退有律,莫得貴賤、孰私王?君法儀,禁不為,莫不說教名不移。修之者榮,離之者辱,孰它師?刑稱陳,守其銀,下不得用輕私門。罪禍有律,莫得輕重威不分。請牧基,明有祺,主好論議必善謀。五聽修領,莫不理續主執持。聽之經,明其請,參伍明謹施賞刑。顯者必得,隱者復顯,民反誠。言有節,稽其實,信誕以分賞刑必。下不欺上,皆以情言,明若日。上通利,隱遠至,觀法不法見不視。耳目既顯,吏敬法令莫敢恣。君教出,行有律,吏謹將之無鈹滑。下不私請,各以宜,舍巧拙。臣謹修,君制變,公察善思論不亂。以治天下,後世法之成律貫。

請う、成相を唱い、治理の方を講じん。君と為るの條目は五條有りて、簡要にして明らかなり。臣謹みて修して、君は制して變らず。公平して聽斷して、天下を經綸して姦邪を滅す。

賦篇第二十六

爰有大物,非絲非帛,文理成章;非日非月,為天下明。生者以壽,死者以葬。城郭以固,三軍以強。粹而王,駁而伯,無一焉而亡。臣愚不識,敢請之王?

ここに一件の大物有りて、絲帛にあらずして而して文理を成し。寒と暑にあらずして而して晝夜を成し。它は生を產して而して、它は死を致して、它は精氣神明を兼備して、文彩を以て世に顯わる。世間は之を用いて而して始終たり。――礼なり。

王曰:此夫文而不採者歟?簡然易知,而致有理者歟?君子所敬,而小人所不者歟?性不得則若禽獸,性得之則甚雅似者歟?匹夫隆之則為聖人,諸侯隆之則一四海者歟?致明而約,甚順而體,請歸之禮。--禮。

王曰く、「これは文の采を言うや」と。対答して曰く、「これはあの純粹の賞にあらず。これはあの廓達の内にあらず。小人はこれを夸うて威を張るも、君子はこれを積して徳を成す。これを推して、萬世に重く厚くして、約して而して放縱せず。下に在りては以て後世を開明し、上に在りては以て亂世を治理す。恭敬謹慎して、臣はただこれを聞くのみ」と。

皇天隆物,以示施下民,或厚或薄,常不齊均。桀紂以亂,湯武以賢。涽涽淑淑,皇皇穆穆。周流四海,曾不崇日。君子以修,蹠以穿室。大參乎天,精微而無形,行義以正,事業以成。可以禁暴足窮,百姓待之而後泰寧。臣愚不識,願問其名。

皇天は物を賜降して、以て下民に施给を顯示して、あるものは厚くあるものは薄くして、常は斉一均平せず。桀紂はこれに因って乱り、湯武はこれに因って賢し。昏昏として、清明として、堂堂として、穆穆として。四海を周流して、竟に一日に至らず。君子は以て修治して、盗跖は以て室に入るを打洞す。大は天と相參し、精微して而して形なく、實行義に用いて以て正しく、事業に用いて以て成就す。以て暴虐を禁止し、窮者を充足せしむべく、百姓はそれを待ちて然る後に安泰寧静す。臣は愚昧して認識せず。その名を問わんを願う。——智。

曰:此夫安寬平而危險隘者邪?修潔之為親,而雜汙之為狄者邪?甚深藏而外勝敵者邪?法禹舜而能弇跡者邪?行為動靜待之而後適者邪?血氣之精也,志意之榮也,百姓待之而後寧也,天下待之而後平也,明達純粹而無疵也,夫是之謂君子之知--知。

曰く、これはあの寬平に安んじて險隘に危うくするか。修潔を以て親近と為して、而して雜污を以て疎遠と為すか。甚だ深くして藏して而して外は敵に勝つか。禹舜を取法して而して能く彼らの足迹を掩上するか。行為動静はそれを待ちて然る後に適宜なるか。是れ血氣の精にして、志意の栄にして、百姓はそれを待ちて然る後に安寧して、天下はそれを待ちて然る後に平なり。明達純粹して疵点なきは、これを君子の智という。——智。

有物於此,居則周靜致下,動則綦高以鉅,圓者中規,方者中矩,大參天地,德厚堯禹,精微乎毫毛,而充盈乎大寓。忽兮其極之遠也,攭兮其相逐而反也,卬卬兮天下之鹹蹇也。德厚而不捐,五采備而成文,往來惛憊,通於大神,出入甚極,莫知其門。天下失之則滅,得之則存。弟子不敏,此之願陳,君子設辭,請測意之。

一件の物をここに有りて、留まれば則ち周遍沉静して下に極尽し、動けば則ち極高にして巨大にして、圓は規に合して、方は矩に合して、大は天地と相參し、徳は尭禹よりも厚く、毫毛に精微して、而して大宇に充盈す。忽然としてそれは到達の遠く、回旋としてそれらは互相いに追逐して而して返回し、高高として天下は皆困蹇す。徳厚くして拋棄せず、五色具備して文と成りて、往來昏昧疲憊して、大神に通達し、出入は甚だ急速にして、人はその門を知らず。天下はそれを失えば則ち滅して、それを得れば則ち存す。弟子は聰敏ならず。これを陳述せんを願う。君子は辭を設立して、その意を猜測せんを請う。——雲。

曰:此夫大而不塞者與?充盈大宇而不窕,入卻穴而不偪者與?行遠疾速,而不可托訊者與?往來惛憊,而不可為固塞者與?暴至殺傷,而不億忌者與?功被天下,而不私置者與?托地而遊宇,友風而子雨,冬日作寒,夏日作暑,廣大精神,請歸之雲--雲。

曰く、これはあの大にして堵塞せざるか。大宇に充盈して而して細縫空隙なく、孔隙に進入して而して逼仄せざるか。走ること遠く疾速して、而して以て音訊を寄托すべからざるか。往來昏昧疲憊して、而して以て堅固堵塞と為すべからざるか。突然到來して殺傷して、而して疑忌せざるか。功は天下を覆蓋して、而して私自に安置せざるか。地に寄托して宇に游びて、風を以て友と為して而して雨を以て子と為し、冬日は寒を興起し、夏日は暑を興起す。廣大して而して精神有り。請う、雲に歸結せん。——雲。

有物於此,(人蠡)(人蠡)兮其狀,屢化如神,功被天下,為萬世文。禮樂以成,貴賤以分,養老長幼,待之而後存。名號不美,與"暴"為鄰。功立而身廢,事成而家敗。棄其耆老,收其後世。人屬所利,飛鳥所害。臣愚不識,請占之五泰。

一件の物をここに有りて、身體は蜷曲としてその形狀にして、屢屢變化するは神のごとく、功は天下を覆蓋して、万世の文と為る。礼楽はそれに靠って成就して、貴賤はそれに靠って分別し、養老して幼小を撫育して、それを待ちて然る後に存す。名號は美ならずして、「暴」と隣居を做す。功は建立して而して自身は廢棄して、事は成就して而して家は敗壞す。あの耆老を拋棄して、あの後代を收養す。人類の利用する所にして、飛鳥の傷害する所なり。臣は愚昧して認識せず。五泰を請うて以て問卜せん。——蠶。

五泰占之曰:此夫身女好,而頭馬首者與?屢化而不壽者與?善壯而拙老者與?有父母而無牝牡者與?冬伏而夏遊,食桑而吐絲,前亂而後治,夏生而惡暑,喜溼而惡雨,蛹以為母,蛾以為父,三俯三起,事乃大已,夫是之謂蠶理。--蠶

五泰は問卜の後に曰く、これはあの身體は女子のごとく美好して、而して頭は馬頭に象るか。屢屢變化して而して長壽せざるか。壯年に善くして而して衰老に拙きか。父母有りて而して雌雄なきか。冬天は潛伏して夏天は活動して、桑を喫して而して絲を吐きて、先前は乱りて而して後は治まりて、夏天は生長して而して暑を厭惡し、濕を喜好して而して雨を厭惡し、蛹を以て母と為して、蛾を以て父と為す。三たび俯伏して三たび起きて、事は乃ち大いに畢了す。これを蠶の理という。——蠶。

有物於此,生於山阜,處於室堂。無知無巧,善治衣裳。不盜不竊,穿窬而行。日夜合離,以成文章。以能合從,又善連衡。下覆百姓,上飾帝王。功業甚博,不見賢良。時用則存,不用則亡。臣愚不識,敢請之王。

一件の物をここに有りて、山阜に生れて、室堂に處る。知なく巧なくして、衣裳を整治するに善し。盗せず竊せずして、洞を打ちて穿てて行く。日夜分離したるを合せしめて、以て文采を成就す。既に能く合縱して、また連横に善し。下は百姓を覆蓋して、上は帝王を文飾す。功業は甚だ博大にして、己の賢良を顯露せず。時はそれを用いれば則ち存在し、用いざれば則ち亡失す。臣は愚昧して認識せず。敢えて王に請問せん。——鍼。

王曰:此夫始生鉅,其成功小者邪?長其尾而銳其剽者邪?頭銛達而尾趙繚者邪?一往一來,結尾以為事。無羽無翼,反覆甚極。尾生而事起,尾邅而事已。簪以為父,管以為母。既以縫表,又以連裡:夫是之謂箴理。--箴

王曰く、これはあの開始生まれ出づるは巨大にして、それは成りて後は却って小なるか。その尾を長くしてその末梢を尖鋭せしむるか。頭は鋒利通達して而して尾は纏繞するか。一往一來して、尾を收結して以て事と為す。羽毛なく翅翼なくして、反覆は甚だ急速なり。尾は生出して而して事は興起し、尾は盤繞して而して事は畢了す。簪を以て父と為して、管を以て母と為す。既に以て外表を縫い、また以て裏子を連ねる。これを鍼の理という。——鍼。

天下不治,請陳佹詩:天地易位,四時易鄉。列星殞墜,旦暮晦盲。幽闇登昭,日月下藏。公正無私,見謂從橫。志愛公利,重樓疏堂。無私罪人,憼革貳兵。道德純備,讒口將將。仁人絀約,敖暴擅強。天下幽險,恐失世英。螭龍為蝘蜓,鴟梟為鳳凰。比干見刳,孔子拘匡。昭昭乎其知之明也,鬱郁乎其遇時之不祥也,拂乎其欲禮義之大行也,闇乎天下之晦盲也,皓天不復,憂無疆也。千歲必反,古之常也。弟子勉學,天不忘也。聖人共手,時幾將矣。與愚以疑,願聞反辭。

天下は治まらず。請う、詭異の詩を陳述せん。天地は位置を改換して、四時は方向を改換す。列星は隕落して、旦暮は昏暗不明なり。幽暗は顯明に登上して、日月は下に藏す。公正して私なきは、縱横と説かれり。志向は公利を愛するは、却って樓台疏朗の堂を看重と説かれり。私心なくて人に罪を加うるは、却って軍を整え兵を備うると説かれり。道徳は純粹完備して、讒言の口は鏘鏘たり。仁人は黜退約困して、傲暴の人は專擅強橫す。天下は幽暗險惡にして、恐怕らくは當世の英を失わん。螭龍は壁虎と為されて、鴟梟は鳳凰と為さる。比干は心を剖かれて、孔子は匡に拘せらる。昭昭としてその智の明、郁郁として彼は時運の不祥に遇上し、拂逆として彼は礼義の大いに實行せんことを欲し、昏暗として天下は晦盲す。皓天は返回せずして、憂愁は疆界なし。千年は必ず返回す。是れ古來の經常なり。弟子は努力学習せよ。天は忘れざらん。聖人は手を拱きて、時運はほぼ將に至らん。愚者に疑惑を帶來して、反向の辭を聴かんを願う。

其小歌曰:念彼遠方,何其塞矣,仁人絀約,暴人衍矣。忠臣危殆,讒人服矣。

あの小歌は曰く、あの遠方を想念するは、何とも堵塞せり。仁人は黜退約困して、暴人は盈衍せり。忠臣は危殆にして、讒人は任用せらる。

琁、玉、瑤、珠,不知佩也,雜布與帛,不知異也。閭娵子奢,莫之媒也;嫫母力父,是之喜也。以盲為明,以聾為聰,以危為安,以吉為兇。嗚呼!上天!曷維其同!

美玉瑶珠は、以て佩带するを知らず。雜布と帛とは、以て分別するを知らず。閭娵・子奢は、人は彼らに媒を為すなし。嫫母・力父は、却って喜好せらる。盲を以て明と為して、聾を以て聰と為して、危を以て安と為して、吉を以て凶と為す。嗚呼。上天。どう���て能く彼らと同じくせん。

大略篇第二十七

君人者,隆禮尊賢而王,重法愛民而霸,好利多詐而危。欲近四旁,莫如中央,故王者必居天下之中,禮也。

人君と為るは、礼を尊崇して賢を尊敬すれば則ち能く王と称し、法を看重して民を愛すれば則ち能く覇と称し、利を好み詐を多くすれば則ち危殆なり。四旁に接近せんと欲せば、中央に比敵するなし。だから王者は必ず天下の中央に居る。これは礼なり。

天子外屏,諸侯內屏,禮也。外屏、不欲見外也;內屏、不欲見內也。

天子は門外に屏を設け、諸侯は門内に屏を設く。これは礼なり。門外に屏を設くるは、外面を見えんと欲せざるなり。門内に屏を設くるは、里面を見えんと欲せざるなり。

諸侯召其臣,臣不俟駕,顛倒衣裳而走,禮也。詩曰:"顛之倒之,自公召之。"天子召諸侯,諸侯輦輿就馬,禮也。詩曰:"我出我輿,於彼牧矣。自天子所,謂我來矣。"

諸侯はその臣を召喚して、臣は車を套するを待たずして、衣裳を顛倒して跑る。これは礼なり。『詩経・齊風・東方未明』に言う。「顛けり倒けり、公のそこより彼を召喚す」と。天子は諸侯を召喚して、諸侯は人をして車を推して馬に湊近せしむ。これは礼なり。『詩経・小雅・出車』に言う。「我は我が車を推出して、あの牧地に到れり。天子のそこより、我をして來らしめり」と。

天子山冕,諸侯玄冠,大夫裨冕,士韋弁,禮也。

天子は山冕を用い、諸侯は玄冠を用い、大夫は裨冕を用い、士は韋弁を用う。これは礼なり。

天子御珽,諸侯御荼,大夫服笏,禮也。

天子は珽を用い、諸侯は荼を用い、大夫は笏を用う。これは礼なり。

天子雕弓,諸侯彤弓,大夫黑弓,禮也。

天子は雕弓を用い、諸侯は彤弓を用い、大夫は黑弓を用う。これは礼なり。

諸侯相見,卿為介,以其教士畢行,使仁居守。

諸侯は相見えば、卿は介と為して、その教士を帶びて全部出行して、仁者をして留めて国を守らしむ。

聘人以圭,問士以璧,召人以瑗,絕人以玦,反絕以環。

使者を派るは圭を用い、士を慰問するは璧を用い、人を召見するは瑗を用い、人と絕交するは玦を用い、絕交を恢复するは環を用う。

人主仁心設焉,知其役也,禮其盡也,故王者先仁而後禮,天施然也。

人主は仁心を設立せば、知はそれを役使して、礼はそれを窮尽す。だから王者は先に仁して而して後に礼す。天の施与はこのごとし。

聘禮志曰:"幣厚則傷德,財侈則殄禮。"禮雲禮云,玉帛云乎哉!詩曰:"物其指矣,唯其偕矣。"不時宜,不敬文,不驩欣,雖指非禮也。

聘礼の記載は曰く、「幣帛は過厚なれば則ち徳を傷害して、財用は奢侈なれば則ち礼を滅絶す」と。礼や礼や。豈にただ玉帛のみを言わんや。『詩経・小雅・魚麗』に言う。「物はあれほど美しきは、ただそれが合宜するに因る」と。時宜に合せず、あの文を敬せず、歡欣せざれば、たとえ美なるも礼にあらず。

水行者表深,使人無陷;治民者表亂,使人無失,禮者,其表也。先王以禮義表天下之亂;今廢禮者,是棄表也,故民迷惑而陷禍患,此刑罰之所以繁也。

水中に行走する人は深淺を標明して、人をして陷溺せざらしむ。民を治理する人は乱の界限を標明して、人をして失誤せざらしむ。礼は、則ちあの標志なり。先王は礼義を以て天下の乱を標明せり。如今礼を廢棄するは、標志を拋棄するなり。だから民は迷惑して禍患に陷入す。これは刑罰の繁多する所以なり。

舜曰:"維予從欲而治。"故禮之生,為賢人以下至庶民也,非為成聖也;然而亦所以成聖也,不學不成;堯學於君疇,舜學於務成昭,禹學於西王國。

舜曰く、「ただ我は欲望に順いて以て治理するのみ」と。だから礼の產生は、賢人より下は庶民に至るのためなりて、聖人を成就するのためにあらず。然りてもまた聖人を成就する所以なり。学ばざれば則ち能く成就せず。尭は君疇に学びて、舜は務成昭に学びて、禹は西王國に学べり。

五十不成喪,七十唯衰存。

五十歲は喪礼の全部儀節を完成せずして、七十歲はただ衰服を保留す。

親迎之禮,父南向而立,子北面而跪,醮而命之:"往迎爾相,成我宗事,隆率以敬先妣之嗣,若則有常。"子曰:"諾!唯恐不能,敢忘命矣!"

親迎の礼は、父は南に向かいて站ち、兒子は北に向かいて跪きて、酒を醮して而して彼に命じて曰く、「去りてなんじの配偶を迎接して、我が宗廟の事を成就して、盛大に彼女を率領して來りて敬んで先母の嗣を繼げ。なんじは常規有るべし」と。兒子曰く、「諾。ただ恐怕らくは能く為到せざらん。敢えて命令を忘れんや」と。

夫行也者,行禮之謂也。禮也者,貴者敬焉,老者孝焉,長者弟焉,幼者慈焉,賤者惠焉。

所謂行は、礼を實行するを言うなり。礼は、貴者に對しては敬し、老者に對しては孝し、長者に對しては悌し、幼者に對しては慈し、賤者に對しては惠を施す。

賜予其宮室,猶用慶賞於國家也;忿怒其臣妾,猶用刑罰於萬民也。

彼に宮室の中の人を賜与するは、国家に慶賞を用うるがごとし。その臣妾を忿怒するは、万民に刑罰を用うるがごとし。

君子之於子,愛之而勿面,使之而勿視,道之以道而勿強。

君子は兒子に於いては、彼を愛して而して臉面に表せず、彼を役使して而して盯看せず、道を用いて引導して而して強迫せず。

禮以順人心為本,故亡於禮經而順於人心者,皆禮也。

礼は人心に順從するを以て根本と為す。だから礼經の裏に在らずして而して人心に順從するは、皆礼なり。

禮之大凡:--事生、飾驩也,送死、飾哀也,軍旅、施威也。

礼の大凡は、生に事えるは、歡を文飾するなり。死を送るは、哀を文飾するなり。軍旅は、威を施加するなり。

親親、故故、庸庸、勞勞,仁之殺也;貴貴、尊尊、賢賢、老老、長長、義之倫也。行之得其節,禮之序也。仁、愛也,故親;義、理也,故行;禮、節也,故成。仁有裡,義有門;仁、非其裡而處之,非仁也;義,非其門而由之,非義也。推恩而不理,不成仁;遂理而不敢,不成義;審節而不和,不成禮;和而不發,不成樂。故曰:仁義禮樂,其致一也。君子處仁以義,然後仁也;行義以禮,然後義也;制禮反本成末,然後禮也。三者皆通,然後道也。

親愛は親當し、故旧は故當し、酬報は功有り、酬勞は勞有るは、仁の差等なり。尊貴は貴當し、尊敬は尊當し、尊賢は賢當し、敬老は老當し、尊長は長當するは、義の倫類なり。それを實行してあの節を得るは、礼の次序なり。仁は愛にして、だから親し。義は理にして、だから行う。礼は節にして、だから成す。仁に里有り、義に門有り。仁は、その里にあらずしてそこに處るは、仁にあらず。義は、その門にあらずしてそこより走るは、義にあらず。恩を推しげて而して理なきは、仁と成らず。理に順いて而して為すを敢えてせざるは、義と成らず。節を審察して而して和せざるは、礼と成らず。和して而して發揚せざるは、楽と成らず。だから言う、仁義礼楽は、彼らの到達する所は一事なり。君子は義を以て仁に處して、然る後に仁と為す。礼を以て義を行い、然る後に義と為す。礼を制定して根本に返回して末節を成就して、然る後に礼と為す。三樣皆通達して、然る後に道と為す。

貨財曰賻,輿馬曰賵,衣服曰襚,玩好曰贈,玉貝曰唅。賻賵、所以佐生也,贈襚、所以送死也。送死不及柩屍,吊生不及悲哀,非禮也。故吉行五十,奔喪百里,賵贈及事,禮之大也。

貨財をこれを賻といい、車馬をこれを賵といい、衣服をこれを襚といい、玩好をこれを贈といい、玉貝をこれを含という。賻と賵とは、以て生者を輔助するなり。贈と襚とは、以て死者を送るなり。死を送るは柩尸に趕不上して、生者を吊慰するは悲哀に趕不上するは、礼にあらず。だから吉事は五十里を走り、奔喪は一百里を走りて、賵贈は事に趕上するは、礼の大節なり。

禮者、政之挽也;為政不以禮,政不行矣。

礼は、政を為るの牽引なり。政を為るに礼を用いざれば、政は則ち能く實行せざるなり。

天子即位,上卿進曰:"如之何憂之長也?能除患則為福,不能除患則為賊。"授天子一策。中卿進曰:"配天而有下土者,先事慮事,先患慮患。先事慮事謂之接,接則事優成。先患慮患謂之豫,豫則禍不生。事至而後慮者謂之後,後則事不舉。患至而後慮者謂之困,困則禍不可御。"授天子二策。下卿進曰:"敬戒無怠,慶者在堂,吊者在閭。禍與福鄰,莫知其門。豫哉!豫哉!萬民望之。"授天子三策。

天子は位に即けば、上卿は進み前りて曰く、「如何せん。憂患は長久なりや。能く患を除去せば則ち福にして、能く患を除去せざれば則ち賊なり」と。天子に第一策を授给す。中卿は進み前りて曰く、「天に相配して而して下土有る人は、事に先んじて事を思慮し、患に先んじて患を思慮す。事に先んじて事を思慮するをこれを接といい、接すれば則ち事情は從容成就す。患に先んじて患を思慮するをこれを豫といい、豫すれば則ち禍は產生せず。事到りて然る後に思慮するをこれを後といい、後すれば則ち事情は辦成せず。患到りて然る後に思慮するをこれを困といい、困すれば則ち禍は以て抵禦すべからず」と。天子に第二策を授给す。下卿は進み前りて曰く、「敬慎戒備して怠惰するなかれ。慶賀する人は堂上に在りて、吊問する人は里門に在り。禍と福とは相隣して、人はその門を知らず。豫備せよ。豫備せよ。万民は仰望す」と。天子に第三策を授给す。

禹見耕者耦、立而式,過十室之邑、必下。

禹は耕地する人の竝耕を見れば、則ち站ちて軾を扶いて致敬して、十戸の邑を經過せば、必ず下車す。

殺大蚤,朝大晚,非禮也。治民不以禮,動斯陷矣。

田獵は早すぎ、上朝は晚すぎるは、礼にあらず。民を治理するに礼を用いざれば、一動けば則ち陷溺せり。

平衡曰拜,下衡曰稽首,至地曰稽顙。

手と心平しきをこれを拜といい、手は下垂するをこれを稽首といい、頭は地に到るをこれを稽顙という。

大夫之臣,拜不稽首,非尊家臣也,所以闢君也。

大夫の臣は、拜して而して稽首せずは、家臣を尊崇するにあらずして、以て国君の礼を避開するなり。

一命齒於鄉,再命齒於族,三命,族人雖七十不敢先。上大夫,中大夫,下大夫。

一命の官は鄕里に在りては年齢に按じて排位し、再命の官は族裏に在りては年齢に按じて排位し、三命の官は、族人はたとえ七十歲なるも彼の前に敢えて在らず。上��夫有り、中大夫有り、下大夫有り。

吉事尚尊,喪事尚親。

吉事は尊者を崇尚し、喪事は親者を崇尚す。

聘、問也。享、獻也。私覿、私見也。

聘は、問なり。享は、獻なり。私覿は、私見なり。

言語之美,穆穆皇皇。朝廷之美,濟濟鎗鎗。

言語の美は、穆穆皇皇なり。朝廷の美は、濟濟鏘鏘なり。

為人臣下者,有諫而無訕,有亡而無疾,有怨而無怒。

臣下と為るは、勸諫有りて而して毁謗なく、離去有りて而して嫉恨なく、怨有りて而して怒なし。

君於大夫,三問其疾,三臨其喪;於士,一問,一臨。諸侯非問疾弔喪不之臣之家。

君は大夫に對しては、三たびその病を問い、三たび親らその喪に臨み、士に對しては、一たび問い、一たび親臨す。諸侯は病を問い喪を吊らざれば則ち臣の家に到らず。

既葬,君若父之友食之則食矣,不闢梁肉,有醴酒則辭。

已に葬せし後、君あるいは父の朋友は彼に吃を給えば則ち吃し、稻粱肉を避開せず。醴酒有れば則ち辭謝す。

寢不踰廟,燕衣不踰祭服,禮也。

居室は廟を超過せず、燕居の衣服は祭服を超過せず。これは礼なり。

湯之鹹,見夫婦。夫婦之道,不可不正也,君臣父子之本也。鹹、感也,以高下下,以男下女,柔上而剛下。

『周易』の咸卦は、夫婦を見る。(底本は「湯之咸」と作るも、「湯」は「易」の訛り。)夫婦の道は、端正せざるべからず。是れ君臣父子の根本なり。咸は、即ち感なり。高を以て下の下に居り、男を以て女の下に居り、柔は上に在りて剛は下に在り。

聘士之義,親迎之道,重始也。

聘士の義・親迎の道は、開始を看重するなり。

禮者,人之所履也,失所履,必顛蹶陷溺。所失微而其為亂大者,禮也。

礼は、人の踐履する所にして、踐履する所を失えば、必ず顛僕陷溺す。失う所は微細にして而して造成する乱は大なるは、即ち礼なり。

禮之於正國家也,如權衡之於輕重也,如繩墨之於曲直也。故人無禮不生,事無禮不成,國家無禮不寧。君臣不得不尊,父子不得不親,兄弟不得不順,夫婦不得不驩,少者以長,老者以養。故天地生之,聖人成之。

礼は国家を端正するに於いては、権衡の輕重に於けるがごとく、繩墨の曲直に於けるがごとし。だから人は礼なくば則ち能く生きず、事は礼なくば則ち能く成さず、国家は礼なくば則ち能く安寧せず。君臣はそれなくして以て尊くする能わず、父子はそれなくして以て親しくする能わず、兄弟はそれなくして以て順しくする能わず、夫婦はそれなくして以て歡しくする能わず、年少のはそれに靠って成長し、年老のはそれに靠って養を得る。だから天地は人を生出して、聖人は人を成就す。

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