Libo

第八十首 勤(大雪)

汉 · 扬雄 · 第9巻 / 9

作盤ガイド: 大衍筮法, 六爻納甲の立卦

勤:太陰凍冱戁創於外,微陽邸冥膐力於內。

「勤」は勤労の義にして、第八十首と為り、大雪に値り、冬至後第三百五十五日半より第三百六十日に至るを主る。極盛の陰気は凍結凝閉し、外面に於て創痛を造成す;微弱の陽気は幽暗に棲止し、裏面に於て膂力を積蓄す。此の首は勤を講ず:勤は気力と道義との上に在るは是れ徳、勤は私謀と虚労との上に在るは是れ弊なり。

初一:勤謀於心,否貞。測曰:勤謀否貞,中不正也。次二:勞有恩,勤悾悾,君子有中。測曰:勞有恩勤,有諸情也。次三:羈角之吾,其泣呱呱,未得鏹扶。測曰:羈角之吾,不得命也。

初一:只だ心裏に於て算計を勤し、正ならず。測辞に曰く:謀を勤して貞ならざるは、心中本より正ならざるなり。次二:辛労の中に恩意を帯び、勤懇にして誠朴、君子は此に由りて中道に合す。測辞に曰く:労に恩勤有るは、内心に確実に此の一份の真情有るなり。次三:頭上に還た総角を扎げたる孩子は、哭くこと呱呱として作響す、有力の扶助を得ず。測辞に曰く:羈角の吾は、時運は還た到らざるなり。

次四:勤於力,放倍忘食,大人有克。測曰:勤力忘食,大人德也。次五:狂蹇蹇,禍邇福遠。測曰:狂之蹇蹇,遠乎福也。次六:勤有成功,幾於天。測曰:勤有成功,天所來輔也。

次四:力を用うるに勤し、加倍して做して吃飯を忘る、大人は此に由りて成する所有り得。測辞に曰く:力に勤して食を忘る、正しく大人の徳行なり;《論語》は孔子の発憤して食を忘るを記す、即ち此の一副の気象なり。次五:狂躁にして処処艱阻、禍事は逼近して福分は遥遠なり。測辞に曰く:狂として蹇蹇たるは、福より離るること愈々遠し;勤は狂躁の上に在れば、勤すれば愈々蹇し。次六:勤労して成功有り、天道に近し。測辞に曰く:勤して成功有るは、上天の前来して彼を輔助するなり。

次七:勞牽,不其鼻於尾,弊。測曰:勞牽之弊,其道逆也。次八:勞踖踖,心爽蒙柴不卻。測曰:勞踖踖,躬殉國也。次九:其勤其勤,抱車入淵,負舟上山。測曰:其勤其勤,勞不得也。

次七:辛苦に牲口を牽引す、而も其の鼻子を牽かずして往きて其の尾巴を拽す、弊病なり。測辞に曰く:牽を労するの弊は、路数を弄反せるなり;力を用うること再多くとも、方向反れば亦白费なり。次八:労碌して局促安まらず、心裏明白にして仍お頭を蒙い柴を背負して退却するを肯んぜず。測辞に曰く:労して踖踖たるは、身を以て国に殉ずるなり。次九:勤し了又勤し、車を抱いて深淵に走進し、船を背負いて高山に爬上す。測辞に曰く:其の勤其の勤とは、労して所得無きなり;勤の極処に到るも而も其の法を得ざれば、只だ一場の徒労と成る。

第八十一首 養(大雪)

養:陰弸於野,陽蓲萬物,赤之於下。

「養」は養育の義にして、第八十一首と為り、亦全書最末の一首なり、大雪に値り、冬至後第三百六十日より第三百六十四日半に至るを主る。陰気は原野に充満し、陽気は万物を煦育し、生機を地下に施す。八十一首は合計三百六十四日半にして、別に「踦」「贏」の両条の余賛有りて一歳の数を補足す。全書は「中」を以て開篇し・「養」を以て収束す、正しく一陽は地中に生じて而る後に万物を長養し、終而复始の意思なり。

初一:藏心於淵,美厥靈根。測曰:藏心於淵,神不外也。次二:墨養邪,元函匪貞。測曰:墨養邪,中心敗也。次三:糞以肥丘,育厥根荄。測曰:糞以肥丘,中光大也。

初一:心を深淵の裏に収蔵し、那の霊妙の根柢を涵養して之を美好ならしむ。測辞に曰く:心を淵に蔵するは、精神の外に向かい馳散せざるなり。次二:暗地裏に邪念を養う、一開頭に包蔵する所は便ち正に非ざるなり。測辞に曰く:墨養して邪なるは、内心は先ず就中敗壞せるなり。次三:糞肥を用いて丘田を肥沃し、其の根須を培育す。測辞に曰く:糞を以て丘を肥やすは、内里は此に因りて光大す;養は根の上に在って、ぞ養い出だし得るなり。

次四:燕食扁扁,其志(亻)玃玃,利用徵賈。測曰:燕食扁扁,志在賴也。次五:黃心在腹,白骨生肉,孚德不復。測曰:黃心在腹,上德天也。次六:次次,一日三餼,祇牛之兆,肥不利。測曰:次次之餼,肥無身也。

次四:安閑として吃り、挙止軽浮、心思は而も抓摸不定、外出経商するに利あり。測辞に曰く:燕食扁扁とは、心志は只だ別人に依頼するに在るなり。底本「(亻)」は偏旁を用いて描摹したる一つの字なり、今は原樣に照りて存録す。次五:中央の黄心は腹中に安在し、白骨の上までも新肉を生出し、誠実の徳行は反復せざらん。測辞に曰く:黄心は腹に在るは、徳行の上は天に合するなり。次六:一次接一次、一天に三回の飼料を供給す、那は祭祀用牛の徴兆にして、養い得て肥えるに反って利ならず。測辞に曰く:一再として喂飼すは、肥えて而も自身を保住し得ざるなり;養うこと太だ過ぐるは、正しく宰せらるるの先兆なり。

次七:小子牽象,婦人徽猛,君子養病。測曰:牽象養病,不相因也。次八:鯁不脫,毒疾發,鬼上壟。測曰:鯁疾之發,歸於墳也。次九:星如歲如,復繼之初。測曰:星如歲如,終養始也。

次七:小孩子は大象を牽きに往き、婦人は猛獣を捆縛しに往き、君子は而も家中に於て疾病を将養す。測辞に曰く:象を牽くと病を養うと此れらの事は一処に凑る、彼此並に相称せず;養う所は其の人に非ざり、任む所は其の力に非ざるなり。次八:魚骨は喉裏に鯁って取出す能わず、毒疾は発作し、鬼は已に墳頭に爬上せり。測辞に曰く:鯁疾発作は、墳墓の裏に帰り往かんと要するなり。次九:星辰の運行の如く・歳月の更替の如くに、又接続して最初に回到す。測辞に曰く:星如歳如とは、養うこと終点に到りて重新に開端を養い起るなり。八十一首は此に至りて尽き、一歳の気は「中」首の冬至に回到し、周而复始、此れ正しく《太玄》全書の帰結なり。

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