避亂
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人有窮通,世有否泰。自嗟薄命,適當離亂之秋;每嘆窮途,聊演變通之易。因錄已驗之卦爻,為決當今之倭寇。(承平日久,莫識亂離之苦,不幸海倭竊發,橫行吳越之間,剽掠村落,縱肆淫殺,不忍見聞,數年以來人情洶湧,避亂不暇,有在家而遭焚燒劫者,有在途而被其擄掠者。或死非命,或致傷殘,或夫妻之不顧,或父子而相離。割恩舍愛,惟命是逃。然則伯道之棄兒,豈虛語乎!予賴卜筮,未嘗遭遇,此因不幸中之萬幸也。因以平日所驗者,錄述此篇,以為十倭張本。而凡以患難之慾避者,亦仿其占,雲須憑五類,勿論六神。世之占者,皆以玄武為倭賊。予則以官論玄武倘臨福德,亦作倭斷耶,故憑五類勿論六神。)
人窮あり通あり、世道否あり泰あり。眼下まさに離亂の秋に逢して、自ら命薄きを嘆ず。每每走るに投ずる路なきを感慨して、姑くこ の套の變通の易占を推演す。是に於て已に應驗せしの卦例を記下して、用ゐて當今の倭寇の患を判斷す。太平の日子過ぐること久しくして、人々亂離の苦楚を知らず。料らず沿海倭寇突起して、吳越の間に橫行して、村落を搶掠し、恣に姦淫殺戮して、慘にして聞くに忍びず。こ の幾年人心惶惶として、難を逃るるも都て及ばず。家裡に於て焚燒劫掠せらるるあり、路上に於て擄去せらるるあり。非命に死するあり、殘疾を落ちるあり。夫妻各々顧みるあり、父子失散するあり。人々親情を割捨して、ただ性命を保住せんを求む——かくのごとく來りて看れば、鄧伯道子を棄てて侄を保せしの事、豈に是れ假話ならんや。我卜筮に靠りて、一直に曾て難に遭わず。これは不幸の中の萬幸なり。因てに平日應驗の卦例を記してこ の一篇と成し、以て倭寇を占するの根本と爲す。凡そ患難を躲避せんと想うは、もまたこ の法子に照らして占すべし。こ の一門を占するに須らく六親五類を憑りて、六神を論ずるを必とせず。世上卦を占するの人皆「玄武」を拿りて倭賊と當る。我卻って官鬼を以て來りて論ず——倘若玄武偏偏子孫に臨着せば、豈にもまた倭賊と當てて斷ぜんや。ゆえに五類を憑りて六神を論ぜずと說く。
鬼位興隆,賊勢必然猖獗;官爻墓絕,人心始得安康。(以鬼為倭者,鬼能興災致禍,倭亦傷人害物故也。旺相發動勢必猖獗,縱橫出入莫能御止;若得休囚安靜,日辰動爻,又不刑並,則安枕而臥,必無驚恐。)路上若逢,休出外;宅中如遇,勿歸家。(凡占以卦中二爻為宅,五爻為路。鬼在路上動,出外必遇不如父子家中;在宅上動,必然在家撞見,不如出外避之。)
官鬼の位興旺なれば、賊勢必定猖獗す。官鬼墓絶に落つれば、人心こそ安寧を得。官鬼を拿りて倭寇を代表するの所以は、是れ官鬼能く災を興し禍を惹くが因りて、倭寇もまた一樣に人を傷り物を害すればなり。官鬼旺相にして發動せば、賊勢必然猖獗して、縱橫出入人の攔り住む能くするなし。もし它休囚安靜にして、日辰・動爻また來りてそれを刑し・それを併せざれば、それすなわち可以に枕を安んじて臥して、必ず驚恐なし。官鬼道路の爻に在れば、就中門を出づべからず。住宅の爻に在れば、就中家に歸るべからず。こ の一門を占するに、卦中第二爻を以て住宅と爲し・第五爻を以て道路と爲す。官鬼道路の爻上に發動せば、門を出でば必定撞上す。家裡に留まるに如かず。官鬼住宅の爻上に發動せば、家に在れば必定撞上す。外に出でて躲避するに如かず。
動來刑害,從教智慧也難逃;變入空亡,縱被拘留猶可脫。(卦中鬼動,若不傷世,任彼猖獗不遭其禍;如被刑沖剋害,必難逃避。若變入死墓空絕,則是虎頭蛇尾,雖凶無咎之兆,虛驚則不免焉。若變生旺妻財等爻,則為可畏。)日辰制伏,何妨卦裡刑傷;月建臨持,勿謂爻中隱伏。(官鬼動來刑剋世爻,固是凶兆,若得動爻月辰剋制之,或沖散合住之,皆謂有救,雖見凶惡必不為害。惟怕月建日辰帶鬼,刑剋世多,則雖卦中無鬼,亦必遭其毒手,月建為甚,日辰次之,出現則不可當也。)
官鬼發動して來りて刑害するは、你再び聰明なるに任れどももまた躲け掉る能わず。它空亡に變入するは、縱い拘住せらるとももまた還は能く身を脫す。卦中官鬼動ずると雖も、ただ世爻を傷らざれば、它の猖獗するに任じて、我もまた禍に遭わず。一旦それに刑冲克害せらるれば、就中逃避し難し。もし它死・墓・空・絶に變入せば、あれ是れ虎頭蛇尾にして、凶なると雖も咎なきの兆にして、ただ虛驚免れざるのみ。然るに它もし生旺の妻財等の爻と變成せば、それすなわち怕るべし。日辰能くそれを制伏せば、卦裡の刑傷また何の妨げあらん。月建上それを臨着せば、就中卦中隱伏するを以て事なしと爲すべからず。官鬼發動して來りて世爻を刑克するは固より凶兆なると雖も、然るにもし動爻あるいは日辰のそれを克制し、あるいは冲散・合住するを得れば、皆救いありと算して、縱い凶惡あるとももまた人を害する能わず。最も怕るは月建・日辰本身官鬼を帶びて、一再世爻を刑克するは——則ち卦中たとい官鬼を見ずとも、もまた照樣に它の毒手を遭うを要す。月建最も厲害にして、日辰之に次ぐ。もし它また卦上に出現せば、それすなわち抵擋し住る能わず。
所惡者提起之神,所賴者死亡之地。(鬼爻伏藏固是吉兆,若被動爻日辰沖開,飛神提起伏神,仍被其害,必得鬼伏死墓絕,或臨空亡,則雖提之亦不能起,方無事也。且如甲申日卜得渙卦,六爻安靜又無官鬼,豈非吉兆?殊不知本宮己亥,鬼伏於六三空亡爻下,既已透出,又遇申提起,且又沖剋世爻,所謂變吉為凶,果被婦人引禍及己,蓋申金乃離宮妻財故也。)
最も惡むべきはあの伏神を提起し來るの爻にして、最も倚仗すべきは死絶の地なり。官鬼隱伏は本本來吉兆なり。然るに它もし動爻あるいは日辰に飛神を冲開して・伏神を提起して來らるれば、仍舊它の害を受くるを要す。必ず須らく官鬼の伏する所まさに死・墓・絶にして、あるいは它自己空亡に落ちて、則ち縱い人ありて提ぐとももまた提起し來る能わずして、こそ事なしと算す。一例を擧ぐ。甲申日《渙》卦を占得して、六爻安靜にしてまた官鬼を見ず。豈に吉兆に非ざらんや。誰か知らん本宮の己亥官鬼まさに六三のこ の空亡の爻の下面に伏して、既に透露し出づるを得て、また日辰申金に提起せられて、還は往きて世爻を冲克す。こ れを變吉爲凶と叫ぶ。後來果して一個の婦人に牽累せられて禍を招けり——申金離宮に於てまさに妻財なればなり。
自持鬼墓填中,不可潛藏;或值水神舟內,猶當仔細。(官父自持鬼墓者,如水土墓在辰,鬼在辰爻動是也;凡遇此象,不可避墳墓中土鬼,皆然,雖宇宙之內亦不宜也。木鬼不可避在草木叢中,水鬼不可避在舟中,金鬼不可避在寺觀中,火鬼不可避在窯冶中,水化水不可避在夾內,乾宮鬼化父不可避在樓閣中,否則必然遇見,餘當仿此推。)子爻福德北宜行,午象官爻南勿往。(官鬼所臨地,倭寇出入之所,宜避之,如臨午爻勿往南方,類子孫所臨寺,倭寇不到之處,宜往之,如臨子爻宜往北方類,餘仿此。)
官鬼自己墓庫の中に坐するは、就中あの方位に往きて身を藏する能わず。官鬼もし水神に値れば、船裡に躲進するももまた當心を要す。所謂自ら鬼墓を持するは、たとえば水土の墓辰に在りて、しかして官鬼まさに辰爻上に發動するなり。凡そこ の種の象に遇えば、就中墳墓の一類の地方に躲進すべからず。土鬼皆是れかくのごとくして、別的處所たといなるとももまた相宜ならず。同じ理に、木鬼は草木叢中に躲るべからず、水鬼は船裡に躲るべからず、金鬼は寺觀中に躲るべからず、火鬼は窯爐冶坊に躲るべからず、水また水を化するは夾壁の内に躲るべからず、乾宮の官鬼父母を化じ出づるは則ち樓閣上に躲るべからず——否ざれば必ず撞見せられん。その餘はこれに照らして類推せよ。子孫子爻に落つれば、就中北方に往きて走るを宜とす。官鬼午爻に落つれば、就中南方に往くべからず。官鬼の臨む所の地支は、まさに倭寇出入の地方にして、當に避開すべし。たとえば它午爻に臨めば就中南方に往くべからず。子孫の臨む所の地支は、是れ倭寇到らざるの地方にして、當にあそこに往くべし。たとえば它子爻に臨めば就中北方に往くを宜とす。その餘はこれに倣え。
鬼逢沖散,何須剋制之鄉;福遇空亡,莫若生扶之地。(取子孫之地為吉者,以其剋制官爻也。若發動則取之,若福靜官動,而卦有沖散合住官爻者,即以沖合之方為吉。以其為得用之神故也。若卦無子孫,或落空亡,或衰靜受制,不得其力,而鬼爻又無沖散合住之類者,則取生合世爻之方為吉,但不宜在鬼爻刑沖害之地耳。)
官鬼既に已に冲散せられしは、何必再び往きてそれを克制するの方位を找さん。子孫偏偏空亡に落つれば、それすなわち世爻を生扶するの方位に往きて生ずるに如かず。子孫の在る所の方位を取りて吉と爲すは、是れ它能く官鬼を克制するが因りて、子孫發動の時自然それを取る。もし子孫安靜にして官鬼發動するに、可なり卦中別に爻ありて官鬼を冲散しあるいは合住せば、それすなわち改めてあの冲・合の爻の方位を取りて吉と爲す。それこそ當下用を得るの神なればなり。倘若卦中根本に子孫なく、あるいは子孫空亡に落ち、あるいは它衰弱安靜にしてまた制を受けて・指望上らざりて、しかして官鬼もまた冲散合住せられざれば、それすなわち來りて世爻を生合するのあの個の方位を取りて吉と爲す。ただ是れ官鬼刑冲克害の方位上に落つべからず。
旺興內卦,終來本境橫行;(凡占倭夷到此地否,若官在本宮內卦發動,必到此地;在他宮外卦則不入我境。內卦持世,值到宅邊;內卦應臨,雖來不入我室,卦身臨之,彼此俱遭其禍。)動化退神,必往他鄉剽掠。(官鬼發動,其勢必來。若化退神,乃是往他處劫掠也;如化進神,倭必速到,宜早避之。)
官鬼旺相にして内卦に於て興動するは、賊終究本地に到りて橫行せん。凡そ倭寇本地に到るか到らざるかを占するに:官鬼もし本宮内卦に發動せば、必定ここに到る。もし他宮外卦に在れば、就中我の地界に進まず。内卦の官鬼世を持するは、是れ一直に住宅邊上に到るまで鬧す。内卦の官鬼應爻に臨めば、それすなわち來たりしと雖も卻って我家門に進まず。もし它卦身に臨着せば、それすなわち彼此皆殃を遭えん。官鬼發動して退神を化ずるは、賊必ず別處に往きて搶掠せん。官鬼一たび發動せば、來勢就已に形成せり。もし它退神を化ずれば、あれ是れ他處に轉じ往きて劫掠す。もし進神を化ずれば、倭寇很快に到る。當に早些に躲避すべし。
官連旺福合生身,反凶為吉;(官爻發動克世,必遭毒手,若得化出子孫或化子財,反來生合世身者,必然因禍致福,或得財物,或得子女。)陽化陰財刑剋世,弄假成真。(官爻發動不傷世爻而化妻財反傷世爻者,必因貪得財物而惹禍也。若陽鬼化陰財,陰鬼化陽財,須防倭賊假裝婦人,哄誘鄉民,因而遇之不能避也。得世在空避之庶幾可脫。)
官鬼旺相の子孫を連ねて來りて合し來りて卦身を生ずるは、凶を反して吉と爲す。官鬼發動して來りて世を克するは、本必ず毒手を遭えん。然るに它もし子孫を化じ出し、あるいは子孫を化じ出してまた財を化し、反って來りて世爻卦身を生合せば、それすなわち必定禍に因りて福を得て、あるいは些かの財物を得、あるいは子女を得。陽爻の官鬼陰爻の財を化じ出して來りて世爻を刑克するは、あれ是れ假を弄して眞を成すなり。官鬼發動本世爻を傷らざるに、卻って妻財を化じ出して反って來りて世を傷るは、必ず是れ財物を貪圖するに因りて禍を惹く。もし陽鬼陰財を化し・陰鬼陽財を化せば、還は須らく倭賊婦人を假扮して・鄕民を哄騙して、撞上すれば就中躲け開く能わざるを防ぐべし。世爻まさに空亡に落ちて躲開するに非ざれば、こそ勉强身を脫するを得。
賊與三合,爻中必投陷餅;(卦有三合爻動,最怕鬼動其中,或會成鬼局,必主倭夷四邊合來,雖欲避之,前遭後遇,左沖右撞,不能脫離,卦有兩鬼俱動克世亦然。三合兄局,身雖無事,財物失散。三合父局,小兒仔細。三合財局,生合世爻,反主得財。刑剋世爻則主父母失散。三合子局則傷鬼最吉也。)身在六旬,空處終脫樊籠。(身世空亡,雖見刑剋不能為害,避空故也。如癸亥日卜得損之臨卦,日辰扶助,官鬼動克世爻,並無救制,豈非凶兆?然而世坐空亡,果應無事。)
賊と三合と一處に會するは、卦裡就中自ら羅網に投ずるに等し。卦中もし三爻の會合して動ずるあれば、最も官鬼もまた其中に於て發動し、あるいは乾脆官鬼局を會成するを怕る。それすなわち倭寇四面に由りて合圍して來るを主る。躲けんと想うとももまた躲け開く能わず、前頭碰上して・後頭また遇い、左冲右撞身を脫する能わず。卦中兩個の官鬼一齊に發動して來りて世を克するは、情形一樣なり。もし兄弟局を會成せば、人身事なきと雖も、財物卻って散失せん。父母局を會成せば、小孩子當心を要す。妻財局を會成して來りて世爻を生合せば、反って財を得るを主る。もし它世爻を刑克せば、就中父母失散するを主る。子孫局を會成して能く官鬼を傷れば、あれ是最も吉なり。卦身もし本旬の空亡裡に落つれば、終究能く樊籠を脫出す。卦身・世爻空亡に落つれば、縱い刑せられ克せらるとももまた害著せず。它已に空裡に避進せりしなればなり。たとえば癸亥日《損》の《臨》を占得して、日辰また來りて官鬼を扶助して、官鬼發動して來りて世爻を克して、全く救援制伏なし。豈に凶兆に非ざらんや。然るに世爻まさに空亡上に坐せり。後來果して事なし。
官鬼臨身,任爾潛蹤猶撞見;(官爻持世,乃是倭賊臨身,如何可避?如被捉去而占,亦不能脫彼而回。)子孫持世,縱然對面不相逢。(子孫持世不動亦吉,發動尤妙,若臨月建,或帶日辰,或在旁爻旺動,皆吉。卦中雖有鬼動,亦不足畏,大怕空亡,則不幹事。)
官鬼卦身上に臨むは、你怎樣に蹤を藏し迹を匿すに任れどももまた撞見せん。官鬼世を持するは、倭賊身上に貼するに等し。哪裡に躲け開くを得んや。もし是れ已に捉去せられしのち來りて占せば、あれもまた身を脫して回來する能わず。子孫世を持するは、たとい迎面相遇するとももまた認出さず。子孫世を持するは縱い動かずとももまた吉にして、發動せば就中さらに妙なり。它もし月建に臨み・日辰を帶び、あるいは旁爻に於て旺動するは、皆吉なり。こ の時卦中たとい官鬼發動あれども、もまた懼るるに足らず。最も子孫空亡に落つるを怕る。それすなわち事に頂ず。
兄變官爻,切恐鄉人劫掠;(卦中無鬼,或落空亡,而遇兄動變出者,須防鄰人乘機劫盜財物,非真倭賊也,兄在內卦,近鄰人,在外卦,遠方人也。)財連鬼殺,須防藏獲私藏。(卦中無鬼,財變官爻者,恐是家中奴婢假妝倭子,劫掠財物,或在亂中被其藏匿也。在外卦,乃鄰里婦人。)
兄弟が官鬼を變じ出づれば、ただ怕る是れ同鄕の人の來りて搶掠せんことを。卦中本本來官鬼なく、あるいは官鬼空亡に落ちて、卻って兄弟發動に由りて一個を變じ出づれば、それすなわち須らく鄰里の人の亂に乘じて財物を劫奪するを防ぐべし。並に眞の倭寇に非ず。兄弟内卦に在れば、是れ近鄰なり。外卦に在れば、是れ遠處來るの人なり。財爻官鬼のこ の凶殺に連なるは、須らく家中奴婢の私自に藏匿するを防ぐべし。卦中官鬼なく、しかして財爻に由りて官鬼を變じ出づれば、恐怕是れ家裡の奴僕婢女倭寇を假扮して來りて財物を劫掠し、あるいは亂に趁りて東西を私藏するなり。こ の一爻もし外卦に在れば、それすなわち鄰里の婦人の幹せしなり。
日辰沖剋財爻,妻奴失散,動象刑傷福德,兒女拋離。(官鬼動,必有驚險。不拘日辰動爻,被其傷處即不太平。如沖剋財爻,主妻奴失散。沖剋子孫,主兒女拋離之象。)火動克身,恐有燎毛之苦,水興傷世,必成滅首之凶。(卦中火加凶殺,動來克世,主有火燒之禍。火帶財爻,或化妻財,或卦無父母,或父落空亡,房屋必成灰燼。若水加凶殺克世,主有溺水之患,更遇世衰無救,必至溺水死。帶父母動於外卦,則受風雨淋漓之苦。)
日辰財爻を冲克するは、妻子僕婢就中失散せん。動爻子孫を刑傷するは、兒女就中離散せん。官鬼一たび動けば、必ず驚險あり。日辰なるを論ぜず還は動爻なるを論ぜず、它哪一處を傷れば、哪一處就中太平ならず。たとえば財爻を冲克するは、妻妾奴婢失散するを主る。子孫を冲克するは、就中兒女拋離の象なり。火爻發動して來りて卦身を克するは、恐らく毛髮を燒焦するの苦あらん。水爻興動して來りて世爻を傷るは、必ず頂を滅ぼすの凶と成る。卦中火爻凶殺を加着して發動して來りて世を克するは、火燒の禍あるを主る。こ の火爻もし妻財を帶び、あるいは妻財を化じ出し、あるいは卦中父母なく、あるいは父母空亡に落つれば、あの房屋必ず灰燼と燒成せん。もし水爻凶殺を加えて來りて世を克せば、水に落るの患あるを主る。世爻再び衰弱にして救いなければ、必ず淹死に至らん。もし水爻父母を帶びて外卦に於て發動せば、それすなわち風に吹かれ雨に淋らるるの苦を受くべし。
父若空亡,包裡須防失脫;妻如落陷,財物當慮遺亡。(父爻空亡,包裡必然亡失,不然則父母有不測之禍,財空,財物恐有失散,不然則妻妾有不測之禍。子孫空亡憂小口,兄弟空亡憂手足。以上避空則勿斷,惟官鬼空亡為大吉。)五位重交,兩處身家無下落;(凡遇五世爻游魂卦,世爻發動脫身在外,東奔西走,避亂不暇。身宅兩處,不顧財業。更遇日辰動爻沖散世爻,必無安身下落之處,空動尤甚。)六沖亂動,一家骨肉各東西。(八純六沖卦,六爻亂動者,主父子夫妻兄弟骨肉,各自逃命,不能聚於一處。六合卦,雖離一家骨肉,必不分散,以上五條,必須卦有官動,方有此象,不動不可亂言。)
父母もし空亡に落つれば、行李包裹就中丟失を防ぐを要す。妻財もし陷落せば、財物就中失散を慮るべし。父爻空亡に落つれば、包裹必定丟失して、然らざれば就中父母不測の禍あり。財爻空に落つれば、財物恐らく散失せんとし、然らざれば就中妻妾不測の禍あり。子孫空亡に落つれば、憂は小孩子に在り。兄弟空亡に落つれば、憂は手足に在り。已上の幾條、もし是れ難を避くるが爲に空に入れば就中かくのごとく斷ぜず。唯獨官鬼空亡に落つるは是れ大吉なり。第五爻上重爻發動に逢うは、人と家と兩處皆着落なし。凡そ五世卦あるいは遊魂卦に遇いて世爻發動せば、あれ是れ本人身を脫して外に在りて、東に奔り西に走りて、難を逃るるに暇なし。人一處に在り・家一處に在りて、產業を顧上ぐ能わず。もし再び日辰あるいは動爻の世爻を冲散するに遇えば、それすなわち身を安んずるの落脚處を連ねてもなし。世爻空にして動せば就中さらに甚だし。六冲の卦六爻亂動するは、一家骨肉各々東西に奔る。八純卦・六冲卦にして六爻亂動するは、父子・夫妻・兄弟各自命を逃れて、一處に聚まる能わざるを主る。もし是れ六合卦なれば、則ち一家骨肉縱い分開すとも、終究走散に至らず。已上こ の五條、皆須らく卦中官鬼發動あってこそこ の象あり。官鬼動かざれば、就中亂講すべからず。
福臨鬼位刑沖帶殺,則官兵不道;(子動固吉兆,若帶刑害虎蛇等殺沖剋世爻,而又變出官鬼者,乃是官兵乘亂擄掠,非關倭賊事也。子孫雖不傷世,化鬼卻來刑剋者,亦然。且如五月戊寅日有卜倭,得明夷之謙卦,二鬼俱靜,子孫獨發,皆欣喜予獨戒其慎之,蓋子孫雖動,被日辰扶起克世,則非吉兆,況變官爻繫是世墓世臨病爻,謂之帶病入墓,其凶可知,但官從子化出,必非倭夷之禍,乃官兵之禍也,已而果然。)官變兄爻克合傷財,則妻妾遭淫。(官爻發動刑剋世爻,合住財爻,則身被擒獲,妻遭淫汙;如不傷世,而但合住財爻者,身雖無事,妻必被辱也。更化兄爻,既奸而又不放回也;若鬼雖不合妻財,而化兄帶合剋制者,亦然。子化官合財,恐受官兵之辱也。財化子必不順從。)
子孫官鬼の位に落ちて刑冲凶殺を帶ぶれば、それすなわち官兵道理を講ぜざるなり。子孫發動は本本來吉兆なり。然るに它もし刑・害と「白虎」「螣蛇」等の凶殺を帶びて往きて世爻を冲克して、また官鬼を化じ出づれば、それすなわち官兵亂に乘じて搶掠して、倭寇と關無し。子孫縱い世爻を傷らずとも、可なり它の化じ出す所の官鬼來りて世爻を刑克するは、斷法一樣なり。一例を擧ぐ。五月戊寅日人ありて倭情を占して、《明夷》の《謙》を得。兩個の官鬼皆安靜にして、ただ子孫獨發す。衆人皆甚だ高興と爲して、唯獨我他に小心せんを勸む。子孫動ずると雖も、卻って日辰に扶起せられて往きて世を克するは、本來就中吉兆に非ざればなり。況んや它の變出する所の官鬼まさに世爻の墓にして、しかして世爻また病爻に臨む。こ れを病を帶びて墓に入ると叫び、その凶想ひ知るべし。ただあの官鬼子孫に由りて化出せるは、ゆえに是れ倭寇の禍に非ずして、然而官兵の禍なりと斷定す——後來果してかくのごとし。官鬼が兄弟を變じ出して、また往きて合し傷財を克するは、あれ是れ妻妾淫辱を受くるを要す。官鬼發動して來りて世爻を刑克して、同時に財爻を合住すれば、それすなわち本人擒に被られ・妻子汚されん。もし它世爻を傷らずして、ただ財爻を合住せば、則ち自己事なくして妻子必ず辱を受けん。它もし再び兄弟を化じ出づれば、それすなわち姦汚ののち還は人を放して回來せざるなり。官鬼往きて妻財に合せずと雖も、卻って兄弟を化じ出して合を帶びて來りて財爻を克制するは、情形一樣なり。もし是れ子孫が官鬼を化じ出して往きて財に合するは、恐怕官兵に辱を受けん。もし財爻が子孫を化じ出づれば、それすなわち必定肯んじて順從せず。
妻去生扶,只為貪財翻作禍;(鬼爻發動,最喜休囚死絕,決無深傷,若有財動生扶,必為貪彼財物而惹成禍患也,世以己言,應以人言。若在旁爻及日辰帶財者,又是婦人引惹禍來,非為財物也,在內卦自家妻妾,在外卦是他家婦人。)子來沖動,皆因兒哭惹成災。(官鬼安靜,幸也,若被子孫沖動,必有小兒啼哭,因而知覺,乃被其害。世爻沖動,自身惹災,應爻沖動,他人惹禍,兄爻沖動,同伴惹禍,日辰沖動亦然。)
財爻往きて官鬼を生扶するは、ただ財を貪るが因りて反って禍を招く。官鬼發動の時、最も它の休囚死絶を喜ぶ。それすなわち傷深からず。然るにもし財爻ありて發動して往きてそれを生扶せば、必ず是れ對方の財物を貪圖するに因りて禍患を惹出す。ここに世爻は自己に按じて說き、應爻は別人に按じて說く。もし來りて生扶するの財旁爻に在り、あるいは日辰財を帶ぶれば、それすなわち婦人に牽累せられて禍を招くにして、並に財物の爲に非ず。財内卦に在れば是れ自家の妻妾にして、外卦に在れば是れ別人家の婦人なり。子孫來りて官鬼を冲動するは、皆小孩啼哭に因りて災禍を惹出す。官鬼安靜は本本來幸事なり。然るに它もし子孫に冲動せらるれば、必ず是れ小孩聲を哭出して、人に察覺せられ、因てに害を遭えり。もし是れ世爻往きてそれを冲動するは、是れ自己の惹せしの災なり。應爻往きて冲動するは、是れ別人の惹せしの禍なり。兄弟爻往きて冲動するは、是れ同伴の惹せしの禍なり。日辰往きて冲動するも、一樣なり。
得值六親生旺,雖陰何妨?如臨四絕刑傷,逢屯即死。(凡動爻日辰傷克,必有災咎,若受務之爻,生旺而有氣縱有驚險不致傷命。惟怕臨於四絕之地,或在月令衰弱之爻,一克即倒,必然喪命。如五月庚寅日上得大壯之小過卦,日辰妻財,生扶動鬼,刑沖子孫,又克兄弟,果被獲去一弟一子,然子坐絕地,而夏月庚金正弱,兄臨土爻正旺,所以子死菲命,而弟得回來也。世爻亦被動爻沖剋,而無事者,世得避空故也。)世遇亂離,既已逐爻而決矣;時遭患難,亦當隨象以推之。(平居無事,何暇占?卜倘或刑戮所加,戶役所累,或官府擒拿,仇家報復,或禍起於無辜,殃生於不測,苟不避之,終為所害。是以不能無避之占也,然大概與避亂相似,故並附於此。)
六親の爻もしまさに生旺に當れば、縱い暗昧の中に處すともまた何の妨げあらん。もし它四絶の地に落ちてまた刑傷を遭えば、一たび難關に碰上せば就中命なし。凡そ動爻・日辰に傷克せらるれば、必ず災咎あり。ただし克を受くるのあの一爻もし生旺氣あれば、縱い驚險あるとももまた命を送るに至らず。最も它の四絶の地に落つるを怕り、あるいはまさに月令衰弱の時に當れば、それすなわち一克すれば就中倒れて、必定命を喪す。一例を擧ぐ。五月庚寅日《大壯》の《小過》を占得して、日辰是れ妻財にして、往きて發動の官鬼を生扶して、また子孫を刑冲し・兄弟を克傷す。後來果して一個の弟弟・一個の兒子を擄走せられたり。然るに子孫絶地に坐して、しかして庚金夏月に於て本本來衰弱にして、兄弟土爻に臨みて卻ってまさに旺に當る。ゆえに兒子非命に死して、弟弟卻って能く回來す。世爻もまた動爻に冲克せられて安然事なきに至っては、那は是れ世爻まさに空亡に落ちて避開せしが因り。生まれて亂離に逢うは、前面已に爻を逐ひて斷明せり。平時患難に遭遇するも、もまた當にこれらの卦象に照らして往きて推すべし。太平事なきの時、誰か工夫ありて來りて卦を占せんや。然るに一旦刑戮身に加えられ・差役拖累せられ、あるいは官府緝拿し・仇家報復し、あるいは禍無辜に由りて起り・殃不測に由りて生ずれば、躲開せずんば終究害を受くるを要す。ゆえに躲避の占有らざる能わず。こ の一類の斷法大体避亂と相似たり。ゆえに一併にここに附す。
最怕官爻克世,則必難迴避;(不拘脫役避禍,若遇官鬼動來,刑沖剋世,皆不可避,持世亦難。必須鬼爻空亡,或不上卦,或衰絕不動,然後為吉。若鬼雖空絕安靜,卻遇本宮官鬼伏於世下者,目下無事,日後必然舉發。)大宜福德臨身,則終可逃生。(子為解神,若臨身世,或在旁爻發動,值月建日辰,則雖遇官鬼亦不妨事。大怕空亡墓絕,或被父動剋制,則為無用。)
最も官鬼來りて世爻を克するを怕る。それすなわち一定躲け掉る能わず。差役を脫免せんと想うを論ぜず還は禍事を躲避するを論ぜず、ただ官鬼發動して來りて世を刑冲克するに遇えば、皆躲け開く能わず。官鬼世を持するも一樣に躲け難し。必ず須らく官鬼空亡に落ち、あるいは卦に上らず、あるいは衰絶にして動かざれば、こそ吉と算す。然るにもし官鬼空絶に落ちてまた安靜なると雖も、偏偏本宮の官鬼世爻の下に伏せば、それすなわち眼目前事なく・日後必定發作す。最も子孫卦身に臨むを宜とす。それすなわち終究能く性命を逃出す。子孫是れ厄を解くの神にして:它身に臨み世に臨み、あるいは旁爻に於て發動し、あるいは月建・日辰に値れば、則ち縱い官鬼に遇うとももまた事に妨げず。最も它の空亡・墓絶に落つるを怕り、あるいは父母發動に克制せらるれば、それすなわち用なし。
官化父沖,必有文書挨捕;(父母旺動,名字已入憲冊,必有官批,在外鬼爻亦動,事體正急,宜速避之。父化官、官化父,刑剋世爻者,必著公差挨捕,宜慎防之,世爻空亡雖捕不獲。)日沖官散,定多親友維持。(卦中官動,固難逃避,若得日辰動爻沖散之,或剋制合住之,必有心腹親友與我周旋幹事,或解釋、或阻擋,不使之累我也。要知何人,以沖合制鬼之爻定之,鬼帶月建,雖阻無益。)
官鬼が父母を化じ出してまた來りて冲するは、必ず公文ありて下りて緝捕せん。父母旺相にして發動するは、名字已に官府の册子に登進せりを說明して、必ず批文ありて下來せん。もしこ の時外卦の官鬼もまた動せば、事情まさに緊急にして、當に趕快に躲避すべし。父母が官鬼を化し・官鬼が父母を化してまた世爻を刑克するは、必定差役を派して來りて捕拿せん。當に小心提防すべし。ただし世爻もし空亡に落つれば、それすなわち來りて捕ると雖ももまた拿る能わず。日辰官鬼を冲散するは、一定多くの親友ありて出來て維持せん。卦中官鬼發動は本逃避し難し。然るにもし日辰あるいは動爻のそれを冲散し、あるいは克制・合住するを得れば、必ず知心の親友ありて我に替わりて上下周旋し、あるいは中より解說し、あるいは出面して阻攔して、它をして我を連累せしめず。甚麽の人なるかを知らんと要せば、就中往きて冲し・往きて合し・往きて官鬼を制するは哪一爻なるかを看る。倘若官鬼月建を帶ぶれば、則ち縱い人ありて阻攔するとももまた用なし。
鬼伏而兄弟沖提,禍由骨肉;(鬼爻動,要見沖合,鬼爻靜,怕見沖合,如兄弟沖動,鬼來刑剋世爻,是自家骨肉,搜蹤捕跡,恐難逃避。若鬼伏藏而遇動爻,日辰沖開提起者,亦以六親定其害我之人。世爻自去提起者,必是自不小心,撞見之也。)官靜而旁爻刑剋,事出吏書。(鬼動,其事必由官府;鬼靜而卦中動爻日辰刑剋世爻者,乃是下司。本局自作主張,或是仇家陷害也。若化兄爻,或卦中兄兼動者,是欲索詐財物也。)
官鬼本已に隱伏せるに、卻って兄弟に冲開して提起せられれば、禍就中自家骨肉の身上に出ず。官鬼發動の時、須らく它冲せられ合せらるる否かを看るべし。官鬼安靜の時、反って冲合を見るを怕る。たとえば兄弟發動して官鬼を冲起して、官鬼轉じて來りて世爻を刑克すれば、それすなわち自家骨肉人に替わりて蹤跡を搜索して、ただ逃避し難きを怕るのみ。もし官鬼本伏藏するに、卻って動爻あるいは日辰に冲開飛神提起せらるれば、同じくあの一爻の六親の身分に按じて、我を害するは甚麽の人なるかを定出す。もし是れ世爻自己それを提起し來るなれば、あれ必ず是れ自己小心ならざりしにして、人家に撞上せしなり。官鬼安靜にして旁爻來りて刑克するは、事情就中衙門書吏の身上に出ず。官鬼發動するは、事情必ず官府に由りて來る。官鬼安靜にして、しかして卦中動爻あるいは日辰來りて世爻を刑克するは、それすなわち下面の衙門本局自ら主張を作して、あるいは是れ仇家の陷害なり。もしあの一爻兄弟を化じ出し、あるいは卦中兄弟同時發動せば、それすなわち機に借りて錢財を敲詐せんと想うなり。
應若遭傷當累眾;(官鬼傷克應爻,必然累及親友,日辰刑剋應爻亦然。)妻如受克定傷財。(妻財如遇兄弟動,必主破費財物,財用合住官爻,或沖散官鬼,或化子剋制官鬼,皆宜交財買求,方得無事。)
應爻もし傷克を遭えば、必定衆人を牽累せん。官鬼應爻を傷克するは、必然親友を連累す。日辰應爻を刑克するも、一樣なり。妻財もし克を受くれば、一定須らく財を破るを要す。財爻もし兄弟發動に遇えば、必ず錢財を破費するを主る。もし財爻往きて官鬼を合住し、あるいは官鬼を冲散し、あるいは子孫を化じ出して來りて官鬼を克制せば、それすなわち皆當に錢を拿りて往きて打点買通して、こそ事を免るる能し。
偏喜六爻安靜,(六爻不動,鬼爻無沖並者,患難可避戶役可脫,大吉之兆。)又宜一卦無官。(無鬼則無官主張,事必平安,空亡亦吉。)或身世之逢空,(世爻空亡,百事消散,縱有鬼動,亦不妨事。)或用神之得地。(卦中得用之神旺相有氣,不逢刑剋沖害,不化死墓空絕,皆為得地,必得此人之力,如占避居何處,亦以此方為吉。如鬼爻發動,得父爻合住,則父爻為用神也,餘仿此。)
偏偏喜ぶは六爻安靜なり。六爻皆動かずして、官鬼また冲せられ・併せらるるなくば、則ち患難躲け開くを得・差役脫け掉るを得て、是れ大吉の兆なり。また整卦官鬼なきを宜とす。官鬼なければ、就中人なくして來りてこ の件事を主持して、事情必然平安なり。官鬼空亡に落つるも、もまた吉と算す。あるいは卦身世爻恰好落空する。世爻空亡に落つれば、百事消散して、縱い官鬼發動あるとももまた事に妨げず。あるいは當用の神まさにその地を得る。卦中得用の神旺相氣ありて、刑克冲害を遭わず、もまた死・墓・空・絶に化入せざれば、こ れを得地と叫び、必ず能くこ の個人の力を借上ぐ。もし哪の地方に到りて躲るべきかを占せば、もまたこ の一爻の屬する所の方位を以て吉と爲す。たとえば官鬼發動して、しかして父母爻能くそれを合住せば、則ち父母就中こ の一卦の用神なり。その餘はこれに倣え。
天來大事也無防,海洋深仇何足慮。(此二句總結上四條,卦中有一象。決然無事也。)事有百端,理無二致。潛心玩索,若能融會貫通,據理推占,自得圓神不滯。
たとい天大の事なるとももまた妨げなし。海のごとき深きの仇怨また何ぞ憂慮するに足らん。こ の兩句是れ上面四條を總結す。卦中ただ其中一象を具備すれば、就中斷然事なし。世事名目百種あると雖も、道理卻ってただ一個のみ。もし能く心を潛めて玩味し・融會貫通して、理に依りて往きて占を推せば、自然圓通神妙にして滯礙せず。
逃亡
寬以御眾,侮慢斯加,嚴以治人,逃亡遂起,故雖大聖之有容,尚謂小人之難養。須察用爻,方知實跡。(用爻者,妻妾奴婢逃亡,看財爻類是也。)
下人を待ること太く寛なれば、它ら便ち輕慢無禮なり。管束太く嚴なれば、它らまた乾脆逃走す。ゆえに縱い聖人涵容の量あるとも、もまた小人養い難しと說く。逃亡を占するに、須らく先に用爻を察明して、こそ實情を知る。所謂用爻は、就中逃走の人に按じて相應の六親を取るにして:妻妾・奴婢逃亡すれば、就中妻財爻を看る。その餘はこれに照らして類推す。
若臨午地,必往南方;或化寅爻,轉移東北。(凡占逃亡,用爻安靜,以所臨之地為逃亡去向,如坎北方,午南方類。用爻發動,以變爻定其方向;如臨午動變出寅,可言初去在南方,今移於東北方也,獨發之爻,亦可定方,六爻安靜,卦無主象,則以應爻定之。)木屬震宮,都邑京城之內,金居兌象,庵院寺觀之中。(用爻在乾宮尊長家,或在父族,或隱於樓閣上。坎宮兄弟家,或在船上,或水亭中,艮宮少男家,或在山間,或在高崗煙去處,或石匠人家。震宮竹木林中,或有須人處或城市間。離官姊妹妯娌家,或窯冶所在,金爻銅鐵匠家。巽宮花園蔬圃之內,死絕柴草之中,或在賣履織蓆之家,坤宮老陰人家,或在母族,或在曠野墳墓去處。兌宮在女人家,旺相寺觀中,休囚庵院內,更宜變通不可執滯。)
用爻もし午上に落つれば、人必ず南方に往かん。它もし寅爻を化じ出づれば、就中東北に轉じ到れり。凡そ逃亡を占するに、用爻安靜の時、就中它の臨む所の地支を拿りて去向を定む。たとえば坎に落つれば爲に北方・午に落つれば爲に南方。用爻發動の時、就中變爻を拿りて方向を定む。たとえば它午に臨みて動じて・寅を變じ出づれば、就中起初南方に逃れ・如今已に東北に移到せりと說きうる。もし卦中ただ一爻獨發あれば、もまたそれを用いて方位を定めうる。もし六爻安靜にして卦中また主象なければ、就中應爻を取りて來りて定む。用爻木に屬して《震》宮に在れば、人都邑京城の内に在り。金に屬して《兌》象に在れば、人庵院寺觀の中に在り。宮を逐ひて來りて說く。用爻《乾》宮に在れば、是れ尊長家に在り、あるいは父親一族に在り、あるいは樓閣上に藏れり。《坎》宮に在れば、是れ兄弟家に在り、あるいは船上・水亭中に在り。《艮》宮に在れば、是れ少年男子家に在り、あるいは山裡・高岡煙火處に在り、あるいは石匠人家に在り。《震》宮に在れば、是れ竹木林中に在り、あるいは鬍鬚あるの人の處に在り、あるいは城市の間に在り。《離》宮に在れば、是れ姊妹妯娌家に在り、あるいは窯爐冶坊の所在に在り、もし是れ金爻なれば就中銅鐵匠家なり。《巽》宮に在れば、是れ花園菜圃裡に在り、もし死絶に落つれば就中柴草堆中に在り、あるいは鞋を賣り・席を織るの人家に在り。《坤》宮に在れば、是れ老年婦人家に在り、あるいは母親一族に在り、あるいは曠野墳地に在り。《兌》宮に在れば、是れ女人家に在り、旺相なれば則ち寺觀中に在り、休囚なれば則ち庵院内に在り。これら還は須らく靈活變通して、死守すべからず。
鬼墓交重,廟宇中間隱匿;休囚死絕,墳陵左右潛藏。(用持鬼墓,其人必在聖堂神廟中;死絕無氣,則在墳墓左右;用爻入墓,乃在人家牆圈內住,不然亦主深居不出而難尋。)如逢四庫,當究五行;(四庫辰戌丑未是。如用爻屬木卦,有未動類。凡遇墓庫,不可一例推,如辰為水土庫,必在水邊墓側人家。戌為火庫,乃在寺廟香火去處。丑為金庫,是在銅鐵銀匠家,或在冶坊內。未為木庫,則在園林柴草間,或木工蔑匠之家,己土爻亦依此斷。凡占逃亡盜賊若遇墓爻,決難尋見。直待沖破墓月日,方可覓。)倘伏五鄉,豈宜一類。(卦無主象,須看伏在何爻下,便知其人在於何處,如伏鬼下,在管倉庫家中。旺加月建,官戶人家。休囚無氣,公吏人家。伏父下,叔伯父母尊長家,不然在手藝人家。伏兄下,兄弟姊妹相識朋友家。伏財下,奴婢妻妾陰人處,或富戶人家。伏子下,在寺觀中卑幼處也。又如伏於鬼墓下,不在廟宇中則在寺庵內。又如伏於財庫爻下,不在倉庫中,則在富豪家也。)
用爻官鬼の墓を帶びて交重發動に逢えば、人廟宇の裡頭に躲れり。它もし休囚死絶なれば、就中墳塋の左右に藏れり。用爻自ら鬼墓を持するは、此人必ず神堂廟宇の中に在り。它もし死絶氣なければ、就中墳墓の附近に在り。用爻墓に入るは、則ち人家の院牆の圈子裡に住して、然らざればもまた深居して出でざるを主り、尋找し難し。もし四庫の爻に遇上せば、就中當に五行を推究すべし。四庫は辰・戌・丑・未を指す。たとえば用爻木に屬して、しかして卦中未爻發動せば、就中木の未庫に入るの類なり。凡そ墓庫に遇うに、一概に論ずべからず。辰是れ水土の庫にして、人必ず水邊あるいは墳墓旁の人家に在り。戌是れ火庫にして、人寺廟香火の地に在り。丑是れ金庫にして、人銅鐵銀匠家に在り、あるいは冶坊裡に在り。未是れ木庫にして、人園林柴草の間に在り、あるいは木工篾匠の家に在り。己土の爻に至っては、もまたかくのごとく照らして斷ず。凡そ逃亡と盜賊とを占するに、一たび墓爻に遇えば就中決して尋見し難し。墓庫を冲破するの月日を等てずんばこそ尋得着る。倘若用爻六親の下に伏せば、もまた能く一例に看待せず。卦中もし主象なければ、就中它の哪一爻の底下に伏するかを看て、便ち人何の處方に在るかを知る。官鬼の下に伏すれば、是れ倉庫を管するの人家に在り、官鬼旺にして月建を加うれば是れ官宦人家にして、休囚氣なければ是れ衙門吏員人家なり。父母の下に伏すれば、是れ叔伯父母尊長家にして、然らざれば就中手藝人家に在り。兄弟の下に伏すれば、是れ兄弟姊妹あるいは相識朋友家なり。妻財の下に伏すれば、是れ奴婢妻妾等の女人の處にして、あるいは富戶人家なり。子孫の下に伏すれば、是れ寺觀の中あるいは晚輩の處なり。又如官鬼の墓の下に伏すれば、廟宇に在らざれば就中寺庵に在り。財庫の爻の下に伏すれば、倉庫に在らざれば就中富豪家に在り。
木興水象,定乘舟揖而逃;(用爻屬木在坎宮動者,必乘舟逃去。木化水,水化木,或木在水宮動,或水動木宮者,皆然。用爻若臨火土,乃是陸地潛行。用爻沖動水爻,涉水逃去;沖動火爻,躍牆越籬而去,水爻刑剋用爻,必曾溺水)。動合伏財,必拐婦人而去。(用爻動來與本宮財爻作合,其人必拐婦人逃去,財若伏於世下,必是妻妾;應爻下,鄰家婦人,在旁爻,使令女子,主象變出之爻與卦中財合者,亦然。若婦人逃亡遇財官相合,亦是暗約情人而去也。)
木爻水象中に於て興動するは、此人定まって是れ船を乘りて逃走せり。用爻木に屬して《坎》宮に於て發動せば、必ず船を乘りて逃げ去れり。木が水を化し・水が木を化し、あるいは木爻水宮に於て發動し・水爻木宮に於て發動するは、皆一樣なり。用爻もし火・土に臨めば、それすなわち陸路に由りて潛行せり。用爻往きて水爻を冲動するは、是れ水を涉りて逃る。火爻を冲動するは、是れ牆を翻へ籬を越えて走る。もし水爻反って來りて用爻を刑克せば、あれ他必ず曾て水に落ち過ぎたり。用爻發動して往きて伏せるの財爻に合するは、必ず婦人を拐いて一同に逃走せり。用爻發動して本宮の財爻と相合するは、此人必ず婦人を拐帶して逃走せり。こ の財爻もし世爻の下に伏すれば、あれ是れ自家の妻妾なり。應爻の下に伏すれば、是れ鄰家の婦人なり。旁爻に在れば、是れ使喚の丫頭なり。もし是れ主象變出の爻卦中の財爻と相合するも、斷法一樣なり。倘若逃走する本來婦人にして、しかして卦中財と官鬼と相合せば、それすなわち暗中情人を約して一同に私奔せしなり。
內近外遠生世,則終有歸期;(用爻在本宮內卦,人在本地,或在宗族之中,初爻在鄰里,二爻在鄉黨。本宮外卦,本府別縣去。他宮內卦,外縣交界處。他宮外卦,別府州縣,更在六爻,遠方逃去。若臨世上,其人未曾出窟,最喜生世合世,其人雖去常思故里。日後當自歸,尋亦易見也。)靜易動難坐空,則必無尋路。(用爻不動,其人易尋;動則遷徙無常,指東言西,或更名改姓,必難尋獲。若落空亡,杳無蹤跡;動入空亡,逃後必死,亦有大難。有故空亡恐人察識遂深避之;無故空亡必有歸日。)
用爻内卦に在れば則ち人近處に在り、外卦に在れば則ち人遠處に在り。它もし來りて世を生ずれば、終究還は歸期あらん。用爻本宮内卦に在れば、人就中本地に在り、あるいは還は宗族の内に在り。初爻に落つれば是れ鄰里に在り、二爻に落つれば是れ同鄕に在り。本宮外卦に在れば、是れ本府の別縣に逃れり。他宮内卦に在れば、是れ外縣交界の處に在り。他宮外卦に在れば、是れ別府別州なり。もしまた第六爻に落つれば、それすなわち遠方に逃げ去れり。もし用爻世上に臨めば、此人還は未だ窩を離れず。最も它の來りて世を生じ世に合するを喜ぶ。あれ說明するに人走りたりしと雖も卻って常に故鄕を想着して、日後自ら回來して、找し往くももまた見著し易し。用爻安靜なれば就找し易く、發動すれば就找し難し。它もし空亡上に坐せば、それすなわち路なくして尋るべし。用爻動かざれば、人尋得し易し。一たび動けば就中遷徙常なく、東を說いて西に往きて、甚至改名換姓して、必然尋獲し難し。もし它空亡に落つれば、それすなわち杳として蹤跡なし。もし動じて空亡に化入せば、逃げ出去りてのち必ず死し、至少くとももまた大難あらん。ただし落空須らく兩種を分かつべし。緣故あるの空は、是れ他人に認出せらるるを怕れて躲るることさらに深し。緣故なきの空は、反って終に回來の一天あらん。
合起合住,若非容隱即相留;(靜爻逢合則合起,動爻逢合則合住,若日辰動爻合起主象,必有窩藏容隱在家者,卒難尋見;如被合住,則有人相留在家,不致放竄也。要知相留容隱之人,以合爻定之,如子孫為僧道,官鬼為巡捕類。合爻與世沖剋決不來報。)沖動沖開,不是使令當敗露。(靜爻逢沖為沖動,動爻逢沖為沖開,用爻遇動爻日辰沖動,家中必有人使令逃亡者,如父是尊長,財是妻妾類。若被沖開,有人喝破,去後必當敗露。沖爻是兄或化兄,必被索詐財物。更帶刑爻或加蛇虎,仍被鞭撻,動空化空終必疏放。)
合起しあるいは合住するは、人ありて窩藏するに非ざれば就中人ありて挽留す。靜爻合に逢うを合起と叫び、動爻合に逢うを合住と叫ぶ。もし日辰あるいは動爻主象を合起せば、必ず人ありて他を家裡に窩藏して、一時尋着せず。もし合住せられれば、あれ是れ人ありて他を留めて家住せしめて、再び別處に往きて流竄するに至らず。窩藏しあるいは挽留するは甚麽の人なるかを知らんと要せば、就中來りて合するのあの一爻何の六親に屬するかを看る。たとえば子孫是れ僧道・官鬼是れ巡捕の類なり。もしこ の合爻世爻と相冲相克せば、あれ他決して來りて我に通報せず。冲动しあるいは冲开するは、人ありて他に走らしむるを指使するに非ざれば就中走りてのち事情敗露せんと要す。靜爻冲に逢うを冲动と叫び、動爻冲に逢うを冲开と叫ぶ。用爻もし動爻・日辰に冲动せらるれば、あれ是れ家裡人ありて他に逃走するを指使せしにして、たとえば父母就中尊長・妻財就中妻妾の類なり。もし是れ冲开せらるれば、それすなわち人ありて當面喝破して、他走りてのち事情終に敗露せん。來りて冲するはもし兄弟なれば、あるいは兄弟を化じ出づれば、必ず人に錢財を敲詐せられん。再び刑爻を帶び、あるいは「螣蛇」「白虎」を加えれば、還は一頓の鞭打を挨がん。ただし它もし動じて空に落ち・空亡に化入せば、終究還は是れ人を放して了れり。
動爻刑剋,有人阻彼登程;日建生扶,有伴糾他同去。(用爻遇動爻,日辰相剋,必被他人責打,逢沖被人喝破,遇克被人捉住。有扶有並有人同去,有生有合,有人糾他同去。以上刑剋等爻與世有情,必來報我,與世無緣,雖阻何益?若在五爻,宜路上候之。)
動爻來りて刑克するは、人ありて他を攔えて路に上らしめず。日辰月建來りて生扶するは、同伴ありて他を約して一起走せしむ。用爻もし動爻・日辰の克する所と爲れば、他必ず人に責打せられん。冲に逢えば、是れ人に喝破せられ。克に遇えば、是れ人に捉住せらる。もし扶あり・併あれば、就中人ありて同行せり。生あり・合あれば、就中人ありて他を邀えて一起走せしめり。上面これらの刑克の爻、もし世爻と情あれば、必ず來りて我に向かいて信を報せん。もし世爻と緣なければ、則ち縱い他を攔住し了れたるとも、我に於てまた何の用あらん。これらの爻もし第五爻上に落つれば、就中當に路上に到りて往きて他を等つべし。
間爻作合,原中必定知情;(間爻為原保人,無保以鄰里斷之,如與用爻相合,必知其情,更與世爻沖剋,必是此人誘去,空合或化空亡,始雖知情,今去不知其去也。)世應相沖,路上須當撞見。(世應俱去相沖,途中必然撞見,用爻與世動沖亦然。世爻動克用爻或世旺應衰,必然擒拿;應旺世衰或用爻克世,雖能遇見不能捕之。)
間爻と用爻と相合するは、原保中人一定知情なり。間爻は原保の人を代表す。もし保人なければ、就中鄰里に按じて論ず。它用爻と相合せば、必定内情を知れり。もし它再び世爻と冲克せば、それすなわちこ の個人他を誘い走らせしなり。もしこ の合是れ空合なれば、あるいは它空亡に化入せば、それすなわち當初知情なりしと雖も、如今人走りたれば他もまた去向を知らず。世應兩爻相冲するは、路上准じて撞見せん。世應互相冲擊するは、途中必定碰上す。用爻と世爻と發動相冲するも、一樣なり。世爻發動して往きて用爻を克し、あるいは世旺にして應衰なれば、必ず能く人を拿住せん。もし應旺にして世衰なり、あるいは用爻反って來りて世を克せば、それすなわち碰上ると雖も、卻って他を捉え住る能わず。
無沖無破居六位,則一去不回;有克有生在五爻,則半途仍走。(用爻不受刑沖剋害,又不生合世爻,而世爻不克應者,是逃者不思歸,尋者不得見,乃一去不回之象。若動爻日辰剋制用爻,是可擒之象,若遇變出之爻,反生合用爻者,主捕後仍被逃走,在五爻途中斷,在內卦到家斷,持世爻則捕歸而復逃也。)
用爻既に冲なくまた破なくして第六爻に落つれば、此人一去回來せず。既に克ありまた生ありて第五爻に落つれば、此人半路上還は須らく再び逃げん。用爻刑冲克害を受けず、もまた來りて世爻を生合せずして、しかして世爻また應爻を克する能わざれば、それすなわち逃ぐるの人回らんと想わず・找するの人見著せずして、是れ一去返らざるの象なり。もし動爻・日辰能く用爻を克制せば、あれ是れ擒獲すべきの象なり。然るにもし變出の爻反って來りて用爻を生合せば、就中捉え回りてのち仍舊跑げんを主る。こ の一爻第五爻に在れば、路上跑げ掉れりと斷作す。内卦に在れば、家に到りてこそ跑げたりと斷作す。もし它世爻を持せば、それすなわち捉え回りてのちまた逃げたりしなり。
主象化出主象,歸亦難留;(卦有用爻不宜再化出來,謂化去必難捕獲;若被世爻動爻日辰剋制,庶可尋覓,但捉歸之後,亦不久留。)本宮化入本宮,去應不遠。(本宮仍化本宮卦,其人逃在本處地方,必不遠出別境;若用爻在他宮動,而又化入他宮者,遠去他方,不在本鄉也。)
主象また一個の主象を化じ出づれば、人捉え回るとももまた留め住る能わず。卦中已に用爻あれば、就中再び一個を化じ出づるを宜とせず。一たび化じ出去れば、就中化去と叫び、必ず捕獲し難し。もし它世爻・動爻あるいは日辰に克制せらるれば、還は勉强尋得着る。ただ是れ捉え回りてのちももまた留まること長久せず。本宮の卦また本宮に化入するは、人逃ぐること應に遠からざるべし。本卦某宮に屬し・變卦仍として某宮に屬すれば、此人就中本地に逃れて、必ず本境を出でず。もし用爻他宮に於て發動して、また他宮に化入せば、それすなわち遠く他鄕に走りて、本地に在らざるなり。
歸魂卦用仍生合;不捕而自回;游魂卦應又交重,能潛而會遁。(凡遇歸魂卦,人有還鄉意,若世應比和生合,或主象生合世爻者,必自歸,尋之亦易見;惟遇游魂卦,其人必無存心,決不思歸,更若應爻發動,必能東遷西徙隱諱實跡。能潛會遁,尋之必難見面。若得世爻旺動克應,日辰動爻制伏主象,庶可尋獲,亦不費力。)世克應爻,任爾潛身終見獲;應傷世位,縱然對面不相逢。(世克應,是我制住他,去不甚遠,尋之易見,應克世,是他得志去,有自由之象,尋之難見。)
歸魂卦を得て用爻また來りて生合するは、往きて他を捉えずとももまた他自ら回來せん。遊魂卦を得て應爻また交重發動に逢うは、此人藏れ逃げるを善くす。凡そ歸魂卦に遇えば、此人鄕に還るの意あるを說明す。もし世應比和相生相合し、あるいは主象來りて世爻を生合せば、他必ず自己回來して、找し往くももまた見著し易し。唯獨遊魂卦に遇えば、此人必定身を安んずるの心なく、決して家に回らんと想わず。もし應爻再び發動せば、他就能く東に搬り西に移して・行蹤を掩蓋し來りて、藏るを會し躲るを會して、他を找せば必ず見面し難し。こ の時もし世爻旺動して往きて應爻を克し、あるいは日辰・動爻能く主象を制伏するを得れば、こそ勉强尋得着て、しかも大力氣を費すを必とせず。世爻應爻を克するは、他怎樣に身を藏するに任れども終歸捉えられん。應爻世位を傷るは、縱い當面碰上するとももまた認出さず。世應を克するは、是れ我制し住るを得て、他走ること遠からずして、尋得し易し。應世を克するは、是れ他勢を得て去りて、行動自由にして、就中尋り難し。
父母空亡,杳無音信;(父母必有信,動空化空皆是虛信;旺相空亡,半真半假;休囚空亡杳無音信。父化父或兩父動,必有兩處人來報信,若遇日辰合住,必被人阻不能來報。用爻化父,或卦無用爻,而遇父母化出,當出招子候緝,然後有信。)子孫發動,當有維持。(子孫臨身世,則好去好回,自然順利;如在旁爻動,或繫日辰生合世爻,必有維持調護之人,縱有逆事不能為害。)
父母空亡に落つれば、就中杳として音信なし。父母は消息を代表して、卦中它あれば必ず信の來るあり。它動じて空に落ち・空亡に化入するは、皆是れ假消息なり。旺相にして落空するは、半眞半假なり。休囚にしてまた落空するは、それすなわち一點の音信もなし。もし父母が父母を化し、あるいは兩個の父母同時發動せば、必ず兩處の人ありて來りて信を報せん。もし日辰のそれを合住するに遇えば、それすなわち人ありて攔住して、信を報じ成らざるなり。もし用爻が父母を化じ出し、あるいは卦中本本來用爻なくして父母に由りて化出せば、それすなわち當に招帖を出張して懸賞緝査して、然るのちこそ消息あらん。子孫發動するは、自ら人ありて中より維持せん。子孫身に臨み世に臨めば、就往きて順當にして・回りて順當にして、自然順利なり。它もし旁爻に於て發動し、あるいは日辰子孫を帶びて來りて世爻を生合せば、必ず人ありて我に替わりて維持照應して、縱い順ならざるの事あるとももまた我を害する能わず。
眾殺傷身,切恐反遭刑辱;(動變月日,刑沖剋害世爻者,眾殺傷身也,須防反遭刑辱;得世爻空避,庶可免脫其禍。)動兄持世,必然廣費資財。(兄弟持世,費財可尋,旺相發動,必然廣費資財;若加玄武乘旺動克,須防有人劫騙,世化兄,自家失脫;世臨無故自空,亦有遺亡之患。)
衆多の凶殺一齊に來りて卦身を傷るは、ただ自己反って刑を受け辱を受くるを要せんを怕る。動爻・變爻と月建・日辰と一齊に世爻を刑冲克害するを、就中衆殺の身を傷ると叫び、須らく往きて人を追うに反って人に整治せらるるを防ぐべし。世爻まさに空亡に落ちて躲開するに非ざれば、こそこ の場の禍を免れうる。兄弟發動して世を持するは、必定大きく錢財を破らん。兄弟世を持するは、錢を花して往きて人を找すを得。它旺相にして發動せば、それすなわち必定大きく資財を費やさん。もし它再び「玄武」を加えて旺に乘じて發動して來りて克せば、須らく人ありて劫奪誆騙するを防ぐべし。世爻もし兄弟を化じ出づれば、あれ是れ自家東西を丟す。世爻もし無故に自ら空亡に落つれば、同じく遺失の患あり。
父動變官,必得公人捕捉;(卦中父化官,官化父或官父俱動,必須興詞,告官差捕,然後可獲也。)世投入墓,須防窩主拘留。(凡遇凶卦而世入墓者,必有反被拘留之辱;卦吉而遇此象,則尋見之後有災病。)
父母發動して官鬼を變じ出づれば、必ず須らく官差を請いて往きて捉拿せんことを要す。卦中父母が官鬼を化し・官鬼が父母を化し、あるいは官・父同時發動せば、それすなわち須らく先に狀子を遞して・官府に告げて差役を派して往きて捕せしめて、然るのちこそ拿り住るを得。世爻自ら墓中に投ずるは、須らく窩主に扣留せらるるを防ぐべし。凡そ凶卦に遇いて世爻墓に入れば、人を追う反って扣留せらるるの辱を受くるを要す。もし卦本吉にしてこ の種の象あれば、それすなわち人を尋得着てのち自己災病あらんなり。
世應比和不空,必潛於此;(凡卜逃人在此處否,須得世應生合比和,用爻出現不空,必在此處;若用爻或空或伏,或被日辰動爻刑剋,其人決不敢往;兄弟獨發,亦不在此處;若用爻變出之爻與應爻作合,或與日辰相合,必曾潛住於此則轉移他處矣。)世應空亡獨發,徒費乎心。(逃亡世空,去尋不成;應空尋亦不見;世應俱空,必主空回,決無尋處,兄弟獨發,虛詐不實,亦不見也。)但能索隱探幽,何慮深潛遠遁?
世應比和にしてまた皆落空せざれば、人必ずここに藏れり。凡そ逃亡の人某處に在るか否かを占するに、須らく世應相生相合あるいは比和して、用爻また出現して落空せざれば、あの人必ずこ の處に在り。もし用爻落空し・隱伏し、あるいは日辰・動爻に刑克せらるれば、他斷然敢えてここに往きて來ず。もしただ兄弟獨自發動あるのみなれば、もまたここに在らず。もし用爻變出の爻應爻と相合し、あるいは日辰と相合せば、あれ是れ曾てこ の處に藏れ過ぎて、如今已に別別處に轉じ去れり。世應落空してただ兄弟獨發あるのみなれば、それすなわち白く一場の心を操するのみ。逃亡を占して世爻落空せば、找し往くももまた找し成らず。應爻落空せば、找し了れどももまた見著せず。世應皆空なれば、必定空手にして回りて、根本に尋るべき處なし。もしただ兄弟獨發あるのみなれば、あれ是れ虛詐不實にして、同じく人を見著せず。ただ能く隱微幽深の處を一一探り出さば、また何をか愁えん、他の藏るること深く逃ぐること遠きを。
失脫附盜賊・捕賊
民苦飢寒,每有穿窬之輩;物忘檢束,亦多遺失之虞。要識其中之得失,須詳卦上之妻財。(財爻為所失之物,一卦之主。)
百姓饑寒に苦して、就中常に牆を翻へ洞を鑽るの賊あり。東西收拾を忘れて、もまた多く遺失の可能あり。其中の得失を弄清せんと要せば、就中須らく卦上の「妻財」爻を細看す——財爻は失する所の物を代表して、是れこ の一卦の主象なり。
自空化空,皆當置而勿問;日旺月旺,縱未散而可尋。(財爻無故自空,或動化空,皆尋不見,固當置而勿問;若財爻得月令有氣,或在目下生旺之地者,其物未散,必然可尋,旺相空亡可得一半。)
財爻無故に自ら空に落ち、あるいは動じて空を化するは、就中當に丟開して問ふを必とせざるべし。它もし日辰月建の旺を得れば、東西還は未だ散失せず、仍お尋回すべし。財爻無緣無故に自ら空亡に落ち、あるいは發動して空亡に化入するは、皆找し回り來る能わずして、索性放下して別に問はず。もし財爻月令を得て氣あり、あるいはまさに當下生旺の地に落つれば、あの物件還は未だ散掉せずして、必定尋得着る。もし它是れ旺相にして落空せば、則ち一半を尋回すべし。
內卦本宮,搜索家庭可見;他宮外卦,追求鄰里能知。(財在內卦,又屬本宮,其物未出家庭,尋之必見;財在外卦,又屬他宮,物已出外,尋之便難見矣。在間爻鄰里人家可尋。若財雖在內,不在本宮,其物在屋之外,不在屋之內;財雖在外,卻屬本宮,其物在宅之內,不在宅之外,更宜通變。)
財爻内卦に在りてまた本宮に屬すれば、自家に於て搜ひ搜ぬれば就找し到る。它外卦に在りてまた他宮に屬すれば、就中須らく鄰里に向かいて打聽してこそ下落あらん。財爻内卦に在りてまた本宮に屬すれば、東西還は未だ家門を出でず、找ひ搜ぬれば必ず能く見著せん。財外卦に在りてまた他宮に屬すれば、東西已に外面に流れて、就中尋り難し。もし它間爻に落つれば、可に鄰居家に到りて往きて尋るべし。これの外還は須らく通通變す。財内卦に在ると雖も卻って本宮に屬せざれば、あの東西屋外に在りて屋裡に在らず。財外卦に在ると雖も仍として本宮に屬すれば、あの東西還は宅内に在りて宅門を出でず。
五路四門六乃棟樑閣上,(財在六爻繫本宮物在屋上,屬金,在壁頭上,加螣蛇在瓦楞下;屬木在樑上,加勾陳在斗棋上,日辰作合在閣板上;屬水在屋漏處,加玄武在坑屋上;屬火在天窗邊或在廚灶屋上;屬土在燕窩中。六爻繫外宮物在遠方,屬土在牆邊;屬木在籬邊。財臨五爻物在路邊,動則去遠;繫本宮在家中裡,或人常走動處。財臨四爻物在門前,繫他宮則在牆門外也。)
第五爻是れ道路にして、第四爻是れ門戶にして、第六爻是れ棟梁と閣樓の上なり。財爻第六爻に在りて本宮に屬すれば、東西屋頂上に在り。金に屬すれば、牆頭に在り、再び「螣蛇」を加えれば瓦楞の下面に在り。木に屬すれば、房梁上に在り、「勾陳」を加えれば斗拱上に在り、もし日辰相合を得れば閣板上に在り。水に屬すれば、屋子雨の漏るの地方に在り、「玄武」を加えれば茅廁の屋上に在り。火に屬すれば、天窗邊に在り、あるいは廚房竈屋上に在り。土に屬すれば、燕窩裡に在り。もし第六爻外宮に屬すれば、東西就中遠處に在り。土に屬すれば牆邊に在り、木に屬すれば籬笆邊に在り。財爻第五爻に在れば、東西路邊に在り。它一たび發動せば、就已に帶び遠くせられり。もし本宮に屬すれば、それすなわち家中過道に在り、あるいは人常に走動するの地方に在り。財爻第四爻に在れば、東西門前に在り。もし他宮に屬すれば、就中大門外面に在り。
初井二灶三為閨閫房中。(財臨三爻,繫本宮物在房中,屬金鐵器中;屬木在床邊,有合在箱籠廚櫃中;屬水在馬子下;屬火在香火堂中或火爐內,燈架邊;屬土房中酥泥內;外宮則以屋外事斷,如金為街砌類。財臨二爻,物在廚灶邊,屬金碗盞缸甏盆中;屬木五穀木器內;屬水盛汲漿水器中;屬火煙樓灶肚內;屬土灰堂泥土中。財臨初爻,物必蓋地,屬金在磚石堆內;屬水在井中,父母作合在陰溝內;屬木在地臺下;屬火灰堆中或灶基下;屬土埋藏土中,生旺方埋,墓絕埋久,胎養方欲起意埋藏,未曾下手。)
初爻是れ水井にして、二爻是れ竈頭にして、三爻是れ内室臥房なり。財爻第三爻に在りて本宮に屬すれば、東西臥房裡に在り。金に屬すれば鐵器中に在り。木に屬すれば床邊に在り、もし合あれば就中箱籠櫥櫃裡に在り。水に屬すれば便桶の下面に在り。火に屬すれば香火堂中に在り、あるいは火爐裡・燈架架邊に在り。土に屬すれば房中の酥松なる泥土裡に在り。もしこ の一爻外宮に屬すれば、就中屋外の事に按じて斷ず。たとえば金に屬すれば就中街上の石砌なり。財爻第二爻に在れば、東西廚房竈邊に在り。金に屬すれば碗盞缸瓮盆裡に在り。木に屬すれば糧食あるいは木器中に在り。水に屬すれば水を盛り漿を汲むの器皿裡に在り。火に屬すれば煙囪あるいは竈膛膛裡に在り。土に屬すれば灰堂泥土中に在り。財爻初爻に在れば、東西必ず地下に在り。金に屬すれば磚石堆裡に在り。水に屬すれば井中に在り、もし父母と相合せば就中陰溝裡に在り。木に屬すれば地臺の底下に在り。火に屬すれば灰堆裡あるいは竈基の下面に在り。土に屬すれば則ち是れ土中に埋れり——它生旺に落つれば、是れ剛た埋めて久しからず。墓絶に落つれば、是れ埋めて很久なり。胎養に落つれば、是れ才た埋藏の念頭を動かして、還は未だ手を下さざるなり。
水失於池,木乃柴薪之內;土埋在地;金為磚石之間。(財臨水爻生旺,物在池沼中,墓絕物在溝渠內,逢沖長流中,合住是汲盛死水中。財臨木爻生旺,竹木林中,死絕柴薪內,又陽木竹條內,陰木草叢中,繫本宮則竹木器中,五穀囤內。財臨金爻內卦旺相,在銅鐵錫器中,休囚缸甏瓶罐內;外卦旺相磚石內,休囚瓦礫中。財臨火爻必近香火,或在灶邊。財臨土爻,丑為金庫,必銅鐵器中,或蕭牆內磚壁腳跟;辰為水庫在陽溝內溪畔埋藏,不然亦是窳下所在;未為木庫,必埋蔬果園中,或埋田野草中,或米麥囤底;戌為火庫,必埋灶底,或埋灰內,或埋高泥墩上。此斷義禮不能盡述,當各以類推之。)
東西水裡に失落するは、就中池沼中に在り。木に屬すれば、就中柴薪の内に在り。土に屬すれば、是れ地下に埋れり。金に屬すれば、則ち磚石の間に在り。財爻水に臨みて生旺なれば、東西池塘裡に在り。墓絶に落つれば、溝渠内に在り。冲に逢えば、長流水中に在り。合住せられれば、是れ汲み來れるの死水器皿中に在り。財爻木に臨みて生旺なれば、竹木林裡に在り。死絶に落つれば、柴堆内に在り。陽木是れ竹條の中に在り、陰木是れ草叢の中に在り。もし本宮に屬すれば、就中竹木器具裡に在り、あるいは五穀囤中に在り。財爻金に臨みて内卦に在れば:旺相なれば則ち銅鐵錫器中に在り、休囚なれば則ち缸瓮瓶罐内に在り。外卦に在れば:旺相なれば磚石裡に在り、休囚なれば瓦礫中に在り。財爻火に臨めば、必定香火に靠近して、あるいは竈邊に在り。財爻土に臨めば、就中四庫に按じて分かつ。丑是れ金庫にして、必ず銅鐵器中に在り、あるいは照壁牆脚下に在り。辰是れ水庫にして、是れ陽溝裡・溪畔邊に埋れて、然らざればもまた低窪の處なり。未是れ木庫にして、必ず菜園果園中に埋れ、あるいは田野草間・米麥囤底に在り。戌是れ火庫にして、必ず竈底・灰裡・高き泥墩上に埋れり。これらの道理說き盡す能わず。各自類に照らして往きて推すれば便ち是れなり。
動入墓中,財深藏而不現;(大抵妻財所臨之爻,或在其中,或在其旁,未可必也,惟財爻入墓化墓,或伏墓下,必在器物中,不可以邊旁近側言。要知何物內,以前五爻四庫推之。)靜臨世上,物尚在而何妨。(凡占失脫,財爻不宜動,動則更變難尋;若得安靜持世生世合世,其物皆主未散,必易尋,生旺不空尤妙,衰絕受制,亦不濟事。)
財爻發動して墓中に落入するは、東西藏るること深くして露出し來る能わず。大体上財爻の臨む所の處は、東西あるいは其中に在り・あるいは其旁に在りて、本來說き死す能わず。唯獨財爻墓に入り・墓を化し、あるいは墓爻の下に伏すれば、それすなわち一定某件の器物の里面に在りて、能く再び甚麽の旁邊近邊近處を說く能わず。甚麽の東西の裡に在るかを知らんと要せば、就中前面の五爻と四庫との分法に照らして往きて推す。財爻安靜にして世上に臨めば、東西還は在りて、就中事に妨げず。凡そ失物を占するに、財爻發動を宜とせず。一たび動けば就中輾轉變換して・尋找し難し。もし它安靜にして世を持し、あるいは來りて世を生じ世に合せば、皆東西還は未だ散失せざるを主り、必定尋得し易し。它再び生旺にして落空せざれば就中さらに妙なり。もし它衰絶にしてまた制伏を受くれば、あれ還は是れ事に濟わず。
鬼墓爻臨,必在墳墓側;(財臨鬼墓,其物必在神廟中;無氣則在墳墓內;如係本宮內卦,則在柩旁,或在壁席上;更加螣蛇,恐在神圖佛像之前;在三爻香火堂中。)日辰合住,定然器掩遮藏。(財爻發動遇日辰合住,必然有物遮掩,合而又沖半露半遮。要知何物掩蓋,以合爻定之,如火爻父母作合,為衣服掩蓋類,旁爻動來作合者亦然。)
財爻官鬼の墓に臨着するは、東西必ず墳墓の旁邊に在り。財爻鬼墓に臨めば、東西多半神廟中に在り。它もし氣なければ、就中墳墓裡に在り。もし本宮内卦に屬すれば、就中靈柩の旁邊に在り、あるいは壁間席上に在り。再び「螣蛇」を加えれば、恐怕就中神像佛像の跟前に在らん。第三爻に落つれば、則ち香火堂中に在り。財爻日辰に合住せらるるは、一定是れ器物ありて蓋えて遮了せり。財爻發動して日辰に合住せらるれば、必ず東西ありてそれを遮掩せり。もし既に合せられまた冲せられれば、それすなわち半露半遮なり。甚麽の東西の蓋えるなるかを知らんと要せば、就中來りて合するは哪一爻なるかを看る。たとえば火に屬するの父母來りて相合すれば、就中衣服に蓋えられたるの類なり。旁爻發動に由りて來りて合するは、斷法一樣なり。
子爻福變妻財,須探鼠穴;酉地財連福德,當檢雞棲。(凡占失脫,財化福,福化財,其物必在禽獸巢窟中,如值子爻是鼠銜去,更在初爻在地穴中,寅是貓銜去,丑在牛欄內,午在馬廄中,未在羊棧中,酉在雞棲,亥在豬圈類也。有合則在內,無合則在旁。)
子爻上に子孫が妻財を變じ出づれば、就中當に往きて老鼠の洞を掏るべし。酉位上に妻財子孫を連ねれば、就中當に往きて雞窩を査るべし。凡そ失物を占するに、財が子孫を化し・子孫が財を化するは、東西必ず禽獸の巢穴裡に在り。子爻に落つれば、是れ老鼠の叼い去れるにして、もしまた初爻に在れば、就中地洞中に在り。寅爻に落つれば、是れ貓の叼い去れたり。丑爻に落つれば、牛欄裡に在り。午爻に落つれば、馬廄中に在り。未爻に落つれば、羊圈裡に在り。酉爻に落つれば、雞窩に在り。亥爻に落つれば、豬圈に在り。此のごとくの類なり。もし相合あれば、東西就中窩の里面に在り。相合なければ、就中窩の旁邊に在り。
鬼在空中世動,則自家所失;(卦無官或落空而世爻動者,自家遺失非人偷。要知何故失落,以世臨六神定之,如臨青龍酒醉失或因喜事失,臨白虎因病失或因喪事、因跌而失,臨勾陳因起造失,因耕種失,臨螣蛇與應沖剋爭扭失,與應生合嬉戲失,臨朱雀口舌爭競失,臨玄武或因竊盜失也。)財伏應下世合,則假貸於人。(官鬼或空或伏或死絕不動,而財臨應上,或伏應下,其物非人偷,乃自借於人也,要知何人假借,以應臨六親定之。如臨子,為僧道巫醫或卑幼小兒借去類,世應沖剋則勿斷。若官空伏而財化官爻,是自遺失,被人拾去。)
官鬼空裡に落ちて世爻發動するは、あれ是れ自家の丟したるなり。卦中官鬼なく、あるいは官鬼空に落ちて、しかして世爻卻って發動せば、それすなわち自己の遺失にして、是れ人に偷まれたるに非ず。何に因りて丟失したるかを知らんと要せば、就中世爻何の六神に臨むかを看る。「靑龍」に臨めば、是れ酒醉の時丟したるにして、あるいは喜慶の事に因りて丟したるなり。「白虎」に臨めば、是れ病に因り・喪事に因り、あるいは一跤を跌して丟したるなり。「勾陳」に臨めば、是れ房を蓋うに因りあるいは耕種に因りて丟したるなり。「螣蛇」に臨みて應爻と冲克するは、是れ爭執拉扯の時丟したるにして、應爻と生合するは則ち嬉鬧の時丟したるなり。「朱雀」に臨めば、是れ口角爭執の時丟したるなり。「玄武」に臨めば、あれこそ是れ人に偷まれたるなり。財爻應爻の下に伏して世爻それと相合するは、あれ是れ人に借給えしたるなり。官鬼あるいは空に落ち・あるいは隱伏し・あるいは死絶にして動かずして、同時に財爻應爻上に臨み、あるいは應爻の下に伏すれば、あの東西是れ偷まれたるに非ずして、然而自己別人に借給えしたるなり。誰に借給えしたるかを知らんと要せば、就中應爻何の六親に臨むかを看る。たとえば子孫に臨めば、是れ僧道巫醫あるいは晚輩小孩の借去れるにして、これに依りて類推す。もし世應の間相冲相克せば、就中能くかくのごとく斷ぜず。倘若官鬼空あるいは伏すると雖も、しかして財爻卻って官鬼を化じ出づれば、それすなわち自己遺落して・人に拾去られたるなり。
若伏子孫,當在僧房道院,如伏父母,必遺書笈衣箱。(財不上卦須尋伏在何處,若伏子爻下,物在寺院中,休囚在六畜門內,胎養小兒誤失。如伏父下,物在正屋中,或在尊長處,無合,衣服書卷中,有合,書箱衣箱等內。若伏兄下,本宮姊妹兄弟處,他宮相識朋友處,如三四爻在門戶邊,外卦則在牆籬下,若伏財下,物在婦人處,或在妻妾家,或在五穀內,或在廚灶內。若伏鬼下,物在職役人家,或在廳堂內,或在病人處。土鬼在墳墓廟堂中。)在內則家中失脫,在外則他處遺亡。(財在內卦,失於家中;財在外卦,失在他處。在初爻井邊失,二爻灶邊失,三爻房內失,四爻門前失,五爻途中失,六爻遠方失。又如初爻財動化子,或子動來作合,其物必先失在井邊,後被小兒拾去,餘仿此推。)
財爻もし子孫の下に伏せば、東西當に僧房道院に在るべし。もし父母の下に伏せば、必是れ書箱衣箱裡に落ちたり。財爻卦に上らざるの時、就中須らく它のどこに伏するかを找す。子孫の下に伏すれば、東西寺院中に在り。子孫休囚なれば、就中牲口欄裡に在り。子孫胎養に落つれば、是れ小孩に弄び丟されたるなり。父母の下に伏すれば、東西正屋裡に在り、あるいは尊長の處に在り。もし相合なければ、就中衣服書卷中に在り。相合あれば、就中書箱衣箱の類の里面に在り。兄弟の下に伏すれば:本宮に屬すれば、姊妹兄弟の處に在り。他宮に屬すれば、相識朋友の處に在り。もし三・四爻に在れば、就中門戶邊に在り。外卦に在れば、就中牆下籬邊に在り。妻財の下に伏すれば、東西婦人の處に在り、あるいは妻妾家に在り、あるいは糧食裡に在り、あるいは廚竈間に在り。官鬼の下に伏すれば、東西差を當る人家に在り、あるいは廳堂内に在り、あるいは病人の處に在り。もし是れ土鬼なれば、就中墳墓廟堂の中に在り。財爻内卦に在れば、是れ家裡の丟したるなり。外卦に在れば、是れ別處の失したるなり。再び爻位に按じて分かつ。初爻是れ井邊の丟したる、二爻是れ竈邊の丟したる、三爻是れ房裡の丟したる、四爻是れ門前の丟したる、五爻是れ路上の丟したる、六爻是れ遠處の丟したるなり。又如初爻の財發動して子孫を化じ出し、あるいは子孫發動して來りてそれと相合せば、あの東西必ず是れ先に井邊に丟して・後に小孩に拾去られたるなり。その餘はこれに照らして類推せよ。
財伏逢沖,必是人移物動;(財伏卦中,遇動爻日辰暗沖者,若鬼爻衰靜,其物被人移動他處,非人偷也。要知移動之人。以沖爻定之,沖爻逢空,或化空亡者,移物之人必不在家。)鬼興出現,定為賊竊人偷。(凡占失脫,鬼不上卦,或落空,或衰絕不動,皆不是人偷,游魂卦多是忘記;若鬼爻變動,方是人偷,或雖安靜若乘旺相,或被日辰沖並,或動被動爻合起,亦是人偷。)
財爻隱伏して冲に逢うは、必是れ人ありて東西を挪動せしなり。財爻卦中に伏して、動爻あるいは日辰に暗冲せられて、しかして官鬼また衰弱安靜なれば、あの東西是れ人に別處に挪到せられたるにして、並に偷まれたるに非ず。東西を挪するは誰なるかを知らんと要せば、就中來りて冲するは哪一爻なるかを看る。もしこ の冲爻空に逢い、あるいは空亡に化入せば、則ち東西を挪するの人此刻家に在らず。官鬼興動して卦上に出現するは、あれ一定是れ賊に偷まれたるなり。凡そ失物を占するに、官鬼卦に上らず、あるいは空亡に落ち、あるいは衰絶にして動かざれば、皆是れ人に偷まれたるに非ず。もし得る所是れ遊魂卦なれば、多半ただ自己放く處を忘了せるのみ。必ず須らく官鬼發動變化して、こそ人に偷まれたると算す。あるいは它安靜なると雖も卻って旺相に乘り、あるいは日辰に冲・併せられ、あるいは動ずると雖も別の動爻に合起せらるるは、もまた皆人に偷まれたると算す。
陰女陽男內卦則家人可決;生壯墓老他宮則外賊無疑。(鬼爻屬陽男子偷,屬陰女人偷。陰化陽女偷與男,陽化陰男偷寄女處。生旺壯年人偷,墓絕老人偷,胎養小兒偷,帶刑害有病人偷。本宮內卦家中人偷,他宮內卦宅上借居人偷或家中異姓人偷,本宮外卦親戚人偷,與世沖剋雖親不和,他宮外卦外人為賊,在間爻鄰里賊,在六爻遠方賊,持世貼身賊。)
官鬼陰に屬するは是れ女賊にして、陽に屬するは是れ男賊なり。它内卦に在れば就中自家人と斷定す。長生帝旺に落つれば是れ壯年にして、墓庫に落つれば是れ老人なり。它他宮に在れば就中疑いなく外賊なり。官鬼陽に屬するは、是れ男人の偷したるなり。陰に屬するは、是れ女人の偷したるなり。陰が陽を化するは、是れ女人偷して男人に交與えしたるなり。陽が陰を化するは、是れ男人偷して女人の處に寄放したるなり。它生旺に落つれば、是れ壯年人の偷したるなり。墓絶に落つれば、是れ老人の偷したるなり。胎養に落つれば、是れ小孩の偷したるなり。刑害を帶ぶれば、是れ病あるの人の偷したるなり。它本宮内卦に在れば、是れ家裡人の偷したるなり。他宮内卦に在れば、是れ家に借住するの人あるいは家中異姓の人の偷したるなり。本宮外卦に在れば、是れ親戚の偷したるにして、もし它また世と冲克せば、それすなわち親なると雖も和せざるの親戚なり。他宮外卦に在れば、是れ外人の賊を作すなり。間爻に落つれば、是れ鄰里の賊なり。第六爻に落つれば、是れ遠方來るの賊なり。もし它世を持せば、それすなわち天天身に貼して旁に在るの人なり。
乾宮鬼帶螣蛇;西北方瘦長男子;巽象宮加白虎,東南上肥胖陰人。(八卦定賊之方隅,六神定賊之形狀。如男在乾宮,西北方人,在巽宮,東南方人。帶螣蛇身長面瘦,帶白虎身胖面白,旺相肥大,休囚瘦小,餘見身命章。陰陽以爻象論,勿以卦宮推。)與世刑沖,乃是冤仇相聚;與福交變,必然僧道同謀。(鬼爻與世刑沖,其賊素與我有仇隙者;與世生合,乃是兼親帶故之人。鬼化子,子化鬼,必有僧道雜在其中;子孫帶合,是還俗僧道;鬼化父,父化鬼,是老年人,或手藝人,不然則是祖父相承為賊者;父臨胎養,乃是書童;鬼化財,財化鬼,是婦人或人家奴婢;鬼化兄,兄化鬼,在內是兄弟姨妹,在外是鄰里相識;鬼化鬼,公門走動人,或曾被人告發;更加玄武,賊名已著,專以竊盜為計。若被父母三刑六害,必經刺字。)
《乾》宮の官鬼「螣蛇」を帶ぶるは、是れ西北方一個の瘦長の男子なり。《巽》象の宫位「白虎」を加るは、是れ東南方一個の肥胖の婦人なり。八卦用ゐて賊の方位を定め、六神用ゐて賊の形貌を定む。官鬼乾宮に在れば、是れ西北方の人なり。巽宮に在れば、是れ東南方の人なり。螣蛇を帶ぶるは身長く面瘦せ、白虎を帶ぶるは身胖しく面白し。旺相なれば就中肥大にして、休囚なれば就中瘦小なり。その餘は身命の一章を參看すべし。男女に至っては、爻の陰陽に按じて論じて、卦宮を拿りて來りて推すべからず。官鬼と世爻と刑冲するは、あれ是れ仇家の一處に湊到せるなり。官鬼と子孫と交相變化するは、必ず僧道ありて合謀せん。官鬼と世爻と刑冲するは、こ の賊向來我と仇怨あり。世爻と相生相合するは、それすなわち親を沾り故を帶ぶの人なり。鬼が子孫を化し・子孫が鬼を化するは、必ず僧道ありて裡頭に摻れり。子孫もし合を帶ぶれば、是れ俗に還りたるの僧道なり。鬼が父母を化し・父母が鬼を化するは、是れ老年人あるいは手藝人にして、然らざれば就中祖輩傳相して賊を做るなり。父母もし胎・養に臨めば、あれ是れ書童なり。鬼が妻財を化し・財が鬼を化するは、是れ婦人あるいは人家の奴婢なり。鬼が兄弟を化し・兄弟が鬼を化するは、内卦は是れ兄弟姊妹にして、外卦は是れ鄰里相識なり。鬼が鬼を化するは、是れ衙門に走動するの人にして、あるいは從前曾て人に告發せられ過ぎたり。再び「玄武」を加えれば、あれ是れ賊名早く已に外に在りて・專ら偷盜を以て生と爲すなり。もし它また父母および三刑六害に傷せられれば、あれ必是れ已に字を刺し過ぎたるなり。
鬼遇生扶,慣得中間滋味;(鬼爻無氣,又臨死絕,而生扶合助者,其賊必為飢寒所迫,故至此也。若遇動爻日辰扶起者,乃是此賊慣得其中滋味者,帶月建是強盜,加太歲是世代不良,動爻日辰無氣作合,必有人牽腳來偷。)官興上下,須防裡外勾連。(六爻上下有兩重官者,必非一人偷盜,兩爻俱動是外勾裡連,二賊同謀;內動外靜是家人偷與外人去;外動內靜,乃家中有人知情,非同偷也。)木克六爻,逾牆而入;金傷三位,穿壁而來。(木鬼克土,逾牆掘洞;金鬼克木,割壁鑽籬;火鬼克金,劈環開鎖,水鬼克火,灌水滅燈;土鬼克水,涉溪跳澗;木火交化,明燈執杖,更宜通變。要知何處進入,以鬼克處定之,如木鬼克六爻,逾垣而入,克初爻是後門掘洞而進也。)
官鬼生扶に遇うは、あの賊是れこ の裡頭の甜頭を嘗め慣れたるなり。官鬼本氣なくして、また死絶に落ち、もし並に人の生扶合助なくば、あの賊多半是れ饑寒に逼出されたるなり。反して、它もし動爻・日辰の扶起を得れば、それすなわち慣偷にして・早く其中の滋味を嘗め足れたるなり。它月建を帶ぶれば、是れ强盜なり。太歲を加うれば、是れ世代不良の家なり。もし動爻あるいは日辰氣なきと雖もそれと相合せば、それすなわち必ず人ありて内線を做し牽線して來りて偷せり。官鬼上下皆興動するは、須らく内外勾結を防ぐべし。六爻上下兩重の官鬼出現するは、偷する必ず一人に止まらず。兩爻皆動するは、是れ外賊内應を勾して・兩賊同謀す。内卦動して外卦靜なるは、是れ家裡人偷して外人に送與えたるなり。外卦動して内卦靜なるは、あれ是れ家中人ありて知情なるも、卻って一齊に手を動かさざりしなり。木爻第六爻を克するは、賊是れ牆を翻へて進み來れたり。金爻第三爻を傷るは、賊是れ壁を鑿てて進み來れたり。木鬼土を克するは、是れ牆を翻へ洞を掘る。金鬼木を克するは、是れ牆壁を割破して・籬笆を鑽穿す。火鬼金を克するは、是れ門環を劈開して・鎖を撬開す。水鬼火を克するは、是れ水を澆きて燈を弄滅す。土鬼水を克するは、是れ溪を涉り澗を跳んで來れり。木火交相變化するは、是れ明に燈を打ちて・手に棍棒を執れり。これら還は須らく通變す。賊どこに由りて進み來れたるかを知らんと要せば、就中官鬼哪一爻に克するかを看る。たとえば木鬼第六爻を克するは、是れ牆を翻へて入れり。初爻を克するは、是れ後門に由りて洞を掘りて進み來れたり。
世去沖官,失主必曾驚覺;(世沖鬼爻,家主知覺;應沖鬼爻,宅母知覺;旁爻沖鬼,家人知覺。要知因何而覺,以鬼爻臨五行斷之,如木為門戶聲,金為銅鐵響,土為撲跌,火為明亮,水為水聲,又如戌為犬吠,酉為雞叫類,宜分六爻斷之。)日來克鬼,賊心亦自驚疑。(鬼被動爻日辰刑剋,偷時賊必驚疑,如日辰動爻屬金,必觸缸甏,響而畏家主知覺,金空乃是人聲,胎養小兒啼,墓庫老人嗽,未敢下手。屬木是畏門戶牢閉,或聞開門而驚也。屬水必有登廁小解飲水類,因而撞見。屬火必見燈火而復退,或火光下穴窺見影響形跡。屬土乃牆壁堅固,地道險阻,其賊疑懼也,若戍土刑剋必被犬傷。)
世爻往きて官鬼を冲するは、失主當時必ず曾て察覺せり。世爻官鬼を冲するは、是れ家主の察覺せしなり。應爻官鬼を冲するは、是れ主婦の察覺せしなり。旁爻官鬼を冲するは、是れ家裡別の人の察覺せしなり。何に因りて察覺せしかを知らんと要せば、就中官鬼何の五行に屬するかを看る。木に屬するは是れ門戶の響くなり。金に屬するは是れ銅鐵器の響くなり。土に屬するは是れ人ありて一跤を跌せしなり。火に屬するは是れ亮光ありしなり。水に屬するは是れ水の響きしなり。又如戌是れ狗の叫ぶ・酉是れ雞の鳴くの類なり。還は須らく六爻の位置を分かちて來りて斷ずべし。日辰來りて官鬼を克するは、賊自己心裡もまた慌を發す。官鬼動爻あるいは日辰に刑克せらるれば、賊手を下すの時必然驚疑す。たとえば日辰・動爻金に屬すれば、あれ是れ他缸瓮を碰響せしめて、主人の聽見せんを怕れたるなり。金もし空に落つれば、あの響聲其實是れ人聲なり。金胎養に落つれば、是れ小孩の啼哭なり。金墓庫に落つれば、是れ老人の咳嗽なり——他こ の因りて敢えて手を下さざりしなり。木に屬するは、是れ門戶の關りて牢なるを怕り、あるいは門を開くの聲を聽見して驚を受けたるなり。水に屬するは、是れ人ありて夜を起きて小解しあるいは水を喝し、因てに撞上せしなり。火に屬するは、是れ燈火を看見してまた退了出去り、あるいは火光下に於て洞裡に由りて動靜人影を窺見せしなり。土に屬するは、是れ牆壁堅固にして・地道通じ難く、賊心疑懼を生ぜしなり。もし是れ戌土來りて刑克せば、あれ他必ず狗に咬まれん。
子動丑宮,問牧童必知消息;福興酉地,見酒客可探情由。(子動,其人有人撞見,詢之可知消息,如在子爻,可問科頭男子,或捕魚人;在丑爻,可問牧童或築牆人;在寅爻,是木客木匠或擔竹木器人;在卯爻,問織蓆賣屨人或挑柴砟草人;在辰爻,問開池鑿井人或傍河鋤地人;在巳爻,問穿紅女子或弄蛇乞丐人;在午爻,問燒窯乘馬人或討火提燈人;在未爻,問挑灰耕種人或牧羊人;在申爻,問銅鐵匠或弄猴人;在酉爻,問針工酒客或抱雞人;在戌爻,問挑泥鋤地者或牽狗人;在亥爻,或擔水踏車人,或洗衣沐浴人。)
子孫丑位に於て發動するは、牛を放つ孩子を問えば必ず消息を知らん。子孫酉位に於て興動するは、酒を賣り酒を買うの人を找せば可に情由を探得せん。子孫一たび動けば、就中人ありて撞見し過ぎたるを說明して、他に向かいて打聽せば便ち下落あらん。地支に按じて分かつ。子爻に落つれば、可に頭を光るの男子あるいは魚を打つの人を問うべし。丑爻に落つれば、可に牧童あるいは牆を筑るの人を問うべし。寅爻に落つれば、是れ木料を販るの客商・木匠あるいは竹木器具を挑るの人なり。卯爻に落つれば、席を織り鞋を賣るの人あるいは柴を挑り草を割るの人を問うべし。辰爻に落つれば、池を開き井を鑿るの人あるいは河邊に於て地を鋤るの人を問うべし。巳爻に落つれば、紅衣を穿るの女子あるいは蛇を耍るの乞丐を問うべし。午爻に落つれば、窯を燒く・馬を騎る・火を討い燈を提るの人を問うべし。未爻に落つれば、灰を挑り田を耕るの人あるいは羊を牧るの人を問うべし。申爻に落つれば、銅鐵匠あるいは猴を耍るの人を問うべし。酉爻に落つれば、裁縫・酒客あるいは雞を抱るの人を問うべし。戌爻に落つれば、泥を挑り地を鋤るの人あるいは狗を牽るの人を問うべし。亥爻に落つれば、水を挑り水車を踏るの人あるいは衣を浣い浴を沐るの人を問うべし。
兄動劫財,若卜起贓無覓處;(卜起占尋物,皆怕兄動,或傷世,或世帶日辰,或鬼化兄,或財化兄,皆主其物已散,卒難尋覓,蓋兄能劫財故也。)官興克世,如占捕盜反傷身。(凡占捕盜,要世旺鬼衰,世動鬼靜,則易於捕獲,若鬼爻乘旺動來刑剋世爻,須防反被其害,得世空避之,或子動解救,庶幾可免傷害。)
兄弟發動して來りて財を劫るは、もし贓を起すを占せば、贓物就中尋るべき處なし。凡そ贓を起して物を尋るを占するに、皆兄弟發動を怕り、あるいは它來りて世爻を傷り、あるいは世爻自ら日辰兄弟を帶び、あるいは官鬼が兄弟を化し、あるいは財爻が兄弟を化する——これら皆東西已に散掉して・一時尋り難きを主る。兄弟本能財を劫すればなり。官鬼興動して來りて世を克するは、もし盜を捕すを占せば、反って自身傷を受く。凡そ賊を捉うを占するに、須らく世旺にして鬼衰・世動して鬼靜なれば、こそ捕獲し易し。もし官鬼旺に乘じて發動して來りて世爻を刑克せば、就中須らく反って賊に害せらるるを防ぐべし。世爻まさに空亡に落ちて躲開し、あるいは子孫發動ありて來りて解救するに非ざれば、こそ傷を受くるを免れうる。
世值子孫,任彼強梁何足慮;(子為捕賊人,當權旺動或臨世,或帶月建日辰,則鬼有制,賊必可獲,縱是兇惡強盜,不足畏也。若鬼旺福衰,鬼動福靜,則不能幹事也。)鬼臨墓庫,縱能巡捕亦難擒。(鬼爻入墓,或臨卦墓,或與鬼墓俱動,或化入墓,或伏墓下,皆主其賊深藏不出,卒難巡捕;得動爻日辰沖破墓,庶幾可獲。)
世爻上まさに子孫なるは、あの賊再び凶悍なるに任れどももまた慮るに足らず。子孫は賊を捕るの人を代表す。它權を當り旺動し、あるいは世爻に臨み、あるいは月建・日辰を帶ぶれば、則ち官鬼就中制住せられて、賊必ず能く捉へ到らん。縱い是れ凶惡の强盜なるとも、もまた怕るを用ゐず。反して、もし官鬼旺にして子孫衰なり、あるいは官鬼動して子孫靜なれば、それすなわち事を辦り成る能わず。官鬼墓庫に落進するは、縱い人ありて巡捕するとももまた擒住し難し。官鬼墓に入り、あるいは卦の墓に臨み、あるいは鬼墓と一同に發動し、あるいは墓中に化入し、あるいは墓爻の下に伏するは、皆こ の賊藏るること極めて深くして・露面を肯んぜず・一時捕える能わざるを主る。動爻あるいは日辰の墓を冲破するを得るに非ざれば、こそ捉へ到るの指望あらん。
日合賊爻,必有窩藏之主;(鬼為賊爻,捕盜遇合,賊必有人窩藏在家,不能得見,合臨於世應月日,是地主窩藏,在旁爻則隱在其家莊上,不然亦非地方有名之家也。要知窩主,以合爻定之,如財合,是富家或婦人窩主之類。)動沖鬼殺,還逢指示之人。(鬼遇動爻日辰沖剋,必有人指示其賊隱處。要知何人指示,以克沖爻定之,如丑為牽牛人,亥為洗衣人,木在水上動是舟人類。鬼若旺動,不受沖剋,雖知其賊,不能捕獲。)
日辰往きて賊爻に合するは、一定人ありて他を窩藏す。官鬼就中是れ賊爻なり。盜を捕すの時それの合せらるるに遇えば、あの賊必ず人ありて家裡に窩藏して、人を找着せず。もし來りて合するの世爻・應爻あるいは月建日辰上に落つれば、あれ是れ當地の地主窩藏する中なり。旁爻に落つれば、就中他家の莊子に藏れて、然らざればもまた本地有名有姓の人家なり。窩主是れ誰なるかを知らんと要せば、就中來りて合するは哪一爻なるかを看る。たとえば財爻來りて合すれば、就中富家あるいは婦人の窩主を做すなり。動爻往きてあの凶殺のごときの官鬼を冲するは、就中人ありて來りて藏身の處を指點せん。官鬼動爻あるいは日辰に冲克せらるれば、必ず人ありて出來て賊どこに藏るるかを指點せん。指點するは誰なるかを知らんと要せば、就中來りて冲し來りて克するは哪一爻なるかを看る。たとえば丑是れ牛を牽るの人・亥是れ衣を浣るの人・木爻水上に於て發動するは就中船家の類なり。倘若官鬼旺にして發動して・冲克を受けざれば、則ち算すとも賊是れ誰なるかを知るとも、もまた他を捉え住る能わず。
卦若無官,理當輸伏;財如發動,墓處推詳。(捕盜無官賊,必隱藏蹤跡,難以尋獲,須看伏在何爻,便知賊在何處。如伏財下,在妻家類。若卦中無鬼,動爻有化出者,即以變爻論之,不須看伏,如子化出,在寺觀中類。若占起贓,見財爻發動,看其墓在何處,便知藏在何方,如財爻屬金旁邊丑爻,又動金墓在丑,丑寅為艮,艮居東北,便斷在東北方。)伏若克飛,終被他人隱匿;飛如克伏,還為我輩擒拿。(此伏只論鬼爻,此飛只論世爻。伏克飛,子孫雖動亦難尋獲;飛克伏,子孫雖靜亦可擒拿。或曰:飛神只論伏上之爻,亦通理。)
卦中もし官鬼なければ、就中當に輸を認めて作罷すべし。財爻もし發動せば、就中它の墓庫上に由りて細推す。盜を捕するに卦中官鬼を見ざれば、賊必ず蹤跡を藏起して、尋獲し難し。こ の時須らく它の哪一爻の下に伏するかを看て、便ち賊何處に在るかを知る。たとえば財爻の下に伏すれば、就中妻家の一類の地方に在り。もし卦中鬼なく、しかして動爻に由りて一個を化じ出づれば、就中直に變爻に按じて論じて、再び伏神を找すを必とせず。たとえば子孫に由りて化出せば、就中寺觀の中に在り。もし贓を起すを占するに、財爻發動を見れば、就中它の墓何の方位に在るかを看て、便ち贓物哪一方に藏るるかを知る。たとえば財爻金に屬して、旁邊まさに丑爻にしてまた發動すれば、金の墓恰好丑に在りて、丑寅同じく艮に屬して、艮東北に居れば、就中東北方に斷ず。伏神もし飛神を克せば、贓物終に別人に藏匿せられん。飛神もし伏神を克せば、賊還は能く我らに拿住せらる。ここに伏專ら官鬼を指し、飛專ら世爻を指す。伏飛を克せば、則ち子孫縱い發動するとももまた尋獲し難し。飛伏を克せば、則ち子孫縱い安靜なるとももまた照樣に擒え住るを得。もまた人ありて飛神ただ伏神の上面に壓するのあの一爻を指すと說くも、こ の說法もまた講ずるに通ず。
若伏空爻,借賃屋居非獲賊;(鬼伏空爻下,是借賃其家屋住,非為窩藏,不然其賊雖或潛住他家,亦不與之容隱,後終敗露;旺空是不知情,空動是不在家也。)如藏世下,提防竊盜要留心。(凡占防盜,最要鬼爻無氣不動,或落空,或日辰沖散,或動爻合住,或子孫剋制,或世空亡,皆為吉兆,若鬼爻無制,動克世爻,鬼爻生旺日,當受其害;若卦無鬼卻伏在世下,目下雖無事,至鬼爻生旺日,或沖動月日,宜防之,故要留心,伏又空亡始無憂慮。)
官鬼もし空爻の下に伏せば、あれ是れただ房子を租りて住するのみ、房主並に賊を窩藏せず。官鬼空亡の爻の底下に伏するは、賊不過人家の屋子を租りて住するを說明して、房主並に窩藏するに非ず。算すとも賊確かに別人家に藏るるとも、あの家もまた肯んじて他に替わりて遮掩せずして、後來終究敗露せん。飛神旺にして空なるは、是れ房主情を知らざるなり。空にして動するは、是れ房主家に在らざるなり。官鬼もし世爻の下に藏れば、盜を防ぐに就中格外留心を得。凡そ盜を防ぐを占するに、最も官鬼氣なくして動かず・あるいは空亡に落ち・あるいは日辰に冲散せられ・あるいは動爻に合住せられ・あるいは子孫に克制せられ・あるいは世爻空に落つるを要す。これら皆是れ吉兆なり。もし官鬼人なくして制伏して、また發動して來りて世爻を克せば、則ち官鬼生旺の日子に到りて受害せんを要す。もし卦中官鬼を見ざれども、它卻って世爻の下に伏せば、眼下事なきと雖も、可なり官鬼生旺の日に到りて、あるいはそれを冲動するの月日に到れば、就中須らく提防せんことを要す——ゆえに留心を要すと說く。伏神本身もまた空亡に落つるに非ざれば、こそ眞に憂なし。
倘失舟車衣服,不宜妻位交重;或亡走獸飛禽,切忌父爻發動。(失脫,不可專以財為用爻,若失舟車衣服文書券契,則以父母為用爻,財動便難得;若失飛禽走獸及六畜之類,則以子孫為用爻,父動亦不見矣,更宜通變為妙。)卦爻仔細搜求,盜賊難逃捉獲。
倘若丟する所是れ船車衣服なれば、就中妻財の位交重發動を宜とせず。もし走失する所是れ飛禽走獸なれば、就切に父母爻發動を忌む。失物を占するに一味に財爻を以て用神と爲すべからず。丟するもし是れ船車・衣服・文書・契券なれば、就中當に父母を以て用爻と爲すべし。こ の時財爻一たび動けば便ち找回し難し。丟するもし是れ飛禽走獸および六畜の類なれば、就中當に子孫を以て用爻と爲すべし。こ の時父母一たび動けばもまた找着する能わず。總じて靈活變通を以て妙と爲す。卦爻を仔細細に一遍搜求すれば、盜賊就中擒に被るを逃れ難し。
