妙法莲华经 · 第14巻
雖以方便;所化眾生,皆是菩薩。
雖方便を以てすれども、化する所の衆生、皆是れ菩薩なり。
若人小智,深著愛欲,為此等故,
若し人小智にして、深く愛欲に着する、此の等の爲の故に、
說於苦諦。眾生心喜,得未曾有,
苦諦を說く。衆生心喜して、未曾有を得たり。
佛說苦諦,真實無異。若有眾生,
佛の說く苦諦、眞實にして異無し。若し衆生有りて、
不知苦本,深著苦因,不能暫捨。
苦本を知らず、深く苦因に着して、能く暫しも舍てざれば、
為是等故,方便說道。諸苦所因,
此の等の爲の故に、方便して道を說く。諸苦の因と爲る所、
貪欲為本,若滅貪欲,無所依止,
貪欲を本と爲す。若し貪欲を滅せば、依止する所無し。
滅盡諸苦,名第三諦。為滅諦故,
諸苦を滅盡す、名づけて第三諦と曰ふ。滅諦の爲の故に、
修行於道,離諸苦縛,名得解脫。
道を修行して、諸の苦縛を離る、名づけて解脫を得と曰ふ。
是人於何,而得解脫?但離虛妄,
此の人何に於てか、而も解脫を得ん。但だ虛妄を離れて、
名為解脫;其實未得,一切解脫。
名づけて解脫と曰ふ。其の實は未だ、一切の解脫を得ず。
佛說是人,未實滅度。斯人未得,
佛此の人を說き給ふ、未だ實滅度せずと。此の人未だ得ず、
無上道故,我意不欲,令至滅度。
無上道なるが故に、我意欲せず、滅度に至らしめんことを。
我為法王,於法自在,安隱眾生,
我は法王と爲りて、法に於て自在なり、衆生を安隱にして、
故現於世。汝舍利弗!我此法印,
故に世に現ず。汝舍利弗!我が此の法印、
為欲利益,世間故說,在所遊方,
欲りて利益せんが爲に、世間の故に說く、游ぶ所の方に在りて、
勿妄宣傳。若有聞者,隨喜頂受,
妄りに宣傳する勿れ。若し聞く者有りて、隨喜頂受せば、
當知是人,阿鞞跋致。若有信受,
當に知るべし、此の人阿鞞跋致なり。若し信受する有らん、
此經法者,是人已曾,見過去佛,
此の經法の、此の人已に曾て、過去佛を見、
恭敬供養,亦聞是法。若人有能,
恭敬供養して、亦此の法を聞けり。若し人に能く有りて、
信汝所說,則為見我,亦見於汝,
汝が說く所を信ずれば、則ち我を見ると爲れり、亦汝を見、
及比丘僧,並諸菩薩。斯法華經,
及び比丘僧、竝せて諸の菩薩を。此の法華經は、
為深智說,淺識聞之,迷惑不解。
深智の爲に說く、淺識之を聞かば、迷惑して解せず。
一切聲聞,及辟支佛,於此經中,
一切の聲聞及び辟支佛、此の經の中に於て、
力所不及。汝舍利弗!尚於此經,
力の及ぶ所に非ず。汝舍利弗!尚此の經に於て、
以信得入;況餘聲聞。其餘聲聞,
信を以て入るを得る、何を況んや其の餘の聲聞をや。其の餘の聲聞は、
信佛語故,隨順此經,非己智分。
佛語を信ずるが故に、此の經に隨順す、己が智分に非ず。
又舍利弗!憍慢懈怠、計我見者,
又舍利弗!憍慢・懈怠・我見を計る者、
莫說此經。凡夫淺識,深著五欲,
此の經を說く莫れ。凡夫淺識にして、深く五欲に着し、
聞不能解,亦勿為說。若人不信,
聞きて能く解せざれば、亦爲に說く勿れ。若し人信ぜずして、
毀謗此經,則斷一切,世間佛種。
此の經を毁謗せば、則ち一切の、世間の佛種を斷つ。
或復顰蹙,而懷疑惑,汝當聽說,
或は又顰蹙して、而も疑惑を懷かば、汝當に聽くべし、
此人罪報。若佛在世,若滅度後,
此の人の罪報を。若し佛世に在り、若し滅度の後、
其有誹謗,如斯經典,見有讀誦、
其の誹謗有らん、如此の經典を、讀誦する有るを見て、
書持經者,輕賤憎嫉,而懷結恨。
經を書持するに、輕賤憎嫉して、而も結恨を懷かば。
此人罪報,汝今復聽。其人命終,
此の人の罪報、汝今再び聽け。其の人命終して、
入阿鼻獄,具足一劫,劫盡更生。
阿鼻獄に入りて、一劫を具足し、劫盡きて更に生ず。
如是展轉,至無數劫,從地獄出,
如是展轉して、無數劫に至り、地獄より出でて、
當墮畜生。若狗野幹,其形𩑔瘦,
當に畜生に墮つべし。若し狗・野干、其の形羸瘦にして、
黧黮疥癩,人所觸嬈。又復為人,
黧黑疥癩にして、人の觸嬈する所。又復た人の爲る所と爲りて、
之所惡賤,常困飢渴,骨肉枯竭,
惡賤せられ、常に飢渴に困しみ、骨肉枯竭して、
生受楚毒,死被瓦石。斷佛種故,
生きて楚毒を受け、死して瓦石を被る。佛種を斷つ故に、
受斯罪報。若作馲駝,或生驢中,
此の罪報を受く。若し駱駝と作し、或は驢に生ずれば、
身常負重,加諸杖捶,但念水草,
身常に重を負ひて、諸の杖捶を加へられ、但だ水草を念じて、
餘無所知。謗斯經故,獲罪如是。
餘は知る所無し。此の經を謗ずる故に、罪を獲ること如此。
有作野幹,來入聚落,身體疥癩,
野干と作る有りて、聚落に來入り、身體疥癩にして、
又無一目。為諸童子,之所打擲,
又一目無し。諸の童子の爲る所と爲りて、打擲せられて、
受諸苦痛,或時致死。於此死已,
諸の苦痛を受け、或る時死に至る。此に於て死し已りて、
更受蟒身。其形長大,五百由旬,
更に蟒身を受く。其の形長大にして、五百由旬、
聾騃無足,宛轉腹行,為諸小蟲,
聾獃にして足無く、宛轉腹行して、諸の小蟲の爲る所と爲りて、
之所唼食,晝夜受苦,無有休息。
唼食せられ、晝夜苦を受けて、休息有ること無し。
謗斯經故,獲罪如是。若得為人,
此の經を謗ずる故に、罪を獲ること如此。若し人と爲るを得ても、
諸根闇鈍,矬陋攣躄,盲聾背傴。
諸根暗鈍にして、矬陋攣躄、盲聾背傴なり。
有所言說,人不信受,口氣常臭,
言說する所有らば、人信受せず、口氣常に臭く、
鬼魅所著。貧窮下賤,為人所使,
鬼魅の着する所。貧窮下賤にして、人の使ふ所と爲り、
多病痟瘦,無所依怙。雖親附人,
多病にして消瘦し、依怙する所無し。雖人に親附すれども、
人不在意,若有所得,尋復忘失。
人在意せず、若し得る所有らば、隨へば即ち忘失す。
若修醫道,順方治病,更增他疾,
若し醫道を修して、方に順ひて病を治すれども、更に他疾を增し、
或復致死。若自有病,無人救療,
或は又死に至らしむ。若し自ら病有らば、人救療する無く、
設服良藥,而復增劇。若他反逆、
設ひ良藥を服すとも、而又增劇す。若し他の反逆・
