Libo

抽軍避寇

明 · 佚名 · 第2巻 / 10

作盤ガイド: 大六壬起課, 金口訣起課

賊勢憑凌我未強(注曰:若途中逢賊,他強我弱),抽軍迴避看天罡(以月將加時,看天罡落在何字上,以避其強猛)。繫孟直須從右隱(辰為天罡,如加寅申巳亥之孟神,從右道隱而避之,吉),仲季回軍向左藏(子卯午酉為四仲,辰戌丑未為四季,天罡加此八神之一位者,向左藏之無咎)。

敵勢凶猛にして人に逼り、我方がなお強ならざれば、即ち軍を撤いて回避すべし。方法は「天罡」(辰)を看るなり。注文に曰く:若し途中で敵人に遇上し、彼が強く我が弱ければ、即ち月将を占時に加え、天罡の落つるがいずれの字かを看て、これにより敵人の鋒芒を避くる。天罡が若し寅・申・巳・亥の四つの孟神の上に落ちれば、即ち右辺の路より隠避し、吉。天罡が若し子・卯・午・酉の四仲あるいは辰・戌・丑・未の四季のこの八神の一に落ちれば、即ち左辺に向かって隠蔽撤退し、過錯あらざらん。

從魁小吉太沖地(酉為從魁,未為小吉,卯為太沖。此三神者,為天之三門,再為除定開危,是天門地戶庇護),天上加臨逃難方(以月將加時,看天盤卯酉未三字落在何方,向之可以避難也。如遇旺方,不可駐,春不宜東,餘仿此)。

「従魁」(酉)・「小吉」(未)・「太冲」(卯)のこの三処は、身を脱すること可なる地なり。酉は従魁と曰い、未は小吉と曰い、卯は太冲と曰う。この三位の神は合わせて「天之三門」と称す。若し更に建除十二値の中の除・定・開・危の四日に遇上せば、那即ち天門地戸が一同に庇護するなり。天盤上のこの三神の加臨する方は、正に難を逃れて往く可き方向なり:月将を占時に加え、天盤の卯・酉・未の三个字が地盤のいずれの方に落つるかを看て、彼処に向かって走れば即ち難を避くる可し。若し其の方が恰も当令の旺方なれば、即ち停駐すべからず――春天は東に往くに宜からず、其余の三季はこれに照らして類推す。

渡関覘賊

見賊行程渡彼間(兩國相戰,不知彼情虛實,差人越渡,間以覘之),行年歲月日沖難忌(去人行年並太歲、月建、日、時沖破之方,不可去。將軍與去人行年相沖亦同。訣曰:“凶不凶,視破沖”也)。

敵軍の行止を探知せんと欲せば、即ち人を遣して境を越えて相手の境内に至らしめるを要す。両国交戦し、相手の虚実を摸清せざれば、便ち人を差して関を渡り潜入せしめ、其中より軍情を窺探す。この時最も緊要なるは、冲を犯さざるを得ざるなり:差遣する人の行年、および太歳・月建・日辰・時辰の冲破するそれらの方位は、みな往く能わず。主将の行年と差遣する人の行年と相冲すれば、同じく遣わす可からず。口訣に曰く:「凶か凶ならざるかは、破と冲を看るのみ。」

支干上將休囚惡(如春三月差人,日辰上見水神將,謂之休;見金神,謂之囚。逢此不可往,主凶),旺相相生去即安(若秋三月,辰上見金神將,謂之旺;見水神將,謂之相。逢見旺相,渡關即安矣)。

日干日支の上の神将が若し休囚の地に落ちれば好からず。例えば春季の三ヶ月に人を遣わすに、日干日支の上に水神・水将を見れば、水は春天に於て「休」なり。金神を見れば、金は春天に於て「囚」なり。この両種に遇上すれば、即ち人を遣して前往せしむべからず、凶を主る。反対に、上神が旺相にして日辰と相生せば、往けば平安なり。例えば秋季の三ヶ月に、日支の上に金神・金将を見れば、金は秋天に於て正に「旺」なり。水神を見れば、水は秋天に於て「相」為す。旺相の気に遇上すれば、関を渡りて敵を探れば便ち安然無事なり。

占賊来否

賊欲相凌切要知,游都作限用占之。游都甲己當在丑(注曰:甲己二日丑為游都,以月將加時尋丑,餘仿此),乙庚在子丙辛箕(乙庚二日子為游都,丙辛二日寅為游都,箕者是寅中宿也)。丁壬居巳言非謬(丁壬二日巳為游都),戊癸向申更莫疑(戊癸二日申為游都)。

敵人が来て相犯せんとするは、これ最も須らく先に明らかにする事、即ち「遊都」という神を取って界限として占う。遊都は日干に随いて定まる:甲の日・己の日は丑を以て遊都と為す。注文に曰く:甲己の両日は丑を遊都と為し、月将を占時に加えた後に丑の落処を尋ね、其余の各日はこれに照らして類推す。乙の日・庚の日は子を以て遊都と為す。丙の日・辛の日は寅を以て遊都と為す、歌訣の中の「箕」即ち寅なり、箕宿が寅に属するが故なり。丁の日・壬の日は巳を以て遊都と為す、この話は錯なし。戊の日・癸の日は申を以て遊都と為す、更に疑うに及ばず。

游都伏日今將到(假如甲午日占,以月將加時,如丑加本日甲,謂游都伏日,主賊今日來。如丑加午支亦然),前支一日在明期(如游都加支前一神,賊明日來也)。二三依次須防禦(如游都加支前二神,第二日賊來;加支前三神,第三日來也),若臨前四不侵圍(游都臨前四辰,主賊過去不來也)。

遊都が若し本日の干支の上に壓すれば、敵人は今日に至らん。例えば甲午の日に占問し、月将を占時に加えて天盤を転じ出せば、若し丑が本日の日干・甲の寄る寅宮の上に落ちれば、これを「遊都日に伏す」と称し、敵人が当日に来るを主る。丑が日支の午の上に落つるも同じなり。若し遊都が日支の前の一位の神の上に加われば、敵人は明日に来る。前の両位に加われば、第二天に来る。前三位に加われば、第三天に来る。みな次いで戒備するを要す。若し遊都が日支の前の第四位の辰に落ちれば、敵人は已に過ぎ去り、来て囲攻せぬを主る。

游都旺相支干畏(假如春三月丙辛日占,寅為游都,是旺;丁壬日占,巳為游都,為相。加本日干支,占賊勢甚強,是為畏也,宜避之則吉),賊勢憑凌難守持(游都旺相,主賊必來;勾陳克游都,賊亦敗,不然主難守禦,宜急避之方可也)。

遊都が若し旺相の気を得てまた日干日支に加臨すれば、那は我方の怕るべき所なり。例えば春季三月に丙の日・辛の日を占えば、寅を遊都と為し、寅木は春天に於て正に旺なり。丁の日・壬の日を占えば、巳を遊都と為し、巳火は春天に於て相を為す。かかる遊都が更に本日の干支の上に加われば、敵勢の極めて強きを説明し、正に可畏の象、避くるを以て吉と為す。遊都が旺相なれば、敵人の必ず来るを主る。この時若し「勾陳」の遊都を克住する有れば、敵人はなおも敗るるを要し、さもなければ難く守御し難く、必ず急ぎ避走して乃ち可なり。

游都和處喜降卒(游都落處上下相生,必有降卒),畏下難侵大戰時(游都臨所畏之方,主彼、父子不相親,中外不相信,賊不敢侵,我應大戰,我勝彼負。若以游都臨受制之方為彼勝,則謬矣)。

遊都の落処が若し上下相生すれば、那は和好の象、喜ばしきは敵兵の前来して投降する有らん。若し遊都がそれが畏懼し・克制される方位の上に落ちれば、敵人は敢えて侵犯せず:これは相手の内部に父子相親しからず・朝廷と辺将と互いに信任せざるを主り、この時我方は正に大いに出戦すべく、我勝ち彼敗つ。遊都が受制の方に臨むを相手の取勝と解する人あれば、即ち説錯なり。

居在東南災稍重(若游都屬木火加東方猛烈兮堅城壘,居西兮速備關津,為得相氣也),臨之西北禍當微(游都臨西北,其賊遲疑未進,可息兵勞士。若臨北方賊歸本家,宜安息)。

遊都が東方あるいは南方に落ちれば、兵災はやや重きなり。若し遊都が木・火に属してまた東方に加われば、来勢は猛烈にして、必ず城壘を加固すべし。若し西方に落ちれば、則ち急ぎ関津渡口を防守するを要す、それが彼処に於て相気を得るが故なり。遊都が西北に落ちれば、禍患は軽微にして、敵人は遲疑して進まず、我方は兵を息め・士卒を犒勞すること可なり。若し遊都が北方に落ちれば、敵人は已に本国に退回するを主り、安心して休整すること可なり。

不見游都視天乙(如游都離日辰遠,謂之不見游都,當視天乙貴人加日辰否),臨日還如都將推(如天乙加日辰,賊亦來;不臨不來也)。子辰巳未加今日(子為神后,辰為天罡,巳為太乙,未為小吉,如加今日支干),賊到猖狂疾似飛(主賊來疾而去速也,或半路而回)。

若し課中に遊都を尋ねて得ざれば、即ち改めて「天乙貴人」を看る。遊都が日干日支より遠く離るるを、「遊都を見ず」と称す。この時は天乙貴人が日干日支に加臨する有るかを看るべし。天乙が日辰に加臨すれば、なお遊都の法子に按じて推す:貴人が日辰に臨めば、敵人もまた来る。臨まざれば、来らず。このほか子(神后)・辰(天罡)・巳(太乙)・未(小吉)のこの四神が本日の干支の上に加われば、敵人の来勢が猖狂迅疾して飛ぶが如きを主る――ただし来るも速くして去るも速く、甚だしきは半路上に就て折れ返る。

占賊去否

傳聞賊去問疑奸(報聞賊去,恐奸媒作誘,不可不占),專尋斗罡繫處占看(注曰:斗者,天罡也。月將加時,天罡落在十二辰何字上)。加孟未行加仲發(天罡加孟賊尚在,加仲已發主路行),加季如今向遠山(若天罡加季神,賊己遠去矣)。

伝聞に敵人は已に撤走せりと聞くも、なお其中に奸詐有るかを占うを要す。敵人が走り去りぬと報ずる人あれど、ただ怕るは姦細の故に風を放ちて我軍を誘引せんとするに在るが故に、占せざる可からず。占法は専ら「斗罡」の落処を尋ぬ:注文に曰く、斗即ち天罡(辰)なり。月将を占時に加えて天盤を転じ出し、天罡の落つるが十二地支のいずれの字かを看る。天罡が寅申巳亥の四孟に落ちれば、敵人はなお走り去らず。子午卯酉の四仲に落ちれば、敵人は已に身を動して路上に在り。辰戌丑未の四季に落ちれば、敵人は如今遠く深山に走り、去ること甚だ遠し。

大吉臨干將出界(一法,視大吉臨干,主賊出界,不論天罡。又一法,大吉臨干,賊出界),未到猶自在吾關(如大吉不臨干,不過干,猶在我關住也)。

別に一法あり「大吉」(丑)を看る:大吉が日干の上に臨めば、敵人は已に辺界を出づるを主る。この一法はただ大吉の干に臨むを看て、天罡の何処に落つるかを管せず。伝本あるに曰く大吉が日干を過ぎて乃ち出界と算す。若し大吉が日干に臨まず・また日干を越えずは、那敵人はなお我方の関塞の内に留まりて走らず。

突囲出処

或被兵圍不須忙(若陡然遇賊圍,不必驚忙,東走西奔,亂撞取害,當凝神以占之),加時出路望天罡(太公曰:“行兵千里,斗到必通。”斗者,天罡也,以月將加時,尋天罡下一宮而可出。若天罡方無路出,可尋三宮時,三宮時者,是亥子丑也)。

万一敵兵に囲まれれば、慌てるに及ばず。突然敵の囲困に遭えば、驚惶して措を失う勿れ、東奔西竄して乱撞すれば、那はただ自ら其の害を取るのみ、当に心神を定めて課を起こして占うべし。占法は月将を占時に加え、「天罡」の指向するを看て、那即ち突囲の出路なり。太公に曰く:「兵を行うこと千里、斗柄の到る必定に通達す。」斗即ち天罡(辰)なり。月将を占時に加え、天罡の下の那一宮を尋ねて得れば、彼処より即ち突出する能し。若し天罡の指す方位に実に路なく出る可からざれば、即ち更に「三宮時」を尋ぬ。三宮時とは亥・子・丑の三神を指す。

若值絳宮申酉地(以月將加時,若亥臨子午卯酉為絳宮,軍宜向天上申酉下出),明堂時往太沖方(子臨子午卯酉,為明堂,宜向天盤卯方出)。玉堂宜出天魁下(如遇丑臨子午卯酉,為玉堂,宜向戌字下出),利若鋒芒人極張(謂軍履險危之地,忽逢豪強之賊,勢雄不可當,向天罡可出,此為人極張也)。

若し「絳宮」の時に碰上せば、即ち申・酉の地に向かって突く:月将を占時に加え、亥が子・午・卯・酉の四仲の上に臨めば、便ち絳宮時なり、軍隊は天盤申・酉の臨む下に向かって冲出すべし。若し「明堂」の時なれば、即ち太冲の方に向かって走る:子が四仲に臨めば、便ち明堂時なり、天盤卯の在る方位に向かって突出するに宜し。若し「玉堂」の時なれば、「天魁」(戌)の下より出ずるに宜し:丑が四仲に臨めば、便ち玉堂時なり、戌字の下に向かって冲出するに宜し。かく突囲すれば、鋒芒鋭利にして向かう処靡かざるなり。これは軍隊の身の険境に處し、忽然強悍の敵人に遇い、勢い凶猛にして當たる能わざれば、即ち天罡の指す方向に向かって冲くを説く、これを「人極張」と曰うなり。

日辰上將相生吉(注曰:傷不傷,視陰陽。若被兵圍,日辰上將神相生者吉),相剋如今有損傷(若日辰上將神戰克,又制日辰,必損傷,用兵者宜審之)。

突囲する時はまた日干日支の上の天将を看るを要す:上下相生すれば即ち吉。注文に曰く:傷損を受くるか否かは、四課の陰神陽神を看るを要す。囲まるる時、日干日支の上の神と将と相生すれば、即ち吉象なり。若し日干日支の上の神将が互相戦克し、而且また返って日干日支を制克すれば、那必ず損傷あらん、兵を帯びる人は仔細に審察するを要す。

占今日戦否

兩軍相守已經時(謂兩軍相持,安營極久,今朝憂戰),始占之(以月將加時,戰不戰占之,則吉凶可知矣)。勾陳剋日刑沖斗(如勾陳乘神剋日辰,又逢刑沖日辰,主戰。刑者,如甲子日勾陳乘卯是也),不克無刑各護持(《經》曰:“斗不斗,勾陳輳;殺不殺,相刑壓。”勾陳有刑則戰,否則不戰)。

両軍は已に対峙して好一陣、これは双方が営を安んじ相持すること久しきを説く。今日の早朝に開戦せんとするを憂う、是より課を起こして来りて占う。占法は月将を占時に加え、専ら今日戦うか否かを問えば、吉凶は便ち知る可し。断法は「勾陳」を看る:勾陳の乗ずる神が日干日支を克し、また日干日支を刑冲すれば、今日必ず戦うを主る。言う所の刑は、例えば甲子の日に勾陳が卯に乗り、卯が子と相刑するが如きなり。若し勾陳が既に克せず・また刑なければ、則ち両家は各自営壘を守護して、交戦せざらん。《経》に曰く:「打つか否かは、勾陳の湊るか否かを看る。殺すか否かは、相刑して壓制する有るかを看る。」勾陳が刑を帯びれば即ち戦う、さもなければ即ち戦わず。

大吉小吉支干上(丑為大吉,未為小吉,二神有一神臨支干),兩軍俱解固疆圍(主兩軍俱解不戰也)。斗罡加孟須堅守(天罡加孟,宜堅守營壘),加仲相傷彼此疲(天罡加仲不利出軍,急宜謹備)。臨季出軍攻擊好(若天罡加季,宜出兵急攻,主大得勝回),得勝名之是順機(是用兵取勝之順機也)。

丑(大吉)・未(小吉)のこの両神は、ただ一つが日干あるいは日支の上に臨めば、両軍は皆手を罷め、各自疆界を固守して再び交戦せず。天罡の落処もまた看るを要す:天罡が寅申巳亥の四孟に加われば、営壘を堅守して出でざるに宜し。天罡が子午卯酉の四仲に加われば、出兵は不利にして、双方互いに傷損有らん、当に戒備を加緊すべし。天罡が辰戌丑未の四季に加われば、正に出兵して急攻するに宜しく、大勝して帰るを主る。能くかく取勝せば、即ち取勝の時機に順応せりと称す。

六害來加年命上(六害者,寅巳、卯辰、丑午、子未、酉戌、申亥是也。若主將行年本命上見六害,再與凶神並者,當日時必敗),此時攻戰自遭刑(遇此刑害,必遭刑傷,為將者不可不審也)。白虎若並凶更甚,日辰還忌切須明(日辰上亦不可逢六害白虎也,慎之慎之!《經》曰:“敗不敗,視六害”)。

「六害」が主将の行年・本命の上に加われば、この一日は打つ能わず。六害とは寅と巳・卯と辰・丑と午・子と未・酉と戌・申と亥のこの六組の相害を指す。若し主将の行年・本命の上に六害を見、また凶神と一処に并なれば、当天当時に必定に敗北せん。この時出戦せば、自己は即ち刑傷に撞上せん、将を為す人は審察せざる能わず。若し更に「白虎」が六害と并臨すれば、那更に凶なり。日干日支の上も同じく六害と白虎を見るを忌み、務めて明白にせねばならず、千万に謹慎す。《経》に曰く:「敗るるか否かは、六害を看る。」

戰雄用起春寅勝,夏巳秋申冬亥升(注曰:雄者,乃春寅、夏巳、秋申、冬亥是也。其法專主分主客,雄臨日干客勝,雄臨支辰主勝)。對沖為雌值凶惡(注曰:雌者,春申、夏亥,秋寅,冬巳是也。雌臨干客敗,雌臨支主敗)。此術標題《龍首》經(昔黃帝得此,乘龍昇天之日,傳於三子,明授龍前,故名曰《龍首經》)。

「戦雄」という神の発用は最も能く取勝す:春天は寅に在り、夏天は巳に在り、秋天は申に在り、冬天は亥に在り。注文に曰く:言う所の「雄」は、即ち春寅・夏巳・秋申・冬亥なり。この一法は専ら主客を分かつに用う――戦雄が日干の上に臨めば、客方勝つ。日支の上に臨めば、主方勝つ。戦雄と相冲するを「戦雌」と曰い、それに値えば即ち凶なり:春天は申、夏天は亥、秋天は寅、冬天は巳。戦雌が日干に臨めば、客方敗つ。日支に臨めば、主方敗つ。この一揃いの術法は《龍首経》に出づ。昔黄帝は此の術を得て、龍に乗りて天に升る其の日に三箇の兒子に伝え、龍の前に当りて明白に授受せり、故に書名を《龍首経》と曰うなり。

占定勝否

兩軍交戰誰當勝,主客後先看日辰。先起為客後為主(其法,以日辰分主客,以先起兵為客,後起兵為主),上將明之不陷軍(為將者先明主客,方知勝負)。

両軍交戦して畢竟誰が能く勝ちを取るかは、日干日支を以て主客先後を分かつを要す。占法は日干日支を以て主客を分かつ:先に兵を出づる一方を「客」と為し、後に兵を出づる一方を「主」と為す。主将を為す者は先ず主客を分かち清めてこそ、乃ち勝負を知り、又軍隊を断送するに至らざるを得ん。

干害支兼上克下(干克支利客,宜先起兵,用得上克下亦然,利客),反宜做主人(干克支上,上克下,利客。支克干,下賊上,是反宜做主人,宜後起兵勝)。

日干が日支を克し、又兼ねて四課中に上神が下神を克する者は、客を為すに利し、当に先んじて出兵すべし。発用の取るが上克下の一課なれば、同じく客に利す。反対に、日支が日干を克し・下神が上神を克する者は、即ち主を為すべく、後発して人を制して乃ち取勝する能し。

本將行年宜制虎(主將本命行年克白虎吉,若白虎克主將年命者凶),不然須見克勾陳(如白虎不相剋制,卻宜主將年命克勾陳。如本將年命辰木,勾陳乘土,是克勾陳,餘仿此)。

主将の行年は最も能く「白虎」を制住するを好む:主将の本命・行年の上の神が白虎を克するを吉と為す。反対に白虎が主将の年命を克すれば、即ち凶なり。若し白虎と克制の関係なければ、那即ち「勾陳」を克する能るか否かを看るを要す:主将の年命の上の神が勾陳を克するも好し。例えば主将の年命の上に辰を見て木に属し、勾陳の乗ずるが土神なれば、木は土を克す、即ち年命が勾陳を克するなり。其余はこれに照らして類推す。

勾陳利克賊方神(勾陳克賊方上神,卻能取勝也),賊方之上勾陳立(假若賊在午地而上加勾陳是也)。天乙遙能制下神(若天乙貴神屬水,為遙克賊方之午地,而上加勾陳也)。遇此名為天滅寇,佑我行師得大名(遇此課是上天欲我威賊,佑助我用兵,發大功,顯著於當時,揚於後世也)。

勾陳は最も能く敵方の所在の那一方の上神を克住するを好み、かくすれば便能く取勝す。例えば敵人が午地に在り、午の上に正に勾陳を加えれば、即ち「賊方之上に勾陳立つ」なり。若し「天乙貴人」がまた位を隔てて遥かに其の下の神を克す――例えば天乙の乗ずるが水神にして、位を隔てて遥かに敵方の所在の午火を克し、而して午の上にまた勾陳を加えれば――かかる課に遇上するを、「天滅寇」と称し、是れ上天が我の手を借りて敵人を威服し、保佑して我用兵して大功を建て、当世に顕赫・名を後世に揚げしめんとするなり。

敵使虚実

傳報通用。敵有使來看日辰,日上為客辰主人。日干上神克辰土(若日上神克辰上神,其言虛謬不可聞),若是辰上克干上,彼必畏我言詞真(其言是實可信)。

この一門は敵方の伝書・通报する情形も并せて適用す。敵人の遣わす使者を看るに日干日支を見よ:日干の上を「客」と為して敵方を代表し、日支の上を「主」と為して我方を代表す。若し日干の上神が日支の上神を克すれば、則ち使者の説く所は虚偽荒謬にして、聴信すべからず。若し日支の上神が返って日干の上神を克すれば、相手の我方を畏懼するを説明し、使者の話は真実にして信ずる可し。

朱空太陰日辰上(朱空陰乘日上神,主彼詐;乘辰上神主我詐),彼此欺詐機已深(彼以詐來,我以詐應,其機已深,用兵者宜審也)。

若し「朱雀」「天空」「太陰」のこの三将が日干日支の上に落ちれば:日干の上神に乗ずるは、相手が我を詐るを主る。日支の上神に乗ずるは、我方もまた彼を詐るを主る。これ即ち彼此ともに詐を使う、機心は已に甚だ深し――相手が詐術を以て来れば、我方もまた詐術を以て応付す。兵を用いる人は此に対して明白に看るを要す。

敵派使者來我方,或敵有書報送來,取月將加時占之。日干為客為敵,日支為主為我。若日干上神剋日支上神,敵使所言皆虛詐,不可信;若日支上神剋日干上神,為敵畏我,其使所言為實,可信。日辰上乘朱雀、天空、太陰,主敵我雙方皆欺詐。

敵人の遣わす使者が我方に来る、あるいは敵方の送る書信・通报は、皆月将を占時に加えて課を起こして判断す。課中は日干を客と為して敵方を代表し、日支を主と為して我方を代表す。若し日干の上神が日支の上神を克すれば、敵使の説くは全是虚偽詐偽の辞にして、信ずる能わず。若し日支の上神が日干の上神を克すれば、那是敵人が我方を畏懼し、其の使者の話は実情にして、採信する可し。若し日干日支の上に朱雀・天空・太陰のこの三将に乗ずれば、則ち敵我両辺が互いに相欺瞞するを主る。

劫糧覓水

我軍欲劫糧,大小吉下方尋(大吉小吉下得糧)。軍意欲求水,小吉太沖訪(小吉太沖為井泉之神,此二神下覓水則得)。

我軍の糧草を劫取せんと欲するは、即ち天盤「大吉」(丑)と「小吉」(未)の臨む下に至りて尋ぬべく、この両神の下に於て必ず糧食を得るを要す。軍中に水源を尋ねたいは、即ち「小吉」(未)と「太冲」(卯)を訪ぬべし:未の中に井宿あり、卯は天河と為し、この両位は井泉を主管する神なり、それらの下に於て水を尋ねれば即ち尋ね得べし。

奸匿

月將加時向奸求,神后之下萬人伏(奸者,神后是也。其下可伏萬人)。千人須藏河龍下(河龍者,太沖是也),百人陰精是良圖(陰精者,從魁是也,其下可伏百人)。

月将を占時に加えて天盤を転じ出し、以て蔵匿し伏を設くる方位を尋ぬ。「神后」(子)の下は一万人を埋伏する可し、言う所の奸匿の神即ち神后なり。一千人を蔵らんと欲すれば、即ち「河龍」の下に蔵るべく、河龍即ち「太冲」(卯)なり。一百人を蔵らんと欲すれば、「陰精」は好き去処、陰精即ち「従魁」(酉)なり、其の下は兵百人を伏す可し。

行険

三河九江天道通(太沖為三河,從魁為九江),欲行間諜切要明。除定危開二神加(二神有一神加四位者),出入敵營任縱橫(出入其下,無人知者)。又曰卯酉為天二門,覆地四戶(除定危開之門),出奇制勝,萬夫難當,神鬼佑護。

「三河」と「九江」は天道通行の処なり:太冲(卯)を三河と曰い、従魁(酉)を九江と曰う。間諜を遣して敵境に潜入せしめんと欲すれば、務めて先ずこの両処を明白にせよ。若しこの両神の一が建除十二値の除・定・危・開の四日の位の上に加臨すれば、間諜は敵営に出入して縦横自如、それらの下より進出せば、人の察覚する能くする者なし。又曰く:卯・酉は天上の両扇の門、地の下の除・定・危・開の四戸の上に覆わり、これによりて奇を出して勝を制すれば、万人もまた阻当し難く、なお神鬼の護佑有らん。

訪密

欲得賊消息,天耳下聽之(天耳者,大小吉是也)。要訪機密事,地耳不須疑(地耳者,太沖從魁是也。二神下密聽之即得)。

敵方の消息を探聴せんと欲すれば、即ち「天耳」の下に至りて聴くべく、天耳即ち「大吉」(丑)と「小吉」(未)なり。機密の事情を打听せんと欲すれば、那即ち「地耳」の下に至るべし、遲疑するに及ばず:地耳即ち「太冲」(卯)と「従魁」(酉)なり、この両神の臨む下に於て悄悄と探聴すれば、即ち実情を得るを要す。

劫掠

攻城通用。若入他境為客兵,劫掠須詳三傳情。初中旺相我軍勝(初中傳主我軍),末傳有氣彼定贏(如攻城亦看初中為我,末傳為彼,以旺相休囚分之)。

この一門は城を攻むる時も同じく適用す。若し敵境に入りて客兵を為して、劫掠せんと欲すれば、必ず三伝の情形を細看するを要す:初伝・中伝は我軍を代表し、末伝は敵方を代表す。初伝・中伝が旺相の気を得れば、我軍即ち勝つ。末伝に気有れば、相手即ち赢つ。城を攻むるもこれに照らして看よ、初伝・中伝は我に属し、末伝は彼に属す。旺・相・休・囚を用いて強弱を分辨す。

渡河

天有三河壬子癸,地有三河卯酉辰。月將加時看三河,一河臨井必覆舟。又曰:太沖、天罡加日辰主風雨,神后加太歲主舟沉,神后加季急渡則吉。

天上に「三河」有り、即ち壬・子・癸なり。地下にも三処の井泉有り、即ち卯・酉・辰なり。月将を占時に加えて天盤を転じ出した後にこの三河を看よ:ただ一条の天河が地下の井位の上に壓すれば、行船は必定に翻覆す。又曰く:「太冲」(卯)・「天罡」(辰)が日干日支に加臨すれば、風雨有るを主る。「神后」(子)が太歳の上に加われば、船只の沈没を主る。神后が辰戌丑未の四季の上に加わりて土に制されれば、急ぎ河を渡れば返って吉利なり。

斗柄所指

天罡指巳天地開(以月將加時尋天罡,指巳為天地初開),出軍行師任徘徊(用兵大勝,開地千里)。指午坐帳宜彈琴(天罡指午為天地縱橫,不可出軍,坐帳彈琴則吉),指未小通亦可裁(天罡加未為天地小通,出軍亦吉)。

月将を占時に加えて天罡(辰)の落つる処を尋ね出し、これによりて出兵の宜忌を断ず。天罡が巳を指すは、「天地初開」の時、出兵行師は従容に進退する可く、用兵して大勝し、疆土千里を開拓す。天罡が午を指すは、「天地縦横」の時、出兵すべからず、主将は帳中に安坐して琴を弾じて自娯すれば返って吉利なり。天罡が未を指すは、「天地小通」の時、また斟酌して出兵すること可く、出兵するもまた吉なり。

加申迫爭君須忌(天罡指申為天地迫爭之時,用兵者須忌之),指酉人馬受驚駭(天罡指酉,天地閉塞,車傷馬死,戰必大凶)。返來戌土主乖隔(天罡指戌,出軍主士卒乖傷也),加亥天阱不稱懷(天罡指亥為天阱,用軍主損傷驚怕)。

天罡が申に加わるは、「天地迫争」の時、兵を用いる人は必ず忌諱するを要す。天罡が酉を指すは、天地閉塞にして、車輌は損壊し・馬匹は死亡し・人馬は驚を受け、交戦すれば必定に大凶なり。天罡が戌に回るは、士卒の乖離して傷を受け・彼此隔閡するを主る。天罡が亥に加わるは、那是「天阱」にして、用兵すれば損傷有るを主り、人心は驚懼して、称心如意する能わず。

指子半路魂魄散(當此之時,出軍迷惑,行者半路魂魄不安),指丑途宿待明來(天罡指丑為天地小通,出軍三十里可止,待來晨任意而行,必獲大勝)。臨寅有喜戰獲勝(天罡指寅,行者有喜,戰必大捷),到卯閉塞宜藏埋(天罡指卯,天地閉塞,宜藏匿避之,凡事不宜)。復臨辰地關梁塞(天罡臨本位為關梁閉塞,只可安營下寨,不可妄動),掌上兵機仔細詳。

天罡が子を指すは、この時出兵すれば方向を迷失し、行軍する人は半路に走到すれば心神不寧・魂魄不安なり。天罡が丑を指すは、「天地小通」にして、出兵して三十里を走れば即ち停下して宿営し、第二天早晨に至りて随に意のままに前行せば、必ず大勝を獲ん。天罡が寅に臨めば、行軍の人に喜事有りて、交戦すれば必ず大捷を獲ん。天罡が卯に到れば、天地閉塞にして、当に蔵匿躲避すべく、諸事みな相宜あらず。天罡がまた本位の辰に回るは、那是関隘橋梁の堵塞の象、ただ営を安んじ寨を下す可く、軽挙妄動する能わず。この一揃いの用兵の機要は、皆掌上に推排す、務めて仔細に体察するを要す。

六壬軍帳賦

上將臨戎,傳式論攻。測將神之動靜,觀主客之雌雄。上將行年克勾處者勝。干為客,為先動。支為主,為後動。

主将が親しく戦陣に臨まば、即ち三伝と式盤を憑りて攻守を議論し、天将と天神の動静を測度し、主客双方の強弱を観察す。断法は:主将の行年の上の神が、若し能く「勾陳」の臨む処を克住すれば、即ち取勝す。日干は「客」を代表し、是先に手を動かす一方なり。日支は「主」を代表し、是後に応戦する一方なり。

吳坎臨奇,秦宮加偶。歲剛柔之運轉,月支干以研窮。吳為丑地,秦為未地。《黃帝初占》云:凡陽年以大吉加歲支,陰年以小吉加歲支,看四課三傳,及占卜十二邦國,各得吉凶神將所主之事。

国事・軍情を占うに、陽年は即ち「呉」の宮の神を奇位に加え、陰年は即ち「秦」の宮の神を偶位に加え、太歳の剛柔に随いて輪転し、更に月建の干支を以て細節を窮究す。呉は丑地を指し、秦は未地を指す。《黄帝初占》に曰く:凡そ陽年は、即ち「大吉」(丑)を太歳の地支の上に加え、陰年は、即ち「小吉」(未)を太歳の地支の上に加え、然る後に四課三伝を看て、以て十二の邦国を占卜し、各々得る所の吉凶神将に按じて、各国の主する事を断出す。

假令己丑歲,是為陰年,以小吉加丑,是反吟四柔,用井欄射法。初傳巳上登明為用,將得六合。中傳丑上見小吉,將得天后。末傳未上見大吉,將得青龍。此等卦,繫暮占。卯上見從魁為螣蛇,卯為宋分,主口舌事。酉上見太沖為白虎,酉為趙分,是年二月,趙分有災。餘仿此。又如丁卯年,小吉加卯,大吉臨酉,酉乃趙分,上見墓神臨之,主自作亂。其十二邦國分野,皆以所臨神將定其吉凶。

例を挙げて言えば:己丑年は陰年なり、即ち小吉(未)を丑の上に加え、転じ出るは天地相冲の「返吟」課にして、四課は全て柔の日に属し、「井欄射」の取伝法を用うるを要す。初伝は巳上の「登明」(亥)を取りて発用とし、乗ずる天将は「六合」なり。中伝は丑上に「小吉」(未)を見、乗ずる天将は「天后」なり。末伝は未上に「大吉」(丑)を見、乗ずる天将は「青竜」なり。この一類の課は夜裡に占得するなり。更に看るに卯上に「従魁」(酉)を見て「螣蛇」に乗ず、卯は宋国の分野、口舌・是非の事有るを主る。酉上に「太冲」(卯)を見て「白虎」に乗ず、酉は趙国の分野、則ちこの一年の二月に、趙地に災禍有らん。其余の各宮はこれに照らして類推す。又如丁卯年に、小吉を卯の上に加えれば、「大吉」(丑)即ち酉上に臨み、酉は趙の分野、上面にまた墓神の臨壓を見れば、趙地の自ら内乱するを主る。十二邦国の分野は、皆臨む所の神と将に按じて各自の吉凶を断定す。

亦舉合神,加月支於南北。合神者,甲與己合、乙與庚合、丙與辛合、丁與壬合、戊與癸合是也。加月支者,以歲合加月支,遁五子元也。假令甲申年,正月丙寅,歲合在己,己遁在巳,以巳加月建,占十二邦國神將吉凶成敗也。

別に一法あり、即ち「合神」を取りて、月建の地支の上に加えて盤を転ず。言う所の合神は、即ち甲と己と合し・乙と庚と合し・丙と辛と合し・丁と壬と合し・戊と癸と合す。言う所の月支に加ゆるは、太歳の合神を月建の上に加え、「五子元遁」を用いて天干を定出す。例を挙げて言えば、甲申年の正月の月建は丙寅なり、甲は己と合すれば、太歳の合神は己に在り、己の寄る宮は巳に在れば、即ち巳を月建の寅の上に加えて盤を転じ、これによりて十二邦国の神将吉凶と成敗を占う。

復推日宿,立用神之東西。日宿即月將。

接着更に「日宿」を推し、これによりて用神の東に在るか西に在るかを立定す。言う所の日宿は、即ち当月の月将、すなわち太陽の躔る星次なり。

敵有使來,正時占決。支神制干,即為真說。若辰上神制日上神,其言可信,客畏主也。反此有奸心,不可信也。一本云,時上神剋日上神,亦主多詐。

敵方に使者の到來有れば、即ち当下の正時を用いて課を起こして判断す。日支の上の神が能く日干の上の神を制すれば、使者の説く所は便ち真話なり。日支の上神が日干の上神を制するは、客方が主方を畏懼するを説明し、其の話は信ずる可し。反対に若し日干の上神が日支の上神を制すれば、即ち相手の奸心を懐く、聴信すべからず。別に一箇の伝本あり、曰く:占時の上の神が日干の上神を克すれば、また相手の詐多きを主る。

將朱空而言有欺詐,用角陰而行推奸譎。日上神見朱雀、天空,來情有變,虛詞欺詐也。角者,天罡也。陰者,太陰也。二神將用起年命者,所言不可信,謂太陰蔽翳,天罡凶神也。

天将が若し「朱雀」「天空」なれば、来使の話の中に欺詐有らん。発用が若し「角」と「陰」なれば、即ち相手の行事の奸猾詭譎を推断するを要す。日干の上神が朱雀・天空に乗ずれば、来意の変有るを説明し、全是虚詞にして哄騙す。「角」は「天罡」(辰)を指し、「陰」は「太陰」を指す。この両位の神将が若し主将の行年・本命の上より発用すれば、来使の話は信ずる能わず、太陰は遮蔽隠匿を主り、天罡は本より凶神なればなり。

下生上位,知詭詐以休行。干葉於支,謂陰謀之罷結。日上神與辰上神相生,則兩軍無礙,陰謀必止。

下位が上位を生ずれば、詭詐の謀は施行せざるを知る可し。日干と日支と相協調すれば、暗中の陰謀は已に罷手せりを説明す。日干の上神と日支の上神と彼此相生すれば、両軍の間に芥蒂なく、陰謀は自然に停止す。

寅申巳亥,天耳四時。年上見者,來使潛機。春寅,夏巳,秋申,冬亥,乃天耳也。天耳臨日辰、命年者,來使必有奸謀,其言不可信也。

寅・申・巳・亥の四神は、四季に按じて輪値し、即ち「天耳」なり。それが行年の上に出現すれば、来使は即ち心機を蔵す。春天は寅を以て天耳と為し、夏天は巳を以てし、秋天は申を以てし、冬天は亥を以てす。天耳が日干日支あるいは主将の本命行年の上に臨めば、来使は必ず奸謀を懐き、其の話は信ずる能わず。

後乙曹沖,在日辰而詐約;貪狼奸賊,臨支干以虛欺。後即神后,乙即太乙,曹即功曹,沖即太沖,此四神也。申子為貪狼,辰未為奸邪,亥卯為陰賊,此為六賊,天神也。

「神后」「太乙」「功曹」「太冲」の四神が日干日支の上に落ちれば、敵人の約会は即ち詐局なり。「貪狼」「奸邪」「陰賊」の六神が干支の上に臨めば、相手の話は即ち虚偽欺騙なり。后即ち神后(子)、乙即ち太乙(巳)、曹即ち功曹(寅)、冲即ち太冲(卯)、これ四神なり。申と子は貪狼と曰い、辰と未は奸邪と曰い、亥と卯は陰賊と曰い、この六箇は合わせて「六賊」と称し、皆天神の名なり。

如占敵人相約呼召可往否,若日辰見子、寅、卯、辰、巳、未、申、亥加臨,切不可往,其言虛欺也。若四神不宜往約,六賊不宜聽信賊言。以上四神、六賊,或並見六處,乘惡將,乃主詐耳。不然,十二支已去八字矣,豈止四字為實乎?

例えば敵人の来りて相約し・来りて招呼するを占えば、去るか去らざるか:若し日干日支の上に子・寅・卯・辰・巳・未・申・亥の加臨を見れば、千万に往く可からず、相手の話は虚偽欺騙なり。彼の四神に遇上すれば、約に赴くに宜からず。彼の六賊に遇上すれば、敵人の言語を聴信するに宜からず。ただし注意すべきは、上述の四神と六賊は、須らく同時に并せて日・辰・年・命・三伝・正時のこの六処に見え、また凶悪の天将に乗じて、乃ち真に詐を主る。さもなければ十二地支の中に已に八箇の字を去れり、豈にただ四箇の字を剩してのみ実話と算さんや。

外國人來,歲神克乙而禍生。若外國人來投拜者,正時占,太歲上神克天乙者,主人賊不可信。

外邦人の前来せば、若し太歳の上神が「天乙」を克すれば、禍患即ち発生せん。仮に外邦人の来りて投誠し拜謁する有れば、当下の正時を用いて課を起こし、太歳の上の神が天乙貴人の乗ずる神を克すれば、則ちこの人は賊意を懐き、軽信すべからず。

他邦異情,陰神賊日以愁之。日辰之陰神自勝其干支或干支上神者,主不利也。

別国に異心を懐く有れば、即ち陰神の日辰を克して憂愁を生ずるを看る。日干日支の陰神が返って干支本身に勝ち・あるいは干支の上神に勝つ者は、事の不利を主る。

發使諸方,年路支干,切忌魁罡,次憂伏反。發使諸方,正時占,日辰及使人行年、去路方位之上,忌見天魁、天罡,更忌伏吟、反吟,皆不利也。

各方に使者を派遣するに、使者の行年・往く所の道路および日干日支を看るを要し、最も「河魁」「天罡」を見るを忌み、其次は伏吟・返吟に遇上するを怕る。使者を各方に遣わすに、正時を用いて課を起こし、日干日支・使者の行年・走る所の路線の方位の上は、皆天魁(戌)・天罡(辰)を見るを忌み、更に課体の伏吟あるいは返吟なるを忌む。これら皆利あらず。

門傷年處,道行殃而凶將災深;年制門時,滯病歸而吉神禍淺。正時占,若所去國門上神來傷行人年上神,行必有殃,吉將災淺、凶將災深。若行人行年上神傷門上神,主滯病而歸。

出でる所の門が行年を傷つければ、路上に災殃有り。若し更に凶将に乗ずれば、災禍は更に深し。行年が返って門上の神を制すれば、那就是病を帯びて滞留して帰る。若し吉神に乗ずれば、禍患は即ち浅し。正時を用いて課を起こし、若し往かんとする其の国門方位の上の神が来りて行人の行年の上の神を傷克すれば、此行は必ず禍殃有らん:吉将に乗ずれば則ち災は軽く、凶将に乗ずれば則ち災は重し。若し是れ行人の行年の上の神が門上の神を傷克すれば、那即ち彼が病に因りて滞留し、最後に病を帯びて回るを主る。

初宜參觜,三傳終而吉將堪憑。參、觜二宿在申,故以申稱參觜也。發使之時得傳送為初傳,大吉也。如三傳終得見傳送,與吉將並即吉,與凶將並即凶。夫初傳得見傳送,亦須吉將併為吉也。

初伝は最も「参」「觜」を取るを好み、三伝が末了に至りて吉将有れば、また以て倚仗する可し。参宿・觜宿はみな申に在れば、故に参觜を以て申を代指す。使者を派遣する時に若し「伝送」(申)を取得して初伝と為せば、大吉なり。若し三伝が末伝に至りて乃ち伝送を見れば、那即ちそれが吉将と并なるか凶将と并なるかを看るを要す:吉将と并なれば則ち吉、凶将と并なれば則ち凶。たとい初伝に就て伝送を見ると雖も、必ず吉将と同并して乃ち吉と算す。

日忌歲傷,顧干神以到時預選。日發之時,忌干勿為歲所克,以克則凶也。若到彼之日,又不可令克初發之日。假令庚辛日發行,不宜丙、丁日到,為傷元發之日,主凶也;宜壬、庚日到則吉。所以到時預先選擇,取相生為吉。

出発の日は太歳に傷付けらるるを忌む。故に日干を照顧し、到達の日をも連ねて預め挑好す。出発の其の一日は、日干が太歳に克せらるるを忌み、克せられれば即ち凶なり。相手に到達の其の一日も、また出発の其の一日の日干を克する可からず。例えば庚の日・辛の日に出発すれば、即ち丙の日・丁の日に到達するに宜からず、火は金を克して、当初出発の日を傷付くれば、凶を主る。壬の日あるいは庚の日に到達するに宜しくして乃ち吉なり。故に到達の期は預め択定して、彼此相生するを取りて吉と為すを要す。

忽聞賊起,天罡之前即知來去。以月將加正時,視天罡所臨之處也。天罡加孟,賊不來,是虛說;加季賊來急;加仲,則未來,或半路遲疑未進。

忽然敵軍の起兵を聞くは、ただ天罡の指す所を看れば、立刻に彼の来るか否かを知らん。月将を正時に加えて盤を転じ、「天罡」(辰)の落つるが何の位置かを看よ:天罡が寅申巳亥の四孟に加われば、敵人は来らず、其の消息は假話なり。辰戌丑未の四季に加われば、敵人の来ること甚だ急なり。子午卯酉の四仲に加われば、敵人はなお未だ来らず、あるいは半路に走到して遲疑し前進せざるなり。

欲知行止,圓精視處必見心田。欲知賊之去處行藏,當視天目之下,有賊在也。春辰、夏未、秋戌、冬丑,以月將加時,便知賊所在處。國精,天目也。

敵人の行止を知らんと欲すれば、ただ「円精」の所在を看れば、心の裡は即ち明白なり。敵人が何処に往くか・何処に蔵るるかを知らんと欲すれば、即ち「天目」の下を看よ、敵人は即ち彼処に在り。天目は春辰・夏未・秋戌・冬丑なり。月将を占時に加えて盤を転ぜば、便ち敵人の所在の処を知る。賦文の説く所の「円精」は、即ち天目なり。

井未角辰貴人覆支干而賊兵益急。井宿在未,角宿在辰。貴人者天乙也。凡辰、未臨日辰,賊必至。若辰、未不臨日辰,賊不來。若辰加季,天乙又臨日辰,賊必至;天乙臨日辰,而辰加孟,賊去虛言來也。

井宿は未に在り、角宿は辰に在り。若しこの両神が連なりて天乙貴人と一斉に日干日支の上に壓せば、敵兵の来ること更に急なり。井宿は未に属し、角宿は辰に属し、貴人即ち天乙なり。凡そ辰・未が日干日支に臨めば、敵人は必定に到来し、辰・未が日干日支に臨まざれば、敵人は来らず。若し辰が四季の位に加わり、天乙がまた日干日支に臨めば、敵人は一定して至らん。若し天乙が日干日支に臨みて、而して辰が却って四孟の位に加われば、那是敵人は已に走り去れり、彼の来らんとするを説くは假話なり。

玄白制日入熒惑而城壘宜堅。玄白即玄武、白虎也。聞兵至時,玄武、白虎所乘神剋日,賊強,宜急備之。若我掠他人、襲敵人,必遂所願也。

「玄武」「白虎」が日干を制し、また太白の熒惑に入るに逢えば、城壘は即ち加固すべし。玄白即ち玄武と白虎なり。敵兵の来到を聞く時に課を起こし、玄武・白虎の乗ずる神が日干を克すれば、敵人の強盛を説明し、当に急ぎ防備すべし。反対に、若し是れ我方が往きて他人を劫掠し・敵軍を偷襲せんと欲すれば、この種の課に遇上して返って一定して如願せん。

太白,謂庚辛也。熒惑,謂丙、丁也。聞賊忽來之時,若天上之庚、辛臨地盤丙、丁之上,賊必來;若天上之丙、丁加地盤庚、辛之上,賊不來也。假令甲子旬中以寅、卯為丙、丁,以午、未為庚、辛。若天盤午、未臨地盤寅卯之上,賊必來,宜堅守城壘。若寅、卯臨午、未之上,是熒惑壓住太白金星,賊不來。金氣遇火不敢動故也。

「太白」は庚・辛を指し、「熒惑」は丙・丁を指す。忽然敵人の来犯を聞く時に課を起こし、若し天盤上の庚・辛が地盤の丙・丁の上に落ちれば、敵人は必定に来らん。若し天盤の丙・丁が地盤の庚・辛の上に加われば、敵人は来らず。例を挙げて言えば、甲子旬中に遁干を用い、寅・卯の上に遁じて丙・丁を得、午・未の上に遁じて庚・辛を得す。若し天盤の午・未が地盤の寅・卯の上に臨めば、那是太白が熒惑を壓す、敵人は必ず来らん、当に城壘を堅守すべし。若し寅・卯が午・未の上に臨めば、那是熒惑が太白金星を壓住せり、敵人は来らざらん、金気は火に遇えば敢えて妄動せざるが故なり。

復察游都,支干傷急;戴虎並蛇,師徒敗績。此下論游都之吉凶。臨辰覆日,立見賊來與蛇、虎相併,主軍有敗亡之禍。臨辰克辰,尤凶,尤準。

更に「遊都」を察す:それが日干日支を傷つければ、敵情は即ち緊急なり。若し遊都がまた「白虎」を戴き・「螣蛇」を并せば、我方軍隊は即ち敗績せん。以下の幾節は皆遊都の吉凶を論ず。遊都が日支に臨み・日干を覆えば、立刻に敵人の到来を見ん。更に螣蛇・白虎と一処に并なれば、軍中に敗亡の禍有るを主る。遊都が日支に臨みてまた日支を克する者は、なかんずく凶にして、またなかんずく応験なり。

都將囚死,日辰不克以無憂;或加干支,上下相制而來疾。游都若到囚死之地,不克日辰,亦無驚也。若臨日辰,上下相剋,賊即來,急疾。凡游都無剋日者,止有克辰耳。

遊都が若し囚死の地に落ち、また日干日支を克せざれば、即ち憂う可きなし。若しそれが干支の上に加わり而且上下が互相克制すれば、敵人の来ること即ち甚だ急なり。遊都が囚死無気の地に落到し、日干日支を克しに往かざれば、即ち驚擾有る能わず。若しそれが日干日支の上に臨み、上下がまた相克すれば、敵人は立刻に到り、来勢は急促なり。おおよそ遊都は直接日干を克すること甚だ少なく、多くはただ日支を克するのみなり。

孟仲季神定虛真,總領於天罡。游都加孟賊不來,加季賊必來,加仲遲疑。天罡加孟主憂畏,加仲兩相傷,加季主戰。

敵情の虚実真假は、全て四孟・四仲・四季のいずれの類の神に落つるかを看るに在り、而して総の統領はなお「天罡」に在り。遊都が四孟に加われば、敵人は来らず。四季に加われば、敵人は必ず来る。四仲に加われば、敵人は遲疑して決せず。天罡が四孟に加われば、我方の憂懼を主る。四仲に加われば、両下ともに損傷を受くるを主る。四季に加われば、開戦せんとするを主る。

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