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荘公

战国 · 公羊高 · 第7巻 / 44

春,夫人姜氏會齊侯於防。

春、夫人姜氏が防で斉侯に会った。

(經七二)夏,四月,辛卯夜,恆星不見,夜中星霣如雨。

(経七二)夏四月辛卯の夜、恒星が見えず、夜半に星が雨のように落ちた。

(傳)恆星者何?列星也。列星不見,則何以知?夜之中星反也。如雨者何?如雨者非雨也。非雨則曷為謂之如雨?不修《春秋》曰:「雨星不及地尺而復。」君子修之曰:「星霣如雨。」何以書?記異也。

(伝)恒星とは何か。列星である。列星が見えないのに、どうして夜半と分かるのか。星が後でまた戻ってきたからである。「如雨」とは何か。「如雨」と言うからには雨ではない。雨でないのに、なぜ「如雨」と言うのか。君子が改定する前の《春秋》には「星が雨のように墜ち、地を離れること一尺にしてまた戻る」と書かれていた。君子が改定して「星霣如雨」と書いた。なぜ記したのか。異常を記したのである。

(經七三)秋,大水。無麥、苗。

(経七三)秋、大水があった。麦もなく、苗もなかった。

(傳)無苗,則曷為先言無麥,而後言無苗?一災不書,待無麥,然後書無苗。何以書?記災也。

(伝)苗がないのに、なぜ先に「無麦」と書き、次に「無苗」と書いたのか。一つの災害は記さず、麦がなくなってから、それで初めて苗のないことを記す。なぜ記したのか。災害を記したのである。

(經七四)冬,夫人姜氏會齊侯於谷。

(経七四)冬、夫人姜氏が穀で斉侯に会った。

莊公(經八一)八年

荘公(経八一)八年

春,王正月,師次於郎,以俟陳人、蔡人。

春、周暦の正月、軍が郎に次し、陳人・蔡人を俟った。

(傳)次不言俟,此其言俟何?托不得已也。

(伝)次することは「俟」と書かないのに、ここで「俟」と書いたのはなぜか。やむを得なかったと託辞したのである。

(經八二)甲午,祠兵。

(経八二)甲午、祠兵を行った。

(傳)祠兵者何?出曰祠兵,入曰振旅,其禮一也,皆習戰也。何言乎祠兵?為久也。曷為為久?吾將以甲午之日,然後祠兵於是。

(伝)祠兵とは何か。出るのを祠兵と言い、帰るのを振旅と言い、礼は同じで、みな戦いを演習するものである。なぜ「祠兵」と書いたのか。長く引き延ばしすぎたからである。なぜ長く引き延ばしすぎたのか。我らは甲午の日を待って、それからここで祠兵しようとしたのである。

(經八三)夏,師及齊師圍成,成降於齊師。

(経八三)夏、我が軍と斉の軍が成を囲み、成は斉の軍に降った。

(傳)成者何?盛也。盛則曷為謂之成?諱滅同姓也。曷為不言降吾師?闢之也。

(伝)成とは何か。盛である。盛なら、なぜ成と言うのか。同姓を滅ぼしたことを隠したのである。なぜ我が軍に降ったと書かないのか。その点を避けたのである。

(經八四)秋,師還。

(経八四)秋、軍が帰った。

(傳)還者何?善辭也。此滅同姓何善爾?病之也,曰:師病矣!曷為病之?非師之罪也!

(伝)「還」とは何か。よい措辞である。これは同姓を滅ぼしたのに、何がよいのか。痛むのである。軍が病んだと言うに等しい。なぜ痛むのか。軍の罪ではないからである。

(經八五)冬,十有一月癸未,齊無知弒其君諸兒。

(経八五)冬十一月癸未、斉の無知がその君諸児を弑した。

莊公(經九一)九年

荘公(経九一)九年

春,齊人殺無知。公及齊大夫盟於暨。

春、斉人が無知を殺した。荘公が斉の大夫と暨で盟した。

(傳)公曷為與大夫盟?齊無君也。然則何以不名?其諱與大夫盟也,使若眾然。

(伝)荘公はなぜ大夫と盟したのか。斉に国君がいなかったからである。ではなぜ名を称しないのか。大夫と盟することを隠し、衆人と盟するように書いたのである。

(經九二)夏,公伐齊納糾。

(経九二)夏、荘公が斉を伐ち、糾を入れようとした。

(傳)納者何?入辭也。其言伐之何?伐而言納者,猶不能納也。糾者何?公子糾也。何以不稱公子?君前臣名也。

(伝)「納」とは何か。入れる措辞である。なぜ「伐」と書いたのか。伐ってなお納と書けば、ついに入れられなかったようになる。糾とは何者か。公子糾である。なぜ公子と称しないのか。国君の前では臣は名を称する。

(經九三)齊小白入於齊。

(経九三)斉の小白が斉に入った。

(傳)曷為以國氏?當國也。其言入何?篡辭也。

(伝)なぜ国名をもって氏としたのか。国の勢力を擁したからである。なぜ「入」と書いたのか。これは簒位の措辞である。

(經九四)秋,七月丁酉,葬齊襄公。

(経九四)秋七月丁酉、斉襄公を葬った。

(經九五)八月庚申,及齊師戰於干時,我師敗績。

(経九五)八月庚申、斉の軍と干時で戦い(干時は地名、底本ではこの字を乾坤の乾と作る)、我が軍は大いに敗れた。

(傳)內不言敗,此其言敗何?伐敗也。曷為伐敗?復讎也。此復讎乎大國,曷為使微者?公也。公則曷為不言公?不與公復讎也。曷為不與公復讎?復讎者在下也。

(伝)魯の自国のことは「敗」を書かないのに、ここで「敗」と書いたのはなぜか。敗戦をあらわにしたのである。なぜ敗戦をあらわにしたのか。これは復讐だからである。大国への復讐なのに、なぜ地位の微しい者を遣わしたのか。実は荘公である。荘公なら、なぜ「公」と書かないのか。荘公がこのように讐を復することを是としない。なぜ是としないのか。讐を復すべき者は下にいるからである。

(經九六)九月,齊人取子糾殺之。

(経九六)九月、斉人が子糾を取って、これを殺した。

(傳)其言取之何?內辭也;脅我,使我殺之也。其稱子糾何?貴也。其貴奈何?宜為君者也。

(伝)なぜ「取之」と書いたのか。これは魯国自身の隠す措辞である。相手が我らを脅迫し、我らに彼を殺させたのである。「子糾」と称するのはなぜか。彼が貴いからである。どう貴いのか。彼は本当は国君となるべきだった。

(經九七)冬,浚洙。

(経九七)冬、洙水を浚めた。

(傳)洙者何?水也。浚之者何?深之也。曷為深之?畏齊也。曷為畏齊也?辭殺子糾也。

(伝)洙とは何か。水である。「浚之」とは何か。それを深く掘ることである。なぜ深く掘ったのか。斉を恐れたからである。なぜ斉を恐れたのか。子糾を殺すことを辞した件である。

莊公(經十一)十年

荘公(経十一)十年

春,王正月,公敗齊師於長勺。

春、周暦の正月、荘公が長勺で斉の軍を敗った。

(經十二)二月,公侵宋。

(経十二)二月、荘公が宋に侵め入った。

(傳)曷為或言侵?或言伐?粗者曰侵,精者曰伐。戰不言伐,圍不言戰,入不言圍,滅不言入--書其重者也。

(伝)あるものは「侵」と書き、あるものは「伐」と書くのはなぜか。粗略なのを侵と言い、精詳なのを伐と言う。戦えば伐を書かず、囲めば戦を書かず、入れば囲を書かず、滅ぼせば入を書かない。分量の重いほうを記すのである。

(經十三)三月,宋人遷宿。

(経十三)三月、宋人が宿を遷した。

(傳)遷之者何?不通也,以地遷之也。子沈子曰:「不通者,蓋因而臣之也。」

(伝)「遷之」とは何か。それを隔絶し、土地をもってそれを遷すことである。子沈子曰く、「隔絶とは、おそらくこれに乗じて臣属とすることであろう」。

(經十四)夏,六月,齊師、宋師次於郎,公敗宋師於乘丘。

(経十四)夏六月、斉の軍・宋の軍が郎に次し、荘公が乗丘で宋の軍を敗った。

(傳)其言次於郎何?伐也。伐則其言次何?齊與伐而不與戰,故言伐也。我能敗之,故言次也。

(伝)なぜ「次于郎」と書いたのか。実は伐ちに来たのである。伐ちに来たのなら、なぜ「次」と書いたのか。斉は伐つことに与ったが戦うことに与らなかった、ゆえに伐つほうについて言えば、我らは彼らを敗ることができた。だから「次」と書いたのである。

(經十五)秋,九月,荊敗蔡師於莘,以蔡侯獻舞歸。

(経十五)秋九月、荊が莘で蔡の軍を敗り、蔡侯献舞を捕えて帰った。

(傳)荊者何?州名也。州不若國,國不若氏,氏不若人,人不若名,名不若字,字不若子。蔡侯獻舞何以名?絕。曷為絕之?獲也。曷為不言其獲?不與夷狄之獲中國也。

(伝)荊とは何か。州名である。州は国に及ばず、国は氏に及ばず、氏は人に及ばず、人は名に及ばず、名は字に及ばず、字は子に及ばない。蔡侯献舞はなぜ名を称されるのか。彼を断ち絶ったのである。なぜ断ち絶ったのか。彼が捕獲されたからである。なぜ捕獲と書かないのか。夷狄が中原の人を捕獲することを是としないからである。

(經十六)冬,十月,齊師滅譚,譚子奔莒。

(経十六)冬十月、斉の軍が譚を滅ぼし、譚子は莒に逃げた。

(傳)何以不言出?國以滅矣,無所出也。

(伝)なぜ「出」と書かないのか。国はすでに滅び、「出」るべき所がないからである。

莊公(經十一一)十有一年

荘公(経十一一)十有一年

春,王正月。

春、周暦の正月。

(經十一二)夏,五月戊寅,公敗宋師於鄑。

(経十一二)夏五月戊寅、荘公が鄑で宋の軍を敗った。

(經十一三)秋,宋大水。

(経十一三)秋、宋に大水があった。

(傳)何以書?記災也。外災不書,此何以書?及我也。

(伝)なぜ記したのか。災害を記したのである。外の災害は例によって記さないのに、ここではなぜ記したのか。我が魯国にも及んだからである。

(經十一四)冬,王姬歸於齊。

(経十一四)冬、王姫が斉に嫁いだ。

(傳)何以書?過我也。

(伝)なぜ記したのか。我が魯国を経由したからである。

莊公(經十二一)十有二年

荘公(経十二一)十有二年

春,王三月,紀叔姬歸於酅。

春、周暦の三月、紀叔姫が酅に帰った。

(傳)其言歸於酅何?隱之也。何隱爾?其國亡矣,徒歸於叔爾也。

(伝)なぜ「帰于酅」と書いたのか。彼女を哀れんだのである。何を哀れんだのか。彼女の国は亡び、ただ叔のもとに帰ったにすぎない。

(經十二二)夏,四月。

(経十二二)夏四月。

(經十二三)秋,八月甲午,宋萬弒其君接及其大夫仇牧。

(経十二三)秋八月甲午、宋の万がその君接とその大夫仇牧を弑した。

(傳)及者何?累也。弒君多矣,舍此無累者乎?孔父、荀息皆累也。舍孔父、荀息,無累者乎?曰:有。有則此何以書?賢也。何賢乎仇牧?仇牧可謂不畏強禦矣!其不畏強禦奈何?萬嘗與莊公戰,獲乎莊公;莊公歸,散舍諸宮中,數月,然後歸之。歸反為大夫於宋。與閔公博,婦人皆在側。萬曰:「甚矣,魯侯之淑,魯侯之美也!天下諸侯宜為君者,唯魯侯爾!」閔公矜此婦人,妒其言,顧曰:「此虜也!爾虜焉故,魯侯之美惡乎至?」萬怒,搏閔公,絕其脰。仇牧聞君弒,趨而至,遇之於門,手劍而叱之。萬闢殺仇牧,碎其首,齒著乎門闔。仇牧可謂不畏強禦矣!(經十二四)冬,十月,宋萬出奔陳。莊公(經十三一)十有三年

(伝)「及」とは何か。連累して一緒になることである。弑君の事は多いが、この条のほかに連累された者はいなかったのか。孔父・荀息はみな連累された。孔父・荀息のほかにはいないのか。答えて曰く、まだある。まだあるのに、なぜここで記したのか。仇牧が賢だからである。仇牧はどこが賢なのか。仇牧は強横を畏れないと言えよう。どのように強横を畏れなかったのか。万はかつて荘公と戦い、荘公に捕えられた。荘公は帰って彼を宮中に散置し、数か月して放って帰した。帰ってまた宋で大夫となった。閔公と博戯をしていたとき、婦人たちがみな傍らにいた。万曰く、「ひどいものだ、魯侯はあのように善く、魯侯はあのように美しい。天下の諸侯のうち君となるべきは、ただ魯侯だけであろう」。閔公はこれらの婦人の前で自慢しようとして、この言葉を妬み、顧みて言った、「これは捕虜だ。おまえはもともと捕虜で、魯侯の美がどうしておまえの口にかかるのか」。万は怒り、閔公をつかみ、その頸を折った。仇牧は君が弑されたと聞き、駆けつけ、門で万に出遭い、剣を持って彼を喝した。万は仇牧を撃ち殺し、その頭を砕き、歯は門扇に嵌まった。仇牧は強横を畏れないと言えよう。(経十二四)冬十月、宋の万は陳に亡命した。荘公(経十三一)十有三年

春,齊侯、宋人、陳人、蔡人、邾婁人會於北杏。

春、斉侯・宋人・陳人・蔡人・邾婁人が北杏で会した。

(經十三二)夏,六月,齊人滅遂。

(経十三二)夏六月、斉人が遂を滅ぼした。

(經十三三)秋,七月。

(経十三三)秋七月。

(經十三四)冬,公會齊侯,盟於柯。

(経十三四)冬、荘公が斉侯に会い、柯で盟した。

(傳)何以不日?易也。其易奈何?桓之盟不日,其會不致,信之也。其不日何以始乎此?莊公將會乎桓,曹子進曰:「君之意何如?」莊公曰:「寡人之生,則不若死矣!」曹子曰:「然則君請當其君,臣請當其臣。」莊公曰:「諾。」於是會乎桓。莊公升壇,曹子手劍而從之。管子進曰:「君何求乎?」曹子曰:「城壞壓竟,君不圖與?」管子曰:「然則君將何求?」曹子曰:「願請汶陽之田。」管子顧曰:「君許諾。」桓公曰:「諾。」曹子請盟,桓公下與之盟。已盟,曹子摽劍而去之。要盟可犯,而桓公不欺;曹子可讎,而桓公不怨。桓公之信著乎天下,自柯之盟始焉。

(伝)なぜ日を記さないのか。来るのが易しかったからである。どう易しかったのか。桓公の盟は日を記さず、彼の会は帰国を書かない。彼を信頼したのである。日を記さないことがなぜここから始まるのか。荘公が桓公と会おうとしたとき、曹子が進み出て言った、「君王のお考えはいかがですか」。荘公曰く、「寡人は生きているのは、死んだほうがましだ」。曹子曰く、「では君王は彼らの君を対とし、臣は彼らの臣を対といたしましょう」。荘公曰く、「よし」。そこで桓公と会した。荘公が壇に上ると、曹子は剣を握って従った。管子が進み出て言った、「何かお求めが」。曹子曰く、「城が壊れて国境を圧している。君王はお考えにならないのか」。管子曰く、「では何をお求めか」。曹子曰く、「汶陽の田を返していただきたい」。管子が顧みて言った、「君王はお許しになれ」。桓公曰く、「よし」。曹子が盟を請うと、桓公は降りて彼と盟した。盟が済むと、曹子は剣を投げ捨てて去った。要盟はもともと犯してよいのに、桓公は欺かなかった。曹子はもともと讐人とすることができたのに、桓公は怨まなかった。桓公の信が天下に著われたのは、この柯の盟からである。

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