Libo

五行総論

明 · 余春台 · 第1巻 / 11

作盤ガイド: 八字作盤

いわゆる「五行」とは、天地の間に本(もとづ)き、運行して止まず永く窮尽なき五種の気で、まさにそれらが終始として「行」するがゆえに、この「行」…

八字命理典籍

初学はまず体例の整った通論の書で枠組みを立て、次に歌賦類、最後に評注と進むのがよい。断語集から入ると、結論は覚えても導出の過程を組み立てられないことが多い。

五行者,本乎天地之間而不窮者也,故謂之行。北方陰極而生寒,寒生水;南方陽極而生熱,熱生火;東方陽散以洩而生風,風生木;西方陰止以收而生燥,燥生金;中央陰陽交而生溫,溫生土。其相生也所以相維,其相剋也所以相制,此之謂有倫。

いわゆる「五行」とは、天地の間に本(もとづ)き、運行して止まず永く窮尽なき五種の気で、まさにそれらが終始として「行」するがゆえに、この「行」の字をもって命名したものである。北方の陰気が極に至れば則ち寒を生じ、寒は凝りて水と成る。南方の陽気が極に至れば則ち熱を生じ、熱は盛んにして火と成る。東方の陽気は発散して外に泄れれば則ち風を生じ、風は動いて木と成る。西方の陰気は収斂して止まり聚まれば則ち燥を生じ、燥は斂(おさ)めて金と成る。中央は陰陽二気が交わり会して則ち温を生じ、温は和して土と成る。五行の彼此相生するは、互いに維系して接続せんがため。彼此相克するは、互いに裁制して約束せんがため。生有り克有り、生克が序を成す。これを「有倫」と呼び、すなわち条理あり倫次ありということである。

火為太陽,性炎上;水為太陰,性潤下;木為少陽,性騰上而無所止;金為少陰,性沉下而有所止;土無常性,視四時所乘,欲使相濟得所,勿令太過弗及。夫五行之性,各致其用。水者其性智,火者其性禮,木其性仁,金其性義,惟土主信,重寬厚博,無所不容。以之水,即水附之而行;以之木,則木托之而生;金不得土,則無自出;火不得土,則無自歸。必損實以為通,致虛以為明,故五行皆賴土也。

火は太陽の気に属し、その性は上に炎焼す。水は太陰の気に属し、その性は下に潤沢(じゅんたく)す。木は少陽に属し、その性は上に騰(のぼ)りて止境なし。金は少陰に属し、その性は下に沈みて収束する所有り。土は固定不変の偏性なく、それの処する時令に随って変ず。要するに五者をして彼此相済(さい)わせ、各々その宜しきを得せしめ、どれかをして太過または不及ならしめてはならない。五行の性はまた各々その功用あり。水は「智」を主り、火は「礼」を主り、木は「仁」を主り、金は「義」を主り、独り土は「信」を主る。厚重にして寛博、包容せざる能くするものなし。水は土あって堤岸河床を為し、乃(すなわ)ち附着して流行すること能くし、木は土あって托すべく、乃ち扎根して生長すること能くし、金は土を得ざれば、則ち生ずる処なく、火は土を得ざれば、則ち帰蔵する処なし。土はまた必ずその板実(ばんじつ)を減じて気を通じ、虚松を保って明徹なるを要す。だから五行はどれ一つとして土に倚頼(いらい)せざるなし。

推其形色,則水黑、火赤、木青、土黃,此正色也。及其變易,則不然。常以生旺從正色,死絕從母色,成形冠帶從妻色,病敗從鬼色,旺墓從子色。其數則水一、火二、木三、金四、土五,生旺加倍,死絕減半。

形色に就いていえば、水の色は黒、火の色は赤、木の色は青、土の色は黄(金の色は白)、これは五行の本色である。それが処する境に随って変ずるを待つに至れば、本色に照らして論ぜない。通常「生」「旺」の地に処ればなお本色に従い、「死」「絶」の地に処れば改めて我を生ずる者の母色に従い、「成形」「冠帯」の地に処れば我が克する者の妻色に従い、「病」「敗」の地に処れば我を克する者の鬼色に従い、「旺墓」の地に処れば我が生ずる者の子色に従う。五行の数に至っては、水は一と為し、火は二と為し、木は三と為し、金は四と為し、土は五と為す。生旺の地に居ればその数は倍に加わり、死絶の地に居ればその数は半に減ず。

以義推之,夫萬物負陰而抱陽,沖氣以和。過與不及,皆為乖道。故高者抑之使平,下者舉之使崇,或益其不及,或損其太過。所以貴在折衷,歸於中道,使無有餘不足之累,即才官印食貴人驛馬之微意也。行運亦如之,識其微意,則於命理之說,思過半矣。

さらに義理の上から推究するに、万物はみな陰気を背負い、陽気を懐抱(かいほう)し、二気の激蕩交冲に頼ってやっと中和に帰す。およそ太過あるいは不及は、いずれも正道に背離するに属す。だから高く出たるは抑えて平らかにし、低く下がったるは挙げて崇くし、足らざるは加えて補益し、太過なるは加えて裁損する。貴ぶべき処はまさに折中に在り、不偏不倚の中道に帰り来たりて、命局をして有余・不足の拖累(だれい)なからしむ——「財」(原文は「才」と作す)・「官」・「印」・「食神」および貴人・駅馬これらの名目の背後の深意は、説き尽くせばこの一層である。大運流年を看るもまた同一の道理。この深意を懂(わ)きれば、命理の学に対しても、また大半を領会したも同然である。

木を論ず・木性と四時の宜忌

木性騰上而無所止,氣重則欲金任使,有金則有惟高惟斂之德。仍愛土重,則根蟠深固;土少則有枝茂根危之患。木賴水生,少則滋潤,多則漂流。甲戌、乙亥,木之源;甲寅、乙卯,木之鄉;甲辰、乙巳,木之生,皆活木也。甲申、乙酉,木受克;甲午、乙未,木自死;甲子、乙丑,金克木,皆死木也。

木の本性は上に生発して止境なし。木気が過重なるときは金を要して裁制し駆使す。金の収斂あれば、木はこそ「能く高長し能く内斂する」の品格有り。木はまた土の厚きを喜び、土厚ければ則ち根は槃(めぐ)りて深く扎(とど)まりて牢固(ろうこ)し、土太(あま)り少なければ、ただ枝叶の繁茂して根基の虚浅なる隐患(いんかん)あるのみ。木は水に靠(よ)りて滋生す。水少なければ恰好(かっこう)に滋潤し、水多ければかえって木を冲して漂流失根せしむ。干支の配合に就いて論ずれば、甲戌・乙亥は木の源頭の地、甲寅・乙卯は木の本郷(臨官・帝旺の位)、甲辰・乙巳は木の生長を得る地で、この三類はみな「活木」と算え、甲申・乙酉の木は申酉の金に克され、甲午・乙未の木は自ら死墓の郷に入り、甲子・乙丑は則ち金気の木を克しに来たる——この三類はみな「死木」と算える。

生木得火而秀,丙丁相同;死木得金而造,庚辛必利。生木見金自傷,死木得火自焚。無風自止,其勢亂也;遇水返化其源,其勢盡也。金木相等,格謂斲輪;若向秋生,反為傷斧,是秋生忌金重也。

活木は火を得れば便ち秀発して通明す。丙火・丁火は同じくこの功あり。死木は金を得てこそ斫削(しゃくさく)して器物を造成し得る。庚金・辛金は必然として利あり。反対にいえば、活木は金を見ればすなわち自ら生機を傷つけ、死木は火に遇えばすなわち自ら焚かれて灰と成る。風の吹きてそれを動かすなくしても自ら停まり長ぜざるは、それは気勢すでに乱る。水に遇いてかえって回頭してその源頭を消耗するは、それは気勢すでに尽くる。金と木とが勢均力敵するは、この格局を「斲輪(たくりん)」と呼び、車輪を成し得る良材である。しかしもし秋に生まれれば、金正(まさ)しく当令し、あの斧頭(ふとう)はすなわち木を傷つくる器と成る——だから秋生の木は最も金重きを忌む。

木生於春,餘寒猶存。喜火溫暖,則無盤屈之患;藉水資扶,而有舒暢之美。春初不宜水盛,陰濃則根損枝枯;春木陽氣煩燥,無水則葉槁根枯。是以水火二物,既濟方佳。土多而損力,土薄則財豐。忌逢金重傷殘克伐,一生不閒。設使木旺,得金則良,終生獲福。

木は春に生まれて、冬の余寒はまだ散じ尽くさず。だから火の来て温暖するを喜び、火を得れば便ち蜷曲(けんきょく)して伸びざるに至らず。また水を借りて資助扶持し、水を得てこそ舒展暢達(しょてんちょうたつ)の美あり。ただし初春は水をして太盛ならしめてはならず、水盛なれば則ち陰気は濃重し、かえって木根を凍損し枝条を枯萎せしむ。春木の陽気が転じて旺え、燥意漸く生ずるときに到っては、もし水なければ、また葉枯れ根乾す。だから水と火の両様は必ず配合して「既済」の勢いを成さねばならず、命局はこそ上佳と算える。土多ければ則ち木の力量を耗散し、土薄ければかえって財気は豊厚なり。最も忌むは金の重きて傷残克伐することで、然(しか)れば一生は労碌(ろうろく)して安閑(あんかん)を得ず。ただしもし木みずからが旺に足れば、金の裁削を得てかえって好事となり、終身福を享くる。

夏月之木,根乾葉燥,盤而且直,屈而能伸。欲得水盛而成滋潤之力,誠不可少;切忌火旺而招焚化之憂,故以為凶。土宜在薄,不可厚重,厚則反為災咎;惡金在多,不可欠缺,缺則不能琢削。重重見木,徒以成林;疊疊逢華,終無結果。

夏の木は、根幹葉は燥き、見るには槃曲(ばんきょく)のようだが、実は挺直し、能く屈し能く伸ぶ。それが最も要するは水の盛なるの滋潤の功を成就することで、一点も少なからず。最も忌むは火の旺で、火旺なれば則ち焚化の憂を招来す。だから火旺をもって凶と為す。土は宜しく薄くして厚くすべからず、土厚重なればかえって災咎と成る。金は則ちその太多きを嫌うも、却って全く缺くべからず。缺けば則ち琢削(たくさく)して材を成すに従由(ゆえ)なし。もし満局に重々として皆木ならば、徒らに一片の林子(りんし)を長成するに過ぎず。花は開きて再(ふたた)び層層畳畳(そうそうじょうじょう)たるも、終わりに果実を結び出さざるなり。

秋月之木,氣漸淒涼,形漸凋敗。初秋之時,火氣未除,尤喜水土以相滋;中秋之令,果以成實,欲得剛金而修削。霜降後不宜水盛,水盛則木漂;寒露節又喜火炎,火炎則木實。木多有多材之美,土厚無自任之能。

秋の木は、気象は日々に凄凉(せいりょう)し、形体は日々に凋敝(ちょうへい)す。初秋には火気がまだ退き尽くさざるがゆえに、殊に水と土の来て相滋养することを喜ぶ。仲秋に到っては、果実すでに結成せり、剛硬の金を要して修剪削斫(しゅうせんしゃくさく)す。霜降以後は水盛を宜しくとせず、水一盛なれば木は則ち漂蕩(ひょうとう)して依る所なし。寒露の節の後はまた火の来て炎暖するを喜び、火暖なれば則ち木は能く結実す。木多ければ、成材众多の美あり。土厚ければ、かえって木の自立担当の能を失わしむ。

冬月之木,盤屈在地,欲土多而培養,惡水盛而忘形。金總多不能克伐,火重見溫暖有功。歸根復命之時,木病安能輔助,須忌死絕之地,只宜生旺之方。

冬の木は、槃屈して地下に潜蔵し、土の多く培護根基することを喜び、水の盛にしてその形体を淹没(えんぼつ)するを悪(にく)む。このとき金はたとい再び多くともこれを克伐する能くさず、火はもし重々として出現すれば温暖を帯びて、甚だ功用あり。これまさに万物が根に帰り命に復(かえ)る時節で、木みずからはすでに病地に処り、又何処か談(はな)して他物を辅助するを得上えんや。だから死絶の地に走るを忌み、ただ生旺の方に走るを宜しくとす。

三春甲木総論

春月之木,漸有生長之象。初春猶有餘寒,當以火溫暖,則有舒暢之美;水多變克,有損精神。重見生旺,必用庚金斲鑿,可成楝梁。春末陽壯水渴,藉水資扶,則花繁葉茂。初春無火,增之以水,則陰濃氣弱,根損枝枯,不能華秀;春末失水,增之以火,則陽氣太盛,燥渴相加,枝枯葉乾,亦不華秀。是以水火二物,要得時相濟為美。

春の木は、漸く生長の気象を顕す。初春(寅月)は寒気まだ退かず、応に火を用いて温暖すべく、木は暖気を得てこそ舒展暢達の美あり。このとき水がもし太多ければ、滋生はかえって変じて克害と為り、木の精神は則ち損傷せられん。もし木が一再して生扶に遇いて過(あま)りに旺盛なれば、必ず庚金を用いて斫削整治し、乃ち棟梁の材を成すべし。春末(辰月)に到っては、陽気壮盛にして水気は乾渇し、また水に靠りて資助扶持せねばならず、木はこそ花繁く葉茂る。反対にいえば、初春に火なくして水を添えば、則ち陰気濃く陽気弱く、根は凍損を被り枝条は枯萎し、好花を開き出さず。春末に水缺けて火を添えば、則ち陽気太盛にして燥と渇と相加わり、枝干(した)葉枯れ、同じく好花を開き出さず。だから水と火のこの両様は、時令の早晚に按(あ)って配合を当に得、彼此調剤してこそ、美備と算える。

三春甲木

正月甲木・寅月に生ず

正月甲木,初春尚有餘寒,得丙癸逢,富貴雙全。癸藏丙透,名寒木向陽,主大富貴。倘風水不及,亦不失儒林俊秀。如無丙癸,平常人也。

正月は寅を建(た)つ。甲木は初生、初春はまだ未退の余寒を帯ぶがゆえに、この月の甲木は丙火の寒を解き、癸水の根を滋(うるお)すをもって調候の要と為す。命中に丙火と癸水の両様ともに遇うことを得れば、便ち富貴双全の造(み)である。もし癸水が地支に蔵し、丙火が天干に透すれば、「寒木向阳(かんぼくこうよう)」と呼ぶ——根の下に水あって養い、頭上に太陽あって照る。大富大貴を主どる。たとい祖徳・風水の類の外縁足らざれば、少なくとも儒林の中の俊秀の士たるを失わず。丙・癸ともに無ければ、寒木は暖気を得ること能くさず、また滋潤を得ること能くさず、それはただ平常の人である。

正二月甲木,素無取從才從殺從化之理。或一派庚辛,主一生勞苦,克子刑妻,再支會金局,非貧即夭。如無丙丁,一派壬癸,又無戊己制之,名水泛木浮,死無棺槨。如一派戊己,支會金局,為財多身弱,富屋貧人,終生勞苦,妻晚子遲。

正月・二月の甲木はみずから当令して気を得、従来「従財」「従殺」「従化」の類の外格を取る道理なし——身強なれば便ち命を棄てて人に従う能くさず。仮に満盤皆庚金・辛金ならば、官殺は群を成して身を克し、一生労苦し、子を克し妻を刑するを主どる。地支がさらに金局を会成せば、それは貧寒ならざれば短寿なり。仮に丙丁火の局を暖め秀を泄(も)らすなく、而(しか)も一片の壬水・癸水ありて、また戊己土の水を制するなくば、これを「水泛木浮(すいはんぼくふ)」と呼ぶ——木根は水に泡立てられ、漂浮して依る所なし。凶は死後棺槨(かんかく)をも弁(わきま)うるに及ばず。仮に満盤に戊己土をもって財と為し、地支がまた金局を会成して財を生ぜば、便ち「財多身弱(ざいたしんじゃく)」——好き房子(ぼうし)に住む窮人、終身労碌し、妻を娶ること晩く、子を得ること遅し。

或無庚金,有丁透,亦屬文星,為木火通明之象,又名傷官生財格,主聰明雅秀。一見癸水傷丁,但作厚道迂儒。或柱中多癸,滋助木神,傷滅丁火,其人奸雄梟險,曹操之徒,言清行濁,笑裡藏刀。

もし庚金なく、而(しか)も丁火の干に透るあり。丁は甲木の生ずる傷官にして、また文星と算え、「木火通明」の象を構成し、また「傷官生財格」と呼ぶ。人は聡明清雅秀気なり。ただし一たび癸水の出て丁火を傷克すれば、この光焔を潔(あら)い滅ぼし、ただ忠厚にして迂濶(うかつ)の読書人を為す。もし柱中に癸水太多ければ、一面木神を滋养して木をいよいよ旺ならしめ、一面また丁火を傷滅す。木は盛んにして宣泄(せんしゃ)する処なく、寒湿は化せず——この種の人は便ち奸雄・梟険(きょうけん)の徒と成り、曹操の一路に属し、説く所の言は清白にして、行う所の事は污濁(おだく)し、笑裏に刀を蔵す。

若庚申、戊寅、甲寅、丙寅,一行金水運,發進士。或甲午日庚午時,此人必貴,但要好運相催,不宜制了庚丁。

たとえば庚申年・戊寅月・甲寅日・丙寅時のこの一造。甲木は寅月に生まれて禄を得、寅中の丙火は透して秀を泄し、年柱の庚申は七殺にして禄に坐り根あり。一たび金水の運に行り到れば、殺は力ありて印は身を生じ、便ち進士を考中し得る。またたとえば甲午日に庚午時を配するに、午中の丁火は傷官と為し、天干の庚金は七殺と為し、傷官駕殺(しょうかんがさつ)の勢いを成す。この人は必ず貴顕を主どる。ただし好運の来て催発するを要し、しかも別の干支をして庚金と丁火のこの両件の用神を克制せしめてはならない。

或支成金局,多透庚辛,此又不吉,號曰木被金傷,若無丙丁破金,必主殘疾。或支成火局,洩露太過,定主愚懦,常有啾唧災病纏身,終有暗疾。支成木局,得庚為貴,無庚必凶,若非僧道,男主鰥孤,女主寡獨。支成水局,戊透為貴,如無戊制,不但貧賤,且死無棺木。故書曰:甲木若無根,全賴申子辰,干得才殺透,平步上青雲。

もし地支が金局を会成し、天干にまた庚辛を多く透せば、則ち吉ならず。「木被金傷(ぼくきんにしょうせらる)」と呼ぶ。このときもし丙丁火の出て金気を克破するなくば、必ず残疾を主どる。もし地支が火局を会成すれば、木気は火に泄漏して太過し、元神は耗竭(もうけつ)し、必ず愚鈍・懦弱を主どる。つねに小病・小災が身に纏い、終身暗疾を帯ぶ。地支が木局を会成すれば、比劫は群を成し、必ず庚金の裁制を得てこそ貴と為す。庚金なくば必ず凶。僧道を為さずんば、男もまた鳏居孤独(かんきょこどく)を主どり、女は寡を守り偶なきを主どる。地支が水局を会成すれば、水多く木浮き、戊土の透して堤を築くを要してこそ貴と為す。戊土なくば水を制せず、貧賤なりのみならず、死後棺木をも置弁(ちべん)するに及ばず。だから命書にいう。甲木はもし根なければ、全く申子辰の水局に靠(よ)りて生扶せられ、天干にさらに財星・殺星を得て透して用と為せば、すなわち平歩青雲し得ると。

凡三春甲木,用庚者,土為妻,金為子;用丁者,木為妻,火為子。總之正二月甲木,有庚戊者上命;如有丁透,大富大貴之命也。

およそ春三月の甲木は、庚金を取って用神と為す者は、すなわち庚金を生じ得る土をもって妻星と為し、金をもって子星と為す。丁火を取って用神と為す者は、すなわち丁火を生じ得る木をもって妻星と為し、火をもって子星と為す——旧法は用神を生ずる者をもって妻と為し、用神の所属する者をもって子と為す。用神は力を得れば則ち妻は賢く子は肖(に)る。総じていえば、正月二月の甲木は、命中に庚金ありて裁すべく、戊土ありて根を培すべきは、上等の命に属す。もしさらに丁火の透して庚金に配合し、傷官制殺の勢いを成せば、便ち大富大貴の命である。

二月甲木・卯月に生ず

二月甲木,庚金得所,名陽刃駕殺,可云小貴,異途顯達,或主武職,但要財資之。柱中逢才,英雄獨壓萬人。若見癸水,困了才殺,主為光棍,重刃必定遭凶,性情兇暴。書曰:木旺宜火之光輝,秋闈可試;木向春生,處世安然有壽;日主無依,卻喜運行才地。

二月は卯を建つ。卯は甲木の陽刃で、木気は最も旺す。このとき庚金の七殺がもし地を得て力あれば、便ち「陽刃駕殺(ようじんがさつ)」の格を成し、小貴と称すべく、多くは異途より出身して顕達し、あるいは武職を為す。ただし必ず財星の来て資生七殺するを要し、殺はこそ提げ起こされ得る。柱中に財星に遇えば、すなわち英雄が万人を圧倒する局面なり。もし癸水の干に出づるを見れば、一面庚金を泄らし、一面甲木を湿らし、財と殺とを一斉に困住(こんじゅう)す。この人は便ち游手好閑(ゆうしゅこうかん)の光棍(こうこん)と成る。陽刃がさらに重畳(ちょうじょう)して出現すれば、必ず凶に遭い、性情もまた凶暴なり。命書にいう。木旺なれば応に火あってその光輝を発すべく、如此(しか)なれば秋試(しゅうし)は一搏(いちはく)すべし。木は春に生まれて、人と為り世に処るは安穏(あんのん)にして寿あり。日主が孤立して依る所なきときは、かえって行運が財地に走り到るを喜ぶと。

三月甲木・辰月に生ず

三月甲木,木氣相竭。先取庚金,次用壬水。庚壬兩透,一榜堪圖,但要運用相生,風水陰德,方許富貴。或見一二庚金,獨取壬水。壬透清秀之人,才學必富。

三月は辰を建つ。戊土が司令して、木気はここに到りてすでに相当に衰竭する。調候は先ず庚金を取りて厚土を疏劈(そへき)し、木身を修削し、其次に壬水を用いて木根を滋潤す。庚・壬の両様がともに天干に透せば、功名は中式一榜を朢(のぞ)むべし。ただしなお行運をして庚金が壬水を生じ、壬水が甲木を養い、環環(かんかん)相生せしめ、さらに祖徳陰功を加えてこそ、彼の真の富貴を許す。もし柱中にすでに一両点の庚金ありて、金はすでに用に足れば、則ち単に壬水を取って用神と為す。壬水の透する人は清秀にして、才学は必然として豊厚なり。

或天干透出二丙,庚藏支下,此鈍斧無鋼,富貴難求。若有壬癸破火,堪作秀才。或柱中全無一水,戊己透干,支成土局,又作棄命從才,因人而致富貴,妻子有能。

もし天干に両箇の丙火を透し、庚金は却って地支の下に埋もれれば、火多く金を熔(と)かし、この庚金の斧頭はすなわち巻刃にして鋼なき鈍斧と成り、木を砍(き)り動かさず、富貴は便ち求め難し。このときもし壬水あるいは癸水の出て火勢を克破し、庚金を護住すれば、なお一箇の秀才を掙(あが)き得る。もし柱中に一点の水もなく、戊己土がまた天干に透し、地支がさらに土局を会成せば、財は旺極にして日主は根なし。それは応に「棄命従財(きめいじゅうざい)」に按(あん)じて看るべく、一生は他人の力(妻家あるいは外援)を借りて富貴を致し、妻子もまた頗(すこぶ)る才干あり。

或見戊己,及比劫多者,名為雜氣奪才,此人勞碌到老,無馭內之權。女命合此,女掌男權,賢能內助;若比劫重見,淫惡不堪。或支成金局,方可用丁,不然,三月無用丁之法,惟有先庚後壬取用。書曰:甲乙生寅卯,庚辛干上逢,離南推富貴,坎地卻為凶。

もし既に戊己の財星を見、比肩・劫財もまた多ければ、辰はもともと雑気の財庫なれど、群劫の来て分奪(ぶんだつ)すると為る。これを「雑気奪財(ざっきだつざい)」と呼ぶ。この人は労碌して老に至り、家中に内室を駕馭(がぎょ)する権柄すらなし。女命がもしこの格局に合せば、かえって女子が男人の権を執掌(しっしょう)するを主どり、賢能の内助なり。ただし比劫がもし重重畳畳(ちょうちょうじょうじょう)として出現すれば、則ち淫邪(いんじゃ)にして堪(た)えざるなり。ただ地支が金局を会成し、金気が太盛なるときのみ、丁火を用いて金を制すべし。これ以外、三月の甲木には丁を用る法なし。ただ先ず庚金を取り、後に壬水を取りて用と為すのみ。命書にいう。甲乙木は寅月卯月に生まれ、天干にまた庚辛金に遇うとき、行運が南方離位に走り到れば、火は能く金を制し、木は舒暢(しょちょう)を得、富貴を推すべし。北方坎位に走り到れば、水は金を泄して木を助け、金は益々木に敵せず、かえって凶と為ると。

三夏甲木

四月甲木・巳月に生ず

四月甲木退氣,丙火司權,先癸後丁。庚金太多,甲反受病。若得壬水,方配得中和,此人性好清高,假裝富貴。即廕襲顯達,終日好作禍亂,善辨巧談,喜作詩文,此理最驗。

四月は巳を建つ。甲木はすでに旺極を過ぎて気を退(しりぞ)く。巳中の丙火は権を当たり、火は炎(ほの)お木は焦(こ)ぐがゆえに、調候は先ず癸水を取りて木を潤し火を降し、其次にやっと丁火を用いて秀を泄す。このとき庚金がもし太多ければ、金は来て身を克し、甲木はかえって病を受く。必ず壬水の干に出ずるを得て、一面は庚金の勢いを泄らし、一面は木身を滋潤し、配合してこそ中和と算える。このような人は性情は清高を好むが、つねに富貴の架子(かし)を擺(かざ)る。たとい祖蔭(そいん)の承襲に憑って顕達するも、終日事を生じ乱るを愛し、能言善辯にして談説に巧(たく)み、詩を作り文章を著すを好む。この条の断語は験(ため)すに最も準(あた)る。

如一庚二丙,稍有富貴;金多火多,又為下格。或癸丁與庚齊透天干,此命可言科甲,即風水淺薄,亦有選拔之才。癸水不出,雖有庚金丁火,不過富中取貴異途官職而已。壬透可云一富。若全無點水,又無庚金丁火,一派丙戊,此無用之人也。

たとえば一箇の庚金に二箇の丙火を配すれば、火は金を制するに足りて金は身を傷るに至らず、やや富貴を言うべし。もし金も多く火も多ければ、両下争戦して、則ち下格に落つ。もし癸水・丁火と庚金とが一斉に天干に透せば——癸水は身を潤し、丁火は金を制し、庚金は殺と為す——このような命は科甲を談ずべく、たとい祖墳の風水浅薄なりとも、また選拔せられ得べきの才なり。癸水の透出せざるは、たとい庚金・丁火あれども、富有の裏に一点の貴気を求むるに過ぎず、異途によりて官職を弄(もてあそ)ぶのみ。壬水透出するは、一箇の富命と算え得べし。もし一点の水もなく、また庚金・丁火もなく、満盤ただ丙火と戊土とあれば、火は焚き土は燥き、木はすでに滋养する所なくまた裁削する人なし。これはすなわち無用の人である。

五六月甲木・午未月に生ず

五六月甲木,木性虛焦,一理共推。五月先癸後丁,庚金次之。六月三伏生寒,丁火退氣,先丁後庚,無癸亦可。或五月乏癸,用丁亦可,要運行北地為隹。

五月・六月の甲木は、木性は虚浮にして焦枯す。同一の道理に按じて併せて推求すべし。五月は午を建つ。火勢は最も烈しく、調候は先ず癸水を取りてその焦渇を解き、其次に丁火を用いて秀を泄し、庚金は再次とす。六月は未を建つ。すでに三伏に入り、暑極まりて寒を生じ、丁火は転じて退気と為れば、則ち改めて先ず丁火を取り、後に庚金を取ると作(な)す。たとい癸水なくとも行き得べし。もし五月に癸水を缺けば、退きて丁火を用るもまた可なり。ただし必ず行運が北方水地に走るを要してこそ好し。(原文の「隹」は「佳」の字の訛なり。)

總之五六月用丁火,雖運行北地,不致於死,卻不利運行火地,號曰木化成灰必死。行西程又不吉,號曰傷官遇殺,不測災來。惟東方則吉,北方次之。此五六月用丁之說也。凡用神太多,不宜剋制,須洩之為妙。

総じていえば、五六月に丁火を取りて用と為す命は、行運が北方水地に走るは丁を傷るといえども、まだ命を送るに至らず。却って最も怕るるは行運がさらに南方火地に走ることで、あれを「木化成灰(ぼっかじょうかい)」と呼び、必ず死亡を主どる。行運が西方金地に走るもまた吉ならず。「傷官遇殺(しょうかんさつにぐう)」と呼ばれ、意想の外の災禍を招来す。ただ東方木地に走るを吉と為し、北方水地はこれに次ぐ。これがすなわち五六月に丁火を用るの説である。およそ用神みずからすでに太多なる者は、宜しく再び克の办法を用いてそれを圧制すべからず。必ず泄の办法を用いてこそ妙なり——泄れば則ち気機は流通し、克れば則ち両下は交戦す。

五六月甲木,木盛先庚,庚盛先丁。五月癸庚兩透,為上上之格;六月庚丁兩透,亦為上上之格。用神既透,木火通明,自然大富大貴。或丁火太多,癸水亦多,反作平人。

五六月の甲木は、木がもし旺盛なれば先ず庚金を取りて裁削しに往かしめ、庚金がもし旺盛なれば先ず丁火を取りて熔制しに往かしむ。五月に癸水と庚金とが両透するは、上上の格。六月に庚金と丁火とが両透するも、また上上の格なり。用神すでに天干に透出せば、木火通明して、自然大富大貴なり。もし丁火太多く、癸水もまた太多ければ、水火は互相に冲激し、かえってただ平常の人なり。

若柱中多金,名曰殺重身輕,先富後貧,運不相扶,非貧即夭。或庚多,有一二丙丁制伏,又有壬癸透干,洩金之氣,此又為先貧後富。

もし柱中に金多く、七殺重くして日主軽ければ、「殺重身軽(さつじゅうしんけい)」と呼び、先富後貧を主どる。行運がさらに来て日主を扶助せざれば、それは貧寒ならざれば短命なり。もし庚金は多いといえど、而(しか)も一両点の丙火・丁火の出てそれを制伏するあり、また壬水・癸水の干に透して金気を泄らすありて、金勢はすでに制せられまた分けらる。この類はかえって先貧後富なり。

或滿柱丙火,又加丁火,不見官殺,謂之傷官傷盡最為奇,反成清貴,定主才學過人,科甲有望,但歲運不宜見水。若柱中有壬水,運又逢水,必貧夭死。但凡木火傷官者,聰明智巧,卻是人同心異,多見多疑,雖不生事害人,每抱忌妒之想,女命一理同推。

もし満柱皆丙火にして、また丁火を添え、而(しか)も庚辛の官殺を見ざれば、これを「傷官傷尽(しょうかんしょうじん)」と呼び、最も奇特にして、かえって清貴の格と成る。必ず才学は人に過ぎ、科甲は朢むべし。ただし流年大運は宜しく水を見て火を潔(あら)い滅ぼすべからず。もし柱中に原本より壬水あれば、行運がさらに水に遇えば、必ず貧困夭亡に致る。大凡(おおよそ)木火傷官の人は、皆聡明機巧にして、ただ外貌は人と合するも内心は自ら異なり、見ること多く疑ることもまた多し。事を生じ人を害するに至らずといえど、つねに嫉妬の念を懐く。女命もまた同一の道理に按じて推す。

或四柱多土,干上有乙木,切勿作棄命從才。時月兩透己土,名二土爭合,男主奔流,女主淫賤;見二甲則不爭矣,亦屬平庸之輩。或四柱有辰,干見二己二甲,此人名利雙全,大富大貴。

もし四柱土多く、天干上に却って乙木あって身を幇(たす)けば、則ち切に「棄命従財」と作して看るべからず——比劫あれば、日主は便ち人に従うを肯(がえ)んぜず。時干と月干の両処ともに己土を透せば、甲己は相合して両土は来て一甲を争う。これを「二土争合(につそうごう)」と呼び、男命は奔波流蕩(ほんばりゅうとう)を主どり、女命は淫賤を主どる。もし天干に別に両箇の甲木あれば、一対一として各々合を成して、則ち争わず。ただこれも平庸の輩に属す。もし四柱のうちに辰土あり、天干に両箇の己土・両箇の甲木を見れば、甲己は土に化して辰土の地を得。この人は名利双全、大富大貴なり。

若在六月,見辰支,名為逢時化合格。以癸水為妻,丁火為子。若二己一甲爭合,取支中比劫為用。以甲為用者,壬癸為妻,甲乙為子。其餘用庚者,土妻金子;用丁者,木妻火子。女命以妻作夫,用作子,十干皆同。

もし六月未土の月に生まれ、地支にさらに辰を見れば、土気は時に逢いまた地を得。「逢時化合格(ほうじげかく)」と呼び、この格は癸水をもって妻星と為し、丁火をもって子星と為す。もし両箇の己土が一箇の甲木を争合すれば、則ち改めて地支中の蔵する比肩・劫財を取りて用神と為す。およそ甲木をもって用神と為す者は、壬水・癸水をもって妻星と為し、甲木・乙木をもって子星と為す。その余の庚金を取りて用と為す者は、土をもって妻と為し金をもって子と為し、丁火を取りて用と為す者は、木をもって妻と為し火をもって子と為す。女命は則ち上に説く所の「妻」を換え看(み)て夫星と作し、用神を看て子息と作す——十天干はみなこの通例に照らす。

或是己土,不見戊土,乃為假從,其人一生縮首,反畏妻子。若無印綬,一生貧苦。六月尤可,五月決不可。

もし柱中の財星がただ己土にして、戊土を見ざれば、土気は純厚に足らず、あれはただ「假従(かじゅう)」と算える。この人は一生縮頭縮脳(しゅくとうしゅくのう)して、かえって妻子を懼(おそ)る。もし命裏にまた印綬の身を生ずるなければ、一生貧苦なり。この種の假従の格局は、六月未土の当旺の時に生まればなお勉めて説き過ごすべし。五月火旺にして土虚の時に生まれれば、則ち断然として従格と作して看るべからず。

三秋甲木総論

三秋甲木,木性枯槁,金土乘旺,先丁後庚。丁庚兩全,將甲造為畫戟。七月甲堪為戟,非丁火不能造庚,非庚不能造甲,丁庚兩透,科甲定然。庚祿居申,殺印相生,運行金水,身伴明君。

秋三月の甲木は、木性すでに枯槁(ここう)し、而(しか)も金と土とはまさに時に乗じて旺を得る。調候は先ず丁火を取り、後に庚金を取る。庚金は斧斤(ふきん)、丁火は炉火、両者斉(ととの)い備われば、すなわちこの一段の甲木を打造(だぞう)して一柄の画戟(がげき)と成し得べし——七月の甲木は質地がまさに戟と為るに堪(こた)う。道理は、丁火なければ則ち庚金のこの利器を煉(ね)り出さず、庚金なければ則ち甲木のこの材器を削り成さず。丁・庚の両様がともに天干に透せば、科甲功名は必然として期すべし。庚金の禄位はまさに申に在り、七月に生まるる人は殺星が旺を当たり、申中にまた壬水を蔵して印と為す。七殺は印を生じ、印はさらに身を生じて、「殺印相生」を成す。行運がさらに金水の地に走れば、便ち身を朝堂に居し、明君に侍奉すべし。

或庚透無丁,一富而已,主為人操心太重,不能坐享。或丁透庚藏,亦主青衿小富。或庚多無丁,殘疾之人,若為僧道,災厄可免。或四柱庚旺,支內水多,不作棄命從殺;見土多可作從才而看。

もし庚金透出して、丁火の来てそれを煉るなくば、過(あやま)らず一箇の富命のみ。人と為りて操心は太重く、現成の福を享くる能くさず。もし丁火透出して、庚金は地支に蔵すれば、また一領の秀才青衫(せいさん)、小小の家資を主どる。もし庚金多くして丁火のそれを制するなくば、殺重身軽にして、多くは残疾の人なり。たとい出家して僧道を為さば、この一層の災厄はかえって避くべし。もし四柱の庚金は旺といえど、地支の中に水また多ければ、殺は印ありて化解す。則ち「棄命従殺」と作して看るべからず。もし土多くして金旺なれば、則ち「従財」に按じて推すべし。

庚多無癸,而壬水多,戊己亦多,此則專用一點丁火,方可制金以養群土,此命大富。丁藏富小,不顯;丁露定作富豪。得二丁,不坐死絕,必然富貴雙全,即風水不及,亦可富中取貴,納粟奏名。

庚金多くして癸水なく、而(しか)も壬水も多く戊己土も多ければ、このときは則ち専ら一点の丁火を取りて用と為す。丁火は能く庚金を制し、また能く満局の土を生養す。この命は大富を主どる。丁火は地支に蔵するは、富気は小にして顕れず。丁火は天干に露(あら)わるるは、必ず富豪を為し成さん。もし両箇の丁火を得、しかも死地・絶地に坐せざれば、必然として富貴双全なり。たとい祖墳の風水済(な)らずとも、能く富の中に貴を取り、捐納米粟(えんのうまいぞく)によりて官銜を換えて名を揚げん。

或癸疊疊制伏丁火,雖滿腹文章,終難顯達。得運行火土,破癸,略可假就功名;歲運皆背,刀筆之徒。支成水局,戊己透干,制去癸水,存其丁火,又可云科甲。但此等命,主為人心奸巧詐,好訟爭非,因貪致禍,奸險之徒,決非安份之人也。

もし癸水が重重畳畳として丁火を制伏すれば、この人はたとい満腹の文章あれど、終わりに顕達し難し。もし行運が火土の地に走り到れば、土は癸水を克し、火は丁火を助け、なお勉めて一点の功名を湊成(そうせい)し得べし。たとい流年大運が皆用神と相背せば、則ちただ刀筆を操(あやつ)りて生と為す小吏なり。地支が水局を会成し、天干に戊己土を透し、癸水を制し去りて丁火を保住せば、これもまた科甲を談ずべし。ただしこの類の命は、人と為りて心思は奸巧詭詐(かんこうきさ)にして、官司を好み是非を争うを愛し、つねに貪得に因りて禍を招く。奸険の徒にして、決して安分守己の人にあらず。

三秋甲木

七月甲木・申月に生ず

七月甲木,丁火為尊,庚金次之,庚金不可少。火隔水不能熔金,故丁火熔金,必賴甲木引助,方成洪爐。若有癸水阻隔,便滅丁火;壬水無礙,且能合丁,但須見戊土,方可制水存火。

七月は申を建つ。庚金は権を当たる。甲木は丁火をもって最尊と為し、庚金はこれに次ぐ。然るに庚金もまた缺くべからず——庚金なければ便ち煉るべき器なし。火はもし水に隔断せられば、則ち金を熔かし動かさず。だから丁火の金を熔かさんには、必ず甲木に靠(よ)りて引燃し勢いを助けてこそ、一座の洪炉を成し得べし。もし癸水あって中間に横たわり阻隔すれば、陰柔の水はまさに丁火を克し、一潔(いっそう)にして便ち滅す。壬水は大水といえど、却って妨げなし。丁壬は相合して相戦わざればなり。ただしなお戊土の出て壬水を制するを見るを要してこそ、この一点の火を保住し得べし。

八月甲木・酉月に生ず

八月甲木,木囚金旺,丁火為先,次用丙火,庚金再次。一丁一庚,科甲定顯;癸水一透,科甲不全。丙庚兩透,富大貴小;丙丁全無,僧道之命。丙透無癸,富貴雙全;有癸制丙,尋常之人。

八月は酉を建つ。木は囚困を受けて金はまさに旺を当たる。調候は丁火をもって先と為し、其次に丙火を用い、庚金は再次とす——丁火は金を煉りて器を成し、丙火は木を暖めて春に回(かえ)らしめ、庚金は則ちあの煉らるべき物なり。一箇の丁火に一箇の庚金を配すれば、科甲功名は必ず顕達なり。一たび癸水が透出して丁火を傷れば、科甲は便ち周全(しゅうぜん)ならず。丙火と庚金との両透するは、富気は大にして貴気は小なり。丙火はただ局を暖むる能くするのみで、庚金を煉り動かさざればなり。丙丁の二火が全くともになきは、寒木に陽なし。僧道の命なり。丙火透出して癸水の来てそれを克するなきは、富貴双全なり。癸水あって丙火を制するは、ただ尋常の人なり。

支成火局,可許假貴,戊己一透,可作富翁。或支成金局,干露庚金,為木被金傷,必主殘疾,得丙丁破金,亦主老來暗疾。或支成木局,干透比劫,反取庚金為先,次用丁火。

地支が火局を会成し、火多くして木を泄すこと太過なれば、ただ一箇の虚名・假貴を許すべきのみ。もし天干にさらに一箇の戊己土を透せば、火は土を生じて土は財と為り、却って富翁を為し得べし。もし地支が金局を会成し、天干にまた庚金を露出せば、金気は太重(たいじゅう)く、便ち「木被金傷」なり。必ず残疾を主どる。たとい丙丁火を得て金を破るも、また老いて暗疾を帯ぶを主どる。もし地支が木局を会成し、天干にまた比肩・劫財を透せば、木はかえって転じて旺す。それは応にかえって先ず庚金を取りて裁削し、其次にやっと丁火を用いべし。

九月甲木・戌月に生ず

九月甲木,木星凋零,獨愛丁火,壬癸滋扶。丁壬癸透,戊己亦透,此命配得中和,可許一榜。庚金得所,科甲定然。

九月は戌を建つ。戊土は権を当たり、木星は凋零(ちょうれい)す。このとき独り丁火の来て局を暖め秀を泄するを愛し、また壬水・癸水の来て滋潤扶持この一段の枯木するを要す。もし丁火と壬癸水とがともに透し、戊己土もまた透せば——火は能く暖め、水は能く潤し、土は木の制あって木を埋むるに至らず——配合して中和を得、中式一榜を許すべし。もし庚金がさらに地を得て力あれば、能く戌中の厚土を疏(とお)し、また能く木を削りて器を成す。科甲は便ち一定のものなり。

或見一二比肩,無庚金制之,平常人也。倘運不得用,貧無立錐。一命,甲辰、甲戌、甲辰、甲戌,身伴明君,富貴壽考,此為天元一氣,又名一才一用。遇比用才,專取季土。或見庚丙,可許入泮,白手成家。用火者,木妻火子,子肖妻賢。

もし一両箇の比肩の身を幇けるを見、而(しか)も庚金の往きてそれらを制するなくば、あれはただ平常の人なり。行運がさらに用神を得ざれば、則ち窮して立錐の地なし。一造あり。甲辰年・甲戌月・甲辰日・甲戌時。この人は明君に侍奉することを得、富貴にしてまた長寿なり。これを「天元一気(てんげんいっき)」と呼ぶ——四箇の天干は同じく甲木なり。また「一才一用(いっさいいちよう)」と呼ぶ——地支は辰戌が両両として相対し、満局は皆財土にして、財はすなわち用なり。およそ比肩の来て財を争うに遇えば、則ち専ら辰戌丑未のこの四季の土を取りて用神と為す。もし柱中に別に庚金・丙火を見れば、また進学を朢み、白手して家を成すべし。火をもって用神と為す者は、木をもって妻星と為し、火をもって子星と為し、子は肖(に)り妻は賢なりを主どる。

或四柱木多,用丙用丁,皆不足異,端用庚金為妙。凡四季甲木,總不外乎庚金。譬如木為犁,能疏季土,非庚金為犁嘴,安能疏土。雖用丙丁,癸庚決不可少也。九月卻不取土妻庚子,當取水妻木子。

もし四柱木多ければ、丙火を用るも可なり、丁火を用るも可なり、みな出奇(しゅっき)と算え得べからず。端的(たんてき)にはなお庚金を用るを最妙とす。およそ辰戌丑未の四季月に生まれたる甲木は、総(ふさ)がりて庚金を離るる能くさず。譬えていう。木は一張の犁(すき)に譬え、能く季月の厚土を疏松す。しかし庚金あって犁頭の鉄嘴(てっし)を為さずんば、又何ぞ土を翻し動かすを得ん。だからたとい丙丁を取りて用と為すとも、癸水と庚金とまた決して少かるべからず。ただし九月のこの一格は別に変通あり。「庚を用れば則ち土をもって妻と為し金をもって子と為す」の常例に照らさず、応に水を取りて妻星と為し、木を取りて子星と為すべし。

凡甲木,多見戊己,定作棄命從才而看。從才格,取火妻土子。或見一派丙丁傷金,不過假道斯文;有壬癸破了丙丁,技藝之流。無壬癸破火,支又成火局,乃為枯朽之木,有庚亦何能為力,定作孤貧下賤之輩,男女一理。

およそ甲木の命は、もし戊己土を多く見て日主根なければ、必ず「棄命従財」に按じて看るを要す。すでに従財格に入れば、則ち火を取りて妻星と為し、土を取りて子星と為す。火は能く財土を生ずればなり。もし一片の丙丁火の来て庚金を傷克するを見れば、用神は傷を被(こうむ)り、この人は過(あやま)らず斯文を假冒(かぼう)するに過ぎず。もしまた壬水・癸水の出て丙丁を克破するあれば、水火は交戦して、則ち手芸人の一流に落つ。もしすでに壬癸の火を破るなく、地支がまた火局を会成せば、木は焼かれて枯朽の材と為り、たとい庚金あれども力を施す処なし。必ず孤苦貧賤の輩なり。男命・女命は同一の道理なり。

或有假傷官,得地逢生,此正合甲乙秋生貴元武之說。用水制傷官者,以金為妻,水為子。或丁戊俱多,總不見水,又為傷官生財格,亦可云富貴,此格取火為妻,土為子。

もし命中に「假傷官(かしょうかん)」を成せば——秋月に木すでに衰えて火をもって傷官と為すは、当令の真傷官にあらず——而(しか)もこの傷官がまた地を得生に逢えば、これまさに「甲乙木は秋に生まれて、元武をもって貴と為す」の説に合す。元武はすなわち北方の水。秋金は太旺にして、水を得て通関(つうかん)し、一面は金を泄らし、一面は木を滋し、一面は傷官を制し住(とど)む。だから貴と為す。およそ水を取りて傷官を制伏する者は、水を生じ得る金をもって妻星と為し、水をもって子星と為す。もし丁火と戊土とがともに多く、而(しか)も終始水を見ざれば、それは便ち「傷官生財格」にして、また富貴と称すべし。この格は火を取りて妻星と為し、土を取りて子星と為す。

凡甲多庚透,大貴;庚藏,小貴。若柱中多庚,則又以丁為奇,富貴人也。如庚申年、丙戌月、甲申日、壬申時,此主功名顯達,有文學。若無庚丙年月,又無火星出干,雖曰好學,終困名場。

およそ甲木多くして庚金の天干に透出するは、大貴を主どる。庚金ただ地支に蔵するは、小貴なり。もし柱中に庚金太多く、殺重身軽なれば、それはかえって丁火をもって奇物と為す——丁火あって殺を制すれば、便ち富貴の人なり。たとえば庚申年・丙戌月・甲申日・壬申時のこの一造。三申の金は殺と為し、丙火は干に出てこれを制し、壬水はまた能くこれを化す。功名顕達を主どり、兼ねて文才・学問あり。もし年月に庚金・丙火のこのような配合なく、天干にまた火星の透出を見ざれば、この人は好学と説(い)うも、終わりに科場に困頓(こんとん)せん。

九月甲木,端用丁癸,見戊透必貴。如戊戌、壬戌、甲子、甲申,支成水局,干有壬水,正合貴元武之說,配得中和,一榜之命,家計豐足,但庚丁未透出干,不能館選。甲乙比肩,又逢比劫運,主兄弟劫財爭訟,刑妻損子。甲乙生正二月,無制無洩,主長髮師姑。

九月の甲木は、端的に丁火と癸水とを用るを要す。もしさらに戊土の透出して水を制し火を存するを見れば、必ず貴顕を主どる。たとえば戊戌年・壬戌月・甲子日・甲申時のこの一造。申子は相会して水局を成し、天干にまた壬水あり。まさに前の「秋生甲乙は元武をもって貴と為す」の説に合し、配合して中和を得。中式一榜の命にして、家計もまた豊足なり。ただし庚金と丁火とがともに天干に透出せざれば、だから翰林館選に進む能くさず。もし甲乙日主の天干上に尽く比肩なれば、行運がまた比肩・劫財の地に走るを主どる。兄弟の間、財銭を劫奪し、争訟休まず、しかも妻を刑し子を損す。甲乙木は正月二月に生まれて、木気は孤旺(こおう)にして、金の来て裁制するもなく、また火の宣泄するもなければ、女命は多く長年髪を帯びて修行し、師姑(しこ)を為るを主どる。

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