十一月壬水・子月に生ず
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十一月壬水,陽刃幫身,較前更旺,先取戊土,次用丙火,丙戊兩透,富貴榮華,有戊無丙,略可言富,有丙無戊,好謀無成。或支成水局,丙不出干,即有戊土,亦係庸人,或丙透得所,即戊藏支,亦可顯達,須運得用方妙。
十一月は子を建つ。子は壬水の陽刃にして、身を幇けるの力は十月に比ぶるにさらに強し。だから先ず戊土を取りて水を制し、其次に丙火を用いて凍を解く。丙・戊の兩透するは、富貴・榮華なり。戊土ありて丙火なきは、略(ほんのすこ)し一箇の富の字を説くべし。丙火ありて戊土なきは、能く謀劃するといえど事を成し難し。もし地支が水局を會成して、而(しか)も丙火は干に出ざれば、たとい戊土ありとも、またただ庸人なり。もし丙火は透してその位を得れば、たとい戊土はただ支中に蔵するも、また顯達すべし。ただし總(すべ)て須(すべか)らく行運は用神の地に走り到らばこそ妙なれ。
或支成火局,一富而已。或比見月時,年見丁火,平常之輩,支成四庫,富貴中人,或丁出時干,名為爭合,主名利難成。或壬子日,丁未時,雖不能科甲,亦有恩榮,何也,蓋用子中癸水為宮,號曰用神得地,亦主榮華。十一月壬水,丙戊並用。
もし地支が火局を會成し、財は旺にして身は寒なれば、また過ぎず一箇の富の字を得るのみ。もし月干・時干ともに比肩にして、年干に卻(かえっ)て丁火を見れば、兩壬は一箇の丁を爭う。これは平常の輩なり。地支もし辰戌丑未の四庫と成れば、土は能く水を制す。則ちこれ富貴の中の人なり。もし丁火は時干に出て、日主と相合して月の上にまた比肩ありて來て爭えば、「爭合(そうごう)」と呼ぶ。名利は成り難きを主どる。もし是れ壬子の日に丁未の時を配すれば、能く科甲せざるといえど、また恩榮あり。何を以(もっ)てか。子中の癸水を取りて用神の宮と作して作用すれば、「用神は地を得」と呼ぶ。これはまた榮華を主どる。十一月の壬水は、丙火・戊土を併用す。
時日月年:壬壬壬壬,寅寅子寅。時日月年:甲壬壬壬,辰子子子。
以下の二造はなお「時・日・月・年」の順に横列す。第一造。壬寅年・壬子月・壬寅日・壬寅時——四壬は並透して地支は三寅。水は旺にして木は多し。全く寅中の丙火・戊土の暗に蔵して用と為るに靠(よ)る。第二造。壬子年・壬子月・壬子日・甲辰時——三壬三子は、水は旺して極處に到る。ただ時干の甲木の水を泄らし、辰土の略(ほんのすこ)し蓄(たくわ)うるあるのみ。すでに丙火なくまた戊土なし。まさに水旺にして制なきの一類なり。
十二月壬水・丑月に生ず
十二月壬水,旺極復衰,何也,上半月癸辛主事,故旺,專用丙火,下半月己土主事,故衰,亦用丙火,甲木佐之。有丙解凍,名利雙全,丙透甲出,科甲之貴,然四柱無壬,方妙,無丙,單寒之士。
十二月は丑を建つ。壬水は旺極より轉じて衰と為る。何を以(もっ)てか。丑月の上半月は癸水・辛金の事を當たるがゆえに、なお旺なり。この時專ら丙火を用いて凍を解く。下半月は己土の事を當たるがゆえに、轉じて衰と為る。なお舊(ふる)く丙火を用い、さらに甲木を以て輔佐と作して土を疏す。丙火ありて凍を解くは、名利雙全なり。丙火は透して甲木もまた出(い)づるは、これは科甲の貴なり。ただし還(ま)た須(すべか)らく四柱に別の壬水の來て奪い分けて寒を增するなかれば、こそ妙と算(かぞ)え。一點の丙火もなきは、ただ一箇の孤寒の士なり。
或四柱多壬,戊透制之,衣衿可望。或丁出時干,化合成木,月干又見丁火,無癸破格,亦主富貴。或支成金局,不見丙丁,名金寒水冷,一世孤貧,見火略可,即丙透遇辛,亦不為妙,見丁頗吉。
もし四柱に壬水多くして、戊土あって透出して來てそれを制すれば、一領の衣衿は朢むべし。もし丁火は時干に出て、日主と合して木を化し、月干にまた丁火を見て來て相助け、且(か)つ癸水の出て來てこの化格を破るなくば、また富貴を主どる。もし地支が金局を會成して、而(しか)も丙丁の二火ともに見ざれば、「金寒水冷(きんかんすいれい)」と呼ぶ。一世は孤貧なり。火を見れば便ち略(ほんのすこ)し好しといえど、ただし丙火透出してもし辛金の來て合するに遇えば、また妙と為らず。倒(とう)って丁火を見るは頗(すこぶ)る吉なり。
臘月壬水,先取丙火,丁甲為佐,故水冷金寒愛丙丁,用火者,木妻火子。水旺居垣須有智,水土混雜必愚頑,壬癸路經南域,主健,富貴堪圖,又云,惟有水木傷官格,才官相見始為歡。
臘月の壬水は、先ず丙火を取り、丁火・甲木を輔佐と作す。だから「水冷金寒は、最も丙丁を愛す」と説く。火を取りて用と為すは、木を以て妻星と為し、火を以て子星と為す。古歌にまた説く。水旺にして本垣に居るの人は必ず智慧あり。水と土と混雜するは必ず愚頑なり。壬癸水の命は行運は南方火地を經過せば、かえって身強を主どり、富貴は圖(はか)るべし。また説く。ただ「水木傷官」のこの一格のみ、要して財星・官星ともに見え着(つ)かば、こそ人をして歡喜せしむ。
癸水を論ず
正月癸水・寅月に生ず
正月癸水,值三陽之後,雨露之精,其性至柔,先用辛金,生癸水之源,次用丙火照暖,名陰陽和合,萬物發生,辛丙兩透,金榜有名。
正月は寅を建つ。三陽はすでに生じ、癸水は雨露の精華にして、性質は極めて柔弱なり。だから先ず辛金を用いてその源頭と作して水を生じ、其次に丙火を用いて照らし暖む。「陰陽和合(いんようわごう)」と呼ぶ。如此(しか)してこそ萬物は能く生發す。辛・丙の兩透するは、金榜に名あり。
或支成火局,辛金受傷,有壬出救者,富貴,無壬者,貧窮,或丙出天干,辛在酉丑,亦有衣衿,若辛丙皆無,貧寒下格,或辛透丙藏,恩榮之造,丙辛在柱,以富得官。
もし地支が火局を會成し、辛金は火に傷せられん。この時壬水あって干に出て來て救うは、富貴を主どる。壬水なきは、貧窮なり。もし丙火は天干に出で、而(しか)も辛金は酉あるいは丑に坐りて根あれば、また一領の衣衿あり。もし辛丙ともになければ、これは貧寒の下格なり。もし辛金は透して丙火は蔵するは、恩榮を受くるの造なり。丙・辛は同じく柱中に在りて相合するは、多半は家資に靠(よ)りて捐納して官を得る。
或戊透月上,坐辰時,不見比劫,丙丁出干,此為化合,定主腰金,見刑沖,則否。或支成水局,宜有丙透,無壬者,衣祿不少,若見丙火重重,又作貴推。
もし戊土は月干に透して、日主はまた辰時に坐すれば、戊癸は相合して辰は化氣の根と為る。柱中に比肩・劫財の來て爭うを見ず、丙丁火はまた干に出て化を助くれば、これは便ち「化合」の格なり。必ず金帶を腰に繫ぐるの顯貴を主どる。ただし一たび刑冲の破壞を見れば、便ち成らず。もし地支が水局を會成し、水は寒く身は冷たければ、宜しく丙火の透出して照らし暖むるあらんことを。たとい壬水なくとも、衣祿は少なからず。もし丙火の重重を見れば、さらに貴格を按じて推すべし。
正月癸水,辛金為主,庚金次之,丙亦可少,若無庚辛,雖有丙火,無用之人,或火多土多,殘疾不免。用辛者,土妻金子。
要するに正月の癸水は、辛金を以て主と為し、庚金は之に次ぎ、丙火は倒(とう)って還(ま)た少なかるべし。もし庚辛あって水の源と作さざれば、たとい丙火の照らし暖むるありとも、源頭はすでに断たる。これはまた一箇の無用の人なり。もし火多く土多くして、克泄は交加せば、殘疾は便ち免れず。辛金を取りて用と為すは、土を以て妻星と為し、金を以て子星と為す。
二月癸水・卯月に生ず
二月葵水,不剛不柔,乙木司令,洩弱元神,專用庚金為用,辛金次之,庚辛俱透,無丁出干者,貴由科甲,無庚辛者常人。
二月の癸水は(原文の「葵」は「癸」の訛なり)、剛ならずまた柔ならず。卯月は乙木は司令して、癸水の元神を泄らし弱めん。だから專ら庚金を用いて用と為す——庚金は能く木を制し、また能く水を生ず——辛金は之に次ぐ。庚・辛ともに透して、而(しか)も丁火の干に出て來て金を克するなきは、科甲より貴を取る。庚辛ともになきは、ただ常人なり。
或庚透辛藏,榮封有準,庚藏辛透,亦有衣衿,庚辛兩藏,富中取貴,或刀筆揚名,或庚辛重見,有己丁出干者亦貴。或支成木局,月時又見木者,為洩水太過,定主貧困多災,即運入西方,亦屬無用。
もし庚金は透して辛金は蔵するは、榮封は準あり。庚金は蔵して辛金は透するは、また一領の衣衿あり。庚辛はともにただ支中に蔵するは、能く富の中より貴を取り、あるいは刀筆(とうひつ)に憑りて名を揚ぐ。もし庚辛は重重に出現すれば、金は多く水は濁(にご)る。この時己土・丁火あって干に出ずれば——土は能く水を止め、火は能く金を煉る——また貴を主どる。もし地支が木局を會成し、月干・時干にまた皆木を見て、水を泄らすに太過なれば、必ず貧困・多災を主どる。たとい行運は西方金地に進入するも、また補救するに及ばず。
時日月年:癸癸癸丁,丑亥卯未。時日月年:癸癸癸丁,丑卯卯亥。時日月年:庚癸己庚,申酉卯子。
以下の三造はなお「時・日・月・年」の順に横列す。第一造。丁未年・癸卯月・癸亥日・癸丑時——三癸は並透して卯未は木を拱して水を泄らし、年干の丁火は財と為る。全く庚辛あって源と作すなし。まさに「泄水太過」の一類なり。第二造。丁亥年・癸卯月・癸卯日・癸丑時——兩卯は水を泄らし、比肩は多きといえど金の相生するなし。上の造と同じく病む。第三造。庚子年・己卯月・癸酉日・庚申時——兩庚は干に透し、申酉は根と為す。金水は相生して己土はまた能く水を止む。まさに二月癸水の「専用庚金」の法に合す。
三月癸水・辰月に生ず
三月癸水,要分清明穀雨,清明後,火氣未熾,專用丙火,為陰陽合諧,穀雨後,雖用丙火,尚宜辛甲佐之。
三月は辰を建つ。要して清明と穀雨との兩段を分かちて看る。清明以後は、火氣はなお熾烈(しれつ)ならず。專ら丙火を用い、その陰陽の調諧(ちょうかい)するを取る。穀雨以後は、なお舊(ふる)く丙火を用いるといえど、還(ま)た宜しく辛金と甲木との輔佐あるべし——辛金は水を生じて以て源を補い、甲木は辰を疏して以て水を衛(まも)る。
如辛卯,壬辰,癸未,丙辰,生上半月,用丙火,顯達,生下半月,必無傷辛金癸水,方妙,然丙亦不可少,用丙,木妻水子。
譬(たと)えば辛卯年・壬辰月・癸未日・丙辰時のこの一造のごとし。もし上半月に生まれれば、丙火を用いて便ち顯達すべし。もし下半月に生まれれば、則ち必ず須(すべか)らく辛金と癸水とがともに傷克を受けざらば、こそ妙と為す。ただし丙火は同じくまた缺くべからず。丙火を取りて用と為すは、木を以て妻星と為し、水を以て子星と為す。
三月癸水,從化者多,得化者榮祿,不化者平常。或支成水局,又見己土,無木,乃假殺格,有甲出者,常人。或支坐四庫,又得甲透,可謂顯達名揚,無甲者僧道孤苦。
三月の癸水は、從化(じゅうか)の一路に走るは多し——辰月は戊土は令を當たり、戊癸は最も合化し易し。化して成り得るは榮祿を享け、化して成らざるはただ平常なり。もし地支が水局を會成し、また己土の來て水を制するを見て、而(しか)も木の往きてそれを疏するなきは、これは「假殺格」なり。この時もし甲木あって干に出てこの假殺を破れば、かえってただ常人なり。もし日主は辰戌丑未の四庫の上に坐し、土は重く水を壓(お)し、また甲木を得て透出して土を疏せば、以て顯達・名を揚ぐと説くべし。甲木なきは、便ち僧道・孤苦の命なり。
或支成木局,無金,名傷官生才格,主聰明博學,衣祿充饒。三月癸水,辛甲皆酌用,下半月,土妻金子。
もし地支が木局を會成して、而(しか)も金の來て木を克するなきは、「傷官生財格(しょうかんしょうざいかく)」と呼ぶ。人は聰明・博學にして、衣祿は豐饒なりを主どる。三月の癸水は、辛金と甲木とは倶(とも)に斟酌して取り用い得べし。下半月に生まるるは、土を以て妻星と為し、金を以て子星と為す。
時日月年:辛癸甲丁,酉亥辰酉。時日月年:甲癸壬丙,寅巳辰寅。時日月年:辛癸丙戊,酉丑辰午。時日月年:丙癸壬丙,辰丑辰寅。
以下の四造はなお「時・日・月・年」の順に横列す。第一造。丁酉年・甲辰月・癸亥日・辛酉時——辛金は時干に透して源と作し、甲木は干に出て辰土を疏し、日主は亥に坐して根あり。まさに穀雨後の「辛甲之を佐(たす)く」の説に合す。第二造。丙寅年・壬辰月・癸巳日・甲寅時——丙火は年上に在りて照らし暖め、甲木は土を疏し、壬水は身を幇く。これは上半月に丙を用いるの樣子なり。第三造。戊午年・丙辰月・癸丑日・辛酉時——丙火は月に透し、辛金は時に透し、年干の戊土はまた來て癸を合す。三月癸水の從化の一路に屬す。第四造。丙寅年・壬辰月・癸丑日・丙辰時——兩丙は照らし暖めて壬水は身を幇け、兩辰は水を蓄(たくわ)う。暖と潤と兩得なり。
四月癸水・巳月に生ず
四月癸水,喜辛金為用,無辛用庚,若辛高透,不見丁火,加以壬透,主科名榮貴,聲播四夷,若有丁破格,貧無立錐,有壬可免,辛藏無丁,貢監衣衿。
四月は巳を建つ。火は旺にして水は涸(か)れ、癸水は辛金を喜び用いて源と作す。辛金なくば則ち庚金を用いる。もし辛金は高透して、また丁火の來てそれを克するを見ず、さらに壬水を加えて透出して身を幇けて火に抗せば、科名・榮貴を主どり、聲名は四方に傳わる。もし丁火ありてこの格を破れば、則ち窮して錐を立つるの地なし。ただし壬水あればまた以て免るべし。辛金はただ蔵して丁火の來て克するなきは、また貢監の衣衿あり。
或一派火土乏辛,即有巳庚,亦不能生水,又無比肩羊刃,必至熬乾癸水,損日無疑。
もし滿盤に火土にして辛金を缺けば、たとい巳中に長生の庚金を蔵するも、火は旺にして土は燥(かわ)き、それは水を生じ出す能くさず。また比肩・羊刃の身を幇けるなければ、必ず癸水を熬(あぶ)り乾(ほ)すに至る。日主を損傷するは疑いなきなり。
艾壬兩透,洩制火土,名劫印化晉,極貴之造,有丁見干者,則否,如有庚無壬,亦無丁破金者,堪入儒林,有庚無辛者,異路功名,總之四月癸水,專用辛金方妙。
もし庚金と壬水と兩透せば(原文の「艾」は「庚」の訛なり)、一面は火土の勢を泄らし去り、一面は炎威を制し住(とど)む。「劫印化晋(こういんかしん)」と呼ぶ。これは極貴の造なり。もし丁火ありて天干に見えて來て金を克せば、便ち成らず。たとし庚金ありて壬水なけれども、ただまた丁火の金を破るなければ、還(ま)た以て儒林に入るべし。庚金ありて辛金なきは、則ち異路の功名に屬す。要するに四月の癸水は、專ら辛金を用いてこそ妙なれ。
五月癸水・午月に生ず
五月癸水,至弱無根,必須庚辛為生身之本,但丁火司權,金難敵火,安能滋養癸水,宜見比劫,方得辛金之用,五月癸水,庚辛壬參酌並用可也。
五月は午を建つ。癸水は弱して極處に到りて根なし。必ず須(すべか)らく庚辛金を以て身を生ずるの根本と作す。然(しか)るに丁火は權を司(つかさど)り、金は火に抵(あた)えず。又(ま)た何ぞ能く癸水を滋养せん。だから宜しく比肩・劫財を見て來て身を幇けて火を分かち、辛金はこそ作用を發揮し出すを得。五月の癸水は、庚金・辛金・壬水の三樣を參酌して併用すれば便ちよし。
如庚辛透干,又見壬癸者,定主鍾鼎名家,或有金透,支見申子辰者,亦主金榜掛名,或無水出干,支只一水,雖有庚辛,一富之造,故曰,水源會,富重貴輕,又曰,金水會夏天,富貴永無邊,運行火土地,快樂似神仙。
もし庚辛金は干に透して、また壬水・癸水を見て身を幇けば、必ず鐘鳴鼎食(しょうめいていしょく)の名門を主どる。もし金あって干に透して、地支にまた申子辰を見て水局を會成せば、また金榜に名を掛くを主どる。もし天干に水の出ずるなく、地支にただ一點の水あるのみなれば、たとい庚辛あって源と作すも、またただ一箇の富命なり。だから説く。「水源は會すといえど、富は重くして貴は輕し。」また説く。「金水は夏天に相會すれば、富貴は邊(へり)なし。行運はさらに火土の地に走れば、快樂は神仙に似たり。」
或支成炎局,無壬出干,定主僧道,或二壬一庚同透,衣錦腰金。或一派己土,無甲出制,此作從殺而論,又主大貴,凡從殺者,切不可破格方吉。
もし地支が火局を會成して、而(しか)も壬水の干に出て炎を解するなければ、必ず僧道を主どる。もし兩箇の壬水に一箇の庚金を配して一同に透出せば、則ち衣錦・腰金なり。もし滿盤に己土にして甲木の出て來てそれを制するなければ、日主は恃(たの)むべき根なし。便ち「從殺」を按じて論ず。かえって大貴を主どる。およそ從殺格に入るは、切(せつ)に物の來て格を破るあるべからず。破らざればこそ吉なれ。
六月癸水・未月に生ず
六月癸水,有上下月之分,下半月庚辛有氣,上半月庚辛休囚,凡六癸日,多不驗者,何也,俗士不知此理,因未中有乙巳同宮,破而不破,故癸水不能從殺,所以專用庚辛。
六月の癸水は要して上下半月を分かつ。下半月は庚辛金は漸く氣あり。上半月は庚辛金はなお休囚(きゅうしゅう)に在り。およそ六箇の癸日に生まるるの人は、斷ずるに多く驗(あた)らざるあり。何を以(もっ)てか。俗師はこの道理を明白せず——未中に乙木を蔵して己土と宮を同じくす(原文は「乙巳」と作る)。乙木は能く己土を克す。だから未土のこの七殺は「破りて破らず」なり。癸水は便ち眞に殺に從う能くさず。このゆえになお舊(ふる)く專ら庚辛金を用いて源と作す。
如上半月金神衰弱,火氣炎烈,宜比劫助身,可云富貴,與五月一理,下半月庚辛有氣,即無比劫亦可,又忌丁透,即丁在支亦不吉,其生剋制化,與五月略同。
上半月は金神は衰弱して火氣は炎烈なり。宜しく比肩・劫財あって來て身を幇けて火を分かたば、また以て富貴と稱すべし。道理は五月と一樣なり。下半月は庚辛は氣あり。たとい比劫なきもまた行(ゆ)くべし。この月はまた丁火の透出して金を克するを忌む。たとい丁火はただ地支に在るのみなるも、また吉と為らず。その中の生克制化の道理は、五月と大略同じ。
時日月年:庚癸癸乙,申未未酉。時日月年:丙癸辛己,辰未未未。
以下の二造はなお「時・日・月・年」の順に横列す。第一造。乙酉年・癸未月・癸未日・庚申時——庚金は時干に透してまた申に坐して祿を得、年支の酉金は源と為り、月干の比肩は身を幇く。まさに六月癸水の専ら庚辛を用いるの樣子なり。第二造。己未年・辛未月・癸未日・丙辰時——三未は土重く殺と為り、辛金は干に透して水を生じ、時干の丙火は財と為り、辰庫は水を蓄(たくわ)う。土は重きといえど金水の相生に頼(たの)む。
七月癸水・申月に生ず
七月癸水,正母旺子相之時,癸雖死申,殊不知申中有庚生之,名死處逢生,弱中復強,即運行西北,亦不死也,但庚司令,剛銳極矣,必取丁火為用。
七月は申を建つ。まさに母旺・子相の時候なり。癸水は申位に死すと説くといえど、知らず申中に庚金を蔵して來てそれを生ずるを。これを「死處に生に逢う」と呼ぶ。弱中にまた轉じて強と為る。たとい行運は西北金水の地に走り到るも、また眞に死せず。ただし庚金は司令して、剛銳なること極處に到る。金多ければ則ち水は濁(にご)る。必ず須(すべか)らく丁火を取りて用と為して往きてそれを煆制すべし。
或丁透有甲,名有焰之火,必主科甲,或丁透無甲,又無壬癸,即有一二庚金,亦有生監,有二丁更妙,或金多乏丁制者,貧困之人。
もし丁火透出して柱中に甲木あってそれを引けば、「焰あるの火」と呼ぶ。必ず科甲を主どる。もし丁火は透して甲木なく、また壬癸水の來てそれを奪うなければ、たといただ一兩箇の庚金あるのみなるも、また生員・監生の分(ぶん)あり。能く兩箇の丁火あればさらに妙なり。もし金多くして丁火のそれを制するを缺けば、母は多くして子は病む。便ち貧困の人なり。
或一丁坐午,名獨才格,主金玉滿堂,富中取貴,若在未戌,則是常人,或柱見二戌二未,又得丙丁藏支,干見甲出,無水,亦作富貴而推。
もし一箇の丁火あって午上に坐せば、火は祿根ありて獨用す。「獨財格(どくざいかく)」と呼ぶ。金玉は堂に滿つるを主どり、能く富の中より貴を取る。もしこの丁火はただ未あるいは戌上に坐せば、根氣は單薄(たんぼ)なり。便ちただ常人なり。もし柱中に兩箇の戌・兩箇の未を見て、また丙丁火を得て支中に蔵し、天干にさらに甲木あって出て來て土を疏して、而(しか)も水の來て混雜するなければ、また富貴を按じて推す。
時日月年:甲癸戊丁,寅卯申酉。時日月年:乙癸庚戊,卯未申午。時日月年:辛癸丙辛,酉酉申酉。
以下の三造はなお「時・日・月・年」の順に横列す。第一造。丁酉年・戊申月・癸卯日・甲寅時——年干の丁火は財と為り、時干の甲木は丁を引き、寅卯の木はまさにこの點の火焰の柴薪なり。「丁透して甲あり」の説に合す。第二造。戊午年・庚申月・癸未日・乙卯時——午中の丁火は用と為り、庚金は司令して水を生じ、乙木は火を引き、年干の戊土は殺と為る。第三造。辛酉年・丙申月・癸酉日・辛酉時——三酉一申は、金は多く水は濁(にご)りて獨り丙火の干に透するあり。金は多くして火を以て金を制するの一路に屬す。
八月癸水・酉月に生ず
八月癸水,辛金虛靈,非頑金可比,正金白水清,故取辛金為用,丙火佐之,名水暖金溫,如丙與辛隔位同透,主科甲功名,或丙透辛藏,一榜之士,或土多克水,生意中心,八月癸水,丙辛怕用。
八月は酉を建つ。辛金は虛靈・秀氣にして、頑鈍の金の比すべきにあらず。まさに「金白水清」の時節なり。だから辛金を取りて用と為し、丙火を輔佐と作す。「水暖金温(すいだんきんおん)」と呼ぶ。もし丙火と辛金と位を隔てて同時に透出せば——位を隔たれば則ち相合せず、兩者は各々その用を盡(つ)くす——科甲の功名を主どる。もし丙火は透して辛金は蔵するは、一榜に中(あた)るの士なり。もし土多くして來て水を克せば、この人は便ちただ生意の場中に在りて經營す。要するに八月の癸水は、丙火・辛金を併用す(原文の「怕用」は當に「并用」と為すべし)。
時日月年:丙癸乙庚,辰亥酉寅。時日月年:癸癸丁辛,亥巳酉酉。
以下の二造はなお「時・日・月・年」の順に横列す。第一造。庚寅年・乙酉月・癸亥日・丙辰時——時干の丙火は照らし暖め、年干の庚金は水の源を發し、日主は亥に坐して祿を得。まさに「水暖金温」の配法なり。第二造。辛酉年・丁酉月・癸巳日・癸亥時——兩酉は水を生じて月干の丁火は辛を克す。比肩は身を幇くるも、配合は上の造の清きに及ばず。
九月癸水・戌月に生ず
九月癸水,失令無根,戊土司權,剋制太過,專用辛金發水之源,要比肩滋甲制戊方妙。或辛甲兩透,支見子癸,定主平步青雲,或癸甲兩透,富貴成名,或有甲辛無癸者,亦有恩封,或有甲癸無辛者,富大貴小,有甲無癸辛者,常人,二者俱無,貧賤之格。
九月は戌を建つ。癸水は令を失いて根なし。戊土は權を司(つかさど)り、克制は太過なり。だから專ら辛金を用いて水を發するの源と作す。還(ま)た須(すべか)らく比肩あって來て甲木を滋养して、さらに甲木よりして往きて戊土を制せしめば、こそ妙と算(かぞ)うべし。もし辛金・甲木の兩透にして、地支にまた子水を見、天干にまた癸水を見て身を幇けば、必ず青雲を平步す。もし癸水・甲木の兩透せば、富貴にして名を成す。甲木・辛金ありて癸水なきは、また恩封あり。甲木・癸水ありて辛金なきは、富は大にして貴は小なり。ただ甲木ありて癸辛ともになきは、常人なり。甲・辛の兩樣ともに無きは、貧賤の格なり。
或有甲見壬者,頗許衣衿。九月癸水,辛甲並用。
もし甲木あって土を疏し、また壬水を見て身を幇けば、また頗(すこぶ)る能く一領の衣衿を彼に許すべし。要するに九月の癸水は、辛金と甲木とを併用す。辛金はその源を補い、甲木はその病を去る。
時日月年:甲癸丙癸,寅卯戌亥。時日月年:癸癸庚壬,亥丑戌辰。
以下の二造はなお「時・日・月・年」の順に横列す。第一造。癸亥年・丙戌月・癸卯日・甲寅時——甲木は時干に透して戌土を疏き開き、年干の癸水は比肩にして相助け、月干の丙火は局を暖む。まさに「比肩は甲を滋して戊を制す」の意に合す。第二造。壬辰年・庚戌月・癸丑日・癸亥時——庚金は干に透して水の源を發し、壬癸は比劫にして身を幇く。惜しむ所は甲木の來てあの兩重の厚土を疏するなきなり。
十月癸水・亥月に生ず
十月癸水,旺中有弱,何也,因亥搖木,洩散元神,宜用庚辛為妙,得庚辛兩透,不見丁傷者,功名有準。
十月は亥を建つ。癸水は旺を當たるといえど、卻(かえっ)て旺中に弱を帶(たい)す。何を以(もっ)てか。亥中に甲木を蔵し、木は來て搖動して、癸水の元神を泄らし散(ち)らすがゆえに。だから宜しく庚辛金を以て妙と為す——一面は木を制し、一面は水を生ず。庚辛の兩透を得て丁火の來てそれらを克傷するを見ざれば、功名は準あり。
或支成木局,有丁出干,為木旺火相,制住庚辛不生水,必主清寒,或成木局,干見丙丁,異路之榮。或一派壬水,不見戊制,名冬水汪洋,奔波到老,若得戊透,清貴堪誇。或一派庚辛,得丁出制,主名利雙全,若不見丁,又主貧薄。或四柱火多,名才多身弱,富屋貧人。
もし地支が木局を會成し、また丁火あって干に出ずれば、木は旺にして火は相(ほう)す。火は庚辛を制し住(とど)めて、金は便ち水を生ずる能くさず。必ず清寒を主どる。もし同じく木局を成して、而(しか)も天干に見ゆるは丙丁の財星の地を得たるなれば、則ち異路の榮顯を主どる。もし滿盤に壬水にして戊土のそれを制するを見ざれば、「冬水汪洋(とうすいおうよう)」と呼ぶ。一生は奔波して老に至る。もし戊土を得て透出して堤を築けば、便ち清貴にして誇るべし。もし滿盤に庚辛金あれば、金は多く水は濁(にご)る。丁火を得て干に出て金を制するは、名利雙全を主どる。もし丁火を見ざれば、また貧薄を主どる。もし四柱に火多ければ、「財多身弱」と呼ぶ。これは好い房子に住まるの窮人なり。
時日月年:癸癸癸癸,亥丑亥卯。時日月年:壬癸辛壬,子亥亥申。
以下の二造はなお「時・日・月・年」の順に横列す。第一造。癸卯年・癸亥月・癸丑日・癸亥時——四癸は並透し、兩亥は祿と為る。まさに「冬水汪洋」の樣子なり。ただ丑中の己土の略(ほんのすこ)し堤防と作すに頼(たの)む。第二造。壬申年・辛亥月・癸亥日・壬子時——滿盤に金水にして、辛金は干に透して水を生じて制すべき戊土なし。水勢はさらに旺なり。これもまた冬水汪洋の一類なり。
十一月癸水・子月に生ず
十一月癸水,值冰凍之時,金水無交歡之象,專用丙火解凍,庶不致成冰,又要辛金滋扶,無丙有辛,不妙,凡冬季癸水,有丙透解凍,則金溫水暖,兩兩相生,要不見壬透,自然登科及第,紫誥金章。
十一月は子を建つ。まさに冰凍の時に當たり、金と水とは倶(とも)に凍り住(とど)めらる。さらに相生・交歓の氣象なし。だから專ら丙火を用いて凍を解き、こそ堅冰を結ぶに至らざらん。同時に還(ま)た辛金の滋养・扶助するを要す。もしただ辛金ありて丙火なきは、妙と為らず。およそ冬季の癸水は、ただ丙火の透出して凍を解くあらば、金は便ち温く水は便ち暖く、兩下は相生す。さらに要して壬水の透出して來て光を奪い寒を添うるを見ざらば、自然として科に登り第に及して、紫誥・金章の榮を享く。
或一派壬水,無丙出干,寒困之士,一派癸水,孤賤之流,或支成水局,得丙火重出干者,又主蟒袍玉帶之榮。或支成金局,丙火無蹤者,芒鞋革履之流。如辛年,丙月,癸日,有火者,主恩榮寵錫,繞膝芝蘭,無火者,損資得貴,位重當朝。
もし滿盤に壬水にして丙火の干に出ずるなければ、これは寒苦・困頓の士なり。滿盤に癸水なるは、孤苦・低賤の流なり。もし地支が水局を會成して、而(しか)も丙火の重重に干に出でて凍を解くを得れば、また蟒袍・玉帶(まんぽうぎょくたい)の榮顯を主どる。もし地支が金局を會成し、丙火は全く蹤影なければ、金寒水冷。ただ草鞋・皮履を穿ちて奔走するの人なり。譬(たと)えば辛年・丙月・癸日のごときの配置の、柱中に火あるは、恩榮の賞賜を受くを主どり、兒孫は堂に滿ちて芝蘭の膝を繞(めぐ)らすが如し。火なきは、則ち須(すべか)らく資を捐(す)て粟を納めてこそ貴を得。倒(とう)ってまた能く位は當朝に重きなり。
或一派戊己,名殺重身輕,非貧即夭。用火者,木妻火子,用辛者,土妻金子。
もし滿盤に戊己土あれば、「殺重身輕」と呼ぶ。寒土は水を凍らして生機なし。貧寒ならざれば則ち夭亡なり。火を取りて用と為すは、木を以て妻星と為し、火を以て子星と為す。辛金を取りて用と為すは、土を以て妻星と為し、金を以て子星と為す。
