十干に物の色を射る法
甲青,乙碧,丙赤,丁紫,戊黃,己紅,庚白,辛縹,壬黑,癸綠。剛日視日上,柔日視辰上,陽辰則視陽干之色,陰辰則從陰干之色,兼以四時五行為斷,旺從本色,相從子色,死從妻色,囚從鬼色,休從母色。
十天干に按じて物の顔色を断ず。甲是れ青色、乙是れ碧色、丙是れ赤色、丁是れ紫色、戊是れ黄色、己是れ紅色、庚是れ白色、辛是れ淺青色(縹)、壬是れ黑色、癸是れ綠色。陽日は日干の上を看、陰日は日支の上を看。陽支に落つれば便ち陽干の色を取り、陰支に落つれば便ち陰干の色を取る。再び四時五行に配合して定む。当旺なれば便ち本色を用い、相気は「子」の顔色を用い(我の生ずる所)、死気は「妻」の顔色を用い(我の克する所)、囚気は「鬼」の顔色を用い(我を克する者)、休気は「母」の顔色を用い(我を生ずる者)。
総論、活套の法
凡用神旺,主圓軟,相主方嫩,死主僵直,囚主細碎,休主輕缺,長生新小,沐浴滑澤,冠帶色枯,臨官新壯,帝旺近貴爭用物,自衰至養皆廢棄舊物。
射覆の通融活法。凡そ用神が当旺なれば、物是れ円にして軟らかし。相気なれば、物是れ方にして嫩し。死気なれば、物是れ僵硬して挺直す。囚気なれば、物是れ細碎す。休気なれば、物是れ軽薄にして缺有り。再び長生十二位に按じて看る。「長生」是れ又新しく又小さし。「沐浴」是れ光滑潤沢す。「冠帯」是れ顔色枯暗す。「臨官」是れ又新しく又壮実す。「帝旺」是れ貴人の身辺にて争い用うるの東西。「衰」より下りて一直に「養」に到るまで、みな是れ廃棄の旧物。
罡加孟,物在右手,加仲季,物在左手。年為萬,月為千,日為百,辰為十,時為零,錢一為一,人十為一。獸八為一,獸八為一,禽五為一,旺數倍,相數因,囚數乘,休本數,死無氣及空亡減半,孤空十減三。
「天罡」(辰)が四孟に加われば、東西は右手の裏に在り。四仲・四季に加われば、東西は左手の裏に在り。数目の位数、年は万位と為し、月は千位と為し、日は百位と為し、日支は十位と為し、時は個位と為す。折算の之法、銭は一をもって一と為し、人は十をもって一と為し、獣は八をもって一と為し(底本は此の句重出す、照録して改めず)、禽は五をもって一と為す。再び気に按じて増減す。旺気は加倍し、相気は本数に按じて之に因り、囚気は相乗し、休気は本数を用い、死気無気および空亡に落つるは減半し、「孤」「空」は則ち十をもって三を減ず。
覆を射る物の類
以月將加正時,於方位上傳成四課,天官為體段,月將為物類,人元定顏色,方位驗其真偽,尤當變通言之。五行、十干分配顏色已引於上。
射覆に物類を断ずるの総法、月将を把えて正時の上に加え、方位に按じて四課を排成す。天将は物の形体格局を定め、月将は物の種類を定め、人元(遁干)は顔色を定め、方位は断ずる所の真不真を験証するに用う——尤も随机に変通するを要し、死執する可からず。五行和十天干の配する所の顔色は、上文に已に列べ過ぎたり。
五行の主る所
水主柔軟細碎之物,當旺亦為水類。詩:平生柔軟賴梳頭,冗雜紛紛不肯休。恰待修為清淨節,倏然功相一時休。火主其物有花紋,經手火氣,其形尖峭也。詩:溫柔性格有文花,生長炎炎富貴家。誤落貧寒禁不得,英雄端的向誰誇?
五行は各々什麼の物を主る。水、柔軟細碎の物を主る。当旺の時はも亦水の一類を主る。詩の中に它の一生柔軟にして全く梳理に靠り、紛紛雑雑として停歇を肯んぜずと説く。正に清浄の操守を修成せんと想うに、忽然の間に功業形貌は又一時に消歇す——こ説く是れ絲縷梳篦の類の柔軟細物。火、花紋有り・火気の加工を経たるの東西を主り、形状は尖鋭峭拔す。詩の中に它の性格温柔にして花紋を帯び、炎熱の富貴人家に生長すと説く。一旦誤りて貧寒の処に落つれば便ち受け住む能わず、縦い是れ英雄も又能く誰に向かい誇耀せん——説く是れ火を経て成りしの錦繍尖鋭の物。
木主其物柔長,或竟是木類。詩:本來形貌自柔綿,矯糅辰為意惘然?異日功成長幾許?昂昂端不負蒼天。金主其物堅剛,亦是方物。詩:頭角崢嶸得自由,須妝體態性風流。莫將方正終身恃,若遇紅光一旦休。
木、柔軟細長の物を主り、あるいは干脆と是れ木料の一類。詩の中に它の本來形貌柔軟綿長にして、人に揉曲矯直せらるる時心意怅然たりと説く。他日材を成し能く多高く長ぜん。昂然として挺立し総て蒼天に辜負せず——説く是れ柔長にして矯む可きの木。金、堅硬剛強の物を主り、も亦方正の物を主る。詩の中に它の頭角峥嵘・自在無拘にして、須く体态を装飾して始めて風流を顕すと説く。方正に仗って一辈子硬さに到ること莫れ、一旦爐火紅光に遇上せば便ち什麼も畢わる——説く是れ火に遇えば即ち熔けるの方硬金器。
土主變化裝造之物,其形圓如包裹。詩:形體團圓變化妝,層層包裹亦非常。若還參透其中意,只好呵呵笑一場。
土、変化装造を経たるの東西を主り、形状は円円として像是れ包裹し起こしたり。詩の中に它の形体団円にして妆点多変、一層層に包裹し起こして亦尋常ならずと説く。若し能く其中の意思を参透せば、も亦只好として呵呵と一笑するのみ罷り——説く是れ層層に包裹し・円なること団球の如きの物。
十二長生の主る所
旺藏袖中之物,當從本屬斷之。詩:形體周全氣象新,成材何用掌中珍?東君收拾身無恙,莫向人前亂惹塵。相主懷中之物,從子屬斷之。如水生木,木乃水之子也。詩:器具修來形貌方,生從水土近山岡。主人少失些兒意,漫向人前說短長。
長生十二位に按じて物を断ず。「旺」、袖子の裏に蔵るの東西を主り、便ち用神本身の五行の属類に按じて断ず。詩の中に它の形体周全・気象斬新にして、既に材を成せば何をか須いん再び掌中の珍宝と作さん、主人がそれを収拾妥当せば便ち安然恙無く、人前に在りて乱りに塵埃を惹ること莫れと説く。「相」、懐裏に揣るの東西を主り、用神の生ずる所の「子」属に按じて断ず——譬えば水が木を生ずれば、木は便ち是れ水の子。詩の中にこ件の器具は做り成して形貌方正、水土の間より生じ・山岡に靠近すと説く。主人がそれに対し稍も意に称わざる有れば、便ち随口に人前に於て長を説き短を道す。
休主藏置之物,從母色斷。如金生水,金乃水之母也。詩:捫形已覺身如削,惆悵王孫後乖約。首尾狼籍已不堪,誰人肯與平復藥?囚亦藏置之物,從妻屬斷。如水克火,火乃水之妻也。詩:此物從來本自稀,積積塊壘自相依。只因頑鈍如銅鐵,久在人前說是非。
「休」、も亦収蔵し起こしたるの東西を主り、我を生ずるの「母」色に按じて断ず——譬えば金が水を生ずれば、金は便ち是れ水の母。詩の中に摸上去すれば只だ形体の削痩せられたるが如きを覚え、惆怅としてあの位の公子は後来約を失せりと説く。首尾狼藉して已に様子を成さず、誰か肯えてそれに一服の復元の薬を与えん。「囚」、同じく収蔵の物を主り、我が克する所の「妻」属に按じて断ず——譬えば水が火を克せば、火は便ち是れ水の妻。詩の中にこ東西は向來本就として稀少にして、一塊塊に堆積して彼此依靠すと説く。只だそれの頑鈍なること銅鐡の一般なるに因り、長く人前に擺して是非を引出す。
天官月将の主る所
天官與月將相剋,藏細之物必是形狀空虛,其中多有損壞。行藏坦坦腹中虛,年貌虺羸就似蕪。莫到偽枯人不取,也曾終日伴侏儒。
天将と月将とが相克する時、蔵せらるる所は細小の物、形状必定空虚、裏面は多半破損有り。詩の中に它の行止坦然として腹中空虚、形貌瘦弱して荒蕪の野草の如しと説く。それの枯朽虚假にして人の要る無しと説くこと莫れ、それも亦曽て整天矮小の人に陪伴せり——説く是れ中空にして損し易きの細小器物。
月将の加臨する方位の主る所
子午占,遇子卯午酉相臨,多是可食之物。子午主斜頭,有孔竅。詩:不扁不方又不圓,慝慝側側易中難。休將頭面人前去,孔竅叢叢不忍看。卯酉占,遇太沖,謂之木鄉臨仲,歲置之物,多是果食。亦主團圓,口有損傷。詩:生意真從樹上來,味中清馥最為魁。食餘留得些兒種,好向園林取次栽。
月将の加臨する方位に按じて物を断ず。子午の方位に占し、子・卯・午・酉の相加臨に遇えば、多半是喫する可きの東西。子・午は頭部の歪斜・孔窍有るを主る。詩の中に它の扁ならず方ならず亦円ならず、歪歪斜斜として看て手に上ること易くして難しと説く。こ副の頭臉を人前に拿到するを拿ること莫れ、孔窍は密密麻麻として人をして看るに忍びざらしむ——卯酉の方位に占し、「太冲」(卯)に遇えば、これを木郷の四仲に加臨すると叫び、是れ一年の中に儲存するの東西、多半是果品。も亦形状団円にして口部に損傷有るを主る。詩の中に它の生機は真に是れ樹の上より来り、味道の裏のあの股の清香は最も上乘なりと説く。喫し畢りて些かの種子を留め、正好して園林の裏に到りて依次に栽種せん。
寅申遇寅申,其物四角,亦是尋常,所有必是貴人手中來也。詩:四角方方縞素身,不論高下總相親,而今體骨如柴瘦,盡為多情亂識人。巳亥占遇巳亥,其物不完,多手足,必自私心乞索中來也。詩:手足叢叢有許多,不圓不扁任推呵。休將氣局歸無用,好向闈中戰睡魔。
寅申の方位に占し、寅・申に遇えば、こ東西は四個の角有り、も亦甚だ尋常、必定是れ貴人の手裏より来る。詩の中に它の四角方方・通体素白にして、対方の高低を論ぜずみな親近を楽意すと説く。如今形骸は痩せて柴の如く、全く是れ多情に因りて乱りに人を識りしなり——説く是れ四方素白の物。巳亥の方位に占し、巳・亥に遇えば、こ東西は残缺不全・手足は甚多く、必定是れ私下の乞討索求に靠りて得來せる。詩の中に它の手足叢生して許多有り、円ならず扁ならず人に任せて推し搓らると説く。こ副の気局を当作して無用とすること莫れ、正好して考場の裏に帯進して睡魔を駆逐せん——説く是れ多足残缺の器。
辰戌占遇辰戌,其物肩皮帶角,或是獄中及刑法印信、鎖鑰等。詩:杳杳從來未可為,嶄然露出更誰推?總教皮骨當身裹,切忌相逢惹是非。丑未占遇丑未,必主其物有眉目文縐。詩:盡力描摩貌不揚,紋紋縐縐卻顛狂。腰中或勾閒文字,漫向人前說短長。
辰戌の方位に占し、辰・戌に遇えば、こ東西は肩上に皮を帯び・身上に角を帯び、あるいは是れ牢獄の中和刑法の用うる所の印信・鎖鑰の類。詩の中に它の幽暗不明にして向來作為有ること難し、一旦崭然として露出するも又誰か来りて挙薦せんと説く。総帰是れ皮骨の身上に裹り、切にそれと相逢して是非を惹出すを忌む。丑未の方位に占し、丑・未に遇えば、こ東西は必定眉有り眼有り・皺褶紋路を帯ぶ。詩の中に力を尽し描摹するも它の相貌は亦出衆せず、一道道の皺紋は反って張狂を顯すと説く。腰間に或いは些かの閑散文字を勾き、随口に人前に於て長を説き短を道す。
月将の主る所
功曹旺臨旺,從本屬木類斷之。詩:身居巖谷有名聲,作用全憑刀斧成。半富半貧人不解,空排四柱說枯榮。又當旺受克,或本課化成金,或將金遇伏,當斷以銅鐵錢物。詩:形色蒼蒼扁且圓,曾將絲縷腹中穿。上清童子君知否,一見交人守不堅。又值休囚,必是近廚所放之物。詩:可堪萬事轉頭空,不見嗇兮不見豐。終日庖丁來使役,盛寒時節暖烘烘。
「功曹」(寅)が旺に当たりまた旺地に加臨せば、便ちそれの本属する木類に按じて断ず。詩の中に它の身は山谷に居りて名声有り、器を成すは全く刀斧の砍削に靠ると説く。半富半貧として旁人は懂らず、白く四柱を排出して它の枯栄を議論す——説く是れ山中の木。若し功曹が旺に当たるも却って克を受け、あるいは本課が金に化成し、あるいは乗る所の金将が伏に遇えば、応に銅鐡銭物と断ずべし。詩の中に它の形色蒼青・又扁く又円く、曽て絲線を用いて腹中より穿過せりと説く。「上清童子」(銅銭の別号)您は可に知るや否や、一に見れば便ち人をして守り住む能わざらしむ——説く是れ銅銭。若し功曹が正值休囚せば、必定是れ厨房の附近に放るの東西。詩の中に万事は頭に到りて終帰空を成し、儉省を看出すも看えず豊足を看出すも看えずと説く。整天厨子に使嗾せられ、天寒地凍の時は倒れて還た暖烘烘なり——説く是れ灶間の用具。
太沖遇相,則為木類。若臨四仲,卻是果品可食。詩:圃內生來體質圓,清香味美自天然。誰知青帝生生意,反作肩斜口有傷。又為絲竹之類,音書之用。詩:朱門錦帳得身遊,功業蕭曹不定休。老邁於今雖莫用,幽闈終日見人羞。又為草箕之類。詩:頭焦髮禿但心存,力盡塵埃不隱淪。記得當年曾貴重,賢人擁抱立柴門。又為竹器或簫笛。詩:當時得意喜填心,一曲君前值萬金。今日不如亭下竹,風來猶得學龍吟。
「太冲」(卯)が相気に遇えば、便ち木類に属す。若し四仲の位に加臨せば、却是れ喫する可きの果品。詩の中に它の園圃の裏に生じ・体态円潤、清香味美して天然に出づと説く。誰か知らん春神の生生不息の本意、到頭來却って成りて肩歪み口傷れしの物と為る——説く是れ園中の果実。太冲は又絲竹の一類を主り、音楽書信の用に供す。詩の中に它は曽て朱門錦帳の間に游走し、功業は蕭何曹參に下らずと説く。如今年邁り已に用無しと雖も、深宮の内に整天人を見るも亦羞慚を覚ゆ——説く是れ絲弦楽器。太冲は又草編簸箕の一類を主る。詩の中に它は頭焦げ髪禿げて還だ一点の心を存し、力気は尽きて塵埃の裏に落つるも亦隠没を肯んぜずと説く。記得せよ当年も亦曽て貴重、賢人に懐裏に抱かれて柴門に立てり——説く是れ簸箕の類。太冲は又竹器あるいは簫笛を主る。詩の中に当時意を得・満心歡喜、君王の面前に一曲は万金に値すと説く。今日反って亭下の竹子に如かず、風の来る時還た能く一声の龍吟を學ぶ——説く是れ簫笛。
天罡值相為土類,乃造化所成,又為磁甕之分。詩:陶冶場中幾度難,而今始得至仙壇。酸鹹諸味皆當過,只是空虛口腹乾。又為藥物,又骨角鹽酒。詩:毛類生從玉版坡,蒼公採取用以過。只因性格剛如鐵,春碾成膏內外科。又為蒲、柳、藤、葵、綿織之器。詩:昔時曾住一邱田,資用千金不記季。半儉半豐從子便,也應終日到華筵。
「天罡」(辰)が相気に遇えば便ち土類に属し、是れ陶冶造化して成る、又瓷器瓮罐に分作す可し。詩の中に它の窑場の裏に幾番の磨難を経て、如今始めて仙壇に擺上することを得と説く。酸鹹の各種の味道はみな盛り過ぎたり、只だ是れ肚裏空空・口腹乾枯す——説く是れ壇罐瓷器。天罡は又薬物を主り、還た骨角鹽酒を主る。詩の中にこ毛類の物は玉版坡の上に生じ、薬を採るの蒼公に採去して用われたりと説く。只だ性子の剛硬なること鐡の如きに因り、春天に膏子に碾成して内外科の用に供す——説く是れ薬材。天罡は又蒲草・柳条・藤・葵葉和綿織の器を主る。詩の中に它は昔日曽て一片の田地の上に長じ、用度千金も亦年月を記えずと説く。或いは儉或いは豊にして人の方便に随い、も亦総て整天華筵に擺上する能くす——説く是れ蒲柳藤葵の編織する物。
太乙旺相近火氣之物,或燒鑄陶冶之器。詩:居近炎炎兩淚垂,終朝煩惱著蒸炊。近來身體猶狼狽,卻要為時不得為。若帶休囚,則為鋼鐵,經火煅成。詩:形圓身著上清裳,貴賤相親愈不忌。文字眼看能幾許,終得開口論九黃。以下又擬:詩:拔宅徙來謂水濱,賢愚不論總相親。只因顏色經人眼,致使王孫逐後塵。
「太乙」(巳)が旺相に当たれば、火気に靠近するの東西を主り、あるいは焼鋳陶冶の成す所の器。詩の中に它の炎熱の処に住して・両行の涙垂れ、整天蒸煮のために煩悩すと説く。近来身子は越発狼狈、作為有らんと想うも做り成す能わず——説く是れ灶上の炊具。若し太乙が休囚を帯びれば、便ち是れ火に煅錬せられて成りしの鋼鐡。詩の中に它の形状渾円・身に「上清」の衣を穿ち、貴賤の人はみな親近を楽意して毫も忌諱せずと説く。眼前のあの点の文字は能く多少有らん、終究口を開きて九黄の数を議論す——説く是れ銅銭鐡器。以下又一首を擬す。詩の中に它の家を挙げて水辺に遷りて居住し、賢きも愚かしもみな一概に親近すと説く。只だ顔色の人の眼に入るに因り、便ち貴公子をも亦その後に追随せしむ——説く是れ人の眼目を招くの物。
勝光旺相,火土之氣凝結而成。詩:貴重將軍籠內收,有時筵席東優遊。樓閣用盡渾無事,只恐收場火蓋頭。又臨仲位而值旺相,為可食之物,或顆粒之餘。詩:碧干青枝葉更蒼,發榮處處競芬芳。而今結果成何用,只好臨風任箕揚。
「勝光」(午)が旺相に当たれば、是れ火土の気の凝結して成るの東西。詩の中に它の貴重なること将軍に籠の中に収められ、時にも筵席の上に悠游すと説く。楼閣の裏に用い尽すも亦什麼の事無し、只だ収場の時に火の頭上より蓋い下り来るを怕る——説く是れ火を経て成りしの貴重器物。勝光が若し四仲の位に加臨して旺相に当たれば、便ち是れ喫する可きの物、あるいは是れ顆粒剩余の類。詩の中に它の碧色の幹・青色の枝・葉子は更に蒼翠、処処に花を開き芳を争い艶を吐くと説く。如今果実を結びて又何の用か有らん、只好して風に臨みて人に任せ簸揚せん——説く是れ穀物顆粒。
小吉旺相,原從土氣所生,其物必是婦人筵會上拿來,或是食殘之物。詩:裸體匆匆入上都,轉為衙內作奚奴。主人退卻嫌生硬,好去暄燃問火廚。以下又擬:詩:紋紋縐縐逞嬌情,運轉全憑土內成。知味迎歡人不舍,愛人不亞孔方兄。
「小吉」(未)が旺相に当たれば、本は土気より生ずる所、こ東西は必定是れ婦人の宴席の上より拿り来りし、あるいは是れ喫し剩下せる。詩の中に它の身を光らして匆匆に都城に進入し、轉眼に衙内に奴僕を当て給いたりと説く。主人が退回して嫌うこと它の太も生硬なるを、只好して暖烘烘の厨房の裏に去りて火を問わん——説く是れ再加工を須とするの食材。以下又一たび一首を擬す。詩の中に它の一道道の皺紋は嬌媚の情態を顯出し、能く今日有るは全く土裏に長成するに靠ると説く。味を知るの人は歡喜を迎えて放下することを捨てず、人に喜愛せらるること孔方兄に亜がず——説く是れ土の中に生ずるの美味。
傳送旺相,主為金銀銅鐵之類,亦主遠路上拿來之物,或貴人,或軍兵,刑法之餘。詩:徵袍藍褸久生塵,不近人君不近神。看透世間興廢事,朱門難當不如貧。以下又擬:詩:來往經營笑語頻,不相親處也相親。佇看才入東鄰富,舍我西鄰卻又貧。
「伝送」(申)が旺相に当たれば、金銀銅鐡の一類を主り、も亦遠路より帯来するの東西を主り、あるいは貴人・軍兵に出づ、あるいは是れ刑具の残余。詩の中にこ件の征袍は破舊して已に久しく・灰塵を積満し、既に君王にも近からず神明にも近からずと説く。世間の興廃の事を看透して、始めて知る朱門は当たること難く・安貧に如かざるを——説く是れ遠行して帯回するの旧物。以下又一首を擬す。詩の中に它の往来経営・笑語断えず、本り相い親しまざるの地方も亦親近に変ずと説く。眼看る纔かに東隣家に進み入れば便ち富み起こり、一たび我が西隣家を離れば又窮す——説く是れ流通の銭財。
從魁旺相,主為金玉銅鐵之物。臨仲,或為飲食之器,更為妝鏡可知之物。詩:軒帝洪爐早煉成,斑痕磨落月輪生。澄澄表裡虛明體,一掛當前邪魅驚。又為珠石錢物,若臨仲位,必是剛氣,或酒食。詩:山川精蘊氣偏榮,合浦曾交為政榮。堪笑家人懷燕石,卻羞趙璧匪連城。
「従魁」(酉)が旺相に当たれば、金玉銅鐡の物を主る。若し四仲に加臨せば、あるいは是れ飲食器皿、更に梳粧に用うるの鏡子と断作す可し。詩の中に它は早く軒轅黄帝の大炉の裏に錬成し、斑痕を磨去れば便ち一輪の明月を現出すと説く。裏外澄澈・通体虚明、一たび面前に挂ければ邪魅はみな驚走す——説く是れ銅鏡。従魁は又珠石銭物を主る。若し四仲の位に加臨せば、必定剛硬の気を帯び、あるいは酒食を主る。詩の中に它は是れ山川精気の藴する所・気象特別興旺、合浦の珠は還た曽て政績美名を成就せりと説く。可笑なるかなあの人家は燕石を宝贝当作して懐揣し、倒れて羞煞せり価値連城の和氏璧——説く是れ珠玉。
河魁旺相,為火土合成之物。詩:體象端由泥土成,曾居窯內費柴薪。邇來得用入珍重,不記從前在水濱。若帶休囚,主為竹木棉帛之物。詩:蒲葵也解歸掌握,絹素本應捐篋中。莫把暗塵浣明月,好驅大暑來消風。
「河魁」(戌)が旺相に当たれば、是れ火土の合成するの東西。詩の中に它の形体は本り泥土より做成し、曽て窑の裏に少なからぬ柴薪を焼掉せりと説く。近来人に器重せられて用場に派せられ、早くも忘れたり従前是れ水辺の泥巴なるを——説く是れ陶瓷器。若し河魁が休囚を帯びれば、竹木綿帛の物を主る。詩の中に蒲葵扇も亦帰入して掌中に在るを懂得し、白絹は本り応に箱箧に収進すべしと説く。暗塵を用いてあの輪の明月を洗うこと莫れ、還た是れ好好として大暑を駆走し・清風を送來せん——説く是れ扇子絹帛。
登明旺相,為細碎柔綿,如絲綿紙料。詩:生長名圓本姓桑,身遇蠶母任顛狂。邇來變化真無比,福將綿綿慶自長。若帶生氣,必是樹木,或園圃中所來之物。詩:春歸閒院綠陰生,極是枝疏未見清。幾度斜易新雨過,鳴蟬聒耳不堪聽。
「登明」(亥)が旺相に当たれば、細碎柔綿の物を主り、絲綿紙料の如し。詩の中に它は名を円と叫ぶの地方に生長し・本姓是れ桑、蚕を養うの婦人に遇い擺布に任ずと説く。近来変化は真に是れ無比、福気は綿綿として延続長久す——説く是れ蚕絲綿紙。若し登明が「生気」を帯びれば、必定是れ樹木、あるいは是れ園圃の裏より来るの東西。詩の中に春帰る時に空院の裏に緑陰を生出し、只だ是れ枝条稀疏にして還だ清幽を看出さずと説く。幾番の斜風新雨の過ぎ後、鳴蝉は耳に聒えて人をして聞き下す能わざらしむ——説く是れ園中の樹木。
神后旺相,為細軟之物,亦主竹木。詩:微渺修長軟且嬌,黑身細體怕風腰。憑人手段難乘器,到底還慶被火燉。又臨於仲位,若帶生氣,其物可食。詩:身在田疇已有時,拾來貧士可充飢。而今有此腌臢病,形體虺羸不可醫。若帶休囚,主為磚瓦銅鐵之屬。詩:可嘆從前未得安,赤身無倚近效原。有時得意翻青眼,便把親朋白眼看。
「神后」(子)が旺相に当たれば、細軟の物を主り、も亦竹木を主る。詩の中に它は細微修長・又軟く又嬌し、黒身細体・腰肢は風を怕ると説く。人の手段に憑るも亦それを大器に做成すること難く、到頭は還た是れ鍋に下りて炖るを要す——説く是れ細軟にして食う可きの物。神后が若し四仲の位に加臨して「生気」を帯びれば、こ東西は喫する可し。詩の中に它は田裏に長じて已に些かの時候有り、拾い回れば窮書生も亦能く飢に充つと説く。如今こ腌臢の毛病を染上げ、形体は瘦弱して医治するの法無し——説く是れ田間の食う可きの物。若し神后が休囚を帯びれば、磚瓦銅鐡の類を主る。詩の中に可嘆なり它の従前一直に安寧を得ず、身を光らして無依無靠に郊原に躺在せしを説く。有る時意を得て起こるも亦青眼を翻出す会し、臉を轉じて便ち白眼を用いて親朋を看待す——説く是れ磚瓦銅鐡。
大吉旺相,為變化妝造之物,其形如包裹,出園林也。或並作土類推之。詩:園林深處是家鄉,今日身輕入大荒。性躁心粗身不檢,被人舞毒每郎當。若見休囚,則為鋼鐵之物。詩:頑梗非鋼秉性堅,寒泉才隔急趨炎。向來槌打方成器,一得人拈卻帶賢。以下又擬:詩:不藉斧斤惟務入,全憑鑽引亦休嫌。鼎新深去無抽拔,革故歸與有鐵鉗。
「大吉」(丑)が旺相に当たれば、変化装造を経たるの東西を主り、形状は包裹の像に似、園林に出づ。も亦并せて土類に按じて推す可し。詩の中に它の家郷は園林の深処に在り、今日は身子軽飄飄として荒野に進入せりと説く。性子急・心思粗・行為不檢点にして、常に人に捉弄擺布せられて狼狈不堪たり——説く是れ園林の所出・包裹して形を成すの物。若し大吉が休囚に逢えば、便ち是れ鋼鐡の物。詩の中に它は頑硬なれども真鋼と算上げる能わず、秉性堅固なりと説く。纔かに寒泉を離れば便ち急ぎて炉火に趨近し、向來錘打を経過して始めて器を成し、一旦人に手裏に拿せられて倒れても亦賢能を顯す——説く是れ鐡器。以下又一たび一首を擬す。詩の中に它は斧頭を靠らず只管裏に向かい鑽り、全く鑽引の力に憑りても亦嫌棄するを必とせずと説く。鼎新の時は深深と進み入りて拔出す能わず、革故の時は帰来して還た鐡鉗に靠るを得——説く是れ釘子の類。
天官の主る所
天乙,土神也。四季旺,夏相,秋休,春死,冬囚,旺相為貴重之物,或自貴人手中來,亦由土氣而成。詩:潤澤光明價若鼎,山輝川媚用心求。漢宮解處因情弊,不遇知音莫相揣。若帶休囚,為剛硬之物,或近神祠佛座之物,亦稟庚辛之氣而成。詩:生來細碎接庚辛,剛硬全憑火煅成。曾向神祠依附坐,而今始近孔方兄。
「天乙」是れ土神、辰戌丑未の四季月に旺に当たり、夏天は相と為し、秋天は休と為し、春天は死と為し、冬天は囚と為す。それが旺相の時は貴重の物を主り、あるいは是れ貴人の手裏より来る、も亦土気より凝成す。詩の中に它は潤沢光明・価値は宝鼎に堪比え、山川はそれに因りて輝きを生じ・心を用いて求むるを要すと説く。漢宮の裏の玉を解するの処も亦曽て人情に因りて弊端を生じ、知音に遇わざれば便ち乱りに猜度する莫れ——説く是れ玉器。天乙が若し休囚を帯びれば、便ち是れ剛硬の物、あるいは是れ神祠佛座の旁の東西、も亦庚辛の金気を禀受して成る。詩の中に它は生まれつき細碎・庚辛の気を承接し、剛硬は全く炉火の煅錬に靠りて成ると説く。曽て神祠の裏に於て佛座に依りて坐り、如今始めて孔方兄に親近し起こす——説く是れ香炉銅器の一類。
螣蛇旺相,遇火氣,其物可食。又臨旺為火土合成之類,非貴也。詩:昔日炎炎火煉成,鴛鴦鳩尾立高明。如今拋棄長街裡,何日良士為我營。若課內帶生氣,必為蠢動之物,而撲取以藏置也。詩:兩手如常把美須,從前鏖戰不曾輸。留侯縱有千般計,真待淮陰為婦除。
「螣蛇」が旺相に当たりて火気に遇えば、覆せらるる所の物は喫する可し。それが若し旺地に加臨せば、便ち是れ火土合成の類、貴重と算上げる能わず。詩の中に它は昔日熊熊の火の中に錬成し、鴛鴦瓦・鳩尾脊を做成して高処に立てりと説く。如今長街の上に抛棄せられ、哪天始めて好工匠の来りて我を収拾する有らん——説く是れ瓦件。若し課の中に「生気」を帯びれば、必定是れ爬る会し動く会しの活物、人に扑住捉え来りて関起こせられし。詩の中に它は両隻の手は照様に漂亮の鬚子を捧持し、従前鏖戦して従来輸したること無しと説く。留侯は縱い千般の計策有るも、還た真に淮陰侯の来りて它のために害を除くを等るを得——説く是れ蟹蝦の一類の鬚有るの活物。
朱雀為火神,夏旺、秋囚、春相、冬死、四季休,若旺相為絲綿文綃之物,或花文之類,經火氣而成,亦窯灶所出之物。詩:眾類隨時色不同,雲霞幻出奪天工。文章今古人相比,只恐將來不令終。又為毛羽紙竹之物。詩:光明翠黛一身輕,作用人將手內擎。千古才名憶諸葛,貔貅百萬指揮中。
「朱雀」是れ火神、夏天に旺に当たり、秋天は囚と為し、春天は相と為し、冬天は死と為し、四季月は休と為す。それが旺相の時は絲綿和花紋有るの薄絹を主り、あるいは花紋を帯ぶの物、是れ火気を経て成りし、も亦窑灶の焼出するの東西を主る。詩の中に各類の物色は時節に随い不同なり、雲霞の変幻する如く天工を奪尽すと説く。文章の美は古今みなそれを拿りて相比す、只だ将来善終を得ざらんことを怕る——説く是れ彩繍錦綃。朱雀は又毛羽紙竹の物を主る。詩の中に它は光亮翠黒・通身軽巧、用うる時は人に手中に擎せられと説く。千古の才名は人をして諸葛亮を想起せしめ、百万の貔貅はみな彼の指揮の中に在り——説く是れ羽扇。
六合木神也,春旺冬理,秋死夏休,四季囚。旺相為竹木盤盒上攜來之物,或是門戶上取下之物,亦為筐籠已壞之物。詩:團圓體象甚於親,生木全憑矯揉為。莫道胸中空落落,用時一飽自巍巍。或帶休囚,主火土之物,亦是草木之灰。詩:濟用誰知不自昌,傍人門戶倚人牆。近來形體如柴瘦,反被兒童削木榔。
「六合」是れ木神、春天に旺に当たり、冬天は相と為す(底本の「冬理」は当に「冬相」と作るべし、照録して改めず)、秋天は死と為し、夏天は休と為し、四季月は囚と為す。それが旺相の時は竹木盤盒を用いて盛り来るの東西を主り、あるいは是れ門戸の上より取下したるの東西、も亦已に破損せるの筐籠を主る。詩の中に它の体态団円にして親人よりも親し、木を生ずるは全く揉曲矯直に靠りて做成すと説く。它の胸中空空蕩蕩たりと説くこと莫れ、用い起こせば装め満満として自ら気派有り——説く是れ竹木盤盒。六合が若し休囚を帯びれば、火土の物を主り、も亦是れ草木の焼成するの灰。詩の中に它は人を済うの用なれども誰か知らん自己は并せて興旺ならざるを、別人の門に傍い・別人の牆に靠ると説く。近来形体は痩せて柴の如く、反って小孩に削成せられて木棒と為る——説く是れ柴薪灰燼。
勾陳土神也,同天乙,旺相為土類,亦主硬物磚石等名。詩:泥土陶成性格堅,堆堆積積滿山川。莫言在世無遭架,入海曾經神將鞭。青龍木神也,同六合,旺相為錢貨鐵木之類,亦擬喜慶中來者。詩:舉世昏昏名利間,方兄氣勢自滔天。只因久貯黃金窟,今日偏能化紫蟬。又:詩:卯酉真形兩配合,剛柔成器任琢磨。邇來變化將成用,不似從前怨斧柯。
「勾陳」是れ土神、四時の旺衰は「天乙」と相同じ。旺相の時は土類を主り、も亦磚石の一類の硬物を主る。詩の中に它は泥土より陶成し・性格堅硬、一満満として山川に堆積すと説く。它の世上に於て架起して用せられざりしと説くこと莫れ、当年海に入りて還た曽て神将に鞭赶せられたり——説く是れ磚石。「青龍」是れ木神、四時の旺衰は「六合」と相同じ。旺相の時は銭貨和鐡木の類を主り、も亦喜慶の場合より来るの東西と断作す可し。詩の中に満世界の人はみな名利の中に昏昏扰扰、孔方兄の気勢は自然滔天たりと説く。只だ久しく黄金窟の裏に蔵在するに因り、今日偏くも能く紫蝉に化作して飛去す——説く是れ銭幣。又一首、詩の中に卯木酉金の両種の真形は相い配合し、剛柔は相い済して器を成し・琢磨に任ずと説く。近来変化して将に用場に派せんとす、従前の如く斧柄を怨恨せざるに似ず——説く是れ木柄鐡器。
天后水神,冬旺秋相,夏囚春休,四季死。旺為水族,或絲竹雜項,自婦女手中所成者。詩:溪邊低首隱形蹤,玉體修長興自濃。待得春雷驚蟄兆,此中自有萬般龍。太陰,金神也,秋旺冬囚,春休夏死,四季相。旺則為堅剛銅鐵之物。詩:歐冶當年獨鑄錘,從來形瘦強安排。庖丁不解誰能使,留與馮諼取次彈。
「天后」是れ水神、冬天に旺に当たり、秋天は相と為し、夏天は囚と為し、春天は休と為し、四季月は死と為す。それが旺相の時は水族を主り、あるいは絲竹雑項、是れ婦女の手中より做成せる。詩の中に它は溪辺に於て頭を低えて形跡を隠去し、玉の如きの身子は修長にして興致正に濃しと説く。春雷驚蟄の時節に等到れば、こ裏面は自ら万千条の龍有り——説く是れ水中の物。「太陰」是れ金神、秋天に旺に当たり、冬天は囚と為し、春天は休と為し、夏天は死と為し、四季月は相と為す。それが旺に当たる時は堅硬剛強の銅鐡の物を主る。詩の中に欧冶子は当年独自に鍛鋳し、它は向來形体瘦長・勉强して安排使用せりと説く。厨子はそれを懂せず・又誰か能くそれを使わん、只好して馮諼に留めて随手に弾唱せん——説く是れ長剣。
又為絲絹,或手帕四方之物。詩:端的平平軟且方。腹中雲雁自成行,推將蜀錦頻珍重。屢向人前斗寵光。又詩:誰道胸中方斛寬,因何形象小團圓。有時舒展高樓上,貴重人家自取看。
「太陰」は又絲絹を主り、あるいは手帕の一類の四方の物。詩の中に它は実実在在平軟にして而且方正、腹中に織出すの雲紋雁陣は自ら行列を成すと説く。蜀錦を挙推出し屢屢珍重し、一次次に人前に於て栄寵光彩を争奪す——説く是れ絲帕錦緞。又一首、詩の中に誰か説く它の胸中は方正寛闊して斛の如く、何ぞ形象は却って小小なる一団円なるやと説く。有る時高楼の上に舒展し開き、貴重人家は自ら取り来りて観看する会し——説く是れ巻起せるの絹帛畫幅。
元武水神,旺相為柔軟之物,亦主紙筆之具,要與天后相稱,更是陰人攜帶之物。詩:身樣輕輕冗更長,蒙恬未遇不為良。有時攢戲憑揮灑,廢棄還應作冢藏。詩:能教音信通千里,解使文章運入邊。惆悵江郎驚夢裡,姻緣自負好文章。
「元武」是れ水神、旺相の時は柔軟の物を主り、も亦紙筆文具を主り、「天后」の取象と相称するを要し、更に是れ婦女の随身に帯ぶの東西を主る。詩の中に它の身形は軽細にして修長、若し是れ蒙恬に遇上せざればも亦好と算うること得ざりしと説く。有る時一処に聚まりて人に任せ揮洒し、廃棄の後は還た応に一座の筆塚に埋成すべし——説く是れ毛筆。又一首、詩の中に它は能く音信をして千里に通達せしめ、能く文章をして辺関に伝送せしむと説く。惆怅なる是れ江淹が夢の裏に於て驚醒せられ、一段の姻縁は満腹の好文章を辜負せり——説く是れ紙牋書信。
太常土神也,同天乙,旺相主物生土中,或食物從婦女手中來。詩:物類端從婦女來,不妨庖內自安懷。還經火氣成時用,莫去匆匆亂照埃。又主絲綿之物。詩:雙股攜來軟且長,人人用汝繫輕狂。有時腐凍還留得,送入他人作豬漿。
「太常」是れ土神、四時の旺衰は「天乙」と相同じ。旺相の時は土裏に長じ出づるの東西を主り、あるいは是れ婦女の手中より送り来るの食物。詩の中にこ東西は端端正正として婦女の手裏より来り、妨げず厨房の裏に於て安心して待在す可しと説く。還た火気を経過して始めて能く可用の物と為る、匆匆忙忙に去りて乱りにあの些の塵埃を照ること莫れ——説く是れ土の中に生ずるの食材。太常は又絲綿の物を主る。詩の中に它は両股合来して又軟く又長く、人人は你を用いて軽狂を系住すと説く。有る時凍壞腐爛するも還た留め、別人に送りて猪を餵るの漿水と作す——説く是れ絲綿繩帯。
白虎金神也,同太陰,旺相為剛硬之物,或銅鐵刀刃之類。若帶休囚之氣,主角骨尾舌。詩:頑鐵人言剛且奇,而今扯得嫩如絲。良工買取妝花樣,且向風前折樹枝。天空土神也,同天乙,旺相亦為土類,或自僧道中來。若帶水火金氣,為爐冶所成之物。詩:一氣呵成體益堅,空空如也出新鮮。雖然不作佳賓用,終日房中不宜閒。又藥物之類。詩:腰細尼姑腹痛忙,紅紅產下幾兒郎。心靈計巧團圓了,更是消災赴道場。
「白虎」是れ金神、四時の旺衰は「太陰」と相同じ。旺相の時は剛硬の物を主り、あるいは銅鐡刀刃の類。若し休囚の気を帯びれば、則ち獣角・骨頭・尾巴・舌頭の一類を主る。詩の中に人はみな説くこ頑鐡は又剛く又奇なり、如今却って抽拉せられて嫩かなること絲線の如しと説く。好工匠は買去して花样を妝点し、暫且風前に拿到して樹枝を折らん——説く是れ鐡絲鐡鈎。「天空」是れ土神、四時の旺衰は「天乙」と相同じ。旺相の時はも亦土類を主り、あるいは是れ僧道の那里より来る。若し水火金の気を帯びれば、便ち是れ炉冶の焼成する物。詩の中に它は一気呵成・形体は愈発堅固、空空蕩蕩なれども却って新鮮を顯すと説く。貴客を招待するに用いずと雖も、却って整天房裏に於て閑く下る能わず——説く是れ陶土の焼成するの日用器皿。天空は又薬物の類を主る。詩の中に腰身細痩の尼姑は忙しく腹痛し、紅紅として好幾個の児郎を産下すと説く。心思は巧みにしてそれらを搓円し、更要して拿去して災を消し道場に赴かん——説く是れ丸薬。
人の身上の衣物を射る
子丑寅卯,此四支屬足,遇一發用,即以此斷。詩:蛟宮織就染血青,不用珠穿步步輕。可愛東廊行雪裡,半彎蟾跡印縱橫。卯酉辰戌,此四支屬於腰膝,遇一亦可類推。詩:滿懷異氣飄飄起,曾向宮中寒月嬌。形象曲彎團數尺,平時最喜沉郎腰。午未巳申,此四支為衣領,更屬網巾等物。詩:功成清品駐蓬山,不在澗兮不在巔。近嶺一彎隨處有,任他名利不相干。
射覆に人の身上の衣物を射る。子・丑・寅・卯のこ四支は脚に属し、只だ一支の発用を作る有れば、便ち脚上の物に按じて断ず。詩の中に它は是れ蛟宮に織成し・深青に染作り、珠を綴るを必とせずとも步步軽盈なりと説く。可愛なり它の東廊の雪地の裏を走り過ぎ、半彎の月牙の般の足印は縦横に印下す——説く是れ鞋襪。卯・酉・辰・戌のこ四支は腰和膝に属し、一支に遇上するも亦こ類に照らして推す。詩の中に它は満懐の異香を飄然として起こし、曽て宮中に於て寒月に対して嬌美せりと説く。形状彎曲・団起せば好幾尺有り、平日裏に最も沈郎の細腰の上に束するを喜ぶ——説く是れ腰帯。午・未・巳・申のこ四支是れ衣領、還た網巾の一類を主る。詩の中に它は功を成すの後に清品に位列し・蓬山に留駐し、既に山澗に在らず亦山巔に在らずと説く。山嶺に靠近するあの一彎は処処にみな有り、名利を任じてそれと毫も相干らず——説く是れ網巾頭巾。
占時の克応
以所用時及初傳神將決之。子為雲雨或鼠燕。丑為牛馬或車蓋。寅為貴人或書吏。卯為風雷或狐兔。辰為微雨或惡人。巳為晴明或赤雲,或緋衣賓客。午為南方絳云,或人乘馬驢及紫衣。未為老人,或人攜酒食,及羔鷹。申為白雲,或白衣人送物。酉主西方有鳥飛過,或白雲,或白衣人送物。戌為胥吏,及驢犬,或爭訟。亥為黑雲,或皂衣人、豬、犬。
眼前に将に什麼の徴兆の応験せんとするかを占うは、取る所の時辰と初伝の神将とを用いて判定す。地支に按じ、「子」は雲雨を主り、あるいは老鼠・燕子を出現す。「丑」は牛馬を主り、あるいは車蓋。「寅」は貴人を主り、あるいは書吏。「卯」は風雷を主り、あるいは狐狸・兎子。「辰」は小雨を主り、あるいは悪人の来る。「巳」は天晴を主り、あるいは紅雲を出現し、あるいは緋色の衣服を穿つるの賓客。「午」は南方に絳紅色の雲有るを主り、あるいは人の馬に騎り驢に騎りて来り、および紫衣を穿つるの人。「未」は老人有るを主り、あるいは人の酒食を帯びて来る、および羔羊・老鷹。「申」は白雲有るを主り、あるいは白衣を穿つるの人の東西を送り来る。「酉」は西方に鳥の飛過するを主り、あるいは白雲有り、あるいは白衣を穿つるの人の東西を送り来る。「戌」は胥吏有るを主り、および驢和狗、あるいは争訟有り。「亥」は黑雲有るを主り、あるいは黑衣を穿つるの人、および猪和狗。
天乙五色云,或貴官,及異服尊長。螣蛇驚怕、憂戚事。朱雀南方鳥鳴,或南方有人將文字來。六合風雷,兼買賣交易,或彩服親朋,及美色婦人。勾陳爭鬥田土事,或褐衣喧譁。青龍人送錢物,或僧道至。天空奴婢持物,或欺詐之事。白虎病人,或喪服人。太常貴官醫儒,或贈酒食。元武黑雲陰雨,或皂衣人,或失物。太陰孝服,或白衣人,或送物。天后微云,或命婦,及異服婦人、僧道。旺相推詳則應,休囚天空空亡皆不應。
再び十二天将に按じ、「天乙」は五色雲を出現するを主り、あるいは貴官および穿著特別の尊長の来る。「螣蛇」は驚吓恐懼・憂愁の事を主る。「朱雀」は南方に鳥の啼叫するを主り、あるいは南方に人の文書を送り来る。「六合」は風雷を起こすを主り、兼ねて買賣交易を主り、あるいは彩衣を穿つるの親友および美貌の婦人の来る。「勾陳」は争闘和田土の事を主り、あるいは褐衣を穿つるの人の喧嘩する。「青龍」は人の銭物を送り来る有るを主り、あるいは僧道の到訪。「天空」は奴婢の東西を拿りて来るを主り、あるいは欺詐の事有り。「白虎」は病人の来るを主り、あるいは孝服を穿つるの人。「太常」は貴官・医生・讀書人の来るを主り、あるいは人の酒食を贈送する。「元武」は黑雲陰雨を主り、あるいは黑衣を穿つるの人の来る、あるいは東西を丢す。「太陰」は孝服の事有るを主り、あるいは白衣を穿つるの人の来る、あるいは人の物を送る。「天后」は天上に薄雲有るを主り、あるいは封誥を受くるの婦人の来る、および穿著特別の婦女和僧道。これらはみな応に旺相の時に細推して始めて応験す。若し休囚し、あるいは「天空」和空亡に遇えば、便ちみな応験せず。
維揚舊本六壬銀河棹真本卷終
揚州の旧本『六壬銀河棹』の真本、全書はここに到りて結束す。
