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五燈會元卷第十

宋 · 普济 · 第67巻 / 144

到琅邪。邪問。埋兵掉鬬。未是作家。匹馬單鎗。便請相見。師指邪曰。將頭不猛。帶累三軍。邪打師一坐具。師亦打邪一坐具。邪接住曰。適來一坐具。是山僧令行。上座一坐具。落在甚麼處。師曰。伏惟尚饗。邪拓開曰。五更侵早起。更有夜行人。師曰。賊過後張弓。邪曰。且坐吃茶。住後。僧問。如何是佛。師曰。黑漆聖僧。曰。如何是佛法大意。師曰。看墻似土色。

琅邪に到る。琅邪が問うた:「兵を埋め斗を掉して、未だ是れ作家に非ず。匹馬單槍、便ち相見せんことを請う。」師は琅邪を指して言った:「將頭猛ならざれば、三軍に帶累す。」琅邪は師に一坐具を打つ。師は亦た琅邪に一坐具を打つ。琅邪は接住して言った:「適來の一坐具は、是れ山僧の令行。上座の一坐具は、何の處に落ちる。」師は言った:「伏して惟れ尚く饗かんことを。」琅邪は拓き開きて言った:「五更侵早に起きて、更に夜行の人有り。」師は言った:「賊過りて後に弓を張る。」琅邪は言った:「且く坐して茶を喫せ。」住持して以後、僧が問うた:「どうして佛ですか。」師は言った:「黑漆の聖僧。」僧は言った:「どうして佛法の大意ですか。」師は言った:「墻を看るに土色に似たり。」

唐州龍潭智圓禪師

唐州龍潭智圓禪師

辭汾陽。陽曰。別無送路。與子一枝拄杖。一條手巾。師曰。手巾和尚受用。拄杖即不消得。陽曰。汝但將去。有用處在。師便収。陽曰。又道不用。師便喝。陽曰。已後不讓臨濟。師曰。正令已行。陽來日送出三門。乃問。汝介山逢尉遲時如何。師曰。一刀兩段。陽曰。彼現那叱。又作麼生。師便拽拄杖。陽喝曰。這回全體分付。住後。僧問。承教有言。是真精進。是名真法。供養如來。如何是真法。師曰。夜聚曉散。問。如何是龍潭劒。師曰。觸不得。曰。用者如何。師曰。白骨連山。問。昔日窮經。今日參禪。此理如何。師曰。兩彩一賽。曰。作麼生領會。師曰。去後不留蹤。曰。如何是佛。師曰。火燒不燃。問。古殿無佛時如何。師曰。三門前合掌。

汾陽を辭す。汾陽は言った:「別に送る路無し、あなたに一枝の拄杖、一條の手巾を與う。」師は言った:「手巾は和尚受用し、拄杖は即ち消し得ず。」汾陽は言った:「あなた但だ將て去れ、用いる處在り。」師は便ち收めた。汾陽は言った:「又た用いずと道う。」師は便ち喝した。汾陽は言った:「後に以て臨濟を讓らず。」師は言った:「正令已に行われり。」汾陽は來日送りて三門を出で、就いて問うた:「あなた介山に尉遲に逢う時はいかに。」師は言った:「一刀兩段。」汾陽は言った:「彼那吒を現ずれば、又た作麼生。」師は便ち拄杖を拽す。汾陽は喝して言った:「此の回は全體分付せん。」住持して以後、僧が問うた:「教有るを承る、是れ真の精進、是れ真法と名づけて、如來を供養す、と。どうして真法ですか。」師は言った:「夜聚まり曉散ず。」問うた:「どうして龍潭の劍ですか。」師は言った:「觸るるを得ず。」僧は言った:「用いる者は如何。」師は言った:「白骨山に連なる。」問うた:「昔日は經を窮め、今日は禪を參ず。此の理は如何。」師は言った:「兩彩一賽。」僧は言った:「作麼生に領會せん。」師は言った:「去りて後蹤を留めず。」僧は言った:「どうして佛ですか。」師は言った:「火燒きて燃えず。」問うた:「古殿佛無き時はいかに。」師は言った:「三門の前に合掌す。」

舒州投子圓修禪師

舒州投子圓修禪師

僧問。達磨未來時如何。師曰。出口入耳。曰。來後如何。師曰。叉手並足。

僧が問うた:「達磨未だ來らざる時はいかに。」師は言った:「口を出でて耳に入る。」僧は言った:「來た後はいかに。」師は言った:「手を叉し足を並ぶ。」

汾州太子院道一禪師

汾州太子院道一禪師

僧問。如何是佛。師曰。賣扇老婆手遮日。問。紅輪未出時如何。師曰。照燭分明。曰。出後如何。師曰。撈天摸地。問。如何是學人親切處。師曰。慈母抱嬰兒。曰。如何是學人轉身處。師曰。街頭巷尾。曰。如何是學人著力處。師曰。千斤擔子兩頭搖。問。古曲無音韻。如何和得齊。師曰。三九二十七。籬頭吹觱栗。曰。宮商角徵非關妙。石人拊掌笑呵呵。師曰。同道方知。

僧が問うた:「どうして佛ですか。」師は言った:「扇を賣る老婆の手日を遮る。」問うた:「紅輪未だ出でざる時はいかに。」師は言った:「照燭分明。」僧は言った:「出でた後はいかに。」師は言った:「天を捞り地を摸す。」問うた:「どうして學人の親切なる處ですか。」師は言った:「慈母嬰兒を抱く。」僧は言った:「どうして學人の轉身する處ですか。」師は言った:「街頭巷尾。」僧は言った:「どうして學人の力を著ける處ですか。」師は言った:「千斤の擔子兩頭搖れる。」問うた:「古曲音韻無し、如何にか和して齊しきを得ん。」師は言った:「三九二十七、籬頭に觱篥を吹く。」僧は言った:「宮商角徵妙に關らず、石人は掌を拊ちて呵呵と笑う。」師は言った:「同道方に知る。」

葉縣省禪師法嗣

葉縣省禪師法嗣

舒州浮山法遠圓鑒禪師

舒州浮山法遠圓鑑禪師

鄭州人也。投三交嵩和尚出家。幼為沙彌。見僧入室請問趙州庭栢因緣。嵩詰其僧。師傍有省。進具後。謁汾陽.葉縣。皆蒙印可。嘗與達觀頴薛大頭七八輩遊蜀。幾遭橫逆。師以智脫之。眾以師曉吏事。故號遠錄公。開堂拈香曰。汝海枯木上生花。別迎春色。僧問。師唱誰家曲。宗風嗣阿誰。師曰。八十翁翁輥繡毬。曰。恁麼則一句迥然開祖胄。三玄戈甲振叢林。師曰。李陵元是漢朝臣。問。如何是佛。師曰。大者如兄。小者如弟。問。如何是祖師西來意。師曰。平地起骨堆。問。祖師門下。壁立千仞。正令當行。十方坐斷。和尚將何表示。師曰。寒貓不捉鼠。曰。莫便是為人處也無。師曰。波斯不繫腰。問。新歲已臨。舊歲何往。師曰。目前無異怪。不用貼鍾馗。曰。畢竟如何。師曰。將謂目前無。僧以手畫曰。爭奈這箇何。師便打。師與王質待制論道。畫一圓相。問曰。一不得匹馬單鎗。二不得衣錦還鄉。鵲不得喜。鴉不得殃。速道。速道王罔措。師曰。勘破了也。上堂。更莫論古話今。祇據目前事與你諸人定奪區分。僧便問。如何是目前事。師曰。鼻孔。曰。如何是向上事。師曰。眼睛。歐陽文忠公聞師奇逸。造其室。未有以異之。與客碁。師坐其旁。文忠遽收局。請因碁說法。師即令撾鼓陞座。曰。若論此事。如兩家著碁相似。何謂也。敵手知音。當機不讓。若是綴五饒三。又通一路始得。有一般底。祇解閉門作活。不會奪角沖關。硬節與虎口齊彰。局破後徒勞綽斡。所以道。肥邊易得。瘦肚難求。思行則往往失粘。心麤而時時頭撞。休誇國手。謾說神仙。贏局輸籌即不問。且道黑白未分時。一著落在甚麼處。良久曰。從來十九路。迷悟幾多人。文忠嘉歎。從容謂同僚曰。脩初疑禪語為虗誕。今日見此老機緣。所得所造。非悟明於心地。安能有此妙旨哉。上堂。天得一以清。地得一以寧。

鄭州の人。三交嵩和尚に投じて出家す。幼くして沙彌と爲り、僧の入室して趙州庭柏の因緣を請問するを見る。嵩は那の僧を詰問し、師は傍に在りて省有り。具に進んで後、汾陽、葉縣を謁し、皆な印可を蒙る。曾て達觀穎、薛大頭七八輩と蜀を遊び、幾ど橫逆に遭わんとす、師は智謀を以て彼らを脫せしむ。衆人は師が吏事を曉るを因りて、故に遠錄公と號す。開堂香を拈じて言った:「汝海枯木の上に花を生じ、別に春色を迎えん。」僧が問うた:「師は誰家の曲を唱え、宗風は阿誰に嗣ぐ。」師は言った:「八十の翁翁は繡毬を滾す。」僧は言った:「そうすれば一句迥然として祖胄を開き、三玄の戈甲は叢林に振う。」師は言った:「李陵元是れ漢朝の臣。」問うた:「どうして佛ですか。」師は言った:「大なるは兄の如く、小なるは弟の如し。」問うた:「どうして祖師西來の意ですか。」師は言った:「平地に骨堆を起こす。」問うた:「祖師門下、壁立千仞。正令當に行われ、十方坐斷す。和尚は何を將て表示せん。」師は言った:「寒猫は鼠を捉えず。」僧は言った:「莫れ便ち是れ人を爲す處か無しや。」師は言った:「波斯は腰を繫がず。」問うた:「新歲已に臨み、舊歲何に往く。」師は言った:「目前に異怪無し、鍾馗を貼るを用いず。」僧は言った:「畢竟に如何。」師は言った:「將に謂う目前無しと。」僧は手を以て畫きて、言った:「爭奈此箇何。」師は便ち打った。師は王質待制と道を論じ、一の圓相を畫きて、問うた:「一、匹馬單槍を得ず。二、錦を衣て鄉に還るを得ず。鵲は喜を得ず、鴉は殃を得ず。速に道え、速に道え。」王は茫然として措く所無し。師は言った:「勘破せり。」上堂:「更に古を論じ今を話すを莫れ、只だ目前の事に據りてあなたがた諸人と定奪區分せん。」僧は便ち問うた:「どうして目前の事ですか。」師は言った:「鼻孔。」僧は言った:「どうして向上の事ですか。」師は言った:「眼睛。」歐陽文忠公は師の奇逸を聞きて、其の室に造るも、未だ以て異とする有らず。客と棋を下す、師は傍に坐す。文忠忽ち局を收めて、棋に就いて法を説かんことを請う。師は即ち鼓を擊ち座に升らしめて、言った:「若し此の事を論ずれば、兩家の棋を著くるに相似たり。何を謂う也。敵手知音、機に當たりて讓らず。若し是れ五を綴り三を饒かば、又た一路を通ずるを得ん。一般の有りて、只だ門を閉じて活を作すを解し、角を奪い關を衝くを會せず。硬節は虎口と齊しく彰れ、局破れて後徒らに綽斡を勞す。所以に道う、肥邊は得易く、瘦肚は求め難し。思行すれば則ち往々粘を失い、心粗くして時々頭撞す。國手を誇るを休め、神仙を説くを謾れ。局を贏ち籌を輸すは即ち問わず。且く道え黑白未だ分かたざる時、一著は何の處に落ちる。」久しく過ぎて言った:「從來十九路、迷悟幾多の人。」文忠は嘉嘆し、從容として同僚に對して言った:「修初め禪語を疑いて虛誕と爲せり。今日此の老の機緣を見るに、得る所造る所は、心地に悟り明らかならずんば、怎んぞ能く此の妙旨有らん哉。」上堂:「天は一を得て以て淸く、地は一を得て以て寧か、」

君王得一以治天下。衲僧得一。禍患臨身。擊禪床。下座。上堂。諸佛出世。建立化門。不離三身智眼。亦如摩醯首羅三目。何故。一隻水洩不通。緇素難辯。一隻大地全開。十方通暢。一隻高低一顧。萬類齊瞻。雖然若是。本分衲僧陌路相逢。別具通天正眼始得。所以道。三世諸佛不知有。狸奴白牯卻知有。且道狸奴白牯知有箇甚麼事。要會麼。深秋簾幙千家雨。落日樓臺一笛風。師暮年休於會聖嚴。敘佛祖奧義。作九帶曰。佛正法眼帶。佛法藏帶。理貫帶。事貫帶。理事縱橫帶。屈曲垂帶。妙葉兼帶。金針雙鎻帶。平懷常實帶。學者既已傳誦。師曰。若據圓極法門。本具十數。今此九帶。已為諸人說了。更有一帶。還見得麼。若也見得親切分明。卻請出來。對眾說看。說得分明。許汝通前九帶圓明道眼。若見不親切。說不相應。唯依吾語而為已解。則名謗法。諸人到此如何。眾無語。師叱之而去。

(師は続けて言った:)「君王は一を得て以て天下を治む。衲僧は一を得れば、禍患身に臨む。」禪床を擊ちて、座を下りた。上堂:「諸佛世に出でて、化門を建立して、三身智眼を離れず、亦た摩醯首羅の三目の如し。何故。一隻は水泄れ通ぜず、緇素辯し難し。一隻は大地全く開き、十方通暢す。一隻は高低を一顧して、萬類齊しく瞻る。然りと雖も是の若しと雖も、本分の衲僧陌路に相逢えば、別に通天の正眼を具えて纔かに得ん。所以に道う、三世の諸佛は有るを知らず、狸奴白牯は却って有るを知る、と。且く道え狸奴白牯は有るを知る箇の何の事か。要に會せんと欲するか。深秋簾幕千家の雨、落日樓臺一笛の風。」師は暮年會聖岩に休みて、佛祖の奧義を敘して、九帶を作り、言った:「佛正法眼帶。佛法藏帶。理貫帶。事貫帶。理事縱橫帶。屈曲垂帶。妙葉兼帶。金針雙鎖帶。平懷常實帶。」學者は既に傳誦すれば、師は言った:「若し圓極の法門に據れば、本より十數を具えり。今此の九帶、已に諸人の爲に説き了れり。更に一帶有り、還た見得るか。若し也た見得ること親切分明なれば、却って出で來りて、衆に對して説き看ることを請う。説きて分明を得れば、あなたに許して前九帶に通じて圓明の道眼を許す。若し見るに親切ならず、説くに相應せず、唯だ吾が語に依りて己解と爲せば、則ち法を謗ると名づく。諸人此に到りて如何。」衆人語無し。師は之を叱りて去った。

汝州寶應院法昭演教禪師

汝州寶應院法昭演教禪師

僧問。一言合道時如何。師曰。七顛八倒。曰。學人禮拜。師曰。教休不肯休。直待雨淋頭。問。大通智勝佛。十劫坐道場。佛法不現前。不得成佛道。為甚麼不得成佛道。師曰。赤腳騎鐵驢。直至海南居。上堂。十二時中。許你一時絕學。即是學佛法。不見阿難多聞第一。卻被迦葉擯出。不得結集。方知聰明博學。記持憶想。向外馳求。與靈覺心轉沒交涉。五蘊殻中透脫不過。順情生喜。違情生怒。蓋覆深厚。自纏自縛。無有解脫。流浪生死。六根為患。眾苦所逼。無自由分。而被妄心於中主宰。大丈夫兒早搆取好。喝一喝。曰。參。上堂。寶應門風險。入者喪全身。作麼生是出身一句。若道不得。三十年後。

僧が問うた:「一言道に合する時はいかに。」師は言った:「七顛八倒。」僧は言った:「學人礼拜す。」師は言った:「休めと教うるも休するを肯ぜず、直に雨の頭を淋るを待つ。」問うた:「大通智勝佛、十劫道場に坐し、佛法現前せず、佛道を成することを得ず。何の故に佛道を成することを得ざる。」師は言った:「赤脚鐵驢に騎りて、直に海南に至り居る。」上堂:「十二時中、あなたに許して一時に學を絶つは、即ち是れ佛法を學ぶ。見ずや阿難多聞第一、却って迦葉に擯出されて、結集するを得ず。方に知る聰明博學、記持憶想して、外に向かって馳求するは、靈覺心と轉もて交涉無し。五蘊殼中透脫過ぎず、情に順えば喜を生じ、情に違えば怒を生じ、蓋覆深厚にして、自ら纏い自ら縛りて、解脱有ること無し。生死を流浪して、六根患と爲り、衆苦の逼る所、自由の分無くして、妄心に被りて中に主宰せらる。大丈夫兒早く構取せ好し。」一喝して、言った:「參。」上堂:「寶應の門風險し、入る者は全身を喪う。作麼生が是れ身を出だすの一句。若し道うことを得ざれば、三十年後。」

唐州大乘山慧果禪師

唐州大乘山慧果禪師

僧問。如何是從上來傳底意。師曰。金盤拓出眾人看。問。撥塵見佛時如何。師曰。撥塵即乖。見佛即錯。曰。總不如是時如何。師曰。錯。問。如何是道。師曰。寬處寬。窄處窄。曰。如何是道中人。師曰。苦處苦。樂處樂。曰。道與道中人相去多少。師曰。十萬八千。問。如何是祖師西來意。師曰。天晴日出。曰。學人不會。師曰。雨下泥生。

僧が問うた:「どうして上より來り傳うの意ですか。」師は言った:「金盤拓き出だして衆人に看せしむ。」問うた:「塵を撥きて佛を見る時はいかに。」師は言った:「塵を撥けば即ち乖れ、佛を見れば即ち錯。」僧は言った:「總て是の如くならざる時はいかに。」師は言った:「錯。」問うた:「どうして道ですか。」師は言った:「寬き處は寬く、窄き處は窄し。」僧は言った:「どうして道中の人ですか。」師は言った:「苦しき處は苦しく、樂しき處は樂し。」僧は言った:「道と道中の人と相去ること多少。」師は言った:「十萬八千。」問うた:「どうして祖師西來の意ですか。」師は言った:「天晴れて日出づ。」僧は言った:「學人會せず。」師は言った:「雨下りて泥生ず。」

神鼎諲禪師法嗣

神鼎諲禪師法嗣

荊南府開聖寶情山主

荊南府開聖寶情山主

僧問。如何是開聖境。師曰。三烏引路。曰。如何是境中人。師曰。二虎巡山。

僧が問うた:「どうして開聖の境ですか。」師は言った:「三烏路を引く。」僧は言った:「どうして境中の人ですか。」師は言った:「二虎山を巡る。」

天台山妙智寺光雲禪師

天臺山妙智寺光雲禪師

僧問。如何是祖師西來意。師曰。東籬黃菊。曰。意旨如何。師曰。九日重陽。

僧が問うた:「どうして祖師西來の意ですか。」師は言った:「東籬の黃菊。」僧は言った:「意旨は如何。」師は言った:「九日重陽。」

谷隱聰禪師法嗣

谷隱聰禪師法嗣

潤州金山曇穎達觀禪師

潤州金山曇穎達觀禪師

首謁大陽玄禪師。遂問。洞山特設偏正君臣。意明何事。陽曰。父母未生時事。師曰。如何體會。陽曰。夜半正明。天曉不露。師罔然。遂謁谷隱。舉前話。隱曰。大陽不道不是。祇是口門窄。滿口說未盡。老僧即不然。師問。如何是父母未生時事。隱曰。糞墼子。師曰。如何是夜半正明。天曉不露。隱曰。牡丹花下睡貓兒。師愈疑駭。一日普請。隱問。今日運薪邪。師曰。然。隱曰。雲門問。僧人般柴柴般人。如何會。師無對。隱曰。此事如人學書。點畫可効者工。否者拙。葢未能忘法耳。當筆忘手。手忘心。乃可也。師於是默契。良久曰。如石頭雲。執事元是迷。契理亦非悟。隱曰。汝以為藥語。為病語。師曰。是藥語。隱呵曰。汝以病為藥。又安可哉。師曰。事如函得葢。理如箭直鋒妙。寧有加者。而猶以為病。實未喻旨。隱曰。妙至是。亦祇名理事。祖師意旨。智識所不能到。矧事理能盡乎。故世尊雲。理障礙正見知。事障續諸生死。師恍如夢覺。曰。如何受用。隱曰。語不離窠臼。安能出葢纏。師歎曰。才涉唇吻。便落意思。盡是死門。終非活路。住後。示眾曰。才涉唇吻。便落意思。盡是死門。俱非活路。直饒透脫。猶在沉淪。莫教孤負平生。虗度此世。要得不孤負平生麼。拈拄杖卓一下。曰。須是莫被拄杖瞞始得。看看拄杖子。穿過你諸人髑髏。𨁝跳入你鼻孔裡去也。又卓一下。僧問。經文最初兩字是甚麼字。師曰。以字。曰。有甚麼交涉。師曰。八字。曰。好賺人。師曰。謗此經。故獲罪如是。問。一百二十斤鐵枷。教阿誰擔。師曰。老僧。曰。自作自受。師曰。苦。苦。問。和尚還曾念佛也無。師曰。不曾念佛。曰。為甚麼不念佛。師曰。怕汙人口。上堂。眾集定。首座出禮拜。師曰。好好問著。座低頭。問話次。師曰。今日不答話。便歸方丈。上堂。山僧門庭別。已改諸方轍。

起初大陽玄禪師を謁し、就いて問うた:「洞山特に偏正君臣を設く、意は何の事を明らむ。」大陽は言った:「父母未生時の事。」師は言った:「如何にか體會せん。」大陽は言った:「夜半正明、天曉露われず。」師は惘然とす。そこで谷隱を謁し、前話を擧ぐ。谷隱は言った:「大陽が道いざるは是れに非ず、只だ是れ口門窄く、滿口に説くも未だ盡きざる。老僧は即ち然らず。」師は問うた:「どうして父母未生時の事ですか。」谷隱は言った:「糞墼子。」師は言った:「どうして夜半正明、天曉露われずですか。」谷隱は言った:「牡丹花下に睡る猫兒。」師は愈々疑駭す。一天普請、谷隱が問うた:「今日薪を運ぶか。」師は言った:「是。」谷隱は言った:「雲門が僧に問う、人柴を搬ずるか、柴人を搬ずるか、如何にか會せん。」師は對無し。谷隱は言った:「此の事は人の書を學ぶが如し、點畫は效可きの工、否可きの拙、蓋し未だ法を忘るる能わざるのみ。筆に當たりて手を忘れ、手は心を忘れて、纔かに可なり。」師は是に於て默契せり。久しく過ぎて言った:「石頭説くが如く、事を執るは元是れ迷、理に契くも亦た悟に非ず、と。」谷隱は言った:「あなたは以て藥語と爲すか、病語と爲すか。」師は言った:「是れ藥語。」谷隱は呵斥して言った:「あなた病を以て藥と爲す、又た何を以て可とせん。」師は言った:「事は函得蓋の如く、理は箭直鋒妙の如し、寧んぞ加ふる者有らん、而れども猶お以て病と爲す、實に未だ旨を喻さず。」谷隱は言った:「妙此の地步に到るも、也只だ理事と名づく。祖師の意旨は、智識の到る能う所に非ず、況んや事理は能く盡さんや。所以に世尊説く、理は正知見を障礙し、事障は諸の生死を續く、と。」師は恍として夢覺めの如し、言った:「如何にか受用せん。」谷隱は言った:「語窠臼を離れず、怎んぞ能く蓋纏を出でん。」師は嘆じて言った:「纔かに唇吻に渉れば、便ち意思に落つ。盡く是れ死門、終に活路に非ず。」住持して以後、衆に示して言った:「纔かに唇吻に渉れば、便ち意思に落つ。盡く是れ死門、俱に活路に非ず。直に饒く透脫すとも、猶お沈淪に在り。平生を孤負し、此の世を虛度することを教うるな。平生を孤負せざるを得んと要するか。」拄杖を拈じて一卓して、言った:「須く是れ拄杖に瞞せられざるを得ん。看看拄杖子、あなたがた諸人の髑髏を穿ち、跳躍してあなたの鼻孔裏に入り去る也。」又た一卓す。僧が問うた:「經文最初の兩字は是れ何の字。」師は言った:「以の字。」僧は言った:「何の交涉か有る。」師は言った:「八字。」僧は言った:「好く人を賺す。」師は言った:「此の經を謗る、故に罪を獲ること此の如し。」問うた:「一百二十斤の鐵枷、阿誰に教えて担がしむる。」師は言った:「老僧。」僧は言った:「自作自受。」師は言った:「苦、苦。」問うた:「和尚還た曾て佛を念ずるか無しや。」師は言った:「曾て佛を念ぜず。」僧は言った:「何の故に佛を念ぜざる。」師は言った:「人の口を污すを怕る。」上堂、衆集まり定まりて、首座出でて礼拜す。師は言った:「好く問い著けよ。」首座は頭を低くす。話を問う時、師は言った:「今日話に答えず。」便ち方丈に歸った。上堂:「山僧門庭別なり、已に諸方の轍を改む、」

為文殊㧞出眼裡楔。教普賢休嚼口中鐵。勸人放開髂蛇手。與汝斫卻繫驢橛。駐意擬思量。喝曰。揑揑參。上堂。山僧平生。意好相撲。祇是無人搭對。今日且共首座搭對。捲起袈裟。下座索首座相撲。座才出。師曰。平地上吃交。便歸方丈。上堂。三世諸佛是奴婢。一大藏教是涕唾。良久曰。且道三世諸佛是誰奴婢。乃將拂子畫一畫曰。三世諸佛過這邊。且道一大藏教是誰涕唾。師乃自唾一唾。上堂。秤錘井底忽然浮。老鼠多年變作牛。慧空見了拍手笑。三腳猢猻差異猴。上堂。五千教典。諸佛常談。八萬塵勞。眾生妙用。猶未是金剛眼睛在。如何是金剛眼睛。良久曰。瞎。上堂。大眾集定。有僧才出禮拜。師曰。欲識佛性義。當觀時節因緣。僧便問。如何是時節因緣。師便下座。問。如何是向去底人。師曰。從歸青嶂裡。不出白雲來。曰。如何是卻來底人。師曰。自從遊紫陌。誰肯隱青山。問。如何是奪人不奪境。師曰。家裡已無回日信。路邊空有望鄉牌。曰。如何是奪境不奪人。師曰。滄海盡教枯到底。青山直得碾為塵。曰。如何是人境兩俱奪。師曰。天地尚空秦日月。山河不見漢君臣。曰。如何是人境俱不奪。師曰。鶯囀千林華滿地。客遊三月草侵天。問。如何是和尚家風。師曰。伸手不見掌。曰。忽遇仙陀客來。又作麼生。師曰。對面千里。問。師唱誰家曲。宗風嗣阿誰。師曰。臨濟。曰。恁麼則谷隱的子也。師曰。德山。問。如何是長法身。師曰。拄杖六尺。曰。如何是短法身。師曰。筭子三寸。曰。恁麼則法身有二也。師曰。更有方圓在。上堂。諸方鉤又曲。餌又香。奔湊猶如蜂抱王。因聖這裡。鉤又直。餌又無。猶如水底捺葫蘆。舉拄杖作釣魚勢。曰。深水取魚長信命。不曾將酒祭江神。擲拄杖。下座。

(師は続けて言った:)「文殊の爲に眼裏の楔を拔出し、普賢をして口中の鐵を嚼むを休めしむ。人を勸めて髂蛇の手を放ち開き、あなたと繫驢の橛を斫却せん。意を駐めて思量せんと擬す——」喝して言った:「捏捏參。」上堂:「山僧平生、意は相撲を好む、只だ是れ搭對する人無し。今日且く首座と共に搭對せん。」袈裟を卷起し、座を下りて首座と相撲せんと與す。首座纔かに出づれば、師は言った:「平地に交を喫す。」便ち方丈に歸った。上堂:「三世の諸佛は是れ奴婢、一大藏教は是れ涕唾。」久しく過ぎて言った:「且く道え三世の諸佛は是れ誰の奴婢。」就ち拂子を把りて一畫して、言った:「三世の諸佛此邊を過す。且く道え一大藏教は是れ誰の涕唾。」師は是に於て自ら一唾した。上堂:「秤錘井底に忽ち浮び、老鼠多年牛と變作す。慧空見て手を拍ちて笑う、三脚の猢猻は猴に差異り。」上堂:「五千の教典、諸佛の常談。八萬の塵勞、衆生の妙用。猶お未だ是れ金剛の眼睛在らず。如何なれば金剛の眼睛。」久しく過ぎて言った:「瞎。」上堂、大衆集まり定まりて、僧有りて纔かに出でて礼拜す。師は言った:「佛性の義を識らんと欲せば、當に時節因緣を觀るべし。」便ち座を下りた。問うた:「どうして向かって去るの人ですか。」師は言った:「歸りて靑嶂裏に從り、白雲より出でず來らず。」僧は言った:「どうして却って來るの人ですか。」師は言った:「自より紫陌を遊びて、誰か肯んて青山に隱れん。」問うた:「どうして人を奪いて境を奪わざるですか。」師は言った:「家裏已に回日の信無く、路邊空しく望鄕の牌有り。」僧は言った:「どうして境を奪いて人を奪わざるですか。」師は言った:「滄海盡く敎えて底まで枯れ、靑山直に得て塵と爲るまで碾く。」僧は言った:「どうして人境兩俱に奪うですか。」師は言った:「天地尚お秦の日月を空しゅうし、山河漢の君臣を見ず。」僧は言った:「どうして人境俱に奪わざるですか。」師は言った:「鶯囀ずれば千林に花滿地、客遊ぶれば三月に草天を侵す。」問うた:「どうして和尚の家風ですか。」師は言った:「手を伸べて掌を見ず。」僧は言った:「忽ち仙陀客來たらば、又た作麼生。」師は言った:「對面千里。」問うた:「師は誰家の曲を唱え、宗風は阿誰に嗣ぐ。」師は言った:「臨濟。」僧は言った:「そうすれば谷隱の子也。」師は言った:「德山。」問うた:「どうして長き法身ですか。」師は言った:「拄杖六尺。」僧は言った:「どうして短き法身ですか。」師は言った:「算子三寸。」僧は言った:「そうすれば法身に二有る也。」師は言った:「更に方圓在り。」上堂:「諸方は鉤又た曲がり、餌又た香し、奔湊すること猶お蜂の王を抱くが如し。因聖此の裏、鉤又た直く、餌又た無し、猶お水底に葫蘆を捺するが如し。」拄杖を擧げて釣魚の勢を作して、言った:「深水に魚を取りて長く命を信じ、曾て酒を將て江神に祭らず。」拄杖を擲ちて、座を下りた。

蘇州洞庭翠峰慧月禪師

蘇州洞庭翠峰慧月禪師

僧問。一花開五葉。結果自然成時如何。師曰。脫卻籠頭。卸卻角䭾。曰。拶出虗空去。處處盡聞香。師曰。雲愁聞鬼哭。雪壓髑髏吟。問。和尚未見谷隱時一句作麼生道。師曰。步步登山遠。曰。見後如何。師曰。驅驅信馬蹄。

僧が問うた:「一花開きて五葉、果を結びて自然に成する時はいかに。」師は言った:「籠頭を脫却し、角馱を卸却す。」僧は言った:「虛空を拶出して去れば、處處盡く香を聞く。」師は言った:「雲愁えて鬼哭を聞き、雪壓せば髑髏吟ず。」問うた:「和尚未だ谷隱を見ざる時の一句は作麼生に道う。」師は言った:「步步山に登りて遠し。」僧は言った:「見た後はいかに。」師は言った:「驅驅として馬蹄に信を任す。」

明州仗錫山修己禪師

明州仗錫山修己禪師

與浮山遠公遊。嘗卓庵廬山佛手巖。後至四明山心。獨居十餘載。虎豹為隣。嘗曰。羊腸鳥道無人到。寂寞雲中一箇人。爾後道俗聞風而至。遂成禪林。僧問。如何是無縫塔。師曰。四稜著地。曰。如何是塔中人。師曰。高枕無憂。問。如何是祖師西來意。師曰。舶船過海。赤腳回鄉。

浮山遠公と遊ぶ。曾て廬山佛手岩に庵を卓す。後に四明山心に到りて、獨居すること十餘年、虎豹と鄰と爲す。曾て言った:「羊腸鳥道人の到る無し、寂寞として雲中に一箇の人。」此より道俗は風を聞きて至りて、是に於て禪林と成れり。僧が問うた:「どうして無縫塔ですか。」師は言った:「四棱地に著く。」僧は言った:「どうして塔中の人ですか。」師は言った:「高枕して憂無し。」問うた:「どうして祖師西來の意ですか。」師は言った:「舶船海を過り、赤脚鄕に回る。」

唐州大乘山德遵禪師

唐州大乘山德遵禪師

問谷隱曰。古人索火。意旨如何。曰。任他滅。師曰。滅後如何。曰。初三十一。師曰。恁麼則好時節也。曰。汝見甚麼道理。師曰。今日一場困。隱便打。師乃有頌曰。索火之機實快哉。藏鋒妙用少人猜。要會我師親的旨。紅爐火盡不添柴。僧問。世界圓融一句。請師道。師曰。團團七尺餘。問。如何是祖師西來意。師曰。鼻大眼深。上堂。上來又不問。下去又不疑。不知是不是。是即也大奇。便下座。

谷隱に問うた:「古人が火を索めし意旨は如何。」谷隱は言った:「他の滅するに任す。」師は言った:「滅した後はいかに。」谷隱は言った:「初三十一。」師は言った:「そうすれば好時節也。」谷隱は言った:「あなた何の道理を見る。」師は言った:「今日一場の困。」谷隱は便ち打った。師は是に於て頌有りて言った:「火を索むの機實に快なる哉、鋒を藏め妙用は人少なく猜す。我師親的の旨を會せんと要せば、紅爐火盡きて柴を添えず。」僧が問うた:「世界圓融の一句、師に道うことを請う。」師は言った:「團團七尺餘。」問うた:「どうして祖師西來の意ですか。」師は言った:「鼻大に眼深し。」上堂:「上來して又た問わず、下去して又た疑わず。知らず是か非か、是なれば即ち也た大いに奇なり。」便ち座を下りた。

荊南府竹園法顯禪師

荊南府竹園法顯禪師

僧問。如何是佛。師曰。好手畫不成。問。如何是道。師曰。交橫十字。曰。如何是道中人。師曰。往往不相識。

僧が問うた:「どうして佛ですか。」師は言った:「好き手も畫き成さず。」問うた:「どうして道ですか。」師は言った:「十字に交橫す。」僧は言った:「どうして道中の人ですか。」師は言った:「往往相識らず。」

彭州永福院延照禪師

彭州永福院延照禪師

僧問。如何是彭州境。師曰。人馬合雜。僧以手作拽弓勢。師拈棒。僧擬議。師便打。

僧が問うた:「どうして彭州の境ですか。」師は言った:「人馬合雜す。」僧は手を用いて弓を拽ぐ勢を作す。師は棒を拈じた。僧は擬議すれば、師は便ち打った。

安吉州景清院居素禪師

安吉州景淸院居素禪師

僧問。即此見聞非見聞。為甚麼法身有三種病。二種光。師曰。填凹就缺。問。承和尚有言。寰中天子勑。塞外將軍令。如何是塞外將軍令。師曰。揭。曰。其中事如何。師曰。蹴。曰。莫便是和尚為人處也無。師彈指一下。問。遠遠投師。乞師一接。師曰。新羅人打鼓。曰。如何領會。師曰。舶主未曾逢。問。如何是末上一句。師曰。金剛樹下。曰。如何是末後一句。師曰。拘屍城邊。曰。向上更有事也無。師曰。有。曰。如何是向上事。師曰。波旬拊掌呵呵笑。迦葉頭擡不識人。

僧が問うた:「即ち此の見聞見聞に非ず、何の故に法身に三種の病、二種の光有る。」師は言った:「凹を塡め缺に就く。」問うた:「和尚に言有るを承る、寰中の天子敕、塞外の將軍令、と。どうして塞外の將軍令ですか。」師は言った:「揭。」僧は言った:「其の中の事は如何。」師は言った:「蹴。」僧は言った:「莫れ便ち是れ和尚の人を爲す處か無しや。」師は指を一彈した。問うた:「遙々師に投ず、師に一接を乞う。」師は言った:「新羅人鼓を打つ。」僧は言った:「如何に領會せん。」師は言った:「舶主曾て逢わず。」問うた:「どうして末上の一句ですか。」師は言った:「金剛樹の下。」僧は言った:「どうして末後の一句ですか。」師は言った:「拘尸城の邊。」僧は言った:「向上更に事有るか無しや。」師は言った:「有り。」僧は言った:「どうして向上の事ですか。」師は言った:「波旬は掌を拊ちて呵呵と笑い、迦葉は頭を抬げて人を識らず。」

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